不死人が鎮守府に着任しました! (きゅーちゃん)
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男の記憶
その男は暗がりの中篝火の前で座っていた。
不死の呪いを受けてから何百年いや何千年たった事だろうか。
呪いを受け、家族や仲間に見捨てられ、ただ朽ちて亡者になるだけかと思えば、今、自分が最も愛用しているであろう鎧を装備した男に助けられた出てみたはいいもののすぐにその男は、深手を負い自分に使命を託し死んでしまった。
しかし彼はその時は泣きながら感謝していたのを覚えている。その後、あの永きに渡る壮絶な旅路になろうともそれを耐え切れるぐらいには、いろんな戦友、師、敵にあった。太陽のようになりたいという真面目な男、玉ねぎのような鎧をまとった親子、妹を助けられず悔やんだ師、白龍の技を学ぼうとし挙句、全裸になり襲いかかってきた師、これは自分がロードランいた時に出会った感謝しかない人だ。最後だけはどうかと思うが・・・
敵で言ったら、四騎士のうちのあの狼騎士、獅子騎士と処刑者のコンビは強かった。
幾度挑もうと勝てず何回も死んだのはいい思い出だ。他にも大きなソウルを持ちし者たち彼らも強かった。狂気に染まった白龍、自らの過ちで都市を焼き尽くした魔女、最初の死者、四人なのに五人に増える公王、大きなソウルを持たなくとも強かった深淵の主
四騎士たちの王も強かった挑んだ時はあの白蛇の言うところから察するに試練だと思い必死に全力を尽くし打ち倒し火を継いだ。
火を継ぎの役目は果たし目を瞑りこと自分が朽ちるのを待った。
次に目を覚ました時全く違う土地になっていて驚いた。彼はまた何か使命のために蘇ったのだろうと思い、また歩き出した。途中、家政婦のおたまを武器としてもらった時は驚きだった。
しかし驚きは終わらなかった、自分の今いる世界は、ロードランの後の世界というではないかスペルも変わり敵も変わり仲間も変わった。
しかし戦い方は変わらなかった両刃の剣を使い槌を使い挙句、突撃槍や刀、拳武器なども使い敵に合わせて使う武器を変えていった。
こちらの世界の武器にもあらかた慣れた彼はロードランの次の世界ドラングレイグをひたすら周回しこの世界の歴史を知った。深淵の主の子や、かつて倒した大きなソウルを持し者達は皆異形になりかつての面影はなかった事、ロードランの後に受け継がれたもの、この国の王が盗んできたもの、そしてそれを狙う者の存在を知った。その時、今回の火継ぎは偽りに近いものだったことがわかった。不死人は何度か周回した後、火を継がずに立ち去った。そして丁度いい感じの棺を見つけそこで不死人は久しぶりの休息をとった。
今回から始めさせていただきます。きゅーちゃんです。ダクソは現在6周目の信仰戦士、ブラボは神秘キャラの作成に失敗して最初からです。まだまだ至らぬ所がありますが直していけるといいなと思っております。
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諦める時ではない
鐘の音がした。彼は目を開けたが、そこは暗かった。
少し手をあげると石のような重みがあったためどかしてみたするとそこは棺のあった場所ではなく墓場だった。
まだ自分に頼るのかと彼は少し呆れた。それでも使命を果たすのが自分だ。
仲間に見捨てられ、家族からは忌み嫌われ不死院に閉じ込められた彼にとってそれしか頭の中に残こっていなかった。
長い旅路の中あの玉ねぎ親子の子孫かも知れない男にあった。
ドラングレイグで放浪していたあの騎士の娘と思われる者にあった。
かつての友であった太陽の男の像を見た。
自分が倒した王の子孫にあった。
懐かしい出会いもあったが、新しく知ることもあった。
始まりの火が消えそうなこと、かつてロードランで最も栄えた都市はもうその面影がないこと、そして始まりの火を見つけた者のうち一人である小人の国への行き方、彼は全ての土地を巡った。深みの聖堂、あの狼騎士の遺志を受け継いだ者たちが住まうファランの城塞、かつてロードランで倒したデーモンの死体が積まれた燻りの湖、そして小人の国である輪の都、そしてそこで火継ぎの真実を知った。神族の一人と思われる者に触った時、辺りは灰の砂漠に変わった。彼は絶望した何も救えていないではないか!火継ぎをしても焼け石に水ではないか!
薄々感づいてはいたロードラン、ドラングレイグ、ロスリックと巡るごとにだんだんと荒廃していることに気づいていたが、知りたくなかった。歴史を見て自分で解釈して目を背けいていた、これでは不死人になっても役割を与えてくれたあの騎士のそれまでの努力はそれを受け継いだ自分の努力はなんだったのだ!と、そして彼はこれ以上自分のようなものが出ぬように火を終わらせた。しかし終わらなかった!
何度目覚めてもあの墓場、彼は失念していた自分が何度でも同じ世界を廻り続けられる事が火を終わらせても続くことに彼は心が折れてしまった何度巡ろうと何も変わらないから、時には火を継ぎ時に簒奪し、時には敵味方問わず鏖殺し時にただ我欲のためだけに突っ走った。しかし変わらなかった。彼は今一人、洞窟の中で自分の歩んできた道を思い出していた。こんな感じだったろうか。そう思いながら渇望した。もっとちゃんと人を救いたい。絶望のなき世界にしたい!
突如、自分の頭に声が響いた「では救って見せよ」老人のそしてとても威厳のある者を連想するような声が聞こえた、この声ともに彼は閃光に包まれた。
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洞窟に彼はいないあるのはパチパチと音をたてながら燃える篝火だけだった。
その後に声が聞こえた「救ってみせよ、果たしてみせよ、かつて、使命のためといいこの私を倒しみせた不死よ。それくらいで心を折られても困るのでな。」そう言いながら神族の王グゥインは周りには誰もいない篝火を見つめながらそう呟いた。
篝火に薪をくべる者はいなくなった少しして篝火は消えた。篝火の周りにあった地面は冷たい闇に包まれた。
不死人の鉄則その一
敵が一体だけの時は必ず伏兵がいる。
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出会い
少女は傷つき今にも倒れそうだった。
自分の、所属している鎮守府の上司は碌に整備も入渠もさせず特に作戦も立てずに出撃ばかり、失敗すればこちらに暴力を振り反抗しようとすれば仲間達を脅しの道具として使うクソ野郎だった。
今回も同じように、無謀な出撃をさせられ接敵し退却を余儀なくされ少女は仲間を逃がすために自分がこの中で最高練度だからといってしんがりを務めた。しかし、それもここまで敵は撒いたから良いものの攻撃を食らいすぎて殆ど動ける状態でもなかった。フラフラと動きながら近くにある島にたどり着き倒れ伏しそのまま少女の意識は暗転した。
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不死人が初めに思った此処はどこだ?と、ある程度見回しても、周辺は植物で生い茂り動物の鳴き声と思われる声が聞こえるのみである。動かぬことには意味はないと思い行動を始めた。
運のいいことに少し歩くと篝火があった。また火継ぎの使命をもらったかと思ったが暗がりで聞いた最後の声を頼りに彼は進むことにした。
更にしばらく歩くと森から出て浜辺についた。
ハイデの大火塔でも海は見れたが、この海はさらに幻想的だった。
不死人がその光景に感動しながら探索を続けていると砂浜に何かがいるのかがわかった。敵かも知れないそう思いながら近付くとそれは一人の少女だった傷を負い意識はないようだが一応、まだ死んではいないようだ。
ならば助けなければ、と思いスペルを唱える
『太陽の光の癒し』
彼が使う上で最上位の奇跡の一つを使い治療する、幸運にもこれは成功しみるみるうちに少女の傷は塞がった傷が治るということはまだ生きている証拠、此処では寒いので火を焚くことにした。
薪を集め火をつける簡単なことだついでに不死人ではないことを考えて食事を用意しておこう。そう思い狩人の弓を取り出しながら森へと入っていった。
__________________________________________
パチパチと近くで何かが燃えていることに気づき少女は目を覚ました。
目の前には全身に鎧を纏い、青い上衣をつけたまるで絵本の中から飛び出してきたと言ってもいいような騎士が目の前で食事を作っている。
自分が起きたことに気づき「貴公、気がついたか。傷だらけの時は死んでいるのではないかと思ったぞ。」と言いながら焼いていた動物の足を渡してきた。それを受け取ながら少女は答えた。「助けてくれてありがとう僕の名前は時雨って言うんだよろしく。君の名前は?」不死人は此処で返答に詰まってしまう。自分の名前は死にすぎて忘れてしまったがため覚えていないのだ。「どうしたんだい?」と時雨が聞いていくる。(恩人よ。名を借りるぞ)「私の名前はオスカーというよろしく」
____________________________________________此処から先オスカーはオ、時雨は時に変わります。
___________________________________________時 「へぇ〜オスカーさんって言うんだ助けてくれてありがとう」
オ「なに、礼はいらんよ。こちらが好きで助けたものだ。腹が減っているだろう温かいうちにだべるといい」
時「でも、僕らは兵器だから食べちゃいけないんだよ。」
オ(何故こんな若い少女が兵器と呼ばれているのだろうか)
オ「私は、貴公のことを兵器だとは思わん。それに貴公のためだけに焼いたのでな。食べないとなると捨てるしかないのだよ。食べ物は粗末にしてはならんと聞いたことがあるだから食べてもらいたいのだが」
時「本当にいいのかい!」
オ「ああ、いいともまだ何個かある好きなだけ食べるといい足りなかったなったら狩ってこよう。」
時「じゃあ、お言葉に甘えていただきます!」
よほど空腹だったのかとても少女とは思えない勢いで食べ始める。不死人であるがため食事を必要としないが見ているとこちらも腹が空きそうになる勢いだった。この状態なら色々話してくれることもあるだろうと思い彼はこの世界を知るため質問することにした。
オ「食べてる最中ですまないが世事に疎くてな色々質問したいのだがいいだろうか?」
時「僕に答えられる範囲であればいいよ」
オ「まず、一つ君は自分のことが兵器と言っていたが何故兵器というのか、二つなにと戦っているのか、三つこの島から君の住む場所までどのくらいあるのか、だ」
時「一つ目に関しては僕らは艦娘と言って元々船だったものが人になった者を指すんだ艦娘は深海棲艦という敵を倒すんだ。三つ目に関してはそこまで離れてないよ僕なら半日あればつくと思う。オスカーさんだとどれくらいかかるかわからないけど…」
オ「ふむ、では深海棲艦の特徴を教えてくれるか?」
時「お安い御用さ、このあたりならこんなのとかが出るよ(駆逐イ、ロ、ハ級の絵を書きながら)」
オ「そいつらは集団でてるのか?又は噛んでくるか?」
時「(やけに怯えてるな、そりゃあそうだろうなぁ)噛んでくるかはわからないけど砲撃はしてくるね後集団で出てくるよ。」
オ「そうか(以前、犬どもに生きながら食われれたことがあるから苦手なのだよな)他はどのようなのがいる?」
時「強いのだとこんな感じかな?(重巡リ級éliteや軽巡ヘ級、戦艦ル級を書きながら)」
オ「ふむ(セスタスマンに扉の盾のガン盾か?)この二体に殴り殺されたという例は?(リ級とル級をさしながら)」
時「いや、聞いたことないよ。攻撃は殆どが遠距離からの砲撃だよ。ちなみに砲門はここ」
オ「そうか。それは繊細か?」
時「繊細といえば繊細だよ。(やけに詳しく聞くなぁ)」
オ「そうか。(ならば、弓などの射撃で壊せるな)」
時「さっきから質問ばかりだし、こちらが質問していいかい?」
オ「答えられる範囲ならば」
時「じゃあ、一つ目は、何故ここにいるのか
二つ目は何故鎧を着てるのかな?三つ目は君は何者だい?」
オ「(嘘は苦手なのだかなぁ)一つ目は、元々洞窟にいたのだが久しぶり外に出た。二つ目は身を守る為、三つ目はただの心折れた騎士だよ。」
時「ふぅん。(この人嘘つくの下手そうだし本当のことかな?)怪しいけど敵ではないのは信じるよ。」
オ「ぬぅ、自分でもわかっていたがやはり信用はされんか。一つ頼みがあるのだが、いいだろうか。」
時「いいよ。その頼みはなんだい?」
オ「貴公らが拠点にしているところに行きたいのだ。なんせここは探索する限りただの無人島なのだ。こんな所にいては助けられるものも助けられん。」
時「いいけど、どうやって行くの?」
オ「とりあえず、前に本で読んだとおりに筏を作って、漕いで行くつもりだったのだが。」
時「君は馬鹿かい!?」
第1艦娘は時雨でしたー。皆は時雨好き?僕も好きですがそれより響が好きです。そして筏の知識はドラングレイグで読んだ設定です。
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出発前の初陣
時「はぁー全くいいよ。今回は僕も手伝って引いてあげるから、早く作って出発しよう。」
オ「う、うむ(馬鹿と言われたのは師匠以来だ)」
時「後、もし着いたらでいいんだけど僕も頼みたいことがあるんだ。」
オ「あぁ、いいとも」
時「僕らを助けて欲しいんだ。僕らのところの上司は僕や仲間たちに碌な治療や食事をせずに出撃させるんだ。僕がここに傷だらけで流れ着いたのもそれが原因さ」
オ「そうか、わかった着き次第叶えて見せよう
(久しぶりに悪人という悪人にあったな暗月となってさばいて見せようか)」
殺気がバレないように時雨の上司の殺し方を考えていると突然、爆発音と爆炎が近くで巻き起こった。どこから火炎壺でも投げられたかと思うと時雨が敵の姿を見つけて動揺しているようだ。
時「あれは、ル級élite!!僕が引き受けるからオスカーさんは逃げて!」
オ「あれはそんなに強いのか?」
時「そりゃそうだよ、さっき説明した戦艦ル級の更に強くなった個体なんだよ。早く逃げて!」
オ「あれと同じような敵を相手したことがあるそれに遠距離が増えただけだなら対処の仕方は更に増える倒すのは簡単だ。」
時「えぇ(ドン引き)」
オ「さぁ、では行くとしよう」
オスカーは二本の槍を担ぎ突撃した。
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ここからル級éliteの目線
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ル級éliteはこの近くに流れ着いたであろう艦娘の死亡を確認するためにやってきた。
たかが駆逐艦1人のために、自分をつけるとは過剰戦力ではないかと思いながら島に上陸する。
しかし流れ着いたであろう場所に死体はなく生きているのが明確になった。
だが、『生きているならば殺せばいい』そう考えながら探すと森の中に動く人影が見えた。
砲撃をして煙が晴れた際に砲撃箇所を見ると2人の人間がいた。
1人は流れ着いたであろう艦娘、もうひとりは騎士甲冑を身につけた何者かがいた。
いづれにせよ仲間にそんなものはいないので人間と判断、艦娘と移動を共にしており、しかも深手を負っているはずの艦娘も無傷。
結果は一目瞭然あの騎士が治療をしたのだろうならば敵と認識し砲撃を開始する。
すると騎士甲冑の方は突撃して来た。
愚かな人間めと思いながら砲撃をするしかし騎士は避ける、まぐれだと思いもう一発撃つしかし避ける撃つ、避ける、撃つ、避ける、撃つ、避ける
流石にル級もこれには焦り始める自分が放った砲弾をまぐれでもなく騎士はギリギリで回避しているのだ。しかしそれもすぐに落ち着くならば近づいてきた所を撃とう。人間ならば砲撃一発で粉々だ。
そう思いながら騎士の方を見ると騎士が投げるモーションになっている。即座に盾で防御するガツンという音と共に衝撃がする持っていたものを投げたようだ。苦し紛れの抵抗か?もう騎士との距離はほぼゼロ距離である。
砲門を向け撃とうとすると更に強い謎の衝撃と共に胸に激痛が走る。見てみると自分の心臓を槍で穿たれていた。何故?と思う暇なく、即座に引き抜かれ、また同じような衝撃と共にル級éliteの視界は暗転した。ル級éliteが最後に見たものは自分の盾であり武器である砲門を貫き自分の顔面に迫る槍の切っ先だった。
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オスカーside
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流石に幽鬼のジャベリンを投げて砲に詰まらすのは難しいようだ砲門には入ったがすぐに抜けてしまい破壊は出来なかった。
しかしスピアによる戦技『貫通突き』は有効なようだ。
いとも容易く貫通しル級とやらに致命傷を与えられた。彼のスピアは扉の盾や槍のリーチを生かした追撃に利用するため原盤強化までした彼の旅路を支えたうちの一本だ。
槍から血を払い後ろに背負うすると時雨が興奮した顔をして近づいてきた。
時「なにあれ!すごいオスカーさん槍でそう簡単に貫けないル級éliteの盾を貫いた!どうやって貫いたの?」
オ「それなりの筋力と技量がありなおかつ相手が大盾で防いでばかりならば簡単に出来るぞ。いつもはリーチを生かした追撃に使用するがこう言うこともできるのだ」
時「僕にもできるかな?」
オ「できないことはないが貴公ならばレイピアなどの細剣がいいだろう。さぁ、船の作成の続きだとっとと作って脱出してしまおう。」
時「うん!」
不死人の教訓その二
アイテムがポツリと落ちてるのは大抵罠
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鎮守府到着
そして、読者の皆様もう少しだけお待ち下さい。頑張って台本形式を直します。でも今回の話で直せた気がしない。
???side
自分は仲間を見捨ててしまった。
周りは仕方がない、あの戦力では勝ち目がなかった、全力でいけば勝てたのに、と皆一同悔やんでいた。
その報告を聞いた提督は
提「貴様ら何をやっている敵前逃亡をした挙句、一人行方不明だと私の評価が下がるではないか!兵器のくせに一人前の仕事すら出来ずこの役立たずどもめ!」
提督は私を殴ったけど反抗する気は起きない。
どう夕立に言えばいいのだろう。謝ればいいのか?それとも探しに行けばいいのか?そんな時、提督が言った
「貴様ら、私の名誉のために、時雨を探してこい!さもなくば仲間の内だれかを解体する」
ちょうどいいどうしようか迷っていたところだ。
「えぇ、いいわ。探しに行ってあげる。」
「言ったな!ならば、失敗してきた時はお前を解体してやる!いいな!?早く行ってこい曙ォ!!」
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筏が完成した。自分で漕ぐと言ったが「鎮守府の方向わかる?」と時雨に言われやむなく、時雨に引っ張ってもらうことにした。
時雨に引っ張ってもらうのなら、せめて索敵ぐらいはすると提案しそれを時雨も了承、仲間であれば知らせ、敵であれば撃退するという形になった。
海に出てしばらくするとその沈黙を破るように時雨が口を開いた。
時「一つ聞くのを忘れてたんだけど、私や私の仲間は兵器だけど怖くないの?」
時雨の声には少し不安が混じっているようだ。それもそうだ自分の上司にあのような仕打ちを受けていては、不安になっても仕方ないだろう。この場合は、自分の本心をちゃんと答えてやるのが正解なのだろか?
意を決して口を開く。
オ「正直に言うと、貴公らは兵器ではない。」
時「なら、バケモノかい?」
オ「(そんなことまで、こんな若い娘に言っているのか。許せるものではないな。)いや、バケモノでもない」
時「じゃあなんだって言うんだい?僕らは簡単に人を殺せるんだよ。怖くないのかい?」
オ「人だって、ナイフ一本あれば人を簡単に殺せるその気になれば竜も狩れるし神も殺せる。俺はそれを見てきた。そんな強者どもがいるところにいたから知っている。そんな奴等の事を英雄とも言うしバケモノとも言うのだ、実際、言われてる瞬間を見たし、聞きもした、そんな強者と貴公を比べたら・・・。貴公はただの少女、少しだけ力の強いただの少女だ。貴公の仲間たちもそうだと思う。だから俺は怖くない。もし怖がってしまったら俺が倒した英雄又はバケモノのに鼻で笑われてしまうだろうな。」
時「そうかい…オスカーさんから見たらそんなに弱いのか…!」
オ「別に弱いとは言っていない。まだ、強くなることはできる。俺も昔はそうだった。弱くて何も出来なかった。だが、周りに助けられてここまで強くなっただから、貴公も強くなることはできるだろう。貴公らはバケモノではない。バケモノと言うのは死んでも生き返る奴等の事を言う亡者になりたくない。死にたくないと言いながら人間性を集めるのだ人を殺してなあの頃の俺やその周りのように…」
最後は言いづらくなって声が小さくなっていたそれが幸いしたのか。
時「最後の部分だけ聞き取れなかったけど少し元気が出たよ。ありがとう。」
時雨との間に重い空気がのしかかる。
黙ったまま何も言えず双眼鏡で索敵を始めると何かがこちらに近づいてくる。
オ「何者かがこちらに近づいているな見た感じ艦娘のようだ。容姿は紫色の髪を束ねている白い服を着た少女だ。貴公の仲間か?」
時「曙かもしれないどこにいるんだい。あっ曙!僕はここだよー」
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曙side
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望み薄の状態で探しに出て時雨と逸れた所に行く途中前から
「おーい、曙ー僕だよー」
信じられなかった。あの敵の量で時雨が、生きているはずがない生きていても無傷なはずがないだが、しかし目の前にいるのはあの時別れた時雨だ。後ろになんかわからないのを乗せてこちらに来ているが間違えなかった。
曙「時雨!よかったあなた生きてたの!?」
時「うん、後ろにいるオスカーさんって言う人に助けてもらったんだ。」曙「えっこのよくわからない奴に?」
時「あはは、はじめは僕も驚いたけど、多分オスカーさんは良い人だよ。食べ物もくれたし、敵も倒してくれたんだ。凄いんだよ!オスカーさん槍一本でル級éliteを倒しちゃったんだもんしかもあの固そうな砲台を貫いて!」
曙「はぁ!?あのル級éliteの盾型の砲門を槍で貫いたァ!?」
オ(話に置いていかれている気がする。どう此方から切り出したものか…)
曙「あんたが時雨の言ってるオスカーって人ね」
オ「あぁ、そうだが。」
曙「お礼を言っておくわ。時雨を助けてありがとう、で質問しても良い?なんで時雨があんたの乗ってる筏を引いてるの?」
オ「それは「僕が説明するよ」…わかった」
時「僕の流れ着いた所が、オスカーさんしか居ない島だったんだ。
オスカーさんは島から出ようと思ったらしかったんだけど、方向がわからなかったから、代わりに僕が引っ張っているんだオスカーさんは索敵と迎撃をしてもらうことにしたんだ。」
曙「へぇー、よくそんな馬鹿げた事しようとしたわね。」
時「ちなみに送ってくれたお礼にあの提督をなんとか出来ないかって聞いてみたら、いいよって言ってくれたよ。」
曙「えっ、本当に、でもこの容姿だと信じてくれなさそうだけど」
時「多分、大丈夫だよ。」
そんな話を索敵しながら聞いているとレンガでできた建造物が見えて来た。
オ「貴公ら、建物が見えて来たぞ、あれがその鎮守府とやらか?むっ、何か浜辺争っているな。」
時「争ってる誰が?(双眼鏡を借りる)ってあれは夕立と提督だ。僕を探そうとして提督に捕まってるのか!急がなきゃ!!」
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夕立side
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嫌だ!時雨が死ぬわけない!今は、曙ちゃんが探しに行ってるけどそれで人手が足りるわけが無い私も探しに行くんだ!こっそり、艤装を持ち出した所を、提督にバレて艤装を外されて暴力を振るわれてる早く探しに行かなきゃいけないのに!!
提「貴様、兵器としてあるまじき、行為をしおって恥を知れ!!「夕立ー!」むっ、本当に、見つけて帰って来たか、だがそんな事なぞどうでもいい。おい!時雨よく聞け貴様の妹は今さっき、私の命令を聞かず海に出ようとした。これはれっきとした命令違反だ。だから今ここで私がこいつを殺す。さぁ、頭を出させろ!」
夕立が憲兵二人に掴まれ無理矢理頭を出させる提督は刀を抜き上段に構える。
時&曙「やめてー!!!!」
夕(ごめん、時雨)
提「死ねぇ!」
その時憲兵でもなければ提督でもない怒鳴り声が全員に聞こえる。
?「目をつぶれ!」
そんな声と同時に夕立を押さえつけていた憲兵と提督の手に何かが当たった。途端、憲兵は首が後ろ向きに人の稼動域を超えたところまで曲がり提督は手を押さえ悲鳴をあげた。
提「ぎゃあああああああぁ私の手が!手がァ!」
見ると提督の手は指が吹き飛び原型を殆ど留めていなかった。
?「そこまで、強化した覚えは無いのだがなぁ?まぁ、いい」
虚空から、絵本から飛び出して来たような騎士が出てくる
提「きっ、貴様、何者だ。私を誰だと思っている!」
提督が腰を抜かし後ろに倒れこみながら怒鳴る。
「黙れ。人間のクズ。」
騎士が喋るその声は明らかな怒気と殺気を含んでおり、自分が言われていないのにもかかわらず冷や汗が止まらない。そんな中、自分に声がかかる「夕立とやら、もう大丈夫だ。時雨たちのところに行くといい」
かけられた声はさっきとは違いとても暖かい声だったが、先ほどの気配との落差にむしろ恐怖を覚えてしまう。
夕「時雨!「夕立!」よかったよ〜、もう死んじゃったと思ったんだがらね〜(泣き)ずずっ所であの人は誰?」
時「僕を助けてくれた人でオスカーさんって言うんだ。とても優しい人なんだけど殺して欲しいわけじゃなかったんだよ。」
最後のはオスカーに言ったのだろうか、しかしオスカーは止まらない。
オ「よかったな。まだ、殺さなくていいと言ってもらえてるでは無いか。しかしな、お前は戦っていないにもかかわらず、碌な治療や食事をさせない時点で極悪人だ。しかも人の姿をして感情もあり理性もあり人間たらしめる要素がある彼女らを、貴様は兵器と言ったそんなことなんぞ私が許さん!!勝てんのなら努力しろ!対抗策を練れ!失敗したのならひたすら原因を探れ!そんなこともせずましてや女性に暴力を振るうそんな者など、許されるわけがない!!」
提「はっ早く、誰か!この私を助けろ!」
そんな叫び声とともに援軍を要請していたのか遅れて憲兵が五人やってくる。そして、状態を見て即座に拳銃を構える。
オ「ほぅ、まだこの男の守るかならば、蹂躙だ」
不死人がアシタカみたいになってる。書き方を少し変えるかもしれませんが、その時は活動報告に報告します。
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対人戦
オ「後で、コイツにはスズメバチ致命直剣バージョンを食らわせますので、これで勘弁してください。」
筆「えっ」
時「当然の結果だと思うよ。」
筆「さてと、逃げますか。」
時「あっ、逃げた。」
オ「まてや、ゴルァ!!」
時「本編、始まります。」
憲兵という兵士が黒い筒を、此方に向けるどうやら飛び道具の類らしい。
オ「最後まで抗戦するつもりかね。」
答えは小さな破裂音と飛んでくる礫で返された。しかし飛来する速度は遅く避けるのは容易だ。軽く避けると少なからず動揺するが、後ろにいる提督本人は外したと思っているようだ。
提「貴様!何を外している!!この距離で外すくらいなら刀でも降ってろ!!」
そう言われると三人ほどが刀を抜き構える。残り2人は自信があるのか、相変わらず黒い筒を構えたままだ。
オ「そうか。ならば蹂躙だ」
虐殺が始まった。
1人目が、右前から刀で斬りかかる。後ろに下がり刀を避け、胸のポケットに差し込んでいるナイフを頚椎に叩き込む1人目即死。
左後ろにいる憲兵から拳銃が放たれる。死んだ憲兵の襟を掴み、そちらの方向に回し銃弾を防ぎ、投げナイフを拳銃に向けて投げつける。ナイフは銃口に当たり銃身が下を向く。
その瞬間に引き金を引いてしまった憲兵は自分の足を撃ち抜き倒れる。2人目戦闘不能。
左前にいる三人目が、刀を振り上げ突撃してくるのを確認し、それよりも早くスピアを取り出しガラ空きの脳天を突く。3人目死亡
右後ろにいる憲兵が拳銃を撃つが、まるで後ろに目が付いているかのように全て回避される。正面にいる憲兵が、回避した瞬間を狙い斬りかかるが不死人は直剣からダガーに持ち替え、戦技『クイックステップ』で後ろに回りダガーを心臓に突き刺す。4人目死亡。
右後ろにいた憲兵は、闇雲に発砲するが全て避けられ、投げナイフが脳天に直撃し膝から崩れ落ちる。5人目死亡。
終わったのを確認して提督に剣を突きつける
提「や、やめてくれ。誰の差し金だ?そいつの十倍の金をやろう。だ、だから私を見逃してくれ。」
死ぬ覚悟もなく悪事を行ってきた者の命乞いが聞こえる。どうでもいい事だ。
オ「どちらにせよ。殺すことは変わらん。とっとと、首を出せ。今なら痛みなく殺してやる」
提「嫌だ!死にたくない!だれか助けはいないのか!!」
オ「はぁ、いるわけがないだろう。お前自身で味方を減らしたのだ。自業自得という奴だ。自身の罪を、きちんと認めて死ね」
剣を振り下ろそうとした時、腕に激痛が走り剣が手から落ちる。ほんの少し遅れて、先程の黒い筒より大きな爆発音が聞こえてきた手を見ると、自分の右手の籠手ごと何かに射抜かれており、使い物にならなくなっていた。
?「動かないで下さい。元帥直属の、特殊部隊です。両手を頭の後ろにつけて伏せて下さいそうすれば、貴方に危害を加えません!」
時雨と同年代ぐらいの白い服を着た少女が此方に武器を向けて立っていた。形状からして時雨と同じ艦娘だろう。
オ(チッここで援軍か!多分、憲兵とか言うあいつらが呼んだな!それに音の方向からして最低でも後、1人いる。)
どうすれば、この窮地を抜け出しあの男に一矢報いれるかひたすら考える答えは簡潔だ。
周りを見渡し少女以外に誰が居るかを確認した後、彼女を油断させる行動をとり油断したならば爆音がした方向を気をつけながら走ってあの男をを殺せばいい。
?「もう一回言います。両手を頭の後ろにつけて伏せて下さい。そうしないと、戦闘不能にしてから拘束します。」
オ「わかった。こんな感じでいいか?」
言われた通りに頭に両手をつける行動をとるフリをしながら左の2スロット目に仕込んでいたパリングダガーを取り出し投げつける。
?「きゃあ!!」
少女が、驚いてしゃがむ瞬間に走り出す。爆音がした方向から風切り音が一瞬、聞こえたのでローリングで回避すると自分の足元の砂が跳ねる。着地して更に走り、幽鬼のジャベリンを取り出し投げつける。
ジャベリンは提督の心臓を貫こうとしたその時、『がぃん』という音とともにジャベリンが何者かの刀によって弾かれる。
刀でジャベリンを弾いたのは髪を短く切りそろえた女性だった。後ろや肩周りには時雨よりも、大きく重厚な砲塔と呼ばれるものが付いていた。
?「ふぅ、危なかった。後、もう少ししていたら捕縛対象が同じ捕縛対象に殺されてしまうところだったよ。吹雪、なんで敵が武器を持っている事に気がつかなかったんだ。」
吹「日向さん!気をつけて下さい!彼は、何もないところから武器を取り出せるみたいです。」
日「ふぅん、そう言うことか。まぁ、でももうすぐ鳳翔さんも到着するし少しだけ待つだけだ。覚悟してもらうよ騎士の人。」
オ「そうか、それなら援軍が来るまでに殺せばいい事だ。」
エストを使うのをやめて剣を構える。
日「恐ろしい殺気だ。私達に向けてないのは分かるけど、これは凄まじいな。あまり手加減を出来そうにないな。」
日向と呼ばれた女性も刀を構え
日「戦艦日向、出る!」
狙撃を警戒しながら突撃する。日向と呼ばれた女性もそれに反応し正面から袈裟斬りに刀を振るうが使えなくなった方の拳で刀を弾き体勢を崩させる。
オ「貴公に用はない。あるのは、あの男だけだ」
そう言って、提督へと突貫する途中、吹雪が砲を構えて撃とうとしたが、あらかじめ手のに持っておいた七色石をおデコに投げつけ回避を余儀なくさせる。2人が体勢を立て直す頃には、提督の目の前で剣を振りかぶりその生命を刈り取る一歩手前まで来ていた。
提「いやだああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
オ(殺った!)「ぐぅ!?」
またも腕に走る激痛により剣はへんな軌道を描きながら振り下ろされ提督には当たらなかった。見てみると、腕に一本の矢が刺さっている。
見渡せば先ほど誰もいなかったところに、複数の黒い箱と憲兵が持っていたものより幾分か巨大な黒い筒を持った男達と、東方の服装を着た女性、その隣に刀を持ち自分が殺そうと剣を振った男に似たしかし更に装飾が追加された服を着た初老の男が立っていた。
?「大人しく、お縄についてくれないだろうか騎士よ。そちらの男は我々も用があるのだ。貴方が殺してしまうと知りたいことも知れなくなってしまう。だから、剣をこれ以上振らないで貰いたい。少なくとも、最終目的は貴方と一緒だ。」
老人が言っている事を信じていいのかと思うが、急所を狙わなかったのを見ると敵意はそこまでないと思われる。
オ「わかった。だが、その男を万が一にも逃したらお前がいかに止めようとコイツを殺す。それでいいなら、其方の言う事に従おう」
?「わかった。その男を逃がさないと誓おう。そして逃した場合は殺されても仕方がないことも承知しよう。」
オ「成立だ、ではこういう感じでいいか?」
吹雪が言っていたように両手を頭の後ろにつけて地面に伏せる。
「確保ぉ!!」
という声と共に押さえつけられ手錠をつけられる。
時「オスカーさん!!」
オ「貴公、安心しろ。形は違えども貴公らの仲間は救われたと思うぞ。」
時「彼は僕たちを助けてって僕が頼んだんだ!だから、彼の罪を軽くしてくれないだろうか?」
?「ふむ、君もこの騎士の事を知っているのだね?近くで彼の戦いを目撃もしている。重要参考人として来てもらうよ。なに、悪いことはせんよ。それに彼は人を殺してしまったからね。」
時「うぅ、そうだけど!オスカーさんは僕たちを助けてくれたんだ!!確かに人は殺しちゃったけどいい人なんだ!!だから…」
?「安心しなさい。証言が正しければ、いくらかの減刑は出来るから。それで屑谷君、君も我々と一緒について来てもらおう。」
屑「ハッ、了解しました。」
そう言って屑谷、オスカー、時雨は別々の黒い鉄の箱(軍用車)に乗せられ大本営へと移送される事になった。この時、オスカーが慣れない乗り物酔いで地獄を味わいトラウマになったのは言うまでもない。
筆「ふぅ、ここまで逃げればいいでしょ」
オ「小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震える準備はOK?」
筆「私は、仏教だ!!」
オ「じゃあ、読経でもしとけ。終わったら介錯してやる。」
筆「生き残る道はないですか?(泣)」
オ「無いな。」
時「無いね。」
筆(´・ω・`)
時「次回は、大本営で取り調べらしいよ」
筆「次回も、楽しみにしてくれよな!」
オ「おっ、終わったか。歯を食いしばれ。」
筆「えっ、歯を食いしばっても死ぬのdひでぶぅ」[YOU DIED]
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取り調べ、元帥の苦難
オ「多分な。」
時「僕達の登場はいつからだい?」
筆「後、もう1話挟むかな。」
オ「そうか。ちなみに今回はどんな話なんだ?」
筆「君が、海軍になる為の話さ。」
筆&オ&時「では、本編始まります!!」
総司令部に着いてオスカーが驚いたことはまず、亡者がいないことだった。普通に人が歩いている遠目に綺麗な街が見える。オスカーは声に出さず涙した。二つ目に驚いたのはこの拠点のど真ん中に篝火があるのだ。後で触っておこう。そう思いながら篝火の隣を通り取り調べ室という所に連れていかれた。そこで、先ほどの初老の男性がとても柔らかな雰囲気で話しかけてきた。
?「さ、という事でね。君が何故、あんな事をしたのか全部話してもらうよ。嘘は通じないからつかない方がいいよ。そうそう、自己紹介を忘れていたね。私は吉川賢一階級は元帥だ。」
オ「そうか。では何処から話せばいい?」
元「おや、協力的だね。そうだな。時雨と会った経緯は?」
オ「私が島を散策している時に砂浜に打ち上げられていたのが彼女だった。」
元「じゃあ、なんて頼まれたんだ?」
オ「自分達が化け物と言われてぞんざいに扱われている事を話した上で、鎮守府に連れ行く代わりに助けてくれと頼まれた。」
元「ふむ。では何故、島から出ようとしたんだい?」
オ「散策したかぎり、人の気配が全くなく私の当初の目的を果たすのに問題が生じるからだ。」
元「その目的は?」
オ「誰かを救うためだ。」
元「君の戦闘力で考えれば、沢山の人を救う事が出来るはずだが。」
オ「国はない。仲間もいない。家族もいなければ、帰る場所もない。私はそんな者だからだ。」
元「亡国になった所はどこにもないが?隠し事をするならもっとうまくやれよ。」
元帥の気迫が濃くなるが、オスカーは淡々と続ける。
オ「だろうな。荒唐無稽で本当に信じ難い事だが、信じるか?
」
元「証明してくれるならね。」
オ「わかった。証明すると誓おうでは、心して聞いてくれ。」
オスカーは自分が不死人である事これまでにあった地獄のような数千年間の事、それが無意味だった事、そしてここが自分のいた世界ではない事を包み隠さず話した。話し終えると元帥は渋い顔をして答えた。
元「君の語った事を全て信じるとして、不死だという事はどうやって証明するんだい?」
オ「中庭に赤い剣が刺さっていただろう。」
元「螺旋状の剣のことだね。あれは、つい数日前、突如出現して動かしたり撤去したりする事が不可能だったから結局、オブジェにしたんだけど何か関係が?」
オ「あれに、手をかざして起動させればあそこで復活できるようになる。ついでにそこからアイテムの補給なども出来る。それを今からお見せしよう。」
元「わかった。ただし、君を信じて私1人だけが見るのは危ないから護衛をつけさせてもらうけどいいかい?」
オ「勿論だとも、目撃者は多い方がいい。」
元「わかった。では私の直属の部下を何人か連れてこよう。」
そう言って元帥は、外に控えていた兵士に何かを伝えると中庭に案内してくれた。
元「周りには誰もいないように人払いをしたし、カメラの映像も切った。誰かが潜んでいないように全ての壁や天井を確認した。では、やってみてくれたまえ。」
そう言われたので、オスカーはまず篝火に手をかざし起動させる。
螺旋剣に火がまとわりついた事に何人かが驚きの声を上げる。
更に、底なしの箱を取り出しそこから箱に入るはずのない武器を次々と取り出しては戻し取り出しては戻しを繰り返す。仕上げに、ダガーを取り出し自分の首を掻っ捌く。周りから小さな悲鳴が起きるが構わない。自分の血で窒息するのを感じながらオスカーの意識は暗転した。
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元帥視点
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私は、自分の目を疑っている。
荒唐無稽な話をした騎士がその話した内容通りに手をかざして剣を起動(?)させ、木箱から入るはずのない武器を取り出してはいれを繰り返し、最後に自分の首を短剣で掻っ捌いたのだ。しかも、突如死体が消えたと思った次の瞬間火の灯った剣の前にあたかも、そこにいたように現れたではないか。
死んだら生き返るはずがないのにも関わらず彼は生き返ったのだ。全てとは言えないが不死である事様々な武器を取り出せる事は信じるしかなかった。
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オスカー視点
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生き返ると元帥が有り得ないという顔をして此方を見ている。
オ「どうですか?」
元「あっ、あぁ、たしかに君のいう通りだ君が死んでも生き返る事は信じよう。だが、君が真に安全かどうかは判断できない。」
オ「それはそうだろうな。あぁ、そうだ。帰る前にもう少しやりたい事があるのだがいいだろうか?」
元「我々に危害を加えないと誓えるならね。」
オ「わかった。」
元「いいよ。使うことを許可しよう。」
許可を貰ったので、ついでに亡者化も治しておくことにした。
人間性が少しだけ持っていかれた感覚があったがストックはまだ、かなりの量がある、おいそれと死ななければ枯渇する事はないだろう。しかし、一部の信用は得られたものの、この世界では身分がなければどうしようもなさそうだ。どうすればいいだろうか?そう考えながら、先ほどの取り調べ室とやらに戻るのだった。
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元帥side
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私はあの現場に向かってよかったと、心底安心している自分がいるのに気づいた。
もし、非人権派に回収されこの能力を利用されていたらどうなっていただろうか?憲兵を近接武器だけで壊滅状態に追い込み、更には艦娘との戦いですらさえ互角にいや、それ以上に張り合ってみせた。
吹雪と日向の練度は低くはないというか、自分が指揮する中ではかなり高い方の練度をしている。なのに、あのあしらわれ方である。吹雪は近接かつ対人という戦闘をした回数が少ないためミスは多かったが、日向は違う対人はした事はないだろうが人型の深海棲艦との戦かった事は多い(それを言ったら吹雪もそうなのだが)それに戦艦の力であれば、刀が素手で弾かれるなどあり得ないのだ。
彼をどうやれば、自分の手元におけるのか考えなければならない。もし、彼が非人権派に渡れば勢力図が変わるのは一目瞭然、死なない暗殺者として重宝される事だろう。どうすればいい?と悩んでいると彼が質問してきた。
オ「なぁ、元帥、この国は、身分がなければまずいか?」
元「ん、あぁ、そうだな。身分がなければ色んなところで絡まれるだろうな。」
オ「元帥、私の身分を証明するにはどうすればいい?というより、身分はどこで得ればいい?」
そういえば、彼が異世界から来た、と言っていたのを思い出す。ならば、自分の手中に収める為の方法は一つだろう。
元「私は、この海軍の長だ。一様、君が私の所につくというのなら、身分の保証はできるだろう。どうするかね?」
オ「知り合いがいないのでな。とても有り難い事だ。喜んで貴公の下につこう。」
元「わかった。では、どこに着くかだな。是非とも提督についてもらいたいのだが。」
そう言いながら、私は自分の右肩に妖精を乗せる。すぐに彼が反応した。
オ「貴公の肩の上に乗っているちっこいのはなんだ?」
元「これが、見えるかい?これは、妖精と言って我々に味方してくれる者達だ。これが見えるというのが、提督になる為の第一試験だ。見えるのなら、君は提督になれる。ちょうど、君が暴れた所が空いている。艦隊指揮をした事はあるかい?」
オ「少しだけ待ってくれ。」
少し、食い気味に話した所為なのか動揺させてしまったようだ。
オ「艦隊指揮というのをした事もない。見たこともない。そんな私でもできるか?」
元「出来るとも、そうだな。これを読んでおいてくれ。その為の書類などを書くから。」
艦隊指揮をする為の本を渡し、書類を用意していく。
元「そういえば、君の本名を教えて貰ってないけど、教えてもらえるかな?」
オ「名前は、とうの昔に忘れてしまった。今は、オスカーとしか名乗れん。」
元「そうかい。わかったオスカーと書いておくよ。」
オ「ありがとう。ところで質問なのだが…」
元「何か用かな?」
オ「これは、どう読むんだ?(戦術という字を指でさしながら)」
元「もしや、お前漢字を読めないのか。」
オ「あぁ、話し方は知り合いに東方から来た奴がいたので、話せるのだがその言葉で書かれたと思われる書物を読むのは初めてでな。」
元「ほ、鳳翔〜此奴に漢字を教えてやれぬか?」
鳳「え、あっはい、わかりました。えっと、何処からがわからないのですか?」
オ「そもそも、漢字とはなんだ?」
元&鳳「そこからですか…」
嫁がここまで動揺するのはプロポーズ以来かな?そう思うと同時に私は思った。
私は、色んな意味で大変な者を部下にしたのかもしれない。
元「今回新しく登場した。元帥です。一つ質問いいかな?」
筆「なんでしょう。元帥?」
元「初老の男性って言うけど、もう少し若い感触がするのは儂だけ?」
筆「いいえ、違います。」
元「だよなぁ。どうするんだ?」
筆「もう少し、爺っぽい喋り方がいいっすかね?」
元「そこは、君が考えるものでは?」
筆「そうですよね。ちなみにこの一週間は、ブラボのDLCを別データでクリアしながら、本データの神秘キャラを育ててました。」
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不死人のお勉強
時「それは、次回から僕たちが登場するって事でいいんだよね?」
筆「ええ、そういうことです。」
時「じゃあ、もし僕達が出てなかったら、オスカーさんの【浄化】ってスペルで吹き飛んでもらうね♪」
筆「エッ、ちょっ、えっと判断基準は誰ですか?」
時「僕だよ♪( ´▽`)」
筆「さいですか。」
オ「本編、始まります。」
元帥side
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漢字が読めない。
これまで、何人ものの問題児に頭を悩ませた事があったが、漢字が読めないというのはなかった。鳳翔もこの事に関しては珍しく慌てている。どうしよう、こいつマジでどうしよう。
漢字は恐ろしく多く、ひらがなで表しては何を言っているのかわからない漢字もある。ひらがなは昔、シバという男に習ったそうである程度できていたが、漢字がわからないのはまずい、どうしてそのシバという男は漢字を教えなかったのだろうか。どうしたものかと悩んでいると運がいいことに助け舟が向こうから来てくれた。
?「失礼します。横須賀鎮守府の佐久間達朗です。かの鎧を着た男はここにいらっしゃいますか?」
そうだこいつに任せちまえ。
元「あぁ、いるぞついでに彼の紹介もせねばならぬから入ってきてくれたまえ」
佐「はっ、失礼いたします」
(すまんな、佐久間)しかし、運がいいこともあれば、悪いこともある。
?「舞鶴鎮守府の吉川美代子です。元帥殿が鎧を着た者を招いていると聞いたので飛んできました。」
我が子到来である。
(我が娘よ!タイミング悪すぎだろ!こういう事にはすぐ関わりたがるあの子の性格からしたら今のこいつはちょうどいいどころかドストライクではないか、頑張れ佐久間、多分、此奴、他にも色々抱えとるし美代子も関わろうとするから大変だぞ。)
私は心の中でこれから自分の仕事を任せようとしている部下に敬礼をした。
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オスカーside
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煩くなるだろうからと言われ、今は使われていない会議室で提督服というものを着た二人の自己紹介と自分の事を紹介している。
佐「私は、横須賀鎮守府の提督、佐久間達朗という貴様を信用するつもりはないが、元帥から聞くに貴様は江ノ島鎮守府の提督になる予定らしい。これからご近所同士仲良くしようと思って挨拶に参った。よろしく頼む。」
吉「私の名前は吉川美代子、舞鶴鎮守府の提督をしているよ。舞鶴は江ノ島からだとかなり遠いところにあるけど、困ったら助けて挙げるからよろしくね。」
オ「俺の名前はオスカーというこれから江ノ島鎮守府というところの提督とやらになるために勉強中だ、早速教えてもらいたいものがあるのだが、いいだろうか。」
吉「えぇ、いいわよなんでも聞いて♪」
オ「漢字を全て教えて貰いたいのだがいいだろうか?」
佐&吉「へっ?」
不死人の事情説明中…
佐「そうか、そうなのか、これは先が思いやられるどころではないな。」
吉「あれまーこれどうしたらいいのかな?」
佐「とっ、とりあえず漢字ドリルを買ってこよう。小学一年生のやつ。」
吉「そっそうね。私が買ってきてあげる。」
そして不死の猛特訓が始まった
佐「違う!この読み方はふかかいせいかんではない!しんかいせいかんと読むのだ。」
オ「うむ、わかった以後注意しよう。」
吉「これも違うよ。やまぎじゃなくてやましろって読むの」
オ「うむ、わかった」
佐「それは墓だ。ここに書いてある基礎の基はこうだ!」
オ「奥が深いな。漢字は「言ってる場合か!」
吉「二人とも、眠くないの〜。私、眠い〜」
佐「このくらい、屁の河童だ。というよりお前はもっとシャキッとしろ。」
オ「不死人は眠らなくても疲労を感じない。一様、寝ることも出来るがこういう時は、休息するぐらいだ」
吉「ふーん、そうだ!兜ばかりしてるし顔見せてよ。」
オ「あぁ、いいだろう」
佐「ふむ、場数を踏んだ男の顔だ」
吉「駆逐艦が怖がりそうね」
オ「ムゥ、なんか釈然としないな」
時に吉川が眠くなると佐久間が頭を引っ叩き、佐久間が眠くなると吉川が尻を蹴り上げ、そんな事で両者が言い合っているのを少し面白がって見ているオスカーがトッバチリを受けるという謎のサークルが途中、作られたが、オスカーの覚える速度が速いため二週間ちょいで大体の漢字を覚えていた。
佐「ふぅー。まさか同僚に漢字を教える事になるとは夢にも思わなかった。」
吉「でもすごいねー。平行して指揮に関してもいくらか教えたら全部覚えるんだもん。」
オ「スペルを覚えるのに必死になっていた時があったがいつのまにこんな特技がついたのか我ながら驚きだ」
吉「まっ鳳翔さんにテストして貰って合格だったしこれで晴れて提督だね」
佐「その前に、オスカー一つだけ聞きたい、お前は艦娘人権派に着くか非人権派に着くかこれだけ、最後に聞きたいのだいいだろうか?」
佐久間はとても真剣な表情で聞いてくる隣にいる吉川も同じような顔をしている。
オ「俺は、艦娘より強い人間を知っているし戦ったこともある。彼女らは兵器とかバケモノと呼ばれて差別されているのだろう。だったら、俺はそうは思わない。世の中にはもっと恐ろしいバケモノや兵器など探せば簡単に出てくる。それに比べたら彼女らは少し強い小娘だ」
佐「そうか、つまりお前は艦娘を人としてみるのだな」
オ「あぁ」
佐「ならば、同じ派閥同士仲良くしようではないか。因みに吉川も人権派だ」
吉「さっちゃんが聞いた時は驚いたよ。まぁ、同じ派閥同士、私の方もよろしくね!何か困った事があったらさっちゃんか私に聞くといいよ色々頼ってくれていいんだぞ〜」
オ「わかった。これから困った事があれば二人に聞こう。あたらめてよろしく」
佐「おい、吉川さっきのさっちゃんなんていう呼び名いつ決めた(怒り)」
吉「いいじゃん、可愛いし。さっ私は舞鶴に戻らなくちゃ仕事と艦娘が私を呼んでいるじゃあね、オスカーとさっちゃん♪」
佐「貴様ー!待て、そのあだ名を今後二度と使うなー」
オ「なぁ、佐久間お前の一人称は私だが俺もそうした方がいいだろうか?」
佐「む?あぁ、その辺は自由だ」
吉「オスカーありがとうではバイナラー」
佐「おい、オスカーお前、吉川の逃げる時間稼いだろ。」
オ「うむ、こういう時は、時間ヲ稼げと佐久間が寝ている時に言っていたぞ」
この後凄まじい速度で佐久間がげんこつを放ったがレベルカンストしているオスカーの強靭が炸裂し、佐久間が手をおさえて痛がる光景があったという。
佐「新しく登場した。横須賀鎮守府の佐久間達郎だ。」
吉「同じく、舞鶴鎮守府の吉川美代子で〜す。」
筆「これから、この二人もよろしくお願いします。」
佐「ちなみに、次の出番はいつなんだ?」
筆「佐久間さんは、すぐ登場できるかもしれないけど、吉川さんはだいぶ後になると思うよ。」
吉「えぇ〜!?私も出番欲しい〜」
筆「どんな感じの付き合いにするか、まだ決まってないので辛抱強く待ってください。」
吉「ケチ、クズ、ロクデナシ、ポンコツ」
筆「あだ名の一部に組み込まれた。言葉を出さないでください。」
佐「そうなのか?」
筆「えぇ、そうですよ。では次回予告ですが、ついに江ノ島鎮守府編です。」
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着任からのパッチ直伝の謝罪、不穏な影
時「妙に張り切ってるね。」
筆「そりゃそうですとも。ポンコツはポンコツなりに頑張りますからね。」
オ「友人からポンコツと呼ばれてから、妙に気に入ってるなそれ。」
時「ハッ!?もしかして、きゅーさんってM?」
筆「違いますからね!!」
オ「名前変えたらどうだ?」
筆「他で使ってるので変えません。」
時「それにしても、冒頭の会話って僕達だけでするの?」
筆「考え中です。もしかしたら増やすかもしれません。」
時「ふーん。」
筆時オ「それでは、本編始まります!」
夕立「時雨ー今日新しい提督が着任するそうだよ」
時「うん」
夕(落ち込んでるなー原因はオスカーさんかな?)
夕「オスカーさんの自業自得も入ってると思うよ。確かに詳しい事を語らなかったこっちも悪いと思うけど殺しはもっと悪いの時雨がそこまで落ち込む事はないっぽい」
時「わかってるけどもしあの時もっと早く言ってれば変わったんじゃないかなって思うんだ」
曙「そうは言っても私たちはあの光景を見たぐらいしか接点がないの。貴方が助けられたっていうのは全員知ってるし感謝もしてるけど人を殺しちゃったんだからしょうがないのよ。諦めなさい。」
時「でも…グスッ」
曙&夕「あ〜あ〜泣かないのー」
夕「そういえば、誰が新しい提督を迎えに行ってるの?」
曙「長門さんと大淀さんが迎えに行ってるよ」
_____________________________________________
私たちは、今、新しく来る提督を待っている。
また、暴力的なのだろうか?また、誰かが慰みものにされるのだろうか?もしそうなら、次こそは自分達で抗わなくてはならない。時雨を助けてくれた騎士は憲兵を殺し軍に捕まってしまった。当時は誰も礼を言えず、そのままになってしまいその後の消息は誰にもわからない。
もし、今日来る提督がそういう事を答えてくれる優しい人ならば、彼のことを聞いてみよう私はそう思いながら優しい提督が到着してくれることを祈った。少しして遠くから軍用車が一台走って来る。
目の前に着くとそこから若い男性が降りてきた。
身長はかなり高く、顔には何箇所か傷が入っており、暁あたりが見たら泣いてしまうのではないかというくらいの強面だった表情は硬く目は何故か死んだ魚のようだった。
長「戦艦長門だ。よろしく頼む」
大「 軽巡大淀です。艦隊運営はお任せ下さい。」
オ「新しく、着任した提督オスカーだ。まだ至らぬ所がある未熟者だがよろしく頼む。」
※この時点で、長門と大淀は騎士の名前がオスカーと知りません。
大「ここの、前任の話は聞いていますか?」
オ「勿論だ。暴力行為もあったそうだが、他にもまぁ、なんだ。その性的暴行もあったのだろう。しかも、駆逐艦や一部の軽巡、重巡は知らないのだとか。」
大「そうです。なので精神的に不安定な者もいるのでそのあたりも気をつけて下さい。」
オ「あぁ、勿論だ。」
長「そうだ。それと提督、大変申し訳ないのだが一部の駆逐艦が貴方の顔を怖がる可能性があるんだ。一部は慣れるまで交流は控えてくれ。大変失礼な事を言っているのだが駆逐艦の為なのだ。了承してもらえるだろうか?」
オ「ふむ、まぁ仕方のない事だ。同僚にも貴方の顔を駆逐艦が見たら泣くかもねと言われたぐらいだ。なるべく努力しよう。(鎧姿に戻すぐらいだがな。)」
長「本当か!?ありがとう。」
オ「では、一様全体に挨拶がしたいのでな顔を隠して挨拶はするから皆を集めてくれないか?」
大「わかりました。多分、全員集まりませんが放送で呼びかけておきます。」
ピンポーンパーンポーン
大「新しい提督が、着任されました。提督から挨拶がありますので、皆さんは食堂に集まって下さい。」
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ワイワイガヤガヤ「今回の人は優しいかな?」
「大丈夫だよ。」「夜戦してくれる人だといいな〜」「姉さんもうすぐですよ。お静かに」
長「これより、提督よりあいさつがある全員静粛に」
長「提督入ってきてくれ」
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ここからオスカー視点
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いつもの上級騎士装備に身を包み、この鎮守府であのような残忍な?(周りが言ってるので)行為をしてすまなかったとあのハゲ頭直伝の土下座をしながら謝ろうと思い食堂とやらに入る。
何故か、周りが呆気に取られた顔をしている。
提督服を着ていない事に、度肝を抜かれているのか。そう思いながら、全員から見える位置に立ち挨拶をしようと思うと長門が話しかけてきた。
「あっ貴方は、この前、我々の前任を監獄送りにした騎士か?」
「そうだが?ヴヴン。あ〜ここに新しく着任する事になったオスカーだ。見ての通りこの前そこの海岸で憲兵を殺した。張本人だそのせいでだいぶ環境が変わり体調や精神が不安定な者がいるそうじゃないか。その原因は私だ。まず、その事で謝っておこうすまなかった。」
そして、ハゲ頭直伝の土下座を敢行する。顔を上げると何故か未だに周りが固まっている。何故だ?自分が謝るのがそんなに不思議なのか?自分に非があるのだから謝って当然だと思いもう一回下げると
長「そろそろ、頭をあげてもらえないだろうか。貴方は多分、勘違いしている。確かにトラウマを持っている子はいるがそれは前任の影響ゆえ、貴方は悪くないし急激な環境の変化についていけなかった者が体調を崩しているだけだ。まぁ、精神的な方は1人だけあなたが関係しているが…」
オ「誰だその精神的にまいっているのは?」
長「時雨だ。今、呼んでいるからすぐ来るだろう。」「オスカーさん!!」
時雨が泣きながら飛び込んで来た反射的に避けそうになるがそれを抑え、時雨を迎える。
時「ごめんなさい!ごめんなさい!!僕がもっと具体的に言っておけばオスカーさんは捕まらなかったのに!」
オ「だとしたら、俺にもその責任があるちゃんとホストの頼みを聞かず、自分の考えだけで実行したのだから自業自得だ貴公が気に病むことはない。現に俺はここにいる。」
時「いいのかい?僕は君を危険に晒したんだよ。「いいと言ったらいいんだ。」グスッ、わかったよ。」
時雨はそういうとゆっくりと離れた。
周りもほっこりしながらこちらを眺めている一件落着した。それならば言うことは一つだけだ。
オ「では改めてよろしく頼む。」
艦娘s「えっ、それだけ!?」
オ「当たり前だ。自分に非があればちゃんと謝る。しかしそれを引きずらず、すぐに切り替える、でないと自分や周りのコンディションが下がるだろう。」(場合によったら決別されてしまうしな。)
艦娘s「えぇ(´Д` )(時雨がここまで思い悩んでいたのに…)」
オ「では、仕事に取り掛かるとしよう。」
時「僕が、あそこまで思い悩んだ意味はどこに行ったんだろう…はぁ不幸だなぁ」
夕「時雨が山城化しちゃったっぽい。」
大「提督、今日の夜に着任祝いのもてなしを用意しますので、イチキュウサンマルに食堂に来てください。」
オ「わかった」
?「新しい提督が着任したそうです。」
?「次もまた、前任と同じ人なのでしょうか?」
?「どちらにせよ。誰かが一度行った方がいいかもしれないわ。」
?「もう、あんな事はされたくないです。」
?「大丈夫。それなら私が行きますから。」
?「今回、歓迎会が開かれるそうです。そこで一度様子を見ましょう。」
?「暴力的な素振りを見せたら、そこで殺せばいいですし、無理なら夜伽の時に判断すればいい。提督に襲われたといえば、ある程度は許されるでしょう。」
?「わかりました。」
?「本当に大丈夫ですか?翔鶴さん」
翔「えぇ、大丈夫ですよ。」
これが後に、オスカーが枯れていると言われる原因になるとは誰も知らなかった。
オ「おい。」
筆「はい。何でしょう?」
オ「何でしょうではないだろう、貴公。」
筆「えっ、だって考えたらわかる事だよ。」
オ「どういう事だ?」
筆「君の年齢は若年でさらに彼女なし。これでわかるね。」
オ「・・・・・わかるわけがないだろう!」
筆「この事に関しては、次回か、次次回に説明すると思うよ。」
オ「そうか。」
時「ねぇねぇ、さっきから何のことを話してるの?」
筆「時雨さん、貴女はまだ知らなくていいのですよ。」
時「ふーん」
筆「そして、長門LOVE又は翔鶴LOVEな提督様方、大変申し訳ありませんでした!」
オ「お詫びに焼き土下座するってよ。」
筆「そんな事は言ってない。だから私は逃げる!」
?「お客様ー逃げられませんよ!」
筆「何故お前がいるんだーアァァァァ!」
時「誰だろう?」
オ「知らん。」
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不死人、泣く
イチキュウマルマル、あらかたの書類を終わらせ、ここ最近の報告書に目を通す。
戦争体験は夢の中で三度だけあったがほぼ共闘に近い形だったので軍師のような予測はたてられないしかし、敵の情報を知っていればどのくらいの距離で攻めて来るかはわかるその為にもこの報告書は重要だ
侵入するときはよく一対多などがよくある為、どの位置で奇襲するのかよく考えたものだ。
思い出にふけながら、目を通しているとすぐに時間が過ぎて行った。イチキュウサンマルになり緊張しながら食堂に向かう。
なにせ、不死人になってからは飲食をする必要がなくなり、腹も空かないため飲食をするのが下手したら何千年ぶりかもしれないのだ。食堂に着くと宴会の準備が整い艦娘たちも集合していた。
挨拶の時より人数が多い頑張って出てきてくれたのだろう宴会が始まり艦娘たちが自己紹介が始まった。
「第六駆逐艦隊、暁よ。よろしく!」っと暁という少女から始まり、電、雷、響、島風、夕立、時雨、初風、途中霞、曙に「ビシバシいくから覚悟しろ」と遠回しに言われ気の強い少女だと思いながらほかの者達の紹介を聞いていく、そのまま睦月、如月、弥生、卯月、皐月、吹雪、白雪、初雪、陽炎、不知火、磯風、と駆逐艦が挨拶し、その後ろに並んでいた軽巡が挨拶を始めた。
天龍、龍田、球磨、北上、大井、夕張、川内、那珂、神通、大淀それが終わると重巡になった。
順番に青葉、衣笠、妙高、那智、足柄、羽黒、熊野、利根、筑摩が挨拶を終わらせる。
次に潜水艦という潜水する艦娘の挨拶があった、伊168、伊58、呂500それが終わると次に軽空母瑞鳳、隼鷹、龍驤、空母になり赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴、グラーフツェッペリン、次に戦艦、金剛、比叡、榛名、霧島、大和、長門、陸奥、この時、金剛にタックルされたので真正面から受け止めたが腰から変な音がした。
最後に後方支援の間宮、明石に挨拶され長い挨拶の列は終わった。そして食事をする事がない為、執務室に戻ろうこっそり出口に向かうが間宮に止められた。
間「提督、お食事はいただかないのですか?」
オ「ああ、私は食べなくとも生きていけるのでな」
これでいいだろうと思うとそれを聞いていた瑞鶴が注意してきた。
瑞「提督さん、そんな感じに食べなかったら体壊しちゃうよ」
しかし、それでも断ろうとすると瑞鶴がジトッとした目で見てきたので黙って食べないとあとあと面倒な事になるだろうと思い食べることにした。
席に座り頭装備を外し宴会料理とやらを箸を(元帥に最低限の日本の作用を学ばされた)使って口に運び入れた。なにかを咀嚼するという行動をするときは大抵、状態異常などを治す時のみだった為料理を食べるということは初めてに等しかったが、咀嚼することによって口に溢れ出したなんとも言えない美味しさに、声を押し殺して泣いた。
周りが気づき動揺しているが涙が止まらない。それでも自分は料理の感想を述べるために口を開く
オ「そうだよなぁ、料理とはこういうものだったよなぁ」
自分がこのような事を言うのはどうかとと思ったが嗚咽混じりで、話したためか周りにいる艦娘達は涙が止まるまで待ってくれた。
涙が止まると同時に長門が「何故泣いていた」と言われたので、嘘の答えを答える。
オ「すまないな。無人島に何年もいたせいかこのような事に懐かしみを覚えてしまうのだ。」
長門や周りの艦娘がそれなりの驚きを見せていた。たしかにこちらの本当の身分を知らなければ、驚愕ものだろう。しかしそれもすぐに終わりままた喧騒が戻ってきた。
記憶が曖昧だが不死人になってからは誰かの料理を食べる又は、何か味のするものを食べるというのはほとんどなかった。その上、エストを飲む時やジークの酒を飲む時以外は味がしなかったのに、食べ物を食べて味がするという久しぶりすぎる感覚に衝撃を受けたのも今回泣いてしまった原因だろう。
こうして自分の記憶の中で初めて泣いた日は幕を閉じたのであった。
宴会も終わり、夜になり周りが寝静まった。料理を食べることも久しぶりだったが寝ることも久しぶりすぎる不死人は、眠ることができず一人で執務室の椅子に座り休憩していた。今まで、休んできた場所が場所であり、このような豪華な寝床では休めそうにもなかった。(といっても、ただ新品の枕と毛布の敷かれた質素なベッドである)
そんな中、執務室の扉を開ける者がいた。見てみると、翔鶴と呼ばれていた長い白髪の女性が扉の前にいた。
翔「提督、起きていらしたのですか?」
オ「あぁ、眠れなくてな。」
翔「そうですか。提督、失礼を承知して言うのですが、布団の上に寝転んでもらえないでしょうか?」
オ「何故だ?」
翔「いえ、その・・・夜伽の準備をしようかと思うので。」
オ「なんだそれは?」
筆「やめろー死にたくない!死にたくない!死にたくなーーい!!」
時「いや、この短さは無いでしょ。」
筆「ごめんなさい。次回長くするので」
時「わかったよ。でも、一様グラインドブレードに一回突撃されといてね。罰は罰だから。」
筆「イヤアアアアア」
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○○を最も長く守った人(?)VS五航戦
E「いいのか?」
筆「いいとも」
E「よしじゃあ、回すか」
結果はキアラでした
E「キアラきたぞ」
筆「俺、この前十連引いたのに出なかったんだよなぁ。なんで君が当てちゃうかな?まぁ、嬉しいけど」
翔「夜伽がわからないとは?」
オ「言った通りその言葉がわからないのだが?」
翔「そう言うのを言わせるのがお好みですか?」
オ「言いたく無いのなら言わないでいいが?」
説明しなくてもわかるかも知れないが、不死人の貞操は無事である。ダークリングが出てからはそのような事を催したこともなく、そのような気持ちが起こる美女はいたが皆死ぬか、亡者になるかの二択になっているその為、催すどころか恋心すら起きた事がない。そして、それを数千年の間続けてきたのである。
男性は自分の貞操を何年も守り続けると妖精やら仙人やらになると言うが、彼は数千年である。もし、これが本当ならば彼は最早創造神の類だろう。これを読んでいる方々で、ダークソウルをプレイしたものはカルラはどうなの?と疑問に思うだろう。しかしカルラは慰み者にされたと言っているだけで、どんなものかは言っていないというか言ったらR 18指定である。だからこそ、今の不死人のそういう所の知識は慰み者&性的暴行→なにか不吉または悪い事、夜伽→なにそれ?というか感じである。簡単に言えば、そういう所の知識は最早ピュアな小学生と言っても過言ではないのである。
皆さんは小学生の頃にこんな事を聞いても意味がわからないか、話し手の感じから悪い事だとしか認識できないだろう。
そしてそんな人?と翔鶴は相対しているのである。勿論、翔鶴はこの事を知らないそして永遠に会話が進まない
翔「教養はありますよね?」
オ「ああ、あるぞ。それがどうした?」
翔「でしたら、わかるはずです」
オ「いや、わからんから聞いているのだが?」
翔「保健体育というものを知らないのですか?」
オ「いや、知っているぞ。(確かばりあふりーとか言う老人や手足を失った者を支援するものだったか)」
翔「だったら、わかるはずです!」
オ「貴公は、そんな美しい姿をして老婆なのか?」
翔「違います!!」
オ「だったらなんだと言うのだ?」
翔「言わせたいのか言わせたくないのか、ハッキリしてがください!」
オ「貴公が言いたくないのなら言わなくていいし、言いたいのなら言えばいい」
翔「本当になにがしたいのですか!!」
オ「いや、まず貴公は何をしにここにきたのだ?」
翔「嗚呼、もう言いますね!夜伽とは(汚くて見せられないよ)して(汚くて見せられ以下略)するものです!」
オ「その(汚くて見せ以下略)をして(汚くて以下略)をするとはどう言う事なのだ?」
翔「ですから、(汚くて以下略)して(汚以下略)
したら(以下略)するのが夜伽です!」
オ「よくわらない?」
翔「なんで!わからないのですか!?」
翔(もしかしたら、本性を隠しているのかもしれないわ、こうなっら・・・)
翔「これを見てもですか?!」
と言って上着を脱ぎ捨てる我々からしたら、嬉しい事この上ないかもしれないが、目の前にいるのは貞操を守り過ぎた上に出会い無し更に知識は小学生並のこじらせ最終形態である。そんな人間に効くはずもなく。
オ「寒いのか?それとも肌が白いのが気になるのか?前者ならば布団を貸すし、後者ならば、気にする必要はない逆に美しいと思うぞ。」と口説き文句?を言う始末。
そして翔鶴はというと
翔「ゔっ、」
オ「う?」
翔「ウェェェェェン」
全て本当であるが、それが常識ではない為にわからなくなってしまった翔鶴は安堵と不安恐怖などの様々な感情が溢れ出してしまい
しかも、肌を見せても平然としている姿を見て傷つき泣いてしまったのだ。
オ「むっ、なぜいきなり泣く?どこが痛いのか?」
この対応である。そして、この泣き声を聞いて走ってくる者が一人。
大「提督!部屋から女性の泣き声が聞こえるのですが!!って・・・」
大淀が見た光景はというといつもの鎧姿のオスカーと上半身がはだけた状態の翔鶴その光景を事情も知らずに目撃すれば、オスカーが襲ったとしか思えないだろう、そんな大淀がの第一声はというと
大「本性表しやがったなァ!!このクソ野郎がアアアア!!!!」
と叫びならがら、艤装を展開しオスカーに渾身のボディブロー一発
オ「うぐゥッ!?」
突然の事で防ぐ動作も取れず食らった一撃は重く不死人の体にも耐え難いものだった。
オ「ゴファッ」
内臓を痛めたのかそれとも肺に骨が刺さったのか、久しぶりに血を吐く。
もう一撃飛んで来てもおかしくないのだが一向に飛んでこんないのを不思議に思い顔を上げると自分と大淀の間に翔鶴が入り大淀の追撃を止めていた。
大「どいてください!それは貴女に乱暴を振るったのでしょう!!私なら大丈夫です。なのでどいてください!!」
翔「違います!このような状態になったのも自分で行なったものです!ですから、提督を殴らないで下さい!!」
大「えっ、違うのですか?」
〜〜〜事情説明中〜〜〜
大「本当にすいませんでした!!!」
翔鶴が事情を説明し、自分が早とちりで上官を殴った事がわかった大淀は土下座をして謝って来た。
オ「いや、こちらにもゼェー、誤解を招くような状態にウッ、してしまったんだ。こちらこそ悪かった。ゴフッ」
血を吐きながらも、自分に非があったことを認めこの場を乗り切ろうとするが大淀はというと
大「いえ、私が全面的に悪いんです。」
と一点張りであるオスカーからしたらとっとと部屋から出て行ってもらいエスト瓶で回復をしたい所なのだが、頑なに認めようとしない大淀により未だ傷が治せない状態でいる。
翔鶴はというと自分のせいで誤解を生み挙句の果て、上官に重傷を負わせてしまったというショックから半泣きの状態でオロオロしている。
大「そっそれより、早く傷を治さないと!」
ようやく大淀が本題に入ってくれた。
オ「あぁ、そうだな。自分でなお「急いで病院に!!」いやだから、自分で治せ「その前に明石を呼んで応急処置を!!」
オ「落ち着け」
少々、ドスを効かせた声で言うと二人はようやく静かになってくれた。
オ「自分の傷は自分で治すから貴公らは少し席を外しておいてくれ」
翔&大「はい…」
二人が外に出たのでエスト瓶を取り出し少しだけ飲む、すると傷が治る感覚があり治った事がわかった。
オ「終わったぞ」
翔&大「えっ、もう!?」
少し驚かれたが、新しく開発された人間用の高速修復剤的なものを飲んだと言って怪我が治ったことをアピールする。
それを見て落ち着いた大淀は質問してきた。
大「あの提督、本当に夜伽という言葉を知らないのですよね?」
オ「ああ、翔鶴に教えてもらうまで夜伽がそういうような行為をする事だとは分からなかった」
大「で、では、もう一つお聞きしますがその・・・持て余した事はありますか?」
オ「いや、全くというかそのような感情になった事はない」
大「男性がお好みですか?」
オ「いいや、全く」
大「何か、そういう病気を持ってるとかは?」
オ「そういうことも全くないな。する前に軍の病院で色々調べてもらったが、そのような病気があるとは言われていない」
大「あー、はい。わかりました。翔鶴さん提督は枯れているようです」
オ「むっ、心外だな干からびてないぞこの肌を見ろ!」
大「いえ、そういうことではなくてですね」
オ「では、なんだというんだ」
大「欲を持て余すどころか全く無い人のことを言います」
オ「そうか」
大「そうです。では、夜も遅いのでもう私も戻ります。翔鶴さんにも帰るときに一緒に言いますので、提督もお休みになってください」
オ「わかった。では、大淀また明日。翔鶴、貴公に礼を言おうまた新しく知識の幅が広くなった」
翔「はっはい。どういたしまて・・・」
翔鶴がそう言いながら音を立てずに、扉を閉めた。
それを見送ったオスカーは、総司令部にいたとき、元帥が『日記を書くと物忘れとかをしても記憶を補完できる』と言っていたのを思い出し渡されていた一枚の日記帳に今日あった出来事を事細かに書くのであった。
_____________________________________________
翔鶴&大淀side
_____________________________________________
大「翔鶴さん、どうでした」
翔「なんだか、色んなものを失った気分です何もされないのに」
大「ほかの方々にも伝えておいてくださいね。また同じようなことをされても面倒ですし」
翔「はい。あっ、そういえば大淀さん提督を殴ったとき艤装展開しましたか?」
大「えっ、ええ、そういえば展開しましたね・・・えっ」
翔「つまり提督は艤装展開した状態の大淀さんの拳を耐えたことになります。一体何者なんですかね提督は・・・」
余談であるがこの後オスカーが書いていた日記帳は艦娘の黒歴史をも書き込まれ、横須賀鎮守府ブラックノートと呼ばれる存在になるとはこの時の翔鶴は知る由もなかった。
筆「読者の皆様大変遅れて申し訳ありませんでした」
時「焼き土下座だね」
オ「焼き土下座だな」
ヴ「はいっ焼き土下座っ、焼き土下座っ!!」
筆「僕は死にましぇ〜ん」
E「追加で油敷いてやるよ」
筆「イ"エ"ア"ァ"ァ"ァ"」
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不死人は心配性になったようです
熱々の味噌汁を冷まさずに飲む。デメリットはしばらくの間、舌がとてつもなく痛くなる。
アニメとかで熱い飲み物を飲む時に『熱っ』ってやる奴がいるけど、実際にやると『熱っ』ではなく『あっつうううぅ!!』ってなるんだよね。
ちなみに好きな味噌汁の具は豆腐とワカメのスタンダードなやつ
遠征とは、敵を討つために大部隊を率いたり、目的地を調査研究するという意味である。
そして艦これの遠征は、資源の確保がメインである。彼女達は出撃するためのエネルギーや弾薬がなければ、ただ海を走れるだけの女性と大差がない。
十分な量がない現状では、遠征が一番最初にすべき事であり、重要な任務でもある。
オスカーは遠征に行けるメンバーを大淀を呼び、助言してもらっていた。
「遠征の得意な艦娘がだれか知っているか?」
「そうしますと、暁型がいいですね!後は暁型と仲のいい天龍型の二人も呼びましょう」
「ふむ、ではその編成にしてくれ」
「了解しました」
大淀が放送で呼びかけて数分すると、執務室のドアが開き全員が集まってきた。
少々、体が強張っているが緊張から起こるものだろう。慣れてもらわなければならない。
「任務を言い渡す。今回はこのルートを通り資材の回収をしてもらいたい。いいだろうか?」
帰ってきた反応は三者三様だ
「任せて!」
「そうこなくっちゃあ!この天龍様に任せてくれ!」
「もっと雷に頼ってもいいのよ?」
なんというか暖かいものを感じるオスカーだった。
見送りを終わらせ報告書を読みながらコーヒーとやらをすする。苦味の中に甘みがありなかなか好きな飲み物である。
報告書を読んでいるとある報告書に目が止まる。それは遠征に行った際に接敵した敵の回数だ。敵の種類はイ、ロ、ハ級強くて精々、ホ級程度だ。しかし、接敵の回数が非常に多くオスカーはアリアンデル絵画世界の狼の群れを思い出す。
彼女達は大丈夫だろうか?出立の際に見たが盾のようなものは持っていなかった。武器という武器も殆どが遠距離、近距離武器を持っていたのは天龍と龍田ぐらいだ。そんなもので犬のような敵と戦えるだろうか?
犬に関しての嫌な思い出は割と多い方だ。初めて犬が危険な生物だと自覚したのは山羊デーモンとのコンビだ。山羊デーモン自体より犬の方が厄介だった思い出がある。
実際、腕に噛み付かれ怯んだ一瞬を狙って山羊デーモンが武器を振り下ろし頭を叩き割られること十回ようやく犬を先に殺した方がいいことに気づき、犬を殺してみるとなんと簡単なことか、一瞬でさえ山羊デーモンが犬の飼い主だと思った自分を鼻で笑ってやりたかったぐらいだ。
その後も群をなした犬を相手取る時は異常なほど警戒したものだ。時には超遠距離からの狙撃のみで犬を殺したり、わざと姿を晒し一本道に誘い込んで一気に槍で貫いたり、狭い個室に誘い込み自分は屋根の木枠の上に乗って上から火炎壺を投げて焼き殺したりしたものだ。
天龍と龍田あまり危険はないだろう。二人とも近接の心得がある。心配なのは第六のあの四人だ。
彼女達はまだ少女だ。犬の素早い動きついていけるだろうか?天龍と龍田がカバーできなければ彼女達が餌になる可能性は限りなく高くなる。狩りというのはそういうものだ。
しかも彼女達は自分と違って生き返れない。
本当に大丈夫だろうか?心配でたまらない。
段々と報告書をまとめる作業が早くなり、オスカーが外を見る回数も段々と多くなる。
一見遊びたい盛りの少年が早く勉強を終わらせたいが一心にソワソワしだすような光景に見て取れないが、この男の場合は違うどちらかというと始めておつかいにだした我が子がちゃんと物を買って帰ってくるか心配な親である。
彼女達の遠征を実物で見ていない彼にとっては不安であるが、大淀がそんな失敗したら誰か轟沈みたいなところに遠征させるはずもない。悪くて大破だろうだが、しかしこの男、不安であるたしかにロードラン、ドラングレイグ、ロスリックでは油断したら死みたいなところは多数あるというかほんとんどがそれだ。
そんなところで育った彼ならば、そんな心配の一つや二つもおかしくないだろう。たしかに艦これの世界でも残党が特攻紛いを繰り出してくることはある。しかしダークソウルのような初めから自爆特攻や敵味方関係なく殺意を持って殺しかかる奴はいない。いたらそれは機械だ。
たしかに艦これの世界の敵の勉強をしたが、この男の場合それを覆すイレギュラーがいるそれは闇霊《ダークレイス》である。しかしそんな艦娘を殺すためにひょっこり出てくるはずもない。
出たらそれは自殺者だろうなんせ海の上で召喚される可能性があるのだから。
そんなこんなで仕事を速攻で終わらし、埠頭で心配になりながら同じところを行ったり来たりしているオスカーである。一様遠征組や出撃組にもしもがあった時の緊急用の連絡を受け取れるインカムを持ちさらには自分が使っている鎧と武器を持ってきてだ。
今の彼はそれほど心配なのである
まぁ、問題もなく遠征組は帰っきたのだが
ちなみに遠征組を出迎えた時のオスカーは本当に安心したかのような気配を漂わせていたらしい。
闇霊のルビをダークレイスって降ったら真っ先にダークライスっていうのが出てきて、少々困惑した今日この頃
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戦う準備は入念するべし、消えってしまった戦う理由
FGOのイベントやってたらいつのまにか前回投稿より大分過ぎてた。
イベントガチャでメルトリリスと紫式部をお迎えしました。
周りには『そろそろお前、死ぬんじゃねぇの?』と言われてます。
そのような気が本当にして気が気でない。
オスカーは困惑していた。何故遠征に行ったはずの彼女達は、怪我もなく無傷で帰ってきたのか?という事だ。この男は本来のイ、ロハ級の実力を知らないあの世界のように初めから殺意増しましの素早い突撃を繰り出してくることは殆どなく、さらに彼女達は艦娘が持っている武器つまり艤装の事だが、無強化の弓の威力などではなく一発一発が大砲のような一撃になっている。
そんなものを食らうのだから勿論イロハ級は沈む。しかし彼はそんな事を知らない数が多くともある程度の練度があれば、簡単に倒せる事を知らない。
そして翌日彼をさらに過保護にすることが起こる。
出撃、この言葉を聞いて気をつけることは艦娘達のレベルと装備、敵の種類に羅針盤がどっちに向くかということだと思う。
しかし、オスカーはこの事を詳しくは知らない、こちらに来て初めての実戦であり、戦うのも自分ではなく艦娘という何度も生き返ることのできない少女達である。
そして今回の編成は金剛、鈴谷、瑞鶴、龍驤、川内、夕立である。
不安である、ただただ純粋に不安である。
この前の遠征では何の問題もなく、帰って来れたがそれは資源の回収がメインだったからだ。
だが、今回の目的は敵の撃滅だ。
つまりは殺し合いだ。悪知恵や小狡い手は当たり前の殺し合いだ。
毒の塗られた武器は当たり前、遠くからの狙撃や、姿を見えなくしてからの奇襲、更には仲間を一人ずつつリンチにしたり、挙句の果てには角待ち衝撃波による落下死もあり得る。
海上で戦うため吹き飛ばされて落下死はないが、海面からの奇襲は大いにありえる。相手が毒を持っているとも限らない。
武器もそうだ火炎壺よりも威力のありそうな榴弾や、貫通能力に重きを置いた徹甲弾もある回避するのは相手の砲門の角度や向きを見れば、おおよそ見当はつくがそれを彼女達ができるのかと言ったら別である。
砲弾はまだいい、空母の艦載機だとかいう武器、あれは悪魔が開発したと言っても過言ではないと思う。
小さい上に素早く空を飛び遠距離から凄まじい速度で攻撃してくる。あれはダメだ。厄介すぎる。救いなのは、大楯で防げるところだろうか?
オスカーは考えた誰も死なずに生還できる方法を、そして思い立った。まず、物理と火に強い盾を持たそう、そして回復アイテムと耐性を上げるアイテムを支給しよう。
そしてアイテムを渡していく、夕立には双蛇のカイトシールド、鈴谷には太陽の盾、龍驤には龍紋章の盾、瑞鶴には黒騎士の盾、金剛に黒鉄の大盾を渡そうとしたが少し重そうだったので、銀騎士の盾にした。
そして更に赤虫の丸薬と周回で使わなくなった挙句ために溜めた女神の祝福を渡したのだ。
本当なら武器も上げたかったが馴染みある武器のほうがいいと思い渡さなかった。
それにしてもやりすぎである艦これ基準で言えば、全員に応急修理女神と火、簡単に言えば榴弾の爆発などを軽減させるアイテムを渡しているのだ。
過保護にもほどがある。
全員の顔は勿論引きつっている。当たり前だ
盾は竜の強烈なブレスや引っ掻き、マグマにも耐え得るものがある。
榴弾がそんな威力を出せるわけもないのにこれである。
しかも盾の説明とアイテムの説明をきっちりする。顔が引きつるのも仕方ないだろう。
勿論、艦娘からも意見が飛ぶ
「いや、そんな凄いものいらないし、今回攻略する海域も今の練度なら簡単なところでしょ?いいよー提督そんなにしなくても」
「そうや。心配のしすぎや。そんなんやったら、この先どないするん」
「提督は心配すぎぽっい〜」
「大丈夫だよ提督!そんなことより夜戦させて夜戦!!」
「そうですよー提督ぅ〜この金剛にお任せねー!」
「ぬぅ、だが戦いには何が起こるかわからないんだ。こちらの意見を多少は聞いてくれ」
渋々、引き下がったがそれでも女神の祝福は渡したままだった。
そして出撃の時
オスカー不安でいっぱいである。
もしかしたら、この後戻ってくる人員が減っていたり、もし不死人が混じっていたらひょっこり篝火から生えてくるのではないかと心配でたまらない。
不死人であるが故自分が死ぬ事に関しては特に気にはしていない。死んでしまっても『次は気をつけて極力死なないように行こう』と思うくらいだ。
だが、他人が死ぬことに関しては別であるしかも不死人でないのなら尚更だ。
死ぬ回数が多いとそれだけ死因の種類も多くなる。剣で心臓を貫かれる、毒が体に回り死ぬ、焼け死ぬ、食われて死ぬ、呪いにより石化して死ぬ、岩に押しつぶされる、死ぬ瞬間がどんな感じなのかも詳しく語れるぐらいには死んでいる。
だからこそ、周りの人間には死んでもらいたくない。死とはどれほど恐ろしく痛いものかを身をもって知っているからだ。
「提督〜言ってくるぽ〜い」
夕立が振り向いて元気よく手を振っているオスカーはそれに答えるように手を振り返すが今この男の顔は不安により引きつっている。こいつは本当にあの世界を何度も廻ってきたのかと思うくらいに引きつっている。
そしてこの男は今、もし艦娘がピンチに陥ったらどうすれば良いのかを考えている、水に入るのはまずい動きが遅くなり体力の消費も陸より激しい武器も制限されるし、何より鎧がつけられない。
では、船を使うのはどうだろうか?これも却下だ。
相手である深海棲艦は水中又は水上が戦いの場だわざわざ自分達の得意な攻撃範囲から出てくるのは四流がすることだ。ましてや船の下に潜られたらどうする?
ではどうするか?
海の上に立つのが得策だろうが、それは不可能である。彼女達がつけている艤装も艦娘だけしかつけられないようだ。
もはや八方塞がりかと思われた時、天啓が舞い降りてきた。それは彼の記憶の中ではまだ真新しいものだ。それはジークバルトとイルシールで酒盛りした時の話だ。
『貴公、知っているか?水を思いっきり冷やしまくると冷たく固まるらしい。そうすると水の上なのに立つことができるそうだだが、今回やりたいのはそれじゃない。それを切り出して箱の中に入れておくと周囲が涼しくなるらしい。ついでに酒も入れておくと酒も冷えて上手くなる。貴公、何かそういうスペルを持っていないか?おお!持っているのか!
早速、試してみようじゃないか。』
【瞬間凍結】
『おお!?見ろ貴公水がみるみる内に固まっていくぞ!ここにちょうどいい大きさの箱がある切り出すなり砕くなりして入れようじゃないか!』
しばらくして・・・
『触ってみろ貴公!酒が冷えている!早速飲もうじゃないか!では、カンパーイ!』
ゴクッ
『冷た!?このイルシールの寒さよりも冷たいではないか!だが美味い!ガハハハハハ
貴公のおかげだ。祝杯をあげよう。
貴公のスペルと、我が知恵、そして我らの試みに挑戦する勇気に、太陽あれ!!ガハハハ』
もしかしたら海にも使えるのでは?
【瞬間凍結】
ピキピキパキツ
(凍った!海にも通用する後は立てればいいだけだ)
鎧を着て降りる見事に立つことには成功した後は歩く、走るローリングができればいいそして歩く事に成功し、走る事にも成功したローリングをしてみたが、少しヒビが入ったのであまりしないほうがいいという結果に終わった。
(ジークバルト、貴公のおかげだ。)
彼は兜の中で陽気な玉ねぎ頭の騎士に礼を述べるしかしふとある思いが頭の中をよぎりその顔は曇ってしまった。
(貴公、お前は友の為に戦い友の為に誰もいなくなったところで死んだな。貴公の戦う理由は友の為だった。なぁ、ジークバルトよ。私はどうすればいい。多分、この世界に火継ぎはない。私は今まで火継ぎのために戦ってきただが、もうその戦う理由は無くなってしまった。ジークバルト、俺は何のために、誰のために戦えばいい。どうすればいいだろうか、我が真の友よ。)
その後、無事に戻ってきた艦娘達に敵がどれくらいいたのかなどを聞き、使わなかったアイテムを回収し艦娘達の実力を認めるのだった。しかしこの時オスカーの顔が曇っていた事に気づく者は誰もいなかった。
花粉症のせいで集中がなかなかできない。
だけど、生姜焼きを作ってみたら大変美味しく出来上がり、鼻の穴が広がったのを感じました。
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トラウマの対策法
えっ?ずっと何してたのかってスマホを機種変した時に書いてたデータが消えてそれを復興しておりました。すいません。
そういえば、アズールレーンに狩人が来ましたね。いやーかわいいのなんの正式加入した時思わず顔がゆるじゃいましたよ。オドンには絶対触れさせないからな。触れたらアルフレート風オドンのマッシュにして最初の火の炉に捧げてや・・・ってもいいのかなぁ?
二度目の遠征に編成する艦娘を少しだけ変えたオスカーは大淀にとある事を言われていた。
「提督、今回の編成はお勧めできません」
「何故だ?」
「今回編成に加わった皐月ちゃんと卯月ちゃんはトラウマを持っています」
「どのようなものだ?」
「卯月ちゃんは元々イタズラ好きな子でしてそれが彼女の可愛らしい所だったのですが、
度重なる遠征の失敗とまだ建造されて間もなかった時にしたイタズラに苛立ちを覚えていた元提督が卯月ちゃんの目の前で皐月ちゃんにひどい暴力をふるいまして、それ以来二人とも遠征に出てもし失敗したら同じ事が起こるのではないかと怖がっているのです」
不死人は思った『トラウマは克服するものでは?』とあの世界ではどれほどのおぞましく汚らしい場所でも結局は入らないといけなかったし、どんなに強い敵でも強くなるためには必ず倒さなければならなかった。
そしていつしか彼の中ではトラウマ=克服しなければならない壁、という認識になっていた。
では、どうやったら彼女達を遠征に行かせられるようになるのかを考えた結果
「大淀、皐月と卯月を呼んでくれ」
「えっあっはい」
〜数分後〜
「提督、なんだい?遠征に行こうとしないから殴ろうって魂胆かい?」
「そんな事卯月がさせないぴょん」
既に臨戦態勢に入ってる卯月とその後ろで震えている皐月を無視しオスカーは話を始める。
「貴公ら、今まで一番怖かったことは何だ?」
「皐月が殴られることぴょん」
「遠征に失敗すること」
「そうか、軽いな。いや、貴公らからしたら重いのか?」
「何も知らないくせに軽いなんて。提督も体験してみたらどうだい」
「既に体験したよ。そんなこと。」
(一番覚えてる物だと、輪の都でデモナに殴り殺されたな)
「えっ」
「それよりも酷いこともされた。昔話をしよう何そこにある、そふぁというものにでも座ってゆっくりお茶を飲みながら聞いてくれ」
「わっわかったよ」
「変なもの混ぜてないよね」
「混ぜてないとも、話をしようあれは何年前だったか?いや、そんなことはどうでもいい
あれは俺がとあるところに向かう為に倒した敵の話だ。
貴公らゲロを目の前で吐かれたことがあるか?しかも大量のそしてその吐かれたゲロの上で戦ったことはあるか?」
「ないよ」
「ないぴょん」
「そうか俺はある。あれはきついぞ特に臭いが、腐ったような酸っぱいような変な臭いがする鎧に染み付いた時は発狂ものだったよ」
「それがどうしたの?」
「どうしたっていうんだぴょん」
「待て話はまだあるあれはある城に向かうために通った雪道での話だ。なぜかその城周辺は雪が濃くてな崖もどこにあるかもわからない。あれは怖かったぞ。」
「で?」
「まだわからぬか。もう一つある確か教会の地下に潜った時だったか、その地下には大量の腐肉と人間大のハエがいるところでな。貴公ら体験したことあるか自分めがけておぞましいハエが飛んでくるのをしかも捕まったらヒルなのか蛆なのか分からん虫を吐き出してくる」
「結局、何が言いたいんだ!!」
「俺は、さっき話したことを全て体験しそして克服してきた」
「それは克服したっていうより耐えたんじゃないのかい」
「そうともいう、そしてそれは貴公らがいますべき行動でもある」
「どれだけ痛かったのか知らないくせに調子に乗るな!!」
「では、貴公らも俺がどれだけ苦しかったかも知らなかろう。つまりはそういうことだ。守ってくれる奴もいなければ同情してくれる奴もいない」
「ここに卯月がいるもん」
「では、卯月は皐月が殴られた時の痛みを知っているのか?」
「本当にそうか?」
「当たり前だぴょん」
「では痛みはどうだ?苦しさは?元提督の力加減一つで充分変わるぞ。そんなこともわからずして同じ体験をした?トラウマを背負った?馬鹿馬鹿しい。同じ光景を見ていようが痛みや苦しみが違えばそれは別物だ。貴公らは同じトラウマを負ったと言ってただ逃げているだけだ。互いに傷の舐め合いをしているだけだ。」
「そんなはずない!!」
「本当にそうか?痛みも苦しみも殴られた箇所の熱の持ち方も恐怖も本当に全て同じなのか?」
「そうとは言い切れない」
「では違う可能性もあるわけだ」
「本当に何が言いたいんだ!提督は!」
「トラウマは乗り越えるものだ。いつまでもそんな所で互いに互いの傷を舐めあっている暇があったら立ち上がって自力で治すための包帯を探すぐらいの努力をしたらどうだ?
それともそのまま傷を腐らせて一生トラウマの原因になった事に立ち向かえず逃げながら悲しい人生を暮らすのか?
あのクズに一生勝てないまま死んでいくのがいいと思っているのか?思っているのなら仕方ないこれ以上貴公らを止める必要もないしそのままどうぞ腐ってくださいだ」
「嫌だ。」
「あんなクソ野郎に怖がり続けるのはいやだぴょん」
「そうかならば克服するために遠征に行くといいついでに、もし敵に会ったらあのクソ野郎の顔がついてると思ってみたらどうだ?いいストレス発散になるかも知れん」
「わかったよ。ちょっとまだ怖いけど頑張ってみる」
「うーちゃんも頑張ってみる」
「そうか」
「そうだ。提督」
「なんだ?」
「提督はトラウマを乗り越える為にどんなことをやったの?」
「周りに寄り添ってくれる奴がいなかったのでな、ひたすら慣れだった。憎い相手もいなかったんでな・・・いや、いたにはいたが顔をつけも気持ち悪いだけだったのでな。見慣れる又は聞きなれるまでひたすら挑戦した」
「へぇ〜なんか大変そうだね。」
「そうだな、ついでにもう一つトラウマ話をしてやろう、さっき話したようなもの以上に怖いものがある。当ててみろ」
「死ぬ事?」
「違うな」
「じゃあ、殴られる事?」
「それも、違う正解は犬だ?」
「犬ってあのワンワンってなく犬のことだよね?」
「ああ、そうだとも」
「それのどこが怖いぴょん?」
「犬に噛み殺されそうになったり、実際噛まれて死にかけたり、犬の噛みつきで動きが止まったところを斧で斬りかかられたり、あれには慣れは通用しないし、攻撃も当てるのに一苦労するし、噛みつかれるとそのまま食いついて振り飛ばさないとずっと噛み付いたまま千切ろうと首を振ってくるという厄介極まりない生物だ」
「「それ、提督だけだと思うよ(ぴょん)」」
「いや、体験し見ればわかるあれは恐ろしい生物だ。しかもあいつら吠えて仲間に知らせて大勢で襲いかかってくる。先日、マルチーズだかチワワだかに吠えられた時は剣を抜いて斬りかかりそうになったくらいだ」
「それ、どうなったぴょん?」
「横須賀鎮守府の提督に羽交い締めにされ、舞鶴鎮守府の提督に往復ビンタをされて正気に戻ったお陰で殺すことはなかった。だがその日は、あの子犬が吠えた瞬間に今まで見てきた畜生どもが一斉に襲いかかってくるという悪夢をかれこれ三回程見て眠るに眠れなかった」
「それ、僕達以上に重症じゃない?」
「安心しろ。見なければ夢には出ない。それに似たシルエットを見てもやられた時の記憶が蘇って震えと冷や汗が止まらなくなり、どうやって殺すかというか計画を速攻で立てるくらいだから。貴公らのように震えて縮こまってしまわないから重症ではない」
「「いや、重症だよ(ぴょん)!?」」
「話はこれくらいにして、そろそろ遠征の出発時間だ。さっき、言われたことを思い出して、敵の顔をあのクソの顔に見たてて撃ち込んでみろ多分、楽しいぞ。」
「「はぁ〜い!」」
「後、犬のような敵には気をつけろ。何をしてくるのかわかったもんじゃないし、何匹いるのかもわからない。下手したら、予想以上の数でこちらを殺しにくるからな、絶ッッ対に気をつけろよ。」
「「は、はぁ〜い・・・」」
「最後の返事だけ、不安だが頑張ってこい。死んで帰ってくるなよ。貴公らは私にとって大事な存在なんだ」
「「行ってきまーす」」
「ああ、行ってこい。帰ってきたらそうだな遠征に行ってきた奴ら全員に間宮アイスとやらを奢ってやろう。」
「「ホント!?」」
「ああ、本当だとも、そら、行ってこい。」
「頑張って集めてくるね〜!!」
「うーちゃんも頑張ってくるぴょん!!」
「フッ、可愛らしいものだな。ここに来れて本当に良かった。だが、甘えてはいけないな油断は命取りだ」
執務室の扉を閉め、残った仕事を片付けるためにペンを走らせる。その顔は少し笑っていた。
そうそう、バレンタインデーにあんな文書書いたけど、親からGODIVAのチョコレート貰ったよ。余談だけど、そのGODIVAのチョコレートにGODIVAのGが入って「あっ、ゴースだ!」って叫びそうになったのは内緒
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