僕の亀仙流アカデミア (怪獣馬鹿)
しおりを挟む

番外編
番外編 恋する上鳴電気(TSネタです)


どうも、箸休めな番外編です。
さっさと本編を書きたいと思われていると思いますが、夢でTSネタをやれとすまっしゅの単行本が喋って書いちゃいました。



雄英体育祭が終わり、これから職業体験が始まろうとしていた矢先に敵が学校内に侵入した。

これはそんな敵がとんでもない置き土産をしたから始まった出久の波乱万丈な1日である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久は今日も元気に頑張ろうと寮から学校に行く。

いつもは電気も一緒であるが、今日は電気が少し寝不足な為に出久はさっさと校舎に来たのだ。

教室に入り、皆も入ってくるが電気だけ入ってこない。

出久は流石に休みはいくらなんでもしないと思うが何故に来ないのか気になり、メールを送ったが返信は来なかった。

すると突然アラームがなった。

A組だけでなく、B組も何事かと廊下に出る。

すると、消太とブラドがやってくる。

 

「先生方、どうかされたのですか?」

 

皆の学級委員長天哉が先生に聞く。

 

「敵が侵入した!」

 

「どうやら寮にいるらしい、幸いにも武天老師さん達がすぐさま取り押さえたが・・・」

 

「どうかしたんですか?」

 

「上鳴が敵の個性で・・・」

 

その言葉を聞くと出久はすぐさま飛び出した。

大事な親友が敵の個性でやられたのだ。

心配して当然だ。

すぐに校舎を飛び出て寮に戻った。

他の生徒達も寮に向かった。

 

因みにこの日は敵が堂々と侵入した為に臨時休校となった。

 

全力で駆ける出久。

そして寮に急いで入る。

 

「電気、大丈夫!?」

 

出久が寮に入るとすぐさま制服姿の電気が出久に抱きつく。

 

「出久~!!」

 

大泣きして出久に抱きつく電気。

しかし、声が妙に高くなり、身長も出久に比べて小さくなっていた。

 

「え?え?え?」

 

「“私、女になっちゃった“!!」

 

電気がそう言うと出久の体に妙に柔らかい物が当たる。

出久はその感触がなんなのかすぐにわかり、

 

「えええええええー~ーー!!!????」

 

大声でその事実に驚いた。

 

 

 

 

●●●

あれから10分経って、他のヒーロー科の生徒も戻ってきて、敵を取り押さえて先生に引き渡した悟空達も戻ってきた。

談話スペースのソファに座りながら電気は出久の隣で膝を抱え込んでいた。

 

「つまり、朝起きて着替えて終わったら敵とばったり出くわして個性を受けた所を悟空さん達に見つけて貰って取り押さえて貰って気付いたらそうなってたって事?」

 

「うん」

 

出久の腕に抱きつきながら頷く電気。

いつもの明るい電気はそこにいなかった。

 

「しかし、上鳴のそれはいつ戻るんだ?」

 

「何でも1日経てば戻るらしい」

 

皆の疑問に天津飯が答える。

皆は1日経てば戻ることに安心した。

 

「そうだ電気、亀仙豆は?」

 

「じいちゃん達が敵を引き渡してる間にもう試した」

 

どうやら効果がなかったらしい。

 

「まぁこれも修業だと思え・・・しかしボンキュボンのナイスバディじゃな」

 

「なぁ上鳴、俺達友達だろ?」

 

エロ魔人の二人が電気を最低な目で見る。

電気は二人の目に怯える。

 

実際に今の電気の体型はたぶんヒーロー科の一年の中では一番良い。

ナイスバディであるが変に出ている分けでも括れてる分けでもない。

そして声も可愛くなり、ヒーロー科一の美少女と化したのだ。

 

出久は怯えてる電気に抱きつきながら庇う。

大切な親友が邪な最低コンビから守る為である。

 

「何だよ!?緑谷!?」

 

「そうじゃ、そんな羨ましい事をしよって!」

 

「電気には指一本触れさせない!」

 

出久は二人を睨む。

二人は出久の目を見て思わず身震いしてしまう。

無茶苦茶怖いのだ。

しかも、電気を抱き締めが強くなっていってる。

その姿に心を打たれたのか、ヒーロー科女子達も二人を守ろうと亀仙人や実の前に立つ。

 

流石のエロ魔人二人もこうなってはどうにもならないので一先ず諦める事にした。

 

「大丈夫だよ、電気」

 

「出久~」

 

抱きつき会う二人。

端から見れば恋人に見えるが出久にその感情はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

あれから、消太がすぐにやって来て電気を見たが治らなかった。

敵が言うにはどんな個性でも治すのは不可能との事で1日経たないと戻らないらしい。

消太は実のように見ても効果がない個性も知っているため、では言われた通りに待つことにした。

 

因みにやった理由が“男だったら反転させれば女になりやれると思ってやったの事“

 

最低下劣な犯罪者はすぐさまに警察に引き渡されたが、道徳倫理を教えてるミッドナイトが犯罪者で遊びまくった後に引き渡した。

かなり、怯えていて不気味だったが、誰もミッドナイトに何をやったか聞かなかった。

 

電気は1日経てば戻ると信じて談話スペースにいた。

エロ魔人二人がいつ襲って来るか分からない為、出久から離れなかった。

出久も電気に今まで支えられてきた借りを返すためにずっと一緒にいることにした。

 

端から見ればただの恋人である。

 

実が出久に対して血の涙を流していた。

 

 

 

 

臨時休校になった為に昼食は亀仙人がチャーハンを作った。

出久と電気は何時も食べる時は二人の間に亀仙人が入るが、今日は亀仙人は出久の右隣にいた。電気は出久の左隣である。

 

「しかし、じいちゃんのチャーハンは相変わらず美味しい!」

 

笑顔で食べる電気。

亀仙人は純粋に誉めてくれた事に対して嬉しく思った。

 

「お礼をしてくれてもエエんじゃがの~」

 

手をワキワキと動かす亀仙人。

やってることが最低である。

流石は煩悩の妖怪爺である。

 

「師匠、ダメです」

 

出久が亀仙人を睨み、何処から取り出したのかフライパンで亀仙人の頭を叩く。

とてつもない大きな音が響く。

そして亀仙人はそのまま気を失った。

 

「よし!」

 

「容赦ねぇ・・・」

 

出久の容赦の無さにクリリンが唖然とする。

ここまで強烈な攻撃はチチとブルマ以外やっていなかったが、どうやら二人から学んだらしい。

 

「出久、ありがとう」

 

「良いよ、電気は安心してて守るから」

 

出久は電気を口説いているのかと思うくらいに甘い言葉を言う。

電気もそれに対して笑顔で答える。

 

「あ、おべんとついてる」

 

「え?」

 

「ほい」

 

電気が出久の頬についてたおべんとを食べる。

何処となく二人の間にピンクのオーラが溢れる。

 

(((((昼間っからイチャイチャするな!)))))

 

(仲良いな)

 

それを見ていた全員(悟空以外)は昼間からイチャイチャしまくってる二人に文句を言いたいが二人のそんな雰囲気に言う気も起こらず、さっさとチャーハンを食べることにした。

 

砂糖を食べているかのような異様に甘いチャーハンだった。

 

 

全員(悟空以外)食後に、コーヒーを飲んだが砂糖を入れてないのに甘かったのには驚いた。

 

因みにピッコロも産まれて初めてコーヒーを飲んだが異様な甘さを感じたのでそれ以降の人生では決して飲まなかった。

 

絶対にナメック星人の味覚の問題ではないと思う。

 

 

 

 

 

 

●●●

 

電気は談話スペースで勉強していた。

本当なら部屋でやった方が良いがいつ邪なエロ魔人が来るか分からないので、談話スペースでやることになったのだが、出久と電気以外誰もいなかった。

 

理由は至極単純で

 

「出久~、ここの問題教えて~」

 

「教えてって、この問題なら電気一人でできるよ」

 

「えー嘘ー」

 

「ホントだよ、昨日の授業で教えて貰った式を応用すれば・・・あ、違う。別の公式が必要な引っかけだ」

 

「ホラホラホラ」

 

頬を膨らませて抗議する電気。

 

「でもその公式も習ったよ、この前の関数の公式を・・・」

 

「あっなるほど、サンキュー」

 

こんな風に無自覚にイチャイチャしていながらやっているのだ。

全員、コーヒーを飲み過ぎてトイレに何回か行ったら、もう手遅れだと思って部屋に戻ったのだ。

 

悟空は全然平気で亀仙人も残ろうとしたが、クリリンを始めとするZ戦士に連れられて、外に行った。

 

実は血の涙を流しすぎてリカバリーガールの保健室行きになった。亀仙豆を食べようとしたらべジータが「下らん事に使うな」と言って食べさせなかった。

 

「皆、部屋に行ったね。電気も今なら部屋で・・・」

 

「やだ!」

 

出久が今なら部屋に戻っても誰にもばれないから戻ろうとしたが、電気は出久の腕に抱きついて止めた。

 

「出久~」

 

絶対に目からキラキラビームを出してるとしか思えないほどの涙目?で出久を見る電気。

出久はその姿に顔を赤くした。

 

「出久?」

 

「ごめん、ちょっとトイレ」

 

出久はトイレに行った。

 

 

 

●●●

(何でキュンってなるんだよ!?)

 

出久はさっきの自分の反応に信じられなかった。

 

(僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん、僕が好きなのは耳郎さん)

 

不気味と言えるほど自己暗示をする出久。

 

(よし、大体電気とは小学生の時からの付き合いだ。今さら電気が女子になったからって何も気負いすることはない。僕は耳郎さんが好きだから、電気に移ることなんて万にひとつもありはしない。あぁ、本当になに考えてたんだろ?さっさと勉強しよう、うんそれがいい・・・・)

 

ブツブツ考えながら電気の元に戻る出久。

明らかに動揺していた。

電気の元に戻ると電気は座りながら体を伸ばしていた。

体育祭も終わって本格的に暑くなり始めたから半袖に私服が変わって来たがら、伸びる手に生腕、そして半袖からチラリと見える脇。

また電気は髪を結んでいるために首もとが見えやすくなっていた。

男の時に比べて細くて綺麗な首。

どれも男を惑わすには破壊力充分だった。

 

出久はどぎまぎしながら、戻って勉強を続けた。

 

 

 

 

●●●

午後8時、晩飯を食べて個人でやる勉強も終わり、部屋でのんびりしていた出久。

何時もは電気と軽い組手でもやるんだが、今日はとてもそんな気に二人ともなれなかった。

何時もの100キロの重りを着けて軽くストレッチをしていると突然ドアがノックされる。

 

「はい?」

 

「出久、私だ」

 

出久は電気の声を聞くと急いで扉を開けた。

出久の部屋の隣はエロ魔人が一人の実だから、絶対に来たら危ないのにわざわざ来た電気。

実に見つかるとヤバイと思って出久は電気をすぐに部屋に入れた。

 

「サンキュー」

 

「何やってんの?隣は峰田君だよ?」

 

「だからだよ。隣ならまさかいるとは思わねぇだろ?」

 

電気はサムズアップをしながら答える。

出久はため息を吐く。

 

「で、どうしたの?」

 

「今は自由時間。何処に居ようが良いじゃん」

 

「いや、僕の部屋」

 

「ダメ?」

 

電気はまた出久を見る。

出久は強く言えずに部屋でいて良いと言った。

 

「全く・・・」

 

出久は胡座を欠いて座る。

そしたら電気は出久の胡座の上に座ったのだ。

 

「ちょっと!?」

 

「良いじゃん、減るもんじゃ無いし」

 

「いや、僕は男で電気は今、女の子だよ!?」

 

出久は思っていた事を言った。

実際に女になった電気の柔らかい尻に反応して出久の息子が大きくなる。

電気は笑いながら、何とズボンの上から出久の息子を触る。

 

「ちょっと、待って!」

 

出久は焦って電気の肩を掴んで離れさせる。

出久は立って電気から離れるようにベットの近くに行く。

 

「何?」

 

「何考えてんの?・・・僕には好きな子がいるって」

 

「知ってるよ」

 

電気は出久をベットの上寝転がす。

そして仰向けに倒れてる出久の体を股に挟むようにして座る。

 

「正直、出久の好きな子が羨ましい」

 

「え?」

 

「私は出久の事、小五から知ってて一緒に頑張ってきたから何でも知ってるのに・・・私の出久を奪おうとするその子が羨ましい」

 

電気は涙を静かに流しながら、肩で息をしながら話す。

出久はその状況に対して困惑していた。

 

「今は女の子、これで一つになっても良いよね?」

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

「私は出久なら良いよ」

 

電気はそう言いながら、出久に顔を近づける。

「出久の初めて全部頂戴・・・」

 

二人の唇が近づいてやがて・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

「あー!!!・・・・夢か?」

 

夜中に一人、三奈が出久と電気の“アー!“な夢を見て冷や汗を掻きながら起きた。

何時も何時もキュンキュンした恋愛話をしたいとは思っていたが、まさかこんな夢を見るはめになるとは思ってもいなかった。

 

「もー何!?緑谷と上鳴がそんな事をする夢なんて誰に需要があるの!?もーワケわかんないよ!」

 

三奈はそう言ってもう一回寝た。

因みに後日、出久と電気を見て夢を覚えていたのか少しビックリしていたが、現実の二人にそんな展開はドラゴンボールで願われてもあり得ないので安心した三奈はその夢を忘れたのであった。

 




【出久】まさかの電気の女体化の為に耳郎への恋が揺れ動く羽目になりました。ごめんね。まさかこんな展開になるなんて作者も予想してなかったんだよ。

【電気】まさかの女体化に出久への愛が暴走して耳郎に嫉妬して(電気は出久の恋の相手が耳郎と知りません)こんな展開になるとは思ってなかったよ。

【三奈】でそんな夢を見ちゃった三奈。誰か彼女に恋ばなを挙げてください。


【裏話】
元々はすまっしゅを見ながら、女体化ネタを使うならパラレルワールドを作ってそこでは出久と電気が恋人通しって状況を現世界の二人が見るってパターンを思い付いてたんですが、さっさと書きたくなったんで書きました。因みに四時間ぐらいで筆がノリに乗ったので早くすんで良かったです。
それでは次回から雄英体育祭に戻ります。

批判感想質問は次回のネタバレが答えになるもの以外は全て即座に返信しますので気軽に送ってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

亀仙流修行編
第一幕 僕は緑谷出久。ダメダメ少年です。


これが初のヒーローアカデミアの小説です。色々と設定を変えてる部分がごさいますのでそれが嫌な方はお戻りください。


この世は、生まれながらにして平等ではない。

齢四歳で、嫌でもわかる現実だ。

 

「止めろ、かっ、かっちゃん!これ以上は、ぼ、僕が許さないぞ」

 

「はっ!、無個性の癖に何、ヒーロー気取ってんだよ?デク!!」

 

大勢で、小さな子供をいじめてたから助けに入った。でも僕はそれだけしか出来ない。ここから大逆転みたいな事をできる『個性』がない。

 

そう、僕は人口の80%が何らかの超能力『個性』を持っている世界で、『無個性』で生まれた。

 

どう考えても、主人公じゃない、[戦闘力、たったの5か、ゴミめ]って言われて無惨に殺されるだけの人間だ。

 

そう、この時僕はいやほど思い知らされた。

力なき者は無力であると、でもそんな僕でも憧れてしまったんだ【ヒーロー】に

 

 

●●●

あれから、成長して僕は今、12歳。でも何も変わらない。変わってない。

あの頃と同じ弱いまま、あの時と似たような事が起こった。あの時、大勢で子供(たぶん9才)をいじめてた僕の幼なじみの爆豪勝己・・・かっちゃんがまた自分の取り巻きと一緒に小さな子供をいじめてたから、僕は子供を助けなきゃって思って、助けにいって、ボコられた。

皆の個性で徹底的に殴られて蹴られた。

どこも折れてないと思う、でもたくさん怪我をしている。痛い・・・痛いよ。

それで、あの子が逃げれるならって思った。

でも、僕が殴られて蹴られる度にあの子は、顔を歪めた。誰かを救うのがヒーローなのに、何で僕は誰かを苦しめるのだろう?

結局、かっちゃんらは僕をやってて気がすんだのか?

その子には何もしなかった。

僕は、その子と別れて、ボロボロの神社の裏で座って泣いている。

ここは僕のお気に入りの場所だ。

それに今日は凄い曇り空だから、暗くて分かりにくい。

ここで泣いてたら、誰も気がつかないから、思いっきり泣けるから。

 

「もう嫌だよ」

 

 

もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!

 

 

 

 

 

 

もうこんな力がない体なんか、大嫌いだ!!

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

「どうしたんじゃ少年?」

 

そんな幻聴が聞こえてきた。

僕は、遂に頭がおかしくなったんだ。

だって、誰も周りにいないのにこんな声が聞こえてるんだもの、

 

「どうしたんじゃ?」

 

「誰?」

 

「わしの名は、武天老師。にして少年よ、何があったのじゃ?」

 

僕は、その謎の声に全部話した。

 

自分の事を

 

なぜ泣いてるかを話した。

 

苦しかったから。

 

気が楽になると思ったんだ。

 

でも、言えば言うほどどんどん苦しくなってきて、

 

惨めになってきて、

 

話してる最中なのに

 

また、鼻をずるずる鳴らした。

 

「さぞ、辛かったのじゃろう」

 

声が僕を慰めてくれる。

 

何でこんなに暖かいんだろう?

 

「主は、優しい心を持っているんじゃな。よく頑張った」

 

僕は、その言葉を聞いて、完全に涙腺が崩壊した。

ずっと、誰かに言って欲しかった。

 

僕は、弱いから、誰かに支えてもらえないと生きていけないほど弱く、脆く、幼稚な存在だから、

 

今も、こんな感情を出して情けない。

 

「どうしたんじゃ?」

 

「すみません。嬉しくなって、」

 

「そうか・・・」

 

 

●●●

あれから、少したち、僕はやっと泣き止んだ。

 

声は僕を待っていてくれたみたいだ。

 

迷惑をかけてかけてばっかりだな。

 

「少年よ、お主は力はないと言ったな」

 

「はい、僕は無個性で」

 

「わしが思うに、主は誰よりも凄い力を持っていると思うぞ」

 

「えっ?、それって・・・」

 

「その答えは自分で探すんじゃ」

 

声が、僕に提示した宿題。

 

こんな無力な僕に何の力があるんだろう?

 

「わしの力を見せてやる」

 

「えっ?、ど、どうやって?だってあなたは声だけしか、聞こえないのに」

 

「よく見るんじゃ、近くにおるぞ」

 

急に声が近くなった。

後ろからまるで、最初から居たみたいな。

一瞬の恐怖を感じたが、好奇心が遥かに上回り、僕は後ろを振り向いた。

 

「ほら、いたじゃろ?」

 

何てことない、気の合う友達に話しかけるみたいにそのお爺ちゃんは、僕に話しかけた。

 

髪の毛はなく、長い髭があり、アロハシャツに焦げ茶色の長ズボン、草履を履いていて、どういうわけか亀の甲羅と仙人が持っているような杖を持っている。

 

「あ、あ、あ、あ、」

 

「これこれ、会ってそうそうそんなに緊張するでない、少しばかし傷つくぞ」

 

「あ、あ、す、すみました!」

 

何てことを、知らない人に会ってそうそう失礼な事をしてしまった。

急いで立ち上がり、頭を下げた。

 

「はは、冗談じゃ。そんなに畏まらんでよろしい」

 

「あ、ありがとうございます?」

 

はて、僕は知らない人なのに何でこんなに打ち解けて話してるんだ?

 

「それは、主が善人だからじゃ」

 

「えっ?こ、心を?」

 

「完全じゃないがある程度は読めるぞ」

 

「す、凄い個性ですね」

 

「まぁ、ある種の技術の延長線上にあるものなんじゃが、その方がいいか」

 

何を言っているのか、あまりわからないけどどうやらこの人の個性は、心を読む個性みたいだ。

 

「でも、凄い個性ですよ」

 

「そうかの?」

 

「ええ、もしも人質をとった犯人がいたら、犯人の心理がわかるし、普段のカウンセリングでも心を閉ざした人の心理を読み取って解決策を練られるし、いや、そこはあえて読んでしまったら並の精神力じゃ、潰れてしまうのでは?・・・・」

 

「これこれ、そんなに分析する必要はないぞ」

 

「す、すみません、いつもの癖で」

 

また、やっちゃった!この癖はなかなか直らないな。

 

「その癖は、いずれお主の役に立つじゃろう、じゃが深読みしすぎて、目の前の事が疎かになってはいかんぞ」

 

「は、はい、あのそれで、さっき言っていた・・・」

 

「おお、忘れてた。お主の名は?」

 

「み、緑谷出久です」

 

「よし、出久よ、お主、わしの元で修行でもしてみんか?」

 

「しゅ、修行ですか?」

 

「そうじゃ?」

 

「で、でも一体どうして?」

 

「何、お主に興味が引かれたんじゃ」

 

「で、でも僕には個性がなくて・・・」

 

「個性何てものはたかが自分を作る上の一部分でしかないわ。大事なのは、それを使うものの心じゃ。主は力が無いものは無力と思ってるじゃろうが、それにある続きを忘れておる。正義なき力は暴力なり、それを忘れてさえいなければ、後は力をつけるだけで良い」

 

この人の言った言葉に僕は目から鱗が落ちた。

何で、忘れてたんだろう。

オールマイトも言ってたじゃないか、大事なのは個性じゃなくて心だって、僕は何でこれを忘れてたんだろう?

 

「あ、あの、僕は本当に鍛えたら強くなりましか?誰かを守れるヒーローになれますか?」

 

「それは、わしにもわからぬ。じゃが、ヒーローの定義なぞ曖昧じゃが、もしもヒーローになる条件があるとするなら、それは恐らく自分が無力なのをわかった上で立ち向かわなくてはいけない時に立ち向かう覚悟だと思うぞ。主の努力しだいじゃ、本当に救う事は出来ないかも知れない。じゃが、少なくともそこに救いに行ける力は得られる」

 

重い言葉だ。

 

本当に重く、そして重圧が凄い。

 

でも、それでも憧れたんだ。

 

「お願いします。僕に修行をつけて下さい」

 

お爺ちゃんは僕をただただ真っ直ぐ見て、うなずいた。

 

「いい目をしておる。その目をしている者を見るのは、わしの弟子達以外じゃ何十年ぶりじゃろうな、いいものを見せよう」

 

すると、お爺ちゃんは僕に背を向けて一、二歩、歩いて杖と甲羅を置き、一呼吸する。

 

「よく、見ておきなさい」

 

お爺ちゃんは、中腰になって、力をためた。

 

ためてる感じ何て、実際に見ても何もわからないが、確かにそう見えたとしか言い表す事が出来ない。

 

そしたら、お爺ちゃんの体が急に大きくなった。

比喩ではなく、本当に急に大きくなったのだ。

さっきまでは、至って普通のお爺ちゃんに見えたが、今は筋骨隆々のマッチョになったんだ。

 

その大きさは、オールマイト以上に大きい。

 

「出久よ、これは修行の成果の片鱗じゃ、そしてこれがわしの代名詞」

 

 

 

か~め~は~め~波!!!

 

 

 

 

かめはめ波と叫びながら、空に向かって手を突き上げた。

 

すると、どういう訳か、手からビームが飛び出し、そのビームは、延々と空に上昇し、曇り空を晴天に変えた。

 

急に眩しい光が降り注ぎ、僕は目を閉じて手で光を遮る。

 

「これ、よく見てみなさい。良い天気じゃ」

 

僕は、手を戻し、目を開けると、元の体型に戻っていたお爺ちゃんがいた。

 

「どうじゃ?これで、修行に励めるぞ」

 

「ぼ、僕はこのような力を得られるでしょうか?」

 

「わからぬ。それは結局、お主の努力しだいじゃ。じゃがここの片鱗に行くまでには誰しも苦痛といえる努力をしておる。少なくともそこの片鱗までは行けると約束できる」

 

僕みたいな夢を諦めてた人間でも、力を得られる。

その提示だけしてくれただけでも嬉しい。

 

「よろしく、お願いします」

 

「よし、ついてきなさい。出久よ」

 

「はい!」

 

もう一度、僕は夢を目指したい。

 

これは僕が最高に最強なヒーローになるまでの物語だ。

 




ひとまず、緑谷出久の変化を1話でできたので、区切りが良いので、今日はこれで終わります。亀仙人が何故、緑谷出久を弟子にしたのか、亀仙人の心情また、今、どういう状況なのかは次回以降にします。
弟子にした部分の心情は書きますが、なぜこの世界にいるかは、ひょっとしたら、設定だけのせる形になるかもしれません。とりあえず、雄英合格まで、詳しい設定集をなしで行きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

めちゃくちゃ!きつすぎる修行!

第二話です。


あれから、僕と師匠はどうしたかと言うと、

 

全然、修行をしてない。

 

理由は、師匠が言うには2つ。

 

一つは僕の私生活を知らないと修行の献立が出来ないから、僕の私生活の観察。

 

もう一つが今、一番手間が掛かってるお母さんの説得だ。

 

あの後、師匠はすぐに僕のお母さんに事情の説明をしようとしたが、住所不特定の無職な師匠の言うことをすぐに信じろと言うのが無理な話で、僕が説得しようとしたけど、お母さんは無理だと言い。

 

一先ず、師匠はまたあの神社に戻った。

 

その後、僕とお母さんと話し合いをして、その翌日に師匠も一緒になって話し合いをして、お母さんが出した条件は2つ。

 

一つは、この一週間でお母さんが師匠の私生活を見て、判断するというもの。

もう一つが学業に支障をきたさないことの2つ。

 

最初の数日はとにかく大変だったよ。

 

お母さんが師匠の今の生活場所の神社に行ったら、あの・・・・言葉にするのは凄い恥ずかしいけど・・・・大量のエ、エロ本があったらしく、もうその日の晩に即刻、会議で2日目も、いわゆる師匠の自堕落でダメダメな部分が目立った。3日目になると、お母さんの師匠に対する印象がどういうわけか逆転してた。

理由を聞いたら、師匠がヴィランを撃退したところを目撃したらしい。僕と同じくらいの子供を守るために。

師匠は、その後、警察から事情聴取を受けたが、正当防衛と認められたのでなんとかなったようだ。

戸籍はどうしたんだろう?

それを師匠に聞いたら、内緒と言われて、無理に聞く気がなくなった。

 

それから、更に4日がたち、師匠の元で修行をしていいのかどうか今、お母さんと師匠が話し合いをしている。

当事者の僕は、自分の部屋の中だ。

お母さんがどうしても師匠に聞きたいことがあると言い。僕を部屋に行くように話したのだ。

 

お母さんの言ってる事も正しいし、間違ってない。

でも、僕はそれでも強くなりたい。

 

 

 

⚫⚫⚫

 

私、緑谷引子は今、武天老師さんと話し合いをしている。最初、この人と会ったとき、私は今までにないくらい恐怖を感じていた。相手の心を読むことができる個性で、出久の師匠になると言っている。

私はあの子に個性を与える事が出来なかった、今でもあの子はそれで苦しんでいる。

無個性と知ったとき、パソコンの前で泣いていたあの子に私は謝る事しか出来なかった。

私は出久の事が何よりも大切だし、愛している。

だからあの子がやりたいって言った我が儘には付き合うし、その覚悟はできているつもりだ。

 

だからこそ、この人を私は冷静に判断しないといけない。私も含めた皆が、個性がないと言うだけであの子をずっと苦しめていたから、もしもこの人がそんな人なら、例え出久がこの人の元で修行したいと言っても私はそれを許可できない。

 

「それで、聞きたいのですがわしはあなたの出した条件を満たしているのでしょうか?」

 

「はい、最初はすぐにダメと言いたかったですが今では大丈夫と私は判断しています。」

 

「それは何より」

 

「一つ、聞きたいのですが、なぜ、出久を鍛えようと?」

 

「失礼ながら、率直にわしの主観が入りますが、言わせてもらいます」

 

「どうぞ」

 

「わしは、最初、あの子が泣いているのを見て、年寄りの老婆心が働いたのでしょうかな?あの子の話し相手になろうと思い、あの子と話をしました。話をしている内にわしの個性もあり、あの子の何よりも純粋な正義感に突き動かされたのです。わしには五人の弟子がいます。今は遠いところにおりますが、皆、あの子と同じ目をしておりました。だから、彼に知ってほしいのです。努力で才能は凌駕できると」

 

私はその言葉を聞いて、少し涙腺が緩んだ。

 

全然、この人の事は知らないし、まだ信用しきれてない部分もある。でも、信じてみよう。

 

「息子をよろしくお願いします。ですが、もしも息子の思いを踏みにじるのであったなら」

 

「わかっております。その時は、罰を受けます」

 

出久、あの時、ごめんしか言えなくてごめんね。

お母さんにもう一度、チャンスを下さい。

 

 

⚫⚫⚫

わしは、なぜ、この世界に来てしまったのだろう。

力の大会が終わって、暫くはのんびりしようと決めておったのに、なぜか布団に寝て起きたら、全く知らんところにおるとは、不老となって何百年も生きておるが始めての経験じゃった。

わしの世界に似た雰囲気を持っておったから、慣れるのにそこまで時間が掛からんかったのは幸いじゃった。

あまり人が入らん山が都会にあったのが幸いか、わしが持っておるカプセル入れに大分前のビンゴ大会でもらった古い神社が会って山の中にそれを出した。

 

それから、2ヶ月。

不老のわしにとっては案外短い時間じゃった。色々あったものの何とか不自由なく暮らしておる。

これも優しき人々のおかげじゃ。

まぁ、昔、ブルマからもらったダイヤがあったおかげじゃけど、勿体なくて売らずにカプセルに入れといて良かったわい。

 

人生を面白おかしく楽しく過ごす。

 

わしの生き方を変えずにすんだのは良かったわい。

 

そんなおりじゃった

 

出久と出会ったのは

 

最初は、傍観と決めておった。わしは、世界の危機とかなら、助けられる。牛魔王のフライパン山のような事でも何とかできる。水に困ってたナムという青年も助けれた。心を読むという技を使ってな。じゃがこの子の抱えている傷や問題はわしには治せない。

心の傷は、結局本人の気の持ちようでしか治せないから、わしにあの子を助ける事は出来ない。

そう思ってた。

じゃが、何回もあの子の心を読んで、わしは助けようと思った。

なぜ、そうしたのかわからない。

じゃが、悟空もクリリンもヤムチャも悟飯もそして牛魔王も似たような心を持っておる。

欲に負けることもたくさんあるが、何より心が強い事。

わしより若い者達は、皆正しき道に進んだ。

 

だから、わしは出久の目の前でかめはめ波をやった。

 

もしも、これを見ても目が変わらぬようなら、二度と姿を見せぬつもりじゃったが、目が変わった。

 

その目は、クリリンに似ておった。

 

だから、わしはその目を信じようと思った。

 

才能は、はっきり言ってない。

精神も弱い。

じゃが、誰よりも強い物を持っておる。

この老いぼれにできる事をする。

出久を導く。

人生を面白おかしく楽しく過ごすことがどれ程救いになるか、この子から系譜していけばいい。

 

これが亀仙流じゃから

 

 

 

 

 

 

⚫⚫⚫

師匠のところで修行をしても良いとお母さんの許可が降りた。

嬉しかった。

ただ、お母さんと約束した。

心配は掛けさせない。

僕は雄英に入る。

だから、僕は頑張るんだ。オールマイトのようなヒーローになるために。

だから、どんな修行にも耐えてやる。

⚫⚫⚫

朝の午前3時。

普通に平日なこの日から修行が始まった。

 

「出久よ、修行を始まる前に修行とは何なのかを説明する。修行し強くなるとはただ、相手を倒すためでもなく、ピチピチギャルにあらやだー強いねーんカッコいいーと言われるためでもない。己に負けぬ為にするのじゃ。ここでの経験は例えヒーローに成れずとも己の精神を鍛え、そして良き人間になるためにするのじゃ。わかったか?」

 

「難しいです。元々僕は己に負けている人間ですし、そもそも何かをやるってなっても自分の気分次第で結構ズボラですし、色々と・・・」

 

「若い内から、そんなに難しく考えるんじゃない。大切なのは、己を信じる事じゃ。己を信じた者だけが常に限界以上の力を出すのじゃ。自分を信じろ。」

 

自分を信じろってどうやって信じれば良いんだろ?

 

「まぁ、実際にやればわかるわい。それじゃまずは軽く目的地まで約一キロのランニングじゃ」

 

師匠が先に走った後を僕は追いかけた。

はっきり言って、全然体を鍛えた事がなかったから、結構しんどい。

 

何とか一キロ走ったが、体力が全くない僕はすでにこの時点でぜぇぜぇいってる。

 

「こんなんじゃ、先が思いやられるぞ」

 

「す、すみません」

 

「それじゃ、最初の修行じゃ、牛乳配達をしてもらう」

 

「ぎゅ、牛乳配達?」

 

「そうじゃ、個性牛乳の配達じゃ」

 

「個性牛乳!!?」

 

【説明しよう。個性がこの世に出て、メリットだけではなく当然デメリットも存在する。中には、辺境な所に住まないと生きていけないような個性も平然とある。勿論医療の発展でサポートアイテムをつければ問題はないが、中には自然の姿で一生を終えたい人もいる。個性牛乳とはすなわち、辺境な所に住んでいる人限定の牛乳配達便なのである】

 

「勿論、一件一件が凄く遠いから、全部をやる訳ではない。じゃが5件は回るぞ。」

 

一件一件が、ヘリを使わないといけないほど遠いのに!?

 

師匠は混乱している僕に牛乳袋を着けた。

 

「それじゃ、行くぞ。まずは最初の家まで三キロスキップじゃ」

 

先に行く師匠に追い付く為に僕は師匠の後を追う。

スキップで

 

 

ここからはダイジェストでどうぞ。

 

一件目が終わる。

 

「ぜぇぜぇ」

 

「全く、遅いぞ。牛乳が腐ってしまうわい」

 

「すみません」

 

あ、足が重い

 

「二件目は二キロ先じゃ、そこまでこの並木道の並木をジグザグに行くぞ」

 

「ちょっ、ちょっと」

 

「ほれジグザグジグザグ」

 

必死で追いかけるが、追い付かない。

無茶苦茶苦しい。

 

二件目が終わる。

 

「ほっほっほ、どうした?そんなんじゃったら、牛乳が本当に腐ってしまうぞ」

 

「ぜぇぜぇ」

 

「まぁ、次は比較的楽じゃ、階段を上るだけでいい」

 

安心したが、次の瞬間に僕の心は完全に打ち砕かれた。

 

「上るのはここじゃ」

 

日本で一番高いマンションの屋上にあるペントハウスに階段で上らないといけないから、段数は五千。死ぬー!!!

 

三件目が終わり、また階段を下りる。

もうすでに限界は越えてるって自信があるぞ。

 

「後、一時間しかないのにまだ二件もあるぞ。早く行かねば」

 

い、一時間で後二件も!?

 

「次の所は、一キロ先じゃから、全力疾走じゃ」

 

「む、無理です!もう走れません!」

 

「走れるとも」

 

師匠は懐から何かカプセルみたいなものを出して、放り投げた。

 

Booom!!

 

そんな音を出して、煙を出したら、小さな球体のものが10個位出てきた。

 

「ハイテク化は乗らぬとな」

 

師匠は球体全部を触り、カチッっと何かのスイッチを入れた。

 

すると球体に棘が生えた。

 

しかも、高速で回転し始めたし、絶対あれ痛いよ。

 

なんか、僕の周りをぐるぐる飛んでるけど、あまりの疲れでまともに頭が働かない。

 

「出久よ、右に避けるのじゃ」

 

えっ?

 

球体の一つが、僕の左頬目掛けて高速で飛んできて、僕は恐怖で右に避けた。

球体は、避けるとそのまま空中停止をした。

僕は左頬から流れる血を手で拭って、球体を呆然と見ていた。

 

「ほれ、全力で走らねば、危ないぞ」

 

全ての球体が僕目掛けて、飛んでくる。

たまらず、僕は全力で走る。

もう、走れないと思ったのにまだ走れるって、人間の体って凄いや。

 

四件目、終了。

もう、もう、体が壊れる。

 

「よし、最後の所は二キロ先じゃ、軽く流しながら行くぞ」

 

師匠は、そう言ってまた、前をジョギングするが、僕はもう足が動きそうにない。

そしたら、後ろから、ギュルルルルと嫌な音が聞こえてくる。

振り向きたくないのに、振り向かないと余計に怖いから、振り返って見てみると、また、球体が今度はゆっくりと近寄ってくる。

ゆっくりだから、余計に怖い!!

 

僕は、死にたくないただ、それだけを考えながら、前に進んだ。

 

五件目、終了。

 

「うむ、早朝の修行は終了じゃ、10分休憩したら、朝の修行に行くぞ」

 

「は、はい」

 

僕は、強くなれるのだろうか?それ以前に生き残れるだろうか?

 

⚫⚫⚫

僕と師匠はあの後、十分休憩したら、今度は近くの山の崖まで来た。

 

「朝の修行は、崖登りじゃ。ホントは農作業がベストなんじゃが、近くに農家がなかったので、崖登りに変更する」

 

「質問です。なぜ、農作業なのでしょうか?」

 

「うむ、武道家にとって大切なのは手じゃ、それを鍛えるには、畑を素手で耕すのが一番なんじゃが、近くに農家がないのと、主の学業の事を考えるとこっちの方が、都合が良いからの・・・まぁ、かなりきつくするが」

 

うわ~、そんな物騒な

 

「出久よ、朝のシャワーと朝めし、そして登校を考えたら、後一時間しか猶予はないぞ、早くこの崖を三往復するのじゃ」

 

「さ、三往復なんて、無理ですよ!!」

 

師匠は僕のこの言葉を聞くと、無言でさっきの球体を起動する。

 

ホントに勘弁してくれ~

 

「出久よ、己の限界を越えるのじゃ」

 

球体はまた、僕を殺す気で追いかけてくる。

僕は死にたくない一心で崖を意地で登り下りる。

そんなのを繰り返すと僕は知らない間に三往復を終わらせてた。たった40分で

 

「農作業の方が身に入るから、農作業にしたいが致し方ないな、これにて朝の修行は終わりじゃ」

 

「手、手が痛いです」

 

結構、擦りむいたから、血だらけの手を師匠が見ると、師匠は、懐から軟膏を出して、僕の手に塗り、上からテーピングをする。

 

「わし特製の軟膏じゃ、明日までには回復しとる」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ほれ、学業に遅れてしまうぞ」

 

「あ、あー!!!」

 

僕は、急いで学校に向かうための準備をする。

ちなみに、遅刻はしなかったが、あまりの疲れで昼は結構居眠りをしてしまった。

 

 

 

⚫⚫⚫

学校が終わってつかの間、僕と師匠は、近くにある海岸に来ていた。

 

「さて、次はこの海岸のゴミ拾いじゃ」

 

「ゴミ拾いですか?」

 

「そうじゃ、人々の助けになり、そして人々の意識の改善に繋げられる立派な事じゃ」

 

僕は、海岸に大量にある粗大ゴミを見て、意識が遠のく。

 

ここは、海流の影響で、不法投棄されたゴミが来るから、本当に治らないのに。

 

「どんなに強大な壁があっても人は乗り越えられる。出久の弱点は、考えすぎてしまうところじゃな」

 

「うっ!」

 

また、僕は勝手に諦めてた。

師匠に教えられたじゃないか、修行は自分に負けないためだって、だったら馬鹿にでも何にでも成って勝ってやる!

 

「その意気じゃ」

 

すみません。ナチュラルに心を読むのはやっぱり止めてください。

 

僕は、ただガムシャラにゴミを運ぶ。

運び続ける。

途中で何回か自分なりにバランス良く鍛えようと、考えて持ってみたら、師匠からさらにキツイ物を持っていくように言われて、鍛え方を考える余裕すらなかった。

ホントにただ鍛えるだけで強くなるのだろうか?

いや、自分にチャンスをくれている師匠を信じなくて強くなれるか!?

馬鹿になるんだろ!?

このまま、一直線に愚直に進んじまえ!!

 

そうして、僕は一時間でかなりの粗大ゴミを運んだ。

 

⚫⚫⚫

粗大ゴミを運ぶ作業を一時間ぐらいした後。

 

「よし、出久よ!今日の修行は次の修行で最後とする」

 

な、長かった~!まだ、1日しかしてないのに今までにない疲労感で、もうボロボロだ。

 

「本日、最後の修行は水泳じゃ」

 

え?

 

「向こうにある岩まで往復一回!距離はだいたい一キロじゃ」

 

師匠は、水平線にある岩に杖を向けて話すが、冗談だろ!?

 

「し、師匠!この体の状態じゃ死んでしまいます!!」

 

「安心せよ!」

 

師匠は、また球体を起動しようとする。

 

そう何度も馬鹿正直にやられてたまるか!!

 

「させるか~!!」

 

「甘い!!」

 

僕は突進して、球体を奪おうとしたが、師匠は軽々とよけて球体を起動する。

 

球体の方も意識でもあるのか、起動して、赤く光ると今まで以上に音を出す(たぶん、僕を本気で殺す気だと思う)

 

僕は、今日何度目かの本気で全力で走って逃げようとするも、僕の走る行く手を球体が塞ぎ、結果的に泳いで逃げる。

 

頑張って一往復して、僕は倒れた。

 

もう本気で死にそう。

 

「出久よ、これを食べてみなさい」

 

師匠はエンドウ豆みたいなものを手に出すが、はっきり言って、今日はめちゃくちゃやった人の言葉だから、何か変なオーラも見えるし、純粋に怖い

 

「良いから、食べなさい」

 

師匠は無理やり豆を僕の胃に入れ込む。

 

すると、不思議な事に、あんなに強烈で過労死するんじゃないかと思っていた程の体の疲れが一気にとれた。

 

「わしが2ヶ月かけて作った仙豆という特別な豆の劣化版じゃ、大ケガや瀕死状態からは治せないが、疲労や筋肉痛、あとは軽い怪我ならこれで治せるわい。手を見てみるがよい」

 

僕は、朝に師匠に巻いてもらった手の包帯を取ると、僕のボロボロだった手が完全に治っていた。

 

あれ?てことは、最初からこの豆を僕に食べさせていれば

 

「それは、ダメじゃ」

 

「何でですか?そっちの方が効率が良いのに」

 

「理由はいくつかあり、お前は要するにハンデを背負っているわけじゃ、無個性というな。だから否が応でも人より何倍も鍛えないといけない、限界を越え続けねばならぬ、実際に今日の修行でも自分の限界はある程度は越えたはずじゃ」

 

た、確かに

 

「火事場の馬鹿力は、こういう事をせねば発揮できぬからのう。ゴミを掃除しているとき、自分で鍛え方を考えたじゃろう?」

 

「は、はい!自分で何処を鍛えるか理解しないと身に付かないと思って」

 

「その思考は正しいが、もっと自分に厳しくならねばただの怠け者になってしまうからの、鍛えるかしょを決めていて他の場所が疎かになるしの、故に余裕すら与えなかったのじゃ、それとこの豆はまだまだ数が少なくてな、あまりないのじゃ、じゃから無駄遣いできぬ」

 

い、意外に現金な理由だった。

あ、それより!

 

「あ、あの、師匠に聞きたいのですが」

 

「なんじゃ?」

 

「これからもこのような地獄の特訓が続くのですか?」

 

「何を言うておる」

 

よ、良かった!

さすがにこれを毎日は

 

「これより、どんどん厳しくなっていくに決まっておろう」

 

僕は、この世の絶望を感じてうつ伏せに倒れた

 

「これから、一年はこれをつけてもらうぞ」

 

師匠は、僕にトレーニングリストバンドを4つ、倒れてる僕の目の前に置く。

 

ズン

 

と、重い音がする。

 

「明日からは、寝るとき以外に、この合計20キロバンドを着けて貰う」

 

この言葉を聞いて僕はヒーローになる前に生き残れるだろうか?

 

僕のヒーローアカデミアの前に僕は死んでしまうかも?

 

「死なない、死なない」

 

「心を読まないで~!」

 

 

 

 




いやー、遅れて申し訳ございません!かなり忙しくて書くのが大変でしたが、少なくとも、体育祭の終わりまでは行きたいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出久のライバル登場?

どうも、怪獣馬鹿です。
今回は、修行といったら、別の弟子と思って、新しい弟子を登場させます。
オリキャラじゃないよ。
批判は聴きますし、なぜこれを選んだのかは後書きに書きますのでとりあえずどうぞ!


あれから、1ヶ月がたち、亀仙人の元で修行をしている緑谷出久は、厳しい修行に耐えながらも何とか頑張って生き残っていた。

 

⚫⚫⚫

あれから、1ヶ月。

何とか僕は毎日、毎日体と心をボロボロにしながら生き残っている。

ここまでの道のりは地獄そのものだった。

例えるなら、高さ何百メートルクラスのビルとビルの間を細いワイヤーで綱渡りをしているような神経的なストレスをもろに味わっていて、肉体的には毎日半ば疲れからくる睡眠、食事と亀仙豆のお陰で大丈夫だが、精神的にはボロボロの死にかけに近いよ。

 

そもそも、僕が鍛えてなかったのが原因だから自業自得だけど、師匠に会うまで、肉体を鍛えた所で個性には勝てないと浅はかだった自分が怨めしい。

 

でも、実際にそうなんだ。

個性が現れる前と後ではスポーツも格闘技も全てが変わったんだ。

 

皆が皆、それぞれマイノリティーを武器にするため、チームワークが重要視されるスポーツは学校の授業以外じゃ、一部のマニアしかやらなくなり、更に個人種目でも、個性によって不平等が出るため形骸化していき、結果的に人々のいわゆるスポーツや格闘技等のルールの上に成り立つ肉体を使う競技は形骸化していき、UFCとか、始まった時は野蛮と称されたが、危険な攻撃以外はほとんどOKなルールだったから、個性が出た今でも大人気だし、ヒーローという職業ができた為、それが今の娯楽になっている。

 

個性の使用が禁止されている警察もそれを盛り上げている。最初は警察も個性を使おうというのが世界中の世論だった。でもメキシコやアメリカを初めとする各国の警察の汚職問題から始まった反社会勢力の個性犯罪の暴走。更に深刻に苛烈した差別。何よりイスラエルのモサドが世界初の個性による暗殺をした結果、世論は完全に逆転。

国家権力が個性を使用していいのかいけないのか、二極化してしまい、当時は全人類に関わることだから、人類全てで投票した結果、僅か1000票という差で国家権力が個性を使用するのが禁止になった。

今でも内乱や紛争、治安が悪い所では個性を使ってる国家権力が存在する。

 

話が大分ぶれちゃったな、要するに個性なくして個性には対抗できないと思っていたんだ。

何故なら、もしそれが可能なら、ヒーローなんて要らないから、でも師匠が僕の知識を広げてくれたんだ。

 

まぁ、新しい発見と毎日倒れる直前にギリギリ観ることが出来てるオールマイトの最新情報とヒーローNEWSだけが心の支えになってる。

 

 

 

 

 

因みに僕は今、崖を絶賛登ってる途中だ。

また、あの球体に追われながら・・・

本当に1ヶ月もこんな修行をしていると否が応でもなれてしまう。

人間の慣れって恐ろしいな。

 

そうこうしている間に僕は、崖登りの修行を終えた。

まだゼェゼェ言ってるが1ヶ月前に比べたら大分体力がついてきたと思う。

 

「出久よ、大分慣れてきたな」

 

「そりゃ、こんだけやってるんですよ。慣れますよ」

 

「予想より早いがよい傾向じゃ、これより修行の量を更に厳しくする」

 

ええー!?

 

「明日からは、この更に重くなった特製バンドを使うのじゃ」

 

ズシッ‼

 

僕が今使ってるやつよりも更に重いぞと言わんばかりのバンドが、師匠の手から落ちて地面にめり込む。

 

「重さは全部合わせて三十キロじゃ」

 

「師匠!一年は二十キロって言いましたよね!?」

 

「何を言ってる?わしは、一年はこれをつけてもらうと言っただけで、二十キロを一年とは言うておらんぞ」

 

「で、でも僕の体つきの問題も・・・」

 

「じゃから、予想以上に早い段階でついたのじゃ!恐らくは亀仙豆を毎日食べておったから、次の日に疲労することなく、毎日徹底して鍛えられたからのう。さぁ、早くつけるんじゃ」

 

僕は、流石に1ヶ月も師匠の元で修行をしてたから、この程度の無茶にははっきり言って、諦めがつくようになり、重りが重くなる所で、全く気に止めなくなった。

 

僕は、バンドを全て新しいのに変える。

 

「師匠、替え終りました」

 

「うむ、早朝の修行は終わりじゃ。はよう朝飯を食べて学校に行きなさい」

 

はい!

僕は慣れたお陰で早朝は何とか元気に過ごせるようになってきたので、僕は、ゆっくりと家に戻る。

 

⚫⚫⚫

俺は、1ヶ月間前に人生で一番の衝撃を喰らった。

来年から中学に上がるから、何となく服を買いに行こうと町中を母さんと歩いていたら、敵が出て来て、逃げてる時に母さんとはぐれちゃって、一人で不安で、腰が抜けちゃって、その場に座り込んだんだ。じっとしてれば安全だと思って、

 

でも、敵が襲ってきて、俺は逃げることも出来なくて、そしたら通りすがりのじっちゃんが、助けてくれた。

敵を拳一発で倒しちまったんだ。

 

すげぇって思った。

 

オールマイト以外でこんなのができる人がいるなんて、カッコいいって思った。

 

その後は、事情聴取をされたが、ほとんど覚えてない。

 

じっちゃんの衝撃が凄すぎたんだ。

 

また、会おうとして、んで俺もヒーローになりたいから、強くなりたいから、簡単な強くなる方法でも教えてもらおっかなって思って、学校が休みだったから今日もあちこち早朝から探してて、ようやく見つけた。

 

何か、俺と同い年のやつもいたけど、そいつがいなくなってから、俺は、そのじっちゃんの所に行った。

 

 

 

⚫⚫⚫

 

僕は、学校が終わると直ぐに修行を再開しようと、海岸に行ったら、見知らぬ同い年の子がいた。

 

僕は、その子が誰だろうと思いながら、師匠に近づく。

 

「出久よ、戻ったのか?」

 

「はい!あの師匠、聞きたいことがあるのですが?」

 

「おお、そうじゃった。出久に紹介しよう。電気!ちょっとこっちに来なさい」

 

謎の男の子・電気がくる。

ただし、例の球体に追われてるけど?

言い方、おかしいかな?

 

「なんだよ、じっちゃん?!てか、これを止めてくれ!」

「しょうがないの」

 

師匠は、圧倒的な早業で球体を止める。

最近、人間じゃないように思えてきた。

 

「出久?何を考えているのじゃ?」

 

「げっ!?」

 

「お仕置きは後で考えるとして・・・電気よ、こやつがわしの弟子の一人の緑谷出久じゃ」

 

電気と呼ばれた少年はまじまじと僕を見る。

 

「何か、思ってたよりもひょろひょろしてる」

 

「ひ、ひどい!」

 

この1ヶ月でマシになったのに・・・

しかも初対面なのに

 

師匠は、男の子の頭を杖で叩く。

 

「いてっ」

 

「失礼な事は言ってはいかん」

 

男の子は、こっちを睨みながら頭を下げる。

 

僕も睨まれたから、睨み返す。

 

火花が飛び散ってるみたいに、僕たちの視点は交差する。

 

「出久よ、新しい弟子の上鳴電気じゃ」

 

あ、新しい弟子!?

 

弟子は普通取らない主義じゃ!!?

 

「主義を曲げるほどの信念が見えたんじゃ」

 

僕の心を読み、カッコいい事を言っている師匠だが、その時、背中から何かを落とす。

 

慌てて拾おうとするが、その前に僕はそれが何か分かった。

 

 

 

 

 

 

 

エロ本だ

 

 

 

 

 

 

 

 

「師匠、買収されましたね?」

 

師匠は、エロ本を隠して、咳払いをする。

 

「出久よ、時には柔軟さも必要なのじゃ」

 

「カッコつけて言う台詞と状況じゃないでしょ!?」

 

何て、師匠だ?

 

「まぁ、とにかくこれから電気も加わるのじゃ、はよう挨拶を互いにせい」

 

僕と上鳴君は、互いに互いを睨んだまま、お辞儀をする。

 

「緑谷出久です」

 

「上鳴電気です」

 

僕たち二人の出会いは結構アバウトな感じだ。

でも、これからが本当の始まりだったんだと今では思う。

 

 




はい!という事で、ライバルとして、上鳴電気を登場させました。
理由としては、爆豪や轟では元が違いすぎるので、出来ず、女子だと亀仙人が暴走しそう。
他の男キャラの切島とかは?と誰かが思ってるかもしれませんが、切島も対人は強いですから、
で、対人もあんまりで理論派な出久の反対に近い感覚で考えてるタイプの上鳴が上がりました。
後、個性も意外に強力なのも話が作りやすいので、
クリリン的な入り方も違和感がないと思いますし、
まあ、上鳴が単純に好きなのも理由です。
1ヶ月に一回更新を目指してそれでは皆さんさようなら。

批判、絶賛何でも気軽に書いてください。

活動報告にドラゴンボール超ブロリーの感想と新企画を書きましたのでぜひ見てください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

己を信じよ!出久の悪夢!

皆さん、新年初投稿です。
2018年には間に合いませんでしたが、景気付けに一発いきます!


2ヶ月、僕と上鳴君は、師匠のきつい修行に耐えていた。

初日に上鳴君は僕と同じ修行を全部浴びて死にかけていたが、死者すら生き返りそうな豆で強制的に回復させられ、あれから、一緒に修行している。

 

今は1日の修行が終わって、これからぐっすり寝ようとして、ベットの中だ。

 

はっきり言って、僕は上鳴君が好きではない。

かっちゃんよりもマシではあるが、好意的に見ていない。

修行の最中に常に軽口を叩くあの癖など、僕とは全てにおいての正反対。

性格・・・・そして個性

 

個性『帯電』

 

とてつもなく恵まれ過ぎているとしか言い様のないほどの良い個性だ。

 

個性を伸ばし続ければ最強に成るんじゃないか?

スタンガンな使い方だけじゃない、例えば雷を纏う個性だから、雷が進む速さに自分を乗せれるのかも知れない。

簡単に言えば、雷に近い速さでの高速移動。

まさに漫画上の業だ。

確か握力×体重×スピード=破壊力って考えがあったと思う。

握力と体重はわからないがスピードに関しては、最強になるから、破壊力も極限になると思う。

自分で仮定すると、5段階にして、

握力が3、体重は2、スピードは3だ。

3×2×3=18

上鳴君は、握力が2、体重は3、スピードが4だ。

2×3×4=24

僕より破壊力が上だ。

結局は仮定と推測の域を出ていないが、もしそうなったら、僕は彼に対して死ぬほど嫉妬して、自分がワケわからなくなるくらいに・・・

今、こうして考えている事すら駄目なんだ。

 

 

 

 

 

でも、彼を見てると思うんだ。

僕に着々と近づいてくる彼を見てるとホントに思うんだ。

自分は、無個性でも強くなれるのかと、強くなって個性を使ってるヒーロー達と並べるのか?

敵から皆を守れるのか?

 

 

 

 

 

最近は、そんな事をずっと考えてしまう。

実際に1ヶ月のうちにあった、僕と上鳴君の身体能力の差はほとんどない。

このままだったら・・・

 

[出久の夢]

暗い、夜とか暗闇とかそんなレベルじゃないってほどに暗い中で、師匠と上鳴君の前に座っている僕。

 

「じっちゃん、こいつ俺より先に弟子になったのに、今や俺よりも遥かに劣ってるぜ」

 

上鳴君、そんな事を言わないでよ。

僕がそんなの一番理解してんだから、言わないでよ。

 

「そうじゃのう・・・電気よ、ワシの心を1発で掴んだ処世術だけでなく、今までの弟子でもっとも早熟なお主の才能!これからは、主だけに集中しよう」

 

そんな!?

僕は、まだ強くなってないのに・・・

 

「し、師匠!」

 

何で、二人とも僕に背を向けるんだ?

お願いだよ。

頼むから、もう僕を見捨てないでくれ!

 

「去らばじゃ、最も何もない弟子よ」

 

そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな

 

 

そんなの嫌だーーー!!!

 

僕は、全力で二人を・・・師匠を追いかける。

 

でも全然、追い付かない。

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

 

そして、気づけば僕は、天井に手を伸ばしていた。

 

頭が急速に冷えていく。

もやもやしている、まるで酷い車酔いを味わってる気分だ。

自分が本当に嫌になってくる。

上鳴君は、全く悪くないのに・・・僕は本当に駄目だな。

何をしても、結局は誰かを妬んでしまう。

これは、僕の性分なのか?はたまた師匠がずっと言ってるように自分を信じてないから、人と比べてしまうのか?

僕にも何だかわからない。

とにかく、こんなんじゃ明日の修行に身が入らない。

今日はもう寝よう。

明日は学校がないから、思いっきり修行に専念できるし、師匠が新しい修行をするって言ってるんだ。

 

さっさと、寝ないと・・・

 

意識を手放して、僕は暗い眠りにつく。

悪夢すらみない暗い夢だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

燦々と照される太陽にとてつもなく青い空。

雲一つない、見事な青。

ここまで、青いのはなかなかない。

今は、3月。

出久も電気も二人とも4月から中学生に上がり、3年間を修行と雄英合格の為に全てを捧げるに近い3年を過ごす。

その為の足掛かり的な1日が始まる。

出久と電気、亀仙人の三人は、ある程度片付いている砂浜にいた。

二人とも以前とは比べ物にならない位に絞りこまれている体型になっており、無駄がほとんどない。

そんな二人に亀仙人は、サングラスをキランと耀かせて、二人を見る。

 

「出久と電気よ。二人ともこれまでの修行をよく頑張った。これより、修行は新しい段階に進むぞ。覚悟は良いな!?」

 

「はい!」

 

「おう!何でもかかってきて良いぜ!」

 

「では、電気には地獄が生ぬるい・・「すみません、調子にのりました」・・全く・・・・」

 

「上鳴君・・・」

 

調子に乗る電気に呆れる出久。

 

この二人は2ヶ月一緒に修行してきたが、だいたいこんな感じだ。ウマもそりもなかなか合わない。

 

亀仙人は二人を見ながら、口元を一瞬緩ますも、直ぐに元の険しい顔つきに戻す。

 

「二人とも、今日からの修行は、今までの修行に新たな修行を足すから、それまではいつもと同じじゃ、それじゃ行くぞ!」

 

三人はいつもの修行をする。

 

特に変わった事はないが、一つだけ違うのがある。

それは、出久が隣にいる電気を時々、焦っている目で見ている事だろう。

亀仙人もそれを見ながら、髭を撫でていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

上鳴君と共に修行を終えて今は午後3時。

互いに学校がないと、最近はこんな時間になっている。

昨日までは、これで修行が終わり、亀仙豆を食べて体を休めていたが、これからはどんどんきつくなると思う。

今は、体を休めて座って、海を見ていた。

師匠も上鳴君も近くにはいない。

多分トイレだと思うが、

これからを考えるよりも僕は別の事を考えてしまう。

 

僕の隣をずっと走っていた上鳴君。

間違いなく、僕より速くなっていた。

僕は彼より早くに鍛えていたのに何でなんだ?

体の動かしかたがまだ違うのか?

一体何で追いつかれたんだ?

考えても考えてもわからない。

どうして?

 

「悩んでおるようじゃの?」

 

僕は、慌てて後ろにいる師匠を見る。

何で?

さっきまでは人の気配が全くしなかったのに・・・

 

「主ぐらいでワシの気配を気づくようになるにはまだまだ修行が足りんぞ」

 

「す、すみません」

 

「で、何を悩んでおる?」

 

師匠にこの事は知られたくないな、人に対して嫉妬してるなんて事は知られたくない。

 

「ワシをなめるんじゃないぞ、主の考えなんて手に取るようにわかるぞ、話してみなさい」

 

げっ!?

何で詠むんだよ。

知られたくないのに・・・

 

「主は今、自己否定に近いことをしておるからの弟子のそのような事を止めるのも師匠の務めじゃ」

 

ああ、もうどうにでもなれ!

上鳴君はいないよな?

 

「電気はもう少しかかるぞ」

 

ちょっと安心・・・よし!

 

「上鳴君に対して嫉妬してます」

 

「それで?」

 

「焦りを感じております」

 

「そうか・・・」

 

「今日の修行で、上鳴君は僕の隣をいました。ずっと・・・僕は上鳴君よりも早くに鍛えていたのに追いつかれて・・・鍛え方が足りなかったのでしょうか?・・・それとも・・・「それ以上の悲観は、二度と戻れなくなるぞ」・・・すみません」

 

「人に対して嫉妬するなとは言わんが、嫉妬しすぎるのも自分を腐らせるだけじゃぞ・・・」

 

「はい」

 

「そして、自分を信じないのも駄目な事じゃ、それは業を鈍らせて本来の力を失わせる」

 

「はい・・・」

 

「自分を信じるのじゃ」

 

自分を信じるってどうすれば良いんだ?

どうしたら良いんだっけ?

 

「ワシが良いものをみせよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

僕と電気君は、師匠に言われて、100M走の準備をしている。

何故か、師匠に自分の感情を暴露したあとにこうなってしまった。

何でも僕たち二人の地力を測るためって言ったけど、彼は僕よりも早い。

荷物の持ち方とか、そんなんで今まで僕は隣にいたけど・・・これで僕より速かったら、あの夢とおんなじになるかも・・・

そしたら、僕は立ち直れるかな?

明日も修行出来るのか?

 

「いやー、楽しみだな!?緑谷!」

 

「そうだね・・・」

 

相変わらず、元気だな。

 

ホントに根暗な僕とは正反対だな。

でも、僕だって今まで決して怠けていた訳じゃない。

必死に頑張って来たんだ。

意地でも敗けない!

 

「二人とも用意は良いか?」

 

師匠が、100M先にいる。

あそこまで、全力疾走。

頑張る。

僕にだって意地はある!

 

「よーい、どん!」

 

僕たちは、全力疾走で進む。

 

互いに互いを見る余裕なんて物はない。

敗けない!

そんな意地で、必死に走った。

 

そして、僕は上鳴君よりも先にゴールに着いた。

 

「8秒6」

 

師匠の声を聞いて、止まると

 

「10秒1」

 

「ぜぇぜぇぜぇ」

 

上鳴君が到着した。

 

「速いな、緑谷」

 

「あ、ありがとう」

 

上鳴君に褒められるとなんかむず痒いな。

 

僕は、思わず視線をそらすと、師匠がこっちに歩いてくるのが見える。

 

「よし、二人とも速いぞ」

 

「はい」

 

「やり~」

 

「ほっほっ、二人とも何故差が出来たのかわかるかの?」

 

「じっちゃん、教えて~」

 

「早すぎるぞ!電気!もっと頭を使わんか!」

 

「えー、まどろっこしいな」

 

「全く・・・・出久は?」

 

え?足場が砂浜なのが影響してるのか?

でも、それがなんか影響しているのか?

 

「考えは近くなったぞ」

 

「だから、心を詠まないで下さい」

 

「じっちゃん!個性の無断使用はダメだぞ」

 

師匠は目をそらすが、直ぐに戻して、

 

「出久が、電気より速かった理由は、下半身じゃ」

 

「カハンシン?」

 

「下半身・・・ですか?」

 

「そうじゃ、全ての武術の基礎は下半身にある。何故なら人は昔から二足歩行じゃから、武術も自然に下半身が重要になってくるのじゃ・・・主たちの下半身は、常人よりも強靭になってきているが、出久は電気より1月早くに鍛えていたその成果が出たのじゃ・・・このような砂場はそれを測るにもってこいじゃしのう」

 

成果がでた

 

出ないと思っていたのに・・・

 

「予想もせぬところで成果が出る・・・これが修行じゃぞ・・・出久」

 

「・・・はい・・・」

 

もう、僕は迷わない!

僕は自分を信じる。

上鳴君が何だ!

僕は僕なんだ!

 

 

●●●

どうやら、殻を破ったようじゃのう。

出久よ、他人は結局、どこまで行っても他人なのじゃ。

悟空とクリリンのような友でも己の道を歩み続けておる。

他人と比べるのは決して悪いことではない。

そうすることで実力以上の力を出す者もおる。

じゃが比べすぎるのも己を見失うのじゃ、確固たる自分を信じた上で比べないと、己が崩壊するからの・・・

しかし、出久はともかく電気はかなり速かったのう

 

●●●

砂浜にいる三人。

出久と電気は座り、亀仙人は二人の前に立っている。

出久はノートをいつでもとれる体制で、電気はリラックスした状態でだらんと座っている。

 

「お主達にこれから教えるのは、自らの力を引き出す術とでも言おう。それの技術があれば、人よりもさらに強靭になる。また拳や蹴りに載せれば、とてつもなく強い。ワシの知っている者達は、長い年月をかけてこれを無意識のうちにできるに至るようになっており、ワシの他の弟子達にも長い年月をかけて、そのようになったがお主達には時間がない。戦っている最中に出きることになる可能性はあるが、一つ間違えれば死を招く生き方には向いておらん。よって、ワシがこの三年でお主達を徹底的に鍛える!覚悟は良いな!?」

 

出久と電気は、それぞれ正座に座り直して

 

「「はい!」」

 

勢いよく返事をする。

 

「よし!・・・二人とも、とりあえずは楽な姿勢になりなさい。これから行うのはかなり、辛いのでのう」

 

出久と電気は、正座から胡座にして、深呼吸したあとに亀仙人を見る。

亀仙人は、亀の甲羅を脱ぎ、二人の前に胡座をかき、両手を出す。

 

「よく見るのじゃ」

 

亀仙人の出した両手から、光が出て、それが徐々に輝きが大きくなる。

この不可思議現象に出久も電気も言葉を失う。

 

「これは気じゃ」

 

「キ?」

 

「キって木か?」

 

「上鳴君、何考えてるかわからないけど、とりあえずそれは違うと思うよ」

 

「この光は己の生命力を表しておる。光が大きく強く輝けば輝くほど、己の力を引き出す」

 

亀仙人は、そういい、両手の中にあった輝きを消し、二人を見た。

 

「これからが本当の始まりじゃぞ」

 

「「はい!」」

 

「(もう僕は迷わない!)」

 

出久は亀仙人に対して今まで以上に決意のある目で彼を見るが、電気はそんな出久に対して、拳を握りしめていた。




という事で、出久の内面がどんどん出てきますね。
出久のこの悩みを書こうと思ったのは、出久の元々の性格とドラゴンボール超の漫画版の8巻を見ていけると思ったのでやりました。
因みに、補足ですか、二人ともやっと悟空とクリリンの初期の運動神経になりました。
こっから先は、敢えて悟空やクリリンとは違う道に行きます。目指すものが二人と違うので・・・
それでは皆さん!今年も良い年にしましょう!
次回は上鳴編です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

個性の呪い!?上鳴電気の稲妻!

遅れて申し訳ありません!
ですが、皆様の評価が高く、嬉しいです。それでは、どうぞ






気の修行を始めてから、3ヶ月。

出久と電気は、中学生になり、それぞれ修行も学校生活も頑張っていた。

 

そんな彼らが今、何をしているかと言うと、二人とも出久の部屋で勉強をしていた。

亀仙人は、そんな二人を見守っていた。

 

事の発端は3日前。

気の修行をする前の今までの修行をしていた時の事だ。

出久と電気は、中学生になってから毎日、帰宅をせずに修行場に直行する。勿論、親の了承は取ってあるが、亀仙人としては、修行に専念できる事のメリットもあるがデメリットも勿論ある。

 

それは、二人の勉強である。

 

亀仙流はよく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休むがモットー。故に悟空やクリリンの時もある程度の読み書きや算術、金銭面の価値などを行った。

クリリンは元々そこら辺も鍛えられていたから良かったが、亀仙人は今でも悟空を勉強させといて良かったと思っている。でないと悟空の嫁のチチが大変だったと感じている。

金関係はチチが全面的に手を握っているが、例えば野菜の売り買いの時に八百屋から金を受け取ってくるのは基本的に悟空だ、金の価値を知らないと今頃チチが泣いていたと思う、まぁ、他の人も人柄が良いのも理由ではある。

しかし、この世界は違う。

 

完全に頭も良くないと苦労する世界だ。

だから、二人の勉強の具合が心配なのである。

 

●●●

二人の勉学関係の状況が気になり、わしはそれとなく、二人に聞いてみた。

 

「二人とも、少し聞きたい事があるんじゃが・・・」

 

二人はわしの声を聞くと修行を止め、こっちに顔や体を向ける。

 

「二人とも勉学の方は大丈夫なのか?何しろ勉学に関しては、簡単な事しか教えられんのでのう」

 

出久も電気もわしの言葉に思う所があったのか、顔を下に向ける。

 

「実を言うと、少し悪くて・・・」

 

「修行がきつかったし・・・」

 

「馬鹿者!!修行を勉学の妨げと言うんじゃない、それは自分の管理が出来ていない主らのせいじゃ」

 

わしが二人を睨むと二人は更に静かになった。

全く、勉学が励まない理由に修行を使うとは・・・

 

「出久に電気をこの前、テストがあったと聞いたぞ」

 

「「はい~」」

 

「今日の修行はこれまでじゃ!!今すぐ、そのテストを持ってきなさい!!もしも、勉学が必要と判断したら、それも今後の修行に組むからの!!」

 

「「は、はい!!」」

 

この世界は、完全に教育熱心と知っておったから、大丈夫かと思ったが、やっぱりか・・・・・

 

明日からは勉学の時間も考えねば

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

僕と上鳴君は、師匠に言われた通りにすぐに家に帰り、テストを持ってきて、修行場に行く途中に合流した。

 

修行場の気の修行は今は裏山でやっている。

 

人目につきにくいからね。

 

「しっかし、じっちゃんも急に酷えよな?急にテストを持ってこいだなんて」

 

「しょうがないよ、学生の本分は勉強なんだし・・・」

 

「でもよ、勉強はその気になればすぐに出来んじゃん」

 

「勉強も時間をかけないと、頭に入らないよ?」

 

上鳴君は嫌な顔をしながら、耳をふさぐ。

どうやら、耳に痛いようだ。

 

まぁ、僕もだいぶ耳が痛いんだけど、しょうがないか・・・

 

 

そんなこんなで・・・・

 

僕たちは、互いのテストを師匠に見せていた。

師匠は、詳しい事がわからないからと言って、平均点と赤点のラインを知りたいと言い、今は僕のテストを見ている。

 

因みに僕の所はかっちゃんが毎度お馴染みの全教科95以上でぶっちぎり。

僕は修行も忙しかったから5位だ。

小学生の時は2位だったんだけどな。

平均は総合で388点。

一応、平均点以上で問題なかったけど、落ちたんだよな~

 

赤点のラインは1教科30点。

 

そんなこんなで師匠が僕のテストを見終わったのか?

纏めていた。

 

「出久は問題なさそうじゃな」

 

「ありがとうございます」

 

「この調子で、無理をせずに焦らずに頑張るが良い」

 

「はい!」

 

「さてと、次は電気か?」

 

上鳴君は、なんだか顔面が青白くなっていた。

もしかして相当ダメだったのかな?

 

●●●

俺は、じっちゃんに自分のテストを見せてたけど、実を言うと、本当に悪いんだ。

 

まじで総合点は平均点まんまの350点で、赤点の40点ギリギリの教科もある。

 

じっちゃんのウナリ声が聴こえてくるぜ。

 

「電気よ、一先ず赤点がないことは嬉しく思うが、これでは主の夢は遠くなるぞ」

 

 

グサ!

 

気にしてる事を・・・

 

「電気に、出久よ。一言言っておくが、ワシはあくまでも手助けしか出来ぬが、全力で手助けをするのがポリシーじゃ、故に修行も厳しい」

 

当たり前じゃねーか、だから必死で・・・

 

「電気よ、当たり前じゃが、勉学を疎かにしろとは言っておらぬぞ」

 

「心を読むんじゃねぇ」

 

「主らには今日から毎日二時間の勉学の修行もつける!勿論、ワシはわからぬから見るだけになるが、全ての修行の終わりに勉学をせねば今の主たちの根性では、とても夢の入り口にも行けぬわ!」

 

勉強なんて、3年から始めてもどうとでも・・・

 

「どのみち、主らが3年の時は総仕上げの段階に無理矢理でも入るからの、勉学の時間はほとんど無い」

 

ズーン

 

とてつもなく重てぇ絶望が俺の精神に来る!

 

一体どんな地獄を!?

 

「今日の修行はこれまでじゃ!!今すぐ勉学をして互いをサポートし合うように!」

 

じっちゃんの一言で強制的に勉強になった。

 

それよりも気について教えて欲しいのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

冒頭に戻り、出久と電気は共に勉強をしていたのだ。

そんな中、電気は背を思いっきり伸ばし、ペンを置く。

 

「ちょっと疲れたな緑谷」

 

「もう二時間はやってるからね」

 

出久もペンを置く。

亀仙人も首をコキコキ鳴らしながら二人に近づく。

 

「二人とも今日の勉学はこれまで、電気も帰ってゆっくりしなさい。わしが送っていこう」

 

「おっ?じっちゃんサンキュー」

 

電気は直ぐに帰りの支度をして、出久の家を亀仙人と共に出る。

 

 

夜の道でまだ肌寒い風が流れる。

 

「じっちゃん、聞いてもいいか?」

 

「なんじゃ?電気?」

 

「明日の修行ってまたいつも通りか?」

 

亀仙人は髭を触る。

 

「いや、明日は気の修行だけでやるつもりじゃ。二人とも体はだいぶ付いてきたからの、明日は朝昼晩全て気の修行にあてがうつもりじゃ、亀仙豆は無しでの、体力と回復力を更に上げなければ成らぬからの」

 

そう、二人とも亀仙豆のお陰で筋肉や体つきは無駄がなく、超人的になってきたが、体力が上がったのかと聴かれれば少し答えが困ると言った所だ。

 

勿論上がってるし、回復力も今までに比べたら桁違いに上がってはいる。しかし、亀仙豆を使いすぎで、少し比例が取れていないのが正直な所だ。

 

こういう比例はきちんと取れていないと後々苦労する。

実際に簡単な例えを出すと、悟空やベジータ、トランクスがセルの時にやった極限的なパワーの底上げがこの問題の果ての結果である。

故に亀仙人も気の反復の修行で体力と回復力を底上げしようと言うのが魂胆だ。

 

「よし!」

 

喜ぶ電気に、亀仙人は笑みを浮かべる。

 

知らない第三者から見たら、きっと祖父と孫を答えるであろう。

 

こうして、二人は夜の道を歩いていく。

 

しかし、その先は深い崖があることも知らずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

日曜の早朝4時。

まだ、薄暗い朝の浜辺。

 

今日も厳しい修行を越えていくため、僕と上鳴君は、師匠の前に体育座りしていた。

 

「よし、二人とも今日の修行は全て気の反復の修行とする。電気は光を出すように、出久は今日は光を五時間は出し続けるように、始め!」

 

よし!やってやる。

 

●●●

気の修行を始めてから、3ヶ月。

大体の二人の近況は、

 

緑谷出久・・・・・光を出せるようになり、徐々に時間を延ばせるようになってる

 

 

上鳴電気・・・・・気の修行を始めているのにどういう理由か、稲妻が光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

くそ!どうなってんだよ!

 

何で全く、光が出ねぇんだよ!!

 

くそっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんなに必死で修行してるのにどうして!?

 

そんな事を考えてる。

 

だって同じ時期に始めた緑谷はもうすでに五時間以上続けるところまで言ってて、俺は全くの駄目だ。

 

何でなんだよ!!

 

どうして!?

 

何で!?

 

今、人生で一番暗いことを考えてんなぁ。

 

俺の心を詠んだのかどうかはわからないが、俺は内心焦りまくっていたから、じっちゃんが近づいている事にすら気づかなかった。

 

「電気よ、どうしたのじゃ?」

 

「じっちゃん・・・」

 

「焦らずにじっくりすれば良い」

 

「でもよ・・・」

 

「大丈夫じゃ、主なら出来る」

 

そんな事言ったってよ、結果が出ねぇと信じられねぇよ。

 

俺は、一先ず水を飲みにその場を離れた。

近くのトイレの水道で、頭を冷やしてたら、緑谷が来た。

 

「上鳴君、大丈夫?」

 

「大丈夫だぜ、緑谷・・・俺は・・・」

 

「それなら、良かった」

 

緑谷の野郎、何だよ?その余裕は?

 

あー、駄目だ。ヒーローになるのにこんなくだらない八つ当たりは駄目だ!

 

話を切り出して、冷静にならないと・・・・

 

「なぁ、緑谷。気の持続ってやっぱり疲れるか?」

 

「うん、結構・・・」

 

「俺も早く出してぇよ」

 

「大丈夫だよ!上鳴君なら出来るよ」

 

何だよ、その根拠のねぇ言葉は・・・

 

「だって、僕よりも凄いんだから・・・」

 

ブチッ!!

 

何かがキレた。

 

今思えば、色々とストレスが自分の知らない内に溜まってたんだと思う。

 

だから、俺は冷静になってない頭で動いて、緑谷の胸ぐらを掴んだ。

 

「僕よりも凄いって!?本気で言ってんのかよ!!こんなにバカにされたら、誰だって怒るぞ!!」

 

「そんな、僕は純粋に・・・」

 

「ふざけんな!俺よりも・・・・俺よりも・・・・」

 

頭にきたから、俺自身何を考えてたのかよく分からない。

でも、これがなかったら、今はこうならなかったと心から思う。

 

「俺よりも才能が有るくせに勝手なこと言うな!!お前に何も出来ない俺の何がわかる!!?」

 

緑谷は、この時始めて俺に対してキレた。

 

「ふざけんなよ!何も出来ないだって!?君こそ勝手なこと言うな!!」

 

「んだと!?」

 

緑谷と俺は取っ組み合いをする。

互いに力が強くなったが、武術なんてまだ教えて貰ってねぇから、互いに掴み合って押すぐらいしか出来ない。

 

でも俺たちの体は思ってる以上に強くなってた。

 

壁に相手をぶつけたら、壁が少し崩れるんだから、かなりの物だよ。

 

俺も緑谷も互いにこんな風に力を使うのは始めてだったけど、俺達は冷静になれなかった。

だから、思いっきりやってた。

 

「何をしておるのじゃ!!!」

 

じっちゃんが、俺達をぶん殴って止めた。

俺はまだやろうとしてた。緑谷もだ。

でもじっちゃんが間に入り、止めた。

 

「武術を喧嘩なんぞに使うんじゃない!お主たちの力は、こんなことの為にあるのか!?」

 

その言葉を聞き、俺達は修行場に戻った。

 

●●●

思いっきり、喧嘩をした。

僕の人生で始めてだ。

 

師匠に止められて、僕たちは修行場に戻って今、師匠の説教を受けてる。

だが

 

「お主たちは、それが人を導く人間になろうとする者のあり方か!?」

 

「うるせぇよ!じっちゃんは黙ってろ!!」

 

「お主が黙れ!」

 

上鳴君は、師匠と思いっきり喧嘩をしている。

 

「大体、お主の問題を出久に八つ当たりしたのがそもそもの問題じゃ!!」

 

「こっちだって一杯一杯なんだよ!!何で?こいつは出来て俺は一向に光の欠片すら出ねぇんだよ!?個性はずっと出るのに!!?教えてくれよ!?」

 

師匠は顔を下に向けて髭を触る。

上鳴君は、よっぽど焦ってるのか、師匠に近づく。

 

「頼むよ。じっちゃん・・・」

 

師匠はその言葉を聞いて、上鳴君の方を見る。

 

「お主の個性じゃ・・・・」

 

「えっ?」

 

「お主の個性が、気の流れを邪魔しておるのじゃ・・・どうやら、個性を持つ者は気の発現や大きさが小さいらしい」

 

「そんな・・・じゃ、緑谷は・・・」

 

「お主に言っていないが、出久は無個性じゃ・・・」

 

そう、僕は上鳴君に無個性だと言うのを言っていなかった。何故かって今までの経験が全てだ。

この世は、無個性だと差別をされる。

教えたくはなかったんだ。

 

上鳴君は僕の方を一度見て、また戻る。

 

「じっちゃん・・・」

 

「じゃが、お主の個性を上手く使いこなせれば、良いのじゃ!ワシの亀仙流が全てではない!」

 

「で、でもじっちゃん。俺はじっちゃんに憧れて来てるんだよ・・・じっちゃんみたいになりてぇから・・・」

 

「・・・電気・・・」

 

「・・こんな自由に操れねぇ個性なんていらない・・・こんなんだったら、俺は無個性が良かった!!!」

 

ブチッ!!

 

その言葉を聞いた瞬間、僕は頭が真っ白になり、気がついたら、上鳴君をぶん殴ってた。

 

上鳴君が、宙を舞い、倒れて、頬を手で押さえて僕を睨む。

 

けど、僕だって、頭にキテるんだ!!

 

「君に無個性の苦しみの何がわかる!!?・・・そんな力を持ってるのに何で!?」

 

上鳴君は呆然としている。

 

師匠は僕の前に来て、僕にビンタをした。

 

「怒りに任せて力を使うなと言ったばかりじゃろうが!!」

 

「すみません・・・」

 

「電気も、出久も、互いの問題を互いに押し付けてばかりじゃ!!そんなんでヒーローになれるのか!?」

 

僕たちは互いに何も声を出せない。

 

「お主達にある課題を出そう」

 

「課題ですか?」

 

「一週間後、ワシとお主達で勝負をする・・・ルールは五時間以内にワシの物を取れば良い・・・もしも取れなければお主達は破門じゃ」

 

「「そんな!?」」

 

師匠はそう言うと、消えた。

 

僕たちは、朝の陽射しの明るい景色の中で暗く沈んだ。




という訳で、上鳴編が始まりました!
皆様に謝罪を言います。
この話、自分でも強引と思ってはいるのですが、なにぶんプロの小説家でもないので、暖かく観てくだされば幸いにございます。

個性があると気が上手く出来ないというのは、そうしないと出久と上鳴の比例が取れないからです。

この設定はこれからも使います。

あと、個性があるとドラゴンボールのかめはめ波が撃てないとかはありません。あくまでも出すのと量が少ないだけですし、個性と合わせれば更に強力な物も普通にできます。
要はただのケースバイケースです。
まぁ、細かい技は流石にきついですが。



最後に、皆様の熱い批評や感想に感謝を込めて
ありがとうございます!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二人の未熟者

すみません!
予想以上に難産+大学が忙しくなり、このまま行くと永遠に投稿できなさそうなので、最低限の変化は出来ましたから、投稿します。
誠に申し訳ありません‼


太陽が照らされている海岸に出久と電気は、互いに向き合っていた。

 

亀仙人の突然の宣告に二人とも頭が追い付いていなかったのだ。

互いに互いの傷を自覚無しに抉りあった結果がこれである。

当たり前だ。

亀仙人は、確かに最低な部分もある。

しかし、根本にある信念は誰よりも強靭である。

どんな強い敵にも折れず。

どんな苦難にもめげず。

武道を育て上げた立派な人間である。

 

出久も電気もヒーローに成りたい。

しかし、ヒーローとは聖人君子の象徴である。

どんな苦難にもめげず。

例え勝てないとわかっていても立ち向かわなくてはいけない。

人々の前に立ち、人々の希望になり、救世主に近い存在になる、なってしまうのだ。

 

二人は、お互いの問題を他人に八つ当たりをしてしまった。

出久は、己の無個性の問題を電気に当たってしまった。

電気は、己の気の問題を出久に当たってしまった。

 

勿論、互いに互いが傷に塩を塗りあったから、納得はできる。

 

しかし、彼らはヒーローになろうとしている武道家になったのだ。

 

ヒーローに憧れ、亀仙人の元で修行を決意したその時から、彼らは武道家なのだ。

 

そしたら、もう自分の体でも自由には使えない。

 

その手足は、人を救うために・・・

その心は人を導くために存在するのである。

 

まだ、子供とか言うのは通用しない。

 

出久も電気もそれをわかっていないのだ。

 

 

出久は、電気に近づき、止まる。

どう声を掛ければいいのかわからない。

生まれて初めての喧嘩で友達もいなかったから仲直りの 仕方がわからないのだ。

いや、知ってはいる。

ごめんなさいと言うだけだ。

でも、どんな時に言えばいいのかわからないのだ。

 

電気は、出久を見る。

一緒に修行して5ヶ月、これが始めての喧嘩である。

彼も謝る時がわからない。

出久よりもわかってはいる。

しかし、彼にとってみれば今回は出久から始めたと思っている。

頭では自分も悪いと理解しているが、心が納得していないのだ。

故に、これからどうすれば良いのかわからないのだ。

 

沈黙の時は永い。

 

電気は、立ち上がり、出久に肩をぶつけて、その場を去る。

 

出久は電気を追いかける。

 

「来るな!」

 

電気は出久の方を向き、吼える。

 

自分でもらしくはないと考えているが、それほどまでに電気は冷静ではないのだ。

 

「お前なんか、大っ嫌いだ!!」

電気は、そのまま去っていく。

出久は、その場で立ち止まる。

 

 

 

 

 

 

●●●

家に帰った電気は、風呂を浴びて部屋に入ると、ベットに潜った。

考えているのは、自分の個性。

 

『帯電』

 

この自由に使うことが出来ない個性で大分苦しめられた。

ただ、纏うだけ。

それで、小学生三年まで人から避けられた。

理由は、上手く操れない個性だ。

大怪我をさせたことはないが静電気はドンドン溢れるように出てしまうから、操るのに苦労した。

人間関係は自分なりに明るく振る舞って、何とか人に好かれるようになったし、昨日まではこの個性も自分なんだなって考えていたが、それも昨日まで・・・

 

今は、またこの個性・・・そして出久に対しての怒りで、頭が一杯になってる。

 

そもそも、電気は出久が少し苦手だった。

 

自分よりも強いのに、異様なまでの低い自己評価と腹が立つぐらいの謙遜、称賛。

 

持ち前の明るさで何とかしようにも、壁がある感じで苦手だった。

 

ベッドで泣いている。

 

長いこと泣いてる。

 

家族がご飯だと呼んでも、彼はベットに入り、苦しんでいた。

 

 

 

 

 

暗い夜になり、電気は、自分の部屋にある父親から貰ったお古のパソコンを見て、起動する。

古い型なためか、いささか遅いが気になるほどではない。

起動されたパソコンでインターネットを始める電気。

調べるのは、無個性に関することだ。

 

幾つか、無個性に関して、記事がある。

 

『南米で、無個性の人間を隔離する無個性安全法が施行、世界中で非難の的に』

 

『アメリカで13歳の少年が死亡。理由は無個性でいじめられて?』

 

『ロシアで無個性の人間が自爆テロ!』

 

『フランスで無個性の人間達が大規模なデモを!スローガンに【無個性に平等を!】』

 

『無個性至上主義者であり、イギリス至上最悪の殺人鬼、通称皆殺しジャックが脱獄!』

 

『オーストリアで個性至上主義の二人の少年が無個性の一家を惨殺!』

 

etc

 

電気は、その大量の記事を見る。

 

世界で今、問題になっている無個性問題!

 

今まで、自分の周りには個性持ちしかいなかったし、自分には関係ないなって思っていた。

 

電気は、アメリカの無個性の少年の自殺記事を見る。

 

アメリカの田舎で起きた事件で、周りは個性持ち。

少年の両親や、兄弟すらも個性持ちで、居場所が無くなったようだ。

 

電気は、その記事を見ながら、固まっていた。

 

 

●●●

今まで、個性を持っているのが普通だと思っていた。

でも、一緒に何ヵ月も修行を共にしたやつは無個性だった。

 

だから、あいつ・・・・・あんなに怒ったんだろうなぁ。

 

俺の個性。

 

好きじゃないし、便利じゃないけど、有るからなぁ。

 

思えば、あいつの自分の過小評価もネガティブな所も全部、そこからじゃないのか?

 

俺、なんで、あんな馬鹿な事、言ったんだ?

 

あいつに対して申し訳ねぇ。

そう考えたら、涙が出てきた。

 

「すまねぇ、すまない緑谷・・・」

 

後は、鼻をすする音だけしか、俺の耳には聞こえなかった。

 

 

●●●

 

出久は、家に帰ってきて、玄関の部屋を開ける。

 

「出久?もう帰ってきたの?」

 

母親の引子が、玄関に来る。

 

「どうしたの?」

 

明らかに暗い表情の息子に聞く引子。

 

「お母さん、ちょっと上鳴君と喧嘩しちゃって・・・それで師匠に怒られて・・・」

 

その言葉を聞いた引子は、手を口に当てる。

明らかに驚いている。

無理もない、出久はどんな事でも今まで溜め込む方の人間だったのに、こんな状態で言ったのは引子の記憶にはなかった。

 

「だ、大丈夫なの?」

 

「上鳴君は大丈夫だ「出久は?」」

 

「お互いに怪我をしなくてすんだから、大丈夫!」

 

「後で仲直りしなさいよ」

 

「わかってるよ・・・」

 

出久は、引子の横を通り、部屋に入る。

 

ベットに寝転がり、暫く天井を見る。

 

初めての喧嘩。

 

腐れ縁のかっちゃんとは違って妙に意地をはってしまっていた。

 

出久の頭にあるのは、その事だった。

上鳴の言葉は理解できる。

 

無個性だと知った時から、個性について勉強し続けてきた、そして個性を上手く使えなくて事故を起こしてしまった、個性被害者についても・・・

 

出久は、自分の本棚の中に入れているノートを1つ取り出す。

 

タイトルは『個性による事故』

 

色んな個性による事件を纏めたノートで、出久はそれを一枚一枚めくる。

 

『アメリカでサイコキネシスの少女、個性を上手く操れず、車の事故を起こしてしまう。両親が死亡』

 

『個性黎明期から生きてきた、ジェームズ・ハウレット氏が自殺。自らの超回復が原因か?首には個性封じの首輪が』

 

『23の人格が入れ替わる個性のケビン・クラム氏が死亡。自らの個性の暴走か?』

 

『アメリカで、突然200人が緊急搬送。世界最高のサイコキネシスの持ち主で現在認知症のチャールズ・アイゼンハート氏が関与か?』

 

 

etc

 

 

個性が発現されてから今の今までずっと続いている個性の暴走。

 

年々、酷くなり増え続けていくと言う学説まで唱えるほどで、出久は現実を知っていた。

でも、目を背けてきた。

 

 

そんな事は、今までただの力を持つ人間の戯言だと思っていたからだ。

でも、電気と出会い、電気と喧嘩して、出久の心にあったもの(偏見)は、完全にとは言わないが確かに壊れたのである。

 

 

(謝らないと・・・)

 

 

玄関に行く出久。

 

引子が、外に出ようとする出久に近づく。

 

「出久、どうしたの?」

 

「ごめん、お母さん!ちょっと行かないと・・・」

 

出久は、玄関を出る。

 

すると外は真っ暗だった。

 

「もう、夜よ」

 

そう、調べてたりしている内に夜になってしまったのだ。

 

「それでも行く!」

 

飛び出す出久。

引子は、その後ろ姿を見ながら笑っていた。

 

 

 

夜道を走り続ける出久。

前の方から誰かが来る。

ぶつからないように避けようと、右側に行く出久は、向かいから走ってきた人物を見て立ち止まる。

 

それは、肩で息を切らしながら走ってきた電気だった。

 

「緑谷・・・」

 

「上鳴君・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

夜の浜辺にいる出久と電気。

互いに謝ろうと家を飛び出して来たのは良いものの、まさか、互いの家に行く道中で会うとは思っておらず、また、急に会った為に気まずくなり、いつもの修行場の浜辺へと来た。

 

長い沈黙

 

二人とも、言い出す切っ掛けがないのだ。

 

((・・・でも、謝らないと!・・・))

 

互いに互いが同じ事を考えていたのは互いに優しい人間だからであろう。

 

「緑「上鳴君!ゴメン!」・・・・」

 

電気の言葉を遮って、腰を曲げて謝る出久。

 

「本当に「緑谷!ゴメン!」・・・・上鳴君・・・」

 

電気は、土下座の体制になっていた。

 

「俺、自分が上手くできなくて・・・隣で上達してたお前に嫉妬してた・・・いつも・・・いつも・・・毎日・・・何をやっても俺より凄かったから・・・・でも、俺・・・・あんなこと言って・・・本当にごめんなさい!」

 

「上鳴君・・・僕の方こそ、君にずっと嫉妬してたんだ・・・僕は無個性で・・・君の個性が凄く眩しく見えたんだ・・・だから、君に負けたくなくて・・・僕は本当に無神経の最低な男なんだ・・・」

 

出久も土下座の体制になった。

 

長いこと、頭を互いに下げている。

 

 

 

 

 

すると、二人とも笑いだした。

緊張の糸が解けたのか、それともこの状況が馬鹿馬鹿しくなったのか?

 

何はともあれ、二人には朝にあった嫉妬の感情は存在しなかった。

 

互いに同時に立ち上がり、目線を交わす二人。

 

出久が右手を出し、電気も右手を出し、互いに握手をする二人。

 

「俺は、絶対にこのまま終わりたくねぇ」

 

「僕もだよ」

 

「これからもよろしくな・・・緑谷」

 

「うん・・・・・上鳴君」

 

二人は、同門から友人になった瞬間である。

 

そして物語は、一週間後に進む。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二人の戦い!亀仙人vs出久&電気

皆様、本当に大変遅れて申し訳ありません。
大学が忙しく、モチベーションなんてものも粉砕されており、筆が乗らなかったのです。

ヒロアカよりも鬼滅にハマってたり、気力そのものが別の方向に向いておりましたが、先日ヒロアカの映画を見て気力が復活し、書くことができました。

本当に御待たせしました。


出久と電気の誓いから1週間。

泣いても笑っても運命の日が来た。

 

海岸で亀仙人が仙人杖を持ちながらがパイプを吹かしている。

考えているのは、出久と電気の事だ。

この1週間、亀仙人は全く二人に関わらなかった。

 

理由は色々あるが、一番の理由は二人に対して、最初の頃に比べたら、興味自体が無くなりかけているからだろう。

 

1週間前の喧嘩で二人がやったのは、自分の力を暴力に使ったことだ。

それが悪いのではない。

ヒーローだからとか正義だからとかで、実力行使すること自体が暴力だ。

しかし、それでも守りたいものの為に自分に負けないために立ち向かう時が生きていれば誰にでも絶対にある。

その為の1つの武器が武術だ。

決して八つ当たりをするためではない。

 

亀仙人の中で渦巻く考えは彼を武術の神にのしあがらせた信念そのものだ。

 

故に間違っているとは思っていない。

そもそも、今回の件は完全に二人に責任がある。

 

亀仙人が頭で考えているのは、悟空やクリリン達とは違って全てが未熟すぎる。

故に弟子にしたのは間違いではないのか?

と考え始めてる。

 

 

 

 

カラスの鳴き声が鳴く。

不吉そのものである。

そんな中、亀仙人の元に、二人が歩いて来た。

 

亀仙人はパイプをしまい、二人と向き合う。

二人は亀仙人のそれを見て足を止める。

互いの距離は5メートルと言った所だ。

 

「来よったか、バカタレ共が」

 

亀仙人の会って早々の暴言に二人とも歯を食い縛る。

 

「さてと、それではこのわしと勝負して貰うぞ」

 

「はい!」

 

「おう!」

 

亀仙人は自らの甲羅を卸して、背中の部分を二人に見せる。

背中には、赤色と青色の紐が着いてた。

 

「主らには、この2つの紐を五時間いないに取って貰う。それが出来なければ、主らは破門じゃ。」

 

「師匠!他のルールは?」

 

亀仙人は甲羅を背負って、半径3メートルぐらい円を作り、中心に立つ。

 

「ワシはこの円から出ない。ただし空中は地面に足をついてない限りでは出るぞ。後、主らはどんな攻撃をしても構わん。ワシはこの杖しか使わん」

 

その内容に出久は良し!と思った。

単純にこれならなんとかなると思ったからだ。

電気は不満に思った。

明らかに侮られてるからだ。

 

「何じゃ、電気?不満そうな顔をして」

 

「俺達を舐めんなよ」

 

「だったら、勝ってみる事じゃな。勝たなければ全てに意味がない」

 

亀仙人は構える。

出久と電気も前のめりな姿勢になる。

三人とも戦闘体勢になり、今か今かと一瞬の時を待つ。

 

大きな波のさざめきと同時に二人は亀仙人に突進する。

亀仙人は、特に慌てる様子もなく冷静に猪のように突進してくる二人にデコピンしてぶっ飛ばした。

 

(デコピンでこれ!?)

 

(冗談だろ!?)

 

二人は吹き飛ばされながらも体勢を立て直す。

 

「ほれほれ、どうしたのじゃ?」

 

亀仙人の挑発に電気は最速で突っ込む。

出久は亀仙人を中心に回る。

 

亀仙人は電気の突進をまた軽々とデコピンで吹き飛ばすとその先には出久がいた。

二人はぶつかり、今度は倒れた。

 

「くそ!」

 

「上鳴君!落ち着いて、まだまだこれからだよ」

 

「わかってる!」

 

電気は出久の言葉を聞くと、大きく深呼吸をして落ち着く。

出久は両手に砂を掴むと全力で亀仙人に向かって投げた。人智を越えた修行によって培われた力によって投げられた砂は超高速で亀仙人の所まで突き進む。

 

亀仙人は杖を使い回転させて砂を全て弾く。

しかし、弾いてる隙に電気は亀仙人に突っ込んでいた。

突然、現れた電気に出久もやってる本人もこれは行けるだろと思った。

だが、亀仙人は慌てる様子すら見せずに電気の額にデコピンをしてふっ飛ばした。

 

(くそ!)

 

(なんて反応速度なんだ!?)

 

その後も二人は果敢に向かっていったが、突っ込んではデコピンで対処されて、砂だけでなく石を投げても冷静に対処されて、二人同時に突っ込んでも避けられて、三時間たっても亀仙人に冷や汗を掻かせる処か亀仙人本人が制限した円の全てを使わせることすらできず、結果的にたかだか一歩二歩進んだ距離の中で対処されている。

 

この圧倒的な状況に加えて出久と電気は様々な策をやっても尽く潰される事による精神的な絶望に体力すらも無くなりつつあった。

 

「どうした?二人とも・・・これで終わりなのか?」

 

「まだだ、俺達はまだ敗けてない」

 

「僕らはヒーローになるんだ!」

 

亀仙人の煽りに真っ向から反発する二人。

ぼろぼろの二人を見ながら、亀仙人はあくびをする。

 

「じゃが、もうお前達も倒れそうじゃぞ?」

 

確かに二人とも倒れそうなほどフラフラだ。

 

「「俺達は(僕達は)倒れない!」」

 

そう叫び、足に力を入れて踏ん張る二人。

恐らく、知らない誰かが見たら二人の事を根性のある人間と言うだろうが、二人にはそんなものはない。

この二人がこんな事になった原因は二人が互いに八つ当たりをしただけであり、そこに素晴らしいと思えるような感情はない。

ただの八つ当たりをしたガキがチャンスを貰うために意地を張っているただ其だけである。

誰もが生きてたらやる当たり前の事である。

 

亀仙人は二人を見ながら、そう非常にドライな感情を抱いていた。

 

出久と電気は、亀仙人を中心に互いに逆回転で廻り始める。

それはだんだんと速くなり、一人また一人と残像を生み出す。

二人とも三人ずつの残像を生み出し、計六人が亀仙人を囲んだ。

 

この策は二人の取っておきの策で1週間かけて編み出した。

 

 

●●●

1週間前ー

 

仲直りをし、二人で1週間後の試練まで一緒に特訓するがやっていることはいつもの事、そのものである。

亀仙人は五時間以内に自分の物を奪えと言った。

試練の内容が出されているなら、対策は立てやすい。

二人はいつもの修行をしながら、あーでもないこーでもないと案を出していっては一考し、案を消していった。

 

出久は最初、素早く罠を作り出して追い込む案を出したが電気は却下した。

人から物を奪う試練と自ら言った亀仙人がそんな事を考えていないとは到底思えないと言い、出久はその却下を受け止めた。

電気は、物を投げるって案を出したが今度は出久が却下した。奪うって事は亀仙人は恐らく逃げる。それこそ二人が追い付けない程に動く可能性が高い。命中率か100%って断言出来ないものに頼るのは危険すぎると言い、電気もまたその却下を受け止めた。

 

互いに互いが思い悩んでいると電気が出久に本気で鬼ごっこをしようと言った。

1週間後の試練に対するトレーニングとして出久もOKと言い、始めた。

 

それをやって20分後ぐらいにとある事が起こった。

電気が鬼をやって出久を捕まえた。

何の変鉄もない結果だが、過程が違った。

出久が逃げている時に後ろに追ってきていた電気を見て、逃げようとしたら目の前に電気がいて捕まったのだ。

要するに電気が残像を残すほどのスピードで出久の前に回り込んだのである。

 

捕まった出久も捕まえた電気もこの事実に興奮した。

それこそ、興奮のあまり端から聞けば会話にすらなっていない会話になるほど、

 

そこから二人は全力で特訓した。

足のマメが潰れてタコになっているが、それすらも潰すほど新品の靴がボロボロになるほど二人は走りまくり、特訓した。

 

そうして二人は根性で3つの残像を残せるほどになった。

 

 

●●●

根性で出した切り札。

二人にとってはこれ以上ない最高の作戦だ。

しかし、最悪な事を知らない。

残像を残すなんて、亀仙人・・・いや、亀仙人の住んでいた戦士達にしてみれば朝飯前の基本の技もとい使い古された技だと言うことを知らない。

 

 

全ての残像と共に亀仙人に突っ込んでいく。

残像と実体が混じり、どれがなんだかわからなくなる。

二人が抱いた淡い希望。

 

亀仙人は何の動揺もせずに実体だけを拳で砂浜に叩き伏せた。

 

「そ、そんな・・・」

 

「嘘だろ・・・」

 

切り札とも言える技すら、叩き伏せられた二人の顔は絶望に染まっていた。

事実、今まで何度も立ち上がっていたのが倒れたまま動けなかった。

 

「この程度でワシに勝てると思っていたのか?主らが今やった事などワシの知る者達はもっと多く、もっとはっきりと、もっと上手く使える。ワシの世界において残像拳は単純な基本の技だ」

 

亀仙人からの事実に出久も電気も涙を流した。

圧倒的な力の差に1週間かけて手に入れた切り札も全て通用する処か単純な技と言われ、二人のなけなしな自信も何もかも全てが吹き飛んだのだ。

 

「いつまでそうして寝ておる。それで誰かを守れると思ったのか?誰かを救えると思ったのか?その涙は何だ!?それを流せば何とかして貰えると思ったのか!?甘えるでない!!」

 

亀仙人の言葉に二人は立ち上がるが、そこはまだ亀仙人の円の中。亀仙人は容赦なく立ち上がった二人を蹴り飛ばす。

 

また倒れる二人。

 

「終わったのか?」

 

「まだだ!」

 

出久は立ち上がり、亀仙人に向かっていく。

電気はまだ立ち上がる事すら出来ていなかった。

 

 

 

 

●●●

くそ!動けよ!動いてくれよ!

緑谷が必死で動いてあがいてんのに何も出来ないなんて、そんなの嫌だ!

 

動け!俺の体!

 

そう自分の体に言い聞かせる。

動いて欲しい。

動いて欲しいんだ。

緑谷とじいちゃんを見ると緑谷が簡単に遊ばれてる。

デコピンじゃなくて、本気で叩き伏せられてる。

 

いくらなんでもやりすぎだ。

 

いや、全部俺のせいだ。

 

俺が下らない嫉妬して緑谷を怒らして喧嘩してじいちゃんを怒らしてこうなったんだ。

 

全部俺のせいだ。

 

だから、助けるんだ。

 

助けて一緒に三人でもう一回修行するんだ!

 

動いてくれ俺の体!

 

 

 

 

●●●

電気はそう思いながら立ち上がった。

しかし、全くその場から動けずにいた。

体が言うことを聞かないのだ。

 

出久の顔面に亀仙人の拳が迫る。

それを必死で何とか動いて助けようとする電気。

しかし、体は動かない。

 

(動いてくれ!俺の体だったら言うことを聞け!!)

 

そう心で叫ぶと電気の体から稲妻が走る。

電気は走る体制になり、亀仙人と出久に向かって脚に力を入れる。

 

すると電気の姿は消えて顔面に拳が迫っていた出久はどういうわけか首根っこを電気に掴まれながら、円の外に出られた。

 

わけのわからない状況に出久は目を張り、亀仙人もまた今の出来事に冷や汗を流す。

 

そしてやった電気は微かに笑う。

 

電気は出久を放すとまた消えて今度は亀仙人の真後ろに現れる。

 

その手には二本の内の一本。

 

赤色の紐があった。

 

「よっしゃぁぁぁ!!!」

 

紐を掲げて叫ぶ電気。

亀仙人が本気で電気に詰め寄るが電気は円の外に紐を持ったまま出る。

 

「どうだ!じいちゃん!!」

 

「まだ後、一本残っておるぞ!その紐は腕に巻いておくと良い。ワシは取りはしない」

 

亀仙人は深呼吸してそう言うと、電気は言われた通りに腕に紐を巻いた。

 

そしてまた体に稲妻を走らせる。

 

(なんて速さじゃ、全く見えんかった)

 

 

そう、電気はただ走って奪い取っただけである。

ただし、残像を残さないほどに亀仙人にすら見えないほど速く走ったのである。

 

1週間前に亀仙人は電気に言った。個性を上手く使いこなせばいいと電気の個性は『帯電』

 

電気を纏う個性である。

 

しかし、電気を吐き出す事もできる。

吐き出しと纏う事。

その両方をやったのだ。

 

限界を超えて新たな力いや技を生み出すことが出来たのだ。元々、電気は出久よりも速い。

無意識の内にその領域に達しつつあったのが今回の試練で殻を強引に破ったのだ。

 

電気は亀仙人に超高速で迫り続ける。

しかし、超高速だけで上手くいくほど甘くない。

どんなに電気が速く動いても音の壁は越えられない。

亀仙人は電気を見るのではなく、踏み込み音を聞き、何処から来るのかを予測して防いでいく。

 

デコピンをする余裕は無くなったが、腕だけで電気の猛攻を凌いでいく亀仙人はまさに武術の神と言える存在であろう。

 

 

それを出久は眺めていた。

ただ眺めているだけではない。殻を破った電気に驚きながら見ていた。

 

 

●●●

凄い、師匠が見えないほどの速さに成るなんて稲妻が走ってるから、個性を応用したのか?

 

速い、これが個性を持つ人間の力?

 

無理なのか?

 

僕には個性がある人間を守れるほどのヒーローになんてなれるのか?

そう感じながら、僕は自分の手を見る。

 

デコボコした手。

無個性だってことに嘆いていた手じゃない。

そんなのを越えていくって誓って修行した手だ。

 

『自分の個性が強いからヒーローになるわけではありません。その自分の全てを受け入れて限界を超えて行き、それを人の為に自分の為に道しるべとして使うからヒーローになるのです』

 

何年か前にオールマイトがバラエティー番組で話していた事を思い出した。

 

ご都合的な思いだしだけど、ご都合でも何でも良かった。

 

吹っ切れた。

 

僕は無個性。

でもヒーローになる。

師匠とそして親友と一緒に!

 

気を手に溜める。

出来るか出来ないかは考えない。

 

自分を信じて限界を越える。

 

“Plus Ultra”だ

 

 

●●●

 

出久の手に気が溜まる。

 

青い光の球体になっていく。

 

そして上手く行くように祈るようにあの技の名前を叫ぶ。

 

「か~・・・・め~・・・・」

 

電気と亀仙人はこの言葉を聞く。

動揺と驚愕の二つの感情が走る。

電気は捲き込まれないように離れる。

亀仙人は自ら制限したルールに縛られて動けない。

彼の目はとてつもなく開いていた。

 

そう、悟空が初めてかめはめ波を撃った時のように

クリリンが初めてかめはめ波を撃った時のように

ヤムチャが初めてかめはめ波を撃った時のように

孫悟飯が1日だけ現世に出てかめはめ波を撃った時のように

自分がかめはめ波を撃ってフライパン山を吹き飛ばした時の驚いた牛魔王みたいに

 

驚きと名前のつけようがないある種の興奮。

 

「は~・・・・め~・・・・」

 

亀仙人も手に気を溜める。

かめはめ波ではない。

最早、そんな溜めてる時間はない。

掌サイズの球体が出来上がる。

 

「波!!!!!!!」

 

 

かめはめ波を放つ出久。

そのかめはめ波は亀仙人が放った物よりも遥かに小さく、遥かに輝きながら砂浜を突き進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが亀仙人が放った球体と激突すると大量の砂埃を上げて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久の顔が絶望に“染まっていない”

 

その顔は希望に満ち溢れていた。

 

しかし、大量の気を放ち、膝をつく。

出久の元に電気が来る。

 

「凄ぇな!?緑谷!!じいちゃんの技を使えるなんて」

 

「上鳴君・・・・・」

 

「でも、あれも塞がれちっ待ったなぁ」

 

出久は電気の脚を見る。

プルプルと震えていて恐らくもう立ってるのもやっとだろう。

 

「上鳴君、最後の作戦がある」

 

出久は膝をつきながら、電気に提案し、電気も顔を出久に向ける。

 

消え入りそうな声で“作戦”を話すと電気は笑った。

出久も笑った。

 

「やるぞ、その作戦」

 

電気は出久に手を差しのべ、出久も電気の手を取り、立ち上がる。

 

「これが失敗したら、確実に敗けだよ」

 

「大丈夫だ。お前と俺なら出来る。亀仙流の弟子の上鳴電気と緑谷出久なら出来る」

 

二人は亀仙人に向かい合う。

その顔はあり得ないほど希望に満ちており、何処か清々しさも感じさせた。

 

 

 

 

出久はまたかめはめ波の体制になり、電気も稲妻を走らせて突っ込む体制になる。

 

“気”と“稲妻”が膨らんでいく。

 

恐らく最後の攻撃だ。

亀仙人は円の外に出られない。

しかし、これを見ている亀仙人は円の中心にわざわざ行った。まるで正面から受け止めるように、そして自分もまた先程と同じように球体を作る。

 

かめはめ波ではないのは先程の攻撃でこれで充分だと分かったからだ。体力が消耗してる二人がむやみやたらに力を入れたって先程に比べたら落ちてる。

 

 

 

命を掛けるかのように力を入れる二人。

 

「頼むよ、上鳴君!」

 

「頼むぜ、緑谷!」

 

 

“かめはめ波!!!!!!!”

 

先程とは明らかに大きさが違うかめはめ波を放つ出久。

更に大きく、そして速かった。

 

亀仙人は素早く球体を放ち、また激突する。

 

先程よりも多い砂埃が互いの間に起こる。

 

何も見えない状況の中、亀仙人は踏み込み音を聴く。

今まで以上に大きな音を真正面から聴こえる稲妻の音と共に、亀仙人が現状できる最速の速さで両手を防御クロスする。

僅かコンマ一秒にも満たないほどの刹那的な時間後に電気が超高速で飛び蹴りを亀仙人に放つ。

 

二三センチ後退りしてしまうが亀仙人は確かに電気の最速の攻撃を止めた。

 

「惜しかったぞ、電気!!」

 

「い~や、こ~れで良い~ぜぇウェイ」

 

「何!?」

 

馬鹿になりながらも闘志を失わない電気。

すると後ろから物音がする。

亀仙人が後ろを振り向くとそこには青い紐を取った出久がいた。

 

 

 

 

 

出久が考えた作戦とは、殻を破った二人の現段階の最大の攻撃を囮にする事だった。

出久はかめはめ波をした後、なけなしの体力で砂埃の中、亀仙人の後ろを取ったのだ。

勿論、普段の亀仙人ならこんな失敗はしない。

しかし、今回は電気の超高速と出久のかめはめ波。

2つの限界を越えた攻撃に対処できなかったのだ。

もう2度と通じない連携。

一発勝負の博打を二人は勝ったのだ。

 

 

「見事じゃ、出久」

 

出久と電気はその言葉を聞くと倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「師匠!!」

 

暫くして、砂浜で寝ていた出久が起きた。

そんな言葉を叫びながら起きる出久を電気と亀仙人は笑った。

出久もつられるように笑った。

 

三人で笑った。

 

暫く笑ってると亀仙人がわざとらしく咳をして、出久と電気は静かになる。

 

「良く頑張った二人とも・・・己の限界を見事に越えた・・・じゃが武術を暴力にした事は何があっても赦さん。この事を胆に命じなさい」

 

「「はい!」」

 

亀仙人の言葉に元気良く返事をする二人。

それを見ると亀仙人は歩き始める。

 

「さてと、明日からまた修行じゃが、今日は二人に何か御馳走しよう」

 

「マジで!?良いのか?じいちゃん」

 

「構わぬ。明日も頑張るなら・・・」

 

「頑張るぞ!じいちゃん!!」

 

亀仙人は出久の方を見る。

出久は電気のように返事はしなかったが穏やかな顔で頷いた。

 

先を歩く亀仙人。

 

電気は亀仙人に着いていこうと座ったままの出久に手を差しのべる。

出久もそれを手に取り、立ち上がる。

 

「これからも宜しくな」

 

「僕も宜しくお願いします」

 

手を放し、先を歩く電気。

 

出久は先程まで戦ってた場所を見る。

かめはめ波と気弾の激突でクレーターが出来ていた。

そして自分の手を交互に見る。

 

「早く行こうぜ。出久」

 

出久は電気の方を見る。

苗字呼びではなくて名前呼び。

出久にとっては久しぶりでむず痒いものだ。

照れ臭そうに電気の横に行き、並ぶ出久。

 

「これからも宜しく。電気」

 

改めて出久も電気に話す。

 

そう二人はもうただの同門ではない。

親友になった。

共に笑って、共に喧嘩して、共に怒られ、共に嘆いて、共に修行する親友。

 

 

 

彼らの亀仙流はここから始まる。

 

 

 

 

 

 




無事に試練を乗り越えられた二人。

次なる試練とは?

(名前呼びは体育祭でやろうかと思いましたがあまりにも待たせ過ぎましたし、それに盛って書いてなんぼだろうと思い。今回やりました)

次回は出来れば1ヶ月以内に投稿できるようにがんばります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雄英高校入学編
オールマイト


なんとか、ギリギリ1月中には間に合わせました!

それではどうぞ!!

因みに今回は色々と原作解離がありますので後書きの方で説明します!


あれから2年以上経ち、出久と電気は中学三年生になっていた。

 

相も変わらず、修行の日々を送っていた。

毎日、毎日地獄の修行の積み重ねに出久と電気の体は以前と比べてかなり変わっていた。

ほぼもやしっ子のような体つきの二人だったが今ではバランスの整った素晴らしい肉体になっている。

 

だが、ガチガチのムチムチのキン肉マンになっていないのは亀仙人からの教えである。

 

”パワーを上げたところで当てなくては意味がない“

 

との事、故に二人にはパワーを上げる修行ではなく当てる為に速さを鍛えていった。

 

 

 

こうして二人の雄英高校の試験まで後1年だった。

 

 

 

 

●●●

折寺中学

 

喧騒な教室の中に教師が入ってくる。

「えー、お前らも3年と言うことでそろそろ本格的に将来を考える時期だ。今から進路希望の紙を配るが・・・皆ヒーロー志望だよね!」

 

『ハーイ!!』

 

「センセー!皆とか一緒にすんなよ。俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんかに行かねーよ!!」

 

いかにも昭和のチンピラを絵に描いたような性格の男。

爆豪勝己がメンチをきっていた。

話してる事はやれナンバーワンヒーローになるとかトップ納税者ランキングに名を連ねるとか俗物的な内容だ。

出久は後ろの席でそれを眺めていた。

確かに彼の個性は強力。

 

個性”爆破“

 

凄まじい威力を出せる個性。能力は名前の通り、掌から爆破を出せる。しかも起爆剤は自分の掌から出るニトログリセリンのような汗であり、汗腺が拡がれば拡がるほど強力になってくる。

 

性格も相まって出久とは180度違う存在である。

 

 

「そういや、緑谷も雄英志望だったよな~」

 

クラスメイトの誰かが呟いた台詞にクラスが静まり返る。そして爆豪が凄い目付きで出久を睨む。

 

「おいこら!デク!何で無個性のてめぇが俺と同じ土俵に立てるんだぁ!?」

 

明らかにヒーローになるような人間の行動ではない。

ただのチンピラである。

しかし、出久はそんなチンピラに対して特にビビることなく目を会わせる。

 

「何でって・・・志望してるから・・・」

 

「だから、何で志望してんだよ!」

 

「ヒーローになりたいから・・・」

 

出久の言葉にクラス中が大爆笑になった。

当然、チンピラ本人も大爆笑である。

 

「なんで無個性のお前がヒーローになれるんだよ!?」

 

「別になれないなんて理由もないじゃん。前例がない=無理じゃないよ」

 

出久の物言いにクラスが静まり返る。

いや、驚きのあまりに口が止まったのだ。

そもそも爆豪に対してクラスでも穏健な出久がここまで反論したのは初めての事だ。

 

 

まぁ、出久からしてみれば亀仙人の方が百倍怖いし、修行の地獄さに比べれば爆豪との気まずい雰囲気からのプレッシャーなんてのは風の前の塵と同じである。

 

 

放課後

出久は座りながら、いそいそと自らのノートに最新のヒーローを更新していると横から爆豪が取り巻きを連れてやって来た。

 

「デクぅ・・まだ話しは終わってねぇぞ」

 

爆豪は出久のノートを取ろうとするが、出久は素早く動きノートを取られないようにする。

 

手は空を切り、唖然とする爆豪。

酷く滑稽に見える。

 

何回かノートを取ろうとするも出久からすればもっと速い電気を知っているので、それに比べれば遅い。

止まっていると勘違いするほどに遅い。

 

「デクの分際で~」

 

恨み言を言ってるが出久は何も言わずに見ている。

 

「爆豪・・・もう行こうぜ・・・」

 

「そうだよ・・・な?」

 

身内に言われ半ば無理矢理に去っていく爆豪を出久は見ていた。

 

出久は荷物を鞄に入れて教室を出た。

階段を降りて下駄箱で靴を履き替えて学校を出た。

いつもならこれから亀仙人の修行が始まるが、今日は違う。

何でも亀仙人に外せない用事があり、放課後からの修行が無くなったのだ。

勿論、出久と電気はいつも通り修行をしようとしたが、亀仙人から1日ゆっくり休めと言われたので二人とも休むことにした。

 

 

●●●

高架線の下を歩く出久。

薄暗くてうるさい所を歩いてる理由は様々ある。

単純に近道だから、人がいなくて静かだから、

まぁ色々ある。

自分の少し落ち込んだ空気も癒される。

 

出久は落ち込んでいる。

別にヒーローになれないと言われるのはこれが最初ではない。

特に爆豪もといチンピラからは毎日毎日毎日毎日、言われ続けてきた言葉である。

慣れたし、亀仙人の修行であまり気にしなくなった。

 

たが、それは言われて落ち込むのを克服したわけではない。

誰だって褒められれば喜ぶ。

貶させれば腹が立つ。

嗤われれば落ち込む。

喜んでくれれば楽しくなるものである。

 

喜怒哀楽の単純な理論である。

 

出久のこの気持ちの発散は恐らく明日の修行で発散されるだろう。

 

そんな時、後ろのマンホールから突然何かの液体が、出久に纏まり憑こうとしたが、出久は即座にその事に気がつき、避けた。

 

「勘がいいなぁ」

 

液体が不気味な声を出す。

 

敵だ。

 

出久は直感した。

 

「よこせ、隠れ蓑!!!」

 

敵が襲ってくるが出久は気弾を放った。

違法な個性の使用に該当すると思うがこの状況だ。

無断使用も糞もない。

 

出久は二三発放つが敵には全く効かなかった。

 

「嘘だろ?」

「そんなのが効くか!!」

 

敵は出久を呑み込もうと纏わりついた。

出久は手を素早く動かしたりして抜け出そうとするが抜け出せない。

何故ならこの敵は液体でそんな力任せでは絶対に抜け出せないからだ。

抜け出すには弱点を付くか、圧倒的なパワーで吹き飛ばすかしかない。

しかし、出久にはその両方とも無かった。

2年たった修行の成果は素晴らしくそこら辺の敵ですら諸ともしない程に出久も電気も強くなったが、相性の悪さは克服出来ないでいた。

 

「何で、この街にあいつがいるんだよ?ついてねぇ」

 

(あいつって誰だ?)

 

「よこせ、隠れ蓑になれ、苦しいのは少しだけだ」

 

(絶対に嘘だ)

 

出久はもうだめだと思ったその時、後ろのマンホールが突然ぶっ飛んだ。

 

敵も出久もマンホールの方を見るとマンホールから大男が出てきた。

金髪で筋骨粒々の大男だ。

 

そう、彼の名は“オールマイト“

 

史上最高のヒーロー

 

「もう大丈夫だ少年!何故かって?私が来た!!」

 

オールマイトは思いっきり力を溜めて・・・

 

「TAXES SMASH!!!」

 

強烈なパンチを解き放った。

液体の敵は吹き飛び、出久は意識を喪いそうになるも気合いと根性で耐えた。

 

周りにはのびてる敵の残骸が大量に散らばり、出久は荒い息をしながらも立ち上がった。

 

「いやー、いつもはこんなミスしないのだが、オフだったのと慣れない土地で浮かれちゃったかなぁ!」

 

爽やかに話すオールマイトに出久は固まったてた。

そりゃそうだ。

憧れのヒーローが目の前にいるんだから、固まらない方がおかしい。

 

「助けてくれて、ありがとうございます!」

 

90度腰をきっちりかっちり曲げてお辞儀をする出久。

オールマイトは少しばかり引いてる。

 

「何はともあれ、あとはプロに任せて君は離れなさい。いつ敵が起きるかわからないから」

 

「あ、あの少し聞いても良いですか?」

 

「なんだい?」

 

「個性が無くても貴方のようなヒーローに成れますか?無個性でもヒーローに成れますか?」

 

出久の言葉にオールマイトが何か言おうとするが、オールマイトの体から蒸気が溢れでる。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「なんで、こんなに早く・・・」

 

オールマイトを中心に辺り一面に大量の蒸気が溢れる。

出久はその蒸気に思わず顔を手で隠す。

蒸気が収まり、オールマイトの方を見る出久。

そこには筋骨粒々の大男ではなく、ガリガリ鶏ガラな人間がいた。

 

「しぼんでる~!えっ 偽物!?」

 

突如現れた謎の人物に驚く出久。

 

「私はオールマイト…」

 

謎の人物“オールマイト“は血を吐きながら話す。

見ていて痛々しい。

 

「プールで腹筋を力み続ける人がいるでしょ、あれと一緒さ」

 

「嘘だ!!」

 

何とも訳のわからない理屈にツッコミを入れる出久。

オールマイトはそのまま壁に背中を預けて座る。

 

「見られたついでだ少年。間違ってもネットには書き込むな」

 

オールマイトは自分のシャツを捲り、脇腹を出久に見せる。

その脇腹は酷い傷痕がまるで呪いのように痛々しく重く残酷に存在していた。

出久はその傷に思わず口を手で覆う。

 

「5年前の闘いの時に受けた傷さ」

 

「5年前って毒々チェーンソーの時に?」

 

「詳しいな、だがあんなチンピラにはやられはしないさ」

 

シャツを戻して笑顔を出久に見せるオールマイト。

 

「これは世間には公表していない事だ。平和の象徴は決して悪に屈してはいけないんだ」

 

オールマイトの言葉の重さに出久は黙って聞いてることしか出来ない。

 

「プロは何時だって命懸けだよ。とても個性が無くてもヒーローが出来るなんて言えないね」

 

明らかな拒絶。

それはオールマイトがプロであるゆえの言葉だろう。

 

「人の役に立ちたいなら警察って言うのもある。敵受け取り人なんて批判もあるがあれも立派な職業だし、ヒーローとの連携もキチンと考えられてるしね」

 

出久に夢を諦めろと言うオールマイト。

勿論、出久の夢は亀仙人によって鍛えられた為に最早頑として変わるなんてあり得ない。

しかし、憧れの人の言葉はある種、親や友人の言葉よりも遥かに重い。

それこそ天秤で測るのが馬鹿馬鹿しい程に重い。

 

「夢を見ることは悪いことじゃないが、現実も相応に見ないと」

 

オールマイトは立ち上がり、延びてる敵を一つ一つ丁寧にペットボトルに入れ始めた。

 

出久はその場を離れた。

出久の目からは涙が静かに流れていた。

 

 

 

 

 

 

●●●

ペットボトルに敵を入れたオールマイトは去っていった出久について少しだけ考えていた。

悪いことをしたとは微塵も思ってはいない。

どんなにヒーローを目指していても無理なものもある。

そう、自分がそうだった。

オールマイトも無個性の頃を思い出した。

7代目“ワンフォーオール継承者“の師匠に出会わなければずっと無個性のままだったろう。

勿論、出久に対して何も思わないわけではない。

しかし、5年前の闘いとそれに伴う代償のせいで夢物語にはほとほと疲れたのだ。

平和の象徴を辞めるわけでも力を継承させないわけでもない。

しかし、無個性だった自分を重ねて出久に無責任にヒーローに成れると言っても彼の人生を壊すだけだと思ったのだ。

 

ペットボトルに敵を全て入れるとオールマイトはその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、彼は気づかなかった。

たったホントに一ミリリットルにも満たない程の敵の体が道路脇にある用水路に流れていた事を

これはオールマイトのせいでも出久のせいでもない。

不運なだけだ。

しかし、この不運は必ず返ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

一人、道を歩く出久。

先程のオールマイトの一言が強烈に心に来たんだろう。

別に否定されるのは慣れてる。

しかし、憧れからの否定と知ってる人間からの否定は根本的に違う。

一人、涙を流しながら歩く出久。

その足取りは重い。

そんな出久に近づく人間がいた。

上鳴電気だ。

肩を叩き、明るく接触してきた電気に出久も少し驚く。

 

「電気、どうしたの?」

 

「帰りがてらブラブラ遊んでたんだよ。折角の休みだしな」

「そう・・・」

 

「どうしたんだよ?そんなに暗くなって・・・・・何時もの事だけど・・・」

 

「ちょっと!?」

 

電気からのまさかのカミングアウトに驚く出久。

顔には心外と書いてる程の反応である。

 

「僕はそんなに暗くないよ!」

 

「いやいや、毎日ブツブツ言ってるから!あれは見てて暗いとしか思わねぇから!」

 

「僕は電気と違って無駄に明るく無いだけだよ!!」

 

「無駄とはなんだ!?無駄とは!?」

 

少し、言い争う二人。

互いに互いを弄くりあう、その時の出久の顔は先程の暗さは薄れていた。

 

「真面目な話、何があったんだよ?」

 

「電気はさ、誰かから夢を否定されたことはある?」

 

電気に話す出久。

そこにはキチンと話して欲しいと言う出久からのプレッシャーもあり、電気も真面目に考える。

 

「あるぞ、それは多分誰でもあると思うぞ」

 

「そうだよね・・・ごめん、変な事聞いちゃって・・・」

 

「もしかして、ヒーローの誰かから言われたのか?」

 

「へ?」

 

電気の推論に思わず変な声を出す出久。

そりゃそうだ。

こんな推論になんて聞いてても達する人間はそういない。

 

「どうして?」

 

「だって、ほら、出久がいつも言われてるって勉強してる時に良く言うから、ここまで落ち込むってヒーローに言われるぐらいじゃないかと思って・・・」

 

電気の推理は物の見事に的中していた。

出久はそれに対して沈黙していた。

電気は出久の沈黙に対してこれから話を切り出すなんて出来なかった。

 

必然的に沈黙が長く続く状態の最中、近くの商店街から爆発音がした。

 

出久と電気はあくまでもヒーロー活動の見物として現場に行った。

 

そこには先程の液体敵に纏まり憑かれてるチンピラもとい爆豪の姿があった。

 

 

 

 

 

●●●

出久が電気と話してる間。

液体敵はどうやってオールマイトから完全に逃げるかを考えていた。

そんな事を下水道で考えながら、自分の体を回復していった。

そんな時に下水道に足音が響き渡る。

液体敵はその足音のする方向を見ると“変な奴“が立っていた。

 

“白くて不気味な奴“だ。

 

だが、自分とは明らかに違う存在に液体敵は全力で逃げまくり、たまたま道に出た時にたまたま近くを歩いていた爆豪に取り憑こうとしたのだ。

 

「おやおや、急に逃げるとは失礼ですね。まぁいささか推薦するにはお粗末でしたから良いでしょう」

 

“白くて不気味な存在“は一人、下水道を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

出久は電気と共に液体敵に取り憑かれてる爆豪を見ていた。

必死に抵抗しようと暴れまくる爆豪の二次災害でドンドンと現場は混沌と化していく。

「そんな、何であれが?」

 

「あれを知ってんのか?」

 

電気からの問いに出久は先程の事を全て答えた。

ただし、オールマイトの傷の事は伏せて

 

暴れる爆豪の目を見てとっさに足が動く出久。

電気は出久の手を掴み止めた。

 

「離して、電気!行かないと助けを求めてる!」

 

「バカ!お前が行っても役に立たねぇだろ!」

 

「それでも行かないと、誰かを助けるのがヒーローだから・・・」

 

出久の言葉に電気は手を緩めなかった。

しかし、出久に顔を近づけた。

 

「なら、俺も行く!俺だってヒーローになる!無茶するお前を助ける!」

 

電気の強い言葉に出久も頷いた。

 

 

出久はまず気弾を液体敵の目に目掛けて放った。

目を潰して視界を奪う。

しかし、相手は液体だからもって数秒だ。

当然、たかが数秒で事態は好転しない。

 

 

 

上鳴電気がいなければ

 

 

 

電気の超高速で一瞬緩んだ液体敵の拘束から爆豪を引っ剥がす。

それは電気でないと恐らく出来なかっただろう。

刹那的な時間で動ける電気の十八番の技だ。

爆豪を引っ剥がした電気はそのまま爆豪を近くにいたヒーローに渡す。

 

出久はそれを確認したら、戦線離脱をしようとした。

しかし、液体敵も直ぐ様に回復をして、出久の腕を取り込んだ。

 

出久の攻撃そのものが液体敵に効かないのは先程証明された。

 

肘まで取り込まれ、電気を含めた他のヒーローが突っ込みに行く。

 

しかし、どんなヒーローよりも早く突っ込んだヒーローがいた。

 

オールマイトだ。

 

出久の手を掴み、地面に思いっきり、最大限のパワーを持って拳を撃ち込んだ。

 

「DETROIT SMASH!!」

 

液体敵はまたもや四方八方に飛び散り、今度こそ完全にお縄を頂戴することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

一時間ぐらいの間、出久と電気はプロヒーローからありがたい説教を受けていた。

下手をすれば更に被害を拡大する所だったので勿論それは二人とも甘んじて受けた。

 

ただし、それと同時にあることも言ってくれた。

 

一番、最後まできつく言ってたプロヒーロー“デステゴロ“からの言葉だ。

 

「君達が今回やった事は決して許される事ではない。危うく自分の身も危険に晒すところだったんだぞ!・・・次はキチンと訓練を受けたプロになってからやるんだ!」

 

出久も電気もこの言葉に嬉しくなった。

プロヒーローからの激励だ嬉しくないわけではない。

まぁ、笑顔を見せたとたんに拳骨まで貰ったのは痛かったが二人とも親身になって怒ってくれたヒーローには感謝こそあれ、怒りなんて感情は全く無かった。

 

 

二人で帰り道を歩いている最中、爆豪が二人の前にやって来た。

語る言葉はやれ何で助けたとか、お前の助けなんか無くても良かったとか、俺を見下そうとか、何とも一体どういう教育をされたらこんな酷い人間になるのかと言うような内容だった。

 

電気と爆豪はこれが初対面だったから、電気も爆豪に対して話そうとしたら、金髪モブと暴言を受けた。

 

結局、言いたい放題言った爆豪はそのまま去っていったが二人、特に電気は爆豪に対してキレていた。

 

「何だ?あの糞を下水で煮込んだ性格は!?良くあんなチンピラと付き合えるな出久」

 

「僕もそろそろ辞めたいけど、家が近くだから否応なしに係わっちゃうんだよね」

 

「家に塩を撒いて、お祓いして貰え!」

 

電気の怒りの言葉に出久は黙って聞いていた。

別に思うところが無いわけではない。

ただ、それほどまでに爆豪のやって来た事は重いのだ。

 

 

そんな中、オールマイトが筋骨粒々の姿でやって来た。

 

「いたいた!少年たち!!先程はプロヒーローとして礼を言いたいありがとう!」

 

「お、お、オールマイト!!?」

 

オールマイトの登場に驚く電気。

出久はさっき個人的な話もしたから現れた事に関してはあまりだった。

 

「君達、二人には色々と思い出させて貰ったよ。危うくヒーローとは名ばかりの木偶の坊になっていたよ」

 

「でも、僕達は結局、迷惑を掛けました」

 

「俺達、体が動いて・・・・」

 

二人の言葉にオールマイトは待っていたとばかりに答える。

 

「そうだ!二人とも体が動いてたんだろ?多くのヒーロー達の中でも伝説となっている人達は免許なんて物が無かった時から逸話を多く残してる。『体が勝手に動いていた』とね。君達もそうだったんだろ?・・・・・・・・君達はヒーローに成れる」

 

現在の日本最高のヒーローからの激励は二人の涙腺を崩壊させた。

それほどまでにこのヒーローからの言葉は優しく大きいのだ。

 

オールマイトは筋骨粒々の姿から鶏ガラの姿になった。

電気は驚いていたが、オールマイトは出久にやった説明と同じ説明を電気にもやった。

傷の事も含めて・・・・

 

「緑谷少年、君に私からの提案があるんだが?」

 

「何でしょうか?」

 

「私の個性を引き継ぐ気はないか?」

 

「え?」

 

オールマイトの説明は常軌を逸していた。

個性を引き継ぐなんてそんなぶっ飛んだ話はない。

しかもそれがまるで聖火の如く引き継がれてきたなんてのは個性史始まって以来の大事件だ。

 

出久は驚き、電気も驚いた。

 

「何で、僕なんですか?力や飛び出したなら電気でも・・・」

 

「俺は要らねぇぞ」

 

「へ?」

 

出久の疑心に電気が率直に答える。

 

「な、何で?」

 

「だって俺、個性あるし、亀仙流あるし、もう要らねぇよ。宝の持ち腐れはごめんだよ」

 

電気は要らないのだ。

彼にとって力とは身近な物である。

自らの個性と亀仙流。

この2つで電気はやっていくと誓ったのだ。

今さら、新しい個性なんてのは興味はあるが欲しくはない。

 

「緑谷少年、今は整理する時間が欲しいだろうと思うから3日後に返事が欲しい、出来るか?」

 

「わ、わかりました」

 

オールマイトはその場から去っていた。

残った出久と電気は互いに顔を見合わせた。

 

「すげぇじゃねぇか!出久!オールマイトの個性だぜ!貰っとけよ!」

 

電気の言葉に出久は戸惑う。

 

「なんだよ?」

 

「僕で良いのかなって、それに電気だってあの時一緒に・・・」

 

「俺は要らないって・・・だって俺の憧れはじいちゃんだからな。亀仙流と自分の個性でヒーローになってやる」

 

出久にとって電気の言葉は眩しかった。

自分の人生をきっぱりと決められる電気は文字通り眩しかった。

 

 

 

 

 

 

●●●

あれから、互いに別れて家に帰り、出久は柔軟を終え、オールマイトの事を考えてた。

オールマイトからの誘いは嬉しかった。

自分の憧れてきた人からの誘いだし、自分の無個性をどうにか出来る。

きっぱりと直ぐに受け継ぎますと言いたいのに言いたくない自分がいることに出久は戸惑っている。

 

悩んでも答えが出てこず、出久はとある人に電話を入れて海岸に向かった。

 

 

●●●

 

海岸の浜辺の街頭の下のベンチでエロ本を読みながら、情けない顔を晒してる亀仙人。

いつも通りの平常運転にやって来た出久はどこか安心した。

 

「師匠!」

 

「おお、来よったか?」

 

出久は今日会った事全てを話せなかった。

オールマイトの秘密はかなり重大でとても気軽に師匠とは言え話せる内容ではなかった。

必死に自分の中で掻い摘まみながら、話した。

亀仙人も読心術が使えてそれを理解した上で出久の話を聞いていた。

 

「ようはそのテレビゲームの主人公が力を引き継ぐことが出来て何も問題がないのに引き継ぎたくないと言ってる。そんな事があるのか?と言う事じゃな?」

 

「そうです」

 

亀仙人はエロ本を懐に入れて、財布を出した。

財布を開いて中からあるものを取り出した。

 

一枚の写真だ。

 

そこには、力の大会で一緒に戦ったメンバー(フリーザを除いた)全員と撮った写真だ。

 

「これは初めて見せるな」

 

亀仙人はその写真を出久に渡した。

出久は初めて見る写真をマジマジと見ていた。

 

「師匠、この人達は?」

 

「ワシの大事な仲間達じゃ、今は離れて違う場所にいるが、その内の山吹色の胴着を来た三人の内、二人はワシの弟子で、もう一人はその弟子の息子じゃ」

 

出久は山吹色の胴着の三人

 

“悟空“

 

“クリリン“

 

“悟飯“

 

を見た。

 

「じゃが、その二人はワシの流派ではあるがワシの流派を広めてはおらん」

 

出久はその言葉を聞いて疑問に思った。

どうして亀仙流なのに自分の流派を広めないのか?

心の底から疑問に思った。

 

「どうしてなんですか?」

 

「必要ないからじゃ、ワシの大事な教えはキチンと弟子達の中にある。これからもあり続ける。ワシのような古い人間の教えなんて永遠に続くべきではない、弟子達には弟子達のやり方がある、ワシはそっちをこれからの世代に教えて欲しいのじゃ」

 

出久は言葉の意味が分からなかった。

継承とは全てを継承するから継承なのだと思った。

今もそう思っている。

 

「出久よ、大事なのは力ではない。何を受け継ぐかじゃ、そしてそれを決めるのは出久自身じゃ」

 

亀仙人の言葉に出久は答えが出たのか、爽やかな表情で亀仙人を見ていた。

 

亀仙人も出久の表情に満足したのか、再びエロ本を読み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

三日後の浜辺に出久とオールマイトはいた。

今日は亀仙流の修業があるが、亀仙人に話して特別に今は休憩を貰っている。

 

因みに亀仙人と電気は互いにこの事を自分なりの方法で知ってるので離れた。

 

「それでは緑谷少年、答えを聞かせてくれるかい?」

 

「はい!」

 

「私の個性を引き継ぐ話なのだが?」

 

「僕は“引き継ぎません“」

 

出久の言葉にオールマイトは極めて平常にそれを受け入れる。

 

「そうか、理由を聞いても良いかな?」

 

「最初は分からなかったんです。継承するの意味が・・・でもある人から教わったんです。大事なのは力だけじゃないって、それを選ぶのは僕自身だって」

 

「そうか・・・」

 

「僕は自分の力でヒーローになります。ヒーローになって“貴方の意思“を継ぎます。それが僕の“継承“です」

 

出久の言葉にオールマイトは感慨深い物を感じた。

それは、自分が三日前に勝手にそうだと思い込んでいたヒーローを目指す若者の言葉ではなく、若者のヒーローの言葉だったからだ。

 

「君は雄英に入るのかな?それとも士傑かな?」

 

「雄英を目指してます!」

 

「そうか、来年からは私も雄英の教師として勉を振るう事になっている。君も・・・・上鳴少年も二人とも待ってるよ」

 

「はい!」

 

オールマイトは去っていった。

 

浜辺に立つ出久の姿は誰よりも眩しかった。

“無個性“でもヒーローを目指す姿は“個性“飽和社会に置いて誰よりも気高く見えるだろう。

 

ここからが出久の本当の苦難の道である。

 

けど大丈夫であろう。

 

それは出久が亀仙流で平和の象徴を継承すると誓ったから・・・・・

 




と言うわけで、“ワンフォーオール“の継承は無くしました!!
色々と批判はもう既に来てます。
原作の意図を理解してないのでは?とか話の重要な部分はどうするの?とか
けど言わせて貰いますが、僕は結構初期から“ワンフォーオール“の継承は無くそうと考えてました。
理由としては、継承してようがしてまいがあまり重要な位置に存在して無いからです。
例えばドラゴンボールのドラゴンボールは願いを叶えるから作中で重要な位置にいましたが“ワンフォーオール“ってせいぜい“オールフォーワン“との因縁が強いだけで、死柄木との関連が無かったので無くしました。
死柄木はどっちかって言うとヒーローって言う存在との因縁が強かったですしね。
それにオールマイトも無下にするつもりは一切無いです。
出久の憧れはあくまでオールマイトです。
オールマイトに憧れてオールマイトの魂を受け継ぐのが原作を読んでて重要だと思ったので、そこはこれからも変えずに行きますが、オールマイトの力は余分と感じてこうしました。
原作者も元々は個性の引き継ぎをさせないつもりだったようですし、この作品はこのまま力の継承は無しで行きます。

それから、作中に登場した爆豪なのですが、私個人の意見でございますが、爆豪は神野事件の後の喧嘩まで大嫌いでした。
あの喧嘩の後で漸く自分でも納得して読めるようになりましたが、基本的には大嫌いです。

いじめをしてそのまま唯我独尊を進んでる人間が心の底から嫌いですので少なくともこの作品では最低でも入学してすぐのチーム戦が終わるまではこんな扱いです。

それから、書いててもう一回調べたら電気と出久の出身地が遠いと気が付きました。
この作品ではそういう裏設定はなるべく無視します。
すみません。(方言を使うキャラは別)

二人とも静岡か神奈川の生まれ育ちと考えてください。


今回の話は恐らく批判の嵐になるような気がしますので全て受け付けますので気軽にお願いします。
また基本的に私は来たコメントは次の話のネタバレになるような返信をしなければいけない場合以外は直ぐに答えますので気軽にお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雄英入学試験・・・・まさかの瞬殺!!?

どうも、第9話です。
珍しく筆がノリにノッタので書けました。
ではどうぞ!


オールマイトの出会いから1年間。

 

出久と電気は毎日毎日地獄の修業を乗り越えて強くなり続けた。

 

具体的にどんなに強くなったかと言うと、

 

緑谷出久

 

力と業で闘うオールラウンダーな戦闘スタイルにかめはめ波等の多彩な気弾を操れる。

 

上鳴電気

 

超高速とそれに伴う圧倒的な力で闘うスピード特化型な戦闘スタイルになり、超高速の最高速度は亀仙人ですら見えない。

 

 

 

とまぁ確かに二人とも桁が違うほどに強くなっていった。

はっきり言って下手なプロでは敵わないほどに強くなっていた。

 

そして、二人の修業も日に日に激化していた。

四肢につける重りは合計80キロになり、日常生活ですら風呂に入る時と寝る時以外は着用。

また、こんだけ強くなると普通は中学校時代の体育祭とかマラソン大会で目立つ物だが修業の鬼でもある亀仙人はその時でさえ重りを外させなかった。

しかもそれを勝手に外さないように当日は観客として監視しているほどに・・・

結果的にだが、一般平均とそこまで差を出すことは無く、二人は無茶苦茶強くなった。

更には元々修業の一環で始めた海岸のゴミの処理も殆ど終わらせていた。

殆どなのは主にこの作業は地獄の修業の一環でしかなく、それをメインでやってる日が無いからである。

また気の修業が始まったら、さらにゴミの処理の量も相対的に減っていた。

 

そして、入学試験2日前。

全ての修業を終えた二人は亀仙人と話をしていた。

 

「主ら、良くこのワシの修業を全て耐えて乗り越えた!素晴らしいことだ、明後日の入学試験でどのような結果になろうともワシは主らの夢を応援し続けさせて貰うぞ!」

 

「つまり、それって・・・」

 

「もう、ワシの修業は終わったのじゃ」

 

亀仙人の言葉に出久も電気も何とも言えない感覚になる。

修業が終わったこと事態は嬉しいが、いざ終わると不安が残るのが人間の性。

 

「ワシからの修業は終わったが、お主達にはこれからも苦難が多く待っている。これからの日々の修業は自分で始めるのだ!そしていつかお主達にしか出来ない亀仙流を越えた存在になるのだ!」

 

「師匠・・・」

 

「じいちゃん・・・」

 

「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休め、人生を面白おかしくはりきって過ごせ、亀仙流はお前達と共にある」

 

亀仙人から教えられた亀仙流の極意。

 

二人はそれを自分の脳に焼き付けた。

 

何年もかけて互いに必死に高めあってきた二人。

 

彼らはこの教えさえ忘れなければ道を間違えないだろう。

何故なら、それは彼らが亀仙流だから・・・

 

 

 

 

 

 

●●●

2日後、遂に始まった雄英高校入学試験。

たくさんの中学生が雄英に集まる。

黒い髪の男、眼鏡をかけた男、触手を持った大男、カラスのような顔の男、尻尾の生えた男、キラキラしてる男、ガタイの良い大男、気弱そうな大男、ブドウ頭の小さい男、肘がテープになってる男、丸っこい女、耳たぶがイヤホンの女、マゼンタ肌な女、蛙のような女、透明な女、爆発マンこと爆豪。

 

そして我らが二人、

 

緑谷出久と上鳴電気。

 

まだまだ生徒は恐ろしく多くいる。

 

この中の何名かしか、通れない狭き門。

 

それが雄英入学試験である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

雄英高校の筆記試験が終わった。

 

次の実技の説明まで20分間ある。

 

出久と電気は互いに試験会場の外に行き、お互いの出来について話し合っていた。

 

「出久、どうだった?」

 

「自己採点をもう一回キチンとやらないといけないから、詳しい事は分からないけど手応えはあった・・・」

 

「マズイよ、俺、ダメかも・・・」

 

いつも無駄に明るく、無駄にポジティブが売りの電気の言葉とは思えないほどの暗い発言はさすがの出久もちょっと引く。

 

「大丈夫だよ、電気!昨日一緒に最後の確認をしたじゃないか、絶対に大丈夫だよ!」

 

「出久~!!」

 

出久に抱きつく電気。

急な事により、バランスを崩して倒れそうになるがとある女が二人を触ると二人は少しだけ浮いて、体勢を立て直した。

 

「良かった~」

 

丸っこい女が自分の個性を使って体勢を立て直させてくれたのを二人は理解した。

 

「「ありがとうございます!」」

 

はもってお礼を言う二人に女は笑顔を見せる。

 

「いいよ、転んだら縁起悪いもんね」

 

出久と電気は女の健気さに思わず不細工な面をしてしまう。

これには流石に少女も唖然する。

 

「ちょっと大丈夫?二人とも・・・」

 

「すみません・・・・」

 

「大丈夫・・・です・・」

 

「それじゃ、二人とも実技も一緒に頑張ろうね」

 

去っていく少女に二人は見惚れていた。

 

「女の子と話しちゃった・・・」

 

「すげー、綺麗だった・・・可愛かった・・・」

 

出久と電気は中々ない体験に内心興奮しながらも、共に実技試験の準備を始めるために更衣室に向かった。

 

 

 

 

 

●●●

更衣室では多く受験生が動きやすい服装に着替えていた。ジャージだったり、トレーナーだったり、胴着だったり、自由が売りの学校らしく全員多種多様な格好だった。

 

出久と電気はとある服に着替えていた。

 

それは山吹色で背中と左脇腹に亀のマークがある胴着。

 

亀仙流の胴着を着た。

 

中々派手な服装になったので二人ともかなり目立つ。

しかも同じ胴着だから余計に・・・

 

「派手だね・・・」

 

「良いじゃねぇか・・・格好いいじゃん!」

 

恥ずかしがる出久と喜ぶ電気。

正反対の二人の反応は亀のマークを背負いながら実技試験の説明会場に行った。

 

 

●●●

 

説明会ではプロヒーロー“プレゼント・マイク“が何ともまぁ目立つ説明をしていた。

 

制限時間15分

 

倒すべき仮想敵は4種類

 

内の一種類は0ポイント

 

それ以外の目立ったルールがないシンプルな試験だ。

 

 

会場に向かう受験生達は同校の知り合いが被らないように別々に別れるように決められていたが、同門である出久と電気はまさかの同じ会場になっていた。

 

「マジかよ・・・」

 

「お互い、変な誤解を産まないように離れておこう」

 

「賛成」

 

出久は会場のゲートの左端に、電気はゲートの右端に行った。

 

「スタート!!」

 

雄英側が何とも急に始めるが、反応できなかった人間は極僅かである。

その中に出久も電気も入っていない。

二人は誰よりも先に飛び出し、互いに向かってくる仮想敵を一体ずつ瞬殺した。

 

倒した後、一瞬だけ目を合わすと互いに別方向に向かっていった。

出久は左に電気は右に

 

そして、出久は気弾を使って10体の仮想敵を葬り去り、電気は持ち前の超高速を使って8体を再び瞬殺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8分後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久は持ち前の気のコントロールと力で仮想敵を既に80体破壊していた。

電気も負けておらず、超高速の一撃必殺と電撃で同じ80体破壊していた。

 

互いに互い、離れていても同じ数になってしまうのは何とも息があってると言うか縁が深いと言うか非常に反応に困る物だった。

 

しかも、この時点で既に二人とも同率一位の雄英始まって以来の快挙である。

 

因みにここまでやると他の受験生はどうなるんだと思うが雄英は二人が互いに左と右に別れた瞬間に中央、左、右に仮想敵を雪崩れ込ませて決して出久と電気が理不尽な大量得点をしないようにしていた。

 

まぁもう既に理不尽な程の得点ではあるが・・・

 

更に驚くのは二人とも人を助けながら行っているのだ。

 

出久は持ち前の気弾を使いながら、眼鏡の男や黒髪の男を後ろから襲おうとした仮想敵を撃退。

電気は持ち前の超高速をいかして、仮想敵に囲まれていた耳たぶが長い女を助けていた。

 

この入試には受験生に教えていないもう1つの採点がある。

それは救助ポイントと言う物だ。

大きなお世話をして人を助けるのがヒーローの本望であり、またそれは打算でやってはいけないと言うのもヒーローの本望である。

故にこの救助ポイントは公にせずにまたそれを採点してるのは雄英教師のプロヒーローのノリと判断で決まっている。

 

この事を加味すると、

 

緑谷出久 合計ポイント95点

 

上鳴電気 合計ポイント98点

 

である。

 

因みに何故、電気が3点高いかと言えば女性を助けた時にこういう青臭い感じの事が好きなヒーローが何故か多目に付けたと言うのが理由だ。

 

まぁ、二人とも別に点数を競ってる訳でもないし、そもそも二人とも救助ポイントなんてのは全く知らずに人を助けながら稼いでるため、あんまりそこに意味はない。

 

ともかく桁外れな二人だけでなく、77ポイントを稼いだ別の会場にいる爆豪も本来は強烈な印象を与える筈だったのだろうが、この二人に比べればいくらか見劣りしてしまう。

これは決して爆豪が弱かったわけではない。

二人が化け物すぎたのだ。

 

そして残り、3分

 

0ポイントの怪物が会場に現れる。

有に20メートルは越えるロボットは辺り一面を破壊しながら、受験生目掛けて進む。

受験生達は0ポイントから逃げ、出久と電気も一緒に殿として周りを見ながら逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、二人は受験生の中で一人足りないことに気づいた。正確には先に逃げてた受験生の一人が残された一人に向かって叫んだのを聞いたからだ。

 

出久と電気が後ろを見るとそこにはさっき転ぶのを助けてくれた女がいた。

 

 

出久と電気は咄嗟に体が動いた。

 

自分の体から稲妻をバチバチと走らせてその稲妻を手に集中する電気。

 

自分の体から気をゴウゴウと唸らせてその気を手に集中する出久。

 

二人は互いに左右対称のかめはめ波を撃つ体勢になっていた。

 

「雷豪・かめはめ波!!」

 

「豪龍・かめはめ波!!」

 

大きな稲妻のビームと螺旋回転をする気の光線が巨大な0ポイントの仮想敵に直撃し、風穴を開けた。

 

二人が出した業はかめはめ波を元に二人が独自の方法で作った新しい業だ。

 

出久の豪龍・かめはめ波は気を多彩に操る出久が螺旋回転をさせて、威力その物をかめはめ波より更に上げた物。

 

電気の雷豪・かめはめ波は稲妻を手に集中させてなけなしの気の操作をして一直線に稲妻を放つ物。

 

両方とも亀仙人からは“かめはめ波“の名前は付けなくて良いと言われているが、二人はあくまでもリスペクトの意思として付けた。

 

性質も効果も全てが違う。

 

正しくオリジナルのかめはめ波。

 

未だに両方とも亀仙人のかめはめ波には敵わないが、取って置きの二人の切り札である。

 

 

 

 

 

そして、その切り札を受けた0ポイントは倒れた。

 

周りの受験生はとんでもない事をした二人に無茶苦茶ドン引きしている。

そして話の中心の二人は、切り札の予想外の消費にその場に座り込み、動けなくなった。

 

 

●●●

あれから30分後。

漸く動けるようになった二人は雄英教師の誘導の元に雄英高校から出た。

 

「出久、俺達大丈夫だよな?」

 

「仮想敵のポイントなら大丈夫な筈だ。僕は85体は最低でも倒してる。電気は?」

 

「80越えた辺りから数えてねぇ・・・」

 

二人とも実技試験の事は考えていたが、まさか数を後半になったら数え忘れる事になるとは思っても見なかった。

確かに80を越えたら大丈夫かと思うがそういう油断をすると落ちるのが世の常である。

 

出久と電気はこの自分達がやってしまった怠慢に嫌な予感を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

1週間後

 

出久はリビングで柔軟をしていた。

あれから1週間経ち、出久も電気も互いに合格発表を待っている。

 

あの後、亀仙人の元に報告に行き、80を越えたら数え忘れた事も含めてありのままを話したら、恐ろしいくらい激怒された。

 

勝負の最中に気を抜く馬鹿者がおるかと言うことで、読者に取ってみれば5話ぶりの殺人ボールに死ぬほど追われた。

しかも最悪なのが亀仙人が浜辺から出ないようにガードしていた為、二人はその日ホントにベットに倒れ込むはめになった。

 

「雄英受けるってだけでもすごいことだと思うよ母さん」

 

リビングで作業をしている母親の言葉が何気に落ちときのように聞こえるが、筆記試験の自己採点はギリギリ合格で実技も手応えありだ。

 

まぁ、試験日の夜に怒られた地獄を見たら、誰だって不合格になったんだと思うのも必然である。

 

 

「いずずずずずず・・・出久!郵便来てた!」

 

突然、母親からの言われた雄英高校からの合格通知に出久は一先ず、部屋の中で開けることにした。

 

部屋の机の前で手紙を開けると中から3D液晶パネルが出てきた。

 

スイッチを入れる出久。

 

すると黄色スーツのオールマイトが投影された。

 

「私が投映された!!」

 

ドアップなオールマイトの顔に少しビビる出久。

 

「ハハハ!!私も教師になって君達に教えるからね。緑谷少年!なんたって君は・・・・え?・・・何?・・・巻きでお願いって・・・・スケジュール合ってるよね?・・・・今日の内にやるの!?・・・・マジか・・・」

 

オールマイトの何とも締まらない言葉に出久の緊張は溶ける。

 

「んん!それでは結果発表と行こう!緑谷出久少年!筆記試験はギリギリ合格!そして実技試験は何と敵撃破ポイントを2位で通過!!」

 

オールマイトの言葉に思わず手を挙げる出久。

 

「更に君は実技試験の最中に様々な人を助け、最後は上鳴少年との見事な連携!素晴らしかったよ!我々が見ていたのは敵撃破ポイントだけでなく、人を助ける救助ポイントも見ていた!しかもそれは審査制のね。君の救助ポイントは何と45ポイント、敵撃破ポイントと合わさって、君の総合ポイントは140ポイント!惜しくも2位のままであるが、それでもこれは雄英始まって以来の快挙だよ!おめでとう緑谷少年!」

 

オールマイトの絶賛に出久はもう滝のように涙を流していた。

「ここが君の“ヒーローアカデミア“だ」

 

オールマイトはその言葉を言うとホログラムが消えた。

出久は涙を流しながら、母親にそれを報告。

 

二人揃って滝のように泣いた。

 

暫くして、涙も収まった出久は再び柔軟を始めようとしたら、電話がなり母親が手に取った。

 

そして、出久に渡してきた。

 

「もしもし?」

 

「出久か?」

 

「電気、どうしたの?」

 

「お前は受かったか?」

 

「受かったよ。電気は?」

 

沈黙が流れ、出久は最悪の結末を想像する。

 

「まさか?」

 

「“首席“で合格だって!!!!」

 

「ええええーー!!!???」

 

「じゃあ、一位通過って電気なの!?おめでとう!!」

 

「ありがとう出久!」

 

まさかの予想外の展開に出久も電気も興奮が覚めない。

正確には言うなら、二人ともこれを大声で話してるせいで互いの家族に知られていて、互いの家族も大喜び中だ!

 

「俺はヒーローになるぞ!ナンバーワンのヒーローに!」

 

「僕だってなるよ!最高のヒーローに!!」

 

 

「「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休め、人生を面白おかしくはりきって過ごせ、亀仙流は(僕/俺)達と共にある」」

 

互いに亀仙流の大事な教えを言い合いそして、二人とも笑った。

 

 

その次の日、お互いの家族が亀仙人も交えて親睦会と合格祝いをやった。

 

互いの親が自分の息子達を誇りに思ってくれ、亀仙人もまた二人を誇りに思い、祝いの品をやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、それがエロ本で互いの母親からプロレス技を掛けられてたのを出久と電気は楽しく見ていた。




まさかまさかまさかの上鳴電気!
首席で合格です!!!
絶対に予想を出来ないことをやろうと思ってやりました。
後悔なんてのは微塵も無いです。
だって上鳴が好きなんだもん!
出久も2位で通過!!

因みにこの二人のポイントの差は僅か3ポイントです。

あまりの超接戦でした。


まぁ、最後の出久と電気のかめはめ波は色々と前の段階で書いてなく、突飛な印象を受けますが、電気のやつに関してはヤムチャがかめはめ波を撃った時のような感覚です。まぁヤムチャの方が充分に丁寧にしてましたけど、


さぁ、次回から待望の雄英高校編が始まります!

そして強大な敵も現れます!

楽しみにしてください!!

どんなコメントも受け付けますので気軽にお願いします。
またコメントの返信が次回のネタバレになるようなら、すぐに返信できません(次話投稿してから返信します)がそれ以外ならすぐに答えるように努力しますのでどうぞ!気軽にお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

見せつけろ超パワー!個性把握体力テスト

早く進んで自分でも嬉しいです。
ではどうぞ!

今回、二人がやらかします!!


雄英高校。

 

様々なヒーローを選出して言った日本のヒーロー名門の学校。教師は全員プロヒーローとしての免許を持ち、様々な面で生徒に苦難とケアを同時に与える。

また卒業したら一人前に成れるわけではなく、サイドキックを経験したり、海外ボランティアをしたり、または違う国に行ってそこでヒーロー活動をしてから日本に戻ってくる人もいる。

ここ最近ではルーマニアが多い。

 

現に雄英高校生徒には様々な留学生がいて、今年のヒーロー科で二人、二学年、三学年は更にいる。

海外で活動するとこを視野どころか何時何処にも行って良いように学年が上がればもう海外の活動を前提にしてる授業も多々ある。

お陰でヒーローに成れなくてもビジネスマン、職人、経営者など様々な分野での潰しが効きやすい学校としても有名である。

 

そして今年からあることが加わった。

それは全生徒が寮生活をすることである。

これは、校長がこれからの時代の為に互いを知り、尊敬し、何時以下なる時も知らない相手と連携して解決していけないといけないと言う意思から来たものだ。

 

 

●●●

 

とある雄英高校の中にある会議室では先日の合格者達をもう一度教師全員で見ていた。

 

「しかし、今年は随分と豊作だな」

 

「ああ、1位と2位がずば抜けて高いが寧ろ3位も例年から考えると充分驚異的だ」

 

「敵ポイントだけで77ポイントだろ?トンでもねぇタフさだぜ」

 

「けど、やっぱり1位と2位は桁が外れすぎてる」

 

「過去最高の140オーバーで僅か3ポイント差。希に見る大接戦だったな」

 

「しかもあの0ポイントに向かっていったからな」

 

「毎年、向かうやつがいるが、あんなことをするやつは暫く見てなかったな」

 

「推薦入試もレベルが高かったですよ」

 

「過去最速の記録を出した奴がいるんだろ?」

 

「ええ、士傑を選びましたが・・・」

 

「まぁ、大事な事だし、本人の意志が最優先だ」

 

一人の教師が出久と電気が0ポイントを倒した時の映像にする。

 

「同じ胴着ね」

 

「同門なのか?」

 

「下手に協力はしてないんだろうな?してたら何のために不合理に会場をたくさん作ったのか分からなくなるぞ」

 

「それは大丈夫だよ。試験官だったマイクも流石に同じ胴着の二人が現れた時に監視はしてくれてたしね」

 

「どうなんだ、マイク?」

 

「コイツらは開始して直ぐ様、互いに別方向に行って最後の最後まで絶対に交わろうとすらしていなかった。明らかに協力はしてない、してたら俺はヒーローを辞めたって良い」

 

プロヒーロー達はその言葉に少し安堵した。

折角色々と個人の成績を見ようとあれこれ苦心してきたのが無駄になる恐れだったからだ。

 

「0ポイントをワザワザ倒したのは個人的には減点ですね」

 

「と言うと?」

 

「別にどんだけ派手にやろうがその後も動ければいい、自分から動けなくなるほどの大火力を放ったコイツらは減点です」

 

「相変わらず、キツいね。相澤くん」

 

「オールマイトさん」

 

「助ける人に希望を与えるのがヒーローだよ?」

 

「ヒーローが動けなくなったら絶望しかないでしょ」

 

オールマイトと相澤と呼ばれた男の静かな視線の交わし合いは部屋を重くする。

一先ず、これで会議は終わったが二人には苦難が待っていると言うことが確定された。

 

 

 

 

 

●●●

 

 

出久は荷物を持ち、靴を履く。

 

「出久、格好いいよ」

 

「ありがとう」

 

母親からのエールに出久は雄英を目指す。

 

途中で電気と合流し、互いに少し、駆け足になりながらも楽しく雄英に向かっていた。

雄英の門をくぐる二人。

 

「あー、そこの二人!」

 

突然、用務員の人に呼ばれ、二人はそっちの方を見る。

 

「これからの寮生活をする為の荷物はここで預かる事になってるんだ。渡してくれないか?」

 

「わかりました!」

 

「ありがとうございます!」

 

大荷物を渡し、教室に向かう二人。

まだ8時を過ぎたぐらいで一時間以上前だ。

二人とも1年A組教室に一番乗りするために結構駆け足で行く。

 

 

 

 

●●●

 

巨大な教室の扉。

どんな個性の持ち主でも不自由が無いように雄英が配慮した扉。

大きすぎて重いと言う印象がありそうだが、材質が軽い為かそこまで重くはない。

 

出久と電気は扉を開けて

 

「「一番!!」」

 

と大声で言った。

電気はともかく出久もこんな事を言うのは珍しいが明らかに早い登校と親友がいるという安心感で気が大きくなっていた。

 

そして二人が教室に入ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳たぶの長い女が二人を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番乗りではなかった。

彼女が本当の一番乗りだ。

高校デビュー初日にこの失敗は大きく、二人とも顔が赤くなった。

 

耳たぶの長い女・・・どっから見ても耳たぶがイヤホンになってる女はこっちを見てる。

 

「「おはようございます」」

 

緊張からか、羞恥からか、はもって挨拶をする二人に女は口元を隠しながら、笑う。

 

「ごめん、笑ちゃって・・・ウチの名前は耳郎響香。よろしく」

 

気軽に話しかけてくれた響香に出久も電気も顔の赤さが薄れる。

 

「俺の名前は上鳴電気・・・・よろしくな耳郎さん!」

 

「僕は緑谷出久・・・・よろしくね耳郎さん!」

 

「さん付けはしなくて良いよ」

 

「そっかなら、よろしくな耳郎!」

 

「よろしく、上鳴」

 

「よろしく・・・耳郎・・・さん」

 

電気は直ぐに名字だけで呼べたが、出久はさん付けのままだった。

まぁ人の性格は違うから、こうなるのも無理はない。

響香も別に気にしてない。

出久と電気は自分の充てられた席に荷物を置く。

因みに電気の席は響香の隣だった。

 

「上鳴って・・・・・首席合格だった?」

 

「お、俺ってそんなに有名?」

 

響香の言葉に思わず何処から取り出したのかヘアブラシで髪を決める。

 

出久はそのいつもの調子ノリの姿に呆れながら電気達の席に来る。

響香は電気のキャラに引いていた。

 

「ああー、そういうタイプ?」

 

電気のキャラが響香の中で決まったようだ。

 

「そりゃ、首席だからね、緑谷も2位通過の?」

 

「うん、よく知ってるね」

 

「話題になるからさ、こういう成績は」

 

響香が話題をふってくれた事により、出久も電気も気さくに話すことが出来た。

3人で話してると続々と色んな生徒が入ってくる。

その生徒達とも話していく出久と電気。

そして8時30分頃に二人にとっての知り合いが来た。

 

入試の時に助けてくれた丸っこい女だ。

 

「そのモサモサ頭とキンキラ頭は受験の時の!」

 

「あー!助けてくれた・・・」

 

「受験の時のいい人!」

 

((制服姿が超可愛い!!))

 

「助けて貰ったのは此方だよ!ありがとうございます!!私、麗日お茶子!」

 

「緑谷出久です」

 

「上鳴電気だ!」

 

「よろしくね!上鳴君!緑谷君!」

 

邪な事を考えてる男二人とは違って丸っこい女はまたもや健気に明るくお礼を言う。

 

その姿にまた不細工になったのは言うまでもない。邪な事を考えてたから五割増しだが・・・

 

「先生ってどんな人なんだろうね?楽しみだね!」

 

(ち、近い!!)

 

出久に素で近づいて話すお茶子。

出久のザ・草食な雰囲気は話しやすいのだろう。

 

(出久の野郎!!)

 

一人、キンキラ頭な電気は思いっきり、それを見て嫉妬しているが・・・

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

突然教室に響く声に驚く生徒達。

黒ずくめの学校をして、首には長いターバンのような物を巻いた男がどういう訳か寝袋とゼリー飲料を持って教室に入る。

 

「ハイ、君達は静かになるまでに8秒かかりました。合理性に欠けるね」

 

「先生!?」

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

何とも予想外な先生の登場に驚く生徒達。

 

「今からこれに着替えてグラウンドに集合」

 

消太は何故か寝袋から学校指定の体操服を出してそう言い。

そのまま去っていった。

生徒達はそれぞれ更衣室で着替えてグラウンドに行った。

 

 

 

 

 

 

●●●

グラウンドに着いて集合するやいなや、消太から驚きの事を言われる。

 

「「「「「個性を把握体力テスト!!!????」」」」」

 

消太から突然言われた内容に驚く生徒達。

 

「ガイダンスは?」

 

「入学式は!?」

 

「いくらなんでも!?」

 

「ヒーローになるのに悠長な事は言ってられないよ。雄英は自由な校風が売り、それは教師にも同じ事。君達も中学校の時に受けてるだろ?個性禁止の体力テスト、あれを自分なりに個性を使ってやればいい。他人の妨害と個性を使わずに機械を弄る以外なら何をどうやっても構わない」

 

消太は携帯を出して画面を生徒達に向けた。

そこには、体力テストの8つの競技が載っていた。

 

「首席は上鳴だったな、中学のソフトボール投げの記録は?」

 

「57メートルです」

 

「じゃあ、個性を使ってやってみろ」

 

「はい!」

 

ソフトボール投げの場所に行く電気。

軽く体をほぐして投げようとする。

 

「ちょっと待て、上鳴」

 

「はい?」

 

「その手足の重りは外してやれ、入試の時もつけてないだろう」

 

消太からの鋭い目線にたじろう電気。

そうあのいつも四肢に付けてる重りを付けたままやろうとしたのだ。

いつもの癖と習慣になっていた為だ。

 

「それから緑谷もだ、記録を知りたいのにそんな事をされたら二度手間だ。直ぐに外せ」

 

「はい!!」

 

電気と出久は急いで外す。

周りも体力テストなのに何やってるのだろうと呆れた視線を送っている。

 

ドォン!!

 

重りの音を聴くまでは・・・

 

重りを外して軽くまた解す電気と体の調子を合わせるために解す出久。

 

クラスメイトは二人の外した重りに興味津々である。

担任の消太も含めて・・・

 

一人の赤髪の男が出久の落とした重りの一つを持ち上げようとする。

しかし、軽くやっても中々上がらない。

力を入れてやって持ち上がった。

 

「な、なぁ緑谷だっけ?・・・これどれだけあんの?」

 

「切島君だよね?1つだいたい20キロだよ」

 

「「「「「20キロ!!!???」」」」」

 

出久の爽やかな感じが漂う回答。

内容はどこの筋肉超人?と云わんばかりの内容に生徒達は驚き、消太に関してはもはや呆れてる。

 

「上鳴、投げろ」

 

「はい!」

 

生徒達の混乱を吹き飛ばすかのような消太の合図に電気も投げる。

なけなしの気を指に溜めて勢いよくボールを発車!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投げたボールは天空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして投げた電気の豪腕の風速で爆発系の個性でもないのに風が吹いた。

 

「自分の出来る事の最大限を知り、苦手な事を知り、そこを伸ばして応用を鍛えるのが合理的。記録は712メートル」

 

消太が自分の携帯に映し出された記録を生徒達に見せる。

 

「712!!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「個性を自由に使って良いのか?」

 

「面白そー」

 

生徒達の言葉に反応した消太が睨んでるとも見てるとも何かが違う目線で生徒達を見る。

 

「面白そうか?これから3年間、そんな腹積もりでいるのかな?よろしい・・・トータル成績の最下位は除籍とする」

 

その言葉に生徒達は絶句する。

 

「生徒達をどうするかは教師に一任されている。これから君達は3年間、我々が出し続けるスパルタ顔負けの試練を越えていかないといけないヒーローに成るために、“PLUS ULTRA“。ようこそ雄英高校ヒーロー科へ、1年生A組」

 

その言葉に生徒達はそれぞれ意気込んで行く。

その様子に消太も笑顔になる。

 

「準備運動が終わったものからやっていく。キチンと時間を掛けてからの方が良い結果を生む“個性“もあるからな。出席番号順よりも合理的」

 

そして、体力テストが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

~50メートル走~

電気にとっては十八番な為、

 

「1.01」

 

「くっ!凄まじい速さだ!追い付けなかった」

 

(ハイパースピードカメラで測って良かった~)

 

電気の超高速に足の脹ら脛がエンジンなってる飯田天哉が悔しがる。

3秒代だから、充分に速い!

内心、消太が金の無駄遣いをしてサポート科の入学前に研究室に籠っていた新1年の発明に感謝してた。

 

出久は気を体に纏って身体を強化。

 

「3.00」

 

飯田よりも僅かに速かった。

 

隣で一緒に走る事になった爆豪は結果的に負けて精神的にズタボロなのは気にしてはいけない。

 

 

 

 

 

~握力測定~

 

電気も出久も普通にそこは気でやった。

 

「600キロ」

 

「650キロ」

 

出久の一番の記録に電気は素直に称賛してた。

他のクラスメイトからは細マッチョゴリラと云われているがな。

 

 

 

 

~立ち幅跳び~

 

二人ともまた鍛え上げた筋力と気で行った。

 

「2258センチメートル」

 

「2460センチメートル」

 

まぁ、気が使いこなせる出久の勝利である。

1位は出久に負けて精神ボロボロの爆豪が気合いと根性で爆発を大量にしながら2500センチメートルを取った。

(25メートルです)

 

 

 

~反復横飛び~

 

電気は個性を使って、出久は気を使ってやってみたが、二人ともこの急な作業にはてんてこ慣れておらずに

互いに100で終わった(それでも凄い)

因みに1位は頭がブドウな峰田実で300だった。

頭から血が出ていたがな・・・

 

 

 

~ボール投げ~

 

電気は先程の記録で充分だったのでパス。

出久は気を使って思いっきり投げた!

 

気を使うは電気以上に個性との関係上上手いので恐ろしいくらいに飛んでいった。

 

「1350メートル」

 

キロに直すと1キロと350メートル!

 

「すげぇ!!トンでもねぇ!!」

 

「マジかよ!!」

 

「凄い豪腕だ」

 

出久の飛距離に生徒達が驚く。

消太は出久のこれに冷や汗を掻いていた。

因みに1位は麗日お茶子でまさかまさかの無限が出た。

これには生徒達全員が唖然となった。

 

 

 

~上体起こし~

~長座対前屈~

 

この2つに関しては二人ともあまり常識から逸脱はしなかった。

上体起こしは100を越えてたが、まだ人間でも出そうな記録だ。

 

因みに上体起こし1位は電気と出久の同率。

長座対前屈1位は透明な女こと葉隠透だった。

 

~持久走~

最後の競技。

これは全員で走る事となってる。

全員の個性の出来る事は把握したのと、大人数の中でならどうなるかと言う担任相澤消太のドSテストのトリである。

 

全員気合いを入れてる。

 

主にとある爆発マンととある眼鏡マンが気合いを入れすぎで全身から火のエフェクトを纏う何処の漫画?としか言いようがない描写が似合う程に・・・・・

 

「はいスタート」

 

飛び出したのはやっぱり電気と出久、そしてそれを全力で追いかけるのは飯田天哉である。

 

他の生徒はその後を追いかける。

 

電気の超高速は基本的に電気の個性の延長線上にある。

従って電気が容量オーバーにならないと遅くはならない。

しかし、体が大きくなり個性を使う時間が増える事により、今や電気の個性の容量は常軌を逸する程にある。

 

出久も負けてない。

気の身体強化で気の容量がかなりある。

 

 

互いにそれぞれの方法で速く走ってる為か。

あっという間に最後尾のキャラデザの関係上どうしようもない峰田を抜いて、他の生徒もグングンと抜いていった。

爆豪が二人に抜かされた際は流石に妨害を仕掛けたが、担任の相澤消太の個性“抹消“で暫くの間、個性を消させてた。

 

驚いてたのに足を緩めなかったのは流石としか言いようがない。

 

消太もこれに関しては後で軽く注意ですますつもりだ。

何故なら、2人の速さに他の生徒も3名を除き心が折れてるもしくはやる気が見事に消えてる。

やる気が消えるのも無理はないが・・・

 

それに比べればやる気が消えてないだけマシである。

勿論、妨害行為は認める気がないから、ミッドナイト先生の特別指導室行きだが。

 

 

 

やる気が消えていないのは、爆豪を除いて二人。

飯田天哉とグラマーボディが特徴の八百万百である。

天哉も百も根っからの繊細生真面目実直優等生。

これぐらいの事では心が折れない。

 

 

 

 

天哉は必死に二人の後を黒い煙を出しながら追いかけてる。

 

百は冷静に前の人間を見ながら、自分のペースを上げていってる。

 

二人とも素晴らしいくらいの優等生である。

 

持久走の距離は3キロ。

いくら出久と電気と天哉が速くてもそうすぐには終わらない。

 

 

 

1分後

 

変化に気がついたのは峰田実である。

キャラデザと言うハンデに負けずに他の面々に付いていってる(体力だけなら上位なのでは?)

消太も確り見てる。

 

しかし、地獄には変わらず、息を切らしまくりながら走ってる。

そんな峰田の横に出久が現れる。

 

「何だよ緑谷・・・先に行けよ・・・」

 

しかし、出久は何も答えない。

それどころか峰田の横を走り続けてる。

これには流石の峰田も挑発されたとしか思えない。

まぁ、誰が見てもそうにしか見えないが・・・

 

「バカにしてんのかよ・・・この!」

 

峰田は嫌がらせに対する嫌がらせとして出久の体に体をぶつけようとするがそれは出久の体を通り抜けてしまう。

 

「え?」

 

今度は嫌がらせ云々関係なしに確認のために振ってる腕を触ろうとするが素通りする。

 

2、3回それをやってから峰田は渇いた笑いをして

 

「お化けだぁ!!!!!」

 

叫びながら、火事場の馬鹿力を発揮して全力疾走した。

 

峰田の突然の叫びに峰田の前を走ってた透が後ろの出久に気付き、同じ事をやって同じように叫びながら走った。

 

後ろの出久だけではない。

 

グラウンドのコースの所々に出久と電気が現れはじめて、阿鼻叫喚になった。

爆豪と赤白頭が特徴の轟焦凍、百、天哉はマイペースに走ってた。

まぁ爆豪はもう妨害禁止のルール、ド無視で攻撃していたが、当たることはなかった。

 

しかも混乱しながらも全員、持久走を止めなかったのは流石の一言である。

 

 

因みにこれは幽霊でも何でもない。

個性と言う超常現象に発展した科学が存在する世界で幽霊なんて物は存在しないと言うのは幼稚園児でも知ってるぐらいである。

 

これは二人の残像拳である。

 

二人ともこんな事はしなくても良いと思いながらも、担任の相澤消太の何でもやって良いと言う言葉とヘソからビームを出し正しくザ・マイペースな事を度々やってた青山優雅を見ながら、身体能力をただ使うだけではないアピールをしようと思ったのが切っ掛けだった。

 

これは実を言うと二人とも握力測定の時から話し合っており、担任の消太に対して強烈なアピールが必要と思ってやったからだ。

その時、消太は計画してた二人を見てたがこんなことになるとは全くの予想外である。

 

すぐに消させようと二人を見ようとするが、二人とも残像を出しまくってるせいでどれが本物なのかわからず、引いてみて全体を見て消そうにも走ってる生徒達の個性を消すわけにもいかずにそのままにした。

まぁ、ほぼ全員が恐怖で明らかに先程に比べて速くなってるから、そっちの方が合理的だと内心思い、本物を見つけた時には平常運転になっていた。

 

またこの阿鼻叫喚のせいで入学式から教室に戻っていく生徒達や上級生達の注目の的になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

阿鼻叫喚の元となった問題児二人は無事にゴールした。

 

肩で息を切らしながら話す二人。

 

片や緑髪の草食系(見た目)

 

片や金髪の色男(見た目)

 

やり方を間違えなければすぐに人気は間違いなしであった。

そうコースの阿鼻叫喚を作らなければ・・・

二人ともそれを見ながら内心やり過ぎたと思った。

爽やかアピールのつもりが問題告発みたいな状況である。

 

「おい、お前ら」

 

消太も二人に対して睨み、二人ともそれにビビる。

 

「あれを何とかしろ」

 

まだコースを走ってる残像。

しかし、この二人にはこの残像を何とかする力なんてなかった。

だって、残像だから自然に消えるのを待つしかない。

 

「無理っす、あれの消し方は知りません」

 

「すみません、いつも自然消滅でやってたので」

 

この答えに消太は頭を抱えた。

二人を見ても消えなかったので、あれは個性ではなくて筋力でやったと言う事実に頭を抱えた。

 

少しして天哉もゴールする。

そして倒れた。

ブスブス黒い煙を出して今にも壊れるのでは?

と思うような状態だった。

 

「飯田君だっけ?大丈夫?」

 

「み、緑谷君に上鳴君!今すぐにあれをどうにかしたまえ!全員がまともに走れないだろう!」

 

ヘロヘロ天哉の抗議に出久も電気も2度と何も知らない人にはやらないと決めた(敵は勿論除いて)

 

因みに消太は天哉の抗議も最もだと思ったが、全員速くなってるから、もう考えるのを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

全員が持久走を終えた。

約4名を除いて全員がグロッキーの死にかけではあるが、因みに残像に対して攻撃しまくってた爆豪は個性の使いすぎで腕が上がらない状態だった。

ゴールして出久と電気を攻撃しようにも出来なかったし、自身の疲労もあってゴール直後に意識を持ったまま倒れた(出久と電気もこれには申し訳ないと素直に思った)

消太はやろうとした内容はともかく意識を持ってる事に感心してた。

他の面々も抗議しようにも火事場の馬鹿力を使いまくったせいで倒れて動けず仕舞いだった。

マイペースに動いていた焦凍と百は皆の状態を見て自分がゴールした時に抗議。

筋力だけでやった事に無茶苦茶ドン引きした。

動けなくなってた面々もである。

更には自分の最大限を知る目的の為、怒るに怒れなくなった。

 

 

 

「はい、と言うわけで結果を発表するよ」

 

消太がマイペースに結果発表をする。

出久、電気、焦凍、百以外、仰向けに寝た状態ではあるが・・・

 

結果は出久が1位で電気が2位。

ぶっちぎりである。

そして、最下位を同率で取ってしまった峰田実と葉隠透は滝の涙を流していた。

 

悔し声すら疲労で出ない為、余計に悲哀である。

 

「因みに除籍は嘘だ」

 

「「「「「「「は!?」」」」」」

 

「君達の限界を引き出す。合理的虚偽」

 

消太の言い分に生徒達が言おうにも内容は自分達の利益にしかならずに尚且つ動けず仕舞いが多数の為喜んだ。

 

透と実なんて今度は嬉し涙の滝である。

 

百が優等生らしく虚偽と見破れた事を言おうとしたが、ほぼ全員のグロッキー状態からのハッピーエンド状態に言うのを止めた。

 

「それじゃ、今日の授業はこれまで・・・全員後は他のクラスの迷惑にならないようにな」

 

「は!?」

 

「申し訳ございません。相澤先生、今日の授業はこれで終わりですか?」

 

「そうだ、元々今日は入学式とガイダンスで昼までに終わる予定だったしな」

 

消太の言葉に百は納得した。

実際の時間割りもそうなってたからだ。

また既に時計はその両方が過ぎてた。

恐らくこれから自己紹介を含めたHRの時間だろう。

 

「じゃ、お前ら後は好きにやれ、グラウンドからは早く出ろよ」

 

消太はそのまま去っていった。

倒れてる生徒は残したまま。

 

出久と電気は誓った!

2度と本当に知らない人の前では残像拳は使わないとまた1つ成長した瞬間である。

こうして今日も青春が続いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「助けてくれ・・・・・」」」」」

 

・・・A組はあまりの疲労に助けを求めていた・・・

因みに残像拳の数は12体。

1人倍になっていた。




と言うわけで10話でした!!
次の回はこの直後から行きます。
また今作では寮生活は最初からします!
秘密は次回に明かします。

体力テストの結果ですが

1位 緑谷出久

2位 上鳴電気

3位 八百万百

4位 轟焦凍

5位 爆豪勝己

6位 飯田天哉

7位 常闇踏影

8位 障子目蔵

9位 尾白猿夫

10位 切島鋭児郎

11位 芦戸三奈

12位 麗日お茶子

13位 口田甲司

14位 砂糖力道

15位 蛙吸梅雨

16位 青山優雅

17位 瀬呂範太

18位 耳郎響香

19位 葉隠透

19位 峰田実

因みに透が長座対前屈1位なのはキャラブックからです。


批判、感想皆様気軽に書いてください。
次回のネタバレをしないと答えられないような質問以外は出来る限り早くお答えしますので



最近の悩みは出久と電気のヒーロー名です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

始まる寮生活・・・・・管理人は●●●

続きをどうぞ!本当に早いって自分でも嬉しい!


出久と電気は悩んでいた。

 

何を悩んでいたかと言うとこの状況をどう打開すれば良いのかを悩んでいた。

 

その状況とはA組が約4名を除いて倒れていたという惨状である。

 

出久、電気、百、焦凍の4人はこれをどうするか考えていた。

 

出久と電気はとりあえず、テスト前に外した重りを再び装着して全員またドン引きさせた。

考えてほしい80キロの重りを付けるのだ。

キツイ体力テストが終わった直後にだ。

引かない方が可笑しいのである。

「お前ら・・・体壊さねぇのか?」

 

「そうですわ、キチンと休みませんと」

 

「大丈夫だよ。轟君に八百万さん、慣れてるから」

 

「そうそう、寧ろ自分に負荷を掛けてないと変に集中しちまって落ち着かねぇから」

 

爽やかに答える脳筋な二人に皆やっぱり引いていた。

実なんてドMだと連発する始末である。

出久も電気も心外だと思った。

まぁこれは二人の意思だけでなく亀仙人の修業の弊害でもある。

 

しかし、グラウンドに長くは要られない。

すぐにでも出ていかないといけない状態なのだ。

何故なら、他の生徒の授業もあるが、その前に隣のクラスの1年B組が体力テストで使うからだ。

生真面目代表天哉を筆頭に全員動こうとするが全く動けない。

火事場の馬鹿力を使いすぎである。

全員、阿鼻叫喚せずにマイペースに走ればと心の底から後悔した。

しかし、それで限界が引き出されてとなっては微妙な気分そのものである。

 

出久と電気は置いといて、動けてる百と焦凍に倒れてるA組は尊敬の眼差しをした。

約1名は立ってる全員を睨んでいた。

 

「どうする?早く戻らねぇと他のクラスの人間に迷惑が掛かるぞ」

 

「急いで担架を作りますので手分けして保健室に運びましょう」

 

焦凍と百の優しい言葉に倒れてるA組は眩しい後光を感じた。

これぞ正しくヒーロー、女神、最高、聖人、天使、素晴らしき雄英生である。

実と透なんてお祈りをするぐらいである。

 

「だったら、ちょっと待ってくれ。良いのあるから!」

 

「うん、皆、ちょっと待ってて」

 

出久と電気の言葉に全員が頭に?を作る。

 

「良いアイデアがあるのか?」

 

「勿論!」

 

「ではお願いします」

 

「んじゃ、取っ手来るぜ!」

 

電気はサムズアップをする。

それから動かない。

 

「どうした?」

 

「行かないのですか?」

 

疑問に思うA組。

二人しか聞かないのは全員疲れてるからである。

 

「八百万さん、轟君、これ残像」

 

笑いながら電気の体に手を通す出久。

やらないと誓ったのにこれでは意味がない。

最も電気もただバカでやったわけではなく、あくまでもうA組全員が知っているのでユーモアの一環としてやったのだ。

だがしかし、全員これのせいでえらい目に合っているのだ。

それなのにこれをやったらどうなるか?

 

 

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」」

 

阿鼻叫喚再びである。

 

「何で!?」

 

「「当たり前(だろ/でしょ)!!」」

 

焦凍と百のツッコミが脳内筋肉センスなしユーモアマンの出久に刺さる。

この二人はやっぱり何処かがおかしい。

A組生徒全員の中で二人のキャラが確立された。

そして、速き事風の如しを通り越して雷の如しを実行する男 電気が戻ってきた。

阿鼻叫喚の図に首を傾げる?

 

「皆どうしたんだ?」

 

「電気、君の残像拳のせいだって」

 

「何で!?」

 

出久と同じ反応をする電気にA組全員が呆れた。

ツッコミを止めた。

 

「それで、何を取って来られたのですか?」

 

「これだよ」

 

電気は袋を取り出し、その中にある豆を一粒出す。

そうこれは作者が描写するのすらめんどくさくなり、長いことこの二次創作から文字すら消えていた亀仙豆である。

 

「20粒ある?」

 

「勿論、足りる足りる」

 

入学の際に亀仙人から自分がピンチの時になったら、必要と言うことで大量の亀仙豆を貰っていたのだ。

しかも、それをドラゴンボールの定番の緊急時なのに少ない仙豆みたいにならないように大きい壺3つ分。

流石にそれは手で運ぶと迷惑になるから郵送であるが、さてよく考えて想像してほしい。

クラスの怪物二人が謎の豆を見ながら笑っているのだ。しかも漏れなく全員分有ることまで確認して。

怪しさ満点である。

A組全員とある事を考えていた。

 

「それは何ですか?」

 

クラスの優等生にして女神の百が二人に聞く。

 

「簡単に言うと体力が戻る豆」

 

笑顔で答える二人。

全員考えが確信に変わった。

それは亀仙豆が

 

「「「「「麻薬だ!!」」」」」

 

どう考えてもヤバい物にしか見えないと言うことだ。

真っ当な反応である。

てか、普通に考えて食べただけで体力が戻る豆なんてのは存在しない。

 

「「何で!?」」

 

真面目に疑問を浮かべる二人。

そりゃそうだ、この仙豆のお陰で何とかなった数は数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいに多い。

1年365日、食べなかった日は手で数えるほどに・・・二人とも悪意なんて全くない善意で渡そうとしているが、A組の面々からすればヤバい物にしか見えない。

寧ろ、善意で渡そうとしてる分、余計に質が悪い。

 

「み、緑谷、か、上鳴、お前ら疲れてるんだ・・・」

 

焦凍が勇気を出して震えながら、二人を何とかしようとする。

 

「疲れてないよ」

 

「元気だぜ、ホラ!」

 

腕をブンブン振り回す電気に全員もう頭が可笑しいのかと心の底から同情した。

 

「そう言われましてもよくわからない物を食べるのは・・・」

 

百の天使の一声にA組全員が女神様が後輪なされたと心の底から錯覚した。

 

「だったら、僕達が最初に食べるよ、ホラ!」

 

「元気になるぜ!」

 

自ら毒味役をやり、何も無いことを証明する二人。

しかし、そのせいで全員からああ、もう慢性なんだと心の底から同情された。

怒り狂ってた爆豪ですら、同情した。

それでも笑顔で亀仙豆を焦凍と百に渡そうと手のひらに載せる二人。

見る人が見れば悪魔である。

しかし、二人の善意だけしかない笑顔に焦凍と百も戸惑う。

焦凍は家族の問題上悪い笑顔と良い笑顔の区別が出来る。良い笑顔は母親を始めとした家族で悪い笑顔は父親の笑顔と言う風に区別出来る。

そしてこの笑顔は良い笑顔だ。

焦凍は恐る恐る亀仙豆を手に取る。

百もそれを見たことによる負けず嫌いかそれとも焦凍だけを犠牲にはさせまいとする心の清らかさ所以か、同じように手に取る。

意を決して亀仙豆を手に取り食べる二人。

1年で今日は入学だが、その心は最早ヒーローそのものである。

A組は二人に心の底から無事であるように祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「確かに戻ってる」」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「神は死んだ!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A組は絶望の声を挙げる。

 

「皆、落ち着いてくれ!本当に戻ったんだ!」

 

「本当ですわ、信じてください!」

 

必死に出久と電気を無実と証明しようとする二人。

ただ、元々動ける人が元気になったっていっても効果が薄い。

悲しき事にA組にとってその姿はまるで悪の組織に洗脳されてしまった悲しき悪役のような状況である。

A組全員がその二人の姿に涙を流した。

 

「どうしたら、信じてもらえるんだろう?」

 

「本当に大丈夫なんだけどなぁ?」

 

「確かに安全だったからな。こうなったら仕方ない、片っ端から無理矢理食わせよう」

 

「確かにこうなれば荒療治が一番です」

 

洗脳されて良心を喪ってしまったヒーロー達が悪魔の仕事を協力する。

その姿にA組は恐怖を感じていた。

彼らから見た四人の姿は悪!

どうにかして逃げようにも動けない。

過労で動けない。

皆分かった事が1つだけある。

動けないとは絶望なのだと、絶対にヒーローになったら死んでも動くヒーローになろう。

細かい所は違うが大体のイメージが統一された瞬間である。

担任の消太も感涙ものの早さである。

しかし、四人も別にヤバい物を食べさせようとは思っていない。

亀仙豆の効果は素晴らしいのだ。

悲しいことにこの会話の噛み合わなさを調整できる人はいなかった。

 

「ぼ、僕にくれ!」

「飯田君・・・」

 

天哉が四人に言う。

そして四人も天哉なら適任だと思った。

何故なら、天哉は自分の個性の影響でまだ足から黒い煙が出ているからだ。

天哉が走力を上げる個性なのはさっきのテストで分かってる。

これで回復した天哉がグラウンドを軽くスキップをしながら走ってくれれば良い。

平常時に黒い煙が出てなかったら、出なくなるのを見せれば良い。

四人は笑顔で亀仙豆を食べさせる。

天哉が名乗りではのは四人の無実を証明する為ではなく、皆に食べさせないように犠牲になったのだ。

ヒーローの犠牲心を発揮させた天哉に他のA組の面々も次は自分が名乗り出ようと心に決めていた。

ヒーロー達の誕生である。

 

そして、亀仙豆を食べた天哉の体は文字通り戻った。

黒い煙も消えて、快調にストレッチをする天哉。

その証拠にグラウンド一周軽く回った。

唖然とするA組

 

「皆、これは本当に問題がなかったぞ!」

 

「「「「「マジかよ!!?」」」」」

 

自らで証明してくれた天哉の言葉は流石に信用ができて、続々と他のクラスの面々も亀仙豆を食べる。

皆、体力が戻った事に驚いて素直に凄いと思い、出久と電気に侘びた。

が、全員心の底で自分の感覚が壊れているのでは?と急に動けるようになった自分を今度は疑い始めた。

 

「皆、治ったかな?」

 

「いや、1つ余ってる」

 

亀仙豆は1つだけ余っていた。

食べてないのが1人だけいる。

そう、それは唯我独尊を地で行い、持ち前の天性の才能で全てを薙ぎ払い、エリートコースを一直線で進もうといざ入学し、今日の体力テストで散々バカにしてた男と親友にコテンパンにやられてプライドがズタボロの爆発マン事、爆豪である。

 

「かっちゃん、食べてよ、動けるから」

 

「流石にこれは信用しろ、他の皆も活けてるだろ?」

 

「うるせぇ!クソナードに金髪モブがそれにデクてめぇ良くも個性があることを隠してやがったな?」

 

「今、その話を話をする時じゃ・・・」

 

「うるせぇ!俺を騙しやがって!お前は敵だ!敵の施しは死んでも受けねぇ」

 

お前はどこの王子と言わんばかりの発言に二人は顔を見合わせる。

 

「しょうがないな、電気」

 

「わかってるぜ、出久」

 

二人の妙な言葉に爆豪は鳥肌を立てた。

そして、出久は爆豪を羽交い締めした。

 

「離せ!クソが!てめぇ!!」

 

「もう、暴れないでよ。急いでやらないとB組が来るかもしれないじゃん」

 

「んじゃ、食ってもらうぜ、爆豪!」

 

爆豪の口を掴み、亀仙豆を無理矢理食べさせる電気。

すぐに吐き出そうとするも出久と電気が無理矢理抑えて飲み込ませた。

A組はそれを見ながら、爆豪に同情した。

そして、飲み込む音を立てると出久と電気は離れて、爆豪は立った。

 

「ホラ!安全だったでしょ!」

 

「全く、いくら性格が糞でも信用はしろよな」

 

笑顔で答える二人。

何度もくどいようだが善意だけしかないのが無茶苦茶質が悪い。

残念な二人だとA組の面々は評価を改めた。

そして、施しを屈辱的な形で受けてしまった爆豪は敵顔負けの恐ろしい顔をしながら二人を見た。

さすがの二人もこれにはビビる。

 

「お前らぁ・・・・・死ねぇ!!」

 

突っ込む爆豪に二人は逃げる。

対処できない訳ではないが、争うと余計に時間を喰うので逃げることにした。

 

「何で!?」

 

「確かに治ったろ!?」

 

「そういう問題じゃねぇ!!!」

 

A組の面々はグラウンドを離れていく3人を見ながら、自分達も行こうとグラウンドを後にした。

追われてる二人にも追ってる爆豪にも同情しながら、グラウンドを去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

奇想天外奇々怪々摩訶不思議な体力テストを終わらせたA組は体の調子がバリバリ元気な筈なのに心労が凄くある状態で昼過ぎに寮に向かった。

因みに12時までのSHRで自己紹介をした。

怪物二人の自己紹介だけを少しだけ教える。

またこの自己紹介の主催は電気と天哉であった。

 

 

 

 

 

 

●●●

~自己紹介~

 

出久の番になる。

全員の視線が前の爆豪よりも強くなる。

当然だ、何せ体力テストで常識?なにそれ?美味しいの?とこの組の面々の度肝を抜いた怪物の1人である。

因みに主催の1人の電気は出身校と軽い自己紹介だけで終わり、皆からの質問は後にしてくれと言った。

この行動には親友の出久もわからなかった。

 

「緑谷出久です。出身校は折寺中学で、好きなものはカツ丼です!」

 

「個性はなに?」

 

マゼンタ肌の女 芦戸三奈が聞いてくる。

出久にとっては一番真実を答えたくない質問だ。

しかし、これから3年も一緒に頑張っていく仲間の質問を無下には出来なかった。

 

「個性は特殊な自分の中で作られるエネルギーを操る個性です。こんな風に」

 

軽く掌に気弾を作る出久。

真実は教えることが出来なかった。

嘘は言っていない。

実際に個性登録証にはそう書いてある。

しかし、真実は隠したままだ。

電気は出久のこの解答を黙って見ていた。

 

「緑谷ちゃんと上鳴ちゃんってどこで知り合ったの?」

 

「良く聞いてくれたぜ、蛙吸さん!」

 

「梅雨ちゃんって呼んで」

 

電気は出久の近くに行き、肩に腕をまわす。

出久は突然の事で気弾を消してしまうが、電気のこの行動は嬉しかった。

出久が真実を話す日はいつか来るのだろうか?

それはまだ出久もわからなかった。

 

「実はな、俺と出久は小五からの付き合いなんだ!」

 

「そんなに長くから?」

 

「おう、梅雨ちゃん!」

 

「てか、上鳴・・・今、答えるんだ」

 

「同じ質問をされると二度手間だしな。まぁ許して」

 

「緑谷君と上鳴君は何か習い事をしてるのか?」

 

「僕達は6年くらい一緒の人に武術を教えてもらってたから・・・」

 

「へぇ・・・どんな特訓だったんだ?」

 

肘からテープが出る男 瀬呂範太からの極ありきたりな質問を答える。

 

「毎朝、走りで個性牛乳の配達」

 

 

「「「「「ん?」」」」」

「その後は岩崖をロッククライミングだよ。最低三往復だけど・・・」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「まぁ、そっから放課後までは学校だから、それ以降は冷蔵庫や自動車が不当投棄されてた海岸の掃除二時間」

 

「「「「「は?」」」」」

 

「んで、仕上げに水泳を1キロ1往復だな」

 

「そうそう」

 

「「「「「い?」」」」」

 

「それを合計20キロの重りを付けてやってたよな」

 

「うん、小学校を卒業した時は5倍の量をやって、中学に上がると個性の特訓と組手が多くなったね」

 

「毎日毎日ボコボコにやられては亀仙豆・・・さっきの豆なんだけどそれの世話になったなぁ」

 

「そうだね、師匠なんて、食わなければ明日死ぬぞって脅してたしね」

 

「酷いよなぁ、毎日毎日倒れても治るってのが怖かったぜ」

 

「中学二年の時の夏休みなんてさ、強化合宿じゃとか言っちゃって、ハードな日が続いたよね」

 

「あの個性強制発動地獄はもう味わいたくねぇな」

 

「電気なんて毎日一戸建ての電力を出さないといけなかったしね」

 

「それは出久だってさ、気を電力に変える機械を使って俺と交代でやってたじゃん」

 

「そうだったね、農家特訓はキツかったなぁ」

 

「ああ、毎日毎日何処を探してきたの?って思えるような場所で合宿をしてたのに、絶対に東京ドーム分は最低でもあるような広さの固い土を手で耕してたもんなぁ」

 

「爪が何回、剥がれたか」

 

「もう数えきれねぇよ」

 

「耕す場所に木があってもお構い無しだもんねぇ」

 

「木があったらさぁ、二人とも個性を使わずに手でやれだもんなぁ、使うとボコボコにされるし」

 

「そうだね・・・・皆、どうしたの?」

 

引いていた。

今までとは桁違いに全員ドン引きしていた。

そりゃ亀仙豆を信用するわ。

そりゃあんだけ強くなるわ。

そりゃ脳内筋肉になるわ。

 

「ふ、二人ともそれで強くなったの?」

 

「おうよ、梅雨ちゃん!」

 

「な、何とも凄まじい修業だな」

 

冷や汗を掻きながら、答える天哉。

 

「どうしたの?飯田君?凄い汗だけど?」

 

「な、何でもない!何でもないぞ!!ハハハ!!」

 

こうして出久達の自己紹介は終わった。

話を戻そう。

 

 

●●●

こうして、ドン引きな自己紹介を終わらせたA組は12時になって終わったから寮に向かっているのである。

出久と電気は内心わくわくしながら行くのが目に見えて分かるので、他の面々はこの二人にイラァっとしながら向かっていた。

 

心労の原因はこの脳筋二人である!

いや、真の原因はこの二人をこんなにした指導者だ!

A組は思ったその指導者はいつかぶっ飛ばすと・・・

 

 

●●●

雄英の寮の内ヒーロー科の寮は実は2つしかない。

ヒーロー科は3学年に2クラスある。

計算が合わないだろうが合っているのだ。

1クラスごとに寮を作ってたら、いくら土地があっても頭が可笑しい為、学年ごとに別れている。

ただし、この雄英高校の特徴は何処から見てもHの字になると言う建築構造。

故に寮として捉えられてるは1つだが、Hの形をしてるため実質2寮と変わらない。

つまり、1つの学年、1寮だ。

それでも数が合わない。

3つなければいけない。

しかし、3年生の寮は存在自体しないのだ。

理由はシンプルに寮にいる時間が無いためである。

3年生ヒーロー科はインターンで現場を飛び回るのが主な活動になるためにインターン先から学校に直通、そしてインターン先に戻ると言った事をやってる生徒が多数な為、ヒーロー科3年生の寮は存在しないのだ。

故に寮は2つである。

また、自由な校風を売りにしてる雄英が寮をやることになったのは理由がある。

それはオールマイトのせいだ。

6年前にオールマイトとオールフォーワンが死闘した時に二人の闘いは文字通り世界を変えかけた。

 

何故なら、この二人のあまりの力のぶつかり合いに“次元が歪んだ“のだ。

 

そして、その影響か今まで発見されておらず、この世界のルールから逸脱した物が出てくるようになった。

まだそれは鼠ぐらいしか出てきてはいないがもしもこれが人間だったら?

人間を超越した何かだったら?

もしも、その存在が邪悪だったら?

しかもそれが“家で寝ていたのに急に違う世界に来た“みたいに軽く突然行われてしまったら?

 

この事実を知るのは世界でもそうはいない。

この国で政府と言う存在以外では雄英高校の教師たちと先代ワンフォーオールの友人のグラントリノぐらいしか知られていない。

 

新たな見えない驚異に備えるために寮生活を始めたのだ。もう、この時空だけの問題ではなくなった。次の世代が熟する前に別次元からの驚異に備えないといけなくなったのだ。

この真実を知るものは雄英の教師だけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出久と電気が寮に入ると最初は広い共同スペースだった。そこには郵便で送られてきた荷物以外、今日は皆が持ってきた手荷物があった。

郵便サイズはもうすでに充てられてる自分の部屋に置かれてる。

 

全員、自分の荷物を持とうとしたら、とある匂いに気がついた。

 

「良い匂い」

 

「美味しそうな匂いね」

 

「なんだろう?」

 

全員が匂いの元を目線で辿ると共同スペースの一番広い机の上にチャーハンが全員分乗ってあった。

蓮華と中華スープ付きで、

 

匂いにつられて荷物を持たずに一先ずチャーハンの方へ行くA組。

昼飯は学校が終わるため、寮で自分達でやらないといけなかったが、この匂いを嗅ぐとすぐに食べたくなる、そんな匂いである。

 

「良い匂い~」

 

「食いてぇ~」

 

「ダメですわ、ヒーローを目指すものが人様のお食事に手をつけてはいけません」

 

「皆、ここは耐えて自分達で作ろう!」

 

天哉と百の呼び声に全員名残惜しそうではあるが、ヒーローをこれから目指していくものが勝手に食べるわけには行かないのも事実なため、美味しいのを作ろうともう一度気合いを入れる。

 

「それはお主達の昼飯じゃよ」

 

聞き覚えのある年老いた男の声に出久と電気が素早く音の方を向き、他の面々も同じ方向を見る。

そこにはエプロンを着ている亀仙人がいた。

 

「貴方は?」

 

「ワシはこの寮の管理人を任された武天老師と言うものじゃ。人はワシを亀仙人と呼んでいる。暴言以外なら好きに呼んでくれて構わんぞ」

 

「あの?この食事は?」

 

「この寮で生徒が昼飯を食べるときはワシが作る事になっておる。夕飯は社会に出たときの事を考えて生徒が作るが昼飯はワシだ。今日は昼までしかないから作った。次に作るのは土曜日じゃな」

 

「マジか!!」

 

「ほれ、さっさと食べないと冷めるぞ。B組の生徒たちにはもう食べるように言ってきたからお主達もはよ食べい」

 

「「「「「ありがとうございます!」」」」」

 

出久と電気以外がお礼を言う。

その事に皆頭に疑問符を浮かべる。

 

「なんじゃ?出久に電気、呆けた顔をしよって」

 

「「何でいるの!?」」

 

「何でってワシが働いたらいかんのか?」

 

「いえ、師匠、そうではなくて」

 

「どうやって雇ってもらったんだよ、じいちゃん!」

 

「「「「「じいちゃん!?師匠!?」」」」」

 

A組は思いがけないカミングアウトに驚く。

 

「良いから、はよ食べんか、お仕置きをするぞ」

 

亀仙人のその言葉に出久と電気は条件反射共を言える反応で席に座った。

それに伴い他の面々も席に座った。

 

「それではA組諸君、召し上がれ」

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

疲れた時のチャーハンは格別である。

しかも長いこと生きてる亀仙人のお手製である。

旨いに決まっている。

出久と電気以外は亀仙人と二人との関係が気になっていたが、旨い飯を食べてる最中にそんな不粋な事は誰一人出来なかった。

 

●●●

全員食べ終わり、中華スープをゆっくりと飲んでる。

亀仙人もまた同じ机の席に座り一緒に飲んでいた。

因みに場所は出久と電気の間だ。

A組面々が3人を見ている。

 

「どうしたんじゃ?そんなに見て?」

 

「あの!3人ってどーゆー関係なんですか?」

 

三奈が先陣を切って聞く。

面々もその質問に首を縦に振る。

 

「この二人はワシの弟子じゃ」

 

「「「「「弟子!?」」」」」

 

「じゃ、あの個性牛乳を走って配達させた、イカれた師匠って」

 

「岩崖をロッククライミングさせまくったぶっ飛んだ師匠って」

 

「疲れた体で水泳をさせた鬼畜師匠って」

 

「「「「「貴方なんですか!?」」」」」

 

「お主達、一体何を言ったんじゃ?」

 

A組のあんまりな言い方に亀仙人は出久と電気の頭を掴む。二人とも徐々に力が強くなってくる手にビビる。

 

「ふ、普通に修業の事を言っただけだよ」

 

「何も嘘は言ってません!」

 

確かに嘘は言っていない。

亀仙人の修業が鬼なだけである。

 

「師匠と言うことは、あの残像を作る技も教えたのですか?」

 

「あれは、こやつらが自分達で教える前に作った技じゃが、ワシもあれは出来るぞ。残像拳がどうしたのじゃ?」

 

「し、師匠何でもありません!」

 

「お、お、俺達、頑張った、だけだぜ!」

 

亀仙人は二人の慌てように絶対なんかやったと思った。

読心術を使うまでもない。

 

「お主達、それを教えてくれぬか?」

 

「「「「「は、はい!」」」」」

 

亀仙人のただならぬ雰囲気にA組はさっきの惨状を教えた。

 

「出久、電気」

 

「「は、はい!」」

 

直立の姿勢でビビりながら答える二人にA組は悪い夢でも見てるかのような気分になった。

そりゃ悪魔のごとき行動をやって、A組の他の面々の常識を壊した二人は怖いものなしだと思っていたら、こんな事になるとは予想外だった。

 

「人を怖がらせる為にあの技はあるんじゃない!お仕置きじゃな」

 

亀仙人はカプセルのスイッチをいれて、例の殺人ボールを4つ出す。

 

「し、師匠!それだけは許して下さい!」

 

「じいちゃん!勘弁して!お願い!」

 

亀仙人にすがり付く二人にA組はあのボールは何なんだろうとボールの方に集中が向かっていた。

 

「ワシよりも言う人達がおるじゃろう」

 

「「皆さん、すみませんでした!」」

 

迷いなき清々しい土下座をする二人。

A組は怒りの感情を忘れた。

爆豪もこの二人のこの有り様に怒りよりも驚きの方が強い。

 

「あ、あの頭を上げてください。別にその頑張ってる姿は素晴らしかったですよ」

 

百の一言から他の面々も頑張ってる姿と1位を取った事を称賛した。

爆豪以外は・・・まぁ、誰も持久走には触れなかった。

 

「うむ、素晴らしき生徒達じゃな。でもお仕置きはお仕置きじゃぞ」

 

亀仙人は4つのボールのスイッチを入れた。

出久も電気も声にならない悲鳴を上げる。

ボールは例の如く刃を出しながら突進し、避けた二人の頬からは血が垂れた。

 

 

「ちょ、血が出てますよ!」

 

「ふ、二人とも大丈夫か!?」

 

「大丈夫じゃ、亀仙豆でどうにかなる」

 

A組は心底上には上がいると、そしてあの二人のぶっとび加減は間違いなくこの人が原因であると思った。

 

ボールの突進を避けた二人は逃げようとするが、何故かボールからゴム弾が大量に発射されて動けなくなる。

 

「いててててててて!!」

 

「何なんですか!師匠これ!?」

 

「雄英のサポート科の1年生が改良してくれたのじゃ、喜んで良いぞ」

 

「「喜ぶか!!」」

 

撃たれてる二人はその1年生を心底呪ってやると決心した。

そして、そんな状況を見せられてるA組は二人を心底同情した。

同情だらけの日になっているが、これを見て同情しない人間など敵だけである。

約1名笑顔でこれを見ているが、誰かは敢えて言わないでおく。

 

「お、おい、亀仙人さん、もう止めてあげてくれ」

 

鋭児郎が先陣を切って亀仙人に止めてもらうように言う。

 

「なぜじゃ?」

 

「そ、その、俺達はもう平気だから、ふ、二人をこれ以上は・・・」

 

えらく吃りながら話しているのは、A組にとって亀仙人が悪魔に見えたからであろう。

先陣を切った鋭児郎は勇気があると言える。

 

「しかし、お仕置きはせねば・・・」

 

「だったら、お二人にお夕飯を作って貰うのはどうでしょう?」

 

「良いなそれ!」

 

「ふむ、二人とも返事は?」

 

「「喜んでやらせてください!」」

 

二人の二回目の土下座にA組も流石にこれ以上はと心の底から思った。

 

「出久に電気よ。材料は買ってあるから、7時までに作りなさい」

 

「「はい!」」

 

「それじゃ、お主達。3時から部屋の整理が終わったら少し遊んでみないか?」

 

「「「「「遊び?」」」」」

 

「そうじゃ、ワシから尻尾を捕まえれば良い尻尾鬼じゃ。個性は勿論使って良いぞ、許可はとってある」

 

亀仙人の言葉に焦凍と爆豪以外は乗り気だった。

爆豪は単純に興味がなく、焦凍はこれから内装を替えないといけないため、物理的に不可能。

他の面々は個性を自由に使って良い遊びにウキウキしていた。

 

「電気、師匠の言ってるのって」

 

「言うな、言ったら俺達がえらい目に合うぞ」

 

「7時までに終わると思う?」

 

「無理だな」

 

出久と電気は小声でこれから行われる鬼ごっこをやる運命を選んだA組に同情した。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

3時、出久と電気は表に行く、他のA組に内心祈りを捧げながら見送った。

 

何人かが冗談半分で飯の支度を終わらせといてーと言っていたが二人とも終わるよと心の底から思った。

 

ここからはダイジェストでどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~30分後~

 

 

野菜を切っている二人。

その時、表から中へ鋭児郎と三奈が入ってきた。

 

「調子はどうだ?」

 

「ぜ、全然へっちゃらだぜ!!後少しで終わるぜ!!」

 

「ホントだよ!」

 

怒りの感情を隠しきれてない二人は上に上がっていく。

恐らくというか、爆豪と焦凍を参加させる気だろう。

2分経って二人は爆豪を連れて降りてきた。

そこに焦凍がいなかったのは恐らくまだ内装に時間を掛けているのだろう。正解である。

こうして3人は表へ行った。

 

「ねぇ、どうなると思う?」

 

「爆音ならして怒号が出始める」

 

電気の言葉の直後、爆発音がなり、怒号が本当に飛び交い始めた。

 

「怒号を言える元気があるだけ」

 

「まだマシだよなぁ」

 

二人は黙々と野菜を切っていく。

 

 

 

 

 

 

 

~1時間後~

妙に表が更に騒がしくなり、出久と電気は表が気になり始める。

そんな時、天哉が中へ入ってくる。

 

「飯田君、表大分騒がしくなってるけど?」

 

「ああ、B組も参加してくれたんだ」

 

「B組も?」

 

「ああ、素晴らしき加勢だ!」

 

天哉はそう言って上に上がり、オレンジジュースを飲みながら降りてきた。

どうやら、燃料切れだったらしい。

 

「飯田君!B組って何人参加してるの?」

 

「20人全員だ!初日から素晴らしいチームワークだ!」

 

天哉はそう言って、表へ戻り、出久と電気は互いに顔を見合わせた後、亀仙人が買ってきた大量の材料を見た。

 

「なんか、多いと思ったら・・・」

 

「作るの20人前じゃなくて、40人前かよ!」

 

「急いでやろう!」

 

出久と電気は互いに役割分担をして猛スピードで作業した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~3時間30分後~

内装が終わった焦凍が爽やかな顔で降りてくる。

どうやら満足する出来だったようだ。

降りてきてもう、皆要るだろうと思った焦凍だったが、電気と出久以外は誰もいなかった。

 

「二人だけか?」

 

「た、轟君」

 

「皆、まだやってるよ」

 

「まだやってるのか?皆、そんなに楽しいんだな」

 

焦凍の天然発言に二人は思いっきり首を横に振る。

 

3人は外でやってる面々を見に表へ、

するとそこにはヘロヘロ状態になりながらも必死に尻尾を捕まえようとするAB合同連合と1つの円の中で冷や汗すら掻いてなく、1回も尻尾を取られてない亀仙人の姿だった。

そう、亀仙人が言った遊びとは出久と電気がかつて破門されそうになったのは時の試練の事だ。

まぁ、尻尾が二本から一本になっているのは亀仙人鳴りの優しさだろう。

AB合同連合の中には既に倒れてる人間もちらほらいた。

 

「どうなってんだ?」

 

「じいちゃんに全員がおちょくられてる」

 

「これを皆に食べさせないとね」

 

出久は何処から出したのか壺を取り出して、蓋をあける。

中は亀仙豆の宝庫である。

 

「それ、何粒入ってんだ?」

 

「最低でも1000粒は入ってる」

 

「絶対に足りるぜ」

 

「でも、B組はどうすんだ?また長くならないか?」

 

「大丈夫だよ、彼処で倒れてる峰田くんでCMをすれば食べるよ」

 

倒れてる実を指差す出久。

考えてる事が鬼である。

 

「いや、ここは疲れてる女子たちに食べさせた方がCMになるぜ」

 

へばっている女子達を指差す電気。

考えてる事が鬼である。

 

「まぁ手こずったら無理矢理食わせれば良いしな」

 

「「だよ(なぁ/ねぇ)」」

 

一人完結する焦凍。

考えてる事が鬼である。

鬼三人組である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~7時になりました夕飯です~

 

出久と電気と焦凍は食器とか諸々の準備をして、デカイ炊飯器の横にデカイカレー鍋を並べた。

そして、表へ出るとたったの30分で力尽きたのか、倒れてる人間が多かった。

出久は実に電気は耳郎に亀仙豆を食わせて元気にさせた。

 

「皆!ご飯だよ!!」

 

「カレーができてるぜ!」

 

出久と電気の号令に喜ぶ面々。

 

「しまった!忘れてた!!」

 

B組は今まで忘れてた事を思い出してた。

 

「B組の皆の分もあるから!」

 

「カレーをよそうのは俺達の所だけどなぁ」

 

その言葉にB組が二人に感謝したのは言うまでもない。

出久と電気は倒れてる人を次々と亀仙豆で起こしていった。B組の人は近くにいる倒れてるA組の人をダシに使って警戒心を溶かしてた。

そして、亀仙人と出久と電気以外の全員が中へ戻った。

 

「二人とも、ワシの分のカレーをよそってきてはくれんかの?」

 

「師匠、ここで食べるんですか?」

 

「中に入ろうぜ」

 

「別に構わん。それから皆に続きは8時開始と言っといてくれ」

 

出久と電気は思ったこんな事を食べてからする人間はいないと、しかし、出久と電気がその事を言ったとたん、わいわいとしていた雰囲気は消し飛び、37名から殺気が溢れていた。

出久と電気は亀仙人の分のカレーをよそって持っていった。

 

「師匠」

 

「おお、ありがとう」

 

「じいちゃん、ルールはあの時と一緒か?」

 

「そうじゃぞ、二人ともこれには手出し無用で頼むぞ」

 

「何でだよ?」

 

「お主らが出れば楽をする人間が出てくるに決まっているからじゃろう。それにワシ自身、こんなに若者に囲まれたのた始めてで楽しいんじゃい」

 

動機に二人とも呆れたが、二人とも参加する気はこれっぽっちも全く無かったのでその事を受け入れた。

亀仙人は早く食い終わり、皿を持って二人は中に戻っていくと中では雄叫びが起こっていた。

二人は近くにいたお茶子に聞くと焦凍が参戦するとの事に全員盛り上がってた。

 

「どうなるんだろう?」

 

「とりあえず、食器を掃除しよう」

 

二人は自分達の分もさっさと食い終わり、せっせと食器を洗い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~8時から2時間後の10時~

食器を早いこと片付けた二人は明日からの授業の予習を自分の部屋で始めていて、暫くすると寮の屋上に行った。

屋上でやったのは組手である。

どんな風だったのかは言わないでおくが軽く汗を流す感じで二人とも止めた。

二人はまだ下で派手にやってる皆を屋上から見下ろす。

すると結構多い人数が中へ入っていった。

B組は自分達の寮へ

 

出久も電気も不審に思って下に降りると男達が何かを持って表へ行っていた。

二人ともすぐに表へ出る。

表では大量の本や写真が飛び交っていた。

二人の元へも本が飛んで来る。

電気はそれを掴んで中身を読むとにやけ面になった。

出久もそれを覗き込むとそこには女の人の●●●●●が写ってあった。

エロ本である。

どうやら、亀仙人の欲を付いた上手い作戦をしたのだろう。

亀仙人も鼻の下を伸ばしまくってる。

まぁ、それでも全然捕まっていないが・・・・・

因みに女性陣はこれを決行した為に男共をゴミを見るような目で見ている。

出久は急いで電気を連れて中に戻った。

二人とも永遠に終わらないあの様子に頭を悩ませる。

共同スペースのリビングで少し座ってると、中の扉から消太と赤いコスチュームのヒーローブラドキングが来た。

補足だが、この寮は実は地下で雄英校舎と繋がっており、二人はそこから来たのだ。

 

「おい、なんだあの騒ぎは?」

 

「管理人の武天老師さんがAB連合相手に鬼ごっこで無双してます」

 

「もう、止められないです。皆の殺気が強くて」

 

「ああ、ここでも感じるから凄まじいな」

 

「皆が倒れたら、これを食べさせますので安心してください」

 

出久は亀仙豆を二人に見せる。

 

「なんだこれは?」

 

「武天老師さんのお手製豆で体力が回復します」

 

ブラドはそれを聞いて亀仙豆を食べる。

漢方の一種だと思い、消太も同じ事を考えながら食べる、すると二人とも亀仙豆の効果に内心驚いた。

 

「凄い効果だな」

 

「これなら徹夜でも合理的に動けるな」

 

消太もブラドも純粋に効果に驚いてる。

確かにこれを食べれば徹夜なんて無いに等しい。

 

「すまないが20粒ほどくれないか?」

 

ブラドの言葉に亀仙豆を20粒程入れて渡す。

 

「誰に使うんっすか?」

 

「うちの生徒達だ。うちはお前達と一緒に行動してないから食べれなかった奴を考えてな」

 

何とも立派な教師だろう。

素晴らしい教師である。

生徒のB組が聞いたら感涙するだろう。

 

「ちゃんと食わせとけよ」

 

消太は出久と電気にちゃんと食わせるように言った。

天と地ほど対応の差である。

 

「もう一粒くれ」

 

消太の言葉に亀仙豆をもう1つ渡す。

すると自分で食べた。

 

「もう寝る」

 

そう言って消太は去っていき、ブラドも去っていった。

「僕達も寝よっか」

 

「そうだな」

 

二人は風呂を沸かして入り、そして寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝5時早朝だよ~

 

早朝の5時。

今までの修業のせいか目が覚めた二人は準備を済ませて、共同スペースに行った。

そして、まだまだ全然終わっていなかった亀仙人無双に心底二人は呆れた。

 

二人は流石にキレて、亀仙人のいる場所にかめはめ波を放った。

亀仙人も咄嗟の事だったので避けきれずに円の外へ出た。

 

「全員!もう朝だよ!?」

 

「今すぐ、亀仙豆を食って着替えろ!」

 

AB連合は咄嗟の事で唖然となるが日の光を見て一斉に動いた。

 

そして亀仙豆を食べて疲れを飛ばして準備した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

吹き飛ばされた亀仙人。

 

「次は何をしようかな?」

 

懲りて欲しいものである。

 




と言うわけで亀仙人はなんと寮の管理人コースです。
元々はUSJ編から再び合流って考えてましたが、こっちの方が面白そうと思ってやりました!
因みにこの亀仙人無双の鬼ごっこはその後、雄英中に広がり、全学年のヒーロー科合同訓練のダシにされます。


それから、2話を少しばかり編集しました。
主に亀仙人のヒロアカ世界に来てからの時間を再計算したら、自分のやりたいこととはずれてたので調整させて頂きました。

批判感想質問何でも受け付てます。
次回のネタバレが答えになるような質問以外は出来る限り早く答えますのでどうかお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

因縁の決戦!出久vs勝己

今回は出久と勝己の因縁にある程度、終わらせるつもりで書きました。ではどうぞ

さっき、ランキングを見たら、二次創作日間と二次創作習慣で10位と47位でした!

嬉しいです!

これも読んで下さる読者の皆様のお陰ですので、今ここで言わせてください。


ありがとうございます!!


雄英に入学して1週間。

全員、初日が強烈的過ぎた為か雄英での普通校と変わらない日常に戸惑いを隠せてない人間が多い。

 

あれから、亀仙人との鬼ごっこは毎日のように続いている。

まだクリアしていない。

ただ、初日にやり過ぎた為に校長からの厳しい説教を亀仙人含めた参加者が全員受けるはめになり、強制的に10時に終わりである。

その為か全員、短い時間で死ぬ気で取りに行くようになった。

晩飯担当は出久と電気で定着してた。

この二人は鬼ごっこの参加を認めてもらえずにいた。

理由は二人が入ったらすぐに終わってしまうからである。

この事実を聞いたAB連合はひどく憤慨したのだ。

何故なら、この二人よりも下であると言われて怒らない人間はいない。

約1名は怒りのあまり本当に火を吹き掛ける所だった。

だが、実際に負け続きなのには変わらずなので、AB連合は二人から自分達の時はどれだけの時間が掛かったのかを聞いた。

二人は4時間から5時間以内に終わらせたことを言ったら、AB連合がドン引きした。

確かに無茶苦茶早く終わっているわけではなかったが、AB連合は10時間以上だと思っていた。

何故ならもう既にこれだけの人数で挑んで30時間以上かけてやっていて冷や汗の1つすら掻かせていない超人相手にまさかの1桁これを化け物と言わずして何を化け物とするか、しかも自分達はまだ亀仙人に個性を使わせていないのにこの二人はそれ込みで1桁だ。

引かないわけがない。

 

まぁ、亀仙人は個性なんて持っておらず、全員が個性と思っている読心術と気は技と言うことを二人は皆に教えなかった。

 

心がバキバキに折れるのが目に見えるからだ。

 

それから初日のエロ本作戦は物の見事に怒られて、2度としてはいけなくなった。

当然の結果である。

因みにそれで使ったエロ本は男子の目の前で女子たちの怒りの炎によって燃やされた。

特に響香の怒りは物凄かった。

理由を男子は当然知りたがり、唯一正解がわかった実は他の男子に広める前に制裁された。

 

まぁ、それは放課後の課題なので、今はA組はハイテンションな英語をしてるプレゼント・マイクの授業をきちんと受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

13時、今日は全員待ちに待った日である。

何故なら!?

 

「ワタシが普通にドアから来た~!!」

 

オールマイトがヒーロー基礎学をやってくれるからである。シルバーエイジ時代の赤いコスチュームを身に纏ったオールマイトは文字通り画風が違った。

無茶苦茶ゴージャスである。

 

「皆!ヒーロー基礎学はヒーローとはなんたるかを学ぶ、授業だ。そして本日の授業は戦闘訓練だ。二時間連続で行うから、皆も気を引き締めてくれよ!それじゃ始めるからコスチュームに着替えてグラウンドβに集合だ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

全員がコスチュームを着れる事に喜ぶ。

当然だ。

コスチュームはヒーローの姿、ヒーローの全て、ヒーローと人々を繋ぐ一番最初に目が付くところである。

故にヒーローは如何にアホに見られようが目立つ服装なのである(基本的には)

 

出久と電気は自分のヒーローコスチュームを早く着たい一心ですぐに更衣室に向かい、それに続いて皆も更衣室に向かう。

 

最後になった爆豪は静かに更衣室に向かった。

 

 

 

 

●●●

更衣室から続々とグラウンドβに出てくる面々。

皆が様々なコスチュームを身に纏ってる中で我らがA組の亀仙流コンビは似ているコスチュームだった。

亀仙流の胴着ではないが、胴着だったのだ。

 

出久は緑色の胴着に赤色の長袖のインナーシャツで帯も赤色だった。

 

電気は黒色の胴着に黄色の長袖のインナーシャツで帯も黄色だった。

 

首から上に関しては出久は何も無く、電気には小型の機械が耳についてあり、腰元にも違いが出てて、電気には帯に小型の機械をつけていた。

 

このコスチュームはお互いの家族と亀仙人が内緒で造り上げてた物だ。

亀仙人の部分が多いがそのコスチュームから伝わる家族の思いは確りと二人とも感じてた。

因みに電気の耳と腰の機械は緊急端末と緊急バッテリーである。

両方とも亀仙人が自ら体につけて耐久テストをやった優れものである。

 

「良いね!二人とも!地に足ついてるって感じで!」

 

二人は声がした方を向く。

そのにはパツパツスーツを身に纏ったお茶子がいた。

こう言っては何だがかなりエロい。

 

((ヒーロー科、やべぇぇぇ!!))

 

健全な邪な二人はまたもや良からぬ事を考える。

 

「いやー、要望をちゃんと書いとけば良かったよ。パツパツになって恥ずかしい」

 

素で恥ずかしがるお茶子。

しかし、その姿は邪な二人の性欲を上げるだけである。

 

((やべぇぇぇ!!可愛い!!))

 

「あんたら二人とも爆発すれば良い」

 

響香が自分のコスチュームの確認しながら、鼻の下を延ばしまくってるアホコンビに毒を吐くがそんなものは聞いていない。

余計に腹がたったのは言うまでもない。

 

 

「おおー!皆!様になってるね!!」

 

 

オールマイトは全員のコスチューム姿を見てそう思った。出久と電気の似すぎてるコスチュームを見てオールマイトは二人とも出来てるのかな?と内心思っていたのはオールマイトの秘密である。

腐男子脳満載である。

 

「君らにはこれからヴィラン組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう」

 

「屋内ですか?」

 

「そうだ、真に賢しい敵は人気のない意外な場所で活動するからね」

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎のなんたるかを知るための訓練さ、ただし、今度はぶっ飛ばせばOKなロボットではないよ」

 

「勝敗システムはどうなっているのですか?」

 

「ぶっ飛ばしても良いですか?」

 

「また相澤先生みたいに除籍があるんですか?」

「組分けはどのようになさるのですか?」

 

「このマント、ヤバくない?」

 

「んんー!!聖徳太子!!」

 

約1名のおかしな質問を除いてオールマイトはこの大量な質問攻めを満喫してから、カンペのノートを開いた。

全員、カンペ見るんだと思ったのは言うまでもない。

 

「状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理しようとしていて、ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収すること、ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収すること、そしてチーム分けはくじ引きだ!」

 

くじ引きのボックスを何処からとも出すオールマイト。

確かにエンターティナーではあるが、どちらかと言うとこれは、コメディアンでは?と皆は思った。

 

 

それではチーム分けをするよ!

 

 

これは殆ど一緒である。

爆豪は天哉と組み、他の皆も大体同じである。

しかし、この世界においての出久の相方は麗日お茶子ではなくて、耳郎響香だった。

 

「よ、よろしくお願いします、耳郎さん」

 

「あぁ、よろしく緑谷」

 

(ひぃ!何か怒ってる?)

 

響香が怒ってる理由は単純である。

先程の鼻の下を伸ばした事がムカついているのだ。

初日にはエロ本作戦を男子が決行してウンザリして、尚且つそれに載ってたAV女優が皆、巨乳なグラマー体型でそれを実にバレそうになるわ、亀仙人がそれに対して鼻の下をもの凄い伸ばして、しかも出久と電気も麗かボディのお茶子の姿に鼻の下を伸ばしていた。

要するに体型が良い女子に対する嫉妬である。

しかも、ザ・草食系な見た目の緑谷がかなりのむっつりスケベな事にもいらぁっとしてた。

 

「それでは最初の対戦相手はコイツらだ!」

 

番号はAとD

爆豪と天哉ペアと出久と響香ペアだ。

 

この試合表に爆豪が出久を見る。

一瞬、出久はビビるが負けずに睨み返す。

爆豪的には睨んでるつもりなんて更々なく見ているだけだったが、目付きが悪いのか出久にはそう認識されなかった。

爆豪の怒りのゲージが少し溜まったのは言うまでもない。

 

「敵チームは先にフィールドに入ってセッテング。5分後にヒーローチームが潜入でスタートだ」

 

 

 

●●●

爆豪と天哉が核弾頭ダミー部屋で準備運動をしていた。

 

「これが、核弾頭か、訓練とはいえ敵になるのは心苦しいな」

 

「おい、デクは凄いか?」

 

「何を聴いているんだ?爆豪君?緑谷君も上鳴君も僕達が比べるのも烏滸がましい位に凄いではないか?」

 

「だよなぁ」

 

えらく静かな爆豪はひどく不気味に見える。

 

「爆豪君、何をする気なんだ?」

 

「何も訓練さ・・・あのクソナードに勝ってやる!」

 

その言葉は滑稽かもしれなかったが、その雰囲気、その声色のおかげで天哉は本気なのだと思った。

 

「爆豪君・・・素晴らしいガッツだ。勝とう!」

 

「あぁ、てめぇは核を守ってろ。デクは俺が潰す」

 

気合いの入れ込みすぎで失敗するような程の雰囲気だが、不思議と天哉はある種の確信を感じた。

 

今の爆豪君ならもしかしたら・・・

そう思った天哉には爆豪の作戦を否定するほどのアイデアはなかった。

 

「良いだろう。ただし、無線は常に繋がるようにしておいてくれ」

 

「あぁ、わかった」

 

本気で勝ちに行こうとする二人に勝利の女神は微笑むのか?

 

 

 

 

 

 

●●●

一方こちらはヒーローチームは建物の見取り図を見ていた。

 

「緑谷、地図覚えた?」

 

「うん、耳郎さんは?」

 

「やっと覚え・・・どうしたの?」

 

地図から目を離した響香は冷や汗が出ている出久を心配する。

 

「ちょ、ちょっと緊張しちゃってね」

 

「緑谷でも緊張するんだ」

 

「そりゃ、するよ。相手がかっちゃんだし・・・」

 

「爆豪だから?そう言えば仲悪いね。あんた達、何かあんの?」

 

「大丈夫、私情は挟まないよ。本当に嫌なやつで最低だけど強いことは強いから」

 

出久の気負いすぎてる言葉に対して響香は出久の脇腹をこずいた。

 

「ッ!何するの?」

 

「あんた、なに考えてんの?」

 

出久に顔を近づける響香、出久は顔を赤らめてしまう。

 

「ウチら、今はチームなんだから、何でも気軽に言いなって、サポートするから」

 

響香の姉御発言に出久は惚ける。

 

「チームとして・・・」

 

「嘘でしょ・・・」

 

「優秀な・・・」

 

「緑谷?」

 

何か言葉を繕うにもどうやら響香にはばれてしまっているようである。

 

「かっちゃんに勝ちたい」

 

「そっか、なら飯田の相手は任せな!」

 

「良いの?」

 

「その代わりウチも飯田の速さから逃げ切れる自信がないから、終わったらすぐに来てよ」

 

響香の身長は出久より12センチ小さい。

近づけば自然と響香が上目遣いになる。

今の響香の発言に出久は本当に顔を真っ赤にさせた。

 

「行くよ!」

 

先に入っていく響香の背中を出久は追いかけた。

サバサバしてはっきり言えて自分には無いものを持ってる響香を眩しく感じてた。

 

 

 

 

 

●●●

建物の中を突き進む出久と響香。

響香は耳たぶのイヤホンを壁にさして、微かな物音を聞いていた。

 

「何かがこっちに来る、凄い轟音」

 

「かっちゃんだ」

 

出久は爆豪を倒そうと進む。

 

「そこの曲がり角にいる!」

 

響香の言葉に出久は咄嗟に体を反らした。

待ち伏せをしていた爆豪の右手の大振りは中を舞った。

出久はすかさず体勢を立て直して、爆豪の腹に1発蹴りを放ち、爆豪も負けずに出久の腹を蹴る。

 

互いに少し離れる。

 

「デクゥ!!」

 

「かっちゃん!!」

 

睨み会う二人。

それほどまでにこの二人の因縁は強いのである。

 

「緑谷、飯田は任せな!」

 

「うん!絶対に追い付くから!」

 

響香はそのまま核弾頭の部屋まで走る。

爆豪はそれに対しては気すらしてなかった。

 

「追い付くだと?クソナードが、」

 

「僕だって強くなってる」

 

「あぁ、理解してるよぉ、でもなぁ1つだけてめぇは間違えてらぁ、俺は天才だ。てめぇは落ちこぼれだ。落ちこぼれがどれだけ努力したって天才のエリートの俺には勝てねぇんだよ!喧嘩は鬼ごっこが上手けりゃ勝てるもんじゃねぇよ」

 

「落ちこぼれだって必死で努力すればエリートを越える事があるかもしれないよ」

 

「面白ぇ、地力の差を分からせてやる」

 

爆豪はまた右手の大振りをするが、出久はそれを読み、素早く爆豪の懐に入って、右手をボディに入れた後、左肘で爆豪の顎を打ち上げる。

爆豪はその衝撃に耐えて、仰け反りながらも左手を出久にぶつける。

出久も避けきれずにガードする。

しかし、爆発の威力は想像以上で出久は前のめりな体勢になる。

爆豪はすかさず立て直して出久目掛けて右アッパー。

出久も自分に直接迫ってくる爆豪の右アッパーに対して自分の右拳を爆豪の腕の手榴弾の籠手に当て弾く。

出久は素早く体勢を整えて爆豪の顔面目掛けて左ストレート!

爆豪の顔面に出久の左手はめり込み、爆豪をぶっ飛ばす。

 

吹っ飛ばされた爆豪は体勢を立て直して自分の爆破を利用して、勢いを殺す。

そして、爆破でブーストしながら出久に突っ込む。

出久も手に気弾を作り、爆豪目掛けて大量に放つが爆豪も負けてはいない。

その気弾一つ一つを爆破で相殺しているのだ。

出久は新しい気弾を作る。

しかし、その気弾は投げる前から螺旋回転をしていた。

その気弾を放つと先程までとは違う速度で見事に爆豪の体に命中。

しかし、爆豪は少し下がっただけで止まった。

 

「効かねぇな!!」

 

叫びながら突進してくる爆豪。

出久はそれに向かい、爆豪の右大振りに合わせてスライディングできない避ける。

そして、その勢いを利用して爆豪の右足に手を掛ける。

爆豪の右足は突然後ろに引っ張られ、爆豪はうつ伏せに倒れる。

出久は飛びかかると同時に爆豪の後頭部を思いっきり殴る。

少し、爆豪の顔が地面にめり込む。

出久はすぐさま立ち、うつ伏せの爆豪を蹴る。

細長い廊下ゆえか爆豪はすぐに壁にぶつかる。

出久は爆豪を完全にノックアウトさせようと手に気を溜めて、体を引き絞って殴ろうとするが、その攻撃は遅いために爆豪は爆破の勢いで立ち上がり、意趣返しと言わんばかりに殴った。

またもや前のめりになる出久。

爆豪は今度は出久の顔を蹴ろうとするが、出久は爆豪の手を掴み、思いっきり投げた。

投げられた爆豪は空中で爆破を使って体勢を立て直す。

 

「デクぁ」

 

爆豪も出久も同時に走り出す。

爆豪は爆破で飛び、出久は身体能力で飛ぶ。

そして、二人とも同じタイミングで右足の蹴りを相手の左頬に入れる。

 

互いに弾き飛ばされるが、爆豪の方が良く飛んでいる。

 

出久が必死で鍛え上げてきた6年のせいかがキチンと出ている。

というかここで出なかったら涙ものである。

 

二人ともすぐにまた向かい合い、今度は互いの襟を掴みあい、互いに互いを押して別の場所に移動する。

この掴み合いも出久の方がより強烈に爆豪を壁に押し付けていた。

 

 

●●●

そして、核弾頭部屋前では、響香が部屋の中で門番をしている天哉を見ていた。

天哉も繊細生真面目実直な性格な為か真面目に敵を演じていた。

吹き出す直前であったが、自分の個性や闘いかたでは天哉とは相性が最悪な為、必死に耐えて出久を待つことにした。

 

「緑谷、勝ってよぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

出久と爆豪の戦いは苛烈を極めていた。

どちらが優勢かと言われれば圧倒的と言わんばかりに出久である。

しかし、爆豪のタフさと強烈なプライドは自分の耐久力を極限の位まで上げており、出久を苦戦させていた。

 

しかも、下手をすれば爆破が飛んで来る狂暴な闘いかたに出久も一先ず引く。

 

「逃げんのか!?どうしたよ?あの極太の奴を撃てよ!てめぇのそんなもん全部無意味だって教えてやらぁ。掛かってこい!!真正面から叩き潰してやる!!てめえ見てぇな落ちこぼれには相応しいじゃねぇか!!」

爆豪は天才である。

全ての事が早熟で延びしろも常人とは桁違いに高い。

しかし、その天才であるが故に挫折を知らずに生きてきた。

しかし、雄英高校に入ってから、四人の同級生に体力テストでボロ負けし、二人の師匠と名乗る老人からは終始おちょくられっぱなし。

なけなしだったプライドなぞ、当に粉々である。

故に今回の戦闘訓練は爆豪自身の気合いの入れ方が違う。

完全に出久を完膚なきまでにぶちのめす事だけを考えて行動している。

そこに慢心なんて存在しなかった。

無個性だろうが個性持ちだろうが最早どうでも良かった。

出久を倒して1位になるまで止まりそうにもない戦闘マシーンと化したのである。

大口は全然変わってはいない。

 

 

 

出久がかめはめ波を使わないのは室内故に建物を壊しかねないと言う、ヒーローとしての考え方故だ。

 

“ヒーローと敵“

 

“出久と爆豪“

 

この二人の大きな認識の差は全然違っていた。

そもそも今の出久に取って爆豪は辛勝せずに勝てる。

しかし、狭い戦いの場にヒーローと言う縛り、そして縛りなんて気にせずにガンガン来る爆豪の3重苦に苦戦を強いられていた。

 

出久はかなり大きい部屋に入る。

爆豪もそれを追うように入る。

 

「来いよ、掛かってこい!!」

 

出久は爆豪目掛けて気弾を放つが爆豪は避けて気弾は地面にめり込んだ。

「馬鹿が!」

 

爆豪は自分の籠手のピンを抜こうとする爆豪。

 

「死ねぇぇぇぇぇ!!!」

 

ピンを抜いて大爆発を出久に放とうとしたその瞬間!

下から出てきた気弾に顎を打ち上げられて爆豪は意識を失った。

 

そう、この気弾はさっき爆豪が避けて、地面にめり込んだ気弾である。

そのまま地面を掘り進んで爆豪の顎目掛けて一撃。

出久との激戦、気弾に当たっても倒れないタフさ故の慢心が仇となって爆豪は完全に出久に敗れた。

場所の関係上、自由に動けていない出久に自分は自由に動きながら負けたのだ。

 

「見たかかっちゃん!新必殺技 繰気弾!!」

 

出久はそう言うと、倒れてる爆豪の手足を縛る。

 

一段落した為、出久は無線機で響香に連絡を取る。

 

「耳郎さん」

 

「緑谷?終わったの?」

 

「なんとか・・・」

 

「ごめん、飯田の奴、部屋中をしっちゃかめっちゃか動き回って下手に動けない」

 

「耳郎さん、今何処にいるか教えて貰ってもいい?」

 

「5階の中央の部屋」

 

(この真上か、よし!)

 

「耳郎さん、もう時間がないから一か八かの作戦だけど良い?」

 

「勿論!絶対に取る」

 

出久は耳郎に作戦の内容を伝える。

互いに確認を取り、出久は掌に気弾を作る。

 

「頼むよ耳郎さん!繰気弾!」

 

出久の繰気弾は非常にジグザグしながら上に登っていく。

そして5階の着くとしっちゃかめっちゃか動き、天哉はその特殊な気弾に驚き混乱してしまう。

その隙に響香が核弾頭に向かって行くがそこは天哉、腐っても優等生、響香を抑える。

しかし、響香はイヤホンを伸ばして核弾頭にそれをぐるくるにくくりつけて確保、この勝負ヒーロー側の勝ちである。

こうして出久は爆豪に勝ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

あの戦いの後すぐのオールマイトからのMVPは誰かと言われる質問に百が答えた。

まぁMVPは響香と天哉である。

二人とも至極冷静に自分の出来る範囲を的確にやっていた為だ。

出久と爆豪に関しては私怨駄々もれの行動と最後の繰気弾大暴れのせいで減点である。

 

この後も全員がチームアップをして闘った。

因みに電気の相方はお茶子で二人とも闘う時の役割は敵であった。

だから、対戦相手の三奈と優雅組に前半は残像拳を廊下のあちこちに作って二人を翻弄。

そしてクライマックスになったら、お茶子が軽くして上げたぶつけると痛そうになるドラム缶だったりなんだりを延々と出入り口に蹴りまくる鬼のような攻撃をしてた。

流石に前半はともかく、クライマックスのこれな為、評価が悪かった。

 

 

 

 

 

●●●

放課後になり、1人ポツンと寮の屋上で佇む爆豪。

気絶させられて、オールマイトから結果を言われてふらふらしながら、寮の屋上にたどり着いた。

 

下の方ではAB連合による尻尾鬼をしている。

 

爆豪は下を見ながら、いつもとは違う景色を見て気分転換しようとしていた。

 

「ダメだよ!かっちゃん!」

 

出久が飛び付いて来るまでは・・・

 

「てめぇ、何しやがる!?」

 

「1度や2度の負けで死んじゃダメだ!」

 

「はぁ!?何、言ってんだ馬鹿が!下の奴らを見てたんだよ!!」

 

「へ?そうなの?」

「勝手に殺すな!」

 

「ごめん!」

 

爆豪は憤慨し、屋上を去ろうと動いた。

 

「かっちゃん、僕、かっちゃんに言わなきゃいけないことがあるんだ」

 

出久のその言葉に爆豪は耳を傾ける。

 

「僕の個性、あれ嘘なんだ。信じられないかもしれないけど僕の力は全部修業で手に入れた物なんだ。だから、僕は君を騙してな・・・」

 

「なんだそりゃ!?」

 

爆豪は出久と向き合う。

 

「お前が無個性か個性持ちかはもうどうでも良い!俺は自分の才能だけで闘ったアホでお前はそれを越えたバカなだけだ!てめぇも金髪も二人とも見てるとずっと勝てねぇって思ってた。入学した時にな」

 

顔に手を当てる爆豪。

鼻を啜る音がする。

 

「いいか!こっからだ!こっから俺はお前ら二人を越えて本当のナンバーワンになってやる!首を洗っとけ!」

 

そう言って、出久から背を向ける爆豪。

 

「・・・今まで悪かったな出久・・・・」

 

微かにしか聞こえない謝罪を出久はキチンと聴いていた。

そのまま去ろうとする爆豪が屋上のドアに手を掛ける。

 

「ちょっと待ってよ、何かってに終わってんだよ?君に僕がどれだけ苦しめられて来たかわかってんのかよ!」

 

爆豪は出久の方を見る。

 

「僕は君が君が嫌いだ。けど赦せない自分はもっと嫌いだ。だから、僕も宣言させて欲しい。君がナンバーワンに成るなんて絶対にない!ナンバーワンになるのは僕だ!!」

 

出久のこの挑発に爆豪のコメカミの血管が浮く。

 

「だと?この野郎?」

 

「事実、師匠の鬼ごっこで取れてない君に負けるつもりはない」

 

「上等だ!そこで見てやがれ!一瞬で取ってやらぁ!」

 

爆豪はそう言って、尻尾鬼の方へ向かった。

 

「良いのか?出久?」

 

屋上で隠れていた電気が出久に近づく。

隠れてた理由は、勝己が出久に対して良からぬ事をした場合助ける為だったが、拍子抜けになってしまった。

 

「何が、電気?」

 

「もっとキチンと謝らせなくて・・・」

 

「別に良いよ、あれで満足だよ僕は・・・勝てたしね。変かな?」

 

「いや、お前が良いなら良いんじゃないか?俺はお前じゃねぇしな」

 

笑い合う出久と電気は下に降りて食事の準備を始める。

 

 

 

 

 

 

●●●

キッチンで野菜を切っている出久。

電気はトイレである。

そんな時に響香が表からやって来た。

 

「耳郎さん、どうしたの?」

 

「あんた、爆豪になんかした?」

 

「ん?」

 

「名前なんて死んでも呼ばなかった暴言マンだったのに、全員の名前を言ってんだよ?」

 

その事実に笑う出久。

どうやら勝己のヒーローアカデミアも始まったようである。

 

「何もしてないよ」

 

「ふーん、ま、いっか!」

 

響香の笑顔に見惚れた出久は包丁の使い方を誤り、指を切ってしまう。

 

「っ!」

 

「あんた、何やってんの?」

 

響香は出久の切れた指がある手を掴んで、自分のポケットの中からバンソーコーを出して、出久の指の手当てをした。

出久は手際の良かった響香をずっと見てた。

 

「ちょっと何見てんの?恥ずかしいんだけど」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「刃物は危ないから気を付けなよ。じゃあ後で」

 

そう言って去っていく響香。

出久はその姿に見とれていた。

 

電気がトイレから帰ってくるとボーッとしてる出久に気がつく。

 

「おい、出久どうした?」

 

「電気?誰かの事をさ、ずっと思ってても辛くなくて、実際に会って話せない事に胸が締め付けられるんだけど、この感情って何なのかな?」

 

「そ、それってお前・・・・」

 

「それは恋ね!」

 

「「ウワ!!」」

 

何処からともなく急に忍者のように現れたミッドナイトに二人は驚く。

 

「緑谷君、君のその感情は恋よ!」

 

「恋ですか?」

 

「間違いないわ!私、こういう青春が大好きなの表情撮らせて」

 

ビデオカメラで出久の表情を撮ろうとするミッドナイトに電気は親友の黒歴史になりそうなこれを全力で邪魔をする。

 

「ちょっと上鳴君!止めなさい!」

 

「ダメです!親友の未来の為に!」

 

「喧しい!」

 

「おい、出久!お前、誰を好きになったんだよ!」

 

電気がミッドナイトの邪魔をしながら、出久に聞く。

 

「恋か・・・そうか恋か・・・」

 

出久は1人、恋の世界に入って出てこない。

 

「離れなさい!!」

 

「ダメですって、おい、出久!そっちに行く前にミッドナイト先生をどうにかした方が出久!出久!!」

 

電気の声がキッチンに響き渡る。

 

出久の今は片想いなこの恋は実るのだろうか!?




と言うわけで勝己と出久の関係にある種のケジメをつけさせました。

まぁ、最後の最後のこの爆弾をどう反応してくれるのか楽しみでしょうがありませんが、

批判感想質問、次回のネタバレになるような回答をしなければならない物以外は極力すぐに返しますので皆様、気軽にどうぞ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶望と夢と絆編
完全なる敗北!世界最強の殺し屋


書きました!
この回でヒロアカの出久達のラスボス的なキャラが出てきます。
誰かは見てのお楽しみ(ネタバレしすぎ)


戦闘訓練が終わり、出久達は日常を謳歌していた。

亀仙人の鬼ごっこはあの後入った勝己が終わらせると言ったが全く終わるわけがなかった。

 

んで、その事に対して出久と電気がキレた。

キレた理由は簡単である。

毎日毎日毎日毎日、晩御飯の支度40人分を作ってる二人は、晩御飯の当番の変更を求めてきた。

確かに二人とも当番をするはずだったのは初日だけで1週間もそれが続くと流石に嫌になる。

これには皆納得した。

何故なら、全員それ以降の片付けも二人に任せて、2日目の朝のあれ以降、二人が1年生の母ちゃんなのでは?と思うぐらい毎朝毎朝毎朝全員叩き起こされる。

B組もである。

んで、これまた二人が作った朝飯を食べて学校に行っていた。

二人が怒るのも無理はない話である。

特に飯を食ってるだけのB組は非常に申し訳なさが出てた。

 

次の日からはキチンと当番制になった。

メンバーはAB連合でバラバラではあったが、出久と電気から見れば、やっと終わったと思った。

 

 

で、そんなこんなでとある事件が学校で起こった。

雄英の校門が破られてパニックになったのだ。

幸い天哉の迅速的な行動のお陰で生徒達のパニックは収まった。

 

 

まだ、学級委員を決める事になったが学級委員長は天哉が圧倒的投票数を稼いだ。

理由は個性把握体力テストの時の立派な姿を思い出した為である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

1年A組の教室では消太が教卓の前に立っていた。

 

「今日のヒーロー基礎学だがB組と合同授業で、俺とブラド、オールマイトの他にもう1人の計4人で見ることになった」

 

「何をするんですか?」

 

「災害水難何でもござれ『レスキュー訓練』だ」

 

「レスキュー、今回も大変そうだな」

 

「これこそ、ヒーローの本質だぜ!」

 

騒がしくなる教室。

消太は思いっきり睨む。

すると、全員静かになった。

 

「訓練場は離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」

 

消太の言葉に全員、更衣室に行き、コスチュームに着替えて、バスロータリーに行く。

そこにはA組だけでなく、B組も集まっていた。

 

互いに互いのコスチュームを見るのは初めてで、それぞれのコスチュームに盛り上がってた。

金属男の鉄哲徹鐵と鋭児郎はコスチュームすらのダブリように両方の組からネタにされた。

出久と電気もバスに乗るまではゆっくりする。

そこに、オレンジサイドポニーの拳道一佳が来る。

 

「よ!二人とも胴着なんだな」

 

「拳道さん・・・」

 

「おうよ、俺達のトレードマークでな」

 

「へぇ、あのお爺さんの弟子だもんね。二人とも」

 

一佳を筆頭に今まであまり話して来なかったB組の生徒が出久と電気の近くに来て、バスが出るまで二人は修業の事を話してた。

 

 

 

 

 

●●●

バスに揺られながら、生徒達は楽しく会話していた。

騒がしすぎない喧騒の中で、話されてる内容の殆どがこれから始まる訓練と亀仙人に勝つ方法である。

 

「ねぇ、緑谷。あの爺さんに勝った時ってどうやったの?」

 

響香が横に座っている出久に対して聞く。

 

「あの時は、土壇場で電気が超高速を僕がかめはめ波を使えるようになったから、それら2つを囮にしてやって師匠の意識を反らしたよ、1発勝負だったけどね」

 

「それ、ほぼ無理ゲーじゃん」

 

そう、そんな方法はもう既に亀仙人相手にやっていた。

AB連合もバカではない。

寧ろ、戦略の多さなら圧倒的に出久と電気のペアよりも多い。

しかし、一向に勝てないのはそもそもの鍛えてる量が違う故だろう。別にAB連合の皆が鍛えてこなかったわけではない。その質も量も雄英に入るためにやってきた最高クラスの努力の証である。

各々、自分の個性を伸ばし、頭を使ってやっている。

それでも亀仙人に届いていない理由があるとすれば慣れである。

出久と電気は6年修業を積ませてもらったお陰で亀仙人の達人的な動きに慣れてるのだ。

事あるごとにエロ本を見る癖にすら、

AB連合はまだその慣れ事態がないのだ。

入学してから、ほぼ毎日やっているが全然足りないのだ。

 

「てか、あの爺さん、何やってた人なんだ?」

 

鋭児郎が前の横向きシートから出久に聞く。

 

「僕達も6年、一緒にいるけど教えてくれないんだ」

 

「でもたまに昔の話とか写真を見せてくれるぜ」

 

「へぇ、どんな話なんだ?」

 

「僕達よりも前に師匠の弟子の人達の話だよ」

 

「いんのかよ」

 

「らしいよ、会った事は無いけど・・・」

 

「それって本当の話なのか?」

 

実の言葉に出久と電気が睨む。

 

「だってよ、普通に考えて写真を含めて色々騙せるじゃん、経歴だったり、その話本当なのかって疑問に持つだろ?」

 

実の言葉も尤もである。

頭が良いし、臆病な実らしい言葉である。

臆病なのは悪いことではない。

何故なら臆病は生き残る可能性が高いからだ。

しかし、その発言は出久と電気を不機嫌にさせるには充分だった。

 

「師匠は僕達に嘘は言わないよ」

 

「あぁ、隠し事はあるけど嘘だけは絶対に言わねぇ」

 

「う、ごめん」

 

出久と電気の怒りが籠った声はバスの中によく通った。実も己の否を謝り、この話は終わった。

 

「あの爺さんの弱点って何なんだ?」

 

「「煩悩」」

 

範太の言葉に二人とも同時に答える。

これには全員呆れる。

 

「いや、それじゃなくて・・・」

 

「いや、だってじいちゃんを負かすのに手っ取り早いのは絶対にこれだぜ」

 

「絶対に効くからね」

 

太鼓判を押す二人。

二人とも隣の女子のゴミを見る眼には全く気がついていない。

 

「おい、お前ら静かにしろ」

 

消太の言葉で静かになるA組。

バスは地獄へと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

AB両組ともバスから降りて、ドーム型の訓練場のゲートをくぐり、中に入る。

中はとてつもなく広く、様々な災害を表した施設がある。

訓練場には既に宇宙服なコスチュームを着たヒーロー13号がいた。

 

「スペースヒーロー13号だ!災害救助で活躍する紳士ヒーロー」

 

「わぁ、私好きなんだ。13号!」

 

ヒーローオタクの出久と13号ファンのお茶子が彼の登場に喜ぶ。

 

「皆さん、ここは災害救助訓練用に作られて、水難、火災、土砂、暴風などありとあらゆる事を体験し対応するための施設・・・・その名も」

 

「「「「「その名も?」」」」」

 

「ウソの災害や事故ルーム、略してUSJ」

 

「「「「「USJかよ!」」」」」

 

AB連合のツッコミが冴えまくる。

 

「始める前に小言が1つ、2つ、3つ、4つ、5つ・・・・・」

 

「「「「「(増えてる)」」」」」

 

「相澤先生のテストで自分の可能性や限界をしり、オールマイトの戦闘訓練で自分の個性の危うさを知ったと思います。君達の個性は人を助ける為ではなく、人を助ける為にあるんだとそう思って帰ってください」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

13号のスピーチも終わり、消太がオールマイトは後で合流と言うのを生徒達に伝え、訓練場を使わせようとした瞬間、

 

 

黒い穴が突如、下にあるセントラル広場中央に現れる。

 

 

消太はそれに気付き目を開く。

出久と電気もそれを見て、他の生徒達もそれを見る。

 

「13号!ブラド!!生徒を守れ!!!」

 

消太はゴーグルを掛けて臨戦体勢になる。

 

「何だ?入試の時みたいなもう始まってるってパターンか?」

 

「動くな!!あれは敵だ!!」

 

黒い穴から、3人の男が出てくる。

 

全身に手を大量に着けた 死柄木 弔

 

全身黒い脳が見えてる 脳無

 

そして、ローブを羽織って顔が見えない男

 

最後に黒いもやで顔や手が隠れてる 黒霧

 

計四人が現れた。

 

たった四人だけしかいない襲撃に先生達も生徒達も驚く。

 

「四人だけなのか!?」

 

「アホか!そんな数でどうにかなるとでも!?」

 

怪訝な顔をして敵を見る生徒達。

先生方は冷静に驕らずに四人を見て臨戦体勢になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

「あぁ、何処なんだよ。オールマイトは?折角良い奴を二人連れてきたのに」

 

「可笑しいですね。先日頂いたカリキュラムでは確かに~」

 

死柄木と黒霧が話す。

オールマイトが居なくて弔はご機嫌ナナメだ。

 

「おい、ガキ共を殺せ、そうすれば早く来るんじゃないか?」

 

死柄木はローブの男に言う。

 

それを無視するローブの男

 

ローブの男にイライラする死柄木。

 

「貴方も記事になりたいんでしょう?」

 

「仕方ないな、記事は金払いが良いやつに見てもらいたいな」

 

黒霧の言葉にローブの男はそう言って四人の前に来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

消太は前に出たローブの男に集中する。

絶対に見続けて個性を使えないようにさせる。

瞬きなんてしないと意思を固めて見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローブの男は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、消えたのではなく、消太の目で捉えきれないほど早く動き、生徒達の後ろにあるこのUSJのゲートの前に移動したのだ。

 

生徒達を守ろうとブラドが拘束しようと籠手から自分の血液を出し、個性の凝血をローブの男に発射するがローブの男は、それをやる前にブラドの肋骨と左膝の骨を折ってブラドを蹴り飛ばす。

蹴られたブラドはUSJ内にある山岳ゾーンまで吹き飛ばされて気絶してしまう。

13号もすかさずに自身の個性のブラックホールを発動しようと右手を突き出して出るがローブの男はすぐに13号の懐に入り、13号の腕を肘と膝で挟み込み折った。

右腕を抑える13号をローブの男はまたも蹴り飛ばして、土砂ゾーンまで吹き飛ばされて気絶する。

消太は生徒達とローブの男の間に移動して自分の特殊合金の鋼線が混ぜ込まれている捕縛布を投げてローブの男の左腕に巻き付ける。

 

「どどん波」

 

ローブの男が右手を突き出しながらそう言う。

すると右手の人差し指から光線が出て、消太の右肩を貫通する。

消太は左手で貫通した所を抑えようとする前にローブの男はどどん波を三回出し、左肩、左腿、右腿を貫く。

消太は膝をついてしまう。

ローブの男は動けない消太を蹴り飛ばす。

水難ゾーンまで飛ばされた消太は、施設にある船にぶつかり、気絶した。

 

ここまでの事を僅か10秒で終わらせた。

 

先生達が弱いわけではない。

圧倒的と言えるほどにローブの男が強すぎる。

生徒達はローブの男に恐怖しながらもそれぞれ構えていた。

防衛本能が働いてる。

先生達を吹き飛ばすのにゲート前から離れていたローブの男はゲート前まで悠々と歩いている。

生徒達はローブの男に恐怖し、絶対にミスをしないように見ている。

それは生徒達の頭から逃げると言う選択肢を奪っていた。

 

「何者だ?」

 

「んん、ちょっと待ってくれ、中々良い謳い文句が出ないんだ、少し待っていろ」

 

「ふざけてんのか!」

 

「これだから、子供は・・・しょうがないなぁ」

 

ローブの男はローブを脱ぎ捨てる。

着ていたのは、桃色がベースの中華風の拳法着を着ていて、胸には殺のマーク、背中にはKILL YOUの文字があり、黒い三つ編みが特徴の中年のような男が現れた。

 

「雄英生徒諸君、私の名前は桃白白。こことは違う宇宙の星だがそこでは世界最強の殺し屋と言われていた。諸君にはこれから私がここの世界で敵として金を稼ぐための殺人事件の被害者として死にかけてもらう。安心した前、殺すのは生徒達では1人だけだ。私は金がないとやる気が出ないが稼ぐためのやむ得ない犠牲者は1人だけだ。まぁ、誰にするかは闘いながら決めるがな」

 

桃白白はそう言って構える。

生徒達もこのイカれた殺し屋である桃白白に対して臨戦体勢になる。

出久と電気が飛び出して、桃白白を同時に殴ろうとするが桃白白は二人に対してデコピンで吹き飛ばす。

吹き飛ばされた二人に当たらないように生徒達は避けて、二人は地面を転がる。

 

「中々、良い反応をしてくれるな」

 

生徒達はデコピンで間違いなくこの1年生ヒーロー科で最強の二人を吹き飛ばした桃白白に恐怖する。

 

「嘘だろ!?」

 

「こいつ、じいちゃん並かよ」

 

「じいちゃん?亀仙人か」

 

「師匠を知っているのか!?」

 

「知ってるも何も、私はこう見えて武術家でもあり、私の流派と亀仙流は表裏一体の存在。私は鶴仙流の正統後継者!文字通り最強の流派のな!」

 

その言葉に生徒達が絶句した。

桃白白も亀仙人も本気の強さを見せてはいないが、AB連合が束になっても全然赤子扱いから抜け出せないほどの達人の亀仙人と為を張る流派の後継者なのだ。

自分達よりも強い存在だと嫌でも認識した。

 

「長々と待ってるなら、こっちから行かせて貰うぞ!」

 

桃白白は生徒達に突っ込む。

一佳が右手を大きくして、上から潰そうとするが、どどん波を右手に放って風穴を開ける。

手を戻して抑える一佳に近づき、左膝を折り、ハイキックを当て吹き飛ばす。

 

「拳道!?このやろう!」

 

徹鐵と鋭児郎が体を金属と硬化して二人とも右拳で桃白白に殴りに掛かるが、桃白白は両拳を使って二人の右拳を粉砕し、膝を付く二人の間に立って二人のこめかみに裏拳をぶつける。

やられた二人は地面に顔がめり込んだ。

 

「飯田くん、急いで全力でゲートを走り抜けて先生を呼んでくる準備をして!電気と僕で援護する!」

 

「緑谷君、了解だ!」

 

「わかった、出久!」

 

出久と電気が桃白白に突っ込み、攻撃する。

手足を使い連打連打連打連打の嵐。

しかし、桃白白はそれを完全に防御する。

天哉はこの状況を見て、ゲートまで全力疾走をする。

後、少しでゲートだった所で桃白白のどどん波で左腿を貫かれてしまう。

桃白白は攻撃する二人を殴って後退させると天哉の前へと移動する。

 

「甘かったな小僧」

 

桃白白は天哉の両膝を折り、右腿にもどどん波を貫通させて動けなくさせた。

 

「飯田君!」

 

「くそったれ!!」

 

出久と電気が再び同時攻撃するも桃白白は二人に対してカウンターをやり、吹き飛ばした。

 

「ナメんな!」

 

勝己と体から刃物を出すことができる個性の鎌切尖が右掌と左の腕に生やした大鎌を桃白白に当てようとするが、桃白白は二人の足にどどん波を放ち、動きを止めて無事なもう片方の足の膝を折る。

完全にうつ伏せで倒れる二人の両肩にどどん波を貫通させて動けなくさせる。

 

「青二才が意気がるな」

 

「この!」

 

電気が超高速で桃白白に突っ込み、腹に飛び蹴りを喰らわせる。

予想外の速い攻撃に流石に桃白白も二、三歩退く。

 

「やるな、小僧」

 

腹を擦ってる桃白白に角を飛ばす個性の角取ポニーが角を飛ばす。

角を大量に飛ばして桃白白を吹き飛ばそうとする。

大量にすると操れなくなるが一直線なら飛ばせる故にやった行動であるが、桃白白は計10本の角に押されながらも平然と歩いて向かってくる。

 

遅くなったのは事実なので、顔から接着剤を噴き出す事ができる個性の凡戸固次郎と実が接着剤と頭の玉を桃白白にぶつけて動きを完全に止め、焦凍が桃白白の全身を氷付けにする。

 

「よし!」

 

「流石にもう動けねぇだろ!」

 

「この程度で、動けなくなると本気で思ったのか?」

 

桃白白は全身から気を出して氷や接着剤、角、さらには実の玉まで吹き飛ばし、焦凍の肋骨を蹴りで折ってからどどん波で両腿を貫通して動けなくさせてから、体格の良い固次郎は肋骨を折られてアッパーで顎の骨を粉砕されて倒され、実はサッカーボールのように蹴られて吹き飛んだ。

 

「どうした?この程度なのか?」

 

「これでも食らえ!」

 

優雅が桃白白にレーザーを当てる。

鱗を生成する事ができる個性の鱗飛竜とオノマトペを具現化できる吹出漫我が鱗とオノマトペを桃白白にぶつける。

しかし、桃白白は当たっているのに全く効果がない。

 

『ゴンガンゴンガンゴンガンゴンガン!!』

 

漫我の数十メートルはある最大の攻撃が桃白白に向かうが、桃白白は気を放射線状に放ってそれを破壊。

そして、優雅と鱗と漫我の3人の喉を潰し、肋骨を折る。

三人は動けなくなる。

 

「黒影!」

 

鳥形状の伸縮自在の影を操る常闇踏影の黒影が桃白白にに向かっていくが桃白白は黒影が来る前にどどん波で踏影の四肢を貫く。

しかし、黒影は全く怯まず桃白白の顔を殴る。

 

「そういう感じか」

 

『ウォォォォォォ!!!』

 

黒影が雄叫びを挙げながら桃白白に向かっていく。

桃白白はもう一度気を放射線状に放った。

すると光に弱い黒影は踏影の中へ戻った。

 

「どういう原理なんだ?」

 

「いい加減にしろ!」

 

出久と電気が桃白白にまた向かっていくが桃白白は今度は全ての攻撃を避け続けて二人にゼロ距離で気弾をぶつけて吹き飛ばす。

一息吐く桃白白の足元が突如軟化し始める。

生物以外を柔らかくできる個性の骨抜柔造が足元を軟化させてるのだ。

 

「ナイス!骨抜!」

 

他人の個性をコピーできる個性の物間寧人が倒れてる漫我に触れて個性をコピーする。

 

『ババババババババババババ!!』

 

寧人はマシンガンのオノマトペを桃白白にする。

高速で進むオノマトペを桃白白は素手で1つ残らず掴んでから、見せつけるように地面にバラバラと落とす。

 

そして、足元が軟化している地面の上を走って柔造と寧人の腕の骨を折り、膝を折って動けなくさせた。

 

「な、何で?軟化している筈なのに・・・」

 

「まだまだ固いぞ」

 

「「ウォォォォォォ!!!」」

 

砂糖を舐めて力を増大させる個性の砂糖力道と獣化して力を増大させる個性の宍戸獣郎太が同時に桃白白に突っ込で行くが、二人とも四肢にどどん波を貫通されて動けなくなる。

響香が自分のコスチュームの足につけてるスピーカーにイヤホンをつけて大音量の衝撃波を放つが桃白白には全く効いておらず、スピーカー目掛けてどどん波を放つ。

しかし、それを出久が防ぐ。

 

「緑谷!」

「ほう、やっぱりお前と金髪頭は一味違うな」

 

「これ以上、好き勝手させて堪るか」

 

「このクソ野郎」

 

出久の隣に電気が来て、二人は桃白白に向かっていく。

しかし、攻撃は完全に防御される。

 

「お楽しみは後にしておく」

 

桃白白は攻撃してくる二人の手と足を掴んでそのまま、USJ内の倒壊ゾーンに二人を投げる。

 

「さて、そろそろ殺す相手を決めないとな」

 

桃白白はそう言って今度こそ響香のスピーカーをどどん波で足ごと貫通させる。

体のあらゆる場所がドリルのように回転する個性の回原旋が地面をドリルで壊し、大きな瓦礫を作る。

それをお茶子と身の回りの物体を浮かせられる個性の柳レイ子が浮かして、更に生物以外の大きさを変えられる個性の小大唯が瓦礫を小さくして、尻尾がある個性の尾白猿夫と触れたものに二度と衝撃を与える事ができる個性の庄田二連撃が蹴ったり殴ったりして飛ばす。

また二連撃の任意で二度目の衝撃を与える個性で不規則なタイミングで瓦礫が疎らに更に小さく速く、そして唯が個性を使って瓦礫の疎らに大きくする。

 

「容易だな」

 

桃白白はまた気を放射線状に放って、瓦礫ごと六人を吹き飛ばす。

 

黒い物の中に入り、操る事ができる個性の黒色支配が倒れてる踏影の黒影に入り、桃白白を襲うがまたもや放射線状に気を放ち、踏影事を二人を暴風ゾーンに吹き飛ばす。

 

あらゆる物を分子レベルで繋げられる個性の泡瀬洋雪が百が創造した爆弾を持って桃白白に向かう。

どどん波を放つが、吹き出した空気を固める事ができる個性の円場硬成が吹き出した息で足場を作り、それを使ってジャンプで避けてから桃白白の上を飛び越え、背中に百の爆弾を繋げる。

爆弾が爆発して爆風と黒い煙が桃白白を包む。

 

「どうだ!?」

 

桃白白は黒い煙に包まれながらも、洋雪、百、硬成の四肢にどどん波を放って四人を動けなくさせる。

黒い煙が晴れると桃白白は無傷だった。

服すら無傷だった。

 

「今ので服が破けなくて良かった」

 

範太が自分のテープを蔓の髪を操る個性の塩崎茨が桃白白を拘束する。

桃白白はすぐにその拘束をちぎり、テープと茨を持って二人を引っ張る。

しかし、範太には生き物を操る個性の口田甲司が茨にはカエルのような個性の蛙吸梅雨が桃白白に引っ張られないように抑えるが桃白白はそんなの関係なしに四人ともグルグルジャイアントスイングをして、暴風ゾーンに吹き出した。

空中で四人の四肢をどどん波で貫くオマケまでつけて

 

桃白白は暴風ゾーンに飛んでいった四人を見てる隙に2対の触手に体の器官を複製できる個性の障子目蔵が後ろから桃白白の首を締める。

 

「今だ、小森!芦戸」

 

目蔵はキノコの胞子を出せる個性の小森希乃子のキノコ胞子と三奈の酸を撃つように指示しながら、桃白白と二人を向かい合わせる。

三奈も希乃子も目蔵の指示に従い、最大パワーで撃つ。

 

「小僧、お前も無事ではすまんぞ」

 

「俺の命なら安い、これ以上貴様の好きにはさせん!」

 

「良い根性だ、気に入った」

 

桃白白は息を吹き、なんと酸と胞子を出した二人に返す。

希乃子は自分の胞子まみれになり、三奈は自分の酸で皮膚が爛れる。

 

「何!?」

 

「まだまだ考えが固いな」

 

桃白白は肘を目蔵の鳩尾に当て、拘束が解かれたら、胞子まみれの希乃子の肋骨と膝を折って目蔵の頭を掴んだ。

 

「決めた。私の敵初の殺人は貴様だ」

 

桃白白の邪悪な言葉に目蔵は睨んだ。

 

「ふざけんな!!」

 

「いい加減にして!!」

体をバラバラに分裂できる個性の取陰切奈と透(全裸)が桃白白を攻撃する。

目蔵にしか興味がいっていなかった桃白白はそれをまともに受けて目蔵を放す。

 

「小娘どもが!!」

桃白白は拳で二人を攻撃するが、切奈は体を分裂させて

避けて、透は透明人間ゆえに桃白白も攻撃を当てられない。

 

二人にボコボコボゴホゴ攻撃されているが、桃白白にはちっとも効果があるように見えない。

鬱陶しそうにしてて痛みがあるように見えない。

 

「鬱陶しい!」

 

桃白白は気を放射線状に放ち、分裂した体事、切奈を吹き飛ばす。

 

「切奈ちゃん、この!」

 

透は桃白白に金的をお見舞いする。

流石にそこは桃白白でも鍛えられなかったのか、抑えて悶絶する。

 

「皆の分!」

 

透は桃白白に向かってこめかみを殴ろうとする。

 

「なんちゃって」

 

桃白白は笑いながら、透明人間でもある透の首を掴む。

 

「ど、どうして?」

 

「私は微かな気配を読めてね。君の姿は最初からわかってたぞ、どうだ?絶望すら越える恐怖を味わう気分は?」

 

透は桃白白に遊ばれていた事に悔し涙が出た。

 

「涙見えるか、私は今最高の気分だ!これでこの事件の記事が売れ、雄英の信頼に泥を塗った私は裏社会で大量の金で犯罪に雇われ金が手に入る。君達には感謝してるよ、これで私は大金持ちだ!」

 

「人の命を、人の人生を何だと思ってるの?」

 

「金の成る木さ、それ以外に何の意味がある?」

 

「悲しい人生だね」

 

透は泣いた。

先程の悔し涙ではない。

桃白白のこの金と犯罪でしか生きられない桃白白に同情して泣いた。

桃白白の顔が変わった。

笑みは消えて、怒りを籠った目で透明の透を観た。

 

「忌々しい小娘が殺す相手は変更だ。お前のその姿は死んでも見えないのか試してやる」

 

桃白白は右手を構え、掌が見えるようにする。

 

「死ね」

 

そして透明の透の腹を目掛けて右手を突き出す。

しかし、気で吹き飛ばされた猿夫が全力で走ってきて、桃白白と透の間に入り、その攻撃を身代わりする。

五本の指が猿夫の腹に刺さる。

 

「尾白君!?何で?」

 

「何でって、人を助けたら駄目なの?葉隠さん」

 

猿夫は見えないが透に笑顔を向ける。

透はその微妙に視線が違う笑顔に情けない自分が嫌になる。

 

「小僧、お前、頑丈だな」

 

「鍛えるしか・・・ないんだよ・・・・俺は、才能も良い個性も無いからな」

 

 

 

尾白猿夫は普通の人間である。

普通の家に生まれて普通に勉強し続けてきた。

周りに特徴的な個性が出てくると決まって最初に猿夫が比べられる。

そして周りに言われ続けてきた“普通“と、そしてそんな自分の個性が嫌になったのは数えきれない。

 

 

何の特徴もない“普通な自分“

 

 

それは個人が特徴的であればあるほど良いとされる個性社会で生きるなと言われるのと同じである。

猿夫は卑屈になりかけた時にあるものを観た。

 

『自分の個性が強いからヒーローになるわけではありません。その自分の全てを受け入れて限界を超えて行き、それを人の為に自分の為に道しるべとして使うからヒーローになるのです』

 

バラエティー番組でオールマイトが自分の個性が強いものがヒーローになれるのかと言う質問に対する答えを言ってる時だ。

これを聞いてから猿夫は変わった自分を徹底的に鍛え上げ、自分の個性を認められるようになったのだ。

そして、尻尾があるだけの個性で雄英の入試を突破した。

しかし、入学と同時に本物の凄い奴らに会った。

同学年の出久と電気だ。

自分達の体を徹底的に鍛え上げて常識外れな力を見せつけまくった二人。

更には亀仙人。

二人の師匠で未だに鬼ごっこではAB連合の出久と電気を抜いた38人で一回も勝てない。

それから聞いた二人の修行の仕方を聞いて猿夫を死ぬほど実感したのだ。

 

 

 

“自分は努力すら普通だったんだ“

 

 

 

二人に努力と言う自分の十八番ですら負けて、個性でも負けて、それで心が折れない人間はいない。

心すらもう折れていた。

 

 

折れていたのだ

 

 

けれど、ヒーローとは強ければ良いわけではない。

いくらどんだけ努力をしていてもどれだけ凄い個性を持っていても、どれだけ才能に恵まれていても、

 

“本当のピンチに人を助けられなかったらヒーローではない。“

 

猿夫は今日ほど嬉しかった日はない。

何故なら友達の死を防げたのだ。

 

 

 

“自分のヒーローに成ると言う夢はまだ壊れてなかったのだ。“

 

 

 

心の底から嬉しかった。

 

 

 

 

 

「葉隠さんを放せ!!」

 

猿夫は自分の尻尾を透を掴んでいる桃白白の腕にぶつけて透を放させる。

そしてそのまま、桃白白に最大威力の尻尾の攻撃をぶつけて、後退させる。

五本の指を抜けて、腹を抑える倒れそうになる猿夫。

透が猿夫を支える。

その目は桃白白を見ていた。

 

桃白白は後退はしたものの全く効いておらず、けろっとしていた。

 

「化け物が」

 

猿夫は心の底からそう思った。

 

「小僧に小娘がこの私を不機嫌にさせよってからに、このまま仲良く地獄に行け」

 

桃白白は指に気を貯める。

二人も死を覚悟する。

 

「死ねぇ、どどん波!!」

 

どどん波が二人に向かっていくが、それは二人の命を奪わなかった。

 

何故なら、出久と電気がそれを防いだからだ。

 

「緑谷、上鳴・・・」

 

「遅れてごめん」

 

「すまねぇ」

 

「いや、助けてくれて・・・ありが・・・と・・・」

 

猿夫は倒れた。

 

「尾白君!?尾白くん!尾白君!」

 

死んではいない気を失ってるだけだが、その勇姿は二人の怒りを爆発させるのに充分だった。

 

「雷豪・かめはめ波!!」

 

「豪龍・かめはめ波!!」

 

二人の切り札は、二人とも今までにないくらいの強烈で巨大になって桃白白に向かっていく。

 

「こんなもの!」

 

桃白白は二人の二つの光線を素手で受け止める。

暫くそれは拮抗して、やがて大量の砂ぼこりを生んだ。

 

肩で息をする二人。

そして砂ぼこりが晴れると桃白白が両掌から煙を出していた。

二人のかめはめ波で軽い火傷を負ったのだ。

出久も電気も唖然とする他ない。

 

「今のは痛かった・・・・・痛かったぞ!!」

 

桃白白がヘロヘロの二人に突っ込みボコボコにする。

二人とも防御するが桃白白の攻撃は防御を徹底的に破壊して痛め付ける。

内臓を破壊し、骨を砕く。

透も二人の為にもう一度時間稼ぎをしようと突っ込むが、一緒にボコボコにされて、出久と電気は首を絞められて、透は倒れてる猿夫の所に飛ばされた。

 

「さてと、痛くて激情してしまったが君達は最高に楽しかった」

 

桃白白は二人を地面に捨てて、透の方に行く。

 

「止めろ!」

 

「ふざけんな!俺達はまだ死んでねぇぞ!」

 

「ほざけ!倒れたままの状態で何が出来る!?」

 

出久と電気は立ち上がろうとしたが、骨も筋肉も完全に破壊されて動けなかった。

 

「弱ければ何も意味はない。弱ければ全てを奪われるのだ」

 

桃白白は透に向かってどどん波を放てるように気を貯める。

 

 

 

 

倒れてる全員、その光が文字通り“絶望の光“に見えた。

 

 

 

 

そして、透にどどん波が放たれる直前、桃白白の体が横から来た光線に吹っ飛ばされてセントラル広場まで行った。

 

「今のは!?」

 

「妙な気を感じてオールマイトと一緒に来てみれば遅すぎたか、遅れて本当にすまなかった」

 

「皆、謝っても謝りきれない!でもこれ以上、君達を苦しませはしない。何故なら“私が来た“!!!」

 

オールマイトと亀仙人がとてつもない怒りを爆発させながら、やって来た。

そして、二人はセントラル広場にいる敵目掛けて、走った。

 

「やっと来たか、案外早かったな、脳無やれ」

 

死柄木が脳無にそう言い、脳無はオールマイトに向かっていく。

パワーファイターとパワーファイター同士がぶつかり合うが、やがて脳無はUSJの天井を破壊して天空に消えるほど吹っ飛ばされた。

 

「はぁ!?何で?ショック吸収とか超再生に超パワーでオールマイトを殺す為に用意した改造人間だぞ!!」

 

「それが、どうした?」

 

オールマイトは死柄木達を睨む。

その姿はぼろぼろ出会った。

決して今のが楽勝ではなかったのを物語っている。

 

「桃白白!貴様!どうやってその体を手に入れおった!!?」

 

吹き飛ばされた桃白白は立ち上がる。

口から血が垂れている。

 

「私の今の師匠からの贈り物だよ」

 

「何者じゃ!?それにお主、どうやってこの世界に来よった!!」

 

「師匠はお前も知っている。ここへ来たのは恐らくは亀仙人、貴様と同じ方法だ、私の師匠もな」

 

「貴様!」

 

「相変わらず、三流の武術を教えているのか?武術は人を壊すために人を蹴落とすために生まれてきたのだ!それを否定している貴様は何時までたっても三流だ」

 

「わ「「ふざけるな!!」」・・・出久、電気」

 

「師匠が三流な分けない!何もなかった僕を助けてくれた最高の人だ!!」

 

「覚えが悪くて最低な俺でも一生懸命鍛えてくれた俺の大事な師匠だ!!」

 

「「(師匠/じいちゃん)を悪く言うなら、(俺/僕)が許さない!!!」」

 

動けないまま怒る二人。

亀仙人はそんな二人に涙を流していた。

 

「ワシの大事な教え子達を痛めた分を返させて貰うぞ」

 

「お前達は絶対に許さない!!」

 

亀仙人もオールマイトも敵に向かって臨戦体勢を取る。

敵も先程とは違う状況に油断なく臨戦体勢を取る。

両方ともに緊張し、とてつもない緊迫感を生む。

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおやおや、ずいぶんと楽しそうではありませんか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望の声が響いた。

四人が、意思が残っている生徒達が全員声のした方向。

上を見る。

そこには、体が白くて異様な威圧感を発揮する怪物がいた。

 

「フリーザ!!!!!」

 

そうそれは史上最悪の“絶望の帝王“フリーザだった。

亀仙人がフリーザを見て叫ぶ。

 

フリーザの近くには先程オールマイトに吹っ飛ばされた脳無が浮いていた。

フリーザは敵達の前に降りて、脳無を放り捨てる。

すかさずに黒霧は脳無を回収した。

 

「何者だ!」

 

「私の名前はフリーザ。“悪の帝王“と呼ばれています」

 

紳士的に話すフリーザだが、威圧感はとてつもなかった。

オールマイトは冷や汗を大量に掻いていた。

 

「貴方がオールマイトですね?私の同盟相手の“オールフォーワン“がよろしくと・・・そして“神々のゲーム“にようこそと仰ってました」

 

「オールフォーワンだと!?神々のゲームとは何だ!!」

 

「貴方は“キング“に選ばれたのです」

 

「どうやら貴様には大量に聞かなければならない事があるようだな」

 

オールマイトは拳を構えてフリーザを見る。

フリーザの威圧感に震えながら

 

「フリーザ、お主の後ろにいる神は何者じゃ!?」

 

「おや、武天老師さん、はて何の事ですか?」

 

「惚けるでない!ワシのいる前でそんな発言をして惚けれると思ったか!!答えろ!お主の後ろにいる神は誰じゃ」

 

「流石は孫悟空の師匠。孫悟空に似合わずに聡明ですね。けど今回は私はあくまでも捲き込まれただけなんですよ」

 

「私だって最初からこの計画をしようとは思っていませんでした。筋書きも何もかも全て、私の同盟相手の内容です」

 

フリーザはそう言って、二人に向けて強大な気の玉を向けた。

 

「待つんじゃ!フリーザ、ゲームとは何じゃ!?」

 

「おおっと、それはこの場にビルス様が孫悟空を連れて私の前で受けると言わなければ意味が無いんですよ」

 

「何!?」

 

「来なさい!!孫悟空!!貴方の大切な師匠を殺してしまいますよ!!!」

 

フリーザは天に向かって叫ぶが何も起こらなかった。

 

「残念です」

 

そう言って二人にドデカイ光線を放つ。

何をやっても無駄と直感できる程強烈だ。

光線が二人を呑み込もうとした瞬間、天から白い光線が二人の前に降ってきて、光線がチリと化した。

 

そして、姿を現したのは

 

 

 

“孫悟空“

 

 

 

“べジータ“

 

 

 

“ピッコロ“

 

 

 

“クリリン“

 

 

 

“天津飯“

 

 

 

“破壊神 ビルス“

 

 

 

“付き人 ウイス“

 

 

 

 

 

Z戦士集結である。

 

「悟空、クリリン、天津飯、ピッコロ、べジータ、ビルス様にウイス様まで」

 

「遅れて悪かったなじっちゃん」

 

「御無事で何よりです」

 

悟空とクリリンが亀仙人の無事を労う。

 

「おやおやおや、ビルス様。受けられるのですか?神々のゲームを」

 

「不本意ながらだけどね。それよりフリーザ、お前なのか?このクソなゲームをあいつに教えて武天老師を捲き込ませたのは?」

 

「いえ、シナリオは全て私の同盟相手とあの人が作り上げましたので、武天老師さんが捲き込まれているのは、あの人の恨みからです」

 

「相変わらず陰険な悪知恵が働く奴だな」

 

ビルスが“あいつ“に対して怒っている。

 

「今回は本当に私はあの人と同盟相手を結びつけただけですので、何もしていないのです。怨まれても冤罪ですので」

 

「もう1つだけ答えろフリーザ、“お前、何を企んでる?“」

 

「ホホホ、企みを教えたら企みとは言わないじゃないですか、けど私の望みは何時だってたった1つですよ」

 

フリーザはそう言って、悟空を指差す。

 

「孫悟空さん!貴方を苦しめる事です」

 

「オラとお前だけなら良い。けどそれで他の人をじっちゃんを捲き込むなら、お前を許さないぞフリーザ!」

 

「では、“神々のゲーム“を楽しみましょう」

 

黒霧はゲートを作り、死柄木が最初に戻る。

桃白白は天津飯を見る。

 

「久しぶりだな、天津飯!」

 

「桃白白様・・・」

 

「お前が憎くて、亀仙流が憎くてしょうがないぞ。私は」

 

「貴方を本当に昔は尊敬してた強くて冷酷で残忍だったから、でもそれが間違いであることに気づいても私は貴方に対する尊敬を止めなかった、あの時までは、武道家の誇りを喪うあの時までは」

 

「そんなもの何の金にもならん」

 

「私は貴方を必ず止めます」

 

「なら、共に鍛えることじゃな。亀仙人と共にな」

 

「そうそう、言い忘れておった。私の今の師匠は“フリーザ様“だ」

 

桃白白は黒霧で戻ろうとする。

 

「「桃白白!!」」

 

出久と電気が叫ぶ。

 

「お前だけは!」

 

「僕達が倒す!」

 

「「亀仙流の名に懸けて!!!!!」」

 

その叫び声を聞くと桃白白は今度こそ黒霧で戻り、フリーザも戻って黒霧は消えた。

 

「ウイス、全員今すぐ助けてやれ」

 

「あら、よろしいのですか?」

 

「速くやれ、死人が出るぞ、コイツらに死なれたら面倒な事になる」

 

「わかりました」

 

ウイスが杖を振るとUSJで倒れていた生徒達の怪我が全て治った。

 

生徒達は治ったことに戸惑いながらも嬉しく感じていながらも、心の奥底では理解していた。

桃白白一人に手も足も出なかった。

生きているのはただの奇跡だ。

殺し屋一人に雄英高校1年ヒーロー科は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“完全なる敗北“をしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君達は一体?」

 

オールマイトが悟空達に尋ねる。

 

「ウイス、コイツも治してやれ」

 

「良いんですか?二回の回復なのに」

 

「“キング“がヨレヨレだと勝負にならん」

 

「では」

 

ウイスはオールマイトに向かって杖を振り、オールマイトの体は光に包まれる。

光が消えるとオールマイトは自分の体の変化に感じたのか、シャツを捲って見る。

すると、“かつてオールフォーワンとの死闘で受けた傷痕が消えていた“。

 

「こ、これは一体!?どうなって!?」

 

「詳しい話は後でキチンと全てやってやる」

 

ビルスとウイスは生徒達の方に向かう。

生徒達は突然来訪したビルスを警戒する。

 

「そんなに怖がらなくても良いのに」

 

「あの後では無理ですよ」

 

「そっか、んん!えー、僕の名前は第7宇宙破壊神ビルス、こっちはウイス、“第4宇宙“の皆さん、ちょっとお話をしてくれませんか?」

 

何が始まるのかわからない。

しかし、これだけは言える。

 

 

これは“神々のゲーム“なのだと




という訳で、出久達のラスボスは桃白白がやります!
悪党で残忍な殺し屋で武術家、こんだけ今の出久達のラスボスにふさわしい奴はいません!
バランスも良いしね!!

そして、悟空達の登場です。
““神々のゲーム は次回に詳細を書きますので感想欄で知りたいって言っても答えるのを拒否します。

だって作者が一番早く、話で書きたいもん。

ですので拒否します。

それ以外の質問であれば次回のネタバレを返信しなければいけない以外は全て出来る限り早く返信しますので、どうか気軽にお願いします!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

燃えよ!若き亀仙流の弟子達

と言うわけで“神々のゲーム“の実態が説明されます!
ではどうぞ!!

(悟空達を出した途端にお気に入り登録が少なくなった事に驚きました。増えると思いましたので・・・・・まぁ悟空達はヒロアカ勢とは力そのものが違いますからね)


この宇宙は12の宇宙からなっている。

そして、足して13の数字になれば兄弟のような関係に宇宙がなる。

その全ての頂点に立つ“全王“

そして、各宇宙の創造の神“界王神“、破壊の神“破壊神“

そして、宇宙は4つの銀河に別れていて各銀河を管理する役割の“界王“、そして星の“神“がいる。

また、星に死んだものの魂を管理する“閻魔大王“も存在する。

 

こうして、宇宙は存在し続けている。

 

しかし、人間のレベルと呼ばれる物あり、あまりに低い宇宙は消されかけたことがある。

 

それを救ったのが“孫悟空“

 

彼の発案した武道大会は“力の大会“と呼称され、レベルが低かった12の内の計8の宇宙でおよそ48分間、各宇宙の選りすぐりの10人が1チームとなって最後まで己の宇宙の為に戦うバトルロイヤル。

 

そして、勝ったのが第7宇宙であり、最優秀選手に送られるどんな願いも叶うことができる願い玉“超ドラゴンボール“を最優秀選手の17号さんの願いによって、力の大会に参加して全王様に消された宇宙の復活を願い。

 

大会は幕を閉じたのです。

 

それからは宇宙同士の大きな争いはありませんでした。

 

しかし、今回提示された“神々のゲーム“、我々の中ではこう呼んでいます“知恵の育成“と

 

亀仙人こと武天老師さんはこのゲームに捲き込まれてしまったのです。

 

ゲームの詳しい内容を話す前になぜ、武天老師さんがこの第4宇宙のこの星に来てしまったのかと言う説明をさせて頂きます。

 

本来、このような時空を越える状況になるのは非常に珍しい事です。

 

数千年に一度あるかないかと言う状況です。

 

これがなってしまった原因は、こちらの星のオールマイトさんとオールフォーワンさんの死闘と第7宇宙の星で悟空さん、べジータさんとブロリーさんの死闘。

 

時空を歪めたこの2つの死闘が全くの同時に行われ、時空を越えて2つの星がリンクして互いの宇宙に穴を開きました。

 

こちらの死闘で開いた穴は比較的に小さく、この星だけにしか歪みは出ませんでしたし、こちらの生命が第7宇宙に来ることはありませんでした。

 

しかし、悟空さん達とブロリーさんの死闘の凄まじさは想像を越える戦いでとてつもなく大きな穴が第7宇宙のあちこちに出来たのです。

 

そして、寝ていた武天老師さんと桃白白さんがこの世界に同日に来て、フリーザさんは部下の皆さんと宇宙船1つと一緒にこの星へ。

 

武天老師さんは比較的に完全な場所に大怪我もなく出ることが出来ましたが、フリーザさん達が出たのはオールフォーワンさんのアジトだったのです。

 

フリーザさん達は勿論制圧しようとしましたが、死にかけになりながらもオールマイトさんへの復讐心に感心したフリーザさんは自分の軍の最新メディカルポットへ入れて差し上げて、完全回復させました。

 

フリーザさん達もこの星を出ようと思いましたが、宇宙船のエネルギーがキレてしまい、再び宇宙に行けるのに三年掛かると言われて仕方なくオールフォーワンさんと共に生活しました。

 

オールフォーワンさんのオールマイトさんへの復讐にはフリーザさんは全く興味が無かったのですが、あちこちを調べ廻る為のスパイカメラから武天老師さんとお弟子さんの緑谷さんと上鳴さんを発見し、興味本位で二人を調べたら、雄英高校に行きたいと言うことが分かりました。

そして、お二人が武天老師さんと戦い、緑谷さんが“かめはめ波“を撃った所のデータを元に雄英に受かるかと言う計算を第7宇宙最新のコンピューターで計算し100%受かると言う情報を手に入れ、オールフォーワンさんもオールマイトさんが雄英高校の教師としてやると言う情報を手に入れたフリーザさんは宇宙船を使い、オールフォーワンさんの計画を第4宇宙の破壊神“キテラ“様に言い、協力を仰ぎましたが、あまり乗ってはくれませんでした。

そこで、フリーザさんは武天老師さんの事をキテラ様に伝えるとキテラ様はそれは上機嫌になり、協力をするようになりました。

 

理由は、“力の大会で武天老師さんが第4宇宙の選手を三人も倒しているからです“

 

結果的に人数を多く落とされた武天老師さんへの復讐にキテラ様は心から協力するようになりました。

 

そして、その頃にフリーザさんが地下の下水道で倒れていた桃白白さんを発見したのです。

一目見て達人だと判断したフリーザさんはオールフォーワンさんに桃白白さんを紹介してあげ、桃白白さんはオールフォーワンさんからの計画を知り、またその計画に亀仙流派の使い手が敵にいると知ったら、協力をすると決意して、体を完全にサイボーグの状態から人間へと戻し、それだけではなく、キテラ様が天使の力を使って桃白白さんを強化したのです。

強さは上から下までピンきりではありますが“力の大会の代表選手“になるくらいまで上げて、それ以降はフリーザさんが桃白白さんを鍛え上げてます。

 

オールフォーワンさん、フリーザさん、キテラさん、桃白白さん達は互いにそれぞれ邪悪で残忍、冷徹、そして四人とも野心が強いためにお互いへの信用はありませんが、四人ともかなりこの復讐に力を入れ、そしてそれを“知恵の育成“と呼称して、全王様にこのゲームを認めて貰い、キチンと全王様の権限でルールを厳粛化してる上で第7宇宙に挑んで来たのです。

 

 

ここで、“知恵の育成“と言うゲームのルールを説明します。ルールは至ってシンプルになっており、互いの陣営の“キング“と“戦士“の2つの駒を相手の陣営の“キング“と“戦士“と闘わせて勝敗を決めるゲームで、勝敗のシステムは殺しから降参または逮捕まで様々です。

 

ただし、キングと戦士は相手陣営のキングと戦士をほぼ同時に正確には“誤差一日“未満に倒さないと行けません。

また、キングはキングとしか闘ってはいかないため戦士には手を出せませんし、戦士もキングには手を出せません。

そしてここからが重要なのですが、このゲームは全王様に認められているゲームです。

全王様はこのゲームのダイジェスト動画を宇宙時間の1000テラ後に渡すと申告されてOKしています。

地球の時間では100年後です。

故にこの長期間に渡るゲームは全王様自身が見ておられぬため非常に向こうが申請した向こう有利のルールを変更しにくくなってます。

その代表例が桃白白さんの扱いです。

 

『第7宇宙の人間はキングと戦士のサポートをしていいが、戦闘を禁じる。但し、桃白白選手は戦士として認める』

 

これが恐らくこのゲームのルールで一番向こうに有利なルールでしょう。

つまり、桃白白さんは“戦士“として任命されていて、それを倒せる資格があるのはこちらの“戦士“のみなのです。

 

そして他にもあります。

 

『“キング“と“戦士“は日常で非常に近い所にいる必要がある』

 

ここでの“キング“オールマイトさんなのでオールマイトさんが普段の日常で近くにいる人でないと“戦士“にしてはいけません。

すなわち、この雄英高校の関係者です。

 

 

また、『それぞれの陣営には“マスター“と呼ばれる存在がおり、“戦士“は“マスター“の弟子でなければいけない。』

 

『“マスター“は“キング“や“戦士“と闘ってはいけない』

 

『オールマイト陣営の“キング“はオールマイト、“マスター“は武天老師とする』

 

『神や天使はプレイヤーであり、参戦できない。しかし、特例に天使による回復を二回だけやってよい(オールマイト陣営0 オールフォーワン陣営2)』

 

以上これが向こう主体の良いように作られたルールで、私達もこれを聞いた時に抗議をして、付け加えられたのは1つだけです。

 

『オールマイト陣営の“マスター“は亀仙人の他に最大五人までつけていい』

 

そこで、私達は“孫悟空さん““べジータさん““ピッコロさん““クリリンさん““天津飯さん“の五人を連れて来たのです。

 

また今回のゲームに勝っても何も良いことはなく。

負けたら、相手に対して目の前で一時間ほど徹底的に全王様公認で相手を大笑いできると言うぐらいのものですので、ビルス様は受けるつもりはありませんでしたが、それをしなければ武天老師さんが殺されてしまう状況でした。勿論、武天老師さんは第7宇宙の人間ですので抗議しましたが、現時点で第4宇宙にいる人間の生死は第4宇宙の破壊神が握っており、上手くいきませんでしたので受けることになったのです。

 

因みに向こうの陣営の編成はこんな感じです。

『オールフォーワン陣営の“キング“はオールフォーワン、“マスター“はフリーザ、“戦士“を桃白白とする』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

ウイスの説明を雄英の教師達は会議室で聞いていた。

ビルスはウイスの横で不機嫌ですと顔に描いてるのがわかるほどの感じで座っている。

スケールその物が圧倒的に違いすぎる。

心の底からそう思った。

 

何だよ、全王って?

 

宇宙って12もあんの?

 

常識なんて物は綺麗さっぱり吹き飛んだのである。

 

「失礼します。ウイスさん」

 

オールマイトが手を上げる。

 

「はい、オールマイトさん」

 

「私の怪我を治したのは何故でしょうか?」

 

「キングが死にかけだとカッコつかないでしょ」

 

ビルスが本当にめんどくさそうに話す。

ナンバーワンヒーローに向かって凄い不遜な態度であるが、ここにいる教師全員、先程のスケールの凄さを知っているので何も言えない。

 

「ここでお礼を言わせて下さい。ありがとうごさいました!!」

 

「良いよ。お前の為にやったんじゃない」

 

「こういう態度は照れ隠しですので許して上げてください」

 

「おい、ウイス!」

 

「ほほほ、失礼」

 

「ったく、んじゃさっさとこっちも“戦士“を決めるぞ。この僕をおちょくりやがって絶対に勝ってやる」

 

ビルスはウイスと一緒に会議室を出ようとする。

 

「ちょっと待ってください、オールフォーワンの居場所は分からないのですか?」

 

消太が二人に尋ねる。

 

「ウイス?」

 

「ゲームを始める前は分かっていましたが、ゲームを受けることとなった途端に分からなくなりました。恐らく全王様公認ルールの影響でしょう」

 

その事に教師達は溜め息を吐いた。

 

「でしたら、その見えていた時の情報まで渡してはいけないでしょうか?」

 

オールマイトが二人に対してお願いする。

教師達も良い返事を待つ。

 

「やだよ、めんどくさい」

 

しかし、返事はたぶん最悪の態度で言われた。

 

「僕達だって好きでやるはめになったんじゃないの、しかも原因は君達の星の人間だ。悪いけどそこまでしてやる義理は無いね」

 

ビルスのあくびしながらの言葉にオールマイトも腹が立つ。

 

「あの悪党は、大勢の人を苦しめている怪物です!人の人生や命を弄ぶ悪魔です!どうしても倒さなくてはいけない!ですのでデータを下さい」

 

オールマイトの熱い思いと声。

聞く人が聞けば、見る人が見れば感動もののスピーチだろう。

 

「だから?」

 

そんなものは神には届かない。

ビルスの言葉に教師達は言葉を喪う。

 

「そっちの都合でこっちを動かさないでよ。今回のは本当に君達のせいでこうなってんだから、もう何も言わないで」

 

心底、うんざりしてるビルスの声にオールマイトがキレる。

 

「悪党をのさばらせて良いと言うのか!?それが神のやることか!?」

 

オールマイトはビルスに詰め寄るが、ビルスは耳掻きをしながら片手間でオールマイトの首を締め上げる。

体重250キロ越えのオールマイトが軽く持ち上げられる。

 

「お前、さっきからうるさいよ、僕達はお前らにそんな事する義理は無いって言ってんだろ?いい加減にしないと破壊するよ」

 

「神が悪をのさばらせて良いのか?」

 

「悪?僕は破壊神だからね、悪かもね、けど神が正義の味方だって誰が決めた?君達が正義だって誰が決めた?君達はただ正義を自称して周りがそれを持て囃してるだけだろ?何べんも言うけど今回は君達の星の人間が全てやったんだ。この第4宇宙の二つ名を知ってるかい?“陰謀の宇宙“だよ。邪悪な奴が生き残る」

 

ビルスはそう言ってオールマイトを放した。

 

「1つ言えるのはこの星の人間の本質は“邪悪“だ」

 

ビルスとウイスはそう言って会議室を出た。

オールマイトは悔しさゆえに口から血を流していた。

全てを否定されたのだ。

自分のヒーローとしての矜持だけではない。

オールマイトの中で脈々と流れ続けてるワンフォーオールを受け継いで継承してきた先代達の全てを否定された。

しかもその原因を作ったのが自分達と同じ人間。

神からの拒絶は精神的にかなり来る。

 

そして神からの一方的な認知。

 

反論したいのに自分の無力差、浅はかさの方が悔しくなる。

 

オールマイトは叫びながら、地面を叩く。

 

拳はめり込み、血が出ていたが誰もそれを止められなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

1年生の寮では、同じ説明をピッコロが代表でやっていた。

そして、それを聞かされたAB組は思った。

 

(((((スケールでかすぎじゃない?)))))

 

真っ当な正論である。

 

「・・・以上だ。質問はあるか?」

 

(((((あんた何でそんなに緑なんだよ!?)))))

 

気になる所が可笑しい生徒達であった。

 

「まぁ、いきなりこんな話言われてもわかんねぇよな」

 

クリリンがフォローをして皆をリラックスさせる。

場が少しだけ、和む。

 

「よし、フリーザはオラ達に任しとけ!」

 

「悟空、桃白白様には俺達は手出し出来ないことを忘れてないよな?」

 

「ん?そうだったっけ?」

 

悟空のバカさ加減にZ戦士達は溜め息を吐く。

 

AB連合は直感した。

 

(((((この人、バカなんだ)))))

 

全員、当たり前の事を思った。

これが宇宙を救った救世主と言うのだから、その貫禄の無さにはさっきの話本当かな?と疑問に思うものも出た。

 

「にしても、フリーザの野郎は何を考えてやがる。今回のフリーザは嫌に静かすぎるし、目的がわからん」

 

べジータがフリーザの動向について疑問に思った。

フリーザは今回、本当にオールフォーワンとキテラを引き合わせた事位しかやっておらず、見返りがない。

更には桃白白の師匠になったのも見返りが無さすぎる。

いつものフリーザとは違いすぎて不気味である。

 

「弟子が欲しくなったもしんねぇぞ」

 

「何のためだ?」

 

「一緒に悪いこと・・・あー駄目だ、そういうやつじゃねぇなフリーザは」

 

「だとしたら、なんなんだよ?」

 

「弟子を鍛えて、闘ってみてぇとか?」

 

「そんなわけないだろ」

 

「そうか?オラ、一回やってみてぇぞ」

 

頭が戦闘と修業だけで出来ている悟空。

この脳内戦闘バカっぷりにAB組は困惑以外何も出来なかった。

 

「おい!おっさん共、いい加減にしろ!そんなわけのわかんねぇ話を言われてもはい、そうですかなんて出来るわけねぇだろ!」

 

勝己がZ戦士達にメンチを切る。

流石、勝己。

何処に行っても何をやっても勝己である。

 

「んじゃ、どうすりゃいいんだよ?」

 

「んなもん、これに決まってんだろ!」

 

拳をパンと合わせる勝己。

AB組は思った。

アホだと、

 

「良いな!オラも闘ってみたかった所だ」

 

もっとアホがいたとAB組、更にはZ戦士達は思った。

 

「止めとけ、バカが、ガキのワガママに一々付き合う奴があるか」

 

べジータが悟空を止める。

 

「んだよ、べジータ?気になるだろ?」

 

「うっせぇ!Mッパゲは引っ込んでろ!」

 

べジータ相手にハゲと言う高校生は恐らく全宇宙探しても勝己だけだろう。

しかし、べジータも流石に暴言にはキレる男である。

 

瞬時に勝己の後ろに廻って左手で頭を掴み、軽々と持ち上げる。

 

「おい、ガキ、礼儀作法は教わってこなかったのか?だったら安心しろ、このべジータ様がお前に一晩中付きっきりで礼儀作法を教えてやる。明日、社交界に出られるほどな」

 

「フザケンナ、放しやがれ」

 

「威勢が良いな」

 

べジータは更に握力を強める。

 

「べジータ、もうそこまでにしてやれ」

 

突如、現れた亀仙人の声にべジータは手を放す。

そして、亀仙人の後ろにビルスとウイスが、更に後ろには消太とブラドがいる。

 

「師匠!」

 

「じいちゃん!」

 

出久と電気が亀仙人の元へ行く。

亀仙人は二人に対して厳しい顔を向ける。

 

「出久、電気、お主達を破門する」

 

その言葉は出久と電気に衝撃を与えた。

同門の悟空とクリリンにもだ。

 

「な、な、なんで?」

 

「う、嘘だろ?じいちゃん?」

 

「嘘ではない、お主達を破門する」

 

二回言われた言われたくない言葉。

出久と電気は狼狽える。

 

「じいちゃん、負けたことを怒ってんのか?だったら大丈夫だぜ、次は絶対に負けねぇから」

 

「師匠の顔に泥を塗ったのは僕達だ、僕達の手で拭わせてください」

 

健気である。

純粋に健気である。

しかし、その言葉に亀仙人は余計悲しい顔をした。

 

「じゃから、破門するのじゃ」

 

「俺達が破門されたら“戦士“は誰がやんだよ!?」

 

「そうですよ!僕達以上の適任なんて・・・」

 

「いるだろ?大量に」

 

ビルスが割ってはいる。

 

「ここのお前達より上の学年なら普通に強くて使えるのがいると思うから、邪魔なお前達は破門するんだ」

 

ビルスのあからさまに挑発が入ってる言葉にキレない弟子はいない。

出久と電気はビルスに飛び掛かるが、ビルスは軽く息を吐いて吹き飛ばす。

 

「「「「「緑谷!」」」」」

 

「「「「「上鳴!」」」」」

 

吹き飛ばされた二人にAB組が駆け寄る。

 

「ビルス様、ちょっとやりすぎじゃねぇか?」

 

「フン、心が折れてる役立たず共に構う時間は無いんだよ」

 

「「「「「役立たずだと!?」」」」」

 

ビルスの言葉にAB組はキレて臨戦体勢になるが、ビルスはそれを一睨みで一蹴する。

あまりの恐怖に腰を抜かすものも疎らにいる。

 

「この程度でこれじゃ、程度が知れるな。こんなんでヒーローを目指すなんてお笑いレベルだよ。じゃ武天老師、明後日の朝にはここを出るよ」

 

「わかりました」

 

そう言ってビルスはウイスを連れて去っていく。

 

亀仙人は動けなくなってるAB達を一目見てから去る。

悟空とクリリンは亀仙人にこれで良いのか?と聞きながら一緒に付いていく。

ピッコロ、べジータ、天津飯も去っていき、残ったのはAB達と先生二人だけだ。

 

「飯田、来てくれ」

 

「拳道も頼む」

 

消太とブラドがA組とB組の学級委員長である天哉と一佳を呼び、大量の紙を全員に配るように言う。

二人ともその紙を見てあれこれ言うが消太とブラドはそれらを配らせた。

 

その紙は“退学届け“だった。

 

「お前らにそれを渡したのは、明日の臨時休校でよく自分のこれからを考えて欲しいからだ」

 

「辛くなったら何時でも辞めていい、俺達でさえ体が震えるほどの相手なんだ。辞めたって悪い訳じゃない」

 

「それは絶対に出す必要もなければ出さない必要もない。とにかくそれを持って置いて良く考えてくれ、皆、護れなくてすまなかった」

 

消太とブラドはそう言って、その場を去っていった。

残されたのはAB組だけである。

 

全員、渡された退学届けを見る。

 

圧倒的な怪物に立ち向かわなくていい手段。

死にかけた全員に取って、今これほど良いのはないだろう。

 

しかし、出久と電気はそれをビリビリに破った。

 

「み、緑谷、上鳴も何やってんだよ?」

 

人一倍ビビりな実が二人に尋ねる。

 

「何って?破ってんだよ」

 

「見りゃわかるだろ?」

 

「誰が今やってる行動を言えって言った!?破ったらわかってんのか!?逃げられねぇんだぞ!!死にかけた化け物とまた闘うんだぞ!!ちょっとは自分の命を考えろよ!!」

 

実は二人を心配して言う。

桃白白に一番殴られて蹴られて、ボコボコにされたのはこの二人だ。

1年生最強のこの二人があんな状況になったのだ。

心配するなと言うのが無理な話だ。

 

「考えてるよ、考えて選んでる」

 

「誰がなんて言おうが俺達はまたアイツと闘う」

 

「どうして、そこまでに?何がお二人を動かしているのですか?」

 

百があまりの二人の迷いのなさに尋ねる。

 

「努力してたから、6年間、必死で師匠の修業に付いていってた」

 

「だから、それを誰にも否定させねぇ、じいちゃんが必死でやってくれた時間を・・・・・例えそれが神様であっても」

 

「「(僕/俺)の夢は誰にも否定させない!!(師匠/じいちゃん)の優しさもだ!!例えそれを否定するのが(師匠/じいちゃん)であっても!!」」

 

出久と電気はそう言って、その場を去っていった。

呆然と残った面々は、それぞれゆっくりとその場を去る。

 

 

 

 

 

●●●

亀仙人は苦しんでいた。

自分のせいでまさか弟子達が狙われるはめになるとは思っても見なかった。

亀仙人にとって一番の苦痛は弟子が無惨に命を散らす事である。

いくらドラゴンボールで甦ってもそれは変わらない。

 

自分を憎む破壊神

亀仙流そのものを憎む桃白白

 

そうこの“知恵の育成“は全てそこに向いていた。

有利なルールも何もかも全てが“オールマイトと亀仙人“を苦しめる一点に集中していた。

 

故に亀仙人は出久と電気を破門した。

もう二人には傷ついて欲しくなかったからだ。

しかし、“戦士“は必ず選ばねばならない。

 

だが、もう二人を傷つけたくないと言う思いが強い。

 

自分よりも若くて無鉄砲で純粋で才能に溢れて努力家な二人に亀仙人は闘えとは言えなかった。

 

悟空もクリリンも昔から闘って来た。

 

しかし、それは二人が必ず勝てると思い、そして二人は亀仙人が心配する前に問題に突っ込んで解決してきたのだ。

互いに強くなり、サイヤ人の時にはもう二人とも越えていて強く限界はないと証明し続けてきた。

しかし、今回のは違う。

出久も電気もまだそこまで強くないのに、最悪の敵が現れて二人を痛め付けた。

心が苦しくないわけない。

亀仙人は二人の事を考えて、そして破門したのだ。

 

「じっちゃん、あれで良かったのかよ?」

 

「武天老師様、あれではあの二人があまりにも可哀想です」

 

悟空とクリリンが亀仙人に抗議する。

二人とも出久も電気も知らないが、その二人と亀仙人との掛け合いを見れば嫌でもわかる。

この二人は亀仙人の弟子なのだと、悟空とクリリンは亀仙人に抗議する。

この決断はあまりにも亀仙人らしくない。

 

「悟空にクリリンよ、ワシの想像を越え続けた二人にワシの気持ちはわからんよ」

 

「けどオラだっていっぱい無茶やって来たぞ」

 

「武天老師様、私もです!」

 

「そうじゃな、ワシの知らない所で無茶ばかりやり続けて、心配した途端に解決してきたからの」

 

「じっちゃん・・・」

 

「武天老師様・・・」

 

「お主達の闘いを心配しなかった事は一度もない。ずっとワシは心配し続けてきた」

 

亀仙人からの気持ちの吐露に二人は黙る。

そして、亀仙人は二人の元から去った。

 

「クリリン、オラやっぱり駄目な弟子だな」

「悟空・・・」

 

「じっちゃんが心配してくれてたのに何も気付かなかったなんて・・・」

 

「俺もだよ・・・」

 

「オラじっちゃんには貰ってばっかだな」

 

「あぁ・・・俺もずっと助けて貰ってた」

 

「じっちゃんに何か返してぇな、クリリン、今度はオラ達がじっちゃんを助けようぜ」

 

「そうだな、俺達で助けよう」

 

意気込む二人。

そこには世界を救ってきた戦士の姿も戦いが好きな戦士の姿もなかった。

 

二人の亀仙流の弟子がいただけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

臨時休校。

この日、生徒達は全員、家に帰るか家にいる家族、昔からの友人に会ったり、電話をしていた。

 

轟焦凍もその一人である。

焦凍には病院で入院している母親がいる。

焦凍の母親はナンバーツーヒーローのエンデヴァーと結婚をして、四人の子供を産んだ。

しかし、その結婚は個性婚と呼ばれ、自分と相手の個性を組み合わせてより強烈な個性を作るという品種改良に近かった。

五歳になってから、ナンバーワンヒーローのオールマイトを超えさせるために連日の地獄の特訓、父親の恐怖と夢への憧れ、そして焦凍の側に立とうと懸命に頑張ってくれた母親はエンデヴァーによる暴走と夢を追おうとする焦凍との板挟みになり、精神的に追い詰められていき、自分の母に気持ちを吐露してる所を焦凍に見られて、気が動転し、お湯を焦凍にかけた。

 

彼の左にある火傷はその時の火傷だ。

それ以来、彼は誓った。

母親だけの個性を使って父親を全否定すると、そしてその誓いは桃白白という殺し屋に粉砕された。

 

圧倒的な力の前に母親だけの個性では勝てなかった。それは父親の個性を使っても同じだろう。

 

しかし、次々とAB組のクラスメイト達が倒れていくなかで彼は後悔した。

 

“皆、死にかけてるのに自分は半分しか使ってねぇ“

 

そう思った。

焦凍はそう心の底から後悔したら迷いがなかった。

母親の病院に行く。

入院してから初めて焦凍が行くのだ。

 

父親を許したのでは無いし、未だにこの炎の個性は嫌いである。

使うことにも抵抗がある。

しかし、それを使わずに誰かが傷付くところなんてもう見たくないのだ。

 

勇気を出して、彼は母親の所へ行く。

 

どんな会話があり、どんな状態になるかはわからないが一歩踏み出そうと決意した瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

焦凍だけではない。

この日、AB組の生徒達は全員、あることを心に決めていた。

それは、ヒーロー科を辞めないと言うことを決めていた。

何故なら、死の恐怖よりももっと怖いものを感じたからだ。

それは誰も助けられないと言う苦しみと目の前でクラスメイトが死ぬかもしれないと言う恐怖だ。

 

自分の死よりもクラスメイトの死の方がより怖かった。

本来ならば、まだ入学したてではこう感じないだろう。

 

しかし、全員とある事をしていた。

 

亀仙人との鬼ごっこである。

 

おちょくる亀仙人に勝つために全然知らない人間と一緒に頭を捻り続けてきたのだ。

互いに互いをよく知るようになった。

 

何よりも亀仙人のおちょくりが嫌に記憶に残りやすく、学校の休憩時間すら潰して考える程なのだ。

 

故にお互いもうただのクラスメイトではなく、友人になった。

 

だから、友人を助けるために自分も全力を出すと心に誓ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

亀仙人は荷物を抱えて、1年生の寮を出た。

 

外ではビルスや悟空達が待っていた。

 

「んじゃ、さっさと「「ちょっと待ってください!」」・・・ん?」

 

出久と電気がZ戦士達の前に来る。

 

「師匠!」

 

「じいちゃん!」

 

「「もう一度、鍛え直してください!!」」

 

土下座をして、願う二人。

ビルスは呆れる。

 

「呆れた~、何でそんなに諦められないの?弱いから無理だって言ってんじゃん」

 

「僕達が弱くて誰も救えないからです!」

 

「俺達は弱くて誰も守れないんだ!だから・・・」

 

「「お願いします!“武天老師様“!もう一度弟子にしてください!」」

 

涙を流しながら懇願する二人。

亀仙人は二人の姿を見て静かに涙する。

破門と自分勝手にやったのにまだ慕ってくれる事に嬉しかった。

 

「フン!君達たった二人で「二人だけじゃねぇ!」・・・またかよ、僕の台詞なのに・・・」

 

「皆・・・・」

 

出久と電気の後ろに雄英高校1年生ヒーロー科計40人が来る。

 

「「「「「(俺達/私達)も鍛えて下さい!」」」」」

 

「理由を言え」

 

ピッコロが今来た生徒達に言う。

そして、勝己がそれに反応する。

 

「あのクソ桃は俺が絶対に潰す、でも今の俺じゃ弱くて歯が立たねぇ、だから俺を鍛えてくれ、あんたら強い奴が好きなんだろ?断言してやる、俺を鍛えたら間違いなく最強だ。だから、最強の俺と闘いたいなら、俺を鍛えてくれ!」

 

支離滅裂な無茶苦茶な理由だ。

ピッコロもクリリンも天津飯もその無茶苦茶な理由に引いてるが、悟空とべジータはその理由で少し楽しみを感じていた。

 

「もう、弱いままじゃ嫌なんです!」

 

「友達が、守るべき人が死にかけてるのに何もできなくて後悔するのは嫌だ!」

 

「オイラだって!カッケェヒーローになるんだ!こんなところで変なオッサンに潰されて堪るか!」

 

「もっと強くなって皆を守りたい!」

 

「もう、自分に負けるのは嫌だ!」

 

各々がそれぞれの理由を語る。

 

それを聞いていたZ戦士達は嬉しくなった。

 

心が折れてないよりも皆、誰かの為に、自分に負けないために話していたからだ。

 

 

 

 

 

 

武術とは、

“相手に勝つためではなくて自分に負けないためにある“

 

 

 

 

 

 

亀仙人の描いた理想は、全員に受け継がれていた。

 

 

 

 

 

 

亀仙人はビルスに対して土下座する。

 

「お願いします、ビルス様、どうかこの私に機会を下さい」

 

「何の機会だ?」

 

「この40人でゲームに挑むと言う機会です」

 

「ふざけるな!わかっているのか?相手は殺す事に躊躇がない人間なんだぞ!?失敗したら一番、傷つくのはお前だぞ、武天老師!」

 

ビルスは武天老師に恩情を感じてる。

力の大会で三人を落としただけじゃない。

べジータが壺に封印された時は必死で助けたし、クリリンが落ちた時は細かく考えすぎな悟飯にアドバイスをしたり、その精神的な影響は第7宇宙で最も必要だと感じた故に今回のこの“知恵の育成“は強制的に亀仙人の弟子が“戦士“になってしまう。

もし死んだら一番苦しむのは他でもない亀仙人だ。

だから、ビルスは亀仙人に出久と電気達を破門した方が良いと言っていたのだ。

 

「わかっております、誰よりも」

 

「だったら、なぜやる?」

 

「この若者達の心に私は掛けてみたいのです」

 

亀仙人の言葉にビルスは心底、呆れた。

 

「ビルス様、オラからもお願いします」

 

「ビルス様、お願いします!」

 

「私からも!」

 

「俺からもだ!」

 

「俺もだ!」

 

亀仙人の言葉に悟空達五人もビルスにお願いする。

 

「何だよ?べジータまで、お前そういうキャラじゃないだろ?」

 

「一回助けてもらった借りだ」

 

ビルスは頭を掻く。

 

「いつもお前達といると全く思い通りにいかない!」

 

「へへ、今に始まった事じゃねぇじゃねぇか」

 

「うるさい!しょうがないなぁ」

 

ビルスは頭を掻くのを止めて、“亀仙人と40人の弟子“達を見る。

 

「ウイス、キテラの所に行って登録しよう」

 

「おや、なんと?」

 

「ここにいる40人を“戦士“として登録するんだよ。戦士の上限は無かったろ?」

 

「確かに上限はありませんが、一度登録すると終わるまで変えられませんよ」

 

「いいからやれ!武天老師!負けたら許さんぞ!!」

 

「はい!」

 

「それと、フリーザには気を付けろ。ここまでフリーザにメリットがないことをワザワザやるって事は、それほどの理由がこの星にあるって事だ。注意しておけ」

 

ビルスとウイスはそう言ってキテラの所へ行った。

 

「んじゃ、早速修業始めっぞ!」

 

悟空が元気よく言う。

生徒達は鍛えてくれる事に嬉しかったがこの余韻を感じない性格は何なんだろう?と本気で思った。

 

「待つんじゃ、悟空。ワシに話させてくれ」

 

亀仙人は出久と電気の前に座り、もう一度土下座した。

出久と電気は戸惑う。

 

「出久、電気よ!愚かな師匠のワシを慕ってくれたお主達には感謝してもしきれない!自分勝手にお主達を破門したワシを許してほしい!・・・・・頼む!もう一度亀仙流に入ってくれ!」

 

亀仙人の言葉に出久も電気も頭を下げる。

 

「「よろしくお願いします!!」」

生徒達もZ戦士達もその両者の姿を黙ってみていた。

そして、その沈黙を破ったのはべジータだ。

 

「おい、爺さん、これから俺達がこいつらを鍛えるならやることがあんだろ?」

 

「わかっておるわいべジータ」

 

「どんな事情があるにせよ、言うべきだ」

 

亀仙人は立ち上がる。

 

生徒達はそれを黙って見てる。

 

 

 

 

「皆に言わねばならぬ事がある。

 

“緑谷出久は無個性である“

 

無個性であるが故に気を自在に操る事が出来るのじゃ」

 

 

 

その衝撃のカミングアウトに生徒達は出久達は絶句する。

 

本当の修業の幕が上がる。

 




と言うわけで何と悟空達は強制的に闘えません。
やると全王様が消します。
そして、物語はドンドン加速していきます。


悟空達が戦うなんて一回も言っておりませんよ。

あくまでもこの話に参加するってだけです。
てか、悟空達が戦うと原作をドラゴンボールにしないといけなくなるのでやりません。

あくまでもこの物語の原作は『僕のヒーローアカデミア』です。

また知恵の育成は素人が一人で考えてるので穴だらけですが、そこは何とぞご容赦してくださいませ。

次回のネタバレを答えないといけない質問以外は感想批判質問あらゆる事を全て受け止めて必ず出してくれた人に出来る限り最速で返信しますので、気軽にお願いします。

因みに本編に出す気がない意外に重要な知恵の育成のルール

『“戦士“の先進的に飛べる者以外の者に飛べる術を与えてはいけない』

はい!舞空術禁止です!
教えるのすら禁止です!

これは破壊神のキテラが出来る限り“力の大会“と同じ条件で亀仙人をボコボコにしたいと言うのが理由です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出久の悪夢、再び!

遅れてすみません!
一度書いてみて、ちょっと違うと思って全部書き直したら時間が掛かってしまいました。
すみませんでした。


桜が葉桜になり、徐々に夏の季節に代わり始める。

雄英高校の波乱の春は終わり、入学した1年生も徐々にこの学校に慣れてくる。

そして、雄英高校はあの地獄を体験しながらも普段と何も変わらない日常を繰り返していた。

 

そして、それは1年A組でも変わりなかったが、1つだけ変わった事がある。

 

出久の無個性が1年生ヒーロー科の全員にカミングアウトされたのだ。

その時はその場で解散になり、何も追求することが出来なかった。

 

 

 

それから2日後の今日。

あれから、亀仙人もZ戦士達もヒーロー科に修業をつける事はなかった。

それどころかいつもやっていた亀仙人無双の鬼ごっこでさえ、やらなくなった。

全員、急いで強くなりたいのに何もしてない状況に戸惑う。

それだけでなく、出久のカミングアウトも波乱を呼んでいた。

突然の“無個性“というカミングアウトは2日間ずっとヒーロー科生徒達が悩むと言うか、話題の種になった。

 

それは個性が基本的にある出久達の世代では珍しい無個性の人間。しかもそれが1年生最強の二人の内の一人なら尚更である。

しかし、出久はそれに対しては徹底的に何も言わなかった。それどころか、この2日間は明らかに今までと違って人との付き合いを徹底的に避けていた。

 

今までの出久とは違うこの態度に電気と勝己以外は困惑していた。

 

そして、授業が終わり、昼休みになる。

 

「緑谷!一緒に・・・」

 

鋭児郎が出久に授業終わりとほぼ同時に声を掛けるが、何ともうすでに教室から出ていた。

 

「またかよ!?」

 

「速いな」

 

あまりの速業にクラス中が唖然となる。

 

「んだよ!緑谷やつ!無駄に暗くなってよ!」

 

実の怒りの言葉にこの2日間の出久の態度を見ていたクラスメイト達も怒りが出てくる。

 

「ったく、出久のやつ」

 

電気が出久の後を追おうと教室を出ようとする。

 

「上鳴、緑谷の事なんだけど」

 

鋭児郎が電気近づきながら話す。

 

「悪い、それは俺からは言えねぇから、待ってくれ」

 

電気は鋭児郎が聞きたがっている事を察して言う。

そう、この問題は親友の電気とて簡単に話していい内容ではないからだ。

 

「んじゃ」

 

電気はそう言って、教室を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

雄英は敷地内に様々な物がある。

様々な状況に対応できるヒーローになれるよう、膨大な敷地と施設がある。

この森もその1つだ。

出久はその森の中で一人、購買のパンを食べていた。

ランチクックが作る食堂でカツ丼を食べたいが、今は食堂を使う気になれない。

 

無個性である事が皆にバレた。

正直に言って怖いのだ。

今までそれでかなり酷い目にあってきて、亀仙人との修業で何とかしてきた。

勿論、出久本人もこの雄英に入ってヒーローを目指す生徒がそんな人間ではないのはわかっている。

わかっているが、心が言うことを利かないのだ。

 

 

「本当に大丈夫か?」

 

 

出久は声のした方を向く。

そこには電気が立っていた。

 

 

「電気・・・」

 

 

「皆なら大丈夫だって」

 

 

「わかってるよ、そんな事」

 

 

電気は出久に近づく。

 

 

「皆を信じてやれば・・・」

 

 

出久の肩を掴む電気。

その肩は震えていた。

 

 

「怖いんだ、怖いんだ電気・・・皆が怖いんだ」

 

 

「出久」

 

 

「頭では皆は違うってわかってるのに全然、体が言うことを利かないんだ」

 

 

出久は電気の胸を借りて泣く。

電気も背中をトントンと叩く。

 

 

「大丈夫だ、大丈夫だから」

 

 

「ごめん、いつも助けられてばっかで」

 

 

「いいから涙を何とかしろ、次はAB合同でヒーロー基礎学だぞ」

 

 

出久は離れて、涙を拭う。

 

 

「昼飯は食ったか?」

 

 

「さっき食べた、電気は?」

 

 

「もう購買のパンを食ったよ・・・ほら、戻るぞ」

 

 

電気は教室に戻ろうとし、出久も付いていく。

森から、二人は去るが二人から離れた位置で亀仙人、悟空、クリリン、べジータ、ピッコロ、天津飯の6人が気配を消しながら、その話を聞いていた。

 

 

「フン、軟弱な奴め」

 

 

「そう言うなよ、べジータ」

 

 

「そうだ、誰にだって怖いことの1つや2つあるだろ?」

 

 

厳しい事を言うべジータに反論する悟空とクリリン。

しかし、べジータはそんな事はお構いなしの様である。

 

 

「そんなものは誇り高きサイヤ人にはない」

 

 

「へぇ~、この前、ブルマにこっぴどく怒られてたのにか?」

 

 

「き、貴様!何故それを!?」

 

 

「ん?ブルマから言われたぞ」

 

 

悟空の言葉にべジータが顔を赤くする。

言い争う二人に他の四人は離れて一塊に集まる。

 

 

「べジータの奴、一体何を言われたんだ?」

 

 

「何でもトランクスの学校の父親参観を1週間前から言われて更に前日にもきっちり言われてたのに悟空と一緒にビルス様の所へ修業に行ったらしいです」

 

 

「ほぉ~、それでこっぴどく怒られたと」

 

 

「もうブルマさん、カンカンでしたよ。『自分の息子との約束を破るなんて何がサイヤ人の王子よ!』ってしかも、トランクスにも『パパなんて大っ嫌いだ!』って言われて、次の日は1日中家族サービスしてたらしいですよ」

 

 

「べジータが宇宙一怖いものはブルマだな」

 

 

「違いない」

 

 

笑い会うガヤの四人にべジータは睨む。

 

 

「貴様ら、止めろ!ブッ飛ばされたいのか!」

 

 

和む六人。

亀仙人がわざとらしく咳をして、五人を止める。

 

 

「五人とも、お主らの初仕事はまだまだ先になるじゃろう、午後からの授業を見て生徒らそれぞれに会った修業法を一人一人考えてくれ、お主らに頼むときはそれを実践して欲しい」

 

 

「ええ~、オラ達の出番はまだかよ~」

 

 

「出番も何も悟空、まだ生徒らの事を知らんだろ?ワシが頼むまでよく見て修業法を考えるのじゃ」

 

 

「なんか、めんどくせぇな」

 

 

「学ぶのも修業じゃ」

 

 

「くだらん、俺様はトランクスを鍛えてた。今さらそんなめんどくさい事が出来るか!」

 

 

「べジータよ、トランクスと生徒達は違う。人に合わせて人を強くさせるのは教える師匠にとっても立派な修業じゃ、それにこれは悟空でもやった事が無いから、悟空を越えられるかも知れんぞ?」

 

 

亀仙人の言葉にべジータは黙る。

流石は武天老師、修業と指導に関しては地球一である。

(宇宙一は天使になるので逆立ちしても無理)

 

 

「クリリンも天津飯もピッコロもそれで構わぬな?」

 

 

「はい!勉強させていただきます!」

 

 

「私も自分の道場の教え子達の為に精進します」

 

 

「ま、当たり前だな」

 

 

三人ともいい返事を亀仙人に返す。

ピッコロはどこかはなにかけて言っている。

 

 

「何だよ、ピッコロ。そんな当然みたいな返事して」

 

 

「当然だ。俺は悟飯を鍛えたからな、少なくともこの中じゃ武天老師の次に師匠として優秀なのは俺だ」

 

 

「何だと?トランクスを強く鍛えてきたのはこの俺だ、いずれトランクスは悟飯よりも強くなる」

 

 

ピッコロの言葉にべジータが反論する。

 

 

「フン、あんなガキの頃からガールフレンドがいる不純な奴に悟飯は超えられん」

 

 

「黙れ!古くさい陰気な奴め!」

 

 

「そうだぜ、ピッコロ。本人同士が好きなら良いじゃねぇか」

 

 

「ませたガキがサイヤ人一頭脳明晰な悟飯を越えるなど絶対にありえん」

 

 

「面白い、いずれトランクスと悟飯を勝負させてどっちが優秀な師匠か試してやる」

 

 

「勝つのは悟飯だ」

 

 

ピッコロはべジータは互いに睨みあう。

 

 

「まぁ、その勝負やいずれ見させて貰うとして、お主達よ。午後からの授業に遅れぬようにな、特に悟空」

 

 

亀仙人は五人に言った。

悟空には杖を突きつけて名指しで、

 

 

「何だよ、じっちゃん?オラだってちゃんとやるぞ」

 

 

「お主がこの中で一番時間にルーズじゃから言っておるのじゃ、昔、天下一武道会で危うくエントリー出来ない所だったのを忘れると思うたか」

 

 

「その次はちゃんと間に合わせただろ?」

 

 

「そうじゃが、お主のその他人に合わせなさすぎる所は目に余るぞ、お主もいい年して二児の父で一児の祖父なんじゃから」

 

 

「武天老師様、大丈夫ですよ。俺が一緒に居ますから」

 

 

「うむ、頼んだぞクリリン」

 

 

「悪いなクリリン」

 

 

「良いって気にすんな」

 

 

六人はその場で解散し、午後からの授業に向けてそれぞれ時間を潰していた。

悟空とべジータは食堂に入り、食堂の食料の半分を平らげてしまい、料理長のランチクックが過労で倒れた為に腹八分目で食事が終わるはめになった。

この時の二人を見た雄英生徒は二人のブラックホール並の食欲に引っくり返ったのは言うまでもない。

因みに二人はこの2日間の間、学校の食堂ではなく、クリリンが近場でやってる大食いチャレンジのチラシを持ってきてそこで飯を食べていた。

稼いだ額は二人とも互いに20万を超えており、学校の近場の店から出禁にされた。

更に二人の食いっぷりに負けん気を起こしたとある店の店主が1日の内で更に二人に挑戦してとんでもない大赤字を出してしまい、その店は1ヶ月後に潰れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

A組、B組の生徒達がコスチュームに着替えて、グラウンドβに集合する。

担任の消太とブラドが生徒達の前に立つ。

 

 

「お前達がこの前の戦いを経験してその上でこうして全員が辞めなかったのはヒーローとして本当に嬉しく思い、心の底から尊敬する」

 

 

「だが、教師としては嬉しく思う半分、自分達の体や命を大事にして欲しい。誰しも永遠にヒーローは出来ない、ヒーローが体を壊して引退して苦悩の余り、自殺した例は世界中で後を絶たない。若いお前達にそのような人生を歩んでほしくはない」

 

 

消太とブラドは生徒達の覚悟を嬉しく思い、大人としてヒーローの先輩として教師として、生徒達に語る。

その姿に生徒達はより一層自分の将来の事を考えるようになった。

 

 

「今日のヒーロー基礎学は戦闘訓練だ」

 

 

「先日の件でお前達にこんな悪趣味な争いの戦士として登録されたのは本当にすまなかった。お前達を守るのが仕事なのに何も出来なかった俺達を恨んでも構わない」

 

 

「だから、今回の授業は武天老師さん以外の人がお前達の事を知るために戦闘訓練をする事になった」

 

 

「詳しい内容は発案者の武天老師さんが話してくれるのでよく聞くように」

 

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

「では武天老師さん達、来て下さい」

 

 

亀仙人達は生徒達の前に立つ。

 

 

「ここで改めて自己紹介をさせて貰う。ワシは武天老師、他の星では武術の神と呼ばれていた者じゃ、亀仙人と人はそう呼ぶ」

 

 

「オッス、オラ孫悟空だ!じっちゃんの弟子でサイヤ人ちゅう宇宙人だけど、よろしくな!」

 

 

「俺はクリリン、武天老師様の弟子で悟空とは同じ釜の飯を食べた仲だ。俺はあんまり強くないし、精神が未熟な時期が長かったから、辛いことがあったら相談して欲しい」

 

 

「べジータだ。貴様らを徹底的に鍛え上げるが泣き言は一切認めん、以上だ」

 

 

「ピッコロ。俺にも一人弟子がいる、勿論お前達があいつと同じとは一切思わんが容赦の無さは変えるつもりはない」

 

 

「俺は天津飯、皆には言っておかなければいけないが、俺は今はもう関わってはいないが、桃白白と同じ鶴仙流の弟子だった。お前達を痛め付けた技は俺も使える。俺を元同じ流派として恨むも憎むも好きにしてくれていい、次にあの人と闘うまでの対策は協力する」

 

 

全員の自己紹介が終わり、天津飯の内容には驚きこそすれ、誰一人恨む人間はいなかった。

全員、天津飯の言葉の重みがわかったからである。

 

 

「それじゃ、自己紹介も終わった所で本日の訓練の内容を伝える。本日の訓練は出久と電気の二人とそれ以外の生徒で戦って貰う」

 

 

亀仙人の言葉に生徒達は戸惑う。

その通りだ。

内容がとてつもなく不安だからである。

 

 

「そして、もう一度言うが出久は無個性じゃ」

 

 

「じいちゃん!」

 

 

「黙っておれ、電気」

 

 

電気からの抗議を亀仙人は却下する。

出久は不安な目で亀仙人を見る。

 

 

「何か質問があるものはおるか?」

 

 

「武天老師先生!戦いと云うのはどのように?」

 

 

「出久と電気のペアを30分以内に制圧できれば、お主らの勝ちで出久と電気は逆に30分以内に他の皆を無力化すれば良い。時間切れは引き分けとする、それでは時間が無いことじゃし、5分後に始める。出久と電気はワシらの近くでスタートし、お主らはここからスタートじゃ」

 

 

亀仙人達はそう言って去り、出久と電気もそれに付いていく。

他の皆も戸惑いながら準備を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

出久と電気は互いにストレッチをしながら、合図を待つ。

亀仙人達も出久と電気を見てる。

 

 

「出久、大丈夫か?」

 

 

「大丈夫だよ、皆、いい人だもん」

 

 

「なら、良いけど」

 

 

明らかに作り笑いをしてる出久に電気は何も言えなかった。電気は亀仙人を睨むが亀仙人はどこ吹く風だった。

 

 

「それでは行くぞ!よーい、始め!!」

 

 

出久と電気は猛スピードで開始と同時に突っ込んでいく。亀仙人はストップウォッチを持ちながら走っていった二人を見る。

 

 

 

 

 

 

●●●

二人が走っていくと何とAB組の殆どがその場を動いていなかった。

寧ろ、二人が突っ込んできて始めて始まったことに気づいてる人もいた。

 

「いくぜ、緑谷!上鳴!」

 

鋭児郎が二人もとい、出久に突っ込んでいく。

全身を硬化して、出久を殴ろうとする。

出久は本気で向かいに来てくれる鋭児郎に心の底から嬉しかったが、拳が自分の顔に向かってる途中、硬化が解けた。

これは鋭児郎自身、本当に無意識でやってしまった事だ。何も悪意なんて物はなかった。本人が持つ本来の優しさゆえに無意識でやってしまったのだ。

 

しかし、それは残酷にも出久が最も辛く感じる“侮辱“の行為であった。

 

この行為は亀仙人達も目を鋭くさせた。

 

ブチっと何かの琴線がキレた。

 

出久は鋭児郎をたった一発のカウンターで気絶させた。

 

「出久!」

 

電気が出久の名前を呼ぶが本人はもう怒りに囚われてまともに聴いていなかった。

 

「電気、かっちゃんだけお願いして良いかな?」

 

「あ、あぁ」

 

出久の変貌に電気は言葉を喪った。

 

「すぐに終わらせる」

 

出久はそう言って、突っ込んでいった。

電気は言われた通り、勝己の相手をして10分かけて沈めていたが、出久はその間でほぼ全員を沈めていた。

本来、いくら出久でもこんなに早く沈ませる事は出来ないが、出久が無個性である事で全員、無意識の内に一瞬だけ手加減してしまい、そこを出久が怒りの鉄拳で沈めていたのだ。

もう残っているのは、手袋と靴を履いている透明女子の透だけだった。

出久は透を睨む。

透は体を大きくビクつかせて両手を上げる。

 

 

「こ、降参する。緑谷君、降参する」

 

 

「そう、葉隠さんも真剣にやってくれないんだね」

 

 

「真剣だよ!けど、勝てない戦いは「真剣じゃないじゃないか!!」・・・えっ?」

 

 

透は突然の出久の激昂に言葉を喪う。

 

 

「君は何で透明になってない!その手袋と靴は何だ!?真剣じゃないじゃないか!!君の個性の良さは透明になれる事だろ!?」

 

 

透は出久に指摘されて、始めて自分が本気でやっていなかったことを理解した。

 

 

「こんなのが嫌だから、必死で隠してたのに、ここの皆は違うと思ってたのに!信じてたのに!・・・もういい」

 

 

出久は透に向かっていく。

手袋があるお陰で何処に急所があるのか一目瞭然だからだ。

透は出久に恐怖し、手を前に出す。

しかし、出久の拳は超高速を使って出久と透の間に入った電気が止めた。

 

 

「電気、退いてよ!」

 

 

「出久、もう終わった。拳を引かせないと俺も容赦しねぇぞ」

 

 

「どっちの味方だよ?」

 

 

「少なくとも降参してる相手を殴ろうとする奴の味方じゃない」

 

 

出久は透を見た。

透は腰を抜かしてへたり込んでいた。

出久は拳を引き、電気は透に手を差し伸べて立たせた。

 

 

「それまで!」

 

 

亀仙人のストップの合図が響く。

30分の戦闘訓練はわずか10分で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

戦闘訓練が終わったが、勝己以外、全員浮かない顔をしてる。

そうである。

勝己以外、出久を侮辱したのだ。

しかも悪意がない善意でやったのだ。

出久と電気は亀仙人から講評を受けていたが、皆は悟空達から受ける事となった。

悟空達もまさかこんな事になるとは思っておらずに困惑していた。

そして、その沈黙を破ったのは悟空だった。

 

 

「お前らも悪くなかったけどよぉ、もっと本気を出さねぇと二人に失礼だぞ」

 

 

「貴様らがやった事は戦士に取っては侮辱以外の何物でもない。恥を知れ」

 

 

「今のお前達が桃白白と戦うなんて夢でも無理だ」

 

 

「俺は弱いけど、あんな手の抜き方をされたら、流石に腹が立つよ」

 

 

「お前達がやったのは優しさではない。自分は優しいと自惚れた結果のただエゴだ」

 

 

 

五人のダメ出しはこれで終わった。

五人ももう何も語りたくないと言う感じだった。

一方、出久と電気は亀仙人の講評を受けていた。

 

 

「電気よ。勝己一人相手にあそこまで時間を掛けてはいかん、卑怯じゃないとは言わないが、誰かと一緒に仕事する時はチームワークが必要じゃから、次は気を付けるように」

 

 

「わかった」

 

 

「出久よ、確かに皆の行動に腹を立てるのはしょうがないが、降参してる相手にまで手を掛けて良い理由にはならないぞ」

 

 

「すみません」

 

 

「それは武術ではなく、暴力になるから頭を冷やしなさい」

 

 

「ちょっと待ってくれよ、じいちゃん、元はと言えばじいちゃんが皆の前で・・・」

 

 

「良いよ、電気、これは僕が乗り越えないといけない問題だから」

 

 

「出久」

 

 

出久はそう言って去った。

電気は亀仙人を睨む。

 

 

「じいちゃんのせいだ!じいちゃんが言わなければこんな事には・・・」

 

 

「そうやって、皆に隠し続けるのか?それは皆に対する侮辱じゃ」

 

 

「こんな事に意味はねぇよ!俺達はあのクソ野郎をブッ飛ばさねぇといけねぇんだ!強くしてくれよ、じいちゃん!俺と出久なら出来る!」

 

 

「電気よ、今のお主には足りないものがある。それを知るのじゃ」

 

 

「何だよ!足りないものって!?」

 

 

「それを学ぶのじゃ」

 

 

電気は出久を追いかけようとする。

 

 

「いくら、戦士としてじいちゃんの言ってる事が正しくても人としてヒーローとして出久の親友として絶対に正しいなんて認めない!絶対に!」

 

 

そう言って出久を追いかける。

こうして、訓練が終わった。

 

 

 

 

●●●

授業が早く終わり、残りの時間は亀仙人は校長室で校長とブラド、消太と四人で話してる。

 

「次のヒーロー基礎学も戦闘訓練にして欲しいって無理だよ、ヒーローは戦闘だけできれば良い存在じゃない。法律や救助、それに生き残るための渡世術も必要だから、二回続けて戦闘訓練は無理だよ。ましてや同じ内容じゃ」

 

 

「無理なのは承知の上です。どうか、もう一度頼みます」

 

 

頭を下げる亀仙人に校長は困る。

 

 

「校長どうでしょう?次の時間は互いに前の授業の反省も兼ねた道徳ですから、一緒に受けてもらい、放課後、グラウンドβでやって貰うのは?」

 

 

消太が校長に対して進言する。

 

 

「けど、たった一時間ちょっとで直るとは思えないよ」

 

 

校長が紅茶を飲みながら、頭を掻く。

 

 

「私達もサポートしますので」

 

 

ブラドも熱意ある言葉で話す。

 

 

「しょうがないな、許可するよ。但し、今日だけでそれでも同じ結果になったら、この内容では二度と許可しないよ」

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

亀仙人は校長と消太、ブラドに礼を言って、消太、ブラドと一緒に校長室を出た。

 

 

「先生方、ありがとうございます!」

 

 

「いえ、俺達はその位でしか役に立てませんので」

 

 

「しかし、今回の内容はあまりにも厳しすぎたのは?まだ、皆は学生です」

 

 

「厳しいのはわかっております。皆、心優しき生徒ですので、しかし、相手に対して敬意を伴ってなければこの先チームとして彼らは必ず崩壊します。それは何としててでも避けなければいけません」

 

 

亀仙人はそう言い、去っていった。

残った二人は亀仙人の背中を見ながら、心から思った。

教師として桁が違いすぎる。

二人ともその事実を噛み締めて互いにもっと上を目指すと誓った。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

六限目の授業

A組教室でミッドナイトが先ほどの授業の反省も兼ねて道徳の授業をする。

B組では13号がやることとなってるが、全員明らかに沈んでいた。

 

 

「よし、授業を始める前に皆に知らせよ。放課後、グラウンドβでさっきの補習をします。条件はさっきと一緒よ。全員さっきの事について道徳も兼ねながら、B組と一緒に受けるからこれから大教室に移動よ。但し、緑谷君と上鳴君は先にβへ行ってて、作戦会議も兼ねてるから」

 

 

「「わかりました」」

 

 

出久と電気はそう言って教室を出た。

 

 

「よし、皆移動よ!」

 

 

A組はそう言うミッドナイトの言葉を受けて教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

βでは亀仙豆を食べた出久と電気がシャドーしてる。

出久のシャドーは明らかに力が入りすぎていた。

 

 

「出久、皆もわかってくれるって」

 

 

「無理だよ、そんなに人間が変わるわけない」

 

 

「大丈夫だって、俺だって」

 

 

電気の言葉に出久は電気に詰めより、胴着の襟を持った。

 

 

「皆が皆、電気みたいに強くないんだよ!勝手な事言うな!」

 

 

出久の怒号に電気は呆然となる。

出久は電気を怒ってしまった事に気がついた。

 

 

「ご、ごめん、電気を責めるつもりは無かったんだ」

 

 

「良いよ、俺は大丈夫だから」

 

 

「僕は何をやってんだ!?自分の問題に皆を捲き込んで、親身になってくれてる電気にまで・・・」

 

 

「出久・・・」

 

 

「ごめん・・・頭を冷やしてくる」

 

 

出久はそう言って去った。

電気はその場に踞った。

傷つけるつもりは無かったのに傷つけた自分のアホさ加減に幻滅した。

 

「オッス、お前は上鳴だったっけ?ちょっとオラと始まるまで話さねぇか?」

 

 

電気は悟空を見ながら話す事を決めた。

一方、頭を冷やすために、手洗い場の蛇口の水を頭に掛ける出久。

しかし、顔はさっきと何も変わっていなかった。

 

 

「お?ここに居たか?どれちょっと俺と始めるまで話さねぇか?」

 

 

出久は顔を上げて、やって来たクリリンを見た。

 

 

「これは僕の問題ですので」

 

 

「そうだけど、誰かに話すと気が楽に成るかも知れねぇぜ。亀仙流の先輩として相談に乗ってやる」

 

 

クリリンはそうやって胸を叩いてむせた。

出久はその姿に和みながら、話す事を決めた。

 

亀仙流の先輩として悟空とクリリンは二人に何を言うのか?

果たして、皆はこの試練を乗り越えられるのか?




第15話が終わりました。
出久の無個性というある種の呪いが解けるまでを次は書きます。
この話は体育祭前に全員、亀仙人主導の特訓に付き合うんだから、いつかはばれると思ったので書きました。

いわゆる彼らがクラスメイトからチームになるまでの物語で体育祭はそんな彼らの青春で行こうと思います。

次回は遅れる可能性が高いので待ってて下さい。
失礼しました!

批判感想質問は次回のネタバレをしないといけなくなる物以外はなるべく早く必ず返信しますので気軽にどうぞよろしくお願いいたします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

友情の絆!出久&電気vs1年生ヒーロー科

後編です。
次の章は体育祭ですが、その前に一つ言いたいことがあるのでそれは後書きの方で言います。
ではどうぞ!


自分の無神経な言葉で出久を傷付けてしまった電気。

電気は、悟空とその事について話していた。

 

「俺、出久と六年間一緒に修業してきたんです。出久の無個性の事は三年ぐらい前に知り、俺その時、気が上手く出せなくてイライラしててあいつの前で無個性に成りたかったって言ったんです。無茶苦茶キレて無個性の何がわかるって怒られて、その日の内に互いに謝ってそこからは一緒に頑張ってきたんです。無個性の事を必死で勉強して傷付けたくなくて、けど何も分かってなかった。分かった気になってただけなんです」

 

電気は涙を出しながら、悟空に話す。

悟空はこう言う事は無茶苦茶苦手だが、親身になって聞いていた。

 

「オラもクリリンにこの前、怒られたんだ」

 

「えっ?」

 

「じっちゃんがまだオラ達の星にいる時、久しぶりにクリリンと修業して貰ってその時、言われたんだ。『俺はお前とは違うんだ!』ってオラそう言うの苦手だがら皆に迷惑掛けっぱなしでな」

 

悟空が言っているのは力の大会前の亀仙人にクリリンと一緒に受けた修業だ。クリリンがトラウマを克服するために頑張った時だ。

 

「そ、それで」

 

「ん?」

 

「それで二人はどうやって仲直りしたんっすか?」

 

「さぁ?そもそも喧嘩してねぇしな」

 

「うぇい!?」

 

悟空のあっけらかんとした答えに電気は驚く。

そりゃそうだ、誰が聞いても喧嘩したようにしか聞こえない。

 

「クリリンが頑張って克服したら、戻ったんだ」

 

「参考になんねぇっす」

 

「まぁ、オラが言いたいのは緑谷を待ったらどうだ?」

 

「待つ?」

 

「おう!待つんだ!強くなるまで!」

 

「でも、出久が心配で・・・」

 

不安がる電気に悟空は笑う。

 

「電気は緑谷の奥さんだな!」

 

「ちょっと!俺は女の子が好きです!」

 

悟空のあらぬ疑いを全力で否定する電気。

 

「ハハハ、でもそう自分からじゃなくて相手を待つのも良いもんだぞ」

 

悟空の笑い声に電気は理由は分からないが安心感を覚えた。何故か大丈夫だと思えた。

そして、電気は出久を待つことに決めた。

 

「悟空さん!俺、出久を待ってみます!戻ったらごめんって言います!」

 

「おう、悪ぃことしたら謝んのが一番だ!オラもチチに謝ってばっかだ」

 

「チチ!?」

 

「オラの嫁さん」

 

「嫁!?奥さん居たんっすか!?」

 

「おう、息子二人に孫もいっぞ」

 

「孫!!?」

 

悟空の家族関係に心底驚いた電気は暫くの間、呆然としていた。

一方、その頃クリリンと出久も話し合っていた。

 

「僕、無個性で昔から皆にバカにされてたんです。でも師匠と出会って電気と出会って一緒に頑張ってきて、自分が無個性だってのを受け入れた筈なのに全然受け入れてられなかった」

 

「まぁ、さっきのは誰だって腹立つよな」

 

「皆、優しいってのは知ってるんです。けど頭がいくら理解しても心が言うこと利かなくて、電気にも八つ当たりして最低だ」

 

「俺も前に悟空に怒った事があるんだ。武天老師様の所で久しぶりに悟空と一緒に修業したんだけど、その時の相手が自分のトラウマだったんだ」

 

「トラウマ・・・その時、どうしたんですか?」

 

「立ち向かって勝ったさ」

 

「どうやって?」

 

「思い出したんだよ、悟空の凄さを」

 

「凄さ?」

 

「どんな逆境でも強い敵でも笑って立ち向かえるんだ。悟空は!俺もそうなりたいって思ったんだ!・・・緑谷には身近にそんな奴は居ないのか?」

 

出久はクリリンの言葉を聞いて思い出している。

亀仙人の修業を一緒に越えてきた親友をいつも明るく元気で勉強が苦手で女好きなヒーローと一緒に過ごしてきた時間を思い出してきた。

 

「いるんだな?」

 

「います。僕の一番の親友です。電気になりたい・・・電気みたい逆境でも明るく笑えるヒーローになりたい!」

 

出久は泣きながら、電気に対する憧れをクリリンに言った。

 

「トラウマはどうやっても永遠に自分に付き纏うけど憧れがあると耐えられる、乗り越えられる、一緒に憧れに向かって頑張ろうぜ!」

 

優しく厳しいクリリンの言葉は出久の心に住み着いていたトラウマを消し払う為の光を帯びて、出久の心に入っていった。

 

「はい、ありがとうございます」

 

トラウマは簡単には治せない。

けど、支えがあればきっと治せる。

出久はこれからも自分のトラウマと向き合うと心から誓った。

 

「ところで緑谷、お前好きな子いるか?」

 

クリリンの突然の質問に出久は顔を真っ赤にする。

 

「すすすす好きって、なななな何を!?」

 

「いるんだ、誰だ?芦戸ちゃん、蛙吸ちゃん、麗日ちゃん、耳郎ちゃん・・・」

 

「ーーっ!」

 

出久は響香の名前を聞くと耳まで真っ赤にする。

 

「そうか、緑谷の好きな子は耳郎ちゃんか!」

 

「クリリンさん!ぼぼぼ僕は別に耳郎さんなんて!」

 

「へぇー、んじゃ響香ちゃんって呼ぼうかな?どうせ名前で呼ぶのが多くなるし」

 

「駄目です!僕だってまだ呼べてないのに!・・・あっ」

 

出久のテンパり具合にクリリンは膝を叩きながら笑う。

とんだ羞恥プレイである。

出久は真っ赤にしながら、顔を伏せる。

 

「俺も若い頃は好きな子にそうやってたよ」

 

「クリリンさん、彼女さん居たんですか?」

 

「ん?嫁さんと子供もいるよ」

 

「奥さんも子供も要るんですか!?」

 

クリリンは胸ポケットから、18号とマーロンと一緒に撮った写真を出久に見せる。

 

「ほら、嫁さんと子供だ。嫁さんが18号って名前で娘がマーロンって名前だ」

 

「奥さんの名前、個性的ですね」

 

「まぁ、訳ありだからな、マーロン可愛いだろ!」

 

「はい!」

 

「手ぇ出すなよ」

 

出久はクリリンを見ると鳥肌が立った。

笑顔だが明らかに『手を出したら殺す』と書いてあった。

出久は苦笑いをしながら始まるまでクリリンと話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

大教室ではAB組が反省と道徳の授業として開始していたが、ミッドナイトは少し待ってといい、13号と消太とブラドに任せていた。

三人ともいざ始めようと思ったが、生徒達にどうアドバイスするべきか悩み、生徒達も自分達がやった事の重大さに黙るしか無かった。

 

「遅れてごめん、待たせたわね」

 

ミッドナイトが入ってくる。

しかし、その格好はいつものハレンチな格好ではなく、凄いギャップがあるほど見る人に同じ人?と言われるほど普通の格好だった。

 

「ミッドナイトさん、何やってんですか?」

 

「あの格好でこんなナイーブな話はしにくいでしょ、こうすれば皆も親しみが出てくる」

 

「えぇ、いつもその格好なら目のやり場に困りません」

 

ミッドナイトのノリに全く乗らず消太は答える。

 

「さてと、あなた達に質問です。私達がヒーローをやってて永遠に続く問題は何でしょう?」

 

ミッドナイトの質問に全員が答えられずにいる。

 

「はい!」

 

「飯田君」

 

「人を助けられなくなる事です!」

 

「それも間違ってないけど違うわ」

 

天哉からの答えにミッドナイトはあざとく答える。

いい年して、

 

「答えはね、人を傷付ける事よ」

 

ミッドナイトの低くなった声に突然だした重圧に生徒達に緊張が走る。

 

「私の武器の鞭で敵を捕まえ続けてきた。けどそれは同時に敵を傷付ける事でもある。このジレンマはヒーローになったら永遠に続くわ」

 

「そこからは抜け出せないんですか?」

 

「無理よ、けど私はそれで特に落ち込んだこともなければ苦しんだこともあまりないわ」

 

「どうしてですか?」

 

「だって、私のこれは皆と特訓して得たものよ。仲間と本気で喧嘩しまくってね。だから自信があるの絶対に殺さないって、緑谷君も恐らく貴方達に対してそう思ってるわよ。絶対に問題ないから本気でやれって」

 

ミッドナイトの言葉に皆は出久の怒りを思い出す。

 

「あとは、教えなくても良いようね。それじゃ、私達先生はちょっと席を外すから皆、反省会を頑張ってね」

 

ミッドナイトは教師三人を引き連れて教室を出た。

 

生徒達だけで反省会をする事になったが、沈黙は長い。

それを破ったのは出久がキレた原因を作った鋭児郎だ。

 

「一瞬、個性を解いちまった。傷付けたくないって思っちまった。バカだよな、俺なんかが緑谷に傷つけれる事ないのに・・・どうして、気が緩んだ、くそ!」

 

鋭児郎は机に思いっきり頭をぶつける。

 

「ちょっと、切島!何バカやってんの!?」

 

「うるせー!自分のクソさに怒りが止まらねぇんだよ!」

 

「あんただけじゃない!私だって躊躇した」

 

「俺もだ」「僕も」「私も」「躊躇した」「一瞬・・」「僕も」「私も」「俺も」・・・etc

 

どんどん、自分のやってしまった事を言うヒーロー科。

確かに反省も後悔もあった。

 

「強いのは出久だけじゃねぇだろ」

 

突然、勝己が全員にそう言う。

 

「放課後は勝たねぇと意味がねぇ、俺は何としてでも勝ちに行くぞ、それが二人に対する礼儀だ」

 

鋭く眼光を光らせる勝己。

本気で勝ちに行く人間の目だ。

それに全員が気合いを入れ直した。

緑谷に対する侮辱を償うために、心底呆れられた悟空達に認めさせる為に作戦会議をする。

教師たちは部屋の外からそれを眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

グラウンドβでストレッチをする電気。

悟空は、電気の様子を眺めていた。

さっき話して吹っ切れた電気の姿は見ていて安心を感じていた。

その二人の元に出久とクリリンがやってくる。

電気も悟空もそれに気付く。

 

「出久」

 

「電気、いつもありがとう」

 

電気は突然言われた感謝の言葉に困惑する。

寧ろ、さっきの事で謝りたかったのに出鼻を挫かれてしまった。

 

「お、おう」

 

「僕、電気になりたい。電気みたいに明るく笑顔で逆境を乗り越えられるようになりたい。だから、僕、頑張るよ。電気、これからもよろしくね」

 

電気は先ほど悟空に電気の奥さんと言われたのを思い出してしまった。

誰がどう聞いても告白か何かにしか聞こえない。

電気は出久に対して嬉しく思うが嫌な物は嫌である。

 

「そ、それは愛の告白か何かじゃないよな?」

 

「ちょっと!?折角、悩んで出したのにどうして茶化すの!?」

 

「いや、マジでそうにしか聴こえねぇよ!俺は女が好きだ!」

 

「僕だってそうだよ!」

 

「へぇー、んじゃ誰が好きなんだよ?」

 

「それは・・・って言ってたまるか!!何かってに人の恋路を聞こうとしてるの!?」

 

「そりゃネタになるからだよ、笑いの」

 

「最低だ!電気の好きな子をクラス中にバラすぞ!」

 

出久の言葉に電気は顔を赤くする。

どうやら、出任せで言ったがどうやら電気にも好きな子がいるんだと出久は直感した。

 

「え?マジでいるの?」

 

「うるせー!いねぇよ!」

 

「その反応はいるだろ!?」

 

「いない!」

 

他愛もないバカな会話だ。

けど、二人ともギクシャクしてた物は無くなっていた。

電気は悟空の言うとおりだと思った。

勝手に向こうが乗り越えてきた。

悟空を電気は凄いと心から思った。

何気ない会話をする二人を悟空とクリリンは一緒に見ていた。

 

「クリリン、いつもありがとな」

 

「何だよ、急に変な奴だな」

 

「へへ、助けられっぱなしだからな」

 

「あれ?俺、悟空を助けた事あったっけ?」

 

「おう!いっつもな」

 

悟空はクリリンに今までの事を感謝した。

悟空の方がクリリンを助けてる回数が多いが悟空はそんな事は気にしなかった。

いつも修業に付き合ってくれるクリリン、どんな時でも一緒に戦おうとするクリリンに心から感謝した(力の大会の戦わないは置いといて)

 

そして、放課後になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

また、さっきと同じ所からのスタートで、出久も電気も準備する。

 

「出久、勝つぞ!」

 

電気はさっきと言葉を変えた。

下手に出久に過度な期待をさせるわけでもなく、重圧を感じさせるわけでもなく、いつも通りの事をやった。

 

「うん!電気、勝とう!」

 

出久は電気に笑顔で答える。

この二人の姿はどこか似ていた。

 

「それでは、始める。よーい、始め!」

 

出久と電気はまた猛スピードで走る。

さっきと同じ場所に来るが、そこには誰もいない。

辺りを見回してると、突如暗くなり上を見上げたら、大量の瓦礫が降ってきた。

 

「麗日さんか!」

 

「やべ!」

 

二人は互いに分かれて別々の建物の中に入り、その攻撃から身を守った。

電気は、瓦礫の雨が降りやむのを待とうとしたが、突如背後からの殺気に気付き、前転しながらその攻撃を避けた。

それは勝己の右の大振りの攻撃だった。

 

「爆豪か!」

 

「さっきの借りを返させて貰うぞ」

 

「また倒してやる」

 

「ホザケ!」

 

電気と勝己は互いに戦いを始めるがやはり、電気の方が何枚も上手でタフさでは勝己が勝ってるが手数は電気の方が遥かに多い。

 

「どうした!?さっきと同じだぞ!ウェイウェイウェイ!」

 

「どうかな?」

 

その時、氷が這ってくる音が聴こえて電気は超高速で避ける。先ほど電気がいた場所には大きな氷が出来ていた。

 

「轟か!」

 

「だけじゃねぇぜ」

 

尖が大鎌を生やして斬りかかるが、電気は腕に気を回して受け止める。

ここでコスチューム説明だが、この二人の胴着の下のインナーは鋼線を編み込まれて出来ており、そっとやちょっとの刀剣類では斬れない。

 

「鎌切!」

 

「後ろに注意だね。A組」

 

電気は勝己の個性をコピーした寧人の爆破を背中に受けて少し、ぶっ飛ぶ。

 

「やるじゃねぇか!」

 

電気は勝己、焦凍、尖、寧人を見ながら言う。

 

「わくわくしてきたぜ!!」

 

電気は楽しみながら、四人に向かっていく。

一方その頃、出久は範太のテープに右手、茨の茨に左手を拘束されていた。

 

「そんなので抑えられるとでも?」

 

出久は二人に突っ込んで行き、両手で両方の鳩尾を殴る。

 

「た、確かに・・・」

 

「捕まえましたわ」

 

二人は腹にめり込んだ出久の手を掴む。

動きにくい出久の正面に旋が腕を個性で回転させながら出久に殴り掛かる。

出久は二人にゼロ距離で気弾を当て吹き飛ばし、旋の攻撃を防御する。

旋は連打で責めるも出久はことごとく防御して、カウンターで気弾を当てて吹き飛ばす。

今度は出久の足元が柔らかくなる。

柔造の個性で柔らかくなったのだ。

出久は建物の二階に逃げる。

二階はがらんどうとした所になっていた。

すると突如、出久の首が絞められる。

透が後ろから近づいて飛び掛かって絞めに来たのだ。

 

「は、葉隠さん」

 

「緑谷君!さっきとは違うよ」

 

「みたいだね」

 

出久は透を振り払おうとするが全然離れない。

寧ろ、どんどん絞まってくる。

 

「喰らえ!緑谷!」

 

猿夫が正拳突きをしようと向かってくる。

出久はとっさに後ろを向いて、背中に張り付いてた透に当てさせる。

透は突然の衝撃に出久から離れてしまう。

 

「あぁ、腰が・・・酷いよ尾白君!」

 

「ごめん、葉隠さん!」

 

透は腰を抑えながらも出久に対して構えて(透明で見えない)、猿夫も構える。

 

「こう言うのはどう?」

 

出久は気弾を撃ち、大量の埃を二人に被せる。

すると、透明な透の輪郭が見えるようになる。

ここで一つ考えてほしい。

透は服を透明に出来ないので基本的に全裸だ。

その全裸な姿で輪郭が見えてきて、大変グラマー体型なのでまぁエロい。

むしろ、輪郭だけしか見えないゆえに想像が止まらなくなるから更に・・・そんな姿を間近で見た純情男の猿夫は鼻血を出しながら、倒れた。

 

「ちょ?尾白君どうして!?」

 

「だから、倫理的にやばすぎだって!」

 

「初だなぁ、尾白君」

 

顔を赤くしてる出久の言葉に説得力はない。

 

「ひ、酷いよ緑谷君!こんな乙女の柔肌を利用して純粋な人を戦闘不能にさせるなんて、卑怯者!卑劣漢!変態!」

 

「失敬な!こうなるとは思ってなかったよ!まぁ葉隠さんも見えるから、すぐに戦闘不能にさせてもらうよ」

 

「うぅ」

 

出久は体を捩らせてる透に対して構える。

まぁ妄想逞しい猿夫が純情かどうかは一先ずおいておく。

透の輪郭も見えるようになったので分かりやすくなったが、透もまさか猿夫がこんなになるとは思っても見なかった為、急に今の状況が恥ずかしくなって来たのである。

うん、知らない人が見れば、どうみても出久が悪党で透が被害者な状況である。

 

「この変態が!!」

 

響香が百に作って貰った特大ハンマーで出久の頭を殴る。所謂100トンハンマー攻撃である。

出久は気を読めない為に突然の事に対処しにくい。

その為にこの攻撃をまともにくらい、頭を抑える。

そして、攻撃してきた方を見ると響香だけではなく、お茶子と茨、透以外の女性陣もいた。

 

「げっ!?」

 

「女の敵が覚悟は良いな!?」

 

「ちょっと待って耳郎さん!誰だって透明人間相手ならこの方法を取るよ!」

 

「問答無用!透の柔肌を利用した卑怯戦法に加えて反省しない残念頭!そして、顔面を赤くして鼻の下を伸ばすあんたに容赦する義理はない!」

 

響香からの指摘にすぐさま鼻の下を触って伸びてないか確認する出久、その態度が相手の怒りに油を注いでしまった。

 

「死ねぇい!!!」

 

響香は出久の心臓目掛けてイヤホンジャックを飛ばす。

出久も避ける。

そして、響香の後ろにいたレイ子が大量の塵を出久に向かって発射。出久は構えるが、その塵を唯が個性で大きくし大量の石にして、出久に飛ばす。

出久は急に石になったのに驚くも全部気合いと根性を使い素手で叩き落とす。

全てを叩き落とすと周りを出久の周りには女性陣が囲んでいた。

全員、ゴミを見る目で出久を見る。

出久は皆が本気で来るこの状況に嬉しく思いながらもどこか納得できない感情であった。

 

「じゃ緑谷、大人しく“潰されろ“」

 

「お断りするよ」

 

その合図に出久と女性陣の戦いが始まった。

百、唯、希乃子、ポニー、レイ子は遠距離から大砲や瓦礫やらで攻撃するも出久は全て気弾で対処してるが、一佳の巨拳で握り潰す為に掴まえられても強引に脱け出し、そこを切奈が個性で突然、出久の前に現れて出久は殴るも当たる箇所を分裂されて避けられてカウンターを貰う。

すかさずに三奈の酸が出久を襲う。

出久は何とか全てを被らずにすんだが、避けきれなかったためにコスチュームの胴着が少し、溶けた。

冷や汗を掻くがそんな事を気にしてる余裕もなく、梅雨の舌の鞭を目に受けて視界を奪われて、響香のスピーカー攻撃で聴覚までも奪われる。

やみくもに手を動かす出久。

 

気を読めないと言うのがここまで酷いことになるという良い例である。

因みに出久だけでなく、電気も気を読めない。

何故なら、気を読むと言うのは強い相手と戦って強いと言うのを肌で感じないと覚えにくいのだ。

現にべジータもナメック星では悟空達と戦った後ゆえに覚えていた。

 

話を戻して、出久が手を動かし続けると突然、柔らかいような硬いような不思議な感触が手に伝わる。

何回か揉み、視界が回復して、手の先にあったのは、

 

響香の胸である。

 

響香は顔を真っ赤にさせて、目尻に涙を溜めていた。

 

「こ、こ、こ、この・・・」

 

「ごめんなさい!!」

 

「この変態が!!!!!!」

 

出久は謝るが時すでに遅し、響香の100トンハンマーを諸にくらい建物の外まで吹っ飛ばされた。

 

“瓦礫のない“道路に落ちる。

 

鍛えてたお陰で何とかなったが、凄い威力だったと心から感心した。

恐ろしいくらい怖かったが・・・

 

「ウェイ!!?」

 

電気も出久の近くに飛ばされてくる。

コスチュームも胴着が焦げて破けていた。

 

「電気、大丈夫?」

 

「何とか」

 

「誰に?」

 

「爆豪と物間のダブル爆破攻撃にやられた。あー、効いた」

 

電気は少し、重い足取りで立つ。

 

するとまた影が出て来て上を見上げたら、瓦礫の雨が降る。

二人は避けられずに体を身構えるが瓦礫は二人に当たらずに円形のリングの輪郭のように周りに積み上げられる。

 

「これは・・・」

 

「誘い込まれたか」

 

「その通り!」

 

出久と電気が声のした方を見ると天哉が立っていた。

 

「いくら君達二人でも一斉にこれだけの人数ならただじゃすまないだろ!」

 

すると、AB連合が出久と電気を取り囲む。

先ほどの授業の訓練とは違って統率力を持ってやっていた。

先ほどとは月とスッポン並の違いだ。

「へへ、出久。今のところの気分教えてくれよ」

 

「嬉しくてしんどくて楽しい」

 

「あぁ、ワクワクしてきたぜ」

 

出久と電気は互いに破れてる胴着を破り捨てて上半身はインナーだけになる。

まだまだ、楽しみ足りないと言った感じだ。

囲んでるAB連合も笑っていた。

そして、戦いが始まった。

 

BGM:“超絶☆ダイナミック“

 

踏影が黒影で攻撃してくるが、出久と電気は避ける。

徹鐵と鋭児郎が息のあった攻撃で倒そうとするが、出久と電気も抜群のコンビネーションで二人を倒す。

実が頭のブドウを大量に二人に投げまくる。

出久はブドウ一つ一つを気弾で破壊、電気が実に突っ込もうとするが、柔造の個性で足元が柔らかくなり、力が入れにくくなる。

 

「出久!」

 

「了解!」

 

出久は気弾一つを電気に当てて無理やり脱出させる。

 

「出久、飛べ!」

 

「荒いなぁ」

 

「150万ボルト放電!」

 

電気が大放出の放電をして、AB連合を痺れさす。

出久はかなり上空までジャンプし、それを避けていた。

着地すると何人かは倒れていた。

 

「派手にやったね」

 

「ありがとよ」

 

出久と電気の所に力道と獣郎太が突っ込む。

 

「「うぉぉぉぉぉ!!!」」

 

力道が出久の、獣郎太が電気の首を絞めるが、出久と電気は相手の腕を掴み、力付くで首から放した。

そして、相手に頭突きを喰らわせて放れさし、すかさず出久が二人に気弾をぶちこむ。

 

「電気!大技行くよ!」

 

「よっしゃあ!」

 

出久と電気は互いに左右対称な構えになり、勝己や天哉等の残りの生徒達、目掛けて発射の体勢になる。

 

「豪龍・かめはめ波!!」

 

「雷豪・かめはめ波!!」

 

二つのかめはめ波が生徒達に向かっていく。

 

しかし、それは悟空一人の手によって止められる。

 

「ちょっと、悟空さん!」

 

「良いところだったのに!」

 

「悪い悪い、けどもう時間だぞ!」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

悟空の言葉に残ってる生徒達が亀仙人を見る

亀仙人はストップウォッチを見せると確かに30分になっていた。

 

「この勝負、引き分けとする」

 

「「「「「えぇぇぇぇぇ!!??」」」」」

 

納得が行かずに生徒達の不満の声が出てくる。

 

「まぁ、こういうのはこれからもあるから今日はおしまいじゃ」

 

亀仙人の言葉に約何名かは凄く不満そうな顔をするが、しょうがないと思い、一先ず諦めた。

 

「皆!その・・・色々と迷惑かけてごめん」

 

出久が皆に聴こえるように言った謝罪、だが皆の反応は、誰一人気にしていなかった。

 

「別にいいぜ!緑谷!今日は最後も吹っ飛ばされたけど次は勝つからな!」

 

「次は負けねぇ!」「絶対に勝つ!」「今度は引き分けがないルールでやろう!」「まだまだ互いに全力を出しきってないから、次は出そう!」

 

皆が色々と言ってくれる。

出久にとって、呪いと思っていた物はここにはやはり存在していなかった。

いや、していたが消えた。

薄れたと言って良いかもしれない。

それは出久の心を暖かくさせていった。

 

 

●●●

訓練の補習が終わり、全員、グラウンドβにまだいた。

互いに今回の訓練の補習で至らなかった所を二人から聞き、二人も自分達の駄目だった所を皆から聞いている。

それを最初は黙って見てた悟空達だが、ついに悟空が声を出した。

 

「お前達凄かったな!どうだ?オラと戦わねぇか?」

 

Z戦士たちは呆れて生徒達も流石に疲れてるために断ろうとしたが、電気はノリノリだった。

 

「やりましょう!俺の速さを見せつけますよ!」

 

「ちょっと電気!?」

 

「おお、いいな!やろうぜ!」

 

「悟空、落ち着けって」

 

互いに互いの相棒を落ち着かせようとするが全然落ち着かず寧ろ、ドンドンヒートアップしてくる。

堪えかねた亀仙人が四人に言う。

 

「よし、お前達四人でかめはめ波で決着をつけい!」

 

「「「「かめはめ波で?」」」」

 

「そうじゃ、互いに二人二組で相手を撃って、押し勝った方が勝利だ」

 

「武天老師様、緑谷達が危ないですよ」

 

「大丈夫じゃ、クリリン。お主達がキチンと力を抑えられていれば良い。出久も電気も柔な鍛え方はしておらん。力を抑える為の修業と思え」

 

「・・・わかりました」

 

「おお、じっちゃん!ありがとな!」

 

「お前は何でそう元気なんだよ?」

 

「流石はじいちゃんだぜ!」

 

「あれだけ、派手にやったのにちょっと余力多くない?」

 

出久もクリリンも互いの親友の元気っぷりに呆れながらも、準備する。

それでも互いに親友に付き合うのはもう当たり前の感覚だった。

ここに亀仙流のかめはめ波対決が決まった。

 

他の生徒達とZ戦士達は捲き込まれないように退避する。

 

「緑谷君も上鳴君も元気やなぁ」

 

「よくやるよホントに」

 

響香とお茶子が二人の元気っぷりに呆れる。

 

「おい、小娘ども、もっと離れてろ」

 

べジータが二人に対して言う。

二人は小娘呼ばわりしたべジータを睨む。

 

「何だ?」

 

「私の名前は麗日お茶子って言います」

 

「私は耳郎響香」

 

「だから、何だ?」

 

「「名前で呼んでください」」

 

「断る、さっさと行かないと殺すぞ」

 

べジータは二人を睨む。

正直に言って無茶苦茶怖いので、二人はヒソヒソともう少し離れる。

べジータは生徒達が危なくないようにバリアーを張る。

それを見た生徒達からツンデレ?と色々と話し声が出てくるが、一喝して止めた。

 

 

●●●

悟空とクリリン、出久と電気が互いに向かい合う。

出久と電気は何気ない二人の確かな重圧を確り感じる。

 

「緑谷も上鳴もじっちゃんの所でどんな修業をしてた?」

 

「一つだけで良いから教えてくれよ」

 

「「牛乳配達」」

 

二人のはもった答えに悟空とクリリンは笑う。

何も変わってない事に笑った。

今も昔も亀仙流は何も変わってなかった。

亀仙人は笑ってる二人に優しい笑みを向ける。

 

「二人とも本気で来い!」

 

「同門の先輩が胸貸してやる!」

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

四人ともかめはめ波の体勢になる。

 

「始め!」

 

亀仙人が合図をする。

悟空とクリリン、出久の手に光が溜まっていく。

電気の手に稲妻が溜まっていく。

 

「豪龍・かめはめ波!!」

 

「雷豪・かめはめ波!!」

 

出久と電気の最高のかめはめ波が悟空とクリリンに向かっていく。

 

「やるぞ、クリリン」

 

「オッケー、悟空」

 

「「かめはめ波!!」」

 

何の変鐵もないただのかめはめ波だが、そのかめはめ波は出久と電気のかめはめ波を軽く押し続ける。

 

「どうした?これで精一杯か?」

 

「何のまだまだ」

 

「もっと、やって良いぞ」

 

「はい!」

 

悟空とクリリンは凄い余裕で話すが、出久と電気は話すのもやっとの状態だった。

ドンドンと押されていく出久と電気。

 

「「負けてたまるか!!」」

 

叫びながら、力を全て出しきる勢いでやる。

悟空とクリリンはそんな二人を見ながら笑みを浮かべる。

必死な所も自分達にそっくりだと思いながら、

 

「よし、クリリン!もっと行くぞ!」

 

「えっ?」

 

悟空は何と超サイヤ人ブルーになる。

クリリンもこれには唖然となる。

 

「お前、なに考えてんだよ!二人を殺す気か!?」

 

「大丈夫だって」

 

出久と電気は突然変異した悟空に驚きながらもかめはめ波の方に全神経を集中させていた。

 

「よし!10倍だ!」

 

「バカ、二人が死ぬわ!」

 

「んじゃ、何倍なら良いんだ?」

 

「二倍ならまぁ」

 

「「二倍!!??」」

 

出久と電気は軽い会話をしながら、物騒な相談をする二人に心底驚いた。

そして、二倍になった時など考えたくないから、力を入れて悟空達に勝とうとするがびくともしない。

 

「よし、クリリン!」

 

「わかったよ」

 

「「波!!」」

 

本当に宣言通り二倍の威力で撃つ二人に出久と電気は迫り来るかめはめ波を怖いと思ったが同時にとある事を思った。

先輩達は凄い。

追い付きたいと心から思った。

 

そして、悟空達のかめはめ波に押されまくった二人は吹っ飛ばされた。

 

 

吹っ飛ばされた先で寝転がりながら二人は笑った。

自分達なんか足下にも及ばない凄い先輩だ。

清々しいまでに笑うしかなかった。

 

「出久、追い付こうぜ」

 

「うん、必ず二人よりも凄いコンビになろう」

 

「あぁ、宇宙一のコンビにな」

 

二人は笑いあい誓った。

こうして亀仙流の弟子たちの交流が始まった。

 

 




はい!悟空とクリリンとの交流が遂に始まりました!
本当はもっとAB連合との戦闘シーンを入れるつもりでしたが、無茶苦茶長くなり、手に終えなくなるほどキツそうだったので止めました。
桃白白の時に一回やったので、今回は止めました。

言いたいこととは本来ならば次回から体育祭編になる予定でしたが、ドラゴンボールを見てるとギャグ回の日常のシーンが面白いので次回は体育祭編につながる橋渡しも兼ねた日常編にするつもりです。
ギャグを目指します!

批判感想質問は次回のネタバレをしなければいけない場合以外はなるべく早く必ず送ってきてくれた人全員に返信しますので気軽にどうぞ!

活動報告に次回の日常編のストーリーの応募を受け付けようと思います。今日の夜12時まで受け付けますので誰でも気軽に読みたい話を送って下さい。
ただし、どの人のを選ぶかは私になりますのでそこもご容赦下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

亀仙流短編集

初の日常の短編集です。
ネタを下さったエーロン様、M Y様、ありがとうございます!
ご期待に添えてるかはわかりませんがではどうぞ!


【ランチラッシュvsサイヤ人】

 

雄英高校の食堂、様々な生徒達が通うこの学校の食堂は広くそして、多種多様な料理に溢れており、なおかつ学生と言う育ち盛り達の為に量を一般の食堂とかと比べても明らかに多く出しており、雄英高校の魅力の一つと世間ではそう評されてる。

しかし!昨日ここに現れた怪物二人の為にその魅力の一つが潰れようとしている。

彼ら二人の名前は“孫悟空“、“べジータ“。

突然宇宙から現れた胃袋がブラックホールの怪物二人である。

彼らが来たのは一昨日かそこらであったが、食堂を使い始めたのは昨日だ。

それまでは町の食べ物屋を使っていたらしい。

しかし、その食べ物屋を出禁になり、ここを使い始めたようだ。

雄英高校食堂の長たるランチラッシュは二人を歓迎した。

そりゃそうだ。

内外で有名なここを使わずに外に行かれては雄英の魅力の名折れだからだ。

だから、美味しいご飯で満腹させようと頑張った。

 

頑張ったは良いが二人はランチラッシュの想像を遥かに越えていた。

まるで食べ物がブラックホールに入れられてるように恐ろしい早さで消えていくのだ。

二人のテーブルに置いたら最後、一分間も持っていれば良い方で、一秒で消えてる丼ものが普通にあった。

丼が一秒で消えるのだぞ?

ランチラッシュは食い物のヒーロー、決して満腹以外で返してしまうとプライドが崩壊する。

そして、昨日、ランチクックは過労で倒れてしまった。

まぁ、亀仙豆で回復したは良いがその後に自分の部下から二人が食堂の食材の一週間分の半分を平らげた上にそれでまだ腹八分目と言う怪物具合にランチラッシュは頭を抱えた。

人間が太刀打ちできる胃袋と食欲ではないと心から思った。

聞けば食堂を使う前は、町の大食いチャレンジばかりして文字通り食い潰して来たと言われ、さらなる心労を味わうはめになった。

 

そして、その夜の食事時に彼ら二人が世話になってる寮、一年生寮に足を運んだ。

 

寮ができるとなった当初はランチラッシュが朝食と夕食を届けると言う話であったが、校長が独り立ちした時の為に朝食と夕食は生徒達に作らせようになった。

 

一年生寮で二人の様子を見ると二人はあまり食べてなかった。

ランチラッシュは気になり、管理人の亀仙人に聞くと何と亀仙豆を10粒以上食べて無理矢理腹を膨らませた上で普通の食事を取っ手いたのだ。

確かに腹の膨れ具合は良いがランチラッシュは思った。

 

“これは違うと“

 

実際、べジータは平気で何も問題はないと言っていたが、悟空はご飯をたらふく食べたいとぼやいていた。

しかも二人とも昨日の事を亀仙人に怒られたらしく、暫く昼は亀仙豆で何とかすると言っているのだ。

 

自分が食事を管理してる雄英で食事をたらふく食べられないなんてのは恥も良いところだ。

ランチラッシュは二人に「明日も来て良い」と言い。

 

その明日である“今日“、ランチラッシュは昨日敗れたサイヤ人の胃袋にリベンジするのだ。

 

急遽、1週間の食料の半分が消えた状況になったで学園が一日で何とか消えた食料をもう一度注文した。

 

ランチラッシュはサイヤ人二人ように特別メニューを作る炭水化物系で腹が溜まるように麺類、丼もの、ライス系、芋類で構成した。

 

狙いは見事予想通りだった。

二人のサイヤ人は100人前位で満腹になったのだ。

こうして、ランチラッシュは二人のサイヤ人の胃袋に勝ったのである。

 

「ランチラッシュ、この食費の大赤字どうするの?」

 

「はっ!?」

 

ランチラッシュとサイヤ人の戦いは続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【亀仙人は何処に行った?】

ランチラッシュがサイヤ人に勝った日の夜、天津飯は亀仙人を探していた。

これからの事も兼ねて、亀仙人に自分が考えた生徒達の修業法が正しいかどうかを確認するために亀仙人を探していたが、中々見つからなかった。

 

「天津飯さん」

 

寮の中をウロウロしてると、梅雨が天津飯の元にやってくる。

 

「蛙吸か」

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、武天老師様を探しているんだが見てないか?」

 

「亀仙人さん、ここ数日、この時間帯はいなくなってるから」

 

「そうなのか?」

 

「何々?何の話してるの?」

 

三奈と透が二人の所に来る。

 

「三奈ちゃん達は亀仙人さんが何処にいるか知らないかしら?」

 

「透、見た?」

 

「見てない」

 

「そうか、三人ともありがとう」

 

「でも、亀爺ちゃん何処だろうね?」

 

「そうだね?」

 

「どうかしましたか?」

 

「何かあったのか?」

 

百と焦凍が集まってる天津飯達の所へ行き、他の皆もぞろぞろと来る。

いないのはべジータとピッコロと悟空、実、目蔵、甲司、勝己、猿夫ぐらいだ。

 

「こんなに集まるとはな、この際都合が良いが、誰かすまない武天老師様を見た人はいないか?」

 

「あれ、そう言えばこの時間になると消えるよな」

 

「そうなのか、瀬呂?」

 

クリリンが瀬呂に聞く。

 

「はい!ここ二、三日はいないっス」

 

「俺達が来てからか、そう言えば緑谷」

 

「はい」

 

「武天老師様の悪癖治ったのか?」

 

「いえ、治ってないです」

 

出久の言葉にクリリンは顔に手を当てる。

全員が頭を傾げる。

 

「クリリン、悪癖とは?」

 

「武天老師様の弱点、煩悩です」

 

全員が全員があーっと納得の声を出した。

 

「そう言えば、俺達、今武天老師様と一緒の部屋で寝てるけどエロ本は一冊も無かったな」

 

「そう言えば・・・」

 

天津飯とクリリンが不思議がる。

 

「それ、燃やしたんです。AB組の男どもの持ってた奴と一緒に燃やしたんです」

 

クリリンと天津飯は互いに顔を見合わせる。

 

「なぁ、女子達で武天老師様のセクハラに会った子っていないよな」

 

女子達は首を横に振る。

 

「クリリンさん、いくら師匠でも流石にセクハラは・・・」

 

「いや、甘い!武天老師様が戦闘時ならともかく普段も煩悩を抑えられるなんてのはありえない!」

 

「断言するんスか」

「出来る、ひょっとしたら、女子達が部屋にいない間に部屋の中に入って色々と物色してるかもしれない」

 

クリリンのあんまりな一言に女子全員、身の毛をよだせて、急いで自分の部屋に戻っていった。

 

「クリリンさん、そんな脅しを」

 

「いや、可能性は高い。いつもぱふぱふとかツンツンさせてとか、尻を触らせてとかやってるからあり得る」

 

出久と電気はどんだけスケベなんだと改めて思い知った。

 

「そういや、エロ本出したら弟子にしてくれたな」

 

「確かに電気はそうだったね」

 

出久と電気は最初の頃の懐かしい話をする。

クリリンはその話を聞いて驚く。

 

「どうしたんですか?クリリンさん」

 

「い、いやー別に・・・」

 

「クリリンも同じ事やってたよな」

 

悟空が風呂から上がって来て、そう言う。

 

「え?クリリンさんもですか?」

 

「まぁ、恥ずかしながら」

 

「やっぱりじいちゃんならこれで何とかなるって思いますよね!」

 

「わかる、わかるぞ上鳴!」

 

互いに共感しあう、クリリンと電気。

すると、女子達が降りてきた。

全員、心安らかな顔をしていた。

 

「その様子だったら大丈夫だったんだ」

 

「はい!」

 

「もちろん!」

 

「ベランダ所か、ベットの下までくまなく探したよ」

 

「しかし、こうなると武天老師様はどこへ?」

 

全員が悩むと電気がとある事を思い出す。

 

「わかった、峰田の所だ。エロ魔人同士気があってるに違いない」

 

「確かに二人ともそれに関しては人並み以上だしね」

 

「「「「「そんな人並み以上は嫌だな」」」」」

 

天津飯とクリリン、そして女子達が峰田の部屋に進む。

 

「お前達、別に来なくて良いぞ」

 

「いえ!もしもエロ本が峰田の部屋にあったら、燃やすためです!」

 

響香が気に入ったのか100トンハンマーを持って話す。

天津飯は響香のさっぱりとした気質に好感を持つと同時に物騒なハンマーはどうにかならないんだろうかと思った。

 

実の部屋の前に行き、天津飯はノックする。

すると、亀仙人が部屋の中から出てきた。

 

「武天老師様、ここにいらっしゃいましたか」

 

「天津飯よどうしたのじゃ?」

 

「いえ、ちょっと聴きたいことがあったので探しておりました」

 

「そうか、すまんが後にして貰えぬか?」

 

「いや、外せない事があって・・・」

 

「亀仙人さん、ちょっと退いてくれますか?」

 

「ど、どうしたのじゃ?耳郎よ」

 

「中を見させて下さい」

 

笑顔で答える響香、続いて他の女子も亀仙人に笑顔を向ける。

背筋が凍るほどの笑顔だ。

 

「じいさん、絶対に入れるなよ!」

 

実の言葉が聞こえる。

何か、慌ててるようだ。

 

「峰田!あんたまだエロ本持ってたか!!」

 

「持ってねぇよ!」

 

「中を見せな!」

 

「良いぜ!そっちの方が速いや!」

 

「わかった」

 

亀仙人は女子達を中に入れる。

峰田の部屋は予想に反して普通だった。

普通に机があり、棚には参考書だらけだった。

 

「あ、あれ?」

 

「オイラだって、変わるんだよ!」

 

実はあらぬ疑いを掛けてきた女子達を睨む。

女子達もまさかの展開に罪悪感を覚えて謝る。

 

「武天老師様は何故ここへ?」

 

「峰田は凄く小さいからの体の動かしかたも他の者とは違うので特別に教えてたのじゃ」

凄くまともな理由だった。

こっちの浅はかさが最低だと思えるほどまともだった。

女子達は部屋から静かに出ようとしたら、クリリンはベットの下に手を入れる。

 

「「げっ!?」」

 

そして、クリリンが引っ張ってきたのは大量のエロ本とAVが入ったスーツケースだった。

しかも開けられてる上に乱雑に重なってるエロ本。

明らかにさっきまで見てたようだ。

突然、現れたエロ本に女子達は自分達が馬鹿だったと気がつき、亀仙人と実に詰め寄る。

大量に説教された後、二人を追い出し、棚とかを徹底的に探ると本カバーだけはまともだが、中身はエロ本だったり、ブックカバーをしてる官能小説だったり、極めつけは実のタンスの中の下を調べると外れるようになっていてそこにもエロ本があった。

結局、それらは全て拘束された二人の目の前で燃やされた。

血の涙を流していたのは言うまでもない。

 

天津飯がクリリンに何故ベットの下にあることがわかったのかと聴くと、

 

「18号さんやマーロンと一緒に暮らしてた時でさえ変わらずに見てたのにこんなあからさまに皆の目から 隠れて、それがエロ以外なんて絶対にあり得ないって確信があった」

 

と答えた。

なんとも嫌な信頼である。

 

 

 

 

 

 

 

 

【悟空の未熟者!】

出久と電気が悟空とクリリンにかめはめ波で敗けてからわずか10分後の事だ。

悟空は正座をさせられていた。

 

「じっちゃん、足が痺れて来たぞ」

 

亀仙人は悟空の頭を杖で小突く。

 

「そんなのが言える立場か!超サイヤ人ブルーになりおって」

 

「そうだぞ、悟空!なに考えてんだよ!?」

 

亀仙人とクリリンの怒りに悟空は縮こまる。

流石に反省しているのだろう。

 

「悟空、始めての若い同門の後輩で嬉しくなったのだろう?」

 

「へへ、まぁなピッコロ。けどホラこれからオラ達も教えていかねぇといけねぇしな、オラ達の事、知ってほしくて」

 

「たわけが!自分を抑えきれぬ奴が何を言うか、馬鹿者!」

 

「厳しいのは良いだろ?ピッコロもそう思うだろ?」

 

「お前と俺を一緒にするな」

 

「何だよ?」

 

「俺は少なくともガキに対して彼処まで力を出さん」

 

ピッコロは悟空を睨む。

三人に怒られまくる悟空はその後もずっと正座で足を痺らせながら説教を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【サイヤ人】

 

悟空は説教をされまくった後、風呂にゆっくりと入っていた。

頭にタオルを置いて熱い湯の中に入り、肩までグッと浸かる。

 

「ふぅー」

 

幸せな悟空。

その時、風呂の扉が開く。

入ってきたのは猿夫だった。

 

「あっ、悟空さん。入ってたんですか?」

 

「おう、尾白だったっけ?」

 

「そうです」

 

猿夫は体を洗いに洗い場に行く。

悟空は猿夫の後ろに生えてる尻尾を見てた。

 

「尾白、お前の個性ちゅうやつは何なんだ?」

 

「この尻尾が俺の個性です」

 

頭を洗いながら答える猿夫。

 

「そうなんか」

 

「どうしたんですか?」

 

「いやなに、懐かしいなって思ってよ」

 

「懐かしい?」

 

「オラにも昔、尻尾が生えてたんだ」

 

悟空の言葉に猿夫は嘘だと思った。

これはただ単純に悟空と猿夫では尻尾の意味が違う。

悟空にとっての尻尾は体の一部であると同時にまた生えてくる物だからあろうが無かろうが別にどっちでも良い。猿夫の場合は個性と言う概念で斬られたら、悟空と違って生え変わる物ではない。

互いの当たり前の差が地味に出ていた。

 

「そうですか」

 

「あっ、その声は信じてねぇな」

 

「信じてますよ」

 

「本当か?」

 

「もちろん」

 

「なぁ、尾白の尻尾は斬られたらまた生えるんか?」

 

猿夫はずっこけた。

何を物騒な事を言っているのだろうと心から思った。

 

「そんなビックリ箱みたいな構造をしてませんよ、俺は!」

 

「そうなのか?」

 

「そうです!」

 

猿夫は悟空はそもそも違う宇宙から来たんだとこの時、改めて強く感じた。

 

「悟空さんのは生えてきたのですか?」

 

「おう!今でも尻の上に尻尾の後があるぞ」

 

悟空は猿夫にそれを見せる。

確かに小さい丸い後があった。

 

「ホントかよ」

 

「へへ、オラはサイヤ人って種族だからな」

 

「サイヤ人・・・悟空さん達がですか?」

 

「違う違う、オラとべジータだけだ、オラ達は本当に宇宙人でオラは赤ん坊の時にクリリン達の星に来たんだ」

 

「・・・本当ですか?」

 

「ホントなんだけどな・・・」

 

猿夫はこのスケールのデカイ話を信じるかどうか悩む。

こんなスー○ーマンのような話を普通は信じることが出来ないが破壊神とかが出てくるスケールだから、それに比べればまだ信じやすかったが、悟空達と出会って常識なんて物が破壊されっぱなしの猿夫はこれ以上聞くのは止めた。

精神的に疲れるので・・・

風呂から出て、天津飯や怒られてる亀仙人、クリリンらに聞いて裏を取り、猿夫は考えるのを止めた




まずはもう一度、エーロン様とM Y様に感謝の意志を示します。ありがとうございました。
エーロン様のネタは【悟空の未熟者】
M Y様のネタは【サイヤ人】
と言うタイトルでやりました。

ただ、書いてて色々と問題もありまして、M Y様のネタが短編でやるにはかなり大きかったので、悟空に尻尾が生えていた所までしか出来ませんでした。
その他のM Y様がやって欲しいと言ってくださったネタはまた違う回でやりますのでどうかご容赦下さい。

批判感想質問は次回のネタバレが答えになる場合以外は全て必ず答えますので気軽に送って下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雄英体育祭編
迫る、雄英体育祭!そしてやってくる強き二人。


皆さん、一日遅れてすみません!

それでは待望の雄英体育祭編が始まります!
どうぞ!


5月もそろそろ終わりが近づいてくる頃、出久達は悟空達から修業を受けていた。

修業の内容はかなりキツかった。

これには理由があり、出久達は高校生朝の9時から授業が始まり、どんなに早くても平日は16時位じゃないと終わらない。

亀仙人とピッコロと天津飯は頭を悩ます事になった。

何故にこの三人かと言うと、亀仙人はまぁ出久と電気も合わせて7人を鍛えあげており、ピッコロは本人が自慢するぐらいに悟飯を鍛えあげて、天津飯は道場を構えてるからだ。

 

他の三人はこの三人のサポートとして行動してる。

悟空は亀仙人のサポートとして、クリリンは天津飯のサポートとして、べジータはピッコロのサポートである。

 

まず、亀仙人は全員の四肢に合わせて20キロの重りをつけさせた。出久と電気は100キロだが・・・

次に毎朝5時から10キロ走ただし、スキップや全力疾走を混ぜて遅れたら殺人ボールの餌食になると言う物である。

次の朝の修業はセメントスが作り上げた凸凹壁の往復、これも殺人ボールが追い掛けてくる過酷な物になっている。

そして、学校で勉強し放課後になる。

放課後の授業は二時間だけでまず一時間は天津飯主導のチームワークアップの為に尻尾鬼をやる。

ただし、クリリンもやり、二人の尻尾を取らないといけないのがみそだ。

出久と電気も参加してるが、二人の力を持ってしても全然奪えない。

そして最後の一時間はべジータとピッコロによる地獄の追跡である。

元悪人で恐怖を味わうのも会わせるも知り尽くした二人がグラウンドβで生徒らを追い掛けると言うもので、嫌なのが捕まったら必ず強烈な拳を喰らわされる。

しかもやられたら痛く、悲鳴を出すのに影響が無い場所をやられる。

その悲鳴はサポート科が改造した殺人ボールのスピーカー機能でグラウンドβ中に流れて残ってる生徒が恐怖し、より本気で逃げ惑う内容だ。

しかも二人ともやる前に必ず何か物を素手で破壊しており、本気でやらないと殺すと脅しまくっているのだ。

勿論、この二人は手加減を知ってるのでやり過ぎる事はない。

 

そして、それが終わり晩飯を食べると自由時間である。

まぁ、8時までは皆、勉強をしているがそれ以降は本当に寝るまで自由である。

 

この時間配分は実は大揉めに揉めて出来ており、悟空とべジータは修業を寝る前にもう一回させようとしていたが、亀仙人がやらせなかった。

 

ただでさえ、皆は自分の時間を削り強くなる道を選んで戦う道を選んでいるのにこれ以上は体は壊れずとも心が壊れると言い、やらせなかったのだ。

悟空はほぼ1日修業だけど壊れてないと言ったが、亀仙人は学校に行っておらんじゃろ?と言った。

学校とは自分以外の人間と強制的に触れ合う場所。将来のコミュニケーション能力を鍛える場所であり、頭を使った生き残る方法を学ぶ場所でもある。

それはどんなに友達がいて楽しくてもストレスが溜まりやすく、一度発散を人に八つ当たりする方法でやったら永遠に苦しむ人間が出てくる。

それは大人として決して進ませないようにする外れた道であり、それを回避するには発散するために自分の時間をキチンと持たせるのが重要である。

 

亀仙人は修業に伴い、校長に就寝時間を10時から12時に延長するように申し出た。

生徒の自由時間を上げるためだ。

校長もそして生徒の健康を管理するリカバリーガールも嫌がったが、消太とブラドが亀仙豆を二人に食べさせて効果を確認させて渋々OKした。ただし、生徒の健康に問題が有り次第、すぐに修業方法も含めて改革をすると言う前提である。

そして、毎朝走る前に亀仙豆を食べさせて疲れを消して修業をしてる為に無くなるのが早くなってきており、亀仙人は頭を悩ませているのはまた違う時に語られる。

 

因みにUSJの件は敵が襲撃して見事撃退したと言う事になってる。それ以上の情報は混乱を呼ぶからだ。

もっとも何人かの優秀なヒーローや記者は何かあったと感じてはいるが、証拠もなく責め立て出来ないので雄英の発表を一応鵜呑みしてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

1年A組の教室では朝のSHRの時間になった。

 

「皆ー!朝のHRが始まる!席につけー!」

 

「着いてるよ、着いてねぇのはお前だけだよ」

 

天哉がいつも通りのフルスロットルで皆に言うが空回りしてる。

そして、全員が席に着くと消太が入ってくる。

 

「さて、皆に言わなければいけないことがある。また戦いが始まる」

 

消太の言葉に全員が首を傾げる。

敵が遂に攻めてきたかと悩む者もいる。

 

「雄英体育祭だ」

 

「「「「「クソ学校っぽいのキター!!!」」」」」

 

凄い熱狂である。

当然だ。

ここ最近は学校?なにそれ?美味しいの?みたいなノリで地獄を見てきたのだ。

とてつもない熱狂である。

 

「待って待って、敵に侵入されたのに体育祭をやって大丈夫なんですか?」

 

「逆だ。例年通りに開催する事によって雄英の危機管理能力は万全だと世間に広めるのが理由だ。勿論、警備は例年の5倍で行う」

 

消太の言葉に更に熱狂が加速する。

 

「いや、そこは中止にしようよ。体育の祭りだよ」

 

「もしかして峰田くん、雄英体育祭を見たこと無いの!?」

 

ここで説明しよう。

雄英体育祭とは個性が発展した社会において一部のマニアしかやらなくなったかつてのスポーツの祭典である。オリンピックに変わる祭りである。勿論、日本だけの話ではある。

アメリカやイギリスでも似たような祭りがある。

まぁ向こうは大学生で高校生でやってるのは日本ぐらいだが、若きヒーローの卵が伸び伸びと活躍できる数少ない行事の1つで3日間に分けて行われる。

一日事に一年生、二年生、三年生に分かれて行われる。

一年生の日は初日である。

 

そして、この体育祭はプロのヒーローがスカウト目的で見に来る。それは日本だけでなく各国のヒーローもである。

 

「卒業したら、プロの事務所にサイドキック入りが定石だよな」

 

「そこから独立できずに万年サイドキックも結構いるけどね。上鳴、あんたそうなりそう」

 

「何でだよ?腕は立つぞ!」

 

「いや、サイドキックを抜けるって腕だけだと無理だろ、人気だったりなんだりが諸々必要じゃん。あんた腕だけだし」

 

電気は腕だけと言われてかなりショックを受けてるようだ。

出久は耳郎の斜め後ろの席なのでその様子を嫉妬100%で見ていた。

はっきり言って怖いよ。

引くぐらいにビビるよ。

 

「当然、名のあるプロの所に入った方が人気も高くなり、独立しやすい。高校の三年で三回の年に一回の貴重なチャンス。絶対に逃すな」

 

消太はその言葉で終わり、出久達はこのチャンスを物にしようと熱を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

放課後、1年ヒーロー科の前に大勢の普通科や経営科、サポート科の生徒が集まってくる。

 

「な?何事だぁー!!」

 

「出れねーじゃん、何しに来たんだよ!」

 

「敵情視察だろ」

 

勝己はごった煮してる生徒達の前に来る。

 

「敵の襲撃から生き残ったヒーロー科を敵情視察に来たんだろ?・・・意味ねぇから止めとくんだな」

 

「爆豪君!君はまたそんな喧嘩口調で」

 

天哉が勝己の口調に怒るが暴言を吐かないだけマシである。

因みに組の中で一番勝己の暴言を受けてきた出久は勝己の変化に感慨深い思いをしていた。

 

「随分と喧嘩腰だなぁ、ヒーロー科に所属する生徒は皆こんなんかい?」

 

紫色の髪の生徒、心操人使が勝己に対して何とも言えない目で見る。

 

「何だ、てめぇは?」

 

「知ってるか?普通科の生徒は体育祭で優秀な結果を残せばヒーロー科に編入できるって、勿論逆の場合もある」

 

勝己は人使を睨む。

互いに睨み合う。

 

「俺は少なくとも足元を疎かにしてる人間に対して“宣戦布告“のつもりだけどな」

 

「今、ここでやるか?」

 

勝己は右手を少し引く。

完全に爆破を浴びせる気である。

 

「ちょっとすまねぇ、そいつウチの組でも三番目か四番目ぐらいでイライラしてんだよ」

 

「んだと、この野郎!!」

 

電気が勝己を挑発して注意をこっちに引く。

 

「うるせー!ヘイトを集めんなよ、こっちはいい迷惑じゃい!」

 

「上に上がれば関係ねぇだろ!」

 

「人付き合いってもんを考えろ!」

 

喧嘩する電気と勝己。

勝己は電気に詰め寄る。

その隙に出久が人使達の前に来る。

 

「ごめんね。彼、キレやすくて」

 

「いや、俺もムキになってた。すまない」

 

「じゃ、お互いに当日まで不干渉って事にしない。君のさっきの一言で気合いが入った人もいるし」

 

「受験は機械相手だから、本領を発揮できなかった普通科の生徒は多いぞ」

 

「わざわざ、宣戦布告して来たってのはそういう事だと思ったよ。でも僕達ヒーロー科も負けてないし、疎かにしてるつもりもない、決着は体育祭で着けよう」

 

「悪かったな、急に来て」

 

人使はそう言って去っていき、他の生徒達も去っていく。

因みに勝己と電気の喧嘩は出久が二人に気弾を撃って強制的に止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

放課後、ヒーロー科のいつもの修業を終えた出久達は悟空らと晩飯を食べる事になっており、グラウンドβから

寮に戻ると大量の食事が置いてあった。

 

「おおー!どうしたんだ!?こんなにたくさん!」

 

「スゲー!」

 

「豪勢だ!」

 

あまりの豪華な料理に生徒達は驚く。

Z戦士達も誰が作ったのかと首を傾げる。

 

「悟空さ!」

 

「べジータ!」

 

突然の女性の言葉に悟空とべジータは冷や汗を流す。

そして、二人の女性が全員の目の前に現れる。

 

悟空の妻“チチ“とべジータの妻“ブルマ“だ。

 

「チチ!」

 

「ブルマ!」

 

驚く悟空とべジータ。

そんな二人に生徒達は困惑する。

 

「申し訳ありませんがお二人は悟空さんとべジータさんとどういうお関係ですか?」

 

「「妻(だ/よ)」」

 

「「「「「妻!!??」」」」」

 

「貴方達が雄英の生徒達ね。いつもウチのがお世話になってます」

 

「今日はいつもお世話になってるからオラ達が飯を作ったからジャンジャン食べてくれ」

 

「ただし、全員、綺麗になってからね」

 

生徒達は突然の事にどうすればいいかわからない。

 

「皆、早く風呂に入ってきなさい、料理は絶品じゃ」

 

「「「「「わかりました、いただきます!」」」」」

 

「よし、久しぶりにチチの飯だ、急いで入るぞ!」

 

悟空は一番先に風呂に向かっていき、生徒達も他のZ戦士達も向かっていく。

べジータ以外は・・・

 

「あら、べジータどうしたの?」

 

「何故ここにいるんだ?」

 

「別に愛する妻が夫の所にいて何が悪いの?」

 

「ここにはフリーザもいるんだ。早く帰れ邪魔だ」

 

ブルマの口説きに落ちないべジータはブルマを邪険に扱うが、ブルマにとってみればこんなのは日常茶飯事で気にしない。

 

「それは食事の時に話すからあんたもさっさと風呂に入ってきなさい」

 

「フン」

 

べジータはブルマに言われて、不機嫌になりながらも風呂に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

全員、風呂から出て来て席に着く。

ブルマとチチは互いに自分の夫の隣である。

 

「それじゃ、皆、お腹空いてるだろうから先に食べましょ」

 

「んだんだ」

 

ブルマとチチの言葉に全員手を合わせる。

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

豪勢な晩飯を食べる生徒達。

美味しいため、かなりの勢いで食べるが、一番勢いがあるのは悟空とべジータだろう。

あまりのスピードで生徒達の持ってる晩飯まで強奪してるのだ。

しかし、何人かの生徒達は取られないように必死で頑張って抵抗してる。

 

「皆、よく食べるだな」

 

「元気があって良いじゃない」

 

チチとブルマはその姿を見ても平行運転である。

最早、完全に慣れてる。

流石はサイヤ人の妻達である。

 

因みに亀仙人は煩悩をたぎらせてブルマやチチの胸を揉もうとしていたが、二人にフライパンで頭を叩かれて沈んだ。

 

(((((そこまでやったら死ぬんじゃ?)))))

 

と、男子の生徒達は思い。

 

(((((カッコいい!)))))

 

と、女子の生徒達は思った。

 

 

 

 

 

●●●

 

豪勢な料理を食べて落ち着いてる生徒達は一先ず、後から話を聞ききたいと言って勉強しに行った。

 

「若いのは偉いな~、確り勉強して」

 

「ホントね」

 

「おい、ブルマ!何で来たんだ?本当の事を言え!」

 

「チチも教えてくれ~」

 

悟空とべジータの言葉にチチとブルマは何気ない顔をする。

 

「ウイスさんに孫くんとべジータが学校の一週間分の食材の半分を食べたから、何とかしてほしいって言われたのよ」

 

「もう、その話を聞いたとき顔から火が出るほど恥ずかしかっただ」

 

「だから、食材を集めてカプセルに大量に入れて持ってきたのよ」

 

「フン、そんな量を置いとける冷蔵庫があるか」

 

「安心して一週間に一回、ウイスさんが届けに来るって事になってるわ」

 

そう、ブルマとチチはウイスから食材を集めて欲しいと言われてついでに一緒に来たのだ。

 

「トランクスやブラはどうした?ブラはまだ赤ん坊だぞ」

 

「チチ、悟天は?」

 

「安心して良いわよ」

 

「もうそろそろだな」

 

突然、光が寮の外に降りてきて、そこからビルス、ウイス、ブラが現れる。

ブラはビルスに抱かれている。

そして三人は寮の中に入る。

 

「ビルス様」

 

「べジータ、お前の嫁を何とかしろ、破壊神をベビーシッター代わりに使いやがって」

 

ブルマはビルスからブラを渡してもらう。

 

「おい、ブルマ!何を考えてるんだ?」

 

「だってブラがビルス様に抱きついちゃって離れようとしなかったもん」

 

べジータはその事実に頭を抱える。

 

「恐らくはブロリーさんとの戦いの際にビルス様にお守りされてたのを気に入ったかと」

 

べジータは父親の自分よりもビルスの方を気に入られた事にとてつもなくショックを受けていた。

 

「そんで、ビルス様は何しに来たんだ?」

 

「何って・・・・「あー!」・・・・またか、何で一回もスムーズに言えないんだ?」

 

ビルスの言葉を遮ったのは生徒達で勉強が終わった為にぞろぞろと降りてきたのだ。

そして、全員が降りてきてやっとビルスが話せる状態になった。

 

「お前達に話す事が出来た。知恵の育成に各宇宙の人間も見学する事になった」

 

(((((何でまたスケールが上がるんだよ!)))))

 

「ビルス様、どうして各宇宙の人間が来るんですか?」

 

「ウイス」

 

「私ですか?ビルス様が言ってくださいよ」

 

「良いからやれって」

 

「しょうがないですね。では私が説明します。第7宇宙と第6宇宙でやった格闘試合から力の大会になったように各宇宙の神々や戦士達がこの知恵の育成がいつ全宇宙を巻き込むかわかりませんので、見学したいと言われたのです。一日だけですが・・・校長先生と相談したら、今度開かれる雄英体育祭なる催しなら来ても良いとの事で各宇宙に伝えた事を伝えに来たのです」

 

「おおー!てことはウイスさん、ジレンもヒットも来るのか?」

 

「それはわかりませんが、二人とも各宇宙のエースなので恐らくは」

 

「楽しみになってきたなぁ!」

 

「ただし、全員あくまでも対策と言うなの仕事で来てるので戦闘は禁止ですよ」

 

「ええ~、ちょっと位・・・」

 

「駄目です、ビルス様が絶対にやるなと」

 

「ビルス様~」

 

「もしやったら破壊するぞ」

 

ビルスの目は本気だった。

どうやら相当ストレスが溜まっているらしい。

流石の悟空もそんなビルスには黙って従うしかなかった。

 

「それでは私達はこれで」

 

「お邪魔しました」

 

ビルスとウイスは帰っていった。

生徒達は結局、学校に来るお客が増えた事を知らされただけなので、一気に興味を失い、チチとブルマの方を見た。

 

「ん?どうしたの?」

 

生徒達がブルマと抱えてるブラを見る。

 

「ブルマさん・・・ですよね?その赤ちゃんは?」

 

「私とべジータの娘のブラよ」

 

「「「「「娘!!??」」」」」

 

生徒達はブラの方を見る。

ブラは一斉に知らない人が見たので怯えて泣く。

 

「あぁ、よしよしブラいい子ねぇ、べジータちょっと変わって」

 

ブルマはべジータにブラを渡す。

 

「お、おい」

 

「お願い」

 

「フン、ブラ!よしよし一緒に遊ぼうな」

 

べジータはブラを連れて皆から離れる。

悟空も赤ん坊をあやすべジータが面白いのかべジータとブラに着いていく。

 

「よし、これで話しやすくなったわ。改めて自己紹介させて、私はブルマ。べジータの妻で二児の母よ」

 

「オラはチチだ。悟空さの嫁で二児の母で一児の祖母だ」

 

生徒達は悟空とべジータに奥さんがいるだけでなく、二人とも二児の親で悟空に至ってはお爺さんな事実に驚く。

 

「何でも聞いて良いわよ」

 

「はいはい!お二人はどういう風に悟空さんやべジータさんと出会ったんですか?」

 

恋ばな大好きな三奈が二人に聞く。

いつもは男子生徒はあまりこういう話題には興味を示さないが、あの二人の話になるとやっぱり興味は出るのか、全員聞いていた。

勝己も含めてである。

 

「オラは悟空さと小さい時に出会って悟空さが大きくなったら嫁にもらいに来るって言って貰っただ」

 

「「「キャー!」」」

 

チチは頬を赤らめてそう言う。

あまりにもロマンチックな出会いに生徒達は一気に顔を赤くする。

 

「私はべジータに殺されそうになったわ」

 

「「「えっ?」」」

 

衝撃的な事実に今度は顔を青くする生徒達。

 

「い、一体どのような敬意でご結婚成されたのですか?」

 

「オラは全然、悟空さが全然迎えに来ねぇから行ったらオラの事なんか忘れてただよ。んで悟空さに言ったら、結婚するかって言われて結婚しただ」

 

「私はまだべジータと結婚してないわ」

 

「「「「「えぇ!!??」」」」」

 

先ほどとはうって変わって何のムードもクソもないプロポーズと結婚してない事実に声を出して驚く。

 

「で、でもお二人は奥さんなんですよね?どうしてそんな人たちと一緒にいるんですか?」

 

悟空とべジータが三奈からそんな人呼ばわりされる。

当然である。

 

「どうしてって、一緒に居たら悪いの?」

 

「オラが悟空さと一緒に居たら悪いのか?」

 

ブルマとチチが三奈を見る。

 

「い、いえ、気になってしまって」

 

「そうねぇ、一緒にいるのが当たり前になってわからないわ」

 

「んだんだ」

 

奥さん二人から言われた生徒達は何か納得出来ない様子だ。

 

「貴方達も結婚したら、わかるわ」

 

「そうだな、これはオラ達しかわからないだ」

 

幸せそうに話す二人。

その姿は夫の二人に対して深い愛情を感じてるようだった。

 

「あの、お二人はしばらくここに?」

 

出久が二人に対して聞く。

 

「雄英体育祭が終わるまでは要るわよ」

 

「んだ!」

 

「何ーー!!?」

 

奥さん二人の言葉にべジータと悟空が飛んで来る。

 

「あら、べジータどうしたの?」

 

「お前、仕事は?それにトランクスはどこだ?」

 

「チチ、悟天は?」

 

「二人とも父さん達や悟飯君達、サタン達と一緒に旅行に行ってるわよ」

 

その言葉を聞いたべジータはとりあえず安堵の息をする。

トランクスの事が知れて良かったのだろう。

それにブルマの父親達は子供の扱いには慣れてる。

ブウとサタンが心配の種であるが、悟飯もいるなら大丈夫だろう。

 

「私は暫くの休暇よ」

 

「オラもそれで着いて来ただ」

 

「でもチチ、寝る場所はどうするんだ?」

 

「何でも相澤先生っちゅう人に空いてる部屋があるからって言われてそこを貸して貰うだ。後で悟空さの布団も引いてやるだ」

 

悟空はチチからの言葉に嬉しくなった。

別に亀仙人達と一緒に寝るのは良いがやはりチチと一緒に寝たいのである。

 

「べジータ、あんたも久しぶりに一緒に寝る?」

 

「俺はいい」

 

「もう照れちゃって」

 

「照れてなどいない」

 

「はいはい、用意しとくからね」

 

「お、おい」

 

「あ、あのでしたら私が布団を出しましょうか?」

 

イチャついてる二組の夫婦に百が話す。

チチとブルマは百を見る。

 

「私の個性は創造で何でも創れますの」

 

百はそう言ってマトリョーシカを一つ作る。

チチもブルマもそれを見て驚く。

 

「へぇ~便利ね」

 

「魔法みたいだ」

 

百は自分の個性を誉められた事に頬を緩める。

 

「んじゃ、お願いしようかしら」

 

「お願いしますだ」

 

「わかりました、頑張ります!」

 

「ヤオモモ、手伝うよ」

 

「私も」

 

百は一佳と切奈と一緒に空いてる部屋に向かった。

ずっと話を聞いていたクリリンがチチとブルマに近づく。

 

「ブルマさん、18号さんは?」

 

「そうだった、クリリンこれ18号から」

 

ブルマはそう言って二通の手紙を渡す。

18号とマーロンからのだ。

クリリンはそれを懐に入れる。

 

「クリリンさん、それは?」

 

電気がクリリンに聞く。

 

「へへ、俺の奥さんと娘からの手紙だよ」

 

「「「「「奥さん!?娘!?」」」」」

 

「何だよ!何でそんなに結婚してるんだよ!?」

 

悟空らの結婚率に実が普通に羨ましがる。

 

「さて、他に聞きたい事ないかしら?」

 

「オラ達も若い子達と話すのは久しぶりだから、何でも言いそうだ」

 

「お、おい、あまり話すなよ」

 

「ハハハ、べジータ。ブルマとイチャイチャしてるのが言われるの嫌なのか!」

 

「俺はイチャイチャなどしておらん!」

 

この日、ブルマとチチは悟空とべジータとの結婚生活を生徒達に饒舌に話していた。

 

クリリンは一人、離れた所でマーロンからの手紙に心を癒されて、18号のツンデレな手紙に笑った。

 

雄英体育祭が始まるそして各宇宙からやってる客は出久達に何をもたらすのか?

 

続く!




はい!チチとブルマが雄英体育祭を悟空らと一緒に見ることが決定されました。
元々はヒットとかジレンとかを出したかったのですが、こんなに早くから来る理由がねぇだろと思ったので止めました。
まぁそもそも見学する理由も言われそうですが、第6宇宙と第7宇宙の格闘試合で力の大会になって今度は第4宇宙と第7宇宙がこんな事をやってたら、たぶん見に来ると思い、職業体験の時に出したり、期末試験や二人の英雄で出すのも嫌だったのでここになりました。
因みに出しても各宇宙二人だし、戦闘はさせません。
と言うか、ヒロアカ勢以外の戦闘はあまりやりたくないです(フリーザや桃白白を出しといてどの口が言うのか)


批判感想質問は、次回のネタバレになる答えをしなければいけない場合を除いて全て出来る限り早く答えます(ネタバレが答えな質問も投稿次第に答えますので)

どうか皆様、気軽に送って下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雄英体育祭、開幕!

遅れてすみません!!
また1日空いちゃった!

ではどうぞ!


体育祭の準備期間が過ぎて、待ちに待った雄英体育祭初日である。

出久達は早朝の五時に起きた。

各宇宙からのお客さん達が来るので、一年生ヒーロー科は挨拶をする事になった。

当事者だし、彼らにしてみれば早朝五時はいつも起きる時間だし、問題はなかった。

一年生ヒーロー科だけでなく、消太とブラド、校長、そしてZ戦士達も一緒にいる。

ビルスとウイスもである。

 

「第6宇宙到着です」

 

「シャンパかよ、嫌だなぁ」

 

光の柱が降りてきて、中から破壊神シャンパ、天使ヴァドス、界王神フワ、ヒット、キャベが出てきた。

 

「よう、ビルス!相変わらず厄介な事をしてんなぁ」

 

「うるさいデブ」

 

ビルスとシャンパは間合いを詰めて睨み合う。

それをウイスとヴァドスがやり過ぎないように見てる。

はっきり言っていつもの事なので、フワがヒットやキャベと一緒に校長の方に行く。

 

「私は第6宇宙の界王神と呼ばれる神の一人、フワと言うものです。今回は急に言ってご迷惑を掛けてしまい申し訳ありませんでした」

 

「いえいえ、ウチとしても今日に来てくださり、対応しやすかったので大丈夫でしたよ」

 

校長とフワが平和的に話し合ってる。

最初が最初だった為か身構えてた先生や生徒達はあっけを取られて、悟空はヒットとべジータはキャベと話していた。

 

「第2宇宙到着です」

 

光の柱が降りてきて、破壊神ヘレス、界王神ペル、天使サワア、リブリアン、カクンサが現れる。

 

「ビルス、相変わらずのようだね」

 

「うるさい、厚化粧女」

 

「こう見えて第7宇宙には助けて貰ってるから感謝はしてるのじゃが」

 

ペルは校長の元にヒソヒソと行き、粗茶と茶菓子を渡していた。

リブリアンとカクンサは力の大会で助けて貰った礼を悟空達にしていた。

 

「第10宇宙、第3宇宙到着です」

 

破壊神ラムーシ、界王神ゴワス、天使クス、ムリチム、オブニの第10宇宙。

破壊神モスコ、界王神エア、天使カンパーリ、パパロニ、カトペスラの第3宇宙が現れた。

 

(((((ロボット?)))))

 

全員がロボットな破壊神のモスコに疑問を感じる。

ゴワスとエアは校長に粗茶と茶菓子を出していた。

 

「第11宇宙到着です」

 

光の柱から、破壊神ベルモット、界王神カイ、天使マルカリータ、トッポ、ジレンが現れる。

 

「第9宇宙、第12宇宙、第1宇宙、第5宇宙、第8宇宙は見学をしない意向ですので、これで全員です」

 

合計25人の各宇宙の神々と人間が来た。

 

「皆様、ようこそ雄英体育祭へ、本日は我が校の一年生の生徒達が死に物狂いでナンバーワンを目指す日ですので、どうかごゆっくり見学していって下さい」

 

「ヒーロー科一同、挨拶」

 

「「「「「よろしくお願いします」」」」」

 

一年生ヒーロー科の挨拶に各宇宙のメンバーも笑う。

最初が最初だっただけに不安だらけの挨拶になるかと思ったが、想像以上にマシだった為、全員ビルスに対する印象が更に悪くなった。

ビルスの自業自得である。

 

「ピコピコピコ」

 

「では、そのようにします」

 

カンパーリが第3宇宙の人間だけ、スーツ姿にさせる。

突然の行動に全員、戸惑う。

 

「突然、申し訳ありません。モスコ様曰く『この星の礼服にしろと』のお達しがあったので」

 

それを聞いた他の神々も天使に言い、自分の宇宙の人間をスーツ姿にさせる。

どうやら力の大会以降、どうやっても人間レベルを出来る限り上げたくてマナーを徹底してる宇宙が多いらしい。

第3宇宙と第10宇宙、第2宇宙、第11宇宙はすぐにやり、遅れて第7宇宙と第6宇宙がやった。

不満が多かったのは勿論の事、悟空であった。

 

「ビルス様、こんな格好しなくてもいいじゃんかよ」

 

「うるさい、ちょうど良い。お前にマナーを叩き込んでやる!」

 

「絶対に無理だと思いますよ。悟空さんですから」

 

「ウイス?」

 

「ただ、あの格好は目立ってしまい。他の無関係な人も何か勘づくかもしれませんから、それの方が良いと思いますよ。天使の力でやってますのでそっとやちょっとでは破けませんので」

 

悟空は少し動いて何も問題ないことを確認すると黙った。

 

こうして体育祭前の一幕は終わった。

 

「そう言えば、ウイスさん。あのおっちゃんに連絡しといてくれたか?」

 

「はい、中々聡明なお方でしたのですぐにやりたいと言ってくれましたよ」

 

「ならいいや」

 

悟空が言った“おっちゃん“とは一体誰だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

そして、午前8時40分。

ヒーロー科一年A組は待機室で待機していた。

全員、これから始まる大会に胸を緊張しながらも踊らせていた。

 

「一年A組!準備は良いか!?」

 

天哉がA組全員に確認する。

その時、焦凍が出久と電気に近づく。

 

「緑谷に上鳴、ちょっと良いか?」

 

「どうした轟?」

 

「どうしたの?」

 

「お前らは凄いな、正直言って逆立ちしても勝てないと思う。けど今日は勝つぞ。俺はここの雄英高校一年全員に勝つ、お前らも含めて」

 

急な宣戦布告だった。

普段、こんなことは言わないクールな印象を焦凍は皆に与えていた為にこの宣戦布告は驚きしかなかった。

空気が一気に張り詰めて緊迫してくる中、鋭児郎が焦凍の肩に手を掛ける。

 

「おいおい、急に喧嘩腰でどうした?」

 

焦凍は鋭児郎の手を払いのける。

 

「別に仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ」

 

焦凍はそう言って離れる。

 

「待って、轟君。君が何を思って言ったのかはわからないけど、全員が頂点を目指してるこの体育祭。僕も本気で取りに行く」

 

「俺もだ。負けてたまるか!」

 

出久と電気は真っ直ぐな目で焦凍を見る。

焦凍もそれを黙って見る。

 

「君達、時間だって言ってるじゃないか!」

 

天哉がもう一度、三人に言い、A組は全員部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

プレゼント・マイクの実況と共に入ってくる生徒達いや選手達。

それぞれ、緊張してて個性が漏れてる人もいた。

鋭児郎は硬化を腕だけやってたり、勝己は小さな爆破をしてたり、電気も体から稲妻が少し出てたりしていた。

 

「選手宣誓!」

 

「ミッドナイト先生、なんちゅう格好だ・・・」

 

「流石は18禁ヒーロー」

 

「18禁なのに高校にいて良いのか?」

 

「いい!」

 

「選手代表、上鳴電気君!!」

 

電気が壇上の上に行く。

 

「選手宣誓、私達雄英高校一年生一同は各々が理想に向かうため、全力で取り組む事を誓います」

 

電気の宣誓に知ってるヒーロー科生徒は意外な顔をした。何故なら、調子のりの電気にしては非常にまともだったからである。

 

「なんか、普通だな。緑谷」

 

「フフ」

 

実はこの宣誓を出久は昨日の内に知っていた。

電気が一人で考えてて、昨日出久に予行として内容を確認した上で手直しを一緒にしたのだ。

 

宣誓が終わり、何でもさっさと始める雄英らしく、ミッドナイトが第一種目の説明を始めた。

 

「多くの生徒が毎年ここで“ティアドリンク“!今年の運命の第一種目は・・・・・・これ!」

 

会場のスクリーンには“障害物競争“と出ていた。

 

「11組全員参加のレースよ。コースはこの会場の外周を四キロ。雄英の自由な校風に乗っ取り、コースを守れば何をやってもかまわないわ!さぁ、皆位置について!」

 

生徒達が一斉にゲートに向かって走る姿勢になる。

出久と電気は前ではなく後ろの方に行く。

理由は単純で焦凍を含めた無差別攻撃ができる個性の生徒がスタート同時に無差別攻撃をすると思ったからだ。

それに二人とも少し出遅れてもリカバリーできる脚を持ってる。

六年もボロボロになりながら牛乳配達で鍛えた下半身には誰にも負けないと言う自負があった。

 

「スタート!!」

 

生徒達が一斉にスタートし、ゲートは大混雑になる。

更に焦凍が氷を大量に足下に発生させて更に動けなくなった生徒達が続出する。

やった本人は一人、ゲートを突破して一位になる。

 

『さて、司会はこの俺、プレゼント・マイク!解説はイレイザーヘッドがお贈りするぜ!んでイレイザー!見処は?』

 

『今だろ?』

 

『そう!第一関門はこれだ!ロボ・インフェルノ!』

 

入試試験のロボットが大量に現れる。

あの巨大ロボットも含めて。

 

「入試のロボット!?」

 

「ヒーロー科はあんなの相手にしてたのか!?」

 

「嘘だろ?」

 

「お金はどこから出てるのかしら?」

 

それぞれが反応するなか、焦凍は巨大ロボットを睨む。

 

「もっと凄いのが欲しいんだかな、なんせ“母さん“が見てるからな」

 

焦凍は巨大氷結で一気に巨大ロボットを何体か凍らす。

本人はそのまま足の間をスタコラサッサと進んでいく。

他の生徒も後に続こうとしたが、不安定な状態で凍らされた為に倒れてしまう。

 

「やべー、倒れたぞ!」

 

「捲き込まれなかったか!?」

 

生徒達が心配しながら、巨大ロボットの下から鋭児郎と徹鐵が出てくる。

 

「「俺じゃなかったら死んでるぞ!!」」

 

見事にハモる二人。

個性も含めてだだかぶりの二人である。

生徒達も巨大ロボットの上を飛び越えたり、個性を使って工夫をしながら進んでいく。

出久と電気はまだ後ろの方にいた。

二人とも後ろから前のロボットが溢れてる状況を見ながら進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

一方その頃、各宇宙から来た人間達とZ戦士は一緒に観客席から見ていた。

神々もそれぞれの宇宙の人間の近くに座っている。

(第6宇宙と第11宇宙が互いに端にいるが主にそれはヒットとジレンやトッポとの関係の都合である)

 

「ほぉ、中々凄いなあの氷結は」

 

「どれ程のエネルギー量があるのだ?どれくらいまで温度を下げれる?デメリットはないのか?」

 

「あれが私達の宇宙にあれば私がもっと美しくなる!」

 

それぞれが驚きのパフォーマンスをした焦凍に対して称賛していた。

そんな中、亀仙人は未だに後ろの方にいる出久と電気を見ていた。

 

 

 

 

 

 

●●●

第一関門を突破した生徒達の前にはかなり巨大な谷が出来ていて、所々にロープが張り巡らされていた。

 

『第二関門は落ちればアウト!ザ・フォール』

 

一番最初に通過した焦凍はロープに氷を張り巡らして、狭い道を作り、その上を走っていた。

ロボットの上から突破した連中はその要領を変えずに谷を難なくと通過していった。

他の生徒達もそれぞれ進んでいくなか、一人異彩を放つ生徒がいた。

身体中に多くのサポートアイテムを着けたサポート科の生徒 発目明だ。

 

「ふふふ、きましたアピールチャンス!私のサポートアイテムが脚光を浴びる時!」

 

「えー!サポートアイテムの着用とかありなの!?」

 

三奈が異彩を放ってる明に抗議する。

 

「ヒーロー科は常日頃、実践訓練を受けているでしょう?公平を期すために私達も自作のサポートアイテムの着用を認められているんです。そして体育祭はサポートアイテムを製作してる企業に自分を売り込む場なのです!!」

 

自分のサポートアイテムを使いながら、難なくクリアする明。生徒達は負けないように意気込みをし、会場の方では実際に会社の人間の目に止まっているが、一番集中して見ているのは第3宇宙の神々と人間である。

 

自分達の十八番な為か見方が違っていた。

冷静に考えて欲しいのはロボットとおっさん達が一人の少女を目玉が食いついているのかと思うくらい見てるのだ。端から見れば不審者の集まりである。

 

 

出久と電気は谷の前で黙って谷を見ており、谷の間にある中間地点をよく見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

一方、先頭集団は最後の関門に到達した。

 

『早くも最終関門、一面地雷原!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!目と脚酷使しろ!威力は安心しな!失禁する程度だ!』

 

『人によるだろ?』

 

焦凍はスローペースになるが、地雷を踏まずに進んでいた。

そんな中、勝己が爆破を使いながら、地面に足を着けずに飛んで来る。

焦凍と勝己は互いに並び、妨害しながらも進んでいく。

 

『喜べマスメディア!お前ら好みの乱闘だぞ!どっちが一位だ!?』

 

「よし、行くぞ出久!」

 

「今さらだけど師匠に怒られるよ?」

 

「俺達が目指すのはヒーローだ。それに俺に対して万年サイドキックになりそうだって言った耳郎の鼻をあかしてやる!」

 

「仲いいね」

 

出久は電気から響香の名前が出たとたんに棒読みになるが、電気はそれに気づいてなかった。

出久もすぐさま、気合いを入れ直して電気と一緒にクラウチングスタートの体勢になる。

 

『おおっと?後ろにいた二人が急に体勢を変えた!一体何をする気だ?』

 

『マイク耳栓あるか?』

 

『ねぇよ。何に使うんだよ?』

 

『熱狂が来るぞ』

 

出久と電気は消太の言葉を聞くなり、猛スピードで飛び出した。

軽々と谷を越えて突き進む。

前にいた生徒達も急に何だと思い後ろを見ようとするがその間に二人は追い抜かしていた。

 

『何だ!?ありゃ!?速すぎるぞ!!』

 

『エンタメ気質と言うか、カッコつけと言うか、非合理な生徒らだ。まぁ注目を浴びるには合理的だがな』

 

事実、突然のスタートを切った二人に会場は注目していた。

速すぎるのだ。

あまりの速さにどんどん人を抜いていく様は会場から驚くことも奪い取って観客は全員、二人に注目していた。

一人、亀仙人は二人に対してどんなお仕置きをしようかと考えながら見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

地雷原に突入した二人は高速に動きながら、突破して行く。

地雷を踏もうがお構いなしだった。

しかも、二人は地雷の影響を全く受けてなかった。

 

『どうなってんの!?』

 

『二人が速すぎて起爆するよりも先に前に行ってんだ』

 

『無茶苦茶だろ!?』

 

司会と解説のコンビのお陰で会場も二人の凄さを目の当たりにする。

まぁ、二人とも初っぱなから見せてなかったのは人によっては手を抜いてたと憤慨する物だが、パフォーマンスとしてこれほど有効なのはなかった。

二人の家族も自宅のテレビの前で号泣である(因みにこの時は両家族とも一緒に見ていた)

 

「耳郎、俺凄いだろ!」

 

先頭集団よりも少し後ろにいた響香に対して自慢をしながら抜いていた。

親しく話してた電気に隣を走ってた出久は嫉妬の力で電気の前に行く。

速度に於いては電気の方が速い為、隣の電気は素直に驚いた。

 

またすぐに抜かしたが・・・・

 

そして二人は一位争いをしていた焦凍と勝己の二人をあっさりと抜く。

二人とも妨害しようにも速すぎて妨害する気になったら遥か先に行っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

『雄英体育祭、一年ステージ!誰が予想できた!?こんなの誰も予想できねぇよ!上鳴電気と緑谷出久が帰ってきたー!!!速いのは上鳴だ!!』

 

出久と電気はほぼ一緒のタイミングで会場に戻ってきたが、速いのは電気だった。

出久の嫉妬パワーを持ってしても速さでは電気には勝てない。

電気がゴール紐をちぎり、出久はその後にゴールする。

 

『上鳴電気、一位通過!緑谷出久、二位通過!』

 

プレゼント・マイクの実況で始めて会場は大熱狂に包まれた。

電気は調子に乗って観客に大きく手を振っていた。

出久も結果は二位で電気に負けだが、この熱狂を聞き、次は勝つと後に引っ張らないことにした。

 

五分後に焦凍と勝己が帰って来て他の生徒達も帰ってきた。

 

観客席での各宇宙の神々や人間達も二人のパフォーマンスには素直に感心し、予想外のスピードでやった事に驚いた。

別に全員、あれくらいは朝飯前だがそれでもあそこまで速かったのには驚いた。

しかし、反応には賛否両論であった。

 

第2宇宙は個々として素晴らしいパフォーマンスをした二人を絶賛。

 

第3宇宙は想像以上の実力を発揮した二人を称賛。

 

第6宇宙は面白い物を見れたとして好評。

 

しかし、第7宇宙は最初からやってなかったことに不評(亀仙人とピッコロが怒気が籠った目で見てる)

 

第10宇宙は二人の目立ちたがりな気質を批判。

 

第11宇宙は結果的に多くの生徒達に対して不義理をしたと判断して大酷評であった。

 

 

 

見事なまでの“賛否両論“っぷりである。

 

 

 

雄英高校の経営科は二人のパフォーマンスに対して、人気は上がるが批判も多く集まり結果的に人としての根っこが重要視されると全うな評価をしていた。

 

 

 

 

●●●

大勢の生徒が帰って来て一先ず落ち着いている。

 

「この個性で遅れを取るとは・・・・」

 

「凄いね、緑谷君!速かったね!」

 

天哉が走る個性を持っていながら負けた事に悔しがり、お茶子が出久を称賛していた。

出久もお茶子の言葉に照れていた。

 

電気はその様子をじっと見ていた。

 

そんな電気の元に響香が来る。

 

「上鳴、あんた速かったね」

 

「耳郎!どうだ?万年サイドキックにはならねぇだろ?これで人気も急上昇!このままだと優勝間違いなしだ!」

 

拳を挙げて叫ぶ電気に響香は少し引いていた。

 

「いや、人気があるサイドキックも普通にいるから」

 

響香の現実を突きつけるかのような言葉に調子に乗ってた電気は普通に落ち込んだ。

出久はそんな二人のイチャツキを黙って見ていた。

 

「さて!第2種目に行くわよ!」

 

スクリーンに上位42名の生徒の顔が映し出される。

 

「次の種目は騎馬戦よ!2~4人のチームを自由に作って貰うわ!基本的なルールは普通の騎馬戦と一緒だけど、第一種目の結果に従ったポイントが各自に振り分けられていてそれの合計ポイントを奪い合って貰うわ!」

 

「入試みたいなポイント稼ぎ方式か」

 

「つまり、それぞれの騎馬によってポイントが違う」

 

ガヤガヤと計算を始める生徒達。

 

「あんた達!私が喋ってんのにすぐ言うね!」

 

ミッドナイトが怒って静めた。

 

「与えられるポイントは下から5ポイントずつ。42位が5ポイントで41位が10ポイントと言った具合よ」

 

生徒達が自分のポイントを計算する。

出久は自分のポイントが210ポイントだと計算しおえて、電気に215ポイントになることを言った。

 

「そして一位のポイントは1000万よ!!」

 

桁が違う数字に出久も電気もひっくり返った。

一体何を思ってそんな数字にしたのか二人とも全く理解できなかった。

 

周りの生徒達も電気を獲物として見る。

 

「出久、どうすれば?」

 

「電気・・・調子に乗った罰だよ」

 

出久は一位通過に調子に乗って更に響香とイチャイチャしてた電気に鬼の言葉を言った。

 

「嘘だろ!!?」

 

電気の絶叫が響き渡る結果になった。




1日空いちゃってすみません!
予想以上にマラソンで話を膨らませられなかったので苦労しました。
次の騎馬戦は膨らましたいです。
また今日の晩は外せない用事があるため更新できません。
本当に待たせてばかりで申し訳ありません!



話の内容に行きます。
電気は一位通過にしました!
いやだって速いが売りなので電気なら一位通過するだろと思いやりました。
出久は嫉妬パワーでクリアです。
ただ、ここまで出久の一方通行な恋を書きながら、響香から出久の話は一回もやってないので体育祭か次の短編では必ずやろうと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

激闘 騎馬大合戦!

遅れてすみません!
日曜は用事があって更新できず、その疲れが月曜に残ってて火曜からやってたのですが、思うように上手く出来ずに今日まで掛かりました。
次の更新は日曜までには必ずします。
少しペースが下がりましたが、許してください。
ではどうぞ!


殆どの生徒から狙われるようになった電気は未だに意気消沈していた。

隣で出久が引いた目をして見ていた。

 

「制限時間は15分、それでは約5分間のチーム決め、スタート!」

 

ミッドナイトがそう宣言し、上位42名が組分けを始める。

出久も電気もすぐに始めたが、二人の元には誰も来なかった。

 

「何故だ~!!?」

 

「まぁ1000万ポイントなんてずっと守ってるよりも終盤で取りに行く方が合理的だからね。んじゃ頑張って」

 

出久は電気から離れようとするが、電気は驚いた顔をしながら、出久の足を掴む。

 

「ちょっと待て、何処に行く!?」

 

「僕もチームを・・・」

 

「俺を見捨てる気か!?親友だろ、友達だろ、竹馬の友だろ、心の友だろ、魂の友だろ!?」

 

電気は出久の首を絞めながら捲し立てる。

 

「電気・・・それ・・・どれも一緒・・・」

 

「頼む、助けてくれ!」

 

抱きついてまで懇願する電気。

 

「わかった、わかった」

 

出久は電気を取り敢えず離れさせる。

しかし、それで状況が変わるわけでもなく、

依然として誰も近寄って来なかった。

理由としては死ぬほど簡単で、殆どのヒーロー科は雄英体育祭の頂点を目指している。

そんな彼らが一番嫌なのは最後のトーナメントで二人のどっちかと一対一で戦うことだ。

パフォーマンスで自力を見せすぎたのだ。

そのせいでもしも騎馬戦を終えてトーナメントになってボコボコにやられたら、全国に二人の凄さを教える宣伝マンになってしまう。

そんなのは誰でもごめんである。

他の科の生徒も似たり寄ったりの状況であり、故に人が来ないのである。

 

「どうしよう、このままだと二人でやるしかないよ」

 

「ここまで人望がないのか?俺は・・・」

 

電気が自らの人望の無さを嘆いているがこの状況だと誰でも似たような結果になってしまうと思う。

二人とももう二人でやることを考えて計算し始める。

そんな中、サポート科の明がやって来る。

 

「私と組みましょう!一位の人に二位の人!」

 

「え?」

 

「うぇい?」

 

「私はサポート科の発目明、貴方達の立場を利用させて下さい」

 

「「はい!?」」

 

明け透けな事を言う明に二人は驚く。

確かにサポート科に取っ手すればこの二人を上手く自分のサポートアイテムで援護して強化できれば更に目を引くことは間違いないのだ。

出久と電気は全く知らないが来てくれた明にお礼を言おうと思ったが、明はどうやらかなりの自分本位な性格な為、二人の言葉を聞かずに自分のサポートアイテムの紹介を始めているのだ。

 

「それでですね、二人をサポートするにはこのホバーソールが役に立つと思うんです。靴底についてるプロペラが着地の衝撃を和らげて空中から降りてもすぐに次の行動に移ることができます」

 

「凄い!確かに僕達は高い空中へジャンプできて耐えられるけど地面には衝撃が伝わってめり込まないわけじゃないから和らげるこれは本当に使える」

 

出久も明の宣伝を大真面目に分析して有効と判断している。電気は二人の会話に着いていけずに残りの入ってくれそうな生徒を見るが、誰もいない。

三人でやるしかないと思っていたら、一人だけ余ってる生徒を見つけて入ってもらった。

 

 

 

 

 

 

●●●

「よし、行くよ。電気、発目さん、常闇君!」

 

「よっしゃ!」

 

「はい!」

 

「任せろ!」

 

電気、明、踏影の三人が上に乗ってる出久の声に合わせる。

電気が前で後ろに明と踏影がいる状態だ。

 

踏影としては天敵の光を扱う出久と電気を助ける事になるとは思ってもいなかったが、その前には確実にトーナメントに入らないとそんな事を考えても意味はない。焦凍や勝己の所には行ったが二人の目指してた騎馬の理想に踏影の黒影は合わなかったので、確実に入ると断言できる出久達の騎馬に入ったのだ。

何とか相性をついて倒さないといけないなと頭の隅で考えながら協力する。

 

『よ~し組み終わったな!準備はいいかなんて聞かねえぞ!さぁ行くぜ、閧の声を挙げて挑め!残虐バトルロイヤルカウントダウン!』

 

「スタート!!!」

 

ミッドナイトの声と同時に周りの騎馬が突っ込んでくる。

 

「実質1000万の取り合いだ!」

 

「ハッハッハー!行くよ、緑谷君!」

 

血気盛んな騎馬達である。

 

「来たな、出久。どうする?」

 

「選ばれし者の運命」

 

「逃げの一卓!」

 

電気は動こうとするが足が沈んで上手く動けない。

 

「骨抜か!」

 

「寄越せ!1000万!」

 

徹鐵達が突っ込んでくるが、出久は冷静に背中に着けたバックパックを作動させる。

すると上空に飛び、危機を脱出する。

出久と電気だけなら要らないが騎馬と言う特性で四人も同時に飛ばすなど出久と電気には無理である。

ましてや、全然練度が違う二人を自分達と同じくらいに上げるなど出来ない。

故にこのサポートアイテムは有効だった。

 

「待てやごらぁ!」

 

飛んでる出久達に勝己が空中で襲う。

 

「黒影!」

 

踏影の黒影が勝己の攻撃を防ぐ。

勝己は黒影に攻撃を防がれた事にイライラしながら、範太のテープで自分の騎馬に戻る。

まだ響香のイヤホンだったり、茨の蔓だったり、様々な攻撃が来るが黒影が全て叩き落とす。

 

「凄いよ、常闇君!死角のカバーも出来て完璧だよ、発目さんのバックパックもかなりの力だ」

 

「当然」

 

「でしょ!私のドッ可愛いベイビーは最高でしょ!」

 

「俺にはないのか?」

 

「電気はいつも通りじゃん」

 

「辛い、評価が辛い!」

 

漫才を繰り広げる出久と電気。

この四人は無事にトーナメントに進出できるのだろうか?

 

 

 

 

●●●

ー少し戻るー

 

焦凍が百、天哉、お茶子に向かって話している。

何故、自分が三人と組んだかについてだが、天哉のスピードで突っ込み、百の多彩な装備で翻弄、そしてお茶子の浮遊で重さのデメリットを軽減するという方法だった。

 

「そこで轟君が氷と炎で牽制か」

 

「・・・あぁ、そうだ」

 

焦凍は自分の左手を見た後に天哉にそう答える。

そのまま観客席を見る。

大嫌いな父親が一人したり顔で見ていて非常に腹が立ち不愉快な気分になりながらも騎馬戦の準備をする。

 

 

 

 

●●●

 

ー話を戻してー

 

出久達はその後も上手く立ち回って逃げていた。

1000万の数を良く守ってる方だが理由がある。

まずは踏影の死角へのカバー。

そして、電気の電撃。全然打ってないが、殆どの人間が大量放電を受けたことがあるため、動けなかった。

受けていない生徒は明と人使ぐらいであり、明は自分達のチームに所属、人使に至っては他のチームのポイントを取っている為、出久達の方には目もくれてなかった。

更には明のサポートアイテムで騎馬の運動性能を上げて出久の分析による筋立てをしているために中々に攻めにくくなってる。

 

「よし、このまま」

 

「待て、緑谷!足が動かん!」

 

出久は踏影の足を見ると下に実のブドウがあった。

 

「峰田君か!?何処から?」

 

「寄越せ!1000万!」

 

峰田の声と共に目蔵が突っ込んでくる。

ただ、前屈みで触手で背中を覆ってる目蔵だけしか見えずに出久達は困惑する。

 

「あれ?障子君一人?なんで?」

 

すると目蔵の触手の間から舌が飛び出してきて、ポイントを掠める。

 

「うわ!」

 

「私もいるわよ」

 

触手の間から梅雨と実が顔を出す。

 

「そこに二人も!?凄いな障子君」

 

「寄越せ!」

 

「常闇君、発目さん、無理やり出るよ!」

 

出久はバックパックの出力を最大にして脱出する。

踏影の靴も脱げた。

 

「常闇君、足は大丈夫?」

 

「心配いらん、黒影!」

 

【個性使いが荒いぞ】

 

黒影が踏影の足に纏う。

明がホバーソールを使い、柔らかく着地をして次に動く。

 

『さて、各チームのポイントはどうなっているのか?7分経過した現在のランクをスクリーンに表示するぜ!』

 

一位 緑谷チーム

 

二位 鉄哲チーム

 

三位 物間チーム

 

四位 拳藤チーム

 

五位 轟チーム

 

六位 鱗チーム

 

他は全部0ポイントになっていた。

 

 

●●●

ポイントを取られた勝己チームは奪った寧人チームと戦っていた。

 

「返せ!」

 

「誰がそんな間抜けをすると思う?」

 

勝己が爆破で攻撃するも、寧人は鋭児郎の硬化をコピーして耐えていた。

 

「この物真似野郎~」

 

「おお!本性で出るよ?猫かぶり君!」

 

「誰が猫だ!?」

 

寧人の煽りに引っ掛かり捲ってる勝己はそのまま戦いを続ける。本来(原作)ならば、勝己が寧人の煽りにぶちギレて奪い取れるのだが、寧人は勝己の人間性を修業で良く観察していた為に見事にそこら辺のバランスを上手くやっていた。

勝己自身、段々と丸くなってる為と心も成長してる為、あと容赦なく煽りをやる電気の相手もしていた為か、悉く煽り耐性がついてしまい、結果的に怒りが爆発しないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

「かっちゃん、荒れてるな~」

 

「ありゃ、しょうがねぇよ」

 

出久達は離れた所から勝己と寧人の争いを見ていた。

成長とは恐ろしい。

 

「皆、このまま逃げ切るよ!」

 

「「「(おう!/はい!)」」」

 

気合いを再び入れ直して最後の勝負だと思った次の瞬間、突然出久達の周りに氷の壁が出来た。

 

「そろそろ獲るぞ」

 

「轟君」

 

焦凍チームが出久達に勝負を挑んで来た。

周りを氷の壁で囲んで逃げられなくされたが、出久はすかさずバックパックで飛ぼうとした瞬間、一気にその場に影が出来た。

出久は空を見上げると大量の鳥が羽ばたいて、氷の壁の唯一空いていた空を遮っていた。

 

「これは!?」

 

出久が驚いていると、突然バックパックが壊れた。

 

「「「「なっ!?」」」」

 

バックパックには響香のイヤホンが刺さっていて、イヤホンが離れると焦凍達とは反対方向に、響香と甲司、力道を入れた透のチームがいた。

 

「葉隠さん!」

 

「ポイントがゼロだからね、取らせて貰うよ1000万!」

 

「そのアイテムは壊させて貰ったよ、厄介なんでね」

 

「ベイビーが!!改善の余地あり!」

 

「不味いな」

 

出久チーム、透チーム、焦凍チームの三つ巴の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

影も形も忘れられてた各宇宙の神々と人間は非常に楽しく騎馬戦を見ていた。

良くも悪くもやったことがない戦い方であるために全員が注意深く見ていた。

 

「欲しい!あの少女が欲しい!」

 

「ドクターパパロニ、落ち着いて下さい!」

 

「界王神様、止めないで下さい!あの発目明なる少女の発想と商魂逞しい性格は我が第3宇宙に必要ですぞ!」

 

「他の宇宙の人間ですからダメです!」

 

「是非とも我が助手に!」

 

「ダメですって!」

 

「落ち着けドクターパパロニ!」

 

「ピコピコピコピコ」

 

「モスコ様曰く、『死んでもパパロニを抑えるのだ。でないと第3宇宙のプライドに関わる』との事です」

 

モスコやカトペスラも加わり、完全にパパロニは抑えられたが、目はまだ諦めてなかった。

 

「ぬおー!何としてでもあの発目明を助手にしてやる!」

 

不審者顔負けの執着力である。

当の狙われた本人は身震いしていた。

 

「あの、物間ってやつ気に入ったぞ!」

 

「シャンパ様、彼の個性は一人では何もできませんが?」

 

「そんなの天使の力でどうにかなるだろ?」

 

「考え方が安易です」

 

「うるさい!」

 

シャンパは寧人を気に入ったようだ。

しかし、ヴァドスから安易と言われてすぐにまた夫婦漫才を繰り広げていた。(夫婦じゃないけど)

因みに他の宇宙の神々や人間もこんな風に楽しく見ていた。

そして興奮しやすい悟空はチチの手によって抑えられていた。

チチ的には折角の珍しいスーツ姿の悟空を堪能する為であった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

三つ巴を行ってた三チームは膠着状態であった。

互いに互いの距離がどんどん近づいて来るが、攻められない状態であった。

理由は甲司の個性で大量の鳥が三チームを囲んでどんどん円を狭めて来ているがそのせいで焦凍は炎も氷も使えないでいた。

両方とももっと広い場所なら出せるが、この状況下では避けられたら鳥に当たってしまい傷つけてしまう。

個性によって傷つけられた事がトラウマな焦凍は出来なかった。氷はガンガンやって来たが相手はいつも人で鳥とかにやった事がないため、出来なかった。

透チームは焦凍の炎や氷を警戒しつつ、出久達の1000万を狙っているが、響香のイヤホンは踏影の強力になった黒影で防がれていて、透の透明も騎馬の上に乗ってるとバレバレなので、攻められない。

出久達は攻められない二チームを見ながら警戒しているが、鳥が影を作った事で踏影の黒影が力を上げて踏影はコントロールするのに精一杯であり、電気は持ち前のスピードを出せずにいて出久も気弾を撃とうにもそれが騎馬への直接攻撃になって失格になった時を考えると出来なかった。

しかも1000万は自分の手にあるためにそこまで積極的に二チームの相手をする気はなかった。

 

「轟君!確り取ってくれ。10秒の勝負だ」

 

「飯田?」

 

「レシブロバースト」

 

突然、天哉が電気に比べると遅いが出久の全力よりも速い速度で騎馬ごと動いた。

あまりの突然の出来事に一瞬だけ反応出来なかった。

焦凍はその一瞬を見事について1000万をもぎ取った。

 

「しまった!」

 

「飯田、俺の十八番で勝負とは良い度胸だな!」

 

出久は取られた事に歯軋りし、電気は十八番で奪われたことに憤慨していた。

別に天哉がやった事を電気は出来ないわけではない。

ただ、天哉よりも速すぎるのだ。

それでは踏影はともかく明がついていけないのだ。

また電気の超高速は全身に稲妻を纏わせる為、他人がその状態の電気に触ると感電するのだ。

故に電気は超高速を使えないでいた。

 

「上鳴君、速いのは君だけじゃないぞ!」

 

「クソッタレ!」

 

焦凍は1000万を取れたことに喜び、油断せずに首にそのポイントを巻こうとした瞬間、響香のイヤホンがそのポイントを奪った。

焦凍は氷をすかさずにぶつけようとする。

 

「翼を持つ者達よ、私達を中心に旋回して守るのです」

 

鳥が透チームの周りを旋回して出せなかった。

 

「クソ!」

 

焦凍はその状況に悔しがる。

当然だ。

油断なんて一瞬もしてなかったのに取られたのだ。

警戒が甘すぎたのだ。

奪われた出久達に集中しすぎたのだ。

そのせいでやられたのだ。

 

「よし、これなら!」

 

透が急いで1000万を首に捲く。

そして二チームから離れようとする。

 

 

 

 

ドン!

 

 

 

突然、大きな踏み込み音が聞こえる。

そして鳥達のドームを無理やり突き破った出久が1000万ポイントに手を着ける。

 

「緑谷君!」

 

「油断大敵だよ!」

 

出久は1000万ポイントを手に取る。

しかし、手に取った所で飛び込んできた出久はいずれ地面に落ちてしまう。

透達はそれを取れば良いと思った次の瞬間、出久は空中でかめはめ波の姿勢になった。

 

「翼を持つ者達よ!急いでその男から離れるのです!」

 

甲司が急いで出久の近くにいた鳥達を離れさせる。

出久が何をするのか本能的に察知したのだ。

自分が勝つのではなくて大好きな動物を守るためにとっさに働いた本能は批判できない。

 

「かめはめ波!」

 

出久はかめはめ波を出して、その勢いを使って自分の騎馬に戻る。

先ほど勝己がやってた方法だから、問題は一切ない。

その事に透チームは唖然する。

こうして1000万は出久チームに戻った。

透達は油断してしまった。

鳥を自分達の周りに囲めば飛び込もうが推進力は落ちるし、騎馬で突っ込んでも目眩ましになるから逃げられると思った。

勿論、出久や電気は最大限の警戒をしていた。

しかし、かめはめ波を推進力にして戻る方法など発想すらしてなかった。

出久自身、飛び込む一瞬は勝利を確信した時だと思っていた為にそこをすぐさま突いた。

故に1000万を取ったのだ。

 

「まだだ!」

 

「まだ終わってない!」

 

焦凍チームと透チームが全力で奪いに行く。

 

『タイムアップ!』

 

しかし、勝負は無情にも終わった。

 

 

 

 

 

●●●

 

『それじゃ、波乱の騎馬戦の結果発表だ!』

 

プレゼント・マスクが結果発表をする。

 

『一位 緑谷チーム 10000390ポイント!』

 

『二位 いつの間に!?心操チーム 2390ポイント!』

 

『三位 爆豪チーム 955ポイント!』

 

『四位 轟チーム 635ポイント!』

 

『以上の四チームが決勝進出!・・・って直前まで二位だった鉄哲チーム、どうした!?』

 

どうやら、人使チームが根こそぎポイントをかっさらったようだ。現に殆どのチームのポイントを奪っている。

しかも、どうやって奪われたかやられた本人たちもわかっておらず、頭を悩ましていた。

 

『それじゃ、一時間ほど休憩を挟んでから午後の部だぜ!イエイ!』

 

こうして雄英体育祭の騎馬戦が終わった。

 




と言うわけで騎馬戦が終わりました。
次のトーナメント戦は短くてもかなり分けてやります。
やりたい一戦がいくつもあるので

今回、えらいドラゴンボール要素が無くなってましたのは自分でも驚きです。
入れる隙間が彼処だけでした。
入れなくても良いかなと思っていたのですが、何のために出したのかわからなくなりそうになるので入れました。
行き当たりばったりですみません!

心操チームが話の外で無双しました!
個性には気では出来ない相性があるゆえにできました。

トーナメント戦を楽しみにしてください。
因みに過去の話でちょくちょく伏線を出してますので言いますが、出久と電気にとって天敵がヒーロー科にいます。
誰かは楽しみにしてください(心操ではないですよ)

感想批判質問は次回のネタバレが答えになる場合を除いて全て出来る限り早く答えますので気軽にお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

選ばれた16人!

どうも、今回は予定していた日に間に合って良かったです。また今回から雄英体育祭編だけに登場するドラゴンボールの名キャラクターがいますので楽しんでください。


騎馬戦が終わり、昼休みになった。

それぞれが昼食を食べる中で出久と電気は焦凍に連れられて人影が少ない所にいた。

 

「それで、話ってなに?」

 

「緑谷に上鳴は自分の力で人を傷つける事をどう感じる?」

 

「どうって・・・どうしたんだよ、急に?」

 

「俺の親父は知ってるよな?」

 

「No.2ヒーローのエンデヴァーだよね?」

 

「そう、万年二位のヒーローだ。オールマイトにずっと勝てない万年二位。自分でオールマイトを越せないからあいつは個性婚をしたんだ」

 

出久も電気もその言葉に顔をしかめる。

個性婚とは出久達の二三世代前に社会問題になった物で、自分の子供に強い個性を与える為に強い個性を持つ人間と結婚する一種の品種改良である。

個性黎明期を過ぎて、ヒーローと言う職業が人気を帯始めた時期に増加してしまい、世界中で今もなお続いている問題の一つである。

中南米の麻薬麻薬カルテルでは強制的にされてその子供達は産まれた時から、殺人術と強い個性を操るように洗脳される。

アメリカのとあるヒーローがカルテルを壊滅させようとしたが洗脳された強個性の子供達によって返り討ちに会い、1週間後には死体が吊るされていると言った前例がある。

 

「金で母さんの親族を言いくるめた。金と権力はある男だからな。俺の他に兄貴や姉貴がいて、あいつの理想通りの個性になったのが俺だ・・・母さんにお前の左が憎いって言われて煮え湯を浴びせられたよ」

 

焦凍は自分の左側の火傷を触る。

 

「まさか、氷の個性だけで俺達に勝つってか?・・・轟の意思や怨みはわかるけどそれで俺達は・・・」

 

「そんなんじゃねぇ、あの桃白白にやられてからその誓いは粉砕されたからな」

 

「轟君・・・」

 

「あいつに殺されかけて、母さんと久しぶりに話した。漸く前に進めると思ったら・・・まさか使うのにびびってこんな事になるとは思ってなかった」

 

膝に手を着ける焦凍。

出久と電気はそれを真っ直ぐただ見る。

 

「だから、教えてくれ。お前らはどうやって力を使ってんだ?」

 

焦凍は救いを求めるように二人を見るが二人は何も言えない。二人とも力を使う云々を考えなくても師匠の亀仙人の教えを受けてこうなったのだ。

何も二人は焦凍にアドバイス出来ないのだ。

使う事に恐怖を感じないわけではない。

ただ、使っても大丈夫だと確信しているのだ。

何故なら、大事に育ててくれた亀仙人の愛情を二人は感じているからだ。

 

「悪かったな、急に変なこと聞いちまって」

 

「「ちょっと待って」」

 

焦凍はそのまま去ろうとする。

二人はそれを止める。

焦凍は二人を見る。

 

「俺達は何も言えねぇけど・・・」

 

「僕達は君と全力で戦う。だから全力で来て欲しい」

 

「わかってるよ」

 

焦凍はそのまま去った。

少し離れた所では勝己が聞き耳を立てていた。

特に何も思わず、勝己は去った。

出久と電気は食堂に向かった。

 

 

 

 

 

●●●

 

「カツ丼と・・・」

 

「またカツ丼かよ」

 

「そういう電気はバーガーじゃないか」

 

「バーガーのどこが悪い」

 

「ならカツ丼でも別に良いじゃん」

 

出久と電気が軽く話し合いながら、自分の昼食を取る。

席を探してると、また大量に食べてる悟空達を見つけた。

他の各宇宙の人達はおらず、Z戦士と奥さん二人だけいた。

出久と電気はそこの空いてる席に座る。

 

「出久に電気、先ほどの競走は何じゃ?」

 

明らかに怒気を含んだ亀仙人の言葉に出久と電気は顔をしかめる。

 

「ああ言うパフォーマンスが必要なのは理解するが、谷をまだ越えていないのに自らの速さに過信したのは駄目じゃ」

 

((怒るところそこかよ!?))

 

そう、亀仙人はパフォーマンスをした事ではなくて、始めた場所が不満だった。

最終的に全員を抜かせたから良かったが、あまりにも自分の足に過信しすぎていた。

そこを亀仙人は怒っていたのだ。

 

「天哉の速さもお主達に負けてはおらん。現にさっきの騎馬戦ではお主達に一泡吹かせておったではないか?やるならもっと良く周りを見てから確実に問題ないようにするんじゃ」

 

「「はい」」

 

実際に一泡吹かせられたので、出久と電気はこのありがたい小言を素直に聞くことにした。

 

「まぁ、じっちゃんもそんな硬い事言うなって上手く言ったから良いじゃん」

 

「過信は悟空も陥り易いぞ」

 

亀仙人はサングラスをキランと光らせて悟空を見る。

悟空はなに食わぬ顔で食べるのを再開した。

実際に悟空が油断しなかった事はあまりない。

セルの時は勝手に悟飯と相談せずに悟飯を戦わせ、べジータの時は後一歩をわざわざ逃がした。

ピッコロの時も仙豆を食べさせたり、フリーザと地球で戦った時も光線銃を受けたりと油断を結構しやすい。

 

「あんなパフォーマンスをしてわざわざ目立つなんてバカ丸出しだな」

 

ピッコロが出久と電気の二人に言う。

二人ともバカと言われてピッコロを睨むがピッコロは更に眼光を鋭くし、二人を睨む。

天下一武道会で目立ちまくったピッコロが言えた義理ではない。

 

「まぁ、二人ともあまり過信し過ぎるなよ」

 

クリリンが二人に言うが力の大会で過信して落ちた人に説得力はない。落ちた故にのアドバイスではあるけど・・・

 

出久と電気の二人はさっさと昼食を食べて、一先ず休憩する。

悟空とべジータは食べ終わり次第、チチとブルマに連れていかれた。恐らく始まるまで外の売店を一緒に見回るんだろう。残ってる亀仙人、クリリン、天津飯、ピッコロと一緒に二人はお茶でも飲んでのんびりする。

 

「お前達、のんびりし過ぎてないか?」

 

天津飯が二人を心配して聞く。

 

「大丈夫ッス」

 

「寧ろ、この後の事を考えると今の内にのんびりしとかないと集中出来ませんから」

 

本人達が問題ないと言った為、天津飯はこれ以上言うのを止めた。

そんな中、実が近づいて来る。

 

「どうしたのじゃ、実?」

 

「爺さんに上鳴もさ、あれを見てくれ」

 

実が指差す方向を見る電気と亀仙人。

他の四人もそっちを見る。

そこにはアメリカから来た本場のチアガール達がいた。

 

「チアって良いよな」

 

「あぁ、ユニホームからはっきりわかる美しい体つきだけじゃなく、元気さ、技の難易度、正確性、完成度、それを実現する為の日々の努力を全力で魅せてくれるから美しく格好いい、そして何より美人だ」

 

「中々に美人揃いじゃの・・・パフパフしてくれんかの~」

 

「爺さん、パフパフって?」

 

「昔、ブルマにやってもらったんじゃ、胸の間に顔をうずくめてこうパフパフっての~」

 

鼻血を出しながら話す亀仙人。

実はパフパフを想像し鼻血を出して、電気は思いっきりにやけ面になる。

出久と天津飯、クリリン、ピッコロは想像したのか顔を赤らめるか呆れる。

 

「二人は見たくねぇか?A組とB組のチア姿を!」

 

電気と亀仙人は想像した。

美人でナイスバディが意外にいるA組とB組の女子がチアをする姿を・・・・・

 

 

きっと目の保養になる!

 

 

三人は互いに頷き会い、A組とB組の女子がいる方に行った。

 

「ちょっと待った!」

 

いや、エロ魔人三人を止めるヒーロー出久がいた。

三人の前に立ち、手を広げて行かせないようにする。

 

「どくのじゃ、出久!」

 

「そうだ、どけ緑谷!」

 

「俺達の夢の実現の邪魔するな!」

 

「そんな女子に迷惑をかける夢があって堪るか!死んでも通さないよ!」

 

三人の物言いに出久は睨みで答える。

さすがは出久である。

しかし、電気は余裕の顔で出久に近づき、肩に手を回す。

 

「良いか、出久。良く考えてみろ?お前の好きな女子は誰かは知らないがその子がチア姿になったら」

 

「え?うーん」

 

出久は大真面目に響香のチア姿を想像した。

きっと恥ずかしがって顔を赤らめると思う。

そう言うのは苦手だと思うし、んでスラッとした生足と生腕、短髪による見えるうなじ。

見てみたいと出久は心から思った。

 

「・・・見てみたい・・・はっ!?」

 

出久はポロッと本音を出した事に気付き、三人を見ると三人とももう消えていた。

恐らく女子達を言いくるめてチアの格好をさせに行ったのだ。

出久は本能でもう止められないと悟った。

電気と実だけならともかく煩悩がフルパワーになった亀仙人を止められるとは到底思えないからだ。

止められなかった悔しさに地面を叩くがクリリンがそこに来て出久の肩をポンポンと叩く。

 

「クリリンさん・・・」

 

「誰だって好きな子で想像すると見たくなるよな」

 

「クリリンさんもですか?」

 

「・・・いや、うちの奥さんは死んでもやらないから想像したら鉄拳も追加される」

 

クリリンは顔を青ざめながら話す。

18号的にはクリリンがやって欲しいと言ってくれればやってあげる気マンマンなのだが、クリリンとしてはやって貰えないと思っている。

クールビューティーを地で行く18号には似合わないとクリリンは感じてるのだ。

まぁそれで鉄拳も追加で想像する辺り、羞恥による怒りへの恐怖が強いのだろう。

 

「確かに18号はやらないな」

 

「天津飯さん、止めてください」

 

「無理だ。煩悩で動く武天老師様を止められる人間などいない」

 

「諦めるんだな」

 

「そんなピッコロさんまで」

 

「こうなったらもう無理だ」

 

凄まじいエロ魔人三人衆に出久は歯を食い縛るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

昼休みも終わり、生徒達を始め、多くの観客達も戻ってくる。

各宇宙の神々や人間達も屋台のたこ焼きやらなんやらを持って戻ってきた。

 

『さぁ昼休憩も終わっていよいよ最終種目発表!とその前に予選落ちのみんなに朗報だ!あくまで体育祭、ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ・・・ってどうした!?ヒーロー科それはどんなサービスだ!』

 

『あいつら、何やってんだ?』

 

一年生ヒーロー科の女子が全員、チアの格好をしていた。

全員、顔が死んでいる。

 

「峰田さん、上鳴さん、武天老師さん!私達を騙しましたね!」

 

百が実と電気、そして観客席にいる亀仙人に怒る。

三人ともサムズアップをしてるのが腹立たしい。

全員、実と電気だけなら信じる気は全く無かったが、亀仙人と言う明確な講師がいたため信じた。

職権乱用である。

 

「うぅ、どうしてこうなりますの?服もキチンと作って・・・」

 

落ち込む百。

一佳が百を慰める。

 

「あいつら、アホだろ」

 

響香がポンポンを捨てて電気と実を睨む。

職権乱用しまくった亀仙人も睨む。

 

「やっぱ、ウチは似合わないな」

 

響香が周りの女子を見ながら言う。

 

「でも耳郎さん、綺麗だよ。スラッとしててスマートです似合ってるし・・・って何で!?」

 

出久が響香をフォローしようとしたが、響香はイヤホンを出久の耳に刺して止めた。

顔がリンゴのように赤かった。

 

「うっさい!」

 

「まぁまぁ、本戦あるまで気張ってるのもしんどいしさ、いいじゃんやったろ!」

 

透の言葉に響香は苦虫を噛み潰した顔になり、結果的にヒーロー科女子はやることにした。

 

 

●●●

『みんな楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!』

 

『一対一のガチンコバトルだ!』

 

プレゼント・マイクの実況に観客も熱狂で応える。

毎年、一般の観客もプロのヒーローもこれを楽しみにして来ているのだ。

そりゃ凄まじい熱狂である。

 

「それじゃ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうよ!組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります」

 

ミッドナイトが壇上でくじ引きの箱を持ちながら話す。

 

「レクに関しては進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ。んじゃ1位のチームから」

 

ミッドナイトがそう言い終わると猿夫が手を上げる。

 

「すみません!俺、辞退します」

 

突然の言葉にいた全員が猿夫を見る。

こんな夢を叶える舞台でとんでもないことを言っているのだ。

 

「尾白君、何で!?」

 

「折角、プロのヒーローに見てもらえるチャンスなのに!」

 

「騎馬戦の記憶、終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだ。多分奴の個性で…」

 

猿夫は騎手をやっていた人使を見る。

人使はどこ吹く風で大した反応をしない。

 

「チャンスの場だってのはわかってる。それをふいにするなんて愚かなことだってのも。でもさ、皆が力を出し合って争ってきた場なんだ。こんな・・・わけわかんないままそこに並ぶなんて俺には出来ない」

 

猿夫は確りと言う。

そこには確かな決意があった。

 

「気にしすぎだよ!本戦でちゃんと成果を出せばいいんだよ!」

 

「そんなん言ったら私だって全然だよ?」

 

「違うんだよ・・・俺のプライドの問題なんだ。後・・・何で君達、チアの格好なの?」

 

悔し涙を流しながらもツッコミを入れる猿夫。

ツッコミを入れられた女子達は顔を暗くする。

普通に騙された為に笑い事にもならない。

また猿夫の言葉に同じチームだった二連撃も辞退を表明した。

優雅はそのままであったが・・・

 

『何か妙なことになってるが・・・』

 

『ここは主審ミッドナイトの采配がどうなるか』

 

実況の二人が主審のミッドナイトに判断を委ねる。

 

「そう言う青臭い話は・・・好み!二人の辞退を認めます!!」

 

「「「「「好みで決めた!」」」」

 

こうして二人脱退したために、二人分の枠ができた。

本来なら、五位のチームから入る筈だが、人使チームが無双して殆どのポイントを奪ったため、五位以下が全員同じポイントになっていた。

そして、直前までポイントを稼いでいた徹鐵チームから二人選ばれた。

 

 

 

徹鐵と柔造である。

 

 

 

以上、16人でトーナメントをすることになった。

そして、くじ引きの結果、組分けが発表された。

 

『一回戦 爆豪勝己VS心操人使!』

 

『二回戦 芦戸三奈VS青山優雅!』

 

『三回戦 上鳴電気VS骨抜柔造!』

 

『四回戦 飯田天哉VS発目明!』

 

『五回戦 轟焦凍VS瀬呂範太!』

 

『六回戦 緑谷出久VS切島鋭児郎!』

 

『七回戦 常闇踏影VS鉄哲徹鐵!』

 

『八回戦 麗日お茶子VS八百万百!』

 

『以上の選ばれた16人によるトーナメント!!これは実況の遣り甲斐があるぜ!』

 

プレゼント・マイクが実況室で盛り上がる。

 

『トーナメントはプレゼント・マイクに変わって違う人が実況します』

 

『ハァイ!!?』

 

プレゼント・マイクは突然の消太からの言葉にマイクの電源を一先ず切る。

 

「え?何それ?どゆこと?」

 

「校長から説明があっただろうが」

 

「ジョークの一種じゃねぇの?」

 

「いや、マジだ。では入ってきて下さい」

 

実況室に一人の男が入ってくる。

金髪で少し髭の生やしたナイスミドルな男だ。

 

「あんた誰?」

 

「私は司会 者(しかい しゃ)と言います。孫悟空さんから頼まれて来ました」

 

そう悟空がわざわざウイスに頼んでまで来て貰ったのは天下一武道会でお世話になったアナウンサーである。

(この名前はウイスと根津校長が考えた偽名である)

 

「げっ!?悟空さん達の知り合いかよ」

 

「えぇ、まぁ」

 

「では、後は頼みましたよ」

 

消太はそう言ってプレゼント・マイクを引っ張って外に出る。

 

「え?嘘だろ!?」

 

「お前がいると絶対にマイクを奪うからな。そっちの方が合理的」

 

「俺の神実況は!?」

 

「明日に持ち越しだ」

 

「嘘だドンドコドーン!?」

 

司会者は出ていった二人に申し訳ないと思いながらも始めての違う星で悟空達の教え子達の試合は低レベルな試合に飽き飽きしていた自分には最高の恵みだ。

そして、実況室にクリリンが入ってくる。

 

「どうもお久しぶりです」

 

「あぁ、クリリンさん、お久しぶりです」

 

「今日は悟空のわがままに付き合ってありがとうございます。悟空の奴、『どうせ実況してもらうなら、おっちゃんが良い』って聞かなくて」

 

「いえ、悟空さん達には色々と刺激を貰ってきましたから、寧ろ私の人生で一番の司会をしてみせます!」

 

「隣には俺が待機して空に行こうが消えようが状況を教えますので」

 

「ありがとうございます!」

 

司会者とクリリンは握手をする。

クリリンは16人の名簿を司会者に渡した。

 

「クリリンさん、これは?」

 

「個性が記録された名簿です。それぞれ違った個性がありますから」

 

「それならご安心してください。ウイスさんに連れられながら午前中の競技を見ていたので、名前も個性も把握しております。彼らの名前の読み方も今の組分けの時にメモしましたので大丈夫です」

 

司会者はクリリンに名簿を返した。

まさに司会者のプロである。

クリリンもそのプロっぷりに感心して、二人は一緒に実況席に座った。

 

『えー、皆さま、私はプレゼント・マイクさんに変わって実況をすることになりました司会 者と言うものです。先程のプレゼント・マイクさんに負けない実況をしてこの雄英体育祭を盛り上げていこうと思います。続きましては、解説をしてくださるのはこの人・・・』

 

『クリリンです。詳しく解説するぜ!』

 

観客は突然の実況と解説の交代に戸惑う。

そりゃプレゼント・マイクは自分でラジオ番組をするほどに声の人気が高い人。

それが突然、知らない人間になったら困惑するに決まってる。

因みに根津校長がプレゼント・マイクの実況を変えたのはただ単純にプレゼント・マイクの実況に飽きただけと言うわりと適当な理由であった。

変えようにもプレゼント・マイクの人気もあって変えられなかったが、今回は各宇宙からお客も来てて衣食住を提供してて、ヒーロー科をレベルアップしてくれてる悟空から推薦して貰ったから心置きなく変える事ができた。

 

『それでは雄英体育祭、午後の部開始!』

 

こうして、午後の部が始まった。




と言うわけで、まさかのアナウンサーが参戦です。
雄英体育祭だけですけど・・・・
いやぁ、実況って言ったらこの人だろ?と思い出てもらいました。
ブウ編で悟空達が出ていない天下一武道会は退屈って言ってたし、ブウ編ではめちゃくちゃになり、最終回でも悟空がウーブを連れて結果的におじゃんになっちゃったから、作者的に喜びを与えたかったのです!

それでは次回から遂にトーナメントを始めます。
一回戦は何回分けるのか決めてません。
行き当たりばったりですが、全力を出しますので楽しみにして下さい

批判感想質問は次回のネタバレが答えになるもの以外は全て即座に返信します。
どうか気軽に送ってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

激動!雄英体育祭!!

第一回戦と第二回戦を書きました。
意外にすんなりと出来て納得のいく文量になって良かったです。
ではどうぞ!


レクリエーションがすんなりと終わり、それまでの間、トーナメント参加者の16人は精神をそれぞれの方法で養っていた。

 

全員、トーナメントに勝ち上がる為に死力を尽くす。

その為に集中して自分のモチベーションを最大に上げていた。

 

『それでは皆さん!お待たせしました。本日最後にしてメインイベント!第三種目一対一のトーナメント戦です!』

 

観客が司会者の言葉に熱狂で答える。

何だかんだ言って観客もすぐにこの司会者の実況に慣れた。

プロゆえにである。

因みに実況を取られたプレゼント・マイクは先生方の席に座りながら、実況席に恨みがましい視線を送っていた。

 

『ルールは簡単です。武舞台の上で戦い、相手を降参させるか場外に出すと言った戦闘不能にさせれば勝ちです。また故意に急所を狙った攻撃は禁止とさせて頂きます!』

 

司会者の十八番の実況は観客を盛り上げていく。

 

『それでは第一回戦を始めます!選手の人は入場をお願いします!』

 

勝己と人使が違うゲートから入場する。

 

『爆豪勝己選手は先程の騎馬戦で物間寧人選手率いる騎馬と激戦を潜り抜けた実力も個性も充分素晴らしい選手です!』

 

『対する心操人使選手は緑谷選手、轟選手、爆豪選手以外の騎馬から全てのポイントを取った騎馬を率いておりました!』

 

両者が対面する。

互いに体育祭前から因縁があるためか非常に緊迫した雰囲気になる。

 

『それでは第一回戦始め!』

 

解説役のクリリンが何処からか持ってきた銅鑼を叩く。

武舞台では勝己と人使が始まりの合図があったのに睨みあっているだけで何も仕掛けない。

互いに出方を伺っている。

 

「随分とパットしない成績だな。体育祭前に偵察は無駄だって言ってはわりには」

 

人使の煽りに勝己は何も答えないし、動かない。

人使の個性が人を操る類いの個性なのかはわかるが一体それがどうやって発動されるのか全く分からないのだ。

 

触れたらアウトか?

 

話し合ったらアウトか?

 

どうやったら解除されるのか具体的な情報が一切無いために勝己は動けなかった。

 

「次の試合はあの黒目か金髪のどっちかか、まぁこの試合よりも楽勝だがな」

 

勝己はその煽りを聞いて、即座に人使に向かって突っ込んだ。

一番言われて嫌な煽りは自分が何の障害にもなっていないと言われる煽りを勝己は一番嫌う。

出久に今までやって来たのに凄いダブルスタンダードではあるが、一番言われて腹が立つのだ。

勝己は無口のまま、人使の鳩尾に爆破をぶつける。

やられた人使はそのまま後方に吹き飛ばされる。

 

『爆豪選手の強烈な攻撃が決まった!心操選手はもろに喰らい後方に吹き飛ばされた!』

 

人使はそのまま耐えて前を見るが怒りでブーストした勝己が鬼の形相で向かってくる。

 

「やるなぁ」

 

膝が笑っているが人使は立ち上がる。

しかし、亀仙人を始めとするZ戦士達の修業を受けてきた勝己の攻撃はかなり上がっており、人使が一発喰らって立ち上がれただけでも奇跡と言えるレベルだ。

 

「キレたか・・・やべ、想像以上にキツイ」

 

鳩尾を押さえながら勝己を睨む。

 

「どうした!?随分と弱いなへっぽこ!」

 

勝己は今度は人使の顔面に爆破を当ててまた吹き飛ばす。

武舞台に落ちるギリギリで何とか武舞台にしがみついてもう一度立ち上がる。

 

「死ねぇ!!」

 

勝己が勝利を確信して叫びながら、突っ込んでくる。

人使は漸く待っていた状況に嗤う。

 

(よし!喋った)

 

「強烈なのをお見舞いしろよ!?またへっぽこだったら直ぐに立ち上がるからな、俺は!!」

 

「上等だ!」

 

(単細胞のバカが)

 

勝己が人使の煽りに答えると勝己は急に止まった。

人使が大きなため息を吐く。

 

『あぁーと!これはどうしたことだ!?猛攻で心操選手を攻めていた爆豪選手が突然止まってしまった!?』

 

『えぇ恐らく心操選手の個性“洗脳“を受けたのでしょう。爆豪選手はさっきまで心操選手の煽りに対して何も答えていませんでしたが、最後に自分の勝利を確信した気の緩みから煽りに答えてしまい洗脳されたようです』

 

クリリンが丁寧に解説する。

 

言葉で受け答えすると洗脳できる個性持ちの人使はこうやって煽って冷静さを欠かせていかないとまともに洗脳出来ない。

特に勝己のような人間は・・・

始まりの勝己に油断はなかった。

しかし、二回も爆破を諸に喰らい、膝が笑っていた人使がどうやって洗脳しようとも爆破の相討ちで吹っ飛ばせると見た目で判断したのだ。

決して観察が甘かった訳ではない。

寧ろ確りやり過ぎて自分よりも下だと確信してしまったのだ。

結果は見事に洗脳されて、相討ち狙いさえも無にされた。

 

「悪いな・・確かに無茶苦茶強い化け物だ、まともに戦闘をやったら逆立ちしても勝てないがそれで勝てるほど甘くない、足元を疎かにすると掬うって言っただろ?」

 

人使は地面に膝を着く。

予想以上にダメージが体に来たのだ。

寧ろ良く耐えた方である。

 

人使もヒーローを目指してる人間であるが故の根性か?

それともヒーロー科への下剋上をする為か?

 

何にせよ、この状態から洗脳が解けるのは強い衝撃を喰らわないといけない。

生憎と戦場なら兎も角、この武舞台ではそんなのはありえない。

 

「武舞台から降りろ」

 

人使は勝己にそう命令する。

洗脳された勝己はそのまま武舞台を降りた。

 

「爆豪選手、場外!心操選手の勝ち!」

 

ミッドナイトの判定が下されるが観客はその結果に熱狂しなかった。

あまりにも予想外すぎてあっけなさ過ぎたのだ。

 

『これは何と言う結末でしょうか!?とんでもない逆転劇です!』

 

『爆豪選手も決して悪くはありませんでしたが、最後まで粘って一瞬のチャンスを物にした心操選手を称賛するべきでしょう』

 

(解除)

 

「なっ!?」

 

人使が洗脳を解除すると勝己は自分が武舞台から降りてることに困惑した。

そして結果的に見下げた状態で見ている人使を勝己は睨んだ。

 

「てめぇ・・・」

 

「悪いな・・・試合の勝ちは貰う」

 

人使はそのまま来たゲートに向かっていく。

勝己は悔し声も上げれないほど悔しく地面を叩く。

観客はこの結末にどんな反応をすれば良いか困惑する。

その時、突如として拍手が会場に鳴り響く。

 

「誰だ?」

 

「拍手なんて今できる状況じゃねぇだろ?」

 

「何処のバカだ?」

 

会場で拍手をしていたのは各宇宙から来た神々や人間たち、そしてプロのヒーロー達だった。

悟空たちも人使に拍手を送っていた。(べジータはやってないが)

 

全員、圧倒的格上の勝己に粘って自分の得意状況に持ち込んで勝った人使を純粋に称賛したのだ。

そしてそれに続くように普通科の生徒達も同級生の人使に拍手を送る。

 

人使はその反応を噛み締めながら、武舞台を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

まさかの勝己の一回戦敗退にヒーロー科は言葉を喪っていた。

侮りも無くなり持ち前の戦闘センスでドンドン力を上げていっていた勝己がこんなにあっさりやられるとは思っていなかったのだ。

 

「何て、タフな精神力だ」

 

「一瞬の隙を上手く突いたな。喋ったとたんにやられたぞ」

 

「かっちゃんは元々ヒートアップすると喋る癖があったから・・・けど今の爆破を二回も受けて立ち上がった心操君が凄い。どんな精神力で耐えたんだ?けど間違いなく相性は最悪だった。個性も性格も・・・』

 

出久と電気は冷や汗を掻きながら、生唾を飲む。

それほどまでに人使がやったことは衝撃的なのだ。

戦闘に向かない個性でバリバリ戦闘向きの個性に勝ったのだ。

内容がどうであれ驚嘆に値する。

 

「くそっ!」

 

猿夫が歯軋りする。

彼は勝己に人使の個性を教えようと言いに言ったのだが、勝己から要らないと言われたのだ。

 

「向こうが一人で勝負しに来てるのにこっちが二人じゃ不公平だろうが、敵相手なら勝つことが前提だから全然良いがトーナメントは自分だけの力で勝たないと意味ねぇだろうが」

 

と言われて助言できなかった。

 

地面を叩いていた勝己が立ち上がる。悔しさはあるが、向こうが頭を使って自分の個性をキチンと使っただけで不正は一切して来なかった。

始まりの合図がなってから煽り始めたし、勝己は負けたのは油断した己のせいだと感じて、自分の頭の中で反省会を始めながら会場を後にした。

 

「爆豪、もっと暴れるかと思ったけど意外だな」

 

「まぁ不正はやってないし、向こうの作戦勝ちだから何も言えないしね」

 

出久は中学生のチンピラだった勝己から成長してる事に感慨深い思いを抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

ー各宇宙の神々と人間達ー

 

「中々、良い試合をしたな」

 

「見事な煽りじゃねぇか、見てて腹は立ったが終われば結構面白かったぜ」

 

「しかし、素晴らしいがあの煽りの連発は美しくないぞよ」

 

「ピコピコピコ」

 

「モスコ様曰く『あれはしょうがない』との事です」

 

「俺達、神とは存在自体が違うから効かないがもしも同じ存在であれをやられたらと思うと冷や汗が出る」

 

「うむ、望んでいた肉体の極限戦いとは違ったが良い試合じゃった」

 

破壊神の評価が高い。

全員、格上の存在に身一つで文字通りジャイアントキリングをやった人使のやり方には称賛していた。

それに心操の個性に腕っぷしは関係ないのだ。

こんな反応になっても不思議ではない。

 

「これはシンプルな戦いかと思いましたがこの個性のバラエティーさは知力がそうとうないと勝てませんね」

 

「何を言う、確かに見事であったが最後は己の肉体じゃ」

 

「何ですって?」

 

ペルとエアがまた言い争いを始める。

 

「心操選手も良かったが素直に敗北を受け止めた爆豪選手の精神も素晴らしい」

 

「心操選手も爆豪選手を称賛していた為に根は良い人なのでしょう」

 

「しかし、あの個性では偏見も強いでしょう。これからが少し心配でもあります」

 

界王神達もそれぞれ思った事を口にする。

ゴワスはかつてザマスが人の暗さに暴走した経験を通じて人使の個性に対する一般の偏見を感じていた。

 

「それこそ時が経ってどうなるかでしょう」

 

「フワ様・・・」

 

「焦ってサポートしても拗れますから気楽に待ちましょう。少なくとも同級の方々には受け入れられてます」

 

「・・・そうですね、ザマスの件があって少々気負いすぎました」

 

ゴワスにフワはアドバイスする。

流石は界王神と言える存在だ。

人間の捉え方は千差万別だが、見る目はある。

 

「ひゃ~、あいつ良く勝己に勝てたな」

 

「フン!あんなしょうもない手に引っ掛かりやがって」

 

「べジータ、お前も引っ掛かりそうだな」

 

「言えてる」

 

べジータが挑発するピッコロと天津飯を睨む。

 

「しかし、腕っぷしの強さに関係のない個性は厄介じゃな」

 

「あんなもの受け答えしなければ一発だ」

 

「へぇー、じゃあべジータじゃ無理ね」

 

「何だと!?」

 

「今の煽りで受け答えをキチンとしてる内はね」

 

べジータが隣に座っているブルマの軽い煽りに律儀に反応してしまったことに気づいて黙った。

ブルマは夫相手に一本取れた事に笑った。

ブラも一緒にである。

 

「ははは、べジータ形無しだな」

 

「悟空さも無理だべな、働かねぇから」

 

「チチ、それは今関係ねぇだろ?」

 

「ホレ見ろ」

 

「あっ」

 

悟空もチチの安い挑発に引っ掛かりサイヤ人の夫二人はそれぞれの妻に形無しだった。

他の宇宙の人間もそれぞれ思った事を口にするがどれも二人を称賛していた。

少なくともここにいる戦士達で戦った人間を貶す者などいない(べジータは称賛をしないだけで貶しはしない)

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

『さぁ皆さん!続きまして第二試合を始めます!選手の人は入場をお願いします!』

 

三奈と優雅が武舞台に上がる。

 

『芦戸三奈選手は多くの男性達が出場したトーナメントで数少ない女性選手です!どのような戦いをするのでしょうか!』

 

『対する青山優雅選手はこれまた堂々した風格で観客に向かって余裕のように手を振っています!サービス精神が旺盛だ!』

 

「青山余裕こき過ぎじゃない?」

 

「僕の眩さをアピールしないとね」

 

こんな状況になっても自分らしさを強調する優雅の大物さに三奈は素直に感服した。

と言うか完全に心臓に毛が生えてるとしか思えない。

 

「よっしゃ!青山、服をビームで破れ!」

 

「頼んだぞ優雅!この老い先短い老人の目に祝福を!」

 

観客席からエロ魔人二人のヤジが飛んでくるが、そんなのは二人とも綺麗さっぱり無視する。

 

『それでは第二回戦始め!』

 

銅鑼が鳴り響く。

先程の試合とは売って変わって直ぐに両者が動いた。

 

「先手必勝」

 

優雅は三奈に向かってレーザーを放つ。

しかし、三奈はそれを避ける。

 

「流石にもう読めてるよ!」

 

「それは僕もだよ!」

 

優雅はなんとビームを小出ししまくり、まるで気弾のように大量に武舞台にばら蒔く。

 

「げっ!」

 

三奈はそれを何とか頑張って避けていく。

 

右に左に上に下に

 

酸を出して地面を滑りやすくしてより避けやすくする。

全然、ビームが当たらない。

 

『芦戸選手、青山選手の攻撃を華麗に避けていく!凄い身のこなしです!』

 

しかし、ドンドンとビームが擦ってくる。

それに三奈は冷や汗を流し始める。

 

『芦戸選手、ドンドンとビームが擦ってきました!これはどういう事なのでしょうか!?』

 

『青山選手のビームは常に同じ速度で攻撃して細かく小出しをしているためか青山選手はあまり苦しい表情をしてませんが、対する芦戸選手は万が一でも当たらないように大きく避けてます。結果的に無駄に動いている事になりより体力の減りが激しいんです』

 

『解説のクリリンさん、ありがとうございます!これは芦戸選手にはやや不利か!?』

 

しかし、三奈の顔は笑っていた。

そして地面を滑って避けようとした瞬間、足を滑らせて転んだ。

 

「隙あり!最大出力!!」

 

極太のビームが転んでる三奈に向かう。

誰もが当たると思ったその時、三奈はドロドロと粘土のような物を出してビームの軌道を反らした。

 

『芦戸選手、まさかの危機を回避した。これは一体何だ!?』

 

「新必殺技 アシッドベール粘土100%」

 

そう自身の個性の酸の溶解度を上げてほぼ粘土のような物を作り、その酸が太陽の光に屈折して軌道を無理矢理変えたのだ。

勿論、本人は反らすつもりはなく完全に防ぐつもりであったが、反らしたと言う事実は優雅に衝撃を与える。

 

「う、嘘?」

 

驚く優雅。

その時、腹が下る音がなる。

 

「しまったお腹の具合が・・・」

 

「隙あり!」

 

腹を両手で抑える優雅に三奈はすかさず彼のベルトに酸をぶち当てる。

酸はベルト処か下にあった服まで溶かした。

ブリーフが見える。

 

「ひぇぇぇ、ズボンが!?」

 

「これで終わり!」

 

慌てて冷静な判断が出来なくなった優雅の顎にアッパーを入れる三奈。

クリーンヒットである。

優雅はその一撃で倒れて気絶した。

 

「青山選手、気絶!芦戸選手の勝ち!」

 

「やった!」

 

『芦戸選手、見事に新技を披露して青山選手に勝ちました!一瞬の隙を上手く突いた強烈なアッパーには誰も耐えられないでしょう!』

 

観客がこの試合結果に熱狂で答える。

三奈も観客席に手を振る。

やられた優雅は担架に乗せられて武舞台を後にし、三奈はいくら試合とは言え、思いっきりアッパーを入れて気絶してる優雅にごめんと手を合わせていた。

 

こうして第二回戦も終わった。

 

第三回戦の選手である電気と柔造がそれぞれ違う待機場所でストレッチをする。

 

「さて、次は俺の番だ!」

 

電気はそう言って武舞台に向かった。




えー、感想に行く前に各宇宙の神々の名前を書きます。
自分で書いてて混乱しかけたので、

第二宇宙 破壊神ヘレス

界王神ペル

第三宇宙 破壊神モスコ

界王神エア

第六宇宙 破壊神シャンパ

界王神フワ

第七宇宙 破壊神ビルス

界王神は登場してないので除外します。

第十宇宙 破壊神ラムーシ

界王神ゴワス

第十一宇宙 破壊神ベルモット

界王神カイ

すみません、今回神の視点を書いて無茶苦茶名前を把握するのに疲れると思ったのでやりました。
絶対に雄英体育祭以降はもしも出しても一章で二人だけにしよう。


さて爆豪勝己ファンの皆様、申し訳ありません。
まさかのかませ犬になってしまいました。
いやぁ、トーナメントを考えてると勝己だけ邪魔になって正直何処に入れてもめんどくさくなって序盤で消えて貰いました。
人使に神々やZ戦士達が拍手してるのは明らかに格上の勝己に対して文字通り策略を使って勝ったからです。
後、意外に気にいってる試合をしたのに称賛しなかった他の観客に対するブーイングも兼ねてます。

ラムーシと第十宇宙の天使クスは望んでた展開と違ったのでちょったショックを受けてます。
決勝では第十宇宙の神と天使がビデオカメラを回してるシーンを書きたい。(しょうもないネタバレ)

そして三奈ちゃんが原作通り勝ちました!
優雅もパワーアップしたのにすまないな、普通に三奈ちゃんの身体能力が高すぎて勝てるイメージが思い浮かばなかった。


次回は先ずは電気の一回戦ですので楽しみにしてください。

批判感想質問は次回のネタバレが答えになる物以外全て早く必ず返信しますので気軽にお送りください。
またこのキャラでこれをやってほしいと言う方がいらっしゃればメッセージボックスに送って下さい。
この物語を全て書き直してしまいそうな要望は流石に却下させて頂きますが例えば試合の合図は銅鑼ですか?とかそういう細かくて重要だと思い私がやっていないものは送って下さい。
出来るか確認をしてやっても以降の展開に問題なければ採用します。
今回の話の銅鑼はフレスベルグ様が言って下さり私はそれを忘れていたので書きました。

今この場でもう一度、フレスベルグ様ありがとうございます。

では本当に気軽にお送りください。
全てのメッセージ、全ての感想に私は必ず答えます(次回やこれからの展開のネタバレになるもの以外は)


次回は二日後に出来ればと思います。
少しペースダウンをして更新を安定させたいのですみません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

まさかの敗北?上鳴電気VS骨抜柔造

というわけで続きです!
タイトルの意味は読めば分かります。


第二回戦も終わり、会場は熱狂に溢れる。

とてつもない熱狂だ。

例年に比べて特別レベルが上がったかと言われれば確かに上がっている。

しかし、それ以上に出久と電気が障害物競争の時にやったパフォーマンスが観客を盛り上げていて、騎馬戦での無双もしかり・・・

 

そしてこれから戦うのはそんな盛り上げをやってくれた一人の電気が戦うのだ。

 

多くの観客が心待していた優勝候補の一人だ。

 

『さぁ皆さん!続きまして第三回戦を始めます!選手の方は入場をお願いします!』

 

電気と柔造が武舞台に上がる。

二人とも気力も充分でリラックスしていた。

 

『上鳴選手は障害物競争や騎馬戦で一位を取り続けている今体育祭の文字通り優勝候補の一人です!』

 

『対する骨抜選手も要所要所で活躍を見せており、まさに縁の下の力持ちと言っても過言ではありません!』

 

両者の間に緊張が流れる。

 

「悪いな骨抜、圧勝させて貰うぜ」

 

「勝ってから言った方が良いぞ」

 

『第二回戦、始め!』

 

銅鑼の音が鳴り響く。

電気が柔造に突っ込んで行く。

柔造は突っ込まれる前に個性の軟化で武舞台を軟らかくする。

すると超高速が自慢の電気のスピードが落ちた。

前に進めてないわけではないが目にも写らない速さの電気のスピードが天哉並の速度に落ちたのだ。

そして、普段の修業で電気の超高速を知ってる人間からするとこの速度はどうってことない。

ましてや、超高速が十八番な人間と知っているなら尚更である。

電気が突っ込みながら右拳で殴りに来るが、柔造は難なく避けて鳩尾にカウンターする。

電気は耐えて今度は左で殴りに掛かるが足が地面に沈んで行くために上手く拳に力を入れられずに空を切った。

柔造の足も地面に沈んでるが小さいときからこの個性を使い続けてきた慣れで上手く立ち回っていた。

がら空きになった電気の左頬に拳を撃ち下ろす。

撃たれた電気は直ぐにやり返す為に右拳を当てに行くが柔造はすいすいと上手く避けて離れた。

そして、地面の軟化を解く。

電気の足は完全に地面に沈んでいた状態で軟化が解けた為に足が動かなくなる。

 

『骨抜選手!上鳴選手の超高速を自らの個性を使って柔軟に対応しております』

 

「どうだ?いつもの十八番が使えないと流石にキツイんじゃね?」

 

その言葉に電気はコメカミに血管が浮うぶがすぐに深呼吸して落ち着く。

 

「まだまだ」

 

電気は足に気を溜めて脱出する。

柔造は脱出したと同時に再び地面を軟化する。

 

「またさっきと同じ結果になるぞ」

 

「そっちこそ俺にこの手があるの忘れたか?」

 

電気は身体中に稲妻を走らせる。

バチバチと稲妻の音が大きくなっていく。

 

「無差別放電200万ボルト!!」

 

電気の大放電で武舞台に大量の稲妻が走る。

かなりの出力で光り、多数の観客はまともに武舞台を見れなくなる。

サングラスをかけてる人間は平然と見ていた。

主審のミッドナイトはあまりの大放電なのでセメントスに少し隙間のある壁を作って貰い、隙間から武舞台を見ていた。

自身のコスチュームのマスクをサングラスタイプにして・・・プロである。

 

『上鳴選手、大量放電で武舞台を埋め尽くします!凄い!これは一体町何時間分の電力だ!?』

 

『ツッコむ処、そこ?』

 

司会者の言葉にクリリンが目を手で隠しながら喋る。

 

約5分間の大放電が終わり、武舞台から稲妻も消えて電気が膝に手を着ける。

 

「どうだ?」

 

電気は柔造が立っていた所を見る。

しかし、そこには誰も居なかった。

 

「ウェッ!?」

 

すると地面から柔造が飛び出て、軟化を解除して地面の上に立つ。

肩で息をしていた。

 

「もう少し経ってたら、窒息する所だった」

 

「冗談だろ!?」

 

『何と!骨抜選手、上鳴選手の放電を地面に潜って避けていた。凄まじい肺活量です!』

 

そう、柔造は軟化した地面に潜って放電から身を守っていた。

軟化した地面は別に水になったわけではなくただ軟らかくなっただけなので、電気は通さない。

電気も別に電気を纏えるだけで光の中でも問題なく見える特性つきではない。

故に地面に潜られているのに気がつかなかった。

気を探れないの弊害が出ていた。

電気はまた突っ込んでいく。

柔造もすかさずに地面を軟化する。

さっきと同じ光景だが、大量に放電をした事により、バカになる弊害が出始めていた。

 

「この!この!この!この!この!」

 

何回も殴りに掛かるが柔造は華麗に避けていた。

それは観客席から見れば電気が滑稽に見えるほどに避けていた。

 

「何だ?あの上鳴ってそこまで凄くねぇのか?」

 

「いや、骨抜が上鳴を翻弄してるんだ!」

 

「すげぇ!あの高速を抑えてやがる!」

 

「あの個性で!?なんてセンスだ!?」

 

 

骨抜柔造は天才ではない。

強い個性だけが生き残れるこの世界で柔造は生物以外を“軟化“できる個性を持った。

色々と制限があり、1つの物を軟化するともう1つの軟化が解除され、密集地帯や住宅街で地面を軟化して動けにくくしても軟化してない所を踏み場にすれば意味がなくなる。

何ともピーキーな個性である。

しかし、柔造は柔軟であった。

一人の個性が例え弱くても使い方次第では何とかなると早い段階で至った。

故に彼は小学二年の時に雄英高校の推薦を取ると決めたのだ。

まず、最初に入試の実習試験を調べてすぐに無理だと判断した。雄英の入試のロボットの撃破は軟化で動けなくすれば合格出来るとは思えなかった。しかもネットで調べると撃破の他にまだ受験生に知らされてない謎のポイントもあることに気づいて、自身の軟化では勝ちにくいと早々に悟った(実際には動けなくすればOKで人を助ければボーナスポイントありであるがそこまで詳しく書かれた物や情報はいくら国立とは言え載ってなかった。)

 

故に個性の強弱があまり関係なかった推薦のマラソンで入学を取るべく勉強と個性に慣れる事に心血を注いできた。

そして数少ない推薦枠を補欠で合格した。

一位の推薦合格者が士傑高校に行った為である。

なけなしの首皮一枚繋がった文字通り柔造の実力で取った合格である。

柔造はそれで満足はしていない。

誰かを助けるヒーローに憧れて来て成るために入学したのだ。

弱い個性も頭を使えばどうにかなると思った。

 

“桃白白にやられるまでは“

 

桃白白に文字通り真正面から潰された。

地面を軟化したが平然と動かれてやられた。

あの怪物を倒すために鍛えているものの一向に軟化で桃白白をどうにか出来るイメージは思い付かなかった。

 

“皆に任せっきりでは意味がない。“

 

そんな時にこの雄英体育祭が始まった。

憧れの舞台である体育祭だが、桃白白をどうにか出来るイメージさえ浮かばない状態ではあまりやる気も起こらなかったが出久や電気を見て彼は発想を変えたのだ。

修業では全員で一緒に鍛えているために個人でどうなってるかは把握しにくかったが、出久と電気ならば必ずトーナメントに上がる。

トーナメントで一対一ならば自分の個性でどうやって桃白白に挑めるか分かるからだ。

普段の修業ではグラウンドβで追われまくり、組手を頼んでもその場の環境に左右されやすい軟化は全然歯が立たない。

しかし、この武舞台ならば違う。

この何もない武舞台ならばいけるとイメージできた。

現に今、電気が柔造に翻弄されている。

電気の速度は桃白白に匹敵する。

その電気をこうも翻弄できれば、柔造に取って手応えありだ。

おまけに今まで目立ってきた電気が相手だからこそ、この翻弄はこれからの進路でも目立つ一つの実績になる。下手なプロ以上の電気が相手ゆえにだ。

そう上鳴電気にとってこの骨抜柔造の個性“軟化“は少なくともこの何もない武舞台に於いて“天敵“である。

 

電気が舞空術を使えればこの状況にはならなかっただろう。しかし、舞空術は“知恵の育成“で教えることすら禁止されているし、電気は教えられても上手く扱えない。

そもそも個性を持つ人間は気そのものが少ないために大量に使いながら、尚且つコントロールが重要な舞空術と電気は相性が悪すぎるのだ。

 

「お返しだ。オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!」

 

柔造が連打で電気をボコボコにしていく。いくら亀仙人の元で鍛え続けてきたとはいえ、鍛えてる柔造の拳が完全に効かないわけではない。

寧ろ軟化で動きにくい地面で足に集中してるため、受け流す事も儘ならない。

電気の超高速は完全に封じられてそして攻撃も避けられる。

更には自身の個性のデメリットのアホになるも追加で余計に選択肢が無くなっていく。

 

別に電気の超高速は筋力だけでやっているのではない。自身の個性である帯電を使って地面を這う稲妻に乗っている。しかし、この軟化のせいで上手く地面に稲妻を走らせる事が出来ないために使えないのだ。

 

『これは上鳴選手、骨抜選手の猛攻を浴びております。防御の上からでもこれはキツイ!』

 

『完全に骨抜選手のペースですね。自分のペースにしないとこれは思うよりもアッサリやられますよ』

 

実況の手痛い言葉が耳に入り、電気はまた放電をして柔造を放すが柔造はまた地面を潜って避ける。

 

「くそったれ」

 

「降参するか?」

 

「何を!?」

 

電気は手に稲妻を溜めて柔造に放つがまたもや地面に潜って避ける。

電気の個性は纏うだけで放てる個性ではない。

手に稲妻を溜めると手全体から稲妻が出るがそれを電気は気で何とかしてるのだ。

気と個性は同等の存在である。

すなわち、電気はこのような電撃を放つ場合は必ず電撃が出る場所以外を気で抑えている。

簡単に言うと掌以外の手の部分に気をバリアみたいに張って放っているのだ。

雷龍かめはめ波になるとそれが全身になる。

全身から漏れでないかと思われるが出口を失った電撃は体の唯一空いてる場所まで行き、そこに大量に出るのだ。

しかし、この気と個性を大量に使う方法は出久の気の扱い方とはレベルが違う。

電気にとってこの電撃は一つでも出久の気弾三つ分の消費である。

故に電気は徒手空拳で戦うのだがそれを判断する頭が個性の使いすぎで機能してなかった。

対する柔造は冷静な頭で極めて淡々と避けていた。

 

「ヤバい・・・」

 

電気は電撃を放つのを止めた。

もうこれ以上放つと完全にアホになり負けると確信したからだ。

柔造はそれを見逃さなかった。

地面を泳いで電気の元まで行き、電気を殴る。

電気は大きく仰け反るが倒れない。

 

(倒れて手まで拘束されてら起き上がれねぇ)

 

(倒して顔以外全部埋めないとこいつは出てくる)

 

二人とも真逆の事を考えていた。

柔造は連打で電気を殴る。

電気も柔造の胸ぐらを掴み、御返しにと殴り返す。

連打と一撃。

いくら腰が入らない拳であっても電気の拳は弱いわけでない。

寧ろ柔造の拳よりも強い。

しかし、電気は逃れられないように胸を掴みながらに対して柔造は二本の連打。

起死回生の電撃もこれ以上はアホになるため出来ない。

電気は確信したこれ以上個性を使えば勝てるものも勝てなくなると・・・

 

『おおーっと!武舞台で殴り合いだ!凄まじい攻防が武舞台で繰り広げられてます!』

 

『ちょっと上鳴選手が不利ですね』

 

「うぉぉぉー!!すげぇ!!」

 

「やれ、骨抜!やっちまえ!!」

 

「負けるな上鳴!逆転しろ!」

 

「行けぇ電気!勝てぇ!」

 

「負けんな、骨抜!」

 

観客席から声援が両方に贈られ、そして二分後に拮抗は破られた。

 

「はぁはぁはぁはぁ・・・」

 

「くそ!やっぱり強い・・・」

 

この拮抗に勝ったのは電気だ。

柔造は二三歩後ろに下がる。

膝に手を着けて鳩尾を擦る。

いくら柔造が鍛えているとはいえ、相手は常人を越えて常識を粉砕する修業をやって来た電気だ。

いくら片手で不馴れな足場とはいえ勝てない。

しかし、電気もダメージがないわけではない。

いつ倒れても可笑しくないのは電気の方だ。

 

(くそ、どうにかしてやらないと負ける!けどどうやって地面に足が着いてたら動けなくなるし、かといって空中でも避けられる。せめて空中で動け・・・・・そうだ!)

 

柔造は電気から離れて地面の軟化を解除する。

いくら慣れてるとはいえ、体力を消耗するからだ。

この雄英体育祭に時間制限はないがこのままいくといずれ体力が尽きるのは電気の方が早い。

それは電気も良くわかってる。

電気は最後の攻撃として柔造に突っ込む。

 

『上鳴選手!またもや骨抜選手に突っ込む!このままいくと最初の二の舞だ!』

 

『体力的に恐らく最後の攻撃でしょう』

 

柔造は地面を軟化する。

しかし、電気は飛び上がって避ける。

 

(こうなったら賭けだ!)

 

しかし、いくら電気が飛んで突っ込んで来ても自由度がない空中では避けやすい。

 

(よし、防御して終わりだ!)

 

すると電気はなんと足で気の衝撃波を放つ。

衝撃波の威力でスピードが加速される。

 

(嘘だろ!?)

 

(喰らえ!)

 

柔造が防御するよりも早く、電気は柔造の顔面を思いっきり蹴った。

柔造は武舞台の上を転がる。

何とか場外になる手前で止まった。

電気はこの方法を悟空から学んだ。

正確に言うと悟空が昔の天下一武道会でやった方法を聞いていたからやろうと決めたのだ。

なけなしの気を使って・・・

一発で出来たのは電気の今までの経験と下半身を徹底的に鍛えてきた亀仙流の教えだからである。

この二つがなければ気は上手く足に伝わらなかっただろう。

 

『上鳴選手!空中で加速し柔造選手に今までの鬱憤を晴らすかのように蹴った!!』

 

『本人も足を見てる状態からぶっつけ本番のようです。これは予測できない』

 

電気は地面に立ち、足をブラブラさせてまだ行けるか確認する。

柔造もそんな電気を見ながら立ち上がる。

 

「よし!反撃開始だ!!」

 

意気込む電気。

会場の熱狂も羽上がる。

そしてそれに対する柔造の答えは・・・・・

 

「参った!!降参する!」

 

降参である。

会場の全ての存在がひっくり返った。

神々も含めてだ。

特に第十宇宙のひっくり返り方がド派手である。

 

「骨抜選手、降参!上鳴選手の勝ち!」

 

『何と!?骨抜選手、まさかの降参です!!ここぞと云うときなのに!』

 

『寧ろ、ここぞと云う時だからこその降参だと思います。あのままやれば骨抜選手は確実に場外に吹き飛ばされていたでしょう。何はともあれ降りる判断は間違ってないと思います』

 

柔造が武舞台から降りる。

確かに降参はしたが、柔造にとって別にこれ以上戦っても意味がないと思った。

何故なら・・・

 

「骨抜って野郎、強かったな」

 

「あぁ、あの上鳴を終始手玉にしてたからな」

 

「あの蹴りを喰らってたぞ?」

 

「あんなラッキー避けれる方がむずいぞ」

 

「最後までやって欲しかったがまぁキツイな」

 

「それに俺達ヒーローは終わって死んだら、意味がねぇ。寧ろ、良く下がった!」

 

会場の殆どが柔造に関する話題で持ちきりだ。

これ以上戦って負けたらこの自分に関する話題の時間が無くなる。

全て電気の話題になってしまう。

なら、降参してもこの試合の殆どで電気相手を手玉にした事実を優先させるために降参した。

それにあのままやってたら負けるのを柔造は確信していた。

そしたら、自分が負けたという事実が観客に残る。

人は敗北よりも勝利を記憶するからだ。

しかし、降参は時と場合によっては勝利以上に記憶に残る。

これから柔造達が進む道は危険極まる死と隣り合わせの道。

冷静に撤退出来る選択肢も頭も必要である。

現に会場の反応がそれの答えである。

 

 

 

 

 

●●●

各宇宙の神々や人間もこの柔造の判断を絶賛していた。

べジータを含めてである。

確かに最後までやって欲しかったと心の底からほぼ全員が思っているが時には撤退も必要である。

ジレンは降参と言う事実に訝しげになったが、時には逃げて体勢を立て直すのも立派な戦略と考えて素直に柔造を称賛することにした。

それは他のヒーロー科の生徒も一緒だ。

勝己以外の全員が柔造のやり方を素直に褒めたり、感心していた。

出久に至ってた柔造の精神分析を事細かくノートに書くくらいである。

しかも一回戦や二回戦に比べて明らかに書く量もスピードも違った。

 

一人武舞台に立っている電気は会場の話題や人の反応、親友すらも勝った自分に目もくれずに柔造の事を分析する事実に対して・・・

 

「チクショョョョョョ!!!!!」

 

慟哭することしか出来なかった。

柔造はゲート前でその慟哭を聞きながら笑う。

この試合、最後の電気の新技を除いて全て柔造の掌の上だった。

その事に柔造は笑った。

自画自賛しても良いくらいに会場全てに見せつける事が出来たのだ。

 

正に“戦いに負けて勝負に勝った“のだ。

 

果たして電気が活躍する時はあるのだろうか?




というわけで誰が予想したか骨抜柔造無双!
いやぁ、ここまで電気と相性が悪いとは構想段階では分かりませんでした。
実はこの試合、絶対に体育祭でやろうと入学をやった時に思い付いてました。
予測できないように桃白白の時に全く無意味と云うのをわざとやってたので予測しにくかったと思います。
天敵がまさかの柔造だと誰か予想した人がいたら教えて下さい。
今回のアンケートの内容はそれです。
さてさて、まだ出久と電気には天敵がいます。
次は誰なのか楽しみにしてください。
二回戦か準決勝か決勝か出久の一回戦か?
どこでやろうか悩んでます。

批判感想質問は次回のネタバレが答えになる場合を除き全て早急に答えます。気軽に送ってください。作者にすれば感想は褒美です!(ネタな感想でも返しますよ)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

激闘!緑谷出久VS切島鋭児郎

遅れてすみません!
少し手間取りました!!
次は月曜までには必ず出します!!
絶対に!


意気消沈状態で電気がヒーロー科の所に戻ってくる。

顔は疲れて窶れ気味で何よりも全身から漏れ出ている怒りの感情と敗北感溢れる黒いのが出ており、これ以上刺激したら何かに変身しそうなほどだ。

 

「か、上鳴君、大丈夫?」

 

「あぁ、麗日か・・・ハハハ・・・」

 

(暗っ、コワッ!)

 

お茶子が電気に聞くがもの凄い暗い。

お茶子は周りを見るがほぼ全員が目を反らした。

この電気に関わるとめんどくさくなるのを直感したのだ。

 

「み、緑谷君・・・」

 

お茶子は電気の親友である出久に尋ねるが、出久はずっと柔造の分析に夢中だった。

 

「出久~、俺、頑張ってたよな?」

 

「ごめん、電気。後にして」

 

電気の言葉をまともに聞かない出久。

よっぽど今は柔造の分析の方が優先のようだ。

電気はこの追撃にタライが頭に当たる衝撃を感じた。

 

「出久なんて大っ嫌いだ!!」

 

電気はそのまま走って何処かへ行った。

出久は突然の電気の行動にポカーンとなった。

 

「どうしたんだろう?」

 

「緑谷君、最低や・・・」

 

「えっ?」

 

お茶子はそのまま電気を追いかけていく。

出久はわけがわからないと言った表情でお茶子の後ろ姿を見る。

 

「僕、何かした?」

 

首を傾げてる出久に隣の響香は信じられない物を見るような目で見る。

 

「最低」

 

「えっ!?何で!?」

 

響香にまで言われて出久は本気で悩むのだった。

 

 

 

 

●●●

 

『続きまして第四回戦、選手の方は入場をお願いします!』

 

天哉と明が入場してくる。

 

『飯田天哉選手は騎馬戦で上鳴選手に負けず劣らずの超高速を見せてくださったあの現在活躍中の若手ヒーロー【インゲニウム】を兄に持つ今大会の期待の星です!』

 

『対する発目明選手は本大会の第一種目、第二種目で自らが製作したサポートアイテムを使いその性能の凄さをアピールしました。これは期待・・・・・あれ?飯田選手もサポートアイテムを付けてるぞ?これは一体!?』

 

『飯田選手、説明をお願いします』

 

「はい!このサポートアイテムは彼女のスポーツマンシップに心打たれたのです!彼女はサポート科でありながらここまで来た以上対等だと対等に戦いたいと俺にアイテムを渡してきたのです!これを無下には出来ないと思ったからです!」

 

「本来、ヒーロー科はサポートアイテム禁止よ。使うなら申請と使わないといけない診断書がいるわ・・・けど、青臭いのは好み!許可するわ!」

 

「ありがとうございます!」

 

ミッドナイトの個人的な嗜好にあった為、許可が降りる。

天哉は知らない。

明がそんなスポーツマンシップを大事にする人間ではない事を彼女の内心は【私のベイビーの宣伝にうってつけの人です。速くて効果を教えやすく、そしてバカ真面目・・・フフフ私のベイビーを良く見てくださいよ。サポート企業!】

と一緒にチームを組んだ出久と踏影はそう思っている。

 

『それでは第四回戦始め!』

 

(因みに司会者は生徒の家族関係で有名処は押さえずみです)

 

~10分後~

 

明が非常に爽やかな笑顔を観客席に向けて武舞台から降りた。

 

「発目選手場外!飯田選手の勝ち!」

 

『何と!10分間の時間を全て自分のサポートアイテムの宣伝に使った!凄まじい商魂です!相手の飯田選手を利用して、スポーツマンシップの欠片もない~!!』

 

『心臓に毛が生えているのは間違いありませんね』

 

「騙したな!!!?!?!?」

 

見事に宣伝マンとしてマスコット兼モルモットにされた天哉は明に対して怒号するが、明はこれに対して笑顔を向ける。

 

「すみません、貴方を利用させて貰いました!」

 

「嫌いだ、君!!」

 

またもや、勝者と敗者の感情が入れ替わった状態で試合は終わった。

超高速系は敗者になってしまう星の下で生まれたのだろうか?

各宇宙の神々や人間はこの状況に大爆笑していた。

特にブルマの大笑いは凄かった。

試合中にお茶子に手を引かれながら帰って来た電気は天哉のこの状態に物凄く共感していた。

 

「わかる!わかるぞ、飯田!!」

 

「ちょっと、上鳴君。そんなに叫ばんといて」

 

「悪い、麗日!」

 

電気の魂の叫び声に隣で耳を押さえるお茶子。

二人とも妙に楽しそうである。

それを見た出久は悟った。

少なくとも電気の好きな人は誰かわかったからだ。

 

「緑谷」

 

響香が出久を見て言う。

 

「耳郎さん?」

 

響香は電気とお茶子を見ながら、人差し指を自分の口に当てて、ウィンクする。

出久はそれを見てウィンクで返事をする。

好きな人にこうやられたら、からかったら偉い目にあうと直感したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

 

『続きまして第五回戦、選手の方は入場をお願いします!』

 

焦凍と範太が武舞台に上がる。

 

『轟焦凍選手は第一種目、第二種目ともに目まぐるしい活躍をしており、あのNo.2ヒーローエンデヴァーのご子息であり、今大会の優勝候補です!』

 

『対する瀬呂範太選手は第一種目、第二種目でも確固たる実力とサポートを見せつけている実力派、これは名勝負が期待されます!』

 

「聞いたか轟?名勝負が期待されるってよ」

 

「瀬呂?」

 

「まぁ勝てる気はしねぇが負ける気はさらさらねぇ」

 

「俺もだ」

 

両者共に意気込む。

互いに気合い十分。

 

『第五回戦、始め!』

 

範太の攻撃は早かった。

焦凍を自らのテープでぐるぐる巻きにしてそのまま場外に放り出そうとした。

 

『瀬呂選手、巧みな早業で轟選手を捉えた。これは早々に決着か!?』

 

後、少しで場外。

ジャイアントキリングに会場が沸き上がる。

しかし、焦凍は極めて冷静だった。

そして極めて冷静に・・・・・

 

巨大な氷山で範太を拘束した。

 

会場があまりの凄さに言葉を喪う。

各宇宙の神々や人間は少し感心した程度であるが、この星の人間からすればそんな物ですまないほどの強烈な凄さだ。

 

「せ・・瀬呂君。動ける・・・?」

 

「む・・・無理です・・・身体中が・・・寒くて痛いッス」

 

「瀬呂君・・・戦闘不能!!」

 

『何と轟選手、圧倒的な火力で瀬呂選手を一瞬の内に凍らせてしまった!凄まじい氷です。かき氷何杯食べられるのでしょうか!?』

 

『これはやられたら辛いですね』

 

司会者の実況に言葉を喪っていた会場も話し声が出始める。

 

「悪い、やり過ぎた」

 

氷を溶かす焦凍。

会場は一気に範太へのドンマイコールが溢れる。

 

 

 

 

 

 

●●●

 

「轟君、強烈だな・・・」

 

出久は控え室でモニターを見ながらそう感じた。

(控え室にはサポート科とブルマが協同で作ったモニターがあります。主にサポート科はモニター関連、ブルマは撮影機材関連)

圧倒的な力で一気に優勢にした。

それは脅威的で驚異的だった。

次は自分の試合だから、再び集中を始める。

軽く体を解して、出久は武舞台に向かった。

 

 

 

●●●

 

『続きましては第六回戦!選手の方は入場をお願いします!』

 

出久と鋭児郎が武舞台の上に上がる。

 

『緑谷出久選手は第一種目の強烈なパフォーマンス、そして第二種目ではブレーンとして活躍しております!』

 

『切島鋭児郎選手は自身の硬化を上手く使い登ってきた実力者です!』

 

出久と鋭児郎が構える。

二人とも初っぱなから飛ばす気だ。

 

「行くよ、切島君・・・」

 

「こっちも行くぜ、緑谷・・・」

 

『それでは第六回戦始め!』

 

銅鑼の音が鳴ると同時に出久は鋭児郎に突っ込んでいき、思いっきり殴る。

 

ゴン!

 

とてつもなく鈍い音が響く。

出久の拳の先には鋭児郎の頭がある。

自身の硬化を使って頭で拳を防いだのだ。

 

「御返しだ!」

 

今度は鋭児郎が出久を殴る。

 

ゴン!

 

こちらも負けず劣らずの鈍い音が響く。

鋭児郎の拳の先には出久の頭がある。

出久は気を使って頭で拳を防いだのだ。

 

「俺の十八番を・・・取るな!」

 

鋭利児郎が大きく体を反らして出久のデコに目掛けて頭突きをする。

いくら気で耐えてるとは言え、これは効く。

 

「負ける・・・か!」

 

出久も負けずに頭突きによって大きく体が反れたのを利用して鋭児郎のデコに目掛けて頭突きをやり返す。

鋭児郎は頭だけでなく体全身を硬化させて耐える。

 

「嘗めん・・・なぁ!」

 

鋭児郎が出久の鳩尾を殴る。

いくら気で耐えてるとは言え、そこは人間の弱点。

今までにない痛みが襲う。

 

「嘗めてない・・・よ!」

 

出久も鋭児郎の鳩尾を殴る。

これはいくら硬化を持っているとは言え、鋭児郎はたまらず後ろに二三歩下がる。

 

出久も鋭児郎も互いに笑って気合いも熱もまだまだ上がっていく。

 

『これは序盤から凄まじい!殴り合い!それを制したのは緑谷選手だ!』

 

『まだ序盤ですから集中は両方とも途切れないでしょう。まずはペースを緑谷選手が奪ったと言う事ですね』

 

クリリンの解説は見事だった。

出久が鋭児郎相手にわざわざ殴り合いをしたのは電気と柔造の試合を見たからだ。

柔造は電気の十八番を崩してから手玉に取った。

現に電気は手玉に取られ続けていた。

それを出久は真似たのだ。

自分の硬化で殴り合いが十八番な鋭児郎はこの状況にショックを隠せていなかった。

 

(よし、これならいける)

 

出久は鋭児郎から離れて、両手に気弾を作る。

そして鋭児郎に目掛けて大量に気弾を放つ。

グミ撃ちと言われるヤツだ。

何発かは地面に潜らせる。

 

「ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!」

 

鋭児郎はその大量の気弾を諸に喰らう。

当たった衝撃で煙が大量に出て鋭児郎の姿が隠れてしまう。

出久は気が読めないので気弾を放つのを止めて様子を見る。

煙が晴れると鋭児郎が全身を硬化させてまま、ピンピンしていた。

 

「これじゃやっぱり駄目か・・・」

 

「全然効かねぇな!」

 

鋭児郎が見栄を切ってる所を狙い。出久は地面に潜らせた操気弾を隙が出来たら鋭児郎の顎に全て当てる。

隙だらけの顎に効いたかと出久は思ったが、仰け反るだけで倒れなかった。

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

鋭児郎が全身を硬化させて突っ込んでくる。

出久はこのまま付き合うとペースが奪われると直感し、両手を合わせて気を溜める。

 

「豪龍・かめはめ波!!」

 

完全に決めにかかる。

かめはめ波が鋭児郎に迫り、ぶつかる。

すると、鋭児郎はなんと、腕をクロスしてかめはめ波に耐えたのだ。

これには出久どころか電気も唖然となる。

文字通り出久の最強の技を鋭児郎は全身を硬化して地面に足を刺して耐えているのだ。

 

「嘘だろ?」

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

『なんと!切島選手、緑谷選手の大技をもろともしない!凄い、凄い力です!』

 

 

切島鋭児郎は弱い。

正義感はあったが臆病な人間である。

中学の時に敵に遭遇した同学年を助けられずにいた。

その同学年は芦戸三奈が助けだが、それが鋭児郎の胸に深く刺さった。夢を諦めようとしていたが憧れのヒーローの言葉を思いだし、気合いと根性で入学。

 

しかし、怪物に出会った。

 

“桃白白という怪物に“

 

自身の硬化を使っても一撃で殺されかけた。

硬化を持っていて対人しか取り柄のない個性なのにそれが全然出来なかった。

故に鋭児郎は誓った。

今度は必ず皆を守ると折れないと、どんなに強烈な技が来ようともどんだけ殺人術が来ようとも絶対に折れないと誓った。

 

彼は鍛えたそしてその成果が今出ているのだ。

 

「み!ど!り!や!」

 

かめはめ波の中を歩いてくる鋭児郎に出久は素でビビる。

と言うかビビらない方が可笑しいのだ。

その一瞬の恐怖が判断を鈍らせて、出久は鋭児郎に腕を掴まれて、肘を極められた。

 

「この!」

 

鋭児郎の鳩尾に気弾をゼロ距離で当てる出久。

しかし、鋭児郎にはさほど効いていなかった。

鋭児郎はお返しに出久の鳩尾を殴る。

先程に比べると明らかに攻撃力が増していた。

出久は耐えてお返しに鳩尾を殴るが先程よりも固かった。

気で力をあげているのに手が少し痺れる出久。

 

鋭児郎の個性の硬化はただ固くなるだけではない。

筋肉を自ら痛め付けたら更に強くなるというのと同じ原理で鋭児郎の硬化は打てば打つほど固くなる。

そう結果的にだが、かめはめ波は鋭児郎の硬化をただ単純に上げてしまったのだ。

腕を極められたせいで腕に出来る限りダメージがいかないようにしたために体が不安定になるのとそのせいで超接近戦になっているために蹴りを出してもベストな当たりが出来ないからえらく中途半端な状態になり、見事に封じられた。

 

 

 

●●●

ヒーロー科の観客席では鋭児郎の捨て身戦法に全員が息を飲んでいた。

 

「あの緑谷を完全に抑えてやがる」

 

「マジかよ」

 

「緑谷の弱点が超接近戦だなんて・・・」

 

「こんな盲点が・・・」

 

「盲点なんかじゃねぇ!」

 

実の一言に全員が耳を傾ける。

 

「お前らはあの緑谷の攻撃の中を突っ走れるのかよ!あの気弾を耐えられるのかよ!」

 

実の一言に全員が黙った。

そうこれは硬化が使える鋭児郎だから出来た戦法なのだ。

これをするには出久の気弾を耐えて心を折っていかないといけない。それがどれ程危険なのか分かったのだ。

 

「俺には分かるんだ。ビビりな俺には・・・今、切島が振り絞ってるのは個性でも力でもねぇ・・・勇気だ」

 

 

超接近戦で派手な事をし続けているため、会場のボルテージが上がる。

 

 

●●●

出久は腕を極められて、鋭児郎の猛攻に対応出来なかった。

どれだけ殴っても綻びが出ないのだ。

恐らくはZ戦士達の修業でスタミナが上がった為だろう。

出久は猛攻をなんとか凌ぎながら考えた。

どうやれば勝てるかと言うことを・・・

自分でもこうなるとは思っていなかった。

まさか自分の弱点が超接近戦でそれが出来る鋭児郎が自分とは相性が最悪な“天敵“だと言うことを今初めて理解した。

しかし、それは電気と柔造ほど相性が最悪なわけではない。

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

「今さら、顔面にやったって拳を砕くだけだぜ!」

 

出久は確かに鋭児郎の顔の方を目掛けて拳を放つ。

しかし、捉えたのは鋭児郎の顔面ではなくて顎の先端である。

 

“薄皮一枚程度、出久の拳が鋭児郎に当たる“

 

鋭児郎はなんてことない攻撃と判断して、出久を殴りに掛かるが、極めていた腕を離してしまい出久に凭れるように倒れていき、地面に膝を着ける。

 

出久はこの間に鋭児郎から離れる。

 

『これはどうした!?切島選手、優勢だったのにまさかの逆転が起こってしまった!解説のクリリンさん、お願いします!』

 

『顎の先端の薄皮一枚程度の部分を擦ったのでしょう』

 

『それはどういう事でしょうか?』

 

『切島選手は顔面に拳が来ると思った、けどそれは顎を掠めるだけになった。切島選手は完全に避けれたと思ったでしょう。しかし、その心の隅にこびりついてる油断に薄皮一枚の打撃は効くのです。その一撃は脳を高速に揺さぶらせて平衡感覚を奪います』

 

『なんという技術!緑谷選手、このピンチを力ではなく技で回避しました!凄まじい達人です!』

 

会場もこの逆転に熱狂で応える。

やられた鋭児郎は歯を食い縛って立ち上がる。

 

(くそ!大丈夫だと過信しちまった!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!!)

 

鋭児郎は猛省するが誰だって優勢になれば気が緩む。

特にそれがジャイアントキリングの真っ最中なら尚更である。

もしも出久が終始優勢だったら鋭児郎はこんなあるかないかわからない過信をすることはなかった。

ボクシングのカウンターのような物だ。

相手の攻撃に合わせて避けて体勢を立て直していない内に攻撃する。

鋭児郎は出久からカウンターを貰っただけだ。

ただし、超技巧的カウンターを貰った。

これは出久の腕の方が一枚上だと言うことだ。

 

 

出久は鋭児郎から離れる事が出来たが、膝を着いている鋭児郎を攻撃しない。

何故なら、出久にとって接近戦は自信があったからだ。電気と亀仙人との修業で鍛えてきたから自信があった。それを真正面からやられてプライドが傷つかない人間はいない。

 

 

『緑谷選手、切島選手から離れて攻撃をしない!これはどういう事だ!?』

 

『もう一回接近戦をやるつもりでしょう。奪われたペースを全て戻す気です』

 

この判断に会場は大盛り上がりだった。

各宇宙の神々や人間達も盛り上がっていた。

第十宇宙なんて何処から取り出したのかビデオを神々と人間と天使の合わせて五人がそれぞれ回してる程だ。

 

 

 

鋭児郎が立ち上がり、出久がそれを見て構える。

 

「緑谷ありがとうな・・・待ってくれて・・・」

 

「切島君・・・君に勝つ!」

 

出久の意気込みに鋭児郎は笑う。

 

「上等だ。漢らしく決着を着けようじゃねぇか!」

 

出久と鋭児郎が互いに走る。

そして武舞台の中央で殴り合う。

出久は気を使い体を強化して、鋭児郎は硬化を使って体を強化して殴り合う。

 

『武舞台中央で凄まじい殴り合いだ!力と力!個性と個性!漢と漢のぶつかり合いだ!!』

 

『これを制した方が確実に勝ちます』

 

会場の熱狂も最高になる。

各宇宙の神々も人間もこのシンプルで単純明快で簡潔な戦いに熱狂していた。

 

出久は鋭児郎の攻撃なんてお構いなしで殴りまくる。

どんだけ硬化して鋭くなった拳でもお構いなしだ。

ペースを握っていたり、出久がもっと達人ならダメージを貰わなく出来たかもしれない。

けど、ペースは奪われた。

下手に避けたら、二度と勝てなくなると出久は直感したのだ。

鋭児郎も出久の気を纏った攻撃もお構いなしで殴りまくる。そもそも避けられない。

寧ろ、ここでそれすらも耐えてペースを完全に奪い取る気だ。

五分以上の殴り合いが続き、どんどんと差が出てくる。

出久が“優勢“だ。

鋭児郎がどんどん後退していく。

 

『切島選手、この凄まじい殴り合いに負けるのか!?どんどん後退していく!』

 

『寧ろ、二人ともよくここまで拮抗した方ですよ』

 

理由は鋭児郎の個性に綻びが出始めたのだ。

体を全身力を入れ続けないといけない鋭児郎の個性の性質上いつかはスタミナ切れを起こす。

Z戦士との修業で改善されたが、それは出久や電気の無尽蔵と云えるスタミナの量に比べるとまだまだ少ない。

更に先程まで鋭児郎は出久の攻撃を超接近戦で抑えていたが今は超接近戦から離れたミドルレンジと呼ばれる距離の戦い、それは出久の攻撃を最大限に引き出す距離である。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

出久の猛攻にとうとう鋭児郎が腕をクロスする。

出久はすかさずに手に気弾を溜めて鋭児郎に向かって放つ。

ボロボロの状態から受けた鋭児郎は吹っ飛ばされていくが武舞台から落ちる直前、腕を硬化して無理やり勢いを殺し、立ち上がる。

体はヘロヘロで動けないがその目はまだ死んでなかった。

鋭児郎は足を硬化して地面に突き刺す。

完全に出久の猛攻に耐える気だ。

 

(この状態でかめはめ波を撃っても勝てない・・・絶対に耐える。なら悟空さんに教えて貰ったあの技しかない)

 

出久は両足に気を溜める。

鋭児郎は出久の行動に最大の警戒をする。

 

「切島君・・・この一撃で君を倒す!」

 

『緑谷選手、ここに来てKO宣言だ!一体何をするつもりだ!?』

 

(ここで逃げたら漢らしくねぇ、迎え撃って勝つ!)

 

「掛かってこい!!!!!」

 

鋭児郎の気迫を見て、出久は力の限り目一杯空へ飛んだ。

 

『これは緑谷選手、上空に飛んだ!豆粒に成る程です!凄まじい跳躍力!』

 

『この技は・・・・』

 

クリリンは出久が何をするつもりなのかわかった。

その技を喰らった悟空を間近で見たことがあるからだ。

観客席の悟空、亀仙人も何をするかわかった。

司会者もクリリンの反応を見てわかった。

しかし、司会者は余分な情報を観客に与えて混乱しないようにその技の事を口にしない。

 

空高く飛んだ出久がやがて重力に従い落ちていく。

そのスピードがどんどん速くなってくる。

 

 

「天空×字拳南無阿弥陀仏!!!」

 

 

天空から落ちる速度で相手を10日間は眠らせる技を使う(この技は修業中に悟空達の昔話で出た)

対する鋭児郎も再び全身を硬化する。

そして両手を後ろに引く。

 

「打舞流叛魔!!!」

 

出久の技がぶつかると同時に鋭児郎も放つ。

両手で殴るシンプルな技だ。

 

力と力、技と技が激突する。

 

そして敗れたのは鋭児郎の方だ。

 

出久の南無阿弥陀仏が鋭児郎の首に決まり、倒れる。

出久は倒れたのを確認すると離れて武舞台の中央に戻る。

 

『緑谷選手の技が決まった!切島選手、起き上がることが出来ません!』

 

会場が沈黙する。

まだ勝ったと確定してないからだ。

全ては主審のミッドナイトの判断だ。

鋭児郎を見るが倒れたままだ。

 

「き「待ってください!」・・・えっ?」

 

ミッドナイトの判断を出久が止めて指を指す。

指した方向をミッドナイトが見ると、鋭児郎が立っていたのだ。

 

「俺は倒れてねぇ・・・」

 

鋭児郎はそう言いながら、仰向けに倒れた。

ミッドナイトは暫くその姿を見て今度こそ・・・

 

「切島選手、気絶!緑谷選手の勝ち!!」

 

勝敗を決めた。

 

『決まった~!この漢と漢の熱い戦いを制したのは緑谷選手だ!!』

 

『あそこまでの真正面からのぶつかり合いは最高に見応えがありましたね』

 

会場が素晴らしい戦いをした二人を祝福する。

担架で運ばれて武舞台を降りる鋭児郎。

自分の足で武舞台を降りる出久。

 

二人とも全力を出し、敗けないために死力を尽くした。

二人の顔は非常に満足していた。




はい!後二人の内の天敵の一人は切島鋭児郎でした。
いやぁ好きなのと、ここまで強い出久の攻撃を真正面から潰せる可能性があるのは鋭児郎だけなんで・・・因みに最後の天敵は予想されると思いますが鉄哲です。
足が上手く使えないと出久と電気は超脆いです。
今後は二人ともそこが課題になるでしょう。
特に攻撃を耐える程の防御力を持っていたり、足場を奪う個性なら二人の天敵になりえます
舞空術が使えないからこんな弊害が出てます。

最後の南無阿弥陀仏は悟空らから教えて貰いましたw
切島と闘うなら最後は素手の技だろうと思って“すんなり思い出せて誰でも使えそうで一撃必殺な技がこれしか思い出せなかったので“・・・

薄皮一枚のネタは某ライブ感重視の格闘技テレクラ漫画のあれです(そろそろ他作品ネタの項目をつけます)

前回の話の感想が1つも来なかったので枕元で涙を流してました。死ぬほど考えた回だったのでダメージが大きすぎました。これも読者がすんなりと感想を送る気にならない作者である私のせいです。
しかもそれを後に引きずって遅れるなんて本末転倒も甚だしいので次回は必ず早く出します!

批判感想質問は全ては早急に答えますので気軽に送って下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最速王決定戦!そして轟家大作戦!

ギリギリ間に合いました!
ではどうぞ!


出久と鋭児郎の熱い漢の闘いが終わり、出久は鋭児郎よりも先に観客席に戻ってきた。

 

「お疲れ様」

 

「いやぁ、凄かったなぁ」

 

「後、一歩で切島にやられる所だったじゃねぇか」

 

それぞれが思ったことを口にする。

出久は一人違う方向を見てる電気の方に行く。

 

「電気、見てくれたんだね」

 

「・・・・・」

 

電気は出久を無視する。

そりゃそうだ。

電気はさっき出久に同じ事をされたのだ。

これで謝りもせずに言われたら誰だってキレる。

出久はとりあえず自分の席に座る。

 

「緑谷」

 

「どうしたの耳郎さん?」

 

「あのノート、上鳴が持ってる」

 

「えっ?」

 

出久は試合が始まる前に自分の席の下に置いといた。

ヒーロー科で取る生徒はいないし、見られても問題ないかと思った趣味のノートだからだ。

まぁ電気に取られていたのは予想外で席の下を見るが確かにノートは無かった。

 

「さっさと謝りなよ・・・怒らせたんだから」

 

出久はさっきの電気に対する自分の行いを省みる。

確かに最低である。

いくら衝撃を受けてノートを取るのに忙しくてもそれが人を無視する理由にはならない。

出久はもう一回電気の近くに行く。

 

「電気・・・ノート持っててくれたんだ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「さっきはごめん」

 

「・・・・・・・・・」

 

「僕の本当に悪い癖だね・・・ごめん」

 

「分かってるなら良いよ」

 

電気はそのまま振り向かずにノートを出久に差し出す。

出久はノートを見る。

中をなんとなく見ると自分と鋭児郎の試合の事が細かく載ってあった。

 

「電気・・・これ」

 

「下手だけどな・・・お前、絶対書くし」

 

そう電気は出久のノートに出久の試合の事を書いていたのだ。

勝手にノートを書かれた事に対する怒りと云うものは存在しなかった。怒らせたのに頼んでないのにやってくれた電気の優しさに嬉しくなった。

出久は電気にもう一回向き合う。

 

「電気、ありがとう」

 

「もうするなよ?俺だって落ち込むからな」

 

「うん」

 

電気は出久に手を伸ばす。

出久は電気の手を取る。

 

そして電気から出久にお仕置きの電気が流れる。

 

急な電撃に出久は痺れる。

手を離し、電気の顔を見る出久。

その顔は見事にしてやったりの顔だった。

 

「あー、スッキリした!」

 

「己、電気~」

 

「天誅だ!」

 

「この場合は人誅だよ!」

 

恨み言を言う出久。

電気の顔は笑ってる。

憎たらしくなるが、それを見てると出久も笑い出す。

二人揃って笑う。

変な関係である。

周りも変な二人だと思う。

出久は立ち上がる。

 

「電気、こんな事に個性使っていいの?バテない?」

 

「亀仙豆が試合前に食べれるから問題なしだ」

 

「んじゃ、次の試合は期待してるね」

 

「おう!驚かせてやる」

 

「飯田君に速さで敗けたら良いとこ無しだしね」

 

「んだと、このやろう!」

 

ヘッドロックを笑いながらかける電気。

出久も笑う。

この二人にはこの関係が一番である。

そして次の試合が始まる前に出久も電気も席に座った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

あれから二試合が終わった。

鉄哲徹鐵と常闇踏影の試合と麗日お茶子と八百万百の試合は面白くないほど普通に終わった。

金属化した徹鐵を踏影の黒影が近づく前に連打で武舞台の外にぶっ飛ばし、お茶子と百の試合に関しては女子同士の闘いとあってエロ魔人の三人がエロを求めたが、そんな展開なんてあるわけなく、Z戦士によって鍛えられたお茶子と百の戦いは古いカンフー映画バリに中々拮抗して百が勝った。

 

そして第九回戦 芦戸三奈と心操人使の闘いが始まろうとしていた。

 

『続きまして第九回戦が始まります!選手の方は入場をお願いします!』

 

三奈と人使が武舞台の上に立つ。

 

『心操選手は先程の試合、見事に爆豪選手を退いて勝ち上がった実力者!!』

 

「けっ!」

 

司会者の実況に勝己はイライラしていた。

 

『対する芦戸選手は先程の試合で青山選手を翻弄して勝ち上がった実力者!!これは今までの試合に負けず劣らず凄い闘いが期待できます!!』

 

互いに互いを見る。

 

『それでは第九回戦始め!』

 

銅鑼の音が鳴り響く。

三奈は構える。

人使が何をやって来るかわからないからだ。

八人に絞られてからの第九回戦はそれぞれの個性が相手にばれてる。

初見殺しの個性になればなるほどどんどん不利になってくる。

しかし、これで油断するほど三奈は馬鹿ではない。

ぶっちゃけ言ってもしも煽られて全力で受け答えをしないように頑張るが、それを貫ける自信なんてないが、何を言ってくるかわからない人間に突っ込むほど能天気なわけではない。特に勝己をやられた後では尚更だ。

暫く、睨み合う。

 

「随分とヒーロー科は拍子抜けも良いところだな」

 

人使が挑発する。

三奈は怒りを声に出さずに行動で表す。

突っ込んで行き、鳩尾を殴る。

そしてくの字に折れ曲がった人使の頬を殴る。

Z戦士に鍛えられた影響で少し飛ぶ人使。

しかし、すぐに立ち上がる。

 

「こんなもんか?へっぽこも良いところだな。さっきのあの切島って言うバカの拳よりはキツそうだがな」

 

三奈が人使の所まで行き、殴りまくる。

もうボコボコにと言えるくらいに同中出身の三奈に取って鋭児郎が頑張っていたのは知っているその拳が強く重いのも知っている。

それをこうも言われたら怒りが出てくる。

 

(人選ミスったか?)

 

人使が鋭児郎をネタにしたのは良い試合をしたからだ。それどころか戦闘向きで漢らしい鋭児郎は良くも悪くも自分の個性のコンプレックスを付いていた為にネタにしようとして、バカにすれば怒りで声が出るだろと思ったが、ここまで強烈に無言になるとは思っていなかった。

 

『芦戸選手、恐ろしい猛攻だ!心操選手、手が出せません!!』

 

『女性を怒らすと怖いのは世界の真理ですね』

 

三奈の飛び蹴りが人使の顔面を捉える。

吹き飛ばされるがなんとか武舞台にしがみついて立ち上がる。

顔は口からも鼻からも血が出ているだけでなく、目には青タンが出来て、片方の目が腫れ上がった瞼によって隠れていた。

三奈は最後の押しとして突っ込む。

地面に酸をかけてスピードを上げて人使に向かう。

絶対にどんだけ煽られてもクラスメイトを罵倒されても喋らないと心に誓って、互いの声が普通に話しても聞こえる距離になる。

 

「あんたカワイイね」

 

「!!?!?!?!?!?!?」

 

人使は煽る事を止めて口説き始めた。

流石の三奈も煽りや罵倒には堪えようと誓っても口説かれるとは予想外も良いところで突っ込んで行く足が止まり、顔が赤くなる。

 

「いや、マジでカワイイよ。ほらその桃のような肌に黒真珠みたいな綺麗な目、それに行動も天真爛漫で元気があって」

 

三奈は顔を赤くなってるのが見られないように隠す。

 

「ねぇ、今度お茶しない?」

 

「ちょっと今試合中!・・・・・」

 

(上手く行くもんだな)

 

三奈は受け答えをしてしまった為に洗脳に掛かってしまう。

 

『あー!!芦戸選手、洗脳に掛かってしまった。心操選手まさかまさかの試合中に口説くとはなんと豪胆な作戦を仕掛けたのか!正直に言いますが私は今、心操選手の個性が非常に羨ましいです!」

 

三奈は何も油断はしてなかった。

人使が一歩上だったのと自分がナンパに対して耐性が無かったのが運のツキである。

 

「そのまま、場外へ出ろ」

 

三奈は場外へ出る。

 

「芦戸選手、場外!心操選手の勝ち!!」

 

会場がまたもや困惑する。

そりゃまぁこんな勝ち方は古今東西中々ない。

相手にナンパして勝つ方法を実践で試した奴がいたら歴史に名を残すレベルである。

 

(解除)

 

「へ?・・・・あぁ!!?えぇぇぇ!?!?しまった!!」

 

頭を押さえて地団駄する三奈。

人使は三奈に近づく。

 

「おい」

 

人使の言葉に三奈は嫌な顔をしながら向く。

 

「悪かったな色々と言って、これでしかお前らに勝てねぇんでな」

 

歯切れ悪そうに言う人使。

三奈はその姿に拍子抜けする。

あんなに憎たらしかったのが薄れていった。

 

「今度は勝つ!」

 

人使に指差して宣言する三奈。

人使はその言葉に何も言わずに武舞台を去りながら手を振った。

 

 

 

 

 

 

●●●

三奈がぶっ飛んだやられ方をしたのでまたもや困惑していた。しかも今回は勝己の時と全く同じ展開なのに全く違う勝ちかたをしたために困惑していた。

ヒーロー科の女性陣の人使に対する評価がうなぎ登りではなくてエンジェルフォール並みの深さに下がっていった。

出久がノートに三奈の弱点としてナンパを含めたお世辞と書いているのを隣で見ていた響香は素で引いていた。

 

 

 

 

エロ魔人の実と亀仙人はよからぬ事を考える前に気絶させられた。

 

 

 

 

そして女好きである電気は人使の個性ならナンパしやすいと羨ましがり、隣にいたお茶子が面白く無さそうな顔をして電気を見てた。

 

 

 

 

●●●

 

天哉は先程の試合を控え室で見ていた。

そして次は自分と電気との最速王決定戦、意気込みをする。

すると天哉の携帯がなる。

それは敬愛するヒーローインゲニウムである兄の天晴からだ。

 

「もしもし、兄さん?どうしたんだ?まだ勤務中の筈だ?」

 

「何だ?兄が大事な弟に電話をしたらいけないのか?」

 

「そういう事ではない!勤務中に私事を挟むなど持っての他だ!働いてくれてるサイドキックの方や兄さんのファンの皆様に対する酷い裏切り行為だ!」

 

「ハハハ、天哉は相変わらず真面目だな。でどうだ?次の試合、勝てそうか?」

 

天晴の言葉に天哉は黙る。

 

「どうした?」

 

「上鳴君の速度は僕より速い。全ての実力で敵わない」

 

「珍しく弱気だな」

 

「彼は本当に凄い人なんだ。僕なんかとは比べるのも烏滸がましい位に」

 

天哉の弱気に天晴は電話越しで笑う。

 

「ハハハ、良かったよ。上手く雄英に揉まれてるな」

 

「兄さん?」

 

「挑め挑め!雄英の教訓は“PULS ULTRA“だろ?」

 

「兄さん・・・・・あぁ、挑戦してくる!」

 

「そうか、急にかけて悪かったな」

 

「兄さんも仕事頑張って」

 

天晴はそう言って電話を切った。

天哉は軽く屈伸をして、武舞台に向かうために部屋を出た。

 

 

 

 

●●●

天晴は体を解しながら、手配中の敵“ステイン“の捜索を続ける。

ステインは犯行を路地裏で人知れずやっている。

その情報を元にしらみ潰しに路地裏をサイドキック達と協力して探していた。

 

そしていくつかの路地裏を確認してる時に見つけた。

刀を背負いナイフを持った敵“ステイン“を見つけた。

天晴は急いでステインの前に入る。

 

「見つけたぞ、ヒーロー殺し“ステイン“」

 

「インゲニウムか・・・お前も偽物だ」

 

天晴がいざステインに向かい攻撃するがステインは避けてすれ違い様に刀で天晴の腹を斬る。

天晴も負けずに避けるが反応が少し遅れて掠り傷を負う。

天晴が再度、突っ込んでいくが届く前にステインは刀に着いた天晴の血を舐める。

すると一切の自由を奪われて天晴は動けなくなる。

 

「これは!?」

 

これがステインの個性の“凝血“。

相手の血を舐めると自由を奪う個性である。

 

「じゃあな、偽物・・・」

 

ステインが動けない天晴に近づき、天晴に向けて刀を抜くと何処からか拍手が聴こえてくる。

ステインは天晴を刺さずにその拍手の元を見る。

そこにはフリーザがいた。

 

「誰だ、貴様は?」

 

「私の名前はフリーザ。ヒーロー殺しさん、ビジネスの話をしましょう。小物は相手をせずに」

 

フリーザは動けない天晴に近づき、思いっきり蹴る。

天晴は路地裏から飛ばされて外の道路に出された。

多くの通行人やサイドキック達が動けなくなった天晴に近づく。

天晴は動けないながらも路地裏を見るがそこには誰も居なかった。

 

 

 

 

 

 

●●●

『さぁ、続きまして第十回戦、選手の方は入場をお願いいたします!』

 

電気と天哉が武舞台の上に立つ。

 

『上鳴選手は持ち前の超高速でトーナメントまで勝ち上がり、先程の試合では新技を編み出した今大会の超新星です!』

 

『対する飯田選手も高速でこのトーナメントを勝ち上がり、第二種目で超高速を見せた最速候補!この戦いで今大会の最速が決まります!』

 

会場も熱狂する。

誰だってシンプルな闘いが見たいのだ。

最速VS最速。

速い方が勝つ、一瞬の気の緩みが命取りになる真剣勝負。

 

「飯田、俺の高速の対策したか?」

 

「いや、上鳴君は?」

 

「まさか」

 

「だろうな」

 

二人とも直感で理解していた。

この相手に対策は立てようがない。

何故なら二人とも闘い方が似てるからだ。

高速で動いて相手を一瞬で倒すやり方は対策を立てにくい。相手も同じなら尚更だ。

故に考えていることは一つ、相手よりも早く速く動いてノックアウトさせるのみ。

 

『第十回戦、始め!』

 

天哉は開始と同時にレシブロを使い一気に詰め寄る。

10秒以内に終わらせないとどうやっても天哉には勝ち目がない。

短期決戦である。

しかし、それを狙っていたのは天哉だけでなかった。

電気も最高速度で突っ込んでいく。

天哉は電気に蹴りを入れる為に足を引くが電気はそのまま飛び蹴りを天哉の鳩尾に放つ。

何処のライダーだと見間違えんばかりのキックを放つ電気。

電気は先程の試合で物のいいように手玉に取られた。

それ故に電気は心から誓ったのだ。

 

“度肝を抜く“と開始早々の最速蹴り。

 

天哉の体はそのまま場外へ吹っ飛ばされた。

そして会場の壁に激突した。

 

この間、僅か5秒である。

 

「い、飯田選手、場外!上鳴選手の勝ち!!」

 

ミッドナイトの判定が会場に響き渡る。

そして大熱狂が会場にあふれでる。

 

『凄い!もの凄い速さを見せつけた上鳴選手!速きこと風の如しいや、雷の如しだ』

 

『飯田選手も悪くはありませんでしたが、上鳴選手の方が地力は圧倒的に上でした』

 

天哉は負けた事に悔しさで一杯になるが、これもいい勉強になったと思い、会場を後にした。

控え室に戻ると天哉の携帯がなる。

母親からだった。

 

「もしもし母さん、試合に負けてしまい申し訳ありませんでした」

 

「そんな事良いのよ。それより天晴が・・・」

 

「兄さん?」

 

天哉の頭に天晴がまさか敵にやられて重傷なのかと言う最悪の展開が過る。

 

「兄さんに何か?」

 

「代わるわね」

 

携帯越しに母親が天晴に携帯を貸すのがわかる。

 

「天哉・・・負けちまったよ」

 

「兄さん・・・大丈夫なのか?」

 

「あぁ、医者からは二、三日安静って言われてるが大丈夫だ。手足を折ったわけじゃない・・・天哉、折角お前の憧れなのに負けて悪いな」

 

天晴の言葉は試合前に比べると弱々しかった。

それほど天晴にとってショックだったのだ。

あんなにも呆気なくやられた事がショックなのだ。

 

「兄さん、僕も負けてしまった・・・たったの5秒しか持たなかった。」

 

「そうか・・・」

 

「ここで言わせてくれ・・・僕は強くなる。強くなっていつか兄さんに最高の誇りだって思えるように強くなる!最高のヒーローになる!」

 

天哉は静かに泣きながら、兄にそう宣言する。

 

「天哉、俺も強くなる。お前に最高のヒーローって胸はって誇れるようなヒーローになる!」

 

天晴の誓い。

天哉は涙を拭いて、元気よく答える。

ここからこの兄弟のヒーローの物語が始まる。

 

 

 

 

 

●●●

病院で焦凍の母親である冷は焦凍からの手紙を見ていた。

封はまだ開けていない。

焦凍は会いに来てくれたあの日以降、休日になるとほぼ必ず来てくれるようになった。

冷としては非常に嬉しかったが、非常に申し訳なかった。

焦凍の火傷は冷が負わせた。

気にしてないと焦凍は言ったし、冷は謝り共に前に向いていくと決めた。

互いに前に進めると思った。

しかし、焦凍は自分の個性の恐怖がまだ残っていた。

何故ならその炎は他でもない母親の人生を狂わせた炎だからだ。そのせいで焦凍が炎を使おうとすると母親の怯えた顔を思い出すようになった。

自分の個性。

しかし、それは“個性の呪い“を受けた個性である。

 

焦凍は自分の問題に冷を捲き込めず、自分の今の思いを手紙に書いた。

今、冷が持ってるのがその手紙である。

しかし、冷には開けられなかった。

口下手な焦凍がこの手紙を渡すときに、

 

「これ書いたから読んでくれ」

 

とだけ言って病室から出たのだ。

休日に来るといつも学校での話だったり、自分の趣味だったりを喋ってほとんど話す内容が無いからだ。

しいてあるとすれば焦凍が母親を恨んでいるかどうかの話だけある。

最初に来た時に解消出来たと思ったが、冷にしてみればまだまだ謝り足りないのだ。

 

中身を言わずに渡された手紙に何が書いてあるのだろう。

自身に対する怨みか?

それならまだ良い。

けど、もしも生きてる事に苦しんでたら、どうしたら良い?

そしたら、また辛くなる。

焦凍にとっても・・・自分も。

冷はそんな事を考えていた。

 

(焦凍、本当に私を恨んでないのかな?・・・けど、あんな事した私はもう母親じゃないよね)

 

「お母さん、どうしたの?」

 

焦凍の姉の冬美が病室に入ってくる。

冬美が焦凍の開けられてない手紙を見る。

 

「お母さん、まだ開けられてなかったの?」

 

「うん・・・怖くて・・・焦凍が恨んでたらどうしよう?」

 

冬美は冷から手紙を取る。

 

「冬美?」

 

「お母さん大丈夫だよ。焦凍は恨んでないから!」

 

「でも・・・あんな酷いこと・・・」

 

「お母さんが開けられないなら私が開ける」

 

冬美はそう言って手紙の封を破り、冷に渡した。

 

「それじゃ、私はちょっと下の自販機で飲み物買ってくるから、読んであげてね」

 

冬美はそう言って部屋を出る。

冷は震える手で手紙を読み始める。

 

そこには恨み言なんて何一つ書いてなかった。

 

『お母さんへ

今日は手紙を書いたのは、お母さんに相談したい事があったからです。内緒にしてて冬姉や夏兄にも話してないけど、お母さんに会いに行った前の日、俺、死にかけたんだ。物凄く強い敵が授業中に現れて先生もクラスメイトも殺しかけた。それから色々あって怪我も問題なく治った。けどその時に後悔したのは俺、母さんの個性だけ使ってあいつの力使わなかった。もしもあの時使ってたら守れたのかなって本当に思った。母さんに会いに行ったのはもう会えなくなると本気で思ったから、会いに行った。今はいつか会えなくなるまで一生懸命やってるよ。先生もクラスメイトも優しいし今の生活は楽しい。キツイ事もあるけどそれでも楽しいんだ。

お母さんは俺の火傷で本当に辛いと思う。

けど、俺はその事で恨んでないし憎んでいない。

冬姉からお母さんの資格がないって聞いた。

俺にとってお母さんはお母さんだよ。

もう俺は大丈夫だから、だからお母さんが大丈夫だったら病院のテレビで俺を見て欲しい。絶対に優勝するから、そしたらもう一度、お母さんになってくれますか?』

 

冷は読みながら泣いた。

恨んでなかった。

焦凍は立ち上がろうとしてた。

臆病なのは自分だけだった。

 

冷は直ぐ様、病院服から私服に着替える。

棚から冬美が持って来てくれた服に着替える。

そんな時、冬美が病室に戻ってくる。

 

「お母さん、何してるの?」

 

「冬美、お願いがあるの」

 

冷は冬美に近づき、手を握る。

いつもと違う状況に冬美は買ってきた飲み物を置く。

 

「私を雄英に連れてってお願い」

 

震えてる母親の手。

冬美は優しく握り返す。

いつも優しくていつも甘やかせてくれた母親の我が儘。

それを断る選択肢は冬美にはなかった。

病院には多大な迷惑を掛けるが、火消しはお父さんに任せようと心に決める。

 

「うん、行こう。雄英に!」

 

今、轟家一世一代の逃亡が始まる。




まず、前回の出久の電気に対する反応で天罰を落としました。
まぁ、この二人にはこれがお似合いだと感じます。
人使君、まさかのナンパで勝つとは・・・ごめんね罵倒ネタは使い古されてて使えなかったんだよ!

電気と天哉の戦いの前にステインとインゲニウムの戦いにフリーザの横やりが入りました。
何故なら、ステイン編がこのまま行くと絶対に原作通りやってもおかしくなるのは目に見えていたので調整が必要だったんです!これで出久らを出さなくても問題なくなった。

電気と天哉の戦いは一瞬で着けました。
最速通しの戦いなので一撃必殺の方が映えると思ったのでやりました。

そして轟のお母さんの冷さんがまさかの病院の抜け出しをやると言う急展開です。
いや、原作を見てるとなんで轟君、お母さんを苦しめた炎を訓練してないのにそんなにガンガン敵にぶつけられるの?って思ったのでそこに対する葛藤がある筈だと思ったのでやりました。
体育祭編は轟編でもありますので

批判感想質問は早急にお答えしますので気軽に送って下さい。
こないと作者の枕元が涙で濡れます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

轟け熱き焔、轟焦凍VS緑谷出久!

遅れてすみません!!(土下座)
色々と予定を片付けながらやっていったらこんなに遅れるとは思いませんでした。すみませんでした!



電気と天哉の高速戦が終わり、出久と焦凍がストレッチをしながら、司会者の合図を待つ。

 

(絶対に優勝するんだ)

 

焦凍はこの大会で勝ち上がる為に戦う。誰でもない自分のために優勝する。そしてもう“大丈夫“だからと声を上げて言うため、自分の左手を見る焦凍。未だに炎は上手く出てこない。攻撃をしようとすると絶対に出てこない。自分の氷を使い続けて低温になった時の調整ならば、出来るが攻撃の時は出なかった。

 

『続きまして第十一回戦を始まります、選手の方は入場をお願いします!』

 

焦凍は武舞台に上がる。

 

『轟選手は第五回戦で巨大な氷を出現させた個性だけでなく、判断の素早さも我々に見せつけて貰いました!』

 

『対する緑谷選手は第六回戦で切島選手と熱い試合をしてくださり、近接戦では今大会最強候補です!』

 

焦凍と出久が武舞台に上がり、司会の声を聴きながら構える。互いに油断も隙もなかった。

 

「轟君・・・」

 

「緑谷、さっきは本当にすまない。手加「すると思う?」・・・良かった、安心したよ」

 

『第十一回戦、始め!』

 

出久と焦凍の戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

~約20分前~

 

冷が私服のまま病室で座っていた。

すると冬美が病室に入ってくる。

 

「冬美、出来そう?」

 

「うん、夏が今、車を飛ばして来てるからお母さん、出よう」

 

「うん」

 

冬美は帽子を取り出して冷に渡す。

冷は帽子を深く被る。

春用のコートに帽子にマスクを着用した状態で出る。

 

「よし、お母さん。出よう」

 

「うん」

 

冬美は冷を連れて病室を出る。

そして受付の横を通って出る。

忙しかったのか受付には一人しか居らずその人は別の作業で忙しそうにしていた為、これを機にせっせとエレベーター前に行き、エレベーターに乗る。

エレベーターで、冷は帽子とマスクを取ろうとする。

 

「お母さん、ダメだよ」

 

「ごめん、ちょっと暑くて」

 

「車に乗ったら脱いでいいから今は我慢して」

 

「わかった」

 

携帯のバイブが鳴り、冬美は携帯を見る。

弟の夏雄からだ。

車を駐車場に停めたと言うメールだった。

 

「お母さん、夏から駐車場に車を停めたって一階に着いたら急いで駐車場まで行こう」

 

「うん」

 

エレベーターが一階に着く前に停まる。

扉が開き、中に入って来たのは冷の担当をしてくれてる先生だった。

冬美と冷に緊張が走る。

 

「こんにちは轟さん、もうお帰りですか?」

 

「は、はい、あの母を宜しくお願いします」

 

「任せてください・・・そう言えば弟さんは雄英生でしたね。これから体育祭を見に行くのですか?」

 

「そうです」

 

「そうでしたか」

 

先生は冷を一目見る。

冷は体を少し縮める。

エレベーター内に緊張が走る。

するとエレベーターが止まり、扉が開いて先生が降りる。

 

「轟さん、ではまた後日。それと息子さんの試合を楽しんできて下さい」

 

先生はそう言って去っていった。

見逃した理由は冷が病室から出ようとした事が一切なく、10年も続くといっそのこと出した方が良いと思いやったの事。後日、クビを言い渡された。

 

「バレた?」

 

「お母さん、急ごう!」

 

エレベーターが一階に着き、二人は病院を出て駐車場に向かう。

そして、夏雄が乗ってる車に乗り込む。

冬美は助手席に冷は後ろに乗る。

 

「夏、早く出して!バレた!」

 

「えぇ!?マジかよ!」

 

「ごめんね、夏君・・・」

 

「母さんは謝んなくて良いから、急いで焦凍の所に行こう!」

 

車をバックさせて病院の敷地を出る。

冷と冬美は安堵の息をする。

 

「二人ともありがとう」

 

「良いよ、お母さん」

 

「母さんの頼みなら断れないよ・・・でも会場にはあいつもいるよ。姉ちゃん、どうする?」

 

冬美は頭を抱えた。

父親のエンデヴァーがいることを完全に忘れてのだ。

見つけたら冷に何をするか分かったものではない。

 

「冬美、私は、大丈夫・・・」

 

「お母さん、無理は止めて」

 

冷が虚勢をはっていたのを冬美は一発でわかった。

彼女にとってエンデヴァーは恐怖でしかないのだ。

エンデヴァーが冷を苦しめた結果が焦凍の火傷なのだ。

 

「母さん、病院に戻っ「良いから行って」・・でも「お願い、焦凍が待ってるの」・・・・・わかった」

 

「夏、どうするの?」

 

「あいつが来たら、殴って近づかせない」

 

夏雄の言葉に二人の顔が青くなる。

 

「ねぇ、そんなのダメ!」

 

「姉ちゃんは黙って。殴っても止まりそうにないならこうするしかねぇじゃん」

 

「夏君、そんなのダメ、夏君が危険よ」

 

「母さん・・・焦凍の活躍が見たいんだろ?」

 

「それは・・・」

 

「だったら、こうするしかない。上手く行くさ。あいつは俺には関心ねぇから、そんなにしないよ」

 

「わかった」

 

「お母さん!?」

 

「夏君、ありがとう」

 

冷の言葉に夏雄は頬を緩ます。

冬美は助手席で頭を更に悩ませるがこうなると夏雄が止まらないのは知っている。

このまま行くしかないと腹を括った。

折角の母親からの貴重な我が儘を叶えられなくなる方がもっと嫌だからだ。

こうして冷達は雄英に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

冷の病院逃亡から10分後。

 

エンデヴァーは非常に嬉しく思いながら、トイレを出る。自慢の最高の息子が遂に炎の個性を使うとこの前、冬美からの会話で分かったからだ。第一種目でも第二種目でも使ってないし、トーナメントでもまだ出てないが次は必ず使う。

何故なら相手が出久だからだ。

エンデヴァーは今日初めて出久を見たが一目でわかった強いと直感した。

氷だけじゃ天地が引っくり返っても勝てない。

焦凍は必ず炎を使う。

オールマイトを超える使命を背負っている焦凍のデモンストレーションには最高の相手だ。

こんなに清々しくなったのは久しぶりだ。今ならキャラではないがスキップをするほど嬉しい。

そんな頭が花畑になってるエンデヴァーの携帯がなる。何だと思い、着信画面を見ると病院からでエンデヴァーは嫌々でた。

入院してる冷に何かあると面倒だからだ。

 

「もしもし、轟ですが?」

 

「すみません、奥様の轟冷さんが消えました」

 

「消えっ!?」

 

「今、捜索中ですが心当たりはありま・・・」

 

エンデヴァーは携帯をすぐに切り、冬美に掛けるが出ない。冬美は病院を出た瞬間から携帯の電源を切ったのだ。理由は冷を焦凍の所へ送り届けるのに邪魔な物は全部切ったのだ。学校からの連絡は無いことを祈りながらではあるが。

 

エンデヴァーは焦凍の試合か冷を探すかどちらか迷った挙げ句、冷を探しに会場を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

~約10分後~

 

『第十一回戦、始め!』

 

銅鑼の音が鳴り、出久と焦凍は構える。

焦凍はすぐに氷で出久を捉えようとする。出久も負けずにかめはめ波を撃ち、氷を粉砕する。

 

『これは序盤から凄い火力同士の戦いだ!』

 

『遠距離戦は今のところ、互角ですね』

 

出久は焦凍に突っ込む。

焦凍は来る前に氷の壁を作る。

出久の拳が氷の壁にぶつかり、罅が入るが壊れない。

焦凍は牽制が上手くいったと思ったが下から気弾が出て来て、焦凍の顎をかち上げる。

出久の操気弾だ。

 

『ああーっと、これはどういう事だ!?』

 

『緑谷選手のエネルギー弾が地面を回って轟選手の顎に炸裂しました』

 

すると氷の壁が出久の拳によって破壊される。

 

『緑谷選手、氷の壁を力ずくで壊した!』

 

『凄い、ゴリ押しですね』

 

出久は焦凍の顔面に拳を放つ。

焦凍は炎で牽制しようとするが“出せない“。

拳が顔面に入り、焦凍は後ろにぶっ飛ぶ。

ゴロゴロと転がり続けるが、氷を作って勢いを殺す。

氷の使いすぎで体が冷えてきた為に炎で暖める。

こう言う事なら全然問題ないのだが、攻撃をしようとすると全く出てこなくなる。

 

体の問題ではない、精神的な問題だ。

氷は冷の個性でそこには愛情がある。しかし、炎はエンデヴァーの個性で一方通行な愛情はあるが、焦凍にとっては憎しみしかない。

頭では受け入れているが、心がまだ受け入れていない。受け入れていないと云うよりも恐怖している。その炎を使おうとすると焦凍の脳裏に過るのは冷の怯えた顔と煮え湯をかけた時の絶望の表情。その二つが焦凍の中で消えない限り、炎が使えることは永遠にない。

 

(くそ!なんで炎が出ねぇんだよ!?)

 

焦凍は心で自分に毒づきながら出久を見るともう目の前に迫って拳を引いていた。そして拳を放つ。焦凍は当たる寸前のスレスレで顔を横にずらして避ける。出久は避けられた事に特に驚く様子もなく、避けてがら空きになってる焦凍の脇腹を殴る。

横にふっ飛ぶがまた氷をはって止まる。

素早く立ち上がり、氷で出久を捕まえようとするが出久は気弾を放ち、全力で斜めに動きながら、焦凍の氷を相殺しつつ向かっていく。

焦凍は一先ず、後ろではなく、横に逃げる。

正方形のデカイ武舞台でこじんまりとした逃げではすぐに退路を潰されて追い詰められるからだ。

しかし、出久はその動きに対応して焦凍を追いかける。焦凍は氷で攻撃する。対する出久も操気弾を放ち、氷を粉砕しながら焦凍の鳩尾に入る。

そして出久がすかさずに殴り、また吹き飛ばす。

今度は氷で止まる事が出来ずにゴロゴロと転がるがやがて勢いが落ちて武舞台の端で止まる。

 

『轟選手、緑谷選手の猛攻を凌げません!』

 

『緑谷選手が有利ですね』

 

出久は追撃をせずに武舞台の中央に立つ。

今なら焦凍を追撃すれば確実に落とせるがやらない。何故なら出久は正真正銘の焦凍の全力とぶつかりたいのだ。家族の問題に首を突っ込む気はないが、個性を上手く出せない焦凍を出久はなんとかしたいのだ。

故に出久は武舞台で焦凍が立ち上がるのを待つ。この行動が手を抜いている様に見えるか、それとも全力の戦いをする為の行為と見るかは人によって違う。

各宇宙の神々や戦士達や電気は全力でやるための行為として判断しヒーロー科の面々は手を抜いたのか?と見る。

 

『これは緑谷選手、一体どういう事だ!?武舞台中央で止まったぞ!?』

 

『手を抜いてるかそれとも何かを待ってるか・・・判断するには難しいですね』

 

司会者やクリリンも恐らくは全力の為の待ちだと思っているが二人とも実況と解説と云う仕事をしているために自身の考えを押し付けるのではなく、両方の解釈を出すだけに止めた。

両方とも間違っていない。

 

間違っていないがやられてる方の怒りは上がる。

焦凍は立ち上がり、怒気の籠った目で見る。

 

「緑谷・・・今の落とせただろ、緑谷!」

 

「落とせたね・・・けど言ったでしょ、全力の君に勝つって」

 

出久は拳を構える。

焦凍は先程とはうって変わって自ら攻めに行くが徒手空拳では出久に一日の長がある。

空を切る焦凍の拳。

軽々と避けていく出久。

 

『轟選手、近接戦を仕掛けたが全く掠りもしない!』

 

『緑谷選手に一日の長がありますね』

 

出久はそれを避けて焦凍の腹にカウンターを決め、くの字に折れた所にハイキックをぶちこみ、地面へと叩きつける。

しかし、焦凍も負けておらず、倒れたまま氷で出久の足を掴まえようとするが逃げられる。

焦凍は立ち上がり、出久を睨む。

出久は右手の人差し指を上に気を指先に集中する。

そしてそのままドーナツ状の気弾を作る。

気弾を放り投げると焦凍を中心にドーナツが広がり、そして出久が拳を合わせるとドーナツ状の気弾が焦凍を締め上げる。

焦凍は締め上げに苦しくなる。

 

「見たか!名付けて気輪縛!」

 

『これは凄い!緑谷選手、エネルギー弾を拘束具として使った!柔軟な発想だ!』

 

『動けないようですけどね』

 

この技はゴテンクスのギャラックティカードーナツである。修業中に悟空、ベジータ二人による強烈な技の批判を出久達は徹底的に聴いていたので、真似たのだ。

やった出久は意外に簡単だと思いながらやってるが、締め上げていると動けなくなった。

ゴテンクスがやれば動けるのか、それとも動けなくなる技かわからないが捕縛には持ってこいの技だ。

苦しむ焦凍。

 

「轟君!このまま参ったと言って貰うよ!」

 

「くそ!」

 

焦凍は気輪縛から脱け出せないでいた。

 

 

 

 

 

●●●

一方、冷達は漸く雄英高校の体育祭会場に来ることができた。そして何とか会場に入るが、行けないでいた。

エンデヴァーがいると思ったからだ。

実際にはエンデヴァーは会場を出て冷達を探しに行ったが、そんな事を冷達は知らなかった。

 

「どうしよう?」

 

「早く、観客席に行こうってアイツなら俺が」

 

「だから、夏の身が危ないじゃん。出来る限り、会いたくないよ!」

 

「じゃ、どうすんだよ!このままだと終わっちまうよ」

 

焦る夏とどうしようかと悩む冬美。

そして冷は一人、二人から離れて歩いていき、選手関係者以外立ち入り禁止のドアを見た。

そこに冬美と夏が来る。

二人とも流石にここに入る気はなかった。

冷もである。

 

「流石にここはダメだって」

 

「お母さん、ここはやめよう」

 

「うん、ちょっと見えたから気になっちゃって」

 

三人で意を決して観客席に向かおうとするとそこに何故かオールマイトがやってくる(怪我が消えたのと鍛え直しの為に筋肉ムキムキです)

 

「おや、君達は確か・・・」

 

「オ、オールマイト!?」

 

「嘘!?」

 

オールマイトは轟家の家の事情は全く知らない。そもそもエンデヴァーが漏らすわけがない。

見覚えがあるのはエンデヴァーと冷のマスメディア用の結婚式には一応呼ばれて冬美は焦凍の保護者として知っている為である。

 

「そうだ、エンデヴァーの奥様の・・・「轟冷です」・・すぐに思い出せずに申し訳ありません」

 

「いえいえ」

 

社交辞令の挨拶をやる二人。

 

「早く行こうぜ」

 

「うん、お母さん・・・」

 

「そうだね。ではまた後日・・・」

 

「宜しく、お願いします・・・これから息子さんの試合を?」

 

「えぇ、少し遅れてしまったので・・・」

 

「でしたら、此方から見た方が良いですよ」

 

オールマイトは関係者以外立ち入り禁止のドアを開ける。

 

「良いんですか!?」

 

夏がオールマイトの行動に驚く。

 

「大丈夫ですよ、私も此方から見ようと思っていたので、立ち見になってしまいますが一緒にどうですか?」

 

「いきます!」

 

冷がオールマイトの言葉に力強く答える。

そして冷達はオールマイトと一緒に入っていった。

通路は途中で控え室があったのと医務室があった位で何も無かった。

(オールマイトは医務室の万人であるリカバリー・ガールに掴まり、説教の為に冷達と離れた)

これより先は武舞台だけだったから、リカバリー・ガールも口うるさく言うつもりは無かった。

その役目はオールマイトになった。

 

 

 

 

●●●

焦凍が気輪縛に捉えられて締め上げられている。

これを脱出するには純粋な力でどうにかするしかない。つまり、個性で何とかするしかないのだが、強烈な締め上げと焦凍の内心抱えている問題のせいで脱け出せないでいた。

 

「轟君!参ったと言え!」

 

「言うもん・・・か」

 

『轟選手、意地を見せるがこの状況は絶望的だ!』

 

『あれを解除すると強烈な氷が来ますから、緑谷選手は解けませんね』

 

観客も焦凍のこの意地に感心しつつももう無理だと感じていた。

司会の声も観客の声も焦凍を蝕む。

この締め上げのせいでより加速されていく。

 

(も、もう無理だ・・・)

 

「焦凍!!」

 

突然、焦凍の耳に声が聞こえる。

顔を動かして周りを見ると自分が入ってきたゲートには冷が立っていた。

冷だけでない、冬美も夏もいた。

 

「お母さん・・・」

 

「焦凍、頑張って・・・お母さんも頑張るから!・・・負けないで!!」

 

「焦凍、頑張れ!」

 

「俺の弟だろ!?諦めんな!」

 

焦凍は嬉しくなった。

大好きな家族からの声援。そして冷がこの会場の何処かにいるエンデヴァーを恐れずに来てくれた。

その事実に焦凍は嬉しくなり、そして諦めかけていた心に再び焔が燃え上がる。

 

(負けてたまるか!!)

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

焦凍の叫び声と共に左から燃え広がる炎が左から美しい巨大な氷が右から出て来て気輪縛を破壊する。

 

『轟選手、緑谷選手の拘束を破った!!』

 

会場がこの意外な脱出に喜ぶ。

更には先程なかった炎の力も出て来てまた興奮が出てくる。

冷は焦凍のその姿を確り見る。

 

「やっぱり壊れたか・・・」

 

出久が気輪縛が破壊された事に対して特に慌てずに焦凍を見る。

 

「緑谷・・・お前、これを待ってくれてたのか?」

 

「言っただろ?全力でやろうって・・・炎を出せるようになったじゃないか」

 

「敵のパワーアップを待つ奴が何処にいんだよ・・・余計なお世話をしやがって・・・」

 

「君の全力と戦いたかったからね」

 

笑い会う二人。

出久はかめはめ波の体勢になる。

焦凍も左の炎の火力を上げていく。

 

(緑谷・・・ありがとな)

 

「豪龍・かめはめ波!!!」

 

「膨冷熱波!!!」

 

出久は最強の技を焦凍は熱膨張の原理を使い巨大な氷の後に超高温の炎をぶつけて爆風を起こす技をぶつける。

そのぶつかり合いは会場を騒然とさせた。

特大の技がぶつかり合い、会場は轟音と爆風に包まれる。

 

主審のミッドナイトはそれに耐えて武舞台を見るとそのには落ちる寸前の出久以外誰もいなかった。

相手の焦凍は場外で倒れていた。

 

「轟選手、場外!緑谷選手の勝ち!」

 

主審ミッドナイトの采配はやっと武舞台を見ることができた会場の観客を興奮させた。

 

『緑谷選手の勝利だ!!一見優勢かに思われた緑谷選手、しかし負けずにパワーアップした轟選手。それすらも吹き飛ばした緑谷選手、なんと見所が多かった試合でしょうか!!』

 

『凄い戦いでしたね、それにしても何と言う威力でしょうか』

 

クリリンは二人の最大火力に少し冷や汗をかいていた。

各宇宙の破壊神や天使は平然とし界王神は冷や汗をかいて人間達の反応は疎らだった。

 

出久がボロボロになりながら、武舞台を降りて焦凍の方を見ると、焦凍は立ち上がって出久を見ていた。

 

「緑谷・・・優勝しろよ」

 

その言葉と共に拳を前に出す焦凍。

出久も拳を前に出す。

それを見た焦凍は笑いながら、冷の待つゲートの方に向かっていった。

出久も武舞台を後にした。

 

 

 

 

●●●

焦凍がゲートに入り、外からここが見にくくなると焦凍は冷に抱き締められた。

 

「お母さん?」

 

「焦凍・・・手紙読んだよ・・・ごめんね、遅くなっちゃって・・・今、答えを言わせて」

 

冷は一旦、離れて焦凍の目を見る。

焦凍の目には不安が出ていた。

 

「焦凍が赦してくれるなら、もう一度チャンスをくれるなら、もう一度、焦凍のお母さんになっても良いですか?」

 

冷の言葉に焦凍の目から自然と涙が溢れてきて静かに頬を流れていく。

 

「俺の・・・お母さんは・・・お母さんだけだよ・・・ごめんね・・・優勝出来なくて・・・」

 

「来年、今度は最初から観客席で冬美達と見るからその時まで待ってるね」

 

「うん・・・うん」

 

互いに涙に溢れてもう一度抱き締め会う。

冬美も夏も二人のこの状況に嬉しくなった。

轟家の物語は・・・轟焦凍の物語はここでもう一度始まった。

 

 

 

 

 

●●●

その様子を影に隠れながら見ていた男がいたエンデヴァーである。

あれから必死に探して冷達が見つからず、もしかしたらと思って会場に戻り、探していなかったここを探してたら、抱き締め合っていた冷達を見つけた。

冷達には何も言わずにその場を静かに離れたがその心情は穏やかではなかった。

冷達が逃げたことに対する物ではない。

焦凍が冷達の言葉によって炎を使えるようになったからだ。自分の最高の息子の問題が自分でも焦凍自身でもなく冷達によって解決された。

どんだけ自分が一方通行の愛を捧げても治らなかった物が冷によっていとも容易く治された。

その事実にエンデヴァーは冷に嫉妬し、怒りが溢れてきた。

同時に悲しくなった。

何故自分ではないのか・・・何を間違えていたのか・・・エンデヴァーはそんな事を思いながら、観客席に戻っていく。

そして、観客席に続く階段で座った。

単純に疲れてしまった。

心身ともにである。

そしてこれからどうしたら良いか、エンデヴァーには分からなくなってきた。

 

「ここにも迷える若者が一人いたか」

 

エンデヴァーは声のした方を見るとそこには亀仙人がいた。

 

「何のようだ?ご老公は誰だ?」

 

「何、少しお節介な老人じゃ、何やら悩んでいるようじゃったのでな。年寄りからも口うるさいアドバイスをと思ってな」

 

飄々と喋る亀仙人にエンデヴァーはイライラする。

 

「結構、ほっといてくれ。俺は45だ。もういい年でアドバイスなぞいらん」

 

「まぁ堅苦しい事はいうでない。聴くだけならすぐに終わるぞ」

 

エンデヴァーはイライラしながらも聴くことにしたそしたら消えてくれるだろうと思ったからだ。

 

「さっさと言って、何処かに行ってくれ」

 

「では一言、お主の人生で楽しかったのは?」

 

「は?」

 

「それがわかれば悩みも解決するぞ」

 

そう言って亀仙人は去っていった。

エンデヴァーはすぐに忘れようとしたが、亀仙人の妙な含蓄のある言葉を忘れられず、その事を思い出しながら観客席に戻っていった。

ここからエンデヴァーは変わるのだろうか?

それはまだエンデヴァー自身も知らない。




遅れてすみません!(三度目)
元々はすんなり書けるだろうと思って書いてたのですが予定を諸々片付けながらやってて尚且つ、戦闘が無茶苦茶難しかったので遅れてしまいました!
焦凍君の戦闘がまさかこんなに難しくなるとは作者も予想外だったので・・・本当にすみません!

そして出久君・・・主人公の一人なのに影が薄くなってごめんよ。焦凍君の家問題が濃すぎてバランスが取りにくかったんだよ!
何でこんなに主人公属性豊富なんだ!?
エンデヴァーと冷達の和解はすんなりさせませんでした。これに関してはそんなにすんなり解決する問題ではなく永遠に終わらない可能性の問題でもあるのでさせませんでした。

次は準決勝です。
2試合やります!
んで自分でも書きたかった決勝にいきます!

批判感想質問は早急に必ず返信しますので気軽にドンドン送って下さい。私にとれば褒美です。

それと体育祭後の短編の募集を今から始めます。また活動報告に送ってきて下さい。
期限は体育祭が終わるまでです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。