戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heaven (SOLUNA)
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プロローグ

 諸事情により、再度アップロードしました
 エグゼイドのトゥルーエンディングを見て書きたくなってしまいました。
 やっぱり風魔がとんでもなくかっこいい!!!
 駄文ですがよろしくお願いします。



国連総会で、特異災害として認定された未知の存在「ノイズ」。突如発生し、人間を大群で襲撃し、触れた者を炭素の塊に転換してしまう特性を持つ人類共通の脅威とされる認定特異災害である。そのノイズに立ち向かう戦士たちがいた。世界各地の伝説に登場する超古代の異端技術の結晶「聖遺物」の欠片のエネルギーを用いて構成される鎧型武装「シンフォギア」を纏う人気ボーカルユニット・ツヴァイウィングの顔も持つ天羽奏と風鳴翼である。風鳴翼は第1号聖遺物・天羽々斬のシンフォギア装者であり、前から奏と共に特異災害と戦い続けており、人類を守護する「防人(さきもり)」としての使命を重く受け止めていた人物だった。天羽奏は長野県皆神山でノイズに襲撃された聖遺物発掘チームの唯一の生き残りであり、家族を殺したノイズを強く恨み、復讐を強く望んでいた。

 その彼女たちが、ある日のライブで、二つの大きな物語が動き出したことを知る由もなかった。

 一つの物語は、二人の歌を愛する一人の少女が戦いの渦中に身を投じ、厳しい現実に立ち向かいつつ、様々な出会いと経験をして大きく成長を遂げていく物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、もう一つの物語。それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人の青年が、「地球」という天国と、小さな未来の守護者として戦いに身を投じていく物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 某所。ここに外資系のゲーム会社で、最先端のVR技術を持つ「マキナビジョン」の本社が存在していた。

 その一室で、15歳くらいの青年が、パソコンとひたすら向き合っていた。パソコンの傍には、ピンク色の大きなレバーの付いたネオンイエローとネオンピンクに彩られている物体があった。そしてパソコンにつながっている接続器具には、ゲームカセットとはまた違うような黒色の物体があり、青年はその物体に情報やプログラムをプログラミングしているようだった。

 すると、一人の男性が部屋の中に入ってきた。その人物は、ジョニー・マキシマ、本名:槙野神介 マキナビジョンの社長である。最新のゲーム開発技術と自社のVR技術を使って新たなゲームを開発しようと計画し、マキナビジョンを作り上げた人物である。その社長が青年に話しかけた。

 

「全く君は本当に仕事熱心だね。少し休んだらどうだね?仕事のし過ぎは体に毒だよ。全く。何が君をそこまで仕事熱心にさせたのかね?会社の副社長としての責任感かい?それとも、あの子との約束かい?」

 

「・・・・・・・。」

 

「あれ?どうしたのかな?なんか失礼なことでも聞いたかな?」

 

すると、青年がパソコンのエンターキーを押した。すると、さっきの黒色の物体が発光して、ベースカラーが紺と白の物体に変化した。側面にはゲームジャンルが忍者ゲームを連想させる絵のラベルがついたものに変化した。

 

「おお!遂に完成か!最新で究極の忍者ゲームが!」

 

「ええ。全ては設計と計画通りです。近いうちに試運転をする見込みです。」

 

「おお!いい結果を期待しているよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   南雲 長綱君。」

 

「はい。」

 

 そう言って社長は上機嫌で部屋から出て行った。

 

 社長が出て行ったあと、長綱はその物体を改めて見た。

 

 

 その物体のラベルには「ハリケーンニンジャ」と書かれていた。

 

 

 




 早く変身&戦闘シーンが書きたい!
 でも難しそう・・・。


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設定集

設定集です。随時更新していきます。


主要オリジナル主人公

 

南雲 長綱(なぐも ながつな) 年齢17歳 身長170cm 体重55kg

 

仮面ライダー風魔に変身する青年であり、17歳にして外資系VRゲーム会社『マキナビジョン』の副社長代理である。

性格は冷静かつ現実主義的。

父親の南雲影成の残したデータや設計図を元に、仮面ライダー風魔の根幹のシステム『ゲーマライダーシステム』を開発した。

コンピュータのハッキングやプログラミングに優れた才能を持ち、ガシャットやガシャコンウェポンの開発にのみならず、VRゲームの開発にも類まれな才能を発揮している。

幼馴染であった森山星良の「この世界であなたと会えて本当に幸せだった」と言う思いを受け、彼女との「この世界で多くの人の笑顔を守ってほしい」と言う約束のために仮面ライダー風魔に変身し、ノイズや世界の脅威と戦い続けている。

 

ヒロイン:(現在は)雪音クリス

 

 

 

南雲 影成(なぐも かげなり) 享年45歳

 

南雲長綱の父親であり、ゲーマライダーシステムの基礎を作った人物。『マキナビジョン』の前副社長でもあった。

性格は長綱同様、冷静かつ現実主義的であったが、社員の様々な意見を積極的に求めるなど協調性のある人物だった。

大の国連や政治家嫌いであり、その性格は息子の長綱に受け継がれている。

ゲーマライダーシステムの基礎を完成させ、開発に移行する直前、不慮の事故で帰らぬ人となった。

 

 

 

南雲 朱美(なぐも あけみ)年齢40歳 身長169cm 体重55kg

 

南雲長綱の母親。夫の影成を事故で亡くし、今は長綱と二人暮らしである。

性格は優しく、しっかりしている。現在仮面ライダー風魔として戦っている長綱を心配しつつも応援している。

今現在は、仕事の関係上海外に行くことが多く、家を空けていることが多い。

 

 

 

槙野丈二(まきの じょうじ) 年齢50歳 身長173cm 体重65kg

 

『マキナビジョン』の社長で、長綱の祖父のような存在。

性格は、明るく大らかな性格。日本文化をこよなく愛しており、書道・水墨画や生花を習い、現在では師範免許を習得しているほどの実力の持ち主。

影成・長綱親子の実力を高く評価しており、マキナビジョンの社長として会社を牽引する傍ら、日本文化の衰退を憂えて槙野日本文化振興会を立ち上げて、海外に様々な日本文化を発信している。

 


 

 

仮面ライダー風魔

 

南雲長綱が変身する忍者型の仮面ライダー。ゲーマライダーシステム第一号。ジャンルは忍者ゲーム。名前は戦国時代の忍者集団風魔に由来。

 

身長:205.0cm

体重:99.2kg

パンチ力:76.2t

キック力:84.5t

ジャンプ力:ひと跳び72.0m

走力:100mを1.3秒

レベル

ニンジャゲーマー

ゲーマドライバーにハリケーンニンジャガシャットを装填して、ドライバーのレバーを開いて変身する基本形態。レベルが設定されているのかは不明。

変身音声は「マキマキ!竜巻!ハリケーンニンジャ!」。

変身者である長綱の意思を伝送する頭部装甲のカシラノハチガネによって忍者プレイヤーを自在に操る他、口の呼気装置マンジストールは排気する熱をほとんど発生させない事で他のライダーよりも高い隠密性に優れ、白い頭髪型の索敵装置レンジシヘアーを備える。

武器は背中に装備された二刀一対の忍者刀・風魔双斬刀を使用し、隠密性と高速戦闘に特化した調整が施されている他、耐刃性に優れたメタル炭素繊維が表層に編み込まれたニンジャギアスーツによる身軽な動きで接近戦を仕掛けるが、ガシャコンバグヴァイザーやのちに開発したガシャコンブレイカーやガシャコンスパローなども武器として使用する事で遠近と手数共に優れた戦闘を行うことも可能。両手・両足にはタイフーンスライサーという刃を装備しており、体を竜巻のように高速回転させる事で周囲の敵を切り刻む事も可能。肩のオンミツショルダーはあらゆるアクションを高速化させる他、内部にマキビシが収納されている。また光の手裏剣はシャドーファイトグローブの両掌を合わせる事で生成・射出できる。

 

 

ツール

ゲーマドライバー

長綱が使用する変身ベルト。ライダーガシャットとともにゲーマライダーシステムの重要な根幹の一つ。影成が他人に悪用されることを恐れ、厳重なロックをかけたUSBメモリにの内部にシステムの設計図や基礎を隠していた。それをもとに長綱が完成させた。変身前でも装着していることで特殊なフィールドを発生させてノイズ守ることができるため、安全な中で変身が行える。

 

ハリケーンニンジャガシャット

忍者をモチーフとしたガシャット。ゲーマドライバーと共にゲーマライダーシステムのの重要な根幹の一つ。影成が他人に悪用されることを恐れ、厳重なロックをかけたUSBメモリにの内部にシステムの設計図や基礎を隠していた。それをもとに長綱が完成させた。以前から研究していたノイズを無力化させるプログラム『タクティカル・プログラム」が組み込まれている。

 

風魔双斬刀(ふうまそうざんとう)

背中に装備された二刀一対の忍者刀。収納されている場合は、風魔が巨大な手裏剣を背負っているように見える。

フジヤマメタルという金属を鍛えた切断力に優れた刀身で、竜巻や炎を纏った斬撃を繰り出せる。

 

ガシャコンバグヴァイザー

ゲンムやグラファイトなどが使用するパッド型の武器。出力がかなり強化されている。

 

必殺技

ハリケーンクリティカルストライク

キメワザスロットホルダーの最上部のスロットにハリケーンニンジャガシャットを装填することで発動する。

①2本の風魔双斬刀を高速で回転させて竜巻を起こし、相手に当てる。

②紺色の竜巻のエネルギーを脚に纏い跳び蹴りを放つ『シノビタクティクスストライク』を放つ。単独の場合と忍者プレーヤーとの大多数で行う場合の二つのバージョンがある。

 

ハリケーンクリティカルフィニッシュ

ガシャコンスパローやガシャコンブレイカーなどのガシャコンスロットにガシャットを装填して発動する。



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無印
第一帖


さあ、風魔登場です!


 ハリケーン忍者がシャットが完成して5ヶ月後のある日、ガシャットの微調整をちょうど終えたところで、社長が部屋に入ってきた。

 

「どうだい?調整のほうは?」

 

「ちょうど終了したところです。これですぐにテストすることが出来ます。」

 

「そうかそうか。テストの日程はどうなっているんだい?」

 

「3日後に人気ボーカルユニット・ツヴァイウィングのライブがあるのをご存知ですか?」

 

「ああ。天羽奏と風鳴翼のことかい?近頃人気らしいね。」

 

「そこに行ってこようと思っているんです。このガシャットとゲーマドライバーを持って。」

 

「え?なんでそのライブに君が行く必要があるんだい?しかもその二式の道具を持って?」

 

「最近、不特定でインターネットをハッキングしていたら、そこのライブ会場にあの生命体を誘き出す仕掛けが細工してある様で、誘き寄せたのちに一掃する計画を意図している模様でして。」

 

「へえ。もしかしてだけど、あの組織のネットワークをハッキングしたのかい?」

 

「はい。ちょうどこれのテストにはピッタリかと。」

 

「分かった。いい戦果を期待するけど、無理な真似はしないでね。君はマキナビジョンにとってはかけがえのない存在なのだから。」

 

「はい。ご心配なく。」

 

総社長からお墨付きを得ると、長綱は屋上から立ち去った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3日後、ツインボーカルユニット「ツヴァイウィング」のライブ会場の前に長綱はいた。ライブ会場の入り口、その周辺には二人組のファンなのだろう、大勢の人でごった返しの状態だった。開場時間まで、入り口周辺で歴史の漫画を立ち読みしていると、何やら急いでいる少女とぶつかった。

 

「すいません!」

 

「いいえ。」

 

長綱は、手短に返事を済ませ、漫画を再び読み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして開場時間となり人が入り始めて入り口に人が空き始めたころに、長綱は会場に入った。そして、ライブが始まったのだろう、会場内は歓声や応援で大きく賑わい、会場の観客席の入り口扉を隔てて長綱まで伝わっていた。

 

「騒がしいところは、やっぱり俺には性が合わないな。私には、静かな場所がちょうどいい。」

 

とつぶやいた。そして、あまり会場内で人の少ない場所に移動した。ライブは佳境に入り始めた時間帯に突然会場に警報がなった。その後、ライブ会場から悲鳴が聞こえた。

 

「来たか。」

 

と、会場内をくまなく見渡せる場所に移動し見てみると、会場に現れた多数の異形の存在が観客席に襲い掛かり、観客の触れながら次々と観客諸とも黒い灰に変わっていく光景が目に写った。ステージには、シンフォギア装者の天羽奏と風鳴翼がシンフォギアを展開し、ノイズへ攻撃していくのが目に見えた。

 

 

 

「行くか。」

 

そういった長綱は腰にゲーマドライバーを巻き付け、ガシャットを起動した。

 

『HURRICANE NINJA!』

 

という音声と共にオレンジ色のゲームエリアとエナジーアイテムが展開されていった。

 

「・・・・・変身。」

 

そう言って、長綱はガシャットをゲーマドライバーに差し込んだ。

 

『GASHAT!』

 

そしてピンク色のレバーを開いた。

 

 

『GACCHAN!』

 

 

『LEVEL UP!』

 

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

 

 

 

そこにいたのは、平頭巾や忍者袴、歌舞伎の白頭、色が紺のメタリックと白をベースにオレンジのアクセントが効いたスーツに身を包んだ忍者をモチーフにした

 

 

 

『仮面ライダー風魔』

 

 

 

がそこにいた。

 

 

 

「仮面ライダー風魔・・・・・・・参上。」

 

 

 

 




とうとう長綱が風魔に変身しました!
次回もお楽しみに待っていてください


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第二帖

さあ、戦闘シーンです。
出来栄えはどうかな・・・?


天羽奏&風鳴翼side

 

私達のライブが最高潮に達しようとしてた真っ最中に、突然ノイズの警報が会場に響き渡り、ライブ会場に大量のノイズが現れた。会場に現れた多数のノイズが観客席の観客に襲い掛かり、観客に触れながら次々と観客諸とも黒い灰に変わっていく光景が私達の目に写った。

 

その状況を見た奏は真っ先にガングニールを握りしめて、

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

と聖詠し、ガングニールを身に纏ってノイズを攻撃していった。

 

「待って!奏!Imyuteus amenohabakiri tron」

 

と、翼も聖詠を行って天羽々斬を纏い、それに続いた。

 

 

しばらくノイズに対し攻撃を仕掛けていた二人だが、あまりものノイズの多さに徐々に防戦になっていき、背中合わせになった。

 

「くそ!かなりしつこいな!キリがねえ!今回のノイズの量何故か分かんないけどやたらに多くないか?こんなノイズの大群今まで見たことねえぞ。」

 

「不満と愚痴を言ってても始まらないよ。でも確かに。でも今はできるだけ数を減らさないと。」

 

「そうだな。」

 

そして、二人は戦闘を再開したが、ノイズは減るどころかさっきよりも増えているような感じが拭えなかった。

 

(確かに奏の言う通り、このノイズの数はさすがに多すぎる。まるで何かに吸い寄せられたみたいに・・・・。ひょっとしたらもしかして!!!)

 

「まさか!?」

 

「なんだ?何か原因でもわかったのか!翼!!」

 

また新たに襲いかかって来たノイズを撃退しながら、翼に話しかける。

翼は天羽々斬でノイズを薙ぎ払い、ここまでの量のノイズが出現した原因について話してくれた。

 

「原因はおそらくネフシュタンだ!奴等はネフシュタンの鎧に反応してこの場に大量に出現したんだ!」

 

それを聞いた奏は驚いた声を挙げて翼の顔をみる。

 

「はあ!?ちょっと待てよ!何でノイズがネフシュタンの鎧に反応してここに集ってくるんだよ!?」

 

 

「おそらくだけどネフシュタンのフォニックゲインを感知して来たんだろう!この状況を考えてみたらそれだけしか選択肢が思い浮かばない!」

 

 

「それが本当だったら、この状況が全く打開できねえってことか。くそ!このままじゃ・・・。」

 

二人が幾ら倒しても、それの余剰回復といえる程にノイズがさらに増加してきていた。

二人がこの状況に対処できずにいた

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『GAME START!』

 

 

 

『LEVEL UP!』

 

 

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

 

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

 

という和風テイストな電子音が何処からか聞こえてきた。そして、オレンジ色のエネルギーみたいなものが波上に会場内に広がっていった。と同時に、会場にいた三分の一の数のノイズが、何処からか投擲された大量の十字手裏剣に被弾して、突如爆発した。

 

「「!!!???」」

 

爆風に耐えた二人の視線に合ったものは、

 

 

 

忍者のような姿をした眼がモノアイの人型の存在「忍者プレーヤー」たちだった。ざっと見て10~15人くらいの数だ。そして、その忍者プレーヤー達が道の真ん中を開けて、均等に配置しノイズたちに向かって戦闘態勢を構えた。するとその真ん中に忍者プレーヤーとはまた違う存在が現れた。その姿はほぼ変わらないが、目が二つ目になっていて、白い髪と歌舞伎の白頭を備え、背中には手裏剣、腰に紺と白のパーツが刺さった異様なネオンイエローとネオンピンクに彩られている物体を巻いた人物が少し前に出て立った。彼がいかにも忍者の首領を思わせるかのように・・。

 

「「お前は誰だ?」」

 

二人が質問した。すると、

 

 

 

 

「私は風魔。・・・・・仮面ライダー風魔。」

 

 

 

 

と若干ノイズ交じりの声でそう名乗った。

 

「仮面ライダー・・・。」

 

「風魔・・・?」

 

二人はそう呟いた。

 

 

 

「忍者プレーヤー。ノイズを殲滅しろ。」

 

そう風魔が言うと、忍者プレーヤーたちはそれを承諾したかのように頷き、ノイズに対し攻撃を開始した。

 

それからの状況は圧倒的で、忍者プレーヤー達がそれぞれ手にしている小太刀や手裏剣などを駆使してノイズたちを翻弄していた。首領の方も手にしたパッド型の武器を装備した後、目にも見えない速さでノイズを蹴散らしていた。

 

「すげえ・・・。」

 

「奴らは一体?」

 

二人は、その状況を戦いながら見ていた。

 

 

奏&翼sideout

 

 

 


 

 

 

長綱(風魔)side

 

長綱(さて、初陣を飾るとするか・・。覚悟しろ。ノイズ共。)

 

そう呟いた長綱は、パッド型の武器「ガシャコンバグヴァイザー」を右手に装備し、「ギュ・イーン」という音声のもとに、チェーンソーモードに変化させ、ノイズに襲い掛かった。ノイズは風魔に大使大きく腕を振って攻撃したが、忍者を思わせる目に見えない素早い動きをする風魔に当たることは無く、逆に体をチェーンソーで切り刻まれた。そのノイズを切り刻んだ風魔の後ろに虎のような獣型のノイズが襲い掛かったが、それをも見越していたかのように、バグヴァイザーを後ろに一閃した。当然のごとくノイズは下半身と上半身を切り離されて消滅した。

一通りすると、

 

(少し戦い方を変えるか・・・。)

 

今度は「チュ・ドーン」という音声のもとにビームガンモードに切り替えて、強力なビームの驟雨を浴びせた。

ビームガンモードの二つの銃口から強力なビームが放たれ、ノイズを数多に射抜いた。すると、こちらに約10~15体ぐらいのノイズが集団になって襲い掛かってきたので、バグバイザーのBボタンを押して銃口にエネルギーをチャージすると集団に向かってトリガーグリップを思い切り握り、ノイズに向かってエネルギー弾を放った。エネルギー弾は最初にあったノイズに当たると拡散して他のノイズを瞬く間に消滅させた。

 

そうして戦っていると・・・

 

 

「おい!早くここから離れろ!駆け出せ!」

 

と叫んでいた。逃げ遅れでもいたかと予想し戦闘を続けていたが、どうやら奏の状態に異常が発生し、ガングニールに影響が出たようだ。それが原因で、逃げ遅れの少女が重傷を負ったようだった。

 

(やれやれ。少し計画が破綻しそうだがやむを得ないか・・・。)

 

と心の中で愚痴り、ノイズを退けながら二人の元へ向かった。

 

 

風魔sideout

 

 


 

 

 

奏side

 

風魔たちの戦いを見た私達は負けていられるかと自身のアームドデバイスを構えてノイズを攻撃していたとき、女の子の悲鳴が聞こえた。まさかと思い、悲鳴が聞こえた方向に顔を向けると少女がノイズに襲われているのが目に入った!

 

(なんでここに!?まさか、逃げ遅れたのか!?)

 

急いで少女の元に駆け出してノイズを切り払って女の子に伝える。

 

「おい!早くここから離れろ!駆け出せ!」

 

「は、はいっ!」

 

しかし、女の子が離れていく姿を余所見をしてしまい、思わず気が抜け、翼からの呼び掛けを聞いて後ろを察知し、ノイズからの攻撃に反応が遅れ、咄嗟にガングニールを前にして攻撃を防いだ。しかし・・・

 

「ギアが破損ッ!?時限式はここまでだってのか!?」

 

事前に打ったRiNKERの効果が切れてしまい、ガングニールの槍先が砕けてしまった。

 

砕けたギアの破片が背後にいた少女に向かって飛んでいくのを見て、避けろ!と叫ぶが、少女は全く気付いていなかったようで、

 

「・・・・え?」

 

「なっ!?」

 

ドスッ……っと、声に気付き振り向いた少女の胸に破片が突き刺さり、少女の胸から大量の血が溢れ出た後、少女は後ろに倒れた。

 

(嘘だろ!おい!)

 

あたしはすぐに少女の元に駆け寄って、倒れた身体を抱き起こし少女に声をかけた。

 

「おいッ!死ぬな!目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!!」

 

「・・・・・・・。」

 

呼び掛けの声が届いたのか少女が目を開けてくれた。

それを見た私は少女が目を開けてくれたのに安心してホッと息をはいた。

後ろにいるノイズの群れを見てこのままじゃ全員助からないと判断し、少女にもう少し頑張ってくれとお願いし、瓦礫にもたれさせた後、刃が欠けたガングニールを手に持ち少女から少し離れて、ノイズの群れと向き合いガングニールを上に高く掲げる。

 

 

(いつの日か全部空っぽにして、思いっきり唄いたかったんだよなあ。)

 

そう呟き、視線をノイズの群れに向けて思わず笑みを浮かべてしまう。

 

「今日はこんなに沢山の観客がいるんだ。唄を聴いてくれるのを心待ちにしているんだ。だからこそ・・・」

 

 

(出し惜しみ無しで、取って置きのを聴かせてやるよ!!!)

 

 

 

「奏ッ!?何を・・・?まさか?!」

 

 

翼が私がやる事に気付いてたけどそれに構う事無く、私はある言葉を口にする。

 

 

「絶唱!!」

 

「Gatradis babel ziggurat edenal Emustolrozen fine el baral zizzlーー」

 

絶唱は、ギアを限界以上の力を引き出すことが出来るが、代わりに使用者の身体を傷つける諸刃の剣でもある。

 

LiNKERが切れた今の自分の状態で唄えばどうなるか、十分分かっている。

この状況を打開するために私は精一杯唄い切る!!

 

 

「唱ってはいけない!奏!駄目ーーーッ!」

 

 

翼が止めようと駆け寄って来るけど、あともう少しで唄い終わる。

唄い終わればあたしの命を引き換えにみんなが助かるんだ。

 

(ごめんな、翼・・・。)

 

 

「奏ーーーー―ッ!」

 

 

絶唱を唄い終わろうとしたとき、

 

 

 

『チュ・ドーン!!』

 

 

 

という音が聞こえた途端、強烈な衝撃と勢いで腕を弾かれて、絶唱を中断させられた。

 

 

 

「え?????」

 

 

 

「痛っ!!!!」

 

 

 

一瞬、奏は翼がやったのかと思ったが距離が離れているし、遠距離武器はほとんどない。それより翼の顔が唖然としていることからそれは考えられない。

 

 

(じゃあ誰が?)

 

 

そう思い腕を抑えながら、視線を衝撃が来た方向に向けると、

 

 

 

 

 

そこには、ガシャコンバグバイザーをビームガンモードにして奏に銃口を向けながら歩み寄ってくる風魔がいた。

 

 

 

そのガシャコンバグバイザーの銃口からは、硝煙が上っていた。

 

 

 

 

「なッ!?」

 

そして、風魔は奏の目の前で歩みを止めた。

 

「何をするんだ!あの大量にいるノイズを消し去るにはこれしかないんだッ!だから、邪魔をするな!」

 

奏は絶唱を中断した影響で全身に痛みが走っていたが、それよりも風魔から受けた腕の痛みの方が痛かったので、それに耐えながら、風魔に文句を言った。

 

すると風魔は私を見てこう告げた。

 

風魔「生きるのを諦めるなと言った本人が、生きるのを諦めてどうするんだ?私だったら、最後まで生きることを捨てないで戦うが。言動と行動が矛盾してたら全くの無意味だ。」

 

「ッ!!?」

 

私は風魔の言葉を聞いて言葉を詰まってしまった。確かにその通りだ。生きるのを諦めるなと言った自分の言動と行動が全く矛盾していることに気付いたのだ。風魔は一瞥した後、肩を軽く押され、後ろに下がり少女の隣に腰を降ろした。

 

「奏!大丈夫!?」

 

「ああ。なんとかな。」

 

その状況を見て、風魔はこう言った。

 

「風鳴翼。天羽奏とそこの少女を見ていろ。後は私達でやる。いいな?」

 

「わ、分かった。だが大丈夫なのか?まだあれだけの大群のノイズがいるのに・・?」

 

「心配無用だ。」

 

そう言って風魔はノイズに向き直った。

 

 

 

 


 

 

 

風魔side

 

(全く。大幅に予定が狂うことになった。こちらもあまり時間がないからな一気に決めるか。初陣での出血大サービスという感じか。)

 

と長綱は一人呟くと、

 

「忍者プレーヤ-!!!攻撃中止だ!あとは俺が引き受ける。撤退しろ!!」

 

と命令した。忍者プレーヤーはそれを素早く了承し、攻撃を中止し引き下がった。

 

すると長綱は、あるメダル状になった二つのエナジーアイテムを使った。

 

≪挑発!!≫ ≪高速化!≫ ≪マッスル化!!≫

 

そして、高速でノイズの大群の中心部に移動した。そして、背中の二本の小太刀を素早く抜刀し、ハリケーンニンジャガシャットをキメワザスロットホルダーに装填した。

 

『GASHUUN!』

 

『GASHATTO!』

 

そして小太刀の柄でホルダースイッチを起動した。

 

『KIMEWAZA!』

 

すると小太刀に竜巻状のエネルギーを纏わせた。さらにホルダースイッチを再起動した。

 

『HURRICANE CRITICAL STRIKE!!!』

 

そして、ノイズの大群の中心部で、素早く強力な回転切りをノイズに向かって放った。

風魔の素早い強力な回転斬りは斬撃をまとう巨大な竜巻を発生させた。

その巨大な斬撃をまとった竜巻は、会場内の全てのノイズをあっという間に飲み込み、切り刻み、広範囲に吹き飛ばした。

そして、竜巻が治まると、ノイズの残骸が少々ハラハラと降ってきた。

風魔が小太刀を納めると、

 

 

『会心の一発!!!!』 『GAME CLEAR!!!』

 

 

という電子音が流れた。

 

 

「ふう。ざっとこんなものか。目標達成。」

 

と言うと、三人のところにゆっくりと歩いて行った。

 

 

風魔sideout

 

 

 


 

 

 

天羽奏&風鳴翼side

 

「嘘・・・・・だろ?」

 

「凄い・・・・。」

 

奏と翼は驚きで全く声が出ない状態だった。

それもそのはずである。

風魔の回転斬りで放った巨大な斬撃をまとった竜巻は、会場内を埋め尽くすほどだった大量のノイズを、全てあっという間に飲み込み、切り刻み、広範囲に吹き飛ばした。まさしく一撃必殺だった。

そんな風魔の強さに二人はただ見ていることしか出来なかった。

 

そして小太刀を納めこちらに向かってきた風魔が

 

「大丈夫か?」

 

と聞いてきた。

 

「あっ。ああ。・・・・何とか。」

 

「私も大丈夫だ。・・・お前強いな。一体何者だ?」

 

「そうだ。お前どうやってそんな力を手に入れたんだ?」

 

そう質問すると、

 

「詳細を話すことは出来ない。ただ、私は仮面ライダー風魔ということだけしか答えられない・・。それよりも、その少女を頼む。ただでさえ重症だからな。それでは私はここで失礼させてもらう。」

 

「あ!おいちょっと待て!!」

 

奏が引き留めるも遅く、風魔はエナジーアイテムを一つとっていた。

 

≪透明化!!≫

 

すると、風魔が周りの背景に溶け込むかのように消えた。

 

「そんな・・・。」

 

「消えた・・・・。」

 

二人は辺りを見回したが、周りには会場のの残骸だけしかなく、風魔の姿は見当たらなかった。

 

「奏!!取り敢えず、この少女を何とかしないと!!」

 

「あっ。ああ。そうだな・・・・。」

 

その後、私達は二課からやってきた救援部隊により、少女が救急車で病院に運ばれて行くのを見送った。

そして改めて会場内に戻った。そこにはあちこちにがれきが散乱した変わり果てた会場があった。

 

そして二人は先ほどの戦闘を思い浮かべた。

 

((仮面ライダー・・・風魔・・・か。))((また会えるのだろうか?))

 

 

と二人は心の中でつぶやいていた。

 

 

天羽奏&風鳴翼sideout

 

 

 


 

 

 

長綱side

 

戦闘を終えてバイクに乗って帰ってきた長綱を社長が出迎えてくれた。

 

「やあお帰り!長綱君!!無事で何よりだ!!それでテストのほうはどうだった?」

 

「問題ありませんでした。このまま運用可能です。良い出来でしたよ。」

 

「おお!それは良かった。これで問題なくこれからの戦闘にロールアウトできるね。長綱君!!」

 

「はい。ただ少し計画が少々破綻しましたがね・・。」

 

「ん?どんなだい?」

 

「いえ。そんな大きなことではありません。些細ないざこざですよ。」

 

「そうか。まあまあ、何より今日は休んでくれ。」

 

「はい。」

 

そういって、二人は本社の中に入っていった。




戦闘シーンどうでしたでしょうか?
自分あんまり自信ないです。

補足:今回の仮面ライダー風魔の「ハリケーンクリティカルストライク」はONE PIECEのロロノア・ゾロの三刀流 黒縄・大龍巻が巨大化したものをイメージしてください!


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第三帖

後日談です。


ライブ会場の戦闘が終わって、数日後のことである。

長綱は、「ハリケーンニンジャ」とは別のゲームの案を作成中だった。

長綱の案作りはかなり難航していた。マキナビジョンのゲームはVRをベースにしたものが主体である。それ故に、VRという種類の中でのゲーム作りとなると、ジャンルが限られてくるからだ。それが長綱の頭を悩ましていた。

長綱が案作りを考えていたところで、社長が部屋に入ってきた。

 

「長綱君。お疲れ様。ニュースは見たかい?」

 

「ニュースですか?」

 

「そうそう。一回見てみなよ。」

 

長綱はパソコンの操作を一時中断し、テレビをつけてみると、ニュースで、仮面ライダー風魔のことが「ノイズを倒す謎の忍者戦士 風魔現る!!」という見出しで報道されていた。

 

実は、ライブ会場の戦いの後、長綱は変身解除をしようとしていたのだが、ライブ会場の近くがノイズの出現の影響で、まだ少し混乱していてた。そんな時、親子で来ていた子供が迷子になっているところを、ノイズに襲われそうになっていたので、即座にノイズを倒して子供を救出していたのだ。当然の如く人々は、風魔に変身していた長綱のことを目撃していたのだ。迷子の親が見つかり、子供を助けたお礼を言われて名前を聞かれたが、長綱は「風魔」という名前しか喋らず、高速でその場から姿を消した。

 

それを見て長綱は、

 

「情報の流通の速さは本当に予測ができませんね。つくづく思わされますよ。」

 

「本当だね。長綱君。」

 

二人はニュースを見て苦笑した。ニュースを見ていると、社長がこんな話を持ち出してきた。

 

「そういえば、特異災害対策機動部二課の連中が長綱君のことを血眼で探してるみたいだよ。何も特異災害対策機動部二課の方から風魔(長綱君)に指名手配が配られているみたいだよ。」

 

「彼らがしそうなことですよ。大方予想がつきますね。何せ彼らはノイズを倒せる力は今ではシンフォギア以外考えられませんからね。そんな中で私の様なシンフォギア以外でノイズを倒せる力が急に現れれば、何が何でもその出自等を聞きたがるはずですからね。手に取るようによく分かります。」

 

「確かに彼らの考えそうなことだね。そういう長綱君はこれからどうするんだい?これからも風魔として行動を続けるのかい?」

 

「ええ。こちらは通常通り計画を遂行していくつもりです。いちいち特異災害対策機動部二課の連中の相手をしていては時間の無駄ですからね。何より、()()のチューンナップ・及びパワーアップバージョン版がまだ未完成ですからね。現段階では完成の状態には程遠い状況ですからね。」

 

「そうだね。()()の完成が実現すれば、ハリケーンニンジャの運用の幅が広がるからね。何より待ち遠しいけど、かなり難航しているんだってね。」

 

「はい。なかなか一筋縄ではいかないようです。まあ、急がば回れというものでしょう。急いで結果を得ても、大したものには繋がらない。地道にやって行けということでしょう。それに、ハリケーンニンジャがシャットの運用は今はゲーマドライバーで安定させてますし。そのほうが今は安全でしょう。まあ、今私が使用している()()で運用も可能ですし。」

 

「まあ、確かに。今はゲーマドライバーでの運用が優先的だね。そういえば、今は何してるの?なんか作成しているようだけど?」

 

「風魔の武装を増やそうと思いまして。今は二振りの小太刀とガシャコンバグバイザーを使用していますが、

ハリケーンニンジャガシャットの攻撃プログラムをさらに強力にする強攻プログラムを内蔵する武器を今開発してるんです。武器単体でガシャットをフルに使いこなせるようにしたいと思いまして。」

 

「成程。どんなふうになってるの?」

 

「大体このような感じです。」

 

長綱はそう言って設計図を見せた。

 

そこには、

 

 

中央にA・Bのボタンが付いた、ハンマーモードとソードモードの二つのモードを併せ持つ武器となっている

 

 

『ガシャコンブレイカー』の設計図があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、此方は私立リディアン音楽院の地下に存在する特異災害対策機動部本部。

その一室では、風魔の考察会議が行われていた。その会議室の一番奥の中央に座る司令官の風鳴弦十郎が男性オペレーターの藤尭 朔也に指示を出した。

 

「藤尭。あの画像を出してくれ。」

 

「はい。」

 

そう言って藤尭は、モニターにいくつかの写真が映った。そこには、ノイズと戦う仮面ライダー風魔と忍者プレーヤーが映っていた。

 

「今回の会議は、モニターを見ての通り謎の忍者戦士 風魔についてだ。彼の詳細については全く不明だが、ノイズに対抗できる戦闘能力を持つ大量の部下を従え、本人も大群のノイズをたった一人で全滅に追い遣る程の戦闘能力の持ち主だということだけがわかっている。」

 

モニターが、風魔がノイズの大群を斬撃を纏った竜巻を放って一掃する場面に切り替わった。

 

「私も個人なりに調べてみたけれど、やはり詳しいことは分からないわ。でも、どうやらこの風魔の力はこのベルトとゲームカセットのような物体がキーになっているみたいね。」

 

「ゲームカセットのような物体か・・・。まあ確かにそう見えなくもないな。」

 

「でも本当に驚くべき戦闘能力だわ。風魔もその風魔の部下も。たった十人くらいの人数であれだけのノイズの大群を簡単に制圧できる戦闘能力を持つ部下に加え、それを統率し尚且つ単騎でノイズを簡単に圧倒する実力も持っている。もし敵に回ったら、此方がたまったものじゃないわね。」

 

「うむ。」

 

(風魔。君はいったい何者なんだ?何の為にノイズと戦っているんだ?)

 

弦十郎はモニターに映る風魔を見てそう考えるばかりだった。

 

 

 

 

 

そんな彼らを、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、排気口の中から、会議を聞いていたことに彼らは全く気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

その時、彼らは考える由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風魔が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・。

 

 

 

 

 

 

 




更新だいぶ遅くなりました。
すみません。

小説内に出てきたガジェット。皆さんはお分かりですよね?
僕的には風魔に合ってるかなと思いました


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第四帖

ビッキー救済回です。

遂に、長綱があの言葉を・・・・!


あれから数日後。長綱はガシャコンブレイカーを作り終えており、ガシャットなどのメンテナンスを行っていた。その最中に、社長が部屋に入ってきた。

 

「長綱君。」

 

「はい。・・・社長。何かあったんですか?」

 

長綱がそう答えたのは、社長の様子がどこか変だとすぐに察知したからだった。

 

「ちょっとパソコンで【少女 天羽奏】ってネットで調べてみて。」

 

「えっ?【少女 天羽奏】ですか?わかりました。」

 

そう言われて長綱は、インターネットの検索欄に【少女 天羽奏】と打ち込んでみた。すると・・・

 

 

 

 

「えっ?!この子・・・。」

 

長綱は少なからず驚いた。何故なら、パソコンの画面に一人の少女が写っていた。

 

その少女は、以前ツヴァイウィングのライブで逃げ遅れて負傷した女の子だった。

 

「社長。なぜこの子を調べろといったんです?」

 

「長綱君。一つ質問をするんだけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「え?怪我ですか?現場にいた私は、逆に天羽奏がその少女に怪我を負わせてましたよ。なんか身体に異常が発生したことでシンフォギアにも影響が出たようで。恐らくLiNKERでしょう。で、それとどう関係が?」

 

「パソコンでニュースを見てみ。それで僕が聞いた原因が分かるよ。」

 

そう言われて、長綱はパソコンでニュースを見てみた。

 

すると・・・

 

 

 

「・・・社長。なんですか、これ?」

 

「言っただろう。それが聞く原因だって。」

 

そこには、

 

 

「この少女のせいで人気アーティスト天羽奏は負傷した?」

 

 

と大々的に見出しに載せられていた。長綱はこれを見て呆れ果てると共に、言葉では表現できないくらいの怒りを露わにした。

 

「呆れる・・・!現場に行ったわけでもなく、勝手にこんなデマを流すとは・・・!」

 

「どうする?まあ、君がどうするかは大体予想がつくけど。まあ、君の好きにしてくれ。」

 

「分かりました。では、こちらで対処するので、会社の方はよろしくお願いします。」

 

「分かった!気を付けてね。」

 

 

その後、その少女のニュースが流されるであろうテレビ局を調べ上げ、ある計画をすぐに立てた。

そして、ガシャットとゲーマドライバー、ある細工を施したUSBを持って、会社を後にした。

 

 

 

しばらくして、テレビ局に到着した長綱は、テレビ局職員を装い局内に簡単に潜入した後、ニュースが始まるまで、時計を見ながら暗がりに潜伏した。そして、少女のニュースが始まると長綱は、

 

「行くか。」

 

と言い、腰にゲーマドライバーを巻き付け、ガシャットを起動した。

 

 

『HURRICANE NINJA!」

 

 

「変身。」

 

 

長綱はガシャットをゲーマドライバーに差し込んだ。

 

『GASHAT!』

 

そしてピンク色のレバーを開いた。

 

『GACCHAN!』

 

 

『LEVEL UP!』

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

 

長綱は仮面ライダー風魔に変身し、召喚した一人の忍者プレーヤーに

 

長綱「じゃあ、()()()()に頼むぞ。」

 

と言って、持ってきていたUSBメモリを預けた。忍者プレーヤーは快く承諾しUSBメモリを預かった。

そして、長綱は思いっきり放送室のドアを蹴破った。

 

少女のニュースを大げさに解説していた解説者は当然驚き、他のテレビ局員も同様に驚いた。

 

「あっ!! あなたはまさか・・・風魔??!」

 

「黙れ。」

 

長綱は解説者にビームガンモードのガシャコンバグヴァイザーを向けて撃ち、黙らせた。

 

「忍者プレーヤー。やれ。」

 

忍者プレーヤーは、USBをテレビ局のコンピュータに差し込み、全てのテレビの通信などをハッキングするウイルスを流し込み、日本中のテレビ放送をハッキングした。

 

カメラに向かって長綱はボイスチェンジャーを使って話し始めた。

 

「日本の全国民の皆様。ごきげんよう。私は風魔。仮面ライダー風魔です。」

 

「仮面ライダー・・・風魔?」

 

「そして、此方は私の部下の忍者プレーヤーです。我々は独自でノイズを討伐している集団です。いわば対ノイズの自警団と認識してくださっても構いません。そんな私達ですが、数か月前のライブ会場のノイズ襲撃事件の現場にいました。我々が現認していますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。誰が作ったかは不明ですが、それをありもない虚偽で「少女が天羽奏を傷つけた」というデマが拡大させ、罪もない少女の心に深い傷を与えたことを我々は大変怒りを感じています。

 

しかし我々が最も怒りをあらわにしたいのが、国民の皆さんあなた方です!!

 

それも当然でしょう。確かな情報も確認せず、そのデマを鵜呑みにしたのですから。そこの解説者たちのような人たちみたいにね。そうですよね?」

 

長綱は解説者たちを睨んだ。

 

「ひっ!?」

 

「貴方方はこう言っていましたね?「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と?分かりますか?その言葉一つで罪のないあの少女がどれだけ重い心の傷を負い、あの子の家族がどれどけ苦しんだかを!!その事を、あなた方は全く理解していない!!!」

 

長綱は改めてカメラの方に向き直った。

 

「これ以上あの馬鹿馬鹿しい根拠のないデマを鵜呑みにし、あの子やその家族を攻撃・中傷するようなことをするのならば、我々が全力を持って排除いたします。こんな風にね。」

 

そう言って、長綱は小型メダル状にしたマッスル化のエナジーアイテムを吸収し、ビームガンモードのガシャコンバグヴァイザーにエネルギーをチャージし、紺色の強力なビームを後ろを目視せずに放った。ビームは後ろの壁に直撃し、そのままテレビ局の3分の一を削り取り、街の景色が見えるようになってしまった。これを見て、解説者やテレビ局員は恐怖し、風魔は本気だと確信した。もちろん、これを見た全国民も同様だった。

 

「これで分かったでしょう。我々は前述したように独自でノイズを討伐しています。正義などでは一切動いてないということを改めて認識していただきたい。デマを広げる者、そのデマを鵜呑みにする者を、我々は守りもしないし、助けも致しません。「ノイズに炭化されて死ねばいい。」そうしか認識しません。」

 

「また信じるかは否ですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。では、皆様方に3ヶ月の猶予をお与えしましょう。その3ヶ月の間に彼女に対する中傷や、それに関するニュースを報道することを一切取り止めていただきたい。もし、その3ヶ月以降、こんな確証もない情報・ニュースを流している新聞社・テレビ局があれば、我々は躊躇なく攻撃を仕掛けます。それをご理解いただきたい。」

 

「また、その少女が登校している学校にも申し上げる。あなた方学校がその少女がいじめ・中傷を受け、それを助けようとしなかった場合においても、あなた方が学校だろうがどんな立場にいようが躊躇なく排除します。それをご承知の上で学校生活をお過ごしください。」

 

長綱「では改めて。私は仮面ライダー風魔。「地球」という名の天国の守護者だ。

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

では、国民のみなさん、さようなら。」

 

 

そう長綱は言い終えると、ガシャコンバグヴァイザーでカメラを完全に破壊した。

 

 

これを見た国民は当然の如く恐怖し、少女に対する中傷は3ヶ月以内に瞬く間に消え失せた。新聞社やテレビ局などは、ライブ会場の事件についてはほとんど取り上げなくなり、取り上げたとしても謝罪等のものがほとんどとなった。又、その少女に対する報道をしたテレビ局の責任者たちが、彼女の元まで趣き謝罪する事態もあった。学校も少女に中傷か何かがあった場合、全力で助けることを決定した。地域でもその少女や家族のもとに今まで中傷してきた人々が謝罪に訪れるようになり、少女とその家族の生活を支えるようになったという。

 

 

 

この風魔が起こした報道は、瞬く間に日本中を変えることとなったのだった。

 

 

 

2年後のある日・・・

 

少女side

 

私はやっとここまで来れた。あの日に風魔さんに救われ、私と私の家族は平和に暮らせている。風魔さんには感謝しきれてもしきれないくらいだった。だから私は困っている人がいるなら助ける。あの時、日本中を敵に回してもなお私達を助けてくれた風魔さんのように。

 

「響〜!!遅れるよ〜!!」

 

「今行くよ〜未来!!」

 

小さかったあの女の子は成長し、友達と共に将来に向かって走り出していった。

 

 

 

 

 

それをバイクに跨り、ヘルメット越しに見て笑みを浮かべていた長綱に気付くことなく・・・。

 

長綱はそれを見届けると、バイクを発進させ、その場を後にした。

 

 

 

 



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第五帖

風魔とビッキーの初対面&戦闘シーンです。


風魔の日本中に向けての忠告からもう2年経っていた・・・。

 

ライブ会場のノイズ襲撃の被害者の立花響は、学校や地域のいじめ・中傷はすっかりなくなり、平和な生活を送っていた。風魔の報道を聞いて、自分達が監視されていることを知った上に、3ヶ月以内に中傷などをやめなければ、風魔たちが何をするか分かっているからである。だがしかし、長綱は既にいじめや中傷が沈静化した時点で、忍者プレーヤーの監視を終了していた。しかし、彼女の身の安全のために、近辺には忍者プレーヤーからディスクアニマル・音式神に変えて彼女の近辺をパトロールさせていた。

 

 

 

そんなある日のことだった・・・。

 

響side

 

響は今日発売の風鳴翼の新曲のCDを買いに来ていた。

 

「はっはっCD、特典はっはっCD、特典、、、、、、、、、、え?」

 

しかし目の前に広がった光景は炭化し塵となって崩壊していく街だった。響はこれが何だか知っていた。

 

「・・・・ノイズ?」

 

そう、それは自然災害とされているノイズの仕業だった。2年前に自分を襲ったもの。ツヴァイウィングが戦い、そして仮面ライダー風魔が現れた最初の現場。あの時から響の人生は変わった。自分を救ってくれた人達のようになりたいと。そんなこと思い出していた。そんな時だった。

 

「いやぁぁ!!」

 

どこからか誰かの悲鳴が聞こえた。響は声の方へとすぐに駆け出した。

 

その光景を見ていたディスクアニマルがすぐに状況を報告しにマキナビジョン本社へ飛んで行った。

その知らせを受けた長綱は、風魔に変身し音式神の消炭鴉を起動し背中に乗ると、現場へと向かっていった。

 

 


 

 

 

一方、特異災害対策機動部二課では・・・

 

ノイズが現れたと連絡が入り、翼と奏は特殊災害機動二課の司令室へ急いだ。

 

二人は司令室に入ると、翼がオペレーターにの元へ駆けて行った。

 

「状況を教えてください」

 

オペレーター「現在位置の特定を最優先にしています。もう少し待ってください。」

 

翼は一刻も早く現場へ向かいたかった。すると

 

「落ち着け、翼。焦ったって見つけだす速さは変わんないぜ?」

 

「奏・・・・。うん、分かった。」

 

そういって、場所が特定されるのを待っていた。

 

 


 

 

 

響side

 

場面は変わって、響の方では、裏路地を駆けていた。先程の悲鳴を上げていた少女を発見すると、手を握り走って逃走していたがノイズに回り込まれてしまった。あの日あの人に助けられた二人や、風魔のようにはなれないのか?そんなことを思っていた。すると、少女が

 

「私、死んじゃうの?」

 

響が答えを言おうとするとノイズかが押し寄せてきた。響は

 

「(私に出来る事、出来る事が必ずあるはず!)生きることを諦めないで!!」

 

あの人達のように、強く、この子を守り抜く為に、そう自分に言い聞かせると頭の中に流れる歌があった。それを響は歌った。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

歌を歌うと響の胸が光出す。すると、響はあの憧れていた天羽奏のガングニールを纏っていた。

 

 

 

この時、特異災害対策機動部二課では・・・

 

「反応絞り込めました!!位置特定します!!それと、ノイズと異なる反応確認!!」

 

「この反応って、、、、、、、、、、!!」

 

「ガングニールだと!?」

 

そう、その反応は奏と同じ聖遺物ガングニールの反応を示していた。

 

「そんなっ!?」

 

「うちのガングニールが!!まじかよ・・・・」

 

「ガングニールのもう一人の適合者だと?」

 

もう一つのガングニールの出現に驚いていると、オペレーターが突如叫んだ。

 

「司令官!!!現場にものすごい速度で飛来し急接近している反応があります!!!」

 

「有り得ない・・・。その反応は、時速1100kmで接近中です!!」

 

「何!!」

 

弦十郎が驚くとともに、奏と翼も驚愕の声を挙げた。

 

「何だって!!」

 

「何だか分かるか?!!」

 

「この反応は・・・・・・・・風魔です!!!!!」

 

 


 

 

 

響side

 

「ウソ・・・。これって・・・。」

 

響は困惑していた。歌を歌うと何かの機械のようなものを身に纏っていた。だが1つ明確なことがあった。この子を守らなければならないと。そう思うと、少女を抱えながらビルから飛び降りた。自分の跳躍とは思えないような跳躍に戸惑いながらもノイズを躱していく。しかし、巨大ノイズの攻撃をよけ地上へ着地すると、その一瞬を狙っていたかのように小型のノイズが響と少女を貫こうとする。

 

「そんなっ!!まずい!!」

 

と判断し、少女をかばった。しかし、ノイズが二人を貫くことはなかった。突如、空から黒い影が飛来し、ノイズを横一閃に切り裂いたのだった。その黒い飛行物体から飛び降り、着地したのは・・・、

 

風魔「大丈夫か?」

 

そこに居たのは2年前に自分を助けてくれた仮面ライダー風魔が立っていた・・・。

 

 


 

 

 

長綱side

 

長綱「立花響がノイズに襲われたか・・。分かった。ありがとう。すぐ行く。」

 

そう言って、長綱は本社の外に出て風魔に変身した。

 

『HURRICANE NINJA!」

 

 

長綱「変身。」

 

 

『GASHAT!』

 

『GACCHAN!』

 

『LEVEL UP!』

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

「さてと。頼むぞ。消炭鴉。」

 

そう言って音式神の消炭鴉を起動した。消炭鴉は起動したのち、人が乗れる程度に自動的に巨大化した。

 

消炭鴉。現場まで頼む。」

 

消炭鴉はそれを承知し、現場に急行した。

 

 

 

そして、現場にかなり近くまで接近すると、ノイズからビルから飛び降り逃走している二人の少女が目に映った。

 

「あれはガングニールか?まさか立花響がガングニールを装着したというのか・・・。ふっ。また面倒なことになりそうだな。」

 

そう愚痴ると、長綱はガシャコンブレイカーを召喚し、彼女たちに襲い掛かろうとしていたノイズを切り裂いた。

 

そして、消炭鴉から飛び降り立花響に声をかけた。

 

「大丈夫か?立花響。」

 

「はい!お久しぶりです!!風魔さん!あの時は、ありがとうございました。」

 

「当然のことをしたまでだ。」

 

「それでもお礼が言いたかったんです。本当にありがとうございました!」

 

「ふふっ。分かった。その感謝一応受け取っておくよ。それより君が纏っているそれは、天羽奏が纏っているガングニールだ。」

 

「天羽奏って、あの天羽奏ですか?!」

 

「そうだ。君がそれを纏った以上、ノイズと戦うことになるだろう。君にその覚悟はあるか?」

 

「はい!!」

 

「そうか・・・。なら行くぞ!」

 

そう言って私と立花響はノイズに向かっていった。

ガシャコンブレイカーでノイズを切り裂いていき、途中でブレイカーにつけられているBボタンを5回連打し、トリガーを引いてブレイカーを振るった。すると、5つの紺色の斬撃がノイズ達に向かって飛んでいき、あっという間に切り裂いていった。

 

そんな風にノイズの大群を倒していると、2台のバイクが通り過ぎて行った。乗っていたのは、風鳴翼と天羽奏だった。二人はバイクから飛び降り

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

聖詠を歌いガングニールと天羽々斬を纏う。大型ノイズを切り裂きながら風魔に近づいた。

 

「天羽奏に風鳴翼か・・・。」

 

「久しぶりだな!風魔!」

 

「2年ぶりだな、風魔。」

 

「確かに2年ぶりだな。それで、ノイズを制圧しに来たのか?」

 

「ああ!お前さんはもう結構倒したみたいだな。流石だぜ。」

 

「風魔。この2年間、我々特異災害対策機動部二課は貴様を追い続けていた。礼を言うのと貴様の身柄の確保をする為にな。指名手配を受けているのは知っているだろう?」

 

「ああ。だが今は、私の確保の前にノイズの制圧が最優先ではないか?それと、立花響はどうするつもりだ?そこにいる天羽奏と同じガングニールを纏っている以上、彼女をお前たちが野放しにするわけがない。」

 

「ああ。当然だ。あいつも確保する。」

 

「彼女をあまり手荒くするな。彼女はそういうものにまだ慣れていないはずだからな。」

 

そういうと、長綱はガシャットを抜くと、ブレイカーのガシャットスロットに装填した。

 

『GASHATTO!』 

 

『KIMEWAZA!』

 

すると、ブレイカーの刀身に紺色の竜巻状のエネルギーが纏っていった。そしてトリガーを引いた。

 

『HURRICANE CRITICAL FINISH!!!』

 

そして、ブレイカーを横に振った。ブレイカーから紺色のエネルギーから形成されたエネルギー刃がノイズに向かって放たれ、ノイズを切り裂いた。その斬撃で大半のノイズが消滅した。その攻撃にツヴァイウイングの2人も続いた。それから、戦闘が終了するまで3分とかからなかった。

 

 

 

戦闘が終了したのち、少女は母親が見つかり一件落着となった。すると、立花響が近づいて来た。

 

「風魔さん!怪我してないですか?」

 

「ああ。大丈夫だ。立花響、そう言う君の方こそ大丈夫か?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

「なら良かった。」

 

そんな会話をしていると、風鳴翼と天羽奏、黒服の人物達が近づいてきた。そして、響に手錠をかけた。

 

「あなたの身柄を拘束させていただきます。」

 

「えぇえ!?」

 

「すまねえな。」

 

「申し訳ありません。」

 

そして、翼は風魔に近づいて手錠を掛けて拘束をしようとした。

 

「風魔、貴様も大人しく付いてきてもらう。」

 

「嫌だと言ったら?」

 

「力づくでも連れて行く。それまでの事だ。」

 

そう言って、刀を風魔に向けて構えた。

 

「なら仕方がない。少し痛い目を見ることになるが覚悟はしておけ。」

 

長綱はそう言って、チェーンソーモードのガシャコンバグヴァイザーを構えた。

それを見た翼は険しい表情をして、風魔に斬りかかった。風魔はそれをバグヴァイザーをずらして受け流し、カウンターで蹴りを加えた。蹴りをまともに食らった翼は文字通り吹き飛ばされた。

 

「クッ・・・!」

 

すぐさま体制を立て直し風魔を攻撃しようとしたが、翼にはそれができなかった。無理もない。風魔が翼の視界に入った瞬間、紺色の残像を残して消えたのだから。

 

「なっ!何処に行った?・・・・!!!」

 

翼は周りを見回して風魔を探した瞬間、四方八方から斬撃を受けた。

風魔は翼からの反撃を一切許さず、バグヴァイザーで滅多斬りにした。

 

「時間がない。これで終わらせる」

 

そう言うと、ハリケーンニンジャガシャットをキメワザスロットホルダーに装填した。

 

『GASHUUN!』

 

『GASHATTO!』

 

そして、ホルダースイッチを起動した。

 

『KIMEWAZA!』

 

するとガシャコンバグヴァイザーにエネルギーを纏わせた。さらにホルダースイッチを再起動した。

 

『HURRICANE CRITICAL STRIKE!!!』

 

そして、エネルギーを纏ったバグヴァイザーを風鳴翼に向けて思い切り刺突した。当然それをまともに食らった風鳴翼は吹っ飛び、戦闘で発生した瓦礫に激突した。

 

「グハッ!!!!!!!!」

 

「「翼(さん)!!」」

 

天羽奏と立花響がボロボロの風鳴翼に近づいた。

 

「・・・・・・・!!!」

 

すると、長綱は何かを感じたのか、瞬時に後ろを振り向き、自分に向かってきた拳を受け止めた。

 

「・・・・風鳴弦十郎だな?」

 

「やあ、はじめましてだな、風魔。風鳴翼に何をしたんだ?」

 

長綱「私を拘束したので、少しばかり抵抗した結果です。そのことについては謝罪しますが、実は、今本当に時間がないんですよ。帰りの邪魔はあなたで最後にしてもらいます。」

 

長綱はガシャコンバグヴァイザーをしまい、ホルダースイッチを起動した。

 

『KIMEWAZA!』

 

さらにホルダースイッチを再起動した。

 

『HURRICANE CRITICAL STRIKE!!!』

 

そして、弦十郎に紺色のドリル状のエネルギー波を拳に生成し、強力なパンチを繰り出した。

 

パンチは弦十郎の腹に命中し、一発KOにした。

 

それを見た天羽奏はすぐさま立ち上がったが、風魔がそれを制止した。

 

「やめておけ天羽奏。私はもう戦闘の意思は毛頭無くてね。それに、君は一番今戦いたくない相手なんでね。何故なら、今俺と戦えば、LiNKERの影響で君の体の負担が増大するぞ。私と戦って自分の寿命をさらに縮めて、ノイズと戦う人生をこんなところで無駄にする気か?」

 

「う・・・。」

 

奏は風魔の言葉を真に受け、立ち上がるのをやめた。

 

「それよりも早く怪我人の手当をしてやれ。それと一つ忠告しておく。立花響をあまり手荒く扱うな。彼女の傍には、私がついていることを肝に銘じておけ。」

 

「風魔さん・・・。」

 

そう言って、風魔が何故か空に向かって片手を挙げた。

 

「時間的にここまでか。では、気をつけてな立花響。死ぬな。」

 

「はい!・・・って、風魔さん!!」

 

「キュルルルルルルルルルルルルルル・・・・・・」

 

と、響たちには何か音が聞こえた。風魔を改めてみると、風魔の手から何かキラリと光るものが見えた。それは空に繋がっていた。よく見ると、空中には、大きい鳥状のロボットが待機しており、その足にその糸が繋がっており、その糸が巻き上げられていた。ワイヤーを巻き上げられた風魔はロボットに乗って現場から退却していった。響と奏は風魔が見えなくなるまで、空を見つめていた。

 




補足:今回の仮面ライダー風魔の「ハリケーンクリティカルストライク」は二つのバージョンです。第二帖で紹介したものをバージョン1とします。今回はバージョン2・3です。2は風鳴翼に対してはなったもの、3は風鳴弦十郎に対してはなったものです。

バージョン2のイメージ:仮面ライダーゲンムレベル3が第8話で仮面ライダー
レーザーに対して放った「シャカリキクリティカルストライク」

バージョン3のイメージ:仮面ライダーエターナルの「ユニコーンヘルブレイク」



さらに今回初披露の「ハリケーンクリティカルフィニッシュ」は仮面ライダーブレイブが第2話で放ったタドルクリティカルフィニッシュをイメージしてください!



今回も駄文ですが、お読みいただきありがとうございます!


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第六帖

オリジナル回です。


あの後の戦闘の後、戦闘データの解析・分析等を長綱は行っていた。一連の作業が終了したのは、その翌日だった。

その翌日の昼、長綱は津久井書店に向かった(もちろん有事のために、ゲーマドライバーとガシャット一式を持参している)。長綱は暇が少々ある時は、この津久井書店で歴史小説や歴史ものの漫画などを購入して読むことを趣味にしている。元より、この津久井書店の店長さんとは幼いころから長綱と付き合いがあった(昔は書店と並行して駄菓子を営んでいた)。最早、店長にとって長綱は常連客と言えた。そんなことを思い浮かべながら、バイクで津久井書店に向かっていった。

 

 

津久井書店に到着すると、バイクを駐輪所に止めて、店内に入っていった。そして、歴史小説を販売しているコーナーに向かった。小説の新作やメジャーなものをあらかた拝見し、自分の性に合った本を見つけて、ピックアップしていった。そして、会計している時、店長から声をかけられた。

 

「長綱君、仕事の方は捗ってるかい?」

 

「まあまあといった感じです。ちょっと人間関係のほうで少し困っていますが、何とか上手くいっている感じです。」

 

「アハハ!そうかそうか。まあ、人間関係ほど面倒くさいものはないからねえ。慌てず慎重にね。結構漫画もかなり新作を入荷してるからゆっくりしていってね。」

 

「はい。」

 

長綱は店長に言われた通り、漫画のコーナーにも立ち寄って漫画を立ち読みした。その後、音楽コーナーを通りかかっていた時だった。ちょうど音楽コーナーの中にあるツヴァイウィングのコーナーを視界に捉えた時に、ある存在に気が付いた。

 

(ん?まさかあれは・・・。)

 

そこにいたのは、ツヴァイウィングのDVDやグッズをあちこち見ては、カゴの中に入れていく立花響だった。その隣には、彼女の友人だろうか、一人の女の子がいた。

長綱は、音楽コーナーのツヴァイウィングの販売コーナーに近づき、彼女達に声をかけた。

 

「君、大量にツヴァイウィングの商品やグッズを買ってるね。ツヴァイウィングのファンかい?」

 

「え?あ、はい!私、ツヴァイウィングの大ファンなんです!あなたもファンですか?」

 

「いいや。たまたま通りかかったこの書店の常連客だよ。お店のお客さんで君みたいな子が珍しくてね。あ、そうだ。名前を名乗っていなかったね。南雲長綱だ。」

 

「立花響です!こっちは私の親友の小日向未来です!」

 

「小日向未来です。」

 

「よろしくね。でも、本当に立花さんはツヴァイウィングの大ファンなんだね。」

 

「はい!昔から大ファンなんです!それに、いま私その人たちの為になる仕事をしているんです!」

 

「そうなのか。それは良かったね。誰かの力になれる事は、何より嬉しいことだし、自分の為にもなるからね。」

 

「はい!」

 

長綱は、改めてツヴァイウィングの二人のポスターを見た。

 

「いいかい、響君。僕が思っていたことなんだけどね。歌は自分の心を伝える手段の一つと考えられていることがあるんだ。だからこそ、歌って言うのはただ人々に向かって歌うことでは意味を全くなさない。自分は何のために歌っているのか、自分はファンや人々に何を伝えたいのか、それをしっかり考えていないと、たとえいい歌でも決して人の心には届かないんだよ。」

 

「長綱さん・・・。」

 

「・・・・・。」

 

二人は黙って長綱の言葉を聞いていた。

 

「これは仕事や日常にもつながってくるんだ。何をするにしても、目標や理由がなければ挫折して、いつもいつも立ち止まってしまうかもしれない。だからこそね、二人には覚えていてほしいんだ。確かにその憧れていた人の為になれるのはうれしいことだと思う、けど、自分の行動を決めるのは自分自身、そして自分の確かな行動の理由をしっかりと持ってほしいんだ。行動を続ける先には必ず大きな意味があるから。」

 

「「はい!」」

 

「じゃあ、私はこれで失礼するよ。またいつか会えたらね。気をつけて帰りなさい。」

 

「はい!さようなら!」

 

「さようなら。」

 

長綱は後ろに向けて小さく手を振ると、書店から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長綱は、帰る途中こんなことを考えていた。

 

(天羽奏、風鳴翼・・・。お前たちは今のままだと絶対に後悔をする羽目になる・・・。特に、天羽奏・・。いくらノイズに恨みを持ち復讐をしようとして、いくらノイズを消そうが何をしようが、失ったものは二度と帰ってこないぞ。その事に何故気付かない?そして、風鳴翼・・・。お前は確かに防人として地球や人を守る信念があるのだろうが、それはお前本人の意志であり、戦う理由なのか?もしそうでなければ、早く自分自身の戦う理由を見つけなければ、この先戦場で戦えなくなるぞ・・・。)

 

(俺の戦う理由・・・・・。人の命を守ることもそうだが、俺は世界そのものを守ろうとしてるのではない。全てを守るには限界がある。だからこそ、命と人々が今生きている日常とその先の未来を守るために戦い続ける・・・・。それが俺の戦う理由だ。)

 

そう考えながら、バイクに乗って帰途に就いた。

 




おもちたりあさん、えいとくさん誤字修正ありがとうございます!


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第七帖

久しぶりです!投稿遅くなりました!
オリジナル回かな?
分かりませんが、最新話です!



長綱side

 

最近でもノイズの出現する確率は一定していて、その旅に長綱は風魔に変身し、ノイズを掃討する毎日を送っていた。時に現場で特異災害対策機動部2課の装者達と会うが、手早くノイズを掃討すると、すぐに撤退し正体が知られないようにしていた。

それもそのはずである。自分の素状や会社のことを特異災害対策機動部に知られると、自分たちの思うように行動ができなくなることを熟知していたからである。

何よりこの風魔のシステムを悪用されることを、何より長綱自身が嫌っていたことも要因の一つだった。今や日本やその諸外国に風魔の存在はすでに知られており、その正体を血眼で研究していることを長綱はすでに知っていたからである。

 

少し話を逸らすことになるが、実は現在の風魔のシステムは長綱の父である南雲影成が息子の将来を予測して設計図を作り上げ、長綱がそれを元に完成させたものだった。

その風魔のシステムを知るものは数少なく、長綱の上司兼マキナビジョンの社長でもある槙野神介、影成の元上司で現在はゲーム会社「アドヴァンス・ホールディングス」の社長を務めている野上一成だけである。元々、マキナビジョンはこのアドヴァンス・ホールディングスの系列の会社だったが、のちに独立している過去があった。今でも、槙野と長綱と野上の関係は良好だった。野上は風魔システムの開発に賛同的で、風魔システムが完成したことをまずはじめに報告したのは野上に対してだった。当然、野上は開発を心から祝福した。

 

話を戻し、現在、長綱はサイクリングをしていた。そして信号が赤になりバイクを止めた時、長綱は自分のスマホでライブ会場での事件の真相を調べていた。長綱にとってハッキングはお手の物だったので、特異災害対策機動部の情報をハッキングして情報を集めていた。

 

「あのライブ会場の悲劇は”ネフシュタンの鎧”が事件の発端の要因の一つか・・・・。」

 

そしてスマホをしまい、街の中で信号の前で止まり街中を歩く人々を何となく眺めていた時だった。

 

(・・・・・ん?)

 

長綱はふと視線をある一点に定めた。その視線の先にあったのは、ある一人の少女だった。その少女は白髪で身長は低く、スタイルもいい普通の人が見れば誰でも美少女ともいえる少女だった。事実その少女が通っていくのを通行人達が立ち止まっては一目見ていた。

しかし、長綱はそんな少女のスタイルなどには何一つ注目していなかった。長綱が注目していたのはその少女の雰囲気とオーラだった。その雰囲気とオーラは、長年で培った冷静な観察眼とこの世界の現実を長年見て育った独特の感性を持つ長綱にしか感知できなかったのかもしれない。

 

その長綱がその少女のオーラを感じ取って思ったことは、

 

”自身の()()を否定している”

 

ということを彼女から強く感じた。すると、少女が長綱の視線に気づいたのかヘルメット越しにこちらを見ている長綱を見た。

 

((・・・・・・・・・・。))

 

するとちょうど、信号が青になったため、長綱は彼女を見るのをやめ、バイクを走らせその場を後にした。その少女もその場を後にし、人ごみの中に紛れ込んでいった。

 

 

 

 

響side

 

「風魔さん、何かあったのかな?」

 

立花響はそんなことを思いながら、響は奏と訓練をしていた。最近のほとんどのノイズの襲撃現場の3分の1を風魔が掃討していた。その風魔は依然その高い戦闘能力で何百、何千という数のノイズを倒していた。そこでいつもいつも司令から風魔を捕らえるよう指示されているのだが、まったくとして逃走が上手いのかその場から逃げおおせていた。風魔も何やら忙しそうな雰囲気が見受けられた。そんな事で響は風魔に話しかける機会をほとんど手に入れられなかった。

 

響は装者となっての実力は最初より伸びてはきていたが、それでもなお戦場に出れば翼と奏の足を引っ張るばかりだった。翼も一応だが一緒に訓練に参加しているものの、翼は全く響を戦力としては見ていなく、響が引き付けた敵を、翼が倒すという事が形式化していた。そこで、弦十郎司令からの戦闘スタイルの確立のための映画・DVD鑑賞が行われることになった。

映画を見ていると、やはり風魔さんの無駄のないカウンター主体の戦い方を響は思い出していた。そのノイズを全く寄せ付けない風魔の戦い方を知りたいと思った時もあった。

 

(いつか風魔さんの背中に追いつけるのかな・・・・)

 

そんなことを思いながら、映画・DVDを見ることに集中した。

 

 

学校において提出のレポートを未来に手伝ってもらい何とか先生に提出した後、ノイズの反応が現れたのでそちらに向かった。弦十郎司令から直に翼がそちらに向かうことを告げられた。響はノイズを倒し進むが大きいノイズにはやはり自分の実力では敵わず響は押されかけるが、そのノイズを合流した翼と奏が倒した。

 

「やっぱり追い付けないかな。風魔さんには・・・。」

 

「どうした?立花響?」

 

「いえ・・・、風魔さんに自分は追い付けないかなと思って・・・。」

 

「奴の事か・・・。」

 

「響。風魔は強い・・・いや、強すぎるんだ。あの特異な力で戦っているのはわかっているが、私的には、彼のあの強さは実力だけじゃなく、それ以上の何かの力の所為な気がするんだ。」

 

「「それ以上の何かの力?」」

 

奏の言葉に響と翼が首を傾げた。

 

「ああ。でも、それが何だか分からない。そしてその力の源が私達には欠如している気がするんだ。」

 

「私達にはないものですか・・?」

 

「ああ。」

 

そう何か考えがあるような奏の顔を響は見つめた。

 

「まあ、風魔は風魔だ。彼の背中に追いすがっても意味はないぞ。今は自分に集中しろ!」

 

「まあ、今は自分磨きだな。今自分に出来ることをやるしかねえからな。鍛えてくぞ、響!」

 

「はい!」

 

「そおだろうね。今の自分じゃ何も出来ねえんだからな。」

 

突如、彼女たちの会話に乱入してきた人物がいた。其処には、響たちとはまた違う鎧を身に纏う少女がいた。翼化少女の鎧を見てその鎧が何だかいち早く気付いた。

 

「それは・・・・・ネフシュタンの鎧!?」

 

そう、その鎧は長綱が調査していた2年前に起きたライブ会場事件の発端の1つだった。あの時翼と奏の歌でネフシュタンの鎧を活動状態へと戻そうとした。結果成功したもののノイズを集めてしまい、ネフシュタンの鎧は消息不明となっていた。その鎧をなぜその少女が纏っているかは分からなかったが、ライブ会場での失態と責任を感じていた翼は、その鎧を奪うために少女に挑みかかった。

 

「その鎧返してもらう!!」

 

そう言って翼は少女に斬りかかった。

 

「やめてください!翼さん!相手は人間なんですよ!?」

 

響は翼をそう呼び止めたが

 

「「戦場で何を馬鹿なことを(言ってんだ)!!」」

 

と戦っている二人に反論された。

 

「お前ら何か敵同士なのに息ぴったりじゃないか。」

 

「まあ確かに、貴女と気が合いそうな気がするわ。」」

 

「だったら仲良くじゃれ合おうか!!」

 

少女はチェーンを振って翼を攻撃するが、翼はそれを避けつつ攻撃を放った。それに対応すべく、少女はチェーンを振り払った。翼は少女の攻撃に対する順応力に驚きながらも攻撃を続けるが、少女は翼の攻撃にいとも簡単に対応し、翼の腹に強烈な蹴りを与えて吹き飛ばした。

奏と響も戦線に加わろうとするが、少女が杖のようなものを取り出すと、ノイズが召喚され二人を襲った。奏は対応できたが、響のほうはノイズが放った粘液で身動きが取れなくなってしまった。

 

「クッ!動けない!・・・なにこれ?粘液?」

 

「響!大丈夫か?」

 

「はい。何とか・・・。」

 

「そう簡単に行かせると思ったのかよ!!」

 

少女はそう言って、奏を両肩に装備している鞭で奏を攻撃して、響のほうへ行く道を阻んだ。

 

「よそ見をするな!お前の相手は私だッ!!」

 

「ああ!そうだったなあ!」

 

風鳴 翼と鎧を纏った少女が再び相対した。白い髪がたなびいている少女は翼と戦いつつ、手に持った杖を天羽奏に向ける。

 

「クッ!この少女強い!・・・・奏!気を付けて!ノイズが其方の方に誘導されてる!」

 

「ああ!弦十郎の旦那から報告済みだよ!ノイズを操ることができる奴だろ!!」

 

その杖は完全聖遺物であり、名は『ソロモンの杖』と呼称されている。ノイズを呼び出し、数十種類のコマンドで統制可能な力を持っていた。その杖から放たれた光から現れた、ブドウ型のノイズが天羽奏に襲い掛かった。以前立花 響は捕らえられたままだ。しかし、天羽奏と戦っていた数体のノイズが身動きの取れない響に気づいたのか、響に襲い掛かり始めた。

 

「響!しまった!くそっ!」

 

奏は響のもとに行こうとするも、ノイズが行く手を阻んだ。ノイズが今にも響に届きそうになり、響が目をつむった。しかし、響の身には何も起こらなかった。

 

「え?」

 

目を開けてみると、数発の光弾がノイズを瞬く間に倒されていく光景が目に映った。

 

「何!?」

 

「別方向からの攻撃?」

 

「一体何処から?」

 

奏達がその光弾が発射された位置を見ると、バイクのヘルメットをかぶった人物があるものを構えていた。その人物は無論長綱だった。ヘルメットを被っていたため素顔は分からなかったが、その武器を装者三人は見覚えがあった。

 

「あの武器って・・・まさか風魔の!」

 

「誰だてめえ!」

 

「それがネフシュタンの鎧か?」

 

「何でその事を?!」

 

そしてその人物は腰に見覚えのあるもの『ゲーマドライバー』を身に着け、懐からあるものを取り出し起動した。

 

『HURRICANE NINJA!」

 

「それは・・・!」

 

「まさか?!」

 

「変身。」

 

『GASHAT!』

 

『GACCHAN!』

 

『LEVEL UP!』

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

その音声が鳴り終えた其処には、仮面ライダー風魔がいた。

 

「風魔さん!!」

 

「へえ、てめえが風魔か!」

 

「ああ。いかにも。ネフシュタンの鎧の力お前の実力を試しに来た。」

 

「はっ!やれるものならやってみな!」

 

少女と風魔が今度は激しくぶつかり合った。

 




戦闘シーンは次回になります!


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第八帖

明けましておめでとうございます!お久しぶりです。
更新遅くなりました。大変申し訳ありません!


長綱side

 

時を少し遡る。アニマルディスクの報告を受けバイクで現場に駆けつけてきて、その戦況を見てみると、特異災害対策機動部2課の装者達と正体不明のネフシュタンの鎧を纏う少女が戦闘していて、風鳴翼はその少女と戦闘中、天羽奏はソロモンの杖によって出現したノイズの掃討、そして、気にしていた立花響はそのノイズの攻撃で身動き取れずといった状況か。立花響も心配だが、戦闘時間に限りがある天羽奏も危ないか・・・。

 

「仕方ない。あまりむやみに介入したくなかったが。」

 

そして、顔を知られないようヘルメットをそのまま被り、ゲーマドライバー一式を持って現場に介入した。

 

 

そして現在、その戦闘の現場に介入した。まず、召喚したバグヴァイザーで立花響についている粘着質な液体を吹き飛ばした。そのままバグヴァイザーで天羽奏が戦っていたノイズも一掃した。

 

「天羽奏、立花響と風鳴翼を連れて下がっていろ。彼女は私がやろう。天羽奏、お前はそろそろLiNKERの限界時間のはずだろう。無茶はするな。」

 

「わ、分かった。」

 

「風魔さん、ありがとうございます。でも、大丈夫ですか?」

 

「私の心配は無用だ。」

 

そして、そのネフシュタンの鎧の少女と対峙した。

 

「おめえの話は聞いてるぜ。そこの野郎を助けるために日本中を敵に回し大混乱に陥れた仮面ライダー風魔さんだろ。」

 

「ほう。君にまで名を知られていたとはな。やはりお前の目的は立花響か?」

 

「へえ。勘が鋭いんだな。確かにその通りだぜ。ハナから目的はあの野郎だよ。」

 

「え?私?」

 

「なるほど。狙いは立花だったのか。」

 

ネフシュタンの鎧を纏った少女は肩部の鎖状の鞭を構え、対する風魔もガシャコンブレイカーを構えた。

少女と風魔は互いを見ながら武器を構えつつ、少し周りを回った。仕掛けたのは少女の方からだった。武器の肩部の鎖状の鞭を風魔に向けて放ったが、風魔はブレイカーで切り捨て黒い残像を残して少女に接近し、少女の懐に潜り込んで右手で強烈な掌底突きを放った。まともに食らった少女は吹き飛ばされ、近くにあった木々に激突した。

 

「クッ!!!やってくれんじゃねえか!」

 

「ネフシュタンの力はこんなものか?それでは俺には勝てないぞ。」

 

それから、少女と風魔の戦闘は続いたが、優勢になっていったのは風魔の方だった。数々の戦闘経験や実力を伴っている風魔には当然の結果だろう。肩部の鎖状の鞭を流れるように躱し、今度はガシャコンブレイカーとガシャコンバグヴァイザーでネフシュタンの鎧の両肩の装甲を突きで破壊し、追撃で十字に斬撃を加えた。その十字の斬撃は彼女の装甲を確実に破壊し、ガシャコンバグヴァイザーによって彼女にも擦過傷が出来たが、ネフシュタンの鎧が細かいウロコ状のパーツで構成されている為か、完全な形にまで修復可能な圧倒的な再生能力を有しているようだった。

 

「グッ!!??・・・・・」

 

しかし、彼女が何か苦しむような様子が見られた。よく見ると、ガシャコンバグヴァイザーによって出来た擦過傷がネフシュタンの鎧が侵食するかのように彼女の擦過傷を修復していった。どうやら少女が負傷した傷は再生する際に傷口から装者を蝕む性質も有しているようだと風魔は考察した。

 

「どうやら、そのネフシュタンの鎧は装着者自身が負傷した傷は再生する際に傷口から装者を蝕む性質も有しているようだな。そんなものを纏って戦って持つのか?」

 

少女「!!?もうこの鎧の特性に気付くなんてな・・・。」

 

風魔「戦闘の時は、常に感情の起伏で冷静さを失わず、現実的になって行動する。それが俺の戦いの掟だからな。当たり前のことだ。」

 

そうして、また二人はぶつかり合っていった。

 

 

 


 

 

 

装者side

二人の戦いを見ていた3人は、改めて風魔の強さと自分たちの実力の差を痛感した。風魔の無駄のなく正確な攻撃は、確実にネフシュタンの鎧と少女にダメージを与えていった。

 

「やっぱり強えな。こっちとは大違いだ。」

 

「はい。風魔さんの強さは何処から来ているんでしょうか?自分も風魔さんくらいに強くなりたい・・・。」

 

そんな二人の中で、一人違う思考に呑まれていたものがいた。無論、天羽々斬を纏った風鳴翼だ。

 

今私達の目の前で風魔がネフシュタンの鎧の少女と戦っている。

 

(風魔‼︎なぜそんな力が貴様にある!!)

 

翼は風魔に敗北して以来、風魔のその強さにものすごい嫉妬とその行動に対する疑念を持っていた。

 

(だいたい奴の目的は一体何なのだ‼︎あのライブ会場事件で二人を助けてもらったことには感謝している・・・だけど、最近でもノイズの出現の度に手早くノイズを掃討すると、すぐに撤退する神出鬼没で自由な行動。その意味が全くとして分からない。そんな力があれば私達より多くの命を救えたはずだ!そして・・・奏の家族も!!)

 

翼はそんな思考を風魔に向けてぶつけていた。

 

そんな時、ネフシュタンの鎧の少女がふとこんな事を喋りだした。

 

「なあ、風魔。そこにいる奴らをどう思っている?」

 

「ん?どういう意味だ?」

 

「そいつらは、もしお前がいなかったら、今頃命はなかった。その後も、お前さんに命を助けられてばかり。一人はライブ会場事件で戦う力を得た未熟な野郎で、二人目は僅かな時間しか戦うことのできないただ強さを求めている輩、三人目は二人目の装者に依存し強さばかりを求める覚悟もままならない防人さん、そんな奴らが、シンフォギアを持って何かを守る価値なんてあると思うか?最も、あんたみたいな大きい力を持った者がたくさんのものを守れるかもしんないけどさ。」

 

「何だと?!」

 

「くっ・・・。」

 

「うう・・・・。」

 

少女の言葉を聞いて、三人は苦い表情を浮かべた。反論など出来るはずもなかった。特に奏は自分の無力さ故に風魔の何も敵を寄せ付けない強さを渇望したものである。

 

「・・・・・・・。」

 

風魔は彼女達を見て黙ったままだった。

 

「まあ、あんたについては目的も分からないし深くは言及しねえけどな。まあ・・・・!?」

 

少女が話を続けようとしたとき、少女の前に何かがとびかかった。天羽々斬を纏った風鳴翼である。

 

「へっ、不意打ちにしちゃ、なまくらだよ!」

 

少女に吹き飛ばされながらも、翼は小刀を投げつけた。

 

「ちょっせえ!」

 

少女は鎖で小刀を切断された。

 

「ヘッ、こんな攻撃・・・?」

 

なんと切断された剣の破片が少女の影に突き刺さった途端、少女の動作が一切停止した。風魔はその技を知っていた。

 

風魔(あの攻撃・・・、影縫いだな?)

 

風魔は調べ上げた研究データを思い出していた。「影縫い」、この技は元々彼女のマネージャーである緒川のものであったが、彼女が彼から3年かけて習得したものである。

 

「月が覗いているうちに・・・決着をつけましょう。」

 

翼が怪しい笑みを浮かべた。少女は翼が何をしようとしているか、すぐに理解した。

 

「お前・・・まさか歌うのか・・・絶唱を!」

 

「あなたの言うとおり、私は風魔の強さに嫉妬した。けど、あなたが思う程私の覚悟は甘くない!だから防人の生き様を・・・あなたたちの胸に焼き付けなさい!」

 

「やらせるかよ!!」

 

翼が滅びの絶唱を口にしながら剣を収め、少女に近づいていく。

 

風魔は今止めても間に合わないと判断したのか、小太刀を素早く抜刀し、ハリケーンニンジャガシャットをキメワザスロットホルダーに装填した。

 

『GASHUUN!』

 

『GASHATTO!』

 

そして小太刀の柄でホルダースイッチを起動した。

 

『KIMEWAZA!』

 

その時には、苦し紛れにノイズを出した少女の前に翼が迫っていた。それと同時に翼は歌を歌い終えた。

 

あたりには凄まじい衝撃波が発生しノイズは皆、塵芥と化した。

 

風魔は元々竜巻状のエネルギーを纏わせた小太刀でホルダースイッチを再起動した。

 

『HURRICANE CRITICAL STRIKE!!!』

 

風魔はその衝撃波を十字の斬撃波で相殺した。

 

「「「うわあああああああ!!!」」」

 

ネフシュタンの少女だけでなく、響も奏も吹き飛ばされた。

 

衝撃波が収まると、風魔はハリケーンクリティカルストライクで衝撃波を相殺していたので無傷で現れた。

立花響と天羽奏では軽傷だったが、無事だった。しかし、絶唱を行った風鳴翼は血を流しながらその場に立ち尽くしていた。

 

「チクショウ・・・・!」

 

風魔が声をする方に向くと、ネフシュタンの鎧と自分の体がぼろぼろになった少女が愚痴を吐きながらよろっと立ち上がった。

 

「覚えてやがれよ。風魔!お前もな!」

 

「・・・・・・・・。」

 

少女はそう捨て台詞を吐くと撤退していった。風魔は彼女を追おうとしたが、特異災害対策機動部2課の装者達の方が何やら騒がしそうだったので、そっちの方に行くことにした。

 

 

 


 

 

 

装者side

その戦闘現場に了子と弦十郎の他、特異災害対策機動部2課の人々も駆けつけた。絶唱を行った風鳴翼は血を流しながらその場に立ち尽くしていた。

 

「翼さん・・・。」

 

「大丈夫か翼!?」

 

「私とて・・・人類守護の務めを果たす防人。・・・こんなところで折れる剣ではありません。」

 

こちらを振り向き、血に塗れた無表情の笑みを浮かべた翼はゆっくりと倒れた。

 

「翼さん!!」

 

「翼!!」

 

「医療班を要請しろ!」

 

「急いで!」

 

特異災害対策機動部2課の人々は翼の処置を急いだが、絶唱を行った翼の容態は悪化するばかりだった。

このままでは、翼は死んでしまう。誰もがそう思ったその時だった。翼のもとに何やらゲームのメダルのようなものが飛んでくると、翼の体内に取り込まれた。

 

”回復!”

 

「な!?」

 

「これは!」

 

「つ・・・翼さんの容態が安定しました!」

 

そのメダルが飛んできた方向を見ると、()()()投げた後のポーズをとっている風魔の姿があった。まさか・・・

 

「風魔さん?」

 

すると、風魔がこっちに歩み寄ってきた。そして、立花響の前で立ち止まり話しかけてきた。

 

「立花響。私が前に言った事を覚えているか?」

 

「『君にガングニールを纏ってノイズと戦う覚悟はあるか?』ですか?」

 

「ああ。立花響。君がこれからガングニールを纏って戦う相手は()()()()()()()()()()()可能性は多い。だからこそ、君に伝えておきたいことがある。確かに私は他人から見れば強いかもしれない。あのネフシュタンの鎧の少女が言っていたように、私の様な大きい力を持った者がたくさんのものを守れるかもしれないと。だが、守れるもの・助けられるものには限界がある。力があることで全てが守れるわけではない。俺がこう考えている。『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。』強すぎることで、自分を過信し多くのものを守ろうと欲張り、救えるものまで救えなくなってしまう。かといって、弱すぎては自分を守れず、他人も守ることはできないからな。『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』ということ、そしてその根底に、『()()()()()()』ということを忘れるな。」

 

「そしてあともう一つ。『()()()()()()()()()()()()()()()()』ということだ。幾ら私にあこがれて力を求めて私になろうとしても、私になることはできない。他人にどう言われ様が、何をされようが、お前は()()()だろう?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だからこそ、立花響。まず、お前は自分は立花響であり自分自身を守れるように強くなれ。お前にだったらできる。お前はガングニールの装者に選ばれたんだ。それにはきっと何か意味があるはずだ。自分の大切なものを守れるようになれ。自分の家族や友人、そして何よりこれまで()()()()()()()()()()()をな。」

 

そう風魔は言うと、響の頭を優しく撫でた。その撫でる腕から響はしっかりとした安心感と思いが伝わった。

 

「風魔さん・・・・・・。はい!!」

 

風魔こと長綱は仮面の下で優しく微笑んだ。そして今度は、天羽奏に向き直った。

 

「そして、天羽奏。いくらノイズに恨みを持ち復讐をしようとして、いくらノイズを消そうが何をしようが、失ったものは二度と帰ってこないぞ。その事に何故気付かない?お前のガングニールとその戦い方からは憎悪がにじみ出ているぞ。」

 

「!!??」

 

奏は自身の心の奥底を見抜かれて、動揺した。そして、風魔はさらに畳みかけた。

 

「そして、お前はいつも私の事を羨望するように見ていたな。あの時の眼差しは、まさに力を求めすぎて自滅していった者達と同じ目だ。力を求めて過ぎたが故に、傲慢になり自分自身を滅ぼしていった者達のな。さっき立花響にも言ったように、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。』、『()()()()()()』ということを忘れるな。」

 

「そして、復讐に憑りつかれたままノイズと戦うのはやめるんだな。多くの大切なものを失ったことに大きい悲しみや怒りを感じることには同情できる。だが、いくら復讐をしても、過去は過去だ。幾らノイズに復讐をしようが、大切なものや過去・思い出は戻ってきたりはしない。そのことにいい加減に気付け。復讐に囚われないお前本人の意志で戦う理由を見つけなければ、この先大きな後悔をすることになるぞ。」

 

「!?・・・・・・・・。」

 

奏は、何かはっとしたような表情を浮かべた後、何か考え込んだような様子になった。その戦闘現場にいた了子と弦十郎の他、特異災害対策機動部2課の人々も風魔の現実的で説得力のある言葉に聞き入っていた。

 

「では、俺は帰らせてもらう。」

 

そう言って踵を返して風魔は立ち去っていく。

 

「風魔さん!!」

 

響が風魔を呼び止めた。それに風魔は響の方に振り向いた。」

 

「私、いつか一緒に風魔さんと戦えるようにそして自分と自分の大切なものを守れるように強くなって見せます!見ててください!」

 

風魔は嬉しそうな雰囲気を醸し軽く手を挙げて返事をすると、そのまま夜の闇に消えていった。響はその後ろ姿が見えなくなるまでその後ろ姿を見つめていた。

 




結構長くなった。
長綱さんの言葉が、書いた自分にも沁みる。


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第九帖

お久しぶりです。続きを心待ちにしていた皆様には大変申し訳ありません。
投稿再開します。

最近仮面ライダー風魔の装動を購入して組み立てました!
やっぱりかっこいい!


【挿絵表示】





あのネフシュタンの鎧の少女との戦いののち、特異災害対策機動部2課では大きい変化が2つあった。

まず、その変化の1つ目が立花響の成長だった。あの風魔の励ましを受けてから、響はとんでもない勢いで戦闘能力を獲得していった。最初は戦いに関して素人同然だった響は、あの戦いから自分の戦闘スタイルを身に着けた上で、弦十郎の下で戦闘訓練を受け、瞬く間に成長した。その成長スピードは翼や奏、弦十郎や他の特異災害対策機動部2課のメンバーも驚くほどだった。

2つ目は天羽奏の行動の変化だ。奏はあのネフシュタンの鎧の少女との戦いの1件以来、奏がノイズとの戦いをやめてしまったのである。これには他の装者である響や翼、弦十郎や他の特異災害対策機動部2課のメンバーも驚いた。代表して翼がその理由を聞くと、

 

「あの戦いでの風魔の言う通り、私は今までノイズに恨んでノイズの復讐のために一生懸命努力して装者になり戦ってきた。そして、風魔が現れて、私は強力な力を持つ風魔を羨望するようになった。その力を私はノイズに復讐するために使おうと考えた。でも、いくらノイズを消しても、失ったものは二度と帰ってこない。ノイズへの復讐に囚われて力を渇望した私は、そんな当たり前のことに気付かなかった。今も同じように戦いを続けても、過去は戻ってこないし誰も喜ばない。だから今は復讐に囚われない私自身のの意志で戦う理由を見つけることにする。だから今は戦わない。」

 

と告げた。風魔は響と奏二人の今を大きく変えていたのだった。

 

 

 

一方、その仮面ライダー風魔こと南雲長綱はというと・・・・・・・・・

 

「ふう。なんとかこれでバグスターバックルは完成だな。これで風魔の強化には一定の目途がつくな。」

 

そう言って隣の多数のコードがつながった黒色の物体を見た。このバグスターバックルは風魔の武器と組み合わせることで、風魔を進化させるキーアイテムなのだ。カフェオレを飲んで一段落をしている長綱に、音式神の消炭鴉が飛んできた。

 

「一段落しているタイミングでノイズ出現ですか。こき使ってくれるね。」

 

そういうと、長綱は部屋を出ていき本社を出たところで長綱はゲーマドライバーを腰に巻きガシャットをゲーマドライバーに差し込んだ。

 

『GASHAT!』

 

そしてピンク色のレバーを開いた。

 

『GACCHAN!』

 

『LEVEL UP!』

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

風魔に変身すると、バイクで現場に向かっていった。

 

 

現場には10体くらいのノイズが出現していた。バイクから降りると、長綱こと風魔はガシャコンブレイカーを召喚しブレードモードに切り替えてノイズに素早く切りかかった。高速移動しながら戦闘の最中に召喚した忍者プレーヤーと共にノイズを切り伏せていった。そしてその中でもでかいノイズが現れると、これ以上戦いは長引かせたくないため一気にケリをつけるとして、そういうと、長綱はガシャットを抜くと、ブレイカーのガシャットスロットに装填した。

 

『GASHATTO!』 

 

『KIMEWAZA!』

 

すると、ブレイカーの刀身に紺色のエネルギーが纏っていった。そしてトリガーを引いた。

 

『HURRICANE CRITICAL FINISH!!!』

 

ブレードモードのブレイカーをエネルギーによる分身を生成して連続攻撃を繰り出した。この攻撃を受けたノイズは文字通り細切れにされ爆散した。

 

「さて帰るか・・・・・・!!!?」

 

風魔が帰ろうとしたその時、建物の陰からチェーンが飛んできた。風魔はとっさにブレイカーを振り払いチェーンをはじいた。その建物の陰から出てきたのは、

 

「お前か・・・・・・・。ネフシュタンの少女・・・。」

 

あの戦いで遭遇し交戦したネフシュタンの少女だった。

 

「ノイズとの戦いの後で悪いケド・・・・・・・その力もらうぜえ!!」

 

そう言って少女は風魔に襲い掛かってきた。

 

「ネフシュタンの少女。なぜ俺を狙う?お前の狙いは立花響ではないのか?」

 

「ああ!そうだよ!・・・でも、お前のその力を頂けば立花響の捕獲が楽になるんじゃないかと思ってな。っていうわけで、その力もらうぜ!」

 

「お前のような奴に渡すつもりは・・・・・ない!!!」

 

そう言って風魔は少女に急接近しブレイカーで忍者プレーヤーと共に少女を切り刻んだ。

 

「ネフシュタンの少女。今頃アドバイスで申し訳ないが、物を狙う順番は間違えない方がいい。高望みな理由で二つのものを狙っては、二兎を追う者は一兎をも得ずだってことだ。」

 

風魔はガシャットを抜くと、再びブレイカーのガシャットスロットに装填した。

 

『GASHATTO!』 

 

『KIMEWAZA!』

 

すると、今度はブレイカーの刀身に水のエネルギーが纏っていった。それと同時に召喚した忍者プレーヤーのゲニンウェポンにも水のエネルギーが纏っていった。そしてトリガーを引いた。

 

『HURRICANE CRITICAL FINISH!!!』

 

「波状・斬波烈水刃の術!!」

 

そして、忍者プレーヤーがゲニンウェポンを、風魔がブレイカーをふるうと、大量の強烈な水の刃を少女に向かって飛ばした。

 

これを見た少女は、

 

(クソッ・・!!!こうなったら・・・!!)

 

少女は決断してある言葉を唱えた。

 

「Killiter Ichaival tron」

 

すると、ネフシュタンの鎧がパージされ波状・斬波烈水刃の術と相殺した。

 

「なに!?・・・・・あれは!」

 

風魔が見たものは、白銀色のネフシュタンの鎧とは打って変わり、赤がメインカラーのシンフォギアを纏った少女の姿があった。風魔はそのシンフォギアを知っていた。

 

(間違いない!メインカラーが赤色のあのシンフォギア・・・・・イチイバルだ!)

 

「まさか第2号聖遺物「イチイバル」の欠片から構成されるシンフォギアであるイチイバルをまさか貴様が所持していたとはな。」

 

そう風魔は言うと、バグヴァイザーを構えた。

 

「・・・・せたな。」

 

「?」

 

「歌が嫌いな私に歌を歌わせたな!!!」

 

少女はそう叫んでガトリングガンとミサイルを発現させると、風魔と忍者プレーヤーに対して集中砲火を浴びせた。

 

「クッ!!」

 

長綱はバグヴァイザーをビームモードで連射したが相殺しきれず、ガトリングガンの攻撃を二本の小太刀で受け止めたが、忍者プレーヤーは受けきれずに消滅した。しかし同時に放たれていたミサイルの攻撃は受け止めきれず、吹き飛ばされた。すぐに体勢を立て直すも、間髪入れず少女のイチイバルからミサイルが放たれた。

 

(まさかイチイバルの火力がこんなに高いとは・・・・。こういう時は。)

 

すると、風魔は絵柄に鋼鉄化したシルエットと折れる剣が描かれた灰色のメダルを取出して、取得した。

 

≪鋼鉄化!≫

 

すると風魔の体が鋼色に変化した。そこにガトリングガンとミサイル集中砲火が浴びせられ爆炎が上がった。

 

「フン!この雪音クリス様に歌を歌わせるからあんたでもこんな事になるんだよ!」

 

と勝ち誇った顔で風魔に対してそう言って帰ろうとしたが、

 

「へえ。お前の名前、雪音クリスっていうんだな。」

 

という風魔の声が爆炎の中から聞こえてきた。

 

「!!??」

 

クリスが驚いて振り返ると、爆炎の中から風魔が大きな怪我一つなく平然とした姿で出てきた。

 

「ウソ・・・だろ?あんだけ集中砲火を食らったのに・・・。」

 

風魔「鋼鉄化のエナジーアイテムを使ったからね、驚くのも無理はない。さてこっからは俺のターンと行こうか。」

 

風魔はそう言うと小太刀をしまい、再度ブレイカーを召還した。そしてブレイカーを地面に刺し、片手で印を結んだ。

 

風魔「風遁・旋風陣の術!」

 

そう叫ぶと、風魔の周りに紺色の竜巻が巻き起こり球状に包み込んだ。クリスは再度ガトリングガンとミサイル集中砲火が浴びせたが、クリスの集中砲火は旋風陣の強烈な風の防壁によって防がれた。さらに長綱はここぞとばかりにブレイカーを抜いてクリスに向けて構えると、

 

風魔「風遁・無風連刃の術!」

 

そう言ってブレイカーを振るった。クリスはとっさに構えたが、何も来なかった。

 

(え?不発?)

 

そう思った瞬間、クリスの全身が切り刻まれていた。

 

クリス「うわっ!これは一体?」

 

風魔のこの風遁・無風連刃の術はブレイカーから見えない幾重もの風の刃を相手にぶつけ、相手は当たって一定時間後にダメージが来るという術だった。風遁・無風連刃の術でミサイルランチャーと左腕のガトリングガンを破壊することに成功した風魔が次の手を繰り出そうとした瞬間だった。風魔に向けて大量のノイズが降ってきた。

 

「!!?」

 

旋風陣とブレイカーでノイズを一掃し、風魔がそのノイズが放たれた方向を見ると、杖らしきものを持った金髪の女性が立っていた。金髪の美女は風魔を見て、

 

「貴方が風魔ね?」

 

「ああ。いかにも。そういうお前は何者だ?」

 

「私はフィーネという者よ。」

 

「フィーネ?終焉という意味か。」

 

「貴方のその力、是非とも調べたいものだけど少し無理そうね。そこのクリスの状態もあるし。」

 

「フィーネ・・・・。」

 

「クリス、ここは一時撤退しなさい。私達の狙いは立花響よ。彼は後回しにしなさい。」

 

「分かった・・・・。」

 

クリスがフィーネの傍に来ると、フィーネは風魔に向き直り

 

「今日はこれで失礼させてもらうわ風魔。また会いましょう。」

 

「逃がすか!」

 

風魔は二人にバグヴァイザーを向けたが、フィーネが杖を翳すとノイズが風魔に向かっていったため、風魔がバグヴァイザーのビームモードで一掃した。すべて倒し終えた時には二人の姿はなかった。

 

「逃げられたか・・・。」

 

風魔はドライバーのレバーを閉じてガシャットを抜き取り変身を解除した。

 

『GASHUUN』

 

そして長綱はこうつぶやいた。

 

(あのフィーネという女が立花響を狙っていたのか。あの雪音クリスはそのフィーネの手先ということだったのか。それにしても、あの雪音クリスという少女・・・。)

 

フィーネという女も気になるが、交差点で見かけた、歌が嫌いでありながらイチイバルを使いこなしていた雪音クリス。彼女の過去に一体何があったか、どうしても気になった。そう考えていると、聞きなれた天羽奏と風鳴翼のバイク音が聞こえてきたので、その場からバイクが置いてあった場所に移動し、バイクに乗って走り去った。




補足:今回の仮面ライダー風魔の「ハリケーンクリティカルフィニッシュ」のイメージは第五帖のものをバージョン1、そして今回の第九帖のものが、最初のものをバージョン1、二番目のものをバージョン2とします。

①「ハリケーンクリティカルフィニッシュ」のイメージ・バージョン1

仮面ライダービルドが第14話で使用した忍者フルボトルを装填してのドリルクラッシャーのブレードモードでのボルテックブレイク。

②「ハリケーンクリティカルフィニッシュ」のイメージ・バージョン2

仮面ライダービルドが海賊レッシャーフォームで第12話で使用した海賊フルボトルを装填してのドリルクラッシャーのブレードモードでのボルテックブレイク。


小説の方、如何でしたでしょうか?
やる気の糧になるので、ぜひとも宜しければ感想&評価をよろしくお願いします!


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第十帖

お久しぶりです。
投稿遅れて本当に申し訳ありません!!
待っていた読者の皆様方には心よりお詫び申し上げます!!

オリジナル回ですが、どうぞ!!


あの雪音クリスとフィーネとの戦闘の2日後。

 

長綱は早速フィーネと雪音クリスの情報収集をしていた。

 

フィーネのことについては情報の少なさで詳細はよく分からなかったが、雪音クリスの情報については様々なことが判明した。

 

 

「雪音クリスの両親は世界的ヴァイオリニストの雪音雅律と声楽家のソネット・M・ユキネか。二人は音楽界ではかなり有名で、テレビにも出演していたからな。雪音クリスはその二人の間に生まれ、音楽界のサラブレッドと期待をかけられていた。だが、雪音クリスは幼少時に両親のNGO活動に同行して訪れた南米で内戦に巻き込まれて両親を失っている。その後捕虜となって人買いに売られ、奴隷同然の生活を送っていたのか。その後、国連軍に保護されるも、その後謎の失踪を遂げた・・・か。」

 

長綱は机から少し離れて考え込んだ。

 

(国の内乱や内戦はほとんど戦争と同じと認識してもおかしくない・・・。NGO活動とはいえ相当のリスクを想定しなければならない。軽はずみな気持ちで行けば、その戦禍に巻き込まれ自身の命を危険にさらしかねない。雪音クリスが歌を嫌いになったのはこれが原因だったのか・・・。分からなくもない・・・。自身の大切な両親を目の前で失ったんだからな・・・。)

 

 

この5日後に特異災害対策機動部2課のネットワークをハッキングしてその雪音クリスが立花響を強襲したのち、フィーネに見限られ失踪したという情報を長綱は入手することになったのだ。

 

「あの雪音クリスがフィーネに裏切られて失踪か・・・。予想外の展開だなこれは・・・。」

 

長綱がカフェオレを飲みながらマキナビジョン本社のオフィスで休んでいると、茜鷹が飛んできた。

 

「どうした茜鷹?ノイズが現れたか?」

 

そう茜鷹に聞くと、茜鷹は顔を横に振った。

 

「違うって?じゃあ、一体何があったっていうんだ?」

 

そう問いかけると、部屋の中に本社の警護に当たっていた他のディスクアニマル達が入ってきた。

 

「お前たちまで・・・。一体何があったんだ?」

 

すると、一体のディスクアニマルが長綱のズボンの裾を引っ張っていこうとした。長綱はそれを見て、

 

「付いて来いってことか?」

 

そうディスクアニマルに問うと、ディスクアニマル達がその道案内をするかのように部屋を出て行った。長綱は有事に備えてゲーマドライバー一式を持ってディスクアニマルに付いて行った。

本社を出て大体150mくらい離れたところまで来ると、ディスクアニマル達が止まった。そこには、やや細い路地裏につながる道があった。そこに何かがいると長綱は確信した。ゲーマドライバーを腰に装着して風魔に変身すると、バグヴァイザーを構えてゆっくりと道に近づいて行った。すると、ディスクアニマル達が躊躇なく路地裏に入っていった。長綱はディスクアニマルを制止させようとしたが、時遅く道案内をしていたほかのディスクアニマル達も中に入っていった。だがしかし、ディスクアニマルが動く音以外路地裏では何も聞こえなかった。さらに、消炭鴉が全く警戒してないのを見た長綱は、ディスクアニマルも警戒している様子がないことを確認して、つまり危険なものではないと判断し、躊躇なく路地裏を覗き込んだ。

そこには大勢のディスクアニマル達が何かを囲い込んでいた。その囲い込まれた中にいたものを見て長綱は驚いた。

 

「?・・・・ま、まさか!」

 

そこにいたのは、フィーネに見限られ失踪していた傷だらけの雪音クリスだった。

 

 

 

 

 

「うっ・・・ここは?」

 

「ここはマキナビジョンの医務室だよ。」

 

クリスが体を起こすと、近くに長綱の姿があった。

 

「アンタ誰?」

 

「初めまして。私はマキナビジョンのゲーム開発主任兼副社長代理を務めている南雲長綱という。怪我をして倒れていた君を見つけてここに連れてきた。」

 

「そう。ありがと。」

 

そう言ってクリスはそっぽを向いた。まるで助けなくても良かったと謂わんばかりだった。すると、長綱はこう切り出した。

 

「それにしても、君が日本に帰国していたとは思わなかったよ。・・・雪音クリス。」

 

「!?・・・なんであんたが私の名前を?」

 

「君の顔を見て誰かに似ているなと思っていたら、世界的ヴァイオリニストの雪音雅律と声楽家のソネット・M・ユキネによく似ていると思ってな。その子供の雪音クリスかと推測はしていたが、間違ってなかったようだな。」

 

「へえ。あんたみたいな人に知られてるなんてね・・・。」

 

「話を切り替えてすまないが、・・・君はこれからどうするつもりだい?」

 

「まあ、行くとこもねえからな・・・。」

 

そんな話をしていると、茜鷹がやってきた。

 

「こんな時に・・・。空気を読まないな、ノイズたちは。」

 

「ノイズだって!・・・・てか、何でノイズが現れたってわかるんだよ!」

 

「悪いな。今は急ぐぞ。」

 

そう言って長綱は部屋から出て行った。

 

「え!?・・・おい!ちょっと待てよ!」

 

クリスは長綱を追いかけて、部屋を飛び出した。

 

 

 

「追いついた。・・・あんた一体何者なんだよ?ノイズを追ってる見てえだけど、特異災害対策機動部2課の関係者でもねえ見てえだし・・・。」

 

「・・・・雪音クリス。君には少し謝らなければならないな。」

 

「謝るって、何を?」

 

「私は君に少し嘘をついた。さっき私は君に『初めまして。』と言っていたね。」

 

「ああ。初対面だったからな。」

 

「実は私は君に一度会っている・・・・・・()()姿()()()。」

 

「別の姿?・・・・・!?」

 

クリスはふと長綱が持っているものを見て目を見開いた。長綱が持っている二色の特徴的な物体。それは・・・。

 

「お前、それ・・・!」

 

そして長綱はゲーマドライバーを腰に装着して、ハリケーンニンジャガシャットを取り出した。クリスはようやく察した。目の前の長綱の真の正体を・・・。

 

「南雲長綱・・・。あんた、まさか・・・・。」

 

「そう。俺の名は南雲長綱。またの名を・・・」

 

『HURRICANE NINJA!』

 

『GASHAT!』

 

「・・・・・変身。」

 

『GACCHAN!』

 

『LEVEL UP!』

 

『MAKI MAKI TATSUMAKI』

 

『HURRICANE NINJA!!!』

 

「・・・・・仮面ライダー風魔だ。」

 

「あ、あんたが・・・・あの仮面ライダー風魔だったってのかよ?」

 

「そうだ。すまなかったな、隠していて。」

 

言葉が出ないクリスに、長綱はこう切り出した。

 

「雪音クリス。私はお前が聖遺物のイチイバルの装者だということはもう知っている。そして、君が歌を嫌いになった原因もね。・・・・雪音クリス。お前はそのイチイバルを使って復讐をするつもりなのか?」

 

「!!?・・・・・・ああ。そうだよ!私は両親を奪った戦争をなくしたい!そしてその戦争を引き起こした奴らを殺したい!だから、フィーネに「戦う意思と力を持つ者を滅ぼすことで思いが遂げられる」という考えにも乗ったんだ!!!

 

「・・・・・。」 

 

長綱はその彼女の思いを黙って聞いていた。

 

「・・・・けど、内心ではそれを疑問に思っちまった時があったんだ。本当にそれで、戦争はなくなるのかって・・・。それに、今フィーネに見捨てられた今、自分は何のために戦えばいいのか分からなくなっちまったんだ。・・・・こんなわたし、消えちまった方がマシだ・・・。」

 

「・・・・・雪音クリス。君は両親が大好きだったんだな。」

 

「え?」

 

「君が唄が嫌いっていうのは、裏を返せば君は唄がものすごく好きだってことになる。君の両親は音楽家だったしな。そばで歌や音楽が聴ける。その時間が君にとっては何より幸せだったってことがよく分かるよ。」

 

「俺はあまり音楽には詳しくないが、歌や音楽はその演奏者や作曲者、歌手の思いや気持ちがこもってこそ成り立っているからな。その思いや気持ちはその聴いている人たちにしっかり刻まれていく。それを一番近くで聴いていた君になら分かっているはずだ。その両親が歌に込めていた気持ちがね。」

 

「だからこそ、君はその思いを未来につなげるために生きるべきだ。そのためにも、今は戦わなければ。

・・・・君が未来を生きるためにもね。」

 

「っ!うわああああああん!!」

 

クリスは心の中で押し止めていた感情を抑えきれず、風魔に泣きついた。風魔は優しく抱き留めた。

 

「・・・・どうやら、ようやく本当の自分を見つけられたようだな。」

 

そして、クリスは泣き止むと、

 

「じゃあ、今は未来のためにも戦わなきゃな!」

 

そう言って、吹っ切れたかのようにイチイバルを展開した。

 

「さて時間があまりない。・・・では、行くか。・・・雪音クリス。」

 

「・・・・・ああ!」

 

長綱は消炭鴉に乗って、クリスはイチイバルを纏って飛翔した。

 

 

 

 

長綱は現場に向かっている途中

 

長綱「また、これでまた一人の心を救えたかな?・・・・・・・ねえ

 

 

 

 

 

 

 

 

()()。」

 

と心の中で呟いた。

 

 




今回は、雪音クリスの過去を知るとともに、彼女に自身が風魔だったことをカミングアウトし、クリスの心を救った長綱さんでした。






ご報告いたします!!

長綱さんのヒロイン一人目は・・・・、雪音クリスに決定しました!

もしかしたらまだ増えるかもしれないです。


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第十一帖

皆さん、お久し振りです。sti gc8です。
大学生活が多忙で投稿できずにいました。投稿再開します。

シンフォギアシリーズ完結おめでとうございます!!

今回は、デュランダル事件です。では、どうぞ!



雪音クリスと共にノイズの討伐を行って数日後。長綱は新しい風魔の武器を開発していた。長綱が武器開発をしていると、クリスが入ってきて菓子と飲み物を机の空いているところに置いた。

 

「長綱。菓子と飲み物持ってきたぞ。」

 

「ありがとう。そこに置いておいてくれ。」

 

「了解。」

 


 

 

 

クリスは長綱の正体を知り、その後のノイズの殲滅に協力した後、立花響や風鳴翼といった装者とも一応和解したようで以降協力するようになったようだが、その後が問題だった。一応特異災害対策機動部2課には自分の正体は明かさないようにクリスと契約したが、あろうことかマキナビジョン本社にやってきて、

 

「お前の家に住ませてもらうから、よろしく。」

 

と言い出したのだが、

 

「まあ、いいんじゃないかな?君の家も少し賑やかじゃないと。」

 

と社長も便乗して、雪音クリスは私の家に住むことになった。その後、雪音クリスは特異災害対策機動部2課本部が存在する私立リディアン音楽院に入学する事になった。私立リディアン音楽院には雪音クリスは私の家に居候させてもらっているということになっている。そんな感じで、はや数ヶ月くらい立っており新たな家の住人(雪音クリス)が増えた生活にも慣れ切った頃、クリスからこんな話が持ち上がった。

 

「デュランダルの護送?」

 

「ああ。三日後に行うことが決定したらしいぜ。」

 

「そういえば、デュランダルとは何だ?」

 

「聖遺物の一つさ。ウチのイチイバルは聖遺物の欠片から形成されているだろ。けど、デュランダルはその完全版である『完全聖遺物』なのさ。その存在は世界でもかなり希少なものでさ。」

 

「ほう。だとしたら、特異災害対策機動部2課にはかなり重要な案件じゃないのか?」

 

「ああ、そのようだぜ。元々、デュランダルは特異災害対策機動部二課本部最奥区画にて厳重保管されていたのだが、周辺に頻発するノイズの発生ケースから、政府は移送を計画したんだとさ。」

 

「なるほどね・・・。日本政府がね・・・。」

 

クリスが日本政府のことを口に出した時、長綱が嫌な顔をした。

 

「長綱?どうかしたか?」

 

「いや、日本政府の名が出てきてまたいつもの癖が出てしまった。」

 

「おまえ、日本政府が嫌いなのか?」

 

「ああ。自分は今の世界の政府や国連を信用してなくてね。唯でさえ、今の政治家はやけに自分の利益や保身に走る。今の政治の世界はそれが日常茶飯事さ。その影響でその地に住む人々が退廃していく悪循環だ。最悪の場合は紛争や戦争だ。」

 

「!!」

 

クリスは顔を青くしてハッとした。

 

「!?済まない・・・。お前に嫌なことを思い出させてしまったな。」

 

「・・・いいや。いいんだ。お前の言うとおりだ。・・・確かにこの世界は腐ってる・・!」

 

「だが、それだからこそ懸念しているのさ。()()()をね・・・。」

 

()()()?」

 

クリスが首を傾げた。

 

「言わすもがな分かるだろう?・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

俺のゲーマライダーシステムのことだ。」

 

「!?」

 

「クリス達や全人類が理解しているように、ノイズには現代の兵器は効かない。今までは、そのノイズを倒せるのはクリスのイチイバルや風鳴翼の天羽々斬の様な聖遺物の欠片で出来たシンフォギアしかないと考えられていた。しかし、そんな中、突然シンフォギア以外でノイズに対抗できるばかりか圧倒できる存在とシステムが出現したらどうだ?世界は当然その存在に注目し自分のものにしたがるはずだ。自分たちの利益のためにね・・・。そんな思惑が(風魔)の存在を血眼で探している腐った奴等(世界の政府や国連)らが目に見えて分かるからさ・・・。」

 

「確かにな・・・。」

 

クリスも深く考え込んだ表情をした。

 

「とはいえ、お前の元上司であるフィーネがいる以上、その護送がすんなり上手くいくと思わない。気をつけてな。」

 

「心配ご無用さ。」

 

長綱はクリスとの話の後、デュランダルについての情報を特異災害対策機動部二課からハッキングして情報を閲覧していた。

 

(デュランダル・・・。希少な完全聖遺物のひとつで、第5号聖遺物としてナンバリングされている。 数年前、EU連合が経済破綻した際、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府が管理することになった経緯があるのか・・・。だが、その名には「不滅不朽」の意味があり、起動すれば圧倒的なエネルギーを無尽に生み出す剣として機能するのか・・・。)

 

「少し、俺も準備しておいたほうがいいかもしれないな・・・。」

 

そう言うと、今さっき完成したばかりの弓と鎌の二つのモードを持つ黄色の新武器「ガシャコンスパロー」を見たのだった・・・。

 

 

 


 

 

そして三日後、長綱は()()()()の近くで待機していた。その場所とは無論、特異災害対策機動部2課本部が存在する私立リディアン音楽院の近くである。当然素顔を知られないために、スモーク付きのヘルメットを着用してバイクで待機していた。

 

 

その頃、特異災害対策機動部2課本部では、

 

「では、これからデュランダルの移送を開始するぞ!総員、配置につけ!響君!デュランダルは任せたぞ!!」

 

「はい!」

 

「私達は可能な限りお前の援護と護衛をする。」

 

「何かあったら響、お前がこの移送の鍵になるからな?気をつけろよ?」

 

「バカやらかすんじゃねえぞ。」

 

風鳴翼と天羽奏が響に近付いてそう言った。奏は風魔との邂逅から、これからの戦いを復讐ではなく自分や人々の未来のために続けていくことを決心し戦線に復帰していた。そして風魔のエナジーアイテム「回復」の影響もあってか普段よりもシンフォギアを纏える時間が増えていた。

 

響「分かってます!私は私の全力をします!」

 

「それじゃあ始めるわよ~!響ちゃんは私の車に乗って〜!」

 

そしてデュランダルを乗せた護送車は動き出した。そして響以外の装者たちを乗せた車も動き出した。長綱はその様子をひっそりと伺いながら、地道に建物を隔てての左側の道路をゆっくりとその一行と並走し始めた。

 

 

そして動き出してから20~25分くらいたった。長綱は建物を隔てての左側の道路をゆっくりとその一行と並走していた。すると、長綱が前方を見てあることに気づいた。

 

(道路が工事中か・・・。・・・仕方ない。)

 

長綱は道路を右折し交差点まで先回りすると、特異災害対策機動部2課がちょうど通り過ぎて行った。その後ろを一定の間隔で開けながら追跡した。

その長綱の動きを察知したものがいた。特異災害対策機動部2課の緒方慎次だ。

 

「指令、気付きました?」

 

「何がだ?」

 

「実は私立リディアン音楽院を出た後から、一台のバイクがずっと私達を尾行しているんです。」

 

「何?」

 

「「「「え?!」」」」

 

デュランダルを護送していた特異災害対策機動部2課の一同は声を上げた。

 

緒方はオペレーターの藤尭朔也に

 

「藤尭さん。我々の一行の後ろの映像を映せますか?」

 

「分かった。映すぞ。」

 

そして、モニターに映像が映った。

 

「ほら、この紺色と白のバイク。」

 

そのモニターには、一定の間隔をあけながら尾行している一台のバイクがあった。

 

「本当だ。うち等のことを付けてきてるな。」

 

「緒方さん、よく気付きましたね。一体誰だ?」

 

クリスはそのモニターに映っているバイクを見て、

 

「クスッ!・・・アイツ(長綱)、ついてきたんだ。」

 

「何?クリス、あのバイクに乗っている人物を知っているのか?」

 

「いや、あのバイクの色を見て大体見当がつくからさ。あのバイクは少なくとも敵じゃあないよ。」

 

クリスは悪い笑みを浮かべてそう言った。

 

そして、大きい橋に差し掛かった時だった。その向こう側に多くの工場の廃墟がある橋の下とその上空から大量のノイズが現れた。

 

「ノイズが出現しました。おそらく、デュランダルが狙いと思われます。」

 

「現れたか!奏・翼・クリス君!シンフォギアを装着してノイズを殲滅しろ!」

 

「「「了解!」」」

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

Killiter Ichaival tron

 

三人はシンフォギアを装着し、外に出ようとした時

 

「司令!後ろのバイクが・・・!」

 

「後ろのバイクがどうした?・・・・!?」

 

弦十郎が藤尭の方を振り返ったその時、外の方でバイクの音がした。

 

再び弦十郎が外を見ると、さっき後ろにいたバイクがノイズを吹き飛ばし、デュランダルの護送車と翼たちの護送車の間に割り込んだ。

 

「おい!貴様一体・・・・」

 

「翼!アイツの腰を見てみろ。」

 

「え?・・・あ、あれは!?」

 

よく見てみると、そのバイクの人物には特異災害対策機動部2課の誰もが知っている見覚えのある物体(ゲーマドライバー)がついていた。

 

「ま、まさか・・・!?」

 

そして、バイクの人物がその物体(ゲーマドライバー)のレバーを開くと、この世界を救い続ける謎の忍者の戦士「仮面ライダー風魔」に変身したのだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

長綱side

 

長綱は端から大量のノイズが発生したことを現認すると、ハリケーンニンジャガシャットを起動した。

 

HURRICANENINJA!≫

 

長綱はバイクに乗りながらガシャットを差した。

 

GASHAT

 

そして、二台の護送車の間に割り込み、そこのノイズをバイクで吹き飛ばした。そして、バイクを降りレバーを開いた。

 

長綱「変身!」

 

GACCHAN

 

LEVEL UP!

 

MAKI MAKI TATSUMAKI

 

HURRICANE NINJA!!!

 

GASHACON SPARROW

 

長綱はガシャコンスパローを弓モードで召喚し、ノイズを射抜いた。

 

STARDUST∞FOTON!

 

千ノ落涙!

 

BILLION MAIDEN!

 

すると、長綱の後ろから総社たちの攻撃がノイズを消滅させた。

 

「風魔、貴様どうやってここに来た!?」

 

「翼!今はデュランダルの防衛が先だぜ。」

 

「奏・・・。分かった。」

 

「でも・・・、まさかあんたがここに来るってことはウチらの計画(デュランダル護送計画)を知ってたってことだよな?どうやって知ったんだ?」

 

「・・・・・・・。」

 

「返答はしないってか・・・。でも、今はウチらの計画(デュランダル護送計画)に集中しねえとな。では、お先に!」

 

奏はそう言って、デュランダルの方のノイズに向かっていった。

 

すると後ろから、

 

「長綱。」

 

イチイバルを纏ったクリスが声をかけてきた。

 

「何だ?」

 

「完成したんだな?新武器(ガシャコンスパロー)。」

 

「ああ。今日はこいつの性能実験って言った感じかな。さあ、行くか。」

 

「おう!じゃあワタシもいっちょぶっ放してくるかな?!」

 

そう言ってクリスもノイズに向かっていった。長綱もスパローを手にノイズに向かっていった。長綱は弓モードでノイズを射抜いて射殺して行ったが、殲滅すればするほど増えていくノイズの様子を見てスパローのAボタンを押して、スパローを鎌モードに変更するとガシャットを装填した。

 

GASHAT

 

KIMEWAZA!

 

HURRICANE CRITICAL FINISH!』

 

長綱はスパローから紺色の風のエネルギーを纏わせて鎌鼬を形成しノイズを切り刻んだ。自分の周りのノイズを殲滅し終えて辺りを見回すと、装者達の姿がなくどうやら橋の奥の廃墟の工場に戦闘区域を移したようである。そして、長綱は忍者プレーヤーを率いて其方の方に向かった。

 

 

 


 

 

 

 

クリスside

 

私はデュランダルを載せている護送車周辺のノイズを掃除しているところなんだが、減らせば減らしていくほどノイズの数は増えていくばかりだ。

 

「畜生!キリがねえ!」

 

私はBILLION MAIDENによるガトリング砲の攻撃でノイズを攻撃していたのだが、長期間の砲撃でいよいよギアのガトリング砲が少しずつオーバーヒートしてきてた。その上、デュランダルがノイズを引き寄せているのか護送車の頭上にノイズが集中しつつあった。

すると、後ろから紺色の矢がウチが撃っていた宙域に炸裂した。見ると後ろには、こっちに駆けつけてきたのかガシャコンスパローを構えた風魔(長綱)がいた。

 

「クリス、大丈夫か?」

 

「ああ。なんとかな。・・・しかし、きりがねえ!」

 

「クリス、一斉砲火《フルバースト》だ。イケるか?」

 

私はギアにある武装を確認した。小型と大型ミサイルはまだ温存されていた。

 

「ああ!イケる!!」

 

「いくぞ!」

 

風魔(長綱)はスパローを弓モードに変更するとガシャットを装填した。

 

GASHAT

 

KIMEWAZA!

 

私は翼と奏と響に注意をかけた。

 

クリス「皆、少しどいてろ!ウチ等で少々ぶっ放す!」

 

「何!?」

 

「何だ?」

 

「え?!」

 

3人が後ろを振り返ると、

 

「食らえ。」

 

「これでも食らいやがれ!」

 

≪MEGA DETH QUARTET!!≫

 

HURRICANE CRITICAL FINISH!!

 

私はギア全体を固定砲台形式(ガトリング砲と小型ミサイルに加え、大型ミサイル4基を搭載させた状態)へと変形させて、風魔(長綱)はスパローから紺色の風の矢を大量に生成して、そこの広域を一斉砲火(フルバースト)した。翼や奏はその攻撃の射線上から急遽退避したが、響は間に合わず射線上に少し残ってしまった。ミサイルの数発が響のいた個所に炸裂したが、なぜか無傷だった。よく見ると桜井女史が目の前に立ちふさがって、バリアのようなものを発して響を守っていた。しかし、護送車が破壊されてしまったせいで、デュランダルが露になってしまった。

 

「響ちゃん。デュランダルを!」

 

「はい!!」

 

そして、響がデュランダルをつかんだ瞬間、

 

「な、何これ・・・?!アアアアアアア!!」

 

響をデュランダルが強烈な光で包み込んだ。

 

「何!?」

 

「何だ?」

 

「!?・・・あれは?!」

 

長綱が光の止んだところを見ると、全身を黒いエネルギーの線で覆われた立花響の姿があった。

 

 

 


 

 

 

 

長綱side

 

長綱は響を注意深く見て、ゲニンウェポンとガシャコンブレイカーを召還した。

すると、響はこちらを振り向いて、

 

「・・・・・・・ワス。」

 

「?!」

 

スベテヲコワス!!!

 

そう叫ぶと、黒い光とともに光の巨人と化し、剣状になったデュランダルを振って此方に攻撃を仕掛けてきた。剣から放たれたエネルギーを翼たちは受け止めようとしたが不朽のエネルギーを受け止め切れず、攻撃を受けてしまいギアを解除された。風魔(長綱)は二つのウェポンを交差させて受け止め切ったが大きく後退させられ、ゲージを減らされた。

 

(マズいな・・・!これ以上、立花響がデュランダルに支配されたらいろいろな意味で危険だ!!)

 

意を決した長綱はキメワザスロットホルダーにガシャットをセットした。

 

GASHUUN!

 

GASHAT!

 

そして、ホルダースイッチを起動した。

 

KIMEWAZA!

 

すると、長綱の後ろに100体の忍者プレーヤーが現れた。

 

「今回は出血大サービスだ!!」

 

さらにホルダースイッチを再起動した。

 

HURRICANE CRITICAL STRIKE!!

 

そして、風魔(長綱)と忍者プレーヤーの足に紺色のエネルギーが充填され、一斉に空中に跳び上がった。そして、一斉に同時に跳び蹴りを放つ「シノビタクティクスストライク」放った。

 

そこら中を暴れていた光の巨人となった響は、長綱の攻撃に気づき剣からエネルギーを放ったが、風魔のシノビタクティクスストライクを止めることはできず、もろに食らって爆散した。

 

爆発した後、特異災害対策機動部2課とクリスたちが見たのは、暴走が止まり気絶した響とデュランダルを抱えた風魔だった・・・・・。

 

そして、風魔(長綱)は響を預けると、特異災害対策機動部2課の制止を潜り抜けてバイクに乗って去っていった。

 

なお、デュランダルに関しては、永田町への移送を一時断念し、再度二課本部の最奥区画アビスへと格納されることになった。

 

 

 

 

 

 

 


 

補足:今回の風魔のハリケーンクリティカルストライクで放つ跳び蹴りの名前「シノビタクティクスストライク」は自分が命名しました。気に入っていただければ幸いです!

 

   そして今回のシノビタクティクスストライクは仮面ライダーオーズのガタキリバコンボのガタキリバキック(スキャニングチャージ)をイメージしてください!




シンフォギア完結改めておめでとうございます!
戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heavenはまだまだ続きますので何卒宜しくお願いします!

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第十二帖

最新話です!
そろそろ無印編も終わりに近づいてきました。
では、どうぞ!


デュランダル護送ミッション失敗から5日後、長綱は仕事部屋で考え事をしていると、少しはっとした顔をしてクリスに連絡を取った。

 

数分後、私服姿のクリスが仕事部屋に入ってきた。

 

「何だよ?お前がウチの事を呼び出すなんて。」

 

「ああ、すまない。お前を呼び出したのは言うまでもなくフィーネの事だ。」

 

「!?・・・奴の事か・・・。」

 

「ああ。・・・クリス、お前はフィーネとは最低でも2年以上は行動を共にしていたんだよな?」

 

「そうさ。まあ、(フィーネ)にとってウチは駒同然の存在だったのかも知んねえけどな。」

 

「それで・・・・、クリスは(フィーネ)の詳細については分からない感じか・・・。」

 

「ああ・・・。(フィーネ)のところにいた時は自分のことで精一杯だったしな。」

 

「そうか・・・。ありがとう。」

 

「でも、長綱。何で、急にフィーネのことを聞き出すんだよ?」

 

「実はな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「何!??(フィーネ)が誰なのかをか?!」

 

「ああ。」

 

「それで、一体誰なんだよ?」

 

「あくまで、仮説だ。本当かはわからないがな・・・。まあ、とにかく言っておこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おそらくだが、フィーネの正体は、□□□□の可能性がある。」

 

「何だって?!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

長綱とクリスのフィーネについての対談から6日後の木曜日。朝日が上り、道路に学生やスーツ姿の人が見え始める午前8時のたまプラーザ駅。そのの前に響と未来はいた。

 

「うーん!!空気がいい!!久しぶりだね。未来と多摩市に来るの。」

 

「そうだね。よくここの空気を吸いにきたよね。」

 

「うん!なつかしいなあ。これからも遊びに来れればいいけどなあ。」

 

「そうだね。・・・話題少し変わるんだけど、そういえば雪音クリスちゃんって今どこに住んでるんだろう?」

 

「確かにそれ気になってたんだ!今度聞いてみよう!」

 

そんな談笑をしていた時だった。二人が持つ通信機が電波を受信した。二人は通信機を取り出す。見ると、弦十郎からの緊急通信だっただった。

 

「はい。立花響です。」

 

「小日向未来です。」

 

『突然で済まない!緊急事態だ!街に飛行タイプの超大型ノイズが四体出現したのを確認した!』

 

「よ、四体もですかッ!?」

 

『ああ。それらは全て一直線に東京スカイタワーに向かっている。そこは我々二課が活動時に使用している映像等の電波情報を統括制御する役割も備わっている。なんとしてもスカイタワーを死守してくれッ!』

 

「了解しました!で、ですけど、今私達がいる多摩市からスカイタワーまでかなりの距離がありますけど・・・・。」

 

『そこら辺は問題ないッ!』

 

そう言う弦十郎の言葉に、二人が疑問を抱いた時だった。突如、上から突風が吹いた。見ると、そこには一機のヘリが降りてきていた。

 

『不可能を可能にするのが俺たちの仕事だッ! それに運んでもらえッ!』

 

「「りょ、了解ですッ!」」

 

二人を乗せたヘリはスカイタワーに急行していった。

 

 

数分後。ヘリは街の上空を飛ぶ超大型ノイズの上へ来た。

 

「響君!君を下ろしたら、ヘリは万事に備えタワーから離れる!いいね?」

 

「分かりました!行ってくるよ、未来ッ!気を付けてね、未来!」

 

「行ってらっしゃい!響こそ!」

 

響はヘリから飛び降り、聖詠を唄いギアを装着した。

 

Balwisyall Nescell gungnir tron・・・」

 

響は落下の勢いを利用して必殺の一撃を放ち、超大型ノイズに大穴を開け、撃破した。

 

 

 

響が道路に着地したちょうどその時、翼と奏がバイクで駆けつけた。

 

Imyuteus amenohabakiri tron・・・」

 

Balwisyall Nescell gungnir tron・・・」

 

翼はバイクから飛び降り、シンフォギアを纏う。そして、すぐさま超大型ノイズに向かって『蒼ノ一閃』を放つ。しかし、その斬撃は周りに飛んでいた小型ノイズに拒まれ、超大型ノイズに届くことはなかった。

 

「翼さん、奏さん!」

 

「おう!立花!」

 

「奏!挨拶は後にして! 今は少しばかり荒れるぞ!!・・・・立花、奏!上!」

 

「!?」

 

翼の言葉に、響たちはすぐさまその場から飛びのいた。すると、先程までいた場所に飛行タイプの小型ノイズが大量に突き刺さった。空を見ると、100体以上の同じようなタイプのノイズが大量に飛来してきていた。

3人が上空のノイズに向かって攻撃する。しかし、そのノイズたちはそのさらに上からの攻撃ですべて消滅させられた。

みると、イチイバルを装着したクリスと仮面ライダー風魔が消炭鴉に乗ってガトリング砲とガシャコンバグヴァイザーを構えているのが見えた。

 

「あ!!クリスちゃんに風魔さん!」

 

「雪音に風魔!」

 

「全く!おまえたちは無防備すぎるんだよ!!」

 

そう言うと、クリスは風魔と共に鴉から降りてきた。

 

「ちぇっ!!・・・手数がこっちに分があるとはいっても、こんだけ多いなんて聞いてねえぞ!!」

 

「クリス。・・・どうやら、空だけではみたいだ。」

 

風魔は一体の超大型ノイズに視線を向けさせた。その個体から大量の小型ノイズが生成されていた。他の個体からも同様のことが起こっていた。あっという間に道路のすべてがノイズに占拠されてしまった。

 

「オイオイ。マジかよ・・・。」

 

「まさか、ここまで増えるとはな。」

 

「こんなにたくさん・・・ッ!」

 

「怖じ気づくなッ! 今この場でノイズを倒せるのは私たちだけ! 我々が守らずして、誰が人々を守るの?!」

 

「翼さんッ・・・はいッ! 分かりましたッ!」

 

「全く。風鳴翼。お前はいつも固くなりすぎだ。」

 

そう言うと、風魔はガシャコンバグヴァイザーを構えた。その風魔の両脇に4人の忍者プレーヤーが出現した。翼たちもそれぞれ構えた。そして、風魔はガシャコンバグヴァイザーのビームモードでノイズを狙い撃ちにし、忍者プレーヤーはゲニンウェポンから青色のクナイ型の手裏剣を生成してノイズを攻撃していった。

 

長綱はキメワザスロットホルダーにガシャットをセットした。

 

GASHUUN!

 

GASHAT!

 

そして、ホルダースイッチを起動した。

 

KIMEWAZA!

 

さらにホルダースイッチを再起動した。

 

HURRICANE CRITICAL STRIKE!!

 

そして、風魔(長綱)の風魔双斬刀と忍者プレーヤーのゲニンウェポンに紺色のエネルギーを帯び、風魔はそのエネルギーを帯びた双斬刀をクロスさせて、忍者プレーヤーはゲニンウェポンを低く構えて、風魔は十字型の斬撃波を、忍者プレーヤーは横一線型の斬撃波を飛ばした。その斬撃波はそこら中にいたノイズの二分の一をあっという間に切り刻み消滅させた。

 

響や他の装者達は変身を解除し、その場に集合した。風魔は少し離れたところでその場を静観していた。

 

「皆、お疲れ様!タワーと街を死守できたよッ!」

 

「でも、今回はかなりの数だったな。」

 

「そうだね、奏。こんなノイズの大量発生今回が初めてかも。」

 

「ああ。・・・だけど、あんたは相変わらず強いな、風魔。」

 

天羽奏はそう言うと、此方を向いて話を振ってきた。

 

「そうかな?強さなどの価値はそれぞれだが、私は深く考えたことはないぞ。」

 

長綱(仮面ライダー風魔)はボイスチェンジャーを使ってそう返した。

 

(だが、何なんだ?・・・この違和感は?)

 

長綱はノイズを倒したにもかかわらずまだこれから何かが起きようとしているような雰囲気に警戒感をより一層募らせていた。

 

長綱を除いて、他の面々は戦闘後の平穏を噛み締めていた。しかし、それは頭上からのヘリの突風と緊張感ある呼び声によってすぐに終わりを告げた。

 

「響!響!た、大変だよ!!」

 

「未来?!どうしたの?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来「リディアンが・・・リディアンがノイズに襲われたって!」

 

 




今回はここで切ります。
次回、フィーネ戦です!


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第十三帖

読者のみなさん、間が開いて非常に申し訳ありません!!
投稿不定期ですが、再開します!
では、どうぞ!


「リディアンが・・・リディアンがノイズに襲われたって!」

 

「ええ!!?」

 

「何だと?!・・・リディアンが!?」

 

「そんな・・・!」

 

響を含めた装者たちは狼狽した。

 

「やはり、そういうことだったのか・・・。」

 

()()()()()()()()()()()って、どういう意味ですか、風魔さん。」

 

「単純な話だ。ここのノイズの襲撃はリディアンを襲撃する為のカモフラージュつまり陽動だったということだ。」

 

「つまり、我々の意識をリディアンからそらすためというわけだったのか。」

 

「それに、・・・大量のノイズが出てきたとなると必然的に(風魔)も出てくる可能性が十分高いしな。そうとなれば、リディアンは完全に手薄となるわけだ。」

 

「そんなことをやらかす奴は、たった一人しかいない・・・!!」

 

「・・・ああ。フィーネだ。」

 

「フィーネ?」

 

「今回のノイズの事件を起こした張本人さ。元々()()()()()()人間だよ!!」

 

()()()?」

 

「その話はあとだ。今はリディアンに向かおう。」

 

そういうと、風魔たちはリディアンに向かった。

 


 

リディアンに装者達が向かっている数分前、二課本部では・・・

 

「くっ・・・。まさかここまでとは。」

 

緒川慎次はリディアンのこの惨状に唯拳を握ることしかできなかった。そして、疑問を浮かべた。

 

(・・・だが、それ以上に何か妙な胸騒ぎがする。)

 

(ノイズは装者や風魔があらかたの大量のノイズを掃討したのとほぼ同時刻にリディアン(ここ)にノイズが襲撃してきた・・・。こんな偶然があり得るか?)

 

(・・いいや!装者が全て出払っているということは二課の人間しか知らないはずだ!!)

 

(・・・ということは、まさかこの襲撃は・・・!)

 

そう緒川が思いかけた時、右肩を鋭い痛みが襲った。

 

「なっ・・・・何?!」

 

突如攻撃を受けた緒川は痛みに耐えながらゆっくりと後ろを振り返った。

 

そこには、「ネフシュタンの鎧」を纏った謎の女が蛇腹剣で緒川の右肩を貫いていた。女の後方を見てみると、本部の皆が全員倒れていた。おそらく謎の女に倒されたのだろう。

 

「あ・・・あなた、一体何者だ?どこから入った?」

 

「あら?『何処から入った』というよりは、元々私はここにいたわよ。」

 

「!!?・・・その声、櫻井女史?!い・・一体どういう・・・?!」

 

「どうもこうもないわよ・・・。これが、櫻井了子の本当の姿『フィーネ』だったということよ。」

 

「・・・そ、そんな。櫻井女史・・・、あなたが『フィーネ』・・・!?」

 

フィーネは緒川の右肩を貫いていた蛇腹剣を引き抜いた。

 

「でも、まさか。ここまでことがうまく運ぶとは思ってなかったわ。スカイタワーの方にノイズをばら撒いたことで装者達や風魔があっちに集中したことで、此方が手薄になった今が好機だと考えたのは正解だったわね。」

 

「おかげで、十分な時間稼ぎができた上に、この本部の守備戦力はほぼ皆無・・・。デュランダルを手に入れるのに大きく手間が省けたわ。」

 

「ま・・・まさか、あなたの狙いはデュランダルだったんですか?!!」

 

「ええ。・・・まあ、実際にはそれだけじゃないけどね。・・・では、行こうかしら。緒川君に二課の皆、さようなら。」

 

緒川「ま、待て・・・!!」

 

緒川の呼び止めを無視して、フィーネはエレベーターで最下層に向かっていった。

 

やがて、エレベーターが最下層に到達した。そして、扉に向かおうとした時だった。

 

 

 

 

「待ちな。」

 

 

 

しかし、突然どこからともなく声が聞こえたかと思いきや、突然天井が粉砕され瓦礫と共に何かが落ちてくる。

 

そこから現れたのは、やはり・・・・

 

「私をまだ、その名で呼ぶつもりなの?」

 

「女に手を挙げるのは正直気が引けるが、二課の皆に手を出した以上黙って見ているわけにもいかないしな。悪いがお前をぶっ倒す!」

 

二課司令・風鳴弦十郎だった。おそらく、この場所のかなりの硬い筈の鋼鉄の壁をぶち抜いてここまでやってきたのだろう。

 

「改めて思うが、どうやったら人間の力で壁を突破してここに来られるのだ?・・・本当に人間をやめているわね。」

 

「そりゃあ、自分がよく分かっているさ。」

 

「だがよく私がここを狙っていることと私の目的に気付けたな?」

 

「うち等の調査部だってそこらの盆暗とは違う。それに米国政府さんのおかげで、俺はお前の行動に遅れながらも気づけていた。後はあえてお前の策に嵌められたと見せかけて、シンフォギア装者を全員あっち(タワー)の方に動かしたのさ。まあ、(仮面ライダー風魔)も来てくれるとは思っていなかったが。」

 

「陽動と陽動のぶつけあいをしたというわけね。まさかお前がここまで食えない男だったとはねぇ。だが、この私を止められるとでも思っているのかい?」

 

「そりゃあ愚問だろ。さて、とっちめせてもらおうか!」

 

なんの迷いもなくというか戸惑いもなく答える弦十郎。

 

地面を蹴り砕いてフィーネに詰め寄ろうとする弦十郎。それを阻止すべく蛇腹剣を振るうも右肩に掠めただけだったが、フィーネは蛇腹剣をコントロールして剣先を湾曲させ背後から彼を襲おうとしたが、これも躱された。弦十郎は天井の出っ張りを掴み、そのまま体を持ち上げて天井に足を付けた後、天井を思い切り蹴りつけてとてつもないスピードで落下してきた。

 

そしてそのスピードを上乗せした拳を振り下ろしてくる弦十郎に、フィーネは蛇腹剣をアンカー代わりにして壁の突起に引っ掛けてギリギリの所で避けるも彼の拳の掠った鎧の部分にひびが入った。

 

「何・・・!?」

 

これには、さすがに驚いて距離を取るフィーネ。

 

鎧はすぐさま修復するが、フィーネは険しい顔で弦十郎に視線を移す。

 

「まあ、このまま易々目的のものが手に入るとは思っていなかったが、これは少しばかり本気にならなくてはな。」

 

すると、フィーネは蛇腹剣をどういう訳か床に突き立てた。弦十郎は不審に思ったが足元に意識を向けてすぐさま理解し、そこを飛び退けた。すると弦十郎がいたところを赤いエネルギーの柱が突き抜けて天井を貫通した。そして飛び退け着地した場所にまたしても赤い光の柱が突き抜けていき、避けきったところに弦十郎の拳が突き出された。

 

フィーネは蛇腹剣を戻して受け止めたがその尋常ならざるパワーにだんだん押し負けていき、押し負けた瞬間蛇腹剣をつかまれ、さらに鎧によって重量が増している筈のフィーネを軽々と振り回し、そのま真壁に勢いよく叩きつけた。

 

そのまま壁に叩き付けられるフィーネ。

 

「グッ・・・・!!」

 

思わず呻き声をあげるフィーネ。

 

(まさかここまで完全聖遺物が力負けするとは・・・!?一体どうなっている・・・!?)

 

その心の中でのフィーネの問いに、弦十郎はこう言い返した。

 

「飯食って映画見て寝る!男の鍛錬はそれだけで充分!」

 

その過程で、一人の少女(立花響)が鍛えられているのだから少なからず納得がいく。

 

「だが所詮は生身の人間だ・・・!」

 

フィーネはすぐさまソロモンの杖を取り出し弦十郎に向けるが・・・・

 

「させるか!」

 

すかさず弦十郎が床を踏み砕いて飛び散った破片を蹴り飛ばす。

 

「フン!!甘いわ!」

 

フィーネはそれを弾き、ノイズを召還させようとするが・・・・。

 

「甘いのはどっちかな?」 

 

弾かれた破片で発生した埃などでできた煙がフィーネの視線を遮った瞬間に弦十郎はフィーネの懐に潜り込みアッパーカットを繰り出した。アッパーは直撃し、ソロモンの杖が天井に突き刺さる。

 

「何ッ!?」

 

そしてすかさず、弦十郎がそのまま回し蹴りでフィーネを蹴りとばした。そして二度不叩き付けられたフィーネに

 

「今度は避けられないぞ!」

 

素早く間合いを詰めた弦十郎の繰り出した拳は、間違いなくフィーネに直撃するものだった・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弦十郎君!」

 

一瞬、フィーネの顔が了子のものに戻る。

 

「・・・ッ!?」

 

それを見た瞬間、弦十郎の動きが完全に停止した。それをフィーネが見逃す訳がなかった。

 

次の瞬間、刀身を垂直に戻した蛇腹剣を持った右手が、弦十郎の腹を貫いた。

 

「ッ!!!」

 

蛇腹剣を引き抜かれ倒れた弦十郎の体を中心に、血溜まりが広がる。

 

「所詮は貴様もただの人間・・・!抗うも、覆せないのが運命なのだ・・・!」

 

弦十郎の横を通り抜け、ソロモンの杖を回収する。

 

そう言って、フィーネはデュランダルが保管されているアビスへと続く道を開け、そして、どこで手に入れたのか二課の通信機を取り出し、認証パネルにかざしそのまま扉の向こうに入ろうとした瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、その運命を決めるのは貴様じゃない・・・。」

 

そう後ろから声が聞こえ、フィーネの横を紫色の弾丸が通り抜けて行った。

 

フィーネが振り向くと、そこには装者達とガシャコンバグヴァイザーを構えた仮面ライダー風魔の姿があった。




久しぶりの投稿です!!今回はここでいったん切ります!
感想・評価ぜひよろしくお願いします!!


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第十四帖

皆さん、大変お久しぶりです。SOLUNAです。そして、大変遅いですが明けましておめでとうございます。
最近、大学の学業とハーメルンの他に書いている小説で全く手がついていませんでしたが、、とある理由が出来て再び小説の投稿を再開しました。
「戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heaven」を気に入ってくださった方々、大変お待たせしました。
では、どうぞ!


風魔たちがリディアンに到着すると、リディアンはノイズの襲撃により地獄絵図と化していた。未来が学園の避難シェルターに移動するのを確認すると、ノイズを退けながら特異災害対策機動部二課に向かうのだった。

 

エレベーターを降りると、そこには惨憺たる光景が広がっていた。本部は所々破壊され、資料や設備の破片などが散乱し無残な姿に成り果てていた。そして、緒川慎次や藤尭朔也など二課の人々がけがを負って倒れていた。

 

「ひどい・・・!!」

 

「そんな・・・!緒川さん!藤尭さん!」

 

「何で二課がこんなことに・・・!」

 

「師匠の姿も見当たらない・・。まさか、こんなことになるなんて・・・。」

 

装者達が辺りを見て狼狽していると、長綱が翼に質問した。

 

「風鳴翼。デュランダルはどこに保管されている?」

 

「え・・・?なぜ、デュランダルを?」

 

「いいから、答えろ!」

 

「リディアンのこの本部の最下層だ。そこに保管されている・・・。」

 

「すぐに案内しろ。」

 

「わ、分かった・・。だ、だが何故デュランダルを?」

 

その問いにクリスが答えた。

 

「ここを襲った張本人の狙いはデュランダルなんだよ!」

 

「何だって!」

 

「で、でも風魔さん、クリスちゃん。なんで犯人の狙いがデュランデルだって分かったんですか?」

 

「説明は後にしてもらえるか。俺と雪音クリスは先を急ぐ。装者達は人々の救護を少しの間頼む。」

 

そういうと風魔達はエレベーターで最下層に向かっていった。

 


 

エレベーターが最下層に着いて扉が開き、風魔とクリスが中に踏み込むと最下層は戦いの後なのか瓦礫が散乱していた。よく見ると誰かが血が付いた剣を持って風鳴弦十郎を見下していた。

 

風魔とクリスはその人物が誰かを知っていた。

 

(やはり、((フィーネだ。))

 

「・・・・・!抗うも、覆せないのが運命なのだ・・・!」

 

そのフィーネは風鳴弦十郎に向かってこういった後、デュランダルが保管されている扉に向かおうとしていた。

 

「だが、その運命を決めるのは貴様じゃない・・・。」

 

そう言って風魔がガシャコンバグヴァイザーをガンモードで構え、発砲した。

 

銃弾はフィーネの横を掠め、扉に銃痕を穿った。そして、フィーネは後ろを振り返った。

 

「あら。遅かれ早かれ来るとは思ってはいたけどね、クリス。・・・・そして、風魔。」

 

「ほう。俺の事も気に留めているとは少し意外だな、フィーネ。」

 

「お前がここに来ることはあたし達は分かってたんだよ、フィーネ!・・・いいや、ではこういう呼び名だっけか?・・・櫻井了子?」

 

そう言われフィーネは少し驚いた顔をした。

 

「あら。私の正体が分かった訳?司令以外にも私の正体に気付いている人間がいるなんて。・・・一体、どうやって知ったの?」

 

「俺が教えた。()()()()()()()()()()。」

 

そう風魔が言うと、フィーネは険しい視線を風魔に送った。

 

()()()()()()()()??・・・まさか、風魔。()()()()を知っているの?」

 

「ああ、()()()。」

 

そう答えた風魔に、フィーネはさらに険しく風魔を睨みつけた。

 

「・・・そうなると、少し用事が増えることになりそうね。クリスそして風魔。貴方達には消えてもらうわ!!」

 

「ハッ!!・・・消えるのはお前だよ!フィーネ!!」

 

クリスはイチイバルのアームドギアのクロスボウをフィーネに向けて構えた。

 

風魔もガシャコンバグヴァイザーをガンモードで構えた時だった。

 

 

 

「風魔さーん!!クリスちゃーん!!」

 

自分達を呼ぶ声が聞こえ、風魔とクリスが振り返ると上の人々の治療を終えたのか装者達が駆けつけてきた。

 

「二人とも大丈夫?・・・って、あの人は?」

 

「後で答えてやる。それよりも誰か風鳴弦十郎を手当てしてやってくれ。」

 

「・・・・お、叔父様!!」

 

「司令?!大丈夫ですか?!」

 

三人が風鳴司令に駆け寄った。

 

「大丈夫だ。死ぬほどの傷じゃない。遠くに運んで治療をしてやれ。」

 

風魔はそういうと、改めてフィーネに向き合った。

 

「さて、貴様を奥の部屋には行かせ「てめえ、よくも司令を!」・・待て!天羽奏!」

 

風魔がガシャコンバグヴァイザーを構え直すのと同時に、天羽奏がフィーネに向かって突っ込んでいったのだ。

 

「お、おい!馬鹿!一人で突っ込むな!」

 

風魔とクリスの制止も聞かず、奏はフィーネに向かって突っ込んでいったのだ。

 

フィーネ「フッ、感情任せに突っ込んできたのは間違いだったわね!」

 

そう言うが早く、フィーネは左手にもう一本の蛇腹剣を出現させ、奏の槍を弾いた。槍を弾かれてできた隙をフィーネが見逃す訳がなく、ネフシュタンの鎧の鞭で弦十郎と同じ様に蛇腹剣で腹を貫かれた

 

「・・・・!!?ガフッ・・・!」

 

腹を貫かれ、口から鮮血を吐きながら奏は倒れた。

 

「奏さん!!」

 

「奏!!」

 

倒れた奏の傍に、響と翼が駆けつける。

 

「あのバカ!・・・言わんこっちゃない!」

 

「・・・・・。」

 

風魔とクリスも駆け寄るが、クリスは奏の様子を見て心配しつつも歯切れ悪く見つめていた。

 

すると、風魔が口を開いた。

 

「フィーネ。お前に質問がある。」

 

「あら。何かしら?風魔?」

 

「お前が二課に拠点を置いて櫻井了子として潜伏していた目的は、特異災害対策機動部二課本部に偽装する形で、巨大な荷電粒子砲『カ・ディンギル』を建造していた事で間違いないな?」

 

「ええ。ご名答よ。」

 

「え?!こ、この二課が兵器?!」

 

翼はその話を聞いて驚愕していた。

 

「だが、その兵器とデュランダルを何に使うつもりなんだ?」

 

「そうね、まああなたたちを処分する前に教えてあげるわ。私の目的をね。」

 

「私はかつて風鳴翼のシンフォギア稼働実験に反応して了子に憑依して人格を支配した先史文明の巫女の亡霊よ。」

 

「先史文明?」

 

「・・・。」

 

先史文明という慣れない言葉が出てきて響達が戸惑う中、風魔は冷静に聞いていた。

 

「そして、私はとあるものに恋をしていた。神々と呼べる種族『アヌンナキ』の一人であり、神の一柱であるエンキよ。」

 

「『アヌンナキ』?シュメールおよびアッカドの神話に書かれていた神々か。」

 

「あら。風魔、貴方はかなり博識ね。」

 

「・・・・。」

 

「私はエンキに想いを伝えるためにバベルの塔を建設していた。けど、現実の旧約聖書にあるように塔は砕かれ、人類は統一言語を奪われ、人類は相互理解が出来なくなり、私は思いを伝えることが出来なくなってしまった。」

 

「そこで私は己の恋心を拒絶した神への妄執を原動力に、人の言語と思想を分断する監視装置である月の破壊を企てたという訳よ。」

 

「そして、その月を破壊する兵器をこの特異災害対策機動部二課本部に偽装する形でその月を破壊する兵器を建造していたという訳か。」

 

「ええ。この特異災害対策機動部二課本部のエレベーターシャフトに偽装する形で建造していたのよ、巨大荷電粒子砲『カ・ディンギル』をね!」

 

「この特異災害対策機動部二課本部のエレベーターシャフトが兵器?!」

 

翼はその事実に唯驚愕するしかなかった。だがフィーネはさらなる衝撃的な真実を口にした。

 

「でも、ここまでの道のりにはかなりの苦労と時間を有したわ。けど、私はやり遂げた。中でも、一番苦労したのはデュランダルの捜索・入手だったわ。けど、それも何とかうまくいったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

フィーネ「天羽奏の両親を調査隊として派遣したことで、ノイズ達の気をそらせることでね!!」

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

「な・・・何だって!!」

 

「そ・・・そんな・・・!」 

 

奏は衝撃的な事実に呆然とし、翼と響は大きい衝撃を受けていた。そんな中、風魔とクリスだけは冷静だった。フィーネの本性を何より知っていたからだ。

 

「それで、天羽奏の家族を犠牲にデュランダルを手にしたということか。」

 

「ええ、奏ちゃん。貴方の両親はいい犠牲駒になってくれたわ。本当にありがとう。」

 

その言葉を聞いた奏は肩を落とし俯いた。そんな姿を風魔は一瞥すると、改めてフィーネに向き合った。

 

「残念だが、フィーネ。お前に月は破壊させない。」

 

「あら。でも、貴方の実力が未知数でも、この私を止められるかしら?止められるものなら、止めて見なさい。」

 

「ああ、止めてやるよ。あたし達でな!!」

 

そう言って、風魔はガシャコンバグヴァイザーを、クリスがクロスボウを構えた瞬間、天井が崩落して二人の視界を遮った。

 

「何?」

 

それを確認すると、フィーネはデュランダルが保管されている場所に歩んでいった。

 

「奴は俺と雪音クリスが追いかける。お前たちは天羽奏を頼む。」

 

「分かりました、風魔さん。」

 

「分かった。すまない、恩に着る!」

 

そう言って風魔とクリスはフィーネを追いかけて行った。

 

風魔はふと時間を確認していた。

 

(まだか・・・。フィーネに勝つには()()しかない。)

 

風魔はフィーネに勝つとっておきの秘策の到着を待ちわびていた・・・・。




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