バカとテストと僕たちの楽園 (エクシリオン)
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プロローグ 振り分け試験

エクシリオンと申します。
今作が初投稿の為、至らない点が多々あるかと思いますが、
宜しくお願いします。



ここ『文月学園』は、世界初の『試験召喚システム』を導入したことで注目されている進学校である。

 

この学園は、1年の終わりに実施する振り分け試験の結果に応じて、最高ランクのAから最低ランクのF迄のいずれかにクラス分けされる。

 

結果如何によっては今後の学園生活をも左右する為、当然ながら生徒たちはひとつでも上のクラスを目指す。ある者は絶対の自信を持ちながら、またある者は下位クラスに行きたくないと願いながら。それぞれの想いを胸に試験に臨むのである。

 

そして迎えた振り分け試験当日。試験を受ける生徒たちの中に彼、『吉井明久』もそこにいた。

 

 

 

 

明久side

 

 

明久「これが振り分け試験か……。難しいって聞いたけど、これくらいなら問題ないかな」

 

僕の名は吉井明久。文月学園の次期2年生だ。

今は2年次のクラス分けの為に、振り分け試験を受けているところだ。

1年のときはバカやってたけど、今回は違う。実際試験問題も順調に解いているし、こう言っては何だがかなり自信がある。友達と一緒にAクラスに行くって約束したしね。

 

左隣の席は姫路瑞希さん、右隣の席では僕の親友……反田省太。省太の隣の席は池端早代ちゃんが試験を受けているのだけど……、姫路さんとサヨちゃんの様子がおかしい。

 

瑞・サ「「はぁ……、はぁ……」」

 

2人共明らかに苦しそうで、今にも倒れてしまいそうな勢いだ。

そして本当に倒れてしまう正にそのときであった。

 

明・省「「姫路さん(サヨ)ッ!!」」

 

それは多分同時だったと思う。

僕と省太は、2人が床に崩れ落ちる前に受け止めた。

 

明久「大丈夫!? 姫路さん!!」

 

省太「サヨッ! しっかりしろ!!」

 

瑞希「よし……い……くん……」

 

サヨ「しょ……うた……くん……。サヨたちは大丈夫……だから……、席に戻って……」

 

省太「少し安静にするんだ。今から保健室連れて行くぞ。明久、お前は姫路さんを連れて行くんだよな? 一緒に行こうぜ!」

 

明久「うん、わかった!」

 

そうして僕たちが退出しようとしたとき、この試験の担当教師に呼び止められた。

 

教師「吉井、反田! 早く席に戻れ! 姫路、池端、体調が悪いなら保健室に行っていいぞ。だが、試験途中での退出は無得点扱いになるがよいかね?」

 

この発言に対して耳を疑った。なぜそのようなことが言えるのかと。僕が口を開こうとしたとき、

 

省太「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれはないんじゃないか?!」

 

省太が真っ先に反論する。

 

教師「何を言ってるんだ、反田? これがこの学園のルールだ。体調管理も試験勉強のうち。それを怠ったのは自己責任だ、そうだろう?」

 

省太「だとしても、言い方ってもんがあるだろ!!」

 

教師「口答えをするな! それ以上私に逆らうと、お前も吉井も無得点にするぞ! 嫌ならさっさと席につけ!!」

 

この発言を聞いたとき、最初のときよりも頭にきた。

 

明久「省太!! もう何を言っても無駄だよ。それよりも早く、姫路さんとサヨちゃんを保健室に連れて行かなきゃ!」

 

教師「お、お前ら……。本当に無得点にしてやるぞ!! いいのか!?」

 

明久「無得点にしたいのなら、ご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」

 

省太「ああ、そうだな」

 

そのように言って退出した。僕は姫路さんを、省太はサヨちゃんを背負いながら。

後ろで教師が何か言ってた気がするが、そんなの知ったことじゃない。何とでも言えばいいだろう。

そう考えながら、僕たちは保健室に向かった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

渚side

 

 

ぼくの名は上運天渚。文月学園の次期2年生だ。今振り分け試験を受けている最中なんだけど、何やら教師と男子生徒2人が言い争っているみたい。よく見てみると、男子生徒の腕の中に女子生徒もいる。

 

省太「ちょっと待ってくれ先生!! 体調を崩して退出したら、無得点ってそれはないんじゃないか?!」

 

発言した男子生徒は反田省太。ぼくの親友の1人だ。もう1人の男子生徒は吉井明久。彼もぼくの親友である。女子生徒は明久の腕の中にいるのが姫路瑞希さん。省太のは池端早代ちゃんか……。

 

省太の発言についてだが、ぼくだって実際そう思ってる。無得点になるのはルールだとしても、付き添いすら付けないのは……。

生徒に対する配慮がなさすぎる。

 

それでも傲慢な物言いをするその教師に対して、

 

明久「無得点にしたいのなら、ご自由にどうぞ。僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません、失礼いたします。省太、行こう」

 

省太「ああ、そうだな」

 

そう言って明久たちは退出して行った。正直、明久には感謝してる。あの言葉が無かったら、きっと殴っていたと思うから。

 

明久たちの姿が見えなくなった後、

 

教師「私のクラスから4人も無得点者が……。吉井明久、反田省太……。学園の面汚しめ……!!」

 

ん? あの教師、今何て言った? ぼくの聞き間違いじゃなければ、2人のこと面汚しって言ったよね? 聞こえないように言ったんだろうけど、ちゃんと聞こえてますよ?

 

これまでのやり取りの時点で、試験を受ける気力が失せていたので席を立った。

 

教師「おい上運天! 何をしている、席につけ! お前も無得点になりたいのか!!」

 

渚「え、別にいいですよ。もうこの試験、受ける意味がないと思ったので」

 

さらに続ける。

 

渚「それにアナタ、明久たちのこと貶しましたよね? 本人たちがいないときに。ぼく聞こえましたから。面と向かって物事言えない大人は最低ですよ。アンタそれでも教師ですか?? 人に物教える前に、自分が教育やり直した方がいいといい思いますよ。まぁ、もし改善されたとしてもアンタは願い下げだけどな!!」

 

そう言い残して、ぼくも退出した。後に引けなくなったがまぁいい。とりあえず、保健室に寄って行くか。

 

 

渚side out

 

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

俺は反田省太。文月学園の次期2年生だ。振り分け試験中に途中退出した後、俺の親友……吉井明久と一緒に姫路瑞希さんと池端早代を、保健室に連れて行った。

 

保健室で休ませている最中、自分たちの為に俺たちまで無得点になったことに責任を感じているのか、2人共「ごめんなさい」と謝り続けていた。

 

明久がどう慰めていたのかはわからないが、

 

省太「気にしなくていいぞ。サヨが困っているとき、助けるのは俺の役目だ。そう……、君が大切だからな……」

 

そう言って頭を撫でていたりしているうちに安心したのか、サヨは眠っていた。

 

明久「省太、サヨちゃんはどう?」

 

省太「今眠ったところかな。姫路さんはどうなんだ? 」

 

明久「同じ」

 

省太「そっか」

 

明久「じゃあ先生、しばらくの間お願いします」

 

保健の先生「わかったわ」

 

廊下に出た後、沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

明久「……ねぇ、省太」

 

省太「ん? どうした、明久?」

 

明久が口を開く。

 

明久「僕、これで良かったんだよね? 間違ったことしてないよね?」

 

省太「何を言うかと思ったら……。あの状況でお前を非難する奴は、あの教師以外いねぇよ。それに、放って置けないって思ったから助けたんだろ? それで良いじゃんか。仮に明久がやらなくても、俺がやってたしな♪」

 

明久「ありがとう」

 

本当に明久は優しいな。彼が親友であることを誇りに思うよ。

 

明久「でも、これでFクラスになるのは決定的だよね……」

 

省太「まぁ、あんな行動を取った訳だしな……」

 

⁇?「本当にそうだよねー☆」

 

明・省「「え!?」」

 

いきなりの呼びかけに俺たちは驚いた。なぜなら……。

 

渚「やぁ明久、省太♪」

 

俺や明久と比べて小柄な少年が、気付かぬうちに現れたからである。

 

明久「渚……?」

 

省太「お前いつからそこに……。ってか、振り分け試験はどうしたんだよ?」

 

渚「今通りかかったとこだよ。試験は受ける意味がなくなったからパスした」

 

とても明るい雰囲気でそう言ってくるこの少年の名前は、上運天渚。明久と同じくらいに親友だ。

 

明久「そうなんだ。でも良かったの? Aクラスに行ける可能性もあったのに……」

 

渚「何言ってんのさ。明久と省太を差し置いて、ぼくだけAクラスに行けないよ。仮に行ったとしても楽しさ半減だからさッ☆」

 

省太「ふっ、それもそうかもな」

 

明久「何はともあれ、2年生も一緒だね。今後もよろしく♪」

 

省太「おう、よろしく頼むな♪」

 

渚「ぼくの方こそ、よろしくねー☆」

 

明久「これからのことは新学期になってから考えようか」

 

省・渚「「りょーかいッ☆」」

 

それから俺たちは、休んで回復した姫路さんとサヨとの5人でお喋りした後、それぞれ帰宅していった。

 

今、俺はサヨと2人きりだ。

 

サヨ「ねぇ、省太くん。サヨね、途中退出で無得点になるって聞いたとき、とてもショックだったよ……」

 

省太「うん」

 

サヨ「でも省太くんがサヨと瑞希ちゃんの為に怒ってくれたとき、とても嬉しかった。サヨ、省太くんを好きでいて間違ってなかったって、心からそう思えるの」

 

省太「サヨ……」

 

サヨ「だから省太くん! 希望してたクラスじゃなかったけど、今年もよろしくね!!」

 

省太「ああ! よろしくな☆」

 

その後サヨを送った後、帰りながら考えた。

この先どんな学園生活が待っているのか……。まぁ、色々あるけど楽しい学園生活にしていこう……。

 

そう思った俺は、家へと歩いて帰って行った。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

 

???side

 

 

???「へぇ、あの3人がFクラスか。面白い。これは新学期が楽しみだな、はっはっはっ……」

 

やりたいことがあったから点数調整したが、これは嬉しい誤算だ。正直ちょっと厳しいって思ってたからな……。新学期に会えるのを楽しみにしているぜ、反田省太、上運天渚。そして……、吉井明久。

 

 

???side out

 

 

 

 

to be continued……




プロローグですが、どうでしたか?
こんな駄文でも気に入って頂ければ幸いです。

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。


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キャラクター紹介 その1

主人公3人のキャラクター設定とその他諸々です。

※ストーリーの進行に応じて設定を追記していきます。

追記:オリキャラの設定を追加しました。

12/15 追記:イメージCVを表記しました。省太とオリキャラ2名については、あくまで私のイメージです。読者の皆様はお好みの声を脳内再生してくださいませ。

12/19 追記:用語説明を修正。


名前:吉井 明久(よしい あきひさ) イメージCV:下野 紘

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通りだが、鍛えられている。(身長は175㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目全般が得意。苦手科目はなく、全ての科目で最低400点以上取れる程成績優秀。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

第18話から→K○Fシリーズの草○京の衣装(オ○チ編)。日輪の部分は『明』の文字になっている。武器はメインが大太刀で、サブは2丁拳銃。

 

腕輪の能力:キャンセラー(消費点数200点) あらゆる腕輪の使用を禁止する。発動時に隙がなく強力な効果だが、発動の前に“溜め”の動作を必要とすること、消費点数が重めなのが欠点。また腕輪のない敵には、デバフ効果が発揮される。

 

原作との変更点

 

・バカじゃない←(ここ重要)

・瑞希と美波に恋愛感情はない(あくまで友人)

・雄二と本格的に絡むのは2年次

・FFF団に所属していない

・観察処分者は自分から立候補

 

 

解説:原作と同様、本作の主人公。原作とは違い、観察処分者には「教師陣の役に立ちたい」と自ら志願。その肩書きに相応しく振る舞うべく、敢えてバカを演じていた。このことは、一部の生徒を除いては教師陣しか知らない為、殆どの生徒からは原作通りバカだと思われていて、反田省太、上運天渚と合わせて“御三家”と称される。

振り分け試験の際、姫路瑞希を助けた結果Fクラスに振り分けられてしまった。だが、それすらも自分を高める要素とプラスに捉えており、来たる試召戦争に向けて闘志を燃やす。同時に、Fクラスの問題にも立ち向かうことになる。

 

木下優子と付き合う約束をしていたが、Aクラスに進級できなかった為、自分から保留にしている。

しかし両思いなのは確かなので、周り(特に省太と渚)からは「さっさと付き合えばいいのに」と思われている。

 

 

 

 

名前:反田 省太(はんだ しょうた) イメージCV:赤羽根 健治

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作の容姿が高校生まで成長した姿(身長は179㎝)。性格は原作通り。

 

得意科目と苦手科目:情報が得意で、学年トップ。その他の科目もソツなくこなせる器用万能型(明久より少し劣る程度)。

 

召喚獣の見た目と武器:省太をデフォルメした姿に、白と水色を基調とした騎士服。武器はランチャーモードに変形可能な大剣。

第18話から→ギル○○ギアシリーズのカ○・○スク(青の部分は水色)の衣装で、大剣はバー○○ロンシリーズのテ○ジン(オ○○リオ・○○グラム版)のスライプナーに変更された。防具にマントが追加。劇中ではスルーされたが、サブ武器にスタングレネードも装備している。

スライプナーは、斬撃形態(ブリッツ・セイバー)が基本形態。

もちろん、射撃形態である『ニュートラル・ランチャー』も使用できる。

 

腕輪の能力:メガ・ブラスター(消費点数60〜120点) 斬撃形態(ブリッツ・セイバー)砲撃形態(ラジカル・ザッパー)突撃形態(ブルー・スライダー)を使用時に大出力のビームを発生させる。省太は接近戦を好む為、斬撃形態(ブリッツ・セイバー)時によく使われる。いずれも高い威力を誇るが、変形時に少しタイムラグが存在する。

 

原作との変更点

 

・サヨが一番好き

・このみとの恋は吹っ切れた

・父親との関係は悪くない

 

 

解説:本作の主人公その2。『無邪気の楽園』の主人公である。明久・渚とは文月学園に入学以来の付き合いであり、親友。明久が観察処分者に認定された際、明久だけが雑用を押し付けられるのを良しとせず、自らも観察処分者に立候補することに。敢えてバカを演じていた結果、同じく文月学園に通う小・中学生時代の友人からは誤解されていたのだが、事情を説明したら理解してもらうことができた。Fクラスの現状に唖然とするが、大切な人たちの為に自分が頑張らなければと、己を奮い立たせる。

 

池端早代は小学校時代からの付き合いであり、相思相愛の仲。文月学園に入学しても尚友達以上恋人未満の関係だったが、Aクラスとの試召戦争終了後、ついに告白。

漸く結ばれることができた。

 

両思いなのに微妙な関係が続いている明久と優子、そして渚と奈子を近くで見ており、そのことがちょっとした悩みの種になっているらしい。

 

 

 

 

名前:上運天 渚(うえうんてん なぎさ) イメージCV:代永 翼

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:童顔で髪型はショートウルフ。身長は明久よりも低い(165㎝)。明るく快活だが、友達に危害を加える、加えようとする者には容赦しない。

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意でムッツリーニとタメを張れる程。それ以外では現代国語と地理も得意。苦手科目は数学と物理。

 

召喚獣の見た目と武器:渚をデフォルメした姿に、アレンジの入った拳法着(黒+紫)と、短パン+黒スパッツ。武器はブレードトンファー。

第25.5話から→肘当てと膝当て、2丁のサブマシンガンが追加。

 

腕輪の能力:スマッシュ・ヒット(消費点数40〜100点) 一度の発動で与ダメージを最大3倍まで上昇させる。また、相手の攻撃やガードを一方的に破ることも可能。防御系の能力を発動している相手にもダメージを与えることは可能だが、その場合はダメージが半減となる。

 

 

解説:本作のオリジナルキャラクターであり、主人公その3。文月学園入学当初はかなり荒れていたのだが、明久と出会ってから本来の明るさを取り戻し、省太ともすぐ仲良くなった。省太と同じ理由で観察処分者に立候補。殆どの生徒からはバカ扱いされているが、本人は気にしていない。寧ろ、明久と省太を悪く言われることの方が我慢ならないようで、度々暴走しそうになるがその度に2人に止められる。

 

結果的にFクラスとなったが、明久たちがいればどんなクラスでもきっと楽しいだろうと、これからの学園生活に心を踊らせる。

 

彼自身は彼女いない歴=年齢だが、一騎討ちのときに佐々木奈子と一戦交えてからは、彼女とも親しくなっていく。武道を嗜む者同士通じ合うものがある故に、琉球空手が特技。

 

中学時代は野球部に所属しており、将来を期待されていたが部内の不祥事で選手生命を断たれ、野球を辞めた過去を持つ。しばらくはそのことがトラウマになっていたが、明久たちに打ち明けてトラウマを克服した。

 

学園内で彼を見かけた際は、奈子も一緒にいることが多い為か、「付き合っているのでは?」と専らの噂。

なので、2人の関係を知っているメンバー(特に明久と省太)からは「もう付き合えばいいのに」と思われている。

 

 

 

 

名前:神代 遥祐(かみしろ ようすけ) イメージCV:逢坂 良太

 

性別:男性

 

所属クラス:Bクラス

 

容姿と性格:中性的な顔立ちで、ショートヘアに後ろ髪を一本結びしている。身長は176㎝。物静かで落ち着いているが、隠れた武闘派な一面もある。

 

得意科目と苦手科目:全てが得意科目。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:遥祐をデフォルメした姿に、白に灰色のラインが入った騎士服。武器は装飾が施された大剣。

 

腕輪の能力:まだ披露していない為不明。

 

解説:本作のオリジナルキャラクター。明久、省太、渚の3人とは1年次からの付き合いで、友人。

振り分け試験では霧島翔子と首席の座を争い、次席となるハズだったが本人の希望で辞退し、教師陣による協議の結果Bクラス代表に落ち着く。

こうした理由は根本恭二がバカな真似をしないように見張ることと、学園の治安維持が目的であるらしい。

 

根本恭二は中学時代からの友人。しかし、彼の振る舞いには内心辟易していたようで、対Fクラス戦の敗戦をきっかけに一度は突き放すが、改心すると誓かった為、関係は改善されて今に至る。

 

詳細は不明だが、竹原教頭とは確執があった。清涼祭のときに起きた一連の騒動の黒幕が彼であったことから、今までの“お礼”とばかりに制裁を加えて仕返しを完遂させた。

 

誰かの恋愛事情には勘の鋭い面を見せるが、自分のことは意外とわかってなかったりすることも。

 

 

用語説明

 

テスト:現代国語、古典、数学、物理、化学、生物、地理、日本史、世界史、現代社会、英語、保健体育、情報、これら13科目の合計である総合科目を使用。近年では芸能にも関心が向けられたようで、音楽が追加されて合計15科目となっている。

 

観察処分者:文月学園におけるバカの代名詞。表向きには、明久たちは問題行動の常習犯の為任命されたと他の生徒たちから思われているが、実際は3名自ら志願しており、強要された訳ではないようだ(ただし、本当の意味で生徒自身に問題がある場合はこの限りではない)。

 

 

御三家:吉井明久、反田省太、上運天渚の通称。観察処分者らしく行動していた結果、蔑称となっているが、大半の生徒は3名の行いが演技であることを知らない。しかしここ最近のFクラスの快進撃に加えて、後述のノイン・マイスターズに勝利を収めたことから、評価が変わることになる。

現在では、Fクラスの切り札を意味する言葉になった模様。

 

 

ノイン・マイスターズ:Aクラスの成績上位者の通称。メンバーは霧島翔子、神谷真夏、金子理央、佐々木奈子、春風このみ、久保利光、木下優子、工藤愛子、佐藤美穂。久保利光を除いて全員が女子生徒であることが特徴。また上位5名と下位4名との間には、決して小さくない実力差がある。

 

選定基準の詳細は不明だが大まかには、

 

・総合科目の点数が4000点以上であること

・全科目で最低300点以上取れること

・学年の模範と全教師陣に認められること

 

この3点全てを満たすことが条件となっている。

該当者多数の場合は厳正な審査の下、任命される。

 

 

隠れAクラス:Bクラス以下所属でAクラスレベルの学力を持つ生徒のこと。文月学園には様々な理由でAクラス以外に振り分けられた生徒がいるが、その中で優れた学力を持つ生徒が毎年確認されている。近年では特にこの傾向が強まっており、今年度の隠れAクラスは歴代最多となっている。代表的なのは、坂本雄二が代表を務めるFクラスの生徒が有名。

また、“◯クラス詐欺”という俗称も存在するらしい。




以上、主人公3人(と1人)の紹介でした。

次はバカテス勢です。

お待ちくださいませ。


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キャラクター紹介 その2 バカテスside

バカテス勢のメインキャラクターの設定です。

こちらもストーリーの進行に合わせて、設定を追記していきます。

12/15 追記:イメージCVを表記しました。


名前:木下 優子(きのした ゆうこ) イメージCV:加藤 英美里(2役)

 

性別:女性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:容姿は原作と同じ。性格は原作に比べてかなり丸くなった。(身長は162㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目(特に現代社会)が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:見た目は原作通り。武器は大型ランスと、装飾が施されたシールド。

 

腕輪の能力:トルネード(消費点数50点) 竜巻を発生させる。周囲の敵を吹き飛ばす全体攻撃、ランスに纏わせて突進力を強化と使い分けていく。

 

原作との変更点

 

・明久のことが大好き

・腐女子じゃない

・秀吉に優しい(ときに厳しくもする)

・原作よりもスタイルが良い

 

 

解説:本作のメインヒロインの1人。2年Aクラスに所属している、“ノイン・マイスターズ”のNo.7。当初は明久のことを見下していたが、一緒に過ごす内に彼に惹かれていく。

 

付き合うのに振り分け試験でAクラスに進級することを条件にしたところ、アクシデントがあったとはいえ明久はFクラスに振り分けられてしまった。告白を普通に受け入れればよかったと後悔するが、振られた訳ではないので一安心している。

 

 

名前:木下 秀吉(きのした ひでよし) イメージCV:加藤 英美里(2役)

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は162㎝)

 

得意科目と苦手科目:古典が得意。苦手な科目は英語と化学。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・ちゃんと男子として扱ってもらえる(FFF団を除く)

・優子との仲は良好

・原作より学力が向上

 

 

解説:2年Fクラス所属。演劇部に所属しており、特技は声帯模写。容姿が姉の優子と瓜二つの為、『第3の性別・秀吉』等と称されることも(明久たちを除く)。演劇に熱中していることで学業が疎かになっているが、本気を出せば好成績を残せるので、やればできるタイプ。

 

春風このみは部活仲間で友人だが、最近気になっている。

 

 

名前:坂本 雄二(さかもと ゆうじ) イメージCV:鈴木 達央

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス代表

 

容姿と性格:原作通り。(身長は185㎝)

 

得意科目と苦手科目:これといって得意科目はないが、苦手科目もない。

 

召喚獣の見た目と武器:見た目は原作通り。武器は大型のガントレット。

 

腕輪の能力:捨て身(消費点数50〜100点) 与ダメージ倍率を最大5倍にする。ただし攻撃時の反動も、消費点数に応じて大きくなる諸刃の能力でもある。

 

原作との変更点

 

・早い段階で翔子と恋人同士になる

・明久の不幸を喜ばない

・明久とは2年次から親しくなっていく

・FFF団に所属していない

 

 

解説:2年Fクラス代表。本来ならAクラスだが、最下位クラスでも上位クラスと渡り合えることを証明する為に、点数を調整した。

明久、省太、渚の3人に期待を寄せると共に、代表として相応しくなる様自らも奮闘する。

 

翔子とは小学生の頃の出来事がきっかけで距離を置いていたが、それが間違いだったことに気付き、一騎討ち終了後に告白し付き合うことに。

 

 

名前:霧島 翔子(きりしま しょうこ) イメージCV:磯村 知美

 

所属クラス:Aクラス代表

 

容姿と性格:原作通り。(身長は163㎝)

 

得意科目と苦手科目:学年首席に相応しく、全ての科目が得意。当然ながら苦手科目はなし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:ミラージュ(消費点数60点) 分身を複数生み出す。分身自体に攻撃能力はないが、本体と見分けるのが非常に困難。

 

原作との変更点

 

・雄二に対して優しい

・雄二へのお仕置きが軽くなった

・嫉妬深くない

 

 

解説:2年Aクラス代表にして“ノイン・マイスターズ”のNo.1。振り分け試験において驚異の7000点台を叩き出し、このことから真夏からライバル視されている。雄二とは幼馴染であり、小学生の頃の出来事がきっかけで距離を置かれていたが、一途に雄二を想い続けていた。

Fクラスとの一騎討ち終了後、雄二の告白を受け入れて結ばれる。

 

 

名前:土屋 康太(つちや こうた) イメージCV:宮田 幸季

 

性別:男性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は163㎝)

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意で学年トップ。また、家庭科も得意。それ以外は苦手。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:加速(消費点数50点) 運動性、機動力、攻撃速度が向上する。速攻性の高さが利点だが、小回りが利きにくいのが難点。

 

原作との変更点

 

・愛子に対して少し積極的になる

・家庭科も得意科目になった

・FFF団に所属していない

 

 

解説:2年Fクラス所属。盗撮と盗聴を特技とし、学園では『寡黙なる性識者(ムッツリーニ)』の異名を持つ。それ故に、保健体育の成績は常に学年トップの座を死守している。一騎討ちにて愛子と対戦したことで親しくなっていく。今はまだライバルと思っているが、好意を自覚するのはそう遠くはない……ハズ。

 

 

名前:工藤 愛子(くどう あいこ) イメージCV:南條 愛乃

 

性別:女性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は158㎝)

 

得意科目と苦手科目:保健体育が得意で学年上位に食い込む。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:帯電(消費点数50点) 武器に雷属性を付与する。雷撃による追加ダメージと、一定時間スタンさせる効果も発揮する。

 

原作との変更点

 

・康太を名前で呼ぶ

・康太にハッキリと好意を示している

 

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.8。保健体育に自信を持っていたが、一騎討ちで康太に敗北してからは、上には上がいることを自覚。同時に康太のことが好きになった。

 

 

名前:久保 利光(くぼ としみつ) イメージCV:寺島 拓篤

 

性別:男性

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は178㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目全般が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・ゲイではない

・明久は友人というスタンス

・学年次席ではない

 

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.6。女子生徒が幅を利かせているAクラス内で、ノイン・マイスターズ入りを果たした唯一の男子生徒である。

姫路瑞希との一騎討ちに敗れてから力不足を感じ、自分を見つめ直すべく頑張ることを誓う。

 

 

名前:姫路 瑞希(ひめじ みずき) イメージCV:原田 ひとみ

 

性別:女性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は156㎝)

 

得意科目と苦手科目:ほぼ全ての科目を得意とする。ただし、家庭科は苦手。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:熱線(消費点数50点) 紅いビームを放つ。発動に隙がないので扱いやすい。

 

原作との変更点

 

・明久に恋愛感情はない(友人として好き)

・料理の腕は改善(される予定)

 

 

解説:2年Fクラス所属。学年でも上位に位置する学力の持ち主で、振り分け試験で途中退出がなければノイン・マイスターズ入りは確実だったと噂の才女。料理が趣味らしく、見た目は美味しそうだが味は最悪で、そこが致命的な弱点とされる。

 

お弁当事件後は、明久たちから料理を教えてもらうことに。

こちらも今後の成長が期待(?)されているとか。

 

 

名前:島田 美波(しまだ みなみ) イメージCV:水橋 かおり

 

性別:女性

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は161㎝)

 

得意科目と苦手科目:理系科目(特に数学)が得意。苦手科目は文系科目全般(ただし、英語はまぁまぁできる)。

 

召喚獣の見た目と武器:原作通り。

 

腕輪の能力:不明

 

原作との変更点

 

・明久に恋愛感情はない(友人として好き)

・基本的に暴力を振るわない

・原作よりも学力が向上

 

 

解説:2年Fクラスに所属する、ドイツ育ちの帰国子女。その為か日本語の読み書きが苦手だが、数学であれば上位クラスにも劣らない点数を叩き出す。また明久たちと一緒に勉強していることもあって、ここ最近は成長の兆しが見えており、理数系はAクラス下位レベルまで学力が上がった(文系は、Cクラス上位レベル)。

 

別のクラスに、彼女のことを好きな男子がいるとの噂がある。しかし、誰なのかは不明らしい。




バカテス勢のメイン紹介は以上です。
無邪気勢も後ほど投稿しますので、しばらくお待ちくださいませ。


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キャラクター紹介 その3 無邪気side

無邪気勢のキャラ紹介です。

ここでの設定は今作オリジナルの要素ですが、原作の設定も含む為、可能であれば原作を読んでおくことをお勧めいたします。

こちらもストーリー進行に応じて、設定を追記していきます。

12/15 追記:イメージCVを表記しました。キャラクター紹介その1でも書きましたが、あくまで私のイメージです。読者の皆様はお好みの声を脳内再生してくださいませ。

1/31 追記:キャラクターを追加。


名前:池端 早代(いけはた さよ) イメージCV:小倉 唯

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は159㎝)

 

得意科目と苦手科目:家庭科が得意。苦手科目は数学と地理。

 

召喚獣の見た目と武器:サヨをデフォルメした姿に、魔法少女風の戦闘服(パステルピンク)。武器はハルバード。

 

腕輪の能力:レイ・シュート(消費点数60点) ビームを放つ。“ホーミング”の場合は無数の光弾が相手を追尾し、“クラスター”なら集束ビームを照射する。いずれの場合も多くのターゲットを捕捉できるが、扱いやすさはホーミングが上。(威力はクラスター)

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:本作のもう1人のメインヒロインで、2年Fクラス所属。反田省太とは小学生時代からの幼馴染で、互いに好意を寄せ合いながらも中々関係が進展せずにいたが、Aクラスとの一騎討ち終了後に省太の告白を受け入れて付き合う。長年の想いが漸く実った。

 

 

名前:春風(はるかぜ) このみ イメージCV:木戸 衣吹

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は162㎝)

 

得意科目と苦手科目:家庭科が得意。苦手科目は化学。

 

召喚獣の見た目と武器:このみをデフォルメした姿に、アイドル風の戦闘服+肘当てと膝当て。武器は2丁のソードライフル。

 

腕輪の能力:フリージング(消費点数60〜120点) 青のエネルギー波で相手を氷漬けにする。点数消費を増やせば、広範囲に渡って多くの敵を行動不能にすることも可能。

 

原作との変更点

 

・省太とは失恋する

・まだ芸能界入りはしていない

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.5。成績優秀なのもさることながら、演劇部でも精力的に活動を行っている文武両道な女子生徒。省太の初恋の人であったが、省太はサヨを選んだ為2人を応援することを選ぶ。演劇部に所属している秀吉は部活仲間であり、友達だが……?

 

 

名前:神谷 真夏(かみや まなつ) イメージCV:植田 佳奈

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は160㎝)

 

得意科目と苦手科目:全ての科目が得意。苦手科目は特になし。

 

召喚獣の見た目と武器:真夏をデフォルメした姿に、真紅の戦闘服(ヘソ出し)。武器はツインブレードと装甲車風の支援メカ。

 

腕輪の能力:武装(消費点数100点) 支援メカを分離させて、全身に装着する。運動性は少し低下するが、それ以外の能力が全て向上し、攻撃・防御共に万全の状態となる。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス次席で、“ノイン・マイスターズ”のNo.2。振り分け試験にて、翔子以外では数少ない6000点越えを記録した女子生徒(もう1人は神代遥祐)。その一方で、明るく親しみやすい性格で学園内での評判も上々。向上心が強く負けず嫌いの為、自分以上の成績を残す翔子をライバル視している(普段の仲は良好)。

 

一騎討ちで対戦した明久に興味を持ち、敗北こそしたが素直に彼の実力を讃え、友人兼ライバル認定した。

 

 

名前:佐々木 奈子(ささき なこ) イメージCV:内田 真礼

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は163㎝)

 

得意科目と苦手科目:地理と英語が得意。苦手科目は保健体育。

 

召喚獣の見た目と武器:奈子をデフォルメした姿に、巫女服(白+赤)。武器は方天画戟を装備する。

 

腕輪の能力:クリティカル・カウンター(消費点数100点) 相手からの攻撃に対してダメージを1.5倍上乗せで反撃する。当て身投げの様な能力の為か、飛び道具とは相性が悪い。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.4。勝気で正義感が強いが、ノリの良い部分も併せ持つ少女。合気道が特技で、本人曰く売られたケンカは買う主義らしい。

 

省太とは、サヨ、このみ、真夏、リオと同じく小学生時代からの付き合いで何かと世話になっており、今でも頼られることがある。

 

一騎討ちで渚と対戦したことから彼に興味を持ち、事あるごとに行動を共にする仲になった。

 

 

名前:金子 理央(かねこ りお) イメージCV:釘宮 理恵

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は165㎝)

 

得意科目と苦手科目:現代社会と保健体育が得意。苦手科目は生物。

 

召喚獣の見た目と武器:リオをデフォルメした姿に、黒と桃色のラインが入った鎧。軽装状態は、真・三○無双シリーズの呂○綺の衣装になる。武器は十字戟。

 

腕輪の能力:キャスト・オフ(消費点数80点) アーマーをパージして自身を強化する。アーマーパージ自体も攻撃手段となり、Bクラス迄ならこれで一掃することも可能。攻守のバランスに優れたオールラウンドと、攻撃特化のアサルトの2形態を使用できる。アサルトモードは強力ではあるが、戦死のリスクも相応に高まる為、総合的にはオールラウンドモードが優秀。

 

原作との変更点

 

・特になし。

 

解説:2年Aクラス所属で“ノイン・マイスターズ”のNo.3。奈子以上に勝気で正義感が強く、ケンカっ早い少女。それ故に省太とは相性が悪く、互いにライバル視し合っていた。しかし、交流を深める内に省太のことが好きになっていく自分に気付き、意を決して告白するが振られてしまう。サヨの想いに応えたいことを知ってからは、2人を後押ししていくことに。

 

その後も2人の仲が進展しないことにやきもきしていたが、一騎討ち終了後に省太の告白を見届けて、小学生時代から続く心残りが漸く解決した。

 

 

名前:朝木 鈴音(あさき すずね) イメージCV:悠木 碧

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿と性格:原作通り。(身長は161㎝)

 

得意科目と苦手科目:文系科目(特に現代国語)が得意。苦手科目は物理。

 

召喚獣の見た目と武器:鈴音をデフォルメした姿にロー◯ン◯イデンの水◯燈のようなゴスロリ服。武器は二振りのクロスバインダーソードと、無線攻撃端末(ドラグーン)を搭載したウイングユニット(スト◯イクフ◯ーダムのイメージ。カラーは黒+紫)。クロスバインダーソードは連結すると、バスターソードにもなる。

 

腕輪の能力:全方位一斉射撃(オールレンジ・バースト)(消費点数150点) ソード・メガビームキャノンと、ドラグーンを全基展開して行う範囲攻撃。消費点数が重いことを除けば、攻撃範囲と威力に優れた能力と言える。

 

原作との変更点

 

・中二病は治った。

・省太のことは名前で呼ぶ。

・サヨ以外のメンバーとも友人。

 

解説:省太やサヨたちの小学校時代の友人で、どこか不思議な雰囲気を纏っている少女。卒業後は違う学校に通っていたが、清涼祭にて再会する。省太との“フィアンセ”設定はまだ生きていたようだ。

 

清涼祭終了後に、文月学園2年Fクラスに転校して来た。




無邪気勢のキャラ紹介は以上となります。

引き続き本編をお楽しみくださいませ。


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試験召喚戦争編 第1話 楽園の幕開け

こんにちは、こんばんは。 エクシリオンです。

ここからストーリーが始まります。
第1話です、どうぞ!



明久side

 

 

僕らが文月学園に入学してから2度目の春がやって来た。

通い慣れている通学路を歩いていると、2人の少年が声を掛けてくる。

 

省太「よう、明久!」

 

渚「おはよっ、明久っ☆」

 

僕の親友、反田省太と上運天渚である。2人とは1年のときからの付き合いで、登校するときは今のように3人一緒だ。数週間前の振り分け試験のときはあんなことになっちゃったけど、今年も同じクラスでいられるのはやはり嬉しい。

 

渚「ねぇ、省太。今日はサヨちゃんと登校するんじゃなかったの? なんか一緒に行きたがってたみたいだったけど……」

 

省太「あー、本当はそうしたかったけど、アイツらに見られたら面倒なことになるし、何よりサヨが危ないからな。だから今日は、姫路さんと一緒に登校するように言ったんだよ」

 

明久「アイツらって……、FFF団のこと?」

 

省太「ああ。アイツらは自分がモテないのを棚に上げて、迷惑かける連中だからな……。そんなことしたら余計に女の子が寄り付かないってのによ」

 

明久「それもそうかも」

 

こんな風に雑談しているうちに、学園が見えてきた。

校門前には西村先生が立っている。1年次の僕らの担任であり、同時に師匠でもある教師だ。

 

明・省・渚『『『おはようございます、鉄村先生!!』』』

 

西村「おはよう。吉井、反田、上運天。朝から元気なのは良いが、ちゃんと西村先生と呼べ」

 

明・省・渚「「「すいませーん」」」

 

西村「まったく……。そういうところが直れば優等生なんだがな……。それよりもほら、受け取れ」

 

そう言って僕たちに封筒を1通ずつ手渡した。振り分け結果の用紙である。

 

明久「あの……、渡すまでもないと思いますけど? 僕たち途中退出したから結果はわかってますよ」

 

省太「それに態々これを渡すなんて、紙の無駄遣いもいいところですよ。掲示板に張り出した方がよっぽどいいと思います」

 

西村「お前たちの言うことは尤もだ。だがウチは世間からも注目されている試験校だからな。こればかりはやり方を変えることはできんよ」

 

渚「へぇー、そうなんですかぁ……」

 

一応封筒を開封して、結果を見てみる。予想通り、僕たち3人はFクラスと書かれていた。

 

西村「しかし残念だな。お前たちは途中退出しなかったら、確実にAクラスに行けると思っていたんだが……」

 

明久「でも僕たちは後悔してませんよ? あの状況では、あれが一番正しいと思ったからそうしました。人として恥じることはしてないと、自信を持っています。ね、省太?」

 

省太「おう。俺の場合は少し違いますが、概ね明久と同じ気持ちです」

 

西村「そうか。だが、わからんのは上運天だな。何故お前も途中退出したんだ?」

 

渚「あの教師が明久たちの悪口を言ったのが許せなかったからです。それに明久たちが退出した以上は、試験を受ける意味が無いと思っていましたからね」

 

正直クサいと思ったけど、この気持ちは本当だ。

 

西村「友の為に敢えて下位クラスに行くことにしたという訳か……」

 

明・省・渚「「「西村先生?」」」

 

西村「ふっ……、お前たちは互いを尊重し合えるいい関係だな。Fクラスになってしまったことは残念だが、お前たちがより良い学園生活を送れるように、俺も全力でサポートしよう。この1年間全力で楽しめよ!!」

 

明・省・渚「「「はいッ!!」」」

 

そう言って僕たちは校舎内へ向かった。

 

 

 

省太「で、デカイ……」

 

渚「えっと……、ここって教室だよね……?」

 

明久「うん……、そうらしいね……」

 

僕たちが3階に踏み入れると、通常の3、いや6倍はあろうかという教室……、Aクラスが目の前に広がっていた。教室の窓から中を覗いてみると、まず目に入ったのは通常なら黒板のあるところに大型ディスプレイがあり、その前には専用のプロジェクターが設置されていた。

椅子も普通の高校と違ってリクライニングシートであり、机もシステムデスク、個人エアコン、冷蔵庫、ノートPCも完備してある。

 

渚「これだけ設備がすごかったら、みんなAクラスを目指したくなるのも納得できるよね……」

 

省太「ああ……。明久と渚もそうだけど、サヨと一緒に行きたかったな……」

 

明久「ま、まぁ今年は仕方なかったけど、来年こそはみんな一緒に行こうよ。それよりも、早く僕たちも自分のクラスに急がなきゃ」

 

 

Aクラスを後にして、廊下を進んで行くと2年F組のプレートが掛けてある教室に辿り着いた。……辿り着いたのだけど……。

 

明久「……何これ?」

 

省太「俺たちは物置小屋に来たのか……?」

 

渚「なんとなく嫌な予感がするんだけど……」

 

Aクラスのときとは、違う意味で衝撃を受けた。

 

省太「なぁ明久、渚。俺……、帰っていいか?」

 

渚「ぼくも同意見だよ……。見るからに得体の知れないオーラ感じるもん……」

 

明久「気持ちはわかるけど、新学期早々欠席は流石にマズイよ。確かにFクラスは全クラス中最低の設備かもしれないけど、そんなに酷くはないハズだよ」

 

省・渚「「明久……」」

 

明久「それに西村先生も言ってたじゃないか、『全力で楽しめ』って。もし本当に設備が酷かったとしても、住めば都って言うし。きっとなんとかなるよ」

 

省太「……そうだな。ここで逃げちまったら、サヨに顔向けできないしな……。……よし、やってやるよ」

 

渚「ここまで来たからには、ぼくも覚悟決めるよ」

 

明久「じゃあ決まりだね。さぁ、行こう。ここからが新たなスタートだよ!」

 

そして僕たちは、扉を開けて教室へと入って行った。

これから1年間待ち受ける出来事に、期待(と不安)を抱きながら。

 

 

to be continued……




これにて第1話は終了となります。
いかがだったでしょうか?

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。

それでは、また次回にお会いしましょう!


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第2話 自己紹介と軍団鼓舞

お待たせしました。今回は、試召戦争開始前までの話となります。

第2話です、どうぞ!


省太side

 

 

明久「じゃあ決まりだね。さぁ、行こう。ここからが新たなスタートだよ!」

 

明久がそう言って扉を開けると、

 

明・省・渚「「「おはようございます、遅くなりました!!」」」

 

第一印象を考えて、俺たちなりに元気よく挨拶した。

 

雄二「遅かったな、“3バカ”」

 

教室に入って早々、俺より背の高い赤毛の男がそう言った。

まぁ確かに観察処分者らしく振舞う為にバカやってたのは事実だが、開口一番がそれかよ。

 

明久「えっと、君は……坂本雄二くんだね? 君の学力ならAクラスは確実に行けたハズだけど、どうしたの?」

 

雄二「ああ。やりたいことがあったから、点数調整してFクラスに来たのさ」

 

省太「へぇ……、なるほどね。ところで、席はどこに座った方がいいんだ?」

 

雄二「んー。特に決まってないようだから、空いているところに座っていいらしいぞ」

 

明久「ありがとう、坂本くん」

 

そして俺たちは教室の窓際の席が空いていたので、その周囲に座った。

すると、近くにいた1人の生徒が近づいて来た。

 

秀吉「おお、お主らもFクラスじゃったのか」

 

明久「おはよう、秀吉」

 

その生徒は俺たちの友人である、木下秀吉だった。

 

省・渚「「おはよう、秀吉!」」

 

秀吉「おはようなのじゃ。省太、渚」

 

こうしてみると、秀吉は姉の木下優子さんと瓜二つだということがよくわかる。それ程可愛い容姿だが……、本人の前では言わないでおこう。

 

明久「秀吉もFクラスなんだね」

 

秀吉「うむ……。演劇に熱中するあまり、勉学が疎かになったのじゃ……」

 

渚「その熱意をもう少し勉強に注いでいたらまた違ったかもねー☆」

 

秀吉「そうじゃな。……じゃが、Fクラスなのはわしだけではないぞ」

 

秀吉がそう言って目線を移した先にはムッツリーニ……、土屋康太がいた。

 

渚「康太もいるのかー。まぁ、だいたい予想通りだけどね☆」

 

康太「……途中で試験放棄したヤツに、言われたくない」

 

渚「むぅ……。言ってくれるじゃない。否定はしないけどさッ☆」

 

こんなやり取りをしてる内に、HRの時間になった。

 

福原「えー、おはようございます。2年Fクラス担任の……、福原慎です。よろしくお願いします」

 

福原先生が黒板に名前を書こうとして……、やめた。おい、チョークすらないのかよここは!

 

福原「みなさんに設備が支給されているか確認します。何か不備があれば申し出てください」

 

FクラスA「せんせー、俺の座布団に綿が入ってないです」

 

福原「はい、我慢してください」

 

FクラスD「先生、俺の卓袱台の脚が折れてます」

 

福原「木工ボンドを支給しますので、あとで自分で直してください」

 

FクラスG「先生、窓が割れていて隙間風が寒いんですけど……」

 

福原「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」

 

この現状を見て、俺たちが感じていた予感は気のせいではないことがよくわかった。教室全体を見渡すと、隅には蜘蛛の巣が張ってあるし、壁はひび割れや落書きされている部分が殆どで、ハッキリ言って汚い。おまけに、床の畳は長い間交換していなかったのかカビ臭い匂いが教室全体を覆っている。絶対勉強させる気ないだろ……。

 

福原「では、自己紹介を始めましょうか。廊下側の人からお願いします」

 

福原先生の指名を受け、廊下側から順に自己紹介が始まっていった。

 

秀吉「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。最初に言っておくが、わしは男じゃ」

 

すると一部を除いた殆どの男子が騒ぎ出し、口々に勝手なことを言い出している。

 

省太「(何をどうしたら、そんな思考回路になるんだ……?)」

 

渚「(秀吉は男だよ。それ以上でもそれ以下でもない)」

 

明久「(同感。秀吉も大変だよね……)」

 

秀吉に同情しつつ、俺たちは頭を抱えた。

 

康太「……土屋康太」

 

通称寡黙なる性識者(ムッツリーニ)と呼ばれる彼は、保健体育が学園一位という保健体育の帝王。これに関しては俺たち以上だ。

 

美波「島田美波です。ドイツ育ちなので、日本語の読み書きと英語が苦手です。趣味は気に入らない男子をシメることです☆」

 

さり気なく危ない趣味を公言したこの女子生徒は、島田美波。俺と親しい女子の中では、リオに似ているだろうか。俺たちは基本的に良い子だと思っているので、その趣味は是非ともやめてほしいところだ。

 

美波「はろはろー♪」

 

どうやら俺たちに気づいたらしく、笑顔で手を振っている。

 

明・省・渚「「「やぁ、美波」」」

 

美波「今年もよろしくね。アキ、省太、渚」

 

FクラスM「ーです。よろしく」

 

よし、次は俺の番か。ここは無難に行こう。

 

省太「反田省太。大切なものは友達、嫌いなものは友達を傷つけようとするヤツだ。よろしく」

 

何人か進んで、今度は渚の番になった。

 

渚「上運天渚です。苗字で呼ばれるのは好きじゃないので、名前で呼んでください。あと、明久と省太の悪口言ったり危害加えようとした人は……、死ぬよ☆」

 

顔は笑っているが、最後の一言が物騒だと親友ながら思う。

 

渚「長生きしたいなら、今言ったことちゃんと覚えてね。……返事は?」

 

『『『『はぃぃぃぃッ!!!!』』』』

 

渚「よろしいっ!」

 

それを聞いて満足したのか、渚は席へ戻って行く。

次は明久の番だ。

 

明久「吉井明久です。これから1年間よろしく。省太と渚と似たようなこと言うけど、友達を侮辱する人はたとえ同じクラスの人であっても、許さないからね……」

 

また教室内が静かになった。まぁ、これだけ釘を刺しておけば多分大丈夫だろう。

 

その後も1人、また1人と自己紹介が続いていき、終わりも近づいたそのときだった。ガラガラと教室の扉が開き、2人の女子生徒が現れた。あの振り分け試験の際、俺と明久と共に退出となった姫路さんとサヨである。

 

瑞・サ「「あの、すいません……。遅く、なりました……」」

 

Fクラス全体が驚きの声を上げる。無理もないだろう。普通ならこのFクラスに不相応な女子生徒が2人も来たのだから。尤も、俺たちはここに来ることを知っていたが。

 

福原「丁度いいところに来ました。今自己紹介をしている最中なので、姫路さんと池端さんもお願いします」

 

瑞希「は、はい! あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします……」

 

サヨ「池端早代です。これからよろしくね!」

 

FクラスH「あの、質問いいですか?」

 

既に自己紹介を終えたする男子生徒の1人が右手を挙げる。

 

瑞・サ「「はいっ。なんですか(なぁに)?」」

 

FクラスH「2人はなんで、このクラスに来たんですか?」

 

乱暴な聞き方ではあるが、ヤツの疑問は俺たち以外全員が抱くことだ。

2人共学園内でも上位レベルの容姿を持ち、姫路さんは成績上位一桁以内に常に名を残す才女だ。サヨも姫路さんに匹敵する程、成績は優秀な部類に入る。故に本来ならFクラスではなく、Aクラスにいるべきだと考えるのが自然だろう。

 

瑞希「えっと……、振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」

 

サヨ「サヨも同じだよー」

 

その言葉を聴き、クラスのみんなは納得したようだ。

試験途中での退出は、如何なる理由であろうとも無得点扱いになる。決まりとはいえ、納得できなかった俺と明久は、2人だけでも再試験できないか学園長に掛け合ってみたが認められなかったので、正直悔しかった。

 

FクラスN「そういえば、俺も熱が出たからFクラスになったんだよな」

 

FクラスK「俺は弟が事故に遭ったと聞いて集中できなかったよ」

 

FクラスP「お前一人っ子だよな?」

 

FクラスB「前の晩、彼女が……」

 

FクラスT「はい、嘘だな」

 

明・省・渚「「「……………」」」

 

あえて何も言うまい。これは想像以上だ、悪い意味で。

連中が騒いでいる内に、2人を招いて席に座らせた。サヨが俺の隣、姫路さんは明久の隣である。

 

福原「はいはい。みなさん静かにしてくださいね」

 

福原先生が教卓を叩いて注意した。

 

福原「あ、すいませーーー」

 

バキィッ バラバラバラ………。

 

教卓が一瞬でゴミ屑と化した。

 

福原「え〜……。替えを用意してきます。少し待っていてください」

 

そう告げて、先生は教室から出て行った。

 

明久「……坂本くん、ちょっといいかな?」

 

明久が坂本に声をかける。

 

雄二「ん? なんだ?」

 

明久「ここじゃ何だから、廊下で。省太と渚も来て」

 

省・渚「「わかった(よ)」」

 

雄二「ああ、いいぜ」

 

サヨと姫路さんに一声かけて廊下に出る。

 

明久「話す前に、これから共にする仲間だし、名前で呼ぶから僕たちのことも名前で呼んで欲しいな」

 

雄二「……いいだろう。よろしくな明久、省太、渚」

 

明・省・渚「「「よろしく、雄二」」」

 

雄二「んで、話ってなんだ?」

 

明久「うん、Fクラスのことだけどさ……」

 

雄二「言わなくてもわかる。想像以上に酷いな」

 

明久「雄二も見たよね? Aクラスの設備」

 

雄二「ああ、すごいもんだよな」

 

一方はチョークすらないひび割れた黒板のある教室で、もう一方は相当高額なプラズマディスプレイがある教室。格差は一目瞭然だ。

 

渚「そこでぼくたちからの提案。2年生になったから、『試召戦争』をやってみない?」

 

雄二「戦争、か?」

 

渚「そう。それもAクラス相手に、だよ」

 

雄二「ほう……。何が目的だ?」

 

雄二が興味深そうな笑みを浮かべる。

 

省太「決まってんだろ……。サヨと姫路さんの為だ」

 

雄二「……きっとそう言うと思っていたぜ」

 

明・省・渚「「「??」」」

 

雄二「実は俺もAクラスに戦争を仕掛けようと思ってな……。それがこのクラスに来た理由だ。そして……」

 

少し間を置いて、雄二はこう続けた。

 

雄二「待っていたんだよ……、お前たちをな」

 

明久「……僕たちを?」

 

雄二「そうだ。お前たち3人は間違いなく、Fクラスの主力になり得るからな」

 

渚「ってことは、ぼくたちが観察処分者だって知ってるんだよね? でも召喚獣の扱いが学園トップクラスでも、大したことないと思うけど?」

 

雄二「隠さなくてもいい。表向きはFクラス相応だが、お前たちの本来の学力はずっと上だ。違うか?」

 

省太「随分と核心を突いてくるな。どこまで知っているんだ?」

 

雄二「とりあえず、お前たちの振舞いが演技だってことまではな」

 

見抜かれてたのかよ。結構自信あったんだけどな。

 

雄二「勝つ要素は揃った。あとは作戦次第だ」

 

省太「……雄二、最終目的について一度話がしたい。放課後、時間をくれないか?」

 

雄二「ああ、良いぜ。先生が戻ってきたから、とりあえず教室に入るぞ」

 

明・省・渚「「「わかった」」」

 

雄二に促されて、俺たちは教室に戻った。

 

福原「それでは、自己紹介の続きをお願いします」

 

須川「須川亮です。趣味は………」

 

特に何も起こらないまま、淡々と自己紹介が進んでいった。

 

福原「坂本くん、君が自己紹介最後の1人ですよ」

 

雄二「了解」

 

先生に呼ばれて雄二が席を立つ。

教壇に歩み寄るその姿は、クラスの代表として相応しく感じられた。

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」

 

明久「(まぁ、代表と言えば聞こえはいいよね)」

 

渚「(でも最底辺のクラスだもんね……)」

 

省太「(自慢にもならないだろ……)」

 

雄二の自信に満ちた顔を見て、俺たちはそう思った。

 

雄二「さて、みんなにひとつ聞きたい」

 

雄二がゆっくりと、全員の目を見るように告げる。

すると、みんなの視線はすぐに雄二に向けられた。

それを確認した後、教室内の各備品を眺めてこう告げた。

 

「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが………、不満はないか?」

 

『『『『『大ありじゃぁぁっ!!!!!』』』』』

 

Fクラス生徒たち(一部を除く)の魂の叫び。

 

雄二「だろう? 俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」

 

FクラスU「そうだそうだ!」

 

FクラスE「いくら学費が安いからって、この設備はあんまりだ! 改善を要求する!」

 

FクラスX「そもそもAクラスだって同じ学費だろ? 成績でこの差は酷すぎるぞ!」

 

堰を切ったように次々とあがる不満の声。口に出さないだけで、相当溜まっていたのだろう。

 

雄二「みんなの意見はもっともだ。そこで俺たちFクラスは………、『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

 

雄二は不敵な笑みを浮かべて、みんなを焚きつける。

 

その言葉に一瞬士気が上がったが、すぐ現実に戻ったのか、

 

FクラスC「勝てるわけがない」

 

FクラスY「現実を見ろよ」

 

FクラスZ「姫路さんがいたら何もいらない」

 

FクラスQ「池端さん大好きだ」

 

そんな悲鳴が教室中から上がる。

普通に考えれば、落ちこぼれのFクラスとAクラスでは、戦力の差は歴然である。……ってかサヨにラブコールしたヤツ誰だ! シメるぞ!!

 

 

 

……とにかく、その声があがるのも想定済みだったようで、雄二はまた笑みを浮かべてこう言った。

 

雄二「確かに、普通ならFクラスに勝ち目はないだろう。だが、今回は違う。このクラスには試召戦争で勝つことのできる要素が揃っている」

 

雄二はそう言って壇上を見下ろす。

 

雄二「おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いていないで前に来い」

 

康太「…………!!(ブンブン)」

 

瑞希「は、はわっ!?」

 

必死になって顔と手を左右に振り否定のポーズをとる康太。

姫路さんがスカートの裾を抑えて遠ざかると、ヤツは顔についた畳の跡を隠しながら壇上へと歩き出した。

 

雄二「土屋康太。コイツがあの有名なムッツリーニだ」

 

康太「…………!!(ブンブン)」

 

FクラスY「ムッツリーニだと……?」

 

FクラスS「バカな、ヤツがそうだというのか……?」

 

FクラスJ「だが見ろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……」

 

FクラスD「ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ……」

 

寧ろ恥じるべきだと思うが……。

姫路さんは頭に疑問符を浮かべているし、それはサヨも同じだ。

 

サヨ「省太くん。どういうことかな?」

 

省太「知らない方がいい……」

 

サヨの純情を守る為に、俺はこう言った。

 

雄二「姫路と池端については説明不要だ。ウチの主戦力と言っても過言ではないだろう」

 

これにはみんな首を縦に振る。本来ならAクラスである2人がいるのだ、これ程心強いことはない。

 

雄二「木下秀吉も古典なら、Aクラスにも劣らない実力だ」

 

FクラスA「おお……!」

 

FクラスO「ああ、アイツは確か、木下優子の……」

 

雄二「当然、俺も全力を尽くす」

 

FクラスG「確かになんだかやってくれそうだ」

 

FクラスV「坂本は小学生の頃、神童って呼ばれていたよな?」

 

FクラスX「実力はAクラス上位レベルが3人もいるってことか!」

 

FクラスQ「これはいける気がするぞ!!」

 

気がつけば、クラスの士気は最高潮に達していた。

 

雄二「それに吉井明久、反田省太、上運天渚だっている!!」

 

…………シン――――

 

そして一気に下がった。まぁ、当然の反応だよな。

 

FクラスM「誰だ、そいつら?」

 

FクラスI「『御三家』って呼ばれてるヤツらのことだろ?」

 

FクラスE「あー、要は役立たずって訳か」

 

予想通りとはいえ、言ってくれるなコイツら……。

 

雄二「まぁ待て。確かにコイツらは“観察処分者”という肩書きを与えられたが、裏を返せば召喚獣の操作は学園中でも一歩抜きん出ているということになる。それだけでも大きな強みだ!!」

 

ナイスフォロー、雄二。この発言のおかげで、下がった士気も元に戻った。

 

FクラスW「なるほど!」

 

FクラスB「つまり操作技術を駆使して戦うんだよな?」

 

FクラスS「期待してるぞ、お前ら!」

 

あっさり掌返しやがった。まぁ、士気は高いに越したことはないからそれでいいが。

 

雄二「これだけの戦力が揃えば、どんなクラスにも負けはしない! 目指すは打倒、Aクラスだ!!」

 

この言葉にFクラス男子たちは雄叫びをあげる。実力はともかく、気合と闘志は十分だ。

 

雄二「まず手始めにDクラスに攻めようと思う。誰か宣戦布告の使者になってくれないか?」

 

雄二はそう言ったが誰も行こうとしない。当然だ。下位クラスから上位クラスへ試験召喚戦争を仕掛ける場合、相手は拒否することができない。それは下位クラスにとってはメリットだが、上位クラスにしてみれば迷惑である。使者として向かえばリンチは避けられない為、そんな自殺行為はしたくないのが普通だ。……1人を除いては。

 

渚「はーい、誰も行かないならぼくが行くよー☆」

 

そう、良くも悪くも怖いもの知らずな俺たちの親友、上運天渚である。

 

雄二「お、おい渚。使者の役割、お前わかってるのか?」

 

誰に言われる訳でもなく、立候補してきた渚に雄二も……。いや、俺たち以外の全員が戸惑っている。

 

渚「知ってるよー。ケンカ売って無傷で帰ってこればいいんだよね?」

 

雄二「それはそうだが……」

 

渚「大丈夫だよー。ぼくを信じて♪」

 

明久「……雄二、行かせてあげて。こうなったら、渚は絶対に曲げないから」

 

雄二「わかった。じゃあ渚、必ず無傷で帰ってこい」

 

渚「うん! 約束は必ず守るよー☆」

 

省太「渚! あまりやり過ぎるなよ?」

 

明久「程々にね」

 

渚「おっけー☆」

 

そう言って渚はDクラスに向かっていった。

 

雄二「本当に大丈夫なのか? ってか明久、お前よく行かせたな」

 

雄二の不安は、Fクラス全員の不安でもある。

 

明久「いや、渚は絶対大丈夫だよ」

 

省太「寧ろ、Dクラスの連中が心配だな」

 

俺たちはそう断言する。なぜなら……。

 

渚『どこ狙ってるのー? そんなんじゃ当たんないよ、あははははー♪』

 

Dクラスで渚の笑い声が聞こえてきたからだ。

何にせよ、引き金は引いた。ここから戦争の幕が上がる。

 

 

to be continued……




士気高揚までを書きました。……長い。

感想、誤字脱字・修正点・アドバイスなどがございましたら、是非お願いいたします。

次回は漸くDクラス戦です。
それでは、また。


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第3話 下剋上スタート! 3バカのデビュー戦!! 〜対Dクラス戦〜

ついに試召戦争が始まります。
戦闘描写に自信はありませんが、頑張って書いてみます。

第3話です、どうぞ!


明久side

 

 

渚「ただいまー☆」

 

満足気な表情を浮かべた渚が、そう言って教室に戻ってきた。

 

省太「おう、おかえり」

 

明久「渚。確認するけど……、本気出してないよね?」

 

渚「まっさかー! あの程度の相手にぼくが本気出す訳ないでしょー? あっちが勝手に自滅してくれたんだよー☆」

 

明久「そ、そうなんだ……」

 

渚「ただ避けてるだけなのに、延々と当たらない攻撃を繰り返す……。もう本っっっ当、楽しいったらありゃしないよねー♪」

 

僕と省太は渚のことを学園の誰よりもわかってるつもりだけど……、未だにこういうところだけは理解できない……。

 

雄二「と、とりあえず無事でよかったな……」

 

康太「……勇者だ」

 

秀吉「お主の度胸には感服するのう……」

 

とまぁ、渚が宣言通りに帰ってきたところでミーティングを行うことになった。

 

秀吉「雄二。ひとつ気になるんじゃが、どうしてDクラスなんじゃ? 段階を踏んで行くなら、Eクラスを攻める方が確実じゃろう?」

 

雄二「秀吉の疑問は尤もだが……、ちゃんと理由はある。まずこれを見てみろ」

 

雄二がそう言って見せたのは、Eクラス生徒のリストだった。

 

サヨ「これが何か関係あるの?」

 

雄二「Eクラスは運動部が多く在籍している。他のクラスに劣るとはいえ、Fクラスよりは格上だ」

 

美波「でも瑞希やサヨもいるんでしょ? どうして攻めないのよ?」

 

雄二「いいか島田。明久たちは途中退出してFクラスになった。……これがどういうことか、わかるな?」

 

美波「あ……。無得点……?」

 

雄二「そうだ。召喚獣の強さは最後に受けた試験の点数で決まる。だから無得点の明久たちは必然的に回復試験を受けなければならない」

 

明久「だけど、教室の近いEクラスだと僕たちが回復試験を受けている最中に、速攻を掛けられて敗北する可能性が高い。ならば、距離のあるDクラスの方が時間稼ぎも容易だし、多少劣勢でも挽回できる。何より勝ったときの対価が大きいDクラスを狙うのが得策……。こんなところかな、雄二?」

 

雄二「わかっているじゃないか、明久。その通りだ」

 

雄二は嬉しそうにそう言った。

 

雄二「それともうひとつは、召喚獣の操作にみんなが慣れてもらうことだ。Aクラスに勝つ為に必要なプロセスだからな」

 

渚「でも勝てなきゃ意味ないよー? 本当に勝てるのかなー?」

 

雄二「お前たちが協力してくれるなら……、勝てるさ」

 

渚の疑問に、雄二はこう返す。

 

雄二「いいか、お前たち。俺たちは……、最強だ」

 

美波「いいわね! 面白そうじゃない!」

 

秀吉「そうじゃな。わしも本気を出してみるかの」

 

康太「……(グッ)」

 

瑞希「が、頑張りますッ」

 

サヨ「やっちゃうよー!」

 

渚「任せて☆」

 

省太「そこまで言い切るなら、乗ってやるぜ!」

 

この言葉にみんなが奮い立った。こうなれば僕も全力を尽くすまでだ。

 

雄二「よし。それじゃ、作戦を説明しよう。さっきも言ったが、明久たちは回復試験を受けてくれ。今回の作戦のキモになるのは、姫路と池端だ」

 

瑞希「私たちが……、ですか?」

 

サヨ「どうしてなの?」

 

雄二「Dクラス代表の平賀は、お前たち2人がFクラスにいることをまだ知らない。だから近づいても警戒されない2人を、平賀にぶつける。秀吉、康太、島田を中心に部隊を展開して、回復試験の時間稼ぎをしてもらうって訳だ」

 

省太「俺たちは美波たちが危なくなったら救援に出るのと、サヨたちの露払いをする……ってことでいいのか?」

 

雄二「その通りだ。どう動くにしても、お前たちが回復試験を受けないことには成り立たないからな」

 

それからも細かい説明が続いた。

 

雄二「とまぁ、作戦はこんな感じだ。島田たちは得意科目の担任を早い段階で確保して少しでも戦闘を有利に進められるようにしてくれ。お前たちが持ち堪えられるかが勝負の鍵になるから、頼んだぞ」

 

そう言って雄二はどこかへ身を隠していった。

 

明久「よし、開戦までに準備を進めていくよ。みんな、絶対勝とう!!」

 

『『『『『『『OKッ!!!』』』』』』』

 

明久「(みんなの闘志は十分だね。僕たち5人の作戦実行が先か、戦線突破されるのが先か。何にせよ、失敗は許されないな……)」

 

こう考えているうちに、開戦の火蓋が切られた。

 

 

 

 

 

 

そして現在。僕たちは回復試験を受けているところだ。

特に報告もない今、順調に進んでいると言ってもいいだろう。

それから数時間が経過したときだった。

 

須川「大変だ、吉井!」

 

明久「須川くん!?」

 

須川「今、渡り廊下で交戦中だが、俺とムッツリーニの部隊は壊滅してしまった! 秀吉と島田が何とか踏み止まっているが、もうこれ以上足止めをするのは無理だ!!」

 

渚「康太は無事なの?」

 

須川「ああ。今は秀吉の部隊に合流している。でもこのままじゃ、いつ突破されてもおかしくない!」

 

明久「……わかった。そろそろ僕たちの出番という訳だね。省太、渚。行こう!!」

 

須川「すまない……。吉井、反田、渚、頼んだぞ……!」

 

瑞希「私たちも行きます!」

 

省太「いや、サヨと姫路さんはもうしばらく試験を受けてくれ。出撃のタイミングは任せるから」

 

サヨ「わかったよ、省太くん。必ず来るからね!」

 

そして僕たちは出撃した。

 

 

 

明久「さて……。須川くんが言うには、秀吉も美波も得意科目の教師を確保してここまで戦えてるって。僕と省太は美波の救援に行くから、渚は秀吉と康太をお願いしていい?」

 

省太「了解だ」

 

渚「おっけー、任せて!」

 

明久「じゃあみんな……」

 

“コンッ”

 

明・省・渚『『『ご武運を!!!』』』

 

互いにグータッチをして、前線へ向かった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

渚side

 

 

さーて、秀吉は古典が得意だったね。ぼくは別に得意って訳じゃないけど、文系はそれなりにできるし……。まぁ大丈夫か。

 

渚「(おっ、見えてきた……)」

 

丁度、秀吉と康太がDクラスと交戦しているのが見えた。

 

 

 

 

古典

 

 

Fクラス

 

木下 秀吉:25点

 

土屋 康太:8点

 

 

Dクラスモブ×10:平均122点

 

 

秀吉「康太、大丈夫かの!?」

 

康太「……絶体絶命……」

 

Dクラスが10人に対して、Fクラスはかなり消耗している2人だけだ。

 

DクラスA「Fクラスにしては、よく頑張ったな」

 

DクラスE「だがそれもここまでだ。おとなしく討たれるんだな!!」

 

本格的にマズイね、これ。ここはぼくの出番かな。

 

渚「はっろぉ〜♪ 助けに来たよー☆」

 

秀吉「おぉ、渚よ……。助かったのじゃ……」

 

康太「……ナイスタイミング」

 

渚「遅くなってゴメンね。もう大丈夫、後はぼくがやるよ」

 

秀吉「かたじけないのじゃ……」

 

康太「……(コクコク)」

 

秀吉は康太を連れて撤退した。ここにいるのは、ぼくとDクラスのメンバーだけだ。

 

DクラスC「誰かと思えば……。宣戦布告したヤツじゃないか」

 

DクラスK「あのときはよくもやってくれたな!」

 

渚「何を言ってるの? ぼくは手出ししてないよ? 君たちが勝手に自滅したんじゃないのー?」

 

DクラスF「この野郎〜! そんな軽口叩いたこと後悔させてやる〜!!」

 

渚「へぇ〜……。面白いね、やってごらん。ただ、ぼくの点数を見て同じことが言えるのか楽しみだよ……。試獣召喚(サモン)ッ!!」

 

 

 

ぼくは召喚獣を呼び出した。

現れたのは、黒と紫ベースのアレンジ拳法着を身に纏い、ブレードトンファーを装備した召喚獣だ。

そして表示された点数は……、

 

 

 

 

古典

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:351点

 

渚「400超えは、流石に無理かぁー……。でも最初にしては上々だね☆」

 

『『『『な……。何だよ、その点数は……』』』』

 

渚「あれー? さっきの威勢はどうしたのー? ぼくを叩きのめすんじゃなかったのかなー??」

 

連中に敢えて挑発してみる。

 

DクラスL「う、うるさい! 所詮は見掛け倒しだ! みんな、やれー!!」

 

『『『おおーっ!!!!』』』

 

しばらくの間、ぼくからは攻めずに適度にあしらいながら、わざとダメージを受けていく。

 

 

 

 

上運天 渚:301点

 

 

渚「くっ……」

 

当然フィードバックにより、ぼくもダメージを受ける。3割程度とはいえ、地味に痛い。でもまぁ、自分で希望したからいいんだけど。

 

DクラスJ「くそっ! 攻撃してるのに、中々点数が減らない!」

 

渚「どうしたの、もう限界なの? あんなに威勢がよかったから、少しは期待したのに……。もういい、終わらせるよ……」

 

ぼくはブレードトンファーを構えて突撃した。攻撃を掻い潜りながら的確に振り出していき、Dクラス部隊を全滅させた。

 

西村「戦死者は補習ぅー!!」

 

『『『『嫌だぁぁぁぁぁッ!!!!』』』』

 

 

何処からともなく現れた西村先生がDクラス生徒たちを軽々と担いだ。

 

渚「西村先生、お疲れ様ですー☆」

 

西村「おう、上運天か。それがお前の実力だな?」

 

渚「はい。ですが、古典は得意科目ではありませんよ。それに、明久と省太はぼくよりも上ですから」

 

西村「ふっ、お前がこのレベルなら吉井達はどうなんだ? まったくすごいヤツらだよ……」

 

そう言って西村先生は戦死者たちを連行していった。

 

渚「ふぅ……。こっちは片付いたし、明久たちと合流しようかな☆」

 

ぼくは明久たちのところへ向かっていった。

 

 

渚side out

 

 

 

 

 

省太side

 

 

俺と明久が救援へ向かう地点では、美波が孤軍奮闘していた。

 

美波「ウチは……、負けない……!!」

 

 

 

数学

 

 

Fクラス

 

島田 美波:18点

 

 

Dクラスモブ×10:平均116点

 

 

DクラスP「諦めの悪いヤツだな! お前はもう終わりなんだよ!!」

 

DクラスN「ここで潰れちまいな!!」

 

しかし点数も残り僅か、風前の灯だ。早く助けないとな……。

 

明久「美波ッ!! 良かった、間に合った」

 

美波「アキ、省太……ッ!」

 

省太「もう大丈夫だ! 後は俺たちに任せろッ!!」

 

美波「うん、わかったわ……!」

 

到着と同時に、美波を後退させる。

 

省太「さぁ、今度はこっちの番だ!!」

 

DクラスU「Fクラスなど、誰が来ようと同じだ」

 

DクラスR「それにこの2人は、“御三家”の吉井と反田じゃないか。島田よりは楽そうだ。さっさと終わらせよう」

 

戦う前に勝った気でいるなんてな……。目の前の相手の実力も確かめずに勝利宣言するのは底が知れている。

 

省太「随分と強気だな? 勝てそうと思うのは自由だが、後で言い訳するなよ? それをやったらカッコ悪いぜ」

 

明久「やられる側の気持ちを教えてあげるよ!」

 

明・省『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

俺と明久は同時に召喚獣を呼び出す。

明久の召喚獣は黒の改造学ランに身を包み、木刀を装備している。

俺の召喚獣は白と水色を基調とした騎士服を身に付け、ランチャーに変形可能な大剣を携行する。

 

 

 

DクラスW「おい……。何だよ、反田のあの装備……」

 

DクラスP「それよりも2人の点数を見ろッ!」

 

 

 

 

 

数学

 

Fクラス

 

 

吉井 明久:430点

 

反田 省太:417点

 

 

『『『『何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁッ!!!!』』』』

 

Dクラスの生徒たちは驚愕している。表示された点数は明らかにFクラスでははなく、Aクラスそのものだったからだ。

呆然と立ち尽くしている隙を見逃すことなく攻撃に移る。

 

明久「戦争中に余所見は厳禁だよ!!」

 

明久は木刀で急所を突いて、あっという間に数名を戦死させた。

それに俺も続いて、

 

省太「それは強者だけの特権だぞ!!」

 

残りの生徒を捉えて、大剣を一気に薙ぎ払った。

何が起こったのかわからないまま戦死したDクラス生徒たちは、またしても現れた西村先生に連行されて行った。

 

明久「意外と呆気なかったね」

 

省太「でも初めてにしちゃ充分だ!」

 

明久「うん!」

 

明・省『『上出来ッ!!』』

 

目的を果たしたことに、俺たちは声を掛け合った。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

明久side

 

 

数学フィールドの部隊を全滅させた僕と省太は、合流ポイントで渚を待っていた。

 

渚「明久ー、省太ー!」

 

所々擦り傷をつくった渚が声を掛けてやって来た。

 

省太「渚、お前……」

 

渚「大丈夫! ちゃんと勝って来たよー☆」

 

明久「……また、遊んだの?」

 

渚「んー……、物足りなかったからちょっとね……」

 

明久「受けたダメージが全部返ってくる訳じゃないけど、こんなこと続けていたら、大怪我どころじゃなくなるよ!!」

 

省太「お前に何かあれば、みんな心配するってこと忘れるなよ?」

 

厳しいこと言ってるかもしれないけど、本当に渚が友達であるなら優しいばかりではいけない。これも大切なことだ。

 

渚「……ごめんなさい。明久、省太……」

 

明久「でも……、秀吉たちの救援と部隊の壊滅は達成したんだね。上出来だよ♪」

 

渚「……うんッ!」

 

そう告げると渚は笑顔になった。

 

省太「後は平賀くんを討ち取れば、終わりなんだな?」

 

明久「そのようだね」

 

そんな話をしている最中に、姫路さんとサヨちゃんが合流した。

 

サヨ「あっ、いた! 省太くーん、みんなー!」

 

瑞希「お待たせしました……」

 

明久「お膳立てはできたよ」

 

省太「後は任せたぞ」

 

渚「頑張ってねー♪」

 

僕たちは2人にエールを送る。

 

瑞希「はいッ。必ず成功させますッ!」

 

サヨ「サヨたちが決めるからッ!」

 

そう言って2人はDクラスの教室に入って行った。

 

そして………。

 

 

 

瑞・サ『『Fクラス姫路瑞希(池端早代)、Dクラス平賀くんに現代国語で勝負を挑みます! 試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

現代国語

 

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:402点

 

池端 早代:385点

 

 

Dクラス

 

平賀源二:148点

 

 

平賀「え……、ええっ……?!」

 

平賀くんに何の行動も許さずに、一撃で勝負は決した。

 

 

 

 

『それまで! 勝者・Fクラス!!』

 

戦争終結のアナウンスが流れ、Fクラスのみんなの歓声があがる。

 

雄二「よう、上手くいったようだな」

 

何処かに隠れていた雄二が、終結と同時に戻って来た。

 

明久「雄二! もちろん勝って来たよ」

 

それを聞いて嬉しそうな表情をした雄二は、平賀くんと顔を合わせる。

 

平賀「……これもルールだ。設備はお前たちと交換しよう……」

 

平賀くんがとても悔しそうな表情でそう告げた。

敗北によって設備を手放す、それも自分の不注意から来るものなので当然だろう。

 

雄二「いや、設備交換はしなくていい。ただ、その代わりに同盟を結んで欲しい」

 

平賀「それは俺たちには有難いが……、本当にいいのか?」

 

雄二「ああ。Fクラスが試召戦争を起こすときは、協力を要請するが」

 

平賀「わかった。それで設備が守れるなら、喜んで受けよう」

 

同盟を締結し、内容は後日教えることとなり、平賀くんは去って行った。

Fクラスの男子たちは不満の声があがったのだが……、

 

雄二「忘れたのか? 俺たちの目標はAクラスだ。ここで交換してしまったら、お前たちは満足して上を目指さなくなる。Dクラスはあくまでも通過点だからな……」

 

雄二のこの言葉にみんな納得した。同時に心の中を見透かされたとも思ったようだ。

 

雄二「みんな、今日はご苦労だった! 明日は消費した点数の補給を行うから、今日は帰ってゆっくりと休んでくれ!」

 

雄二が号令をかけると、みんな自分のクラスへ向かった。

帰り仕度をしてそれぞれ家路につく……。教室には僕、省太、渚。そして雄二、秀吉、康太が残った。

 

雄二「さあ、省太。聞かせてもらうぞ、お前の考えを」

 

省太「ああ。これはFクラス、目標であるAクラスにとっても大切なことだ」

 

秀吉「呼ばれて来たんじゃが……、わしらも必要かのう?」

 

康太「……同じく」

 

明久「寧ろ聞くべきだと思ったから残ってもらったんだ」

 

渚「康太には、お願い事もあるんだよねー☆」

 

康太「……?」

 

省太「とにかく、本題に移ろう」

 

 

 

 

それからしばらくして……。

 

 

 

雄二「本当にそれでいいんだな?」

 

省太「ああ。でも今話したことは、Aクラス戦が終わるまでは伏せて欲しい。ここにいるみんなの秘密だ」

 

明久「その為にも、必ず勝たなきゃね」

 

雄二「よし、わかった。このことは他言無用でな」

 

みんなそれに納得し、今度こそ本当に解散となったのだった。

 

 

to be continued……




はい、Dクラス戦終了しました。
なんかダイジェストっぽくなっていましたね(汗)
戦闘描写、書ける人が羨ましい……。

では、また次回にお会いしましょう。


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第4話 学園長との交渉 〜対Bクラス前半戦〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回は長くなりそうな為、分けて書きます。

第4話です、どうぞ!


明久side

 

 

Dクラスとの戦争に勝利した翌日、僕たちFクラスは昨日の戦争で消耗した点数を回復する試験を受けていた。

Dクラスは油断した隙を突いた結果の勝利だったが、Bクラスは違う。僕たちの勝利を知って何かしら対策を立てて来るだろうし、僕たちを除いたFクラスの大半よりも実力は明らかに上だ。万全を期して、全教科を満遍なく補充することにした。

 

 

今日一日を回復試験で終えることになり、明日の午後1時に仕掛ける方向で纏まった。

 

雄二「よし、みんな! 今日補充できなかった分は、明日の午前中に補充する! 今日はこれまでだ、以上!」

 

この日はこれで解散となったが、僕たちはまだ共有するべきことがあるから残っている。

 

 

雄二「で、どうだ明久? ババァ長との交渉は上手くいったのか?」

 

明久「うん。この教室の現状を伝えたら、僕たちの提案を前向きに検討してくれるってさ」

 

渚「康太の証拠写真も、役に立ったしね☆」

 

康太「……(グッ)」

 

遡ること数時間前……。僕、省太、渚は雄二からの了承を得て、あのメンバーで話した内容を報告するべく、学園長室へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

“コンコン”

 

学園長「入りな」

 

明・省・渚「「「失礼します」」」

 

目の前にいるこの女性こそ、文月学園の学園長……藤堂 カヲルである。

 

学園長「来たね吉井、反田、上運天。アンタたちがここに来るということは、何か問題があったってことさね。それで、用件は何だい?」

 

明久「単刀直入に言います、Fクラスの設備についてです」

 

学園長「Fクラス?」

 

省太「はい。確認させて頂きますが、畳と座布団、卓袱台がFクラスの設備で間違いありませんね?」

 

学園長「その通りだよ。何か不備でもあったのかい?」

 

省太「では、これを見て頂けませんか?」

 

省太がFクラスの設備を収めた写真を渡す。

それを見て学園長は、驚きの表情を見せた。

 

学園長「な……、何だいこれは!?」

 

明久「今現在のFクラスの設備ですよ。最下クラスとはいえ、このような状態なのも学園の方針なんですか?」

 

学園長「変だね。クラスに応じて、設備は状態の良い物を支給するようにしているハズだがねぇ?」

 

渚「ですが、この写真は紛れもない事実です。相応の設備でも、学問に励める環境を提供するのは教師の義務だと思いますよ?」

 

明久「あの様な教室と呼べるか怪しい空間で、授業を受けるのは酷だと僕たちは思います。よって、設備の改善を要求します」

 

学園長「ふむ……、そうさねぇ……。……わかった、後で調査してからになるがアンタらの要求、受け入れてやろう」

 

不安ではあったのだが、意外にもあっさりと要求を受け入れたので僕たちはびっくりした。

 

明久「本当ですか?」

 

学園長「なぁに、これくらいはお安い御用さ。教師たる者、生徒たちのことを第一に考えてこそだからねぇ」

 

明・省・渚「「「あ……、ありがとうございます!」」」

 

設備の改善をAクラス終了後に行うこととして、交渉が成立した。

 

 

 

渚「……こんな感じに受け入れてくれたよー☆」

 

明久「後は今後の試召戦争に集中するだけだよ」

 

雄二「そうか……。礼を言うぜ、明久、省太、渚。……みんな、今日はもう遅いから今度こそ本当に解散な?」

 

こうして僕たちは、それぞれ家路についたのだった。

 

 

 

雄二「おはよう、みんな! 昨日も言った通り、今日は午後1時にBクラスに戦争を仕掛ける! 午前中は、昨日できなかった教科の補充をして開戦に備えてくれ!」

 

Fクラス生徒の大半は再び回復試験を受けている。

 

雄二「その間にBクラスに宣戦布告する訳だが……、誰が行く?」

 

渚「……今回もぼくが行くよ……」

 

Dクラス戦のことがあるからなのか、止めようとする人もいたが、僕と省太は渚のいつもと雰囲気が違うことに気づいた。

 

省太「どうした渚? 何かあったのか?」

 

渚「Bクラスに会いたい人がいる」

 

明久「それって、根本恭二くんのこと? でも根本くんがBクラスにいることは把握済みだから、態々確認するまでもないと思うよ?」

 

渚「違う。確かに根本くんも無視できないけど、実力の面で要注意人物だよ……」

 

一呼吸置いて、その人物の名前を告げた。

 

渚「そいつは……。神代……、遥祐」

 

省太「遥祐だって?」

 

明久「あー、そうか……。それは厄介なことになりそうだね……」

 

その名前を聞いてみんなが息を飲んだ。

 

 

神代遥祐……今回の振り分け試験において、Aクラスの霧島翔子さんと首席の座を争った男だ。

だが、彼はAクラスに振り分けられる身でありながら辞退している。

このことは教師陣も頭を悩ませたが、最終的にBクラス代表とすることで落ち着いたらしい。

 

渚「宣戦布告もそうだけど、Bクラスに行った理由を聞くも目的の一つなんだ」

 

明久「わかった。それなら、僕も一緒に行こう」

 

こうして渚と共に、僕はBクラスに向かった。

 

 

 

“ガラッ”

 

明久「失礼するよ。Bクラス代表はいるかな?」

 

遥祐「やあ、オレがこのクラスの代表だ。きっと来ると思っていたよ明久、渚」

 

ショートヘアと少し長めの後ろ髪を一本結びした少年……神代遥祐くんが迎えていた。近くに根本くんもいる。

 

遥祐「君たちの目的はわかっている。Bクラスに宣戦布告するってことで、いいのかな?」

 

明久「そうだよ、遥祐。僕たちFクラスは、Bクラスに試験召喚戦争を申し込みます!」

 

遥祐「面白い……。受けて立とう!」

 

渚「……ねぇ、遥祐。ひとつ教えて欲しいな」

 

遥祐「? 何のことかな?」

 

渚「Aクラスを辞退してまで、Bクラス代表になった理由。何を考えているの?」

 

渚が遥祐に疑問を投げ掛けた。

 

遥祐「あー……、やっぱり疑われてるかぁ……。安心して渚。オレは何も企んでいない、本当だ」

 

渚「それ本当?」

 

遥祐「(コクッ) 強いて言うなら根本くんを見張る為……かな?」

 

渚「そうなんだ……。ゴメンね、疑って。話してくれてありがとう」

 

遥祐がこう答えると、渚も納得した。

 

明久「開戦は、今日の午後1時からでいいかな?」

 

遥祐「もちろんだ」

 

根本「待て! 宣戦布告しといて、タダで済むとする思うな!!」

 

遥祐「やめろ、根本くん! オレの友人に手を出すことは許さないよ!!」

 

根本「け、けどよ代表……」

 

遥祐「そんなにやりたいなら、戦争中にやればいいんだ。違うか?」

 

根本「むう……」

 

根本くんが数名連れて襲い掛かろうとしたが、遥祐が止めた。

不服そうだったが、渋々納得したようだ。

 

遥祐「ゴメンね、無礼なことして……」

 

渚「大丈夫だよ。遥祐も大変だね」

 

遥祐「ふっ、君たち程じゃないさ。気遣いありがとう、省太にもよろしく言っておいてくれ」

 

明久「わかった。じゃあまた戦場でね」

 

遥祐「ああ。全力で戦おう」

 

互いにグータッチをして、僕たちはBクラスを後にした。

 

 

 

“♪キーンコーンカーンコーン♪ ”

 

昼休み終了のベルが鳴り響く。Bクラス戦の開幕だ。

 

雄二「さぁ、始まったぞ! お前ら全員突っ込め!!」

 

『『『『『突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!!!』』』』』

 

雄二の号令と共に、みんな攻め込んで行く。

 

渚「明久! Bクラスの部隊が見えて来たよ! 」

 

明久「わかった! 渚が率いる第一部隊を左翼に、美波が率いる第二部隊は右翼にそれぞれ展開! サヨちゃんは中央を陣取って、接敵と同時にBクラスを迎撃するんだ!!」

 

渚・美・サ『『『了解(だよ)!!』』』

 

程なくしてBクラス部隊も到着し、各部隊が交戦を始めた。

 

 

 

 

英語

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:413点

 

 

 

数学

 

 

Fクラス

 

島田 美波:336点

 

 

総合科目

 

 

 

Fクラス

 

池端 早代:4178点

 

 

「「「事前に代表から聞かされていたけど……、お前ら本当にFクラスか……?!」」」

 

わかっていたとはいえ、実際にその点数を目の当たりにしたBクラス陣営は驚きを隠せない。

Dクラス戦を経験したこともあり、3人は順調に敵を落としていくが、そこはやはり上位クラス。多くのFクラス生徒たちは、力及ばず1人また1人と、渚たちが落とすのを上回る速度で散っていく。

 

明久「くっ……。このままじゃ渚たちが厳しいか……」

 

次の一手を考えていた矢先に、姫路さんが息を切らしながら到着した。

 

瑞希「お、お待たせ、しました……ッ」

 

明久「姫路さん。来たばかりで悪いんだけど、美波のフォローをお願いできる?」

 

瑞希「は、はいッ。行って、来ますッ」

 

そのまま数学のフィールドへ進軍した。

同じくして、Bクラスも戦力を投入する。

 

 

岩下「Bクラス岩下律子です。Fクラス姫路瑞希さんに数学勝負を申し込みます!」

 

菊入「律子、私も手伝うよ!」

 

瑞希「あ、はい。よろしくお願いします」

 

岩・菊・瑞『『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』』

 

 

 

 

数学

 

 

姫路 瑞希:440点

 

 

岩下 律子:251点

 

菊入 真由美:237点

 

 

対峙する3人。ここで美波はあることに気づく。

 

美波「? 瑞希の召喚獣ってアクセサリーが付いてるのね?」

 

瑞希「はい。数学は結構できましたから……」

 

岩下「な、何よそれ……!!」

 

菊入「私たちじゃ勝てる訳ないよ!!」

 

瑞希「行きますよッ!」

 

狼狽えている岩下さんと菊入さんを見逃すことなく、姫路さんの召喚獣が左腕を2人の召喚獣に向けた。

 

岩下「わっ! こっちに来る!?」

 

菊入「律子! 避けるわよ!!」

 

2人の召喚獣は回避行動を取ろうとするが、間に合わない。

 

“キュボッ!”

 

岩下「きゃあぁぁーっ!!」

 

菊入「律子ーっ!!」

 

瑞希「終わりですッ……!!」

 

姫路さんの召喚獣から赤いビーム“熱線”が放たれて、1体を焼き尽くすと同時にもう1体に迫まり、斬り捨てて勝負がついた。

 

BクラスA「岩下と菊入がやられたぞ!!」

 

BクラスG「一先ず代表に報告しろッ!!」

 

主戦力2人を失い、Bクラス陣営が動揺する。

 

瑞希「みなさん、恐れずに進みましょう!!」

 

『『『『おぉぉぉぉぉぉーーーーッ!!!!!』』』』

 

対照的にFクラス陣営の士気は高まっていった。

 

明久「ありがとう姫路さん。とりあえず、サヨちゃんと一緒に後退してて。残っているメンバーは、渚と秀吉を中心にして残存部隊を追撃!」

 

僕はそう指示を送る。主力を喪失したBクラスの前線突破も時間の問題だろう。

しかし、遥祐がいるとはいえ“あの”根本くんのことだ。絶対何かを仕掛けて来る。そう思った僕は省太を呼び寄せた。

 

明久「省太。一度教室に戻ろう」

 

省太「わかってる。根本のことだろ」

 

明久「遥祐は許可しないと思うけど、それでも強行して来るだろうからね」

 

省太「ああ、既に仕掛けている可能性もある……。戻るぞ」

 

明久「うん。……渚、指揮権を渡すよ。秀吉は補佐をお願いね?」

 

渚「OK、明久!」

 

秀吉「了解なのじゃ」

 

僕と省太は不安になりながらも、サヨちゃんも連れてFクラスへと戻って行った。

 

 

 

明久「こ、これは……」

 

省太「予想はしてたけど、マジでここまでやるなんてな……」

 

サヨ「ひどいよ………」

 

教室に戻った僕たちが見たものは、ボロボロの卓袱台とバラバラにされたシャーペンと消しゴムだった。

 

省太「こんなこと、遥祐が指示する筈がないよな」

 

明久「うん。明らかに根本くんの独断だね」

 

雄二「よう明久、省太、池端。どうした?」

 

省太「雄二か。この状況だけどよ……」

 

雄二「ああ、大体想像はついていたぞ。確かに小さくない被害だが、これくらいなら立て直しは難しくない」

 

どうやら雄二も同じことを考えていたようだ。

 

明久「それで、雄二はどこに行ってたの?」

 

雄二「神代から申し出があってな。今日の午後4時までに決着がつかなかったら、続きは明日午前9時に再開。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する……という協定を結びにBクラスに行っていた」

 

省太「明日にする理由はサヨと姫路さんの体力を考慮して……、か?」

 

雄二「そうだ。それにBクラスに予想以上に粘られてな、本陣を陥落させるのは無理だと判断したからだ」

 

現在の時刻は、午後3時45分。雄二の言った通り、明日に持ち越すのが賢明だろう。

 

雄二「まぁ、シャーペンと消しゴムの補充はしておこう」

 

康太「……(トントン)」

 

雄二「お、康太か。どうした?」

 

康太「……(クイクイッ)」

 

雄二「何? Cクラスが?」

 

康太「………(コクリ)」

 

康太によると、Cクラスに動きがあるということらしい。

 

省太「……どうする?」

 

雄二「そうだな……。とりあえず、Cクラスと不可侵条約を結ぶか」

 

明久「用心しておくに越したことはないね」

 

サヨ「あ! サヨも行く!」

 

こうして僕、省太、雄二、康太、サヨちゃんというメンバーでCクラスに向かった。

 

 

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。そちらの代表はいるか?」

 

友香「私が代表だけど……、何か用かしら?」

 

雄二が教室の扉を開けてこう告げると、Cクラス代表……小山友香さんが前に出て来た。

 

雄二「ああ。我々Fクラスと不可侵条約を結んで欲しい」

 

友香「不可侵条約? ……ええ、構わないわ」

 

雄二「よし、交渉成立だな」

 

根本「ダメじゃないかぁ、Fクラスの諸く〜ん。試召戦争に関する行為は一切禁止のハズだよなぁ〜?」

 

条約を締結しようとしたとき、身を潜めていた根本くんが取り巻きを連れて現れた。

 

根本「言っとくが、先に協定を破ったのはそっちだからな? お互い様……だろ?」

 

根本くんがそう告げると同時に襲い掛かろうとしたときだった。

 

遥祐「やめないか!!」

 

根本「だ、代表……」

 

遥祐「何をしている、根本くん?」

 

根本「こ、これは……」

 

遥祐「協定を結んでからの戦闘行為は禁止したハズだよ……?」

 

根本「でもFクラスが先に……」

 

遥祐「言い訳はいい、撤退するぞ。これ以上の独断行動は許さないよ……!!」

 

根本「……わ、わかった……。撤退する……」

 

Bクラス代表の遥祐が阻止し、根本くんたちを連れて引き揚げていく。あのタイミングで現れた彼に感謝しないとね。

Cクラスとの不可侵条約も締結し、今回はこれで終了となった。

 

 

雄二「今日はここまでだな。明日に備えて、ゆっくり休んでくれ。以上、解散!」

 

こうしてみんな帰宅の準備をし、終わった人から次々と帰宅していった。僕たち3人とサヨちゃんも一緒に帰ろうとしたとき、康太に呼ばれた。

 

明久「康太? どうしたの?」

 

康太「……話がある。省太も一緒に来い」

 

省太「俺もか?」

 

康太「……(コクリ)」

 

渚とサヨちゃんに待ってもらって、僕と省太は場所を変えた。

 

明久「それで、話って?」

 

康太「……根本がCクラスから去るとき、何かを呟いていた」

 

明久「具体的に何て言ってたの?」

 

康太「……確か、池端早代の交渉材料がどうとかって言ってたらしい」

 

省太「それは本当なのか?」

 

康太「……確証はない。だが、池端早代に何かしらの影響があるのは確かだ」

 

省太「……わかった。教えてくれてありがとう、康太。感謝するぜ」

 

康太「……これくらい、お安い御用(グッ)」

 

そう告げると、康太も帰って行った。

 

明久「さて……。僕たちも帰ろう?」

 

省太「……」

 

明久「省太?」

 

省太「ん? あ、ああ」

 

明久「康太が言ってたこと、気になる?」

 

省太「気にならないと言ったら、嘘になるけどな……」

 

明久「大丈夫だよ。サヨちゃんに何かあったのなら、僕も協力するからさ♪」

 

省太「……おう。そうだな」

 

不安を拭えない省太を元気づけた後、渚とサヨちゃんと合流した。

親友が困っているなら、力になってあげよう……。そんなことを考えながら、僕はみんなと帰って行ったのだった。

 

 

to be continued……




Bクラス前半戦はここまでとなります。
ここで一区切りしておいてよかった…。やはり、長い…(汗)
次回でBクラス決着を書けたらと思います。

それでは、また次回に。


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第5話 制裁と安らぎと 〜対Bクラス後半戦〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回でBクラス戦に決着が着きます。
あと、省太視点がメインです。

第5話です、どうぞ!


省太side

 

 

次の朝。登校した俺たちは、対Bクラス戦の準備を進めていた。

でも、今朝からサヨの様子がおかしい。教室に入るなり、何かを探しているようだが見つからないようだ。終始顔を曇らせていたので、何があったのか聞いたが、「何でもないよ」と言うだけだった。

昨日の康太の言葉を思い出した俺は、雄二に頼んでサヨのフォローに回ることを了承してもらい、開戦に備えることにした。

 

 

 

 

 

そして午前9時。Bクラス後半戦開始と同時に、俺たちは進軍開始した。

 

雄二『Bクラス陣営を本陣まで押し込む。そして、押し込んだところを省太と池端が攻略する』

 

これが今回の作戦。要は、態勢を整える前に陥落させろということだ。

 

明久「目標に対しては各個撃破を心掛けて! 戦死しそうになったら、無理をせずに後退すること!」

 

明久が前線で指揮を執っており、渚が副官を務めている。

みんな2人の指示に従って、効果的に戦闘を進めていたのだが……。

 

渚「……マズイね……」

 

省太「どうした、渚?」

 

渚「サヨちゃんの様子がおかしいんだ。Bクラスに突入しようとすると、立ち止まるんだよ。何かを探しているみたいだけど……」

 

省太「何かを……、探す?」

 

サヨの視線の先を見ると、Bクラス代表の遥祐を護衛している生徒の中に………、根本恭二がいた。

手に何かを持っているようだが、距離があるのでよく見えない。

 

省太「サヨ、本当に大丈夫か?」

 

サヨ「サヨは大丈夫だから……。省太くん、行こ?」

 

無理して笑顔を作ってまで、再度Bクラスに突入しようとするが、根本が手をチラつかせると、また立ち止まってしまった。

 

明久「マズイ! 突破される!!」

 

須川「俺に任せろ! ここは通さない!!」

 

須川の機転のお陰で突破は免れたが、このままじゃ埒があかない。

 

明久「サヨちゃん、根本くんに何かされたの!」

 

サヨ「明久くん……。ほ、本当に何でもないの……」

 

サヨはそう答えるものの、うっすらと泣いている。

やはり視線は根本の手元に注がれていた為、もう一度よく観察してみると……。

 

省太「……見つけた」

 

漸くわかった。ヤツが手にしていたものの正体を。

それは俺が小学生の頃、サヨにプレゼントした髪飾りだった。

 

省太「そうか……。そういうことだったのか……!!」

 

昨日の妨害工作。そして、交渉材料……。

昨日からの疑念が確信に変わった。根本。お前の取った方法は、実に有効的だよ。やり方は好きじゃないが、その作戦を実行に移したことは評価する。

だが………。

 

 

 

 

省太「明久。ちょっといいか?」

 

明久「どうしたの、省太?」

 

省太「総指揮を渚に執らせてくれ」

 

明久「別にいいけど……、僕は?」

 

省太「俺のフォローをして欲しい。……頼めるか?」

 

明久「戦況は不利って訳じゃないし……。いいよ、任せて!」

 

省太「サンキュ、明久」

 

そして俺と明久は、渚の元に向かった。

 

明久「渚、今から君が指揮を執って。副官は姫路さんに任せるから」

 

渚「急なお願いだね。どうしたの?」

 

明久「僕と省太は今からBクラス本陣に強襲を掛ける。その間、渚は今展開している部隊を纏めて前線部隊を足止めさせて欲しいんだ」

 

渚「明久がサヨちゃんの代わりに、省太と攻めるってことだね?」

 

明久「そう。サヨちゃんはあんな状態だから、今回は後退させてあげて。いいね?」

 

渚「2人だけで大丈夫なの?」

 

省太「遥祐がいるのが厄介だが……、やってみせるさ」

 

渚「……わかったよ明久、省太。ぼくに任せてッ!!」

 

省太「ああ、頼んだぞ……!!」

 

この場を渚に任せて、俺たちは雄二の元へ向かった。

 

省太「だがな、お前は選んじゃいけないモノを選んだ。それも俺とサヨの思い出の品を……。サヨにあんな顔をさせるなんて……。死ぬほど後悔させてやるぞ……、根本恭二……!!」

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

渚side

 

 

明久から指揮権を交代されたときは驚いたけど……、話を聞いたら納得したよ。あれなら、サヨちゃんの異変も理解できる。

 

美波「で、話って何よ? 渚」

 

秀吉、姫路さん、美波を呼び出すと、美波にこう言われた為、ぼくは明久に指示された内容を伝えた。

 

美波「む、無茶よ! アキも省太もいないのに、ウチらだけじゃ厳しいわよ!!」

 

秀吉「流石に無理難題ではなかろうか……?」

 

瑞希「私たちで抑えられるでしょうか……」

 

渚「無茶なのはわかってるよ!! でもね、明久はぼくを信じてこの場を任せてくれたんだ! ぼくはそれに応えたい!! だからお願いだ、君たちの力を貸してくれッ!!」

 

美波「……わかったわ。そこまで言うのなら付き合うわよ、渚ッ!!」

 

秀吉「わしも全力で手助けをさせてもらうッ!!」

 

瑞希「精一杯、頑張ります……ッ!!」

 

渚「ありがとう。……さぁ、みんな!! ぼくたちでこの場食い止めるよッ!!!」

 

秀・瑞・美『『『了解(なのじゃ) (です) (よ)!!!』』』

 

ぼくたちもできることを全力でする。頑張ってね明久、省太……!!!

 

 

渚side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

明・省『『雄二ッ!!』』

 

雄二「明久と省太か。持ち場を離れてどうした?」

 

教室に戻った俺と明久は雄二の元に来ていた。少し驚いたようだが、冷静に対処している。

 

省太「話がある」

 

雄二「聞くだけは聞こう。なんだ?」

 

省太「サヨを後退させてくれ。代わりは俺がやる」

 

雄二「理由は?」

 

省太「根本のヤツが俺を怒らせた」

 

雄二「そうか……」

 

雄二はそれ以上は聞かずに、少し間を置いてこう告げる。

 

雄二「池端がやるハズだった役割をお前に任せる。絶対に成功させろ」

 

省太「任せてくれ……!!」

 

雄二「それから、室外機のことだが……」

 

明久「雄二、それは僕がやるよ。Dクラスに指示したら、省太と合流するから」

 

雄二「わかった、それはお前に一任しよう」

 

明久「ありがとう。康太は屋上から奇襲させることに変更はないよね?」

 

雄二「(コクッ) この戦争に勝つには、お前たちの行動に掛かっている。しくじるなよ……」

 

明・省「「了解だ、雄二」」

 

根本に制裁……もとい、勝利に向けて俺たちは行動を開始した。

 

 

そして今、俺はBクラスの入り口で明久を待っていた。合流でき次第、攻め込む為である。

 

渚『よしみんな! 前線部隊の戦力を削った今、ぼくたちが有利だよ!! 敵軍の行動に警戒しつつ、迎撃して! 不要な突出はしないでね!!』

 

『『『『了解ッ!!!』』』』

 

渚も上手いことみんなを指揮してる。これなら安心だろう。

 

明久「お待たせ、省太。Dクラスに指示した通り、室外機を止めることに成功したよ」

 

そう言って、明久が戻って来た。

 

省太「よし……。用意はいいか、明久。合図をしたら、一気にBクラス本陣に攻め込むぞ」

 

明久「OKだよ……」

 

省太「………今だッ!!」

 

明久「任せて、省太ッ!!」

 

合図と共にBクラスの扉を勢いよく開けた。

 

遥祐「来たか。明久、省太……!!」

 

省太「根本恭二! お前はここで終わりだ、覚悟しろッ!!」

 

根本「は、反田省太、吉井明久……! いつの間に……?!」

 

省太「それとサヨから奪ったモノ、返してもらうぞ……!!」

 

BクラスK「ここは俺たちが!」

 

英語の遠藤先生がフィールドを展開する。Bクラスの近衛部隊が立ち塞がったが、

 

 

 

 

英語

 

Fクラス

 

反田 省太:435点

 

吉井 明久:447点

 

 

Bクラス

 

近衛部隊×15:平均224点

 

 

 

 

 

 

 

省太「邪魔をするなッ!!」

 

明久「君たちでは相手にならないよッ!!」

 

一気に殲滅させて、根本に視線を移した。

 

根本「ひ、ひいッ!!」

 

省太「逃がさんぞ根本。……康太、やれぇーーーーッ!!!」

 

康太「……Fクラス、土屋康太。Bクラス根本恭二に、保健体育勝負を申し込む……!!」

 

 

 

 

保健体育

 

 

Fクラス

 

土屋 康太:596点

 

 

Bクラス

 

 

根本 恭二:287点

 

 

 

 

根本「バ、バカなぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

敵前逃亡を図ろうとした根本を康太が仕留めて、残るは遥祐だけになった。

 

省太「遥祐、あとはお前だけだぞ」

 

明久「代表として、最後まで戦う?」

 

遥祐「もちろん……! ……と言いたいところだけど、ここからじゃ逆転は厳しそうだから降参するよ」

 

省太「お前が腕輪を使ってもか?」

 

遥祐「オレの腕輪を以ってしても、君たちがいるんじゃ勝算は薄いからね……。状況は理解してるつもりさ……」

 

『それまで! 勝者・Fクラス!!』

 

遥祐の降参宣言と共に戦争終結のアナウンスが流れて、Fクラスの勝利が確定したのだった。

 

 

 

 

それから、戦後対談の時間となった。

 

遥祐「負けは負けだからね。君たちに設備を明け渡すよ……」

 

雄二「いや、設備は明け渡さなくていい」

 

そんな雄二の発言にFクラスの男子共は騒ぎ出すが、

 

雄二「落ち着け。前にも言ったが、俺たちの目標はAクラスだ。忘れるな」

 

と一喝すると、みんな静かになった。

 

遥祐「そ、そうなんだ……。でもいいのかい?」

 

雄二「ああ。だが、条件がある。……それはお前だ、根本」

 

根本「俺が……か?」

 

雄二「女装してAクラスに、試召戦争の準備ができていると宣言して来い。それができれば、設備交換は見逃してやろう」

 

根本「ふ、ふざけるな! この俺がそんなことを……!!」

 

BクラスH「OK、絶対やらせるよ!」

 

BクラスD「それだけでいいなら、喜んでやるわ!」

 

根本「そりゃないだろ! 頼む代表、助けてくれ!!」

 

雄二が出した条件に次々と賛成の声があがる中、根本が遥祐に助けを求めた。

 

遥祐「……“仏の顔も三度まで”って知ってる?」

 

根本「……へ?」

 

遥祐「オレは今まで君がどんなことをしても、代表として庇ってきた。こんなヤツでも仲間だし、いつかはその性根が改善されるのを信じていた」

 

根本「…………」

 

遥祐「なのに、君はオレの想いを平気で裏切り続けて来たよね……? もう今回ばかりは庇えないよ。諦めるんだ……」

 

根本「代表ぉ〜……」

 

遥祐「でもまぁ……、“彼女”なら助けてくれるかもしれないよ?」

 

遥祐がそう言うと、Cクラス代表の小山さんがBクラスに入って来た。

 

根本「友香、助けてくれ! 今までのこと全部謝るから、頼む……!!」

 

友香「ごめんなさい、恭二。いえ、根本くん。私ではあなたを助けられないわ……」

 

根本「友香ぁぁぁ〜……ッ!!」

 

遥祐「すまないね、友香さん。態々来てくれてありがとう」

 

友香「ええ。礼には及ばないわ、遥祐くん」

 

根本「そんなぁ〜……」

 

2人のやり取りを見て、根本は泣き出してしまった。

だが同情はしない。アレを返してもらう為に、根本に話し掛ける。

 

省太「おい根本。サヨの髪飾り、返してもらうぞ……」

 

根本「は、はひ……ッ(グスッ)」

 

省太「それでいい。後は……、眠れ」

 

“ドスッ”

 

根本「ごふッ……(ガクッ)」

 

髪飾りを返してもらった後、腹パンして気絶させた。

 

 

 

 

 

 

その後根本は、女装姿でAクラスに戦争準備の宣言、撮影会までやらされることになったそうだ。

ヤツにとっては恐ろしい思い出になるだろうが、サヨの悲しみに比べたら軽いモンだと思う。因みに後で聞いた話だが、根本がAクラスに来た翌日、遥祐が直接謝罪に行ったそうだ。

 

 

 

省太「サヨッ!」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「ほらっ。髪飾り、取り返したぜ」

 

先程根本から取り返した髪飾りをサヨに渡した。

 

サヨ「ありがとう……。取り返してくれて……」

 

省太「その髪飾り、大切に持ってくれてたんだな……。もう着けてくれないかと思ってたよ……」

 

“ギュッ”

 

省太「サヨ?」

 

サヨ「ごめんね、省太くん……。サヨ、あのときどうしていいかわからなくて、省太くんから初めてもらったプレゼントなのに、無くしちゃったらどうしようって………」

 

また泣きそうになるサヨを、俺からも抱きしめる。

 

省太「でも、ちゃんと手元に戻ってきただろ? だからもう泣かないで、いつものように笑って?」

 

サヨ「うん……、うん……ッ!!」

 

まだ涙目ではあったが、朝とは違ってサヨは笑顔だった。

今日一番見たかった顔だ。

 

サヨ「ねぇ、省太くん……」

 

省太「なんだ? サヨ……」

 

サヨ「今日は付けられなかったけどこの髪飾り、また今度着けてあげるね……ッ!!」

 

省太「ああ、期待してるよ」

 

髪飾りをプレゼントしたあのときのように、笑顔を見せてくれるサヨを見て思った。

 

やっぱり俺は、サヨのことが大好きだ。できれば、サヨにはずっと笑顔でいて欲しい。

 

そして改めて決意する。サヨの笑顔を守る為に、俺自身が頑張ろうと。

 

 

to be continued……




これでBクラス戦は終わりです。

原作では明久と姫路さんでしたが、今作では省太とサヨにスポットを当てました。いかがだったでしょうか?

次はいよいよAクラス戦です。どんな展開にしようか……。
ではまた次回、お会いしましょう。


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第6話 友との再会 〜Aクラス宣戦布告〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回で漸く、省太とサヨちゃん以外の無邪気の楽園キャラが登場します。

この小説も、UAが1000を突破しました。こんな駄文でも読んでくださる、読者の皆さまに感謝です。

ドラグ様、サクヤ姫様、Leccee様、P・N《灰紫》様、檮原様、お気に入り登録ありがとうございます。

至らない点もありますが、これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。


第6話です、どうぞ!


明久side

 

 

Bクラス戦の勝利から数日後。僕、省太、渚は、Aクラス戦のことを話し合う為、早めに登校していた。

教室に入ってしばらくすると、Bクラス代表の遥祐がやって来た。

 

遥祐「おはよう。明久、省太、渚。この間の試召戦争のときはありがとね」

 

明久「設備交換のことならいいよ。僕たちの目標はAクラスだからさ」

 

遥祐「そうだったね。でもまぁ、恭二も今回のことで反省して、もう卑怯なことはしないと約束したからね。結果的にはよかったよ」

 

省太「今根本のことを名前で呼んだけど、知り合いなのか?」

 

遥祐「(コクッ) 中学の頃からの友人で腐れ縁。でも、あんな性格だったからね……。しばらくの間は伏せていたんだよ」

 

あの根本くんに友達がいたことにびっくりしたよ。遥祐って心が広いのかな。

 

遥祐「オレだって鬼じゃないし、恭二が反省して頑張るって誓ったから、もう一度信じてみる気になったんだ。これを機にBクラスも変わっていけると思うよ」

 

渚「でも、根本くんだよ? そう変われるものなのかなぁ?」

 

遥祐「心配はいらないよ。何せBクラス全員の前で誓わせたからね。まだ疑っている子もいるけど、行動で示していくさ。いざって時は、オレと友香さんがいるから大丈夫(グッ)」

 

遥祐は笑顔でそう言った。何だかんだ言っても、根本くんは仲間であり友人なのだろう。

 

遥祐「だからまた戦争するときは、今度こそオレたちが勝つよ」

 

明久「僕たちも負けるつもりはないからね」

 

互いにグータッチをして、再戦を誓い合った。

 

遥祐「あ、そうだ。次はAクラスと戦うんだろう?」

 

明久「うん、そのつもりだよ」

 

遥祐「なら、“ノイン・マイスターズ”には気を付けるんだ」

 

省太「“ノイン・マイスターズ”?」

 

遥祐「Aクラスの代表も含めた、9人の成績上位者の通称だよ。彼らがいる以上、勝利は遠い」

 

明・省・渚「「「(ゴクリ……)」」」

 

遥祐「でも君たちなら……、勝てる……かもしれない。応援してるよ、じゃあね」

 

そう言って、遥祐はBクラスへ戻って行った。

 

明久「“ノイン・マイスターズ”……か」

 

渚「強い人たちってことでしょ? 寧ろ、ぼくはワクワクするなー☆」

 

省太「渚の気持ちはわかるけど……。これは、対策を考えなきゃいけないな」

 

明久「うん……。そうだね……」

 

未だ見ぬ強敵のことを考えながら、僕たちはAクラス戦のことを思案するのだった。

 

 

その日の授業を終えた放課後、僕たちFクラスはAクラス戦へ向けてのミーティングを行うことになった。

 

雄二「みんな、この間のBクラス戦はご苦労だった。ここまで勝利することができたのも、みんなの協力なしにはあり得なかったことだ。感謝している」

 

ミーティングを前に、雄二が感謝の言葉を述べる。

 

省太「どうした、雄二? お前が素直に礼を言うなんて、らしくないぞ?」

 

渚「そうそう。まだAクラス戦が残ってるのに、気が早いよー?」

 

雄二「まぁ、そう言うな。これでも、心からそう思っているんだぜ?」

 

明久「そんな風に言ってくれると嬉しいな。力を尽くす甲斐があるからね」

 

雄二にどんな想いがあるにせよ、そう言ってくれるのは嬉しいことに変わりない。

 

雄二「さて、残るAクラス戦だが……。9対9の一騎討ちを考えている」

 

FクラスH「一騎討ちだって?」

 

FクラスA「通常の戦争じゃないのか?」

 

雄二「お前たちが言いたいことはわかる。何故一騎討ちなのか? ……考えてみろ、これまで俺たちはどうやって勝利して来たのか……」

 

みんな雄二の言葉を聞いて思い出す。Dクラス戦もBクラス戦も、相手の油断と隙を突くのと、経験不足なことも合わさったことで生じた勝利だった。

 

では、Aクラスはどうだろうか? 前にも言ったことだが、点数の高さが召喚獣の強さに直結する以上、今までのようにはいかない。圧倒的な点数差を以ってして、9人の成績上位者たちに悉く蹂躙されてしまうだろう。

 

雄二「だからこそ、少しでも勝利の可能性がある一騎討ちで決着をつけるのが最適だと思っている」

 

この言葉にはみんな納得した。となると、誰が一騎討ちの代表として戦うのか……ということになる。

 

雄二「で、一騎討ちに出るメンバーだが……。黒板に名前を書かれた生徒が代表だ」

 

坂本 雄二

吉井 明久

反田 省太

上運天 渚

姫路 瑞希

池端 早代

木下 秀吉

土屋 康太

島田 美波

 

雄二は黒板に、自分も含めた9人の名前を書き出した。ここに書かれたメンバーは皆Aクラスとも互角に渡り合えるであろう、猛者ばかりである。

 

雄二「相手は確実に“ノイン・マイスターズ”をぶつけて来るだろう。俺も含めたこの9人で一騎討ちを戦おうと考えているが、異論はあるか?」

 

これに反論する生徒はいなかった。この方法でなければ、自分たちの勝利はないことを理解しているのだろう。

 

雄二「……ないようだな。今名前を書かれたメンバーは、点数の補給をして一騎討ちに備えてくれ。宣戦布告は3日後に行うが……」

 

“バッ!!”(全員渚を見る)

 

渚「な、なんでぼくを見るの?!」

 

雄二「いや……。今回も行きたいのかなって、思ったからな……」

 

渚「むー! 流石に今回は、自重するよッ!!」

 

Dクラス戦のときも、Bクラス戦のときも行っていた為、今回も宣戦布告するものだと勝手に思われて、渚は憤慨していた。

気の毒だとは思うけど、みんながそう思う気持ちも理解できる。

 

省太「あまり言ってくれるなよ、雄二。Aクラスの宣戦布告は俺が行くよ。その方が都合がいい」

 

雄二「それは良いが……、どうした急に?」

 

省太「Aクラスには友達がいるからな。心配掛けさせてるから、顔出ししておきたくてさ」

 

明久「ねぇ。Aクラスにいる省太の友達って、前に話した女の子たちだよね?」

 

省太「ああ。それも小学生の頃からの幼馴染だ」

 

その言葉を聞いた瞬間、一部を除いたFクラス男子たちが血走った目をして省太を睨みつける。

 

FクラスJ「異端者がいるぞぉぉぉッ!!」

 

FクラスK「な、なんと羨ましい……ッ!!」

 

FクラスE「殺せぇぇぇッ!!」

 

渚「はいはい、みんな静かにして。話が進まないでしょ!! それとも自己紹介のときに言ったこと、もう忘れたの……?」

 

「「「「め、滅相もございませんッ!!!」」」」

 

省太に襲い掛かろうとする、Fクラス男子たちを抑える渚。こうやって嫉妬するからいけないのに、まだ気付かないのかな?

 

省太「とにかく、俺は行くからな。……そうだ明久、お前も来るか? 優子さんに会いたいだろ?」

 

明久「え!? あ、ああ……そうだね。僕も行こうかな?」

 

FクラスB「ここにも異端者がいましたぞ!!」

 

FクラスH「吉井、反田。お前たちは死刑になりたいらしいな!!」

 

さっき言われたことをもう忘れて、再び襲い掛かるFFF団。

 

明久「仕方ないね……。省太」

 

省太「わかってるぜ、明久」

 

“ボカッ、バキッ、ズドッ”

 

「「「「ちーん………」」」」

 

秀吉「のう明久、省太よ。派手にやったようじゃが……、大丈夫かの?」

 

省太「大丈夫だ秀吉。ちゃんと手加減はしているし、この程度でやられる程、コイツらはヤワじゃない」

 

明久「それにこれくらいやらないと、静かにならないからね。多少の実力行使は必要ってことさ」

 

雄二「と、とにかく宣戦布告は、明久と省太に任せるからな? さっきも言ったが、一騎討ちに出るメンバーは点数の補給を忘れないようにしてくれ。今日はここまでだ」

 

気絶した連中の回復を待って、この日は解散となった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

〜3日後〜

 

 

 

 

省太side

 

 

点数の補給を昨日までに済ませたこの日。俺と明久はAクラスに宣戦布告をする為に、Aクラスの教室に向かっていた。

 

明久「省太。Aクラスにいるのは聞いてるけど、誰がいるのかは把握してる?」

 

省太「いや……。Fクラスに振り分けられてからは、Aクラスに寄っていないから、誰がいるのかわからないんだ」

 

明久「なるほどね。……とりあえず、行こうか」

 

Aクラスの扉を開け、中へと入って行く。

 

明久「失礼します。Fクラスの吉井明久です。Aクラスの代表はいらっしゃいますか?」

 

???「代表なら席外しとるで。何の用や?」

 

茶髪のツインテールの女の子が応対していた。でもこの娘はひょっとして……。

 

省太「よう、真夏。お前Aクラスなんだな」

 

明久が用件を言う前に声を掛けると、

 

真夏「省太? サヨちゃんと一緒にFクラスに行ったって聞いて、心配したんやで! おーいみんなー、省太が来たでー!!」

 

関西弁で話す少女……神谷真夏が俺を見るなり話し掛け、その勢いで懐かしの仲間たちを呼んでくる。

 

このみ「省太くん! 会いたかった……」

 

奈子「久しぶりだね、省太」

 

リオ「……久しぶり」

 

省太「おう。そうだな……」

 

明久「えっと……、この娘たちが省太とサヨちゃんの小学校時代からの友達なんだね?」

 

省太「ああ。合ってるぜ、明久」

 

置いていかれないように、明久も話し掛けてくる。

 

明久「多分知ってると思うけど、自己紹介するね。僕はFクラスの吉井明久。省太は僕の親友だよ」

 

このみ「君が噂の吉井くんだね? 私は春風このみ。よろしくね!」

 

真夏「ウチは神谷真夏や。よろしゅうな!」

 

奈子「佐々木奈子よ。よろしく」

 

リオ「金子理央。省太とは……、腐れ縁よ」

 

それぞれの自己紹介をする友人……、俺の初恋である春風このみちゃん。俺を子分扱いする相棒の神谷真夏。何かと助けてもらった佐々木奈子。俺のライバルで天敵……、金子理央。

 

予想はしていたが……、みんなAクラスになれたんだな。できれば、俺とサヨもここにいれたらよかっただろうな。

 

優子「賑やかね。一体どうしたの?」

 

明久「あ、優子さん!」

 

そうこうしていると、秀吉の姉……木下優子さんもやって来た。

 

優子「明久くん? ……Fクラスに振り分けられたって聞いて、ずっと気になってたの。大丈夫だった?」

 

明久「うん、秀吉も雄二もいるからね。何とか上手くやっているよ」

 

省太「……明久。俺もそうだけど、本来の目的忘れるなよ」

 

明久「あ! そうだったね。危うく脱線しそうになったよ、ありがとう省太」

 

そう、俺たちの目的は宣戦布告。友達との再会はオマケでしかない。

 

明久「話を戻すけど……、代表はいるかな?」

 

翔子「……代表は私。何か用?」

 

そう言って近づいて来たのは、Aクラス代表の霧島翔子さん。成績も学年首席とさることながら、整った顔立ちと艶やかな黒髪を併せ持つ、正に才色兼備という言葉が似合う女子生徒だ。

 

明久「あ、霧島さん。早速なんだけど、僕たちFクラスと試召戦争をして欲しい」

 

翔子「……きっと来ると思ってた」

 

明久「それで、9対9の一騎討ちで勝負したいんだ。お互いが勝負して勝った方が残る負け抜け方式を考えているけど……、どうかな?」

 

翔子「……でもそれだと、Fクラスにメリットが多い。私たちAクラスでは条件が不利」

 

明久の提案に対して、Aクラス側の問題点を指摘する霧島さん。少しでも対等な条件に持って行くには、妥当な主張だ。

そこで俺は提案する。

 

省太「なら、こうしよう。Aクラス側には、教科選択権を4つ。俺たちFクラスには5つ。そして勝負に勝った方は、負けた方に何でも1つ命令できる。……これならどうだ?」

 

翔子「……受けるわ、その内容で」

 

明久「交渉成立だね。それじゃ、また午後1時にAクラスで」

 

翔子「……ええ、待ってる。……吉井、私たちは負けるつもりはない」

 

明久「僕たちもやるからには勝つよ、霧島さん。じゃあまた後でね、優子さん!」

 

優子「わかったわ、明久くん。今度は戦場で……!」

 

省太「誰かは俺と戦うことになると思う。楽しみにしているぞ、みんな!」

 

こ・真・奈「「「うんッ!!」」」

 

リオ「…………」

 

こうして俺と明久はAクラスを後にした。リオの反応が少し薄かったことが気になるが……、考えても仕方ない。この先に控えている一騎討ちのイメトレでもしておこう……。

 

 

to be continued……




やっとこさ、無邪気勢のキャラ出せましたよ……。
と言っても今回は顔見せですが。

次はいよいよ、Aクラス戦です。
執筆に四苦八苦はするかもしれませんが……、何とか書いていきます。

では、次回にお会いしましょう。


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第7話 激突! 最高VS最低!! 〜対Aクラス戦・前編〜

こんにちは、こんばんは。エクシリオンです。

イナクト様、お気に入り登録ありがとうございます!

お待たせして申し訳ありません。
ついに、Aクラス戦です。
試召戦争編で一番書きたかった話に漸く取り掛かれます。少しでも楽しんで頂ければ、と思います。

第7話です。それでは、どうぞ!


明久side

 

 

“♪キーンコーンカーンコーン♪”

 

 

 

昼休み終了のベルが鳴り響いて、僕たちはAクラスへ向けて出発した。

 

この最高級クラスと最底辺クラスの決戦は学園長権限で観戦を許可されることになり、2学年の全クラスが注目する。大半の生徒はAクラスが勝つだろうと予想しているが、実際に戦ったDクラスとBクラスの一部の生徒は、流れを冷静に見極めることにしたようだ。

 

遥祐「やぁ明久、省太、渚。いよいよAクラス戦だね」

 

明久「遥祐。うん、漸くここまで来たよ」

 

遥祐が近づいて話し掛けて来る。隣には、根本くんと小山さんも居る。

 

遥祐「大抵の生徒はAクラスの勝利を予想してるけど、オレたちはFクラスを応援するよ」

 

雄二「おう神代。一応聞くが、それは社交辞令か?」

 

遥祐「まさか。これでも君たちに期待しているのさ。……奇跡を起こしてくれる……ってね。ほら、恭二も何か言ってあげなよ」

 

根本「……正直お前たちが勝てるとは思えんが、俺からも応援させてもらう。……頑張れよ」

 

雄二「激励の言葉、ありがたく受け取っておくぜ」

 

あまり見ないようにしていたが、前に比べると根本くんも変わったと思う。とりあえずは一安心だ。

 

友香「Cクラスを代表して、私からも応援させて? 期待してるわよ」

 

渚「ありがとう小山さん。ぼくたち、頑張るから!」

 

そうしているうちに、Aクラスの教室に到着した。雄二が扉を開けると、霧島さん率いる“ノイン・マイスターズ”が待ち構えていた。

 

翔子「……雄二、待っていた。Fクラスに行ってまで、戦うことを選んだ雄二の実力……私に見せて。半端な戦いをしたら、許さない……」

 

雄二「わかってる翔子。望み通り本気で戦おう」

 

翔子「……期待してる」

 

雄二「ああ、失望はさせないぜ」

 

互いに全力を出し切ることを誓い合い、それぞれの待機場所へ移動すると、Aクラスの高橋先生がフィールドを展開する。

 

高橋「ではこれより、2年Aクラス対2年Fクラスの試召戦争を開始します。第1戦に出場する生徒は前へ!」

 

優子「アタシが行くわッ!」

 

秀吉「姉上が行くなら、わしがやるかの」

 

両者がフィールドへ入って行った。 優子さんも秀吉もお互いを知っているからやりやすいのだろう。

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

秀吉「古典をお願いするのじゃ」

 

高橋「承認します!」

 

秀・優『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

2人の召喚獣がフィールドに現れる。装備が違うことを除けば、本当にそっくりだ。

 

 

古典

 

Fクラス

 

木下 秀吉:392点

 

 

Aクラス

 

木下 優子:427点

 

 

秀吉「400越えはならんかったか……」

 

優子「アンタが古典を選んでくるのは予想できたからね。こっちを重点的にやったワケよ」

 

秀吉「ならば、操作技術で補うわい!」

 

優子「アタシも本気でやらせてもらうわ! 来なさい、秀吉!!」

 

高橋「Aクラス・木下優子 VS Fクラス・木下秀吉。第1戦は古典です。それでは……、始めッ!!」

 

高橋先生の号令と共に、Aクラスとの一騎討ちが幕を開けた。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

秀吉side

 

 

自信があるから古典を選んだんじゃが、まさか姉上も古典に力を入れていたとはのう……。しかも姉上は腕輪持ち……、これでは分が悪いかの……。

 

優子「どうしたの、秀吉! もう降参するつもり?」

 

秀吉「……いや、考えごとをしていただけじゃ。ゆくぞ!!」

 

“ガギンッ!”

 

金属音と共にわしの召喚獣の薙刀と、姉上の召喚獣のランスがぶつかって鍔迫り合いが起きる。

 

優子「やるわね、秀吉」

 

秀吉「姉上ものう」

 

姉上は盾でガードしながらランスで突いていき、わしはガードが甘くなったところを斬りかかる。

 

 

Fクラス

 

木下 秀吉:214点

 

 

Aクラス

 

木下 優子:236点

 

 

 

お互いに斬り合って、22点差まで詰め寄った。じゃが、まだ姉上は腕輪を使う気配がない。一気に決めるべきか、腕輪を警戒して慎重に行くべきか。やはり使われる前に……、

 

秀吉「ここで決めさせてもらうのじゃ、姉上!!」

 

優子「動いたわね、秀吉!」

 

秀吉「何じゃと!?」

 

優子「“トルネード”!!」

 

わしの特攻を狙ったかの様に姉上が腕輪を発動させ、それにより突進力を増したランスに召喚獣が貫かれて、勝負が決まった。

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・木下優子!!』

 

秀吉「くっ、負けたのじゃ……」

 

優子「惜しかったわね、秀吉。でも腕輪があったのと、アンタが隙を見せたのが大きかったわ。同じ条件ならアタシは勝てたかわからない」

 

秀吉「………」

 

優子「悔しかったらもっと頑張りなさい。アンタはアタシの弟だから、きっと追い付けると信じているわよ」

 

秀吉「うむ。次こそは、姉上に勝てる様に頑張るのじゃ」

 

互いに一礼すると、観客全員から惜しみない拍手が送られた。

 

 

秀吉side out

 

 

 

明久side

 

 

秀吉「負けてしまってすまぬ、みんな」

 

明久「惜しかったけど、いい試合だったよ秀吉」

 

秀吉「ありがとうなのじゃ、明久」

 

美波「次はウチの番ね。行って来るわ!」

 

美波がそう言って前へ出て行く。第2戦の相手は、佐藤美穂さんだ。選んだ科目は……、物理だった。

 

雄二「勝てるところから行くとは思っていたが……」

 

明久「それは霧島さんたちが本気で勝ちに行ってる証拠だよ。美波には悪いけど、ここは負け試合だね……」

 

 

 

 

物理

 

Fクラス

 

島田 美波:165点

 

 

Aクラス

 

佐藤 美穂:391点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・佐藤美穂!!』

 

僕が教えたのと、美波の努力でかなり点数を伸ばして善戦するが、やはり得点差は覆せなかった様で、最終的に佐藤さんの召喚獣に連続斬りを浴びせられて敗北となってしまった。

 

明久「ごめんね美波。僕がもっとしっかり教えていたら、負けなかったかもしれなかったのに……」

 

美波「大丈夫よ、アキ。これが今のウチの全力だから気にしないで。戦争が終わったら、またお願いね?」

 

雄二「これで0勝2敗か……。出だしが悪いな」

 

明久「でもまだ始まったばかり。これから挽回できるよ」

 

高橋「続いて第3戦です。出場者は前へ!」

 

康太「……俺が行こう」

 

雄二「頼むぞ、康太」

 

康太「……(グッ)」

 

親指を立てて康太が出る。相手は工藤さんだ。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

康太side

 

 

高橋「選択科目は何にしますか?」

 

康太「……保健体育」

 

迷わず保健体育を選択する。これに関しては負けるつもりはない。

 

愛子「キミがウワサのムッツリーニくんかぁ〜。キミは保健体育が得意なんだね?」

 

康太「……そうだが、お前は?」

 

愛子「ボクは工藤愛子。よろしくね♪ それとね、ボクも保健体育得意なんだぁ〜。 キミにも教えてあげよっか? 実技で……ね♪」

 

康太「……実技……(ブシャアァァ!!)」

 

渚「た、大変だ! 康太が鼻血出して、ぶっ倒れたー!!」

 

省太「誰か輸血を持って来い! しっかりしろ、康太ァーッ!!」

 

明久「もう、あんな挑発で倒れないでよーーッ!!」

 

鼻血を出して倒れた俺は、明久たちに蘇生して貰った。周りの視線が痛い上に、面目ない。

 

高橋「だ、大丈夫ですか……?」

 

康太「……だ、大丈夫だ。問題ない」

 

愛子「本当に大丈夫、ムッツリーニくん?」

 

康太「……気遣いだけはもらっておこう」

 

高橋「第3戦は保健体育です。用意……、始めッ!!」

 

康・愛『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

 

保健体育

 

Fクラス

 

土屋 康太:???点

 

 

Aクラス

 

工藤 愛子:547点

 

 

 

 

康太「……ひとつ教えてやろう、工藤愛子。お前は一撃で終わる」

 

愛子「そこまで言うなら見せて欲しいな、キミの力を!」

 

その言葉と共に腕輪を発動し、アックスに雷のエネルギーを纏わせて強襲を掛けて来る。

 

愛子「バイバイ、ムッツリーニくん!!」

 

康太「……“加速”」

 

愛子「え……?」

 

“シュバッ!!”

 

康太「……“加速”……、終了」

 

俺がそう呟くと同時に決着がつく。

 

 

 

 

Fクラス

 

土屋 康太:714点

 

 

Aクラス

 

工藤 愛子:0点

 

 

 

 

高橋『それまで! 勝者、Fクラス・土屋康太!!』

 

愛子「ボクが……、負けた……?」

 

康太「……その通りだ工藤愛子。俺の勝ちだ」

 

愛子「やっぱり、敵わないのかなぁ……」

 

康太「……そんなことはないぞ。俺は保健体育だったから勝てた。それ以外の科目なら、きっと勝てなかっただろう。だから気を落とさないでくれ」

 

愛子「ムッツリーニくん……」

 

康太「……自信を持て、工藤愛子。お前ならきっと俺に追い付ける。……必ずな」

 

愛子「うん! ありがとう、ムッツリーニくん♪」

 

康太「……それから……」

 

愛子「何かな?」

 

康太「……名前で呼んで欲しい。俺も名前で呼ぶことにする」

 

愛子「わかったよ、……康太くん」

 

康太「……それでいい。こちらこそよろしく頼む、愛子」

 

俺と愛子は、握手して健闘を讃え合う。周りの歓声が響き渡っていった。

 

 

康太side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

明久「お疲れ、康太」

 

康太「……これくらい、なんてことない(グッ)」

 

渚「でも鼻血出してぶっ倒れるのは、治して欲しいな?」

 

康太「……善処する」

 

戻って来た康太を出迎える僕たち。渚がさっきのことをからかっているが、それは同感だ。

 

雄二「漸く一勝か……次も落とせないな」

 

瑞希「今度は私が行きます!」

 

明久「頑張ってね、姫路さん」

 

瑞希「はいッ、必ず勝ちますねッ!」

 

そう言って姫路さんはフィールドへ向かって行った。Aクラスからは……、久保利光くんが出る。

 

 

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

久保「総合科目でお願いします!」

 

高橋「第4戦は総合科目です。用意……、始めッ!!」

 

瑞・久『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

選ばれたのは総合科目。実力が最も現れる科目だ。そして表示された点数は……、

 

 

 

 

総合科目

 

Aクラス

 

久保 利光:4964点

 

 

 

生徒たち『『『『おぉぉッ!!!!』』』』

 

4500点を大きく超えていた。流石に成績上位者には及ばないがかなりの好成績であり、周りからも歓声が上がる。

 

久保「これが僕の実力だ、姫路さん」

 

瑞希「すごいですね、久保くん。ですが……」

 

 

 

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:5247点

 

 

 

久保くんのときよりも、大きな歓声が上がった。

 

久保「なっ……、この僕を上回るとは……!」

 

瑞希「私も常に努力して、高めています!!」

 

久保「くっ、行くぞ……!!」

 

それぞれの召喚獣が斬り合う。最初こそ、久保くんも食らいついていたが次第に押されて行き、姫路さんの大剣の一閃を喰らって勝負が決まった。

 

高橋『それまで! 勝者、Fクラス・姫路瑞希!!』

 

高橋先生が、Fクラスの勝利を告げる。これで、2勝2敗だ。

 

雄二「ここまではいいペースだが……、この先は未知の領域だ。翔子以外の実力が未知数だが、間違いなく木下姉、工藤、佐藤、久保の4名よりも格上だ。油断はできない」

 

明久「……そうだね。気を抜くと一気にやられそうだ……」

 

僕たちは霧島さんと、後に控えている春風このみさん、神谷真夏さん、佐々木奈子さん、金子理央さんを見つめた。

 

一騎討ちは……、ここからが勝負だ!!

 

 

to be continued……




Aクラスの一騎討ち、前半が終わりました。
霧島さんも含めた5人の実力はいかに?

では、また次回にお会いしましょう!


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第8話 白熱する戦い 〜対Aクラス戦・中編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

一騎討ちの中盤戦となります。
相変わらず戦闘描写が拙いですが、それでも読んで頂けると嬉しいです。

第8話です、どうぞ!


明久side

 

 

明久「お疲れ様、姫路さん。この一戦を勝てたのは大きいよ」

 

瑞希「ありがとうございます、吉井くん。ここから先の勝負は厳しそうですが、勝てるでしょうか……」

 

明久「勝てるさ。……きっとね」

 

フィールドから戻って来た姫路さんを出迎えた僕は、聞かれたことに対してこう答える。

とはいえ、残る相手はAクラス上位5名。そう易々とはいかないのも事実だ。

 

サヨ「ここはサヨが行くね」

 

省太「そうか。頑張れよ、サヨ!」

 

明久「ベストを尽くしてね、サヨちゃん」

 

サヨ「うん! サヨ、頑張るから!!」

 

僕たちがエールを送ると、サヨちゃんはフィールドへ向かって行く。Aクラスからは春風さんが出て来た。

 

サヨ「サヨの相手は、このみちゃんかぁ」

 

このみ「よろしくね、サヨちゃん」

 

サヨ「でも、これは勝負だから。本気でやらせてもらうよ!」

 

このみ「私も手加減しないからね!」

 

高橋「一騎討ちも5戦目です。科目は何にしますか?」

 

サヨ「家庭科でお願いします!」

 

高橋「春風さんもよろしいですね?」

 

このみ「はい、大丈夫です!」

 

高橋「第5戦は家庭科です。用意……、始めッ!!」

 

サ・こ『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

この一戦を皮切りに、戦いはより激しさを増して行くことになるのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

 

サヨside

 

 

家庭科

 

Fクラス

 

池端 早代:498点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:487点

 

 

このみちゃんも家庭科が得意なんだね。点数にそこまで差がないなら、気力勝負になるかも。

 

サヨの召喚獣は、白とパステルピンクを基調とした魔法少女風の衣装に、ハルバードを装備していてリーチが長い。このみちゃんの召喚獣は、アイドル風の衣装にプロテクターを着けていて、剣に変形できるライフルを2丁装備している。

 

サヨ「……行くよ、このみちゃんッ!!」

 

このみ「ええ、サヨちゃんッ!!」

 

“キインッ!!”

 

お互いの召喚獣の武器が火花を散らす。

 

サヨ「えいッ!!」

 

このみ「たあッ!!」

 

“キインッ!!”

 

“キインッ!!”

 

“ガギィッ!!”

 

『『『『おお………ッ!!』』』』

 

観戦している生徒たちも息を飲んでいる。サヨが攻めて、このみちゃんはガードしていく。

 

サヨ「流石だね。このみちゃん」

 

このみ「サヨちゃんも、すごいよ」

 

サヨ「意外と難しいでしょ? 召喚獣動かすの」

 

このみ「うん。こんなに集中力を使うなんて、思わなかった」

 

サヨ「まだ終わりじゃないよね?」

 

このみ「当たり前だよ!!」

 

“シュッ!!”

 

再び斬り合うサヨたち。でもこれじゃさっきと状況が変わらない。勝負に出るなら…………。

 

サヨ「ここで仕掛けるよッ! “腕輪発動”!!」

 

サヨがハルバードをビリヤードのキューの様に構えると、先端から無数の光弾が放たれる。

 

サヨ「お願いッ!!」

 

このみ「くう……ッ!!」

 

このみちゃんも弾を避けたりソードライフルで弾いたりしていたけど、全ては捌けなかったようでダメージを負った。

 

 

 

 

 

Fクラス

 

池端 早代:283点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:262点

 

 

このみ「それがサヨちゃんの腕輪の能力なのね」

 

サヨ「うん……、“レイ・シュート”って言うの。今のは相手を追尾するモードで使ったんだよ」

 

このみ「そう……。確かに、今のモードを使われ続けると厄介だね」

 

サヨ「えへへ……」

 

少し考え込んで、このみちゃんが口を開く。

 

このみ「……ねぇ、サヨちゃん。次の攻撃で決着をつけない?」

 

サヨ「いいの? このみちゃん、まだ腕輪使ってないよね?」

 

このみ「この攻撃で私も使うから、本気で撃って来て!」

 

サヨ「……わかった。全力で行くからねッ!」

 

お互い、次の攻撃に全力を注ぎ込むことになった。

 

このみ「チェンジ、ライフルモード!!」

 

サヨ「……行くよ、このみちゃん……!!」

 

このみ「ええ……!!」

 

サ・こ『『“腕輪発動”ッ!!』』

 

サヨがレイ・シュートを、このみちゃんが腕輪の力によるビームを発射した。両者共フルパワーで撃っていて、ビーム同士がぶつかり合う。

 

ぶつかり合っている間あることを考えた。そう言えば、このみちゃんの腕輪の能力って何だろう? ただビームを撃つだけだと思えないし……。

 

このみ「何を考えているの、サヨちゃん?」

 

サヨ「このみちゃんッ?!」

 

このみ「もしかして、私の腕輪のことかな? ……確かに、今撃っているビームは腕輪によるものだけど、本当の能力は別にあるよ!」

 

サヨ「まさか……ッ!!」

 

このみ「それを今見せてあげる! ……“フリージング”!!」

 

このみちゃんがそう言った瞬間、ビームが氷のエネルギー波に変化してサヨの召喚獣は氷漬けになった。

 

このみ「これが私の腕輪の力だよ、サヨちゃん。それに最大消費点数で撃ったから、しばらくは動けないよ」

 

ライフルモードから、ソードモードに変化した。最大効果である以上、もう逃げ場がない。

 

サヨ「くう……ッ!!」

 

このみ「これで……、おしまいッ!!」

 

このみちゃんの召喚獣がサヨの召喚獣を斬り捨てて、勝負がついた。

 

 

 

 

 

 

Fクラス

 

池端 早代:0点

 

 

Aクラス

 

春風 このみ:162点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・春風このみ!!』

 

サヨ「あー、負けちゃった……。もうちょっとだったのにね……」

 

このみ「そんなことないよ、サヨちゃん。今回は運が良かっただけだから。どっちが勝ってもおかしくなかったよ」

 

サヨ「うん。……ねぇ、このみちゃん」

 

このみ「何? サヨちゃん……」

 

サヨ「どうしても気になるから聞いてみるけど……。省太くんのこと、今でも好き……?」

 

ずっと気になっていたこと。小学生の頃はこのみちゃんが、省太くんの一番だったから。今はサヨに気持ちは向けられているけど……、自信がないから……。

 

このみ「うん、好きだよ。でも安心して? それは友達としての好きだから。あの頃の初恋は……、終わっているの」

 

サヨ「このみちゃん……」

 

このみ「省太くんも気持ちは固まっていると思う。だからサヨちゃん、自信を持って! 私、省太くんとサヨちゃんのこと応援してるから!」

 

サヨ「……ありがと、このみちゃん! 次戦うときは、負けないよ!!」

 

このみ「私もッ!!」

 

手を取り合って健闘を讃え合う。勝負には負けたけど、とても清々しい気持ちでいっぱいになった。

 

 

サヨside out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

省太「このみちゃんが相手だったのか。厳しいとはいえ、勝ちたかったところだな……」

 

明久「省太、とても複雑そうな顔してたね。こうなることが予想できたから?」

 

省太「ああ……。俺としては同じFクラスのサヨを応援するところだが、このみちゃんもいるんじゃあな……」

 

雄二「だが、勝負は勝負だ。仕方ねぇだろうさ」

 

明久「そうだね。……次は誰が行くの?」

 

渚「なら、出番かな」

 

そう言って渚が名乗りをあげる。

 

省太「渚、本気で行けよ?」

 

渚「お遊びができる相手じゃないことはわかってるさ。大丈夫だよ」

 

明久「油断は禁物だからね?」

 

渚「りょーかいッ! 行ってくる!」

 

そう言って渚はフィールドへと向かって行った。入れ違いでサヨちゃんが戻って来るが、涙目になっている。

 

サヨ「ごめんね省太くん、みんな。負けちゃった……(ひっく)」

 

省太「おいおい、泣くなよサヨ。全力を出し切ったいい試合だったぞ」

 

サヨ「……本当(ひっく)?」

 

省太「ああ、本当だ」

 

サヨ「省太くん……。ありがと……」

 

泣きそうになるサヨちゃんを、省太が慰める。なんだか暖かくなる光景だ。

 

サヨ「省太くん、あのね……」

 

省太「この戦争が終わってからな、サヨ? それにみんなが見てる」

 

『『『…………』』』

 

サヨ「わっ!? ……う、うん。わかったよ省太くん」

 

サヨちゃんも落ち着いたところでフィールドに視線を移す。渚と対峙しているのは……。

 

明久「省太。渚と戦うのは……、佐々木さんなんだね?」

 

省太「奈子だって? これはもうわからねぇな……」

 

雄二「勝てると思うか?」

 

省太「どうだかな……。俺たちにできることは、渚を信じてやることぐらいだ」

 

高橋「第6戦を始めます。出場者は前へ!」

 

僕たちは改めて、フィールドに視線を移す。省太の言葉通り、ここは渚を信じるしかないだろう。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

渚side

 

 

渚「君が佐々木奈子さんかぁ……。省太の友達って聞いているけど、手加減できそうにないよ」

 

奈子「気遣いありがとね。でもその必要はないから安心して、上運天渚くん!」

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

奈子「地理でお願いします!」

 

佐々木さんが地理を選択する。理系を選ばれたらどうしようかヒヤヒヤしたけど、何とか行けそうだ。

 

高橋「第6戦は地理です。用意……、始めッ!!」

 

渚・奈『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

 

地理

 

Fクラス

 

上運天 渚:523点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:548点

 

 

 

 

渚「500点を超えられたけど、ぼくよりも点数が高い……。上には上がいるね……」

 

奈子「でも、操作技術は君の方が上って聞いたよ。だから、勝負は最後までわからない」

 

渚「……かもね」

 

佐々木さんの召喚獣は巫女服を身に纏い、方天画戟を装備していた。対するぼくはこれまで通り。リーチはあっちが上で、こっちは手数……ってところか。

 

渚「始めるよ……!!」

 

奈子「かかって来なさい……!!」

 

“シュッ!!”

 

“キインッ!!”

 

ぼくのブレードトンファーと、佐々木さんの方天画戟がぶつかり、鍔迫り合いが起こる。

 

渚「てやぁッ!!」

 

奈子「たぁッ!!」

 

それからは、互いに武器の打ち合いになった。ぼくが攻めようとするところに合わせて、佐々木さんが受け流す。フェイントをかけたり、死角に回り込んで撃ち込もうとしても、それを見切っているかの様に全て合わせて来た。

 

渚「(この動き。佐々木さん、ひょっとして……)」

 

奈子「……?」

 

“シュタッ!”

 

渚「ねぇ! 佐々木さんって何か格闘技でもしてるのかな?」

 

奈子「ええ、合気道を習っているわ。それがどうかしたの?」

 

渚「召喚獣の操作ってすごく難しくてさ。今まで戦って来た相手って動きが単調になる傾向があったんだ。でも君は初めて試召戦争を経験するハズなのに、繊細な動きができてる。こんな風に動かせる生徒は、とても貴重だよ」

 

奈子「………」

 

渚「ちなみにぼくは空手を習ってる。だから、一つ提案させて欲しい」

 

“バッ!!”

 

奈子「な、何をしているの……!?」

 

渚「君と格闘技勝負がしたい。受けてくれるね?」

 

ブレードトンファーを投げ捨てて構えを取るぼくに、観客は騒然となった。

 

渚「信じられないなら、この場で終わらせても構わない。でも、これだけは言わせてくれ。ぼくは……、本気だ」

 

奈子「……まったく、君ってよくわからないね。自分から丸腰になるなんて、正気とは思えないよ」

 

渚「やっぱそうか……」

 

奈子「でもその潔さ、私は好きだよ。……君の挑戦、受けてあげる!」

 

そう言うと、佐々木さんも方天画戟を手放す。おそらく滅多に見られないであろう、召喚獣による異種格闘技戦が繰り広げられることになった。

 

ぼくは正拳、裏拳突き、蹴り技と多彩に攻めて行き、それを佐々木さんが全て受け流して行く。

 

渚「これじゃ、ジリ貧だね。一気に決めるよ!」

 

奈子「無駄だよ、それはもう見切っているの!」

 

ぼくの動きから、捌きの体勢を取る佐々木さん。

 

渚「いや、本命はここだよ! “腕輪発動”ッ!!」

 

奈子「くっ、間に合わない……!?」

 

渚「せいやぁぁぁぁぁッ!!!」

 

“ドォォォォォン!!”

 

強烈な正拳突きを叩き込まれ、佐々木さんの召喚獣が吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:263点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:178点

 

 

 

 

奈子「はぁ……、はぁ……」

 

渚「終わらせるつもりでやったんだけど……、ギリギリで直撃を避けるなんてすごいや」

 

奈子「今の攻撃……、腕輪の力を使ったのね」

 

渚「その通りだよ」

 

ぼくの腕輪の能力は、“スマッシュ・ヒット”。与ダメージを一度の発動で最大3倍まで上昇させ、相手の攻撃やガードを一方的に破る効果も持つ。ちなみに佐々木さんに撃った一撃は、2倍に引き上げたものだ。

 

渚「次で……、仕留めるよッ!」

 

奈子「……ッ!!」

 

渚「これで終わりッ!!」

 

腕輪を最大効果で発動させ、構えを緩めた佐々木さんを捉えて一撃を放った……、はずだった。

 

奈子「……“腕輪発動”」

 

“ガシッ!!”

 

渚「……なッ!?」

 

一撃を放とうとしたぼくの腕を、佐々木さんが捕まえた。

 

奈子「形成逆転ね。私に捕まった以上、君の負けだよ」

 

渚「万事休すか……ッ!」

 

奈子「てぇぇぇいッ!!」

 

 

 

“ズダァァァンッ!!”

 

 

 

 

 

Fクラス

 

上運天 渚:0点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:78点

 

 

高橋『それまで! 勝者、Aクラス・佐々木奈子!!』

 

佐々木さんに投げ飛ばされて、高橋先生が試合終了を告げた。それにしても………。

 

渚「痛い……。3割程度なのはわかってるけど、……すごく痛い……」

 

奈子「ご、ごめんね上運天くん。つい本気でやっちゃって……、大丈夫……?」

 

渚「だ、大丈夫だよ、これはぼくが望んだことだし。それに佐々木さんは勝つ為に本気出したんでしょ? だったら勝ったことを素直に喜んでいいと思うよ」

 

正直本当は痛いんだけど、佐々木さんが悲しまない様にこう答える。

 

奈子「ありがとう……。上運天くんって能天気だと思ってたけど、優しいね」

 

渚「能天気なのは否定しないけど、そう言ってくれて嬉しいよ。それから、ぼくのこと名前で呼んで欲しいな。省太の友達だもん、君ともきっと仲良くなれると思うんだ。よろしく、奈子ちゃん」

 

奈子「もう、本当いきなりだね。でも……、私の方こそよろしくね、……渚くん」

 

観客の歓声が鳴り響く。勝負には勝てなかったけど、この瞬間新しい友達ができました。

 

 

渚side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

明久「渚お疲れ。……派手に投げられてたね」

 

省太「ああ、キレイに決まってたな……」

 

渚「う、うん……。奈子ちゃんの手前、強がってみたけど、シャレにならないくらい痛いよ……」

 

省太「渚。奈子のこと名前で呼んでるけど、何かあったのか?」

 

渚「んー、勝負の後に仲良くなった……。こんな感じだよ(ニコッ)」

 

省太「そっか。よかったな」

 

負けたことに変わりはないが渚が嬉しそうだったので、それはそれでよかったと思う。

 

雄二「だが、これで2勝4敗。後がなくなったな……」

 

明久「雄二、緊張してる?」

 

雄二「まさか。寧ろ燃えて来たくらいだぜ、この劣勢を覆そうと思うとな」

 

省太「気が合うな。俺も同じこと考えてるぞ……」

 

明久「みんなに見せてあげよう、ここから僕たちが巻き返すところを……!!」

 

そう、本当にもう後がない。だがこの状況を楽しんでいる。引き分けすら許されない中、俺たちは闘志を激しく燃やすのだった。

 

 

to be continued……




一騎討ち中盤戦が終了しました。

後半戦、明久たちはこの土壇場でどう立ち向かうのか。
それから、渚と奈子をくっつけてみました。この2人はこれから絆を紡いでいくことでしょう。

では、また次回にお会いしましょう!


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第9話 複雑な想い 〜対Aクラス戦・後編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

そそそそ様、鹿乃祐樹様、お気に入り登録ありがとうございます!

一騎討ちも終盤になりました。
今回は省太とリオの回となります。
是非見てください。

第9話です、どうぞ!


明久side

 

 

リオ『省太! アンタの相手は私よ、出て来なさい!!』

 

第7戦は僕か省太のどっちが出るか考えていた矢先、既にフィールドに立っている金子さんが省太を指名して来た。しかも、どこか怒りが混じっているかの様に呼んでいる。

 

明久「……省太。金子さんと何かあったの?」

 

省太「リオとは何故か相性が悪くてな。小学生の頃からずっとあんな感じなんだ。一応俺に非があることはわかってるけど……、思い当たることが多すぎて……よ」

 

明久「そ、そうなんだ……」

 

省太「それに宣戦布告のときも、このみちゃんたちと違って反応がおかしかったからさ……。それを確かめる為にも、俺が行かなきゃいけないだろうな」

 

金子さんと過去にあったことは知らないけど、ここは省太に任せた方がいいだろう。

 

明久「……省太、行っておいで。金子さんが態々指名してくるということは、省太が行かなきゃ解決できないことなんだと思う」

 

省太「明久……」

 

明久「いいよね、雄二!」

 

雄二「……わかった、このことは省太に任せよう。互いに想いをぶつけ合って来い。……その上で勝て。いいな?」

 

省太「ありがとよ明久、雄二。俺、行ってくる……!!」

 

明・雄「「ご武運を」」

 

省太「(グッ)」

 

サムズアップをしてフィールドへ向かう省太を、僕たちは見送った。

 

高橋「これより第7戦を行います。科目は何にしますか?」

 

省太「情報でお願いします」

 

高橋「金子さんもよろしいですね?」

 

リオ「……大丈夫です」

 

高橋「第7戦は情報です。用意……、始めッ!!」

 

省・リ『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

情報

 

Fクラス

 

反田 省太:614点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:579点

 

 

絶対に負けられない一戦が今、始まる。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

最高点には及ばないけど、これでも充分戦えるな。リオも550点を超えている……。得意科目じゃないのに、ここまで点数を伸ばしたのは流石だと思う。

 

省太「すげぇよ、リオは。俺と戦う為に情報を勉強していたんだな?」

 

リオ「……だったら何? そう余裕でいられるのも今のうちよ……!」

 

省太「相変わらず厳しいぜ、リオ。けど、その方がお前らしいよ」

 

リオ「アンタもそういうところ、変わらないわね」

 

リオの召喚獣は黒を基調に、桃色のラインが入ったアーマーを全身に纏って十字戟を装備した、Aクラスに相応しい出で立ちだ。俺の召喚獣も大剣を携える。

 

リオ「省太。アンタには絶対に……、負けないから!!」

 

省太「それは俺も同じだ。勝って明久に繋げる……!!」

 

両者動かず、睨み合う。

 

 

 

 

省太「行くぜ、リオッ!!」

 

リオ「来なさい、省太ッ!!」

 

“バッ!!”

 

“キインッ! キインッ!”

 

“ガギィッ!!”

 

“ジリジリ……!!”

 

互いの武器がぶつかる。鍔迫り合いはこれまでの戦いよりも長く続いた。

 

省太「このままじゃダメか……」

 

“キインッ!!”

 

“バッ!!”

 

リオ「……ねぇ、省太」

 

省太「なんだよ、リオ?」

 

リオ「なんで私がアンタに怒っているか、わかる?」

 

省太「そ、そりゃ確かにガキの頃は怒られても仕方ないことして来たけど、今は理由が見当つかないんだよ」

 

まぁ、小学生時代のことは言い逃れできないが、文月学園に入学してから、リオに何かやったのか俺?

 

リオ「そう……、わからないのね。ずっと近くにいるのに……。違うわね、近くにいるから気付いていないのかしら……」

 

省太「近くに……? 何のことだ?」

 

リオ「わからないのなら、教えてあげる……!!」

 

直後にリオの腕輪が光る。同時に、

 

“ガシュッ、ガシュッ、ガシュッ……”

 

召喚獣のアーマーが分離し始めた。

 

リオ「“キャスト・オフ”!!」

 

 

“Cast Off”

 

 

 

電子音が流れてアーマーがパージされ、飛んで来たパーツを全て弾き落とすとさっきまでとは違い、召喚獣が軽装になった姿を見せる。

 

“Change Assault”

 

省太「それがリオの腕輪の力か」

 

リオ「半分正解で、半分間違いね。アーマーパージはついでであって、この状態からが本番よ」

 

省太「ってことはつまり……」

 

リオ「省太の考えてることはわかるわ。行くわよ!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、キン!!”

 

“キン、キン、キン!!”

 

省太「は、速い……ッ!」

 

リオ「どうしたの、省太! 防ぐだけで精一杯!?」

 

省太「アーマーを外したことでスピードが上がっているのか……!」

 

リオ「上がったのはスピードだけじゃないわ!」

 

省太「何ッ!?」

 

リオ「そこッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

省太「くッ……!」

 

 

 

 

Fクラス

 

反田 省太:298点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:486点

 

 

高得点に加えて、キャスト・オフで強化された重い一撃を喰らい、300点以下にまで減らされた。しかもフィードバック付きなので、俺にも3割のダメージが入る。

 

省太「やるな、リオ……。容赦ないな……」

 

リオ「省太……!」

 

省太「心配する必要はないぜ。これは戦争だし、この痛みは俺が望んだことだからな……」

 

リオ「……そうよね、それくらいは当然よね。サヨに比べたら、アンタの痛みなんて軽いモノなんだから……!」

 

省太「ふっ、厳しいぜ……。……ちょっと待て、なんでサヨが出てくる!?」

 

リオ「私が知らないとでも思ったの? サヨからは相談されてて、知ってるんだからね!」

 

省太「そ、そうだったのか……」

 

俺はサヨに直接想いを伝えてない。だからリオはこんなに……。

 

リオ「アンタって、小学生の頃からそうよね。その気がないクセに、女の子に思わせぶりな態度取って勘違いさせる……。あの日から何も変わってない……」

 

省太「………」

 

リオ「そうやって誰にでも気に入られたいの!? 気持ちを弄んで楽しいの!?」

 

省太「リオ……」

 

リオ「待たされるサヨの気持ちを考えたことあるわけ!? ほんっと最低よ、アンタ……!!」

 

省太「それは違う……!」

 

リオ「だったら、サヨに気持ち伝えてハッキリさせなさいよ! そんな曖昧な態度だから……、私だって安心できないじゃない……!」

 

そう言うリオの目からは、涙が流れていた。俺は思い出す。小学生の頃、リオからの告白を断った日のことを。

 

 

 

 

 

〜回想〜

 

 

省太「ゴメン……、リオのことは好きだ。けど、恋人としてお前を見ることはできない……」

 

リオ「………」

 

省太「サヨが俺の一番になりたいって、言ったことは知ってるよな? その気持ちに応えたいんだ……」

 

リオ「……そう」

 

省太「で、でもこれでも嬉しいんだぜ? リオが俺のこと好きだって言ってくれたことが……さ」

 

リオ「……いいわ、アンタの意志が固いことはわかった。私はちゃんと気持ちを伝えたから、後悔はしてないわよ」

 

省太「リオ……」

 

リオ「ただし、もしもサヨを泣かせたりしたら……、私が許さないんだから!」

 

省太「ああ、そん時ゃ本気のグーパンチで頼む」

 

リオ「ええ……」

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

 

 

そうだった。リオとそう言う約束してたんだったな、俺。散々今日まで待たせてたんだ、殴られても文句は言えないな……。

 

省太「……リオ」

 

リオ「……何よ」

 

省太「この戦争終わらせたら、サヨにちゃんと想いを伝える。もちろん、リオも含めてみんなの前で」

 

リオ「省太……」

 

省太「大丈夫だ、男に二言はねぇ」

 

もうとっくに答えは出てるんだ。隠す必要なんてない。

 

リオ「わかったわ省太。アンタのその言葉……、信じるから」

 

省太「でもこの勝負は別だ。俺は負ける訳にはいかない」

 

リオ「私だって、勝つつもりで行くわ!」

 

俺たちは再び武器を構える。

 

“バッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

省太「はあッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

リオ「きゃっ!」

 

 

 

 

Fクラス

 

反田 省太:298点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:326点

 

 

俺が大剣を振るって、リオの召喚獣にダメージを与える。直撃は避けたようだが、点数は330点以下まで削れた。

 

省太「リオの“キャスト・オフ”って防御力が落ちるんだな」

 

リオ「アンタに腕輪使われる前に決めようと思ってたからね」

 

省太「お互い次の一撃で終わるか……」

 

リオ「そうね、決めましょう……」

 

リオが十字戟にエネルギーを込める。俺は大剣をランチャーモードに変形させて構えた。

 

リオ「知ってるわ省太、アンタの腕輪の能力は。撃たれる前に落とすわよ……!」

 

省太「……」

 

リオ「これで終わりよ!!」

 

“シュバッ!!”

 

そうして特攻を仕掛ける。

 

省太「……リオ、お前は勘違いをしているぞ」

 

リオ「え……ッ?!」

 

省太「俺の腕輪の能力はリオの予想通りだ。……けど、俺は射撃しかできないなんて、一言も言ってないぜ?」

 

リオ「ま、まさか……!」

 

巨大なビーム刃を形成し、再びソードモードに切り替える。

 

省太「来い、リオ! 一振りで決着をつけよう!!」

 

リオ「ええ! 私が勝つ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

互いに斬り合って、交差する。最後に立っていたのは……。

 

 

 

 

 

Fクラス

 

反田 省太:3点

 

 

Aクラス

 

金子 理央:0点

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・反田省太!!」

 

俺だった。高橋先生が勝者宣言を告げ、勝ったことを実感する。

 

省太「あー、やっぱフィードバックはキツイわー……」

 

もちろん、リオの強烈な一撃をもらったので、痛みと引き換えだ。

 

リオ「省太……、大丈夫?」

 

省太「心配するな。大丈夫だ」

 

リオ「一騎討ちの最中、私、つい熱くなっちゃって……。散々言ってゴメンね……」

 

省太「気にすんなって。寧ろ俺が忘れていたことを気付かせてくれてたんだ、感謝してるぜ」

 

リオ「さっきのことだけど……。しっかりやりなさいよ」

 

省太「ああ。わかってるさ、リオ」

 

互いに言葉を交わし合うと、歓声が鳴り響く。サヨに自分の想いを届けて安心させないとな……そう思った。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

明久side

 

 

明久「おかえり、省太。金子さんとはちゃんと話し合えた?」

 

省太「おかげさまでな。俺の私情に付き合わせてしまってすまなかった……。けど、もう大丈夫だ」

 

雄二「危なげだったが、何とか勝つことができた。上出来だったぜ、省太」

 

省太「サンキュ、雄二」

 

高橋「続きまして、第8戦を開始します。出場者は前へ!」

 

高橋先生がそう告げると共に、神谷さんがフィールドへ入って行く。

 

省太「やっぱり真夏が相手になるのか……。真夏は遥祐と並んで、霧島さんと首席の座を争った猛者だ。気を付けろよ、明久」

 

明久「わかってるよ、省太」

 

省太「じゃあ、明久……」

 

“コンッ”

 

明・省「「ご武運を」」

 

グータッチを交わして、フィールドへ向かった。

 

 

 

 

 

明久「やあ神谷さん、君が僕の相手なんだね? よろしく」

 

真夏「ウチも君と戦えるなんて、光栄や。よろしゅうな♪」

 

高橋「科目は何にしますか?」

 

真夏「総合科目でお願いします!」

 

高橋「吉井くんも、それでよろしいですね?」

 

明久「はい、問題ありません」

 

高橋「第8戦は総合科目です。用意……、始めッ!!」

 

明・真『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:6857点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:6398点

 

 

真夏「代表並みの点数……。ウチよりも点数が高いのは、男子じゃ君が2人目や」

 

明久「褒めてくれてありがとう。省太から聞かされていたけど、君も相当すごいじゃない?」

 

真夏「いや、この程度では満足せぇへん。ウチが目指すんは、常にてっぺんや!!」

 

明久「い、意識が高いね……」

 

真夏「せやからまず最初に君を倒すで、吉井くん!!」

 

明久「僕もみんなの期待を背負ってるんだ。負ける訳にはいかないよ!!」

 

最終戦に繋がるかもしれない一戦。必ず勝ってみせる!!

 

 

to be continued……




本当は第8戦まで書く予定でしたが、色々考えた結果、第7戦に丸々使うことに決めて書きました。

いかがだったでしょうか?
次で一騎討ちが完結する予定です。

では、また次回にお会いしましょう!


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第10話 新たな好敵手(とも)と大金星 〜対Aクラス戦・決着編〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

大変お待たせいたしました、申し訳ありません。
タイトルの通り、Aクラス戦に決着が着きます。
明久たちは勝つことができるのか。是非見てください。

第10話です、どうぞ!


省太side

 

 

『『『な……。何だぁ、ありゃあ!!??』』』

 

『『『神谷さんも凄いけど、吉井のアレって……』』』

 

『『『首席並みの点数……?!!』』』

 

『『『し、信じられない……』』』

 

表示された点数を見た(一部を除く)生徒たちが、次々と驚きの声をあげる。

 

省太「フン、当たり前だ。俺たちは西村先生に、直々にしごかれていたからな……」

 

雄二「なぁ省太、渚。お前たちと明久は、いつから鉄人の指導を受けていたんだ?」

 

渚「観察処分者に任命されると同時に……かな? いやーアレはキツかったよね、省太?」

 

省太「ああ。教師陣の了解の下とはいえ、容赦なかったからな……。最初の内は死ぬかと思ったぞ」

 

渚「本当にそうだよねー☆ でもずっとやってたら、慣れるっていうか……。そのおかげで全科目の成績が、今まで以上に上がったよね♪」

 

省太「(コクッ) 中でも明久は、俺たちの更に上を行っているぜ……」

 

雄二「お、お前たちすげぇな……」

 

雄二が若干引き気味になりながら、感心している。

 

省太「とは言っても、真夏も天才肌の上に負けず嫌いだ。どっちが勝つかは神のみぞ……だろうな」

 

雄二「なら、俺たちは明久の勝利を信じてやるか」

 

対峙する明久と真夏を眺めながら、俺たちはこの戦いを見守ることにした。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

明久side

 

 

改めて僕は、神谷さんの召喚獣を確認する。

真紅の戦闘服に身を包み、主武装にツインブレードともう一つ、キャノン砲を装備した支援メカを従えている。

木刀を装備している僕の召喚獣とは、対照的だ。

 

真夏「吉井くんの召喚獣って、点数と装備が反比例しとるなぁ。調整、間に合わなかったん?」

 

明久「そうなんだ。振り分け試験で途中退出したからね。調整の前に試召戦争が先になった……ってとこかな」

 

真夏「そうなんや。その装備でよう今までやってこれたなぁ? 尊敬するわぁ」

 

神谷さんの質問にこう答える。途中退出しなかったらまた違っていただろうが、後悔はしてない。

 

明久「ありがとう」

 

真夏「ひとつ聞かせてぇな、吉井くん。みんな噂しとったけど、なんで途中退出したん? それだけの点数やったら次席、もしかしたら代表にだってなれたのに……」

 

明久「本当はAクラスに行くつもりだったよ。……でも、姫路さんが隣で苦しそうにしてたからね……、放って置けなかったんだ」

 

真夏「……省太から君の話聞いとったけど、やっぱ省太に似とるな、吉井くん!」

 

明久「ぼ、僕が省太と?」

 

真夏「せや。お人好しなとこと、誰かの為に一生懸命になれるところがな」

 

そう言われて少し驚いた。僕はそんなに省太に似てるのかな?

 

真夏「そんな省太にウチはもちろん、このみちゃんも、サヨちゃんも、リオちゃんも、奈子ちゃんも、みーんな助けられてんで」

 

明久「そ、そうだったんだ……」

 

真夏「文月学園で初めてできた男友達が君だって言うとった。省太のダチになってくれて、ホンマおおきにな。これからも仲良うしたってな」

 

明久「う、うん。これから先もずっと、省太は親友だよ」

 

神谷さんに感謝された。そう言われるととても嬉しくなるな。

 

真夏「せやけど、この勝負は別や。確かに君はウチよりも強いかもしれんけど、次席として引くわけにはいかへん!!」

 

明久「なら僕も全力でやらせてもらうよッ!!」

 

 

 

“バッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

“キン、キン、キンッ!!”

 

“ガギィッ!!”

 

 

お互いの武器が火花を散らす。神谷さんがツインブレードを連結状態と二刀流状態を交互に切り替えて攻めて行く。

僕はその攻撃を全て弾いた。……が、だからこそ失念していたんだと思う。

 

真夏「攻めるのはウチだけやないで! ……フレアッ!!」

 

“ドウッ、ドウッ!!”

 

明久「しまったッ!?」

 

“ドォンッ!!”

 

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:6476点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:6398点

 

 

砲撃を喰らって、400点近く削られた。

 

明久「やるね、神谷さん。支援メカの攻撃も織り交ぜるなんて、大したものだよ」

 

真夏「おおきに♪ せやけど、まだまだこんなもんやない! 今からウチのとっとき、見したるで!!」

 

 

 

 

“キィィッ……”

 

“ガシャガシャガシャッ……”

 

明久「……!!」

 

真夏「“武装”!!」

 

“ガシュ、ガギッ、ガシャンッ!!”

 

真夏「装着完了ッ!!」

 

神谷さんが腕輪を発動させると、支援メカがパーツ状に分離して、神谷さんの召喚獣の全身を覆った。さっきの金子さんとは正反対の姿だ。

 

明久「神谷さんのソレって、強化アーマーだったんだね」

 

真夏「せや、普段はさっきみたいに連携して使うのが基本やからな。ほんで、これがウチの腕輪の能力や!」

 

明久「一筋縄ではいかなそうだね……」

 

真夏「ほな、行くでー!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、ガギンッ!!”

 

 

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:3145点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:3712点

 

 

再び斬り合う僕たち。重武装だけど見た目以上に機動力はあるし、運動性自体はアーマー装着前よりも低いけど、それ以外の能力は全て上がっている。点数の減りも僕の方が激しいから、長期戦は僕が不利だな……。

 

 

“ピタッ”

 

明久「………」

 

真夏「どないしたん、吉井くん? 打つ手なしって感じ?」

 

明久「そうじゃないよ。この場を切り抜ける方法を考えていたところさ」

 

動きを止めた僕に神谷さんがそう尋ねた。さりげなく溜めの動作をしたが、どうやら気付かれてはいないようだ。

 

真夏「せやけどこれも戦争や。決めさせてもらうで!!」

 

神谷さんが強襲を仕掛ける。使うとしたら……、ここだね。

 

明久「行くよ、“腕輪発動”!!」

 

真夏「どしたん? なんも起こらんよ?」

 

明久「ちゃんと発動させてるよ。神谷さん、自分の状態を確認してみて?」

 

真夏「あ、武装解除されとる。もう一度や、“武装”!」

 

シン……

 

真夏「なんや? 腕輪が発動できひん……!!」

 

明久「これが僕の腕輪の能力、“キャンセラー”だよ。発動させている間は腕輪を使うことはできない。こうなったら、僕が有利かな?」

 

神谷さんにそう告げる。しばらくは静かになっていたけど……。

 

真夏「へぇ……、おもろいやん。ウチはタダで負ける気はないで!」

 

明久「言うと思ったよ。それは僕も同じ……!!」

 

ここからは純粋な実力勝負だった。僕も神谷さんも激しい攻めの応酬を繰り広げて行く。気付けば互いの点数も残りわずかになっていた。

 

 

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:21点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:34点

 

 

明久「次の一撃で……(ハァ、ハァ)、決まりだね……」

 

真夏「(ハァ)せやな……。吉井……くん」

 

明久「……行くよ」

 

“シュッ!!”

 

真夏「そんなわかりやすい攻撃ッ!!」

 

僕が特攻すると神谷さんがガードの構えを取る。

 

明久「いや、これでいいんだ……!」

 

“ガギンッ!!”

 

真夏「な……ッ!!」

 

明久「決めるよッ!!」

 

“ズドォッ!!”

 

ツインブレードを弾き飛ばして、丸腰になった神谷さんの召喚獣を木刀で貫く。

 

 

 

 

 

総合科目

 

Fクラス

 

吉井 明久:8点

 

 

Aクラス

 

神谷 真夏:0点

 

 

 

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・吉井明久!!」

 

試合終了を告げる高橋先生も、自然と熱が入る。何せAクラスにFクラスがここまで渡り合えているのだ。そうなるのも当然だろう。

 

真夏「ウチの負けかぁ。いけると思ったんやけどなぁ……」

 

明久「そんなことない、神谷さんも強かったよ。腕輪を使わせずに攻め続けていたら、僕が負けていただろうからね」

 

真夏「せやな……。……なぁ吉井くん。ウチと友達んなってーな」

 

神谷さんが笑顔でそう尋ねる。

 

真夏「負けはしたけど、気持ちいい負け方やったからな。君とは仲良うなれそうやし!」

 

明久「うん、僕でいいなら」

 

真夏「よっしゃ! 今日から君はウチのダチで……、ライバルや!! よろしゅうな、明久!」

 

明久「か、神谷さん?」

 

真夏「あ、ウチのことは名前で呼んでほしいわぁ。頼むで!」

 

明久「うん。こっちこそよろしくね、真夏ちゃん!」

 

真夏「それでええよ♪」

 

観客の歓声の中、真夏ちゃんと握手を交わす。ライバル認定されちゃったけど……、まぁいいか。こうして生まれる友情も悪くないかな♪

 

 

 

 

雄二「お疲れ明久。ちゃんと勝てたようで、よかったぜ」

 

フィールドから戻ると雄二が声を掛ける。みんなが勝利を喜んでくれていた。

 

明久「ありがとう雄二。正直危なかったけど、ちゃんと繋げることができたよ」

 

雄二「礼を言うぜ。お前たちの頑張りで俺にも火が点いた。ここで無様な姿は見せられないな」

 

高橋「一騎討ち最終戦を行います。出場者は前へ!」

 

高橋先生が最終戦のアナウンスをする。ついにここまで来た。

 

省太「みんなお前を信じてここまで来たんだ。どんな結果になっても、最後まで戦い抜くんだぞ!」

 

渚「そういえば君が戦うところ、初めて観るかも。代表に相応しい戦いを見せてね!」

 

明久「雄二、あとはお願いするよ!」

 

雄二「任せてくれ。代表に恥じない戦い、見せてやるからな(グッ)」

 

僕たちがエールを送ると、雄二はサムズアップを返してフィールドへ向かって行った。

 

翔子「……正直最終戦までもつれ込むなんて、思わなかった」

 

雄二「俺も驚いているぜ。“ノイン・マイスターズ”にここまで渡り合うなんて予想以上だったからな」

 

翔子「……私もAクラス代表としての意地がある。だから、相手が雄二でも負ける訳にはいかない……!」

 

雄二「それは俺も同じだ、翔子!」

 

高橋「最終戦の科目は何にしますか?」

 

雄二「日本史でお願いします!」

 

雄二は日本史を選択した。これに全てが委ねられる。

 

高橋「最終戦は日本史です。用意……、始めッ!!」

 

雄・翔『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

日本史

 

Fクラス

 

坂本 雄二:515点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:497点

 

 

泣いても笑っても、これが最後の一戦。頑張ってね、雄二!!

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

雄二side

 

 

『『『な、何ィィィィィッ!!??』』』

 

『『『首席の点数を上回ってるなんて……』』』

 

『『『一体どうなっているんだ……』』』

 

明久のときと同じ様に、周囲の生徒たちが驚きの声を上げる。当然だろう、最底辺クラスの代表の点数が、学年首席の点数を上回っているのだから。

 

雄二「久々に勉強したが、案外できるモンなんだな……」

 

翔子「……雄二、それは……」

 

雄二「翔子、ガキの頃はよく勉強を教えてたよな? なら、これくらいはできて当たり前だからな……」

 

俺の召喚獣の装備は、白い改造学ランに大型のガントレットと典型的なインファイターだ。翔子の召喚獣は、赤地の入った武者鎧に日本刀を装備している。

 

 

雄二「みんなが俺を信じて送り出してくれた。その想いに応える為にも、俺は勝つ!!」

 

翔子「……なら私も全力で……!!」

 

“シュッ!!”

 

“キン、キン、キィンッ!!”

 

俺から攻撃を仕掛ける。翔子もそれを日本刀で受け流していく。

 

翔子「……時間は掛けない。早めに決める……! “腕輪発動”!!」

 

“ボン、ボン、ボンッ!!”

 

翔子が腕輪を発動させると、本体も含めた7体の召喚獣に囲まれた。

 

雄二「くっ、それが翔子の腕輪の能力か」

 

翔子「……そう、私の能力は“ミラージュ”。分身を生み出すチカラ。本物を当ててみて……?」

 

雄二「また厄介な能力だな……! そこか!」

 

“ブンッ!!”

 

“スカッ……”

 

雄二「何ッ!?」

 

翔子「……残念」

 

“ズバッ!!”

 

雄二「チィッ!」

 

 

 

 

 

 

Fクラス

 

 

坂本 雄二:391点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:403点

 

 

俺の攻撃が空振りした隙を突いて、翔子が斬り掛かった。直撃は避けたが、中々に重い一撃を喰らう。

 

雄二「どうする……? どれが本物だ……?」

 

翔子「……雄二、攻めないの? なら、私から行く」

 

“ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ!”

 

そう言って翔子が攻める。相変わらず、分身に翻弄されてこっちの攻撃を当てることもできない。

 

 

 

 

 

日本史

 

Fクラス

 

 

坂本 雄二:264点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:403点

 

 

気付けば260点台まで減らされていた。依然として翔子が優勢だ。

 

雄二「あの分身さえなんとかできればなぁ……。……ちょっと待てよ。そういえば攻撃されるときは必ず一方向からだったよな? つまり分身には攻撃能力はないって訳だ。ならば……、“捨て身”」

 

もし分身にも攻撃能力があったら俺に勝ち目はない。だが違うのなら、まだ勝機はある。そう考えた俺は、腕輪を発動させた。

 

雄二「翔子、掛かって来い。次の一撃で勝負をつけようぜ……!」

 

翔子「……雄二!」

 

雄二「早めに決めるんじゃなかったのか? 俺は長期戦に持ち込んでいいんだぜ?」

 

翔子「……そこまで言うのなら、乗ってあげる……!!」

 

翔子が分身たちを従えて、攻めてくる。俺は目を閉じて集中力を高める。目で見分けられないなら、気の流れを感じ取るまでだ。俺は翔子が斬り掛かるギリギリまで引き付けた。

 

翔子「……これで終わり」

 

そう言って斬ろうとするまさにそのときだった。

 

雄二「……ここだぁッ!!」

 

“ドゴォォォォォッ!!!”

 

翔子が斬るよりも先に渾身の一撃を浴びせる。その反動で俺もダメージを受けたが、急所にクリーンヒットして翔子の召喚獣が吹き飛ばされた。

 

 

日本史

 

 

Fクラス

 

坂本 雄二:84点

 

 

Aクラス

 

霧島 翔子:0点

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・坂本雄二!!」

 

高橋先生が試合終了を告げる。この瞬間、Fクラスの勝利が確定したのだった。

 

 

to be continued……




はい、Aクラスとの一騎討ちはFクラスの勝利となりました。

前回の省太VSリオに比べると、少し、ダイジェストっぽくなっていましたね(汗)

次回はAクラスとの戦後対談です。
それでは、また次回にお会いしましょう!


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第11話 戦後対談と漢の告白

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

ニワカ様、Hiro0814様、お気に入り登録ありがとうございます!
UAも2000を超えました。本当に嬉しい限りです。これからも頑張りますので、お付き合いくださいませ。

今回は戦後対談の話となります。

第11話です、どうぞ!


雄二side

 

 

高橋「それまで! 勝者、Fクラス・坂本雄二!! 只今の勝負を持ちまして、Aクラス対Fクラスの一騎討ちは、Fクラスの勝利です!」

 

『『『『おおおおおおおおおッ!!!!』』』』

 

高橋先生がFクラスの勝利宣言をすると、生徒たちの歓声が上がる。

 

雄二「よし、何とか勝てたぜ」

 

翔子「……分身に惑わされず、確実に本体を攻撃できた。流石ね、雄二」

 

雄二「まぁ、ほとんどは勘だ。失敗したら負けていたからな……。今回はたまたまさ」

 

翔子「……それでも、久しぶりに本気の雄二を見れた。嬉しい」

 

雄二「礼には及ばねぇよ、翔子……」

 

こんな風に翔子と話せたのも、しばらくぶりだ。鳴り止まない拍手と歓声の中、今だけは時間が止まってほしい。俺はそんな風に考えていた。

 

 

雄二side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

小休憩を挟んで、戦後対談の時間になった。この場にいるのは、AクラスとFクラスの生徒全員と高橋先生、西村先生、そして学園長だ。

 

雄二「さて。まずは負けた方が勝った方の言うことを聞く、っていうものを決めていくか」

 

優子「そうね……。秀吉、演劇を続けるなら勉強も両立させなさい。これがアタシのお願いよ」

 

秀吉「あ、姉上。それは……」

 

優子「不安なら、明久くんに勉強を教えてもらいなさい。アンタはアタシの弟だもの、きっとできるわよ」

 

秀吉「う、うむ。心得たのじゃ」

 

秀吉がそう答えると、優子さんは嬉しそうな顔をした。厳しく見えるけど、やっぱり秀吉のことが大事なのだと伝わってくる。

 

康太「……愛子、俺に勉強を教えてくれ。明久たちに少しでも追いつきたい」

 

愛子「もちろんだよ、康太くん。その代わり、ボクに保健体育教えてね♪」

 

康太「……いいだろう」

 

康太は工藤さんといい感じになってる。これをきっかけに成長できるだろう。

姫路さんと佐藤さんは、特に願いはないみたいだ。

 

このみ「次は私ね。サヨちゃん、省太くんのことお願いね?」

 

サヨ「このみちゃん……」

 

このみ「(頑張ってね♪)」

 

サヨ「(うんッ!) (コクッ)」

 

よくわからないけど……、春風さんとサヨちゃんは、省太のことかな?

 

奈子「うーん。今度私と付き合ってほしいな、渚くん」

 

渚「ぼくでいいならお安い御用だよ、奈子ちゃん☆」

 

奈子「ありがとう(ニコッ)」

 

省太「……リオ。さっき言ったことだけど、しっかり見ててくれ」

 

リオ「頑張んなさいよ……!」

 

省太と渚もそれぞれのお願いが決まったみたいだ。省太のが少し気になるけど、勘潜り過ぎないようにしよう。

 

明久「僕か……。真夏ちゃん、今度また再戦しよう! 次はちゃんとした戦争で!」

 

真夏「OKや! 次はウチが勝つでー!(ニッ)」

 

僕は真夏ちゃんと再戦を誓った。真夏ちゃんが言うように良き友で、良きライバルになれると思う。

 

雄二「俺のお願いの前に、Fクラスの要望から言うぜ。Fクラスの要望は……(チラッ)」

 

明・省・渚・秀・康「「「「「(コクッ)」」」」」

 

雄二が霧島さんにお願いを言う前に、Fクラスの要望を伝えることにした。アイコンタクトを送って僕たちもそれに答える。両クラスの生徒が雄二に注目していた。

 

雄二「一つ目は、Fクラス設備の全面改修だ。……いいよな、学園長?」

 

学園長「そうさねぇ。調査も終了したことだし、約束通り設備を全面改修してやるよ」

 

明・省・渚「「「ありがとうございます、学園長」」」

 

須川「ちょっと待て、全面改修ってどういうことだよ! Aクラスと設備交換するんじゃなかったのか?!」

 

雄二「何を言ってるんだ、須川。俺は設備交換するなんて一言も言ってないぜ?」

 

FクラスJ「話が違う、こんなの認めないぞ!!」

 

FクラスB「そうだそうだ! 意地でも交換を希望する!!」

 

そうして(一部を除く)Fクラス男子たちが騒ぎ始めた。その様子は正直言って、見苦しいと思う。

 

省太「静かにしろッ!!」

 

「「「「(ビクッ)」」」」

 

省太が一喝すると、みんな黙ってしまった。

 

省太「Aクラスの生徒と先生方もいる前で騒ぎ立てるなよ、みっともない。終わったから言うけど、設備交換をしないことを提案したのは俺だぞ」

 

FクラスM「なんでだよ? せっかくボロ設備からオサラバできるチャンスだってのに!」

 

省太「ったくお前らは……。設備交換しない理由はちゃんとあるぜ、教えてやろうか?」

 

反論に対して、省太が少し呆れながらも答えていく。

 

省太「まず一つ目は、勝った後のことだ。仮に今回設備交換したとしよう。そうしたら、Aクラス以外のクラスに攻められるのは確実だ」

 

FクラスH「でも、お前たち“御三家”や坂本たちもいるから何とかなるんじゃないのか?」

 

省太「そこが問題なんだ。必ずしも、一クラスだけでくるとは限らない。同盟を組んで数で攻めることも考えられるし、手負いの状態を狙ってくることだってあると思う」

 

渚「いくらぼくたちが強いと言っても、どうにもならない局面は必ず出てくる。Aクラスの設備を得るのは、Fクラスにとってハイリスクハイリターンになる……ってことだよね、省太?」

 

省太「(コクッ)」

 

渚がすかさずフォローを入れる。納得していない生徒もいるけど、理解はしたようだ。

 

省太「そしてもう一つ。……これは俺の私情も入っているが、Aクラスにいる友達にFクラスの環境を押し付けたくないんだよ……」

 

こ・真・奈・リ「「「省太(くん)……」」」」」

 

省太「なぁ明久、雄二、秀吉、康太。お前たちは、優子さん、霧島さん、工藤さんがFクラスの設備の中にいたらどう思う?」

 

明久「そうだね。僕は優子さんがあんな環境にいたら、腹が立つかな」

 

雄二「俺もだ。翔子にあの設備は似合わない」

 

秀吉「わしもそう思う。姉上が努力して掴んだ設備を追い出されるのは、耐えられんのじゃ」

 

康太「……同じく(キリッ)」

 

省太の言うことがよくわかる。優子さんたちはAクラスに行く為に努力して、その末に勝ち取った設備だ。それをたった一度の敗北で失うなんて……。ルールとはいえ、納得できるハズがない。

 

省太「だから設備交換すると、AクラスもFクラスも悲惨な結末しかない。なら、現状を把握してもらった上で、全面改修した方が双方にとっていいと思ったんだ」

 

FクラスL「そうは言っても……」

 

渚「もうッ! ここまで言って、まだわからないの!? ならもっとわかりやすく言うね? 設備と引き換えに恋人つくるチャンスを永久にドブに捨てるか、設備交換なしで青春に希望を残すか。究極の二択だよ!! さぁ、どっちを選ぶ?」

 

「「「「設備交換はいたしませんッ!!!」」」」

 

渚「はい、よくできました♪」

 

渚の言葉に漸くみんな納得した。つくづくFクラスの男子たち(一部除く)はわかりやすいと思う。

 

省太「話を遮ってすまなかった。雄二、続けてくれ」

 

雄二「ありがとよ、省太。で、もう一つの要望だが、Aクラスと同盟を結びたい」

 

翔子「……同盟を?」

 

雄二「そうだ。今回の一騎討ちもだが、Fクラスが上位クラスと渡り合えたのは、Aクラス並みの戦力が揃っていたからだ」

 

雄二はそう言って僕、省太、渚、サヨちゃん、姫路さん、単教科に限ればAクラスレベルの秀吉、美波、康太に目をやる。

 

雄二「中でも明久、省太、渚、池端、姫路はFクラスの中核その物だ。この5人がいなければ、試召戦争は勝てなかった」

 

翔子「……確かに。吉井たちは生命線」

 

雄二「だから、召喚獣の操作を明久たちがAクラスに教える代わりに、Fクラスの学力向上に協力してほしい。どうだ、悪い話ではないと思うぞ」

 

翔子「……わかった。Aクラスは、Fクラスの要望を受け入れる」

 

こうして、戦後対談は決まったのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

省太side

 

 

戦後対談も纏まった。なら、みんな揃っているこのタイミングしかねぇッ!!

 

省太「サ……、サヨッ!!」

 

サヨ「どうしたの、省太くん?」

 

省太「君にどうしても伝えたいことがある。き、聞いて欲しい……! ここにいるみんなが証人だッ……!!」

 

こ・真・奈・リ「「「「省太(くん)……」」」」

 

AクラスとFクラスの生徒たちは、何事かと俺たちを見ている。このみちゃんたちも同じだ。

 

リオ「(コクッ)」

 

省太「(グッ)」

 

リオと合図を交わす。もう後には引けない。

 

省太「サヨ……。小学生の頃、俺の一番になりたいって言ってたな?」

 

サヨ「うん……」

 

省太「あのとき俺、『考えさせてくれ』って言っただろ? ……でもゴメン、サヨッ!!」

 

サヨ「省太くん……?」

 

省太「あのときの俺、決心できてなかったんだ。中途半端に応えてしまったらどうしようって。今までの関係が壊れると思うと怖くて……」

 

サヨ「……」

 

省太「そうして俺はサヨの優しさに甘えて、今日まで自分の気持ちを隠してた……! サヨの気持ちを考えてなかった……!」

 

サヨが俺を見つめる。ずっと隠していた想いが溢れ出る。

 

省太「今日伝えようと思ったのも、友達の後押しがあったからだ。俺はこんな風にしなきゃできない不器用な男だ。だからこの場で言う。言わせて欲しい」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「……俺、反田省太は、池端早代さんが大好きです。付き合ってくれますか?」

 

サヨ「……!」

 

省太「……どうだ、サヨ?」

 

サヨ「……(ひっく)」

 

省太「サヨ、大丈夫か!?」

 

サヨが泣いているのに気付いて、思わず動揺してしまう。

 

サヨ「省太くん……。ありがと……(ひっく)」

 

省太「……え?」

 

サヨ「サヨね……、待ってたの……。ずっと……ずっと……ずっと……(ひっく)」

 

そうか……。小学生の頃から数えて5年も待たせていたのか……。こんなにも一途に想ってくれているのに……。本当大馬鹿だよな、俺。

 

省太「ゴメンな、サヨ。ずっと待たせてしまって……」

 

サヨ「ううん、平気だよ。だって省太くんはちゃんと応えてくれたから……。省太くん、大好き!!」

 

“ギュッ”

 

省太「ああ、俺もだ。サヨ……」

 

まだ涙目だったが、サヨは嬉しそうに俺に抱きつく。そんな彼女を俺も抱き締める。

Aクラスの生徒と明久たちは、この瞬間を祝福してくれた。(明久たちを除く)Fクラス男子たちは嫉妬に狂って襲い掛かろうとしたが、渚が制圧していた。

 

渚「はいはい、みっともないマネはしない! 人の幸せを祝えないヤツに幸福は訪れないよ!!」

 

女子たちはこういうのが好きなのか、感動して涙する人さえいた。

 

このみ「よかったね、サヨちゃん!」

 

真夏「やっとくっついたかぁ。男らしいでぇ、省太!」

 

奈子「おめでとう、2人とも!」

 

リオ「ちゃんと大切にしなさいよね……!(ふっ)」

 

このみちゃんたちも、それぞれの祝福の言葉を送る。ずっと長い間待たせてた。でも今日この日、サヨと両想いになれました。これまでで一番幸せだ。

 

繋いだこの手は絶対に離さない。

俺とサヨは、ここからがスタートなんだ。

 

 

to be continued……




ついに、省太とサヨちゃんが結ばれました。

これも私がこの章で書きたかった内容なので、自然と熱が入っていました。
やっぱり純愛っていいよね。

本当はこっちで試召戦争編を終了とする予定でしたが、次回に持ち越そうと思います。

それでは、また次回にお会いしましょう!


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第12話 戦争の後のささやかな幸せ

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

遅くなって申し訳ありません。どうまとめるか四苦八苦してましたが、私ではこれが限界でした……(汗)

前回は省太とサヨちゃんへの祝福で終わったので、今回はその続きとなります。

第12話です、どうぞ!


明久side

 

 

省太がサヨちゃんに告白して、教室内は2人を祝福するムードに包まれていた。

 

渚「いつ告白するんだろうってヤキモキしてたけど、やっと決心できたんだね。よかったね、お2人さんッ☆」

 

明久「本当だね、その証拠に今までで一番の笑顔だもの。こっちまで気持ちが暖かくなれるよ」

 

本当におめでとう、省太、サヨちゃん。いつかは僕もこんな日が来るのかな?

 

雄二「あー、うん……。中々思い切った告白だったぞ省太。俺が翔子にお願いごとするタイミングを見計らったな?」

 

省太「バッ、こういうのを利用しないとできなかったんだ! ……悪いかよッ!」

 

雄二「いや、そんなことはないぜ? 寧ろ先越されて悔しいくらいだ」

 

省太「……えっ?」

 

この言葉に省太はもちろん、他の生徒たちもキョトンとしている。

 

雄二「……なぁ、翔子」

 

翔子「……何、雄二?」

 

雄二が声を掛けると、霧島さんが見つめる。

 

雄二「お願いごとだけどよ……。今日までずっと考えた。お前は優等生、俺は不良。そんな2人が釣り合う訳がないから俺が離れたら、お前は幸せになれると思ってた」

 

翔子「……雄二」

 

雄二「だがそれは間違いだった。翔子の為だと理由を付けて、逃げていたんだ……。本当は誰よりも好きだってわかっていたはずなのによ……。省太を見て思ったぜ、俺も見習わないとなって……」

 

翔子「……! それって……!」

 

涙を浮かべながらも、言葉を続ける雄二。そして……。

 

雄二「遠ざけていたことで、やっと自分の本心に気付いた。……翔子、俺と付き合ってくれッ!!」

 

翔子「……うん、雄二ッ……!」

 

“ギュッ”

 

雄二「翔子ッ!! ……ゴメンな、ずっと待たせて。もう寂しい思いさせないからな……ッ!!」

 

翔子「……うんッ! 私も雄二の側から離れない……ッ!!」

 

2人は涙を流しながら、お互い抱き合っていた。

 

須川「坂本ぉーッ! 反田のみならず、貴様までも死にたいようだなぁッ!!」

 

渚「まったく……。懲りないね、君たち……!!(ゴキゴキ)」

 

明久「O☆SHI☆O☆KIが足りないかな……?(バキバキッ)」

 

“シュッ!!”

 

FクラスW「な、何をする?! うわぁッ!!」

 

“バキッ!!”

 

FクラスG「や、やめろ! だぁぁぁッ!!」

 

“ゴスッ!!”

 

FクラスN「ゴメンなさい、許して! あぁぁぁッ!!」

 

“ボゴッ、ドタッ、バタンッ!!”

 

渚「この言葉、知ってる?」

 

明久「“人の恋路を邪魔するヤツは”……」

 

渚「“馬に蹴られて”……」

 

明・渚「「“三途の川”ってねッ!!」」

 

「「「「うわぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」」」」

 

“ドガァァァッ!!”

 

「「「「ちーん……」」」」

 

復活したFFF団が雄二たちに襲い掛かろうとしたが、僕と渚で眠らせた。え、やりすぎじゃないかって? 大丈夫、生きてるよ。

 

渚「この様子じゃ、彼女つくるなんて夢のまた夢かもねー(呆)」

 

明久「とりあえず、その歪んだ考えを直すのが先だよ……」

 

学園長「まったく、このジャリ共が……(呆)」

 

西村「そのエネルギーを学問にも、向けて欲しいが……」

 

この惨状を見て僕たちだけでなく、学園長も西村先生も同じことを考えたようだ。

 

学園長「さて。Fクラスの要望は、さっき提案したので問題ないさね?」

 

雄二「OKだ、学園長」

 

翔子「……私たちも同じです」

 

学園長「あとは西村先生と高橋先生に任せるとするさね。それから吉井、反田、上運天。アンタたちの召喚獣を再調整してやろう。付いて来な」

 

明・省・渚「「「はいッ!!」」」

 

 

 

 

〜学園長室〜

 

 

学園長「装備の変更に希望があれば、何でも言っておくれ。可能な限り考慮してあげるさね」

 

明久「そうですか。それなら〜……」

 

省太「俺はこれを〜……」

 

渚「じゃあ、ぼくは〜……」

 

僕たちはそれぞれ、装備の変更と追加を希望し、学園長に伝える。

 

学園長「ふむ。これでいいのかい? お前たちが望むなら、アップグレードも考慮したんだがねぇ……」

 

明久「いえ、今はこれだけでも充分ですよ。1学期はこれでやって行きたいと思います」

 

学園長「わかったさね。変更内容を召喚獣に反映させておく。期待しておくれ」

 

明・省・渚「「「ありがとうございました、失礼します!!」」」

 

こうして僕たちは、学園長室を後にした。

 

 

 

 

 

 

Fクラスの教室に戻ると、殆どの生徒が帰っていて、待っていたのは雄二たちだけだった。

 

サヨ「おかえり省太くん、明久くん、渚くん」

 

秀吉「もうみんな帰ったところじゃぞ」

 

康太「……鉄人が、Fクラスの担任になった」

 

明久「西村先生が?」

 

雄二「ああ。厳しいが、学力の向上には一番確実な手段だ。明久たちばかりに頼るのは、示しがつかないからな」

 

大半のFクラス男子たちは嫌がったらしいが、姫路さんの口添えで一応納得したらしい。

 

省太「まぁ、いいんじゃねぇか? Aクラスとも同盟結んでいるし、大丈夫だろ」

 

明久「そうだね、後のことはこれから考えようよ。とりあえず今日は帰ろう」

 

雄二は霧島さんと、康太も工藤さんと一緒に帰って行く。僕たちも校門を出ようとしたときだった。

 

「「「「省太(明久くん)ッ!!」」」」

 

呼ばれた方向を振り返ると、優子さんと春風さん、真夏ちゃん、佐々木さん、金子さんがいた。

 

明・省「「みんな(優子さん)……」」

 

真夏「遅かったなぁ。待ってたんやで、ウチら!」

 

省太「そうだったのか……。悪いな、待たせて」

 

真夏「ほな、一緒に帰るでー♪」

 

“グイッ”

 

リオ「真夏ちゃーん? 私たちはこっち!」

 

真夏「えー、なんでー? ウチは省太も一緒がえぇー!!」

 

このみ「今日くらいは……ね?」

 

奈子「2人きりにさせてあげようよ」

 

金子さんに引っ張られて不満そうな真夏ちゃんを、春風さんと佐々木さんが宥めている。

 

秀吉「わしじゃダメかの?」

 

渚「ぼくもぼくもー☆」

 

このみ「いいよ♪ じゃあ秀吉くん、渚くん。私たちと一緒に帰ろ?」

 

秀吉「丁度よい、姉上も明久と一緒に帰ったらどうかの? 話したいこともあるじゃろう?」

 

優子「秀吉ッ、アンタねぇ……!」

 

リオ「いいじゃない? 今日くらいは、弟くんの厚意に甘えても」

 

優子「リオまで……ッ!」

 

奈子「そういう訳だから、先に帰るわ。じゃあね省太、サヨ、優子、吉井くん」

 

秀吉「また明日、学校での」

 

みんな一斉に帰って行き、僕と優子さん、省太、サヨちゃんが残された。

 

 

省太「あー……。サヨと2人きりは久々だから俺、寄り道して行くよ。じゃあな明久、優子さん」

 

サヨ「またね、2人とも♪」

 

もうこの場にいるのは、僕と優子さんだけだ。

 

明久「ゆ、優子さん……」

 

優子「明久くん……」

 

明久「帰ろっか?」

 

優子「……うん」

 

しばらく歩いていた僕たちは、近くの公園に着いた。そして、ベンチに腰掛ける。

 

明久「ねぇ、優子さん。こう2人でいるのって、あの告白のとき以来だよね」

 

優子「ええ、そうね」

 

 

 

 

 

〜回想〜

 

 

明久「木下さん、あなたのことが好きです。最初は秀吉に似ているから勘違いしていましたが、一緒にいる時間が長くなるにつれて、この気持ちが本当だと気付きました。僕と付き合ってくれませんか?」

 

優子「……いいわ。でも、ひとつだけ条件があるの」

 

明久「条件?」

 

優子「そう。学年末の振り分け試験でAクラスに進級すること。アタシはもちろん、Aクラスに行くわ」

 

明久「わかった木下さん。僕、頑張ってAクラス目指すから!」

 

優子「あと、名前で呼んで欲しいわ……。秀吉も名前で呼んでるんだから……ね?」

 

明久「いいの? それじゃあよろしくね、優子さん♪」

 

優子「ええ。振り分け試験頑張りなさいよ、明久くん♪」

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

 

 

明久「仕方なかったとはいえ、Fクラスになったなぁ……」

 

優子「でも姫路さんを助ける為に、途中退出したんでしょう? そのことをアタシは責めたりなんかしないわ。それに、アタシの気持ちは……」

 

“スッ……”

 

優子「明久くん……?」

 

明久「その続きはまだだよ、優子さん。約束は約束だから、今年はFクラスで行くよ……」

 

僕は優子さんが言おうとしたことを、途中で止めた。理由があったにせよ、今は応えられない。

 

優子「……わかったわ。でもアタシのお願いを聞いて欲しいの……」

 

明久「何かな、優子さん?」

 

優子「毎日じゃなくてもいいから、放課後はこうして2人で一緒に帰ってもいい?」

 

明久「もちろんだよ!」

 

優子「ふふっ、ありがと明久くん」

 

日が暮れるまで優子さんと一緒に過ごした。楽しいと感じただけに、過ぎ去ってほしくない……。そんな風に思った。

 

 

 

それから優子さんを家まで送って行った。名残惜しそうな顔で見つめてくるが、それは僕も同じだ。

 

明久「じゃあまた明日学校でね、優子さん」

 

優子「わかったわ、明久くん。……またね」

 

優子さんと別れた僕も、家路へ急いで行く。約束は果たせなかったけど、これはこれでよかったのかもしれない……。

 

 

そんなことを僕は考えていた。

 

 

to be continued……




はい、試験召喚戦争編はこれで終了となります。

今回は完全に前回のオマケになってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

次回以降ですが、主人公たち以外のキャラ設定を挙げるのと、日常編(仮)を挟んで、清涼祭編に移る予定です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また次回にお会いしましょう!


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僕たちの日常編 第13話 2人の時間

遅くなってしまい、申し訳ございません。
リアルが忙しかったのと、ちょっとしたスランプになっていました。

最後に投稿したのが1ヶ月前……。時間の流れは早いですね(汗)
こんな状態でもお気に入りを維持してくれた読者様には感謝です。これからも投稿スピードが遅くなると思いますが、気長にお待ち頂けるとありがたいです。

それでは第13話です、どうぞ!


省太side

 

 

Aクラスとの一騎討ちが終わった週の土曜日。休日だが俺は早起きした。サヨとデートする為だ。

思えば文月学園に入学してから……、もっと言えば中学の後半からは遊びに行くことなんて、あまり無かったからな。まぁ、このみちゃんたちと一緒ってときは結構あったけど。

だから2人きりで遊びに行くのは、本当に久しぶりなのだ。

 

省太「……よし、準備はバッチリだ。待たせちゃいけないから、もう出るか。行ってきまーす!」

 

家から出発した俺は、待ち合わせ場所の公園に向かった。

 

公園に着くと、既にサヨが待っているのが見える。

 

省太「おーい、サヨー!」

 

サヨ「あっ、省太くーん! こっちこっち!!」

 

こっちに気付いて手を振っているサヨの元へ駆け寄って行く。

 

省太「悪りぃサヨ、待ったか?」

 

サヨ「ううん。着いてからそんなに経ってないから大丈夫だよ」

 

省太「………」

 

サヨ「……? 省太くん?」

 

省太「つい見惚れててな。それを着けてくれるって思わなかったからよ……」

 

サヨ「言ったでしょ? 着けてくるってね♪」

 

Bクラス戦後に取り返したあの髪飾り。今日着けてきたのは、いい意味で予想外だ。

 

省太「今でも似合ってるぜ、サヨ」

 

サヨ「えへへ……」

 

省太「じゃあ、行こうか」

 

サヨ「うんッ! ……ねぇ、省太くん」

 

省太「どうした?」

 

サヨ「手……、繋ご?」

 

省太「いいぜ」

 

“ギュッ”

 

サヨ「久しぶりだね、こういうの」

 

省太「お、おう……」

 

俺たちは手を繋いで、繁華街へと向かって行った。

到着して暫くすると……。

 

サヨ「省太くん、省太くん!」

 

省太「どうした、サヨ?」

 

サヨ「あれを見て!」

 

サヨが指を指した方向を見ると、渚と奈子がいるのが見える。

 

サヨ「2人もデート……、なのかな?」

 

省太「……かもな」

 

渚「ん? おーい! 省太ー、サヨちゃーん!」

 

どうやら渚も気付いたらしく、こっちを見て手を振ってきた。

 

渚「やあ、お2人さん。言うまでもないと思うけど、デートでしょ?」

 

省太「ああ。それで渚と奈子は?」

 

奈子「えっと……、この間の約束……かな?」

 

渚「そうそう♪ 今やってる映画なんだけど、一緒に観る人がいないからぼくを誘ってきたんだって☆」

 

省・サ「「(それってデートなんじゃあ……)」」

 

奈子「省太とサヨもまず映画から行くの?」

 

サヨ「そうだよ。目的が同じなら一緒に行かない? いいよね、省太くん」

 

省太「俺は構わないぞ」

 

奈子「決まりね。なら行きましょう」

 

渚「行こ行こー☆」

 

こうして最初の目的地である、映画館へ向かって行った。

 

 

 

 

そして現在。俺たちは今、映画のポスターが掲示されているところにいる。

 

省太「で、渚たちはどれを観るんだ?」

 

奈子「これよ」

 

そう言って奈子が指したのは、『ブレイヴエンペラー THE MOVIE』というロボットアニメだった。

 

省太「あー、OVAでやってたやつの続編かあ。でも何で?」

 

奈子「福引で当てたチケットがこれだったの……。私、こういうのは割と好きなんだけど、流石に1人で観に行くのが恥ずかしいから渚くんを誘ったのよ……。ダメだった?」

 

渚「ううん、ぼくも好きだから何の問題もないよ♪」

 

奈子「そう、よかった。じゃあ受付に行こっか?」

 

渚「うんッ。もう楽しみだよ☆」

 

奈子「私たちは先に行くわ。またね、省太、サヨ」

 

サヨ「じゃあね、2人とも」

 

そうして渚と奈子は先に劇場へ入って行った。

 

 

サヨ「省太くん! これを観ようよ♪」

 

サヨが指したポスターは、『僕の一番大好きな君へ』という今春の目玉作品の一つと話題の映画だ。

 

省太「そうだな。じゃあ行こうか」

 

俺たちもチケットを購入して、劇場へ入った。

 

 

映画のストーリーは、悲惨な未来を変えるべく、主人公が奮闘し様々な障害が立ち塞がるも友の助けも借りて、最終的にヒロインと結ばれるという内容だった。

 

サヨも楽しそうで良かったし、俺も主人公に感情移入して観ていたから、とても楽しかった。

 

サヨ「楽しかったね、省太くん! サヨ感動しちゃった♪」

 

省太「俺もだ。楽しかった映画は結構あるけど、感動したのは久しぶりだったぞ」

 

サヨ「うんッ!! (ニコッ)」

 

省太「じゃあ、次はアクセサリーショップに行こうか」

 

サヨ「(何だろう?) ……いいよ♪」

 

こうして俺たちは、アクセサリーショップへ向かって行った。そして目当ての品を選んだ。

 

省太「すいませーん、これ2つください。あと、ネームも入れてもらえませんか?」

 

店員「はい。では、お客様のお名前を教えて頂けますか?」

 

省太「半田省太。隣の娘は池端早代です」

 

店員「畏まりました、ネームを入れますので今しばらくお待ちくださいませ」

 

30分くらい経っただろうか。出来上がったようで、店員さんが呼んできた。

 

店員「お待たせしました、お客様。会計は2500円になります」

 

省太「サヨ、俺が払うから大丈夫だ」

 

サヨ「でもそれじゃ、省太くんに悪いよ。サヨも出すから」

 

省太「いいって。これは俺の奢りだからさ」

 

サヨ「ありがとう」

 

店員「2500円丁度ですね。ありがとうございます」

 

省太「どうもです(ペコ)」

 

店員「ありがとうございました、またお越しくださいませ」

 

商品受け取りと会計を済ませて、アクセサリーショップを後にした。

 

サヨ「何を買ったの、省太くん?」

 

省太「これだよ」

 

サヨ「あ……、指輪……」

 

そう、アクセサリーショップで買ったのはペアリングだった。リングには俺とサヨの名前を入れてもらった。

 

省太「小学生の頃、大人になったら結婚しようって言っただろ? けどそれまで待てる気がしないから、ちょっと早いけど贈ることにしたんだ」

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「だから今はこの指輪を俺とサヨで持っていよう。本当に結婚する時が来たら、ちゃんとした指輪を贈るからさッ♪(ニッ)」

 

サヨ「……省太くん、ありがとう。サヨ、とっても嬉しいよ!! 結婚……、約束ね♪」

 

省太「ああ、約束だ」

 

昔交わした結婚という約束。あのときは小学生だったから、そこまで本気じゃなかったと思う。

でも、自分の気持ちをハッキリ示した今は違う。知らない人からすれば子供の戯言に聞こえるかもしれないが、俺は本気だ。単なる口約束じゃなく、現実にしてみせる。そう思った。

 

 

再び繁華街を歩いて行くと、明久に会った。真夏とリオもいる。

 

明久「やぁ省太、サヨちゃん」

 

サヨ「こんにちは、明久くん。真夏ちゃんとリオちゃんも一緒なんだね!」

 

省太「珍しいな。どうしたんだ?」

 

リオ「別に。特に予定もなかったから、真夏ちゃんが遊ぼうって誘って来たの」

 

真夏「他にも誰か誘ったんやけど、みんな予定が入ってたから明久くんを呼んだんよ」

 

明久「省太とサヨちゃんはデートだったんだね。この後予定とかあるの?」

 

省太「いや、これから決めるところだ」

 

真夏「それやったら、ウチらと遊びに行かへん? きっと楽しいで〜♪」

 

省太「オイオイ、一応俺たちデートなんだけどな……」

 

サヨ「ねぇ省太くん! せっかく誘ってくれたから行こうよ」

 

省太「サヨ……」

 

リオ「私は構わないわよ? 遠慮する必要はないからね」

 

サヨ「ほら! リオちゃんもこう言ってくれてるから、ね?」

 

省太「よし、わかった。じゃあ行こうぜ」

 

真夏「よっしゃ! ほな全力で楽しむでー☆」

 

そうして女子3人は歩いて行った。後ろで明久が声をかける。

 

明久「省太。……サヨちゃんとのデート、どうだった?」

 

省太「久しぶりで楽しかったぜ。明久、お前も早く優子さんとくっつけよ?」

 

明久「うんッ。やってみるさ☆」

 

途中でいつもの(?) メンバーで遊ぶことになったけど……、まぁいいか。サヨがとても楽しそうだしな。恋人が笑顔でいられるのはとても大切なことだ。俺が感じているこの気持ちを、明久もいつか感じてくれたらいいな……。

 

そう考えながら、俺たちは今日この日を全力で楽しむのだった。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

今回からこの日常編を開始します。

だいたい4話程度を予定しています。あくまで予定なので、長くなったり短くなったりするかもしれないという点はご了承くださいませ。

では、また次回にお会いしましょう!


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第14話 憧れの楽園(ばしょ)

こんにちはこんばんは、エクシリオンです。

今回は若干下ネタ要素がありますので、その点はご容赦願います。あと、今までよりも短めです。それでもよろしければ覗いてくださいませ。

第14話です、どうぞ!


明久side

 

 

Aクラスとの一騎討ちから2週間が経った。この日の授業を終えて、Fクラスの生徒たちがそれぞれ家路に着いて行く。……一部の生徒を除いては。

 

“カリカリカリカリ……”

 

“カタッ”

 

明久「くっ、あー……。一応ここで一区切りかな……」

 

雄二「そうだな。とりあえず、これから休憩するか」

 

渚「賛成!」

 

康太「……やっと休める」

 

秀吉「うむ。集中力が切れたままではいかんからの」

 

そう、放課後に僕たち6人は教室に残っている。Aクラスに勝利したとはいえ、それは経験と運が結びついた上での勝利だ。もし次に試召戦争が起こった場合、果たして勝てるのか?

で、ここに居るみんなと相談した結果、今後に備えて学力向上の為に自主学習をすることになった。今日は地理の勉強をしており、一段落したところだった。

 

省太「そう言えば雄二も霧島さんとデートしたんだよな。どうだったんだ?」

 

雄二「ん? いや、その、なんだ……」

 

秀吉「どうしたのじゃ?」

 

雄二「観た映画が強烈な内容でな。あれが中々忘れられそうにない」

 

明久「どういうタイトルだったのさ?」

 

雄二「最初は『地獄の黙示録 -完全版-』を選びそうになってな。流石にそれは長過ぎるから他のを頼んだら、『金と共に去りぬ -特別版-』を観ることになったんだ……」

 

渚「『風と共に去りぬ』じゃないんだ……。でも、どういう内容かは雄二の反応でわかるから言わなくていいよ」

 

雄二「察してくれて助かる。でも翔子が楽しそうだったからいいかって思ってるぞ」

 

色々あったようだけど、雄二と霧島さんも楽しんでいたのならよかったと思う。

 

秀吉「ところで渚よ。気になることがあるんじゃが、お主は何故そこまで地理が得意か聞かせてくれんかのう?」

 

康太「……詳しく」

 

渚「んー? 知りたい?」

 

ちょっとした雑談を終えて、秀吉と康太が渚に疑問をぶつけてくる。

 

渚「だいたい地理って小学校高学年から習うでしょ? 人それぞれだけど、その時期って性に興味が出てくるよね? だから、こうふざけて卑猥な物を連想する地名を探しまくってたのがキッカケ……、かな」

 

雄二「そ、そうか……」

 

省太「でもまぁ、わからないでもないぜ。俺もそれが流行ってた時期があったし」

 

康太「……思春期男子の誰もが通る道」

 

キッカケとしては不純な物かもしれない。でもそれが身を結ぶこともあるから、侮る物ではないだろう。一応僕もやっていたというのは内緒だ。

 

渚「あ、そうそう。地名で思い出したんだけどさ、日本だけでも卑猥に聞こえる地名ってあるよね?」

 

康太「……確かに」

 

秀吉「言われてみれば……、そうじゃのう」

 

渚「それでぼく沖縄出身なんだけどね、『漫湖』って干潟があるんだけどさ……」

 

秀吉以外『『『『マ◯コ!!??』』』』

 

渚「違う違う、『漫湖』だよ!」

 

省太「待て! イントネーション同じだから、言い直しても一緒だぞ!!」

 

雄二「白昼堂々とお前何言ってんだよ……(ククッ)」

 

明久「やめて渚……。僕ちょっと……(クスクス)」

 

康太「……(ククッ)」

 

渚「み、みんなッ?! 落ち着いてッ!」

 

 

 

 

※ツボにハマってしまったので、しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

10分後。僕たちは漸く笑いが引いてきた。

 

渚「……落ち着いた?」

 

秀吉「お主らは何をやっとるんじゃ……(呆)」

 

明久「ゴメン渚。とりあえずは治ったよ」

 

雄二「少し冷静になったら、確かにそんな名前の地名があったの思い出したぜ……」

 

康太「……予想外の不意打ち」

 

渚「とにかくね? そういう名前の干潟があって、近くに『漫湖公園』があるんだよ」

 

秀吉以外『『『『漫湖公園ッ!!??』』』』

 

渚「一々そこに反応するの?!」

 

雄二「いや、その……な」

 

省太「名前のインパクトがすごいからよ……」

 

明久「少なくとも、日のある時間帯だと言えないよね」

 

確かにそう思う。渚にとっては割と普通なのかもしれないが僕たちでは事情が違う。言葉だけを聞けば、ピー音は確実なワードなのだ。

 

渚「いつかはこれを紹介したいと思ってたんだよ。機会があるかわからないけど、みんなで行けたらいいよね」

 

秀吉以外『『『『是非ッ!!!!』』』』

 

渚「もしそのときが来たら、ぼくに任せてよ☆」

 

秀吉「やれやれじゃの……」

 

 

僕たちはこの後も『漫湖』の話で盛り上がったのだった。ここに訪れる日は来る……かな?

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

読者の皆様もおそらく学生時代にやったことがあるであろうことを、今回書いてみました。フラグっぽいのを立ててますが、どこかでちゃんと回収しようと思います。

それではまた次回にお会いしましょう。


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第15話 失ったものと得たもの

こんにちはこんばんは、エクシリオンです。
今回は渚の過去回です。こんな話でもよろしければ、是非読んでください。

第15話です、どうぞ!


明久side

 

 

“カキーンッ!!”

 

“♪テレレッテレー♪”

 

『おめでとうございます! ホームラン賞です!!』

 

省太「しゃっ! やったぜ!」

 

サヨ「すごーい、省太くん!」

 

明久「やるね、省太♪」

 

バッティングセンターに響く快音。

今週もあっという間に過ぎて再び訪れた土曜日。僕たちは市内のスポーツランドへ遊びに来ている。

この前遊んだメンバーに渚、美波、優子さん、佐々木さんが加わっていて、中々の人数だ。

 

真夏「省太は昔からこういうの得意やからなぁ〜」

 

美波「へぇ〜、そうなのね」

 

リオ「その代わり勉強は全然ダメだったわよ?」

 

省太「それは言わないでくれリオ……」

 

明久「まあまあ、いいじゃない。今は違うんだからさ。……今度は僕の番だ」

 

“グッ”

 

省太を宥めつつ、僕もバットを構える。ピッチングマシーンからボールが放たれたとき……、

 

明久「ここだッ!!」

 

“カキーンッ!!”

 

打った打球が伸びていく。が、あと一歩のところでホームランゾーンに届かなかった。

 

優子「あーっ! 惜しい、明久くん!」

 

省太「ドンマイ、明久」

 

明久「次は狙ってみせるさ」

 

その後もしばらくの間、バッティングで快音を響かせていた。

次のアトラクションへ向かっている最中、どこからか歓声が聞こえて来る。

 

リオ「この声って、渚くんと奈子がいる方向から聞こえてこない?」

 

真夏「せやなぁ……」

 

明久「とりあえず行ってみようか?」

 

『『『『賛成ッ!!』』』』

 

声のする方向へ向かってみる。9枚のパネルをピッチングで撃ち抜くアトラクションに人集りが出来ていて、その中心に渚と横で見守る佐々木さんがいた。

ギャラリーの発言を聞く限りだと、ここまでノーミスでパネルを抜いており最後に真ん中の“5”を抜くと完全クリア、という状況らしい。

 

『『『『あと1枚、あと1枚、あと1枚!!!』』』』

 

また、このアトラクションはクリアした人自体は結構いるらしいが、ノーミスクリアは1人もいないとあってか、野次馬の盛り上がり方も相当なようだ。

 

渚「あの、集中したいので静かにしてもらえませんか?」

 

「「「「あ、すいませんでした……」」」」

 

渚「ありがとうございます(ペコッ) スゥ……」

 

野次馬が静かになり、渚が集中力を高めていく。

その姿に、僕たちも含めた全員が固唾を飲んで見守る。そして……。

 

 

 

“グッ”

 

“ドシュッ!”

 

トルネード投法から放たれた球は軌道を真っ直ぐに保ったまま、5の的を撃ち抜いた。

 

渚「ゲーム……、クリア……」

 

 

『『『『ウオォォォォッ!!!』』』』

 

ギャラリーの歓声がアトラクション内に響き渡る。同時に渚に惜しみない拍手が送られた……。

 

 

 

 

 

 

その後も一通り遊び、帰り道でのことだった。

 

渚「あー、遊んだ遊んだ☆」

 

サヨ「嬉しそうだね、渚くん♪」

 

渚「当然ッ☆」

 

明久「アレって普通にクリアするのも難しいのに、ノーミスクリアは初めて見たよ」

 

優子「そんなに難しいことなの?」

 

省太「ああ、持ち玉が12球でよ。1枚当たり9球使うと仮定した場合、ミスが3球までしか出来ない。だから1球ごとのコントロールと集中力が必要って訳だ」

 

リオ「なるほどねぇ……」

 

省太がそう説明すると、みんな渚を見て感心する。

 

奈子「それにしても、投げるときのフォームが様になっていたね。渚くんは野球をやったことがあるの?」

 

渚「あるよ。もう昔の話だけどね」

 

美波「そんなに上手いのなら、なんで辞めたのよ?」

 

渚「え……」

 

明・省「「ッ!!」」

 

渚「あ……。ああ、そのことなんだけど……。ゴメン! 急用思い出した、来週学校でね。ばいばい!!」

 

そう言って渚は走って帰って行った。

 

 

 

美波「……ねぇアキ、ウチなんか悪いことした?」

 

明久「悪気はなかったんだよね? それなら大丈夫だよ美波」

 

美波「うん……」

 

省太「明久。渚のヤツ……」

 

明久「(コクッ) まだ立ち直ってないみたいだね……」

 

真夏「なぁ。渚くん、どないしたん?」

 

渚の行動が気になった真夏ちゃんが尋ねる。

 

明久「前にも同じようなことがあってね。そのときは、中学のときにやっていたスポーツの話をしてたんだよ」

 

省太「で、今みたいに辞めた理由を聞こうとしたら、今みたいな反応になってよ。その日から俺と明久からこの話をしないことを決めたんだ」

 

明久「何とかしてあげたいけど、無理矢理聞き出すのも違うから、渚が自分から話してくれるのを待つことにしているんだよ」

 

優子「明久くん……」

 

明久「来週また渚と話してみようか。とりあえず今日はもう帰ろうよ。僕と省太でみんなを送って行くからさ」

 

渚が気がかりだったけど、今できることはないので今日のところは解散することにした。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

渚side

 

 

〜週明けの月曜日〜

 

 

渚「うわぁぁぁぁッ!!!」

 

『また』あの夢だ。文月学園に入学して、友達も出来て漸く忘れることができたと思ったら、未だにあの光景が浮かび上がる。

やっぱりまだ引きずっているんだなって思う。

 

 

 

渚「……よし」

 

ぼくは決心した。かつての過去と決別することを。そして、明久と省太にも言えなかった悪夢を打ち明けることを。

朝の支度を終えて朝食を食べ、玄関を飛び出す。

 

渚「行ってきまーす!」

 

しばらく歩いて、明久と省太と合流する。

 

明・省「「おはよう渚」」

 

渚「おはよッ」

 

省太「先週は大丈夫だったか?」

 

渚「心配かけさせたけど、大丈夫だよ」

 

明久「そう。でも無理はしないでね?」

 

渚「ありがとう明久、省太」

 

雑談してる内に学校に着く。今度は美波が声を掛けてくる。

 

美波「おはよっ渚。ウチ、何も知らずにあんなこと言って、ホントにゴメンね……」

 

渚「気にしないで美波。ぼくは大丈夫だから(ニコッ)」

 

こう告げると、美波は安堵の表情を見せた。それからはいつものように過ごした。

 

 

 

 

 

そしてあっという間に放課後になった。ぼくはみんなを呼び寄せた。その中には、遥祐とこのみちゃんもいる。

 

渚「みんな。今日はありがとね、集まってくれて」

 

何故呼び寄せたのか、みんなピンと来ないようだ。でも、明久と省太と遥祐は察してくれたらしい。

 

省太「渚。もういいのか?」

 

渚「うん、そろそろ話してもいいかなって思ってね……」

 

明久「言いづらいなら言ってね? 僕たちもいるからさ」

 

遥祐「(コクッ)」

 

渚「ありがとう」

 

サヨ「渚くん。話ってこの間のこと?」

 

渚「そうだよ、ぼくが何故野球を辞めたのか……。教えるね……」

 

そしてぼくは語り出した。ずっと記憶の底に閉じ込めていた過去を解き放つように。

 

 

 

 

 

 

中学生に進学した頃。ぼくは地元の中学の野球部に所属していた。小学校時代から少年野球でエースとして投げていたぼくは、1年生ながらベンチ入りを果たし、当時の3年生が引退した後はレギュラーとしてチームの主力入りを果たした。元々実力を評価してもらったのもそうだけど、そこへ至るまでの努力も惜しまなかった。監督からは期待され、同級生からは目標にされたりと充実した日々だったが、1学年上の先輩たちはそれが面白くなかったようで、よく嫌がらせを受けるようになった。

 

 

 

 

最初は話しかけても無視をする、陰口を言われたりしていて、あるときひとりの先輩から、

 

先輩1「お前調子乗りすぎでムカつくんだよ。嫌がらせやめて欲しかったらレギュラー降りろ」

 

と言われたが、その言いようが気に入らなくて、

 

渚「そんなことしてる暇があったら、練習したらどうですか? そんなんだから、たかが1年生にレギュラー取られるんですよ」

 

と返して以降、嫌がらせはより激しいものになり、プレー中もミスを装った妨害も目立つようになる。そして中学2年の夏の大会を控えていた頃、事件が起きる。

 

 

 

 

ある日の練習終了後。部室へ向かおうとすると、周りを数人に囲まれて気絶させられた。次に目が覚めたのは、倉庫と思わしき場所だった。

 

???「目が覚めたか」

 

暗くて姿がよく見えないが、声でぼくに嫌がらせをしていた先輩だとわかった。

 

渚「なんのマネですか、先輩」

 

先輩1「わかってんだろ、俺たちは次が最後の大会なんだ。渚、レギュラー降りろ。そうすりゃこの場で帰してやる」

 

渚「何度言えばわかるんですか、俺はレギュラー降りませんよ。どうしても試合に出たいなら監督に言えばいいじゃないですか?」

 

こう返すと癇に障ってしまったらしく、

 

先輩1「お前さえいなければ……!! おい、お前ら!!」

 

“ガッ!!”

 

3人がかりで腕を押さえられた。

 

先輩F「おい……、マジでやる気か……?」

 

先輩B「いくらなんでもそれはマズイって……!!」

 

先輩1「ここまで来てビビってんじゃねーよ。それにここは教師ですら殆ど出入りしないんだ。俺たちが何かしようが、外に漏れることはねぇ」

 

渚「くっ! 離せ……ッ!!」

 

どうにか逃げようと抵抗するが、押さえつけられて身動きできない。

 

先輩1「恨むなら自分を恨むんだな(ニヤリ)」

 

渚「なッ!! やめ……!!」

 

右腕に向かって無慈悲な一撃が振り下ろされる。そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

“バギッ!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渚『うぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!』

 

先輩1「ハハハッ! いい眺めだぜぇ、渚ぁ!!」

 

『『『…………』』』

 

⁇?「何をしている、お前たち!!」

 

先輩1「ヤバイ、逃げろッ!!」

 

先輩たちが逃げ出す中、苦しむぼくの前に現れたのは監督だった。

 

渚「うッ……、ああ……ッ」

 

監督「渚ッ、しっかりしろ! もう大丈夫だ!!」

 

監督の助けでぼくは病院で緊急搬送された。後から聞いた話だけど、ぼくが拉致されて連れて行かれるのをチームメイトが目撃していて、見つからないようにこっそりと後をつけたことで、この場所がわかったそうだ。

 

 

 

程なくしてチームメイトたちの証言と、先輩たちへの事実確認で一連の不祥事が発覚することになり、嫌がらせをしていた先輩は全員退部、夏の大会出場停止、1年間対外試合禁止という処分が下された。

 

監督も、不祥事が起きた責任を取る為に辞任することになった。

ぼくも腕の手術は成功したが、腕へのダメージが深刻な状態だったことで医師から投手復帰は無理だと告げられて、野球部を自主退部した。

 

チームメイトからは引き止められたけど、意思表示をすると理解してもらえて慰めや励ましの言葉をもらえた。それが唯一の救いだったと思う。

 

 

 

 

渚「……以上がぼくの昔話だよ。今でもたまに夢に出る」

 

『『『『…………』』』』

 

渚「ゴメンねみんな、暗い気持ちにさせて……。でも誰かに聞いて欲しかったんだ。こんな話でも聞いてくれてありがとう、少しは気が楽になったよ」

 

みんな何とも言えない表情をしていたけど、こう告げると安心したようだった。

その後解散して、残ったのはぼくと明久、省太、遥祐だけだ。

 

渚「ねぇ明久、省太、遥祐」

 

明・省・遥「「「渚?」」」

 

渚「ぼくさ、明久たちと友達になって今が本当に楽しいよ。野球を辞めたことはたまに後悔することもあるけど、あの事件が無ければみんなに会うことも無かったから、これはこれでよかったんだって思ってる」

 

省太「渚……」

 

渚「だから、これから先もよろしくね!」

 

明久「うん。僕たちの方こそよろしく♪」

 

渚「色々話したらなんかスッキリしたよ。これから遊びに行こー☆」

 

遥祐「立ち直り早いね。でもその切り替えの早さ、オレは好きだな」

 

明久「そうだね。じゃあ行こうか」

 

野球選手という夢は諦めたが、その代わりに得たものもかけがえのないものだ。今後ともこれを大事にしていきたい。今日のことはぼくにとって忘れることのない一日になるだろう。

 

 

to be continued……




どうでしたか?

今回語られた渚の過去。あの明るい立ち振る舞いは、かつてのトラウマを隠す為のものでもありました。
明久たちと出会えたことは、彼にとっての救いだったことでしょう。……私に技量がないので上手く描写できてないですが……(汗)

では、また次回お会いしましょう!


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第16話 悪魔の料理と意外な弱点

こんにちはこんばんは、エクシリオンです。

今回は、弁当回となります。
タイトル考えるの難しい……。たまにタイトル詐欺になってないか不安になります。タイトル考えられる他の作者の皆様がすごいと思います……。

第16話です。どうぞ!


明久side

 

 

明久「優子さん、秀吉、みんなーッ!!」

 

省太「くそ、こんなことになるなんてよ……!!」

 

渚「何もできずに見ているだけだなんて……」

 

どこかの暗い空間。僕と省太と渚は十字状に拘束されて、黒ずくめ集団に囲まれている。仲間たちはみんなやられてしまい、残ったのは僕たちだけだ。

 

黒ずくめA「我らの勝ちだ吉井明久、反田省太、上運天渚。大人しく降参しろ」

 

省太「ふ。降参しろと言われて、はいそうですかって俺たちが従うと思っているのか」

 

渚「君たちの思い通りにはならないよ!」

 

明久「そういう訳だ。だから僕たちは屈しない!!」

 

黒ずくめH「流石は御三家。期待を裏切らんな」

 

黒ずくめB「だが貴様らは嫌でも我らに従うことになる。おい、例のモノを」

 

黒ずくめC「了解でございます!」

 

黒ずくめの手下が何かを持ってくる。それは……。

 

明久「うっ……。何? この匂いは!?」

 

黒ずくめA「これが貴様らの仲間に引導を渡したポイズン・クッキングだ!」

 

渚「……明久。ぼくもうヤバイ、これ想像以上だよ……」

 

省太「ああ、俺もだ……。意識が遠のいていく……」

 

明久「気をしっかり持つんだ、2人共! ここで僕たちが倒れたら……!!」

 

黒ずくめA「どんなに強がろうとも、この状況は覆せまい。己の無力さに打ち震えるのだ! ……やれ!!」

 

『『『『ハッ!!』』』』

 

抵抗も虚しく、物体Xが僕たちに迫ってくる。

 

明久「よ、よせ! やめろぉぉぉぉぉ……!!」

 

ここで僕の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

“ガバッ!!”

 

 

明久「うわぁぁぁぁぁッ!! ……はぁ、夢か……」

 

 

 

夢だったことに一先ず安心するけど、妙にリアルだったので我ながら嫌な目覚めだった。支度を済ませ、朝食を摂って登校する。

 

省太「よう、明久……」

 

渚「……おはよ」

 

途中でいつものメンバーになったけど、今朝は2人もテンションが低い。

 

明久「おはよう省太、渚……。今日テンション低いね……」

 

渚「明久もでしょ……。一体どしたのさ……?」

 

こう聞かれたので、今朝の夢のことを話した。

 

省太「マジか……。俺もそんな感じの夢で目が覚めたぞ」

 

渚「……ぼくもだよ……」

 

明久「嫌なシチュエーションだったけど、夢で良かったね……」

 

省・渚「「(コクッ)」」

 

とはいえ何かの予兆のようにも思えてきたので、一応警戒しようということになった。

 

 

 

 

 

何事も無く午前中の授業が終わり、昼休みになった。

 

雄二「さて、昼飯にするか」

 

雄二がそう言って立ち上がると、みんなも後に続こうとすると、

 

瑞希「あ……あの、みなさん。私、お弁当作って来たんです。よかったら食べて頂けませんか?」

 

そう言って姫路さんが重箱を取り出した。

 

雄二「これ、食ってもいいのか?」

 

瑞希「はい。沢山作りましたから……」

 

雄二「それじゃあ屋上で食おうぜ。お前たちもいいよな?」

 

渚「いいよ♪」

 

省太「それなら、このみちゃんたちも呼んでいいだろ?」

 

雄二「構わない」

 

明久「じゃあ、早いとこ移動しようか?」

 

康太「(コクッ)」

 

この後、このみちゃんたちと合流して屋上へ移動した。

 

 

 

 

 

そして現在。屋上に到着し、ブルーシートを敷いて場所を確保した。幸いにも屋上にいるのは僕たちだけだ。

 

サヨ「準備できたから早く食べよー☆」

 

このみ「うん。私も楽しみだよ♪」

 

瑞希「では開けますね」

 

“パカッ”

 

男子勢「「「おおーッ!」」」

 

女子勢「「すごーいッ!」」」

 

姫路さんが重箱の蓋を開けると、中には唐揚げやフライドポテト、ベーコンアスパラ巻きにブロッコリー、エビフライやおにぎりが所狭しと並んでいる。

 

真夏「ウチより上手いやん……」

 

リオ「ホントね……」

 

真夏ちゃんとリオちゃん(名前でいいわよ♪ byリオ)が中身を見て感心している。

 

こうして見ると確かに美味しそうだ。……なのに……。

 

渚「(明久)」

 

明久「(渚。……言いたいことはわかるよ)」

 

渚「(うん。これはまるで……)」

 

省太「(今朝の夢に出てきたヤツか)」

 

明久「(多分。でもこの状況じゃ……)」

 

なぜだろう。この弁当からは得体の知れない何かを感じる。でも……、

 

瑞希「……? どうかしましたか?」

 

明久「姫路さん? ……いや、何でもないよ」

 

確証がないのでどうしようもない。とりあえずは全員分を取り寄せようとしたときだった。

 

“パクッ”

 

雄二「あっ、康太。フライングか?」

 

康太が唐揚げをつまみ食いした瞬間、

 

康太「ッ!!??」

 

“ガタッ”

 

その場で倒れた。顔まで青くなっている。

 

女子勢「「「「きゃああああッ!!!!」」」」

 

秀吉「康太! しっかりせいッ!!」

 

渚「(やっぱりアレは只の夢じゃなかったんだよ!)」

 

省太「(予知夢なんてフィクションの中だけだと思ってたけど、マジで見るなんて思わなかったぞ……)」

 

明久「(そんなことよりも、早く助けなきゃ!) 渚、AEDを持って来て。あと、工藤さんも呼んであげて!!」

 

渚「OKだよ、明久!」

 

工藤さんも連れてきて、すぐに康太の蘇生が始まる。目が醒めるまでは、工藤さんに康太の手を握ってもらった。そして……。

 

康太「う……。お、俺は一体……?」

 

康太が復活した。

 

愛子「康太くん!」

 

康太「愛子!? なぜここに!?」

 

愛子「なぜじゃないよ! ボク、すっごく心配したんだからね!!」

 

康太「……た、頼む。泣かないでくれ……」

 

工藤さんが泣きながら、康太に抱きついていた。本当に心配していたのがよく伝わる。

 

奈子「土屋くん、ちゃんと愛子にお礼を言ってね。目が醒めるまで君の手をずっと握っていたから」

 

康太「……そうだったのか。……すまない愛子、お前を悲しませてしまった」

 

愛子「康太くん……」

 

康太「……だが目が醒めたとき、最初に見たのがお前で良かった。側に居てくれてありがとう、愛子」

 

愛子「うん……ッ!」

 

漸く工藤さんが笑顔になった。やっぱり泣き顔じゃなくて笑顔なのが工藤さんらしい。

 

愛子「ところで、なんで康太くんは死線を彷徨っていたの?」

 

真夏「あのなー愛子ちゃん。原因はコレや」

 

工藤さんの疑問に、真夏ちゃんは重箱を指してこう言った。

 

愛子「コレが? 見た感じ、美味しそうな唐揚げだよ?」

 

渚「それを口にしちゃダメだ!!」

 

手を伸ばしそうになったのを渚が制止する。

 

明久「(……2人とも。もしかしなくても、コレはヤバイやつだよね)」

 

省・渚「「(コクッ)」」

 

明久「……姫路さん」

 

瑞希「はい! なんでしょうか?」

 

明久「コレに何を入れたのかな?」

 

できれば思い過ごしであって欲しい。そう願いながら聞いてみた。

 

瑞希「えっと、隠し味に……」

 

明久「隠し味に?」

 

瑞希「王水を入れてみました♪」

 

『『『『!!??』』』』

 

返ってきた言葉は、想像以上のモノだった。調味料を間違えたとかいう可愛いモンじゃない。

 

渚「味見はしたの……?」

 

僕が聞く前に渚が聞いてきたが、声のトーンが低い。顔は笑っているが、多分怒ってる。

 

瑞希「いえ、味見をすると太っちゃうので☆」

 

“カチンッ!!”

 

渚「ほほう……、つまりはアレか。自分で味見もせずに、生命の保証ができない食べ物と呼べないナニカを他人に食わせようとした……。その解釈でいいのかなぁ……?」

 

瑞希「渚くん……? 顔が怖いですよ……?」

 

渚「姫路さん、カモーン♪ 明久と省太も一緒に来て」

 

省太「お、おう……」

 

明久「やっぱり怒ってる……」

 

渚「みんなはここで待っててね♪」

 

そう言うと、姫路さんを連れて扉の向こう側へ行った。僕と省太も後に続く。

 

“パタンッ”

 

 

 

 

 

渚『姫路さんッ!! 君はここにいる全員を殺す気かぁッ?!!!』

 

瑞希『ご、ごめんなさいぃぃぃぃっ!!!!』

 

『『『『…………』』』』

 

 

 

 

 

 

※しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

あれからしばらくの間話を聞いてみると、料理が美味しくなるかもしれないと思ってやったのであり、悪気はなかったことがわかった。

 

省太「でも、流石に化学薬品は論外だぞ」

 

明久「そうそう。実際、康太が三途の川渡りかけたし」

 

渚「あとでみんなに謝ってね」

 

瑞希「はい……」

 

それから姫路さんはみんなに今回のことを謝罪した。悪気はなかったこと、見た目はバッチリなので普通に作れば美味しくなる余地はあることで許してもらえた。

 

明久「姫路さん、良かったら僕たちが料理を教えるよ。鍛え甲斐がありそうだからね」

 

渚「ぼくも協力するよ。せっかく形がしっかりしているんだからさ☆」

 

『『『ええっ!!??』』』

 

渚「なんだよそのリアクションは!! ちゃんと料理くらいするわ!!」

 

美波「渚って料理できたんだーって思ったから……ね」

 

優子「アタシも同じこと思ってたわよ……」

 

渚「君たちはぼくをなんだと思っているのさ?! チクショー!!」

 

省太「ゴメンゴメン渚、そう怒るなよ」

 

明久「僕たちが悪かったからさ」

 

憤慨していた渚を宥めてあれこれしている内にお昼時間も過ぎていった。姫路さんにも苦手なモノがあることがわかったのは収穫だったな。

 

 

 

ちなみに弁当だけど、予知夢(?)の影響で沢山作っていたから食べることはできたよ。

姫路さんの重箱? アレはFFF団が美味しくいただきました。その代わり、午後はダウンしていたけどね(笑)

 

 

to be continued……




はい、いかがだったでしょうか?

原作では料理の腕にもう改善の見込みがない瑞希に、今作では改善の余地アリという改変をしてみました。

さて次回から、清涼祭を開始します(予定)。
また遅くなるかもですが、気長にお待ちくださいませ。

では、次回にお会いしましょう!


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清涼祭編 第17話 清涼祭準備と学園長からの依頼

あけましておめでとうございます、エクシリオンです。
と言っても既に2週間も経っていますが……(汗)

相変わらずの文才なしですが、今年も楽しんで頂けると嬉しいです。今回から清涼祭編です。初めての方もそうでない方も、是非覗いてみてください。

第17話です、どうぞ!


明久side

 

 

桜色の花びらが姿を消して、新緑へと変わっていく季節がきた。

 

ここ文月学園では、学年度最初の行事である『清涼祭』の準備が始まっている。

僕たちFクラスはAクラスとの同盟もあり、今年は2クラス合同での出展となった。

 

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。今回の合同出展に応じてくれて、感謝する」

 

雄二がAクラスの教卓の前で挨拶をする。合同出展自体は珍しいことではないが、事情を知らないクラスからしたら、AクラスとFクラスでやると言うと不思議に思うだろう。

 

リオ「ねぇ、話を進める前にひとついい?」

 

雄二「なんだ、金子?」

 

リオ「出展の内容を決めるこの場に、Fクラスの人数が少ないのはなぜかしらね?」

 

リオちゃんの言う通り、ここにいるFクラスの生徒はいつものメンバーだけ。これを聞いた僕たちは、苦い顔をしていた。

 

省太「……リオ、みんなも外を見てくれ」

 

リオ「外を? ……わかったわ」

 

省太がそう促して、真夏ちゃんも含めたノイン・マイスターズのメンバーが窓から外を覗くと、

 

 

須川「行くぜ、横溝ッ!」

 

横溝「かかってこい、須川ッ!」

 

須川くんを筆頭に、野球をしているクラスメイト(僕たち以外)の姿があった。

 

優子「な、なんなのコレ……」

 

リオ「ウソでしょ……」

 

奈子「ありえない……」

 

真・こ・愛「「「あははは……」」」

 

翔・久・美「「「………」」」

 

これを見た優子さんとリオちゃん、奈子ちゃんは呆れ、真夏ちゃんとこのみちゃんと工藤さんは苦笑してるし、霧島さんと久保くん、佐藤さんに至ってはノーコメントだ。

 

雄二「あー……。なんかウチのクラスの者がすまん……」

 

翔子「……謝らなくていい。雄二は悪くない」

 

雄二「ありがとう翔子。だがこれじゃ話が進まないな。どうするか……」

 

明久「西村先生を呼んでくる?」

 

渚「その必要はないよ☆」

 

クラスメイトをどう連れてくるか考えていると、渚が名乗りをあげる。

 

雄二「渚、どうするつもりだ?」

 

渚「ぼくにかかれば大丈夫。まぁ、見てて♪」

 

連中をどうやって連れ出すのか、みんなが渚に注目する。

 

渚「スゥ……。……おーいみんなー、清涼祭に参加したくないのー?」

 

呼びかけるが、無視して野球を続けている。でも渚は全く動じることなく、

 

渚「そうかぁ、やりたくないんだぁ……。まぁ、やる気が大事だから君たちが気乗りしないなら、無理には勧めないよ。……でも残念だなぁ……」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

渚「清涼祭は年に一度の大イベントだよ? 普段女の子に縁のない君たちが輝ける(かもしれない)チャンスなのに、自分たちでそれをドブに捨てるんだね。あーあ、残念だなぁ。もしかしたら『○○くん素敵ッ(はぁと)』って恋に発展する可能性だってあるのになぁ……。で、卒業の時にみんなこう思うよ。『はぁ……。清涼祭、ちゃんと参加すればよかった……』ってね♪」

 

“ドドドド……!!”

 

渚が言い終わると共に、Aクラスへ向かう足音が響く。

 

「「「「ごめんなさい、僕たちが間違ってました! 清涼祭に僕たちも参加させてください、お願いします!!!」」」」

 

渚「はい、よくできました☆」

 

『『『『…………』』』』

 

さっきまで外にいたクラスメイトが一斉に集合するのを見て、僕たちは呆気に取られていた。

 

明久「相変わらず扱うのが上手いね……」

 

康太「……一種の才能」

 

渚「みんなが単純なだけだよ。でも、だからこそ扱いやすい。それとAクラスのみんなごめんね、ダシに使っちゃって……」

 

奈子「大丈夫だよ渚くん。私たちも、(明久くんたち以外の)Fクラスの男子たちがどういう人なのかわかってるから」

 

真夏「ホンマはアカンけど、しゃーない。合同出展の出し物決めるためや、コレばかりは許すで。な、みんなもええやろ?」

 

AクラスD「そうね……。神谷さんがそう言うなら、私は大丈夫かな?」

 

AクラスM「賛成。男手が増えるのは、私たちとしても助かるし」

 

Aクラスの生徒たちも次々と賛成の意思を挙げると、漸く本題に移った。

 

真夏「で、出展する内容やけど……、メイド喫茶にしようと思うんや。どうやろか?」

 

渚「ねぇねぇ、ひとつ提案していい?」

 

真夏「はい渚くん、どうぞ」

 

渚「2クラス合同で出展するから、只のメイド喫茶じゃつまらないと思うんだ。だからAクラスが和風メイドで、Fクラスが中華風メイドって感じにしたいけど、どうかな?」

 

真夏「ええやん、それ。候補に上げといてーな♪ 他に意見のある人ー?」

 

この後も色々な意見があったけど、最終的に和風メイドと中華風メイドが採用されることになった。

 

渚「あと、衣装をぼくたちで作って来たんだけど、サヨちゃんとこのみちゃん、モデルとして着てくれないかな?」

 

このみ「私たちが?」

 

サヨ「いいよ、なんか楽しそうだし♪ このみちゃん行こ?」

 

このみ「うんッ♪」

 

衣装が入ったかばんを持って、2人とも着替えに行った。

それからしばらくして、

 

サヨ「おまたせッ♪」

 

このみ「えっと、こんな感じだけどどうかな?」

 

それぞれサヨちゃんが中華風のメイド服、このみちゃんが和風メイド服を着けて戻ってきた。

 

男子生徒たち『『『『おぉ……』』』』

 

女子生徒たち『『『『かわいい……』』』』

 

サヨちゃんのメイド服はパステルカラーで、キュートにまとめられている。このみちゃんの方は抹茶をイメージした色で落ち着きが感じられた。

 

渚「これはサンプルだから、全員分作るとなると後日以降になるんだけど……、どうかな?」

 

全員『『『『いいと思います!!』』』』

 

こうして出し物と衣装も決まった。

 

 

 

 

 

時間が流れて放課後。Fクラス教室に戻って帰る準備をしているときだった。

 

“♪ピンポンパンポーン♪”

 

『2年Fクラス吉井明久くん、反田省太くん、上運天渚くん。学園長が呼んでいます。至急、学園長室に来てください』

 

渚「学園長が? 一体どうしたんだろう?」

 

明久「よくわからないけど、迷惑でもかけられたんじゃないかな? 一先ずは行ってみようか」

 

省・渚「「おう(うん)ッ」」

 

予想しても仕方ない。とりあえず僕たちは学園長室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

そして学園長室の前に着くと、中から学園長と誰かが言い争っている声が聞こえる。

 

 

省太「先客がいるらしいけど、どうする?」

 

明久「でも僕たちも呼ばれてきたわけだから、入ろうよ」

 

渚「(コクッ)」

 

“コンコン”

 

学園長「入りな」

 

明・省・渚「「「失礼します」」」

 

竹原「困りますねぇ、取り込み中だというのに。これでは、話を続けることもできない……。あなたの差し金ですか?」

 

そう言ったのは、教頭の竹原先生だ。一部の女子生徒には人気があるらしいが、下級クラスの生徒を露骨に見下すので、正直嫌いなタイプの人物である。

 

学園長「何を言ってるんだい。この子らはアタシが用があるから呼んだんだよ。そもそも勝手に乗り込んできたのは、アンタの方じゃないか」

 

竹原「ふむ。……ところで吉井くん、反田くん、上運天くん。あなたたちはFクラスの教室を改修したそうですねぇ。いったいどういう手を使ったんですか?」

 

明久「なぜそれを竹原先生がご存知なのか気になりますが、答える義務は僕たちにありません」

 

竹原「……わかりました。そこまで言われるなら、私もこれ以上は追求しませんよ」

 

竹原先生は部屋の隅の観葉植物に視線を送り、

 

竹原「それでは、この場は失礼させていただきます」

 

と言って学園長室を出て行った。

 

渚「(ねぇ2人とも)」

 

省太「(あの観葉植物だろ)」

 

明久「(だいたい予想はついてるよ)」

 

僕たちは、竹原先生が見た観葉植物に何かあるのを勘付いていた。

 

学園長「さて、待たせてすまないね3人とも。アンタたちに頼みたいことがあってね……」

 

省太「待ってください、学園長」

 

学園長「どうしたんさね?」

 

明久「まだ喋らないでくださいね? ……渚」

 

渚「OK、明久。失礼します」

 

渚がさっきの観葉植物の前に立って、土の中を掘り起こす。

 

学園長「何をするんだい、上運天!」

 

渚「申し訳ありません学園長。でも、コレを見つけるためだったんです」

 

そう言って中から取り出したのは、黒い電子機器だった。

 

学園長「そ、それは一体何だい?」

 

明久「盗聴器ですよ。おそらく、仕掛けたのは竹原先生だと思います」

 

そう考えた理由は、Fクラス教室のことを聞かれたときだ。改修の話は学園長と一部の先生方にしか話してないため、竹原先生が知っているはずがない。ならば予め盗聴器を仕掛けて内容を知った……、という結論になる。

 

学園長「竹原が? 最近妙な行動が目立っていたが……、そういうことだったのかい……」

 

明久「やっぱり間違ってなかったんですね。それ壊していいよ、渚」

 

渚「わかった。……えいッ!!」

 

“バキィッ!”

 

地面に置いた盗聴器を、原型をとどめない程粉々に砕いた。

 

明久「省太、他に盗聴器が仕掛けられてたりしてない?」

 

省太「今取り出した以外ではないな。とりあえず、 大丈夫だ」

 

周囲の確認をし、改めて学園長と向き合った。

 

学園長「では本題に入るよ。アンタたちの内2人には試験召喚大会に出てもらいたい」

 

明久「試験召喚大会に? ……僕たちがですか?」

 

学園長「その通りだよ」

 

それからこう続ける。

 

学園長「アンタたちは、試験召喚大会の優勝賞品について知っているかい?」

 

渚「いえ、ぼくは知りません。明久と省太は?」

 

省太「俺は優勝賞状とトロフィーがあることはわかるけど……」

 

明久「あとは副賞として、『白金の腕輪』と 『如月グランドパーク プレオープンプレミアムペアチケット』も送られてくる……。ですよね、学園長?」

 

学園長「なんだい、知ってたのかい?」

 

明久「ええ。噂で、ですけどね。ひょっとして、副賞の賞品を回収してほしいってことですか?」

 

学園長「(コクッ) プレミアムペアチケットの方だが、ちょっと変な噂を聞いてね。アンタたちにはソレの回収を頼みたいんだよ」

 

渚「そうですかぁ……。でもぼくたちにお願いしなくても、出さなければ大丈夫だと思いますけど……」

 

渚の発言は尤もだ。最初から出さなければ、こんな面倒なことをする必要はない。

 

学園長「できればそうしたかったがねぇ……、この話は教頭が進めたとは言え文月学園として如月グループと行った正式な契約だ。今更覆すわけにはいかないのさ」

 

省太「よりにもよって、なんで竹原先生に任せたんですか? 学園長が直接やった方が確実なハズですよ」

 

学園長「白銀の腕輪に手一杯で、そこまで手が回らなかったんだよ。それに変な噂を聞いたのは、最近になってからさ」

 

省太の指摘に、学園長も苦い表情を見せる。やはり責任を感じていたようだ。

 

明久「……では『変な噂』って、どういうことですか?」

 

学園長「それなんだけどね、如月グループは如月グランドパークに『ここを訪れたカップルは幸せになれる』っていうジンクスを作ろうとしているのさ」

 

これだけを聞いたら何もおかしなことはない。『ジンクスを作る』という点が気になるが、幸せになれるなら寧ろ良いことだと思う。でも次に学園長の言った言葉が、僕たちの考えを否定する。

 

学園長「ただ、そのジンクスを作るためにプレミアムチケットを使ってやって来たカップルを結婚までコーディネイトするつもりらしいんだよ。企業として、多少強引な手段を用いてもね」

 

明・省・渚「「「ええ(はあ)ッ?!!」」」

 

学園長「そのカップルを出す候補が、我が文月学園ってわけさ」

 

思わず声を上げる。顧客を増やしたいのは企業として当然だろうが、いくらなんでもこれはないと思った。

 

省太「随分と面白いこと考えるじゃねぇか……(ニヤリ)」

 

明久「手段としては分からなくはないけど、他にもやり方はあるでしょ……(クスリ)」

 

学園長「そうさね……。アタシとしては、本人の意思を無視して、うちの可愛い生徒の将来を決定しようって魂胆が気に入らないのさ。だからアンタたちにチケットの回収を頼みたいんだよ。頼まれてくれるかい?」

 

明久「そういうことなら受けます!是非やらせてください!!」

 

省太「誰かに将来を決められるってのは、嫌だからな。俺もやりますよ!!」

 

渚「2人ともやる気だね。なら、ぼくはサポートさせてもらうよッ☆」

 

ここまで知ったからにはやらない訳にはいかない。学園の、そして僕たち自身の為でもあるから。

 

学園長「頼んだよ、3人とも」

 

明・省・渚「「「はい、任せてください!!」」」

 

 

僕たちは学園長室を後にした。

 

 

 

 

 

 

帰宅して現在。僕の自宅に3人で集まって学園長の依頼について話し合っている。

 

省太「明久、渚。あの依頼なんだけどよ、ちょっと変だと思わないか?」

 

渚「どうして?」

 

明久「言われてみれば……、そうだね」

 

省太「多分だけど、学園長が回収したいのは別のものなんじゃないかって思うんだ」

 

渚「じゃあ、プレミアムペアチケットは違うのかな?」

 

省太「そうじゃない。たしかにプレミアムペアチケットも回収するべきだけど、それ以上に優先されるものがあるハズだ」

 

プレミアムペアチケットよりも優先して回収したいもの……。ひょっとして、

 

明久「白銀の腕輪?」

 

省太「そう、それなんだよ。学園長はこれについてはスルーしてたけどさ」

 

渚「もしかして、一番ヤバイのは腕輪の方ってこと?」

 

明久「でもこれは予想でしかないよね? 今すぐ決めつけるのは、早いんじゃないかな?」

 

省太「ああ、そうだな……。とりあえずこの話はここで切ろうか」

 

長引かせても仕方ないので、依頼の話については一旦終了となった。

 

明久「いい省太、渚。僕たちのやるべきことはふたつだ。ひとつはメイド喫茶の成功、もうひとつは依頼の完遂だよ」

 

省・渚「「(コクッ)」」

 

明久「だから省太。試験召喚大会、絶対に優勝しよう……!!」

 

省太「おう。やってやろうじゃないか……!!」

 

明久「渚。清涼祭の期間中、もしかしたら何か妨害があったりすると思う。そんなときは雄二や秀吉、康太の力も借りてみんなを引っ張って欲しい!」

 

渚「りょーかい! 任されて!!」

 

気合充分だね。それは僕も同じか。

 

 

明久「じゃあ2人とも(スッ)」

 

“グッ”

 

明・省・渚「「「ファイトだぜッ!!」」」

 

清涼祭も依頼も、両方成功させてみせる……!

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか。

今年もゆっくりの更新となりそうですが、なるべく更新できるように心掛けたいと思います。

では、次回にお会いしましょう!


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第18話 清涼祭スタート!

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

日が空いていますが、ちゃんと投稿するように心掛けてます。

気がつけばUAが5000を突破していました。ありがとうございます。
これからも精進していきますので、是非ともお付き合いくださいませ。

第18話です、どうぞ!


明久side

 

 

清涼祭の出し物が決まってから本番前まであっという間だった。まずテーブルと椅子を調達して会場のセッティング、それから衣装作成、提供メニューの選定を行なった。合同出展の発案者である渚がAクラスとFクラスを行き来し、僕と省太はそれの手伝いをしていた。衣装の方は予定通り作成でき、提供メニューも試行錯誤しながらも決定まで漕ぎ着けた。

 

メニューを考案しているとき、須川くんがとても生き生きとしていた。自分の得意分野とあって気合が入っていたのだろう。……まぁ、それ以上に渚が気合入っていたみたいだったけど。

 

何だかんだで準備も進んで、清涼祭開催の日を迎えた。

 

明久「これでよし……っと」

 

雄・省「「明久」」

 

明久「あっ雄二、省太」

 

雄二「そっちはどうだ?」

 

明久「バッチリだよ。2人は?」

 

雄二「俺の方も終わったぜ」

 

省太「こっちも問題ないぞ」

 

渚「ぼくもOKだよー☆」

 

この日僕は調理組、省太は設営組、渚は衣装組のリーダー、雄二は全体の統括とそれぞれ持ち場についている。

模擬店の名前は、『中華喫茶 芝麻球(チーマチュウ)』。中華風である以上はそれっぽい名前にしたい……と考えた結果、これに決まった。

衣装は男女共に中華風ウェイター、ウェイトレスといった装いで統一感を出した。

ちなみに秀吉がウェイトレスの格好をしているのは、Fクラスに女子が足りないという理由からだそうな。

 

余談だが、Aクラスの和風喫茶の衣装作成も並行して行っていた為、本番に間に合わなくなりそうになったのはここだけの話だ。

 

須川「吉井、渚」

 

渚「須川くん?」

 

須川「試作品で胡麻団子と杏仁豆腐を作ったんだが……、味見を頼む」

 

そう言って須川くんが、胡麻団子と杏仁豆腐が入った皿を乗せたお盆を持ってきた。Fクラスでは数少ない料理ができる男子とあって、その調理技術は中々のものである。

 

明久「わかったよ、どれどれ……」

 

省太「須川、これ俺たちも食っていいのか?」

 

須川「ああ、いいぜ」

 

僕が胡麻団子を食べるのに続いて、省太とサヨちゃん、雄二と秀吉、渚は杏仁豆腐に手を伸ばす。

 

省太「おっ、美味い! 甘すぎないのもいいよな」

 

サヨ「本当だね。外はカリカリ、中はモチモチでアクセントが効いてるし♪」

 

秀吉「この杏仁豆腐も、柔らかい食感で美味いのう」

 

雄二「ああ、程よい甘みだ」

 

渚「バッチリだよ、須川くん(ブイッ)!」

 

2品の出来に、みんなが好評価している。

 

明久「これだけのクオリティなら安心して提供できるね。本番も期待してるよ、須川くん」

 

須川「任せてくれ(グッ)!」

 

提供メニューも準備万端。後は開始時間になるまで、それぞれのチームで最終確認を行った。

そして……。

 

 

 

 

 

“♪ピンポンパンポーン♪”

 

『これより、清涼祭を開催いたします』

 

清涼祭開始を告げるアナウンスが流れた。

 

 

明久「今日はかなり忙しくなると思うけど頑張ろう、みんな!!」

 

『『『『おおーッ!!!!!』』』』

 

僕の掛け声にみんなが応える。清涼祭のスタートだ。

 

 

 

 

 

『いらっしゃいませ、何名様でしょうか?』

 

『こちらの席へどうぞ』

 

『ご注文は何になさいますか?』

 

『ありがとうございました、またお越しくださいませ!』

 

 

開始から1時間しか経っていないのだが、もの凄い盛況ぶりを見せている。僕たちが想定した以上に客の入りが良く、待ち時間も発生しているけど順調な滑り出しだ。

 

 

省太「明久、そろそろ時間だぜ」

 

中華服を着た省太が声をかける。

 

明久「いよいよだね。行こう、省太」

 

渚「明久、省太。ぼくも行く!」

 

渚も側へ寄ってくる。

 

省太「渚は奈子と出るんだろ?」

 

渚「もちろんッ!」

 

明久「僕と省太はCブロックだけど、渚と奈子ちゃんは?」

 

渚「Bブロックだよ」

 

明久「まずはベスト8を目指すよ。絶対勝ち残ろう!」

 

渚「うんッ! 2人もね☆」

 

明久「じゃあ雄二、しばらくお願いしていいかな?」

 

雄二「おう、行ってこい」

 

こうして僕たちはそれぞれの会場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

試験召喚大会 Cブロック会場

 

 

明久「さて、僕たちの対戦相手は……」

 

省太「岩下さんと菊入さんか……」

 

岩下「よ、吉井くんと反田くん!?」

 

菊入「気を引き締めて行くわよ、律子……!!」

 

1回戦の相手はBクラスの岩下さんと菊入さんだった。2人は最初の相手が僕たちだと知って警戒している。

 

『これより試験召喚大会を始めます! なお、3回戦までは観客は居ませんので、気楽にどうぞ!』

 

大会開始のアナウンスが流れた。今回の立会人を務めるのは、数学担当の木内先生だ。

 

木内「では双方、召喚してください!」

 

岩・菊『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

数学

 

Bクラス

 

岩下 律子:281点

 

菊入 真由美:269点

 

 

 

 

 

明久「省太。岩下さんと菊入さん、前より点数上がっているね」

 

省太「遥祐の教えもあるけど、1番はあの2人の努力だろ」

 

明久「そうだね。僕たちも召喚しようか?」

 

省太「ああ……」

 

明・省『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』

 

 

 

 

数学

 

Fクラス

 

吉井 明久:527点

 

反田 省太:512点

 

 

 

 

現れる僕たちの召喚獣。双方の召喚獣を確認すると、

 

省太「明久。お前の召喚獣、そういう装備なんだな」

 

僕の召喚獣は武器が木刀から大太刀に変わっていて、サブ武器に2丁拳銃を腰のホルスターに装備している。そして服装はというと、

 

省太「草○京? 気に入っているのか?」

 

明久「それを言うなら省太もでしょ? 服装がカ○・○スクで、武器はスライプナーじゃん」

 

省太「ふっ、否定しねぇよ」

 

以前の改造学ラン(黒)から、K○Fシリーズの草○京(オ○チ編)の服装で、日輪の部分は『明』となっている。

省太の方は、ギル○○ギアシリーズのカ○・○スク(青の部分は水色)の衣装で、武器はバー○○ロンシリーズのテ○ジン(オ○○リオ・○○グラム版)のスライプナーだ。

後はマントが追加されている。

 

菊入「だ、代表並の点数じゃない……!」

 

岩下「弱気になっても仕方ないわ! 真由美、全力で行きましょう!」

 

菊入「うん、律子ッ!」

 

省太「いい気迫だ。なら俺たちも、その気迫に応えよう!!」

 

明久「立ち向かうからには、本気で戦うよ!!」

 

 

 

 

 

結果の方だけど、1回戦は僕たちの圧勝だった。

岩下さんと菊入さんは負けてしまったが、全力を出して悔いはないという感じで、2人からは「絶対に優勝しなさいよ」とエールを送られた。

 

渚「やっほー、お疲れ2人とも☆」

 

明久「お疲れ。渚たちも勝った?」

 

奈子「もちろん! 私と渚くんがここで負ける訳ないでしょう?」

 

省太「この調子で頑張ろうぜ」

 

まずは1回戦突破。試験召喚大会も清涼祭も、まだまだこれからだ!!

 

 

to be continued……




少し短いですが、今回はここまでとなります。

次回はあの2人が登場する予定です。

また次回、お会いしましょう!


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第19話 妨害と来訪者

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。
意外と早く書き上がったので、投稿しました。

第19話です、どうぞ!


省太side

 

 

1回戦が終わって、教室に戻る途中だった。

 

秀吉「明久、省太、渚よ! ここにおったか!」

 

秀吉が俺たちを探していたらしく、急いで駆け寄って来た。

 

渚「秀吉、一体どうしたの?」

 

秀吉「実はの……、営業妨害なのじゃ」

 

明・省・渚「「「営業妨害?」」」

 

秀吉「(コクッ) 実際に見た方が早い、教室に戻るのじゃ!」

 

明久「それならグズグズしてられない、急ごう!」

 

俺たちは秀吉の後に続く。教室に着いて、秀吉が中を覗き込む。

 

秀吉「うむ、あやつらじゃ」

 

秀吉が指差した方向には、中央の席に2人の男子生徒が居座っている。ひとりはソフトモヒカン、もうひとりは丸坊主頭が特徴的だ。

 

省太「あの2人は?」

 

康太「……3年生の常村勇作と夏川俊平。他の生徒は常夏コンビと呼んでる」

 

省太「よりにもよってウチの生徒、それも最上級生かよ……。雄二はよく我慢してるな。お前のことだからシメると思ってたけど」

 

雄二「本当はボコボコにしたいけどよ、他の客のイメージダウンになるから手を出せねーんだ」

 

こっちから手を出せば、客の入りや売り上げにも響く。迂闊に手を出せないのを良いことに件の常夏コンビは、

 

常村「こんな不味いモン食えっかよ!」

 

夏川「料理来るの遅いわ、食いもんは不味いわで最悪だな!」

 

常村「まあ仕方ねぇか、“Fクラス”だしな」

 

夏川「底辺クラスにふさわしいよなぁ」

 

などと大声でのたまっている。雄二もそろそろ我慢の限界に達したようで、

 

雄二「コイツら、ぶっ飛ばすか?」

 

臨戦態勢に入った。そのとき、常夏コンビの後ろにいる人物に気付いた俺は雄二を引き止める。

 

雄二「なんだよ省太」

 

省太「俺たちが手を下すまでもないぜ、雄二」

 

雄二「どういうことだ?」

 

省太「アレを見ろ」

 

俺が指差した方向をみんなが見る。そこには常夏コンビと同じく、3年生の男女がいた。

 

???「常村くん、夏川くん?」

 

常夏「「ああ? 誰だテメ……え?」」

 

???「何をしているのです?」

 

常村「だ、代表……、小暮……」

 

夏川「こ、これは……、その……」

 

高城「あなた方は最上級生であるというのに……。自分の行いが恥ずかしいと思わないのですか?」

 

常夏「「うう……」」

 

この男子生徒は、3年生首席の高城雅春先輩。去年、俺たち3人がお世話になった人だ。さっきまで威勢の良かった常夏コンビが、まるで別人に見える。

 

高城「ここでは何ですし、場所を変えましょうか。葵さん、私はこの2人とお話をして来ます」

 

葵「ええ。お願いしますわ」

 

女子生徒の方は小暮葵先輩。この人も高城先輩と同じく、お世話になっている。時折俺たちをからかうという困ったクセがあるが、面倒見のいい先輩だ。

高城先輩は一礼し、常夏コンビと共に教室を後にした。

 

明久「店内のお客様、お騒がせして大変申し訳ありませんでした。ただ今いらっしゃるお客様は3割引で対応致します!」

 

客C「ありがとう!」

 

客H「これが不味いって、アイツらおかしいだろ」

 

客K「少なくとも、ここにいる全員はアンタたちの味方だ」

 

客E「あんなのに負けずに頑張れよ!」

 

周囲の客が口々にこう言ってくれて助かった。この騒ぎはあの2人が起こしたとはいえ、その後のアフターケアは大事だ。

 

葵「お久しぶりですね明久くん、省太くん、渚くん」

 

明・省・渚「「「こちらこそお久しぶりです、葵先輩」」」

 

葵「Fクラスに行ったと聞いて様子を見てみましたが……、いらない心配だったようです。模擬店もとても良いですね、常夏コンビ(あのバカ2人)がいなければもっと良かったでしょうに」

 

明久「容赦ないですね……」

 

葵「事実を述べたまでですわ」

 

辛辣だが、常夏コンビの暴挙を見た後だと流石にこれは、葵先輩に同意だ。

 

葵「ところで、3人は試験召喚大会に出場していますか?」

 

明久「(コクッ) 渚は他の生徒とペア組んでますけど」

 

葵「そうですか。もしあなたたちと戦うとしたら、決勝かもしれませんね」

 

明・省・渚「「「は、はい……」」」

 

葵「頑張って勝ち残ってくださいね? ではごきげんよう」

 

そう言って葵先輩も去って行った。

 

雄二「なぁ明久、省太、渚。さっき出て行った上級生と親しそうだったが、知り合いか?」

 

渚「1年生のときにお世話になった先輩だよ」

 

明久「今もお世話になっているけどね」

 

雄二「Aクラスの上級生と知り合いだなんて、お前ら何気にすげぇな……」

 

葵先輩との関わりを聞いて、雄二はまたしても感心していた。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

あの妨害行為から1時間程度経った。開始時とは打って変わって客の入りが緩やかになっている。

 

サヨ「おかしいね。これからがピークなのに、お客さんが少ないよ」

 

瑞希「そうですね、サヨちゃん」

 

美波「これまで来たお客さんは満足していたでしょう?」

 

省太「違うぜ美波。1組だけいただろ、不満だったヤツらが。もっとも、アレはイチャモンだったけどな」

 

渚「常夏コンビ?」

 

省太「ああ。多分だけど高城先輩に油を搾られた腹いせに、また嫌がらせをしてるんじゃないのか」

 

明久「それはあり得そうだね」

 

こんな話をしていると、1組のお客さんが来店する。

 

『『『『いらっしゃいませ!』』』』

 

来店して来たのは小学生くらいの女の子と、僕たちと同年代の少女だった。

 

???「お姉ちゃん! 遊びに来たよ♪」

 

美波「葉月?」

 

美波以外「「「お姉ちゃん?」」」

 

小学生の女の子は葉月ちゃん。美波の妹で、僕たちはぬいぐるみを買うのを手伝ったのがきっかけで知り合った。

 

美波「それで、一緒に来たこの子は誰?」

 

葉月「このお姉ちゃんも文月学園に知り合いがいるって聞いたから、一緒に来ることにしたです!」

 

葉月ちゃんはこう答えたが、みんな首を傾げている。ただ、省太とサヨちゃんは違っていたらしい。

 

サヨ「もしかして鈴音ちゃん?」

 

鈴音「久しぶりね、サヨ」

 

サヨ「うんッ♪ ほら見て省太くん、鈴音ちゃんだよ」

 

省太「お、おう……。久しぶりだな鈴音、元気か?」

 

鈴音「ずっと会いたかった……。私の婚約者(フィアンセ)……」

 

鈴音以外『『『『え!!??』』』』

 

 

……一瞬、時が止まりました。

 

 

省太「ちょ、ちょっと待て鈴音!」

 

 

 

 

※しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

両端のもみ上げを結んだロングヘアーが特徴的なこの少女は、朝木鈴音ちゃん。彼女もまた、省太とサヨちゃんと同じ小学校出身で特にサヨちゃんと仲が良いようだ。省太に対するあの発言は、当時2人だけの秘密を共有していたときの“設定”だそうな。

 

鈴音「……というわけなの。サヨがそうだったように、あの頃は私も省太くんといる時間が1番楽しかったから、ああいうことになっていたんだよ」

 

渚「なんだそういうことかぁ、それならそうと言えばいいのに」

 

明久「本当だね、あと少しで省太のこと軽蔑する所だったよ」

 

康太「……罪な男」

 

省太「頼む、もう勘弁してくれ……」

 

省太のメンタルがこれ以上削られる前にこの話は置いて、今の状況を確認する。

 

鈴音「お昼時なのに、お客さんが少ないね」

 

サヨ「うん。何が原因かみんなで考えているの」

 

鈴音「……あ! そういえばここに来る前に、変な噂を聞いたよ」

 

葉月「葉月もです! 確かFクラスは食べ物は不味い、接客も最悪だから行く価値はないって言ってたです!」

 

みんなが顔を見合わせる。間違いなく常夏コンビの仕業だろう。

 

省太「鈴音、葉月ちゃん。その噂はどこで聞いたんだ?」

 

鈴音「えっと……、Aクラス辺りかな?」

 

葉月「それも1回だけじゃなくて、何度も言ってたです」

 

省太「わかった、これで決まりだな。明久、雄二、渚、サヨ、鈴音、姫路さん、美波、付いて来てくれ。美波は葉月ちゃんと一緒だ」

 

美波「じゃあ葉月、お姉ちゃんと一緒に行こうか」

 

葉月「はいです!」

 

明久「秀吉、康太は教室で待機してて。来客があると思うから」

 

秀吉「了解なのじゃ」

 

康太「……任せろ」

 

噂をばら撒いた常夏コンビの制裁を目的に、僕たちは行動を開始した。

 

 

 

to be continued……




かなり早いタイミングで葵先輩と高城先輩が登場しました。今作では原作のような悪い雰囲気はありません。

無邪気勢からは鈴音ちゃんを登場させました。彼女については……、原作を読んで頂ければと思います。

原作では女装したのは明久でしたが、今作では……?

ではまた次回、お会いしましょう!


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第20話 愚か者への仕返し

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。
今回は常夏コンビへの制裁です。本作で女装したのは……?

第20話です、どうぞ!


明久side

 

 

僕たちはAクラスの模擬店、『和風喫茶 三色だんご』の前に来ている。中華喫茶もそうだったのだが、この名前を考案したのは渚だった。

 

一応、お昼休憩も兼ねているので店内へ入る。

 

翔・真「「おかえりなさいませ、ご主人様とお嬢様(はぁと)」」

 

出迎えてくれたのは、和風メイド服に身を包んだ霧島さんと真夏ちゃんだった。真夏ちゃんの方は猫耳カチューシャまで着けている。

 

女子勢『『『『か、かわいい……』』』』

 

男子勢『『『『おお……』』』』

 

女子勢は感嘆の声を洩らし、僕たち(特に雄二)は見惚れていた。

 

葉月「お姉ちゃんたち、とっても綺麗ですッ!」

 

真夏「おおきに、嬢ちゃん」

 

翔子「……ありがとう」

 

真夏「嬢ちゃんよう見たら、美波ちゃんに似とるなぁ。家族なん?」

 

美波「そうよ、ウチの妹。葉月って言うの」

 

葉月「島田葉月と言います。よろしくです、お姉ちゃんたち!」

 

真夏「よろしゅうな、葉月ちゃん♪」

 

翔子「……よろしく」

 

この後鈴音ちゃんも紹介して、席に案内して貰った。

 

真夏「では、こちらへどうぞ」

 

9人という大人数ではあったが、空いているテーブルを繋げてもらい、席に座った。テーブルに立ててあるメニュー表を見ると、名前の由来である『三色だんご』を始め、『いちご大福』、『あんみつ』、『羊羹』等、定番の和菓子が揃っている。当然飲み物は日本茶だ。

 

明久「僕は『どら焼き』2個と『きなこもち』をお願いするよ」

 

省太「なら俺は、『芋羊羹』と『三色だんご』を頼む」

 

渚「ぼくは『コーヒーあんみつ』と『いちご大福』だよ」

 

サヨ「サヨは『フルーツあんみつ』ね」

 

鈴音「私は『沖縄ぜんざい』で」

 

瑞希「私はサヨちゃんと同じ『フルーツあんみつ』をお願いします」

 

美波「じゃあウチは『クリームあんみつ』にするわ。葉月は何にする?」

 

葉月「お姉ちゃんと一緒です!」

 

雄二「じゃあ俺は……」

 

翔子「……ご注文を確認します。『どら焼き』2個と『きなこもち』を1つ、『芋羊羹』と『三色だんご』が1つずつ、『コーヒーあんみつ』と『いちご大福』が1つずつ、『フルーツあんみつ』が2つ、『沖縄ぜんざい』が1つ、『クリームあんみつ』が2つ、日本茶が8つ、『メイドとの挙式』が1つ。以上でよろしいですか?」

 

雄二「待て翔子、俺のだけおかしいんだが……」

 

雄二が注文するより先に、霧島さんが僕たちの注文を確認する。直後に雄二のツッコミが入った。

 

翔子「……雄二のは、私の特製」

 

雄二「ダメだ。普通のを頼みたい」

 

翔子「……わかった」

 

雄二「俺は『お汁粉』を頼む」

 

翔子「……かしこまりました」

 

全員分の注文を聞いた霧島さんは、伝票を持ってキッチンへと向かって行った。

 

雄二「ハァ……。ずっと待たせたツケがこんな形で来るなんてな……」

 

渚「でもその割には、少し嬉しそうだったじゃない?」

 

雄二「今はまだ早いんだよ。せめて卒業してからだろうが」

 

ため息を吐いた雄二を渚が茶化し、注文の品が来るまではみんなで雄二をイジっていた。もちろん、凹まない程度に。

それからしばらくして、霧島さんと真夏ちゃんが注文した品を持って来た。

 

翔子「……お待たせしました」

 

真夏「ごゆっくりどうぞ♪」

 

配り終えると、またオーダーを取りに戻って行った。

 

明久「じゃあみんな、食べよっか?」

 

『『『『賛成ッ!!』』』』

 

僕たちは頼んだ品を食べる。

時々みんなの物と交換しながら食べていたが、総じて甘さが絶妙で、日本茶との相性も抜群だった。

 

明久「ふぅ……。それで鈴音ちゃん、葉月ちゃん。君たちが噂を聞いたのはここだよね?」

 

鈴音「うん。省太くんと同じくらい大きい男の人だったよ」

 

葉月「坊主頭とモヒカン頭のお兄さんでした!」

 

省太「……明久」

 

明久「(コクッ) 間違いないね」

 

僕たちがそう言った直後、

 

優・リ「「おかえりなさいませ、ご主人様」」

 

常夏「「おう、2人だ。真ん中の席を頼む」」

 

優子さんとリオちゃんが常夏コンビを迎える声が聞こえた。

2人とも「またか」という表情をしている。

 

常村「ここの和風喫茶は最高だなぁ!」

 

夏川「そりゃそうだ。さっき行ったFクラスの中華喫茶は最悪だったからなぁ!」

 

常村「料理は不味い、接客態度も酷かったしなぁ!!」

 

夏川「ホント、こことは大違いだぜぇ!!」

 

と、Fクラスでやったときと同じように大声でのたまっている。

 

葉月「あの人たちです!」

 

鈴音「こんな風に大声で言ってたの」

 

2人の証言も得た。

 

雄二「すいませーん!」

 

雄二の声に反応して霧島さんがやって来た。真夏ちゃんも隣にいる。

 

雄二「翔子。アイツらはこれで何回目だ?」

 

翔子「……今ので4回目」

 

真夏「そんで、話すこともまるっきり同じ内容を繰り返しとる。今みたいにデカイ声で言うもんやから、ウチらも迷惑しとるんや」

 

真夏ちゃんは明らかに嫌な顔をしていて、霧島さんもしかめっ面だ。というか、ここにいる全員が不快な思いをしている。

 

雄二「なぁ翔子、神谷。予備のメイド服はあるか?」

 

翔子「……ある。でもどうして?」

 

雄二「とりあえず持って来て欲しい。あと、猫耳カチューシャも頼む」

 

真夏「わかった、今持って来るでー☆」

 

真夏ちゃんがメイド服を取りに控え室へ向かった。

 

雄二「さて。池端、朝木、姫路、島田。化粧道具持ってるか?」

 

サヨ「あるよ」

 

鈴音「ええ、持ってるわ」

 

瑞希「私もです」

 

美波「ウチもだけど……。何に使うのよ?」

 

その間に4人から、化粧道具を出してもらった。

 

雄二「悪い。ちょっと貸してもらうぞ」

 

真夏「坂本くーん。コレでええか?」

 

雄二「バッチリだ、神谷」

 

明久「ねぇ雄二。メイド服を何に使うのさ?」

 

雄二「あのバカ共をお仕置きする為に使うんだよ」

 

省太「なるほど、そういうことか」

 

雄二「(コクッ) 渚、お前の出番だぞ」

 

渚「えっ、ぼく?」

 

雄二の言葉に渚が目を丸くする。

 

雄二「そうだ。 (ゴソゴソ……、ピッ) ……あー、秀吉か? ちょっと手を貸してほしいが、いいか? ……そうだ。今から実行するつもりだ、早いとこ頼むぞ」

 

“ピッ”

 

雄二「周りの面子を考慮すると、お前が適任なんだよ」

 

渚「そう……」

 

こう言われて全てを悟ったらしく、

 

渚「わかった。サヨちゃんたちじゃ危険だし、明久たちじゃ顔バレしそうだから……でしょ? これしか手がないならぼくがやるよ」

 

と言い切った。

 

雄二「決まりだな。すまんが渚、任せた」

 

渚「OKだよ……」

 

そして渚は、Aクラスの控え室へ行った。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

渚side

 

 

控え室へ向かったぼくは、既に待機していた秀吉と共に着替えとメイクをしていた。

 

秀吉「うむ。我ながら良い出来じゃ」

 

渚「ねぇ秀吉。ここまでする必要、あるの?」

 

着替えとメイクが終わって鏡を見たぼくは、秀吉にこう聞く。

ちなみに猫耳カチューシャも装着済みだ。

 

秀吉「顔バレしてはいけないのじゃろう? これだけやれば、あやつらはお主だと気付かんよ」

 

渚「そ、そうかなぁ……」

 

秀吉「心配するでない。今のお主は、自分が思っている以上に美少女じゃよ」

 

渚「それって褒めてるの? とっても複雑なんだけど……」

 

秀吉「少なくとも褒めてるつもりじゃ。さぁ、これで悪党を成敗するのじゃ」

 

秀吉の激励を受け取ったぼくは、再びAクラスの教室へ戻って来た。ヤバイ、みんながぼくを見てる……。これを堂々とできる秀吉ってすごいや。……ええい、引き受けたのならちゃんとやらなきゃね。

 

渚「あの、ご主人様。少々よろしいですか?」

 

常村「ん? なんだい、お嬢ちゃん」

 

夏川「初めて見るけど、かわいいな!」

 

あれ? ぼく男だけどなんでときめいてるんだろ。アンタらに言われても全然嬉しくねーよ、気持ち悪りぃ。

 

渚「ありがとうございますぅ(はぁと) 空のお皿がございましたら、お下げしてもよろしいでしょうか?」

 

常村「ああ、頼む」

 

夏川「それよりも、このあと時間空いてる? 空いてるなら俺たちと回ろうぜ」

 

渚「え? い、いいのかなぁ……」

 

とりあえず、応えるような素振りを見せる。ぼくに注目してくれた方がお仕置きがやりやすい。ただ、仮にぼくが女の子だったとしても、コイツらのナンパはお断りだ。

 

常村「おっいいね〜、きっと楽しいぜ〜」

 

渚「でもわたしなんかじゃあ……」

 

夏川「そんなこと言わずにさぁ、頼むよ〜」

 

こんなやりとりをしながら、夏川先輩の手元にさりげなく近づく。その位置はぼくの下半身にある。さぁ、お仕置きの時間だ。

 

渚「きゃっ! ……あの、お尻触ってません……?」

 

すごい涙目になって、夏川先輩を見つめる。

 

夏川「え、ええッ……!?」

 

雄二「オラァッ!!」

 

“バキィッ!!”

 

夏川「ぶべッ!!」

 

涙目のぼくを見て動揺した夏川先輩を、雄二が殴り倒す。

 

雄二「白昼堂々と痴漢をするなんて、見上げた根性だなこのクソ野郎!!」

 

常村「待て、痴漢した証拠はどこにあんだよ!」

 

雄二「今ぶっ飛ばしたヤツの手がこの子の尻にあった。俺はキッチリ見てたぜ、間違いない!! オイ、そこの君!」

 

渚「はい……」

 

雄二「坊主頭を頼む」

 

さて。雄二にぶっ飛ばされて延びてる夏川先輩だけど、お仕置きはまだ終わりじゃないんだよね。秀吉から借りたコレを夏川先輩の頭に瞬間接着剤でつけて……と。

 

雄二「さぁ、痴漢の取り調べをさせてもらおうか。センパイ方」

 

常村「くッ……!」

 

夏川「う、ううッ……」

 

夏川先輩の目が覚めた。よし、今だ。

 

渚「きゃぁぁぁぁぁッ!!!」

 

常夏「「なんだぁ?!!」」

 

渚「……(グスッ) お尻だけじゃ物足りず、胸まで触るなんてひどいですぅ……(ひっく) 恥ずかしいじゃないですかぁ〜……」

 

渾身の泣き落としを炸裂させた。

するとみんなが、夏川先輩を冷めた目で見つめる。

 

常村「おい夏川。お前ソレ……」

 

夏川「どしたんだよ、常村?」

 

夏川先輩の頭にくっつけたのは、ピンク色のブラジャーだった。そして夏川先輩は、それを揉んでいる。

 

客N「ブラジャー剥ぎ取ってまで胸触るなんて……。酷いヤツだ!」

 

客T「しかもソレ、頭にかぶってるし……!」

 

客E「き、気持ち悪い!!」

 

客B「こっち見んな!!」

 

夏川「なんてこと言うんだ! 傷付くぞ俺!!」

 

『『『『勝手に傷付いとけ、この変態!!!!』』』』

 

夏川「常村。どうしちまったんだ、俺?!」

 

常村「悪りぃ夏川。否定したいが、俺の目から見ても、今のお前は変態だ」

 

夏川「なんでだよ!」

 

常村「ここは俺たちが不利だ。ずらかるぞ、夏川!」

 

常村先輩が、夏川先輩の傷口をこれ以上広げない為に、撤退を促す。

 

夏川「くっ、わかった常村。……クソッ、取れねーぞコレ!」

 

そう言って2人とも出て行った。

 

雄二「よし、上手いこと追い出せたな。ナイスだったぜ、渚」

 

渚「どういたしまして♪」

 

優子「えっと……。お客様、お騒がせして大変申し訳ありませんでした。お詫びとして、ただ今お越しのお客様は3割引で対応致します!」

 

優子さんがぼくたちが使った方法で対処した。やっぱりこの方法は最適だよね。

 

明久「それにしても、Aクラスを巻き込んでまで妨害するなんて……。竹原先生の意図が読めないね」

 

省太「でも、今のでFクラスが目立つと不都合だってのはわかった。次は何を仕掛けるつもりか、用心しておくに限るぜ」

 

明久「うん、そうだね」

 

ここまで来たら次なる手を考えているに違いない。改めてぼくたちは、黒幕に立ち向かう決意を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

真夏「ところで渚くん! さっき常夏コンビを追っ払ったときやけど、見た目と仕草と声色も完璧やったなー。どうしたらあんなにできるん?」

 

渚「去年、散々女装と『女の子らしさ』をレクチャーしてもらってたんだよ……、玉野さんに」

 

明・省「「あー……、そうだったね(な)」」

 

渚「ちょっとやるくらいならいいんだよ。でも玉野さんはそれが行き過ぎて、しょっちゅう女装を要求するようになったんだ……。正直自重して欲しいよ……」

 

真夏「あはは……。苦労しとるんやなぁ……」

 

渚「うん。とりあえず、わかってくれただけでも嬉しいよ……」

 

ぼくの苦労の種は中々尽きそうにない……。

 

 

to be continued……




本当はもう少し書く予定でしたが、ここでひとまず区切ることにしました。

毎回のことですが、文字数が安定しない……。綺麗にまとめられるようになりたいですね(汗)

ではまた次回、お会いしましょう!


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第21話 『元』卑怯者との再戦

こんにちは・こんばんはエクシリオンです。
召喚大会2回戦、あの男との一戦となります。

第21話です、どうぞ!


???side

 

 

???「それで妨害に失敗し、挙げ句の果てには返り討ちに遭って、おめおめと逃げ帰っただと……? この愚か者共が!!」

 

???・???「「す、すいませんッ! 」」

 

???「お前たちは仮にもAクラスだろう。なのに、ヤツらにいいようにされるとは何事だ! その肩書きは飾りか?」

 

???・???「「本当に申し訳ありません……」」

 

俺の前に???と???がいる。計画の駒として使っているが、2度も失敗しおって……。役立たずが……。

 

???「まぁいい、過ぎたことはとやかく言わん。重要なのは試験召喚大会だ、これを使え」

 

そう言って俺は、ある腕輪を2人に渡す。

 

???・???「「あ、ありがとうございます……」」

 

???「おそらくだが、あの2人とは必ず戦うだろう。そこで叩き潰せ、いいな?」

 

???・???「「そ、それはもう!」」

 

???「次失敗したら、“あの話”はなかったことにするからな?」

 

???・???「「わ、わかりました……」」

 

???「なら、明日に備えて準備でもしておけ。今日はもう大人しくしろ」

 

???・???「「はい……!」」

 

2人が返事をし、教頭室を後にするのを見送った。

 

???「ふ……。これでよし」

 

しかし、進学の推薦書をエサにしたらまんまと食いつくとは。単純なヤツらめ……。

 

???「さっきまでの方法では揺らがんか……。仕方ない、“あの手”でヤツらの心を乱してやろう。学園長。……必ずだ、必ずアンタをその椅子から下ろしてやるぞ。クックックッ……!!」

 

俺は藤堂カヲルが失脚し、自分が学園長となった姿を想像しながら教頭室を出た。

このやり取りが、部屋の中に仕掛けられた監視カメラと盗聴器に収められたことを知らずに……。

 

 

???side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

常夏コンビを撃退させた俺たちは、中華喫茶へ戻る。遠ざかっていた客足も、俺が率いる宣伝要員の尽力で何とか開始当初の状態に持ち直すことができた。

 

明久「そろそろ2回戦だよ、省太」

 

省太「お、もうそんな時間か。じゃあ行くぜ、明久!」

 

明久「OKッ!」

 

Cブロック会場へ向かいながら、トーナメント表を確認する。次の対戦相手を見てみると、

 

省太「根本と友香さんか……」

 

明久「まぁ、順当だよね」

 

フィールドの反対側には、既に到着している2人が待っていた。

 

根本「吉井と反田か。わかってはいたが、お前たちだったとは……」

 

省太「根本、俺たちは全力で相手をする。手加減は一切しないぞ」

 

明久「省太……」

 

省太「悪い明久、根本は俺にやらせてくれ」

 

明久「……わかった、心置きなくやっておいで。そういう訳だから君の相手は僕だよ、友香さん」

 

友香「そう……、ならお手柔らかに……ね?」

 

2回戦の教科は英語。立会人は遠藤先生だ。

 

遠藤「では2回戦を始めます。双方、召喚してください!!」

 

明・省・根・友『『『『試獣召喚(サモン)ッ!!』』』』

 

 

 

 

 

 

英語

 

Fクラス

 

吉井 明久:481点

 

反田 省太:469点

 

 

 

Bクラス

 

根本 恭二:403点

 

Cクラス

 

小山 友香:345点

 

 

省太「400点超え……。相当頑張ったじゃねぇか」

 

根本「ふっ……、いつまでも遥祐頼みじゃいけないからな。それにこれくらいできないと、遥祐の相棒は務まらない」

 

省太「……そうか。なら、お前の全力……、確かめさせてもらう!!」

 

根本「元より俺もお前と戦うつもりだ! 行くぜッ!!」

 

“シュッ!!”

 

“キィン、キィン!”

 

“ガギィッ!!”

 

俺と根本は互いの武器をぶつけ合う。遥祐の言ってたことは本当らしいな。

 

明久「始まったね。友香さん、僕たちもやろうか」

 

友香「ええ、明久くん」

 

その隣で、明久の大太刀と友香さんの三叉戟が火花を散らす。根本には及ばないまでも、Cクラスであることを考えると十分強い方である。

 

省太「なぁ根本」

 

根本「どうした反田?」

 

省太「俺がお前と戦うのはなぜか、言わなくてもわかっているよな?」

 

こう尋ねると、根本はとても苦い顔をしていた。Bクラス戦のことを思い出しているのだろう。

 

省太「作戦だったとはいえ、あのときお前はサヨを泣かせた。そのときのことを、俺はまだ許していない」

 

根本「……」

 

省太「今は無事に返せたからいいけど、お前のやったことは俺とサヨの想い出を傷付けるも同然のことだった……!」

 

根本「……」

 

刃を交えながらも、俺は根本に言葉を投げかける。

 

省太「遥祐から改心したことを聞かされたときも、また周りの人を裏切るんじゃないかって思ってるんだ。口ではどうとでも言えるからな……」

 

根本「反田……」

 

省太「根本! お前は遥祐頼みではいけないから頑張ったって言ったな! その言葉、信じていいんだな? 出まかせなんかじゃないんだな?!」

 

根本「ああ、本気だ!! 俺は散々卑怯なことをして遥祐を、友香を、みんなを踏みにじって来た! そんな俺は周りから見放されて当然だ! でもそんな俺に遥祐は、今までのことを反省してやり直すチャンスをくれた! だから俺はこれがラストだと思って本気でやるつもりだ!!」

 

俺の言葉を受けて、いつになく真剣に叫ぶ根本。今までの彼からは想像もつかない姿だ。

 

根本「今までのことがあるから、多分この先もみんなに迷惑をかけてしまうかもしれない。間違いを犯すかもしれない。……けど、それでも仲間を……相棒と助け合うことを忘れずに乗り越えて行こうと思う。だから反田……。俺の全力、お前にぶつけるぜ!!」

 

省太「あのときよりもずっと良い表情(かお)になったな!! 面白い! 最後に立っているのは俺か、お前か! 確かめようぜ根本……いや、恭二!!」

 

恭二「望むところだ……、省太!!」

 

“キインッ、キインッ!”

 

“ガギィッ!!”

 

最初のときよりも、激しくぶつかり合う俺たちの得物。ここまで強くなっているなんてな。大したヤツだよ……。

 

恭二「仕掛けるか……。行くぜ!!」

 

省太「ふん、来いよ……!!」

 

恭二「“腕輪発動”ッ!!」

 

恭二が腕輪を発動させると、大量の針が襲い掛かる。それらをマントで防いだが……。

 

恭二「まだあるんだぜ?」

 

一瞬無防備になったスキを突いて、再度針を射出する。その内の1本が俺の召喚獣の左肩に刺さった。

 

省太「くっ、当てられたか!」

 

恭二「俺の腕輪の能力は“毒針”だ。相手の動きを鈍くして、おまけに時間経過と共に点数を削っていくぜ」

 

そう説明する恭二は、また苦い顔をしている。よりにもよって、かつて呼ばれた『卑怯者』を彷彿とさせる能力だったからだ。

 

 

 

 

 

Fクラス

 

反田 省太:304点

 

 

Bクラス

 

根本 恭二:328点

 

徐々にだが、点数が減っている。斬り合う時間が長引くほど俺が不利だ。

 

恭二「……皮肉なモンだな、漸く得た腕輪がコレだなんてよ……。でも重要なのはこれからだ。周りから何を言われようと、俺はこのチカラを正しく使う。遥祐の背中を守る刃になってやる!!」

 

省太「ふ……。やるじゃねぇかよ、恭二」

 

恭二「ありがとよ。だが、それではお前が負けるぞ?」

 

省太「いや、こうすりゃ良いんだよ!!」

 

“ガシッ!!”

 

そう言って俺は毒針を掴んだ。掴んでる方の手にも鈍い痛みが走る。

 

省太「ぐううううッ!!」

 

恭二「お、おい省太!!」

 

“ズボッ!!”

 

省太「だああああッ!!」

 

恭二「追加ダメージをカットするには針を抜くのが唯一の方法だが、下手をすれば点数消費を早めるだけだ。それでもやってのけるなんて……、すごいヤツだなお前は」

 

省太「そりゃどうも。でも点数は結構削られたけどな」

 

 

 

 

 

 

Fクラス

 

反田 省太:217点

 

 

Bクラス

 

根本 恭二:328点

 

 

針を抜くまで時間が掛かったのもあって、210点台まで減らされている。点数的には恭二が有利だ。

 

明久「まだ続いているみたいだね」

 

省太「明久。もう終わったのか?」

 

明久「うん。友香さん、点数差はあったんだけど操作技術で補っていて中々強かったよ」

 

省太「俺たちの中で最強の明久についていけるなんて、すごいじゃないか、友香さん!」

 

友香「それは遥祐くんの指導もあったからよ。私だけの力じゃ、明久くんに攻撃を当てることすらできなかったと思うわ」

 

お世辞でも何でもなく、本当のことだ。明久についていくだけの実力を持つ生徒は限られているから。

 

明久「省太! 僕の助けは必要かな?」

 

省太「大丈夫、俺1人でもやってみせるさ」

 

明久「わかった、省太を信じるよ!」

 

省太「サンキュ、明久。さぁ恭二、誰も邪魔はしない。白黒付けようぜ……!!」

 

恭二「感謝するぞ省太。お前に勝つことで俺はまた1つ、遥祐へ近づく……!!」

 

距離を取って武器を構える。恭二は2対の大鎌を、俺はスライプナーを変形させたブリッツ・セイバーを。

 

省太「………」

 

恭二「………」

 

俺も恭二もまだ動かない。お互いに腹の探り合いをしているのだ。

この状態がしばらく続き、静寂を破ったのは……。

 

恭二「これで決めてやるぜ!!」

 

恭二だった。大鎌にエネルギーを込めて突撃を掛ける。そんな状況でも俺は冷静だった。剣先を恭二の召喚獣へ向けて、飛び込んで来るギリギリのところまで待った。

 

恭二「この勝負、もらったぞ省太!!」

 

省太「それはこっちのセリフだ、“メガ・ブラスター”!!」

 

恭二「な、なんだとッ?!」

 

俺はこのときを待っていた、恭二の攻撃が俺に届く間合いに入る瞬間を。ここで腕輪を発動させ、強力なエネルギー波を叩き込んで勝敗が決まった。

 

 

 

 

Fクラス

 

吉井 明久:351点

 

反田 省太:97点

 

 

Bクラス

 

根本 恭二:0点

 

Cクラス

 

小山 友香:0点

 

 

遠藤「それまで! 勝者、吉井・反田ペア!!」

 

省太「よっしゃッ!」

 

明久「やったねッ!」

 

“パァン!”

 

明・省「「上出来ッ!!」」

 

 

 

 

 

 

遠藤先生が俺たちの勝利を告げる。

 

恭二「負けたのか……。でも良い試合だったぜ」

 

友香「ホントね……。だから私、もっと強くなりたいって思ったわよ?」

 

恭二「そうか……」

 

省太「恭二ッ!」

 

恭二「省太、あと少しでお前に勝てたけどな……」

 

省太「俺も勝ちたい人がいるからな、負けてやる訳にはいかないのさ」

 

明久「そういうこと。僕たちももっと強くなりたいからね♪」

 

恭二「どこまでも上を向いているんだな、お前たちは」

 

省太「今日戦ってみてお前の本気、確かに見させてもらった。だからあのときのことは、許すことにする。この気持ち、絶対に忘れないでくれ。あと、サヨにも謝っておけよ……」

 

恭二「ああ、もちろんだ。俺自身に誓おう」

 

そう答えた恭二の顔はとても柔らかかった。

 

明久「2人の戦いを見てたら、僕まで根本くんと戦ってみたくなったよ。いつか手合わせをお願いしたいね」

 

恭二「オイオイ。本気のお前じゃ勝てる気がしないから、もう少し待ってくれ。それから、俺のことは名前でいいぞ」

 

明久「OK。なら僕も名前で呼んでね、恭二」

 

恭二「それでいい、明久」

 

恭二と気軽に話せるなんて、考えたこともなかったな。心のどこかで俺たちは、これを望んでいたのかもしれない。

 

恭二「お前たちの実力なら、絶対に優勝を狙えるハズ。応援してるぜ」

 

友香「頑張ってね、2人とも」

 

明久「ありがとう恭二、友香さん」

 

省太「必ず優勝してみせるぜッ!! (グッ)」

 

その後の3回戦も勝利し、召喚大会1日の全試合を終えた。渚と奈子も難なく勝利を重ねて決勝トーナメントへ駒を進める。

 

これでベスト8が全て出揃った。

 

 

to be continued……




21話は、恭二との和解も描いてみました。私個人としてはこういうのも悪くないかと思っていますが、ちょっとやりすぎだっただろうか……(汗)

私はこの作品を読んで頂ける読者の皆様がいらっしゃるだけでもありがたいですが、感想も書いて頂けると嬉しいです。モチベーション向上にも繋がります。

では、また次回にお会いしましょう!


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第22話 狙われた少女たち

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

黒幕が仕掛ける3度目の妨害は……?

第22話です、どうぞ!


明久side

 

 

召喚大会1日目の全試合を終えた僕たちは、再び中華喫茶へと戻って来た。お客さんがたくさん入ったり、妨害されたり、そしてまた増えたりと中々忙しい1日のこの日。また客足が緩やかになる時間が来たときのことだった。

 

渚「ねぇねぇ雄二。ぼく、また面白いこと思いついたけど、いいかな?」

 

雄二「ほぅ、それはなんだ?」

 

渚「ぼくたちはAクラスと合同出展でしょ? だから、FクラスとAクラスのメイドを入れ替えしてみてもいいかなって思うんだ☆」

 

渚が雄二に、メイド入れ替えの提案をしている。ちなみに、常夏先輩たちを追い払ったときのメイド服はまだ着けたままだ。案外評判が良かったのか、今日のラストまではこれで通すつもりらしい。

 

雄二「そうだな……。お前たちはどうだ?」

 

明久「良いと思う。Fクラスのみんなが喜ぶよ」

 

省太「アイツらがやる気になるなら、俺も同意見だ」

 

サヨ「サヨも! 和風の服、もう一度着けたいな♪」

 

瑞希「Aクラスのメイド喫茶を見てたら、着けてみたくなりました」

 

美波「ウチも! 中華喫茶とはまた違う感じで、楽しそうだし!」

 

秀吉「ふむ。みんなが良いなら、わしも賛成するかの」

 

康太「……(グッ)」

 

せっかくの合同出展だ、これくらいはやっておきたいとみんなが思っていたようだ。

 

雄二「よし、じゃあこれからAクラスに行くが……」

 

鈴音「えっと……、坂本くん」

 

雄二「ん? どうした、朝木?」

 

鈴音「もし良かったらだけど、私たちも手伝っていいかな?」

 

Aクラスに向かおうとした僕たちを、鈴音ちゃんが呼び止める。

 

明久「私『たち』?」

 

鈴音「そうだよ。ね、葉月ちゃん?」

 

葉月「はい! 葉月も、お兄ちゃんたちのお手伝いをするです!」

 

鈴音ちゃんと葉月ちゃんが助っ人を名乗り出た。気持ちはとても嬉しいのだけど……。

 

明久「ゴメンね。鈴音ちゃんは何とかなりそうだけど、葉月ちゃんの分がないんだよ……」

 

康太「……任せろ」

 

明久「康太!?」

 

僕が言ったのと同時に、ものすごい勢いで葉月ちゃんの分の衣装を仕立てていく。なんて早さだ。

 

康太「……できたぞ」

 

葉月「ありがとうです! エッチなお兄ちゃん♪」

 

康太「……礼には及ばない(キリッ)」

 

普通ならカッコイイハズなのに、締まらないと思うのは気のせいかな。

 

雄二「じゃあ、Aクラスに行くか」

 

Fクラスのみんなにこの場を任せて、僕たちはAクラスに向かった。ちょうどいいタイミングでAクラスも客足が緩やかだったので、渚の提案を霧島さんたちに話した。

 

翔子「……その提案、乗ってもいい」

 

真夏「せやな、こんくらいやってもバチは当たらんやろ。ウチも賛成したる、みんなもそれでええか?」

 

『『『『異議なーし!!』』』』

 

Aクラスのみんなとも了解は得られた。こう言っちゃ何だけど、より合同っぽくなったと思う。

 

真夏「ほんなら、早よ着替え行こか。サヨちゃん、美波ちゃん、瑞希ちゃん、鈴音ちゃん、葉月ちゃん、行くで♪」

 

サ・美・瑞・鈴・葉『『『『『(うんッ!) (はいッ!) (はいですッ!)』』』』』

 

リオ「じゃ、アンタたちは先に戻って待ってなさい」

 

こうして女子勢はAクラスの控え室へと向かって行った。

 

渚「秀吉、Fクラスのみんなが待ちくたびれてそうだから早く戻ろうか?」

 

秀吉「うむ。むさ苦しい環境じゃ、あやつらもやる気は出んじゃろ」

 

渚「そういうこと♪ すぐに戻ってやる気を戻してあげないとね」

 

秀吉「明久、省太、雄二、康太よ。わしらは先に行くからの」

 

そう言って秀吉と渚はFクラスへ戻って行った。

 

康太「……明久、省太」

 

明久「どうしたの、康太?」

 

康太「……渚のメイド服姿、写真に収めたい」

 

康太がこんなことを聞いて来た。噂によると、『中々姿を見せない謎の美少女』として話題になっているとか。それ程までに、渚の女装は完成度は高い。

 

省太「まぁ、OKしてくれるとは思うけど一声かけておけよ」

 

康太「……安心しろ。その辺の抜かりはない」

 

そして康太も教室へ戻って行く。この場にいるのは、僕と省太と雄二だけだ。

 

雄二「俺たちも戻るぞ」

 

明久「(コクッ) 今日1日色々あったけど、ラストスパートかけて頑張ろう」

 

省太「おう、そうだな」

 

雄二に促されて教室へと急ぐ。でも僕たちは知らなかった。この日最大の苦難が待ち受けていたことを……。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

優子side

 

 

明久くんたちと別れたアタシたちは、Aクラスの控え室で衣装チェンジをしていた。で、今回入れ替わることになったのは、Aクラスはアタシとリオで、Fクラスはサヨちゃんと姫路さんだった。衣装の入れ替えにみんなで盛り上がり、そろそろ行こうと扉を開けようとした瞬間……。

 

 

“ガチャ”

 

 

???「おッ。いっぱいいるじゃねぇか」

 

1人の不良が入って来た。見覚えのない人だったので思わず身構えてしまったが、毅然とした態度で話しかける。

 

優子「そこのアナタ? ここは関係者以外立ち入り禁止なんですけど、一体何の用ですか?」

 

不良A「なに、俺たちは君たちに用があるから来たんだよなぁ。おい、お前ら!!」

 

一斉に入って来た不良の仲間たちに、アタシたちはみんな取り押さえられてしまった。

 

不良A「良くやった、お前ら。さぁ、今から君たちは俺たちと一緒に来てもらうよ」

 

リオ「へぇ……。そう言われて、はいそうですかって聞くと思っているのかしら?」

 

不良A「まぁ、そう言うと思ったよ。ならこうしようか……、やれ」

 

“グッ”

 

奈子「くッ!」

 

このみ「奈子ちゃん!!」

 

リーダー格の男の指示で、奈子を押さえていた男がナイフを突きつけている。刃が肌に当たるギリギリのところだ。

 

不良D「できれば傷付けたくねーんだ。だからアニキの言うことは聞いた方がケンメイだぜ?」

 

優子「(明久くん……!)」

 

アタシたちは最大のピンチを迎えていた。

 

 

優子side out

 

 

 

 

 

 

 

リオside

 

 

私たちは不良に取り押さえられて、身動きが取れない状態にあった。全員が逃げられないなら、誰かにこのことを伝えてもらおうと思い、周囲を見回す。

 

リオ「(1番逃げられる可能性があるのは、真夏ちゃんと愛子ちゃんか。流石に私だけじゃ厳しいかも。……ねぇ奈子)」

 

奈子「(何、リオ?)」

 

不良たちに気付かれないように奈子を呼ぶ。

 

リオ「(ちょっと私に協力してくれないかしら?)」

 

奈子「(……わかったわ)」

 

言葉数は多くなかったが、奈子も私がやることを理解したようだ。不良たちが私たちへの注意をそらす瞬間を待った。

 

リオ「(今ね。行くわよ、奈子!)」

 

奈子「(OKよ、リオ!)」

 

“ゴッ!!”

 

不良G・L「「ゔッ?!」」

 

私たちを押さえていた不良の腹に強烈な肘打ちを入れて解放させ、その勢いで真夏ちゃんと愛子ちゃんの周りにいた不良たちを倒していった。

 

リオ「真夏ちゃん! 愛子ちゃんを連れて早く逃げて!」

 

真夏「リオちゃん! せやけど……!」

 

奈子「私たちも長くは持たないわ! あなたたちだけでも早く……!」

 

愛子「……わかったよ2人とも。必ず助けを呼ぶからね! 行こう、真夏ちゃん!」

 

そう言って愛子ちゃんは、真夏ちゃんと共に逃げていった。あとは2人に任せよう……。

 

不良A「やってくれたな姉ちゃんたち。だがまぁいい。2人減ったが人質は大量に確保できたからな。でも君たち2人は、ちょっとお仕置きが必要だねぇ。……お前ら、やれ」

 

不良H「わかった、アニキ。オラァ!」

 

“ドスッ”

 

リ・奈「「うっ……、かはっ、かはっ……」」

 

不良の仲間から腹パンを喰らい、みんなの呼びかける声が聞こえる中、私と奈子は痛みと共に気を失ったのだった。

 

 

リオside out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

省太「おかしい……」

 

僕たちが教室に戻ってから10分以上が経過したときだった。省太が時計を見ながら、こう呟いている。

 

明久「みんなが気になる? 考え過ぎだよ……って言いたいところだけど、流石にちょっと時間がかかり過ぎかなぁ……」

 

久保「あっ、吉井くん!」

 

明久「久保くん? 何かあったの?」

 

久保「霧島さんたちが戻って来てないんだ。吉井くんたちの方はどうなのかなって……」

 

渚「うーん、ぼくたちの方もみんなまだ戻って来ないんだよね……」

 

雄二「一体どうなってやがる……」

 

そのときだった。

 

真夏「省太ー、明久くーん!!」

 

真夏ちゃんと工藤さんが、息を切らしてこっちにへ向かってくる。

 

省太「真夏、工藤さん。みんなはどうしたんだ、一緒じゃないのか?」

 

愛子「それがね……、いきなりやって来た不良たちに拐われちゃったの……」

 

明・省・雄・渚・久「「「「「な、なんだって(だと)!?」」」」」

 

真夏「リオちゃんと奈子ちゃんのおかげで、ウチらだけが逃げられたんや……」

 

2人はここに来るまでの一部始終を話してくれた。そこには、自分たちだけが逃げられたことを悔やんで涙する姿があった。

 

明久「なるほど。話してくれてありがとう真夏ちゃん、工藤さん。渚は秀吉を呼んで来て、いいね?」

 

渚「うん、わかった」

 

明久「……省太」

 

省太「みなまで言うな、明久。俺たちで助けに行く」

 

明久「そうだね。次は犯人の居場所を割り出さないと……」

 

遥祐「知りたい?」

 

明・省「「遥祐?」」

 

そこに遥祐が通りかかって来る。

 

雄二「神代! お前、ヤツらがどこにいるか知ってるのか?」

 

遥祐「(コクッ) ここから歩いて10分くらいのカラオケボックス店だよ。行くなら早くした方がいい、連中は何をやり出すかわからないからさ」

 

明久「ありがとう遥祐」

 

遥祐「困ったときはお互い様だよ。AクラスとFクラスのみんなには、オレが何とか言っておくからね」

 

こうしてる間に渚が秀吉を連れて来た。

 

秀吉「明久よ。渚から大方話を聞かせてもらった、わしも行こう。姉上のみならず、このみ殿まで危険に晒されたとあっては、見過ごすことはできん」

 

明久「決まりだね。省太、渚、雄二、秀吉。……行こうか」

 

省太「ああ。あの不良たち(バカ共)を後悔させてやるぜ……、みんなに手を出したことをな!」

 

渚「ふふ、そうだね。ケンカを売る相手を間違えたらどうなるのか、思い知らせなきゃね」

 

雄二「……完全にキレてるな、コイツら。だが気持ちはわかるぜ」

 

秀吉「うむ。残念じゃが、犯人共の自業自得じゃ……」

 

雄二と秀吉の言葉を尻目に僕たちは、みんなを助け出す手立てを考えるのだった。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?
次回は、この不良たちへの制裁となります。

では、また次回にお会いしましょう!


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第23話 バカたちの救出劇!!

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

タイトルの通り、救出(とお仕置き)回となります。

あと、今更ですがお気に入りが20を超えていました。お気に入り登録してくださった読者の皆様、ありがとうございます。期待に応えているか不安ですが、頑張っていきます。


第23話です、どうぞ!


明久side

 

 

康太「……待て明久、省太」

 

康太が出発しようとした僕たちを呼び止める。

 

明久「康太?」

 

康太「……これを使え、中の様子がわかる。省太、お前ならやり方を知ってるハズだ」

 

渡されたのは盗聴器とノートPCだった。

 

明久「待って康太、それって犯罪にならないかな?」

 

康太「……手段を選んでいられないだろう。今は一刻も早く助けることを考えろ」

 

省太「……サンキュ。ありがたく使わせてもらうぜ」

 

康太「……大事に扱え。そして、彼女たちを無傷で救い出せ」

 

明久「わかったよ、康太」

 

康太「……証拠隠滅も忘れるなよ」

 

省太「(コクッ)」

 

雄二「んじゃ、行くか。お姫様たちを助けに……な」

 

そして僕たちは、目的地であるカラオケボックス店へ向かって行った。

 

 

 

明久「省太、中の様子はどうなってるの?」

 

省太「もう繋いであるから、見れるぞ」

 

カラオケボックス店に着いた僕たちは、連中がいる大部屋の隣の部屋で状況の確認をしていた。康太から教えてもらったことが、ここで役に立つのは皮肉だろうか。

 

明久「不良たち(コイツら)が話してる内容はわかる?」

 

省太「盗聴器を仕掛ける必要があるけど、できなくはないぜ」

 

渚「ならその役目、ぼくに任せて」

 

雄二「渚、大丈夫か?」

 

渚「大丈夫。こういうのは、ぼくが1番やりやすいからね」

 

明久「そう。じゃあお願いね、渚」

 

省太「無理するなよ」

 

渚「(コクッ)」

 

準備を済ませた渚は、連中がいる大部屋へ入って行った。それからしばらくして、

 

???『失礼します、灰皿を取り替えますね』

 

不良A『ありがとよ』

 

ウェイトレスが灰皿を取り替えたところから聞こえたので、それが渚だとわかった。

 

渚「お待たせ、ちゃんと仕掛けたよ」

 

明久「ありがとう渚。じゃあ聞いてみようか」

 

渚も戻って来たので、連中の会話を聞くことになった。

 

 

 

不良E『さて……、吉井と反田だったな? この娘たちを人質に呼び出すか?』

 

不良J『待て。2人のことは知らないが、ヤツらの仲間の坂本まで連れて来られたらマズイ。中学時代は有名だったからな』

 

不良N『あと、上運天とか言うチビもな』

 

不良J『ああ。ソイツらまで来てほしくないぜ』

 

不良A『まぁ、気持ちはわかるがそうもいかないだろ? 依頼はその2人を乱すことだからよ』

 

不良H『そ、そうだなアニキ』

 

間違いない。実行犯(コイツら)とは別に依頼した人物……主犯格が存在している。多分竹原先生(あの人)だと思うけど。

 

雄二「明久、省太。お前たちならすぐにでも行くかと思ったが、結構落ち着いているな」

 

明久「本当はそうしたいけど、連中の意識がみんなに向くのを待っているのさ」

 

省太「中途半端に殴り込みをかけたら、逆にみんなを危険に晒す。だから冷静になっているだけだ……」

 

秀吉「なるほどの……」

 

実際そうだ。拐われたって聞かされた時点でボコボコにしたいってのが本音だけど、タイミングがあるからね。

 

サヨ『お願い、奈子ちゃんとリオちゃんの縄を解いて!』

 

不良B『んー、それはできない相談だな。この2人に暴れてもらっちゃ俺たちが困るからねぇ』

 

鈴音『そんな……ッ』

 

不良K『なぁアニキ。この嬢ちゃんたち、ヤっちゃっていいのか?』

 

不良A『それなら俺が先だ。この黒髪の娘からな』

 

不良C『じゃあ俺は、ショートヘアの方ね!』

 

奈子ちゃんとリオちゃんは縛られて、霧島さんとこのみちゃんが狙われているのを見て、僕たちは激しい怒りの表情になる。コイツら、みんなに傷をつけたらマジで許さない!!

 

優・サ『『やめなさい(やめて)! 2人に手を出さないで!!』』

 

翔・こ『『優子(サヨちゃん)!!』』

 

優子さんとサヨちゃんが霧島さんとこのみちゃんを庇うように前へ出た。不良たちの注目がそっちへ向く。

 

不良I『お友達を庇っているのかい? いいね〜、美しい友情だよ』

 

不良A『じゃあ、君たちが代わりにやってくれるんだな?』

 

優子『そ、それは……』

 

不良A『まさか、できないっては言わないよね〜? ……お前ら!』

 

不良たち『『『『わかったぜ、アニキ!!』』』』

 

“ガシッ”

 

優・サ『『や、やめて! 離してよ!』』

 

翔・こ『『優子(ちゃん)!!』』

 

鈴・瑞・美・葉『『『『サヨ(ちゃん) (お姉ちゃんたち)!!』』』』

 

不良A『おっと、下手に動かない方がいい。ケガするよ?』

 

優子さんとサヨちゃんが何人かに押さえられた。正直、僕と省太はもう限界だ。

 

優子『い、いや……』

 

サヨ『助けて……』

 

優・サ『『明久(省太)くん……!!』』

 

この言葉を聞いた瞬間すぐに、僕と省太は大部屋に突入していた。

 

“バァンッ!!”

 

不良たち「「「「な、なんだお前らは?!」」」」

 

明・省「「オラァァァッ!!」」

 

“ドガァッ!!”

 

不良J・F・D・I「「「「ごぺッ?!!」」」」

 

優子「明久くん……!」

 

サヨ「来てくれたんだね……!」

 

突入と同時に押さえていたヤツらを殴り倒す。とりあえず2人にケガがなかったのは良かったけど、ぶっ飛ばすことに変わりはない。

 

明久「僕たちが来たから、もう大丈夫だよ……」

 

省太「さて……。随分と好き勝手やってくれたな、テメェら!!」

 

明久「タダで済むとは思わないことだね。覚悟してもらおうか!!」

 

不良H「アニキ、コイツらだ! この2人が吉井と反田だぜ!!」

 

不良A「怯むな、たかだか2人だけだ! 大したことはない!」

 

省太「は、2人? 違げぇよ、バカ!!」

 

 

“バキャッ!!”

 

 

不良B・G・E「「「おごッ!!」」」

 

雄二「……ったく! 勝手に突っ込むなよ明久、省太!!」

 

渚「仕方ないよ、あんな風にされたら黙ってられないよね!!」

 

秀吉「当然じゃ!!」

 

省太の言葉と共に、雄二と渚と秀吉も不良を殴り飛ばしながら入って来た。これで多少なりともやりやすくなる。

 

翔子「雄二!」

 

このみ「秀吉くんと渚くんも!」

 

雄二「すまねぇ翔子! 来るのが遅くなった!」

 

秀吉「姉上とこのみ殿、みんなにケガがなくて良かったのじゃ!」

 

渚「ぼくたちが来た以上、勝手なことはさせないから!」

 

不良C「さ、坂本だ! 悪鬼羅刹の坂本が来やがった!!」

 

不良M「もう1人は知らねえが、上運天までいやがる!」

 

明久「みんな揃ったね。さぁ、始めようか」

 

省・雄・渚・秀「「「「ああ(うん) (うむ)」」」」

 

“ドガッ、バキッ、ボコッ!!”

 

僕たちは残った不良たちを倒していく。ソイツらが少なくなったのを見計らって、秀吉が奈子ちゃんとリオちゃんの縄を解いた。もう一度確認してもらったが、ケガはなかったようだ。

 

明久「残りは君だけだ、大将さん」

 

省太「俺たちにケンカを売った時点で、アンタの負けは決まっていたんだよ」

 

不良A「ク、クソッ! こうなったら……! おい、そこの嬢ちゃん!!」

 

このみ「きゃッ!」

 

不良A「この娘を返して欲しかったら、おとなしくしていろ。さもないと痛い目に……」

 

秀吉「遭うのは貴様じゃ、愚か者め!!」

 

“バキィッ!!”

 

不良A「うげッ!!」

 

追い詰められたリーダー格の不良は、このみちゃんを盾にしようとしていたが、秀吉が隙を突いて取り戻す。全員仕留めたから、これで一安心だ。

 

秀吉「大丈夫かの、このみ殿?」

 

このみ「うん。ありがとう、秀吉くん」

 

渚「奈子ちゃん、リオちゃん、良かったぁ……。ぼく、2人がキズモノにされたんじゃないかって、すごく心配だったよぉ〜……」

 

奈子「大丈夫よ、渚くん。私とリオはこう見えて、ヤワな鍛え方はしてないからね」

 

リオ「もう、大袈裟なんだから。でも、心配してくれたのは嬉しかったわよ」

 

雄二「翔子、お前を危険に晒してしまってすまねぇ。俺もまだまだだ」

 

翔子「……でも、来てくれるって信じてた」

 

雄二「ありがとう、翔子……」

 

渚たちがみんなに言葉をかけていく。そして僕たちも、優子さんとサヨちゃんの側に近寄る。

 

明久「拐われたって聞いたときはすごく焦ったけど、無事でいてくれて良かったよ」

 

省太「ああ。もしケガでもされていたら、俺たちは自分を許せなくなっていたからな」

 

声をかけると、2人が体を震わせているのに気付く。

 

明・省「「優子さん(サヨ)?」」

 

優・サ「「うわああん、明久(省太)くぅん!!」」

 

“ギュッ”

 

明・省「「うわッ?!」」

 

優子「明久くんがあのとき来てなかったらアタシ……、アタシ……ッ」

 

サヨ「(グスッ) 怖かったよぉ〜……」

 

今まで我慢していたのを吐き出すかのように、優子さんとサヨちゃんも僕たちに抱きついて来る。

 

明久「ゴメンね優子さん。怖かったよね……」

 

省太「もう大丈夫だからな? サヨ……」

 

鈴音「良かったわねサヨ。流石省太くん、私の“元”フィアンセね」

 

瑞希「吉井くんと木下さん、とてもお似合いな気がします……」

 

美波「なんか、妬けちゃうな……」

 

葉月「羨ましいです、お姉ちゃんたち……」

 

この光景を見た鈴音ちゃんたちがかけた言葉を耳に、優子さんとサヨちゃんが落ち着くまで、僕たちは2人を抱きしめていた。

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

 

 

雄二「そろそろ学園に戻るか。明久、省太、行くぞ」

 

明久「先に戻っていいよ、雄二。渚と秀吉も連れて行って」

 

省太「俺たちは不良たち(コイツら)にちょっと用があるからな」

 

雄二「わかった。秀吉、渚、先に行くぞ」

 

渚「りょーかい」

 

秀吉「承知したのじゃ」

 

省太「みんなを頼む」

 

雄二「任せとけ(グッ)」

 

雄二がみんなを連れて、カラオケボックス店を出て行くのを確認する。さて、リーダー格の男には色々と聞かなきゃね。

 

省太「起きろ」

 

不良A「う……、なんだ……?」

 

省太がリーダーを叩き起こす。もちろん暴れてもらっては困るので、全員縄で縛っている。

 

明久「今から僕たちの言うことにちゃんと答えて。答えをはぐらかしたりしたら、君の傷が増えるからね」

 

不良A「わ、わかった……」

 

省太「まず1つ。あの娘たちを拐ったのはなぜだ?」

 

不良A「た、頼まれたからだ。お前たち2人と親しい女子生徒を拐えってな」

 

明久「拐ったあとのことは、何て言われたの?」

 

不良A「好きにしてくれても構わないと。拐ったあとは彼女たちがどうなろうと知ったことではない、とな」

 

この発言を聞いたときは心底怒りを覚えた。自分の野望の為に、生徒に危害が加わるのを厭わないなんて……。

 

明久「拐う理由は言ってた?」

 

不良A「詳しくは知らないが、学園長の座がどうこうとか言ってたと思う」

 

省太「これで最後だ。お前たちに依頼した人物の名前は?」

 

不良A「竹原という男だ」

 

省太と顔を見合わせる。今までは限りなく黒に近いグレーだったけど、これでほぼ確定だ。

 

明久「さあ、君たちの選択肢は2つ。このまま警察に突き出されるか、金輪際彼女たちに近づかないことと引き換えに、お咎めなしとするかだ」

 

不良A「……」

 

明久「報復しようと思っているのなら、その考えは今すぐに捨ててね。これまでの流れは全部録音済みだから」

 

省太「今度、彼女たちの前に姿を見せた時点で警察に突き出す。それか社会的に抹殺する」

 

明久「わかったのなら、もう僕たちの前にも姿を見せないでね。……次は命の保証はしないから」

 

不良A「わ、わかった……」

 

リーダーが自分で解けるくらいに縄を緩めて、僕たちもカラオケボックス店を後にする。

 

省太「明久。今回のことは学園長と話をするべきだと思うけど、どうだ?」

 

明久「そうだね、強硬手段使った訳だし。でも、とりあえずは中華喫茶だ。みんなが待ってる」

 

省太「ああ。早いとこ行こうか」

 

そして僕たちは学園に向けて走って行った。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

できればでいいのですが、感想等も頂けると幸いです。どんなことでも構いません、読者の皆様の声を聞かせてください。

ではまた次回、お会いしましょう!


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第24話 明かされた真相

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

学園長の本来の狙いが明らかに!

第24話です、どうぞ!


明久side

 

 

清涼祭1日目の日程が終わった後、教室には僕たち……誘拐兼強姦未遂事件(仮)に関わったメンバー全員が集まっていた。情報提供に協力してくれた遥祐もいる。

 

省太「明久。いいんだな? みんなに聞かせても」

 

明久「(コクッ) だってここにいるみんなは、当事者になったからね」

 

省太「わかった、それなら俺もOKだ」

 

当然だ。優子さんたちは無関係なのに巻き込まれたし、鈴音ちゃんと葉月ちゃんに至っては、文月学園の生徒ですらないのだから。

 

明久「康太。念の為確認するけど、盗聴器とか監視カメラとかそういうのはないよね?」

 

康太「……仕掛けられた形跡はないから安心しろ」

 

明久「ありがとう」

 

優子「ねぇ明久くん、これから何をするのかしら?」

 

みんな待たされている状況が気になった優子さんが質問して来た。今日の日程が終わったのに教室に残れと言われたら、気にもなるだろう。

 

明久「今回の一連の騒動について、話をするんだよ」

 

秀吉「誰とするのじゃ?」

 

省太「学園長とな」

 

その言葉の直後、教室の扉が開いた。

 

学園長「呼ばれたから来てみたが……、随分と人数が多いじゃないか。見たところ、学園の生徒じゃない子もいるようだがね?」

 

明久「全員が当事者だからです。脱出した真夏ちゃんと工藤さんを除いた女子生徒全員が誘拐されて、遥祐と雄二、秀吉、康太はその救出に協力してもらいました。鈴音ちゃんと葉月ちゃんは部外者ではありますが、何も知らないまま返す訳にはいかないと思ったので、この場に残ってもらったんです」

 

学園長は少しの間鈴音ちゃんを見ていたが、すぐに僕たちの方に向き直ると、

 

学園長「そうかい。まさかとは思ったが、強硬手段を取ったというのか……。お前たち、すまなかったねぇ……」

 

そう言って学園長は立ち上がって頭を下げた。学園生が誘拐されたというだけでも問題だが、学園生の友人・身内とはいえ、部外者まで巻き込まれたとあっては、この事態を見過ごす訳にはいかなかったのだろう。やはり責任感の強い人物なのだと思った。

 

省太「やっぱりそうか。俺たちの依頼の本命は、腕輪の方だったんですね、学園長?」

 

学園長「……流石だね。そこまで勘付いていたとは思わなかったよ」

 

リオ「省太。それ、どういうことか聞かせて?」

 

リオちゃんの疑問は、省太と渚以外の全員の疑問でもあった。だからこのことは、みんなに説明する必要がある。

 

省太「おお、そうだった。まず俺たちが受けた依頼のことから話さないとな」

 

明久「みんなもその方が、わかりやすいよね」

 

「「「「(コクッ)」」」」

 

渚「清涼祭準備初日に、学園長に呼び出されたことがあってさ。そのときに依頼を受けたんだよ」

 

明久「『如月グランドパークのプレミアムペアチケットを回収して欲しい』って言う依頼をね」

 

サヨ「でも省太くん、本命は腕輪だって言ってたよね? どうして?」

 

省太「俺はな、学園長からこの依頼を受けてから、ずっと気になることがあったんだ」

 

真夏「それってなんや?」

 

省太「そもそもなぜ俺たちに依頼したのかってことだ。ただ単に優勝商品を回収したいなら“ノイン・マイスターズ”、もっと言えば霧島さんと真夏に頼めば良い。態々俺たちである必要性なんてないからな」

 

省太の言うことはある意味当然だと思う。たしかに僕たちは成績は良いが、表向きには問題児ということになっている。そのような生徒に依頼すること自体がありえないのだ。

 

明久「それでも学園長は僕たちに依頼した。それは僕たちが観察処分者であることと関係がありますよね?」

 

学園長「ああ。アンタたちの言う様に、アタシが回収して欲しいのは白金の腕輪さ。いや、正確には吉井と反田に勝ち取ってもらいたいと言うべきかねぇ」

 

観察処分者……、勝ち取って欲しい……。ひょっとして……。

 

明久「(……省太、多分当たりかもしれない)」

 

省太「(ああ。らしいな)」

 

明久「『白金の腕輪』に不具合があるから……ですか?」

 

学園長「アンタたちは本当に察しが良いね……、その通りだよ。白金の腕輪は機能を2種類盛り込んでいるんだ。1つ目の『召喚フィールド作成』は問題ないんだけど、2つ目の『同時召喚』が非常に厄介でね。高得点且つ観察処分者でなければ、暴走してしまう可能性があるんだよ」

 

雄二「該当するのは明久と省太と渚。この3人以外だと、暴走する確率が高いって訳か」

 

明久「もし暴走することになってしまえば学園長は失脚、最悪の場合文月学園がなくなるか……」

 

遥祐「竹原先生が混乱に乗じて、文月学園を乗っ取るか……だね」

 

「「「「遥祐(神代) (くん)!?」」」」

 

遥祐の発言に、みんなが驚きの声を上げる。

 

省太「遥祐。お前その情報、どこから仕入れたんだ?」

 

遥祐「ん? それはね、コレだよ。再生してみてごらん」

 

そう言って取り出したのは、ボイスレコーダーだった。言われた通りに再生してみると、今日行われた妨害の計画と常夏コンビとの会話、それ以前では、学園の乗っ取りを計画していく様子が記録されていた。

 

遥祐「君たちも知っての通り、黒幕は竹原先生だ。彼は以前から不穏な動きがあったからオレ個人でも情報収集してたんだけど、今回の件が決定的な証拠になったよ」

 

雄二「神代。ちゃんと盗聴の証拠は消してるだろうな?」

 

遥祐「当然だ。オレは必要なときしかこの手は使わない。竹原先生(あの人)がやっていることは学園の平和を乱す行為。そんなことをするヤツは、オレの排除対象だ」

 

今まで見せたことのない様な表情でそう言った遥祐を見て、初めて彼に恐怖を感じた。それはみんなも同じだったと思う。

 

明久「……遥祐、顔」

 

遥祐「あ、ゴメンみんな。久々に本気で腹が立ったから、怖い顔になってたの気付かなかったよ……」

 

省太「気持ちはわかるけど、少し抑えろよ? サヨたちもいるからな」

 

遥祐「わかった。気をつけるさ、きっと」

 

渚「……話を戻すよ。妨害はこれ以降ないハズだから、あとは試験召喚大会に集中すれば良いんですよね、学園長?」

 

学園長「ああ、そのハズさね」

 

明久「では当初の予定通り、僕と省太が優勝することに変わりはないですか?」

 

学園長「そうだよ。アンタたちには何としても優勝してもらうしかないのさ」

 

明・省「「(コクッ)」」

 

こうしてみんな解散することになったけど、僕と省太、学園長と遥祐はまだ教室に残っていた。

 

明久「どうしたの遥祐。まだ話してないことでもあるの?」

 

遥祐「ああ。厳密には、明久と省太と学園長にしか話せない内容なんだ。まず、これを見て欲しい」

 

遥祐が見せたのは、監視カメラに映っていた映像データだった。そこには竹原先生と常夏コンビが写っている。

 

明久「やっぱり。常村先輩と夏川先輩は、竹原先生に協力していたんだね」

 

省太「2人に何か渡したぞ」

 

映像は常夏コンビに何かを渡している様子が映っている。見たところ、紅と蒼のアクセサリーのようだった。

 

遥祐「オレもよくわからなくてね、そのことを聞こうと思ってたんだ。学園長、竹原先生が渡したモノがわかりますか?」

 

この映像を見た学園長の表情が変わる。

 

学園長「何てことだい……。アレを渡すなんて……」

 

明久「学園長、一体どうしたんですか?」

 

学園長「落ち着いて聞くんだよ、3人共。アレは使用禁止に指定された腕輪……、『紅金の腕輪』と『蒼金の腕輪』だ」

 

明・省・遥「「「『紅金の腕輪』と『蒼金の腕輪』?」」」

 

明久「それって、どういうものなんですか?」

 

僕たちはその腕輪について説明を受けた。まとめると、紅金の腕輪は装着者の召喚獣の攻撃を受けた際に、ダメージを疑似的に再現するというもの。蒼金の腕輪は、別の腕輪の効果を共有(リンク)するというものらしい。

それを聞いたとき、竹原先生がやろうとすることが読めた。

 

 

学園長「蒼金の腕輪はともかく紅金の腕輪は非人道的だったから設計段階で封印したハズだったが、竹原が完成させていたのかい……」

 

遥祐「どこまでも見下げ果てたヤツだな! そうまでして、自分の野望を叶えようとするつもりかッ!!」

 

明久「落ち着いて遥祐。まだこの2人と戦うって決まった訳じゃないんだから」

 

遥祐「け、けどさ……!」

 

省太「話し合えば譲ってもらえるかもしれねぇけど、常夏コンビと戦う可能性も考えなきゃいけねぇ。それに俺たちが優勝しなきゃ、学園に未来はない。依頼を受けた時点で達成するつもりでいるんだよ、俺も明久もな」

 

明久「そう言うこと。厳しい状況だと思うけど、僕たちが頑張ることで学園が守られるなら全力を尽くすよ」

 

遥祐「明久、省太……」

 

学園長「そうかい。アンタたちに頼ってばかりで本当にすまないが……、頼んだよ」

 

明・省「「任せてください、やってみせます!!」」

 

話を終えて、僕たちも帰ろうと教室を出たときのこと。

 

優・サ「「明久(省太)くん」」

 

明久「優子さん、サヨちゃん。待っていてくれてたんだね」

 

省太「先に帰っていたと思ったけど……。どうした?」

 

サヨ「今日あんなことがあったから、一緒に帰りたいな……って」

 

優子「お願い……」

 

明久「わかった。2人が安心できるなら、そばにいるよ。ね、省太?」

 

省太「ああ。いいぜ」

 

そして僕たち4人は家路へついた。

明日は召喚大会。無事に済むとは思えないけど……、僕と省太なら大丈夫だろう。……多分。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

竹原は乗っ取りを企んで何をするつもりなのか……。ロクでもないことは確かでしょうが、そんな未来は来させません。

次回は試験召喚大会の決勝トーナメントです!
またお会いしましょう!


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第25話 清涼祭2日目 〜決勝トーナメント第1戦〜

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

清涼祭編のメイン、試験召喚大会本選となります。

第25話です、どうぞ!


明久side

 

 

〜翌日〜

 

 

“♪ピンポンパンポーン♪”

 

『これより、清涼祭2日目が始まります。生徒の皆さんは頑張りましょう! 尚、2日目のメインイベントは試験召喚大会の決勝トーナメントとなっております。こちらも併せてお楽しみください!!』

 

 

明久「みんな! 今日も気合入れて行くよー!!」

 

「「「「「おぉーーッ!!!」」」」」

 

2日目開始と共に、みんながそれぞれ持ち場に着いていく。初日に比べてかなりスムーズに進行できている。

 

僕と省太はその間に優子さん、サヨちゃんに声をかける。昨日あんなことがあったから心配だったのだが、意外にも気持ちの切り替えが早くて驚いた。

僕たちが思っている以上に心が強いのだろう。ちなみに、鈴音ちゃんと葉月ちゃんも来てくれたようだ。

 

 

 

省太「明久、今日は試験召喚大会の決勝トーナメントだ。早く準備しようぜ」

 

明久「うん、そうだね」

 

渚「ねぇ明久、省太」

 

明久「渚?」

 

渚「2人の為に衣装作ったんだ。着けてみて☆」

 

省太「……おう、わかった」

 

言われた通りに衣装を着けてみると……。

 

明久「……渚。なんかコレ、結構派手じゃない?」

 

省太「俺も思った。すごくコスプレっぽいよな」

 

渚「でもさ、格ゲーのキャラになったみたいでテンション上がらない?」

 

明・省「「(互いを見る) ……上がる!!」」

 

渚「でしょ? ぼくたちFクラスの注目も上がるよ♪」

 

省太「ふ……。ありがとよ渚。バッチリ気合入ったぜ」

 

渚「それじゃあ、ぼくは奈子ちゃんと行くからねー♪」

 

そう言って渚はAクラスへ向かって行った。

 

明久「さあ、僕たちも行こう」

 

瑞希「待ってください、吉井くん。私たちも行きます」

 

省太「姫路さんと美波も出場していたのか」

 

美波「そうよ。もし戦うことがあったらよろしくねアキ、省太」

 

明久「(コクッ) お互い頑張ろう!」

 

瑞・美「「はい(ええ)!」」

 

省太「じゃ雄二。俺たちは行くぜ」

 

雄二「おう、頑張って来い」

 

雄二の激励を受けて、僕たちは本選会場へ向かった。恐らくベスト8は相応の強豪揃いだ。一筋縄では行かないだろう。

 

明久「ここまで来たら、もう優勝しかないよね」

 

省太「当然だろ?」

 

“グッ”

 

明・省「「勝つのは僕(俺)たちだ!!」」

 

拳を空高く掲げて、僕たちは優勝を誓い合うのだった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

〜試験召喚大会決勝トーナメント会場〜

 

 

すみれ『会場の皆様、大変長らくお待たせしました! これより、試験召喚大会決勝トーナメントを開催します!!』

 

Cクラスの新野さんが決勝トーナメントの開催を宣言する。同時に、本選の選手紹介と1回戦〜3回戦の名場面集が大スクリーンに映し出された。

 

すみれ『実況は私、文月学園放送部2年新野すみれが。解説は……』

 

遥祐『2年Bクラス代表、神代遥祐が務めます』

 

すみれ『神代くん? 高橋先生じゃなくてですか?』

 

遥祐『高橋先生に急遽お願いされたんだ、やってみないかって。オレじゃ不安かな?』

 

すみれ『そんなことないです。一緒に会場を盛り上げて行きましょう!』

 

遥祐『ありがとう、それではこの2名でお送りいたします』

 

遥・す『『よろしくお願いします!!』』

 

すみれ『尚、決勝トーナメントの審判とフィールド構築者は西村先生が務めます』

 

遥祐が解説なのか。高橋先生も思い切ったことするな。

 

すみれ『神代くん。今回の決勝トーナメントについて、どう考えていますか?』

 

遥祐『今回出場する8組の選手は皆、決勝トーナメントに残るに相応しい実力者揃いですからね。予選の勢いを維持できるかにかかっていると思います』

 

すみれ『なるほど! 選手のみなさんはベストを尽くして欲しいところですね!』

 

放送が流れている間、俺たちは集中力を高めていた。少しでも緊張をほぐして、全力を出せるように。

 

省太「緊張するか? 明久」

 

明久「大丈夫、武者震いだよ……」

 

すみれ『それでは、決勝トーナメント第1試合を開始いたします! 選手のみなさんは入場してください!!』

 

新野さんのアナウンスを聞いて、俺たちはステージの入口にスタンバイする。

 

西村『東side。2年Fクラス、姫路瑞希! 島田美波!』

 

美波「行くわよ、瑞希!!」

 

瑞希「はい、美波ちゃん!!」

 

 

 

西村『続いて西side。2年Fクラス、吉井明久!反田省太!』

 

瑞希「吉井くんたちですか……」

 

美波「厳しい戦いになりそうね……」

 

 

明久「さあ……、行こう!!」

 

省太「ああ! 心が躍るぜ!!」

 

既にフィールドにいる姫路さんと美波に続いて俺たちもフィールドに立った。会場内の席は全て埋め尽くされていて、否が応でもテンションを高めてくれる。

 

すみれ『おおッ、これはいきなりの好カードですね! 神代くん、この試合についてどうお考えですか?』

 

遥祐『吉井選手と反田選手は、今大会最強候補と名高いですからね。姫路選手と島田選手の奮闘に期待したいところです』

 

西村「4人共、揃ったな? 対戦科目は物理。用意……始めッ!!」

 

瑞・美「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

物理

 

Fクラス

 

姫路 瑞希:446点

 

島田 美波:349点

 

 

明久「すごいね。姫路さんは当然だけど、美波はあれからとても成長したと思うよ」

 

美波「いつまでも日本語が読めないままのは、悔しいからね。みんなから日本語の読み書きを鍛えてもらって、ウチ自身も頑張ったの」

 

瑞希「そうです! “ノイン・マイスターズ”戦の後から美波ちゃん、私と一緒に勉強するようになりました! これはその努力の形です!」

 

省太「なら、その決意に俺たちも応えるぜ。……明久」

 

明久「(コクッ)」

 

明・省「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

Fクラス

 

吉井 明久:529点

 

反田 省太:514点

 

 

瑞希「わかっていましたが……。流石ですね吉井くん、反田くん」

 

美波「だからと言ってウチらは引かないわよ? 無理だとわかっていても、ね!」

 

省太「……だろうな。そう言うと思ったぜ」

 

明久「どっちが勝っても恨みっこ無しだよ!」

 

瑞希「……行きますッ!!」

 

姫路さんの突撃を合図に、俺たちは交戦を開始した。俺は姫路さんを、明久は美波の相手をしている。

 

“ギィンッ!!”

 

省太「同じ得物なら、こっちの方がやりやすいだろ? 姫路さん」

 

瑞希「はい……。点数に差があっても、勝つつもりですよ!」

 

省太「それで良い。それでこそ通じがいがある!!」

 

共に火が付いた俺と姫路さんは、互いに斬り合うのだった。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

 

明久side

 

 

省太と姫路さんが交戦している中、僕は美波と戦っていた。僕は2丁拳銃で射撃を行い、美波が弾をサーベルで弾き落としつつ、接近して行く。有効射程距離に近づいたとき、サーベルが僕の召喚獣を捉えた。

 

美波「えいッ!」

 

“ザシュッ!!”

 

 

Fクラス

 

吉井 明久:473点

 

 

島田 美波:338点

 

 

明久「くッ!!」

 

直撃は避けたが急所に近い箇所を攻められて、フィードバックによるダメージも受ける。

 

美波「……アキ、もしかして手加減してる? ウチに気を遣ってるつもりならやめなさい。本気のアキと戦いたいの。恨みっこなしって言ったでしょう? 実力差があるからって手加減されるのは1番の屈辱よ」

 

僕はハッとした。そうだった、今彼女が望むのは本気のぶつかり合い。そこに優しさは不要なんだ。

 

明久「ゴメン美波。美波の為だと思ってたことが、逆に良くないことだったなんて気付かなかった。だから全力で……行くよ!」

 

美波「ええ。来なさい!!」

 

そして僕たち2人は、怒涛の斬り合いを演じることになった。不利な状況ながらも、美波は力を振り絞って踏み止まっている。ほんの一瞬美波の注意が逸れたとき、

 

明久「ここだッ! 決めさせてもらうよ!!」

 

美波「くうッ!!」

 

“ズバァッ!!”

 

 

物理

 

Fクラス

 

 

吉井 明久:391点

 

 

島田 美波:0点

 

 

大太刀で真っ二つに斬り捨てて、美波の召喚獣が姿を消した。

 

 

明久side out

 

 

 

省太side

 

 

瑞・省「「“腕輪発動”!!」」

 

 

俺たちは腕輪の能力……姫路さんは熱線を、俺はスライプナーを変形させた砲撃形態(ラジカル・ザッパー)でメガ・ブラスター(照射)を放ち、ぶつかり合っていた。威力自体は俺の方が上だが、姫路さんはスライプナーを変形させる際のタイムラグも計算していたらしく、若干俺の方が押されている。

 

瑞希「知ってますよ反田くん、メガ・ブラスターの弱点は。砲撃形態(ラジカル・ザッパー)に変形させる少し前に発射すれば、私の方に分があります!」

 

このまま照射し続けても、事態は好転しなさそうだ。俺はわざとエネルギーを弱めて、熱線が向かって来るようにした。

 

“ギュォォォォ……!!”

 

熱線が押し切るが、そこに俺の召喚獣の姿はない。あるのは、ボロボロになったマントだけだ。

 

瑞希「どこに消えたんですか、反田くん!?」

 

省太「ここだよ」

 

姫路さんが上を見上げると、俺の召喚獣がサーフィンボード状に変形したスライプナーの上に乗っているのが見える。

 

省太「熱線に押し切られる直前に、マントを盾に使ったのさ!」

 

瑞希「そ、そんな……!」

 

姫路さんの召喚獣目がけて、急降下で突撃をかけた。

 

省太「行くぜ、“ブルー・スライダー”!!」

 

瑞希「きゃあぁぁーっ!!」

 

 

 

 

Fクラス

 

物理

 

 

反田 省太:302点

 

 

姫路 瑞希:0点

 

 

 

 

そのまま串刺しになり、体を両断して決着が着いた。

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Fクラス、吉井明久! 反田省太!』

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!!』』』』』

 

 

瑞希「負けちゃいました……」

 

美波「これだけやっても、まだ届かないのね……」

 

明久「姫路さん、美波……」

 

美波「慰めはいらないわアキ、省太。現時点の自分の実力がわかっただけでも十分価値はあったから。ね、瑞希?」

 

瑞希「はい、美波ちゃん」

 

省太「そ、そうか……」

 

美波「そう言う訳だからあとの試合、絶対勝ちなさいよ2人共!!」

 

瑞希「応援してますね!」

 

明久「うん、必ず勝ってみせるよ」

 

すみれ『第1試合の勝者は吉井選手、反田選手のペアでした。神代くん、今の試合はいかがだったでしょうか?』

 

遥祐『とても見応えのある試合だったと思います。今年のFクラスのレベルの高さを象徴するものだったと言えるでしょう』

 

すみれ『実際にFクラスと戦ったクラスの代表らしいコメントでした。ありがとうございます!』

 

 

明久「お疲れ、省太。まずは1勝だね」

 

省太「ああ。決して楽な道とは言えないけど、誰が相手になっても気を引き締めようぜ」

 

明久「うん」

 

“コンッ”

 

互いにグータッチを交わし、俺たちは控え室へと戻って行った。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

新野さんはこれが本編初登場です(笑)

次回は、準決勝の前に渚と奈子のペアの1戦を予定しています。

感想も書いて頂けると嬉しいです。楽しんでくれているのか、とても不安になるので……(汗)

では、また次回にお会いしましょう。


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第25.5話 平凡な少年の大きな挑戦

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

決勝トーナメント第2戦の話ですが、少し短めとなります。
久々に平賀くんの登場回。

第25.5話です、どうぞ!


平賀side

 

 

すみれ『決勝トーナメント第2試合の準備をいたします。選手のみなさんは今しばらくお待ちください』

 

平賀「ついにここまで来たのか……」

 

俺は玉野さんと一緒に控え室で待機していた。今の実力を試す為ではあったが、ここまで勝ち進むんだのは自分が1番驚いている。

 

玉野「緊張してますか、代表?」

 

平賀「ああ、大舞台まで進んだんだ。緊張くらいするさ」

 

そもそも試験召喚大会に出場した理由はFクラスとの敗戦がキッカケだ。設備は奪われなかったとはいえ、俺の失態でみんなに迷惑をかけた。このままでは代表として示しがつかない。

そう考えた俺は今まで以上に勉強に打ち込んだ。Fクラスの彼らだってできたのなら、俺にだってできるハズだ。

 

 

すみれ『では続きまして、決勝トーナメント第2試合を開始いたします! 選手のみなさんは入場してください!!』

 

選手入場のアナウンスが流れる。ここまで来たら全力でやるだけだ。

 

西村『西side。2年Dクラス、平賀源二! 玉野美紀!』

 

平賀「良し……。行くぞ、玉野さん!」

 

玉野「お供しますよ、代表!」

 

俺たちはバトルフィールドに立つ。観客席から大きな声援が響いているのを肌で感じ取る。対戦相手は誰なのか……。

 

西村『続いて東side。2年Aクラス、佐々木奈子! 2年Fクラス、上運天渚!』

 

立ちはだかったのは、今の俺にはとても大きな壁だった……。

 

 

平賀side out

 

 

 

 

渚side

 

 

西村『東side。2年Aクラス、佐々木奈子! 2年Fクラス、上運天渚!』

 

渚「行こう奈子ちゃん。どんな相手でも全力で!!」

 

奈子「ええ、もちろん!!」

 

ぼくたちの対戦相手は平賀くんと……、玉野さんだった。マジかよ、今の姿玉野さんに見せたくなかったのに。

 

玉野「あ、ナギちゃんだ! やっと私の想いに気付いてくれたのね!」

 

渚「玉野さん、なんか勘違いしてない? この格好は宣伝の為にやってるのであって、断じて君の為ではないよ」

 

和風メイド服に身を包むぼくを見るなり、テンション高めで話しかけて来る。

 

玉野「どんな理由でも、可愛い服着てるだけで私にとってはご褒美なの! 私が勝ったらナギちゃんに新しい服着せてあげる♪」

 

ダメだこりゃ。この様子だと、ぼくの言うこと聞きそうにない。絶対後から着せ替え人形にする気満々だ。

 

平賀「あぁ……。なんかゴメン、渚」

 

渚「良いよ。気にしないで、平賀くん」

 

玉野さんの暴走を平賀くんが詫びた。別に彼が悪い訳じゃないのに、こっちが申し訳ない気持ちだ。

 

奈子「大変そうなのははわかるけど、集中してね渚くん。油断が1番の敵だからね」

 

渚「ありがとう奈子ちゃん。少し冷静になれたよ」

 

奈子「どういたしまして(ニコッ)」

 

西村「対戦科目は地理。用意……始めッ!!」

 

渚・奈・平・玉「「「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」」」

 

 

地理

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:586点

 

Fクラス

 

上運天 渚:539点

 

 

Dクラス

 

平賀 源二:283点

 

玉野 美紀:197点

 

 

ぼくたちは召喚獣を呼び寄せた。平賀くんの召喚獣は王道の勇者と言った姿で、玉野さんは弓道着と弓矢を装備した遠距離型だ。奈子ちゃんはこれまで通りで、ぼくはいつもの装備に肘当てと膝当て、2丁のサブマシンガンを腰にマウントしている。ついでに言うと、メイド服を着ているのでぼくの召喚獣は、所謂男の娘と言った姿だ。

 

渚「奈子ちゃん、玉野さんをお願い。ぼくは平賀くんと戦う」

 

奈子「わかったわ。玉野さん、悪いけど決めさせてもらうわよ」

 

玉野「くッ……。容赦ないね、佐々木さん」

 

連携を取られる前に、玉野さんを封じた。さてと……。

 

“バッ!!”

 

“ガギンッ!!”

 

渚「始めるよ平賀くん、ぼくが相手だ!!」

 

平賀「やるしかないか……! 行くぞ渚!!」

 

平賀くんのバスタードソードと、ぼくのブレードトンファーがぶつかり合う。どちらも闘志全開だ。

 

渚「たあああッ!!」

 

平賀「でええいッ!!」

 

“キンッキンッキィンッ!!”

 

渚「やるね平賀くん。何が君をそこまで強くしたのかな?」

 

平賀「お前たちFクラスに敗北したからだ。あの敗北から俺は自分を見つめ直すべく頑張って来た。代表として強くある為に」

 

平賀くんの目は活気に満ちていた。それは正に覚悟を決めた男の顔と言えた。

 

平賀「だから負けるとわかっていても、無様な戦い方はしたくない! 渚、刺し違えてでもお前を倒す!!」

 

渚「……わかった。それなら来てごらん」

 

平賀「(コクッ)」

 

距離を取ったぼくと平賀くんは、得物にありったけのエネルギーを込めて構える。

 

“ギュンッ!!”

 

渚・平「「うおおおおおおッ!!!!」」

 

“ドォォォォォォンッ!!”

 

そして最後に立っていたのは………。

 

 

 

渚「ぼくの勝ちだね」

 

平賀「くそ……ッ」

 

 

 

 

地理

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:561点

 

Fクラス

 

上運天 渚:428点

 

 

 

Dクラス

 

平賀 源二:0点

 

玉野 美紀:0点

 

 

ぼくの召喚獣だった。

 

 

 

渚side out

 

 

 

 

平賀side

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Aクラス佐々木奈子! 2年Fクラス上運天渚!』

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!』』』』』

 

すみれ『第2試合の勝者は佐々木選手、上運天選手のペアでした』

 

遥祐『実力で劣っていても、気持ちは負けないように立ち向かう姿は立派だと思いますよ』

 

勝敗が決まって、渚と佐々木さんが近くに来た。

 

平賀「わかっていたが、敵わないな……」

 

渚「そうかもしれないね。でも平賀くん、君がぼくに敵わないと思ったように、ぼくも敵わない人がいるんだよ」

 

平賀「そ、そうなのか?」

 

渚「(コクッ) 例えば、パートナーを組んでる奈子ちゃんがね」

 

奈子「渚くん……」

 

渚「悔しかったら、もっと実力を磨いて。ぼくはいつでも相手になるから」

 

平賀「……わかった、今日からお前は俺の目標だ。いつか勝ってみせる」

 

渚「その意気だよ。もちろん、ぼくもタダで勝たせる気はないから覚悟してね」

 

“グッ”

 

俺と渚は握手して、この先も互いに切磋琢磨することを誓い合う。この後玉野さんがちょっと暴走していたが、どうにか落ち着かせた。渚も苦労してるんだな。

 

 

この日、俺に新たな目標ができた。

 

 

to be continued……




いかがだったでしょうか?

平賀くんの登場回数が少ないので、急遽書いた回です。
渚という目標ができた平賀くんは、この先代表として相応しくなれるかどうか……。それは彼次第ですね。

さらに加熱していく試験召喚大会。次は準決勝を予定しています。
では、また次回にお会いしましょう!


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第26話 試験召喚大会 準決勝

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

準決勝ではありますが、短いので消化試合のような印象かもしれません……(汗) その点はご容赦ください。

第26話です、どうぞ!


明久side

 

 

決勝トーナメント第3戦、第4戦も終了してベスト4が決まる。その顔触れは僕と省太のペア、渚と奈子ちゃん、葵先輩と雅春先輩、そして……、常夏コンビだった。

 

明久「予想通りの面子になったね。どのペアが来ても驚かないよ」

 

省太「できれば常夏コンビと当たらないのが、理想だな」

 

明久「うん」

 

こんな話をしている間に、準決勝の用意ができたようだ。

 

 

すみれ『試験召喚大会もベスト4まで絞れました! これより準決勝第1試合を開始します! 選手のみなさんは入場してください!!』

 

 

 

西村『西side。2年Fクラス、吉井明久! 反田省太!』

 

僕と省太は西村先生のアナウンスで、フィールドに立つ。

 

西村『続いて東side。2年Aクラス、佐々木奈子! 2年Fクラス、上運天渚!』

 

 

省太「渚と奈子か……」

 

明久「これも順当……ってヤツだね」

 

僕たちに続いて、2人も向かい合うように立つ。

 

 

西村「対戦科目は……、保健体育。用意……始めッ!!」

 

明・省・渚・奈「「「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」」」

 

 

 

 

 

保健体育

 

Fクラス

 

吉井 明久:546点

 

反田 省太:522点

 

 

Aクラス

 

佐々木 奈子:351点

 

Fクラス

 

上運天 渚:639点

 

 

 

 

 

明久「じゃ、やろうか」

 

奈子「ええ!」

 

渚「行っちゃうぞー☆」

 

 

 

“シュッ!!”

 

“ガギンッ!!”

 

僕たちは突撃し、互いの武器をぶつけ合う。召喚獣の操作技術では、学年でも最上位に位置するペア同士の戦いだけあって、戦況は膠着状態に陥っていた。

 

省太「これじゃ埒があかないな……。退がれ、明久ッ!」

 

明久「わかった!」

 

省太がスタングレネードで渚たちの動きを一時的に止め、砲撃形態(ラジカル・ザッパー)の照射ビームで決着を付けた。

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Fクラス吉井明久! 反田省太!』

 

 

 

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!』』』』』

 

 

 

 

すみれ『準決勝第1試合の勝者は吉井選手、反田選手のペアでした。意外と余裕がある様にも見えましたが……。神代くん、今の試合はどうお考えでしょうか?』

 

遥祐『ええ……。長期戦では不利だと考えた結果、短期決戦に持って行った……。この試合運びを見る限りだと、そう感じましたね』

 

すみれ『なるほど、そうでしたか』

 

事情を知っている人からすると白々しいコメントだが、新野さんは特に怪しむことはなかったようだ。

 

省太「勝ったは良いけど、素直に喜べないな……」

 

渚「仕方ないよ。ぼくだって本当は勝ちたいんだけど、奈子ちゃんを暴走させる訳にはいかないからね。結果的にはこれがベターだと思ってる」

 

奈子「気にしないで省太。それでも納得できないなら、また今度ちゃんとした条件で戦いましょう」

 

省太「2人共……」

 

渚「ぼくたちの役目はここまでだね。明久、省太。何があっても負けないでね」

 

明・省「「当然ッ!!」」

 

 

決勝戦に駒を進めた僕たちは、相手が決まるのを待っていた。それからしばらくして……、

 

 

 

 

すみれ『決勝戦に進んだのは常村選手・夏川選手のペアです! これにより、決勝戦は吉井選手・反田選手のペアと、常村選手・夏川選手のペアに決定しました!!』

 

 

明・省「「な、なんだって!?」」

 

 

新野さんのアナウンスを聞いて、驚いた。常夏コンビの相手は葵先輩・雅春先輩のペア、あの2人が負けるハズがない。そう思った僕たちは葵先輩のもとへ急いだ。

 

明・省「「葵先輩ッ!」」

 

葵「あら、明久くんと省太くん。決勝進出、おめでとうございますわ」

 

省太「あ、ありがとうございます……じゃなくて! 一体どうしたんですか、これは!?」

 

葵「わたくしたちの対戦科目が英語だったのですが……、高城くん(あのバカ)がやってしまったのですわ……」

 

省太が問い詰めると、葵先輩はため息を吐いてこう答えた。詳しく話を聞いてみたら、カッコつけて自分の名前を英語で書いたところ、スペルミスで無得点になってしまったらしい。マジで何やってるんだあの人は……。

 

明久「それで、雅春先輩はどこに?」

 

葵「今控え室で正座しています。良いと言うまで動くなと伝えていますわ」

 

明久「そ、そうですか……」

 

葵先輩は笑顔だったが、内心相当怒っていたのが伝わって来る。雅春先輩が気の毒だが、こればかりはフォローしようがない。

 

葵「成長した2人がどこまで強くなったか確かめたかったのですが……、それはまたの機会としましょう。あなたたちの優勝、期待してますわ」

 

明・省「「はい、絶対優勝してみせます!」」

 

ある意味では『予定通り』と言える展開に不気味なものを感じたが、葵先輩の激励を受けると少しは気楽になった。

 

 

 

省太「あとひとつ……、だな」

 

明久「うん。油断しないで行こう」

 

言葉は少なかったけど、やるべきことを改めて確認し合った僕たちは控え室へと戻って行った。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

 

???「やはりあの2人が勝ち上がって来たか」

 

俺は教頭室のモニターで試験召喚大会の様子を見ていた。予想はしていたが……、つくづく忌々しいガキ共だな。

 

???「だが、ヤツらの快進撃もここまでだ。常村と夏川が腕輪の力であの2人を打ちのめす。そしてアイツらが優勝すれば……、俺の野望は達成されるというモノだ、クックックッ……!!」

 

モニターに映る吉井と反田を見て、俺は不敵に笑うのだった。

 

 

???side out

 

 

to be continued……




以上、第26話でした。

次回はいよいよ決勝戦。悪党が成敗されるときが近いです。

あと、活動報告にてキャラクター募集を行っておりますので、興味がありましたら、是非そちらもご覧くださいませ。

では、また次回にお会いしましょう!


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第27話 傷だらけの勇者(ヒーロー)

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

いよいよ召喚大会決勝戦です。明久たちは勝利できるのか!?
是非見てください!

第27話です、どうぞ!


明久side

 

 

すみれ『会場にお越しの皆様、お待たせいたしました! ついに試験召喚大会の決勝戦が行われます!!』

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!』』』』』

 

 

観客席から歓声が鳴り響く。決勝トーナメント開始時点でもすごかったけど、決勝戦となるとさっきまでの比じゃない。注目度の高さが伺える。

 

明久「漸く決勝か……。意外と早かったね」

 

省太「あとは勝つだけだ……全力で!」

 

明久「そうだね。……行こう、省太!!」

 

省太「了解ッ、相棒!!」

 

 

すみれ『選手のみなさんは入場してください!!』

 

 

アナウンスが流れ、バトルフィールドへ立つ。

 

 

西村『西side。2年Fクラス、吉井明久! 反田省太!』

 

 

すみれ『最初に入場しましたのは、Fクラスの吉井明久くんと反田省太くんです!! この2人は、初戦から高い操作技術を発揮して勝ち上がって来ました! 決勝戦でも、その実力を存分に見せてくれることでしょう!!』

 

 

新野さんのコメントに大きな歓声が上がる中、僕と省太は精神統一していた。今までも緊張してなかった訳ではないが、決勝戦となるとそれが最高潮に達する。いつにも増して気合は十分だ。

 

 

西村『東side。3年Aクラス、常村勇作! 夏川俊平!』

 

 

すみれ『対するは3年生コンビ、常村勇作先輩と夏川俊平先輩です!! 準決勝の不戦勝を除いては、Aクラスに相応しい実力を見せて決勝戦へ食い込んで来ました! 上級生としての意地を見せられるか注目です!!』

 

 

常村「よう、“観察処分者”の吉井クンと反田クン」

 

夏川「決勝まで進むなんて、Fクラスにしては頑張ったな」

 

明・省「「…………」」

 

常夏コンビが僕たちに挨拶した。態々観察処分者を強調するところに悪意を感じる。

 

常村「だがそれもここで終わりだ。俺たちと当たったのが、運の尽きだということを教えてやるぜ!」

 

省太「随分とおしゃべりだな、センパイ方。妨害を邪魔されたのがそんなに悔しかったのか?」

 

常村「なんだと……?」

 

明久「やめときなよ省太。一応先輩なんだからさ」

 

夏川「一応ってなんだ! ケンカ売ってんのかテメェら!!」

 

明久「だって……、ねぇ?」

 

省太「後輩の出し物に、ちょっかい出すような先輩を敬えってのは無理だろ」

 

常夏「「ぐぬぬぬ……」」

 

挑発に対して、こっちも煽り返した。意外とこの2人は煽り耐性が低いのかもしれない。

 

明久「それはまず置いといて……、センパイ方に聞きたいことがあります」

 

夏川「なんだよ?」

 

明久「なぜ竹原先生に協力しているんですか?」

 

常夏コンビは少し驚いたような表情を見せたが、それもすぐに戻った。

 

夏川「そうか。こっちの事情は知ってるって訳か」

 

明久「ええ。それで、どうなんですか?」

 

夏川「進学だよ、進学。上手くやれば進学の推薦書を書いてくれるって聞いたからな」

 

明久「なるほど……。常村センパイも同じですか?」

 

常村「ま、まぁ……な」

 

明久「……そうですか」

 

たった……、たったそれだけの理由でみんなが危険な目に遭ったと言うのか……!!

 

明久「……省太」

 

省太「わかってる。コイツらに慈悲はくれてやらない」

 

常村「舐めた口をしやがる!」

 

夏川「お前ら覚悟しろよ!」

 

 

 

西村『対戦科目は情報。用意……始めッ!!」

 

 

 

 

常夏「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

 

 

 

情報

 

3年Aクラス

 

常村 勇作:384点

 

夏川 俊平:367点

 

 

 

 

 

西村先生が情報のフィールドを展開し、常夏コンビが召喚獣を呼び寄せる。常村先輩と夏川先輩の召喚獣は共通で、全身に傷の入った武者鎧を纏い、夏川先輩は大型の鉤爪を両手に装備し、常村先輩は日本刀を装備している。歴戦の勇士と言えば聞こえは良いが、正直言って野武士と表現するのが相応しいと思う。

 

 

常村「見ろ! 俺たちの点数を!」

 

夏川「お前らがどう頑張っても、取れないだろうな!」

 

常夏コンビが勝ち誇った様に言っているが、僕たちは笑いを堪えるのに必死だった。申し訳ないけど、あの2人の点数を余裕で超えてるからね。

 

明久「はいはい。すごいですね、センパイ方。でもね常夏センパイ、上には上がいるんですよ」

 

省太「それを今から見せてやるぜ」

 

明・省「「試獣召喚(サモン)ッ!!」」

 

 

 

 

2年Fクラス

 

吉井 明久:671点

 

反田 省太:889点

 

 

 

 

 

常夏「「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁッ?!!!」」

 

 

 

 

僕たちの点数を見た常夏先輩が、驚きの声を上げる。

 

 

すみれ『800点オーバー!? 吉井くんの点数もすごいですが、反田くんはそれを更に上回っています!!』

 

遥祐『情報は反田くんの得意科目ですからね。これは歴代2位の大記録と言えますよ』

 

ちなみに1位は言わずもがな、929点を記録した西村先生である。

 

省太「残念だったな、センパイ方! 情報は俺の得意科目だからよ」

 

明久「省太ほどじゃないけど、僕もそれなりにできますから」

 

夏川「くそ、完全に想定外だ!」

 

常村「落ち着け夏川、経験は俺たちの方が上なんだ」

 

夏川「そ、そうだな……。覚悟しろよ吉井、反田ァ!!」

 

そして僕たちは、得物を構えて対峙する。この戦い、必ず勝つ!!

 

 

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

省太「行くぜ、常夏センパイ!!」

 

常村「チィッ!」

 

明久が前に出て、俺が後方から援護射撃をする。

 

夏川「そんな攻撃当たるかよ!」

 

常夏センパイは俺の攻撃を回避したが、明久が一気に距離を詰めて2人を殴り飛ばした。

 

常村「クソッ……!」

 

明久「この程度ですか? 正直、期待ハズレですよ……」

 

夏川「言わせておけば……! 常村ッ、“アレ”使うぞ!!」

 

常村「もう少ししてからやるつもりだったが……。わかった、夏川ッ!!」

 

懐から例の腕輪を着けるのが見えた。

 

明久「ついにあの腕輪を使うんだね……」

 

省太「どれほどの効果かわからないなら、慎重に行くぞ……」

 

一定の距離を保ちながら、常夏コンビの出方を伺っている。2人も俺たちが積極的に攻めないのを察した様で、

 

夏川「どうした、来ないのか? なら、こっちから来てやるよ!」

 

夏川先輩が向かって来る。一体何をする気なのかとこちらも構えるが、次に夏川先輩が仕掛けたのは目潰しだった。

 

省太「くッ、見えねぇッ!」

 

視界が奪われては勘で動くしかない。そう考えた次の瞬間、

 

常村「喰らいな、反田ァ!!」

 

“ズンッ!!”

 

省太「ッ!!?」

 

常村先輩の召喚獣が俺の召喚獣を日本刀で貫いたことで、左脇腹に鋭い痛みが走る。

 

省太「がぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

学園長から聞かされていたとはいえ、想像以上の激痛に思わずしゃがみ込んだ。床には、血が滴り落ちる。

 

明久「省太ッ!!」

 

夏川「自分の心配をした方が良いぜぇ!!」

 

“ズバァッ!”

 

明久「なにッ!? うわぁぁぁッ!!」

 

俺に気を取られた明久が動きを止めると、夏川先輩の召喚獣が明久の召喚獣の左肩を切り裂く。

 

省太「……何となく、(ハァ) 予想してたけどな……(ハァ)」

 

明久「うん……、でもこれは想像以上だよ……」

 

常村「すげぇぜこの腕輪! 召喚獣のスペック差を、ダイレクトアタックで埋めてくれるんだからなぁ!!」

 

省太「……そんな腕輪に頼らなきゃ戦えないのか。アンタらにはプライドってもんがないのか!!」

 

夏川「知らねぇな。勝てばいいんだよ、どんな手を使っても勝てばな!!」

 

常村「お前らがどう言おうと、勝ったヤツが正義なんだよ!!」

 

常夏「「ちょいさァッ!!」」

 

明・省「「うわぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」」

 

召喚獣の点数消費はともかく、俺たちへのダメージが問題となる。明久も俺も満身創痍だ。……このままじゃマズイ。そう考えた俺たちは、一旦態勢を立て直す為に距離を取った。

 

 

省太「……明久」

 

明久「なに? 省太」

 

省太「お前の“キャンセラー”であの腕輪を封じようと思うけど、チャージにどれだけ時間かかる?」

 

明久「うーん……。あれだけの効果なら10分は必要だよ」

 

省太「そうか……」

 

やっぱりこの方法が確実だよな。

 

省太「明久、今から俺が時間を作る。お前は発動までのエネルギーをチャージしてくれ」

 

明久「でもその間、省太が……!!」

 

省太「どう考えてもこれしか方法がないんだ。頼む、俺を信じろ」

 

明久「……わかった省太、やってみる。無茶はしないでね」

 

省太「任せな(グッ)」

 

作戦会議を終えた俺たちは、再び常夏コンビと向かい合う。

 

常村「お話は終わったかい?」

 

夏川「降参するなら今の内だぜ?」

 

省太「いや、そうでもないぜ? 今し方アンタたちを倒す作戦を思い付いたところさ」

 

常村「ほう……」

 

省太「そんな腕輪(モノ)に頼らないと戦えない卑怯者は、俺が根性叩き直す! 来いよ常夏センパイ、10分間付き合ってやるぜ!!」

 

夏川「ぐぬぬぬ、言ってくれるじゃねぇかこの野郎!!」

 

常村「まずお前から仕留めてやるぜ反田! 後悔すんなよ!!」

 

“バッ!!”

 

“ガギィッ!!”

 

常村「とっとと降参するのがケンメイだぜ? 無謀な勇気ほど、バカらしいものはねぇからな」

 

省太「生憎だけど、俺も明久も諦めが悪くてね。そんな風に言われて、はいそうですかって下がる様な男じゃねぇんだよ!!」

 

夏川「あぁ、そうかよ! なら、ここで潰れろ!!」

 

常夏コンビの攻撃は一層激しさを増した。それに比例するかの如く、俺の傷も増えていく。終わった後、絶対サヨに泣かれるだろうな……。

 

夏川「もうウゼェから終わらせるぜ、反田ァ! 恨むんなら自分を恨めよな!!」

 

夏川先輩が俺の召喚獣の心臓を狙って、突撃したときだった。

 

明久「てぇいッ!!」

 

夏川「うぐッ!?」

 

省太「明久か……!」

 

明久が夏川先輩を吹き飛ばした。どうやらチャージが完了したらしい。

 

明久「お待たせ、省太。もう大丈夫だよ」

 

省太「お、おう……(グッ)」

 

明久「さぁ常夏センパイ! もうあなたたちの好きにはさせませんよ、“腕輪発動”!!」

 

“キィィィィッ!!”

 

“ボンッ!!”

 

常村「な、なんだァッ!?」

 

夏川「常村! 腕輪がッ!!」

 

明久が“キャンセラー”を発動させ、『紅金の腕輪』と『蒼金の腕輪』の機能を封じた。制約がキツイとは言え、やっぱ強力だよな。

 

明久「これで腕輪の機能は使えません。あなたたちの負けです、常夏センパイ!!」

 

夏川「クソッ……! だがお前たちもボロボロだ、俺たちに分があるんだ!!」

 

常村「上級生を舐めるなよー!!」

 

打つ手がなくなって逆上したのか、特攻を掛ける常夏コンビ。

 

省太「この期に及んでまだそんなことを言うのか。……明久」

 

明久「OKッ!!」

 

“シュッ!”

 

“ドンッ!”

 

俺がスタングレネードを投げ、明久がそれをハンドガンで撃ち抜いて炸裂させる。2人の視界と動きを制限した。

 

常村「うわッ! 周りが見えねぇ!」

 

夏川「アイツらはどこだ!?」

 

視界が回復した常夏コンビは周囲を見回すが、俺たちの姿は見えない。

 

 

 

 

 

省太「俺たちはここだッ!」

 

 

2人が声のする方向に視線を向けると、突撃形態(ブルー・スライダー)に変形したスライプナーに乗った俺と明久の召喚獣が向かって来るのが見えた。

 

明久「省太、常村センパイをお願い。僕は夏川センパイを()るから」

 

省太「OKだ。チェンジ、斬撃形態(ブリッツ・セイバー)!!」

 

常村「来る! 夏川、避けるぞ!!」

 

夏川「ダメだ! さっきの光で動けない!!」

 

常夏コンビは、スタングレネードの効果で身動きができずにもがいていた。文字通りの詰みである。

 

 

 

 

省太「終わりだ……」

 

明久「邪念と共に散れ……」

 

明・省「「ダブルライトニング・ザンバー!!」」

 

常夏「「そんなバカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」」

 

俺たちの武器に全エネルギーを集中させて、常夏コンビの召喚獣を消滅させた。

 

 

 

 

情報

 

2年Fクラス

 

吉井 明久:324点

 

反田 省太:428点

 

 

 

 

3年Aクラス

 

常村 勇作:0点

 

夏川 俊平:0点

 

 

 

 

西村『それまで! 勝者、2年Fクラス吉井明久! 反田省太!』

 

 

 

すみれ『ついに決着が着きました! 優勝者は吉井・反田ペアです!! 会場の皆様、大きな拍手をお願いします!!』

 

 

 

『『『『『うおおおおおおおおおおおッ!!!!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

省太「あぁ、痛えな……」

 

明久「僕もだ……」

 

歓声に包まれる中、俺たちはしゃがみ込む。試合が終わったら、蓄積したダメージが一気に来たのだ。多分、今までで1番キツイ試合だったと思う。

 

省太「明久……、ボロボロだな……」

 

明久「省太ほどじゃないさ……」

 

省太「絶対サヨと優子さんには泣かれるだろうし、みんなに何言われるかわかんないけど、とりあえず勝ったことを喜ぼうぜ……」

 

明久「そうだね……。まぁ、何にせよ……」

 

明・省「「僕(俺)たちの……、(グッ) 勝ちだ」」

 

再び立ち上がり、草○京の決め台詞を真似て拳を天に掲げる。それに合わせて、俺たちの召喚獣も武器を天に掲げた。

 

その姿を見た観客は、より一層大きな歓声を上げるのだった……。

 

 

 

to be continued……




以上、第27話でした。

必殺技については特に深い意味はありません、雰囲気です(笑)
竹原の末路はまた次に持ち越そうと思います。

それから、キャラクター募集は継続中ですので活動報告の方も覗いてみてくださいね。

では、また次回にお会いしましょう!


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第28話 悪党に相応しい末路(エンディング)

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです!

はい、今回で竹原には退場して頂きます(笑)

第28話です、どうぞ!


明久side

 

 

西村「まったく、随分と無茶をしたものだな」

 

明・省「「あはは……、すいません」」

 

優勝者が決まって表彰式の準備が進み、手当を受けてもらっている中、僕と省太は西村先生に呼び出された。

 

西村「勝ったとはいえ、さっきの戦いはなんだ。フィードバックで苦しむお前たちを見て、俺は何度止めようと思ったことか……。審判権限で不戦勝にすることも考えたぞ」

 

省太「……お言葉ですが西村先生。それをやったとして、俺たちは素直に応えると思いましたか?」

 

西村「いや……。きっと拒否しただろうな」

 

明久「それに反則行為をしていようとも、常村先輩と夏川先輩の2人にはちゃんとした形で勝ちたかったんです。僕たちに負けることが薬になると思いましたから」

 

西村「そうか……、お前たちはそういうヤツだったな。だが忘れるなよ。お前たちの身に何かあれば友人、恋人が心配する。もちろんこの俺もな」

 

明・省「「西村先生……」」

 

西村「わかったら次からは気をつけろ。生徒を守り、導くのは俺の役目だからな」

 

明・省「「は……、はい!!」」

 

僕たちの返事を聞いて、西村先生は嬉しそうにしながらその場を後にした。

 

 

 

その後表彰式が行われ、僕たちには目的の品である『白金の腕輪』と『如月グランドパーク プレオープンプレミアムペアチケット』を渡された。

 

 

表彰式が終わってすぐに腕輪のデモンストレーションが行われ、『召喚フィールド作成』と『同時召喚』の披露が行われた。

懸念事項であった暴走も起こることなく、無事にデモンストレーションは終了したのだった。

 

 

その足で僕たちは常夏コンビの下へ向かう。試合中では、碌に話ができなかったからだ。

 

常村「で? 俺らに何の用だ吉井、反田」

 

夏川「負けたことを態々笑いに来たのか?」

 

明久「違いますよ常村先輩、夏川先輩。ただ話がしたいだけです」

 

この言葉に常夏コンビは少し驚いた様な表情を見せる。

 

省太「アンタたちが竹原先生に協力した理由は、推薦書だって言ってたな?」

 

常村「ああ。それがどうかしたのか?」

 

明久「おかしいと思わなかったんですか? 普段生徒を見下す様な先生が、そんな旨い話を持ち掛けるなんて」

 

常夏「「なッ……!」」

 

明久「竹原先生は自分の目的の為なら、どんな手段を使ってでも叶えようとする人ですよ。あなたたちは竹原先生(あの人)の駒にされてたんです」

 

僕に指摘されて2人はやっと、自分たちが踊らされたことを理解した様だ。

 

省太「それにな。竹原先生は常夏先輩に妨害を依頼してた裏で、俺たちの大切な人たちを誘拐するようなことまでしてたんだ」

 

夏川「マ、マジかよ……。そんなことになっていたなんて……」

 

明久「わかりますか? 先輩たちの軽率な行動で、下手したら彼女たちの心にも身体にも傷を付けてしまうところだったんですよ?」

 

常村「そんなつもりはなかった! 俺たちはただ、進路決めて楽になりたかっただけなんだ……」

 

明・省「「………」」

 

自分たちのやろうとしたことで、取り返しのつかない事態を引き起こし掛けた事実にショックを受ける常夏コンビ。しばらく彼らを見つめた後、省太が口を開く。

 

省太「……そうか、進路か。俺たちもいずれは避けて通れない道だよな。常夏先輩は不安なんだな? 希望通りの進学先に行けるかとか、将来やりたいこととか色々な悩みが積もった矢先に竹原先生の言葉に乗っかったんだな?」

 

常村「そ、そうだ……」

 

省太「先が見えないと不安でしょうがない、ならいっそ与えられるものにでも縋りたい……。わからなくはないぜ、その気持ち。でもよ、それで良いのか? 確かに今は先輩たちにとってはキツイ時期かもしれない。だけど卒業してもこの先、今以上に嫌なこと、キツイこと、辛いこと、投げ出したいこと、逃げ出したいことがいっぱいある。それでも楽な道を選ぶのか? それで良いなら俺は止めない、アンタたちの自由だ。けど一度しかない人生なら、誰かに決められるんじゃなくて自分の足で進みたいよな。誰に何を言われようと、最終的には自分で行動するんだからな」

 

常夏「「………」」

 

明久「常村先輩、夏川先輩。あなたたちはそんなことをしなくとも、道を開くだけの力があるじゃないですか。自分にもっと自信を持って良いんですよ」

 

省太「大切なのは先のことだ。俺たちの言葉を聞いて腐るのか、それとも挽回して行くのか。それはアンタたち次第だ」

 

明久「どうするかは、2人で決めてください。常村先輩と夏川先輩なら良い選択ができるって信じますから。……省太、行こう」

 

省太「そうだな」

 

常夏コンビにこう告げて、僕たちはその場を後にした。今すぐにとはならないかもしれないが、2人はこれから良くなると信じたい。

 

 

 

 

 

 

遥祐「やあ明久、省太。優勝おめでとう♪ デモンストレーションも無事に終わって良かったよ」

 

明久「ありがとう遥祐。でも、それを言う為だけに僕たちのところに来た訳じゃないよね?」

 

遥祐「(コクッ) その通りだよ。今から“お礼”しに行くんだろ?」

 

省太「ああ。今回の黒幕には、随分とお世話になったからな」

 

遥祐「それなら、オレも一緒させてもらって良いかな?」

 

明久「いいよ、行こう。竹原先生(あの人)に沢山“お礼”してあげようか」

 

そして僕たちは教頭室へ向かう。これから行われるのは……、裁きだ。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

 

 

竹原side

 

 

くそッ! せっかく紅金の腕輪と蒼金の腕輪を与えたと言うのに……!! いや違う、吉井と反田を甘く見過ぎたという訳か。まったく末恐ろしいガキ共だ。どこまでも俺の邪魔をしてくれる……!!

 

竹原「やはりあの2人は障害だな。かくなる上は……!!」

 

“コンコン”

 

吉井と反田をどう始末しようか算段を立てている最中に、ドアをノックする音が聞こえた。

 

竹原「開いているよ、入りたまえ」

 

とりあえず自分を落ち着かせて、来客を招き入れる。

 

???「「失礼します」」

 

竹原「き、君たちは……!!」

 

現れたのは、俺が今1番会いたくない存在だった。

 

 

竹原side out

 

 

 

 

 

 

 

省太side

 

 

明・省「「失礼します」」

 

竹原「き、君たちは……!!」

 

竹原先生は驚いた様な表情を見せたが、また冷静さを取り戻して俺たちに向き直る。

 

竹原「失礼、吉井くんと反田くんだね。私に何の用だい?」

 

明久「はい。昨日と今日の件で“お礼”をさせてもらいたいと思いまして」

 

竹原「なんのことかな? 私は君たちに何かした覚えはないのだが……」

 

見え透いた嘘をついているが、こういうことは予想通りだ。

 

省太「心当たりがないのか? 実はもう1人、先生に“お礼”をしたい生徒がいるから呼ぶぞ。……入っていいぜ」

 

“ガチャ”

 

遥祐「失礼します、竹原先生」

 

竹原「き、君は……!!」

 

遥祐「なにをそんなに動揺しているんですか? オレですよ、あなたの愛しの神代遥祐です」

 

竹原「し、知らん! 私は君のような生徒のことは知らん!!」

 

遥祐「へぇ……。オレのことを“賢しいガキ”と呼んで、何かにつけて嫌がらせをしていた人と同一人物だと思えませんね?」

 

遥祐が入った途端に、竹原先生の様子が変わった。そして遥祐はこう続ける。

 

遥祐「それと竹原先生。オレ、面白いものを持って来ましてね。観てみませんか?」

 

竹原「何をだ……?」

 

取り出したのは音声データと映像データだった。

 

遥祐「観ればわかりますよ、観ればね……」

 

 

『さっきまでの方法では揺らがんか……。仕方ない、“あの手”でヤツらの心を乱してやろう。学園長。……必ずだ、必ずアンタをその椅子から下ろしてやるぞ。クックックッ……!!』

 

『だが、ヤツらの快進撃もここまでだ。常村と夏川が腕輪の力であの2人を打ちのめす。そしてアイツらが優勝すれば……、俺の野望は達成されるというモノだ、クックックッ……!!』

 

昨日と今日の様子と、それ以前に収められた両方のデータを見せられて、竹原先生の顔が青ざめている。

 

竹原「そ、そんなバカな! いつ仕掛けられていたんだ!?」

 

遥祐「随分と頭が悪いんですね。去年からです、アンタには色々と黒い噂があったのでね。安心して良いですよ、学園長にはちゃんと許可はもらっていますから」

 

明久「さあ。これで言い逃れはできませんよ、竹原先生。何か言うことはありますか?」

 

竹原「く、くそ……」

 

省太「まだ終わりじゃねぇぞ。俺と明久を直接狙うんならそれで良かった。だがアンタはその歪んだ野望の為に、俺たちの大切な人たちを傷つけようとした。それが何よりも1番許せねぇ!!」

 

明久「そういうこと。あなたは昨日と今日のことで完全に僕たちを怒らせました、よって慈悲は与えません。省太、遥祐……。お礼をしようか」

 

省・遥「「オーケー、明久」」

 

“ゴキゴキ”

 

俺たちが近づくと竹原先生は後退りするが、室内なのでもう逃げる余地などなかった。

 

竹原「な、何をする気だ……? よ、よせ! よせッ!! 来るな、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹原先生に痛みと恐怖を与えて気絶させた俺たちは、逃げないように用意していた紐で縛っておく。見る人が見ればやりすぎだと思うだろうが、ヤツの所業を考慮すればボコボコにするだけで済ませたのだから、感謝すべきだろう。

 

明久「結構派手にやったけど……、大丈夫だよね?」

 

省太「正直、これでも足りないくらいだけどな」

 

遥祐「あー、清々したよ。本当ならこういうのはオレの役目だったけど……。巻き込んでゴメン明久、省太。それと、ありがとね」

 

省太「良いって。お前も言ってただろ? お互い様、だぜ(グッ)」

 

明久「うん。僕たちも竹原先生(この人)にはウンザリしていたからね。今回のことは願ったり叶ったりさ」

 

それを聞いて、遥祐は柔らかな表情を見せた。彼としても僕たちとしても、学園の平和を守ることができて良かったと思う。

 

遥祐「あとのことはオレと学園長に任せて、2人はみんなのところに行きなよ。その様子だとまだ報告もしてないだろ?」

 

明・省「「あ、ヤバイ! そうだった!」」

 

省太「じゃあ言葉に甘えるとするか! 行こうぜ、明久!!」

 

明久「OK、省太! 遥祐。すまないけど後、お願いね?」

 

遥祐「(グッ) 行ってらっしゃい♪」

 

遥祐とはここで別れて、俺たちはみんなの待つ教室へ向かって行った。

 

 

to be continued……




いかがでしたか?

悪党に相応しいエンディングを描けていたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いです。

キャラクター募集も継続中ですので、アイディアが浮かびましたら活動報告の方へ、是非とも応募してくださいませ。

では、また次回にお会いしましょう!


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第29話 新しい戦友(ともだち)

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです!

今回はタイトルの通り、あの娘が正式に参戦します(なんて捻りのない……)。

そして、檮原さんのオリキャラが先行登場します。ちょっと短いですが、是非見てください。

第29話です、どうぞ!


明久side

 

 

明久「ただいまッ!」

 

省太「遅くなってすまねぇ、ちゃんと優勝して来たぜ!」

 

教室に戻った僕たちは、優勝報告をした。出迎えていたみんなが手厚く歓迎してくれる。

 

真夏「お疲れさん2人共。めっちゃカッコ良かったでー♪」

 

このみ「でも大丈夫だった省太くん、明久くん? 包帯沢山巻いてるみたいだけど……」

 

リオ「大丈夫よこのみ。あの程度でやられてたら、“御三家”の名折れだったでしょう? ねぇ省太、明久くん」

 

省太「オイオイ、これでも結構キツかったんだぞ?」

 

明久「あはは……」

 

このみちゃんが僕たちの姿を見て心配してくれているが、リオちゃんがあっさりとこう言った。確かに日頃から鍛えてはいるけど……。

 

渚「いつだったかぼくに、『無茶したらみんなが心配する』って言ったことあるよね? これで、明久と省太も同じだね」

 

省太「それは否定できねぇな……」

 

明久「返す言葉もないよ……」

 

渚にDクラス戦のときに言ったことを茶化されてると、優子さんとサヨちゃんが近寄って来た。

 

優・サ「「明久(省太)くん」」

 

明久「優子さん?」

 

省太「サヨ……」

 

僕たちは改めてお互いを見る。……ヤバイ、覚悟はしていたけどこれは泣かれるパターンかな?

 

優子「決勝戦観てたけど、とてもすごかったよ!」

 

サヨ「うん! サヨも優子ちゃんも見入ってたの!」

 

省太「そ、そうか……」

 

明久「ありがとう優子さん、サヨちゃん。だけど2人共、僕たちがケガしたこと怒ってない?」

 

優子「そんなことないわ。全く怒ってない……って言ったらウソになるけど、学園の存続がかかっていたもの。これくらいは許容しなきゃね」

 

サヨ「それに綺麗な先輩に、好きな人のことなら信じてあげなさいって言われたから、たとえ何があっても応援するって決めてたよ!」

 

綺麗な先輩……、葵先輩のことかな? 今度会ったらお礼をしなくちゃ。

 

明久「そうだ、喫茶店だ! 召喚大会も終わったから手伝わないと!」

 

渚「いいよ明久、省太。ここはぼくたちに任せて楽しんで来なよ。もちろん、優子さんとサヨちゃんも一緒にね♪」

 

省太「けど、それじゃあみんなに悪いぜ。俺たちもやるからよ」

 

奈子「そうは言っても、今省太たちがすることないよ? 清涼祭も今日が最後なんだから、私たちの厚意は受け取ってね」

 

渚と奈子ちゃんにこう言われて、僕と省太は周りを見てみる。全員が、「ここは任せて楽しんで来い」というオーラを送っていた。

 

明久「じゃあ今日くらいはみんなに甘えようか。行こう、優子さん!」

 

優子「ええ、明久くん!」

 

省太「俺たちも回ろうか、サヨ?」

 

サヨ「うん! 省太くんが一緒なら、どこでも楽しいよ♪」

 

「「「「楽しんで来い(来なさい)よー!!」」」」

 

みんなに見送られながら、僕たちはそれぞれ大切な人の手を握りしめて、残った時間を思い切り楽しむのだった。

 

 

 

 

 

『ただいまの時刻をもちまして、清涼祭の一般公開を終了といたします。生徒の皆さんは速やかに撤収作業をお願いします』

 

 

 

 

 

明久「あっという間だったね。……それじゃあ戻ろうか。省太、優子さん、サヨちゃん」

 

省・優・サ「「「おう (ええ) (うん)!」」」

 

 

 

清涼祭の終了を告げるアナウンスが流れて、僕たちは撤収作業を手伝うべく教室へ向かった。この2日間の間に、誘拐未遂や学園存続の危機があったりと大変だったが模擬店の成功と依頼の完遂と、2つ共成功したのでとりあえずは良かったと思う。

 

 

 

 

それから模擬店の後片付けを、みんなで協力して終わらせて後夜祭の準備に取り掛かった。清涼祭で疲れてるハズなのに、その疲れを感じさせないくらい生徒全員が活き活きとしている。

 

 

 

渚『イェーイ!! これから後夜祭、始めちゃうよー☆ みんなー、盛り上がって行こーう♪』

 

 

『『『『イェェェェェェーイ!!!!!』』』』

 

 

 

そして後夜祭が始まった訳だけど、渚が進行役を務めている。本人曰く、イベント事は気合が入る……だそうだ。プログラムもダンスやバンドと、こちらも楽しい時間が流れるように過ぎて行った。

 

 

後夜祭も終わって、今度は各クラスの打ち上げでAFクラスのメンバーは近くの公園に集合していた。本当はどこかのお店でやる予定だったけど、なぜかこの日はどこも予約が一杯で場所を確保できなかったかららしい。

でもAクラスメンバーはこの様子に新鮮さを感じていたらしく、意外にも楽しい打ち上げになったようだ。

 

優子「明久くん」

 

明久「優子さん?」

 

優子「肩、借りて良い?」

 

明久「うん、良いよ……」

 

優子さんに寄りかかられた僕は公園ではしゃぐみんなを見て、こんな日々が続くように願うのだった。

 

 

 

 

 

 

〜2日後〜

 

 

清涼祭の振替休日が過ぎて登校した僕と省太は、学園長に呼び出された。

 

“コンコン”

 

学園長「入りな」

 

“ガチャ”

 

明・省「「失礼します」」

 

学園長「来てくれたね吉井、反田。清涼祭のときはありがとうね。アンタたちのお陰でこの学園は守られたよ」

 

明久「どういたしまして、学園長。僕たちも文月学園が大好きなので必死だったんです」

 

省太「学園長、俺たちを呼び出したのは労い以外にも報告したいことがあるからですよね?」

 

学園長「ああ。まず竹原についてだが、神代の証拠を元にガサ入れをしてから解雇したのさ。それから、ヤツの手駒になっていた常村と夏川はアタシのところに自分から謝罪しに来てね、竹原に騙されていただけだったから今回は厳重注意処分としたよ」

 

これを聞いて、僕たちの言葉が届いたのだと思うと少し安心した。

 

明久「白金の腕輪はどうしますか?」

 

学園長「それなんだけど、データ収集も兼ねてアンタたち2人が使っておくれ。正式採用も視野に入れているからね」

 

省太「わかりました」

 

学園長「朝からありがとうね2人共。そろそろHRの時間だろう? 早く行くと良いさね」

 

明久「ありがとうございました。行こうか、省太」

 

省太「そうだな、明久」

 

明・省「「失礼しました、学園長」」

 

こうして僕たちは学園長室を後にした。

 

 

 

 

〜Fクラス教室〜

 

 

 

教室に到着すると既にみんな揃っていて、HRの時間になった。

 

西村「おはようお前ら。HRの時間だ、席に着くように。それと、今日からお前らと共に学ぶ転校生を紹介するぞ。入って来い」

 

“ガラッ”

 

鈴音「失礼します」

 

入って来た生徒を見て、僕たち(大半のFクラス生徒以外)は驚いた。それは清涼祭でも模擬店を手伝ってくれた、朝木鈴音ちゃんだったからである。

 

鈴音「今日から文月学園で学ぶことになりました、朝木鈴音です。よろしくお願いします」

 

「「「「よろしくぅぅぅぅッ!!!!」」」」

 

(一部を除く)男子たちの歓声に少し戸惑う鈴音ちゃん。F(この)クラスは他のクラスに比べて女子が少ないのだ、彼らの気持ちは少し理解できる。

 

サヨ「鈴音ちゃん、こっちこっち!」

 

サヨちゃんが手招きして、鈴音ちゃんも近くの席に座る。

 

鈴音「嬉しいな。小学生の頃みたいに、またサヨと同じクラスになって」

 

サヨ「サヨもだよ。またこれからよろしくね!」

 

瑞希「私の方もよろしくお願いします!」

 

美波「ウチも! 女子が増えて賑やかになるわ♪」

 

あれ? サヨちゃんたちは特に驚いてないみたいだけど……、なんでだろう?

 

???「へぇ……、あなたが転校生なのね」

 

鈴音「……? あなたは?」

 

かむい「あ、清涼祭のときは会わなかったわね。改めて自己紹介するわ、私は織幡叶夢(おりはたかむい)よ」

 

鈴音「私は朝木鈴音。あなたのことは、かむいちゃんって呼べばいいの?」

 

かむい「ええ、良いわよ。じゃあ私は鈴音ちゃんって呼ぶわ」

 

鈴音「あなたとも仲良くなれそう気がするな。これからよろしく♪」

 

かむい「こちらこそよろしくね♪」

 

鈴音ちゃんとかむいちゃんが握手を交わして、新たな友情が芽生えたときだった。

 

省太「ちょっと待て鈴音、なんでお前がここにいるんだ!」

 

鈴音「親の仕事の都合で、転校して来たんだよ」

 

省太「いや……。清涼祭に来たとき、そんなこと一言も言ってなかったじゃないか?!」

 

鈴音「だって、言わない方が面白いリアクションしてくれるって思ったの。そしたら期待通りの反応だったから、流石ね省太くん♪」

 

省太「おう……、まぁいいか。とにかく、これからよろしく頼むぜ鈴音」

 

鈴音「うんッ♪」

 

 

 

その後、みんなに挨拶をして1日の授業が始まる。

 

 

この日、Fクラスにまた1つ華が咲いたのでした。

 

 

to be continued……




鈴音ちゃんがFクラスに加入しました。

オリキャラのかむいちゃんは今回は顔見せでしたが、今後どのように物語に関わるか見守ってくださいね。(この物語自体が読者の皆様に見守ってもらっていますが……)

ちなみに、オリキャラは今後も出る予定です。

毎度のことですが、オリキャラ募集を行っておりますので興味がありましたら、活動報告も覗いてみてください。

では、また次回お会いしましょう!


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第30話 鈴音の実力と四つの剣

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

今回は前回の続きからです。同時に鈴音ちゃんとかむいちゃんの初陣となります。

オマケ回ですが、是非見てください。

第30話です、どうぞ!


明久side

 

 

1日の授業が終わって放課後になった。しかし(一部を除く)Fクラスのみんなは、帰る様子を見せずに鈴音ちゃんの周りにいる。転校生ということもあるとはいえ、流石に彼女も困っているようだった。

 

省太「おい、もう鈴音を解放してあげろよ。困ってるじゃねぇか」

 

須川「うるせぇリア充! お前にはサヨちゃんがいるだろうが!!」

 

横溝「だな! 鈴音ちゃんはモテねぇ俺たちに降り立った天使なんだ! 少しは良い思いさせろ!!」

 

『『『『『そうだそうだ!!!』』』』』

 

省太がこの状況を注意するが、興奮しているFFF団(コイツら)はまるで言うことを聞こうとしない。

渚や雄二を筆頭に男子メンバーはため息を吐き、サヨちゃんと姫路さんは唖然とし、美波は呆れたような表情をしている。

 

かむい「鈴音ちゃんが迷惑してるのに、FFF団(コイツら)は……!!」

 

渚「待って、かむいちゃん!」

 

かむい「止めないで渚くん! FFF団(このバカ共)は、O☆SHI☆O☆KIしないと気が済まないの!!」

 

堪忍袋の尾が切れたかむいちゃんがFFF団を粛正しようとしたが、渚がそれを止めた。一応クラスメイトだから、教室内に惨劇が起こるのは避けたかったので助かった。

 

渚「あ、そうだ! 明久、白金の腕輪あるでしょ? 召喚フィールドを展開して!」

 

明久「わかった。科目を『現代国語』にして……と。行くよ、起動(アウェイクン)!!」

 

渚に言われて、腕輪の力で召喚フィールドを展開した。何をするかはだいたい想像はつくけど。

 

省太「よし……。鈴音、召喚するんだ!」

 

鈴音「召喚?」

 

明久「省太の言われた通りにやってみて、鈴音ちゃん!」

 

鈴音「うん! えっと……、試獣召喚(サモン)ッ!!」

 

呼び寄せられた召喚獣は、鈴音ちゃんをデフォルメした姿にロー◯ン◯イデンの水◯燈のようなゴスロリ服を身に纏い、武器は二振りのクロスバインダーソードを携行している。そして何よりも目を惹くのは、背中に装備された大型のウイングユニットだった。例えるなら、スト◯イクフ◯ーダムの翼だ。多分、アレも使えると思う。

 

鈴音「これが……、私の召喚獣?」

 

渚「そうだよ。どうかな、初めて見た感想は?」

 

鈴音「かわいいな。気に入ったかも♪」

 

省太「それは良かったぜ。……良い機会だ、模擬試召戦争やってみないか?」

 

省太が鈴音ちゃんに提案して来た。いずれはやることになるのなら、ここで召喚獣の操作を身に付けてもらうのも良いだろう。

 

鈴音「模擬試召戦争を?」

 

省太「ああ。そういう訳だからFFF団(お前ら)、鈴音と戦ってみろ。もちろん、ここにいる全員だ」

 

サヨ「し、省太くん!? 本気なの!?」

 

瑞希「鈴音ちゃん、今日初めて召喚したばかりなんですよ!?」

 

美波「そうよ省太! いくらFFF団(コイツら)と言っても、それなりに経験積んでるから、鈴音には厳しいわよ!」

 

サヨちゃんたちは、この模擬試召戦争に反対の意を示しているが、省太は冷静な姿勢を崩さない。

 

省太「落ち着くんだ3人共。もちろん、鈴音だけにはやらせない。そうだな……、かむい。鈴音と一緒に戦ってくれるか?」

 

かむいちゃんに参戦を促すと、彼女は2つ返事で了承した。

 

かむい「わかった省太くん、やってあげるわ。前の試召戦争には参加しなかったからね……試獣召喚(サモン)ッ!!」

 

鈴音「かむいちゃん……」

 

かむい「安心して鈴音ちゃん、私も一緒に戦うから。2人でFFF団(ゴミ)を片付けましょう」

 

鈴音「うんッ!!」

 

召喚されたかむいちゃんの召喚獣は、彼女をデフォルメした姿にアレンジの入った改造制服に身を包み、ヘヴィームーンを装備している。

鈴音ちゃんが遠近万能タイプなら、かむいちゃんは純然たる接近戦タイプと言ったところか。

 

かむい「さぁ、アンタたちもさっさと召喚しなさい。戦わずにO☆SHI☆O☆KIされるか、戦って散るか2つに1つよ」

 

横溝「チクショー、どっちを選んでも地獄しかない!」

 

須川「仕方ない、こうなったらやぶれかぶれだ!!」

 

『『『『『おぉーッ!!!』』』』』

 

 

現代国語

 

 

Fクラス

 

朝木 鈴音:514点

 

織幡 叶夢:551点

 

 

 

須川率いるFFF団×40:平均86点

 

 

かむいちゃんは文系が得意だと聞いていたから納得できるけど、鈴音ちゃんも500点を超えたのは意外だったな。初めてにしては上出来過ぎるくらいだ。

 

かむい「鈴音ちゃん、召喚獣にどう動いて欲しいかイメージしてみて。大丈夫、そんなに難しくないから」

 

鈴音「わかった! (近づいて来る黒頭巾を……、撃つ!)」

 

FクラスE「何ぃッ!?」

 

鈴音ちゃんの召喚獣が、ソード・メガビームキャノンをFFF団の1人に命中させて一撃で戦死させる。

 

かむい「良いよ鈴音ちゃん、その調子!」

 

鈴音「ありがとう、かむいちゃん! (なんかわかって来た気がする。次は……、飛ぶ!!)」

 

すると、ウイングユニットが展開されて空中飛行した。その姿を見たFFF団は動揺を隠せない。

 

FクラスJ「ず、ズルイぞ! 空を飛ぶなんて!!」

 

明久「仕方ないでしょ? そういう装備なんだからさ」

 

鈴音「(今度はアレを使ってみよう。……行って!!)」

 

次にウイングから無線攻撃端末(ドラグーン)を射出して、死角から攻撃を仕掛けて一気に6人を戦死させた。

 

かむい「やるわね鈴音ちゃん! 私も負けてられないわ!!」

 

 

「「「「ぎゃぁぁぁッ!!」」」」

 

 

かむいちゃんも負けじと、固まっていたFFF団を捉えて斬り捨てる。2人共高い点数で圧倒しているが、一応試召戦争を何度か経験しているFFF団は、生き残るヤツもいた。

 

かむい「しぶといわね……。正直鬱陶しいからさっさと終わらせるわ、“腕輪発動”!!」

 

FクラスB「な、なんだこりゃあ!?」

 

FクラスI「体が動かない……!!」

 

かむい「今私が使ったのは、“マッドサンエンス”の“超麻痺”よ。これを喰らったら60秒間は動けないわ。……鈴音ちゃん!」

 

鈴音「なに、かむいちゃん?」

 

かむい「FFF団(コイツら)を一網打尽にするチャンスよ、腕輪を使って!」

 

鈴音「うん、やってみる……!」

 

そう言って鈴音ちゃんも腕輪を発動させると、召喚獣が全武装を展開する。

 

 

 

鈴音「ソード・メガビームキャノン、ドラグーン、スタンバイOK。ターゲット ・ロックオン……。“全方位一斉射撃(オールレンジ・バースト)”、いっけぇぇぇぇッ!!」

 

「「「「「うわぁぁぁッ!!!」」」」」

 

フ◯ーダムやスト◯イクフ◯ーダムを彷彿とさせる大技で、残ったFFF団(ゴキブリ共)を戦死させた。

 

西村「戦死者は補習ぅぅぅぅッ!!」

 

「「「「「嫌だぁ、鬼の補習は嫌だぁぁぁぁッ!!!!!」」」」」

 

何処からともなく現れた西村先生が、FFF団を全員担いで補習室へ連行して行った。毎回思うんだけど、あの人本当に人間なのかな?

 

省太「初めてとしては、上出来だな。お疲れ、鈴音」

 

サヨ「 かむいちゃんも一緒だったけど、初めてなのに召喚獣をここまで操作できるなんて、すごいよ鈴音ちゃん!」

 

鈴音「ふふっ、ありがとうサヨ。でも無駄な動きも結構あったし、課題も見えて来たと思うの」

 

かむい「そうね。だけど、空を飛べるのは大きなアドバンテージだから鍛えたら化けるハズよ。……良し、決めたわ」

 

明久「かむいちゃん?」

 

かむい「明久くんたちが強いから今までの試召戦争は参加しなかったけど、次からは私も戦うわよ」

 

かむいちゃんが参戦宣言すると、渚が反応してこう言う。

 

渚「なら、新しい呼び名が必要だね」

 

明・省「「呼び名が?」」

 

渚「うん。かむいちゃんってぼくたちと同じくらい強いでしょ? だから、それに相応しいのにしたいのさ。でも“四天王”って言うありきたりなのは、つまんないからね。うーん、どうしよっか……」

 

少し考え込んでしばらくすると、閃いたようにこう言った。

 

渚「……ねぇ、四つの剣(フォー・ブレイド)ってどうかな?」

 

明・省・か「「「四つの剣(フォー・ブレイド)?」」」

 

渚「そう。 Fクラスと、この中で強い上位4人にちなんでだよー☆ 良いでしょ?」

 

すごく目を輝かせて僕たちを見る渚にノーと言えずに、

 

かむい「そうね、良いと思うわ」

 

省太「“ノイン・マイスターズ”と違って非公式だけど、俺たちの存在を示すという意味じゃ悪くないな」

 

明久「僕は渚が気に入っているなら、ケチは付けないよ」

 

渚「本当? やったー! かむいちゃんも入れて、今日からぼくたちは四つの剣(フォー・ブレイド)だよ!!」

 

こう答えると、渚はとても嬉しそうにしていた。……まあ、いつまでも“御三家”のままなのもどうかと思っていたので、結果的にはこれで良かっただろう。

 

こうして鈴音ちゃんとかむいちゃんの初戦闘、四つの剣(フォー・ブレイド)の誕生と、 心強い仲間(ともだち)を得た1日になった。

 

 

 

to be continued……




これで清涼祭編は終了となります。

四天王じゃ個人的にパッとしなかったので、ああいう風になりました。ツッコミどころが多々ありそうですが……(汗)

本当はまたオリキャラを出す予定でしたが、次回以降に持ち越そうと思います。……強化合宿編までには出るかも?

そしていつものごとく、オリキャラ募集をしております。
気になった方は活動報告を覗いて、応募してみてくださいませ。

次回から如月グランドパーク編です(予定)。
こちらも楽しんでもらえるように、頑張っていこうと思います。

では、また次回お会いしましょう!


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集いし友と如月グランドパーク編 第31話 想定外の出会い

こんにちは・こんばんは、エクシリオンです。

送られて来たオリキャラをどうやってストーリーに組み込むのか考えていたら、執筆が遅れていました……。お待たせして申し訳ありません(汗)

今回は容疑者・山田健二さん、XD002さんのオリキャラが1人ずつ、檮原さんのオリキャラが2人、新たに登場します!
初めての方も待っていた方も、是非見てくださいませ!

第31話です、どうぞ!


明久side

 

 

明久「ヤバイ、遅刻する!」

 

ある朝、僕は走って学校へと向かっていた。普段なら早起きしてとっくに着いているものだが、この日に限って寝坊をしてしまい、現在に至る。ちなみに省太と渚には、遅くなるかもしれないと連絡してある。

 

目の前の曲がり角に差し掛かる。ここを曲がれば、あとは真っ直ぐの道を駆け抜ければ良い。……そう思っていたときだった。

 

“ゴンッ!”

 

明久「うわッ!?」

 

???「あうッ……」

 

曲がった直後に、艶のある長い黒髪をポニーテールに纏めた少女……のような少年にぶつかった。ぶつかった衝撃で、お互い地面にへたり込む。

 

 

明久「ゴメンね、急いでて前を見てなかったんだ……」

 

???「気にしないで、わたしは大丈夫だから。それよりも、キミは吉井……明久くんだっけ。キミも大丈夫だった?」

 

ぶつかったことを謝ると、彼は僕を気遣ってくれた。でもなんで名前を知っているんだろう? 僕、名乗ってないハズだけど……。

 

???「なぜ、名前を知ってるのかって顔をしてるね。キミは文月学園の生徒の中でも、有名人だからね。知らない人なんていないよ」

 

明久「そ、そうなんだ? それで、君は……」

 

彼も僕と同じ文月学園の制服を着用しているので、話を聞こうとすると、こう答える。

 

???「時間がない。早くしないと遅刻しちゃうよ」

 

明久「あ! そうだった!」

 

???「秘密の抜け道を知ってるよ。わたしと一緒に行こう」

 

明久「う、うん」

 

半信半疑だったけどこのままだと遅刻するので、言われるがままについて行った。

 

???「不安なの? 大丈夫、ちゃんと着くからね」

 

僕が考えていることを見透かすかのように、彼はこう答える。それからしばらく進んで行くと、文月学園の校門にたどり着いた。

 

???「ね? わたしの言った通りでしょう?」

 

明久「本当だ。ありがとね、君のおかげで間に合ったよ」

 

???「ふふっ、どういたしまして(ニコッ)」

 

そう言って彼は優しく微笑んだ。正直、彼が女の子だったら速攻で落ちてたと思う。……でもダメだ、僕は優子さんが好きなんだ! そう自分に言い聞かせた。

 

???「早く教室に行って。キミの友達が待ってるよ」

 

明久「君は行かなくて良いの?」

 

???「わたしは後から行く。……安心して? また会えるから」

 

明久「う、うん。じゃあまた」

 

ここで彼とは別れる。校舎に入るまで、彼は僕を見送っていた。……まだ名前聞いてなかったな……、でも会えるって言ってたから良いか。そう考えながら教室へ向かった。

 

 

 

省太「よっ明久。珍しいな、お前がギリギリだなんてよ」

 

渚「うんうん、でも間に合って良かったよ☆ あ! そういえば今日、転入生が来るんだってさ」

 

明久「転入生が?」

 

この間鈴音ちゃんが転校して来たばかりなのに、一体どうなっているのだろう。それよりもあの子はちゃんと自分のクラスに着いたのか? 会えるっては言ってたけど、HRが始まるまで僕は彼のことを考えるのだった。

 

 

西村「おはよう、お前ら。さて、話を聞いたヤツもいると思うがこのクラスに転入生が来る。朝木のときもそうだったが、これから共に学ぶ級友だ。仲良くするように」

 

『『『『『はーい』』』』』

 

西村「では、入って良いぞ」

 

“ガラッ”

 

???「失礼します」

 

入って来た生徒を見て僕はハッとする。それは一緒に登校したあの少年だったからだ。

 

レイ「今日からFクラスで学ぶことになりました。藤堂レイと申します、これからよろしくお願いします」

 

藤堂……、思い出した。確か学園長の孫が文月学園の生徒だと聞いていたけど、目の前にいる彼がそうだったのか。

 

「「「「「よろしくぅぅぅッ!!!」」」」」

 

そんなことを知ってか知らずか、(一部を除く)Fクラスの生徒たちは鈴音ちゃんのときのように、野太い歓声を上げる。

一応彼は男子なのだが、コイツらは容姿が可愛ければたとえ男子であっても受け入れるようだ。

 

レイ「……また会えたね、吉井くん」

 

明久「う、うん。僕も会えて嬉しいよ」

 

僕の存在に気付いた藤堂くんが、近づいて挨拶して来る。

 

FクラスD「吉井ぃぃぃ! キサマぁぁぁッ!!」

 

FクラスG「この可愛い子ちゃんと知り合いなどとぉぉぉッ!!」

 

須川「よし、とりあえず死刑ッ!!」

 

その様子を見た須川くん率いるFFF団が、襲って来ようとする。ちょっと話しただけでここまでするかなぁ?

省太たちは「また始まった……」って顔してるし、渚とかむいちゃんは紅いオーラを放っている。

 

 

渚「かむいちゃん。FFF団(コイツら)()っちゃおうか?」

 

かむい「ええ渚くん。死んで(眠って)もらいましょう……」

 

『『『『『やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!』』』』』

 

“バキッ、ドガッ、ボコッ”

 

「「「「「ちーん……」」」」」

 

渚とかむいちゃんがあっという間に制圧する。かむいちゃんが気持ち派手にやっていたが、ちゃんと生きているようで少し安心した。

 

渚「西村先生。FFF団(コイツら)には教養が必要だと思うので、補習を受けてもらうことを提案します」

 

西村「ふむ……、これでは授業にならんからな。俺はコイツらを補習室に連れて行くから、お前たちは自習だ。それから上運天、織幡」

 

渚・か「「はい、西村先生」」

 

西村「お前たちが友人思いなのはわかるが、ほどほどに頼むな?」

 

渚・か「「善処します」」

 

そう言って西村先生は、僕たち以外のクラスメイトを担いで補習室へと向かって行く。この状況を見た藤堂くんは唖然としている。

 

レイ「ねぇ、今のは……」

 

省太「気にしなくていい。FFF団(アイツら)はこれが平常運転だから」

 

レイ「そ、そう……」

 

Fクラスの悪い部分を見せたことに、省太が申し訳なさそうな表情でこう言った。

 

瑞希「あ、あの……。レイちゃん……、ですか?」

 

レイ「そうだよ、みーちゃん。Fクラスに行ったって聞いたけど、元気そうで良かった」

 

瑞希「はい、皆さん良い人たちですよ♪」

 

明久「藤堂くんって、姫路さんと知り合いなの?」

 

レイ「うん、小学生の頃からだよ」

 

 

話を聞いたところ姫路さんとは幼馴染で、Fクラスの中では唯一付き合いがあるそうだ。で、改めて彼の口から自分が学園長の孫だと言うことを教えてくれた。

 

渚「そういえばAクラスの一騎討ちのときに、姫路さんを応援するかのように見ていた子がいたけど、それが藤堂くんだったのか」

 

サヨ「でも本当はAクラスにいたんだよね? どうしてFクラスになっちゃったの?」

 

学園長「それはアタシが教えてやるさね」

 

『『『『『学園(ババァ)長(おばあちゃん)?』』』』』

 

サヨちゃんの疑問に答えるかのように、学園長が教室にやって来る。藤堂くんがおばあちゃんと呼んでいたが、それはもう周知の事実なのでみんな驚かなかったようだ。

 

学園長「レイちゃんには、アタシの助手たちに混じって試験召喚システムの調整と、メンテナンスの手伝いをしてもらっていたのさ。今年は近年でも稀に見る高得点者……隠れAクラスの生徒が多いからねぇ」

 

レイ「それでシステムの過負荷を防ぐ為に、わたしが全生徒の召喚獣の調整を担当していたの。ちなみに、吉井くんと反田くんと上運天くんの召喚獣を再調整したのもわたしだよ」

 

省太「そ、そうだったのか……」

 

明久「ありがとう、藤堂くん」

 

レイ「どういたしまして(ニコッ)」

 

またあの笑顔だ。男なのに反則だよ、アレは。

 

学園長「数日前もシステムメンテナンス中に原因不明のバグが起きてね、レイちゃんのデータがFクラスに書き換わってしまったんだよ。どうにか修正を試みたけど、上手くいかなかったのさ」

 

学園長の言葉を聞いて、みんなが複雑な表情を見せる。

 

雄二「ったく、それでFクラスになっちまうなんてな。ババァ長、自分の孫が大切ならそんなことやらせるなよ」

 

レイ「やめて坂本くん! これはわたしが自分で進んでやったことだから。おばあちゃんを責めないで、お願い……」

 

雄二「おう……。何も知らずにそんなこと言ってすまなかったな、藤堂」

 

レイ「大丈夫だよ、坂本くん」

 

学園長「そう言う訳だからアンタたちにはアタシの孫をFクラスの生徒として、仲良くしてやってもらいたいんさね」

 

『『『『『もちろんです、ちゃんとやりますよ』』』』』

 

学園長「良い返事だ。じゃあレイちゃんのこと、よろしく頼んだよ」

 

学園長はそう言うと、Fクラスの教室を後にした。

 

その後みんなと自己紹介をし合って、これから共にする仲間(ともだち)の印として名前で呼び合うことになった。

 

 

美波「それにしても災難だったわね、レイ。こんなクラスに来ちゃうなんてね」

 

レイ「そうでもないよ、美波ちゃん。西村先生に連れて行かれた人たちは知らないけど、ここにいるみんなは良い人だし、何よりみーちゃんがいるから不満はないよ」

 

瑞希「レイちゃん……」

 

レイ「みーちゃん……」

 

2人が見つめ合ってすごく良い雰囲気になっていた。当然だ、幼馴染が再び一緒になれたというのはやはりロマンがある。

 

雄二「……すまんレイ、姫路。その桃色空間、閉まってくれないか?」

 

レイと姫路さん以外のみんなが「お前が言ってどうするの」という反応だったが、流石にいつまでもこの状況はいけないので、現実に戻ってもらった。

 

レイ「おっと! ごめんね、みんな。何はともあれ、これからよろしくね♪」

 

それから僕たちは軽く雑談を交えつつ、自習に励むのだった。

 

 

 

 

 

〜放課後〜

 

 

1日の自習を終えて帰り仕度をしていた頃、4人の男女がFクラスへやって来た。

 

???「よう、レイ! 元気か?」

 

???「心配だったけど、大丈夫そうね」

 

レイ「あっ! 剣聖くん、楓ちゃん!」

 

かむい「楓姉様!」

 

声を掛けて来た男子生徒は、御剣剣聖(みつるぎけんせい)……僕と省太と渚、そして遥祐とは親友でライバルといった間柄だ。女子生徒の方は織幡楓(おりはたかえで)……顔は似てないが、かむいちゃんとは二卵性の双子であり、正真正銘の美人姉妹として学園で有名である。

 

横溝「ウッヒョー、楓ちゃんと真愛ちゃんキター!!」

 

『『『『『イェェェーイ!!!!』』』』』

 

楓・???「「きゃっ!?」」

 

???「真愛ッ!」

 

かむい「またFFF団(コイツら)は……!」

 

剣聖「待てかむい、七島。ここは俺に任せろ」

 

かむい「剣聖くん……。……わかったわ」

 

???「(コクッ)」

 

楓ちゃんともう1人の女子生徒が視界に入ってテンションが上がるFFF団を、かむいちゃんが粛正しようとしたのを剣聖が止める。今度は彼が相手をするようだ。

 

須川「おのれ、御剣剣聖! 我らの邪魔をするな!!」

 

FクラスM「邪魔するならば、キサマから処刑してやる!!」

 

『『『『『サーチアンド・デース!!!』』』』』

 

剣聖「流石に数が多いな」

 

省太「起動(アウェイクン)!!」

 

剣聖とFFF団が対峙する中、省太がフィールドを展開させる。模擬試召戦争を仕掛けるつもりらしい。

 

省太「剣聖、力貸すぜ!」

 

剣聖「ああ。よろしく頼むな、省太!」

 

FクラスD「反田、キサマ邪魔する気か!」

 

省太「どう考えてもFFF団(お前ら)が悪いだろ? だから大人しく成敗されろ」

 

省・剣「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

『『『『『チクショー、試獣召喚(サモン)!!』』』』』

 

 

 

情報

 

 

Fクラス

 

反田 省太:879点

 

Aクラス

 

御剣 剣聖:562点

 

 

Fクラス

 

須川率いるFFF団×40:平均97点

 

 

 

 

展開していたフィールドは情報で、魔法陣から召喚獣が呼び寄せられる。

剣聖の召喚獣はゴー◯イジャーのマー◯ラスに似ていて、服装もそれに準じている。……本人が似ているからそうなんだけど。武器は右手にゴー◯イサーベル、左手にゴー◯イガンを装備していた。

 

 

 

省太「剣聖、その点数どうしたんだ? お前の実力ならもっと取れるだろ?」

 

剣聖「あんま目立ちたくないからな。まぁでも、 FFF団(ザコ)相手にはこれくらいで充分だ」

 

省太「かもな。でもいつかは本気出せよ? まともに戦える生徒が少ないからさ」

 

剣聖「わかってるぜ」

 

須川「何をゴチャゴチャと……。行くぞ我が同志よ!!」

 

『『『『『おぉーッ!!!』』』』』

 

数に任せて特攻を掛けるFFF団。この2人には無駄だけど。

 

 

 

剣聖「さっさと終わらせるか、省太」

 

省太「良いぜ……」

 

剣聖「“ゴーカイブラスト”!!」

 

省太「“メガ・ブラスター”!!」

 

「「「「「うわぁぁぁッ!!!」」」」」

 

 

剣聖と省太が腕輪を発動し、高出力ビームと炎のエネルギー弾を浴びせて、FFF団の召喚獣を全員戦死させた。あ、これは多分……。

 

 

西村「戦死者は補習ぅぅぅぅッ!!」

 

「「「「「また補習かよォォォォォッ!!!!!」」」」」

 

またこのパターンだった。西村先生が本日2度目の補習室へと連行して行くのを見て、そろそろ学習して欲しいとみんなが思った。

 

 

 

 

 

“コンッ”

 

省・剣「「上出来ッ!」」

 

???「ありがとうございます……」

 

楓「助かったわ。剣聖くん、省太くん」

 

???「相変わらずの強さだね、2人共」

 

省太「お前は?」

 

真郷「おっと、自己紹介がまだだったね。僕は 七島真郷(ななしままさと)。御剣くんと織幡さんと同じくAクラスだよ、よろしくね。そしてこの娘は……」

 

真愛「お、 奥宮真愛(おくみやまみ)と言います。よ、よろしくお願いします」

 

残る男子生徒の七島真郷くんと、女子生徒の奥宮真愛ちゃんがそれぞれ自己紹介をする。その流れで僕たちも自己紹介をしていった。

 

真郷「実際に会ってみると、やっぱり違うものだね」

 

雄二「ん? どういうことだ?」

 

真郷「実は僕、 Fクラス(君たち)のことを試召戦争をやたら起こしている野蛮な人達だと思っていたんだ。その事を、謝らせて欲しい……」

 

渚「そ、そうだったんだ……」

 

無理もない。理由があったとはいえ、試召戦争を何度も起こして良い印象を抱けと言うのは難しいだろう。でもこうして誤解を解かれるのは、やはり嬉しい。

 

真郷「中でも特に君に会ってみたかったんだよ、吉井くん」

 

明久「僕に?」

 

真郷「そう。『僕たちは目の前の友達を見捨ててまで試験を受けるつもりはありません』……君は振り分け試験の時にこう言ってたよね? その優しさは君の長所だと僕は思うよ。だけどこれから先、それが原因で誤った選択をしてしまうかもしれない。これだけは覚えていてね」

 

明久「……心に留めておくよ」

 

七島くんの真剣な眼差しに、僕はこう答えることしかできなかった。

 

真郷「君たちに会えて良かったよ、また明日学校でね。行くよ、真愛」

 

真愛「う、うん。真郷くん」

 

剣聖「どうした七島。せっかくだし、ゆっくりして行こうぜ?」

 

真郷「いや、真愛との時間を大切にしたいんだ。だからまた今度ね」

 

真愛「み、皆さん。また、会いましょう」

 

楓「ご機嫌よう真愛ちゃん、七島くん」

 

七島くんと奥宮さんはそう言って先に帰って行った。

しばらくして優子さんや真夏ちゃんたちも加わって、下校時間になるまで雑談で盛り上がった。

 

 

 

 

 

下校時間になりみんなと別れて、省太と一緒に下校していたときのこと。

 

明久「ハァ……」

 

省太「どうした明久?」

 

明久「省太。僕、ちょっと考えてたことがあるんだ」

 

省太「……七島が言ってたことか?」

 

明久「(コクッ)」

 

優しさが原因でいつか誤った選択をするかもしれない。……この言葉がどうしても頭から離れなかったのだ。

 

省太「あのな明久。前にも言ったと思うけど、誰が何を言おうとお前はお前だ。七島が言ってたことも正しいが、もしお前が間違えそうになったら俺が全力で止める。いや、俺だけじゃない。渚も雄二も秀吉も康太もみんなも、そして優子さんが支える。だから心配するな、お前らしくやれば良い」

 

明久「省太……。ありがとう」

 

省太「俺とお前の仲だろ? (ニッ)」

 

省太が親友で本当感謝だよ……。この言葉でとても救われた気がする。……良し決めた。

 

明久「ねぇ省太。如月グランドパークのペアチケットまだ持ってる?」

 

省太「持ってるぜ。それがどうかしたのか?」

 

明久「今日までずっと考えてたんだ、チケットの使い道を。だけどやっと決まったよ」

 

省太「明久?」

 

明久「省太、このプレミアムチケットあげる。サヨちゃんと一緒に楽しんで来て!」

 

意を決して、プレミアムチケットを省太に渡す。

 

省太「いや待て! それこそお前に必要だろ、明久! 優子さんと過ごせるチャンスなんだぞ!?」

 

明久「その言葉、省太に返すよ。将来サヨちゃんと結婚するんでしょ? 大人になって結婚式挙げられるかわからないなら、今やった方が良いよ!」

 

省太「だ、だけどよ……」

 

明久「それに、このチケットは省太の頑張りなしでは取れなかった。だから省太とサヨちゃんに、1番使って欲しいんだよ……」

 

省太「……わかった。そこまで言われたら突っぱねる訳には行かねぇからな。サンキュ、明久」

 

明久「うん。最高の1日にしてね♪」

 

最初は躊躇っていた省太も素直にチケットを受け取った。これで良かったと思う。

 

 

省太「また明日だ、明久!」

 

明久「じゃあね、省太! ……良し。2人のデートが素敵な1日になるように、全力でサポートしなくちゃね♪」

 

省太と別れた後、今度の休みに予定されるイベントを成功させるプランを考えながら家路へ急いだ……。

 

 

to be continued……




以上、第31話でした。
オリキャラは今回は顔見せでしたが、いかがだったでしょうか?

また登場してないキャラもいますが、キッチリと見せ場を作って行きたいですね。

次回は如月グランドパークのお話です。

ではまた次回に、お会いしましょう!


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第32話 ドキドキ? デート大作戦! 〜前編〜

渚「えっと……。作者に呼ばれて来たんだけど、姿が見えないね」

省太「代わりにこんな書き置きがあったぞ」

明久「読んでみようか」

『3週間くらい放ったらかしにしてたから、読者の皆様に会わせる顔がない。すまん3人共、私の代わりに前書きの挨拶を頼む。 byエクシリオン』

渚「へぇ……、ぼくたちに尻拭いしろって言うんだ? 良い度胸だね、あの人……」

明・省「「渚?」」

渚「明久と省太は読者の皆様に挨拶お願いね? ぼくは作者とO☆HA☆NA☆SHIして来るから」

明久「あ、行っちゃった……」

省太「とりあえず進めようか。まず、3週間も放置しててすまん。同時に今日まで待ってくれた読者の皆様、本当にありがとうな」

明久「前回の予告(?)通り、32話は如月グランドパークの話だよ」

省太「待ってた方も、初めての方も読んでくれると嬉しいぜ」

明・省「「それでは、どうぞ!」」


明久side

 

 

それは1日の授業が終わった放課後のこと。僕たち(省太とサヨちゃん以外)はAクラスの教室に集合していた。

 

明久「みんな、集まってくれてありがとう。今日来てもらったのは、ある2人の為に協力して欲しいからなんだ」

 

凌汰「言うまでもないだろうけど、それって省太とサヨのことだろ? なぁ、明久」

 

剣悟「そうそう。僕たちの協力が必要なのは、ウェディング体験をさせてあげたいからだよね♪」

 

こう言った背丈の大きな男子は、十一月二十九日 凌汰(つめづめ りょうた)……省太とは小学生の頃からの友人で、そこから僕たちとも友達になった少年だ。

次に声を掛けた男子は、雅楽代 剣悟(うたしろ けんご)……Bクラス所属で彼もまた、僕たちの友達でゲーム仲間。『K』の異名を持つ天才ゲーマーでもあり、彼にはゲームで一度も勝ったことがないほどの腕前である。

 

明久「そう。だからみんなには、僕と渚が立てた作戦を一緒に実行しようと思うんだ」

 

渚「これから内容を説明するよー☆」

 

 

 

 

 

〜作戦説明中〜

 

 

 

 

 

明久「……と言う訳で、みんなは今説明したように動いて欲しいんだよ」

 

姫冠「じゃあ私たち“Tear drop”は、省太くんとサヨちゃんの為に演奏したらいいのね?」

 

明久「うん。素敵なライブにしてくれると嬉しいな」

 

我紋「任せて。最高のステージを見せてあげるよ!」

 

確認するように声を掛けた女子は王来王家 姫冠(おうらいおうけ てぃあら)……数々のコンテストに受賞歴を持つバンド“Tear drop”のボーカルで、学園内にファンが多い。例に漏れず、僕たちも彼女のファンだ。

男子の方は権守 我紋(ごんのかみ がもん)……“Tear drop”のベース担当であり、姫冠ちゃんの執事兼ボディガードにして、姫冠ちゃんの恋人だ。このことを知っているのは、僕たちだけだけどね。

 

明久「じゃあ、決まりだね。明日は気合を入れて……」

 

真郷「待ってくれ、吉井くん」

 

明久「七島くん?」

 

話が纏まったタイミングで、七島くんが声を掛ける。

 

真愛「わ、私たちも協力させてください」

 

明久「それは嬉しいけど……、どうしたのかな?」

 

真郷「反田くんには恩がある。思惑は別にあっただろうけど、彼のおかげで僕たちはAクラスの設備で過ごせているからね。そのお礼をさせて欲しいんだ」

 

2人が態々協力を申し出たのだ。それに快く応じようと、全員の気持ちがひとつになった。

 

明久「わかった。じゃあ明日はよろしくね七島くん、奥宮さん」

 

真郷「ありがとう。精一杯やらせてもらうよ」

 

真愛「が、頑張ります……!」

 

渚「よーし! 省太とサヨちゃんのデートを最高のものにする為、頑張っちゃうぞー! 名付けて、『O.H.T』だよー☆」

 

レイ「ねぇ渚くん。その『O.H.T』って、なぁに?」

 

渚「良く聞いてくれたね、レイ。『Operation Happy Time』のことさッ♪」

 

 

 

 

 

『『『『(絶対そう言うと思ったよ……)』』』』

 

 

 

 

 

言うことがだいたいわかってたからか、みんなが心の中でそう思った。とはいえ渚の気持ちを無下にする訳にもいかなかったので、

 

明久「雰囲気は大事だからね。じゃあ改めて……、明日は気合入れて行くぞー!!」

 

 

『『『『おぉーッ!!!!』』』』

 

 

こう言って作戦会議を締める。大丈夫、きっと上手く行く。そう信じて僕たちのこの場は解散となった。

 

 

明久side out

 

 

 

 

 

省太side

 

 

サヨ「ふ〜んふ〜んふふ〜ん♪」

 

省太「おっ、嬉しそうな顔してるな?」

 

サヨ「だって如月グランドパークに行くんだよ? ずっと楽しみにしてたの♪」

 

帰り道、俺とサヨは明日のデートのことでお喋りしていた。何せ正式オープンする前のテーマパークに行くのだ、心が躍るのもわかる。

 

サヨ「でも良かったのかなぁ? そのチケット、明久くんから譲ってもらったでしょう? 優子ちゃんと一緒に行きたかったんじゃあ……」

 

省太「俺も思った。だけど明久が『どうしても2人に使って欲しい』って言うから、厚意に甘えて受け取ったのさ。だからサヨ、明日は目一杯楽しもうな♪」

 

サヨ「うんッ!」

 

明日の準備もあるから家まで送って、サヨとはここで別れた。その裏で明久たちが大規模な作戦を練っていることを、このときの俺は知る由もなかった。

 

 

 

〜土曜日〜

 

 

AM 9:30

 

 

電車で1時間かけて、俺とサヨは如月グランドパークの前まで来ていた。プレオープンということもあってかそんなに多くはないが、賑わう程度に人はいた。

 

サヨ「省太くん、行こ♪」

 

省太「ああ、そうだな……ってあの、サヨさん?」

 

サヨ「なぁに?」

 

省太「む、胸が当たってるんですが……」

 

サヨ「当ててるの」

 

省太「そうですか……」

 

なんて言うか……、サヨが益々積極的になってるような気がする。意識的にしろ、無意識にしろ、これはヤバイ。あまり顔に出さないようにしないと。

そんなことを考えながら入場口に行くと、俺は目を疑った。

 

 

???「いらっしゃいマセ! 如月グランドパークへようこソ! 本日はプレオープンなンですガ、チケットはお持ちですカ?」

 

省太「……何してんだ、明久?」

 

如月グランドパークのスタッフに変装して、エセ外国人風に振る舞う明久がそこにいたからだ。

 

明久?「……? 何のコトですカ? ワタシは明久といウ人でハありませンヨー?」

 

省太「……まぁ良いや、チケットだろ? これで良いか?」

 

明久?「拝見しマース♪」

 

係員(明久)に俺とサヨのチケットを渡し、受け取ると笑顔のまま固まる。

 

サヨ「そのチケット、使えないのかな?」

 

明久?「イエイエ、そんなコトはないデース♪ デスが、少々お待ちくださいマセー☆」

 

そう言って俺たちに背を向けると、携帯を取り出してどこかへ電話をし始めた。

 

明久?「―――こちらA。ターゲットが来たよ。これより、オペレーションH.Tを発動。各員の武運を祈る」

 

省太「おい待て。一体何の話をしたんだ」

 

明久?「お構いナク、コチラの話デス。それと、お客様のチケットはプレミアムチケットなので、特典が付きマース。少々お待ちくだサ〜イ♪」

 

俺とサヨは係員(明久)に言われるがまま、待つことにした。『オペレーション』と言う単語が出て来たあたり、知り合いだと言うことは間違いない。

 

 

〜数分後〜

 

 

???「お待たせしました。こちらカメラです♪」

 

あれ? 明久と同じ如月グランドパークの従業員の服を着ているけど、まさか……。

 

省太「優子さん……、なのか?」

 

優子?「何をおっしゃいますか? 私は優子と言う名前ではありませんよ、人違いです」

 

省太「そ、そうか……」

 

あくまでも否定する係員(優子)に俺はそう返すしかなかった。ちなみにサヨは、特に怪しむ様子を見せていない。ノリが良いのか何なのか……。

 

優子?「それでは、お写真を撮りますよー♪」

 

省太「写真を?」

 

明久?「はイ。プレミアムチケットで入場されたお客様に付く特典の1つデース☆」

 

省太「1つってことは、他にもあるって訳か……」

 

優子?「では、撮らせていただきます。お客様、もう少し近くに寄ってハートマークを作ってもらえますか?」

 

サヨ「こうやって?」

 

係員(優子)がカメラを構えて、俺たちに注文を付ける。俺が右手を、サヨが左手をくっつけてハートマークを作った。

 

優子?「それでOKですよ。はい、チーズ♪」

 

そしてシャッター音と共にフラッシュが発生する。

 

優子?「すぐに現像いたしますので、少々お待ちくださいませ」

 

係員(優子)がその場を離れている間、周囲を見回す。すると友人知人と思わしき気配を感じた。一体何がどうなっているのか……。

 

優子?「お待たせしました。先程のお写真です、どうぞ」

 

サヨ「わぁぁ、ありがとー☆ 見て省太くん、綺麗に撮れてるよ」

 

省太「どれどれ……」

 

受け取ったサヨが嬉しそうに写真を見せる。

その写真の回りに小さな天使が浮かんでいるのが描かれていて、写真の上には、『結婚おめでとう』の文字が書かれてあった。

 

省太「こ、これは一体……」

 

優子?「サービスで加工してみました♪」

 

省太「それは良いけど、普通のはないのか」

 

優子?「もちろん、ありますよ」

 

もう1つの写真も受け取った。最初に渡された写真と比べると加工はシンプルなデザインになっている。

 

優子?「今お渡しした写真は、2枚共差し上げますよ」

 

サヨ「良いの?」

 

優子?「はい(ニコッ)」

 

サヨ「やったー! この写真、大切にするね♪」

 

優子?「喜んでいただけてなによりです」

 

サヨの喜ぶ顔を見て、俺も自然と笑顔になる。乗せられている感はあるけど、まぁ良い。

 

明久?「でハ、お時間になったラ別のスタッフがお呼びしマス。それまでハごゆっくりお楽しみ下さいマセ♪」

 

省太「ありがとよ。じゃあサヨ、行くか」

 

サヨ「うん! 手、繋ご?」

 

俺とサヨは、手を繋いで園内へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

明久「……行ったようだね、優子さん」

 

優子「そうね、明久くん」

 

明久「あとは、みんなに任せてみようか」

 

 

 

 

 

 

 

省太「サヨ。どこから回ろうか?」

 

サヨ「うーん……。迷っちゃうなぁ」

 

こんな話をしていると。

 

 

???『ちょっと、そこのお兄ちゃん♪』

 

省太「お兄ちゃんって、俺のことか?」

 

???『せや♪ お兄ちゃんたち、どこ行こうか迷っとるやろ?』

 

キツネのマスコットが俺たちに話し掛けて来た。しかも関西弁で。

 

???『どないしたん?』

 

ビンゴだ。関西弁を喋る時点で知り合いであることは確定だが、一応確認してみるか。

 

省太「あ、あそこに天才ゲーマー“K”がいるぞ!」

 

???『え、どこどこ? どこや!?』

 

やっぱりな。こんな風に反応するのは……。

 

省太「……お前もか、真夏」

 

???『な……、ちゃうちゃう! フィーは真夏っちゅう子やないで! 見ての通りキツネの女の子やで♪』

 

省太「あ、そう……」

 

関西弁で喋るキャラじゃないだろ……。そう言おうと思ったけど、あえて言わないことにする。

 

省太「この際どうでも良いや。真……、フィーちゃんがオススメのアトラクションを教えてくれるのか?」

 

フィー?『せや♪』

 

省太「そのアトラクションはなんだ?」

 

フィー?『向こうに見える、廃病院を改造したお化け屋敷やで〜♪』

 

フィー(真夏)が指差した先には、件のお化け屋敷が見える。聞いて思い出したが、如月グランドパークの目玉アトラクションの1つだったか。

 

省太「なるほど。他にはないか?」

 

フィー?『せやなぁ、他には……』

 

???『ここからはボクが教えてあげるよー♪』

 

サヨ「あっ、ノインちゃんだ! こんにちは!」

 

ノイン?『こんにちはお姉さん。ボクはノインだよッ♪』

 

またしても聞き覚えのある声。声からして、工藤さんだろう。

 

サヨ「じゃあノインちゃん。他にオススメのアトラクション、教えて欲しいな☆」

 

ノイン?『良いよ♪ まずはあっちにあるジェットコースターだよ。お化け屋敷と同じくらい人気なんだー☆ あと、あっちに見える特設ステージで、今日限定のヒーローショーだね♪ 他にも楽しいアトラクションがあるけど、お兄さんたちに1番オススメするのは、観覧車だよ。夕方に乗ってくれると嬉しいな♪』

 

省太「そうか。ありがとよ」

 

ノイン?『どういたしまして〜♪ それじゃボクたちはこれで失礼するよ。楽しんで来てね、お2人さん♪』

 

フィー?『じゃあね☆』

 

省太「行くぜサヨ。まずはお化け屋敷だ!」

 

サヨ「うんッ♪」

 

ノイン(愛子)とフィー(真夏)に見送られて、俺とサヨはお化け屋敷へと向かって行った。

 

 

 

 

〜お化け屋敷〜

 

 

 

省太「ここがお化け屋敷……」

 

サヨ「思った以上にすごいね……」

 

受付を済ませた俺たちはお化け屋敷のスタート地点にいた。受付人は雄二だったのだが、言ってもムダだと思ったので突っ込むのはやめた。

 

“ギュッ”

 

サヨ「省太くん。手……、離さないでね?」

 

省太「ああ。ちゃんと握っているよ(ニッ)」

 

こうして屋敷の中を進んで行くと、様々なお化けたちが出て来た。その度にサヨがしがみ付いてそれは良いんだが、体の色々なところが当たって来る。柔らかい感触な上に、良い匂いまでする。ハッキリ言って理性を抑えるのに一杯だったと思う。

 

省太「ほらっ。ゴールだぜ、サヨ」

 

サヨ「本当? あぁ、良かったぁ〜」

 

時計を見て時間を確認する。そろそろヒーローショーの時間だろう。

 

省太「今度はヒーローショーか……。流石にこの歳じゃちょっと恥ずかしいけど、せっかくだし行ってみるか」

 

サヨ「そうだね♪」

 

 

 

それからヒーローショーを観たんだけど、ヒーロー役の人も悪役の人も身のこなしをよく見ると、何人かが知り合いだった。ヒーロー役は、凌汰と月影と丈瑠、悪役は、遥祐と龘吏と剣悟がそれぞれ演じている。トドメはMCのお姉さんで、そっちはリオが担当していた。

 

サヨはそれに気付かずに、純粋に楽しんでいる。俺は相変わらず良い動きだと感心して観ていた。今度あの動きを習ってみよう。

 

 

 

ヒーローショーが終わってまた園内を歩いていると、従業員に声を掛けられた。

 

???「反田省太様と池端早代様ですね? お待ちしておりました。お2人には当園がご用意した昼食がございますので、ご案内いたします」

 

その従業員は鈴音だったが、ここまで来ると突っ込むのは野暮だろう。

 

省太「あれ? そう言えばサヨ、弁当持って来てなかったか?」

 

サヨ「あ……。じゃあ、弁当はあとで食べよ♪」

 

省太「そうだな。せっかく用意してくれたし、もらおうか」

 

鈴音「では、こちらへどうぞ」

 

 

鈴音に案内されて会場の中へ入る。中はまさしくパーティー会場と言って差し支えのない造りになっていた。その豪華な内装に、俺もサヨもただ見つめるばかりだ。

 

???「ようこそお越しくださいました。反田様、池端様」

 

省太「今度は秀吉か!」

 

秀吉「秀吉? はて、私はそのような人は存じませんよ?」

 

ウェイターとして秀吉が現れたので一応聞いてみたが、あくまでも本人じゃないと言い張る気だ。

 

秀吉「お2人には指定席がございます。それではこちらへ」

 

秀吉に案内された席は周囲を見渡せる場所で、前方にはクイズ解答台が設置された特設ステージ、更に視点を変えると、白いシートで覆われた箇所がある。

ここでも気配を感じたので周りをよく見ると、さっきまでに出会ったメンバーに加えて、このみちゃんと康太、レイ、姫路さん、美波、霧島さん、楓、七島、奥宮さんがいる。まだ見当たらない人もいるが、ほぼ友人が多いのは間違いない。

 

 

サヨ「すごいね省太くん。サヨびっくりしちゃった♪」

 

省太「ああ、俺もだ」

 

こんな話をしているうちに食事が始まる。豪華なのは伊達ではなく、運ばれて来る料理に圧倒されながらも料理に舌鼓をうち、デザートも食べ終える。

今度は何もないのか……。そんな風に考えていると、会場内が暗くなった。

 

渚《レディース・アーンド、ジェントルメーン♪ 会場内の皆様、本日は如月グランドパークのプレオープンイベントにご参加いただき、誠にありがとうございます!》

 

クイズ解答台の隣の司会者席にスポットライトが当たり、渚と奈子がいるのが見える。さっきまで姿が見えないと思ったら、そこにいたのか。

 

渚《当イベントはお客様の中から一組、抽選で当如月グループがお贈りする、ウエディング体験をプレゼントします!》

 

奈子《ですが、抽選で選ばれましてもこちらから出題されるクイズに全問正解して、初めてプレゼントされるのです!》

 

渚《では、今回抽選に選ばれたラッキーボーイアンド・ラッキーガールはーーー?》

 

渚の発言と同時にドラムロールが鳴って、スポットライトが揺れ動く。

 

“デーン!”

 

渚《おめでとうございます! 本日のラッキーボーイアンド・ラッキーガールは、このお2人に決まりましたー♪》

 

省・サ「「……はい?」」

 

スポットライトは俺とサヨを照らしていた。これは正直予想外だ。

 

奈子《では、そこのお2人様! こちらの席へお願いいたします♪》

 

言われるがままに、俺たちは解答台へと向かって行く……。

 

 

to be continued……




省太「とまぁ、前編はここまでだな」

明久「後編はどうなるのか……。作者は自分なりに書いて行くって言ってたけど」

渚「ただいま明久、省太♪」

明久「おかえり渚。結構容赦なかったね」

省太「けど、仕方ないだろこれは」

渚「何か言いたいことはあるかな、エクシリオンさん?」

エク「その……、更新遅くなり過ぎてすいませんでした……」

渚「言い訳しないで謝る姿勢……。ぼく、好きだよ」

明久「でもまぁ、更新遅れたのは今に始まったことじゃないし、ちゃんと更新する意志はあるようだから、読者の皆様は気長に待って欲しい。僕たちからもお願いするよ」

省太「聞けば2作目の構想だったり、読者参加企画の復活を考えているそうじゃないか」

エク「それは後日、活動報告に書く予定だ。もしよろしければ、活動報告の方もチェックしてくださいませ」

渚「次回はこんなに待たせないよね?」

エク「ぜ、善処します……」

明久「じゃあ、今回はこの辺で終わろうか」

明・省・渚・エ「「「「また次回に会おうね!」」」」


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第33話 ドキドキ? デート大作戦! 〜中編〜

省太「よっ、読者の皆様! 如月グランドパーク編、楽しんでくれているかな?」

明久「前回に続いて今回も前書きに出てるけど、本当に僕たちにやらせる気かな、エクシリオンさんは……」

渚「尻拭いじゃないなら、ぼくは歓迎だよー☆」

明久「今回も楽しんでくれると嬉しいね。ということで、第33話……」

明・省・渚「「「始まるよー!」」」


省太side

 

 

奈子《では、そこのお2人様! こちらの席へお願いいたします♪》

 

言われるがままに、俺たちは解答台へと向かって席に着く。

 

サヨ「省太くん。これ、どういうことかな?」

 

省太「俺もそれを知りたい」

 

今ひとつ状況が理解できない中、奈子の説明が入る。

 

奈子《ルールの説明です! 内容は簡単、こちらが出題する全部で5問の問題を答えていただき、全問正解ならウエディング体験をプレゼントいたします☆》

 

 

サヨ「クイズに全部正解したらウエディング体験……。省太くん、頑張ろ!」

 

省太「サヨがいつになく本気だ……!」

 

ルールを聞いてサヨにスイッチが入る。こんな姿を見るのは、多分初めてかもしれない。

 

渚《それでは早速行きますよー! Are you ready?》

 

サヨ「イェーイ! ほら、省太くんも♪」

 

省太「い、イェー……イ」

 

渚《はい、ありがとうございます♪ では第1問!》

 

俺とサヨの返事を聞いて満足した渚が、出題に入った。どんな問題が出るか……。ちょっと楽しみだったりする。

 

渚《お2人の出会いはいつでしょうかッ?》

 

省太「えッ!?」

 

まさか俺たちに関係することが出題されるなんて夢にも思わず、動揺してしまう。

 

“ピンポーン!”

 

その間にサヨがボタンを押す。

 

渚《はい、答えをどうぞッ!》

 

サヨ「小学4年生のときのバレンタイン間近!」

 

渚《正解ですッ!》

 

省太「(正解なのか!? 確かにそうだけどよ……)」

 

おかしい、これは一部の人しか知らないハズだ。そんなことを考える間もなく、次の問題が来る。

 

奈子《第2問! 2人の馴れ初めは何でしょうか?》

 

“ピンポーン!”

 

サヨ「廊下で壁ドン!」

 

渚《正解ですッ!》

 

省太「そんなことまで聞くのかよッ!?」

 

 

これまでの答えに頭を抱えつつ視線を変えると、それに気付いた渚と奈子は、俺だけがわかるようにVサインを送る。完全な出来レースだろうが仕方ない、ここまで来たら最後まで行ってみよう。

 

 

渚《さてさて! 第3問ですが、こちらは池端早代さんに答えていただきます!》

 

サヨ「サヨが?」

 

奈子《反田省太さんに思いをぶつけたときのセリフを、実演してください!》

 

省太「もはや問題ですらないッ!」

 

“ピンポーン!”

 

渚《はい、お願いしますッ!》

 

サヨ「省太くん……、今まで色々ごめんなさい。サヨ……、やっと間違ってたって気付いたの。……サヨ、省太くんの1番になりたい!」

 

渚《グゥレイトッ! 一途に1人の男性(ひと)を想い、そして溢れ出る気持ち! こんな言葉を掛けられる省太さんは、実に幸せ者です、ブラボーッ!》

 

うおッ……。なんて言うか、すごくくすぐったい。

 

奈子《その勢いのまま、第4問! 次は反田省太さんが答える番です!》

 

省太「俺もやるのかッ!?」

 

渚《池端早代さんに告白したときのセリフを、“心を込めて”実演してください!》

 

な、なんという公開処刑だ。恥ずかしくて死にたくなる。

 

“ギュッ”

 

サヨ「(省太くん、頑張って!)」

 

俯いていた俺の手を握って、励ましてくれるサヨ。大好きな女の子が側にいてくれるんだ、ここは意地を見せないとな!

 

“ピンポーン!”

 

渚《では、熱い答えをどうぞッ!》

 

省太「俺はこんな風にしなきゃできない不器用な男だ。だからこの場で言う。言わせて欲しい。……俺、反田省太は、池端早代さんが大好きです。付き合ってくれますか?」

 

渚《エクセレントッ! これは先程の池端早代さんの言葉に対する6年越しの回答です! 長い間、悩んで悩んで悩み抜いた末に出した答えが、漸く身を結んだ瞬間! 羨ましいぞぉーッ!!》

 

渚が司会という立場を忘れて興奮し、観客の盛り上がりも凄まじいものになっている。そうだ、全てはこの言葉を言えたからなんだ。あのときの気持ちを思い出させたこと、今回ばかりはみんなに感謝しよう。

 

奈子《さぁ、いよいよ最終問題です。これを正解するとウエディング体験を勝ち取れます、頑張ってください!》

 

サヨ「ここまで来たら、絶対正解しようね!」

 

省太「ああ!」

 

奈子が最終問題を読み上げようとした、そのときだった。

 

???『ねぇ。ワタシたちも結婚する予定なのに、なんでその子たちが特別扱いなのかしら?』

 

声の主はギャル風の女性で外見こそ美人だが、非常識さを漂わせていて、隣の彼氏と思わしきチャラ男もイケメンではある。でも正直、外見相応のマナーの持ち主と言った感じだ。2人はそのまま司会者席へ近付いて行く。

 

渚『お客様? イベントの最中ですので、どうかお静かに願います』

 

チャラ男『んなこたぁわかってんだ! オレたちも“お客様”だぞぉ?』

 

ギャル『ワタシたちもウエディング体験、させて欲しいんですけど?』

 

奈子『いえ……、そう言われましても……』

 

チャラ男『あぁもうウゼェな! オレたちも参加してやろうってんだよッ!』

 

ギャル『じゃあこうしましょ! ワタシたちがあの子たちに問題を出す。で、間違えたらワタシたちの勝ちで良いわね?」

 

渚『コイツら……ッ』

 

怒りに震える渚を無視して壇上に上がったバカップルは、奈子が持っていたマイクを引ったくる。その拍子に奈子が転びそうになるも、それを察知していた渚が瞬時に抱き寄せていた。

 

この様子を見て、とりあえず一安心した俺は、バカップルに視線を移す。

 

 

サヨ「省太くん……」

 

サヨは不安そうに見つめていたが、手を握ると少しは表情が和らいだ。

 

チャラ男『じゃあ問題だ、ちゃんと聞けよ?』

 

一体どう言う問題なのか、俺なりに気を引き締めていると―――

 

 

チャラ男『アフリカの首都はどこだ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの時が一瞬止まった。

 

 

 

 

 

 

 

チャラ男『ホラどうした! 答えられねぇのか?』

 

サヨ「(ねぇ、省太くん)」

 

省太「(ん? どうした、サヨ)」

 

サヨ「(あの人が言ってることって、南アフリカ共和国のことかな?)」

 

省太「(違う。多分、本気でアフリカを国だと思ってるぜ)」

 

サヨ「(でもアフリカって、首都はないハズだよね……?)」

 

省太「(その通りだ。アフリカは国というカテゴリじゃないから、首都なんてある訳がない。これくらい、FFF団でもわかる)」

 

チャラ男に聞こえない声でそう話した。あの2人以外の全員が呆れた表情をしている。

 

奈子《えぇ、あの……。反田省太さん、池端早代さんに如月グランドパークウエディング体験をプレゼントします。おめでとうございます!》

 

渚からマイクを受け取った奈子が、効果音と共に伝える。

 

チャラ男『おい待て! あのガキ共答えられなかったじゃねぇか!』

 

ギャル『そうよ、ワタシたちの勝ちでしょう! あの司会、バカじゃないかしら!?』

 

月影「ふん……。バカはお前たちだ……」

 

バカップルには聞こえないように、でも俺たちには聞こえる声で月影がそう言った。そいつらは何か騒いでいたが、みんなウエディング体験の準備があるので無視した。

 

 

新郎と新婦でそれぞれ着替える為、係の人に付いて行く。で、係の人を良く見ると。

 

省太「お前か、レイ」

 

レイ「そう。わたしだよ♪」

 

レイは、とても柔らかい表情でそう答える。

 

省太「なんかおかしいと思ってたけど……。これ、学園長も絡んでるだろ」

 

レイ「うん、わたしがおばあちゃんに頼んだの。喜んでもらえたかな?」

 

省太「おかげさまで……な」

 

レイ「どういたしまして(ニコッ) でも本番はこれからだから、行こうよ」

 

省太「OKだ」

 

そのまま控え室へと向かって行った。

 

 

 

〜控え室〜

 

 

省太「ふぅ……。タキシードを着る機会なんて滅多にないから、自分じゃないみたいだ」

 

鏡に映る自分を見てこう呟く。見た目こそ様になっているが、中身はどうかと考えてしまう。

 

凌汰「よう、省太」

 

親友兼ライバルの1人、凌汰が控え室に入って来た。

 

省太「凌汰か。どうした?」

 

凌汰「みんなを代表して様子を見に来たのさ。本当は明久に行って欲しかったけど、俺に譲ってくれたんだよ」

 

省太「そうか。ありがとな、今日来てくれて」

 

凌汰「礼には及ばないぞ。そう思うんなら、サヨを大切にするんだ」

 

省太「わかってる」

 

凌汰「それと……。タキシード、似合ってるぜ」

 

省太「サンキュ」

 

スタンバイ前に言葉を交わす。凌汰とはリオ絡みで仲が悪かった時期もあったけど、この関係を維持できてる。凌汰がまだリオを好きでいるなら、手助けしてあげよう……。そう思った。

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

優子《それでは本日のメインイベント、ウエディング体験です! まずは新郎の入場となりますので、皆様拍手でお迎えください!》

 

優子さんのアナウンスと共に、園内全てに響き渡るかと思えるくらいの拍手が聞こえてきた。周囲の熱気に押されて、この一大イベントを一目見ようと一般入場客もたくさんいるようだ。

 

省太「良し、行くか」

 

俺は意を決してステージへと向かう。ステージを上がり切ると、その眩しさに堪らず目を瞑る。

漸く周囲を確認できるようになると、まるで本当の結婚式を意識したセットになっていて、思わず圧倒された。

 

「こ、これは……。たかがイベントだと思っていたら、想像以上だぜ……」

 

 

優子《それでは新郎のプロフィールの紹介を――――》

 

 

あ、プロフィール紹介か。こんなところも本格的にやるのな。

 

 

優子《あくまで体験なので、控えさせていただきます》

 

 

安心したような、ちょっと残念なような。こう考えていると。

 

 

チャラ男『ふん、紹介する必要はないよなぁ』

 

ギャル『興味ないわ』

 

チャラ男『ここがオレたちの結婚式に使えるかどうかが大事だぜ』

 

ギャル『そうよね〜』

 

最前列からそんな声が聞こえてきたので確認してみると、

 

省太「(またコイツらか!)」

 

さっき騒いでいたバカップルだった。しかも態々最前列でこんな行動を取る当たり、非常識なのは間違いない。

 

優子《恐れ入ります。他のお客様のご迷惑となりますので、大声での私語はご遠慮くださいませ》

 

ギャル『もしかして、ワタシたちのコト言ってるのかしら?』

 

チャラ男『まさかな。オレたちは“お客様”だからよ』

 

ギャル『そうよね』

 

チャラ男『それに、オレらだとしても気にすんなって。要はオレらの気分が良いか悪いかの問題だ、違うか?』

 

ギャル『そうそう☆ タカシ、良いコト言うわね!』

 

調子に乗った不快な笑い声が一層大きく響き渡る。

周囲のお客さんはバカップルを睨みつけていて、真夏と鈴音からは紅いオーラが見える。それをこのみちゃんと霧島さんが止めていたから、一応大丈夫なようだ。

 

優子《続きまして新婦の入場です。こちらも拍手でお迎えください!》

 

俺のときと同じかそれ以上に拍手が鳴り響いた。心なしか音量が上がったBGMとアナウンスが流れ、同時に会場の電気が全て消える。

スモークが足元に立ち込め、否応なしに会場の雰囲気が盛り上がっていく。

 

優子《本イベントの主役、池端早代さんです!》

 

このアナウンスと同時に幾筋ものスポットライトが壇上の一点を照らし出す。暗闇から一転して輝き出す壇上で、またしても目を瞑る。

そして再び目を開けたときに見えた姿に、俺は見惚れていた。

 

 

『…………綺麗』

 

 

静まり返った会場からため息とともに漏れ出た、誰かの台詞が静かな会場に広がった。

余程入念に製作したのか、純白のドレスは皺一つ浮かべることなく着こなされていり。僅かに銀が煌めくスカートの裾は床に擦らない限界ギリギリの長さに設定されていて、俺の元へ近づくまでに一度も床に触れていなかった。

 

 

サヨ「……省太くん……」

 

省太「サヨ……なのか……?」

 

サヨ「そうだよ……」

 

 

白銀のティアラとヴェールの下に素顔を隠し、シルクの衣装に身を包んだサヨが真っ直ぐな瞳で見つめる。

そして相変わらず見惚れている俺に、恥ずかしげに問いかけた。

 

サヨ「ねぇ……、似合ってるかな……? 変……じゃない……?」

 

省太「―――似合ってる。今までで1番、綺麗だよ」

 

サヨ「省太くん、ありがとう……」

 

明久《はい! 新郎と新婦が揃ったところで、スペシャルゲストをお呼びします☆ 皆様、特設ステージをご覧ください!》

 

“パチンッ!”

 

明久のアナウンスと同時に白いシートが降りて、シートが完全に降り切ったとき。

 

明久《それではご紹介します! 本日のスペシャルゲスト、“Tear drop”の皆さんです!》

 

お客さんの声援に応えて姫冠ちゃんを中心に、かむい、まな、我紋、剣聖で構成するバンド“Tear drop”のミニライブが始まる。最初は『Little Busters! -Ecstasy Ver』、最後は『光差す未来』を演奏した。

誰もが姫冠ちゃんの歌声に聞き惚れ、あのバカップルですら茶化すのを忘れるほどのステージだった。

挨拶が終わった後、姫冠ちゃんが俺とサヨを呼んでこう言った。

 

姫冠『本日は、このイベントでライブができて良かったです! 反田省太さん、池端早代さん。あなたたちの未来が輝くものでありますように……。ありがとうございました!』

 

続いて剣聖、我紋、まな、かむいも一礼し、お客さんからあたたかい拍手が送られた。

 

優子《Tear dropの皆さん、素敵なステージをありがとうございました。引き続き、ウエディングプログラムをご覧くださいませ》

 

優子さんのアナウンスの後、俺とサヨは再び向き合う。

 

サヨ「省太くん、覚えてるかな? 小学生の頃、サヨの夢がお嫁さんって言ったこと」

 

省太「ああ、覚えてるさ」

 

サヨ「ちょっと早いけどサヨの夢、叶っちゃった♪ ……ねぇ、夢じゃないよね? どうか覚めないで欲しいな……」

 

サヨは嬉しそうな、だけど不安そうな顔をする。

 

“ギュッ”

 

サヨ「省太くん?」

 

省太「サヨ。俺の手、どうだ?」

 

手を握ってサヨにこう聞いてみた。

 

サヨ「あたたかいよ」

 

省太「温もりを感じられるなら夢なんかじゃない、現実だ。そして、この時間は……永遠だよ……」

 

サヨ「うん……」

 

キザなセリフを言って思わず俯いた俺を、サヨは満面の笑みで見つめていた。

 

優子《見ている私たちにも、お2人の想いが伝わって来ます。優しい気持ちになれますね》

 

優子さんも見事な司会ぶりを見せていて、周囲も穏やかな雰囲気になる。

 

渚と凌汰と龘吏に至っては、男泣きをしている。そんな微笑ましい光景が広がっていたときだった。

 

 

 

 

ギャル『つまんない』

 

 

 

 

観客席から大きな声が上がる。

 

ギャル『ホントつまんないわね、このイベント。あの子たちのノロケは興味ないから、早く演出とか見せて欲しいわ』

 

チャラ男『言えてる。オメーらのことは、どーでも良いんだよ』

 

声の主はあのバカップルだった。まだやるつもりなのか、コイツらは。

 

ギャル『てか何、この娘? ちょっとどころかかなりキモいんですけど!』

 

チャラ男『だな、あんなガキが良いだなんてよ! そう言えばあのオンナいくつだ? キャラ? それともスタッフの脚本か?』

 

ギャル『どっちにしても、頭大丈夫ですかって感じだよね〜。ギャグのつもりかしら?』

 

チャラ男『そうだ! これコントじゃね? あんなキモい夢、持ってるヤツなんている訳ねーよなぁ!』

 

ギャル『コントぉ〜? もしそうならちょーうける〜!』

 

などと勝手なことを大声でのたまい、サヨを指差して下品に笑うバカップル。すると……。

 

 

 

 

“ガァンッ!!”

 

 

 

 

 

 

渚『今2人のことを笑ったのは、誰だぁ!!!』

 

 

 

 

大きな音と共に渚が、観客席の最前列へ近付く。その姿を見たお客さんは戸惑ったり、怯えたりする人でいっぱいだ。

 

渚『お前か!!』

 

チャラ男『なんだテメェは!』

 

渚『それはこっちのセリフだ!! なんなんだよ、さっきから邪魔ばっかして! 2人のこと何も知らねぇくせによぉ!! お嫁さんになりたいって夢がそんなにいけないことか!? 好きな人の側にいたいと願うのは尊いんだぞ! それがキモいだって!? テメェの物差しで省太とサヨちゃんを侮辱するなぁッ!!!』

 

渚の口調がいつもと違うものになった。これは本気で怒っている。

 

チャラ男『バカかテメェは。キモいモンをキモいって言って何が悪いってんだ?』

 

渚『っざけんなぁぁぁぁッ!!!!』

 

この発言に怒りを爆発させ、今にも殴り掛かろうとしたときだった。

 

遥祐『渚ッ!!』

 

龘吏『やめろッ!!』

 

遥祐と龘吏が渚を押さえる。もう少し遅かったら、チャラ男を殴っていたところだ。

 

渚『離せぇぇぇッ!! このクソ野郎だけは許しておけないんだッ!!!』

 

月影「だが殴ったら、お前の立場が悪くなる。……丈瑠」

 

丈瑠「(コクッ) 失礼だが、ここはお引き取り願わないか?」

 

丈瑠が一歩前へ出て、チャラ男にこう告げる。

 

チャラ男『あ? オレたちは“お客様”だぞ!』

 

ギャル『そーよ、そーよ!』

 

丈瑠「周りを良く見た方がいい。この状況では、お前たちは“招かれざる客”だ。だから、お引き取り願おう」

 

チャラ男が周囲を見回すと、ギャル以外の全員が顔を顰めている。

 

チャラ男『な……。なんだよ、どいつもこいつもそんな目で見やがって! 行くぞ、サチエ』

 

ギャル『そーね、タカシ』

 

渚『くそぉぉぉぉぉぉッ!!!』

 

渚の叫びを尻目にその場を去って行くバカップル。このやり取りしている間に、

 

優子《は、花嫁さん? 花嫁さんはどこにいかれたのですかッ!?》

 

サヨは会場から姿を消していた。

さっきまで立っていた場所にブーケ、白銀のティアラとヴェールを残して。

 

 

省太「サヨ……」

 

 

落ちていたヴェールを拾う。それは羽根のように軽いはずなのに、サヨの涙で少し重くなっていた。

 

 

優子《池端さん? 池端早代さーん! 皆さん、花嫁を捜してください!》

 

スタッフがサヨの捜索へ動き出したとき、俺は明久のところに近寄った。

 

省太「悪りぃ明久。俺、サヨを捜して来る」

 

俺は明久にこう告げた。残念だが、イベントは中止だろう。

 

省太「ついでに、アイツらシメるよ」

 

明久「良いよ、行って来て。僕も同じ気持ちだから」

 

省太「それと、渚を頼む」

 

明久「OKだよ、省太」

 

省太「サンキュ、明久」

 

さぁ。この落とし前、キッチリ付けさせてもらうぞ……!!

 

 

to be continued……




渚「え、ここで終わり? なんかやきもきするなぁ……」

明久「で、でも早めに投稿されるはずだから大丈夫だよ! ……多分」

省太「なんか気になる言い方だな……。まぁ良いや。次も俺のターンだ! 」

渚「あと、活動報告も、良ければ覗いてみてね!」

明久「ちゃっかりしてるなぁ……。 じゃあ、また次回に会おうね♪」

明・省・渚「「「ばいばいッ☆」」」


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第34話 ドキドキ? デート大作戦! 〜後編〜

エク「やあ、読者の皆様。結局日曜日に更新になって、本当に申し訳ない。その代わり、気合を入れて書きましたぞ(面白いかは別問題)」

渚「あれ? 32話後はスルーしてたけど、前回が後編じゃなかったっけ?」

明・省「「あっ……」」

エク「……そんなことよりも本編だ! ほら省太、活躍して来いッ!」

省太「上手く逃げたな」

明久「まぁ、言い訳はあとで聞くとして。まずは第34話……」

明・省・渚・エ「「「「始まるよー♪」」」」


明久side

 

 

明久「このみちゃん、真夏ちゃん、リオちゃん、鈴音ちゃん! 省太と一緒にサヨちゃんを捜しに行って、まだ園内にいるハズだから!」

 

こ・真・リ・鈴「「「「わかった(よ) (で) (わ)!」」」」

 

省太が会場を飛び出した直後に、僕はこのみちゃんたちにサヨちゃんを捜すように伝えた。

奈子ちゃんは渚のことがあるので残ってもらっている。

 

 

渚「ねぇ、どうして? どうして止めたのさ! あのチャラ男(バカ野郎)には鉄槌が必要だったのに!」

 

月影「落ち着け、渚」

 

渚がさっきのチャラ男を殴れなかったことに、やり場のない怒りを振り撒いていた。掛ける言葉も見当たらない中、月影はただ冷静に諭している。

 

渚「じゃあなに? あのまま放っておいた方が良かったわけ!? 月影だって、あんな態度見過ごせないハズでしょ!?」

 

月影「…………」

 

渚「黙ってないで何とか言ってよッ!!」

 

月影「渚。俺の言ったことを聞いてたか? 俺は落ち着けと言ったんだ」

 

今にも手を上げそうになった渚を、さっきと同じ言葉でもう一度諭す。

 

月影「本音を言えば、俺もお前と同じだ。アイツらが省太とサヨが積み重ねたものを否定したからな。正直、殴りたくて仕方なかった」

 

渚「だったら……!」

 

月影「だがそれをやったら、アイツらを殴ったせいで渚が悪者になったと、自分を責めるだろう。お前が2人を大事に思うように、2人もお前が大事だからな。尤も、ここにいる全員が同じ想いだが……」

 

一旦言葉を切ってこう続ける。

 

月影「それに省太は、自分のことは自分でカタをつける性分だ。ヤツが自分から助けを求めるなら別だが、そうでもないなら俺たちが手を下すべきではない。渚、お前もそれを良くわかっているハズだ」

 

渚「わかってる……、わかってるよ……。(ぐすっ) ……だけど、悔しいよ……。(ひっく) こんな……、こんな……」

 

“ギュッ”

 

渚「奈子ちゃん……?」

 

月影にこう言われて理解できていても、渚は悲しくて、悔しくて泣き出しそうになっていた。そんな彼を奈子ちゃんが抱きしめる。

 

奈子「渚くん、ウェディング体験を台無しにされて悔しかったんだね? みんな渚くんと同じ気持ちだよ。だから、思い切り泣いていいよ……」

 

渚「うっ……、(ぐすっ) うう……ぁぁッ、うう……うわぁぁああああああんッ!!!」

 

奈子「大丈夫。君の涙は、私が拭ってあげるから……」

 

誰よりも友達の幸せを願い、誰よりも友達を貶されることを良しとしない渚の泣き声が響き渡る。奈子ちゃんはそれを優しく受け止めて、周りのみんなも、その想いを共有していた。

 

明久「渚のことは僕たちに任せてその怒り、思い切りぶつけて来てね。……省太」

 

天を仰いで、僕はこう呟いた。

 

 

明久side out

 

 

 

 

省太side

 

 

明久と別れた俺は、例のバカップルを捜していた。ソイツらは意外にも早く見つかった。ホント助かったよ、逃げられたらどうしようかと思っていたからな。

 

 

チャラ男『うーん、アレはケッサクだったな!』

 

ギャル『ホントよね〜。……お嫁さんになる夢、叶っちゃった♪……、どう? 似てる? かわいいかな?』

 

チャラ男『ああ、似てるぜ。でも――キモいに決まってんじゃねーか!』

 

ギャル『言えてる〜!』

 

 

さて、落とし前を付けてやる。

覚悟しろよ、お前ら。

 

 

省太「よぉ。そこのニーサンとネーサン」

 

チャラ男『ああ? なんだよ?』

 

2人が俺の方を見る。会場にいたときは大人しくしていたが、あんな振る舞いをしたからには相応のお礼をしなきゃな。

 

ギャル『タカシ。この子、さっきの坊やじゃない?』

 

チャラ男『らしいな。で、その新郎サマがオレたちになんか用か? ああん?』

 

なんか威嚇してるっぽいけど、これで俺がビビると思っているのが滑稽に思える。

 

省太「別に大した用じゃないけどよ……、ちょっとそこまで来てもらうぞ」

 

バカップルは俺の後に続き、人気のないところまで誘導させた。

 

チャラ男『んで、用ってなんだ?』

 

“ガシッ!”

 

そう言ったところで、チャラ男のシャツの首を掴み上げる。

 

チャラ男『な、何しやがるテメェ!』

 

省太「何しやがる……だと? それは、お前らが1番わかってるんじゃないのか」

 

チャラ男『なんのことだ?』

 

ギャル『そうよ、ワタシたちが何したってワケ!』

 

省太「ほう……、どの口がほざくんだか。まぁいい、頭の悪いお前らでもわかるように教えてやるよ」

 

自分たちのしたことを理解してないバカップルに呆れながらも、俺はこう告げる。

 

省太「お前らさぁ、俺の未来の嫁を散々バカにしただろ?」

 

チャラ男『それがなんだ! 思ったこと言って何が悪い!!』

 

“ググッ!”

 

チャラ男『うぐぅぅぅ……ッ!!』

 

省太「口の利き方に気を付けろ……!!」

 

ギャル『タ、タカシ!』

 

省太「ネーサンも逃げるなよ」

 

ギャル『ひっ!』

 

チャラ男の首を絞め上げつつ、ギャルにも逃げないように釘を刺す。

 

省太「自分の立場を理解してから物を言え。 今の俺はすごく機嫌が悪いからな……!」

 

チャラ男とギャルは怯えたように頷く。それから俺はチャラ男の首を離した。

 

省太「一応聞くぞ。なぜあんなことをした」

 

チャラ男『お、お前たち2人が憎い』

 

省太「憎い? どういうことだ」

 

とりあえず俺は、チャラ男の話を聞くことにする。

聞けば、チャラ男は家庭環境が最悪だったらしい。親からはほったらかしにされて、学校ではいじめられて、親からの愛情も友達にも恵まれないまま今日まで生きて来たこと。理不尽な社会に翻弄される中、今の彼女(ギャル)と出会って自分なりの生き甲斐を得られたこと。自分たちは結婚式を挙げられないかもしれないから、せめてウエディング体験をさせてあげたかったことをぶちまけた。

 

チャラ男『それなのに親の愛情も、友達にも恵まれていそうなお前らがウエディング体験をすることが、どうしても納得できなかった。羨ましくて、恨めしくて仕方なかった……!!』

 

省太「それで俺たちの邪魔をした……という訳か」

 

チャラ男『そうだ……』

 

省太「……お前らが恵まれなかったこと、少しは同情するぜ。だがそれをあの娘の夢をバカにして良い理由にはならない。お前らの本心は知らないが、あの娘にとっては重要なことだ。人に迷惑掛けるものじゃない限りは、どんな夢でも貶すことはしちゃいけないんだよ。お前らのやったことで、どれだけの人たちに迷惑を掛けたかよく考えろ。そして今日のことを反省して、素直に生きられるようにするんだな。俺が望むのは……、それだけだ」

 

バカップルは返す言葉もなく、項垂れている。

俺の言葉で、自分たちがいかに大人気ないかを思い知らされたようだ。

 

省太「それと、どう心を入れ替えてもお前らのやったことを、俺は忘れないぜ。絶対に許さないし、顔も見たくない」

 

少し間を置いて、こう告げる。

 

省太「わかったらとっとと失せろ。次はないぞ……!!」

 

これを聞いたバカップルは、逃げるようにその場を立ち去って行った。

 

 

 

 

 

それから俺はサヨの捜索に移る。捜している最中にこのみちゃんとリオに出会った。

 

省太「このみちゃん、リオッ! サヨはいたか?」

 

このみ「省太くん! ダメ、見当たらないよ!」

 

リオ「ホント、どこに行ってしまったのかしら……」

 

2人から話を聞くと、真夏と鈴音も一緒に捜しているがやはり結果は同じだとのこと。若干諦めムードになっていたが、

 

省太「まだ捜してない場所がある。あとは俺に任せてくれ」

 

リオ「わかったわ。じゃあお願い、省太!」

 

このみ「サヨちゃんを見つけてあげてね!」

 

省太「ああ、任せな!」

 

待っててくれよ、サヨ! 必ず君の下に行くから!

 

 

省太side out

 

 

 

サヨside

 

 

会場を飛び出したサヨはホテルの屋上にいた。

 

サヨ「……うう……ぐすっ……(ひっく)……」

 

チャラ男とギャルのカップルに、サヨの夢を貶されたことに耐えられなくてここまで来たの……。

サヨの気持ちとは裏腹に、目の前の景色は夕焼けと月が広がって幻想的だ。

 

サヨ「神様ひどいよ……。(えぐっ) サヨは悲しいのに、見える景色は……こんなに、綺麗だなんて……。(ぐすっ) ……省太くん……」

 

悲しい気持ちになりながら、大好きな恋人の名前を呼ぶ。すると……、

 

省太「ここにいたのか、サヨ」

 

1番大好きで、今1番会いたいサヨの恋人、省太くんがそこにいた。

 

サヨ「省太くん……」

 

省太「おいで……、サヨ」

 

そう言った省太くんの側に寄ると、抱きしめてくれた。

 

省太「誰が何を言おうと、俺はサヨの味方だ。いや、俺だけじゃない。このみちゃんも真夏も奈子、リオ、鈴音、明久、渚。そしてみんながサヨの味方だから、安心して欲しい」

 

サヨ「……うん!」

 

やっぱり省太くんは、サヨのヒーローだ。改めてそう思ったよ。

 

 

サヨside out

 

 

 

 

省太side

 

 

省太「そろそろ戻るか。みんな待ってるだろうしな」

 

サヨにこう呼び掛ける。さっきまで泣いていたのが嘘のように、今では元気な笑顔だった。

 

サヨ「そうだね。……あ、ちょっと待って省太くん」

 

省太「なんだ?」

 

サヨ「目を瞑って欲しいの」

 

省太「? こうか?」

 

言われた通りに目を瞑る。その直後に……。

 

 

 

 

 

 

 

“チュッ”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サヨ「えへへ……。やっとあげられたよ、サヨのファーストキス♪」

 

省太「お、おう……。ありがとな、サヨ」

 

まさかキスしてくれるだなんて夢にも思わなかった。

よくよく考えたら、サヨとキスするのは初めてなんだよな。初めての相手が俺なんかで良かったのかと思ったけど、サヨが喜んでいるならそれも悪くないか。

 

省太「じゃあ、行こうぜ」

 

サヨ「うん!」

 

 

 

会場へ戻る道中、サヨがこんなことを聞いて来た。

 

サヨ「ねぇ、省太くん」

 

省太「どうした?」

 

サヨ「サヨの夢って、変なのかな……」

 

あのバカップルが言ってたことか。でも俺の答えは決まっている。

 

省太「そうだな。残念だけど、そんな風に考えている人が一定数いるのも事実だ。でもなサヨ、君がその夢を持ち続けるってのはそうそうできることじゃない。それができるのは素晴らしいことなんだ」

 

サヨ「……! それって……」

 

省太「だから俺は、サヨの夢を尊重するよ」

 

サヨ「省太くん……、ありがとう♪」

 

省太「礼には及ばないさ」

 

 

お礼を言った恋人は、今日1番の笑顔を見せてくれる。それはまるで、雨上がりの空のようだった……。

 

 

 

会場に戻ると、最高の仲間(ダチ)が誰1人欠けることなく揃っていた。やっぱり俺とサヨを待ってくれていたらしい。

 

冷めてしまったが、サヨが作った弁当をみんなとお裾分けする。このことで茶化されたりしたけど、不思議と心地良かった。

 

最後に康太のカメラで、集合写真を撮った。本当に結婚するとき、全員が揃う保証がどこにもないからだとか。それでも俺はこう考える。できれば、本当の結婚式でもみんな揃ったら良いな……。

 

そして、俺とサヨの為に頑張ってくれたみんなに等しく、幸せが訪れるように……と。

 

 

省太side out

 

 

 

 

 

 

かむいside

 

 

かむい「あぁ……、良かったなぁ。省太くんとサヨちゃんのウエディング体験。邪魔が入ったのが少し残念だったけどね……」

 

楓「ホントね。でもあたしは、明久くんと渚くんの提案とはいえTear dropの演奏が観れてそこも良かったわよ」

 

集合写真を撮って解散したあと、私は楓姉様と一緒に歩いていた。話の内容はもちろん、今日のデート作戦のことだ。

 

楓「省太くんとサヨちゃんを見ていたら、思わず恋愛したくなるわね。……でも今はいいかな。かむいはどう?」

 

かむい「え? わ、私は……」

 

楓姉様にこう聞かれて一瞬、丈瑠くんの顔を思い浮かべた。でも、

 

かむい「私もいいです。それよりも姉様の側にいたいです」

 

楓「そう……。ありがとう、かむい」

 

こう答えると、楓姉様は嬉しそうに微笑んだ。

でもきっと私の為に我慢してるんだと思う。楓姉様には、恋愛をして欲しい。なら私は、どうしたらいいだろう……。

 

中々答えが出ないまま、私たちはそのまま家路へと急いで行った……。

 

 

かむいside out

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

 

???「見つけたー、???様の玩具……」

 

あたしは???様の命令で玩具もとい、織幡叶夢を捜していて、ついに足取りを掴んだ。それを確認したあと、後ろに控えていた男たちにこう告げる。

 

???「ねえ。金ならいくらでも出すし、女も紹介してあげるから、あのサイドポニーの女……()ってくれる?」

 

あたしの命令を受けて男たちは、行動を開始した。

 

???「さぁ、かむいちゃん。アナタがどうあがいても、???様から逃げることは不可能よ。絶対に壊してあげる♪ キャハハハハハッ!!」

 

 

to be continued……




渚「さぁ、エクシリオンさん。前後編のハズだったのが、どういうことかな?」

エク「実は前回と今回はひとつの話(後編)のハズだったんだよ。で、文字数を確認したら、1万字を余裕でオーバーしてしまってね……。急遽、分けることにしたんだよ(汗)」

省太「配分考えろよ……。ただでさえ文字数安定しないんだから、この物語」

エク「ふん。そのおかげで君の活躍を長く書けたんだぞ、省太くん!」

明久「うわ、開き直ったよこの人!」

渚「ぼくの生みの親とはとても思えないね」

エク「ひ、ひどいッ!」

省太「そういえば最後のアレはなんだ? ものすごく不穏な幕切れだけど」

エク「それは今後の展開のお楽しみ……とだけ言っておこう」

渚「説明が下手だから逃げただけじゃあ……」

明久「と、とにかく! ストーリー的に次は強化合宿編だけど、次回はこれまでの振り返りとオリキャラ紹介をしたいそうだよ」

省太「例によってあくまで予定だから、その辺は読者の皆様は理解してあげて欲しい」

渚「次回も読んでくれると嬉しいな☆」

明久「それじゃあみんな!」

明・省・渚・エ「「「「また会おうねー♪」」」」


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閑話 〜読者オリキャラ紹介〜

明久「前回の予告通り、今回はオリキャラ紹介をするよ」

省太「キャラ紹介と作者のコメントをメインにやって行くから見づらいと思うけど、ちゃんとついて来てくれ」

渚「それじゃあ早速、行ってみよーう☆」


名前:織幡 楓(おりはた かえで) イメージCV:工藤 晴香

 

性別:女

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿:美人で髪は長く、基本的にポニーテール。

 

身長:163cm

 

髪の色:茶色

 

瞳の色:青

 

性格:普段は優等生だけど、家ではだらけて居る。

 

一人称:学園内では(わたくし)、プライベートではあたし

 

二人称:君、あなた

 

得意科目と苦手科目:理数系全般で特に数学と物理に関しては、最上位レベル。苦手なのは情報と家庭科で、300点取れれば奇跡。

 

召喚獣の見た目と武器:楓をデフォルメした姿に、妹とはデザインが異なる改造制服。武器はバイティングエッジで二刀流形態から2つ繋げて薙刃(ていじん)形態にする事ができる。

 

腕輪の能力:腕輪の能力:ダンス(消費点数40〜80点) 効果:課題曲を流しランク事に与えるダメージが変わる。最低ランクはクラスと同じFでダメージは召喚獣の点数の80%でSランクだと10%のダメージを与える。

 

解説:優等生でありながら腕輪の能力と同じダンスが得意であり家ではだらけるが曲がかかるとノリノリで踊り出す。基本的にはブレイクダンスとヒップホップを踊る。機械音痴であり裁縫や料理も下手(姫路ほどではない)が焦がしたり、火事になりかけた事がある。

 

初登場:第31話 想定外の出会い

 

 

 

作者のコメント:1番最初にエントリーが来たオリキャラだったね。

なのに登場は妹よりも遅かったという……。しかも如月グランドパーク編だったから、戦闘描写もないし……。

今後のエピソードで出番が増えるように、頑張っていきます(私が)。

 

 

 

 

 

名前:織幡 叶夢(おりはた かむい) イメージCV:佐藤 日向

 

性別:女

 

所属クラス:Fクラス

 

容姿:どちらかといえばかわいい系で髪は長く、髪型はサイドポニー。

※サイドポニーなのは、姉をリスペクトしているから。でも完璧に同じにしないようにサイドにしている。

 

身長:157cm

 

髪の色:黒色

 

瞳の色:淡い青

 

性格:姉とは逆で学園では寝ている(ただし、勉強はできるので本人的には問題なし)が、家では叶夢がしっかりしている。

また、友達想いであり、できた繋がりを大事にする。

 

一人称:私(わたし)

 

二人称:あなた、アンタ、お前(気に入らない人に対して)

 

得意科目と苦手科目:文系全般、特に古文や現代社会などの知識は幅広く持っていて情報と家庭科も得意。苦手科目は数学においては「四則演算さえ出来れば他はいらないでしょ!」と言うほど嫌いである。

 

召喚獣の見た目と武器:叶夢をデフォルメした姿に、姉とはデザインが異なる改造制服。武器はヘヴィームーンで、円月状の両手武器と斧状態の斧月(ふげつ)展開状態を駆使する。

 

腕輪の能力:マッドサンエンス(消費点数は以下のように変動)

50点消費:猛毒(10秒ごとに25点減)

50点消費:麻痺(点数差によるが自分より相手が低い場合30秒ほど動きを制限)

100点消費:溶解(30秒ごとに1部ずつ溶かす)

70点消費:変食(食べると何かしら効果を得られる。攻撃力アップだったり防御アップ、相手に食わせるとたまに猛毒によるダメージを軽減※当たる確率は2割)

200点消費:超猛毒(10秒ごとに80点減)

200点消費:超麻痺(60秒動きを制限)

 

解説:似てないが、楓の双子の妹。木下姉弟と異なり、正真正銘の美人姉妹。

バンド:Tear dropのドラムをメインに担当。たまにボーカルをやることも。

極度のシスコンで、姉に不純な感情で近付く異性を悉く嫌う。姉を守る為ならば、あらゆる手を使って排除する。主な排除対象はFFF団で、ほぼ毎日誰かが討伐(誤字に非ず)される。

ただ、このような攻撃的な面があるのは、何か訳があるようで……?

 

初登場:第29話 新しい戦友(ともだち)

 

 

 

作者のコメント:2人目のオリキャラで、清涼祭編終了間近で初登場しました。

読者応募キャラでは数少ない、召喚獣での戦闘描写も書けたのは個人的に嬉しかったですね。

送り主の方から彼女に関係するシナリオ案が来たので、その辺りのストーリーもしっかりと書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

名前:御剣 剣聖(みつるぎ けんせい) イメージCV:小澤 亮太

 

性別:男

 

所属クラス:Aクラス

 

容姿:ゴー◯◯ジャーのマー◯◯スに似ている

 

身長:181cm

 

髪の色:黒色

 

瞳の色:茶色

 

性格:元ネタのキャラとだいたい同じ。友達想いで、特に織幡姉妹には甘い一面が強調されている。

 

一人称:俺

 

二人称:アンタ、お前、テメェ

 

得意科目と苦手科目:情報と音楽と家庭科。それぞれ、情報はハッカーでもある為(ただし普段は手加減)、音楽はギターが得意な為、家庭科は楓に喜んでもらう為。苦手科目はないが、敢えて言うなら化学とのこと。

 

召喚獣の見た目と武器:剣聖をデフォルメした姿に、赤いロングコートを羽織っている。武器はゴー◯◯サーベル、ゴー◯◯ガンによく似た剣と銃。

 

腕輪の能力:必殺……読んで字の如く、剣や銃の攻撃力を上げた技を放つ。

50点消費:剣に属性を付けて必殺「ゴー◯◯スラッシュ」

※属性は【火・水・木・土・金・雷】

80点消費:銃に属性を付けて撃つ「ゴー◯◯ブラスト」

120点消費:刀と銃で属性付けて攻撃する「ゴー◯◯ブラスト&スラッシュ」※ブラストを放ってからスラッシュを放つ複合技。

200点消費:ゴー◯◯スラッシュクロス……ゴー◯◯スラッシュを縦と横に振って十字斬りする最大の技。

 

解説:Aクラス所属の少年で、バンド:Tear dropのギター担当で、そのテクニックはかなりのもの。織幡姉妹とは仲が良く、楓に好意を寄せている。楓の方も満更でもないが、叶夢を1人にしたくないという想いから気持ちを押し殺している。剣聖自身も気持ちの押し付けをしないことから、友達以上恋人未満なのが現状。

 

初登場:第31話 想定外の出会い

 

 

 

作者のコメント:織幡姉妹と関わりの深いキャラで、募集キャラ初の男子キャラが来ました。初登場と戦闘描写が同じ話で書けたので、以外と優遇……? 楓との恋をどうやって書こうか……、絶賛思案中です。

 

 




省太「こんな感じに書いて行くぞ」

渚「最初は楓ちゃんとかむいちゃんからやるんだ?」

明久「他にもオリキャラはいるけど、織幡姉妹の項目を書いて投稿することにしたらしいよ」

渚「結構な人数だもんね。まぁ頑張ってよ、エクシリオンさん♪」

明久「キャラ紹介が完成したら強化合宿編だよ。それまでは、2作目のオリキャラ応募に参加してみてね」

省太「お前も宣伝するのか! まぁいい、今作のオリキャラを応募した方も、興味はあったけどやらなかった方も活動報告を覗いてみて欲しい。応募してくれると作者が喜ぶぞ」

明久「基本的にこっちが優先なのと、2作目はキャラが集まるまでは更新しないスタンスらしいから、安心してね!」

渚「とりあえずは完成まで……、」

明・省・渚「「「待っててねー!」」」


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