この素晴らしい学校生活に祝福を! (ピカしば)
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朝の準備
文字数は少なめ。
「……先輩!」
「うっ……うーん…」
……誰だろう、女の人の声だ
「先輩!起きて下さいよ!!」
そう言って、そいつは俺の体を揺らしてくる。
昨日はネットゲームを夜遅くまでやっていたので、勘弁して欲しい……
「後、一時間だけ……」
「そんなに待っていたら学校に遅刻してしまいます!」
体を揺らされているせいか頭がグラグラする、
「学校には頭痛で休むって伝えといてくれよ母さん」
「ッッ!」
そんな俺の願いも虚しく、
「ふんっっ!!!」
「ぐばふっ!!!」
理不尽な暴力によって俺の大切な睡眠時間は奪われた。
「ったく、あんな起こし方する事はないだろ…」
「佐藤先輩が中々起きようとしないからですよ、」
今も痛むほっぺを擦りながら学校の制服に着替える為に服を脱いでいく、まさか朝っぱらから顔面に拳を食らわせられるとは思わなかった。
「お前はもう少し女の子らしさというか、おしとやかさみたいなものを身につけた方が良いと思うぞ…」
「先輩はもう少し羞恥心と言うものを持った方が良いと思います、女の子の前で当たり前の様に服を脱いでいくとは一体どんな神経をしているんですか」
そんな彼女の言葉は気にもとめず、俺はサクサクと着替えを進めていく。
「女の子として見られたければ、もう少しおしとやかに振る舞う事だな、この前も下級生をボコボコにしてたって聞いたぞ……」
「あれは私に舐めた口を聞いてきたアイツらが悪いのですよ、それより着替えが終わったのなら下に降りますよ、お母さんが待ってます。」
「しょうがねえな…」
「あら和真、起きてきたのね。お弁当はテーブルに置いてあるから忘れずに持って行きなさいよ、朝ごはんもテーブルの上よ」
「おう、母さんありがとう!」
そう言いって、俺はテーブルへと向かう。
テーブルの上には綺麗に並べられた二人分の朝ごはんと二人分の弁当があった。
「本当に先輩のお母さんは出来たお母さんですよね、うちとは大違いです。」
「あらあら、ありがとうめぐみんちゃん!毎日和真を起こしに来てくれてるお礼よ、しっかり食べてね」
「ありがとうございます!!」
この変な名前をした少女、めぐみんは俺の後輩である。彼女の実家は酷く貧乏だそうで、毎日のご飯すらまともに出てこないという。
朝ごはんとお昼の弁当を食べたいめぐみんと、俺を起こして学校に行かせたい俺の母さんが協力関係を結んでしまい、今の状況に至る。
「はぁ……」
「どうしたんですか先輩?そんなに大きなため息ついて、運が無くなりますよ。」
ため息の原因がそんな事を言ってくる。
「なんでこんな事になっちまったのかって思ってるんだよ」
母さんはめぐみんの事をかなり気に入ってしまい、めぐみんも朝ごはんとお弁当目当てでやってきて俺を起こしに来る。
はっきり言って逃げ道が存在しない、拷問である。
「多分それは佐藤先輩が朝にきちんと起きないからでは?」
「ぐっ…」
そうやって正論を突き付けられると返す言葉が無い。
確かに俺が毎朝ちゃんと起きていれば、こんなおかしな事にはなっていないわけで……
「あんまりモタモタ食べていると本当に間に合わなくなりますよ。朝礼のチャイムは待ってくれませんし。」
「分かってるから急かすな、まったく」
俺が色々と考えている間に朝ごはんを食べ終わっていためぐみんに急かされ、俺はパンを牛乳で流し込む。
「ふう…じゃあそろそろ行くか」
朝ごはんを食べ終わり、学校のバッグに弁当箱を雑に押し込む。
「それじゃあ行ってくるよ母さん!」
「いってらっしゃい和真、めぐみんちゃん」
めぐみんは母さんにぺこりと頭を下げて、俺と一緒に家を出た───
めぐみんは高1、カズマは高3の設定
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