GS櫂斗-異世界霊界探偵禄- (ギブス)
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第1章 転生
プロローグ


どうもはじめまして、ギブスと申します。
懐かしのGS美神の二次小説ですが上手く書けているかわかりません
とりあえずプロローグですが、お楽しみ下さいませ。
m(_ _)m


『…起…ろ……きろ……』

 

「…うーん、あと5分…Zzz」

 

 

…誰かが俺を起こそうとしているが、昨日は忙しかったんだからもう少し寝かしてくれ…そう思いながら布団の中に潜り込みながら返事をしたが、それがいけなかったのだろう。

 

 

『……イイ加減起きんかぁっ!!』

 

「ぐえっ!?」

 

 

…ソイツに怒鳴られたと思ったら、今まで被っていた布団が消えまるで寝ていたベッドから叩き落とされかのような衝撃を受けて、俺は目を覚ました。…だが待て、俺の家にはベッドは一台もない筈だし、俺の自室の寝床ももはや万年床と化している煎餅布団の筈だ。…そう思いながら、俺を叩き落としたソイツに文句を言ってやろうと振り向いたが…

 

「痛ってぇな!何しやが…る…?」

 

『ようやっと起きよったか。』

 

 

特徴的な帽子を被り糸目でおしゃぶりをくわえた幼児…そう、幽遊白書のコエンマが居た。

 

うぇぇぇっ!?

な、なんでコエンマが俺の部屋に!?

ここ俺の部屋だよな!?

 

 

そう思いまわりを見渡して気付いた。四畳半のすみに勉強机があってそのとなりに漫画やラノベしか入ってない本棚があり、反対側に衣類を入れるタンスとその上にあるTVにはゲームの本体に繋がっているし、壁には制服やお気に入りのポスターがかかっているしその壁の反対側の窓もカーテンがかかっており、中央に寝床として今現在も(・・・・)使っている煎餅布団がある紛れもない俺の部屋だ。…そう今現在も(・・・・)だ。そこには胸のあたりに開いた穴から大量出血して死んだ俺(・)がいた。

 

「…って、しっかりしろ俺!?」

 

 

慌てて俺は自分の身体を抱き起こそうとするが、触ることも出来ずにすり抜けてしまう。何回繰り返してもすり抜けてしまいどうすれば良いのかわからずオロオロしているとコエンマが…

 

 

『えぇい、落ちつかんか!!』

 

ゴンッ!

 

 

…と、俺を殴って落ち着かせてくれたが痛ぇよ!?

なんであんなちっこいのに俺の頭を床とキス出来るぐらいの力があんだよ!?

 

 

~閑話休題~

 

 

『落ち着いたか?』

 

「…おう、なんとかな…あんた閻魔大王の息子のコエンマだよな?」

 

『いかにも、ワシが地獄の裁判官、閻魔大王の息子のコエンマじゃ。』

 

「…俺が死んだってことはわかるが死因はなんだ?それに俺の家族は無事なのか?それとなんでコエンマが来るんだ?ぼたんや霊界案内人が来るのが普通じゃねぇのか?っていうかコエンマが居るの当たり前に喋ってるが実在したのか?」

 

『待て待て待て、いっぺんに質問するでない!全て答えるから落ち着けい!』

 

 

なんとか落ち着いたが、色々聞きたいことを質問したところ答えは次のとおりだ。

極小の隕石が運の悪いことに二階にある俺の寝床が着地点だった為に、就寝中の俺はそれに貫かれて死亡。家族は奇跡的にトイレだったり朝食の下拵えだったりで、俺の部屋の近くにいなかったが隕石の衝突の衝撃で気絶してはいるが無事。ぼたんや霊界案内人が来ないでコエンマが来たのは、ぼたん含む霊界案内人は次元が違うこっちの世界に来ることが出来ないので、代わりにコエンマが来たらしい。

 

 

『…とまあ、そんな訳じゃな。…で、そんな次元の違うこの世界にワシが何しに来たかと云うと…只の暇つぶしじゃw』

 

「をい!?」

 

『…っていうのは冗談じゃが、お前にちと頼みがあってな。』

 

「頼み?」

 

『お前にはわからんかもしれんが、世界というのはワシや幽助が住む世界やお前が住むこの世界と、次元を挟んで数多に存在するんじゃ。…最もワシ等がその存在を知ったのは桑原が次元刀を自由自在に使えるようになった最近のことじゃがな。』

 

「ん?ちょっと待て、桑原が次元刀を自由自在に使えるようにって?っていうか霊界でテロリストを捕らえてから、そっちはどれくらい経ってるんだ?」

 

 

 

たしか…原作の最後の方でテロリストに対抗する為に桑原が次元刀を使っていたが、自由自在ってほどじゃなかったような…っていうか、桑原が次元刀を自由自在に使えるようになるには原作終了後からどれくらい経ってるんだ?

 

 

 

『あの事件から今年で、丁度二十年じゃな。』

 

「…ってことは、幽助たちは三十台後半か…。…というか、俺が幽助たちの活躍を知っていることに疑問に思わないのか?」

 

『ウム、話すと長いのだが…』

 

 

コエンマの説明によると、桑原が次元刀を自由自在に使えるようになった時に、別の次元に住む神やその世界を管理している者に接触し、俺たちの世界で幽助たちのことが[幽遊白書]という漫画やアニメで知れ渡っているように、別次元でもその世界のことがわかるということを教えられたらしい。

 

 

「…じゃあ、俺たちの世界のことを知ってる世界もあるってことか?」

 

『そのとおり…現にワシ等の世界では、この世界のことは小説というかたちで知れ渡っておる。…最もお前が主人公ということではないがな。』

 

 

その小説は気になるが、俺は死んでるから生き返るならともかく、気にしても意味ないか。

 

 

『…さて、だいぶ話が長くなってしまったが、本題に入るが…お前に頼みたいことは、ワシ等の世界から次元を越えてとある世界に行ったある妖怪を捕らえてほしいんじゃ。』

 

「…行くのは構わないが、なんで俺なんだ?俺は幽助たちみたいに霊力がある訳でもないし、そもそも死んでるんだが?それに桑原が次元刀を使えるんなら、そっちの霊界探偵か誰かに頼んだ方が早くないか?」

 

『これはぼたんたち霊界案内人が来ないでワシがこの世界に来たことと、さっき話したこの世界が小説になっていることが関係しておるんじゃが…ワシ等やお前の世界のことが知れ渡っておらん世界には、どうやっても次元の壁を越えることは出来ないんじゃが…その妖怪はどうやったのかわからんが、その規則(ルール)を破りワシ等が干渉出来ん世界に行ってしまったんじゃ。そこでワシ等はその世界のことが周知されとる世界の者に協力を頼むことにしたんじゃが…かといってただの人間に妖怪を捕らえることなど出来ん。そんな時に微弱ながら霊力があるお前が死亡することがこちらの世界の閻魔大王に閻魔帳を見せられてわかってな、ワシ自らスカウトに来たという訳じゃな…ホレ、指先に意識して力を込めてみろ。』

 

 

そう言われて俺はまさかと思いながら、原作で幽助がやったように指先に力を意識してみると、幽助ほどではないが指先が光っているのがわかった…霊銃(レイガン)だ。

 

 

「…俺、一般人じゃなかったのか……まあ俺が選ばれたのはわかったが…少し質問させてもらうが、こんな弱い力じゃその妖怪を捕まえるなんて到底ムリだし、それ以前に俺死んでいるからたとえ引き受けたとしても、向こうじゃタダの幽霊じゃねぇか?」

 

『そこは大丈夫だ。あとでお前の師匠となる者を紹介するからの。それとお前がこの依頼を引き受けてくれるなら、向こうの世界に転生というかたちで生き返させることが、向こうとワシ等の世界両方を知っておる世界の者を中継して確約しとるから安心せい。他に何か質問することはあるか?』

 

「俺が依頼を受けて向こうに行き依頼を達成した後はどうすれば良いんだ?それに俺の師匠になる奴って誰だ?そもそも向こうはどんな世界なんだ?」

 

「お前にはスマンが…向こうで依頼達成したらあとはお前の人生だから好きにすれば良いが、転生したことに依って向こうの世界に魂を括られることになるので、この世界には二度と戻れないのを覚悟してもらうことになるのう…お前の師匠じゃが、会ってからのお楽しみにしてくれと、向こうが名前を言うのを留めての…スマンが内緒じゃ……向こうの世界のことじゃが、ワシ等はその世界のことを知る術がないのでどういった世界かわからんが、ワシ等と向こうの世界を橋渡し役をしてくれ者に聞いたところ、現代とそれ程変わらんらしいが少々特殊での?神や魔族・妖怪が認知されとる世界とのことじゃが…知っとるか?」

 

「うーん、幾つか候補があるが…神や魔族、それに妖怪が出て現代だろ?…他になんか特徴はないのか?」

 

『他には人間の中にその妖怪や魔族の退治を生業とする、ワシ等の世界でいう霊界探偵みたいな者たちがいるらしいのう…あとはなんかようわからんが、その世界でデタントがどうとか言っておったが。』

 

 

…人外の存在…退治屋…デタント…

たぶんだけど[GS美神]の世界だよな…あの漫画は基本的にコメディだけど、悪霊や妖怪に襲われる人々を霊能力者が助ける話だったな…俺、今使えるのが霊銃(レイガン)しかないのにそれだけで生き残れるのか…ま、まあこの後で霊力を指導してくれる師匠を紹介してくれるって言ってたから、それはなんとかなるか。

 

「……わかった、その依頼引き受けよう。」

 

『良いのか?一度向こうの世界に転生してしまうと、向こうの輪廻に魂が組み込まれて、こちらの世界には戻れないのだぞ?それに妖怪に殺される可能性もあるんだぞ?』

 

「わざわざコエンマが来るくらいだから、俺は大丈夫だと思う。それに師匠を紹介してくれるってんなら、今は霊銃(レイガン)しか使えないとしても霊力を鍛えれば、なんとかなるんじゃないかって思ったんだ。」

 

『……スマン、恩に着る。』

 

「……そのかわりひとつ頼みたいことがあるんだが、良いか?」

 

『ワシに出来ることなら構わんぞ?』

 

「…親父やお袋に夢でもなんでも良いから、伝言を頼みたいんだ。…先に死んだ親不孝者でゴメン…って頼めるか?」

 

『…それくらいは簡単だが…ホントに良いのか?まだ断ることは出来るんだぞ?』

 

「…どっちみち生き返るワケじゃないし良いんだ。それに異世界に行くことが出来るなんておもしろそうだしな!」

 

 

コエンマは俺を気遣ったのか、断ってもいいって言ってくれたが俺は依頼を引き受けた。

 

 

『……その伝言、必ずお前の両親に伝えさせてもらうから、安心せい。……では最終確認だ。これ以降はどんなに後悔しても引き返すことは出来ん。覚悟は良いな?』

 

 

コエンマは俺に頭を下げる…だが、頭を上げた時には真面目な顔になり、最終確認をしてきた。

 

 

「…ああ。」

 

『…結理 櫂斗(ゆうり かいと)よ、ワシ等の世界から異世界に行った妖怪を捕獲、もしくは討伐する依頼を引き受けてくれるか?』

 

「……その依頼俺が…いや、結理 櫂斗の魂に掛けて引き受けた。」

 

 

依頼を引き受けようと返事をしてる途中でなぜかわからないが、こう言わなければならないと思い、俺は自分の名前を出した。たぶん一種の契約、それも魂に刻み込むほどのヤツだからだろう。…実際、俺が自分の名前を告げた時に心臓辺りに何か刻まれたような気がしたしな。

 

 

『…これにて契約は成った。…ありがとうな。』

 

 

<続く>




…というわけで、とりあえずプロローグだけですが、お楽しみいただけましたでしょうか?

「…駄文だな。」

おや櫂斗くん、いきなり出てきてヒドいですね

「だってよう、あんた[なろう]の方にも書いているくせに全然更新してねえでこんなの書いてんだぜ?向こうの方の読者をほっぽったままで良いのか?」

…だってスランプ中に、他の方の作品を読んで何かネタがないか探してたら、このサイトを知ってハマっちゃったんだもん!

「威張って言うことかっ!?」

仕方ないじゃん!
[なろう]さんは今年中に携帯は撤退するらしいから、更新しても完結出来ないし…だったら、心機一転してこっちでなんか書こうと思ったんだもん!

「『もん!』って言うな!気持ち悪ぃぞ!?…だったらなんか書いて[未完]にしてこいや!!」

な、なにしてんの…こっちに指先向けて?
まさか霊銃(レイガン)じゃ!?

「そのまさかだよ!とっとと向こう(なろう)に行って更新してこいやぁっ!!
霊銃っ!!」

ぎゃあぁぁぁっ!?


チュドーンッ!!



『…とまあバカな作者はほっといて、ここまで読んでくれたことを感謝するぞ。』

「Σうおっ、コエンマいつの間に!?」

『お前が霊銃を撃つ前あたりからw…しかし、ワシってあんな口調だったのか?』

「ああ、それな。作者が想像で書いてるから、あんま気にしない方がいいぜ?」

『ま、そうじゃな!
では次回も楽しみにしててくれ!!』

「…次回更新は未定だけどな」


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あの世にて…。

どうもギブスです。
第二話ですが、
まだGS世界には行きません。
今回は所謂説明回です。GS世界にはあと数話してから行く予定です。
それではどうぞ、
お楽しみ下さい。


コエンマからの依頼を引き受けた俺は、まず俺の世界のあの世に来ていた。コエンマの説明によると次元同士を繋ぐ異界門(ゲート)はその世界の異界、つまりこちらの世界だとあの世にしか繋がらなかったらしく、ここからまずは幽遊白書の世界の霊界に跳んで、向こうの世界で修行をするらしい。

 

 

「……此処があの世か~。それで向こうに行く異界門(ゲート)のところはまだか?」

 

『焦るでない。まだこっちの世界でやることがあるんだ。』

 

「やること?」

 

『まあ、黙って付いてこい。』

 

 

そう言ったコエンマはさっきから見えている少し先の宮殿みたいなところに進んでいくので、俺も遅れないように付いていくことにした。

 

 

「…ここは?」

 

『ここはこっちの世界の閻魔宮…閻魔大王のいる、まあいってみれば裁判所みたいなところだ。ホレ、こっちだ。』

 

 

そうコエンマに説明されながら付いていくと、ある部屋の前に着いた。その部屋の扉の脇に守衛としてだと思うが鬼が居り、コエンマの姿を確認すると声をかけてきた。

 

 

『おかえりなさいコエンマ殿。その様子ですと協力を得られたようですな。』

 

『ウム、閻魔大王に取り次ぎを頼む。』

 

『はい、少々お待ち下され。』

 

 

そう言った鬼はその部屋に入っていく。暫く待つと戻ってきた鬼に『どうぞお入り下され』と促され、コエンマのあとに付いて入るとおそらくは閻魔大王だと思う大男が居た。

 

 

『よく戻ったコエンマよ。そしてはじめましてじゃな、結理櫂斗よ。儂がこの世界の閻魔大王だ。』

 

『此度のご協力感謝する、閻魔大王。』

 

「は、はじめまして…結理櫂斗です!」

 

『ハッハッハッ…!そう緊張する必要はないぞ?』

 

 

閻魔大王から挨拶されて緊張するななんて無理だろっ!?ってゆうかなんで閻魔大王が!?

 

 

『…?…ああ、まだ全部説明されとらんのか?』

 

『ウム、一度向こうの霊界に跳んで、また戻って更に向こうに行くことにと、ややこしいからな…ならばここで説明しようと思ってな。…櫂斗、これからのことを簡単にだが説明するぞ?』

 

 

「お、おう?」

 

 

その説明はこうだ。

まず最初にこの部屋は閻魔大王の仕事場で、俺の世界の霊が最初に来る部屋らしい。そんで、この部屋に来た霊は天国か地獄、または輪廻に乗って転生するかの逝く先を決めるための部屋なんだが、その霊の生前の罪やらなんやらを裁いていくと膨大な時間が掛かる。だが現世から来る霊は毎日何十人・何百人も来るからそんなことしてる時間はないだろう。だがそれを解消する為に、この部屋だけは扉の外と時間の流れが違うらしくほぼ停止してるらしい。そんなこの部屋を使わせてもらうためにコエンマは俺を連れてきたようだ。

それで肝心なこれからのことなんだが、まず俺とコエンマはこっちの世界から幽遊白書の世界へ異界門(ゲート)を使って移動した後、向こうの世界の似たような時間が停止してるとこで俺の修行に入るんだとか。…で修行が終わったら、またこっちに戻って来て今度はGS美神の世界のあの世に行き転生するんだそうだ。こうでもしないと、向こうに逃げた妖怪が悪さをする時間が出来てしまうので、コエンマは説明を端折ってたんだとか。

 

 

 

『……どうやら納得したようだな。だがコエンマの説明だけのためにお前にこの部屋に来てもらったのではない。お前に来てもらったのは儂が何故お前を推薦したのかを説明するためなのもある。』

 

「…?…俺に霊力があることだけが理由じゃないってことッスか?」

 

『そうだ。お前疑問に思わなかったか?霊力のある人間はお前以外にも探せばいるんじゃないか、とな?』

 

 

た、たしかに俺以外にも所謂霊能力者がいないって訳ないよな。じゃあそれ以外にも俺にこの依頼をさせる理由はなんだ?

 

 

『気づいたようじゃな…そう、霊力のある者はお前以外にもこの世界にはおる。それにコエンマが説明したと思うが、この世界以外にも、コエンマの世界と向こうの世界を認識出来る世界は、それこそ星の数ほど存在しておるしお前以外に霊力の強い者なぞたくさんおる。…では何故お前なのか。その理由はお前の生前にした行いにある。』

 

 

 

そう言った閻魔大王は脇にあった帳面を取り出した。おそらくあれがその人間の生前の行いが書かれた閻魔帳なんだろう。

 

 

『結理櫂斗。享年19才。死因は極小の隕石に胸を貫かれての即死。両親と三人で生活していた。小・中・高校と普通に生きており、特に犯罪となることをしていない。現在はアルバイトをしながら予備校に通っておった。趣味は身体を動かしたり鍛えたりすることや、漫画やラノベ等本及びネットサイトでの読書。相違ないか?』

 

「は、はい!そのとおりです!!」

 

 

閻魔帳を見ながらそう確認され、俺は緊張しながら返事を返した。

 

 

 

 

『ハッハッハッ…先ほども言うたとおり、それほど緊張せんで良い!別にお前を裁くためではないからのぅ。……さて、ではなんのためにお前の生前のことを確認したかと言うと、お前の生前の行いが他の霊能力者と違うからじゃ。どう違うかわかるか?』

 

「いや、他の霊能力者がどんな人生を送ってきたのかわからないから比べようがないっす。」

 

『まあそうじゃな。普通他の霊能者は、その人生において不幸な出来事が起こり何かしら問題をおこしてこの霊界に来るんじゃが、お前は死ぬまで霊能力を行使することは終ぞなく罪を犯すこともなくその人生を終えた。…だが、本来ならお前はまだ死ぬ運命ではなかった…霊能力も覚醒などせず、68まで生きる筈だった…』

 

「…!!…ど、どういうことですか!?実際俺は死んでるぞ!?」

 

『……落ち着け、櫂斗。そこからワシが説明しよう。』

 

 

俺は閻魔大王にことの真相を聞こうとしたが、今まで黙っていたコエンマに宥められた後、説明された。

 

 

『……実のところ、お前が死んだのは、ワシ等の世界から逃亡した妖怪と深い関係があるんだ。ソイツが次元を越えたことによって、お前の運命がねじれ曲がってしまい死ぬことになってしまったんだ。…幾ら偶然とはいえ、寝ているお前に隕石が直撃する等と不思議に思わんかったか?』

 

「……そう言われればそうだ…じゃあもしかして?」

 

『そうだ。ソイツがワシ等の世界を抜け出したため、ワシ等の世界とその周辺の他の世界の運命が狂ってしまったんだ。ワシ等は他の世界の者と協力しながらなんとか元どおりにしたんじゃが、お前の運命だけは元に戻せなかったんだ…すまん。』

 

『儂も今回の事件の発覚後、運命を狂わされた者たちをどうにか戻そうと努力したが、お前の運命だけは既に確定されており無理であった…重ねて儂も詫びよう。』

 

「…!?わ、わかりましたから頭を上げて下さい」

 

 

そう言って頭を下げてきた二人を見た俺は、慌てて頭を上げてもらった。世界は違えど閻魔大王二人(一人はその息子だが)に頭を下げさせることなんて出来ねぇからな

 

 

~閑話休題~

 

 

 

『……ゴホン、話を戻すぞ?…お前の運命がどうやっても戻せなかったワシ等は、このままではお前があまりにも不憫だったので、他の世界に転生させることにしたんじゃが、ここでまた問題が上がってしまったんだ。』

 

『儂等はお前の転生させると決め、閻魔帳を見ながら転生先を探していた時のことじゃ…この閻魔帳にはその人間の人生だけではなく転生先、そしてその者が罪を犯していたとしてもその罪を償った後のことも記してあるんじゃが、お前の転生先だけなくなっておったのに気付いたのじゃ。』

 

『ワシ等は慌てた。幾ら事故とはいえ、このままではお前は転生することも出来ずそのまま霊界に来ると消滅するしかなくなってしまったからな。』

 

「!?」

 

『そこでワシはお前に今回の依頼をし、契約というかたちで魂を保護するためにお前を迎えに行ったんだ。こうすればお前は消滅せず、次の転生先からその世界の輪廻に組み込むことが出来るからな。…いやぁ、あの時はビックリしたぞ。ワシが迎えに行ったら、お前はあと少しで契約も何もせずにそのまま昇天しかかっとったからな。ワシは慌ててお前を起こしたが、お前は寝ぼけたようなことを言うとったからな。力ずくでお前を正気にもどしたんじゃw』

 

 

…だからあの時、ベッドから落ちたような気がしたのか…まあ、そのまま昇天して消滅しなかったんなら、コエンマには感謝しねぇとな

 

 

『……もう一つ理由があるんじゃ。それはお前の名前じゃ。』

 

「俺の名前?」

 

『さよう、お前の[結理櫂斗]という名前には強い言霊が宿っておったのに気づいてのぅ…意味は、【理(ことわり)を結(むす)ぶ海を櫂(かい)で進む者】じゃ。』

 

『結理はそのまま理を結ぶで、櫂斗の櫂もそのまま、斗は水量を表す単位だが転じて大量の水、すなわち海となる。』

 

「???」

 

『つまり理を結ぶ海とは次元、櫂とはその次元を渡るための力のことを差す…だがそんな力があるわけないから、おそらくこういう意味が正確なんだろう…結理櫂斗(異世界にて生き抜く力)…とな。』

 

 

『それに気付いたワシ等は、この依頼をお前にしたんだ。』

 

「な、なるほど?」

 

『…はぁ…お前理解しとらんだろ……簡単に言うと、お前は異世界の方が霊能力を使いこなせるっちゅうことだ。だからわざわざお前を一度ワシ等の世界で鍛えることにしたんじゃ。』

 

「お、おう」

 

 

理解した…理解したからそのジト目はやめてくれ

 

 

『儂もその意味で合っておると思うが、そのような力が本当に異世界で使えるのかわからんから、まずはコエンマの世界に行き修行させようと思ったのじゃ。どのみち霊力が覚醒しておるのなら、その力も鍛えねばならんからのう。』

 

『一石二鳥というヤツじゃなw…っと、だいぶ長くなってしまったが、そろそろ行くとするか…では、閻魔大王…また後日櫂斗を連れて来るから、その時は頼むぞ。』

 

『わかっておる…結理櫂斗よ、そなたの運命は今日終わってしまったが、転生先からの運命は、お前が描き続けてゆくことになる。そのための力を向こうで得てくるのじゃ。』

 

「はい!短い間でしたが、お世話になりました!必ず力を得て、また戻って参ります!!」

 

 

それから俺とコエンマは異界門(ゲート)で向こうに行くのだった。

 

 

 

<続く>




どうも、昨日(前回)櫂斗くんに言われたばかりなのに懲りもせず連日投稿してしまったギブスです(笑)


「…はぁ、懲りねー作者だな…」

いや、昨日言われたように向こう(なろう)も更新しようと思ったんだよ?

「じゃあさっさと更新しろよ。」

…だってネタが思い浮かばないんだもん!

「……その割には、こっちは直ぐに更新したよな?」

いやぁ…こっちだとなんか降りてきたっていうか、書いていたらいつの間にか出来てたっていうか、ねぇw

「…プチッ」

…ん?な、なにかなその握り拳は…まさか前回に続いて暴力を振るうのかな?カナカナ

「いっぺん頭冷やして来いやぁっ!?」


バキャッ!!

お後がよろしいよ~でぇぇぇ…!!


キラーンッ!



『とまあ、作者と櫂斗の漫才はほっとくとして、今回はオリキャラとして閻魔大王を出してみたんだが。』

「…漫才って…orz
閻魔大王の設定はオリジナルだからな。実際の閻魔さんがいるとしても、どういうヤツかは知りようもないがな。
…ところでコエンマ。」

『なんじゃ?』

「この後書きで、こうして俺らが作者と話したりやりとりする後書きと、普通に今回の話のこととかを書く後書きのどっちが良いと思う?」

『さあのう、どっちもどっちじゃないか?…ワシも話が進めばいつまでもここにいれる訳ではないから、いっそのこと読者に決めてもらうのはどうだ?』

「おー、それでいいかw
…ってことで、
後書きのご意見は作者の活動報告にお願いします。
期間は2018年10月末日までです。
それまではこのまま俺たちが後書きで騒ぐからなw」

『あと感想なんかもよろしくなww』


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気になる師匠は…。

とうもギブスです。今回は短いですがサブタイどおり櫂斗の師匠となる、あの人が登場します。櫂斗くんの師匠は一体?それではお楽しみ下さい。


異界門(ゲート)を使って幽遊白書の世界の霊界に来た俺たちを待っていたのは一人(?)の鬼だけど…まさかこの鬼って。

 

 

『お帰りなさいませ、コエンマ様。』

 

『出迎えご苦労、ジョルジュ。ワシが居ない間に何かあったか?』

 

『特にないですが、コエンマ様の決裁待ちの書類が溜まってるぐらいですかねぇ~。』

 

『それはオヤジに頼むように言った筈だが?』

 

『それが、閻魔大王様の執務室に書類を持っていったら…〔儂は隠居するからコエンマにやらせろ〕…って。仕方ないのででそのまんまですよ?』

 

『ま~だあの時のことを根に持っとるのか、あのオヤジは!!…ジョルジュ!ワシはオヤジと話してくるから、櫂斗をワシの部屋に案内しておけっ!!』

 

『えっ、あっ、コエンマ様!?…行っちゃったまったく鬼使いが荒いんですから…えっと、櫂斗さん?』

 

「…お、おう結理櫂斗だ。あんたも苦労してんな」

 

『これはご丁寧に…私、コエンマ様の秘書をしてます、ジョルジュ・早乙女と申します。…わかりますか(泣)…と、とりあえずコエンマ様の執務室にご案内しますね』

 

 

…やっぱりジョルジュ・早乙女だ。アニメにしか登場しなかったが、いっつもコエンマに振り回されてたな

肝心のコエンマはジョルジュに俺をまかせて、そのまま行っちまったからとりあえずお互いに自己紹介しながら移動した。

…コエンマの言うあの時のことって、もしかたら原作で蔵馬が桑原に言ってた結界解除のことかもな。

それから俺はジョルジュに案内された部屋で話ながら待っていたんだが…

 

『……ということばかりされて、私の胃に穴が空きそうになったんですよ…聞いてますか、櫂斗さん?』

 

「おう、聞いてる聞いてる」

 

 

さっきからこの調子で延々と愚痴話に付き合わされている…コエンマ~、早く戻ってきてくれ~

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

やっと戻ってきたコエンマはジョルジュに誰かを呼びに行かせ追い出すと、これからのことを話し合うことにした。

…コエンマ、あんまりジョルジュに迷惑かけるなよ

 

 

『……ゴホンッ、さてこれからのことだが、向こうでも話したがこの後ジョルジュに呼びに行かせたお前の師匠となる者と修行してもらう。』

 

「それは良いが、いい加減俺の師匠になるヤツのことを教えろよ。まさか玄海のばぁさんか?」

 

『ワシも玄海ならお前を十分に鍛えてくれると思ったし霊光波動拳を学ばせようと思ったが、玄海は既に転生して別人になっておるからムリなんじゃ。現在の継承者は幽助だが、アイツは魔族になってしまったからな…妖力のことならともかく霊力はムリだしのぅ…』

 

「じゃあ一体誰なんだよ?」

 

『それは…(コンコンッ)『コエンマ様、お連れしました。』…来たようだな。入れ。』

 

 

コエンマがソイツのことを話そうとした時、たぶんジョルジュが扉がノックしたのだろう、話しは中断された。コエンマは入室を促し、促されたジョルジュは誰かと一緒に入室する。そこに居たのは紅い長髪で背広姿の30ぐらいの男だけど、この人ってもしかして…

 

 

 

「おっと、話し中だったかな?」

 

『構わんぞ、鞍馬。丁度お前のことを話そうとしていたところだからな。』

 

「そうか…はじめまして、南野 秀一だ。妖怪としての名は蔵馬だけど、好きな方で呼んでくれ。」

 

「ゆ、結理櫂斗ッス」

 

 

南野秀一もとい蔵馬だった。

…え、蔵馬だとっ!?

いや、蔵馬は好きなキャラだけど、原作で酎たちを鍛えた時のことを考えると、師匠としてはどうなんだ!?

生前ネットであちこちの小説サイトや個人サイトで二次小説を読んだが、二次の幽白の蔵馬はだいたい黒かったが、まさか現実も?

 

 

 

「…なんか失礼なこと考えてないかな?(黒笑)」

 

「か、考えてないッス!?」

 

 

ヤバい、コイツ黒すぎだろ!?

というか大人になって更に黒さに磨きがかったの…「やっぱり考えているみたいだね?(黒笑)」…心読まれた!?

 

 

「コエンマ、僕は直ぐに彼に修行をつけるけど、良いよね?(黒)」

 

『ウ、ウム…あまり時間もないからさっそく頼むぞ…ということで、櫂斗よ…修行を頑張るんじゃぞ?』

 

 

「安心すると良いよ櫂斗くん。僕に全て任せれば、ここに戻ってきた時は今よりもずっと強くなっているからね。(黒)」

 

 

コエンマ!?

蔵馬が怖いからって、俺を売るな…あっ、蔵馬さん、俺の襟首引っ張らないで!?

ジョルジュでも誰でもいいから、助けて~!!?

 

 

 

 

<続く>




はい、ということで師匠は蔵馬さんでした。
家の蔵馬さんは黒くしました…なぜかって?
その方が面白そうだったからw

このあと櫂斗くんは蔵馬に適度な運動(酎たち曰わく、地獄の特訓)と適度な食事(酎たち曰わく、激マズの食事)をすることに…ww

前回・前々回と作者に暴力を奮ってきた櫂斗くんに天罰ですwww


『…そんなことばかり言ってると、次回あたりにまた暴力を奮われるぞ?』

ふ、不吉なこと言わないでくれ!?

『ワシャしらんぞ…ところで作者よ?今回の話には蔵馬だけでなく、ジョルジュも出とったが?』

ああ~、本文でも説明された原作には出てなかった作者お気に入りのキャラですw

実のところジョルジュはこの後櫂斗くんが怖い師匠さんからつけられたら修行の後、
GS世界で櫂斗くんの助手みたいなことをやらせようかな~って思ってたけど、
GS世界の人界に堂々と鬼(妖怪)がいるのもどうかと思いこの案はボツにしました。

『ふむ、まぁワシはジョルジュが居ても居なくても、どっちでも構わんかな?『コエンマ様!?』ウルサいぞジョルジュ!』

ということで、
コエンマがジョルジュと漫才しているのはほっといて、
次回予告(?)です。

次回は修行を終えた櫂斗くんとコエンマが、
逃亡した妖怪のことを話していることを書こうと思います。
出来れば櫂斗くんの世界のあの世まで行く(もしくはGS世界に行く)まで書きたいですが、
予定ですのであまり期待しないで下さいね


…ハッ!?
初めて櫂斗くんに暴力奮われないで終われ「…ぁん!!」アベシッ!?

『あ、櫂斗の霊銃の流れ弾が…
まあ作者はほっといて…
ここまで読んでくれて、ありがとう。』

『次回も楽しみにしてて下さいね。』

『感想・コメント等も受付中だから、そちらも頼むぞ!!』


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修行を終えて…。

どうもギブスです。
今回の話はタイトルどおり、修行が終了したあとコエンマから依頼の詳細を説明される話です。
それではお楽しみ下さい。


よ、よう久しぶり…結理櫂斗だ。

蔵馬に修行をつけてもらったが、おんなじ修行した酎たちは良くいきぬけたよな…。

え?どんな修行だったかって?

 

 

「……#£*§★☆△■@㍑×∴!!!!?」

 

『コ、コエンマ様ぁ~!?また櫂斗さんが修行内容を思い出して、暴れてます~!?』

 

『えぇ~い、落ち着かんかぁ~!!全く、鞍馬のヤツはどんな修行をしたんじゃ!?』

 

 

…とまあ、思い出すのも憚れるようなヒデェもんだったとだけ言っておくよ…

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

コエンマやジョルジュたちのおかげで漸く落ち着いた俺は、3ヶ月前にも来たコエンマの執務室で話している。

因みに俺と鞍馬が修行していた期間は約3ヶ月だったが、以前コエンマが説明したとおり修行場所はDBの精神と〇の部屋みたいなところだったので、俺にとっては3ヶ月ぶりでもコエンマたちには3日程らしい。

 

 

『……さて、櫂斗が落ち着いたところで聞くが、櫂斗…どれくらい霊力を扱えるようになった?』

 

「とりあえず霊銃は普通に撃てるようになったぜ。それと霊力を身体に流して身体強化が出来るくらいか。」

 

『フム…若干物足りなげに聞こえるが、元が素人なら3ヶ月程ではそんなものか。…良し、櫂斗よ。これから今回の依頼の詳細を話す。お前の世界でワシ等のことが伝わっておるなら、魔界で幽助たちがした魔界統一トーナメントのことは知っとるな?』

 

 

「ああ、幽助が魔界の三大魔族の黄泉・躯、そして今は亡き雷禅の三竦みを解消するためにしたヤツだろ?」

 

『そうだ。その最初の大会に優勝した煙鬼が提唱した決まり事は、"人間界に迷惑を掛けないこと"だったのは知っとるな?…だが、何処の世界でも決まり事(ルール)を破るヤツは何処にでもおる。お前が鞍馬と修行しておる間にソイツの追跡調査報告を受けてな。報告によるとソヤツは弱いクセに支配欲が出たんじゃろうが魔界統一トーナメントに出場してな…だが弱いから初戦どころかトーナメント出場者をふるいにかけるバトルロイヤルで速攻で敗北した大マヌケだ。その後ソイツは、煙鬼の掲げたルールを破り今度は人間界を支配するために来ようとしたらしいが、直ぐに見つかり魔界に強制送還。それから何度も人間界に行こうとし、終いには霊界のブラックリスト入りしたんじゃ。』

 

 

なんだその阿呆なヤツは…

俺はコエンマの報告を呆れ顔で聞いていた。

 

 

『そのままでいれば、ワシ等としても特に注意はせずにすんだがひと月前、お前にとっては4ヶ月前のことだ。ソイツがとある男と会ったのが始まりだった。』

 

「ある男?誰だ?」

 

『…ソイツと会っておったのは信じられんが…Dr.イチガキと名乗っておったそうだ。』

 

「そんなバカな!?Dr.イチガキは暗黒武術会で死んだはずだ!!」

 

『まあ待て、まだ続きがあるから最後まで聞け。

…ワシ等はそのDr.イチガキと名乗るヤツをソイツを調査させる過程で知った時、その自称Dr.イチガキのことも調査させたのだが、ワシがお前に会いに行くまでその調査結果が出なかったんだ。だかワシの留守中にその結果がわかったが、ソイツはDr.イチガキ本人ではなかった…いや、それよりも最悪な相手じゃった!』

 

「い、いったいソイツは何者だったんだ?」

 

『……戸愚呂兄だ……』

 

「!?」

 

『…信じられんと思うが調査の結果、ソイツは戸愚呂兄のように自身の身体を武器にしておったそうだ……だが、戸愚呂兄は蔵馬に倒され永遠に幻覚と戦い続ける悪夢(ゆめ)を見させられているのをワシは知っとるから、これも正確ではないと思う。そこでワシは考え方を変えた。Dr.イチガキは生前何処かで戸愚呂兄の細胞を入手したんじゃないか…とな。Dr.イチガキはそれを使い、自身もしくは自身のクローンに注入しどうなるかの実験をしていたんではないか、と…そこから後は簡単だ。自身に注入したなら、暗黒武術会で敗れたあと戸愚呂兄の能力で蘇り魔界へ、クローンだった場合はDr.が死亡したあと魔界へ逃げたんじゃないか、とな。』

 

 

 

…し、信じられないことの連続だ。

Dr.イチガキの悪魔の頭脳と戸愚呂兄の不死身…そんなヤツが今回の依頼とどう関係してくるんだ?

 

 

『もしワシが考えたような方法でイチガキが復活したならば、ソイツはDr.イチガキ本人であってもクローンであっても、おそらく本人の意識はなくなっておるだろう。…美食家(グルメ)が戸愚呂兄に乗っ取られようにな。

…話が逸れたな。そんな訳で戸愚呂兄はおそらくイチガキ、もしくはイチガキのクローンの身体を贄に復活したのならば、この依頼はただの捕り物ではなくなるかもしれん。』

 

「…それは戸愚呂兄の性格からした判断だな?おそらくその雑魚魔族と一緒に転移したか、ソイツを生贄にでもして戸愚呂兄のみ転移でもしたか?」

 

 

 

まだ今回の詳細を最後まで聞いていないが、もしも戸愚呂兄が復活したならば…その残虐性の性格からすると、ただ単にソイツを異世界に送っただけなんてことはないだろう。

 

 

『……そうだ。調査結果にはソイツが転移する前まで、戸愚呂兄はソイツと行動を共にしていたらしいが、ソイツが転移したその後戸愚呂兄を見たヤツはいなかった…おそらくお前の読みどおりだろう。

…櫂斗よ、今ならお前を此方の世界に転生させ、今回の依頼を白紙に戻すことが出来る…どうする?』

 

「……やるさ。」

 

『…言ってはなんだが、お前は霊銃と身体強化しか出来ないほぼ素人なんだぞ。そんなヤツが戸愚呂兄のようなほぼ不死身なヤツを相手にすることになるのだ…本当に良いのか?』

 

 

「…ああ。…向こうの世界は今、神魔のデタントを目指して動いている。だがそれを良く思わない過激派が神魔の両陣営にいるんだ。もし戸愚呂兄がそんな過激派と合流することになったら、どうなるかなんて火を見るより明らかなことだからな。」

 

『…わかった。お前の協力に感謝する。』

 

 

コエンマはそう言って頭を下げてくれた。

 

 

『……では、結理櫂斗よ、改めてお前に頼む。

…我が世界から逃亡した、戸愚呂一味を捕縛もしくは討伐の任務についてくれ。』

 

「…ああ…その任務、結理櫂斗が引き受けた。」

 

 

…俺は改めてその任務を魂に刻んだが、実のところコエンマに向こうのことで言ってないことがある。

俺は正義感からこの依頼を引き受けたわけじゃない。

たしかに戸愚呂のような危険なヤツが向こうの過激派と合流したら、どれだけの悲劇が訪れるか気にしてもいた…が、

俺がこの依頼を引き受けたのは、一応蔵馬の弟子だからってのもあるが、俺の運命を台無しにしてくれた戸愚呂に、一発ぶちかましたいという復讐心があったからだ。

 

 

……こうして俺は、自身の復讐心を隠しながらも、コエンマの依頼を引き受けることにしたのだった。

 

 

 

 

<続く>

 




・おまけ

『ところで蔵馬の修行はお前が暴れるほど辛かったのか?』

「…あれは修行なんて生易しいモンじゃねぇ!
…霊力を上げるためっていって毎日15時間の座禅させられたし、メシもメシで人間が食える限界の不味さだったんだ!!
唯一の息抜きは身体を動かして霊銃をぶっ放している時だけだ!!!」

『蔵馬ェ…』



-あとがき-

…というわけで、
コエンマから依頼内容の確認の話でした。

「……ブツブツブツ……」

『おい作者、櫂斗がまた修行内容を思い出して壊れたぞ』

大丈夫大丈夫、次回までには普通に戻っているからw
それに前回霊銃を喰らったから、その復讐も兼ねて櫂斗くんの修行は厳しくさせてもらっただけだからww

『…蔵馬の修行っていったい』

「…そうか、鞍馬の修行があんなに鬼畜だったのは、お前せいか…?」

あ、しまった!?

「これでもくらって反省してこいっ!!
霊っ銃ァァァン!!!」


今回もおあとがよろしいようでぇっ~!!!?

キラーンッ!!


『因みに、鞍馬の修行風景は原作の酎たちのセリフからの想像です。』

『…ジョルジュ、本編に出番がないからってあとがきに出てくるでない!!』

『そんなぁ~、あんまりですコエンマ様ぁ!?』

「…ふう…
コエンマがジョルジュと漫才してるのはほっといて…
ここまて読んでくれてありがとうございます。
作者が残していったカンペによると…
次回はいよいよ俺がGS世界に転生します。
その際GS世界はどうなっているかも書くそうですが、
あの駄作者だからあまり期待しないでいて下さい。
感想・コメントもよろしく!」


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転生前…。

どうもギブスです。今回の話は転生前の最終確認のような話です。ラストにGS世界のあのキャラも登場します。今回も短いですがお楽しみ下さい。


あれから俺はジョルジュや蔵馬師匠と別れを告げて再び俺の世界のあの世に来ていた。

別れの際蔵馬師匠に戸愚呂兄が生きていたことを告げたら、良い笑顔で邪念樹の種を渡されそうになったが向こうにない物を持っていくわけにもいかないので丁重にお断りした…が、かわりに「戸愚呂兄を見つけたら必ず滅ぼせ!」と依頼内容の[捕縛もしくは討伐]を[殲滅]に強制変更されてしまった。それに「今の俺の使える霊能力で出きるかっ!?」って異を唱えたら、蔵馬師匠は「じゃあ、もう少し修行しようか?…コエンマ、出発はしばらく待ってくれ。」と言われ、更に修行することになり出発延期になった。

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

…あれから現実の時間で約6日(俺の体感時間で約半年)経って漸く出発することが出来、現在は俺の世界の閻魔宮は閻魔大王の執務室に俺とコエンマは戻ってきていた。

…何故あの時の俺はあんなことを言ってしまったんだろう。言わなければ出発延期になることも、蔵馬師匠による追加訓練(という名の地獄の修行)を受けることもなかったのに…orz

 

 

『……コエンマよ、櫂斗は何故部屋の隅でうなだれているんだ?そちらで何かあったのか?』

 

『……修行が厳しかっただけだ』

 

 

俺が閻魔さんの部屋で落ち込んでいるのを不思議に思ったのか、閻魔さんはコエンマに原因究明しているが、あんまりそのことに触れないでくれ…

 

 

『……ゴホンッ!あ~…とりあえず、櫂斗よひさしいな。無事修行を終えたようで何よりだ。』

 

「はい…お久しぶりっす。修行の方はなんとか終えることが出来ました。…我ながら良く生き延びたな(ボソッ)…」

 

『…ん?何か言うたか?』

 

「いえ、別に」

 

『???…まあ良いか…櫂斗よ、前にも話したがお前はこれからこの世界から別の世界に行くが、お前が向こうに行ってしまったら、儂等はこの先二度と干渉することは出来なくなる。』

 

『そうだ。そしてこれから先は今回の依頼対象である戸愚呂を捕縛、もしくは討伐を一人でこなさなければならない。大変危険度の高い依頼に、お前を送り出すことしか出来ないワシ等を許してほしい。』

 

「それはもういいよ…向こうである程度力はつけたし、転生してからまた修行すれば、なんとかなると思うしな」

 

 

…問題は俺が身に付けた霊能力が戸愚呂に、そして向こうの悪霊や妖怪にどれだけ通用するかだ…

 

…ここで俺が使える霊能力について説明すると…

・幽助も使っていた霊銃(レイガン)

・霊力を身体全体に流して身体能力を向上させての霊体格闘

・霊力を用いてのヒーリング能力

・霊銃を霊体格闘の要領で拳や蹴りに籠めて、敵に攻撃した際にその霊力を放つ格闘技…霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)

 

…この4つだ。

最初の2つは説明不要だから省くが…ヒーリング能力はどうやって覚えたかというと、蔵馬師匠につけてもらった修行(二回目)で覚えざるを得なかったから覚えたんだ……で最後の霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)なんだが、修行中に「霊体格闘で自身の身体に霊力を流して攻撃に使えるなら留めて防御力を上げれるんじゃないか?」って思い、色々試していたら霊銃をパンチや蹴りに乗せれることに気づいた。それを見た蔵馬師匠はこれを自由自在に操れるように修行予定を変更…してくれたのは良いが、余計厳しくなったなぁ…(遠い目)

 

 

『……コエンマ…櫂斗に任せてホントに大丈夫か?』

 

『…うぅむ、ワシ等人選間違ったか』

 

 

…俺が修行のことを思い出している後ろでコエンマたちが何か言っているが、あまり気にならないのは蔵馬師匠に鍛えられたからかな?

 

 

 

『……ゴホンッ!さ、さてそろそろお前を転生させるために呼んだ向こうの者が来る頃だ。』

 

『その者と共に向こうへ行けば、向こうの輪廻に組み込まれ転生することになる。因みにお前が転生する先は向こうの者が決めることになっておるので、転生先は選べないからな。』

 

「…ああ、そこは向こうに任せる(コンコンッ)よ…って言ってる間に来たみたいだね。」

 

『ウム、そのようだな…入れ。』

 

『…お話し中失礼します。閻魔大王さま、向こうの使者の方が参りました。』

 

『そうか、直ぐにこちらに案内せよ。』

 

 

そんな風にコエンマたちと話している時に、この部屋の扉が叩かれ、1人(一匹?)の鬼が入室してきて、向こうさんが来たことを伝えにきた。…なんだろう…なんか嫌な予感がするが、これが霊感なのか?

 

俺が霊感らしきものを感じている内に、鬼は一度退室して今度は誰かを案内してきた…抱えたトランクを床に置いたその人物は短髪の女性で、若干露出がある服装をしアクセサリーだろうモノが身体中についていた。まさかこの人は…

 

『…はじめましてなのね。私は天界調査官をしているヒャクメなのね。どうぞよろしくなのね。』

 

やっぱりヒャクメだぁー!

これか…これがさっきの霊感の正体なのかっ!?

ヒャクメは調査官としては有能らしいが、偶にドジるから、俺の霊感が働いたとしてもおかしくない!?

 

 

『ウム、コエンマだ。今回はワシ等の世界の者が迷惑を掛けて、申し訳ない。』

 

『儂がこの世界の閻魔だ。ここにおる結理櫂斗を其方に託す。犯人のことは櫂斗に頼んであるので頼む。』

 

『まかせてほしいのね!

櫂斗さんは私が責任もって、必ず転生させるのね!!』

 

…なんでだろう。ヒャクメが仕事熱心になればなるほど、俺の転生が無事に終わらないって思えてくるのは…

 

蔵馬師匠、ジョルジュ…俺また霊界に戻りそうです…。

 

 

 

 

<続く>

 




はい、ということでGS世界最初に登場したキャラは天界調査官にしてドジ神のヒャクメでしたwww

『なんなのね、その紹介は!?それと此処は何処なのね!?』

「…此処はあとがきという、この作品のキャラが作者をぶちのめせるところだw」

それ違うからっ!!?
そんなこと言うと作者権限で本編に蔵馬を喚ぶぞ!!!

「させねぇよ!
霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)の最初の餌食にしてやるっ!!
魔針銃(マシンガン)っ!!!」

ズダダダダダダッ!!

アババベッブゥ~!?



『櫂斗さんがストレートパンチを放ったら、作者さんの身体に無数の銃創が!?』

「ふぅ…悪(作者)は滅びたww
…ちなみに霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)はGODAGANの銃闘技(ガンシュートアーツ)を参考にしているが、銃闘技で似た技を使うこともあるからな。」

『…さ、作者さんにこんなことして良いのね?』

「大丈夫大丈夫、次回になったらケロッとして戻ってくるからな(笑)
それじゃあ次回も楽しみにしててくれ!!」


『感想・コメントも待っているのね!!』


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転生先…。

どうもギブスです。今回は櫂斗くんの転生先が決まるまでの話です。今回も短いですが、楽しんで下さいね。それではどうぞ。


あれから俺はコエンマや閻魔さんに最後の挨拶をし、ヒャクメと一緒にGS世界の天界に来た。

何故天界なのかというとあの世からGS世界に繋がる異界門(ゲート)が、天界か魔界にしか繋がらなかったらしく、魔界だと俺が霊体だから魔界の瘴気に耐えられないから消去法でこっちにした。

 

「それでこれからどうすんの?」

 

『これから櫂斗さんには私たちの最高指導者様とその側近の方に会ってもらうのね。心の準備は良いのね?』

 

 

「(…最高指導者ってキーやんのことだよな?じゃあその側近ってブッちゃんとかか?まあ着けばわかるか…)わかった、案内してくれ。」

 

 

俺はそんなことを考えながらヒャクメに最高指導者のところに案内してもらったそこには、[会議室]と扉の上に書かれた部屋だった。

 

 

『…ここなのね。…これから最高指導者様たちに会うわけだけど、くれぐれも粗相のないようにお願いなのね。』

 

「おう!」

 

『…なんか不安なのね。…こほん、それじゃあ入るのね。…(コンコンコンッ)…調査官のヒャクメなのね。件の転生者を案内してきましたのね。』

 

『…お入りなさい。』

 

『…失礼しますなのね。』

 

「…失礼しま~す。」

 

 

ヒャクメが入室許可をもらって入室したので、俺も続いて室内に入った。中に入ると待っていたのは…

 

 

『よく来てくれました。私が天界の最高指導者をしています、キーやんです。』

 

『おう、よう来た!ワイが魔界の最高指導者のサっちゃんや!!よろしゅうな!!』

 

「(なんで神魔両方の最高指導者が!?あと、他の人達は誰だ!?)あ…ゆ、結理櫂斗っす…」

 

 

キーやんだけではなく、何故か魔界最高指導者のサっちゃんまでいた。

更にはその2人たけではなく、室内には20代ぐらいの男性とおんなじぐらいの女性、おそらくブッちゃんと思われる男性の計5人がいた。

 

 

『わしはブッちゃんじゃ。それからこっちにいるのは…』

 

『黄泉の管理人のイザナミよ。気軽にナミちゃんって呼んでね(笑)』

『私はイザナギだ。私もナギで良いぞ。』

 

 

イザナギとイザナミ!?

日本書紀や古事記の創世神じゃねぇか!?なんでそんな神が!?

 

 

『おお、驚いとる驚いとる(笑)なんでブッちゃんだけじゃなく、ワイやナギっちやナミちゃんまで居るのかっちゅうとな?』

 

『今回の騒動は人界だけの問題ではなく、魔界や黄泉にも影響があったためじゃ。』

 

『そうなの。黄泉でも死者が活発になって、わたしの仕事が増えてしまったのよ。』

 

『それを相談された私は、直ぐに調べてみたら異世界からの干渉で虚空禄に歪みが出てしまい、魔力・霊力・神力等の精神エネルギーに異常が出てしまい、天界・黄泉・魔界に住む者たちに影響して暴走したことがわかったんだ。』

 

『ワイ等もなんとか暴走したモン等を抑えることが出来たと思うたから、こうして情報を共有する為にみんなで話しとるっちゅう訳や。』

 

『その中で櫂斗さん、あなたが一番の被害者でしたがね。』

 

 

…いろいろ説明されたが結局は戸愚呂のせいでいろんな人(亡者・魔族・神族)の運命が狂ってしまったようだな。

 

 

『ところで今回の騒動を起こした犯人についてだが、何か知っとるかの?』

 

「俺も又聞きなので、何故こんな事をしたのかは知らんッスが、犯人はわかってるッス。…ソイツは…」

 

 

ブッちゃんから今回の犯人のことを聞かれたので、俺はコエンマに聞いたことを話した。

 

「……ってことで、犯人は戸愚呂とよばれる人間から妖怪になったヤツッス。」

 

『こちらが向こうで預かった妖怪の資料なのね。』

 

 

そう言いながらヒャクメがコエンマとの別れ際に渡された資料らしきものを、トランクから出して会議室の面々に渡した。

 

 

『……なるほど。どうやら此方の世界の除霊師たちでは、荷が克ちすぎるかもしれないから櫂斗を鍛えたわけじゃな。』

 

『たしかに、この資料どおりの者が相手ではただの除霊師では歯が立たないだろうな。』

 

『身体の武器・防具への変化、重要臓器の身体内移動、そして高い再生力…こんなヤツどうやって倒せって言うのよ!?』

 

『おまけにこの資料と櫂斗さんに聞いたこの戸愚呂という者の性格は残虐で冷酷非道、さらに向こうのマッドサイエンティストの頭脳を手に入れたかもしれないと…普通の人間にも影響が出そうですね。』

 

『それどころか、もしコイツがテロリストどもと手を組んだらどないなるかわからんわぁ……。』

 

 

…とまあ、ヒャクメが渡した資料と俺が話した戸愚呂のことを聞いたキーやんたちの反応はこんな感じだった。

 

 

『……さて、今回の犯人である戸愚呂については、櫂斗さんに一任しますが、我々も協力せねばここまでやってきたデタントがなくなってしまいます。』

 

『せやなぁキーやんの言うとおり、ワイ等が苦労してあともう少しっちゅうところまでこぎつけたんや。こんなところで全てパーにされたらたまったもんやないで。せやから櫂っち、ワイ等は人界においそれと干渉は出来んが、ソイツに関することがわかったらすぐに知らせたるわ。』

 

『儂等の出来ることはこれぐらいしかないことを許してほしいのぅ。』

 

「いえ、コエンマにも言いましたが、俺は消滅の危機を救ってもらった恩があるから、協力していただけるのならなんでも構わないッスよ。」

 

 

キーやんたちの協力があれば、戸愚呂の捜索も楽になるしな。

 

 

『……それから、櫂斗の転生先についてだが…櫂斗の霊力が思ったより強く、このまま人界に転生させると霊体と肉体にズレが出来、今の霊能力を十全に使うことが出来なくなるだろう。』

 

『それどころかそのズレを狙って悪霊が櫂斗くんの肉体を狙われるかもしれないの。そんなことになれば戸愚呂を捕らえるどころか、日常生活にも影響が出ちゃうわ。』

『そこで儂等は、お前さんを過去のしかるべき地に転生させ、そのズレがなくなるまで生活させようと思うとる。』

 

「!?…い、良いんスか?いくら今回のことがあるためとはいえ、神魔のTOPが時間逆行なんてこと勧めて!?」

 

 

本来時間逆行は歴史改変に繋がるから、やってはいけないことだ。原作でも美神の母親で時間渡航者でもある美神美智恵も、出来るだけ歴史改変にならないようにしていたぐらい慎重に使用していたし、時間移動出来ないようにキーやんたちがしていた筈だ。

それをキーやんたちは自ら破るって…。

 

 

『かめへんかめへん、櫂っちにはちと退屈させることになるが、戸愚呂がこっちに転移してくるまでに櫂っちの肉体と霊体のズレを治さなアカン。でないとナンも出来へんで?』『それに今回のことで既に何人かの神・魔族に裏切り者が出ています。もし櫂斗さんのことがその者たちの耳に入ったら、肉体と霊体のズレというハンデがある櫂斗さんが危険になるので、それの対処のためという側面もあるのです。』

『まあ心配いらないわよ。その場所は然るべき時までわたしたちしかわからないように結界を張るから、もしソイツ等が時間移動して来てもわからないからね。』

 

『それに私たちが護衛につくからな。』

 

「……えっ?イザナギさまとイザナミさまが!?」

 

『ナミちゃんで良いって(笑)…それともママの方が良いかしら?』

 

 

ママ!?

 

 

『おいおい、まだ生まれてもないんだからそれは早いだろ?』

 

『あら、アナタはもう1人子どもが欲しくないっていうの?そんな人はパパなんて呼ばれないわよ。』

 

 

パパ!?

 

 

 

『これこれ、話しについてこれず櫂斗が目を白黒させとるぞ。

…櫂斗よ、この2柱がお前さんの護衛につくが、さっきサッちゃんが言うたように、儂等は人界にはおいそれと降りることは出来ん。それにお前さんの肉体を用意せねば、何もなすことが出来んのじゃ。そこで創世神たるこの2柱にお前さんの肉体を創造してもらうから、この2柱が両親になるというのもまた事実じゃな。…そういう訳で新たな神を誕生させるという名目で人界に干渉する言い訳にしたんじゃよ。もちろん、ナギたちには人界にいる間は人間として生活するように最低限の力を残して、封印を受けてもらうがの。』

 

 

驚いている俺にブッちゃんが俺の転生先の肉体の説明してくれた…が、創世神が両親って!?

 

 

「じ、じゃあ俺は神族になるってことですか…?」

 

『正確にいうと神が創った人間ってことね。部類にすると神族と人間のハーフってところかしら?』

 

 

…は、ははは…両親が神さまで人間で、俺の肉体は人間と神族のハーフって…もうどうにでもしてくれ…。

 

 

「…う~ん…」

バタッ。

 

 

『キャアアッ、しっかりしてなのね、櫂斗さん!?』

 

 

 

後になって聞いたが、

俺はあまりの情報量の多さに気絶したらしい。

…まあ普通気絶するよな。

 

 

 

<続く>




なんか全然進んでないですね


今回はキーやん・サッちゃん・ブッちゃんだけではなく、
オリジナルとしてイザナギ・イザナミの創世神に出演してもらいました。

因みにこの夫婦は古事記や日本書記では色々あって仲違いしてますが、この小説内では夫婦仲はラブラブって程ではないですがそれなりに仲良しです。


今回のあとがきはいつもと違い、あとがきらしいものにしてみましたが、
如何だったでしょうか?

感想・コメントも随時受付中ですので、
よろしくお願いします。

では次回もお楽しみに。


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転生後…。

どうもギブスです。今回は地の分での説明が殆どです。原作キャラも何人か出してみました。今回も短いですが、楽しんで下さいね。それではどうぞ。


就寝中に隕石に貫かれて死んでみれば、コエンマに会うは霊界に行き蔵馬師匠と地獄の修行したりと、色々あって驚いたが転生先のことを聞いた時が一番驚いたぜ。

何せイザナギ・イザナミの創世神に新しい肉体を創ってもらえた(・・・・)からな。

 

…そう、もらえたんだ。

既に過去に来てイザナギ・イザナミ…もとい、父さんと母さんに創ってもらった肉体と融合して7年ほど経過している。

心配されていた肉体と霊体のズレだが、

確かに融合した最初の頃は偶に幽体離脱をして慌てることがあったが、そんな時は父さんたちが肉体に戻る手助けをしてくれたし、今ではだいぶ良くなってきている。

それから俺たちが来た時代は、原作から18年前だ。何故わかったかって?それは…

 

 

「……櫂斗~、忠夫くんが来たわよ~?」

 

「わかった~!今行く~!!」

 

 

俺は母さんに呼ばれて返事をしながら自室から玄関に向かった。

其処には人間の姿になった母さんと、現在7才の俺より一つ二つ下の男の子が居た。

 

 

「あ、櫂斗兄ちゃん。遊ぼう!?」

 

「わかったわかった…じゃあ母さん、俺たち遊びに行ってくるね!!」

 

「はい、いってらっしゃい。車に気をつけるのよ~?」

 

「「行ってきまーす!!」」

 

「兄ちゃん兄ちゃん、今日はなにして遊ぶんや!?」

 

「そうだなぁ~…林に行ってオモチャでも作って遊ぶか?」

 

「ホンマ?俺、兄ちゃんの作るのマネしたいけど、オカンが"あんたにナイフはまだアカン!?"って言われとるから、使わせてもらえんから楽しみや!!」

「…百合子さんは相変わらずか。じゃあ行くか?」

 

「おう、早よ行って色々作ってぇな!!」

 

 

…お分かりだろうか?

この関西弁の男の子の名前は[横島 忠夫]…そう、後に英雄と呼ばれる文殊使いのあの横島だ。

 

何故俺が横島とダチになったかというと、俺がこの時代に転生したのが関西のとある地方だった。

転生してから数年は父さんたちに霊体のズレを治してもらっていた…それが治まってきたのはつい数カ月前のことだ。

その日は父さんたちがいない日だった。そんな日は俺は霊体のズレを矯正する護符を持って近所の公園に遊びに行くんだが、そこで遊んでいたのがこの横島だった。…で、なんかしらんが懐かれて、今じゃ俺のことを兄貴分として慕ってくれているワケだ。俺も原作のあの女好きの横島ならともかく、今の純粋な横島を毛嫌いするようなことを出来るはずもないので、ダチとして付き合っている。因みに現在の横島は5才。この横島の年齢から逆算したら、さっき言った18年前になったんだが、これはどうでも良いか。

 

 

~閑話休題~

 

 

 

「…じゃあ兄ちゃん、また遊んでやぁ~!!」

 

「おう、気をつけろよ~!!」

 

 

横島…忠夫と遊んで日が沈む前に帰ってきて、今日作ってやった竹とんぼを持ちながら帰っていく忠夫を見てふと気付いたが、原作の横島が猫又の子供に竹とんぼを作ってあげていたのを思い出した。もしかしたら今日の出来事があったから、未来で猫又の子に竹とんぼをあげるきっかけになるかもな。

 

そんなことを考えながら、俺は帰宅するのだった。

 

 

 

…5年後の秋…

 

 

あれから5年経って俺は小学校を卒業して中学生に、忠夫は小学5年になった。

俺の肉体と霊体のズレはもう殆ど起こらないようになったが、父さんたちは念のためもう数年様子をみよう、と言ってまだ関西にいる。それに俺もこの数年でもう一度霊能力を鍛えようと思ったから、中学卒業まではこっちに残ろうと思っていたからちょうど良いしな。

 

忠夫にも親友が出来たらしく、最近はあまり遊んでもいない。

おそらく後の近畿 剛一こと、銀ちゃんと遊んでいるからだろう。

まあ俺が中学に入学してしまったから仕方ないだろう。

…そういえば今学期が終わったら忠夫が東京に引っ越すんだったか。この間母さんと百合子さんがそんなこと話していたな。なんでも大樹さんが昇進したらしく、会社の上役の人に上京してくれって言われたのだとか。今はその引き継ぎをし終わって大樹さんだけ東京に単身赴任しているが、忠夫が次の冬休みになったら百合子さんと一緒に上京するんだとか。

 

その時一緒にいた忠夫は寂しそうな表情をしていたな。大人の事情ってやつだから仕方ないだろう。

それに忠夫が上京しなければ、美神たちの運命まで変わってしまうから、忠夫には辛いだろうが行ってもらわねぇとな。

 

 

 

 

…更に5年後…

 

 

 

…あれから忠夫は冬休みになると同時に東京に引っ越していった。偶にハガキを送ってくれたが、最近は音信不通気味だ。

最も俺も地元の高校を卒業して、東京に来ているのだから忠夫のハガキが来ていたとしてもわからないがな。

 

…そう、今年は俺と因縁がある戸愚呂がこの世界にやってくるから、俺は上京したんだ。神界や魔界の調査によると、戸愚呂がこの世界に降り立った場所はこの東京だった。

 

俺の霊体のズレは完治したとヒャクメに太鼓判を押されたので、こうして上京したんだ。もし完治してなかったら原作でおキヌちゃんが蘇った時みたいに霊団に襲われて、戸愚呂の捜索どころではなかっただろう。その点は最初に気づいてくれて対処してくれたキーやんたちに感謝している。

 

俺の霊能力に関してだが、上京してくる前のこの数年で父さんや母さんとした模擬戦でなんとか合格点をもらったが、この2人強過ぎだろ…この2人に比べれば蔵馬師匠との修行がかわいく見えてきたよ…

 

たぶんだけど、俺の実力はその辺にいるGSより上で、美神玲子や小笠原エミ、六道冥子に匹敵するぐらいの力はあると思う…最も、冥子ちゃんがプッツンしたら俺はもとより美神やエミでも対処するのは無理だろうがな。

 

そんな俺が今何処にいるのかというと…

 

 

「まあまあまあ~、良く来てくれたわね~、冥子もよろこぶわ~。」

 

「突然お邪魔してすみません。」

 

「良いのよ~。有能な霊能力者は~わたしも大歓迎だし~、ナミちゃんからも~お願いされているしね~。」

 

 

…この間延びした喋り方を聞けばわかると思うが、俺が今いるのは六道家にある応接室だ。

何故か母さんと六道冥華さんは友達だったらしく、俺が上京して住む場所を世話してくれるとのことだった…が、案内されたのは六道家の広いお屋敷だった。

 

 

 

 

<続く>




…というわけで、櫂斗くんは横島の幼なじみになってもらいました。

櫂斗くんの霊体のズレですが、元々異世界の魂をGS世界に馴染ませるためにある程度期間が必要だろうと思い、およそ15年掛かったことにしました。
残りの3年はナギっちたちとの修行にしてみましたが、まさかまさかの蔵馬より厳しい修行になってしまいました


最後の方に出てきた冥華さんとナミちゃんが、どのようにして交流し出したかについては、次話で書いていけたら良いですね


それでは次回もお楽しみに!

感想・コメントもお待ちしてます。


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幕間 その1~修行中の一幕~

どうもギブスです。
今回は番外編として修行時代の一幕です。
1時間ぐらいで書き上げましたので短いですが、
お楽しみ下さい。


あれはまだ俺が蔵馬師匠と修行を開始して4ヶ月程経った頃のことだ。

 

当時の俺は最初の頃より霊力の総量がだいぶ増えたから、その霊力を上手く使う方法を蔵馬師匠と相談していた。

 

 

「うん、だいぶ霊力を自由に使いこなせるようになってきたね。」

 

「まあ、最初の頃よりは出来ていると思うよ。

…でも、今のところ使えるのが霊銃(レイガン)と霊力を使った身体強化だけってのがなぁ。」

 

「それでもたった4ヶ月程で、そこまで出来れば体したものだ。

…ちなみに、この霊力による身体強化を極めるとこんなことも出来るようになる。少し離れてろ。

…ハアァァァッ!!」

ブワァァァッ!!

 

「!?」

 

 

そう言った蔵馬師匠は俺が離れたのを確認すると、自然体に構えた。

すると身体中に霊力を流したらしく霊視が得意じゃない俺の眼に見えるぐらいに、蔵馬師匠の身体中から霊力が迸ったのがわかり、その余波で土煙が上がった。

 

その土煙が納まったあとにいたのは、若い頃…つまり原作の頃の南野秀一(蔵馬師匠)がいた。

 

 

「うえぇ~!?若返った~!?」

 

 

「ふう…正確にいうと、今の姿が本来の姿で、さっきまでの姿が偽りの姿だったんだ。さっき僕がしたのはそれを解除する為さ。僕は元々妖弧蔵馬だった影響か、肉体年歳は成人前ぐらいを境に歳はとらなくなったんだ。

…でも人間南野秀一として生きているわけだから、歳を取らないのがわかると人間界じゃ大騒ぎになるんだ。じゃあどうすれば良いかと考えた時、僕は以前玄海師範が霊光波動拳の力を使って、若返って暗黒武術会に出場したのを思い出したんだ。僕は玄海師範のように霊光波動拳は使えなかったし、霊光波動拳は幽助が継いでしまったから幽助に聞いたり、その当時まだ霊界にいた玄海師範にコツを教えてもらったりしながら、それをヒントに僕なりにアレンジして出来たのが、さっきまでの僕ってことさ。」

 

「…ってことは、蔵馬師匠は20年前から歳をとってないってことか!?」

 

「…あれ、言ってなかったっけ?」

 

「聞いてない聞いてない!」

 

 

…おかしいと思ったんだよな。たしか原作終了後に4コママンガか何かで、桑原以外は歳をとってない描写があったのに、蔵馬師匠とあった時(というより、さっきまで)は30代(おっさん)の姿だったんだからな。

 

 

「…おっさん?(黒)」

 

 

ヤバッ!?

 

 

「…まあとにかく、霊力操作を極めることが出来れば色々出来るからな。…それじゃあ、続きといこうか?(黒)」

 

 

 

 

…とまあ、蔵馬師匠の謎の一つが解けたが、

このあとの修行でヒドい目にあったのは言わないでおく…orz




今回のお話は、
オタクうーろん様から戴いた感想で、
[原作終了後に4コマで桑原以外歳をとってないのに、蔵馬はなんで歳をとってますか?]とご意見をいただき、
今回の設定を急遽考えました。

ちょっと補足しますと、
原作の蔵馬は幽助と違い人間南野秀一としても生活しているならば、
何かしらで外見を誤魔化している筈…と思い今回の設定にしました。



今回のお話のように、
読者様の疑問から幕間を書いていくこともありますので、
ご意見・ご感想をお待ちしております。
m(_ _)m


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第2章 原作前
引っ越し先は…。


どうもギブスです。昨日半日足らずの間に二話投稿しましたところ、本日1日(2018/10/30/0:00~21:30現在)だけで、400UA越え、全体で2300UA越えしました!この小説を読んで頂いた読者の皆さま、ありがとうございます!m(_ _)m

今回のお話は櫂斗くんと冥華さんと出会った話と、櫂斗くんの引っ越し先についてです。
それではお楽しみ下さい。


俺は今六道家の応接室にいるが、何故こんな場違いなところにいるのかはちょっとした事情がある。

 

それを語るには俺がまだ関西の実家にいる時に、父さんたちとの修行中の時まで遡る必要がある。

 

 

~回想~

 

 

 

ある日のことだ。

その日はいつものように父さんたちとの修行を終えて、母さんに頼まれた買い出しの荷物持ちに来ていた。

 

 

「……それにしても、櫂斗は幽体離脱もしなくなってきたし、霊能力の方もいい感じじゃない。」

 

「う~ん、未だに父さんたちとの模擬戦で勝てたこともないから、実感湧かないよ。」

 

 

 

母さんの言うとおり、最近は幽体離脱をしなくなったから、護符は持ち歩かなくなった…が、模擬戦中に偶に父さんたちが力加減を間違えて、幽体離脱してしまうことは何度かあった。

 

 

「……あの時は悪かったわよ。でもあれぐらい避けるか防御しないとダメよ?」

 

「いやいや、体制を崩されて死角から攻撃されたら、誰だって防御もなにも出来ないって!?」

 

「ナギやアンタの兄さん姉さんなら、軽く弾くか避けるわよ?」

 

「父さんや兄さんたちと比べるなよ!?俺は人間だぞ!?」

 

 

…とまあ、母さんと出掛ける時は専ら俺の修行のことや、最近の天界の様子を聞いたり話したりしながら買い物をするんだが、この日はそれだけでは終わらなかった。それは買い物も終わり帰り道の途中にある、古い屋敷前を通った時だった。

この屋敷はある富豪が住んで居たらしいが、株で失敗したらしく数カ月前に家族共々無理心中したんだとか。その後この屋敷は借金のカタとして売られることになったが、誰一人買い手が付かなかった。…お察しのように、この屋敷の元主人とその家族の幽霊が出るため、今では幽霊屋敷としてこの界隈では有名になっているぐらいだ。

 

そんな屋敷の前に何人かの人がいるのに気付いた俺と母さんは、ついにGSが出張ってきたかと、しばらく様子を見ていた時だ。

 

 

『……また来たのかぁ~!!?此処は私達家族の家だぁ~!!!誰にもこの屋敷は売らんぞぉぉっ!!!!…ヘブッ!?』

 

 

たぶんこの屋敷の元主人の幽霊が現れて、屋敷の前にいた男性(不動産屋かな?)を殴りつけようとしたが、突然壁のようなモノが現れ、ソイツはぶつかっていた。幽霊が屋敷の敷地外に出られない結界が張られていたのだろう。そこにいた男性は慌てて距離を取るように逃げ出たが、たぶんGSだろう人だけ残っていた。

 

 

『ぐぉぉぉっ、なんだこれはぁ~!?屋敷から出られんぞぉ~!?』

 

「あらあら~、聞いていたより~、随分と元気みたいね~?」

 

『貴様、GSかぁ~!?私達を此処から出せぇ~!?』

 

「それは駄目よ~。そんなことしたら~、ご近所さんから~苦情がくるから~出してあげないわ~。」

 

シュッ…ドォォンッ!!

 

『ギャアァァァッ!?』

 

 

…GSの女性(たぶん六道冥華さんだと思うけど)はそう言いながら、懐から出した除霊札をソイツに向けて投げつけた。

投げつけられたら幽霊は除霊札で強制的に除霊されたのか、爆発が収まった頃にはその姿は何処にもなかった。

 

 

「はい、お終い~。不動産屋さん~、終わりましたよ~!」

 

「も、もう大丈夫なんですか?」

 

「はい~、あとは~周辺の浄化をすれば~、二度と幽霊が出ることは~ないですよ~。」

 

 

そう言って冥華さんが不動産屋さんに説明しながら屋敷を覆っていた結界を解除している時だった。

 

 

『アナタぁぁッ!?うちの主人になにするのよっ!!』

 

「「!?」」

 

「…霊っ銃ぁぁん!!」

バァァァンッ!!

 

『キャアァァァッ!?』

 

 

たぶん元主人の幽霊の奥さんらしい幽霊が、除霊したことで気が緩んでいた冥華さんたちに襲いかかった…が、それに気づいた俺は、咄嗟に霊銃を放ってソイツを倒してしまった。

 

…ってやべぇ、危なかったからつい助けちまったが、俺GS免許もないのに除霊しちまった!?

 

 

「…はぁ、櫂斗…あなた何やってるのよ…。今何したか、わかってるの?」

 

「い、いやだって母さん、あのままだとあの人たちが危なかったから、つい咄嗟に…」

 

「あのねぇ、向こうはプロなのよ…あれぐらい、自分でなんとかしてたわよ!それをあんたは邪魔して、それどころかGS免許もないのに除霊してっ!!それがどれだけマズいことかわかってるっ!!?」

 

「ギャアァァァッ!ご、ごめんなさーい!!!?」

 

 

俺がこれからどうやって説明しようか考えていたら、母さんも俺のやってしまったことに対して説教(という名の折檻)をして数分後…

 

 

「……ほら櫂斗、あの方にしっかり謝りなさい!」

 

「も゙、も゙う゛じ訳゙あ゙り゙ま゙ぜん゙でじだ!!」

 

 

俺は母さんに説教(?)を喰らい、ボコボコになった身体で冥華さんに土下座をした。

 

 

「まあまあまあ~…今回は~私たちを助けようと~したらしいから~不問にしますが~今後は~気をつけて~下さいね~。」

 

「は、はひ!!二度とひまへん!!」

 

「家の愚息がお仕事の邪魔をしてしまってごめんなさいね。」

 

「いえいえ~。あの時~彼が除霊してくれなかったら~、私はともかく~不動産屋さんは~ケガをしてましたから~助かりましたよ~。」

 

「そう言われると、こっちとしては何も言えないわね。」

 

「それより~、息子さんは~凄い力の持ち主ね~。GSになるのかしら~?」

 

「いやまだまだ、他人様に誇れるものじゃないわよ…。」

 

「あらあら~、家の娘より~十分強いわよ~。……」

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

…って感じで、冥華さんと母さんは仲良くなったんだ。

その後俺は父さんに勝手に他人様の除霊現場を荒らしたことがバレて、更にボコボコにされたのは割愛しておく。

 

 

…で、仲良くなった母さんたちは俺の身体が治ったことは省いて、偶にだが父さんたちとの模擬戦で勝てるようになったから上京するってことを、冥華さんと話したらしい。

そしたら冥華さんに引っ越し先のことは任せてほしいと言われたらしく、俺は上京して現在に至るってわけだ。

 

 

「……ところで冥華さん。俺の引っ越し先って、まさかここ(六道家)じゃないですよね?」

 

「あらあら~、家じゃダメかしら~?」

 

「いや、さすがにこの家じゃ広すぎて落ち着かないんですよ。(それにここにいると冥華さんに良いように使われ兼ねないしな)…それに幾ら広いからって、年頃の娘さんがいるところに男の俺が一緒に暮らす訳にはいかないッスよ。」

 

「…(なんか聞こえたような~…気のせいかしら~?)…う~ん~、冥子なら~大丈夫だと~思うんだけど~、櫂斗くんが~気にするなら~仕方ないわね~。」

 

「すみません、一応俺も男だから女性と一緒に暮らすって、なんか落ち着かないんですよ。…出来れば別のところをお願いします。最悪六畳一間でも構わないッスから。」

 

 

まさかまさかの六道家だった!

このままでは六道家に取り込まれてしまうと感じた俺は、なんとか別の物件をお願いした。

 

 

「わかったわ~。櫂斗くんが~気にするなら~別の物件を~探してみるわね~。」

 

「すみません、お手数かけます。」

 

「そのかわり~希望物件が~見つかるまでは~家に滞在しなさいね~?冥子も~櫂斗くんに会えるのを~楽しみにしていたから~。」

 

「はぁ…俺としてはホテル代が浮くから助かりますが…良いんですか?」

 

「構わないわよ~。部屋ならいっぱいあるから~好きなだけ~居てちょうだいね~。」

 

 

…なんか企んでそうだけど、ホテル代が浮くのは確かだし、母さんたちに貰った資金もそんなにないから、この際背に腹は代えられないか…。

 

 

「…わかりました。部屋が見つかるまでの暫くですが、よろしくお願いします。」

 

 

 

…こうして俺は、暫くの間六道家に世話になるのだった。

 

 

 

<続く>




…ということで、
櫂斗くんの引っ越し先はまだ決まっていません。

冥華さんは櫂斗くんのことを気に入っていますので、なんとか櫂斗くんを六道家に…と考えてますが、櫂斗くんも(霊感を発揮したのか)なんとかそれを回避しようとしてます。

果たして冥華さんの思惑通りに進んでしまうのか、はたまた櫂斗くんが切り抜けるのか。

それは次回のお楽しみにして下さい。


…最も、賢明なる読者さま達にはわかることでしょうが(笑)


それでは次回もお楽しみに。

感想・コメントも随時受付中です。


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六道家滞在…。

どうもギブスです。
最近筆の進み具合が快調な為、連日更新しました(笑)
今回は六道のプッツン娘とのお話しです。

それから前回の次の日(つまり今日)に前日の合計UAを見てみたら、500件突破してました!
お読み下さった方、
本当にありがとうございます!m(_ _)m

それでは今回もお楽しみ下さいませ。


結局暫くの間は六道家にやっかいになることにしたが、案内された部屋は十畳ぐらいの部屋で、実家の自室はこの半分ぐらいだったから広すぎて落ち着かないぜ。

 

 

コンコンッ

 

「失礼します結理さま、今大丈夫でしょうか?」

 

「あ、少し待って下さい。」

 

 

とりあえず持ってきた鞄から着替えを取り出して、備え付けのクローゼットに入れているとノックをされたから一時中断してドアを開けてみるとそこにはこの部屋に案内してくれたメイドさんがいた。

 

 

「お待たせしました。ちょっと荷物の整理をしてて…」

 

「大丈夫ですよ。荷物の整理ぐらいだったら、私もお手伝いしましょうか?」

 

「あ、いや、世話になるのにそこまでは。」

 

「構いませんよ。そのぐらいの雑事は私たちメイドの仕事ですから、仰って頂ければ直ぐにお手伝い致しますよ。」

 

「はあ、ありがとうございます。…それで何か用があったのでは?」

 

「ああ、そうでした。お嬢さまが結理さまとお話しをしたいとのことですが、如何でしょうか?」

 

「丁度終わったところだったから良いですよ。」

 

「ではご案内しますね。」

 

 

そう言ってメイドさんは俺を案内のため先導してくれた。…案内中メイドさんの後ろ姿を見てふと思ったが、原作の忠夫は女好きだったから美神がこの屋敷に来た時は、このメイドさんや他のメイドさんに襲い掛かろうとして、美神に折檻されていたんだろうな…とくだらないことを考えていた。そんなことをしていたらメイドさんも俺の視線に気づいたらしく、こちらを見てきた。

 

 

「…?どうかなさいましたか?」

 

「あ、いや、そう言えばまだメイドさんの名前を聞いてなかったなと思ってね。」

 

「あぁ、そう言えばそうでしたね。私は橘 葵と申します。結理さまが六道家に滞在中は結理さまのお世話を申しつかったので、ご用の際は遠慮なくお申し付け下さいね。」

 

 

俺はなんとか誤魔化してメイドさん…橘さんに案内を再開してもらって冥子ちゃんの部屋へときた。

 

 

コンコンッ

「失礼します。お嬢様、結理さまをお連れしました。よろしいでしょうか?」

 

「どうぞ~。入ってもらって~。」

 

「どうぞ、お入り下さい。」

 

「ありがとう。…おじゃまします。」

 

 

橘さんに促された俺はお礼を言いながら入室した。

そこにはドレス姿のおかっぱ(?)の女の子と大型犬がソファーに座っていた。女の子は冥子ちゃんで、大型犬はおそらく十二神将のショウトラだろう。

 

 

「いらっしゃ~い。あなたが~お母さまが~お話ししてくれた~櫂斗くんね~。わたしは~六道冥子よ~。この子は~わたしの式神の~ショウトラちゃんよ~。よろしくね~♪」

 

『わふっ!』

 

「うわあっ!?や、止めっ!?」

 

 

冥子ちゃんに紹介されたショウトラは俺に飛びかかってきて、"よろしくっ!"と言わんばかりに俺の顔を舐めまわしてきた。

 

 

「あらあら~、ダメよ~ショウトラちゃん~?櫂斗くんに~迷惑かけちゃあ~♪」

 

『わふっ!』

 

 

なんとか冥子ちゃんにショウトラを退かしてもらったが…うわぁ、顔中ショウトラの涎でベタベタするよ

 

 

「結理さま、こちらをお使い下さい。」

 

「ありがとう。」

 

「それとお嬢様、奥様がいつも仰られておりますように、常に式神をお出しにならないで下さいませ。」

 

「ゴメンナサイ~。ショウトラちゃんも~櫂斗くんに~ゴメンナサイを~しましょうね~。」

 

『クゥン…』

 

 

見かねた橘さんが俺に濡れたタオルを渡しながら、冥子ちゃんにお説教をしているが、ホントに反省しているのかな…。

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

「改めて…俺は結理櫂斗です。暫くの間この屋敷に居候するからよろしくお願いしますね冥子さん。」

 

 

現在は橘さんのお説教も終わり、冥子ちゃんの前に座って用意してもらったお茶を飲みながら改めて自己紹介をした。

 

 

「櫂斗くんは~わたしと~同い年ぐらいだから~、そんなに~堅苦しくなくても~良いわよ~♪」

 

「そう?じゃあ冥子ちゃんて呼ぶね?」

 

「うん~♪それでいいわ~♪」

 

 

冥子ちゃんに許可されたからタメ口にしたら、嬉しそうに返事をしていた。たぶんいつも式神の暴走ばかりしているから、友達が少ないからだろうな。

 

 

「さっきは~ほんとうに~ごめんなさい~。」

 

「いや、これから気をつけてくれれば、良いからさ。」

 

「うん~、気をつけるね~♪」

 

 

…ホントかな

 

 

「それで~、櫂斗くんは~何しに~東京に~来たのかしら~?」

 

「うん、俺のことは冥華さんに聞いたと思うけど、俺は生まれたときから霊力が強くてね、放っておくと悪霊が寄ってくるから、そのせいで子供の頃はあまり出歩けなかったんだ。幸い父さんたちにも霊能力はあったから、父さんたちに霊力のコントロール法を学んだり、修業をしていたんだ。それで最近になってやっと合格点をもらってね、これならGSになっても良いかもしれない、って言われてね…それで上京してきて今に至るってとこだよ。」

 

「そうなんだ~。櫂斗くんも~子供の頃から~苦労してたのね~。わたしも~子供の頃から~霊力が強かったから~、気持ちはわかるわ~。」

 

 

そう言って冥子ちゃんは俺に同情してくれたが、冥子ちゃんに説明した俺のことは半分ぐらいでっち上げだから、返答に困るな…

俺が話したことは、戸愚呂を捜索する為に父さんたちと考えた設定だ。

いくら霊力があるといっても悪霊の除霊や妖怪の討伐はGS免許がないと勝手に除霊・討伐はしてはならない決まりが法律で決まっているから、もし戸愚呂を見つけても俺が手出しすると罰せられてしまうし、かといって他のGSに任せたら被害が増えてしまう。そこで考えたのが俺をどこかのGS事務所に、GS見習いとして雇ってもらえるためのさっきの設定だ。幸い俺の実力は冥華さんが知っているから、この設定を使うことにした。

 

 

「でも~櫂斗くんの~実力は~お母さまが~ほめていたぐらいだから~大丈夫ね~♪」

 

「だと良いけどね。俺は今まで冥華さんと会った時のやつしか除霊とかはしてないんだ。だからいくら父さんたちから太鼓判を押されても、自分の実力がどの程度なのかわからないんだ。父さんたちは俺の実力はその辺のGSより強いって言うけどどうなんだろ…」

 

「わたしも~お母さまに~聞いた話ししか~わからないけど~、櫂斗くんは~大丈夫だと思うわぁ~♪」

 

「話に聞いただけで、なんでそう思うの?」

 

「うーん、なんとなく~そう思ったのよ~?」

 

「霊感かな?まあいいや…既にGSとして活躍している冥子ちゃんが、俺のことをそう言ってくれるぐらいの実力があるって思うことにしようかな。」

 

「それが良いわ~♪」

 

 

それから冥子ちゃんと色々話していたら、いつの間にか日が沈んで来ていたので話を切り上げて宛代われた部屋に戻ってその日は終わった。

 

 

 

 

<続く>

 




ということで、
冥子ちゃんとのお話しでした。

案の定ショウトラに懐かれた櫂斗くんですが、
ショウトラはメイドさんに飼い主(?)共々お説教をもらってました(笑)


本文中では説明しませんでしたが、このメイドさん…橘 葵(たちばな あおい)さんはオリキャラで、六道家に勤めて10年ぐらいの方です。
…葵さんの年齢?女性の年齢は無闇に聞かない方が良いですよ?
まあ、冥子ちゃんの5才ぐらい上とだけ言っておきます(笑)


それから、
以前後書きについて、
私が後書きらしく書くか、
私と櫂斗くんたちと漫才もどきにしながら後書きをするかでアンケートをお願いしましたが、
"どちらでも良い"というものしか来なかった為、
今後はその時のノリで書いていきます。

アンケートに協力して頂いた無銘さま、
ありがとうございました。
m(_ _)m


これにてアンケートの募集は締め切らせてもらいますが、
感想・コメントは随時受付中ですので、
よろしくお願いします。

それでは次回もお楽しみに。


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出会い…。

どうもギブスです。
今回も筆が進んだので連続更新しました(笑)

今回はちょっと書き方を変えて別の人の視点にしてみました。
その別の人物とは…?
それでは今回もお楽しみ下さい。


あれから二週間ほど経ったが、まだ俺が住む部屋は見つからず未だに六道家に居候している。

もちろんその間俺も何もしなかった訳ではない。

冥華さんが持ってきてくれた物件は、郊外にあったり一人で住むには広すぎたりと、どうにも庶民向けではないものしかなかったので、仕方なく俺は自分の足で探しに行ったりしていた。

 

ここ数日の俺の日程は起床後、冥子ちゃん達と朝食までの間に庭を借りて霊力のコントロールをするトレーニングから始まり、朝食後は近場にある不動産屋を訪ねて夕方まで物件探しをしていた。

帰宅後はその日に廻った物件のことを冥子ちゃんと話しながら夕食を採る。

夕食後は場所を移して貰ってきたパンフレットを見ながら冥子ちゃんに意見をもらうのだが…

 

 

「うーん、やっぱり東京には良い物件はなかなかないんだな…。有っても結構高い家賃だし…これなんて、1DKで15万円だし」

 

「そうかしら~?わたしは~そうでもないと思うわよ~?」

 

「いや、冥子ちゃんは六道家のお嬢様だからそう思うかもしれないけど、庶民の俺にとってはとんでもない額だからね」

 

 

俺が貰ってきた物件のパンフレットを見ていた冥子ちゃんはそう言うが、冥子ちゃんにとっては端金かもしれないけど庶民には厳しい家賃だからね。

 

 

「あとは郊外にある安い家賃の所しかないけど、GS事務所からはどこも遠すぎるし…」

 

 

東京にあるGS事務所はだいたい利便性の良い場所にあるから、あまり郊外だと通勤に支障が出てくるからなぁ…。

 

 

「櫂斗くんは~車か~バイクの~免許はないの~?」

 

「一応高二の時にバイクの免許は取ったけど、殆ど出掛けることもなかったからなぁ…出掛けるとしても、だいたい近所に買い物に行くぐらいだったし…それぐらいなら自転車で済んだしな。」

 

 

一応除霊現場までのことを考えて高校の時にバイクの免許は取りには行ったが、今まで必要となることもなかったから所謂ペーパードライバーってやつだ。

…はあ、…今後のことを考えると色々出費が嵩むなぁ…。

 

「はあ、もう今日は考えるのをやめて明日また不動産屋巡りをするか…。」

 

「うふふ~♪頑張ってね~櫂斗くん~♪」

 

「うぅ…他人事だと思って、適当に言ってない?」

 

「そんなことないわぁ~♪その内~櫂斗くんの~住むところは~見つかるからね~♪」

 

「はぁ…そうだと良いけどね。さて…と、俺は今日もアチコチ歩き回ったから疲れたから、風呂入って寝るよ。冥子ちゃんもあんまり夜更かししないようにね。」

 

「わかったわ~。おやすみなさい~♪」

 

「オヤスミ。」

 

 

…って感じの日々だった。

そんな日々に変化が起きたのは、六道家に滞在して三週間ほど経ったある日のことだ。その日も既に日課となりつつあった朝のトレーニングを終えて、冥子ちゃん達と朝食を採っていたときのことだった。

 

 

「……依頼、ですか?」

 

「そうよ~。今日の午後に~私がやる予定だった~除霊なんだけど~、急に~別件で~お仕事が~入っちゃったのよ~。だけど~冥子一人だけじゃあ~式神を~出しすぎたりするからね~。そこで~櫂斗くんに~お願いしようと~思うんだけど~、どうかしら~?もちろん~バイト代は~出すわよ~。」

 

「お母さまは~わたし一人じゃあ~不安みたいなの~。お願い~櫂斗くん~?」

 

「うーん、今日も不動産屋巡りをする予定だったけど、別に構わないッスよ。」

 

「ホント~?おばさん嬉しいわ~♪バイト代は~弾むから~よろしくね~♪」

 

 

 

ということで、急遽その日は除霊の仕事をすることになった。

たしかに冥子ちゃん一人だと、プッツン(式神の暴走)したら除霊場所がヒドいことになりそうだからな。

 

 

「むう~?なんか~失礼なこと~考えてない~?」

 

「そんなことないよ。それより早く仕事の支度をしないと。」

 

 

おっと顔に出てたか(笑)

そんなこんなで冥華さんから除霊対象の資料をもらった俺達は、除霊場所のあるビルの前に来たのだが…

 

 

 

「げっ!?なんでおば様じゃなくて、冥子が居るわけ!?」

 

「あら~玲子ちゃん~。ひさしぶり~♪」

 

そこに居たのは、朱い長髪をしてボディコンっていうのかな?それを着たナイスバディの女性…そう、業界一ガメツイと有名な美神 令子がいたのだ。

 

 

「冥子ちゃん、こちらの方は?」

 

「ああ~そういえば~櫂斗くんは~初対面だったわね~?あのね~この人は~わたしのお友だちの~美神令子ちゃんよ~♪」

 

「あ、コラ、いちいち抱きつくんじゃないわよ!?」

 

「冥子ちゃん、美神さんが困ってるから離してあげよう?」

 

 

冥子ちゃんはそう言いながら嬉しそうに美神に抱きついているが、やられている美神の方は迷惑っぼいから離してあげた。

「ふう、ありがとう。…ところでアンタは?」

 

「あ、俺は結理櫂斗。関西出身でGSになる為に上京してきたんだ。で母さんと冥華さんが友達で、俺の住む部屋が見つかるまで六道家に居候している霊能力者…ってところかな。」

 

「ふ~ん、私は冥子が言ってくれたけど、美神玲子よ。ここに来たってことはそれなりに実力はありそうね。」

 

「修行をつけてくれた父さんたちが、その辺のGSより上だって言ってくれたけど、どうなんだろ…まあ、よろしく。」

 

 

そう言いながら右手を差し出した。

 

 

「よろしく。…!?(この人、自分じゃわからないみたいだけど、握手してみてわかったわ…内に秘めている霊力が凄いわ。)」

 

「…?…どうかした?」

 

「あ、いえ、何でもないわ。あなたは戦力として数えて良いのね?」

 

「まあ一応自衛ぐらいなら出来るけど、どこまでやれるかわからないけどね。」

 

「櫂斗くんは~謙遜しすぎだと~冥子思うの~。」

 

「そうかなぁ。」

 

 

握手した時の様子がおかしかったから聞いてみたけど、なんでもなさそうならまあいいや。

 

 

 

 

櫂斗sideEND

 

 

美神side Start

 

 

今日の依頼は冥華おば様と協同の依頼だったけど、除霊現場に来てみればおば様は居なくて代わりに冥子と知らない同い年ぐらいの男性が居た。その人は冥子に抱きつかれて困っていた私をさり気なく助けてくれて、改めて自己紹介をしたら、結理櫂斗くんというらしい。なんでもGSになる為に上京してきたらしいけど、まさか冥子と暮らしているとはね。

でも一番驚いたのは、彼と握手をした時に感じた彼の霊力よ。櫂斗くん自身は気付いてないみたいだけど、単純な霊力量を計ったら私や冥子、気に食わないけど私たちと同じくらいの霊力があるエミに匹敵するぐらいあるんじゃないかしら。

おば様も櫂斗くんの霊力なら大丈夫と判断して、彼に代役をお願いしたようだし期待しても良いかもしれないわね。

 

 

「それじゃあそろそろ、行きましょうか?」

 

「ああ、冥子ちゃんも準備してね。」

 

「わかったわ~。サンチラ、ハイラ、インダラおいで~。」

 

 

そう冥子が命じると冥子の影から式神が出てきた。馬型のインダラに跨がって移動してもらい、霊視が得意なハイラに周辺の警戒させて、蛇型だが電撃能力を持つサンチラに護衛させるようね。

それを見た私も自身の装備を確認する。破魔札と神通坤、万が一の精霊石のペンダントもある。

櫂斗くんは自身の霊力を使って除霊をする除霊格闘術を使うらしく、ポケットから取り出した指抜きグローブを嵌めていた。

それと今回の依頼中は私がリーダーになった。

何故なら実力は私より上だけど式神の暴走を良く引き起こす冥子はリーダーに向いてないし、櫂斗くんは実力はあるといってもまだGS見習いだから、必然的に私になるしかなかった。

 

 

「2人とも準備OKみたいね。それじゃあ行くわよ!!」

 

 

全員の準備が整ったようなので、私は2人に声を掛けて除霊現場に向かうのだった。

 

 

 

 

<続く>

 




美神令子の登場でした。

そろそろ櫂斗くんの実力を発揮出来るように、除霊現場に向かってもらいました。まだ除霊をしていませんが、次回は櫂斗くんたちの、戦闘場面を書きます。


今回は初の試みの視点変更だったので上手く書けているか不安でしたが、如何だったでしょうか?

それと今更ですが、各セリフのカッコは以下のようになります。

「」…人間。
『』…神魔や妖怪・幽霊等人外。
《》…電話や念話等の通信関係。



それでは次回もお楽しみに。

感想・コメントも待ってます。


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初仕事…。

どうもギブスです。
また連日更新です(笑)

前回後書きで戦闘回になると書きましたが、そこまでいけませんでした。

それでは今回もお楽しみ下さい。


今回の依頼はこの周辺の住民が体調不良で倒れる人が続出したことから始まったわ。

調査の結果このビルが怪しいと思われGSを派遣したが、派遣されたGSたちでは力不足で返り討ちにあってしまったみたいね。

本当なら私と冥華おば様でやる依頼だったけど、おば様は急遽別件で仕事が入りこの依頼は私一人でやると思ったけど、除霊現場について驚いたわ。

おば様の代わりに冥子が来ていたのもそうだけど、一緒に来た結理櫂斗くんの霊力の強さにも驚いたわね。

これなら大丈夫だと思うけど、除霊現場では何が起こるかわからないから十分に気をつけていきましょう!

 

 

 

……カツン……カツン……

 

私たちは除霊現場のビルに入ってきたが、辺りは静かなもので私たちの足音だけしか聞こえるものはなかった。

 

 

「……ずいぶん静かだね。除霊現場って、いつもこんな感じなの?」

 

「そんなことないわ。

でも聞いたことないかしら?

幽霊屋敷にきても何も起こらなかったり、ヒドいポルターガイストが起こるってところに来ても家鳴り程度のことしか起こらなかったってこと。

それは幽霊の性質に関係があるの。」

 

「幽霊の性質?」

 

「そうよ~。普通の幽霊はね~結構臆病者なの~。だから~人が来ると~みんな隠れてしまうのよ~。」

 

 

 

櫂斗くんはまだ除霊をしたことがないらしいから、疑問に思ったみたいね。

 

 

「冥子の言うとおり、悪霊になってない幽霊はそんな感じよ。

でもその侵入者の霊力に影響されて襲いかかってきたりするわ。

…でも、ここの幽霊はおかしいわね。」

 

「どういうこと?」

 

「普通幽霊は冥子がさっき言ったように人が来ればなりを潜めるか、来た人の霊力に影響されて追い出すために襲いかかってくるの。

でもここに居るのは霊力を使って除霊をしに来た私たちGSしかいないわ。」

 

「あ、そうか。俺達に反応して姿を表さないから…。」

 

「そう私と冥子はGSの若手の中では、五指に入るくらい霊力が高いし、櫂斗くんも私の初見でしかわからないけど、一般人より遥かに高い霊力を持っているわね。それなのにここの霊は何の反応を示さないってことは…。」

 

「たぶん~、みんな逃げちゃったのね~♪」

 

 

…ズルッ!?×2

 

 

「「…そんなワケ有るか~!!」」

 

 

冥子の発言に私と櫂斗くんはコケてしまったけど…頼むからもう少し緊張感を持ってちょうだい!!

 

 

「…こほん。…俺達に襲いかかってこないってことは、たぶん…罠か?」

 

「櫂斗くんもそう思う?元々この依頼はGS見習いでも出来るぐらいのランクだったの。

でも実際に依頼を受けたGSたちはこのビルに来て数時間後に意識不明の状態で外で発見されたの。そこでGS協会は私とGS協会で理事を勤めている、冥華おば様との協同依頼を出したの。冥華おば様は今は現役から退いているけど、その辺のGSより強いから依頼されたのよ。」

 

「この子たちも~元々は~お母さまが使役していたのよ~。」

 

 

そう言って冥子は式神たちを撫でてあげた。撫でられたら式神たちは気持ち良さそうに目を細めているわね。

 

 

「…とにかく、ここからは何が起こるかわからないから、気を引き締めていきましょう。冥子、サンチラとインダラを戻して、代わりにクビラとビカラを出しなさい。」

 

「わかったわ~。サンチラ、インダラ戻って~。クビラ、ビカラおいで~。」

 

「櫂斗くんは見た限り霊撃格闘が得意みたいだけど、遠距離はどうなの?」

 

「一応遠距離用の技もあるけど、俺は近・中距離がメインだな。」

 

「そう……隊列変えるわ。櫂斗くんと私は前衛、冥子はクビラとサンチラと一緒に中衛、後衛はビカラにお願い。

クビラは周囲の索敵、サンチラは私たちを抜かれた場合の冥子の護衛ね。」

 

 

私は櫂斗くんの得意距離を聞いて隊列を変えて、移動を再開した。

 

 

美神side END

 

 

櫂斗side Start

 

 

隊列を変えてビルの奥まで捜索したが、この階には異常がなかったので、階段を上がって他の階にきたが、相変わらず何も出てこない。

 

 

「……どうなってるんだ。なんで何も出てこないんだ?」

 

「ここまで何もないってことは、余程私たちに除霊されないぐらいの力の持ち主かもしれないわね。」

 

「令子ちゃん~、この階にも~何もいないよ~。」

 

「そう、引き続きクビラに索敵させて、何かあったら言ってちょうだい。」

 

「わかったわ~♪」

 

 

冥子ちゃんに指示を出した美神は、何か考えているみたいだけどどうしたんだろう?

 

「…美神さん?」

 

「…いえ、なんでもないわ。次の階へいきましょう。」

 

「?…わかった…と、後は次の階でこのビルは最上階になるな。あとは屋上だけど、そこは関係ないかな。」

 

「わからないわ。もしかしたら屋上に何かあるかもしれないから、そこを除外するわけにはいかないわ。とりあえず最上階を捜索しましょう。」

 

「ああ、わかっ…!?」

 

「「!?」」

 

 

階段に戻ってきた俺たちは、階段の踊り場にある階表示を見て次で最上階だと気づいた。階段も最上階だけで終わるみたいではないようで、屋上まで続いていた。とりあえず最上階を捜索しようと、最上階に踏み行ったその時だった。

まるで最上階だけ別世界のように内部がボロボロになっていたのに気づいた。

 

 

「こ、これは…美神さん!?」

 

「え、ええ…ここにいる悪霊はただの悪霊じゃないわね。最上階に入った瞬間から、急に凄い霊気を感じたのを櫂斗くんもわかったみたいね!?」

 

「ええ、俺は霊勘はそれ程鋭くないが、この感じる霊気の持ち主はただ者じゃないってのはわかったよ!!」

 

「気をつけて~令子ちゃん~櫂斗くん~!クビラがこの先に~何かがいるって~言ってるわ~!!」

 

なんなんだ、最上階に入った瞬間に感じたこの霊気は!?

 

俺はそう思って辺りを警戒しながら周囲を確認してみるが、たぶん冥子ちゃんが言ったようにこの先にこの霊気の持ち主が居るんだろう。

 

「冥子、クビラは下げてアンチラを喚んで自分の身を守れるようにしておきなさい。あと何時でも逃げれるようにメキラも一緒に喚んでおきなさい。」

 

「う、うん。クビラちゃんありがとう~。アンチラ、メキラ、来て~。」

 

 

美神は冥子ちゃんは式神を入れ替えて別の式神を喚ぶように指示すると、神通坤を右手に展開し左手は破魔札を何枚か持って、何時でも戦闘に入れるようにした。それを見て俺も自身の霊力を体内で練り上げて、何時でも使えるようにしておいた。

 

 

「二人とも準備はいい?行くわよ!!」

 

「「おう/うん!!」」

 

 

準備が完了した俺たちはさっきから感じる霊気の元へ慎重に向かった。

暫く進むとたぶん元は社長室かなんかだったんだろう。両開きの大きなドアの前に来た。この階に入った時から感じている霊気もこのドアの向こうから感じるし、さっきの場所より強く感じる。

 

 

「…ここだな…どうする?」

 

「…たぶん、もう私たちの侵入には向こうも気づいているはずよ。このまま3つ数えてから行くわ櫂斗くんドアはお願い?ね?」

 

「任せろ。カウント頼む。」

 

「ええ、行くわよ…3…2…1…GO!!」

 

 

バキャッ!!

 

そう言われて俺はタイミングを合わせてドアを霊力を込めて蹴り破った。

俺の蹴りをくらったドアは粉々になり、部屋の内側へその破片をバラまいていくが、俺たちはその行方を気にせずに内部へ突入した。

そこにいたのは悪霊ではなく2mほどの高身長の男が、俺たちに背を向けて外を見ていた。まるで俺たちのことに気づいてないような態度だが、ソイツの霊気はさっきから感じているものと変わらないから、コイツが今回の主犯なんだろう。

 

 

『……騒がしいな、ゆっくり飯も喰えやしねぇぜ。』

 

「…アンタがこの周辺の異常の原因みたいね。何をしているか知らないけど、アンタが居ると迷惑なの。余所へ行ってくれないかしら?」

 

『…退治屋か…昨日来たヤツらよりは多少は出来そうだがまあいい…』

 

「「「!?」」」

 

 

そう言いながら振り向いたソイツをの顔を見た瞬間、凄まじい霊気を感じて俺たちは構えを取った。

だがコイツの姿を見た時から感じている違和感が、コイツの顔を見た瞬間にやっとわかった。

今はまだ人間の姿をしているが、コイツはおそらく…だが、何故コイツまで!?

 

 

『この剛鬼様の食事の邪魔をしてくれたんだ。貴様等も俺の晩飯にしてくれるわぁ!!』

 

 

そう言ってその姿は額から二本の角を生やし、口元は裂けその歯は牙のように鋭く尖っていく。

体格も変化前はギリギリ2mなかったが、今は2m半はありそうなぐらいになっていた。その姿は所謂…鬼と呼ばれる妖怪だ。

 

「…や、やはりお前は剛鬼だったか!?

だが、霊界に捕縛されたお前が何故此処に…この世界に居る!?」

 

『うん?貴様は俺のことを知っているようだな?…貴様、何者だ?』

 

 

剛鬼…コイツは霊界探偵として蘇った幽助が関わった、霊界三大秘宝盗難事件の犯人の一人だ。

だが剛鬼は幽助が苦戦の末なんとか打ち倒し、霊界に捕縛された筈だ。

それが何故…!?…まさか!?

 

 

「お前…いや理由は後で聞こう…俺が何者かって?」

 

『そうだ!何故貴様が俺のことを知っている!』

 

…さて、どう答えるかはもう考えてあるが、ここには俺だけじゃなく美神や冥子ちゃんもいるしなぁ…まあ仕方ない、後で説明するか。

 

 

「俺は結理櫂斗…ただの霊界探偵さ!」

 

 

<続く>

 




書いていてふと気づいたが、
"第2章はまだ原作前だからオリジナル話にしよう"
…と、思ってしまい敵キャラとして剛鬼に登場してもらいました。

何故剛鬼がいるのかは次回辺りに書きます。

…あまり次回予告のように後書きで書くと、
そこまで書けないことに気付いたから気長に待って下さい(笑)


美神さんと冥子ちゃんに霊界探偵のことを知られることになった櫂斗くんのことも次回以降に書きます(笑)


それでは次回もお楽しみに。

感想・コメントも受付中です。


・追記

美神さんと冥子ちゃんが言っている幽霊の性質については、
ゴーストハントの設定を使いました。


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霊体銃闘技…。

どうもギブスです。
今回はサブタイどおり霊体銃闘技を使った戦闘回です。
ちょっとグロ表現がありますので、苦手な方はお気をつけ下さい。

それでは今回もお楽しみ下さい。


「俺は結理櫂斗…ただの霊界探偵さ。」

 

『!?』

 

「れ、霊界!?」

 

「探偵~!?」

 

 

…剛鬼に問われたからつい言っちゃったけど、美神たちへの説明はどうすっかな…まあ、それはコイツを倒したあとに考えよう。

 

 

「霊界って、どういうことよ!?」

 

「櫂斗くんは~、探偵さんなの~?」

 

「…それは、あとで話すよ。今はコイツを倒すのが先だ。二人は下がっててくれ。」

 

『クックックッ…その程度の霊力でこの俺を倒すだと?しかも一人でだと?…片腹痛いわ!!』

 

「おーお、挑発に簡単にノってくれなくても良いのに。蔵馬師匠との修行に比べれば、お前を倒すのは片手間だぜ。」

 

『く、蔵馬だと!?貴様あの裏切り者の弟子だというのか!?』

 

「ああ、そういえばお前蔵馬師匠と飛影と一緒に霊界三大秘宝を盗んだは良いけど、直ぐに幽助に捕まったバカって蔵馬師匠が言ってたな。…まさかとは思うが…お前また餓鬼玉を盗んだんじゃねぇか?」

 

『!?』

 

「…やっぱりか。」

 

「…櫂斗くん餓鬼玉って?」

 

「ああ、詳しくはあとでまとめて説明するけど、簡単にいうと餓鬼玉は肉体から強制的にその人物の魂を抜き取れるものなんだ。今回の依頼で、周辺の人たちが謎の体調不良を訴えていただろ?コイツが今回の主犯だとするなら、前回も使った餓鬼玉をまた盗んで使っているんじゃって思ったんだ。結果はビンゴだったがな。」

 

「ちょっと待って!?もしその餓鬼玉というアイテムを使ったのなら、この周辺の人たちはその程度になるわけないわよ!?」

 

 

…おそらくだが、次元が違うからだろうな。

あれは幽遊白書の世界のモノだから、こっちの世界ではその機能を十分発揮出来ず、使われた人の霊力かなんかを奪うだけに限定されたんじゃないかな。だから体調不良程度に収まっているんだろう。

美神たちには向こうの世界のことを省いてそう説明した。

 

 

『…!?』

 

「どうやら合ってたらしいな。あとはお前がどうやってこっちに来たかだが…それはお前を倒してから聴くとしよう!」

ブワァッ!

 

「「『!?』」」

 

 

そう言って、俺は体内で循環させていた霊力を解放した。

その霊力を見て美神たちだけではなく剛鬼も驚いているが、それじゃあ隙だらけだぜ!!

 

 

「霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)突撃戦闘型(アサルトポジション)!

ショットガン・エアシュート!!」

ズンッ!バキッ!!ズドッ!!!ドガッ!!!!ズドンッ!!!!!!

 

『!?…グッ…ガッ…ゴッ…グゲッ…ガハァッ!!?』

 

 

隙だらけの剛鬼に俺は飛び込んでからの膝蹴り、右フック、左ボディーブロー、右足で蹴り上げて最後に回転しながらの渾身の右ストレートの五連撃をぶち込んでやった。ただしただの打撃技じゃ妖怪である剛鬼に利くわけがない。そこで俺はそれぞれの打撃に体内で練り上げた霊力を乗せた。霊力を乗せることによって、妖怪や悪霊には大ダメージになっているだろうな。現に剛鬼のヤツはなんとか立ち上がったが、足許が覚束ずフラフラしている。

 

『グッ…ぎ、貴様ぁー!!』

 

「隙だらけだったからぶち込んだのに、もう立てるとはな!もう一発喰らっとけ!

長距離戦闘型(スナイパーポジション)!

ガン・ブレット・バーストリボルバー!!」

ズドンッ!

 

『グギャアァァッ!?』

 

 

ちょっと距離が離れているから、今度は右腕に霊力を集めてその腕を剛鬼目掛けて振るうと、まるで銃弾のようなスピードで霊力が放出される。放出された霊力は銃弾の如く離れた剛鬼の左腕に当たると、命中箇所より先をもぎ取った。

 

 

『があぁぁぁっ!?ぎ、貴様、殺してやる!!』

 

「…近距離戦闘型(ガンマンポジション)!

ダブルアーム・クイックドロウ!!」

ズドドドドドドドドドッ!!

 

『グガガガガガガガッ!?』

 

 

剛鬼は左腕を切断されてキレたのか、残った右腕を振りかぶって俺を殴ろうとした。

だが俺はそれより速く腰を落として近距離戦闘型になると、両腕での高速打撃の嵐を剛鬼に見舞ってやった。それにより剛鬼はその拳を振り下ろすどころか、その身体中に打撃痕を増やすだけだった。

 

 

「…そろそろか。

クイックドロウ!!

ハアァァァッ!!」

 

「!?れ、令子ちゃん~、櫂斗くんに~剛鬼が~!?」

「…両腕から左だけであの連打をしているから剛鬼が少しずつ櫂斗くんに近づいていくんだわ!!そのかわり右腕の霊力がだんだん上がっていくけど…何をするつもり!?」

 

 

ぐっ!?やっぱり片腕だけで抑え込むのはキツいな!?

だが、必要な霊力はチャージ出来たぜ!!

 

 

「これでトドメだ!!

霊体銃闘技・決戦霊技(ハンマー・コック)!

霊銃撃(マグナムレイ)っ!!!」

ガキンッ…ズドォォン!!

 

『!!?グギャアァァァァァァァァァァッ!!!?』

ドシャッ!

 

 

俺は霊撃銃をヤツの胴体のド真ん中にぶち込んでやった。流石にコレを喰らってはいくらタフなコイツといえども無理だったらしく、命中箇所に大穴を空けて倒れたのだった。

 

 

<続く>

 




霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)はGODAGAMの銃闘技(ガンシュートアーツ)に霊力をプラスしたものにしようと、
最初の頃は思ってましたが、いざ書いてみるとほぼ銃闘技(ガンシュートアーツ)になってました

設定としては霊体銃闘技(ソウルガンシュートアーツ)は銃闘技(ガンシュートアーツ)と違って霊力を使うので回転酔いはあるが、血管損傷による弱体化はありません。


以上補足でした。

それと幕間を一話書きました。
こちらは第一章と第二章の間に投稿しましたのでややこしいですが、
話的にはどうでも良い話ですがお読みいただければ嬉しいです。



それでは次回もお楽しみに。

感想・コメントもお待ちしてますのでよろしく。


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霊界探偵…。

どうもギブスです。
今回は美神たちへの説明回です…が、ほぼ会話だけになってしまい全然進んでないです(汗)

そ、それでは今回もお楽しみ下さい。


俺は暫く様子を見ていたが、どうやら剛鬼は倒したようだ。

俺は漸く構えを解き、俺と剛鬼の戦いを見ていた美神たちに向き直った。

 

 

「ふう…もう良いぞ。」

 

「…櫂斗くん…貴方は一体何者なの?霊界探偵って何?それにこの鬼は?」

 

「待て待て待てっ!?全部答えるから、そう質問攻めするな!」

 

 

はぁ…美神は気になっていた疑問を聞いてくるが、やっぱり霊界探偵ってことをバラすんじゃなかったかな…。

 

 

「じゃあ改めて…俺は結理櫂斗、とある事情で霊界探偵をやっている。」

 

「とある事情?それに霊界探偵ってなんなの?」

 

「霊界探偵ってのは、霊界・人間界・魔界を荒らす者を捜索したり捕縛もしくは討伐する能力を持った人間に、霊界が任命した者のことだ。まあ大抵は討伐・捕縛の任務を与えられるがな。」

 

「ま、魔界!?」

 

「…ああ…と言っても、こちら(・・・)の魔界じゃないんだがな。」

 

「こちら~?」

 

 

……美神や冥子になら、言っても大丈夫かな……。

 

 

「ああ…唐突だが、美神たちは異世界というモノは、どんなものだと思う?」

 

「ホントに唐突ね…異世界ねぇ…そうね、剣と魔法のある中世みたいな世界かしら。」

 

「わたしは~、喋れる動物さんが~いる世界とかかしら~?」

 

「まあ、普通に考えたらそういうものが思いつくだろうな。

実はな、世界ってのはこの世界や神界・魔界の他にも、次元の壁を隔てて無限に存在しているんだ。」

 

「「!?」」

 

「…少し長くなるが、昔の話をするよ。

…妖怪と共存をし始めたある世界のことだ。

その世界は大昔からその世界の人間界と妖怪や魔族の住む魔界を、その世界の霊界は強力な結界で隔てて人間界を守っていたんだ。この結界は強力な妖気を持つS級妖怪やA級妖怪は通ることは出来なかったが、ある程度妖気が低いB級妖怪やそれ以下の妖怪は抜けられるものだった。

ある時、人間界でこの結界を外そうとした人間が現れた。ソイツは自分の考えに賛同する6人と共に計画を建て、実行に移そうとしていた。…だがこの計画の前兆を掴んだ霊界は、直ぐ様当時の霊界探偵や協力者を派遣して、首謀者や一味を討伐に向かわせた。…先に言っておくが、この計画は結局中途半端に成功したよ。…だが、この一味の一人、美食家(グルメ)という能力者が厄介だったんだ。」

 

「美食家(グルメ)?どういう能力者なの?」

 

「…ソイツの能力は、別の能力者の能力を、能力者ごと喰らって奪うことだった。

この計画を建てた者たちは、どうやって次元を隔てる結界を取り除くかを考えた時、いずれ次元を切り裂く能力者が現れると信じていたようで、その能力者が現れた時に美食家に喰わせて結界を切り裂かせようとしたんだ。」

 

「「!?」」

 

「…最も、その能力は霊界探偵の協力者が発現したから、それは出来なかったがな。

…だが、美食家に喰われた他の能力者にとんでもないヤツがいた。ソイツは人間から妖怪になったヤツだ。ソイツが妖怪になった理由が永遠に人を殺したいという狂人だった。その狂人は以前霊界探偵たちが参加した武道会で倒された筈だったが、その妖怪としての能力で生き長らえ、この計画の首謀者に拾われた。首謀者は美食家に喰わせれば戦力になると軽く考えたんだろうが、ソイツの執念はそれを上回った。…美食家に喰われたソイツは、逆に美食家の身体を乗っ取ったんだ。そうして誕生したのは、ほぼ不死身な身体を持って、自分の能力を無限に強化出来る妖怪だ。」

「そ、そんな危険な妖怪をどうやって倒したのよ?」

 

「……倒してない。

協力者の一人に魔界の植物を操れる人がいたんだ。

ソイツと対峙した時、僅かな隙をついてその人が魔界に咲く、邪念樹という植物の種を埋め込んだ。

この邪念樹という植物は寄生植物の一種で妖気を糧に成長するんだ。

寄生された者は邪念樹に幻覚を見せられ養分にされて、いずれ死ぬるんだが…ソイツはほぼ不死身だから、永遠に幻覚から抜け出すことはなかった。」

 

「す、凄い人が居たものね…。それで…その話とこの鬼や櫂斗くんと、どういう関係があるの?」

 

「おっと、少し脱線したな。…結局首謀者は霊界探偵たちの活躍によって、倒されたんだが、ここからが本題だ。…その後霊界はなんやかんやあって、人間界と魔界の間にあった結界を解いたんだ。

それから20年ぐらい経ったある日のことだ。

魔界のある地方で強力な妖気を…いや、エネルギーを感知したんだ。

感知した霊界は慌てて調査をしたところ、ある人物が異世界転移をした痕跡をみつけたんだ。

…普通異世界間の転移は次元の壁を隔てているから出来ないが、ソイツはどうやったか知らないが、異世界転移に成功してしまった。

…その影響で次元の壁を隔てたあちこちの世界に影響が出始めた。

ある世界では次元に穴が開き消滅してしまったり、また別の世界ではその世界の住人たちの運命がねじ曲がってしまったりと、色々悪影響をおよぼしたんだ。

慌てて霊界はその悪影響を受けた世界の管理者…まあその世界の神とかだな…に連絡を取り、狂ってしまった運命をなんとかしていたんだ。その甲斐があって狂ってしまった運命をほぼ元通りにすることが出来たんだが、元に戻せなかったものもあった。」

 

「…消滅してしまった世界ね…。」

 

「ああ…その中でも、最も残酷な者がいた。ソイツはまだ死ぬ運命ではなかったが、この影響で就寝中に隕石に貫かれて即死したんだ。…美神、そんな理不尽な死に方をしたヤツはどうなるか知っているか?」

 

「…普通だったら、自縛霊になったりあの世に逝くわね。」

 

「そうだ。そしてあの世で次の輪廻を待って転生するな。

…だが、ソイツは自縛霊になることも、あの世に向かうこともなく消滅しかかっていた。」

 

「えっ!?」

 

「それってまさか!?」

 

「そうだ…この世からあの世に行く為にする消滅…昇天することじゃない。二度と転生することもない魂の消滅だ!」

 

「「!?」」

 

「そのことを事前に知った霊界やその世界の閻魔大王は、慌ててソイツを迎えに行ったが、危うく消滅する寸前だったんだ。緊急措置としてソイツとある契約を交わして消滅だけは免れたが、ソイツは二度と転生することは出来ない運命になったんだ…その世界ではな。」

 

「!まさか!?」

 

「そう…それが俺だ。

…なんとか魂の消滅を回避した俺は、迎えに来たソイツ(コエンマ)から事情を聞き、あの世に行ったんだ。…向こうに着いたら、コエンマも閻魔大王も謝ってくるからびっくりしたぜ(笑)」

 

 

閻魔大王に頭を下げさせたのは世界広しといえど、たぶん俺だけだろうな。

 

 

「…事情を聞いた俺は、原因となった者を捕らえる任務を拝命して、ソイツの転移先の世界に転生することになったんだ。

…その際、霊界で修行することになったんだが…あれは修行という名の地獄だったなぁ…(遠い目)」

 

「か、櫂斗くん~、しっかりして~!?」

 

 

~閑話休題~

 

 

 

「……ってことで、現在に至るわけだ。」

 

 

俺はなんとか持ち直して、戸愚呂兄のことを美神たちに説明した…んだが、なんで俺は蔵馬師匠との修行をした時のことまで説明しようとしたんだろう。おかげで美神たちに心配させてしまった。

 

 

「…櫂斗くんが何者かはわかったけどその、戸愚呂だったかしら?…その妖怪はまだこの世界には来ていないのよね?」

 

「ああ…霊界やこの世界の神魔に聞いたところ、今年来るらしいがまだ時間はある筈だ。」

 

「じゃあ~、この鬼さんは~どうやって来たのかしら~?」

 

「そこなんだよ。俺が聞いた話だと、戸愚呂ともう一人の雑魚妖怪しかいない筈だが、どうなってるのやら…後で向こうに連絡してみるか…。」

 

 

その時だった。

 

 

『その必要はないわ!!』

 

「「「!?」」」

 

 

この場にいる筈のない女性の声が聞こえてきたのは。

 

 

 

<続く>

 




剛鬼は一体どうやってGS世界にやって来たのか?
そして最後に出てきた女性は一体何者か?

それは次回で判明しますので、聞かないで下さい。


感想・コメントは随時受付中ですので、よろしくお願いします。
m(_ _)m

それでは次回もお楽しみに。


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霊界案内人…。

どうもギブスです。
今回も説明回のため、ほぼ会話しかないです(汗)
それではお楽しみ下さい。


『その必要はないわ!!』

 

「「「!?」」」

 

 

剛鬼のことを美神たちと話していた時に聞こえてきた女性の声だった…が、まさかこの声は…!

 

 

「誰!?」

 

「どこから声が~!?」

 

「……」

 

『あら?櫂斗は驚かないんだねぇ?』

 

「櫂斗くん~?」

 

「知り合い?」

 

 

声の主が何処にいるのかわからないような美神たちが、俺に知り合いか聞いてくる…が、声の主はやっぱりアイツか。

 

 

「はぁ…いい加減出てこい、ぼたん!」

 

「「!?」」

 

「あはは…やっぱり櫂斗には直ぐバレたか。」

 

 

すると、声の主…ぼたんがこの部屋の入り口からひょっこりと現れた。

 

 

「おう、声聞いて直ぐわかったわ…久しぶりだな。」

 

「久しぶりさね…櫂斗!!」

 

「「!?」」

 

「おっと…急に抱き付くな、危ないだろ…それに2人が見てるぞ?」

 

「あ、ゴメンよ!?///」

 

 

ぼたんは感極まったのか俺に抱き付いてきた。俺は急に抱き付いてきたぼたんに注意をしながら美神たちが見てることを言うと、ぼたんは直ぐ俺の胸元から離れた。…その頬は若干赤くなっていたがな。

 

「か、櫂斗くん…その娘は一体?」

 

「お知り合い~?」

 

「ああ、コイツはぼたん。さっき話した霊界で、霊界案内人ってのをやってるヤツだ。」

 

「初めましてさね、あたしは霊界案内人のぼたん。そして櫂斗の恋人さね!」

 

「「こ、恋人ぉ~!?」」

 

「誰が恋人だ。嘘をつくな!」

ゴンッ!

 

「アイタッ!?」

 

 

相変わらず人のことをからかうヤツだな。

 

 

「櫂斗くん~、女の子を殴るのは~いけないわよ~?」

 

「コイツはコレぐらいしないと反省しねえから良いんだよ。…それよりぼたん、お前が来たのはコイツと関係があるんだろ?さっさと話せ。」

 

 

冥子にツッコまれたがスルーして、俺は未だに痛がってるぼたんに剛鬼を指差しながら説明を求めた。

 

 

「あたた…久しぶりに会ったのにヒドい歓迎さね…「もう一発いくか?」…わかったわかった!?ちゃんと説明するさね!?

…コホン、あたしが今回来たのは、櫂斗が言ったようにコイツのことを説明するためだよ。櫂斗は霊界三大秘宝盗難事件の顛末は知ってるね?」

 

「ああ、昔蔵馬師匠と飛影、それにコイツの三人で霊界の宝物庫から三大秘宝と呼ばれる、餓鬼玉・暗黒鏡・降魔の剣を盗みだした事件だろ?」

 

「そうだよ。その事件自体は幽助が解決したんだ。じゃあ、乱童や朱雀の事件は?」

 

「乱童は有名な霊能者を襲って、その霊能者の奥義や秘伝を奪うヤツで、朱雀は魔界の…!?まさか!?」

 

「そのまさかさ!

…櫂斗を送り出して数日後のことさ。

何故かはわからないけど、乱童や朱雀、その他にも昔幽助たちが倒した妖怪や魔族が何人か居なくなったことがわかったんだよ!

最初はただの脱獄かと思ったから探したさ。だけど霊界だけじゃなく、魔界や人間界まで捜索したが何処にも、消えたヤツらの妖気の痕跡はなかったんだよ。

そんな時に現場検証をしているヤツから連絡があってね、目撃者がいたんだけどソイツが言うには、瞬きした次の瞬間にソイツが消えたそうだよ。

まるで最初から存在しなかったかのようにね。ソイツが言った消えたヤツの場所を隈無く調査したら、僅かだったけど戸愚呂たちが次元転移した時のエネルギーを見つけてね。それで他の消えたヤツらのところからも、同じようなエネルギーの痕跡があって、コエンマ様は櫂斗へ注意喚起のために、あたしを送り出したってワケ…なんだけど、一足遅かったようだね。」

 

おいおいおい、確かに説明をもとめたのは俺だけど、これは俺一人じゃ解決出来なくなってないか?ただでさえ戸愚呂なんていう凶悪妖怪を倒さないとならないってのに、乱童や朱雀までとかどんなフラグを建てたんだよ!

 

 

「そ、それで居なくなってたのは乱童や朱雀、それとコイツだけなのか?」

 

「正確に言うと、乱童・朱雀・剛鬼、それから幽助たちが出た暗黒武術会の出場者の酎・鈴駒・陣・凍矢・死々若丸・鈴木の9人ね。」

 

「げっ!?乱童や朱雀だけならなんとかなるって思ってたのに、酎たちも居なくなったのか!?」

 

「そうなんだよ。最初は犯罪者の三人だけだと思ったんだけど、いつの間にか酎たちも居なくなっててね。まさかと思って調べてみたら、コイツ等とおんなじように次元転移のエネルギーの痕跡があったんだよ。…って何処行く気だい!?」

ガシッ!

 

「は、離せぼたん!!俺の任務は戸愚呂討伐か捕縛だった筈だ!!それがなんで乱童や朱雀、おまけに酎たちも居るんだ!?

俺は酎たちに遊ばれるのは二度とゴメンなんだ!!

だから酎たちが来る前にどっかに引きこもるんだよ!!」

 

「あんた、それでも霊界探偵さね!?」

 

 

知らんわそんなモン!!

俺はぼたんの拘束をなんとかしながら思い出していた。

蔵馬師匠と一緒に修行している時に乱入してきて、俺に修行をつけると称した俺弄りをしてきた酎・陣・死々若丸のことをな!!

 

 

~回想~

 

 

「櫂斗、今日の修行には特別ゲストを呼んであるんだ。」

 

「と、特別ゲスト…ですか?」

 

 

ある日、そんなことを言いながら蔵馬師匠が連れてきたのは、酎・鈴駒・凍矢・陣・死々若丸・鈴木の元蔵馬師匠の部下の面々だった。

 

 

「左から順に酎・鈴駒・凍矢・死々若丸・鈴木だ。今日から数日は彼らに修行をつけてもらえるように言ってあるから、十分に鍛えてもらうようにね?僕は暫く用事で人間界に行かないといけないからいないけど、戻ってきた時に今より強くなってなかったら…わかるよね?(黒)」

 

「「「「「「「りょ、了解しました!!」」」」」」」

ビシッ!!

 

 

俺だけじゃなくて酎たちも蔵馬師匠の問いかけに対して、敬礼してしまうぐらい怖かった蔵馬師匠は、そのまま去っていった…が、後になって考えたがこの時蔵馬師匠を黙って見送るんじゃなかった。

 

鈴駒・凍矢・鈴木はまだ常識人(?)だったから、多少手加減をしていたがちゃんと鍛えてくれた。

だが、酎・陣・死々若丸はダメだ!!

酎は酔っ払って手加減を間違えてボロボロにされるし、陣は遊び感覚で俺を空高くまで連れて行った挙げ句紐なしバンジーをさせるし、死々若丸は攻撃を避ける訓練と言って俺が知覚出来るギリギリで刀を振り回してきたりと、コイツ等に修行を任すな!!って何度思ったことか…ガクガクブルブル

 

 

~回想END~

 

 

結局、蔵馬師匠が戻ってきた時は修行前より強くはなってたから良かったが、その時俺は誓ったんだ。

酎たちには二度と関わらないってな!!

 

 

「そんな修行という苦行をしたことのないぼたんに、俺の気持ちがわかるか!?」

 

「良いから落ち着きな!?」

 

「ええい、離せ~!?」

 

 

この後、ぼたんに説得されて、なんとか落ち着くことになるのだった。

 

 

 

 

<続く>

 




ということで前回最後に出てきたのは、ぼたんちゃんでした。

今回の話を書いていて、ぼたんちゃんが櫂斗くんの恋人にしようと思いましたが、リアルに恋人の一人もいない私に書けるわけもないので、諦めました(遠い目)


蔵馬師匠との修行時代もチョコッと書きましたが、
実際に酎たちに修行をしてもらったらこうなりそうですね(笑)



それではまた次回もお楽しみに。
感想・コメントお待ちしてます。


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対策…。

どうもギブスです。
今回はサブタイ通り対策会議(?)です。
それではお楽しみ下さい。


酎たちや乱童・朱雀のことを聞いて(主に酎たちのせいで)取り乱していた俺は、ぼたんや美神たちの必死の説得(?)によって漸く落ち着いた。

 

 

「……スマン、取り乱した。」

 

「まったく、櫂斗は蔵馬との修行時代のことになると、情緒不安定になるのはなんとかするさね。」

 

「私たちには、その蔵馬って人がどんな修行を課したか知らないけど、櫂斗くんがここまで取り乱すなんて、よっぽどヒドい修行だったのね…」

 

「櫂斗くん~大丈夫よ~!ここにはもう~怖いことは~ないからね~?」

 

 

ぼたん…そういうことは蔵馬師匠との修行を経験してから言ってくれ。

美神…ヒドいなんてものじゃないからな。

冥子…もう大丈夫だから、頭を撫でようとするな。

 

 

「…ゴホン…それで、乱童や朱雀それから酎たち以外にこっちに転移されたヤツは居ないんだな?」

 

「その筈だよ。…ただ、よっぽど人里離れた場所に居て、目撃者が居なかった場合はその限りじゃないけどね。」

 

「その場合はどうしようもないわね。…ぼたんさんって言ったかしら?少し聞きたいことがあるんだけど、いいかしら?」

 

「ぼたんで良いよ。なんだい?」

 

「わかったわ。じゃあぼたん、さっきの話からすると戸愚呂以外にあと2人凶悪妖怪が、私たちの世界に来るらしいけど、ソイツらが来る時期はわかる?」

 

「うーん…正確に来る時期はわからないけど、乱童も朱雀も結構妖気が大きいから、ソイツらが来たらすぐわかると思うよ。」

 

「それに酎たちも蔵馬師匠に鍛えられたから、妖気は並の妖怪より強いからな、来たらすぐわかるな。…まあ来たら来たで、厄介事を起こすだろうがな。」

 

「か、櫂斗くん~!?」

 

 

アイツ等が来たらすぐわかると思うが、酎たちはな…絶対めんどくさいことになるに決まってる!

 

 

「あはは…ま、まあともかく、正確な時期はわからないけど、最低でも一年以内には来ると思うよ。」

 

「そう…じゃあ次ね。

戸愚呂という妖怪は別にして、その乱童と朱雀っていう妖怪は私たちの世界の妖怪と比べるとどのくらいの強さかわかる?」

 

「うーん…あたしは今日この世界に来たばかりだから、こっちの妖怪の強さがわからないからねぇ…。ただ乱童も朱雀も剛鬼より強いのは確かだね。」

 

「…そういえば、コイツ…あっ、あった!」

 

 

俺はあることを思い出して、剛鬼の遺体を調べてみた。そうすると、俺が探していたソレが剛鬼の破れたズボンのポケットからでてきた。…やっぱり持ってやがったか。

 

 

「どうしたんだい、櫂斗?」

 

「ぼたん、俺からも質問だ。今霊界の宝物庫の警備体制はどうなってるんだ?」

 

「?…なんでそんなこと聞くんだい?」

 

「いいから、どうなってるんだ?」

 

「?…なんでそんなこと聞くかわからないけど、たしか盗難事件のあと、警備体制は見直されて強化をされた筈だよ。」

 

「…じゃあなんでコイツはコレを持ってたんだ?」

 

 

そう言って俺は剛鬼が持っていたソレを、ぼたんに見せる。

 

 

「そ、それは餓鬼玉じゃないかい!?なんでそれがここに!?」

 

 

そう、俺がぼたんに見せたのは、今回の事件の発端になった原因の餓鬼玉だ。

 

 

「何故コイツがコレを持っていたのかは、今となってはわからん。だが、今回の事件で使われたのは確かなんだが…その効果がランクダウンしていたんだ。おかげで死人が出なかったのは幸いだったがな。」

 

「いったいどうなってるんだい…あたしが知る限り、霊界の宝物庫が破られたなんてのは、コイツ等が事件を起こした後には聞いたことはないよ。」

 

 

どうやら本当に知らなかったらしいな。

俺はその様子を見ながら少し黙考し、結論が出るとぼたんに頼み事をした。

 

「…ぼたん、このあと霊界に戻って確認してきてくれ。それから出来れば蔵馬師匠にも相談してきてくれ。もしかしたらこの事件はただの強制転移された妖怪を捕縛するだけじゃ終わらないだろうからな。」

 

「い、いいけど櫂斗はどうするんだい?」

 

「俺はこっちの父さんたちに頼んで、もう少し修行するよ。このままじゃ生き残ることも出来そうもないからな。

…それから、美神たちに頼みがある。」

 

「「何かしら/なぁに~?」」

 

「美神たちにはこのことを、信頼出来る人やGS協会の上層部に話しておいてほしいんだ。」

 

「それぐらいだったら、冥華おば様を通じて連絡すれば、GS全体に通じると思うけど、どうして?」

 

「乱童がいるからだ。乱童は向こうの世界で、有名な霊能者を襲ってはその人の奥義とかを盗むって、さっき言ったよな?ただ盗むだけならともかく、盗んだ技や奥義をその人を的にして実験するんだ。」

 

「!?それって、まさか!?」

 

「ああ、盗まれた人は確実に死ぬな。だから信頼出来る人だけじゃなくて、実力者に特に注意喚起を呼びかけてほしいんだ。頼めるか?」

 

「…ちょっと待っとくれ!?それなら、乱童だけの警戒を促すより、朱雀もお願いした方が良いと思うよ。」

 

「どうしてだ?」

 

「これはあたしの予想なんだがね、剛鬼がこの餓鬼玉を持っていたってことはだよ。もしかしたら朱雀も虫笛を持っているかもしれないんだよ。」

 

「!?…ちょっと待て!?朱雀の虫笛は、幽助が朱雀との戦闘で破壊したって聞いたぞ!?」

 

「それがねぇ…朱雀たちを倒したあと、二度と悪用されないように回収したんだよ。それでジョルジュがその回収された虫笛の破片を見て、接着剤やらなんやら使って、勝手に復元させちまったのさ。」

 

「じ、ジョルジュがか…!?」

 

「そうなんだよ…で、それを見つけたコエンマ様に大目玉を食らってね、とりあえずジョルジュから復元された虫笛を取り上げて、宝物庫に保管したんだよ。だからもしかしたらって、思ってね。」

 

 

ううむ、まさかジョルジュが虫笛を復元させるとはな…

 

 

「か、櫂斗くん?なんかわからないけど、その虫笛ってなんなの?スゴくイヤな予感がするんだけど?」

 

「あー…あのな、朱雀ってヤツは、魔界に住んでいたヤツでな。幽助…さっき言ってた当時の霊界探偵が、剛鬼たちの事件を解決したあとに起こした事件の主犯妖怪なんだ。ヤツは魔界と人間界の間にあった結界を解けって、無理難題を霊界にふっかけてな。その脅しのために魔界の虫妖を人間界に大量に解き放ったんだ。虫妖は人間に取り付くとその人間に破壊衝動を促す厄介な虫で、その虫妖を操るために使っていたのが虫笛ってわけだ。」

 

「…」

 

「…(泣)」

 

「…ま、まあこれはあたしの予想だから、確実に朱雀が虫笛を持ってるわけじゃあないからね」

 

「…だな。…ただ、その可能性がないわけじゃないからな。…わかった、ぼたんの予想が外れるかもしれないけど、一応そのことも注意するように言っといてくれ。」

 

「わ、わかったわとりあえず、このあと冥子の家に行って冥華おば様に相談してみるわ。冥子、おば様は何時頃戻るって言ってたの?…冥子?」

 

「えぐっ…む、虫…「虫?」…虫はいやぁ~!?」

 

「「「!!!?」」」

 

 

ヤバッ!冥子は人一倍の怖がりだったの忘れてた!!

 

 

「!?め、冥子ちゃんから凄い霊力が!?」

 

「お、落ち着け冥子!?」

 

「そ、そうよ!ここには虫なんか居ないわよ!?」

 

「虫は…虫だけはイヤなの~!!」

 

 

ヤバい!このままじゃプッツンしちまうっ!?

仕方ない!

 

 

「ごめん!」

トスッ!

 

「うぐっ…!?」

クタァ…

 

「あ、危なかった!?」

 

「…櫂斗くんナイスよ!」

 

「い、いったい冥子ちゃんは、どうしたんだい?」

 

「冥子はね、人一倍怖がりなの。そのくせ式神を12体も持っているから、恐怖が一定値を越えるとプッツンするのよ。」

 

「で、プッツンすると冥子の式神たちは暴走して、手が着けられなくなるんだ。さっきのはプッツン寸前だったから、仕方なく気絶させたんだ。」

 

「な、なるほどねぇ」

 

 

ホントあと少し遅かったら、どうなっていたことやら

俺は気絶した冥子を、部屋の隅の綺麗な場所に寝かせながら、美神と一緒にぼたんに説明してやったのだった。

 

 

 

<続く>




乱童や朱雀の危険性を知った美神さんたちですが、危うく冥子ちゃんがプッツンするところで、今回は終了しました。


虫笛のことですが、本文のように原作でジョルジュが復元させたかどうかわかりませんが、この作品ではこのようにしました。

果たして本当に虫笛は朱雀が持っているのか?
そして、GS全体に注意喚起することが出来るのか?
それは次回以降のお楽しみにして下さい。


それではまた次回もよろしくお願いします!

感想・コメントもよろしくね(笑)


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協力要請…。

どうもギブスです。

なんか[なろう]で書いていた時より、こっちで書く方が自分にあってたみたいです(笑)

…そんなこんなで、
今回もお楽しみ下さい(笑)


ぼたんに頼み事をして見送った後、とりあえず俺と美神は気絶させた冥子を美神のコブラで六道家に連れて行くことにした。

 

 

「…ムニャムニャ…ショウトラちゃん~、取ってきなさ~い~…ムニャムニャ…」

 

「…しっかし、俺が気絶させたとはいえよく寝るな…現実逃避か?」

 

「冥子にとってそれぐらい怖かったってことじゃないの?」

 

「まあ何はともあれ、プッツンしなかっただけマシか…」

 

 

俺は美神の運転する横で、冥子を抱えながら見ていたが、冥子の寝言が聞こえたのでつい言ってしまったが、美神にも聞こえてたらしい。

 

 

「…ところで櫂斗くんはぼたんが言ってた、乱童と朱雀以外の妖怪のことを知ってるみたいだけど、ソイツらはどうするの?」

 

「あー…アイツ等は半数はまだ常識人(?)だからマシなんだが、残りの半分がなぁ…」

 

「なんかよくわからないから、それぞれどういうヤツなのか聞いても?」

 

「ああ、ソイツらの特徴も言うか…まず常識枠からだ。一人目は鈴駒ってヤツで、見た目は小学生ぐらいチビだけどな、後で紹介する酎ってヤツと昔からつるんでる苦労人だな…。」

 

 

美神に酎たちのことを聞かれたから、六道家に着くまで酎たちのことを話していたら、いつの間にか酎たちに対する愚痴ばかり出てしまい、結局六道家に着くまでかかってしまった。

 

 

~閑話休題~

 

 

六道家に着いたが、未だに冥子のヤツは目を覚まさないけど、力加減を間違えたか?とりあえず冥子を自室に運び、冥子のことを橘さんに任せて俺たちはとりあえず応接室に向かった…んだが。

 

 

「……そう、それは大変だったわね~?」

 

「そうなんだよ!酎と陣にはいっつも苦労ばかりかけられてたんだ!!」

 

「……」

 

「……ね、ねぇ、櫂斗くん…私がさっき聞いた鈴駒って子の特徴と、いっしょの子が冥華おば様といるように見えるんだけど?」

 

 

…応接室から誰かの話し声が聞こえたので、冥華さんが戻ってるのかと思ったが、来客中だったので悪いと思ったが扉の隙間から覗いたら、そこには美神の言うとおり鈴駒と冥華さんが愉しげにしゃべっていた。

それを見ていた俺は数秒間フリーズしていたが、美神に声をかけられて再起動するか否や…

 

 

…バンッ!

「「「!?」」」

 

「…なぁ~んで、手前ぇが此処にいるんだ!!」

ゴンッ!

 

「痛ってぇ~!?」

 

 

…ノックもなしでいきなり部屋に入り、鈴駒を殴りつけながら聞いたのだった。

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

あのあと冥華さんに聞いたが、今回冥華さんが俺と冥子に代役を任したのは、鈴駒(コイツ)のせいだったらしい。

 

鈴駒が転移した時酎たちと居たらしいが、急に視界がおかしくなったと思ったら知らない場所に来ていたらしい。おまけに、一緒にいた筈の酎たちも居なかったので、鈴駒は数秒ほど妖気を全解放して自分の居場所を酎たちに知らせようとしたんだとか。…ところが、この妖気解放が近場にいたGSに伝わり、巡り巡って冥華さんのところに依頼されてしまい、現在に至る。

 

「…だいたいわかった。…だが、なんで妖気全解放なんて酎たちみたいなアホなことやってんだよ!!」

 

「し、仕方ないだろっ!?自分がどこに居るのかもわかんなくて、いっしょに居たはずの酎たちもいなくなってたんだから、混乱してやっちまったんだよ!!」

 

 

…とりあえず鈴駒に説教しているが、俺も混乱してんな

 

 

「…二人とも~、そのへんでやめましょう~(笑)?」

 

「おば様の言うとおり、そんなのは後でしなさい(冷たい目)?」

 

ビクッ!×2

「「スンマセンでしたっ!!」」

土下座×2

 

 

こ、怖ぇ~っ!

美神と冥華さんから冷ややかな注意がきて、俺と鈴駒は蔵馬師匠でクセになっていたのか、つい土下座をして誤っていた。

 

…なんとか許してもらった俺と鈴駒は応接室のソファーに座る。

 

 

「…ゴホン…、あー…、久しぶりだな。」

 

「お、おう。久しぶり。…それにしても、転移したこの世界に櫂斗がいるとは思わなかったな。」

 

「俺もまさかお前や酎たちが、今回の転移騒動に巻き込まれているとは思わなかったよ。」

 

「そう、それだよ!!その転移騒動って蔵馬が倒した戸愚呂が関わってるって、ホントなのか?」

 

「ああ…正確に言うと戸愚呂のコピーか?…まあともかく、ソイツが関わっているのは間違いないな。ソイツのせいで俺は運命を狂わされたからな…一発殴らにゃ気が済まねえから、俺はこっちにいるんだ…。」

 

「櫂斗…。」

 

「……おばさんにはよくわからないけど~、櫂斗くんは~もう少し肩の力を~抜いた方が良いと思うわよ~?」

 

「そうね…。それより櫂斗くんはおば様に、さっきの頼み事をしないで良いの?」

 

「あ、そうだった!?」

 

「わたしに頼み事~?なにかしら~?」

 

「…俺や鈴駒がこの世界の人間や妖怪じゃないってのは?」

 

「さっき櫂斗くんたちが~来るまで鈴駒ちゃんに聞いてたわよ~。」

 

「そっか…ゴホン…

では改めて…俺は霊界探偵の結理櫂斗です。GS協会理事の一人である、六道冥華殿に霊界より要請をします。向こうの世界で異世界転移をした凶悪妖怪の戸愚呂・乱童・朱雀の注意喚起、ならびに巻き込まれたとみられる、酎・凍矢・陣・死々若丸・鈴木の捜索協力を願います。」

 

「!?…その場合の注意喚起とはなんなの?」

 

「「!?」」

 

「…はい、その内容は…」

 

 

…急に普通に喋り出した冥華さんに美神も鈴駒も驚いていたが、やはり普段ののんびりした喋り方は猫被りだったか。

俺は注意喚起の内容を説明しながら、そんなことを思ったのだった。

 

 

「…というわけで、実力者たちに注意喚起をお願いしたいのです。」

 

「うーん…そうねぇ、こちらとしてもそんな妖怪に狙われるなんて厄介だから、一応注意喚起は出すけど、聞いた人がどうするかはわからないわよ?」

 

「…やはり、実力者は我が強い方が多いから仕方ないですね、それでお願いします。それと巻き込まれた酎たちのことですが、もしかしたらこの5人以外も巻き込まれているかもしれません。…ですが、迂闊な接触はしない方が良いかもしれません。」

 

「…その妖怪が友好的ならともかく、好戦的な場合の対処の為ね。」

 

「そうです。この鈴駒や酎たちは向こうの妖怪たちの中で人間との共存派ですが、向こうの世界にはそれを良しとしない者の方が多いのです。ですので迂闊な接触はせず、監視に留めて下さい。」

 

「…わかったわ。この件は私がGS協会を通じてGS全体に通じるようにしておきます。…これで、いいかしら~?」

 

「ありがとうございます。」

 

 

ふう…とりあえずGS協会への協力はなんとかなったな。冥華さんもGS協会理事としての態度を崩し、普段ののんびりした喋り方に戻っていた。

あとは…。

 

 

「あともう一つ冥華さんにお願いがあるんですが…。」

 

「なにかしら~?」

 

「鈴駒や酎たちの巻き込まれた妖怪のことです。」

 

「…!?ウグッ!?…お、俺?」

 

 

そう言った俺は鈴駒を見るが、鈴駒のヤツは話しについていけなかったらしく、出されてた菓子を摘まんでいたが急に話をふられて喉に詰まらせていた…が、お前のことだからちゃんと聞いとけ!

 

 

「ああ、お前や酎たちを保護したとしても、直ぐに向こうに帰せないんだ。」

 

「なんで!?」

 

「…知っての通り俺は既にこっちの世界の住人なんだ。お前らを保護したとしても、向こうに行けないんだ。」

 

「あ…ご、ゴメン!俺向こうにいた時の感覚で考えてたけど…そうだよな。櫂斗はもうこの世界の人間なんだよな。」

 

「…それはもう良いよ。…ともかくそういう訳で、向こうから連絡がくるまでお前らは帰れないんだ。…で、冥華さんにお願いってのは…「わかってるわ~。鈴駒ちゃんやその他の妖怪たちの世話ね~?」…え、ええ。お願いしたいのはそうなんですが…良いんですか?」

 

 

そう、俺が冥華さんにお願いしたいのは、鈴駒たちの帰るまでの居場所だ。いくら六道家が広いっていったって、もしかしたら鈴駒や酎たち6人の他に巻き込まれてるヤツがいるとなると、食費だけでスゴいことになると思うんだが、冥華さんはそれを考えてるのか?

 

 

「め、冥華さん。ホントに良いんですか?他の妖怪たちは知らないけど、鈴駒たちはめちゃくちゃ食いますよ?」

 

「構わないわよ~。それぐらいで六道財閥は~沈まないしね~。」

 

 

…修行時代に一緒にメシを食ったが、見てるこっちが胸やけを起こすぐらい食ってたが…頼んだ俺が言うのもナンだが、ホントどうなっても知らないからね

 

 

 

<続く>




冥華さんは普段の顔とGS理事や六道家頭首としての顔が、絶対あると思いこのように喋り方で分けてみました。


それから六道家に帰ったら既に鈴駒がいる件ですが、
あの6人の中で一番に登場させようと思った時
じゃあ誰を?と、思った時閃いたのが鈴駒でした(笑)

ちょうど冥華さんも居なかったので、冥華さんの急用の原因にしようと思いこうなりました。


…さて、次回は第2章最後の話にしようと思います。その後幕間を挟んで、第3章に入り原作のエピソードに入りたいと思いますが、まだ予定なのでどうなるかわかりません。


それでは次回もお楽しみにして下さい。

感想・コメントも随時受付中です。こちらもよろしく~。


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再修行へ…。

どうもギブスです。
今回の話は第2章最後の話です。

今後は前回のあとがきに書いたとおり、幕間を一話書いた後第3章に行きます。もしかしたら幕間は後日差し替え投稿になるかもしれませんが…

それでは今回もお楽しみ下さい。


とりあえずGS協会への協力と鈴駒含む、巻き込まれた妖怪たちの保護及び監視をお願いして、その日はお開きにした。

 

その日の夕食で鈴駒の食いっぷりを見た冥華さんはいつものようにニコニコしていたが、ホントに大丈夫か?これが最低でもあと5人分増えるんだぞ?おまけにおそらく酎のヤツは酒を所望するだろうが、ヤツはザルというか枠だからな。どれだけの酒代になることやら。

 

そんな心配をしながら俺たちは夕食を終えたのだった。

 

 

 

明けて翌日。

俺は自分を鍛え直す為に一度実家に戻ることを、冥華さんや鈴駒に伝えた。

 

 

「…わかったわ~。」

 

「すみません。最初の予定だとこっちに住む物件探しだったんですが、こんな事件があったんじゃ、のんびりするわけにもいきませんからね。」

 

「大丈夫よ~。物件探しは~いつでも出来るけど~、自分を鍛えるのは~大切なことだからね~。」

 

「えぇ~!?櫂斗はここに残んないのか!?」

 

「あのなぁ…俺が東京に来たのは、戸愚呂を探す拠点を見つける為なんだよ。それが戸愚呂どころか、乱童や朱雀、果てはそれ以外のお前らや巻き込まれた妖怪が来るって言うじゃないか。巻き込まれたヤツが、お前ら以下の強さだったらまだなんとかなるかもしれないが、それ以上だったら手に負えねえよ!だから、俺は一度実家に戻って鍛え直してくるんだよ!わかったか!?」

 

「わ、わかったよ。」

 

 

…鈴駒のヤツ、絶対俺を遊び相手にしようとしてたな。

 

 

「…ったく…という訳で、俺は身仕度が終わり次第、ここを出て実家に戻ります。おそらく戸愚呂たちが転移してくるのは、まだ時間があると思いますが、何かありましたら家の実家の方へ連絡をお願いします。」

 

「わかったわ~。何かあったら連絡するわ~。」

 

「よろしくお願いします。…それから鈴駒。」

 

「…なんだよ?」

 

 

俺は冥華さんにそういうと、俺が居ないことで少しふてくされている鈴駒に向き直った。

 

 

「真面目な話だ。…鈴駒、お前には俺が居ない間に酎たちが現れた時の仲介と、冥子のGSとしての仕事をサポートしてもらいたいんだが、頼めるか?」

 

「酎たちのことは別に構わないけど、冥子姉ちゃんのサポートって?」

 

「あのな、冥子は人一倍怖がりなんだよ。それで………(説明中)………ってことで、冥子がプッツンしないようにフォローしてほしいんだが、頼めるか?」

 

「に、人間にしてはスゴいヤツなんだな、冥子姉ちゃんは…わかったよ。櫂斗が戻ってくるまで、俺が冥子姉ちゃんのサポートをするよ!」

 

 

「まあ、あんまり他人任せになっても困るから、食費を稼ぐぐらいの気持ちで良いし、時々で良いからな。」

 

「大丈夫!まかせろ!!」

 

 

コイツに頼んでアレだけど、ホント大丈夫か?

 

 

「…というわけで、鈴駒を冥子の仕事に偶についていかせてやって下さい。」

 

「大丈夫よ~。冥子のお仕事で~、冥子一人じゃ無理な時に~お願いするわ~。」

 

 

俺は残していくタダ飯食らい(鈴駒)のことをどうしようと思っていたが、こうすれば以外と役立つと思って提案したが…ホントに大丈夫かな

 

 

それからその日は色々細かいことを決めてお開きにした。

 

 

~数日後~

 

 

あれから俺はGS協会本部に冥華さんと赴いて、異世界のことや戸愚呂たち凶悪妖怪のこと、酎たち巻き込まれ妖怪のことをお偉方に説明したり、

その縁で唐巣神父や一流GSの小笠原エミに会って注意喚起したりと忙しく動き回った。それが一段落したので父さんのところに電話して、一度戻ることを伝えたのが3日前。

 

今日は長いようで短かった東京暮らしを返上して実家に戻ることにした日だ。

 

東京駅には別に見送りを頼んだワケじゃないのに、こっちで知り合った何人かの人が待っていた。

 

 

「結理くん。君の言っていたように、私も気をつけて生活するが、君も気をつけてくれたまえ。」

 

「ありがとうございます、神父。」

 

 

GSとして色々教えてくれた唐巣神父。だが、それより自分の生活費を先に稼いでくれ

 

 

「櫂斗くん、こっちで何かあったら直ぐ連絡するけど、櫂斗くんの方でも何かあったら連絡しなさいね?お金次第、で出張してあげるわ。」

 

「ははは…そ、その時は頼むわ」

 

 

剛鬼の事件からの付き合いの美神だが、あんまり金に汚いと忠夫にすら見向きされないぞ

 

 

「あら、令子に頼むよりワタシに頼むワケ。そしたら、令子みたいな守銭奴に頼らなくても、安心なワケ。」

 

「は、ははは…た、たぶんそれはないと思うから、大丈夫だ…」

 

 

エミ…美神に張り合うためか何かしらないが、俺を巻き込もうとするな!

 

「櫂斗くん~。ホントに~行っちゃうの~!?」

「仕方ないよ冥子姉ちゃん!櫂斗にはやらないとならないことがあるんだからさ!」

 

「すまんな冥子。…鈴駒、冥子のことと酎たちのことを頼んだ。」

 

「任せとけ!」

 

 

そして東京(こっち)に来て世話になった六道家で一緒に過ごした冥子と、俺が居ない間のことを鈴駒に託した。

 

~♪

《…まもなく三番線に大阪行きの…》

 

 

そうこうしているうちに、電車が来たみたいだ。

 

 

「…来たみたいだな。」

 

「櫂斗くん~…(泣)」

 

「あーもう泣くな…。別に今生の別れってわけじゃないんだから。」

 

「(…あら?令子、コレってもしかして?)」

 

「(たぶんエミの考えてるとおりだと思うわ。…ま、本人は気づいてないみたいだけどね)…ホラ、あんまり櫂斗くんを困らせないの。」

 

「(ふ~ん、冥子がねぇ。)…そうよ、昔じゃないし今は手紙も直ぐ届くし、電話もあるワケ。寂しかったら電話でもするワケ。」

 

「令子ちゃん~、エミちゃん~…。わかったわ~。櫂斗くん~、わたし~手紙書くから~櫂斗くんも~。」

 

「ああ、俺も返事書くな。」

 

 

???…美神とエミが冥子を説得してくれたのはありがたいが、その前になんか喋ってたけど、なんだろう?

 

 

「結理くん、こちらの事は私たちに任せて、君は自分を鍛え直す為に頑張りたまえ。」

 

「あ、はい。…じゃあそろそろ行きますね。…神父、美神、エミ、冥子、鈴駒…こっちの事はお願いするけど、何かあったら連絡くれ。俺も修行が終わり次第、直ぐ戻ってくるから。」

 

「任せたまえ。」

 

「わかってるわ。」

 

「気をつけるワケ。」

 

「戻ってくるのを待ってるぞ!」

 

「櫂斗くん~、頑張ってね~!」

 

「おう!」

 

 

こうして、東京を後にした俺はこの数ヶ月後まで父さん達に修行をみっちりつけてもらうのだった。

 

 

<続く>

 




…やってしまった

ぼたんが出てきた回のあとがきで、私は恋人もいないから恋愛話は書かないって書きましたが、舌の根が乾かないうちにコレとは…orz


い、一応まだ冥子と相思相愛なわけではなく、
冥子が少なからず想っているぐらいですが、
今後の展開次第ではどうなるかは作者の私にもわかりません。


…だってキャラが勝手に動いてしまいましたから(笑)


今後は2人のことも少しずつ書いてみますが、私は上記のように恋人がいない(歴=年齢(爆))ので、上手く書けるかはわかりませんので、あたたかい目でお願いします。



それでは次回もお楽しみに。


…感想・コメントは随時受付中です…が、作者の恋愛歴のことは触れないで下さい


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第3章 原作開始
再上京…。


どうもギブスです。
今回から第3章に入ります。
相変わらず短いです

それと予定していた幕間はまだ制作中のため、後日投稿します。投稿箇所はこの話の前になりますので、お間違えなくお願いします。

それでは今回もお楽しみ下さい。


美神や冥華さんにあとのことを頼んで別れてから早くも3ヶ月が経とうとする頃、

俺は再び上京し東京駅に来ていた。

 

 

「…さて、まずは冥華さんに挨拶しに行くか。拠点探しはそのあとだな。」

 

 

そう呟きながら俺はタクシー乗り場に向かおうと歩き出した時だった。

 

 

「…結理くんじゃないか!?」

 

「え?…あ、唐巣神父!?お久しぶりです!」

 

「ひさしぶり。元気そうでなによりだよ。」

 

「神父もおかわりないようで…そちらは?」

 

「ああ、結理くんは初対面か…こっちは私の弟子の…」

 

「はじめまして。ピエトロ・ド・ブラドーです。ピートと呼んで下さい。」

 

「!?…よろしくなピート、俺は結理櫂斗だ。俺も櫂斗で良いよ。」

 

 

どうやら地方に除霊の仕事に行っていたらしい唐巣神父ともう一人、ピートが声をかけてきたが…もうピートが神父と一緒にいるってことは、忠夫は美神のところでこき使われているのか…なんてことを内心で考えながらピートと挨拶をした。

 

 

「…それで、結理くんがこっちに戻って来たってことは、修行の方は一段落ついたってことかな?」

 

「はい。前よりマシになったので、そろそろ動こうと思い上京してきました。」

 

「そうか。…今日はこのあとどうするんだい?」

 

「とりあえず冥華さんのとこに行って、挨拶したあと拠点探しに行こうと思ってます。」

 

「そうか…では、私もついて行っても良いかね?」

 

「はあ、別に構いませんが…どうしてか聞いても?」

 

「なに、私も六道さんに少し用事があるからね。…という訳でピートくん、すまないが君は荷物と一緒に先に帰っててくれ。」

 

「わかりました先生。では櫂斗さん、またお会いしましょう。」

 

「ああ、またな。」

 

 

そういうわけで、俺と神父はタクシーに乗ったピートを見送った後、別のタクシーで六道家に向かった。

道中、神父から俺が実家にいた時に起きたことを聞いたが、ほぼ原作通りで特に変わったことはなかったようで今は、原作の四巻か五巻ぐらいだろうか。

…ただ、忠夫と冥子との出会いで、原作では冥子のプッツンでビルが倒壊していたが、鈴駒がいたおかげでそのようなことが起きなかったらしいのが気掛かりだが…。

 

 

 

~閑話休題~

 

 

 

「まあまあまあ~!?

久しぶりね~櫂斗くん~!!

唐巣くんも元気そうね~?」

 

「お久しぶりです。」

 

「ご無沙汰してます。」

 

 

場所は変わって六道家の応接室で、俺と神父を歓迎してくれた冥華さんと話していた。

 

 

「…じゃあ~櫂斗くんは~、また物件探しに行くのね~?」

 

「ええ、ずっとホテル暮らしってわけにはいきませんからね。」

 

「結理くん、そのことなんだがね…もし良ければ私のところに来ないかい?」

 

「え?神父のところにですか?」

 

「ああ、知ってのとおり私はこの間からピートくんを弟子にしててね、GSとしての指導をしているんだ。だが私もピートくんに付きっきりで指導することが出来ない時がたまにあってね、最近はそのことで悩んでいたんだ。

今日ここに来たのも私がいない時のことを六道さんに相談しようとしてたんだが…そんなときに結理くんが来たんだ。」

 

「俺が…ですか?」

 

「ああ、結理くんは私の見る限り、現在のGS見習いの中で最もGSに近い者だと思うんだ。」

 

 

ここで俺のGSとしての立場を話すが、俺はGSとしてはなんの後ろ盾もないGS見習いだ。

父さん達は人間としては、父さんの家系の中に何人か霊能者を排出しているが、父さん自身はごく普通の社会人として振る舞っているからGSではない、という設定で人間としては生活している。一応冥華さんが俺を見出したことで、冥華さんが師匠としてGS見習いになった。ただ冥華さんはGS協会理事なので関係者以外には知らせていない。つまり俺は師匠なしのGS見習いという扱いだ。

 

 

「それに結理くんは六道さんが見出したとはいえ、今は師匠がいない状態なんだろう?

おそらくこのままの状態ではGSにはなれないだろう。今後のことを考えるとそんな状態では、動きを制限されてしまうだろうね。

そこで結理くんを私預かりのGS見習いにすれば、近いうちにあるGS試験に出場させることが出来るからね。

その試験でGS免許を取得出来れば、私は君を直ぐに独り立ちさせるのも吝かではないと考えているんだ。

それに結理くんがいれば、ピートくんにも良い刺激になると思うんだ。」

 

「あら~それは良い考えね~!どうかしら~櫂斗くん~?」

 

「え、ええと…。」

 

 

…確かにこのままじゃ動くに動けないしな。それにGS試験やその後のこともある。

俺や鈴駒たちそれに戸愚呂等が来たせいか、既に原作とは若干だが違いが出てきている。その影響で今後どのように原作と違いが出るかわからないなら、その渦中に俺自身が居た方が良い…のか?…ダメだ、わからん。

…まあいいや。神父の言うことも最もだし、GS免許はあった方が良いし…良し決めた!

 

 

「…神父、本当に良いんですか?」

 

「ああ、結理くんさえ良ければ私はこのまま、この話を進めようと思う。どうだい?」

 

「わかりました。その話お受けします!若輩者ですが、よろしくお願いします!」

 

 

そう言って俺は神父に頭を下げた。こうして俺は神父に弟子入りして、ピートと兄弟弟子になることが決まった。

その後は冥華さんと俺がいない時のことを、神父に聞いてなかったことを中心に聞いていたが…そういえば…

 

 

「…ところで冥華さん、冥子と鈴駒はまだ見てませんが、今日はどうしました?」

 

「ああ~、冥子はお友だちが来たから~お部屋にいると思うわ~。たぶん鈴駒ちゃんも一緒ね~。」

 

「友達?美神かエミかな?」

 

 

そう言って俺は出された紅茶で喉を潤していたが…

 

 

「ちがうわ~。ぼたんちゃんっていったかしら~?」

 

「ブゥーーーッ!?」

 

「わぁっ!?だ、大丈夫かい結理くん!?」

 

 

客人の名前を聞いた瞬間噴き出してしまった。

咳き込む俺を心配してくれた神父だが、それよりぼたんだと!?

 

 

「…ゴホッ、ゲホッ………も、もう大丈夫ですけど…冥華さん、ぼたんが来てるんですか!?いつから!?」

 

「ええ~。1ヶ月ぐらい前かしら~。冥子が連れてきて~、たまに遊びに来てるわ~。」

 

 

 

ぼ、ぼたんのヤツ~!

この3ヶ月一度も俺のところには来ないでなにしてんだ!?

 

 

「…神父!ちょっと用事が出来たので、そちらに窺うのは後日で良いですか!?」

 

「あ、ああ…私も君のことをピートくんに話したり、君の部屋のこともあるからそうしてもらうと助かるが…」

 

「わかりました!では後日窺います!では失礼!!」

 

 

俺はそう言って、神父の返事を待つこともなく応接室を出て行った。向かうは冥子の部屋だ!

 

…なお、残された神父と冥華さんがぼう然と俺を見送った数分後に、六道家にとある少女の悲痛な叫びが聞こえたとか聞こえなかったとか…。

 

 

 

<続く>

 




ということで、
次回から原作のエピソードと絡めていきます。

今回の話は、前章ラストから約3ヶ月経過してます。
原作の時間軸はブラドー編が終わり、美神たちは日本に戻って数週間程経過したぐらいです。

ピートが初登場しましたが、原作だとピートが唐巣神父のところにGS修行のためにいつ戻って来たのかが正確にわからなかったので、本作ではブラドー編終了後約二週間後に再来日したことにしました。

次回の話ですが、
原作の四巻のエピソードのどれかを書こうとおもいましたが、
残念ながら現在手元に原作がない(何故か私の住んでいる市内や近隣の市の古本屋には、原作が飛び飛びでしか売ってない為…定価で買うのもなぁ)ので、暫く後になります
次回は遅くとも月末までに更新しますのでお待ち下さい。
m(_ _)m


それでは次回もよろしくです。
感想・コメントもよろしくお願いします。


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ぼたんと冥子…。その1

とうもギブスです。
今回の話は原作の冥子初登場のエピソードです。
サブタイを見るとわかると思いますが、このエピソードや原作のエピソードは数話掛けてやります。

それではどうぞお楽しみ下さい。


ぼたんとO・HA・NA・SHIした数分後。

 

 

「…大丈夫~ぼたんちゃん~?」

 

「…うぅ、冥子ちゃん…櫂斗がいじめるよぅ…(泣)」

 

「人聞きの悪い言い方をすんな!?それから冥子もぼたんを甘やかすな!!」

 

 

まったく反省していないみたいなぼたんと、そのぼたんを甘やかしている冥子に俺はため息をつきたくなった。

 

 

「…それで、1ヶ月もなんで俺のところに来なかったんだ?」

 

「それなんだけどね、私も櫂斗に頼まれたことをコエンマ様や蔵馬に相談した後、ひと月ぐらいは向こうで他に巻き込まれたヤツがいないかとか、戸愚呂がどうやって転移したのかとか色々調べてたんだ。」

 

「それでその調査結果は?」

 

「それがねぇ…他に巻き込まれた者は居なかったんだけど、戸愚呂がどうやって転移したのかだけは不明だったんだよ…。」

 

「…他に巻き込まれたヤツが居なかったのは良いが、戸愚呂のことはわからずじまいか…こりゃ戸愚呂本人をとっ捕まえて聞いた方が速いかもだな。

…で、その調査結果を知らせるのになんで2ヶ月ぐらい掛かってるんだ?」

 

「櫂斗には言ってなかったんだけど、実は異世界間を移動するには時差が発生するんだよ。」

 

「時差?」

 

「そう、時差だよ。地球上でも遠距離を移動すると時差が発生するのは知ってるね?それと同じように、異世界間にも時差が発生するんだよ。しかも地球上のものと違ってその時差は、異世界同士が遠い程長くなるんだ。それに世界ごとに時間の流れ方も違うんだよ。

実際あたしがこの世界から向こうに行って戻ってきた時間は、ひと月半ぐらいなんだよ。」

 

「なるほど…だからか。」

 

 

その話を聞いてやっとわかった。

俺が死んで幽遊白書の世界のことをコエンマに聞いたとき、幽遊白書の世界は原作終了後から約20年経っていたし、そこからこっちに転生して来た時、迎えにきたヒャクメに聞いたが、時間を遡る前は忠夫がヒャクメに会う前、つまり原作でいうアシュタロス編の少し前だったらしい。

そう考えると世界間の時差や時間の流れ方の違いのことも納得出来た。

 

だが…。

 

 

「…で、言い訳はそれで終わりか?」

 

「ギクッ!?…お、怒らないで聞いとくれよ?

あたしもこっちに戻って来た時に、櫂斗に調査結果を報告に行こうとしたんだよ…でも、櫂斗の居場所がわからなくてさ。それで途方に暮れていた時に、令子ちゃんにあってね……。」

 

 

櫂斗SideEND

 

 

ぼたんSide

 

 

あたしは櫂斗にこっちに戻って来た時の話をした。

 

 

~回想~

 

 

 

「ああ、あたしのバカ!…なんであの時、連絡先を聞かずに行っちゃったのよ!?」

 

 

あたしは櫂斗に頼まれたことを報告する為にこの世界に戻って来たが、あの時櫂斗の連絡先も聞くのを忘れていたことを、さっき思い出した。

 

それでどうしようと考えていた時だ。

 

 

キキーッ!

「…もしかしてぼたん?」

 

「え?…ああー!令子ちゃんじゃないかいっ!?」

 

 

車の止まる音と同時に急に声をかけられたから振り向けば、そこにはこの前会った美神令子ちゃんと、幽霊の女の子、それとGジャン・Gパンを着てバンダナを頭に巻いたさえない男の子を乗せた車があった。

 

 

「あんたこんな所でどうしたのよ?」

 

「ああ良かった~!実はね、櫂t「生まれる前から愛してました!!」きゃあっ!?」

 

 

令子ちゃんに訳を話そうとしたら、一緒いたバンダナの男の子があたしの手を握ってそんなことを言ってきた。あたしは驚いて悲鳴を上げてしまった…んだけど、次の瞬間には地面に沈んでいた。

 

良く見るとその子の後ろには令子ちゃんがいて…

 

 

「あんたは何してんの!?」

 

「ぎゃあぁぁっ!?」

 

 

…その子を折檻してた

 

 

~閑話休題~

 

 

「…で、ぼたんはこんな所で何してたの?」

 

「え、ええと…その子大丈夫なのかい?」

 

「コイツのことは気にしなくていいわよ。それで?」

 

「え、ええ…実はね………(説明中)……ってわけなんだよ。」

 

「あっきれた…なんで連絡先を聞いとかなかったのよ。ぼたんってマヌケね。」

 

「うう…そこまで言わなくても…。令子ちゃんは連絡先とか知らないのかい?」

 

「ごめん、今日は連絡先を書いた手帳を事務所に置いてきちゃったから、今はわからないわ。

…あ、そうだわ…ぼたん、この後大丈夫かしら?私たちはこれから仕事だけど、その後でよければ冥子のとこに案内するわよ?」

 

「冥子ちゃんのところにかい?」

 

「ここからなら、事務所より冥子の家の方が近いのよ。それに冥華おば様に事情を話せばすぐに連絡して下さると思うわ。どうかしら?」

 

「ホントかい!?ぜひ頼むよ!」

 

『あのー美神さん、こちらの方はいったい…?』

 

「お知りあいッスか?」

 

 

あたしが令子ちゃんにワケを話して、櫂斗に連絡出来るようにしてくれたのですぐお願いしたら、今まで黙って話しを聞いていた幽霊の女の子があたしのことを聞いてきた。

…よく見ると令子ちゃんにシバかれていた男の子も、いつの間にか復活して聞いてきたけど、この子ホントに人間なのかい…

 

 

「ああ、2人は知らなかったわね。この子はぼたん。あんたたちと会う前にちょっと知り合ってね。」

 

『そうですか。わたしおキヌって言います。300年ほど幽霊をやってます。』

 

「俺は横島ッス。」

 

「おキヌちゃんに横島君だね。あたしはぼたん、よろしくね。」

 

「じゃあ行きましょう。横島君は後ろに乗ってちょうだい。」

 

 

そんな訳で令子ちゃんたちと一緒に、仕事現場に向かった…んだけど、現場についてまた驚いたね。現場のビルの持ち主であろう不動産屋の人と、何故か冥子ちゃんがいたからだよ。

 

 

「令子ちゃん~!」

 

「え…冥子!?どういうこと!?」

 

「あれま…なんで冥子ちゃんがいるんだい?」

 

「ええと~誰~?」

 

「そういえば冥子ちゃんはあの時気絶してたから覚えてないか…はじめまして、あたしはぼたんだよ。」

 

「???…よくわからないけど~はじめまして~。私は六道冥子よ~。」

 

 

令子ちゃんを見つけて抱きついていた冥子ちゃんにあたしは改めて挨拶をしていた。その間に令子ちゃんは不動産屋さんにどういうことか聞いていたけど…。

 

 

「きょ…共同作戦!?待ってよ!そんな話聞いてないわよ!!…冥子がいるなら私は良いわね!じゃ私はこれで…」

 

ぎゅっ

「令子ちゃん待って~。」

 

 

???…良くわからないけど令子ちゃんは、冥子ちゃんに任せて帰ろうとしたんだけど、冥子ちゃんが令子ちゃんの長い髪を掴んで引き止めていた…けど、冥子ちゃん髪の毛をひっぱるのはやめてあげなよ

 

それから不動産屋さんに聞いたところ、新築マンションに何故か周辺の霊が集まってくるのでなんとかしてほしかったが、なにしろ千体以上いるらしいので応援として令子ちゃんが呼ばれたんだとか。

 

 

 

「私が令子ちゃんも呼んだ方が~良いって言ったの~。お願い~いいでしょ~?」

 

「同業者(スイーパー)は私だけじゃないでしょ!?」

 

「令子ちゃんがいいの~!!令子ちゃんじゃなきゃイヤ~!!」

 

 

冥子ちゃんのいるわけを聞いた令子ちゃんは、なんとか帰ろうとしてたんだけど、冥子ちゃんって…ワガママだったんだね

 

 

「…あのーお取り込み中ですが、その可愛い方は美神さんたちのお友達で?」

 

「お友達というか…ま、知り合いよ!」

 

「ひどぉ~い。お友達じゃないの~。…はじめまして~、六道冥子です~。」

 

「ずっと前から愛してました!!」

「今会ったばかりよ~」

ぐぉぉっ!

「愛は時空を超えるんです!!ぼかー、ぼかーもおっ!!」

 

「あ~、そんなことをすると~。」

 

バシュッ!バシュッ!

「どわぁっ!?なんだぁ!?」

 

「霊の気配で~このコたち殺気だってるから~危ないわよ~。」

 

『「!?」』

 

 

横島君が冥子ちゃんにせまったけど、冥子ちゃんの影からなんか出てきて、横島君をもみくちゃにしていたけどアレはいったい?

 

 

「れ、令子ちゃん…アレはなんだい?」

 

「あー、アレは式神よ。」

 

『式神、ですか?』

 

「そ。冥子は式神使いといって、12匹の鬼を自在に操ることが出来るのよ。」

 

「あ~ダメよ~あなたたち~。

…と、そんなことより~令子ちゃん~、一緒にお仕事しましょう~。

…でないと~私~…グスッ…」

 

「Σわかった!!やる!!やるから!!」

 

にっこり

「ホント~?令子ちゃん好き~!!」

 

『クスッ…なんのかんの言っても、やさしいんですよね美神さんって。』

 

「…あんたは式神使いの恐ろしさを知らないのよ!!」

 

 

そんなふうに令子ちゃんたちがじゃれあってる時のことだった。

 

 

「…冥子姉ちゃん。とりあえず、これ以上周辺から霊が来ないようにしないと…ぼたん?」

 

「え?…ああー、鈴駒じゃないかい!?なんでここに!?」

 

 

そこに来たのは行方知れずだった鈴駒だったんだ。

 

 

 

 

<続く>




このエピソードは、
ホントなら櫂斗が冥子と一緒に行き横島と再開する話の予定でしたが、櫂斗は修行中な為急遽ぼたんに登場してもらいました。

世界間の時差については、この小説独自のオリジナル設定です。

前書きにも書きましたが、
原作のエピソードで長くなりそうな話はサブタイが
[〇〇…。その〇]となります。

今回の冥子初登場のエピソードは原作だと一話でしたが、私は文才ないので数話にわけましたことをお許し願います。
m(_ _)m


それでは次回もお楽しみに。


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ぼたんと冥子…。その2

どうもギブスです。
今回は前回の続きです。
視点はぼたんですが、ぼたんの口調ってこれであってますかね

それでは今回もお楽しみ下さい。


令子ちゃんの仕事現場に着いたら驚きの連続だったよ。

まずあたしがこっちに来た目的の櫂斗への連絡先を知る冥子ちゃんが、令子ちゃんとの共同作戦の為に居たし、それからあたしたちの世界から消えた鈴駒がいるじゃないかい。なんで?

 

 

「ぼたんひさしぶり~。」

 

「なんで鈴駒が冥子ちゃんといるんだい!?」

 

「?…令子姉ちゃんに聞いてないの?」

 

「…どういうことだい令子ちゃん?」

 

「あ~、実はね…。」

 

 

令子ちゃんに聞いたところ、なんと鈴駒はあたしが帰った日に冥子ちゃんのお母さんの冥華さんと一緒に六道家にいたんだとか。それで櫂斗が冥子ちゃんのサポートを頼んで今に至るとか。

 

「…というわけなのよ。」

 

「まさか、そんなことになってるとはね…」

 

 

ちなみに鈴駒は冥子ちゃんの仕事に来るのは、今日で五回目だとか。

 

 

~閑話休題~

 

 

さて、そんなこんなで冥子ちゃんと鈴駒が加わって総勢6人で、今回の仕事をすることになった。

え?なんで6人かって?

なんか令子ちゃんはあたしも櫂斗みたいに除霊が出来るか聞いてきたから、簡単なことなら出来るって言ったら、なんでかあたしも一緒に行くことになったからだよ…トホホ。

 

それから今回の現場のことを不動産屋さんに聞いたところ、どうやらユニークなデザインにしたら霊的に最上階が鬼門となり、そこから霊を呼び込むアンテナになってしまったんだとか。

 

 

「どうするんだい?このままじゃいくら除霊しても、また集まってきてイタチごっこだよ?」

 

「私が霊を食い止めている間に~、誰かが結界を張って霊の侵入を~止めてほしいの~。」

 

「じゃあそれはあたしがやるさね。」

 

「ぼたんが?大量の霊がいるけど大丈夫なの?私がやっても良いわよ?」

 

「あたしは結界ぐらいなら出来るけど、あんまり長時間はムリさね。だから結界を張ったと同時にたまった霊をなんとかしておくれ。」

「わかったわ。じゃあぼたんが結界を張ったと同時に、私と冥子が結界内の除霊をするわ。そのあと新たに結界を張って問題の部分を改築してもらえば良いわね。」

 

「美神さん、俺たちはどうしますか?」

 

「横島君とおキヌちゃんは私のサポート、鈴駒は冥子とぼたんの護衛ね。

…それじゃさっそくかかりましょう!」

 

 

令子ちゃんはそういうと横島君が持ってたリュックから色々な道具を取り出して装備していった。

 

 

「へー、こっちの霊能者はけっこう道具を使うんだねぇ。」

 

「令子ちゃんは~、攻撃系の道具使いなのね~。私も頑張らなくっちゃ~。」

 

「冥子姉ちゃんには式神があるじゃん。」

 

「でも~、私は式神頼みだから~、自分では何もできないのよ~。」

 

「…そんなことより中は悪霊でいっぱいよ!みんな用意はいい!?」

 

「あたしは何時でも良いよ。」

 

「バサラちゃん~、たのむわよ~。」

 

ヴヴ…ヴ…ヴュン

『ンモ-。』

 

「「「「『』」」」」

 

 

冥子ちゃんと話していたら準備が整った令子ちゃんから最終確認をされたので、あたしは準備OKと告げ、冥子ちゃんは式神を自分の影から呼び出した。そこから出てきたのは身長が3メートルぐらいある黒い…牛かしら?ともかくそれぐらいある式神だった。それを見たあたしたちは、そのあまりな巨大さにちょっと言葉を失ったね

 

〔マンション入り口〕

 

全員の準備が整ったのでマンション内に入ったんだけど…こりゃまたスゴいことになってるねぇ

マンション内は悪霊だらけで、居ないところを探す方が難しそうだった。

 

 

「…!?」

ガタッ

 

『…誰だ!?』

 

『近寄るな…!?』

 

『近寄れば殺す!!』

 

 

横島君が中の悪霊たちを見て驚き何かに躓いたらしく、その音に反応して悪霊たちはあたしたちを警戒しだした。

 

 

「悪いけどそういうわけにもいかないのよ!」

くわっ

『ンモ-ーッ!!!』

 

 

令子ちゃんが悪霊たちを除霊しようと構えたけど、冥子ちゃんの式神のバサラが大きく鳴くとともに、周辺の悪霊たちを吸い込んでいった。

 

 

「うわぁ…」

 

「…相変わらず凄まじいわね」

 

「インダラ!サンチラ!ハイラ!出ておいで~。」

 

 

あたしたちがバサラの様子に驚いている間に、冥子ちゃんはまた新しい式神を呼び出した。今度は馬のようなの(インダラ)と蛇のようなの(サンチラ)と毛むくじゃらの良くわからないの(ハイラ)の3匹だ。

 

冥子ちゃんはインダラの背に乗ると、あたしたちにも乗るか聞いてきたけどあきらかに定員オーバーだから遠慮した。

襲ってくる悪霊たちは全てバサラに吸われるかハイラやサンチラ、それから鈴駒が撃退してるからか、移動しながら冥子ちゃんと令子ちゃんは初めて会った時のことを話している…けど、端から見たらどっちが悪霊だかわかりゃしないね

 

そんなことを考えてたら、バサラの吸い込みを抜けて何匹かがあたしたちに向かってきた。

幸いその悪霊たちはハイラやサンチラが撃退してくれたから良いけど、コレってもしかして!?

 

 

「れ、令子ちゃん…あたしの気のせいじゃなかったら、バサラの吸引力が落ちてないかい?」

 

「マズイわね…霊の数が多すぎてバサラの吸引力が弱まっているんだわ!」

 

「やっぱりそうかい!?急いだ方が良さそうだね!!」

 

「ええ!おそらくあと数分でバサラは使えなくなるわ!急ぎましょう!」

 

そこからは急いで問題の最上階の部屋に向かった。

 

〔最上階の部屋〕

 

最上階の部屋に着いたから、あたしはさっそく結界を張ることにした。

 

 

「令子ちゃん!冥子ちゃん!あたしは結界を張るとその間動けないから護衛を頼むよ!?」

 

「「ええ!/任せて~!」」

 

 

あたしは部屋の中央に立つと、そこを起点に結界を最初はあたしを囲むぐらいに張り、次第に大きくしていった。

 

「…結界ッ!!…今の内に残った悪霊たちを!」

 

 

結界がこの部屋を包み込むぐらいまで大きくするとそのまま座り込み、令子ちゃんたちに悪霊を任せて、あとはそれを維持することに集中した。

 

〔一時間後〕

 

なんとか部屋中にいた悪霊たちを全て除霊した令子ちゃんたちは、これ以上悪霊が増えないように、結界を張り鬼門を封じた。

 

 

「念!…ふう。ぼたん、もう結界を解いて良いわ…ぼたん!?」

 

「…!?ぼたんちゃん、しっかりして~!?」

 

 

あたしは令子ちゃんが新たに結界を張ったのを確認すると、結界を解いたと同時にそのまま気を失ったのだった…。

 

 

 

<続く>

 




ということで、ぼたんが活躍した回でした。

ぼたんは幽白では結界を張ったことはなかったと思いますが、原作終了後に除霊や結界を張ることを覚えた、というご都合設定です(笑)

最後にぼたんは倒れてしまったので、次回は一旦櫂斗視点に戻り、その後冥子視点にして今回の続きを書いていきます。


それでは次回もお楽しみに。


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原作介入…。

どうも、お久しぶりのギブスです。

先ずは前回の投稿から2年半近くかかってしまい、申し訳ありませんでした!
m(__;)m

何故こんなに時間がかかったのか言い訳すると長くなるので一言で言うと、
[納得するモノが書けなかった]
というものです。(-_-;)

まあ、とりあえず今回も短い駄文ですがどうぞ。


~回想END~

 

 

「…というわけだよ。」

 

「なるほどな。」

 

「あの時は本当にびっくりしたわ~。ぼたんちゃんたら急に倒れるんだもの~。」

 

「ゴメンよ。あの時のあたしは、こっちに戻って来たばっかりで体力や霊力を結構消耗してたんだ。そんな時にさらに霊力を使えば、倒れるのも仕方ないさね。」

 

 

櫂斗にあの時のことを話して、やっと納得したみたいだった。

 

 

ぼたんSideEND

 

櫂斗Side

 

 

ぼたんから聞いたひと月前の話に納得した俺はその後のことも聞いた。

ぼたんが倒れた後は冥子たちがぼたんをこの屋敷に運び込んだけど、ぼたんはその後二週間も目を覚まさなかったらしい。もちろん冥子たちもそんなぼたんを心配して3日程経って救急車を呼ぼうとした…が、それを鈴駒に停められた。鈴駒によるとぼたんは霊力不足による回復の為に只寝ているだけだからその内目を覚ますだろうってことだった。

 

 

「…ぼたん、お前確か結界使っただけで霊力がなくなるってことなかったよな?どういうことだ?」

 

「う~ん…多分この世界じゃあたし等の世界の術や魔道具は霊力を普段以上使うからじゃないかい?実際あたしがあの時使った結界の霊力はいつも以上に霊力を使ってしまったし、剛鬼が持ってた餓鬼玉もランクダウンしてたらしいしね。あたしがダウンして目覚めた後鈴駒にも聞いてみたら、やっぱり鈴駒も普段以上に妖力を使うみたいだしね。」

 

「…そういえば、今更なんだがお前何でこっちに来れるんだ?確かコエンマがお前等の世界のヤツはこっちに来れないって言ってた筈だぞ?」

 

「それはちょっとした裏技なんだけど、櫂斗はあたしが人間じゃなくて霊界の者だってのは知ってるよね?」

 

 

ぼたんの話によればぼたんの身体はちょっとした術で出来た人形のような物らしく、その人形に乗り移って人間界で活動しているんだとか。んで、今回こっちで活動する為に向こうで造った身体をこっちに送りこっちでの身体にしているんだと。…確かに原作でも似たような描写があったような気がするな。

 

 

閑話休題

 

 

それから暫くぼたん達と話をしてとりあえずその日はお開きにした。

 

 

―――数週間後。

現在俺は唐巣神父の教会で神父やピートと共に除霊作業を行っている最中だ。

 

 

「父と精霊の御名において命ずる!!

汝、アセトアルデヒド!!

その者を解放せよ!!」

 

『サッキャアアアーーーッ!!』

 

命じる(フィアト)!!命じる(フィアト)!!命じる(フィアト)!!」

 

 

神父の霊力にて唱えられた聖句によって先程まで酒を浴びるように飲んでいた男性から1体の悪霊、いや悪魔アセトアルデヒドが男性から強制的に憑依を解かれる。

 

 

「憑依が解けた!!今だ!!」

 

「!?待て、ピート!?」

 

「ダンピールフラッシュ!!」

 

『サキャアアッ!!』

 

 

憑依に解かれた隙を付きピートが攻撃をするが、俺はこの後の展開を思いだし直ぐ様ピートを止めるが少し遅く、原作通り悪魔アセトアルデヒドはピートの攻撃を避け反撃をしてくる。

 

 

「何っ!?」

 

「ッ、させるかよ!?近接戦闘型(ガンマンポジション)!!クイックドロー!!」

 

 

その反撃に近くにいた俺は咄嗟に近接戦闘型(ガンマンポジション)に構えてアセトアルデヒドからの攻撃を辛くも迎撃することが出来た。

 

 

「ピート!コイツは只の酒呑みだが、一応悪魔なんだぞ!!」

 

「は、はい!」

 

『ヒェへ・・・ヒェへヘヘッ!!』

 

 

防ぎきった俺はピートに注意したあと悪魔の方を見ると、俺たちを馬鹿にしながらどこからか取り出した酒瓶をらっぱ飲みしていた。

 

 

「にゃろう・・・馬鹿にしやがって!?」

 

「く、くそ・・・!?」

 

「下がっていたまえ、二人とも。」

 

 

悪魔に憑依されていた男性を避難させていた神父が、その時間を稼いでいた俺たちのもとに戻って来ると俺たちに下がるように指示してきた。

 

 

「神父!あのおっさんは!?」

 

「大丈夫だ。彼はちゃんと避難させたさ。」

 

「先生・・・!もう一度やらせて下さい!!今度こそ・・・!!」

 

「ピート君、落ち着きたまえ」

 

「しかし!?」

 

「神父の言うとうりだ。さっきだって俺が間に入らなかったら大怪我していたかもしれないぞ」

 

「うっ!?」

 

「結理君の言うとうり。それに、自分一人で戦おうとしてはいけない。仲間やこの世界を構成するもっと大きな存在の力を借りるんだ」

 

「大きな存在…ですか?」

 

「ああ…結理君も見てなさい」

 

 

そう言うと神父は俺たちの前に出て、再び霊力を籠めながら聖句を紡ぎだした。

 

 

「草よ木よ花よ虫よ――我が友なる精霊たちよ!!邪をくだく力をわけ与えたまえ・・・!!」

 

「す、すごい!先生に力が集まってくる・・・!!生身の人間がこれほどのエネルギーを出せるなんて!」

 

「たぶん、神父の聖句が周辺の精霊に影響を与えて神父に力を貸しているからなんだろう!」

 

「ふふ、結理君正解だ。そうこれは私の力ではない。世界は無数の魂の調和で成り立っているんだ。悪を憎み、愛を信じればこの世に満ちている魂たちが力を貸してくれる。

―――汝の呪われた魂に救いあれ!アーメン!!」

 

『サッケェエエーッ』

 

 

 

 

・・・こうしてちょっと俺には出来そうにない力の使い方を教えてくれた神父は最後の聖句を唱えてアセトアルデヒドを除霊したのだった。

 

 

 

「ありがとうごぜえました!!」

 

「本当に・・・本当に・・・」

 

「例には及びません。今後はああいう妖怪に取りつかれないよう、お酒を控えることですね」

 

 

「(・・・やっぱりすごいなこの人は ・・・!)」

 

今回の依頼人とやり取りしている神父と尊敬の眼差しで神父を見ているピートをよそに、俺はこの後のことを思いだしていた。

 

 

「(・・・たしかこの後神父が倒れて美神たちに世話になるんだったか…それならそろそろ忠夫に会う良い機会かもな…って、言ってる側から倒れているし!?)神父―――っ!?」

 

「先生―――っ!?」

 

 

 

 

―――結局、この後原作通り美神に連絡して助けてもらった。

 

 

 

<続く>




ど、どうも…2年半も雲隠れしていた駄作者のギブスです。

前書きにもチラッと書きましたが…
前回の投稿の後ぼたんが言い訳するところまでは書いたのですが
その後の展開をどうするか全然浮かんでこず、
当時同時に書いていた防降りの方をとりあえず優先していたらそっちがメインになってしまい、
GSの方をエタってました。
…で、防降りの方を書いていた時もちょっとずつ書いては消して、書いては消してをしていましたがそのうち防降りの方もネタ切れしてしまい、
他作者様の作品を読んだりしてネタ集めをしていたらそっち(読む方)に意識がいってしまい、
いつの間にかこんなに時間が経ってました。

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