バカとテストと僕たちの楽園 (エクシリオン)
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プロローグ 振り分け試験

エクシリオンと申します。
今作が初投稿の為、至らない点が多々あるかと思いますが、
宜しくお願いします。

※追記:タイトルを間違えた為、修正しました。


ここ『文月学園』は、世界初の『試験召喚システム』を導入したことで注目されている進学校である。

 

この学園は、1年の終わりに実施する振り分け試験の結果に応じて、最高ランクのAから最低ランクのF迄のいずれかにクラス分けされる。

 

結果如何によっては今後の学園生活をも左右する為、当然ながら生徒たちはひとつでも上のクラスを目指す。ある者は絶対の自信を持ちながら、またある者は下位クラスに行きたくないと願いながら。それぞれの想いを胸に試験に臨むのである。

 

そして迎えた振り分け試験当日。試験を受ける生徒たちの中に彼、『吉井明久』もそこにいた。

 

 

 

 

明久side

 

明久「これが振り分け試験か……。難しいって聞いたけど、これくらいなら問題ないかな」

 

僕の名は吉井明久。文月学園の次期2年生だ。

今は2年次のクラス分けの為に、振り分け試験を受けているところだ。

1年のときはバカやってたけど、今回は違う。実際試験問題も順調に解いているし、こう言っては何だがかなり自信がある。友達と一緒にAクラスに行くって約束したしね。

 

左隣の席は姫路瑞希さん、右隣の席では僕の親友……反田省太。省太の隣の席は池端早代さんが試験を受けているのだけど……、姫路さんと池端さんの様子がおかしい。

 

瑞希・サヨ「「はぁ……、はぁ……」」

 

2人共明らかに苦しそうで、今にも倒れてしまいそうな勢いだ。

そして本当に倒れてしまう正にそのときであった。

 

明久・省太「「姫路さん(サヨ)ッ!!」」

 

それは多分同時だったと思う。

僕と省太は、2人が床に崩れ落ちる前に受け止めていた。

 

明久「大丈夫⁉︎ 姫路さん!!」

 

省太「サヨッ! しっかりしろ!!」

 

瑞希「よし……い……くん……」

 

サヨ「しょ……うた……くん……。サヨたちは大丈夫……だから……、席に戻って……」

 

省太「少し安静にするんだ。今から保健室連れて行くぞ。明久、お前は姫路さんを連れて行くんだよな? 一緒に行こうぜ!」

 

明久「うん、わかった!」

 

そうして僕たちが退出しようとしたとき、この試験の担当教師に呼び止められた。

 

教師「吉井・反田! 早く席に戻れ! 姫路・池端、体調が悪いなら保健室に行っていいぞ。だが、試験途中での退出は無得点扱いになるがよいかね?」

 

この発言に対して耳を疑った。何故そのようなことが言えるのかと。僕が口を開こうとしたとき、

 

省太「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれは無いんじゃないか⁈」

 

省太が真っ先に反論する。

 

教師「何を言っているんだ、反田? これがこの学園のルールだ。体調管理も試験勉強のうち。それを怠ったのは自己責任だ、そうだろう?」

 

省太「だとしても言い方ってもんがあるだろ!!」

 

教師「口答えをするな! それ以上私に逆らうと、お前も吉井も無得点にするぞ! 嫌ならさっさと席につけ!!」

 

この発言を聞いたとき、最初のときよりも頭にきた。

 

明久「省太!! もう何を言っても無駄だよ。それよりも早く2人を保健室に連れて行かなきゃ!」

 

教師「お、お前ら……。本当に無得点にしてやるぞ‼︎ いいのか⁉︎」

 

明久「無得点にしたいのならご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」

 

省太「ああ、そうだな」

 

冷ややかな感じにそう言って退出した。僕は姫路さんを、省太は池端さんを背負いながら。

後方で教師が何か言ってた気がするが、そんなの知ったことじゃない。何とでも言えばいいだろう……。

そう考えながら、僕たちは保健室に向かった。

 

明久side out

 

 

渚side

 

ぼくの名は上運天渚。文月学園の新2年生だ。今振り分け試験を受けている最中なんだけど、何やら教師と男子生徒2人が言い争っているみたい。よく見てみると、男子生徒の腕の中に女子生徒もいる。

 

省太「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれは無いんじゃないか⁈」

 

発言した男子生徒は反田省太。ぼくの親友の1人だ。もう1人の男子生徒は吉井明久。彼もぼくの親友である。女子生徒は明久の隣にいるのが姫路瑞希さん。省太の隣にいるのが池端早代ちゃんか……。

 

省太の発言についてだが、ぼくだって実際そう思ってる。無得点になるのはルールだとしても、付き添いすら付けないのは……。

生徒に対する配慮がなさすぎる。

 

それでも傲慢な物言いをするその教師に対して、

 

明久「無得点にしたいのならご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」

 

省太「ああ、そうだな」

 

そう言って明久たちは退出して行った。正直、明久には感謝してる。あの言葉が無かったら、きっと殴っていたと思うから。

 

明久たちの姿が見えなくなった後、

 

教師「私のクラスから4人も無得点者が……。吉井明久・反田省太……、学園の面汚しめ……‼︎」

 

ん? あの教師今何て言った? ぼくの聞き間違いじゃなければ、2人のこと面汚しって言ったよね? 聞こえないように言ったんだろうけど、ちゃんと聞こえてますよ?

 

これまでのやり取りの時点で、試験を受ける気力が失せていたので席を立った。

 

教師「おい、上運天!! 何をしている、席につけ! お前も無得点になりたいのか!!」

 

渚「え、別にいいですよ。もうこの試験受ける意味がないと思ったので(笑)」

 

さらに続ける。

 

渚「それにアナタ、明久たちのことdisりましたよね? 本人たちがいないときに。ぼく聞こえましたから。面と向かって物事言えない大人は最低ですよ。アンタそれでも教師ですか⁇ 人に物教える前に、自分が教育やり直した方がいいといい思いますよ? まぁ、もし改善されたとしてもアンタは願い下げだけどな!!」

 

そう言い残して、ぼくも退出した。後に引けなくなったがまぁいい。とりあえず、保健室に寄って行くか。

 

渚side out

 

 

 

省太side

 

俺は反田省太。文月学園の新2年生だ。振り分け試験中に途中退出した後、俺の親友……吉井明久と一緒に姫路瑞希さんと池端早代を保健室に連れて行った。

 

保健室で休ませている最中、自分たちの為に俺たちまで無得点になったことに責任を感じているのか、2人共「ごめんなさい」と謝り続けていた。

 

明久がどう慰めていたのかはわからないが、

 

省太「気にしなくていいぞ。サヨが困っているとき、助けるのは俺の役目だ。そう……、君が大切だからな……」

 

そう言って頭を撫でていたりしているうちに安心したのか、サヨは眠っていた。

 

明久「省太、池端さんはどう?」

 

省太「今眠ったところかな。姫路さんはどうなんだい? 」

 

明久「同じ」

 

省太「そっか」

 

明久「じゃあ先生、しばらくの間お願いします」

 

保健の先生「わかったわ」

 

廊下に出た後、しばらく沈黙が続いた。

 

 

明久「……ねぇ、省太」

 

省太「? どうした、明久?」

 

明久が口を開く。

 

明久「僕、これでよかったんだよね? 間違ったことしてないよね?」

 

省太「何を言うかと思ったら……。あの状況でお前を非難する奴は、あの教師以外いねぇよ。それに、放って置けないって思ったから助けたんだろ? それでいいじゃんか。仮に明久がやらなくても俺がやってたしな♪」

 

明久「ありがとう」

 

本当に明久は優しいな。奴が親友だって、胸張ってそう思えるよ。

 

明久「でも、これでFクラスになるのは決定的だよね……」

 

省太「まぁ、あんな行動を取った訳だし……(汗)」

 

⁇?「本当にそうだよねー☆」

 

明久・省太「「⁉︎」」

 

いきなりの呼びかけに俺たちは驚いた。何故なら……。

 

渚「やぁ、明久・省太♪」

 

俺や明久と比べて小柄な少年が、気づかぬうちに現れたからである。

 

明久「渚……?」

 

省太「お前いつからそこに……。ってか振り分け試験はどうしたんだよ?」

 

渚「今通りかかったとこだよ。試験は受ける意味がなくなったからパスした(笑)」

 

とても明るい雰囲気でそう言ってくるこの少年の名前は、上運天渚。明久と同じくらいに親友だ。

 

明久「そうなんだ。でもよかったの? Aクラスに行ける可能性もあったのに……」

 

渚「何言ってんのさ。明久と省太を差し置いて、ぼくだけ上位クラスに行けないよ。仮に行ったとしても楽しさ半減だからさッ☆」

 

省太「ふっ、それもそうかもな」

 

明久「何はともあれ、2年生も一緒だね。今後もよろしく♪」

 

省太「おう、よろしく頼むよ♪」

 

渚「ぼくの方こそ、よろしくねー☆」

 

明久「これからのことは新学期になってから考えようか」

 

省太・渚「「りょーかいッ☆」」

 

それから俺たちは、休んで回復した姫路さんとサヨとの5人でお喋りした後、それぞれ帰宅していった。

 

今俺はサヨと2人きりだ。

 

サヨ「ねぇ、省太くん。サヨね、途中退出で無得点になるって聞いたとき、とてもショックだったよ……」

 

省太「うん」

 

サヨ「でも省太くんがサヨと瑞希ちゃんの為に怒ってくれたとき、とても嬉しかった。サヨ、省太くんを好きでいて間違ってなかったって、心からそう思えるの」

 

省太「サヨ……」

 

サヨ「だから省太くん! 希望してたクラスじゃなかったけど、今年もよろしくね‼︎」

 

省太「おう‼︎ よろしくな☆」

 

その後サヨを送った後、帰りながら考えた。

この先どんな学園生活が待っているのか……。まぁ、色々あるけど楽しい学園生活にしていこう……。

 

そう思った俺は、家へと歩いて帰って行った。

 

省太side out

 

 

???side

 

???「へぇ、あの3人がFクラスか。面白い。これは新学期が楽しみだな、はっはっはっ……」

 

やりたいことがあったから点数調整したが、これは嬉しい誤算だ。正直ちょっと厳しいって思ってたからな……。新学期に会えるのを楽しみにしているぜ、反田省太、上運天渚。そして……、吉井明久。

 

???side out

 

to be continued……




プロローグですが、どうでしたか?
初めて小説を書いてみて、「何だこれ?」というのが正直な感想ですが、こんな駄文でも気に入って頂ければ幸いです。

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。


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キャラクター紹介 その1

主人公3人のキャラクター設定とその他諸々です。

※ストーリーの進行に応じて設定を追記していきます。

追記:オリキャラの設定を追加しました。


名前:吉井 明久(よしい あきひさ)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通りだが、鍛えられている。(身長は175㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目全般が得意。苦手科目はなく、全ての科目で最低400点以上取れる程成績優秀。(最高点は日本史で、644点)

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:キャンセラー(消費点数200点) あらゆる腕輪の使用を禁止する。発動時に隙がなく強力な効果だが、発動の前に“溜め”の動作を必要とすること、消費点数が重めなのが欠点。また腕輪のない敵には、デバフ効果が発揮される。

 

原作との変更点

 

・バカじゃない←(ここ重要)

・瑞希と美波に恋愛感情はない

・雄二と本格的に絡むのは2年次

・FFF団に所属していない

・観察処分者は自分から立候補

 

 

解説:原作と同様、本作の主人公。原作とは違い、観察処分者には「教師陣の役に立ちたい」と自ら志願。その肩書きに相応しく振る舞うべく、敢えてバカを演じていた。このことは、一部の生徒を除いては教師陣しか知らない為、殆どの生徒からは原作通りバカだと思われていて、反田省太・上運天渚と合わせて【文月3バカトリオ】と称される。(また、“御三家”という別称もあり、最近はこれに取って代わられている。)

振り分け試験の際、姫路瑞希を助けた結果Fクラスに振り分けられてしまった。だが、それすらも自分を高める要素とプラスに捉えており、来たる試召戦争に向けて闘志を燃やす。同時に、Fクラスの問題にも立ち向かうことになる。

木下優子と付き合う約束をしていたが、Aクラスに進級できなかった為、自分から保留にしている。

しかし、両思いなのは確かなようだ。

 

 

名前:反田 省太(はんだ しょうた)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作の容姿が高校生まで成長した姿(身長は179㎝)。性格は原作通り。

 

得意科目と苦手科目:情報が得意で、学年トップ(平均点は551点。最高点は648点)。その他の科目もソツなくこなせる器用万能型(明久より少し劣る程度)。

 

召喚獣の見た目と武器:白と水色を基調とした騎士服。武器はランチャーモードに変形可能な大剣。

 

腕輪の能力:メガ・ブラスター(消費点数60〜120点) 大剣をランチャーモードに変形させる射撃形態と、巨大なビーム刃を形成する斬撃形態の2種類が存在。射撃形態は、連射モードと照射モードがあり状況に応じて使用する。省太は接近戦を好むことから、斬撃形態を使うことが多い。

 

原作との変更点

 

・サヨが一番好き

・このみとの恋は吹っ切れた

・父親との関係は悪くない

 

 

解説:本作の主人公その2。『無邪気の楽園』の主人公である。明久・渚とは文月学園に入学以来の付き合いであり、親友。明久が観察処分者に認定された際、明久だけが雑用を押し付けられるのを良しとせず、自らも観察処分者に立候補することに。敢えてバカを演じていた結果、同じく文月学園に通う小・中学生時代の友人からは誤解されていたのだが、事情を説明したら理解して貰うことができた。Fクラスの現状に唖然とするが、大切な人たちの為に自分が頑張らなければと、己を奮い立たせる。

池端早代は小学校時代からの付き合いであり、お互いに想い合う仲。まだ付き合ってはいなかったが、ついに告白。

漸く結ばれることができた。

 

 

名前:上運天 渚(うえうんてん なぎさ)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:童顔で髪型はショートウルフ。身長は明久よりも低い(165㎝)。明るく快活だが、友達に危害を加える・加えようとする者には容赦しない。

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意でムッツリーニとタメを張れる程(最高点数は589点)。それ以外では現代国語と地理も得意(平均:440点)。苦手科目は数学と物理(最高は数学が350点、物理は326点)。

 

召喚獣の見た目と武器:アレンジの入った拳法着(黒+紫)と、短パン+黒スパッツ。武器はブレードトンファー。

 

腕輪の能力:スマッシュ・ヒット(消費点数40〜100点) 一度の発動で与ダメージを最大3倍まで上昇させる。また、相手の攻撃やガードを一方的に破ることも可能。防御系の能力を発動している相手にもダメージを与えることは可能だが、その場合はダメージが半減となる。

 

解説:本作のオリジナルキャラクターであり、主人公その3。文月学園入学当初はかなり荒れていたのだが、明久と出会ってから本来の明るさを取り戻し、省太ともすぐ仲良くなった。省太と同じ理由で観察処分者に立候補。殆どの生徒からはバカ扱いされているが、本人は気にしていない。寧ろ明久と省太を悪く言われることの方が我慢ならないようで、度々暴走しそうになるが、その度に2人に止められる。結果的にFクラスとなったが、明久たちがいればどんなクラスでもきっと楽しいだろうと、これからの学園生活に心を踊らせる。

彼自身は彼女いない歴=年齢だが、一騎討ちのときに佐々木奈子と一戦交えてからは、彼女とも親しくなっていく。

 

 

名前:神代 遥祐(かみしろ ようすけ)

 

性別:男性

 

所属クラス:Bクラス

 

容姿と性格:中性的な顔立ちで、ショートヘアに後ろを一本結びしている。身長は176㎝。

 

得意科目と苦手科目:全てが得意科目。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:白に灰色のラインが入った騎士服。武器は装飾が施された大剣。

 

腕輪の能力:まだ披露していない為不明。

 

解説:本作のオリジナルキャラクター。明久、省太、渚の3人とは1年次からの付き合いで、友人。

振り分け試験では霧島翔子と首席の座を争い、次席となるハズだったが本人の希望で辞退し、教師陣による協議の結果Bクラス代表に落ち着く。

こうした理由は、根本恭二がバカな真似をしないように見張ること、学年の治安維持が理由であるらしい。

 

 

用語説明

 

テスト:合計14科目なのは原作と同じ。違うのは、地学が情報に変更されていること。

 

観察処分者:原作では、文月学園におけるバカの代名詞。だが本作では明久が自ら立候補しているのと省太と渚も任命された為、観察処分者は3人いることになる。

 

文月3バカトリオ:吉井明久・反田省太・上運天渚の3名のこと。彼らは観察処分者であること、普段から問題行動を起こしている為このように呼ばれる。尚、最近は後述の御三家という別称が使われ出し、こちらは廃れている模様。

大半の生徒は、3名の行いが演技であることを知らない。

 

御三家:前述の文月3バカトリオに取って代わった、新たな通称。本来ならいい意味で使われるはずだが、こちらでも蔑称となっている。しかし、ここ最近のFクラスの快進撃が知られてからは、評価が変わりつつある。

 

ノイン・マイスターズ:Aクラスの成績上位者の通称。メンバーは、霧島翔子・神谷真夏・金子理央・佐々木奈子・春風このみ・久保利光・木下優子・工藤愛子・佐藤美穂。久保利光を除いて、全員が女子生徒であることが特徴。また上位5名と下位4名との間には、決して小さくない実力差がある。




以上、主人公3人の紹介でした。

次回から第1話がスタートします。

よろしければ是非覗いてみてください。
では、また次回にお会いしましょう。


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キャラクター紹介 その2 バカテスside

バカテス勢のメインキャラクターの設定です。

こちらもストーリーの進行に合わせて、設定を追記していきます。



名前:木下 優子(きのした ゆうこ)

 

性別:女性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:容姿は原作と同じ。性格は原作に比べてかなり丸くなった。

 

得意科目と苦手科目:文系科目(特に現代社会)が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:見た目は原作通り。武器は大型ランスと、装飾が施されたシールド。

 

腕輪の能力:トルネード(消費点数50点) 竜巻を発生させる。周囲の敵を吹き飛ばす全体攻撃、ランスに纏わせて突進力を強化と使い分けていく。

 

原作との変更点

 

・明久のことが大好き

・腐女子じゃない

・秀吉に優しい(ときに厳しくもする)

・原作よりもスタイルが良い

 

 

解説:本作のメインヒロインの1人。2年Aクラスに所属している、“ノイン・マイスターズ”のNo.7。当初は明久のことを見下していたが、一緒に過ごす内に彼に惹かれていく。付き合うのに振り分け試験でAクラスに進級することを条件にしたところ、アクシデントがあったとはいえ明久はFクラスに振り分けられてしまった。告白を普通に受け入れればよかったと後悔するが、振られた訳ではないので一安心している。

 

 

木下 秀吉(きのした ひでよし)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:古典が得意。苦手な科目は英語と化学。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・ちゃんと男子として扱ってもらえる(FFF団を除く)

・優子との仲は良好

・原作より学力が向上

 

 

解説:2年Fクラス所属。演劇部に所属しており、特技は声帯模写。容姿が姉の優子と瓜二つの為、『第3の性別・秀吉』等と称されることも(明久たちを除く)。演劇に熱中していることで学業が疎かになっているが、本気を出せば好成績を残せるので、やればできるタイプ。

春風このみは部活仲間で友人だが、最近気になっている。

 

 

名前:坂本 雄二(さかもと ゆうじ)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス代表

 

容姿と性格:原作通り。(身長は185㎝)

 

得意科目と苦手科目:これといって得意科目はないが、苦手科目もない。

 

召喚獣の見た目と武器:見た目は原作通り。武器は大型のガントレット。

 

腕輪の能力:捨て身(消費点数50〜100点) 与ダメージ倍率を最大5倍にする。ただし攻撃時の反動も、消費点数に応じて大きくなる諸刃の能力でもある。

 

原作との変更点

 

・早い段階で翔子と恋人同士になる

・明久の不幸を喜ばない

・明久とは2年次から親しくなっていく

・FFF団に所属していない

 

 

解説:2年Fクラス代表。本来ならAクラスだが、最下位クラスでも上位クラスと渡り合えることを証明する為に、点数を調整した。

明久、省太、渚の3人に期待を寄せると共に、代表として相応しくなる様自らも奮闘する。

翔子とは小学生の頃の出来事がきっかけで距離を置いていたが、それが間違いだったことに気付き、一騎討ち終了後に告白し付き合うことに。

 

 

霧島 翔子(きりしま しょうこ)

 

所属クラス:Aクラス代表

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:学年首席に相応しく、全ての科目が得意。当然ながら苦手科目はなし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:ミラージュ(消費点数60点) 分身を複数生み出す。分身自体に攻撃能力はないが、本体と見分けるのが非常に困難。

 

原作との変更点

 

・雄二に対して優しい

・雄二へのお仕置きが軽くなった

・嫉妬深くない

 

 

解説:2年Aクラス代表にして“ノイン・マイスターズ”のNo.1。振り分け試験において驚異の7000点台を叩き出し、このことから真夏からライバル視されている。雄二とは幼馴染であり、小学生の頃の出来事がきっかけで距離を置かれていたが、一途に雄二を想い続けていた。

Fクラスとの一騎討ち終了後、雄二の告白を受け入れて結ばれる。

 

 

土屋 康太(つちや こうた)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意で学年トップ。また、家庭科も得意。それ以外は苦手。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:加速(消費点数50点) 運動性、機動力、攻撃速度が向上する。速攻性の高さが利点だが、小回りが利きにくいのが難点。

 

原作との変更点

 

・愛子に対して少し積極的になる

・家庭科も得意科目になった

・FFF団に所属していない

 

 

解説:2年Fクラス所属。盗撮と盗聴を特技とし、学園では『ムッツリーニ(寡黙なる性識者)』の異名を持つ。それ故に、保健体育の成績は常に学年トップの座を死守している。一騎討ちにて愛子と対戦したことで親しくなっていく。今はまだライバルと思っているが、好意を自覚するのはそう遠くはない……ハズ。

 

 

工藤 愛子(くどう あいこ)

 

性別:女性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意で学年上位に食い込む。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:帯電(消費点数50点) 武器に雷属性を付与する。雷撃による追加ダメージと、一定時間スタンさせる効果も発揮する。

 

原作との変更点

 

・康太を名前で呼ぶ

・康太にハッキリと好意を示している

 

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.8。保健体育に自信を持っていたが、一騎討ちで康太に敗北してからは、上には上がいることを自覚。同時に康太のことが好きになった。

 

 

久保 利光(くぼ としみつ)

 

性別:男性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は178㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目全般が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・ゲイではない

・明久は友人というスタンス

・学年次席ではない

 

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.6。女子生徒が幅を利かせているAクラス内で、ノイン・マイスターズ入りを果たした唯一の男子生徒である。

姫路瑞希との一騎討ちに敗れてから力不足を感じ、自分を見つめ直すべく頑張ることを誓う。

 

 

姫路 瑞希(ひめじ みずき)

 

性別:女性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:ほぼ全ての科目を得意とする。ただし、家庭科は苦手。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:熱線(消費点数50点) 紅いビームを放つ。発動に隙がないので扱いやすい。

 

原作との変更点

 

・明久に恋愛感情はない

・料理の腕は改善(される予定)

 

 

解説:2年Fクラス所属。学年でも上位に位置する学力の持ち主で、振り分け試験で途中退出がなければノイン・マイスターズ入りは確実だったと噂の才女。料理が趣味らしく、見た目は美味しそうだが味は最悪で、そこが致命的な弱点とされる。

 

 

島田 美波(しまだ みなみ)

 

性別:女性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。

 

得意科目と苦手科目:理系科目(特に数学)が得意。苦手科目は文系科目全般(ただし、英語はまぁまぁできる)。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・明久に恋愛感情はない(友人として好き)

・基本的に暴力を振るわない

・原作よりも学力が向上

 

 

解説:2年Fクラスに所属する、ドイツ育ちの帰国子女。その為か日本語の読み書きが苦手だが、数学であれば上位クラスにも劣らない点数を叩き出す。また明久たちと一緒に勉強していることもあって、ここ最近は成長の兆しが見えつつある。

 




バカテス勢のメイン紹介は以上です。
無邪気勢も後ほど投稿しますので、しばらくお待ちくださいませ。


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キャラクター紹介 その3 無邪気side

無邪気勢のキャラ紹介です。

ここでの設定は今作オリジナルの要素ですが、原作の設定も含む為、可能であれば原作を読んでおくことをお勧めいたします。

こちらもストーリー進行に応じて、設定を追記していきます。


池端 早代(いけはた さよ)

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は159㎝)

 

得意科目と苦手科目:家庭科が得意。苦手科目は数学と地理。

 

召喚獣の見た目と武器:魔法少女風の戦闘服(パステルピンク)。武器はハルバード。

 

腕輪の能力:レイ・シュート(消費点数60点) ビームを放つ。“ホーミング”の場合は無数の光弾が相手を追尾し、“クラスター”なら集束ビームを照射する。いずれの場合も多くのターゲットを捕捉できるが、扱いやすさはホーミングが上。(威力はクラスター)

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:本作のもう1人のメインヒロインで、2年Fクラス所属。反田省太とは小学生時代からの幼馴染で、互いに好意を寄せ合いながらも中々関係が進展せずにいたが、Aクラスとの一騎討ち終了後に省太の告白を受け入れて付き合う。長年の想いが漸く実った。

 

 

春風 このみ(はるかぜ)

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は162㎝)

 

得意科目と苦手科目:家庭科が得意。苦手科目は化学。

 

召喚獣の見た目と武器:アイドル風の戦闘服+肘当てと膝当て。武器は2丁のソードライフル。

 

腕輪の能力:フリージング(消費点数60〜120点) 青のエネルギー波で相手を氷漬けにする。点数消費を増やせば、広範囲に渡って多くの敵を行動不能にすることも可能。

 

原作との変更点

 

・省太とは失恋する

・まだ芸能界入りはしていない

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.5。成績優秀なのもさることながら、演劇部でも精力的に活動を行っている文武両道な女子生徒。省太の初恋の人であったが、省太はサヨを選んだ為2人を応援することを選ぶ。演劇部に所属している秀吉は部活仲間であり、友達だが……?

 

 

神谷 真夏(かみや まなつ)

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は160㎝)

 

得意科目と苦手科目:全ての科目が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:真紅の戦闘服(ヘソ出し)。武器はツインブレードと装甲車風の支援メカ。

 

腕輪の能力:武装(消費点数100点) 支援メカを分離させて、全身に装着する。運動性は少し低下するが、それ以外の能力が全て向上し、攻撃・防御共に万全の状態となる。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス次席で、“ノイン・マイスターズ”のNo.2。振り分け試験にて、翔子以外では数少ない6000点越えを記録した(もう1人は神代遥祐)。その一方で、明るく親しみやすい性格で学園内での評判も上々。向上心が強く負けず嫌いの為、自分以上の成績を残す翔子をライバル視している(普段の仲は良好)。一騎討ちで対戦した明久に興味を持ち、敗北こそしたが素直に彼の実力を讃え、友人兼ライバル認定した。

 

 

佐々木 奈子(ささき なこ)

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は163㎝)

 

得意科目と苦手科目:地理と英語が得意。苦手科目は保健体育。

 

召喚獣の見た目と武器:巫女服(白+赤)。武器は方天画戟を装備する。

 

腕輪の能力:クリティカル・カウンター(消費点数100点) 相手からの攻撃に対してダメージを1.5倍上乗せで反撃する。当て身投げの様な能力の為か、飛び道具とは相性が悪い。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.4。勝気で正義感が強いが、ノリの良い部分も併せ持つ少女。合気道が特技で、本人曰く売られたケンカは買う主義らしい。

省太とは、サヨ・このみ・真夏・リオと同じく小学生時代からの付き合いで何かと世話になっており、今でも頼られることがある。

一騎討ちで渚と対戦したことから、彼に興味を持つ。

 

 

金子 理央(かねこ りお)

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は165㎝)

 

得意科目と苦手科目:現代社会と保健体育が得意。苦手科目は生物。

 

召喚獣の見た目と武器:黒と桃色のラインが入った鎧。軽装状態は、真・三○無双シリーズの呂○綺に似た姿になる。武器は十字戟。

 

腕輪の能力:キャスト・オフ(消費点数80点) アーマーをパージして自身を強化する。アーマーパージ自体も攻撃手段となり、Bクラス迄ならこれで一掃することも可能。攻守のバランスに優れたオールラウンドと、攻撃特化のアサルトの2形態を使用できる。アサルトモードは強力ではあるが、戦死のリスクも相応に高まる為、総合的にはオールラウンドモードが優秀。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.3。奈子以上に勝気で、喧嘩っ早い少女。それ故に省太とは相性が悪く、互いにライバル視し合っていた。しかし、交流を深める内に省太のことが好きになっていく自分に気付き、意を決して告白するが振られてしまう。サヨの想いに応えたいことを知ってからは、2人を後押ししていくことに。

その後も2人の仲が進展しないことにやきもきしていたが、一騎討ち終了後に省太の告白を見届けて、小学生時代から続く心残りが漸く解決した。




無邪気勢のキャラ紹介は以上となります。

引き続き本編をお楽しみくださいませ。


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試験召喚戦争編 第1話 楽園の幕開け

こんにちは、こんばんは。 エクシリオンです。

ここからストーリーが始まります。
第1話です、どうぞ‼︎



明久side

 

僕らが文月学園に入学してから2度目の春がやって来た。

通い慣れている通学路を歩いていると、2人の少年が声を掛けてくる。

 

省太「よう、明久!」

 

渚「おはよっ、明久っ☆」

 

僕の親友、反田省太と上運天渚である。2人とは1年のときからの付き合いで、登校するときは今のように3人一緒だ。数週間前の振り分け試験のときはあんなことになっちゃったけど、今年も同じクラスでいられるのはやはり嬉しい。

 

渚「ねぇ、省太。今日はサヨちゃんと登校するんじゃなかったの? なんか一緒に行きたがってたみたいだったけど……」

 

省太「あー、本当はそうしたかったけど、アイツらに見られたら面倒なことになるし、何よりサヨが危ないからな。だから今日は、姫路さんと一緒に登校するように言ったよ」

 

明久「アイツらって……、FFF団のこと?」

 

省太「ああ。アイツらは自分がモテないのを棚に上げて、迷惑かける連中だからな……。そんなことしたら余計に女の子が寄り付かないってのによ」

 

明久「それもそうかも」

 

こんな風に雑談しているうちに、学園が見えてきた。

校門前には西村先生が立っている。1年次の僕らの担任であり、同時に師匠でもある教師だ。

 

明・省・渚『『『おはようございます、鉄村先生!!! 』』』

 

西村「おはよう、吉井・反田・上運天。朝から元気なのはいいが、ちゃんと西村先生と呼べ」

 

明・省・渚「「「すいませーん」」」

 

西村「まったく……。そういうところが直れば優等生なんだがな……。それよりもほら、受け取れ」

 

そう言って僕たちに封筒を1通ずつ手渡した。振り分け結果の用紙である。

 

明久「あの……、渡すまでもないと思いますけど? 僕たち途中退出したから結果はわかってますよ」

 

省太「それに態々これを渡すなんて、紙の無駄遣いもいいところですよ。掲示板に張り出した方がよっぽどいいと思います」

 

西村「お前たちの言うことは尤もだ。だがウチは世間からも注目されている試験校だからな。こればかりはやり方を変えることはできんよ」

 

渚「へぇー、そうなんですかぁ……」

 

一応封筒を開封して、結果を見てみる。予想通り、僕たち3人はFクラスと書かれていた。

 

西村「しかし残念だな。お前たちは途中退出しなかったら、確実にAクラスに行けると思っていたんだが……」

 

明久「でも僕たちは後悔してませんよ? あの状況では、あれが一番正しいと思ったからそうしました。人として恥じることはしてないと、自信を持っています。ね、省太?」

 

省太「おう。俺の場合は少し違いますが、概ね明久と同じ気持ちです」

 

西村「そうか。だが、わからんのは上運天だな。何故お前も途中退出したんだ?」

 

渚「あの教師が明久たちの悪口を言ったのが許せなかったからです。それに明久たちが退出した以上は、試験を受ける意味が無いと思っていましたからね」

 

正直クサいと思ったけど、この気持ちは本当だ。

 

西村「友の為に敢えて下位クラスに行くことにしたという訳か……」

 

明・省・渚「「「西村先生?」」」

 

西村「ふっ……、お前たちは互いを尊重し合えるいい関係だな。Fクラスになってしまったことは残念だが、お前たちがより良い学園生活を送れるように、俺も全力でサポートしよう。この1年間全力で楽しめよ‼︎」

 

明・省・渚「「「はいッ‼︎」」」

 

そう言って僕たちは校舎内へ向かった。

 

 

 

省太「で、デカイ……」

 

渚「えっと……、ここって教室だよね……?」

 

明久「うん……、そうらしいね……」

 

僕たちが3階に踏み入れると、通常の3、いや6倍はあろうかという教室……、Aクラスが目の前に広がっていた。教室の窓から中を覗いてみると、まず目に入ったのは通常なら黒板のあるところに大型ディスプレイがあり、その前には専用のプロジェクターが設置されていた。

椅子も普通の高校と違ってリクライニングシートであり、机もシステムデスク、個人エアコン、冷蔵庫、ノートPCも完備してある。

 

渚「これだけ設備が凄かったら、みんなAクラスを目指したくなるのも納得できるよね……」

 

省太「ああ……。明久と渚もそうだけど、サヨと一緒に行きたかったな……」

 

明久「ま、まぁ今年は仕方なかったけど、来年こそはみんな一緒に行こうよ。それよりも早く、僕たちも自分のクラスに急がなきゃ」

 

 

Aクラスを後にして、廊下を進んで行くと2年F組のプレートが掛けてある教室に辿り着いた。……辿り着いたのだけど……。

 

明久「……何これ?」

 

省太「俺たちは物置小屋に来たのか……?」

 

渚「なんとなく嫌な予感がするんだけど……」

 

Aクラスのときとは、違う意味で衝撃を受けた。

 

省太「なぁ、明久・渚。俺……、帰っていいか?」

 

渚「ぼくも同意見だよ……。見るからに得体の知れないオーラ感じるもん……」

 

明久「気持ちはわかるけど、新学期早々欠席は流石にマズイよ。確かにFクラスは全クラス中最低の設備かもしれないけど、そんなに酷くはないハズだよ」

 

省太・渚「明久……」

 

明久「それに西村先生も言ってたじゃないか、『全力で楽しめ』って。もし本当に設備が酷かったとしても、住めば都って言うし。きっとなんとかなるよ」

 

省太「……そうだな。ここで逃げちまったら、サヨに顔向けできないしな……。……よし、やってやるよ」

 

渚「ここまで来たからには、ぼくも覚悟決めるよ」

 

明久「じゃあ決まりだね。さぁ、行こう。ここからが新たなスタートだよ!」

 

そして僕たちは、扉を開けて教室へと入って行った。

これから1年間待ち受ける出来事に、期待(と不安)を抱きながら。

 

to be continued……




これにて第1話は終了となります。
いかがだったでしょうか?

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。

それでは、また次回にお会いしましょう。


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第2話 自己紹介と軍団鼓舞

お待たせしました。今回は、試召戦争開始前までの話となります。

それではどうぞ!


省太side

 

明久「じゃあ決まりだね。さぁ、行こう。ここからが新たなスタートだよ!」

 

明久がそう言って扉を開けると、

 

明・省・渚「「「おはようございます、遅くなりました‼︎」」」

 

第一印象を考えて、俺たちなりに元気よく挨拶した。

 

雄二「遅かったな、“3バカ”」

 

教室に入って早々、俺より背の高い赤毛の男がそう言った。

まぁ確かに観察処分者らしく振舞う為にバカやってたのは事実だが、開口一番がそれかよ。

 

明久「えっと、君は……坂本雄二くんだね? 君の学力ならAクラスは確実に行けたハズだけど、どうしたの?」

 

雄二「ああ。やりたいことがあったから、点数調整してFクラスに来たのさ」

 

省太「へぇ……、なるほどね。ところで、席はどこに座った方がいいんだ?」

 

雄二「んー。特に決まってないようだから、空いているところに座っていいらしいぞ」

 

明久「ありがとう、坂本くん」

 

そして俺たちは教室の窓際の席が空いていたので、その周囲に座った。

すると、近くにいた1人の生徒が近づいて来た。

 

秀吉「おお、お主らもFクラスじゃったのか」

 

明久「おはよう、秀吉」

 

その生徒は俺たちの友人である、木下秀吉だった。

 

省太・渚「「おはよう、秀吉(くん)!」」

 

秀吉「おはようなのじゃ。省太、渚」

 

こうしてみると、秀吉は姉の木下優子さんと瓜二つだということがよくわかる。それ程可愛い容姿だが……、本人の前では言わないでおこう。

 

明久「秀吉もFクラスなんだね」

 

秀吉「うむ……。演劇に熱中するあまり、勉学が疎かになったのじゃ……」

 

渚「その熱意をもう少し勉強に注いでいたらまた違ったかもねー☆」

 

秀吉「そうじゃな。……じゃが、Fクラスなのはわしだけではないぞ」

 

秀吉がそう言って目線を移した先にはムッツリーニ……、土屋康太がいた。

 

渚「ムッツリーニもいるのかー。まぁ、だいたい予想通りだけどね☆」

 

康太「……途中で試験放棄したヤツに、言われたくない」

 

渚「むぅ……。言ってくれるじゃない。否定はしないけどさッ☆」

 

こんなやり取りをしてる内に、HRの時間になった。

 

福原「えー、おはようございます。2年Fクラス担任の……、福原慎です。よろしくお願いします」

 

福原先生が黒板に名前を書こうとして……、やめた。おい、チョークすらないのかよここは!

 

福原「みなさんに設備が支給されているか確認します。何か不備があれば申し出てください」

 

FクラスA「せんせー、俺の座布団に綿が入ってないです」

 

福原「はい、我慢してください」

 

FクラスD「先生、俺の卓袱台の脚が折れてます」

 

福原「木工ボンドを支給しますので、あとで自分で直してください」

 

FクラスG「先生、窓が割れていて隙間風が寒いんですけど……」

 

福原「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」

 

この現状を見て、俺たちが感じていた予感は気のせいではないことがよくわかった。教室全体を見渡すと、隅には蜘蛛の巣が張ってあるし、壁はひび割れや落書きされている部分が殆どで、ハッキリ言って汚い。おまけに、床の畳は長い間交換していなかったのかカビ臭い匂いが教室全体を覆っている。絶対勉強させる気ないだろ……。

 

福原「では、自己紹介を始めましょうか。廊下側の人からお願いします」

 

福原先生の指名を受け、廊下側から順に自己紹介が始まっていった。

 

秀吉「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。最初に言っておくが、わしは男じゃ」

 

すると一部を除いた殆どの男子が騒ぎ出し、口々に勝手なことを言い出している。

 

省太「(何をどうしたら、そんな思考回路になるんだ……?)」

 

渚「(秀吉くんは男だよ。それ以上でもそれ以下でもない)」

 

明久「(同感。秀吉も大変だよね……)」

 

秀吉に同情しつつ、俺たちは頭を抱えた。

 

康太「……土屋康太」

 

通称ムッツリーニと呼ばれる彼は、保健体育が学園一位という保健体育の帝王。これに関しては俺たち以上だ。

 

美波「島田美波です。ドイツ育ちなので、日本語の読み書きと英語が苦手です。趣味は気に入らない男子をシメることです☆」

 

さり気なく危ない趣味を公言したこの女子生徒は、島田美波さん。俺と親しい女子の中では、リオに似ているだろうか。俺たちは基本的にいい子だと思っているので、その趣味は是非ともやめてほしいところだ。

 

美波「はろはろー♪」

 

どうやら俺たちに気づいたらしく、笑顔で手を振っている。

 

明・省・渚「「「やぁ、美波」」」

 

美波「今年もよろしくね、アキ・省太・渚」

 

FクラスM「ーです。よろしく」

 

よし、次は俺の番か。ここは無難に行こう。

 

省太「半田省太。大切なものは友達、嫌いなものは友達を傷つけようとするヤツだ。よろしく」

 

何人か進んで、今度は渚の番になった。

 

渚「上運天渚です。苗字で呼ばれるのは好きじゃないので、名前で呼んでください。あと、明久と省太の悪口言ったり危害加えようとした人は……、死ぬよ☆」

 

顔は笑っているが、最後の一言が物騒だと親友ながら思う。

 

渚「長生きしたいなら、今言ったことちゃんと覚えてね。……返事は?」

 

Fクラスモブ共『『『『はぃぃぃぃぃぃッ!!!!』』』』

 

渚「よろしいっ!」

 

それを聞いて満足したのか、渚は席へ戻ってきた。

次は明久の番だ。

 

明久「吉井明久です。これから1年間よろしく。省太と渚と似たようなこと言うけど、友達を侮辱する人はたとえ同じクラスの人であっても、許さないからね……」

 

また教室内が静かになった。まぁ、これだけ釘を刺しておけば多分大丈夫だろう。

 

その後も1人、また1人と自己紹介が続いていき、終わりも近づいたそのときだった。ガラガラと教室の扉が開き、2人の女子生徒が現れた。あの振り分け試験の際、俺と明久と共に退出となった姫路さんとサヨである。

 

瑞希・サヨ「「あの、すいません……。遅く、なりました……」」

 

Fクラス全体が驚きの声を上げる。無理もないだろう。普通ならこのFクラスに不相応な女子生徒が2人も来たのだから。尤も、俺たちはここに来ることを知っていたが。

 

福原「丁度いいところに来ました。今自己紹介をしている最中なので、姫路さんと池端さんもお願いします」

 

瑞希「は、はい! あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」

 

サヨ「池端早代です。これからよろしくね!」

 

FクラスH「あの、質問いいですか?」

 

既に自己紹介を終えたする男子生徒の1人が右手を挙げる。

 

瑞希・サヨ「「はいっ。なんですか?」」

 

FクラスH「2人はなんで、このクラスに来たんですか?」

 

乱暴な聞き方ではあるが、彼の疑問は俺たち以外全員が抱くことだ。

2人共学園内でも上位レベルの容姿を持ち、姫路さんは成績上位一桁に以内に常に名を残す才女だ。サヨも姫路さん程ではないとはいえ、成績は間違いなく優秀な部類に入る。故に本来ならFクラスではなく、Aクラスにいるべきだと考えるのが自然だろう。

 

瑞希「えっと……、振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」

 

サヨ「サヨも同じだよー」

 

その言葉を聴き、クラスの人々は納得したようだ。

試験途中での退出は如何なる理由であろうとも、無得点扱いになる。決まりとはいえ、納得できなかった俺と明久は、2人だけでも再試験できないか学園長に掛け合ってみたが認められなかったので、正直悔しかった。

 

FクラスN「そういえば、俺も熱が出たからFクラスになったんだよな」

 

FクラスK「俺は弟が事故に遭ったと聞いて集中できなかったよ」

 

FクラスP「お前一人っ子だよな?」

 

FクラスB「前の晩、彼女が……」

 

FクラスT「はい、嘘だな」

 

明・省・渚「「「……………」」」

 

あえて何も言うまい。これは想像以上だ、悪い意味で。

連中が騒いでいる内に、2人を招いて席に座らせた。サヨが俺の隣、姫路さんは明久の隣である。

 

福原「はいはい。みなさん静かにしてくださいね」

 

福原先生が教卓を叩いて注意した。

 

福原「あ、すいませーーー」

 

バキィッ バラバラバラ………。

 

教卓が一瞬でゴミ屑と化した。

 

福原「え〜……。替えを用意してきます。少し待っていてください」

 

そう告げて、先生は教室から出て行った。

 

明久「……坂本くん、ちょっといいかな?」

 

明久が坂本に声をかける。

 

雄二「ん? なんだ?」

 

明久「ここじゃ何だから、廊下で。省太と渚も来て」

 

省太・渚「「わかった(よ)」」

 

雄二「ああ、いいぜ」

 

サヨと姫路さんに一声かけて廊下に出る。

 

明久「話す前に、これから共にする仲間だし、名前で呼ぶから僕たちのことも名前で呼んで欲しいな」

 

雄二「……いいだろう。よろしくな、明久・省太・渚」

 

明・省・渚「「「よろしく、雄二」」」

 

雄二「んで、話ってなんだ?」

 

明久「うん、Fクラスのことだけどさ……」

 

雄二「言わなくてもわかる。想像以上に酷いな」

 

明久「雄二も見たよね? Aクラスの設備」

 

雄二「ああ、凄いもんだよな」

 

一方はチョークすらないひび割れた黒板のある教室で、もう一方は相当高額なプラズマディスプレイがある教室。格差は一目瞭然だ。

 

渚「そこでぼくたちからの提案。2年生になったから、『試召戦争』をやってみない?」

 

雄二「戦争、か?」

 

渚「そう。それもAクラス相手に、だよ」

 

雄二「ほう……。何が目的だ?」

 

雄二が興味深そうな笑みを浮かべる。

 

省太「決まってんだろ……。サヨと姫路さんの為だ」

 

雄二「……きっとそう言うと思っていたぜ」

 

明・省・渚「「「⁇」」」

 

雄二「実は俺もAクラスに戦争を仕掛けようと思ってな……。それがこのクラスに来た理由だ。そして……」

 

少し間を置いて、雄二はこう続けた。

 

雄二「待っていたんだよ……、お前たちをな」

 

明久「……僕たちを⁇」

 

雄二「そうだ。お前たち3人は間違いなく、Fクラスの主力になり得るからな」

 

渚「ってことは、ぼくたちが観察処分者だって知ってるんだよね? でも召喚獣の扱いが学園トップクラスでも、大したことないと思うけど?」

 

雄二「隠さなくてもいいぜ? 表向きはFクラス相応だが、お前たちの本来の学力はずっと上だ。違うか?」

 

省太「随分と核心を突いてくるな。どこまで知っているんだ?」

 

雄二「とりあえず、お前たちの振舞いが演技だってことまではな」

 

見抜かれてたのかよ。結構自信あったんだけどな。

 

雄二「勝つ要素は揃った。あとは作戦次第だ」

 

省太「……雄二、最終目的について一度話がしたい。放課後、時間をくれないか?」

 

雄二「ああ、いいぜ。先生が戻ってきたから、教室に入るぞ」

 

明・省・渚「「「わかった」」」

 

雄二に促されて、俺たちは教室に戻った。

 

福原「それでは、自己紹介の続きをお願いします」

 

須川「須川亮です。趣味は………」

 

特に何も起こらないまま、淡々と自己紹介が進んでいった。

 

福原「坂本くん、君が自己紹介最後の1人ですよ」

 

雄二「了解」

 

先生に呼ばれて雄二が席を立つ。

教壇に歩み寄るその姿は、クラスの代表として相応しく感じられた。

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」

 

明久「(まぁ、代表と言えば聞こえはいいよね)」

 

渚「(でも最底辺のクラスだもんね……)」

 

省太「(自慢にもならないだろ……)」

 

雄二の自信に満ちた顔を見て、俺たちはそう思った。

 

雄二「さて、みんなにひとつ聞きたい」

 

雄二がゆっくりと、全員の目を見るように告げる。

すると、みんなの視線はすぐに雄二に向けられた。

それを確認した後、教室内の各備品を眺めてこう告げた。

 

「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが………、不満はないか?」

 

Fクラスモブ共『『『『『大ありじゃぁぁっ!!!!』』』』』

 

Fクラス生徒たち(一部を除く)の魂の叫び。

 

雄二「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」

 

FクラスU「そうだそうだ!」

 

FクラスE「いくら学費が安いからって、この設備はあんまりだ! 改善を要求する!」

 

FクラスX「そもそもAクラスだって同じ学費だろ? 成績でこの差は大きすぎるぞ!」

 

堰を切ったように次々とあがる不満の声。口に出さないだけで、相当溜まっていたのだろう。

 

雄二「みんなの意見はもっともだ。そこで俺たちFクラスは………、『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

 

雄二は不敵な笑みを浮かべて、みんなを焚きつける。

 

その言葉に一瞬士気が上がったが、すぐ現実に戻ったのか、

 

FクラスC「勝てるわけがない」

 

FクラスY「現実を見ろよ」

 

FクラスZ「姫路さんがいたら何もいらない」

 

FクラスQ「池端さん大好きだ」

 

そんな悲鳴が教室中から上がる。

普通に考えれば、落ちこぼれのFクラスとAクラスでは、戦力の差は歴然である。……ってかサヨにラブコールした奴誰だ! シメるぞ‼︎

 

……とにかく、その声があがるのも想定済みだったようで、雄二はまた笑みを浮かべてこう言った。

 

雄二「確かに、普通ならFクラスに勝ち目はないだろう。だが、今回は違う。このクラスには試召戦争で勝つことのできる要素が揃っている」

 

雄二はそう言って壇上を見下ろす。

 

雄二「おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いていないで前に来い」

 

康太「…………‼︎(ブンブン)」

 

瑞希「は、はわっ!?」

 

必死になって顔と手を左右に振り否定のポーズをとる康太と呼ばれた男子生徒。

姫路さんがスカートの裾を抑えて遠ざかると、ヤツは顔についた畳の跡を隠しながら壇上へと歩き出した。

 

雄二「土屋康太。コイツがあの有名なムッツリーニだ」

 

康太「…………‼︎(ブンブン)」

 

FクラスY「ムッツリーニだと……?」

 

FクラスS「バカな、ヤツがそうだというのか……?」

 

FクラスJ「だが見ろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……」

 

FクラスD「ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ……」

 

それは寧ろ恥じるべきだと思うが……。

姫路さんは頭に疑問符を浮かべているし、それはサヨも同じだ。

 

サヨ「省太くん。どういうことかな⁇」

 

省太「知らない方がいい……」

 

サヨの純情を守る為に俺はこう言った。

 

雄二「姫路と池端については説明不要だ。ウチの主戦力と言っても過言ではないだろう」

 

これにはみんな首を縦に振る。本来ならAクラスである2人がいるのだ、これ程心強いことはない。

 

雄二「木下秀吉も古典なら、Aクラスにも劣らない実力だ」

 

FクラスA「おお……!」

 

FクラスO「ああ、アイツは確か、木下優子の……」

 

雄二「当然、俺も全力を尽くす」

 

FクラスG「確かになんだかやってくれそうだ」

 

FクラスV「坂本は小学生の頃、神童って呼ばれていたっけ?」

 

FクラスX「実力はAクラス上位レベルが3人もいるってことだよな?」

 

FクラスQ「これはいける気がするぞ‼︎」

 

気がつけば、クラスの士気は最高潮に達していた。

 

雄二「それに、吉井明久・反田省太・上運天渚だっている‼︎」

 

…………シン―――

 

そして一気に下がった。まぁ、当然の反応だよな。

 

FクラスM「誰だ、そいつら?」

 

FクラスI「“文月3バカ”なら知ってるけど」

 

FクラスE「俺は“御三家”って聞いたぞ?」

 

予想通りとはいえ、言ってくれるなコイツら……。

 

雄二「まぁ待て。確かにコイツらは“観察処分者”という肩書きを与えられたが、裏を返せば召喚獣の操作は学園中でも一歩抜きん出ているということになる。それだけでも大きな強みだ‼︎」

 

ナイスフォロー、雄二。この発言のおかげで、下がった士気も元に戻った。

 

FクラスW「なるほど!」

 

FクラスB「つまり操作技術を駆使して戦うってことだな?」

 

FクラスS「期待してるぞ、お前ら!」

 

あっさり掌返しやがった。まぁ、士気は高いに越したことはないからそれでいいが。

 

雄二「これだけの戦力が揃えば、どんなクラスにも負けはしない! 目指すは打倒、Aクラスだ‼︎」

 

この言葉にFクラス男子たちは雄叫びをあげる。実力はともかく、気合と闘志は十分だ。

 

雄二「まず手始めにDクラスに攻めようと思う。誰か宣戦布告の使者になってくれないか?」

 

雄二はそう言ったが誰も行こうとしない。当然だ。下位クラスから上位クラスへ試験召喚戦争を仕掛ける場合、相手は拒否することができない。それは下位クラスにとってはメリットだが、上位クラスにしてみれば迷惑である。使者として向かえばリンチは避けられない為、そんな自殺行為はしたくないのが普通だ。……この男を除いては。

 

渚「はーい、誰も行かないならぼくが行くよー☆」

 

そう、良くも悪くも怖いもの知らずな俺たちの親友、上運天渚である。

 

雄二「お、おい渚。使者の役割、お前わかってるのか?」

 

誰に言われる訳でもなく、立候補してきた渚に雄二も……、いや、俺たち以外の全員が戸惑っている。

 

渚「知ってるよー。要は、喧嘩売って無傷で帰ってこればいいんだよね?」

 

雄二「そ、それはそうだが……」

 

渚「大丈夫だよー。ぼくを信じて♪」

 

明久「……雄二、行かせてあげて。こうなったら、渚は絶対に曲げないから」

 

雄二「わ、わかった。じゃあ渚、必ず無傷で帰ってこい」

 

渚「うん! 約束は必ず守るよー☆」

 

省太「渚! あまりやり過ぎるなよ?」

 

明久「程々にね」

 

渚「おっけー☆」

 

そう言って渚はDクラスに向かっていった。

 

雄二「本当に大丈夫なのか? ってか明久、お前よく行かせたな」

 

雄二の不安は、Fクラス全員の不安でもある。

 

明久「いや、渚は絶対大丈夫だよ」

 

省太「寧ろ、Dクラスの連中が心配だな」

 

俺たちはそう断言する。何故なら……。

 

渚『どこ狙ってるのー? そんなんじゃ当たんないよ、あははははー♪』

 

Dクラスで渚の笑い声が聞こえてきたからだ。

何にせよ、引き金は引いた。ここから戦争の幕が上がる。

 

to be continued……




士気高揚までを書きました。……長い。

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。

次回は漸くDクラス戦です。
それでは、また。


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第3話 下剋上スタート! 3バカのデビュー戦!! 〜対Dクラス戦〜

ついに試召戦争が始まります。
戦闘描写に自信はありませんが、頑張って書いてみます。

第3話です、どうぞ!


明久side

 

渚「ただいまー☆」

 

満足気な表情を浮かべた渚が、そう言って教室に戻ってきた。

 

省太「おう、おかえり」

 

明久「渚。確認するけど……、本気出してないよね?」

 

渚「まっさかー! あの程度の相手にぼくが本気出す訳ないでしょー? あっちが勝手に自滅してくれたんだよー☆」

 

明久「そ、そうなんだ……」

 

渚「ただ避けてるだけなのに、延々と当たらない攻撃を繰り返す……。もう本っっっ当、楽しいったらありゃしないよねー♪」

 

僕と省太は渚のことを学園の誰よりもわかってるつもりだけど……、未だにこういうところだけは理解できない……。

 

雄二「と、とりあえず無事でよかったな……」

 

康太「……勇者だ」

 

秀吉「お主の度胸には感服するのう……」

 

とまぁ、渚が宣言通りに帰ってきたところでミーティングを行うことになった。

 

秀吉「雄二。ひとつ気になるんじゃが、どうしてDクラスなんじゃ? 段階を踏んで行くなら、Eクラスを攻める方が確実じゃろう?」

 

雄二「秀吉の疑問は尤もだが……、ちゃんと理由はある。みんな、まずこれを見てみろ」

 

雄二がそう言って見せたのは、Eクラス生徒のリストだった。

 

サヨ「これが何か関係あるの?」

 

雄二「Eクラスは運動部が多く在籍している。他のクラスに劣るとはいえFクラスよりは格上だ」

 

美波「でも瑞希やサヨもいるんでしょ? どうして攻めないのよ?」

 

雄二「わからないか島田? 明久たちは途中退出してFクラスになった。……これがどういうことか、わかるな?」

 

美波「あ……。無得点……?」

 

雄二「そうだ。召喚獣の強さは最後に受けた試験の点数で決まる。だから無得点の明久たちは必然的に回復試験を受けなければならない」

 

明久「だけど、教室の近いEクラスだと僕たちが回復試験を受けている最中に、速攻を掛けられて敗北する可能性が高い。ならば、距離のあるDクラスの方が時間稼ぎも容易だし、多少劣勢でも挽回できる。何より勝ったときの対価が大きいDクラスを狙うのが得策……。こんなところかな、雄二?」

 

雄二「わかっているじゃないか、明久。その通りだ」

 

雄二は嬉しそうにそう言った。

 

雄二「それともうひとつは、召喚獣の操作にみんなが慣れてもらうことだ。Aクラスに勝つ為に必要なプロセスだからな」

 

渚「でも勝てなきゃ本末転倒だよー? 本当に勝てるのかなー??」

 

雄二「お前たちが協力してくれるなら……、勝てるさ」

 

渚の疑問に、雄二はこう返す。

 

雄二「いいか、お前たち。俺たちは……、最強だ」

 

美波「いいわね! 面白そうじゃない!」

 

秀吉「そうじゃな。わしも本気を出してみるかの」

 

康太「………(グッ)」

 

瑞希「が、頑張りますッ」

 

サヨ「やっちゃうよー!」

 

渚「ぼくに任せて☆」

 

省太「そこまで言い切るなら、乗ってやるよ!」

 

この言葉にみんなが奮い立った。こうなれば僕も全力を尽くすまでだ。

 

雄二「よし。それじゃ、作戦を説明しよう。さっきも言ったが、明久たちは回復試験を受けてくれ。今回の作戦のキモになるのは、姫路と池端だ」

 

瑞希「私たちが……、ですか?」

 

サヨ「どうしてなの?」

 

雄二「Dクラス代表の平賀は、お前たち2人がFクラスにいることをまだ知らない。だから近づいても警戒されない2人を、平賀にぶつける。秀吉・康太・島田を中心に部隊を率いて、回復試験の時間稼ぎをしてもらうって訳だ」

 

省太「俺たちは美波たちが危なくなったら救援に出るのと、サヨたちの露払いをする……ってことでいいのか?」

 

雄二「その通りだ。どう動くにしても、お前たちが回復試験を受けないことには成り立たないからな」

 

それからも細かい説明が続いた。

 

雄二「とまぁ、作戦はこんな感じだ。島田たちは得意科目の担任を早い段階で確保して少しでも戦闘を有利に進められるようにしてくれ。お前たちが持ち堪えられるかが勝負の鍵になるから、頼んだぞ」

 

そう言って雄二はどこかへ身を隠していった。

 

明久「さて、開戦までに準備を進めていくよ。みんな、絶対勝とう‼︎」

 

皆『『『『『『『OK‼︎』』』』』』』

 

明久「(みんなの闘志は十分だね。僕たち5人の作戦実行が先か、戦線突破されるのが先か。何にせよ、失敗は許されないな……)」

 

こう考えているうちに、開戦の火蓋が切られた。

 

 

 

そして現在。僕たちは回復試験を受けているところだ。

特に報告もない今、順調に進んでいると言ってもいいだろう。

それから数時間が経過したときだった。

 

須川「大変だ、吉井!」

 

明久「須川くん!?」

 

須川「今、渡り廊下で交戦中だが、俺とムッツリーニの部隊は壊滅してしまった! 秀吉と島田が何とか踏み止まっているが、もうこれ以上足止めをするのは無理だ‼︎」

 

渚「ムッツリーニは無事なの?」

 

須川「ああ。今は秀吉の部隊に合流している。でもこのままじゃ、いつ突破されてもおかしくない‼︎」

 

明久「……わかった。そろそろ僕たちの出番という訳だね。丁度いいタイミングだ、省太・渚。行こう‼︎」

 

須川「すまない……。吉井・反田・渚、頼んだぞ……!」

 

瑞希「私たちも行きます!」

 

省太「いや、サヨと姫路さんはもうしばらく試験を受けてくれ。出撃のタイミングは任せるから」

 

サヨ「わかったよ、省太くん。必ず来るからね!」

 

そして僕たちは出撃した。

 

明久「さて……。須川くんが言うには、秀吉も美波も得意科目の教師を確保してここまで戦えてるって。僕と省太は美波の救援に行くから、渚は秀吉とムッツリーニをお願いしていい?」

 

省太「了解だ」

 

渚「おっけー、任せて‼︎」

 

明久「じゃあみんな……」

 

“コンッ”

 

明・省・渚『『『ご武運を!!!』』』

 

互いにグータッチをして、前線へ向かった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

渚side

 

さーて、秀吉は古典が得意だったね。ぼくは別に得意って訳じゃないけど、文系はそれなりにできるし……。まぁ大丈夫か。

 

渚「(おっ、見えてきた……)」

 

丁度、秀吉とムッツリーニがDクラスと交戦しているのが見えた。

 

 

 

古典

 

Fクラス

 

木下 秀吉:25点

 

土屋 康太:8点

 

 

Dクラスモブ×10:平均122点

 

 

秀吉「ムッツリーニ、大丈夫かの!?」

 

康太「……絶体絶命……」

 

Dクラスが10人に対して、Fクラスはかなり消耗している2人だけだ。

 

DクラスA「Fクラスにしてはよく頑張ったな」

 

DクラスE「だがそれもここまでだ。おとなしく討たれるんだな‼︎」

 

本格的にマズイね、これ。ここはぼくの出番かな。

 

渚「はっろぉ〜♪ 上運天渚、只今到着ー☆」

 

秀吉「おぉ、渚よ……。助かったのじゃ……」

 

康太「……ナイスタイミング」

 

渚「遅くなってゴメンね。もう大丈夫、後はぼくに任せてここは下がって」

 

秀吉「かたじけないのじゃ……」

 

康太「……(コクコク)」

 

秀吉はムッツリーニを連れて撤退した。ここにいるのは、ぼくとDクラスのメンバーだけだ。

 

DクラスC「誰かと思えば……。宣戦布告したヤツじゃないか」

 

DクラスK「あのときはよくもやってくれたな!」

 

渚「何を言ってるの? ぼくは手出ししてないよ? 君たちが勝手に自滅したんじゃないのー⁇」

 

DクラスF「この野郎〜! そんな軽口叩いたこと後悔させてやる〜‼︎」

 

渚「へぇ〜……。面白いね、やってごらん。ただ、ぼくの点数を見て同じことが言えるのか楽しみだよ……。サモンッ‼︎」

 

ぼくは召喚獣を呼び出した。

現れたのは、黒と紫ベースのアレンジ拳法着を身に纏い、ブレードトンファーを装備した召喚獣だ。

そして表示された点数は……、

 

古典

 

Fクラス

 

上運天 渚:351点

 

渚「400超えは、流石に無理かぁー……。でも最初にしては上々だね☆」

 

Dクラスモブ共『『『な……。何だよ、その点数は……』』』

 

渚「あれー? さっきの威勢はどうしたのー? ぼくを叩きのめすんじゃなかったのかなー⁇」

 

連中に敢えて挑発してみる。

 

DクラスL「う、うるさい‼︎ 所詮は見掛け倒しだ! みんな、やれー!!!」

 

Dクラスモブ共『『『おおーっ!!!!』』』

 

しばらくの間、ぼくからは攻めずに適度にあしらいながら、わざとダメージを受けていく。

 

上運天 渚:301点

 

 

渚「くっ……」

 

当然フィードバックにより、ぼくもダメージを受ける。3割程度とはいえ、地味に痛い。でもまぁ、自分で希望したからいいんだけど。

 

DクラスJ「くそっ! 攻撃してるのに中々減らない!」

 

渚「どうしたの? もう限界なの⁇ あんなに威勢がよかったから、少しは期待したのに……。もういい、終わらせるよ……」

 

ぼくはブレードトンファーを構えて突撃した。攻撃を掻い潜りながら的確に振り出していき、Dクラス部隊を全滅させた。

 

西村「戦死者は補習ぅー‼︎」

 

Dクラスモブ共『『『嫌だぁぁぁぁぁッ!!!!』』』

 

何処からともなく現れた西村先生がDクラス生徒たちを軽々と担いだ。

 

渚「西村先生、お疲れ様ですー☆」

 

西村「おう、上運天か。それがお前の実力だな?」

 

渚「はい。ですが、古典は得意科目ではありませんよ。それに、明久と省太はぼくよりも上ですから」

 

西村「ふっ、お前がこのレベルなら吉井達はどうなんだ? まったく凄いヤツらだよ……」

 

そう言って西村先生は戦死者たちを連行していった。

 

渚「ふぅ……。こっちは片付いたし、明久たちと合流しようかな☆」

 

ぼくは明久たちのところへ向かっていった。

 

 

渚side out

 

 

 

省太side

 

俺と明久が救援へ向かう地点では、美波が孤軍奮闘していた。

 

美波「ウチは……、負けない……‼︎」

 

 

数学

 

Fクラス

 

島田 美波:18点

 

 

Dクラスモブ×10:平均116点

 

 

DクラスP「諦めの悪いヤツだな! お前はもう終わりなんだよ‼︎」

 

DクラスN「ここで潰れちまいな‼︎」

 

しかし、点数も残り僅か。風前の灯だ。早く助けないといけないな……。

 

明久「美波ッ‼︎ よかった、間に合った」

 

美波「アキ、省太……ッ!」

 

省太「もう大丈夫だ! 後は俺たちがやるッ‼︎」

 

美波「うん、わかったわ……!」

 

到着と同時に、美波を後退させる。

 

省太「さぁ、今度は俺たちが相手だ‼︎」

 

DクラスU「Fクラスなど、誰が来ようと同じだ」

 

DクラスR「それにこの2人は、“御三家”の吉井と反田じゃないか。島田よりは楽そうだ。さっさと終わらせてやるぜ」

 

戦う前に勝った気でいるなんてな……。目の前の相手の実力も確かめずにそうするのは底が知れている。

 

省太「随分と強気だな? 勝てそうと思うのは自由だが、後で言い訳するなよ? それをやったらカッコ悪いぜ」

 

明久「やられる側の気持ちを教えてあげるよ!」

 

明久・省太『『サモンッ‼︎』』

 

俺と明久は同時に召喚獣を呼び出す。

明久の召喚獣は黒の改造学ランに身を包み、木刀を装備している。

俺の召喚獣は白と水色を基調とした騎士服を身に付け、ランチャーに変形可能な大剣を携行する。

 

DクラスW「おい……。何だよ、反田のあの装備……」

 

DクラスP「それよりも2人の点数を見ろッ!」

 

 

数学

 

Fクラス

 

吉井 明久:430点

 

反田 省太:417点

 

 

Dクラスモブ共『『『何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁッ!!!!』』』

 

Dクラスの生徒たちは驚愕している。表示された点数は明らかにFクラスでははなく、Aクラスと言ってもいいものだったからだ。

呆然と立ち尽くしている隙を見逃すことなく攻撃に移る。

 

明久「戦争中に余所見は厳禁だよ‼︎」

 

明久は木刀で急所を突いて、あっという間に数名を戦死させた。

それに俺も続いて、

 

省太「それは強者だけの特権だぞ‼︎」

 

残りの生徒を捉えて、大剣を一気に薙ぎ払った。

何が起こったのかわからないまま戦死したDクラス生徒たちは、またしても現れた西村先生に連行されて行った。

 

明久「意外と呆気なかったね」

 

省太「でも初めてにしちゃ充分だ!」

 

明久「うん!」

 

明久・省太『『上出来ッ‼︎』』

 

目的を果たしたことに、俺たちは声を掛け合った。

 

 

省太side out

 

 

 

明久side

 

数学フィールドの部隊を全滅させた僕と省太は、合流ポイントで渚を待っていた。

 

渚「明久ー、省太ー!」

 

所々擦り傷をつくった渚が声を掛けてやって来た。

 

省太「渚、お前……」

 

渚「大丈夫! ちゃんと勝って来たよー☆」

 

明久「……また、遊んだの?」

 

渚「んー……、物足りなかったからちょっとね……」

 

明久「受けたダメージが全部返ってくる訳じゃないけど、こんなこと続けていたら、大怪我どころじゃなくなるよ‼︎」

 

省太「お前に何かあれば、みんな心配するってこと忘れるなよ?」

 

厳しいこと言ってるかもしれないけど、本当に渚が友達であるなら優しいばかりではいけない。これも大切なことだ。

 

渚「……ごめんなさい。明久、省太……」

 

明久「でも……、秀吉たちの救援と部隊の壊滅は達成したんだね。上出来だよ♪」

 

渚「……うんッ‼︎」

 

そう告げると渚は笑顔になった。

 

省太「後は平賀くんを討ち取れば終わりなんだな?」

 

明久「そのようだね」

 

そんな話をしている最中に、姫路さんと池端さんが合流した。

 

サヨ「あっ、いた! 省太くーん、みんなー!」

 

瑞希「お待たせしました……」

 

明久「お膳立てはできたよ」

 

省太「後は任せたぞ」

 

渚「頑張ってねー♪」

 

僕たちは2人にエールを送る。

 

瑞希「はいッ。必ず成功させますッ!」

 

サヨ「サヨたちが決めるからッ!」

 

そう言って2人はDクラスの教室に入って行った。

 

そして………。

 

 

 

瑞希・サヨ『『Fクラス姫路瑞希(池端早代)、Dクラス平賀くんに現代国語で勝負を挑みます! サモンッ‼︎』』

 

現代国語

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:402点

 

池端 早代:385点

 

 

Dクラス

 

平賀源二:148点

 

 

平賀「え……、ええっ……⁈」

 

平賀くんに何の行動も許さずに、一撃で勝負は決した。

 

『それまで! 勝者・Fクラス‼︎』

 

戦争終結のアナウンスが流れ、Fクラスのみんなの歓声があがる。

 

雄二「よう、上手くいったようだな」

 

何処かに隠れていた雄二が、終結と同時に戻って来た。

 

明久「雄二! もちろん勝って来たよ」

 

それを聞いて嬉しそうな表情をした雄二は、平賀くんと顔を合わせる。

 

平賀「……これもルールだ。設備はお前たちと交換しよう……」

 

平賀くんがとても悔しそうな表情でそう告げた。

敗北によって設備を手放す、それも自分の不注意から来るものなので当然だろう。

 

雄二「いや、設備交換はしなくていい。ただ、その代わりに同盟を結んで欲しい」

 

平賀「それは俺たちには有難いが……、本当にいいのか?」

 

雄二「ああ。Fクラスが試召戦争を起こすときは、協力を要請するが」

 

平賀「わかった。それで設備が守れるなら、喜んで受けよう」

 

同盟を締結し、内容は後日教えることとなり、平賀くんは去って行った。

Fクラスの男子たちは不満の声があがったのだが……、

 

雄二「忘れたのか? 俺たちの目標はAクラスだ。ここで交換してしまったら、お前たちは満足して上を目指さなくなる。Dクラスはあくまでも通過点だからな……」

 

雄二のこの言葉にみんな納得した。同時に心の中を見透かされたとも思ったようだ。

 

雄二「みんな! 今日はご苦労だった! 明日は消費した点数の補給を行うから、今日は帰ってゆっくりと休んでくれ! 解散!」

 

雄二が号令をかけると、みんな自分のクラスへ向かった。

帰り仕度をしてそれぞれ家路につく……。教室には、僕・省太・渚、そして雄二・秀吉・ムッツリーニが残った。

 

雄二「さて、省太。聞かせて貰うぞ、お前の考えを」

 

省太「ああ。これはFクラスにとっても、目標であるAクラスにとっても大切なことだ」

 

秀吉「呼ばれて来たんじゃが……、わしらも必要かのう?」

 

康太「……同じく」

 

明久「寧ろ聞くべきだと思ったから残って貰ったんだ」

 

渚「ムッツリーニにはお願い事もあるんだよねー☆」

 

康太「……?」

 

省太「とにかく、本題に移ろう」

 

 

 

それからしばらくして……。

 

 

 

雄二「本当にそれでいいんだな?」

 

省太「ああ。でも今話したことは、Aクラス戦が終わるまでは伏せて欲しい。ここにいるみんなの秘密だ」

 

明久「その為にも、必ず勝たなきゃね」

 

雄二「よし、わかった。このことは他言無用でな」

 

みんなそれに納得し、今度こそ本当に解散となったのだった。

 

 

to be continued……




はい、Dクラス戦終了しました。
なんかダイジェストっぽくなっていましたね(汗)
戦闘描写、書ける人が羨ましい……。

では、また次回にお会いしましょう。


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第4話 学園長との交渉 〜対Bクラス前半戦〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回は長くなりそうな為、分けて書きます。

第4話です、どうぞ!


明久side

 

Dクラスとの戦争に勝利した翌日、僕たちFクラスは昨日の戦争で消耗した点数を回復する試験を受けていた。

Dクラスは油断した隙を突いた結果の勝利だったが、Bクラスは違う。僕たちの勝利を知って何かしら対策を立てて来るだろうし、僕たちを除いたFクラスの大半よりも実力は明らかに上だ。万全を期して、全教科を満遍なく補充することにした。

 

今日一日を回復試験で終えることになり、明日の午後1時に仕掛ける方向で纏まった。

 

雄二「よし、みんな! 今日補充できなかった分は、明日の午前中に補充する! 今日はこれまでだ、以上!」

 

この日はこれで解散となったが、僕たちはまだ共有するべきことがあるから残っている。

 

 

雄二「で、どうだ明久? ババァ長との交渉は上手くいったのか?」

 

明久「うん。この教室の現状を伝えたら、僕たちの提案を前向きに検討してくれるってさ」

 

渚「ムッツリーニの証拠写真も、役に立ったしね☆」

 

康太「……(グッ)」

 

 

遡ること数時間前……。僕・省太・渚は雄二からの了承を得て、あのメンバーで話した内容を報告するべく、学園長室へ向かっていた。

 

 

“コンコン”

 

学園長「入りな」

 

明・省・渚「「「失礼します」」」

 

目の前にいるこの女性こそ、文月学園の学園長……、藤堂 カヲルである。

 

学園長「来たね、吉井・反田・上運天。アンタたちがここに来るということは、何か問題があったってことさね。それで、用件は何だい?」

 

明久「単刀直入に言います、Fクラスの設備についてです」

 

学園長「Fクラス?」

 

省太「はい。確認させて頂きますが、畳と座布団・卓袱台がFクラスの設備で間違いありませんね?」

 

学園長「その通りだよ。何か不備でもあったんさね?」

 

省太「では、これを見て頂けませんか?」

 

省太がFクラスの設備を収めた写真を渡す。

それを見て学園長は、驚きの表情を見せた。

 

学園長「な……、何だねこれは!?」

 

明久「今現在のFクラスの設備ですよ。最下クラスとはいえ、このような状態なのも学園の方針なんですか?」

 

学園長「変だね。クラスに応じて、設備は状態の良い物を支給するようにしているハズだがねぇ?」

 

渚「ですが、この写真は紛れもない事実です。相応の設備でも、学問に励める環境を提供するのは教師の義務だと思いますよ?」

 

明久「あの様な教室と呼べるか怪しい空間で、授業を受けるのは酷だと僕たちは思います。よって、設備の改善を要求します」

 

学園長「ふむ……、そうさねぇ……。……わかった、後で調査してからになるがアンタらの要求、受け入れてやるさね」

 

不安ではあったのだが、意外にもあっさりと要求を受け入れたので僕たちはびっくりした。

 

明久「本当ですか? 」

 

学園長「なぁに、これくらいはお安い御用さ。教師たる者、生徒たちのことを第一に考えてこそさね」

 

明・省・渚「「「あ……、ありがとうございます!」」」

 

設備の改善をAクラス終了後に行うこととして、交渉は成立したのだった。

 

 

 

渚「……こんな感じに受け入れてくれたよー☆」

 

明久「後は今後の試召戦争に集中するだけだよ」

 

雄二「そうか……。礼を言うぜ、明久・省太・渚。……みんな、今日はもう遅いから今度こそ本当に解散な?」

 

こうして僕たちは、それぞれ家路についたのだった。

 

 

 

 

雄二「おはよう、みんな! 昨日も言った通り、今日は午後1時にBクラスに戦争を仕掛ける! 午前中は、昨日できなかった教科の補充をして開戦に備えてくれ!」

 

Fクラス生徒の大半は再び回復試験を受けている。

 

雄二「その間にBクラスに宣戦布告する訳だが……、誰が行く?」

 

渚「……今回もぼくが行くよ……」

 

Dクラス戦のことがあるからなのか、止めようとする人もいたが、僕と省太は渚のいつもと雰囲気が違うことに気づいた。

 

省太「どうした渚? 何かあったのか?」

 

渚「Bクラスに会いたい人がいる」

 

明久「それって、根本恭二くんのこと? でも根本くんがBクラスにいることは把握済みだから、態々確認するまでもないと思うよ?」

 

渚「違う。確かに根本くんも無視できないけど、実力の面で要注意人物だよ……」

 

一呼吸置いて、その人物の名前を告げた。

 

渚「そいつは……。神代……、遥祐」

 

省太「遥祐だって?」

 

明久「あー、そうか……。それは厄介なことになりそうだね……」

 

その名前を聞いてみんなが息を飲んだ。

 

 

神代遥祐……今回の振り分け試験において、Aクラスの霧島翔子さんと首席の座を争った男だ。

だが、彼はAクラスに振り分けられる身でありながら辞退している。

このことは教師陣も頭を悩ませたが、最終的にBクラス代表とすることで落ち着いたらしい。

 

渚「宣戦布告もそうだけど、Bクラスに行った理由を聞くも目的の一つなんだ」

 

明久「わかった。それなら、僕も一緒に行こう」

 

こうして渚と共に、僕はBクラスに向かった。

 

 

 

“ガラッ”

 

明久「失礼するよ。Bクラス代表はいるかな?」

 

遥祐「やあ、オレがこのクラスの代表だ。きっと来ると思っていたよ、明久・渚」

 

ショートヘアと少し長めの後ろ髪を一本結びした少年……、神代遥祐くんが迎えていた。近くに根本くんもいる。

 

遥祐「君たちの目的はわかっている。Bクラスに宣戦布告するってことで、いいのかな?」

 

明久「そうだよ、遥祐。僕たちFクラスは、Bクラスに試験召喚戦争を申し込みます!」

 

遥祐「面白い……。受けて立とう!」

 

渚「……ねぇ、遥祐。ひとつ教えて欲しいな」

 

遥祐「? 何のことかな?」

 

渚「Aクラスを辞退してまで、Bクラス代表になった理由。何を考えているの?」

 

渚が遥祐に疑問を投げ掛けた。

 

遥祐「あー……、やっぱり疑われてるかぁ……。安心して渚。オレは何も企んでいない、本当だ」

 

渚「それ本当?」

 

遥祐「(コクッ) 強いて言うなら根本くんを見張る為……かな?」

 

渚「そうなんだ……。ゴメンね、疑って。話してくれてありがとう、遥祐」

 

遥祐がこう答えると、渚も納得した。

 

明久「開戦は、今日の午後1時からでいいかな?」

 

遥祐「もちろんだ」

 

根本「待て! 宣戦布告しといて、タダで済むとする思うな‼︎」

 

遥祐「やめろ、根本くん‼︎ オレの友人に手を出すことは許さないよ‼︎」

 

根本「け、けどよ代表……」

 

遥祐「そんなにやりたいなら、戦争中にやればいいんだ。違うか?」

 

根本「むう……」

 

根本くんが数名連れて襲い掛かろうとしたが、遥祐が止めた。

不服そうだったが、渋々納得したようだ。

 

遥祐「すまない、ウチのクラスの者が失礼をした……」

 

渚「大丈夫だよ。遥祐も大変だね」

 

遥祐「ふっ、君たち程じゃないさ。気遣いありがとう。省太にもよろしく言っておいてくれ」

 

明久「わかった。じゃあまた戦場でね」

 

遥祐「ああ。オレたちも負けないからな」

 

互いにグータッチをして、僕たちはBクラスを後にした。

 

 

 

“♪キーンコーンカーンコーン♪ ”

 

昼休み終了のベルが鳴り響く。Bクラス戦の開幕だ。

 

雄二「さぁ、始まったぞ! お前ら全員突っ込め‼︎」

 

Fクラスモブ共『『『『『突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!!!』』』』』

 

雄二の号令と共に、みんな攻め込んで行く。

 

渚「明久! Bクラスの部隊が見えて来たよ! 」

 

明久「わかった! 渚が率いる第一部隊を左翼に、美波が率いる第二部隊は右翼にそれぞれ展開! 池端さんは中央を陣取って、接敵と同時にBクラスを迎撃するんだ‼︎」

 

渚・美・サ『『『了解(だよ)‼︎』』』

 

程なくしてBクラス部隊も到着し、各部隊が交戦を始めた。

 

 

英語

 

Fクラス

 

上運天 渚:413点

 

 

数学

 

Fクラス

 

島田 美波:336点

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

池端 早代:4178点

 

 

Bクラスモブ共「「「事前に代表から聞かされていたけど……、お前ら本当にFクラスか……⁈」」」

 

わかっていたとはいえ、実際にその点数を目の当たりにしたBクラス陣営は驚きを隠せない。

Dクラス戦を経験したこともあり、3人は順調に敵を落としていくが、そこはやはり上位クラス。多くのFクラス生徒たちは、力及ばず1人また1人と、渚たちが落とすのを上回る速度で散っていく。

 

明久「くっ……。このままじゃ渚たちが厳しいか……」

 

次の一手を考えていた矢先に、姫路さんが息を切らしながら到着した。

 

瑞希「お、お待たせ、しました……ッ」

 

明久「姫路さん。来たばかりで悪いんだけど、美波のフォローをお願いできる?」

 

瑞希「は、はいッ。行って、来ますッ」

 

そのまま数学のフィールドへ進軍した。

同じくして、Bクラスも戦力を投入する。

 

岩下「Bクラス岩下律子です。Fクラス姫路瑞希さんに数学勝負を申し込みます!」

 

菊入「律子、私も手伝うよ!」

 

瑞希「あ、はい。よろしくお願いします」

 

岩・菊・瑞『『『サモンッ‼︎』』』

 

 

数学

 

姫路 瑞希:440点

 

 

岩下 律子:251点

 

菊入 真由美:237点

 

 

対峙する3人。ここで美波はあることに気づく。

 

美波「? 瑞希の召喚獣ってアクセサリーが付いてるのね?」

 

瑞希「はい。数学は結構できましたから……」

 

岩下「な、何よそれ……!!」

 

菊入「私たちじゃ勝てる訳ないよ‼︎」

 

瑞希「行きますよ!」

 

狼狽えている岩下さんと菊入さんを見逃すことなく、姫路さんの召喚獣が左腕を2人の召喚獣に向けた。

 

岩下「わっ! こっちに来る!?」

 

菊入「律子! 避けるわよ!」

 

2人の召喚獣は回避行動を取ろうとするが、間に合わない。

 

“キュボッ!”

 

岩下「きゃあぁぁーっ!」

 

菊入「律子ーっ!」

 

瑞希「終わりですッ……!!」

 

姫路さんの召喚獣から赤いビーム“熱線”が放たれて、1体を焼き尽くすと同時にもう1体に迫まり、斬り捨てて勝負がついた。

 

BクラスA「岩下と菊入がやられたぞ‼︎」

 

BクラスG「一先ず代表に報告しろッ‼︎」

 

主戦力2人を失い、Bクラス陣営が動揺する。

 

瑞希「みなさん、恐れずに進みましょう!」

 

Fクラスモブ共『『『『おぉぉぉぉぉぉーーーーッ!!!!!』』』』

 

対照的にFクラス陣営の士気は高まっていった。

 

明久「ありがとう、姫路さん。とりあえず、池端さんと一緒に後退してて。残っているメンバーは、渚と秀吉を中心にして残存部隊を追撃!」

 

僕はそう指示を送る。主力を喪失したBクラスの前線突破も時間の問題だろう。

しかし、遥祐がいるとはいえ“あの”根本くんのことだ。絶対何かを仕掛けて来る。そう思った僕は省太を呼び寄せた。

 

明久「省太。一度教室に戻ろう」

 

省太「わかってる。根本のことだろ」

 

明久「遥祐は許可しないと思うけど、それでも強行して来るだろうからね」

 

省太「ああ、既に仕掛けている可能性もある……。戻るぞ」

 

明久「うん。……渚、指揮権を渡すよ。秀吉は補佐をお願いね?」

 

渚「OK、明久!」

 

秀吉「了解なのじゃ」

 

僕と省太は不安になりながらも、池端さんも連れてFクラスへと戻って行った。

 

 

 

明久「こ、これは……」

 

省太「予想はしてたけど、マジでここまでやるなんてな……」

 

サヨ「ひどいよ………」

 

教室に戻った僕たちが見たものは、ボロボロの卓袱台とバラバラにされたシャーペンと消しゴムだった。

 

省太「こんなこと、遥祐が指示する筈がないよな」

 

明久「うん。明らかにこれは、根本くんの独断だね」

 

雄二「よう、明久・省太・池端。どうした?」

 

省太「雄二か。この状況だけどよ……」

 

雄二「ああ、大体想像はついていたぞ。確かに小さくない被害だが、これくらいなら立て直しは難しくない」

 

どうやら雄二も同じことを考えていたようだ。

 

明久「それで、雄二はどこに行ってたの?」

 

雄二「神代から申し出があってな。今日の午後4時までに決着がつかなかったら、続きは明日午前9時に再開。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する……という協定を結びにBクラスに行っていた」

 

省太「明日にする理由は、サヨと姫路さんの体力を考慮して……、か?」

 

雄二「そうだ。それにBクラスに予想以上に粘られてな、本陣を陥落させるのは無理だと判断したからな」

 

現在の時刻は、午後3時45分。雄二の言った通り、明日に持ち越すのが賢明だろう。

 

雄二「まぁ、シャーペンと消しゴムの補充はしておこう」

 

康太「………(トントン)」

 

雄二「お、ムッツリーニか。どうした?」

 

康太「………(クイクイッ)」

 

雄二「何? Cクラスが?」

 

康太「………(コクリ)」

 

ムッツリーニによると、Cクラスに動きがあるということらしい。

 

省太「……どうする?」

 

雄二「そうだな……。とりあえず、Cクラスと不可侵条約を結ぶか」

 

明久「用心しておくに越したことはないね」

 

サヨ「あ! サヨも行く!」

 

こうして、僕・省太・雄二・ムッツリーニ・池端さんというメンバーでCクラスに向かった。

 

 

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。そちらの代表はいるか?」

 

友香「私が代表だけど……、何か用かしら?」

 

雄二が教室の扉を開けてこう告げると、Cクラス代表……小山友香さんが前に出て来た。

 

雄二「ああ。我々Fクラスと不可侵条約を結んで欲しい」

 

友香「不可侵条約? ……ええ、構わないわ」

 

雄二「よし、交渉成立だな」

 

根本「ダメじゃないかぁ、Fクラスの諸く〜ん。試召戦争に関する行為は一切禁止のハズだよなぁ〜?」

 

条約を締結しようとしたとき、身を潜めていた根本くんが取り巻きを連れて現れた。

 

根本「言っとくが、先に協定を破ったのはそっちだからな? お互い様……だろ?」

 

根本くんがそう告げると同時に襲い掛かろうとしたときだった。

 

遥祐「やめないか‼︎」

 

根本「だ、代表……」

 

遥祐「何をしている、根本くん?」

 

根本「こ、これは……」

 

遥祐「協定を結んでからの戦闘行為は禁止したハズだよ……?」

 

根本「でもFクラスが先に……」

 

遥祐「言い訳はいい、撤退するぞ。これ以上の独断行動は許さないよ……‼︎」

 

根本「……わ、わかった……。撤退する……」

 

Bクラス代表の遥祐が阻止し、根本くんを連れて引き揚げていく。あのタイミングで現れた彼に感謝しないとね。

Cクラスとの不可侵条約も締結し、今回はこれで終了となった。

 

 

雄二「今日はここまでだな。明日に備えて、ゆっくり休んでくれ。以上、解散!」

 

こうしてみんな帰宅の準備をし、終わった人から次々と帰宅していった。僕たち3人と池端さんも一緒に帰ろうとしたとき、ムッツリーニに呼ばれた。

 

明久「ムッツリーニ? どうしたの?」

 

康太「……話がある。省太も一緒に来い」

 

省太「俺もか?」

 

康太「……(コクリ)」

 

渚と池端さんに待ってもらって、僕と省太は場所を変えた。

 

明久「それで、話って?」

 

康太「……根本がCクラスから去るとき、何かを呟いていた」

 

明久「具体的に何て言ってたの?」

 

康太「……確か、池端早代の交渉材料がどうとかって言っていたらしい」

 

省太「それは本当なのか?」

 

康太「……確証はない。だが、池端早代に何かしらの影響があるのは確かだ」

 

省太「……わかった。教えてくれてありがとう、ムッツリーニ。感謝するぜ」

 

康太「……これくらい、お安い御用(グッ)」

 

そう告げるとムッツリーニも帰って行った。

 

明久「さて……。僕たちも帰ろう?」

 

省太「……」

 

明久「省太?」

 

省太「ん? あ、ああ」

 

明久「ムッツリーニが言ってたこと、気になる?」

 

省太「気にならないと言ったら、嘘になるけどな……」

 

明久「大丈夫だよ。池端さんに何かあったのなら、僕も協力するからさ♪」

 

省太「……おう。そうだな」

 

不安を拭えない省太を元気づけた後、渚と池端さんと合流した。

親友が困っているなら、力になってあげよう……。そんなことを考えながら、僕はみんなと帰って行ったのだった。

 

 

to be continued……




Bクラス前半戦はここまでとなります。
ここで一区切りしておいてよかった…。やはり、長い…(汗)
次回でBクラス決着を書けたらと思います。

それでは、また次回に。


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第5話 制裁と安らぎと 〜対Bクラス後半戦〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回でBクラス戦に決着が着きます。
あと、省太視点がメインです。

第5話です、どうぞ!


省太side

 

次の朝。登校した俺たちは、対Bクラス戦の準備を進めていた。

でも、今朝からサヨの様子がおかしい。教室に入るなり、何かを探しているようだが見つからないようだ。終始顔を曇らせていたので、何があったのか聞いたが、「何でもないよ」と言うだけだった。

昨日のムッツリーニの言葉を思い出した俺は、雄二に頼んでサヨのフォローに回ることを了承してもらい、開戦に備えることにした。

 

 

そして午前9時。Bクラス後半戦開始と同時に、俺たちは進軍開始した。

 

雄二『Bクラス陣営を本陣まで押し込む。そして、押し込んだところを省太と池端が攻略する』

 

これが今回の作戦。要は、態勢を整える前に陥落させろということだ。

 

明久「目標に対しては各個撃破を心掛けて! 戦死しそうになったら、無理をせずに後退すること!」

 

明久が前線で指揮を執っており、渚が副官を務めている。

みんな2人の指示に従って、効果的に戦闘を進めていたのだが……。

 

渚「……マズイね……」

 

省太「どうした、渚?」

 

渚「サヨちゃんの様子がおかしいんだ。Bクラスに突入しようとすると、立ち止まるんだよ。何かを探しているみたいだけど……」

 

省太「何かを……、探す……?」

 

サヨの視線の先を見ると、Bクラス代表の遥祐を護衛している生徒の中に………、根本恭二がいた。

手に何かを持っているようだが、距離があるのでよく見えない。

 

省太「サヨ、本当に大丈夫か……? 」

 

サヨ「サヨは大丈夫だから……。省太くん、行こ……?」

 

無理して笑顔を作ってまで、再度Bクラスに突入しようとするが、根本が手をチラつかせると、また立ち止まってしまった。

 

明久「マズイ! 突破される!!」

 

須川「俺に任せろ! ここは通さない!!」

 

須川の機転のお陰で突破は免れたが、このままじゃ埒があかない。

 

明久「池端さん、根本くんに何かされたの?」

 

サヨ「吉井くん……。ほ、本当に何でもないの……」

 

サヨはそう答えるものの、うっすらと泣いている。

やはり視線は根本の手元に注がれていた為、もう一度よく観察してみると……。

 

省太「……見つけた」

 

漸くわかった。ヤツが手にしていたものの正体を。

それは俺が小学生の頃、サヨにプレゼントした髪飾りだった。

 

省太「そうか……。そういうことだったのか……!!」

 

昨日の妨害工作。そして、交渉材料……。

昨日からの疑念が確信に変わった。根本。お前の取った方法は、実に有効的だよ。やり方は好きじゃないが、その作戦を実行に移したことは評価する。

だが………。

 

省太「明久。ちょっといいか?」

 

明久「どうしたの、省太?」

 

省太「総指揮を渚に執らせてくれ」

 

明久「別にいいけど……、僕は?」

 

省太「俺のフォローをして欲しい。……頼めるか?」

 

明久「戦況は不利って訳じゃないし……。いいよ、任せて!」

 

省太「サンキュ、明久」

 

そして俺と明久は、渚の元に向かった。

 

明久「渚、今から君が指揮を執って。副官は姫路さんに任せるから」

 

渚「急なお願いだね。どうしたの?」

 

明久「僕と省太は今からBクラス本陣に強襲を掛ける。その間、渚は今展開している部隊を纏めて前線部隊を足止めさせて欲しいんだ」

 

渚「明久がサヨちゃんの代わりに、省太と攻めるってことだね?」

 

明久「そう。池端さんはあんな状態だから、今回は後退させてあげて。いいね?」

 

渚「2人だけで大丈夫なの?」

 

省太「遥祐がいるのが厄介だが……、やってみせるさ」

 

渚「……わかったよ、明久・省太。ぼくに任せてッ!!」

 

省太「ああ、頼んだぞ……!!」

 

この場を渚に任せて、俺たちは雄二の元へ向かった。

 

省太「だがな、お前は選んじゃいけないモノを選んだ。それも俺とサヨの思い出の品を……。サヨにあんな顔をさせるなんて……。死ぬほど後悔させてやるぞ……、根本恭二……!!」

 

 

省太side out

 

 

 

渚side

 

明久から指揮権を交代されたときは驚いたけど……、話を聞いたら納得したよ。あれなら、サヨちゃんの異変も理解できる。

 

美波「で、話って何よ? 渚」

 

秀吉・姫路さん・美波を呼び出すと、美波にこう言われた為、ぼくは明久に指示された内容を伝えた。

 

美波「む、無茶よ! アキも省太もいないのに、ウチらだけじゃ厳しいわよ‼︎」

 

秀吉「流石に無理難題ではなかろうか……?」

 

瑞希「私たちで抑えられるでしょうか……」

 

渚「無茶なのはわかってるよ!! でもね、明久はぼくを信じてこの場を任せてくれたんだ! ぼくはそれに応えたい!! だからお願いだ、君たちの力をぼくに貸してくれッ!!」

 

美波「……わかったわ。そこまで言うのなら、とことん付き合うわよ、渚!!」

 

秀吉「わしも全力で手助けをさせてもらうッ!!」

 

瑞希「精一杯、頑張ります……ッ!!」

 

渚「ありがとう。……さぁ、みんな!! ぼくたちで絶対に食い止めるよッ!!!」

 

秀・瑞・美『『『了解(なのじゃ) (です) (よ)!!!』』』

 

ぼくたちもできることを全力でするよ。頑張ってね、明久・省太……!!

 

 

渚side out

 

 

 

省太side

 

明久・省太『『雄二ッ!!』』

 

雄二「明久と省太か。持ち場を離れてどうした?」

 

教室に戻った俺と明久は雄二の元に来ていた。少し驚いたようだが、冷静に対処している。

 

省太「話がある」

 

雄二「聞くだけは聞こう。なんだ?」

 

省太「サヨを後退させてくれ。代わりは俺がやる」

 

雄二「理由は?」

 

省太「根本のヤツが俺を怒らせた」

 

雄二「そうか……」

 

雄二はそれ以上は聞かずに少し考えた後、こう告げる。

 

雄二「池端がやるハズだった役割をお前に任せる。絶対に成功させろ」

 

省太「ああ。任せてくれ……!!」

 

雄二「それから、室外機のことだが……」

 

明久「あ、雄二。それは僕がやるよ。Dクラスに指示したら、省太と合流するから」

 

雄二「わかった、それはお前に一任しよう」

 

明久「ありがとう、雄二。ムッツリーニは屋上から奇襲させることに変更はないよね?」

 

雄二「ああ」

 

少し間を置いて、こう言った。

 

雄二「この戦争に勝つには、お前たちの行動に掛かっている。しくじるなよ……」

 

明久・省太「「了解だ、雄二」」

 

根本に制裁……もとい、勝利に向けて俺たちは行動を開始した。

 

 

そして今、俺はBクラスの入り口で明久を待っていた。合流でき次第、攻め込む為である。

 

渚『よしみんな! 前線部隊の戦力を削った今、ぼくたちが有利だよ!! 敵軍の行動に警戒しつつ、迎撃して!! 不要な突出はしないでね!!』

 

Fクラス生徒たち『『『了解だ、渚!!!』』』

 

渚も上手いことみんなを指揮してる。これなら安心だろう。

 

明久「お待たせ、省太。Dクラスに指示した通り、室外機を止めることに成功したよ」

 

そう言って、明久が戻って来た。

 

省太「よし……。用意はいいか、明久。合図をしたら、一気にBクラス本陣に攻め込むぞ」

 

明久「OKだよ……」

 

省太「………今だッ!!!」

 

明久「任せて、省太ッ!!!」

 

合図と共にBクラスの扉を勢いよく開けた。

 

遥祐「来たか、明久・省太……!!」

 

省太「根本恭二!! お前はここで終わりだ、覚悟しろッ!!」

 

根本「は、反田省太、吉井明久……!! いつの間に……?!」

 

省太「それとサヨから奪ったモノ、返して貰うぞ……!!」

 

BクラスK「ここは俺たちが!」

 

英語の遠藤先生がフィールドを展開する。Bクラスの近衛部隊が立ち塞がったが、

 

 

英語

 

Fクラス

 

反田 省太:435点

 

吉井 明久:447点

 

 

Bクラス

 

近衛部隊×15:平均224点

 

 

省太「邪魔をするなッ!!」

 

明久「君たちでは相手にならないよッ!!」

 

一気に殲滅させて、根本に視線を移した。

 

根本「ひ、ひいッ!!」

 

省太「逃がさんぞ、根本。……ムッツリーニ!! やれぇーーーッ!!!」

 

康太「……Fクラス、土屋康太。Bクラス根本恭二に、保健体育勝負を申し込む……!!」

 

 

保健体育

 

Fクラス

 

土屋 康太:596点

 

 

Bクラス

 

根本 恭二:287点

 

 

根本「バ、バカなぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

敵前逃亡を図ろうとした根本をムッツリーニが仕留めて、残るは遥祐だけになった。

 

省太「遥祐、あとはお前だけだぞ」

 

明久「代表として、最後まで戦う?」

 

遥祐「もちろん……!! ……と言いたいところだけど、ここからじゃ逆転は厳しそうだから降参するよ」

 

省太「お前が腕輪を使ってもか?」

 

遥祐「オレの腕輪を以ってしても、君たちがいるんじゃ勝算は薄いからね……。状況は理解してるつもりさ……」

 

『それまで! 勝者・Fクラス‼︎』

 

遥祐の降参宣言と共に戦争終結のアナウンスが流れて、Fクラスの勝利が確定したのだった。

 

 

それから、戦後対談の時間となった。

 

遥祐「負けは負けだからね。君たちに設備を明け渡すよ……」

 

雄二「いや、設備は明け渡さなくていい」

 

そんな雄二の発言にFクラスの男子共は騒ぎ出すが、

 

雄二「落ち着け。前にも言ったが、俺たちの目標はAクラスだ。忘れるな」

 

と一喝すると、みんな静かになった。

 

遥祐「そ、そうなんだ……。でもいいのかい?」

 

雄二「ああ。だが、条件がある。……それはお前だ、根本」

 

根本「俺が……か?」

 

雄二「女装してAクラスに、試召戦争の準備ができていると宣言して来い。それができれば、設備交換は見逃してやろう」

 

根本「ふ、ふざけるな! この俺がそんなことを……!!」

 

BクラスH「OK! 絶対やらせるよ!」

 

BクラスD「それだけでいいなら、喜んでやるわ!」

 

根本「そりゃないだろ! 頼む代表、助けてくれ!!」

 

雄二が出した条件に次々と賛成の声があがる中、根本が遥祐に助けを求めた。

 

遥祐「……“仏の顔も三度まで”って知ってる?」

 

根本「……へ?」

 

遥祐「オレは今まで君がどんなことをしても、代表として庇ってきた。こんなヤツでも仲間だし、いつかはその性根が改善されるのを信じていた」

 

根本「…………」

 

遥祐「なのに、君はオレの想いを平気で裏切り続けて来たよね……? もう今回ばかりは庇えないよ。諦めるんだ……」

 

根本「代表ぉ〜……(泣)」

 

遥祐「でもまぁ……、“彼女”なら助けてくれるかもしれないよ?」

 

遥祐がそう言うと、Cクラス代表の小山さんがBクラスに入って来た。

 

根本「友香、助けてくれ! 今までのこと全部謝るから、頼む……!!」

 

友香「ごめんなさい、恭二。いえ、根本くん。私ではあなたを助けられないわ……」

 

根本「友香ぁぁぁ〜……ッ!!」

 

遥祐「すまないね、友香さん。態々来てくれてありがとう」

 

友香「ええ。礼には及ばないわ、遥祐くん」

 

根本「そんなぁ〜……(泣)」

 

2人のやり取りを見て、根本は泣き出してしまった。

だが、同情はしない。アレを返して貰う為に根本に話し掛ける。

 

省太「おい根本。サヨの髪飾り、返して貰うぞ……!!」

 

根本「は、はひ……ッ(グスッ)」

 

省太「それでいい。後は……、眠れ」

 

“ドスッ”

 

根本「ごふッ……(ガクッ)」

 

髪飾りを返して貰った後、腹パンして気絶させた。

 

 

その後根本は、女装姿でAクラスに戦争準備の宣言、撮影会までやらされることになったそうだ。

ヤツにとっては恐ろしい思い出になるだろうが、サヨの悲しみに比べたら軽いモンだと思う。因みに後で聞いた話だが、根本がAクラスに来た翌日、遥祐が直接謝罪に行ったそうだ。

 

 

 

省太「サヨッ!」

 

サヨ「しょ、省太くん……」

 

省太「ほらっ。髪飾り、取り返したぜ」

 

先程根本から取り返した髪飾りをサヨに渡した。

 

サヨ「ありがとう……。取り返してくれて……」

 

省太「その髪飾り、大切に持ってくれてたんだな……。もう付けてくれないかと思ってたよ……」

 

“ギュッ”

 

省太「サヨ?」

 

サヨ「ごめんね、省太くん……。サヨ、あのときどうしていいかわからなくて、省太くんから初めて貰ったプレゼントなのに、無くしちゃったらどうしようって………」

 

また泣きそうになるサヨを、俺からも抱きしめる。

 

省太「でも、ちゃんと手元に戻ってきただろ? だからもう泣かないで、いつものように笑って?」

 

サヨ「うん……、うん……ッ!!」

 

まだ涙目ではあったが、朝とは違ってサヨは笑顔だった。

今日一番見たかった顔だ。

 

サヨ「ねぇ、省太くん……」

 

省太「なんだ? サヨ……」

 

サヨ「今日は付けられなかったけどこの髪飾り、また今度着けてあげるね……ッ!!」

 

省太「ああ、期待してるよ」

 

髪飾りをプレゼントしたあのときのように、笑顔を見せてくれるサヨを見て思った。

 

やっぱり俺は、サヨのことが大好きだ。できれば、サヨにはずっと笑顔でいて欲しい。

 

そして改めて決意する。サヨの笑顔を守る為に、俺自身が頑張ろうと。

 

to be continued……




これでBクラス戦は終わりです。
原作では明久と姫路さんでしたが、今作では省太とサヨにスポットを当てました。いかがだったでしょうか?

次はいよいよAクラス戦です。どんな展開にしようか……。
ではまた次回、お会いしましょう。


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第6話 友との再会 〜Aクラス宣戦布告〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回で漸く、省太とサヨちゃん以外の無邪気の楽園キャラが登場します。

この小説も、UAが1000を突破しました。こんな駄文でも読んでくださる、読者の皆さまに感謝です。

ドラグ様、サクヤ姫様、Leccee様、P・N《灰紫》様、檮原様、お気に入り登録ありがとうございます。

至らない点もありますが、これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。


第6話です、どうぞ!


明久side

 

Bクラス戦の勝利から数日後。僕・省太・渚は、Aクラス戦のことを話し合う為、早めに登校していた。

教室に入ってしばらくすると、Bクラス代表の遥祐がやって来た。

 

遥祐「おはよう、明久・省太・渚。この間の試召戦争のときはありがとね」

 

明久「設備交換のことならいいよ。僕たちの目標はAクラスだからさ」

 

遥祐「そうだったね。でもまぁ、恭二も今回のことで反省して、もう卑怯なことはしないと約束したからね。結果的にはよかったよ」

 

省太「今根本のことを名前で呼んだけど、知り合いなのか?」

 

遥祐「そうだよ。中学の頃からの友人で腐れ縁。でも、あんな性格だったからね……。暫くの間は伏せていたんだよ」

 

あの根本くんに友達がいたことにびっくりしたよ。遥祐って心が広いのかな。

 

遥祐「オレだって鬼じゃないし、恭二が反省して頑張るって誓ったから、もう一度信じてみる気になったんだ。これを機にBクラスも変わっていけると思うよ」

 

渚「でも、根本くんだよ? そう変われるものなのかなぁ?」

 

遥祐「心配はいらないよ。何せBクラス全員の前で誓わせたからね。まだ疑っている子もいるけど、行動で示していくさ。いざって時はオレもいるし、友香さんもいるから大丈夫(グッ)」

 

遥祐は笑顔でそう言った。何だかんだ言っても、根本くんは仲間であり友人なのだろう。

 

遥祐「だからまた戦争するときは、今度こそオレたちが勝つよ」

 

明久「僕たちも負けるつもりはないからね」

 

互いにグータッチをして、再戦を誓い合った。

 

遥祐「あ、そうだ。次はAクラスと戦うんだろう?」

 

明久「うん、そのつもりだよ」

 

遥祐「なら、“ノイン・マイスターズ”には気を付けるんだ」

 

省太「“ノイン・マイスターズ”だと?」

 

遥祐「Aクラスの代表も含めた、9人の成績上位者の通称だよ。彼らがいる以上、勝利は遠い」

 

明・省・渚「「「(ゴクリ……)」」」

 

遥祐「でも君たちなら……、勝てる……かもしれない。応援してるよ、じゃあね」

 

そう言って、遥祐はBクラスへ戻って行った。

 

明久「“ノイン・マイスターズ”……か」

 

渚「強い人たちってことでしょ? 寧ろ、ぼくはワクワクするなー☆」

 

省太「渚の気持ちはわかるけど……。これは、対策を考えなきゃいけないな」

 

明久「うん……。そうだね……」

 

未だ見ぬ強敵のことを考えながら、僕たちは、Aクラス戦のことを思案するのだった。

 

 

その日の授業を終えた放課後、僕たちFクラスはAクラス戦へ向けてのミーティングを行うことになった。

 

雄二「みんな、この間のBクラス戦はご苦労だった。ここまで勝利することができたのも、みんなの協力なしにはあり得なかったことだ。感謝している」

 

ミーティングを前に、雄二が感謝の言葉を述べる。

 

省太「どうした、雄二? お前が素直に礼を言うなんて、らしくないぞ?」

 

渚「そうそう。まだAクラス戦が残ってるのに、気が早いよー?」

 

雄二「まぁ、そう言うな。これでも、心からそう思っているんだぜ?」

 

明久「そんな風に言ってくれると嬉しいな。力を尽くす甲斐があるからね」

 

雄二にどんな想いがあるにせよ、そう言ってくれるのは嬉しいことに変わりない。

 

雄二「さて、残るAクラス戦だが……。9対9の一騎討ちを考えている」

 

FクラスH「一騎討ちだって?」

 

FクラスA「通常の戦争じゃないのか?」

 

雄二「お前たちが言いたいことはわかる。何故一騎討ちなのか? ……考えてみろ、これまで俺たちはどうやって勝利して来たのか……」

 

みんな雄二の言葉を聞いて思い出す。Dクラス戦もBクラス戦も、相手の油断と隙を突くのと、経験不足なことも合わさったことで生じた勝利だった。

 

では、Aクラスはどうだろうか? 前にも言ったことだが、点数の高さが召喚獣の強さに直結する以上、今までのようにはいかない。圧倒的な点数差を以ってして、9人の成績上位者たちに悉く蹂躙されてしまうだろう。

 

雄二「だからこそ、少しでも勝利の可能性がある一騎討ちで決着をつけるのが最適だと思っている」

 

この言葉にはみんな納得した。となると、誰が一騎討ちの代表として戦うのか……ということになる。

 

雄二「で、一騎討ちに出るメンバーだが……。黒板に名前を書かれた生徒が代表だ」

 

坂本 雄二

吉井 明久

反田 省太

上運天 渚

姫路 瑞希

池端 早代

木下 秀吉

土屋 康太

島田 美波

 

雄二は黒板に、自分も含めた9人の名前を書き出した。ここに書かれたメンバーは皆Aクラスとも互角に渡り合えるであろう、猛者ばかりである。

 

雄二「相手は確実に“ノイン・マイスターズ”をぶつけて来るだろう。俺も含めたこの9人で一騎討ちを戦おうと考えているが、異論はあるか?」

 

これに反論する生徒はいなかった。この方法でなければ、自分たちの勝利はないことを理解しているのだろう。

 

雄二「……ないようだな。今名前を書かれたメンバーは、点数の補給をして一騎討ちに備えてくれ。宣戦布告は3日後に行うが……」

 

“バッ!!”(全員渚を見る)

 

渚「な、なんでぼくを見るの?!」

 

雄二「いや……。今回も行きたいのかなって、思ったからな……」

 

渚「むー!! 流石に今回は、自重するよッ‼︎」

 

Dクラス戦のときも、Bクラス戦のときも行っていた為、今回も宣戦布告するものだと勝手に思われて、渚は憤慨していた。

気の毒だとは思うけど、みんながそう思う気持ちも理解できる。

 

省太「あまり言ってくれるなよ、雄二。Aクラスの宣戦布告は俺が行くよ。その方が都合がいい」

 

雄二「それはありがたいが……、どうした急に?」

 

省太「Aクラスには友達がいるからな。心配掛けさせてるから、顔出ししておきたくてさ」

 

明久「ねぇ。Aクラスにいる省太の友達って、女の子でしょ?」

 

省太「ああ、そうだ。それも小学生時代からの……な」

 

その言葉を聞いた瞬間、一部を除いたFクラス男子たちが血走った目をして省太を睨みつける。

 

FクラスJ「異端者がいるぞぉぉぉッ‼︎」

 

FクラスK「な、なんと羨ましい……ッ!!」

 

FクラスE「殺せぇぇぇッ!!」

 

渚「はいはい、みんな静かにして。話が進まないでしょ! それとも自己紹介のときに言ったこと、もう忘れたの………?」

 

Fクラスモブ共『『『め、滅相もございませんッ!!!!』』』

 

省太に襲い掛かろうとする、Fクラス男子たちを抑える渚。こうやって嫉妬するからいけないのに、まだ気付かないのかな?

 

省太「とにかく、俺は行くからな。……そうだ明久、お前も来るか? 優子さんに会いたいだろ?」

 

明久「え……!? あ、ああ……そうだね。僕も行こうかな?」

 

FクラスB「ここにも異端者がいましたぞ!!」

 

FクラスH「吉井・反田。お前たちは死刑になりたいらしいな!!」

 

さっき言われたことをもう忘れて、再び襲い掛かるFFF団。

 

明久「仕方ないね……。省太」

 

省太「わかってるぜ、明久」

 

ボカッ、バキッ、ズドッ

 

Fクラスモブ共「「「「ちーん………」」」」

 

秀吉「のう明久、省太よ。ハデにやったようじゃが……、大丈夫かの?」

 

省太「大丈夫だ秀吉。ちゃんと手加減はしているし、この程度でやられる程、コイツらはヤワじゃない」

 

明久「それにこれくらいやらないと、静かにならないからね。多少の実力行使は、必要ってことさ」

 

雄二「と、とにかく宣戦布告は、明久と省太に任せるからな? さっきも言ったが、一騎討ちに出るメンバーは点数の補給を忘れないようにしてくれ。今日はここまでだ」

 

気絶した連中の回復を待って、この日は解散となった。

 

 

明久side out

 

 

〜3日後〜

 

省太side

 

点数の補給を昨日までに済ませたこの日。俺と明久はAクラスに宣戦布告をする為に、Aクラスの教室に向かっていた。

 

明久「省太。Aクラスに友達がいるのは聞いてるけど、誰がいるのかは把握してる?」

 

省太「いや……。Fクラスに振り分けられてからは、Aクラスに寄っていないから、誰がいるのかわからないんだ」

 

明久「なるほどね。……とりあえず、行こうか」

 

“ガラッ”

 

明久「失礼します。Fクラスの吉井明久です。Aクラスの代表はいらっしゃいますか?」

 

???「代表なら席外しとるで。何の用や?」

 

茶髪のツインテールの女の子が、応対していた。でもこの娘はひょっとして……。

 

省太「なぁ。お前、神谷真夏か?」

 

明久が用件を言う前に声を掛けると、

 

真夏「省太? ホンマに省太やな? サヨと一緒にFクラスに行ったって聞いて、心配したんやで! おーいみんなー、省太がおるでー!!」

 

関西弁で話す少女……神谷真夏が俺を見るなり話し掛け、その勢いで懐かしの仲間たちを呼んでくる。

 

このみ「省太くん! 会いたかった……」

 

奈子「久しぶりだね、省太」

 

リオ「……久しぶり」

 

省太「おう。そうだな……」

 

明久「えっと……、この娘たちが省太と池端さんの小学校時代からの友達なんだね?」

 

省太「ああ。合ってるぜ、明久」

 

置いていかれないように、明久も話し掛けてくる。

 

明久「多分知ってると思うけど、自己紹介するね。僕はFクラスの吉井明久。省太は僕の親友だよ」

 

このみ「君が噂の吉井くんだね? 私は春風このみ。よろしくね!」

 

真夏「ウチは神谷真夏や。よろしゅうな!」

 

奈子「佐々木奈子よ。よろしく」

 

リオ「金子理央。省太とは……、腐れ縁よ」

 

それぞれの自己紹介をする友人……、ショートヘアが似合う俺の初恋である春風このみちゃん。俺を子分扱いする茶髪ツインテールの神谷真夏。何かと助けて貰った理解者、黒髪ロングの佐々木奈子。そして、俺のライバル……金髪ロングの金子理央。

 

予想はしていたが……、みんなAクラスになれたんだな。できれば、俺とサヨもここにいれたらよかっただろうな。

 

優子「賑やかね。一体どうしたの?」

 

明久「あ! 優子さん!」

 

そうこうしていると、秀吉の姉……木下優子さんもやって来た。

 

優子「明久くん? ……Fクラスに振り分けられたって聞いて、ずっと気になってたの。大丈夫だった?」

 

明久「うん、秀吉も雄二もいるからね。何とか上手くやっているよ」

 

省太「……明久。俺もそうだけど、本来の目的忘れるなよ」

 

明久「あ! そうだったね。危うく脱線しそうになったよ、ありがとう省太」

 

そう、俺たちの目的は宣戦布告。友達との再会はオマケでしかない。

 

明久「話を戻すけど……、代表はいるかな?」

 

翔子「……代表は私。何か用?」

 

そう言って近づいて来たのは、Aクラス代表の霧島翔子さん。成績も学年首席とさることながら、整った顔立ちと艶やかな黒髪を併せ持つ、正に才色兼備という言葉が似合う女子生徒だ。

 

明久「あ、霧島さん。早速何だけど、僕たちFクラスと試召戦争をして欲しい」

 

翔子「……きっと来ると思ってた」

 

明久「それで、9対9の一騎討ちで勝負したいんだ。お互いが勝負して勝った方が残る負け抜け方式を考えているけど……、どうかな?」

 

翔子「……でもそれだと、Fクラスにメリットが多い。私たちAクラスでは条件が不利」

 

明久の提案に対して、Aクラス側の問題点を指摘する霧島さん。少しでも対等な条件に持って行くには、妥当な主張だ。

そこで俺は提案する。

 

省太「なら、こうしようぜ。Aクラス側には、教科選択権を4つ。俺たちFクラスには5つ。そして勝負に勝った方は、負けた方に何でも1つ命令できる。……これならどうだ?」

 

翔子「……受けるわ、その内容で。」

 

明久「交渉成立だね。それじゃ、また午後1時にAクラスで」

 

翔子「……ええ、待っている。……吉井、私たちは負けるつもりはない」

 

明久「僕たちもやるからには勝つよ、霧島さん。じゃあまた後でね、優子さん!」

 

優子「わかったわ、明久くん。今度は戦場で……!」

 

省太「誰かは俺と戦うことになると思う。楽しみにしているぞ、みんな!」

 

こ・真・奈「「「うんッ!!」」」

 

リオ「………」

 

こうして俺と明久はAクラスを後にした。リオの反応が少し薄かったことが気になるが……、考えても仕方ない。この先に控えている一騎討ちのイメトレでもしておこう……。

 

 

to be continued……




やっとこさ、無邪気勢のキャラ出せましたよ……。
と言っても今回は顔見せですが。

次はいよいよ、Aクラス戦です。
執筆に四苦八苦はするかもしれませんが……、何とか書いていきます。
では、次回にお会いしましょう。


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第7話 激突! 最高 VS 最低!! 〜対Aクラス戦・前編〜

こんにちは、こんばんは。エクシリオンです。

イナクト様、お気に入り登録ありがとうございます!

お待たせして申し訳ありません。
ついに、Aクラス戦です。
試召戦争編で一番書きたかった話に漸く取り掛かれます。少しでも楽しんで頂ければ、と思います。

第7話です。それでは、どうぞ!


明久side

 

“♪キーンコーンカーンコーン♪”

 

昼休み終了のベルが鳴り響いて、僕たちはAクラスへ向けて出発した。

 

この最高級クラスと最底辺クラスの決戦は学園長権限で観戦を許可されることになり、2学年の全クラスが注目する。大半の生徒はAクラスが勝つだろうと予想しているが、実際に戦ったDクラスとBクラスの一部の生徒は、流れを冷静に見極めることにしたようだ。

 

遥祐「やぁ、明久・省太・渚。いよいよAクラス戦だね」

 

明久「遥祐。うん、漸くここまで来たよ」

 

遥祐が近づいて話し掛けて来る。隣には、根本くんと小山さんも居る。

 

遥祐「大抵の生徒はAクラスの勝利を予想してるけど、オレたちはFクラスを応援するよ」

 

雄二「おう神代。一応聞くが、それは社交辞令か?」

 

遥祐「まさか。これでも君たちに期待しているのさ。……奇跡を起こしてくれる……ってね。ほら、恭二も何か言ってあげなよ」

 

根本「……正直お前たちが勝てるとは思えんが、俺からも応援させて貰う。……頑張れよ」

 

雄二「激励の言葉、ありがたく受け取っておくぜ」

 

あまり見ないようにしていたが、前に比べると根本くんも変わったと思う。とりあえずは一安心だ。

 

友香「Cクラスを代表して、私からも応援させて? 期待してるわよ」

 

渚「ありがとう小山さん。ぼくたち、頑張るから!!」

 

そうしているうちに、Aクラスの教室に到着した。雄二が扉を開けると、霧島さん率いる“ノイン・マイスターズ”が待ち構えていた。

 

翔子「……雄二、待っていた。Fクラスに行ってまで、戦うことを選んだ雄二の実力……私に見せて。半端な戦いをしたら、許さない……」

 

雄二「わかってる翔子。望み通り本気で戦おう」

 

翔子「……期待してる」

 

雄二「ああ、失望はさせないぜ」

 

互いに全力を出し切ることを誓い合い、それぞれの待機場所へ移動すると、Aクラスの高橋先生がフィールドを展開する。

 

高橋「ではこれより、2年Aクラス対2年Fクラスの試召戦争を開始します。第1戦に出場する生徒は前へ!」

 

優子「アタシが行くわッ!」

 

秀吉「姉上が行くなら、わしがやるかの」

 

両者がフィールドへ入って行った。 優子さんも秀吉もお互いを知っているからやりやすいのだろう。

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

秀吉「古典をお願いするのじゃ」

 

高橋「承認します!」

 

秀吉・優子『『サモンッ!!』』

 

2人の召喚獣がフィールドに現れる。装備が違うことを除けば、本当にそっくりである。

 

 

古典

 

Fクラス

 

木下 秀吉:392点

 

 

Aクラス

 

木下 優子:427点

 

 

秀吉「400越えはならんかったか……」

 

優子「アンタが古典を選んでくるのは予想できたからね。こっちを重点的にやったワケよ」

 

秀吉「ならば、操作技術で補うわい!」

 

優子「アタシも本気でやらせて貰うわ! 来なさい、秀吉!!」

 

高橋「Aクラス・木下優子VSFクラス・木下秀吉。第1戦は古典です。それでは……、始めッ!!」

 

高橋先生の号令と共に、Aクラスとの一騎討ちが幕を開けた。

 

 

明久side out

 

 

秀吉side

 

自信があるから古典を選んだんじゃが、まさか姉上も古典に力を入れていたとはのう……。しかも姉上は腕輪持ち……、これでは分が悪いかの……。

 

優子「どうしたの、秀吉! もう降参するつもり?」

 

秀吉「……いや、考えごとをしていただけじゃ。ゆくぞ!!」

 

“ガギンッ!!”

 

金属音と共にわしの召喚獣の薙刀と、姉上の召喚獣のランスがぶつかって鍔迫り合いが起きる。

 

優子「やるわね、秀吉」

 

秀吉「姉上ものう」

 

姉上は盾でガードしながらランスで突いていき、わしはガードが甘くなったところを斬りかかる。

 

 

Fクラス

 

木下 秀吉:214点

 

 

Aクラス

 

木下 優子:236点

 

お互いに斬り合って、22点差まで詰め寄った。じゃが、まだ姉上は腕輪を使う気配がない。ここは一気に決めるべきか、腕輪を警戒して慎重に行くべきか……。

 

秀吉「ここで決めさせて貰うのじゃ、姉上!!」

 

優子「動いたわね、秀吉!!」

 

秀吉「何じゃと!?」

 

優子「“トルネード”!!」

 

わしの特攻を狙ったかの様に姉上が腕輪を発動させ、それにより突進力を増したランスに召喚獣が貫かれて、勝負が決まった。

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・木下優子!!』

 

秀吉「くっ、負けたのじゃ……」

 

優子「惜しかったわね、秀吉。でも腕輪があったのと、アンタが隙を見せたのが大きかったわ。同じ条件ならアタシは勝てたかわからない」

 

秀吉「………」

 

優子「悔しかったらもっと頑張りなさい。アンタはアタシの弟だから、きっと追い付けると信じているわよ」

 

秀吉「うむ。次こそは、姉上に勝てる様に頑張るのじゃ」

 

互いに一礼すると、観客全員から惜しみない拍手が送られた。

 

 

秀吉side out

 

 

 

明久side

 

秀吉「負けてしまってすまぬ、みんな」

 

明久「でもベストは尽くしたんだよね? 惜しかったけど、いい試合だったよ」

 

秀吉「ありがとうなのじゃ、明久」

 

美波「次はウチの番ね。行って来るわ!」

 

美波がそう言って前へ出て行く。第2戦の相手は、佐藤美穂さんだ。選んだ科目は……、物理だった。

 

雄二「勝てるところから行くとは思っていたが……」

 

明久「それは霧島さんたちが本気で勝ちに行ってる証拠だよ。美波には悪いけど、ここは負け試合だね……」

 

 

物理

 

Fクラス

 

島田 美波:165点

 

 

Aクラス

 

佐藤 美穂:391点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・佐藤美穂!!』

 

僕が教えたのと、美波の努力でかなり点数を伸ばして善戦するが、やはり得点差は覆せなかった様で、最終的に佐藤さんの召喚獣に連続斬りを浴びせられて敗北となってしまった。

 

明久「ごめんね美波。僕がもっとしっかり教えていたら、負けなかったかもしれなかったのに……」

 

美波「大丈夫よ、アキ。これが今のウチの全力だから気にしないで。戦争が終わったら、またお願いね?」

 

雄二「これで0勝2敗か……。出だしが悪いな」

 

明久「でもまだ始まったばかり。これから挽回できるよ」

 

高橋「続いて第3戦です。出場者は前へ!」

 

康太「……俺が行こう」

 

雄二「頼むぞ、ムッツリーニ」

 

康太「……(グッ)」

 

親指を立ててムッツリーニが出る。相手は工藤さんだ。

 

 

明久side out

 

 

康太side

 

高橋「選択科目は何にしますか?」

 

康太「……保健体育」

 

迷わず保健体育を選択する。これに関しては負けるつもりはない。

 

愛子「キミがウワサのムッツリーニくんかぁ〜。キミは保健体育が得意なんだね?」

 

康太「……そうだが、お前は?」

 

愛子「ボクは工藤愛子。よろしくね♪ それとね、ボクも保健体育得意なんだぁ〜。 キミにも教えてあげよっか? 実技で……ね♪」

 

康太「……実技……(ブシャアァァ!!)」

 

渚「た、大変だ!! ムッツリーニが鼻血出して、ぶっ倒れたー!!!」

 

省太「誰か輸血を持って来い!! しっかりしろ、ムッツリーニーーィッ!!」

 

明久「もう、あんな挑発で倒れないでよーーッ!!」

 

鼻血を出して倒れた俺は、明久たちに蘇生して貰った。周りの視線が痛い上に、面目ない。

 

高橋「だ、大丈夫ですか……?」

 

康太「……だ、大丈夫だ。問題ない」

 

愛子「本当に大丈夫、ムッツリーニくん?」

 

康太「……気遣いだけは貰っておこう」

 

高橋「第3戦は保健体育です。用意……、始めッ!!」

 

康太・愛子『『サモンッ!!』』

 

 

保健体育

 

Fクラス

 

土屋 康太:???点

 

 

Aクラス

 

工藤 愛子:488点

 

康太「……ひとつ教えてやろう、工藤愛子。お前は一撃で終わる」

 

愛子「そこまで言うなら見せて欲しいな、キミの力を!」

 

その言葉と共に腕輪を発動し、アックスに雷のエネルギーを纏わせて強襲を掛けて来る。

 

愛子「バイバイ、ムッツリーニくん!!」

 

康太「……“加速”」

 

愛子「え……?」

 

“シュバッ!!”

 

康太「……“加速”……、終了」

 

俺がそう呟くと同時に決着がつく。

 

Fクラス

 

土屋 康太:714点

 

 

Aクラス

 

工藤 愛子:0点

 

高橋『それまで! 勝者、Fクラス・土屋康太!!』

 

愛子「ボクが……、負けた……?」

 

康太「……その通りだ工藤愛子。俺の勝ちだ」

 

愛子「やっぱり、敵わないなぁ……」

 

康太「……そんなことはないぞ。俺は保健体育だったから勝てた。それ以外の科目なら、きっと勝てなかっただろう。だから気を落とさないでくれ」

 

愛子「ムッツリーニくん……」

 

康太「……自信を持て、工藤愛子。お前ならきっと俺に追い付ける。……必ずな」

 

愛子「うん! ありがとう、ムッツリーニくん♪」

 

康太「……それから……」

 

愛子「何?」

 

康太「……名前で呼んで欲しい。俺も名前で呼ぶことにする」

 

愛子「わかったよ、……康太くん」

 

康太「……それでいい。こちらこそよろしく頼む、愛子」

 

俺と愛子は、握手して健闘を讃え合う。周りの歓声が響き渡っていった。

 

 

康太side out

 

 

明久side

 

明久「お疲れ、ムッツリーニ」

 

康太「……これくらい、何てことない(グッ)」

 

渚「でも鼻血出してぶっ倒れるのは、治して欲しいな?」

 

康太「……善処する」

 

戻ってきたムッツリーニを出迎える僕たち。渚がさっきのことをからかっているが、それは同感だ。

 

雄二「漸く一勝か……次も落とせないな」

 

瑞希「今度は私が行きます!」

 

明久「頑張ってね、姫路さん」

 

瑞希「はいッ、必ず勝ちますねッ!」

 

そう言って姫路さんはフィールドへ向かって行った。Aクラスからは……、久保利光くんが出る。

 

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

久保「総合科目でお願いします!」

 

高橋「第4戦は総合科目です。用意……、始めッ!!」

 

瑞希・久保『『サモンッ!!』』

 

選ばれたのは総合科目。実力が最も現れる科目だ。そして表示された点数は……、

 

 

総合科目

 

Aクラス

 

久保 利光:4762点

 

 

生徒たち『『『『おぉぉッ!!!!』』』』

 

4500点を大きく超えていた。流石に成績上位者には及ばないがかなりの好成績であり、周りからも歓声が上がる。

 

久保「これが僕の実力だ、姫路さん」

 

瑞希「凄いですね、久保くん。ですが……」

 

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:5247点

 

 

久保くんのときよりも、大きな歓声が上がった。

 

久保「なっ……、この僕を上回るとは……!!」

 

瑞希「私も常に努力して、高めています!!」

 

久保「くっ、行くぞ……!!」

 

それぞれの召喚獣が斬り合う。最初こそ久保くんも食らいついていたが、次第に押されて行き、姫路さんの大剣の一閃を喰らって勝負が決まった。

 

高橋『それまで! 勝者、Fクラス・姫路瑞希!!』

 

高橋先生が、Fクラスの勝利を告げる。これで、2勝2敗だ。

 

雄二「ここまではいいペースだが……、この先は未知の領域だ。翔子以外の実力が未知数だが、間違いなく木下姉・工藤・佐藤・久保の4名よりも格上だ。油断はできない」

 

明久「……そうだね。気を抜くと一気にやられそうだ……」

 

僕たちは霧島さんと、後に控えている春風このみさん・神谷真夏さん・佐々木奈子さん・金子理央さんを見つめた。

 

一騎討ちは……、ここからが勝負だ!!

 

to be continued……




Aクラスの一騎討ち、前半が終わりました。
霧島さんも含めた5人の実力はいかに?

では、また次回にお会いしましょう。


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第8話 白熱する戦い 〜対Aクラス戦・中編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

一騎討ちの中盤戦となります。
相変わらず戦闘描写が拙いですが、それでも読んで頂けると嬉しいです。

第8話です、どうぞ!


明久side

 

明久「お疲れ様、姫路さん。この一戦を勝てたのは大きいよ」

 

瑞希「ありがとうございます、吉井くん。ここから先の勝負は厳しそうですが、勝てるでしょうか……」

 

明久「勝てるさ。……きっとね」

 

フィールドから戻って来た姫路さんを出迎えた僕は、聞かれたことに対してこう答える。

とはいえ、残る相手はAクラス上位5名。そう易々とはいかないのも事実だ。

 

サヨ「ここはサヨが行くね」

 

省太「そうか。頑張れよ、サヨ!」

 

明久「ベストを尽くしてね、池端さん」

 

サヨ「うん! サヨ、頑張るから!!」

 

僕たちがエールを送ると、池端さんはフィールドへ向かって行く。Aクラスからは春風さんが出て来た。

 

サヨ「サヨの相手は、このみちゃんかぁ」

 

このみ「よろしくね、サヨちゃん」

 

サヨ「でも、これは勝負だから。本気でやらせてもらうよ!」

 

このみ「私も手加減しないからね!」

 

高橋「一騎討ちも5戦目です。科目は何にしますか?」

 

サヨ「家庭科でお願いします!」

 

高橋「春風さんもよろしいですね?」

 

このみ「はい、大丈夫です!」

 

高橋「第5戦は家庭科です。用意……、始めッ!!」

 

サヨ・このみ『『サモンッ!!』』

 

 

明久side out

 

 

サヨside

 

家庭科

 

Fクラス

 

池端 早代:498点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:487点

 

 

このみちゃんも家庭科が得意なんだね。点数にそこまで差がないなら、気力勝負になるかも。

 

サヨの召喚獣は、白とパステルピンクを基調とした魔法少女風の衣装に、ハルバードを装備していてリーチが長い。このみちゃんの召喚獣は、アイドル風の衣装にプロテクターを着けていて、剣に変形できるライフルを2丁装備している。

 

サヨ「……行くよ、このみちゃんッ!!」

 

このみ「ええ、サヨちゃんッ!!」

 

“キインッ!!”

 

お互いの召喚獣の武器が火花を散らす。

 

サヨ「えいッ!!」

 

このみ「たあッ!!」

 

“キインッ!!”

 

“キインッ!!”

 

“ガギィッ!!”

 

生徒たち『『『おお………ッ!!』』』

 

観戦している生徒たちも息を飲んでいる。サヨが攻めて、このみちゃんはガードしていく。

 

サヨ「流石だね。このみちゃん」

 

このみ「サヨちゃんも、凄いよ」

 

サヨ「意外と難しいでしょ? 召喚獣動かすの」

 

このみ「うん。こんなに集中力を使うなんて、思わなかった」

 

サヨ「まだ終わりじゃないよね?」

 

このみ「当たり前だよ!!」

 

“シュッ!!”

 

再び斬り合うサヨたち。でもこれじゃさっきと状況が変わらない。勝負に出るなら………!!

 

サヨ「ここで仕掛けるよッ! “腕輪発動”!!」

 

サヨがハルバードをビリヤードのキューの様に構えると、先端から無数の光弾が放たれる。

 

サヨ「お願いッ!!」

 

このみ「くう……ッ!!」

 

このみちゃんも弾を避けたりソードライフルで弾いたりしていたけど、全ては捌けなかったようでダメージを負った。

 

Fクラス

 

池端 早代:283点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:262点

 

 

このみ「それがサヨちゃんの腕輪の能力なのね」

 

サヨ「うん……、“レイ・シュート”って言うの。今のは相手を追尾するモードで使ったんだよ」

 

このみ「そう……。確かに、今のモードを使われ続けると厄介だね」

 

サヨ「えへへ……」

 

少し考え込んで、このみちゃんが口を開く。

 

このみ「……ねぇ、サヨちゃん。次の攻撃で決着をつけない?」

 

サヨ「いいの? このみちゃん、まだ腕輪使ってないよね?」

 

このみ「この攻撃で私も使うから、本気で撃って来て!」

 

サヨ「……わかった。全力で行くからねッ!!」

 

お互い、次の攻撃に全力を注ぎ込むことになった。

 

このみ「チェンジ・ライフルモード!!」

 

サヨ「……行くよ、このみちゃん……!」

 

このみ「ええ……!」

 

サヨ・このみ『『“腕輪発動”ッ!!』』

 

サヨがレイ・シュートを、このみちゃんが腕輪の力によるビームを発射した。両者共フルパワーで撃っていて、ビーム同士がぶつかり合う。

 

ぶつかり合っている間あることを考えた。そう言えば、このみちゃんの腕輪の能力って何だろう? ただビームを撃つだけだと思えないし……。

 

このみ「何を考えているの、サヨちゃん?」

 

サヨ「このみちゃんッ?!」

 

このみ「もしかして、私の腕輪のことかな? ……確かに、今撃っているビームは腕輪によるものだけど、本当の能力は別にあるよ!」

 

サヨ「! まさか……ッ!!」

 

このみ「それを今見せてあげる! ……“フリージング”!!」

 

このみちゃんがそう言った瞬間、ビームが氷のエネルギー波に変化してサヨの召喚獣は氷漬けになった。

 

このみ「これが私の腕輪の力だよ、サヨちゃん。それに最大消費点数で撃ったから、しばらくは動けないよ」

 

ライフルモードから、ソードモードに変化した。最大効果である以上、もう逃げ場がない。

 

サヨ「くう……ッ!!」

 

このみ「これで……、おしまいッ!!」

 

このみちゃんの召喚獣がサヨの召喚獣を斬り捨てて、勝負がついた。

 

 

Fクラス

 

池端 早代:0点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:162点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・春風このみ!!』

 

サヨ「あー、負けちゃった……。もうちょっとだったのにね……」

 

このみ「そんなことないよ、サヨちゃん。今回は運がよかっただけだから。どっちが勝ってもおかしくなかったよ」

 

サヨ「うん。……ねぇ、このみちゃん」

 

このみ「何? サヨちゃん……」

 

サヨ「どうしても気になるから聞いてみるけど……。省太くんのこと、今でも好き……?」

 

ずっと気になっていたこと。小学生の頃はこのみちゃんが、省太くんの一番だったから。今はサヨに気持ちは向けられているけど……、自信がないから……。

 

このみ「うん、好きだよ。でも安心して? それは友達としての好きだから。あの頃の初恋は……、終わっているの」

 

サヨ「このみちゃん……」

 

このみ「省太くんも気持ちは固まっていると思う。だからサヨちゃん、自信を持って! 私、省太くんとサヨちゃんのこと応援してるから!」

 

サヨ「……ありがと、このみちゃん! 次戦うときは、負けないよ!!」

 

このみ「私もッ!!」

 

手を取り合って健闘を讃え合う。勝負には負けたけど、とても清々しい気持ちでいっぱいになった。

 

 

サヨside out

 

 

明久side

 

省太「このみちゃんが相手だったのか。厳しいとはいえ、勝ちたかったところだな……」

 

明久「省太、とても複雑そうな顔してたね。こうなることが予想できたから?」

 

省太「ああ……。俺としては同じFクラスのサヨを応援するところだが、このみちゃんもいるんじゃあな……」

 

雄二「だが、勝負は勝負だ。仕方ねぇだろうさ」

 

明久「そうだね。……次は誰が行くの?」

 

渚「なら、ぼくの出番かな」

 

そう言って渚が名乗りをあげる。

 

省太「渚、本気で行けよ?」

 

渚「お遊びができる相手じゃないことはわかってるさ。大丈夫だよ」

 

明久「油断は禁物だからね?」

 

渚「りょーかいッ! 行ってくる!」

 

そう言って渚はフィールドへと向かって行った。入れ違いで池端さんが戻って来るが、涙目になっている。

 

サヨ「ごめんね省太くん、みんな。負けちゃった……(ひっく)」

 

省太「おいおい、泣くなよサヨ。全力を出し切ったいい試合だったぞ」

 

サヨ「……本当(ひっく)?」

 

省太「ああ、本当だ」

 

サヨ「省太くん……。ありがと……」

 

泣きそうになる池端さんを、省太が慰める。なんだか暖かくなる光景だ。

 

サヨ「省太くん、あのね……」

 

省太「この戦争が終わってからな、サヨ? それにみんなが見てる」

 

『『『………』』』

 

サヨ「わっ!? ……う、うん。わかったよ省太くん……」

 

池端さんも落ち着いたところでフィールドに視線を移す。渚と対峙しているのは……。

 

明久「省太。渚と戦うのは……、佐々木さんなんだね?」

 

省太「奈子だって? これはもうわからねぇな……」

 

雄二「勝てると思うか?」

 

省太「どうだかな……。俺たちにできることは、渚を信じてやることぐらいだ」

 

高橋「第6戦を始めます。出場者は前へ!」

 

僕たちは改めて、フィールドに視線を移す。省太の言葉通り、ここは渚を信じるしかないだろう。

 

 

明久side out

 

 

 

渚side

 

渚「君が佐々木奈子さんかぁ……。省太の友達って聞いているけど、手加減できそうにないよ」

 

奈子「気遣いありがとね。でもその必要はないから安心して、上運天渚くん!」

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

奈子「地理でお願いします!」

 

佐々木さんが地理を選択する。理系を選ばれたらどうしようかヒヤヒヤしたけど、何とか行けそうだ。

 

高橋「第6戦は地理です。用意……、始めッ!!」

 

渚・奈子『『サモンッ!!』』

 

 

地理

 

Fクラス

 

上運天 渚:507点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:534点

 

 

渚「500点を超えられたけど、ぼくよりも点数が高い……。上には上がいるね……」

 

奈子「でも、操作技術は君の方が上って聞いたよ。だから、勝負は最後までわからない」

 

渚「……かもね」

 

佐々木さんの召喚獣は巫女服を身に纏い、方天画戟を装備していた。対するぼくはこれまで通り。リーチはあっちが上で、こっちは手数……ってところか。

 

渚「さぁ、始めようか……!!」

 

奈子「かかって来なさい……!」

 

“シュッ!!”

 

“キインッ!!”

 

ぼくのブレードトンファーと、佐々木さんの方天画戟がぶつかり、鍔迫り合いが起こる。

 

渚「てやぁッ!!」

 

奈子「たぁッ!!」

 

それからは、互いに武器の打ち合いになった。ぼくが攻めようとするところに合わせて、佐々木さんが受け流す。フェイントをかけたり、死角に回り込んで撃ち込もうとしても、それを見切っているかの様に全て合わせて来た。

 

渚「(この動き。佐々木さん、ひょっとして……)」

 

奈子「……?」

 

一度距離を取ることにした。

 

渚「ねぇ! 佐々木さんって何か格闘技でもしてるのかな?」

 

奈子「ええ、合気道を習っているわ。それがどうかしたの?」

 

渚「召喚獣の操作って凄く難しくてさ。今まで戦って来た相手って動きが単調になる傾向があったんだ。でも君は初めて試召戦争を経験するハズなのに、繊細な動きができてる。こんな風に動かせる生徒は、明久と省太以外に知らないよ」

 

奈子「……」

 

渚「ちなみにぼくは空手を習っている。だから、一つ提案させて欲しい」

 

“バッ!!”

 

奈子「な、何をしているの……!?」

 

渚「君と格闘技勝負がしたい。受けてくれるね?」

 

ブレードトンファーを投げ捨てて構えを取るぼくに、観客は騒然となった。

 

渚「信じられないなら、この場で終わらせても構わない。でも、これだけは言わせてくれ。ぼくは……、本気だ」

 

奈子「……まったく、君ってよくわからないね。自分から丸腰になるなんて、正気とは思えないよ」

 

渚「やっぱそうか……」

 

奈子「でもその潔さ、私は好きだよ。……君の提案に乗ってあげる!」

 

そう言うと、佐々木さんも方天画戟を手放す。おそらく滅多に見られないであろう、召喚獣による異種格闘技戦が繰り広げられることになった。

 

ぼくは正拳・裏拳突き、蹴り技と多彩に攻めて行き、それを佐々木さんが全て受け流して行く。

 

渚「これじゃ、ジリ貧だね。一気に決めるよ!」

 

奈子「無駄だよ、それはもう見切っているの!」

 

ぼくの動きから、捌きの体勢を取る佐々木さん。

 

渚「いや、本命はここだよ! “腕輪発動”ッ!!」

 

奈子「くっ、間に合わない……!?」

 

渚「せいやぁぁぁぁぁッ!!!」

 

“ドォォォォォン!!”

 

強烈な正拳突きを叩き込まれ、佐々木さんの召喚獣が吹き飛ばされた。

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:263点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:178点

 

 

奈子「はぁ……、はぁ……」

 

渚「終わらせるつもりでやったんだけど……、ギリギリで直撃を避けるなんて凄いや」

 

奈子「今の攻撃……、腕輪の力を使ったのね」

 

渚「その通りだよ」

 

ぼくの腕輪の能力は、“スマッシュ・ヒット”。与ダメージを一度の発動で最大3倍まで上昇させ、相手の攻撃やガードを一方的に破る効果も持つ。ちなみに佐々木さんに撃った一撃は、2倍に引き上げたものだ。

 

渚「次で……、仕留めるよッ!」

 

奈子「………ッ!!」

 

渚「これで終わりッ!!」

 

腕輪を最大効果で発動させ、構えを緩めた佐々木さんを捉えて一撃を放った……、はずだった。

 

奈子「……ここね。“腕輪発動”」

 

“ガシッ!!”

 

渚「……え?」

 

一撃を放とうとしたぼくの腕を、佐々木さんが捕まえた。

 

奈子「形成逆転ね。私に捕まった以上、君の負けだよ」

 

渚「万事休すか……ッ!」

 

奈子「てぇぇぇいッ!!」

 

“ズダァァァンッ!!”

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:0点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:78点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・佐々木奈子!!』

 

佐々木さんに投げ飛ばされて、高橋先生が試合終了を告げた。それにしても………。

 

渚「痛い……。3割程度なのはわかってるけど、……凄く、痛い……」

 

奈子「ご、ごめんね上運天くん。つい本気でやっちゃって……、大丈夫……?」

 

渚「だ、大丈夫だよ、これはぼくが望んだことだし。それに佐々木さんは勝つ為に本気出したんでしょ? だったら勝ったことを素直に喜んでいいと思うよ」

 

正直本当は痛いんだけど、佐々木さんが悲しまない様にこう答える。

 

奈子「ありがとう……。上運天くんって能天気だと思ってたけど、優しいね」

 

渚「能天気なのは否定しないけど、そう言ってくれて嬉しいよ。それから、ぼくのこと名前で呼んで欲しいな。省太の友達だもん、君ともきっと仲良くなれると思うんだ。よろしく、奈子ちゃん」

 

奈子「もう、本当いきなりだね。でも……、私の方こそよろしくね、……渚くん」

 

観客の歓声が鳴り響く。勝負には勝てなかったけど、この瞬間新しい友達ができました。

 

 

渚side out

 

 

省太side

 

明久「渚お疲れ。……派手に投げられてたね」

 

省太「ああ、キレイに決まってたな……」

 

渚「う、うん……。奈子ちゃんの手前、強がってみたけど、シャレにならないくらい痛いよ……」

 

省太「渚。奈子のこと名前で呼んでるけど、何かあったのか?」

 

渚「んー、勝負の後に仲良くなった……。こんな感じだよ(ニコッ)」

 

省太「そっか。よかったな」

 

負けたことに変わりはないが渚が嬉しそうだったので、それはそれでよかったと思う。

 

雄二「だが、これで2勝4敗。後がなくなったな……」

 

明久「雄二、緊張してる?」

 

雄二「まさか。寧ろ燃えて来たくらいだぜ、この劣勢を覆そうと思うとな」

 

省太「気が合うな。俺も同じこと考えてるぞ……」

 

明久「みんなに見せてあげよう、ここから僕たちが巻き返すところを……!!」

 

そう、本当にもう後がない。だがこの状況を楽しんでいる。引き分けすら許されない中、俺たちは闘志を激しく燃やすのだった。

 

 

to be continued……




一騎討ち中盤戦が終了しました。

後半戦、明久たちはこの土壇場でどう立ち向かうのか。
それから、渚と奈子をくっつけてみました。この2人はこれから絆を紡いでいくことでしょう。

では、また次回にお会いしましょう。


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第9話 複雑な想い 〜対Aクラス戦・後編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

そそそそ様、鹿乃祐樹様、お気に入り登録ありがとうございます!

一騎討ちも終盤になりました。
今回は省太とリオの回となります。
是非見てください。

第9話です、どうぞ!


明久side

 

リオ『省太! アンタの相手は私よ、出て来なさい!!』

 

第7戦は僕か省太のどっちが出るか考えていた矢先、既にフィールドに立っている金子さんが省太を指名して来た。しかも、どこか怒りが混じっているかの様に呼んでいる。

 

明久「……省太。金子さんと何かあったの?」

 

省太「リオとは何故か相性が悪くてな。小学生の頃からずっとあんな感じなんだ。一応俺に非があることはわかってるけど……、思い当たることが多すぎて……よ」

 

明久「そ、そうなんだ……」

 

省太「それに宣戦布告のときも、このみちゃんたちと違って反応がおかしかったからさ……。それを確かめる為にも、俺が行かなきゃいけないだろうな」

 

金子さんと過去にあったことは知らないけど、ここは省太に任せた方がいいだろう。

 

明久「……省太、行っておいで。金子さんが態々指名してくるということは、省太が行かなきゃ解決できないことなんだと思う」

 

省太「明久……」

 

明久「いいよね、雄二?」

 

雄二「……わかった、このことは省太に任せよう。互いに想いをぶつけ合って来い。……その上で勝て。いいな?」

 

省太「ありがとよ明久、雄二。俺、行ってくる……!!」

 

明久・雄二「「ご武運を」」

 

省太「(グッ)」

 

サムズアップをしてフィールドへ向かう省太を、僕たちは見送った。

 

高橋「これより第7戦を行います。科目は何にしますか?」

 

省太「情報でお願いします」

 

高橋「金子さんもよろしいですね?」

 

リオ「……大丈夫です」

 

高橋「第7戦は情報です。用意……、始めッ!!」

 

省太・リオ『『サモンッ!!』』

 

 

情報

 

Fクラス

 

反田 省太:614点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:579点

 

 

絶対に負けられない一戦が今、始まる。

 

 

明久side out

 

 

 

省太side

 

最高点には及ばないけど、これでも充分戦えるな。リオも550点を超えている……。得意科目じゃないのに、ここまで点数を伸ばしたのは流石だと思う。

 

省太「すげぇよ、リオは。俺と戦う為に情報を勉強していたんだな?」

 

リオ「……だったら何? そう余裕でいられるのも今のうちよ……!」

 

省太「相変わらず厳しいぜ、リオ。けど、その方がお前らしいよ」

 

リオ「アンタもそういうところ、変わらないわね」

 

リオの召喚獣は黒を基調に、桃色のラインが入ったアーマーを全身に纏って十字戟を装備した、Aクラスに相応しい出で立ちだ。俺の召喚獣も大剣を携える。

 

リオ「省太。アンタには絶対に……、負けないから!!」

 

省太「それは俺も同じだ。勝って明久に繋げる……!!」

 

両者動かず、睨み合う。

 

省太「行くぜ、リオッ!!」

 

リオ「来なさい、省太ッ!!」

 

“バッ!!”

 

“キインッ! キインッ!”

 

“ガギィッ!!”

 

“ジリジリ……!!”

 

互いの武器がぶつかる。鍔迫り合いはこれまでの戦いよりも長く続いた。

 

省太「このままじゃダメか……」

 

“キインッ!!”

 

“バッ!!”

 

リオ「……ねぇ、省太」

 

省太「何だよ、リオ?」

 

リオ「なんで私がアンタに怒っているか、わかってる?」

 

省太「そ、そりゃ確かにガキの頃は怒られても仕方ないことして来たけど、今は理由が見当つかないんだよ」

 

まぁ、小学生時代のことは言い逃れできないが、文月学園に入学してから、リオに何かやったのか俺?

 

リオ「そう……、わからないのね。ずっと近くにいるのに……。違うわね、近くにいるから気付いていないのかしら……」

 

省太「近くに……? 何のことだ……?」

 

リオ「わからないなら、教えてあげる……!!」

 

直後にリオの腕輪が光る。同時に、

 

“ガシュッ、ガシュッ、ガシュッ……”

 

召喚獣のアーマーが分離し始めた。

 

リオ「“キャスト・オフ”!!」

 

“Cast Off”

 

電子音が流れてアーマーがパージされ、飛んで来たパーツを全て弾き落とすとさっきまでとは違い、召喚獣が軽装になった姿を見せる。

 

“Change Assault”

 

省太「それがリオの腕輪の力か」

 

リオ「半分正解で、半分間違いね。アーマーパージはついでであって、この状態からが本番よ」

 

省太「ってことはつまり……」

 

リオ「省太の考えてることはわかるわ。行くわよ!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、キン!!”

 

“キン、キン、キン!!”

 

省太「は、速い……ッ!」

 

リオ「どうしたの、省太! 防ぐだけで精一杯!?」

 

省太「アーマーを外したことでスピードが上がっているのか……!」

 

リオ「上がったのはスピードだけじゃないわ!」

 

省太「何ッ!?」

 

リオ「そこッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

省太「くっ……!」

 

Fクラス

 

反田 省太:298点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:486点

 

高得点に加えて、キャスト・オフで強化された重い一撃を喰らい、300点以下にまで減らされた。しかもフィードバック付きなので、俺にも3割のダメージが入る。

 

省太「やるな、リオ……。容赦ないな……」

 

リオ「省太……!」

 

省太「心配する必要はないぜ。これは戦争だし、この痛みは俺が望んだことだからな……」

 

リオ「……そうよね、それくらいは当然よね。サヨに比べたら、アンタの痛みなんて軽いモノなんだから……!」

 

省太「ふっ、厳しいぜ……。……ちょっと待て、なんでサヨが出てくる!?」

 

リオ「私が知らないとでも思ったの? サヨからは相談されてて、知ってるんだからね!」

 

省太「そ、そうだったのか……」

 

俺はサヨに直接想いを伝えてない。だからリオはこんなに……。

 

リオ「アンタって、小学生の頃からそうよね。その気がないクセに、女の子に思わせぶりな態度取って勘違いさせる……。あの日から何も変わってない……」

 

省太「………」

 

リオ「そうやって誰にでも気に入られたいの!? 気持ちを弄んで楽しいの!?」

 

省太「リオ……」

 

リオ「待たされるサヨの気持ちを考えたことあるわけ!? ほんっと最低よ、アンタ……!!」

 

省太「それは違う……!」

 

リオ「だったら、サヨに気持ち伝えてハッキリさせなさいよ! そんな曖昧な態度だから……、私だって安心できないじゃない……!」

 

そう言うリオの目からは、涙が流れていた。俺は思い出す。小学生の頃、リオからの告白を断った日のことを。

 

 

〜回想〜

 

省太「ゴメン……、リオのことは好きだ。けど、恋人としてお前を見ることはできない……」

 

リオ「………」

 

省太「サヨが俺の一番になりたいって、言ったことは知ってるよな? その気持ちに応えたいんだ……」

 

リオ「……そう」

 

省太「で、でもこれでも嬉しいんだぜ? リオが俺のこと好きだって言ってくれたことが……さ」

 

リオ「……いいわ、アンタの意志が固いことはわかった。私はちゃんと気持ちを伝えたから、後悔はしてないわよ」

 

省太「リオ……」

 

リオ「ただし、もしもサヨを泣かせたりしたら……、私が許さないんだから!」

 

省太「ああ、そん時ゃ本気のグーパンチで頼む」

 

リオ「ええ……」

 

 

〜回想終了〜

 

そうだった。リオとそう言う約束してたんだったな、俺。散々今日まで待たせてたんだ、殴られても文句は言えないな……。

 

省太「……リオ」

 

リオ「……何よ」

 

省太「この戦争終わらせたら、サヨにちゃんと想いを伝える。もちろん、リオも含めてみんなの前で」

 

リオ「省太……」

 

省太「大丈夫だ、男に二言はねぇ」

 

もうとっくに答えは出てるんだ。隠す必要なんてない。

 

リオ「わかったわ省太。アンタのその言葉……、信じるから」

 

省太「でもこの勝負は別だ。俺は負ける訳にはいかない」

 

リオ「私だって、勝つつもりで行くわ!」

 

俺たちは再び武器を構える。

 

“バッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

省太「はあッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

リオ「きゃっ!」

 

 

Fクラス

 

反田 省太:298点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:326点

 

 

俺が大剣を振るって、リオの召喚獣にダメージを与える。直撃は避けたようだが、点数は330点以下まで削れた。

 

省太「リオの“キャスト・オフ”って防御力が落ちるんだな」

 

リオ「アンタに腕輪使われる前に決めようと思ってたからね」

 

省太「お互い次の一撃で終わるか……」

 

リオ「そうね、決めましょう……」

 

リオが十字戟にエネルギーを込める。俺は大剣をランチャーモードに変形させて構えた。

 

リオ「知ってるわ省太、アンタの腕輪の能力は。撃たれる前に落とすわよ……!」

 

省太「……」

 

リオ「これで終わりよ!!」

 

“シュバッ!!”

 

そうして特攻を仕掛ける。

 

省太「……リオ、お前は勘違いをしているぞ」

 

リオ「え……ッ?!」

 

省太「俺の腕輪の能力はリオの予想通りだ。……けど、俺は射撃しかできないなんて一言も言ってないぜ?」

 

リオ「ま、まさか……!」

 

巨大なビーム刃を形成し、再びソードモードに切り替える。

 

省太「来い、リオ! 一振りで決着をつけよう!!」

 

リオ「ええ! 私が勝つ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

互いに斬り合って、交差する。最後に立っていたのは……。

 

 

Fクラス

 

反田 省太:3点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:0点

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・反田省太!!」

 

俺だった。高橋先生が勝者宣言を告げ、勝ったことを実感する。

 

省太「あー、やっぱフィードバックはキツイわー……」

 

もちろん、リオの強烈な一撃を貰ったので、痛みと引き換えだ。

 

リオ「省太……、大丈夫?」

 

省太「心配するな。大丈夫だ」

 

リオ「一騎討ちの最中、私、つい熱くなっちゃって……。散々言ってゴメンね……」

 

省太「気にすんなって。寧ろ俺が忘れていたことを気付かせてくれてたんだ、感謝してるぜ」

 

リオ「さっきのことだけど……。しっかりやりなさいよ」

 

省太「ああ。わかってるさ、リオ」

 

互いに言葉を交わし合うと、歓声が鳴り響く。サヨに自分の想いを届けて安心させないとな……そう思った。

 

 

省太side out

 

 

明久side

 

明久「おかえり、省太。金子さんとはちゃんと話し合えた?」

 

省太「ああ、おかげさまでな。俺の私情に付き合わせてしまってすまなかった……。けど、もう大丈夫だ」

 

雄二「危なげだったが、何とか勝つことができた。上出来だったぜ、省太」

 

省太「サンキュ、雄二」

 

高橋「続きまして、第8戦を開始します。出場者は前へ!」

 

高橋先生がそう告げると共に、神谷さんがフィールドへ入って行く。

 

省太「やっぱり真夏が相手になるのか……。真夏は遥祐と並んで、霧島さんと首席の座を争った猛者だ。気を付けろよ、明久」

 

明久「わかってるよ省太」

 

省太「じゃあ、明久……」

 

“コンッ”

 

明久・省太「「ご武運を」」

 

グータッチを交わして、フィールドへ向かった。

 

明久「やあ神谷さん、君が僕の相手なんだね? よろしく」

 

真夏「ウチも君と戦えるなんて、光栄や。よろしゅうな♪」

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

真夏「総合科目でお願いします!」

 

高橋「吉井くんも、それでよろしいですね?」

 

明久「はい、問題ありません」

 

高橋「第8戦は総合科目です。用意……、始めッ!!」

 

明久・真夏『『サモンッ!!』』

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:6857点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:6398点

 

 

真夏「代表並みの点数……。ウチよりも点数が高いのは、男子じゃ君が2人目や」

 

明久「褒めてくれてありがとう。省太から聞かされていたけど、君も相当凄いじゃない?」

 

真夏「いや、この程度では満足せぇへん。ウチが目指すんは、常にてっぺんや!!」

 

明久「い、意識が高いね……」

 

真夏「せやからまず最初に君を倒すで、吉井くん!!」

 

明久「僕もみんなの期待を背負ってるんだ。負ける訳にはいかないよ!!」

 

最終戦に繋がるかもしれない一戦。必ず勝ってみせる!!

 

 

to be continued……




本当は第8戦まで書く予定でしたが、色々考えた結果、第7戦に丸々使うことに決めて書きました。

いかがだったでしょうか?
次で一騎討ちが完結する予定です。

では、また次回にお会いしましょう。


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第10話 新たな好敵手(とも)と大金星 〜対Aクラス戦・決着編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

大変お待たせいたしました、申し訳ありません。
タイトルの通り、Aクラス戦に決着が着きます。
明久たちは勝つことができるのか。是非見てください。

第10話です、どうぞ!


省太side

 

『『『な……。何だぁ、ありゃあ!!??』』』

 

『『『神谷さんも凄いけど、吉井のアレって……』』』

 

『『『首席並みの点数……?!!』』』

 

『『『し、信じられない……』』』

 

表示された点数を見た(一部を除く)生徒たちが、次々と驚きの声をあげる。

 

省太「フン、当たり前だ。俺たちは西村先生に、直々にしごかれていたからな……」

 

雄二「なぁ省太、渚。お前たちと明久は、いつから鉄人の指導を受けていたんだ?」

 

渚「観察処分者に任命されると同時に……かな? いやーアレはキツかったよね、省太?」

 

省太「ああ。教師陣の了解の下とはいえ、容赦なかったからな……。最初の内は死ぬかと思ったぞ」

 

渚「本当にそうだよねー☆ でもずっとやってたら、慣れるっていうか……。そのおかげで全科目の成績が、今まで以上に上がったよね♪」

 

省太「(コクッ) 中でも明久は、俺たちの更に上を行っているぜ……」

 

雄二「お、お前たちすげぇな……」

 

雄二が若干引き気味になりながら、感心している。

 

省太「とは言っても、真夏も天才肌の上に負けず嫌いだ。どっちが勝つかは神のみぞ……だろうな」

 

雄二「なら、俺たちは明久の勝利を信じてやるか」

 

対峙する明久と真夏を眺めながら、俺たちはこの戦いを見守ることにした。

 

 

省太side out

 

 

明久side

 

改めて僕は、神谷さんの召喚獣を確認する。

真紅の戦闘服に身を包み、主武装にツインブレードともう一つ、キャノン砲を装備した支援メカを従えている。

木刀を装備している僕の召喚獣とは、対照的だ。

 

真夏「吉井くんの召喚獣って、点数と装備が反比例しとるなぁ。調整、間に合わなかったん?」

 

明久「そうなんだ。振り分け試験で途中退出したからね。調整の前に試召戦争が先になった……ってとこかな」

 

真夏「そうなんや。その装備でよう今までやってこれたなぁ? 尊敬するわぁ」

 

神谷さんの質問にこう答える。途中退出しなかったらまた違っていただろうが、後悔はしてない。

 

明久「ありがとう」

 

真夏「ひとつ聞かせてぇな、吉井くん。みんな噂しとったけど、君はなんで途中退出したん? それだけの点数やったら次席、もしかしたら代表にだってなれたのに……」

 

明久「本当はAクラスに行くつもりだったよ。……でも、姫路さんが隣で苦しそうにしてたからね……、放って置けなかったんだ」

 

真夏「……省太から聞いて実際に確認したけど、やっぱ省太に似とるな、吉井くん!」

 

明久「ぼ、僕が省太と?」

 

真夏「せや。お人好しなとこと、誰かの為に一生懸命になれるところがな」

 

そう言われて少し驚いた。僕はそんなに省太に似てるのかな?

 

真夏「そんな省太にウチはもちろん、このみちゃんも、サヨちゃんも、リオちゃんも、奈子ちゃんも、みーんな助けられてんで」

 

明久「そ、そうだったんだ……」

 

真夏「文月学園で初めてできた男友達が君だって言うとった。省太のダチになってくれて、ホンマおおきにな。これからも仲良うしたってな」

 

明久「う、うん。これから先もずっと、省太は親友だよ」

 

神谷さんに感謝された。そう言われるととても嬉しくなるな。

 

真夏「せやけど、この勝負は別や。確かに君はウチよりも強いかもしれへんけど、次席として引くわけにはいかへんのや!!」

 

明久「なら僕も全力でやらせてもらうよッ!!」

 

“バッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

“ガギィッ!!”

 

お互いの武器が火花を散らす。神谷さんがツインブレードを連結状態と二刀流状態を交互に切り替えて攻めて行く。

僕はその攻撃を全て弾いた。……が、だからこそ失念していたんだと思う。

 

真夏「攻めるのはウチだけやないで! ……フレアッ!!」

 

“ドウッ、ドウッ!!”

 

明久「しまったッ!?」

 

“ドォンッ!!”

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:6476点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:6398点

 

 

砲撃を喰らって、400点近く削られた。

 

明久「やるね、神谷さん。支援メカの攻撃も織り交ぜるなんて、大したものだよ」

 

真夏「おおきに♪ せやけど、まだまだこんなもんやない! 今からウチのとっとき、見したるで!!」

 

“キィィッ……”

 

“ガシャガシャガシャッ……”

 

明久「!!」

 

真夏「“武装”!!」

 

“ガシュ、ガギッ、バシャンッ!!”

 

真夏「装着完了ッ!!」

 

神谷さんが腕輪を発動させると、支援メカがパーツ状に分離して、神谷さんの召喚獣の全身を覆った。さっきの金子さんとは正反対の姿だ。

 

明久「神谷さんのソレって、強化アーマーだったんだね」

 

真夏「せや、普段はさっきみたいに連携して使うのが基本やからな。ほんで、これがウチの腕輪の能力や!」

 

明久「一筋縄ではいかなそうだね……」

 

真夏「ほな、行くでー!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、ガギンッ!!”

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:3145点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:3712点

 

 

再び斬り合う僕たち。重武装だけど見た目以上に機動力はあるし、運動性自体はアーマー装着前よりも低いけど、それ以外の能力は全て上がっている。点数の減りも僕の方が激しいから、長期戦は僕が不利だな……。

 

“ピタッ”

 

明久「………」

 

真夏「どないしたん、吉井くん? 打つ手なしって感じ?」

 

明久「いや、そうじゃないよ。この場を切り抜ける方法を考えていたところさ」

 

動きを止めた僕に神谷さんがそう尋ねた。さりげなく溜めの動作をしたが、どうやら気付かれてはいないようだ。

 

真夏「せやけどこれも戦争や。決めさせてもらうで!!」

 

神谷さんが強襲を仕掛ける。使うとしたら……、ここだね。

 

明久「行くよ、“腕輪発動”!!」

 

真夏「? なんも起こらんよ?」

 

明久「いや、ちゃんと発動させてるよ。神谷さん、自分の状態を確認してみて?」

 

真夏「あ、武装解除されとる。もう一度や、“武装”!!」

 

シン……

 

真夏「なんや? 腕輪が発動できひん……!!」

 

明久「これが僕の腕輪の能力、“キャンセラー”だよ。発動させている間は腕輪を使うことはできない。こうなったら、僕が有利かな?」

 

神谷さんにそう告げる。しばらくは静かになっていたけど……。

 

真夏「へぇ……、おもろいやん。ウチはタダで負ける気はないで!」

 

明久「言うと思ったよ。それは僕も同じ……!!」

 

ここからは純粋な実力勝負だった。僕も神谷さんも激しい攻めの応酬を繰り広げて行く。気付けば互いの点数も残りわずかになっていた。

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:121点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:134点

 

 

明久「次の一撃で……(ハァ、ハァ)、決まりだね……」

 

真夏「(ハァ)せやな……。吉井……くん」

 

明久「……行くよ」

 

“シュッ!!”

 

真夏「そんなわかりやすい攻撃ッ!!」

 

僕が特攻すると神谷さんがガードの構えを取る。

 

明久「いや、これでいいんだ……!」

 

“ガギンッ!!”

 

真夏「な……ッ!!」

 

明久「決めるよッ!!」

 

“ズドォッ!!”

 

ツインブレードを弾き飛ばして、丸腰になった神谷さんの召喚獣を木刀で貫く。

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:121点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:0点

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・吉井明久!!」

 

試合終了を告げる高橋先生も、自然と熱が入る。何せAクラスにFクラスがここまで渡り合えているのだ。そうなるのも当然だろう。

 

真夏「ウチの負けかぁ。いけると思ったんやけどなぁ……」

 

明久「そんなことない、神谷さんも強かったよ。僕に腕輪を使わせずに攻め続けていたら、僕が負けていただろうからね」

 

真夏「せやな……。……なぁ吉井くん。ウチと友達んなってーな」

 

神谷さんが笑顔でそう尋ねる。

 

真夏「負けはしたけど、気持ちいい負け方やったからな。君とは仲良うなれそうやし!」

 

明久「うん、僕でいいなら」

 

真夏「よっしゃ! 今日から君はウチのダチで……、ライバルや!! よろしゅうな、明久!」

 

明久「か、神谷さん?」

 

真夏「あ、ウチのことは名前で呼んでほしいわぁ。頼むで!」

 

明久「うん。こっちこそよろしくね、真夏ちゃん!」

 

真夏「それでええよ♪」

 

観客の歓声の中、真夏ちゃんと握手を交わす。ライバル認定されちゃったけど……、まぁいいか。こうして生まれる友情も悪くないかな♪

 

 

雄二「お疲れ明久。ちゃんと勝てたようで、よかったぜ」

 

フィールドから戻ると雄二が声を掛ける。みんなが勝利を喜んでくれていた。

 

明久「ありがとう雄二。正直危なかったけど、ちゃんと繋げることができたよ」

 

雄二「礼を言うぜ。お前たちの頑張りで俺にも火が点いた。ここは無様な姿は見せられないな」

 

高橋「一騎討ち最終戦を行います。出場者は前へ!」

 

高橋先生が最終戦のアナウンスをする。ついにここまで来た。

 

省太「みんなお前を信じてここまで来たんだ。どんな結果になっても、最後まで戦い抜くんだぞ!」

 

渚「そういえば君が戦うところ、初めて観るかも。代表に相応しい戦いを見せてね!」

 

明久「雄二、あとはお願いするよ!」

 

雄二「任せてくれ。代表に恥じない戦い、見せてやるからな(グッ)!」

 

僕たちがエールを送ると、雄二はサムズアップを返してフィールドへ向かって行った。

 

翔子「……正直最終戦までもつれ込むなんて、思わなかった」

 

雄二「俺も驚いているぜ。“ノイン・マイスターズ”にここまで渡り合うなんて予想以上だったからな」

 

翔子「……私もAクラス代表としての意地がある。だから、相手が雄二でも負ける訳にはいかない……!」

 

雄二「ふっ……。それは俺も同じだ、翔子!」

 

高橋「最終戦の科目は何にしますか?」

 

雄二「日本史でお願いします!」

 

雄二は日本史を選択した。これに全てが委ねられる。

 

高橋「最終戦は日本史です。用意……、始めッ!!」

 

雄二・翔子『『サモンッ!!』』

 

 

日本史

 

Fクラス

 

坂本 雄二:515点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:497点

 

 

泣いても笑っても、これが最後の一戦。頑張ってね、雄二!!

 

 

明久side out

 

 

雄二side

 

『『『な、何ィィィィィッ!!??』』』

 

『『『首席の点数を上回ってるなんて……』』』

 

『『『一体どうなっているんだ……』』』

 

明久のときと同じ様に、周囲の生徒たちが驚きの声を上げる。当然だろう、最底辺クラスの代表の点数が、学年首席の点数を上回っているのだから。

 

雄二「久々に勉強したが、案外できるモンなんだな……」

 

翔子「……雄二、それは……」

 

雄二「翔子、ガキの頃はよく勉強を教えてたよな? なら、これくらいはできて当たり前だからな……」

 

俺の召喚獣の装備は、白い改造学ランに大型のガントレットと典型的なインファイターだ。翔子の召喚獣は、赤地の入った武者鎧に日本刀を装備している。

 

 

雄二「みんなが俺を信じて送り出してくれた。その想いに応える為にも、俺は勝つ!!」

 

翔子「……なら私も全力で……!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、キィンッ!!”

 

俺から攻撃を仕掛ける。翔子もそれを日本刀で受け流していく。

 

翔子「……時間は掛けない。早めに決める……! “腕輪発動”!!」

 

“ボン、ボン、ボンッ!!

 

翔子が腕輪を発動させると、本体も含めると7体の召喚獣に囲まれた。

 

雄二「くっ、それが翔子の腕輪の能力か」

 

翔子「……そう。私の能力は“ミラージュ”。分身を生み出すチカラ。本物を当ててみて……?」

 

雄二「また厄介な能力だな……! そこか!」

 

“ブンッ!!”

 

“スカッ……”

 

雄二「何ッ!?」

 

翔子「……残念」

 

“ズバッ!!”

 

雄二「チィッ!」

 

 

Fクラス

 

坂本 雄二:391点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:403点

 

 

俺の攻撃が空振りした隙を突いて、翔子が斬り掛かった。直撃は避けたが、中々に重い一撃を喰らう。

 

雄二「どうする……? どれが本物だ……?」

 

翔子「……雄二、攻めないの? なら、私から行く」

 

“ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ!”

 

そう言って翔子が攻める。相変わらず、分身に翻弄されてこっちの攻撃を当てることもできない。

 

 

日本史

 

Fクラス

 

坂本 雄二:264点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:403点

 

 

気付けば260点台まで減らされていた。依然として翔子が優勢だ。

 

雄二「あの分身さえなんとかできればなぁ……。……ちょっと待てよ。そういえば攻撃されるときは必ず一方向からだったよな? つまり分身には攻撃能力はないって訳だ。ならば……“捨て身”」

 

もし分身にも攻撃能力があったら俺に勝ち目はない。だが違うのなら、まだ勝機はある。そう考えた俺は、腕輪を発動させた。

 

雄二「翔子、掛かって来い。次の一撃で勝負をつけようぜ……!」

 

翔子「……雄二?」

 

雄二「早めに決めるんじゃなかったのか? 俺は長期戦に持ち込んでいいんだぜ?」

 

翔子「……そこまで言うのなら、乗ってあげる……!!」

 

翔子が分身たちを従えて、攻めてくる。俺は目を閉じて集中力を高める。目で見分けられないなら、気の流れを感じ取るまでだ。俺は翔子が斬り掛かるギリギリまで引き付けた。

 

翔子「……これで終わり」

 

そう言って斬ろうとするまさにそのときだった。

 

雄二「……ここだぁッ!!」

 

“ドゴォォォォォッ!!!”

 

翔子が斬るよりも先に渾身の一撃を浴びせる。その反動で俺もダメージを受けたが、急所にクリーンヒットして翔子の召喚獣が吹き飛ばされた。

 

 

日本史

 

Fクラス

 

坂本 雄二:84点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:0点

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・坂本雄二!!」

 

高橋先生が試合終了を告げる。この瞬間、Fクラスの勝利が確定したのだった。

 

 

to be continued……




はい、Aクラスとの一騎討ちはFクラスの勝利となりました。

前回の省太VSリオに比べると、少し、ダイジェストっぽくなっていましたね(汗)

次回はAクラスとの戦後対談です。
それでは、また次回にお会いしましょう。


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第11話 戦後対談と漢の告白

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

ニワカ様、Hiro0814様、お気に入り登録ありがとうございます!
UAも2000を超えました。本当に嬉しい限りです。これからも頑張りますので、お付き合いくださいませ。

今回は戦後対談の話となります。

第11話です、どうぞ!


雄二side

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・坂本雄二!! 只今の勝負を持ちまして、Aクラス対Fクラスの一騎討ちは、Fクラスの勝利です!」

 

生徒たち『『『『おおおおおおおおおッ!!!!』』』』

 

高橋先生がFクラスの勝利宣言をすると、生徒たちの歓声が上がる。

 

雄二「よし、何とか勝てたぜ」

 

翔子「……分身に惑わされず、確実に本体を攻撃できた。流石ね、雄二」

 

雄二「まぁ、ほとんどは勘だ。失敗したら負けていたからな……。今回はたまたまさ」

 

翔子「……それでも、久しぶりに本気の雄二を見れた。嬉しい」

 

雄二「礼には及ばねぇよ、翔子……」

 

こんな風に翔子と話せたのも、しばらくぶりだ。鳴り止まない拍手と歓声の中、今だけは時間が止まってほしい。俺はそんな風に考えていた。

 

 

雄二side out

 

 

 

明久side

 

小休憩を挟んで、戦後対談の時間になった。この場にいるのは、AクラスとFクラスの生徒全員と高橋先生、西村先生、そして学園長だ。

 

雄二「さて、まずは負けた方が勝った方の言うことを聞くっていうものを決めていくか」

 

優子「そうね……。秀吉、演劇を続けるなら勉強も両立させなさい。これが、アタシのお願いよ」

 

秀吉「あ、姉上。それは……」

 

優子「不安なら、明久くんに勉強を教えて貰いなさい。アンタはアタシの弟だもの、きっとできるわよ」

 

秀吉「う、うむ……。心得たのじゃ」

 

秀吉がそう答えると、優子さんは嬉しそうな顔をした。厳しく見えるけど、やっぱり秀吉のことが大事なのだと伝わってくる。

 

康太「……愛子、俺に勉強を教えてくれ。明久たちに少しでも追いつきたい」

 

愛子「もちろんだよ、康太くん。その代わり、ボクに保健体育教えてね♪」

 

康太「……いいだろう」

 

ムッツリーニは工藤さんといい感じになってる。これをきっかけに成長できるだろう。

姫路さんと佐藤さんは、特に願いはないみたいだ。

 

このみ「次は私ね。サヨちゃん、省太くんのことお願いね?」

 

サヨ「このみちゃん……」

 

このみ「(頑張ってね♪)」

 

サヨ「(うんッ!) (コクッ)」

 

よくわからないけど……、春風さんと池端さんは、省太のことかな?

 

奈子「うーん。今度私と付き合ってほしいな、渚くん」

 

渚「ぼくでいいならお安い御用だよ、奈子ちゃん☆」

 

奈子「ありがとう(ニコッ)」

 

省太「……リオ。さっき言ったことだけど、しっかり見ててくれ」

 

リオ「頑張んなさいよ……!」

 

省太と渚もそれぞれのお願いが決まったみたいだ。省太のが少し気になるけど、勘潜り過ぎないようにしよう。

 

明久「僕か……。真夏ちゃん、今度また再戦しよう! 次はちゃんとした戦争で!」

 

真夏「OKや! 次はウチが勝つでー!(ニッ)」

 

僕は真夏ちゃんと再戦を誓った。真夏ちゃんが言うように良き友で、良きライバルになれると思う。

 

雄二「俺のお願いの前に、Fクラスの要望から言うぜ。Fクラスの要望は……(チラッ)」

 

明・省・渚・秀・康「(コクッ)」

 

雄二が霧島さんにお願いを言う前に、Fクラスの要望を伝えることにした。アイコンタクトを送って僕たちもそれに答える。両クラスの生徒が雄二に注目していた。

 

雄二「まず一つ目は、Fクラス設備の全面改修だ。……いいよな、学園長?」

 

学園長「そうさねぇ。調査も終了したことだし、約束通り設備を全面改修してやるさね」

 

明・省・渚「「「ありがとうございます、学園長」」」

 

須川「ちょっと待て、全面改修ってどういうことだよ! Aクラスと設備交換するんじゃなかったのか?!」

 

雄二「何を言っているんだ、須川。俺は設備交換するなんて一言も言ってないぜ?」

 

FクラスJ「話が違う、こんなの認めないぞ!!」

 

FクラスB「そうだそうだ! 意地でも交換を希望する!!」

 

そうして(一部を除く)Fクラス男子たちが騒ぎ始めた。その様子は正直言って、見苦しいと思う。

 

省太「静かにしろッ!!!」

 

Fクラスモブ共「「「(ビクッ)」」」

 

省太が一喝すると、みんな黙ってしまった。

 

省太「Aクラスの生徒と先生方もいる前で騒ぎ立てるなよ、みっともない。終わったから言うけど、設備交換をしないことを提案したのは俺だぞ」

 

FクラスM「何でだよ? せっかくボロ設備からオサラバできるチャンスだってのに!!」

 

省太「ったくお前らは……。設備交換しない理由はちゃんとあるぜ、教えてやろうか?」

 

反論に対して、省太が少し呆れながらも答えていく。

 

省太「まず一つ目は、勝った後のことだ。仮に今回設備交換したとしよう。そうしたら、Aクラス以外のクラスに攻められるのは確実だ」

 

FクラスH「でもお前たち“御三家”や坂本たちもいるから何とかなるんじゃないのか?」

 

省太「そこが問題なんだ。必ずしも、一クラスだけでくるとは限らない。同盟を組んで数で攻めることも考えられるし、手負いの状態を狙ってくることだってあると思う」

 

渚「いくらぼくたちが強いと言っても、どうにもならない局面は必ず出てくる。Aクラスの設備を得るのは、Fクラスにとってハイリスクハイリターンになる……ってことだよね、省太?」

 

省太「ああ、その通りだ渚」

 

渚がすかさずフォローを入れる。納得していない生徒もいるけど、理解はしたようだ。

 

省太「そしてもう一つ。……これは俺の私情も入っているが、Aクラスにいる友達にFクラスの環境を押し付けたくないんだよ……」

 

こ・真・奈・リ「「「省太(くん)……」」」」」

 

省太「なぁ明久、雄二、秀吉、ムッツリーニ。お前たちは、優子さん、霧島さん、工藤さんがFクラスの設備の中にいたらどう思う?」

 

明久「そうだね。僕は優子さんがあんな環境にいたら、腹が立つかな」

 

雄二「俺もだ。翔子にあの設備は似合わない」

 

秀吉「わしもそう思う。姉上が努力して掴んだ設備を追い出されるのは、耐えられんのじゃ」

 

康太「……同じく(キリッ)」

 

省太の言うことがよくわかる。優子さんたちは、Aクラスに行く為に努力してその末に勝ち取った設備だ。それをたった一度の敗北で失うなんて……。ルールとはいえ、納得できるハズがない。

 

省太「だから設備交換すると、AクラスもFクラスも悲惨な結末しかない。なら現状を把握して貰った上で、全面改修した方が双方にとっていいと思ったんだ」

 

FクラスL「そうは言っても……」

 

渚「もうッ! ここまで言って、まだわからないの!? ならもっとわかりやすく言うね? 設備と引き換えに恋人つくるチャンスを永久にドブに捨てるか、設備交換なしで青春に希望を残すか。究極の二択だよ!! さぁ、どっちを選ぶ?」

 

Fクラスモブ共『『『設備交換はいたしませんッ!!!』』』

 

渚「はい、よくできました♪」

 

渚の言葉に漸くみんな納得した。つくづくFクラスの男子たち(一部除く)はわかりやすいと思う。

 

省太「話を遮ってすまなかった。雄二、続けてくれ」

 

雄二「態々ありがとよ、省太。で、もう一つの要望だが、Aクラスと同盟を結びたい」

 

翔子「……同盟を?」

 

雄二「そうだ。今回の一騎討ちもだが、Fクラスが上位クラスと渡り合えたのは、Aクラス並みの戦力が揃っていたからだ」

 

雄二はそう言って、僕・省太・渚・池端さん・姫路さん、単教科に限ればAクラスレベルの秀吉・美波・ムッツリーニに目をやる。

 

雄二「中でも明久・省太・渚・池端・姫路はFクラスの中核その物だ。この5人がいなければ、試召戦争は勝てなかった」

 

翔子「……確かに。吉井たちは生命線」

 

雄二「だから、召喚獣の操作を明久たちがAクラスに教える代わりに、Fクラスの学力向上に協力してほしい。どうだ、悪い話ではないと思うぞ」

 

翔子「……わかった。Aクラスは、Fクラスの要望を受け入れる」

 

こうして、戦後対談は決まったのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

省太side

 

戦後対談も纏まった。なら、みんな揃っているこのタイミングしかねぇッ!!

 

省太「サ……、サヨッ!!」

 

サヨ「なに? 省太くん……」

 

省太「君にどうしても伝えたいことがある。き、聞いてほしい……! ここにいるみんなが証人だッ……!!」

 

こ・真・奈・リ「「「「省太(くん)……」」」」

 

AクラスとFクラスの生徒たちは、何事かと俺たちを見ている。このみちゃんたちも同じだ。

 

リオ「(コクッ)」

 

省太「(ピッ)」

 

リオと合図を交わす。もう後には引けない。

 

省太「サヨ……。小学生の頃、俺の一番になりたいって言ってたな?」

 

サヨ「うん……」

 

省太「あのとき俺、『考えさせてくれ』って言っただろ? ……でもゴメン、サヨッ!!」

 

サヨ「省太くん……?」

 

省太「あのときの俺、決心できてなかったんだ。中途半端に応えてしまったらどうしようって。今までの関係が壊れると思うと怖くて……」

 

サヨ「……」

 

省太「そうして俺はサヨの優しさに甘えて、今日まで自分の気持ちを隠してた……! サヨの気持ちを考えてなかった……!」

 

サヨが俺を見つめる。ずっと隠していた想いが溢れ出る。

 

省太「今日伝えようと思ったのも、友達の後押しがあったからだ。俺はこんな風にしなきゃできない不器用な男だ。だからこの場で言う。言わせてほしい」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「俺、反田省太は、池端早代さんが大好きです。付き合ってくれますか?」

 

サヨ「……」

 

省太「……どうだ、サヨ?」

 

サヨ「……(ひっく)」

 

省太「サヨ、大丈夫か!?」

 

サヨが泣いているのに気付いて、思わず動揺してしまう。

 

サヨ「省太くん……。ありがと……(ひっく)」

 

省太「え?」

 

サヨ「サヨね……、待ってたの……。ずっと……ずっと……ずっと……(ひっく)」

 

そうか……。小学生の頃から数えて5年も待たせていたのか……。こんなにも一途に想ってくれているのに……。本当大馬鹿だよな、俺。

 

省太「ゴメンな、サヨ。ずっと待たせてしまって……」

 

サヨ「ううん、平気だよ。だって省太くんはちゃんと応えてくれたから……。省太くん、大好き!!」

 

“ギュッ”

 

省太「ああ、俺もだ。サヨ……」

 

まだ涙目だったが、サヨは嬉しそうに俺に抱きつく。そんな彼女を俺も抱き締める。

Aクラスの生徒と明久たちは、この瞬間を祝福してくれた。(明久たちを除く)Fクラス男子たちは嫉妬に狂って襲い掛かろうとしたが、渚が制圧していた。

 

渚「はいはい、みっともないマネはしない! 人の幸せを祝えないヤツに幸福は訪れないよ!!」

 

女子たちはこういうのが好きなのか、みんな感動して涙する人さえいた。

 

このみ「よかったね、サヨちゃん!」

 

真夏「やっとくっついたかぁ。男らしいでぇ、省太!」

 

奈子「おめでとう、2人とも!」

 

リオ「ちゃんと大切にしなさいよ……!(ふっ)」

 

このみちゃんたちも、それぞれの祝福の言葉を送る。ずっと長い間待たせてた。でも今日この日、サヨと両想いになれました。これまでで一番幸せだ。

 

繋いだこの手は絶対に離さない。

俺とサヨは、ここからがスタートなんだ。

 

 

to be continued……




ついに、省太とサヨちゃんが結ばれました。
これも私がこの章で書きたかった内容なので、自然と熱が入っていました。
やっぱり純愛っていいよね。

本当はこっちで試召戦争編を終了とする予定でしたが、次回に持ち越そうと思います。

それでは、また次回にお会いしましょう。


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第12話 戦争の後のささやかな幸せ

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

遅くなって申し訳ありません。どうまとめるか四苦八苦してましたが、私ではこれが限界でした……(汗)

前回は省太とサヨちゃんへの祝福で終わったので、今回はその続きとなります。

第12話です、どうぞ!


明久side

 

省太が池端さんに告白して、教室内は2人を祝福するムードに包まれていた。

 

渚「いつ告白するんだろうってヤキモキしてたけど、やっと決心できたんだね。よかったね、お2人さんッ☆」

 

明久「本当だね、その証拠に今までで一番の笑顔だもの。こっちまで気持ちが暖かくなれるよ」

 

本当におめでとう、省太、池端さん。いつかは僕もこんな日が来るかな?

 

雄二「あー、うん……。中々思い切った告白だったぞ省太。俺が翔子にお願いごとするタイミングを見計らったな?」

 

省太「バッ、こういうのを利用しないとできなかったんだ! ……悪いかよッ!」

 

雄二「いや、そんなことはないぜ? 寧ろ先越されて悔しいくらいだ」

 

省太「……えっ?」

 

この言葉に省太はもちろん、他の生徒たちもキョトンとしている。

 

雄二「……なぁ、翔子」

 

翔子「……何、雄二?」

 

雄二が声を掛けると、霧島さんが見つめる。

 

雄二「お願いごとだけどよ……。今日までずっと考えた。お前は優等生、俺は不良。そんな2人が釣り合う訳がないから俺が離れたら、お前は幸せになれると思ってた」

 

翔子「……雄二」

 

雄二「だがそれは間違いだった。翔子の為だと理由を付けて、逃げていたんだ……。本当は誰よりも好きだってわかっていたはずなのによ……。省太を見て思ったぜ、俺も見習わないとなって……」

 

翔子「……! それって……!」

 

涙を浮かべながらも、言葉を続ける雄二。そして……。

 

雄二「遠ざけていたことで、やっと自分の本心に気付いた。……翔子、俺と付き合ってくれッ!!」

 

翔子「……うん、雄二ッ……!」

 

“ギュッ”

 

雄二「翔子ッ!! ……ゴメンな、ずっと待たせて。もう寂しい思いさせないからな……ッ!!」

 

翔子「……うんッ! 私も雄二の側から離れない……ッ!!」

 

2人は涙を流しながら、お互い抱き合っていた。

 

FクラスQ「坂本ぉーッ! 反田のみならず、貴様までも死にたいようだなぁッ!!」

 

渚「まったく……。懲りないね、君たち……!!(ゴキゴキ)」

 

明久「お仕置きが足りないかな……?(バキバキッ)」

 

“シュッ!!”

 

FクラスW「な、何をする?! うわぁッ!!」

 

“バキッ!!”

 

FクラスG「や、やめろ! だぁぁぁッ!!」

 

“ゴスッ!!”

 

FクラスN「ゴメンなさい、許して! あぁぁぁッ!!」

 

“ボゴッ、ドタッ、バタンッ!!”

 

渚「この言葉、知ってる?」

 

明久「“人の恋路を邪魔するヤツは”……」

 

渚「“馬に蹴られて”……」

 

明久・渚「「“三途の川”ってねッ!!」」

 

Fクラスモブ共『『『うわぁぁぁぁぁぁッ!!!!』』』

 

“ドガァァァッ!!”

 

Fクラスモブ共『『『ちーん……』』』

 

復活したFFF団が雄二たちに襲い掛かろうとしたが、僕と渚で眠らせた。え、やりすぎじゃないかって? 大丈夫、生きてるよ。

 

渚「この様子じゃ、彼女つくるなんて夢のまた夢かもねー(呆)」

 

明久「とりあえず、その歪んだ考えを直すのが先だよ……」

 

学園長「まったく、このジャリ共が……(呆)」

 

西村「そのエネルギーを学問にも、向けてほしいが……」

 

この惨状を見て僕たちだけでなく、学園長も西村先生も同じことを考えたようだ。

 

学園長「さて。Fクラスの要望は、さっき提案したので問題ないさね?」

 

雄二「OKだ、ババア長」

 

翔子「……私たちも同じです」

 

学園長「あとは西村先生と高橋先生に任せるとするさね。それから吉井、反田、上運天。アンタたちの召喚獣を再調整してやろう。付いてくるさね」

 

明・省・渚「「「はいッ!!」」」

 

 

〜学園長室〜

 

 

学園長「装備の変更に希望があれば、何でも言っておくれ。可能な限り考慮してあげるさね」

 

明久「そうですか。それなら〜……」

 

省太「俺はこれを〜……」

 

渚「じゃあ、ぼくは〜……」

 

僕たちはそれぞれが装備の追加を希望し、学園長に伝える。

 

学園長「ふむ。これでいいんさね? お前たちが望むなら、アップグレードも考慮したんだがねぇ……」

 

明久「いえ、今はこれだけでも充分ですよ。1学期はこれでやって行きたいと思います」

 

学園長「わかったさね。変更内容を召喚獣に反映させておく。期待しておくれ」

 

明・省・渚「「「ありがとうございました、失礼します!!」」」

 

こうして僕たちは、学園長室を後にした。

 

 

そしてFクラスの教室に戻ると、殆どの生徒が帰っていて、待っていたのは雄二たちだけだった。

 

サヨ「おかえり省太くん、吉井くん、渚くん」

 

秀吉「もうみんな帰ったところじゃぞ」

 

康太「……鉄人が、Fクラスの担任になった」

 

明久「西村先生が?」

 

雄二「ああ。厳しいが、学力の向上には一番確実な手段だ。明久たちばかりに頼るのは、示しがつかないからな」

 

大半のFクラス男子たちは嫌がったらしいが、姫路さんの口添えで一応納得したらしい。

 

省太「まぁ、いいんじゃねぇか? Aクラスとも同盟結んでいるし、大丈夫だろ」

 

明久「そうだね、後のことはこれから考えようよ。とりあえず今日は帰ろう」

 

雄二は霧島さんと、ムッツリーニも工藤さんと一緒に帰って行く。僕たちも校門を出ようとしたときだった。

 

???『『『省太(明久くん)ッ!!』』』

 

呼ばれた方向を振り返ると、優子さんと春風さん、真夏ちゃん、佐々木さん、金子さんがいた。

 

明久・省太「「みんな(優子さん)……」」

 

真夏「遅かったなぁ。待ってたんやで、ウチら!」

 

省太「そうだったのか……。悪いな、待たせて」

 

真夏「ほな、一緒に帰るでー♪」

 

“グイッ”

 

リオ「真夏ちゃーん? 私たちはこっち!」

 

真夏「えー、なんでー? ウチは省太も一緒がえぇー!!」

 

このみ「今日くらいは……ね?」

 

奈子「2人きりにさせてあげようよ」

 

金子さんに引っ張られて不満そうな真夏ちゃんを、春風さんと佐々木さんが宥めている。

 

秀吉「わしじゃダメかの?」

 

渚「ぼくもぼくもー☆」

 

このみ「いいよ♪ じゃあ秀吉くん、渚くん。私たちと一緒に帰ろ?」

 

秀吉「丁度よい、姉上も明久と一緒に帰ったらどうかの? 話したいこともあるじゃろう?」

 

優子「秀吉ッ、アンタねぇ……!」

 

リオ「いいじゃない? 今日くらいは、弟くんの厚意に甘えても」

 

優子「リオまで……ッ!」

 

奈子「そういう訳だから、先に帰るわね。じゃあね省太、サヨ、優子、吉井くん」

 

秀吉「また明日、学校での」

 

みんな一斉に帰って行き、僕と優子さん、省太、池端さんが残された。

 

明・省・優・サ「「「「………」」」」

 

省太「あー……。サヨと2人きりは久々だから俺、寄り道して行くよ。じゃあな明久、優子さん」

 

サヨ「またね、2人とも♪」

 

もうこの場にいるのは、僕と優子さんだけだ。

 

明久「ゆ、優子さん……」

 

優子「明久くん……」

 

明久「帰ろっか?」

 

優子「……うん」

 

しばらく歩いていた僕たちは、近くの公園に着いた。そして、ベンチに腰掛ける。

 

明久「ねぇ、優子さん。こう2人でいるのって、あの告白のとき以来だよね」

 

優子「ええ、そうね」

 

 

〜回想〜

 

 

明久「木下さん、あなたのことが好きです。最初は秀吉に似ているから勘違いしていましたが、一緒にいる時間が長くなるにつれて、この気持ちが本当だと気付きました。僕と付き合ってくれませんか?」

 

優子「……いいわ。でも、ひとつだけ条件があるの」

 

明久「条件?」

 

優子「そう。学年末の振り分け試験でAクラスに進級すること。アタシはもちろん、Aクラスに行くわ」

 

明久「わかった木下さん。僕、頑張ってAクラス目指すから!」

 

優子「あと、名前で呼んでほしいわ……。秀吉も名前で呼んでるんだから……ね?」

 

明久「いいの? それじゃあよろしくね、優子さん♪」

 

優子「ええ。振り分け試験頑張りなさいよ、明久くん♪」

 

 

〜回想終了〜

 

 

明久「仕方なかったとはいえ、Fクラスになったなぁ……」

 

優子「でも姫路さんを助ける為に、途中退出したんでしょう? そのことをアタシは責めたりなんかしないわ。それに、アタシの気持ちは……」

 

“スッ……”

 

優子「明久くん……?」

 

明久「その続きはまだだよ、優子さん。約束は約束だから、今年はFクラスで行くよ……」

 

僕は優子さんが言おうとしたことを、途中で止めた。理由があったにせよ、今は応えられない。

 

優子「……わかったわ。でもアタシのお願いを聞いてほしいの……」

 

明久「何かな、優子さん」

 

優子「放課後はこうして2人で一緒に帰ってもいいかしら?」

 

明久「もちろんだよ!」

 

優子「ふふっ、ありがと明久くん」

 

日が暮れるまで優子さんと一緒に過ごした。長くはなかったが、できれば時が止まってくれたら……。そんな風に思った。

 

それから優子さんを家まで送って行った。名残惜しそうな顔で見つめてくるが、それは僕も同じだ。

 

明久「じゃあまた明日学校でね、優子さん」

 

優子「わかったわ、明久くん。……またね」

 

優子さんと別れた僕も、家路へ急いで行く。約束は果たせなかったけど、これはこれでよかったのかもしれない……。

そんなことを僕は考えていた。

 

 

to be continued……




はい、試験召喚戦争編はこれで終了となります。
今回は完全に前回のオマケになってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

次回以降ですが、主人公たち以外のキャラ設定を挙げるのと、日常編(仮)を挟んで、清涼祭編に移る予定です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また次回にお会いしましょう。


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