ゾンビが人間を守って何が悪い (セイント14.5)
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レベル0.歴史のお勉強 ※未プレイの方は読むことを推奨します。

未プレイの方のために、Destiny1やそこまでのストーリーを簡単に会話形式で説明します。既プレイの方は、読まなくても大丈夫です。


※登場人物


ケイド6…人類の守護者ガーディアンの三つの職業のうち、『ハンター』を代表するリーダー。エクソと呼ばれるアンドロイドでお調子者。いつも外に出たがっている。


イコラ・レイ…ガーディアンの職業『ウォーロック』をまとめる。種族は人間。疑問はそのままにしておかないタイプ。


ザヴァラ…ガーディアンの職業『タイタン』を統括する。アウォークンとよばれる、肌の白い人類の派生種族。頭の固さと責任感では誰にも負けない。





Destiny1からDestiny2までの少しの間…

 

タワー、バンガードの会議室

 

 

「イコラ、こんな時間に呼び出してどうした?もしかしてデートのお誘いか?俺はいつでもOKだぞ!さあ!」

 

 

「ケイド。聞きたいことがあるの」

 

 

「なんだ?まさか…スリーサイズか!?ちょっと待ってろ、今測ってくる!」

 

 

「違う。ケイド、あなたはトラベラーと我々の歴史についてどのくらい知ってる?」

 

 

「哲学的な質問だな。例えるなら…」

 

 

「いいから答えて」

 

 

「なんだよ…歴史だろ?俺たちの」

 

 

「そうだな…まずはトラベラーだ。真っ白の超デカイ球体!それが火星に現れて、俺達にすんごいテクノロジーをプレゼントしてくれた!」

 

 

「人類はもう大喜び!黄金時代の到来だ!太陽系のどこにも、人間が住んでない星なんか無くなった!あと俺が産まれた!これは一番大切だ。テストに出すぞ」

 

 

「エクソ。自己増殖機能を備えた、超高性能アンドロイド。あなたもその一人よね、ケイド」

 

 

「ああ、そうさ。おでこの角がチャーミングだろ?」

 

 

「そんで…あー…そのあと…」

 

 

「暗黒」

 

 

「そう!暗黒…ってなんだ?」

 

 

「はぁ…外宇宙からトラベラーを追ってきた敵性体の総称。トラベラーがガーディアンにもたらす『光』の力に対して呼ばれるの」

 

 

「暗黒には4つの種類がある。宇宙を放浪し、略奪と虐殺を繰り返すフォールン。虫と死の神を崇め、生物のことごとくを喰らい、侵し尽くすハイヴ。その圧倒的な軍事力で複数の銀河を手中に収め、未だ侵略を続ける大帝国カバル。そして、星の機械化と時間改変による我々の排除を目論む機械の集団。暗黒の中の暗黒とも呼ばれるベックス」

 

 

「あー。そうだったな。つまり暗黒は敵だ。そんでトラベラーと人間はそいつらと、それはもう戦ったんだ!」

 

 

「でもダメだった。もう全然。負けばっかり。人類はついに月まで奪われて、地球のこんなところにまで押し込まれた」

 

 

「もうダメか…そう思ったその時!地球に移動していたトラベラーが最後の力を振り絞り、暗黒を撃退…はしてないが押しとどめた!」

 

 

「そんで、トラベラーが最後に放ったゴースト達…ガーディアン用のナビゲーターで、トラベラーの子機みたいなもんだな。意外とおしゃべり。…とにかくそれを使ってガーディアンを生み出した」

 

 

「そこからは私が話そう」

 

 

「ザヴァラ!来てたのか!」

 

 

「今来た所だ」

 

 

「ガーディアン達は暗黒に対し勇敢に戦い、壁を築き、『シティ』と『タワー』を築いた。今我々がいる所だな」

 

 

「我々は団結し、バンガードを作ってガーディアンを組織した。ガーディアン達に装備を提供し、訓練を施し、送り出してきた」

 

 

「もちろん予期せぬ危機が我々を襲うことが何度もあった。ガラスの間…ハイヴの王子クロタ。エルダーズ・プリズンの挑戦…しかし、その度に、彼らは我々と共に戦い、勝利を収めた」

 

 

「彼ら…今は何をしてるのかしら」

 

 

「さあな。暗黒と戦ってるのだけは確かだ」

 

 

「新たな武器を求めて?」

 

 

「かもな」

 

 

「とにかく、そうして我々は今日もガーディアンとして、人類を守っているわけだ」

 

 

「というわけで、今日の会議を始めるぞ。二人とも位置につけ」

 

 

「イコラ。歴史をうまく言えた俺へのご褒美は、一週間外出権がオススメだぞ!」

 

 

「ダメ」

 

 

「なんだって!?」

 

 

「おい。早く位置につけ。ハンターのうちの一人が妙な反応を見つけたらしい。そう言ったのはお前だろう、ケイド」

 

 

「ああ、そうだった。俺が思うにアレはカバルだと思うんだが…」

 

 

 

Destiny2へ続く

 

 



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レベル1.我こそはガーディアン


初投稿です。


 

「…弱ったな」

 

 

さっきより勢いの強まった吹雪を見てつぶやく。

いくら敵が少ないとはいえ、やはりこんな山道を選ぶんじゃなかった。洞窟の壁にもたれかかりながら、今更意味のないことを考えて暇をつぶす。

 

 

『吹雪は少なくとも一晩、最長で二日ほど続く可能性があります。船を呼んで、一度シティへ戻りませんか?ここは寒くて…』

 

 

私のゴースト…ガーディアンのナビゲーターがわざとらしく震える。ひし形のシェルに入った大小の亀裂がこすれ、カチカチと音を立てる。

私はゴーストを手で制した。この手の冗談は嫌いだ。つまり、全くありえない仮定をするような…。

俺達が帰るべきシティはもうない。ついでに、ゴーストに寒さを感じる機能もない。

 

 

…そう。我々が、文字通り命をかけて守ってきたシティは、ついに敵の手に落ちたのだった。

カバル。レッドリージョンという一派だった。突然の襲撃に、我々は完全に敗北した。

シティを愛するタイタンは、カバル戦艦の砲撃から街や市民を守るため立ちはだかり、そのまま死んだ。

ハンターは飛び回り、何とか敵を減らすよう立ち回ったが、そのことごとくが失敗に終わった。

ウォーロックは混乱を鎮め、解決策を導き出すことに躍起になったが、答えはどこにもなかった。

 

 

我々は負けた。

私もガーディアンとして戦ったタイタンの一人だった。

今では…頼るべき光も無い放浪者に過ぎない。

 

 

「これからどうすればいい?」

 

 

私はゴーストに尋ねた。ゴーストは私よりずっと賢い。知り合いのウォーロックにこう言うと、全くナンセンスな考えだと笑われるのだが、少なくとも私はそう感じている。

 

 

『…あなた以外にも生きているガーディアンがきっといます。まずは彼らと合流しましょう』

 

 

「生きている、ね。光のないガーディアン…人類を守れないガーディアンは、本当に生きていると言えるのか?」

 

 

『…だとしても、これから生き返るのです』

 

 

「どうやって?」

 

 

『トラベラーの光を失いましたが、必ず取り戻す方法があるはずです。それを見つけましょう』

 

 

「俺が生き返るのと、みんなと合流することのどっちを先にやればいいんだ?」

 

 

『…お好きなように』

 

 

「そうか。なら、まずは光を取り戻そう」

 

 

自分でも意地の悪い問答だった。ゴーストをいじめるつもりはなかったのだが…光を失ったことで、無自覚のうちに精神が不安定になっていたのかもしれない。

 

 

光。ガーディアンの力の源にして、トラベラーを象徴するもの。曰く、生物、無機物…あらゆるところに存在するエネルギー。曰く、無限の勇気、情、奉仕の心…精神的パワー。実のところ、よく分かっていない何か。

これがないと、ガーディアンは何もできない。敵に撃たれれば死ぬし、復活できない。ガーディアンにとって光を失うということは、両手足をもがれ、感覚器官をすべて奪われたに等しい。

 

 

「よし…まず光だ」

 

 

なればこそ、取り返さなくてはならない。光を。力を。使命を…ガーディアンとしての、命を。

 

 

 

・・・・・

 

 

 

夜が明けてしばらくすると、嘘のように吹雪が止んだ。私は降り積もった雪を何とかかき分けて外に出ると、周囲を一望する。

真っ白な雪と、淡い水色の青空が目に入った。というより、それしかなかった。目印になるようなものが全くない。

 

 

「これはまずいか?」

 

 

ゴーストに尋ねる。

 

 

『問題ありません。自分の位置もわからないゴーストはいません。問題は、しばしばガーディアンの居場所を見失うことですが…』

 

 

問題なさそうだ。私はゴーストのナビに従い、歩を進める。

一歩。雪に足が沈む。

二歩。膝まで沈む。

三歩。腰まで雪が積もっているのか?

四歩…

 

 

『ガーディアン、止まって下さい!ガーディアン!』

 

 

五…

 

 

「ゴースト?どうし…」

 

 

瞬間、嫌な浮遊感が私を襲う。

 

 

『ガーディアン!ああ…まずい…!』

 

 

どうやら、私は雪山のクレバスに思い切り足を踏み入れていたようだった。

崩れ落ちる雪とともに、割れ目の底へ落ちていく。

景色が妙にスローだった。ゴーストの声が遠くなっていく。走馬灯。何度も見た景色が、また私の視界に表れては消える。

 

 

いや、大丈夫だ。ガーディアンは死んでもゴーストの光の力で蘇生してもらえるのだから…

…光?

 

 

「…っぁあああああーーー!」

 

 

死ぬ!死ぬ!このままだとまずい!

二度と生き返れないことを思い出した私は、がむしゃらに手足を伸ばす。

ボロボロになったグローブが氷壁を引っかく。落ちるスピードは変わらない。

ブーツで氷を蹴る。スピードはだんだん早くなる。

真っ暗なクレバスの底が近づいてくる。

 

 

 

重い衝撃。私は数秒のうちに、意識を手放した。

 




あとがき

Destinyの世界観が好きなのですが、二次創作は少ないのが残念だと常々思っていました。
だったら作ればいいじゃないかぁ(ひらめき)


ちょっとした設定

主人公は名もなきガーディアンです。ちなみにタイタンですが、これは私の好みです。
時系列はDestiny2開始直後、レッドリージョンがシティを制圧した後です。主人公は人間です。まだ。

ヒロインや仲間は作るかもしれないし、このままゴーストがヒロインになるかもしれません。
これが欲しいぞ!という方は感想で伝えてもらえると、私がそれを読んで要望に応える可能性があります。


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レベル2.我こそはガーディアンだったもの

 

「…は、あ…」

 

 

『ガーディアン…ガーディアン!』

 

 

「…く…」

 

 

ゴーストの声が聞こえる。返事をしようとするが、その度に身体のどこかが痛み、言葉にならない音が出るだけに終わる。

 

 

『ガーディアン…状況を説明します』

 

 

『あなたはロシア連邦の雪山を徒歩で移動中、クレバスに足を滑らせて落下。今は…そのクレバスの底です。』

 

 

『あなたの身体に複数の骨折が見られます。ですが…』

 

 

「治るのを…ぉ…待ってる…暇は無い」

 

 

少しずつ意識がハッキリしてくる。しきりに痛みを叫ぶ身体をなんとか宥め、ゴーストに言葉を返す。

 

 

『…ええ。その通りです。ここは極寒の地…食料も熱源も無い今、このままでは…』

 

 

「…ぐ…つっ…あぁああ!」

 

 

『ガーディアン!無茶をしないで!』

 

 

ゴーストの制止を無視して、氷壁にもたれて無理矢理に立ち上がる。

目に見えて折れているのは左腕と左脚…特に左腕から地面に落ちたらしく、左肩から先は骨がないかのようにぐにゃぐにゃだった。

 

 

「はぁ…っ…ゴースト…左腕は…」

 

 

『…光があれば治ります』

 

 

「…はっ…」

 

 

何をするにも光。やることは結局変わりないようだった。

 

 

『ガーディアン…ここから少し歩きますが、洞窟を見つけました。人工のもののようです』

 

 

「…?」

 

 

こんなところに洞窟?しかも人工だと?

 

 

『ああ、いえ、人間ではなくフォールンの遺跡のようですので、人工ではなく…フォールン工?…うーん』

 

 

合点がいった。フォールンは地球上のどこにでもいるのだ。こんなところにいても不思議ではない。

 

 

フォールン。今となっては懐かしい、4本腕の略奪者にして、ガーディアンの戦うべき敵。

適応力に優れ、敵性技術を奪うとそれをすぐさま利用できるほどの柔軟性をもつ。それは、この地球の厳しい環境による洗礼を乗り切るためにも利用された。

フォールンは地球上のこういった所にも拠点を築くことで、ガーディアンの目から逃れることもあった。

 

 

…今の俺では、ドレッグ一体にも勝てないだろう。

 

 

 

『フォールンの機械が残っていますが、生きているフォールンはいません。戦闘の後、廃棄されたということでしょうか…』

 

 

なんとか歩きながら、その洞窟を目指す。

少しすると、橙色のうすぼんやりした光が見えた。

 

 

『電力が生きているようです。これなら…』

 

 

ゴーストが先行する。何かを持って帰ってきたかと思えば、金属の棒と長いコードだった。

 

 

『応急処置ですが、ギブスの代わりにはなるでしょう。私は探し物をしてきます。』

 

 

そう言うと、ゴーストはまた洞窟の奥に消えていった。

私は洞窟の入口に着くと、ゴーストが持ってきた資材を使い、左脚のギブスを作ることにした。片腕が使えないので、代わりに口を使った。

噛んだだけでも、コードはひどい味だった。今後どれだけ飢えても、これにかじりつくことは二度と無いだろう。

 

 

ひどく不格好なギブスを四苦八苦しながらなんとか一つ作り終えると、ゴーストが戻ってきた。

 

 

『ガーディアン…朗報です!通信機器が生きています!』

 

 

ゴーストが揺れる。シェルを回して、喜びを表現している。

 

 

「一体…誰と、通信するんだ」

 

 

『もちろんバンガード…ではなく………近くにいる…誰かです』

 

 

ゴーストはあまり動かなくなった。

シティが落ちた以上、こういう時に頼るべきバンガードもない。こんな状況で何を頼れというのか。

 

 

バンガード。ガーディアン達を統括し、シティを守るためにあった組織。三人のリーダーにより、ガーディアンはそれぞれの任務をこなした。

ザヴァラ…タイタンのリーダー。非情にも映るその行動は、しかしシティを守るためにいつでも万全を期すためにあった。

イコラ…ウォーロックの代表。常に冷静で、何にでも疑問を持って取り組む彼女の助言に救われた者は数しれない。

ケイド6…ハンターの取締役。彼の望まない役職に対する不満を聞かなかったガーディアンはいない。彼の親しみやすさと面白くない冗談は、ピンチの際に強力な支えとなったと言うガーディアンもいた。俺は信じていない。

 

 

今は、その誰もが、いない。

 

 

『とにかく、オープンチャンネルで救援要請を出してみます』

 

 

「…やめておけ」

 

 

『何故?』

 

 

「フォールンが…来るだろう…俺は、戦えない」

 

 

『…そうでしたね。ですが、それ以外に助かる方法は…』

 

 

「ゴースト…」

 

 

私は洞窟の壁を右手で指し示した。

 

 

『フォールンの死体があります。バンダルです。エーテルがまだ残っています。触ると危険です』

 

 

「使え…」

 

 

『使う…?一体何を考えているのですか?』

 

 

「左腕を作るんだ…銃は撃てるように…なる」

 

 

フォールンの機械技術は非常に高い。実際、フォールンの中には身体を機械化して戦闘するものも多く見られた。まさに、今目の前にいるフォールンのように。

フォールンとて二足の生物だ。ガーディアンと同じような構造をしているかもしれない。

 

 

『まさか…しかし!危険です!前例がありませんし、腕を機械化しても動くとは限りません!それどころか…』

 

 

「ゴースト…」

 

 

『嫌です。光を取り戻したって、一度改造してしまえば、その腕はもう元には治せなくなる』

 

 

「ゴースト」

 

 

『…ガーディアン…しかし、私は…』

 

 

「やれ、ゴースト…!」

 

 

『………』

 

 

「…頼む」

 

 

『…きっと失敗します』

 

 

「ああ…それでもいい」

 

 

何もしないよりは、誰かの救いを求めて死ぬよりは、ずっといい。

 

 

「俺は…死ぬまで、いや…死んでもガーディアンだ」

 

 

ガーディアン。人類の守護者。人間を守るために最後まであがいて死ぬなら、それも本望だ。

 

 

『…では、始めます。寝転がっていて下さい』

 

 

『麻酔はありません。せめてコードを噛んでおいて下さいね。それと…早めに気絶することを祈って下さい。』

 

 

そう言うと、ゴーストは薄い鉄板を取り出した。

ゴーストは私の左腕をしばらく見つめると、おもむろをその鉄板を振り下ろした。

 

 

「っっーーーーーー!」

 

 

 

 

『…ガーディアン…』

 

 

ゴーストの声。

 

 

『ガーディアン…申し訳ありません…』

 

 

「どう…した…」

 

 

失敗したのか?そう思って首を左に向ける。

そこには、よく見る腕があった。

 

 

「…なんだ…」

 

 

そう。俺がいつも殴り倒していたバンダルの腕。

カチャリと軽い音を立てて、その腕は自身の望むように動いた。

 

 

「成功したのか…よかった」

 

 

『ガーディアン…いえ…失敗です』

 

 

『フォールンは機械を動かしたり、生きるためにエーテルを消費します。普通はサービターが供給するのですが…』

 

 

「…まさか…」

 

 

『…ええ。その腕も、エーテルがないと動きません。それだけならともかく…』

 

 

ゴーストはためらうように俯いた。

 

 

『ガーディアン…その…あなた自身も…』

 

 

嫌な予感がした。

 

 

『エーテルが無くなると、全く活動出来なくなります』

 

 

「何故だ…機械化したのは左腕だけのはず」

 

 

『神経系を接続する際に、機械に残っていたエーテルが逆流しました。いえ、機械を動かすには必要なので、それは正しいのですが…ガーディアン…いえ、あなたとの相性が悪く、エーテルによる侵食が始まりました。』

 

 

『何とか侵食を止めた頃には、あなたの身体の中にエーテルが通っていない所はほとんどありませんでした。』

 

 

「…なんてことだ…!ああ…最悪だ…」

 

 

「…今、俺の身体には…光じゃなくて、エーテルが流れているのか?…」

 

 

「俺は…それでもガーディアンなのか?光のないガーディアン…身体の中を、フォールンと同じものが流れている…ガーディアン…」

 

 

『ガーディアン、気を確かに持ってください…』

 

 

「ゴースト…お前には俺が何に映る?」

 

 

『あなたははガーディアンです。それ以外のなにものでもなく…依然変わりなく』

 

 

「…嘘だな」

 

 

『そんなことは!』

 

 

「ああ…すまない。俺が認めたくないだけなんだ。自業自得だ。無理矢理ゴーストにフォールンの左腕をくっつけさせて、いざこうなってみれば…。死んで本望だ…なんて、本当に死んでみたら下らない。」

 

 

自嘲する。不思議と笑いが込み上げてくる。

 

 

『ガーディアン…』

 

 

「俺はもうガーディアンじゃない。俺のことをガーディアンと呼ぶな…今後一切」

 

 

『ガーディアン…!』

 

 

「二度は言わない…俺を苛立たせないでくれ」

 

 

『………では、ガーディアンにつき従わない私もゴーストではありませんね』

 

 

「なんと呼べばいい…俺も…お前も」

 

 

『…そうですね…では…』

 

 

ゴーストは少し考えるような仕草を見せた。

 

 

『ガーディアンであることを放棄したもの…ガーディアンとしての命を捨てた、動く屍ですね。分かりやすくゾンビでいいですか?』

 

 

「何とも言えないな。ゾンビか」

 

 

『…では、あなたが考えてください』

 

 

「いや、これでいいよ。…お前は、俺がガーディアンだったことの象徴だ。俺が捨てたガーディアンとしての命は、お前が預かっておいてくれ。」

 

 

『そうですか…では、私があなたの命を預かっている間、私を「ライフ」と呼んでください。あなたがガーディアンだったことを…その命を捨てたことを、忘れないために』

 

 

「分かった。…よろしくな」

 

 

『…ええ。初めまして、ゾンビさん。私は…ライフ。あなたのライフです。』

 





あとがき

あとがきはあったりなかったりします。
更新は不定期です。


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レベル3.略奪者の略奪者


第三話です。

敵の中ではフォールンが好きです。同種なのに派閥があったり、中には必ずしも敵対してないのがいたり、個性的なのが多いんです。




 

ガーディアン。トラベラーの従者にして、人類の守護者。

磨き上げたプラスチール製のヘルメットとガントレット。ジェットパックでどこまでも飛べる気がした。

 

俺は、ガーディアンであることに誇りを持っていた。

人類を守っている自負があった。敵をことごとく打ち倒し、全能感に浸っていた。

 

 

今はもうない。

 

…………………………

 

 

「いいことを思いついたんだ」

 

 

ぽん、と、わざとらしく手を叩く。

 

 

『きっと悪いことですね』

 

 

ゴースト…いや、『ライフ』がうつむく。ボロボロになったシェルも俺の腕のついでにちょっと直したらしい。

 

 

「お前にとってはそうかもしれない」

 

 

「だが、俺にとってはいいことだ。絶対に」

 

 

『そうですか…それで、一体何を思いついたのですか?』

 

 

「俺の身体をもっと機械化しよう。手始めに左脚だ。今ではまだ動くだけだ。戦えるようにしよう」

 

 

『…本当に死んでしまいますよ?』

 

 

「俺はゾンビだ。ちょっとやそっとでは死なん」

 

 

『それはただの…もういいです。バンダルを持ってきます。』

 

 

「頼む」

 

 

ライフが、俺の左脚に鉄板を振り下ろした。

 

 

 

『成功…で、いいのでしょうか。慣れてきた私に寒気がします』

 

 

「成功だよ。間違いなく」

 

 

俺の身体にくっついたバンダルの左脚が動く。接続には問題ないようだ。

 

 

『長さは調節しておきましたが、重さも何もかも違います。走ればバランスが崩れることがあるでしょうね』

 

 

ガシャガシャと新しい脚をいじくり回す。なるほど、これは確かに、走ることは難しいだろう。

 

 

「だが、ギブスのついた肉の足よりはマシだ」

 

 

『そうかもしれません』

 

 

「…む」

 

 

瞬間、目が眩む。左腕が妙に重く感じた。

 

 

『どうしました?』

 

 

「…目眩だ。それと…腕が、急にうまく動かなくなった」

 

 

『少し待ってください。見てみます…これは…』

 

 

『ゾンビさん。今すぐ通信機器を使って、オープンチャンネルで電波を流しましょう』

 

 

「どうして。危険じゃないか」

 

 

『あなたのエーテルが切れかけています。このままでは本当に死んでしまいます』

 

 

『電波を掴んだフォールンが怪しんでやって来るはず。それらの中には必ずサービターもいます』

 

 

「サービターを捕まえろっていうのか?」

 

 

『いえ。破壊しても構いません。サービターは破壊されても周囲にエーテルをまき散らします。それをこのタンクで集めれば…』

 

 

ライフが人間大の金属缶を取り出す。エーテルタンク。かつてフォールンの基地で、散々爆破した覚えがある。

 

 

「エーテルをそのタンクにどうやって集めるんだ?」

 

 

『…タンクを開けてれば勝手に入りませんか?』

 

 

「まさか!」

 

 

『生きているフォールンを見て学びましょう。実は、もう呼んであります』

 

 

電源の落ちたヘルメットの代わりに腕に取りつけたレーダーが赤く光る。

 

 

「…お前のそういうところは相変わらずだな。今度お前を握り込んでフォールンを殴ってやる」

 

 

『遠慮しておきます。敵はフォールンの一小隊。ドレッグ三体にバンダルが一体…まあ、斥候ですね』

 

 

「サービターがいないじゃないか」

 

 

『もっと後ろにいるようです。まあ、ドレッグ一体でも多少はエーテルを持っているでしょう』

 

 

「…クソっ!なんて無計画で無責任なやつなんだ!」

 

 

『あなたには言われたくありません!』

 

 

「ふん。ところで、武器はあるのか?」

 

 

『たくさんあります。フォールン製のものが』

 

 

「持ってきてくれ…いよいよ俺はフォールンの一員だな」

 

 

『これからフォールンを倒すんですが…ああ、いえ。フォールンは各ハウスで戦争してましたね』

 

 

ライフが俺にワイヤーライフルを手渡す。

アーク(電撃)エネルギーをまとった弾丸を打ち出す、バンダル用の武器だ。こいつに初めて撃たれた時は思わず叫んだぐらいには痛い。

 

 

「ああ。仲間内で殺し合うのはやつらの得意技さ」

 

 

久々の銃の感触。思いのほか軽い。左腕にもよく馴染んだ。

 

 

「よーく狙って…」

 

 

金属の折れた柱を支えに三本指になった左手を添え、右手でトリガーを握る。スコープがついていなかったので、とりあえず勘で撃つことにした。

 

 

レーダーが映す赤点が大きくなる。物音も聞こえる。既に洞窟の曲がり角を挟んで向こう側にいるようだ。

 

呼吸を抑える。右手に汗が滲む。つとめて肩の力を抜く。ここで死んだら、今までのように生き返ることはできない。フォールンは残虐だ。間違っても俺を生きたまま放り出すことはない。

 

失敗は許されない。

 

 

『…2…1…来ます!』

 

 

ゴーストの合図と同時にワイラーライフルの引き金を引く。

スプリングが水中で跳ねたような、特徴的な音とともにアークエネルギーの塊が走る。

 

 

「頼む!」

 

 

ライフルをリロードしながら祈る。どうか当たりますように。

 

 

『…ヒット!ドレッグ一体が沈黙。あと三体です』

 

 

「よし!」

 

 

ライフルを構える。奴らは少し混乱したあと、既にこちらに向けて腰を落として戦闘態勢を取っていた。

 

 

『バンダルを狙ってください!小隊長です!』

 

 

「分かってる!」

 

 

もう一度引き金を引く。今度はバンダルの前に出ていたドレッグの胸を撃ち抜いた。

 

 

『違います!そいつじゃない!』

 

 

「射線上にいたらどうしようもないだろ!ああクソ、もう一度だ!」

 

 

敵の攻撃が激しくなる。たまらず柱の裏に身を隠した。

 

 

『ドレッグが電磁ナイフを取り出しました!こちらに走ってきます!』

 

 

「うそだろ!?」

 

 

まずい!近接戦闘も想定しておくべきだった!

 

 

『来ます!ジャンプしました!直上!』

 

 

「っーーーー!」

 

 

ドレッグがナイフを両手に持って飛びかかってくる。フォールンの中では一番下っ端の、失うもののないドレッグにとってお得意の戦法だった。

たまらず転がって回避する。

 

 

「っがあああああああ!」

 

 

骨がきしむ。激痛が走った。ここに落ちてきた時に細かいところにヒビが入っていたらしい。これ以上激しい動きはできない。

 

 

何とかライフルを構える。向かってくるドレッグに向かって電流が走った。

 

 

「ギュアアアア!!」

 

 

ドレッグの悲鳴。右脚が吹っ飛んでいた。切断面が焦げつき、血が流れていた。

 

 

「左だったらお揃いになれたかもな!」

 

 

ライフルを撃つ。今度は頭に命中した。ドレッグはしばらく痙攣したあと動かなくなった。

 

 

『あと…あ、いえ。撤退していきました』

 

 

「フォールンが撤退?」

 

 

『いくら気性の荒いフォールンだって撤退ぐらいするでしょう』

 

 

「…そうかね」

 

 

『それよりエーテルです。このドレッグ…はダメですね。最初に撃った方…ありました』

 

 

ライフがドレッグのつけていたマスクを引きはがす。パイプの先にはドレッグがつけていた小さな箱が繋がっていた。

どうやらこれにエーテルを貯めてあるらしい。

 

 

『つけて下さい』

 

 

「ウソだろ?」

 

 

『残念ながら、ドレッグと間接キスです。…生きるためです』

 

 

「クソ…」

 

 

しぶしぶマスクをつける。心なしかライフが笑っているように見える。後でお仕置きしてやることを心に深く刻む。

 

 

数回呼吸をすると、空気とは違うものが肺に流れていくのが分かる。恐らくこれがエーテルだろう。

だんだん思考が明瞭になり、機械化した腕が軽くなった気がした。

 

 

「まるで麻薬だな」

 

 

『そんなに【イイ】ものですか…エーテルというのは』

 

 

「ああ。お前も吸うか?」

 

 

『遠慮しておきます。それより、しばらくはそれをつけておいてください。今あなたの装備にくっつけます』

 

 

「フォールンと見分けがつかなくなりそうだ」

 

 

『今度は胴体も作りますか?』

 

 

「それもいいかもな」

 

 

『…あなたはフォールンになりたいのですか?』

 

 

「俺はフォールンじゃない。ガーディアンでもないが…」

 

 

『ですが…!』

 

 

ライフが一回転する。慌てている。

 

 

「どうした」

 

 

『フォールンが来ます!さっきより多い…!』

 

 

まずいことになった。

 

 



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レベル4.脳筋は銃で殴る

フォールンの援軍。まさしくピンチだ。正直に言うと、勝てる気がしない。

 

 

「フォールン…!詳しく分かるか?」

 

 

『ドレッグ5、バンダル3!それと…キャプテンがいます!サービターを連れています!』

 

 

「一部隊丸々来てんじゃねえか!一体何したんだ!?」

 

 

『何かしたのはあなたでしょう!?バンダルを取り逃したなら、仲間を呼んでくるのは当たり前です!』

 

 

「…確かにそうだが!ワイヤーライフルで全部倒すのは無理が…」

 

 

『ああ!もう来ます!構えて!』

 

 

「っ!」

 

 

キャプテンの雄叫びが洞窟内を反響する。どうやら怒っているらしい。同調したのか、他のフォールン達もそれぞれに声を上げる。

 

 

「…まさか、フォールンの大声に恐怖する日が来るとはな」

 

 

今までは、煩わしいとしか思っていなかった。慣れた頃には、もう意に介さなかった。自らの無力がどこまでも恨めしい。

 

 

「………ライフ。考えがある」

 

 

ドレッグから剥ぎ取った電磁ナイフを見つめる。エーテルも補給した今、身体は動く。

状況は、さっきとは違う。絶望ではない。むしろ…

 

 

 

……………

 

 

 

「いいぞ…そのまま来い…」

 

 

身をかがめ、フォールンを待つ。

 

 

『フォールン、曲がり角の向こう側に到達』

 

 

『…本当にやるのですか?あなたは元タイタンなのに…』

 

 

「だが、今はタイタンじゃない。なら、やることだって変わる」

 

 

『慣れの話をしているんですよ』

 

 

「やらなきゃ死ぬのは変わらんだろう」

 

 

『そうですか……来ますよ』

 

 

「よし…そのままだ…」

 

 

ドレッグが部屋に入ってくる。キョロキョロと辺りを見回す。

 

 

『…気づかないものですね』

 

 

「生き物は上下の動きに弱いのさ。フォールンもそうかは知らんが…」

 

 

俺は、柱を伝って天井の梁に登っていた。ハンターのマネだ。かつての俺はタイタンだったが、一度としてこんな卑怯なマネはしなかった。今回は仕方なく…だ。そうやって勝手に納得して、作戦通りワイヤーライフルを構える。

 

 

「ドレッグは後だ。次…」

 

 

続いて入ってきたバンダルに狙いを定める。

呼吸を整え、引き金を握る。エーテルを補給したおかげで、支えが無くても持ち上げられるようになっていた。

 

 

「…ふっ!」

 

 

特徴的な発砲音。何度聞いても慣れないな、なんてのんきなことを考えながら、リロードする。

弾丸はうまくバンダルの頭を撃ち抜いたようだ。プシュー、という音を立ててバンダルが倒れる。

 

 

「アレは、パイプからエーテルが漏れる音だったんだな」

 

 

続けてバンダルを撃つ。今度は肩に命中した。ドレッグの一体がこちらを指して叫んでいる。場所がハッキリとバレたようだ。

 

 

「やれると思うか?」

 

 

電磁ナイフを取り出し、強く握る。刀身はバチバチと音を立てている。

 

 

『やるしかありません。それに、これはあなたが考えたんです…残りはドレッグ5、バンダル1、キャプテンとサービターです』

 

 

部屋にキャプテンが入ってくる。榴弾ランチャーを構えている。アレはワイヤーライフルより痛い。いや、今は痛いじゃ済まないだろう。当たればどこかは確実に吹っ飛ぶ。

 

 

「行くぞ…行くぞ、クソ…行くぞ!」

 

 

ワイヤーライフルを適当に投げつけると、踏ん切りのつかない足を殴りつけ、不格好にジャンプしてキャプテンの頭に飛びかかった。

頭の装飾を掴んで張り付くと、キャプテンのやたら大きい叫び声が頭に響いた。

 

 

「ぅわあああああああああ!!」

 

 

ナイフをむちゃくちゃにキャプテンに向かって突き立てる。傍目に見れば、大人に駄々をこねる子供にも見える体格差だった。

 

 

「ぐっ…クソ!死ね!死ね!死んでくれ!死ねぇぇえ!!」

 

 

ナイフがひときわ深く突き刺さる。キャプテンが榴弾ランチャーを天井に向けて撃ち込む。金属片や氷が砕け落ち、俺の頭に当たる。

 

 

「づっ…このっ!」

 

 

「グオ…オ…ォ…!」

 

 

キャプテンのエーテル供給パイプが千切れる。首元から吹き出る血が顔にかかる。

 

 

「っーーー!ぐ、わ…!」

 

 

瞬間。背中に衝撃。

 

 

『バンダル!』

 

 

混乱から回復したバンダルが、俺に殴りかかってきていた。

 

 

「く、このやろ…!」

 

 

ナイフを振り回す。バンダルは身体を後ろに逸らして回避する。

 

 

「クソ!あともう少しなのに…!」

 

 

俺と電磁ナイフによる涙ぐましい努力により、キャプテンはもう死に体だ。だが、その周りがこれで終わらせることを許さなかった。

 

 

『【ガーディアン】!これを!』

 

 

「っ!【ゴースト】!」

 

 

放り投げられたドレッグのピストルを右手で掴む。

倒れていくキャプテンから飛び降り、そのままの勢いでドレッグをピストルの柄で殴りつけた。

 

 

『銃なんですから撃ってください!』

 

 

「うるさい!こっちの方が早い!」

 

 

飛びかかってくるドレッグを足で払うと、そのまま脳天に向けてピストルを撃つ。

 

 

「ほら!撃っただろ!」

 

 

『後ろ!』

 

 

「っぐお…!」

 

 

背後に鋭い痛みと温かい感触がする。バンダルが背中を切りつけたようだった。出血もしている。

 

 

『このままでは…!』

 

 

「先にこっちだ!」

 

 

バンダルを正面から蹴りつけ、姿勢を崩す。そのままナイフを肩に突き立てて倒し、今度は首を切りつける。吹き出る血で、視界が塞がれる。

 

 

「次!どこだ!ライフ!」

 

 

血を拭いながら叫ぶ。

 

 

『右手!三時の方向です!』

 

 

「こっちか!」

 

 

ピストルを撃つ。

 

 

『違います!そっちは九時です!』

 

 

「九時か!こっちだな!」

 

 

後ろ蹴り。ドレッグの腹に当たったらしい。

 

 

『違っ……納得いきません!』

 

 

「倒したんだからいいだろう!」

 

 

血が落ちてだんだん視界がクリアになる。残るは…

 

 

「ドレッグが2体。それと…」

 

 

『サービターです。今頃入ってきました』

 

 

ドレッグに対して応戦する。光も装備がないとはいえ、身体が動くなら遅れはとらない。1体は頭を殴りつけ、2体目はナイフを投げつけて殺す。

 

 

「さて…」

 

 

大きな黒の球体に、蛍光色の紫で縁どりされた円状の機械がいくつか埋め込まれた…一言で例えるならば目玉のような形をしたサービターがゆらゆらと浮いたまま移動している。こちらを見ているようにも見える。

 

 

「できればそのまま撃たないで欲しいんだが…」

 

 

サービターが動きを止め、機械的な甲高い音を立てる。装備されている砲を構えた合図だ。

 

 

『来ます!』

 

 

「やっぱりダメか!」

 

 

サービターはフォールンの中では一際装甲が厚い。ドレッグのピストルでは歯が立たないだろう。

 

 

「何か、何かあったか…」

 

 

ボイド…宇宙的な(実のところ俺にはよく分かっていない)…エネルギーを纏ったサービターの砲弾を転がってかわし、周りを見渡す。

 

 

『これを!』

 

 

ライフが、キャプテンの持っていた榴弾ランチャーを投げる。確かにこれなら十分なダメージが望めるだろう。

 

 

「くっ…重い!」

 

 

何とかランチャーを持ち上げ、サービターに向けて撃つ。一発撃つごとに身体がきしみ、後ろに吹っ飛びそうになる。

 

 

5発も撃つ頃には、俺の肩が外れかかる代わりにサービターは小さなクレーターだらけになっていた。

 

 

「これで…終わりだ!」

 

 

爆発音。榴弾ランチャーがサービターの中心に命中すると、サービターが高速で回転しはじめる。サービターは一定以上のダメージを追うと、形を保てなくなって自壊するようになっている…そう俺は思っている。

とにかくしばらく撃っているとサービターはみんなこうなるので、あながち間違いではない…ハズだ。

 

 

ひときわ甲高い音を立てると、サービターは爆発した。辺り一面に破片が飛び散る。

 

 

『終わり…ました。生きてます!』

 

 

「ハァ…ハァ…フー…」

 

 

ランチャーを床に落として息を整える。そういえば…

 

 

「お前…さっき俺のこと、ガーディアンって呼ばなかったか?」

 

 

『…いえ、気のせいでは?』

 

 

「………」

 

 

ライフを見つめる。

 

 

『………』

 

 

『…呼びました。いけませんか?それにあなたも私のことをゴーストと呼びました』

 

 

観念して白状したが、開き直るつもりのようだ。

 

 

『ガーディアン。やはりあなたはガーディアンとして動いた時の方が…』

 

 

「それ以上言うな。握りつぶすぞ」

 

 

『そんな力もないくせに。私がいなければあなたはここで凍死していました』

 

 

「それとこれとは話が別だ」

 

 

『…そうですか。では今は、とりあえずゾンビとライフ。それでいいでしょう』

 

 

「とりあえずじゃない。これからずっとだ」

 

 

『………』

 

 

『…とりあえず、エーテルを集めましょう。首尾よくサービターも倒せました。上手くいけばエーテルを生産する方法も見つかるかも…』

 

 

「ああ…後は頼む。俺は疲れたよ…少し眠る。何かあったら起こしてくれ」

 

 

『ええ。ええ。わかりました…【ゾンビさん】』

 

 

硬い地面に横になる。天井の氷壁は太陽の光を少しも通さないほど分厚いようだ。今後のことを何となく想像しているうちに、意識は薄らいでいった。

 

 




あとがき


Destinyをプレイしている、もしくは知っている方には説明ばかりでストレスのないように。未プレイの方(読んでるか分からないけど)には置いてけぼりにならないように…両方やらなくちゃあいけないのが難しいですね。


分かりにくい所とかは教えて下さるとモチベーションにもなります。感想下さい(直球)


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