ウルトラマンフレイス (サザンクロスじわさんZ)
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第1話 光との出会い(地底暴獣ルーディアス登場)

一応前書きなのでそれらしい事を書いときますがなんでこの話を書こうと思ったかと言うと本当に思いつきです。これは…はい。
ですので作者がサボってるみたいだったらまぁ皆さん是非叱ってください。

あとあらすじの所でも書きましたが出してほしい怪獣なんかがいたら是非感想の所でコメントしておいて下さい。なるべく出すようにしますが出来なかったらごめんなさいこの通りです。

まぁ作者の語彙力がこんなんなんで読みづらいかもしれませんがお許しください。

それでは。


「数年前より世界各地に現れている怪獣、と呼ばれる怪生物により、我々人類はかつてないほどの存亡の危機に直面しており…」

今日はZETA日本支部の講習会。日本支部各隊の若手隊員達が一同に集められて講義という名の拷問を受けているのだ。

「ふぁぁ…」

一際大きな欠伸をした若者がいた。彼の名は有馬ショウ。ZETA日本支部南部隊の隊員だ。

「おい、いくら退屈だからって今のはまずいぞ」

それを小突くのは龍ヶ崎ツバサ。同じく南部隊の隊員である。

その時だった。彼らの1番恐れていたことが起きた。

「おい、そこ。お前達ならわかるな?」

講師の男が指さした先、それは紛れもなくツバサたちだったのだ。

「えと…はい…まぁ…」

「では、答えてみよ」

しかし彼らにはこういう時の救世主がいるのだ。

ショウが後ろの席に座っていた若い女性隊員にアイコンタクトする。

彼女も同じく南部隊隊員で朝倉ミハルという。

「答えは…超獣よ…」

ミハルが囁いた。

「おおっしゃ!超獣!」

ショウが自信満々に答える。

「そうだ。超獣…ってちがーう!」

いかにも真面目そうな講師がノリツッコミをした。

「え…おいミハルどういう事だ」

「ちゃんと聞いてないのが悪いってことよ」

ミハルはこっちに向かってウインクをした。

その時、別の隊の若者が答えていた。

「正解は、ビーストですね」

「そう…正解だ」

講師の男は満足げにうなづいた。

 

ZETA基地は長野県の山中に存在していた。

森の中に突如として近未来的な建造物とそれを囲む防衛設備が出現する様はシュールさすら感じさせる。

そんな中の一室、南部隊の部屋に3人は帰ってきた。

「おう、どうだったか?今回の講習は」

隊長の南部トオルが訊く。

「はい、今回は近年の怪獣災害における被害とそれにより引き起こされる経済的損失についての…」

ミハルが最後まで喋り終わるのをツバサとショウは聞いていなかった。

やがて隊長が口を開いた。

「実はな…、お前達にある任務を頼もうと思っていたんだ」

「ある任務…」

「先日、青森の山中に謎の発光体が降り立ったという目撃情報があってな。君たちに調査してほしいんだ」

「了解!」

 

基地の格納庫の扉が開き、3機の戦闘機が飛び出していく。

3機は赤、青、黄色とまるで信号機のような色合いをしていた。

やがて目撃地点とされる場所上空まで来た。

「下方には…何も見えないようだが……」

ツバサが言う。

「とりあえず…地上も探索してみよう」

ショウはそう言うと戦闘機を降下させていった。

 

3人は森の中の探索を続けている。

「目撃情報はガセだった…てこと?」

ミハルは珍しくボヤいている。

「こんだけ探して見つからないってことはな…」

ショウが答えた。

その時だった。地面が大きく揺れたのだ。

「なんだ!?地震か!?」

「いや!見て!あれを!」

ミハルが指さした先。そこには山を崩し地底から出現する怪獣の姿があった。

ドーム型の頭に背中には赤い棘が何本も生えている。

怪獣は雄叫びをあげると地上へ一歩を踏み出した。

「まずいぞ!」

3人は腰にさしていたレーザーガンを抜くとそれを構えた。

そして、誰よりも速くショウが引き金を引いた。

レーザーは怪獣に直撃をしたが全く効果がないようだった。それどころか怪獣はこっちへ向かって歩き始めたのだ。

「な、なにやってんの!バカ!」

ミハルが言う。

「ちくしょう!こうなったら俺がおびき寄せる!そのすきにお前達はスターイーグルに乗って攻撃を始めるんだ!」

ツバサは叫んだ。スターイーグルとはあの戦闘機のことだ。

「待って!そんなの無茶よ!死んでしまうわ!」

ミハルは止めようとする。

「何を言ってるんだ?俺様は不死身の龍ヶ崎ツバサ様だぜ!」

ツバサはそう言うと怪獣目掛けてレーザーガンを乱射しながら走っていった。

「何よそんな異名…。聞いたこともない」

「ほぉら!こっちだ!化け物!」

ツバサは怪獣を挑発しながら森の中を駆け抜けていく。

そして近くに丁度いい岩山を見つけるとそこによじ登った。

「さぁ来い!」

怪獣は岩山に向かって歩いていく。

そして、口から火炎弾を発射した。

「しまった!」

その時だった。ツバサの目の前に閃光が走り、次の瞬間、そこには身長45メートルはあるだろうか。赤、青、銀の3色の巨人が立っていたのだ。

頭部には3つの峰があり、耳と合わせて遠くから見ると5本の角が生えているように見える。

「ティア!」

巨人はファイティングポーズのような独特な構えを取った。

すると怪獣は巨人に向かって突進していく。

しかし巨人はそれをひらりとかわすと怪獣の首を掴んで押さえ込んだのだ。

「デュゥゥア!」

そして怪獣の顔面に蹴りを入れる。

怪獣はフラフラになって後ずさった。

すると巨人はゆっくりと腕を十字形に組んだ。そしてその腕から光線を発射する。

光線は怪獣に、命中し怪獣は大爆発をした。

 

ツバサは気がつくと見たこともない空間にいた。辺りは真っ白な光で一面包まれている。

やがて、光が形を成し、あの巨人の姿になっていった。

「あなたは…」

「私の名はフレイス…、まぁ簡単に言えば君たちとは別の星から来た…宇宙人だ」

巨人が話し始める。

「宇宙…人…?」

「そうだ。だが私の星は遠い昔…、滅びてしまった…。その後、生き残った私や私の仲間は宇宙を放浪した…。そして、様々な星を訪れるうちに思ったのだ…。ひとつでも多くの星を我々の故郷と同じ運命にはしたくないと…」

「それで…地球に…?」

ツバサがきくとフレイスは答える。

「そうだ。だが一つ問題がある…それはこの地球という星…ここには私のエネルギーとなるエーテルエネルギーが少ないのだ…。そのため長時間この姿での活動ができないであろう…。そこでだ…私の魂を君に預けようと思うのだ」

「魂を…預けるとは…?」

ツバサは訊く。

「一体化…といった方がわかりやすいかな?私の力を君にさずける。そして君は必要になった時…この私に変身しその力を使えるようになるのだ」

気がつくとツバサの手には20センチほどの長さの銀色の剣のような物体が握られていた。

「そいつの名はフレイスフラッシャー…。私の力が必要になったらそれを天に掲げるのだ…」

フレイスはそう言うとかき消すように消えていった。

あとにはツバサとフレイスフラッシャーだけが残されていた。




ようやく1話書き終わりました。思ったより長くなってしまったけども。そして思った通りひどい文だけども…。
まぁこんな話ですが良かったら今後ともよろしくお願いします。


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第2話 その名はウルトラマン(宇宙昆虫キングバーディン登場)

昨日に続き第2話の投稿になります。
ちなみに怪獣のリクエストの方は1人何回でもかまいません。


龍ヶ崎ツバサがフレイスと名乗る未知なる生命体と遭遇して1週間になった。しかし彼はまだその事を誰にも言っていない。なにか話してはいけないような気がしたのだ。

そして今この状況、またしても彼はピンチに見舞われていた。

 

とあるショッピングモールの地下駐車場。その中を黒い影が素早く移動している。

そして、銃を構えその影と対峙している男が2名、龍ヶ崎ツバサとZETA日本支部南部隊のベテラン隊員黒田キョウスケだ。

「ちくしょう…、なんて素早い動きなんだ…」

キョウスケはまるでこっちを撹乱するかのように高速移動を続ける敵を見ながら言った。

敵の名はバーディン星人。このショッピングモールを密かに自らの軍事基地に改造し、そこから地球侵略をしようと企んでいたのだ。

 

「えぇい!こうなったら闇雲に!」

ツバサが高速で移動するバーディン星人目掛けてレーザーガンをぶっぱなした。

しかしもちろん命中するはずもない。

そして次の瞬間、ツバサとキョウスケは後方に吹っ飛ばされたのだった。

見ると目の前にバーディン星人が立っていた。恐らくこいつの高速タックルをくらったのだろう。

バーディン星人の姿は黒光りする昆虫、といった感じだ。黄色く光る複眼に細身の体、そして背中には昆虫型の羽根がついている。

 

「しまっ…た!」

その時、バーディン星人が突如として側面からのレーザーをくらい倒れたのだ。

見るとそこには、同じくZETA日本支部南部隊隊員の朝倉ミハルがレーザーガンを構えて立っていた。

「無事、任務完了ね」

ミハルが言った。

 

そして、ここは長野県の山中にあるZETA日本支部の基地。

そしてその中の南部隊の部屋。

南部隊は全部で7人、隊長である南部の他にツバサ、ショウ、ミハル、キョウスケ、それに隊の愛すべきデブキャラである南条シンペイとオペレーターとして主に活躍する直江ミカで構成されている。

「なるほど…今回の宇宙人?はそんなに手強いやつだったのかぁ。まぁ俺がいればちょちょいのちょいだったかもしれんがなぁ〜」

ショウはツバサ達の報告を聞いてから言った。

「へぇ〜、じゃあ今度1人で怪獣でも倒してくれば?」

ミハルがここぞとばかりにからかう。

「いや、でも…ね…うん、やっぱちょっと手加減してあげないと…」

ショウは苦し紛れに言った。

「まぁでも1人で怪獣を倒せるのはこないだ御三方が目撃した光の巨人くらいですかね」

ミカは手元のコンピュータから光の巨人のデータを出すと言った。

「あっそうそうそれだよ…俺…ずっとこいつの名前どうするか考えてたんだよな…」

シンペイがおもむろに口を開いた。

「それで?何になったんですか?」

「スーパージャイアントとかってどうかなーと」

「却下!」

辛辣に言ったのはミハルだ。

「なんかこうもっと神秘性みたいなのが欲しいのよねぇ。フェニックスとかユニコーンとかみたいな…」

「なんだよそのガンダムみたいなネーミングセンス」

すかさずシンペイが反論する。

「うるさいわねぇ。いいでしょ?それで」

ミハルはあくまでも自分のネーミングを押し通そうとする。

その時キョウスケがボソッと呟いた。

「ウルトラマン…てのはどうかな?」

一同はその一言でハッと固まった。そしてしばらくすると一斉に言った。

「それだ!」

その頃、あのバーディン星人との戦闘があったショッピングモールである異変が起きていた。

なんとそのショッピングモールの地下でまるで何かが動いたような地震が発生したのだ。

それからしばらくして、

「君たちが昼間調査したショッピングモールの地下に明らかに異常な振動を感知したらしい。一同、調査してきてくれないか?」

南部隊長は自らの隊のメンバーを集めるとそう命じた。

 

スターイーグルをはじめとする戦闘機達が基地の格納庫を飛び出し、地上カタパルトにセットされる。

そして次々と陸を離れていった。

 

その時だった。あのショッピングモールの建物を突き破り、一体の昆虫怪獣が出現した。

怪獣のは夜の都会の空に向かって咆哮する。

怪獣の見た目はバーディン星人と似ているが体つきはがっしりしており目が赤く光り、さらに両腕は鎌状になっていた。

そして背中の羽根はない。

 

「例のショッピングモールより怪獣が出現しました!」

ツバサ達にミカからの通信が入る。

「了解、これより作戦を怪獣討伐に移行します」

キョウスケがそれに答えた。

怪獣は市街地を破壊しながら進んでいく。

「あいつ…あの宇宙人が隠し持っていた置き土産…といったところか」

現場に到着したツバサたちは次々と怪獣に向かってミサイルを打ち込む。

しかし敵はビクともしない。

「こないだの地底怪獣と同じ展開だぜ…」

ショウが呟く。

その時だった。怪獣は目から光弾を発射してきた。

突然のことにシンペイの戦闘機に命中してしまう。

シンペイはすんでのところでパラシュートで脱出に成功した。

「ちくしょう!南条がやられた!」

キョウスケが言う。

怪獣は再び光弾を放ってきた。

今度は全員それをかわすことが出来たがミハルのスターイーグルが怪獣に近づきすぎてしまった。

「きゃぁぁぁっ!」

両腕の鎌でがっちりと捕まえられたのだ。

(まずい…このままだとみんなが…。あの力を使うしかないのかっ…)

ツバサは懐からフレイスフラッシャーを取り出すと見つめた。

(だが…果たして俺に…この力が使いこなせるのか…)

その時、ツバサの目の前に光弾が迫っていた。

「まずいっ!」

ツバサは咄嗟にフレイスフラッシャーを天に掲げる。するとフレイスフラッシャーの側面が展開され閃光が迸った。

「ダァァァ!」

フレイスは登場するなり怪獣目掛けて飛び蹴りを浴びせる。

怪獣はその拍子にミハルのスターイーグルを離してしまった。

フレイスはそれをキャッチするとそっと地面に置く。

「ウルトラマン…、ありがとう…」

ミハルは呟いた。

怪獣は起き上がるとフレイスの上に飛び乗った。

フレイスは地面に抑え込まれてしまう。

さらにそのフレイスに怪獣の蹴りが入った。

「デュアッ」

フレイスは仰向けになる。

そして胸のカラータイマーと呼ばれる発光体が赤く点滅を始めた。

エネルギー残量が残り僅かなのだ。

さらに怪獣は容赦がない。フレイス目掛けて両腕の鎌を振り下ろした。

フレイスはそれをかわすと再び立ち上がる。

そして腕を十字に組み最後の力を振り絞ってフレイシウム光線と呼ばれる光線を発射する。

しかし、予想外のことが起きた。

怪獣はいくら光線を喰らっても爆発しなかった。




2話はここまでです。まだ2話なのに結構な強敵を出してしまいました。
ちなみにバーディン星人の由来はウルトラマンレオに出てくる昆虫星人バーミン星人をもじったものです。


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第3話 光と闇と(宇宙昆虫キングバーディン、地底暴獣ルーディアス登場)

久々の投稿になります。第3話です。前回決着がつかなかったので今回つけることにしました。なので2話見てない人はぜひそちらも


怪獣はフレイスに突進する。

「トゥアッ!」

フレイスは地面へと倒れ込んだ。

怪獣はさらにその上にのしかかる。

カラータイマーの点滅が速くなっていく。

怪獣は両腕の鎌を使ってトドメをさそうとした。

その時だ。

「デュゥゥアァァ!」

フレイスは赤く光り始める。

「テュアァァァ!」

怪獣はフレイスの蹴りをくらい後方に飛ばされていった。そしてビルをなぎ倒しながら地面に倒れ込む。

再び立ち上がったフレイスの姿は赤と金色の体色に変化していた。

バーニングモードという形態で、熱攻撃とパワー攻撃に特化している。

そしてフレイスは腕をL字型に組んだ。そこからバーニングショットと呼ばれる赤い光線が放たれる。

それを喰らった怪獣は爆散した。

やがてフレイスは光に包まれ、その場から消滅した。

「ウルトラマン…」

キョウスケは呟く。

翌日、マスコミの話題は突如現れたウルトラマンの話題で持ちきりだった。

「すっかり有名になったもんだなぁウルトラマンさんも」

ショウは街中を歩きながら言った。隣にはツバサもいる。

今日は珍しく休暇を貰ったのだ。

「しっかしお前もよく無傷でいられたなぁ。あんな目の前で光弾が爆発して…」

ショウはしゃべり続ける。

「まぁ…運が良かったというかなんというか…」

ツバサは曖昧に言った。

「ま、いいや。それより見ろよアレ」

ショウが指さした先、そこには特大のウルトラマンのポスターがビルの壁に貼られている最中だった。

「まじかよ…」

ツバサは呟いた。

「ウルトラマンを構成する分子の解析が完了しました」

ZETA南部隊の部屋。ミカはコンピュータから顔をあげた。

「どうだ?結果は」

南部隊長は訊く。

「完全に未知の物質です。しかしその性質は光に近く、おそらく、宇宙由来のものかと…」

「そうか…」

「するってーと、ウルトラマンは宇宙人だと?そういうことか?」

キョウスケも言う。

「そういうことになります」

「ますます謎が深まってきたな」

キョウスケは言った。

「そこで、提案です。もし次にウルトラマンが現れた時、我々とコンタクトをとってもらう、というのはどうでしょう?」

「ほう…」

一方その頃、ツバサたちはあるカフェのテーブルについていた。

「いや、まずだな。ウルトラマンの目的をはっきりさせないといかん」

ショウは熱く語っていた。

「ちょっと待ってくれ、せっかくの休暇なんだ。そろそろ仕事とは関係ない話でもしようぜ」

ツバサはそれを遮った。

するとショウは意外にもあっさりとその話をやめた。

「そうだなぁ、じゃあ…、お互い趣味の話でもするかい?」

「おう、いいぞ」

しかし、会話が開花しそうだと思われた次の瞬間、地面が大きく揺れたのだ。

 

地面を引き裂き現れたのは最初にフレイスが戦った怪獣、ルーディアスの同族だった。

ルーディアスは咆哮すると地上に立ち上がる。

「ちくしょう、俺たちの休暇を返せ!」

ツバサはそう言うとルーディアスの方へ走っていった。

「おい、待て!今は武器すらないだろ!」

「東京都渋谷区にてルーディアスが出現!直ちに駆逐せよ!」

ZETA基地では南部が部下達に命じた。

「了解!」

南部隊一同は敬礼をする。

「おいバカ!待て!」

逃げ惑う人々に逆行して、ショウはツバサを追いかける。

「今は俺達も逃げなきゃダメなんだ!」

しかし、ツバサは黙々とルーディアスの方へ向かって走っていく。

そしてとうとう、逃げ惑う群衆の中でショウはツバサを見失ってしまった。

そして次の瞬間だった。ルーディアスの放った火球がショウ達の方へ飛んできたのだ。

しかしその行く手を阻む何かがいた。

「あれは…」

「ウルトラマン…」

スターイーグルに乗ったミハルは呟いた。

フレイスはルーディアスの火球を受け止めると立ち上がった。

ルーディアスはフレイスに突進していく。フレイスはそれを受け止めるとルーディアスを押し返した。

しかしルーディアスはフレイスに下から頭突きをして跳ね飛ばした。

地面に倒れ込んだフレイスをさらにルーディアスが蹴り飛ばす。

そして、首を掴んで締め上げた。

だがフレイスも負けてはいない。寝たままの姿勢でルーディアスの首に手を回すとそのまま地面に倒したのだ。

その拍子にルーディアスはフレイスを離した。

「デュアッ!」

フレイスは立ち上がると構えをとる。

しばらくしてルーディアスも立ち上がった。

そしてフレイスがトドメのフレイシウム光線を放とうとしたその時だった。

突如として天から青い光線が放射され、ルーディアスを包み込んだ。

「あれは…!」

キョウスケが呟く。

ルーディアスは光線に包まれて消滅した。

フレイスはその様子を眺めていたがやがてルーディアスと光線が消えると自らも光となり消滅した。

「今のは…」

ZETA隊員達も唖然としている。

そんな中、シンペイだけが言った。

「やばい…、コンタクトなんて取ってる暇がなかった」

 

ショウはやっとの事で破壊された街に佇むツバサを発見した。

「おい、ツバサ、心配したぞ」

ショウは声をかける。

「お前…、見たか?あの青い光を」

ツバサは言った。

「あぁ、見たぜ。一体ありゃなんなんだ?」

「俺だって知りたい。だが…なんか嫌な予感がする」

暗い空間、その中に所々白い証明がついているがそれでもこの空間を明るくするくらいの量はついてはいない。

「これがこの地球…という星の怪獣か」

部屋の真ん中に立体映像としてルーディアスが投影されている。

そして、今喋っているのはその容姿からして明らかに人間ではない。

「クックック…、なかなかに面白いのではないか?」

どちらも水牛のような角を生やしていた。

「どのみち私たちの敵ですらないわ」

これは女の声だがやはり角を生やしている。

「あまり自惚れるなよ」

最初に喋った宇宙人が言った。

「まぁ、私の実力を知らないっていうの?」

女の宇宙人が食って掛かる。

「まぁいい、戦うに際し士気は重要だ」

「解析が不可能です。かなり高度なカモフラージュ技術を使っていて…」

ミカは例の青い光線の解析をしながら言った。

「まさかお前でも苦戦するとはな…」

南部が言う。

「ただ…」

「ただ、なんだ?」

「これはウルトラマンとは違い明らかに敵対勢力のものです。これは勘ですが分かります。私には…」

ミカは力強く言った。

この世界の地球にも大きな危機が始まろうとしていた。




今回はここまでです。ちなみにフレイスの由来は炎(フレイム)と氷(アイス)を繋げ合わせた造語です。


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第4話 古代からの挑戦(古代怪獣ツインテール登場)

第4話です。今回は既存のウルトラ怪獣より、ツインテールを登場させようと思います。(あるLINEグルでなんの怪獣出してほしいか聞いたところツインテールとガンQの名があがったので。ガンQもそのうち出す)


あるビル工事現場…。

そこの作業員があるものを見つけた。

「おい、あれを見ろ」

彼は仲間に呼びかける。

仲間が数人集まってきて彼の指さす方向を見る。

するとそこには土が掘られて窪地になった所に白いドーム型の物体があったのだ。

「あれは…、卵みてぇだな」

そのうちの一人が言った。

「怪獣か?怪獣の卵か?」

「だとしたらZETAに連絡せにゃならねぇ」

 

ZETA日本支部南部隊に東京のビル工事現場に怪獣の卵らしきものが見つかったとの出動要請が出る。

「南部隊、総員出撃!」

「了解!」

「あれが…、卵か」

工事現場は一気にZETAの作戦本部となっていた。

「そうです。どうやら昨日までの大雨で上の土砂が洗い流されて出現したみたいで…」

作業員は言った。

「なるほど…」

作業員の話を聞いてメモをとっているのは黒田キョウスケ隊員だ。

一方、作戦本部のテント内では直江ミカ隊員が卵の内部を超音波によって解析していた。

「どうだ?何かわかったか?」

南部隊長は訊く。

「はい、しかし驚きました…、こんな古代の生物が…」

「どうした?」

「まず、この卵の持ち主、おそらくツインテールと呼ばれる古代に生息していた甲殻類の1種です。しかも本来ツインテールはここまで巨大な個体にはならないはず…」

隊員全員がテント内に集められた。

「我々はこれより、ツインテールをどうするかについて話し合う」

南部が言った。

「しかしどうするかと言ってもなぁ。孵化させちまったらあれだけの大きさだ。東京が大変なことになる」

有馬ショウ隊員が言った。

「でもどうするっていうの?卵を破壊する?」

朝倉ミハル隊員は言った。

「まぁ必然的にそうなろう。しかしあの卵はかなりの硬度を持っていることが分かっている。並の兵器じゃ壊せまい」

南部が言う。

「MN爆弾があります」

竜ヶ崎ツバサ隊員は言う。

「しかしあの兵器はまだ完成しきっているとは言えず…」

南条シンペイ隊員が反論した。

すると、ミカが言った。

「しかし今の威力でもあの卵を破壊する程度の力はあります」

「なるほど…理解した」

そして隊長は決断をくだした。

「よし、MN爆弾を使用する」

卵にはたくさんのコードのようなチューブが付けられている。

そしてその様子は作戦本部のテントの中のモニターに映されていた。

「MN爆弾着火準備整いました」

ミカが言う。

「よし、MN爆弾、着火!」

南部が指示を出した。

ミカは次々とスイッチを入れていく。

「OK!着火3秒前!3…2…1…」

 

卵は大爆発をする。そしてあとかたもなく消え去った。

 

…はずだった。

しかしなんとさっきまで卵のあった場所、そこには怪獣ツインテールが孵化をして現れたのだ。

 

「な…、馬鹿な…」

ツインテールは尾のある上部をじたばたさせながら前進を開始する。

「まずいっ!やつは市街地の方へ向かっていく!」

隊員達はテントから外へと勢いよく飛び出していく。

そしてレーザーガンを構えるとツインテールに向かって撃ち始めた。

しかし当然のことながら全く効いていない。

ツインテールは周辺の建物を破壊しながらどんどん進んでいく。

そんな中だった。中くらいの大きさのビルの屋上に取り残されたのだろうか。1人の少年がいるのをツバサは発見した。

「隊長!あそこに人が!」

ツバサはそう言うなり駆け出した。

「おい!待て!」

「ダメです隊長、彼はああなってしまったらもう聞く耳を持ちません」

キョウスケが言う。

少年がいるビルにツインテールが迫っている。

しかし少年は一眼カメラを構えて一向に逃げようとしないのだ。

「おい!何やってる!逃げるんだ!」

ツバサもビルの屋上に上がってきた。

少年はゆっくりとこっちを振り返った。

「お兄さん、ZETAの人?」

ツバサの制服を見て少年は訊いた。

「そうだ。ほら、危ないから逃げよう」

ツバサは少年の手を掴む。

しかし少年はその場を動こうとはしなかった。

「おい、どうした?逃げるぞ」

すると少年は言った。

「お兄さん、僕に怪獣の写真を撮らせてください」

「なぜ、危ないぞ」

「分かってます。でも僕、撮りたいんです」

ツバサはしばらく考えてから言った。

「わかった。だがあと3枚だけだぞ」

「ありがとうございます!」

少年がカメラを構えた隙に、ツバサは近くの貯水タンクの陰に隠れた。

そして、天に向かってフレイスフラッシャーを掲げた。フレイスフラッシャーは展開し光がほとばしる。

 

「デュアッ!」

フレイスは登場すると共にツインテールに飛び蹴りを浴びせた。

ツインテールは一瞬たじろいだが体制を立て直すと2本の触手でフレイスの首を絞めた。

フレイスは触手を掴んで引きちぎろうとしたが相手の力のが強かった。引きはがせすらしない。

そこでフレイスは赤と金色のバーニングモードへとタイプチェンジをする。そして、ツインテールの触手を引きちぎったのだ。

「デュアッ!」

ツインテールから離れるとフレイスは 独特の構えを取った。

それから腕をL字に組むとバーニングショットを放った。

ツインテールは爆散した。

 

「どうだったか?撮れたか?」

戦いが終わるとツバサは少年のところへ行き、訊く。

「はい、見てください」

少年が写真を見せると、それは3枚ともフレイスの写真だった。

「お前…、本当に撮りたかったのは…。ウルトラマンだったのか?」

ツバサは訊いた。

少年はちょっと照れくさそうにうなづいた。

「怪獣を撮ってればきっと現れると思っていました」

「ったく、無茶するぜ」

そう言ったあとツバサは訊いた。

「そういや、まだ名前も聞いてなかったな。名前は?」

「結城ケンタっていいます」

「そうか…、俺は竜ヶ崎ツバサだ。よろしくな」

ツバサとケンタはかたく握手をした。

「まったく、本当に無茶してくれるわね」

仲間たちのもとへ戻ると真っ先にミハルにそう言われた。

「竜ヶ崎、あまり勝手なことはするなよ」

隊長も言う。

「すいません…」

「まぁいい、無事でよかった」

その姿を陰から見つめる3人の人物がいた。

「あれが…、この星におけるもっとも注意すべき敵か…」

その中の一人、サラリーマン風の見た目の男が言う。

「まぁ、私の手にかかれば瞬殺よ」

大学生くらいの年齢に見える女が言った。

「ユタ、だがあまり油断しすぎるなよ。その油断がお前を破滅に導くかもしれん…」

緑の服を着たスポーツマン風の男も言う。

「ロード?私の実力を知らないっていうの?」

ユタと呼ばれた女は食って掛かる。

「まぁ良い、結果倒せれば良いのだ」

サラリーマン風の男は言った。




以上です。ちなみにケンタくんはこれ以降もたまに出そうと思ってます。それで昭和2期シリーズのレギュラー陣の少年みたいな感じのポジにできたらいいなぁと思ってます。


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第5話 異次元の使者(2次元人イバクーレ登場)

第5話です。今回はちょっとホラー強めかも。

そしてだんだん投稿してるとまえがきに何を書けばいいのか分からなくなってくるという。


あるアパートの部屋の前に、ZETA隊員、竜ヶ崎ツバサはいた。彼はその部屋のインターホンを鳴らす。

すると、出てきたのは高校生くらいの年齢の少女であった。黒髪ショートにメガネをかけている。

「あの…どちら様で?」

少女はきいた。

「弟さんの友人、と言ったらわかりますか?」

ツバサは言った。

「えーと、もしや…東京の怪獣の時の…」

「そうです」

すると少女の顔がぱっと明るくなる。

「あ、あの時は本当にありがとうございました。うちの弟が色々と…」

「いや、こちらこそ。弟さんは元気ですか?」

「もう元気がありあまっていて…」

「それはよかった。実はなんか彼直々のお呼び出しがありまして…」

ツバサが部屋に通されると、その少年、結城ケンタは自分の机で本を読んでいた。

「えーと、もしもし?」

ツバサは声をかける。

するとケンタは

「あっ、ZETAのお兄さんだ!」

と言い、本を置いて近くに来た。

「そんな歌のおにいさんみたいな言い方すんなや…」

ツバサはなんとなく突っ込んでしまった。

「はぁ」

どうやらケンタにはネタが伝わらなかったようだ。そこでツバサは本題を切り出した。

「それで、なんで俺ご指名で呼び出したんだ?」

「えーと、それは…」

ケンタはそう言うとダンボールを持ってきて何やらゴソゴソ始めた。

そしてやがて1枚の写真を取り出すとそれを机の上に置いた。

それは一見よく見ると普通の建物の写真に見える。しかしそのひとつの窓に明らかにおかしい人影が写っているのだ。

そいつは、真っ白な体に両側に離れた2つの目を持ったいわば怪人といったような姿をしている。

「そ、それは…?」

ツバサは不気味に思いながら訊いた。

「俺にもわかんないんです。ただ…、なんか不気味だなぁと思ってお兄さんを呼んでみました」

「分かった。この写真はZETAに持って帰って調べてみることにするよ」

「ありがとうございます!」

 

「なんだよこれ、心霊写真とかそういう類いなんじゃないか?相当眉唾だぜ…」

ZETAに持って帰ると早速有馬ショウにそう言われた。

「しかしそうは言ってもだ。万が一ってことがあるだろう?」

それでもツバサは言う。

「ちょっとそれ貸して」

するとこっちの返事を待たずに朝倉ミハルは写真を取り上げた。

そして言う。

「ねぇ、二人とも、イバクーレの都市伝説って知らない?」

ツバサとショウは首を横に振った。

するとミハルは語り始める。

「イバクーレってのは2次元世界からやってきた怪人でこうやって人の撮った写真に映り込むの。そうしてその写真を撮った人はどうなるかっていうと最終的にはこのイバクーレによって2次元世界に引きずり込まれて奴らの仲間にされるって話しよ」

「おいおいおいおいおい、まずいな…」

 

その晩、ケンタは夢を見ていた。

ケンタは暗闇の中をひたすら走り続けていた。

しかしどんなに走っても来るのだ。

そう、あの写真の怪人が…。

「フォフォフォフォフォ…」

怪人は不気味な笑い声をあげながらどこまでも追いかけてくる。

「うわぁぁぁぁ!」

そしてケンタは目が覚めた。

しかし何故か部屋の空気が重く感じられた。なにか嫌な予感がする。

ケンタはそっとベッドから這い出した。

部屋のカーテンの隙間から怪人がじっと見ていることにも気づかず…。

 

こういう時はお姉ちゃんの部屋に行くのが一番だとケンタは思った。彼は怪獣によって親を亡くして以来ずっと姉と二人きりで暮らしてきたのだからそれは当然の判断であった。

廊下に出る。

しかし廊下に出てもなおあの不気味な重苦しい感覚は消えなかった。

やがて姉の部屋が見えると彼は早足でその部屋に駆け込んだ。

その瞬間、さっきまでケンタのいた部屋から白い脚がそっと出てくるのにも彼は気づかなかった。

「お姉ちゃん…」

寝ている姉にケンタはそっと声をかける。しかし起きない。

「お姉ちゃん…!」

すると姉はようやくもぞもぞと起き上がった。

「う…んん…、ケンタ?どうしたの?」

しかし次の瞬間、姉は悲鳴をあげたのだ。

ケンタはゆっくりと後ろを振り返った。

するとそこにはあの怪人が立っていた。

「フォフォフォフォフォ…」

怪人は笑い声をあげる。

その時だった。

「そこまでだ!」

部屋の窓をぶち割ってツバサが部屋の中へ入ってきたのだ。

「あっ!お兄さん!」

ケンタが駆け寄る。

ツバサはイバクーレに向かってレーザーガンを構えた。

「フォフォフォフォフォ…」

しかしイバクーレはこっちに向かってゆっくりと歩いてくる。

「撃つぞ!」

ツバサはそう言うとレーザーガンを発射した。

しかしイバクーレはビクともせずにこっちに向かって歩いてくる。

「まずいな…。こうなったら!」

ツバサはイバクーレに向かって突進した。

そして相手を押し倒すと、窓の外めがけて投げ飛ばす。

イバクーレは窓の外の河川敷を転がっていったがやがて立ち上がると巨大化した。

「フォフォフォフォフォ…」

「しまった…!」

ツバサも窓の外へ飛び出す。そしてケンタたちに見えないように家の陰に隠れると、フレイスフラッシャーを展開した。

「ティア!」

光とともにフレイスが現れ、構えをとった。

イバクーレもそれを見るとフレイスに突進する。

「デュアッ!」

フレイスはするとパンチを繰り出した。

イバクーレはそれをくらって後方によろめく。

しかし敵も負けてはいない。それでもなおキックを浴びせてきた。

今度はフレイスがよろめく番だった。

さらにイバクーレはフレイスを押さえ込もうとする。

フレイスはそれを逆に捕まえると背負い投げで地面に叩きつけた。

イバクーレは立ち上がるがもうフラフラだ。

そこにフレイスはうでを十字に組みフレイシウム光線を浴びせた。

イバクーレはゆっくりと地面に倒れると爆発した。

それを見届けるとフレイスは光に包まれて消え去った。

 

「まっさか本当だったとはなぁ」

翌日、ZETA基地ではショウが昨日の報告を聞いて言った。

「やっぱり信じないのが悪いのよっ」

それに対してミハルは言う。

「まぁこいつの言うことだからなぁ、信じなくてもしょうがないか」

ツバサもショウと一緒になって言う。

「はぁ?何それどういう意味よ」

ミハルが食ってかかった。

「まぁ、気にするな。忘れろ忘れろ」

「バツとして怪獣の餌にでもなってもらおうかしら?」

ミハルはちょっと脅す。

「怪獣はお前だろぉ」

「うるさいわねぇ」

そんな中、気づいているものはいなかった。この部屋の壁に飾られている写真にもイバクーレが写っていることには…。




はい、5話、こんな感じです。

ところであなたが撮った写真。なにか得体の知れないものが写っていたり、しませんか?


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第6話 怪獣無法遊星(遊星怪獣ギャラクロス登場)

まえがき書くこと思いつかないので今週のウルトラマンルーブの感想でも書いときますわ。

まず、愛染やっぱりオーブ知ってたんだっていうwww。あとグビラ可愛かった。手のひらサイズのグビラならペットにしたいなぁって思いました。


その星は、人知れず太陽系に侵入していた。

その星の名は、遊星セルバー。

 

ある日のことだった。宇宙を航行中の宇宙船が行方不明になったとの連絡がZETAに入ったのだ。

 

この世界、人類は既に木星圏にまで到達、月には小規模なコロニーまで誕生している。

すぐにZETAから南部隊の、黒田キョウスケ、竜ヶ崎ツバサ、有馬ショウ、朝倉ミハルの4人が調査に向かった。

「しかしなんだ?そのセルバーだっけか?怪しい匂いがプンプンするぜぇ」

ショウは言う。

4人は特殊宇宙挺ジュピターに乗っている。

「そんなどこぞのゲロ以下の臭いがプンプンするぜみたいな感じで言わんでも…」

ツバサは突っ込んだ。

「お前達の会話はなんだ?その謎のセンスは…」

キョウスケは呆れ返った感じで言った。

「そうですよね、呆れますよね。副隊長?」

ミハルもそれに念を押すように言った。

「いいや、面白い」

それを聞くとミハルは信じられないとい顔をした。

「えーと、ところで、そのもうすぐだな。その、遊星何とかとやらには…」

やがて前方の窓にその星は見えてきた。

その星、遊星セルバーは一見すると月や水星のような灰色の塊に見える。

しかしその大きさは月の半分ほどと割と小型の天体であった。

 

「よし、とりあえず表面に着陸しよう」

操縦していたキョウスケはレバーを引いていく。

しばらくして大きな衝撃と共にジュピターは着陸した。

やがて4人は宇宙服を着ると外に出ていく。

ショウはアンテナのような装置を持っていた。

「行方不明の船の信号がキャッチできない」

ショウは言った。

「まぁ、もう信号を発信できる状態ではないってことだな…」

その時だった。

「ギャァォォォ」

どこからともなく怪獣の鳴き声が聞こえる。

「怪獣!?どこだ!」

次の瞬間、岩山を突き破って怪獣が現れた。

怪獣の両肩には巨大なトゲがついていた。

さらに両腕も鎌状になっている。

「まさかあいつが船を!」

ショウはレーザーガンを抜くと怪獣めがけて走り始めた。

「おい!まてショウ!」

ツバサもそれを追って駆けだした。

「まったく、ホントに馬鹿なんだから」

あとにはミハルとキョウスケが残されていた。

ツバサはようやくショウに追いついた。

「おい、待て、まだあの怪獣が犯人と決まった訳では無いだろう!」

ツバサは言う。

「だがそれでも!」

「いいか、この星では俺たちの方が侵略者なんだ。それを忘れるな」

その時だった。もう一体の怪獣が突如その場に飛来したのだ。

黒い体に巨大な翼、そして両手には鎌を持っている。

先にいた怪獣はそれを見ると後から来た方に突進していった。

2大怪獣は激突する。

そして互いにもつれ合いながらつかみ合っている。まぁ最もどちらも両手は鎌状になっているのだが…。

「どうする!?こんな所で激突されちゃあ俺達が帰れなくなるぞ」

ショウが言うとツバサは答えた。

「よし、ならば安全なところに避難しよう」

2人は怪獣達からなるべく離れた丘の上に到達した。

すると、ショウが遠くを指さして言った。

「おい!あれを見ろ!」

そこには行方不明になっていた宇宙船の残骸が残っていた。

 

「おーい!誰かいるか?」

宇宙船の残骸周辺で2人は呼びかけるが一向に応答はなかった。

「だめだ…。これじゃあ生存者はいない…」

その時、ツバサはあるものを見つけた。

それは宇宙船の壁に書かれた血文字であった。

「ギャラクロス…」

ツバサはその文字をそっと読み上げた。

するとちょうどその時、さっきの2体とは別の怪獣の声が聞こえたのだ。

「おい!また新しいのが来たぞ!」

顔を上げると背中に石柱のようなトゲがたくさん生えた怪獣がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。

こいつの両手はちゃんと指がついている。

「あいつが…ギャラクロスか…」

ツバサは呟いた。

ギャラクロスはこっちに向かって火球を発射した。

2人の周囲で爆発が起こる。

「まずい!逃げろ!」

2人は駆け出した。

しかししばらく行くと前方ではあの2体が戦っていた。

どうやら後から来た翼のある方が優勢なようで最初にいたやつが倒れたところに馬乗りになって鎌でひたすら切りつけていた。

しかしギャラクロスを見るなり翼を広げて飛び去ったのだ。

ギャラクロスは咆哮する。

倒れていた方の怪獣は立ち上がった。しかしそれをギャラクロスの火球が容赦なく襲う。

やがて怪獣は絶命した。

しかしギャラクロスはなおも火球を浴びせまくる。

そしてその中の一つがツバサとショウのいるところ目がけて飛んできたのだ。

「まずい!」

ツバサは崖から飛び降りるとフレイスフラッシャーを展開する。

すぐさま光に包まれ、フレイスの姿になった。

フレイスはショウに当たる寸前で火球を弾いた。

ショウは気絶をして倒れていた。

「ティア!」

フレイスは構えをとる。

するとギャラクロスが火球を放ってきた。

フレイスはそれを弾き落とすと空中に飛び上がった。

そしてギャラクロスにキックを浴びせる。

しかしギャラクロスはビクともしない。

それから着地したフレイスを押さえ込んだ。

フレイスは赤と金色のバーニングモードへとタイプチェンジする。

だがそれでもなおギャラクロスの腕からは逃れられなかった。

カラータイマーが点滅を始める。

フレイスは渾身の力を込めてギャラクロスを投げ飛ばした。

ギャラクロスは地面に叩きつけられ倒れ込む。

フレイスは腕をL字に組んで必殺技を放とうとした。

しかしギャラクロスは背中から突如として隠し武器のような触手を発射すると、フレイスを攻撃したのだ。

「デュアッ!」

フレイスは後方に倒れる。

ギャラクロスが立ち上がった。そしてフレイスに向かってゆっくりと歩き出す。

フレイスは赤、青、銀の体色のシャイニングモードへと戻った。

そして最後の力を振り絞ると右手から三日月状のカッター光線、フレイスカッターを発射した。

フレイスカッターはギャラクロスの首を切り落とす。

そしてギャラクロスは地面に倒れると盛大に爆発した。

やがてフレイスも光に包まれて消え去った。

 

「そうか…もう既に彼らは…」

2人の報告を聞きキョウスケは言った。

「はい、ダメでした…」

ツバサは改めて言う。

「なぁに、そう気にするな。お前達のせいではない」

キョウスケはなぐさめる。

「そんなことより我々も帰還しよう。皆が待っている」

「はい…」

ツバサは、涙をぐっとこらえると言った。

その時、皆は知らなかった。遊星セルバーから飛び立ったあの有翼の怪獣が地球に向かっていることを…。




今回のギャラクロスは宇宙怪獣版レッドキングをイメージして考えました。なお、最初に戦っていた2体はガイガレードとドラコのイメージです。一応…。


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第7話 壊れた星(彗星怪獣ガイガレード登場)

さっき書いてたらバグって全部消えたのでまた違う話書きます。


ここは日本アルプス、雪がうっすらと積もった森林地帯に、怪獣が暴れていた。

怪獣の名はドラコ、あの遊星セルバーにいた怪獣である。

そしてドラコは今、ZETAの戦闘機であるスターイーグルとの戦闘中なのであった。

スターイーグル2機は飛び回りながら光線を打ち込んでいく。

ドラコもそれを打ち落とそうと鎌を振り回しているが、全然命中しなかった。

「よし、あれを使うぞ」

ZETA日本支部伊達隊の蒲生リョウマは言った。

「ラジャー、スペルゲンミサイル発射準備!」

同じく伊達隊の波多野リン隊員が言うと、スターイーグルから大型のミサイルが発射される。

ミサイルはドラコに命中すると大爆発を起こした。

ドラコはゆっくりと地面に倒れると絶命した。

「そんなの間違ってます!」

ZETA日本支部南部隊の部屋にツバサの声が響き渡る。

「待て、私とて辛いのだ…。だがもう今更…どうにもできん…」

南部隊長は言った。

「しかし…」

それでもツバサは食ってかかろうとする。

すると南部は言った。

「そうだ…。私も止めたかった…」

世界各地のミサイル発射台から核ミサイルが遊星セルバーめがけて発射された。

「とうとう始まってしまったか…」

その様子を見て、南部が呟いた。

 

その頃、ZETA専用車両、ルーバーで街をパトロールしていたツバサは1人の男に呼び止められた。

緑色のジャージを着たスポーツマンタイプの男だった。年齢はツバサと同じくらいに見える。

「なにか、用でしょうか?」

ツバサはルーバーを止めると窓を開けて言った。

すると男は、

「ZETAの隊員か?」

と訊いてきた。

ツバサはうなづいた。

「そうか…、ならばウルトラマンについて知っていることを全て話せ」

何を言うかと思えばこれだ。

ツバサは呆れてその場を去ろうとした。

しかし男は割かし強い力でツバサの手を掴んで逃げないようにしてきた。

「いいから話せ…!」

男は威圧してくる。

「待ってください。俺もよく知らないんですよ。こっちが訊きたい」

ツバサは自分がウルトラマンだとも言えないのでそうやって逃れようとした。

すると相手も意外とあっさりと掴んでいた腕を離した。

「そうか、それは無礼なことをした。お詫びに何かをやろう」

なんかものすごく上からな態度で言ってくる。

「あなた…、何者ですか?」

ツバサは訊いた。

「俺は宇宙の混沌より生まれし邪悪の戦士ロードだ」

男は言った。

「うわぁ…厨二こじらせてやがる…」

ツバサは呟いた。

「ん?何か言ったか?」

「いや何も」

「そうか…、ならば邪魔したな」

 

ルーバーが居なくなってしばらくするとロードの元へ大学生くらいに見える女が現れた。

「ロード、かなり怪しまれてたんじゃあない?」

女は言う。

「いや、だが構わんさ。俺にとってウルトラマンが倒せればそれだけでいい…」

ところがその瞬間、地面が大きく揺れた。

見るとちょうど今、宇宙怪獣が飛来した所だった。

「まずい!ユタ!どうする!」

ユタと呼ばれた女は答えた。

「もちろん戦うわ。これは私たちの力を見せつけるチャンスよ」

「わかった。行け!」

ユタは頷くと本来の銀色の姿になり巨大化する。

頭の横からは角が伸び、全体的には女性的なフォルムになっている。

ユタは怪獣めがけて独特のファイティングポーズを決めた。

 

ツバサも我が目を疑っていた。

いきなり怪獣が現れたかと思ったら今度は謎の女戦士が現れたのだ。

「ガイガレードの前に宇宙人らしき生物が出現!ただいま両者は戦闘中!」

とりあえずZETAに報告を入れた。

ユタはガイガレードの攻撃を素早い動きで次々とかわしていく。

「流石だな…、ユタ」

ロードが呟く。

ユタはロードに向かってうなづいたがそこに隙が生じてしまった。

ガイガレードの両手のカッターの直撃を受けてしまったのだ。

「アウッ」

ユタは後方のマンションに倒れ込んだ。

(せっかくいいシーンだったのに攻撃するのは反則よ!)

もちろんこの声は普通の人には聞こえないテレパシーのようなものだ。

だがフレイスと一体化していたツバサにはハッキリと聞こえた。

「いや、そりゃそうだろ…」

ツバサは呆れて呟く。

ユタはそれでも体制を立て直し、ガイガレードの腹部にキックを浴びせた。

(これでも喰らってなさい!)

ユタは拳を青く発光させてガイガレードを殴った。

するとガイガレードはそこからだんだんと凍っていったのだった。

そしてガイガレードが完全に凍りつくとユタは人間態に戻った。

 

「ふぅ、疲れたわ」

ユタはそう言うと地面に座り込む。

「おいおい、ユタ、待てあのまんま放置したら…」

ロードがそう言った瞬間だった。

ガイガレードを覆っていた氷が割れ再びガイガレードは活動を開始した。

「もぅ、ホントにちょっとは大人しくしてなさいよ」

ユタは言った。

 

その時、光とともに現れたのはフレイスだった。

「デュアッ!」

フレイスも独特のファイティングポーズを取るとガイガレードに向かって飛び蹴りを浴びせた。

しかし相手はビクともしない。

ガイガレードは両腕でフレイスをしっかりと押さえつけたのだ。

それをフレイスはガイガレードの顔面にパンチをすることで抜け出した。

そして後方にバック転で移動すると。手から次々とフラッシュ光弾と呼ばれる光弾を発射した。

しかしガイガレードにはあまり効果はないようだ。

するとフレイスは青い光に包まれタイプチェンジをした。

青と銀色の体色の、スピード攻撃と冷凍技に優れたブリザードモードだ。

「トゥアッ!」

そしてフレイスは再びガイガレードに飛び蹴りを浴びせた。

今度は掴まれる間もなくガイガレードを地面に倒すことに成功した。

そしてフレイスはガイガレードを持ち上げると飛び立った。

 

ZETA日本支部南部隊の部屋。

「ウルトラマンは…、ガイガレードをどこへ…」

南部は言った。

「どこか宇宙へ運んでいったのよ。もう地球人の攻撃も受けないようなどこか遠くへ…」

ミハルは答えた。

「おい、ウルトラマン行っちまった…」

飛び去ったウルトラマンを残念そうに見つめるのはロードとユタだ。

「せっかく倒せると思ったのに…」

ユタが言うとロードは突っ込んだ。

「多分半分以上はお前のせいだ」

「そんなこと言わないで」

ユタはロードを見つめる。

「いや、そんな目で見てもだめだぞおい」

「で?次はどうすんの?ロード?」

するとロードは答えた。

「この俺が直々にウルトラマンとの決闘を申し込む」




ちっきしょうバグめ許すまじ


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第8話 ガンQと邪悪の戦士(奇獣ガンQ、邪悪の戦士ロード登場)

今冬配信予定のウルトラ怪獣バトルブリーダーズってゲームが楽しみすぎる。でもあれグラフィックがすごい画質いいから重そうなんだよなぁ。(少しは小説のこと書こうぜおい)(((


突如として街の地盤が崩れ始める。道路を引き裂きビルを倒しながら。

そしてそこには最終的に大きなクレーターのような陥没が出来上がっていた。そしてその陥没の最も奇妙なことは、その中央に巨大な目玉のようなものがあるのだ。

 

やがて、2機のスターイーグルがその場にやってきた。

乗っているのはZETA南部隊の竜ヶ崎ツバサと南条シンペイだ。

「なんなんだあれは…」

シンペイは呟いた。

「生体反応は…、一応ある。生きてはいるみたいだ…」

ツバサが言う。

「まだヤツは敵かどうかも分からない。慎重に、刺激しないようにするんだ」

南部トオル隊長からの通信が入る。

「ラジャー」

その時だった。

「な…なんだこの力は…!」

シンペイのスターイーグルが目の方へと引っ張られていくのだ。

「南条さん!大丈夫ですか!?」

ツバサは咄嗟に目玉に向けてミサイルを放った。

スターイーグルは引力から解放されたが。

なんと目玉はミサイルを吸収したのだ。

「だめだ…!ヤツはあらゆるものを吸収していく!」

しかし次の瞬間だった。目玉はすっとなにかに溶け込むように消え去ったのだ。

「消えた…?」

それ以上の追跡は不可能であった。

「目玉の正体は完全に不明です。それに目的も…」

オペレーターの直江ミカ隊員はコンピュータを解析しながら言った。

「そうか…、我々を攻撃した以上敵であることくらいしか分からんか…」

南部はうなる。

「はい、そして便宜上あの怪獣はこれよりガンQと名付けることにします」

「ガンQねぇ…」

有馬ショウ隊員がしみじみと言った。

一方とあるビルの屋上にはロードとユタがいた。

「どうする?あの正体不明の目玉と協力でもするの?」

ユタはロードにきく。

「いいや、俺たちは怪獣の力なしでウルトラマンを倒すんだ」

「じゃあ…」

ユタが言いかけるとロードはゆっくりとうなづいた。

「そうだ…、だがユタ、お前はまだだ。この俺が倒された時のため…。今はまだ戦うな…」

「そんなこと言ったって…」

ユタはロードを引き留めようとする。

するとロードはユタを抱き寄せて言った。

「いいや…、お前は俺たちの希望となれ…。俺はこれより作戦プランAを開始する」

そしてロードはユタから離れると、赤銅色の戦士のような本来の姿になり、巨大化する。

 

ロードはフレイスをおびき寄せるために街を破壊しながら進んでいった。

大勢の群衆は突如現れた赤銅色の巨人から逃げ惑っている。

しばらくして3機のスターイーグルがロードへの攻撃を開始した。

「ちくしょう、ガンQに続いて今度は宇宙人沙汰か!」

ショウは言った。

「よし、スペルゲンミサイル発射!」

キョウスケはスターイーグル下部から大型のミサイルを発射する。

ミサイルはロードに命中し爆発するもロードはビクともしなかった。

「なっ…、そんな…」

朝倉ミハル隊員は息を飲んだ。

一方こちらは地上部隊。ショウ、シンペイ、ミカと南部隊長の4人であった。

4人は地上からレーザーガンでロードを攻撃しているのだがこっちもあまり効果がない。

「ちくしょう…」

その時だった。ロードが殴った建物がこっちに向かって倒れてきたのだ。

「危ない!」

4人は一斉にかわすが、普段オペレーターとして活躍しておりあまりこういう場面では活躍しないミカは転んで逃げ遅れてしまった。

「まずい!」

ツバサはフレイスフラッシャーを掲げてフレイスに変身する。

そしてビルを抑えると反対側に倒す。

「あ…、ありがとう…ウルトラマン…」

ミカは力ない声で言うと気を失った。

「デュアッ!」

フレイスはロードに飛び蹴りを浴びせた。

ロードは不意打ちを喰らって倒れる。

フレイスはその上に馬乗りになった。

しかしロードも負けてはいない。逆にフレイスを投げ飛ばしたのだ。

フレイスはそのままビルの上に落下した。

さらにロードは立ち上がるとフレイスに火炎弾を大量に浴びせた。

すると次の瞬間、煙の中からバーニングモードにタイプチェンジしたフレイスが飛び出してきた。

しかしロードはそれを押さえつけると持ち上げて地面に叩きつけたのだ。

さらに倒れたフレイスに何発も蹴りを浴びせる。

フレイスのカラータイマーが点滅を始めた。

ロードはさらにフレイスを肩に担ぐと投げ飛ばした。

だがそれでもロードの攻撃はやまない。

倒れているフレイスを踏みつけて痛みつけた。

フレイスは最後の力を振り絞ってバーニング光弾と呼ばれる光弾を右手から発射した。

ロードは一瞬怯んで後ずさりする。

その間にフレイスは体制を立て直した。

そして腕をL字に組んでバーニングショットを放った。

(しまっ…た!)

光線はロードに命中する。やがてロードはスパークしながら後ずさりすると爆発した。

その様子を眺めていたユタはガックリと崩れ落ちる。

「ロード…」

彼女は涙を流していた。

「ウルトラマン…、絶対に…許さない…」

 

フレイスは光に包まれて消滅した。

 

一方その頃、石油コンビナートの地面が裂け、突如その中から目玉に体と手足を付けたガンQが出現した。

ガンQは奇妙な笑い声のような鳴き声をあげる。

そしてコンビナートを破壊していくとその石油をどんどん吸収していく。

ルーバーの周りに集まった南部隊の隊員達はその映像を見ていた。

「ガンQ…、エネルギーや機械を吸収して体を形成したか…」

キョウスケが言った。

「恐らくそうだろう…、そして…、我々もすぐさま現場に急行する!」

ガンQを攻撃しているスターイーグルはZETA日本支部蘆名隊のものであった。

しかし善戦していたそのスターイーグル達もガンQの引力に捕まり吸収されていったのだった。

ガンQの黒目が一瞬笑ったように見えた。

やがて、南部隊の3機のスターイーグル及びルーバーに乗った地上部隊も現場に到着する。

「攻撃開始!」

スターイーグル達は一斉に光線を打ち込み始める。

しかしガンQにとってはそれさえも吸収する栄養となってしまうのだ。

地上部隊もレーザーガンを打ち込むがそれも同様だった。

「くそっ…どうすれば…」

その時、とうとうショウのスターイーグルがガンQの引力に捕まってしまった。

「しまった!」

ツバサはそれを見るとガンQの方へ駆け出していく。

そして走りながらフレイスフラッシャーを掲げてフレイスに変身した。

「デュアー!」

フレイスはそのままガンQに突撃した。

そして着地すると構えをとった。

ガンQも体制を立て直すとそれを真似て構えをとる。

フレイスVSガンQの戦いが始まった。




今回はバトル多めです。あと次回ガンQとの決着です。(それしか後書き書くことが思いつかないっていう…ね…)


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第9話 正義の意味(奇獣ガンQ、破壊の女神ユタ登場)

第9話です。とりあえず1クールのクライマックスまで突き進んでいる感じです。


フレイスはガンQの巨大な頭部を押さえつけるがガンQが激しく暴れたためはね飛ばされた。

ガンQは倒れたフレイスの上に馬乗りになるとその指のない腕を何度も叩きつけた。

だがフレイスも負けてはいない。

「デュアー!」

ガンQに蹴りを入れて後方に飛ばした。

ガンQはそのまま円形の建物の上に落下する。

フレイスはそこに腕を十字に組むとフレイシウム光線を放った。

しかしガンQは立ち上がるとその巨大な目玉で光線を吸収してしまった。

「トゥアッ!?」

フレイスも驚いた素振りを見せた。

そこにガンQは突進していく。

「デュアー!」

フレイスは石油タンクの上に叩きつけられた。

周囲は炎に包まれる。

ガンQはさらにフレイスを吸収しようと引力で引っ張り始めたのだ。

「まずい!援護しろ!」

スターイーグルは一斉にレーザーを放つ。

ガンQが一瞬怯んで後退りをする。

フレイスはそれを見逃さなかった。

立ち上がるとガンQの顔面に蹴りを入れた。

ガンQは大きくスパークすると後方に倒れる。

フレイスはそんなガンQを持ち上げた。そしてそのまま上に放り投げると右手を空につきあげる。

するとそこから巨大な十字形の光のカッターが発射された。フレイスクロスカッターという技だ。

ガンQはカッターを喰らうと4つに裂けて爆発した。

フレイスは光に包まれていつもどうり消え去る。

「何故なの?どうして倒されることを分かっていて…!」

あるビルの一室、ユタがサラリーマン風の男に詰め寄っている。

「そうだな。私が彼を戦いに行かせたのはやつの…、ウルトラマンの戦闘データを得るためだった…」

男は答える。

「そんな…、ロードは私たちにとって大切な仲間だった…。なのにあなたは彼を裏切ったのよ!」

ユタはさらにつめよっていく。

「ユタ…、お前にもいずれ分かる…。我々を混沌より生み出したあの方達がどんなに恐ろしいかを…」

それを聞くとユタは完全に怒る。

「あなたは…あんなわけのわかんない異次元人共を恐れて仲間まで売るような人だったのね!そんな…そんな人だとは思っていなかった…。私はあなた達とは決別します!さようなら」

そう言ってドアを思いっきり開けて出ていった。

「勝手にするんだな…、ユタ…、お前はあのお方達の…、ヤプール達の怖さを知らない…」

そして付け加えた。

「それとドアぐらい閉めて出ていけ…」

ユタは泣きながら公園のベンチに座った。

そして考える。

ロードの仇を取るには当然ウルトラマンは倒さねばならない。しかしそれと同じくらいに倒さなくてはならないのはもう1人の仲間、いや今さっきまで仲間だったジュダとそれを裏で操っているヤプールとかいうやからではないかと…。

「お姉さん、なんで泣いてるの?飴あげるよ」

見ると、小学校高学年くらいだろうか、1人の少年が立っていた。

「ありがとう…」

ユタは泣きながら言うと飴を口の中に入れる。

「ツバサ兄さーん!」

少年は遠くに向かって手を振っている。

見ると向こうではZETAの制服を着た青年が手を振り返していた。

青年は

「おぉ、ケンタじゃあないか。久しぶりだな」

と言ってこっちに来た。

「ツバサ兄さん、このお姉さんが泣いてるんだ。どうにかしてやってください」

「どうしたんだ?こんな歳をして泣くとは何事だ?」

ツバサはなんのデリカシーもなく訊いてくる。

「うるさい…」

余計なお世話だとユタは思った。

だが少し考えておのれの考えを改めた。この男は恐らくZETAの隊員だ。なにか聞き出せるかもしれない。

「ウルトラマンについて…、知ってることを教えてください…」

ツバサはかなり怪しみながらもこの大学生くらいの女と話をしている。

2人は公園の花壇のあいだに迷路のようになった通路を歩いている。

「ウルトラマンについて知ってることか…。俺もさすがにそんなないなぁ。だが前にもこんな質問されたようなないような」

ツバサはまさか自分がそのウルトラマンだとは言えないなと思いながら言った。

「そうか…、でもあなた…えーと、確かツバサとか言ったっけ?ウルトラマンが行なっていることは本当に正義と言える?」

「と言うと?」

「確かに彼はこの地球及び人類にとっては正義かもしれない。でも宇宙的に…、自然的に見て彼は正義なのか…?」

「面白いことを言うなぁ。君は…、確かに君の言うことは正論だ。でも…、ウルトラマン自身は果たして単純に正義のためだけに戦っているのだろうか?俺はこう思うんだ。彼はきっと守りたいんだよ。この星が…地球人が好きだから…」

するとユタは立ち止まって言った。

「あなたとはなんか分かり合える気がするわ。敵味方としてじゃあなかったらね」

「えっ…」

「もぉ、勘は鈍いようね…。私の名は破壊の女神ユタ。そしてあなたは…ウルトラマン…ね」

ツバサは驚いて後ずさりする。

「なっ…、いつから気づいていた?」

「話していてね。嘘つくのはあんまり得意じゃあないみたいね」

そう言うとユタはあの、ガイガレードと戦っていた時の姿になり巨大化した。

ツバサもフレイスフラッシャーを掲げてフレイスに変身する。

(どうして…!?目的はなんだ!)

ツバサはフレイスの中でそう言う。もちろんこの声はテレパシーのようなもので普通の人には聞こえない。

(邪悪の戦士ロード…、あなたが倒した私の仲間の仇を取るため…!)

ユタはそう言うとフレイスに突撃する。

フレイスとユタは同時に拳を突き出した。2人の拳は思いきり激突する。

(もうやめよう!分かり合える気がするって言ったじゃあないか!)

ツバサは言う。

(ただし、敵じゃあなかった場合のみね!)

ユタはフレイスに蹴りを入れる。そしてさらにバランスを崩したフレイスの顔面にパンチをした。

フレイスは地面に倒れ込む。

それをユタは踏みつけた。彼女の足は少しヒール状になっていてそれで痛みつける。

(これが…!私の心の痛みよ!仲間を殺され!別の仲間には裏切られた!)

フレイスのカラータイマーが点滅を始める。

「ハァァァァッ!」

フレイスはバーニングモードにタイプチェンジをした。

そしてユタの足を払い除けると体制を立て直した。

 

その頃、宇宙では…。

宇宙ステーションジュピター3と呼ばれる宇宙ステーションがあった。

そこの作業員は3人、円盤型の小型の宇宙ステーションであった。

不意に、モニターをみていた作業員が叫ぶ。

「おい、見ろ、怪獣だぜ…」

見ると宇宙空間を深緑色のマンタのような怪獣がこっちに向かって飛行してくるのだ。

「こっちに来てるぞ…」

別の作業員も言う。

「あっ!消えた!」

不意に画面から怪獣が姿を消す。その時だった。宇宙ステーションは大きな衝撃に揺れる。

「うわぁぁぁぁっ!」

宇宙ステーションジュピター3は怪獣に抱えられ、少しずつ、その腹部にある口に飲み込まれていった。

そして怪獣はその食事を終えると真っ直ぐ地球人に向かった。




今回はここまでです。次回、宇宙大怪獣ベムスター登場予定!お楽しみに!


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第10話 もう1人の巨人(破壊の女神ユタ、宇宙大怪獣ベムスター登場)

第10話です。怪獣リクエストの場所が活動報告の所に移動しました。ぜひぜひリクお願いします。


バーニングモードになったフレイスとユタはお互い構えを取りながら睨み合っている。

やがてお互いに相手に向かって突撃を始めた。

そしてすれ違いざまに互いに手刀を繰り出した。

2人はしばらく、背中を向けあったままの体制でその場に硬直する。

やがてユタが火花をあげながら地面に倒れた。

フレイスはゆっくりと振り返る。

そして光に包まれて消滅した。

 

瓦礫の中、人間態になったユタが倒れていた。

ツバサはそこにゆっくりと歩いていくとユタを抱き起こす。

ユタは目を開けた。

「ウルトラマン…なぜ私を…」

ユタは微かな声で言った。

「お前を倒す気にはなれなかった…。それだけだ」

ツバサは答える。

「どうして?…私は敵よ…」

「あぁ、だが分かり合えるのなら倒す必要は無い。そうだろ?」

ユタはかすかに微笑んだ。

「ありがとう…。でも遅かったみたいね…」

そう言うとユタは光に包まれる。

やがてその光は無数のつぶとなっていき天に昇っていった。

ユタはそうして消滅した。

その様子を物陰からあのサラリーマン風の男が見つめていた。

「フッ、ユタのやつも死んだか。まぁいい、次はこの私がウルトラマンを、この星を滅ぼす番だ…」

「宇宙ステーションジュピター3が何者かによって完全に消息をたったらしい」

ここはZETA基地、南部隊の部屋だ。

隊長の南部はそう言う。

「最後に届いた交信内容からして何者か…、おそらく宇宙怪獣に襲われたのはかなり確実です」

ミカは言う。

「そうか…、しかしそうなると相手はまだ地球の近くにいる可能性だってあるわけか…」

シンペイもしみじみ呟く。

するとその時だった。

「市原市のコンビナートに怪獣が出現しました!」

突然のアナウンスが入る。

「いきなりか…」

キョウスケが呟いた。

「直江、映像を出してくれ」

「了解!」

ミカは前のスクリーンにコンビナートの映像を映し出した。

石油タンクを破壊しながら進撃する怪獣の映像だ。

怪獣の見た目はさながら深緑のマンタのようで腹には特徴的な口がついている。

そしてそれを開き石油を物凄い吸引力で吸収しているのだ。

「なるほど…、あいつ…、地球の燃料を食べるために来たってわけか…」

ツバサは言った。

怪獣はコンビナートのタンクを破壊しながらどんどん進んでいく。

やがてそこに2機のスターイーグルが現れた。

ZETA日本支部相馬隊のものだ。

地上にはウルドという専用車も止まっている。

そしてそこには隊長の相馬ミナと隊員の羽柴マサキが乗って指揮を取っていた。

「おそらくその怪獣はその腹の口からなんでも吸収するわ。攻撃はなるべくそこを避けてやってね」

ミナが言った。

すぐさまスターイーグルは怪獣の頭部に攻撃を集中させた。

しかしその時だった。怪獣は右手を振り上げ、スターイーグルを一機叩いたのだ。

「うわぁぁぁ!」

スターイーグルはバランスを崩す。

怪獣はそれを両腕で掴むと腹の口で飲み込もうとする。

その時、信じられないことが起きた。

突如として光が現れたかと思うとこからフレイスとは違う別のウルトラマンが現れたのだ。

全身の体色は赤と銀、頭部は真ん中に向かって隆起しているがその真ん中では大きく落ち窪んでおり、そこには大きな青いクリスタルがあった。

 

「なっ…あれは…」

映像を見ていたツバサは思わず声をあげた。

「もう1人の…、ウルトラマン…」

ミハルも呟く。

「シュア!」

ウルトラマンはフレイスとは少し違う独特のファイティングポーズをとった。

怪獣はそれを見ると掴んでいたスターイーグルを離した。

ウルトラマンは怪獣目掛けて走っていく。

そして飛び上がると飛び蹴りを浴びせた。

怪獣は後方によろめく。

さらにウルトラマンは怪獣にヘッドロックをかけるとその角をチョップでへし折った。

怪獣はフラフラになっている。

 

「強い…、あのウルトラマン…、強いぞ…」

ショウも言う。

 

「シュア!」

ウルトラマンはさらに怪獣の顔面に蹴りを入れた。

そして右腕から鞭のような光を伸ばすとそのままそれで怪獣を切り裂いたのだ。

怪獣はそのまま爆発する。

ウルトラマンはそれを見届けると光に包まれて消え去った。

「うわぁ…、凄かったっすねぇ。隊長」

今の戦闘に見入っていたマサキは隣の席にいるミナに声をかける。

しかしミナはいつの間にか居なくなっていた。

「あれっ?」

「こっちよ」

車の外にいつの間にか出ている。

「あっ、隊長ぉ、いつの間に」

 

一方、南部隊でも…。

「2人目の…、ウルトラマンか」

南部が言う。

「大変だな。また名前を考えないと」

ツバサが呑気に言った。

「まぁ…、それは…現場にいた人たちが考えてくれるさ」

キョウスケがそれを軽く流した。

「なっ…、馬鹿な…、ジークだと…!?」

そう、あのサラリーマン風の男こそ、今回のウルトラマンに因縁のある相手だったのだ。

そしてその戦いを遠くから見ていた彼は確信していた。

あの新しいウルトラマン、ジークは自らを追ってきたと。

「く…、だが今の私はもう既にあの頃の力を超えているっ。そう簡単には負けんぞ…。それに…。我が下僕、グランドキングの力さえあれば…」

 

そしてここは相馬隊の部屋だ。

「なんかあのウルトラマンの命名権が俺たちに回ってきてますよ…」

マサキがコンピュータを確認しながら言った。

「急に名前とか言われてもなぁ」

不破ケンジ隊員が言う。

「そうやなぁ。2人目だからセカンドとかしか思いつかんわ」

立花マコト隊員も言った。

「ジーク…、彼の名はジークよ…」

隊長は呟いた。

「えっ、なんすかそのめっちゃいい感じのネーミング。隊長、どうしたんすか急に」

マサキは戸惑っている。

「さぁ、教えてあげない」

ミナはもったいぶって言った。

おそらくこの瞬間、隊員全員の頭にははてなマークが浮かんだことだろう。

異次元空間。そこにはヤプールと呼ばれる支配者がいる。

そして数人のヤプールが今、暗躍をしている最中であった。

「なるほど…ウルトラマンか…」

「そう、やつさえ居なければこの世界は我々ヤプールの手に落ちたも同然…」

すると1人のヤプールが切り出した。

「かつて…、我々とは違う宇宙を攻略しようとしたヤプールがいた…。彼らは無数の超獣を使ったがその中でも特に強力だったのはその世界を守っていたウルトラマンの能力をコピーした異次元超人エースキラーという超人だったらしい…。我々も…、作ろうではないか…、異次元超人…。その名はフレイスキラーを…」




第10話です。ヤプールまで登場してしまいました。多分そのうち超獣ラッシュ始まります。お楽しみ(?)に


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第11話 終末の開始(超怪獣グランドキング登場)

11話です。いよいよ1クールの中ボス格との戦闘開始です。


その日、全世界のカメラがジャックされ、そいつのメッセージを伝えた。

「我が名はジュダ。宇宙の皇帝である。今これより人類、いや、この地球に宣戦布告をする。とくと目に入れるがいい自らの星が滅びていく瞬間を」

「なんだと…!我々がそう簡単に滅んでたまるか!」

それを見たZETA南部隊の面々は口々に言う。

「そうだ…。俺達にはウルトラマンだって…」

その時だった。

「東京に怪獣が出現!市街地を破壊しています!」

その怪獣こそジュダの地球攻撃用怪獣、グランドキングであった。

通常のウルトラマンの2倍近くあるその怪獣は圧倒的重量感で市街地を破壊していく。

「いたぞ…、なんなんだあの怪獣は…」

ショウとツバサの乗る2機のスターイーグルはグランドキングへの攻撃を開始した。

しかし相手の装甲のような皮膚は硬く、一切の攻撃を受け付けない。

「ダメだ…全く効いていないぜ…」

「よし、こうなったらスペルゲンミサイルだ!」

ツバサの乗るスターイーグルから大型のミサイルが発射される。

だが結果は同じだった。

「ダメか…、あいつ、そもそもこっちに見向きもしないぜ…」

グランドキングは全くこっちには興味が無いかのように進撃していた。

その時だった。どこからともなく光があらわれ。それがあの、2人目のウルトラマン、ジークの姿になった。

「シュア!」

ジークはグランドキングに蹴りを入れる。

だがグランドキングはそれさえも効いていなかった。

「なんてやつだ…。ジークの攻撃も効かないなんて…」

ショウが言う。

「よし、俺達も援護するぞ!」

ツバサはそう言うと最大出力レーザーを発射した。

それはグランドキングの頭部に命中したがやはりそれも効いていない。

ジークは全力でグランドキングの進撃を止めようと組み合っているがジリジリと後退させられていた。

グランドキングは吼えると右手でジークをはじく。

少しの動きのように見えたがジークは横に大きくはね飛ばされた。

そしてそのまま建物を破壊する。

ジークは立ち上がろうとするがそれをグランドキングが押さえつけた。そして何度も両手を打ち付ける。

とうとうジークのカラータイマーが点滅を始めた。

「まずい…!ジークが!」

ツバサは考えるている余裕がなかった。フレイスフラッシャーを掲げるとフレイスに変身する。

フレイスは登場しながらグランドキングに飛び蹴りを浴びせた。

それと同時に操縦者を失ったツバサのスターイーグルはグランドキングに特攻をした。

「ツバサァァァァァァ!」

事情を知らないショウは絶叫する。

「デュア!」

フレイスは構えをとった。

それを見るとジークもふらつきながら立ち上がる。

「デュア!」

「シュア!」

2人は同時にグランドキングに突撃し、押し返そうとする。

だが2人の力でもそれは出来なかった。

グランドキングは2人を左右に跳ね飛ばす。

そして倒れたジークを踏みつけた。

フレイスはグランドキングを羽交い締めにしようとするが払い飛ばされた。

やがてジークは活動限界が来て消滅する。

その場にいるのはフレイスだけになってしまった。

フレイスは再び立ち上がろうとするが、グランドキングはそれを蹴り飛ばした。

そしてサッカーのドリブルのように連続で蹴りを入れてフレイスを転がしていく。

フレイスのカラータイマーが点滅を始める。

そしてとうとう地面に倒れ込んだ。

グランドキングはそれをまたしても踏みつけた。

そして体重をかけて痛みつける。

やがてフレイスも活動限界に達し、消滅した。

 

ツバサは気がつくと瓦礫の上に倒れていた。

「痛てぇ…うぉぉ…」

見ると全身傷だらけだ。

しかししばらくすると近くにもう一人倒れていることに気がついた。

年齢はツバサと同じくらいの女でZETAの隊員服を着ているが下はそれを改造したミニスカートになっている。

「お、おい。大丈夫か?」

ツバサはなんとかそっちに這い寄っていくと女を揺り起こした。

そして思い出した。彼女はZETA相馬隊隊長、相馬ミナだ。

「う…うぅ…」

ミナはゆっくり目を開ける。

「おい、大丈夫か?」

ツバサは声をかけた。

「あなたは…?」

「ZETA南部隊の隊員、竜ヶ崎ツバサです」

ツバサは答えた。

すると、ミナは信じられないことを言った。

「そう、ツバサ君、あなたってもしかして…ウルトラマン?」

「えっ…あ…」

するとさらにミナは言った。

「安心して、私もよ」

数時間後、ツバサは病院のベッドに寝かされていた。

「全く…、急に特攻するなんて正気じゃないぜ…。生きてたのが不思議なくらいだ」

見舞いに来ていたショウが言う。

「あんなに普段から無茶するなって言ってるだろう?」

南部も言った。

今、病室にはこの2人が見舞いに来ている。

「すいません…」

その時、ツバサはあることを思い出した。

「あの…、相馬隊長は?」

あの後、ツバサは再び気絶してしまったのでどうなったかを知らない。

しかしショウはなんだこいつという顔をして言った。

「なんの事だ?まだちょっと錯乱しているようだな…」

「えっ…、あの場に一緒にいた…」

すると隊長までもが言った。

「疲れてるんだ。しっかり休め」

2人が帰るとツバサはあの後のことを思い返していた。

「なんだって!?」

衝撃の事実を聞かされてツバサは言った。

「えぇ、そうよ。私が…、あのウルトラマンジークよ」

彼女の話はだいたいこうだ。

かつて、ジークは自らの身体を犠牲にすることにより、宇宙の帝王ジュダを封印していた。

ところがある日、異次元人ヤプールの軍団が現れ、その封印を解いてしまったのだ。

ジュダは復活し、地球へ向かった。

ジークもそれを追って地球に飛来し、ミナと一体化したというのだ。

そうして考えているうちに、ツバサはあることを考えた。

ミナ、つまりジークは自らの責任を果たすため、ジュダ本体を追ったのではないだろうか。だとするとかなり危険なことになる。彼女だって怪我を負っていた。今の状況で戦うのは非常にまずい。

俺も助けに行かなきゃあなとツバサは思った。

そう思うがはやいがツバサは必要な荷物をかき集めて病室を抜け出した。

「待ってろ…、今行くぜ…、もう1人のウルトラマン!」

ツバサは痛みに顔をしかめながら夜の街を駈けていった。

 

ジュダの人間態はビルの屋上から夜の市街地を眺めていた。

そしてその背後の陰に、レーザーガンを構え、忍び寄る者がいた。そう、ミナだ。

しかしジュダは気づくのが早かった。

「久しぶりだなぁ。ジークよ。それともこの星の言い方に倣ってウルトラマンジークとでも呼ぶか?」

そう言うと彼はゆっくりと振り返った。




今回はここまでです。ちなみに来週は作者が台湾に行ってしまうためなかなか更新が出来ません。でも逃げた訳では無いので、お許しを、


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第12話 宇宙の帝王(宇宙の帝王ジュダ、超怪獣グランドキング登場)

久々の投稿です。ルーブにブースカ登場しましたね。しかもあの存在感w、そして愛染社長オープニングから消えてる…。


「ジュダ…、お前は…」

ミナはレーザーガンを構えながらジリジリとジュダににじり寄っていく。

「私自身にお前への恨みはない…、だが私の中のジークが言っている!お前は許しちゃあいけないと…!」

「そうか…、では、ここで死んでもらおう。恨むんならジークを恨むんだな」

ジュダはそう言うとビルから飛び降りた。

その瞬間、水牛のような角をもつ巨人が現れたのだ。

これがジュダの本来の姿なのだろう。

「はっ、あれは…!」

物陰から見ていたツバサも思わず目を見開く。

「いくわよ、ジーク!」

するとミナは首にかかっていたカラータイマーのような形のペンダントを外すと言った。

そしてペンダントを天にかざす。

ペンダントから2本のウイングが飛び出し光がほとばしった。

「シュア!」

ジークが現れ、構えをとる。

(出たな、ジーク…)

ジークはジュダに突進すると次々とパンチを繰り出した。

しかしジュダは俊敏な動きでそれを全てかわす。

そして、ジークに蹴りを入れた。

ジークはそれをくらって建物に倒れ込む。

さらにジュダはそんなジークを踏みつけた。

「まずい!」

ツバサはフレイスフラッシャーをかざすとフレイスに変身した。

「デュア!」

フレイスは登場と同時にジュダに蹴りをあびせた。

(ぐおぉ…)

ジュダはそれをくらいよろめく。

そのすきにジークも立ち上がった。

(おのれもう1人のウルトラマン!お前の相手は、グランドキングだ!)

2人の背後に突如、グランドキングが現れた。

グランドキングは咆哮をあげる。

グランドキングは2人に向かって突進すると、その腕で二人とも払い除ける。

フレイスとジークは地面に叩きつけられた。

2人のカラータイマーは点滅を始めた。

(フハハハハハハハ!そして貴様らにふさわしい最後を用意したぞ!)

ジュダがそう言った瞬間、フレイスとジークの身体は光に包まれ、空中に持ち上げられる。

そしてどこからともなく巨大な岩が出現し、2人を包み込んでしまった。

2人のウルトラマンはしばらく岩の中でもがいていたが、やがて、その目は光を失い動かなくなった。

(さぁ、かつてこの私が受けたのと同じ苦しみを味わうがいい!フハハハハハハハ!)

 

動かなくなった2大戦士を朝焼けが照らしていた。

 

「岩のような物質に包まれた2人のウルトラマンは依然、動く気配を見せません」

ニュース記者が倒された2人の見えるところまで来てリポートしている。

もう、どのニュースでもこの話題で持ち切りであった。

 

そして、ZETA南部隊でも…。

「まさか…、ウルトラマンが…」

隊長がニュースを見ながら呟いた。

「俺にも信じられません。隊長…」

キョウスケも言う。

「隊長、何もしないのですか?」

ミハルが問いかける。

「本来ならば…。ここは上層部の意見を求めるところだった…。しかしだ。もはやこれはそんな問題ではない。ウルトラマンは我々と共に戦った仲間だ!仲間を助けるのに躊躇する必要は無い。ZETA南部隊!総員出撃!これよりウルトラマン救出作戦を開始する!」

「了解!」

 

スーパーマザーというのがその大型飛行艇の名前だった。全長約100メートル、そしてそのブリッジにはZETA南部隊全員が乗っている。

「スーパーマザー、発進!」

ミカが言うと、ZETA基地の地下格納庫の扉が開き、そこからゆっくりと発進する。

「人間どもが動き出したか。だが貴様らごときに何が出来る!」

その様子をモニターを使って見ながら人間態のジュダが言う。

「グランドキング、ひと暴れしてこい…」

 

「目標、ウルトラマン!射程距離内に入りました!」

ミカが叫ぶ。

「待て!その前に何か現れたぞ!」

ショウが言ったその瞬間だった。

スーパーマザーの船体が大きく揺れる。

「怪獣が船体に張り付いています!」

ミカはモニターを確認しながら言った。

グランドキングは船体にしがみつくと地上に墜落させようとしていた。

「こうなったら…、艦を180度回転させろ!」

「そんな…!重力下です!」

南部が言うとすかさずシンペイが反論する。

「いいからやってみろ!」

「了解!」

スーパーマザーがゆっくりと回転を始めると、逆さまになった。

「うわぁぁぁぁっ!」

乗員たちはバランスを失い艦内を滑っていく。

「そのまま怪獣を地面に叩きつけろ!」

隊長は這いつくばりながら指示を出す。

スーパーマザーは前進しながらグランドキングを地面に叩きつけた。

その拍子にグランドキングは船体を離してしまった。

「やったぞ!体勢を戻せ!」

スーパーマザーはゆっくりとまた元の体勢に戻った。

「目標捕捉!シャイニングレーザーを発射します!」

スーパーマザーから虹色の光線が発射される。

光線は岩を砕き、そして…。

 

やがて土煙の中から2人の巨人が姿を現した。

「よし!成功だ!」

スーパーマザー艦内は歓喜に包まれる。

 

「馬鹿な…!人間ごときに!」

ジュダはそう言うと元の姿になり、巨大化する。そして、フレイスとジークの前に姿を現した。

(なるほど…、地球人とはいえ侮るなということか…)

ジュダは言った。

グランドキングもジュダの隣にゆっくりと進みでる。

(やれ、グランドキング!)

グランドキングはウルトラマン達へ突進していく。

しかし今回はウルトラマン達の方が上手だった。

突進をかわすと両側からダブルキックをあびせた。

そして後方に押し返す。

さらに2人で角を掴むとグランドキングを投げ飛ばした。

(どういうことだ!貴様らなんぞに!)

ジュダがわめく。

(人類を侮った時点で貴様の負けだった。そういう事だ!)

フレイスの中のツバサが言う。

(そういう事よ!)

ジークの中のミナも言った。

(ちくしょう!ふざけるなぁぁぁぁぁ!)

ジュダは2人に向かって突進してきた。

しかし2人はそんなジュダをグランドキングと同じところへ投げ飛ばした。

((ダブルスパイラル光線!))

フレイスのフレイシウム光線、ジークのジークロスショットが同時に放たれ、2つの光線は合体し、回転しながら、ジュダとグランドキングに命中した。

こうして、ジュダ、及びグランドキングは爆散した。

翌日…。

「おはようございます!」

ZETA南部隊の部屋に勢いよく入ってきたのは竜ヶ崎ツバサだ。

「おい!お前もう怪我は大丈夫なのか?」

ショウが訊く。

「お陰様ですっかり良くなったぜ!」

「おい、心配ばかりかけやがって!」

戦いが終わり、平和な時間が流れていた。




とりあえず、1クールの中ボス格は倒せました。
さて、次回からまた初心に帰って2クール目を始めようと思います!ハッピーハロウィン!


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第13話 怪獣を見た(偶像魔獣ギライバ登場)

今回のルーブ色々忙しくて途中までしか見れなかった。まぁいい、明日見よう。
てか昨日のジョジョも見ないとな。しかもグリッドマンもジオウもあるし忙しすぎじゃ。
あっ、でもBSでやってたゴジラは見たぞ。ちゃんと前番組のガンダムから(((


10年前…。

「ハァハァ、これが…。見つけたぞ…、古代インダスの伝説の秘宝…」

パキスタンのとある洞窟内、そこで1人の考古学者が緑っぽい石でできた彫像を見つけていた。

その彫像は人間のようにも獣のようにも見える形をしている。

そしてその彫像の目が光ったことに、まだこの男は気づいていないのであった。

そして、現在…。

 

国立考古学研究所の一室。

そこにその像は置かれていた。

今、彫像はここで研究のために保管されているのだ。

「これが…、あの呪いの偶像ですか?」

1人の若い研究員が像を覗き込んで訊く。

「なんでも、これを発見した考古学者は謎の一文を残して死亡したとかなんとか…」

「そんなの迷信だろ」

周りにいた研究員たちもしきりに議論を始める。

その時、ひとりが声をあげた。

「なぁ、その謎の一文ってなんなんだ?」

すると別の研究員が答える。

「そりゃあれだろ。この像に命与えし時、滅びの魔獣ギライバが蘇る…ってやつ」

「それって…、俺、見たことあります。ギライバを…」

 

「国立考古学研究所にて、怪獣を見たとの情報が入りました」

ZETA南部隊オペレーターの直江ミカが連絡を告げる。

「見た?どういう事だ?現れたんじゃあないのか?」

南部隊長が訊く。

「はい、見たってことらしいです」

「分かった…。有馬、竜ヶ崎、現場に向かってくれ」

「了解!」

するとミカが口を開いた。

「あの…、私もいいでしょうか。実は研究所に知り合いが…」

 

こうして、ツバサ、ショウ、ミカの3人が研究所に向かうことになった。

面会室にて、例の怪獣を見たという研究員の話を聞く。

「やつは…ギライバはいつも私の頭の中にいるのです…。それは私自身であり私自身の影でもある…。そう…、それこそが我が魔獣ギライバ!」

「お、おい、大丈夫なのか?」

ショウが小声で言った。

「いや、かなりやばいな。だがこれはどうやら我々の管轄ではないみたいだ…」

ツバサも言った。

「あなたは私の言葉を信じないかもしれない。だが本当なんだ。ギライバは私のもの!」

「まさか、あいつの言葉を本当に信じた訳じゃあないだろう?」

話を聞きおわると、廊下に出た3人は話しながら歩いている。

「はい、でも分析してみる価値はあります」

「おい、正気かよ…」

その時、ミカは突然ひとつの部屋に飛び込んだ。

「紹介します。私の兄です」

そしてその中にいた1人の研究員を紹介する。

「えっ、兄!?えっ、えぇ!?」

ツバサとショウはただ戸惑うばかりであった。

 

3人は、ミカの兄、直江レンに、あの像がある部屋に導かれた。

「この像です。あの錯乱した研究員はこの像の研究をしていました。そして…、この像を発見した人も同じように錯乱して、この世を去りました…」

「呪い?そういう類のものなのか?」

ツバサがきく。

「いや、そうではない。私はこの部屋に入るのは初めてだがあることに気づいた…。これを見てくれ」

そしてレンはポケットから小さな通信機のような機械を取り出した。それは点滅をしている。

「これは怪獣探査装置…。個人的に趣味で作った」

「いや…、凄すぎるでしょ」

ショウのツッコミを無視して、レンは続けた。

「もう分かるだろうがこの像は生きている。そして恐らくこの像に長く接する者の命を吸い取り、吸い取られた者は錯乱し、ゆくゆくは死んでしまうんだろう」

「では…」

ツバサはそう言うとレーザーガンを抜いた。そして像目掛けて構える。

「破壊する…!」

その時だった。

「やめろぉぉぉぉぉ!」

突然部屋にあの錯乱した研究員が乱入し、ツバサに飛びかかったのだ。

「うわぁっ!」

ツバサはその拍子にレーザーガンを取り落としてしまった。

「待て!やめろ!」

その研究員をショウとレンが取り押さえる。

するとミカが叫んだ。

「大変です!反応が!」

見ると怪獣探査装置の点滅が激しくなってきている。

それと同時に像も小刻みに動き始めた。

そして次の瞬間、木っ端微塵に砕け散ったのだ。

それと同時に、研究所の外に赤い怪獣が現れた。

頭には耳のような突起がついている。

怪獣はすぐさま研究所の破壊を始めた。

「うわぁぁぁぁっ!」

天井が崩れ始める。

「まずい!このままだとみんなまとめて押しつぶされるぞ!」

ショウが叫ぶ。

ツバサはその隙に机の陰に隠れ、フレイスフラッシャーを展開した。

 

光に包まれフレイスが現れる。

フレイスはそのままギライバを抑え込む。

「ウルトラマン!」

ミカはそう言うと立ち上がった。

「あれが…」

フレイスはそのままギライバの腹に蹴りを入れる。

ギライバは後ずさった。

さらにフレイスはギライバの首を抱えて持ち上げると投げ飛ばした。

だがギライバも負けてはいない。立ち上がると口から赤黒い光線を発射した。

フレイスはそれを腕をクロスして防御した。

ギライバはフレイスに突進する。

しかしフレイスはそれを避けるとギライバの尻尾を抱える。

そしてギライバを引き戻した。

フレイスはギライバの正面に回り込む。

それからギライバを持ち上げて天高く投げ飛ばす。そしてそこにすかさずフレイシウム光線を浴びせた。

ギライバは爆発した。

 

しばらくして、研究所前でレンが3人を見送っていた。

「おい、そういえば…、まさかこのためだけじゃあないんだろ?ここに来たの」

ツバサがミカにきいた。

「はい、もちろんです」

そう言うとミカはルーバーのトランクから紙袋を1つ取り出した。

そしてそれをレンに渡す。

「はい、これ、日頃の感謝です」

「えっ…、いきなり…」

「受け取ってください。ZETAもここからは結構技術提供を受けてるんですよ」

「わかったよ。こちらこそありがとう、今回は色々と…」

レンもお礼を言った。

「な、なんか綺麗にまとめやがったな」

ショウが呟いた。

「ツバサもそれに対して、小さく頷いた。

 

異次元空間…。

 

「完成したか…。この世界を攻略するための…、超獣第1号が…」

そこの住人、ヤプール達が何やら暗躍していた。

「あぁ、準備はもう万端だ。あとは攻撃司令ひとつでどうにでもなる。いでよ!ミサイル超獣!ベロクロン!」

背中がさんご状になった爬虫類のような生き物が姿を現した。

「いいだろう。では行くぞ!我らはこれよりこの世界…、アーネットスペースの攻略を開始する!攻撃開始!行け!ベロクロンよ!」




今回はここまでです。なんかもう後書きになると疲れてきて書くことがなくなってくる


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第14話 ベロクロンを撃て(ミサイル超獣ベロクロン登場)

バド星人の肩書き宇宙帝王じゃなくてうちゅ〜ん帝王で良くね(ルーブ見た感想)


「おぉ、久しぶりだなぁ!」

ここは東京にあるとあるショッピングモール。ここでツバサは結城マヤ、ケンタ姉弟に偶然出会した。

「あっ、ツバサ兄さんだ!」

ケンタが駆け寄ってきた。

「お久しぶりです」

マヤも軽く会釈した。

「それで…、まぁなんだ。久しぶりだし、少しゆっくり話でもするか?」

ショッピングモール内にあったカフェの窓側の席に、3人は座った。

「それで…、最近ZETAの方はどうなんですか?」

マヤは尋ねる。

「まぁ、いつも通りだな。怪獣も相変わらず現れてる事だし…」

「それは…、大変ですね…」

「いやぁ、でもこっちは仕事だからなぁ。それで?そちらはお変わりなく?」

「お陰様で」

その時だった。窓を見ていたケンタがなにかに気づいたのだ。

「ねぇ!大変だ!空にヒビが入っている!」

「なっ、そんな馬鹿な…!?」

ツバサも慌てて空に目をやった。

すると確かに、空には深い亀裂が走っていた。

「あれは…、まさか超獣?」

超獣とは数年前から出現するようになった怪獣を超えると言われる合成生物で、あのように空を割って現れることがあるのだ。

やがて亀裂は広がり、やがて空が割れた。

するとそこにはベロクロンの姿があった。

「やはり超獣!」

ベロクロンは地上に着地する。

「うわぁぁぁぁっ!怪獣だぁぁぁぁー!」

それを見ていた人々は一斉に逃げ出す。

「さぁ、二人とも逃げて!」

ツバサもマヤとケンタを逃がす。

そして、ショッピングモールから飛び出すと、ベロクロン目指して走り始めた。

「行くぜぇぇぇぇぇ!!」

そしてフレイスフラッシャーを取り出す。

しかしその時だった。

「ツバサ兄さん!」

不意に後ろから声をかけられる。

ツバサは慌ててフレイスフラッシャーをしまうと振り返った。

そこにはケンタがいる。

「おい、ダメじゃあないか。逃げなきゃ」

するとケンタは言った。

「俺も怪獣を倒したいんです!兄さんやZETAの人達がやってるみたいに!俺も!」

「なんでそんなに…」

「俺、両親が死んだ時、何も出来なかった…。目の前にいたっていうのに…、何も…。だからもう誰にも同じ思いをさせたくないんです!もう誰も怪獣によって死ぬ人が出て欲しくないんです!だから…、俺にも手伝わせてください!」

ツバサはしばらく考えると、やがて言った。

「分かった…、だが決して1人では行かないこと、いいね?」

そうして、レーザーガンを取り出すと、ベロクロンに向かって撃ち始めた。

「行くぞ超獣!」

2機のスターイーグルが空中に展開している。ショウの機体とキョウスケの機体だ。

「スペルゲンミサイル!発射!」

スペルゲンミサイルが2発発射される。

そしてベロクロンに命中した。

すると、ベロクロンは背中の赤い突起から大量のミサイルを発射した。

「なっ…、倍返しか!」

2機のスターイーグルは旋回してミサイル群をかわす。

 

「伏せろ!」

ツバサとケンタは地面に伏せる。その直後、ベロクロンのミサイルが上をかすめ、後方で爆発した。

「スターイーグル!応答願う!竜ヶ崎ツバサだ!」

ツバサは腕時計型の通信機に向かって叫んだ。

「こちらスターイーグルの黒田、どうした?」

向こうでキョウスケが答えた。

「地上部隊は展開しているか?」

「確か隊長と南条、直江がいるはずだ」

「了解!」

ツバサは通信を切る。

「いいかケンタ。地上部隊と合流しよう!走るんだ!」

2人は全力で走り始めた。

 

「ちくしょう!超獣め!」

地上部隊はルーバーの前でひたすらレーザーガンを撃っていた。ミカだけはコンピュータでベロクロンの解析をしている。

「おい、今回の超獣に関して、なにか分かったか?」

隊長がきく。

「珊瑚と異次元生物が合体したってことぐらいしかまだ…」

その時だった。コンピュータの映像がいきなり、ヤプールに変化したのだ。

「なっ」

「合体…、いや、合成という方が早いな。我々は異次元人ヤプール。超獣を生み出し、操るものだ」

ヤプールが言う。

「お前は何が目的だ!」

隊長が尋ねた。

「我らの目的はただ一つ、全ての次元宇宙の制服にある!そしてその目的に反するものは滅ぼすまで…!さぁベロクロンよ破壊の限りを尽くせ!」

ベロクロンは口から火炎を吐き、辺りを焼き尽くす。

「ちくしょう…!」

シンペイが言ったその時だった。

「おーい!」

ツバサがケンタを連れて走って現れた。

「この子に…、超獣を倒させてやってください」

ツバサは隊長に頼み込む。

「どういう事だ?逃げろ」

隊長は言った。

「彼には既に覚悟があります。どうか…!やらせてあげてください!」

ツバサはさらに頼み込んだ。

「どういうことか知らんが…。だがお前がそこまで言うにはそれ相応の理由があるんだろう。これを使え」

隊長はケンタにレーザーガンを渡した。

「はぁぁぁぁぁ!いけぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ケンタはレーザーガンを乱射し始める。

その隙にツバサは超獣目掛けて走っていった。そして、走りながらフレイスフラッシャーを展開し、変身する。

 

「デュア!」

フレイスは登場と共にベロクロンに突進し、押し返した。

だがベロクロンも負けてはいない。フレイスを横に投げ飛ばした。

そして前進を始める。

だがフレイスは立ち上がるとベロクロンを引き戻す。

ベロクロンはフレイスを押さえ込もうとしてきた。

フレイスはそれを避けるため、ベロクロンの手が届かないところに後退する。

「デュア!」

そしてそこで構えをとった。

ベロクロンは口から火炎を放射する。

フレイスは空中に飛び上がってバク宙をしながらそれを避けた。

そして地上に着地すると、青と銀色のブリザードモードにタイプチェンジする。

「デュア!」

フレイスは再び構えをとった。

ベロクロンはそれを見るとフレイスに突進する。

しかしフレイスは空中に飛び上がるとそれを避けた。

そしてそのまま飛び蹴りを浴びせる。

ベロクロンは転倒した。

フレイスは着地すると腕をクロスしてスノーストームショットを発射する。

ベロクロンはその光線を喰らいカチコチに凍りついた。

そしてフレイスは赤、青、銀色の3色のシャイニングモードに戻るとベロクロンを空中に放り投げた。

それからフレイシウム光線を浴びせた。

ベロクロンは爆発した。

フレイスはその後、しばらく余韻に浸っているとやがて光に包まれ消え去った。




ヤプールの超獣がついに登場です。これからもどんどん出していくつもりなのでよろしくお願いします。


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第15話 美しき侵略者(円盤ロボットバルバイザー登場)

もう前書きなんて書くことないので書かないって言うことを書いている前書きです。



ある日のことだった。一筋の流れ星が岐阜県の山中に落下した。それは、ただの流れ星ではなかった。ひとつの宇宙船だったのだ。

 

「岐阜山中に落下した隕石から大量の異常電波が発信されていることが分かった」

南部隊長はツバサとショウに今回の任務を説明している。

「異常電波…ですか?」

「そうだ。恐らくその隕石は宇宙船かなにかなのだろう。そこでだが、君たちには早速調査をしてもらいたい」

「了解!」

 

ゼータウィングという二人乗りの戦闘機がZETA基地より発進する。

乗っているのはもちろん、ツバサとショウの2人だ。

「宇宙船かぁ、だが墜落しちまったんだろう?たとえ侵略者だったとしても俺達にはもはや害はないさ」

ショウは言う。

「待て、そんなに楽観視しすぎるな。奴らはいつでも俺たちの思いもよらない方法で襲いかかってくるんだからな」

その時、ショウが窓の外を指さして言った。

「お、おい!あれじゃあないのか?原型をとどめているぞ!」

見ると指さした先の森の中に、20〜30メートル位はあるであろう楕円形の青と白の円盤があるのが見える。

「驚いたなぁ。降りていってみるか?」

ゼータウィングはそのまま円盤の近くに着陸する。

 

ツバサとショウの2人は円盤の周りを廻って調査をしていた。

「不思議だ…、出入口や窓と思わしきものが全くないぞ」

ツバサが言う。

すると、ショウがまたしても何かを見つけた。

「なんだあれは?」

ショウが指さした先には人間くらいの大きさのカプセルがあった。

2人はそのカプセルに向かって歩いていった。

すると、そのカプセルには小窓があり、ちょうどその中で1人の少女が休眠状態になっているのが見える。

「綺麗だなぁ…」

ショウは思わず呟いた。

「お前…、なるほど、こういう子が好みなんだなぁ?」

ツバサがすかさずからかう。

「うるせぇ!お前は綺麗だとは思わないのか?」

「ま、まぁ思うけども」

「だろぉ?」

ショウが勝ち誇ったように言った。

 

少女は回収され、カプセルから出されてZETA基地のベッドに寝かされていた。

「ふーん、なかなか可愛い子じゃあないの?」

宇宙人少女を回収したと聞いてやってきた相馬隊隊長の相馬ミナが言った。

「そうだなぁ」

ツバサは上の空で答える。

「まさかツバサ君、この子に惚れちゃったりして?」

何故か今度はツバサがからかわれる番になっていた。

「い、いや、まさかそんな訳ないですよ」

やがて何故か2人で別室でいると技術職員のひとりが解析結果を報告しに来た。

「驚きました…、彼女、生物じゃあありませんでした。よく出来た本物そっくりのアンドロイドです」

「あっツバサ君ちょっと残念そう」

ミナがすごい余計なことを言った。

「相馬さん!?」

その時、誰も気づかなかった。誰一人としていなくなった部屋で、アンドロイド少女がゆっくりと起き上がったことを…。

 

「さぁーて、そろそろこの部屋も片付けないとな」

技術職員が1人その部屋に入ろうとしたその瞬間、向こう側から扉が開き、アンドロイド少女が現れた。

「あっ」

少女は手から電流を流し職員を気絶させると部屋から出ていった。

 

「うん、じゃあねっ」

「では、またいつか…」

ツバサとミナは廊下でちょうど別れた瞬間であった。

そこでアンドロイド少女に出くわしたのだ。

「あっ…お前は…!」

すると少女が初めて口を開いた。

「お前達、ただの地球人ではないな。反応が少し違う」

「一瞬でバレた!?」

「あなたは誰なの?私たちの敵?」

すると少女は答える。

「私の名はサーシャ。そしてお前達を滅ぼすようにインプットされている」

それを聞いた瞬間、ツバサはレーザーガンを構える。

しかしミナは言った。

「ツバサ君待って、この子、この子だけじゃあないわ。絶対なにか…、強力な兵器となる武器を持っている…」

「何故そんなことが分かるんです?」

「この子は滅ぼすって言った。でもこの子だけじゃあ無理よ」

するとサーシャが答えた。

「よく分かったな。その通りだ。だが気づいたところでもう遅い…!」

 

ツバサ、ミナ、そしてサーシャの3人はZETA基地の屋外へ急いで移動する。

それとほぼ同時だった。

上空に滞空していたあの円盤が変形し、巨大なロボットの姿になったのだ。

「あれは…!」

「あれは我が侵略兵器バルバイザー、そして私はその核となる存在…。私が一体化することによりバルバイザーは無敵となる!」

サーシャはご丁寧にも説明してくれる。

そしてサーシャはゆっくりとバルバイザーに向かって歩き始める。

「待て!止まれ!」

ツバサはそんなサーシャを引き留めようとするがサーシャは手から電流を放った。

「うわぁぁぁぁっ!」

ツバサは後ろに吹き飛ばされる。

しかしそれと同時だった。

サーシャが爆発した。

見るとミナがレーザーガンを構えている。

「行くわよツバサ君!」

ミナはジークペンダントを構えた。その瞬間、ペンダントのウイングが展開しジークに変身する。

ツバサもそれに続いてフレイスに変身した。

「シュア!」

「デュア!」

2人は同時に構えをとる。

するとバルバイザーは顔面のモノアイから光弾を次々と発射した。

フレイスとジークは左右に側転してそれを避ける。

しかし次にバルバイザーは胸のシャッターを開きそこからミサイルを乱射した。

フレイスとジークはバランスを崩して倒れ込む。

するとバルバイザーは背中からジェット噴射をし、飛び立った。

(まずい!市街地に向かうつもりよ!)

ジークの中のミナが言った。

2人はバルバイザーを追って飛び立つ。

 

バルバイザーは市街地に飛来した。

そして顔面からの光弾で市街地への攻撃を開始した。

しかしその前にフレイスとジークも飛来した。

「シュア!」

「デュア!」

2人は再び構えをとると、バルバイザーに向かって突進した。

そして全力でバルバイザーを抑え込む。

だがバルバイザーによって払いのけられてしまった。

2人のカラータイマーが点滅を始める。

バルバイザーは倒れ込んだ2人を無視して、進撃を始める。

(ダメだ…、どうする…!)

(大丈夫、私に任せてっ)

ジークはそう言うと立ち上がり、右手から光の鞭、ジークウィップを伸ばす、そしてそれをバルバイザーの首に巻き付けると引っ張った。

バルバイザーはゆっくりとこちらへ引き寄せられていく。

(ツバサ君!今よ!)

フレイスは腕を十字に組んでフレイシウム光線を放った。

バルバイザーは爆発した。

2大戦士はそれを見届けると光に包まれ消え去った。




もうあとがきなんて書(ry


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第16話 ハロウィンの狂気(邪獣ネザルゴン登場)

ちょっと遅くなっちまったけどハロウィン回です。何?もう既に季節外れ?言うな言うな。


「ハッピーハロウィン!」

ツバサがZETA南部隊の部屋に入っていくと、思いっきり魔女の仮装しているミハルがクラッカーを鳴らした。

「ど、どうしたんだ?その格好?」

ツバサが戸惑っていると、吸血鬼の格好をした隊長が出てきて言った。

「知らないのかツバサ。今日は世間ではハロウィン!街ではみんなが日頃の疲れを忘れ、お菓子パーティー仮装パーティーに全力を尽くす日なんだ!」

「え、えと…、隊長?キャラ崩壊してますよ…」

「当たり前だ!一年に一度のお祭り!キャラ崩壊せずにいられるものか!」

「確か去年もそんなノリでしたね…」

ツバサと同じくノリについていけないショウが言った。

そんな2人の手をミハルが取って部屋の奥の倉庫に連れ込もうとする。

「さぁ、ほら、君たちも仮装するよ!」

二人はされるがままに倉庫に連れ込まれてしまった。

 

「ジャーン!」

しばらくして倉庫から出てきた2人は怪獣の骨の仮装をしていた。

「亡霊怪獣でーす!」

ミハルが説明する。

「またもや独創的ですね」

かぼちゃの帽子を被っているミカが言った。

「設定としては、宇宙にある怪獣墓場から地球に落ちてきたって設定よ」

ミハルはさらに解説を続けた。

「一体どこからそんなアイデアが出てくるのやら…」

2人は呆れ返った感じで呟いた。

「ほーらほら、お菓子を食べるよ!」

ミハルはお菓子が大量に入ったかぼちゃ型のケースを2人に押し付けた。

 

その頃、キョウスケとシンペイは東京で行われているハロウィンパーティの中、パトロールを行っていた。

歩行者天国のため、ルーバーを途中で降りなくてはならない。

「にしてもすごい人だな…」

キョウスケは人混みの中に足を踏み入れて言った。

「みんな浮かれてるよ…。そもそもハロウィンってのは魔よけの儀式だってのに…」

シンペイも言った。

「それだけ、日本人がお祭り好きってことだろ」

その時だった。

「あ、それってもしかして、ZETA隊員のコスプレですかぁ〜!?」

2人は数人の女性コスプレイヤーに捕まってしまった。

「いや…、これは本物で…」

「ねぇ見てこれ!すごいクオリティ!」

「うわぁっ!一緒に写真撮ってもらってもいいですか!?」

あっという間に人だかりができてしまった。

 

「ハァハァ…、なんとか脱出出来たようだな…」

数十分後、人混みから脱した2人はフラフラになりながらルーバーに向かって歩いていく。

しかしそこに広がっていたのは驚くべき光景だった。

なんとルーバーがひっくり返され、その上で十数人もの人が踊っているのだ。

「え…」

2人は驚いて声も出なかった。

そして、そんな半ば狂気と化した群衆をビルの屋上から見つめる者がいた。

それは、魔女のような姿をしている。

「ククククク…、いいぞ…、ここまで醜い人間の心が集まる場所は滅多にない…。さーぁ、ネザルゴンよ…、お前の餌だぞ〜」

魔女がそう言った瞬間、人々の中から無数の、紫の煙のようなものが夜空に向かって上がり始めた。

「おい!南条!見ろあれを!」

キョウスケがそれに気がつく。

「ん?なんだあれは?」

やがてそれはひとつにまとまり怪獣の姿になり始めた。

「行け!ネザルゴンよ!見せてやるのだ!人間どもに浮かれきっていると今にこうなるということを!」

魔女が言った瞬間、ネザルゴンは地上に着地した。

本来なら人々はそこで逃げるところだった。しかし今回は違った。

「うぉぉぉぉ!いいぞもっとやれ!」

「やい怪獣!どんどん壊せ!破壊の限りを尽くすんだ!」

なんと逃げるどころか怪獣を応援し始めたのだ。

ネザルゴンはそれに応えるように吼えると鼻先の角からレーザーを放ってビル群を壊し始める。

 

「東京!渋谷に怪獣が現れました!」

南部隊の所にキョウスケからの報告が入る。

「なっ、渋谷だと!?この時期、人が沢山いるではないか!避難を優先させるんだ!」

隊長は吸血鬼コスプレのまま言う。

「それが…、みんな逃げるどころか怪獣が現れて喜んでいるんです!」

シンペイが言う。

「なっ…」

これには隊長も絶句した。

「隊長?」

隊長はツバサの一言で我に返る。

「ツバサ!有馬!朝倉!怪獣を人の少ないところに誘導するんだ!」

「了解!」

ZETA基地から三機のスターイーグルが発進する。

やがて、ネザルゴンが見えてきた。

「あれが怪獣ね…、誘導を開始するわ!」

ミハルが先陣を切ってレーザーを放ち始める。

「よし!行くぜ!」

ツバサとショウもあとに続いた。

一方、地上では、ネザルゴンの方が応援されていた。

「うぉぉぉぉ!負けるな!そんな飛行機!墜落させちまえ!」

ネザルゴンはそれに呼応するかのようにスターイーグル達に向かって角からのレーザーを放つ。

スターイーグル達はそれを旋回してかわした。

だがその攻撃のおかげでネザルゴンは少しづつ人混みから離れていった。

「よし!だんだんと人混みから離れてきてるぜ!このまま…」

しかしその瞬間だった。ツバサのはスターイーグルがレーザーの直撃を受けたのは。

「まずい!脱出!」

ツバサはパラシュートを展開し、スターイーグルから脱出する。そしてそれと同時にフレイスフラッシャーを展開し、フレイスに変身した。

「デュアー!」

フレイスはネザルゴンの片腕を掴むと、人混みとは反対側の方へ投げ飛ばす。

人々の熱は最高潮に達した。

「よぉぉぉぉぉし!負けるな!ウルトラマン!」

「怪獣!頑張れ!」

「いいぞ!どっちももっとやれ!」

ネザルゴンは立ち上がると、フレイスに頭突きをする。

だがフレイスはそれを抑え込むと、頭部を持ち上げて、ネザルゴンを逆さまに地面へと叩きつけた。

ネザルゴンは立ち上がったが今のでもうフラフラになっている。

フレイスはそんなネザルゴンにフレイシウム光線を浴びせた。ネザルゴンは爆発する。

フレイスはそれを見届けるとやがて消滅した。

 

「おーい!」

ツバサたち3人とキョウスケとシンペイの2人は地上で合流した。

「よし!やったぜ!」

「ありがとう!」

だが5人は気づいていなかった。彼らにそっと忍び寄る影があることを…。

「ちくしょう…、来年のハロウィンこそは…。だがその前にこいつらを始末してやる!」

その影、魔女はそう言いながら5人に忍び寄っていった。

ところがその瞬間だった。

「うぉぉぉ!いたぞ!我らが英雄!ZETAが!」

なんと5人を見つけた群衆が土砂崩れのように突進してきたのだ。

「うわぁぁぁぁっ!」

魔女はその群衆に押しつぶされ、人知れず息絶えた。




集団心理って怖いね(((
実は作者は最近ダークネスファイブが尊くてつらい病気にかかっています。だから特別編としてフレイスの世界にダークネスファイブがやって来るって話を考えてしまいました。それもそのうち投稿するのでよろしくお願いします。


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第17話 地球を愛した宇宙人(幻覚宇宙人メトロン星人登場)

17話です。今回はメトロン星人を出そうと思います。


ここは、ある駅のホームの喫煙所。ガラス張りになっており、外がよく見えるが、周りの環境からは完全に隔離された。一種の異世界である。

不意に、そこでタバコを吸っていたふたりが取っ組み合いの喧嘩を始める。

2人はしばらく争っていたが、やがて、もう2人ほどがそれに参加し大乱闘が始まった。

「お、おいなんだあれは…」

たまたまその駅に居合わせたツバサとショウがそれを見つける。

「おい!そこ!何をやっているんだ!」

駅の警備員が駆けつけ、喫煙所に突入する。

その瞬間だった。取っ組みあっていた4人が気絶したかのように倒れたのだ。

「なんかやばそうだな…、行ってみるか」

ツバサとショウもその場に向かった。

「おい!大丈夫か?」

警備員は男を1人揺り起こす。

「う…うぅ…」

男はゆっくりと目を覚ました。

「一体何があったというんだ?」

「何がって…?分からない…。気がついたらここにこう倒れていたんだ…」

ツバサとショウは顔を見合わせた。

 

「似たような事件は北川町だけでここ数日たて続けに起きています」

ZETA南部隊の部屋でミカがデータを調べながら言った。

「たて続け…、まさか何者かの仕業では…」

「なお被害者にはタバコを吸っていた以外の共通点はなく、年齢や性別などはバラバラです」

「なるほど…、では北川町で売られているタバコを調べれば何かわかるかもしれないな…」

 

ツバサは再び北川町へと行くと駅前に手近にあったタバコ屋でタバコを買った。

「あんたみたいな若いのが吸うなんて珍しいねぇ」

店主は言う。

「いや…、これは吸うんじゃあなくて調査用なんです」

「そうかいそうかい、お勤めご苦労なこと」

店主はなかなかいい人で何故かオマケに飴をつけてくれた。

 

「驚きました…、このタバコには人間の脳を刺激して一時的に暴走させる赤い結晶体が含まれています」

ツバサとショウはミカが解析しているコンピュータをのぞき込んでいる。

「しかしどこでそんなものを仕込んだんだ?」

ショウが次なる疑問を口にした。

「そこです。そこまでタバコにちかづける人間は数が限られてきます。だんだん犯人が絞れてきました」

 

ツバサ、ショウ、そして何故かミカの3人はルーバーに乗って例のタバコ屋の張り込みをしていた。

「北川町のタバコを店に出荷する業者を調べたところ、1ヶ月ほど前に新しい人に変わったようです」

ミカは説明した。

「だがしかし何故そんな出荷業者が犯人だと?」

「もし、工場や、生産会社が犯人ならば被害は全国に広がっているはずです。そして逆にあの店の主人ならばもう少し被害は少なかったはずだと思いました」

ミカは解説する。

「流石だなぁ」

ツバサとショウはただただ感心するばかりであった。

するとその時だった。

タバコ屋の前に1台のトラックが止まりタバコを主人に渡して走り去っていったのだ。

「おい!アイツだ!」

ルーバーはトラックを追って発車する。

しばらく行ってトラックは古ぼけたアパートへと入っていった。

3人もルーバーを道端に停めて車から降りた。

しかしその瞬間、トラックから人が降りてくると思いきや、トラックは急発進、全速力で走り去っていったのだ。

「あっ、ちくしょう!巻かれた!」

ショウが言った頃にはもう遅かった。

「気づかれていたってことか…」

だがその時、ツバサがルーバーのボンネットの上に手紙のようなものが置かれているのに気が付き、それを手に取って広げた。

「それはなんです?」

ミカとショウもその手紙をのぞき込んだ。

 

「ZETA隊員の諸君、私の企みに気がつくとは大したものだ。だが私は一度に3人を相手にできるほど強くはない。そこでだ。君たちのうち誰か一人、私の元へ会いに来てくれないか?いいか?1人だけだぞ。安心してくれ、別に罠なんかじゃあない。ただ話がしたいだけなんだ。それじゃあ、君たちの賢明なる判断を待っているよ。メトロン星人より」

 

そして、その下には住所が書いてあった。

「これは…、罠だ!」

読み終わるなりショウが言った。

「待て、よく考えるんだ。もし罠だった場合こんなにあからさまに書くか?」

ツバサは言う。しかしショウは信じない。

「そう思わせようとしてるってこともあるだろう?」

すると、ミカが口を開いた。

「分かりました。じゃあ私が行きます」

「えっ」

「大丈夫です!何かあったら直ぐに連絡しますので!」

「おいおい…、本当に大丈夫なのか?」

ミカが行ってしまうと、ショウが呟いた。

「もちろん、俺達もあいつを1人で行かせたりはしないさ。あいつにも内緒でこっそり見守る。行くぜ」

 

ミカは指定された住所のアパートに着くとその部屋の扉をノックした。

やがて扉が開き、老人が姿を現す。

「やぁ、よく来たね。まぁ中に入りたまえ」

中にはちゃぶ台があるだけの簡素な畳の部屋だった。

「さぁさぁ、ここに座りたまえ」

老人はちゃぶ台に着くと、言った。

ミカは言われた通りにする。

「それで?私は何から話せばいいのかな?」

老人は言った。

「あなたは…、あなたの目的はなんですか?」

ミカがきく。

「そんなもの私にはないよ。ただの悪戯のようなものさ」

老人は答える。

「えっ…、侵略とかではないのですか?」

ミカはさらに問い詰めた。

「もちろんだとも。私はねぇ、自分にそんな力がないことくらいとうの昔に分かってるんだ。だから侵略なんてしないしない」

「えと…じゃあ…、もうやめてもらえませんか?私たちはあれでも困っている人がたくさんいるんです」

「言わずとももう私は星に帰りますよ。もとより私はねぇ、この星には観光で来たんだ。地球の夕焼けは美しい…。それを見ておきたくてね」

「では…、帰るんですね」

「当たり前だとも、そんなせかせかしなさんなってお嬢さん、そいじゃ、これ、私からのお土産」

老人はそう言って、お茶の缶のようなものを取り出した。

「毒なんて入っておらんよ。これは私の星の名物、メトロン茶ってものだからな」

老人はそう言うと、立ち上がった。

その一瞬で彼は、カラフルな本来のメトロン星人の姿に戻る。

「それと、最後に会いたい人がいたんだった…。来てくれるかな」

メトロン星人はそう言うと、一瞬にして巨大化し、屋外へと姿を現す。外は既に夕方になっていた。

「ウルトラマ〜ン、出ておいで〜」

アパートの外で張り込みをしていたツバサはそれに反応して、フレイスフラッシャーを展開して、変身した。

「おぉ、来たきた」

メトロン星人は片腕を伸ばすとフレイスと握手した。

「ウルトラマンさん、地球は任せましたよ。この地球を、この美しい夕焼けをいつまでも守ってくださいな」

「デュア」

フレイスは頷く。

「それじゃあの。あばよっ」

メトロン星人は夕日に向かって走り始めた。

そしていつの間にか、夕日に飲み込まれるかのように消えていた。




なんかちょっといつもより長い気がするけど、マイペースなメトロンさんだからしょうがないよねっ()


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第18話 コンドル、翔ぶ(バリアー怪獣ギヴァラ登場)

第18話です。ルーブ次回予告でゴモラ出てたけど、次回ゴモラ登場ってことだよね!(歓喜)


またしても怪獣が現れた。そして怪獣は市街地に向かって真っ直ぐに進撃を開始した。

怪獣は咆哮すると角から四方八方に電撃を放ち始めた。

電撃は近くにあった鉄塔に命中し、鉄塔が倒れる。

怪獣はまたしても咆哮を上げた。

だがその時、2機の戦闘機が現れる。ゼータウイングとスターイーグルだ。

「これ以上進撃させてたまるか!」

ゼータウイングにはツバサとキョウスケが乗っている。

「いくわよ!」

スターイーグルにはミハルが乗っていた。

そしてスターイーグルは怪獣に向かってレーザーを放つ。

だがそのレーザーは怪獣には当たらずにその手前でなにかに弾かれるようにして軌道をそれてしまった。

「なっ…!」

怪獣は電撃をまたしても四方八方に放った。

その周りに土煙が上がり…。そして…。

次の瞬間怪獣は消えていた。

「怪獣は周りを常にバリアーで覆って防御しているものと考えられます」

ZETA南部隊の部屋でミカが解析をしている。

「なるほど…で、そのバリアーを破る方法は?」

隊長が質問した。

「怪獣が電撃を放つ瞬間だけそのバリアーは消えます。なのでその瞬間を狙いバリアーを発生させている角を破壊できれば…」

「だが見ただろう?あの電撃は四方八方に発射される。近づいたら撃墜されるぞ」

キョウスケが言った。

「はい、そこです…。いかにしてあの攻撃をかわし角を破壊できるか…」

するとショウが口を開いた。

「俺にやらせてください!」

「有馬、正気か?」

シンペイが訊く。

「南条、俺は至って正気だ。スターコンドルを使う」

「スターコンドルだと!?」

今度はキョウスケが言った。

「はい、あの機体ならば電撃をかわすことができるかもしれません!」

「確かにスターコンドルを使えばあの電撃をかわすことができるかもしれません。しかし危険です!第一まだ開発途中の機体です…」

ミカまで反対する。

「いや、俺は有馬にかけようと思う。確かにスターコンドルを使うのは危険だが…、やらなきゃあやつは倒せない」

「私も賛成よ。やらなくて後悔するよりかははるかにマシじゃあないの?」

ミハルも言う。

「お前達…」

ミハルはショウに向かってウインクした。

ZETA基地格納庫。

そこに、スターコンドルはあった。

機体の前部分がコンドルの頭のような形をしているのでこう呼ばれている。

「おいっ、有馬」

その前に立っていたショウにツバサが声をかけた。

「どうした?」

「いや、どうも腑に落ちなくってな。なんでお前があそこまでこの機体に乗りたがったのか」

ツバサは言う。

「そういうことか…」

そしてショウは少し間を置くと話し始めた。

「実はな、スターコンドルの開発者は俺の友人だったんだ…」

「だった…?」

「そうだ。だがそいつは俺の目の前で…、怪獣に…」

「……」

「その時、そいつは俺に言ったんだ。コンドルはお前に託すって…、きっと使うべき時が来るだろうって…」

「そうか…、辛いことをきいてしまったな…、すまなかった」

ツバサは謝る。

「いや、きいてくれてありがとう。おかげで燃えてきたぜ!あいつの想いを無駄にしないためにも!」

 

怪獣が再び現れた。今度は市街地のすぐ近くまで来ている。

そしてまたしてもあの電撃を放ち始めた。

「広島市近郊に例の怪獣が出現しました!」

ミカが言う。

警報を聞き付けてツバサとショウも部屋に駆け込んできた。

「やはりあいつか!」

ショウは言う。

「ZETA南部隊出動!」

隊長が号令した。

「了解!」

 

格納庫が開きそこから姿を現した戦闘機たちの中にスターコンドルの姿もある。

「さぁ行くぜ!」

スターコンドルはエンジンに点火すると飛び立った。

怪獣は小型のビルをなぎ倒しながら進んでいく。

だがそこへ2機のスターイーグル、そして1機のスターコンドルが現れた。

「行くぜお前ら!」

ショウが言う。

「おう!」

「OKよ!」

スターイーグルは怪獣の気をそらすために攻撃を開始した。

しかしもちろんの事ながら全てバリアーに弾かれる。

そしてその瞬間は訪れた。

怪獣は角から電撃を放ち始める。

「よぉし!行くぜ!」

スターコンドルは電撃を巧みにかわしながら怪獣の角へと近づいていく。

「おぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!」

そしてレーザーを発射した。

しかし…、その瞬間に怪獣は攻撃をやめ、バリアーが閉じてしまった。

「なっ…!」

「よし!こうなったら!」

ツバサはフレイスフラッシャーを展開してフレイスに変身する。

「デュアー!」

フレイスは勢いよく怪獣に飛び蹴りをするがそれさえもバリアーは弾いてしまった。

続いて連続パンチをするがバリアー相手では全く効いていない。

だがフレイスが現れたことにより、チャンスは再び巡ってきた。

怪獣がフレイスめがけて電撃を一斉に放ったのだ。

「デュァァァァ!」

フレイスは電撃に悶えながらもショウに向かってうなづいた。

「分かった!ありがとよ!ウルトラマン!」

スターコンドルは再び怪獣に向かっていった。

そして、レーザーを、放った。

1秒が永遠に感じられるほどの時間、そして…、次の瞬間ミハルが歓声を上げた。

見ると怪獣の角は破壊されている。

ショウはほっと胸をなでおろした。

そして、フレイスの反撃も始まった。

フレイスは怪獣の胴体に向けて蹴りを入れる。

怪獣は突然のことに驚きを隠せない様子だ。

そして最終手段、口から火球を噴く攻撃を開始した。

だがフレイスはそれらを全て片手で受け止めると怪獣に向かって投げ返した。

怪獣の体表がスパークする。

そしてもうやけになった怪獣はフレイスに向かって突進してきた。

だがもはや怪獣はフレイスの敵ではなかった。

フレイスは突進してきた怪獣の顔面に思いきりパンチをする。怪獣はそのまま気絶して、地面に倒れる。

フレイスはそんな怪獣を高く持ち上げるとやがて、どこかへと飛び去っていった。

 

「よし!やったぞ!」

隊長は基地でガッツポーズをする。

「やったァァァァァ!!」

ミハルも歓声を上げた。

「よくやったな、有馬!」

ツバサもショウに通信を入れた。

「あぁ、お蔭さまでな」

三機の戦闘機は並んで基地へと帰っていった。

 

一方、異次元空間、ここではまたしてもヤプール達が話し合っていた。

「ベロクロンが敗れ、新しい超獣はまだなのか!」

1人のヤプールが言う。すると別のヤプールが答えた。

「いいや、既にできている。そして地球への総攻撃の準備もな。さぁ行け!我がヤプール第2の超獣!バキシムよ!」




ゴジラ!モスラ!ラドン! ゴ!モ!ラ!


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第19話 超獣秘境(一角超獣バキシム登場)

久々の投稿…かな、今回から超獣ラッシュが始まります。


山道を1台の車が走っていく。

それは、ZETA専用車、ルーバーであった。

乗っているのはツバサとミハルの2人である。

「こんな山奥に超獣が現れたって本当なのか?ヤプールにとってもなんのメリットもないだろう?こんなとこ破壊したところで」

ツバサがぼやく。

「でも連絡があったのも事実だし…。なにか理由があるはずよきっと」

ミハルは言った。

「だがなぁ、罠かもしれないぞ。まぁ俺もそんなこと信じたくもないけど」

「その可能性も無くはないわね」

その時、運転していたミハルが急にルーバーを止める。

「どうした?」

「見て…」

ツバサが前方に目をやると道の真ん中に数人の人が集まっていた。そしてこっちを指さしたり色々している。みんな農家か何かのような格好をしていた。

「人だ…」

「見れば分かるわよ」

ミハルはそう言うとさっさとルーバーを降りて人のいる方へ向かっていってしまった。

「おい待て!」

ツバサもすぐにそれを追う。

「やぁ、あなた方がZETAとかいうところの人達ですか…」

その中でもリーダーと思わしき老人が言う。

「はい、ZETA日本支部の朝倉です」

「同じく竜ヶ崎です」

2人は交代交代で握手をした。

「通報をしたのはワシらです」

老人が言った。

「なるほど、それでその超獣はどんな超獣でしたか?」

ミハルはきいた。

「なんか芋虫のような…、一角獣のような…」

「そんなことより、さぁ、調査するんだったらうちの村へ泊まってってくださいな」

別の村人が言った。

ツバサとミハルは顔を見合わせる。

 

森の中の細い道を村人達に連れられ歩いていくとやがてその村へとついた。

村はよくある集落といった見た目をしている。

「うーん、ダメだわ。ここ電波が通じないみたい。基地への通信が…」

ミハルは腕時計型の通信機をいじりながら言った。

「いったんルーバーに戻るか?」

ミハルは頷くと村の出口に向かって駆け出していった。

しばらくするとあの長老がやってきた。

「宿の手配ができました…」

「ありがとうございます!」

「そう言えばあのお嬢さんはどうしました?」

長老が訊いてきた。

「あぁ、ちょっと今車の方に戻っていて…」

「そうですか」

長老はちょっと残念そうな顔をした。

宿は普通の家よりも少し大きめの茅葺き屋根の家だった。

古くからある日本家屋という感じの家で、床は畳ではなく板の間になっている。そしてその中央で囲炉裏が燃えていた。

「この宿で色々お世話をして頂きます。蝶と申します」

1人の村娘がわざわざ頭を下げに来てくれた。

「お、おう。なんか時代劇みたいだな…」

ツバサは呟く。

「ごゆっくりなさって下さいませ」

蝶はそう言うと去っていった。

 

夜になった。しかしミハルはまだ戻ってこない。

夕食を食べながらツバサは少し心配になっていた。

「お連れの方が心配なのですか?」

傍に控えていた蝶が訊いた。

「あぁ、いくらなんでも遅すぎる…」

「探しに行きましょうか?」

蝶がきいた。

「いや、もう夜遅いからなぁ、俺が探しに行く」

「では私もお供させていただきます」

蝶もなかなか譲らない。

「なんだお前…、片時も離れずそばにいろとでも言われてんのか?」

「はい」

「じゃあしょうがねぇな。行くか」

 

くらい夜の山道、ツバサは懐中電灯を照らしながら蝶を連れて歩いていく。

だが…。

「やっべ、どっちだこれ?」

なんと真夜中の山道で完全に迷ってしまったのだ。

「えーと、蝶ちゃん、分かる?」

「いいえ、私にわかるのは地獄への道だけ」

「あーはい、地獄ね、って…え?」

見ると蝶の姿が揺らぎ始めやがて彼女は完全にヤプールの姿となった。

「ふはははは、罠にかかったようだな!お前にはこれから洗脳して我がヤプールの戦闘員として戦ってもらうぞ!」

さらに何人ものヤプールが現れ、ツバサは囲まれてしまった。

「くっ…、これは…罠!」

だがその時だった。暗闇を閃光が迸りヤプールが数人消滅した。

「やっぱり罠だったのね」

ミハルがレーザーガンを構えて立っていた。

「朝倉!」

「まったく、まだ苗字で呼ぶなんてね。ミハルでいいわよ!」

ミハルはそう言うとウインクした。

「おのれ…!気づかれていたのか!」

ヤプールはそう言うと天を指さした。

「ならば!行け!一角超獣バキシム!」

空が勢いよく割れそこからバキシムが地上めがけて着地した。

「超獣!だが俺たち2人だけにどう戦えと!」

だがその時だった。

ふいに現れたゼータウイングがバキシムめがけてレーザーを放った。

「もちろん既に連絡済みに決まってるじゃない!」

「最高だなミハル!」

「当たり前でしょ!」

ゼータウイングにはキョウスケとショウが乗っていた。

「おっしゃ!もう1発!行きますよー!」

「よぅし!かましてやれ!」

ゼータウイングは再びレーザーを放つ。

だがその時、バキシムは手から炎を発射したのだ。

そのせいでレーザーは軌道を離れてしまった。

「うわぁぁぁ!」

ゼータウイングも炎をすれすれの所でかわす。

ツバサとミハルはルーバーのところへたどり着いた。

「よし!いくわよ!ルーバー!」

ミハルはルーバーに飛び乗るとボンネットから砲台を出す。そしてそこからレーザーを、放ち始めた。

ツバサはその隙に木の影に隠れ、フレイスフラッシャーを展開して変身した。

フレイスはバキシムの前に現れた。

バキシムはフレイスを見ると突進してくる。

フレイスはそんなバキシムを掴むと引き倒した。

そしてバキシムの背中に馬乗りになる。

だがバキシムは立ち上がるとフレイスを地面に叩きつけた。

そしてその巨体でのしかかる。

フレイスはそれを払い除けようとするが腕を噛みつかれてしまった。

そしてバキシムは少しづつフレイスを痛みつけていく。

「まずいぞ、ウルトラマンがピンチだ!」

ゼータウイングがバキシムめがけてレーザーを放った。

バキシムはそれをくらって思わずフレイスを離してしまった。

フレイスは立ち上がると間合いを取って構えをとる。

バキシムはフレイスめがけて手から炎を放った。

だがフレイスはバック転でそれをかわす。

そして隙をついてレーザーナイフを放つ。

バキシムは真っ二つに切断され爆発した。

それを見届けるとフレイスも光に包まれて消え去った。

 

「やったぜ!」

ゼータウイングの2人はハイタッチをする。

「あ…」

ミハルもツバサとハイタッチしようとするがそこでいないのに気づいた。

「おい、こっちだぜ」

見るとツバサは外にいた。

「あれっ?おかしいなぁ…」

ミハルは呟いた。

「ん?なんか言ったか?」

「ううん、なにも」

こうして2人はハイタッチをした。




冬配信のゲーム、ウルトラ怪獣バトルブリーダーズが楽しみでしょうがない。最近公式Twitter毎日投稿してるから配信近いって事だよなぁ!(歓喜)


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第20話 死を呼ぶ人喰いサボテン(さぼてん超獣サボテンダー登場)

ついに20話まで来ました。ルーブのゴモラ…。グランドキングのかませになってしまうなんて…(´;ω;`)。まぁでもあれはあれで大怪獣バトルとかで確立されたヒーローゴモラをぶち壊してくれたってことで記念すべきシーンだとは思うんだがなぁノω・,) ウゥ・・・


1件の花屋があった。棚に並んでいるのはたくさんの観葉植物、そしてサボテンだった。

「いらっしゃいませ。なにかお探しですか」

その店の店主が入ってきた客に問いかける。

「はい、なにかおすすめの植物なんてありますか?」

客の女は訊いた。

「それでは…、こちらがおすすめですね…」

店主はそう言うと小さな赤い花を咲かせたサボテンを取り出した。

「可愛い!これにします!」

女はそれを選ぶと買っていった。

「ククク…、ごゆっくり、お楽しみください…。地獄めぐりをね…」

女がいなくなると店主が呟いた。

 

「ここ数日、調布市で行方不明者が続出しているらしいな…」

ZETA南部隊の部屋、南部トオル隊長が新聞を読みながら呟いた。

「隊長?これは…、ZETA案件でしょうか?」

黒田キョウスケ隊員が訊ねる。

「さぁな…、だが…、念の為に調査くらいはしといた方がいいだろう…」

それから隊長は、

「ツバサ!」

と呼びかけた。

「はい」

部屋の向こうで別の隊員と話していた若手隊員がこっちに来る。

「確か…、お前の知り合いが調布にはいたな…。ちょっと調査してくれないか?ここ最近の調布市の行方不明者について…」

隊長はそう言った。

 

調布市内をルーバーが走っていく。そしてやがてそのルーバーは1件のアパートの前で止まった。

ツバサはルーバーから降りると1階のある部屋のインターホンを押した。

「はい…?」

ドアから顔を覗かせた高校生くらいの女の子はツバサを見るとぱっと笑顔になった。

「ツバサさん!今日はどうしたんですか?」

「やぁ、マヤ、実は今日は仕事でね」

「さぁ、ここで話すのもアレだしあがっていってください!」

マヤはツバサを家の中へと通した。

リビングルームで紅茶を出されたツバサはそれを飲みながら今回の調査について説明した。

「なるほど…、つまりその行方不明者について何か知ってることはないかってことですか?」

話し終わるとマヤは訊いた。

「そういう事だな」

「うーん、この行方不明になった人達…、みんなこの近所じゃあないですか?」

言われてみるとそうだ。このあたりを徒歩で移動できる距離にみんな住んでいた。

さらに行方不明になったと推測される場所も全てこの近所であった。

「確かに…、そうだな…。じゃあこのあたりを少し調べてみるか…」

ツバサはそう呟いた。

そしてまた、あることをきいた。

「そういやぁ今日はケンタくんはどうしたんだ?」

「あぁ、私の誕生日だからって…、最近できた花屋に…」

「なるほどなぁ…」

そしてツバサはそこまで言うとちょっと考えてから言った。

「最近…、最近って…。ここ一週間以内ですか?」

「はい…、確かそうだった気がします…」

「他にそのくらいにできた店は?」

「ないと思います…」

それを聞くとツバサは、

「なるほど…、だが、まさかな…」

と呟いた。

 

花屋さぼてん、というのがその店の名前であった。

結城ケンタはその店に、姉への誕生日プレゼントを買いに来ている。

しばらく棚を眺めていたが、

「なにか…、お探しですか?」

いきなり現れた店主に声をかけられた。

「あっ、いや、お姉ちゃんの誕生日プレゼントを…」

「なるほど、誕生日プレゼントですか…。それなら…」

そうして店主はあの小さなサボテンを取り出した。

「それは…?」

「サボテンダーという珍しいサボテンです。誕生日プレゼントにはぴったりだと思いますが…」

「サボテンダー…、FFかなにかですか?」

「違います。というか何知ってるんですか…」

店主もちょっと呆れた感じだ。

ケンタはそれを買うことにした。

 

「ありがとうございましたー」

ケンタはサボテンを買って意気揚揚と帰り道につく。

だがその時だった。

サボテンの入っているビニール袋がさっきよりも少しづつ重くなっているように感じるのだ。

「あれっ、おかしいなぁ〜、なんか重くなってきているような…」

すると次の瞬間、ビニール袋を持っていた右手に激痛が走った。

「うわぁぁぁ!」

ケンタは思わず転んでしまった。

そして右手を見ると、なんとそれはさっきの10倍くらいの大きさになったサボテンに飲み込まれかけていたのだ。

「なっ、なんなんだぁぁぁ!」

その時だった。閃光が走り、巨大化したサボテンはケンタの腕を離れる。

「ケンタくん!大丈夫か!」

見るとツバサがレーザーガンを持って立っていた。

「ツバサお兄ちゃん!」

ケンタはツバサの方へ駆け寄った。

「なるほど…、やはりあれは…、人喰いサボテン!今までの行方不明者もきっとあいつに!」

その時、サボテンはどんどん巨大化していき…、やがてそれは一体の超獣の姿になった。

「怪獣…?」

「いや、あれは超獣だ!だとすると花屋はヤプール!」

ケンタが訊くとツバサは答えた。

「よし、ケンタくん、君は家まで逃げ帰るんだ」

「ツバサお兄ちゃんはどうするんですか?」

「俺はここであいつを食い止める!」

ツバサはそう言うとレーザーを発射した。

ケンタは頷くと家に向かって駆け出す。

やがて、その姿が見えなくなると…。

ツバサは、フレイスフラッシャーを点に掲げて展開し、フレイスに変身した。

 

「デュア!」

フレイスは構えをとる。

サボテンダーはフレイスのそんな姿を見るとこっちに向かって突進してきた。

だがフレイスはそれに素早く蹴りを入れて、押し戻す。

サボテンダーは後退した。

しかしそんなことで退くような超獣ではない。なんとサボテンダーは全身の棘をミサイルのように発射してきたのだ。

「デュアー!」

フレイスはそれをまともにくらい、後方に吹っ飛ばされた。

さらにそこにサボテンダーがのしかかってくる。

そこでフレイスはバーニングモードにタイプチェンジをした。

「デュアー!」

そしてサボテンダーを空中に蹴り飛ばす。

サボテンダーはそのまま地上に落下してくるが…。

フレイスは拳を炎に包んだバーニングクラッシャーパンチをサボテンダーめがけて放った。

こうしてサボテンダーは空中にて爆散した。

フレイスはしばらくして、光に包まれて消え去った。

 

「さて…、あとはヤプールだな…」

ツバサはレーザーガンを構えながら例の花屋に突入する。

だがそこにはもうあの店主の姿はなかった。

そして…。代わりに置き手紙が置いてあった。

 

「ウルトラマンフレイスよ、なるほど、ベロクロン、バキシムに続きサボテンダーも撃破するとはなかなかのものだな。だが今度はどうかな?今君の戦いを見させてもらったが…。なるほど、君はあの二人の姉弟を大切に思っているのか…。ククク…、ならば次なる超獣はその2人を取り込んだ超獣が相手だ。さぁ勝てるかな?ウルトラマンフレイス、いや、竜ヶ崎ツバサよ…」

 

その手紙を読み終わるとツバサは思いっきりそれを破り捨てた。




さぁてさて、ヤプール編ももうすぐクライマックスです。何気にサボテンダーって有名な割にはまだ復活してないんだよなぁ。


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第21話 ヤプール人質大作戦(大蛍超獣ホタルンガ登場)

とうとう第21話、多分ルーブも今そのくらい。まさか今になってホロボロスが再登場するとは思わなんだ。


ある山中を通る道路。そこを1台のトラックが走り抜けていく。トラックの側面にはZETAのマーク。これがZETA所有の何かを運んでいることが分かる。

だが次の瞬間であった。暗闇の空が割れ、そこから超獣が地上に着地したのだ。

「うわぁぁ!超獣だぁ!」

トラックの運転手はハンドルをきってUターンさせる。

だが超獣はジャンプをするとトラックの正面に着地した。

そしてハサミ状になった両手でいとも簡単にトラックをひねり潰してしまった。

 

「木曽山中に超獣が現れ、ZETA新型ミサイル。Vセブンを輸送したトラックを破壊したらしい」

ZETA南部隊隊長の南部トオルが言った。

「またしても超獣か…!やはりヤプールの地球進行は本格化しているとして捉えた方がいいな」

キョウスケは言った。

「だが木曽山中なんてこのすぐ近くじゃあないか。いつ攻めてきても…」

ショウも言う。

「その通りだ。だから我々で…。我々が超獣の行方を操作し、そして撃破する!」

「了解!」

空からはゼータウイングが、陸からはルーバーが、そして地中からは地底戦車ネオペルミダーが捜索を開始した。

「この辺…らしいな。例のトラックが破壊されたのは…」

ツバサはその場所まで来るとルーバーを停めて、車を降りた。

「だがいつまでもやつがここにいるとは思えないな。もうとっくに別のところへ…」

ツバサと一緒に来たショウは言う。

だがその時、ツバサはそれを聞いていなかった。

「ツバサ…ツバサ…ツバサ…」

何者かが森の中から呼んでいる声が聞こえるのだ。

ツバサはそれに引き寄せられるように森の中に歩いて入っていった。

「お…、おい待て!どこに行くんだ!」

ショウもすぐにそのあとを追った。

ツバサはやがてひとつの沼の前に立ち止まる。確かにちょうどそこから声が聞こえていたのだ。

「よく来たな…、竜ヶ崎ツバサよ…」

沼の水面にヤプールの姿が映し出された。

「お前は…、ヤプールっ!」

ツバサはヤプールを見た瞬間、我に返って叫ぶ。

「いかにも、その通り、私はヤプールだ。だがそんなことわざわざ言わずとも分かるだろう?」

「あぁ、そうだな。だが貴様!なんのために俺をここに…!」

「ククク…、いやぁ、少し君に知らせたいことがあってね…。今回現れた超獣…、大蛍超獣ホタルンガの両目には君の友人、結城ケンタと結城マヤが人質として入っているのだよ。だからくれぐれも気をつけたまえ。攻撃をする時には傷つけないようになァ!クククククククッ!」

ヤプールはそう言うと消えていった。

「ちくしょう…。おのれヤプールッ!」

その時、ようやくショウがツバサのもとへ追いついた。

「おーい!どうしたんだ!急に森の中に入ったりして!」

「有馬、大変なんだ。今回の超獣には人質が…!」

 

その頃、ゼータウイングの前に、ホタルンガは現れていた。

「こちら朝倉、こちら朝倉、超獣が出現しました」

ゼータウイングを操縦しているミハルは本部にそう報告した。

「よし、攻撃開始!」

隊長は本部からそう指示をした。

「了解!」

ゼータウイングはホタルンガめがけてレーザーを発射し始める。

「よっしゃ!どんなもんだい!」

後部に座っていたシンペイは言う。

「このままいくわよ!」

ミハルはそう言うとミサイルを数発発射した。

ミサイルはホタルンガの頭部に見事に命中する。

だがその時だった。地上のツバサ達からの通信が入ったのだ。

「超獣の目の中には人質がいる!」

ツバサは言った。

「人質?どういうこと?」

「詳しくはあとだ!だが頭部への攻撃はやめるんだ!」

ショウも言う。

「いきなり攻撃するなってそんな…」

シンペイはボヤいた。だがミハルは、

「分かったわ。攻撃の集中ポイントを体及び足に変更する!」

と言い、ホタルンガの胴体めがけてミサイルを打ち込む。

するとホタルンガは頭部から溶解液を発射した。

液はゼータウイングに命中し、ゼータウイングは煙をあげながら高度を下げ始めた。

「なんてことだ!メインエンジンがやられた!」

シンペイが叫ぶ。

「分かってるわよそんなこと!脱出するわ!」

そう言うとミハルはパラシュートを展開し脱出した。シンペイもすぐにそのあとに続く。

2人は、地上に降りるとツバサ達と合流した。

「敵の武器は頭部にあるのにそれを攻撃できないなんて…!」

ミハルは言った。

「だがどうやって救出するんだ?」

シンペイが疑問を口にした。

「頭部を破壊しないように倒す。それしかないだろうな」

ツバサは言った。

そしてホタルンガに向かってレーザーガンを撃ち始める。

ホタルンガはそれに気づくとこっちに向かってきた。

「やばいな…、こっち来るぜ…!」

ショウが言ったその瞬間だった。

ホタルンガはこっちめがけて溶解液を発射してきたのだ。

4人は咄嗟に近くの物陰に隠れる。

そしてツバサは岩陰に飛び込むとフレイスに変身した。

 

「デュアー!」

フレイスはホタルンガに飛び蹴りをあびせた。

ホタルンガはバランスを崩して地面に倒れる。

フレイスはその上に馬乗りになった。そして喉元にチョップを浴びせる。

だが次の瞬間、ホタルンガは至近距離からフレイスに溶解液をあびせた。

フレイスは苦しみながら後退した。

ホタルンガが立ち上がるとフレイスに向かって体当たりした。

フレイスは地面に倒れる。

そしてカラータイマーは点滅を始めた。

ホタルンガはそんなフレイスに次々と蹴りを入れた。

「これはまずいぞ…、ウルトラマンも人質のことを知っていて本気を出せないんだ!」

シンペイは言った。

「ウルトラマーン!頑張ってー!」

ミハルが叫んだ。

フレイスはその声を聞くと、ゆっくりと立ち上がった。

そして右手に全身の力を込めるとホタルンガの首にチョップを放つ。

次の瞬間、ホタルンガの首は切断され、フレイスに抱えられていた。

フレイスはその首を置くと胴体に向かってフレイシウム光線を発射した。

ホタルンガは爆発した。

そしてその瞬間、ホタルンガの首も光に包まれて消滅し、そこにはケンタとマヤが倒れていた。

フレイスはそれを見届けると消え去った。

「よし!人質は救出されたぞ!」

「やったわ!ウルトラマンがやってくれたのよ!」

ショウ達は次々と歓声をあげる。

やがてそこに、人質ふたりを抱えたツバサが遠くからやってきた。

「おーい!」

「やっぱりおかしいわ…、ツバサ」

ミハルはそれを見て小声で呟いた。




今回はちょっとマイナーな超獣でした。何人の人が知ってるかな。あとウルバト配信もうすぐだよねきっと!最近公式のツイート多いし


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第22話 起動!フレイスキラー(大蟹超獣キングクラブ、異次元超人フレイスキラー登場)

今宵は季節の変わり目、作者は風邪気味。ジオウ途中までしか見れなかった。最近朝がつらい。だがそんな中にも希望はあった。ULTRAMANのPVが公開されたという希望が!


超獣が、暴れていた。カブトガニと爬虫類を混ぜたような見た目をしたその超獣はビルをなぎ倒しながら街を進んでいく。

だがその前に立ちはだかる者がいた。赤と銀の巨人、ウルトラマンジークだ。

「シュア!」

ジークは光とともに現れると構えをとった。

そして進んでくる超獣に蹴りを入れた。

超獣はそれを食らうと少し後ずさる。

だがそんなことで怯む超獣ではない。すぐに体勢を立て直すとジークに掴みかかった。

そしてそのままジークを押しつぶそうとする。

ジークはビルの上に倒れ込み、ビルを破壊してしまった。

ジークの上に馬乗りになった超獣は口から溶解泡を吐き出し、ジークを溶かそうとする。

ジークはそれを喰らうと悶え始めた。

そしてカラータイマーが点滅を始める。

だがそれで負けるジークではなかった。

超獣のハサミ状になっている口にチョップを決めると、それを破壊したのだ。

超獣は悲鳴をあげながら後ずさる。

ジークは立ち上がると再び構えをとった。

そして腕をL字型に組むとジークロスショットを発射した。

超獣は爆散する。

ジークはそれを見届けると光に包まれて消滅した。

その様子を異次元から見つめる者がいた。そう、あのヤプールたちだ。

「キングクラブよ…。でかしたぞ。おかげでウルトラマンジークの戦闘データは手に入った。あとは…、それを元にして最強の異次元超人フレイスキラーを作り上げるだけだ…。ふははははははっ!」

「そうか…、ついに我らの地球侵略は実るのだな…。ならばこの私が奴を…、フレイスを異次元世界へとおびき寄せることにしよう…」

 

竜ヶ崎ツバサは結城ケンタ、マヤの2人が入院している病院にお見舞いに来ていた。

あのホタルンガ戦のあと、2人はこの病院に運ばれたのだ。

そして隣同士のベッドに寝かされていた。

「気分はどうだ?」

ツバサはケンタに訊いた。

「うーん、悪くは無いですね…」

ケンタはそう答えた。

「そうか…、それと、これ、お見舞いに」

ツバサはそう言うと新品のカメラを取り出した。

「わぁ…!」

「ずっと欲しいって言ってただろう?」

「ありがとうございます!」

それからツバサはマヤの方へ向かう。

「助けてくださってありがとうございます…」

マヤはそう言って感謝した。

「いやぁ…、じ、実際に助けたのはウルトラマンだから…」

「そうですか?なんか今ちょっと挙動不審に見えましたが…」

「いや〜、気のせい気のせい」

ツバサは適当に誤魔化した。さすがにここで正体をばらす訳にはいかない。

「え〜と、それでこれがお見舞いね」

ツバサはカラーペンのセットを取り出した。

「確か…、絵を描くのが好きだっただろう?」

「えっ…、いいんですか?こんなに貰って…」

「いいってことよ。ZETAの給料はこのためにあるんだぜ!」

ツバサは言った。

「いつもいつもありがとうございます」

マヤはそう言ってまた頭を下げた。

ツバサは2人のいる病室からお見舞いを終えて、出てきた。

その時だ。不意に廊下の向こうの方にいる黒づくめの男に目がいったのだった。

黒いフードを目深に被っており顔はよく見えない。

だがツバサは直感的にそれがただの人間ではないことを見抜いた。

男はツバサの姿を確認するとくるりと背を向けて逃げるように歩き始めた。

「あっ、待て!」

ツバサはそれを追って早足で歩き始める。

男はツバサから逃げるように、ただし、見失われないように歩いていく。

 

やがて2人は病院の地下駐車場へとたどり着いた。

そこでやっと例の男は立ち止まって、こっちを向いた。

ツバサもそれと向き合うように立ち止まる。

「やぁ、竜ヶ崎ツバサ、いや、ウルトラマンフレイスよ」

男が言った。

「俺の正体を…、お前はやはり…!」

「そう…、ヤプールだよ」

男はそう言うと本来の姿に戻っていった。

ツバサはヤプールに向かってレーザーガンを構える。

「おおっと、そんな危ないものを構えるんじゃあない。もうどうせ君は罠にはまっているのだからな」

ヤプールがそう言った瞬間、ツバサの背後に時空の裂け目が現れて…。そして…。

 

ツバサは抵抗する暇もなくそこに吸い込まれていった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ツバサは向こう側の世界の、急斜面を転がっていった。

そこは、紫色の空に、赤い礫の広がる。さながら別の惑星かなにかのような世界だった。

そして上に目をやると、そこには赤と金色のウルトラマンのような巨人が立っていたのだ。

「なっ…、あれは…!」

「驚いたかね、あれはフレイスキラー貴様の死刑執行人だよ」

いつの間にか宙に浮かんでいたヤプールは言った。

「なんだと?そんなもの…、返り討ちにしてくれる!」

ツバサはそう言うとフレイスフラッシャーを取り出した。

「さぁーて、どうかな。今回はちょっとばかし今までとは違うぞ」

「やかましい!フレェェェェェェイス!」

ツバサはフレイスフラッシャーを展開させ、フレイスに変身した。

 

「デュア!」

フレイスはフレイスキラーと向き合うと構えをとった。

それを見たフレイスキラーもゆっくりと構えの体勢になる。

「デュア!」

フレイスは右手からハンドカッターと呼ばれる光弾を発射する。

だがその時、信じられないことが起きた。

なんとフレイスキラーはジークの使う小形バリアーでその攻撃を防いだのだ。

「ふははは…、フレイスキラーの能力!それはウルトラマンジークの使える技を全て使用することが出来ること!フレイス!貴様など敵ではない!」

フレイスキラーは右手から光の鞭を延ばし、フレイスを打ちのめした。

フレイスは地面に倒れ込んでしまう。

さらにフレイスキラーはその鞭をしまうと倒れ込んだフレイスを踏みつけた。

そして右手に持っていた鎌状の武器でその背中に何度も切りつけたのだった。

フレイスのカラータイマーが点滅を始めた。

だがフレイスキラーは攻撃を緩めない。

フレイスにヘッドロックをかけて無理やり立ち上がらせるとその腕を掴み何度も地面に叩きつけた。

さらに仰向けに倒れたフレイスの顔面を踏みつける。

「ふははははははっ!よし、いいぞ!もっとやるのだ!」

フレイスのカラータイマーの点滅が速くなっていく。

そんなフレイスのカラータイマーにフレイスキラーは鎌状の武器を振り下ろした。

カラータイマーにヒビが入っていく。

そして何度も何度も武器を振り下ろした。

何回振り下ろしただろうか。やがて、フレイスのカラータイマーは割れ、彼の目の光もゆっくりと消えていった。

フレイスキラーは勝利の雄叫びをあげるかのように両腕を天に向けて伸ばした。




眠いのは深夜帯まで小説書いてるからか(((おい


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第23話 修羅なる戦い(異次元超人フレイスキラー、殺し屋超獣バラバ、異次元超人巨大ヤプール登場)

いや、ジオウのディケイド出てきたしほんといいなぁって。
てかルーブもうすぐ終わっちゃうやん…。
新元号のウルトラシリーズはちゃんと1年間やって欲しいな


空が割れ、人々はそこに絶望を見た。

なんとそこには十字架にかけられたウルトラマンフレイスの姿があったのだ。

「さぁ!地球人どもよ、貴様らの守護神、ウルトラマンは既に死んだ。我々ヤプールが勝利したのだ。お前達も次期に我々が送り込む超獣軍団によって滅びるがいい!そして行け!フレイスキラーよ、人々に絶望を与えるのだ!」

ヤプールの声が高らかに響き渡る。

そしてその空の割れ目から、フレイスキラーが現れた。

フレイスキラーはそのまま地上へと着地する。

「ウルトラマンが…、死んだ…」

南部隊の部屋でその映像を見ていた南部トオル隊長は言った。

「いいや…、まだ死んでません!俺たちの希望がある限り!何度だって…!」

キョウスケは反論した。

「そうだな…、ウルトラマンは…、まだ…、それに我々にはまだジークだっている!」

そのウルトラマンジークこと相馬ミナはフレイスキラーが暴れている市街地に一人で来ていた。

「ツバサくん…。今助けるわよ…」

そしてジークペンダントを掲げて、ジークへと変身をする。

「シュア!」

ジークはフレイスキラーの前に立ちはだかると構えをとった。

フレイスも両腕を掲げて構えをとる。

やがて2人は腕をL字型に組んでジークロスショットを同時に放った。しかし同じ威力の光線は空中で相殺されてしまう。

そこで2人は相手に目がけてほぼ同時に突進した。

そのままパンチが炸裂し、2人の戦士は拳と拳をぶつけあった。

だがそこでフレイスキラーが鎌状の武器を振り下ろしてきた。

ジークはそれをかわすとフレイスキラーに対して距離をとる。

するとフレイスキラーは光の鞭を出てきた。

そしてジークを打ちのめそうとする。

ジークはそれを見ると、ジークサークルバリアを展開して、防御した。

ジークとフレイスキラーが戦っている中、空中には1機のゼータウイングが現れた。

乗っているのはショウとミハルだ。

「よし、光粒子砲を使えばもしかしたらウルトラマンを…!」

ショウはそう言うとゼータウイングを空の割れ目へと向かわせた。

 

ジークはフレイスキラーの攻撃を防御しながら、それを見届けるとフレイスキラーの気をそらすために、バリアーを消して、攻撃をかわしながらフレイスキラーめがけて突進した。そしてそのまま両腕を抑え込むと、次にフレイスキラーを羽交い締めにしてその動きを封じた。

「よし!ありがとう!ウルトラマンジーク!」

ゼータウイングは異次元空間に突入した。

だがその瞬間だった。新たな超獣が現れ、その行く手を阻んだのだ。

「なっ…!またしても超獣!」

「ふはははは!そう簡単に行かせるものか!行け!殺し屋超獣バラバよ!人間どもをバラバラにしてしまえ!」

ヤプールの声が響き渡る。

「え…オヤジギャグ…!?」

2人が唖然とする中、ゼータウイングめがけてバラバの鎌が振り下ろされた。

ゼータウイングはそれをかわすが、次に鉄球が迫ってきた。

「ダメだ!こいつ!全身が武器のようなもんだ!」

一方、地上ではフレイスキラーが羽交い締めにしていたジークを投げ飛ばしたところだった。

ジークのカラータイマーは既に点滅を始めていた。

フレイスキラーはそこにトドメのジークロスショットを放とうとする。だがその時だった。

空中より光線が飛んでくるとフレイスキラーに命中し、フレイスキラーはバランスを崩した。

 

「俺たちを忘れてもらっちゃあ困るぜ!」

2機のスターイーグル、南条シンペイと黒田キョウスケだ。

ジークはその隙に腕をL字型に組んでジークロスショットを発射した。

光線はフレイスキラーに命中し、フレイスキラーは爆散した。

ジークはそれを見届けると、空の割れ目に向かって自分のカラータイマーから光を放った。

光を放ち終わると、ジークは光に包まれて消え去った。

 

一方、異次元空間では、ゼータウイングがバラバに阻まれ、フレイスに近づけないでいた。

するとその時だ。空から光が降り注ぎ、フレイスのカラータイマーに照射されたのだ。

「あれは…?」

「光が…、ウルトラマンに…」

やがてフレイスのカラータイマーと両目に光が灯り、十字架から脱出した。

そしてそのままバラバへと突進し、バラバを投げ飛ばした。

「なっ…、馬鹿な…!ウルトラマンが蘇るだと!?」

空の割れ目から、フレイスとバラバの戦いは見えていた。

それを見上げながらミナは呟いた。

「頑張って、ツバサくん。私は今のでエネルギーを使い切っちゃった…。だから、私の分もね」

「まずいぞ!バラバ!一時撤退だ!」

ヤプールが、そう言った瞬間、バラバはフレイスの前から消え去った。

しかしフレイスとゼータウイングの2人は、それでもなおピンチが続いていることに気がついた。

なんと、空の割れ目が閉じ始めているのだ。

それを見るとフレイスはゼータウイングの両翼を掴んだ。

そして割れ目にダイブすると地上に着地する。

だが地上におりたフレイス達は目の前に信じられない相手がたっていることに気がついた。

そう、その相手とは、フレイスと同じくらいの身長、そしてハッキリと形のある姿へと変貌を遂げたヤプールの姿だったのだ。

 

「あれは…、ヤプール…?」

「巨大なるヤプール…、巨大ヤプールよ…」

ミハルは命名した。

 

フレイスはゼータウイングを地面に置くと、ゆっくりと立ち上がった。

そして、巨大ヤプールと対峙すると構えをとった。

「ふははははははっ!これこそが我がヤプール究極の戦闘モード!全ヤプールが結集して誕生した姿だ!」

巨大ヤプールはそう言うと、鎌状の手から光弾を放ってきた。

フレイスはそれをかわすと、フレイシウム光線を放った。

ところが、巨大ヤプールが展開していたバリアーにより、それはことごとく弾かれてしまった。

巨大ヤプールは鎌状の手から光線を発射する。

フレイスはそれをフレイスサークルバリアで防いだ。

だがヤプールはその光線の出力を少しづつ強めていき、バリアーを打ち破ったのだ。

フレイスははるか後方に吹き飛ばされてしまった。

フレイスのカラータイマーは点滅を開始した。

倒れ込んだフレイスに向かって巨大ヤプールはゆっくりと歩みを進めた。

「ふははははは、死ぬがいい!ウルトラマン!」

ヤプールはそう言うと、鎌状の手から光剣を出して、フレイスめがけて振り下ろした。




まじで、ピンチのピンチのピンチの連続なウルトラマンフレイスです。
あと、ジーク、さりげなく退場っぽい感じだけど、暫くあとになったらまた帰ってくるつもりです。(ちょっとパワーアップして)多分次回ヤプール編最後です。


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第24話 ヤプール、最後の戦い(異次元超人巨大ヤプール、殺し屋超獣バラバ登場)

ヤプール編最終回です。多分…。


巨大ヤプールの光剣がフレイスにトドメを刺す寸前まで迫った時だった。

突如、どこかからレーザーが放たれ巨大ヤプールに命中する。

巨大ヤプールはバランスを崩して、光剣を消してしまった。

「ぬぅ…、何者だ!」

巨大ヤプールは攻撃の飛んできた方を見ると、そこには離陸したゼータウイングがあった。

「もうあんたにウルトラマンは倒させない!」

「ウルトラマンは俺たちの大切な仲間なんだ!」

「やかましい!死ねぇ!人間ごときが!」

巨大ヤプールは鎌状の手をゼータウイングに向けた。

だがその時だ。フレイスが巨大ヤプールに組み付いて、その手をゼータウイングからそらそうとした。

「何故だ!お前はなぜそこまで地球人を守る!」

ヤプールのこの問いに、ミハルが代わりに答えた。

「そんなこと、何万年たとうが分からないわよ!あんたのような奴にはね!」

フレイスはその声を合図にバーニングモードにタイプチェンジをした。

そして、全身を炎に包む。

「なっ、何をする気だ!」

(そのまま、焼かれて滅ぶがいいさ!ヤプール!喰らえ!ダイナマイトグラビティ!)

ツバサがそう言うと、フレイスの炎はさらに燃え上がった。そしてそのまま巨大ヤプールを空中へ投げ飛ばすと落下してきたところに連続パンチを打ち込む。

巨大ヤプールは再び天高く飛ばされてそこで、大爆発をした。

「ぐぁぁぁぁぁぁ!ヤプール死すとも超獣死せずぅぅぅぅぅ!」

それが、ヤプールの残した最後の言葉であった。

フレイスはそれを全て見届けてから、ツバサの姿に戻った。

 

ツバサは病院にに寝かされていた。ヤプール戦後、彼は疲労からそのまま地面に倒れ込み、意識を失ってしまったのだった。

「わざわざ、お見舞いに来てくださり、ありがとうございます」

ツバサは見舞いに来ている隊長とキョウスケに言った。

「いや、だがあんな所で倒れてて何をしてたんだ?」

南部は疑問を口にした。

「あぁ…、それは…、ちょっと前にヤプールと色々あって…って話です。色々は…聞かないでください」

ツバサはそう言って誤魔化した。

「まったく、心配かけさせやがって」

隊長はそう言った。

「隊長、そろそろ時間です」

キョウスケはそう言ってやがて2人は帰っていった。

その次に現れたのはなんと、相馬隊の隊長、相馬ミナだった。

「相馬さん?」

ツバサは言った。

ミナは何故か私服になっている。

「あたりっ!実は私…、もうZETAを退職しちゃったの」

ミナはそう言った。

「えっ?」

ツバサは話の内容が掴めないでいた。

「フレイスにエネルギーを分け与えた時に…、全部のエネルギーを使っちゃって…。それでもうジークには変身できなくなっちゃったの。だからよ」

「そんなぁ…、俺のために…」

するとミナは言った。

「ううん、いいの、これも私の望んだ事だから。だから…、ジークの分も、お願いねっ、ツバサくん」

「はい…。分かりました!」

だがその瞬間、突如として雨が降り始めた。

「雨?」

ツバサとミナは外に目をやる。

そしてあることに気がつく。空が割れているのだ。

「馬鹿な!ヤプールは死んだはずだ!」

ツバサが言った。

「あれは…、残党よ!ヤプール超獣の…」

空の割れ目からバラバが現れ、地上に着地する。

「バラバ…!」

ツバサはそう言って、起き上がると、病室を飛び出した。

そして、病院の屋上へと向かう。

だが外の雨水に当たった瞬間、ツバサは突如苦しさに襲われたのだった。

「う…、苦しい…。な…、なんだ…!」

見ると、追ってきたミナもこっちに来ようとしている。

「ダメだ!外にきちゃあダメなんだ!」

ツバサは必死に声を張り上げた。

そしてフレイスフラッシャーを出そうとしたがあまりの苦しさに取り落としてしまった。

フレイスフラッシャーは1mほど向こうに転がっていった。

「く…」

手をのばすが届かない。

だがその時、

ミナがフレイスフラッシャーを拾ったのだ。

彼女も苦しさに胸を抑えている。

「ツ…バサくん…。これを…」

そして、フレイスフラッシャーをツバサに渡す。

ツバサはそれを展開し、フレイスに変身した。

フレイスはバラバの前に現れ、構えをとる。

だがその瞬間、もうすぐにカラータイマーの点滅が始まったのだった。

バラバはそれを見るとフレイスに向かって突進して鉄球で殴りつけた。

フレイスは後方に吹っ飛ばされ、ビルを破壊しながら倒れた。

そんなフレイスにバラバはのしかかり何度も鉄球を打ちつけてきた。

「ツバ…サ…くん…」

ミナは雨に打たれて地面に這いつくばりながら言った。

「デュアー!」

フレイスは最後の力を振り絞ってバラバを蹴り飛ばす。

バラバは後退し、その隙にフレイスは立ち上がった。

そして、腕を十字形に組むとフレイシウム光線を発射した。

光線はバラバに命中し爆発した。

バラバが死ぬと、さっきまでの雨雲は嘘のように消え去り、雨もやんだ。

フレイスは力尽きて、地面に倒れ込み、そのままツバサの姿へと戻った。

 

「まったく…、けが人なのに何考えてるんだ!?超獣が出たからって外に出るなんて…」

ツバサは再び病院に寝かされていた。

そして見舞いに来た隊長に言われていた。

「すいません…」

ツバサは謝る。

「だが無事でよかった…」

隊長はそう言うと出ていった。

次に見舞いに来たのはショウとミハルであった。

「よう、無茶好きのツバサくん」

ショウが言った。

「無茶好きってなんだよ…」

「まぁ…、でも次心配かけたら罰ゲームでも用意しとくからね!」

ミハルは言う。

「おぉ、いいなそれ」

ショウはそれに物凄く同意していた。

「いや、おい待て、俺は何をされなきゃあならないんだ?」

「それはお楽しみよ」

「無茶をしなけりゃあいい話だしな」

「こいつら…、手を組みやがって…」

「あっ、そうだこれ」

ミハルは持ってきた袋から色々とお菓子を出してきた。

「はい、お見舞い」

そしてそれを全部ツバサに押し付けてきた。

「えぇ…、こんなにあんのかよ」

「それだけじゃあないぜ、俺からは…」

ショウが取り出したのはダンボールにたくさんつめられたフルーツだった。

「お前も…、こんなに…」

ツバサはもはやどう反応していいかわからなかった。

「うん、喜んでるみたいね」

それをミハルは何故か喜んでいると解釈したらしい。

「いや、待て。そうじゃあなくて…」

「嬉しくないの?」

「いや、嬉しいけども…ね…」

平和な時間が流れていた。




ちょっとウルトラマンフレイスの特別編を書く影響でもしかしたらここはしばらく更新できないかもしれません。まぁそこはご了承を。


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第25話 孤独なる神(合成怪獣レオゴン登場)

劇場版の投稿も終わったしまたこっちの方も書き進めようと思います。今回からリクエスト消化を…。


ある山道をトラックが走っていた。

その運転手は上機嫌に鼻歌まじりでトラックを運転している。

ところが、次の瞬間、トラックの中にいても分かるほどの地面の揺れがおきたのだ。

「んん?なんだ?地震か?」

だが次の瞬間、彼は驚くべきものを目撃したのだ。

前方の山の斜面が崩れ始め、そこから四足歩行の怪獣が現れた。

「かっ、怪獣だぁぁ!」

男はトラックを急いでUターンさせて逃げ出した。

 

一方、ZETA南部隊の部屋。

たった今、怪獣が出現したらしいとの情報が入ったのだ。

「富士山麓、十河研究所近くに怪獣が現れたようです」

ミカは通報の内容を報告した。

「十河研究所っていうとあの生物工学のか?」

シンペイが訊いた。

「はい…」

「知り合いなのか?」

隊長はシンペイに尋ねた。

「はい、そこの所長の十河カイ博士は大学での同期で…、友人です」

シンペイはそう答えた。

「そうか…、ならば都合がいいな。南条、ツバサ、すぐに現場に向かってくれ」

「了解!」

 

十河研究所の駐車場にZETAのルーバーが入っていった。

そして停車をすると、そこからツバサとシンペイが降りる。

「どうやら、この平和そうな様子…、まだここには怪獣の噂は広まってきていないみたいだな」

シンペイは言った。

 

そして、2人は所長室で話を聞くことにした。

十河カイはシンペイと同い年の若さでここの所長を務めている青年科学者であった。

「それで…、どうしたんだ?シンペイ」

カイはそう訊いた。

「いや、実はこの周辺で怪獣が目撃されてね、何か…、怪獣を見たとか、知ってることはないか?」

シンペイはそうきく。

「すまんな…、あいにく知っていることは何も無いよ。そんな怪獣…、見たことなんてない…」

カイはそう答えた。

「いや、どうやらほんと空振りだったみたいだな」

廊下に出るとツバサは言った。

「あぁ、そうだな」

だがシンペイはやはり何か変だと思っていた。

親友としての勘だがやはりカイは何か知っている。

そう考えたシンペイはもう一度部屋にこっそり侵入して調べることにした。

「あぁ、そうだツバサ、ちょっと先にルーバーに戻っててくれないか?俺は気になったことがある…」

「わかった」

 

シンペイはツバサと別れると誰もいないのを見はからってカイの部屋に侵入した。

そしてしばらく部屋の様子を観察すると机の棚を開けた。

するとその中には怪獣のイラスト、そしていくつかの研究資料が出てきた。

「やっぱり…、カイのやつ…、何か知ってやがった…」

だがその時だった。

「おい!何をしている!」

部屋の入口にカイが立っていた。

だがシンペイだと知ると安心して言った。

「なんだ…、お前か…。驚いたじゃあないか。まったく、こんなところで何を…」

するとシンペイは資料を見せつけて言う。

「カイ?これは…どういうことだ?」

「あぁ、それか…。俺が合成怪獣レオゴンを作った時の資料だよ」

カイはそう答えた。

「怪獣を…、作った?」

「そうだよ。シンペイ、親友の君にはあえて教えよう。俺は…、生態系の頂点を作り出したかった…。それは、科学者としての単純なる好奇心のためだった。生態系の頂点なる生物は一体どんなものなのか…、そしてそれを作り出すということはこの俺が生態系の頂点!つまり神になること!人は神になるとはどういうことなのだろうなぁ。

そして俺はこの数年を、合成怪獣レオゴンの生成に費やした。アルファレオン線を照射し、トカゲとウツボカズラを合成させて作り出した植物でも動物でもないまったく新しい生物、それがレオゴンだ。この研究により俺は神になるのだよ!」

カイはそう言うと高らかに笑い始めた。

「カイ…、お前は…、変わった…。かつて俺と親友だったお前はどこに行ったんだ?お前は…、お前は…、研究という悪魔に取り憑かれた1人の廃人に成り代わってしまった!」

その時、突如、地震か起きて2人は床に倒れ込む。

「来たぞ…、俺のレオゴンだ!」

研究所近くの地面を突き破り出現したレオゴンは研究所に突撃していく、そしてその建物をの壊し始めた。

「ちくしょう!あの建物の中には南条達が!」

それを見たツバサは逃げ出してくる人の流れに逆らって建物に突撃した。

シンペイはカイに向かってレーザーガンを構えていた。

だがその目は涙に濡れている。

「ダメだ…。俺には撃てない…」

シンペイはそう言って銃をおろした。

その瞬間、ツバサが部屋に突入した。

「南条!十河さん!逃げましょう!」

だがその時だった。

レオゴンが天井を破壊した。

ツバサは南条の手を引くが、カイはそれとは逆方向、レオゴンの方へ走っていったのだ。

「レオゴン…、お前だけだ…。親友にも見捨てられ…、1人研究の道に走った俺を分かってくれるのは…お前だけだったんだ!」

カイはそう言いながらレオゴンが背中のツボから伸ばした蔓に絡め取られ、そのまま捕食されていった。

シンペイがその場にがっくりと崩れ落ちる。

ツバサは思わず後ずさると我に返り、フレイスフラッシャーを展開した。

 

光とともにフレイスが現れ、レオゴンにキックを炸裂させる。

そして着地をすると構えをとった。

「デュア!」

だがレオゴンも負けてはいない。

背中のツボから蔦をのばすとフレイスの首に巻きつけて締め付けたのだ。

フレイスはそのまま地面に膝をついた。

さらにレオゴンは突進してフレイスをはねとばす。

そして地面に倒れ込んだフレイスを全身で押しつぶそうとした。

「デュア!」

そこでフレイスはバーニングモードにタイプチェンジをする。

それから蔦を引きちぎりレオゴンを蹴り飛ばした。

レオゴンは地面に落下すると体勢を立て直そうとするがバーニングショットを喰らって爆発した。

フレイスはそれを見届けると光に包まれてツバサの姿に戻った。

ツバサとシンペイは半壊した研究所の前に立っている。

「あいつがあんなになっちまったのも俺のせいなのかもなぁ…」

シンペイはそう呟いた。

「俺はあいつの親友を名乗っておきながら、何一つあいつのために出来なかった。あいつは1人で孤独を感じていたんだ…だから…、あんなことに…」

そこまで言い終わるとため息をついた。

ツバサはそれを見て何も言えなかった。やがて、ゆっくりと、そしてしんみりとして、ルーバーに乗り込んだ。

シンペイもそのあとに続いた。

 

夕日に包まれた山道を1台のルーバーが走っていく。




リクエスト第1弾消化できました!次回は…、たぶん第2弾のザンボラーを…。


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第26話 炎神、荒ぶる(灼熱怪獣ザンボラー登場)

物凄いまえがきに書こうと思ってたことがあったけど忘れてしまった。


ある日のことだった。神奈川県にある宮の森工事現場にて、地面が突然燃えだしたのだ。

そしてしばらくして、そこから怪獣が出現した。

 

すぐにZETAに連絡が入る。

「神奈川県鎌倉市宮の森工事現場にて怪獣が出現しました!」

ミカは通報内容をそう報告した。

「怪獣?今度はどんなのだ?」

隊長はそれを聞いて尋ねる。

「なんでも物凄い高熱を放っているようです」

「高熱?まぁいい、ツバサ、ショウ!現場にゼータウイングで飛んでくれ」

「了解!」

 

ゼータウイングが宮の森工事現場上空に現れた。

「あれか…」

ツバサが上空にから炎に囲まれた怪獣を見つける。

怪獣は四足歩行、背中には赤い発光体がついている。

ショウがサーモグラフィーのモニターを出した。

「すげぇな…、マグマと同じくらいあるぞ、あいつの体温」

「まぁ、とりあえず攻撃開始!」

ツバサはレバーを引いて怪獣めがけてミサイルを発射した。

ミサイルは怪獣に命中する。

だがその次の瞬間、ゼータウイングの後部エンジンに火がついたのだ。

「な、なんだ!?」

「まずいっ!高度が落ちているぞ!」

だが脱出しようにも下は炎に包まれていてとうていできたものではない。

「どうする!?ショウ!」

「とりあえずどうにかしてちゃんとした地面に不時着するしか…!」

そうこうしているうちに、工事現場の外の広い道路が見えてきた。

ゼータウイングはそこをスライディングしながら不時着していった。

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ゼータウイングはしばらく横滑りしてから止まった。

「何とか…、下りられたみたいだな…」

ショウはため息をついた。

 

2人はゼータウイングの外に出る。

「さぁーて、これからどうするか」

ツバサはショウにきいた。

「さぁな…、頼みのゼータウイングを失っては…」

だがその時だ。

「あの…、ZETAの隊員さんですか?」

突如、近くを通りかかった老女に声をかけられた。

「はい、そうですが…」

すると老女は言った。

「斬戊羅は悪い怪獣では無いんです」

「ザンボラー?」

「それが…、怪獣の名前ですか?」

ツバサがそう訊くと老女は答えた。

「そうです。この宮の森工事現場にはかつて宮の森神社という神社がありました。そこで祀られているのが斬戊羅、火の神です。ですがそこに大型ショッピングモールが作られることになり…」

「それでザンボラーは怒ったと、そういうわけですね」

ショウは言った。

「はい、そういうことです」

 

2人は、その話を、南部隊長のもとへと伝えた。

「なるほど…、そのザンボラーとかいう怪獣は土着の神であり、自然破壊に怒っているだけで倒すべき存在ではないと…」

「はい」

すると隊長は言った。

「だがそれでも…、被害が出ていることは確かだぞ」

「それは…」

ツバサは言葉を濁す。

「やつは今、地底を東京に向かって移動中だ。だがやつの体温のせいで地表にも被害が出ている。川の水は沸騰し、地表は燃え上がり、多くの人が逃げ惑っているのだ。お前達はそれでもやつを倒すべきではないというのか?」

隊長はそう言って通信を切った。

「いいんですか?怪獣も人間も救う、それがあなたのモットーでは?」

ミカが尋ねた。

「いいや、怪獣と人間の共存についてアイツらに考えさせるいいチャンスだと思ってな」

 

1台の車が公道を全力で走り抜けていく。

「もしあいつが東京へ向かっているのなら、川崎のコンビナートを通るはず!だとしたら大変なことに…!」

だがその心配は事実となってしまった。

ザンボラーはコンビナートの地面を突き破って地上に姿を現した。

そして背中の発光体を光らせると石油タンクを次々と爆破していった。

ツバサとショウの車は、それが見えるところに来ると止まった。

そして2人は車から降りる。

「ショウ!どうにかしてやつを鎮める方法を考えるんだ!」

「分かってる!」

2人はそう言いながらコンビナートに向かって走っていった。

やがてザンボラーのすぐ近くまでたどり着く。辺りは炎に包まれて燃え盛っていた。

「ツバサ?祟り神はどうやって鎮める?」

ショウが不意に訊いた。

「そりゃあ…、大切に祀るとか…、かな」

「そうだよ!それだよ!」

「でもお前この状況でどうやって祀るってんだ?」

ツバサは訊く。

するとショウは答えた。

「ったく、敬意を持って接すればそれは祀っているのと同じことにならないか?」

だがその時だった。2人の近くで爆発がおきた。

そして2人は吹っ飛ばされた。

ツバサが顔を上げると前方にフレイスフラッシャーが転がっていた。

ツバサはそれに手をのばすが届かない。

「く…」

そしてもう一度思いっきり手をのばす。

ようやく届いた。

ツバサはそれを展開して、フレイスに変身した。

 

「デュア!」

フレイスはザンボラーに向かって構えをとる。

ザンボラーはそれを見ると突進してきた。

フレイスは後方に吹っ飛ばされた。

さらにその上にザンボラーがのしかかってくる。

だがフレイスはそこから脱するとザンボラーの背中に馬乗りになった。

そして発光体にチョップを入れる。

するとザンボラーは発光体を光らせ、フレイスめがけて熱攻撃をしてきたのだ。

フレイスは一瞬怯み、地面に投げ出された。

そんなフレイスをザンボラーは何度も尻尾で打ちつける。

そして、倒れ込んだフレイスにザンボラーはトドメを刺そうと向き直った。

 

するとその時だ。フレイスとザンボラーの間にショウが割って入った。

ショウは、言う。

「静まれ!静まるのだ斬戊羅よ!お前の怒りはもう十分に理解した。だから静まるのだ!だが私は約束する!お前のために新しい社と、宮の森の土地の返還を!だからもう、これ以上お前の好きな自然を、人々を傷つけるのをやめるのだ!」

ザンボラーの動きが止まった。

フレイスもゆっくりと立ち上がる。

やがてザンボラーは戦意喪失し、地面へと潜っていった。

フレイスもそれを見届けると、光に包まれてツバサの姿へと戻った。

 

やがて、それからしばらくして、宮の森工事現場の工事中止が発表された。

そしてそれと同時に宮の森神社の新しい社殿建設の計画も発表された。

 

ツバサとショウはその建設予定地を眺めながら言った。

「人間の傲慢さはいつまで経っても変わらないものなんだなぁ」

「そうだな、今回だって、自分たちがちっぽけな存在だということを忘れたから起こったんだ…」

「たとえどんなに文明が進歩しようと、神や人智を超えた力ってのはある程度のブレーキとして必要なのかもな」

 

やがてその工事現場は夕日に照らされていった。




前書きと同じ現象があとがきでも起きる俺は疲れている。


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第27話 ZETA、機密実験(戦車怪獣恐竜戦車登場)

小説版TDG読破しました。やっぱり俺はガイアが好きだなぁって思いました!この作品にもガイア怪獣いくつか登場させたいなって


その実験場は関係者しか知らない山奥に存在していた。

そして今日、そこには続々と車が集まってきていた。

側面にはZETAのマーク、そう、ZETAの兵器実験場なのだ。

「いよいよですね…」

ZETA上層部の人が実験場を眺めながら話している。

「そうだな…、ついに我らの高性能火薬スパイナーの実験が…、始まるわけだ」

その時、通信が入った。

「なんだ」

男はその通信に出る。

「まもなく、長官が到着されるそうです」

「わかった」

そして彼は通信を切ると言った。

「すぐに長官を迎えに行くぞ」

 

一方、その頃、ツバサ、ミハル、キョウスケの3人もその現場に到着していた。

しかしこの実験場、上層部しか実際の場所を知らされていないので、彼らも任務に着いてはここにたどり着くまで秘密だった。

しかも、連れてくる途中、終始目隠しをされていた。

「もう、外していいぞ」

3人を運んできた運転手の指示で、目隠しをはずす。

「一体どういうつもりなんだ?俺たちをこんな…」

キョウスケは言いかけたところで口をつぐんだ。

周りにいるのは皆、上層部の人々だったのだ。

「これは…?」

しかも目の前に広がっている光景も、一面の荒野、日本にこんな場所があるなんて聞いたことがない。

「驚いただろう?ここは衛星写真ですら加工されて映らないようになっているからな」

3人は振り返ると、そこにはZETA長官、大道寺ヒデキが立っていた。

「大道寺長官!?」

3人は敬礼をする。

「君たちに来てもらったのは今回行われる新型高性能火薬、スパイナーの実験、その護衛のためだ」

長官は説明した。

「スパイナー…?」

ツバサは呟く。

「今までの火薬の何倍もの破壊力を持つ、新型高性能火薬だ」

すると、長官のそばにいた男が説明を引き継いだ。

「今回の実験は大掛かりだ。それゆえ、ここにいる長官及び上層部の人間の命を狙ったもの、スパイナーを狙ったもの、はてやZETA全体に関わる機密を狙ったものなど様々な犯罪、及び異星人などが想定されている。そこで君たちにはここの会場、及び人員の警備を担当してもらいたい」

「了解!」

そして最後に、男はこう呟いた。

「まぁ、終わったらあなた方は記憶処理を施されますがね」

 

2人がいなくなるとツバサは言った。

「ちくしょう!記憶処理だなんて…!」

「だがしょうがないだろう。こんな所に来れただけでもありがたく…」

キョウスケがそれを宥める。

「それだけじゃあないんだ。ZETA、どこまで兵器開発を続けるつもりなんだ?こないだの某遊星の件だってそうだったが…、何故そこまでする必要があるんだよ!」

「まぁ待て、上層部だって人類のためを思ってのことだろう?」

だがツバサはもうそんなことを聞いてはいなかった。

気がつくと、その場を飛び出し、実験場とは反対方向の森の中に行っていた。

「おい待て!」

追おうとするキョウスケをミハルは制して言った。

「待って、私が説得します」

 

ツバサは森の中で1人、歩いていた。

そして、呟く。

「ちくしょう…、上層部なんかの…、思うようにされて…たまるかってんだ…」

「ツバサ?」

不意に、後ろから声をかけられた。

見るとそこに、ミハルがいた。

「記憶処理はさすがに私だって抵抗はある。…でも…、いいんじゃあないの?だって今すごくムカついてることだって忘れられるのよ」

「あのなぁ…」

「どうしてツバサはそうやって悪い方に考えようとするの?結局はみんな人類のために戦っているだけじゃあないの?正義にも色々ある。いや、正義なんて本当はないのかもしれない…。でもそんな中、同じ目的を持った者が共に戦う、それだけでいいんじゃない?…それに…、逃げてちゃあ何も変えられないわよ。もし、不満があるなら直接言ってしまえばいいじゃない!だから、戻りましょ…、一緒に」

「ありがとう…」

だがツバサが言いかけた瞬間だった。

地面に激震が走る。

「なんだ!?」

一方、実験場では、なんと、怪獣が現れていた。

しかもその怪獣、肉食恐竜のような体に、戦車のようなキャタピラがついている。

「な、なんなんだあいつは…!」

キョウスケは呟いた。

怪獣はこっち目がけて目からレーザーを放ってきた。

「まずいっ!逃げろ!」

上層部の人達は逃げ出した。

だがレーザーは命中し、キョウスケの目の前が炎に包まれる。

キョウスケも後方に吹っ飛ばされた。

「く…、ちくしょう!」

力を込めて立とうとするが、立つことが出来ない。

そして、脚に激痛が走った。

折れているのだ。

だが向こうに逃れていた長官はそれを見て叫ぶ。

「おい!貴様!何をやっているんだ!立て!それがお前の仕事だろ!」

怪獣はどんどんこっちに迫ってきた。

その頃、ようやくツバサとミハルは実験場にたどり着いた。

そこに広がっていたのは見事に破壊された光景だった。

そして怪獣がこっちに迫ってきていた。

その時、ミハルはキョウスケが倒れているのを見つけた。

「黒田さん!」

ミハルとツバサは、そこに駆け寄る。

だがそれを見ていた長官は2人に支持する。

「お前ら!そんなやつはいい!そんなことより怪獣を倒せよ!」

「ちくしょう…!」

ツバサは怪獣の元へ駆け出した。

そして、怪獣の正面まで来ると、フレイスフラッシャーを…。

だがそうはいかなかった。フレイスフラッシャーがない。

なんとツバサはここに連れてこられるときに、フレイスフラッシャーを上層部に没収されてしまっていたのだった。

「しまっ…!」

怪獣は体の下にある砲台から一斉射撃を開始した。

ツバサは爆発に巻き込まれ、吹っ飛ばされる。

だが気がつくと、その手には、フレイスフラッシャーが自ら飛び込んできていたのだ。

「フレェェェェェイスッ!」

ツバサはフレイスに変身した。

 

「デュア!」

フレイスは怪獣の頭部に飛び蹴りを浴びせる。

そして、怪獣の正面に着地すると構えをとった。

だが怪獣はそれを見ると、再び一斉射撃を開始したのだ。だがフレイスはそれをサークルバリアで防ぐ。

それを見た怪獣は全力でキャタピラを回転させ突進してきた。

だがフレイスはそれをバク宙するとかわした。

そして怪獣の後ろに着地する。

怪獣はフレイスに向き直った。

そして、目からレーザーを発射する。

フレイスはそれを喰らって後方に吹っ飛ばされた。

さらにそこに、怪獣は砲台の一斉射撃を撃ち込んだ。

フレイスのカラータイマーが点滅を開始した。




今回の恐竜戦車は結構強めに設定されてます。てか恐竜戦車、テレビの方でも再登場されないのかな。キャタピラの部分が難しいのかな。


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第28話 陰謀(戦車怪獣恐竜戦車登場)

27話に引き続き28話です。ルーブにはとうとうルーゴサイトが出てきましたね!平成最後のウルトラマン、いよいよ最終章突入ってことで楽しみです。


フレイスは突進してくる怪獣をひたすら押し返そうとしていた。

しかし相手のキャタピラの馬力は桁外れだった。

じりじりとフレイスは後ろに押されていった。

 

一方、その頃、大道寺達上層部の人々は実験場高台にあるスパイナー弾発射台に移動していた。

「いいか、お前達、スパイナーを使ってウルトラマンごと怪獣を葬り去るのだ。もう何人死傷者が出ようが構わない。この場を知っているのは我々だけだ!怪獣のせいにしてしまえば!」

そして、砲台の照準は怪獣がこっちに来ないように押さえ込んでいるフレイスの背中に合わせられた。

「よし!いいぞ!発射!」

スパイナー弾は発射され、そのままフレイスの背中へと命中、大爆発をした。

 

「あ、あれは…、なんてことを…」

その様子をキョウスケのもとで見ていたミハルも呟いた。

爆発が晴れると、もうそこには、何も残っていなかった。

 

「く…、う…」

実験場の地面にはツバサが傷だらけになって倒れていた。

「ちくしょう…」

ツバサはそう呟く。

 

だがなんと、大道寺達はそれを見ていたのだ。

「あれは…、あいつ…、ウルトラマンと怪獣のいた所に…、何者なんだ?」

大道寺はそう呟いた。

ツバサはよろめきながらも立ち上がり、キョウスケやミハルのいる所へと向かおうとする。

だがその時だった。目の前に、大道寺とその2人の副官が現れたのだ。

「やぁ、君はたしか…、竜ヶ崎ツバサくん。とかいったな?」

ツバサはゆっくりとうなづいた。

すると大道寺は言った。

「君は…、一体何者なんだ?何故ウルトラマンと怪獣の戦っていたちょうどその場所に倒れていた?どういうことなんだ?説明してもらおうか」

だがツバサはこう言った。

「ならば俺からも言わせてください。あなた方のやり方は間違っている!怪獣を倒すのに、兵器開発を進める、とてもわかりやすい理由だ。だがあなた方は守ろうとしていない!ただ倒すことだけを目的とした、殺戮者だ!そんな人々に人類は、この地球は守れない!」

すると、大道寺は高らかに笑い始めた。

「なるほど、なかなか面白いことを言うな。だがお前はまだ未熟だ。人類を守るにはときに、殺戮者とならなくてはいかんのだよ。竜ヶ崎ツバサ、いや、ウルトラマンよ」

 

その頃、キョウスケとミハルのもとへは、別の高官が来ていた。

「さて、あなた方は記憶処理とさせていただきましょう」

だがミハルはその姿を見ると、掴みかかって言う。

「どうして!あなた達はウルトラマンを!私たちと一緒に地球を守る仲間を攻撃したの!?何故!彼は仲間に裏切られなきゃあならないの!?あなた達は本当は人類の平和なんてこれっぽっちも考えちゃあいない!あなた達がやっているのはただのエゴよ!」

だが男はそれを振り払うと、冷たく言った。

「だからなんなのだ?お前ごときに何が出来る?せいぜいそこで綺麗事並べてるがいいさ。ただの隊員の分際で」

ミハルは気がつくと男にレーザーガンを向けていた。

「ほう?撃つというのか?この俺を?そんなことしてみろ、お前は人殺しだ。もう一度言うぞ、お前は人殺しだ。一生消えない十字架を背負うことになる。それ相応の覚悟があるんだろうなぁ?」

ミハルはレーザーガンの引き金に指をかける。

だがその時だ。

「もうやめろ!」

キョウスケが脚の痛みに顔をしかめながら叫んだ。

「お前を…、こんなことで失いたくはない」

ミハルはレーザーガンをおろした。

「フン、感動だな。…では2人とも、テントにいらしてください。そこで記憶処理を始めますよ。抵抗したら…、分かっていますね?」

「どうします?黒田さん」

男が見えなくなるとミハルはきいた。

「決まってんだろ。俺は、ここでZETA上層部に、反旗を翻す!お前は…、どうする?」

「もちろん…、ついて行きます」

 

一方、ツバサは拘束されて、実験場近くにあったヘリコプターに乗せられた。

同じヘリに、大道寺も乗っている。

「お前は…、我々の新兵器開発の重要なキーマンとなる」

大道寺は言った。

「お前の目的はなんだ」

ツバサは訊いた。

「君のウルトラマンとしての秘密を解明し、人工的なウルトラマン部隊を作り出す。そうすれば我々の怪獣対策は新時代を迎えるであろう」

「そうはさせない!」

「さて…、どうなることやらな」

 

一方、実験場にいた高官達は一同テントの中でロープで縛られていた。

記憶処理装置も破壊されている。

キョウスケは椅子に座っていた。

一方、ミハルはその中の1人にレーザーガンを突きつけた。

「さぁ、あなた達の本拠地はどこなの?」

「さぁーね、教えるわけないだろぉ」

ミハルはため息をつくと、男の顔の横すれすれを撃った。

「ひいっ」

「次言わなかったら軌道それて本当に撃っちゃうかもね」

そして、レーザーガンを男の額に押し当てる。

「わ、わかった…、神奈川県…、箱根の山の中…」

「ありがとっ」

ミハルはウインクをした。

その時、座って、色々通信機器をいじくっていたキョウスケが言った。

「おい!通信が繋がったぞ。このままZETA日本支部の所に連絡をつければ…、援軍を要請できる!」

 

箱根山中にあるZETA日本支部兵器開発部本部、その中の一室にツバサは監禁されていた。

「ちくしょう…、とてもまずいことになったぞ…、このままだと…!」

しばらくして部屋に、大道寺が入ってきた。

「やぁ、ツバサくん、どうだね気分は」

「最悪だ…、それに薄々気づいていたがこれは兵器開発部の陰謀なんだろう?新兵器を使い、ウルトラマンごと怪獣をたおす。もちろんあの怪獣も兵器開発部が生体改造したものだ。そして、そのウルトラマンが人間に戻ったところで回収し、人造ウルトラマンを造る…」

大道寺は思わず拍手をしていた。

「ご明察だよ。だが一つだけ間違っている。ウルトラマンが人間だということは想定外だった。本来は、消滅した時の光の粒子を回収するはずだった。だがそこで都合よく君が現れてくれたというわけだ。君にはとても…、感謝しているよ」

だがその時、部屋の中が大きく揺れたのだ。

そして一気に電気が消え、警報が鳴り響く。しばらくすると赤い非常灯が点火した。

「これは…?」

「何が起きているんだ!」

大道寺までもが慌てた様子だ。

するとそこに大道寺の部下が飛び込んできた。

「大変です!基地の動力炉が!何者かによって破壊されました!」




今回はちょっとウルトラマンの活躍は少なめでした。まぁ多分次回はいつも並に活躍すると思われるのでそこはお許しを


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第29話 二十一世紀の雪女(凍結怪獣ガンダー、氷超獣アイスロン、雪女怪獣スノーゴン登場)

色々バグってさっき書いたの全部消えたという…。


長野県、権現山。雪男伝説もあるというこの山で、1人の登山客が、登山道をはずれて、何かから逃げていた。

「ひぃっ、来るな、来るなぁっ!」

彼の後ろからは、1人の、白い着物を着た若い女がゆっくりと歩いて追ってきていた。

「待て、やめろ!うわぁぁぁ!」

彼は、そこで、木の根につまづいて転んでしまった。

「ようやく追いついたわ。いとしい人っ」

女はそう言うと、覆いかぶさるようにして、上に寝そべった。

「やめろっ、やめろぉぉぉぉ!ぎゃあああああっ!」

男の体は氷漬けになっていった。

「こうなった方がもっと素敵よ…」

「なんだ、またやってるのか、小雪…」

不意に、革ジャン姿の男が木陰から現れた。

「ケイン…」

小雪はそう言うと立ち上がった。

そして、ケインの方へと歩いていく。

「ヤプールが死んだ…、アイスロンは我々のものだ」

ケインは、そう言った。

「まぁ、じゃあこの地球ももうすぐ…、240年待った甲斐があったわね」

小雪は言う。

「フン、既に作戦は開始した。既に我々配下のガンダーは地球人共の武器工場の破壊を開始している。我らも行くぞ…、我々の作戦を遂げに」

その頃、ZETA兵器開発部本部では、動力炉が破壊され、機能が完全に停止していた。

「まったく、どうなっているんだ!」

大道寺は怒鳴り散らす。

「何者かが人為的、もしくは怪獣によって破壊されたもようです」

大道寺の部下は言った。

「なるほど…、怪獣か…」

大道寺はそう言ってツバサの方を見た。

ツバサは動力炉へ向かう廊下を歩いていく。

だがその時、2度目の揺れが襲った。

そして、天井が崩れ始める。

「しまった…、まずいっ」

咄嗟にフレイスフラッシャーを構えてフレイスに変身する。

「なんなんだ!またか!」

大道寺達もその揺れは経験していた。

「ウルトラマンはまだか!」

そして、3度目の揺れが襲う。そして、その揺れで部屋の天井が崩れ、大道寺達はその下敷きとなった。

 

フレイスとガンダーはくみあいながら地上へと現れた。

そして、互いに距離をとると構えをとった。

「デュア!」

そして、お互いに突進していく。

やがて、またしても組み合うと、ガンダーはワンりょでフレイスをねじ伏せ、そのまま、冷凍光線を放った。

フレイスは顔面から少しづつ凍っていく、だがそこでバーニングモードにタイプチェンジをして、全身を炎に包み、その氷を溶かした。

そして、そのままガンダーを投げ飛ばす。

落下したガンダーに向かってフレイシウム光線を放って、爆散させた。

やがてフレイスは光に包まれて、ツバサの姿に戻った。

その時、ゼータウイングが現れ、すぐ近くに着陸した。

そして、中から南部隊長とミカが降りてきた。

「黒田達からの、通報で来てみたが何事だこれは」

南部は言った。

「今言うと長くなりますが…、とりあえず見ての通りです」

ツバサは答える。

「そうか、まぁいい、だが後で話は聞かせてもらおう」

南部とツバサはそう言って帰ろうとする。

だがその時だった。

ミカが今入った連絡を報告した。

「東京にて、超獣が出現!東京中を氷漬けにして暴れているようです」

 

アイスロンは天候を操り、東京を雪と氷の世界へと変貌させていた。

そして、その様子をケインと小雪がビルの屋上から眺めている。

「まぁ、素敵ね…、地球がこんな世界になるなんて…」

小雪は言った。

「フン、まだまだこんなの序章に過ぎん。恐らくウルトラマンは現れるであろう。我らはそれを叩き、次に一気に地球を氷河期へと変貌させる」

「ふふ…、さすが私のケインね…」

小雪はそう言うと、ケインの腕にもたれかかった。

「勝手に言っておけ」

その上空をゼータウイングが通過した。

「攻撃開始!」

本来は二人乗りのゼータウイングに3人も乗っているので、中はかなり窮屈だ。

だがそんなこと構わずに、ミサイルはアイスロンに命中する。

アイスロンはゼータウイングめがけて冷凍光線を発射するがゼータウイングはそれを旋回して避けた。

「人間どもが来たわ…。どうするの?」

小雪はケインにきいた。

「放っておけ、アイスロンの敵ではない」

ゼータウイングはアイスロンめがけてレーザーを浴びせる。

アイスロンは再び冷凍光線を放った。

今回も、ゼータウイングは旋回して…。

かわせなかった。ゼータウイングのエンジンが凍りついてしまったのだ。

「まずい!落下する!」

ゼータウイングは地上に滑り込むようにして落下した。

「うわぁぁぁ!!」

そしてしばらく横滑りを続けると止まった。

 

「やったわ!すごいわね!アイスロン!」

小雪はそう言って喜ぶ。

「当然だ。あとは中の人間どもを踏み潰してしまえ」

だがそこで小雪は反論した。

「何を言っているの?人間は私の楽しみのためにとっておかなくちゃあ…」

だがここでケインが、小雪の胸ぐらをつかんだ。

「貴様、甘いぞっ!人間とはいえ相手は戦士…、倒す時は抜かりなく…だ」

そして小雪の胸ぐらを離す。

「だが、まぁいい、アイスロンに氷漬けにされるくらいならしてやってもいいだろう」

 

ツバサ達は、ゼータウイングから脱出すると、地上に降り立った。

そして、レーザーガンを構えて、攻撃を開始する。

だが次の瞬間、アイスロンは3人目がけて、冷凍光線を放ってきたのだ。

「うわぁぁぁ!!」

3人は一気に氷漬けになってしまった。

そして、次の瞬間、そこに小雪が現れた。

「ふふ…、今まで以上に素敵なコレクションになったわ…、特にこれとか…」

そう言って、氷漬けになったツバサに体を寄せる。

だがそこで、ツバサの胸元が光り輝き始めたのに気づく。

「な、何よこれ…」

そして次の瞬間、氷が勢いよく割れて、小雪は後方に吹っ飛ばされた。

「きゃあっ、一体…、なにが…」

目の前には、ツバサがフレイスフラッシャーを持って、立っていた。

「なるほど…、ありがとうな、フレイス!」

ツバサはそう言うとフレイスフラッシャーを天に掲げて変身する。

 

「デュア!」

登場とともに、フレイスはアイスロンに飛び蹴りを浴びせた。

アイスロンはそのまま地面に倒れる。

そして立ち上がったが、今度は、パンチをくらってしまった。

「許さないわ…、許さないわよ…ウルトラマン!」

そして、小雪は怪獣の姿となり、巨大化したのだ。

全身が白い毛におおわれた。角のある怪獣であった。

怪獣は曇天の空に咆哮した。




と、今回はここまで、決着はまたしても次回に持ち越しという…。まぁ楽しみにしてて下さいませっと


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第30話 幻の雪男(バルダック星人ケイン、氷超獣アイスロン、雪女怪獣スノーゴン登場)

ジオウ、ソウゴが未来の自分と対面したし、ディケイドかっこいいし、どんどん面白くなっていくなほんま。


「小雪!いや、スノーゴン!まだその時ではない!早まるな!」

怪獣化した小雪を見て、ケインは慌てた。

フレイスはスノーゴンとアイスロンにより、挟み撃ちのような状態で立っていた。

スノーゴンはフレイスめがけて、口から冷凍ガスを発射する。

フレイスはそれを喰らって、地面にしゃがみ込んだ。

だがここでフレイスは氷漬けになった隊長とミカめがけて、ホットシャワーを放って氷を溶かす。

「く…、俺たちは…」

「隊長!ウルトラマンです!」

ミカはフレイスを見て叫んだ。

 

スノーゴンは再び冷凍ガスを放つ。

そして、それとほぼ同時にして、アイスロンも冷凍光線を発射した。

フレイスは地面に倒れ込む。

カラータイマーの点滅は既に始まっていた。

さらにスノーゴンは両手からも冷凍ガスを放ってきた。

「まずい!ウルトラマンが苦戦しています!」

ミカは言う。

だが隊長は別の心配をしていた。

「おい、ツバサの奴はどうした?」

するとミカもそれに気がつく。

「そういえば…、姿が見えないですね…」

 

しかしその時、フレイスはとうとう2大怪獣の攻撃により、とうとう全身氷漬けになってしまったのだ。

そんなフレイスをスノーゴンとアイスロンは何度も踏みつけていた。

 

「ちくしょう…!」

それを見た隊長は2体めがけてレーザーガンを撃った。

レーザーはアイスロンに命中し、アイスロンは倒れ込む。

だがそれにより、スノーゴンに見つかってしまった。

スノーゴンはゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。

「しまった…、あいつに見つかったぞ!」

南部とミカはレーザーガンを撃ちながら後退を始めた。

だがその時だった。スノーゴンの前にケインが現れた。そして言った。

「もういい、小雪、そいつらには構うな」

 

スノーゴンは南部達が完全にいなくなるのを見届けると、小雪の姿に戻った。

そして、ケインの元に駆け寄った。

「ねぇ、ケイン!やったわ!ウルトラマンを倒したのよ!」

だがケインはなんと、小雪を殴り倒したのだ。

「なっ、何をするの!?」

「貴様…、ここは戦場だ。個人の勝手な行動は許されんぞ!」

ケインは静かに言った。

「で、でも、勝ったじゃない!」

小雪も負けじと言い返す。

「勝ったからなんだというのだ!お前がこれからも同じようなことを続けていればいずれ我らは自滅することになる。戦場では俺に従え、いいな」

ケインはそう言うと、小雪に背を向けて歩き始めた。

「行くぞ、いつまでそこに倒れてるつもりだ」

 

一方、南部、ミカの2人は雪の降り積もった。すっかり無人になった高架下で、基地に残っているショウ、シンペイに連絡を入れる。

「ウルトラマンが倒れた。ツバサも行方不明だ。すぐに現場に来てくれ」

南部はそう言った。

すると、シンペイは答える。

「それなら既に、ほかの隊とも合同で、既に東京奪還作戦が進行しています」

「なんだ?それは」

南部はきいた。

「見ていてください」

シンペイがそう言った瞬間、上空を3機のスターイーグルが飛んでいった。

 

その光景は、ケインと小雪もビルの屋上から見ていた。

「また人間たちよ…。どうする?」

小雪が訊いた。

「当然だ。アイスロン、撃ち落とせ!」

ケインはそう司令をした。

アイスロンはスターイーグル達に向かって冷凍光線を放つ。

だがスターイーグルは次々とそれをかわしていった。

アイスロンはそれを追って、どんどん歩いていく。

それを見ていたケインはあることに気がついた。

「奴ら…、アイスロンをウルトラマンから離そうと…」

そして、命令した。

「アイスロン!奴らには構うな!ウルトラマンの所を離れるんじゃあない!」

アイスロンは踵を返すと、フレイスのもとへ戻っていった。

 

「ダメだ…!失敗です!作戦に気づかれました!」

その映像を見ていたミカは言った。

だが南部はそれでも言った。

「いや、いけるぞ。まだいける!超獣ごとウルトラ粒子砲を照射するんだ」

「そんな無理矢理な方法…」

通信機の向こうでショウは呟く。

「いいや、やってみなきゃあ分からないだろう?」

再びスターイーグルはアイスロンへの攻撃を開始する。

「アイスロン!構うな!」

ケインは言う。

だがその時だ。

その中の一機が光線を貯め始めたのだ。

「ケイン…あれ…」

小雪がそれを恐る恐る指さす。

「なんだ…、何をする気なんだ!?だがまずいぞ!これは非常にまずいぞ!アイスロン!冷凍光線だぁぁぁぁぁ!!!」

アイスロンとウルトラ粒子砲はほぼ同時に放たれた。

そして、それは空中で大衝突する。

威力はほぼ拮抗していた。

「まだだ…、まだいけるぞ!」

「アイスロンちゃん!負けないで!」

ケインと小雪は声援を送る。

一方、南部とミカも声援を送っていた。

「いいぞ!そのまま押し返せ!」

「頑張ってください!ウルトラマンのためにも!」

 

やがて、ウルトラ粒子砲が冷凍光線を圧倒し始めた。そして、それはアイスロンの体を貫通し、背後のフレイスの、カラータイマーに直撃する。

アイスロンは爆発し、そして…。

 

フレイスはゆっくりと立ち上がった。

 

「そ…、そんな…」

小雪は呟く。

「く…、アイスロンが…、やむおえん…、ならばこのバルダック星人ケインが相手をしてやろう!」

だが、そんなケインを小雪は引き止める。

「待って、それなら私も行くわ」

「待て…、お前は…」

「いいや、どうしても行く!私を残していくなんて許さない!」

「そうか…、ならば行こう…」

 

フレイスの前に、スノーゴンとバルダック星人が現れた。

「デュア!」

フレイスは構えをとる。

それと同時に、バルダック星人とスノーゴンも構えをとった。

そしてスノーゴンのが先に突進した。

だがスノーゴンはフレイスのキックをくらい倒れ込む。

その直後、バルダック星人はフレイスに飛びかかり、地面に押さえ込んだ。

立ち上がったスノーゴンがそれに冷凍ガスを浴びせる。

フレイスはバーニングモードにタイプチェンジした。

そして、バルダック星人をスノーゴンの方へ投げ飛ばした。

2体は折り重なって倒れる。

そしてそこに目がけて、バーニングショットを放った。

バルダック星人とスノーゴンは爆散した。

 

「やったぞ!」

南部とミカが歓声をあげてハイタッチをした。

しかしここで誰かを忘れているのに気がつく。

「そういえば…ツバサくんは…」

ミカが言った時だった。

「おーい!」

向こうからツバサが手を振りながら走ってきたのだ。




今回は、王道パターンの終わり方でした。そういえばまだこの作品、スペースビーストを出てないなってことで、次回は多分ガルベロスを出します。お楽しみに


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第31話 怪獣-ビースト-(フィンディッシュタイプビーストガルベロス登場)

ウルバト配信されたな。早速入れてプレイしてるんだがこれがなかなか面白くて。相棒はグドン。



ある夜、市街地を3つ首の怪獣が進撃していく。

怪獣は3つの口から次々と火炎弾を発射し、ビルを破壊していった。

だが、そこに一機のゼータウイングが現れる。

 

「あれは、怪獣…、いや、スペースビーストだ!」

操縦者の龍ケ崎ツバサは言った。

スペースビースト、それはかつて新宿に現れた怪獣、ビースト・ザ・ワンの細胞が世界各地に散らばり現れるようになった悪魔の生物だ。

「スペースビーストだかなんだか知らないが喰らえ!」

ツバサの後で操縦している有馬ショウはそう言うとビーストめがけてミサイルを発射する。

ミサイルはビーストに次々と命中したがビーストは全くビクともしない。それどころか、こっちに気づいて、火炎弾を発射してきた。

ゼータウイングはそれを次々とかわしていく。

 

「ダメだ…、避けきれるけど照準が合わせられない!」

ツバサは言った。

「よし、俺に代われ!」

ショウはそう言うと、レーザーを発射し始めた。

レーザーは次々とビーストに命中していく。

ビーストは怯んで一瞬攻撃をやめた。

「そこだァァァァァ!!」

ショウは叫びながらビーストめがけてスペシウムミサイルを発射する。

ミサイルはビーストに命中して、ビーストは爆散した。

「やったぜ!みたかスペースビースト!」

 

しばらくして基地に戻った2人は、南部隊の部屋に帰ってきた。

「あぁ、今回の、ビーストは難なく倒したそうじゃあないか。しかし…、何か妙だな」

隊長は言った。

「何か妙とは?」

ツバサは訊く。

「いや、ビーストにしてはやけにあっさりと倒せてしまったなということだ」

「まぁ、そんなこともあるということでしょう」

ショウは楽観的にそう言った。

だがツバサは少し考え込んでいた。

 

「やっぱ、隊長の言ったこと、気になるんでしょ?」

それからしばらくして、昼休み、ZETAの食堂でうどんを食べていたツバサはミハルに声をかけられた。

「うん、なんか…、また調査しなきゃあいけないような気がしてね…」

ツバサはそう答えた。

「分かった。じゃあ…、一緒に行く?」

ミハルはそう言いながらルーバーのキーを取り出した。

しばらくして、ミハルが運転し、助手席にツバサを乗せたルーバーが例のビースト戦のあった市街地を走っていた。

「特に、異変はないようね…」

ミハルは言った。

「あぁ、怪獣災害の爪痕がなければな」

あちこちに散乱したビルの破片や、ゴミなどを見ながらツバサは言った。

だがそこでツバサはあるものを見つけた。

「おい、ミハル、ちょっと止まってくれ」

ツバサは車を止めさせると外に出ていった。

 

それは、大きなひとつの肉片だった。

昨日のビーストのものだろう。1m近くはある。

「えぇと…何…?これ…」

あとから降りてきたミハルはそれを見て訊いた。

「恐らく…、昨日の夜のビーストの肉片だ…」

だがその時、その肉片は、ゆっくりと鼓動を打ち始めた。

「動いた!?」

「筋肉が痙攣しているってこと?」

ミハルはまたきく。

「いや…、もしくは…、まだ生きてるか…」

すると、ツバサが言ったその時だった。背後のビルが崩壊を始め、それと同時に、地面が激しく揺れ始めたのだ。

「地震か!?」

だがその時、ビルを突き破って昨日のビーストが現れたのだ。

「あ、あいつは…!?」

2人は急いでルーバーに乗り込んだ。

「ツバサ!どうにかしてこの状況から脱するわよ!」

ミハルはそう言うとアクセルを踏んだ。

そして、ルーバーは急発進をして、ビーストから逃げ始める。

ビーストはそれを見て、ゆっくりと追い始めた。

「よし、撃ち込むわよ!」

ミハルがそう言うと、ルーバーの屋根の上にレーザー砲台のようなものが現れ、ビーストの方に回転した。

そして、そこからレーザーを発射する。

ビーストは一瞬、歩みをとめた。

そして、再び歩き始めようとした時だ。

 

「お前は俺達が相手だ!」

ショウとキョウスケを乗せたゼータウイングが現れ、レーザーを撃ち込む。

ビーストは近くのビルに倒れ込んだ。だが再び立ち上がるとゼータウイングめがけて火炎弾を発射しようとする。

だがそこでルーバーもレーザーを撃ち込んだ。

ビーストは立ち止まって、ゼータウイングとルーバーを交互に見やる。

「行くぞ!スペシウムミサイル!」

ショウはそう言ってボタンを押そうとする。

だがそこで通信が入った。

ミカからだ。

「今回のビースト、ガルベロスは再生細胞を持っています。つまり…、何度死んでも蘇るということです…」

「じゃ、じゃあどうすればいいんだ?」

キョウスケはきく。

しかし、次の瞬間、ガルベロスはゼータウイングめがけて火炎弾を発射した。

しかし、ゼータウイングは、それを避けようとしない。

「危ない!」

そう言うとツバサは外へ飛び出した。

そして、ガルベロスの方に走りながらフレイスフラッシャーを展開してフレイスに変身する。

「デュアー!」

フレイスは火炎弾の前に飛び込むと、全身でそれを受け止めた。

ガルベロスはそれを見るとフレイスに飛びかかって押さえ込もうとする。

だがフレイスはそこから逃れてガルベロスにエルボーを打ち込んだ。

さらに蹴りも打ち込む。ガルベロスは後ろに後ずさった。

だがここでガルベロスはフレイスめがけて火炎弾を撃ち込んだ。

フレイスは後方に吹っ飛ばされ、ビルの上に落下する。

さらにガルベロスはその上にのしかかった。

フレイスのカラータイマーは点滅を開始した。

「デュア!」

フレイスはバーニングモードにタイプチェンジする。

そして、ガルベロスの真ん中の首の顔面にパンチを浴びせると立ち上がった。

それから今度はブリザードモードにタイプチェンジをする。

フレイスは腕をクロスして、ブリザードショットを浴びせる。

ガルベロスはゆっくりと氷漬けになっていった。

やがて、完全に凍りつくと、フレイスはそれを持ち上げて、飛び去った。

 

宇宙、フレイスはガルベロスを運びながらそこに到達するとシャイニングモードに戻った。

そして、氷漬けのガルベロスを宇宙空間に押し出すと、腕を十字に組んでフレイシウム光線を発射した。

ガルベロスはそのまま爆破された。

 

ミハルはルーバーのそばでツバサを待っていた。

すると、向こうから、手を振りながら走ってきた。

「おーい!」

ミハルはそれを見て、手を振り返すが、しばらくして呟いた。

「やっぱりツバサ…、いや…、まさかね…」




スペースビーストをこの作品に出してなかったので今回は出してみました。


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第32話 キャンプ場に行こう!(電波怪獣セダルオ登場)

作者はウルバトにハマった模様。なお来年にはスパロボDDも配信されるみたいだしソシャゲも捨てたもんではなかったなと思っている。


山道を1台の車が走っていった。

それを運転するのは龍ケ崎ツバサ、そして、助手席には結城マヤ、そして後部座席には結城ケンタが座っていた。

3人は、ツバサの休暇にキャンプに行くことにしたのだ。

「しばらくは…、この道でいいんだな」

ツバサは運転しながらそう言った。

「はい、とう言うよりこの道しか…ないですよね。この山奥」

マヤがそう言う。

「あぁ、そうだった…」

だがカーナビを見たツバサはあることに気がついた。

「待ってくれ、これ…、道が表示されてないんじゃないか?」

見ると、カーナビの画面は一面真っ白、何も映っていない。

「おかしいですね…」

マヤはそう言いながら地図を取り出した。

「山奥すぎてってことなのかな…」

ツバサは言う。

「最近のカーナビはそんなことないはずなんですがね…」

マヤはそう言った。

「まぁいっか。地図、頼んだよ」

「はい」

 

やがて、3人はそんなこんなでキャンプ場に着いた。そして、川原のそばに行くと、そこでテントを張った。

「ち、ケータイも圏外か…」

ツバサはスマホの画面を見ながら呟いた。

「ケータイまで使えないんですか?」

近くにいたケンタはそうきく。

「いや、まぁケータイ圏外なんてことは割とよくあるんだがな」

それから、2人はテントに戻る。

 

「この近くには誰も人はいないみたいですね」

飯盒でご飯を炊きながらマヤは言った。

「そうだな…、まぁそれで選んだんだが」

「どうしてですか?」

ケンタがそう訊いた。

「いや、俺は君たちに本当の自然ってものを体感して欲しくてね。それで…、人は少なければ少ないほど本当の自然を感じられるだろうと思ったから、ここにしたんだ」

「なんか…、わざわざありがとうございます」

マヤはそう会釈する。

「いや、まぁ、そんな…。半分は俺が行きたいだけだったから…」

やがて、夜になった。

「ケンタ…、ちょいと星を見にいこうか」

ツバサはそう声をかけるとテントから出ていった。

ケンタもそれに続いてテントから出る。

ツバサは地面に仰向けに寝転がると言った。

「さぁ、ここに寝そべってご覧」

ケンタも言われた通りにツバサの隣に仰向けになる。

「うわぁ」

たくさんの星を見てケンタは思わず声をあげた。

「すごいだろう?」

「はい!」

そして2人はしばらくうっとりと空を見上げていた。

やがてケンタは口を開いた。

「あの中の星のどこかに、ウルトラマンがいるかもしれないってことですよね…」

ツバサはそれを聞いて答える。

「そうだな…、きっといるさ、この中のどこかに…」

するとその時だ。突然地面が大きく揺れた。

「地震!?」

2人は思わず起き上がる。

「テントへ戻るんだ!」

ツバサはそう叫び、ケンタの手を取ってテントに向かって走り始める。

「い、今のは?」

テントに戻るとマヤは訊いてきた。

「地震…か?だとしたら、崖崩れなんかの危険性もある。気をつけるんだ」

だが、またしても地面が大きく揺れたのだ。

「ま、また…」

「余震か?」

ツバサは言った。

しかし次の瞬間、怪獣の吠えるような声が辺りに響き渡ったのだ。

「な、あの声は…」

ツバサはテントの外に飛び出そうとした。だが、その手をマヤが掴む。

「駄目です。今のあなたは一般人、武器だってないじゃあないですか!」

「いや、それでも行かなくちゃあならないんだ!行かせてくれ!頼む!せめて外にでも…!」

「それなら私も行きます」

「俺も…!」

ケンタまで言う。

「しかしそれは…」

「同じ一般人なのに私たちは行かないなんて出来ません」

マヤはそう言った。

 

3人は、テントから外に出る。

そして、向こうからこっちに向かって歩いてくる巨大な怪獣の姿を目撃した。

「あ…、あれが…」

怪獣はこっちに向かって歩いてくる。

「あの怪獣…、どうしてこっちに…」

マヤは疑問を口にした。

「獲物だ…、俺たちは久しぶりのここに来た獲物だったんだ…」

ツバサは呟く。

怪獣はこっちに向かって鼻から炎を出した。

「まずい!伏せろ!」

ツバサはそう言うと、ケンタとマヤを伏せさせて、地面にダイブした。

直後、背後で爆発が起こる。

「テントが…!」

3人のテントは炎に包まれていた。

「ちくしょう…」

ツバサはそれをみると目にも止まらない速さで怪獣の方へ駆け出していった。

「あっ、ツバサさん!」

「ツバサ兄さん!」

 

「フレェェェェイス!」

ツバサは走りながらフレイスフラッシャーを展開して、フレイスに変身した。

 

「デュァァ!」

フレイスは走りながら現れた。

 

「ウルトラマンだ!」

ケンタはそれを見て叫ぶ。

 

フレイスは怪獣に突進していくと、そのまま顔面に蹴りを入れる。

だが怪獣はそれを口で受け止めたのだ。

そして、それを少しづつ締めていき、フレイスの足を痛めつける。

怪獣がフレイスの足を放すとフレイスは地面に倒れ込んだ。

そんなフレイスを怪獣は踏みつける。

だがここでフレイスがバーニングモードにタイプチェンジをした。

「デュア!」

フレイスはそれと同時に、怪獣の足から脱すると立ち上がって構えをとる。

怪獣はフレイスに鼻からの炎をぶつける。

フレイスは後方に吹っ飛ばされて再び倒れ込む。

怪獣はさらにそこにトドメを刺すかのように炎を浴びせた。

そこでフレイスはブリザードモードのタイプチェンジをすると、炎をかいくぐって、怪獣の顔面にパンチを浴びせる。

さらに後方によろめいた怪獣に、蹴りを入れる。

そして、ブリザードソードという青い光の光剣を出すと、怪獣を切り裂いた。

怪獣は真っ二つになると爆散した。

フレイスは光に包まれて、ツバサの姿に戻った。

 

「すまないな…、怪獣が現れてしまって…」

ツバサは二人のもとに戻ると、まず謝った。

「いいえ、いいんですよ。楽しい思い出になりました」

マヤはそう言う。

「しかし…、テントは燃えてしまった…」

ツバサは言った。

「ううん、また別な時に行けばいい話じゃあないですか。またの休みの時に」

 

ツバサたち3人が車に乗り込むと、不思議なことにカーナビは治っていた。

「元に戻ってる…」

マヤは不思議そうに言う。

「もしかして…、あの電波も怪獣が…」

ツバサはそう呟いた。

「電波?怪獣?どういう繋がりが?」

マヤは、そうきいてくる。

「いや、怪獣はもしかしたら妨害電波のようなものを出していたのかもしれないなってな…」

ツバサはそう言うと車を発進させた。

 

夜が明け始めていた。




多分今年最後の投稿。来年もよろしくお願いします!


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第33話 ひとりぼっちの宇宙飛行士(棲星怪獣ジャミラ登場)

いやぁ、今回はローソンの番くじ、仮面ライダーもあるしジョジョもあるしなかなか俺得でしたなぁ。(なお近所のローソンでは既に売り切れた模様)


宇宙空間を、1隻の宇宙船が漂っていた。それは、自ら動く力を失って、ゆっくりと回転しながら漂っていた。側面には日本の国旗のマーク、地球の船だ。

 

ZETA日本支部、その中にある南部隊の部屋。

コンピュータをいじっていた直江ミカは顔を上げた。

「群馬山中に巨大な生体反応が落下するのを確認しました」

「巨大な生体反応?宇宙怪獣か?」

隊長の南部トオルは訊いた。

「はい、恐らくは…」

南部はそれを聞くと命じた。

「ツバサ、黒田、すぐに現場に調査に向かってくれ」

「了解!」

名前を呼ばれた2人は敬礼をした。

 

ゼータウイングが、群馬山中の上空を飛行していった。

もちろんそこには、ツバサとキョウスケの2人が乗っていた。

しばらく飛んでいくと2人の目の前に巨大な怪獣が現れた。

怪獣といったが、怪獣というよりはヒューマノイドのような見た目で、頭は肩と繋がった奇妙な姿をしている。

「アイツだな…」

キョウスケは言った。

怪獣もゼータウイングに気がついたようだ。

そして、気がつくとすぐに口から炎を浴びせてきた。

「なぁっ、いきなり攻撃か…!」

キョウスケはゼータウイングを旋回させてそれをかわす。

「ならばこっちも!」

後部席でツバサがミサイルのボタンを押した。

ミサイルは怪獣に次々と命中していった。

怪獣は鳴き声をあげると再び口から炎を吐いてくる。

ゼータウイングはまたしてもそれをかわす。

「よし、ツバサ、スペルゲンミサイルだ!」

「了解!」

ゼータウイングの下部からミサイルが飛び出し、発射される。

それは怪獣の胴体に命中した。

怪獣はそのまま地面に倒れ込む。

「やったか!?」

しかし怪獣は再び立ち上がった。

そして口から炎を発射する。

「まずい!」

炎はゼータウイングに命中した。

「メインエンジンがやられました!」

ゼータウイングはだんだんと高度を下げていく。

「やばいぞ…、脱出だ!」

2人はパラシュートを展開して外に飛び出した。

怪獣はいつの間にか消えていた。そして、森の中にはツバサとキョウスケの2人だけが取り残されていた。

「本部、こちら黒田、ゼータウイングが撃ち落とされた。我々は無事だ。すぐに助けに来てくれ」

キョウスケはそう連絡を入れていた。

一方、ツバサは森の中を歩き回り、見回りをしていた。

その時、近くの茂みがガサガサいいはじめた。

ツバサは咄嗟にレーザーガンを構える。

しかし茂みから出てきたそれは、人間の男だった。

彼は苦しそうに地面に倒れ込んだ。

「お、おい、大丈夫か?」

ツバサはレーザーガンををしまうと男に駆け寄った。

そして、キョウスケを呼ぶ。

「黒田さん!来てください!」

「どうした?」

キョウスケはすぐに現れた。

「ここに人が…」

キョウスケはそれを見ると、少し慌てて駆け寄った。

「おい、大丈夫か!?しっかりしろ!」

キョウスケは男を抱き起こす。

すると、男は目を開き始めた。

「う…」

「気づいたか。大丈夫か?」

キョウスケは訊く。

「お前は…、誰だ?」

男はそう訊いた。

「俺はZETA隊員の黒田キョウスケ、そしてこっちが同じくZETA隊員の龍ケ崎ツバサだ」

キョウスケはそう答える。

「そうか…、俺は北条ミラ…。みんなジャミラって呼んでた…」

男はそう答えた。

「わかった。それでジャミラ、何があったんだ?どこが痛む」

するとジャミラは答えた。

「俺は…、見捨てられた…、仲間の宇宙船からも…、そしてステーションからも…」

「宇宙人…、なのか?」

ツバサがそう訊くと、ジャミラは叫ぶように言った。

「違う!俺は…、俺は…、地球人だ!」

そしてツバサに掴みかかった。

すぐさまそれをキョウスケが取り押さえる。

それでもなおジャミラは叫んでいた。

「お前達は俺を裏切った!見捨てた!そして挙句の果てには宇宙人だと!?ふざけるなっ!お前達が俺をこんなんに変えたんだ!だから復讐してやる!一人残らず殺し尽くしてやる!」」

そう言いながらジャミラのめが赤く光り始めた。

「黒田さん!危ない!」

ツバサは咄嗟にキョウスケを突き飛ばす。

そして、次の瞬間、上を見上げると、そこにはあの怪獣がいた。

 

「俺を怪獣に変えたのはお前達だ!」

この声は、フレイスと一体化しているツバサにしか聞えない。だがそれでもなおジャミラは叫び続けていた。

「さぁぁぁぁ!復讐してやるぞ!地球人どもよ!」

 

「まずい…!どうします?」

ツバサはレーザーガンを構えながら訊いた。

「どうするもないだろ、戦うまでだ!」

キョウスケはそう言ってレーザーガンを撃ち始める。

ツバサも負けじと撃ちまくった。

だがジャミラはこっちに向かってゆっくりと歩いてくる。

「やばい…、ちくしょう…!」

ツバサはそう言うと、ジャミラの方へと駆け出した。

「おい!待て!」

キョウスケは呼び止めようとする。

しかしツバサは木陰に飛び込むとフレイスフラッシャーを天にかざし、展開させた。

そしてフレイスに変身する。

 

「デュア!」

光とともに現れたフレイスがジャミラに飛び蹴りを浴びせた。

「ジャミラ、もうやめよう!こんなこと!」

ツバサは言う。

「いいや、ダメだ!俺は許さんぞ!」

ジャミラはそう言うと突進してきた。

しかしフレイスはそれをかわすとジャミラを抑え込む。

そしてその顔面に蹴りを入れた。

ジャミラはそれをくらって後ずさった。

「デュア!」

フレイスは構えをとる。

再びジャミラは突進してきた。

フレイスはそんなジャミラに組み付くと、横に投げ飛ばした。

ジャミラは地面に倒れ込む。

だがすぐに立ち上がるとフレイスに掴みかかってきた。

「やめろ!こんなことをしても何もならない!」

「お前に俺の気持ちは分かるまい!宇宙空間、ずっと一人ぼっちで漂い続けたこの俺の気持ちは!」

そう言ってジャミラはフレイスを地面に押し倒した。

そしてその上に馬乗りになる。

だがフレイスはすぐにジャミラごと寝返って、さっきと完全に真逆の体勢になった。

「お前だって地球人だったんなら分かるはずだ!この星の素晴らしさを!」

「素晴らしさ?そんなものない!ここは醜い地球人達が暮らす星だ!そんなものあるわけがない!」

「人間だった頃!お前には愛するものはなかったのか!守りたいものはなかったのか!」

「なっ…、愛するもの…、守りたいものだと!?」

「そうだ。お前のやろうとしていたことはそれさえも滅ぼそうとしていたのだぞ!」

「やめろ…、やめろ…、やめろ…、やめろぉぉぉぉぉ!」

フレイスはゆっくりと立ち上がるとジャミラから離れていった。

ジャミラもそれを見て立ち上がる。

「忘れていた…、かつて俺にもそんなものが…」

ジャミラは言った。

「地球の戦士よ、さぁ、俺にトドメを刺せ、早く!」

「何故だ…!まだ人間に戻れるかもしれない!」

「いいやダメだ!この醜い生命体は俺の復讐心に取り憑いた!だからここで滅ぼさないとダメなんだ!さぁ!やってくれ!」

フレイスは頷くと、腕を十字に組んだ、そしてフレイシウム光線を発射した。

光線はジャミラに命中し、そして爆発した。




てか何気に新年初投稿なんだなこれ


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第34話 夢の館(原色怪人ドゥルガ登場)

そういえばこないだガンダムナラティブ見てきましたって話したっけ。ネタバレにならないように言うとリタが可愛いのとゾルタンのやべーやつ感が好きだった。あと、途中でΖとか逆シャアの映像使ってくるのが好き。


「あれ?ここにこんな建物あったっけ?」

ある公園に、親子連れが通りかかった。

するとそこに、とてもカラフルな家が建っていたのだ。

「さぁ、新しく出来たのかしらね…」

母親も怪訝そうに言った。

「行ってみようよ!」

子どもは親の手を引き、入っていこうとする。

「だめよ。人の家かもしれないんだから…」

だがその時だ。

「構いませんよ。ぜひ見ていってください」

背後から声をかけられた。

見ると、小太りの紳士風の男がそこに立っていた。

「あの…、あなたは…」

母親が訊くと男は答える。

「私の名はドゥルガ、この夢の館の主でございます」

だがその間に既に子どもは館の中に入っていっていた。

「見て!お母さん!中はすごいよ!」

「ささっ、あなたもどうぞ中へ」

 

ZETA日本支部、南部隊の部屋。

「あぁー!また負けたぁ!」

ツバサはトランプを片手にそう言った。

今、ツバサとショウ、それにミハルはババ抜きをしていたのだ。

「お前…、ほんっと、弱いな」

ショウは言う。

「う、うるせぇな!次こそ!」

ツバサはさっさと次のゲームの準備を開始していた。

「ほんっと、顔に出やすいんだから」

ミハルも言った。

「ちくしょう…、ミハルまで…」

だがそこで隊長が声をかける。

「おい、3人とも、そろそろ片付けとけよ」

「「「はぁーい」」」

一番負けが多かったツバサが半ば強制的に片付けをさせられると、相変わらずコンピュータに向き合っていたミカが呟いた。

「おかしい…」

たまたま一番近くにいたツバサがそれに気がついた。

「どうした?」

そして立ち止まる。

「いえ…、どうも都市伝説的で信用は出来ないんですが、ここ…、謎の館が建ってからというもの近辺で子供たちが行方不明になることが増えたらしいって書いてあるんです」

「へぇ…、都市伝説投稿サイト…、お前こんなの見るんだ」

ツバサはむしろそっちの方に感心した。

「いや…、その…、割とこういうの好きなもので…」

ミカは少し恥ずかしそうに答えた。

「いいと思うぞ。それより本当にこの場所で行方不明の子どもが増えているのか。調べられるか?」

「はい、やってみます」

しばらくすると、いくつかのデータが出てきた。

「本当…、みたいですね」

ミカはそれを見て呟いた。

「あぁ、そうだな。少し…、調査してみる必要があるな…」

 

例の公園に、ツバサとミカの2人は来ていた。

「ここか…」

そして2人はあのカラフルな館を見上げていた。

「はい…、早速…、入ってみますか?」

「そうだな。用心していくぞ…」

2人は館のドアノブに手をかける。

しかし、それは開かなかった。

「な…、開かないぞ…」

「すいませんねぇ、ここは大人だけのお客様はお断りしているんですよ…」

振り返ると、そこに小太りの紳士が立っていた。

「誰だ!お前は!」

ツバサは訊く。

「おやおや、随分と乱暴な口をきく。私はこの館の主、ドゥルガですよ」

「大人はお断りってことは…、お前やっぱり子供たちを…!」

ツバサはそう問いつめる。

「あなた達、どう足掻いてもダメですよ…。所詮大人は年老いた身、私の館には相応しくない」

「く…」

だがその時だった。ミカがいつもより1オクターブくらい高い声を出して言った。

「あのぉ〜、子どもってだいたい何歳くらいまでぇ〜?」

「そ、そうだな。17、18くらいまでが…、ラインかな…」

ドゥルガは考えながら答える。

「私17なのぉ〜」

「な、確かに…、よく見ればそう見えるかもな…、よし!そっちの男も保護者として入ることを許可する!」

館の扉が音もなく開いた。

「さぁ、行きますよ」

唖然としているツバサの手を引いて、ミカは言った。

2人は、館の中へと入っていった。

 

館の中はとてもカラフルに彩られた空間だった。

上の方にはたくさんの泡のようなものが浮かんでいる。

「あの…、さっきのは誰にも言わないでくださいね」

ミカは小声でツバサに言った。

「お、おう…」

「ようこそ!私の夢の館へ!」

ドゥルガはそう叫んだ。

その時、ミカが泡を指さして叫んだ。

「ツバサさん!あれを見てください!」

「あれは…!」

見ると上に浮かんでいる無数の泡の中には、子供たちとその親が入っていた。

「気づきましたねぇ。しかしもう遅い!あなたがたもああなるんだ!」

ドゥルガはそう言うと青とピンクのカラフルな怪人態に変身した。

「お前は!やっぱり!」

ツバサはレーザーガンを抜いた。

「はっはっは、私はねぇ、子供たちの若い命を少しばかりいただくことによって永遠の若さを手に入れるつもりなのだよ。誰にも邪魔はさせん!」

どこからともなく、誰も入っていない泡があらわれ、ツバサに突進してきた。

ツバサはそれにはね飛ばされる。

「ツバサさん!」

ミカはそっちに気を取られ、新たに迫ってくる泡に気づかなかった。

「きゃああああっ!」

あっという間に泡に包まれ、上に上がっていく。

「貴様…」

ツバサは立ち上がるとフレイスフラッシャーを取り出した。

「な、なんだそれは!」

ツバサはそれを天に掲げて展開し、フレイスに変身する。

「お前は!ウルトラマン!」

 

フレイスにあわせてドゥルガも巨大化した瞬間、あたりの風景は、カラフルな館内部から、夜の、死の森へと変貌した。

「これが私のバトルフィィィィルドッ!」

ドゥルガはそう言いながら構えをとる。

「デュア!」

フレイスも構えをとった。

そしてお互いに突進していく。

2人は同時に拳を突き出した。

拳と拳が空中でぶつかり合う。

力は、同じくらい、いや、少しフレイスの方が強かった。

ドゥルガの拳に少しづつ、ヒビが入り始めたのだ。

「なっ、馬鹿な!」

やがてそれは勢いがつき、全身にまで広がっていった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ドゥルガは爆発した。

ドゥルガが死ぬと、天頂から金色のとともに、元の世界の、公園の景色に戻っていった。

もちろん、夢の館もどこかへ消え去っていた。

かつて、舘があった場所には、捕えられていた子供たち、そしてその親達が倒れていた。

既に何人かは目を覚ましかけている。

ツバサはその中の1人、ミカに駆け寄った。

そして、抱き起こす。

「おい、おい、大丈夫か!」

ミカはゆっくりと目を開けはじめた。

「ツバサさん…、奴は…、倒したんですね…」

ミカはそう言うとツバサに抱きついた。

「お、おい、待て、人が、人が見てるって」

「構いません、しばらく…、このままでいさせてください」

ツバサは非常にまずいことになったなと思いながら、そっと、ミカを抱き返した。




次回は、マイナーで意外な宇宙人が登場します。(強敵として)なので、お楽しみに


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第35話 探して…(知略遊撃宇宙人エンディール星人登場)

ウルバト来週にiOS版も配信されるみたいだがそうなった場合参戦怪獣も増えてアリーナとかも解禁されるのかな


宇宙人が市街地を破壊していた。

顔の真ん中に巨大な目を持った宇宙人だ。

「ちくしょう…、星人め!」

スターコンドルIIに乗っていたショウは宇宙人目掛けてミサイルを打ち込む。だが宇宙人はビクともせず、スターコンドルIIに向かって目から光弾を発射した。

だがそこにすかさずゼータウイングがレーザーを放って相殺した。

「サンキュー、ツバサ」

ショウは言う。

ゼータウイングには、ツバサとミハルが乗り込んでいた。

「さぁ、行くわよ!合体フォーメーション!」

ミハルが叫ぶ。

スターコンドルIIにはゼータウイングと合体をする機能が新たに追加されていた。

「了解!行くぜぇぇぇ!!」

スターコンドルIIがゼータウイングの背後に回り込む。

そしてその底面から2本の突起がのびてゼータウイングを挟み込んだ。

「合体!スターウイングZ!」

ミハルの掛け声とともに、合体の衝撃、そして光が迸り2機は合体に成功した。

宇宙人はそれ見ると次々と光弾を放ってきたがスターウイングZはそれを全てかわしていった。

そして、そのまま機体全体が赤く光り輝く。

「行くわよ!クリムゾンアタックZ!!」

スターウイングは宇宙人に突っ込んでいった。

そして、それを貫いて…。

気がつくと宇宙人は爆散していた。

スターウイングの赤い輝きは失われ、元の機体色に戻っていた。

 

「よし、やったぞ!」

ZETA日本支部南部隊の部屋では隊長がその映像を見てガッツポーズをした。

「しかし隊長、クリムゾンアタックの成功率は30パーセントほど、よくあの場で試そうと…」

ミカはそう言う。

「そうだな…、アイツらの絆に賭けた。それだけだ」

「そんなの不確実すぎます!」

「いずれお前にもわかる日が来るさ」

一方、ここは、地球軌道上に浮かぶある透明円盤。

そこで例の1つ目の宇宙人の仲間が2人話し合っていた。

「地球人…、なかなか侮れんな…」

スクリーンにはさっきの戦闘の映像が流れている。

「そうだな…。我らの侵略の脅威となる前に、地球人…、特にZETAとか呼ばれる輩を排除するのだ…」

「はっ」

ZETA日本支部の格納庫、ここに、戦闘を終えた3人が、機体から降りて歩いていた。

「凄まじい威力だったな。スターウイング」

ショウは言った。

「あぁ…、だが同時に恐ろしくもある」

ツバサは言う。

「恐ろしい?どういう事だ?」

「人類がこのまま技術革新を続けていけば…、いずれはその技術によって自滅する…。そう思ってしまって…」

「まさか…、そんな訳…」

「いいや、有り得るわ…」

ミハルが口を開いた。

「朝倉…、お前まで…」

「侵略者がなぜ地球を狙うのか…、考えたことある?」

ミハルは訊いた。

2人は首を横に振る。

「地球みたいな星…、特別資源があるわけでもない…、それに侵略するメリットも特別見当たらない…。そもそも本当に侵略するのならもっと大軍団で来るものじゃあない?」

「確かに…、言われてみればそうかもな…」

ツバサはうなづいた。

「しかし…、それならなんで侵略するんだ?」

ショウは訊く。

「それは…美しいからよ。自分たちの星が、自らの技術革新と引替えに、失ってきた自然がそこにあるから…。でも…、このままだと人類も、侵略する側にいつの日かまわってしまうかもね…」

3人は、そのあと、南部隊の部屋に戻った。

「おぉ、おかえり、3人とも…」

隊長は出迎えた。

するとショウがあることに気がつく。

「そういや…、直江のやつはどこに行ったんだ?」

いつも自分のコンピュータの席に居るはずの直江ミカが見当たらないのだ。

「あぁ、なんかたまには外に行きたいだとかなんとか言って出かけていったな」

隊長は答えた。

「へぇ、珍しいなぁ…、インドアな方だと思ってたのに…」

 

ミカはその頃、街の方に出ていた。

そこで、1人たい焼きを買って広場のベンチで食べていた。

「お姉ちゃんZETAの人ですか?」

不意に、やってきた小学校高学年くらいの少年に声をかけられた。

「えぇ、そうですよ」

少年はカメラを構えて1枚写真を撮った。

「え…ちょ…なにを…」

「ツバサ兄ちゃんに見せようかと、兄ちゃん以外のZETA隊員にあったって」

「待って!ツバサさんと知り合いなんですか?」

「はい、色々助けてもらって…」

「もしかして…、ベロクロンのときの子ですか!?」

「はい、結城ケンタといいます!」

ミカはケンタと話しながら街を歩いていた。

「えぇと…、ミカ姉ちゃんはどんくらいツバサ兄ちゃんとは仲いいんですか?」

「えぇ…、どのくらいっていっても…」

ミカは答えに詰まった。

「そうか…、そうですね、すぐに答えられませんよね…」

ケンタはすぐに謝る。

「い、いや、そんなに申し訳そうにしなくてもいいんですよ、あ、それよりあのクレープ屋さん!美味しそうじゃあないですか!?」

ミカはそっちの方へ駆け出していった。

すぐに、ケンタも追いついた。

「えーと、じゃあ、これとこれを…」

ミカは指さしながら選ぶ。

だがここで職業柄、なにか胸騒ぎを覚えた。

「ケンタくん!伏せてください!」

ミカは咄嗟にケンタをかばって地面に伏せる。

そのすぐ上を光弾が通過した。

「やれやれ…、カンのいいガキは嫌いだよ…。催眠光弾で人質にしようと思ったのに…」

クレープ屋は屋台から出てくると、みるみるうちに1つ目の宇宙人の姿へと変貌した。

「ケンタくん!逃げますよ!」

ミカはケンタの手を引いて、飛んでくる光弾をかわしながら逃げていった。

だが少しづつ、追い詰められて言ったその先、そこはバルコニー状になっていて、下は10メートルくらいの高さだった。

「ククク…、大人しく投降しろ…、命は取らんぞォ」

宇宙人はゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。

「くっ…」

ミカはレーザーガンを構えた。

だが次の瞬間、それは宇宙人の光弾によって破壊された。

「さぁ、おいで、怖いことはしないよォ…」

宇宙人は手を差し伸べてきた。

だがその時、不意に飛んできた光線が宇宙人に直撃する。

「何者…!?」

そこにはツバサがレーザーガンを構えて立っていた。

「逃げろ!直江!ケンタ!」

ミカは頷くとケンタの手を引いて走り出した。

ツバサはそれを見届けると、フレイスフラッシャーを出してそれを天にかざして展開した。

 

光とともにフレイスが現れた。

一方、それを見た宇宙人も巨大化した。




今回はちょっとパロディを入れてみました。気づいた人はいるかなぁ


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第36話 侵略者(知略遊撃宇宙人エンディール星人登場)

第36話投稿です。そう言えばついった界隈でリメイクアニメがどうのこうのでちょっとした炎上が起こってますね。俺はゲッターロボの新作かリメイクが見てみたいです。という個人の感想です。


フレイスと宇宙人はお互いに組み合った。

だが宇宙人がフレイスの体に蹴りを入れて、フレイスはビルの上に倒れ込む。

ビルはガラガラと崩れ落ちた。

さらに宇宙人はフレイスの上に馬乗りになった。

そしてフレイスの首を絞めはじめる。

一方、ミカはケンタの手を引いて逃げていた。

だが突如として、もう一体の同族宇宙人が目の前に現れたのだ。

宇宙人は目から光弾を放ち、それは、2人に命中した。

その途端に2人は動けなくなった。

宇宙人はフレイスと戦っている仲間を見上げると言った。

「もういい、人質は手に入った。行くぞ」

 

フレイスの首を絞めていた宇宙人はそれを聞くと立ち上がり、そして閃光とともに消え去った。

フレイスもそれを見ると、光に包まれてツバサの姿に戻る。

 

宇宙人の透明円盤内部、そこにミカとケンタがそれぞれカプセルの中に両手を縛られて吊るされていた。

「ククク…、これで地球人は…、いや、ZETA壊滅は容易になった。ククククククク…」

「何故…、あなた方はそんな…そんなことをするのですか」

ミカは口を開いた。

「何故?それを我々にきくか。理由、そんなものないさ。地球を植民地に…、地球人を奴隷にし、我が帝国を築き上げる。それだけさ…」

宇宙人はそう答えた。

すると、ミカは言い返した。

「あなたがたのような人達に、地球人は屈しません。絶対に…」

「果たしてそうかな?」

 

一方、龍ケ崎ツバサはミカとケンタの2人を探してさっき戦闘があった市街地を歩いていた。

「おい!直江!ケンタ!どこに居るんだ!」

しかしいつまで経っても返事がない。

すると、隊長からの連絡が入った。

「おい、そっちでは戦闘があったそうじゃあないか。大丈夫か?」

「それが…、直江隊員と子どもが1人、行方不明で…」

すると隊長は言った。

「やはりか…、いや、これを見てみろ」

通信機の映像が切り替わる。

そこには、カプセルに入れられたミカとケンタ、それにその前に立っている1つ目の宇宙人の姿が映っていた。

宇宙人は話し始める。

「我々は遠い宇宙のエンディール星からやってきたエンディール星人。この女と子どもを返して欲しければすぐに降伏しろ。さすればこやつらは傷つけん。明日までに答えを待つ。答えが得られなければ速やかに2人を処刑する…」

そして、映像は消えた。

 

「これは…」

「直江隊員が人質になっている…。まずいことになったぞ…」

「それで…、どうするんですか?隊長…」

「もちろん、救い出す。一人の死者も出さずにな」

隊長はそう答えた。

 

ツバサは南部隊の部屋に戻っていた。

そして、隊長は作戦の説明を始める。

「まず、奴らの居場所を突き止める。そしてそこに乗り込んでいき…、エンディール星人を全滅、そして人質を救出する。いいな」

すると、普段のミカに代わってコンピュータを使っていたシンペイが声を上げる。

「奴らの居場所と思わしき透明円盤の存在が確認されました!すぐに場所を送ります!」

スクリーンにその円盤の位置情報が映し出された。

「よし、ツバサ…それにショウ、ゼータウイングでその場所に向かうんだ!」

「了解!」

 

ゼータウイングが向かった場所、それは芦ノ湖上空であった。

「ここに…、奴らが…」

そう言った瞬間だった。空中からレーザーがゼータウイングめがけて飛んできたのだ。

「まずいっ!バレたか!」

ゼータウイングは間一髪のところでそれをかわした。

「バレたとしたら直江隊員は…!」

一方、円盤内部。

「おい、奴ら…、愚かだ。我々と敵対する方を選んだらしい」

エンディール星人はそう言うと2つのカプセルを開けた。

だがその時だ。

ケンタがカプセルから飛び出すと、エンディール星人の下半身に組み付いたのだ。

エンディール星人はそのままバランスを崩して倒れる。

「ミカ姉ちゃん!逃げてください!」

ケンタは叫んだ。

「でも!ケンタくんは!」

「逃げられる人が逃げる!だから逃げてください」

だがその時、エンディール星人は光弾を放とうと顔をケンタの方へ向けた。

それを見ていたミハルは近くにあった箱型の装置を持ち上げてエンディール星人の顔面を思いっきり殴った。

エンディール星人はそのまま地面にのびてしまった。

「逃げられる人が逃げるんなら、戦える人は、戦います!」

ミカは装置を投げ捨てると言った。

その時、円盤に衝撃が走った。

「な、なんでしょうか…」

ミカとケンタはバランスを崩す。

「助けに来たんですよ!きっと!」

ツバサとショウがその場に駆けつけた。

「おい!二人とも、大丈夫か!」

「ツバサ兄ちゃん!」

ケンタがツバサに駆け寄る。

「ツバサさん!それに有馬さんまで!なんか…、ごめんなさい。私がつまらない意地を張ったせいで…」

ミカは謝った。

「意地?なんの事だ?」

察しの悪いツバサは言った。

「やっぱりなんでもないです」

ミカは少しいじけたように言った。だが内心は嬉しさでいっぱいだった。

だがそんな4人の前に、エンディール星人がもう1人現れたのだ。

「なんの騒ぎかと思えば貴様ら…、逃がさんぞ!」

だがツバサがすぐにそのエンディール星人に組み付いた。

「3人とも!逃げて!」

「でも!ツバサさんは!」

ミカは反論する。

「後から行く!」

「分かりました…、約束ですよ…」

しばらくして、もはや透明でなくなった円盤からゼータウイングが脱出した。

すると次の瞬間、芦ノ湖湖畔に巨大化したエンディール星人とフレイスが現れた。

「デュア!」

フレイスは構えをとった。

エンディール星人もそれを見て構えをとる。

そしてフレイスめがけて光弾を発射してきた。

フレイスはそれをくらって後方に倒れ込む。

さらにその上に、エンディール星人はのしかかってきた。

それから何度もフレイスにパンチを浴びせた。

だがフレイスはエンディール星人を蹴り飛ばして、立ち上がった。

エンディール星人はよろめきながら後退する。

フレイスはクロスカッターを発射し、エンディール星人を4つに切り裂いた。

エンディール星人はそのまま爆散した。

さらに円盤目がけてハンドフラッシュを撃ち込む。

円盤も爆散した。

フレイスはそれを見届けて、光に包まれ、ツバサの姿に戻った。

「おーい!」

空中を飛んでいるゼータウイングに向けて、地上からツバサは手を振っていた。

「あ、あいつ…!生きてたぞ!」

ショウがすぐさまそれに気がついた。

「でも…これってもしかして…」

ミカはなにかに気がついたように呟いた。

しかしすぐにその考えを振り払うと明るく言った。

「さぁ!ツバサさんも乗せて、帰りましょう」




もう残り12話なんだなという衝撃


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第37話 ネオンとネオン(二次元発光宇宙人ネオン星人登場)

半月くらい放置してしまってすいませんでした。色々と忙しかったので(言い訳)。とにかく久しぶりの投稿です。おっしゃ、行ってみよう!(←キャラ崩壊)


ここは、あるマンションの一室、子供部屋と見られるその部屋のベッドには1人の少女が眠っていた。そして、ベッドの足元には大きな鏡が立てかけてある。

不意に、少女は目を覚ました。

そして、ゆっくりとベッドの上に起き上がる。

やがて音も立てずにベッドからおりると、真っ直ぐに鏡の方に向かっていった。

そしてそっと鏡に手を当てる。

すると鏡に映った少女の姿は顔面にカラフルな発光体を持つ、灰色の宇宙人の姿へと変化していった。

「よろしくね、もう1人の私…」

少女は鏡の中の宇宙人に向かってそう囁いた。

 

街中をZETAの専用車両、ルーバーが走っていく。

それを運転しているのは、ツバサだ。

「今日も異常なしっと…」

ツバサがそういった時だった。

ルーバーの目の前に1個のサッカーボールが転がってきた。

「危ないっ」

それを追って少年が道路に飛び出す。

ツバサは咄嗟にブレーキをかけた。

するとその時だ。

1人の少女が目の前にダイブして、少年を抱えて転がりながら、路肩に目にも止まらぬ速さで移動したのだ。

しかも既にサッカーボールまでその手には掴まれていた。

「えっ…」

ツバサは停止したルーバーの中で目を擦っていた。

「もう大丈夫よ」

少女は少年を立たせると言った。

「お姉ちゃん!ありがとう!」

「今度から気をつけてね」

少年はサッカーボールを持って走り去っていった。

その様子を車の中から見ていたツバサは思わず窓を開けて言う。

「君は…、あの身体能力は…」

少女はこっちに気づくと言った。

「ZETAの人ですか?それなら話は早いです」

「と言うと?」

「私はもう1人の私、宇宙から来た私にあの力を授かりました」

少女は言った。

「もう1人の君?」

ツバサがそうきくと少女は続けた。

「はい、私の名前は京極ネオンといいます。そして…、彼もネオンと名乗っていました」

「待ってくれ、彼、もう1人の君っていうのは、何者なんだい?」

「私の部屋には、亡くなった父が昔買ってきた大きな鏡があるんです。彼はある日、その鏡に現れて、私に言うのです。自分は遠い宇宙から来たネオン星人だと…。私に特別な力を授けに来たのだと…」

少女は話し終わる。

「なるほどねぇ…」

ツバサはそう呟いた。

 

基地に戻ると、ツバサは一連の話を仲間にも話す。

「しかし腑に落ちないな…、なんでそのネオン星人とやらは、その子、ネオンちゃんに力を授けようとするのか…、何かもっと調べた方がいいような気がするなぁ、これは…」

話を聞きおわると、ショウはそう言った。

「そう言うと思ってもう既に家の場所は教えて貰ったぜ」

ツバサは住所の書いてある紙切れをデスクの上に置く。

「さっすが、仕事が早いこと」

ショウは感心した。

「で?どうするの?宇宙人がその鏡だけにいるのなら、調査はかなり難しいわよ」

ミハルはそう言う。

「あぁ、もうネオンちゃんの家に直接おじゃまするしかないだろうなぁ」

ツバサは呟いた。

マンションのインターホンが鳴り響き、ネオンはドアを開けて顔を覗かせる。

「やぁ、ちょっとその鏡を見てみたいと思ってね…」

そこには、ツバサとショウの姿があった。

そのまま2人はネオンの部屋に通される。

「お母さんは…、どうしたの?」

ショウはそうネオンに訊いた。

「昼間はほとんど居ません。忙しいんです。仕事で…」

ネオンはそう言ってため息をついた。

「そんなため息をつきなさんなって…、お母さんだって君のためを思って…」

ショウはそう慰める。

「そうですよね…」

ネオンは頷いた。

「うーん、やっぱダメだな…、どっからどう見ても本物の鏡だぜこれは…」

ツバサがそう言いながら、鏡を調べている。

「ネオンちゃん、普段どういう時に、その、宇宙人はでてきてくれるんだい?」

ツバサは思い立ったように訊く。

「分かりません、何か…、今来るぞって感じのテレパシーのようなものを感じるのです…」

「テレパシー…ねぇ…」

「それって…、テレパシーならばもしかしたら来て欲しいってのはこっちが願ったら来てくれるかもしれないってことか?」

ショウは口を開く。

「分かりません。でも…、やってみます」

ネオンはそう言うとゆっくりと目を瞑った。

しばらく続く沈黙。

そして…。

「おい!見ろ!」

鏡の表面が揺らぎ始め、ネオン星人が、姿を現した。

「どうした…、もう1人の私よ…」

ネオン星人はそう言う。

しかしその時だった。彼の目に、ZETA隊員の2人の姿が目に入った。

「何故だ!なぜお前らがここに!」

ネオン星人は明らかに取り乱している。

「俺たちを見て取り乱すってことは…」

「それってつまりよォ…」

2人は口々に言った。

「しまったぁ!」

だが咄嗟にネオン星人はツバサの腕を掴むと鏡の中に引きずり込んだ。

「なっ!」

「ツバサ!」

「お兄さん!」

 

ツバサが気がつくと、そこは真っ暗な空間だった。

「ようこそ、我がネオン星人の侵略基地へ…」

不意に現れたネオン星人はそう言った。

「やはり貴様…、侵略者だったのか…」

ツバサはそう言う。

「その通り!私はここ、鏡の世界に誰にも気づかれないように侵略基地を作り、その機会を伺っていたのですよ。そして、侵略基地の稼動には若い地球人の命が必要になる。そこで私は我々の種族と同じ名前を持ち、京極ネオンに取り入ったというわけです…。しかしあなた方が現れた…。これは計算外でした。しかし私は機転を利かせ、京極ネオンの代わりにあなたを基地のコアにしようと決めたのですよ…」

ネオン星人はそう言い終わった。

「ちくしょう!させるかよ!」

ツバサはフレイスフラッシャーを出すとそれを前に掲げた。

するとフレイスフラッシャーが展開し、光がほとばしる。

「なっ…、お前はっ!」

フレイスがその姿を現すと、辺りは赤っぽい光が空のように満たしている。侵略基地の景色へと変化した。

ネオン星人もいつの間にか巨大化している。

そして2人は同時に構えをとった。

それから、じりじりと詰め寄っていく。

「デュア!」

2人のキックが空中でぶつかりあった。

それからパンチもぶつかり合う。

ネオン星人はフレイスから離れると顔面から虹色の光弾を発射した。

フレイスはそれを転がって避ける。

そして、ハンドショットを放った。

ハンドショットはネオン星人に命中した。

だが今度はネオン星人が右手から光線を放ってきた。

フレイスは空中に飛び上がってそれを避けるとキックの体勢に入る。

フレイスの、キックがネオン星人に炸裂した。

フレイスはそのまま地面に着地する。

ネオン星人はフレイスの背後で爆散した。




そういやウルバトにガンQ実装されましたね。(なお石が足りない模様)


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第38話 狙われている星(ザラブ星人ランブル登場)

ウルバトにタイラント参戦してて嬉しいぜって前もこれ書いたわ←


ある日のことである。

ZETA日本支部、南部隊の部屋でいつもどうり隊員達が思い思いに過ごしていると、直江ミカがコンピュータを見ながら呟いた。

「なんてことを…」

「ん?どうしたんだ?」

それを聞いた黒田キョウスケがコンピュータをのぞき込む。

「見てください、これを…」

そこには、『ZETAは地球の敵!日本オカルト連合講演会』と書かれた記事が載っていた。

「なんなんだこれは…」

キョウスケは呆れこんで言う。

「いくらなんでも酷すぎますよ!こんなデタラメ!」

ミカはそう怒っていた。

「いやまぁ落ち着けって、こういう奴は俺達が前世で潰した蚊の生まれ変わりなんだとでも思っとけば…」

「ツバサさんはどう思うんですか?」

ミカはキョウスケが言い終わらないうちにツバサに話題をふる。

「え、なんの話?」

紙パックジュースを飲んでいたツバサは顔を上げた。

「ちょっと!これ見てくださいよ!」

「なんだ?」

ツバサもコンピュータをのぞき込んだ。

「あぁー、こういうのはな。こうするんだっ」

そう言うと、その画面を閉じてしまった。

「あーっ!!」

ミカは軽く発狂しかかった。

 

しかし、事件はそれだけでは済まなかったのだ。

別の日、岡山市内を大量の救急車が行き交っていた。

そして…。

 

「あー!またですよまた!」

またしてもミカはコンピュータを見ながら発狂した。

「今度はどうしたんだ?」

キョウスケとツバサがすぐさまその画面をのぞき込む。

そこには『岡山市内、放射能汚染か、これも全てZETAのせいだ』と書かれていた。

「なんか聞いたことのある言い回しだなぁ」

ツバサは呑気に言った。

「だが待て、本当に放射能汚染なら原因はなんだ?これは事実なら相当怪しいぞ…」

キョウスケはそう言って目を光らせる。

「じゃあっ!ちょ、調査しちゃいますか!?」

ミカも目を輝かせて言った。

「あぁ、その方が良さそうだな…」

「楽しそうで何よりだなぁ」

他人事かのように呟いたツバサに対してミカは言った。

「さぁ!ツバサさんも、行きますよ!」

「え、えぇ!?」

そして、3人を乗せたルーバーが向かった先、そこは岡山市、ではなく東京都調布市であった。

運転席にツバサ、助手席にミカ、そして、後部座席にキョウスケがいる。

「しかし…、どうして現地じゃあなくオカルト連合本部なんだ?」

ツバサは運転しながらそう疑問を口にした。

「勘です!」

ミカはいとも簡単にそう答えた。

「勘ねぇ…って勘!?」

ツバサは危うくハンドルをきりそうになった。

「女の子の勘はナメないほうがいいぞ…」

後ろの方でキョウスケがそう言った。

「はぁ…。了解です…」

ツバサはこの2人にタジタジになって言った。

やがてルーバーは日本オカルト連合本部駐車場へとたどり着いた。

3人は、意を決すると建物の中に入っていった。

 

「ZETA所属の方ですね」

受付は3人の服装を見るとそう言った。

3人は頷く。

「連合総裁、相良ランブ様から丁重に案内するようにと仰せつかっております」

そして受付の人はカウンターから出ると3人を先導して歩き始めた。

そして、そのまま4人ともエレベーターに乗り込んだ。

その時だった。

エレベーター内に閃光が走ったかと思うと、ミカとキョウスケが気絶して倒れ込んだのだ。

「なっ…」

ツバサが驚いていると、受付は銃を構えて突きつけてきたのだ。

「なるほど…、あなたが…、ウルトラマン…」

「なんだと…?」

すると受付は不敵な笑みを浮かべて言った。

「今の光は普通の人間が浴びると気を失ってしまうの、でもあなたはそうはしなかった…。つまりあなたはランブ様の求めるウルトラマンだということよ」

そうしているうちにエレベーターの扉が開く。

 

ツバサはランブの部屋にまで連行されていった。

「ランブ様、お連れしました」

受付はそう言うと、突きつけていた銃をツバサから離した。

奥の大きな机の後ろにある回転椅子が、回転し、相良ランブの姿が現れる。

「ご苦労だったな。アヤくん。もう下がっていいぞ」

「はい」

アヤと呼ばれた受付はそう言われると部屋から出ていった。

「さて、君がウルトラマンか」

ランブはアヤが出ていくのを見届けると言った。

「そうだ。お前は何者だ」

ツバサは言った。

「私か…、私はだな…」

ランブはそう言うと、宇宙人の姿になった。

「私の名はザラブ星人ランブル。この地球を侵略しに来た」

「そうか…、それでZETAへの不信感を煽っていたのかっ!」

ツバサはそう言うとレーザーガンを抜いて、ランブルの方へ向ける。

「待て待て、見たまえよ」

ランブルはそう言って、背後のスクリーンに映像を映し出す。

そこには銀色のテープのようにも見える拘束具で縛られたミカとキョウスケが映し出されていた。2人は意識を失っていた。

「見たまえ、私はあの二人をすぐにでも殺せる立場にいるんだ」

「卑怯なっ!」

「どうだね、ウルトラマンくん、ひとつこの私の仲間になってはどうだね、ここの職員はみんなそうだ。人間だが私が仲間にした。もちろん、全員は大変なので、何人かは洗脳しているがね」

「断る!」

ツバサはキッパリと言った。

「そうか…、ならば」

スクリーンの中、ナイフを持ったアヤがキョウスケとミカに迫っている。

「やめろぉぉぉぉ!!!!」

ツバサは叫んだ。

「もう遅い!」

ランブルはそう言う。

しかし画面の中、突如、アヤは何者かにレーザーガンで撃たれ、倒れ込む。

ミハルとショウが救出に現れたのだ。

「なっ!そんなはずは…!こうなったらァァァ!!」

ランブルはそう言うと巨大化し、ビルの外へと出現した。

ツバサもフレイスフラッシャーを構えてフレイスに変身した。

「デュア!」

フレイスはランブルに向かって構えをとる。

ランブルも構えとったが、やがてくるりと向きを変えてフレイスから逃げ始めた。

フレイスもそれを追って走り出す。

そして、空中に飛び上がると逃げるランブルの目の前に着地した。

ランブルはそれを見ると逃げるのを諦め、フレイス目掛けてパンチを放つ。

しかしフレイスはそれを受け止めるとランブルを投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

「待て、待て待て待て、やめよう、暴力はやめよう」

ランブルはそう言い始めた。

フレイスはそれを聞いて一瞬手を止める。

「とでも言うと思ったかぁ!!」

ランブルは油断したフレイス目掛けて蹴りを放った。

フレイスはビルに向かって倒れ込み、そのままビルは倒壊した。

「はっはっは、今のうちだ!」

ランブルはそう言うとどこかに消え去った。




ザラブ星人回、2話構成です。お楽しみに。


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第39話 決戦の気配(ザラブ星人ランブル、にせウルトラマンフレイス登場)

ウルバトにジェロニモン参戦してて嬉しみ


ZETA日本支部の取調室のような部屋、そこに、アヤが取り締まりを受けていた。

机を向かい合った反対側にはミハルとキョウスケが立っている。

「ランブだとかランブルなんて人は私は知りません」

アヤはそう言う。

「本当か?」

キョウスケはさらに問いつめた。

「何度言えばわかるんですか?何度も知らないって…」

「確かにツバサの報告には奴は催眠術を使えるとあったわ…。思ったより多くの人がかけられてたみたいね…」

ミハルは言った。

「なるほど…、つまりこいつも白ってことか…」

キョウスケはそう呟いた。

「あのぉ、そろそろ帰してもらえますか?」

アヤが言った。

 

一方、ツバサはルーバーを運転して行方を晦ましたランブルの捜索を行っていた。

助手席にはショウも乗っている。

「やっぱりこんなに探しても見つからないって…、大方円盤とかどっかの基地とかに隠れてるんじゃあないの?」

ショウはそうボヤいた。

「あんま言うなって…、関係者がみんな知らない以上探しようがないじゃあないか」

だがその時、ルーバーの前に現れたのだ。ザラブ星人ランブルが…。

「あっ!お前は!」

2人はルーバーを止めてそこから降りるとレーザーガンを構えた。

「おやおや、いきなり抜くとは、感心できませんねぇ」

ランブルはそう言った。

「お前、今度の目的はなんだ」

ツバサがきいた。

「目的?まぁ見ていなさい。これを…」

ランブルは、そう言うと巨大化をした。

 

するとそこに立っていたのは、フレイスによく似た巨人であった。

しかしよく見ると、目や口元が尖っており、体には黒いラインが入っている。

「ウルトラマン!?」

ショウが驚いた。

にせウルトラマンフレイスは市街地のビルを破壊し始めた。

「ちくしょう…、やりたい放題やりやがって…」

ツバサとショウは次々とにせウルトラマンフレイスにレーザーガンを打ち込む。

しかしにせウルトラマンフレイスはビクともしない。

「フハハハハ!私が望むのは本物を超えること!」

ランブルはそう叫んだ。

「逃げたくせになにを…」

ツバサが言い返す。

「ん?何を言ってるんだ?」

ランブルの声が聞こえないショウはききかえす。

にせウルトラマンフレイスは次々と建物を破壊していった。

「あいつ…、いい気になりやがって…」

ツバサはそう言って、にせウルトラマンフレイスの方へと駆け出していった。

「ん?おい!待て!どこに行く!」

ショウが呼び止めたが聞いていない。

ツバサはある程度まで来るとフレイスフラッシャーを掲げてフレイスに変身した。

 

「デュア!」

フレイスのキックがにせウルトラマンフレイスに命中した。

にせウルトラマンフレイスはバランスを崩して、そのままビルの上に倒れ込んだ。

しかしすぐに体制を立て直すと今度はにせウルトラマンフレイスがキックを放った。

フレイスはそれをジャンプして避ける。

だが着地したところをにせウルトラマンフレイスのパンチが襲った。

さらにフレイスはもう1発くらう。

にせウルトラマンフレイスはフレイスに連続パンチを打ち込んできた。

フレイスは後方にフラフラとよろめいた。

にせウルトラマンフレイスはフレイシウム光線のポーズをとった。しかし光線は発射されなかった。

にせウルトラマンフレイスはおかしいなという風に自分の両腕をキョロキョロと眺める。

そんなにせウルトラマンフレイスにフレイスが本物のフレイシウム光線を浴びせた。

にせウルトラマンフレイスは後方に吹き飛ばされ、ランブルの姿に戻ってしまう。

「貴様!よくもぉぉぉ!!!」

ランブルは立ち上がるとフレイス目掛けて突進してきた。

しかしそんなランブルにフレイスはキックを浴びせる。

ランブルは後方によろめいた。

そしてビルの上に倒れ込む。

「待ってくれ!倒さないでくれ!許してくれ!」

ランブルはフレイスに向かって命乞いをした。

「ならば地球から早急に立ち去れ!」

ツバサはそう叫ぶ。

「わ、わかった!立ち去るから殺さないで!」

ランブルはそう言うと立ち上がった。

そして、両腕を上げて飛び上がる。…と思わせておいてフレイスに襲いかかった。

だがフレイスはそんなランブルにすれ違いざまに手刀を打ち込んだ。

ランブルはゆっくりと地面に倒れ込む。

そして、大爆発をした。

フレイスは光に包まれてツバサの姿に戻った。

 

「やったぜ!」

それを見て1人ガッツポーズをするショウ、するとそこに、

「おーい!」

向こうからツバサが走ってきた。

「あの野郎どこに!」

「すまんすまん、勝手に居なくなったりして…」

ツバサはそう謝る。

「まぁいい!こうやって任務も終わったんだし帰るか!」

ショウは、そう言った。

 

「あの…、先生…?」

19歳くらいのメイド服のような服装の少女が専門書の山のようになった部屋の中で問いかけた。

「あ…あぁ…、悪い…、俺はここだ…」

その専門書の山をかき分けて黒っぽいコートを着た男が起き上がる。

年齢は28くらい、サングラスを掛けていた。

「先生!そろそろ部屋を掃除しますよ!」

少女はそう声をかける。

「えぇ…掃除…、すんの?」

男はそう言ってさも残念そうに言った。

「当たり前です!整理しないと捨てますよ!」

「わかったわかった。許してくれよ…」

男はそう言いながら立ち上がるとサングラスを外してポケットに入れた。

そして、指をパチンと鳴らす。

次の瞬間だった。

専門書の山がガタガタ鳴り始めたかと思うと一瞬にして部屋の隅にまとめられたのだった。

「あ…、え…」

少女はただ唖然としている。

「これで少しは綺麗になったろう?」

男は得意げに言った。

「そ…、そうですけど…」

「何か問題でもあるのか?」

「い、いえ、大丈夫です!」

少女はそう言うと部屋の掃除に取り掛かった。

男は部屋を出ようとするが何かを思い立ったかのように入口の前で立ち止まる。

そして口を開いた。

「なぁアスハ…、お前ならどう使う…」

「どういうことですか?」

アスハと呼ばれた少女は少し手を止めてききかえした。

「もしお前が何か特別な力を突然授かったとする。そしたらそれをどう使う?」

アスハは少し考え込むがやがて答えた。

「私は…、先生のために使います!私にとって先生は生活の全てですから…!」

「そうか…、俺のためか…、ありがとうな…。俺ならばその力…、こうやって使わせてもらうよ…」

そう言うと彼の両目は怪しく赤く光り輝いた。




はい、ついにラスボスの登場です。ラスボスは作者としてはあれ、なかなかキャラとしては気に入ってます。


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第40話 地下世界の冒険(巨大蜘蛛怪獣グモギラス登場)

更新スピードが低下してるのは許して、忙しいんだって、ホントだよ(((


地下鉄内は、通勤、通学時間を過ぎ、ある程度の空きが出来ていた。しかしそれでも、何人かの人々は地下鉄に乗っている。

するといきなり、何かにぶつかったかのような衝撃が車内に走った。

乗客たちは不思議そうに辺りを見回す。

またしても、衝撃、そして、車内の電気が消えた。

「何があったんだ…」

「事故か?」

乗客たちは口々にそう言った。

だがそこで、1人の乗客があることに気がついた。

「この…、電車…。宙に浮いてないか?」

車両は地下空間に蜘蛛の糸のようなもので縛られて、宙吊りになっていた。

そして、次の瞬間、車両が大きく傾いた。

「うわぁぁぁぁ!!」

車内からは悲鳴が上がった。

やがて、車両は上の方へとスルスルと上がっていった。

暗闇の地下空間に電車の噛み砕かれる音が響く。

 

ZETA専用車、ルーバーが地下鉄の駅の地上出入口の前に停車する。

そして、その中からツバサと、ミハルが降りてきた。

「例の事件の地下鉄ってのはここだな…」

ツバサはそう呟くとレーザーガンを構える。

ミハルもそれを見て、レーザーガンを構えながら、階段を降りていった。

駅のプラットフォームは既に、利用客達の避難も完了していたため、完全なる貸し切り状態だった。

「誰もいない駅ってのも不気味なものね…」

ミハルは呟く。

「なぁに、田舎に来ればんなもん当たり前の光景だ」

「でもこういう都会みたいな無機質さはないでしょ?」

2人はそう話しながらプラットフォームから線路に向かって降りる。

「とりあえず…、歩いていってみよう…」

一方その頃、ルーバーの停っているすぐ側に、黒いワゴン車が停車する。

そしてそこから、例の黒い服の男と、アスハが降りてきた。

男は、今回もサングラスをしている。

アスハもまたしてもメイド服姿だ。

「ZETAか…、先を越されちまったな…」

男はそう呟いた。

「先生…?行きましょう」

アスハはそう言って男を促す。

「そうだな…、行こう、アスハ」

ツバサとミハルは線路のだいぶ奥まで進んできていた。

2人はそれぞれ懐中電灯を持って行く手を照らしている。

「あちこち…、壁が崩れているな…」

ツバサはそっと崩壊した壁に手を当てた。

「ひゃっ」

いきなり、ミハルが小さく悲鳴をあげて後ずさる。

「どうした?」

見ると、その足元にはそこが見えないほど巨大な穴がポッカリとあいていた。

「これ以上の探索は不可能か…」

ツバサは呟いた。

「そうらしいな。ここはこの俺が引き受けよう」

不意に声が聞こえて振り向くと、そこには黒っぽいロングコートを着た男と、メイド服姿の少女が立っていた。

「あなた方は…?」

ミハルが訊ねる。

「俺か…。俺は怪獣研究家の西園寺カズト、そして、こいつは…、俺の助手兼世話役の松前アスハだ」

そう言いながら男はサングラスをはずす。

そして、穴の縁まで歩いてきた。

「なるほど、これくらいの穴ならば…」

そう言うとなんとカズトは、穴の中に飛び込んだのだ。

「先生!」

アスハが叫ぶ。そして、彼女も穴のそばに駆け寄った。

しばらくすると数十メートルほど下で懐中電灯が点滅するのが見えた。

「安心しな!俺は無事だ!」

カズトが下の方でそう叫ぶ。

「信じられない…、こんな高さから飛び降りて無事だなんて…」

ミハルは言った。

穴の底、そこでカズトはあるものを探していた。

怪獣のDNAサンプルだ。

そして見つけた。怪獣の皮膚片を…。

「見つけたぞ…フハハ…、やはり運命というのはこの俺の味方をしてくれているようだ…」

そして、その皮膚片に自分の左腕に装着している金色のブレスレットのようなものを向けた。

皮膚片は紫色の光に包まれたかと思うとブレスレットの中心にあった紫のクリスタルに回収された。

「さて…、帰るとするか…」

カズトはそう呟くと地面を大きく蹴って飛び上がった。

そして、着地した先、そこはツバサたちの目の前であった。

 

「え、えと…、この下から…ジャンプして…ここまで?」

ツバサは信じられない光景を目にして、唖然としている。

「そうだ。俺はもう目的は終えた。帰るとする。しかし、君たちに最後に言いたいことがある」

「言いたいこと…?」

ミハルは訊く。

「怪獣を倒すな。たとえ何人の犠牲が出ようがな…」

「そんな…、無理だ!現に今回だってもう既に何人も犠牲になっているんだぞ!」

ツバサが反論した。

しかしカズトは続ける。

「怪獣は、美しい、怪獣は強い、怪獣はかっこいい!そんな彼らこそこの地球の支配種には相応しいのではないか?俺はそんな世界を望んでいる…」

「そんな世界…、あなたのエゴだ!」

ツバサが言った次の瞬間、地面が大きく揺れ動き、天井や壁が崩れ始めた。

「なっ、なんだ!」

「怪獣が…、活動を始めたぞぉぉぉぉ!!」

慌てる周りに対してカズトはそう叫ぶ。

だがその時だ。

崩れてきた壁がアスハの上に、倒れてきた。

「きゃぁぁぁぁ!!」

アスハは頭を抱えてうずくまる。

「はっ!」

しかしアスハに直撃するその直前、カズトが手から光弾を放ち、コンクリート壁を砕いた。

「せ、先生!ありがとうございます!」

アスハがカズトに抱きつく。

そんなアスハをカズトは優しく撫でた。

一方その頃、怪獣は地上に出現していた。

二足歩行の蜘蛛のような見た目のその怪獣はゆっくりと市街地を進撃していく。

 

「いたぞ!」

地上に出てきていたツバサとミハルは怪獣目掛けてレーザーガンを構えた。

そして、次々とレーザーを撃ち込んでいく。

怪獣はその攻撃をくらって、こちらに気がついた。

ゆっくりと進路を変えると、こっちに向かって歩いてきたのだ。

そして、5つある赤い複眼から次々と光弾を発射してきた。

ツバサたちの周囲が次々と爆発していく。

2人は身を低くしてそれを避ける。

それより少し離れたところに、カズトとアスハも現れていた。

「先生?どうしますか?」

「見ていろ、今にウルトラマンが現れるぞ…」

爆発が収まると、ツバサは再びレーザーガンを撃ち始め、そのまま怪獣目掛けて突進していった。

「あっ!ツバサ!どこ行く気!?」

ミハルが呼び止めようとするがツバサはそのまま走っていき、フレイスフラッシャーを展開する。

 

光に包まれて、フレイスが現れた。

「デュア!」

怪獣の前で構えをとる。

怪獣は、それを見ると咆哮し、口から糸を発射した。

糸はフレイスの腕に巻き付き、その自由を奪う。

そして、怪獣はジリジリとフレイスを、引き寄せ始めた。

 

それを見ていたミハルがつぶやく。

「やっぱり…、ツバサって…」




さてさて、最終章突入ですねぇ!多分あと7話ほどで完結しますぞぉ!


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第41話 漆黒の巨人(巨大蜘蛛怪獣グモギラス、ウルトラマンデストネス登場)

ウルバトでまさかのピッコロが参戦するらしいっすね、もう俺はあのゲームに何が参戦しようが驚かない←


フレイスは怪獣の糸に巻き取られ、じりじりと引き寄せられていった。

そこでフレイスはバーニングモードにタイプチェンジをする。

「デュゥゥア!」

フレイスは勢いよく糸を引きちぎった。

そして怪獣に蹴りをあびせる。

怪獣はバランスを崩して、そのまま地面に倒れ込んだ。

そんな怪獣をフレイスは持ち上げると、空中に投げ飛ばした。

そして、腕をL字に組んで、バーニングショットを浴びせる。

怪獣は空中にて爆散した。

それを見ていたカズトがつぶやく。

「そうか…、やってしまったか…ウルトラマンよ…。ならば次はこの俺の番だ!」

そして、金色のブレスレットをはめた左腕を天に突き上げる。

ブレスレットから漆黒がほとばしり…。

 

フレイスは怪獣が倒されるのを見届けると、ツバサの姿に戻ろうとした。

しかしそこで、地上から漆黒の光柱が立ち上がり、そこから見たこともないウルトラマンが現れたのだ。

その体色は黒と黒みがかった銀色、そして、目は赤く鋭くつり上がり、額には巨大な紫色のクリスタルがはまっていた。

フレイスは黒いウルトラマンに向き直った。

黒いウルトラマンはフレイスに向かって無言でファイティングポーズをきめる。

そして、こっちに向かって突進してきた。

フレイスはその拳を受け止めようとするが、相手の方が一足早い、黒いウルトラマンの拳がフレイスの顔面に命中した。

フレイスはそのまま地面に倒れ込む。

しかし、黒いウルトラマンはそんなフレイスの首を掴んで立ち上がらせると、そのまま地面から持ち上げた。

そして勢いよく地面に叩きつける。

フレイスのカラータイマーが点滅を開始した。

「あのウルトラマンは…、一体…」

その光景を見ながらミハルが呟いた。

するといつの間にか近くに来ていたアスハが言う。

「ウルトラマンデストネス…。先生が変身したウルトラマン…」

「く…、お前は…、何者なんだ…」

地面に倒れ込んだフレイスの中でツバサが言った。

「俺か…、俺はウルトラマンデストネス!怪獣を虐殺する貴様に制裁を加えるもの!」

デストネスはそう答える。

「そ…、その声は…!」

「そうだ。人間の時の名は、西園寺カズト…。怪獣研究家だ!」

そう言うとデストネスはフレイスを思いきり蹴り飛ばした。

フレイスは吹っ飛ばされ、近くのビルに倒れ込む。

「ちくしょう…、お前は…、お前は…!」

フレイスはそう言うと立ち上がって、シャイニングモードの姿に戻った。

「ほう?まだ向かってくるのか。だがこんなこともできるんだぜ」

デストネスはそう言った瞬間に、漆黒に包まれ、次の瞬間、フレイスがさっき倒した怪獣の姿に変身したのだ。

「か、怪獣になりやがった…!」

怪獣の姿のデストネスは目から次々と光弾を発射してくる。

フレイスはそれをくらって再び、倒れ込んだ。

「さらに…、タイラントはどうだ!」

デストネスはさらに別の怪獣の姿になる。立ち上がろうとしたフレイスを鎌と鉄球で打ち付けた。

フレイスはまたしても倒れる。

だんだんとカラータイマーの点滅が速くなってきた。

「どうした?もうエネルギー切れか?それなら…これで決める…。ルガノーガー!!」

デストネスは今度は、両腕も顔になった悪魔のような見た目の怪獣に変身した。

そして、その怪獣、ルガノーガーは尻尾の先にある棘をフレイスの背中に突き刺したのだ。

フレイスから残り少ないエネルギーがだんだんと吸い取られていく。

そして…。

しばらくするとフレイスは光に包まれて消滅した。

「見たか!この俺の力!怪獣たちの恨みの力をォォォ!!!」

デストネスはそう言うと元の姿に戻る。

そして、漆黒に包まれると消え去った。

 

ツバサは全身に傷を負って、瓦礫の中に倒れていた。

「ツバサぁぁぁ!!」

そこに、ミハルがツバサを探して現れた。

そして、ツバサのことを見つけると駆け寄った。

「ツバサ!」

「いててて…」

ツバサが痛みに顔をしかめながら起き上がると、ミハルはなんとそのツバサにビンタをくらわした。

「いって!何するんだ!」

「このバカぁ!一体私たちがどれだけ心配したと思ってるの!?1人で抱え込んだりして!おまけにこんなにボロボロになって!ウルトラマンだからってヒーロー気取りしてるんじゃあないわよ!!」

そう言いながらもミハルの声は涙ぐんできていた。

「それは…、ごめん…、なんか…、なんて言ったらいいか…」

「ごめんじゃあないわよ!!ほんとに…、この…、この…」

ミハルはだんだんと言葉が出なくなってきた。

そして、半泣き状態でツバサに抱きついた。

「この…、この…」

小声になりながらもそれだけを言い続けている。

ツバサはそんなミハルをそっと抱き返した。

 

それからしばらくして、ZETA基地内にある医療施設のベッドにツバサは寝かされていた。

その周りには、南部隊のメンバーが全員立っていた。

「いつから…、気づいていたんですか?俺が…、ウルトラマンだってことは…」

ツバサは口を開いた。

「もうだいぶ前から、みんな気づいていた…。なぜ今まで黙っていたんだ?」

南部隊長はそう言った。

「いや…、その…、正体をばらすことによって…、みんなに…、身近な人たちに危険が及ばないかなって…思ったんです。すいません…」

「そうか…、だがここにいるメンバーは皆そうだ。いざという時の覚悟は、皆できている」

南部はそう言う。

「そうですね…、すいません…」

ツバサは謝った。

「いいや、俺たちもお前の正体を知っていて黙っていた。お互い様だ」

「 ありがとうございます…。それから…、これからはフレイスと呼んであげてください。それが…、彼の…、ウルトラマンの本名ですから」

「了解した」

南部はそう答えた。

 

その頃、カズトはアスハと共に、ある山中を歩いていた。

アスハがハイキング用の服装をしているのに対し、カズトはいつもと変わらず、黒いコート姿だ。

「先生!待ってください!そんな恰好なのにはやすぎます!」

アスハは息を切らしながら、カズトのあとをついてきている。

「いいか、こういう時において重装備なんてもんはいらない、そしてそうだな。いるのはひとつの心と、口ずさめる歌があればいいんだ」

そして、辺りが見渡せる高台へと上りついた。

アスハもすぐにそこへとたどり着く。

「見ろ、新しいサンプルだぞ…」

目前には、ツノのある、4本足のドラゴンのような怪獣と両手が鞭状になった黒っぽい色の怪獣が戦う光景が広がっていた。




正体バレ回でした。まぁラスボスは出てきたけど最終回はまだです。ご了承ください。ちなみに最後に出てきた怪獣はキングザウルス三世とガギのつもりです。


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第42話 対話(ウルトラマンデストネス登場)

本日から最終話まで、めっちゃ連続投下しようと思いますので、多分前書き後書きはカットになるかも、あと1日何話も投稿されてても驚かないで


ツバサは誰もいない荒野を歩いていた。

空は赤く染まり、風が吹きすさんでいる。

不意に、上空から、デストネスが現れ、地面に着地した。

それを追うようにしてフレイスも現れて着地する。

そして2人のウルトラマンは戦闘を開始した。

すると次の瞬間、ツバサの周りの景色が一変、最初にフレイスと一体化した時のような光に包まれた空間が広がっていた。

「ツバサ…」

フレイスは言った。

「フレイス…?」

「とうとうこの時が来てしまった…。デストネスは…我々の故郷を滅ぼした裏切り者だ…」

ツバサはそれを黙って聞いていた。

フレイスは続ける。

「やつは全ての生命体を憎んでいる…。恐らくはあのデストネスに変身する男も奴に利用されているだけに過ぎないだろう…。だから言わせてもらう。この地球に生きる。いや、宇宙に存在する全ての生命を救うのだ。ツバサ…。私と共に」

「わかった…!ありがとうフレイス…。これからも一緒に…。戦ってくれ!」

 

ツバサはZETA基地内の医療施設のベッドから起き上がった。

そして、フレイスフラッシャーを取り出すと、それを見つめる。

「フレイス…、行こう。最後の戦いだ」

 

一方、カズトの住むアパートの前を水色っぽい服装のアスハが箒ではいていた。

その近くを自転車に乗った老人が通りかかる。

「うわぁぁぁ!!」

老人は近くに並んでいた植木鉢達に突っ込んで転倒する。

「いててて…」

「あの…、大丈夫ですか…!?」

アスハが老人に駆け寄った。

「いやぁ…、済まない済まない…。どうもこの自転車とかいう乗り物には慣れなくってなぁ」

老人はそう言いながら立ち上がった。

「えーと、ところでこれは…、この植木鉢は…君の家のかい?」

「はい、そうですが」

「それは済まないことをしたなぁ。お詫びに、はい、メトロン茶」

老人はどこからともなくカラフルなお茶の缶を取り出して、アスハに渡した。

「あ、ありがとうございます…」

「えーと、ところで、怪獣研究家の西園寺先生の家は…ご存知かな…?」

アスハはそれを聞いて得意げに言った。

「ご存知も何も!この私、松前アスハ!西園寺先生の助手を務めております!!」

「先生〜!お客様ですよ〜!」

アスハはそう言いながらカズトの家に入っていった。

その後ろから老人もついてくる。

しかし返事がない。

「えーと、先生?」

アスハはカズトの仕事部屋を開ける。

するとそこには、山のように積まれた本の中に、カズトが埋もれていた。

「あの…先生!?」

アスハが慌ててその中からカズトを掘り出す。

「あぁ、悪い悪い、昼寝してたらいきなり本が崩れてきてね…」

カズトはそう言いながら起き上がった。

「あのですね。あんなに散らかすなと言ってるじゃあないですか。いつも!…あと、お客様です」

老人はカズトと目が合うと軽く会釈した。

カズトと老人はちゃぶ台を置いた部屋で、互いに向き合って座った。

アスハは廊下の陰から心配そうにその様子をうかがっている。

「それで…、まず、自己紹介からいきましょうか」

カズトはそう言った。

「いやいや、その必要は無いよ。私は君のことは結構存じ上げている」

「では…君は?」

カズトは訊いた。

「この姿より…、本来の姿のが話しやすいかな」

老人はそう言うと、一瞬でメトロン星人の姿へと変化する。

「ひゃっ」

それを見ていたアスハは驚いて軽く声をあげた。

「アスハ、見ていたのか。あっちへいってなさい」

カズトは優しくそう言った。

「分かりました」

アスハは立ち去る。

「さて、ところで…。宇宙人がこの俺になんの用かな?」

カズトは気を取り直して質問した。

「なぁに、では言わせてもらおう。デストネスの力を捨てろ」

メトロン星人は言った。

すると、カズトは笑いだした。

「ハッハッハ、何を言い出すかと思えばそんなことか、俺がそんなことで捨てるとでも?」

するとメトロン星人は言う。

「もう一度言う。デストネスはお前をただ単に利用しているだけだ。いずれお前自身はその力に捕えられてしまうだろう。それに…、やつの目的は地球上の生命、いや、宇宙の生命全ての抹殺にある。お前の目的とはかけ離れたものだ」

「なんだ、そんなことか。それならば俺はやってみせますよ。逆にこいつの力を利用してみせる。そして、怪獣たちを、ZETAやウルトラマンから守り抜いてみせる」

「そうか…、ならば致し方あるまい…。私は暴力は好まないから実力行使はしたりはしないが…。これだけは言わせてもらうぞ。どうなっても知らないならな」

そう言うとメトロン星人は立ち上がって、部屋を出ていこうとした。

そこで、部屋の入口に頭をぶつけて転倒する。

「痛たた…。この姿に戻ってたのを忘れていたよ…」

そして老人の姿に戻ると部屋を出ていった。

「おぉっと、お嬢さん、私はこれから帰ることにする。じゃあのっ」

老人姿のメトロン星人は自室でメトロン茶を飲んでいたアスハに声をかけた。

「あっ、宇宙人さん。見送ります」

そして、立ち上がると、メトロン星人の方へ歩いていく。

「先生、あぁ見えて強情なんです。でも、悪い人じゃあないんですよ。だからきっとウルトラマンの力だって…」

「な、なんで会話の内容を…」

するとアスハはニヤッと笑ってヘッドホンを取り出した。

「悪いとわかってても…つい」

「なるほど…」

そしてメトロン星人はアスハに向き直ると言った。

「だがもし…、もし彼がデストネスの力を制御できなくなったら…。きみがブレーキになってやってくれ。君はいい子だ。きっとできる」

「はい!」

 

一方その頃、四日市のコンビナートでは、2本の牙のようなものが生えた怪獣が出現していた。

それを迎え撃つのは、ゼータウイング、ショウとミハルが乗っている。

「あれか…、世界各地の石油コンビナートやタンカーを襲っていた怪獣ってのは…」

「そうね…、名前はたしか…ガビシェール…!」

「よし、行くぜガビシェール!!」

ゼータウイングが大量のミサイルをガビシェールに撃ち込んだ。しかしガビシェールはビクともしない。

ゼータウイングを見つけると、口から火炎を放射した。

ゼータウイングはそれを間一髪の所でかわす。

そして、ガビシェールの口元に、レーザーを浴びせた。

ガビシェールは怯んで後ずさる。

さらにゼータウイングは大量のミサイルを浴びせる。

ガビシェールはそれを喰らって爆散した。

「へっ、どんなもんだ!」

ショウが言ったが、次の瞬間、ゼータウイングのレーダーには新たなる敵が映っていた。

「来る…、しかもものすごいスピードで飛行してくるわ!」




ものすごいマイナーな怪獣ですがガビシェールは80の怪獣です。(((


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第43話 復活の予兆(音速翼竜ランフォス登場)

連続投稿第2弾になります。


ガビシェールを倒したゼータウイングの上を何者かがかすめていった。

「うわぁぁぁぁ!!」

ゼータウイングはその衝撃波で操縦不能になる。

「まずい!脱出するぞ!」

ショウとミハルはパラシュートを展開すると、外に飛び出した。

ゼータウイングはそのまま石油タンクに衝突し、大爆発をした。

今の飛行怪獣は既に遠くに飛び去ってしまっていた。

その頃、大日新聞社に務める、相馬ミナは奥多摩の工事現場にて、取材を行なっていた。

彼女はかつて、ZETAの一部隊の隊長として、ウルトラマンジークとして戦っていたこともあるが、今は、ヤプール戦においてその力を使い果たし、新聞社の記者をやっているのだ。

「ここに出現した怪獣はどんな姿でした?」

ミナは作業員にそう質問した。

「なぁんか、鳥みたいなトカゲみたいな感じでしたねぇ、そいでもってバアって感じで飛び去っていった…」

「分かりました。では、ここに絵をどうぞ」

ミナは作業員にノートと鉛筆を渡した。

作業員はそれを見ると、目撃画を描き始めた。

「そういや、相馬さん?」

助手の滝川ゲンが声をかけた。

「相馬さんってこういうの得意っすよね確か、ZETAの隊長をやってたとか」

「えぇ、まぁそうね」

「なんで、やめちゃったんですか?」

「いやまぁ色々とあるのよそれが」

そうこうしている間に目撃画は描き上がったらしく、作業員はそれをミナに渡した。

そこには、巨大な翼竜のように見える怪獣が描かれていた。

その時、工事現場にルーバーが入ってきた。

「あっ、ZETAの車っすよ!」

ゲンがそれを見て言う。

ルーバーから降りてきたのはツバサだった。

ミナ達を関係者と勘違いしたのかこっちに向かってきた。

「あのぉ、二、三聞きたいことが…って…、あっ!」

ツバサは驚いて、手に持っていた録音機とメモと筆記用具を全部落としてしまった。

「久しぶり!ツバサくん」

ミナは額に手を当てて敬礼のようなポーズを取った。

「相馬さん!?なんでこんな所に?」

「今は、大日新聞の記者をやっててねぇ」

ミナはそう言いながらツバサが荷物を拾うのを手伝う。

「ありがとうございます」

「あ、あとそれと、これが怪獣の資料ね!調べてたんでしょ?」

ミナはそう言いながら、自分のメモと目撃画をツバサに渡す。

「あ、いいんですか?」

「もちろん、今はあなたがプロだから」

「ありがとうございます!」

ツバサはミナから貰った資料をもとに、怪獣の捜索を続けたが、依然、その行方を掴むことは出来なかった。

そして、一週間が過ぎる。

ツバサが今日もルーバーに乗って怪獣の捜索を森の中で行なっていた時だった。

道端にミナが立っていた。

ツバサはそれを見て車を停める。

「相馬さん、どうしたんですか?」

ツバサはルーバーから降りながら声をかけた。

「新しい資料を持ってきたわ。はい」

ミナはそう言って、紙の束をツバサに渡す。

「えぇ、いいんですか?こんなに…」

ツバサはそれを受け取ると言った。

「もちろん!私はZETAを辞めちゃったけど、協力できることはなんでもする!それに…、今は民間人だから、そんなかたっ苦しく接しなくて大丈夫よ」

「りょ、了解…、では遠慮なく…」

「それと、私も手伝ってもいい?」

ミナはそう言ってルーバーの方を指さした。

「もちろん!」

 

ミナを助手席に乗せたルーバーは発進する。

「怪獣の名前は便宜上ランフォス、推測されるに古代の翼竜が怪獣化したもの、そして、これまでの行動パターンからある法則が読み取れるわ。あの怪獣、どういう訳かは知らないけど、東京から名古屋のあいだの直線上の都市をだんだんと両側から狭めていってるように感じる。だとすれば…、次に出現するのは岡崎周辺ってことになるわ!」

ミナはそう説明した。

「流石、腕は衰えてないみたいですね」

「当然よ」

 

しばらくして、ランフォスは本当に岡崎市に出現した。

そして、その翼状になった両腕を羽ばたかせて強風を起こす。

逃げ惑う人々の中、現れたルーバーは停車し、そこからツバサとミナが出てきた。

そして、怪獣に向かっていった。

「ものすごい風ね…」

「はい」

ツバサはレーザーガンを抜くと、怪獣に向かって発射する。

しかし、風は、そのレーザーさえも進路を変え、吹き飛んでいったのだ。

「なっ…」

そして、ツバサはフレイスフラッシャーを取り出すとそれを展開してフレイスに変身した。

「デュアッ!!」

フレイスは構えをとるが、その強風のために、進むことが出来ない。

そんなフレイスを見たランフォスは飛び上がると、フレイスめがけて突撃をした。

フレイスは後方にはね飛ばされ、ビルに倒れ込む。

ランフォスがその上に着地をした。

そして、再び羽ばたき始める。

フレイスはバーニングモードにタイプチェンジをするとランフォスを投げ飛ばした。

そして、バーニングスラッシュを発射すると、その翼を切断する。ランフォスはそのまま地上に落下をした。

そして、フレイスはその腕をL字に組むと、バーニングショットを発射した。

ランフォスはそれを喰らって爆散する。

フレイスはそれを見届けると光に包まれてツバサの姿に戻った。

 

「ツバサくん!」

人間の姿に戻ったツバサにミナが駆け寄る。

「相馬さん、聞いてください」

「なぁに?」

「相馬さんはウルトラマンデストネスというのを知っていますか?フレイスやジークの故郷を滅ぼした裏切り者のウルトラマンを…」

ミナは首を横に振った。

「やつは全ての生命を抹殺することを目的に、この地球に来ています。我々はやつを倒さなければならない…。なので…再びウルトラマンとして戦ってください!お願いします!」

ツバサはそう言って頭を下げる。

しかしミナは首を横に振った。

「分かった、分かったけど私にはもう無理。だってジークは…」

「そんなことは無いです!ジークの光は…、あなたの心にしっかりと…、残っているはずです!確かにジークはもう居ない。けれど次は、あなた自身の力でジークに変身するのです!」

「私…、自身の…力…」

ツバサはゆっくりと頷いた。

「成長したわね、ツバサくん」

ミナはそう言うと、立ち去っていった。

「お願いします…。相馬さん…」

ツバサはその後ろ姿を眺めながら呟いた。

いつの間にか、空は夕焼けに赤く染まっていた。



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第44話 帰ってきたウルトラマンジーク(地底怪獣グドン登場)

第44話です。よろしくお願いします(ねこです感)


深夜、東京の市街地には怪獣が現れていた。

岩石のような皮膚に、2本のツノ、両手はムチになっている。

そして、それと戦うのはツバサとキョウスケの乗るゼータウイングだ。

「いくぜぇ!!」

ゼータウイングは次々と怪獣にミサイルを撃ち込んだ。

しかし怪獣はビクともしない。

「なんて硬い皮膚なんだ!喰らえ!」

今度は、レーザーが放たれる。

しかし、やはり怪獣には効果がなかった。

そして、怪獣は両腕のムチを振り回すとゼータウイングを叩き落とそうとしてくる。

ゼータウイングはそれをかわすが、今度は怪獣の尻尾が襲った。

尻尾はゼータウイングに命中し、ゼータウイングがだんだんと高度を下げていった。

「ツバサ!」

「分かりました!」

ツバサはフレイスフラッシャーを掲げて展開させる。

 

光とともにフレイスが現れ、墜落するゼータウイングをキャッチした。

「ありがとう、ツバサ…」

キョウスケはフレイスに向かって呟く。

フレイスはゼータウイングを地面に置くと、怪獣に向かって構えをとった。

怪獣はフレイスの姿を見ると咆哮した。

フレイスは怪獣に向かって突撃する。だが、怪獣はそんなフレイスをムチではね飛ばしたのだ。

フレイスは思いきり地面に叩きつけられた。

怪獣は倒れたフレイスに向かって迫ってくる。

だがフレイスは怪獣の腹部にキックを浴びせると立ち上がった。

そして、怪獣のムチを持って引き寄せる。

「デュアッ!」

怪獣の喉元に手刀を何度も打ち込んだ。

だがここで怪獣のムチがフレイスの首に巻きついたのだ。

フレイスはバーニングモードにタイプチェンジして、ムチを引きちぎろうとするが出来なかった。

怪獣はそのままフレイスを持ち上げると、地面にたたきつける。

フレイスのカラータイマーは点滅を始めた。

怪獣はそんなフレイスを見届けると、地面に潜って逃走した。

翌朝、ミナとゲンは小学校への取材に来ていた。

「こ、今回は平和そうな取材で良かったっすねぇ」

廊下で授業の見学をしながらゲンは言った。

「えぇ、まぁ今のところはね」

「今のところって、なんすかっ!これからなんか起こるんすか!?嫌っすよ!脅かさないでくださいよ〜」

「ふふっ、面白い」

ミナは思わず呟いた。

「あっ、さりげなく今面白いって言いました!?ちくしょう〜、おもちゃにしやがって〜」

だがそんな間、ミナはこの間のツバサとの会話を思い出してしまった。

「私の…、心の光…か」

「え、なんすかいきなり?」

「ねぇ、ゲンくん。私の心に光ってあると思う?」

ミナはゲンに訊く。

「えぇ〜、光っすか?確かに相馬さんは可愛いし輝いてますけど…、え、光ってなんすか?」

「やっぱきく人を間違えたわ…」

だがその時だった。地面が大きく揺れた。

「じ、地震っすか!?」

教室の中では小学生たちが机の下に潜り込むのが見えた。

だが、それは地震ではなかった。

学校の近くに怪獣が現れたのだった。

あの深夜、フレイスと戦った怪獣と同じ怪獣だ。

怪獣は学校に向かって進撃してくる。

ミナはゲンを連れて校庭に飛び出していた。

「に、逃げましょうよ、相馬さん!?」

ゲンはそう言いながら、ミナに手を引かれて無理やり連れてこられていた。

「いい、ゲンくん。怪獣に学校を攻撃させちゃあだめ!行くよ!」

「行くってったって、武器なんてなぁんにもないっすよ!」

だがミナは首を横に振った。

「武器なら…、ここにあるわ…」

「へ?」

ミナは空中に手を伸ばすと叫んだ。

「ジーク!私にもう一度光をぉぉぉぉぉぉ!!!」

空中に伸ばしたミナの手の中に、ジークペンダントが現れ、ミナはそのままジークの姿へと変身した。

 

その姿は、以前のジークに似ていたが、全身には、黒と金色のラインが入っている。

 

「え…、相馬さんが…ウルトラマン?」

ゲンは腰を抜かして、その場に座り込む。

 

「タァッ!」

ウルトラマンジーク(V2)は掛け声とともに構えをとった。

そして、怪獣に向かって突進していく。

怪獣はムチを使ってジークに攻撃しようとしたがジークはそれを受け止めると怪獣を持ち上げた。

そして、地面に向かって叩きつける。

怪獣は地面に潜って逃げようとするが、ジークはそれを許さなかった。

怪獣の尻尾を掴むと引き寄せたのだ。

そして、その怪獣の尻尾を持って振り回すと空中に投げ飛ばした。

ジークは怪獣めがけて腕をL字に組み、ジークロスショット(V2)を発射した。

怪獣は爆散する。

それを見届けたジークは光に包まれてミナの姿に戻った。

 

人間の姿に戻ったミナは校庭で腰を抜かして座り込んでいる。ゲンに手を差し伸べた。

「え、えと…、あの…、相馬さん…ウルトラマン…」

そう言いながら、立ち上がるゲンにミナは笑顔で言った。

「そっ!私はウルトラマン!でもなるべくならみんなには黙っておいてね!」

そう言ってウインクをする。

「りょ、了解っす!」

ゲンはそう答えた。

 

その日の夕方、あるカフェにいたツバサの向かいに、メトロン星人人間態が座った。

「久しぶりだな。メトロン星人」

ツバサは言う。

「こちらこそ、ウルトラマン」

メトロン星人はそう言った。

「ところで、こんな所に呼び出して、何の用だ?」

「実はなぁ、君に会わせたい子がいてな」

「会わせたい…子?」

ツバサが聞くとメトロン星人は近くの植木の陰に向かって言った。

「おい、もう出てきてもいいぞ。この人ならお前の力になってきてくれるはずだ…」

しばらくして植木の陰からゆっくりと、黒い服を着た少女が姿を現す。アスハだった。

その顔色はかなり悪い。

「あっ、お前はデストネスの…」

ツバサは身構える。

「待て、安心しろ、この子は敵ではない…」

メトロン星人はそう言ってツバサを制した。

そこでツバサはアスハが顔色が悪いだけでなく、震えているのにも気がつく。

「さぁ、お嬢さん、言ってご覧、何があったのかを…」

メトロン星人はそう言って促した。

アスハは半泣きになりながらテーブルに勢いよく手をつくと叫ぶように言った。

「先生を…!どうか先生を助けてあげてください!」

「待て、何があったか聞こうじゃあないか。だから…」

しかしアスハは泣き始めてしまい。とても話せる状況にはならなかった。

そこでメトロン星人が説明を始める。

「先生、つまり西園寺カズトは…、奴に…、ウルトラマンデストネスに完全に征服されてしまった…!」



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第45話 決戦へ(ウルトラマンデストネス登場)

残りこれを含めても4話となりました!皆さん応援ありがとう!


その日も、いつもと同じように、アスハは自身の通う高校からカズトの家に帰ってきたところだった。

すぐに私服に着替えるとカズトの部屋に向かった。

「先生〜、今帰りました〜…って、あれ?」

その部屋にはカズトはいなかったのだ。

「お出かけ…かな?」

だが引き返そうと振り返った瞬間、そこにはカズトが立っていた。

「お、驚かさないでくださいよ!先生!」

だがそこでアスハはカズトの様子がいつもと違うことに気がつく。

その額には黒い紋章のようなものが浮かび上がっていたのだ。

「せ…先生?」

すると次の瞬間、カズトはアスハの胸ぐらを掴んで、その体を持ち上げたのだ。

「な…、何をするんですか…いき…なり…」

すると、カズトが口を開いた。

「そうか…、そこまでこの男のことが好きか…。ならばどうだ?その好いた男と同じ姿をしたものに殺される気分は…」

「あ…なた…は…先生…じゃない…あなたは…デス…トネス…」

アスハは自分の首が絞まっていくのを感じながら精一杯声を出した。

「そう、ご名答だ…。だが愚かな男だ。自分が好きな怪獣を救うために、私の力を手に入れようとするとはなぁ!」

だがここで、アスハは全力をふりしぼって、カズトに蹴りを入れたのだ。

「ぐっ…」

カズトは思わず、アスハの胸ぐらを掴んでいた手を離す。

アスハは床に勢いよく叩きつけられたが迷わず逃げ出した。

そして、窓を割って外に出ると、駐輪場のトタン屋根の上に着地する。

全身が痛いがそんなことに構っている余裕はなかった。

すぐに逃げ出すと、以前聞いていたメトロン星人の住所まで助けを求めたのだった。

 

メトロン星人人間態は今までの一部始終をツバサに説明し終わった。

「なるほど、だいたいの事の顛末は分かった…。今からその…奴の家に向かう」

ツバサは立ち上がる。

するとアスハはその腕にすがって言った。

「先生を…どうか殺さないでください…!元の優しかった先生を取り戻してください…、お願いします…!」

「分かった。約束する」

ツバサはそう言うと、歩き始めた。

 

メトロン星人とアスハの案内で、ツバサはカズトの家へとたどり着いた。

「ここか…」

そして、その家の中にゆっくりと入っていく。

 

3人は家の中の捜索を開始するが。

カズトの姿はどこにもなかった。

「逃げたか…、もしくは何かの罠か…」

メトロン星人はそう呟いた。

茶の間と思わしき部屋に入ると、アスハはちゃぶ台の上に紙切れが置かれているのを見つけた。

「ツバサさん…、これを…」

アスハがそれを拾ってツバサに渡す。

そこにはこう書かれていた。

 

「俺は失敗した。済まないアスハ」

 

「どうやらやつは、最後まで抵抗してこれを書いたようだな…」

ツバサはそれを見て言った。

「そして、恐らくもうここにはいない…」

メトロン星人がそう言った時だった。

廊下から、ゾンビのような見た目の宇宙人が現れたのだ。

その手からは長い爪が伸びている。

「なっ、宇宙人!」

ツバサはレーザーガンを抜いた。

「メトロンさん!その子を頼む!」

メトロン星人はアスハを庇うように立つ。

ツバサは宇宙人に向かってレーザーを撃った。

しかし宇宙人はビクともせず、こっちに向かって歩いてきた。

「まずい!」

ツバサは宇宙人に蹴りを入れる。

しかし宇宙人はその足を受け止めると、痛めつけた。

「ぐあぁぁぁぁ!!!」

だがその時だ。アスハがメトロン星人の腕を振りほどき、宇宙人に向かって突進した。

そして、顔面を3回ほど殴ると、宇宙人は気絶して倒れる。

「先生にあんなことをした罰よ」

アスハはファイティングポーズを取ると言った。

「ありがとう、それと…。こいつはなんだ?なんでこんな所に宇宙人が?」

ツバサは言う。

するとメトロン星人は答えた。

「こいつは宇宙人では無い。奴が…、デストネスが生み出した尖兵のようなもの…」

「なるほど…、つまり奴が直接始末しに来ないってことは、もう遠くに行っちまったっていうことだろうな」

だがここでアスハが口を開く。

「あの…、それだったら私…、分かります」

「「なんだって!?」」

ツバサとメトロン星人が同時に声を上げる。

アスハはさっきの紙切れを出して言う。

「実は私…、手書きの文字を見ると、その文字を書いている時の人の心の中を覗ける…そんな能力を持ってるんです。そして、分かりました。デストネスは…ZETA基地を破壊するため、ZETA基地に向かうつもりだって…」

「分かった。しかし君は一体何者なんだ?前から思っていたが両親もいないし、それに…、この能力は…」

ツバサは訊く。

するとアスハは笑顔になって答えた。

「薄々気づいてるかも知れませんが、私は宇宙人です。故郷は、戦争により、滅びました。そして、私の家族は私を逃がすと、死亡し、残された私は地球にたどり着いたのです。そして、そこで私を見つけて、保護し、高校にまで行かせてくれたのは、先生でした…。だから…助けてあげてください!お願いします!」

「そうか…、ならば行こう!ZETA基地に!」

 

助手席にメトロン星人人間態、後部座席に、アスハを乗せたルーバーはZETA基地に向かう山道を走っていた。

アスハは後部座席で眠ってしまっている。

やがて、メトロン星人が口を開いた。

「ウルトラマン、お前はよくあんな咄嗟に人を信じることが出来る。私は羨ましいよ」

「そうか?」

ツバサは言う。

「そうだとも、普通は少しくらいは疑う」

するとツバサは答えた。

「そうだなぁ、でも、騙されることを恐れて何もしないのはもったいないと思うんだ。人は…、信じることによって行動できる。何百回騙されたって、何千回裏切られたっていい。それでも信じることができるなら、それが強さだと思うなぁ…」

「そうか…、お前は…強いな…」

だがその時、道の前方のど真ん中に、カズトの姿が現れた。

「まずいっ、ぶつかる!」

ツバサは急ブレーキをかける。

アスハが目を覚ました。

3人は、ルーバーから降りると、カズトと向かい合った。

「これはこれは、わざわざお出ましになるとはなぁ」

カズトは言った。

「当然だ。お前を止める!!」

ツバサはそう言うとフレイスフラッシャーを取り出した。

「そうかそうか…、ならばやってみるといい…」

カズトはそう言うと金色のブレスレットを天にかざし、デストネスに変身した。

それを見たツバサもフレイスに変身する。




次回から最終章三部作!お楽しみにぃ


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第46話 最終回三部作第1章 闇(ウルトラマンデストネス、幻覚宇宙人メトロン星人登場)

本日の連続投稿は多分これが最後となります。
最終2話は明日投稿になります。いつもありがとうございます。


「デュア!」

「ハアッ!」

フレイスとデストネスは同時に構えをとった。

そして、同時に突進していく。

フレイスとデストネスのパンチがお互いにぶつかり合う。だが、デストネスの方が僅かに強かった。

フレイスは力負けし、後方に吹っ飛ぶ。

デストネスはそこに光弾を次々と撃ち込んだ。

ところがフレイスはそれを避けると、ブリザードモードにタイプチェンジをする。そして空中に飛び上がり、飛び蹴りの体勢に入った。

今度はデストネスが後方に吹っ飛ばされる番だ。

だがデストネスはそれと同時に四足歩行の怪獣に変身する。

「キングザウルス三世か…、怪獣に変身できる能力とは、やはりあの男を選んでよかった」

デストネスはそう言うと、フレイスの脚に噛み付いた。フレイスはその痛みに倒れ込む。

キングザウルス三世の姿のデストネスはそんなフレイスにのしかかった。

だがフレイスはバーニングモードにタイプチェンジをし、キングザウルス三世をはね飛ばす。

するとデストネスは今度は人型の戦士に変身をした。

「ならばキリエロイドはどうだ!!」

そして、キリエロイドは手から火炎を放射する。

フレイスはそれをサークルバリアで防ぐが、気がつくと別の鳥型の怪獣に変身したデストネスによってバリアは破壊された。

「喰らえ!バードンの高熱火炎を!!」

フレイスにのしかかったバードンは高熱火炎を放射してくる。

それを喰らったフレイスはカラータイマーの点滅が始まった。

それを見たデストネスは元の姿に戻り、腕をL字に組む。

だがその時、空中から光線が飛んできて、デストネスを襲った。

それは、ゼータウイングだった。

 

「ツバサとデストネスとの戦いが始まったらしいと聞いてなぁ!」

「やっぱり私たちも加勢しないと!」

ゼータウイングに乗ったショウとミハルは言った。

 

だが次の瞬間、デストネスは腕をL字に組み、ディージウム光線をゼータウイングに向けて発射したのだ。

それを見たフレイスはデストネスとゼータウイングのあいだに割り込み、自身を盾として、その攻撃を喰らった。

「ツバサ!」

ショウが叫ぶ。

フレイスはゼータウイングに向かってゆっくりと頷くと、ディージウム光線の黒い光の中に包まれ、消滅した。

「そんな…」

ミハルはうなだれる。

邪魔者を排除したデストネスは両腕を天に向かって伸ばし絶叫した。

 

「う…」

ツバサは森の中で意識を取り戻した。

全身から血が流れている。

その手には、フレイスフラッシャーが握られている。

しかし、よく見ようと持ち上げた途端に、それは砂のように崩れ落ちた。

デストネスはZETA基地に向かってゆっくりと歩き始めていた。

 

「ウルトラマンがやられた…。残るのはこの私が…」

メトロン星人はそう言って行こうとする。

だがそんなメトロン星人をアスハが引き止める。

「ダメです!そんなことをしたら…あなたまで…」

アスハは涙を流し始めた。

「しかし…、では誰が守るというのだ…。アスハ、お前は…、お前だけは逃げろ…!」

メトロン星人はそう言うと本来の姿になり、巨大化する。

「デストネス!次はこの私が相手だ!」

「ほぉ?宇宙人ごときが、私に歯向かうというのか」

デストネスは手から光線を発射する。

メトロン星人はそれを喰らって後方に吹っ飛ばされた。

さらに倒れ込んだメトロン星人をデストネスは踏みつけた。

「お前には…、怪獣の力を使うまでもない…。これでトドメだ!!」

だが次の瞬間、デストネスは背後に光線を喰らって倒れ込んだ。

「メトロン星人!私も加勢するわ!」

そこには、ウルトラマンジーク(V2)の姿があった。

「なっ、貴様もか!よってたかって!滅ぼしてくれるわ!!」

デストネスはそう言うと立ち上がる。だがここでデストネスのカラータイマーは点滅を開始した。

「ちっ、時間切れか…」

デストネスは黒い光に包まれると、そのままどこかへ飛び去った。

 

ミナはメトロン星人人間態、アスハ、そして、ショウとミハルをツバサの所へと案内した。

ツバサは血を流して、気を失って倒れている。

「ツバサ!」

ミハルはそれを見ると、ツバサに駆け寄った。

「大丈夫、気を失ってるだけだから…。でも…フレイスに変身する能力を…」

ミナは説明する。

するとアスハはミナに詰め寄った。

「でもあなただって変身する能力を1度失ったんですよね!きっとツバサさんだって…」

ミナは無言で頷いた。

「とりあえず…、医療施設に運ぼう、ZETA基地が近いのが幸いだった」

ショウが言う。

全員ゆっくりと頷いた。

 

その日の深夜…。ツバサはゆっくりと目を覚ました。

全身に点滴をされ、ベッドに寝かされている。

そして、身体中に痛みが走った。

「ち…、ダメか…。だが俺は諦めないぞ…、俺自身の光で…、きっと…、変身してみせる…」

 

ZETA基地、南部隊の部屋には珍しく、来客があった。

それは、メトロン星人、アスハ、そしてミナの3人だ。

「なるほど…、つまりその…怪獣研究家は奴に体を乗っ取られていると…」

3人の説明を聞いて南部が言った。

「はい、ですから…、先生は殺さないでください…」

アスハは言う。

「しかし驚いたなぁ、あの相馬さんがウルトラマンジークだったなんて…」

シンペイは呑気に言った。

「あなたは少しは状況を考えて発言しなさいっての」

それをミハルが注意する。

だがその時、基地内に警報が鳴り響いた。

「基地内に多量の侵入者です!!」

ミカはモニターを見ながらそう声を上げる。

すぐさま大スクリーンに映像が映し出された。

そこにはあのデストネスの尖兵が映し出されていた。

「ち…、来やがったか…。迎え撃つ!」

南部はそう全員に命じた。

「それと相馬元隊長、あなたはメトロンと松前さんを守って!あと…、俺も出撃する。指示は任せた!」

「了解!」

ミナは敬礼をした。

すぐさま隊長を含む南部隊全員は出撃する。

その頃、カズトはある遺跡に来ていた。

「この男…、怪獣のDNAを採取して変身能力を得てたらしいな…。ならば私もそれを真似させてもらう…」

そしてカズトが上空に手をあげると、空には暗雲がうずまき始めた。

それから暗雲の中心から黒い稲妻が伸び、遺跡の入口へと入っていく。

しばらくして、遺跡はガラガラと崩れ始めた。

そして、その中から巨大な怪獣が出現したのだ。

「いいぞ…、そして、我が力となれ…。邪神!ガタノゾーアよ!」



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第47話 最終回三部作第2章 復活(ウルトラマンデストネス登場)

恐らく今日の投稿で完結できると思います!ありがとうございます!


デストネスの尖兵たちが、ZETA基地内の廊下を歩いていく。

だが前方に、ZETA隊員達が現れ、それを迎え撃った。

そんな光景があちこちで繰り広げられていた。

南部隊のメンバーも全員、戦闘に参加している。

 

ショウとミハルは格納庫で戦闘している。

 

キョウスケとシンペイは廊下で戦闘している。

そして、隊長とミカは管制室で戦闘をしていた。

 

「ダメだ!倒しても倒しても現れやがる!キリがないぜ!」

格納庫でレーザーガンをひたすら撃っていたショウは叫んだ。

「ええ、そうね、だったら、こうするわよ!」

ミハルはそう言うと近くのゼータイーグルに乗り込んだ。

「え!おい!何するつもりだ?ちょっ!」

ミハルはゼータイーグルのエンジンを起動させると、そのままレーザーを辺り一面にぶっぱなし始めた。

 

「待て!危ない!やめろ!」

ショウは必死に叫んだ。

するとミハルはそれを見て言う。

「大丈夫!ちゃーんと見えてるから!」

 

廊下で戦闘していたキョウスケとシンペイは敵に囲まれてしまった。

「まずいですねぇ!これは…」

シンペイは言う。

「いいや、だが幸運は我々に味方してくれてたみたいだぜ」

キョウスケはそう言うと天井のパイプに向かってレーザーを撃ち込んだ。

するとそのパイプから勢いよく水が吹き出したのだ。

デストネスの尖兵達は一瞬怯む。

「よし!強行突破するぞ!!」

「了解!」

2人はレーザーガンをひたすら撃ちまくりながら敵に突っ込んでいった。

 

一方、隊長とミカは管制室で、一際大きなデストネスの尖兵と遭遇していた。

敵はそいつ一体だけだがかなりの強敵だ。

「ダメだ…、レーザーが効きやしない…」

隊長はレーザーを撃ち込みながら言った。

そして、尖兵はいきなり突進してきたのだ。

「まずい!伏せろ!直江!」

隊長はミカをかばって伏せる。

2人のすぐ頭上を敵の長い爪がかすめた。

尖兵は攻撃をかわされると、今度は隊長に思いきり蹴りを入れる。

隊長が後方に投げ出された。

「隊長!」

ミカが叫ぶ。

だが次に敵は、ミカの首を掴んで持ち上げた。

「く…、でも…、ここで…、諦めるわけには…いき…ませ…ん…」

ミカはそう言うと至近距離からレーザーを何発も敵に撃ち込む。

敵はミカを離すと、ゆっくりと床に崩れ落ちた。

その頃、ZETA南部隊の部屋には、ミナがメトロン星人とアスハを護っていた。

そこに、突如、デストネスの尖兵がなだれ込んできた。

「とうとう、来たわね…」

ミナはそう言うと近くにあったレーザーガンを取り、相手に向かって撃ち込み始める。

しかし倒しても倒しても敵はどんどん入ってきた。

そして、その中の一体が、ミナのレーザーガンを叩き落としたのだ。

「なっ…」

そのままミナはその尖兵に首を掴まれる。

「相馬さん!!」

メトロン星人が叫んだ。

だがその時、ミナの首を掴んでいた敵は突如として、床に崩れ落ちる。

見ると、周りにはほかの尖兵たちも倒れていた。

そして、その中央に、点滴の棒を槍のように構えた病人服姿のツバサが立っていたのだ。

「ツバサくん!?」

ミナは立ち上がりながら言った。

「遅くなりました」

ツバサはそう言うと近くに落ちていたレーザーガンを拾ってミナに渡す。

そして、新たに部屋に入ってきたデストネスの尖兵を振り向きざまに、点滴の棒で倒す。

だがそれでもどんどんと敵は入ってくる。

「いきましょう!相馬さん!!」

「えぇ、もちろん!」

ツバサとミナはそんな敵集団に立ち向かっていく。

だが突然、デストネスの尖兵たちがその動きを停止した。

「なんだ…、いきなりスイッチが止まったかのように…」

ツバサは棒を構え直しながら言った。

すると、部屋の大モニターにZETA基地の前に現れたデストネスの姿が映し出されたのだ。

「前夜祭は終わりだ。これからが本番、この地球のフィナーレが始まるのだ!!」

ZETA基地周辺に配備されていた砲台は一斉にデストネスへの攻撃を始めたが、デストネスはそれを腕のひと払いだけで破壊した。

「俺に…、力があれば…!光よ!もう一度!!」

だがそんなツバサをミナが制した。

「そんな身体じゃあダメよ。ここは…、私が行く」

そして、ミナはジークペンダントを高く掲げた。

 

光とともに、ウルトラマンジーク(V2)が現れ、デストネスの前に立ちはだかる。

「タァッ!」

「来たか…、ジーク…」

デストネスもゆっくりと構えをとる。

そして、2人の戦士は同時に突進していった。

だがデストネスはそんなジークを蹴り飛ばした。

ジークは地面に倒れる。

しかしジークも負けていない。

デストネスの顔面に蹴りを入れると再び立ち上がったのだ。

そして、右手からジークスラッシュを発射する。

今度は、デストネスが地面に倒れる番だった。

「ちくしょう…!おのれ…!おのれぇっ!」

デストネスはそのまま怪獣の姿に変化した。

「ノスフェルでどうだァっ!!」

ノスフェルの姿になったデストネスは立ち上がるとジークを爪で攻撃した。

「タァッ!」

ジークは一瞬怯んで後退する。

「さらにっ!ババルウ星人!!」

デストネスは宇宙人の姿になり、左腕から鎖を発射、ジークの両腕を拘束した。

ジークのカラータイマーが点滅を開始する。

「そしてトドメだ!エレキング!!」

デストネスは怪獣に変身し、鎖はそのまま怪獣の尻尾に変化した。

そして、その尻尾から、電流を流す。

電流を喰らったジークはそのままゆっくりと地面に倒れ込んだ。

 

「まずい!ジークがやられるぞ!」

隊長は叫んだ。

南部隊のメンバーは全員、南部隊の部屋に戻ってきている。

「く…、俺は…俺は…」

そして、ツバサは叫んだ。

「俺にもう一度!光をぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

その途端にツバサの右手にフレイスフラッシャーが出現した。

そのまま光に包まれてフレイスに変身する。

 

デストネスとジークのあいだにフレイスが現れた。

「ツバサくん!」

それを見るとジークは立ち上がる。

「いきましょう!相馬さん!!」

2人は同時に構えをとる。

だがそれを見たデストネスは笑い声をあげたのだ。

「フハハハハハハッ!何人そろおうが関係ない!なぜならこの私は!最強の力を手に入れたのだからなぁっ!」

そして、デストネスの姿は漆黒の闇に包まれていった。

「なっ、あれは…!」

「あれが…、怪獣…!?」

デストネスはみるみるうちに、巨大な、巻貝のような見た目の怪獣へと変化したのだった。

「フハハハハハ!!見るがいい!この姿こそわが最強の力!邪神!ガタノゾーアだァァァァ!!!!!」




次回!!最終回!!!


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最終話 最終回三部作第3章 光(ウルトラマンデストネス、大魔獣カイザーテゴス登場)

最終回です。今まで読んで下さり本当にありがとうございました。


ガタノゾーアから無数の触手が伸び、フレイスとジークを掴んで持ち上げた。

そして、その触手より、2大戦士の光のエネルギーを吸収し始めたのだ。

ジークのカラータイマーの点滅は速くなり、フレイスのカラータイマーも点滅を開始した。

「エネルギーを…吸い取っているのか…?」

隊長は言った。

するとメトロン星人人間態が口を開いた。

「邪神ガタノゾーア…。最強の怪獣の一体とされており…。別の宇宙では世界を闇に包んでしまったこともあるらしい…」

「そんな…、ツバサ…頑張って!!」

ミハルは声をあげた。

「そうだぞ!!こんな所で諦めるなんてそれはお前じゃあない!!」

ショウも叫んだ。

「相馬さんも…、頑張ってください!」

ミカも応援する。

「いけぇぇぇぇ!!チェストぉぉぉぉ!!!」

キョウスケが叫んだ。

それを見てシンペイが呟く。

「あれっ、黒田さんって出身どこだっけ」

 

みんなの声援はフレイス達にも届いていた。

「みんな…」

「そう…、私たちは…、ひとりじゃあないっ!!」

フレイスとジークはそう言うと金色に輝き始めた。

「はあああああああっっっ!!!」

「はあああああああっっっ!!!!」

そして、その光のエネルギーは触手を伝わってガタノゾーア本体に直撃する。

「ぐあああああああっ!!」

ガタノゾーアの触手は引きちぎられた。

そして、フレイスとジークは地面に着地する。

「行くわよ!ツバサくん!」

「了解!」

フレイスは腕を十字に、ジークは腕を十字に組んだ。

そしてフレイシウム光線とジークロスショット(V2)は同時に発射され、空中で合体、そのままスパイラル状になり、ガタノゾーアに命中する。

ガタノゾーアは炎に包まれて大爆発をした。

「やったぞ!」

ショウが叫ぶ。

そんな中でアスハだけが心配そうにしていた。

「先生が…、助けに行かないと!!」

だがそこで隊長が声を上げる。

「いや、待て、まだだ。まだ終わってはいない!!」

 

煙が晴れてくると、そこには、ウルトラマンデストネスが立っていた。

そのカラータイマーは点滅をしている。

「まだだ…。これしきのことで…。これしきのことでぇぇぇぇぇぇ!!!」

デストネスはそう叫び、再び闇をまとい始めたのだ。

そして、その闇は大きく成長していく。

「おい…!なんだあれは…!!」

 

「信じられん…」

南部隊長も呟く。

「なんなんだあいつは…」

ショウも言った。

 

それは、漆黒の暗雲が集まった巨大な怪獣の頭部のような姿をしていた。

そして、その大きさは、空を埋め尽くす程のものであった。

「これこそ我が最強の姿、自らの怨念で変身した最強形態…!大魔獣カイザーテゴスとでも言おうか…、フハハハハハハッ!フハハハハハハハハハハハッ!!!」

そして、カイザーテゴスはその口を開いた。

すると、そこから無数の火球が雨のように降り注ぎ始めたのだ。

フレイスとジークは地面に倒れ込み、火球はZETA基地本体にも直撃する。

 

「うわぁぁぁぁっ!」

南部隊の部屋も火花が飛び散り、停電をした。

フレイスとジークはカラータイマーの点滅が速くなっていくのを感じた。

「く…ダメか…。もうダメなのか…!」

するとミナは言った。

「そんなことは無い、ツバサくん。信じていれば、なんだってできるはずよ…。だから…」

「そうか…、なんだって…、分かった!光よ!人の心の光よ!俺の元に来い!!」

フレイスはそう言うと立ち上がった。金色の光に包まれていた。

「おい…、なんだよこれは…」

南部隊のメンバー全員のその手に、金色に光り輝くフレイスフラッシャーが現れた。

そして、メトロン星人とアスハの手にも。

 

いや、それだけではなかった。結城姉弟は自分の家でそのフレイスフラッシャーを握っていた。

大日新聞社では、ゲンもフレイスフラッシャーを握っていた。

 

全世界で、フレイスやジークに関係したことのある人達が、金色に光り輝くフレイスフラッシャーを握っていたのだった。

 

やがて、ショウが口を開く。

「なるほど、そういうことか、理解したぜツバサ!行くぞ!みんな!!」

皆は一斉にフレイスフラッシャーを天に掲げた。

そして、光となり天からフレイスのカラータイマー目掛けて飛来する。

「最後は…、私の番ね…」

ジークは立ち上がるとフレイスに拳を重ね合わせる。

2人の戦士は、光に包まれて、融合した。

そこには、体色が金色と銀色になったフレイスが立っていた。

「な、なんだお前は!!」

デストネスが声を上げる。

「ウルトラマンフレイス…!バーンズモード!!」

「ゼアッ!」

フレイスはそう叫ぶと大地を蹴って、そのまま、カイザーテゴスの口の中に突進していった。

「ぐあああああああっ!!!!」

フレイスがカイザーテゴスの口の中に突入すると、カイザーテゴスはそのまま光に包まれて、大爆発をした。

 

しばらくして、ウルトラマンフレイスバーンズモードは空に浮かび、朝焼けに照らされていた。

そして、その手には、デストネスから救い出したカズトが握られていた。

「ゼアッ」

フレイスはそのまま地上にゆっくりと降下して、着地する。

そしてカズトをそっと地面に置くと、光に包まれて、それぞれの人に分離した。

ツバサ、ミナを含む人々が見上げる中、フレイスとジークの2大戦士は静かに立っていた。

結城姉弟や、ゲンもその場にいる。

カズトはアスハに支えられて立っていた。

「フレイス…、今まで…、ありがとう…。その…俺と一緒に戦ってくれて…」

ツバサが言うとフレイスは頷いた。

「ジークっ!ありがとうねぇ!!」

ミナもジークに手を振った。

「しかし…、本当に行ってしまうのか…」

隊長が前に進み出た。

「地球以外にも、我々を必要としている星がある。暫くはそこの平和を守るため、旅立たなくてはならない。だがいつかきっと、戻ってこよう。君たちの心に、さっき見せてくれたような、美しい光がある限り…」

フレイスはそう言った。

「分かった…ありがとう…。ありがとうウルトラマン…。光の戦士よ」

隊長は2大戦士に敬礼をした。

フレイスとジークはゆっくりと頷くと、飛び立った。

そこにいたみんながいつまでも手を振っていた。

 

「地球か…、美しい星だったな…」

宇宙空間で地球を見下ろして、フレイスが言った。

「そうだな。美しい。そして、希望に満ち溢れていた。行こう、フレイス、我々を必要とする人々がこの宇宙のどこかで呼んでいるぞ」

ジークはそう言い、自身を赤い球体に包んで飛行していく。

フレイスは頷くと、自分も、赤い球体に身を包み、ジークを追って飛んでいった。




皆さんのおかげで、ここまでかきあげることが出来ました。ありがとうございました!!多分またいつか続編を書くことになるかもしれないのでそこはよろしくお願いします!!!


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