IS×555 ファントムペイン (asterism)
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open your eyes

サイコロでイッピーの死因決めたら箒アンチにしないといけなくなった。だが私は謝らない。



「クソッ!?ブリュンヒルデの奴棄権しやがった!!」

 

兵士のような格好をした男がスマートフォン片手に叫ぶ。どうやらモンド・グロッソの速報を見ていたようだ。

 

「ハッ、だから言っただろうに、賭けは俺の勝ちだな、ちゃんと奢れよ?まぁ、報酬からすりゃはした金だろうが」

 

同じような格好をした男が扉に注意を払いながら笑う。だから言ったじゃないかとでも言いたげだ。

 

「そうだけどよぉ…」

 

そのやり取りをうっとおしそうに見ていた女が口を開く。ISを纏っているのはもしもの事態のためなのだろう。

 

「静かにしろお前ら、ずらかるぞ…、っとその前にだ」

 

グサッ…

 

胸に衝撃が走る、刺された、そう理解するのに少し時間がかかった、刹那、激痛。声をあげることすらできずに、意識を失う。

 

「わりぃな、顔見られて生かして帰すわけにもいかねぇんだ」

 

IS用のブレードに付いた血糊を払いながら女がいう。

 

「聞こえちゃいねぇか、撤収撤収…っと」

 

部屋には拘束された死体のみが残された…、しかし、その死体の傷が不自然にふさがり、息を吹き返す。

 

この日、織斑一夏は死に、生き返った(オルフェノクとなった)

 

―――――――――

 

 

数年後

 

「全員揃ってますねー。じゃあショートホームルームを始めますよー」

 

…辛い、弾でも数馬でも啓太郎さんでも修二さんでも勇介でもいいから助けてくれ…。というかここで助けてくれるならなおやんでも神に見えるだろう。

 

「そこ代われ、一夏」とか「ゴメン、いっくん…」「ゴメン、無理だ」「ヤダ」「ちゅーか俺の扱い酷くないかいっち?」といった声が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。うん、彼らはここにいないし。周りには女子ばかり、しかも自意識過剰ではなく、周りからの視線を感じる。当然だ、この教室に男子は俺一人、当たり前だ、女性にしか乗れないISに乗れてしまったのだから。正直、どうして乗れるかの心当たりはない、強いて言えばあの天災の仕業か、それともアレ…いやアレは無いな、だったらずっと前になおやん辺りが乗れて騒ぎになっているし、勇介だって乗れるはずだ。というかアレが原因ならむしろ勇介が乗れなきゃ俺が乗れないはずだ。

 

「…くん、織斑一夏くんっ!!」

 

「は、はいっ!?」

 

いきなり大声で呼ばれて思わず声が裏返ってしまう、あ、笑われてる…仕方ないけど。

 

「あっ、あの、大声出してごめんなさい。お、怒ってる?」

 

「あ、大丈夫です。それで何ですか?山田先生…というか落ち着いてください」

 

正直、同い年と言われても(一か所以外)納得してしまいそうな先生が申し訳なさそうに言っている、これでは長くなりそうなので適当に切って、聞く。

 

「あ、あのね、自己紹介、あから始まって今おなんだけど…」

 

「あ…ごめんなさい。自己紹介ですね」

 

「うん、よろしくお願いします」

 

後ろを向くと、今まで感じていた視線をモロに受ける。窓際に、正直今みたくない顔…というより俺個人の問題で合わせられたもんじゃない顔がいるけど、気にしない。彼女からすれば、懐かしい顔を相手に思い出話の一つもしたいかもしれないのだし…。どうやって「アレの話題」を避けるかだな…。とりあえず、去年の夏に見た新聞記事の話は絶対にしない。

 

「織斑一夏です。…趣味は家事…特に洗濯が好きです。何故かISを動かしてしまい、IS学園に入学することになりましたが、皆さんと違ってISの知識は全くと言っていいほどありません。迷惑をかけることになると思いますが、よろしくお願いします」

 

やっぱりイケメンだよねー、趣味が家事って家庭的だねー、一応の礼儀は心得ているようですね。みたいな声が聞こえる。掴みはまぁまぁ…か?

 

「ふむ、自己紹介はできたようだな」

 

「ちふ…あ、織斑先…生?」

 

「そうだ、織斑」

 

生きなり後ろから聞き覚え…というより人生で一番聞いてるんじゃないか?って声がして振り返ると姉がいた。思わず名前を言いかけて止まり、姉がここにいる理由を即座に思いつき、そういう風に呼ぶ。つまりはそういうことだろう。成程、教師か…似合わな

 

パァンッ!!

 

いつもの調子、威力も痛みも角度もそのまま我が姉のものである…、どうやら姉は心を読めるらしい。

 

「織斑、口は禍の元だ」

 

いや言ってません。…というのはこの姉に通用しないな…。と何度も思ったことを再び思い返しているとおもむろに姉は口を開く。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年間で使い物になる操縦者に育てるのが私の仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。できないものにはできるまで指導してやる。私の仕事は若干15歳を16歳まで鍛え抜くことだ。逆らっても良いが、私の言うことは聞け、良いな」

 

…、なんという暴君、コレ…慣れてる俺は良いけど周りは…。

 

「キャ―――!!千冬様、本物の千冬様よ!!」

 

「ずっとファンでした!!」

 

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです。北九州から!」

 

…、どうやら、すでに訓練された連中が集っていたらしい。しまいには我が姉の為なら死ねると来た…。冗談なのはわかるが命は大切にするべきだ。生きたくても生きられない人だっていっぱいいるんだから。

 

「…毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

 

まぁ、いくら慕われているとはいえこれはウザいだろう。…でも千冬ねえ、それは最低だと思う。

 

「さて、ショートホームルームは終わりだ。諸君らにはこれから半月でISの基礎知識を覚えてもらう。その後実習だが基本動作は半月で体にしみこませろ。良いか。いいなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ。」

 

つまり返事をしろということですね。あぁ…いつも自分基準で話を進めるから性質が悪い。というか、教師になったことくらい言ってくれ。負い目があるのはわかるけど、俺だって千冬ねえに負い目を抱えている。だって家族にすら「言えないこと」があるんだから。

 

――――――――

 

動物園の動物って、こんな感じなんだろうな…。と、心の中で思う。ISの基礎理論の授業が終わり、今は休み時間。かなり注目されている。クラスの皆はもちろん、他のクラスの連中や、恐らく上級生の姿まで廊下に見える。

それもそうか、「ISを動かしてしまった男」という珍獣がどんな存在か、気になるというのは自然の理だろう。新聞を見ていたら、一週間くらいいつの時間も絶対どこかのテレビ局が俺の特集をやっていたくらいだ。無論千冬ねえもセットで。

 

「ちょっと…良いか?」

 

「…箒…だよな?」

 

個人的には顔を合わせられたもんじゃない…、尤もこれは個人的なわがままだし、ここに来る以上、ほぼ確実に会うのだろうとは思っていたが。それでもこの状況で声をかけるのは勇気がいるはずだ。顔を合わせるのは6年振りとは言え幼馴染だとしても。

 

「廊下で良いか?」

 

とりあえず、この状況から救い出してくれるなら、地獄に仏…いや、俺にとっては閻魔様か何かなんだけど。まぁとにかく助かった。

 

「早くしろ」

 

「お、おう」

 

なんだか険が増した幼馴染に、「こいつまだ友達マトモに作れてないんじゃないかなぁ…」とかなりアレなことを思いつつ付いていく。

 

「…」

 

「…その…箒…さん?」

 

「なんだ?」

 

廊下まで呼び出しておいて何も言わないのはどうかと思う

 

とは言えない。

 

「あの…何か用事があったんじゃ…」

 

「そ…そうだな…。うん、何から話そうか…」

 

少し困ったような顔をして箒が言う。…当然、積もる話もあるか…。

 

「あー…、この時間じゃ終わらなそうだし、昼か放課後にでも話さないか?…今日の放課後は厳しいかもしれないけど」

 

「…」

 

ギロリと睨まれる。やっぱり嫌われてるのかなぁ…。

 

「…そうだな…」

 

箒がそう呟くとそろそろ二限目である事に気づく。

 

「じゃあ戻ろうぜ?」

 

そういうと教室に戻り、次の授業の準備をする、一応の予習はしたけど覚えることが多すぎるぜ…。

 




ちなみに一夏の死因(オルフェノク化の理由)は

1銃殺
2ISのブレード
3転落死
4焼死
5オルフェノクの記号
6使徒再生

でサイコロ転がして決めました。多分だけど、どれ引いても誰かアンチになったんだと思う。


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行き先はまだ知らない

1話にも名前だしてましたが、一応、小説版555のキャラ(ほぼ名前だけ)を出します。ちゅーか親以外原型ないねコレ…。


同じ頃、五反田食堂

 

「今頃アイツ…女の園エンジョイしてるんだろうなぁ…」

 

「一兄に限ってそれはないと思うよ。弾兄」

 

「だろうな!!死ねばいいのに…」

 

弾、数馬、勇介は食堂で昼食を食べていた。

 

「ところでさ、なんでアイツだけ乗れたんだろうな」

 

「さあ?」

 

「勇介はどう思う?」

 

「うーん…、わからない」

 

菊地勇介、菊地啓太郎の息子だ。同時に、オルフェノクと人間のハーフでもある。

 

「確か、一兄ってあの天災と仲良かったんでしょ?そのせいでもあるんじゃない?」

 

その刹那、よく経験する感覚、首筋がピリピリするような、そんな感覚を味わう。

 

「ゴメン、ちょっと帰る」

 

代金を置き、五反田食堂を出る、三原さんにいつもの内容のショートメッセージを入れる。先輩たちはいつものことだと、顔を見合わせている。

 

「どこにいくんだぁ…?」

 

路地裏に入ると男が出てくる。目の焦点は合っておらず、恐らく正気ではない。顔に別の顔が浮かび『コッドオルフェノク』へと姿を変える。

 

「オッサンが暴れてもあんま影響しないとこ」

 

そういうと、俺は姿を黒い、ワタリガラスのような姿。『レイヴンオルフェノク』へと姿を変える。他のオルフェノクとは違い喪服をイメージしたような真っ黒な姿、恐らくオルフェノクとしての異能も関係しているのだろう。と思いながら羽を広げ、エネルギー放つ。本来であれば使徒再生攻撃はオルフェノクにとって猛毒であり、青い炎をあげて消滅するはずだった。

 

「ぐっ!?」

 

しかし、光を浴びたコッドオルフェノクは苦しみだし、青い炎をあげることすらなく、末端から灰に変わっていく。

 

「オッサンの命だけは、有効活用させて貰うから」

 

灰は勇介の周りに集まり光を帯ながら勇介に吸収されていく。他のオルフェノクの命を吸収したり与えたりする。要はオルフェノクとしての寿命を弄れるこの力は、狙われる…らしい。薄汚れたツナギを着た、とても肉体労働者には見えないが肉体労働者らしいおじさんが父さんや三原さんを交えて説明をしてくれた。その時は、デルタギアを使うか?と聞かれたりもしたが、この姿で戦えるので要らないと言ったのだ。人目を避ける必要はあれど、三原さんも戦えた方がいいと思ったし。

 

「一兄…、大丈夫かな…」

 

時折一緒に戦ってくれた、兄のような存在を思い出す。なおやんに捕まって、俺や父さん、三原さんと付き合うようになった頃は、自分が変わってしまった事を受け入れられずにたけど、乾さんや母さんの話を聞いて、俺たちの仲間になってくれた。トラウマもあったけど、一兄の作るご飯は美味しいし、友達も増えた。あの厄介な性質(鈍感ハーレム体質)はどうかと思うけど。本人も正直気づいてやってる面がありそうだ。…そう思っておく。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「へ?あ、あぁ、どうしましたか?」

 

危ない危ない、一応接客業で鍛えた接客スキルを活用して当たり障りのないようにこたえる。千冬ねえにこそ反対されたが、クリーニング屋、西洋洗濯舗菊池でのバイト(一応手伝いということになっていた)は結構役に立った。千冬ねえの洗濯物をよりきれいにするためにも。ちゃんとスーツのクリーニングとかできるようになると、啓太郎さんは勇介の洗濯物を他人に任せないけど、その気持ちがものすごくわかった。話しかけてきた相手は、「ステレオタイプな白人の女の子」といった感じの子で、やや吊り上がったブルーの瞳で俺を見ている。

 

「一応ご挨拶をと、私はセシリア・オルコット。入試主席にしてイギリスの代表候補生ですわ」

 

「代表候補生…ってことは」

 

ISに関しての知識なんてあまりないけど、一応ニュースを見ていれば聞く単語くらいなら覚えはある。

 

「そう、国家代表の候補生として選出されるエリートですわ!」

 

あっ…この人おだてとけばいいタイプだ…と、バイトをしていた時に見ていた数々の訳の分からない女性たちを思い出しながら思う。一番御しやすいというか、対応が楽なタイプである。

 

「そうですか、改めて、織斑一夏と言います。ある意味不運にも、こんな状況に陥ってしまったためISに関しての知識はほとんどありません。もしかしたら、ご迷惑をおかけするかもしれません」

 

「えぇ、そうでしょうとも。頼まれたら教えて差し上げてもよろしくてよ」

 

多分、先生に頼ること…散々「特定の人物、特に他国の生徒と仲良くなるな、恋仲などもってのほかだ」と、黒い服を着た怖いお兄さん達に言い含められている身としては、頼るのは少し不安だが、やはり聞ける存在というのは必要だろう。

 

「では、その時はよろしくお願いします」

 

そういうと満足げに頷き、セシリアは自分の席へ戻っていく。時計を見ると、チャイムまでもう少しだったので次の授業の準備をしておとなしくしよう。

 

―――――――――

 

三時間目は山田先生でなく、織斑先生が受け持つようだ

 

「まず、来週行われるクラス対抗戦に出場する代表を決める…クラス代表とは、…まぁクラス長だな。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への代表も務めることになる。ちなみにクラス対抗戦は、現時点での各クラスの実力推移を図るものだ、今の時点で大した差はないと思うが、競争は向上心を生む。一度決めると変更するつもりはないからそのつもりで」

 

クラス長か…面倒事が多そうだな…。

 

「はい!!織斑君を推薦します!!」

 

オイ待て、俺のどこに推薦される要素がある!!急いで辞退しようと立ち上がる。

 

「ちょっと待って、辞退」

 

「辞退は受け付けていないぞ織斑、推薦してくれたものの善意をふいにする気か?」

 

そういう問題じゃないだろう。というかこういうときに暴君になるな!!

 

「そうは言われても…」

 

「諄い、なら誰か推薦すればいいだろう」

 

…あ、そうか。

 

「じゃあ、オルコットさんを推薦します」

 

代表候補生だし、あの性格上、こういう目立つ役割は大好物だろうと勝手にアタリをつけて推薦する。実力的に問題なさそうだし。

 

「私ですか…、ええ、構いませんわよ」

 

「…ふむ、では織斑とオルコットで多数決…というのもつまらんな。一週間後、模擬戦を行う。準備しておけ」

 

最悪だ…と一瞬思ったが、これは千冬ねえなりの善意かもしれない。相手は代表候補生、ISに乗れてしまっただけの人間が勝てるはずがない。多数決なんかやった日には、パンダな俺が勝ってしまう危険性がある。合法的に代表をやらなくて済む。そういうことだろう。オルコットが憤慨しているが。後々話して苦労を掛けることを謝っておくか。

 

授業後オルコットさんがこちらに来た。表情からして、皮肉の1つでも言いに着たのだろうと思ったが。

 

「…少し、お話してもいいですか?」

 

一瞬虚を突かれたような表情になったが、受け入れてくれた。恐らく、千冬ねえの考えていたことを言う。

 

「難儀なことですわね…」

 

同情するような視線を向けられる。多少冷静になったらしい。千冬ねえの発言の裏を理解したようだ。

 

「注目度『だけ』はそれこそ国家代表以上かもしれないからな…」

 

全世界、IS保有国に一人は絶対にいるから100人以上の中の一人と、世界にたった一人では注目度が違う

 

「えぇ、そうでしょうとも。だからその注目に見合う程度の動きはしてくださいな。私も、弱い者いじめの趣味はありませんから」

 

でしょうね。それと残念ながら俺は、とんでもなく弱いだろう。…できることはやらせてもらうが。




勇介のオルフェノク形態は、初期案では光る人かタイガーオルフェノクでした。でも光る人もタイガーオルフェノクもちょっと違うな…ってことでこんなチートオルフェノクを考えてしまいました。

オルフェノク設定

コッドオルフェノク
カモメ型オルフェノク

身長210cm
体重125kg

ぶっちゃけ使い捨てなので特に能力とかは無い。鳥類モチーフなのに飛翔態すらない、下の下、使徒再生個体。


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謎はまだ闇の中

放課後

 

「…覚えることが大過ぎるぜ…」

 

勿論予習をしていないとは言わないが、積み重ねが違う、女子がIS学園を目指す場合、最近では幼児塾ですら、何をやっているのか知らんがIS学園コースなる眉唾物のバカ高いコースが存在している始末、片や、男子がISについて学ぼうと思えば、早くても高専のIS工学科に行くか、大学の工学部でIS工学を専攻するしかない。ちなみに、ここを選択する男は珍しいし、希望したところで、女性優遇の総本山みたいなところなので、入るのは余程優秀でなければならないし、周りの女子も、遅くとも中学入学時にはISについて学び始めているわけだ。年季が違う。

 

「あぁ、織斑くん、まだ残っていたんですね。良かったです」

 

「はい?」

 

呼ばれて顔を上げると、副担の山田先生が書類を片手に立っていた。そんな背が低いわけではないんだよなこの先生。

 

「えっとですね、寮の部屋が決まりました」

 

そういって部屋番号の書かれた紙とキーを渡す。

 

「…早くないですか?」

 

全寮制のIS学園とはいえ、男子というイレギュラーを迎えてしまったため、俺は一週間は自宅通学になるといわれていた。楽ならそれでいいけど…。

 

「事情が事情なので多少無理やりですが、部屋割りを変更したらしいです…織斑くん、そのあたりの事って何か聞いてます?」

 

最後は俺にだけ聞こえるよう耳打ちしてきた。

 

ちなみにあのニュースのあとマスゴ…じゃなかったマスコミに政府関係者らしき黒服の、懐に変なふくらみのあるお兄さんはもちろん、各国大使や国連の偉いさん、大企業の役員、果ては生体工学だの遺伝子工学の権威までやってきた。『ぜひとも生体を調べさせてくれ』って、いろんな意味で頷けるかバカ野郎。

 

まぁとにかく、そんなロクでもない連中が多量に押し寄せてきたため、啓太郎さんのところや、修二さんのところでかくまってもらったのだ。

 

「事情は察しましたけど…一人部屋ですよね?」

 

「ごめんなさい、やはり調整が難しく…、相部屋になってしまいました。まぁ一か月ほどで一人部屋に変更できる予定ですので…」

 

あぁ…仕方ない。

 

「それと、勿論大浴場とかの施設も使えない…か」

 

「そうなりますね…」

 

正直風呂が使えないのが一番きつい気がする。

 

「まぁ、自分がどれ程珍獣かは理解しているつもりです…荷物とかはどうなるんですか?」

 

正直、自分の物はそれなりに少ない方だと思うけど。

 

「あぁ、それなら私が手配しておいた」

 

「織斑先生」

 

我が姉が山田先生の後ろから声をかけてくる。そうか、この人ならば準備できるよな。一応、住んではいるんだから。

 

「とは言っても最小限だがな。今週末にでも取りに行け」

 

「はい」

 

ついでに温泉施設にでも行くかなぁ…。通り道にはどんな施設があったか調べることを決める。まぁこれくらいの寄り道は大丈夫だろう。…いや、古来風呂場で暗殺された大将ってのもいたなぁ…。やめとくか…。

 

「それと…一夏」

 

「なんだ、千冬ねえ」

 

多分、プライベートな事なのだろう。と思って普段の呼び名に変更。

 

「すまんな…、迷惑をかける。それと同室は篠ノ之だ」

 

「…、ありがとう、千冬ねえ、教えてくれて。大丈夫だよ俺は…何かあったとき箒のフォロー頼む」

 

同居人が心底辛い…まぁ、勝手に負い目感じているだけだけど。でも、どうせ千冬ねえより先に死ぬ身なんだ、せめて姉に恥じないように、姉が幸せに生きれるように生きる。夢というにはお粗末かもしれないけどとりあえずはそうしたい。

 

「わかった、他に何かあるか?」

 

どこか辛そうな顔をしながら千冬ねえが言う、結局、コトが起こっても箒は…、いや、悪い場合もあるのかこの場合…?まぁ、それでも彼女は「知らない」訳だ。非難するつもりはないし、させる気もない。

 

「あ。そうだ、織斑先生。…申請無しで使用できる練習施設ってありますか?」

 

「あぁ、第2演習場の近くに射撃場がある、VRやレーザーしかないから弾薬管理も不要でな。IDカードを通せば使用可能だ。やり方はそこにいる教師に聞けばいい、ISとは感覚が違う…らしいが、まぁ、基本を押さえるのは悪くない」

 

ISの予約は埋まっている。なら他のコトで練習するしかない。今は千冬ねえに恥をかかせない程度ってのは難しいかもしれないけど。最低限、マトモには動いて見せるさ。そう思いながら、俺は千冬ねえに教えられた施設へと向かった。

 

 

千冬side

 

「…以外でした」

 

一夏が教室を出た後山田先生が呟く。

 

「何がだ?山田先生」

 

「あ…いや、織斑先生の弟なのですから、てっきり剣道や居合を嗜んでいるものかと…」

 

「…あぁ、あいつも剣道や…居合をやっていたこともあるぞ、ある原因でやめたがな」

 

あの時の一夏の、翼をもがれたような表情を思い出す。おそらく私の顔は悲痛に歪んでいるのだろう。

 

「やはり…あの事件ですか…?」

 

「そうだ、私が、あいつの夢を奪ったのだ」

 

山田先生も、ある程度機密にアクセスできた身だ、あの事件のことも知っている。だからこそ思い当たったのだろう。申し訳なさそうに、触れてはいけないことに触れたような顔をしている。

 

「そんな顔をするな。山田先生がそんな顔をする必要はないはずだ」

 

そうだ、あの日以来、一夏は、刀を…それこそ竹刀や木刀、おもちゃですら、それを刀剣と認識すると苦しむようになってしまった。それ以外にも何か悩んでいたようだが、立ち直ったと思ったら、自分は知り合いのクリーニング屋や孤児院へ通いだし。今、私には恋人はいないのかだの、早く結婚しろだの言い出した。立ち直ったのが、そのクリーニング屋の店主や、孤児院で働く保育士の男、…一見浮浪者のようだが、才能豊かな男という訳の分からない三人組のおかげなのだ。それを止めるわけにもいかないし、いや、あの事件以来、妙に優等生のようになった一夏が、彼らと居る時に以前の一夏に戻ったようなのだから止めたくないのだ。

 

「さて…山田先生、悪いが面倒事を作ってしまった。来週までは忙しいぞ。それ以降も忙しいがな」

 

そう、クラス代表決定戦などという余計なことをする必要が生まれてしまったために、教師は忙しくなる。尤も、これも一夏を守るため…だ。

「あら、織斑さん、あなたも練習ですか?」

 

side return

 

千冬姉から教えられた射撃場へ移動しているとオルコットさんと出会った。ISスーツではないから俺と同じ所へ行こうとしているのかもしれない。

 

「あ、オルコットさん、えぇ、…まぁできることはしておかないと…」

 

絶望的な実力差があるが、なにもしないというわけにもいかないのだ。

 

「…いい心がけですが…、あなたはお姉さまよろしく、剣術などを嗜んでいるのではなくて?ISはパワードスーツです。私の戦闘スタイル的に相性はよろしくありませんが、触れたこともない銃火器よりも、その方面で頑張った方がいいかもしれませんよ?」

 

「悪いけど、俺は剣…使えないんだ」

 

自分でも、顔が苦痛に歪んでいるのがわかる、努めて顔に出さないようにしているが、前、教わっていた師範からすら剣の話は厳禁と言われてしまっているのだから当然か。

 

「申し訳ありません、聞いてはいけない事のようですね」

 

オルコットさんも察したらしく、申し訳なさそうに謝ってくる。

 

「知らなかったのだから、仕方ないですよ」

 

誰だってそう考えるだろうし、事実、剣道や居合いを嗜んではいた。どちらもやめたが。そう、あの日から俺は剣を握れないのだ。

 

ーーーーーーーーー

 

「オルコットさん…いい人ではあるんだけどさ」

 

敵に塩を送っているのに気づいているだろうか?まさかかなり専門的な射撃理論、恐らく英国で軍から教授されたものをしゃべっていることに気づいていただろうか?いやまぁ「大まかにはISが計算してくれるのではじめのうちは任せた方がよろしいでしょう」と言って締め括ったが、全く関係のない部分でかなり上達した気がする、後は反復練習だろう。

 

「…忘れてた」

 

篠ノ之箒と同室だった!!

 

どうしよう、そりゃ、幼馴染みだしある程度話をすることはできる…筈だ。ただ、正直話すことはあまり得意じゃないし、居間確実なあいつと共通の話題ってアレ位だ、いつか確実に地雷を踏む。

 

「…踏むなら早い方がいいかも…」

 

確実に篠ノ之は傷つくし俺も物理的に傷つくが、まぁ仕方ないのかもしれない。言ってしまえば彼女、というよりここに来るまで俺の周りにいた女性は人の話を聞かない人が多い気がする。真理さんや里奈さんもどちらかと言えばそうだろう…アレは啓太郎さんや修二さんが悪いのかもしれないけど。それに、一応俺は傷、残らないし。

 

そう思いながら部屋の鍵を開ける。

 

「…」

 

「…」

 

目の前には、バスタオル一枚の篠ノ之さんがいましたとさ。沈黙が痛い、ちゅーか、酷くね、男女で同じ部屋で生活するとなると、こういう他人から見たらウラヤマけしからん事故が起こる可能性はかなり高いだろう。学園の配慮を要求する。

 

「ッ…!!見るなぁ!!」

 

いち早く思考回路を取り戻した篠ノ之さんが俺に向かって来る。手には木…刀…。

 

「ヒィ!?」

 

身体を貫かれる痛み、そして破裂する何かがフラッシュバックする、そう、これがあるから、俺はもう剣道ができない。

 

恐らく殴打されたのだろう、衝撃で体が吹き飛ぶ。そんなことはどうでもいいレベルで痛みがからだ中を駆け巡っている。気絶したいのにできない、痛みで強制的に意識が引き戻される。

 

「…ちか、一夏!!」

 

篠ノ之さんの声ではない、姉の声を聴くと、少し安心する。あの時と同じ、体の冷たくなる感覚を味わい意識が遠のいていった。

 

―――――――――

千冬Side

 

「初日からやってくれたな、篠ノ之」

 

一夏を抱きかかえながら篠ノ之に向ける目線には、殺気がこもってしまっているかもしれない。嫌な予感がした。だから、篠ノ之にこのことを話すか迷いながら寮を巡回していた。説明が得意ではない私がやろうと、山田先生に理由を話してどう話しても過剰反応する気がしたのだ。例えば、克服するためだと言って一夏を剣道場に引っ張って行くとか。

 

「どういうことですか?」

 

 

気づいていないのか?彼女のポカンとした表情を見て、怒りが沸き上がる。

 

「篠ノ之、木刀で人が殺せるのはわかるな?」

 

そこに剣道の技量だとかは必要ない、ある程度腕力があればできるのだから、剣道経験者だとかあまり関係ないのだが。

 

「…お前のやったことは立派な障害…いや殺人未遂だ。反省文20枚と…そうだな、剣道部の顧問と相談して処分を決める。まぁ最低1か月の部活参加禁止は覚悟しておけ」

 

務めて、教師であろうとする。そうでなければ、暴力に訴えてしまいそうだから。結局私は、この唯一の肉親さえ幸せなら他はどうでもいいのだ。空回っている自覚はある、うまく接することができていない自信もある。我ながら姉としては出来の悪いこともわかる。だからこそ、何に換えても守りたいのだ。

 

「あぁ、そうだ、一夏はもう剣を握れないし握ろうともしないだろう。」

 

「な…なぜですか」

 

「剣を握れないからだ。正確には、剣と認識したものを見ると原因不明の苦痛で苦しむことになる。だから、もう二度と一夏の前で木刀や竹刀を出すな」

 

そう言うと私は、一夏を抱きかかえ、医務室へ運ぶ、少なくとも今日は、意識を取り戻しても私の部屋で寝かせる。そう決めて。寮の通路を歩くと生徒たちが黄色い歓声を上げる。こういうシーンは普通逆だろう。

 

一夏…スマン、私はお前を苦しませることしかできない…

 

 




箒は…うん、正直やりそうなんですよね。自分がインフィニットストラトスを読んだ限りの認識だと。他のトラウマならまだ回避効いた(例えば焼死なら鈴アンチになってたけど)んでしょうけど、


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暗転

この作品で使うオルフェノクに関してストーリーの都合で縛りをつけようとしたら、ある条件下で覚醒するオルフェノクとして使える原作のオルフェノクが4体(内一体は主要人物のため使用不可)ということに気づいた。


目が覚めると、ベッドの上だった、恐らく医務室だろう、消毒液の臭いがする。

 

「目が覚めたか」

 

「織斑先生…」

 

「もう千冬姉でいい、何があったかは憶えているな」

 

心配を隠さない表情と言っても俺位しか察せないだろうけどで、千冬姉が言う。忘れるわけがない、というより忘れられない。

 

「…はい」

 

「ならいい、今日は大事をとって私の部屋に泊れ、準備はある」

 

「え…」

 

「不満か?」

 

「い、いや、ただ驚いただけだけど…。問題ないのか?」

 

「気にするな、外野は黙らせる。」

 

いや黙らせるとかそういう問題じゃ…。

 

「どちらにせよ、冷却期間は必要だろう。篠ノ之は山田先生に任せているが、お前の現状を受け入れるのは難しいだろう。お前とアイツの繋がりは、剣道が一番強いのだからな」

 

「…わかった。でも良いのか?生徒、それも男子生徒と一緒の部屋なんて」

 

「姉と弟だ、なんの問題がある?」

 

確かに、そうだとは思うけど…。いや、うん今篠ノ之と顔を合わせるほうが問題か。

 

「わかった、飯は…」

 

時計を見る、食堂は…、もうすぐ閉まってしまう。

 

「簡単なものになるだろうけど、俺が作るよ」

 

「無理はするなよ?まぁ…私も料理はまともにこなせんからな。それに、せっかくの機会に冷食やインスタントでは味気ないか…」

 

「うん、じゃあ…どうする?」

 

「あぁ、検査の結果では脳や体には問題はない、精々たん瘤があるくらいだ、起きたら帰って良いと言われている」

 

なら問題はないか、結局、普通よりは頑丈なのでどうにかなることのほうが少ないと思うけど、怪しまれていないか不安だ…、問題ないか、姉の方が余程頑丈だし。

 

そう、怪しまれてはいけない、こんな事実を知ってしまっては、姉がどんな反応をするかわからない。だから俺は、灰となって消えるその瞬間まで、千冬姉の弟を演じ続けなきゃいけない。それが、生ける屍である俺の最後の仕事だ。いや、違う、千冬姉を思うなら、早々に事実を告げ、いなくなるべきだ。怖いんだ、見捨てられるのが、怖がられるのが。

 

 

ーーーーーー

???

 

「王の復活は…厳しいのね?」

 

「はい、残念ながら、体こそ問題ありませんが、魂が…力がありません」

 

 

くらい空間で幾人かの人物が怪人を囲みながら話している。彼らは影山冴子率いるスマートブレインの残党であり、現在王の肉体を確保している。

 

「どうすれば戻るのだ?カイザが失われ、ファイズの停止を確認した今、ライダーシステムがデルタしか稼働していないうちにどうにかして復活させるべきだろう」

 

ある程度高い地位にいるであろう男が研究者然とした男に聞く。

 

「現状ではなんとも…できることで、可能性があるとすれば、同じ事をしらみ潰しにやる位でしょう」

 

「結局変わらず…ね。やることはこれまでと同じ、但し、細心の注意を払うこと、スマートブレインの消滅した今、我々の隠れ蓑は無いわ、へたをすれば存在が明るみに出て、国や世界を相手にする破目になる」

 

思うように動けず、また戦力も思うように増やせないながらも、彼らは王の復活を諦めてはいなかった。

 



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全ては使い方次第

「一応…、訓練はできてたのかなぁ…」

 

一悶着あったが、うまく千冬ねえがフォローしていることを祈ろう。まぁ、箒とは気まずいままなんだがな!!…辛いです…切実に。

 

「織斑、これがお前の専用機だ」

 

と、言われて引き合わされたものは、濃紺のISだった。

 

「打鉄Λ(ラムダ)、打鉄ベースで撃鉄弍式に搭載される特殊装備のテストヘッド…という設定の奴が作ったISだ」

 

ぶっちゃけた、盛大にぶっちゃけた。現在開発中のISのテストヘッドに見える別物、ということだろう。

 

「それって…」

 

「あぁ、搭載している装備は荷電粒子砲ですらないし、そもそもフレームからして打鉄に見える別物だ。あいつがデータごと寄越してなければ間に合ったかも定かではない」

 

というより、整備すら怪しかったようだと、言いながら織斑先生が端末を渡してくる。RISW-0624 フォトンブラスターⅡと銘打たれた其のスペックは凄まじいのだろう。よくわからないけど。

 

「まぁ、狭いところですまんが、一応ここを借り受けてある。本来は保守点検のためなのだが、…まぁ、慣らし程度では邪魔にもなるまい。武装のテストはできんがな……それと、スマン一夏、フォローは失敗した」

 

…やっぱり?まぁ…なぁ、箒には今の俺は受け入れがたいんだろうな。

 

と思いながらオプションを確認する。

 

「RIS-062Pラムダフォン…?スマホまでサービスしてくれるのか?」

 

…通信料金とか大丈夫だろうか?

 

ー充電は不要だし、料金はかからないよ、ソシャゲとかで多々買わなければね!!ー

 

水色のワンピースを着たそこはかとなくウザいウサギのマスコットがそんな表示を出している。うん、ソシャゲの趣味はない、と思いながらそのISに触れる。

 

 

濃紺に白く輝くラインが入ったISが展開される、つまりは…フォトンブラット。

 

束さん…アンタ何をしてるんだ。いや、束さんは知っているんだろう。俺のことも。それが何を意味するかも、それを知ったうえでこれを送ったのなら。

 

「そういうこと…なんだろうな」

 

IS学園がオルフェノクを擁する何かに狙われている。ここには修二さんもここには入ってこれない、何より、こんなことバレたらIS以上にヤバい。現状、オルフェノクの存在は都市伝説レベルでしかない、そういうオカルトなもののままである。幸か不幸か、スマートブレインという隠れ蓑の消失は、活発に活動するオルフェノクの減少ももたらした。IS学園で盛大に暴れられたら、公にならざるを得ないし、スマートブレインという企業も壊滅しているのだから隠ぺいのしようがない、騒ぎにはなるだろうし、ぶっちゃけた話、弱いのならISがあれば倒せはする…だろうと思うけど。まぁ、フォトンブラッドがあった方がいい場合もあるのだろう。触れるだけで灰にするようなのもいるって話だし。ヤベェのはとことんヤベェ。遠くからフォトンブラッドの一撃を見舞うべき敵ってのも居るのだろう。

 

「そういうこととはどういう事だ?」

 

「ちょっと…ね、秘密の話」

 

千冬ねえ、には間違っても明かせない秘密である。俺のことを話せば間違いなく傷つけるし、絶対、この姉は俺を守るためにと言って首を突っ込む。俺は千冬姉を裏切ったし、どうせこの後裏切る、けど、だからこそ、裏切るその瞬間までは、千冬姉が俺がいなくても幸せになれるまでは、千冬姉の望む織斑一夏で居続ける。でも、これだけは話せないんだ。千冬姉が今幸せであるために。

 

ーーーーーーーー

 

「一夏…」

 

暗い部屋で呟く、剣が握れない?剣と認識したものを見ると原因不明の苦痛に襲われる?何故だ?なぜそんなことが起こるのだ?山田先生の説明は分かりやすかったものの、だからと言って認められるものではなかった。飛び出してきてしまったが私は悪くない。

 

剣道部からは一ヶ月の参加禁止、学校から反省文20枚、竹刀や木刀の自室持ち込み禁止、処罰は受けたが部屋の移動は無かった。まだ挽回の機会はある…はずだ。と思いながら一夏と同じ部屋で生活するもほぼ没交渉だ。気まずい。どのようなことを話せば良いのだ?一夏自身も私を避けているような節があり、部屋に帰ってくるのが遅い、ほぼ寝に帰ってきているようなものだ。聞けば遅くまで自主連をしているという。協力しようかとも思ったが、常に周りに誰かいるのだ。易々と話に割り込めるものでもない。どうすれば良いのだ…。

 

 




Λのイメージは重武装の中衛タイプ、機動力以外ラファール・リヴァイブカスタムの上位互換、決定力もあるよ!!って感じです。


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