元鉄道運転士が転生して提督と運転所長を兼任する話 (志威磨)
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第1話『始まりの眠り』

はじめまして、志威磨と申します。
初の投稿になります。
文章におかしな点が多々見られると思いますが、ご了承ください。
不自然な点が見られましたら是非 感想欄でコメントをお願いします。

先にお詫びさせて頂きますが
1話は艦これのキャラが一切出て来ません。(多分2話、3話も)
1話から出てくる妖精さんはオリジナル要素が多いので艦これ要素はほぼないです。

それではお待たせしました。
どうぞご覧ください。


とある運転所にて

 

???「本日も異常無しです」

 

点呼担当「異常無し確認しました。お疲れ様でした」

 

\パチパチパチパチ(拍手の音)/

 

後輩運転士「相模さんお疲れ様でした」

 

相模「ありがとう」

 

皆から拍手を受ける彼の名前は『相模 風雅』(さがみ ふうが)

J○東日本に勤める65歳 国鉄時代入社のベテラン運転士である。

正確には過去形を用いた方が正しいかもしれない。

彼は今 最後の終業点呼を終え、運転士の職を退いたのである。

 

相模「皆さん、集まって下さってありがとうございます。私は只今をもちまして運転士の職を退きます、どうか皆さん 私のことは忘れても、常に安全第一でお客様の期待に応える仕事を心掛けることだけは忘れずに、これからの職務を続けて行って下さい。今日まで支えて下さりありがとうございました。」ペコリ

 

一同(\パチパチパチパチ/→敬礼)

 

相模が頭を下げるとまた拍手が起こり続いて敬礼を表す。

彼もそれに敬礼で応えその場を後にした。

 

 

 

 

〜帰宅途中〜

???「オシゴト オツカレサマ デシタ」

 

相模が自宅に帰ろうとすると彼は何やら不思議な生き物に出会った

 

相模「⁉︎なんだこのちっこいの⁉︎仕事を辞めてもう俺の目は悪くなったのか?」

 

彼は幻覚を見ているのだと思った

 

???「ゲンカクジャナイヨ ゲンジツダヨ」

 

相模「幻覚じゃないのなら君は一体何者だい?」

 

???「ワタシハ ヨウセイ. イチブノ ニンゲン ニシカミエナイ ソンザイナノ.」

 

相模「一部の人間にしか見えない?」

 

妖精「ソウダヨ」

 

相模「なんで今 俺が見ることが出来てるの?」

 

妖精「オニイサン キカイツカウノ ウマイ ダカラ ナカヨクナリタイ.」

 

相模「仲良くなりたいの?」

 

妖精「ウン!」

 

相模「そうかありがとうね、俺も仕事辞めて退屈しそうだと思ってたところだったんだよ、いいよこれからよろしくね。」

 

妖精「アリガトウ! コチラコソ ヨロシクネ」

 

相模(可愛いな)

 

 

 

〜十数年後〜

相模「ゲホッゲホッ…ウッ(私の命もこれまでか)

(思い出せばいろんなことがあったなぁ、 鉄道が好きで国鉄に入社して、新幹線の担当もして、機関車も沢山運転させて貰ったなぁ、在来線に戻ってからも臨時列車を多数担当したっけ? あぁ鉄道に充実した人生だったな)(それに仕事辞めてからも小さい妖精さんと遊べて愛車使って機械いじりとかも手伝って貰って妖精さんのお陰で老後も楽しめたなぁ、妖精さんに感謝だな)

 

相模「あ…ありが…とう」

バタリ(その場に倒れる)

 

〜数分後〜

妖精「サガミサン!サガミサン!

 

相模「」

 

妖精「サガミサン……アッソウダ」

 

相模は息を引き取ったその横では妖精さんが何やら不思議なコトを行おうとしている

 

妖精「イママデノオレイダヨ! アリガトウネ サガミサン」

 

妖精さんが彼にお礼を言うと彼の体は光だし直ぐに元に戻った。

相模が発見されたのはそれから数分後のことである。しかし彼は息を引き取っており、妖精さんの姿もそこには無かった。

 

〜続く〜




最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も艦これのキャラは出てこないです。ごめんなさい。

次回の投稿いつになるかは分かりませんが、出来る限り早めに投稿したいと思っています。



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第2話『眠りから覚めたら』

こんにちは、志威磨です。

『元鉄道運転士が転生して提督と運転所長を兼任する話』の第二話になります。

第一話の投稿後、同じ学校に通う良識あるオタクに見て貰った結果、艦これのキャラが登場しないのに原作欄が艦これになってるのはマズイのでは?とのご指摘をいただき、私としても確かにそれはマズイと気付かされたので、艦これのキャラが登場するまでは原作欄をオリジナル作品にして投稿していくことにしました。

この作品に対してご意見 要望などございましたら感想欄にて是非申し付けくださいお願い致します。

前回、主人公の相模 風雅がお亡くなりになる 転生モノあるあるな流れで終了しましたが今回はそんな相模が目覚めるシーンからスタートします。
目覚めたは良いものの彼の理解を超える出来事が続いて、彼の頭の中は疑問で埋め尽くされます。

今回も艦これのキャラは出てきません、ごめんなさい。

それでは第二話どうぞご覧ください。


とある場所にて

 

相模「ウ-ン(寝言)」

 

妖精「サガミサン!」

 

相模「ン-、オレニ ウンテン カワレ(寝言)」

 

妖精「オキテ!オキテ!」

 

相模「ン-…ん?」

 

妖精「シギョウジカンダヨ!」

 

ガバッ

 

妖精「ヤットオキタネ」

 

相模「んー?妖精さん? アレ?俺死んだんじゃ?ここは?何処?」

 

妖精「ココハ チンジュフ ッテトコダヨ!」

 

相模「ちんじゅふ?」

 

妖精「カイグンノ キチミタイナ トコダヨ」

 

相模「あぁ鎮守府ね、それなら少しだけど聞いたことならあるよ。旧日本海軍の施設だよね?…ん? なんで俺らがそんな大昔の施設に居るの?タイムスリップでもしたの?」

 

妖精「オニイサン スルドイネ!タイムスリップハ アッテルヨ ダケドカコニモドッタンジャナイノ」

 

相模「戻ったんじゃ無いなら俺は理解不能だよ。まさか未来に鎮守府があるわけでも無いし。」

 

妖精「ミライダヨ!」

 

相模「⁉︎まさか…そんなわけ」

 

妖精「ホントダヨ!」

 

相模「うーん 受け入れるしか無いのか?」キョロキョロ

 

相模が周りを見渡すと、彼の頭の中にはすぐに次の疑問が浮かんできた

なぜなら未来には居ないはずのあるモノが見えたからである。

 

相模「113?ウソだろ⁉︎」

 

彼が目を向けた先には丸ライトで緑とオレンジ色が目立つ電車が停まっている。そしてその車両の前にはグレーのスカートにオレンジ色のセーターの上からダークグリーンのコートを身につけた黒髪でロングストレートの女性がこちらを見つめていた。

 

???「あら?」

 

相模「?????????」

 

相模が目の前で起きていることを理解しきれずにいると、電車の前に居た女性がこちらへ向かって来る。

 

???「さ…相模…くん?」

 

相模「へ?なんで俺の名前を?」

 

???「やっぱり相模くんだ!久しぶり〜。私のこと覚えてない?」

 

相模「?いや覚えているもなにも、初対面ですよね?」

 

???「え〜?一緒にお仕事してたじゃない」

 

相模「え?仕事仲間?覚えがないんだけど。」

 

???「やっぱりこの姿だと分からないよね〜。私は元日本国有鉄道所属、解体される前まではJ○東海に所属してた。近郊型電車113系よ。」

 

相模「113?どう言うこと?あなたが113系なの?」

 

113「正確には後ろにある113系の魂が擬人化した存在かな?」

 

相模「魂が擬人化?」

 

113「うん!妖精さんの力で擬人化して貰ったんだよ〜。」

 

相模「妖精さんそんなことできるの⁉︎」

 

妖精「エッヘン!」

 

113「妖精さんは乗り物に宿る魂を擬人化させることができるんだよ。」

 

相模「凄いな妖精さん。…ん?車両の魂が擬人化したことは理解できたけど。なんで車体が残ってるの?解体されたんだよね?」

 

113「それなんだけど、妖精さんは解体された車体を再生することもできるんだよ。」

 

相模「妖精さん何者?」

 

妖精「(ドヤァ)」

 

相模「あれ?もしかして俺が今生きてるのも妖精さんのお陰?」

 

妖精「ソウダヨ! テンセイ サセタノ」

 

相模「ありがとう、沢山お礼しないとね。」

 

妖精「エヘヘ-」

 

相模「そういえば、どうして113系は俺のこと分かったの?最後に乗務してから俺は年も経って見た目が大分変わってしまったと思うんだけど。」

 

113「?相模くん転生してから自分の姿を一度も見てないの?」

 

相模「え?うん見てないけど。」

 

妖精「ハイ!コレ」つ(鏡)

 

相模「ありがとう…⁉︎」

 

相模は鏡で自分の姿を見て驚愕した。なんと20代の姿に戻っていたのである。

 

相模「コレも妖精さんが?凄い何でもできるね。」

 

妖精「ビックリシタ?」

 

相模「うん、めっちゃビックリだよ。そしてとても動きやすいね。やっぱり若いっていいな。」

 

妖精「カラダハ ワカイホウガイイデショ?」

 

相模「うん、前の年老いた体は重いもの持つのも大変だったからコレは助かるよ、何から何まで気を使ってくれてありがとうね妖精さん。」

 

妖精「サガミサンノ タメナラ チカラヲ オシマナイヨ!」

 

相模「何でそこまで俺の為に尽くしてくれるの?」

 

妖精「サガミサンハ キカイノコトヲ ヨク ハアクシテイテ キカイノ アツカイガトッテモウマイカラ キカイニ ヤドル タチバトシテハ ウレシイ ソンザイ ダカラ」

 

相模「機械の扱い上手い人ってそんなに嬉しいの?」

 

妖精「ブヒンガアマリ ショウモウ シナクテ コウカンスル ブヒンヲ スクナクデキルシ キカイノ ジュミョウモ ノビルカラネ」

 

113「あ〜確かに相模くんは優しい運転をするよね。」

 

相模「そんなに運転良かったの?」

 

113「そりゃ運転初心者の頃や回復運転とかで急がなくちゃいけない時はムチャしてる時もあったけど普段の運転はとても良かったし、他の車両達の間でも相模くんの運転は高評価だったのよ。」

 

相模「そうなんだ、なんか照れるな。」

相模「そうだ妖精さん、さっき未来にタイムスリップしたって話だけど 僕が死んだ年からどれくらい経ってるの?」

 

妖精「60ネンクライダヨ」

 

相模「60年⁉︎なんでまたそんな先の時代に連れてきたの?」

 

妖精「ジツハネ…」

 

〜続く〜




閲覧頂きありがとうございます。

目が覚めたら、未来にタイムスリップしてるわ 解体されたはずの車両が居るわ その車両が擬人化してるわ 体が若返ってるわ 妖精さん万能過ぎるわ と頭の処理が追いつかない出来事に囲まれる中で、なんとか理解しようと頑張る相模さん。
次回はやっと、鎮守府が存在してることに触れることになるかもしれません。

早めに投稿できるように頑張ります。

それではまた次回お会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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第3話『列車乙女』

こんにちは、志威磨です。

前回より間が空きましたがなんとか3話目 投稿できました。

唐突ですが、113のイメージ画像を載せておきます。

【挿絵表示】


今回は妖精さんが相模を転生させた理由と相模が死んでから目覚めるまでの間にあったことについて触れます。
あと少し艦娘が出ます。

それでは第三話 どうぞご覧ください。


相模「60年⁉︎なんでまたそんな先の時代に連れてきたの?」

 

妖精「ジツハネ…」

 

〜解説中〜

 

相模が転生してくる5年前、海上に突如として現れた『深海棲艦』により人類は海を奪われ世界中が混乱に陥った。

なんとかして海を取り戻そうと模索する人類の前に、唯一深海棲艦と同等の力を持つ存在『艦娘』が登場する。

彼女達は『過去に沈んだ軍艦の魂』を自称しそれぞれ軍艦の名前を名乗っている。そして彼女達の持つ武器『艤装』はそれぞれが名乗る軍艦に準じた物が備わっており、彼女達の性格や好み コンプレックスまでもがその軍艦の特徴に準じたものとなっている。また艤装の操作や開発、艦娘の建造や修理等には『妖精』が力を貸している事が彼女達の説明で判明した。この妖精は人によって見える見えないが分かれており、妖精が見える人には元から見えている人や妖精に見込まれて見えるようになった人等様々な人が居てその中でも妖精と会話できる人はほんの僅かしか居ないらしい。

この事を受けて日本政府は彼女達『艦娘』と『妖精』の存在を正式に認めると共に彼女達に、深海棲艦に対抗して貰うために協力を要請した。この要請を彼女達は承諾し、人類の将来を背負って戦うことを決める。

しかし彼女達のみで戦う事にはいくつかの課題が見えてきた。チームワークの取り方であったり 100年以上も活動していなかった事によるブランクや練度の低さなどが壁となった。そこで海上自衛隊から名前を改めた日本国海軍は彼女達を指揮して戦力の増強を図る為の役職を制定し各地の艦娘達の基地に士官を着任させる事とした。艦娘達はこの士官の着任を受け入れ、『提督』や『司令官』と呼んでいる。これにより海軍の方からもこの役職の事を『提督』と呼ぶことが認められまた旧海軍時代の記憶を持つ艦娘達に配慮して彼女達の居る基地の事を『鎮守府』と呼ぶこととした。

 

艦娘達が正式に認められて活動を開始してから約4年経った頃、陸上の方で不思議な事象が起こった。かなり前の時代に解体されたはずの鉄道車両が全国各地の車両基地で出現したのである。陸上自衛隊から名前を改めた日本国陸軍が車両の調査を行うと、それぞれの車内で女の子を1人づつ発見した。話を聞くと女の子らは自らの事を『鉄道車両の魂』と自称しそれぞれが乗っていた車両の魂が『妖精』の力によって擬人化したものだと説明した。

彼女達の話によるとこの妖精は艦娘達の説明する妖精と同じ 機械に宿る妖精 ではあるがその中でも 陸上の乗り物の扱いを得意とする妖精 で機械に宿る妖精でも専門とする分野が違うことも判明した。

彼女達には、機械の魂の擬人化であったり 妖精が宿っていたりと艦娘との共通点が見られた為この案件は軍の管理下に置かれる事に決定。急遽陸軍の基地内に鉄道用の留置線を敷設しそこで車両を一時保管することとなり、彼女達の名称を『列車乙女』と命名し 彼女達の存在を正式に認めることとした。

 

その頃日本国内ではある問題を抱えていた。艦娘達の活躍により以前よりも生活はマシになった一方で、軍全体の物資 特に海軍で扱う物資輸送の為に多くの輸送力が割かれこの国では輸送力不足に陥っていた。以前の生活に少しでも戻そうとする一般市民からの需要もあり、輸送力の増強が必須となっていた。

そこで陸軍は鉄道を使った輸送力増強案を立案し、列車乙女達に協力を要請し軍用物資を輸送させ、軍用輸送から外れ余剰となった車両を民間物資の輸送に回し輸送力の補填 増強を図った。

陸軍は海軍の提督職に倣って列車乙女の指揮 管理を行う為の役職を制定しようとしていた。しかしこの役職の制定にあたって課題がいくつかあった。妖精と意思疎通できる人が少ない事による人手不足、提督職の方も人手不足なので極力そちらに人を割かなくてはいけない事そして前の時代の鉄道について軍の中で理解している人が少ない事が役職制定の課題となっている。

 

〜妖精さんの説明に戻る〜

 

妖精「ソンナ ワケデヒトガスクナイノ」

 

相模「成る程ね〜、じゃあ妖精さんが俺を転生させたのって…」

 

妖精「サガミサンナラ レッシャオトメノ シキヲ トルヒトニ フサワシイト オモッタカラ」

 

相模「うん…なんとなく話の流れでそんな気はしてた。」

 

相模は元鉄道運転士、運転の技術を持っていてかつ車両の知識 仕組みも理解してる さらに妖精さんが見えて会話も出来るとあれば、列車乙女の指揮を執るのに最適な人材だ。

 

相模「でも転生させるのは他の運転上手い人でも良かったのでは?」

 

妖精「サガミサン シャリョウタチノ アイダデヒョウバン ヨカッタカラネ ソノホウガカノジョタチモ アンシン スルデショ?」

 

相模「妖精さんよく考えてるね。」

 

妖精「エヘヘ-」

 

相模「でもどうやってその役職に就くの?そもそも軍に入隊してないんだし。」

 

妖精「ソレモ マカセテ!」

 

相模「え?」

 

113「他の列車乙女と妖精さん達に協力を頼んでるし、陸軍にも話はしてあるから」

 

相模「既に準備されてたのか」

 

3人が話していると 高校生くらいの女の子がこちらへ走ってくる

 

?1「おい!そこで何をしている!?」

 

相模「へ?」

 

113「あっ」

 

?1「ここは部外者立ち入り禁止だ、お前は軍関係者じゃないだろ!」

 

相模「えっ?まぁ、はい」

 

その娘はかなり怒った様子で相模を睨む どうやらこの娘が艦娘らしい

 

?1「不法侵入だ、捕まえて憲兵に引き渡してやる」

 

相模「えっちょ待(?2「待って!!」

 

俺を捕らえようとする艦娘を一人の女性が阻む

 

?1「ん?なんだお前は!?」

 

?2「『日本国陸軍輸送科 列車乙女部隊』所属の『新幹線0系電車』です。

 

相模「0…系?」

 

〜続く〜

 




閲覧いただきありがとうございます。

約60年後の世界に転生された相模さん。
列車乙女の指揮を執ってもらう為に妖精さんが転生させた事が今回分かりました。
そんな時、艦娘に見つかってしまった相模さん。
艦娘に捕まえられそうになる相模さんを助けに現れた0系新幹線。

次回はその0系が活躍する予定です。

次回またお会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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第4話『栄光との再開』

↓0系のイメージ画像はこちらです。↓

【挿絵表示】



相模「0…系?」

 

0「はい!お久しぶりです 相模さん!」

 

相模の前に現れたのは 青と白のメイド服を着た 青髪でミディアムヘアの女性だった。

 

相模「えっと…ひ、久しぶり…なのか?」

 

113「この姿で言われると再会した実感湧きにくいよね。」

 

相模「うん、俺からしてみると初めましてに近いからね。」

 

0「前の世界では何回も一緒に仕事してたんだけどね。」

 

?1「お、オイ!」

 

相模「あっ」

 

?1「お前らだけで盛り上がるな!」

 

相模「えっと、その」

 

?1「とにかく、お前らを捕まえて憲兵に引き渡すからな!」

 

相模「マズいな。」

 

0「相模さん、ここは私に任せてください。」

 

相模「ん?」

 

0「ちょっと失礼しますね(ヨイショ)」

 

相模「え⁉︎ちょ」

 

113「あらあら?」

 

?1「⁉︎⁉︎」

 

 相模はなにが起こったのか分からなかった

 突然メイド服の女性に抱え上げられた

 0系が相模をお姫様抱っこしたのだ

 もう一度言う、『0系が』相模をお姫様抱っこしたのだ

 

相模「え?ちょ、何して」

 

0「少々飛ばしますけどご安心くださいね。」

 

相模「え?」

 

0「行きますよ!(走り出し)」

ビュ-ン(新幹線ダッシュ)

 

相模「うおおおおおお!!!(恐怖)」

 

?1「速っ(゚д゚)」

 

113「私も行かなきゃ」

 

?1「はっ(゚д゚)

待っ、待てーーー」

 

0「このまま鎮守府の外に出ますよ。」

 

相模「でもどこから出るんだ?正門とかだと警備の人とかいるだろうし。」

 

0「うーん、どうしましょう。」

 

113「ここは私に任せて!」

 

相模「113?あっ、」

 

 相模が横を見ると『鉄道車両の』113系が並走していた。

 その運転席を覗くと『列車乙女の』113が運転している。

 

113「さあ早く乗って」

 

 相模と0の横に湘南色の113系が停車する

 

相模「凄え、現役の時のまんまだ」

 

113「正門だと憲兵が居るからね、鉄道線使って脱出するわよ」

 

相模「任せた」

 

?1「待てコラァァ!!」

 

相模「やべぇ追いついてきた」

 

113「急ぐわよ」

 

 113がマスコンを2段に進め、ゆっくりと車両が動き出す。

 

?1「待、待てぇぇぇ」

 

 追いついててきた艦娘が見る見るうちに遠ざかって行く。

 そして列車は鎮守府の鉄道線出入口まで進んできた。

 

113「ここから鎮守府を脱出するわよ。」

 

相模「でもここからどうするの?鎮守府を出たところで何処へ行くの?」

 

0「今から市ヶ谷にある大本営に向かいたいと思います。行き方としてはここから軍用線を使用して横須賀線に出ます。そのまま横須賀線を走り続け、品川手前で東海道線に転線し品川の留置線に車両を停めます。そこからは車で市ヶ谷に向かいます。」

 

相模「あっ、ここ横須賀なんだ……なるほど横須賀線を使うわけねでもそんな自由に営業路線走って大丈夫なのか?司令所から止められそうな気もするけど。」

 

113「その点は心配いらないわよ、陸軍が許可取ってるしJRにも話しは通してるから、無線で司令所に連絡入れれば列車の間に入れてくれる手筈になってるわ。」

 

相模「なるほどね、軍の力って凄えな」

 

113「合流ポイントに来たから司令所に連絡入れるわね」

 

〜5分後〜

 

司令所「横須賀線走行を許可します。品川転線前に一度無線で連絡してください了解ですか?」

 

113「品川転線前に無線連絡了解しました。」

 

司令所「それでは安全運転を心掛けてください以上」

 

113「走行許可が出たわ、行くわよ」

 

相模「60年以上経っても人が運転するのと、列車無線で交信するのはそのままなのか。」

 

0「無線のほうが確実性が高いですからね、運転も人が運転するほうが様々なトラブルに対処し易いですし突発的な臨時ダイヤにも対応できますしね」

 

相模「なるほど」

 

 

〜約40分後〜

 

113「転線許可が出たわ、転線するわよ」

 

相模「品川も大分変わったなぁ」

 

0「そうですね、特に京急の品川駅が移転して地上駅になってるのが驚きですね」

 

113「そうよね、リニア開業に合わせてだっけ?」

 

相模「そうだよ、京急が大規模工事したお陰で八ツ山橋の踏切渋滞が解消されたんだよね」

 

 

〜30分後〜

 

相模「なんかめっちゃ乗務員室の人に怪しまれたんだけど」

 

113「そりゃ私服のわけわからん男が居たら怪しむでしょ」

 

0「一応 話しは通してあるんですけどね」

 

相模「そういえば車ってどこに行って乗れば良いの?ロータリーに迎えが来るの?」

 

113「あ、そういえば話してなかったわね」

 

相模「ん?」

 

0「とりあえず駐車場に移動しましょうか」

 

相模「駐車場?」

 

 

〜更に10分後〜

 

相模「⁉︎こ、コレは⁉︎」

 

妖精「アッ キヅイタネ」

 

相模「妖精さんコレって」

 

妖精「サガミサンノ クルマダヨ」

 

相模「Zじゃん!」

 

 相模の前に停まっているダークグリーンとベージュのツートンカラーの車は『niss○n フェアレ○ィZ z31型』

 リトラクタブルヘッドライトが特徴的なZで相模の車はその中でも前期型に追加採用されたエンジンを積んだ中期型と呼ばれるレアな個体だ

 

相模「もしかして妖精さんが維持してくれてたの?」

 

妖精「ソウダヨ」

 

相模「60年以上も?」

 

妖精「ウン」

 

相模「なんか…うん、感謝を通り越して申し訳なくなってきたよ」

 

妖精「イイノ イイノ コレクライ オヤスイゴヨウ ダヨ」

 

相模「本当に何から何までありがとうね」

 

0「これから相模さんにはこの車を運転して大本営に向かってもらいます」

 

相模「え?俺が運転するの?」

 

0「はい」

 

相模「転生するときに免許持って来てないんだけど」

 

妖精「ハイ コウシンモ シテオイタカラ アンシンシテ」

 

相模「⁉︎」

 

113「あなたが寝てる間に免許も軍に掛け合って更新して貰ったのよ」

 

相模「えぇ(困惑)」

 

相模「ところで この車はどうやって持って来たの?流石に妖精さんが運転してきたとは考え難いし」

 

妖精「ウンテン デキルケドケイサツニ ミラレタラ ショクシツ サレチャウカラネ」

 

相模「だよね」

 

0「それなら…」

 

???「わ た し が や り ま し た」

 

相模「誰⁉︎」

 

???「どうもお久しぶりです!国鉄時代にお世話になりました、117系電車です!」

 

相模「117?」

 

〜つづく〜

 




閲覧いただきありがとうございます。

 艦娘に見つかり捕まりかけたら0系と再会した相模さん
なんとか艦娘から逃れて鎮守府を脱出することができました。
 その後品川まで移動した相模は駐車場で愛車のz31と再会
免許も軍の謎の力によって更新されたものを手に入れました。

 次回はいよいよ大本営に向かいます。

あと 前回の話にも追加しましたが、これからは列車乙女のイメージ画像を前書きの欄に載せていくようにします。
新しい列車乙女などが登場したら載せていく予定ですので、イメージ画像を思い出しながら読んで貰えたらと思います。

それでは次回またお会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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第5話『いざ大本営へ』

↓117のイメージ画像はこちらです↓

【挿絵表示】



117と名乗るその女の子は茶髪のショートヘアでこげ茶色のワンピースの上にアイボリーのコートを着ている。

 

相模「117?」

 

117「そうだよ、元気にしてた〜?」

 

相模「え?あぁ…うん」

 

113「今朝まで死んでたでしょ?」

 

相模「せやね」

 

0「死んでたと言うか死にかけてたと言うか…」

 

117「あ〜今朝コッチの時代に来たんだっけ?」

 

妖精「ソウダヨ」

 

117「妖精さんに言われてここまで車運転してきたけど、まだこのZ乗ってたのね」

 

相模「うん、まさか妖精さんが保存してくれてるとは思わなかったけどね」

 

113「100年以上前の車だっけ?」

 

相模「1984年式で会社辞めるまで34年 そこから十数年経った頃に転生して60年ぐらい未来にタイムスリップしてるから100年は超えてるね」

 

0「ずっとこのZに乗ってたんですか?」

 

相模「そうだね、初の新車で買った車で思い入れが深くて死ぬまで所有してくつもりだったからね…でもまた運転できるとは思わなかったよ」

 

0「それじゃあ今から大本営に向かいましょうか」

 

相模「了解」

 

117「ハイこれ」つ[鍵]

 

相模「ありがとう、じゃあみんな乗って」

 

バタンッ

 

相模「みんな乗ったね?」

 

0「大丈夫ですよ」

 

相模「じゃあエンジンスタートっと」

 

z31「ギュルル ギュンッ ギュッ ギュ ギュッ ギュン

   ブロロロロロン ブロッロ ロ ロッ ロン」

 

相模「おおおおお(歓喜)」

 

113「凄い音…」

 

0「コレがZですか…」

 

相模「エンジンもキチンと整備されてるし調子良さげだね」

 

妖精「ワタシガヤッタカラネ トウゼンダヨ」

 

相模「ありがとうね(ナデナデ)」

 

妖精「エヘヘ-(ナデラレ)」

 

相模「暖気も済んだし出発しますか」

 

0「はい、運転お願いしますね」

 

〜20分後〜

 

相模「車どこに停めれば良いんだ?」

 

0「そのまま大本営の正門から入っちゃってください」

 

相模「え?良いの⁉︎」

 

113「許可証はちゃんと持ってるから」

 

0「正門から入って左に曲がった先にある駐車場に停めて下さい」

 

相模「了解」

 

〜正門にて〜

 

正門では複数の警衛員が門番をしていた

 

警衛員A「入場許可証と駐車許可証の提示をお願いします」

 

0「入場許可証です」つ[入場許可証]

 

117「コレもです」つ[駐車許可証]

 

警衛員A「許可証確かに確認しました。どうぞ中へお入りください」

 

相模「ありがとうございます」

 

ブロロロロロロォン((プシュップルルルルンン

 

警衛員B「今のって」

 

警衛員A「z31の前期型やな」

 

警衛員C「でも音がRBだったぞ」

 

警衛員B「しかもRB26の音だったぞ」

 

警衛員A「RB対応のz31…ってことは中期型か?」

 

警衛員C「RB26に載せ替えたz31の中期型とか…」

 

警衛員B「変態かよ(褒め言葉)」

 

警衛隊長「今 凄え古いZ来たぞ!」

 

警衛員A「あっ隊長おかえりなさい」

 

警衛員C「z31のことですよね?」

 

警衛隊長「そうだよ 音凄かったぞ アレRB26か?」

 

警衛員B「やはり警衛員長もそう思いますか?」

 

警衛隊長「当たり前だよなぁ?」

 

〜大本営駐車場にて〜

 

相模「なんかめっちゃ車見られたんだけど」

 

117「こんな古い車あまり見ないもんね、珍しくて見てたんでしょ?」

 

0「警衛員さんたち車好きな人多いですからね」

 

相模「へぇ〜」

 

117「特に警衛隊長が旧車好きで愛車がR33GTRらしいよ」

 

相模「おぉ〜ええやん」

 

117「そういえばこの車預かった時に車検証見たけど、このz31エンジン換えてるよね?」

 

相模「そうだよ z31買って10年ぐらい経ったときに先輩のR33に試乗させて貰ってね、そのときにz31にRB26を載せてみたら面白いんじゃないかなって思ってエンジン、ミッション、足回り、その他必要部品全部交換してボディにも補強を加えてパワー強化したんだよ」

 

113「発想と行動が変態ね」

 

相模「…褒め言葉として受け取っておくよ」

 

117「えぇ…(困惑)」

 

〜大本営庁舎内にて〜

 

相模「今から会いに行く人って陸軍のどんな人なの?」

 

0「相模さんにはは 陸軍元帥の一人で列車乙女担当では一番上位の『瀬戸(せど) (りく)』元帥に今から会っていただきます。」

 

相模「元帥って軍内でかなり上位の役職じゃ…」

 

0「そうですよ」

 

相模「そんな人に会っても大丈夫なの?」

 

113「なに言ってるの、これから所長になるんなら上層部には挨拶しないとでしょ?元帥からしてみれば軍経験が全く無い人を部隊のトップにしようとしてるわけなんだから」

 

相模「そうか、そうだよね」

 

0「それに瀬戸元帥には相模さんの大体のことは説明済みですし、瀬戸元帥は陸軍の元帥でありながら妖精さんと会話ができるので納得してくださって居ますよ」

 

相模「そっか、ありがとう安心したよ」

 

0「あと瀬戸元帥もかなりの車好きでY31セドリックに乗ってるらしいですから結構話が合うと思いますよ」

 

相模「31セドかぁ…師匠が退職する直前で31セドのグランツ買ってたなぁ」

 

113「師匠って巻嶋(まきしま)さん?」

 

相模「そうそう」

 

0「そういえば瀬戸元帥の車のテールランプの上に『GranTurismo SV』ってマークが付いてましたよ」

 

相模「おぉ、色は?」

 

117「ガンメタだったよ」

 

相模「最高じゃん!」

 

113「そうなの?」

 

相模「師匠がグランツSVの赤を買って、納車の日に非番の乗務員何人かで師匠の自宅に行って納車式やって俺含む何人か試乗させて貰ったのね、そこからウチの詰所の乗務員の間で憧れの一台だったんだよなぁ」

 

117「師匠さんも凄いの買ったね」

 

相模「師匠も車好きだったからね、師匠の退職後もよく休みの日に詰所の車好き同士で車列組んでドライブに行ったりとかもしてたしね、俺がZで先導車やって師匠のセドが2台目のVIP位置に その後ろに先輩の70スープラと同期の10ソアラで固めて 最後尾に後輩二人の120サニトラと初代セリカのリフトバックでケツモチさせてたのはいい思い出」

 

117「ドライブでも序列がきちんと決まっているんだね」

 

相模「一応縦社会だったからね、でもウチの師匠のトコはかなり自由だったけどね。車列の並び順も遊びでやってたし」

 

113「遊びの割に結構ガチな並び順だと思うんだけど」

 

相模「師匠が先導するときもあったけどね」

 

117「えぇ(困惑)」

 

〜陸軍元帥執務室前〜

 

0「こちらが瀬戸元帥の執務室です」

 

コンコンコン

 

???「どうぞ〜」

 

ガチャッ

 

0「失礼します、相模さんをお連れいたしました」

 

???「ご苦労様…貴方が相模 風雅さんですか?」

 

相模「はい」

 

執務室の中に居たのは40代くらいの男性だった。服装は陸自の制服となんら変わらない服装だ、警衛員もそうだったが服装等は自衛隊のモノを引き継いでいるらしい

 

???「はじめまして、私は日本国陸軍元帥『瀬戸 陸』と申します。列車乙女部隊の総合管理を担当しています」

 

相模「お初にお目にかかります、相模 風雅です。えっと…今朝こちらの時代に転生してきました。前の時代では鉄道の運転士を職としていました」

 

瀬戸「うむ…相模さんのことは妖精さんや0たちからよく聞いています。最初は軍役経験の無い人を採用することは不安でしたが、0たちや妖精さんからの信頼が高く 妖精さんと意思疎通ができるとの事だったので、陸軍に協力して頂ければと思い今回お越し頂きました」

 

相模「成る程、具体的にどのように協力すればよろしいですか?」

 

瀬戸「横須賀に創設予定の列車乙女部隊の基地で、列車乙女たちの指揮 管理をして頂きたいと思ってます。輸送任務の割り振りや車両の維持 管理の為の指示出し、必要書類の処理等が主な仕事内容ですね。詳しいことは着任してから0たちからの説明があります」

 

相模「分かりました、是非協力させてください」

 

瀬戸「ありがとうございます。では早速着任の為の手続きに取り掛かりますね」

 

113「あの、ちょっといい?」

 

瀬戸「ん?」

 

113「元帥さっきから敬語使い過ぎてて堅すぎるんだけど」

 

瀬戸「え?」

 

117「そうだよ、初対面とはいえ上官なんだからもうちょっと態度大きくても良いと思うんだけど」

 

瀬戸「いや、初対面なのもあるけど 相模さんは転生前の年齢も含めたら明らかに私より年上になるので、敬語を使うべきかなと」

 

相模「あっそうでしたか、でも今は20代の体ですし 軍役に関しては全くの素人なので気を使っていただかなくても大丈夫ですよ」

 

瀬戸「そうですか」

 

相模「はい」

 

瀬戸「それじゃあ…相模君」

 

相模「はい!」

 

瀬戸「初めての軍役で戸惑うことがあるかもしれないが、横須賀運転所 所長に着任を命ずる」

 

相模「はい、承知しました」

 

瀬戸「任せたぞ」

 

相模「頑張ります!」

 

瀬戸「…ふぅ…これでなんとか列車乙女部隊も活動規模を拡大できそうだな」

 

0「そうですね」

 

113「じゃあ早速横須賀に向かいましょ」

 

???「ちょっと待て」

 

117「誰?」

 

瀬戸「あっ貴方は」

 

50代くらいの海軍の服装をした男性がいきなり入り込んで来た

 

???「日本国海軍元帥の尾出 誠示(おで せいじ)だ、相模君に海軍への協力を要請に来た」

 

相模「え?(困惑)」

 

瀬戸「え?(焦り)」

 

113「は?(苛立ち)」

 

それは突然の要請であった

 

〜続く〜

 




閲覧いただきありがとうございます。

鉄道より自動車の話が今回多かったかと思います。

薄々気づいている人が居るかもしれませんが、列車乙女以外のオリジナルキャラの名前はほぼ自動車の車名から付けています。

次回は海軍元帥が乱入してくるとこから始まります。

それでは次回またお会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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第6話『海軍からのスカウト』

長期に渡って投稿が途絶えてしまい申し訳ございませんでした。
今回やっと名前付きで艦娘が登場します。

↓z31のイメージ画像です↓

【挿絵表示】


それではどうぞお読みください。


尾出「日本国海軍元帥の尾出(おで) 誠示(せいじ)だ相模君に海軍への協力を要請に来た」

 

相模「え?(困惑)」

 

瀬戸(せど)「え?(焦り)」

 

113「は?(苛立ち)」

 

執務室にいきなり入り込んできた尾出元帥の言葉に一同は困惑した

 

0「協力ってどういうことですか!?」

 

尾出「はっきりといえば相模君に鎮守府の提督になってほしいということだ」

 

相模「えぇ(焦り)」

 

瀬戸「いきなりな話ですね」

 

尾出「突然の要請で申し訳ない、しかし事情を説明させてほしい、端的に言って現在の海軍は提督が足りていないという状況だ」

 

瀬戸「それは理解しています。しかしなぜ彼に要請を出すのですか?」

 

尾出「彼は妖精さんと意思疎通できるそうじゃないか、しかもかなりなつかれているように見える だから彼にお願いしたいんだ」

 

瀬戸「しかし現状全ての鎮守府に提督は配置されていますよね?わざわざ軍役経験のない彼を着任させる必要性が」

 

尾出「確かに全鎮守府に一人ずつ提督は配置されている。それに彼が今朝方に転生して来て軍役経験が無いことも理解している。しかしそれでも頼まなくてはいけないような状況なんだ」

 

瀬戸「と言いますと?」

 

尾出「ブラック鎮守府の存在だ」

 

尾出元帥がブラック鎮守府と言った瞬間、執務室に沈黙が流れる

 

瀬戸「…なるほどそこの鎮守府の後任が居ないという訳なんですね」

 

尾出「そういうことだ、一応そこの提督は逮捕して艦娘に危害が及ばないようにはしているが提督不在の為充分な活動ができないでいるんだ」

 

相模「ブラック鎮守府って?(ボソボソ)」

 

113「聞いた話だけど艦娘に非人道的な扱いをしている鎮守府の事よ(コソコソ)」

 

相模「この国を守ってくれている娘達にそんな事をする鎮守府があるの?(ボソボソ)」

 

117「提督になった人の一部には、艦娘に過度な労働を強いたり艦娘や鎮守府を私物化する奴が何故か居るんだよね(ゴニョゴニョ)」

 

相模「職場がブラックなのは未来でも変わらないのかぁ」

 

0「ちなみに仮に相模さんが提督になったとして、何処の鎮守府に着任させる予定ですか?」

 

尾出「横須賀だ」

 

一同「⁉︎」

 

相模「さっき居た所じゃん」

 

瀬戸「し、しかし彼を提督にしてしまっては、陸軍の列車乙女による輸送任務の拡大が不可能になってしまいます。それだけはなんとしてでも避けなければならないので、やはり彼を引き渡すことはできません!」

 

相模「瀬戸さん…」

 

0「瀬戸元帥…」

 

113「そうよ!相模君を連れてかれたら私達が本領を発揮できなくなるわ!そしたらこの国の輸送力を上げていくこともできなくなるわよ!」

 

相模「113…」

 

117「相模兄さんはどうなの?」

 

相模「え?」

 

117「所長になるのか、提督になるのか」

 

相模「そりゃもちろん横須賀運転所の所長希望だよ。だけど…」

 

113「けど?」

 

相模「命張って戦っている女の子達が酷い目に遭っているっていうのはなぁ…ブラック鎮守府の現状はなんとかしなきゃいけないとは思うんだけど…うーん、でも俺みたいな素人が鎮守府に着任すると逆に国の存亡にかかわるんじゃないかなとも思うし…それなら俺は運転所所長として国の必要に応えていくほうを選ぶかな?」

 

尾出「うむ、確かに列車乙女による輸送力増強は重要な案件だし我々海軍にとっても物資の陸上輸送は必要不可欠だ、進めていく必要がある。そして相模君は軍役経験の無い素人だ、戦闘指示を出す鎮守府の提督としての仕事に不安になるのも分かる。だがブラック鎮守府をなんとかしたいという意思もある、そうだね?相模君?」

 

相模「はい」

 

尾出「じゃあ瀬戸元帥、ここに入って来る前チラッと聞こえたが横須賀運転所に相模君を着任させるつもりでいることは間違いないかね?」

 

瀬戸「はい…あっ(察し)」

 

尾出「うむ、そこで私から一つ提案なのだが…」

 

瀬戸「もしや…」

 

相模「?」

 

尾出「相模君には横須賀にある運転所と鎮守府の両方を任せたいと思う」

 

相模「…はい?(思考不可)」

 

列車乙女’s「え?」

 

瀬戸「いいんですか?」

 

尾出「あぁ、相模君には運転所所長の職務を主としてもらい鎮守府提督の職務については、作戦立案や建造・開発等の専門的な仕事は艦娘達に任せて、出撃や建造・開発の許可出し、鎮守府の運営維持の為や艦娘達からの提案 要望の承認等の仕事は相模君が行うことにすれば鎮守府を運営できると思っている」

 

瀬戸「なるほど、軍役経験の豊富な艦娘達にある程度の仕事をやってもらう事で軍役経験の無い相模君でも滞りなく鎮守府を運営できるって訳ですね、それなら私も大丈夫だと思います。それなら運転所の仕事の一部を列車乙女達に任せるのも良いかもしれませんね、相模君の負担軽減にも繋がりますし」

 

0「そうですね、書類仕事等でしたら私達でも手伝えますし良いと思いますよ」

 

117「そうだね〜その方が相模兄さんも仕事を覚えやすいと思うし、良いんじゃないかなぁ?」

 

113「相模君はどうなの?」

 

相模「そこまで考えて下さっているなら断る理由がありません。是非所長と提督の両方を兼務させて頂きます」

 

尾出「うむ、それでは早速準備に取り掛かろう、着任にあたっての手続きや申請 鎮守府への通達等は急な話だろうから全て海軍で準備しておく」

 

相模「ありがとうございます」

 

尾出「よって少しばかり時間がかかるからその間に相模君は自分の荷物等の準備をしておくように」

 

相模「はい!尾出元帥のお心遣いに感謝します!」

 

尾出「それから、君に紹介しておく人がいる」

 

相模「紹介ですか?」

尾出「あぁ、そろそろ到着する頃だ」

 

コンコンコン(ドアをノックする音)

 

瀬戸「どうぞ」

 

ガチャ(ドアを開ける音)

 

???「失礼します。横須賀鎮守府から参りました、長門型戦艦一番艦 長門です。尾出元帥、お待たせして申し訳ございません」

 

尾出「いや構わんよ、むしろ横須賀からよく駆けつけてくれたな御足労感謝する」

 

長門「ありがとうございます。ところで新しい提督というのは…」

 

尾出「あぁ、横須賀に新しく着任して貰うのは…そこにいる私服姿の男だ」

 

相模「どうも」

 

長門「⁉︎こ、この方ですか⁉︎」

 

尾出元帥が相模を紹介すると、長門は何故か戸惑ってしまった。

 

尾出「あぁそうだ、何か不服かね?」

 

長門「い、いえそういうわけでは無いのですが…その…」

 

相模「?」

 

長門「侵入者と言いますか…その…」

 

相模「あっ…」

 

列車乙女’s「あっ…」

 

尾出「侵入者?何のことかね?」

 

〜つづく〜

 




閲覧いただきありがとうございます。

相模さんいきなりのスカウトでしたがなんとか切り抜けれたようです。

今回は投稿の間が空いてしまい申し訳ございませんでした。
次回はなるべく早く投稿出来るように頑張ります。

それでは次回またお会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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第7話『侵入者?』

次回は早く投稿するように頑張りますと書いて、ほぼ1年開けてました。
申し訳ございません。

今回は相模さん横須賀鎮守府侵入騒動の話から始まります。
そして新たな列車乙女も登場します。

それではどうぞお読みください。


長門「侵入者と言いますか…その…」

 

相模「あっ…」

 

列車乙女’s「あっ…」

 

尾出「侵入者?何のことかね?」

 

長門「いえ、ええっとその…今朝方、横須賀鎮守府内で侵入者を発見し取り逃がしたと報告があり、監視カメラの映像を確認したのですが…そちらの方々が映ってまして…」

 

どうやら相模達は鎮守府で艦娘から逃げた際に監視カメラで撮影されてたらしい

 

瀬戸「相模君?コレは一体?」

 

尾出「横須賀鎮守府に不法侵入したのか?」

 

相模「ええっと…その…侵入したというか、してしまったというか…ね?」

 

相模は113達に助けを求める

 

113「うーんコレって不法侵入になるのかな?」

 

117「無許可で入っちゃったなら不法侵入なんじゃないの?」

 

0「そんな!前もって横須賀鎮守府には立ち入り願いの書類を送ったはずですが…」

 

尾出「ん?書類を送った?」

 

0「はい!相模さんの転生予定場所が横須賀鎮守府だと妖精さんから聞いて、横須賀鎮守府に送る為の書類を作成して…確か瀬戸元帥にサインを頂いたはずですが…」

 

尾出「瀬戸元帥それは本当かね?」

 

瀬戸「えぇ確かに立ち入り願いの書類にサインはしましたし、そのコピーもこちらに保管してありますが…」

 

尾出「それじゃあ送った書類は何処に…」

 

プルルルルル

 

全員訳が分からないと困惑していると執務室の電話が鳴り出した

 

瀬戸「はい、瀬戸です…あっ丁度 今 目の前に居ります…分かりました今変わりますね。

長門さん宛に横須賀鎮守府からお電話です。」

 

それは長門宛の電話だった

 

長門「失礼する。

もしもし……は?…それは本当か⁉︎」

 

長門の顔色と声の調子が急変した

 

相模「どうしたんだ?」

 

長門「あぁ…そうか…その書類の人物なら今 目の前に居る、うん…そういうことだからまた連絡する」

 

ガチャッ

 

電話を切った長門はすぐに相模に向かって頭を下げた

 

長門「失礼した相模殿!!今鎮守府で立ち入り願いの書類が見つかった」

 

一同「⁉︎」

 

相模「ということは…」

 

 

〜数分後〜

 

尾出・長門「本当に申し訳ございませんでした」

 

相模「もう良いですよ謝らなくても」

 

瀬戸「逆にこちらが申し訳なくなってきますし」

 

113「事前に再確認しなかった私達も悪いしね」

 

長門「いや、そんなことは…」

 

瀬戸「とにかく、この件はもうこれで終わりにしましょう。此方の確認不足も要因の一つだったと思われますし、双方とも再発防止を徹底すると言うことで片付けたいと思いますが尾出さん、それでよろしいでしょうか?」

 

尾出「分かりました。海軍としても書類の確認を徹底していきます。」

 

0 (年齢も階級的にも上の尾出元帥が敬語になってる…)

 

瀬戸「それでは話を相模君の着任の件に戻しましょう。提督着任に関する手続き等は海軍さんの方で済ませて頂いて、相模君は横須賀鎮守府、運転所で生活する為の荷作りをしておいて頂戴、相模君の所有物は全て妖精さんが転送してきて 練馬駐屯地に保管してあるから、先にそっちに向かって貰ってそこで荷物の整理をして頂戴。」

 

相模「わかりました。練馬駐屯地に寄って荷物の整理をしたらそのまま横須賀に向かっていいですか?」

 

瀬戸「あぁ、それで大丈夫だ。」

 

尾出「横須賀に着いたら艦娘達への自己紹介もよろしく頼みます。」

 

相模「わかりました。あとそれから、もう敬語じゃなくても大丈夫ですよ。あの件ももう気にしてないですし。」

 

尾出「うむ、なら そうさせて貰うよ」

 

113「それじゃあ侵入の件も完全に解決したところで、早速練馬に向かいましょ」

 

相模「そうなんだけど、長門さんはどうするんですか?」

 

長門「そういえばこの後の私の予定が決まってなかったな」

 

尾出「うむ、長門には相模君達と一緒に練馬経由で鎮守府に戻って貰おうかと思っているんだが…」

 

113「それなら私と117は品川まで瀬戸元帥の車で送ってもらって電車運転して帰るわ」

 

117「電車を運転して帰るというパワーワード」

 

相模「それなら0と長門さんの3人で車に乗って帰れば良いですか?」

 

瀬戸「いや、相模君にはもう一人 連れて行って貰おうかなと思っているんだが。」

 

相模「はい?」

 

???「お邪魔しま〜す!」

 

瀬戸「お?ちょうどいい時に来たな。」

 

相模「君は?」

 

103「どうも〜元山手線の主力 103系電車だよ〜」

 

相模「ヤテの103だとはじめましてなのかな?」

 

103「うん、はじめまして〜 貴方が噂の相模さんですね?」

 

相模「噂のって…」

 

103「担当線区の車両の癖なんかは一編成づつ把握してたとか。」

 

相模「そ、そうだけど…」

 

103「あと名言で、『趣味に恋してるから結婚しない』ってのが」

 

相模「待て、誰からそれを聞いた」

 

103「ええっと…」

 

117「…」

 

103(チラッ)

 

117「!!」

 

相模「お前か」

 

117「嘘はついてないよ?」

 

相模「そういう問題じゃない」

 

113「そんなこと言ってたの?(呆れ)」

 

相模「そんなこと言ってたこともあるけど…」

 

113「一応認めるのね…」

 

0「そういえば相模さんの趣味ってあまりよく知らないですね。乗り物系は知ってますけど…」

 

113「そういえば私も乗り物以外聞いたことない」

 

117「私知ってるよ」

 

相模「えっ?(焦り)」

 

113「何?」

 

117「アニメとか二次元系でしょ」

 

相模「ウワァァァァァ!!!!」

 

0「相模さん⁉︎」

 

相模「117サラッと言いやがってお前…」

 

117「隠すことでもないでしょ」

 

相模「でも普通の人からしたら引くでしょ『趣味(アニメ)に恋してるから結婚しない』って…」

 

113「まぁ普通の人ならね…」

 

0「そもそも私達って普通の人なんですかね?」

 

103「それに私はアニメ好きだからそんな引かないけどね…」

 

相模「そうなの?」

 

103「117に勧められて観たらハマっちゃって…」

 

117「この体になってから観てみたら思いの外ハマりまして103に勧めて同志を作りました。( v'ω')v その時に相模兄さんのオタク話もバッチリ共有させて頂きました。-_-b」

 

相模「なんてことを…」

 

〜つづく〜

 




閲覧いただきありがとうございます。

鎮守府侵入騒動の話 なんとか解決することができたみたいです。
そして山手線の103の登場、さらには103と117による相模さんの黒歴史暴露によって相模さんオタバレしてしまいました。(定年間際のオタクとは…)

次回は、相模,長門,0,103の4人で練馬駐屯地へ行くみたいです。

それでは次回またお会いしましょう。
閲覧ありがとうございました。


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