バカとテストと親愛なる隣人 (ブルーホワイト)
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プロローグ

どうもブルーホワイトです。今回の作品はバカテスとスパイダーマンが合うんじゃないかと思い衝動書きしてみた物で楽しんで頂けると幸いです。なお今作の明久は、日本史と世界史の他に科学が得意になっています。


「ねえ〜ムッツリーニ、カメラ係変わってよ〜」

 

「・・・・俺に虫を撮る趣味は無い」

 

「僕にだってそんな趣味ないよ!」

 

何故こんな会話をしているかと言うと、科学大学に着いてからカメラ係は誰がするかといつものメンバー(僕、雄二、ムッツリーニ、秀吉、姫路さん、美波)で話し合ったところ秀吉と姫路さん以外の全員が僕を指名したからである。僕がカメラを撮るのがヘタだと知ってる癖になんて奴らだろう!

 

「ムッツリーニは僕より写真撮るの上手いでしょ」

 

「・・・・確かに」

 

「じゃあムッツリーニがカメラ係で…」

 

「・・・・嫌だ」

 

「そこをなんとか〜!」

 

「おい!貴様らうるさいぞ、説明をしっかりきかんか!」

 

そしてこの会話を止めに入ったのが鉄人こと西村先生である。ちなみに何故この先生のあだ名が鉄人なのかと言うと、その理由の一つに彼の趣味がトライアスロンであるということがある。しかも日本記録と対して変わらないとか………。

 

 

「すいません。鉄……西村先生」

 

「吉井、今鉄人と言いかけなかったか?」

 

「いえそんな単語発してすらいません」

 

「ならいいが説明はしっかり聞くようにな」

 

「分かりました。はぁー」

そして生徒の後ろに再び戻って行く鉄人ではなく西村先生

「どんまいだ明久。」

 

そして横から僕の悪友である坂本雄二が声を掛けてくる。雄二は昔、「神童」と呼ばれていた時期があったらしけど今はなんでなのか悪鬼羅刹なんて二つ名で不良から呼ばれてるんだ。基本的に雄二は興味の無い事にはとことん無気力で、基本的には己の欲望や保身といった目的でしか行動しないが、やる気を出した時にはかつて「神童」と呼ばれた頭脳の冴えを見せて試験召喚戦争ではFクラスを勝利に導くんだ。

 

「誰のせいだと思ってるんだよ!」

 

「悪かったよ、じゃあこのコーナーの説明が終わったらカメラ係変わってやる」

 

「本当‼︎約束だからね」

 

そんな事を言ってみるも正直どこまで雄二を信じていいか分からないなにせこの男は他人の不幸を喜ぶような奴である。僕も人の事は言えないけどね。

 

「えっと…ここはクモの遺伝子研究をする場所みたいだね」

 

「相変わらず科学には詳しいのじゃな明久」

 

後ろから僕の友人の一人である木下秀吉が顔を出す。秀吉はれっきとした男子なんだけど、そのかわいらしい容貌と小柄で華奢な体格から「稀代の美少女」と称されて最近では男女を超えた「第三の性別・秀吉」として扱われらようになってきている。

 

「そりゃあそうだよなんたって僕の得意な科目は科学だからね!」

 

僕は自慢げにそう言う。僕は科学だけならAクラスにだって負ける気がしないほど科学の成績が良いんだ。なんたってこの前Aクラス代表で雄二の彼女?の霧島翔子さんに科学のテストの点数で勝ったからね

 

「はいはいアキの科学自慢はいいからほら説明始まるわよ」

 

そして横から話しかけて来たのがドイツ育ちの帰国子女で僕の友人の一人の島田美波だ。美波は女性にあるべきとある部分ががとても小さいがその事を言おうとしたら最後彼女の得意技であるプロレスが炸裂するので絶対に言わないようにしている。性格はとても短気で怒りっぽいのであまり逆らいたくない相手なんだ。

 

『この世界には約3万2千種以上のクモが存在しておりそのクモ全てが真正クモ目で3亜目に分かれています』

 

この科学大学の責任者である女性がこの研究所で研究しているクモの話を始める。

 

「うわぁー、見てよムッツリーニ東海岸で一番進んでる電子顕微鏡だよあれ!」

 

「・・・・あの電子顕微鏡の機能をカメラに付けられたら」

 

「何考えてるんだよムッツリーニ」

 

僕は悪友の一人であるムッツリーニにこと土屋康太とクモの説明を聞きながら電子顕微鏡の話をしていた。ちなみになぜ彼がムッツリーニと呼ばれているのかと言うと、並外れたスケベ心を持ち、本心に実直な行動を取るが、それを絶対に認めないことから「ムッツリーニ(寡黙なる性識者)」と呼ばれている。

 

『例えばアシダカグモ科のデレーナグモは獲物に素早いスピードで飛びつき捕獲する事ができ、バナナスパイダーは自分の173倍の重さの物を軽々と持ち上げる事ができます。タナグモ科のクサグモはあまりにも鋭敏な反射神経で獲物を捕らえるので予知能力があるのではないか?と信じる学者も少なくありません』

 

責任者の女性はクモの種類やそのクモが持っている能力を細かく丁寧に僕たちに説明してくれた。

 

「予知能力ね〜そんなのあると思う姫路さん」

 

「にわかには信じられませんがもしかしたら本当に予知能力があるかもしれませんね」

 

僕の質問に横から答えてくれたのはFクラスが誇る美少女、姫路瑞希さんである、彼女は本当はAクラスに行けるぐらい勉強が出来るんだけど熱を出したせいでテストを受けられなくなり0点扱いでFクラスにいるんだ。そして性格は美波と正反対で穏やかで純粋、かつ品行方正で女性のとある部分がとても大きい。

 

「まあ僕たちにはあまり関係ない事だよね」

 

そう言いつつも僕はしっかりカメラを撮るを忘れない、なるべくいい写真撮らないと雄二たちにあとで何て言われるかわかったもんじゃない。

 

「そうですね…私たちはクモではありませんし本当にそんな物があるのか私たちには分かりませんし」

 

『それではこれから本題に入ります。我々はその3亜目全ての遺伝子情報を備えた特殊なスーパースパイダーを5匹創り出すことに成功したのです。」

 

そう言ってガラスの箱に指を指す女性、そこには独特な赤と青の色が混じったような色をしたクモがいたのだ。しかしそこで僕は気付く責任者の女の人は5匹のクモを作り出したと言ったしかしガラスの箱には4匹しかクモがいなかったので僕は質問する。

 

「あのすいませんガラスの箱に4匹しかいませんよ」

 

『あー…きっと誰かが実験で使っているんでしょう」

 

僕はそんな少し困ったように返事をする責任者の女性に違和感を覚えたが、説明が終わり少し自由見学をする事になった僕たちは一旦解散してあとで集まるようにした。

 

「良しこれくらい写真を取ればみんなも満足するはずだ!」

僕はみんなと離れた後この研究所の資料や大量のクモの写真をカメラで撮り終えた。これで他のみんなも文句はいえないだろう。

 

「あれ?吉井君?」

 

「き、木下さん‼︎」

 

僕は後ろから急に声を掛けられたことに慌てらが、後ろを振り返ってもっと慌ててしまった。彼女は木下優子、木下秀吉の姉でありAクラスの中でもとても優秀な優等生として有名な人に話しかけられた事でちょっと慌ててしまった。

 

「どうしたの?そんなにビックリして」

 

「何でもないよ‼︎急に話しかけられたから驚いただけだよ」

 

そして僕はそんな優等生の木下さんを心から尊敬している。そんな優等生の木下さんを僕は好きになってしまった。一目惚れにも近い物があったけど叶わない恋だと僕は思っている。

 

「あの木下さん…写真撮らせて貰ってもいいかな?」

 

「別にいいけど何に使うの?」

 

「いや…レポートに人物の写真があった方が良いと思ってさ」

 

「分かったわじゃあ早速撮りましょう」

 

それから僕は写真を撮り始めた。虫を見ながら説明しているような写真や笑顔で微笑んでいるような写真などを撮らせてもらった。…笑顔で微笑んでいる写真は後で一枚貰って僕の宝ものにしようと思う。

 

「痛っ‼︎」

突然僕の右腕の甲に激痛が走った。反射的に右腕を振り払うと僕の右腕の甲から1匹のクモが落ちる。クモは地面に落ちるとそのままどこかへ行ってしまった。

僕は右腕の甲を確認するとその部分が赤く腫れ上がっていた事からさっきのクモに噛まれたんだろうと確信する。

 

「吉井君‼︎大丈夫?」

 

「大丈夫だよ、木下さんもそろそろグループに戻った方が良いと思うよ自由時間も終わっちゃうしね」

 

「分かったけど本当に大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ、たかがクモに噛まれた程度だよ」

 

そして明久は木下さんと別れた後雄二たちと合流し科学大学の研究所を後にした

その時の僕は気が付かなかったんだ。僕の事を噛んだクモが3亜目全ての遺伝子情報を兼ね備えた特殊なスーパースパイダーである事に。

 

「おい明久大丈夫か?」

 

「うん…大丈夫だと思うよ…」

 

みんなで家に帰っている途中に雄二から僕の体の事を心配される。 大丈夫だと言うが僕の体はさっきから冷や汗が止まらず体全体がなんでなのかとても熱いし意識もだいぶ朦朧として今にも倒れそうだ。

 

「明久よ、お主顔も青く冷や汗がでておるぞ?風邪を引いたのではないか?」

 

「呼吸も荒いし少し熱もありますね。これは家でゆっくり休んだ方が良いと思いますよ」

 

「うん…お言葉に甘えさせていただくよ…」

 

僕は秀吉と姫路さんの言葉に甘えてみんなと別れて一足先に自分の家に帰る事になった。

 

「…ただいま」

 

「おかえりなさいアキくん」

 

僕を家で出迎えてくれたのは僕の姉、吉井玲である。姉さんは容姿鍛錬でスタイルも良く男の人にモテるらしい加えてハーバード大学卒で教師の資格も有している姉さんだけど、常識と羞恥心が著しく欠けている所もあるんだ。そして姉さんは実の弟の僕に対して「異性として愛している」などと危ない事を言ってくるので困るんだ。

そんな姉さんが何故僕の住んでいるマンションにいるかというと僕がどんな生活をしているか調査して僕が1人暮らしを続けて良いのかという調査をするためらしい。

 

「…姉さんちょっと今日は具合が悪くてさベッドで休ませて貰って良い?」

 

「分かりました。ご飯とお風呂はどうしますか?」

 

「…今日はご飯を食べられる気がしないんだ。お風呂は朝にシャワーを浴びるよ…」

 

「アキくん、病院に行った方が良いんじゃないですか?」

 

「いいよ…今日はゆっくり休みたい気分なんだ。おやすみ姉さん…」

 

僕は姉さんに具合の悪いこととご飯とシャワーは要らないこと伝えて、自分の部屋へと向かう。

 

「…暑い…僕一体どうじゃったんだろう?」

僕はそう言いながら上半身の服を全て脱ぎベッドの上に仰向けになった。すると今度はさっきまで暑かった体が突然冷え激しい悪寒に襲われる。

 

「…一体どうなってるんだよ」

 

僕は朦朧とした意識の中で暑かった体が突然冷えた事に違和感を覚えながら悪寒を抑えようと布団を被りそのまま意識を失った。

 

そして僕は夢を見たんだ。その夢の中では僕の体の中に沢山のクモがいてそのクモたちが僕の体の中の遺伝子を組み替えていくそんな夢を見た。




いかがでしたか?スパースパイダーに噛まれた明久はどうなってしまうのかという気になるところで終わってしまいましたがこれからも書いて行くので次回を楽しみにしていて下さい。ご感想お待ちしています。


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第1話 中間テストと報酬

すいません!全く小説をあげらませんでした!スランプに陥っているのかネタが浮かばずに試行錯誤していたら時間が無くなり更に他の小説も作り始めてしまい、余計時間がなくなってしまいました。待ってくれていただいた方々は大変恐縮ですが見て頂けると幸いです。


「うん〜もう朝か」

 

僕は目を覚ます。そして気付いたんだ昨日の寒気や冷や汗が無くなっていることに。

 

「昨日の寒気は一体何だったんだ?」

 

改めて考えてみると昨日の僕の体の状態は明らかにおかしかった。化学大学に行くまではそんな傾向は一切見られなかったのに突然体調が悪くなるなんて。

 

「まあそんなに考えても仕方ないよね。それにもう体はすっかり良くなったし早く学校の準備しないと」

 

難しく考えるのをやめて僕は学園に行く準備をしようとベッドから起き上がる。そして僕は自分がいつも見ている自分の部屋に違和感を覚えた。

 

「あれ…変だな、僕ってそこまで視力は良くないだけどな」

 

僕はそこまで視力は高くない、むしろ一般の人と比べても僕の視力は悪い方だと言える。

 

だけどベッドから起きて部屋を見てみるといつもより鮮明に隅々まで細かく見ることができた。

 

「1日で目が良くなるなんてないありえないだろ」

 

だけど僕はそのことを考える前に自分の体がベトベトだということ気がついた。

 

「昨日の冷や汗のせいか、視力の事はシャワーを浴びてから考えよう」

 

僕は視力の事を考えるの後にしシャワーを浴びることにした。どうやらいつもよりだいぶ早く起きてしまったようで外は今明るくなり始めたようだ。姉さんはまだ寝ているようで起こさないように物音を立てずゆっくりお風呂場に向かった。

 

お風呂場にたどり着いた僕は服を脱いでシャワーを浴びているとお風呂場の鏡に自分の姿が映っていた。しかし僕の体は僕が普段見ている自分の体じゃ無かった。

 

「えっ?ちょっと待ってよ!僕の体ってこんなに筋肉質じゃないよ!」

 

鏡に映っていた僕の体は腹筋が見事に8つに割れており、腕の筋肉もしっかりとついており、足の筋肉も引き締まり運動に適したようになっていた。僕はたしかに運動は得意だけどこんなに筋肉質じゃない筈だ。これじゃあまるで細マッチョじゃないか。

 

「一体僕の体に何が起きたんだ?」

 

「アキくん、朝から大声で叫んでは近所迷惑ですよ」

 

「ね、姉さん⁉︎」

 

僕が自分の体に本当に何が起きたのか真剣に考えているとお風呂場の扉の向こう側から姉さんの声がした。どうやら僕が自分の体の変化に驚いて大きな声を出したから姉さんが起きたのか。

 

「ごめん、ちょっとビックリしちゃってさ」

 

「ビックリって何にですか?」

 

「いや〜その…えっと、あれだよ自分の体の美しさにビックリしちゃってさ‼︎」

 

姉さんに何故ビックリしたのか理由を聞かれたときになんって言えばいいか思い浮かばなくておかしな事を言ってしまった。自分で言った言い訳なのにすごく恥ずかしい。

 

「では私もそのアキくんの体の美しさでビックリしてみましょう」

 

「ちょっと待って!一体何するつもり‼︎」

 

「何ってアキくんの体の美しさを堪能…じゃなく観察しようと思いまして」

 

「ちょっとお風呂場に入って来ないで‼︎姉さん本音漏れてるからちょっと落ち着いて‼︎」

 

姉さんは僕の言い訳を理由にお風呂場に突入しようとして来た。なんとかお風呂場のドアを抑えて姉さんが侵入して来ないようにしながら僕は姉さんの説得を試みる。

 

「大丈夫ですよ。姉弟の関係を深くするだけですから」

 

「絶対に大丈夫じゃないでしょ!誰か〜助けて〜」

 

その後なんとか僕の裸を姉さんに見せる事なく無事に朝を迎え(朝食の間姉さんは僕の事をジト目で見ていたが)学校の準備を終えた僕は家を出て文月学園へと向かった。

 

「はぁ〜今朝は大変だったな〜」

 

実の姉が早朝からお風呂場で襲いかかって来た事により僕は朝から少しテンションが低い、確かに僕の言い訳も悪かったかかもしれないけど襲いかかって来るとは思わなかったよ。

 

「でもそれよりも大事なのは僕の体だよ。一体何でこんな事になったんだろう?」

 

今日、僕の体に様々な変化が起きた。一般の人より悪かった筈の僕の視力はあり得ないぐらい高くなり、体中の筋肉は引き締まってまるで細マッチョと言っても過言ではないくらいになったり。

 

「考えられるとしたらやっぱり昨日科学大学に行った時に僕を噛んだクモか、でもクモに噛まれただけでこんな事に…」

 

「おはようなのじゃ明久、どうしたのじゃ朝から難しい顔などして」

 

僕が考え事をしていると後ろから秀吉が顔を出してくる。

 

「いや…ちょっと考えごとをしててさ」

 

「大丈夫か?悩み事なら相談に乗るぞ」

 

「相談する程の事じゃないから大丈夫だよ」

 

やっぱり秀吉は優しいな…こういう性格が男子に好かれる原因になると思うんだけど、僕の事情で秀吉は巻き込みたくない。

 

「なんでもないよ…それより早く学園に行こう」

 

「分かったが…何かあったら相談してくれの」

 

「分かった、ありがとう秀吉」

 

そんな会話をしながら僕と秀吉は学園に到着し自分たちのクラスであるFクラスに向かった。

 

「おはよう…みんな」

 

「おはようなのじゃ」

 

「よう二人とも珍しく早いな」

 

「おはようアキ、木下」

 

「おはようございます明久くん、木下くん」

 

「・・・・おはよう」

 

僕と秀吉が挨拶をすると…雄二、美波、姫路さん、ムッツリーニの順で挨拶を返してくれた。でもムッツリーニだけは僕たちの方は見ずに片手に双眼鏡、もう片方の手には数取器を持ち窓から何かをじっくり観察していた。

 

「何やってるのムッツリーニ?」

 

「・・・・この学園の女子のバストサイズの集計」

 

「何やってるんだよ」

 

「A、B、A、D、C、B、E、A、・・・・」

 

どうやらムッツリーニは早朝から学園に来て、今まで登校した女の子のバストサイズを計測していたみたいだ。

 

「確かにこの学園ってバストサイズの大きい人が多いような」

 

「何か言った?アキ」

 

「なんでもありません、美波さま」

 

危なかった!これ以上美波の前で胸に関することを言ったらまず間違いなく問答無用でプロレスを仕掛けてくることが目に見えている、今は美波を怒らせないようにしないと。

 

「相変わらずここは賑やかなじゃな」

 

「賑やかでも設備は悪すぎるがな」

 

そう雄二が言うようにここFクラスの教室の設備はこの学園に存在する6クラス中最低で、足の折れたちゃぶ台と腐った畳、綿がほとんど入っていない座布団での授業を強いられている。

 

だがこの状況を覆す方法はあるそれがクラス対抗戦「試験召喚戦争」である。この試召戦争はテストの総合科目の点数に比例した武器・防具を装備した召喚獣を呼び出し戦い合わせ先に相手のクラスの主将を倒せば勝利というルールである。この試召戦争で他ののクラスに勝てばそのクラスの設備を自分たちのクラスと交換してもらえる仕組みになっている。

 

「でも今は試召戦争より中間テストだよね〜」

 

「そうですねあと数日で中間テストも始まってしまいますし」

 

 

そう今は試召戦争より中間テストである。あと数日に迫った中間テストなんだけどFクラスは僕たちを除くほとんどの奴らが勉強をしていない、どうやら初めから諦めてみたいだ、頑張ろうとは思わないのか!

 

「はぁ…僕たち以外は点数取れそうにないな、雄二はテストどれ位取れそう?」

 

「俺は全教科を満遍なくやってるから平均点は取れる、明久はどんな感じだ?」

 

「僕は科学と日本史と世界史で点数を取っていくよ。他の教科は少しって感じだね…他のみんなは?」

 

「私はテストでは良い点数を取れると思います」

 

「儂は日本史で点数を取ろうと思っておる」

 

「私は数学で点数を取るわ」

 

「・・・・俺は保健体育」

 

雄二と姫路さん以外の僕たちはそれぞれ教科を絞って点を取るみたいだ。まあ僕は科学と世界史と日本史以外まともに点数が取れないんだけどね。

 

「みんな良い点数が取れれば良いんだけどな」

 

「おいお前ら…席に付けホールムームを始めるぞ」

 

僕らが中間テストの事について話していると鉄人が教室に入ってきて僕たちに号令をかけた。そして僕たちが席に着くといつもどうりにホームルームを始める鉄人、そしていつもと同じような事を話していると鉄人がいつもと違う話題を切り出した。

 

「それと今回の中間テストは少し特殊になっている」

 

「特殊ですか…何処が特殊なんですか?」

 

「ああ今回の中間テストでは各13教科のテストの上位者2名に特別な報酬が出るという事だ」

 

僕が鉄人に質問をするとどうやら今回の中間テストでは各13教科のテスト上位者2名には特別な報酬が与えられるらしい。一体どんな物なんだろう?

 

「その報酬ってのは一体何なんだ?」

 

流石は雄二…僕たちの気になっている事を鉄人に質問してくれた。

 

「それを今から説明する。まず英語だが……」

 

そこから鉄人は中間テストの報酬について説明をして行った。そして僕たちはその報酬に唖然とした。なぜならそれらの教科の報酬はほとんど豪華な旅行だったからだ。もちろんただの旅行じゃなくて各教科の為になる場所への旅行だ。

 

すごいやFクラスのみんなさっきまで全くやる気が無かったのいまはやる気に満ち溢れてる。

 

「そして最後に科学の中間テストの報酬は…ニューヨークにあるオズコープ社での3泊4日の課外学習の権利が与えられる」

 

「先生‼︎それ本当ですか‼︎」

 

「もちろん本当だとも吉井…お前には可能性があるぞ」

 

まさか中間テストの報酬がオズコープ社の課外学習なんて思わなかった!今回は日本史と世界史を捨ててでも科学のテストに力を入れないと!

 

「なあ明久…オズコープって一体何だ?」

 

「雄二!オズコープを知らないの?オズコープ社て言うのは世界有数の科学研究機関でね…世界から選び抜かれた科学者達が様々なものを

研究・開発してる凄い所なんだよ!」

 

おっと…やっぱり僕ってオズコープの事になるとつい熱くなっちゃう…まあ僕が将来入社したいって思ってる会社だから熱くなるのも当然か。それにしても雄二がオズコープを知らないなんて思わなかったよ結構有名なのに。

 

「良し分かった…それで明久は何でそんなに驚いてるんだ?参加したのならその課外学習に応募すれば良いんじゃないのか?」

 

「それがそうもいかないだ…オズコープ社への課外学習に応募してはいるけど…毎回課外学習に応募する人はざっと500万人はいて…その中から抽選で選ばれるんだけど選ばれるのは僅か50人だけなんだ」

 

「なるほど…何度も応募しているのにいつも落選してるわけだな」

 

「おい雄二、僕の心の傷を抉るのはやめろ」

 

こいつ、僕が一番気にしていることをあっさりと言いやがった!まあ500万人もいるんだからしょうがないよねって感じで気にしないようにしてたのに!

 

「それで明久…テスト勉強はどうするんだ?」

 

「もちろん化学だけやるよ‼︎他の教科の勉強はいつでも出来るけど、オズコープに行ける機会は今回だけかもしれないし!」

 

今回のチャンスを逃したらオズコープの課外学習には二度といけないかもしれない、だからこの機会を逃す訳にはいかない。

 

「はぁ…これで全教科をしっかりやるのは俺と姫路だけか」

 

「いや雄二、多分全教科を勉強するのは姫路さんだけだと思うよ」

 

「は?…何でだ?俺と姫路で2人だろう?」

 

もしかして雄二は気づいてないのかな?こんなチャンスをあの人が見逃す筈がないのに。

 

「……雄二。日本史を勉強して」

 

「いだだだだだ!翔子‼︎一体何処からでてきた!」

 

「さすが霧島さん、この情報を知ったら間違いなく雄二の所に来るとだろうと思ってたよ」

 

全く雄二もこうなる事が予想できた筈なのに、早く逃げていればこうはならなかったろうに。

 

「ところで霧島さん…日本史をやるって事は狙いは…」

 

「……日本の観光名所巡りの温泉旅行」

 

「やっぱり…そうだと思ったよ」

 

雄二と一緒に合法的に旅行ができるこんなチャンスは滅多にないしね。まあ霧島さんがもし無理矢理にでも雄二を攫って旅行に行ったらそれは犯罪になるかもしれないし。

 

「分かった!日本史の勉強はしてやる…だからそのアイアンクローをしている手を離せ!」

 

「……駄目…さっき雄二は言ってた。全教科を満遍なくしてるって、それじゃあ上位者2名に入れない」

 

「でも霧島さん…雄二がこれから日本史を本気で勉強しても流石に上位者2名にはなれないんじゃ」

 

「……大丈夫…そこは問題ない」

 

問題ない?まさか霧島さんには雄二を上位者2名に入れる為の秘策があるのか?

 

「……これから雄二には私の家でテスト当日まで日本史を勉強してもらう」

 

前言撤回だ。もしかしたら上位者2名に入れるかもしれない。ただ…上位者2名に入った時…雄二がまともな状態で戻ってくる事は多分ないだろうけど。

 

「ふざけるな!そんな事誰が承諾すぎゃぁぁあああっ!」

 

「…これで大人しくなった」

 

雄二が反論する前に霧島さんが雄二の後頭部にスタンガンを押し付けた。あれ痛いんだよな〜。

 

「…お邪魔しました」

 

そう言って霧島さんは雄二を引き摺ったまま教室から出て行った。大変だろうけど僕にどうもしようがないから出来れば無事に戻ってくることを祈ることしかできない。

 

「まるで台風のようじゃったな〜」

 

「まあ最近よく見かける光景だけどね」

 

「・・・・日常とかしている」

 

「しかし流石に雄二が不憫じゃのう」

 

雄二が不憫だって?学年1の才女でとても美しい美貌を持っている霧島さんに思ってもらえる雄二が不憫なもんか!…ただちょっと思いが激しすぎるだけじゃないか。

 

「確かに今回は坂本くんがかわいそうです」

 

「アキは坂本が可哀相だと思わないわけ?」

 

「え?全然」

 

「あんたに聞いたウチが馬鹿だったわ」

 

美波も何を言ってるだか…僕の幸福を自分が許せないと言って叩き潰す奴を誰が可哀想だとおもうんだ。

 

「まあ霧島さんもテストが始まったら雄二を解放するだろうしそれまで無事でいる事を信じるしか無いよ・・・・まあ解放されても雄二は結局殺されるだろうけど」

 

「ん?何でじゃ?明久の言う通りなら雄二が殺される事もなかろう?」

 

「秀吉…監禁されるとはいえ雄二と霧島さんはテスト開始まで1つ屋根の下なんだよ。この事を聞いたらあの集団が黙ってると思う?」

 

「ああ…なるほど余計雄二が不憫に思えてくるの」

 

「・・・・FFF団は人の幸福を許さない」

 

そう雄二が死ぬ理由は今ムッツリーニが言ったFFF団が関係している。そもそもFFF団とはFクラス内に存在するFクラスの血の掟を破りし異端者の捜索と断罪を行う断罪集団と言う名目でこそ動いてはいるが実際は、リア充を撲滅・Fクラスで彼女が出来そうな奴を粛清するはっきり言えばリア充撲滅委員会なんだよね。

 

「流石に坂本でも帰ってきてボロボロになった状態じゃ確かに殺されかねないわね」

 

「でもこの事言わなければ坂本くんは助かるんじゃ?」

 

「もう遅いと思うよ」

 

そう言った僕の後ろではいつもの面々が全員黒覆面と黒マントを着用し、己の武器の手入れを開始していた。しかも最近になってからFクラス以外の男子生徒もFFF団に加えて戦力に加えてるって言ってたしな〜…雄二が帰ってきても生き残る可能性が更に減った。

 

「じゃがしっかりと事情を説明すれば!」

 

「無理だよ…秀吉…1度ああなったFFF団は異端者を粛清するまで止まらないよ」

 

「・・・・雄二安らかに」

 

「雄二が可哀相じゃ」

 

「坂本が不憫だわ」

 

「坂本くんが可哀相です」

 

まあ雄二が霧島さんとFFF団の猛攻を受けても生き残る可能性を信じるしかなくなったな〜。

 

「まあその事はさて置いて中間テストを頑張らないと…絶対にオズコープ社の課外学習の権利を勝ち取って見せる!」

 

この宣言をした時…皆んなから少し引かれて悲しくなったが気にしないようにして僕は授業に取り組んだ。

 

 

そして1日の授業が終わりいつものメンバーが解散した時に少し事件が起きた。




オーズコープへの課外学習の為…中間テストに力を入れようする明久に少しの事件が起きる。それは明久が気付いていた自分の体の変化で
到底あり得ないことだった。

次はなるべく早くあげられるように頑張ります!


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