兄は弟を守りたい。 (夢食いバグ)
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設定や小話等
主人公設定(生い立ち/戦闘能力)


ヒーロー解体新書

 

緑谷'sヘア:黒髪1000円カット。

緑谷'sアイ:左を包帯で隠している。

緑谷's腕:左がない。

緑谷's服:無個性的にシンプル。

緑谷's全身:日々鍛錬。

緑谷'sバッグ:包帯とか色々ぎゅうぎゅう。

 

名前 緑谷 曲

 

性別 男

 

好きなもの 読書、義母さんハンバーグ、弟のヒーローのお話等など

 

年齢 大体21才

 

外見 黒髪の普通の短髪左目を包帯で隠し、右手には中指と親指にテーピングをしている左腕が欠損しており痛々しい。

 

個性 

 

元 歪曲 5本の指で触れたものを湾曲させる、母親から遺伝 死柄木弔の崩壊がねじまがることに変化したヴァージョンと考えれば大体あっている、オンオフの切り替えができないため何本指かにテーピングを行うことで対処している。

 

変 歪曲 事故にあい左腕が欠損(個性を一部失った)ことにより父親は無個性だと思われていたが、実は個性の発動条件を目に移動させる個性を持っており、遺伝として受け継いだその個性で曲は、手によって歪曲させていたところを視認することで歪曲させることができるようになった。

 

これにより戦闘においては攻撃範囲が手の届くところのみから目の届く範囲までになり凶悪化している、歪曲という性質上液体状の相手には弱いはずだが視るという条件により液体を個体として認識しねじ曲げバラバラにするという離れ業も行える防御力もそれなりにあり銃弾の場合は軌道を 曲げる ことにより弾く。その分脳への負担が酷くフルに目で個性を使えば5分も持たない。

 

右手は失ってはいないので元歪曲も使用可能である。

 

タグの攻撃力チートとは固さに関係なく曲げる為防御力という行動が通用せず、回避は彼の視野にいてはいけないという鬼畜使用のため。

 

現在の生い立ち

 

事故により、個性が変質しそれによって起きた事件により遠い親戚緑谷インコら家族のみが彼の養子としての引き取り先となった、その頃の出久は生まれたばかりである。 

 

事故の詳細と事件は、事故は両親は即死突っ込んだ車の運転手は彼が目を覚ます2日前に亡くなったそして奇跡的に生き残った。個性歪曲の変化は事故によるストレスとされている。

 

現在は精神的に合うアングラ系ヒーローとして活動中(戦闘方法がお茶の間に流すと妙な空気になっちゃう……)。雄英高校とは用務員として関わる事となる。

 

ヒーローとして。

 

ディサンド【見定める】

 

個性 歪曲

 

見た目 黒いマントに軍帽を被った、軍人じみた出で立ち。過度ではない程度に脚や腕等に補助サポーターが取り付けられている。

 

現在の使用サポートアイテム。

 

閃光弾/煙幕 主に単独戦闘か、きちんと作戦を組んだ戦闘の際に使用。閃光弾を使った場合自らはヘッドフォンで音を遮りマントで自らを覆い光を軽減する。

 

望遠鏡 遠くから歪曲の個性を使う際に必要現在もっとも使っているサポートアイテム。これよりも性能は劣るが携帯性に優れる小型双眼鏡はオフの日でも持ち歩いている。

 

スタンガン 最後の拘束が効かない相手の止めによく使う、攻撃と言うよりは相手に押し付けてを気絶するまで行うのみ。

 

ロープ 拘束用のロープ、拘束が主だが罠として相手を引っ掻ける事にも使うことがある。

 

電動スケートボード 広範囲移動の際に使用、軽く時速30kmは出せる。スケートボードが乗り物として優秀なのは人の間をぬっていけることだったり。普段の移動には自転車を使っております。

 

カロリーが高いお菓子 災害救助用、時間がかかったとき用の被災者のエネルギー補給元の確保。これはサポート会社に頼まずに自らスーパーで買ってる。(スニッカーズ的なアレ)

 

補助サポーター 蹴り等の力の強化でなく、全体の疲れを軽減することを目的とした装備。長期戦想定。

 

小型ナイフ 魚をさばいたり等など戦闘で使うのでなくサバイバル的な状況を想定した使い道が多いナイフ。戦闘においても敵の拘束を外したりする役割が期待されている。

 

バール 普通のバール、ドアをこじ開けたり。敵を沢山殴ったりする………刃物を主武器とすると手入れが面倒だからと言う理由もあったり。

 

等々

 

戦闘スタイル

 

スナイパーモード

遠距離から攻撃を行う、望遠鏡を使い敵陣を見て攻撃を与える。望遠鏡を持っているために、バールをあからじめ持つことができず。近接戦の準備が遅くなる………場所を悟られないように適度に場所を変えることが多い。消耗もファイターモードに比べ多い。

 

ファイターモード

近距離戦闘を行う、主にバールでの殴打や体術となるが閃光弾での目眩ましや耳封じ……小型ナイフによる体に踏み込んだ所での斬撃等々それなりに多彩。

目の能力は防御的に使い、避けられない物のみに使うため。スナイパーモードよりも消耗が少ない。

バール等を捨て、テーピングをとった右手を使うことがある。

 

短期決戦

テーピングを外したり右手も使う近距離戦闘+個性による攻撃も与える。防御も個性だよりで曲げ、全てを攻撃に割り振ったような形態。5分程しか持たないがかなりの強さを誇る。

 

戦闘思考

ヴィランは殺さなくて後遺症を残さなければいいという考えを持っている。でも一応、そうしても色々言われる可能性があるので接近戦等では急に足を曲げたりはしない。遠距離では遠慮容赦なく曲げます。

ヒーロー的な人気をとるための魅せる闘いは排除し、相手を行動不能をすることを最優先としている。

必殺技は叫ばないタイプの人。




少しアンケートを追加しました。


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小話詰め【ほぼギャク&NGシーン盛りだくさん】

まぁこういうこともあるよねって。

時系列無茶苦茶です。本編とは関係ありません全員ポンコツ化

頭空っぽにして、読んでください。


1話目

 

【一 住所不明】

 

ディサンドとして、ヒーロー活動をしている。緑谷曲です。今日は暴行犯の足と耳を軽く捻っといたから。

 

回収してもらいに住所を言お………

 

「あそこの住所どこだ?」

 

*調べているうちに、逃げられました。

 

【二 後処理の大変さ】

 

苦戦したヴィランの捕縛が、終わった。今警察につれていかれている。

 

戦闘中誰も左足は傷つけて居ないが、ヴィランはボギッと綺麗に折れている。

 

「コレ、誰やったんだ?」

 

「お前じゃね?」

 

「いや、俺じゃねぇよ」

 

「じゃあどう書類書けば、ええんだ?」

 

「……偶然とか?」

 

「そっかぁ偶然かぁ……」

 

「とりあえず、俺の方で書いておく」

 

「任せたー」

 

*ヴィラン左足に負傷(原因:たまたま)

 

【三 死亡フラグの乱立】

 

上司が真剣な顔で言う。これから俺はヒーローに倒されたヴィランの回収に向かうところだ。

 

「あのヒーローは性質が違う。

 

俺はこのあと、嫁の出産があるんだ。いい知らせを持ち帰ってくれ。」

 

「えっ?」

 

意味の理解ができなかった。

 

「あぁ、この仕事が終わったらタバコでも一緒に吸ってこようか………」

 

「ふぁ?」

 

「大丈夫だって、俺たちもついている。」

 

同じく回収に向かう仲間が肩を叩いてきた。

 

「えっと皆さん………

 

死亡フラグ乱立させないでくれませんか!?

 

このあと何が起こるんですかっ!?

 

そんなにヤバイ案件なんですかコレ!?」

 

*無事仕事は達成できました。

 

【四 落下】

 

「弟を送りたいし……今日はこれくらいで終わりにしようかな?日登ってきたし……」

 

高い塔に登っていた、アレ降りれるのコレ?

 

調子にのって一番高いことろ登ったけど。

 

「あっ」

 

足を滑らす。

 

*その後、無事に病院救急搬送されました。

 

二話目

 

【五 粉砕】

 

「うん、8時だよな……」 

 

そして目覚ましを見た。ねじまがって無惨な姿に粉砕されていた。

 

自分の手を見た……テーピング全くしていなかった……

 

「目覚まし時計が、個性で見るも無惨な姿に。これ義母さんに見つかったら怒られるよな………隠そう。」

 

「曲~卵買ってきて……」

 

義母さんが頼みごとをしに扉を開けてきた。

 

「あっ」

 

*見つかって、説教コースへ入りました。

 

【六 ギリギリセーフ】

 

黄色い髪をした目に微かなそして、確かな光をもった骸骨のような男が一つ尻餅をつく……

 

転がってきたのは………

 

「えっと」

 

筋肉隆々の男が一瞬見えた気がした。気のせいかと思ったが転がった物は無かった。

 

「いや、君見てないよね。」

 

「えぇ?」

 

「よかったぁぁぁ」

 

なんだろ、中身めっちゃ気になる。

 

*中身はナイショ

 

【七 気にしなかった場合】

 

俺は現在私服の事を忘れていた。それと活動スタイルのせいで、知名度が低すぎる事を忘れていた。

 

「ヘドロなら、燃やせばっガソリ……」

 

ヘドロのヴィランを見て、流動的ならば全体に攻撃すればよいと飛び出す。

 

「気が狂ったのかやめろぉぉ」

 

民衆や警察に押さえられる。

 

「邪魔すんなよぉぉ」

 

*一般人と警察と野次馬に、勘違いされました。

 

【8 アレ?】

 

「もう終わりだヴィラン…… 

 

プロはいつだって命懸け!!!!!! 

 

DETROIL SMASH」

 

オールマイトがヘドロヴィランを吹き飛ばす、圧倒的な風圧…………アレあのさっきぶつかったおじさんと着ている服同じ……まさか。

 

オールマイトに影武者がいる!?マスコミとかの取材を受けるようの!?

 

*違う。




2話程度のネタ(すまっしゅ的なものが書きたくなったんや………)


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本編
ヒーローのような怪物


緑谷曲は緑谷出久を守りたいを本編開始時から書いたものです、過去編となる元々のものもアレンジを加え出しますのでお楽しみください。


人は何かの為にはなんだってできる、そう思ったのはいつ頃だっただろうが?

 

人は正義があれば、いくらでも残酷になれると発言したどっかのお偉いさんは誰であろうか?

 

人はなぜ争ってしまうのだろうか?

 

誰かの為になりたいのは、間違いなのだろうか?

 

そんなことを頭のすみにごちゃごちゃさせながら。

 

この街で一番高い塔の上に立ち。冷たい風を肌で感じとりながら望遠鏡を持つ。

 

「……いつも通りのパトロールだね、さてと。」

 

覗き拡大された景色を見る、夜のネオンの灯りで彩られる街が見えた。ヒーローは民衆に見られる。

 

まぁ目立つ事もあって昼によく見られるが。夜も仕事が、無いわけではない……むしろ夜の方が、そこら辺の犯罪者は沸きやすい。

 

よく夜や路地裏等目立たない所を、中心に活動したりするヒーロー。アングラ系なぞと勝手に言われているが、俺はこっちの方が個性的にもやり易いだけのこと。

 

建物が一部壊され。コンクリートが、散っている……

 

ヒーロー以外の人々は見世物小屋でも、開いたかのように群がり警察官に押さえられていた。

 

「………目標補足、クリア。」

 

他のヒーロー達が苦戦している、暴れていたただの犯罪者(ヴィラン)をほうを望遠鏡越しに俺は見定めた。

 

左足が急にひしゃげてしまったようでミジンコのように地面に這い出す、勿論すぐにヒーローに捕まった。俺は見ていただけだし……手柄はあちら側に有るため始末書は書かなくても大丈夫だろう。

 

「さて………次っ。」

 

また、犯罪者を探す……日本は諸外国と比べて犯罪率は圧倒的に低いと言われるが。探せば見つかるし、探さなくても歩けば、いつのまにか当たる。

 

現代でも人々は自覚していないだけで、突然現れた力(個性)に踊らされる。

 

それはヒーロー(英雄)でも同じ。

 

「何でこんなにも湧くものなのかね…。」

 

呟く、息が白く見えた……夜だから昼よりも寒い当然の事だそんなことを思いながら。

 

なぜだかは、知らないが男が男に個性による強度の暴行を加えられていたのを見た。左足がひしゃげる……回りにヒーローはいないようだ。

 

今度は錯乱したかのように何かから逃げるように左足を引きずってナメクジのような速度で進みだす。

 

もう一人の男は呆然として、その場で立ち尽くしてしまっているため、警察への連絡はしてくれないもしかしたらもうすでに……息絶えている可能性もある。

 

「………………ここからじゃ判断つかない。」

 

犯罪者にこのまま逃げられても、困るのでヒーロー専用の通信で警察へと連絡を繋ぎ。とりあえずただの個性を使った、左足を引きずってガタガタノロノロと進んでいく暴行犯を見定めながら。

 

「もしもし、ヒーロー名 ディサンド です個性を使った暴行犯をほぼ無力化しました。

 

でもしかしたら殺人の可能性もありますので至急お願い致します、えぇはい住所は…………」

 

流して口から言葉を吐く、耳を曲げる……すぐに治るのにまた立ち止まったいや立ち止まってくれるのは嬉しい。

 

これ以上手を出さずに済むから、犯罪者であろうと暴力を振るうのは 心がいたいよ ?

 

そろそろ捕まってくれるかな。

 

「後抵抗が酷かった場合は、今度は右手か右足今度は、どちらがいいか聞いてください。その通りに致しますので。ではお切りいたします。」

 

 

ディサンドというヒーローからの電話の要請で確保に行けと上司に命令された。3人で行くからには、最低限の安全は確保されていると信じたい。

 

銃使うにも個性使って自衛するにも始末書を書かなくてはならないのだから。

 

「ヒーローから伝言だ。抵抗が酷かった場合は、今度は右手か右足どちらがいいか聞いてください。だそうだ。」

 

と俺は他の二人と共に犯人確保に行こうとするが、その前に上司がヒーローの伝言を伝えた、それはとても妙なものであり遠距離型なのであろうか?

 

「変な伝言ですね。あっ早く行ってきます。」

 

思わずぽつりと呟いて、不味いっと思いながら誤魔化すために早く出ていこうとするが。

 

その時に何故か普段の回収作業のはずなのに、上司が深刻な表情で警告をした。

 

「一つ上司として言っておく………どんな光景を見ようが気をしっかり保て、普段のヒーローとは大分性質が違うからな。」

 

その声は正気を持てと言うようだった。

 

「はっはい?」

 

俺は疑問に思って、そのまま告げられた番地に犯人確保へ走っていった。

 

夜のため眠いだが仕事ゆえ致し方ない、警察官の服でも寒い下に貼るカイロをやっていてよかったとぼんやりと感じていた時に。

 

「たっ助けてぐれぇっ追われてるんだごろされるっ。誰でもいいお願いだ、何でもするから助けてくれぇぇぇ!!」

 

と左耳の一部が破損して赤いどろどろとした液体をだらだら流していた、左足を引きずり男が迫ってくる。血の匂いが深くなる……視界が変に歪みそうだ。

 

冷静に見るとその奥に体の一部が凍って、そして殴られたような後が多数ある、そして目の前の男は腕に冷気が漂っていた。あぁこいつが……

 

「傷害の疑いで逮捕する。」

 

と警察官の一人が問答無用で、彼に手錠をかけようとすると……冷気が強くなる。

 

「逮捕だとふざけがぁぁぁぁぁぁあ?!!腕ぁがぁぁ。」

 

そして手錠をかけた警官はあの被害者の男のように凍る……事はなく。目の前の男の………右手が、あの足のようにネジ曲がり折れた。

 

男は悲痛な叫びをあげる、しかも単純におられたのではない指もポッキリ丁寧に折れている。男は痛みに耐えかねて惨めに、白目を剥き泡を吹いて気を失った。

 

「……これは、ヒーローのしたことですか?」

 

と思わず、聞いてしまった……いつもとの現場とは違う確かにヴィランとなったものに、ヒーローにより鎮静化させそして逮捕拘束となる。

 

だがいつものオブラートとはどこか無縁であり。コミックでなく戦場のような現実だと、冷たく突きつけるように感じられた。

 

「ヴィランが攻撃しようとしていたから、再度鎮圧したんだろう。被害者の意思の確認はすんだか?」

 

「はいっすみました、息はしていたので至急救急車を手配しておきました。」

 

「わかった、じゃあコイツを気絶しているうちに拘束をつけパトカーに乗せて帰るぞ。」

 

二人の警官は何事もなく処理していく……確かにいつもしていることでヴィランに与えた攻撃?も何も可笑しくないものだった……一撃で気絶にまで追い込む者もいないわけではないのだから。

 

「はっはい、わかりました。」

 

だけどこれはあまりにもヒーローとしてと言う人が関わっているとは思えなかった。どこかの災害が局地的に起こったような天罰のような。

 

不気味な恐ろしさを覚えつうっと冷たい夜なのに、油汗がつうっと伝った。

 

「確かに………このヒーローの相手は慣れるまで大変だな、大丈夫だ仕事はきちんとする。実際に再度暴れたさいに警官一人も傷ついていない。」

 

世間でヴィラン回収業者と、比喩される警察官……ヴィランの鎮圧が十分ではなく個性による負傷者もまれにであるが出る。

 

また一般市民の戦闘区画への、立ち入り禁止作業も行うためそこでの負傷も多い。

 

「そうですか……私は、被害者を救急車が、来るまで見守っています。」

 

「そうか、わかった任せる一足先に、このヴィランを拘置所にぶちこむ作業をする。」

 

と二人は、拘束された片耳から血を流し左足と右手が曲がり気絶しているヴィランと共にパトカーに乗って帰っていく。

 

空は雲一つ無いほどだったが、街のネオンの灯りのせいなのか星は全く見えないようだ。

 

 

「連れてくれたみたいだ………足折った時点で気絶してくれれば苦しまなかったのに……ごめんね。」

 

と無意味な言葉を吐いた、そして一つまた思った次はいるかな?とヒーローの交戦はあちこちで見られる。

 

それを援護しても良いが基本的には、その場のヒーローで済む話で苦戦はあんまり見たことがない。

 

「ヒーロー飽和社会か。」

 

最近の社会いや結構前に言われていた事をふと口にしながら、また戦闘の様子が見えるところに望遠鏡を向ける。

 

ノミように犯罪者が動き廻りちょろちょろしている。

また左足を見定める、曲がるそして止まる。

ヒーロー達が群がり押さえる、甘美な飴に群がる蟻のようだと感じてしまった。

 

「弟を送りたいし……今日はこれくらいで終わりにしようかな?日登ってきたし……」

 

夜の寒さは変わらずに、太陽の光が灯っていく後はほかのヒーローも活躍していくだろう。俺は塔をおり家に帰っていく多分犯罪者には見られてはいないだろう……そう信じたい。

 

「家族が俺のせいで、襲われたら笑えない。」

 

ヒーローは犯罪者を倒す、つまり犯罪者のヘイトを多くに買う職業釈放された後の報復なぞ日常茶飯事家族なんて狙われる確率はものすごく高い。

 

ヒーローの家族が誘拐されて。金銭要求とかもあるし………そういえばヒーローって独身か、ヒーロー同士が多いんだよな……そういうことか。

 

「さて帰るか……」

 

遠くに置いた自転車を漕ぐ、シャーシャーと音がした。行動範囲は自宅から遠くの場所にしている……特定されて自宅を爆発とかも、普通にあり得る今現代だ。

 

「義母さんと弟寝ているだろうし起こさないようにしないとなぁ」

 

そう言って出た息は白くは、無くなっていた。




合法的暴力その極地

いくら個性でも突然脚があり得ない方向に曲がって折れたり、耳の一部ががネジ曲がって切れて血ダバダバでたらチンピラぐらいの精神はボロボロになると思う銃とかだったら理解は出きるかも知れないけど……一見何も理由無いしね。
銃で撃たれたので脚が動かなくなりました。
突然脚が曲がって動かなくなりました。


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泥の形をした犯罪者

原作に入ってゴー


俺は一通りのヒーロー活動を終えたあと。自室ですぐに眠りにつく……眠らないと体力が持たない。

 

最近は目だけでなんとかしているが。攻撃から場所予測されないように、適度に場所を変えたりするために走っている。

 

ガンゲーとかだとスナイパーとかの立ち回り。それに目は脳の疲れ等の制限もある、ノーリスクと言うわけではない。

 

部屋にあった、昔から書きためたヒーローとしてのふるまい方を見てみる……一応言葉使いとかはちゃんと丁寧に直しているが。

 

目指せているものに慣れているのだろうか?

 

「もう寝よう。」

 

そうして夜が開けかけ、光が満ちるころに眠りにつく。

 

 

「うん、8時だよな……」

 

そして目覚ましを見た。時刻は………9時アレこれ寝坊弟にいってらっしゃい言えてないじゃん!学校のころ起きていたのに寝過ぎてるじゃん。

 

「なにやってんだ俺ーぇぇ。」

 

頭を抱えた、寝坊するというのはいつもより疲れの管理ができておらず油断しており、自己管理がなっていない証だった。

 

とりあえず急いで家にある材料でチャーハンをつくり……警察からの応援要請が届くことがある。スマホと小型双眼鏡を持って、走りにいく。

 

いくら夜中心に活動します、と言えども個性使用の犯罪者見つけたら、ヒーロー故に殴り込みにいくし応援もする。警察からの要請ならば尚更。

 

「曲外に出るなら、卵買ってきてくれないかしら?」

 

義母さんが洗濯物を取り込みながら頼みごとをしてきた。大体昼に外に行くので、買い物の追加を頼まれることもおおい。

 

そのまま返答もせずに外に出るが……買ってくるのは当たり前の事。

 

「なんで、今日寝坊しちゃったんかなー。」

 

寒い空気が肌を掠める、服としては長袖Tシャツのみぶっちゃけ寒い走っていくうちに、暖かくなるだろ。多分汗の蒸発でさらに体温奪われる?そりゃそうか……

 

等と適当な事を考えながら走る、一応ヒーローとしては左目(個性)はすぐに、使えるような状態にしておいた方がよいのであろうが。

 

個人的にはゆったりしたい時まで、左目(武器)を構えていたくない。後包帯で隠すのは、もう癖のようなものだし落ち着く。

 

「そういえば………そろそろだな、多分雄英高校だろうな弟は目指すところ目指してるし。オールマイトの出身校だし。」

 

雄英高校を落ちて、士傑高校に行った。俺とは確実に違う道を歩むだろう………多分無個性であろうと合格すると信じている。

 

無理だなんて言わない回りは現実見ろとかいろいろ言っているだろうけど。弟は確実にヒーローであるのだから。

 

「………今日はスーパーじゃなくて田等院商店街にしてみようかな……コロッケ食べたい。」

 

走りながら考える、あのお肉屋さんの50円の挽き肉沢山入ったコロッケ好きなんだよな……。

 

ジャガイモが細かすぎなくて挽き肉も味がしっかりついてて。安さの割りにはそれなりに大きいし、おやつには丁度いい。

 

体が馴染んできて。酸素を取り込むだけに行う、呼吸で入る空気が、自然に体に染み込んでいく。

 

最近近接戦闘は潜伏場所が、ばれた時の不意打ちを食らったときぐらいにしかしていないため不安が残る。

 

動かさなければ感覚は当然鈍るしなまる、スナイパー的立ち位置であろうと近接戦もしっかりこなさなければならない。

 

「つっと……大丈夫ですかっすみませんっ。」

 

そんなことをボンヤリと、考えながら走ったせいか。肩に人にぶつかってしまった。

 

黄色い髪をした目に微かなそして、確かな光をもった骸骨のような男が一つ尻餅をつく……。

 

買い物袋を手に持っておりペットボトル飲料の内のひとつが袋から出て、コロコロと転がった。俺は謝りながらすぐさま拾い上げた。

 

「こちらこそすまないね、考え事していて。所でここら辺で何か見れる場所は、無いかね?」

 

そうしてペットボトル飲料を受けとり、買い物袋へと戻した。咳等をしていてとても辛いように感じる。もし、倒れた時に救急車の電話番号を頭の片隅に浮かべた。

 

「こっちもです、少し走っていて………あっ観光?ですか。」

 

何か見れる場所……と聞かれたので観光の人かなと思いつつ。ここは、観光地とは少し外れているので疑問に思う。すると男の人は、少し笑って。

 

「いや観光って訳じゃないんだ、少し用事があってね。」

 

観光じゃ無いんだ、用事ってなんだろうと少し気になるが……俺の突っ込む所ではない。この男個人の問題だ。

 

まぁ用事が終わった後に、見ていくそうだから。地元の良いところは少しでも知ってかえってほしい気もあったため。何となく、お奨めのところを言ってみた。

 

「あっそうなんですか、用事のついでって感じですかねなら終わった後でもいいので。

 

田等院商店街のお肉屋さんのコロッケお勧めですよ。後甘味処ナゴヤのお菓子とかも特に出来立てのスフレチーズケーキとかもいいですね……

 

ホール軽く減りますよあっ食べ物ばかりになっちゃてますねそれ以外となると、ちょっとバスに乗ったところに小さな博物館と個展があるぐらいですかね?」

 

「コロッケか……用事終わった後は遅くなりそうだし、夕飯にいいかもねありがとう。博物館と個展も少し気になる。」

 

「どうもいたしまして、では。」

 

とお互いに別々の所に去っていく、反対方向へまだ走っている途中だ……。呼吸を整え直してから、向かう乱れて走れば余計に体力を使ってしまう。

 

 

しばらくそうやって走って、途中公園などで塩分や水分を補給しながら戻ろうとすると突如携帯が鳴り出す……

 

「はいなんでしょうか?」

 

「田等院商店街にて、ヘドロ型ヴィランが火炎系個性の人質をとり暴れている近くにいるヒーローは至急応援をお願いしたい。」

 

警察からのヒーローへの応援要請だ、普段は要請など来る前にそのたヒーローにより討伐。そして拘束が行われるため………被害いや倒すには、かなり厄介な状態になっていることが用意に想像できた。

 

すぐさま商店街に向けて走り出す、商店街と言ってもそれなりの広さがあるどの辺で暴れているのだが。

 

「はいわかりました至急 ヒーロー名ディサンド 向かいます、田等院商店街のどの辺りで被害が?」

 

「南口辺りだ、近くにいけば煙や集まっている市民が目印となるだろう。」

 

なら、彼処のビルから様子が見れるであろうか?とアタリをつけようとするが確か商店街は低い建物でできていない……

 

犯人を目に入れることは難しい。せいぜい燃えてできた煙が見えるぐらいだ。

 

「了解しました、遠距離からの支援を開始します。」

 

「よろしく頼む。」

 

小型双眼鏡のためレンジはいつもよりも格段に短くなる。ある程度近づいてから、熱心なヒーローファンを装い警察の手前まで来ることが目標。

 

手遅れになる前に走れ、人などここには居ないが歩いていくほどのんたんではない。左目を隠した、包帯を外し腕に巻き付けた。

 

田等院商店街につくと、肉屋が半壊していた服屋が壊れていた当たり前(日常)がいつものように壊されていた。

 

燃えていた、早急に駆けつけたヒーロー達に救われた?のだろうか燃えいく店を見てないている人たちがいる。

 

「すみません、失礼します!」

 

とわざと興奮した、市民のように双眼鏡を持ちながら前列に出る、ヘドロだけなら対応は楽だが。人質がいる……気を付けないと人質ごと曲げかねない。

 

敵を人質を見定める、服装から中学生と断定体格の予想は余裕を持ってこの程度とみ、弟を虐めてた奴(爆豪勝己)じゃねぇか……この人質。

 

いやその思考を外せ、今はあくまで被害者だヒーローとしてなすべき事を……極限まで見定めろ傷をつけてはいけないんだ。その時にふっと風が通った。

 

「馬鹿ヤロー!!止まれっ!!止まれっ!!!」

 

ヒーローが口だけで言って呆然としていた、目の前には俺の弟がいた。

 

弟がいた。

 

「つっ!」

 

弟は恐らく自ら虐めてた主犯を助けようとしている、被害を与えられた人間を助けようといる。俺は双眼鏡を見て見定める、わざわざ一撃でやらなくてもいい。

 

「爆死だ。」

 

俺は弟に手を出そうとした。精神構造の底まで、ヘドロのような力に意気がっただけのただの犯罪者の泥を少し弾いてあげた。

 

最初は着たばかりで分からなかったが、取り込みが進む事に人質がヘドロの内部に移動していっていることがわかったなら………

 

腕の1本分のヘドロぐらいの中に人質の肉は無いだろう。 べじゃっとヘドロが飛び散る。

 

「もう少しなんだから邪魔をするなぁ!!!」

 

と俺に言っているのか、弟に言っているのかわからないが叫ぶただの犯罪者。

 

「無駄死にだ自殺志願者かよっ!!」

 

ここまで弟が最初に動き出してから、時間がある程度あったのに手遅れになろうとする段階で動き出そうとするヒーロー達。

 

「……犯罪者はもう終わり、無駄でもない。ありがとうこれで場所がわかった。」

 

俺は観衆にも、ヒーローにも犯罪者にも聞こえないような声ででぼそりと呟いた。さっき出久が、人質の位置をいや取り込まれかけていた者を引き出した。これなら人質の肉を巻き込む心配なくヘドロだけ飛ばせる。

 

ねじ曲げるのは両端……弟と人質の周辺以外全部

 

「…………………………」

 

そして曲がる、ネジ切れる人質自体にはまだヘドロがついてはいるがほぼ意味をなさないようにべじょっと崩れる。

少し使いすぎたのか、右手に頭をあて少しかがみこむ視界が揺れ頭が痛い。

 

「まっまだっ終わらねぇよっヘドロ集めれっばあっ」

 

周囲に散らばったヘドロがまた集まりまた人質として体力を削がれたものとして再び人質を取ろうと始めようとした時に………オールマイト(正義の象徴)が現れた。

 

「もう終わりだヴィラン……

 

プロはいつだって命懸け!!!!!!

 

DETROIL SMASH」

 

その瞬間前が見えないほどの突風が吹き荒れる。そして辺りにヘドロが飛び散る……また集めて、融合させてはやらないと引導を渡すように。

 

圧倒的な象徴たる力を見せていく……一つ言葉を言うなら、小細工などなくたんに桁が違うその一つのみ。

 

吹き荒れた後、人質の抵抗により起こされた火を事件が終わったことを知らせるように一つの拳だけでおこされた雨で鎮火されていく。

 

「これがオールマイトの力かスゲェェ」

「天候を腕一本で変えちまった。」

「平和の象徴オールマイト……」

「あんなに他のヒーローが苦戦してたのにっ」

 

等々の称賛の声が挙がるがぽつりぽつりこう言った人もいる。

 

「最初のさ集まる前、ヴィランこれほどではないけど消し飛んでたよな……?」

「集まったヒーローの中にそういう個性持ちいたんでしょ?」

「うん、それは何となくわかるけどさ………そんな個性を持っているやつオールマイト除いてここに出ているヒーローでいないだろ……」

「確かに……誰なんだろうね。」

 

俺はその声を聞いて、オールマイトが目立っていて心底よかったなと感じた……とりあえずすぐさま風圧により軽い昏倒のような状態になってしまった弟の元へ向かう。

 

 

結果弟に一人にしてくれと言われてしまいました。

とりあえず振り替えると弟を起こしに向かおうとするがヴィランの回収が終わってからでないと危ないから、無理だと言われ。安全なのはわかっていたのでおとなしく待っていた。

 

片付けが終わり数人のヒーロー達による説教が開かれた俺も勿論参加した……する方ではなく受ける側でなっ。で終わって弟が家に帰るとなって、またこんなことあると心配だから一緒に帰ろうとした時に……

 

「ごめん、一人にさせて。」

 

と弟が泣き出しそうな顔で走り出してしまい俺は、その場に取り残されてしまった………

 

そして卵を買って帰ってくるのを、忘れていたことを今思い出した。




人質ごと曲げかねないというなんだかな。物理が効かないのは一応は応戦できるという形になっております。


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カリキュラムと不確定性

鍛練鍛練そして鍛練。


あの後は商店街がろくに、使えない状態のため。

 

急いでスーパーに向かい卵を買って帰ってきた。お一人様1パック物の特売品が買えてよかった。

 

弟は一足先に帰ってしまっているだろう……一人にさせてほしいと言われてショックだが。それでもついていくほど空気が、読めないわけではない。

 

「…………笑っててほしいな……」

 

最近笑ってくれるのが少なくなった気がする。義母さんは気づいてないようだが、幼稚園の時と大体同じようないやそれよりも酷いだろう………

 

爆豪は上手く隠蔽しているようで外からでは、中々証拠がつかめない。学校にカチコミしかけに行って、突撃するわけにもいかないだろうし……

 

外から望遠鏡で見て把握しようとすればこちらが、訴えられかねない。

 

俺が見た限り小学校は上手くいっていたようだが……中学校になって、どうしてこうなってしまったのだろうか。俺からヒーローの話をしても、前よりも何処か避けるようになってしまっていた。

 

一通りの見えていた、怪我や器物の破損の記録はしているので弟が証言するならばその助けぐらいにはなると信じたい……

 

あの隠蔽具合じゃ、服で隠れて見えないところの方の傷が確実に多いであろうが。

 

「…………難儀なものだな……」

 

何となく開いたスマートフォンには、卑怯にも人質をとったヘドロヴィラン平和の象徴オールマイトにより倒される!!とニューストップとなっていた。

 

もう夕暮れだ。

 

 

その2日後、弟が急にどっかに行った……

 

たしか約束だともしかしてえーとなんだろ、全く思い当たる節がない、遊びなら遊びって言うだろうし。ちょっと屋上に、来いてきなアレじゃないよねまさか無いよね?

 

用務員雄英高校募集してるかな………先生てっやっても直ぐに資格とれる訳じゃないし。用務員として入るしか無いよなぁ。一応ヒーローで食えなくなった時の為に、簿記とかの実務的な資格は所持してるしいけるか?

 

「弟は多分いや絶対に行けるから。

 

俺も雄英に行かないと………ヒーローとしてしか今まで活動してないけど大丈夫か?大丈夫話したり聞く力はある。」

 

一応プロヒーローとしての会話能力(状況に応じた型に沿った話術)はそれなりにあると自負するつもりだが。

 

普通の一般人としての話はどうか。今まで対人対応系の本は多く読み込んだが、まだまだ心配なところはある。

 

役を演じる(ヒーロー)か素で話すかとの違い。元々は人と話すのが苦手で、何とか矯正してこうなってる。

 

「あーとりあえず雄英的に求める条件調べて、早めに形作るか?校訓はプルスウルトラ……どんな人求めてるのか全くつかめない……」

 

採用とはあったものをとるものだ。己の姿を見せつけろーとか個性とか、実際にしたらうん……

 

出来る人は引き付けられるんだろうけど。自信がないから採用されている人物の共通点を見つけて、それに合わせる。

 

雄英高校のホームページを開き、教職員紹介のページに移動する。大体のヒーローは覚えているためわかるだろう……

 

あっアカンわこれ……

 

「性質的な共通点が全く見つからない。」

 

せいぜい多くの物がプロヒーローとしての免許を獲得しているぐらいしか思い付かねぇ!個性を使って個性豊かに活躍するヒーローだからなてっこのやろう。

 

自由もうたってるしな……個性豊すぎる……冷静に考えたら校長先生がネズミ?な時点でぶっとんでるしなこれが雄英高校。

 

「これはどうする、とりあえずヒーローとしての発言態度で大丈夫かな?傾向つかめればある程度の対策は効くんだけだなぁ……」

 

書類は確実に通ると勝手に確信して、面接は人と人勝手に判断して受からせたり落としたりするものだ。人にとって良い悪いは違うだから難しい。

 

「あーもう、どないすっかなー。」

 

この個性的な面々の中に入れるのか、用務員として採用されるのか少し不安を覚えた。

 

その後は何したのかあんまり覚えていないとるに足らないものだったのだろう。

 

多分体を動かそうと思って。軽くヒーローコスチュームをきてバールを持って、裏路地に向かっていき。見回りというなの犯罪者探ししていたと思う。

 

なんで裏路地かって?表で動くのはなんか個人的にやりにくい一般人が集まってくるので。夜が一番楽なんだけどね犯罪発生率高いし、見つかりにくいし。

 

「でどうしようこの状況。」

 

遠くから、たぶん犯罪者同士の縄張り争いであろうか6人いや10人程度の怒号が聞こえてきた……

 

ヒーローとしてはここで突っ込んでボコすべきである、だがわざわざ争ってお互い同士消耗してくれるなら狩りやすいし待つ方がいい。

 

「じゃあ、こうしようか…………」

 

そのまま突っ込めば、私は今現在一人であり取りそのままでは数人逃がす可能性がある。

 

だからヴィラン同士の抗争で逃げた相手から、鎮圧していき最後に消耗した相手を対応する。勿論近隣にいるヒーローには警察から要請をお願いする。

 

そうして自らの思考にヒーロー(正義)としての考えを擦り合わせた。

 

「もしもし、ヒーロー名ディサンドです。えぇヴィラン同士の抗争を発見いたしましたのでお伝えします……

 

現在個性は不明、人数はおおよそ8~10名程度。場所は居酒屋が目印で路地裏です。

 

ヴィランの詳しい情報はわかり次第お伝えいたしますので連絡はそのままにしておきますでは。」

 

さて最初の準備もすんだしじゃあ犯罪者を狩りにいこう(ヴィラン退治をしよう)

 

まずは抗争現場が見える位置に向かう……この時点で気づかれたら探知系がいることの確認になる。

 

いたとしても抗争に集中していて気づかない可能性もあるが、只個性をそのまま振るう者が多いため使い方が荒いのが殆どを占めるし。

 

「……………」

 

今の時点で見えるのは、9つか個性がはっきりわかるのは7つそれ以外は現在アンノウンとしておく。

 

簡単に言えば触手とサルと刃物と首長と物を動かすと巨腕と指銃だ、つけっぱなしのスマホを持って。

 

「現在確認できるのは9つ個性判明7つ、

 

赤シャツ腕が触手中距離型一気に接近するか遠距離から一方的に。

 

サルは身体能力が高いだけど動きが単調と思われるので、拘束型はやり易いと思います。

 

 

痴女は体から刃物を、出現させるものです。放射もおこなうので防御力に自身のあるかたなら、封殺できると思われます。

 

首長は赤シャツと同じような対応を。

 

巨腕はパワーがあるので、拘束が解かれる可能性が多いので意識を失わせるなどの対処を。

 

ハゲは指から空気を出す物です、拳銃ぐらいの威力はあると見ます。

 

目隠れは物を動かす物ですが、制限があるようですので半端な攻撃ではなく必殺を。

 

後二人はオールバックと短パンでアンノウンとさせてもらいます。

 

触れるだけでアウトのものも、あるので注意を。ヴィランの名称が口汚いのはすみません。

 

それがわかりやすいと思ったもので。」

 

と軽く特徴を流す、応援が来てくれると嬉しいが………来ない場合の対応策も考えなければならない。

 

まぁ、逃がさないように逃げたやつから鎮圧していくが……

 

「了解した、いまヒーロー数名がそちらに至急向かっている何か報告することがあればまたお願いする。」

 

ヒーローはきちんとこちらに来てくれるようだ、ヴィラン見たら突っ込むタイプが一人いてくれるとありがたい

 

こちらへの警戒が薄くなって、襲撃がしやすくなる。目の前のヒーローから逃げることに必死になっているだろうし…………

 

おっと今一つ逃げたサルか、ハゲで左肩とわき腹の負傷か。

 

今ちょうどこっちに来た、反対側だったらまだ長く逃げられたのかも知れないのにね。

 

少し倒したときに声を上げられても大丈夫なように音の出にくいように、走って一旦距離をおく。

 

そのまま一直線に逃げてきたサルの前に飛び出し、叫ばれる前に喉にすべての指の第二関節を曲げ親指を内部に押し込める、グニュと感覚が伝わった。

 

食べたばっかりなのか黄色の粘着質な液体を嘔吐しながら。混沌した様子でサルの頭が下がる。

 

その瞬間首に向かい45℃を保ちながら、強く殴打すると暫く痙攣したのち動かなくなったので。

 

床に置いてから。足は折る必要は無いため、四肢の関節を軽く外していきその後に拘束をかけた…………。関節なら直ぐに戻せるから、足折りよりも問題にならないはず。

 

「まずは1。」

 

後8……1は転がしておいた。そうすると誰かが走って声をかけてきた。追加の敵襲かヒーロー………

 

「ヴィランはどこだ。」

 

あっどうやらヒーローのようだ、接近戦型かな?

 

「ヴィランはあっちに進んだところにいますよ、私は残党狩りをしていますのでよろしくお願いいたします。」

 

とヴィランの集まりに、そのヒーローは突っ込んで行った……混乱するだろうし。逃げる人も多くなるから、逃がさないようにしないと。

 

逃げると……蟻みたいに、集まってきてこっちが襲撃受ける可能性あるし。

 

「………次はあっち、首長か……」

 

と戻って様子を見るとヒーローが現れた瞬間首長が逃げたので追う。反対側なので走らなければいけない……足の早さはこっちの方が分があるようで。追い付いていっている。

 

「なんなんだっお前は!!」

 

首長が走りながら後ろを見てしまう、そのまま逃げてくれれば楽だったのに…………

 

「何ってヒーローだよ?」

 

そうやっていつものように笑って事実をいった、バール届くかな長い首ぶんまわして邪魔してくるけど………

 

そのまま殴打すると下手したら、即死しちゃう可能性あるからな。

 

殺人はヒーローとして不味い。

 

「なんなんだよおぁお前はわぁぁ」

 

と錯乱し出す、滑稽だなと軽く思いながら胴体に膝蹴りをしてから倒す。

 

関節をはずしても無駄なので、押さえるために上に乗って。首筋にスタンガンを、気絶するまで押し付ける。

 

悲鳴とかは首が長くて布咬ませる余裕がないので、無視した……。気づかれてももう、プロヒーローが突撃してるしねあんまり変わりはないかな?

 

「静かに………直ぐに気絶してくれると、私は嬉しいのですが?」

 

中々気絶しない、うっかりしないように弱い電流に設定してもらったが。大体スタンガンを、2~3回ぐらい当てれば普通は終わるはずなんだけど。

 

途中で目覚めたりして、5回かかってしまった。タフネスだけはあったようだ。

 

「……………後7つ、戦況はどうなってるかな?」

 

泡を吹いて気絶した首長を、見てまた関節を外してから拘束をした2つ目。

 

「あっヒーロー増えてた………だったらこれで終わりかな……?」

 

そこには7つが3人のヒーローに、倒される光景が広がっていた。

 

 

その後は、そのまま報酬分配を纏めた俺は最初の一人だけ貰うことにした。ヒーローが登場してからの逃走で、拘束したものは、増援の3人のヒーローでそれぞれ分配だ。

 

裏路地という目立たないところに、わざわざ来てくれて感謝する。連絡したけど、全く来なくて一人で何とかしたことも何度があったし………

 

また一緒に仕事するかも知れないし、連絡先と名刺をお互い交換した。

 

お家に帰ろう……ご飯食べたい、お昼カロリーメイトですましちゃったし。

 

「ただいまー。」

 

あれ?弟が疲れた様子で、義母さん何か見せてる………料理メニューかな。

 

「おかえりなさい、出久がねトレーニングメニュー持ってきたのよ凄いわよ!食事まで。」

 

義母さんがいった後、直ぐに弟が焦ったように。

 

「ちょっとえっ。」

 

俺は近づきトレーニングメニューを覗き見た。それは過酷だった………勉強する時間あるのか?

 

4時おきで寝る時間まで決まってるけど……オーバーワークには気を使っているのかなそうだよね?

 

「頑張れっ勉強はこっちが支える。」

 

すぐさま、自室に戻る……体力的なものはあちらに任せよう。こっちは学力いや、雄英高校合格できる勉強の道をつくってやるっ

 

義母さんによると、その時の弟は口をポカンと開けて魂が抜けたようだったと話していた。




曲は確実に犯罪者を追い込もうとしだすのでよくヒーローにしては珍しく警察にもヒーローにもよく頼りますし、獲物が奪われたとかも思いません見つけたのでどうぞ取ってください半額セールですよ(出所後の報復の可能性もどうぞ)。

普通のヒーロー ヴィラン発見!>討伐
曲の場合 ヴィラン発見!>直ぐに対応しないといけない危険が無ければ警察報告(現在わかっている情報)>討伐


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何とかなったこと

そろそろかな……


「これはまだやり易い方だ……弟はあの過酷計画を頑張っているんだ!用務員採用されて、ちゃんと高校までの範囲分りやすくまとめてやるっ……」

 

今俺は部屋で図書館や本屋に突撃して、借りたり買ったりした。入試過去問10年分(一つの出版社だけでなく複数)と参考書を積み上げて。

 

今回でるであろう、問題のピックアップを始めた……

 

俺は自信は普通に長い時間をかけて勉強したが。弟には身体訓練の時間が多く割かれているので、勉強ための時間が遥かに少ない。

 

「紙にまとめるのでいいか……?パソコンでする、うーんやっぱりプリントかな失敗の見やすさ的には、記憶の奴も科目ごとに作っておくか。

 

そっちの方が持ち歩きやすいだろう。」

 

パソコンでUSBメモリに纏めた方が、作業事態は楽になる。弟が使用するとなると、間違いが見やすい…紙の方が確実に良いだろう。

 

まず取りかかったのは英語、単語は早めに覚えないと手遅れになりかねない。

 

過去問や参考書に複数存在しているのは、よく使われる証拠なので先頭に書いておく。

 

英単語って多いなぁ………これ一つの記憶の奴に纏まりきるかな学年別に整理しておくか。

 

問題は分りやすく問題の次のページが解答にしよう、よく解答直ぐに読まずに考えなさいとか。

 

言われるがそれはぶっちゃけあんまり意味ないと思う………わからないものはわからないのだからさっさと解決させて、覚えていった方がいい。

 

プリントアウトしたら、すぐ出きるような感じで。

 

「久々に中学の範囲やるけど量多いなぁ……」

 

受験の学生さんは大変だな、久しぶりに問題読むけど結構学習内容変わっているところもある…

 

特に個性関連の法律とか、社会の変化ははげしいねっ全くヒーローとして活動してからやってなかったから更にうる覚えだし。

 

用務員採用とかで、一般常識の復習にも繋がるかもな……正しいと思っていても、古いものとかよくあるしジェネレーションギャップかな?

 

「目標はまずは睡眠時間まで含めて。記憶する奴は、最低4日まで中学校1年の範囲の問題は、全部を纏めるのに1週間までとしよう。」

 

俺はまずまだ完全に読み込みがすんでいなかったので。10年分(複数社)の過去問や参考書を、返却期限のある借りたものから見始めた。

 

あの弟が持ってきたトレーニングは過酷だが。オーバーワークを押さえるためか、何日かのインターバルが設けられてあるのを見つけた。

 

その最初のインターバルまでに、ある程度完成させる。

 

「結構ゴミでるなぁ………まずは中学一年生範囲一つ、だけど、国語とか歴史とかそういうものも全部だからまだまだだなぁ、一年生分だし。」

 

英単語の表に書き裏に意味を、プリントアウトした紙を単語ごとに分けて切り。

 

強度と雨の日でも使えるように、水への耐性をつけるためにラミネート加工を施して切り揃え。

 

パンチングでなるべく位置が違わないように穴を開ける……それをリングに通す、完成したものは100均の箱に閉まった。

 

切り揃えるために出た端のゴミが凄いが仕方がないので、朝食であるカロリーメイト(チョコ)を買った時のコンビニ袋につめた。

 

「出来たものはここにいれてっと……次は」

 

ちょっとだけヒーローとして万全な状態を保つためには悪いが、徹夜をしてしまおうか……?少しぐらい悪いことをしても大丈夫だよね、早めにすませたいし。

 

 

パラパラで記憶する奴、全学年全教科分箱に入ってめでたく完成した。

 

ものすごく眠いが2度夜を明かしてで、何とか英語の形式と単語、国語の漢字、数学の公式、理科での物理計算式や化学式、歴史や地理の用語を学年別に分けて作れた………自室のゴミがひどいでも渡さないと。

 

夕飯の時でいいかなぁ……最近、朝とお昼ウイダーかカロリーメイト(チョコかメープル)の二択になってしまっている。

 

楽だから仕方がないけど眠気覚ましに、イエローブルやシナジーモンスター辺りのドリンクに手を出していないから軽傷だと信じたい。

 

ヒーロー活動は応援要請が来たら、休むことは出来ない行ったら基本には遠くから鎮圧に向かうことになる。

 

2徹の中現場に向かったら他の増援のヒーローに遠くからヒソヒソ話された悲しい、確かに表情とかあんまり余裕持たせられなかったけど……ヤバイ視界が少し回ってる眠い。

 

「でも、予定には間に合った。」

 

そう安心感が少しそこにはあった。まだ問題を整理して纏めてワードに、記入しプリントアウトすればすぐ出きる状態にもしなければならないので、まだまだするべき事は多いが。

 

ちらりと時計を見たまだ時間はある、意識があるうちに…………あっやっぱり無理。

 

眠い多分夕飯ぐらいには、誰かが起こしてくれるかな?

 

 

 

 

 

オールマイトの目指せ合格アメリカンドリームプランを始めて、3日たった………正直大分キツい。

 

あの区画の掃除のミッションは試験前一週間の余裕をもっておきたい、学校でもあったが試験勉強もこれにプラスされる。

 

夜も走って向かう、街灯が灯り虫が集り黒い斑点のようだ。

 

「ただいま……」

 

息を切らすがなるべく調えて家の扉を開ける、灯りが目に眩しいまず最初に耳に入ってきたのは。

 

「お帰りなさいっ」

 

お母さんが玄関まで向かえに来てくれた、オールマイトの料理メニュー通りに夕飯が作られている。

 

大変なのに………お母さんも僕の事を応援してくれている。

 

「あれ?お兄ちゃんは。」

 

いつもなら夕飯の時には、勝手に座っているはずなのにいつもの椅子にいなかったするとお母さんは少し笑って。

 

「………疲れているだろうけど、呼んできて貰ってもいいかな?」

 

と鍵を持ってきた。いつもお兄ちゃんは、部屋にいるときは鍵をかけるだから合鍵を持って家族がちゃんと開けられるようにしていた。

 

「うん、わかった。呼んでくる。」

 

僕はお母さんから鍵を受け取って、二階の奥へ向かいそこの部屋の鍵を開けた。

 

そこにあったのは、ハサミ、ワードが開かれたままつけっぱなしのパソコン、コンビニ袋に大量に入った紙くずとラミネートのくずカロリーの箱やウイダー。

 

何より目につくのが、大量につまれた難関高校進学用の過去問や参考書。

 

そして完成品と隔離されるように、箱に入った勉強用の一枚一枚綺麗にラミネートされたものが学年ごとに科目ごとに全て作られていた。

 

「………………」

 

近づいてパソコンを詳しく見ると、問題のプリントのように穴空きでまとめられていた。

 

僕は机に突っ伏して寝ている、お兄ちゃんの肩を叩き起こそうと声を出した。

 

「お母さんがご飯だよって言ってる。」

 

そうすると、一つあくびをつきながらお兄ちゃんはおきて僕の方に顔を向けた。

 

「あっうん………そうか、トレーニングで大変なのにわざわざごめんな 一応記憶する奴?作っておいたから……

 

電車とか合間時間に、多分使えないことはないと思う?無くしたらまたデータは残しておいたから遠慮せずに言って。」

 

と完成品と隔離させたものを渡そうとするが、眠気がまだ取れていないのか完全に覚めきっていないのかはわからないが………

 

ハサミを間違ってお兄ちゃんは持っていた。

 

「…………今持ってるのそれハサミだよ?」

 

「あぁ、間違えてたか……?」

 

「うん間違えてる、えっと多分いやコレでしょありがとう。」

 

僕は隔離させたものを、恐らくお兄ちゃんが僕に渡そうとしていたものの箱を取った……

 

ほとんど紙のはずなのに、疲れもあるせいかちょっとした重さを感じる。

 

それがお兄ちゃんの応援そして期待の重さとも感じ取った………

 

「夕食いこうか………弟食べるときに、食べないといざというときに動けないぞ。」

 

いつのまにか、部屋の扉を開けていつものような笑顔で僕を呼んでいた。

 

 

時間がたち。俺は中学三年生の時のように、緊張を抱えながら雄英高校の前にいる……

 

なぜかと言えば用務員への書類選考が通った、為後は直接採用者を目の前にする面接を行うためだ。

 

勿論学生の試験よりも他の受ける人に緊張感はない、だが俺にとっては違うのだ空気が場違いだろうとここが正念場なのだ。

 

「落ち着け、落ち着け………やる気見せれば大丈夫だ、元気をだそう。神社に5000円投入したんだから神様もやる気を出してくれるはずだ。」

 

5000円効果を信じろ、落ち着けお前ならやればできるきちんと自己PRしていけ学校の校訓や校風はしっかり理解したはずだ。

 

「よっし向かおう。」

 

俺は二度目の雄英高校の門をくぐり抜けた。

 

……まさか面接に直接、雄英高校の校長が来るとは思いもよらなかったがなっ!流石自由を売りにしているだけあって、最初っから吹かないという試練を与えてくる。

 

聞かれた内容は、至って普通のもの何でここで働きたいと思ったかや自身の短所/長所職歴等だ。

 

相手側の答えに沿っているかどうかは知らないが、答えること自体はできていたと思う職歴を聞かれたとき。

 

プロヒーローと答えたら回りの人に少し横目で見られてしまったが、ここで働きたいと理由はそのまま。

 

「用務員として、雄英高校の生徒さん方の自由な学習を妨げないためにこの学校の環境整備の一端を担いたいと思いました。

 

様々な個性を使う関係上不意な破損等よトラブルも多く起こりうると思います、だからそれを少しでも防ぎ、学生さん方が健やかに学べる環境を作り上げたいです。」

 

とこんな感じ、だったと思う。その後は戦闘模擬等もなく帰らされた。採用は後でメールが来るそうだ。

 

その後………

 

ある除籍常連の先生相澤 消太そしてネズミの根津校長で話をしていた。

 

「プロヒーロー ディサンドか。合理的じゃない戦い方をする奴だ。」

 

と書類を見ながらぼやいた、ヒーロー番付では毎年圏外主な活動時間は夜場所も裏路地が中心。

 

こいつが相手をしたヴィランはいつのまにか手足を折られ動けなくなっているか、複数の殴打痕がつき足や腕の関節を外された状態で拘束されている。

 

またヒーローがヴィランに苦戦の時左足が突然なぜか折れる事案が多く。

 

今でもあるが恐らくこいつの行動のせいであろう、結果的に倒すのは他のヒーローのため功績は一切入ってはいなであろうが。

 

根津校長はコーヒーをのみながら。

 

「緑谷 曲くんだね、最終学歴は士傑高校……でまた教員同士で採用するかしないか決めようと思うけど。

 

まぁそんなところさっ!用務員としてプロヒーローが来るなんて思ってなかったしhahaha。」

 

「これ以上話が無いなら、戻ります。」

 

「決めるのは今日に職員室となるから。」

 

まだ他とのすりあわせは決まってはいない、採用する側の問題自分を出しきった。それが報われるか報われないかは後でしかわからない。




用務員って清掃とか整備とか行う………あれ雄英高校レベルになると機械の整備とかビルの点検もしないといけないし……多忙じゃね?


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負傷時すでに遅し。

お互いの合格(少し早送り)


その結果は2~3日たって出た。

 

採用結果通知とメールが届いている……俺はガタガタと震える手を何とか押さえる。

 

雄英高校で働くには、ここの職しかない教師やろうにも免許ないし。あぁコレだったら教師免許の習得も並列して行えばよかったのだろうか。

 

「どうとでもなーれ!」

 

そう言って、メールを開けた、そこにあったのはおめでとうっという気楽な気の抜けるよるな文字と1週間後から来てくれと言う急な連絡であった。

 

「………早い。」

 

即戦力採用形式だった……人手不足そはないと思うが、自由にやってそして効率的にもまたであろうか合格はできたから後は弟を待つのみである。

 

勉強は軽く様子をみて合格レベルには達している。後は難関の実技試験への対策……

 

やっぱり点数の正確なカウントが行われているとなると教師陣に見られているよな。

 

あっもしかしたら、用務員きっちりできないと即クビになるかも知れないヤバイ、普通にあり得るからヤバイ。仕事はシビアだから成果ちゃんと出さないと。

 

「受かったとしても油断はできない、クビ怖い。」

 

弟の合格祈願に神社に5000円入れてお守り買っておくか……なんか近所の神社に総額ものすごい金額貢いでいるような気がするが、そこは目をそらしておく。

 

最初にヒーローやって、給料もらったときお金の使い道がわからないって内心を吐いたときの家族の顔が忘れられなかった。

 

なんと言うか大丈夫か?こいつ、と言うような……正直趣味のレパートリーが狭すぎるということだろうか。

 

家から離れたときも必要な分だけ使って後のものが大量に貯まっていたと言うことも多かったし

 

更には今は家に居て、光熱費や食費等はちゃんと支払って義母さんや義父さんに断られない程度に渡している。

 

本を読むことは好きだが、図書館に行って借りてしまっているし体鍛えるにも走るとかそう言うので最新の道具とかにはあんまり興味がない。

 

友人に普段の生活を見せたらなんか隠居している見たいと言われてしまった。

 

「雄英高校にも図書室あるのかな……あったら少し余裕作って見てみたい。」

 

個人的な偏見となってしまうが、ヒーロー関連の物や個性制御系の物が多そう。もしかしたらサポート科用に、簡易武具の調整系の物もあるかもな……

 

普通の図書館よりもそこら辺の収集が多いかも。

 

「今、弟は学校か手のやつ持ってってたな。」

 

トレーニングメニューは軽く見ただけだがアレちゃんとやっているのか?いや休んでいるとかサボっているとかは考えていないだが……

 

それ以上を気にしている。インターバルの休みの際に俺を避けてるし……。

 

 

弟の雄英入試まで2カ月前、なんか少しトレーニングメニューが変わった気がするが気のせいであろうか?

 

一応俺の雄英用務員生活は何とかなっている首にされないように毎日冷や汗を書いて、機械の故障に駆けつけて修理をしていく………

 

やはり多忙であり人数も少ない他の面々は慣れたようにこなすがまだこちらはぎこちない早く物にしなければ。

 

「コレは腕か………」

 

で目の前には掃除ロボットどうやら、腕の部分に学生がイタズラをしたのか勝手に挟まってしまったのかペンが刺さってガタガタと動かす音だけで稼働しなくなっている。

 

「……思ったより精密機器だからなぁ……」

 

拾ったごみを自動的に分別し分ける機能と学校の道案内機能さえも揃っている……壊したときの損害額は貯金で何とかできるであろうが考えたくない。

 

とりあえず俺は腕部分をプラスドライバーで外し、必要な部分のみを分解する。あー可動部の一部が破壊されてる

 

学生のイタズラでほぼ確定したので後で連絡帳に書くか…えっとこの部分の部品は確かここ……あったあった。

 

「で入れ換えてっと……」

 

腕部分の破損した部品を取り替え、また繋ぎ直す……ごみをわざとおき反応見てみるが……入れ換えた腕の部分は違和感なく動き出した。

 

「コレで完成といっても、まだあるんだがなぁ」

 

目をそらしていた損害を受けた各種補助ロボットに目を向けた………特に損害が酷いのは戦闘サポートロボット。

 

まぁ言わば試験でも使われる仮想ヴィランぶっ壊してくれとばかりにガンガンヒーロー基礎で使っているが修復できるものは修理をするし、とても損害が激しいものは使えるパーツだけを抜き出す。

 

流石に0P級の物は連携を結んだサポート会社に委託されるが1~3Pぐらいの物は学校内で破損処理が行われている。

 

そこまで全部を付属のサポート会社に委託するとすれば学校の財政はパンクするだろう……そこまで金銭余裕は無いのだ。

 

「うわぁ……」

 

めっちゃでろでろに溶けてる………じゅーって音今もたててるけどコレ触れて平気なのかいやパーツ分けるまでもなく処分だろう、

 

他の人も処分に回していたし、いや本当に色々と凄まじいな。

 

入試試験時には流石に他に人を臨時で雇ってくれると信じたい……多分入るよね?

 

で修理した感想だが、わざと壊れやすくなっているみたいだ………電気とかで繋ぐ部分を保護していなかったり完全にどんな倒し方をするか前提。

 

「まだまだ、あるんだよな……全くこの学校は景気がいい。」

 

そう、一言ぼやいて破損した機械の整備に向き合った。

 

結果は先輩方の助けもあり何とかなった……まだ一通りの管理は教わったが慣れていないので全体的に、遅くなってしまう。

 

本来であれば、そのた整備等も行わなくてはならない先輩方はまだ入ったばっかりだからと気を使ってくれているが………

 

今日もマニュアル家で見返そう。

 

 

入試当日、俺は早く家から出ていくであろう弟を見送るために起きた。体つきも大分変わり………

 

10カ月前とは、まるでいい意味で別人のように思える。電気はわざとつけていないきっと誰にも言わずに、弟はそっと家を出ていくと思ったから。

 

弟が家から出ていこうとする、よっし……

 

「お兄ちゃん隠れてると思ってるみたいだけど……服のそで見えてるよ?」

 

あっ……少しでも緊張感を和らげようと出る時に飛び出していこうと思った計画おじゃんになった。俺は少し頭をかきながら隠れた所から出た。

 

「ははは、バレちゃったか……今日試験日だろ。だからさ見送りたいってただそれだけ。きっとあそこ行ってからすぐに雄英高校へいっちゃうだろ。」

 

「うっうんそんなんだ。」

 

弟はどこか、ぎこちなかったもしかしたら試験の事を言ってしまって、逆に緊張させてしまったのだろうか……

 

俺はそんな弟の肩を叩いて。

 

「緊張してるのか?」

 

「そりゃ緊張してるよ。」

 

「…………まぁそうだよな…だけどさ、弟の頑張り見てるからさ。きっといける勉強もちゃんとやってるし。

 

後は俺から言うことは伝えたいことはひとつだけ。

 

お前のヒーロー魂を他の受験生に見せつけて、こいっ緑谷 出久!」

 

と只単純に言いたいことをいった、弟はヒーローなのだから。わざわざ心に精神に俺のように脚色つけないでいい、その心が一番何よりも輝いている。

 

そうやって最後まで告げた時、弟は家の出口に歩いていった。しばらくなにもなく進んでから急に振り返り。

 

「………全力出してくるっ」

 

と少し拳を握って決意を見せるように一言だけ、俺の言葉への返答を返すように言い去っていった。後に残るのは俺一人、用務員としての仕事をするまでまだ時間がある。

 

「いつも通りにすれば弟なら。合格できる、嘘偽りのない一番のヒーローなのだから。」

 

そう見えなくなったとき、本心を吐き出した。

 

あの後、雄英高校用務員として試験後の仮想ヴィランの修理または再利用可能パーツの取りだし等を行っていた。

 

それが行われるのは試験後となるため、弟は今試験を終え帰っている頃であろう……

 

試験による破損故の特徴として、レーザーのように穴が空いたもの蹴られたように大きく凹んだもの………熱と風が同時に来たのか溶けそして変形しているもの。

 

「…………仮想ヴィランのロボットも大変だな。」

 

個性社会ゆえに、壊し方にも個性が出ており……熱と風が同時に来たのか溶けそして変形しているものが多い。

 

仮想ヴィランポイントを大量に稼いだのだろう、他の受験生と思わしき破損と桁が違う。修繕はほぼ不可能とみてパーツ取り出しに専念するか。

 

そうやって分解に専念していると……リカバリーガールになぜか声をかけられた。

 

「えっと、リカバリーガールさん?」

 

「確か……受験生、緑谷出久の兄だったね。少し作業の手を止めてしっかり聞きな。」

 

そこで、弟が 自らの個性 で大怪我をおったことをしった。両足と腕……が酷い損傷、俺は治癒の個性で何とかなったのかをすぐ聞き返した。

 

怪我が酷すぎると逆に命にかかわる事になる。

 

「弟は無事ですかっ!」

 

そう無意識に叫んでしまっていた。

 

脳に百足が、真っ赤に溶けた鉄が、研ぎ澄まされた銀のナイフが不愉快に暴れまわる。

 

何でこんなことになったのか理解が追い付かなかった、無個性で個性ゆえの損傷、奇跡的な唐突な発現しかもあり得ないほど?吐き気がしたはきたい。

 

「命に問題はない、大丈夫だから落ち着きなっ。」

 

とリカバリーガールはすがり付いた俺の顔を見て、すぐさま返答が返された。

 

力が抜けたなんと言うか魂が抜けた、理解が追い付かなすぎて無になっているような気がする。

 

その場で吐き出すべき消化された物が無かったのか黄色い胃液のようなものを吐き出していた。

 

何でこんなことになってしまった俺が弟の危険な個性に気づかなかったせいか。

 

「おっおい大丈夫か!?」

 

他の職員が異変に気づいたのかよってくる、まだ吐き気は止まらない自己嫌悪か情けなさか。そんな訳のわからない感情が渦巻き続ける。

 

「大丈夫です、すみません吐いちゃって…すぐに拭きます。雑巾どこだっ…」

 

「今日はもう帰ってゆっくりしろ。」

 

「大丈夫です、まだロボットのやつ……」

 

「いいから、今日は休め。」

 

と言われた、確かにまた吐くかもしれないやつを職場に入れたら邪魔にしかならないのかも知れない……。

 

「はい……わかりました。明日しっかりやります、今日は失礼します…」

 

そうやって、家に帰った。

 

弟は大丈夫なのか?それだけ、朝言ったことが悪かったのだろうかどうしてこんなことが起きたのだろう……

 

俺がこんなことが起きないように何か出来なかったのか……只その不甲斐なさだけが心に残っていた。




ご飯は家族と家で
体鍛えるのは走る事と昔買った道具(壊れない限り使い続ける)
趣味は本を読むことだけど図書館いっちゃう
…………お金って何に使えばいいの…募金なの?
(両親に断られない程度に渡した残りの額を眺めながら事あるごとに、神社に5000円投下)


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途切れたものと不安感

兄さんの胃が溶け始めるよ。


そのまま、お家に帰った。

 

帰ったら弟がいたので………………思いっきり、右手で弟のほうをつねった。

 

うん生きてる、幽霊とかじゃない、物体がある。そうやってつまんでいると。

 

「お兄ちゃんいふぁい。」

 

と疲れと不機嫌が混ざったようにやめろと言われたがやめない、こっちがどんだけ心配したと思ってるんだ……

 

ゲロ2~3カ月分吐いたと思うぞ、と言うか急に個性出たってビックリも含まれてるんだからなっ。

 

今日一日で驚きで腹一杯ですよ、弟。

 

「リカバリーガールさんから話を聞いたぞ!両足と片腕を大きく怪我したようだな、それも突然現れた個性……自傷ダメージで。

 

自傷ダメージって言っても何をどうしたらそうなるんだっ!!俺でも訳がわからん!なにがどうなってるんだ!」

 

弟のほうをつねり続ける、何か回答か謝罪がくるまでこうするぞこのやろう!どれだけ怖いことなのかわからないのかっ。

 

「おひふいて。はなふ、話すから離して。」

 

つまんだままだと話ずらそうなので、話した摘まんだほうは指の形に少し赤くなっていた。少し強く摘まみすぎてしまったか……

 

「えっと、試験で急に僕でもビックリしてるんだ。今まで出たことのない力がぼわっと出て。

 

それで……僕は個性を使ってって何で知ってるの!」

 

とおどおどしながら話していたが……何処か妙な点に思い当たってしまったのか質問されてしまった。

 

あっ確かに雄英高校と関わってないと知り得ない事だな……合格までサプライズとしてとっておきたかったが仕方ない。

 

「実は仕事で雄英高校にいた、用務員として雇われてて試験後のロボットの整備とか行っているときにリカバリーガールから声をかけられてその事を知った。」

 

「そうなんだ………えっ?もう一回言ってほしいな……僕の耳が可笑しくなったかも知れない。」

 

「雄英高校で用務員として働いているから。」

 

「………エイプリルフールはとっくに過ぎてるよ、お兄ちゃん。」

 

真顔で言わないでくれ……そんなに衝撃的なのか、いつもふざけすぎて信用がないのかわからないが。これは真実なんだ。

 

「いや、本当だぞ……何ヵ月か前に働いてるから信じられんなら給与明細でも見せようか?

 

後急に現れたんなら、義母さんにどうやって説明するかだなちゃんと考えてあるか?」

 

個性が現れた場合は登録を行う……今までは無個性としてなっていたので弟はしていない。

 

登録にはある程度の概要を記す必要があるため、分かりやすいものがいい。

 

「そこら辺はもう考えてあるから平気。」

 

「そうか……なら良かった。」

 

そうこうしていると、義母さんが買い物から帰って来た……とりあえず。

 

「おかえりなさい。」

 

と言った、さて弟が突然現れた個性の説明はどうするか……義母さんビックリするだろうな。

 

 

一週後そろそろ合格通知が来る頃であろう。

 

個性登録は超パワーという事になった……

 

強力な増強系の個性で弟の両親の個性(物を引き付ける/火を吹く)とはどちらも全く関連性がない。

 

少し不審に思って祖母や祖父等からの遠隔遺伝の可能性もある。

 

緑谷家系図を調べてみたが、増強系の個性の持ち主はいなかった……突然変異型というものなのであろうか?

 

でそんなころの昼ご飯………

 

「出久っ出久……?大丈夫。」

 

義母さんがぼんやりしている弟に話しかけている。

 

弟が焼き魚と魚と微笑みあって、俺はそのままじゃアレなので人差し指で額を軽く突っついた。

 

正気に戻ったように魚を皿にポトッと落とす。

 

「てっなにするの……。」

 

そうやって、弟は頭を押さえた少しやはり浮かない顔をしていた。試験が悪かったのだろう……と感じた。

 

「ずっと浮かない顔してるからだ義母さんも心配し照るし、弟は弟なりに一生懸命やったんだろ?報われてるさきっと。

 

早く食べないと冷めるぞ。」

 

軽く言うとはっとした表情をして、ご飯を食べた……今日の魚はアジの塩焼きだ。内臓処理とか結構することあるんだよなぁ……

 

全員が食べ終えた後、弟は癖がついたのかリモコンを持ちながら筋力トレーニングをしている俺はその横で水を汲んだ。

 

涼しくなったといえどもトレーニングをすれば汗をかくし夏だけ熱中症に掛かるわけではない。そこら辺は弟はちゃんと考えていると思うが念のためだ。

 

「雄英受けるってだけでもすごいことだと思うよ母さん。」

 

義母さんは話すが弟は筋トレを続けるだけで反応はない……

 

「………………」

 

ダメだ空気が重いっ……テレビつけても、消せそうにない。もう本読んで気まぎらわ……

 

「いずずずずずずず…出久!来てたよ!これっ」

 

と義母さんが、弟に向かって驚きすぎてたまに滑りながら四つん這いになって向かった……その手にあったのは雄英高等学校とかかれた、合否通知だった。

 

弟はそれを受け取り、急いで自室に向かう。

義母さんは部屋に入らないがそばで心配か少しの期待かソワソワしていた。

 

俺はその側で壁に寄っ掛かって弟の報告をまつ………心配はしていない。

 

だって、ヒーローとしてやるべきことをやっていたような気がしていたから。

 

「結果は変わらない、けどちゃんと見ててくれる。」

 

呟いた、どれだけ心配しようとも後でどれだけ後悔しようにも試験が終わったときから結果は決まってる。

 

だからこそ………

 

「合格したよっ、雄英高校。」

 

この瞬間が、努力の最高の酬いだ。

 

 

弟の入学を間近に控えたある日、神社に来ていた。

 

5000円を入れる……

 

「弟がヴラド先生の担当になりますようにっ!学校で変なこと起きませんようにっ!なるべくなら爆豪と別々にお願いします。」

 

とクラスが少なすぎて1/2の確率になっている、担当を祈願した。むっちゃ鈴降った周囲の目線が痛いほど降った。

 

だってさぁ………相澤先生除籍回数が頭おかしいんだもん、なんなの150越えって。それに去年1クラス丸ごと除籍処分にしたって聞いたよ?

 

弟の事考えれば厳しいところがあろうとヴラド先生の方がいいじゃん?

 

除籍がオワタ式の罠見たいに仕掛けられているよりは、ダメージ持続板がずっと張ってある方がいいじゃん?

 

「叶えてくれなかったら、ちょっと頼む回数減らしますよー。叶えてくださいねー。」

 

せっかく入学したのだから、なるべくいい経験を積んでほしい……もしもの時のヒーローになる道筋は一応作ってあるがそれは本当にもしもの場合だ。

 

「学校とは学ぶ為の場所だからお願いしますよ………本当に。」

 

そして現実は残酷であった。

 

用務員としての仕事のために弟よりも早く家を出て、入学式の準備の為に椅子だしを行い。新入生一同が入ってくる所である。

 

そして…………新入生が入ってくる。

 

ちなみにヴラド先生の担当クラスはB組である、よって相澤先生の担当クラスはA組である。

 

今大分時間が過ぎてもA組は、入学式に来ていない。

 

弟が大分時間が過ぎても、入学式に来ていない。

 

弟はB組の中には居ない、よってA組にいる事がほぼ確定する。

 

「(これ弟、相澤先生のクラスじゃねーかっ!!!しかも爆豪も居ないから同じクラス……)」

 

やべーよ、最初っからそのまま来てたらまだましだけど、入学式に来てないとかフルスロットル過ぎるだろ。神社での邪気のない祈りを返せ。

 

頭痛い。A組が居ないって少し体育館ざわついてしまっているだろーが。

 

根津校長先生少し困っちゃてるよ……

 

A組いや相澤先生は入学式に来ないで何をやってるんだ、心配だよ何より弟がいるから心配だよ。

 

「えーとこれから入学式の初めの挨拶を行いますっ。」

 

もう時間過ぎちゃってるから、入学式が始まって校長先生の話が始まる。用務員なので外から聞いてるだけだ、弟が居ないとなってはここに用はない。

 

弟がどのクラスにいるかと確認しに来ただけ、入学式までの長い休憩時間に少し抜け出してここにいる。

 

「大丈夫かなぁ……おと……」

 

何で校庭でボール吹っ飛んでるんでしょうね……?爆炎巻き上げながら物凄い勢いですっ飛んでいきましたけども……爆炎…??

 

「まさか!」

 

今A組がしていることか!俺はすぐさま立て掛けておいたスノーボードを使い、校庭が全部見える場所へ移動しようとする………まだ休憩時間はあるはずだ。

 

今は入学式でほぼこの学校の全生徒が、A組以外集まっているそのため移動遥かにしやすい………やはり全部を見るとなると屋上か……

 

屋上へ上がりグラウンドを見る、そこではA組と思われる集団が体力検査らしき物をしていた。小型双眼鏡をとりだし詳しく見る………

 

「………今は50m走か……」

 

見た限り一番早い人はインゲニウムさんの弟か……エンジン、速いから伝達や相性が悪い場合の逃走 戦闘では機動力を生かした蹴り等も強いだろう。

 

だがその機動力を生かすためには、体重管理がシビアと思われる。筋力がある方が勿論火力は出るだろうだが重さでスピードが落ちてしまう可能性が高い。

 

スピードとパワーのバランスがかぎ……あっ癖がいけないいけない………。

 

「個性的な面々だな……」

 

そう思いながら、ちょっとした思案をする。相澤先生が除籍という脅しをかけているかどうかだが……

 

脅すとするなら最下位。弟は他の人たちと比べ個性が急に出ている、聞いただけだが随分な爆弾だ。

 

「まだ……何も出せてないな……」

 

大分見て最初のボール投げになった……大砲を作り出しそこから玉を打ち上げることで遠くに飛ばしたり。

 

ボール自体を浮かせたり。腕にあるセロハンテープにボールを張り付けぐるぐる回り途中で切ることでハンマー投げの原理で遠くに飛ばしたり。

 

やはり個性を使用し、個性無しでは考えられない記録を作り出していく………

 

「正直言って弟、後の競技は今個性使っても点数は取れない………」

 

個性は1か0か……つまり長距離走等時間の掛かるものは無理、一番1か0かでやり易いのは一瞬の力を図る握力かこの一瞬力を入れるボール投げ。

 

…………使うなら今だぞ。

 

そうやった瞬間……弟はボールを投げた、そのまま 普通の記録 で終った。あぁ相澤先生の個性は抹消、使われたかこれで後1回。

 

その後の様子から見るに、これは完全なる狙い撃ちだ。そりゃあ除籍条件決められるんじゃ、ある程度のターゲットつけられるか……

 

「だけど……相澤先生、俺の弟はそんなに圧に弱まるほど柔じゃない……助けるために、今出来ることを全てを。」

 

その瞬間風が吹き抜けた、恐らくボールの風圧だ…大体遠くで見た爆炎をまとったソレとほぼ同等。

 

「出せる男だよ。」

 

………人差し指が折れてるか、試験の時はこれを右腕と両足に受けていた。やっぱり弟はとんでもないものを抱えたらしい。

 

「………あっもう休みそろそろ終わりか……心配だけど、仕方ない用務員として仕事をしにいこう。」

 

そうやって屋上から、スノーボードを持って。帰るために下に降りた。




相澤先生=保護者的には恐怖しかない。

神社で願ったこと、弟はヴラド先生が担任で爆豪と一緒のクラスではないこと。
用務員故にしばらく手の出せない状況が続きます……用務員が授業の邪魔したらあかんからね……


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指と疲れと友達と。

思ったこと……試験中よく死ななかったな。(リカバリーガールの治癒的に。)


この後の仕事は、ちょっと先輩方に軽く叱られた後入学式が終った後の椅子の片付けだった。

 

ロボットも手伝ってくれるが、何せ人が多い……かなりの時間がかかるであろう。寒いから暖房も入れてるしな。

 

ここでA組以外は入学式が終わり、学校のガイダンスを受けている頃であろう……弟が受けてなかったら後で軽く場所とか教えてやるか、広いし迷子に普通になる。

 

「後のゴミ掃除はロボットに任せていいのかな…」

 

と独り言を吐いた、正直に言えば無断で屋上に行って抜け出した罰として一人+手伝いロボット多数でやらされていたのだ。

 

多分本気でやれなそうな時は、手伝ってくれるだろうが。個人的にはあんまりな判断だ。

 

「多分弟は保健室行ってるだろうな、全くリカバリガールがいるからいいものの……他の学校だったら大惨事間違いなしだぞー」

 

なんか弟体の一部だけ使っているような、感じがするんだよな……試験も損傷は片腕と両足で今度は指一本と。

今回の測定は無理してなならない制限付きである。

 

だが入試の時は気にしなかったはずだ……。なのに、損傷が片腕と両足だけ、全身を使って打ち出すはずなのに……

 

「弟……全身に使ってないな、あれは。」

 

後で少し話してみるかな、個性と言えども身体能力の延長線。体の使い方が分からなければ、それ以上には行かない。つまずきには思考の転換が大事だからな……

 

「椅子終わったし……リカバリーガールに弟の事、謝りに行くか。コレからも世話になる機会無ければいいけど多そうだし。」

 

そうやって、ちゃんと報告してから保健室へと向かった。中々時間を使ってしまった……

 

 

「リカバリーガールさんすみません!俺の弟が。」

 

「いきなり扉を開けるなっ!」

 

「はいっすみませんっ。」

 

うん、いきなり音たてて開けるのは悪かったよね……俺は保健室の中へ入ってい。

 

普通の保健室とは違い大分、うん結構整っていた……病院程ではないが診療所の変わりにはなってしまいそうなほど。

 

「えっと………弟また怪我、したようで……」

 

「何で知ってるんだい?」

 

「えっ?」

 

「何で知ってるんだい、怪我をしたことを。あのときのように話しかけられた訳でもない。」

 

「えっと……休憩中屋上から授業風景のけんっ」

 

脳天から垂直に綺麗なチョップが入る…

 

「……心配なのはわかるけどねぇ。いつか、弟から訴えられても知らないよっ」

 

なぜか怒られた……痛い……。頭を抑える、流石にヒーロー活動の戦闘で追う負傷よりは遥かに安いが。

 

痛みが……衛生兵だけあって人体のことをよく知っている……

 

「アハハ……で確か怪我をした場所は、指でしたよね?それ以外の場所に負傷はありませんでした?」

 

「無いね、指以外は。」

 

「そうですか……」

 

やっぱり、一つ以外には使っていないことが分かった。俺にも弟の個性わからないことだらけだからな。

 

確かオールマイトは雄英講師になったんだっけ。増強型として何か情報落ちたりしないかな……知り合いの増強型のヒーロー達にも聞いてみるか……

 

でも、増強型って言っても使う度に負傷するなんて聞いたこと無いんだよな。やっぱり……大体は体に合わせて出力が上がっていくのが一般的だ。

 

弟のはもう出力が決まっていてそこに、肉体が合わせているような。

 

考えれば考えるほど、違和感を感じる……

 

「何考えてるんだい?」

 

「あっえっと何でもないです。」

 

リカバリーガールに心配されてしまった……返答に声が裏返る。こう言う考えることは、人前では控えた方が言いかも知れない……

 

「少し、弟の個性が怖いなって。」

 

そうポツリと吐いてしまった、俺はしまったと思ってすぐさま言葉を、切り返す。

 

「あっいっえ、急に出てビックリしてるだけで。きっと俺のように使いこなせるようになりますよ。弟なら、俺も最初は怖かったんですから。」

 

と言い訳になってるのかなっていないのか、よくわからない頭で話していた。するとリカバリーガールはこちらを向いた。

 

「お前の感性は間違ってない、弟が本当に無茶をするようならちゃんと正面からいっておやり。」

 

「その辺は大丈夫です、弟の為に行動しますから俺は……これからまた、弟は沢山お世話になってしまうかも知れませんが。よろしくお願いいたします!」

 

席をたって、リカバリーガールに一礼した機嫌を損ねたら不味い友好的な関係を。いつ俺もお世話になるかわからないのだ、足を向けて寝られない。

 

 

「弟ー大変だったなー!友達できたかー!」

 

俺は家に帰り、開口一番弟に言った。そりゃあ一つのクラスだけ入学式参加してないとか、災難にも程がある。

 

とりあえず、弟用に入学ガイダンスで、配られた学校の地図を手渡す……

 

「僕のお母さんじゃない……いきなり友達できたかーとか言わないでよ。一応二人できたけど、地図ありがとうそのまま帰っちゃたから貰えなかったんだ。」

 

弟は少し呆れながら、そして少し嬉しそうに地図を受け取った。俺は隣に座りアレコレ聞こうかなと思った。

 

友達二人とはどんな人達なのであろうか……個性的なメンバーだ弟の刺激にもなるだろう。

 

「友達二人か……どんな人達なんだ?お兄ちゃん気になるなぁもしかしたら話すことがあるかも知れないし……」

 

そうやって、お冷やを飲んで弟に聞くと。

 

「真面目な飯田君といい人のお茶子ちゃん、帰り一緒に帰ったよ。」

 

「そうなんだなー。」

 

インゲニウムの弟君がお友達かー、お茶子ちゃんは詳しくはまだ知らないな……あのふよふよしたボールを投げた子かな?弟のクラスメイトきちんと覚えないと……

 

うん、帰り一緒に帰宅……

 

「えっ一緒に帰ったの、マジ本当に?」

 

友達中級編の行動をいきなり行ってるよ、いや只俺がコミュ症気質なだけかも知れないけど。いきなりすごいな弟。

 

「そんな顔しないでよ、お兄ちゃん。本当だってそこで嘘ついてどうするの?」

 

それもそうか………

 

「でまた怪我したんだってな……リカバリーガールから聞いたぞ。」

 

聞いたことは嘘である、が怪我の事は流石に注意しなければならない。嘘をつくときには、そういうよく心理学で乗る癖を消すように頑張った。

 

読心術とか個性社会で重要性は薄れてしまったが、使うものは普通にいる。

 

「……指だよね。」

 

弟は負傷した指を指した。

 

「あぁそうだな、で力を個性を使うときにどうしてるかわかるか?」

 

そうやって俺は聞いた、弟がどうやってるか増強型じゃないから全くわからないからな!多分それっぽい説明してくれるだろ。

 

「えっと……電子レンジにいれた卵が爆発しないように……」

 

電子レンジか、タイマーやワット等細かい区切りがつけられる物を使う感じと……あれ?やり方の感じは伝えてもらったが……

 

「弟、電子レンジに卵いれたことあるのか?」

 

それは只純粋な疑問、そもそもそういう行動をとったことがあるのか?弟がそういう行動をとり義母さんに怒られた記憶がない。

 

「いや……無いけど……」

 

弟はそう言っていた……普通中々しないからなぁ、寝ぼけてゆで卵作ろうとして間違えていれかけたことはあったけど…

 

よっし、俺は立ち上がり冷蔵庫に向かう。

 

「……あるかなぁ……」

 

探しているのは卵、イメージが具体的であれば実際にやる方が掴みやすい……電子レンジが確実に悲惨なことになってしまうが後で俺が掃除をしよう。

 

「何してるの?」

 

「あったあった。この卵使って、今から入れて見てみようか!!イメージは実践が大事だからなっ」

 

卵を冷蔵庫からとりだし笑顔でそう言ったら、弟がものすごい表情で向かってきて。

 

「お兄ちゃんそれは止めて、本当に止めて。怒られる所の騒ぎじゃ無くなる。」

 

思いっきり止められた、いい考えだと思ったのだが……少し悲しい。

 

「そうか、そうかそうか………」

 

「はぁ……疲れた。」

 

あっいい忘れてた……

 

「パンチとかは、腕だけじゃなくて全身で打ち出すのだからなっ。実際にやって分かりやすいのは、棒立ちで打つのと腰を入れて打つ差。ボクサーとかって、腕だけ鍛えてる訳じゃ無いだろ?

 

後個性を使うときだけ使ってる。これは戦闘の時にはナイフをあらかじめ構えているか、構えていないかの違いになる。

 

テンポの差だ、いくら強力でも並みの増強型に今の時点だと、負けるぞ。」

 

現時点で気になっている点を列挙した。

 

まず第一 一部にのみ使用している、増強型はそのまま動けば力になる、分かりやすく単純明快で強力。故に個性に囚われてはいけない、基礎は殴打等の身体技法。

 

次に第二 能力使用のタイムラグが起こりかねないこと、使うときだけ使うとなると使われる前の奇襲等で簡単に無力化される。

 

ヒーローとヴィランの勝利条件の圧倒的な差にも関わるがなぁ……後だしだしいつも。

 

これを受けて、どうするかは弟次第だが…

 

「………ありがとう、分かった。」

 

素直に、礼を言われたし大丈夫だろう。弟はしっかり考えられる奴だ。

 

「明日からきちんとした勉強だな……、心配な箇所あるか?気分がいいし付きっきりで教えてやるぞ。」

 

今日入学式が終わり明日から学校で授業だ、アホみたいな倍率難関高校……ヒーローの勉強だけでなく普通の授業も厳しいものになるだろう。

 

勉強は基礎がなってないと躓く懸念が多くなる、今軽く中学校の復習をしても良いだろう。

 

「あっうん、数学で少し心配な所があるかな?」

 

その後結構勉強した。後弟が完全に問題的な意味でプルスウルトラしていた……そんなに応用問題挑戦しなくても大丈夫だよ?

 

 

「全身を使う………か。」

 

お兄ちゃんに不安な所の、復習を手伝ってもらった後ダンベルを持ち上げながら考えた。確かに部分だけ破裂しないように考えていたかもしれない……

 

それと、卵を電子レンジに入れて爆発しないようにすると言うイメージを少し改めた方がいい………。またお兄ちゃんが、本当に卵を電子レンジに入れかねない。

 

「後、友達教えちゃったけど大丈夫なのかな。」

 

不安しか無い、どんな行動を取るか分かったものではない。僕はお兄ちゃんは嫌ってはいないが、ひたすらやらかさないか心配である。

 

まぁその心配事も、実際に事が起きてしまった場合は全て吹き飛んでしまうのであろうが。




いくら弟が心配でも、屋上から授業風景休憩中でも覗いてたら普通に完全に不審者です。

つまり兄は弟に訴えられたら無条件で負けます。


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ちょっとした、個性事前知識。

にゃー( ・∇・)


今、雄英の図書館にいる。

 

何でかって……弟の個性が訳わかんねぇからだよっ!俺のも大概だけどな、発現した頃は病院でたんまり調べられたし。

 

複数の知り合いの増強系に当たっても。

 

「増強系ってどうやって、鍛えたの?個性使うとすぐ怪我して……殴ったら腕バッキバキになるし……」

 

「やっぱり、筋トレとか走り込みか?……個性使ったら怪我するのは…珍しいな。ガキの頃見てぇだ、しかも様子から重症そう……」

 

「急に目覚めて……、やっぱりそこら辺は分からないかな?」

 

「………すまん、分からんな力になれなくて。」

 

「あっ大丈夫だよ、こっちこそ仕事忙しいときにごめんね。」

 

大体こんな返答だし。

 

……オールマイトに言ってみても。

 

「すみません、オールマイトさん。」

 

「何だねhahah」

 

「弟の………緑谷 出久の個性の事なんですが、同じ増強系として何か解ること無かったりしませんか?突然発現して……」

 

「あっ!すまない次の授業のようだっ!」

 

「ちょっと待ってくだ………行っちゃった……」

 

と急いでて、なぜか焦ってた。今度はちゃんとアポ取った方がいいかもしれない

 

こんな具合である。聞いても全滅……家系図とかで考えるとかそういう事はしたが、まだ個性の研究書等はまだ見ていない……

 

だからそこら辺を見るためにここへ来た。近所の図書館より確実に個性関連の資料は集まっているだろうし……

 

ヒーローとヒーローをサポートするガジェットにはそういう個性研究は必要だからな……

 

「借りれるのは10冊まで……学生さんに迷惑かけるといけないし、読めるだけ読んでおくか……」

 

そう席取りの代わりにノートパソコンを置いて、書架へと向かった……表に出ていないものでもよっぽど不味いもので無ければ出してくれるだろう。

 

関連しそうなものは、主に4つ。

 

個性の後天的発生又は変化。

 

幼少期個性による自傷、その程度。

 

増強型の基礎的な仕組み。

 

個性の進化。

 

個性の後天的な発生又は変化は、そのまま弟の状況を示している。あったものに気が付かなかった、もしくはなんからのショックで変質した……等など。

 

今は満4才までに発現しなければ無個性とされるが、ここは学問。今でも4才以上でも発現する説やら、無個性は今の時代居ない只発生条件が分からないだけ等など。トンデモ論等もある。

 

常識が4才とされているだけで、トンデモ論とされている。だが、論文でこの状況に合致する物を、書いている人がいるかもしれない。生きていればアポ取って、電話死んでいればコピーして持ち帰ろう。

 

幼少期個性による自傷その程度。これは弟の個性を使った後の状態を調べるため。突然現れたのだから発現したばかりの慣れてない頃に似ていると仮定した。

 

本来個性は身体機能として、本人の体に合わせて育つはず。それが本人の肉体には合わない個性が芽生える事などの問題や事例もあるはずだ。

 

増強型の基本的な仕組みは、弟の増強の仕組みがいまいち掴めないから……

 

何をどうやって増強するか、まぁ個性故にあまり考えてはならないのだろうが気になる……砂糖を補給することで増やす、筋肉繊維そのものを増やす等など、ある程度の因果がある物も存在する。

 

授業を見学してみた所、個性を使用したとき外見の変化はあまり見られない………強いて言えば受験時に使ったジャージが破れていた事ぐらいであろうか。多分膨張と衝撃による影響であろう。

 

最後に個性の進化。個性は世代を経て血が混ざるほどに深化をして強力になるとされる、実際に無個性は20パーセントとされるが。実際は殆ど老人等上の世代が占めており、下の世代では殆ど居ない。

 

そして個性の伝達は。両親のお互いの個性のどちらかを受け継ぐか両方の特性を持ったものが、新たに産まれるかである。故にこの個性とこの個性を掛け合わせればある個性が産まれやすい等の発表もされた………。

 

今は人権などの問題で軽く言い出せば、マスコミに叩かれる話題だが。昔の書類には残っているだろう、それが有益だった頃もあったのだから。今では違法だったけ、知らないが個性婚とかで。

 

「…………参考書類、軽く考えてみたけど多いな。多くなるなこれ……日跨ぐ事を前提にするか。」

 

軽く読むために取ったものは5冊……どうしても研究資料が多くなってしまうので、かなり厚い。

一応ヒーローとして、体は鍛えているはずだが結構重い机に奥とドシンと音がした。

 

これから読まなくてはならないのは、5冊以上じっくり読んでいたら時間足りないし……斜め読みで気になったやつ取っていくか。

 

そうやって読んでは書架戻して、戻しては読んでを繰り返すうちに。

 

「うん……?」

 

ふと目についた説があった。それは個性がまだ異能と呼ばれていた、遠い時代の学者の戯言。

 

詳しく見ると、犠牲者と書かれて、下に年齢が記されている。内容は突然異能が現れ精神や体を壊し急死したもの達。又は突然異能が焼失した者達。

 

両親と全く関連の無い、力……

 

故に。

 

異能を譲渡する異能そして、異能を奪う異能の可能性を解いた。同時期の学説を見るに、この学説が引き合いに出されすぐに一蹴されたようだが。妙に現在の状況に似ているような気がする。

 

親と全く関係がないとか、突然現れたとか、この説で示されているよりは酷くはないが。個性による害を受けていることとか。

 

とりあえず、プリントしてとっておこう。それで相談できる人に相談していこう。

 

「後は戻して、思ったより高い所にあるな………ヨイショッわっ!?」

 

今日はこれまでにしようと、書架に残りを戻そうとして脚立を使ったが崩れ。重力に従い堕ちようとしていた。

 

致命傷かどうかは知らないが、下手したら死ぬ。個性を持とうが今でも風呂場で石鹸で足を滑らせて死ぬ人もいるのだ。

 

俺が今の状況で出きることは、頭を守ること……背中はまだ打っても威力が分散する。

 

目を閉じた。

 

…………いつまでもぶつかる衝撃は無かった。

 

「解除っ……大丈夫ですか!?うっhoooooo」

 

心配する声と共に殆ど衝撃なく落ちる、目を開けると………口から綺麗にマーライオンしていた。女子がいた。

 

もう一度、口から綺麗にマーライオンしていた。

 

「君こそ大丈夫かいっ?個性の反動だとは思うけど、はいまずは鼻から息吸って。」

 

すぐさま、背中を擦る。個性の反動ならある程度の慣れは存在するだろうが反動は反動だ。嘔吐で喉が詰まり呼吸困難に陥る可能性も存在する。

 

殴打法で一気に吐き出させる事も考えるが……そこまで重症ではない。

 

「大丈夫……hoooooo」

 

……………本当に大丈夫?

 

それから暫くした後。彼女の嘔吐物に用務員の本来の仕事でもあるため、片付けながら。

 

「えっとお茶子さん?ちゃん。」

 

と弟の友達かと思って言うと彼女は驚いたような表情をして。

 

「えっえっ?なんで知って………」

 

「えっと私は、緑谷曲……緑谷出久の家族だよ。少し弟から聞いていたんだ。ゴメンね、助けてもらってもう少し気を付けていればよかった……」

 

自己紹介をしておく、ヒーローであることは言わなくてもいいだろう……相手が気づいたら。それはそれと対応する形で。

 

「えっデクくんのお兄さん?」

 

「うん、そうだよ。やっぱり弟から聞いたようにいい人だね。いいヒーローになれるよ。」

 

笑った。嘔吐物の処理は、粗方終わったので後はごみ箱に突っ込むだけだろうか。

 

「デクくんのお兄さんか……、えっとなんでここに?教師じゃないですよね……」

 

あっ確かに……普通に来ただけじゃ不審者だ、許可書も下げてないし。ここは言わないと不味いな……

 

「用務員として、少し前から働いているんだ。掃除とか多くの事はロボットがやってくれるけど。故障とかしたときに直したり……ロボットが入れないところの掃除をしたりしているよ。」

 

「用務員さんなんですか。」

 

「うん、用務員。機械壊れたものとかあったら言ってね、直しにいくから。」

 

とちょっとした物ぐらいなら直せる工具を見せた……これで信用してくれるといいなぁ……

 

「ありがとうございます、あっ!ヒーロー基礎学の時間だ、失礼します。」

 

走り去った………もし遅刻しちゃったら、俺のせいだと言っておこう反動で大分時間喰ったようだし。

 

「走って転ばないようにね?」

 

今会えたのは一人、飯田くんもそのうち会えるかな?インゲニウムさんの弟だし……

 

おっと、本来の目的忘れかけた。今日は上限数一杯の10冊、目星をつけたが読み終わらなかった本を借りに向かった。

 

 

「………やっぱり広い。」

 

用務員としての行動範囲は、まだ入りたての新人として。常時別館まで見ろとは言われていない。

 

なんか特殊な機材が結構多くらしく、まだやれるのは掃除ロボット等の補助的な修理となっている。

 

他のものも、そのうち教えてくれるのだろう。

 

「見つけた。」

 

清掃ロボットの足の部分の動きが鈍くなっていた。恐らく間接部分のパーツが、破損しているかズレたか。破損しているのならば下にパーツを取りに向かわねばなるまい。

 

「…………えーと、あーこれか…」

 

分解する前に、外から見ると髪等の小さいゴミが下に絡まり詰まっていた。清掃ロボットは大きいゴミを入れるのが主なので自然と、詰まってしまうこともある。そう最初に渡されたマニュアルにも書いてあったけ。

 

詰まったゴミを取っていく、稼働部に結構絡まってしまっており面倒くさい……

 

取ったゴミは袋に入れた。そして一連の動作を行え動くことを確認してから立ち去る。

 

歩いていると、故障いや不備が起こってしまったロボットとそれなりに合う。稼働数が普通よりも桁違いだからなのもある、だってこれ全て人の手でやれってしたら……本当に大変なほど広いし。

 

用務員業務は、一連の基礎動作は不安なく行えるようになったと自負しているが……まだ出来ないことも多い。

 

弟の学校生活を支えるためが主な理由だとしても、用務員としてこの学校に雇って貰ったのだから。ちゃんと給料以上の仕事をこなしていきたい。

 

「うん?」

 

突然電話が鳴った、着信音からメールなんだろうと思いポケットから取りだしスマホを見る。

 

内容は以下の通り。

 

ヒーロー協会からのお知らせ。

 

ヴィラン名ステインが新たにヒーロー ウフィンドを一名殺害、十分な注意と警戒を。

 

「……凶悪犯罪者の知らせか。」

 

凶悪ヴィランはそれなりに有名な者が多い、だから知らせも来る。

 

ヒーローと言っても戦闘特化ばかりでもないし……自信がないなら、単独であったら逃げろと言うことだろう。ヒーローと言っても人間だし。犯罪者も人間だからな……

 

「念のため、凶悪ヴィランの個性判明してたら覚えとこ………通報しやすくなるかも。」

 

まぁこんな風にウダウダやっていた訳であるが。弟がヒーロー基礎学の戦闘演習で、腕を怪我したと聞くのは少し後の話である。




確実に調べているのが敵側の情報だったら。お前は知りすぎたと殺されてしまいそうな、未来が見える。

良かったねオールマイトと弟の秘密で。


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セメントって大事。

少しおやすみ。


拝啓

 

天国のお父さん、お母さん。

 

俺は病気や怪我などもなく、元気に過ごしております。今日もお日様が暖かい、良い天気でいつも通りに出勤し。日々プロヒーローや用務員の業務に励んでます。

 

お父さんとお母さんの思い出の場所が、綺麗になったり。

 

弟が危険地帯に、飛び出していったり。

 

弟に、突然個性が芽生えたり。

 

このアホみたいな倍率の難関ヒーロー科がある雄英高校に、弟が入学したり。

 

除籍先生のクラスに弟がいたり。

 

まぁ、短期間に色々な事が起こってます。奇跡って言う物は、案外簡単な出来事なのかも知れません。

 

でも一つ。心配と言うか、なんと言うなまぁアレな事があるんですよ。

 

 

弟がね、また大怪我をしでかしやがりました。

 

 

個性による反動で、短期間で三回です。

 

これには俺もビックリです。弟が一生で怪我した回数として、ギネスに載ってしまうのではないかと。心配しております。

 

今用務員の仕事を、同僚や先輩方に言って少し抜け出し。保健室でリカバリーガールと言う。足を向けて寝れない相手に、猛烈な謝罪中です。

 

敬具

 

 

「本当に、弟がすみませんでしたっ。」

 

土下座か深いお辞儀か少し迷ったが、深いお辞儀にした。リカバリーガールもこんなにポンポン怪我されちゃたまらないであろう。

 

「いや、お前のせいじゃないよ。この授業を、担当した教員にはきちんと言っておく。

 

本来は、こうなる前に止めるべきだったんだ。出久が、無茶したこともあるが。この怪我はこっちの責任だ。」

 

そうリカバリーガールに返答され、俺は言葉を切り返した。

 

「弟の怪我の具合はどうですか?」

 

弟は点滴を繋がれ、寝ている。

 

腕の損傷と体操服に見受けられる爆破跡。あぁこれ爆豪相手に訓練したな……弟。訴える時の為に、記録してある服の爆破痕に酷く似ている。

 

もしかしたら、爆豪以外にそう言う義類する個性による可能もあるが……。入学式で見たときには、無かった……。

 

あるとすれば、八百万百の個性での火薬等の爆発物の生成であるが……。推薦が、わざわざ直接的に攻撃するものを作り出すのだろうか?

 

本当に、クラス変更頼み込むか……?

 

「応急手当てはしたから、点滴全部入ったら。日をまたいで少しずつ、活性化していく事になるさね。これ以上無理に、活性化すれば命に関わる。」

 

そうやって変に考え込んでしまうと、リカバリーガールに今後の事を話された。

 

個性による、活性が短期間すぎて。急に行えば命に関わる為少しずつゆっくり治していく事になるようだ。

 

「はい、わかりました。とりあえず現段階では後遺症や命の危険性はないと……?」

 

「あぁ治った後の後遺症の心配はない、だが繰り返せば確実にぼろが出る。

 

しっかり言っておきな。」

 

後遺症は現段階は無いようだ……良かった、だけども何回も繰り返すのは不味いらしい。

 

当然と言えば、当然である。治していると言っても、動けるようになっているだけ。

 

完全に元に戻っているわけではない。

 

「はいわかりました。しっかり伝えておきます。」

 

俺は弟には、ヒーローになって(夢を叶えて)はほしいが………無理をしてほしいとは一切思っていない。

 

今はまだ一年だ、もう少し遅くてもいい。焦らなくてもいいんだ。それに……怪我して、休んでると授業参加できなくなるぞ。

 

寝ている弟の隣に、椅子を借りて座った。

 

こちらの心配を知らないように、弟はぐっすり眠っている。全く義母さんだったら、倒れてるぞ。

 

「あの時もだが、あんまり突っ込んでいくなよ……後が大変だからなー!

 

ヘドロの時とかもさ。一緒にプロヒーロー達に、しこたま怒られちゃたし。まぁそれでも、向かって行っちゃうんだろうな……弟は。

 

だからさ弟、寝てて聞こえないだろうけど。

 

無理すんな。ここは難関だろうが、プロヒーロー排出率ナンバーワンだろうが。学校だぞ、ゆっくり覚えていけばいい。

 

こんなどうしようもない俺でも、ヒーローになれたんだ。お前なら必ずなれるよ。」

 

俺は席をたって、リカバリーガールの前移動する。

 

「弟の目が覚めても、言わないで下さい。寝てて、聞こえないと思って言ったことなので。

 

それでは失礼します。」

 

一礼し、扉を開け保健室を出た……。

 

用務員の仕事を抜け出してここにいる。仕事はやらないと。

 

 

メールで機械故障の対応以外の物が来た。

 

建物の主な修復を行うべき、箇所を見つけ。破損具合等を記し、セメントス先生に渡す。

 

そして、授業で使用した核爆弾のハリボテの回収とのこと。

 

1-Aが使用して。授業が終わった後と聞いている。

 

一試合目がかなりの破損を生み出して別のビルを使用することになったから。

 

見る範囲も、報告しなければいけない修復箇所も、普段より多目になっていることも。

 

「セメントス先生も大変だなぁ……」

 

石山先生はこれから報告された所を、直さなくてはいけないのだ。このビルは主にコンクリートで出来ている……

 

勿論強度をつけるために中に鉄骨などが入ってはいるが。鉄骨さえ無事で、飛び散って利用できないコンクリート片の変わりのなるコンクリートを補充すれば。

 

石山先生のコンクリートを操る個性で、完全に修復が完了してしまう。

 

建物の修理業者涙目である。

 

「………えっと先ずは、少ない方からいくか。」

 

一個目に入っていく。まず見えたのはレーザー痕の穴、一部が不自然に融けたコンクリート。

次に見えるのは、張りついたテープが貼られたような跡…これは自然に消えるだろう。

 

損傷が多い箇所はやはり、疑似核があった場所。結構溶けてたり穴空いてたりした。

 

鳥の羽とかも少しあったな……コレはゴミとして拾えばいいか。

 

他にもそれなりにあったが。基本的に基地破壊は控え目だった……いや嬉々としてやってたら。

 

ヴィラン待ったなしだけど………

 

「一つ目完了っと、もう一つの問題のグループの奴はどうかなぁ。

 

嫌な予感しかしないなぁ……」

 

そうやって、書き記した破損状況を確認しながら進んでいくと………

 

「……これ、内部見なくていいよね?もう面倒くさいし。全部修復箇所で、いいよねコレ……

 

何で外装ですら、破損が分かるの?訓練での火力高すぎない!?個性社会怖いわー

 

でもちゃんと書くために、内部入らないと……崩れたら。なんとかなるだろ、多分。」

 

そうやって。二階の壁が大きく壊され、全てのガラス窓が壊れたいつ倒れてもおかしくないと思えてしまうビル。

 

恐る恐る入っていく。砕けた破片で出来たのかほこり?が凄い。

 

「マスクもっておけば良かったな……」

 

仕方ないのでハンカチで口を塞ぐ、細かい粒子は目へのダメージもあるが。肺に入ると不味いことにもなる。

 

個性等にも医療機関に行けば頼れるが。ある程度の予防に越したことはない。

 

「一階は見たから……次は、横壁ぶち抜かれた二階か……」

 

ワーキレイな吹き抜けだー、じゃない現実逃避しちゃいけない。コレ…石山先生に伝えにくいぞ。

 

どんだけあの人の、残業増えるんだ?

 

しかも、これの訓練いたの弟だろ……。個性による自傷以外が火傷だけで、済んでまだ良かったよ。

 

これ下手したらもっと壊れて、建物に押し潰されて圧死とかもあり得るし……

 

「一階以外ほぼすべて修復箇所と……二階は壁の大規模破損もあり。」

 

こっちは壊れすぎて、大雑把な報告でもすんでしますが……仕方ない。核のハリボテを倉庫にしまってから、伝えにいくか……

 

そして、必要なことを済ませ。書類を持って職員室へ向かう。そういえば、ずっと図書館で調べものしてたからお昼食べるの忘れてたな……

 

これが終わったら、ランチさんが大丈夫なら何か注文しよう……

 

「失礼します。」

 

つい名前とかを言ってしまいそうになるが、学生ではないそのまま石山先生の机に向かう。

 

石山先生は、今机の上の書類を整えていたので横で少し待っていたが。

 

気づいてくれて声をかけてくれた。

 

「曲君か、ビルの修復箇所かな?」

 

「はい、石山先生。破損の確認が終わりました。ここに置いておきます。

 

今回は大部分破損が、見受けられる。ビルもありましたので普段よりも、少し大変かもしれません。

 

内部の鉄骨などの損傷も激しいため。修復には石山先生の個性のみでは、完全には修復は不可能と思われます。」

 

そう、本心から少し心配そうに言えば。

 

「うん、コンクリートの補充量が多そうだ。お疲れさま、後はこっちの仕事だ。」

 

何事も無いように返答をされた、たしかに現場ではこれ以上なんてザラだ。あんまり気にしなくても良かったかもしれない。

 

「よろしくお願いいたします、石山先生。

 

それでは失礼します。」

 

仕事片付いたし、ご飯食べに行こう。

 

 

 

「………修復に使うコンクリートの量の想定まで、よく見たら書いてるな……ここまでしなくても、いいのにねェ。」

 

石山先生は、渡された書類を引き出しにしまった。

 

 

…………もう、時間外だった……そりゃあそうだね。お昼ものすごい過ぎちゃってるもん。

 

「帰りに何か買って帰るか。それか、購買に何か残っていることを期待するか。

 

ちゃんと時間見ておけば、良かったなぁ……」

 

そうやって、誰もいない食堂でメニュー表見てため息をついてたら。

 

「………賄いでいいなら、食べるかい?」

 

「えっランチラッシュさん!?」

 

ランチラッシュさんに肩を叩かれ、賄いでよければ食べないか?と聞かれた……

 

嬉しいが大丈夫なのだろうか?本来なら時間内で、来なければならないのに……

 

「そう深く考えなくていいよ!新メニューの試作の意味も賄いには籠ってるからね!他の実際に食べるであろう人の意見も聞きたいし。

 

雄英高校の先生方もたまに、賄いいただいてもらっている人いるから!

 

ミッドナイト先生とか、ブラドキング先生とか。今回人来なくって……」

 

ランチラッシュさんに言われて。確かに新作メニューならば、他の人の意見も聞きたいであろう……

 

なら。

 

「ありがとうございます!」

 

賄いを頂くことにした。断ることも失礼になってしまうのなら、お腹すいてるし貰ってしまおう。

 

「食べた感想言ってくれると嬉しいなぁー」

 

そうして、調理室に入っていく……すると多くの料理人がいた。大量の食事を用意しなければいけないので当然だが……しかも、暑い……夏とかだったら地獄だろう。

 

料理人には体力が、いることも頷ける。暑いなか食材を持って駆け回る。混ぜたり切ったり煮込んだり一つ一つの作業が辛くなってしまいそうだ。

 

「………………」

 

俺は一つ椅子を持って、空いている所に座った。ここで堂々と出きれば良いのだが……何を話していいのかわからない。

 

「えっと……ランチラッシュさん、少し気になっている事があるんですけど……もしかして料理ごとにご飯の種類違ってますか?」

 

「気づいてくれたっ!カレーとか丼ものとかに合わせて、それぞれ配合を変えているんだ!

 

コシヒカリやひとめぼれやヒノヒカリやあきたこまちを中心として、それ以外のものをそれぞれの料理に合うように入れているんだ。

 

白米に落ち着くよね最終的に!」

 

うわっ白米への、熱気が凄い……。ランチラッシュさん新潟の出身だから、米所だしコシヒカリとか特に好きなんだろうな……

 

「お米のブレンドって大変ですよね……沢山組み合わせあって。本当に尊敬します。」

 

「あっ出来たよー。」

 

そうやって出されたのは、様々な野菜や肉や海鮮が刻まれ卵で綴じた物。その上に熱々のあんがかけられている………卵丼だ。

 

「頂きます。」

 

味は、卵が固まりきっておらずトロリとした食感があって。中に入っている具材の食感が楽しい、海老入ってた。

 

賄いに満足した後は材料費として500円置いてから、自身の食器を洗いお礼を行って出ていく。

 

今度は、チョークなどの不足を見なければいけない。急がなくては。




雄英高校のおサイフ事情は、こうして支えられている(捏造)

実際あのコンクリートの個性って、破損修復便利だよね。教師として雇ってるから、多分本職よりも給料押さえられると思うし………

雄英高校の破損は、セメントスさんによって支えられていたんだよっ(やはり捏造)


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マスメディアの洪水

人がごみのようだ(ムスカ)


チョークなどの備品の確認の仕事を終えた後、ちょっとだけ机を片付けてから帰った。

 

流石に生徒が帰る時間よりも遅い、生徒が帰った後の掃除等もあるから仕方がない。

 

「カルシウムサプリメントか、お菓子を帰りに買っておくか……」

 

治癒の個性の使用で、エネルギー使ってるだろう……点滴のみじゃなくて沢山食った方がいい。

 

 

「ただいまー」

 

ミルクケーキやら、煮干しやら、目につくカルシウムが多い食品を大量買いした。料理やお菓子を作るにしては、纏まりが無さすぎる面子である。

 

「お帰り、今日はオムライスよ。」

 

「おふぁえり。」

 

と食卓を見たら、義母さんがいってて弟はガツガツ食べてる。

 

よく食べるようになったなぁ……。筋トレとかいつもしてるせいも、あるだろうけど。

 

「よく食うようになったなぁ……」

 

いつもの場所につき、ケチャップをかけた……昔は文字とか書き始めたものだったが。今では只の追加調味料、年を取ったものだ。

 

「食べないと持たない。」

 

「そうか、そうか。」

 

確かにエネルギーかなり使いそうだしなぁ……治癒したし、あっ所でアレは大丈夫なのであろうか?

 

「所で休んだ時のノート借りたか?確かに二時限ぐらいすっぽかしたんだろ?」

 

「借りて、写真取らせてもらって返した。ご飯終わったら、すぐに勉強する。」

 

「分からないところがあったら。教えるから、すぐ言えよ。解らないところをそのままにするのが、一番怖いからなー。」

 

「分かってる。」

 

まだ最初だが、積み重なると怖い。勉強も高いレベル求められるからなぁ……士傑高校の時の同じ勉強順であればよいが。

 

オムライスは薄焼き卵が掛かったもの、お米は義母さんは、炊いて冷凍したものを使っている。

 

ケチャップライスがべちゃっとしていない。たまにケチャップライスに入っている具が、ウインナーからベーコンになったり。グリーンピースからピーマンに変わったりする。

 

今回はベーコンにマッシュルームの薄切り、そして細かく切られた玉ねぎと人参だ。

 

「義母さん、今日皿洗っとくよ。ゆっくり休んでて、最近手伝えてないし。」

 

何となく言葉を口にする。もっとも怪我でショックを、受けているのは義母さんだろうし。

 

オムライスを食べ終え、水に浸けた。皿についたケチャップが、剥がれ浮く。

 

今日も沢山の事があった。

 

ちなみに、勉強では何も聞いてきてくれませんでした。少し悲しい気持ちになりました。

 

 

しばらくしたある日。

 

大体弟の骨折を支えるためのギプスが取れたぐらいのこと。

 

「相変わらず、凄いなぁマスメディア……」

 

オールマイトの有名具合、目立ち具合は並のヒーローの比ではない。流石に平和の象徴として、崇められているだけはある。

 

「………早く、学校入っていって良かった。」

 

一応俺もヒーローだが、人に話しかけられるのも苦手だし。人混みの中にいるのも、苦手だ。

 

型に沿えばある程度は対応できるが、気の利いたジョーク等が一切言えない。

 

まぁマスコミであることないこと書かれないように、気を付けた会話術と言うべきであろう。

 

「仕事しないと。」

 

最近と言うか、今まで気が付かなかったが家族と仕事の事しか考えていないかもしれない。

 

他人といるときは大体、ヒーロー業務のことしか話してない。表にも出ないから遊びとかで、声を掛けられることもない。

 

ワーカーホリック(仕事中毒)ではないはずだ、多分少し残っているところがあると気になってしまうだけで。

 

「草むしりにでも行こうかな………花壇とかも整えないと。」

 

今は春、アネモネやチューリップ、デイジー等様々な花が咲き誇っている。チューリップは、球根を取るためにもきちんと管理しなければいけない。

 

雑草はちゃんと咲く花の栄養を、奪うだけの寄生虫だ。さっさととった方がいい。

 

部屋から雑草を取るための鎌と、枯れた花等を選定するための鋏を持っていく。

 

そして花壇へと向かった。肥料等はあちら側にあるので、持っていかなくていい。

 

「ふぅ………始めるか。」

 

まずはジョウロに水を汲んで、花の上からでなく葉を持ち上げて直接地面に湿らせていく。

 

最初の頃そのままかけてしまって、用務員の先輩に起こられてしまった。花一つを綺麗に、保つのもある程度の労力がいるものだ。

 

「……………」

 

コスモスの茎に群がっていた油虫を潰した、群がっていたであろう部分が喰われ抉れている……

 

害虫駆除出来るスプレーは、唐辛子で作れるらしいと聞いたので今度作ってみようか。

 

「夏の花の準備もしないとな……」

 

所々萎れてしまった花が多くなった。ハサミが花を切り落とす、シャキンという音が耳に響いた。

 

腐葉土もちゃんと、確かめなければならない。乾いてしまっては使えなくなってしまう。毎日ちゃんと混ぜなければ……

 

「今日の所はこれでいいかな……」

 

要らないものを捨てていく、というものは気分がいい断捨離というのだろうか?

 

用務員という仕事との中で、楽しい物の一つでもある。年中やってはいられないけどね。

 

「さて、次の奴を進めないと………」

 

その後、ロボット直したりチョークの補充ロボットが入れない場所の掃除。合間を見つけての図書で、借りた個性関連の本を読む。

 

あっという間に時間が過ぎる、だが今度はお昼は逃したく無かったのでちゃんと来た。

 

学生さんの量が多い。席は決まっておらず友達同士でグループを組む人や、一人で淡々と済ます人もいる。

 

「海鮮親子丼といいけど…日替わりランチも捨てがたいな……」

 

販売機に書かれたメニューと横にあるサンプルを見ながら、少し考え込む。

 

悩んでいる瞬間こそ、楽しいことも多い行事での準備が、もっとも楽しいことと同じ理由だ。

 

しかし時間は有限、俺は海鮮親子丼のボタンを押して出てきた券を持ち。トレイを取って向かう。

 

すると………

 

「デク君のお兄さんだ!」

 

「うぇっいっ!?」

 

マーライオンしていた女の子じゃない、うちの弟の友達の女子に声を掛けられた。正直油断していたので、ビックリして少し跳ねてしまった。

 

トレイを落としそうになったが、なんとか持ってる。

 

「アハハ、お茶子ちゃん何か用かな?」

 

「これから一緒に食事をする所なんです!一緒に時間があれば食べませんか?」

 

食事に誘われた、弟の友達もよく話せる機会だし。時間もあるから断る理由もない。

 

「なら一緒に頂いて来ようかな。でももう君は、食事受け取ってるみたいだし……先にいってて?」

 

「わかりましたー。」

 

と行って、走って去っていった。さて、こっちもご飯を受け取らないと。

 

「これ一つお願いいたします。」

 

券を出してしばらく待つと、鮭の切り身とたたきが半分ずつ乗って。真ん中には、イクラが入ったどんぶりが出てきた。

 

「お待たせー」

 

「ありがとうございます。」

 

さて、向かわなくては………

 

向かうと、飯田くんとお茶子ちゃんと弟が仲よさそうに談話をしながら食事をしていた。

 

どうやら、今飯田家のヒーロー家系についてはなし……………

 

《セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんは速やかに屋上へと避難してください。》

 

……………弟の友達との会話チャンスを邪魔するな侵入者、ご飯も一切食べれてないぞ。

 

侵入してきたってことはヴィランだよね?少しプチっと倒してもいい………

 

すこし落ち着け、とりあえず対象を確認しろ。窓から外を見ればいい。

 

するとマスメディアが洪水していた、人の波と言うべきであろうか。先生方が二人で、食い止めている。

 

ヴィランとして排除できる案件だが。マスコミだ曲解するか、捏造するかしてこの学園の印象を悪くするようにするだろう。

 

こういうやからはある意味ヴィランよりも面倒な相手だ、切り捨てようとすれば正常な所までも影響が出る。

 

「……面倒なことになった、するべきは誘導か……パニック気味だしなぁ」

 

災害やら突然のトラブルが起きたときには、人間は三流の記事にも踊らされる。例えば、井戸に毒が入り込んで使えなくなったとか。

 

トラブルは安定した状態が、急に不確定な状態に陥る。セキュリティ3のものを突破したのが、どれ程のものなのを確認もせず逃げる。

 

「全体に伝えられる術あればなぁ……」

 

今は全体的に、侵入者の状態が分からない状態……仕方ないか……

 

「急にごめんね、飯田くん。侵入者はマスコミだ、危険性はない。」

 

インゲニウム(知り合い)の弟に賭けよう。急に声を掛けられて驚いているようだが、お互い人混みの中で離れていく。

 

「さて……この後どうなるかだけども……」

 

目についた人に伝えただけで、その後のことは考えていない。個性を使ってなんとかしよう!とかしようとすると、別の事件が確実に起こる。

 

痛い、全体的に力が強い。異形型の人もいるし、都市の定員がオーバーしすぎている電車並だ。

 

「うわキツい………痛い痛い。」

 

そして、

 

「エンジンブーストっ!」

 

その日インゲニウムの弟が空を飛び。非常口マークになった。

 

 

その後学校側の通報で警察がきて。マスコミ陣は、御用となり。混乱は収まった。

 

「凄かったね!飯田くん」

 

「うん、麗日さんの個性を使って。無重力にして浮いて分かりやすいところで、伝えるなんて!!」

 

「皆分かってくれて良かった……」

 

そんな風にさっきの出来事を話していた、弟とお茶子ちゃんと飯田くんを見つけた。仕事がすぐで時間ないけど、すこしだけ話そう。

 

本当に、マスコミ侵入しなければなぁっ!弟の友達と話し出来たんだぞ!楽しみにしていた、ランチラッシュさんのご飯も喰えずじまいで、タッパーに移しただけだし。

 

マスコミ赦さない。

 

用務員としての仕事も増えるし、さっきの混乱で怪我人出てるからな?人の密集はいつでも怖いぞ?

 

例えば積み木倒しとかすると死人でるし。

 

だけど、過ぎたことは仕方がない。

 

「飯田くんさっきの凄かったね!お疲れさま、はいオレンジジュース。個性使ったから、すこし減ってると思うしどうぞ。」

 

「えっと貴方はさっきの……?あっありがとうございます。頂きます。」

 

うん、お礼は言えるいい子だ。インゲニウムさんから聞いた通り、すこし硬すぎるのところがあるが。

 

「えっと……僕のお兄ちゃんだよ……」

 

何故そこで、いいよどむ弟。ダメな人に会わせてしまった的な雰囲気感じるけど、そこまで人に見せられないことしてないぞ!

 

ちょっとヴィラン退治を放送されたら、モザイク入るかもしれないぐらいで。

 

それ以外はいたってクリーンだ。

 

「えーと名前は緑谷曲と言うよ。新入りだけど、この学校で用務員をしているんだ。

 

もうそろそろ仕事の時間だけど、大変なことがあったから皆が、大丈夫か少し気になってね………

 

先程のパニックで、足くじいたりとかの怪我人が少し出てしまってる見たいで。

 

この様子を見ると、ここは大丈夫みたいだね!良かった良かった。」

 

これで大丈夫であろうか?問題的な発言はしていない多分、弟の友達とは険悪な関係にはなりたくない。

 

恩は売るものだが、怨は買うものではない。

 

「もう、仕事の時間だから失礼するね。授業頑張って応援してるよ未来のヒーロー達。」

 

さて、仕事しなくちゃ。

 

 

 

 

 

「デクくんのお兄さん、風みたいだね……」

 

「すぐに行ってしまったな、何で俺達の名前を知っていたのだろうか……?」

 

「えっと……友達で、話したから。」

 

「なら、おかしな所はないか。」

 

そんなこんなで、また平穏な日常は過ぎていく。ヴィランの魔の手が着実に迫っているが。




このあと、一つネタ的な話を挟んで。

USJ篇入ります。

兄の分かりやすい行動原理(弟の為ならば)アクセルの壊れたダンプカー【ブレーキは一応効く(すぐに止まれるとは言ってない。)】


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通信妨害

仕方ないね。


今日もまた、日々用務員の仕事に励んでいる。

 

マスゴ……マスコミの襲撃等あって、後処理が大変だった……ヒーローとしても気になって監視カメラ何度も見た。

 

でも、どうやら愚かではあるが馬鹿では無いようで写ってそうな所のカメラが全部壊されてた。一体いくら修理に掛かるのであろうか。

 

俺の知ったことではないが……流石にこの学園が潰れる被害の程度では無いだろうし……潰れたら弟が大変なことになる。

 

一応マスコミは、英雄のバリケードが破られたことはネタにはしていないようだ。まぁそれをネタにしてしまえば、マスコミ側の事もバレる。確実にこちらのみに、影響するネタだけしかあいつらは扱わない。

 

「今は、やっと弟と弟の友達達と昼食を一緒にして話を出来るかも知れないんだ。また何か途中であるのは本当に勘弁してくれ。」

 

ただ、これのみである。

 

ちなみに今は、機械修理中。サポート科の生徒に校長の許可を貰ってから、この雄英高校で日常的に使われているロボットの内部を分解して見せた所。サポート科と普通科の一部の生徒達には、ちょっとした反響があった。

 

ものすごくスマホのカメラで撮られた。フラッシュが眩しかったです。

 

特に反響があったのは各種戦闘ロボット、敵に反応して向かうシステムを実際に見られるという理由が大きかったそうだ……俺はそこら辺はわからないので、理解はできないが。

 

今回は壊れたロボットを見つけての修理でなく。元々壊れたものを修理となっていたので、パーツがすぐそばにあって便利だ。

 

「………追加パーツの発注もしないとなぁ、やっぱり減ってきてる。」

 

直せば減る、誰がが追加してくるるだろうでは到底間に合わない。発注を申請してすぐに届くわけでは無いのだから。その間に壊れたものが修理できなくなる。

 

「午前は、この辺でいいかな

 

さてメモメモ。」

 

少なくなってきた部品の番号等を、メモに取って控える。一応文字間違えが起きないように、写真もとっておいた。

 

…………いちいち書くの面倒くさくなってきたので、ワードでプリントアウトすればチェック式に出来る物でも時間があったら作ってみようか。

 

「お昼だな……今日は何にしようか。」

 

時計を見れば、もうお昼の時間。なにを注文しようか思い浮かべる。

 

そうやって、食堂へ向かった。

 

 

すごく楽しい、想像していたよりもっと楽しい。なんか語彙力が無くなっているが……

 

「今日のヒーロー基礎学なんだろうね!デクくん。」

 

「また実践かもしれないね。」

 

「いや、まえの実践の見直しとして。座学中心の可能性もあるぞ二人とも。」

 

「飯田くん確かに、それもあるね。」

 

「やっぱり気になっちゃうよ。」

 

そうヒーロー基礎学の話をしていた、ヒーロー科としてここの授業ははずせないかつ大切なのだろう。

 

最初から分かってたけどむっちゃ仲いい、三人組と聞いていらない想像しちゃったけど。会話で一人だけ外れたりとかしてない大丈夫だった。

 

俺は、只それを同席で見ているだけである。話の邪魔しちゃうと悪いし……何より見ているだけで楽しいからね。話す内容も薄いし。

 

ご飯もゆっくり食べられるし、任された仕事いつもちょっと引きずってお昼の時間まで食い込むんだよなぁ……早く終われたからこのペースでも大丈夫だけど。

 

「飯田くん学級委員長として、いつも10分前に教室にいるって凄いよね。」

 

「あぁ、任されたからにはちゃんとしないといけないからな。」

 

「挨拶も毎回やってるよね!先生の手伝いとかもしていたりとか!」

 

「ここまで、言われると少し照れるな……」

 

あっ学級委員長は飯田くんなんだ。任されたってことは、数日前まで別の人だったんだろうな……誰なんだろ。

 

ハンバーガーをかじる。学食のメニューを見たら、ハンバーガーセットというものがあって。気になって注文したが、外れでは無かった。

 

レタスやトマトがしっかりしていてみずみずしく、味が濃い。

 

パティも一から作っているのか、かなりあつめで肉をしっかり感じられるマックなんかと比べたらいけない。

 

バーベキューソースもしっかり合ってる。

 

白米が基本だが、パンやうどん等も美味しいのだろうなさすがはランチラッシュさ……

 

このバンズ米粉で出来てた……どれだけお米好きなんだ、ランチラッシュさん。美味しいからいいけど。

 

うどんやそばとかは流石にお米入ってないよな?いや、うどんはお米でも作れるって聞いたなぁ……

 

深く考えるのはやめよう、美味しければそれで大丈夫なのだ。

 

「所で、緑谷くんもう腕の怪我は大丈夫か?実践の場合響く事も多いだろうし。」

 

「うっうん、もう平気だよ。リカバリーガールからも完治したって言われてるから……」

 

「個性使うたびに怪我しちゃうってたいへんだよね。量力とかあるのかなぁ……私も使いすぎると気持ち悪くなるし。」

 

「俺もオレンジジュースが切れると、エンジンが使えなくなったりするな。」

 

「僕も早くなんとかしないと……実践でこのままじゃ、ダメだし。」

 

「緑谷くんならすぐ掴めるさ。」

 

「うん、そうだね。デクくんなら出来るよ。」

 

「ありがとう、がんばる。」

 

今の段階なら、俺の諸々の心配は入らなかったようだ。後弟いくらカツ丼が好きだといっても毎日は流石に飽きないか?

 

もう次の仕事始めないと……最後までいられないのが寂しいなぁ……

 

 

次の仕事は、マスコミのせいで警備強化に応じ増えたものだ。迅速に正確な情報を校内の人たちに伝えるため、情報網が発達した、その分管理が大変になってしまう。

 

今までは、暇なときに軽く確認するだけで良かったが。ちゃんとした項目として確立し。壊れたときに直すのでなく、きちんと毎回確認しなくてはいけなくなったのだ。

 

本当にろくなことになってはいない。今まで破られず学校の内部には気を使って無かったつけであろうか?

 

「有線とか管理大変なんだよなぁ、無線でも電波でダメになるし……」

 

そうやって、壊れていたりしていないか弄れば。上司に声をかけられた、俺は道具をおろしてそちらを向く。

 

「はい、なんでしょうか?」

 

そうすれば、ばつのわるそうな顔で。

 

「すこし調子の悪い所が多くあってね、突然起きたんだよ……特にUSJがてんでダメでねぇ。一番近いしすこし行って直してきてくれないか?」

 

雄英高校もっと人雇ってくれませんか?

 

ロボットじゃ足りないところ多くなってますよ、上司だから断れないし……USJかぁ。ここの学校別館多いなぁ……学生さんも大変だ。

 

「はいわかりました、では今から向かいますね。」

 

「頼んだよ曲くん。」

 

「では、これで失礼します。」

 

所でなんで、一部だけ電波が悪くなったのだろうか?局所停電でもしたのか?まぁいいか向かえば原因は解るだろう。

 

「相変わらずでかい……だけどなぁ。」

 

確認のために、携帯の電波を繋ぎながら向かったがここに向かう途中で切れた。森などでよくある、不安定に繋がったり切れたりでなく突然圏外になったのだ。

 

「今まで突破されたことがないバリアーとか色々やってるけどなぁ……大丈夫なのかこの学校。」

 

きな臭いというかなんというか、短期間に問題起きすぎな気がする。そういえば、オールマイト入ってきてからだなぁ……こんなこと。

 

オールマイト本人にあまりダメージ与えられにくいから外からの嫌がらせか?

 

「嫌がらせにしても、無駄で大規模過ぎるような気もするが。」

 

そうやって、USJのひとつしかない扉を開けると……………

 

「はっ?」

 

 

 

 

 

大乱闘をしていた、いくらプロヒーローでも幾人かこの目の前の光景に固まるものはいるだろう。

 

USJは災害救助訓練を主とした施設だ、そこで大乱闘スマッシュブラザーズをされているんだから。

 

いや、雄英高校の実践って本格的だね。実際のヴィラン使うのか………じゃない違う。

 

現実逃避するな、この学校の警備体制がこんな数のヴィランが入れるほどガバガバだったことが明らかになっただけじゃないか。

 

「おや、外部との連絡ができないようにしたのですが。このまま逃げられて連絡されたら面倒です。

 

散らしましょう。」

 

そうやって、黒い霧を人形に纏めたような男(真っ黒くろすけ)から霧がこちらに向かってくる。

 

「デクくんのお兄さん!?」

 

「早く逃げてくれっ!!」

 

巻き込まれた生徒たちの声が聞こえる、ヒーローとして知名度無さすぎるから仕方ないか。

 

俺は包帯の端をつかんで引っ張り

 

左目を、黒い霧に向ける(武器を黒い霧に向ける)

 

「固体じゃないものは勝手が掴みずらいんだ、どこからどこまでしていいのか分からないから。」

 

ヘドロにしかり、今の黒い霧にしかり物体として掴みずらいのもそうだが………どこまでがやり過ぎか判断がつきにくい。

 

吹き飛ばし過ぎれば、ある程度の耐久があっても致命傷になる。それは大体個性を持つものでも同じ、治せるのには限度がある。

 

人形なら足を潰せば機動は削げるし、命にも関わらないすぐ治るからやり過ぎを抑えることが出来るけど。

 

後あの集団の中に弟が居ないのだが。

 

というか前に見たクラスの人数よりも少なすぎるのだがこいつが飛ばしたのか……?まぁいい遠慮する必要はない。

 

結局こいつらは犯罪者であり、不法侵入で弟が本来うけるはずだった授業を妨害したのだから。

 

「非番ですが、ヒーロー ディサンド 緊急時と判断。助太刀させていただきます。」

 

黒い霧がちりじりになる、イレイザーヘッドさんヴィラン相手に孤軍奮闘してるな……だけど人数が多いか。13号さんも、基本的には非戦闘用員だしなぁ。

 

イレイザーヘッドの戦闘を眺めている、体に手が大量についた男(手一杯さん)もすこし気になるなぁ……横にいる生気の無い目をした怪人のような者(脳みそむき出しの鳥頭)とかも。

 

さて、学生さんたちがいなければ気にせず戦ったり。持ち物あれば閃光弾投げたりするんだが、非番なのでいつも使ってる持ち物がない……

 

あるとすれば修理のための道具ぐらい。プラスドライバーを相手の関節に、捩じ込む位にしか使えないだろう。

 

どないすっか……逃走経路確保のために、13号さんの支援からかな?その後イレイザーヘッドさんの支援をしていこう。

 

「もう一人の追加ですか、私の霧を払うとは中々に強力な個性です。」

 

なんか喋っている真っ黒くろすけのは、今は気にしないで。イレイザーヘッドさんこっちを認識したとき。

 

増援だが一番来ちゃいけない奴、来ちゃった。見たいななんとも言えない苦笑い浮かべる、止めていただきたいのですが?

 

正直、傷つきますよ?

 

「さて、世の中これほどまでに暇な人間がいるとは。わざわざこの学校にお集まり頂いた方々に嫌悪を通り越して呆れすら感じさせます。

 

そんな暇人が多すぎるから、我々の仕事が一向に減らないのです。

 

需要とあらば供給をそれが世の常ですし。」

 

あぁ、一番大切な事を忘れていた。人の前で戦うの久し振りだし……ムカつきすぎてすこし無なってた。

 

最後に笑った(顔を作る)、ヒーローは笑って人を救わないといけないと弟がいつも言っている。

 

そうやって、工具箱からプラスドライバーを持ちそれ以外を投げ捨て。真っ黒くろすけに向かっていった。




仕方ないことだよ。

ヴィランをナチュラルにディするのは仕方ない事だよ。


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笑顔は大切

電波が切れて、上司に仕事押し付け……頼まれて。また仕事が増えたかと思えば生徒たちや先生たちがヴィランに襲われている。このピンチを救えるかっ!

こう考えれば、正統派主人公っぽい。


恐らくテレポートの真っ黒くろすけにプラスドライバーもって向かっていっているが、まぁ慌てずにそのままだ。

 

首に装飾品をつけているって事は、肉体がワープする霧(全裸)と言うわけでは無いのだろう……もしそうだとしたら装飾品どっかにワープしてる。

 

黒い霧をこっちに向けてだし続けている、背後が怖いが妨害用か攻撃用か前面に配置されるものを消し飛ばし続け走る。

 

「ディサンドさん援護お願いいたします!

 

後飯田くん、私たち二人が隙を作るのでそれを見つけて走ってくださいっ。」

 

「えっ!?」

 

そりゃいきなり、言われたら驚くよね……霧はそろそろ掴めてきたけど、毎回向かってきてキリがない。

 

ダジャレかなこれ?

 

状況的に言葉に出しても全く笑い取れそうに無いけど……むしろ通常時でも軽い反感を食らいそうだ。

 

布団がぶっ飛んだらレベル、のくだらなさを誇るだろう。

 

「警報器は赤外線式。先輩…いや、イレイザー・ヘッドが下でヴィランの個性を消し回っているにもかかわらず無作動。

 

おそらくそれらを妨害可能な個性がいて即座に隠したのでしょう。」

 

「なら、飯田くんが走った方がよっぽど早い。ワープで最初から配置しているだろうしここには居ないだろう。

 

おっと危ない。

 

皆を頼むよ、今は君が頼りだ。」

 

俺が向かえとも言われてしまいそうだが、早さ的に無理確実に遅くなる。身体能力的には、個性によるブーストも無いし身体強化系に鼻で笑われるだろう。

 

ならエンジンを持つ飯田くんが、向かった方がよっぽどいい。13号さんも大体おんなじ考えだと思う。

 

接敵まで後すこしだが、霧による妨害も多くなってる……。彼方から接近してこないとなると、個性除いた戦闘力は低めなのかも知れない。

 

「しかしクラスのみんなを置いていくなど、委員長の風上にも……」

 

「行けって非常口!外に出れば警報がある。だからこいつらは、こん中だけで事を起こしてんだろ?」

 

「お前の足で、このモヤを振り切れ!」

 

「食堂のときみたくサポートなら私超できるから。するから!」

 

……飯田くんは非常口と呼ばれているようだ、大丈夫なのだろうか色々と。

 

それはまず置いておこう、俺がしなくてはいけないのは生徒たちから真っ黒くろすけを引き離すことだ。その場に釘付けにしておく、目立つ囮と言い切っていいだろう。

 

いましていることは、ここにいるヒーローは本業とは違う。正確にはよくしている得意なことと、違ってしまっていると言うべきだろう。

 

俺が得意なのは、あらかじめ用意した武装を使うことを前提とした組み立てかたをしていることが多い。だが今はプラスドライバーのみだ。

 

イレイザーヘッドは、奇襲からの短期戦ではなく、正面からしかも相手は長期になりやすい数の人海戦術。目のドライアイもあるし……遅くなればなるほど不利になる。

 

13号はそもそも生粋の戦闘要員でない、個性自体は強力であるが。背後からの接近等の対処は苦手だろう。

 

だが仕方がない、こういう言い訳(現状整理)をしても時間は巻き戻せない。

 

 

やるしか無いのだ。

 

 

「手段がないとはいえ、敵前で策を語る阿呆がいますか。」

 

「バレても大丈夫だからいったんでしょっ!ブラックホール!!

 

ディサンドさん追撃をっお願いいたします!」

 

13号さんが個性ブラックホールを使う、だがあまり俺が引っ張られていく感覚はない。気にして威力を控えているのかそれとも………

 

真っ黒くろすけが何かしているか……だが離れた黒い霧が吸い込まれていく為、個性でわざわざねじ曲げる必要がないのは楽だ。

 

これで一つに集中できる。

 

「わかりました。」

 

そう合図として、ひとつだけ返事をして向かう。目標は首にある物の間……そこにプラスドライバーを捩じ込む。

 

勢いが大切だ(何も考えるな)痛みを与えることが大切だ(恐怖をもって鎮圧する)

 

足や腕を折って又は関節を外して行動を制限できれば一番いいが、物理的に不可能。

 

なら……精神に語りかけよう、ここからは俺にとって虚勢のようなハッタリ合戦だ。

 

強さではない演技力、本当に勝ててなくていい。

 

相手にこっちが勝っていると思わせる(勘違いさせる)それが一番大切。

 

「っつ、やらせませんっ!!」

 

こちら側に霧が向かってくる、だが………

 

これぐらいならずらせば済むさらにまだブラックホールで吸い込まれている、首の飾りの間をプラスドライバーがガンッと鈍い音をたてて貫通する。

 

相手の皮膚をすこし抉り、生肉を刺したような感触が腕に伝わった。

 

ここからが肝心だ、息を吸い込むそうやって耳があるのかどうか知らないが小さな声で真っ黒くろすけ(敵対している相手)にだけ聞こえるように呟く。

 

「後5進めば、脳に届くな?」

 

もちろんこれは嘘だ、俺が相手の首にプラスドライバー指したときに、脳にどれだけとか分かる訳がない。

 

そこまで勉強してないし、そもそもここまで接近できたなら普段はスタンガンを押し付けている。

 

ある聞き齧っただけの話、ぶっつけ本物効果があるかどうかも分からない。

 

死刑囚をつかった人体実験。

 

思い込みで人は死ぬのかどうか、結果は死んだ。一種のプラシーボ効果だ。

 

小麦粉でも本物の薬だと思って飲めば、その通りの効果が出たり。ノンアンコールビールなのに、酔ったような症状が出るのもそれと同じ。

 

相手にそう思わせられれば、それでいい。

 

実際5と言っただけで、センチやらメートルやら単位指定していないし……

 

「正気ですか!?」

 

真っ黒くろすけが喚きだす、序盤は好調ここからが本番。

 

俺はプラスドライバーを回し、えぐった。進めばしない死んだら困る、進める演技でしかない。

 

相手もこんな体験したことは流石に無いだろう犯罪者でも。

 

「1」

 

数えた、本当なら一気に刺せば終わるのだがこっちも社会的に終わってしまうので気を付けないといけない。

 

「まだッ終わってませんよっ!」

 

「2……堅いな?」

 

何かしてくるようだ、気を付けないといけない。

 

さらにプラスドライバーを回す相手を焦らせられらばそれでいい。

 

俺は確実な手を今持っていない、ここでだんだん追い詰める止めは13号さんがしてくれるだろう。

 

そうやって13号さんを見たとき。

 

後ろで小さく黒い霧が見えた。

 

「13号さんっ

 

早くブラックホールをとめっがっ!!?」

 

目を向け、霧を消し飛ばすと真っ黒くろすけに腹を蹴られて。外される、その先には黒い霧がもう展開されている。

 

「ディサンドさんっ!?」

 

13号さんの声が聞こえる、だが俺の視野は黒い霧に包まれていた。

 

「中々に厄介な相手でしたが、やっと掴めましたよ。貴方は見た方向しか影響が与えられない。

 

正直、死ぬかと思いましたがね。」

 

次に感じたのは熱気、見えたのは紅い一面の火の海。火災ゾーンか……早くここから出なければ。

 

とっその前にここままだと地面に叩きつけられる、つかめる場所は……

 

そうやって見れば、掴めそうな所は火により真っ赤になった金属の棒しか無かった。

 

「死ぬよかましだッ!!」

 

掴めばジュウと音を立て、焼けるような音がする。じわじわと細胞が死んでいく。手を離せば皮膚が、肉ごと剥がれた感触が伝わる。

 

「痛った……かなり皮膚逝ったか、肉も剥げてる……水は無いよねここ。まずは、出口あっちだろう……

 

多分きっと恐らく。」

 

継続的に続く鋭い痛みと共に、ボタボタと血が垂れる手を目を塞いでいた包帯で出口へと走りながら、巻き応急処置をする。

 

衛生管理もなっていない乱雑な手当て、だがまずは止血が大切だった。

 

ここで血液を失って倒れたら。

 

体の水分失って死ぬか、酸素不足で死ぬか、引火して死ぬ。

 

なら後で傷が膿んで苦しむ方がよっぽどましだ。

 

「いたぞっ!!」

 

「死ねッ」

 

「おらぁぁぁぁ、殺ってやる。」

 

走っていくと、犯罪者が近くにいたようだ。

 

手にもつ武器は無し、体の変化から異業型の三人組が徒党を組んで襲ってくる。

 

「……無視してくれれば、良かったのに……。これでいいか扱いにくいけど。」

 

俺は建物から、こぼれ落ちたであろう。鉄の棒を引っ張り出して胴体を殴った……

 

いつも持っているバールよりも、長めでそして細い。正直持ちにくいが、リーチの確保のためならば仕方がない。

 

どうやら棒の先が火によって強く焼けていたらしく。殴った相手の衣服の一部が、引火している。

 

燃えかたからして、ポリエステル製に見える。お金が無いにしてももう少し、火災ゾーンなのだから燃えにくい素材の服でも着てくればいいのに。

 

「アチいッアチい、みっ水。火ぃっ消してくれ!!アツい、痛いいたいイタイ。」

 

服すぐ脱げば、体に燃え移るのが最小限に済むのに。どうしてせずに、只水だけを求めてはい回っているのだろうか?

 

真っ黒くろすけの罠に嵌まったこっちが、言えたことではないが。脳みそが、無いのだろか?

 

「ひぃっ、なんだコイツッ。何で笑ってやがるんだっ、気持ちわりいっ。」

 

「ごちゃごちゃ言ってるんじゃねーぞっ!!ぶっつぶっす、そしてしっ」

 

煩いなぁ……まるで羽虫のようだ……さっさと潰そう。ガソリンを真っ先に掛けてこないあたり、酷い引火の心配はあまりしなくてもいいかもしれない。

 

飛んできた犯罪者(二匹目)に向かい、顔を蹴りあげる。そして腹を思いっきり、踏みつけた。

 

「気持ちわるいって、私の出来る限りの精一杯の笑顔立ったんですがね酷いなぁ……している理由?ヒーローだからですよ。

 

犯罪者。」

 

そうやって、最後の一人(三匹目)に向かって笑うとなぜか。

 

「ひっひいっ、もう許してくれ。後はいいから俺だけは許してくれ!頼む頼む本当に許してくれぇぇ」

 

叫んで、走り出してしまった……こんな徒党を組んでいるのに可笑しな事だ。

 

だけど、ヒーロー故に犯罪者を逃がす訳には心苦しいが出来ない。恨むなら俺じゃなくて、こんな犯罪者になってしまった自身を恨んでほしい。

 

出口に出ることを優先していたから、そっちから襲ってこなければ相手にしてなかったし……

 

俺は両足を見て、曲げた。相手の脚が二つともひじゃげる、すると腕でずるずると這い出す。

 

「………よいしょっと。はい動かないでください、すぐに終わりますから。」

 

「うわぁぁぁやめてくれっやめてくれっ

 

頼む、お前ヒーローだろっ?」

 

このまま動かれたら。正確には、連絡され犯罪者同士の挟み撃ちにあっては困るので。

 

相手の上に乗り、まずは左腕の関節を外そうとする。気絶した状態じゃないので、無駄に動いて喚いてやりずらい。

 

ちゃんと止まってくれればすぐに終わるのに、どうしてそんなに苦しみたがるのだろうか?

 

「……………次は右……。」

 

「イカれてやがる、化け物だっ俺達より化け物だっ。怪物だっ

 

お前なんて、ヒーローじゃない!!!」

 

………なんか、言っていたが後処理が終わったのですぐ次に行かなくてはならない。

 

「本当に、相手ガソリン持ってなくて良かったな……又はここを爆発させるような奴が居なくて。」

 

もっとも心配していた事は、無かったようだと確信した。普段と火の量が変わってなかったから。

 

ここに出来る限り全員を転移させ、そこでここの火災を再現するために使う燃料をわざと漏れさせ。纏めて引火させるとか本当に無くて良かった………

 

だって防げるだろう人、氷を使った学生さんと13号さんぐらいだし……

 

多分されたら、俺でも死ぬ。

 

「さて、急がないと。」

 

そうやってまた出口に向かい走っていった。




飛ばされちゃった……(火災ゾーンって殺意高いよね、下手したら死ぬ。普通に死ぬ……

プロヒーロー同伴じゃないとダメだねコレ、ここで授業するとか雄英高校パナイ(確信)


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その心は、燃える焔のごとく

そろそろ、火災ゾーンから出たい……


「13号さんっ

 

 

 

早くブラックホールをとめっがっ!!?」

 

そう言われると、その瞬間に彼が腹を蹴り飛ばされ。黒い霧に包まれ吸い込まれていく。

 

黒い霧の男の首には、プラスドライバーが突き刺さっていたのがよく見える。

 

「ディサンドさんっ!」

 

視界の端に黒い霧が見えた、気が付かなかった。今の時点で自身の個性により攻撃を受けていないのは…………

 

ディサンドさんが消してくれたから、としか考えられない。

 

私が迂闊にブラックホールを使いすぎた。そのせいで、ディサンドさんが……

 

「中々に厄介な相手でしたが、やっと掴めましたよ。貴方は見た方向しか影響が与えられない。

 

 

 

正直、死ぬかと思いましたがね。」

 

そう言う、黒い霧の男は淡々と言う。

 

もう単純に個性は使えない、実質的封印されたようなものだ……奥歯を噛む。

 

情けない。

 

そうすると、

 

「ブラックホール、驚異的な個性です。

 

ですが13号、あなたは災害救助で活躍するヒーロー。やはり戦闘経験は一般ヒーローに比べて半歩劣る!

 

邪魔が入りましたが、もう迂闊にはその個性は使えないでしょう!」

 

……図星だ、だけど!プロヒーローとして何も出来ないじゃすまな……

 

「13号さん!私たちの事を忘れないでくださいっ!

 

雄英高校のヒーロー科をっ!」

 

「そうだっ13号先生っ、そして飯田っ早くいけっ!俺たち全員で道を作ってやるっ!」

 

生徒達の声が聞こえた、怖いだろうにこんなに……そうだよね、後悔でくすぶっているのじゃ意味がない。災害救援で戦闘経験は少ない。

 

だがここで止まっては、人は救えないっ(ヒーローじゃないっ)

 

ここには、小さなそして大きな光(未来のヒーロー達)がいるのだから!!!

 

「………みんなっ頼むよっ!!」

 

「いくぞー!!!」

 

そのみんなの掛け声と共に、エンジンを唸らせて閃光のごとく飯田くんが走っていく……決してあの黒い霧の男に脱出を阻止させてはならない!!

 

「一致団結と言ったところでしょうか……ですがっここから先は行かせませんよっ

 

ヒーロー!!!」

 

黒い霧があたりに広がろうとしている、……私は個性を使う。先程までの強力な物とは違う、本来ならば必要のない物。

 

「ブラックホール!!!」

 

それは、先程までの破壊力とは真逆とも言っててもいい。只の風もしさっきのように利用されたとしても、攻撃にもならないような……

 

災害救援で、威力の調節には慣れていた。私の個性は強すぎるから、人を傷つけないようにずっとしていた。

 

崩れた瓦礫の中に、助けを求める人は何人もいる。それを救うために、ちゃんと。

 

「……驚異的な個性とは言いましたが……ここまで弱くもなるものですねっ!!」

 

そう黒い霧の男には言ってくるだが、これでいい……ここには未来のヒーロー達(生徒達)がいたのだからっ!!

 

「いくぞっ」

 

「なにっ!?」

 

障子くんが黒い霧の男を覆った、飯田くんは横に避けまた出口に走っていく。霧は軽いだからこそ、破壊力にもならない程度の力で良かった。

 

そして生徒が、その中で動ける程度の力で無くてはならなかった。

 

「だから、弱くても良かったんだよ!!」

 

「………ですがっ決定打にはなりませんよっ!眼鏡には消えてもらいますっ!!」

 

そうやって、飯田くんに向かっていくが……私は生徒達を信じていた。

 

その決定打を作ってくれることを。

 

今度は、お茶子ちゃんが走っていく……相手は飯田くんにしか目がいっていなかった。

 

そうやって首筋に触れた。

 

「うちらのこと、忘れているんじゃないかな?

 

ドライバー刺さっとったし、少なくともここは実体はあるってことだよねっ!

 

瀬呂くんっお願いっ!

 

私たちが、飯田くんをここから脱出させるんだっあぁぁぁぁ!!!!!」

 

「おうっ!言われなくてもっ!」

 

そうやって、黒い霧の男は空高く無重力となり飛んでいく。背呂くんは腕からセロハンテープを伸ばし吹き飛んでいく男に張り付けた。

 

そして砂糖くんがセロハンテープを引きちぎり、男ごと振り回していく。

 

「もう邪魔をするなぁぁ。」

 

投げると、はるか向こう側に吹き飛んでいった。その瞬間ギギギと扉の空く音が聞こえた。

 

……飯田くんが出ていったようだ。

 

これで希望の道は開けたことを確信する。

 

「みんな、まだ警戒は怠らないように。」

 

 

「……数だけやたらと多いな……」

 

追加2匹を相手にした後、武器を熱しながら走る。火災ゾーンだからあちらこちらに火がある。

 

早く出ないと……

 

「誰ですかっ!」

 

第一生徒発見、尻尾から尾白くんだっけ?まだ全員覚えきれて無いからなぁ……

 

あっそりゃあ誰って言われるよなぁ……コレ誤魔化せるか?下手したらヴィランと勘違いされて変なことにならないか?

 

とりあえず仕方ないから、止まって。

 

手にもってる武器を捨てて、手を上げて、息を吸って一呼吸置いてから。

 

「はいっ人畜無害無害な、用務員ですっヴィランじゃないです!だから暴力やめてっお願いします!

 

本当に、近くの出口知ってるから、嘘じゃないよホントだよ。」

 

とりあえず、本当の事をさらけ出す。ヒーローと言ってもこの見た目だと信じてくれそうに無いし……服着てればまだましだったんだろうけど。

 

イレイザーヘッドさん以下だもんなぁ、俺の知名度。目立ちたい訳ではないが、こういうときに不便だ。

 

一応ヒーローだとも言ってみるか?

 

「えっあの、用務員さん?とりあえず何もしないので、手下げてください。何でここに……ヴィランの襲撃があって今大変なことに……」

 

良かった、ヴィラン認定はひとまずは無くなった……理由か知ってるからそのまままた言おうか。

 

「そうだよ!只電波が可笑しくなったて言われて、修理しに来て仕事しに来たら。

 

いきなり、空中からここに転移だよ死ぬかと思ったよ!いやぁ本当にヴィランじゃない人いて良かったよ、ヴィランばっかりだもんやんなるよ!!

 

一応ヒーロー、やってるけどねこんな現場中々ないよ人数がやたらと数揃ってる。」

 

ちょっと本音入ってるけど気にしないでほしい、俺だってまさか修理で、ヴィランわんさかに巻き込まれる想像なんて。

 

一ミリもしてなかったから、軽い愚痴のようなものだこの後の事後処理も考えると頭が痛くなる。

 

本当にどうしてこうなった、まぁ来れただけ非常事態に気づけて幸運なのだろうけども……

 

正確に言えば悪運か?

 

「あぁ、それは災難でしたね……案内してくれるならお願いします。

 

えっ?ヒーロー、本当ですか?」

 

とちょっと呆れたような反応で言われて……ってそうだよねそう言う事になるよね。ヒーローだって信じられないよね……

 

だって見た目、普通の一般市民だし……ちょっと腕一本無いけど、しかもさっきの怪我で包帯ついてるけど。

 

そこら辺はまぁよしとしよう、そして深く考えるのは止めよう。出ることが大切だこれは、お互い共通しているはず。

 

「うん、いきなり言われてもアレだよね。信じても信じなくてもいいよ。

 

でも君を襲うヴィランでは無いから安心して、出口まで案内するから着いてきてくれると嬉しいな……」

 

「あっはい、わかりました。」

 

ちょっと、尾白くんは困惑しているようだがなんとか納得してくれたみたいだ。

 

さて行こ、そうやって攻撃する意図はないと示すために手放した武器をまた持った。暫く置いていたせいか、先端がより紅く色づいていた。

 

その後は、尾白くんが凄かった。サーチアンドデストロイって奴かな。尻尾を扱った移動術でヴィランは動きを読めずに出口への移動中バッタバッタと倒されていく。

 

俺もヴィランを幾人か、相手にするがヴィランと疑われる可能性を減らしたかったから。

 

少し押さえぎみにやっていた……本当は足折ってから、殴って気絶に持っていくのが、いつものパターンだったから……

 

それが周囲にとってあまりいい目は、向けられないことは知っている。

 

だけど、そうしないと一人では安心出来なかった。この個性がある世界(可能性がある社会)では、相手が動けばどんなことをしてくるか予想がつかないから。

 

オールマイトのように、本当に強い訳じゃ無いからね……可能性はなるべく潰しておきたい。

 

「尾白くんここだよ、はやくっ!」

 

火の紅以外の、白い淡い光が差し込んでくる。扉が見えた、ここが出口だ。

 

「出ましょう!」

 

そうやって二人で開けば、視界の少し先に……

 

俺はそれをいやその状況を正確に認識する前に、ナニかに向かって走り出した。

 

只一つ、分かっていたのは弟が今襲われていると言う本能にも近い直感。

 

それだけがそこへと体を走らせる。

 

「………弟に、なに手ェ出してんだ!」

 

頭に血が昇っていた、それを示すかのように包帯から血が滲む。治療出来るかどうか関係ない、攻撃してきているのは手一杯と脳みそむき出しの鳥頭。

 

手一杯は、焼けた鉄の棒を押し付けた。脳みそむき出しの鳥頭よりは人間らしいなら痛みも通じるだろう、まぁ痛覚無くしていても少しは離れる。

 

脳みそむき出しの鳥頭は、弟に向かう手を折った……いや曲げた、加減はしない後の治療で直るかどうかなんて考えない。原型が無くなるまで、曲げ続けた。

 

今、やれることを全てやる。

 

ここまでした相手に、遠慮は要らない(弟に手を出した、理由はそれだけで十分だ)

 

殺す以外のことなら、出来るのだから。

 

「ちっいてぇバケモンかよっ……だけどなぁ……、

 

脳無は超再生持ちなんだ。曲がった程度じゃすぐ直る。」

 

……弟にまた手が向かう、それだけはダメだ。俺は弟を強く押した、コレなら最低限身代わりにはなる。

 

超再生持ちなら、上限は要らない目を閉じずに逸らさずに脳みそむき出しの鳥頭(脳無)を見た。

 

だが、完全に触れる前そして俺が個性を使う前に脳無の動きが止まる。

 

「もう大丈夫 私が来た!」

 

平和の象徴の登場、一人が現れるだけで空気が変わった安心して泣いてしまっている生徒も見られる。

 

「……オールマイト。」

 

……なぜか弟は、心配そうな感じであるが……もしかして何かを知っている?

 

ここにいる人が知らない何かを……いや流石に無いか……

 

「コンティニューだ。」

 

手一杯がいう、もしかして……オールマイトが来なかったらそのまま帰っていたのでは?

 

ゲーム感覚であることがはっきりしたから、オールマイトが来なくても大惨事にはなるだろう(ろくなことにならない)

 

さて、まずはここから弟含めた3人をどうここから出すかだな……そこから対処を考えよう。




ブラックホールは吸い込んだものをチリに変えてしまう個性ですが、吸い込まないように気を付けるだけだとうっかりしちゃうこともあるのでは?と思ってスピード自体を変えられる事にしちゃいました……

生徒達が見ている中なので、ちょっと抑え目。

曲くんとある意味相性がいい脳無
(防御貫通攻撃持ちだけど殺さないように気を付けないといけないのが、ショック吸収がほぼ無意味で攻撃が通って、超再生で殺す心配がない。


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その男は英雄足り得るのか?

脳無くん!サンドバック人間の力をみせつけろっ!


「待っていたよ、ヒーロー…社会のゴミめ。」

 

現在の状況は、こちら側の切り札が来たが逆に相手の目的をある意味達成させてしまった状況だ。

 

正直いって展開としては、不味い。

 

除籍先生(相澤先生)は、大怪我だし恐らく鳥頭のせいだと思う………

 

うん?たしか相手、 超再生 ってばらしてたよな?異形型じゃないのか!?だけど明らかに姿は異形型だし、相澤先生の個性でも力を消せてない。

 

まさかっ!

 

「この鳥頭、恐らく複数の個性持ってますっ!気を付けてっ!」

 

本来であれば、あり得ない可能性だが。

 

前弟に突然現れた個性を調べた、その時に見つけた一蹴された学説。個性を譲渡または奪う個性、その存在。

 

複数の個性を与えるすべを相手側は、持っている確実に!!

 

「そうか 分かった、だがまずは!」

 

風が吹き抜ける、その瞬間に ヴィランが吹き飛ばされていた。殴ってすらいない平和の象徴(オールマイト)にしては只こちらに向かい走っていっただけとも思える。

 

それでこの、風圧だ。いや風圧だけで、このヴィランは十分と言うところか。

 

次に見えたのは、相澤先生を助け出す様子動きが早すぎて乱雑なぶつ切りのビデオを見ているようだ。

 

そして次にきたのは何かに持ち上げられるような、衝撃……衝撃というよりは皮膚に物が触れるような感覚だろうか。

 

「皆入り口へ、相澤先生を頼んだ。

 

ここは私が行く。」

 

地面に足がつく、軽く回りをみれば……敵地への離脱が終わっている。

 

……一度に5人を運ぶなんて、どんな持ち方をしているんだいったい………いやこれは今考えることじゃない。

 

俺の火力としては、相手のその後を気にしなければ(後遺症を度外視すれば)戦力にはなるだろう。鳥頭には攻撃は通じる。

 

もしオールマイトの物が通じなかった場合に、一つの手段ぐらいにはなるそう確信していた。

 

「失礼ですが私は、残らせてもらいます。

 

足手まといであろうが何であろうが、 視る 位は出来ますので。」

 

本来オールマイトが現れた時点で安心してもいいはずなのに、不味いような弟の反応も気になるし。

 

何より相手の目的はオールマイトである、対策を練っていなければ可笑しい。

 

いやそもそも真正面から倒そうとしていようとしている時点で、ここにいるヴィランの脳みそは狂牛病のようにすかすかなのかも知れないが。

 

そうやって、前を見れば。

 

手一杯さんの頭の手が、落ちていて拾っている所だ……その声は先程までとは大分違うように見える。さながら精神安定剤に近いものか………

 

近くにいたら、水辺の方にいくように蹴りあげられたのに……相手の大事な物はさっさと壊して相手が諦めてくれるように穏便に誘導(相手の嫌がる行動を実行)するのが一番いい。

 

こっちだって、暴力は振るいたく(面倒なことはしたく)ないのだ。

 

「CAROLINA SMASH!!!」

 

オールマイトが立ち上がったヴィランに向かっていく、当然そのままではなく鳥頭が立ち向かう………

 

普通ならば、早さにより凝視できないが……オールマイト(都合のいい囮)がいるのならば話は別だ。

 

相手を一定の位置に固定が出来る。

 

「………信じてますよ……貴方の事を。」

 

これは二つの意味、オールマイト()が耐えてくれるか………そして鳥頭の超再生の個性の力を。

 

視るのは頭いや……首、生物的に共通している神経がもっとも集中している部分ここなら最小限の破壊でダメージをもっとも与えられる。

 

………本当ならば、足と腕四本もぎ取っておきたかったけど……再生するならばその辺の配慮(生命の確保)は無駄になる。

 

「少し、お休みになられては?」

 

オールマイトは、脳無を留めている。攻防事態はあまり見えないが問題ない……

 

曲がれ、おもいっきり曲がれ後の事などはその時に考えればいい……鳥頭の頭が後ろを向く。ゴギィッと足とかを曲げたときに、よく聞く音を捉えた。

 

オールマイトは止まっている、驚いている訳では無いだろう……きっと次への警戒をしてくれているのだ。

 

その後にニジュリと生肉が動くような雑音が混じっていたから……再生は行われているのだろう……放置してはいけない。

 

捻り切らないと……

 

「………正気かよ、コイツ。」

 

ゴトリと一つ音がした。

 

頭って言うものは案外重い物体なのだな実感できる……たしかキャベツ1個分の重さだったであろうか?

 

腕を捻った時の違和感はあったが血などは出ない……いや体液が外部に流出する前に再生がおこなわれるから。

 

そう勝手に納得して、相手の方に向いた……どうやら頭の方から再生が発動するように見える。

 

だが頭以外すべてが再生の対象になる……時間が掛かると判断して行動に移したが思ったより再生スピードが早い。

 

やるなら確実性を得たい(頭ごと砕きたい)が………それはヒーローの基本に反してしまう……

 

手一杯が何かを言っている、仕事には関係がない(正直どうでもいい)が返答はしておこうか……

 

「えぇ至って正気です、ヒーローは生かすものですよ?なに言ってるんですかヴィラン。

 

ここまでやってもパアですし……私は何もしていないのと同じです。」

 

再生されて意味の無くなった、元の首以外の脳無の肉体を少し見て思ったことをそのまま話した。

 

本当に相手の言っていることの訳が分からなかった、再生するならば、どれだけの負傷を負おうが結局は0なのにどこを気にする必要があるのだろう?

 

個性の使いすぎか、またはヴィランへの対応に疲れてきたか又はその両方か頭が痛くなっている……

 

「黒霧……少し手順を変える……まず、あいつから潰す。ワープゲートは使えるか?あのまま放っておけば、ゲームの後衛と同じだ、脳無が無力化され続けられ無い。」

 

……いや何でこっちに注目向くの……軽く絶望してるんだよ超再生が超再生過ぎて……もう少し、再生による時間稼げると思ったのに。

 

目的のオールマイト目の前にいるよ?

 

いや……脳無がそのオールマイトを狙うための要石だったから、その要石に少しでもひびを入れられる存在として危険視されてしまった感じか……

 

相変わらず、オールマイトは再生した脳無の足止めだし……向かってくるのは手一杯さんと真っ黒くろすけの二人がかりになるかな……

 

手一杯さんはなんとかなるとして……こっち側として一番厄介なのは真っ黒くろすけだ、ワープして場所離されたり……落下死レベルの高さからおとされされかねない。

 

「ディサンドくん!」

 

いや……どうやら、こっちの認識が間違っていたようだ。オールマイトの叫ぶ声が聞こえる、目の前にはワープゲート……そのなかには脳無がいた曲げようと思っても先にはオールマイトがいた。

 

脳無がそのままならば問題はないが……ワープゲートの中にいるからしまわれたら延長線にいるオールマイトを攻撃をしかねない。

 

……異常なまでの攻撃力を相手に逆手に取られた感じだ、何度かこう言うことはあったが……規模が違いすぎた。

 

「後は、お願いしますね……平和の象徴。」

 

そのまま目閉じる、髄骸が軋むような幻覚を覚えた……別にそのまま諦めている訳ではない、俺は弟の言うヒーロー(オールマイト)よりも力はないから、そっちを温存させることを選んだだけ。

 

それに、死にはしないだろう……だって相手はオールマイトが目的なのだから生かさず殺さず。精々挑発の材料ぐらいにするはずだ。

 

まぁ読みが違っていたら、笑っておこう。

 

「突っ立ってんな!!馬鹿がっ!」

 

「ゴベラッ!?」

 

えっ?横から衝撃がきた、なんか殴られた声は認識出来なかったが……

 

「モヤモブがあっ!さっきはやってくれたなぁ!!」

 

爆破の音。

 

「お前らごときに平和の象徴は潰されねぇ、そして俺たちも負けはしねぇ!」

 

目の前の何かが凍りつく音。

 

「クソッ良いとこねぇー!」

 

「かっちゃん!みんなっ!」

 

目開くとそこには、これからを担うヒーロー達の姿が見えた。

 

俺は真っ先に反射的に言葉を発する。

 

「超再生のスピードは早い、どんな怪我でもすぐに復帰すると思った方がいい。油断せず離れてっ!

 

後殴るのは流石に酷くないか?」

 

殴られた箇所正直にいって結構痛い、個性使わない時の全力で殴って無かったか弟?

 

助けるための強制移動の理由以外にも何か入ってそうだったぞ。日頃の恨みか?ストレスか?大丈夫か?

 

「危険なときにぼーと突っ立てたのが悪い。」

 

うん、切り捨てられた悲しい……たしかに今言うことじゃないと思うけど……もう少しフォローほしかったな……

 

一応、頑張ったんよ……ヴィランに変に警戒されて脳無けしかけられたけど……

 

「へっ このうっかり野郎め。やっぱ思ったとおりだ!

 

モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる。そのモヤゲートで実体部分を覆ってたんだ。そうだろ?

 

全身モヤの物理無効人生なら危ないっつう発想が出ねぇもんな。…動くなっ!俺が怪しいと思ったら即座に爆破する!」

 

「ぬうっ……」

 

少し回りを確認すれば、生徒の一人がヴィランを一人取り押さえていた……だが他にもヴィランはいる……やっぱり特に面倒なものは……

 

脳無と呼ばれる鳥頭……命令範囲外に出すのが一番いい方法か……

 

「ヒーローらしからぬ言動。」

 

その発言は俺にも効く……いや、こっちに言っている訳じゃ無いんだろうけど、わざとじゃないんだよ頑張ってるよ。

 

いや………少し要らんこと考えすぎてるな…。

 

「攻略されたうえに全員ほぼ無傷。すごいなぁ最近の子供は。恥ずかしくなってくるぜヴィラン連合」

 

そうやって手一杯さんが言っている、うちに凍結した部分が砕け新たな腕や足が出てくる。

 

「もうばらしちまったが、超再生だな。脳無はお前の100%にも耐えられるよう改造された超高性能サンドバッグ人間……お前を殺すための代物さ」

 

そうやって笑う、遊びはまだまだこれからだと言うようにちらっと一人の生徒に捕縛されたヴィランを見て。

 

「まずは出入り口の奪還だ。」

 

………ヴィラン側の出入り口って……

 

まさかっ!

 

「爆豪くん、そのヴィランをはなせっ!」

 

その瞬間、衝撃が来た。

 

後に見えるのは……無傷の生徒と地面に衝撃を受けたような跡がついているオールマイト。

 

恐らく……いや確実に、脳無の攻撃から生徒を守ったのであろう。

 

「子供相手に加減を知らんのか!」

 

そうオールマイトが口を開いた……それから察するに子供がまともに受けていたら、ただじゃすまなかったのだろう……オールマイトでも地面に跡をつけるぐらいの衝撃だったのだ。

 

「仲間を助けるためさ しかたないだろ。」

 

オールマイトの言葉に、手一杯さんは笑いながら口を開いた……なぜかその言葉の一つ一つに不快感しか感じることが出来なかった。




曲くんの内心とフリガナが酷いのは平常運転。

…………コイツ何でいままでヒーロー出来てるんだろ………やっぱり優秀な外付け回路(ヒーローと法律)とブレーキ(弟と義母)がいるからかな……


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落ち行く影はエンを描く

どうしてこうなった\(^o^)/


「あの地味なやつ……

 

あいつが俺に思いっ切り殴りかかろうとしたぜ?他が為に振るう暴力は美談になるんだ。

 

そうだろ?ヒーロー。」

 

何か色々言っている、 立ち止まって これは普通に使えるのではないか?というより今までの様子を見ていて悠長に相手がくっちゃべっていることに驚きなのだが。

 

普段は左足だけだが……手二つとも危ないしなぁ、骨折とすこし神経捻る程度だけだから全部やってしまってもいいか。

 

緊急時だし、何でオールマイトが犯罪者の話を聞いているのかがわからない。

 

これは、よくある変身ヒロインの変身中に攻撃を仕掛けてはいけない法則のようなものか……ヒーローだからねそこら辺のお約束はわかっているのだろう。

 

「俺はなオールマイト、怒ってるんだ。同じ暴力がヒーローとヴィラァァァァァアアアぁぁ!!」

 

ちゃんと見つめる、どうやら手一杯さんはオールマイトにしか興味が無いようだ。強烈なファンのようで熱烈な思いを伝えている。

 

ちゃんと言うなら最後まで言えばいいのに、手一杯さんは煩いほどの声を出して倒れた。

 

ただ足首と手首をすこし捻っただけだすこし動かすための神経はイカレてしまったかも知れないが。

 

十分現代の科学技術でなおる範囲、それが無理でもリカバリーガール等の治癒の個性もあるのに。

 

「ディサンドくん……!?」

 

オールマイトがこちらを向いていた、早く終わりにしないと。相手に時間を与えるな、奪えこっちが主導権を握れ。

 

「オールマイト、早く早くお願いします。脳無は命令に従う、いまあいつが喋っていた時に動かなかったのが何よりの証拠です。」

 

あの話していた時に、脳無をオートでも襲わせるように動かせば良かったなのにそれをしなかった。襲わせた方があちらにとって優位になるのに。

 

又はそれをしないほど油断しきっていたが、だけれども脳無に自己意思は無いと思ってよいだろう。

 

「くぅぅあがぁ……ちっ。」

 

 

 

「死柄木、ここは………」

 

「あぁ、撤退するぞ!こんなオールマイトの他に怪物がいるなんて先生に聞いてねぇぞ。

 

最後の土産、だ………脳無暴れろっ!!」

 

 

怪物なんて心外だ、それに元々脳無で私の力は分かっていただろう……あのとき動かなかったから致命傷を与えることが出来ただけであって。

 

オールマイトへの熱烈なラブコール(下らない話)がいいたかったなら。

 

目に留まらせられないように、左右にひたすら走っていれば、良かったのだ。

 

絵図等のかっこよさは、ここは度外視させてもらう。常時戦場であり、ここは相手から見て敵地のど真ん中(ヒーロー達の学校)

 

奇襲を仕掛けて優位性を取ったとしても一つしか見てないと当然こうなる。

 

なんの戦術的な面白味もない、一つの結果だ。

 

「脳無はぶっちゃけ私では抑えられません、正直に言えばオールマイトさんにぶん投げます。」

 

脳無が、黒い霧に包まれていくヴィランを背後に動き出す。土煙が舞った。

 

「……あぁ、後は任せておいてくれ!みんなっ」

 

ここからは、とりわけ特筆するべき点は無いだろう。只いつものように悪は倒され(ヴィランは逮捕され)正義は勝った(オールマイトは勝った)

 

それだけのこと、

 

その後、飯田君がきて増援により事態は収束。まだ鎮圧されてなかった、ヴィランの掃討も完了した。

 

弟の怪我は指のみ、足や腕の骨は問題なかったようだった。

 

うん?なぜ正義の言葉がヒーローではなくオールマイトなんだっけ、まぁちゃんとしたヒーローはあの場で私含め余り利益のある行動が出来なかったから。

 

平和の象徴とは聞こえがいいが、平和が一人に依存してしまっているのは………これからが不安になる。

 

生徒達は、きちんと警察による安全確認が行われた後軽い調査等を受けて帰宅したらしい。

 

ちなみに俺は、今個性の使いすぎによって事件の5時間後いつものように業務をこなしていたら、倒れ病院に緊急搬送。

 

丸々3日ほど寝込み、そして目覚め………

 

義母さんの涙で大変だったこと以外心配されることもなく塚内警部に今回の件について、熱烈な説教を受けてる。

 

悲しいねっ!思わず泣きたくなるよ、自業自得って確実に言われると思うけど。

 

弟は一回目覚めた時に、果物一杯持って見舞いに来てくれたよ。

 

開口一番「いつも通りだね。」と言われたけど。

 

「聞いてるかい?流石に緊急時といえども相手の首落としたり、手首や足首を脈絡もなく捻るのは怖がられるよ。

 

更にいつもと違い、回りに人がいる。それが君の戦いかただと分かってはいるが……」

 

そういい澱んでいた、視線や認識を気にせず。ただ結果を求めた戦いかた仮定を無視して、ヴィランを倒したという結果だけ残る戦い方。

 

まぁウケは確実に悪いだろう。

 

だけど、それを補っては一種の油断であり慢心であり傲慢だ。俺は弱い、だから相手に可能性を残さないようにした。

 

そうしたらこうなっただけ、したくてやっているわけではない。

 

「ヴィラン相手に何を配慮(油断)する必要があるんです?でもすこし派手に個性使いすぎてしまいましたねすいません。

 

本来ならば次の仕事に影響が出ないように押さえるべきでした。

 

大分休んだので、退院からすぐ仕事復帰は行えると思いますので……」

 

3日も仕事を休んでいるのだから、こんなことで怒るのも無理はないすこし仕事を詰めてやっていこうか。

 

あっヤバイ……用務員の仕事も無理矢理休んでいることになる、後で関係者とか同僚とか先輩に謝りまくらないとなぁ。

 

「……そう言うことじゃ、無くてだなぁ。」

 

と塚内警部はがっくり首を下げていた、回答がズレていたらしいだがあの件ではやれることはやったつもりである。

 

手加減しても大惨事しか見えなかったし………それほどまでにヒーローとしては俺は実力が無いのであろうが。

 

「俺は完璧じゃありませんからね、英雄には慣れませんよ。英雄もどきなら何とかできる程度です、ヴィランは犯罪者です。

 

犯罪者は刑務所へ、ゴミはゴミ箱へ、無職はハローワークへ、不良は少年院へ。

 

それぞれ俺は、そうであるようにぶちこむだけです。

 

ヒーローというよりかは、ヴィランの退治者(掃除屋)の方が近いと思ってますし自覚はありますよ。

 

誰もゴミ掃除をしなかったら、地面は汚れてしまいますから。」

 

そう笑った、ヒーロー(英雄)ではなくヒーロー(掃除屋)という職業として。ヴィランが社会にとって邪魔だから取っている、簡単に言えば社会の傭兵だ。

 

軍隊や警察が直接動くほどではないが、迷惑になっている行為を直接叩く………それだけの存在。

 

輝かしさ、とか憧れとか……

 

元々本来ヒーローを目指すべきものが持っているヒーロー像が無いままに職業としてヒーローになったのだからある意味こうなるのは当然の決議だと思う。

 

弟がヒーローになるための助けに……だしね、元々のヒーロー免許習得理由。自分が、助けになりたいとかそういうものではない。

 

そういう明るいヒーロー像は、他の輝いている方達にお任せしよう。疲れるし、そこまで強くはなれないから。

 

「……できないのなら仕方がないが、我々もすこし思うところがある。少しずつでもいいから改善してくれれば幸いだ。

 

警察としては、君が頑張っていることは十二分にわかっているが……市民が理解してくれるかは別になってしまうからな……」

 

「わかってますよ、貴重な時間をわざわざ俺のために使ってくれてありがとうございます。」

 

守っている人が分かってくれるかは別かぁ……だけど守る事自体が目的だから、それだけである意味完結してしまっているんだよな……

 

さて……、そろそろ医師に退院の相談するか。

 

結局俺が倒れた原因は、脳だけだから。

 

3日も、倒れたのなら十分休まってるだろう。

 

 

時は少し遡り。

 

「少し……また活動時間が短くなったか……」

 

夕暮れの保健室ここにいるのは、活動時間過ぎた(役目を果たせない)平和の象徴。そんな彼を訪ねてくるのは一人の警部、本来ならばこの秘匿されてなければならない状況を知っている一人。

 

「失礼します。オールマイト久しぶり。」

 

保健室に入る前に、きちんと帽子をとって頭を下げた。そのきちんとした動作は彼を彼至らしめる。

 

「塚内君!君もこっちに来てたのか。」

 

恐らくヴィランの襲撃事件の件だろう、彼が担当になったらしい。聞き取り調査として来ているのであろうが、友人と会えるのは嬉しい。

 

「はは、大きな事件だったからね。怪我とかで悪いけどヴィランについて詳しく……」

 

そう問いかけてくるが、私にはどうしても聞きたいことがあった。

 

「待ってくれ、それより生徒は皆無事か?相澤…イレイザー・ヘッドと13号、ディサンドくんは?」

 

制止して、捲し立てる。

 

相澤くんは特に大ケガをおっていた、しかも頭部にだ。脳等に大きな損傷を受けていてもおかしくはない。

 

生徒達も、ヴィランの驚異に晒されたのだ。

 

「生徒は軽傷数名。教師二人はとりあえず命に別状なしだ。脳にもだ、その場に居合わせたヒーローも怪我はない。」

 

塚内君はやっぱりと言ったような表情で、調査情報を書いたような紙をぺらっと見てから状況を教えてくれた。

 

私は張った気を安心で緩め。

 

「そうか…」

 

と言葉を吐く、塚内君は続けて語った。

 

この状況があり得ないほど被害が少ない、と言うように。

 

「四人のヒーローが身を挺していなければ生徒らも無事じゃあいられなかったろうな。」

 

この状況は四人のヒーローのお陰といった、だが私は違うと感じる。

 

生徒達もまた守られるだけの存在でなく、未来のヒーローの一員であったと言うことだ。

 

「一つ違うぜ塚内君。生徒たちもまた戦い、身を挺したこんなにも早く実戦を経験し生き残り、大人の世界を…恐怖を知った。」

 

本来ならば、一年生の時点でヴィランのやりあうことは無い。実際のヴィラン相手の実践は多くの者は二年生の頃だ、まだヒーローとしての志も早いとき。

 

「1年生で今までこんな大きなヴィランを相手にしたことがあっただろうか。

 

ヴィランもバカなことをした。

 

このクラスは強い、強いヒーローになるぞ。

 

私はそう、確信している。」

 

経験は力だ、自身の力を認識して更に強くなっていくだろう……焼けた鉄を叩いて鋭い剣となっていくように。

 

そして、そう思ったが一つ気になることがあった。

 

ディサンドくんのことだ、彼と直接的に共闘することは初めてでヒーローとしての友好関係も無かった。

 

だが、余りにも他のヒーローとは性質が異なっていた。ヴィランと対峙したときの様子が守る為や名声でもなく、ただあると邪魔だから片付けたというなんの感情も籠っていないような。

 

彼を一言で表すならば 反復するロボット

 

と表現すれば、よいのであろうか?ヒーローとしてはこの性質は異端だヒーローを目指すような人は、個が強い。

 

コミックのような非現実的な個性を使いこなしてヴィランや災害等にを向かっていくのだから……

 

それなのに、余りにも……夢がない。

 

相澤くんとは違う、不気味さを感じるような……先の見えない霧を人型に押し込めたような不安定さを感じた。

 

「ディサンドくんの事でね、塚内君は何か知っていることはあるかい?

 

今まで出会ったヒーローとまるで違っていたから、少し話が聞きたくてね。」

 




こいつの一番の有効的な攻撃の一つは皮肉にもバイクとか車でのひき逃げアタックだったりする。
つまり飯田君は、最有力候補。
(攻撃対象が確認できない、早くて反応しずらい、と言うか本体の防御力はあんまりない。)
こいつと戦うときはよく動いて立ち止まらないようにしてねっ!あっという間に足とか腕がポッキリ逝くよ!

今回は、足の負傷から守りました。


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事件の後、未来の英雄

主人公視点、少しフェードアウト。


あの事件からすぐ後にUSJから出た僕たちは、刑事に点呼を受けていた。

 

「生徒達は全員無事か……いや、君はすぐ保健室にいきなさい。

 

そのままだと、不味い。」

 

刑事の人は、僕の個性によって負傷した指を一別した後言った。お茶子ちゃんや峰田くん、飯田くん梅雨ちゃんもその警官の言葉にうなずき。

 

「私から見ても、痛々しいわ。行ってリカバリーガールに見てもらった方がいいわよ。」

 

梅雨ちゃんは、僕の指を見ながら。

 

「そうだぞ、一番の怪我だからなっ放置するのはよくない。」

 

飯田くんは、刑事の人に同調するように。

 

「こっちから見ても怖ぇえからよ……」

 

峰田くんは怖がりながら。

 

「そうだよっデクくんっ!早く治しておいた方が安心するよ!私たちも。」

 

お茶子ちゃんは皆の目を見た。

 

「うっうん!」

 

僕は、詰まるように返事を返してしまった……

 

だけど、どうしても気になることがあった。

 

それを聞かなければ、安心して保健室に治療をしてもらいに向かえない。

 

気が緩んだのか、指の痛みがじわじわと伝わり広がってくる、それを無視して。

 

「すいません、オールマイトと相澤先生は大丈夫何ですか!?」

 

そう一つ言えば、刑事の人はスマートフォンを手に取り。

 

いくつか確認するような行動をした後。

 

「両腕粉砕骨折顔面骨折。幸い脳系の損傷は、見受けられません。

 

ただ眼窩底骨が粉々になってまして…目に何かしらの後遺症が残る可能性もあります。

 

だそうだ。

 

オールマイトは同じく命に別状はなしリカバリーガールの処置で対処可能。

 

13号とディサンドは現場で対処したヒーローで、怪我が少ないためこちらで事情を聞いているところ。」

 

そう一通りの僕たちが分からなかった先生たちの状況が伝えられた、その言葉に安心する人達もいれば相澤先生を心配する人達もいた。

 

「ありがとうございます!」

 

僕はそうお礼をして、保健室に向かった。全員命が無事な事とオールマイトは大丈夫だったことに安心しながら。

 

その後、保健室でリカバリーガールの治療を受けてすぐに帰ることとなった。

 

オールマイトに大丈夫か色々と聞きたかったけど……ヴィランに襲われた生徒として、早めに帰った方がいいとされたことと。

 

オールマイトからも。

 

「私の方は大丈夫だから、早く帰りなさい。親御さんも心配するよ。」

 

と言われてしまった。下校の時は多くの人が、直接両親のどちらかが車で迎えに来ていた。

 

僕も例外でなく、お母さんが遠いのに校門の前にいて。

 

「出久!無事だったのね!良かった、本当に良かった。警察から連絡が来てヴィランに襲われたって。お母さんビックリしちゃって。

 

本当に、良かった。

 

曲も電話で声も聞けた、本当に良かった。お家に帰りましょう、今日は疲れたでしょう?」

 

僕の姿を見た瞬間泣いていた、警察から連絡が来て姿を見るまで無事が心配で仕方なかったと。

 

思いっきり抱き付かれて、こっちもビックリしてしまった。

 

「うん、僕は大丈夫だよお母さん。」

 

そうやってお家に帰ったはいいが……お兄ちゃん(バカ)がやらかした。

 

最低限の取り調べが終わった後、細かな雑務をこなしていた最中。

 

急に倒れて意識が無くなり、病院に緊急搬送されたらしい。

 

今家に病院から連絡が来て……

 

お母さんも病院に、搬送される一人になりそうなほど号泣している。

 

「落ち着いて、お母さん!いつもの個性の反動だからっ!2.3日ぐらいで戻ってくるよっ!」

 

個性の使いすぎだ、お兄ちゃんの眼の個性は脳に大きな負担をかける。

 

普段はきちんとやっているので反動は抑えられているが、外れるとコレだ。

 

「でも、曲が……。私は、気がつかなかった。」

 

今回はヴィラン襲撃の件もあって、よりものすごい動揺している。どう収めればいいのか分からない、水溜まりが物凄い。

 

「大丈夫だから、お母さん!様子を見よう、今はどうしようもないよ。」

 

僕は、お母さんの背を叩いた。お兄ちゃんは、色々とアレかも知れないけど………

 

ちゃんと何もないように、いつもの調子でお家に帰ってくる、そういう人だ。

 

「………うん、そうね……今日はいっぱいありすぎて疲れちゃった……」

 

と涙をお母さんは拭いていた、今日の夕飯は暖めるレトルトのカレーとパックご飯だった。

 

警察から電話で急いでいて、炊飯器のスイッチを入れ忘れていたそう。帰ってから、お母さんは気がついたようだ。

 

 

「昨日雄英高校ヒーロー科の災害訓練施設で、生徒達がヴィランに襲撃を受けた事件の続報です。」

 

テレビをつけると、ニュースでは昨日のヴィラン襲撃事件の事をどのテレビ局でも大きく取り上げられていた。

 

ヴィラン連合によるUSJ襲撃事件により、学校は臨時休校になった。

 

だけれども、心は全く休まることは無い。

 

USJでは、先生たちの足手まといにしかならなかったし……オールマイトの活動時間も短くなってきている。僕が継いだのだからもっとものにしないといけない!

 

あと、お兄ちゃんも心配だ。

 

個性の使いすぎのせいだが、それ以外にも手のひらにかなりの火傷をしていた………多分火災ゾーンで負ったのだと思う。

 

「出久少し、お留守番お願いね……すこし曲の様子見に病院行ってくるから。

 

冷蔵庫にプリンあるから食べてていいよ。」

 

「うん、分かった。ありがとうお母さん。」

 

僕は病院に行くお母さんを見送ってから、癖のようにオールマイトの動画を見てダンベルを持ち上げていた。

 

何かをしていないと、落ち着かなかった。

 

ふとプリンが冷蔵庫にあることを思いだし、ダンベルを下に降ろした。

 

「えーとどこかな……、牛乳も飲もう。」

 

冷蔵庫を開けると、ひんやりとした冷気が肌をつたう。奥からプリンを一つ取り出してスプーンを台所から持っていく。

 

牛乳もコップに注いでテーブルに置いた。

 

……学校休みだし、外には禁止されてはいないがあの事件の後だ出ない方がいいだろう。

 

室内でできる、鍛練といえばダンベルを上げ下げするぐらい……それと勉強。

 

プリン食べ終わったらお母さんが帰ってくるまで、ダンベルを持ち上げる事にしよう。

 

「……静か、だねやっぱり。」

 

僕以外誰も居ないリビング、お母さんは病院に行っているし。

 

お兄ちゃんは病院で、眠りこけているのだから当たり前なのだけれども……

 

いつも休みの時は、うるさいほど話しかけてくる。正直に言えば鬱陶しいと思った事は何度かあった。

 

テレビを見ていて、楽しみにしていたオールマイトの特集の最中に話してきて……

 

呼び掛ける声とオールマイトの名台詞が被って聞こえなかった時は……

 

正直、軽くお兄ちゃんを殴りたかった。

 

だけども居ないとなると、結構寂しい気がする……やっぱりお兄ちゃんは家族で自ま……いや自慢じゃない。

 

アレが自慢の兄だったら、僕自身を疑うはめになる……うん無いな。

 

「次学校の帰り、果物でも買って見舞いにでも行こうか。電車ですこしよれば早いし……なるべく長持ちするやつがいいかな?

 

リンゴとかオレンジとか、そこら辺の……」

 

病院に入るのも、親族だと言えば大丈夫だろう……と言うより何度かお兄ちゃんが利用させてもらってる病院だから相手はもう分かっているかも知れない。

 

………あっプリン無くなった……美味しいものって無くなるの早いな……じゃあ、頑張っていこう。

 

「ただいま、出久。」

 

やっとお母さんが病院から帰ってきた……正直に言えば腕はかなり疲れた。

 

だけれども、この個性を使うには必要な行動だからきちんとやる必要がある。

 

「おかえりなさい、お母さん。お兄ちゃんの様子はどうだった?」

 

「………ぐっすり寝ているわ、お医者さんもしばらく休ませたら問題ないって。

 

全くこっちの気も知らないで。目覚めたら家の掃除でもさせようか。

 

だけど、その前に曲はしばらくはお粥ね……」

 

とすこし呆れたようにお母さんは言った、前の日と違いすこし落ち着いたみたい。

 

お兄ちゃんにも特に異常は、無いようで僕も安心した。異常が無いとは思ってはいたが……。

 

「そうなんだ。」

 

「出久は明日学校でしょ?準備はしてあるの、忘れないうちにやっておきなさい。」

 

お母さんから、心配されたのか言われてしまった。臨時休校だからといってそこら辺に抜かりはない。

 

「今日の朝準備したから大丈夫。」

 

「そうなの?」

 

「うん。所で今日の夕飯って何?」

 

「昨日はカレーだったから、サバの塩焼きかなぁ?」

 

「塩焼きかぁ。何か手伝うことあるかな、お母さん。」

 

「じゃあ……ご飯の後の皿洗いお願いしようかな。」

 

「分かった、皿洗いだね。」

 

そんな他愛もない会話を、続けていく。また明日学校だ、ヒーローになるために頑張っていくんだ。

 

そう心で思って、テレビをつけて適当なチャンネルに合わせてからこれからするべき事を思い浮かべた。

 

個性の事や勉強、戦いかた……軽く思い浮かべても沢山あり課題は山積みだ。

 

だけどコレをしなければヒーローにはなれない、けれど逆に考えればコレらを行えばヒーローに近づけると思うと楽しみになってくる。

 

 

そして、次の日。

 

朝の時間に僕のAクラスは、ヴィラン襲撃のニュースの話題で盛り上がっていた。

 

テレビで写らなかった事を気にする人や、先生たちの強さを話し合う人、今日のホームルームは誰だろうとか。

 

相澤先生は刑事さんの話を聞いた限り、かなりの重症だと思うから……よっぽどの事が無い限り学校には来ないだろう。

 

そう待っていると……

 

「おはよう。」

 

がらっと教室の扉を開けて、包帯を全身に巻いたミイラのような姿に変化した相澤先生が出てきた。

 

「相澤先生復帰早ええええ!」

 

「プロすぎる…」

 

とか、あまりの早さに言葉が上がってきていた。

 

相澤先生は教壇に立つと……

 

「俺の安否は、どうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねぇ。」

 

そう言葉を発した、やっぱり何かよっぽどの事があったのかと神経を張る。

 

その次に相澤先生の口から出てきた言葉は、僕たちにとって大切な行事の一つ

 

「雄英体育祭が迫ってる。」

 

雄英体育祭が近いと言う、嬉しい知らせであった!




出久くん頑張れっ!頑張れって感じのデクだ。

扱いが雑なのは、曲がね色々とアレやから見捨てて無いだけ温情だと思う……嫌ってはいないんだけどね……よくあるアレだようん。(遠目で対応しても疲れるタイプの人間なのにむっちゃ近くにいるからね。

基本頭が上がらんのは、義母さんやで。)


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まだ、準備段階。

これから先オリジナル要素多めになるかも……


相澤先生の口から

 

体育祭の言葉が出たとき、教室は騒ぎたった。

 

だが、ちゃんとその危うさを認識している者もいて騒ぎたつ者を押さえて。

 

ヴィランが襲撃したばかりなのに大丈夫なのかや、襲撃がまた起こってしまったらどうするなど不安の声を口にした。

 

それを黙らせるかのように、相澤先生は。

 

「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示すって考えらしい。警備も例年の5倍に強化するそうだ。」

 

といい放った、僕はヴィランがこのヒーローの学校雄英を襲い体育祭に影響が出たら。

 

害を与えられたとまた更に酷くなるかも知れない、それも考えての開催……確かに僕達生徒や先生が何事もなく体育祭を実行したら。

 

テレビ放映をされるし、ヴィランへの一種の牽制にもなるだろう。

 

「何よりウチの体育祭は最大のチャンス。ヴィランごときで中止していい催しじゃねぇ。

 

ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ。かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ、全国が熱狂した。今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した。

 

それに変わるのが、雄英体育祭だ。」

 

強くいい放つ。

 

 

 

ある意味大きくなりすぎてしまった反動、期待は叶えればそのままだが崩せば重石になる。慣習は習慣へ、だんだん根本へと移動していく。

 

よくも、悪くも肥大化をして学校の体育祭という、枠組みだけでは収まり切らなくなってしまった。

 

昔だって、感染症が流行っている癖にその場所でオリンピックを行ったそれと同じ。

 

そう、兄が聞けば確実に言い出すだろう。

 

 

 

だけれども、この体育祭が開催されて嬉しいと思っている。ヒーローとして、そして僕自身として。

 

「この体育祭はプロヒーローも多く見に来る。

 

年に1回、計3回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ。その気があるなら準備は怠るな!」

 

そうやってホームルームは終了した。

 

そして、昼休み………授業が終わった後。

 

タイミングを計るかのように、スマートフォンが鳴り出した。すぐさま僕は取り、番号を確認したその番号はお母さん。

 

通話を繋げ、耳を当てた。

 

「もしもし、出久?病院から曲が目を覚ましたって連絡受けたから伝えておくわね………詳しい話は病院行ってないから分からないけれど。

 

一応伝えておこうかと思って、急にごめんね。」

 

兄の回復の知らせだった、スマホを見てみるとメールにも書いてあり多分確認に近い。

 

僕は。

 

「わかった、ありがとうお母さん。

 

後急じゃないよ今お昼休みだし、気にしないで。じゃあ電話きるね。」

 

そう言って、電話を切った。回りは、体育祭の話をしている。

 

それは当然だろう、だってプロヒーローに見られる記帳な機会の一つなのだから。気合いも入る。

 

「デクくん誰と話してるの、あと着信すごいねー!」

 

「うっ麗日さん!?」

 

電話で回りが見れて無かった、前を向くと顔が近い焦ってのけ反るが………

 

僕は椅子に座っていた。

 

察しのよい皆様なら気がつくだろう、転倒したのだ。椅子に座ったまま後ろにのけ反れば当然の結果だが。

 

どしゃんと音が一つする、スマートフォンの落ちる音がカランと聞こえた。

 

「いてて……あっ大丈夫だよ!?」

 

腕がすこしじんじんする。頭は打ってはいない、恥ずかしくなり。すぐさまスマホを拾い椅子を戻し座り直した。

 

何人かこちらを向いて、すぐさま視線をはずす………どうかそのままそっとしておいてほしい。

 

「ごめんね!デクくん、ビックリしちゃったよね。声もかけずに急に言って。」

 

「大丈夫か。緑谷くん何処か怪我をしてないかっ!」

 

お茶子ちゃんは、頭を下げて。飯田くんはこっちに来る。飯田くんは個性を使わずとも脚が速いとしっかり再度認識した。

 

「いや、飯田くんも大丈夫だよ。僕が話し掛けられたのに気がついてちょっとビックリして……」

 

そうやって頭を掻いた。

 

「そうか。怪我が無いなら安心だが。」

 

「うん、デクくん誰かと話しているみたいだったからすこし気になって……」

 

あっそうか聞かれてたんだった。

 

「えっとからお母さんだよ、まぁ大したことではないよ。ちょっと言いたいことがあったみたいで。

 

後着メロはオールマイトだよ、ネットからダウンロードして設定したんだ。」

 

それを聞いてお茶子ちゃんは、うんうんとうなずいてから飯田くんにも同意を求めるように明るい口調で話始める。

 

「そうなんだ、ありがとう!オールマイトってこんな着メロとかもあるんだね。はじめて知ったよ。

 

所で体育祭はどうかな!?頑張らないとねっ、だって3 回しかないチャンスだもん。」

 

「そうだな、だが顔がすごいぞ。麗日くん、はりきるのは当然だが!」

 

飯田くんは突っ込みを入れている、すこし笑って聞いていると一つ思い出した。

 

なぜ教室に僕達以外の誰もいない……そして今は昼休みであるということを。

 

「二人とも、今お昼休みだからそろそろ食堂いった方がいいかも……?」

 

「あっそうだね、話すなら食堂でもいいもんね。食べはぐれたら午後の授業で大変だし。」

 

「では、行こうっ二人とも。廊下を走るのは、悪い行為だ。」

 

そうやって食堂に移動していった、その最中お茶子ちゃんのヒーローになりたい理由を聞いたり。

 

オールマイトに食事に誘われて。

 

今ここに居る。ここは会議室の一つのようで、それなりの大きさのソファ1つと椅子が2つおいてあった。

 

「友達と一緒の時に、すまないね。ここにでも座ってゆっくりしてくれ緑谷少年。」

 

「はっはい!」

 

僕はおっかなびっくり、椅子に座る。オールマイトは何か話があって食事に誘ったんだろうどうも緊張してしまう。

 

テーブルに広げられたお弁当はオールマイトの手作りのようで、体に良さそうなメニューが多い。お茶を貰い、ひといきつく。

 

「さて……まぁ食べながらでも聞いてくれ。私の活動時間の限界が50分程度に減った。最近脳無やらなんやらで無茶しすぎた、マッスルフォー……」

 

時間が減っている、その事に気がつかなかった。確かにオールマイトは言ったこの個性は受け継がれる物だとなら……

 

「……わかりました、オールマイトの力を受け継いだ僕はもっと頑張らないと。いけな……」

 

「まぁそこまで、詰めなくてもいい。それと関連するんだが………箸止まってるぞ?何か苦手なものでもあった?」

 

「あっいえ、ちょっと考えてて美味しいです!きんぴらゴボウ。」

 

「それはよかった、新しいお茶。君まだワン・フォー・オールの調整できないだろ。」

 

きんぴらゴボウを口に詰めながら、ちょっと待ってまだ口の中に……でも話さないと。

 

「ごほっ、はいでも人に使おうとした時は無反動で……それに威力も抑えられてたと思いました。

 

多分無意識に……」

 

オールマイトの100パーセントの威力は、直接相手に当てれば容易く人を殺す。

 

僕もそれを持っている、今までは物にやっていたロボットやかっちゃんとの戦闘訓練ではビル……だがあの時は、ヴィランという生きている人にその個性を向けた。

 

個性を使った腕を握り見つめる、そうすると。

 

「無意識での、コントロールだが進展はしているということだね。

 

正直私が先程も言ったように、活動時間は短くなって来ている更に闇に潜む存在も着々と力を蓄えてしまっている。」

 

ヴィラン襲撃もその一つだろう、オールマイトの平和の象徴をワンフォーオールを引き継ぐために。

 

ここで、やらなくてはいけない。

 

「はいっ!体育祭で上位を目指していけばいいんですねっ!?」

 

そういつでも、進んでいかないといけない。プロヒーローになるだけでも大変なのにオールマイトの意思を継ぐならば。

 

悩んで立ち止まるよりは、進むべき道があるなら走りながら悩めばいい。

 

「そうだ、次世代のオールマイト。平和の象徴の卵…緑谷出久が君が来たってことを世の中に知らしめてほしい!

 

まだ、ワンフォーオールの調整も不十分。体育祭への時間も短いが緑谷少年ならば、出来るとしんじているよ。」

 

オールマイトははっきりと言った。僕に期待と重圧が同時にのし掛かっていく。

 

口を開く。

 

「わかりました、オールマイト。」

 

……その後は、普通にご飯を食べた。というよりなぜ食事中にこんな話をしてしまったのだろうとお互い後悔をしたような表情をしていた。

 

お弁当は、美味しかったです。

 

放課後、帰りにヴィランに襲われたクラスとして出口に人だかりが出来ていてでるのが大変だった。かっちゃんも挑発をしてしまうし……

 

帰りに、スーパーマーケットで梨とかオレンジとかリンゴとかを、おこずかいで買って。

 

電車で病院によった、用件はお兄ちゃんのお見舞。病院内で兄がいる病棟の番号は教えてもらっていたのでそこへ向かう。

 

医者や看護士さんも、すべてほとんど知っている人だ……それほどまでに兄がここの世話になってしまっているという裏返しでもあるが。

 

「お兄ちゃん、見舞いに来たよ。」

 

そう言って602号室の扉を空ける、ベットは少な目のゆったりとした部屋。お兄ちゃん以外の何人かが腕に包帯を巻いて吊り下げていたり。

 

または、イヤホンでテレビを見ていたりなど様々だ。

 

「あっ!弟っ、今はげんきだぞ。心配してたか、お母さんはちょっと大変だったなぁ……まぁ嬉しいけどさ。」

 

そう開口一番ちょっと大きめな声言われ、更に身振り手振りが激しい。

 

病み上がりなのだからもう少しおとなしくしてほしいと本気で願っている。

 

「いつも通りだね。」

 

と事件の後の色々なことの疲れも合わせて、死んだ目でお兄ちゃんを見て言ったことは僕は悪くはないだろう。

 

「いや、いやいや。もっとほかに、言うことあるでしょ。確かに急に倒れたこっちが悪い………いや確実に俺の方が悪いか……いやそうじゃない。

 

心配したとか、一言ぐらい言ってもいいのよ。」

 

あぁ………やっぱりいつも通りだなぁ、ヴィランに襲われたという事もそういうものが感じられないような……

 

「……倒れた時点から、心配はして無かったから。はい果物……お母さんからお粥って聞いたから食べすぎると腹壊すよ。」

 

と僕は、今日買ってきた果物を横に置いた。心配は実際していなかった、回りから見たら酷い事だと思われるだろうけれども。

 

この会話は何回もしている、兄がプロヒーローに目指した頃から。

 

「え………果物かぁ……でさぁ、ナイフは?」

 

「えっ?」

 

「だからぁ……果物ナイフ、リンゴはギリギリいけるかもだけど梨とかオレンジ皮ごと食べたくないよ?」

 

「忘れた、だからリンゴを皮ごとで頑張れ。」

 

「そんなぁ……あんまりだぁ。これふじかなやっぱり、真っ赤っか。」

 

そういいながら、兄は笑って病院のベットの上で一口皮ごとリンゴをかじった。

 

僕はそれを見て、笑った。




ちょっと性格変わっちゃて居るかも知れない……まぁキャラ崩壊あるしね……うん。

ここの出久くんは、察しが当社比でよくなっている感じです。あとナンセンス低め、変なのがついている結果かな?


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真に恐ろしきは目に見えない

視点が戻ってくるよっ!


病院から退院した日の夕飯は、お粥だった。

 

栄養剤をうたれているとはいえ実に3日断食状態だったのならば、腹壊すだろうしなぁ。

 

多分いつものとおりに、2日間は味気の無い食事になるだろう。その後はハンバーグを作ってくれる。

 

その代わりに暫くは豆腐や野菜生活になる、義母さんは大変だろう………お粥にお醤油入れたい。

 

体も大分鈍っているだろうしなぁ、事務等の業務は問題なくこなせるとは思ってる。

 

けれども……一瞬の判断が命取りになるヴィラン退治は、体が大事すぐに取り戻さないと。

 

その後は、歯を磨いてすぐに寝た。

 

その前にもう無くしたくない人達(家族)に声を掛ける。

 

「おやすみ。」

 

そういえば、二人はこちらを見て。

 

「おやすみ。」

 

と返してくれた、とても嬉しく思えた。

 

 

朝は、弟よりも早く起きて学校へ向かう。生徒よりも職員など働く人の方が事前の準備は多い。

 

早めの電車に乗り、会社に向かうサラリーマンと共に揺られる。

 

いつもこの暇な時間には、本を読む。逆に言えば本を読むぐらいしかすることがないし同時に出来ることも無い。

 

駅を降りてからバスへ乗り換えて、学校へ。そしてすぐに用務員室に向かった。

 

「さて……ちょっと掃除と片付けでもするか。」

 

誰もいない部屋を見て呟く、ちょっと早めに来ている。ロッカーから箒と塵取りを取り出して床を掃いた。

 

すると紙の屑ゴミが結構出てくる、ハサミやら書類を纏めるのにすこし出てしまうから。

 

部屋を掃除して回る時に俺様に割り当てられた机に、見覚えの無い紙が何枚か置いてある。

 

「ヴィラン襲撃事件にて、警備従来の5倍に強化それにおける体育祭での用務員の業務内容の一部変更のお知らせか………」

 

内容を見れば、警備増員による雇うヒーロー数が増えることやそれに伴う迅速な連絡をとるようにとの指示。

 

大まかなスケジュールや主な巡回ルート等々……

 

増えた仕事や複雑になった仕事が書かれている、俺にとって実に頭のいたくなるような内容だった。

 

「てっもう体育祭かぁ……時間って過ぎるの早いな、俺が年取ったせいなのか?

 

弟も張り切るだろうし……、すこし訓練付き合おうか…決勝戦までいけたらいつものタイマン勝負と決まっているから。」

 

弟にとってこの体育祭は、大きなチャンスのひとつである。俺の仕事量が、増えた事を悲観してはいけない。

 

体育祭が警備を5倍に増やしても、ヴィランの侵入などの大きな失態が起これば……もしかしたら中止や停止等の事態に陥る。

 

それは確実に、避けなければならない。

 

 

 

弟は決してそれを、望んではいないから。

 

 

 

突然ギイッと扉から音がなった。

 

そういえば、そろそろ同じ同業者(用務員)が来る時間だ考え事をしすぎていた。

 

俺は手に持っていた資料を机にしまい、暖かいお茶淹れる。

 

朝はいつでも寒い、それは桜がとっくのとうに落ちて蒼い葉が初々しく生えても同じ。

 

「おはようございます、3日間無断で休み申し訳ありません。

 

本日復帰いたしました一日頑張っていきたいと思います。」

 

そう扉を開けて来た同業者に挨拶をした、用務員としては一番の新入りだ。回りとの関係にはしっかり気を使わなくてはいけない。

 

さて……今日も仕事だ。

 

しっかりこなさなければ。

 

 

仕事はブランクがすこしあるとはいえ、それなりに終わったトラブルがなかっただけだけどね。

 

今日はやたらと訓練場を借りる生徒が多くやはり体育祭という行事が生徒にとって大切な物であることが分かった。

 

「さて、きりのいいところまでやったら帰るか……ロボット修理なら中途半端だと忘れるしなぁ。」

 

カチャカチャと滑りが悪いところにオイルを射したり、部品を交換する。

 

この学校ロボット自体は夜でも稼働する物もいるらしく、そのお陰でゴミはほとんど無かったり。警備面がとても強いそうだ。

 

俺には全く関係がなく、そして興味も無いことだが。マニュアル通りに最後に音声認識テストをして作動できれば完了か。

 

「あーあー、起動開始。彼処のゴミを掃除してください。」

 

そうやって紙屑を投げ捨てる。行儀が悪いとも思われてしまうだろうが……これも確認のひとつ。

 

するとロボットは動きだし、棄てたゴミを内部に入れた。動作に不備はない、これなら修繕は完了にしていいだろう。

 

「………帰るか。」

 

そうやって、扉を閉めた。駅へ向かいに電車に揺られる帰り道、人は少ない。

 

そういえば明日は、休みだったけ?土曜日のような気がする。弟とすこし話をしてみよう。

 

朝も寒いが、夜も寒い。

 

「ただいまー、すこし仕事で遅くなった。」

 

「おかえりなさい、今日は豆腐の味噌汁と焼き魚だよ。腹壊さないようにしてね。」

 

「わかりました。てっ食べてないのは俺だけか………まぁ帰るの遅かったからなぁ。」

 

家に帰る時間も含めると、大分遅くなる。俺はテーブルに座って味噌汁を暖め直す為に火をつけて、その間にご飯をすこしだけ盛った。

 

「いつも仕事頑張ってるね、曲。」

 

「そりゃあしっかりこなさないと、信用なくなっちゃうし………信用って大切だよ?」

 

義母さんがすこし心配そうに話していたので、ぼこぼこ沸騰しぎみな味噌汁の火を止めて。注いだ、湯気というか熱気がすごい。

 

「曲はいつでも、いつも通りね。」

 

すこし呆れたような物言いだが、まぁ誉められていることにしよう。俺はあっつあつの味噌汁に、すこし冷めたご飯を入れた。

 

行儀が悪い感じであるが、これが一番の食べやすい。レンゲですくう……

 

「あつっ!!」

 

「なにやってるのよ……はいお水。」

 

………ぼーとしてて油断してた。もらった水で口内を冷やす、そのあとに箸で魚をつまんだ。

 

「ほふん、もぐ。」

 

魚は鯖のようで、結構塩が効いている。ヒーローの授業はこの学校の場合結構体が動かすから……塩分足りなくなるだろうし。

 

そういえば義母さんも、訓練メニュー送られて入学後結構本とか色々と調べてたからなぁ。

 

「ご馳走さまでした。」

 

空になった皿を、流しに置いて弟の部屋に向かう。ノックを2回ほどする。1回何回もやったらものすごく弟に怒られた。

 

「いるかー?」

 

「いるけど……。」

 

「いや明日休みだからさ、そろそろ体育祭だろ?訓練一緒にやるかなっと。」

 

「分かった、何時から?」

 

そう弟は、答えた。訓練自体は結構一緒にやっている。俺が一応プロヒーローっていう事実もあるかもしれないけど。

 

10時から……学校の訓練場を借りようか、多分お互い入れるだろう……個性無断使用は違法だから。

 

俺は訓練の際には、個性を使う予定はないが弟は別だ。俺のように使っただけで取り返しのつかないようなものではない。

 

使えば使うほど、馴染んでいくものいや出たばかりなのだから……馴染ませるのも同時にやらなくてはいけない。

 

「雄英高校の訓練所に10時に集合でいいか?後訓練内容はどうする、やりたいことがあるなら優先する。」

 

「そこは、お兄ちゃんに任せる。こう言うことはちゃんとやってるから……」

 

「うん分かった、了解。」

 

約束を取り付けて、扉越しの会話を終える。そういうことに対してはちゃんと信頼されている。

 

弟はまだ個性の調整が上手くいってはいない。それは、俺の目から見てもあきらかだ。

 

体育祭まで約2週間、俺が経験からすぐに出来るのは対人戦の立ち回り等。不意討ちの対処等現場で必要な技能も教えていきたい。

 

本当に俺がプロヒーローとして、怖い敵は目の前で暴れるヴィランではなく。ヴィランとして活動していないヴィラン予備軍(助けるべき市民の一部)

 

最初からヴィランとして動いていればやり易いが、潜んでいれば打てない。出る釘は打たれるとされるが出てはいないのだから。

 

ヒーローも人間だ、首を切られれば重症。心臓を突かれても重症、どれだけ力が無かろうとナイフを持てば殺せる程度の力を持つ。

 

銃も同じ、個性がどれだけ弱かろうと………誰だって人を傷つける力はある。どれだけ気弱に取り繕うと、油断はしてはいけない。

 

「明日は早めに学校いくために寝るか。」

 

体育祭の事もある、すぐに場所は埋まるから早めに場所取りをしておこう。訓練はウォーミングアップ30分で適度に休憩10分にしておこう。

 

スポーツドリンクは……買いだめしている粉の袋いくつか持っていけばいいか。

 

そして部屋に入る。

 

相変わらず、本と紙とベットしかない部屋だ。なにか装飾品でもつけてみたらましになるだろうか?

 

という思いを抱きながら枕元にあるナイフを確認して、毛布に体をくるんでいくやっぱり夜は寒いなぁ……

 

 

ジリリリリリ!ジリリリリリ!

 

不快かつ単調な電子音が脳に響く、あぁ今日も朝だ。意識を覚醒させて。音の元を断つ(目覚ましを止めた)、今は7時らしい。

 

「おはよう、二度寝はしちゃダメだね………物凄く眠いけど……」

 

ベットから降りて、財布とスポーツドリンクの粉。大分昔訓練に使っていた木製のナイフ等などを持っていくものとしてリュックに乱雑に詰めていく。

 

そして定期券が入った、上着を羽織り。学校へ向かうために出ていった。電車に乗るが、会社に向かうのものは少ないため大分空いている。

 

「さて、訓練は詳しくどうするか。」

 

正直詳しくは訓練内容は考えていない、ヒーロー基礎学での進み具合や弟本人の成長具合等を考慮しなければいけないから。

 

俺見たいに、相手の足や腕を折る対処法は完全にダメだし………弟にはさせたくない。まずは敵の攻撃をいなす方法を中心にやっていくか。

 

どんな武道でもまずは、身を守る方法を教え込まれる。柔道だと受け身から入る、それと同じやられる前にやれとはよくいうが。

 

ある程度の防衛手段がなければ、その方法をやることも不可能。逆に身を守る方法を知っていれば、それは相手の防御を崩す方法も分かる。

 

「おっと……降りそびれるところだった。」

 

そろそろ目的の駅に着くのに考えすぎていた、ちょっとだけ冷や汗のようなものが出ている。ひとつのことに集中しすぎるのは不味いなやっぱり。

 

そうやっていつもの通りバスで……とはいかなかった。すこし休日で時間が違っていた為歩いて向かう。

 

学校内部に入って、走らないように急いで訓練場へと向かった。その時に同じ用務員の方とあったのでちょっとした挨拶をして通りすぎた。

 

「さてっと、訓練場の場所取っておくか………今のところは殆ど人居ないようだしな!」

 

楽しみだなぁ!俺も頑張っていこう、義母さん抜きで一緒に何処かで何かをやるってあんまり無かったからなぁー。

 

リュックから、木のナイフを取り出してすこし降った。ヒュンッと風を切るような音が一つ……コイツも調子がいいようだ。




コイツ……社畜精神あるのでは?(疑惑)


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案外最後はあっけないものである。

訓練回、すこしぽい戦闘シーン入るかも?


訓練場に来てしばらくすると、やっぱり人が増えてきた……いつもやっている人もいるが体育祭への調整の人もいて結構多い。

 

腕につけた時計を見ると待ち合わせ時間まで後10分……弟は丁度か5分前ぐらいにはちゃんと来るだろうから。

 

遅刻なら、電話かラインしてくる。

 

「………暇、まぁいいか。」

 

やるべく事をやった後の時間は、いつでも辛いものだ。すこし回りを見た、主にやっているのは個性の強化……

 

普段は中々個性を思いっきり使えないのだから、訓練としては中々の選択だろう。

 

「来たよ、お兄ちゃん。」

 

おっ時間ぴったり、聞きなれた声の方向に顔を向けるとそこに雄英高校のジャージをきちんと来た弟がいた。

 

「丁度、時間ぴったりだな。じゃあまずは柔軟体操から入るぞ、アキレス腱とかしっかり伸ばせ。

 

時間としては10から20分、始める時は金なり。時間は有限だ。」

 

そうやって準備にはいる、これから多く体を動かすのにアキレス腱が切れて病院送りとか洒落にならない。柔軟体操が終わった後は……

 

30分ほどのジョギングをするつもりだ、これは訓練というよりは本人の成長をみることが中心。

 

それでどれだけ体力が削れているか……体育祭はいわゆる連戦だ、休憩もあるが本来のカリキュラムとは全く違う環境に晒される。

 

「背中押すよ。はい1.2…」

 

「イテテ……ちょっとまっ弟、ゆっぐぁぁぁ。」

 

「うるさい。」

 

俺も柔軟体操しているが……押しすぎだと思う、明らかに曲がりすぎている。一応人体としては可能な範囲だ、よくテレビとかで見るだろう……

 

パフォーマンス的な、柔軟さのアレだ。

 

一応プロヒーローとして体を多く使うため、柔軟性はある程度のあるはずだ。

 

痛い。

 

「はい!柔軟終わりかな?終わりだよね!?」

 

「それはお兄ちゃんが決めることだから、だけどさ……辛いからやめるの?そんなんじゃないと思ってたのに……

 

……すこし残念だなぁ……」

 

……ちょっと楽しんでませんか?弟よ。俺が追い詰められているのを見て楽しんでませんか?

 

試されてるの?試されているの俺は?

 

……くそったれぇ!あぁいいさやってやるよ、兄の意地を見せてやるよ!

 

「……まだこれが限界だと思っているのか?」

 

「はい、1.2……」

 

「うぇぇぃ!」

 

そうやって長い柔軟体操を終える。30分間のランニングを行う、弟は息切れ等はしていない……

 

体力的にはそれなりに入学してから上昇しているようで問題は無さそうだ。

 

これならば、メインの訓練時間を減らしたりなどの考慮は必要ないかな………間の休憩やお昼の時間はきちんといれるけど。

 

手の感覚を掴むように、握ったり離したりを何度か行ってから木製のナイフを持つ。

 

そしてその切っ先を、相手()に向けた。手加減はしない……それこそが弟の為になるのだから。

 

「じゃあ、今から本番行くから。俺からの攻撃を避けるかいなす事に集中してくれ。

 

弟は個性を使ってくれても構わない、俺はコレ一本でいく。」

 

「お願いしますっ!」

 

弟も気合十分のようだな、さてじゃあ軽く。

 

足に力をいれて進む、いつものようにナイフを振りかぶる。狙うのは、大動脈が通る足か首か頭。

 

即死が一番怖い弟の身に起きては一番いけないこと、それ以外なら現代の医学でまだなんとかなる。

 

ならここでは俺は弟の最悪の敵(仮想敵)として、動く。

 

弟はどうやら、ナイフを持っている右手に注意を向けている。目線と進もうとしている足の方向から分かる。

 

「……………」

 

俺はそのまま接近して、注意が足からそれていたので腹を蹴った。

 

「がっ……」

 

そのまま倒れた(転んだ)ので相手の足を踏んで動けなくしてから、首にナイフを当てた。

 

本物だったら力をいれれば、首がずんばらりんで終わりになってしまう。

 

「1回目、相手を警戒するのはいいが一部にのみ意識を集中させない。他の部分から仕掛けられる、目や足の無意識の動きにも注意が必要……

 

むしろそれを理解して利用する考えで動いた方が俺はいいと思う。

 

次大丈夫か?」

 

そう足をどかして、倒れている弟にしゃがんで話しかけた。一応加減はして腹を蹴った、内臓とか色々と傷つくと大変だし……

 

「大丈夫、次をやろう。」

 

……すこし腹抱えてたけど、まだやれるみたいだ。一応怪我は無さそうだし。

 

「じゃあこっちから決めるから、その間体の構えとかそういうの決めておいて。」

 

本当ならば、離れた後すぐに仕掛けにいくが……それでは訓練にならない(弟が学べない)

 

つまり前の失敗から考えどういう行動を取ろうとするかが、次の相手の見るべき部分。襲う際には仮想敵、話す際には助言者として動かないとならない……

 

中々こっちも頭を使う。優秀な選手が優秀なコーチに必ずしもならないとよく言われるが……その理由がわかりそうだ。

 

ちらりと弟の様子を見ると……考えてはいるがきちんと此方に注意を向けている。俺が勝手に仕掛けるタイミングを決めると言ったことが、効いているみたいだ。

 

だけどさ……ぶつぶついう声大きいよ、結構俺も人のこと言えないような気がするけど。

 

考えがある程度纏まってきた様子だし……やるか、木製のナイフを隠す……あちゃ袖の短い服着てたまぁいいか。

 

そのまま普通に挨拶するように、相手に近づく。そしてまたナイフを振りかぶるが……

 

「……そこは見えてるよ!お兄ちゃん。」

 

脳天への向かう軌跡は腕により弾かれた、予告はしていたとはいえ反応は中々かなだけどもまだ初段を防いだに過ぎない。

 

すぐさまナイフを引き、コントロールを戻し切り替える。相手は足を引いて、距離を取るようだまぁ逃げるやいなすことの練習なのだから……その判断は間違いじゃない。

 

だけど……

 

「……遅い。」

 

体格差等もあるが、一歩で足りてしまう。相手の左胸に切っ先が食い込む、それは心臓を取ったという擬似的な決着。

 

俺はナイフ降ろして、気になったところを淡々と連ねる。

 

「2回目、足やちゃんと俺の行動などを見て動いていたのはよかったが。

 

引くという作業に手間取っていた、ならそのままの位置で追撃に備えていた方がまだ防げる可能性はある。

 

まぁそれは個性を使ってないときの話だが……弟次もいくか?」

 

そうやって告げると弟は、拳を握っていた。そしてそれを俺の方へ向けて。

 

「何度も、確認しなくてもいい。僕はまだまだいける、お兄ちゃんこそ何度も確認なんかして、疲れているの?」

 

そう顔についたすこしの汗を服の裾で拭いながら、好戦的な笑みを浮かべていた。

 

「そういうと思ってたよ、弟。」

 

俺は、その事が嬉しい(楽しい)と感じた。

 

今度は先程とは違い、間をいれずに再び向かう。あぁ本当に嬉しい(楽しい)、お互い話せるこの時間が。

 

相手の後ろへ回った後、足を横に回す。すると飛んで地面に手をついて、離れる。

 

光の線が所々に見えた気がした、個性だとしても一瞬だけの加速。それぐらいならばまだ追い付けるし、予測で対処は可能。

 

さぁちょっと、やってみようか。

 

また向かうそしてナイフを振りかぶるそれだけだと、単調以外の何者でもない。

 

弟は、少し気が張りすぎているようだ。ある程度の体は力を緩めなければ、本来の能力は発揮しずらくなる。

 

「………」

 

相手に向かって、上着を放り投げる。対処にどれだけ時間がかかるか、又は視野が狭くなっているうちに対処できるかの勝負。

 

相手は手を払って上着を吹き飛ばした。その時の手を見た左手だ……

 

なら……左は確実に空いている(此方の攻撃を防げない)

 

右でもできるだが、それは油断だ、そして怠慢でもある。全てに全力で向かわなくては、この訓練のなんの意味がある?

 

相手の喉元に切っ先が触れた。

 

「………油断した。」

 

弟は少し喉元に突き立てられた木製のナイフを一瞥して残念そうに口にした。

 

「3回目、これは弟の動きが悪いというよりは俺が大人げない方法を取ったという方が正しいな。

 

目潰しとかの相手の視覚の妨害は、戦闘においてかなり自らを優位にする。

 

車の運転の奴と同じって事だ。

 

後は、少し緊張している感じだな………もう少し肩の力を抜いた方が疲れにくいし、動きやすくなる。」

 

「肩の力を抜く、妨害……

 

後もう一回、いややれるだけお願いします!」

 

「……あぁ、勿論そのつもり今日は一日中だ。弟疲れすぎて倒れるんじゃないぞ。」

 

まだ俺がやれることは山ほどある(教えるべき事は山ほどある)

 

それをどれだけ今日で詰められるか、とりあえず進めるだけは進んでみよう。

 

後の事はまたゆっくり考えていけばいい。

 

 

計30回を越えた辺りから、何度か防がれるようになってきた。俺のパターンをきちんと読めてきたということだろうか?

 

「……うーん、そろそろお昼にでもいくか?もう午後2時だし。俺も訓練に集中してて気がつかなかったが。

 

弟が訓練継続したいなら、俺も当然付き合うが弟の判断に任せる。」

 

回りを見渡せば、人はかなり少なくなっていた。水分補給として使っていた粉を溶かして作ったスポーツドリンクも4Lあったのにもう少なくなっている。

 

「僕も気がつかなかった、確かに行った方がいいかも知れない。少し長い休憩も兼ねてでもいいかも?」

 

そう弟は首を少し疲れでなのか傾げながら答えた……しばらく動いてないと汗でひんやりしてくる。

 

俺も弟も汗が服に染みている。

 

「所で弟、体操服の替えってきちんと用意しているか?店行くとしてもそのままじゃ少し失礼になるかも………」

 

「そこら辺は大丈夫、お兄ちゃんの心配には及ばないよ。きちんともう一着体操服は用意してあるから。」

 

弟はそういうと少し離れてビニール袋から、もう一式の体操服を出した。

 

「なら良かった。じゃあ弟は着替えてから校門で待っててくれ、俺は少し片付けとか同じく着替えで時間使うから。」

 

「わかった、先に待ってるね。」

 

さて……弟は校門に行ったがお店はどうしようか?訓練時間が昼食に食い込むだろうから迷惑になる予約はしてないし……

 

ここら辺でカツ丼が美味しいお店って聞いたことないし……更にランチラッシュさんのお陰で、ハードルも上がるなぁ……

 

もう、マックでいいかな?昼食……もしくはモスバーガー後で弟の食べたい料理でも聞くかぁ。

 

弟の意見は最優先食べ物だからあまり無理難題は出ないだろうしね。

 

着替えをしてペットボトル捨てて……弟の元に向かおう、待たせちゃ悪いしね。




弟といっても容赦はしない(訓練)、だってすこしの油断が終わってしまう原因になるんだもの(訓練)。大人げない方法もある?それは様々なパターンやんないと危ないし( ̄▽ ̄;)ヴィラン怖い怖い

愛故の厳しさですよ、愛故の。

身体能力的には、相澤先生以下です(確定)その分技術(先読や誘導等)や体力面(持久戦)は強い。


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突然強くなることは、あんまりない。

ほぼ食事&会話。こんなんでも仲はいいのよ?心配しないで。


「弟ー待ってたー?ご飯どこいくー、弟の好きなところ連れてくよー!」

 

弟は、用意が大分いいらしく。声をかけたときには校門の辺りで乾いたタオルで濡れた髪を拭いていた。

 

俺の声に気がついたようで、こっちを向いてくれる。ちょっと考えたような素振りを見せて口を開いた。

 

「お寿司がいいな。」

 

………お寿司か、回らない方普通にいけるけど……お寿司のメニューだけの場所だとつまらないかな。

 

だけど回る方だと、せっかく外出したのにちょっと残念な気がするし……

 

そう考えると、ちょっとだけ調べた方がいいかな……できればテーブル席とか座敷がある場所。

 

会話の内容は……あまり顧客の情報は外に出さないと言われても聞かれたくないから、中居さんの居ない店っと……

 

考えたら、結構条件出ちゃったなぁ。

 

「ここら辺に、ある寿司屋の場所知らない。時間使っちゃうけど少し調べるけどいい?」

 

「うん分かったよ、お兄ちゃん。僕も場所知らないからね……待ってるよ。」

 

俺はスマホを取り出して、周囲の寿司屋を検索それから絞っていく……少し馴れない。

 

ある程度なら出きるのだが、応用ができない感じだ。本来ならばもっと効率のよい調べる方法があるのだろう。

 

そうやってちょっとした四苦八苦をして、それなりに俺の要望に沿った店を発見した。

 

「……弟ここでいいかな?」

 

スマホの画面を見せて、そこを拡大した。徒歩で25分少し遠めだが……他の寿司店を見れば大体それぐらいの距離であり。

 

むしろ25分は、他の近くにある寿司店に比べれば近い方だった。

 

「僕もそれでいい、これ以上店を探そうって言ったら更に時間過ぎそうだし……」

 

ちなみに調べるのに掛かった時間は、俺が四苦八苦して10分中々のタイムである。

 

これでも俺は頑張ったのだ、誰か誉めてくれてもよいと思う。頑張ったで賞的な意味で。

 

「……そうだね、お腹すいた。」

 

「じゃあ行こう、お兄ちゃん。悪いけどスマホ貸してもらっていい?案内してもらうと、迷いそう。」

 

弟は悪気のない表情で言った、普段よりも少し丁寧口調だが……言っていることに遠慮はない。

 

調べている様子で、一種の見切りをつけたのだろう。スマホをぎこちなく使い馴れてない人のスマホによる道案内を信用できるか?という話だ。

 

実際に俺が案内して、迷わずにいけるか?と言われるとイエスと確実には言えない。

 

一度行った場所には、道が確定している事もあり迷う事はないのだが、行ったことの無い場所はちょっとした迷子を挟む事がある。大体10~20分位迷っていた時もあった。

 

仕事としていくぶんなら無いから……何か休みとかになると抜けてしまうのだろう。

 

「うん、よろしく。」

 

ちょっと弟から目をそらしながら、スマホを渡した。そこら辺は俺と違いうまくやってくれるだろう。

 

弟は渡したスマホを見て、ちょこっと弄ったと思えばあるきだしていた。

 

黙ってついていくと、時々後ろを振り返ってくる……多分俺がちゃんとついてきているかどうかの確認だろうなぁそう思いながら、町並みを見る。

 

基本的に仕事が終わったらそのまま家に帰ってしまうため、寄り道はしない……近くにこういう景色もあると知れて中々面白い。

 

弟も色々歩きながら、見ているようで猫見つけたときはちょっとだけ立ち止まっていた。

 

寿司屋の近くまでくると、個人経営の飲食店が立ち並んでいた。お昼の時間はとっくのとうに過ぎているため、人は落ち着いている。

 

それでも、人が多めな辺りでお昼のかきいれ時には大変な量の人がこの道を埋め尽くすだろうことが容易に想像ついた。

 

「あっここっぽい!ついたー。」

 

店の前まで来たので、二人で確認のため立ち止まった。店名も紹介として乗っている写真も同じのためほぼ目的の店で間違いはないだろう。

 

「早く入ろう、お兄ちゃん。店はすいているみたいだし……」

 

「うん、そうだね。」

 

ガラッと扉を開けると、店の中から大将と思われるおじさんから。

 

「いらっしゃい!お二人さんかい?」

 

声をかけられる、少し後ろには大将の奥さんらしき女性もいてちかずいてきた。空いた席の案内とか、注文を取ったりするのだろう。

 

「はいっ、お座敷あります?」

 

「お座敷ねー今から案内しますから、着いてきてください。少し狭いので足下気を付けて。」

 

「わかりましたー。」

 

そうやって、案内された座敷は二人で来たこともあってちょうど良さそうな広さの場所を案内してくれた。

 

テーブルにはメニュー表と、呼び出しとして鈴が置いてある。食べたいものが決まったら鈴を鳴らして呼び出すのだろう。

 

俺と弟は早速靴を脱いで座敷に上がり、黙々とメニュー表に乗っているお寿司等の種類を見た。

 

タコ唐揚げやみかん寒天等もある辺り、お寿司だけ出す店では無いようだ。

 

ビールや日本酒とかのお酒もあるが、午後も訓練をするし勿論頼まない。

 

「弟何か頼みたいものあったかー?」

 

メニューを一通りみて、一応俺は頼みたいものは決めた。

 

鮭の握りとウーロン茶そしてタコの唐揚げの三つ、足りなくても後で注文をまたすればいいし実際後で桃寒天をデザートで頼むつもりである。

 

「このマグロ三味てっやつ頼んでもいいかな?」

 

弟は、赤身中トロ大トロの三つの握りが一つずつ乗った写真が乗ったメニューを指差した。

 

よくある味比べセットみたいなものだ。

 

「勿論いいけど、飲み物とか他に何かいる?」

 

「じゃあ……サイダー」

 

「了解。」

 

注文を弟から聞いた後、鈴を鳴らす。からんからんと乾いた音がした、そうしてからすぐに注文を取るために人がやってきた。

 

「すいません、鮭の握りとマグロ三味タコの唐揚げ飲み物にサイダーとウーロン茶ください。」

 

「はい、承りました。鮭の握り1つマグロ三味一つタコの唐揚げ一つサイダー一つウーロン茶一つ以上でよろしいでしょうか?」

 

「はいそれで大丈夫です。」

 

「それではごゆっくり。」

 

と来た人は頼んだものをメモにとって去っていく。料理が来るには少し時間がかかるだろう……握りとか刺身切るところから始めるだろうし。

 

「じゃあ、訓練のまとめやら色々話していこうか~それ以外のことでも何か相談とかあったら乗るよー。」

 

「やっぱり……個性のことかな。」

 

そうなるか、確かにぎこちない使い方をしているし実際俺の個性と同じぐらい危険いや……自傷で命を落とす危険性も含めれば……

 

弟の個性の方が危うい。

 

「個性かぁ、俺も一年の頃はコレに振り回されていたからなぁ……同じじゃじゃ馬ってやつかな?

 

弟と同じ雄英高校に受験したとき……

 

殆ど使うことなかった目を使って0Pごとビル何棟か綺麗にぶっ壊したからなぁ……勿論不合格だったけど。」

 

「うわぁ……」

 

「引かないでくれないかな弟?

 

まぁ弟は、入学時点で個性が初めてわかった……つまり弟が引いた俺とほぼ同じ状況だと思う。

 

事前の訓練も何も出来ないわけだ。いや正確に言えば、誰もが自然に身に付ける感覚が無い。」

 

少し弟の反応に悲しくなりながらも、俺が思うことを言った。

 

つまり回りの生徒いや普通の人間とは違って土台が最初から違う(馴れてないのは当たり前)

 

例えば一般人が機関銃を手にいれたとして、無知で使えば安全装置によりろくに撃てないかまたは暴発や反動でけがをするだけだ。

 

「うん、それは僕にも分かっている。本当なら自傷の可能性のある個性でも回りの人は10年以上個性を使っているんだ。

 

僕は、まだ個性を使う土台ができていない。

 

だからどうしたら……」

 

あぁうつむいてしまった、俺よりも頭が回りよく考える弟だから悩みを抱えてしまう。

 

難しい事ばっかり考えなくてもいいのに、単純でもいいんだよ。もし解決法方が間違ったとしても直せばいいだけなんだから。

 

「うーん、それは使い続けるしか無いんじゃないかな?弟は自ら怪我しないぐらいには、使えるようになったんでしょ?

 

さっきの訓練でも使ってたし。」

 

「だけど……普段の練習では、あまり使えないと思う。怪我とか色々な事があって。」

 

確かに、学校での訓練の際にいちいち吹っ飛ばしたりしないように調整とか脳の血管が切れる位に疲れるだろう。

 

弟の個性は、対人のみのコントロールだし……普段学校でする訓練だと問題が起きそうだ。

 

「あぁだからさぁ、そこに俺がいるんじゃん!個性使う練習がしたいなら俺を使えって、弟のお願いなら仕事ほっぽり出しても行くよ!」

 

「いや、お兄ちゃん仕事はほっぽり出さないで……でもありがとう。」

 

「失礼しますウーロン茶とサイダーとマグロ三味と鮭の握りお持ちいたしましたー。」

 

話しているうちに料理が届いた、二人とも渡されたお手拭きで手を吹いて料理と飲み物を受けとる。

 

ウーロン茶やサイダーは瓶に入っている、ちょっと旅館のようだ。

 

「やっと食事届いたねー。」

 

「お兄ちゃんが頼んだタコの唐揚げは、まだだけどね。頂きます。」

 

「唐揚げだし、揚げるのに時間がかかるんじゃないか?頂きます、醤油とわさびはえーとここか。てっ栓抜きどこ!?飲み物開けられない。」

 

「お兄ちゃん慌てすぎだよ、ここにあるよ栓抜き。マグロ美味しい。」

 

弟はもう食べ始めていた、そりゃ大分時間たっているし大分お腹も減っているだろうから当たり前か。

 

俺はもらった栓抜きでウーロン茶とサイダーを開けて、注いだ。

 

なみなみ注ぐと飲むのが大変になるからある程度の量で止める、炭酸だと泡がたってちょっとだけ溢れた。

 

「結構お寿司大きいなぁ。」

 

醤油にわさびを多めに溶かして、握りを食べた。美味しいなぁ、あまりこういう場所行く機会無いから高級とかよくわからないけど。

 

プロヒーローで上の方になると接待とかで行くのだろうか?俺は知名度捨ててるし関係の無い話だが。

 

あっタコの唐揚げ届いた。

 

箸でとって、口に放り込んだ。

 

揚げたてだったようで、結構熱い。気を付けないと舌が火傷しそうだ。

 

ウーロン茶を飲んで少し落ち着ける、揚げ物って揚げたて美味しいけど……熱いんだよなぁ。

 

「あつっ………あっ弟も唐揚げいる?結構熱いから食べるなら気を付けてね。」

 

「なら少し貰うね、レモンかけていい?」

 

「いいよー」

 

レモンが搾られて、タコの唐揚げに掛かった。弟はそれを箸で取って食べたが……

 

「あつっ。」

 

弟も同じような事をしていた……気を付けても、熱いものは熱いのだと俺は知った気がした。

 

……結構弟食べるようになったなぁ、やっぱり体力勝負な面も多いからかな?

 

「………唐揚げ少し冷まそうか。」

 

「うん、そうだね。またなんか頼んでいい、他にも気になる。」

 

「いいよ、だけどこの後も動くからそこら辺加減しないとちょっと辛いかも知れないから気を付けてね。

 

弟ならそこら辺はきちんと調整できるから、心配してないけど!俺も追加で何か頼もうかな?」

 

そうやって、時間は過ぎていく。いつも気をいれなくてもいい、たまにはこういう時間の使い方をしてもいい。

 

そういう時間が、次への糧になるのだろうから。少しずつ進んでいけばいい。

 

「寒ブリか甘エビ?」

 

「よく見るとこのメニューデザート、寒天かあんみつだらけだなぁ。

 

というか寒天だけむっちゃ種類ある。」




主人公紹介にアンケートを追加しました、少し先の展開に関わる可能性があります。

すごい1話寿司屋いって食べるだけで終わった。


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変化と呼ぶなら、コツを掴んだとき

しばらく更新なくてすいません。


「ご馳走さまでした、じゃあ戻ろうか。」

 

皿が沢山並んでいる……見た目的には二人で来たと言うよりは、三人か四人で来たよう感じるだろう。

 

俺も結構食べる方だと自覚しているが、店員さんちょっと驚いてしまうかも知れない。

 

「そうだね、ご馳走さまでした。」

 

お互い立ち上がり、店を出る。お金はカードで支払った、特に金額は見ていない。

 

貯金ばっかりしているから金欠の心配は必要ないし……

 

「さて……せっかくだし、歩いている人に迷惑にならない程度に走って戻る?道わかっていると思うし、俺の方が迷うかもしれないけど。」

 

「お兄ちゃんが道に迷うかどうかはどうでもいいとして……そうだね、もっと頑張りたい。

 

体育祭の事もあるけど、ヒーローになるこれからのためにも全部必要なことだから。」

 

弟の前の言葉は聞かなかったことにして、やる気があることは良いことだ。

 

体育祭は重要な事に変わりはないが、あくまでなるための通過点でしかない。

 

通過点とゴールを履き違えて、腐っていく人なんて山ほど見てきた。

 

「じゃあ、走るか。」

 

 

「じゃあまた、準備運動からやるぞー。てっ本当にここの学校の生徒はやる気あるなぁ……」

 

4時過ぎ辺りなのに、生徒の練習で人が一杯だ……もう少し空いているかと予想していたけど、外れてしまった。

 

「体育祭直前な事もあると思うよ?多分近く無かったらもう少し人は少ないと思う。」

 

「そう言うものか……」

 

そうお互い言い合いながら、準備体操を念入りに行う。準備体操を軽視する人達も多くいるが、アキレス腱切れたりとかしたら大変なことになる。

 

体育祭も近いし、ここの練習で負傷をおったら笑い話にもなりはしない。

 

さて次は、何をやろうかなー

 

「何か弟したいことある?」

 

「今度は、斬り込み方を教えてほしい。防ぐ方法もまだまだだけど……

 

守ってばかりじゃ、戦えない。」

 

俺としては、攻撃への対応をもっと詰めていきたかったが弟がそう言うならばそうしよう。

 

木製のナイフを床に置いて、構えもとらず話す。ここから先は俺は攻撃しない、只相手の攻撃をいなすだけ。

 

「じゃあ、弟。さっきとは逆だ、

 

遠慮は要らない、全力で掛かってこい。」

 

「遠慮なんてするつもりもないよっ!」

 

真っ直ぐ弟は、右の拳を握り殴りかかってくる。……だけどこれは恐らくフェイント、本命は力を溜めている左。

 

本当に真っ直ぐな、戦い方だな俺とは違って。

 

右の拳をしゃがんで避け、足を回して足払いをする。弟はそれに気がつき、後ろに引いた。

 

そのままいたら、転けちゃうからね。

 

俺は今は攻撃をしないで守っているだけ、攻撃へ繋げる隙を考えずに相手からきたものに対処をひたすらに重ねるだけ。

 

弟は俺を見ている、多分次の手を考えているのだろう。腕が一本無い不備を狙ってでも来るかな?

 

でもそれはヴィランも同じだから、普段の仕事で逆に慣れきってしまっているから俺から見れば悪手でもあるんだよな……

 

「おっと!?」

 

少しボーとしてしまったようで、反射的に向かってきていた弟の手を強く掴んだ。

 

もしかして、足の方に個性使った?そう考えながら、掴んだ腕を右に放り投げるように放し。

 

そのまま攻撃に移行するのであれば、行動を制限するようにする。

 

俺は全ての可能性に対処をとれるほどの実力はない、なるべく選択肢は減らしたい。

 

「……スマッシュ!!」

 

右の拳を使い空いている腹に向かって、殴ろうとしてくる。

 

あれ?この場合は蹴りがこちらから見て避けにくいと思うのに、何で弟は殴り使っているの?空いている部分に攻撃の対応は正しいが。

 

早さ的に個性使っているみたいだけど……攻撃手段としてはまだ慣れていないのかな?

 

それか、一種の固定概念が入ってしまっているか。

 

オールマイトに似ている個性だしなぁ……弟オールマイト好きだし、それに倣うようになっちゃってるのかもしれない。

 

それはそれで、先人の技術を盗むという意味では良い所もあるけど……

 

自身としての、適切な動き方が阻害される可能性が高い。俺最初からほぼ独学だから、弟にアレコレ言えたことじゃないけど……

 

体を回して、腹ではなく自らの腕に当たるようにする。

 

相手から攻撃を受けてしまっているが、内臓が入っている腹に直接受けるよりは良いだろう。

 

俺は完璧じゃないから、取捨選択は必要になる。全てを守るとか器用なことは出来ないし。

 

「アテテ……結構思いっきりいくねー弟。防げなかったよー。」

 

少し笑いながら片方の押さえる腕が無いので、少しだらんと下げる。ちょっと痛い、骨は折れてないけどじんじんする。

 

もうちょっといい防ぎ方もあったかもなぁ……俺もまだまだって事かな?

 

「場所を逸らして腕にさせたのに、そう言われたくはないよ。お兄ちゃん。」

 

「そりゃ、誰だって腹パンは痛いよ?痛いのは普通に嫌だからね、弟からくるとしても嫌だからね?

 

俺はマゾヒスト(被虐趣向)じゃないからね。」

 

誉めたのに弟が悔しそうにしていた、何故だ。腹パンはいい選択だしそのまま受けるの嫌だから腕を犠牲にしたわけだし。

 

相手に選択を迫られた、本来ならば俺自身が相手に選択をさせなければならないから戦いの主導権を握っていたと言ったのに。

 

「わかった、もっと力を入れるよ。」

 

弟は少し死んだ目でこちらを見た。これは俺でも分かる……これから大変なことになると。

 

「どうしてそうなった。」

 

 

ぶっ続けで、一時間やり続けている。

 

だけれどもお兄ちゃんに決定的な痛打は与えられていない、防御が硬いと感じる訳ではないが只ひたすらにやりづらい。

 

やりたいことを防がれる言うよりかは、やりたいことをやる前に潰されるような感覚を覚える。

 

只一つだけ確実に分かるのが、僕の行動をお兄ちゃんに無意識に誘導されている。

 

「弟そろそろ水分取った方がいいぞ、俺も取りたいしこれ以上続けるとミイラになるわっ!」

 

「うるさい。」

 

お兄ちゃんの声が、疲れた頭に反響する。もう少し静かに出来ないものかと思った。

 

それが僕が動きすぎて、体が少し可笑しくなっているのかもしれない。

 

「あっはい、でも水分取った方がいいのは事実だからはいコレ。急に一気飲みしてもあんまり補給としては意味無いから、ゆっくりな。

 

大分動いたみたいだから、補給の間に体休めておけ。本当に辛いなら保健室行くからな。

 

倒れておんぶされて、保健室に向かいたくなければきっちり言えよ。」

 

お兄ちゃんは、2Lペットボトルのスポーツドリンクをコップに汲んで僕に渡した。

 

冷たくはない、というかぬるい持った水が無くなって学校の水道水でも使ったのだろうか?

 

「ありがとう、後きちんと気を付けるよ。おんぶはとてもされたくない、多分されたら何日か話しかけないと思うよ?」

 

「………俺嫌われすぎてない?」

 

お兄ちゃんは僕の言葉を聞いて、疲れがどっと出たかのように首をだらんと下げた。

 

嫌いではないのだ……強いて言えば……

 

「もう少し、ちゃんとしてれば僕だって。

 

ヴィランの腕や脚すぐに折ったり、お母さんや僕が目を離すと何かに巻き込まれてたり。

 

知名度が低すぎて、私服でヴィラン退治したときに警察に逮捕されかけたり。

 

僕が取っておいたプリン気がつかずに食べたり。

 

突然気絶して何度も病院送りになって、病院関係者に常連扱いされたり………後は…」

 

色々とお兄ちゃんがやらかしすぎているだけで、簡単に数えてコレである。

 

特に知名度が低すぎて、私服でヴィラン退治したときに警察に逮捕されかけた事はもはや軽いコントの域だ。

 

確実に、笑い事ではないが。

 

「俺の現在進行形の数々を抉らないで、やめて俺のメンタルはもうボロボロよ!?」

 

今度は頭を抱え出した、僕としては毎回しっかりと反省してもらいたい。

 

毎回なにかをやらかしても、お兄ちゃん自身はあっけらかんとしていることが多い。

 

「僕だって色々と大変だから、主にお兄ちゃんがやらかしたことの尻拭いとか尻拭いとか尻拭いとか。

 

警察への弁解どれだけ大変だったか、お兄ちゃんにはわかる?」

 

本当に警察への話しは、今でも思い出すと胃がキュッと絞まるような錯覚に襲われる。

 

ヴィランの倒し方が毎回アレなのも合わさって、下手したらヴィラン同士の喧嘩又はヴィランと被害者が逆転しているようにも見える。

 

最後はヒーロー免許を見せてなんとかなったが……正直深く思い出したくない。

 

「尻拭いしかないっ!」

 

お兄ちゃんの叫びを聞き流しながら、他の人の訓練の様子を見た。

 

友達と一緒にやったり、また一人で個性を扱えるように頑張っている人達もいる。

 

今の訓練を振り替えると、結構珍しい事をしている相手が一応プロヒーロー(お兄ちゃん)とはいえ個性ほぼ無しでやっているのだから。

 

個性により、オリンピックが廃れてしまったように。実はあまりされていない軽視されてしまっている事をやっている。

 

一言で言うなら、技術。

 

向かっているときに感じた、誘導されている感覚もそれだろう。

 

相澤先生やかっちゃん……そしてオールマイトとも違う戦い方。

 

狙っているのは、相手の自滅。

 

正確に言えば自らの倒す事に固執していないんだ、結果的に相手が倒れてくれればそれでもいい。

 

そう感じる。

 

「……弟?はいスポーツドリンク。」

 

「コレ飲んだら、次行く。」

 

「はいよー!俺も頑張りますかねッ。」

 

やっぱり、スポーツドリンクはぬるかった。

 

 

あの後、もう一時間やってそろそろ帰らないと不味い時間になってきていた。

 

他の訓練所にいた人達もほとんど帰宅準備がもう帰ってしまっている。

 

結局僕は、お兄ちゃんに何回か殴る事はできたが痛打は与えられていない。

 

それに体力の消耗も、雲泥の差がついてしまっている。

 

「……………」

 

呼吸はできるが、喋る気力がない。体の間接に鉛を仕込んだように重い。

 

「弟は休んでで、俺が準備一通りにしておくから………はい保冷剤。少しは体冷えると思うよ。」

 

お兄ちゃんは、せっせと帰宅の準備をしている。体力が可笑しいと思う。

 

プロヒーローと用務員の仕事を普通に兼任して平気な時点でもう、普通の人と比較してはいけないが。

 

とりあえず、この間に十分体を休ませて。おんぶとかは防がないといけないと感じた帰りの時間だった。




個性ほぼ無しの訓練だから描写が少し地味かな?でも仕方がないよね……

だってこの二人個性全開で使ったり個性使ったりしたら訓練所大変なことになるもん。あとお互い怪我の可能性がヤバイ。強力な個性の弊害。

もう一度言います、こんなんでも兄弟仲自体は良いのです。

(訓練所倒壊の可能性大)


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一人だからこそ。

ある意味、曲にとって家族回が本編みたいなところがある。


一緒に訓練を一回したその後、電車で帰宅してお互い泥に落ちるように眠った。

 

明日は俺も弟も特に用事はない、だからこそこんなに練習を詰め込んだのだが。義母さんはちょっと呆れていたなぁ………

 

思ったよりも遅すぎたって事はあるけど………

 

だけど、義母さんも前より明るくなっている気がする。弟の個性が無い(夢を壊してしまう)事に、責任を感じて居たから。

 

次の義母さんの誕生日には、食洗機でもプレゼントしようかな……俺も大分支えてもらってるし親孝行しないと。

 

いつも家事大変だもんね。ありがとう。

 

 

「ふぁぁぁ……うるさい。」

 

いつも通り不愉快な電子音で叩き起こされる。起きる時間は休日でも代わらない、変化をつけようとすると平日の仕事のときに大変なことになる。

 

部屋を出て階段を降りて、歯を磨く。今日は特に予定はない、あるとするなら警察からの連絡が来たらすぐに動く位だ。

 

用務員としての仕事もあり、こういうフリーの日は貴重だが何していいかわからない。

 

近所の図書館にでもお昼代を持って行き。一日中籠るぐらいしか思い付かない。又は神社に5000円を貢ぎに行くか。

 

あっそうだ、俺は一つ思いつきスマホのメール画面を開いてポチポチと用件をうっていく。

 

「………友人にでも会いに行くか、忙しかったら連絡しなくていいって書くか。

 

俺と違ってちゃんとしている、プロヒーローだからなぁ。

 

もし話せたとしても少しだけ、話す内容に仕事混じっちゃうかもなやっぱり。」

 

書いた内容は、いたって簡素。今日暇だったら少し話をしないか?位。

 

ダメ元だ、別に返答が無くても大変なことにはならない。簡素なメール内容をいちべつし送信してから、台所に向かう。

 

今日の朝食の用意をしようと考えた。

 

簡素な物だが………正直に言えば何かをしてないと落ち着かない。

 

「味噌汁と菜っ葉のおひたしとだし巻き卵大根おろしもそえるかな………味噌汁は豆腐とワカメでいいか。」

 

冷蔵庫の中身を物色しながら、メニューを考える。案外このメニューを決める時間が料理に使う労力の大半を占めているかもしれない。

 

「……あるかな?あぁ少なくなってるか……今日の夜にでも仕込もうかな……」

 

そうやって見ているとだし巻きや味噌汁に使う、ワカメと鰹節と煮干しの出汁のストックが大分減っていた。

 

義母さんも結構気に入って使っているからなぁ。実際和食作るのに、出汁のストックは便利。作るときに煮干しのはらわた取るのものすごく面倒だけど。

 

そう適当な事を考えながら、二つの鍋で水を沸かす。味噌汁用とおひたし用だ。

 

「まぁ、今使える分はあるか。」

 

「おはよう曲早いね?」

 

「おはよう、義母さん今朝食作っているんだテレビでも見て待ってて。」

 

義母さんが今起きてきた、少しまだ眠いようで目を擦っている。もしかしたら調理の音で起こしてしまったのかもしれない。

 

「ありがとう曲、でも火傷しないようにね。」

 

「義母さん大丈夫だって、一応成人済みの大人だよ。ちゃんと働けてもいるし。」

 

卵をほぐして、出汁と混ぜる。お湯が沸騰してきて音を立ててきたので一旦止めて葉の方から菜っ葉を湯がいていく。

 

テレビの音が聞こえる、朝のニュース番組を見ていた。いつも通り逮捕されたヴィランの凶行の数々や、日が近くなった雄英の体育祭の反応等が流されている。

 

物騒だが、毎日なものでいつもの日常だ。

 

ゆで上がった菜っ葉を絞って切ったり、木綿の豆腐や乾燥ワカメを取り出したりなど、結構せわしなく動いていく。

 

「そういえば、曲高校の頃寮暮しだったものね………高校遠かったから。」

 

「そのお陰で、サイドキッカーとして働いていた頃の転勤にもなれたから……」

 

味噌を溶かして、少し平らな皿にのせて冷ます。味を見た、少し薄目だが朝にはちょうどいいだろう。

 

味噌汁の火を止めて、コンロから外し卵焼き用フライパンを乗せた。

 

「……おはよう…?

 

あれ、味噌汁出来てるのお母さん。」

 

弟も目を覚ましたようだ、休日だから普段より少し遅い起床となるが俺みたいに休日も平日も起きる時間が代わらないやつの方が珍しいだろう。

 

そろそろ卵液いれるか。

 

「おはよう弟、今日は俺だ。」

 

「そうなんだ。」

 

「ちょっと楽させて貰ってるのよ、あら今日は曇り見たいね。」

 

そんな感じで、軽く話ながら卵をくるくる回していく……初めてこういうの作ったときは何回か膜が破れて大変な状態になったけな。

 

作っただし巻き卵を三人分に分けて皿に盛る、脇に大根おろしを添えて醤油を少し垂らした。

 

「はーいできたよー。ご飯も炊き上がった、ばっかりだし熱いよー。」

 

 

朝食を食べ終え、少ししたのち弟は外に走りに出かけ。義母さんは買い物に、俺はお留守番をしている。

 

なんかおじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に……となりそうだが、全裸の赤子入りの桃は持ってこないので安心してほしい。

 

「おっとメールの返信……」

 

友人は忙しいのでもっと遅くなる、又は返信すらないとも思っていたが……

 

「えーとなんだ、まじかー夕方なら時間が取れるて事かで待ち合わせ場所は仕事場の近くの喫茶店か。」

 

急に連絡したのに時間を取ってくれるとは思わなかった、本当にダメ元だったからな。

 

久々に話してもしようかー位の感覚だったから。

 

「少しサイドキック含めた人に差し入れ的なものでもいくときに買っていくか………チョコとかそういうやつのでいいだろう。

 

動くしだいぶ。」

 

こっちはヒーロー活動する際にサイドキックは、雇ってないから事情は詳しくはわからない。

 

だけど給料や雇った人の士気等、雇うならでわの悩みも多いだろう。

 

お留守番といっても、鍵や電気を消せば出ていいし今から行くか……ちょっと長い散歩だ。

 

思い立ったら行動に移さねばと思い、財布や鍵など必要なものだけ持って外に出ていく。

 

防犯は鍵をかけることもあるが、防犯システムもきちんと契約つけてあるし大丈夫だろう。火災になっても保険降りるようにしてあるし。

 

「お昼はあっちの方面で食べようか、差し入れも買おうっとコレは大丈夫か……」

 

と通報されないように、花の布袋に入れたバールを見た。一応ヒーローとして動くかもしれないし武器は持ってないと……

 

用務員の時は、中々持ち歩くのはアレだからね。銃とかスピーカーとか持っている人いるけど先生とは権限かなり違うし。

 

それでヴィラン連合襲撃の際に大変なことになったけど……

 

あの真っ黒くろすけに刺したドライバーは、自費で買い換えて謝罪することになったし。ヴィラン本当に許さない。

 

最寄りの駅に向かい、スイカに適当にお金を入れて電車に揺られる。電車の中の広告を暇潰しに見ながら、目的地までの時間を潰し。

 

降りて、回りを見渡す。

 

「やっぱり昼だと明るいな。」

 

いつも仕事として来たりする場所であるが、その時は大体夜。時間が違うため歩く人の年齢も服装も様子も全く違うように感じる。

 

見えるのは、家族か学生同士での遊び。皆楽しげに見える。

 

俺は一つ背伸びをしてから歩いていく、家族へのお土産は帰りでいいとしてまずは差し入れ用の品を買いにいかないと。

 

「さて、詰め合わせとかそういうやつを複数買っておけば大丈夫だろう。」

 

ちょっと高めのチョコの詰め合わせを2箱と煎餅を1箱購入した。それから喫茶店に向かう、時間まで結構あるので歩いて行ってもいいだろう。

 

全て片腕で持っているため、結構辛さがあるが………重い。

 

歩いている間にも、ヴィランと戦っているヒーローの姿がいくつか見えた。苦戦はしてない。

 

見ている人の中に妙な感化を受けている人がいなければいいな。

 

「ふぅ重かった、すいません席空いてますか?テーブルあると嬉しいです。」

 

「テーブル席ですね、こちらになります。注文お決まりでしたらお知らせください。」

 

「わかりましたー」

 

店員のマニュアル全開な、対応を聞きながら窓側のテーブル席をとる。

 

お手拭きで拭いてから、メニューを眺めていく。ナポリタンとかよさそうだ。

 

「すいません注文いいですか?」

 

「はい!」

 

「えーと昔ながらのナポリタンとアイスココアホイップ山盛りと具だくさんミネストローネお願いします。」

 

そういうとアルバイトらしき定員は、慣れた手つきで注文内容のメモを取り。

 

「昔ながらのナポリタンとアイスココアホイップ山盛りと具だくさんミネストローネ以上でよろしいでしょうか?」

 

「はい大丈夫です。」

 

「それでは、ごゆっくり。」

 

内容を確認のために復唱したあと、去っていく。お冷やを口に含み、氷を噛み砕く。

 

料理がくるまで暇なので、スマホを弄っている。犯罪のニュースの速報がよく来るので、暇にはならない。いやそれで暇潰しするのは不謹慎極まりないだろうが。

 

ココアがきたので、ストローをさしてホイップと混ぜる。

 

ホイップの上にスライスアーモンドとチョコレートシロップが乗っかっていた、どっしりしている。

 

「甘いな、やっぱり。」

 

そろそろ時間かな?と思いつつ、スマホの時計を見た。待ち合わせの時まで15分前。

 

遅れても特に気にしないが、ヒーローという職業上どうしても時間の不安定さは残る。

 

ヴィランの相手なんかは特にそうだ、時間や場所関係なく発生するからなぁ。

 

あっ今度はパスタとスープ同時に来た。

 

「へーここベーコンか。」

 

パスタとスープにそれぞれ入っているベーコンが結構分厚い。ピーマンと玉ねぎもどっさり入っている。

 

パスタは結構柔らかくふやけている。ナポリタンの麺だからやっぱりそれがいいのだろうか?

 

とりあえず、タバスコを少しかけてから。粉チーズ………っと。

 

「すいません!友人と待ち合わせしていて……」

 

あっきた、一瞬粉チーズドバーっとしそうになったがなんとか押さえおいて。店員に案内された友人に少し手をふった。

 

「先に少し頂いてたよ、飯田くん。」

 

「結構頼んでるね、緑谷くん。店員さん俺はアイスコーヒーとアイスクリーム一つお願いします。」

 

そうやってインゲニウムこと、飯田天哉の兄の飯田天晴が笑いながら席に座った。

 

仕事の助太刀から連絡先に交換して、お互い弟がいるという共通点から仲良くなったヒーローになってからの友人では初めての人だ。

 

「お昼ご飯も兼ねてますから。あっコレ差し入れです、事務所の方とどうぞ。」

 

「結構一杯食べるからね、ありがとうありがたく貰っておくよ。そういえばヴィラン襲撃は大丈夫だったかい、少し話で聞いてね。」

 

そうやって飯田くんは、差し入れを貰って前の件の話をしてきた。

 

雄英高校にいる話はしていたから、そこから連想したのだろう。

 

「特に怪我など問題なし、君の弟が学校内にいるヒーローの増援を呼んでくれたお陰で収まったよ。

 

警察から話は聞いていると思うけど、ヤバイものは3つそれ以外はそこら辺のチンピラの寄せ集めだってさ。

 

特にヤバイのが、作られたヴィランある意味量産が可能。十分警戒した方がいいよ。」

 

警察に口止めされてない程度の情報をぼかして伝える。作れるって事は、生産コストなどの問題もあるがそれを抜きにすれば戦力の拡大が簡単にすんでしまう。

 

コストが掛かりそうなことだけが救いだ、あのチンピラを全て材料として消費してアレ並の物を全て向かわせられたら大惨事じゃ済まなかっただろう。

 

「そうか……うん、警戒は怠らないようにしておくよ。ヴィラン連合の影響は今のところは少ないけど、十分力を持っているって事は分かった。

 

君がそういうぐらいだしね。」

 

「所で、最近のチームの調子はどうです?」

 

「あぁ!ヒーロー免許に受かった人がいてね、まだサイドキックとして経験積んでるけど……そろそろ独立する予定なんだ。」

 

飯田くんは嬉しそうに話していた、本当に俺とは違うな……尊敬もあるがこうは慣れない自信がある。

 

自信と言ってはいけないのだろうが、本当にヒーローとしてヒーローをやっている。

 

「独立か……最初は大変だけど、応援したいね。ヒーロー事務所多くなっているけど、犯罪への対応はまだ間に合ってない部分もあるし。

 

特に地方の方はね。」

 

「都市にヒーロー事務所は集中しているけど、その子は生まれ育った地元で事務所を開きたいって言ってるね。

 

そうだ、次はきちんと時間を取って一緒に飲みに行かないか?」

 

「あー居酒屋ですか?バーですか?」

 

「居酒屋で、もっと話したいし。」

 

俺もそれはいいと思った、お酒自体特別な時……友人とかに誘われたとき位しか飲まないし。

 

「ですねー、じゃあ体育祭終わった後お互い時間会わせて行きましょうか!」

 

そうやってお互いまた、話す。

 

仕事の事やら、家族の事やら、体育祭の事やら、弟の事やら、学生時代の記憶やら。

 

沢山時間一杯話して、お互い帰った。




次は体育祭いきます! えっ不穏なフラグたっている?なんの事かなぁ……?

食事シーンばっかりの癖を減らしたい。一杯食べて一杯動く。


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さぁ小さき英雄の卵達に喝采を!

やっと体育祭きたよっ。


「弟、ドローン買ってみたぞ!高かった。」

 

「お兄ちゃんわかった、見つけ次第壊す。」

 

とてもいい笑顔で、弟に返された。この笑顔をみられるのならドローン壊されるだろう可能性も怖くはない。

 

体育祭前日に合わせ、通販で届くようにドローンを注文し届いた。テレビでも体育祭は放映されるが弟の姿を中心に取ってくれるわけではない。

ビデオカメラも持っていくが、弟の栄志をより近くで見れる方がいい。

 

義母さんの方は、体育祭に合わせて最新のビデオデッキを購入していた。

 

「まぁそれはさておき、明日に向けての調子はどうだ弟?こっちは弟の栄志を記録する準備と応援する意思は整っているが。」

 

熱中症対策の冷えピタ、ドローン、ビデオカメラ、それなりの金額のお金、スマホ、そしてバール等々と完璧な持ち物である。

 

「緊張はするけど、準備はできてる。あとその妙な気合いを無くしてなにもしないで応援してくれるのが一番いいからやめて。」

 

「今日の晩御飯、勝負に勝つってことで義母さんカツ丼作ってくれるらしいぞ。やったな弟の好物だな。」

 

「今露骨に話題そらさなかったかな?」

 

いやいやそらしてない、明日の体育祭を義母さんも弟の活躍を楽しみに待ってるって事だよ弟。

 

 

行事事のときの用務員の朝は早い、今回は特に早い。警備員が増員になったためそのサポートや出店のときの整備や案内も行わねばならない。

 

つまり普通の始業時間で仕事を始めたら当然間に合うはずもないので、用務員はかなり早くから仕事を始める。

 

本当はもっと遅くでて、個人的な体育祭の準備をもっとしたかったが仕方がない。ドローンを見られたときは、弟の姿を見るためだと言ったがかるーく引かれ没収された。

 

ちなみにヒーローとしての武器バールも没収された、ヒーローだけど確かに普段着で振り回していたら錯乱した一般人にしか見えないのは重々承知なので諦める。

 

警備が厳重になったからだろう、そこら辺も警戒されてしまう。ヴィラン許すまじ。

 

「えっと………ここが案内看板か……」

 

用務員は主に物の設置を頼まれる、体育祭の競技内容に関わる物は頼まれない。競技内容が漏れる可能性を無くすためだろう、そっちの仕事まで回ってきたらもっと早くから始めなければならないため良いのだが。

 

仕事を頼まれるのは良いが、首が回らなくなるほど持ちたくはない。

 

「後は、警備のために雇われたヒーロー達のお茶やケータリングの設置だな………」

 

ヒーロー達への業務の説明は、先生辺りがしてくれるだろう。紙もあることだろうし………そういえば朝御飯食べてなかったな。

 

早くから準備を始めている出店の前に行き、自動販売機で買ったコーラを焼きそばを作っているおっちゃんに差し入れながら焼きそばを三つほど買った。350円しめて1050円……作られたばかりなのでほかほかで暖かい。

 

割り箸も多目にもらった。

 

ちなみに三つ全部食べようとするほどお腹は減っていない、むしろ一つでも量が多いと感じるほどだ。

 

「皆さん、少し休みませんか?焼きそば買ってきましたので一緒に食べましょ。」

 

まぁ用務員の間で分けるので、関係ないのだが。

朝早く来たってことは俺と同じく、朝食食っていない奴も多いだろうしここで終わった仕事やら終わってない仕事をはっきりさせることができる。

 

俺が受け持った業務は終わらせたため、手伝いに行けるしな。

 

で用務員全員集まって焼きそばを食べたのだが、同じく受け持った業務は全てすんでいた………とどのつまり何処もつまることがなく全てが済んで暇ということだけが分かった。

 

「じゃあ、次の仕事が回るまで自由行動と言うことで。ここの体育祭は派手だしな楽しめると思うぞ。」

 

「僕は、娘に会いに行きますのでこれで失礼します。仕事が入りましたら電話でお願いします。」

 

「俺も遊んでくるわー」

 

とどんどん離れていく。

 

「さて焼きそば片付けるか。」

 

後に残ったのは焼きそばのパック三つと俺である。早くに来た人の特権であるなにも入っていないゴミ箱にパックを捨てた。

 

ちなみに弟はまだ学校に来てもいない時間だ、早く仕事を済ませすぎた。

 

 

「刮目しろオーディエンス!群がれマスメディア!1年ステージ生徒の入場だ!」

 

俺がここに用務員として入って一番良かったと思える瞬間を今体感している。事前になんとか頼み込んで、一年生のフロアの掃除に回して貰った。

 

手にはビデオカメラ、見据える先は弟が入場する光景である。

 

今俺は誰よりもヒーローに近い場所にいると感じている、あそこの観客席にいる人たちよりもはるか近くにいる。

 

眩しい只ひたすらに眩しい、二つの意味で眩しい場所が悪く丁度逆光が入っているだが弟はちゃんと見れている。それでいいんだ。

 

「センセー、俺が一位になる。」

 

なにか舞台が五月蝿くなっているが、何より弟が立派になったような気がする。あぁ涙が出てきそうだ、後でトイレットペーパーで涙をふこう。

 

えっ仕事はどうしたかって掃除は大丈夫、基本ロボットが行った後の点検が主だから基本的に前半は暇になりやすい。

 

その分後半にすることが多くなるけど……個人戦まで言ったらテレビも弟のこと多く撮してくれるだろうし………

 

あっそろそろこっちに戻ってきそうだ。ビデオ録画止めて……涙拭くついでにロボットじゃやりずらいトイレ掃除でもしてこよう。

 

第一種目は障害物走だけど、流石にビデオと位置的に最初っから最後まで取れないからなぁ………ドローンあれば違っただろうけど。そこはテレビさんの技術に任せるかなるべくなら弟が沢山写ってますように!

 

でトイレ掃除してたら、仕事が沢山出来たよやったね。どうやら学生さんが氷漬けにされて動けないらしい、ハンマーとお湯持って至急迎えだって……

 

ヴィランの襲撃かなにかだと言葉だけだと思うだろう?俺もそういう類いか何かかと思った、だが学生の一人がやったらしい個性って怖いねうん。

 

「ただ今参りましたー、うわぁ寒っ。」

 

念のため底の暑い靴を履く、なるべく早く砕かないと凍傷を引き起こす可能性がある。中継ではトップ陣が放映されているためこういう様子が写らないようになっている。

観客席で見ている方もこっちの様子など見もしないだろう。

 

「うっ寒い、足が……」

 

「こっちにお湯あるからゆっくり浸かりなさい。」

 

やっと氷から出られた学生を足湯に案内したり、またそのまま遅いが再度走る学生を見送ったりする。

走る学生はガッツはあると思うので、体壊さないように頑張ってほしい。

 

「にしても、一面氷じゃねぇか………走るのにも一苦労だなぁ………」

 

「ですねぇ、滑って頭ぶつけた学生さんもいますし。」

 

「まぁあんまり危なくないのが一番だよなぁ。」

 

そろそろ落下してしまった人の回収の仕事が来そうだと、中継を見て思った。

 

「奥に戻れる場所あるからこっちから出てねー、あっ脱水しているみたいだね。これ少しずつ飲んで。」

 

「わかり……ましたありがとう……ござます。」

 

結局、残念ながら中継はあまり見られなかった。脱落者の回収、そして障害物走の途中まで来て競技が終わってしまった人を引き戻す作業。

 

「ひとっとびでいくよー」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁァァ」

 

「オーライオーライ、はいお疲れさま。」

 

なかなか広い範囲で行われていたため、空を飛べる羽を持つ用務員が張り切っていた。実際人つかんで空飛んでいた、捕まれていた学生はがくがくと恐怖で震えていた。

 

もう少し飛ぶ高さを考えた方がいいと思う。

 

しかもあそこで落ちた生徒さんだからね、またあのときの感覚思い出すからね………

 

「でも一位通過かぁ………弟凄いなぁ…、でもあと二つあるのか。そこで結果出さないとね……」

 

ヒーロー目線から見て掴みは上々といった所、俺が教えたのは対人戦中心だから団体やらそこらは紛れもなく弟本人の努力だ。弟そのままの実力だ。

 

…………でも妙にB組の順位が低いな、もっとやれると考えていたが。

 

後半に向けての体力の温存かそこら辺か、全体的に低めとなると口裏を合わせていたか。

 

あと通過した人の事は少し注目してみるか……ヒーロー科以外でも粒は揃っているだろうし。

 

「さて、そろそろこっち持ちの仕事も進めますかね。遅れてやってしまうと信用が下がる。」

 

やっと障害物走の生徒を全員回収できた、中には競技のルートから外れ迷子になっていた生徒が何人かいた…………その生徒を探すのが一番大変だった、何人か先生も出て探していた。

 

そしてなぜか競技場の外で見つかった、お前どうやってそこまで迷子になったんだと思わざるおえなかった。

 

 

「次は騎馬戦か、なかなか楽しいな………体育祭。」

 

俺は雄英高校からヒーローにはなってはいない、だからこういう派手な行事を近くから見るのはある意味はじめてだ。青春だなぁーって思うのはこう言うことなのだろうか。

 

まぁ俺は一概の用務員出しかないのだが。

 

なかなかハードは業務をこなすとやっぱり水分が出る、適当なスポーツドリンクを飲みながら騎馬戦の説明を聞き流す。

 

で1000万という数字を聞いて、吹き出さなかった自分自身を褒め称えたい。

 

明らかに桁が違う、ドラクエにFFのゲームシステムの数値を持ってきたような格差である。

 

一位だから弟がその数字持ちか………確実に狙われるがその分メリットも大きい、持って終わりまで確保できた時点で勝ちが確定するのだから。

 

「でもダミーやらで工作やら、防衛向きに組んだ方が良さそうだな。でも選べる立場では無さそうだが……後は弟の人脈次第……か。」

 

食堂で一緒に食事をした弟の友達二人は組んでくれるだろうか、飯田君はここで特に大事な機動力の確保ができる、お茶子ちゃんは物を浮かせられる。

 

ここで考えても仕方がないが、俺には見守ることしかできないいや見守ることこそが良いのだ。弟が弟の手で成長を感じ取れるように。

 

「俺は弟が楽しく体育祭が行えるように、今はしっかりやるだけか……地味だけど大切な仕事だしなぁ。」

 

騎馬戦は残念ながら、じっくり見れなさそうである………仕方ないよね遊びじゃなくて仕事で来てるんだもん……




ドローン買ったよ!なお即没収される模様。

大分時間が立ちましたすいませんっ(´・ω・`)


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お昼食べないの?

兄は空気を読まないことがあります。


「こんなのあんまりだ………」

 

今絶賛、体育祭での具合が悪くなった人の案内や内部で販売されている物の補給等に大忙しである。

 

酒は学生さんの関係もあり売ってはいないが、外の出店では関係ない。だから酔っぱらって吐いてしまう人もいる。

 

「おーそっちの調子はどうだ、曲。」

 

「大忙しですね、やっぱり…………中継があるからと思ってましたけど小型のテレビ持ってくるべきでした。」

 

「確かになぁお前の弟一位だろ?騎馬戦で注目の的だぞ、イヤー一番は辛いねぇ。」

 

用務員の比較的勤続年数の長い人だ、普通の一般企業を退職後入っているためかなり年をとっている。出久が俺の弟だと知っているのか、見れなかった間の騎馬戦の様子を教えてくれた。

 

「でも弟は強いですからね、どーんと目立ってくれると思いますよ。」

 

「ショートだったか?エンデブァー、の子供らしいが凍らすだけで火使わんがなんでじゃろうなぁ?」

 

「純粋に受け継がれなかった、とかそういうものじゃないんですかね?たしか奥さんは冷気の力と記憶してますし。」

 

まぁそこら辺は個人の事情もあるだろう、すこしボケも入っているだろうしこれぐらいで流せばいいか。

 

「そういうもんかのぉ?なーんかあるように思えるがまぁ気にせんでよいか。

 

あっそうじゃ、警備として雇われたプロヒーローの待機室の清掃頼んでもよいかの。」

 

いつのまにか仕事頼まれた、こういうのうまく断る練習とかもした方が良さそうだ………プロヒーローの仕事の時には断るとか無かったからなぁ……

 

「あっはいわかりました。」

 

「ありがとうなぁ、少し腰がいたた…」

 

「くれぐれも無理をならないようにしてくださいね?」

 

 

「それじゃ1時間ほど昼休憩はさんでから午後の部だぜ!イレイザーヘッド飯行こうぜ。」

 

「寝る。」

 

中継仕事で見られなかったぜ、くそが。

 

でも仕事事態はお昼前に片付いた、お昼飯を弟と弟の友達と一緒に食べれるぜやった。

 

その前に弟探さないと………弟学食にいるかなまず学食に向かうか……、そこでいなかったらカツ丼の弁当頼んで自分用に惣菜パンとかも買っておこ。

 

「えっと弟いない………」

 

学食の場所もそれなりに広い、学生の人数も多いこの中から一人を見つけ出すのは中々大変だ……弟の友達やクラスメイトを見つけてそこの近くに弟がいないが見ていたが全くいない。

 

「早くしないとご飯食い損ねるぞ、弟体育祭かなりハードだからご飯食べないと。しょうがないから弁当買うか、容器代で20円増しか……」

 

カツ丼の弁当を買って、パンとおにぎりいくつかとお茶のペットボトル二つこれだけあれば十分だろう。

 

「さてどこにいるんだろうなぁ……」

 

そうやって走り出す、弟の場所わからんだって食堂にいないのだもの。

 

 

「僕に話ってなに……?」

 

あの騎馬戦の後轟くんに呼び出された。

 

「気圧された。自分の誓約を破っちまう程によ。

飯田も上鳴も八百万も、常闇も麗日も…感じてなかった。最後の場面あの場で俺だけが気圧された。

本気のオールマイトを身近で経験した俺だけ…」

 

轟くんは左手を見つめた、その左手の熱の力を使えば有利になる事は多くあったはずだ。

騎馬戦の時ももっと早く飯田君のかくし球を使わずとも1000万点を………

 

「お前に同様の何かを感じたってことだ。緑谷、お前…オールマイトの隠し子か何かか?」

 

そう考えていると、思いもよらないことをくにちされた。僕は隠し子ではない。

 

「ち違うよそれは、もし本当に隠し子だったら違うって言うに決まってるから納得しないと思うけどとにかくそんなんじゃなくて。」

 

家族は、お母さんとお父さんそしてお兄ちゃんだ。オールマイトは僕の憧れのヒーローであり個性を受け継いだ人……

 

「そんなんじゃなくて、って言い方は少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな。」

 

轟くんは、僕の失言を見逃さず畳み掛けていく。

 

「俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ、万年No.2のヒーローだ。おまえがNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は尚更勝たなきゃいけねえ。自分ではオールマイトを超えられねえ親父は次の策に出た」

 

そこで口から出るのは、個性婚の事やエンデヴァーの一位への執着。母から受けた傷、そして火父親から受け継いだ個性を使わない理由。

 

「ざっと話したが俺がおまえにつっかかんのは見返す為だ。クソ親父の個性なんざなくたって…いや、使わず一番になることで奴を完全否定する」

 

それは父親への当て付け、そして否定。

 

「おまえがオールマイトの何であろうと俺は右だけでおまえの上を行く。時間とらせたな」

 

そうやって轟くんは去ろうとする、何かの物語ならば主人公だろう。全てを持って生まれてきたとも言える、僕とは真逆だ。

 

だけど僕は、回りには恵まれていた。小さい頃から夢を見て、そして諦めかけてオールマイトがまた夢を持たせてくれた。

 

プロヒーローになるための道(夢を見るための切符)を与えてくれた。

 

そしてお母さんもお父さんもお兄ちゃんもずっと出きるかどうかわからない夢を支えてくれた!

 

「僕は…!僕はずっと助けられてきた。」

 

家族やオールマイト以外でもそう、騎馬戦を突破できたのは組んでくれた人たちのお陰だ。

 

「さっきだってそうだ。僕は誰かに救けられてここにる。

笑って人を救ける最高のヒーローオールマイト…彼のようになりたい。その為には一番になるくらい強くなきゃいけない。」

 

息を一つ吸う、轟くんが僕に勝とうとする訳をここで話してくれた。僕も轟くんに勝ちを譲るわけにはいかない。

何事にも全力で、そうしなければ轟くんにも失礼だ。

 

「君に比べたら些細な動機かもしれない。でも僕だって負けられない。僕を救けてくれた人たちに応える為にも。」

 

まっすぐ、轟の目を見つめる。

 

「さっき受けた宣戦布告改めて僕からも。僕も君に勝つ!」

 

まずはそのために、勝ち進めなければならない。

 

「………そうか。」

 

「あっ弟こんなところにいたのか、お昼休憩そろそろ終わっちゃうぞーお昼飯食い損ねるぞー

 

あっ轟くんも、何も食べてないならまずいしこれあげるから腹ごしらえしてきなー。後半もかなり詰め込まれてるしねー。

戦っている時にお腹空いたらもったいないよー。」

 

轟くんが、僕の宣戦布告に返事をしてくれた時にお兄ちゃん(馬鹿)が汗を垂らしながらお茶などの食べ物が入った白いビニール袋を持って来た。

 

タイミングもう少しどうにかならなかったのだろうか。轟くんも思わぬ出来事に呆然としてしまっている。

 

「弟に渡したし、そろそろ次の仕事入ってるし戻るかー。一年に一度の雄英体育祭楽しんでいってね、俺も応援してるよ!」

 

お兄ちゃんはその状況も気にせず、食べ物の袋を僕に渡すとさっさと帰ってしまう……本当に昼食を渡しに来ただけらしい。

 

実際昼休みの時間はかなり少なくなっている、昼食を食べているかどうかの心配をするのは分かる。

 

「轟くんなんかごめんね……うちの馬鹿兄ちゃんが、いつも通り馬鹿やらかして。」

 

「あぁお前も、なんかいろいろ大変そうだな。」

 

相変わらず轟くんは鳩が豆鉄砲を食らったような表情を保っている、本当に嵐のように来て嵐のように去っていったのだから。

 

「轟くんご飯いる?多分食べきれない、お茶のペットボトルも二つあるし。」

 

中身はお茶のペットボトル二つと、カツ丼の弁当そして菓子パンや惣菜パンやおにぎり………明らかに一人で食べる量ではない。

 

「すこしもらう。」

 

とりあえずお兄ちゃんは体育祭終わった後一つ殴ると決めた。

 

 

「やー間に合ってよかった……後はアメリカから来たチア達の場所案内と借り物競争の準備しないとなぁ……」

 

とりあえず弟の昼飯抜きで午後の部突入は回避できたことに安心した。

 

一応俺は英語はそれなりにはできる、だから案内の仕事が割り振られた。まぁ相手のチアさんも日本語ができるからいまいち俺がやる意味がわからない。

 

割り振られてない騒ぎ出す人の対応に回されてないからまだいい仕事をもらった方だが。

 

「借り物競争もいろいろ札あるなぁ………」

 

背油って誰が書いたのだろうか。とりあえずチアさんを入場口に案内して………うん、なんでA組女子がチア服来てるんだろ服も同じだし。

 

盗んだって訳じゃなさそうだな……ちゃんとこっちのチアの服も揃ってるし、物作る個性があってそれで作ったりしたのかなでもなんでやろ、まぁいいか。

 

「札ちゃんと人数分用意してっとこの用意が大変なんだよなぁ流石雄英というか……」

 

いくつかの箱のなかに紙を多目に入れていく、紙がこぼれて途中で足りなくなったと言われたら大変だし任された自身の責任になってしまう。

 

「紙も量があると中々思いなっと……借り物競争もしかしたら俺から弟借りるものあるかもしれないなぁ、まぁ中々ないとは思うが。」

 

「おーい紙入れ終わったら、こっちの用意も手伝ってくれーテーブル一人で運ぶのは無理だ。」

 

借り物競争の借りたものを見せる台の用意もしなければならないようで、俺は呼ばれる。

 

力はそれなりにあるしなぁ……

 

「はいはーいわかりましたよ。」

 

後で玉転がしとかも準備しないとなぁ、みんなが楽しめるように頑張ろ。

 

「さぁ昼休憩も終わっていよいよ最終種目発表!とその前に予選落ちのみんなに朗報だ!」

 

マイクの騒がしい実況が始まる、お昼飯は俺は食べてない後で休憩すこし入ったときに急いでかわないとならない………轟くん用に渡しちゃったからなぁ……でも学生さんがお昼飯すっぽかすよりはまだいいか。

 

「あくまで体育祭、ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!」

 

今ちょうど準備が終わった奴である、正直かなり用意するのは大変だった。用務員としても楽しんでもらいたい。

 

「本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ…ん?」

 

「どうしたA組!?どんなサービスだそりゃ!」

 

「峰田さん上鳴さん騙しましたね!」

 

あっマイクさんも想定外なのか……なにかやることで来ているのかと思ってた、女子陣は騙されて来てたのかちょっと声かけて話した方がよかったかな……?

 

過ぎたことだから気にしないけど、後は組分けかな……なるべく弟にとっていい相手と戦える組み合わせだといいけど。

 

弱い相手を望んでも、それは弟のためじゃないなるべく新しい強い相手と……なってほしい、二人ほど辞退し繰り上がったそれも中々の強者だろう。

 

「さて、後はどうなるか………でもここまで残った以上弟も一筋縄ではいかないぞ対戦相手よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後の借り物競争で弟に呼ばれたが……内容は、包帯だった。確かに目につけてるけど首根っこ引っ付かんで持っていくのはちょっと苦しいぞ息と心両方。




いつものブラコンです。


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最新話
普通科の黒馬


ちょっと流れが変わるかもしれぬ。


「………あー首が痛い。」

 

借り物競争で弟に首根っこ捕まれ引き回された、でも大人を引っ張れるほどの力がついたことを感じられるいい機会だと思ったりもしている。

 

弟は借り物競争以外の競技は、参加したりしなかったりして他の参加者もおんなじ感じだ。

 

ちなみに俺はまた仕事が入っている、一年生の物を頼まれたからまだましだと思う……各種レクリエーション競技に使った道具の後片付けだ。

 

「初戦は弟がやるのか……相手は、普通科で黒馬だなぁ。俺からなにか言えるものでもないし、それに場所的に会いにもいけないし。」

 

そう独り言を呟いていると……人が近づいてくるやな予感がするが……

 

「緑谷くん、選手の待機室のもの頼んでいい?今している後片付けこっちで請け負うから。」

 

また仕事を頼まれ、違うか苦手な仕事のおしつ……交換かそれぐらいならまぁいいか。

 

「あっいいですよ。」

 

本当に、断るためにはどうすればいいのだろうか。

 

「ありがとう、待機室選手が来る前に早くすませられる自信がなくて………」

 

「なら俺早くいった方がいいですね、分かりましたやりますので後の仕事は引き継ぎお願いいたします。」

 

さて、いくか……ここからは近いかな。

そうやって時間が無さそうなため軽く走っていく、曲がり角とか人にぶつかりやすいからそこら辺も気を付けないといけない。

 

普段とかであれば、スケートボードでいってしまうがまぁ仕方がない。

 

俺はあくまで用務員だ。……今までの業務見返すと用務員とは思えないほど全体的に仕事が回っているような気がするが、そこは雄英クオリティだと思おうそうしそう。

 

「失礼します。」

 

念のためノックを三回してから入室する。

 

ノック二回はトイレのときとも言われているが、ちゃんと分かればそれでもいいと思っている。礼儀作法なんてたいがいそんなものだ。

 

中には誰もいない、来る前に済ませなければならないから居たら驚くし困る。

 

「中の麦茶減ってるな……暑い中やってるから当然と言えば当然か……」

 

麦茶の詰め替えや床に落ちたゴミを捨てて、パイプ椅子等の位置を整える。手早くやらなければならないし、弟含む参加者は全員使うだろう……

 

なるべくリラックスできる環境を用意したい。

 

「まぁこれでいいか。」

 

手早くも済ませなければならないため、個人的に及第点といえるまでに終わらせる。

 

「よっおとぉぉ!?あっ学生さんか……ビックリしちゃったここ選手待機室であってるよ、対戦張り切っていってね応援してるよ。」

 

出ようとしてドアを開けた瞬間、学生さんがいたんだからビックリするよね。多分ビックリするのは俺だけじゃないと思う……とりあえずドアにぶつからなくて何よりだ。

 

確か弟が対戦する相手か、ひょろってしてるなぁ除籍先生のようだ。目付きとか特に似てる……

 

「あの……俺になにか?」

 

しまった、すこし見すぎた……こういうところが俺の悪い癖なんだよなぁ……

 

「いや、何でもないよ。ごめんね。」

 

「そうですか。」

 

「うん、そうじゃあねっ。」

 

個性は異形でもないし見た目で分かるようなものでもない……もう少し体育祭でマークして見ていればあらかたの想定はついたのだろうが……。

 

はっきり分かるのは障害物走から騎馬戦の絞りのみを越えてここまで来た時点で、強さとなるナニカは持っているだろうってこと。

 

もしあの学生さんの個性が分かったとしても、弟には教えたりとかはしないけど……

 

そこら辺は弟自身が見つけて対応するべきであり、勝負には俺は兄として介入してはいけない。

 

「あっまた仕事のメールだ。」

 

正直、弟の試合見れるように仕事すませられるかすらわからんけどな!個人的にだけど下手な雄英高校教師よりも時間がない気がするぞ。

 

……なんか一部焦げたり壊れてる物品を補充するってことで、そもそもなんで焦げてるの?学校で小規模キャンプファイアーでもしてるの。

 

個性だから致し方なしでいいかもう……爆発やら火炎やらそこらで焼けた後結構見るし……

 

「用務員室の備品からひとつ焦げたやつの代わりに持っていくことにするかぁ……」

 

個性社会故物が壊れることが多いのは雄英高校も分かるのか、予備の備品がやけに多い。その交換も、用務員の仕事としてやられている。

 

教師は、自身の授業のカリキュラムの作成などに尽力できる環境になるし用務員にさせるのは分かる。

 

 

とりあえず人員増やして下さい。行事のとき忙しすぎる、普段はまぁまぁだけど。

 

 

これが今の全体的に用務員業務について思っていることである、即採用ですぐに働いてって言われた理由が分かったよ。

 

「俺はヒーロー業も兼任しているから、休みが無いなとか感じるのだろうけど。」

 

基本的にヒーローと兼任することを前提としていないのだろう、雄英高校の教師は逆にヒーローであることが前提だその分その配慮も多いのだろう。

 

「よしっついたと。」

 

さっさと取り替えて、弟の試合見に行かないと!時間帯的にもう始まってる。

 

……騎馬戦見たいにほとんど見れないってテレビで後で見れるとしても悲しすぎるし、というかまた見れなかったら俺は泣く。

 

「まぁどんな勝負の結果でも、弟の実りのある戦いになればそれでいいんだけどさ。」

 

負けて死ぬ戦いじゃない、だからこそ見えるものがある……それを感じてほしい。

俺だって何回も失敗して何度も繰り返して自身の得物を研ぎ澄ましてきたのだから。

 

 

歓声が浴びせられる。日がより暑く感じる。

 

「第1回戦!成績の割には何だその顔、ヒーロー科・緑谷出久!VSごめんまだ目立つ活躍なし!普通科・心操人使!」

 

ここで勝たなければ、轟くんとの約束も支えてくれた人の期待にも答えられない。

 

「ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする!あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!」

 

相手の心操くんは、白尾くんが個性を教えてくれた……洗脳だ。多分試合中僕に返答させようとするだろう、そうすることが相手が僕に勝利するための道なのだから。

 

「あの猿はプライドかなんか言っていたが……」

 

「レディィスタート!!」

 

マイク先生の開始の声が響く。

 

「せっかくのチャンスを捨てるなんてバカだと思わないか……?」

 

無意味に心操くんは、そういっているわけじゃない僕に洗脳の個性を使うために言っているんだ。まずは走って近づく、心操くん自体では反応していない。

 

反応が鈍い。

 

そこなら、殴れる。

 

「ぐっあっ…………」

 

心操くんが腹を押さえる、殴ったから当たり前だが……いているのは顔でもやり過ぎると反則と取られる場合もあるそこら辺も考えないとならない。

 

「いきなりか、ヒーロー科もだけど俺も負けてられないんだよ!俺は勝ち進みたいんだ。」

 

心操くんも殴りかかってくる、確かに洗脳だ爆発やエンジンのように直接戦闘に使える個性ではない。痛みはかっちゃんに殴られる程じゃない……

 

……勝つためには場外に出すか、まいったと言わせるか……。心操くんに勝つためには挑発に乗ってはいけない文字通り精神の勝負。

 

「良いよなぁ、こういう風にちゃんと戦える個性は俺と違ってよ!

 

生まれたときにおあつらえ向けの個性もっているやつわよ!」

 

心操くんはそう叫んで僕の方に向かっていく、僕も無個性でヒーローを諦めていたからその苦しみは分かる。

 

だけど、ここで勝ちを譲る訳にはいかない。

 

僕はわざと場外近くの白い線に押されるように移動していく、きっと心操くんは まいった とは言わない。なら僕が心操くんに勝つためには場外を狙うしかない。

 

「………つっ」

 

だんだん奥に追い詰められていく、だけどこれでいい体を横に向け足をひっかける。勢いは中々止められない突然やられれば、普通科だから戦闘訓練も積んでいないだろう、だから………

 

「最終種目、真っ先に2回戦に進出したのはA組緑谷出久!!」

 

これで勝つことができた。

 

 

「やっと仕事片付いた、これ以上回されてたまるかっ!俺は弟の試合を見るっ。」

 

もー暇なとき以外仕事回さんといてください、俺は試合を観たいんだ。体育祭だからいいんだ……

俺は開会式で見たところ個人的な一番の特等席から試合を見る……

 

「……あれ、先客?」

 

俺よりも先に誰かがいた、多分最初から試合を観ていたのだろうすこし汗をかいていた。

 

前に近所の道案内をした、黄色い髪をした目に微かなそして、確かな光をもった骸骨のような男……名前は知らない。

この男、雄英関係者だったのか……?

 

「すいません、雄英高校関係者でしょうか?申し訳ありませんが関係者以外は立ち入り禁止となってまして……」

 

念のために軽く声をかける、俺の記憶の中では確かこういう雄英高校の関係者はいなかったはずだ。

男は気づいたのか返答をした。

 

「雄英高校の校長とちょっとあって、ねちゃんと学校関係者だから安心してくれ。」

 

ちょっと焦っている気もするが……そこら辺はまぁいいだろう、もし何かあったらここでならば通報したりなんなりなんとかはなる。

 

「えっと一応私は、この雄英高校で用務員をしてます。緑谷 曲と言います、あのときは商店街大変になって災難でしたね。」

 

こっちも雄英高校関係者であると言っておこう、相手も雄英高校関係者だとしても用務員の顔なんていちいち覚えてはいないだろうし。

 

さて後は、弟の試合だ。

 

弟いつの間にかむっちゃ無言で殴りあっているのだが俺が仕事中に何があったんだ。

 

相手は俺と似た力じゃなければ、そういうことあんまりできなさそうだが。入試が問題で普通科で入ったとするなら精神干渉系か……?

 

あの様子だと弟と殴りあいでは、負けているみたいだし……弟が無言って事はそれに関連するのか?

 

「やっぱり、もう少し早く来れば良かったな……」

 

なんというかうん、サッカーでゴールシーンじゃなくてゴール後のやつを見てしまったような感覚だ……。

 

全くこの試合が、どういう流れをしたのかわからない。後で家に帰ったらテレビ見返そうそうしよう。

 

あっ勝った、相手が場外に出てしまったようだ。

 

……何か相手と話してる、でも…

 

弟戻ってくるからここから一端離れよう。なんかボーとたまにしてるななんでだろ勝利の余韻を崩しちゃいけないからね……

 

きっと弟怒っちゃうだろうし……であの人弟と何か関係あるのかな、気になるなぁ……

 

……わぁい、また仕事のメールはいってるよー

 

外の出店辺りのゴミがちょっとあるから片付けろって事か……弟の試合までまだあるからいいかもう。

 

他の人達の試合も気になるけどなぁ、俺の戦い方に組み込める戦法とかあるかもしれないし。




黒馬と書いてブラックホースと読む。

曲のヒロイン ピクシーボブさんとか考えています。用務員仲間の名前とか考えないとなぁ……

体育祭もあまり曲の戦闘シーンはありません(´・ω・`)

出久君に兄の影響が……(戦闘スタイル)、指二本の怪我が無くなりとそして歴代の幻影フラグが折れてしまいました。


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