とあるスキルアウトの銀の腕(アガートラーム) (暗愚魯鈍)
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一章 授けられたのは銀の腕
一話銀の腕


初めまして暗愚魯鈍と申します、とある魔術の禁書目録が三期決定が嬉しくて書き始めました、最初は原作と同じになりますが段々オリジナル展開になりますので…では駄文ですがどうぞお読みください

「」の前の名前を消しましたが不良のみ消していません…モブだと表記がないとわかりにくいので…


もし、もしもの話、実際にはありえない別世界の話

 

もし正史には出てこない人物達がいたら?

 

もしその人物達がこの話の主人公に大きく関わって来たら?

 

もし本来出会わなかった筈の人物と出会っていたら?

 

もし魔神が現世に興味があって隠世から学園都市を魔術で見ていたら?

 

もし魔神が見ている時三人の主人公の一人のスキルアウトが猫を救うために車道から飛び出していたら?

 

もしその魔神がその青年に興味を持って自分の力を気紛れに授けていたら?

 

全てはifの話…そこで誰にも選ばれず、資質らしいものを何一つ持っていなくても、たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者と呼ばれた者はどう変わっていくのか?

 

 

 

 

青年 浜面 仕上(はまづら しあげ)は目を覚まして見ると白い天井が見えた…ここは病院だろうか?よく見るとベットには手すりが付いていた…医療ベットなのだと分かる…部屋にはカーテンで仕切りがあり、ふと自分の腕を見ると包帯が巻いてあった

 

「……あれ?俺どうしてこんな所に………そっか、確か俺車に右腕を轢かれて…」

 

浜面は何故自分がここにいるのか分からなかったが鮮明になって来た記憶を思い出すと自分は車道に飛び出した猫の近くに車が走っていて猫を助けようと自分も車道に出て…そこからの記憶はないが恐らく車に轢かれたのだろうと予測できた

 

「俺も馬鹿だな…猫を助けるためだけに片腕犠牲にするなんて……半蔵になんて言われるか…」

 

浜面は自嘲のように笑いながら折れている筈の右腕を触ると……驚く事に折れていなかった

 

「……ん?確かに轢かれた筈なのにな…折れてないなんておかしいだろ…」

 

浜面は何度も右腕を触るが折れていない…何度も触って見るが折れていない事に浜面は不審がる…が部屋の扉が開く音が聞こえ扉の方を向くと白衣を着た年は40くらいの中年男性と赤いドレスと赤いリボンを頭に付けた金髪ロング・碧眼の可愛らしい少女が入ってきた

 

「良かった…目が覚めたんだね…」

 

「えっと…お医者さんですか?」

 

「見ての通りただの医者さ……覚えいると思うけど君が猫を助けようとして車に轢かれてね…で私が偶然通りかかって急いで私の医院に運んできたんだよ…」

 

医者は自分の顎を撫でるとカルテを取り出しベットの横に立ってカルテを見始める

 

「腕は最初見た時は折れていたんだが…医院に着いた時腕を触って見ると…何事も無かったかのように元に戻っていたんだよ…君もしかしてアレかい?再生系の能力者かい?」

 

「冗談はやめて下さい、俺は無能力者なんで」

 

浜面は医者が言った能力者ではないかと言う問いに首を振る、もし自分が能力者なら惨めな気持ちをしていないと心の中で思い医者の方を見る

 

「…それは失礼…所で君アレかね?スキルアウトとか言う輩かね?」

 

「あ…まあそうですね…言い訳するならチンピラみたいな真似はしてませんよ…駒場て奴がリーダーなんですが…俺らみたいなスキルアウトが能力者相手に暴走しないように注意してて…」

 

「ほう……まあスキルアウトと言ってもこの学園都市には6割いるんだ…全員が不良な筈がないね…ま、最近は無能力者狩りなんて流行ってるからね…ああ怖い怖い…」

 

医者は大袈裟な仕草で場を茶化した後、真面目な表情に変わり浜面も何事かと思い医者の顔を見ているといきなり医者が紙を取り出した

 

「……これは?」

 

「請求書、一日だけとはいえ入院もしたし怪我がないか診察もしたからね…本当なら引いた人に払わしたいんだけど…未だ見つからないから…代わりに払ってね、一万と言いたい所だけど…九千八百六十円でいいよ?」

 

「………マジか…そんなにかかるのかよ…」

 

「そりゃあレントゲン撮ったり診察するだけでも最低一万円ぐらいかかるんだからサービスしてるほうだよ?」

 

とほほ…と浜面は医者が預かっていた私物を受け取り財布から一万円札を取り出し百四十円が返ってきた

 

「じゃあ特に後遺症がないから退院していいよ、あ、また怪我したらお出で、安くするかもしれない」

 

「安くするかも…ですか…そういえばこの医院の名前は?…」

 

「そうだね、この医院の名前はヰクトリア医院だよ…エリスちゃんが考えてくれたんだよ…ねぇエリスちゃん?」

 

(いや子供の意見に賛同したのこのオッさん……と言うかこの幼女どう見てもオッさんの孫とか娘じゃないだろうな…外人ぽいし…オッさん…ロリコンか?)

 

浜面はそう思いながらも病衣を脱ぎ私服に着替える…時々エリスと呼ばれた少女の方を見るが別に医者のことを嫌っていたり怖がったりしていないことからそういう違法な感じはしないが…もし医者が自分の手当てをした医者では無かったら警備員(アンチスキル)や風紀委員(ジャッジメント)に通報している所だ

 

「…助けてくれてありがとうございました……」

 

「機会があったらまた来てね〜」

 

「バイバイ〜!」

 

浜面は頭を下げて部屋の扉を閉め医者とエリスは手を振りながら浜面を見送る…浜面は内心今月は食費とは節約しようと財布の中を確認して溜息を吐く…前を向いていなかった事もあり白衣を着た男性にぶつかってしまう

 

「あ、すみません!」

 

「あー…気にしてねえよ…それよりちゃんと前見て歩けよ、子供とか車にぶつかるんじゃねえぞ!」

 

「あ、はい!」

 

「わかりゃあいいんだ、気をつけろよ」

 

顔左半分に刺青がされていて目が少しヤバい何処と無くマッドサイエンス風な白衣を着た男性だったが見た目に反して優しく気をつけろよと言った後特に絡む事なく歩いて行った

 

「……人は見た目じゃないよな…やっぱり…と言うかあの人医者と言うか科学者ぽかったけど…何しにきたんだろう」

 

浜面はそう呟くと出口に向かって歩き出す…先程の科学者は白いビニール袋を左手に持って誰かを探していると先程浜面が入院していた部屋から医者とエリスが出てくると男は「お!」と声を上げ医者の方へ歩いて行く

 

「よぉ、森先生!久しぶりだな!」

 

「おや…数多君久しぶりだね…何しにここへ?」

 

「いやぁ…ちょいと相談事なんだけどよ…ウチのガキの事でよ…」

 

男の名は木原 数多(きはら あまた)…有名な科学者の一族の一人でその中の数少ない常識人の一人

 

「ああ…あの一方通行(アクセラレータ)君のことかい?何また喧嘩したの?飽きないねぇ…」

 

「違ぇよ!…まあ喧嘩じゃなくて…これについて何だがよ…読んでもらえるか?」

 

「ん?…何々…絶対能力者進化計画?」

 

医者は数多に手渡された資料を読みその資料の内容を読み…絶句する

 

「これは…非人道的だね…誰がこんな計画を?」

 

「幻生の糞爺だよ…クソ!あの耄碌ジジイが…一方通行にそんな非道なさせようと考えやがって…」

 

数多が毒づくと医者がまあまあと落ち着かせる

 

「その件で相談に乗って欲しくてな…ついでにエリス嬢にケーキ買ってきたぞ」

 

「やった!流石は数多ね!分かってる!」

 

「ふむ……丁度今暇だから…相談に乗るよ…ここだと邪魔だから向こうで話そうか」

 

医者はエリスと数多を連れ邪魔にならない部屋に入っていく

 

 

「ああ…そうなんだよ…幸い怪我してなかったけどさ…九千八百六十円も取られてさ…今月ピンチなんだよ……分かってるて…気をつけるから…駒場にも後で連絡するよ…じゃあな」

 

浜面は昨日の着信の履歴を見て友人の服部半蔵に電話をかけて何があったか伝えた後、ピ、と通話を切りポケットに携帯をしまって改めて財布の中を見て今月どうやって過ごそうと溜息を吐く浜面

 

「……今度からは気をつけよう…検査だけでも金かかるんだよなぁ…今月は何を食べて過ごそう…」

 

浜面は頭を掻きながら悩み、取り敢えず何かコンビニで安い飯でも買おうか悩んでいた時ふと男達の声が聞こえてきた

 

「お嬢さん可愛いね、僕達とお茶しない?」

 

「なあ?嬢ちゃん暇?なら俺達と遊ばない?」

 

「その制服…霧ヶ丘女学院の生徒なんだろ?一緒にいい所いかない?」

 

不良がナンパに使う常套句が聞こえ振り向くと五人のガラの悪そうな不良に女子を逃げれないように囲んでいた、その絡まれている女の子は毛先を結んだ綺麗な鴇色の長髪とアイドルの様な整った顔にくるくるした瞳、服装は鳥のエンブレムをつけた水色の鳥打帽子が特徴の女の子をナンパしていた

 

「あの…困ります…私…この後用事があるので…」

 

「大丈夫だって…安心しろよ、ちゃんと帰れるからよぉ…」

 

「いつ帰れるかは分かんねえけどな!」

 

男達は彼女を逃そうとせず無理矢理何処かへ連れて行こうとする…嫌がる女の子だが男達は構わず喋り続ける

 

「…誰も助けないのか?」

 

浜面は辺りを見渡すが誰も止めようとしない…中には気づいている者もいるが自分が巻き込まれるのを恐れて気づかないフリをしたり中には近付こうとする者もいるが男達が睨んだりするだけで逃げていく…

 

「……ま、そんなもんか…当たり前だな、人間なんて口では綺麗事は言えても…いざとなると…こうだもんな…俺も人の事は言えないけど」

 

所詮、人間は誰だって見ず知らずの他人より助けるより自分の身の方が可愛い…それに所詮誰かが割って入った所で何もできないし怪我するだけ…それを分かっていて助けようとするのは漫画とかの主人公ぐらいだろう…浜面も巻き込まれたくないのでスルーしてその場から去ろうとするが…

 

「そんな…困ります!私この後用事があって…」

 

「あ"ぁ!お前には選択肢はねえんだよ!黙ってついてこいや!」

 

「俺達が優しくしてりゃあいい気になりやがって!」

 

「…………はぁ…どう見ても…助けてください…じゃねえか…しょうがねぇな…」

 

最早テンプレとしか言えない不良のナンパと少女の泣きそうな顔を見て浜面は今日何度吐いたか分からない溜息を吐き不良達と少女の方に近づいて行く

 

「すみません通してもらえます?」

 

「あぁ?誰だテメェ?」

 

「その子俺の彼女なんすよ…迷子になっちゃて…ほら、はやく行くぞ…」

 

浜面は少女の手を握って無理矢理この場から少女を連れて立ち去ろうとするが…

 

「え、えっと…貴方は……誰ですか?」

 

「…………………………………え?」

 

「「「「「…………………………………」」」」」

 

少女の一言により浜面も不良達もその場にフリーズする…そして

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!?あんた、ここは黙ってついて行ってこの場から立ち去る場面だろうが!?折角勇気出して彼氏のフリしたのに!」

 

「え!そうなんですか……すみません…分からなくて…」

 

浜面は少女に少し怒鳴るが不良が浜面の巫山戯た真似を見て怒る

 

「何だテメェ…!なんか文句があんのかコラァ?」

 

「巫山戯た真似しやがって!」

 

「いや…その………あぁ…どうして今日はこんなにも厄日なんだよ…たく…」

 

「あ"あ?何ブツブツ言ってんだよテメェ?」

 

不良達は浜面を取り囲み、浜面は一瞬ビビるが覚悟を決めて不良一人の襟首を掴み取り大声で怒鳴る

 

「テメェら恥ずかしくねぇのか!女の子相手に寄ってたかってよぉ!一人じゃナンパも出来ねえのか!?この馬鹿野郎が!」

 

「グェ"ェェ!?」

 

浜面は襟首を掴んだ不良に頭突きを食らわしてぐっと後ろに逸らした所を握りしめた拳を突き上げて不良を上に吹き飛んで地面に倒れ気絶する

 

「テメェ何しやがる!」

 

「それはこっちのセリフだ!女の子一人に群れやがって…同じレベル0として恥ずかしいことこの上ねえよ!」

 

浜面はそう言って不良を睨みつけるが不良はレベル0と言う言葉を聞くと不良は浜面を睨みつける

 

「同じレベル0……だあ?テメェ…俺達がレベル0だと思ってんのか?あ"あん?」

 

「俺達はなぁ…レベル3だよ…」

 

「……マジで?」

 

「おお、マジだよマジ…つかテメェ落ちこぼれ(レベル0)の分際で俺達のダチ殴りやがったのか?」

 

浜面は同じレベル0と思っていた不良は実はレベル3であり浜面は同じレベル0と思っていたのでまさか能力者とは思わず冷や汗をかき始める

 

「テメェ…落ちこぼれの分際で…!」

 

「そこの女とレベル0の癖に可愛いから遊んでやろうとしてるのによぉ…俺達の邪魔しやがって…」

 

「どう落とし前つけてくれるんだ?あぁ?」

 

「えっと…その……………すみませんでした!」

 

浜面はそう言いと全速力で走って逃げ出して行った…暫く呆然としていた不良達だったがハッと不良達は我に帰る

 

「待てやゴラ!」

 

「俺達の仲間を殴りやがって…唯で帰すと思うなよ!」

 

不良は罵倒を浴びせながら浜面が逃げた方向へ走り出す…この場には気絶した不良と未だ呆然とした少女のみが残った……

 

 

「ハァ……ハァ……レベル3とか…マジかよ…勝てる訳ねえじゃねえか…怪獣が超獣に挑むもんだろ…」

 

浜面は路地裏に入り不良達をまいて逃げ切ろうとするが…

 

「……!ゲェ…行き止まりかよ…ま、流石にここまで追いつける訳…」

 

浜面は知らずに路地裏の袋小路に入ってしまったようだったが、流石にここまで追ってこないだろうと高を括るが…

 

「誰が追いつけないだって?」

 

「!?……マジかよ…まいたと思ったのに…」

 

「残念だったな…俺の能力は透過能力(クレアボイアンス)でな…お前がどこに逃げるかずっと見てたんだぜぇ?」

 

「チ……だから能力者は嫌いなんだよ…」

 

ニタニタと笑顔を浮かべる不良達を見て浜面は吐き捨てるように言う

 

「それはこっちのセリフなんだよ!無能力者なんて俺達の都合のいい玩具の癖によ!」

 

「お前もさっきの女もよレベル0の癖してよ…生意気なんだよ!落ちこぼれの癖してよ…レベル0は俺達に尽くすべきだろうが!」

 

「レベル0なんて何でいるのかも分からねえ奴らの癖によ…近頃スキルアウトみたいに俺達に逆らう奴もいるしよぉ…たく何で生きてんだか…」

 

「……巫山戯やがって…俺達レベル0だってな…必死に生きてるんだよ…それを玩具だぁ…?ざけんな!お前らみたいな奴がいるからだろうが!!」

 

不良のレベル0に対する偏見や侮辱を聞いた浜面は不良Dの顔面を殴り不良Dを吹き飛ばす

 

「ガァ!?て、テメェ…!」

 

「俺地能力者に落ちこぼれのテメェが勝てると思ってるのか!?」

 

「煩えよ!能力者だろうが…関係ねぇ!お前らがレベル0を侮辱するなら俺が相手になってやるよ!」

 

「調子乗りやがって!後悔されてやるよ!落ちこぼれがぁ!」

 

浜面は拳を握りしめ不良達に挑むが相手は能力者、浜面と素直に殴り合いをする程お人好しではない、不良Cは発火能力(パイロキネシス)の一種である火焔放射(ファイヤースロアー)で腕の延長線上に炎をばら撒き、不良Bは念動力の一種である風力使い(エアロシューター)で不良Cの炎の威力をあげ、不良Aは氷撃使い(アイスメイク)で拳ほどの大きさの氷の礫を10個程生み出し浜面に放ち浜面はそれを必死に避けるも炎にかすり服が焼け焼け跡がつき、氷の礫に擦り血が出る

 

「く……能力に頼りやがって…能力を使わねえとロクに喧嘩出来ねえのかよ…」

 

「それはあれか?自分が能力持ってないから羨んでるんですかぁ?」

 

「さっきまでの威勢はどこに行ったんだ?あぁ?」

 

「ほら何とか言ってみろよ!」

 

ゲシゲシと不良達は浜面に群がり浜面の腹を蹴り、顔を殴る、すると不良Dが他の不良を退かす

 

「ちょっと退けよ、俺はこいつにさっき殴られたんだぜ?倍にして返してやるよ!」

 

「お前は透過能力だから直接的な攻撃できないから、俺達が痛めつけた後にいつも見たいに無抵抗の相手を痛めつけるのか」

 

「ひでぇ言い方だな…まあその通りだけどよ…さてさっきはよくもやってくれた…な!」

 

「ぐはっ………く…」

 

不良Dに思い切り蹴られた浜面は不良Dを睨みつけるが不良Dはニヤニヤしながら蹴りづづける

 

「何睨みつけてんだ、あぁ?お前ら落ちこぼれはなぁ…そうやって俺達を見上げてればいいんだよ!」

 

不良Dは浜面を蹴るのをやめない…が浜面も黙って蹴られているわけがなく不良Dの足を掴んで引っ張りその反動で立ち上がり不良Dは地面に倒れる

 

「散々蹴りやがって……無抵抗の相手じゃねえと喧嘩出来ねえのかよ」

 

「痛ぇ……テメェ舐めやがって」

 

「お、おい!それは流石に……」

 

「煩ぇ!黙ってろ!」

 

不良Dはジャックナイフを取り出し浜面に向ける、他の不良はそれを止めようとするが不良Dは聞く耳を持たない、浜面は懐から警棒を取り出し右手に握る

 

(警棒を出したは良いものの…刃物と警棒じゃ…ナイフの方が有利だよな……はは、死ぬかもな…でもな…)

 

「レベル0にもな、レベル0なりの覚悟があるんだよ!レベル3だが何だか知らねえけどな!俺には関係ねぇ!!」

 

「折角能力があるのに…お前らの力は人を傷つけるんじゃなくて人の役に立つ為の力だろうが!」

 

「何偉そうな事言ってんじゃねえ!カッコつけやがって!」

 

浜面はそう叫ぶと警棒を強く握りしめて不良Dに飛び込んでいく、不良Dはジャックナイフを警棒に向かって切りつける…その瞬間、浜面の右腕と警棒が突然銀色に輝き、警棒がジャックナイフに当たった瞬間、銀色に輝く警棒がジャックナイフを斬り裂いた

 

「……はぁ!?警棒がジャックナイフを…!何なんだよ!それは!?」

 

(……何だ…これは?いや今はそれよりも!)

 

「うらぁ!」

 

「ぐわぁ!?」

 

不良Dはジャックナイフが斬り裂かれた事に驚き浜面も自分の右腕と警棒が銀色に輝いている事に驚いていたがそれよりも不良Dを殴りつけ不良Dは吹き飛ばされて壁にぶつかり呻くが気絶する

 

「………何だ…この力は?」

 

浜面は不良Dを倒した後、再度自分の右腕と警棒を交互に見る…果たしてこの力は何なのか……それはまだ誰も知らない

 

 




やはり文章を書くて難しいですね…表現が上手くできてないし読みづらい…戦闘描写が下手…さて浜面に力を授けたのはどの魔神なんだ?そして不良に絡まれていた少女は誰でしょう?因みに医院の名前は森 鴎外の作品 舞姫のヰクトリア座から

因みにカンピオーネ!を知らない人についてご説明です、切り裂く銀の腕とはカンピオーネ!に出てくる神殺しの魔王 サルバトーレ・ドニが最初に殺した神ヌァダから簒奪した権能で『銀の腕』と化した右手で握った物体(食事用ナイフや木の枝でも魔剣化可能)を、全てを斬り裂く必殺の魔剣へと変える能力です、まだ完全には使いこなせませんが(主に普通の人間に使うと殺人事件になっちゃうので)段々使いこなして強くなっていく予定です

因みにアレイスターさんは魔神が暗躍した事に気付いていますが今の所は放置しています、決して気づいていないと言うことはありません、知った上での放置です

ぇは今回はここまでで次回は不良との決着と魔神との遭遇ですね…是非続きをお楽しみに!


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二話魔神

さて大分オリジナル要素が入ってますがご了承下さい、後前回の氷撃使い(アイスメイク)ですがオリジナルの超能力です…ほら原作にも氷使いの能力者は出てこなかったのにとある科学の超電磁砲だと出てきたので…意味は氷を作る者…では第2話どうぞ


突然銀色に輝き出した右腕と警棒を見て不良達は驚きのあまり茫然としていたが不良Dが殴り飛ばされ気絶するのを見ると我に返り浜面に向かって大声を出す

 

「テメェ…無能力者じゃなかったのかよ!?」

 

「何なんだよ…その腕…お前無能力者じゃなかったのか!?」

 

「そんな能力見た事ねえぞ!?」

 

「……………………」

 

無能力者とばかり思っていた不良達は浜面の銀色に輝く腕を見て明らかに動揺し若干怯えていた…そして浜面は不良達の方を向いて右腕を不良に見せつけてこう言う

 

「……なあ…これ何?何かわかるこれ?」

 

「「「いや、お前も知らねえのかよ!?」」」

 

浜面の発言に不良達もツッコミを入れる…浜面自身もこの能力が何なのか分からない…だが一つ分かることがある…この警棒…斬れ過ぎるのだ…もし人体に当たれば…切断してしまうだろう…だがそれを行えば

 

(新聞に不良三人を殺害!犯人はスキルアウトの…て感じで犯罪者になっちゃう!)

 

浜面としてもそれだけは避けたい…浜面も殺人者だけにはなりたくない…

 

(まずは…人を斬らねえようにしないと…これ解除できるのか…あ、出来た)

 

浜面はこれ解除できるのか?と思って解除したいと思うと消えた…どうやら任意で発動したり解除出来るようだ…ひとまず安心してホッと息をつくが

 

「テメェ…舐めてんじゃねえぞ!」

 

「あ……存在を忘れてた…」

 

浜面は銀の腕に気を取られすぎて不良達の存在を忘れていた…相手は忘れられていた事に怒り全員が能力を発動する

 

「うぉ…!ヤバ…さっき見たいに発動…出来るな……よし…でもどうやって勝てば…」

 

浜面はもう一度銀の腕を発動させるがどうやって勝つか必死に考える、これで不良達を斬れば殺人者として人生が終わるしかと言って何もしなければ不良達の能力でやられる…取り敢えず警棒で飛んで来た拳大の大きさの氷塊を切り裂き直線上に放たれた火炎放射を警棒を前に突き出す、火炎放射が警棒に当たった瞬間火炎放射が二つに分かれ浜面に直撃する事なく浜面の左右を焦がす

 

「…形のない奴でも斬れるのか…取り敢えず攻撃だけ斬るか…」

 

「チィ…おいお前の風なら見えないから斬れねぇだろ!

 

「そ、そうか!分かった!」

 

不良Bは自身の能力で風を操り浜面に風の塊をぶつけようとする…風は見えない…故に何処から攻撃が来るか分からない……筈だったが浜面には何故か…風の塊が見えた

 

(右に一つ、左に三つ…!何でか知らないけど…見えるぞ!)

 

浜面は右からの風の塊を避け左の風を二つ斬り裂き最後の一つは右に避けて回避する

 

「よ、避けただと!?風は見える筈がねえのに!?」

 

「あれだろ!大気の流れで分かったみたいな感じだろ!これでも喰らえ!」

 

火炎放射を今度は直線上ではなく浜面を囲む様に放ち浜面は真横に斬り裂いて攻撃を防ぐも死角から飛んできた氷の礫が腹にぶつかり後ろに吹き飛ぶ

 

「いてぇ……やっぱり3対1はキツイか…」

 

浜面はぶつかった腹の部分を軽く撫ぜて不良達の方へ踏み込むが風力使いの不良Bが大風を起こし動きを阻害し火炎放射の不良Cが炎を風に乗せて炎風にして皮膚を焦がし炎風が止んだかと思うと氷の礫が飛んできてとてもではないが相手の近くに行けない

 

「誰か倒さないと…やばいな…まずは……あの風力使いから先に倒すか…」

 

風力使いが一番厄介だ…浜面はそう考えた、風を操って炎の軌道を変えたり氷の礫の軌道もずらしたりしてくる…風と聞けば炎や雷と比べれば地味と感じるが実際は厄介な能力だなと浜面は感じた

 

「問題は…どうやって近づくかだが…この剣(警棒)は能力ですら…斬り裂くみたいだからな…」

 

浜面は覚悟を決めて一歩地面を踏み込んで風力使いの不良へと走り出す、不良Cは追い風を起こし浜面の動きを遅くするが…警棒でその追い風を斬り裂き不良Cへ近づき警棒を振るう…不良Cの身体にあたる直前、謎の能力を解除し不良の横腹に警棒をぶつけ不良Cは吹き飛ばされ地面に倒れると回し蹴りを放って不良Cを気絶させる

 

「まずは…一人」

 

「ひ、一人倒したからって調子に乗るな!」

 

不良Bは火炎放射を使い火の玉をばらまくも浜面は一つずつ再び謎の能力を発動して警棒と腕を銀色に輝かし火の玉を斬り裂いていく、ならばと不良Bは大きな炎の塊を生み出し浜面に投げつけるが浜面は素早く警棒で斬り裂き銀の一閃が炎の塊を斬り裂き不良に向かって走る

 

「く、来るな!」

 

不良は両手から炎を出して浜面に放つが銀色に輝く右腕を振るい炎を斬り裂き不良の頭に向かって能力を解除した警棒を思い切り振って不良の頭部に命中し不良Bの意識を刈り取りバタンと地面に倒れこむ

 

「何なんだよ…その能力わよぉ…突然力が目覚めるとか…主人公かテメェは!?」

 

「主人公…ね…そんなガラじゃねえよ…ただな…無能力者を馬鹿にしたお前を…ぶっ飛ばしてやるよ」

 

浜面はそう言うと警棒を強く握り不良Aを睨みつけ不良はビクとなるが拳大の氷塊を作り出し浜面にいくつも飛ばすがその度に警棒で斬り裂いて少しずつ接近し不良Aは焦りながらも何度も氷の礫を放つがその度に銀色の一閃が氷の礫を破壊していく…不良Aは後ろへ少しずつ後退する

 

「く、来るな……来るなぁぁぁ!!」

 

不良Aは漬物石より少し大きめの氷塊を作り出し浜面に投げるが当然浜面は警棒で斬り裂く…が近寄ろうとすると足が動かず足元を見ると…地面が凍てついており靴が地面に氷漬けになり動けなかった

 

「どうだ!少し意識を逸らす必要があるが…こうしたら動けねえだろ?警棒が当たらない遠距離から少しづつ攻撃してやる」

 

不良はビクビクしながらも氷の礫を作り出し浜面を怯えた目で睨む…とても最初馬鹿にしていた奴を見ていた不良とは思えない

 

「最初はあんなに強がってた癖に…結局は自分より弱い奴(無能力者)にしか立ち向かえないのかよ?」

 

「な…何だよ…」

 

「……俺が所属するスキルアウトのリーダーの駒場はな、無能力者の癖に能力者に立ち向かい、弱者(無能力者)を守ってるんだよ……お前らみたいに弱い奴を痛めつけるんじゃなくてな…何の能力もない癖にな…」

 

「それをお前らは力(能力)がある癖に…それを活かすでもなく誰かを助けるでもなく…自分達の力を見せつけるために誰かを傷つけたり見下す」

 

浜面は不良を睨みつける、それだけで不良は後ろへ後ずさる

 

「俺は…お前らみたいな奴が一番嫌いなんだよ!」

 

「ひ…ま、待てよ!何で俺が悪いみたいになってんだ!皆やってる事だろ!?無能力者を能力者が痛めつけるなんて他の奴らもやってんじゃ…」

 

「じゃあ皆がやってたらお前もやっていいのか!?誰かが万引きしたらお前もするのか!?人を殺したらお前も殺すのか!?違うか!」

 

「黙れ黙れ!別にいいじゃねえか!俺達だってなレベル4になれなくて…イライラすんだよ!だから発散に…」

 

不良は言い訳がましく自身を正当化し浜面はもう聞きたくないとばかりに警棒を地面に落とし銀色に輝く拳を強く握りしめて不良に向かっていき不良は後ろへと後ずさるが壁にぶつかり逃げ場がないことを知る

 

「レベル4になれないだぁ…?そんな事のために…くだらねぇ…そんな自分自身の事…お前が何とかしろこのクソ野郎が!」

 

「ぶふぁっ!?」

 

浜面は不良の襟首を左手掴み自分に引き寄せて右手で思い切り殴りつける、殴られた不良は宙を舞い地面に倒れ落ちた…浜面は不良達を全員倒した事でようやく息を吐き警棒を拾ってこの後どうするか考える…このままここで立ち止まって入ればジャッチメントが来るかもしれない…そん考えた浜面は駆け足で路地裏から逃げ出した

 

 

「……結局この力は何なんだろうな」

 

浜面は路地裏から遠く離れた場所にある公園のベンチに横たわり自分の右腕を見る…能力を使わなければ普通の人と同じただの右腕にしか見えない

 

「能力なのか……半蔵や駒場になんて言おう…はぁ…しかし突然能力が現れるのか…いや本当にこれは何なんだ?」

 

(私の力の一端だよ、まあ私本来は左腕なのだが…君は右利きなので…無理矢理右腕にしてあげたのだ…感謝してもらいたい)

 

「へぇ…あんた左利きなのか…ま、左利きの人がいても不思議じゃ…ん?」

 

浜面はこの力が結局何なのか悩んでいたがふと誰かの声が聞こえ自然に返事し…誰と話しているのだと浜面は周りを見るも…誰もいない

 

(いるはずがないだろう、私は現実世界には出れないからな…脳に直接語りかけているからな…)

 

「て、念話能力(テレパス)か…?」

 

(貴様らの知るそんなチンケな能力ではないわ…まあ似た様な物と思え…光栄に思うがいいぞ劣化とはいえ我が能力が使えるのだ…魔神の片鱗を…な?)

 

(ヤベェ…厨二病だ…しかも末期だ…関わりたくねぇ…)

 

浜面はこの脳内に語りかけてくる変人を厨二病と決めつけ関わりたくないと思う…が相手もそれを感じたのか怒気をはらんだ声が聞こえる

 

(その厨二病とやらは知らぬが…私を馬鹿にしているのか…?…まあいい…貴様は魔術も知らぬ様だからな…特別に教えてやろう、私の名はヌァダ、魔神が一人であり貴様にその力を授けてやった者だ)

 

「……ヌァダ……ケルトの…神様か…?神様の名前を自分の名前にするとか…マジで末期だろ……こいつ…」

 

(…まだ信じぬのか?強情な奴よ…)

 

ヌァダと名乗った人物は呆れた様な声を出し浜面は体を起こしベンチに腰を掛ける

 

「じゃあ証明してみせろよ…どうせ出来ねぇだろ…念話能力には無理だろうがな」

 

(……いいだろう…見せてやろう…魔神の力を……!…そうだな…お前の足元を見るがいい)

 

「足元?何もねぇ……ぞ……」

 

浜面はヌァダの戯言を聞きふと足を見ると…数mm程の大きさの蟲が浜面の足に這い寄っていた…しかも唯の蟲ではない、何処か冒涜的な姿をした蛾の様な気色の悪い羽の生えたゲジゲジの様な足の多足類の多眼の蟲…しかも一匹ではない…数百はいるだろうか…先程まで居なかったはずなのに…ヌァダが言った瞬間に現れたのだ

 

「うわぁぁぁぁぁ!!?何だこれ!?」

 

(それは私の使い魔…みたいな物だ…かつて銀の義手の隙間から入り込んで我が血肉と精気を喰らった蟲達だよ…それ以来私の魔術として扱っている)

 

「魔術て…こんな能力…見た事も聞いた事もねえぞ…いや精神能力者なら…でもこんな蟲も見た事ねえし…まさか…本当に…?」

 

(やれやれ…漸く信じる気になったか…無礼者めが…まあいい私は貴様の腕を直し能力を授けた…お前にとって恩人とも言えるだろう…さあ感謝するがいい…何か言うことがあるのではないか?ん?)

 

浜面は謎の蟲達を見て精神能力者ではないかと疑うが…これ程の数の蟲と見た事もない蟲を見て本当なのではないかと思い、漸く信じた浜面に呆れながらもヌァダは傲慢にそう言いきる…それを聞いた浜面はヌァダに一言言う

 

「お前が…か…元に戻せよ」

 

(そう、戻せよ!……ん?今何と?)

 

「戻せて言ってんだよ!変な力付けやがって……しかもあの斬れ味!人体も斬れるだろ!?巫山戯んな!そんな物騒な能力よりもっとマシな能力よこせ!と言うか別に能力なんて要らねえよ!」

 

(待て待て待て!私が力を授けねば右腕はもはや使い物にならなかったのだぞ!?)

 

「うん、ありがとう!でもそれとこれとは話が別だ!元に戻せ!さっきは勢いで使ったけどよ…別に能力なんていらねぇよ!」

 

浜面はヌァダに元に戻せと叫びヌァダは自分が助けなかったら右腕は使い物にならなくなっていたと恩着せがましく言うが浜面は軽くありがとうと言っただけで怒声をヌァダに浴びせる…そんなやり取りが暫く続き…

 

「はぁ……はぁ…いい加減元に戻せよ…この自称神が…)

 

(誰が自称 神だ!歴とした魔神だ!それに戻せぬと言っているであろうが!巫山戯おって…折角気に入ったから助けてやったと言うのに…)

 

「余計なお世話だよ!どうせロクなこと考えてねぇだろ!」

 

(失礼な!精々貴様が死んだらその体を乗っ取って現実世界で自由に動ける体を手に入れようとしただけだ!)

 

「は!そんな事だろうと……今なんて言った?」

 

浜面はヌァダが勢いで言ったとんでもない言葉に言葉を詰まらせヌァダに問い掛ける

 

(は!言っただろう!貴様が死んだらその体を乗っ取ると!私とても現実世界を自由に活動したいからな…だから我が力の片鱗を授けたのだ…唯で力をやるほど天秤は甘くない。その分の働きがなければ等価交換に反する!)

 

「ふ ざ け ん な!何恩着せがましく言ってるんだ!?結局は自分の為じゃねえか!?」

 

(は!別に良いだろう!人間には手に負えぬ力を授けてやったのだ並みの魔術師なら涎を垂らし喜ぶ(何をしているヌァダ)げぼぉ!?)

 

ヌァダは偉っそうにそう言いきり浜面は激昂するがヌァダはそんなの知ったことかと聞き流し浜面に授けた力に何か言おうとするが浜面の脳内に第三者の声とヌァダが殴られた音が聞こえた

 

(聞こえていたぞ……ヌァダ?まさか…現実世界に干渉しているとはな……覚悟はいいか)

 

「誰!?頭の中に女の子ぽい声が聞こえる!?本当にどうなってるんだ俺の頭の中は!?」

 

浜面はいきなり聞こえ始めた脳内にのみ聞こえる声に誰だよと一人でツッコミを入れる…声から察するに少女だろうか…ヌァダは知っているらしく若干怯えた声で話す

 

(あ、アテナ……待てこれは違う…決して…その…あれだ…すまん)

 

(ほう?お主一人だけ現実世界に行ける様策を練っていたか……それで一般人に関わったと……?死ぬ覚悟はできているかヌァダよ?)

 

(ま、待て話せばわかる!だから手を出すのはよせ!)

 

アテナと呼ばれた少女は浜面の脳内の中でヌァダと喋りヌァダは明らかに動揺している様で先程の傲慢さは消えていた

 

(すまぬな人間…この様な事に巻き込ませて…この馬鹿(ヌァダ)の所為で)

 

「いえ…」

 

(さてヌァダよ…お前が謝るまで妾は殴るのをやめぬ…早く謝ることを進めよう)

 

(……は、舐めるなよアテナ!私は魔神!退かぬ!媚びぬ!省みぬ!…やれるものならやってみろ!)

 

浜面は脳内で繰り広げられている戦いを聞いて「こいつらジャンプ見てんのかな?」と思いながらも頭の中が煩いので早く謝って欲しいと考えた瞬間

 

(ゴメンナサイ……)

 

「早ぁ!?速攻で謝りやがった!?プライドねぇのかよ!?」

 

(魔神といえど男…下半身の弱点に攻撃を何度も食らわせば簡単よ)

 

ヌァダの変わり身の早さに驚く浜面に可愛い声で意外とやる事がえげつないアテナに浜面は引いた

 

(だが…右腕は戻せぬ…何せ私の力の一部だ…取り戻すには…そうだな貴様の肉体が消滅する時ぐらいだ…)

 

(……そう言うわけだすまぬな人間よ…これは身内の失態…妾にできる事があれば叶えてやろう)

 

「いや、いいよ……はぁ…別に能力なんて要らなかったのに……なら早くこの念話みたいなのやめてくれよ…頭の中煩いから…」

 

ヌァダは元に戻せないといいアテナは阿保(ヌァダ)の失態に何かお詫びをしようと言うが浜面はお詫びなど要らないらしい

 

(むぅ…望みはないか…だが…ならこうしよう、もし何か困った事があれば力を貸してやる、そうだな…お主が持つ物に我等と会話できる術をかければ…何か我等と通じて会話できそうな品は持っていないか?)

 

「会話…ねぇ…これなら…携帯ならあるけど…」

 

(ほう……なら其れを我等と言うでも話せる様に術をかけておこう…だが暫くは無理だ…我等もそれと繋ぐ物質を作る上…暫し待たれよ…)

 

浜面は懐から携帯を取り出すとアテナはふぅむと可愛らしい声をあげ携帯とアテナ達を繋ぐ物質を作り出すと言った

 

「別にいいのによ…さっさとこの頭に響くやつやめてくれよ…」

 

(分かった…もし腕を元に戻す方法があれば…連絡する…それはそうとヌァダよ…あれで終わりと思うなよ)

 

(な!?まだやる気か!?もうやめてく)

 

そこでヌァダの声は途切れる…ヌァダはアテナに何かされるのだろうが浜面には自分の腕を変にしたやつに対する憐れみなどない…浜面は自分の右腕を見て溜息を吐く

 

「猫を助けただけでこんな事に……なんて日だよ…」

 

 

その頃不良達は意識を戻し立ち上がっていた

 

「あの落ちこぼれが…油断してたから負けたけどよぉ…」

 

「こうなったら仲間を呼んで…」

 

そう不良達が話していた時だ…

 

「テメェらここで何してンだァ?」

 

「誰だ!?」

 

不良達が知らない声が聞こえ振り向いてみるとそこには白髪の少年が立っていた

 

「何だこのもやしわよぉ…俺達は今ムカついんてだ!」

 

「お前で八つ当たりしてやるよ!」

 

不良Bは火炎放射を白髪の少年に放ち少年のを焼き尽く…さずそのまま跳ね返り不良Bは自分で放った炎に当たって火達磨になる

 

「なぁ…ぎゃぁぁぁ!?熱い!?熱い!?誰が助けてくれ!」

 

「はぁ!?何だよ!?なんで跳ね返ったんだよ!?」

 

不良Cは不良Bのやられ方を見て少年に風の塊を放つがそれも跳ね返り不良Cも吹き飛ばされる、それを見た不良Dは尻尾を巻いて逃げ出す

 

「ば、化け物だぁぁぁぁ!!?」

 

「待てよ!俺を置いてく「どこ行こゥとしてんだよ、オイ」ヒィィィ!?」

 

不良Aも逃げようとするが少年はそれを阻止するかの如く不良Aの逃げ道を防ぐ、不良Aは氷の礫を作り飛ばすがそれをことごとく反射されてしまい不良Aが逆に傷つく、不良Aは勝てないと本能的に気づきなんとか逃げようとするが

 

「残念だッたな、これで終わりだ」

 

「げふぅ!?」

 

少年が片足で蹴ると不良は派手に吹き飛び地面に落ちる、少年は不良達を一瞥した後何事もなかったかの様に立ち去る

 

「ンだよ、あの連中…ま、木原くンに殺すなて言われてるから殺さねえけどよォ」

 

少年はそう呟きながらこの場から去っていた…

 

 

 




ヌァダ、原作を知っている方ならご存知ですが銀の左腕がなくなる前はどんな戦い方をしていたのでしょうね?やはり剣を持っていたのでしょうか?因みに蟲はヌァダさんがダルヴ=ダオルに使っていた蟲です…大分オリジナル化してますが…因みにアテナさんの姿はカンピオーネのアテナさんです、実は彼女この物語に関わってくるキャラだっなり…因みにオリジナル魔神はカンピオーネのまつろわぬ神達がモデルです

さて最後に出てきた少年は一体何セラレータなのでしょう?口調が難しい……これを再現できるとあるの二次小説書いてる人達は凄いですね…尊敬します…次回は原作主人公が出てきますよ


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三話 禁書目録

さて今回は日常編だからと台風で動けないから早くかけたけど…次も早く投稿できるのは限りません…今回はギャグ要素多めです。早くもあのキャラが登場します…口調とかはあまり気にしないで下さい…キャラの口調がちゃんと表現できる人は凄いですね…本当に…


「停電か……また当麻と第3位が何やらかしたのか…」

 

学園都市、現在停電中である…が浜面は停電がなぜ起きたのか知っている様で溜息を吐く…

 

「それにしても暑いな…こんな日に猛暑日とか…マジ巫山戯んなあの二人……第三位も落雷落とすなよ…暑いから死ねる…」

 

浜面はブツブツと文句を言い続ける、こんな日にはアイスを食べながら日陰で休むに限るが停電中の為スーパーやコンビニにも停電で営業しておらず、その為買い物ができず部屋にいても蝉の音で煩い為外に出たら涼しいかと思ったが…そうはならなかった…

 

「マジで暑い……当麻の所行って愚痴言うか…ん?」

 

浜面が当麻と言う男の元に文句を言いに行こうと考えているも視界にあるものが映る…それは背に伸びるほどの長い金髪の少女と肩まで届く短めの茶髪の少女…浜面の知り合いだ

 

「御坂さん、貴方の所為よねぇこの停電は…?暑くて死にそうなんだけどぉ…どうしてくれるのかしら?」

 

「私の所為じゃないわよ!あいつが私の電撃を当たり前みたいに防ぐからカッとなって…と言うかあんたの派閥の子に風力使いの子がいるでしょ!」

 

「……あの子熱中症で倒れたのよねぇ…私に風を送るのに集中し過ぎて…流石の私も反省してるわぁ…」

 

「倒れるまで…て、あんた…人に頼り過ぎるからよ…だからあんた運動能力ゼロなのよ」

 

美琴と操祈と呼ばれた少女は道端で言い合いをしており浜面は彼女らに近づいていく

 

「よぉお二人さん、仲がよろしいことで」

 

「誰がこいつと仲が良いて!?……浜面じゃない」

 

「あら、浜面さん久しぶりねぇ」

 

「そうだな…で、やっぱりこの停電はお前と当麻の仕業なのか?」

 

美琴と操祈は誰がこいつ(操祈/美琴)と仲が良いてと怒気を向けるが浜面と知ると怒りをほんの僅かに弱める…が浜面は停電が美琴の所為と知っていたので美琴はバツが悪そうな顔になる

 

「仕方ないじゃない、あいつが私の電撃を防ぐんだもの…カッとなって…」

 

「おい学園都市が誇るレベル5の第3位が…それくらいでカッとなるなよ…その所為で皆困ってるんだぞ…」

 

「わ、悪かったわよ…で、浜面は何してるのよ」

 

「ああ…この停電起こした原因の当麻を殴りに行こうと思ってな…お前らも行くか?」

 

美琴は言い訳をこぼすが浜面はそれで皆が困ってるんだと言うとシュンとする…がすぐに浜面は何しているのかと聞くと浜面はこの停電を起こした原因の一人(当麻)を殴りに行くと拳を見せつける

 

「ふぅん……丁度暇だったから行ってみようかしらねぇ?」

 

「ちょっとあんたさっき用事があるて言ったじゃない!…ああもう!私も行くわよ!」

 

「(ツンデレ…)…じゃあ行くか…」

 

浜面は二人を連れて当麻が住む学生寮へ向かう……暫く歩くと当麻が住む学生寮が見えてきた…エレベーターを使って三人は当麻が住む部屋に行くとチャイムを鳴らし…暫くすると扉が開きツンツン頭の少年が顔を出す

 

「お、仕上に操祈……げ、ビリビリ!?何の用だよ…」

 

「誰がビリビリよ!誰が!?」

 

「よぉ当麻…第3位と喧嘩して停電になったんだって?……取り敢えず殴らせろ」

 

「うお!?いきなり殴るなよ!停電になったのは俺じゃなくてビリビリだろ!?俺も困ってるんだよ!」

 

このツンツン頭は上条当麻(かみじょう とうま)浜面と同じレベル0だ…だが三人は知っている…レベル0も言っても能力を無効化してしまう右手を持っていることを…その所為で美琴に狙われたりしているが…不幸だ!!が口癖の浜面の友人である

 

「何が困ってるんだよ…俺達だって暑いんだぞ…」

 

「上条さんだって暑いんですよ!で冷蔵庫の中は全滅して何も食えない!冷凍食品のカップ焼きそばを食べようとしたらこぼして喰えなくなるし…担任から「上条ちゃんはバカだから補習でーす」て補習の電話が来るし…キャッシュカードは踏み潰して使い物にならないし不幸だぁぁぁ!!!」

 

「上条さんの不幸体質は凄いわねぇ…同情するわぁ…」

 

上条は涙を流しながら潰れたキャッシュカードと変な匂いがするパンを取り出し全員が本気で同情する…これを見ると本当に上条の不幸体質は深刻だと思う

 

「取り敢えず上がられせてもらうぞ」

 

「ああ…大したものはないけどなぁ…散らかってるし…」

 

「お邪魔します…て本当に散らかってるじゃない…異臭がする焼きそばパンがあるじゃない…これも私の所為なのよね…」

 

美琴と当麻が言った通り当麻の部屋は散らかっていた…パンは恐らく冷蔵庫が全滅していた腹いせに投げたのだろうか?取り敢えず美琴はそれをゴミ箱に捨てた…つもりがゴミ箱に入らず床に転がる、操祈がベットの方を見ると布団が畳んでおりベランダに干そうとしていた所に浜面達が来たせいで中断していたのだろう

 

「布団干し忘れてるわよぉ上条さん」

 

「お前らが来たからだよ…いい天気だけど突然夕立とか降らないよな…?」

 

操祈に言われ上条は布団を持ち上げベランダに歩いて行く…浜面はその光景を見た後冷蔵庫を開けて見ると…上条が言った通り全滅しており野菜は火を通せばギリギリ食べられるか食べられないかのラインだ…三人はうわぁと若干引いていると上条がベランダで叫びをあげる

 

「どうした当麻?布団を地面に落としたのか?」

 

「違う違う!ベランダに……女の子が!?シスターの少女が!?」

 

「何バカ言ってんだベランダに女の子なんか……いるな」

 

「あんた馬鹿なの?いるわけ…いたわね」

 

「いるわねぇ……上条さんのベランダに…」

 

三人が何言ってんだこいつ?といった目でベランダにいる上条の方へ歩くと…ベランダに修道服のような白い服を着た外国人らしき少女が干されていた…

 

「え?何これ?女の子干してるのか当麻?」

 

「そんなわけないだろ!?」

 

「ちょっと黙って!この子何か言ってるわよ!」

 

美琴が騒ぐ浜面と上条を黙らせて少女の方に耳をすませると…確かに少女は何か言っている

 

「お…な…へった…」

 

「………お腹減った……」

 

「「「「…………へ?」」」」

 

ぐぅぅぅぅーという音と共に少女は顔を上げ綺麗な緑色の目が浜面達を見つめ浜面達は少女が腹が減っているということに気づいた

 

「お腹減った…」

 

「日本語…よねぇ…?」

 

「お腹減ったて言ってるんだよ」

 

「何…あんた「自分は行き倒れです」とかいうつもり?」

 

四人はあまりの出来事に脳が処理が追いつかない…つまりこの少女は…単純にお腹が減っているのだろう…それが何故ベランダに干されているのかが繋がらないが…

 

「ねぇ…お腹いっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな」

 

(……この子には何処か遠くで幸せになってもらおう)

 

(……賛成…)

 

((……同感))

 

少女は可愛らしくお腹いっぱいご飯を食べさせてと言い、上条達は何処か遠くで幸せ(満腹)になって貰おうと考えるが再び腹の音が聞こえ少女の涙目を見て…四人は冷蔵庫にある物で料理を作り始めた

 

 

「あん……美味しいよこれ!」

 

「それは…何より…(全滅した野菜を炒めた野菜炒めもどきなんだけど…)」

 

少女は全滅した冷蔵庫の食材に火を通してぶち込んだ野菜炒めもどきを美味しそうに食べる…それを見ていた上条達はこの少女の腹は大丈夫なのかと不安になる

 

(ねぇ…本当に大丈夫なの…?)

 

(火をよく通したから…大丈夫だと…信じたい…)

 

(私なら食べないわぁ……絶対お腹壊すもの…)

 

(俺も……マジで大丈夫か…?当麻の冷蔵庫の食材全滅してたんだぞ…)

 

上条達はこの野菜炒め(擬き)は本当に人間が食べていいものなのかと疑う…すると少女が笑顔で

 

「ねえこれって、少しすっぱいのって疲労回復のためにわざとそう味付けしてるんだよね?ありがとうね!」

 

「すぱぁ!?……いや無理して食べなくていいよ…」

 

「そうよ!こんな女子力ゼロとむさ苦しい男の料理なんて…ねぇ浜面!?操祈!?」

 

「「うんうん!だから無理して食べないで!」」

 

「そんなことないよ、私の為に皆が無償で作ってくれたんだもん!美味しくないはずがないんだよ!」

 

少女は聖女の如き笑顔で浜面達は「う!?」と少女を直視出来ず少女にこんな料理を食わしていいのかと全員考え…覚悟を決める

 

(お前ら…俺が死んだら…葬式頼むわ…俺は…地獄に行ってくる、元々は俺の冷蔵庫の食材だからな)

 

(……私も行くわ…だってこの毒物(野菜炒めもどき)を生み出した原因は私だもの…私も地獄に堕ちるわ…)

 

(なら…俺も行くぜ…料理を作ろうて行ったのは俺だからな…)

 

(…なら野菜炒めを作ろうて言った私も同罪ねぇ…皆で地獄に堕ちましょう)

 

四人は箸を取り出し今までの自分の人生を振り返り…覚悟を決めて少女から毒物(野菜炒めもどき)を取り上げ全員で食べ始める…涙目で食べ物を取り上げられた少女が目に映り心が痛くなるが…彼等はこの毒物を完食し…気絶し倒れ込んだ

 

 

その後少女は操祈が持っていたキャラメルを口の中に入れ幸せそうに食べていた…やはり食べるなら美味しい物だね

 

「うぇ…まだ気持ち悪い…所であんたはなんでこいつの部屋のベランダにいたのよ」

 

「落ちたんだよ、屋上から屋上へ飛び移ろうとしたんだけど」

 

「ここ八階建てなんだけど…」

 

「仕方ないんだよ、追われてるから…そんな事より自己紹介しなくちゃね、私は禁書目録(インデックス)て言うんだよ」

 

少女はさらっと追われているというとんでもない発言を話すも少女はそれよりと自己紹介を発言する

 

「禁書目録……?どう考えても偽名だろ…目次とか…あ、俺は浜面 仕上な、でこっちが上条 当麻に御坂 美琴、食蜂 操祈な」

 

「うーん…禁書目録(きんしょもくろく)て意味なんだけど…魔法名ならDedicatus545……献身的な子羊は強者の知識を守るて意味だね」

 

「魔法名………?で禁書目録ちゃんはなんで追われてたのかしら?」

 

「多分私が頭の中に記憶している10万3,000冊の魔道書を狙ってるんだよ、魔術結社(マジックキャバル)に」

 

「魔術……!」

 

どう考えても偽名としか言えない名前に全員がん?となりその後に言った魔法名とやらも上条達にとって意味がわからない…更に10万3,000冊の魔道書を持っていると言うが何処にも持っているようには見えないし魔術結社というのも…と浜面以外は疑っているだろう

 

「あ、ごめん私宗教勧誘なら間に合ってます」

 

「私も想像力が足りないからそこまで考えられる禁書目録ちゃんは凄いわぁ」

 

「そこはかとなく馬鹿にしてる?絶対馬鹿にしてるね」

 

「でも魔術てねぇ…科学の開発力だとなんでも出来るし異能の力なんて私達でも使えるしねぇ」

 

「超能力は信じるのに魔術は信じないて変な感じだと思わないの!」

 

「じゃあ使って見せてくれるか…?」

 

全員がこの子厨二病か何かだなと聞く耳を持たない中浜面だけは昨日ヌァダ達が言っていた魔術が本当にあるなら…と聞いてみるが

 

「魔力がないから使えないもん…でも本当にあるんだよ!魔術はあるもん」

 

「ま、俺達にも不思議な力はあるけどな…浜面以外は…なぁ?」

 

「そうね…私は電撃使い…これでも学園都市最強の超能力者のレベル5の第3位なのよ」

 

「私もレベル5の第6位なのよ…記憶操作・読心・洗脳・念話まで出来ちゃう精神系最強の能力よぉ」

 

「で俺は右手で触れた異能なら超電磁砲や電撃、洗脳…例え神の奇跡でも打ち消せるはずだ」

 

魔術は使えないが魔術はあると言い切る禁書目録に上条達は呆れながら自分達の能力を教えると…禁書目録は笑い出す

 

「ぷぷぷ…神様の奇跡を打ち消せますとか…神様を信じてないのに神様の奇跡を打ち消せますとか言われても…他の人達もそんなに凄そうには見えないし」

 

「む、ムカつく…こんなインチキ魔法少女に馬鹿にされるとは…」

 

「あんたに電撃打ち消せられた時や最初に馬鹿にされた時よりムカつくわ…」

 

「い、インチキじゃないもん!」

 

「なら証拠を見せてもらえないかしらぁ…それを上条さんが無効化したら信じるでしょう…?」

 

「分かったよ!この服は歩く協会て言って刺繍や縫い方が魔術的な意味合いを持って防御結界なんだよ!」

 

「訳わからないわ…そんな厨二病設定なんか…」

 

誰にも信じもらえず挙句には厨二病と呼ばれれ「ムキィィィィ!!!」と禁書目録は怒って台所へ向かい包丁を取り出す

 

「ならこの包丁で私を刺して!そしたら論より証拠!信じるしかないでしょ!」

 

「お、落ち着けよ!…なあ操祈さん…服を硬くする超能力てなかったよな…」

 

「私が知る限りは…知らないわねぇ」

 

「さあ早く刺す!」

 

「じゃあ刺すわね…てなると思う!?馬鹿にしてるでしょ!?」

 

禁書目録は美琴の言葉を聞いて更に激昂しムキーと包丁を振り回して更に自分の服の詳しい説明をするが誰にもわからない…そして上条が右手を見て禁書目録に尋ねる

 

「なら俺の右手で触れば木っ端微塵になるてこった…だろ?」

 

「ふふん!そうだね…君が本当にそんな能力を持っていれば…ね?」

 

「上等だごらぁぁぁぁ!やってやるよ!」

 

「(あ……!また腹が痛くなった…)ちょっとトイレに…」

 

上条が禁書目録を挑発し禁書目録もまた挑発し返し上条が禁書目録の歩く協会と言った服に触れる直前に浜面は腹が痛くなりトイレに駆け出す…それが運が良かったのか…浜面がトイレに入った瞬間禁書目録の叫び声が聞こえてきた…が、浜面は敢えて無視して用を足していた

 

「は…スッキリした…さっきの叫び声は…て、何してんだお前ら?」

 

浜面が見た光景は毛布を被った禁書目録と全身に噛み付かれた痕がある上条、美琴、操祈の三人だった

 

「なんで…私達まで…噛みつかれるの?」

 

「気が動転して噛みついちゃったんだよ…全部君のせいだからね…」

 

「不幸だ……」

 

「ああ……大体察した」

 

恐らく右手であの歩く協会とやらに触れて服が木っ端微塵になったとか、それで裸を見られた禁書目録が噛みついたとかそういう展開だろう…それに美琴達は巻き込まれた…そういうことだろう…

 

「本当当麻てラッキーだよな…それにレベル5の第3位と第6位と知り合いなんてよ…」

 

「何処が幸運なんだよ…不幸だろ…」

 

上条は泣きながら浜面に文句を言うが浜面にとってそれはラッキースケベと言うので全ての男にとっては幸運だろう…禁書目録は浜面のタイプではないが…

 

「出来た!ふふーん!」

 

「俺が壊した服を針金で…アイアンメイデンか?」

 

「日本語では針のムシロとも言う…はぁ…」

 

禁書目録は歩く協会の布地を何十本もの安全ピンで留めて原型を留めている…がはっきり言って危険な服だ

 

「…そういえば今何時だ……ヤベェ補習があるんだ…禁書目録はどうするんだここにいるんだったら鍵預けるけど?」

 

「いいよ、追っ手が来るし…教会に行けば匿ってもらえるから」

 

「そうか…なら俺は補習に……」

 

その直後美琴がゴミ箱に捨てたと思っていた焼きそばパンを上条は踏みつけ盛大にこける、それを見た禁書目録は笑いながら上条に告げる

 

「君の右手…幸運とか神のご加護とかも消してしまうじゃないかな?だからバンバン不幸になって行くんだね…そんな力を持って産まれたことだね…不幸だね」

 

「……不幸だ…本当に……じゃあ言って来るわ…でも本当に大丈夫なのか?」

 

「そうね…追っ手に追われてるんならこいつに匿ってもらっても…」

 

「じゃあ貴方達は私と一緒に地獄の底まで付いて来てくれる?」

 

禁書目録は笑っていたが目は寂しげだった…それを見た上条と美琴は一瞬黙ってしまいその隙に立ち去ろうとするが

 

「ちょっと待て」

 

「ふぇ!?」

 

浜面は立ち去ることを許さずに禁書目録の服を掴み立ち止まらせる

 

「俺はお前に聞きたいことがあってな…当麻、暫く俺達はここにいるから鍵を貸してくれるか?学校終わりに渡しに行くから」

 

「おおう……変な事するなよ…あと返せよ」

 

上条はそう言うと鍵を渡し補習を受けに行く…服を掴まれたままの禁書目録はぷぅと頬を膨らませ浜面を睨みつける

 

「何かな?人が立ち去ろうとしているのにさ…」

 

「一つだけ聞きたいんだけどよ……魔神て知ってるか?」

 

「……魔神?神様のこと?それなら分かるけど…まず宗教概念は単なる空虚な妄想じゃないんだよ、位相の異なる異世界として確かに実体を持って存在していて、現実世界に影響を及ぼす事もあるんだよ…エジプト神話や日本神話、ケルト神話、北欧神話や天国、地獄、アヴァロン…それぞれが実際あって…これを異世界…位相て言うんだよ…最も君が言っている魔神とやらは知らないけど…で魔術は神話をモチーフにして使うわけでそれをもっと確実にするのが霊装て言うんだよ」

 

「……そうか…悪いな変なこと聞いて…で魔術て言うのは超能力とどう違うんだ?」

 

浜面は熱心に禁書目録に魔術の事や魔神の事を質問する…美琴も操祈も何故効くのか理解不能だが禁書目録は質問に答える

 

「魔術って言うのはね、魔力を消費して異世界の法則を無理矢理現実世界に適応させて様々な超自然現象を引き起こす事なんだよ、 文化や伝承によってその様式は千差万別だけど、突き詰めれば実質何でもありの異能力なの…簡単に言うと魔術とは、神話をモチーフにした演劇で、霊装は演劇における小道具や大道具みたいな感じなの」

 

「その霊装…てのはどんな物なら良いんだ?」

 

「そうだね…槍をモチーフにするんなら形と役割が整ってさえいればビニール傘でも応用できるよ?でも強力な魔術を振るいたいなら、当然専用の霊装を用意した方が良いんだよ…でもなんでこんな事聞くの?」

 

禁書目録は魔術について詳しく説明するが浜面は何故こんなことを聞くのか分からず首を傾ける…美琴や操祈でさえ位相の話をした時点でもう話を聞き逸らしているのに浜面だけは真面目に聞いていた…これは美琴や操祈も何故浜面は熱心に話を聞いているのかと怪しんでいた

 

「いや……昔から超能力があるなら魔術もあるのかと思ってな…だから魔術に興味があって…だがら知りたいと思ってな…駄目か?」

 

「別に駄目じゃないけど…でも君達には魔術は使えないと思うよ、魔術は才能のない人が使うもの…能力があるなし関係なしに使えないと思う…残念だけどね」

 

禁書目録はそう言うともう聞くことはないだろうと思い立ち上がる

 

「食べ物くれてありがとね!またお腹が減ったらくるよ!じゃあねみさき、みこと!しあげも魔術の事信じてくれてありがとう!とうまにもお礼言っていてね!」

 

「気をつけなさいよ!追われてるて言ってるんだから!」

 

「はい!……え、何この鉄の使い魔!?追ってくる!?」

 

禁書目録は眩しいほどの笑顔で三人に手を振って部屋を出て行く、美琴も部屋を出て手を振って見送り禁書目録は笑顔のまま立ち去ろうとするが…掃除ロボットに追いかけられて行った…最後まで嵐のような彼女を見送った三人は禁書目録がいなくなった後話し合う

 

「ねぇ…警備員(アンチスキル)に連絡したほうがいいんじゃない?追われてるて行ってたし…」

 

「俺アンチスキルにいい人知ってるけど…まだ確証がないしな…あの人ならすぐ捕まえとかはしなさそうだが…」

 

「でもねぇ…魔術だとか信じるわけにも…でも浜面さんはなんで信じたのかしら?」

 

「そういえばそうね…あんたそう言うの信じなさそうなのに…」

 

美琴と操祈は疑いの目を浜面に向けるが浜面は軽く言い返す

 

「別に…俺、ハリーポッターとかナルニア王国物語好きだし…魔術て信じたくなるだろ…俺はお前らと違って無能力者のスキルアウトだぜ?」

 

「……別に私としては頭の中を覗いても良いのだけれど…一応、上条さんと同じ命の恩人だから勘弁しといてあげるわぁ」

 

「ま、人間秘密はあるからね…私にも人に言えない秘密も一つや二つくらいあるわ」

 

元、無能力者だけどな…と心の中で付け足しながらも少女達の気遣いに感謝する…

 

「そういえば俺当麻の鍵を預かってるんだけど、お前らも補修が終わったら来るか?連絡するぞ…てかお前ら学校は?」

 

「停電のせいで午前はなしよ…午後からあるけどね」

 

「もう少しで午後の授業だから行かなくちゃ…じゃあね浜面さん」

 

二人はそろそろ時間だ、と時計を見て常盤台中学校へ急ぐ…浜面は一人になった後上条の部屋を閉め上条の補修が終わるまで時間を潰そうと何処かへ歩き出す…後にこの学生寮で事件が起きるとも知らずに……

 




操祈さんの登場が早い…因みに上条さんは記憶を失ってないです、一年前から上条さんと浜面さんは知り合いでそれでデッドロックの戦闘時にもいて病院送りにならなかった為です、もちろん軽い怪我は負いましたが…さてこの四人が関わったことによりステイルさんとの戦いはどう変わってしまうのか……あれレベル5が二人と幻想殺し…それに切り裂く銀の腕…ステイルさん地味にピンチ?…ステイルさんは強いから大丈夫でしょう…きっと…後操祈さんが第6位なのは誤字じゃないです、オリジナルキャラが第5位なんです…その第5位も時期出てきます

次回も早めに投稿しますね


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四話炎の魔術師

ステイル戦…終わるの早いな…そして等々文豪ストレイドッグスのタグが生きる時!一話から出てたけど作中でフルネームを明らかにするのはこれが初めて…誰が出てくるのか楽しみに!


浜面はとある高校…上条 当麻が通っている学校の前で上条が来るのを待っていた…無論鍵を返すためである

 

「当麻の奴……遅ぇな…補習て時間かかり過ぎだろ…完全下校のアナウンスまで聞こえてきたぞ…この時間まで居残りとか馬鹿すぎるだろあいつ…」

 

「仕上!待ったか!?この時間まで居残りされてな…不幸だ…」

 

「いやお前が馬鹿なだけだろ……ほれ鍵な…さっさと行くぞ…」

 

浜面は上条に鍵を投げつけ上条が慌ててそれを拾い、浜面は携帯を弄って美琴も操祈にメールを送る…で暫く街を二人で歩き始める

 

「いやぁ…仕上と出会ってもう二年くらいか…?早いもんだな…」

 

「そうだな…最初に会ったのは俺が能力者にボコられてる時だったな…その時助けてくれたんだったな…」

 

浜面が上条当麻に最初に出会ったのは二年前の頃…無能力者狩りと言うその名の通り無能力者を能力者が痛めつけるものでありそれに浜面が仲間を助けるため囮となり無能力者狩りの連中に捕まり殴られていた時、ヒーローの如く現れた上条によって助けられた…それが二人の出会いだ

 

「当麻は困っている人は放って置けないからな…例え悪人でも救うじゃねえか?お前のことだから」

 

「よせよ仕上、上条さんは面倒だと感じる事からは全身全霊をもって逃げようとする人間ですよ?」

 

「そう言っておいてそんなことしたことないくせに…その癖自分の悩みは1人で抱え込むくせによ…」

 

上条は自分はそんな性格ではないと言うが浜面は否定する…悪人であれ善人であれ助けてしまうのが上条 当麻と言う人間だ…それを上条当麻に助けられた浜面や操祈などの人間はよく知っている

 

「そういえば禁書目録はどうしたんだろうな?それ考えてたせいでボーとしててよ小萌先生にガチ泣きされて皆に睨まれた」

 

「馬鹿だな…お前……お、来たぞ」

 

「当麻、浜面待ったせたわね」

 

「待ったかしら?」

 

「いやさっきまでこいつ補習だから待ってねえぞ…つかさっき連絡したのに来るのはえぇな…食蜂は息切れしてるぞ?」

 

美琴と操祈は全力で走って来たのだろう…操祈は運動能力がゼロなため走り過ぎて死にかけていたが…

 

「それにしても補習て…あれでしょ?テストで点が悪かった奴が頑張って首の皮一枚残すあれでしょ?私は受けたことないから知らないけど」

 

「微妙に違うな…でもこいつほんと馬鹿だからな……」

 

浜面は呆れた目で上条を見る…歴史オタの癖に伊能忠敬を知らない…が薬学や兵器学の知識に異常に造詣が深く薬学なら歴史年表の如く頭に入っていると言う…もう将来医者になれよてくらいまで知っている…何故か薬学のみ美琴や操祈よりも詳しい

 

「上条さんて本当に薬学や兵器学だけは詳しいのにそれ以外は…馬鹿なのよねぇ…探求力がゼロというか…」

 

「酷くないですかねぇ操祈さん!?上条さんだってそれなりに詳しいですよ!特に日本史は!」

 

「じゃあ、北里柴三郎は何をした人物?」

 

「………そういえば禁書目録は教会に行けたのか?」

 

上条は北里柴三郎は何をした人かと美琴に聞かれると露骨に話題を逸らす…因みに北里柴三郎はペスト菌を発見し、破傷風の治療法を開発し、感染症医学の発展に貢献した人物である

 

「知らねえのかよ……多分いけたんじゃねえのか?大丈夫だろ」

 

「でも追われてるて言ってたじゃない…どんな奴に追われているか聞いとけば良かったわ…」

 

「……そういえば思い出したのだけれど…あの子…帰る時、フード被ってなかったじゃない?…もしかして上条さんの所に忘れちゃったんじゃない?」

 

「マジか……それが本当なら俺の部屋あるだろうし…また探さなちゃいけないのか…まあ、また会うくらいならいいか」

 

上条は浜面と操祈の言葉を聞き禁書目録が自分の家にフードを忘れていったのかと考え禁書目録がフードがないことに気づいて探していないかと考えてしまう

 

「……早く家帰って禁書目録を探すか…お前らはどうする?このまま帰るか?」

 

「でもぉ私達も関わっちゃったし…明日でもいいから一緒に探しましょう、家にあるかもわからないし、見間違いかもしれないしぃ」

 

「私の後輩にジャッジメントがいるからその子達に探してもらうこともできるわよ」

 

「俺も知り合いのアンチスキルがいるからその人に探してもらうことも…」

 

四人はそう言って上条の学生寮に到着しエレベータに乗って上条の部屋がある階まで乗る…そして上条の部屋がある階まで到着すると廊下にでる…すると上条の部屋の前に掃除ロボットが3台部屋の前で動いていた

 

「清掃ロボットか?……何部屋の前で掃除してんだよ……てあれ?」

 

「禁書目録じゃない…寝てるのかしら?」

 

操祈「やっぱりフードをここに忘れたのに気づいて取りに来てたのね…でも中に入らないから上条さんが来るまで待ってたのね」

 

「……何というか不幸だ…」

 

上条達はそう言いながらも笑顔で寝ていると思っている禁書目録を起こしに歩く…が浜面はここでふっと気がつく

 

(待てよ…掃除ロボットが…禁書目録を突くことなんて…あり得ないんじゃないか?プログラムで設定してあるから人は巻き込まないはずだろ…いや…人じゃなくて…ゴミなら…まさか…)

 

掃除ロボット…清掃ロボットとも言うが、アレには高性能かつ精密なプログラミングが施され、誤作動など起きることは少ない…だから禁書目録をゴミと間違えて突くなどあり得ない…だがもし…同じ生物でもゴミなら…例えば鴉や鼠の死骸なら…ゴミになるだろう…そう浜面が最悪の考えに行き着いた頃美琴達は掃除ロボットをどかし禁書目録を起こす為に近づく

 

「ほら起きなさいよ!ここで寝るな……え?」

 

「どうしたビリビ……」

 

「どうしたの……これ?」

 

美琴が禁書目録を起こそうと背中を触ると…不快な感触が手に伝わり美琴が手を見ると…手には真っ赤な血が付いていた…よく見ると禁書目録の背中は血で染まっており周りは血だまりとなっており思わず鼻を塞ぎたくなる鉄の匂いが漂っていた…それに上条と操祈も気づいたのか混乱し始める

 

「ちょ……嘘でしょ?禁書目録起きなさいよ!」

 

「しっかりしろ禁書目録!誰にやられたんだ!?」

 

上条と美琴が禁書目録を揺さぶるが……返事も何の反応もない…浜面はただ呆然とそれを見ていると…後ろから足音が聞こえ…声が聞こえた

 

「僕達魔術師に決まってるだろ?」

 

「「「「!!?」」」」

 

全員が後ろを一斉に振り向くとそこには2メートルはあろう赤髪の長い髪に真っ黒なコートの様な神父服を着て両手の指に十本の指輪を嵌め、右目の下にスキルアウトでもしなさそうなバーコードの入れ墨が彫られ香水の匂いがほのかに香る…顔は未成年にも見える…恐らく浜面よりは年下だろうか…美琴達は直感で理解する…これは異質だ…科学の世界にあってはいけない何か…そう感じ取った

 

「あんたが…こいつをこんな目に?」

 

「違うね、僕じゃなくて僕の仲間だよ…こうもバッサリ斬るなんてね…ま治せない傷じゃないけど…派手にやっちゃって…神裂もこうするつもりはなかったんだろうけど…歩く協会が効果を見せないとはねぇ」

 

美琴の問いかけに男はあっさり返し浜面達を無視し禁書目録を見て男は懐からタバコを取り出し口に咥える…しかも小指から炎を出しタバコに火をつけるという演出を見せつけながら…発火能力(パイロキネシス)の能力者だろうか…だが浜面にはそれが魔術と直感で認識する

 

「ん?フードがない…フードは昨日まで来てたけど…どこに落としたんだろうね?……まさか君達の部屋に落としたとか?…ああだからここに来たのか…」

 

「!……やっぱり…ここに落として…」

 

「さっきから…お前らがこの子を追いかけて血塗れにして……何が目的なんだよ!?こんな少女にそんなことしていいと本気で思ってるのか!?」

 

「……話が終わったならどいてくれるかい?…僕達にはソレを回収する仕事があるんでね」

 

男はまるで禁書目録を道具か何かの様に扱い退くよう指示するが誰もどかない

 

「ソレ…回収…巫山戯てんじゃないわよ!こいつは物なんかじゃないわよ!一体何があんたの目的なのよ!」

 

「目的……ね、僕は彼女が持ってる10万3,000冊の魔道書の回収に来たのさ…彼女の頭の中にある魔道書を…ね」

 

「こいつも言ってたけど……頭の中てどういう意味だ?」

 

「そのままの意味さ…彼女は一度見たら二度と忘れない…完全記憶能力でね、それで世界各地に封印されている魔道書を記憶している…魔道書図書館なんだよ…だから保護しに来たのさ」

 

男は両腕を広げ禁書目録を保護したと言う…が浜面は傷つけておいて何が保護だと激昂する

 

「あんた……何様のつもりよ!」

 

美琴は全身を放電させ一筋の電撃を男に放ち男はそれをスルリと避けて見せる

 

「……ステイル=マグヌス…だけどここはFortis931と名乗っておこう…日本語で強者…それが僕の魔法名だ」

 

「魔法名……禁書目録も言っていたな」

 

「僕達魔術師は魔術を使うときは名前を名乗ってはいけないようでね…古いしきたりだが…ま、殺し名みたいなものさ…」

 

「そう……ならもう黙っていいわ」

 

操祈は普段の様な優しい声色ではなく吐き捨てる様な声で肩掛けバックからリモコンを取り出しステイルに向ける…これは操祈が学園都市6位である所以、心理掌握(メンタルアウト)…精神系最強の超能力であり正体はミクロレベルの水分操作で対象の体液を介して各種伝達物質や生体電流の流れをコントロールする事で間接的に精神を攻撃し支配する…これを使えば魔術師と呼ばれるステイルでさえ支配…されなかった

 

「……嘘…精神を操れない?」

 

「…残念だが僕には精神攻撃は効かないよ?…何故ならタバコのお陰で精神攻撃を無効としているからね…」

 

ステイルの得意とする魔術には精神を変調させる意味を持つタバコを使って自身の精神を平常に保つ様ロックをかけて操祈の精神攻撃を防いだ

 

「さてさて君達にはそろそろ退場してもらおうか炎剣!」

 

ステイルは取り出したルーンのカードから炎の剣を生み出し浜面達にそれを振るう、それを美琴が電撃を手から放ち相殺する

 

「炎よ!巨人に苦痛の贈り物を!」

 

ステイルはそう唱えると莫大な炎を生み出し、広範囲を燃やし尽くさんとばかりに炎を出し浜面達を焼き殺さんばかりに放つが上条が右手を伸ばし…爆炎に飲み込まれる…

 

「……さて禁書目録には被害が行かない様に加減したが…彼等は…まあ生き残ってはいない……馬鹿な?」

 

ステイルは浜面達はもう死んだと思い禁書目録の方へ歩き出そうとするが…爆炎が晴れると無傷の浜面と美琴、操祈…そして三人の前に右手を突き出している上条の姿が目に映る

 

「馬鹿な……!?」

 

「……やっぱりな…魔術であれ超能力でも右手で触れれば…無効化できるのか」

 

「無効化だと!?……まさか君が歩く協会を!?」

 

ステイルはもう一度炎剣を放ち上条に放つが右手に当たるとガラスが砕けた音が鳴ったかと思うと、跡形もなく炎剣が消える…それを見てステイルは片手を上げ呪文を唱え始める

 

「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ、それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり、それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり、その名は炎、その役は剣、顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ!」

 

「召喚魔法の呪文クソ長ぇ!しかも熱すぎて当麻の部屋の表札とかドアノブ、学生寮の床が溶けてる…何て温度だ…!」

 

「…魔女狩りの王、イノケンティウス…その名は必ず殺す!」

 

「邪魔だ!どいてろ!」

 

ステイルが呼び出したのは重油のような黒くドロドロとした人型の形をした深紅に輝く紅蓮の炎が燃え盛っている巨人…と言うべき魔術…それを上条が右手で払いのけただけで搔き消える…がすぐに炎の体を再構成し始め浜面達はそれに驚く

 

「消えねえだと!?嘘だろ……美琴や操祈の能力でも消えたのに…」

 

「残念だね…こいつは消せないよ…何せ消してもすぐ再生するからね…」

 

上条は何度も何度も魔女狩りの王を右手で触れ消滅させるが…何度でも蘇ってしまう…浜面達はその光景を信じられず固まっていたが…自分達の後ろで血を流して意識を失っているはずの禁書目録が口を動かす

 

「ルーン…あれは二世紀にゲルマン民族によって作り出された魔術が一つ…二四の文字から構成されており」

 

「……自動書記(ヨハネのペン)か」

 

「あの「魔女狩りの王」を撃破する事は現在では不可能です。壁や廊下、ありとあらゆる場所に刻まれた『ルーン』を無くさない限りは…」

 

「ルーン……そんなものどこに…」

 

目に光を無くし感情が丸でない機械的な表情で魔術の解析し美琴達に教える禁書目録…禁書目録の言葉を聞いた美琴はルーンを探し…すぐに見つかった近くに一枚だけコピー用紙あった…そこには美琴には分からないがこのアルファベットに似た文字がルーンと言う文字がインクでコピー用紙に書かれていた…別の場所を見ると上条の部屋がある階のそこら中にルーンが書かれたコピー用紙が貼り付けてある…魔女狩りの王とステイルの相手をしながら全てのルーンが書かれたコピー用紙を破棄するのは無可能に近いことを悟る

 

「ふ、巫山戯んじゃないわよ!何が魔術よ!こんなのコピー用紙にインクで書いただけじゃない!」

 

「でも…それで実際あんな化け物が出てくるわけだし…上条さんの右手でさえ消せない相手…私達に勝てると思う?」

 

美琴は怒りのあまりコピー用紙をビリビリに破くがたとえ一枚消したところで残り何枚あるか…分からない…操祈もこんな敵に勝てるのかと若干諦め始める…が浜面は諦めずに何考える

 

(どうしたらいい……!ここは当麻に任せて俺たち三人で剥がす?駄目だあの魔術師に背後を突かれて当麻が死ぬ……どうすればいいんだよ…水かけて消える相手じゃねえし…レベル5が二人いても…あの化け物には…待てよ…レベル5…超電磁砲…水…)

 

浜面は必死に頭を働かせると…ひとつの名案を思いつき美琴に話しかける

 

「美琴……頼みがある…」

 

「何よ!こっちはそれどころじゃ「聞くんだ!」!?…つまんない話なら電撃放つわよ」

 

「分かってる…お前は電撃使いだよな?…なら今から…」

 

浜面の作戦を聞き美琴は一瞬惚けるが…ニヤと笑い頷く

 

「そんなこと?ハッキングや電子機器の破壊もできる私に…それくらいできないとでも?」

 

「頼むぜ…美琴!」

 

「任せなさい!」

 

美琴はそう言うと天井に向けて電撃を放つ

 

「気でも狂ったのか?…まあいいさ…早く倒せ魔女狩りの王」

 

ステイルはそう言うと魔女狩りの王は手に十字架を持ち上条を押し潰そうとするが右手で触れ消滅させるが…消滅してもすぐに再生しステイルが炎の剣を飛ばしそれを上条が避ける…何度も続くものではない死を少しでも遠ざけるための戦い…ステイルにはそう感じているだろう…実際魔女狩りの王がいれば如何に魔術を無効化する上条でさえ太刀打ちでしない…そうルーンを無くさない限りは…そう考えていると非常ベルが鳴り始め上条達は疎かステイルでさえ手で耳を塞ぎ動きを止める…そしてスプリンクラーが作動し、廊下内に水が雨の如く降り注ぎはじめる

 

「馬鹿な…人払いのルーンが張ってある筈なのに……そうかさっきの電撃はスプリンクラーを発動させるために……馬鹿めこの程度で魔女狩りの王が消えるとでも?」

 

「……そんなわけ無いでしょ…狙いは別よ……であなたのお気に入りの炎の人形…消えていってるけど心配しなくていいの?」

 

「何!?」

 

美琴の言葉を聞きステイルが魔女狩りの王を見ると…何と魔女狩りの王は再生する気配を見せず人型ですらなくなり単なる炎の塊とかり消えかけている…それに上条が触れると魔女狩りの王は完全に消滅する

 

「馬鹿な…僕のルーンは消えてない筈…何故だ!?何故ルーンが…」

 

「お前の犯したミスは二つ、一つ目はルーンてのを彫ってれば俺らは勝てなかった…二つ目はコピー用紙にインクでルーンを書いた事…このスプリンクラーはなあの炎の怪物を消すためじゃなくてコピー用紙に書かれたインクを洗い流す為だよ」

 

浜面がスプリンクラーを使った理由はコピー用紙に書かれたインクを洗い落とす為だ…それによりルーンは消え…魔女狩りの王は消滅した…ステイルは慌てて炎剣を飛ばすも上条が右手を当てるだけで霧散する

 

「俺達には地獄の底に着いて行く覚悟がねえ…なら俺達が地獄の底から引きずり上げるしかねえだろ!」

 

「く…灰は灰に、塵は塵に…」

 

「させないわよ!」

 

ステイルは自分に向かってくる上条を撃退するべく炎を作り出すが美琴が電撃を放ちステイルの水に濡れた体に当てる

 

「ぬぉぉぉぉぉ!!?き、吸血鬼殺しの……」

 

「こいつ…電撃を浴びながら呪文を唱えるとか…なんて根性してやがる」

 

(そうだ…僕は彼女に約束したんだ…僕は君のことを…忘れないと…!例え…君が忘れても……僕は!)

 

「く、紅十字ぃぃぃ!!」

 

ステイルは電撃を浴びつつも呪文を言い切り炎を十字の様に上条に向けて放つも右手に当たるとガラスが割れる音が聞こえ消滅し上条の拳がステイルの顔に当たり体が宙を舞って吹き飛ぶ…宙を舞う中ステイルの目は禁書目録のみを見続ける

 

(…僕は…君を…守り…)

 

そこでステイルの意識が途切れステイルは水に濡れた床に落ちる、最後まで禁書目録を見続け…決して届かない腕を伸ばし…そしてその腕は意識とともに床に落ちる

 

「ふぅ……そうだ禁書目録は!?」

 

「不味い…早くこいつを病院に連れて行かないと…」

 

「ええ早くしないとこの子の命が……」

 

浜面達は倒したステイルに眼もくれず禁書目録に近づき急いで病院に連れて行こうとした…その瞬間操祈の肩に緋色の文字が貫き操祈の肩から血が吹き出る

 

「え………?」

 

「「操祈!?」」

 

「おい!大丈夫か!?一体何があった!?」

 

操祈は自分が何故血を流しているのか分からずに床に倒れかけ、上条と美琴が操祈を支える…浜面もどうして操祈が肩から血を流しているのか理由がわからなかったが…よく見ると肩にアルファベットのAに似た文字が張り付いていた…そしてそこから血がドクドクと流れ出ておりこのままでは操祈が出血多量で死んでしまう…

 

「何よこれ…!当麻は早くこれに触りなさい!これもあの赤髪の言ってた魔術の一種ならあんたなら打ち消せるでしょ!?」

 

「!ああ、わかった」

 

美琴は普段仲が若干悪い筈の操祈の体を案じ上条に文字に早く触る様怒鳴り、上条がその文字に触れると文字は消え血が出る量が減っていく

 

「良かった……あんたが死ぬと…こっちも張り合いがないからね」

 

「……ありがとねぇ美琴さん…でもさっきのは一体…」

 

操祈があの文字は何かと考えていた時、

 

「緋文字は神の言葉…不義なるを罰し消えぬ刻印を残す…それが私の魔術…」

 

「!?まだ仲間がいたのか!?」

 

突如背後から聞こえた声に応じ振り返ると…そこにはメガネを掛けステイルとは違い歴とした牧師風の黒衣に身を包み手に聖書を持った銀髪の男性が空中に立っていた…よく見ると立っている空中には赤い文字の様なものが浮いている

 

「お前も魔術師なのか…こいつの仲間の?さっきの魔術はお前の仕業か!」

 

「ええ…その通り…まさかステイルがやられるとは……名乗りが遅れましたね、私はナサニエル・ホーソーン、魔法名はsanguis528…不義なるを罰し消えぬ刻印を残せ…と日本語では言います…」

 

ナサニエルと名乗った男性は眼鏡をクイッと上げて浜面達を鋭い眼光で軽く睨む

 

「ステイルと禁書目録を回収する為…貴方方を断罪します」

 

ナサニエルはそう呟くと聖書を懐にしまい、小さなビンを取り出す…そしてそこから赤い液体血が文字の形となりナサニエルの宙を舞う…浜面達はナサニエルを倒さぬ限りは禁書目録をここから連れ出すことも出来ないと理解し再び戦闘態勢に入る

 

「では…私達の目的を果たす為…咎人に断罪を……」

 

ナサニエルはそう呟くと血液を媒体とした文字を鞭状にし残りを自身を囲むように舞う…炎の魔術師(ステイル)の次は血液を媒体とする魔術師(ナサニエル)…果たして浜面達はナサニエルを撃ち破り禁書目録を救うことが出来るのか…

 

 

 




美琴さんがスプリンクラーを起動させたのはスプリンクラーも電気で動いてるからサイバーテロが出来る美琴さんなら動かせるはずと。重い書きました…折角いるのでしたら活躍してほしいですからね、間違ってたら指摘して下さい

出てきた文豪はナサニエル・ホーソーンでした、あの人は神父だからイギリス清教に所属していてもおかしくない…ま、ナサニエルさんはアメリカの文豪ですが…そして個人的にも好きなキャラで好きな能力ですからね…あの人の能力は強い…ちなみに魔法名のsanguisはラテン語で血という意味です、数字は適当ですね…因みに魔術もやはり十字教の伝承がモチーフです…次回それの説明をするのでお楽しみに


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五話緋文字

オリジナルの魔術て難しいんだな…普通に考えられる人達はやはり凄い…ほかの小説も読んでますが…やはり参考になりますね…今回は文字少ないです…戦闘描写ばかりになると書くの難しいんですよ…あれそれを言うと全てが苦手に…文字数が少なくて申し訳ない…


ナサニエルの周囲を血の文字が舞い、ナサニエルはその血の文字…緋文字を掴むと鞭状に変えて打ち付ける、それを上条が触れると鞭がただの血に戻り床に落ち床が血塗れになる

 

「…魔術を打ち消す右手…厄介ですね…ですが…所詮は右手のみ…大したことはありません」

 

ナサニエルはそう呟くと魔術が解けた筈の血を再起動させ上条の横腹に血を弾丸の如く飛ばして吹き飛ばす

 

「ぐうっ!?」

 

「私を忘れるんじゃないわよ!」

 

美琴は雷撃の槍を放ち、ナサニエルを囲むように電撃を放つがナサニエルは涼しい顔で宙を舞う緋文字を動かし障壁として扱い雷撃の槍と電撃を防ぎ、緋文字を鞭状に変えて美琴の腹にぶつけ壁にぶつける

 

「美琴!当麻!大丈夫か!?」

 

「いてて…右手に触れねえと意味ねえのに…あの神父…強いぞ」

 

「あいつの血の障壁…私の電撃や雷撃の槍まで防ぎきるなんて…わたし一応学園都市第3位なのに……天狗になりすぎたか」

 

美琴は第3位である自分が追い詰められていることを知り落ち込み始めるもナサニエルは攻撃の手を緩めず新たな瓶を取り出しそこから血をだして新たな緋文字を作り出す

 

「焼かれるような熱さを……まるでその文字が赤い布でなく、赤熱した鉄であるかのような熱さを…罪裁きの聖火」

 

「!血が燃えた……!?」

 

ナサニエルは呪文を唱えると緋文字が橙色の炎となり美琴達を焼き尽くそうとする…それに上条が右手で触れると炎は消えただの血に戻るが…再び魔術として起動し弾丸となり上条は右手で防ごうとするが一発消し損ね腹に当たり血が流れ始める

 

「く……」

 

「当麻!?無事か!?」

 

上条は急いで右手で傷口に触れると血が流れるのが止まる…この魔術は傷口に触れると出血を早め、凝固をさせない魔術のようだ

 

「血を媒体とした魔術、キリストの死を確認するために突き刺した槍が、最後の審判を迎えるまで血が滴り落ちると言う逸話を術式にした物と思われます」

 

「……自動書記め…余計な解説を…」

 

「その血にはその槍で傷つけた相手をその血でしか癒せぬと言う逸話から血で緋文字で傷つけた傷は直せないと言う魔術でしょう、更に血を媒体とした様々な魔術式を」

 

禁書目録が再び魔術の解析、分析を行っているとナサニエルは緋文字を禁書目録に放ち禁書目録を吹き飛ばす

 

「禁書目録!?あんた何すんのよ!」

 

「私の術式が詳しく暴かれては困るのでね…仕方のない事です」

 

美琴が禁書目録を傷つけた事に怒りながら電撃を放つがナサニエルは涼しい顔で虚空を舞う緋文字を固定し踏み台として踏むことで空中歩行して避ける

 

「……むせかえるような罪深い情念」

 

ナサニエルは呪文を唱え終わると床に落ち機能をなくした筈の血が輝きだし毒の霧へと変わり上条がそれに触れることで消えるがその隙にナサニエルが懐から血が付着した五寸釘と布を取り出す

 

「神の子を磔にし三十の聖釘よ、敵を拘束せよ!神の子の遺骸を包みし布よ主の敵を包み込め!」

 

ナサニエルが釘を投げるとその釘と布は赤く輝き美琴に向かって飛んで行き、美琴は電撃を放ち赤く輝く釘を破壊するが布が電撃を器用に避け美琴の体を拘束し壁に吹き飛ばされ釘が美琴の服に張り付き壁に拘束し動けなくする

 

「美琴!?」

 

「この布…電撃を喰らっても壊れないなんて…」

 

「その布と釘は私の血が染み込んでいます…神の子を拘束した釘と遺骸を包んだ布を再現した私の魔術…その魔術を打ち消す右手の少年なら兎も角…貴女には拘束を解くことなど不可能です」

 

ナサニエルは電撃を放って拘束している布と釘を壊そうとするが布と釘が壊れる気配が一向に見えない…何故ならこの布と釘は聖遺物の性質を持つ物体、布は神の子がただの人となりその遺骸を包んだ事により人であれば何人たりとも拘束からは逃れられず、釘は神の子が死ぬまで拘束したからか力技では抜けない魔術…なのだが上条が触れただけで布と釘はただの布とただの釘となり美琴は拘束から解かれる

 

「ありがと当麻…これが魔術ね…科学では説明できないわ…でもね、あんた達はこんな真似までしてどうして禁書目録を狙うのかしら?」

 

「それが私達の使命だからに決まっているでしょう」

 

「使命…?こんな女の子を追いかけ回して大怪我させてそれが正義とでも思ってるのかよ!」

 

「……………………」

 

美琴は当麻に感謝の言葉をかけた後ナサニエルを睨みつけ怒鳴るもナサニエルは使命と切り捨てる、それに浜面も怒声をあげるがナサニエルは顔一つ動かさない

 

「魔道書だか何だか知らねえがこんな女の子を追いかけるなんて間違ってると思わ「黙れ!」!?」

 

「貴様らに何がわかる!私達の気持ちが!あの子を追い続ける私達の気持ちが…ステイルの気持ちが貴様達に分かるのか!?ステイルがどんな気持ちであの子を追いかけたと思っている!ステイルがあの子の為にどれほど努力したと思ってる!彼がどれだけ苦しんだと思っている!何も知らないのに私達を語るな!立ち塞がるな!自分達が正義とでも思っているのか!?」

 

「お前……何を言って」

 

「……喋り過ぎました…要するに…あなた達が私達の邪魔をするのはやめて頂きたい…私達とてあの子に怪我をさせる気は無かった…寧ろ逆…怪我をして欲しく無かったから追っているのです」

 

上条の言葉を遮りナサニエルは激しく激昂し騒ぎ立てる…そして冷静を取り戻し眼鏡をクイッとあげ禁書目録を渡すよう言い渡すがハイそうですかと浜面達もいかない

 

「お前らにも事情があるのがわかったが…だからてこいつを渡すわけには行かない!」

 

「……確かにあんたのことは知らないけど…だからと言ってこの子を渡すわけにはいかない!」

 

「そうですか……ならここで断罪されよ!」

 

「!当麻、美琴後ろだ!」

 

上条と美琴はナサニエルにそう宣言するとナサニエルは溜息を吐き首に掛けたロザリオの先で手を切り裂き血を流しそれを緋文字のオレンジ色の剣に変え二人を斬り裂こうと接近する…がそれは誘導に過ぎず、浜面は上条と美琴の背後に迫る緋文字の弾丸に気づかず背後から緋文字を喰らい上条と美琴は吹き飛んでしまう

 

「当麻!美琴!テメェ!」

 

浜面は警棒を取り出しナサニエルに警棒を振りかざすがオレンジ色の剣で防ぎ左手に温存していた緋文字の弾丸を浜面の腹に叩きつけ吹き飛ばす

 

「がはぁ!」

 

「邪魔をするな……」

 

浜面は腹を抑えながらその場に片膝をついて倒れこみ、ナサニエルは禁書目録に近づき禁書目録の体に触れようとするがガシと浜面がナサニエルの肩を掴む

 

「な……」

 

「おら!」

 

浜面はナサニエルに拳を叩きつけナサニエルは後ろへ後退する、浜面は禁書目録を庇うように立ち塞がる

 

「……最後の警告です…そこを退きなさい、禁書目録を渡しさえすれば無駄な殺生をせずに済む」

 

「退くわけねえだろ、俺のダチを散々傷つけて、こいつ(禁書目録)を渡してもどうなるか分からない…あんたらの事は知らねえし、こいつのことも知らねぇ…だけどな、ここで引いたらダメな気がするんだ」

 

「……そうですか…ならここで死ぬといい」

 

浜面が覚悟を持ってナサニエルにそう言うとナサニエルは手から流れる血の雫を緋文字に変え弾丸として放つ…狙うは浜面の心臓、弾丸が走り浜面の心臓を狙う

 

「仕上!?」

 

「……昔の俺ならここで死んでるんだけどな…生憎あいつらみたいな能力が俺にもあるもんでね!」

 

浜面はそう言うと右腕を銀色に光らせ警棒を振りかざし弾丸を斬り裂く、それを見て驚くナサニエルに上条達

 

「浜面……あんた…それ…無能力者じゃなかったの?!」

 

「説明は後でする!今はこの神父を倒すのが優先だ!」

 

「…馬鹿な…能力開発を受けている科学の人間が……いやあれは能力…いや違う…そんなものではない…私達と同じ…魔術に近い……何か…」

 

ナサニエルは動揺しながらも血で出来たオレンジ色の剣で浜面に斬りかかるが銀色に光る警棒で血の剣を斬り裂きナサニエルの服を裂き皮膚を浅く斬り裂く

 

「く!?その右腕は……まあいいです…当たらなければどうでこともない」

 

ナサニエルは一瞬動揺するが気を取り戻し緋文字を固定し空中へ逃げる、幾ら浜面の警棒の斬れ味が良くなっても当たらなければ意味がないのだから

 

「早くも弱点見破りやがった!あぁ!美琴の電撃が羨ましい!遠距離でも攻撃出来るもんな!」

 

「砂鉄があれば剣も作れるわよ…て、そうじゃなくてあんた能力あったの!?」

 

「え……最近出た(魔神に貰ったとか言ったら厨二病だと思われるから言わないとおこう)」

 

浜面は銀色の腕を見て問いかけてきた美琴を軽く誤魔化す

 

「………確かにその斬れ味なら私を倒せるでしょう、そこの雷使いも魔術を無効化する少年もそこで倒れている少女も強いです…が私もここで負けるわけにはいきません…私には…いや彼女にはもう時間がないのですから」

 

ナサニエルは悲しげに呟くと浜面に斬り裂かれた皮膚から滴り落ちる血を緋文字に変え浜面に向けて放つ、浜面は警棒を振るって弾丸を斬るが上条と違い魔術を打ち消すわけではないので斬っても斬ったぶんだけ弾丸が増え体に当たっていく

 

「がはぁ!!」

 

「くそ!」

 

「無駄です、あなた方三人が足掻こうが私には勝てません…見た所遠距離攻撃出来るのはそこの雷使いのみ…それ以外は接近戦でした使えない…こうして遠距離からの攻撃には弱いでしょう」

 

ナサニエルは斬り裂かれた皮膚に布を巻き出血し新たにビンを取り出してそこから緋文字を作り出し更には釘を投げそれが浜面に迫るが美琴が磁力操作で釘を引き寄せ防ぎ飛んできた布も上条が触れる事で無効化する…そして段々とナサニエルの魔術の弱点も見えてくる

 

「あんたの魔術…俺が無効化しても再起動してたよな…あれは俺が無効化してもすぐに魔術を起動させてたからだろ?」

 

「でも暫く経つとそれをしなくなる…最初は分からなかったけど…理由は水…でしょ?血は水に溶ける…大部分が水に溶けると扱えなくなる…」

 

「……それとぉ…あくまで自分の血しか操れないんでしょ?他人の血も操れるなら私や禁書目録ちゃんの血を操って奇襲すればいいもの…」

 

ナサニエルの魔術はあくまで自分の血しか操れない…それに水に濡れると操れなくなる…スプリンクラーが床を濡らしたいで血溜まりがすぐに水に溶けてしまい本来なら罠として使えるはずの血溜まりが使えない…しかも自分の血しか操れないのならおのビンをストック…自分の血をやたらめったら使えないからだ…1.5リットル血がなくなると失血死してしまうからだ

 

「気づきましたか…ですがあなたを潰せば彼等は私に勝つことはできない」

 

ナサニエルは忌々しげに呟くと光り輝く緋文字の輪を投げ唯一自分の攻撃出来る美琴を拘束しようとするが上条がそれに触れると霧散する…が既にナサニエルは手から巨大な緋文字の球を作り出しそれを上条に向かって投げる

 

「何度やっても無駄だ!」

 

「!待って上条さんそれは罠よ!」

 

「神の計り知れない御心」

 

ナサニエルはそう呪文を唱えると巨大な緋文字の球は拡散し三十は超える弾丸となりて上条の右手をそれ美琴と上条の体に当たり上条と美琴は床に倒れる

 

「なん…だよ…これ……」

 

「体が……動かない…」

 

「神の子イエス…ナザレのイエスは子供の頃は機嫌を損ねると呪い殺す、聖人からは程遠い人物であったのです…あなた方は私の使命の邪魔をしイラつかせた…それ故に動きを止めてもらいます」

 

ナサニエルはそう呟くと禁書目録を庇うようにして立つ浜面を見つめ小さな血に濡れた十字架を取り出し浜面に向ける

 

「これが…本当に最後の警告です…禁書目録を渡しなさい…」

 

「断る」

 

「……そうですか……なら死になさい」

 

ナサニエルは残念そうに呟くと十字架を投げる、十字架は凄まじい速さで浜面に飛んでいくが浜面はそれを斬り落とし粉々に砕けるもその破片が再結合し浜面の横腹に当たる

 

「ぐ……まだだ!」

 

浜面は十字架を掴み取り警棒を床に捨て十字架を右腕で持ち十字架を銀色に光らせナサニエルに投げつける、ナサニエルはそれを冷静に避けトドメにもう一本の十字架を取り出し投げる

 

「だから当たるわけないだろ!」

 

浜面は十字架を避け再び右腕で触れようとするがその前に分裂し浜面から離れていく…それと同時に浜面の腹から赤い剣が生えた…いな貫かれた

 

「がぁぁぁぁ!?」

 

「……あなたは遠距離からの攻撃では死にそうにないので…」

 

「仕上ぇぇぇぇ!!?」

 

ナサニエルは無表情で浜面の腹から剣を抜くと浜面は前向きに倒れ銀色に光っていた右腕も光をなくす、それを見て叫ぶ上条に呆然とする美琴と操祈…三人は体を動かそうとするが全く動かない…上条の場合は右手のみ動くが…他の部分に触れないため動けずにいた

 

「……漸く禁書目録を回収できる…」

 

ナサニエルは安心して禁書目録に近づく…自動書記も発動していない…これなら容易に捕まえられ儀式にも間に合う…そう思った瞬間肩に誰かの手が触れる

 

「な!?」

 

触れていたのは腹から血を流す浜面…口から吐血しながらもナサニエルに向けて拳を放ちナサニエルを吹き飛ばし警棒を拾い再び右腕を銀色に輝かせる

 

「何故だ…もう動けないはず…」

 

「俺だって知りたいよ……この銀色の腕を使ってる時だけ…直感とか治癒能力とか…上がってる気がするんだけど…今はいいか」

 

浜面はそう言うとナサニエルに警棒を持って襲い掛かりナサニエルは赤い剣を持って浜面を斬り裂こうとし右腕に注意を向けるが浜面は左脚で蹴りつけナサニエルの体勢を崩し赤い剣を警棒で斬り裂いたのち、十字架を取り出したナサニエルに警棒を投げ十字架を破壊しナサニエルの目前に銀色の拳を突き出す

 

「がぁ!?」

 

「歯を食いしばれ…これが俺の最後の一撃だ!」

 

「く…泥水くぐりて清き蓮の花!黒き泥より生まれし不滅の花よ!障壁となりて我を守り給え!」

 

ナサニエルは緋文字を集め自身の最強の守りの魔術に変えて浜面の拳を防ごうとする…そして銀の拳が紅き障壁とぶつかり…そこで止まる…そして障壁にヒビが入る

 

「馬鹿な!?私の障壁は並大抵の魔術では傷一つつかぬ鉄壁の筈唯の拳に…私の絶壁が……!?」

 

ナサニエルはストックのビンも開け障壁の硬度を高めるが…ヒビが広がっていく

 

「うおおおおお!!!」

 

「……いけ…仕上!」

 

「いけぇぇぇぇぇ!!」

 

三人の声援を聞き浜面は更に力を上げナサニエルと障壁の硬度を上げるも…等々浜面の銀の腕が障壁を破壊しナサニエルの顔面目前に迫る…ナサニエルは自身に迫る拳を見つめ横眼で禁書目録を見つめる…彼女と交わした約束を思い出しながら

 

(ナサニエル…あのね、ステイルとかおり、マーガレットが私の為に無茶しそうになったら止めてあげてね)

 

(……分かりました…)

 

(でもナサニエルも怪我するのもだめなんだよ!……だから私が記憶をなくしても…三人の事を頼むんだよ)

 

(ええ……あなたが忘れても…私だけは絶対にその約束を忘れず守り通します)

 

(ああ……約束守れませんでしたね…禁書目録…)

 

ナサニエルの思いは浜面の一撃により儚く霧散しナサニエルは意識を失い倒れ込んだ…ナサニエルが倒れた事により上条と美琴は呪いから解け操祈も何とか立ち上がる

 

「おい仕上!お前さっき腹を刺されてなかったか!」

 

「大丈夫だ…この腕を発動したら治癒能力と上がってるんだよ…多分もう傷は塞がってる」

 

「…自己再生の能力…でもその腕…何の能力か気になるところなんだけど…早く禁書目録ちゃんを病院に…」

 

「そうね!当麻早く禁書目録を病院に!」

 

上条は禁書目録を抱え浜面達はナサニエル達の仲間が来ないうちに学生寮から飛び出すその前に上条の部屋に入り禁書目録のフードを見つけ上条が右手で拾い発信機的な役割を消しておく

 

「病院へ行くのはいいけど…こいつIDを持ってないしどうする!?」

 

「入院なんかしたらあっさりとバレて捕まちゃうわね…けどとにかく病院に「みこと?」!あんた目が覚めたの!?」

 

上条と美琴が禁書目録について相談していると目を覚ました禁書目録が話しかける

 

「大丈夫?みさきとしあげ怪我してるよ?」

 

「俺の事はいい!まずはお前の心配を!」

 

「大丈夫だよ…血を止めれば…」

 

「ちょ!倒れてるじゃない!その頭の中にあるとかいう10万3,000冊の魔道書で治せないの!?」

 

禁書目録は安心してと言いかけるがまたグッタリと上条の背中に倒れ全員が声をかける、そゆな中操祈が魔道書で治せないのかと尋ねるが

 

「無理だよ…私には使えないし…皆と使えない…だって魔術は才能がない人しか使えないから…皆は能力の開発を…受けてるから…無理だよ」

 

「そんな……俺達には助けられないのかよ…」

 

「待てよ…子供…俺達が駄目なら…」

 

浜面達は泣きそうな声で悔しそうにするが上条はそう呟くと名案を思い出したかのように叫ぶ

 

「俺の担任…大人は能力開発を受けてない!なら魔術が使えるかもしれない!」

 

 

 

 

 




ナサニエルさんが言ってた呪文は全てナサニエル(文豪)の小説の緋文字の中の言葉から…いやぁ難しい…因みにナサニエルさんの術式はキリストの死を確認した槍…ロンギヌスの槍から血が常に滴り落ちる逸話を術式にしたもの…釘とか布はキリストに関係する聖遺物から…結構ナサニエルさんは強いです…さて次回は神裂火織ともう一人の文豪戦ですね


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六話必要悪の教会(ネセサリウス)

さて二人目の文ストキャラ登場ですね…あとバトル展開にしようと思ったけど…ギャグになってしまうのが作者の悪い癖…笑いの才能もないくせに…


禁書目録を背負った上条達は走る、上条が言う担任の先生の所まで夜の街を走り抜ける、上条は以前友人から聞いた担任の教師の住所を必死に思い出して辿り着いたのは…今にも壊れるのでは?と思えるほどボロボロのアパート…学園都市にこんな建物があるのかと驚くぐらいの建築物で取り壊されてもおかしくないボロさだ…ここに上条の担任がいるのかと疑いたくなるが上条はアパートの階段を禁書目録を背負いながら上がる

 

「あの……時間ない事はわかってるんだけど…ここに人はいるの?」

 

「言うな…俺もあの先生がこんな所に住んでるなんて思いたくない…」

 

「と、とにかくその担任に会いに行くぞ!」

 

美琴はこんな所に上条の担任がいるとは信じられず上条も信じたくないようで浜面は担任がいる部屋を聞きその担任の部屋の前まで来る、表札には「つくよみ こもえ」と書かれていた

 

「ごめんください!急ぎの用なんですぅ!」

 

「早く出てくれませんか!人名が関わってるんです!」

 

「先生!この時間に寝てるとは言いませんよね!早く開けてください!早く!」

 

上条達は必死に扉に向かってノックし呼び鈴を鳴らすが全然出てこない…それに痺れを切らした美琴が三人をどかす

 

「早く出てこいって言ってんのよ!」

 

「美琴さぁん!?蹴るのは駄目ですよ!しかとその体勢だとパンツが!」

 

「女子として恥じらいはないのぉ!?」

 

(後ろ向いとこ)

 

美琴は四十五度に扉に蹴りを放ちそれを見た上条と操祈は余りにも女子らしくない行動にツッコミを入れる、浜面は後ろを向いて美琴を見ないようにする、因みに二人がスカートの中が捲れ中を見ると短パンだったそうな

 

「痛ッ!?この扉死ぬ程硬いじゃない!?もはやどんな硬さ!?」

 

「大丈夫かよ……だから蹴り入れるなて…でお前ら見たの?」

 

「「……短パンでした……」」

 

「はいはーいー!どなたですかー」

 

美琴が余りにも硬い扉を蹴ったせいで足を抱えながら涙目で叫んでおり浜面はだから蹴るなと呆れて溜息を吐き二人は何処か残念そうな顔をするなら間の抜けた幼い少女のような声が聞こえ扉が開く…そこから現れなのはカエルのパジャマを着た幼女

 

「この扉、対新聞配達対策ですごく硬いんですー、て上条ちゃん?新聞配達でも始めたんですかー?」

 

「違いますよ…シスター背負って中学生連れて新聞配達しませんよ…取り敢えず中入りますね!」

 

「ちょちょー!?困りますー!先生困りますぅー!」

 

「ちょっと今困ってるんです、無理矢理ですが入らせてもらいます!」

 

「怪我人がいるんで本当に申し訳ないですが……すみません!」

 

上条達が小萌を押しのけ部屋に入ると、そこは上条の学生寮より狭い部屋に乱雑した本…医学の本やら何やらが置かれており、今時古臭いちゃぶ台に丸まった紙屑や缶ビールの空き缶が無数に床に転がっており、ちゃぶ台には飲みさしのペットボトル、タバコの吸い殻が灰皿から山盛りになっておりお菓子やら何やらが置いてあり、台所は水に浸かしたまま放置してある食器が山盛りになっており、一言で言うなら汚い

 

「はわわわー!ちょっと待ってくださいー!片付けますからー!」

 

「……先生て見た目は子供でも中身はおっさんなんですね……」

 

「これは……流石にないわ…汚すぎる」

 

「私でもここまで酷くはないわねぇ」

 

「…こんな幼女が大人で尚且つ先生で…でも部屋はこんなに汚いオヤジみたいな生活……うわぁぁぁぁ…」

 

浜面達は全員小萌の部屋を見てドン引きしていた…見た目とのギャップが酷い意味で悪い…そこら中からお酒の匂いが漂いタバコ臭い…ただいるだけで美琴達なら酔いそうだし辺りに漂う副流煙で寿命が縮まりそうだ

 

「酷いです上条ちゃんー!それに知らない女の子と男の子にも引かれて先生は悲しいですー!」

 

「じゃあ片付けをしっかりしてください…教師ができてないと…本当にこの人先生なのか?先生の子供とかじゃなくて?」

 

「失礼ですー!先生は先生なのですー!…所で上条ちゃんこんな時間にどうきたのですー?…は!まさか女の子と家出を…」

 

「違うわよ!…てそれよりも当麻の肩にいるシスターを見て!死にそうなの!」

 

「そういえば肩に…て!その子怪我してるじゃないですかー!」

 

小萌は全員に引かれているのに若干怒り怒るが美琴に言われ今更ながら上条の方に禁書目録がいることに気づき上条が床に下ろすと小萌は慌てふためきながら上条達に問いかける

 

「どうしたんですかこの子ー!?早く病院にー!」

 

「行けないんですよ…だから大人に協力を…」

 

「先生これから起こる事をオカルトだとか否定せずに協力して欲しいんですが…」

 

上条は小萌に事情を話そうとした時禁書目録の体が光り

 

「警告、第二章 第六節失血の一定量を超えた為、強制的に自動書記(ヨハネのペン)を発動します、これから私の指示に従ってください」

 

「先生…俺達は救急車を呼んでくるので頼みます…禁書目録…一応聞くが俺にできることはないんだよな?」

 

「はいありません…貴方の右手があれば魔術が失敗しかねません」

 

「そうか……では宜しくお願いします…この子宗教の人間なんでこの子の言う事を聞いてればこの子も安心すると思うんで…言う事を聞いてあげてください」

 

小萌は何か言いたそうに上条達を見るが禁書目録の指示に従う事を優先し上条達は外へ出る…上条は階段で立ち止まると自分の右手を見てゆっくりと階段を降りる

 

「……俺の右手て何なんだろうな…いくら電撃を無効化しても役にたたねぇんだから…笑ちまうよな…」

 

「上条さん…」

 

「何の為の力だよ……俺以外も不幸にして…何でこんな力が」

 

上条が右手を見ながらそう呟き言葉を喋っていると美琴が上条の頬を叩いた、そして上条の襟首を掴み大声で叫ぶ

 

「何巫山戯てんのよあんた!その右手がなかったらあの赤髪の奴も倒せなかった!確かに邪魔になる時もあるかもしれない…けどねあんたは超電磁砲 御坂 美琴を倒したのよ!そのあんたが弱気になるな!」

 

「美琴……でも俺が不用意に服を壊さなければ…あいつはあんな怪我を負わなくても…」

 

「………その通りだな…お前は今回は確かにその右手で迷惑振り向いたかもしれないが…その右手で助かった奴もいるんだ…そう卑下するな…」

 

「そうよ、上条さんのお陰で私も助かったしぃ…別に悪い事だけ起きてるだけじゃないわぁ」

 

美琴が上条に怒鳴りつけ操祈と浜面も上条に励ましの言葉を送る…浜面は「俺も助けたのになぁ…」と呟きながらこのまま銀の腕のことも忘れてくれると考えていたが

 

「後浜面!あの時の能力は何か教えてもらうわよ!」

 

「まさか誤魔化すなんてしないよな?」

 

「もし誤魔化しても私の能力で丸分かりよぉ?私の解析力を舐めないでねぇ?」

 

「ですよねー……」

 

浜面は観念したかの様に俯き銀の腕を発動させて見せる

 

「俺も詳しくは分かんないんだけどさ…ほらこないだ猫助けて車に轢かれただろ?あの時魔神とか言うのに目をつけられて…気がついたらこう言う風に改造されてた、これも全部ヌァダて奴が悪いんだ」

 

「何、その仮面ライダーみたいな奴…でもいいじゃないか俺と違って役立ちそうだし」

 

「巫山戯んな馬鹿!何でも斬る能力だぞ!?これで人を斬れば殺人犯待った無しだよ!」

 

「あ……確かに(そういや私の電撃も当麻じゃなかったら死んでるんだよなぁ…これから電撃の威力落とそう)」

 

浜面は愚痴るが美琴は自分も上条だからやっていたが他の人間だと死ぬ事を思い出し今度からスタンガンレベルに落とす事に決めた

 

「だからあの時禁書目録ちゃんに魔神のこと聞いてたのねぇ?」

 

「ああ…魔術て言ったからもしかしたら…でも知らなかったし…今度携帯に繋がる様になったらアテナて女の子が電話するらしいが…」

 

「……お前本当に運がないよな…俺よりマシだけど」

 

浜面は愚痴続けるが上条達は曖昧に笑いながら夜の街を歩き続け…ふと足を止める

 

「……一応聞くけど…夜でも街中には人がいるはずよね?」

 

「ええ…そうよねぇ」

 

「ああ……でも」

 

「……誰もいない…」

 

美琴がふと気づいたこと…自分達以外誰もいないのだ…夜の街で明かりは付いているのに誰もいない…怪し過ぎる…まるでこれは魔法の様な

 

「魔術師か!」

 

「御名答……人払いのルーンです」

 

「お喋りに夢中で気づくのが遅れたようね」

 

浜面が叫ぶと女性の声が二つ聞こえ空から風の塊が降ってくる、風の塊が地上にぶつかると上条達は突風が襲い踏ん張って耐える…そして風の塊が落ちた場所には日傘や豪華なドレスを着た淑女と呼べるお嬢様風の女性と長い髪をポニーテールに括り、Tシャツに片方の裾を根元までぶった切ったジーンズには腰のウエスタンベルトに刀がぶら下がっているという奇抜な服装だった

 

「外国にいそうなお嬢様と露出狂の変態だ!?」

 

「誰が露出狂ですか!?誰が!?これは魔力を上げているのに仕方なく着ているだけです!」

 

「露出魔て本当にいるねぇ…羞恥心がないのかしら」

 

「絶対俺達より年上だぜ…イギリスて露出狂がいるんだな…」

 

ポニーテールの女性が露出狂と取られても不思議ではない服装のせいで美琴に露出狂扱いされ浜面と操祈も露出狂扱いする事に顔を赤くして憤慨する

 

「ミッチェル!貴方も何か言ってやってください!」

 

「……仕方ないわよ火織…貴方露出狂ぽい服装なんだもの……ステイルや神父様も影でそう言ってるわよ…禁書目録もね」

 

「仲間にも私は露出狂扱いなのですか!?ステイル逹も後で覚えておきなさい!」

 

火織と呼ばれた女性はミッチェルと呼んだ女性にも露出狂扱いされ仲間であるステイルやナサニエルにも露出狂されていた事にショックを受ける

 

「露出狂……私が…こほん、私の名前は神裂 火織(かんざき かおり)、こちらはマーガレット ミッチェル…魔法名は名乗りたくないので名乗りませんが…」

 

「私達は必要悪の教会(ネセサリウス)の魔術師…禁書目録やステイルの同僚と言えば分かりやすいかしらね」

 

「魔術師…それも禁書目録の…?仲間を追ってるてわけか」

 

「…魔法名を名乗る前に彼女を保護したいのですが…それを受け入れないなら…こうなります」

 

二人は自分達の所属を言った後禁書目録を渡す様言い脅す様に火織は刀を抜き斬撃を飛ばし建物を切り裂きミッチェルは木に風を纏わせ木がボロボロに崩れる…そして火織は上条達に斬撃を飛ばしミッチェルと風の刃を飛ばしてくる

 

「成る程…逆らえば殺す…て訳ね…」

 

「ええ…私の七天七刀から放たれる七閃は一瞬で7回殺せます…つまりあなた方を一瞬で皆殺しにできるという事です…ですから禁書目録を私達に…さもなくば…死ぬだけです」

 

「それにわたしの魔術は風化させ人をミイラにすることができるの…男性はともかく…女性がミイラになるのは嫌でしょ?それに火織は世界に二十人しかいないとされる聖人…まあ学園都市のレベル5…?の第1位ともそれなりに戦えると思うわよ」

 

火織とミッチェルはそう言って脅し美琴も直感的に火織が自分では倒せないと知るが…駄目元で美琴が上条達とよく行くゲームセンターのコインを取り出し超電磁砲を放つが火織が刀を振るうだけで叩き斬られる

 

「……威力抑えたんだけど…防がれると地味にショックよね…」

 

「……威力抑えては効くものも効きません…貴方はまず敵に対する情けを切り捨てるべきです」

 

「僕達を殺さない時点で甘い奴らだ」

 

「…怪我治るの早いなお前ら」

 

火織はしれっと美琴にアドバイスを送ると、ステイルとナサニエルも出てくる…回復するなが早いと浜面が突っ込むがスルーされる

 

「お前らにも何か目的があるのは知ってる…禁書目録を渡すにしてもそれを教えてもらわないと納得できないんだよ」

 

「我々がそれをいうとでも?」

 

「言うわけないでしょ…ま、私は分かってるけどね」

 

「あら奇遇ねぇ美琴さん…私もこの人達が禁書目録ちゃんを狙う理由が分かっちゃたかも」

 

「ほう…言ってみるといい」

 

浜面は禁書目録を狙う理由を聞こうとするが美琴と操祈がそう言うとステイルはタバコを加えながら聞いてみる…二人が同時に言い放つ

 

「「貴方達がロリコンだからよ!!」」

 

「「「「誰がロリコンだ!!?」」」」

 

「……納得した」

 

「当麻!?絶対違うだろ!?」

 

二人はステイル達がロリコンだからといい全員が否定する、上条もそれに納得する…納得しないのはステイル達と浜面のみ

 

「チ…僕はロリコンじゃない!百歩譲って火織やミッチェル、ナサニエルはロリコンだとしよう!でも僕は違う!」

 

「「「おいステイル、後で面貸せや」」」

 

「…禁書目録は十五歳だ……つまり君達と同い年ぐらいて事になる」

 

(あいつ俺と同い年なのか)

 

(一才下か)

 

((年上…私達より小さいのに…))

 

ステイルの発言に青筋を浮かせる火織達だったが美琴達は禁書目録が年上である事に驚き、上条は同い年だと知り、浜面は上条と同じ年下と知っていたのであまり驚かない…そしてステイルはさらなる発言をする

 

「そして僕は十四歳…彼女の方が年上なのさ」

 

「「まさかの同年代!?その身長で!?」」

 

「嘘だろ!?年下!?イギリスてそんなにデカイのか!?」

 

ステイルがまさかの年下、同年代に驚きを隠せない四人…こんな十四歳がいるものか

 

「と言うわけでこのロリコン達とは違い僕は年上好きと理解してくれ」

 

「済まない…ロリコンは他の奴だったな」

 

「こいつら殺していいですか?」

 

火織はガチで魔法名を名乗って刀を抜きそうになっていた……

 

「と言うわけで彼女を渡してもらおう…彼女には時間がないものでね…彼女の記憶を失わせないと彼女が死ぬからね」

 

「!?……あいつが死ぬ…だと!?」

 

「ええ…彼女は完全記憶能力…と言うのはこのステイルが言ったと思いますが彼女は1万3000冊の本を記憶していましてね…その為脳の85%を記憶してます…一年おきに記憶を処理しなければ…脳がパンクを起こし死んでしまいます…後四日後に記憶を消さねば…彼女は死ぬでしょう」

 

「何だと……だからあんたらはあいつを追いかけていたのかよ…ならちゃんとそういえば…」

 

火織は禁書目録について詳しく説明すると浜面がそれをちゃんと言えばいいじゃないかと言いかけるが

 

「……君達にはわかるまい…私達がどれだけ彼女が記憶を失うところを見ていたのか…どんなに楽しく過ごしても…忘れてしまう……それでも彼女は忘れてしまう…何度それを繰り返したことか…私達はもう彼女の笑顔を見たくない…なら誤解したままの方がいい」

 

「それ……あんた達の押し付けじゃない…禁書目録にそれを押し付けてるてことでしょ!あんた達が辛いから!ならもっと記憶を失っても楽しいことがあるんだて一年で楽しい思い出を作れば…」

 

「うるっせぇんだよ、ド素人が!!何がわかる!私達の気持ちが!あなた達も記憶を失った禁書目録を見ればこの気持ちが「ちょっといいかしらぁ?」……何です」

 

ナサニエルが眼鏡に触れながらそう言うと美琴は反論するが火織が怒鳴りつけ刀を抜かんばかりに鋭い眼を向けるが操祈の一言で制した

 

「さっき脳がパンクするて言ってたけどぉ…そんな事医学的にあり得ないわよ?」

 

「…………はぁ?」

 

「そうよ、さっきから思ってたけど人間の脳の記憶は百四十年分の記憶が入るのよ?知ってるかどうかは別として脳の記憶は一つだけじゃない、言葉や知識を司る「意味記憶」、運動の慣れを司る「手続記憶」、思い出を司る「エピソード記憶」…多分魔道書?て奴は意味記憶だと思うわ、貴方達が禁書目録と楽しく過ごした思い出はエピソード記憶…て事になるわね…だから脳が圧迫されるなんて脳医学状あり得ないのよ…」

 

「脳医学……それは何だ?科学の事は僕は知らないからな…何を言ってるのかさっぱりだ」

 

操祈が禁書目録の脳がパンクする事はないと断言し美琴が詳しく説明する…この二人常盤台の学生だけあって博識である

 

「つまり…禁書目録が死ぬはずがないと…?しかし一年周期、記憶を消す時に禁書目録は苦しんでいる…それなら何故」

 

「それは知らねえけど…あんたら誰に教えてもらったんだよ?もしかして上の魔術師かお偉いさん?ならそんな奴が親切に教えると思うか?学園都市でも言えるんだけどさ…そうやって教えてくるやつほど怪しいもんだぜ?俺も一回騙されかけた」

 

「お前かよ……でも魔術だからその魔道書が関係してるて線も…兎に角脳がパンクする事は脳医学的にはあり得ない…でも魔道書だからあり得なくも…」

 

「……あなた方も禁書目録を救いたい気持ちは分かりました…後四日で記憶を消すのでそれまでいい思い出を…ここは引きますよ」

 

火織がそう告げるとミッチェルが日傘を一振りし巨大な風がステイル達を包み空へ浮かび上がる

 

「そこの短髪、情報を与えた事には感謝する…が僕達は禁書目録の記憶を消すよ…それが最善の策…僕逹は最後まで彼女の敵になるよ…精々彼女を喜ばしてくれ」

 

ステイルはそう淡々と呟くと風が舞い上がり空の彼方へ消えていく…そして風が舞い上がった先から煙草が落ちてきて地面に当たると燃え盛り辺りから人の声や車の音が聞こえてくるようになる…人払いのルーンを消したのだ

 

「……俺逹はどうすればいいんだ…」

 

「当麻………」

 

上条はそう呟き美琴と操祈もどうすればいいのだと顔に手を当てて考える…浜面もどうしたらいいのか分からない…全員、考え事をしていたせいで気づかなかったがステイル逹と話していた時から携帯が怪しく光っていた事に終始誰も気付かなかった

 

 




さて次回は一巻終了にしたいなぁ…え?早すぎる?大丈夫魔神がいるから(意味不明)…後次回は自分でも詳しく調べたのですが…少し都合良すぎかも…まあ魔神だし(意味不明)次回も早めに送りたいです


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七話決戦、10万3000冊の魔道書

今回で一巻、率いて二巻は終わります…え?何で二巻も?あと今回は長いです、劇中に出てくる魔術はオリジナルですが原点も詳しくわかる様書いたのでお許しを…禁書目録て他の作品だと強いからここでも強くしていいよね?後火織さんやミッチェルさん、ナサニエルさんの活躍少なめです

後週一投稿になるかもしれませんが許して下さい


火織達との邂逅後、浜面達は朝方になって小萌の所に行き小萌のパジャマを着て寝ている禁書目録を見てホッとしていた…どうやら治療は成功しているようだった

 

「良かった…生きててくれて……なあお前ら…」

 

「ああ…生きてて良かった…ありがとう先生…」

 

「いえいえー…でも先生は凄い体験をしたと思うのです、天使が出てきたり床に沈んだり部屋が歪んだり…とんでもない体験だったのですー!」

 

浜面達は禁書目録の傷が治っていた事に息を吐き、上条が小萌にお礼を言うと小萌はプンスカと怒った後真面目な顔になり浜面達を見つめる

 

「それで、上条ちゃん達は何があったんですかぁー?この子は上条ちゃん達の何なんですー?」

 

「……妹…あ、すみません嘘ですから泣かないでください…ここの美琴が説明しますよ!」

 

「はぁ!?当麻あんた……この子はですね…私の姉…ごめんなさい嘘です…嘘ですから頬を膨らませて泣きそうな顔しないでください…操祈…あんたが説明しなさい…」

 

「えぇ!?……コスプレ同好会で出会った知り合いで…通り魔に刺され「じゃあアンチスキルに連絡を」……浜面さん説明お願いねぇ」

 

「お前ら……この子変な奴らに追われてて上条の部屋のベランダに干されてて…保護してたんです…で気付いたら刺されてて…で先生はこの事を理事会に教えるんですか…」

 

上条は必死に誤魔化そうとするが小萌には嘘とバレ泣きそうになり上条が美琴に誤魔化すよう言い、美琴も失敗し操祈も浜面に回し浜面は魔術の事は隠して本当の事を言いその事を理事会に言うのかと問うと

 

「ですー…何に巻き込まれたか知りませんが学園都市で起こったなら報告する義務が先生にはあるのですー!解決するのは先生の義務で大人の義務ですから…」

 

「……先生…この通りだ!報告しないでくれ!」

 

「私からもお願い!これは私達の問題だから…お願いします!」

 

「私からも頼むわぁ……これは私達の問題なの…だから…」

 

「俺からも頼む…先生には沢山借りがある…だから巻き込みたくない」

 

浜面達は小萌に土下座してまで理事会に報告しないよう言い…小萌は驚きながらもはぁーと息を吐いて扉を開けて何処かへ行こうとする

 

「……じゃあ私がスーパーに行っている間が執行猶予ですです…帰ってきたら教えてもらうのですー……でも先生買い物をしてると忘れてるかもなので上条ちゃんから話してくださいね」

 

小萌はそう言うと部屋から出て行き外へ出て行く…美琴達はそれを聞かないでくれると感じ取った…すると禁書目録が目を覚ます

 

「……おはよう…みこと、みさき、しあげ、とうま……」

 

「……ああ…おはよう禁書目録…」

 

「……あの人(小萌)が助けてくれたんだね?後でお礼を言わなきゃ…」

 

「大事に至らなくて良かったな…」

 

「しあげ…うん…死ななくて良かったよ」

 

「そうよ…あんたが死な「そうじゃなくて…」?」

 

目を覚ますと禁書目録は明るい笑顔で浜面達に目覚めの挨拶をし死ななくて良かったと言うが禁書目録が言っていた意味は…

 

「だって私が死んじゃったら…君達が悲しむ…そんなの君達には背負わせたくないから…て…」

 

「!……馬鹿だなお前……」

 

禁書目録は自分が死ねば浜面達が死なせてしまったと言う業を背負わせる事が分かっていたのでそれで死にたくなかったのだろう…それを知った上条は驚いた後苦笑する

 

「ごめんね、私の所為で……私に関わった所為で…」

 

禁書目録の言葉は最後まで続かなかった…美琴と操祈が禁書目録に抱きついたからだ…上条と浜面は呆れて溜息を吐く

 

「……禁書目録…私達をもっと頼りなさいよ…」

 

「馬鹿ねぇ……友達なら頼ってくれてもいいのに…」

 

「……禁書目録…魔術だか何だか知らねえが…そんなもん俺達が何とかしてやるよ…」

 

「…何だか君達がシスターや神父さんみたいだね……本当に知る覚悟はあるの…?魔術について…知る覚悟が…私の…」

 

禁書目録は浜面に語り始める十字教が政治を混ぜたことにより分裂して対立した事、イギリス清教出身でイギリスは魔女狩りや異端狩り…対魔術師に特化した道を選び…敵を知るために作ったのが必要悪の教会(ネセサリウス)…それこそが

 

「私の頭の中にある10万3,000冊の魔道書て事…そもそも必要悪の教会は穢れた物(魔術)は心が穢れる、穢れた者(魔術師)に触れれば体が穢れる…その穢れを受け入れるのが…」

 

「それがお前てわけか…そんな事のためにお前に叩き込まれたのかよ…そんな本消せないのか?焼けばいいじゃないか」

 

「…魔道書は目にするだけで脳は汚染されし完全な破壊は無理なんだよ…君の右手は例外かもだけど…」

 

「そんな大事な事早く言えよ…」

 

「……だって信じてくれるかわからないし…嫌われると嫌だから…」

 

禁書目録はそう言うと涙目になり布団を被ってふるふる震える…それ程嫌われたくなかったのだろう…それを聞いた浜面達は何度目か知れない溜息を吐き全員が禁書目録の額にデコピンする

 

「……もっと私達を信用しなさい…確かに魔術を見る前は信じなかったかも知れないけど…そんな本気の目なら信じるわよ」

 

「そうだ…俺が…いや俺達が高々魔道書10万3,000冊覚えたお前を怖がると思うか?俺はそれより美琴より強いて言うレベル5の第1位と第2位を怖がるね!…それに俺には右手があるし…美琴や操祈は強いし…浜面は…拳銃持ってたけ?後腕が銀色に光る!」

 

「今は持ってねえよ……今は…後腕の事はあまり言わないでくれ…」

 

「……ふぇ…でもとうまは補習で出て行ったし…みこととみさきは学校が午後からあるて言ってたし…」

 

禁書目録はデコピンされた額を抑えながら上目遣いで上条達が言っていた補習や学校のことを言うと浜面以外が顔を背ける…

 

「お前ら……」

 

「言ってたよね?しあげ以外、学校がどうとか…」

 

「「「…………………………………」」」

 

「私がいると居心地悪かったの?ねぇ?三人共………私がいると悪かったの」

 

「「「………………………」」」

 

浜面が横目で三人を見ると三人は禁書目録から顔を背け禁書目録は彼等に近づくが…誰も目も合わせず顔を赤らめるだけ…そして禁書目録が口を開いその歯で上条達に噛み付いた…浜面が苦笑いしているとその時外から小萌の声が聞こえ浜面は帰って来たのかとさっき扉を開けると…そこにいたのは

 

「神父さんがタバコを吸うのは変だと思いますですよ?それに貴方は未成年だと思うのです」

 

「ああ!鬱陶しい!そこを退いてくれ!」

 

「………」

 

「待ってください…なぜ無言で扉を閉めるのですか…」

 

浜面の目に映ったのはタバコを吸おうとしているステイルにそれを止めようとしてピョンピョン跳ねている小萌の姿が見えたので浜面は扉を閉めようとして火織に止められた

 

「何よ赤髪男にロリコン軍団…また禁書目録が目的」

 

「ロリ……!?…まあ、いいでしょう…まあ我々としては彼女を四日後に…記憶の排除の時に引き渡すのなら…自由にしてもいい…そう言いに来たのですよ…」

 

「……本当かしら?」

 

「……あの子の楽しそうな顔を見てるとね…記憶を失う時まで笑ってて欲しいのよ…貴方達だって禁書目録が死なせたくないのでしょう…?なら四日後に渡せばそれでいいのよ」

 

ステイル以外がロリコン扱いされ怒りかけるが冷静になり禁書目録を記憶を排除する時までなら預けると言いそのまま去ろうとする…それを上条が止める

 

「……お前らはそれでいいのかよ…誤解させたままで…」

 

「誤解?何の話をしてるんだよとうま?」

 

「……いいのさ、これで…彼女が幸せなら」

 

話が分からず混乱する小萌と禁書目録にステイル達はその場から立ち去ろうとするが…直後浜面の携帯が鳴り浜面が急いで電話に出ると

 

『……漸く繋がったか…待たせたな小僧』

 

「!……連絡遅かったな…アテナ…さんだっけ?」

 

『中々良いものが見つからなくてな…だがそちらは大変な様だな…10万3,000冊の魔道書か…厄介事に巻き込まれやすいのだな貴様は…ずっと見ていたが…』

 

「!?何で知ってんだよ…ストーカーですか?」

 

浜面は携帯を通じて異界にいるアテナの話し合うが…誰も話についていけない…そもそも誰と話しているか

 

「先生…禁書目録を連れて中にいてください…話は聞かれたくないので…」

 

「え?あ、はいなのですー!」

 

「ちょっと待っんだよしあげ!?それは誰から!」

 

「……誰かな君は?」

 

小萌は何か言いたげの禁書目録を連れて部屋の中に入りステイルは電話の話主であるアテナに擬人的な目を携帯へ向ける

 

『……魔神の一人…と言っても通じないかも知れぬか…魔術を極めたものの一人だ…炎の魔術師…さて本題に入るか…あの娘…禁書目録と言ったか?…後、そこのツンツン頭以前言っていた魔道書があの娘の脳のパンクに繋がるのは関係ない…そもそも10万3,000冊では死なぬよ』

 

「……貴方は何故そこまで知っている?」

 

『知れた事…妾も昔…人間だった頃に10万3,000冊の知識を埋め込んだが…死なぬかったからな…』

 

アテナは前に上条が言っていた話を聞いていた様で詳しく説明するとナサニエルがなぜそこまで知っているか疑問に思うがアテナは自分も同じだったからと素っ気なく言うがそれを聞き流すはずもない

 

「あんたも10万3,000冊の魔道書の知識を禁書目録みたいに…?」

 

『言っておくがそこの魔術師は関係ない…魔神になるには10万3,000冊の魔道書の知識が必要だからな…大抵の魔神達は10万3,000冊の魔道書の知識を知っているはずだ…何せそれが魔神になるに必要だからな』

 

「……誰かは知らないが変な事を言えば「首輪」何?」

 

浜面と電話で喋るアテナだったがステイルが携帯を無理やり奪い取り脅しをかけるがアテナは不思議な単語を言う

 

『あの娘にかかっているのは首輪…と言う魔術だな…あの娘に首輪をかけ記憶容量を異常圧迫し、一年以内に記憶消去をしなければ狂死する体質に変えている様だな…お主らには違う事を伝えている様だが…』

 

「……今までの症状と当たっている……貴方は一体……」

 

『妾が何者かはどうでもいい…二択だが先の娘を助けたくないか助けたいのか選べ…あの娘を助けたくないのか?』

 

「……助けたいに決まっている…だか会ったこともない奴の話を信用するほど僕達は愚かじゃないのさ」

 

ステイルはそう言って口から煙を吐く…確かに会ったこともない人物に手を借りるほど彼等は愚かではないだろう…

 

『……そこの幻想殺しなら…あの娘の喉にある紋章を破壊できる……が自動書記が発動してしまうな…あの娘は…オッレルスと言ったか?…あの魔神のなり損ないに等しい力だ…貴様らではまず勝てないだろうな…』

 

「ちょっとあんた!助けられのか助けれないのかはっきり言いなさいよ!」

 

『やれやれ……気の短い娘だ…要するにあの娘を上回る力を持つ者…魔神たる我等が力を貸してやる…浜面と言った小僧にはヌァダの阿呆がした粗相のお詫びもせねばならぬ…あの娘の救済で手を打とう』

 

「ありがたい…でもあんたら此処に来れないんだろ?来たら世界が滅びるとか…」

 

『……確かにな…我らは世界の許容量が軽くオーバしてしまうからな…ゾンビの奴の術式もまだ未完成…忘れられた神もこのような時にいない…仕方ない…ウルスラグナに頼むか…今日の夜には来る…待っていろ』

 

「おい!?……切れやがった…」

 

アテナはそう言うと一方的に電話を切る…それを聞いたステイル達は冗談としまた来ると言ってその場から去る…それからアテナからの連絡はなくステイル達も一応はアテナの言葉を信じ部屋で待ち続ける…小萌は夜になるとこの場の雰囲気に耐え切れず銭湯にいってしまった

 

「…何でこいつらも此処にいるんだよとうま」

 

「……それはですね…人には言えない事情が」

 

「おいまだなのか?遅いぞ…まだ儀式まで何日かあるが…遅過ぎる……いい加減にしろ」

 

「……そうは言われてもですねぇ…そう言えば俺の右手なら破壊できるていってたよな?…でも今まで触れてるし…服は破れたし…なあどこ触れてなかったけ?」

 

上条がその場の雰囲気から逃れようとそう浜面に聞いてみるが

 

「あ"あ?そう言えば水に流してたけど…歩く協会を壊したて事は禁書目録の裸見たのか?……燃やすぞ?今すぐその時のことを教えれば許してやる」

 

「ひ……なあマジでどこに触ってなかったけ!?性的な意味ではなく!」

 

「……喉て言ってたから喉だろ普通」

 

「なら…喉の中に右手を入れるしか…おい赤髪…じゃなくてステイル…だったよな?ちょっと口元開けてくれないか?…ほらセクハラになりそうだし」

 

「いや喉に手を入れるのもセクハラよ…それにステイルがそのような事「いいだろう」ステイル!?」

 

ステイルが禁書目録の裸と見たと言うと怒りを露わにするが咄嗟に上条は禁書目録の喉に手を入れようとするがそれだとセクハラになりそうなのでステイルの手を借りる…ステイルが若干乗り気なのは言わないでおこう、それを見たミッチェルはステイルが頷いたの見て驚く

 

「やめるんだよとうま!赤髪!」

 

「悪い禁書目録…でも嫌だったらこのステイルが止めるから…」

 

「大丈夫だ…これはこの男が変な事をしない様に…監視するだけ…そして少し口を開けるだけだ…これは犯罪じゃない…」

 

「とうまじゃなくてこいつに触れられるのが嫌なんだよぉ!」

 

禁書目録は嫌々と体を動かせステイルに触られるのを嫌がる…その所為で思ったより喉の奥に右手が紋章に当たり…ガラスの割れた様な音が聞こえステイルと上条が吹き飛ぶ

 

「「ぐぇ!?」」

 

「これは!?」

 

『警告、第三章第二節。禁書目録の『首輪』、第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備……失敗、『首輪』の自己再生は不可能、現状、一〇万三〇〇〇冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します』

 

以前見た機械的な表情に眼球の中に血のように真っ赤な魔法陣が浮んだ禁書目録を見て全員が絶句する…

 

「これは……魔術…やはり本当に我々は…協会に…あの女狐に騙されていたわけか」

 

「いやこれどうするんだよ!?上条が触れたらこうなったけど!?」

 

「取り敢えず…魔神?て奴が来るまで持ち堪えるわよ!」

 

全員が禁書目録…自動書記(ヨハネのペン)を抑えるために戦闘態勢に入る…

 

『聖ジョージの聖域 発動……竜王の殺息(ドラゴンブレス)』

 

「竜王の殺息だと……!?伝説とも言われる聖ジョージの…これほどの高位魔術を…!」

 

「危ない!」

 

部屋全体を覆うような空間の裂け目が展開され……その魔法陣から白き光線が放たれるが咄嗟に浜面が銀色に光らせた右腕で握った警棒で光線を防ぎ光線が警棒を中心に二つに割れ小萌の部屋を破壊し消滅させ無数の光の羽へと変わる…火織が畳がワイヤーによりすくい上げて禁書目録を魔法陣ごと上を向かせ光線は上へと放たれる

 

『第三十一章 第二十五節 敵兵の魔術を解析中、データ不一致、ペクスヂャルヴァの深紅石を発動します』

 

禁書目録がそう唱えると共に浜面達の足からまるで見えない力が這い上がってくるかのように足に激痛が走る…まるで骨の関節を強引にずらされたかのような痛みに浜面は警棒を落としそうになり美琴と操祈は手に持ったコインやリモコンを落とす、ステイル達でさえ痛みのあまり動けない…が上条が素早く自分の足を右手で触れ無効化し全員の足を触って無効化する

 

「…助かった…上条当麻…感謝する」

 

「ああ……だけどあれだけじゃ終わりそうにないぜ?」

 

『炎の巨人の剣を展開』

 

禁書目録は更に北欧神話の巨人スルトルの炎の剣(レーヴァテイン)を生み出し小萌のアパートの天井を焼き尽くし空に浮かび上がる以前見たステイルの炎剣とは比べ物にはならない大きさと熱量で上条達を焼き殺そうと剣が振られるが上条が触れると消失する

 

『魔法の槌を発動、撃退と追放の棍棒を使用』

 

「次が来るわよ!」

 

「キリがないわね本当に!」

 

次に発動したのは風と雷を纏った棍棒…ウガリット神話のバアルが持っていた武器アィヤムル(撃退)とヤグルシュ(追放)を術式に組み替えその攻撃が二手から上条達を襲う…片方を幻想殺しで破壊しても片方が誰かを殺す…がそれを浜面は警棒で斬り裂き片方がもう一方を破壊する、だが即座に現れた大きさ1メートル程の巨大な槌が禁書目録の近くの地面を叩くとその地面から剣や槍などの形をした武具が誕生する…

 

「ケルトの鍛治神 ゴブニュの槌を術式にした魔法か…!後二回地面を叩けば完璧な武器が生み出されてしまいます!」

 

「さっきから何このチート魔法のオンパレード…私役に立たないのだけれどぉ…」

 

「あぁ!もう!目が覚めたら覚えてなさい禁書目録!」

 

槌がもう一度地面を叩くと武器が更に鋭くなり槌が3回目を叩こうとするがそれをナサニエルが緋文字の鞭で槌の動きを止め、ミッチェルが風の魔術で武器を風化させ土塊と化す

 

『…魔術の解析完了、対十字系術式を構築、千ノ劔を展開、放射。雷霆神の弓と矢を展開します』

 

次に放たれるは頭上に現れた一千の劔…日本神話の須佐之男命が天照に反旗を翻し城塞がわりに一千の剣を地面に突き刺した逸話を元にした術式と一千の劔より頭上にある逆さまの虹はインド神話のインドラの弓…そして虹に番えられているのはインドラの矢…かつて長島や広島を焼き尽くした核…それの数千倍は下らない核の矢を降らそうと言うのだ

 

「雷霆神の弓…て事はインドラ…で矢てことは核じゃねえか!?第三次世界大戦が起こるぞ!?」

 

「この場合は大惨事世界大戦「ステイル、お前は黙ってろ」……すまない浜面 仕上」

 

「上条さんでもあれは防げそうにないぞ!?」

 

「超電磁砲(レールガン)でもあれは撃ち落とせそうにないわ……第3位やめようかな…」

 

禁書目録が展開した大魔術に全員が唖然とする流石の幻想殺しもあれだけの数の攻撃を無効化するなど不可能…浜面や火織が切り裂いたところで、電撃で破壊したところで魔術で破壊しても串刺しになって死ぬだろう…最悪千ノ劔は防げても…インドラの矢は防げそうにない……そして千ノ劔が放たれ劔の雨が無残にも浜面達を串刺しにするその死の雨は…

 

「消えろ」

 

たった一言、それが浜面の耳に届くと同時に千ノ劔は消えていった…浜面達は疎か禁書目録ですら一瞬の出来事過ぎて何が起こったか理解できなかった…そんな中ナサニエルが後ろを振り向くと驚きで目を見開く…

 

「……何故ここにあなたがいる…アウレオルス=イザード…?」

 

「…必然…魔神と名乗った人物に教えられ…禁書目録…かつての教え子を救う為馳せ参じた…」

 

「このお兄さんは?」

 

「僕らと同じ禁書目録の三年前のパートナーさ……行方不明になってたけど…こんな所にいたとはね」

 

「…折角禁書目録を救う為吸血鬼にしようと考え連れてきた吸血殺し(ディープブラット)も役に立たなくなったな…まあ彼女を救っただけマシとするか…当代の彼女のパートナー達よ…僭越ながら力を貸そう」

 

「何だかよく分からないけど…助かる!」

 

かつての禁書目録の先生だった魔術師 アウレオルス=イザードが加わり全員が心強く思う…が禁書目録は冷静に解析を続ける

 

『新たな敵兵を確認……魔術を解析します……インドラの矢発動』

 

「…ふん、インドラの矢は軌道を変え上空へ」

 

禁書目録は先程の魔術の解析をすると共にインドラの矢を放つ…が軌道が変わり遥か虚空へ向かっていってしまう…これが世界の全てを呪文と化し、それを詠唱完了することで行使可能となる錬金術の到達点とされる大魔術黄金錬成(アルス=マグナ)である…空想を現実へと変える最早最強の魔術は禁書目録の攻撃を防ぐ…ただ本来なら数百年詠唱にかかるはず…なのだが魔神が一瞬で唱えアウレオルスに使えるようにした

 

「これは勝てるんじゃない!?」

 

『敵の術式が判明、すぐ様術式解除を行います、更に島潰しを緊急発動します』

 

「なあ!?何んだこれ…凄ぇ…体が重い…!?」

 

アウレオルスの登場により希望を持ち始めたが禁書目録がギリシャ神話のアテナが巨人を島で圧殺した逸話を魔術にした島潰しを発動し上条以外が床に倒れ臥す…島潰しは体全体に発動する為上条は右手のお陰で助かり全員に触れ解除するが…禁書目録が先に動き始めた…何やら大魔術を発動しようとしているようで上条達は動こうとするが…下半身が塩に変わる

 

『第二章 第六十六節 ソドムの柱を展開、太陽を追放せよを緊急展開……ニガヨモギの破滅完全発動まで後60秒』

 

「!ニガヨモギの破滅だと…あれが発動すれば…この学園都市が壊滅するぞ!?それに二次災害として学園都市を中心とした約30キロメートルの人間が狂気に陥る禁忌の大魔術を…」

 

「太陽を追放せよ…これだけでも死ぬぞ…不味いな…どうすれば」

 

「ち…アウレオルス?さん!早くあのチートな魔法で!」

 

「……無理だ…術式が解除された今…大部分が使えぬ…」

 

ソドムの柱は人を塩の柱へと変換させる魔術であり、太陽を追放せよはかつてテスカトリポが原初の太陽となった時ケッアルコアトルに叩き落とされた神話のモデルとした魔術、そしてニガヨモギの破滅は黙示録にも記される世界の三分の一の川を破壊する隕石であり人がそれにより死ぬ…それを再現した大魔術である…アウレオルスの黄金錬成が大部分が解除された今落ちてくる小型の太陽を防ぐ術はない…筈だったが

 

「おじさん…でっかい金属て作り出せない?」

 

「憮然、私は十八だ…金属だと?私は錬金術師だ…それくらい簡単に生み出せる」

 

「ありがとう……さて学園都市…レベル5の第3位本領発揮てね…」

 

美琴は作り出された1メートル半ぐらいの塊にローレンツ力で弾き飛ばし…全身全力のレールガンを放つ…彼女のレールガンは観測の時は威力を名一杯落とし尚且つプールの水で威力を抑えねばいけない程であり…全力で放ったレールガンは太陽にぶつかり…互いに消滅する

 

「……後は任せたわよ…もう電力切れ…」

 

「美琴……ありがとな!」

 

「だがニガヨモギがまだだ…後30秒…それ以内に彼女にもう一度触れれば…全てが終わる!」

 

「分かった!もう一度触れれば…」

 

『ニガヨモギの破滅まで後29秒…足止めとして竜王の殺息を発射します、ニガヨモギの破滅から禁書目録を守る為天空神の鎧(ゼウス・アイギス)を展開します』

 

禁書目録は足止めとして竜王の殺息を上条に放ち自分はニガヨモギの被害に遭わない為アイギスの盾をモチーフにした雲を沸騰とされる防壁となり禁書目録を守る…

 

「魔女狩りの王!」

 

『無駄です、神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)に切り替えます』

 

ステイルが魔女狩りの王で竜王の殺息を防ぐがそれを神よ、何故私を見捨てたのですかに変え再生を弱らせ魔女狩りの王が消えかかる…その前に浜面が飛び出し絶対防御の筈の天空神の鎧を斬り裂き魔法陣を斬り裂き神よ、何故私を見捨てたのですかも消えるが禁書目録が放った風により吹き飛ばされる

 

「何とか鎧は消したけど、もう打つ手がないぞ…どうするよ…?」

 

「……ニガヨモギがもうそこまで…はは…終わり…なのかな?」

 

『ニガヨモギの破滅の衝突まで後8秒…7秒…』

 

「ここで終わりなのか!?」

 

ニガヨモギが完全に学園都市に衝突する…寸前奇跡が起きた

 

「待たせたのう」

 

そんなこの場に場違いな声が聞こえるとニガヨモギが消滅する…一瞬の出来事に呆然とする一同の前にその人物は現れた

 

「遅くなったな…アテナに呼ばれ現実世界へと現れた…ウルスラグナと言う…よろしく頼む」

 

「山羊だ……」

 

「うむ、この姿は我の化身…最も魔術を得意とする姿よ…この姿であの女子の術を解除しようと考えたが…それは幻想殺しに任せよう……なら大鴉の方がいいな」

 

ウルスラグナと言った魔神の姿は浜面の腰ぐらいまでの大きさの山羊…そして体を光らせ次の姿へと変わる…その姿は上条の頭より少し大きいぐらいの鴉…そしてその鴉が羽を撒く…そして再び竜王の殺息が放たれるがこの羽根に当たると竜王の殺息は羽根によって防がれる……本来は術者…禁書目録に跳ね返す事が出来るのだが…禁書目録を傷つけぬ様に今回は守りに徹している

 

「光の羽が生み出されない…まさか消滅していないのか…?」

 

「いけ、幻想殺し…早くあの女子の顔に触れよ…羽根の加護がある内に」

 

「……ああ!」

 

上条はウルスラグナの羽根が自分の近くを舞うのを見ると禁書目録に向かって走り出す…禁書目録は竜王の殺息で反撃するが…全て羽根に防がれ禁書目録は転移しようとするが体が動かなくなる

 

「最後くらい…カッコつけなちゃね」

 

「ありがとう操祈!」

 

操祈が一瞬の隙をついて禁書目録の動きを止める…ほんの一瞬…されどその一瞬がチャンスを生んだ

 

「神様…この世界がアンタの作ったシステムの通りに動いてるんだってんなら……まずはその幻想を俺達がブチ殺す!」

 

上条の拳が禁書目録の頭部にぶつかり…禁書目録が吹き飛び……全てが終わった

 

『最終章…第0節…首輪…破…警………告……再生……不…可』

 

「……終わったのか?」

 

「…うむこの女子にかけられていた呪縛は…解き放たれた様だな…」

 

「終わったのか……全て…」

 

禁書目録が倒れると全員も安堵で倒れる…だがウルスラグナのみ禁書目録に近すぎいつの間にか山羊に姿を変えていた様で山羊の脚を禁書目録の胸に置きそこから電流を流し禁書目録に流し込む…それを見ていたステイルは怒声をあげる

 

「貴様何を!?」

 

「黙っておれ……今直している最中じゃ……なかなか複雑でな…それに術の後遺がないか見ておる……これでいいじゃろ」

 

ウルスラグナはそう言うと脚を退ける…すると禁書目録が目をゆっくりと開ける

 

「禁書目録……大丈夫か?」

 

「とうま……みこと…みさき…しあげも助けてくれて…ありがと…」

 

「……この場に僕らは不要な様だな「待ってステイル」…え?」

 

禁書目録は目を開けて立ち上がると浜面達に感謝の意を伝えステイル達は自分達は邪魔だとこの場から去ろうとするが…それを禁書目録が止める…名乗っていない筈の自分の名前を言って

 

「ごめんね、ステイル、かおり、ナサニエル、ミッチェル、先生……忘れてたとはいえ…酷い事言っちゃった…ごめん」

 

「……禁書目録…君…記憶を…?何故?」

 

「…言っておくがな、人間の記憶とは何も脳だけではない…心臓も記憶しているのだ…そこから記憶を見つけるのは大変だったぞ…まあ遅くなった詫びだ…受け取れ」

 

禁書目録が何故自分達の事を思い出したのかとステイル達が呆けている時ウルスラグナがそう言ってステイルの横を通り過ぎる…禁書目録は涙を流しながら満面の笑みでステイルに笑いかける

 

「えっと…言いたい事は沢山あるけど……皆…ただいま…かな?」

 

「「「「「……おかえり」」」」」

 

ステイル達はその言葉と共に禁書目録に涙を流して抱きついた…上条達も貰い泣きしている中浜面のみウルスラグナに尋ねる

 

「本当に…禁書目録の記憶を取り戻してくれてありがとう」

 

「礼には及ばぬさ…それに案外あの女子は……奥底では覚えていたのかもしれぬぞ…我はそれを呼び覚ましただけに過ぎぬ」

 

「奥底…どこに覚えていたんだよ?」

 

「決まっているじゃろう?心に…ではないか?ではこれ以上はこの世界にいられないのでな…また会おうヌァダに気に入られた者よ」

 

ウルスラグナはそう言うと霧の様に消えて行った…こうして禁書目録の事件はハッピーエンドで終わった……がこれはまだ浜面に襲い掛かる事件のプロローグの終わりである事は誰も知らない

 

 




アウレオルスさんの乱入…予めアテナさんが教えていた様です…あれこんな展開他の小説であった気が…まあこれで二巻はやらなくて済む…ハッピーエンドで終わったし…因みに医学的にも心臓が記憶を覚えていると言うのは実際にあります…心臓を入れ替えると性格が変わったりとか前の心臓の持ち主の性格に変わる様です…まあ御都合と考えて下さい…因みに姫神さんの出番は未定、魔術の詳しい説明が欲しいのなら感想にて説明します…ギリシャとか誰でも知っている様な逸話がモチーフで申し訳ないです……

ウルスラグナさんが現実世界に出れた理由は化身を二つに絞り力を限界まで下げ残りの化身に譲渡しているからです、ただし制限時間付き、大鴉は破邪の力…悪い呪いを相手に跳ね返すので魔術無効とかなりチート臭い…魔神だから大丈夫な筈

さて次回はオリジナル回…漸くヒロインが出てきます…そしてオリジナルレベル5も…次回も早めに更新せねば…


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八話風斬 氷華

サブタイの通り出てくる人物は…彼女です…いや風斬さんがヒロインの小説て少ないので……過去捏造があるので注意


窓のないビル…学園都市の統括理事長が根城としている建物で、同じ高さのビルが3つ斜線上に連なって並んでおり、建物全体が常にピンク色のオーラのような光芒を纏っているという摩訶不思議な建物で核兵器を喰らっても無事という『演算型・衝撃拡散性複合素材(カリキュレイト=フォートレス)』と呼ばれる特殊装甲で構成されているからだ…中には窓もドアも廊下も階段も通気口も設けられておらず空間転移能力者でなければ入ることすらできない…そこに今ナサニエルはいた

 

「……イギリス清教の女狐は禁書目録について話せば禁書目録は暫く学園都市におけと…あの女狐が…」

 

『そうか…』

 

ナサニエルが今喋っている者は男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える人物…言葉では説明できぬ存在…仮に男性としておこう…彼の名は学園都市 統括理事長 アレイスター=クロウリー…彼は緑の手術衣の様なものを着て謎の液体が入ったビーカーの様なものに逆さまになって浮かんでいた

 

『……さてもうお客人にはお帰り願おうか…私には計画(プラン)を進めなければいけない…その為にイレギュラーを排除せねばならない』

 

「…プランとやらは知りませんが…そのイレギュラーとは?」

 

『ふむ…確か…浜面……仕上と言ったかな?あの忌々しき魔神と関わりを持つ少年を計画の不安要素として今の内に殺そうと思ってね』

 

「……あの男を殺そうと言うのか…魔術師 アレイスター=クロウリー!」

 

アレイスターは不敵な笑みを浮かべたまま禁書目録を救う術を見つけてくれた恩人の一人を殺そうとしているアレイスターをナサニエルは睨みつけ魔術で攻撃しようとするが…それを堪える…自分では勝てぬと知っている為それをやめた

 

『……さて第5位に連絡を入れておくか……魔神…貴様らの好きにはさせんぞ』

 

アレイスターはそう呟くとほんの一瞬に普段からでは想像できない様な苛立ちと憎悪になるがすぐにそれは収まり静かに瞑想する

 

 

「……久しぶりに普通…何もおかしくない日だ…日常て素晴らしいなぁ」

 

「どうした浜面…」

 

浜面はとあるビルにて大の字になって寝転がり幸せそうな顔になる…あの禁書目録の事件後にステイル達はアウレオルスを連れてイギリス清教に戻るといい、禁書目録を上条に身を預けてイギリスへと帰国した…禁書目録は恐らくウルスラグナが直したであろう歩く協会の効力が戻った事と記憶を取り戻した事に喜んでいた…魔術は相変わらず使えない様だが時期に使える様になるとアテナが言っていた…浜面はもう魔神達と関わらないだろうなと思っていたが浜面の腕を治す方法が分かるまでは連絡を続ける様で度々アテナやウルスラグナと電話で話したいた…最も元凶のヌァダとは一切話したことはないが、二柱の魔神以外にも僧正と名乗った魔神とも喋ったが基本はアテナが電話に出てくる

 

「いやぁ…人助けは気持ちいいな…うん…もうあんな出来事は起こってほしくないけど……」

 

「……何があったんだよ…」

 

「え?……親友の家に行ったらそこのベランダにシスターが引っかかってて、でシスターの保護者と喧嘩して火災が起こったり友達が出血したり、そのシスターが死にかけたり、最終的にその保護者と共闘してシスターの攻撃を防いでたらそのシスターの元先生がきて最終的に俺の親友がシスターの頭部を叩いて保護者に泣きながら抱きつかれてた…てだけかな」

 

「何だその小説なら一巻丸ごとみたいは出来事は……?」

 

浜面は自身が所属するスキルアウトの計画担当の服部 半蔵(はっとり はんぞう)に禁書目録との出来事を所々伏せて簡潔に話すと半蔵は呆れた顔で浜面を見る…服部 半蔵と名前を聞けばわかるかもしれないが彼は凋落した服部家の末裔であり服部半蔵の名を受け継いでいる、忍びの技術を使った隠密行動が得意である

 

「それよりお前凄いよな…レベル5の知り合いが二人いるんだろ?…いつか前にレベル5のあの金髪の嬢ちゃんを連れてきてくれたおかげで無能力者狩りしていた能力者を追い払えたからな…あのツンツン頭のお前の親友も凄かったけど…」

 

「俺達無能力者は能力が無い分拳銃とか武器に頼ったり体を鍛えたりするしかねえがそれでも能力者との壁は厚い…ならレベル5の力を借りれば無能力者狩りの連中は萎縮するんだよ…第3位の方が効率いいかもな」

 

「……第6位でもヤベェのに…お前は本当に人脈あるよな…あのツンツン頭といい、金髪の嬢ちゃんといい…」

 

「ああ…(最近魔神や魔術師ていうヤバイ奴らと交流することが出来たていっても信じないだろうな)」

 

浜面は自分でも思う中々ヤバイ交流関係を思い直す、レベル5の第3位に第6位…それに幻想殺しに魔術師四名、禁書目録、魔神…人脈が無能力者のスキルアウトにしてはチート過ぎると自分でも思う…

 

「……浜面…久しぶりだな…」

 

「……利徳、久しぶりだな」

 

「……何やら変な事をしていた様だな…まあ人助けなら何も言わん…それよりまた無能力者狩りが起き始めているのが問題だ」

 

「またかよ……懲りないな能力者て」

 

背後に現れた厳つい筋肉が特徴なゴリラの様な体型の男 駒場 利徳(こまば りとく)は浜面に再び能力者が無能力者狩りをし始めていることを伝え、浜面が呆れた様に溜息を吐く

 

「美琴…第3位に言えば退治してくれると思うぞ?あいつ自分が努力してレベル5になったから無能力者狩りの様な奴等嫌いだろうしな」

 

「……いやそう何度も能力者の手を借りては無能力者狩りの連中はやめない…俺達自身でやらねばならない……」

 

「……やだねぇ能力者て……まともなのは一握りかよ…」

 

「……そうだな…」

 

浜面達は深く息をついて、無能力者狩りの連中をどうするか必死に考える……がそう考えなても中々いい案というのは出て来ない…今日の所は解散となった

 

「利徳はこの後どうするんだ?」

 

「……舶来の所へ行く」

 

「…あの金髪の幼女?ロリコンと思われない様に気をつけろよ…現に俺はこないだロリコンに出会ったからな」

 

「……気をつける」

 

駒場はそう言うと隠れ家から出て行く…半蔵も出て行き…舶来の幼女とは以前駒場が無能力者狩りの能力者から助けた幼女で自分も面識があるが名前までは知らない……

 

「……あいつらには右腕の事言ってもいいけど…まだ黙ってるか…」

 

浜面はそう誰に言うでもないし呟くと隠れ家から出て街を歩く……駒場達が隠れ家にしたここは誰も寄り付かないようなヒビが入ったビル…本来なら他にも隠れ家はあるが一番近いここに集合したのだ、浜面はビルから出てブラブラと街を歩く…最近は非日常だったこともあり平和だなと柄にもなく思い街中を歩く…ふと歩いている人達に目線を合わせると休日ということもありカップルらしき男女が沢山いた

 

「…………女友達はいるけど…彼女はなぁ…いいよな当麻は、気づいてないだけで最低三人もフラグ建ててよ…やっぱり女の子はああいったカッコ良くて正義感溢れる男子が好きなのかね?…いつか後ろ刺されないよな?ヤンデレールガンとかメンヘラアウトとかにならないよな?……不安だわぁ…」

 

浜面は友人である上条のフラグ乱立さを思い出し後ろ刺されないといいなと考えたり、同じく友達の美琴と操祈が変なことにならないことを祈る…そう不埒な事を考えていると視界に浜面の知人が映る…御坂 美琴だ…後ろに知り合いであろう二人の少女もいた

 

「お、美琴!何して「う〜い〜はぁ〜る!」「佐天さん!?」………正面だから見えなかったからセーフ…だよな?」

 

浜面が美琴に話しかけようとすると美琴の連れである頭に花をかたどった髪飾りを乗せた少女にセミロングの黒髪に白梅の花を模した髪飾りをつけた少女にスカートめくりをされ涙目になっていた

 

「美琴……これはどう言う状況なんだ」

 

「浜面……あ、黒子とは面識があるから黒子は置いておくとして、紹介するわね、この二人は佐天さんに初春さん」

 

「初めまして私は佐天 涙子(さてん るいこ)です!こっちは親友の初春 飾利(ういはる かざり)」

 

「…初春です…恥ずかしい所を見せてしまいすみません…その見てませんよね?」

 

「浜面 仕上だ…大丈夫正面だから見えてなかった…一応美琴の知り合いだ…白井も久しぶり」

 

浜面は少し驚いた顔をしながら曖昧に笑う美琴に話しかけると美琴は若干驚きつつもスカートめくりされた少女とスカートめくりをした少女の自己紹介に移り佐天と初春が自己紹介をした所で浜面と自分の自己紹介をした…ついでに初春が若干顔を赤くしながらスカートの中を見てないかと聞くが見てないとはっきり言う…そして一応面識がある黒子に話しかけるが

 

「…スキルアウトである貴方がこんな所に…?私がジャッチメントとして連行しますわよ?」

 

「げぇ!?俺はまだ何もしてねえよ!今月はまだATM荒らしや盗難しかやってねえよ!」

 

「スキルアウト!?」

 

「てか、あんたそれATM荒らしや盗難をやってる自分から言ってるわよ?」

 

黒子に睨まれジャッチメントの腕章を見せつけ浜面は慌てて弁解するが自分から暴露してしまう

 

「やはり!今ここで捕まえて金輪際お姉様に近寄らない様にする必要がありますわね!覚悟なさいこのチンパンジー「黒子ストップ」アバババ!?」

 

黒子が鉄矢を出し浜面に襲いかかろうとした瞬間に美琴が電流を流し黒子をその名の通り黒焦げにする

 

「全く……私の友人関係に首を突っ込まないでくれる?それに浜面は他のスキルアウトと比べたらまともよ…確かにそういった事をするけども…他のスキルアウトと比べたら可愛いもんよ」

 

「ですがお姉様にこの様なチンパンジーを近寄らせるわけには…」

 

「私としてはあんたの方がよっぽど怖いわよ」

 

「はぁ……まあいいでしょう、所詮レベル0がレベル5には勝てないので無駄な心配でしたわね」

 

黒子は美琴に説得され鉄矢をしまう…黒子が知る余地はないが浜面には能力の代わりに銀の腕があり美琴は知っているがあえて教えない…佐天と初春が浜面に話しかける

 

「仕上さんて意外とスキルアウトぽくないですね…見た目はそれぽいけど」

 

「佐天さん!私も思ってましたけどそれを言うのはダメです!」

 

「……酷え…ま、その通りだけど…俺が所属してるスキルアウトは無能力者を能力者から守ってるチームでな…一応それなりの地位にいる…てもパシリみたいなもんだけど」

 

浜面は頭をかきながら恥ずかしそうに言うと初春がポンと手を叩く

 

「ああ!固法先輩も昔スキルアウトにいたて聞きますしそこのスキルアウトのリーダーさんみたいな人なんですね!名前は確か…黒妻 綿流(くろづま わたる)!」

 

「黒妻…ああ、あのビックスパイダーの黒妻か…あの人は噂だけなら聞いたことがあるけど悪い噂は聞かなかったな」

 

「そうなんですよ、私も固法先輩が黒妻て人と会ってる所を見たんですけど結構いい雰囲気でしたね!」

 

「本当に!今度固法先輩に聞いてみよう、あの人いい人なのよね」

 

「それより何で御坂さんがスキルアウトの人と知り合いなのか聞きたいな?出会った時の話とか」

 

黒妻の話をしていた所で佐天が思い切って美琴が浜面と友人なのか聞いてみる

 

「ああ、操祈…レベル5の第6位ともう一人の友人と街ぶらぶらしてた時に美琴がナンパされてて、当麻の奴がそれを止めに入ったらこいつ全然空気読めなくてさ、当麻がいらんこと言って美琴が電撃飛ばしてきて、で当麻がそれを防いだら「決闘だ!」て言ってきてさ」

 

「で当麻に挑んだら逆に負けちゃってね?それからよく見たら第6位がいるの見て学校で問い詰めたら操祈が合わせてくれてね、で当麻と浜面に会って再戦しようとして…で今に至るわけ」

 

「……あれ?今御坂さんが負けたて聞こえたんだけど初春?耳おかしくなったのかな私?」

 

「私も負けたて聞こえました…再戦した後にどうなったのかが気になるんですけど」

 

「お姉様……頼みますからそれをあまり言わないでくださいまし…レベル5の第3位がレベル0に負けたとなると舐められますわ…」

 

「負けたものは仕方ないじゃない、それに私は負けて気づいたのよ、第3位て地位に胡座をかいてたて、まだまだ世界は広いて…最近それをまた知ったから一から鍛えてるのよ…取り敢えず今の目標は最も技を多彩にすることぐらいかしらね」

 

美琴と浜面がサラッと美琴の敗北の話をすると佐天と初春は話についていけず黒子はそれをあまり言わないでと懇願するが美琴は聞く耳を持たず堂々と言い放つ

 

「それで当麻に惚れてそれ以来付きまとうようになって、操祈と当麻の取り合いをしてる…」

 

「浜面ぁぁぁ!!?違う違う私は当麻にそんな感情はないわよ!!?」

 

「ほほう?御坂さんも隅に置けませんねぇ…で当麻という男性はどんな方で」

 

「何ですてぇぇぇぇお姉様を誑かしたその類人猿をここに連れてきなさいな!ジャッチメントとか関係ありませんの!ぶち殺し確定ですわ!」

 

「白井さんそれは違う人のセリフです!」

 

浜面がさりげなく暴露した話により美琴は顔を真っ赤にして反論し、黒子は鉄矢を構えて暴れ始め、初春はそれを必死に止め、佐天は上条について詳しく聞こうと美琴の肩を軽く叩く…その光景を見て浜面は苦笑する

 

「いい友達持ったな美琴」

 

「何よ突然…?」

 

「いや俺も学校行ってた時は友達なんていなかったからよ…退学になってからスキルアウトに入って仲間が出来るまで友達なんかいなかったしな」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ…俺正真正銘のレベル0で能力なんか一欠片もなくてな…それでよく学校でハブられたり馬鹿にされてたよ…そのせいで能力とか能力者にあんまりいい感情持ってなくてさ…美琴みたいな奴等が例外だよ…」

 

レベル0とは正確に言うと完全に能力を持っていないと言うことではなく「精密機械を使わないとわからない程の微弱な力」であり実際レベル0の佐天でも能力が使えないだけで空力使いであり浜面や上条(上条の場合は幻想殺しがあるが)真の無能力者と言うのはほんの僅か…故に他のレベルの能力者は勿論同じ無能力者にも馬鹿にされて見下された…浜面はそれが理由で能力者が嫌いだった

 

「能力者てさ…白井とか美琴みたいに社会の役に立とうとしてる奴が少ないからさ…羨ましいんだよ…折角人を助けられる力があるのに…能力を理由に人を見下したり差別して…何が楽しいんだろうな」

 

「それ分かりますよ…私も才能無いて言われて助けようとしても助けれなくて…で変な物に手を出したり…無能力者て生きてる意味があるのかな、て悩みましたけど…友達…初春がいたから立ち直れたんですよ」

 

「……やっぱり友達ていいな…じゃあ俺そろそろ帰るわ、邪魔したら悪いし…じゃあな」

 

「また何かあったら連絡しなさいよ!」

 

「分かってるて……」

 

浜面は美琴達から背を向けながら手を振って帰って行き美琴も手を振る

 

「…見た目は不良ぽいけどいい人ですね…私は一応能力が使えないだけであるけど…本当に能力が無い人は初めて知りました」

 

「そうなのよ、あいつ以外と優しくてさ、此間も能力者の不良にナンパされてる無能力者の女の子を助けたらしいのよ、それも私の知り合いの…鳴護アリサて子なんだけど」

 

「…そういえばつい最近レベル3の能力者が路地裏で倒れていたとか…それと建物には刀か何かで斬り裂いたかのような切り後が残っていて地面には何故かクレーターが…」

 

「確かその能力者達は金髪の無能力者の腕が銀色に輝いてとか、白髪のもやしが化け物とかうわ言を言ってるて固法先輩が言ってました」

 

(…金髪に銀色に輝いた腕…浜面…よね…でも白髪の能力者は知らない…ま、言わなくてもいいか)

 

浜面が去った後此間起こった事件について初春と黒子が話し始め、美琴は斬り裂いたのは浜面のあの正体不明の力かと推測して納得するがその白髪の能力者は検討もつかないので明日学校で操祈に聞いてみようと美琴は考えた

 

「いいねぇ友達て……まあ俺も当麻とか友達いるけど……そういえば俺だけ女に縁がない気がする」

 

浜面は美琴達と別れた後、自分にはないものを考える…上条には禁書目録や美琴、操祈…他にもフラグを立ててるかもしれない…駒場にも舶来の少女や半蔵にも郭がいる…自分には美琴や操祈以外に彼女どころか女の知り合いが少ないことに気づく

 

「……別に彼女が欲しいなぁ…よく当真は不幸だとか言ってるけど女関係は幸福なんだよな…その点俺は…はぁ…」

 

浜面は思わず溜息を吐くと何か飲み物でも買うかと財布から小銭を取り出すが誤って落としてしまい小銭がばら撒かれる

 

「うお!?俺の小銭が!?まて何円あった!?…確か合計で1,356円だったよな!」

 

浜面は慌てて小銭を拾う…金額や10円玉が何枚入っていたかを正確に覚えていた為、何が足りないとかが分かるのだが…

 

「後1円足りない!何処だ1円!?何、1円だから別に要らないよねて隠れてるの!?巫山戯んなよ!1円舐めんな!細かい金を出すときに大活躍だよ!1円は凄い使えるからな!てか1円も無駄にしたくないので頼むから出てきてくださいお願いします!」

 

浜面は後1円見つからず必死に探す…他者から見ると完全に変な人でアンチスキルに通報されかねないがそれでも必死に浜面は1円を探す…そんな彼にゆっくり近づいてくる人物に気づかずに…そのゆっくりと近づいてきた人物は浜面の体に触れようと当然の如く浜面の体に触れるがその人物は驚く…丸で触れないと思っていたのに触れる事が出来たかの様に

 

「くそ…1円を笑う者は…1円に泣くってのに…「あの…」ん?」

 

「これ……貴方のじゃないですか?」

 

浜面に話しかけたのは浜面より年下か同じくらいの少女…見た目は僅かに茶色の混じった黒髪の長いストレートヘアに一房だけ束ねられて伸びた髪、知的な眼鏡を掛けていながら、多少ずり落ちている少し引っ込み思案そうな少女だった…浜面は一瞬ドキとするも彼女が差し出した1円玉を見る

 

「あったあぁぁぁぁ!ありがとう!」

 

「いえ…あの…私…見えてますよね?」

 

「え?……いや見えてるけど…あ、もしかして姿が見えなくなるとかそういう系の能力者だったり?」

 

「いや、そういうことでは…それに近いですけど……では…あのこれで…「あ、待ってくれ!」…はい?」

 

少女はビクビクしながらその場から去ろうとするが浜面が引き止める、それを聞き再びビクッとする少女

 

「いや拾ってもらったから…ジュースぐらいなら奢るよ?」

 

「いえ…1円ですし…別に…」

 

「いいて、1円でも大事なお金だから…何か奢るよ…何飲む?」

 

「え……じゃあ…この…グレープフルーツを…」

 

浜面は1円を拾ってくれた少女に飲み物を奢り少女が指を当てたグレープフルーツを購入し少女に手渡す

 

「ありがとう…ございます……一度飲んで見たかったんです…ジュースとか初めて飲むので…」

 

「初めて?…まあいいか…君名前は?俺は浜面 仕上」

 

「え…あ……風斬 氷華(かざきり ひょうか)て言います……」

 

「風斬さんか…何処の高校?」

 

「えっと……霧ヶ丘女学院…です…」

 

二人は若干距離を置きながら世間話をする…実はこの少女…彼の好みのタイプは、口数の少ない人畜無害な癒し系女子であった…かと言ってナンパする気は無い、自分はモテないだろうし相手にされないから精々この時だけであろう会話を楽しもうとしているだけだ…

 

「……あの…ジュース美味しかったです…ありがとうございました…」

 

「いいよ、別にジュースぐらい」

 

「…本当にありがとうございます…私今まで人と喋った事がなかったので…嬉しいです…」

 

「そんなんだ…(人と喋った事がない…コミ症てやつかな…まあ俺も学校にいた頃は全然話し相手いなかったけど…)「あの」は、はい!?」

 

浜面は時々気になる単語を言う風斬にん?となるがあえて気にしない…自分にもこういう時あったなと思い返す…すると少し顔を赤らめた風斬が浜面に話しかける

 

「あの……少し一緒に歩きませんか?」

 

「へ?………ええええ!!?」

 

風斬の発言に喉が枯れるぐらいの叫び声を上げる浜面……二人は知り得ぬことだがこの二人の出会いによって世界が大きく変わり始める事にその時は誰も思わなかった

 

 




風斬さんが浜面さんを誘った理由?…別に惚れてるとかじゃないです、初めて自分が見えて話してくれる人がいたからまだ一緒に話していたいみたいな感じです…因みに分かると思いますがこの小説のヒロインは風斬さんです、サブヒロインは出るかもしれませんがハーレムは基本無しの方向でいきたいと思ってます…滝壺さんファンの方はすみません…


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九話暗部の殺し屋

今回は五千字と少なめ…戦闘シーンとかギャグがないと思う様に書けないのが作者の悪いところ…最後ら辺に文ストのキャラが出ますがナサニエルさんやミッチェルさんと違い能力が違うのでこれじゃない感がありますが…お気にせず…後口調も若干違う様な…すみません


浜面は風斬が言った言葉の意味を理解するのに時間がかかりその意味を理解すると驚きながらも口を開く

 

「お、俺と……?本当ですか?」

 

「えっと…駄目ですか?」

 

「いやいやいや!勿論いいです!むしろお願いします!…でも本当に俺なんかでいいんですか?」

 

「はい、私が初めて喋れた人ですから気になって」

 

(初めて……?でも素直に嬉しい!この子俺の好みだけど…本当にいいのか?罠とかじゃないよな…え、何このラッキーイベントは…え?夢じゃないよな?)

 

浜面は自分のタイプの子に散歩に誘われて夢ではないかと疑うが風斬の純粋な目を見て嘘ではないと思うが…今までそう言う経験がない浜面は今起きている幸運を信じきれずにいる

 

「(落ち着け浜面 仕上!こんな夢みたいな出来事…あるのか?当麻じゃあるまい…これは何かの陰謀?学園都市の闇?それと)「あのぉ」ひ、ひゃい!?」

 

「駄目ですか?」

 

「いえ!大丈夫です!」

 

浜面はそう言うと凄まじいスピードで首を縦に振る、風斬は少し嬉しそうにしながら微笑む

 

「ありがとうございます……あの私誰かと一緒に歩くの初めてで…もし良かったら色んな場所を教えて欲しいです」

 

「じゃあ…行こうか…」

 

そう言ってまだ少し動揺しながらも浜面は風斬を案内する…そんな浜面達を監視する影に気づかずに……

 

 

「あれはエンデュミオンて言って、オービット・ポータル社が作ってる宇宙エレベーターらしい」

 

「へぇ……そうなんですね…」

 

「後は…ヤバい全然知らない…こうなったら操祈に聞くか…でも後でからかわれそうだしな…」

 

浜面は自分が知っている限りのスポットに案内するが、元々余りそう言ったことに興味を示さなかったのが仇となって最近建設中のエンデュミオンぐらいしか知らなかった…その為操祈に聞こうかと考えるがからかわれるかもしれないのでやめておいた

 

「操祈……?」

 

「ああ、俺の友達だよ…学園都市のレベル5の一人の…」

 

「今凄い情報が出ましたね…そんな人と知り合いなんですか?」

 

「まあな、一度あいつが襲われてたのを当麻…あ、俺の親友の名前なんだけどそいつと一緒に助けてさ…その時は色々小さかったのに…人は恋をすると成長するのかて思ったよ…」

 

浜面は笑いながらそう言うと風斬も少し笑う…こうして女子と二人で喋るなど初めてで浜面は内心喜んでいるが変な事を考えないよう緊張していた

 

(平常心、平常心…変なことを考えるなよ…これはデートじゃない…単なる遊びか好奇心のどれかだ…そうじゃなきゃ俺みたいな奴がこんな可愛い子と歩けるわけない)

 

「…?浜面君どうしたんですか?」

 

「いえ!何でもないです!(マジで天使かもしれない…この子)」

 

浜面は呪文の如く頭の中で考えているが風斬が話しかけたので考えをやめる…浜面の知り合いの女子は禁書目録など大人しめな女子がいないので天使に見えた…性格も優しそうなので浜面は思わず涙が出そうになる

 

「本当に良い子だな…取り敢えず公園に行ってみる…本当何も知らなくてさ…」

 

「いや…一緒に歩いてくれる人がいるだけで嬉しいです」

 

「マジで天使か…」

 

浜面は風斬の笑顔と優しさで思わず目を瞑りたくなるが変な事をすれば引かれると思い近くの公園まで行く、公園ならまだ雰囲気があるだろう…そう思って近くの公園に入ったのだが…

 

「でも辺りは暗いなら誰も「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!どうしたンだよ早くボール投げてこィよ!」……キャッチーボールか?」

 

「こんな時間に…「一方通行!これが俺の全力の球だぁぁぁぁ!」……?」

 

浜面と風斬が公園に入ると凄まじい程の音量の声が聞こえ誰かがキャッチーボールでもしてるのかな?と覗いてみると白髪の少年と金属製のグローブをつけた顔の左側に刺青がある男がキャッチーボールをしていた

 

「あれあの男の人あの時病院で出会った…」

 

「行くぞ!精密な計算式からしてこのタイミングが一番いい球が投げられるんだよ!」

 

「イイぜやッてみろよ!学園都市第1位の実力見せてやる!無事に受け止めてやるよ!」

 

「あれ……今第1位て…」

 

風斬は白髪の少年が学園都市第1位と言ったような気がしたが気のせいと忘れる…そして数多がボールを勢いよく投げると少年がグローブで受け止め…ることはなくその見えない壁に当たったかのように数多に跳ね返る

 

「…………もう一回行くぞ」

 

「……おゥ」

 

数多と一方通行は何度もボールを投げるが一方通行のグローブにボールが届くことなく全て跳ね返される…そして跳ね返ってきたボールを数多が再びキャッチすると

 

「て!お前の反射じゃ永遠にボールがグローブに届くわけねえだろうが!!」

 

((キレた!?))

 

「木原くンがキャッチーボールしようて誘ったんじゃねェか!?」

 

「煩え!反射のこと忘れてたんだよ!」

 

数多は思い切りグローブとボールを地面に叩きつけ怒る、それに驚愕する浜面と風斬を他所に一方通行も数多が誘ったじゃないかとキレ始める

 

「こうなったら肉体言語だ!」

 

「イイぜ!やッてやるよ!俺の能力に勝てるかァ!?」

 

「何最強気取ってやがる…お前の能力を開発したのは誰だと思っていやがる?俺の木原神拳を見せてやらぁ!」

 

「いいぜ!!悪りィがこっから先は一方通行だぜ木原くン!」

 

そう言うと数多と一方通行は殴り合いを始める、先程ボールを反射していた能力は発動せず互いに殴り合う、数多の場合は寸止めの様拳を近づけるだけなのに一方通行が吹き飛んだりしているが…浜面達はその光景に引き気味だった…

 

「……二人は節度を持って行動してほしいね…数多さんはそう言うところが子供らしい」

 

「加群(かぐん)お兄ちゃん、飴ちゃん頂戴」

 

「円周(えんしゅう)……そろそろ食べるのはやめなさい…晩御飯が食べれなくなる」

 

「ん、分かった……」

 

そんな大乱闘が起こっている近くのベンチで中学生くらいのお団子頭の女の子と足首までの白いコートを着た黒髪の男が仲良く座って数多と一方通行の喧嘩を見ていた…

 

「はは、喧嘩するほど仲がいいとはよく言うね、まるで親子みたいだ」

 

「脳幹(のうかん)先生かっこいいです」

 

「唯一(ゆいいつ)……私は別にいい言葉を言ってはいないよ」

 

リクルートスーツの上からぶかぶかの白衣を着た女性がダンディな声で喋るゴールデンレトリバーに抱きついていた

 

「……数多おじさんたらあんなにはしゃいで…いい大人なのに…」

 

「那由多(なゆた)も混ざりたいのか?」

 

「はぁ!?何よ脳幹お爺さん!変な事言わないで!それに混ざったら死んじゃうわよ私!」

 

「いや、お前なら互角に戦えると思うぞ?」

 

金髪にツインテールのランドセルを背負った少女 那由多が数多と一方通行の戦いを見て呆れていると脳幹が混ざりたいのでは?と尋ねると必死に否定するが脳幹は那由多ならあいつらとも殴り合えそうと心の隅で思う

 

「一方通行ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「木原くゥゥゥゥゥン!!!」

 

二人の殴り合いは続き一層激しさを増す…それをのほほんと見ている5人…一方通行が殴るたびに地面に穴が空き数多が殴ると一方通行は大きく吹き飛ぶ…それの繰り返しをしばらく見ていたら浜面と風斬は顔を見合わせて頷き、浜面と風斬はその場からゆっくりと去る

 

「…………最近の犬て喋れるんだな」

 

「多分喋れないと思いますよ……」

 

浜面は最近の犬は喋れるぐらい学園都市の科学は発展してるんだなと思い、風斬はそれを否定する…先程の集団を見て脳が軽くパニックを起こしているので早く忘れようとするがあれ程印象深い光景を忘れるのは無理だろう

 

「公園も駄目となると…他にどこがある…?ゲーセンやカラオケは駄目だし、何かないかな…?」

 

「いや別にそこまでしなくても…誰かと歩けるだけで嬉しいですから」

 

「貴方は天使ですか?」

 

浜面は風斬のあまりの優しさに涙が出そうになる……そんな二人を遠くで監視している影に気づかずに…遠くのビルにて二人の男女が浜面と風斬…正確には浜面を監視していた

 

「……目標は?」

 

「………公園から移動中……殺る?」

 

白髪に右側の髪が一房垂れている他者から見たらちんちくりんな格好をした少年と赤い和服を着た黒髪を白い花の髪飾りで二つに結んだ無表情な少女が共に話し出す

 

「………僕の能力で殺すよ、鏡花ちゃんはここで監視を続け「嫌」……鏡花ちゃん?」

 

「敦……あなたが監視をしてて…私が殺す」

 

「……分かったよ」

 

敦と呼ばれた少年が腕から炎を生み出し浜面の元へ行こうとするが鏡花と呼ばれた少女が制止し鏡花が代わりに浜面を殺すと言い敦は暫く黙っていたが許可する

 

「……ありがとう」

 

「…………………」

 

鏡花はそう言うとビルから飛び降りる、それを見た敦は空間転移(テレポート)を使いその場から消え、鏡花が無事にビルから飛び降りれたか地面に転移し見てみると鏡花は普通に道を歩いていた…20メートルの建物から落ちたと言うのに無傷であり、平然と道を歩いていた

 

「さて…目標は今何処にいる?」

 

敦は屍喰部隊の隊長の少女と同じ能力 鳥瞰把握(プレデター)を使い浜面の位置を確認しこのままなら鏡花が見失う事もないかと考え能力を解除する

 

「……このままなら後十分後に衝突するな…目標は…まあ確実に殺せるだろうね…レベル5に最も近いレベル4を前に生き残れる者などそれこそ僕と同じレベル5か余程の強さを持つ能力者だけさ」

 

敦はそう言うと能力を使って姿を消し鏡花の後をこっそりと追う

 

 

「なんかごめん…全然知らなくて…申し訳ない…」

 

「いえ…楽しかったです」

 

「マジでいい子や……こんな子がまだ世界に居たんだな…」

 

浜面は目の前の少女の天使の様な笑みを見て泣きそうになる…

 

「あの風斬さん…もし良かったら電話の番号を教えて…何て言っちゃったり…」

 

「……すみません私携帯持ってなくて…」

 

「あ……ごめん…調子に乗って…」

 

「ううん…私も浜面君と喋ったり歩いたりしてよかった…人と一緒に歩いたり喋ったりするのは初めてだから嬉しくて…」

 

浜面は勇気を出して携帯の番号を聞くが風斬が携帯を持っていないのでダメだった、浜面は調子に乗ったことを謝るが風斬は気にしておらず優しい笑みを浜面に向ける…それに浜面はドキッとなるが邪念を振り払うために首を激しく振る…それと同時に浜面は冷たい気配の様なものを感じだ

 

「!?……」

 

「?どうしたんですか?」

 

「いや……何でもない、気の所為…!」

 

浜面はその冷たい気配に一瞬ビクッとなるがすぐに気のせいとし、そのまま風斬の方を向くが…風斬の背後に何か変な気配を感じ浜面は風斬に飛びつく

 

「すまん!」

 

「え?きゃあ!?」

 

浜面が急いで風斬を押し倒す様にその場から動かすと風斬と浜面の背後からうっすらと赤く輝く黒い影の様な物体が現れ二人が先程いた場所に刺し穿っていた…もし浜面が気配に気づかず避けるのを送れていたら二人とも串刺しになっていたと思うと浜面は冷や汗をかく

 

「え?え!?何ですか…これ?!」

 

「……急に押し倒してすまん…で、そこにいるんだろ?出てこいよ」

 

今だ状況が分からず混乱する風斬を他所に浜面は暗闇に声をかけると暗闇から誰か歩いてきた…赤い和服を着た無表情な少女だ…少女が歩いてくると先程の薄く赤色に光る黒い影は消えていく

 

「お前がさっきの能力の持ち主か?どんな能力か知らねえが…何で俺を…いや俺と風斬を狙った?」

 

「………そこの人は別に狙ってたわけじゃない…あなたのそばに居たから…」

 

「つまり……俺を殺しに来て偶々いた風斬はおまけて事か?」

 

「……そうなる…」

 

その少女…鏡花は別に風斬は関係ないが一緒にいたから殺そうとしただけも無感情に言い放つ…その言葉に浜面は少しだけキレた

 

「……巫山戯やがって!その能力から見てレベル4…大能力者だろうが…無能力者狩りか?…それなら女だろうと容赦しねえ!」

 

「……違う…私達はそんな下らない奴等とは違う…学園都市の統括理事長にあなたを殺す様に頼まれた…」

 

浜面は少女は今までの経験から大能力者と感じ無能力者狩りの能力者と感じるが鏡花はそれを否定する

 

「統括理事長……?俺を…どうしてだよ」

 

「……知らない、それに…今から死ぬのに知りたい?」

 

鏡花は疑問をぶつけてくる浜面に対し今から死ぬのに知りたいのかと首を傾げた後、短刀を取り出しそれを構える鏡花……どうやら見逃す気は更々ないらしい…

 

「……これは逃げれそうにないな…風斬…少し離れててくれ…危ないから」

 

「え!?……分かりました…でも一緒に逃げた方が…」

 

「無理だな、あいつは強い…それにあの能力…多分逃げても後ろから刺される…そんな気がする…戦うしか道がないと思う」

 

「……賢明…逃げても無駄…でも無能力者のあなたじゃ私を倒せない」

 

風斬に少し離れる様に言い風斬は逃げようと考えるがそれを否定する浜面…鏡花は逃げても無駄とわかる浜面に少し感心するがそれでもなお短刀を収める気配はない…だが浜面は冷や汗をかきながらも笑う

 

「無能力者舐めんな、(何か変な力はあるけど)無能力者が能力者に勝つ為に努力した結果を見せてやるよ」

 

浜面はそう言うと懐から拳銃を取り出し鏡花に向けて構える…大能力者対無能力者…勝つのはどちらなのか

 

 




登場した文ストのキャラは泉 鏡花ちゃんと中島 敦君でした…ちなみに敦君の能力は見たらわかると思いますが…木山さんの劣化版もしくは別バージョンと考えて貰えば分かりやすいかと…鏡花ちゃんの能力も他の文豪の能力ですが気にせずに…何で能力が違うのか?夜叉白雪は科学でも魔術でも出すの難しいし、月下獣も魔術ならありえるけど化学側なら無理なんだよな…二人とも強いのでご期待下さい

木原一族が六人出て来ましたが…まああまり気にせずに……因みにこの六人は木原の中ではかなりまともです、だから出したんですよ、数多さんも一方通行と仲良くやっている様です…それの説明はまたいつか…次回もお楽しみに


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十話 悲哀黒獣

さて鏡花ちゃんの能力ですがクソ強いです…でも無敵ではありません…こんなの鏡花ちゃんじゃないて思った方がいたら教えてください


もう日が落ち暗闇に落ちる街に響き渡る銃声、浜面が鏡花に向けて放った物だ…狙ったのは足や腕などの怪我を負ってもその後悪影響を残さない様な部分を狙い撃ったが…鏡花はそれを先程浜面と風斬を狙った薄く赤色に光る黒い影を伸ばしそれを防御壁とし銃弾を止める…そして自身の近くの影から五つの影の槍を生み出し浜面に向かって放つ

 

「ち!うざったい!」

 

浜面はそれをバックステップで避け拳銃を鏡花に向けて放ち鏡花はそれを影で防ぐ…鏡花は銃弾を防ぐと同時に二本の影を操り浜面を斬り裂こうとするが浜面はそれを銃弾で影を当てると弾丸が跳ね返される…あの影は柔軟にも優れており鋭い武器にもなる厄介な能力と分かり浜面は顔を歪めつつも避ける

 

「何だよその五期のバックベアードの触手みたいな能力は…」

 

「……これは黒獣…あらゆるものを喰らい斬り裂く…これは単なる一部…」

 

「……そんな能力聞いたことねえな…まさか美琴が言ってた第8位と同じ原石…て奴なのか?」

 

原石……薬品や脳開発で超能力を発言した者…美琴や操祈達とは違い何らかの要因で天然的に能力を発言した者の事でありそれを原石と言うらしい…簡単に言えば人工ダイヤと天然のダイヤの違い、と言えば分かりやすいだろう…ステイルに聞いたところ魔術は原石の力を持つ者に羨望し自分達もそれが扱える様に発展した技術こそが魔術らしい…そんな原石だが…この学園都市でもかなりレアであり噂に聞くと学園都市 レベル5の第8位も原石であると聞く…原石は世界に五十人しかいないと噂だ聞いていたが本当に目の前にいる少女が原石なのかと疑う

 

「……一応そうなる…でも一般人には噂程度にしか流れてないのに…どうして?」

 

「…まあ魔術使う奴らもいるし…あながち嘘じゃないとは感じてたからな…それに俺も原石の少女を聞いたことあるし」

 

浜面が思い出したのはあのアウレオルスが保護していた吸血殺しの少女…あの子もアウレオルス曰く原石らしい…前例を知っていた為鏡花の能力が分かった…がその原石の力が何なのかは分からない…恐らくは影を操る能力なのだろうが…直感があれだけではないと伝えている…一方で鏡花は原石持ちの知り合いがいたことにも驚くが魔術という単語には首を傾げる…浜面はそれを見てこれが魔術ではなくやはり彼女が言っている通り原石なのだと確信する

 

「……本当に面倒だな能力者て…いやこの場合は原石か?」

 

「……なら早く死んで…」

 

「嫌に決まってるだろ、俺だって生きていたいしな…」

 

浜面はそう言うと拳銃を構え銃弾を連続で放ち鏡花はそれを能力を使って回避したり器用に避ける…そして四本の回転する影の槍を浜面に放つが浜面はそれを左側へ走って避けるが影の槍はそれを追尾してくる…浜面はそれを見ると四発銃弾を槍に向かって放つも全て弾かれる

 

「くそ!追尾してくる槍とかありかよ…て、あれ?」

 

「……バレた」

 

浜面は追ってくる槍に悪態をつきそうになるがふと見ると槍が追ってこない…よく見ると影の槍が現れた地面から約2、3メートルの所で槍が動かなくなり即座に元の地面の影に戻っていく…それを見て浜面は理解するあの影にも射程距離がある事に

 

「そうか…その槍…精々約2、3メートルぐらいまでしか伸ばせないんだな…?それに何となくわかるが近場の影しか操れない…あくまで中距離系の能力か…理解できたぜ」

 

「……でもバレたからと言ってあなたに対処できる?…当たらない所へ行っても弾丸は防げる…やはりあなたが不利なのは変わらない」

 

「だから無能力者を舐めるな…日々努力してんだ…簡単に負けるかよ…」

 

浜面はそう言って笑うと空になった拳銃の弾倉を三秒で入れ替える…浜面の銃は自動式拳銃であり装填数は20発と多い…だがいくら数が多くても当たらなければ意味はない…が浜面が持っているのは別に拳銃だけでない…いざという時には銀の腕があるが…拳銃を持った右手に何も持っていない左手を動かしいつでもポケットにしまってあるアレをとりだして使える様にする

 

「……確かにお前は強い…だがなお前より強い奴を俺は知ってる…当麻がレベル5の第3位に勝ったんだ…なら俺もレベル4くらいは倒せるくらいにはならないとな…だからここで死ぬわけにはいかない」

 

「……そう…なら私も同じ…敦と一緒に生きていたい…ただそれだけ叶える為にあなたを殺す…私も生きていたいから…」

 

「……そうかよ」

 

浜面は拳銃を構えて覚悟を決めると鏡花も決意を固めた目で短刀を強く握り二人はまっすぐお互いの目を見つめ合い、ほぼ同時に駆け出した、浜面は素早く拳銃の引き金を引き5発放ち鏡花を狙うが鏡花はそれを自分の近くの地面から赤く光る影を出して防ぐ…それを見た浜面はとある確信を得て、更には1発鏡花に銃弾を放つ

 

「……無駄、私の異能の前には銃何て唯の愚者の玩具…私には通用しない」

 

「確かに銃弾はお前の能力には効かないだろうな…そうお前の【能力】には…だがお前の体はどうだ?神裂みたいな体の構造が違うなら別だが…お前自体は普通の人間だろうが」

 

「………………………」

 

鏡花は銃弾を止めたのを見て自分の異能を前にしては銃などの人の命を奪う武器も玩具と成り下がると述べるが、浜面は強いのは能力だけで鏡花自身の体には銃弾が効くと考える…火織の様な聖人なら話は違うかもしれないが…鏡花の体に当てたら銃弾は貫通または傷をつけるだろう…こんな少女に向かって弾を撃つのは常識的に考えておかしいが相手が能力者と考えてその考えを消す

 

「それにお前の原石の力……分かったかも知れないんだ…それがお前の弱点かも知れねえからな」

 

「……私の異能には弱点はない」

 

「嘘つけ、そんな便利な能力ならレベル5にでもなってるだろ…つまりレベル4て事は何か足りない、または何かしらの欠点があるからだ」

 

浜面はそう言うと拳銃で威嚇しながら風斬に近づき風斬に耳打ちする

 

「風斬よく聞いてくれ…恐らくあいつの能力はーーーーーーかもしれない…もし外れても何処かで役に立つ」

 

「え……?……分かりました…」

 

「…ごめんな巻き込んで…」

 

浜面は風斬に耳打ちを終えると鏡花に弾丸を放ち鏡花がそれを赤い影で防ぐと一瞬だけ鏡花の視線が赤い影と弾丸に向く…その隙に風斬にあるものを手渡すとそれを鏡花に気づかれぬ様に浜面は駆け出し風斬の方を向いてこんな事態に巻き込んでしまったことを謝ると鏡花に3発弾丸を放ち鏡花はそれを影で防ぐ…が浜面は素早く懐からある物を取り出す

 

「風斬!さっき言った通りにしてろよ!」

 

「はい!」

 

「……!まさか!」

 

浜面は思い切り左手を振り何かを上の方へ投げ浜面と風斬は耳と目を塞ぐ…どこに持っていたのか耳栓までして…鏡花がそれの正体に気付いた時には既に遅くその投げた…XM84…またはフラッシュバン、スタングレネード、閃光発音筒と呼ばれる物を投げ鏡花はそれを影で落とす暇もなく起爆して辺りが白一色に変わり耳に不快な大雑音が流れ込んでくる

 

「スタン……グレネード……!?」

 

「……いくら万能な能力でもこの眩しさと爆音は防げないだろ?いや良かった…何と無く隠し場所から持ってきてて…耳栓も持ってきて正解だったな」

 

浜面は先程いた隠れ家に隠してあった武器のスタングレネードをいくつかくすねてきて正解だったとぼやく…また何か問題事に巻き込まれたときに使おうと考えていたがこうも早く使う事になるとは考えていなかった…浜面はそうぼやきながら鏡花に向かって走る…今なら鏡花は目の眩みと難聴に耳鳴りの所為でまともに動けないはず…それも5秒から6秒…なら今のうちに接近し一気に倒せばこれで終わり

 

「悪く思うなよ……!」

 

浜面はそう言うと警棒を取り出して鏡花の頭部を殴りつける…決まった…と思ったが何故か警棒が弾き返された…そう鏡花の体に触れた途端まるで見えない何かに押し返されるように…浜面はそれを見ると得体の知れない攻撃に慌てて後ろへ下がる…そして目が見えるようになった鏡花は若干目を細めて浜面の方を向く

 

「……中々いい手だった…私が影を操る異能だけなら今ので倒れてた……でも私が操るのは影だけじゃない…影は単なる中距離攻撃と防御用…」

 

「……今の反射…まるで跳ね返されたみたいな…それに影を操り以外にもあるとか…噂に聞く『多重能力者(デュアルスキル)』みたいだが…原石なら…マジかよ」

 

「……言っておくけど第1位みたいな力じゃない…タイミングが合わないと発動しないから…知りたい?」

 

「……おい…敵に自分の能力を教えてどうするんだ…?確かに知りたいが…もしかして俺のことを舐めてる?」

 

鏡花は自分の能力は影を操るだけじゃないと言うと浜面は丸で噂に聞く多重能力者の様だと感じるがあれは脳に負担がかかりすぎてあり得ないと噂されていた…美琴に聞いたところによると木原と言う人物がいつか前に起こった幻想御手というものを使って一万人を使って多重能力者とは違うがいくつもの能力を扱える多才能力(マルチスキル)を使ったとするがそれでも木原個人では使用できないらしいので多重能力者など実在しない…が嘘か真か知らないが学園都市レベル5の第5位は多重能力者と聞くがそれも眉唾ものだ…浜面は今の反射はなんなのか知りたいと思っていたがまさか本人が教えようと言うと思わず驚く

 

「……舐めてはない…実際他のレベル4は1分以内に死んでた…でも貴方はまだ生きてる…それは凄い」

 

「褒めても何も出ねえよ…」

 

「……私の能力は原石のレベル4「悲哀黒獣(ブラックビースト)」…簡単に言うと自分の影や影と重なっている場所の影を操りそして自身と自信に触れた物の重力・斥力・引力・反重力を操る…それだけ」

 

「……何だよそれ…キングギドラかよ!」

 

鏡花は浜面のことは舐めていない…寧ろここまで追い詰めたのは浜面が初めてと言ってもいい、何せ今まで殺してきた相手には基本影での攻撃しか行わなかったのだから…鏡花の能力は影と重力・斥力・引力・反重力を操る原石『悲哀黒獣(ブラックビースト)』他の原石と比べると超強力な攻撃型な原石である

 

「もうお前がレベル5でもいいぐらいじゃねえか…」

 

「……それはない…第6位の洗脳は効くし第8位の攻撃と防御には同じ原石として劣る…第4位の原子崩し(メルトダウナー)と第3位の超電磁砲(レールガン)の攻撃は斥力でも跳ね返せない…第2位と第1位はどう足掻いても勝てない…だから同じレベル4の「能力追跡(AIMストーカー)」の方がレベル5になる可能性は高い…」

 

「マジか…こんなキングギドラ擬きの力でもレベル5じゃないて…美琴と操祈てやっぱり凄いんだな…だけど…その力だけならレベル5に届くかも知れないから危険なのは変わりねえな…」

 

浜面は鏡花は自分の能力は大したことはないと言うが浜面からすれば脅威の何者でもない…こんな殺戮に特化した能力をどうすればいいのか…影だけでなくその四つの力も操れるなら無敵じゃないかと考えてしまうが…本当に無敵ならレベル5の筈だと考える…それに彼女も言っていた…欠点があると…

 

(そういえば何でさっきのスタングレネードの時影を操って攻撃しなかった?あれなら無差別に影で切り裂いたりしても俺の行動を阻害出来るのに…待てよ…まさかあの影の能力の欠点は…?なら後は重力とかだな)

 

「……もう気が済んだ?…なら早く死んで」

 

「死ぬわけにはいかねえんだよ…当麻がまた会おうぜて言ってたんだ…美琴と操祈…禁書目録も来るってさ…どうせなら今日知り合った風斬も合わせてやりてえし……」

 

「え?…私も?」

 

浜面は鏡花の異能についてある疑惑を考え鏡花はさっさと死ねとばかりに影の槍だけでなく影の剣まで生み出して投げつけて来るが浜面はそれを避けつつ友達と会うために死ねないと言い切り風斬は一瞬目をパチクリさせながら自分も含まれているのかと疑問視するが

 

「当たり前だろ、今日一緒に散歩して喋ったりして…これが友達じゃねえなら何なんだよ?」

 

「………友達……」

 

「……もう話は済んだ?…お願いだから早く消えて…」

 

鏡花は二人の会話が終わるのを待っていたかのように攻撃をしばしやめていたが会話が終わると先程にも増して激しい攻撃を繰り出す…まるで二人の会話を聞いて怒っているかの様な感じだった

 

「消えねえよ……俺は…こんな所で終わらねぇ!」

 

「……煩い…!」

 

鏡花は地面から影の槍や剣、蜘蛛の巣の様な網を放ち浜面を攻撃または拘束しようとするが浜面はそれを避け続けて鏡花に向けて何発も弾丸を撃つ…そして鏡花まであと1メートルほどの距離になると鏡花が悲しげな顔し浜面が目を見開くと同時に浜面の腹部に焼け付くような痛みが感じ腹を見てみると…まるで針の様な影が無数に浜面の腹に刺さりそこから血が流れていた

 

「……げほ………」

 

「浜面君!?」

 

「……さよなら……」

 

針の山が消えると浜面はコンクリートの地面の上に倒れる…それを見て絶叫する風斬に鏡花は顔を歪めながら風斬に近づく…

 

「……貴方は関係ないけど……死んで」

 

「…………どうして……」

 

「……?…」

 

「どうして貴方はこんな事が出来るんですか!?人を殺したのに…!」

 

「……………………」

 

鏡花は風斬の悲痛な叫びを聞くと顔を歪める…まるで泣きそうな子供の顔の様に…

 

「何で…浜面君が死ななきゃいけないんですか!?彼は……死んでいい人じゃ…」

 

「……分かってる…最初に弾丸を飛ばして位置から私を殺す気がなかったのは分かってた…」

 

「なら殺さなくて「私だって殺したくない!」…え?」

 

「私だって……本当は貴方達を殺したくない!……でも仕方ないの…私達が生きるには…仕方ない事だから!」

 

風斬の訴えに鏡花は眼に涙を流しながら叫ぶ…その表情に風斬も呆然としていた…が鏡花はすぐに冷静になりさっきほど様な冷たい眼に戻る

 

「……本当にごめんなさい……貴方もあの人と一緒に天国に行って……」

 

「………あ…」

 

鏡花は泣きそうな声でそう呟くと短刀で風斬の首を切断するために振りかざし風斬はそれを呆然と見ていた…そしてその風斬の首を斬り落とす凶刃が風斬の首を斬り落と…さなかった

 

「させるかよ…たくそんな泣きそうな顔をされたら…俺が悪者みたいじゃねぇか…」

 

「………何で…?死んだじゃ…?確かに致命傷になった…筈…?」

 

「は……浜面君…?」

 

「人を勝手に殺すなよ…俺は生きてるぞ…はぁ…自分でもこんな体になって一番驚いてるがな…まあ治癒能力が高くなるのは嬉しいし…血も止まってるしな」

 

浜面は鏡花の短刀を持つ手を掴んで動けない様にしたその風斬の首を斬り落とす筈だった凶刃を無理やり止め鏡花は自分が殺した筈の浜面が生きていたことに驚くが素早く掴まれた手を解き浜面から距離を取る…風斬は浜面が生きていたことに嬉しくて涙目になりかける

 

「……それが…貴方の能力?」

 

「違ぇよ…単なるそういう作りの人間だよ…俺は無能力者だからな……能力じゃないのなら持ってるけど…」

 

浜面のこの異常なまでの治癒能力はヌァダの仕業だ…以前アテナに聞いた所劣化した銀の腕とは言えどその力は使いこなせれば強大であるがそれを使いこなすまでに肉体が持たずに死滅するらしい…がヌァダはそれを何とかするために(後に自分が乗り移っても浜面の体が壊れない様に)浜面の体の作りを変えアドレナリンの分泌を早め出血を塞ぎ肉体再生(オートリバース)の様に体を治癒・再生するがそれはレベル4並み…またはそれ以上だ…それに普通の人間より強い腕力や梟並みの暗視力に鋭い直感力…他にもあるらしいがこれには浜面は素直に感謝していた

 

「……これなら怪我しても平気だしな…だけど…やっぱりこれは能力使わないと無理なのか…」

 

「……何の話?」

 

「……能力を使ってばっかりだと…それに頼ってるみたいだから…なるべく使わないようにしてたんだが…無理だわ…言っとくけど舐めてたわけじゃないからな?」

 

浜面はそう言って右腕に警棒を持つと右腕を銀色に輝かせ鏡花と風斬はそれに目を奪われる

 

「……能力…?でも無能力者て…?」

 

「説明は後でするよ……」

 

「…………そうか…だから貴方は理事会に……」

 

鏡花は何故浜面が理事会に暗殺を依頼されるほど危険なのかわからなかったがこの銀の腕を見て理解した…これは危険だ…自分でも勝てないと直感的に理解する…そして鏡花は影の槍を地面から出して浜面を狙うが浜面が銀の腕を振るうと影の槍は消滅する…鏡花は影の槍だけでなく剣や針も作り出すが浜面はことごとく斬り裂いて鏡花に迫る…鏡花は迎撃の為短刀を構えて浜面の持つ銀色に輝く警棒にぶつけるがまるでバターを裂くように警棒に短刀が切断される

 

「…そんな……」

 

「……取り敢えず…歯を食いしばれ!」

 

「!?く………!」

 

浜面は左腕で鏡花を殴りつけようとして鏡花は咄嗟に右腕で防ぐが鏡花は吹き飛ぶ…そして鏡花はすぐに地面から棘のようなものを生やしそれを剣山のように出して浜面を貫き当たった場所から血が流れるが浜面は針の山から抜け出し鏡花に近づく…鏡花は左腕の着物の袖から影を放ち浜面の腹に当たり浜面は吹き飛ぶ

 

「がは!?服の中にある影でも操れるのかよ…!」

 

「……黒獣・叢(ムラクモ)!黒獣・顎!」

 

鏡花は地面の影から獣の顎を出し右腕に影を纏い巨大な獣の腕の様な形となり浜面を引き裂こうとするが浜面はそれらを斬り裂き鏡花に接近する

 

「黒獣・獄門顎!」

 

鏡花は自分の背後から巨大な獣の顎を出しそれが浜面を食い殺そうとその巨大な口を開き浜面を捕食しようとしたその瞬間

 

「今だ!やってくれ風斬!」

 

「は、はい!」

 

「な!?」

 

浜面は風斬に大きな声を出すと風斬は頭上に何かを投げる…鏡花はそれを見て驚く…スタングレネードだ…よく見ると風斬も浜面もいつの間にか耳栓をしていた

 

「……お前の影を操る能力はな…近くに影がないと使えないんだろ?ならスタングレネードに照らされたら使えないよな」

 

浜面は先程スタングレネードを使って接近した時疑問に思ったのだ…影を使って近寄ってくる浜面を目が見えなくても影を使えば妨害できたのではないかと…なのにしなかった…いな出来なかったのなら近くに影がないと使えないのでは?と浜面は考えそれが当たったのだ…そしてスタングレネードが爆発し激しい光と爆音を鳴らしながら鏡花を襲い浜面は目を瞑ってでも鏡花の位置を直感で理解し光が収まると同時に鏡花に迫る…まだ影は使えない…今が倒すチャンスと浜面は警棒を離し右腕を大きく振り鏡花を殴りつけようとしたその瞬間炎が浜面を襲う

 

「な!?」

 

浜面はバックジャンプで炎を避ける…鏡花の能力は影と重力などを操る力…ならこれは鏡花の能力ではないと理解し炎が飛んできた方を見ると…誰か歩いてきた

 

「……鏡花ちゃん、もういいよ…彼は僕が殺す…君では勝てないよ」

 

「……敦……ごめん」

 

「……何も悪くないよ…君は」

 

白髪の少年…敦は鏡花の目の前に空間転移すると鏡花に退がる様言い鏡花は一瞬だけ悲しげな顔をしてから頷いて敦から距離を置く

 

「……さっきの炎はお前のか?…でもお前…今のは空間転移だろ?別の能力を二個持ってるなんて…わけないよな?」

 

「……正解だよ…さっきの炎もテレポートも僕の力さ…ついでにこれもね」

 

浜面と風斬の信じられない様な物を見た様な顔を見て敦は少しだけ笑い手をかざすと巨大な氷柱ができそれを浜面に飛ばず…氷撃使い(アイスメイク)…それもレベル4相当だろう…更には電撃を放ちそれを避けた後風の刃が浜面を襲う…丸で複数の能力を持っているかの様な…いや実際に持っているのだと浜面は確信する

 

「…紹介が遅れたね…僕は中島 敦(なかじま あつし)…彼女…泉 鏡花(いずみ きょうか)のパートナーであり学園都市レベル5が一人 第5位現実では不可能とされた多重能力者を可能にした原石…龍宝剥奪(ドラゴニアワールド)の中島 敦だ…短い付き合いだけどよろしく」

 

 




鏡花ちゃんの能力は芥川さんの「羅生門」と中也さんのり汚れちまった悲しみに」を足して二で割った感じの力です、中也さんの汚濁形態になれないからブラックホールも作れないし天魔纏鎧も使えないし空間断絶も使えない…代わりに斥力や引力、反重力も操れ服ではなく影ですから意外と応用もできる原石となっております…重力以外も操れるという点では某怪獣王のライバルの三つ首龍みたいな力ですね…敦君も能力者ではなく原石…つまり二人は原石コンビです、敦君の言う通りなら彼は多重能力者…ですが実態は木山さんの劣化みたいな感じです…次回もお楽しみに


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十一話 龍宝剥奪

今回は割と沢山の能力が出てくるので知らない方は是非検索してください


とある研究施設…そこには年は10歳になっているかいないかくらいの少年、少女の血みどろの死骸が無数に転がっており、その子供の死骸しかない中で唯一の大人は血溜まりの中心に倒れる研究者らしき男性が一人…そしてその研究者の死体を見て怯えながら涙を流す黒髪の少女に自分の手を真っ赤に染め顔面蒼白な少年…

 

「……僕は悪くない…だって龍彦先生が…皆が…襲って来たから……僕は悪くない…」

 

少年は自分の血塗れの両手と白髪の研究者や自分が殺した子供達を交互に見てうわ言のように喋る…それは誰に言うでもない…自分を納得させるための言葉

 

「……僕は…生きる為にやったんだ…それに…鏡花ちゃんを……守る為に…そうだ…僕は悪くない……きっとそうだ…だから僕は…」

 

少年はもう混乱していて状況を把握しきれていない…ただ自分が目の前の自分達を育ててくれた恩人を殺した事による罪から逃れる為に言葉を重ねる…

 

「そうだ…守る為には…必要だったんだ…いくら育ててくれた人でも…だって殺すしか方法は…「敦!」…鏡花ちゃん?」

 

「……もうやめて……澁澤先生…死んじゃったんでしょ…?なら…そんな言葉…澁澤先生は聞きたくないよ……」

 

「あ………」

 

少年は少女の言葉を聞くと改めて澁澤という研究者の顔を見た…その顔は……恐怖や絶望…殺されたことの怒りなど一切なく笑顔のまま死んでいた…まるで二人が生き残れたのが嬉しそうに…それを見た時少年の何かが壊れた

 

「あ…あぁ…あああああああ!?龍彦先生……!?ごめんなさい!僕は殺すつもりは…ああ!」

 

「敦!?落ち着いて落ち着いてよ!敦!敦!」

 

少年は発狂して叫び声を上げて眼から涙を流し始めた…少女は少年の体に触れて何度も彼の名前を呼ぶ…そんな彼らの目の前に笑いながら歩いてくる老人と車椅子に乗った女がいた

 

「素晴らしい……!これが原石!他者の能力を奪う力……ああ!何と素晴らしい!見たか病理!?これが実現不可能と言われた多重能力者の誕生の瞬間だ!」

 

「ええ……私があの二人以外の子供を洗脳したかいがありました…澁澤研究員には申し訳ないですが…まあ『諦め』ましょう…欲を言えばあの少女…泉 鏡花にも何人か殺して欲しかったですが…欲は『諦め』ることにします」

 

「そうだな…どちらもレベル5に……いや多重能力者ならレベル5を超える存在…絶対能力者…レベル6になれるぞ!」

 

研究施設に二人の狂った木原の研究者の笑い声が響く……この二人こそが元凶…彼に子供達を…恩人を殺させた諸悪の根源…だが少年と少女の友達や恩人を殺したのはこの二人ではない…結局は殺してしまった少年なのだ……そして少年と少女はこの二人によって無限に続くかと思うほどの地獄を味わうのだ……そう今日この日までは…だが…

 

 

多重能力者…学園都市では脳の負荷の性で実現不可とされている…が浜面が美琴に聞いた話では木山 春生(きやま はるみ)という科学者は一万人の脳のネットワークを使いその多重能力者の様に複数の能力を使って美琴を苦しめたと聞く…その名も多才能力(マルチスキル)…だがこの少年…敦は自分こそが多重能力者の第5位も言う…ハッタリだ…そう言いたいが…実際にこの少年は氷撃使いや空間転移、発火能力…しかもどれもレベル4相当の力を見せた…これが一つの能力などどうしても考えられない

 

「……噂は本当だったのかよ…多重能力者とか…」

 

「……第3位や第4位と比べると見劣るよ…さて鏡花ちゃんでも殺せなかった君の能力…正直言って侮っていたが…僕は油断しない…全力で……殺す」

 

敦はそう言うと発火能力を使い両腕から火炎を生み出し浜面に放つ…ステイルの三千度の火炎よりは低いだろう…だがそれでも人を殺すのには充分な熱量だ…それに浜面には上条の様な幻想殺しはない…避けなければ死あるのみだ

 

「危ねぇ!?」

 

「浜面君!?」

 

「風斬もう少し下がっててくれ!」

 

浜面は間一髪炎を避けると風斬が心配して声を出すが浜面は彼女を巻き込まないためにもう少し下がるよう言い風斬は頷いて後ろに下がっていく…浜面は警棒を持って敦に突進するが敦は空力使い(エアロシューター)を使って空気を圧縮して足場にして空に浮かんで浜面の手の届かないところへ行く…浜面の右腕がいかにどんなものでも斬れても当たらなければ意味がない…故にこの能力と浜面の能力は相性が悪過ぎた

 

「君の能力は凄い……鏡花ちゃんの黒獣を斬り裂いてしまうのだから…でもだからと言って無敵てわけじゃない…僕みたいにその警棒が届くリーチ以外の距離は届かない…」

 

「だからお前みたいに空を飛んでれば俺の攻撃は効かねえてわけか……流石多重能力者…いい能力だな…」

 

「……そうだね……これが他人を殺して得た能力じゃなかったら胸を張れたのに…だから僕は君が羨ましい……自分の力で堂々と誇れる君が…」

 

敦は浜面の能力の弱点を指摘すると浜面は多重能力者の敦にいい能力だなと言うが敦は表情を暗くして自分の能力じゃないと言い浜面はそれに疑問を感じる

 

「自分の…力じゃない?どう言う事だ?」

 

「そのままの意味さ…僕の原石…「龍宝剥奪(ドラゴニアワールド)は他者を殺す事でその能力を得る……つまりこの力は全部僕が殺してきた人達の力て事さ……はは…笑えるよね…殺した僕に殺された人達の能力が良いように使われるなんて…」

 

「………じゃあ何でお前はそんな悲しそうな顔をしてるんだよ…」

 

敦は自分の能力について語る…敦が今まで使用していた空間転移や発火能力、氷撃使いは全て他者から殺して奪い取った能力なのだと…敦はそれを言うと乾いた笑いを出すが…浜面には敦が今にも泣き出しそうな顔に見えた

 

「……君には分からないよ…僕だって…いや僕達だって…誰も殺したくない…僕が殺した中には悪党もいた…でも中には死ななくてい人もいたんだ!だけどね…しょうがないじゃないか!殺さないと僕達が殺される……!僕達が生きていけるところは闇しかないんだ!」

 

「……お前……」

 

「………そう言うわけだ……君には悪いけど…死んでもらう…」

 

敦は地上に降りると肉体変化(メタモルフォーゼ)を使い自分の両腕と両足を虎の前脚と後脚に変え、敦はかつて白鰐部隊(ホワイトアリゲーター)の隊員を殺して得た能力 油性兵装(ミリタリーオイル) を使って足元にオイルを集め高速で移動する…余りに早過ぎる動きに浜面は目が追いつけない…そして気がつくと背中に衝撃が走り激しい痛みが訪れる

 

「く!」

 

「無理だよ……君は僕には勝てない……能力の相性の問題だよ…」

 

敦は次々に爪での斬撃を放ち浜面を攻撃する…浜面は必死に警棒を振るうが敦は油性兵装で避けそれでも無理だった時は油性兵装から空間転移を使って避け続ける

 

「くそ!当たれ!」

 

「もう無理だよ……諦めてくれ…」

 

敦は浜面の腹に蹴りを放ち倒れかけた浜面に敦は殴りつけ浜面は吹き飛びそれを駆け寄ってきた風斬が受け止める

 

「大丈夫ですか浜面君!?」

 

「風斬……離れてろ…もしくは…逃げて「嫌です!」…風斬…?」

 

「そんなの嫌です!漸く……出来た友達なのに…失いたくない…もう一人になりたくない!」

 

浜面は風斬に逃げるよう言うが風斬はそれを断る…浜面が驚いて風斬を見ると…彼女は泣いていた…だが敦はそのすきをついて浜面に自分の爪で引き裂こうと襲いかかる

 

「!危ない!」

 

「な!?風斬!?」

 

風斬はそれに早く気づき浜面を押し倒して敦の爪が風斬の一部に当たる…敦は風斬を見るとその顔を驚きの表情に変え鏡花も同じ様に顔を驚きに変える

 

「痛ぇ……は!風斬大丈…夫…か……?」

 

浜面は風斬は無事かと風斬を見ると言葉を失った

 

「う……大丈夫です…あれ?眼鏡…?それにちょっと頭が痛いで「やめろ!」…え?…あれ?」

 

風斬は心配してくれた浜面に大丈夫だと言うが浜面が自分の顔を見て驚愕しているため自分の顔を触れようとするが浜面が咄嗟に止めるよう怒鳴る…がすでに遅く風斬が自分の顔の右側を触れると…何も触れれなかった…

 

「え……何…これ?…何で…無いの?」

 

「これは……一体……?何かの能力…?いや違う…丸で……化物だ…」

 

「ば……化物……あ、あ…ア…あああああああああ!!!?!?!」

 

「化物だ」と敦が言うと風斬が叫び声をあげる……丸で自分が化物であることを否定するかの様に、または自分が人間でないことを知っていたかの様な悲痛な叫び…だが

 

「風斬………顔欠けてるけど大丈夫か?」

 

「………え?」

 

「酷えな……治るのかそれ?良かったら病院紹介するぞ?」

 

「は……浜面君は……私の事怖がらないんですか?……化物なのに…」

 

浜面は風斬を恐れるどころか欠けた顔を心配し風斬と先程と変わらない態度を取り風斬は何故と問いかける

 

「……化物…?お前の何処が?俺には普通の人間にしか見えねえぞ?」

 

「え………?」

 

「お前が化物なら俺も一緒だろ…てかあのレベル5も俺から見たら化物だね…てかレベル5なんて能力お化けだろ……それを倒す俺の親友や魔術師とかもそうだな…ま、俺の中で一番の化物は隕石とか太陽を落として来たシスターさんの呪われた姿だけだよ…」

 

「く…比べてる人達があまりにも違いすぎると思います……」

 

浜面はそう何でもないかの様に話し、風斬が化物というなら自分の知り合いも化物と言う…浜面が思い出したのは心を読む金髪の少女に電撃を放つ少女、異能をかき消す右腕の親友、炎を操る神父に血液を操る神父、あのアホみたいな体の女性、そしてブラックホールの様な胃袋のシスターにそのシスターが放った魔術…そしてそれを簡単に退けた魔神の存在を思い出しそれと比べたら風斬は天使だと浜面は真面目に考える

 

「それに……体が違っても、話せるし…何より俺達は友達だろ?例えお前が人間じゃなくてもな」

 

「浜面………君…」

 

「………(攻撃しにくいな…)…あの…もういいかな?一応空気読んで攻撃してないんだけど…あの…」

 

「あ!忘れてた……風斬……今は下がっててくれないか?」

 

「は……はい!」

 

浜面は例え風斬が人間じゃなくても友達と言い風斬は頬を赤らめながら涙を流すが敦は困ったように戸惑いながら攻撃していいかと尋ねると浜面はハッとして敦を見て風斬に改めて下がるようにいい風斬が下がると浜面は敦を見る

 

「……待っててくれてありがとな」

 

「………別にいいさ…死ぬ前に彼女に遺言を残す為だよ」

 

「彼女じゃねえよ……ま、死ぬ気はさらさらないがな…」

「……君は怖くないのか?これから死ぬかもしれないのに」

 

「怖いさ…だけどよ…これくらいで死んでたら…親友達と付き合っていけないさ」

 

浜面は敦に感謝すると敦はこれから死ぬのに怖くないのかと尋ねるが浜面はそれじゃあ上条達と付き合いきれないと素っ気なく返す…それを聞いた敦は羨ましそうな顔をする

 

「……羨ましいな…僕にも……そんな友達が…欲しかった「だったら作ればいいだけだろ」……無理だよ…だって僕らは暗部の…」

 

「暗部だからて諦めていい理由になるのか?」

 

「……え?」

 

「俺はよく知らねえが暗部だからて諦めるのかよ?お前らはそこから抜け出す努力はしたのか?俺だってなこの能力を得たのは最近だ…それまでずっとスポーツ選手みたいな体作りをしたり機械や道具の使い方を考えてきたんだ…俺はお前のことは知らない…だからどんな努力をしたかなんて知らねえ…だがもし努力もせずに諦めてるんなら……」

 

浜面は自分の親友の言葉を浜面は自分なりに変えて敦に向かって叫ぶ

 

「そんな甘怠れた空想を斬り裂いてやるよ!」

 

浜面はそう言うと駆け出し敦は電撃使い(エレクトロマスター)を使って手に隠していたパチンコ玉サイズの金属を磁力狙撃砲として音速並みの速さで撃ち出す…恐らく美琴の超電磁砲の真似だろう…が

 

「美琴と比べたら弱いし軌道が分かりやすい!」

 

浜面はそれを警棒を振るって斬り裂いて敦に近づく、敦は暗闇の五月計画の被験者から奪った能力の無色透明の『窒素』の槍を放つ窒素爆槍(ボンバーランス)を両腕から放ち浜面はそれを直感で回避すると避けた先にあった木や地面にクレーターが出来る

 

「見えない攻撃とかずるいだろ!」

 

「それを避ける君も……ね!」

 

敦は空間転移で場所を変え浜面の背後に回り再び窒素爆槍を放つも浜面は今度はそれを斬り裂き敦に迫るもすぐに空間転移で消えてしまう…そして発火能力や空力使いなどを使って攻撃してくる…が浜面は一つ疑問に思う

 

(……何で空間転移した後に攻撃する時に僅かな時間のズレがある…すぐに攻撃すればいいのに…二つの能力が使えるのなら…まてよ?二つの能力が使える……まさか…)

 

浜面は頭の中で一つの考えが浮かび警棒を持つ右腕とは別に左手に拳銃を密かな構え敦に接近する

 

「何度やっても無駄だ!」

 

「……今だ!」

 

浜面が近くに来ると敦はすぐに空間転移で目の前から消える…が浜面は敦がどこに消えるのか読み取り敦が一番現れやすい自身の背後を振り向くと敦が現れる…そして現れた瞬間に拳銃から弾丸を放ち敦は避ける間も無く胸に当たりそこから血が飛び出す

 

「ぐ……!?」

 

「敦!?」

 

「…やはりな」

 

敦はすぐに肉体再生(オートリバース)で肉体を再生させる…そこで一瞬立ち止まった敦に浜面が接近し敦の横腹を斬り裂く…だが敦は浜面の腹を蹴飛ばし浜面が後退すると急いで浜面から距離を取る

 

「やっぱりな……お前…多重能力者だけど…二つの能力は同時に使えないんだろ?騙されたぜ…」

 

「……何故……気づいたのか聞いていいかな?」

 

「当たり前だよ…俺を殺すのなら空中に浮かんで電撃なり火炎なり氷なりさっさと俺を殺せばいい…なのに出来なかった…簡単だ空中に浮かぶ能力じゃあ殺さなかったからだろ?……そう多重能力者がいない理由は脳への負荷が大きいから…だがお前は使える能力が多い手だけで一つずつしか使えないんだろ?」

 

「だけど肉体変化で変化させた腕と足は空間転移とかを使ってもそのままだった…」

 

浜面は敦の原石の力は確かに相手の能力を奪う力だと言うが二つの能力は使えないと断定し敦はじゃあ何故この腕は元に戻らないと聞くが

 

「簡単だよ…変化した腕はいきなりは戻らない…もう一度肉体変化を使うまでは…な…だからそれを使って本当に二つ以上の能力が使えるんだと思わせる為のブラフだろ?」

 

「……正解だよ…肉体変化のみが能力を解除しても使える…ああその通り僕は一つずつの能力しか使えないレベル5…それぞれ一つ一つの能力じゃあ他のレベル5の足元にも及ばない…僕が第5位にいる理由は「能力研究の応用が生み出す利益」基準だからだよ…」

 

敦は降参だとばかりに首を振りはぁと溜息を吐く…今まで殺してきた人物達にはバレなかったのにバレるとは思っていなかったのだろう…だが敦は浜面を殺すのをやめない

 

「気づいたことは凄いと思う…でも悪いけど死んでもらうよ」

 

「ヤダね…俺はお前に勝ってみせるよ」

 

「……こうなったら仕方ない…これを使うと脳の負荷がかかり過ぎて死にそうなんだけど…な!」

 

敦は残念とばかりに呟くと励起飛行(アウタートラベル)でイオン粒子を操作して空を飛び、両手から窒素爆槍を放つ…そう励起飛行を行いながら…つまり二つ以上の能力を使いながらだ

 

「はぁ!?」

 

浜面は先程二つ以上は使えないと力説したのに敦が能力を二つ同時に使ってきて驚くが慌てて避けつつも斬り裂いて防ぐ

 

「二つ同時に使えるのかよ!?何だよさっきの会話…凄く恥ずかしい……て、え?」

 

浜面は自分のことが恥ずかしくなり顔を少し赤くしながら敦に文句を言う為敦の顔を見るが……敦の鼻から血が流れ始めていた…よく見たら顔色も良くない…

 

「……能力の同時使用は敦の体に悪影響を表す…持って五分…それ以上使えば…死ぬ」

 

「……はぁ…?あいつ…死ぬ気かよ…俺を殺すために…?巫山戯んな…自分の命を何だと思ってやがる!?お前も仲間なんだろ!?なんで止めねぇ!?」

 

「………あなたを殺さないといけないから…そうしないと…私達は生きていけないから…仕方な「俺が聞きたいのはそんなことじゃねえよ!」!?」

 

鏡花は敦の能力を説明すると浜面は激昂する…自分の命を省みない行為に怒る…そしてパートナーであるはずの鏡花に何故止めないのかと怒鳴るが鏡花は仕方ないと言いかけるがそれを浜面が遮る

 

「本当にいいのかよ!?ならなんでそんな顔をするだよ!?本当は助けて欲しいんだろ!?お前もあの男も!?なら言えよ助けて欲しいて!」

 

「…でも誰も助けてくれるは「なら俺が…いや俺達が助ける!」!?」

 

「俺の知り合い舐めんなよ!レベル5が二人いるんだからな!それに頼もしい親友もいるんだ……だから!絶対助けてやる!…だから断言しろよ!あいつを…自分達を助けて欲しいて…!」

 

「……………………」

 

浜面の言葉に鏡花は震え…そして鏡花は口を動かし…その言葉を口にする

 

「……お願い……敦を……私達を……助けて!」

 

「……分かった…必ず助けてやるよ」

 

浜面は頷くと今度は激しい雷撃を落としてくる敦の攻撃を器用な避けて接近する…だが空飛ぶ相手に攻撃が当たるはずもない…だが浜面は諦めない…警棒を強く握り右腕に心の中で祈るように叫ぶ

 

(…俺は能力なんて要らないと思ってた…人を不幸にするだけの力なんて要らないて…でも俺の力で…この力で誰かを救えるのなら……)

 

「力を貸してくれよ銀の右腕(アガートラーム)!あいつらを救える力を…俺に力を貸してくれ!」

 

浜面が強く自分の右腕に祈ると右腕の銀の光がより一層強まった気がした…そして浜面は自然にその力を理解し…頭上の敦を見て警棒を振るう…本来なら決して届かぬ位置…だが違った警棒を振るうとそこから雷を纏った白銀の刃が放たれたのだ…そしてそれは敦へ向かってまっすぐ飛び敦が迎撃として放った雷撃を斬り裂いて敦に当たり白銀の刃から電撃が敦の体に走る

 

「ガハッ!?」

 

敦はその衝撃で吹き飛び地面に落ちる…だが幸い人体は斬れていない…どころか傷口一つもない…今までの攻撃はあらゆるものを斬り裂いてきた…なら敦の体も斬り裂けたはずなのに…だ

 

「……俺の斬りたい物だけを斬る…そして飛ぶ斬撃…雷を纏った刃……カラドボルグの力…か…」

 

カラドボルグ…エクスカリバーの原型として知られ刀身が無限に伸びると言われ稲妻の一撃を表す剣であり虹の間にあった三つの山を斬り裂いたと言う逸話から先程の攻撃が出来たのだろう…一説によるところ神話におけるヌァダが所持していたと言われる剣でもある…故に銀の右腕(アガートラーム)でも使えたのだろう…ただし威力が高い分代償もあったようで体がだるい…今はさっきほどの技は使えないだろう…それぐらいの威力はあった…もしくは単純に使いこなせていないだけか

 

「……まだ戦いを続けるのか?」

 

「……負けだね………」

 

「浜面君!」

 

浜面は警棒を敦に向け敦は苦笑しながら負けを認める……そして風斬が駆け寄ってくる

 

「もう……終わりかな…任務もこなせず無能力者に負ける…これだけの失態だ…組織の奴らに追われるかもしれないな…これから僕らはどうしたら「じゃあ一緒に考えようぜ」…え?」

 

「俺と…いや俺達と一緒にそれを一緒考えようぜ…俺の親友ならこう言うだろうさ「そんな下らねぇ幻想をぶち壊そうぜ」てな…」

 

「………はは……」

 

浜面は敦に手を差し出す、敦はそんな浜面に思わず笑いかけ浜面の手を握ろうとする…その瞬間浜面の胸から血が飛び出し敦の顔に、地面に浜面の血が付着した

 

「……へ?」

 

「え?」

 

「え……?浜面君!!?」

 

浜面は突然の出来事で驚きながらも倒れかけそれを風斬が支える…そして敦と鏡花が困惑する中…彼は現れた

 

「やれやれ…第5位を倒すとは…イレギュラーにも程があるよ浜面 仕上…」

 

その人物は男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人見える緑の手術布を着た人物が現れる…敦は彼が現れて非常に困惑し彼の名を叫ぶ…彼の名は……

 

「統括理事長…アレイスター=クロウリー…!?」

 

「………さて魔神の手の者…死ぬ覚悟はあるか?」

 

その男"魔術師"アレイスター=クロウリーは浜面に冷たい目を向けた後自分の手に持った銀の杖…衝撃の杖(ブラスティングロッド)を掲げる…今ここに最強の魔術師が君臨した

 

 




次回はギャグです、因みにこの二人が暗部に堕ちたのも木原幻生と木原病理の所為です、この二人はこの後もバリバリ面倒な事をして来ます


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十二話 アレイスターと魔神

今回は短いです、アレイスターとの戦いはなしです…だって勝てるはずがないですから…


アレイスター=クロウリー…かつて世界最強の魔術師と呼ばれ魔神にもなることが出来た伝説級の魔術師…殆どの人物がアレイスター=クロウリーの名を偽る者と考えていたが…アレイスターは六十年前以上に死んだとされていたアレイスター=クロウリー本人である

 

「……君には分かるか運命に…魔神の所為で死んでしまった我が娘を失った私の気持ちが…幼稚な歯車にすり潰されたように運命論の為に死んだ私の娘の名を魔神は覚えていないだろう…」

 

「この人……何言って……」

 

「黙っていたまえ、ヒューズ=カザキリ…ああ虚数学区の鍵は幻想殺しで死を覚えさせ実体化させようと考えていたのに…どこまで計画(プラン)を狂わせる気だ魔神達は……!」

 

アレイスターは憤激の目を浜面に向けて風斬が浜面の前に立とうとするがアレイスターが睨みを効かせるだけで動けなくなる…

 

「……アレイスター…僕達を殺しに来たのですか…?任務をこなせなかった僕達に…」

 

「……とんでもない…君達には感謝している…イレギュラーをここまで追い込んでくれてね…」

 

アレイスターは敦を一瞥するとすぐに浜面に目線を合わせその顔を怒りに染め上げる…そして浜面はアレイスターの事を思い出したのかアレイスターに向かって叫ぶ

 

「アレイスター……クロウリー…?まさか…あの僧正…て魔神が言ってた……?」

 

「ほう……魔神が私の事を…死ぬ前に教えろ…あいつらは何と言っていた?私の事を……」

 

浜面は以前僧正と話していた時にアレイスターの事を話していたのを思いだしアレイスターはそれを教えるように杖を浜面に向ける…すると浜面は口を開いた

 

「『娘が死んだのを我等魔神の所為だと間違えてる痛い奴』て笑って言ってたぞ…」

 

「…………何?」

 

「後、隠してるけど変態野郎とか、変な勘違いばっかり膨らましてるおっさん、一周回って可哀想…他にも」

 

「おい、まて私は魔神達にそう言われているのか」

 

浜面は僧正が言っていたアレイスターの事を口に出すとアレイスターの心が少し削られる…まさか恨んでいる相手にそこまで思われているとは…アレイスターは苦々しげに呟く

 

「……ちょっと待ってくれ、今繋げるから…」

 

「浜面君!あんまり動いたら…何してるの?」

 

「……電話だよ…あいつが会いたがってる魔神にな…」

 

浜面は動くたびに呻きを上げ風斬が止めに入るが浜面は動く…携帯を取り出すと指で動かして暫くするとアレイスターに携帯を向ける

 

「ほら……あんたが会いたがっている魔神と会話できる…筈だ…そこで聞きたいことがあるなら聞いてくれ」

 

「…………」

 

アレイスターは浜面から携帯を奪うように取り電話を耳に当てる…そこから聞こえて来た声は

 

「うほほーい!御用かなアレイスターちゃん…あ、待て切るでない…てか壊そうとするな人の物だぞ」

 

「………」

 

出て来たのは巫山戯た喋り方をする僧正…その巫山戯た声にアレイスターは携帯を握り潰そうとするが慌てて僧正が制止させる

 

「……魔神だな…?お前の様な巫山戯た存在で娘が……」

 

「うーん、ちょっと待ってね…お前さんには悪いがお前はずっと間違った情報を信じてるのだ」

 

「………何…間違った情報を…だと?どう言うことだ?」

 

「……お前さんの娘が腸チフスで亡くなったのは…我等が魔神の「火花」ではない…最も残酷な運命の神の仕業だ…聞いてくれるか?」

 

僧正がアレイスターに「娘が腸チフスで死んだのは位相同士がぶつかり合ったせいで起こった火花の仕業」と言う間違った情報だと断言するとアレイスターが怪訝そうに顔を歪める…そして僧正はアレイスターに真実を伝える

 

「いいか…この位相同士がぶつかり合って火花が飛び散るのは何故だと思う?それは何者かがそう仕組んだからだ…そう人類を自分の子だと思い込んでいる狂神の所為でな…お前の娘が死んだのは…あの狂神にとって試練なのだろうな…お前が乗り越えられるかどうかの…まあ簡単に言うと「娘が死ぬけどほれを上手く乗り越えてね」と言う奴の善意(悪意)だろうな…」

 

「……乗り越える…?そんな巫山戯た考えだと…巫山戯ろ…誰だそいつは…」

 

「…奴の名は分からぬ…何せ名前は未来永劫閉ざされている…だが最も知られメジャーな神だろうな…この日本という国でも天照という名で知られていた…奴は運命の狭間にいる…そこに辿り着く事は魔神にできても我等魔神には殺せぬ…故にアレイスター…儂等と手を結んではくれまいか?」

 

「……何?」

 

僧正が言った狂神という存在にアレイスターが今にも携帯を握りつぶそうとする程の力を込めあまりの殺気に浜面達が冷や汗をかくと僧正がアレイスターに手を結ぼうと言い出し、アレイスターは思わず威厳も何もない声を出してしまう…まさか自分が殺そうとしていた人物から手を結ぼうと言われるなど想像としていなかったからだ

 

「…あいつは魔神以外でしか殺せぬ…幻想殺しやあの魔神のなり損ない…禁書目録やお前さんのプランで作った能力者を掻き集めて…倒せるかどうか…だがお前らでは辿り着けぬ…だから儂等がそこに送る。だがら手を貸してくれ…」

 

「信用出来ない…」

 

「なら……儂の命をさし出そう」

 

「……!?」

 

アレイスターは僧正の言ったことを信用できないと切り捨てるが僧正は自分の命を差し出すとまで言いだす

 

「儂は元々誰かを救うために魔神となった…がもう儂では誰も救えぬ…なら儂の命であの狂神を殺せるなら…本望だ…それに位相同士のぶつかり合いも儂等魔神の所為でもある…だから儂を殺せ…だからそこにいる小僧は殺すな…」

 

「………………」

 

「そこの小僧はウチのアホ魔神(ヌァダ)の所為で巻き込んだ…被害者だ…それにその小僧はあの狂神を殺せるかもしれない…頼むアレイスター…我等と手を結んでくれ…そして狂神を殺した後に…儂を殺せばいい…」

 

「…………………」

 

「……最後にお前の娘を助けられなくて…済まなかった…だから最後に言わせてくれ…お前の娘「リリス」と出会えたら…今のお前さんではなく娘に胸を張れる父親になってくれ…お前さんのプランが成功しても…娘は喜ぶのか?…それだけは考えてくれ」

 

僧正が自分の命を差し出す代わりに浜面を殺さぬ様言いアレイスターの娘を助けられなくて済まないと言う…アレイスターは終始黙っていたが漸く口を開いた

 

「一つ言おう…巫山戯るな、お前の命ぐらいで足りると思っているのか」

 

「………………」

 

「…良いだろう手を結んでやる」

 

「………!?」

 

「プランも全て破棄だ…だが勘違いするな…いずれお前達の隠世に乗り込んでお前らを殺してやる…その前に…その娘の命を奪ったその狂神を殺す…その間だけ協力してやる」

 

「……感謝する」

 

アレイスターはそう言うと僧正は電話越しでは分からないがおそらく微笑み電話を切った…そしてアレイスターは携帯を浜面に投げて渡し言い放つ

 

「浜面 仕上……取り敢えず君の処遇は後回しだ…」

 

「……それは良かった…もう……手…動かせ…な…か……よ」

 

「浜面君!?しっかり…」

 

「……血を流し過ぎたな…そうだな…私の知人の医者に……」

 

アレイスターが浜面を今の所は殺さないと言うと浜面は血を泣かし過ぎたこともあり気絶し風斬が慌てアレイスターは浜面に近づいて何処かへ転移させようとする…

 

 

「……ここは……あれ?」

 

「浜面君!?目が覚めたんですね!…良かった」

 

「風斬……?ここは…「ヰクトリア医院だよ」…鴎外先生?」

 

浜面が目を覚ますと浜面はベットに寝ておりその横に風斬が椅子に座っていたが浜面が目を覚ますと浜面に近づき涙目になる…そして浜面がここはどこだと考えていると鴎外とエリスが部屋に入ってくる

 

「またの入院おめでとう…まあ、今回はアレイスターからお代を貰ってるから入院費は要らないよ」

 

「そうですか…て何で鴎外先生が俺の治療を?」

 

「アレイスターに頼まれたからねぇ…同じ科学の世界にいる魔術師として頼みを聞いただけさ」

 

「そうですか……?同じ魔術師」

 

浜面は鴎外の言葉に疑問を感じ尋ねると鴎外は微笑む

 

「言い忘れていたね…私はアレイスターと同じ魔術師さ…今は単なる藪医者だけど…君の傷を治したのも私の魔術なのさ…」

 

「……そうなんですか…」

 

「……まあ昔の事さ…さて起きてすぐで悪いがすぐにここへ行きたまえ…敦君だったかな?君が起きたら渡すように言われていたからね…」

 

「起きてすぐ退院ですか?」

 

「私の治療は冥土返しより下だが魔術での完全完治なら私の方が優れる…さあ行きたまえ…

 

浜面は起きてすぐに退院なんて…と呆れるが鴎外は完全に治っているからとさっさと浜面と風斬を追い出す…

 

「…たくさっきまで重傷だったのに…酷い医者だぜ…」

 

「……でも治ってるのは確かです…あの人が水をかけたらすぐに傷がなくなって行きましたから…」

 

「水を?…まあいいか…とりあえずここに行くか…」

 

浜面は鴎外に渡された地図を見て地図に示された場所を目指して医院から出て歩き始める…それを見届けた鴎外とエリスは浜面が寝ていたベットに腰掛け後ろを向いて話しかける

 

「案外…君の目的は早く叶いそうだよ…我等がボス…オティヌス君?」

 

「……あの人間からは私と同じ匂いがすると感じてここまで来たが…やはり他の魔神が関わっていたか…鴎外…いやグレムリンの「ウル」…主神の槍完成の素材はまだ見つからないのか?」

 

…背後に現れたのは右眼に眼帯をつけ毛皮のコートに黒の革の装束を着て、大きめな鍔広の帽子を被っている見た目13~14くらいの少女…彼女は魔神…のなり損ない…北欧神話のオーディンそのもの…鴎外がアレイスターや学園都市に秘密裏に所属している組織の長である

 

「もう少しで完成するさ……それにあまり来ないでくれよ…ベルシ君…加群君に言付けを頼めばいいのに…ここは学園都市だよ?僕の立場も考えてくれ」

 

「知らんな、お前はあのアレイスターを助けた一人かもしれぬが……私には関係のない事だ…」

 

「君らしい考えだ……まあいいさ…早く帰ってくれ…アレイスターの逆鱗に触れる前にね」

 

「ふ……お前ほどの魔術師ならアレイスターからも逃げられるだろう?偉大なる魔術の悪魔と契約を結んだ魔術師である貴様ならな」

 

オティヌスはそう言うと風の様に消えていった…鴎外はオティヌスがいた場所を一瞥するとベットから立ち上がりエリスを連れて病室から出る

 

 

「この先か…えっと…かめや?」

 

「旅館…ですよね?」

 

二人が辿り着いたのは古びた旅館…「かめや」と書かれた旅館だ…この地図にはここが記されておりその旅館の中に入る…すると女中が来て部屋まで案内してくれる…案内された部屋に入ると…敦と鏡花が待っていた

 

「待っていたよ……」

 

「確か…中島 敦だったよな」

 

「うん…浜面君…あの時は襲って済まなかった…上からの…理事長の命令には逆らえなくてね…」

 

「別に構わねぇよ…生きてるからな…でも何でお前の様な奴がそんな暗殺業やってるんだよ」

 

浜面は床に座ると敦に問いかける…浜面には通しても敦が悪い人間には見えなかった…風斬と話していた時も話し終えるまで黙っていてくれた…ただ殺すだけなら待つ必要はないというのに

 

「…仕方ないんだよ…昔僕と鏡花ちゃんが住んでいた孤児院で…僕はそこの院長と友達を殺した…その罰だよ…」

 

「殺した?」

 

「敦は悪くない!あれは木原が…木原 幻生と木原 病理が悪いの!あいつらに皆操られて……だから敦のせいじゃ!」

 

「それでも!僕が殺したことには変わりないんだ……それが僕の罪…僕の罰なんだ…」

 

敦は自分の両手を見て過去を思い出す…この手で友達を…院長を…孤児院で暮らしていた家族達をこの手で殺したのだ…確かに幻生と病理がその元凶だ…だが殺したのは敦…その罪を敦は両手を見て思い出していると浜面が立ち上がり敦を殴る、それを見て固まる風斬と鏡花に敦が殴られた場所を抑えて浜面を見る

 

「……馬鹿かお前は?…いや疑問形じゃねえな…馬鹿だよテメェは」

 

「…いきなり何を…」

 

「お前に聞くが…お前が悲しんだ所でそのお前が殺した奴等は報われるのか?」

 

「……………」

 

浜面は敦の襟首を掴み大声で怒鳴る…

 

「違ぇだろ!お前がそうやって悩んだからてそいつらが浮かばれるわけねぇだろうが!なら精一杯生きろよ!諦めるなよ!お前が殺した人の分まで幸せに生きろよ!……偉そうなこと言って済まなかったな…」

 

「……いや…色々と吹きれたよ…」

 

浜面はそう言うと敦から手を離して謝る…浜面の言葉を聞いた敦は憑き物が取れた様な顔をしていた

 

「で、これからどうするんだ?お前、俺を殺すて言う任務失敗したんだろ?」

 

「ああそれなら、理事長からもう暗部をやめさせられたよ…と言うことで君達についていくことにしたよ」

 

「ん……これからよろしく」

 

「………はい?」

 

浜面は二人にこれからどうするんだと尋ねると二人は笑って浜面についていくと言って浜面が固まる

 

「待て待て待て待て…え?何?俺に?…え?いやまてよお前らレベル4に学園都市レベル5の第5位だろ?…はぃ?別にもっと良いところが…」

 

「ない、それに貴方は言った「俺達が助けてやる」て…なら助けてくれたんだから最後まで責任を持つ」

 

「それに僕達木原のあの狂った二人に追われるだろうしね…碌な職場につけないだろうから…もういっそスキルアウトにつこうかなと」

 

「待て、その理屈はおかしい、俺は確かに助けたし助けられることがあるならやるが…スキルアウトに入らなくたって…風斬も何か言ってくれ」

 

浜面は二人のスキルアウトに入る発言を聞いて頭を抱え風斬にも説得して貰おうとするが

 

「大丈夫です、私も浜面君のスキルアウトに入りますから」

 

「なんでさ!?お前も入るのかよ!?良いの!?アレイスターも虚数学区の鍵とか言ってたじゃん!」

 

「理事長さんから許可は貰いましたから大丈夫です」

 

「アレイスターぁぁぁぁ!!?あの野郎…今度あったら覚えてろよ!」

 

風斬までもがスキルアウトに入ると言い出し浜面は地面を床にぶつけた…そして今度アレイスターにあったら頭にカレーをぶちまけせてやる、そう心に誓った

 

「と言うわけでよろしくね浜面君」

 

「宜しく仕上」

 

「よろしくお願いします浜面君!」

 

「……やったな駒場…半蔵……能力者が仲間になったぞ…これで無能力者狩りの連中を楽に倒せるな………ドウシテコウナッタ?」

 

にこやかに笑う三人を見て浜面はまた悩みの種が増え、もう泣きそうになる…今はもう、どうやって駒場に報告しようか必死に考えていた

 

 

六枚の白い翼を背中から生やした金髪の少年が立っているのは血まみれの大地…そこには何体もの少女の死体で埋め尽くされていた…その少女達の姿は…何処と無く浜面の知り合いの御坂 美琴に酷似していた…

 

「いいぞ!第1位はこの絶対能力者進化計画を破棄したが…これなら第2位が絶対能力者…レベル6になれるぞ!後何万人もいるクローンをこの調子で殺せば…なれる!」

 

「ふふ…アレイスターが中々許可しないまま無断で実行するのは流石に…と思いましたが…これほどの結果とは…」

 

その光景をドローンで撮影していた幻生と病理が歓喜の声をあげそんな彼等を微笑みながら見つめるコートを着た黒髪に赤目の青年が立っていた

 

「ここまでは計画通り……ですね…全てはぼくの掌に……」

 

青年は笑うと踵を返して研究室から出る…研究室には歓喜の声だけが残った…魔人の魔の手はすぐそこに迫っていた

 

 

 




最後に出てきた人…文ストのあの人ですね…さて次回は妹達編…頑張って書きますよ、次回もお楽しみに


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十三話絶対能力者進化計画

さて今回は一方通行が漸く主人公達が絡みますよ、そして垣根帝督が何故絶対能力者進化計画に参加してるのか理由が分かりますよ


とある建物にて壊れたスナイプライフルを抱えて死んでいる美琴に似た少女と六枚の翼を生やした金髪の少年が彼が殺したであろう少女を悲しげに見下ろしていた…するとその建物に誰かやって来た…白髪の少年…一方通行だ

 

「テメェ…垣根ェ…」

 

「…は、第1位様が何の用だ?」

 

「巫山戯ンじゃねェぞ学園都市レベル5の第2位垣根帝督!また…妹達(シスターズ)を殺しやがって!」

 

「は!善人ぶるなよ一方通行!たかが18万の金で作れる第3位のクローンだぞ?…それを命と言えるのか?」

 

金髪のホストのような格好の少年の名は垣根帝督…レベル5第2位であり能力は「未元物質(ダークマター)」…そして白髪の少年の名はレベル5の第1位 一方通行(アクセラレータ)…能力も彼の名前と同じ一方通行(アクセラレータ)…彼の本来の名前は違うようだが本人も忘れてしまいそれ以来一方通行と呼ばれている…彼等は互いに睨み合いながら牽制し合う

 

「…こいつらは生きてた…それだけで命があるて言えるだろゥが!」

 

「話にならねぇ…じゃあな…俺も仲間の命がかかってるんだからな」

 

「待ちやがれ!垣根ェ!!…くそがァ!」

 

垣根は翼を広げ空を飛んで目の前から消える…一方通行は追いかけようとするが、それを思いとどまり死んだ少女を見る

 

「……すまねェ…またお前らを…助けれなかった…」

 

一方通行は死んだ少女の手を握ると彼女に向かって謝りその場から去る…この場には少女の死骸のみが残った

 

 

 

「……これはどう言うことだ?浜面」

 

「俺が聞きたい方だよ…この三人はスキルアウトに入りたいんだってさ…」

 

「それは聞いた…俺達が聞きたいのはこの三人の素性だよ…」

 

浜面は現在隠れ家にて駒場と半蔵の目の前に正座して座っていた…別に浜面は何も悪いことはしていない…これは浜面が罪悪感から座っているのだ…因みにこの三人と言うのは

 

「……三人共すまないがもう一度詳しい素性を…」

 

「中島 敦です!一応学園都市最強のレベル5の第5位です!能力は原石の「龍宝剥奪」です!複数の能力が一つずつだけど使えます」

 

「泉 鏡花、レベル4の能力者…原石で能力の名前は「悲哀黒獣」…影を操り重力とかも操れる」

 

「か、風斬 氷華と言います…浜面君の友達で……一応能力はレベル不明の「正体不明(カウンターストップ)」です…役立てるよう頑張ります!」

 

「……そうか…」

 

駒場が三人に素性を言うよう言うと彼等は自分達の能力を言い、駒場が頷くと半蔵が浜面に近づき襟首を掴む

 

「全員能力者じゃねえか!?それに原石が二人て!?それにレベル5だと!?何があったんだよ!?」

 

「煩え!俺が聞きたいわ!?この二人に殺されたけて倒したらこれだよ!?俺だって訳分かんねえんだよ!?」

 

「……粗茶だが…」

 

「あ、ありがとうございます」

 

浜面と半蔵が取っ組み合いの喧嘩を始める中駒場は三人にペットボトルのお茶を入れたコップを渡す

 

「……念の為聞いておくがスキルアウトは無能力者の集まりだ…能力者である君達が入ってはいけないと規則はないが…いいのか?」

 

「ええ、浜面君には助けてもらいましたから…恩返しがしたいので」

 

「敦に同意…私も仕上に恩を返す…それに敦と一緒なら私はどこでもいい」

 

「わ、私も友達ですから!」

 

駒場が念の為三人に本当に入る気はあるのかと問いかけると三人共決意がこもった声で言い駒場から見てその目を見て頷き浜面を見る

 

「……良い人材を見つけてきたな浜面」

 

「それじゃあ駒場…!」

 

「……能力者をスキルアウトに加えるのは…一応は前例がある…黒妻なら許可していただろうからな…責任は俺が持つ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

駒場は浜面に向かって少し笑みを向けて浜面は良かったぁ…と呟いてほっと息をつく…風斬は駒場に感謝し頭を下げる

 

「良いのかよ?能力者をスキルアウトに入れたなんて知ったら内のメンバーも反対するだろうし…他のスキルアウトも黙っちゃいないだろうし……」

 

「……レベル5がいるだけで能力者や他のスキルアウトの牽制にもなる…デメリットはない…」

 

「そうだけどよぉ……まあ浜面の推薦なら内のメンバーは納得するか」

 

「?何で俺の推薦なら大丈夫なんだよ?」

 

半蔵は本当に入れて良いのかと駒場に言うが駒場は他のスキルアウトの牽制になると言い、半蔵も浜面の推薦なら他のメンバーも納得するかと頷き浜面のみが訳が分からず首をひねる

 

「お前他のメンバーからも慕われてるんだぞ?割と」

 

「まさか!俺みたいな無能力者で駒場や半蔵として何の取り柄もない奴が慕われる訳ねえだろ」

 

「?仕上にはあの銀のう「鏡花ちゃんストップ」モガ?」

 

鏡花は思わず浜面の銀の腕のことを話しそうになるが敦が口元を押さえて言うのを防ぐ…浜面は実はこのスキルアウトのメンバーにかなり慕われている…本人が知らないだけで

 

「……今日は新しく入りたい奴等がいると聞いてきただけだ…何かあったら連絡する…一応これが俺の携帯の番号だ…登録しておけ」

 

「あ、はい…良いんですか?裏切るかもしれませんよ?」

 

「……浜面が連れてきた時点で信用している」

 

「まあな…じゃあまたな」

 

駒場は自身の携帯番号を書いた紙を渡すとそのまま隠れ家を去ろうとし敦が携帯番号を教えて良いのかと尋ねるが駒場は浜面が連れてきた人物だから信用してると頷き半蔵も首を縦に振りそのまま隠れ家から出て行く

 

「あいつら……」

 

「…随分信頼されてるんだね…」

 

「まあ…何年もの付き合いだからな…」

 

浜面は二人を見て笑うと敦達も笑う…すると浜面の携帯が鳴り浜面が耳に携帯を当てる

 

「もしもし、誰だよ?」

 

『おお、仕上久しぶりだな、今から会えるか?』

 

「ああ当麻か…別に良いけど…あ…三人くらい連れてくけど良いか?」

 

『別に良いけど…駒場さんとか半蔵とかか?』

 

電話の主は浜面の親友の上条だった…そして今から会えないかと尋ねると浜面は行けると返事をするが浜面は風斬、敦、鏡花を見て三人連れて行くけど良いかと言うと上条は大丈夫と言った…因みに上条は駒場と半蔵とも面識がある

 

「いや新しい仲間だ…多分驚くぞ」

 

『またまた、上条さんはもう魔術師やレベル5と知り合いなんですぞ、驚きませんよ、じゃあいつもの公園な?』

 

「オッケー、じゃ……て訳でお前らついてくるか?」

 

浜面は電話を切ると風斬達の方を見てついてくるかと尋ねる

 

「別に良いけど……良いのかな?」

 

浜面「大丈夫だって、そのうち二人は敦と同じレベル5だし、鏡花と風斬も仲良くなれるよ」

 

「………友達…」

 

「友達……良い響きです」

 

風斬と鏡花は友達が出来るかもと言う言葉に興奮する…鏡花は友達がおらず風斬も友達が浜面一人なので友達を作るチャンスと首を縦にふる、浜面はそれを聞くと三人と一緒に待ち合わせの公園へ急ぐ

 

 

「悪ぃ、待ったかお前ら?」

 

「いいえ、私達も今来た所……て、後ろの三人は?」

 

「ああ…こいつらを紹介しようと思ってな……」

 

浜面は公園のベンチで待っていた、美琴、操祈、上条、禁書目録に風斬達の方を向かせ自己紹介をさせる

 

「か、風斬氷華です!測定不可の能力の「正体不明」です!……よろしくお願いします!」

 

「初めまして、第6位に第3位…僕はレベル5の第5位の「龍宝剥奪」の中島敦…よろしくね」

 

「……レベル4「悲哀黒獣」の泉鏡花…敦と同じ原石……よろしく」

 

「「「「……………………………………」」」」

 

風斬達が自己紹介すると上条達は笑顔のまま固まる…敦達は「変なこと言った?」と言う目で浜面を見るが浜面はやっぱりと苦笑する

 

「……レベル5の知り合いが増えた…」

 

「「………第5位…」」

 

「やっぱりしあげは人脈が凄いんだよ!」

 

上条はレベル5の知り合いが増えたと頭を抱えレベル5の二人は自分と同じレベル5が目の前にいることに驚愕し禁書目録は素直に驚き三人に笑顔で近づく

 

「よろしくなんだよ!ひょうかにきょうかにあつし!」

 

「うん!よろしく禁書目録!」

 

「……眩しい…眩し過ぎて目が見えない…!」

 

「……闇の世界に生きて来た私達にはこの光は眩し過ぎる…!」

 

禁書目録の歪みなき笑顔に差し出された手に風斬も笑顔で握り返し敦と鏡花は禁書目録の笑顔の眩しさに目を塞いでしまう…禁書目録はそんな二人を見てキョトンと首を傾げる

 

「……仕上…こんなんで仲良くなれると思うか?」

 

「大丈夫だって!確かにこの二人は俺の命を狙ってきたけどさ、もう大丈夫だって!」

 

「咄嗟に凄いこと言いましたよ仕上さん…本当に仲良く出来るのか…?不幸だ」

 

上条は全然安心出来ず頭を抱える…そして全員でベンチに座って話し始め…

 

「そこでバシッと言ったけですよ上条さんは!そしたら今では本当に仲良くなりまして!まあ今でも電撃を飛ばしてきますが!」

 

「ああ!あれはカッコよかった!でも最後は美琴の奴電撃飛ばしてきて必死に操祈と当麻で必死に逃げたよな!」

 

「あははは!いや僕も鏡花ちゃんが怒って膨れてる時には湯豆腐をあげたら満面の笑みで機嫌を直すんだよ!あの時の顔は可愛いかった!」

 

「マジですか!と言うか敦はロリコンだな!」

 

男三人はベンチでたわいもない話で盛り上がり、互いに笑い合う…先程仲良くなれるのかと心配していた上条ですらもうこのレベル5に馴染んでいた…逆も然り

 

「はい美琴さぁんダウト!」

 

「…!だぁぁぁぁ!!?なんで分かるのよ!私が嘘ついたて!?」

 

「みことは顔に出すぎなんだよ!」

 

「……あ、えっと…8です!」

 

「……9」

 

「鏡花それダウト!……え?違うの?…また手札増えたぁぁぁぁ!?」

 

美琴達は五人仲良くダウトをしていた…毎回美琴が嘘をついても表情に出してしまう為いつも美琴が最下位だった、逆に鏡花はポーカーフェイス過ぎて毎回一位だった

 

「いやぁ仕上が連れてきたこいつらは最高だな!すぐ仲良くなれたぜ!」

 

「……ん、楽しい」

 

「鏡花は全然顔に出ないから嘘をついたか分からないんだよ!」

 

「楽しいです!」

 

上条は先程言っていた仲良くれるか発言を取り消して大笑いし全員が笑う……そんな彼等を見ている人物が一人ポツンと立っていた…そして彼は決心した様に彼等に向かって歩いていく…

 

「よし携帯の番号交換したから二次会でも行こうぜ!近くのカラオケにでも!」

 

「良いわね!私が自動販売機を蹴飛ばして手に入れた缶ジュースも切れていたしね」

 

「え!?このジュースそんな方法で手に入れたんですか!?」

 

「美琴〜お前も悪よのぉ「ちょっとイィかァ?」ん?」

 

上条は調子に乗って二次会に行こうと誘い美琴も自分が手に入れた缶ジュースが無くなってきたと言い風斬は自分達が飲んでいたジュースが奪い取った物と知ると少し気分を悪くする…そして浜面は美琴を揶揄おうとすると誰かが話しかけてきて浜面が後ろを向くと白髪の上条と同じくらいの少年が立っていた…浜面と風斬は彼の顔を知っていた…確か公園でキャッチボールの後殴り合いをしていたあの少年だ

 

「……ちょっといいかァ?」

 

「誰よあんた…私達は今からカラオケ行くんだから…」

 

「お前がオリジナルか…そっくりだな…」

 

「オリジナル?お前なんの話を?てか誰だよお前?」

 

美琴と上条は突然現れた少年を訝しむ様に見て少年はニヤと笑う

 

「俺は学園都市最強のレベル5の第1位…一方通行だァ…よろしくゥ…」

 

「……え?…ええええ!!?レベル5の第1位ぃぃぃぃ!!?」」

 

「またですかい!?今日は初めて知り合うレベル5によく会う日だな!?…何の用ですか?」

 

「……これを見てくれるか?」

 

美琴と操祈は自分より上のレベル5が目の前に現れた事に驚愕し上条も再び初めて会うレベル5に会った事に一瞬驚くが落ち着き何の用だと言う…すると一方通行は手に持っていた資料を美琴に渡す

 

「…絶対能力者…進化計画…何よこれ」

 

「……読んでくれ…」

 

美琴はこれは何だと一方通行に問いかけるが一方通行は悲痛な顔で読んでくれと言い美琴以外も絶対能力者進化計画を読んで…絶句した…そこに書かれていたことは…実に非人道的だった

 

「……私のクローン二万体を殺して絶対能力者…レベル6に進化させる…計画?…何よそれ…まさか…あの時医療の為て言って採取した私の…DNAで…?」

 

「…何だよ…これ…いくらクローンだからて…命を何だと思ってるんだこいつらは!?」

 

「酷い奴ら何だよ!?でとアクセラレータもこれに賛成してるの!?ここに名前が書いてあるし」

 

「……な訳ねェだろ…俺は命を大事にしろって木原くンと約束してんだ…だが第2位の垣根帝督て奴がァ…もう一万人も殺してる…」

 

全員が激しく非難する中禁書目録がここに一方通行の名前があることから貴方も関係者と尋ねるが一方通行は一蹴し今それを行っているのは学園都市第2位の垣根帝督だと教える

 

「じゃあそいつをぶっ飛ばせば…」

 

「ことはそう単純じゃねェ…もし垣根帝督が負ければ…捕まってる垣根の仲間が殺されるんだよ…」

 

「それて……」

 

「そゥだ…人質だよ…確か心理定規(メジャーハート)て言う能力者だ…元々垣根はそんなに悪りィ奴じゃねえ…弱い奴は絶対に手を出さない奴だった…悪いのは全て絶対能力者進化計画を考えた奴らだよ…」

 

一方通行がそう言うと全員がやるせなくなる…垣根帝督も所詮操り人形の様なものだ…垣根も仲間を助ける為に妹達の殺害という道を選んだのだ…

 

「…お前は何でこの事を教えてくれんだよ…」

 

「今日の夜…また垣根が妹達を殺す気だ…毎回俺が行っても俺の行動を読まれて訓練場所を変えちまう…だから俺はその研究所をぶち壊す…それを伝えに来たんだ…そしてもう一つ…オリジナル」

 

「何よ…」

 

「お前のDNAから生まれたクローンだ…だけど…あいつらには罪がない…だから」

 

一方通行は美琴の目の前で膝を降り頭を地面にぶつけ、その行為に全員が驚くなか一方通行は大声で叫ぶ

 

「だからあいつらを受け入れてやってくれ!全ては俺と言う能力者がいたからだ…俺を殺してもいい…だが…妹達を拒絶しないでくれ!頼む…!あいつらには本当に罪はねェんだ!それに垣根も…許してやってくれ!あいつも脅されて……だから全ての責任は俺にある!」

 

「……あんた…」

 

「……それだけだ…楽しい会話の最中に邪魔して悪かったな…すまねェな…」

 

一方通行は謝った後ボツボツと浜面達に背を向けて歩き始め去っていた

 

「……いいのか一方通行?協力してもらわなくて…」

 

「木原くン……いいんだよォ…地獄に行くのは俺だけで充分だ…あんな幸せそうに笑ってる奴らを…巻き込めるかよ…妹達を殺したのが垣根なら…助けれなかった俺も同罪だ…自分のケツは自分で拭く…」

 

一方通行は木の陰に隠れていた数多が本当にいいのかと聞くが一方通行はもう一度だけ浜面達の方を向き彼等が笑っていた時の顔を思い出し少し笑顔になり歩いて行く…それを見た数多は溜息を吐きながらその場から足早に立ち去って行った

 

 

「どうすんだ美琴……?さっきの話を聞いて……?」

 

「決まってるでしょ……その巫山戯た科学者とその被害者の第2位をぶっ飛ばして…妹達を助ける!元は騙された私の所為だから…私が何と…「みこと!」痛ぁ!?何すんのよ禁書目録!?」

 

「そうやって一人で抱え込んじゃ駄目なんだよ!もっと私達に頼るんだよ!」

 

「そうだ…俺も力を貸す!だから俺達にも協力させてくれ!」

 

「私も…友達が困ってるなら…助けてあげるわ…」

 

「友達なんだから当たり前だろ!」

 

美琴は一人で抱え込こもうとし禁書目録に噛みつかれ、もっと頼れと上条達が言い美琴は目をパチクリさせた後笑う

 

「あんた達て…本当馬鹿よね…まあ私もだけど…うん、そうね…私は困ってる…だから助けて!」

 

「「「「勿論!」」」」

 

「僕も……友達だから…協力するよ」

 

「美琴は…初めての友達…だから助ける」

 

「わ、私もお手伝いします!」

 

美琴が笑って助けてくれと言うと全員が力強く首を縦に振る…今日知り合ったばかりの敦達も協力してくれて美琴は嬉しかった…

 

「さて…その前にアレイスター…学園都市の理事長に話を聞いてみるわ…電話番号がいつの間にか登録されててな」

 

「等々理事長とも知り合いなんですかい?」

 

「あ、もしもしアレイスターか?実は絶対能力者進化計画なんだけど……何?…そうか…ありがとう」

 

「…理事長様はなんて言ってたのよ?」

 

浜面はアレイスターに電話をかけ始め上条が理事長とも知り合いなのかと驚いていると、浜面は何かに驚いた顔をして電話を切る

 

「アレイスターはこの計画には無関係だった…木原幻生と木原病理の独断行動らしい…」

 

「幻生…病理……」

 

「だからぶち壊しても全然構わねえてよ…つまり…これは…」

 

「偉い人からも壊していいて言われたんだね!」

 

敦は幻生と病理が暗躍していると聞くと怒りを露わにするが禁書目録はアレイスターから潰してもいいと言われたと喜び上条達も喜ぶ

 

「じゃあ…このクソつまらない幻想を…ぶち壊しに行こうぜ!」

 

「「「「「「「おう!」」」」」」」

 

こうして下らない茶番を壊す為に彼等は動き始めた

 

 




一方通行カッコいい…だが口調がかなりあってない…一方通行の口調を完全に再現できる他の人達は凄いですね…さて垣根帝督を止めるには心理定規さんの保護と研究所の破壊、垣根帝督を倒す…これが最低条件ですね…次回もお楽しみに


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十四話研究施設

今回は垣根帝督編、その前に天井さんとあの超能力者が登場、一方通行さんと数多さんがカッコいいなて書いた本人でも思ってしまう…カッコいい木原くンでもいいですよね?


コンテナがある場所で妹達(シスターズ)の10032号と垣根帝督が見つめ合っていた

 

「…遺言はねぇか?」

 

「……特にないですとミサカは即答します」

 

「可愛げがねえなぁ…まあ安心しろ…楽に殺してやる…」

 

垣根が白い六枚の翼を広げると10032号も両手に銃を持って互いに戦闘を開始しようとした瞬間、ピクッと垣根が動きを止め首を軽く動かす…10032号も垣根が首を向いた場所を見ると金髪の少年…浜面が歩いてくる

 

「おいおい…実験どうなるんだよ…一般人が来るなんてよぉ…巫山戯んじゃねえぞ…」

 

「……お前が第2位か…ホストみたいな格好だが…美琴より強いとなると…面倒だな…」

 

「…ほう?俺の事を知ってるのか?」

 

「まあな…一応アレイスターに聞いて何と無くだが分かってるよ、レベル5 第2位の「未元物質(ダークマター)」の垣根帝督」

 

「アレイスターか……ふ…何処まで邪魔をすれば気がすむんだあの野郎は…!」

 

浜面がアレイスターの名を出すと垣根は顔を手で隠して笑い始めたかと思うと激昂する…浜面がアレイスターから聞いた話では暗部の悲劇に触れそれ以来自分を憎むようになったと言っていたがここまで強い憎しみを持っているとは…浜面は想像出来なかった…

 

「そう言えばあの木原のクソ野郎共も言ってたなぁ…アレイスターの許可は取ってないて…そうかあいつは邪魔をする為にお前を送り込んだって訳か…いいぜ…そこのクローンの前にお前を愉快なオブジェに変えてやるよ!」

 

垣根は白い六対の翼を羽ばたかせ浜面を睨みつける…だいぶ勘違いしているが…放っておいていいだろう…どうせもう聞く耳を持たないのだから

 

「たく…話し合いぐらいさせろよ…まあいいそこのえっと…取り敢えずミサカ…御坂妹と呼ぶ事にして、ここから離れろ!」

 

「…しかしミサカは第2位と戦わねばいけません、とミサカは言い返します」

 

「…たく…無表情だが…オリジナル…美琴と同じ頑固だな…いいから行け…俺は…俺達…それに美琴もお前らを助ける為に必死なんだからな…」

 

「……お姉様が…?」

 

10032号は無表情でここから去る事はないと答えそれを見て浜面はオリジナル(美琴)と同じで頑固だなと思うと無理矢理下がらせて目の前の垣根帝督を見つめる

 

「さて…お前の悲劇を…俺が斬り裂いてやるよ!」

 

 

同時刻、とある研究所にて天井 亜雄(あまい あお)を筆頭とした研究者は乱入して来た浜面に苛立っていた

 

「くそ!なんだあの餓鬼は!実験の邪魔をしやがって……!たかが18万で作れる肉塊なんぞに情を持ったのか!?くそが!」

 

「……醜い男…」

 

「……ですね」

 

そんな天井達を白目で見ているのが芳川 桔梗(よしかわ ききょう)に布束 砥信(ぬのたば しのぶ)…この絶対能力者計画の唯一の反対派である…と言っても彼女達の力ではなんとも出来ない為指を加えるしかないが…浜面が実験の邪魔をして苛立つ中でこの二人だけは浜面に期待の感情を寄せていた

 

「…もし…彼が第2位に勝てば…もうこの実験は終わり…妹達が死ななくて済む…」

 

「…でも…第2位の未元物質を前に…勝てるわけが……」

 

「おい!芳川!布束!何を喋っている!?この不測の事態…どう責任を取ればいい…あぁ…嫌だ…僕は責任を取りたくないぞ!そうだ!お前らのせいにすればいい…僕は悪くないんだ…」

 

天井はコソコソ喋っている布束と芳川に八つ当たりした後周りの機械を蹴飛ばしたり他の研究員を殴ったりなど横暴して怒り狂う…丸で物事がうまくいかなくて怒っている餓鬼そのもの…すると警備員らしき男が慌てて研究室に入って来る

 

「た、大変です!第1位が…この研究施設に乗り込んで来ました!」

 

「な、何い!?一方通行が!?ま…不味い…おい!音響兵器を用意しろ!あの作戦だぞ!?対一方通行用のな!?」

 

「は、はい!」

 

「不味い…実に不味い…し、死にたくないぞ僕は……!くそ…待てよ…あのクソ餓鬼は妹達を助けようといたな…?ならあいつを盾にすればいい!」

 

天井は対一方通行用に作っていた兵器を起動させるよう言うと髪の毛を毟り取る勢いで搔きむしり明らかな動揺して怯えている…まさか一方通行が自分達を殺しに来るとは考えていたが…実際来ると恐ろしい…天井は今にも泣きそうになりながら死にたくないとばかりに大声をあげるが突如天啓を受けたかの様にアイデアが浮かび乾いた笑みを浮かべる

 

「おい芳川に布束!お前らは一方通行から僕を守れ!僕はあいつの所へ行く…」

 

「あいつ……何を?…如何します芳川先輩」

 

「…あいつの命令な床に従う理由はないわ…さっさと一方通行に投降しましょう」

 

逃げるようにこの場から立ち去り芳川と布束に自分を守るよう言うが…二人は天井を守るわけがなく無視して一方通行に投降するために歩き出す

 

 

「……………………」

 

「と、止まれ!撃つぞ?!本当に撃つぞ!?」

 

「おォ、撃ってみやがれ…出来るならな」

 

「クソがぁぁぁ!!」

 

「おい待て!あいつの能力は!?」

 

警備員が近寄ってくる一方通行に銃から銃弾を放つが…銃弾が一方通行に当たる瞬間、それが跳ね返り銃弾を撃った警備員の銃を破壊する…これが一方通行の能力、保護膜と呼ばれる身体の周囲を僅かに覆う能力の射程範囲に触れた運動量・熱量・光・電気などの力の向き(ベクトル)を観測して、力の向きを自由に変換する力…普段は反射に使っているが力の向きを適切に制御することで高い攻撃力を発揮出来る、攻防一体の能力である

 

「何だァ…この緩い攻撃はァ…舐めてんのか…!」

 

「ヒィ!?」

 

一方通行は地面を蹴る力を能力で最適化させ、移動速度を大幅に上げて一瞬で警備員達に近寄り警備員の一人の胴体を殴りつける…能力で強化したその拳は鋼鉄すら砕き数多に鍛えられたその筋肉であっさりと警備員を気絶させ残る二人は銃弾を銃から放つが全て反射され二人に蹴りを入れて壁にぶつかり壁にヒビが入り警備員二人は気絶する

 

「はン…、対した警備じゃねえなァ…さっさと研究施設を潰して…帰るか…」

 

一方通行は更に廊下を進み歩いて行く…途中でまた警備員が現れ銃弾を撃つがそれを難なく反射して銃を破壊し警備員を無力化して蹴りを入れて気絶させて前へ進む…ここまで対した警備ではないし、普通の銃くらいじゃあ自分は倒せないと考えていた時、一方通行はふと足を止める

 

「ここから先には進ませないスよ」

 

「……能力者かァ…それもレベル4…相当の…」

 

「そうス、自分は誉望 万化(よぼう ばんか)ス…でもレベル4てのは頂けないスね…自分はレベル5相当の実力者だと思ってるんスよ!なのに…上の連中は見る目がないスねぇ…」

 

360度にプラグが挿してあり無数のケーブルを腰の機械に繋げている土星の輪のように頭全体を覆う特殊ゴーグルをつけた少年…誉望 万化が笑いながら一方通行の前に立つ…彼は以前垣根帝督に挑み敗北し(自分が勝手に能力が被ってると思い込んだ)垣根帝督に戦いを挑むも完敗してトラウマを植え付けられた上で懐柔され彼の元で働いていた…が病理の誘いにより心理定規を誘拐し垣根帝督がレベル6になればその後釜に座り、失敗しても自分はレベル5入り出来る…と病理に誘われてこの研究所の警備をしているのだ

 

「俺がレベル5になる為にこの計画を潰させるわけにはいかないス…ここで足止めさせてもらうス…いや…勝って自分が第1位になるのも…いいスねぇ…」

 

「…三下がァ…調子に乗りやがって…いいぜ…ここから先は一方通行だ!学園都市第1位の力…見せてやるよ!」

 

一方通行はそう叫ぶと万化に近づく…万化は念動能力の応用で発火を起こし一方通行はそれを軽く避けるがその瞬間に万化は透明化、無音化して一方通行から姿を隠す

 

「ああン?隠れただとォ?チ…隠れるンじゃ俺にはァ…勝てねえぞ?」

 

「ええ…ですが…今は逃げの一手スよ」

 

万化はワザと声を立てて何処にいるか一方通行に教える…それを怪しいと思いつつも近寄っていく一方通行…暫くすると通路の先に部屋を見つけその部屋に入るとキャパシティダウンがいくつも設置されていた…これで一方通行の能力を封じる気か…と一方通行は考えるとキャパシティダウンから不快音が聞こえる

 

「どうスか!俺は耳栓で何も聞こえないスけど…あんたはこれで能力が使えない筈ス!」

 

「……三下が考える幼稚な作戦だなァ〜…俺はそんな不快音を反射出来るんだぜェ?」

 

「!?……キャパシティダウンが効かないとわ…流石第1位スね…」

 

「そんな下らねェもンに頼りやがって……所詮は機械だろうがよォ…それに能力が使えなくても鍛えてるから問題ねェぞ?」

 

万化はキャパシティダウンを使って一方通行の能力を封じようとするが一方通行はそのキャパシティダウンの不快音すら必要ない物として反射して防ぎ、万化はそれを見て驚く…まさかキャパシティダウンを受けても能力が使用不可にならない能力者がいるとは思っていなかった様だ…がまだ万化は不敵な笑みを崩さない

 

「(…ま、まだ秘策があるんスけどねぇ…)不味いスね…もう少し逃げるスか」

 

「また逃げるのかよォ…逃さねえよ!」

 

一方通行は逃げる万化を追いかける…万化は目的の場所まで誘導しながら一方通行を誘い込む…一方通行はそれを訝しみながらも万化を追いかける…すると突然耳に不快な音が鳴り響いた…キャパシティダウンだ…

 

「なンだ……と!?反射出来ねェ…?何で…まさか!」

 

「流石第1位、頭の回転も第1位という事スね?この部屋には無数のキャパシティダウンが置いてあるんスけど対一方通行用に反射されない様な普通の音にしてるんスよ…無害な音なら反射されないからスね…それを沢山流して聞かせる事により不快音に変えるス」

 

「成る程…なァ…その壁にある小さい機械…小型キャパシティダウンは一個じゃあ能力者の能力は消せないがこうやって無害な音にして多数のその機械の音を聞かせる事で俺の能力を…使用不可にしようて…魂胆か」

 

一方通行が今反射しているのは自分に有害なベクトル、空気や酸素、重力などのベクトルは受け付けている…万化の声も聞こえる様にしている…完全な無音にすれば良かったかもしれないが…もうそれすらも設定することが難しい…無害だと思わせたキャパシティダウンの音をこの部屋全体…360度から流して一方通行の超能力を使用不可にしたのだ…しかも一方通行が能力が使えなくなると知るや否や武装した研究員達が笑いながら出てくる…全員で一方通行を甚振る気だろう

 

「いいスね…あんたを倒せば俺が第1位スね!さあボコボコにしてやるスよ!」

 

「三下がァ……!調子に乗りがって…能力がなくたって…やってやろうじゃねェか!」

 

「無駄スよ、大人し…」

 

万化がここで一方通行を倒せば自分が第1位になれると笑い一方通行は無理やり笑みを作って能力ではなく拳で戦おうとしたその直後、研究室の奥が爆発した音が聞こえ振り返ると無数の電撃が走り小型キャパシティダウンを全て破壊する

 

「何!?何事スか!?」

 

「今のは…まさか…」

 

一方通行は先程の電撃を見て誰がキャパシティダウンを破壊したのか理解する…そして彼等は煙の中から現れる

 

「「ジャッチメントですの!」」

 

「違ぇだろ!?美琴と操祈はジャッチメントじゃねえだろ!」

 

「取り敢えずここを破壊しに来た」

 

「…………私も何か言わなきゃ駄目?」

 

「お、お邪魔します…でいいのかな?」

 

「私も頑張るんだよ!」

 

「テメェら…どうして此処に?」

 

現れたのは上条達…全員が全員研究員を睨みながら一方通行の近くに立つ…一方通行は何故上条達がここにいるのかと疑問に思うが

 

「偶然よ、偶然、今日偶々ここを破壊しようと思って来たらあんたが先にいたて訳…別にあんたを助けに来た訳じゃないわ」

 

「上条さん達も同じですね、美琴を追いかけて来たら偶々お前がいたてだけだ…」

 

「そうよねぇ…偶然よ、偶然」

 

上条達はそう言うと上条が一方通行に手を差し伸べる…

 

「…テメェらが来る必要なんてなかったのによォ…馬鹿だろお前ら」

 

「よく言われるよ、だがこんな実験してる奴らを見逃すくらいなら馬鹿の方がよっぽどマシだよ」

 

「……くだらねェ…そんなお前らには得する事なんて「あるさ」…ンだと?」

 

一方通行は上条達には得はないと言いかけるが上条はあると言い切る

 

「もし全部うまくいったら…一方通行、俺達の友達になってくれ!」

 

「………はァン?」

 

「私て、意外と友達て少ないと思うのよ…人助けしてついでに友達が出来るなら最高じゃない」

 

「ん、私達まだ友達少ないから…友達になって」

 

上条達は一方通行に友達になってくれと真顔で言うと一方通行は暫く呆然とし笑い出す

 

「馬鹿だろテメェら……だが…そう言う奴…嫌いじゃねェぜ?いいぜ…こいつら全員ぶっ倒して垣根のヤローを倒したらな!」

 

「うし!じゃあ一丁全員倒しますか!」

 

「舐めるなス…!全員やるスよ!…え?」

 

一方通行はそう言って笑うと万化は茶番もいい加減にしろとばかりに研究員達に攻撃を命令するが…研究員達はお互いに仲間である筈の研究員同士が殴り合って相手にならなかった…万化はハッとした顔で操祈を見ると操祈はリモコンを弄っていた

 

「これで貴方一人よね?」

 

「舐めるなス!」

 

万化は念動能力で発火を起こしその炎が禁書目録を襲うが炎が禁書目録に近づくとその炎がクルリと回転して万化自身に向かって来た

 

「な!?」

 

「プロメテウスの火…ギリシャ神話のトリックスターであるプロメテウスは人類に火を与え人類は火が使えるようになった…つまり貴方が私に火を与えてくれたから貴方の炎を私が使えるようになったんだよ」

 

「よく分からないけど…凄いよ禁書目録!」

 

「それ程でもあるんだよ!まだこんな微妙な魔術しか使えないんだけどね!」

 

「ば、化け物スね…!」

 

万化は魔術が使えるようになった禁書目録の魔術に動揺し(無論魔術の事は知らないが)透明化と無音化して部屋から逃げ出す…それを禁書目録が魔術を使って探索すると小部屋の中に万化が入った…その証拠にその扉のドアが開いている…そのまま上条達が部屋に入ると…

 

「来るな!こいつがどうなってもいいんスか!?」

 

「……うう…助けて…」

 

「!…人質取るなんて…卑怯ねあんた」

 

「煩えス!こうでもしないと俺はレベル5になれねぇんスよ!お前らみたいに苦労せずレベル5になった奴に俺の気持ちが分かるスか!?」

 

万化は心理定規を人質に取り心理定規の首元にナイフを突きつけており、上条達は万化を下衆を見る目で見るが万化は言ってしまう、美琴に一番言ってはいけない言葉を

 

「苦労せず…?…巫山戯てんじゃないわよ!私が…どれだけ苦労してレベル5になったか分かる!?操祈だって頑張った!そこにいる敦だってレベル5になったせいで苦労してるのよ!そこにいる一方通行だって…なのに貴方は一度負けたぐらいで折れて…本当にレベル5になりたいなら!努力をしろ!諦めるな!そんな事も出来ない奴がレベル5を馬鹿にするな!」

 

「煩えス!本当にこいつを殺してもいいんスか!?」

 

「そんな事させないんだよ…神の威圧」

 

美琴が全レベル5を代表するかの様に叫ぶと万化が手に持ったナイフで心理定規を殺そうとすると禁書目録が魔術を発動し万化の腕が…いな全身が動けなくなる、正確には動作が遅い…まるでスローモーションで動いているかのような…その瞬間に敦が空間移動で万化の背後に現れ万化に蹴りを入れて吹き飛ばし心理定規の方を掴むと空間移動で心理定規を自分達の近くで保護する…万化はまだ諦めていないのか壊れかけのゴーグル越しでも分かるほど殺気を放つ

 

「くそぉ…俺がレベル5になれる筈だったのに…あんな白い翼の奴に…負けなければぁぁ…俺わぁ…」

 

「くだらねぇ…いつまでも負けた事に囚われてるんじゃねえよ…負けたならもっと強くなる様努力しろよ…お前にはそれがない…ただ楽してレベル5になりたいだけだ」

 

「黙るス!こうなったら一人だけでも!殺してやる!」

 

「…そこまで堕ちたか…それ程までレベル5になりたいから美琴のクローンを見殺しにしたのか!」

 

「それこそくだらないす!そこの第1位や垣根みたいに何殺すのに抵抗してるんスか!何偽善ぶってるんだよ!高々クローンの命だろ!くだらねぇ!」

 

万化は追い詰められ狂ったように叫び、クローンの存在を激しく否定する…それに上条はその言葉でとうとう完全に切れた

 

「巫山戯んな…妹達(シスターズ)は精一杯生きてたんだぞ!全力を振り絞って必死に生きようとして…精一杯努力してきた人間が………何だって、テメェらみてえな人間の食い物にされなくっちゃいけねえんだよ!!」

 

「舐めるな!」

 

万化は自分に向かって走って来る上条に火炎を念動能力で作り出し上条へ向ける…確かに上条に当たればステイル程ではないが大怪我…最悪でも上条を殺せるだろう…だが上条の右手が炎に触れると炎はガラスの様に砕け消失する

 

「…何…そんな…能力…知らない…スよ?!」

 

「お前がクローンを殺してもいいて言うのなら!まずはその幻想をぶち壊す!」

 

見て驚いた万化は上条の右手で顔ごと殴られゴーグルが破壊され素顔を晒しながら地面に倒れ気絶する

 

「……能力を消す…能力だァ?それにそのシスターの餓鬼…本当に能力なのか?」

 

「中々鋭いね君…私は能力じゃなくて魔術だよ」

 

「魔術…ねェ…まあいい…無事心理定規を助け出したし…垣根の所「動くな!」…まだ生き残りがいたのかァ…」

 

一方通行が心理定規を連れて垣根の所へ行こうとすると天井が戻ってきた…しかもサイズの合っていない白衣を着せただけのほぼ裸の幼女に銃を突きつけて…それを上条達が見ると「うわ、変態だ」と一瞬考えるが…その幼女をよく見ると…美琴に似ている

 

「!まさか妹達の一人…」

 

「動くなぁ!こいつは妹達の上位個体打ち止め(ラストオーダー)…お前ら妹達を助けにきたんだってな…こいつがどうなっても知らないぞ!」

 

「…地味に空間移動が難しい所の壁際に入るな…」

 

「おっとそうだ…一方通行には役に立たないが…キャパシティダウン!」

 

天井は恐らくは音声起動式のキャパシティダウンを発動し一方通行と上条、禁書目録以外の能力を使用不可にする…それを見て天井は笑う…一方通行は打ち止めがいる限り攻撃出来ないし上条は単なる無能力者…怖くない…そう言う表情だ

 

「馬鹿な奴だな…こんなクローンの為に命はって…こいつら何て所詮いくらでも作れる肉塊なのにさ!」

 

「黙れ…お前如きが…そいつらを…語ってるンじゃねェ!」

 

「煩い!いくら人間そっくりでもクローンて時点で人じゃねえだろ!」

 

「…ここまで腐ってんのかよテメェの心は…」

 

天井はケラケラ笑うと泣きそうな顔の打ち止めに更に強く拳銃を食い込ます…それを見た一方通行が打ち止めに話しかける

 

「なぁ…お前…助けて欲しいか?」

 

「…うん、助けて欲しいてミサカはミサカは泣きながら懇願してみる…」

 

「そうか……なら…絶対助けてやるよ…」

 

「おい!近づくな!こいつがどうなってもいいのか!?」

 

天井は自分に近づいて来る一方通行を見て動揺しながら打ち止めの額に当てている拳銃を見せつけるが、一方通行は更に近づく…それを見た天井は汗を流しながら後退する…そして天井の後頭部に激しい痛みが襲う、思わず打ち止めと拳銃を手から離して後ろを振り向くと芳川と布束が天井の後ろに立っていた

 

「お前ら…邪魔を…!」

 

「これで…お前を殴れるなァ!」

 

「ヒィ…待ってく…」

 

天井が近づいてきた一方通行に何か言おうとするが一方通行は能力で速度を上げ腕の力を最適化して天井を思い切り殴り天井は壁に激突し歯が何本も折れ口から血を流す…だが気絶していなかった様で上条達に目を向ける

 

「貴様ら…!僕の後ろに誰がいるのか知ってるのか!?」

 

「……さてなァ…検討もつかねェ」

 

「いいか!僕の後ろには…「お前の後ろに誰がいるかって?」な!?」

 

天井が捨て台詞を吐こうとすると背後から誰かの声が聞こえ振り向くと…数多とその部下である猟犬部隊(ハウンドドッグ)の隊員達が天井を囲んでいた

 

「俺達、猟犬部隊だよぉぉぉ!」

 

「あららァ…おっかねェ人達がついてるんだなァ…」

 

猟犬部隊は天井を拘束すると無理矢理連行し芳川と布束は高速もせずに優しく誘導して隊員達が連れて行った…数多は一方通行にゆっくりと近づいていく

 

「連れて行け…一方通行…無事だったか…」

 

「…木原くン…やっぱり来たのかよ」

 

「まあな、俺はお前の親代りだぞ?…後第3位に第5位、第6位、ツンツン頭、シスターの嬢ちゃんにお嬢ちゃん達二人も協力ありがとな!」

 

「あ…はい」

 

数多は一方通行の無事を確認すると上条達に頭を下げて礼を言いその場から去ろうとする…去り際に一方通行の方を見て笑う

 

「友達が出来て良かったな…大切にしろよ」

 

「……!…チィ…分かってるよ木原くン!」

 

「じゃあ俺は妹達の保護とここの上位個体の保護をする…上位個体は無事かどうかの検査が終わり次第また合わせてやる」

 

「……助けてくれてありがとう!てミサカはミサカは感謝の意を伝えて「さあ行くぞ」え!?ちょっと待って欲しいてミサカはミサカは…」

 

打ち止めは一方通行に向けて感謝の言葉を言うとするが数多に連れられてこの場から去っていく…それを見届けた一方通行はクルリと心理定規に近づき話す

 

「さて…お前を連れて第2位…垣根の所へ行く…ついて来てくれるか?」

 

「ええ…私のリーダーだもの…助けられるのならついて行くわ」

 

「よし!今浜面が垣根を抑えてるから…早く行くぞ!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

上条達は心理定規を連れ出して垣根の所へ急ぐ…上条は浜面が無事と信じて浜面の所へ急ぐ

 

 

 




打ち止めちゃんの出番が少ない…そして万化はゴーグルの少年の事ですね…このキャラなら一番垣根を裏切りそう、仲間になった理由があれだもの…すぐに裏切りそう…まあその為のトラウマなのだろうけど…因みに彼はレベル5だと自分の能力を自負してましたが麦野さんに負けてたからレベル5になるのは無理ですね…まあ麦野さんも強いけど…次回は垣根帝督と浜面とのバトル、お楽しみに


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十五話未元物質

さて今回で第1章は終了、最後に文ストのあのキャラが…垣根帝督の技は一部病理さんのから取ってます、まあまだ完全には使いこなしていない様ですが…


垣根と浜面は激しく戦っていた、垣根は白い翼で空を飛び、未元物質で新たな物質を生成して浜面を攻撃し、浜面は銀の腕を使い未元物質を斬り裂き、垣根は翼から衝撃波を飛ばす

 

「中々やるじゃねぇか!それがお前の能力か!?見たことねえぞ!」

 

「生憎ながら俺は無能力者だよ!これは能力じゃないらしいぜ!」

 

二人は笑い合いながら攻撃を続ける、浜面の場合は作り笑いだが垣根は余裕があるのか普通に笑っている、白い翼を回転させて月の光を殺人光線に変え翼を羽ばたかせて無数の光攻撃を放ち浜面はそれを右腕に持った警棒で斬り裂くと剣からカラドボルグの力で電撃を飛ばすが垣根はそれを翼で自分を守り防ぐ

 

「面白ぇ…だが俺の未元物質には常識は通用しねぇ…だがその右腕の斬れ味にはムカついた、お前を倒してアレイスターに届けてやるよ」

 

「だから俺はアレイスターの手の者じゃねえて……まあいいや…こいよ最強、俺はそこら辺の雑魚とは違うぞ!」

 

「ほざいたな」

 

垣根は斬撃を飛ばし浜面はそれを避け、突風が浜面を襲うが浜面はそれをバックステップで避け垣根は翼の羽を飛ばす、それを警棒で羽を斬り裂き、垣根はその最中に翼で接近し未元物質を作り出してそれを浜面に飛ばす

 

「チ…未元物質…「この世に存在しない素粒子を生み出す、若しくは引き出して操作する」能力 …チートじゃねえか!これで第2位とかマジふざけんな!それに六枚の天使みたいな羽とか…厨二病かよこのメルヘン野郎!」

 

「ああ!?俺だって好きでこの羽生やしてるんじゃねえよ!仕方ねえだろ!こういう風にしか展開できねぇんだからよ!ムカついた、八つ裂きにしてその首に花を突き刺して町の中心に置いてやる!」

 

「発想が怖えよこのチンピラホスト!?」

 

「黙れ完全なるチンピラ!」

 

二人は低レベルな争いで盛り上がり、垣根は更に翼を羽ばたかせて光攻撃や斬撃、風、羽を飛ばすなどの攻撃で浜面を襲うが浜面はそれを全て避けつつ、避けきれない攻撃は斬り裂く

 

「本当にその腕は理不尽だな!俺の攻撃を斬り裂くなんてよ!」

 

「そっちもな!この世に存在しない物質なんて卑怯過ぎるわ!」

 

浜面は一応アレイスターから垣根の能力は聞いている…まずあの白い翼だがあれは性格には第1位と同じ超能力の範囲を超えているらしく、アレイスター曰く一方通行の能力が「ここではない別の世界においての有機にして神にも等しい力の片鱗を振るう者」と言うのなら、垣根帝督の能力は「ここではない別の世界においての無機にして神が住む天界の片鱗を振るう者」らしく、風斬と同じ人工的な位相の虚数学区の力を扱うと聞いている…つまり魔術に限りなく近い科学だ…しかもまだ覚醒しておらずアレイスターのプランのサププランだったとか…

 

「(やれやれ…こんな化け物でも第2位とか…)…はぁ…美琴と言い、操祈と言い、淳といい…超能力者て言うのは全員チートだな」

 

「俺にとってはお前もだけどな…それに一方通行の野郎も何なんだよ…攻撃の反射や攻撃はあくまで副産物だとか…あんなんチート以外の何物でもねえよ…」

 

「まあ自分でもこの能力はヤバイと思うぜ…だけどな、お前は凄いと思う、そんな力を持ってるのに他者を甚振るわけでもなく無関係な者や弱者を虐げない…いい奴だと思う…人質を取られているとはいえ…お前はいいのかよ、妹達を殺して?」

 

「……は、俺は最低な奴だよ…だから暗部にいる、人を殺すことにも戸惑いのない悪党だよ」

 

浜面は垣根の能力を単純に凄いと言うと垣根も苦笑しながらお前もなと呟く…そこで浜面は垣根に言ってみた、やはりこの垣根は単なる悪ではないと、垣根はそれを聞くと疲れたような顔をして右手で顔を覆う

 

「俺は単なる最低な悪党さ…こんな能力(チカラ)が在っても誰一人救えねぇ無価値な人間だよ…この力は人殺しにしか使えねえ力何だよ」

 

「……そうか…そう思ってるのなら…俺がそんな下らねえ妄想を切り裂いてやる!」

 

「は…大きくでたな…!第2位の力を見せてやる」

 

垣根はそう言うと未元物質で対象を引き寄せる物質を創造し浜面はその物資に引き寄せられるがそれを飛ぶ斬撃で斬り裂き、垣根はダイヤモンドより硬く銃弾と同じスピードで飛ぶボーリング玉サイズの物質を生み出し投げつけるが浜面はそれすらも軽く斬り裂く

 

「触れると爆発する物質、触れると凍てつく物資…まだまだ作れるぜ?」

 

「くそ…チートだそんな能力!」

 

「未元物質を斬り裂いてるお前もな!」

 

垣根は空を飛びながら未元物質で生み出した物質を操り、浜面はそれを警棒で斬り裂いて、銀の刃を飛ばし垣根はそれを回避する…そんな攻防を繰り返す

 

(あの力…超能力じゃねぇ…だが…俺の力に近い……俺の力に近い…もう少しで掴めそうだ…この未元物質の真の力に…)

 

垣根は銀の腕を見て自分の能力を理解しつつあり、浜面に烈風や斬撃、衝撃波や光攻撃、羽を飛ばすを何度も行い、浜面は何度も斬り裂く…

 

「このメルヘン野郎が!メルヘンなのは頭や翼だけじゃなくて能力もかよ!」

 

「それを言うな…自覚はしてる…この能力は全力で使うと羽が生えるんだよ…俺だって生やしたくねえが…便利だから仕方ねえ」

 

(…やはり禁書目録が言ってた天使の力に酷似してるが…アレイスターは虚数学区の力て言ってた…つまり…科学に近い魔術…の様な何か…てか?アレイスターの野郎、厄介な能力生み出しやがって!)

 

浜面は内心でアレイスターにキレながら垣根の攻撃を防ぐ…一方垣根は内心この戦いを楽しんでいた…妹達を殺す罪悪感もなく、暗部での殺しより有意義で他の能力者と戦うより面白い…初めて垣根は戦うことに満足していた…だが同時に思い出す、自分がこれ程能力を使って嬉しかった時は…いつも彼女にいた

 

元々彼が暗部に落ちた理由はレベル5に成り立てだった頃、レベル0の少女を見た時である、彼女は素養格付(パラメータリスト)で自分の限界を知った人間であった…素質格付とはレベル5になれる人材ならそれき見合ったカリキュラムを、生涯レベル1と判断したものには無駄なカリキュラムを受けさせない物でありそれを彼女は偶然知ってしまいいつかは能力が出ると信じていた彼女は生きる理由が無くなった…垣根はそんな彼女を励ます内に彼女に恋をした、彼女を守ろうと、彼女を救おうとした、その為に努力した、希望を信じた…が彼の救いの手は届くことなく彼女は死んだ…暗部の組織の狂った能力者によって…殺された理由は後に知ったが木原 病理が垣根と仲良くしている人間を殺せば真っ当な性格の超能力者にならなくなると考えた…それだけの理由で彼女は殺されたのだ、

 

垣根は怒り狂い彼女を失った絶望に、下らない理由で殺した科学者を強く恨んだ、素質格付を作った奴らを憎んだ…だが一番恨んだのは自分だ…自分さえいなければ…彼女は死なずに済んだのではないか?結局は垣根がどれ程頑張っても努力は報われず、どれほど信じても希望は無くなる…彼女を無くした彼は生きる理由が無くなった

 

それ以来彼は壊れた、この様な悲劇をなくすため暗部を、素質格付などと言う下らない物を考えた科学者達を、そして学園都市を作ったアレイスターを殺すために暗部に堕ちた、自分がアレイスターの計画のサブプランと知った時は激しく怒ったがそれを利用してやろうとまずは一方通行を倒してプランをメチャクチャにしてやろうとした…その結果がこれだ、仲間を誘拐され仲間に裏切られ研究者にいい様に利用される…茶番もいい所だ

 

「は…何やってんだ俺…あの頃から変わって…いや劣化してるじゃねえか…はは…本当…馬鹿みてえだ」

 

「…お前……」

 

垣根は昔のことを思い出すと乾いた笑いを出す…そして浜面を見て垣根は笑う…彼は等々理解してしまったのだ…自分の力「未元物質」の真の力に…

 

「ああ…最高だよ…感謝するぜ…名前は知らんが…お前のお陰で…お前の能力で…俺の力が根本が理解出来そうだ!」

 

「このメルヘン野郎…余裕だな…それと俺の名前は浜面 仕上だ!」

 

「ああ、覚えといてやるよ、俺が真の力に目覚めるきっかけを作ったのはお前だからな!あの世で精々宣伝してくれ!この俺の未元物質を!」

 

垣根はそう言うと三対の翼を広げその翼を更に大きくする…その大きさは一番下の翼が地面に当たりかけるほど…一枚で20メートルはあるのではと思うほどの大きさの翼に浜面が驚いていると、垣根は翼を振るいそこから白いカブトムシ十匹と自分の翼の後ろから巨大な腕とオレンジ色の脳髄、円盤の様な何かを生み出す

 

「俺の手駒の白いカブトムシに、スカイフィッシュを参考にした武器、イエティを参考にした巨腕、リトルグレイを参考にした様々な能力を使う脳髄…これが俺の未元物質の真の力だ…」

 

「…とんでもねぇのが出てきたな…」

 

「もう一度言うぜ、俺の未元物質には常識は通用しねえ」

 

15メートルほどの大きさの白いカブトムシは緑色に輝く眼を赤く発光させ砲身である大きな角から弾丸を飛ばして攻撃しスカイフィッシュを飛ばしリトルグレイは雷や炎、氷などの超能力を操って攻撃してくる…リトルグレイの超能力は全てレベル3程度…もう1人で軍団を作れるほどである…しかも浜面が斬り裂いても即座に未元物質を補給され復元して数が減らない…唯垣根は命令しながら攻撃すれば勝てる…究極の持して勝つを体現した様な能力だ

 

「…絶対第1位より強くなってるだろ、お前……当麻じゃねえが…不幸だ」

 

「後人体の複製や臓器も作れるぞ、お前が俺の人体を斬り裂いても再生できるから俺の体を切ってもいいんだぜ?」

 

「人は斬りたくねえ!何とかお前を殺さず勝つ方法で倒すから覚えとけ!」

 

「……甘い奴だな…本気で殺す気なら勝ててるのによ…まあ、安心しろ安らかに殺してやる」

 

垣根は浜面に向かって笑いかけるとカブトムシ達に一斉放射を命じ浜面は必死に逃げる…カブトムシ達の強度はそれほど高くないし高くても防御力無視の銀の腕には関係ない…が再生する相手とは相性が悪い…浜面は舌打ちしながら必死にカブトムシ達から逃げる

 

「…なァンだありゃァ…?あれが第2位…?」

 

「おいおい…聞いてた話と違うぞ!?」

 

「テレズマ…とは違うけど…天使の力に酷似してる…?不味いんだよ!?あれは神に等しい力なんだよ!」

 

一方通行は垣根の能力を見てあれが本当に自分が知っている垣根の能力なのかと驚き、上条も呆然とする中、禁書目録のみ驚かずにあの力の正体が天使に近い何かと推察する…風斬も何か察したのか垣根の翼を黙って見ていた…そして爆音と共に浜面が上条の所まで吹き飛んで来た

 

「イテテ…マジかよあいつ…覚醒とかはどっちらかと言うと主人公がやるもんだろ…」

 

「仕上!無事か!?」

 

「これが無事に見えるなら眼科行け…あいつ覚醒しやがった…」

 

「うえなにあのカブトムシやら巨腕に脳味噌…まあいいわ、私達も手伝うから「いやいい」はぁ?」

 

上条が無事かどうか尋ねると浜面は毒吐きながら大丈夫だと立ち上がり美琴達は浜面を支援するためカブトムシに立ち向かうが浜面がそれを制止する

 

「俺1人でやる…あの野郎に勝って…あいつの目を覚まさせる…!」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ!あんなの1人で「わかったよ」ちょ当麻!?」

 

「だけどよ…死ぬんじゃねえぞ」

 

「おう」

 

浜面は1人で垣根を倒すと言うと美琴が止めようとするが上条がそれを抑え浜面は白いカブトムシの元へ向かう

 

「どう言うつもり!?あんなのに浜面が勝てるわけ「勝てるさ」」

 

「あいつは勝ってくれるさ…きっとな!」

 

「とうまが言うなら信じるんだよ、しあげはきっと勝ってくれる!」

 

「上条さんがいうなら私も信じなちゃねぇ」

 

「本格的に不味くなったら僕達も手伝う」

 

「…ん、仕上を信じる」

 

「わ、私も信じています」

 

「あんたら……分かったわよ!黙って見てるわ!でもこっちに襲いかかってくるカブトムシだけは倒すわよ!」

 

「……テメェら随分友達を信じてるンだなァ……」

 

一方通行以外の全員が浜面を信じると言うと一方通行は全員友達(浜面)の事を信用しているのだと笑う…そして自分達に襲いかかってくる白いカブトムシを全員で倒しにかかる

 

 

「渋といな…さっさと死んだほうが楽だぜ?」

 

「お断りだ馬鹿野郎!それにお前の力を見てると…俺も何かわかる気がするんだよ!」

 

垣根は未だ諦めずに1人で戦う浜面を見て若干呆れつつもその勇猛さに感心していた…浜面も疲労が溜まっているが垣根の翼を見て自分の力を理解しようとする…後少しで何かわかりそうな感覚に浜面は内心焦りつつも不思議とここで死ぬとは思わなかった

 

「(いや…油断したら死ぬだろうけど…何だろう…もう少しで…届きそうなんだ…垣根の領域に…)」

 

「カブトムシ、リトルグレイ!早く倒してやんな!」

 

垣根はカブトムシとリトルグレイに命令しカブトムシは砲弾を放ちリトルグレイは発火能力や電流操作や水流操作を使ってくる…それを浜面は平然として避ける…そしてカブトムシを斬り裂きリトルグレイを破壊するが、カブトムシは直ぐに再生する…がリトルグレイはそのまま消滅…リトルグレイは再生できない様だ、だがカブトムシの数は減らないし何体か上条達の所にいるとはいえこの数は浜面1人では厳しい…スカイフィッシュも切り裂けば壊れるが直ぐに垣根が新たに生み出す…まさに防戦一方…その時浜面は漸く何かを掴んだ…

 

「……そうか…これが…垣根、礼を言う、お前が俺の腕を見て未元物質を理解した様に…俺も未元物質を見て自分の力を理解した」

 

「は?どう言う…?」

 

「見れば分かる…俺は俺が斬れない物を許さない!」

 

浜面がそう叫ぶと右腕の銀の輝きが更に増す…そしてカブトムシを一斉に斬り裂くと垣根は未元物質を補給して再生させようとするが…再生しない

 

「な!?」

 

「傷を治さない魔剣の力…残念だかそのカブトムシ達は暫くは再生出来ないぜ」

 

「く!だが!」

 

垣根が新たに白いカブトムシを生み出して浜面に襲わせるが浜面は警棒を地面に落としコンクリートに自分の手を触れるとコンクリートが盛り上がり銀の魔剣を作り出しカブトムシを貫き治癒しない魔性の傷を負わして一掃し、垣根がどんなにカブトムシを作り出しても浜面が斬り裂くだけで八つ裂きにされ爆発する…どんなに数で圧倒しようにも地面に手を触れられ大地の剣を生み出されカブトムシは消滅していく…状況は一気に垣根から浜面へと有利になる

 

「斬り裂け銀の腕!」

 

「く!?」

 

浜面がそう叫ぶと警棒が光線状の剣(レーザーブレード)になり射程1kmの長さの光剣で垣根の三対の翼を左翼側を斬り裂き垣根は態勢を崩し落下し始める…だが残った翼で何とか持ちこたえ地面に立つとイエティの腕を伸ばし浜面を攻撃するが浜面がそれを斬り裂くと腕が八つ裂きにされスカイフィッシュは浜面が隠し持っていた拳銃を右腕で持ち魔剣化させ銃弾がスカイフィッシュを全て撃ち壊す

 

「……馬鹿な…俺の未元物質が…」

 

「……もう終わりだぜ、第2位…」

 

「…まだだ…まだ終わらない!俺はお前に勝ってアレイスターを倒す!それがあの子に出来る俺の償いなんだ!」

 

「じゃあ聞くが…そんな事して…本当に喜ぶと思うのか!?お前がそこまでする人はお前がそんなことまでして…そんなお前を見て喜ぶのか!?」

 

垣根は白い翼を伸ばし打撃や斬撃を浜面に放つが浜面はそれを警棒で斬り裂き垣根の翼を全て破壊するがまだ未元物質を使って自分の姿をまるでネッシーの様に変える…垣根は浜面に勝つ為に人間の姿を捨ててでも勝つつもりなのだ…だが浜面はそんな垣根に問う、そんな事をして本当にお前がそこまでする人は喜ぶのかと、するとネッシー(垣根)の動きが止まる…

 

「もし、お前がそこまでしないとその人が喜ばないと思うなら……!」

 

「……な!?」

 

その瞬間に浜面は垣根に向かって跳躍しネッシーは口を開き何か放とうとするがその前に浜面がネッシーを斬り裂いた

 

「うおおおおお!!!?」

 

「……その空想ごと…沈め」

 

ネッシーは光の粒子となって消滅しその地面には垣根が地面に倒れていた…他のカブトムシも消滅したのか上条達がやって来る

 

「倒したのか!?」

 

「ああ…何とかな……」

 

「………負けたのか…俺は…は、情けねえ…どんなに努力しても…俺にはこんな力…相応しくなかったんだ…」

 

上条が浜面の無事を確認すると全員が安心し、負けて地に伏せた垣根は顔に手を当てて自嘲する…そして垣根は美琴と一方通行を見る

 

「……第1位に第3位…ほら俺を殺せよ…第3位のクローンを殺したのは俺だ…第1位も俺を殺したいんだろ?殺せよ…もう俺には…生きて行く理由がない……部下には見捨てられ…仲間を人質に取られる…本当に…何やってるんだ…俺…」

 

垣根は美琴と一方通行に自分を殺すように言うと自分を裏切った万化と人質にされた心理定規を思い疲れた様に美琴と一方通行を見るが

 

「…殺さねェよ…お前には妹達を殺した償いをしてもらわねェといけないからなァ…」

 

「私もお生憎様、殺す気は無いわ、生きて一万人を殺した罪を償いなさい」

 

「…生きてか…俺にはもう生きる理由がねぇんだよ…もう俺の翼はなぁ…とっくの前に…」

 

一方通行と美琴は垣根を殺さないと呟くと、垣根は自分は殺される価値もないのかと乾いた笑いをして、自分の翼はとっくの前に折れていると言い始めるが

 

「折れてなんかいねえよ、お前の翼は」

 

「……何だと?」

 

「お前はたった1人の誰かの為に強くなったんだろ?その為に強くなったんなら…お前の翼は折れてねえよ、確かにお前は間違えたかもしれねえ…だがまだこれからがある、たとえ悪人でも…俺は善人になれると信じてる」

 

「……甘え考えだな…だが…俺にはそんな権利はねえよ」

 

浜面は垣根を説得すると垣根は自分が善人になれる資格はないと言うが

 

「それなら俺や敦もだろ、俺はスキルアウトだし、敦や鏡花も何人も殺してる…だがそれでも変わろうとしてる…お前もまだ変われるだろ?」

 

「………何でお前は…そこまでするんだよ…俺みたいな人間に…お前に俺の何がわかるんだよ……」

 

「分からねえさ、だからさ…友達になろうぜ」

 

「………は?」

 

浜面は自分や敦達もお前と同じだ言うと垣根に手を差し出し友達になろうと言う

 

「友達になったら互いにいろんなことが知れるだろ?そしたら俺が一緒に妹達の所へ行って一緒に妹達達にお前らの姉妹を殺してごめんて土下座してやるからさ…だから、友達になろうぜ」

 

「俺もさ、妹達と一緒に土下座でも何でもしてやるから…死のうとか考えるなよ」

 

「俺も妹達達を助けられなかった時点で同罪だ…一緒に罪を償ってやるよ」

 

「私も……私がDNAを提供しなければこうならなかったから…私も手伝うわ」

 

4人はそう言うと垣根はそんな4人を見て呆然としながら、4人に呆れながら笑みを浮かべて浜面に手を伸ばし浜面の手を握る

 

「……宜しくな垣根」

 

「ああ…」

 

浜面は垣根を起き上がらせ、これにて漸く事件が解決したと浜面は銀の腕を解除し疲労していたこともありはぁと深くため息を吐くと…

 

「浜面君!大丈夫ですか!?」

 

「か、風き…りいぃぃぃ!!?」

 

「良かったです無事で!心配したんですよ!」

 

「いやいや氷華浜面をすぐ離して!?貴女の怪力で浜面の骨が折れるから!?」

 

風斬は浜面が無事と知り喜び浜面に抱きつく…これだけなら羨ましい展開なのだが風斬は喜びのあまり力の調整を謝りほぼ全力の怪力で浜面に抱きつき浜面は垣根と戦った時よりも尋常ではないほどのダメージを食らい気絶し美琴が離すよう風斬に言う

 

「あ!?すみません!大丈夫ですか!?」

 

「…………………」

 

「やばい!もう虫の息だ!?早く病院へ行かねえと!?」

 

「全身の骨が折れてる!?第2位の戦闘が終わって怪我するてどう言うこと!?」

 

「……煩え奴らだ…」

 

「…だな…でも…面白そうじゃねえか」

 

風斬は慌てて浜面から離れるが浜面は第2位と戦った時より大怪我を負い上条達は大慌てで病院へ連れていく様言い、それを見た垣根は呆れ一方通行は面白そうに笑う

 

 

「ほう、こんな結末になるとは…やはりぼくの想像を遥かに超えて来ますねえ…」

 

外套を着た黒髪に血の様に赤い眼の青年は垣根との戦いを見て不敵に笑う…今回の絶対能力者進化計画は彼が実行させたと言っても過言ではない…彼は魔術師だ…それもアレイスターと同じ魔神に近づいた程の…

 

「ふふふ、ぼくはこの街が気に入ったかもしれません…だから皆、ぼくが次来る時まではいい子にしてるんだよ?」

 

その男…魔人 フョードル・ドストエフスキーは不敵に笑うと外套を翻しその場から消え去る…彼の魔法名はTsumitobachi999(罪人に罪と罰を与えよう)

 

 

 




第1章は終了次は…オルソラさん編かな…?え?御使堕し(エンゼルフォール)?…まあそこら辺は置いておいて…暫く魔が空くかもしれませんがお楽しみに…第2章はどんな展開になるかな?

最後に出て来たドストエフスキーさんですが…とんでもなく強いです、使う魔術はのちに明らかに…ドストエフスキーさんはこの作品だとどんな活躍をするか見ものです


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二章目覚めるは龍
十六話天草式を追え


さて今回から新章のスタート、最初はこんなメンバーチートやと思うかもしれませんが最後で「あ、これだけのメンバーじゃないと勝てないわ」と思っていただけたら嬉しいです


「聞いてくれよ仕上!全員でさ俺の両親に会いにいくついでに海に行ったらさ世界中の人の外見だけ入れ替える術式が起動しててさ!俺と禁書目録以外の外見が入れ替わって大変だったんだよ!」

 

「そうなんだよ、御使堕し(エンゼルフォール)て言う術式で天使の力で外見が変わっててね!私がどうにかして美琴達だけでも解いて、助っ人に来たかおりの術式と解いたんだよ」

 

「殺人犯の火野 神作が犯人だと思ったら違ってて…二重人格は人格が入れ替わるだけだった…血走った眼や爪や内出血で青黒くなった手が気持ち悪かった…でも垣根が蹴り飛ばしたら一撃で気絶した」

 

「でねでね!その御使堕し(エンゼルフォール)?の元凶は当麻のお父さんでね!偶然発動したらしいのよ!何でも当麻の不幸を直すために外国から買って来たお土産で発動したらしくて…!」

 

「偶然で怖いわよねぇ…で、上条さんのお父さんを殺しに来た天使の…えっとガブリエル?が襲いかかって来たんで、火織さんと共闘して全員で倒す羽目になったのよ!」

 

「いやぁ天使て強くてさ!レベル5の力もあんまり通用しなくてさ!大苦戦したよ!でも当麻君の友達の土御門君が何とかしてくれてね!」

 

「それに私、ミーシャさん…いえガブリエル…さんの力を見て何となくその力が分かって水翼が出来る様になって…だから…その…えっとなんて言えば…」

 

「まァ何だ…すまン」

 

上条達はヰクトリア医院に一方通行や垣根、打ち止めも交えて入院してる浜面に旅行に行って来てそこで起こった天使との激戦を浜面に語るが…浜面は不貞腐された顔で無関心にその話を聞く

 

「……楽しそうで良かったな…俺はずっと入院してましたよ…今日で退院だがな」

 

「す、すみません…私が抱きついたばっかりに……」

 

「いや、風斬は悪くねえよ?抱きついてくれたのは嬉しかったからさ…別に俺は皆で楽しそうにしてていいな〜とか、皆で強敵と戦ったんだろうな〜とか、楽しい思い出ができたんだろうな〜とか思ってねえから…」

 

「バリバリ思ってるよな?…しかし魔術て本当にあるんだな…しかも未元物質が通用しねえとは…あんなのチートじゃね?」

 

浜面は自分だけ一人仲間はずれにされた気がして不貞腐れていた…浜面も海へ行って西瓜割りや水泳をしたり女子の水着(主に風斬)を見たかったが、まあ風斬に抱きつかれた時の感触を思い出し、まあいいかと考えせめてお土産くらい持ってこいよと思い上条の方を見る

 

「で、その御使堕しに巻き込まれて大丈夫だったのか?いくらレベル5が五人いても平気だったのか?」

 

「全然、平気じゃなかったよォ…反射が効かねえしよ…マジで勘弁しろ…学園都市最強てのも世界からしたら大した事ねェンだな…」

 

「…あんなのは勝てない、斥力でも跳ね返さないし」

 

「あいつを消すために俺の両親の家が消滅したんだぜ?……不幸だ」

 

全員がガブリエルの力を思い出したのか、青ざめたり溜息を吐く…それほど強い敵だったのかと浜面は自分がいたら楽に勝てたりしたのではないかと思うが全員無事なので、自分はいかなくても良かったかなと思ってしまう…すると部屋の扉が開き鴎外が入ってくる

 

「ちょっといいかな?浜面君君に会いたい人がいるから連れて来たよ」

 

「?駒場とか半蔵か…」

 

「やあ、体調は如何かな浜面仕上あ」

 

「「そおい!」」

 

鴎外の後ろからひょっこりと現れたアレイスターは、浜面の見舞いのために持って来た柿や林檎を手に取ってアレイスターに投げつける垣根と浜面…その光景に唖然とする一同を置いて垣根と浜面はアレイスターを足蹴りする

 

「この野郎どのツラ下げて出て来た!殺すぞ!」

 

「よくも厄介ことを押し付けたな…!」

 

「痛い、痛いやめたまえ君達」

 

「セリフの割には全然痛がってねえ…」

 

アレイスターは二人に蹴られても口では痛いと言っているが全然痛そうではないと上条は思う…そしてアレイスターが口を開いた

 

「さて、君達に任務と言うか仕事があるのだが…やってくれるかな?」

 

「お断りします」

 

「そう言うな…これは魔術サイドからの依頼で…依頼人は君達の良く知る人物だ…ステイル=マグヌス」

 

「!…ステイルから?」

 

アレイスターは仕事があると言うと浜面が断り全員も頷く…がアレイスターがステイルの名を出すと美琴、上条、操祈、浜面、禁書目録が食いつく…その他は知らないので首を傾げるが

 

「依頼はオルソラ=アクィナスの救出と保護…このオルソラ=アクィナスはあの法の書を解読し、その彼女が天草式に囚われたとのことだ、そこでイギリス清教とローマ正教が協力し合いオルソラ=アクィナスを助け出すらしい」

 

「法の書!?あの解読不可能の魔道書を解読!?」

 

「……何だそれ、有名なのか?」

 

「うん!あれを解読できるなんて…」

 

「まあ、それもどうせ間違った答えなのだろうがね、何せあれは間違った答えでもそれらしい文章に見えるよう細工してあるからどうせ真の解読はできていないだろうがね」

 

「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」

 

アレイスターがどうせ法の書の解読は間違ってるんだろうな、と呟くと全員が唖然とする

 

「いやね、私が法の書を書いた張本人なのだから…オルソラ=アクィナスには悪いが間違って解読しているようだ」

 

「……書いた本人て…本も性格悪いのね、あんたと同じで」

 

「…た、確かに法の書は既存の言語学で解明できるようなものじゃない、天使の術式て聞いてるけど…あれ?じゃあ何で護衛しなきゃいけないんだよ?間違ってるて言えば済むことなんだよ?」

 

「何、私が生きていると知られれば世界中の魔術師が怒り狂う…何せ私は魔術を捨て科学に走った魔術師だからね」

 

アレイスターがそう言うと全員が頭を抱える、すると禁書目録はアレイスターが法の書の著者と知り話しかける

 

「書いた本人なら内容を知ってるんだよね!教えて!」

 

「…あれはエイワスが私に取り憑いた…神託の様なものだからね…はっきり言おう、私にも解読できない!(ドヤッ)」

 

「もう死ねよお前」

 

アレイスターはあれは自分でも分からないとドヤ顔で言い切り垣根は蔑んだ目でアレイスターを見つめる…こんなのが自分が殺そうと思っていた奴だと思うと垣根は自分が悲しくなった

 

「と言うわけで頑張りたまえ、もう既にステイル=マグヌスに二つ返事で了承してしまった」

 

「……ねえこいつに超電磁砲を当ててもいい?」

 

「無駄だ…絶対防がれるぞ…」

 

「では私はこれで去ろう…後あまりローマ教会の言うことを信じぬ方がいい」

 

アレイスターはそう言うと、そのまま部屋から出ていく…その前にふっと思い出したのか軽い口調で爆弾宣言を残して

 

「そうそう、レベル5の第4位と第8位も協力させる様言っておいた…既に病院の外で待っているはずだ」

 

「「「「「「「「…はぁ?」」」」」」」」

 

 

 

「まだかよ…この医院に原子崩し(メルトダウナー)撃ち込んでいいの?」

 

「いや、それはダメだと思う訳よ、麦野…それにしても遅過ぎ!結局は待ちぼうけて訳よ!」

 

「超遅いです、もう何分待ったことか…超怒ってますよ私達」

 

「…むぎの達うるさい」

 

「ここまで待たすとは…だが待ってるお前らも根性あるな!ここまで待たしてもなかなか来ない奴らもある意味根性がある!」

 

医院の目の前に立っている五人の男女…一人は肩の辺りで切りそろえられた黒髪に、ピンクのジャージという姿の少女は滝壺 理后(たきつぼ りこう)にふわふわとしたニットのワンピースを着た大人しげな少女 絹旗最愛(きぬはたさいあい)、金髪碧眼の少女 フレンダ=セイヴェルン…そして彼女らが所属する組織『アイテム』のリーダーであるレベル5の第4位麦野 沈利(むぎの しずり)にこの場で唯一の男性…白ランに旭日旗のTシャツと、一昔前の番長のような服装の少年 レベル5第8位の世界最大の原石とも呼ばれる削板 軍覇(ぞぎいた ぐんは)…彼等はアレイスターの指示でここで第7位以外のレベル5と待ち合わせしているのだが…あまりにも遅過ぎて麦野が自分の能力を使って医院を吹き飛ばそうかと考えていた

 

「…やべぇ…アレイスターの野郎…それを早く言えよ…すみません遅くなりました!」

 

「テメェか…!遅えんだよ…ぶち殺すぞ」

 

「……怖いんだよ…」

 

「この人が私と同じレベル5ねぇ…」

 

浜面が独り言でアレイスターを愚痴りながら来ると麦野が怒り散らし、禁書目録は若干怯え、美琴が麦野が同じレベル5なのかと疑心の目で見る

 

「あ?何だクソ餓鬼?やるか?」

 

「そうやってすぐ喧嘩腰になる…大人気ないわよ」

 

(あれ?いつも勝負て言ってる自分は棚に上げてません御坂さん?)

 

「と、とにかくこれで全員揃ったて訳ね!さあ依頼内容を聞かせるて訳よ!私達は聞いてないんだから!」

 

「(ナイスですフレンダ)超同意します、早く依頼の内容を言えて超思います」

 

麦野の美琴は互いの目を睨み電流が流れているかの様な幻覚が見える…フレンダはそれを見て大慌てで止め絹腹はグッジョブとフレンダに感謝する

 

「……シスターの救出だとよォ…」

 

「あぁ?シスターだぁ?何で学園都市にシスターが…?ああそこにもいるか、弱そうな餓鬼だけど…」

 

「む、失礼かな?私は貴方が思うほど餓鬼じゃないし、弱くないかも」

 

「じゃあ…試してやろうじゃない!」

 

麦野はシスターがこの学園都市にいるのかと疑うが禁書目録を見て確かにいるなと確認すると、禁書目録がぷぅ〜と頬を膨らませ自分は餓鬼でも弱くもないと言うと、麦野は面白そうに自分の手を挙げ…緑色の光線を作り出す…それは原子崩し(メルトダウナー)の粒機波形高速砲と呼ばれる、普通は粒子か波形しかない電子をその中間の電子に固定して操る能力を応用した光線で、曖昧なまま固定された電子は粒子にも波形にもなれないのでその場に留まる性質を持ち、電子が擬似的な壁となり、それを放つことで強力なビームとして放つ最強の技で単純な威力なら美琴の超電磁砲並みで普通の能力者には防ぐこともできないのだが…

 

「くわばら、くわばら」

 

「………はぁ?」

 

「おお!あの威力を防ぐとは…根性あるなシスター!」

 

「…ね?弱くなかったでしょ?」

 

禁書目録が呪文を唱えると粒機波形高速砲は禁書目録の真上に向かい軌道が外れた…普通ならあり得ぬ光景に麦野達は絶句し削板もおお〜!と驚く

 

「電子系…能力者かテメェ?」

 

「違うんだよ、今のはくわばら、くわばら…日本の祟り神 菅原道真が自分の故郷である桑原にだけは雷を落とさなかったから雷除けとしての魔術として起動し、貴方の光線は雷系だからそれで防げるんだよ」

 

「魔術だぁ…?……まあ、私の原子崩しを防いだのは事実…弱いて言って悪かったね」

 

「分かればいいんだよ!」

 

「お前根性あるんだな!凄え根性だったぜ!漢だなお前!」

 

「ちょっと待つんだよ!?私は女なんだよ!?」

 

麦野が禁書目録の実力を認めると禁書目録もえっへんと胸を張り、削板も禁書目録の凄さを認め漢と呼ぶが禁書目録は自分は女だと主張する…フレンダ達は未だ呆然としている

 

「お〜い、大丈夫か?」

 

「……は!超動揺しました…」

 

「…む、麦野の原子崩しが防がれることなんて初めて見たて訳よ」

 

「……AIM拡散力場があのシスターにはない…?つまり…能力者じゃない?」

 

浜面が取り残されてついていけないフレンダ達に話しかけるとフレンダ達はハッとして我に帰る…滝壺のみ禁書目録が能力者でないことに気づく

 

「そう言えば本当にお前魔術使える様になったんだな」

 

「むう、その言い方は失礼かもだよとうま、まあでもまだまだだけどね…サポート系しか使えないんだよ」

 

「それでも凄いじゃない、雷を防ぐて私に対する防御手段じゃない」

 

「魔術師て奴は能力者よりチートだよなァ…」

 

上条が思い出したかのようにそう呟くと禁書目録がムカッと来て軽く上条の頭に噛みつき、一方通行は魔術て凄いなと改めて思った

 

「おい、早くしろよ…私達も暇じゃねえんだ…さっさと依頼主の所へ連れてけ…」

 

「そうだった!忘れてた…じゃあ案内しますね」

 

「確か…呼ばれてる場所は…天草式が隠れ棲んでるアジトの近く…そこにローマ正教のシスターさん達とステイル君とアウレオルスさんがいるらしいわねぇ」

 

「先生とステイルが!楽しみなんだよ!」

 

禁書目録は目的の場所にステイルとアウレオルスがいることがわかり、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる…その後アレイスターが手配したであろう車に乗り目的の場所周辺まで歩き、近くで降りてローマ正教のシスター達とステイル達に合流するべく動き目的の場所に着く

 

目的の場所に着くとステイルとアウレオルス、そして知らないシスターが複数立っていた…彼女達がローマ正教のシスターだろう

 

「やあ、禁書目録…それに上条当麻達も久しぶりだね…知らない奴らもいるが」

 

「久しいな、禁書目録に今代のパートナー達よ」

 

「ステイル!先生!久しぶりなんだよ!会えて嬉しいんだよ!」

 

「久しぶりだなステイル、元気にしてたか…あ、これ頼まれてた禁書目録の写真な」

 

「ありがとう、さて本題に入るが」

 

(こいつ、さりげなく禁書目録の写真を受け取ったわね)

 

ステイルとアウレオルスが軽く会釈すると禁書目録が笑いかけ上条が禁書目録の写真をステイルに出すとステイルは手慣れた手つきで受け取り懐にしまう…それを見ていた美琴は手慣れてるなと思う…一方通行達から見ればロリコンにしか見えないが禁書目録の方が年上である

 

「何だァ、このロリコンと緑の髪の奴は?」

 

「おい、一応ステイルは14歳でアウレオルスは18歳だぞ…ステイルは年下なんだからロリコンじゃねえよ」

 

「いや年下なのこの赤毛!?」

 

「……20歳超えてると超思ってました」

 

一方通行達はステイルが年下(絹腹にとっては年上だが)、アウレオルスが18歳と知り驚く…ステイルは内心ここでもロリコン扱いかと嘆き、こほんと息をついて説明する

 

「気づいてるかもしれないが彼女達はローマ正教のシスター達だ…彼女がローマ正教のシスター部隊 アニェーゼ部隊のリーダーのアニェーゼ=サンクティスだ」

 

「学園都市から遠路はるばるご苦労様でございます、私がローマ正教の応援です…まあ後から司教(ビショップ)が来るはずが」

 

「司教ね…そうだステイルちょっと耳を貸せ…実はな…」

 

「ん?何だ上条当麻……て、何!?それは本当か!?」

 

ステイルがアニェーゼを紹介すると上条はステイルに実はオルソラが法の書を解読していないことを話すと、ステイルは顔に手を当てる…アウレオルスも小声で浜面に確認を取る

 

「本当か?それがそうなら何故天草式が攫う?」

 

「俺達以外はそれを知らないからな…それに法の書は書いた本人ですら解読できないて言ってるからな…アレイスターから聞いた」

 

「……不味いな、それを天草式が知れば用無しとしてオルソラを殺す可能性がある…まあ僕は禁書目録を守る…君達は安心して天草式を倒してオルソラを救出しろ、幸い天草式の数は五十人ほど…そしてこちらは二百六十人ほどだ」

 

「分かった…て、火織が見えないけど」

 

「………まあ、色々あって…ね」

 

浜面が頷くとステイルが天草式にそれが知れたら殺されるかも知れないと舌打ちし、上条達にオルソラ救出を頼む、美琴は火織がいないことに気づくがステイルは複雑そうな顔をする

 

「何コソコソと話してるんです?早く天草式を倒す作戦会議を始めたいので待ってるんです、ここで言っちまえない話ですか?」

 

「…すまねえ、こいつら久しぶりにあったらしいからよ…すぐ行く」

 

「まあいいです、早くお願いします」

 

アニェーゼが訝しむ目で上条達を見るが垣根が何とか誤魔化すとアニェーゼはシスター部隊の方へ行く…あちらも作戦を話すのだろう

 

「おい…まだなのか?そろそろ堪忍袋の尾が切れそうだ…訳わからん事ばっかり言いやがって…」

 

「も、もう少しだと思います」

 

「まあ、こんな数の多人数に少数で挑む天草式て奴等は凄え根性だな!」

 

「隠然、天草式は少数だがかなりの手練れ…油断しないほうがいい…それにあの神裂 火織がリーダーとして所属していた組織でもある」

 

麦野のはキレながら原子崩しを出して風斬がそれを必死に止める、そんな中アウレオルスが言った火織と天草式の関係に上条達は驚く

 

「確かに…火織が昔そんなことを…でも今回は火織は関係ないんだよね!」

 

「ああ…その筈…何だが…一応天草式は舐めてかからないほうがいいだろう」

 

「そうだな…先ずは対策を「あのぅ…」はい?」

 

浜面が何か作戦を考えようとしていると後ろから声が聞こえ背が低い三つ編みの顔にそばかすが少し出来た少女が浜面に話しかけて来た

 

「す、すみません…シスターアニェーゼから早く来るようにと……」

 

「あ?」

 

「ひ…!すみません…早くしていただきたいと…私もシスタールチア怒られるので…」

 

「麦野さん…あんまりビビらせないほうが…ごめんな、すぐ行くて伝えてくれ。えっと……」

 

「ア、アンジェレネです…すぐ来て下さいね」

 

アンジェレネがそう言って頭を下げると大慌てでシスター部隊の所へ行き浜面達も話を中断してアニェーゼの方へ行く

 

 

「本当にいいのでございますか?五和さん、私を匿って?このままでは貴方方もローマ正教に殺されますよ」

 

「大丈夫ですオルソラさん、絶対守り切りますから…それに救われぬ者に手を差し伸べるのが私達天草式ですから」

 

オルソラは天草式のアジトにて監禁…されておらずお茶を飲んでいた…その近くには護衛である五和(いつわ)が槍を持って立っていた…そして天草式の教皇代理である建宮斎字(たてみやさいじ)がとある人物に話しかけていた

 

「本当に大丈夫なのよな…?オッレルス殿」

 

「大丈夫だ、君達は君達の信念に従って行動している…だから僕も助けてるのさ…それに僕以外にも味方がいるからね」

 

オッレルスと呼ばれた金髪の男性はそう言って建宮に笑いかけると後ろを向く…後ろには大きな槍を持った少女と数名の女子が立っていた

 

「さて、お姫様(オルソラ)を守る為に一肌脱ぎますか…それに魔神の力を持つ少年も気になるしね…」

 

オッレルスはそう言って笑うと迫り来る上条達に向けて少女達と天草式を率いて立ち向かっていく

 

 




板の間に過去の作品が黄色になってて嬉しい…本当にこんな作品が黄色でいいのかと思いますがありがとうございます!

オッレルスさん…出番早いよ…こんな人に勝てるのか?そして少女達とは一体…?次回もお楽しみに


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十七話突撃天草式

後半にカンピオーネのヤバイ人を入れてしまった、因みに今回浜面と共闘、戦う子は自分が好きなキャラです


浜面達とアイテム、削板、ステイル達、ローマ正教のシスター部隊が天草式のアジトに近づき様子を伺う

 

「バレてない……のですか?」

 

「いや相手もこっちの様子を伺ってるんだろうな…敦どうだ?」

 

「…透視能力で見たけど…やっぱりこっちの様子を見てるね」

 

「科学の力も凄いもんですね、やはり応援を呼んで正解でした」

 

アニェーゼはそう言うとシスター達に命令しゆっくりとアジトの中に入っていく…中に入るがまだ何の反応も起こしていない…流石に怪しいと浜面が思っていると

 

「!そこに罠があるから気をつけて!」

 

「え!?何処です!?」

 

「……これか…おかしいな天草式はこんな術式は使わない筈なのに…」

 

「協力者がいる…て事なのかしらねぇ?」

 

「必然、その可能性もある」

 

禁書目録が罠を見つけ、アンジェレネが急いで止まり、ステイルが確認すると罠魔術がありアウレオルスがそれを解除して操祈が協力者がいるかもしれないとその場に沈黙が訪れるが

 

「落ち着きなさい!例え協力者がいたとしてもこの数に実力者が揃ってます!」

 

「いい指導者だ…うちのイギリス清教のトップもあれくらいマトモが良かったよ」

 

「お前も苦労してるんだな…やっぱり敵にも協力者がいるのかもな…」

 

「ああ!さっきからわけわかんないんだよ!私一人でも先に行くぞ!」

 

アニェーゼがシスター達を一喝しすぐに動揺が消えるのを見てステイルもうちのトップもこれくらい威厳があればいいのにと愚痴る…麦野は苛々し単独行動をしようとすると敦が制止する

 

「待って…誰か来る!」

 

「あ?…ようやく敵か!」

 

「正解〜、ですが、ここから先へは私達がいる限り行かせませんよ?」

 

麦野のが敦の言葉を聞いて嬉しそうに言うと三人の少女が現れる、一人は長い黒髪を先端の方だけ三つ編みにして束ねて赤いカチューシャを身につけ、青っぽい色のミニスカートに、野暮ったいジャケットのファスナーを首まで上げたラクロスのユニホームの様な服装の少女と、色白の金髪碧眼でラクロスのユニホームの様な服を着た少女に、茶髪のショートカットの髪を緑のカチューシャで持ち上げておりスカートのなかに青いスパッツを履いた少女が現れる…しかも全員が1,5メートル前後の金属シャフト製の槍を持っており、その槍は先端には40センチ程の刃が上段に3本、下段に1本取り付けられ丸で四本の指を持つ掌のような槍だ

 

「初めまして、私はレッサー、新たなる光の一員で今回天草式に協りょ…「うおら!」て、ええ?!」

 

「ガタガタうるせえ…風穴開けるぞ?」

 

「せめて最後まで喋らせてください!全く!フロリス、ランシス行きますよ!」

 

レッサーと名乗った少女が何か言うとすると麦野が原子崩しを放って、レッサーが慌てて避けレッサーは後ろにいる少女達と共に襲いかかって来る

 

「ここは僕に…」

 

「いや、ここは俺達に任せて先に行け!」

 

「先に行ってオルソラさんを助けに行ってください!」

 

「仕上…風斬…分かったここは任せる!」

 

敦が自分がこの三人を抑えると言うが浜面が前に出て警棒を持ち銀の腕を発動させて立ち塞がる、風斬も立ち塞がる、それを見たレッサーは軽く一笑する

 

「たった二人で私達に勝てるとでも?」

 

「いや、俺一人でも勝てると思うけど…風斬はサポート頼む」

 

「はい」

 

「余程の自信がある様ですが…貴方方二人では私達【四人】を倒せませんよ?」

 

レッサーがそう自信満々に言うと浜面も警棒を構え、更に懐に入れておいた武器を確認しておく…すると麦野とアニェーゼがアンジェレネとフレンダを見て口を開く

 

「アンジェレネ!貴方はそこの人の支援しなさい!」

 

「フレンダ…お前も残れよ、さっさと倒してこい」

 

「し、シスターアニェーゼ!?し、しかし私では!?」

 

「ええ!?何で私て訳よ!?」

 

二人は突然言われ驚くが、麦野はフレンダに、アニェーゼはアンジェレネに耳打ちをする

 

(噂が本当ならあの金髪の男性は銀の腕とか言う魔術に近い何かを持っています…もし科学側と争う時に、その情報が必要ですからね…頼みます)

 

(う…分かりました)

 

(お前がいなくてもこっちには滝壺や絹旗がいる…それにあいつの能力も気になる…だから頼んだぞフレンダ…もし断ったらフレ/ンダにするぞ)

 

(わ、分かったて訳よ!だから上半身と下半身に分けないで!)

 

フレンダとアンジェレネは頷くと、浜面の近くに行く…上条達はレッサー達を無視してそのまま進もうとするが…

 

「あれぇ〜?言ってませんでした?私達四人てしっかり言いましたよね〜?」

 

「な……!?ち!」

 

「…伏兵か…しかも遠距離タイプ…」

 

辺りにルーン文字が舞ったと思うと緑色の落雷が上条達に向けて落ちて来る…それを上条が落雷に触れると消滅する、遠くに視線を合わすとスポーツ用のシャツを来た銀髪の少女…新たなる光の一人であるベイロープが知の角杯(ギャッラルホルン)と言う真空管のような物が2本ずつ飛び出したヘッドホンの様な物を補聴器の様につけ鋼の手袋に雷属性を付加させ遠距離から攻撃を放っているのだ…次々に落雷を落とすが上条が幻想殺しでそれを相殺していく…そんな最中隠れていた天草式の戦士達が前方に現れる

 

「急げ!ここは俺達がなんとかするから!」

 

「ありがとうです!お前達は異教徒の足止めを!私達はオルソラを回収します!」

 

「いいんですか〜?貴方は強そうなのに私の足止めをして…残念ながらまだ他に協力者がいるんですよ?私より何倍も強い人が」

 

「あの中には俺より強い奴が何人もいるから大丈夫だろ、信頼してるからな」

 

レッサーは浜面がこんな所で戦っていいのかと問いかけるが浜面は俺より強い奴(一方通行、垣根、上条、美琴、禁書目録)がいると言ってレッサーに警棒を向けレッサーは不敵に笑う

 

「それならいいんですがねえ…こちらには聖人ともう一つの力を使う魔術師とその部下さん、狼のお爺ちゃん、それに半魔神がいるので…勝ち目はないですよ?」

 

「半魔神……?まさか…アテナが言ってた…オッレルスて奴か?」

 

「おお〜!知ってたんですねぇ…凄い凄い!でも貴方今こう思ってません?「自分は強いから、こんな可愛い少女と後ろの二人のモブの少女には負けないだろう」て?」

 

「「おい!」」

 

レッサーは自分達の仲間の他に半魔神がいると告げると浜面は以前アテナに聞いた話からオッレルスと言う名を思い出しレッサーは知っていたのかと感心する中自分に勝てるかと片手で挑発する

 

「馬鹿にして……!」

 

「いやいや馬鹿にはしてませんよ?でも私これでも強いんで」

 

「…新たなる光といえばイギリスでも有名な結社予備軍ですが実力は普通の魔術結社と変わりないと聞いたことがあります…あくまでも予備軍なのはその方が動きやすいからと聞きます」

 

「つまり強いてことですね……うう、自信ないな…」

 

フレンダは馬鹿にされて怒るがアンジェレネが新たなる光の説明をし風斬は少し自信をなくしかけるが持ってきた鞄から水を入れたペットボトルを取り出し封を開き水を流すと背中に集まり水晶を粗く削って作ったような鋭利な氷の翼「水翼」になる

 

「おお…天使の力ですか…でもちょっと違うような…まあいいでしょう、私達がお相手になりますよ」

 

「落雷は風斬に任せる!水で防いでくれ!えっと…フレンダとアンジェレネ…であってるよな?後ろの二人を頼む、俺はあの魔術師と戦う!」

 

「命令して欲しくないけど…分かったて訳よ」

 

「わ、分かりました!来たれ!十二使徒のひとつ、徴税吏にして魔術師を打ち滅ぼす卑賤なるしもべよ!」

 

フレンダは渋々ながら自身の能力であるレベル4「物体転移(アポート)」を使い学園都市の自分の部屋に置いた爆弾を取り出しレッサー達に投げる、アンジェレネは腰に巻いたベルトに付けた、ソフトボール程の4つの硬貨袋に翼を生やせ、敵にぶつける、「12使徒マタイの伝承」をモチーフにした魔術である

 

「空間転移の亜種か…で、あっちは…硬貨袋を飛ばす魔術か…確かに当たれば頭蓋骨くらいは壊せるかもしれないが…詠唱が長いな…」

 

「うう…すみません…まだ未熟でして……」

 

「私の能力はこうやって遠くの物を取り出すことくらいしか出来ないて訳よ、結局戦闘力がない能力なのよ」

 

「落雷は大丈夫ですから、三人は頑張って倒してください!」

 

浜面は二人の能力を評価するとアンジェレネが俯き、フレンダが少し苛立った声で浜面に返し、緑の落雷を風斬が氷の翼で防ぎ、アンジェレネが飛ばした硬貨袋にフロリスは翻弄され、ランシスはフレンダの爆弾を避ける…レッサーだが砲弾の如きスピードで浜面を撹乱する

 

「く!意外と素早しこっくて当たらない!」

 

「ふふふ〜、どうです?私実は新たなる光の最強の実力者でして…そう簡単には負けませんよ」

 

レッサーはそのスピードで翻弄し浜面の警棒から逃れる、銀の斬撃や電撃も逃れるレッサーだが唯一ジャンプした時だけ一瞬ビクッとした表情になり少しだけ隙ができるのだが浜面にはそれをつくことが出来ない

 

「……あれを使うか…」

 

「何武器をしまって…て爪楊枝?」

 

「おう、爪楊枝て便利だよな」

 

「そうそう、お口に挟まった食べカスを取る時便利……て!お馬鹿!今は戦いの最中ですよ!?そんなもの何に使う気ですか!?」

 

浜面は警棒をしまい懐に入れていた新しい武器…と言うより安くて数が多い爪楊枝の容れ物を取り出しレッサーがツッコミを入れると浜面は蓋を取って何本もの爪楊枝を手に握る

 

「いや…こうやって使うんだ……よ!」

 

「投げた…!?て、ええ?!」

 

「爪楊枝が地面を貫通したぁぁぁ!?」

 

浜面が爪楊枝を投げると爪楊枝が銀色に光りレッサーに飛んで行きレッサーがいた場所の地面に貫通し、逃げるレッサーを追いかける…銀の腕は浜面が剣と認識したものを魔剣化する、認識すれば木の棒や果物ナイフでさえ全てを切り裂く魔剣と化す…爪楊枝も棒状なので剣と認識してそれを飛ばしているのだ

 

「卑怯過ぎません!?そんな必殺技が数百円とかで買える爪楊枝で使えるなんて!?」

 

「俺もそう思う!」

 

「制約緩いなぁ…いいなぁ…使いやすくて…」

 

アンジェレネは羨ましそうに浜面の銀の腕を見る、自分の魔術は使い難いので浜面の様な扱いやすい力に嫉妬しているのだ、その魔剣化した爪楊枝はレッサーを狙うがレッサーは軽々飛んで避ける

 

「追尾機能はないから投げなきゃいけないけど…結構便利な技なんだぜ爪楊枝の魔剣化(散弾化)」

 

「でしょうね!爪楊枝を武器にする人なんて初めて見ましたよ!」

 

「………浜面君…水翼なんですが…恐らく1枚でもあの落雷程度なら充分に防げます…ですがこれを攻撃に転用するとなると落雷を撃ってくるところまで飛ぶから不安です…それに当たりどころが悪ければ死ぬ可能性も」

 

「…ああ…出来るだけ殺さないようにしたいからな…大丈夫だ、俺が意識だけ斬るから」

 

レッサーは爪楊枝を必死に避けながら逃げ続ける、そんな中風斬が不安そうに話すが浜面は風斬に安心させるよう言うとアンジェレネが何か呟く

 

「殺さない……ですか…シスターアニェーゼとは違いますね…私達はオルソラを殺そうと…」

 

「?何か言った訳?」

 

「いえ何も……」

 

「それより全然攻撃が当たらないて訳よ!」

 

フレンダはアンジェレネが小声で言った言葉を少し聞こえたようで何か言ったかとアンジェレネの方を向くがアンジェレネは首を振る、それよりもフレンダとアンジェレネはフロリスとランシスに攻撃が当たらないせいで自分達が不利になっていた

 

「しっかし、結局魔術て本当にある訳ね……何かの能力かと思ったけど違ったからびっくり……」

 

「科学の人には分からないでしょうが魔術は超能力よりも複数の力が使えたりして便利です……まあ流石にあのレベル5という方々には負ける場合もありますが」

 

「そうだな…いくらステイルでも第1位や第2位には負けそうだしなぁ…だけどあいつら大丈夫か?半魔神もいるらしいし」

 

浜面が焦ったように言うとフレンダと風斬は首を傾げる

 

「半…魔神ですか?それは…僧正さんみたいな人のことですか?」

 

「簡単に言うと魔神のなりかけだな、禁書目録と同じたった一人でも戦争が起こせるレベル5顔負け…と言うよりレベル5が全員揃っても勝てるかわからない奴だ」

 

「………来ない方が良かったかもて訳よ…帰っていい?」

 

フレンダはもう泣きそうな目で帰りたくなるが頑張って爆弾を投げて応戦し、アンジェレネも必死に硬貨袋を飛ばすがフロリスとランシスは平然として避ける…レッサーも爪楊枝での攻撃になれたのか余裕の笑みで避ける

 

「へいへい!ピッチャービビってる!なんちゃって不良さんその力は見掛け倒しですか!?金髪の癖に真面目ぶって!そんなんじゃぁ彼女できませんよ!このヘタレ!バァカ!」

 

「……ムカつく…でも場所は特定できたからもういいか」

 

「………へ?何の場所が…」

 

レッサーが挑発すると浜面がイラッとしたように青筋を立てるがふっと笑う、そして銀の斬撃を放つとレッサー達から大きく外れて遠くへ飛んでいく…普通なら安心するか馬鹿にするかなのだがレッサーは慌てる…そして銀の斬撃が飛んで言った後ピタリと緑の落雷が落ちて来なくなり周囲を舞っていたルーンも消える…つまり

 

「……ベイロープがやられた?あんなに遠くに隠れてたのに?」

 

「生憎様、遠くからの視線を直感で感じてこの目でじっくり観察して分かった」

 

「……聖人並みの不思議な体ですね…」

 

「……………さて…」

 

レッサーはベイロープがやられた事に慌て、アンジェレネは浜面の異常な身体を聖人みたいだと称すと浜面は地面に触れフロリスとランシスが立つ地面から大地の剣を作り出し二人はそれを避ける、だが浜面は走りランシスに近づき、ランシスは槍を使って浜面の腕を魔術でつかみ取ろうとするが浜面はその前に槍を斬り裂き破壊し、ランシスを一閃しランシスは地面に倒れ、フロリスも魔術を使って応戦しようとするがフロリスは剣先を長くした光線状の剣で斬られて真っ二つにされる…と言っても二人の剣の力で意識のみ斬り裂いたので体に傷はなく気絶しただけだったが、無力化した事に変わりわない、そしてレッサーの方へ浜面はいい笑顔で向かって行く

 

「さて…散々俺のこと悪く言ってくれたなぁ…覚悟は出来てるか?」

 

「………よく見たらお兄さんかっこいいですよね〜、恋人とかいませんか?…な、何なら私が…」

 

「遺言はそれだけか?俺は生きた年月が彼女いない歴だよ…」

 

レッサーは地面に倒れこんで涙目で浜面を見上げるが浜面はレッサーが自分に散々な悪口を言った挙句、自分が一番気にしている事を言われいい完全にブチ切れており、笑顔で笑う浜面を見てレッサーは泣きそうになる…後ろにいるアンジェレネも泣きそうな顔をしてフレンダと風斬も後ろへ下がる

 

「俺だってなぁ……彼女が欲しいんだよ…でもな…当麻みたいに恋愛フラグ立てれねえし!一方通行みたいにいつの間にか自分を慕う人が出来ましたでも垣根みたいに顔も良くないから……だから八つ当たりでお前をぶちのめす」

 

「いやあなた顔は悪くないですし、絶対貴方を想う人がいると思います…」

 

「言い訳は聞かねえ!そんな妄言は叩き斬る!」

 

「妄言じゃないのにぃぃぃ!?」

 

レッサーは浜面の言葉を否定しようとするが浜面はそれを聞き入れずレッサーは持ち前のスピードで逃げる……フレンダとアンジェレネは自分達が苦戦していた相手を一方的に倒した浜面を規格外だなぁ…と見て浜面一人でもいいのでは?と風斬も含めて想う

 

 

「あんたがここの用心棒の一人でことかしら?」

 

「正解…私はブリュンヒルデ=エイクトベル…私達の村を救ってくれたオッレルスさんに手を貸してる組織の長をやっているわ」

 

美琴と垣根、麦野、絹旗、滝壺が対峙している相手は三メートル程のトネリコの木の柄に蛇のように複数の金属刃が絡みついる槍「主神の槍(グングニル)を持った長い金髪の少女…北欧神話における特別な存在、『ワルキューレ』の力と聖人の力を宿す魔術師で服装は羽根飾りの付いた帽子、膝上程度の丈のワンピースな男物のズボン、更に、肘と膝の関節をローラースケート用のプロテクターで覆い、胸には防弾ベストをと言う「現代にある素材を使って中世ヨーロッパの鎧のシルエットを再現した」ような服装の長い金髪の少女ブリュンヒルド=エイクトベル

 

「爺ちゃんが戦うのか?年取ってるのに根性あるな!」

 

「ふふ…中々生きのいい獲物だ…我が猟犬の獲物に相応しい…失望せてくれるなよ?」

 

削板と敦、鏡花、アウレオルスの目の前にいるのは、銀髪にエメラルド色の瞳が特徴的で、長身で大学教授然とした知的な老人の風貌を持ち、冷静沈着かつ理性的な人物を装っている老人は自らの近くに無数の灰色の魔狼を引き連れ周囲が暴風の如く風が吹いている…その原因は老人の魔術だろう…老人の名はサーシャ・デヤンスタール・ヴォバンと言い昔から生きている老魔術師にて狼の召喚と天候操作に長ける屈指の魔術師である…ついた通り名は狼王、そしてオッレルスと同じ魔神に近づいたものでもある

 

「さて上条当麻…君に会いたかった…さて幻想殺しを見せてくれ」

 

「そんなこと知らねえよ…先ずはテメェをぶっ倒してオルソラて人を助ける!」

 

上条と一方通行、打ち止め、禁書目録、ステイルが相手をしているのは金髪の男性半魔神オッレルス…アニェーゼ達は天草式やブリュンヒルデの仲間達と交戦しておりオッレルスとの戦いに水を差すことはない…そして三人の魔術師は動き始めその圧倒的な力を使用する

 

 

 

 




ヴォバンさん好き、レッサーとかアンジェレネ、フレンダも好きなんですよ…さて上条さん達はこんなチートキャラに勝てるのか?操祈さんがこの場にいない理由も次回判明


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十八話ワルキューレ

ヴォバン侯爵は強かった…この世界ではゾンビを操ったり業火の断罪者は使わないけど天候操作と狼の能力は使えます


「すみませんでした…もう調子に乗りませんから許して下さい、反省してます」

 

「……これに懲りたらもう人を小馬鹿にするなよ、いつか怨みを買うぞ?そんな性格じゃなきゃ可愛いんだからよ…」

 

浜面はレッサーを拘束して能力を使わずレッサーの尻を叩き、風斬は気絶していたベイロープを回収し拘束する…アンジェレネとフレンダは引き気味で浜面を見ていた

 

「でもいいんですか?私以外にもヤバイ人が何人もいるんですよ?お爺ちゃんにワルキューレ、そして半魔神……勝てますかねぇ?私達なんて所詮スライムですから…後私を前にして可愛いと言うとは、中々勇気がありますね」

 

「……当麻達は負けねえよ…それとそんな勇気はいらん」

 

「…だといいんですがねぇ…で、私だけ縛り方キツくありません?もしかして貴方そう言う趣味が?とんだ変態さんですね」

 

「もっと強く縛って欲しいんだな…オッケー、もっと強く縛るぜ」

 

「え!?ちょっと待って!それ以上したら何か目覚めるか…ぁぁぁぁぁ!?」

 

レッサーは真面目な顔で浜面に助言すると浜面は上条達が勝つことを信じていると言い放ち、レッサーは真面目な顔で浜面を茶化すと浜面は青筋を立てながらレッサーを縛る縄の力を強めレッサーは悲鳴をあげる

 

 

「さあ来い!若造供!捻り潰してやる!」

 

「元気いい爺さんだな!根性ありそうだぜ!」

 

「……暑苦しい…でもわんちゃん可愛い」

 

「そうだね…これが魔術ね…狼を呼ぶ魔術に天候を操る魔術…凄いね魔術師て」

 

「毅然、だがどの神話の魔術かは分からぬ…注意せよ」

 

ヴォバンは不敵に笑い、暴風が豪雨が落雷が四人を襲う…しかも不思議な事にヴォバン自身や天草式にはその影響がないようだ、更に魔狼達も涎を垂らしながら削板達に迫るが削板の念動砲弾(アタッククラッシュ)と呼ばれるすごいパーンチを放ち魔狼達を吹き飛ばし敦や鏡花も能力で魔狼を蹴散らす

 

「ほう……我が猟犬はたった一頭でも並大抵の魔術師でも苦戦する筈だが…?ふふふ…科学とは面白い…楽しませてくれる」

 

「戦闘狂(バトルマニア)…」

 

「呆然……魔狼…天候操作…別々の魔術なのか?…いや…何か違う…これは…?」

 

「おい爺さん!あんたも戦えよ!犬に任せて!漢じゃねえぜ!」

 

ヴォバンは自分の猟犬が呆気なく倒されていくのを見て不敵に笑う…これ程胸踊る戦いは久しぶりだと言わんばかりに吠え、削板は自分も戦えと言い放つ…するとヴォバンもニヤリと笑う

 

「いいだろう!小僧!私が直接戦ってやろう!」

 

「…愕然!狼に変身しただと!?」

 

「おお!?カッコいいな!やっぱ漢は殴り合いだな!」

 

ヴォバンは野蛮かつ血と戦いに飢えた獣の顔になると風に包まれ体長30メートル程の巨大な狼になる…その姿は黄金の毛に年老いた狼となり右腕を上げると右腕が鎌のような形になり地面を引き裂く

 

「この姿は私を本気にさせた証だ…光栄に思え」

 

「自分も狼に変幻する…そんな魔術があるんですか?」

 

「……分からない…だが天候操作に狼になる…まさか…その術式は…」

 

「本気で事だな!俺もいくぜ!すごいパーンチ!」

 

削板はすごいパーンチを放つがヴォバンは腕をそれにぶつけるだけで相殺し左腕を削板に叩きつけ削板は建物にめり込む…が削板は何事もなかったかのように建物から出てくる

「いてて…やるな爺さん!」

 

「原石か…面白い……!もっと楽しませろ!」

 

削板を見てヴォバンは狼の顔で笑い落雷を削板に落とす、削板はこれをガードせず攻撃を食らうがケロっとしており、すぐさまヴォバンは魔狼に襲わせ、落雷、雹の塊を降り注がせるが削板は自分を中心とした場所に変な爆発を起こし魔狼と魔術を吹き飛ばす、そして削板が決めポーズをすると背後から赤青黄色のカラフルな煙が出る爆発が起こる

 

「……これが吸血殺しとは違う原石…何と奥深い能力だ…」

 

「くくく……いいぞ!小僧その力私にもっと見せてくれ!」

 

「爺さんもやるな!」

 

ヴォバンは狼の腕で、削板は自分の腕でお互いを殴り合い、アウレオルス達を置き去りにして戦う…だがヴォバンは落雷を起こしたりして三人を攻撃してくるので油断出来ない

 

「窒素装甲…!」

 

「……雷よ曲がれ」

 

「……守る」

 

敦達は自分達の能力で攻撃を防ぐ、だがヴォバンの天候操作の魔術は桁違いで超能力や普通の魔術とは比べ物にならない威力を放ってくるのだ

 

「この天候操作…そして魔狼…そして自分も変化……まさか…あの神の逸話を再現した魔術だとすれば…」

 

「その神て?」

 

「その神の名はゼウス・リュカイオス…ギリシャ神話の主神ゼウスが狼になった姿とされる神格であり、ゼウスは人間を狼にしたこともある…それならこの天候操作も納得がいく…何故ならゼウスは天候を司る嵐の神でもある」

 

「正解だ…我が術式はギリシャ神話のゼウス…それもゼウス・リュカイオスの逸話をもとにした魔術…狼を使役し天候を操り自身はゼウス・リュカイオスへと変貌させる魔術…それこそが私の魔術だ」

 

アウレオルスが術式を推測すると、ヴォバンはそれを肯定し笑いかける…ゼウスとはギリシャ神話最大のビックネームにして最強の神、その武器である金剛の鎌は全てを切り裂くアダマスの鎌と同一視され自身の最大の武器である雷霆 ケラウノスは宇宙を焼き尽くすと言われる…それの狼版と言えるゼウス・リュカイオスの力の一部をヴォバンは使用できる、アウレオルスは冷や汗をかき敦達の顔がこわばる中で削板は不敵に笑う

 

「怖くないのか小僧?この私が?」

 

「何処がだ!それよりそんなにあんたが強いてわかって嬉しいぞ!」

 

「……ふ、私を前にして嬉しいか…小僧、名は?」

 

「俺は削板 軍覇!あんたを倒すぜ!」

 

「……いいだろう!かかってくるがいい!軍覇!我が名はヴォバン!その名を焼き付けろ!」

 

ヴォバンと削板は他の三人を取り残し自分達だけの世界に入り削板はすごいパーンチを何発も放ったり、ヴォバンは口から雷撃を放ったりして攻撃を繰り返す、敦逹には無数の魔狼を呼び出し足止めをさせる

 

「くそ、数が多い!」

 

「でも倒せないほどじゃない」

 

「必然、いくらでも増える従僕が強ければ術者に負担がかかる…とはいえこの強さも異常だがな…一体一体が魔術師並みの力を持つ…それを倒せる貴様らも異常という事だ…押し潰されて圧殺せよ!」

 

敦と鏡花は自分達の能力で魔狼を倒していき、倒された魔狼逹は黒い粒子となって消える…アウレオルスも黄金錬成を使って魔狼逹を押し潰す…魔狼はいくらでもヴォバンが生み出せる兵士だがこれにも魔力を突然ながら使う…無尽蔵に生み出せるというわけではない…それにヴォバンは削板との戦いに夢中でこれ以上作ることはしないとアウレオルスは考えつつ、敦と鏡花の原石を見て素晴らしいと感じ自分に飛びかかって来た魔狼を創成した銃で倒す

 

「穿て雷霆(ケラウノス)!」

 

「これが俺の超必殺技だ…超!すごいパーンチ!」

 

ヴォバンと削板の必殺技がぶつかりお互いに拮抗すると激しく爆発して二人も吹き飛ぶ…ヴォバンはそれを面白そうに口を歪ませ、削板も笑うが足がフラフラし出す

 

「もう限界か小僧?」

 

「全身が痛え…だがここで根性を見せて爺さんを倒すぜ!」

 

「くくく…かつて魔神になろうとし我が娘「パラス」に破れ、おとなしく隠居するしかないと思っていたが…ここまで高揚するのは何百年ぶりだろう!感謝するぞ!軍覇!お前は私に再び戦闘の喜びを思い出させてくれたのだから!」

 

ヴォバンは大笑いをしながら昔に娘に負けた時の戦いを除けば、これほどの戦いはなかったと喜び口から雷霆を放とうとするが魔狼を倒したアウレオルス達が削板の前に立つ

 

「少年、邪魔をして悪いが我らも手伝わせてもらうぞ」

 

「このままじゃ負けるしね…皆で戦った方が勝ちやすいだろ?」

 

「…ん」

 

「お前ら……よし、なら全員で根性を見せるか!」

 

「…いいだろう!貴様らの力を見せてみるがいい!」

 

ヴォバンはそう吠えると雷で身体能力を上げ稲妻の如き速さで獲物(削板逹)に飛びかかった

 

 

「化学の少年、少女達よ、引き返すなら今がチャンスだぞ?」

 

「それはこっちのセリフよ、これだけの数に勝てると思うの?」

 

「俺の未元物質にはお前の常識は通じねえぞ?」

 

「御託はいいからさっさと死ねや」

 

「なんですあの超ヘンテコな格好は…おしゃれのつもりなら超ダサいです」

 

「うん、ダサい」

 

ブリュンヒルデは主神の槍を振るうと五人に牽制するが、全員は平然としていた…絹旗はブリュンヒルデの格好が変と馬鹿にするが

 

「これは魔術的な意味合いがある服装でしてね…私でもダサいと思いますよ」

 

「服装も魔術に関係してるのか…変な奴らだな魔術師て」

 

「まあ火織もそうだしね」

 

「だな…だがあの馬鹿でかい槍は何だよ」

 

ブリュンヒルデは自分でもダサいと思っているのか仕方なく着ていると言うと垣根はあの槍は何なのかと呟く…美琴は予め用意しておいた砂鉄が入った瓶を開け砂鉄の剣を作りブリュンヒルデに斬りかかる、勿論電気で自分の身体能力も上げている…筈なのにそれをブリュンヒルデは反応して槍を当てるだけで砂鉄の剣が破壊される

 

「な!?」

 

「これだけではありませんよ」

 

驚く美琴にブリュンヒルデが槍を一振りするとここにはヴォバンの天候操作が届いていない筈なのに暴風が吹き荒れ雨が降り出し落雷が降り注ぎ地面からマグマが吹き出てくる、更に氷や爆炎が美琴達を襲う

 

「はぁ!?なんだよこれ!?ありえねえ!?」

 

「これ…魔術…その杖ね!」

 

ブリュンヒルデ「ご名答、これは主神の槍(グングニル)、オーディンの持つ神槍を再現したもので、神話とは違い「投げれば標的を必ず貫く」やどんな武器でも防げないと言う」伝承は一見すれば統一性の無いのだけれどこれは人が美味しい能力をつけただけで本当の能力は違うの」

 

「この杖の能力は全てのバラバラな能力は、天変地異に対する恐怖心の発露と私は考え、天候を完璧に操る力にグングニルがバルムンク(グラム)を叩き壊したことから武器破壊の力もつけた無敵の武器なのよ」

 

「……未元物質よりやべえ能力じゃねえか…これだから魔術は…」

 

主神の槍は落雷・マグマ・氷・塩害・暴風・爆炎・洪水などの自然災害を自在に操りあらゆる武器を破壊する力を持つ最強クラスの武器なのだ

 

「……麦野、私超帰っていいですか?絶対勝てないと思いますこんなの」

 

「帰るな!私だって理解したくねえんだよ!こんなチートがあっていい訳ねえだろ!」

 

「それが魔術だから諦めるしかないわね…それでも…禁書目録の時の方が強かったわ」

 

絹旗は弱音を吐くが麦野は原子崩しを束ねて放ち、美琴も負けじと電撃の槍を飛ばす、ブリュンヒルデはそれを主神の槍で防ぐが威力が上がっていることに気づく

 

「これは…?」

 

「ん、むぎのとみことの能力を強化してる」

 

滝壺は能力を暴走させる体晶を飲み込み能力追跡(AIMストーカー)を強化し麦野と美琴の能力に補正をかけ能力を強化させる、ブリュンヒルデが能力者なら超能力を弱める所だがブリュンヒルデは能力者ではない為それが出来ない…

 

「強化しても済ました顔…ムカつくが強いな」

 

「……原子崩しも効かないなら超電磁砲も無理ね…こいつ火織と同じ聖人て事はわかるけど…別の何かも持ってる?」

 

「ワルキューレ…北欧の主神オーディンが選んだ戦乙女の事…その力が私に存在する…今日は聖人の力が弱まる代わりにワルキューレの力が特に強い日…よって今日はいつもより主神の槍を操れるの」

 

ワルキューレと聖人の力は混ざりあわない、どこぞの二重聖人の様に混り合うわけでもなく反発し合い拮抗するときはどちらの能力も消えどっちらかが強くなると弱い力は使えなくなる…そんな彼女だがワルキューレの力が強まれば強まる程主神の槍を完全に扱える様になるのだ…特に今日はワルキューレの力が強く主神の槍もより一層天変地異の威力を上げられる

 

「これも私達の村を救ってくれたオッレルス殿に恩返しをする為…私と村の皆を救う為五つの魔術結社を一人で皆殺しにしてくれたあの人の為に私は天草式を守り通す」

 

「そもそも超疑問なのですが、あなたは何故天草式て奴らに味方してるんです?天草式はオルソラて言うシスターを誘拐した超悪い奴らなんでしょ?なんで味方するのか超意味不明です」

 

「……ああ、そう言う…ローマ正教の奴等は汚いわね、天草式を見習って欲しいわ」

 

「……やっぱりね」

 

ブリュンヒルデがそう言うと絹旗は何故天草式に味方するのだと問いかけるがブリュンヒルデは苦々しく舌打ちする…まるで何かに苛立つかの様に…それを見て美琴はやはり操祈が言っていた言葉は正しかったと予測する

 

(あいつの悪い癖がここで役に立つとはね…まだ第4位や第8位には言ってないけどまあいいでしょ…今はこいつを倒すのではなくなんとか話をつけて…オルソラて人をローマ正教じゃなくてステイルに渡すのが先決ね)

 

「では、すぐに終わらせてあげます」

 

「させるかよ!未元物質!スカイフィッシュ!」

 

ブリュンヒルデはそう言うと主神の槍を振り落雷を起こそうとするが垣根がスカイフィッシュと呼ばれる円盤型の武器を作り出しブリュンヒルデに飛ばし、ブリュンヒルデがスカイフィッシュを撃ち落とす隙に美琴がコインを取り出し超電磁砲を放つがブリュンヒルデは主神の槍を超電磁砲に投げると超電磁砲を相殺してブリュンヒルデの手の元へ戻る

 

「マジで巫山戯てる武器ね…流石神話の神様の武器を再現したもの…かしら?」

 

「再現にはオッレルス殿の力を借りてばならなかったがな…原初のルーンを知るオッレルス殿が作ってくれたからこそ生み出せた武具だ…そう簡単には破れぬ」

 

「ち……なら尚更その槍へし折ってお前の余裕の顔をなくしてやるよ!」

 

「言っておくが俺の未元物質にお前の常識は通用しねえ!リトルグレイ!」

 

麦野は三角形のパネルが組み合わさったカード…拡散支援半導体(シリコンバーン)を投げてそこに原子崩し前面広範囲にブリュンヒルデを襲い、垣根は白いカブトムシとリトルグレイを作り出しカブトムシは砲撃を、リトルグレイは念動系能力や電子制御系能力を使い、滝壺がそれらの能力を強化して能力でブリュンヒルデを攻撃する

 

「紛い物の能力で私を倒せるとでも?」

 

ブリュンヒルデは涼しい顔で槍を振り回して原子崩しや砲撃、リトルグレイが放つ電撃を振り払い念動力も吹き飛ばし、落雷やマグマでカブトムシ逹を一蹴していく…すると垣根が人の形をやめネッシーへと姿を変えてブリュンヒルデに噛み付く

 

「ぐ…!」

 

「は、聖人様でもこの牙は痛いだろ?どんな硬い皮膚でも貫く物質で出来てるからな!」

 

「……第2位は超凄い能力ですね…化け物にも変身出来るとは…」

 

ブリュンヒルデに対抗するために自らの牙を未元物質で特別な物質にしてブリュンヒルデに傷をつける…僅かに皮膚が裂け血が出ただけだが…初めての傷だ

 

「…だがそれだけで私が倒されるとでも「思ってはいないわよ!」」

 

「あんた気づいてないでしょうけど垣根はずっと前からあんたの周りの空気だけ減らす物質を作ってあんたの力を半減させてたのよ…そしてこのコインも垣根の未元物質で構成されてる…物質の特性は電気を帯びると加速し物とぶつかれば爆発する物質よ」

 

ブリュンヒルデに向かって美琴は笑いかけると超電磁砲を発射しブリュンヒルデは主神の槍の穂先をぶつけ相殺しようとする、槍とコインがぶつかり合い、ブリュンヒルデが衝撃で後方へ下りコインが爆発すると主神の槍が吹き飛び回転しながら地面に刺さりブリュンヒルデは取り戻そうとするが

 

「甘いんだよ」

 

「その様な単調な攻撃は…」

 

「残念だな…単調じゃねえよ」

 

麦野は白いパネルで出来た拡散支援半導体を投げ原子崩しを放つとブリュンヒルデは前面広範囲かと思ったがパネルに当たると原子崩しが全方位からブリュンヒルデを取り囲む様に原子が飛んで来た

 

「な!?」

 

「それも俺の未元物質だよ…特性は…光線に当たると能力者の望む様に拡散する…ついでに威力も上げてある…これで終わりだ」

 

ブリュンヒルデは原子崩しを防ぐ術なく全弾命中し爆煙が消えるとブリュンヒルデは地面に倒れて気絶していた…それを見て麦野は息を吐く

 

「あれだけの原子崩しを食らっても五体満足の上生きてるとか…凄え身体だな…で、殺すのか?」

 

「いえ、拘束するわ…操祈の言うことが本当なら…後から役に立ちそうだから」

 

「第5位の?…まあ、一応未元物質で拘束する物質を作っておく」

 

「ええお願い、後貴方の指示ですぐに拘束が解ける様にしておいて」

 

美琴はそう言って笑うと麦野と垣根逹は一瞬どう言う意味なのか考えるが垣根はすぐに未元物質で作った縄でブリュンヒルデを拘束する

 

「こっちは終わったわ…後は任せたわよ、当麻」

 

 

「…さてこっちかしらねえ?」

 

操祈は単独行動でオルソラがいる場所に向けてゆっくりと歩いている…

 

「まぁ、嘘つきのローマ正教には騙されないわぁ…頭の中を覗けば…いい感じにクレイジーだったわ…さて、さっき頭を覗いた天草式の人からの情報だと…この辺りなのよね…」

 

操祈はそう独り言を言うとある建物の中にあったタンスを触り始め、それを軽く蹴飛ばすとタンスが横に動いた…隠し扉だ

 

「さてさて〜、嘘つきローマ正教よりも先に天草式に接触してイギリス清教にオルソラさんを渡さなちゃね、ローマ正教はオルソラさんを殺すみたいだし」

 

操祈はそう言うと隠し扉を開けてその部屋に入って行った

 

 

 




ブリュンヒルデさんは強かった…ヴォバンさんはまた次回という事で…さて次回はオッレルスさんだな……どうやって倒そう(白目)

次回もお楽しみに


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十九話半魔神オッレルス・ヴォバン

遅くなってすみません…現実で忙しいもので…今回も中途半端ですが楽しんでいただけたら嬉しいです


「さあ、見せてくれ幻想殺し、君達の力を」

 

「上等だよ!……て訳で宜しく禁書目録、一方通行」

 

「貴方が戦わないの!?て、ミサカはミサカはツッコミを入れて見たり!?」

 

オッレルスはそう言うと挑発するかの様に微笑み、上条も笑いながら一方通行と禁書目録の肩を叩き頑張れと言うと打ち止めがツッコミを入れる

 

「だって上条さん、魔術を消すことしかできないんですよ?自分から攻撃できないんですよ?」

 

「…とうまの馬鹿…しょうがないね…アクセラレータ、とうま…私を間に挟んで手を繋いでくれる?」

 

「あァ?…また魔術てやつか?いいぜ…」

 

一方通行と上条は禁書目録を挟んで手を結んでその結んだ手の間に禁書目録はしゃがみ先程襲いかかって来た天草式から奪い取った剣に指で何かなぞる

 

「来たれ炎の巨人の青白い伴侶が持つ武具よ、九の鍵の封を解き我門の下にてルーンを刻む、炎よ剣よ杖よ細枝よ矢よ、裏切り害をなし傷つける魔の杖よ、炎剣になりて神々の黄昏にて世界を焼き尽くす巨人の剣よ、美しき神の勝利の金星の剣よ…その力授けたまえ」

 

「……レーヴァテイン…ユグドラシルの天辺に住む雄鶏 ヴィゾフニルの尾羽から作られるヴィゾフニルを殺す神器…北欧の伝説の武器の一つでスルトの剣とでもフレイの剣とも言われる…それを擬似的に再現したのか」

 

ステイルが禁書目録が唱えた呪文について詳しく言うと更に禁書目録は腕を組み腕を高速で動かして真言を言う

 

「オン・ガルダヤ・ソワカ・オン・キシハ・ソワカ・オン・ハキシャ・ソワカ」

 

それは迦楼羅天の真言、それを言うと炎の剣が更に激しく炎が燃え上がり一瞬だが火の鳥の様な形になった…これぞ迦楼羅炎、邪を滅ぼし蛇を食らう聖なる鳥の炎である…それが刀身に集まり火力が上がる

 

「…レーヴァテインに倶利伽羅剣…それの二つを併せ持った擬似神剣なんだよ…流石に剣が持たないと思うけどそれは刀身強化の魔術にゴブニュの三回叩けば完璧な武器になるを使えばしばらくは使えると思うんだよ…ステイル使って」

 

「僕がかい?しかし」

 

「使えよステイル、お前が一番炎の扱いに長けてるんだし、俺はそんなもの持ったら幻想殺しで破壊しちまうしな、一方通行は能力がある、使ってくれ」

 

「……分かったよ…」

 

ステイルは禁書目録が差し出した炎の剣を受け取るのに戸惑うが上条がステイルに語りかけると炎の剣を受け取る

 

「さあ、もういいかな?」

 

「武器の製作を待ってくれるなんて舐めてるの?て、ミサカはミサカは疑問に思って尋ねてみたり!」

 

「構わないよ…俺は強い、だから万全の状態で挑んで欲しいんだ」

 

「舐めやがって…後悔させてやるよ」

 

オッレルスは笑顔でそう言うと打ち止めと一方通行が馬鹿にしているかの様に思い苛立つが打ち止めは電撃を手から出し、一方通行は石を超電磁砲以上の速度で放つがオッレルスが手でそれを簡単に弾く

 

「その程度じゃあ俺を倒せないよ」

 

「今のは魔術かァ…?いや…何と無くだが…原石の力に似てやがる…なんなんだお前の能力は?」

 

「さあ?俺にもよく分からなくてね…魔術ではない説明できない力とは理解してるがね…俺は生命力を魔力の代わりに説明できない力に変換してるのさ」

 

「…確かに見たことのない術式なんだよ…これはマズイかも」

 

オッレルスは説明できない力で一方通行逹の攻撃を弾き禁書目録は自分でも知らない力と知り冷や汗をかくが上条逹はどこ吹く風といった様子だ

 

「魔術なんて俺はよく知らねえからそんなに怖くない…まあどんな力でも俺の右手で一発ですよ!」

 

「俺の能力はこんなもンじゃァねえからなァ…見せてやるよ」

 

「この子から貰った炎剣で焼き尽くしてやる」

 

「……そうかい、ならかかっておいで」

 

ステイルは炎剣を振りかざしそこから炎の塊を放ち通常より遥かに高温度の灼熱がオッレルスを襲うがオッレルスは簡単にそれを弾き返す…が一方通行が脚力を強化し高速で動き身体運動を増幅させオッレルスに殴りかかるが、突如として説明できない力に殴られ一方通行は反射出来ずに吹き飛ばれる…上条も近づくが右手を除く全身に肉体の表面から芯まで均等に浸透するかの様な不自然なダメージを受ける

 

「ノーモーションで発動するだと…しかもあれじゃあどうやって回避するのかも分からない…幻想殺しでも防ぎきれないとは…」

 

「く…半魔神て名乗るだけあるようだなァ…」

 

「まあね…なら今度はこちらから行かせてもらうよ?」

 

オッレルスはそう言うと片手に棍棒とも矢とも杖にも見える炎を手に取る…その炎を手に持っただけで地面が融解し溶け始める…まさに終焉の炎…それを見ただけで禁書目録はどんな魔術か理解した

 

「レーヴァテイン…スルトの世界を終わらせる炎…生命を焼き尽くす炎…私が作った奴より遥かに込められた魔力が違うんだよ!」

 

「禁書目録が作ってくれた剣よりも高性能の魔術か…流石と言うべきかな?」

 

「さて、この炎とその炎どちらが勝るか試してみようか?」

 

禁書目録が自分が作ったレーヴァテインに似て非なるものと推測しステイルも自分の炎剣を見てオッレルスの炎の方が温度が高いと知ると流石半魔神と賞賛する

 

「あの炎…龍王の殺息と同じで幻想殺しでも消滅しきれない…なんて魔術だよ…」

 

「ビビっている暇はないぞ上条 当麻、どうやって奴を倒すか考えろ」

 

「ビビってねえよ!まあ…確かに弱気になるにはまだ早いな」

 

「……それでこそ、禁書目録を救った男だよ…」

 

上条は自分の右手でも破壊できるか不安になるがステイルが挑発するかのように言うと上条はオッレルスを真っ直ぐ見て弱気になるかとステイルに向かって言うとステイルが笑う

 

「さて…炎の剣は右手に持っているが…左手が空いているね…スリュムの盗みし雷神の槌よ、氷を纏え」

 

オッレルスは更に左手に黄金の氷で出来たハンマーを作り出しそれを一振りするだけで周囲が凍てつき、ハンマーから氷の雷を放ち当たった部分に氷柱が出来る

 

「スリュムが盗んだ雷神の槌…ニョルニル!雷神トールが持つ武器で投げれば戻ってくるなどの性能を持つ雷の槌…スリュムはトールからニョルニルを盗んだ逸話があるんだよ…だからニョルニルは一時的にスリュムの物となった…だから氷の雷なんだね」

 

「正解だよ、流石と言うべきかな?右手の炎に左手の氷…さてどう対処する?」

 

「……北欧神話とか別に詳しくないがよォ…これは反射しきれるか分からねえぞ?」

 

「更に…こっちも仲間を呼ぼうか」

 

禁書目録がオッレルスが発動した魔術について詳しく説明すると、一方通行も冷や汗をかく、更にオッレルスが氷のハンマーを振るうと、地面が隆起し黄金の角を持つ全身黄色の宝石で出来た牛と真っ黒な宝石の体に銀の角を持ち金の眼の牝牛が現れる

 

「スリュムの財産の一つたる牛逹…多分かなり強いと思うんだよ…でも」

 

二体の牛は一方通行とステイルに迫る…二人を倒そうとしているのだろうが風を一箇所に集め空気を圧縮すしてプラズマを発生させプラズマを当てて黒い牛を破壊し、ステイルは炎剣で黄色い牛を焼き尽くす

 

「…ほう?」

 

「テメェ舐めすぎだろ…こんな雑魚に俺が負けるとでも思ってンのか?」

 

「そう思っているなら屈辱だね、僕はそんなに弱くないよ…」

 

一方通行も首を回して舐めるなとオッレルスを睨み、ステイルの煙草の吸殻を道に捨てると燃え上がって消える…オッレルスは二人が簡単に牛逹を倒して予想以上だと笑う

 

「確かに舐めていたかもしれない…それは謝ろう…だが…これに耐えきれるか?」

 

オッレルスは頭を下げて謝罪すると手に持った炎と氷のハンマーを振るい炎と氷の雷を飛ばし一方通行はそれを反射しステイルはそれを炎剣で防ぐ、上条も幻想殺しを当ててすべての攻撃を防ぐがオッレルスはノーモーションで説明できない力を放ち上条は右手以外に激痛が走り吹き飛ばされる

 

「無効化出来ない痛みで理不尽じゃね?上条さん涙目ですよ…」

 

「俺だってなァ…あんな強い奴相手にどう勝つかなンてなぁ分からねえんだよ…」

 

「やれやれ…泣きたくなってくるね」

 

「ミサカもそう思うて、ミサカはミサカは涙目になってみたり!」

 

「頑張るんだよとうま!ステイル逹もネガティブになるななんだよ!」

 

禁書目録以外が弱気になると禁書目録が叱責しオッレルスに立ち向かう…だがオッレルスには炎や氷のハンマーの他に説明できない力がある…しかもノーモーションかつ何処に攻撃するかわからない攻撃だ…どうやって防げるのかもどうやって避けるのかさえも分からない説明できない力…これをどう対処すればいいのか分からない

 

「さて、どうやって対処するべきか…いい案はあるかい禁書目録?」

 

「う〜ん…私にも分からないんだよ…」

 

「まあいい…全員でやれるだけやって戦えばいいだろ!」

 

「とンだ脳筋だなァお前…」

 

ステイルと禁書目録がどう倒そうか悩んでいると上条が全員で攻撃すればいいさと笑い、一方通行はそれにツッコミながら笑う

 

「……北欧玉座は俺自身もよく分からないが…突破できるかな?」

 

「ああ、突破してやるよ…皆でな…」

 

「そうかい…それなら……」

 

上条がそう言うとオッレルスが笑いかけるがふっと頭上を見上げる…上条も上を見ると空から何かが降ってきた…巨大な狼…ヴォバンが地面にぶつかりクレーターが出来上がりヴォバンは体を振るって起き上がる

 

「ぬぅ…小僧め…中々やりおるわ…」

 

「…ヴォバン…派手な登場だね」

 

「…巨大な狼…多分ギリシャに関係ある術式なんだ「おぉい!無事かお前ら!」…そぎいた?」

 

オッレルスはヴォバンに呆れた口調で話しかけ、禁書目録がヴォバンの術式を考察すると削板が叫びながら駆け寄ってくる

 

「お!相手は無傷か!お前らの攻撃を喰らい続けて無傷とは根性あるな!」

 

「いや、当たってすらいねえンだが…」

 

「当麻!無事!」

 

「美琴!?そっちはもう倒したのか!?」

 

削板はオッレルスが無傷なのを見て根性があるなと叫ぶが一方通行はそれに対しツッコミを入れる…そして空から美琴達が着地し垣根も六枚の翼を展開したまま地面に降り立つ

 

「ええ!楽勝だったわよ!」

 

「……まあ大苦戦してたんだけどな…」

 

「それを言うんじゃねえよ第2位…」

 

美琴は楽勝だったと胸を張るが垣根はボソッと呟き麦野は余計なことを言うなと睨みつける…オッレルスはブリュンヒルデが敗れたと知ってもそうかと頷いたきり何の反応も起こさない…それを不審に思った垣根が口を開く

 

「おい、テメェ仲間がやられたってのに全然心配してなさそうだなぁ」

 

「そうかい?どうせ死んでないのだろう?僕の予想では君達は優しいからね、きっと活かして拘束でもしてるのだろう?」

 

「……バレてるわね…」

 

オッレルスはブリュンヒルデを殺していないだろうと笑いながら言うと美琴もバレていたかと苦笑いで返す…オッレルスは最初から上条達が人を殺すとは考えていなかったようだ…実際天草式のメンバーやブリュンヒルデの部下達も全員気絶はしているものの殺されているものはいない…

 

「は、甘い奴らよ…そんな情は戦場には不要だ」

 

「まあいいじゃないかヴォバン…さてこっちは二人…向こうは大人数…楽しめそうだろ?」

 

「くくく…違いない」

 

ヴォバンはそう言うて大きく笑うと魔狼を呼び出し大口を開き牙を剥き出しにしそこから涎を垂らす…たったそれだけで地面の色が変わる…それは銀にも似た金属へと地面が変貌していく

 

「……ハーデースの金属…ハーデースは冥界…つまり地下の神、それ故金属の神とも言われる…ギリシャ神話の金属といえばオリハルコン、ハーデースと同じ兄弟のポセイドーンも愛用していた金属、金属はギリシャ神話ではハーデースの精液が石に付着したものと考えられていたんだよ…つまり自分の体液に触れたものを無機物に変貌させる魔術!」

 

「正解だよ禁書目録…私が得意とするのはゼウス・リュカイオスに関連する魔術ではない、ポセイドーンやハーデースに関連する魔術も使用できる…まあオッレルスやアレイスターには劣ると自覚しているがね」

 

「そう自分を卑下するなヴォバン、さてこれだけの人数だ…これも対処してくれるだろう?毒を吐き雷神を殺す魔蛇よ、終焉へと導く滅びの魔狼よ」

 

ヴォバンが当たりの地面をオリハルコンに変えそれを操り自分の周りに球体状にして浮かせそれを上条達に放つ、美琴は電撃で、一方通行は反射で、ステイルは炎でオリハルコンを防ぎ上条の右手に触れると単なる土塊や瓦礫に戻る…だが短時間でオッレルスが呪文を呟くと上条達の頭上には巨大な狼の首ととてつもなく長いとしか言い合せない程の大きさの紫色の蛇が浮いていた

 

「く…北欧神話の怪物…一説だと巨人とされるフェンリルとヨルムンガンドか…共に神を殺した神殺しの獣…禁書目録!防ぐあてはあるか!?」

 

「うん任せるんだよステイル!……終焉、それは北欧の終わりにして滅びる世界、オーディンは狼に飲まれ、トールは毒で死に至り、ロキは終末の笛を吹く神と共に没する…されど新たな世界にて蘇るであろう。神々に気高き終わりを」

 

ステイルがオッレルスが唱えた呪文を察すると禁書目録に叫ぶが禁書目録が呪文を唱えると二つの巨大魔術は消滅する

 

「北欧系魔術の消滅魔術…北欧の神々がラグナロクで滅びる運命なのを利用した魔術破壊か…北欧系魔術限定とは言え僕の魔術を相殺するとは…恐れ入ったよ」

 

「ふむ…北欧系魔術の無効化か…だが完全に発動する魔術限定と見た…それならば幻想殺しの上位互換だからな…北欧以外には役に立たず発動する前に呪文を唱えなければならない…ならば私の魔法なら影響を受けない」

 

「もうバレたんだよ……とうま達!オッレルスの攻撃は私が防ぐから何とかあの狼を倒して!そして全員でオッレルスを倒すんだよ!れ

 

オッレルスは自分の魔術が防がれた事に目を少し動かすが面白いと笑い、ヴォバンもニヤリと笑う…それを見た禁書目録は冷や汗をかきながら全員にヴォバンを倒すように叫ぶ…するとヴォバンは自分の魔術である青い炎を出す

 

「これはポセイドーン…正確に言えばネプチューンの全てを焼き尽くす振動の炎…耐えきれるか?」

 

これはポセイドーン…正確にはローマ神話のネプチューンが持つとされる海の中で燃え盛る炎を再現したものだ、ポセイドーンは海を司る神と思われがちだが本質は大地の神であるとされ古来ではデーメーテールの夫であった為ポセイドーンは実は海よりも大地の方が関わりが深い、故にこの炎に触れた地面や揺れ地震を起こし触れた物を粉砕する…炎…熱とは分子が高速で運動している状態の事を言い地震…つまり振動を激しくし共振を起こす事で物体の固有の振動数を起こせば理論上はあらゆる物体を粉砕出来る…これは科学でも証明されておりニコラ・テスラ曰く「振動を操れば、地球を真っ二つにもできる」と言わしめる程…それに熱量も凄まじいだろう…触れただけで一瞬で焼け死ぬ事間違えなしだ

 

「…ポセイドーンの地震を起こす青い炎…あれに触れれば一撃で死ぬし防御魔術を張っても振動で破壊される!」

 

「はぁ!?本気で言ってるの禁書目録!?あんなの私の超電磁砲でも防げやしないわよ!?」

 

「俺の反射でも無理そうだなァ…」

 

「流石に俺の未元物質でもあんな非常識な技を防ぐ手当はねぇ…」

 

禁書目録の一言により美琴達はあんな攻撃が防げるのかと絶望するがヴォバンは知ったことかと青い炎を落とす…が、上条が一方通行に向かって叫ぶ

 

「一方通行!俺を飛ばせ!」

 

「はァン?……わァったよ!」

 

「ちょっと当麻!?」

 

一方通行に向かって駆け出した上条を見て一方通行は目を向くが上条の意図がわかりニヤッと笑い自分の能力で上条を掴み青い炎に向かって投げ上条は自分の右手を青い炎に当てる…だが当然即無効化は出来るはずのない質量…なのだが上条はそれを逆さに取り青い炎を掴んでヴォバンに投げ返す!

 

「何!?ヌオオオオ!!?」

 

「ヴォバン!?」

 

「へ!ザマァ見やがれて事ですよ!上条さん舐めんなコンチクショウ!」

 

ヴォバンはそのまま自分の炎に当たり炎上し苦痛の叫びをあげオッレルスもこれは予想外とばかりに驚きヴォバンの名を叫ぶ…上条はそのまま地面に着地して自分の右手に息をかける…やはり熱かったようだ

 

「アチィ…だがこれであの狼は暫く動けない!次はお前の番だぜ!オッレルス!」

 

上条はそうオッレルスに宣言する…オッレルスも顔を引き締め再び北欧玉座の説明出来ない力を使おうとする…

 

 

「皆は大丈夫なのよな?」

 

建宮は自分達の仲間やオルソラを守ってくれる為に集まってくれたブリュンヒルデの部下達やオッレルス達は無事かと心配する…五和やオルソラも心配しているようで不安げな顔だ…そこに誰かの靴音が聞こえ五和と建宮は警戒してそこを見ると、そこには操祈が立っていた

 

「警戒しないでいいわぁ〜、私はあなた達の敵じゃないから」

 

「信用出来んのよな、お前さん達の目的はオルソラ嬢なのだろ?」

 

「そうねぇ…始めはそう聞いてたけど…あのシスターさん達の頭を覗いたら嘘で分かったわぁ〜」

 

「頭を覗いた……そう言った魔術…いえ科学だと超能力の使い手ですか?」

 

建宮は剣を操祈に向けていつでも切り捨てれるようにするが操祈はリモコンは全て地面に捨てて自分には敵意がない事を示す…そして自分は騙されてないと語ると五和が目を細めそれを見た操祈はニヤリと笑う

 

「だからぁ〜…私達と協力してシスターさん達を倒さない?」

 

「……………何?」

 

操祈はそう微笑むと建宮は呆然とする…まさか敵と思っていた人物から同盟を組もうなど言われるとは考えていなかったようだ

 

「それにぃ、オルソラさんの法の書の解読は間違っているみたいだしぃ…嘘つきにはお仕置きをしないといけないと思うのよ〜」

 

「……間違っていた…私の解読がですか…それは置いておくとしてなぜ助けるので御座いますか?」

 

「上条さんならきっと助かるだろうし……ローマ正教と手を組むよりは絶対マシだからよ」

 

操祈はそう言うと建宮を見る…建宮は嘘かどうか見極めているようだったがフッと笑い操祈を見ながら口を動かす、答えはもう決まっているようだ

 

 

その頃、アニェーゼ達が言っていた司教が上条達がいるところに向かっていた…そのしきょうなのだが…神父服ではなく何故か燕尾服を着ていた…果たしてそれが意味する事とは?

 

 

 




ヴォバンさんがゼウス以外に使う魔術はゼウスの兄弟ということで知られる、ハーデース、ポセイドーンに関連する魔術です、ハーデースは金属操作(オリハルコン)、ポセイドーンは地震に関連する魔術…禁書目録が使った魔術もオリジナルで考えて作りました…おかしなところがあれば教えて下さい!

さてあのキャラが何故神父服ではなく燕尾服を着ているのか?…次回明らかに


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二十話決着ローマ正教

アニェーゼさんを強化して見た、まあ一応巻ボスの一人だからね…アウレオルスや禁書目録には劣るけど(ボソッ)さて最後にとんでもないのが出てきますよお楽しみに!


オッレルスは北欧玉座の説明出来ない力を操り上条達を攻撃する、垣根が未元物質で防ごうとしてもそれを破り垣根を吹き飛ばし、見えない力を原子崩しで相殺しようとしても逆に押し切られ麦野も吹き飛ばされ、美琴も電撃のバリアを張るも破られて吹き飛ばされる…唯一削板のみその説明出来ない力をすごいパーンチで相殺することができた

 

「根性!根性でお前の攻撃を防いだぞ!」

 

「………いや、根性ではなく君の純粋な力で押し切ったのだと思うのだが…」

 

「御託はいい!さっさとかかって来い!」

 

「……レベル5と言うか…原石て凄いんだなぁ…」

 

削板はオッレルスの攻撃を自分の根性だけで防いだと言い切るがオッレルスがそれは違うと頭を振る…上条は削板に呆れながらも凄いと内心思いつつ、他のメンバーを見る…レベル5の面々やステイル、禁書目録、鏡花達は何とか立っているが、滝壺や絹旗…ここには居ない操祈があの攻撃を喰らえば骨が折れ戦闘が出来なくなると推察し舌打ちをする

 

「くそ…出鱈目過ぎるだろ…てか、操祈はどこ行ったんだ?」

 

「さてね、食蜂 操祈なら単独行動になった時に一番最初に消えていたよ!」

 

「…当麻、多分だけど操祈はオルソラさんを助けに行ってると思うわ…」

 

「本当か美琴…たく無理しやがって…早くこいつら倒して応援に行くぞ!」

 

上条は操祈はどこへ行ったのかと尋ねると美琴はオルソラを一人で助けに行ったというと上条は驚き急ぎでオッレルスを倒さなければと一層思い、オッレルスの方を向く…だがあの説明できない力をどう破ればいいのか分からない

 

「どうやって倒せばいいんだよ…」

 

「別に倒さなくていいわよ、操祈がオルソラて人の所へ行けば問答無用で私達の勝ちなんだから」

 

「はン?そりゃあどう言う意味だよ?」

 

「そう言えば操祈と浜面に秘密にしろって言われて黙ってたけど実は…」

 

「お喋りをしている暇があるのかい?」

 

美琴がそうボソッと言うと一方通行がどう言う意味かと尋ねてくるがオッレルスは喋る余裕があるのかと笑い説明できない力で敦を吹き飛ばす

 

「くぅぅ…!?」

 

「敦!?」

 

敦は空間移動で避ける間も無く説明できない力で吹き飛ばされ鏡花が心配するがオッレルがレーヴァテインから炎を放ち、鏡花は影を操ってそれを防ぐ

 

「くそ…せめて目に見える攻撃なら対処の仕様があるのに…!」

 

「私にも全く理解できないんだよ!原石はこれだから苦手なんだよ!」

 

(はぁ…何やってるんですか、これではオルソラを回収して殺せねぇです…科学の連中も役に立たねえでございますね)

 

アニェーゼはそう役に立たない上条達に毒を吐く…天草式と戦う時に自分の部隊から怪我人が出ない様に用心棒として科学の連中を雇ったというのにオッレルスに押されて自分達も天草式のメンバーに押されてオルソラを回収できず苛立っていた…まあ上条達がいなければオッレルスになす術なく倒されていたのだが…

 

「さて、このまま倒させて「そりゃあ無理だぜ」…来たか」

 

オッレルスは氷のハンマーを振りかざすが突如と来て飛んで来た銀色の物体をオッレルスは軽く飛んで避ける…浜面が投げた天草式から奪い取った剣を魔剣化した物だ、浜面と風斬達が上条達に合流する

 

「大丈夫か当麻!?」

 

「仕上か…遅かったな…随分遅かったな…待ちくたびれたぜ」

 

「悪い、レッサーて奴が俺を挑発して来てな…お仕置きしてたら時間経っちまって…」

 

「そンな理由で遅れたのかよ!こっちはチート野郎の所為で大苦戦してたンだぞ!?」

 

浜面は手を合わせてレッサーの所為で遅くなったというと謝ると一方通行が巫山戯んなと大声で叫ぶ…が浜面達が来たおかげで味方が増えたのは事実

 

「ともかく、さっきまでと一緒と思うなよ」

 

「ふ、ようやく来たか…僕の狙いは君だよ浜面 仕上…あの魔神ヌァダが力を授けたその力を見せてくれ」

 

オッレルスはそう言うとレーヴァテインを振りかざすが浜面は右手を大地に触れさせ地面から銀色の土塊の剣がオッレルスを襲いレーヴァテインの炎を破壊しオッレルスに接近するがオッレルスは説明できない力で浜面を吹き飛ばす

 

「痛ぇ…!全身にくまなくダメージが来る様な痛み…マジでなんだよこの攻撃?!」

 

「多分僕らと同じ攻撃だよ浜面君!原石なんだ!彼は原石の魔術師なんだ!」

 

「マジか…原石の魔術師…あぁ…アテナさんが強いて言ってた理由が分かるわ…あんな化け物相手に出来るかよ」

 

浜面が敦が言った原石という言葉に納得するとアテナが言っていた通りにやりづらいと嘆いていると狼の姿から人間の姿になって現れる

 

「アテナだと…!そうかお前は知っているのだな!我が娘を!……くはは!なんたる奇縁か!」

 

「む、娘…?」

 

「そうだとも!オティヌスより若い魔神…それが我が娘サーシャ・デヤンスタール・パラス…まあ今は魔神アテナだが…私を超えて魔神となった…ああ素晴らしき日だ!我が娘の名が聞けるとは!」

 

「……確か魔神て長生きだよな?それの父親って一体何歳だよ…」

 

ヴォバンはアテナが自分の娘だと言って叫ぶと笑い始める…上条はヴォバンが一体何歳なのかと考える

 

「歳か?そうだな…三百年は超えただろう…何せ昔の事だ、忘れた…あぁパラス…我が自慢の娘よ…まあそれは置いておこう…興味が湧いた…オッレルス、パラスの話が聞きたいので浜面 仕上は戦いが終わったら寄越せ」

 

「やれやれ…子離れはしたほうがいいよヴォバン」

 

「黙れ、父親というのはな…一生子離れ出来ないのが心理なのだ」

 

「ンな心理知るかよ、親バカは帰れ」

 

ヴォバンを嗜める様に口調でオッレルスは話すがヴォバンは娘から一生離れれないのがこの世の摂理と返すと一方通行は冷たく返した

 

「つまりあの爺さんはアテナさんの親父さんで…オッレルスと同じ半魔神…ややこしいな」

 

「いや浜面 仕上、僕としては魔神に父親がいる事がおかしいんだけど…」

 

「愕然…魔神アテナには父がいたか…共にギリシャ神話の魔術と共通しているが…」

 

「そうだとも、ギリシャ神話の魔神は当時はまだ魔神がいなかった…故に私はギリシャ神話の魔術を使う魔神になろうとした…ギリシャ神話程強力な魔術を連想させるものはそうない…インドがやりやすいがあれは最古の魔神 ラーマが担っているのでな…だが娘に魔神になられて私は驚いたものだよ」

 

ステイルやアウレオルスがアテナに父親がいたことに驚くがヴォバンは昔を懐かしむ様に話し始める

 

「あぁ子離れできないのは分かるな…俺の父さんも俺の不幸体質を治すために色んなもの買って来てるし…」

 

「私の両親もこの歳になっても子離れしないしね…」

 

「そういえば木原くンもいつも俺の心配してくれてるなァ…」

 

「は、親とはそういうものだ…いつまでたっても子から離れられないものだ…」

 

「……いや貴方方は何を敵と喋っているのです!?」

 

ヴォバンとの会話に口を出し始めた上条達に苛立ったのかアニェーゼが苛立った声を上げる

 

「そいつらは敵ですよ!?何同窓会や友達と会話する感じで喋っていやがるんですか!?真面目に戦ってください!」

 

「あァン?テメェ…自分はこいつらと戦ってないから分かんねェだろうがなァ…こいつら滅茶苦茶強いんだよ!」

 

「それに勝つのが貴方方の役目でしょうが!だから極東の猿共は…」

 

「おいおい喧嘩するなよ…て、今このシスターさん極東の猿て言いませんでしたか?上条さんの耳が間違って聞き取ったのですかい?」

 

アニェーゼの言葉に一方通行が反論し上条が抑えるがアニェーゼの言った言葉に上条は戸惑ってしまう

 

「し、シスターアニェーゼ…そ、その様なことを言ってしまっては…」

 

「黙りなさい!シスターアンジェレネ!この異教徒の豚達が役に立たないからシスターアニェーゼは怒っているのです!」

 

「し、シスタールチア…そ、そういう問題じゃないんですよ〜…こんな人達に勝てるわけないじゃないですか…」

 

アンジェレネは慌ててアニェーゼに喧嘩はしてはいけないと言いかけるがルチアが黙っていろと言い返しアンジェレネは下手にこの人達を怒らせるとダメなのに…と呟くが誰も聞こうともしない

 

「いいからさっさと倒し「はいはい〜、お遊びはそこまでよぉ〜」な!?」

 

「……遅いのよ操祈」

 

「ごめんなさいね美琴さん〜、でも私なりには早く行動したのよ〜?そこら辺は褒めて欲しいわ〜?」

 

「ん?食蜂 操祈か…て、オルソラ=アクィナス!?」

 

操祈が五和と建宮、オルソラを連れて漸くここに到着し美琴が遅いと呟き、浜面も漸くかと操祈を見る、ステイルはそう言えばいなかったな…と思い操祈を見ると自分達が探しているオルソラが横にいるのを見てはぁ!?と叫び声を出す

 

「愕然、何故ここにオルソラ=アクィナスがいる?それに後ろの二人は天草式と思うのだが?」

 

「ああ、それは俺から話すぜ、ローマ正教の本当の目的と一緒にな…」

 

「本当の目的?」

 

「そうだ当麻…こいつらローマ正教の本当の目的はオルソラて人を殺すこと…そう法の書の解読ができたオルソラを殺すのが目的なんだよ」

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

「な、何故それを知ってるんですかい!?」

 

浜面が実はローマ正教がオルソラを殺そうとしていると答えると浜面、美琴を除いた学園都市のメンバーとステイル達は驚きの声をあげアニェーゼは何故それを知っていると驚く

 

「簡単さ…常盤台の女王様はな疑い深いんでな…ローマ正教の思考を能力で読んでたらオルソラを殺すのが目的で天草式はオルソラを守ろうとしているて分かったからな、それを俺と美琴に教えてくれたんだよ」

 

「ちょっと待て!なんで俺達にも教えてくれなかったんだよ!?」

 

「だってえ〜、上条さん達てそれを言うと顔に出そうだからよ〜…演技力がないから言えないのよ〜言ったらシスターさん達を殴りそうだし」

 

「あァン?そんな事するわけ………するな」

 

「するんだね…てミサカはミサカは呆れてみたり!」

 

浜面が何故知っているのかを言うと上条は自分達にも教えろと叫ぶが操祈は隠せないでしょ?と一蹴し一方通行がそんなことはない…と言おうとして無理だなと言った事により全員が無理だな隠せないわと確信した

 

「俺も…思わず顔面を殴っちまうな、割と本気で…そんな事のために折角の休みを台無しにされたのかと思うと…」

 

「僕も禁書目録をそんな事のために連れ出したのかと知ったらこのローマ正教の奴らを焼死体にしてやるところだよ」

 

「確かに俺も未元物質で愉快なオブジェにするなぁ…」

 

「私もこんな暇があったらシャケ弁食いたかった…よし殺すわ」

 

(ああ…バレてしまった…どうしよう私死んじゃう…)

 

全員が折角の土日の休みを邪魔されてまさか人殺しの片棒を担ぐ事になるとは思っても寄らず段々怒りゲージが溜まっていく…それを見たアンジェレネはもう駄目だと手で顔を塞ぐ

 

「ふん…バレちまったらしょうがないですね…お前達!ここで殺しちゃまいますよ!」

 

アニェーゼのかけ声と共にシスター達は武器を構えて上条達に襲いかかる…これで死んだだろうとアニェーゼが笑うと…シスター達が吹き飛ばされたり同士討ちをしだしアニェーゼは絶句する

 

「………へ?」

 

「心理掌握〜、これが私の洗脳力…同士討ちさせてあげるわ」

 

「俺達舐めてンじゃねェぞ?ここから先は一方通行だ、さっさとUターンすれば見逃してやる」

 

「俺の未元物質には常識は通用しねぇ…だが俺は常識はあるからな…」

 

「ざけんなよクソビッチどもが!私の時間を返せ!」

 

「……許さねぇ…俺を巻き込むだけじゃなくて皆を殺人の片棒させようとして…そんなお前らローマ正教の目的なんかぶち壊してやる!」

 

「上条 当麻…僕も協力しよう…禁書目録を危険な所へ連れてきた礼だ…ローマ正教に煉獄の片道切符をくれてやるよ」

 

「さて…あんた達覚悟しなさい!超電磁砲の恐ろしさ見せてやるわ!」

 

「嘘つきやがって!この卑怯者!お前らには根性がないのか!?」

 

「あれ、僕達のこと忘れられてる?」

 

操祈、一方通行、垣根、麦野、上条、ステイル、美琴、削板がシスター達を吹き飛ばし(操祈の場合は洗脳による同士討ち)、他のメンバーもよくも騙したなとばかりに怒っていた…オッレルスは自分達はもう忘れられてるだろうなぁ〜と呟く…それを見てアニェーゼが若干後退りする

 

「な、何ですこいつら…さっきまで苦戦してやがりましたのに…私の部下を丸で漫画の一コマで倒したみたいに…」

 

「残念だな…オッレルス達が強過ぎただけでこいつらは学園都市の最強クラスの猛者なんだぜ?」

 

「相手が悪かったとしか言いようがないですね…でも騙す方が悪いですよ?」

 

「く……アンジェレネ!敵側の近くにいるのなら早く一人でもいいから倒しやが…」

 

浜面と風斬が自分達のことを舐めすぎだとアニェーゼに言うと、アニェーゼはアンジェレネに向かって早く倒せと命じるが

 

「……(無言で首を横に振る)」

 

「な…シスターアンジェレネ!?裏切る気ですか!?」

 

(違います…絶対勝てないから戦いたくないんです…と言うか勝ち目のない戦いをしたくないです…こんな人達に勝てるわけないです…目的がバレた今…半魔神二人とこんな化け物共に勝てるわけがないです…)

 

ルチアはアンジェレネに対し怒るがアンジェレネは確かにアニェーゼに恩があるが死にたくない、それにこの人達は優しいから殺さないだろうと思い浜面と風斬の後ろに隠れる…プライド?何それ美味しいの?と言わんばかりの行動だ

 

「……いい選択だね、とうま達の実力をちゃんと測ってる」

 

「シスターアンジェレネ……こうなったら私とシスターアニェーゼだけでも!」

 

ルチアはそう言うと背丈程の大きな車輪を持ち上げ地面に叩きつけ爆散させ車輪の欠けらが弾丸の様に上条達に向かってくるが一方通行が上条達の前に立ち欠けらを跳ね返し、残りは禁書目録が風の魔術を酷使して吹き飛ばす

 

「…く!戻れ!」

 

「聖カテリナの『車輪伝説』をモチーフにした術式だね…でも車輪を壊せば使えない!ステイル!」

 

「ああ任せておけ!」

 

反射で自分の体に欠けらがいくつかささるがルチアは平然と車輪を元に戻す…自分の体に刺さった欠けらが抜けて血が出てきたが気にも留めない様でルチアがもう一度攻撃しようと車輪を爆発させるも禁書目録のかけ声でステイルが炎の剣から炎を飛ばして車輪の欠けらを焼き尽くす

 

「シスターさん達の方が悪者とは超分かりませんでした、でも敵なら倒しても構いませんよね?」

 

「があ…!?」

 

「シスタールチア!?」

 

車輪を燃やされたルチアは恐らく何か魔術を発動しようとしたのだろうが絹旗が一気に接近しルチアを殴る…と言っても窒素装甲が発動しているので窒素装甲でタックルしたと言うのが正しい言い方だろう、ともあれルチアは吹き飛ばされ気絶、アニェーゼはそれを見て蓮の杖を構える

 

「万物照応…五大の元素の元の第五…平和と秩序の象徴『司教杖』を展開…偶像の一、神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を接続せよ」

 

アニェーゼがトンと地面を術式の発動により杖の先端が等間隔に展開された蓮の杖で叩くと絹旗が吹き飛ばされる

 

「絹旗!?」

 

「…超痛いですね…私の窒素装甲の守りを無視するとかどう言う原理ですか?」

 

「は!甘いんですよ!この魔術は空間を直接攻撃する…つまり防御不可でやがります!」

 

「偶像の理論の応用…日本でいう呪いの藁人形に近い術式…杖の象徴するエーテルが万物に似ていると言う特性を生かし、空間そのものに作用…杖を傷つけると連動した他の物体を傷つける…多少のタイムラグはあるみたいだけど…」

 

アニェーゼの魔術は空間を直接叩けるため、鎧のような防具を無視して直接ダメージを与えられる…つまりは…窒素装甲であれ電磁バリアを張ろうが空間に直接攻撃するため意味はない…しかもオッレルスと同じく軌道が見えないため幻想殺しでも防御は困難を極める

 

「こんなに人数がいるから勝てると思いましたか?残念、そんな幻想は終わっちまったようで?」

 

「く…!」

 

「一方通行!?」

 

アニェーゼが嗜虐性を含めた残酷な笑みを浮かべて杖を叩くと一方通行が吹き飛ばされる…一方通行の反射をもってしても防げなかったのだ…更にアニェーゼはその力をフル活用し垣根、麦野、敦、アウレオルスを吹き飛ばす

 

「どうですか!私の力は!どんなに貴方達の街でその力をチヤホヤされようが上には上がいるんですよ!異教の豚が身の程を知れです!」

 

「…あぁ…シスターアニェーゼのSが覚醒してしまいました…不味いです…このまま調子に乗ると本当に殺されますよ…」

 

アニェーゼは自分の力が上条達に通用するも知るや否や自分のドSな本性を剥き出しにして蓮の杖で攻撃しナイフで蓮の杖を切り鏡花や美琴、操祈を斬り裂こうとするが間一髪で避け服が切られるだけで済む

 

「危ないわね…!このドS女…!」

 

「ほらほら!口だけは達者ですねえ!」

 

アニェーゼは蓮の杖を舐めると美琴の首が舐められた気がした…これも再現できるのかと美琴が苛立つなかアニェーゼは再び杖を地面に落とすとステイルが下半身を抑える

 

「ぐはぁ……!あ、あの女…急所を狙いやがったね…」

 

「ステイル!?無事か!お前も息子も!?金的を狙うとは…なんて魔術なんだ!」

 

「俺の未元物質よりもあいつの方が常識がねえよ…金的を狙うとか…」

 

「俺達も下の方の攻撃に気をつけるぞ!」

 

「男子下品よ!女子の前で金的金的言うな!」

 

アニェーゼがステイルの金的を狙いステイルが苦しむのを見るとほぼ全員の男性が下半身の心配をする…アニェーゼはそれを見てまた杖を振りかざすが何かが飛んできて杖が二つに分かれる

 

「……はい?」

 

「終わりだ…お前の魔術はその杖がないと意味がないんだろ?」

 

浜面が爪楊枝を投げて蓮の杖を破壊しアニェーゼは途方にくれるが上条とステイルは二人で駆け出す

 

「さっきはよくもやってくれたね…!流石のあれは一番効いたよ!」

 

「お前らの勝手で人を殺そうとしやがって…それがお前らローマ正教の目的なら…そんな幻想ぶち壊す!」

 

ステイルと上条の拳がアニェーゼの顔面に炸裂しアニェーゼは吹き飛ばされ宙を舞い地面に落ちた…アンジェレネがそれを見て駆け出してアニェーゼの安否を確認する

 

「あ、あの…シスターアニェーゼ達の事ですが…」

 

「…別に殺さねえから安心しろよ…なあ当麻」

 

「ああ、別にオルソラて人は死んでねえし命を取る必要もねえしな」

 

「まあ僕としては急所を攻撃された恨みもあるが…禁書目録の前だ…殺しは控えるさ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

アンジェレネはそれを聞くと頭を下げて感謝する…そうしているとオルソラ達が近づいてきた

 

「君がオルソラ=アクィナスか…それに君が天草式の教皇だな?間違えて攻撃してしまって申し訳ない」

 

「いやいやいいのよな、俺達も女教皇の教えに従ったまで…それに教皇ではなく代理よな…俺達はいつでも女教皇の帰りを待っているんでな」

 

「かおりの…今度あったら来るよう伝えておくんだよ」

 

「そうかい、嬢ちゃんありがとなのよな」

 

アウレオルスが代表して敵と勘違いして攻撃してしまってすまないと謝るが建宮はそれを怒るようなことはせず笑う

 

「あなた方も私を助ける為協力してくれてありがとうございます」

 

「……別に私はアレイスターの野郎に頼まれただけだ…感謝を言われる資格はねえよ」

 

「見て見て滝壺!絹旗!麦野がデレてるて訳よ!」

 

「超珍しいですね」

 

「ん…麦野が照れてる」

 

オルソラが上条達に感謝するなか麦野はそんな事を普段言われないので顔を後ろへ向けてオルソラと顔を合わせないようにする…それを見て珍しいと笑うフレンダ達…漸く戦いは終わった…そう思った時だ

 

「おや…もう終わっているみたいですねぇ〜」

 

「!?新手か…!?」

 

「び、司教(ビショップ)ビアージオ?」

 

現れたのは神父服の男…ではなく片眼鏡に燕尾服を着た謎の男性…ビアージオ=ブゾーニが現れる

 

「ううん…私はビアージオ=ブゾーニであってビアージオ=ブゾーニでない…」

 

「何言ってんだこのオッさん」

 

麦野はビアージオを疑惑の目で見る…全員がビアージオをそう言った目で見るがビアージオはただ笑うだけ…そして口を開く

 

「私はビアージオ=ブゾーニではない…サンジェルマン、魔神に並ぶ程の実力を持っていながら魔神にならなかった者だよ…と言っても私がサンジェルマンであるかも悩ましいがね」

 

その男…ビアージオ=ブゾーニ改めサンジェルマンはそう言うと浜面が目を見開く

 

「…おい、サンジェルマンて俺でもオカルトで聞いたことあるぞ…確か五百年も生きてるとか言われてる侯爵だろ?…表向きは」

 

「その通り…と言ってもそれすらも嘘かもしれないがねぇ…だが君は魔神から私のことを聞いてるんだろ?」

 

「まあな…何度位相を操作して世界を改変しても、必ずどこかのタイミングで自然発生してくる厄介な存在…て僧正さんは言ってたよ…もしかして…お前がこの事件の黒幕か?」

 

「お生憎だが…私は所詮前座だよ、まあ確かにオルソラ=アクィナスを殺すと言う命令を出し君達を誘い込んだのは私だ…もし君達の目の前でオルソラ=アクィナスが殺されれば…幻想殺しを持つ上条当麻の性質が歪むからね、それに他のメンバーも性質が歪む…魔神にとってもアレイスターにとっても大誤算で面白そうだからね…くはは!」

 

ビアージオ…いなサンジェルマンはそう言って笑う…つまり自分の魔神やアレイスターの嫌がらせのためだけにオルソラをシスター達を操って殺そうとしてのだ…その発言に全員が怒気を孕ませる…こんな外道を許しておくべきかと

 

「テメェ…俺が出会った中で一番の外道だよ…そんな幻想ぶち殺してやる…!」

 

「はは、やってみたまえ」

 

サンジェルマンはそう呟くと十字架を取り出しいつでもビアージオの魔術が使えるようにし上条達も構える…サンジェルマンはそれを見てニヤリと笑い十字架を空に投げた

 

 

 




ビアージオだと思った?ビヤージオに感染したサンジェルマンでした!…いや分かるかこんなの…でもサンジェルマンが言っていた通りサンジェルマンそのものではなく何者かにより歪まされビアージオに取り憑かれたもよう…一体誰の仕業なんだ?…ヒントは垣根の時にも暗躍してたあの魔人

ビアージオが「思想と信念があまり共感できない」なキャラなら、サンジェルマンは「思想や信念そのものが支離滅裂」なキャラ…どっちらもとあるでは珍しい魅力のないキャラ…なのでこの二人を複合させたら面白くね?と思い書いてみた…作者はもうダメかもしれない…さて次回でオルソラ編は終わりですかね


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二十一話悪魔の影

遅れてすみませんでした!中々思いつかず…今回も駄文…すみませんね…ビアージオの過去も捏造してます…さて次回はとあるの映画エンデュミオンの奇跡編へと移ります


「十字架はその重きをもって驕りを正す」

 

サンジェルマンがそう言うと空へと投げた十字架が重力を数千倍に増幅され数センチの十字架が莫大な重力加速度によって降り注ぐ…一方通行はそれを跳ね返すが頭上から降り注ぐと言う性質上サンジェルマンではなく頭上に跳ね返り更に魔術は完全に反射出来ず飛んできた方向とは46度ズレて飛んで行ってしまう…皆それを破壊することに専念するが浜面のみ動けないシスター達に置いてきそうになった十字架を魔剣化した爪楊枝で破壊する

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「別にこんなので死ぬなんて嫌だからな…なるべく下がってろ」

 

「は、はい!」

 

アンジェレネは仲間を助けてくれた事を感謝するが浜面は下がるように言いアンジェレネは再び頭を下げて意識がある仲間を起こして逃げるよう言う、ビアージオが腕を振るうとージオは腕を振ると草や木等の植物が動き、蔦や捕食膿を複雑に絡み合わせたワニ、弦や根で出来た触手を持つタコ等の多種多様な動物や巨虫を生み出し、ビアージオがそれを手足の如く操作して襲いかからせる

 

「シャンボール…炭素を操作する術式!サンジェルマンがダイヤの傷を直したと言う逸話を再現し、炭素…有機物も操れる…その力で植物細胞で出来た動物とでも言うべき植物装甲を作ってるんだよ!」

 

「流石は魔道書図書館…この植物装甲は本来は自らの意思で動く事すらできない植物細胞を一度完全に分解して、皮膚、骨格、血管、筋肉、各々の機能を細分化し再び統合し、最適化を促す事で動物質以上のそれより強靭なもの生物を生み出すという術式でね…有機と炭素と生命の三位を統べる秘法の真髄とでも言おうか」

 

「つまり…炭素があれば無敵の軍隊が作れるチート魔術て訳ね!」

 

「その通り…更にこの器としているビアージオの魔術も中々強力だ…うまく並行して勝たせてもらおうか」

 

ビアージオが使った魔術を禁書目録が解析するとビアージオが笑って更に詳しく話す、それをフレンダがチートと叫ぶとビアージオはメノラーを取り出し植物装甲達を操り、更に地面を恐らくは錬金術の類でダイヤモンドへと変えていく…そしてダイヤモンドに変えた地面から槍を生成し上条達はそれを必死に避ける、麦野は原子崩しを放つも植物装甲を削り取ることができず即座に再生し、上条の幻想殺しでも触れた部分を分離して再生してしまう

 

「なあ敦!これを炎で燃やせば!」

 

「無理だよ当麻君!木て言うのは本当は燃えにくいんだ!だからそれは不可能だよ!」

 

「チクショー!上条さんそう言うのよくわからないけど…弱点とかないのか!?」

 

上条が木なら燃やせばいいじゃないかと発火能力が使える敦を頼ろうとするが敦は木は燃えにくいと叫び上条は頭を抱える…そんな上条に植物装甲が迫るが幻想殺しで破壊し、植物装甲は一部を切り離し即座に蠍のような姿を取る

 

「十字架はその重きをもって驕りを正す」

 

ビアージオは十字架を投げてそれが降り注ぎ上条達はそれを避けるか原子崩しや電撃などで破壊する…だがそれを行うと足元のダイヤモンドが槍に変わり麦野達はそれを慌てて避ける

 

「だー!クソが!んだよこの攻撃!デタラメじゃねえか!」

 

「超不条理です、それと麦野、口より能力を動かして下さい」

 

「未元物質でもどう対処すればいいんだよ…こんな攻撃…」

 

「シモンは『神の子』の十字架を…ち!」

 

ビアージオの攻撃に麦野や垣根が苛立っているとビアージオは更に魔術を行使しようとするが魔狼がビアージオの目の前に現れビアージオは魔狼の牙から逃れる

 

「私達を忘れるな!」

 

「半魔神が…余計な真似を…ならば、その悪性は我が十字架が拒絶する!」

 

ヴォバンが魔狼を召喚しビアージオは十字架を手に持ち投げ長さ三メートル、太さ四〇センチにまで巨大化させ魔狼達を押し潰したり、引き裂いたりして殺す、更にその十字架を植物装甲達に持たせ鈍器として利用させる

 

「半魔神がいようとも私の魔術は止められぬ!」

 

ビアージオはダイヤモンドカッターや槍をヴォバンとオッレルスに放つが突然の雷撃がそれを破壊する、そしてオッレルス達の前にブリュンヒルデが着地する

 

「遅くなりました、オッレルス殿」

 

「おや、負けたんじゃなかったのかい?」

 

「あの連中が私を拘束していた物質は相手の任意で解けるようで…先程拘束していた物質が壊れたので急いで来ました…」

 

「そうか、オッレルス、ブリュンヒルデ…我々も手伝うとしようか」

 

オッレルスはブリュンヒルデとヴォバンにそう言うとビアージオが生み出した植物装甲達を破壊していく…ビアージオはそれを舌打ちしつつもダイヤモンドを操り辺りを攻撃していく

 

「半魔神がでしゃばって…まあ良い!全員倒してやろう」

 

ビアージオはそう言うとダイヤモンドを槍に変えようとするが上条が地面に右手で触れるとダイヤモンドの地面が一瞬で普通の地面に戻る、このダイヤモンドの地面は錬金術で作り変えたもの…故に幻想殺しで対処可能なのだ…もうこれで炭素を使って攻撃できないかと思ったがダイヤモンドを宙に浮かべそれを槍やダイヤモンドカッターを作り出しそれを浜面達に飛ばすも浜面が銀の斬撃を放ってそれを防ぐ

 

「危ねぇ!」

 

「サンキュー仕上!」

 

「これも防ぐか…なら植物装甲を複合…巨大化」

 

ビアージオは植物装甲達を複合させ巨大な龍の姿をした植物装甲を誕生させる…その大きさは約10メートル、木の枝で構成された翼に長い首の先に龍を模した首が存在し尻尾は木の根っこの様、四本足で歩き苔や草、蔦がその巨体に絡みつき浜面達を見下ろす…しかも段々と大きくなっている気もする…いや大きくなっているのだ、その身を肥大化させ自分の身体をもっと大きくしようとしているのだ、その木の竜…樹竜は口から鋭い木の枝を放射したり背中の木から種をマシンガンの様に放ちステイルが炎の剣で種を焼き木の枝は浜面や一方通行が反射したり破壊する

 

「まだ大きくなる気かよ!しかもあいつ地面に根を張ってやがるな…下手したら下から攻撃してくるぞ!」

 

「チィ…面倒なあ相手だなァ…こいつ」

 

「本当だね…もう禁書目録から貰った炎の剣も壊れそうだよ」

 

浜面と一方通行、ステイルが目の前に不動の如く立つ樹竜を睨みつける…するとビアージオが作り出したダイヤモンドを取り込み始め全身にダイヤモンドの装甲を纏う…木の内部にも取り込むことによりこの樹竜がどう攻撃してくるか分からなくなる、植物の攻撃か、ダイヤモンドの攻撃か

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹竜は取り敢えず口からダイヤモンドの槍を放ち、背中からは爆発性のある木の実を投げつけ大爆発を起こさせ生えた花から火に触れると爆発する花粉を放ち木の実で発火させ爆発を誘発する

 

「花粉…これじゃあ電撃とかも使えないわね…当麻!幻想殺しで!」

 

「分かってるよ美琴!」

 

「だが…上条の幻想殺しでも俺の未元物質も通じねえとなると…マジでどうすればいいんだよ…」

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹は更に成長していき体内でダイヤモンドを生産しダイヤモンドカッターや白い煙を吐く、植物の方は爆発する木の実や硬い種をマシンガンの如く放ち、花粉をばらまく…しかも爆発性の他にも眠り粉や神経を痺れさせる等多彩になってくる…しかも手の代わりとなる木の枝を叩きつけてくるのだがそれ一つ一つが地面に大穴を開けるほどで風斬がそれを片手で防いでようやく止まる程の馬鹿力だ…他のものが喰らえば骨折どころか全身がミンチにされかけない

 

「……ッ…強い…信じられないくらいの筋力です…」

 

「あァ!面倒くせェ!反射してもキリがねえ!しかも俺が殴ってもヒビが入るだけですぐ再生しやがる…」

 

「は!もう弱音か第1位!俺はまだいけるぞ!」

 

「煩っさいわね!垣根も一方通行も口より体を動かしなさい!」

 

風斬が樹竜を必死に押さえつける中、一方通行は何度反射しても少し壊れるだけの樹竜を見て苛立ち垣根がそれを煽るが美琴がそんな暇してるなら体を動かせとガチで怒って二人は能力をフルで使って樹竜と交戦する

 

「無駄だ!私の樹竜は最強だ!そう簡単には滅せない!」

 

「なら…本体を叩かせてもらおうか!」

 

「ふ、半魔神共が…アモン!レラジュ!ナベリウス!」

 

蛇の尾を持つ体が炎で出来た狼…侯爵 アモンに弓矢を手に持った緑色の服を着た狩人…侯爵 レラジュ、ケルベロスの様な3つの首を持つ鴉 侯爵 ナベリウスがオッレルスとヴォバン、ブリュンヒルデの目の前に現れる…それぞれが偉大なる魔術の王に使えた72の悪魔の一柱である…アモンは炎を吐き、レラジュは体を腐食させ壊死させる矢を放ち、ナベリウスは自然科学の応用でプラズマを発生させ攻撃してくる

 

「…悪魔達か…ソロモンが使役した72の悪魔が三体…まさか…彼か?この事件の首謀者は?…君も悪魔か…ザガン」

 

「くく…正解だよ…我々はあの魔人に呼び出された…このビアージオとか言う男もサンジェルマンも利用されただけ…まあサンジェルマンは数多くいる自分の一人を乗っとられただけだと気にしてない様だが…その通り我が名はザガン…錬金術を司る悪魔なり」

 

ビアージオ…いなビアージオに取り付いていた悪魔こと総裁 ザガンはそう言って笑うとオッレルスとヴォバンの体に触れようとする…ザガンの力はワインを水に、血をワインに、また水をワインに変質させることができる能力とワインを水に血を油に変質させる力でありその力を使ってオッレルス達の血液をなくしそのまま殺そうとするが

 

「能力が分かっているのならわざわざ近寄る必要はないね」

 

「その通り…いざとなれば魔狼を盾とすれば良い」

 

「…チ!北欧王座か…面倒な…まあいい任せるぞお前ら」

 

ザガンはそう言うと戦いはアモン、レラジュ、ナベリウスに任せ自分はそのまま姿をくらまそうとするが突然ルーン文字が舞い緑色の落雷が降り注ぎザガンはジロと目線を四人の少女に向ける

 

「オッレルスさん!縄を何とか解いてこのレッサーちゃんが助けに来ましたよ!後他の三人も」

 

「「「オマケ扱いすんな!」」」

 

「ちぃ…小娘どもが!」

 

レッサー達がやって来てザガンに向かって緑色の落雷を放ち、レッサー達が近づいてザガンと接近戦で挑む…ザガンは十字架を巨大化させそれを片手に待つ…本来ならとても持てる重さではないが悪魔の怪力でそれを持ちブンブンと振り回す、更に十字架を投げてレッサー達を攻撃する…レッサーはそれを軽々と避けて、フロリスもランシスもそれを避ける…がザガンは笑う

 

「馬鹿め!シモンは『神の子』の十字架を背負う!」

 

「ぐ!?」

 

ザガンは対象に装備品の重量を肩代わりさせる魔術を発動し自分達がいる場所全域にいる人間達の服をレッサー達に押し付ける…その重量にレッサー達は地面に押し潰され身動きがとれない状況となりザガンが笑いながらダイヤモンドカッターをレッサーに向けて放つ

 

「「「レッサー!?」」」

 

(あ…これ死にましたね…あぁ〜…つまんない終わり方)

 

フロリスとランシス、ペイローブはレッサーの名前を叫ぶがレッサーは自分の死が直前に迫った事で自分の死が他人事のように考えつまらない死に方だなぁ〜と考えると

 

「何ボケーとしてるんだ!」

 

「え……?」

 

ダイヤモンドカッターがレッサーに当たる直前、浜面がレッサーの前に飛び出しダイヤモンドカッターを斬り裂き、それを見たレッサーが驚きのあまり目を見開く

 

「……何故庇ったのだ?その小娘はお前の仲間ではないはずだが?」

 

「俺の目の前で死なせたくなかっただけだ…それにこんな性格が悪いとはいえ可愛い奴を見捨てるなんて男は出来ないんだよ…おい、早く逃げろよ、立てるか」

 

「………あ…はい」

 

ザガンは驚きのあまり術式を解除してしまい、レッサー達は重量から逃れ浜面はそれを見るとレッサー達に逃げるよう言い、レッサーは少し顔を赤くして浜面に頷くと全員がザガンから離れていく

 

「さて…悪魔さん…さっさとお前を倒してやるよ」

 

「は、抜かせ…貴様にこのザガンが倒せるのか?」

 

「さあな…でもな…お前の勝手で色んな人を危険な目に合わせるわけにはいかねえんだよ」

 

「ならばかかってくるがいい!このザガンを倒せるのならな!」

 

ザガンはそう言うとダイヤモンドカッターを無造作に作り出し放つが警棒で全て斬り裂き、毒素も浜面の体には効かない為一酸化炭素中毒にならない…地面からダイヤモンドの槍を形成しても避けて銀の閃光をザガンに飛ばすがザガンはそれを避ける

 

「十字架はその重さをもって驕りを正す」

 

「その技は上から下からしか攻撃できないんだろ!なら対処も簡単だろ」

 

浜面は爪楊枝を魔剣化させ降り注ぐ十字架を破壊し、ザガンは舌打ちすると十字架を巨大化させ浜面にそれを叩きつけるが浜面にぶつけても浜面は問題なかったように十字架を押し返して警棒で十字架を斬り裂く

 

「デタラメな…だが私を倒すことはできぬ!我が魂はこの男の魂に寄生している、私を殺すにはこの男を殺す必要があるのだ!だが殺せば他の者に取り憑く…さあどうする」

 

「………………………」

 

「は!偽善者め!このザガンを倒すことなど貴様のような者には無理…「言いたいことはそれだけか?」…な?!」

 

ザガンは浜面にはこの男(ビアージオ)の体を傷つけることはできまいとたかをくくって挑発していたが浜面は銀の右腕に持った警棒でザガンを…ビアージオの体を斬り裂いた…そうバッサリと…それを見たザガンは思考が停止しかけるが浜面の顔を見て呟く

 

「ば…か………な…この男を…殺して…「殺してねえよ」……は?」

 

「俺の銀の右腕は斬りたい物だけ斬る…つまりそのビアージオて奴は斬りたくないから斬らないで魂に寄生しているお前だけを斬り裂いたんだよ…後ついでにサンジェルマンてやつもな」

 

「ば……か…な…このザガンが…だが悪魔は死なぬ…再びあの魔人が呼べば…何度でもこの世に現れる…次会った時は…必ず…貴様を…」

 

ザガンがそう憎しみの呪いを言い終わるとビアージオの体から黒い霧のようなものが出て行き霧散する…

 

「「「ガァ…ァァ…ァァ……」」」

 

「…ザガンが倒されたことにより契約をなくし元の位相に帰ったか…」

 

「ふん…折角の獲物を逃してしまったか…まあいい…オッレルス、私は帰るぞ、もう天草式との協力は果たされたはずだ…それに面白い獲物を見せてもらったからな」

 

「私達もこれで…また困り事があれば我らも力を貸します」

 

「そうだね…もう帰るとするか」

 

呼び出された侯爵の悪魔達も元いた場所に戻っていった…ヴォバンは相手がいなくなったことに若干不満げだったが削板のことを思い出して笑い、ブリュンヒルデはオッレルスに頭を下げて魔術を使ってその場から消え、オッレルスはそれを見送ると天草式から黙って姿を消した

 

 

ーーーガァァァァァ!!ーーー

 

「くそが!まだ生きてんのかよこいつ!?」

 

「これだから魔術は意味分かんないのよ!」

 

ザガンは倒されたが未だ植物装甲の樹竜は動いていた…どうやら術者がいなくなっても動けるようだ

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹竜は口からダイヤモンドの槍を放つが一方通行がそれを反射し、上条の幻想殺しでそれを破壊していく…がスペックが高い所為で垣根が作り出したカブトムシ達を軽々破壊していく…が垣根は月の光を変換し殺人光線に変え樹竜の体を焼き始める…一方通行も強化した拳を樹竜に叩きつけ樹竜をよろめかせる

 

ーーーガァァァァァ!?ーーー

 

「今です!」

 

風斬が樹竜を両腕で持ち上げると10メートルはある樹竜が持ち上げられ樹竜は手足をバタバタと動かし植物を操って風斬を攻撃するがステイルが壊れかけの炎の剣を投げると剣が壊れ剣に纏われていた炎が植物に襲いかかり炭にしていく

 

「龍神よ、水の神よ、今ここに溢れんばかりの水を…原初の海たる母たる竜ティアマトよ…恵の海をここに」

 

禁書目録が呪文を呟くと禁書目録を中心とした場所に巨大な水溜りが形成されていく…本来ならこの水から魔獣や作り出された水を操るのだが今回はその作った水を風斬に送り水翼にして風斬の翼を巨大化させると羽を飛ばして樹竜を攻撃する…禁書目録の魔力がある限り何度でも共通され樹竜は再生が追いつかなくなりコアを飛ばして逃げようとするが…

 

「させるかよ!」

 

上条が幻想殺しでコアに触れるとコアはガラスが割れる音を出して消滅し残った部位もバラバラと崩れ落ちていく…樹竜が倒されるとザガンに取り憑かれていたビアージオが目を覚ます

 

「…!ここは…そうだ私は悪魔に…」

 

「…気がついたかおっさん」

 

「……この司教である私が異教の猿に助けられるなど…屈辱だ…」

 

「…その猿に助けられた気持ちはどうだ?」

 

ビアージオは目を覚ますや否や自分が悪魔に取り憑かれていたことを思い出し、挙句には異教の猿(浜面)に助けられたことを屈辱に思っていたが浜面はそんなビアージオを見て笑う

 

「チ…だがもう私はおしまいだ…悪魔に取り憑かれた上、異教徒に負けるなど…もう今の地位にはいられまい…あぁ…」

 

「………あんた本当に神父なのか?地位にこだわって…何であんたはローマ正教の信徒になったんだよ…」

 

「異教の猿に分かるものか、このビアージオ=ブゾーニの気持ちが…」

 

「ああ、分かんねえよ…だけどな…あんたが司教になったのはそれだけ努力したからじゃねえのか?あの十字架の魔術も凄かった…あんたにも自分なりの信念があるはずだろ?…何であんたはそうなっちまったんだよ」

 

「……私は…」

 

ビアージオはこれからの自分の人生を悲観し顔に手を当てる…本来自分の計画ではアニェーゼを生け贄としてアドリア海の女王を具現化させ女王艦隊で学園都市やローマ正教の邪魔になる者達を滅ぼすはずだったのに…何故こんな事にとビアージオが苦痛の顔をすると浜面が何故あんたはそんなに腐ったのかと問いかけるとビアージオは忘れていた昔の記憶を思い出す

 

ビアージオがローマ正教の信徒になった理由は人を助けたかった、貧しい人に救いの手を、親がいない子供達に救いの手を…それだけの為にローマ信徒となった…だが助けようと思っても助けれず自分の今の地位では誰も救えないと考え魔術を覚え、地位を高めていった…だがその度にローマ正教の腐った部分を見ていき、次第に自分がローマ正教を変えるという野望を掲げることになるが段々権力を手に入れていくたびにその目的を忘れていった…それを思い出すとビアージオは涙を流す

 

「私は…何故…こうも変わってしまったのだ…?私は……」

 

「……さあな、でも一つ言えるぜ…まだやり直せる、きっとな…まだあんたは生きてるからな」

 

「……………ふん」

 

ビアージオに浜面は優しく言葉を言うとビアージオは黙ったまま立ち上がり自分を見ていたアニェーゼの方へと歩く

 

「シスターアニェーゼ…撤退だ…オルソラの殺害は失敗した…帰るぞ」

 

「……分かりました司教ビアージオ」

 

「……私を助けたことには感謝しない…だがこの借りはいつか返してやろう……」

 

ビアージオはアニェーゼ達シスター部隊に帰ると伝えると全員が頷いて天草式のアジトから出ていく……アンジェレネは浜面の方を向くとペコとお辞儀をして走ってアニェーゼやビアージオの方へと向かう

 

「……これでオルソラて人に関する事件は終わりか……あぁ…疲れた」

 

「おおい!仕上!こっちも終わっだぞ!」

 

「早く帰るわよ!」

 

「分かったよ!今行く!」

 

浜面は笑顔で笑う上条と美琴に走って近寄って行く…

 

 

ザガン達が倒されるのを魔人ドストエフスキーは見下ろしていた…そしてフッと笑みを浮かべる

 

「やれやれ…流石…と言うべきなのでしょうか?…まあいいでしょう…次の目的は…『聖なる右』ですね…まあフィアンマ如き、私の相手ではありませんが…そういえばもう一つ計画を立ててましたね…では学園都市に行きますか…その後にバチカンに行けばいい…そう時間は腐るほどあるのだから」

 

ドストエフスキーはそう言って笑うとバチカンへと向かう筈だったがもう一つの種を思いだし学園都市へと向かう……魔人は何を企むのから未だ分からない……

 

 




次回はエンデュミオンの奇跡編…どうなるのかな?なるべく早く投稿するよう心がけます…ではまた次回です!


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二十二話 鳴護アリサ

遅くなってすみません!その代わり長くなりました…さてエンデュミオン編…スタートです!


学園都市の路地裏…スキルアウト達がたむろする場所にて浜面や風斬、敦、鏡花の他に駒場に半蔵が立ち尽くしていた…浜面は何処か居心地が悪いようにし、風斬もはわわ…と目をチョロチョロと動かし敦と鏡花も遠い目で何処かを見ている…

 

「……浜面…お前…この間の土日は何処にいた?」

 

「………え…ちょっと野暮用に…」

 

「……まあそれはいい、それよりこの少女達の事だが…詳しい説明を…」

 

駒場は浜面に話しかける…その口調は決して怒っているわけでも苛立っているわけでもないのだが…浜面は縮こまる…その原因が

 

「はいはい!私は新たなる光のリーダー レッサーちゃんと愉快な仲間達です!」

 

「「「だからちゃんと名前を言え!」」」

 

「……如何してこうなった…」

 

レッサー達が駒場達の前に立ち浜面は頭を抱える…そうレッサー達がつい先程ここに来て仲間にして欲しいと駒場に話したのが浜面が居辛いと感じた理由だった…と言うか何故魔術結社予備軍がここにと怪しむ浜面を他所にレッサーはにこやかに微笑むも浜面には小悪魔の微笑にしか見えない

 

「……聞き間違いでなければ俺達の仲間になりたいらしいが…動機は?」

 

「あ〜?それ聞きます?実はですね〜私この前浜面さんとバトったんですけど負けちゃって〜で、戦いの時に散々悪口言ってたんでお仕置きとばかりに縄で体を強く締められたんですよ」

 

「おい、誤解を招く言い方はやめろ」

 

「で、最後は私達を庇ってなんかいいセリフ吐いて…あ、これ一目惚れだなぁ〜と感じてここまで来ちゃいました!」

 

「……こいつの自分勝手な理由で私達もついてくることになったんだよ…」

 

レッサーが誤解を招くような言い方でここに来た理由を言う…フロリスは自分達はそれに巻き込まれたんだと呟くと他の二人と共に溜息を吐く…案外苦労人かもしれない

 

「…またお前か浜面…フラグを乱立するなよ」

 

「だから俺はモテてねえって!大体こいつが俺に惚れたと言ってるのも冗談かもしれないだろ?」

 

「およよ…!酷い!散々私の体に締め跡を残して要らなくなったらポイですか!?」

 

「だから!誤解を招く言い方をするな!」

 

半蔵は呆れた目で浜面を見て浜面は誤解だと言うがレッサーが嘘泣き(バレバレ)で悪い男に捨てられた女感を出す事で浜面をおちょくる

 

「私を傷物にした…と言うのは冗談で惚れさせた責任は取ってもらいますよ!…てな訳でここに入れて下さい!」

 

「いや無理だって…(だってお前ら魔術師だし…)…なあ駒場…お前もなんか言って「……いいだろう、ただし浜面の部下だが」駒場ぁぁぁぁぁ!!?」

 

「……自分の部下の教育はしっかりしろよ浜面」

 

「そんなぁぁぁぁ!?いや!待てよ!アレイスターに言えば…「あ、その人なら私達にこの街にいでもいいて許可をくれましたよ?」アレイスターお前もか!」

 

レッサー達がこのスキルアウトに入れるわけがないと高を括るが駒場が浜面の部下になるのならいいと許可しレッサーは喜ぶ…浜面はそれを聞いて仰天するがアレイスターはレッサー達がこの学園都市にいることを許さないだろうと考えるがアレイスターが滞在の許可を出しているも知り巫山戯んなと叫ぶ…今度あったら殴るだけでは済まさないと浜面は心の中で呟く

 

「まあ落ち着けよ浜面、まあアレイスターのクソ野郎をぶっ飛ばしに行こうぜ」

 

「何でナチュラルにいるんですか垣根君?」

 

「俺の未元物質には常識は通用しねえ…ここに気づかれないよう来るなんて容易いさ」

 

「…またお前の知り合いかよ浜面?」

 

何故か自然と垣根がいつの間にか浜面の横に現れ風斬はいつの間にと驚くが浜面はこいつには常識は通用しないからなと納得する

 

「おっと、紹介が遅れた…俺は垣根帝督…浜面のダチでレベル5の第2位だ…よろしく」

 

「あ〜またレベル5…て!第2位!?」

 

「あ〜そうなんだよ…こいつレベル5の第2位でさぁ…あ、悪い奴じゃねえからな」

 

「……またか」

 

垣根がサラッとレベル5と言うと半蔵が驚く…駒場は敦などの前例があるからかまたかと呟くだけ…垣根は自分が本物であると証明するかのように翼を展開する

 

「で、何の用だ垣根…」

 

「いや何、俺の組織『スクール』がな浜面に倒された時に壊滅してなぁ…心理定規もやめちまったし…じゃあ俺はこう考えた」

 

「……まさかとは思うが俺のスキルアウトの所に入る…とかじゃあないよな?」

 

「お?流石話が早いな…まあそう言う事だな」

 

浜面が何故ここに来たのかと垣根に問いかけるとなんかこのパターン前にもあった気がと浜面は思い出しまたかと頭に手を当てる

 

「またか…不幸だ……」

 

「おいおい、喜べよ第2位だぞ?」

 

「……もう一つの巨大な組織になってる気が…アレイスターさん怒らないかなぁ…パワーバランスが思い切り崩れてる気がするのですが…」

 

「「アレイスターが困るのはいい」」

 

親友の口癖を真似し垣根が肩を叩く…原因は垣根だが…風斬はパワーバランスとかアレイスターの心配をするが垣根と浜面は息ぴったりにアレイスターが困るのはいいといい笑顔で笑う

 

「……浜面の知り合いなら許可しよう」

 

「駒場!?なぁ俺の知り合い信じ過ぎじゃね!?垣根は兎も角この女子達はダメだろ!?絶対ロクでもないこと企んでるぞ!」

 

「失礼ですねえ!浜面さんは私のことをどう思っているのですか!」

 

駒場は又しても承認し、浜面がこのスキルアウト大丈夫かと言わんばかりに叫び垣根はよくてもレッサー達は駄目と叫ぶ中レッサーはワザとらしく怒っているフリをする

 

「え……?…小悪魔系女子で性格が悪そう?」

 

「「「……ぷ」」」

 

「フロリス、ベイロープ、ランシス後で覚えておきなさい…全くせいしぃな私に向かってそんな事を…」

 

「セクシーの意味を辞典で調べてこい」

 

浜面が自分がレッサーに対して思っている事を口に出すとフロリス、ランシス、ベイロープが笑い始めレッサーは鋼の手袋を取り出して仲間達に詰め寄するが浜面の方を向いて上目遣いするが浜面は辞典でセクシーの意味を調べてこいと一蹴する

 

「流石浜面さんだぜ…あんな可愛い女の子達だけじゃなくてレベル5まで知り合いとは…」

 

「人脈広いよなぁ…それにまたレベル5が仲間に入ったてことは無能力者狩りの連中を抑制出来るな…」

 

「流石浜面さん…頼りになる!」

 

「……浜面君は人気者だねぇ…」

 

「……ん、浜面は人気者」

 

敦と鏡花はスキルアウトのメンバー達が呟く浜面を尊敬する声を聞いて笑う…浜面が聞けば否定するだろうが…

 

「……まあ…頑張れ…」

 

「いや何をだよ」

 

「はいはい、じゃあ解散、最近は無能力者狩りの連中も静かだけど一応は気をつけろよ!」

 

駒場が浜面の肩を叩くとそのまま歩いて行き半蔵も無能力者狩りの連中に気をつけろと全員に言うとメンバー達は解散する…レッサー達と垣根に何も言わなかったのは入るのを許したようで浜面はため息を吐くとレッサーが肩を持つ

 

「まあ宜しくですね浜面せ ん ぱ い?」

 

「誰が先輩だ馴れ馴れしい…まあ変な真似したら簀巻きにして川に放り投げるからな」

 

「うわヒデェ…まあ俺なら愉快なオブジェにするけどな」

 

「うわ対応ヒド!?」

 

レッサーは二人が自分が裏切った場合の対応に冷酷だと本気でビビる…浜面はそんなレッサーを放っておいて敦達と共に路地裏から立ち去ろうとしレッサーが慌ててついていき、浜面の腕を掴む

 

「……離してくれ」

 

「呪われた武器は装備から外せないて知ってます?」

 

「おい、誰か教会に連れててくれ、呪いを解きにいくわ…禁書目録の所へ行ってお祓いするわ」

 

「近すぎですよレッサーさん…だから離れましょうね(ニコ)」

 

「あ、はい…だからそんな怖い笑顔を向けないでください風斬さん」

 

あまりにもレッサーが浜面にベタベタし過ぎるので風斬がニコリと笑ってレッサーに殺意を向けレッサーが怯えながら離れる…

 

「助かったぜ風斬」

 

「いえ、ちょっとお願いすればこの通りです」

 

「お願いて…完全に殺意を向けてたじやないですかぁ…」

 

「……ん?おい浜面、何か聞こえねえか?」

 

「何が?……確かに何か聞こえるな…歌?」

 

風斬に浜面がお礼を言って風斬が嬉しそうに返事すると垣根が何か聞こえると言い出し耳をすますと確かに歌が聞こえた

 

「綺麗な歌……」

 

「いい歌だね…」

 

「遠くからでもわかる優しい歌です…」

 

「聖歌か何かと疑うほどの旋律…これは是非生で聴かねば!」

 

鏡花と敦も歌に聞き惚れ、風斬は軽くハミングしだしレッサーは歌を近くで聴く為に猛スピードで歌が聞こえる方に飛んでいき、浜面達もそれを追って歌の聞こえる方へ行くと、そこにピンクの髪の少女が歌を歌っていた

 

「〜〜〜〜〜♪〜〜〜♪〜♪」

 

「あれ…どっかであの子を見たような…何処だっけ…」

 

「そんなことより見ろよ、禁書目録や上条の奴も聴いてるぞ…よく見たら超電磁砲や一方通行も…凄いメンツだな」

 

(それ僕達が言える?)

 

浜面が何処かで見たことがある様なと記憶を思い返す…確か…最近会ったことがあった様な…垣根はよく見たら上条や美琴、一方通行やら麦野やら削板やらレベル5が勢揃いしてることに気づき凄いメンツだと言うが敦が自分達もレベル5でしょと内心思う

 

「〜〜〜♪…ありがとうございました!」

 

「わぁぁぁ!素敵な旋律だったんなんだよ!」

 

「アリサさん久しぶり」

 

「あ、御坂さん!お久しぶりです!」

 

その少女…アリサが歌を歌い終わると全員が拍手をする…そんな中、禁書目録がアリサに近づきいい歌だったと目を輝かせながら叫び美琴も連れの黒子や初春、涙子から離れて以前知り合ったアリサに挨拶を交わしアリサが頭を下げる…すると全員がアリサに近づく

 

「いや凄ぇ歌だったな!思わず歩きを止めてずっと聞いちまったよ!」

 

「いやいい歌だったにゃーん、なぁフレンダ」

 

「いや何で私…?まあ確かにいい歌だったけど…」

 

「いやァ、いい歌だったなァ…打ち止めもそう思うだろ?」

 

「うん!とってもいい歌だったてミサカはミサカは笑って返事をして見たり!」

 

削板が今だに拍手を続けていい歌だったと叫び、麦野も笑顔でフレンダに同意を求めフレンダはビクッとなるが頷く、一方通行と打ち止めもいい歌だったと感想を言う

 

「ありがとうございます!…あれ?すみませんそこの金髪の人…」

 

「え?俺?あ、まさか俺がレベル5て分かっちゃった?」

 

「いえ、貴方じゃなくて…そちらの方なんですが…」

 

「え?俺?」

 

アリサが全員に頭を下げるがふっと垣根と浜面の方を見て近づいていき、垣根が俺が第2位てバレたかと勘違いするがアリサは浜面に近づき顔を見る、浜面も俺?と不思議がるが暫く顔を見ていると二人ともハッとして何か思い出す!

 

「あ!あんたもしかしてあの時不良に絡まれてた少女!?」

 

「やっぱり!あの時不良に追いかけられていった人ですよね!」

 

「「「「「「いやどんなシュチュエーション?」」」」」」

 

「仕上…いつの間に俺が御坂の時みたいな展開を起こしてたんだよ」

 

「……あ、私が不良に絡まれてた時のことか、そういえばあの時初めてあんた達にあったのよね〜操祈もいて驚いたわあの時は」

 

浜面が自分が猫を助けて鴎外の診察を受けた後の帰り道で不良に絡まれていた少女が目の前のアリサと気づき、アリサもそのまま不良に追いかけられていった金髪の人だと思い出す、その言葉を聞いてどんなシュチュエーションだよ、と垣根、一方通行、麦野、削板、操祈、レッサーといったレベル5と魔術師が突っ込みを入れる、上条と美琴は自分達の出会いもそんな感じだったなぁ〜と懐かしむ

 

「あの時はありがとうございます!」

 

「いやいや…少しも役に立たなかったし…あ、白井達もいんじゃん、お前らも聞いてたの」

 

「煩いですの……で、そちらの後ろの方々は?まあどうせスキルアウトでしょうけども…後お姉様、そちらの方々もお友達の方ですか?」

 

アリサがあの時の礼を言うと浜面は全然役に立てなかったからそんなことすることはないと言う…そして美琴の方を見て黒子達がいることに気づく、黒子は浜面を軽く睨みつけ後ろの敦達の方を見た後、アリサの歌を聴いていた削板達も美琴の友達かと美琴に尋ねる…まあ黒子は操祈のことは当然知っているが…

 

「あ、浜面君のスキルアウトに所属してる学園都市レベル5 第5位の中島 敦です」

 

「…レベル4 泉 鏡花…」

 

「あ、風斬 氷華です!」

 

「通りすがりの魔術師 レッサーちゃんと仲間達のランシス、フロリス、ベイロープです!」

 

「「「だから一括りにするな!」」」

 

「学園都市 レベル5 第2位 未元物質の垣根帝督、宜しく」

 

「「「「………………………」」」」

 

垣根達が自己紹介すると黒子達とアリサの思考が止まる、まさかスキルアウトにレベル5が二人もいるとは思わなかっただろう、それにレベル4も…魔術師とか単語も聞こえたがレベル5のことで頭がいっぱいだった為すぐに忘れた

 

「俺は学園都市のナンバーエイト!削板 軍覇だ!」

 

「学園都市 第4位 麦野 沈利だにゃーん、でこっちが仲間のフレンダに滝壺、絹旗だにゃーん」

 

(((まとめて紹介された…?)))

 

「第1位 一方通行…よろしくゥ」

 

「私は打ち止め!てミサカはミサカはお姉様のお友達に自己紹介してみたり!」

 

「俺は上条 当麻…レベル0だけど相手の能力を打ち消す力持ってます」

 

「私は禁書目録!でこの猫はスフィンクスて言うんだよ!」

 

「にゃー」

 

「白井さん達は知ってると思うけど学園都市 第6位 食蜂 操祈よ〜宜しくなんだゾ!」

 

「「「「………………」」」」

 

白井達は「あれ?レベル5とかレベル4しかこの場にいなくね?御坂さん(お姉様)の人脈凄」と思考を再び停止させ能力者に憧れを持つ涙子は気絶しかけた、もうここで戦いが始まるのでは?と思うようなメンツに固まってしまう

 

「み、御坂さんのお友達は凄い人ばっかりなんですね〜!」

 

「無理やり言ってませんか佐天さん?」

 

「…あり得ないですわ…こんな場所にレベル5が6位以外勢揃いなど…は!まさかあの歌にはレベル5を引き寄せる何かが!?」

 

「わ、私の歌にもそんな力はありませんよ!?…まあ否定しきれませんけど…」

 

佐天は無理やり笑顔を作って美琴の友達は凄いなぁと笑って言うが初春には無理してることがバレ、黒子は頭を抱えながらアリサの歌がレベル5を呼んだのでは?と考察するがアリサが最初は否定するが自分の不思議な力ならあるいはと考えてしまう

 

「あ…白井達は知らなかったよな…まあ…気にしないでくれ」

 

「気にしますわ!一体全体何がどうなればレベル5が第7位以外勢揃いなどあり得ませんもの!と言うか貴方のスキルアウトもレベル5が二人もいるとかどう言うことですの!?」

 

「安心しろ、自分達の意思でスキルアウトに入ったから」

 

「それが問題ですの!スキルアウトに能力者が…それもお姉様と同じレベル5…頭が痛くなってきましたわ…」

 

「白井さんしっかりしてください!」

 

「……なんかごめん」

 

浜面はなんでないから気にするなと言うが黒子は猛烈に首を振って頭を抱える…ジャッチメントにとってスキルアウトは取り締まる存在…そんな連中にレベル5が加わったら取り締まれないのでは…?と考えて黒子は錯乱し同じジャッチメントの初春が肩を揺らす…罪悪感を覚えた浜面は黒子に手を合わせる…するとアリサの携帯が鳴り始める

 

「!?……あの…電話でていいですか?」

 

「「「「「「どうぞ」」」」」」

 

「当麻、これから飯でも食いに行かね?」

 

「お、丁度俺達も飯食いに行く所だったんだ、一緒に行くか」

 

「いいね、しあげやかきね達も一緒に行くんだよ!」

 

「あ、じゃあ私達も行くわ、麦野さん達はどうする?」

 

「じゃあ私達も行くか、第1位の奢りで」

 

「あァン?…まあ良いけどよ」

 

「じゃあ私はハンバーグ定食てミカサはミカサはねだってみる!」

 

アリサが通話していいか確認すると全員が首を縦に振いアリサは電話に出る、浜面は上条達を食事に誘い、上条と禁書目録も頷く。すると美琴達もついて行くと言い出し、一方通行が奢ることになった

 

「え!?本当ですか!?……ありがとうございます!…はい!わかりました…!」

 

「何かあったの?」

 

「私…オーディション受かった…らしいです…エンデュミオンの……エンデュミオン開通キャンペーンのイメージソングに選ばれたんです!」

 

「え、エンデュミオン!?本当ですか!?あのエンデュミオンのイメージソングて…凄いじゃないですか!」

 

アリサが誰かと通話し何かに驚いた声を出し、通話を終えると美琴が心配して声をかけるがアリサはエンデュミオンのイメージソングに選ばれたと言って笑うと初春が驚く…他の一同も連日テレビでも流れるエンデュミオンのイメージソングに目の前の少女が選ばれた事に驚いた

 

「凄えじゃん!テレビに出れるてことか!」

 

「え!?テレビ!?カナミンと同じてこと!?凄いんだよ!とうま!これはお祝いするしかないね!一緒にご飯を食べに行こうよ!」

 

「いや相手の許可をまずとって「いいよ」…早くね?」

 

「……はァ、仕方ねえなァ…俺が全員奢ってやるよ…ほら早くファミレス行くぞ」

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

上条が純粋にテレビに出れるなんて羨ましいと思っていると禁書目録が自分が見ている番組と同じなんだと目を輝かせて一緒に食事に行く様言うとアリサも頷き、浜面がガクッとなる…一方通行はそれを見て苦笑して全員奢ってやると言い切ると佐天達がおぉ〜!と声を出す…が、浜面、上条、美琴、操祈が青ざめた顔で一方通行に近づく

 

「か、考え直せ一方通行!餓死するきか!?」

 

「そうよ考え直しなさい!あんたには私の妹(打ち止め)を養ってもらわないといけないのよ!?」

 

「そうよぉ!第1位が餓死とか笑えないから!」

 

「せめて全員で割り勘でいこう!もしくはどれだけしか食べちゃいけないとか制限しようぜ!な!?」

 

「……何言ってンだお前らァ…俺の財布に諭吉さンが何人いると思ってンだ?いいから奢らせろよ」

 

四人は考え直す様に一方通行に詰め寄るが心配し過ぎだと一方通行は笑う…他のメンバーも友達思いだなぁ〜と笑うが…白い悪魔(禁書目録)の事を知らないからそうやって笑えるのだ…そしてファミレスに一同はやってきたのだが

 

「もぐもぐ……あれ?皆食べないの?」

 

「「「「「「あ…うん、もうお腹いっぱいです…」」」」」」

 

「……根性とかレベルじゃねぇ…」

 

「……この人胃の中にブラックホールがあるんですか?」

 

「なんかドラえもんにそんなひみつ道具あったね…ほら、胃の中にブラックホールを入れてなんでも食べれる様になったのび太君の回てあったでしょ?」

 

「い、禁書目録…食べ過ぎだよ…」

 

禁書目録がブラックホールもかくやと言う速さで料理を平らげていき、最初は大食いだな〜と笑っていた佐天や初春、フレンダも顔を引きずっていく…見てるだけで全員の胃が膨れる…そんな感覚があった、もう皿が山盛りに重なり、伝票入れには入りきらなくなったレシートが零れ落ち、一方通行の顔が青ざめていく…あの削板でさえ引き地味でありレッサーは胃の中にブラックホールがあるの?と疑い、敦はドラえもんに似た道具あったなぁと現実逃避し風斬も食べ過ぎだと呟く

 

「…あ!すみません!これおかわり…」

 

「もう許してくれませンかァァァ!?もう既に諭吉さンが足りない金額なンだよ!」

 

「……あ、このジャンボパフェもお願いしますんだよ!」

 

「人の話を聞けェェェ!いや聞いてください!もうお金が足りないンですゥゥ!」

 

「あ、一方通行!?落ち着いて!て、ミカサはミカサは大食いのシスターに驚愕しながら愛しい人を宥めてみる!」

 

「「「「…だから言ったのに…でもごめん」」」」

 

「……割り勘にするか」

 

「……にゃーん」

 

まだまだ食べる禁書目録に一方通行が涙目で止める様叫ぶが禁書目録のブラックホールは限界を知らない、打ち止めが必死に一方通行を宥める、浜面達は手を合わせ合掌し、垣根と麦野は割り勘にするかと呟く…アリサ達は不幸だ…と悟った…結局は一方通行の持ち金では足りず全員(禁書目録とアリサは除く)で割り勘をした、全員の財布がほぼ死んだ

 

 

「はぁ〜!お腹いっぱいなんだよぉ〜、もうご飯5杯くらしいか入らないんだよ〜ありがとねアクセラレータ、皆!」

 

「……おう」

 

「……俺のすずめの涙と言える有り金が…」

 

「…上条さんの諭吉さんがぁ…」

 

「…今月のお小遣いが消し飛んだわ」

 

「……節約しなきゃねぇ…」

 

「…シスターの胃袋には常識は通じなかった」

 

「……レベル5の財布を消し飛ばす魔術師…恐るべし」

 

お腹を抑えた禁書目録がにこやかに笑うと、一方通行や浜面、上条、美琴、操祈、垣根、麦野が半分灰色になった姿で歩いていた…この七人が財布に大きなダメージを負った…主賓のアリサ以外も大なり小なり財布に大きな傷を負った…大して気にしていないのは削板のみでそれ以外は涙目で財布を振っていた…ほぼ全員の財布はファミレスに入る前より軽くなっていた

 

「うぅ…パフェの為に集めたお金が…」

 

「初春……今度パフェ食べに行こう…今月は無理だけど…」

 

「…私もお金がパァですの…」

 

「うぅ…今月の友達の誕生日のプレゼント買えるかわからないて訳よ…13人くらいいるのに…」

 

「13人!?そんなけ友達の誕生日を覚えてるのか!?凄え根性だな!よし!俺が銀行から金を下ろしてプレゼントを買ってきてやる!」

 

「……あんまり甘やかさない方がいいよ削板君…僕の財布もすっかり軽いや…茶漬け食べたい」

 

「ん…豆腐…今月は行く回数…減る」

 

初春と佐天、黒子は財布の中のお金を見て泣き始め、フレンダも友達のプレゼントが買えない嘆き削板が金を出そうと言うが敦が止めに入る…鏡花も豆腐屋に今月はあまり行けないだろうと悲しげな顔をする

 

「はは…皆が平等に不幸になりましたね…」

 

「笑い事じゃないですよ風斬さん…レッサーちゃんの財布が…てか、三人も払いなさいよ!」

 

「「「普段の仕返し、たまには私達の苦労を知れ」」」

 

「…超お金が減りました…もうシスターさんとは食事に行きません」

 

「…いんでっくすと食事に行くと…お金が減る…もう行かない」

 

「まあ…禁書目録も悪意は…ないだろうけど…あの量は悪夢だね…あはは」

 

風斬が無理やり笑い、レッサーが笑い事じゃないと呟き何故ランシスやフロリス、ベイロープが何故払わないのかと叫ぶが三人は普段の行いのせいだと笑う…絹旗や滝壺も絶対に禁書目録と食事に行かないと誓い、アリサはフォローしようとするがあの禁書目録の食べた量を思い出しフォロー出来なかった…もう既に夜になり一同は噴水前を通りかかる

 

「……はぁ…ごめんな…俺の不幸体質がお前らにも降りかかったみたいで…」

 

「はぁ!?そんな事ないわよ!全く…勝手に不幸が降りかかったと思わないでよね!こんなくらい不幸でもないわよ!」

 

「そうねぇ…まぁ財布が死んだけど…上条さんといれば楽しいから別に構わないわぁ」

 

「お前ら…俺の最大の幸福は…お前らに出会えたことだな…」

 

「…なァ、いい話みたいになってるけどよォ…これ財布の金がなくなった…てだけだよなァ?」

 

「……気にすんな、よくある事だ」

 

上条が自分の不幸体質のせいで迷惑かけてすまんと謝るが美琴と操祈はこれくらい不幸ではないと笑い、上条が自分の最高の幸福はお前らと友達になれた事だと笑う…ここまでだといい話に聞こえるが単なる金欠になっただけだ、一方通行が浜面にその事を伝えるがよくある事だと浜面は面倒くさそうな顔で呟き、黒子は「私のお姉様と…!チンパンジーが…!」と怒り狂っていたが佐天と初春に拘束された…そんな一堂が噴水を通り過ぎると…水の中から金髪の魔女の様な服装の少女が現れ浜面達に自分の箒を振るうと水が盛り上がり浜面達に向けて水流のレーザーが幾筋にも放たれた

 

「…え!?何ですかこの水の柱!?」

 

「……これは!?皆これは超能力じゃなくて…」

 

「…はいはい、魔術…だろ!」

 

佐天がいち早く水の柱に気づき、禁書目録がこれは超能力ではなく魔術であると伝えようとするが麦野が言い終わる為に魔術だと気づき原子崩しを放ち水の柱と相殺する、垣根と削板が水の上に立つ少女…メアリエ=スピアヘッドに攻撃を仕掛けようとするが…足が動かない…よく見ると全員の足に地面から現れた土塊に足を取られ動きを封じられていた

 

「…な!?動けないて訳よ!?」

 

「まさか窒素装甲をすり抜けるなんて超あり得ないですね魔術は!」

 

「だが…地面丸ごと魔術で操るのは間違ってたな!」

 

フレンダと絹旗は舌打ちするが上条が右手で地面に触れると魔術が解除される…全員を捕まえる為に地面を丸ごと魔術で操っていたのが仇になった…それを赤みがかった茶髪の魔術師…マリーベート=ブラックボールが地面を隆起させ攻撃するがいち早く位置を確認した美琴が電撃を飛ばしマリーベートは土塊の盾を作り出し電撃を防ぐ

 

「はぁぁぁ!!」

 

「三人目!?風力使いですの!?」

 

「違う…!単なる風のエレメントを操る魔術師なんだよ!」

 

「ま、魔術!?」

 

「でも…自分から姿を現わすなんて…好都合!」

 

空から三人目の緑色の長髪の魔術師…ジェーン=エルブスが風を纏い風の刃を飛ばしながら攻撃を繰り出し、黒子は風力使いと考察するが禁書目録がそれを一蹴しアリサが魔術?と不思議がるが鏡花が影を操りジェーンに影の槍を放つがジェーンは空中でそれを軽々避ける

 

「……こいつら…何が目的なんだ…」

 

「今はそれより浜面君や垣根君はアリサさんや白井さん達を守ってください!」

 

「分かった!守りは任せろ!」

 

浜面が何が目的なのかと呟くが風斬が噴水の水を使って水翼を展開、垣根も翼を広げ飛んでくる瓦礫や攻撃の余波からアリサ達を守る

 

「…私の能力の解析力だと…彼女達の目的は…アリサさん…貴女らしいわぁ…」

 

「…え?私を……どうして?」

 

「何で鳴護さんを…いや!今はこいつらを倒すのが先ね!」

 

操祈はリモコンを操作し彼女らの精神を支配しようとするが何らかの魔術で精神を防御しているのかそれができない…代わりに彼女達の目的は理解できた…アリサの拘束という単語が手に入りアリサが何故自分を?と呆けるが美琴が電撃を無数に放ち水が蒸発する…

 

「甘いですよ!科学の人!」

 

「私達の魔術は連携が持ち味ですから!」

 

「さっさと目標を連れて行きますよ!」

 

ジェーンとマリーベートは風の刃や礫岩の弾丸なと飛ばし、ジェーンとメアリエが協力して水と風の刃である高水圧カッターを飛ばし辺りの建物を切断し、マリーベートとメアリエが大量の土を水の中に入れで流砂を放ち、ジェーンとマリーベートが土砂や瓦礫を含んだ竜巻を放ち、更に水を風で極限まで冷やして気化熱によって浜面達の体温を奪い凍結現象まで引き起こし始める…一方通行や絹旗はその防御能力で無事だが浜面達の体温が下がっていくのが本人達も理解し不味いと焦る…それを見たメアリエは笑って噴水の水を魔術で持ち上げ巨大な水の球を作り出しその中に浜面達を入れアリサ以外窒息死させようと企み、上条がそれを右手で防ごうとすると

 

「吸血殺しの紅十字!」

 

「「「え!?」」」

 

「…ステイル…?」

 

「メアリエ!マリーベート!ジェーン!なぜ勝手に動いた!?指示を待てと言っただろう!それに僕の恩人達や禁書目録に手を出して…巫山戯ているのか?!」

 

ステイルが豪炎の中から現れ二本の炎剣を飛ばし水の球を蒸発させる…ジェーン達はステイルを見て驚き、禁書目録がステイルが来たことに思わず笑いをこぼすがステイルはジェーン達のことを知っているようで上条達に手を出したことを怒っていた

 

「し、しかし師匠…鳴護 アリサの保護が我々の仕事なので…」

 

「保護ではなく観察対象だ!それに一般人を殺していいとは指示にはない!それにあの戦いなら観察対象も死亡していた可能性がある!」

 

「す、ステイル…これはどういうことなんだ?」

 

「…上条 当麻…すまないが理由は話せない…今回はこれで引き下がる…それで手を打ってくれ」

 

「冗談じゃありませんわ!街中で能力の乱用をして捕まらないと思ってますの!?ジャッチメントとして見過ご「分かったわさっさと帰りなさい」お姉様!?」

 

ジェーンが何か呟くがステイルが一喝すると三人の魔術師はビクッとなる…上条がステイルに近づき理由を聞くがステイルは苦い顔で理由は話せないと言い、これで帰るから許してくれと頼むが黒子がジャッチメントとして連行すると叫ぶが美琴はさっさと帰れと手を振り黒子がはぁ!?といった顔になる

 

「お姉様!?この方々は街中でこのような狼藉を…!」

 

「無理よ黒子、こいつらは超能力者じゃないから…ジャッチメントの対象外よ…それにあんたじゃステイルに勝てないわ」

 

「あの…御坂さん神父さん知ってるんですか?」

 

「ええ、私達と同じ14歳のタメのイギリスの神父よ…かなり強いからレベル5やレベル4じゃないと勝てないわ」

 

「「「「14歳!?」」」」

 

黒子は反論するが美琴は諦めなさいと首を振り、佐天が知り合いなのかとステイルを指差す、美琴は同じ年齢だと教えるとアリサと黒子達は嘘だと叫ぶ

 

「まぁ信じられないのも分かるよ…僕はタバコ吸ってるしね…まあやめる気は無いが」

 

「いやいやそこではなくて…身長が高いからでして…」

 

「まあ、この三馬鹿弟子を連れて帰るから「「「師匠の阿保!臆病者!」」」あぁ!?今なっていった三馬鹿!?」

 

ステイルがタバコを吸っているから大人に見えたのかと素直に反省すると初春はそこでは無いと手を振り、ステイルが帰ろうとするとジェーン達が(一応は)師匠であるステイルの悪口を言い始めステイルが若干切れて凄まじい形相で三人を睨みつける

 

「臆病者て言ったんですよ!こんな白もやしや金髪ホスト、ババァに貧乳に運動音痴そうな金髪、一昔前の番長、貧弱そうな白髪、ウニに何弱気になってるんですか!」

 

「そうですよ!こんな奴らに私達が負けるわけないじゃ無いですか!さっさと観察対象を連れてイギリスに帰りましょう!」

 

「これで帰るなんて私達が負けたみたいじゃないですか!そんなの嫌ですよ!完全に決着をつけ私達の華麗な勝利を馬鹿な師匠に見せつけてあげます!」

 

「「「「「「「「あ?」」」」」」」」

 

ジェーン、マリーベート、メアリエは好き勝手なことを言い始め、上条達から何か切れような音が聞こえ殺気が漏れ出し、初春と佐天は涙目で抱き合い、切れなかったアリサ以外の全員は「あぁあいつら死んだわ」と合掌しアリサは何が起きたのか分からないが慌て始める…そしてキレた上条、一方通行、垣根、美琴、麦野、敦、操祈、削板が幽鬼の様な動きでジェーン達に近づく

 

「「「「「「「「……おい」」」」」」」」

 

「「「何ですか…て、ヒィ!?」」」

 

「自分達なら俺達を勝てると思ってる…そんな甘ったれた幻想…ぶち殺す!」

 

「人のコンプレックスを…絶対に…許さない!」

 

「…今の私は怒ってるわ…人の気にしてる所を…言ってくれちゃって…廃人にしちゃうゾ☆?」

 

「面白ェ事言ってくれるなァ、この三下がァァァ!」

 

「余程愉快な死体になりてえと見えるなぁ!」

 

「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね!」

 

「……久しぶりにキレちゃったよ、はは…半殺しで許してあげる」

 

「そんな舐め腐ったお前らの根性を叩き直す!物理で!」

 

(……死んだな)

 

八人は据わった目で三人を見つめ、三人がビクッと震える…ステイルは三人の死を確信し目を瞑る…そして神父らしく祈りを捧げる…そして八人はそれぞれの怒りの感情を爆発させると三人じりじりと近づく…三人はステイルの方を見る…ステイルに助けを乞う様に…

 

「「「し、師匠…………」」」

 

「…勘違いするな、ジェーン、マリーベート、メアリエ」

 

「「「……え?」」」

 

「お前達の自業自得だ、安心して逝け」

 

「「「ですよね!?」」」

 

「「「「「「「「殺す」」」」」」」」

 

ステイルは安心しろと笑顔で笑い、三人がぱぁ…と笑顔になりかける…が、ステイルは笑顔で三人を突き放すと三人は希望から絶望に転落し八人は簡潔に殺意を漏らすと三人が悲鳴をあげる…そこから先は戦いではなく蹂躙だった、原子崩しが狂った様に縦横無尽に地面を破壊し、電撃が飛び交い、様々な能力が放たれ、白い翼が全てを薙ぎ払い、ベクトル操作で強化された建物の破片が吹き飛び、削板が拳を振ると魔術を押し返す、三人が魔術を放っても幻想殺しにより破壊される…

 

「……だから帰ろうと言ったんだ」

 

「…これは帰りたくなりますわね」

 

「レベル5は化け物、はっきりわかったね」

 

「これ…どういう状況だっけ?」

 

ステイルが溜息を吐き黒子が目の前の光景を見てステイルが帰ろうと言った理由を理解し、佐天はレベル5が化け物だと理解した、アリサはこれはどういう状況なのか忘れてしまった

 

 

「…さて、奇跡の少女を確保しますか」

 

そして学園都市に魔人の手の者が入り込んだ

 

 




さて今回はギャグ回…ジェーンさん達はいい働きをしてくれました(笑)

さて次回魔人の手の者が襲来、そしてローマ正教も動き出す…次回もお楽しみに


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