鯖へ転職 魔女のパンツは最高だぜ (生肉トング)
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触媒はパンツ(プロローグ)

パンツはいい。とてもいい。吸う、舐める、被る、履く。いろいろな用途に使える。
特に魔女のパンツは万物万象我の更に上をいく。
持っているだけで心が躍り魔力量が、魔術の威力が上がる(当社比)
やっぱ魔女のパンツは最高だぜ!!



その男は生涯パンツを持っていた。

トイレの時も決戦のときも棺桶に入り家族に見送られた後も...

自分を導いてくれた人のパンツを生前お守り代わりに持ち歩いていた男が第5次冬木の聖杯戦争にサーヴァントとして呼びだされた

 

 

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メディアは困った。そうパンツだ。

現在彼女の下着は金の羊の毛皮を使った毛糸のパンツであった。

魔女メディア。彼女は聖杯戦争のためサーヴァントとして召喚されたものの、数日で召喚者に見切りを付け、殺害し、逃亡した。

その際、召喚の触媒として用いられた金羊の皮(アルゴンコイン)の処置をどうするかで少々頭が痛かった。

 

金羊の皮(アルゴンコイン)これは「地に放ると竜が現れる」がメディアは「幻獣召喚能力がないためこの用途では使用できない」

召喚者の拠点に置いていくとまたぞろこれを見つけた魔術師に悪用されかねない。

自身で持っていてもほとんど利益は無いが放っておくのもよろしくない。

ならば持ち歩いて盗まれないようにすればいい。

さらに言えば身に着けて外したらわかるようなものがいい。

 

そうだパンツだ。

 

思い立ったが吉日。彼女は金羊の皮を加工し金羊毛パンツにした。

ただこの毛糸のパンツ欠点がある。羊毛なので履くとチクチクするし履き続けていると少々蒸れる。

暖かいというのは利点だがサーヴァントは温度の変化には強い。

そして最大の欠点だが「ダサい」

金羊毛のパンツはお腹すっぽり太ももぴっちり分厚さもったりで非常にダサかった...

 

履いては脱ぎ、履いては脱ぎ、溜息を付き履いては脱ぎを繰り返す。

もうなんだってこんな下着に悩まなければと思うものの、もうすでにことは成ってしまった。

聖杯の知識から羊毛なら腹巻もアリだよ!という情報も受信したがそれはそれでなんだか嫌だ。

というわけで魔力不足の回らない頭で考えたがとりあえず予備の下着をと召喚者をころしてから一番に探したのは羊毛以外のパンツであった。

召喚者の魔術師が拠点としていた工房には魔力に変換する用の触媒という名の身元不明者(人間)がいたのでそれに履かせるパンツ(木綿製)をせしめて各種サイズを履いて脱ぎをまた繰り返しこれだとしっくりとくるパンツをやっとこさ見つけて

さあこれで快適下着ライフと羊毛パンツの下に履こうとしたところでエレベーターの扉が開いた。

 

メディア、ランサーとエンカウト!!

 

エレベーターの搭乗口から登場したのは首を振り溜息を吐くランサーだった。

 

ギルティランサー!!

 

情けない所を見られ恥ずかしいやら情けないやらいろいろな感情が瞬間沸騰したメディアはパンツを握ったままサーヴァントを召喚した。

 

ここで偶然が必然となって奇跡が起こる。

メディアが握っていたパンツは偶然にもとある人物が師と仰ぎ生涯を共にした人物が履いていたパンツと全く同成分、同製法、さらに繊維の一本まで縫製が一致。

何より肝心なことに”魔女の体液”が付着していた。

 

偶然は必然、運命となってパンツが触媒の英霊が召喚される。

 



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ランサーは幸運E

「つまらん仕事させやがって」

ランサーはマスターから命じられた仕事を成すため魔術師アトラム・ガリアスタの工房へと向かう。

聖杯戦争参加者である魔術師アトラム・ガリアスタから自身のマスターへ依頼された“キャスターを討つ”と命を果たすがためキャスターが工房として潜伏している施設へ踏み込む。

外見は周囲の風景に埋没するようなオフィスビルだったが何十階とある高層ビルのためどこにキャスターが潜んでいるのか罠がどこぞに仕掛けてあるのか入ってみないことにはわからない。

実際にはキャスターが下着の吟味に時間をかけすぎて罠など一切ないのだが。

 

いちいち毎階を調べるなど面倒だとランサーはエスカレータへ乗り込み適当な階のボタンを押す。

-まぁ地道にいくか。時間をかけるなとマスターから言われなかったしな

不運だったのはランサー自身の幸運値が地を這うようなランクEということ考慮しなかったことだ。ランサーは1度目で当たりを引いた。

エレベータの扉が開いた先にパンツを手に持ったキャスターが呆けた顔でこちらを見ていた。

 

 

 

部屋には見渡す限りのパンツの山が詰まれている。なるほど。ここで如何わしい儀式がなされていたのが解る

一体ナニをしたやら。こんなキャスターを引き当てた魔術師は不運だろう。早々に知り合いに戦果を売るのも解るというもの。

 

「さてキャスター、おまえさんを討ちに来た。何か言い残すことはあるか」

戦士の礼儀として最後の言葉くらいは聞いてやろうと声をかけたのがまずかった。

ランサーは自分に隙などないと自負していた。攻撃の魔術であれば反応できた。それは言い訳だが、キャスターは一瞬で魔術を発動させサーヴァントを呼び出した。

 

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呼び出されたのは灰色のボロボロのローブを着た10代の青年だった。

そして彼はパンツを顔に被っている。

ちょうと底になる部分が額から鼻、口に繋がるように、本来足を入れる穴には目があった。

 

変態。キャスターとランサーの心は一つになったがその言葉を発してしまうことで目の前の事象が固定化してしまうようでなんか嫌だった。

 

 

呼び出されたサーヴァントである彼は宝石のついた杖を構える。

 

無詠唱による魔術攻撃

 

サーヴァントの周りで一瞬にて魔力が高まり魔術が形成される。

ランサーに向かって音速の礫が放たれた。

 

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ランサーはその魔術師然とした行動に違和感を覚えるもどうにも顔パンツから目が離せない

変態か?変態なのか?見た所被っている下着は女性物のようだ

魔術師であれば詠唱時に口が動くので攻撃が予測できないよう口を覆うのは理に適っているが彼は無詠唱にて魔術を行使しており利点はない

ということは女性の下着を被る変態なのだろうがひとつ解せない

ランサーに向かって放たれた音速の礫は矢避けの加護によって無効化され飛散した

 

受けて分かる。確かに高等魔術である

 

ランサーが解せないのは、すでにキャスターの枠は埋まっているのだから目の前のサーヴァントは一体何のクラスなのだろうかということだった



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変態ってなんだっけ

コメントに嬉しくなって書き上げました。


召喚されたルーデウス・グレイラットの心境はなぁにこれぇだった

部屋には見渡す限りのパンツの山が詰まれている。近くに居る女性の手には自身が敬愛した師の下着と寸分違わぬパンツがある。

なるほど。自分を狙って呼び出したということか。

決して正規のサーヴァントでもこの世界では存在しない自分を。

聖杯の知識により今どんな状態か、何をなさねばならぬのかルーデウス・グレイラットは理解した。

 

正規に召喚が成されたわけでなかったが目の前の女性がマスターだと繋がっている細いパスを伝って分かる。

正面には敵と思しきサーヴァント。

ここは戦場。ならば敵は打倒すのみ。

 

 

 

 

ルーデウスは決してパンツの気配に誘われ召喚されたのではない。

一人の女性の叫びに応じて応えたのだ。

 

ルーデウス・グレイラット彼は人一倍パンツに敏感だった

ル-デウスは女性の下着はそう分からぬ

分からぬが尊いものだというのは知っている

女性を柔らかく包むものだとはしっている

包みを開く心躍る瞬間をしっている

生前扱ったことのある商品なのだから構造は解っている

付けてみたこともある、若気の至りだが盗んだこともある

 

真理とはパンツ パンツとは真理

これぞ宇宙

 

なんか若干トリップしていたが先に動いたほうが有利じゃね?先手必勝と目の前の全身青タイツの変態に向かって無詠唱による魔術攻撃を放ったがしかし、

-あ、やべ これはまずい

予見眼を発動

”礫は無効化され飛散する”

目の前の変態は魔術師の苦手な接近戦を行う戦士であった

予見眼のとおり魔術は無効化された。

敵サーヴァントの次の行動は当然反撃だろうに今だ目の前の変態青タイツは動かない

 

前門の変態、後門の変態

見渡す限りのパンツの山の中、3基のサーヴァントは動かない

パンツを被っている人物をランサーとキャスターは変態だと思っており

全身青タイツの人物をパンツを被ったルーデウスは女性にそんな恰好で迫る変態だ思っている。

 

第三者が見れば何このカオスと思うところだろう。

 

キャスターはパンツを折りたたみハンカチのような形で口に持ってきて震えており、ランサーも頭痛がしたらく顔を手で覆って俯いていたが

「俺が言うのもなんだがキャスター。そいつは戦えるのか?戦場でそんなふざけた格好真っ先に殺しているぞ」

ランサーの見立ては戦士の恥だと思う一方、魔術は一級。油断ならない相手だ。

「失礼な!俺にとってはこれは正装です!」

ボロボロのローブのことを言われたと思い咄嗟に言い返すがこのルーデウス、多分自分がどんな格好をしているか分かっていないようである。

理由として生前知らない人の前ではパンツは被るものではないという常識はあったが召喚されて早々戦闘になったため

自分が今どんな格好をしているのか客観視できていなかった。

多少息苦しさはあるものの動くことに支障はない。自身の恰好など優先すべき事柄ではなかったために起きた悲劇であった。

「マスターに仇成すサーヴァントは俺が打ち取ります。安心してください。」

にこやかにキャスターへ伝えるがキャスターは正直腹筋がどうにかなりそうな状態で言葉が返せない。念話も同様、震えた笑い声しか出せないだろう。

「ハハ。よく言った坊主。

キャスターよ、この戦闘中に使い魔を呼び出すとはなかなかの気概だ。

すでに死んでる俺達が呼べるのは悪霊か亡霊だってのに、いいの引き当てるじゃねーか。せめて全力で相手してやろう。」

先ほどまでやる気のなかったランサーから殺気が膨れ上がる

 

ルーデウスとランサーは対峙する

「剣を持ってはいるがセイバーって柄じゃないな。キャスターというならそこの女狐だ。

アサシンというにはおまえさんの気は素直すぎる。名乗りな坊主」

「坊主という年でも無いのすが...俺はそこそこ剣に自信がありますよ。なんたって生涯剣を朝昼晩と振っていたので。まあ振ってただけですが。

俺は今も剣を持っている。ですからセイバーかもしれません。

しかし魔術も使えますからキャスターかもしれません。もしかしたら魔法使いかも・・なんてどうでしょう?」

ルーデウスは剣を構えながら涼しげな笑顔を心がけたが内心ヒヤヒヤしている。

後衛の魔術師に前衛の相手をしろって無理すぎる!!助けてエリス!!

しかしいまここで頼りになる前衛はいない。

槍という接近専門の使い手と相性の悪い魔術で乗り越えるしかないのだ。

 

「俺の剣試してみます?」

予見眼”青タイツは槍をかまえ瞬間ルーデウスの目の前に現れる”

ルーデウスは敵の足元を泥沼化する

それはレジストされず敵は驚愕しつつ後ろへ距離を取る

畳み掛けるように『岩砲弾(ストーンキャノン)』を全方位から放つ

「効かないっての」

ランサーは岩砲弾に意識を向けることなく離した距離を詰めてきた

 

呪いの朱槍を腰の剣と杖で防ぎ魔術で応戦する

予見眼にて先読みしなんとか対等に打ち合う。

「すいぶんな当たりを引いたなキャスター」

再び距離を取り対峙する

「あら、ランサーあたなも大したことないのね。3騎士でもないサーヴァント相手に泥まみれじゃない」

ふふと正気に戻ったキャスターは嗤う。

確かに当たりを引いたと。



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