グランブルーファンタジー 〜仮面ライダーエグゼイド〜 (JOKER1011)
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第1章 新たなenemy
1話


聖都大学附属病院

 

「お大事に!」

 

「先生!バイバーイ!」

 

「ありがとうございました。」

 

ふ〜やっとお昼休みだよ。

 

僕の名前は宝生永夢。小児内科医だ。

 

ちょっと前まで仮面ライダーエグゼイドとして日夜戦ってたけど、最近はほんのたまにしかバグスターが現れないから、専ら本業に集中できてる。

 

さてお昼お昼!

 

病室から出ると飛彩さんが前を通った。

 

「飛彩さん!」

 

「永夢か。」

 

この人は鏡飛彩。天才外科医であり、僕と同じ仮面ライダー。今は失った恋人にもう一度会うために研究してる。

 

「一緒にお昼どうですか?」

 

「悪いな。もう買ってある。」と袋を見せてきた。

 

「そうですか。では、また。」と外へ出てコンビニでお弁当を買ってくる。

 

そしてその足でCRへ行く。

 

CRっていうのは院長と僕のような仮面ライダーしか存在を知らないゲーム病に対抗する為に衛生省が作った、いわば基地みたいなものかな。

 

ドアを開けるとパラドが机に突っ伏して寝ていた。

 

パラドは僕の中にいたバグスター。最初はいがみ合ってたけど、いまでは僕の最高のパートナーだ。

 

「あ!永夢!」とポッピーが突然現れた。

 

ポッピーもバグスターだ。普段は仮野明日菜って名前でいるけど、最近はよくポッピーの姿でいる事が多い。

 

買ってきたからあげ弁当を広げて食べようとした所、「お!美味しそっ!」といつの間に起きたのかパラドに一つ取られた。

 

「あ!」

 

「ヘヘッ!」

 

「まあ一個くらいならいいよ。」

 

気をとりなおして食べていると緊急通報が入った。

 

すると患者が運ばれてきた。

 

同じタイミングで飛彩さんと貴利矢さんが入ってきた。

 

貴利矢さんはこの病院の医者で訳あって今はバグスターになってる。そして仮面ライダーだ。

 

何のゲーム病なのか検査するが、不明って出た。

 

「永夢。変われ。」と飛彩さんも検査をするが結果は同じだった。

 

「何故だ?何故バグスター反応があるのに出ないんだ。」

 

「もしかして10本のガシャットの内、どれでもないんじゃないのか?」とパラドが口を挟んだ。

 

「新種って事か。」

 

「そのようだねー」

 

そう考えていると急にすみに置いてあるテレビが付き、黎斗さんが映る。

 

「ごきげんよう、私は壇黎斗神だ。」

 

「私の知恵をお前達に貸してやろう。だから出してくれ。」

 

「今回は借りた方がいいかもしれません。」と僕の提案により黎斗さんを出す手続きを取りにいった。

 

30分後

 

「ヴェアハッハッハッハ!神の恵みを味わ‥なんでもない。」ガチャ

 

ポッピーに無言でバグヴァイザーを突きつけられ黙る。

 

 

 

 

 

 

 

 



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2話

「コホン。では説明しよう。恐らくだが、このバグスターはグランブルーファンタジーの物だな。」

 

「グランブルーファンタジー?」と知らないのか飛彩が首を傾げる。

 

それに対して永夢とパラドは知ってる素振りを見せる。

 

「グランブルーファンタジー、略してグラブルは主人公が行方不明の父から届いた手紙に書かれていた場所を目指して仲間達と旅をするファンタジー要素があるスマホゲームだ。だからバグスターも特殊なんだ。」

 

そう話していると通信が入る。

 

モニターに繋ぐと大我さんだった。

 

「おい、永夢。お前グラブルってゲーム知ってるか?」

 

「はい、知ってます。さっきそのゲーム病患者が運ばれてきました。」

 

「何!?そっちもか!」

 

「そっちもって‥まさか!」

 

「ああ、こっちも送られてきてる。今はニコ達が看てる。」

 

「ちょっと大我!」

 

「チッ!分かった!ちょっと待ってろ!すまん、後でかけ直すぞ。」と通信が切れた。

 

「大我さんの所にも‥」

 

「そうだ!リプログラミングを!」とポッピーが言う。しかし‥

 

「どうするつもりだ?バグスターは出てきていないのだぞ。患者に撃つつもりか?」と飛彩に言われる。

 

確かにと思い「う‥」とポッピーが黙る。

 

すると患者で運ばれてきた男の子の容体が急変しだした。

 

「ぐおぉぉ!」

 

その叫びと共にバグスター化した。

 

その姿は女性のような感じで体に竜を三体巻きつけたような姿だった。

 

「ティアマト‥」

 

永夢達は変身しようとするが、更に緊急通報が入り、飛彩が出る。

 

「どうした?親父?え!?ロビーでバグスターが暴れだした!?数は‥二体?」

 

「飛彩さん!ここは僕とお願いします!みんなは他をお願いします。」

 

「分かった!パラド行こう!」

 

「ああ!」

 

「行くぞ!神!」

 

「神の裁きを下してやる!」

 

「行くぞ!永夢!」タドルクエスト!

 

「はい!」マイティアクションX!

 

「変身!」ガッシャット!ガッチャーン!レベルアップ!

 

マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!

 

タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!

 

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

「俺に切れない物はない。」

 

永夢はエグゼイド、飛彩はブレイブに変身した。

 

ステージセレクト!

 

「はあ!」と敵は手から緑の光弾を出す。

 

それをエグゼイドはガシャコンブレイカーで、ブレイブはガシャコンソードを出し、光弾を弾きながら接近する。

 

そして同時に攻撃し、ダメージを与える。

 

しかし、敵は気にせず、体に巻きつけてある竜を二体こちらに放ってきた。

 

それを飛び前転で避け、キメワザの体制に入る。

 

マイティ!クリティカルストライク!

 

タドル!クリティカルストライク!

 

「ハアアァ!」

 

ドン!ドガーン!

 

敵を倒すと後ろに迫っていた竜も消えた。と思っていたが違った。

 

後ろから攻撃してきた。

 

「な!何故だ!敵は倒したは‥ず‥」二人は前を向いて驚いた。

 

さっき自分たちのキメワザをくらい、爆発したはずの敵が立っていたからだ。

 

するとバグスターが喋り出した。

 

「面白かったよ、また遊ぼう。」と患者の中に帰っていった。

 

変身を解く。

 

貴利矢と黎斗が先に帰ってきていた。

 

 



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3話

「どういう事だ?倒せないだと‥忌々しい!私のデンジャラスゾンビをパクるなんて!」

 

「おう!永夢!敵が倒したはずなのに復活したんだ。」

 

「こっちもです。」

 

そっちもか。と話していると、ポッピーとパラドが帰ってきた。

 

「敵が復活するなんて聞いてないよー!もうピプペポパニックだよー!」

 

「そっちもですか。」

 

大我さんからも通信が入った。

 

「永夢。そっちにバグスターは現れてないか?」

 

「現れました!じゃあ、そっちもですか?」

 

「ああ、なんとか追い払ったが、患者の中に入りやがった。」

 

「ねえ!永夢!どうしてグラブルの星晶獣が出てくるのよ!」とニコが通信に割り込んできた。

 

 

 

「これしか方法は無いな。」と黎斗が呟く。

 

「何かあるんですか!」

 

「ああ、だが少し時間をくれ。私の!ぁ神の頭脳で考えてくるからな!」とドレミファビートの筐体に入った。

 

一時間後

 

「やっと分かったぞ!」と筐体から出てきた。

 

「バグスターを倒せないなら大本だ!大本を叩くぞ!」

 

どういう事?と皆が首を傾げる中、永夢だけが目を輝かせて黎斗に近づいた。

 

「それって!まさか!」

 

「その通りだ!VRで中に入る。それしか無い!」

 

「そして永夢!君に行ってきてもらおう!」

 

「僕がですか!良いんですか!」

 

「ああ、確か君はこのゲームが好きな筈だ。と、いうことはシステムを知っている。」

 

「早速取り掛かろう!」

 

こうして準備は進められ、後はゴーグルを装着するだけとなった。

 

「いいか?永夢。今から君はグラブルの世界に飛んでもらう。そうだな。どこに飛ばされるかは分からんが、グランと接触しろ!その方が動きやすいだろう!

それと心配しなくても他のユーザーには君は見えない。分かったか?」

 

「はい!」

 

「永夢。頼んだぞ。」

 

「現実世界は俺たちに任せて、頑張ってこいよ!」

 

「必ず帰ってきてよ。」

 

飛彩、貴利矢、ポッピーが言葉をかけてくる。

 

しかし、こんな時にパラドはどこに行ったんだ?

 

まあ、いいか。行こう!

 

ゴーグルをかけた。

 

 

僕は気がついたら森の中で寝ていた。

 

体を起こすと、猪が自分の匂いを嗅いでいた。

 

撫でようとすると逃げられた為、軽く落ち込む。

 

すると通信が入る。

 

「はい、こちら宝生永夢。」

 

「繋がったな!よし!今君は‥ポートブリーズにいる。そちらの時間はおそらく昼間だ。活発に行動はしていないと思うが、くれぐれも気をつけて街道に出てくれ。それとアイテムを用意してある。

そこのチョコブロックを破壊してくれ。」

 

目の前には普通グラブルでは見ないチョコブロックが置いてあった。

 

それを破壊すると聴診器とゲーマドライバーとマイティアクションXのガシャットとお金が入った袋が出てきた。

 

「なにぶん、急なものでそれだけしか送れなかった。後はなんとかデータ化して送る。以上だ。」と通信を切られた。

 

服はいつもどおりの白衣か。



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第2章 青と赤のEncounter
4話


街に着くとかなり賑わっていた。

 

色々な露店が並び、果物や野菜を売っている店、調理器具などなどを売っていた。

 

それを見ながら歩く。永夢はいちいち感動しながら歩く。

 

そりゃ自分がゲームの中で見てきたヒューマン、ドラフ、エルーン、ハーヴィンが歩いているのだ。

 

感動しない訳がない。

 

すると果物を売ってる男性に声をかけられる。

 

男性ドラフの店主は「兄ちゃん、あんた見ない顔だな。」

 

「ええ、観光です。」

 

「観光ねー。うん!よし!サービスしてやる!これ持って行きな。」とりんごを5個、オレンジを5個くれた。

 

お金を払おうとするが、店主から断られ、お礼を言って後にする。

 

りんごを齧りながら、歩くと超有名人を見つけ、危うくりんごを落としそうになった。

 

成人しても、子供の身長くらいしかなく、耳が尖っている神出鬼没のハーヴィン商人‥

 

「またのご利用をお待ちしてます〜」

 

シェロカルテだ。

 

僕の視線に気がついたのか声をかけてきた。

 

「あらあら〜そこの医者のお兄さ〜ん。良かったら見ていってくださ〜い!」

 

その声につられて店の中に入り、品物を見る。

 

「あ!やっぱり初めて見るお客様ですね〜私はシェロカルテです〜、呼び方はシェロちゃんでいいですよ〜」

 

うーん、やっぱり普通の剣とか買っといた方がいいのかなー

 

「剣をお探しですか〜?だったら〜これなんてどうですか?」とブロードソードを見せてきた。

 

鞘から抜き、刀身を色々な角度から眺めていると「おーい!よろず屋!」と後ろから声がした。

 

またまた聞き覚えのある声がしたため、後ろを向くと探していたルリアとビィがいた。

 

ルリア。彼女は蒼の少女と呼ばれ星晶獣の力を吸収し使役する事ができる能力のせいで帝国に重要機密として囚われていた。しかしカタリナに連れ出された事でグランと出会い今は色々あってグランの仲間だ。

 

ビィ。彼は赤の竜と呼ばれグラン(またはジータ)の昔からの相棒。ドラゴンなのだが、体が小さい事でトカゲ扱いされ、トカゲと呼ばれると怒る。

 

「ああ、ルリアさん。終わりましたか〜」

 

「はい、バッチリですよ!」

 

「それは良かったです〜こちら報酬です〜」

 

「まだまだ依頼はほぅしゅう(募集)中です〜 うぷぷぷ!」

 

するとルリアが僕に声をかけてきた。

 

「あれ?貴方は?」

 

「僕は宝生永夢。医者だよ。」

 

「私はルリア。横で飛んでるのはビィです。お医者さんなんですね。じゃあ宝生先生かな。」

 

「いやいや、永夢でいいよ。」と握手をする。

 

ビィにりんごを差し出して「食べる?」と聞くと、お礼を言われて頬張り出した。

 

ルリアにはオレンジをあげた。

 

そして騎空艇に乗せてもらないかと交渉しようとした時、扉を開けて鎧に身を包んだ人が3人入ってきた。

 

帝国兵だ。ゲームで何回か見たからわかる。

 

「そこの青い髪の女に用がある。大人しく渡してもらおうか。」

 

「ひぃ!」

 

「くそっ!グランも姉さんもいないときに!こうなったら俺が囮に!」

 

「嫌がってるだろ。」とルリアを掴む手をねじりあげた。

 

「痛っ!貴様!俺たちが誰か分かってんのか!」

 

「帝国兵でしょ!女の子に乱暴したらダメだろ!」

 

「うるせえ!貴様から殺す!」と3人とも剣を抜いた。

 

 

突進で切りかかってきた。僕には捉える事が出来ないスピードだ。

 

避けられない!と思った瞬間、後ろに跳ぶ事が出来た。

 

「ふー危ない危ない!」と首を鳴らしながら言う。

 

 



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5話

明らかに気配やオーラが変わった事に帝国兵達は驚く。

 

「お前らに名乗る筈がないだろう。俺の心をたぎらせるな。」とガシャットギアデュアルを出そうとするが、永夢に止められる。

 

(パ、パラド!?どうしてここに!?それよりダメだ。武装してるとはいえ、生身の人間だ。)

 

「大丈夫だって!手加減するから!」

 

いきなりこの男は口調が変わったと思うと、まるで見えない誰かと話しているかのようにし出したため、奇妙なものを見るような視線を向けられる。

 

しかし手加減という言葉に苛立ちを見せる。

 

「俺たちに手加減だと‥なめやがって!」

 

ガシャン!パーフェクトパズル!

What's the next stage!

 

突然奇妙な歌が流れ出し、帝国兵が戸惑い、動きを止めた。

 

「変身。」

 

デュアルアップ!Get the glory in the change! Perfect puzzle!

 

「さあ、遊ぼうぜ〜」

 

敵は「貴様!」と斬りかかってくるが、なんなく避ける。

 

本来この形態は接近戦には向かないが、相手が弱すぎるのだ。

 

エナジーアイテムを操作して自分には高速化と鋼鉄化を、相手には混乱を与えた。

 

相手は思ったように行動できず、自分は高速化しているため、攻撃をなんなく避ける事ができ、当たっても鋼鉄化しているため、弾かれる。

 

「まだやる?」とパラドは退屈そうに帝国兵を見る。

 

その時、敵の通信機から音がした。

 

少ししか聞こえなかったが、帰還命令のようだ。

 

「チッ、本部から帰還命令が出やがった。退くぞ。」とガシャガシャと音を立てて店から出ていった。

 

パラドは変身を解き、ルリア達の方を向いた。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい。ありがとうございます。永夢さん。」

 

「いいって。それよかさ‥」まで言ったところで永夢に主導権が戻った。

 

「それよりさ、グランという子を探してるんだけど知らないかい?」

 

「グランでしたら騎空艇にいますけど‥」

 

「兄ちゃん、グランに何か用かよ?」

 

「うん?ああ、えっと‥」

 

しまった!理由がない!

 

「うん、僕よりも若いのに騎空団を束ねてるなんてどんな人だろうと思ってね?」

 

「いいですよ。一緒に行きましょう!」

 

「ああ!ルリアとオイラを助けたんなら、お礼しないとな!」と腕を引っ張られる。

 

出ようとしたところでシェロに呼び止められる。

 

「どうしました?」

 

「これサービスです〜」とさっきまで自分が手に取っていたブロードソードを渡される。

 

「いや、そんな受け取れないですよ!」

 

「いえいえ、お代は結構ですので、たまにこちらから出す依頼で受けてください〜」

 

「分かりました!ありがとうございます!」と剣を受け取り、腰に付けて店を出る。

 

 



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6話

そのままルリアとビィの後ろをついていきながら永夢はすこしテンションが上がっていた。

 

それもそのはず。

 

永夢はグラブってるからだ。リリース時からやり、ガチャが当たらない日の悲しみや、当たった時の嬉しさを知っている。

 

そしてメインキャラクターの案内でグランサイファーを見る事ができるかもしれない。そう思うと嬉しくて仕方がないのだ。

 

そして森を抜けると、あった。グランサイファーだ!

 

「どうだ!これがグランサイファーだぜ!」とビィが言うが反応ができない。

 

「す、すごい‥」

 

「だろ?へへ!」とビィが答えると艇から誰かが降りてきた。

 

「あ!」

 

「心配したぞ!ルリアとビィ君が帝国兵に襲われたって聞いたもので‥む?君は誰だ?」

 

「ああ、姐さん!こいつがオイラ達を助けたんだぜ?」

 

「そうなのか!これは失礼した。私はカタリナ・アリゼ。元帝国の騎士だが、今はグラン達と共に戦っている。」

 

カタリナ。彼女は元帝国の中尉でルリアの教育係をしていたが彼女の心に触れ外の世界を見せてあげたいと思い、共に逃げる。その際に主人公の仲間となる。因みに料理が壊滅的。

 

「僕は宝生永夢です。」

 

「永夢か。よろしく頼む。」と握手され、艇に上がる。

 

すると大男が扉を蹴破るように開け、走ってきた。

 

彼はアギエルバ。娘のアルドラと共に流れの傭兵をしていたが、傭兵稼業を極めたらしく主人公の騎空団を有名にする為に仲間になった。一人娘のアルドラを溺愛している。

 

「アギエルバ!?どうした!?」

 

「アルドラたんが‥アルドラたんが‥」と半泣きで抱えた子を見せる。

 

見るとお腹を抑えてうんうん唸っている。

 

「見せてください!」と僕はアルドラを診察する。

 

「誰だ!てめえ!俺のアルドラたんに何のようだ!」

 

「僕は医者です!」とだけまた診察し始めた。

 

「永夢!君は医者だったのか。」

 

「はい!」

 

「た、頼む。アルドラたんを助けてくれ。」

 

「わかりました。」

 

うーん、お腹を押さえてるって事は確実にお腹だ。

 

親に聞いてみるか。

 

「ええと、保護者さんですね?」

 

「ああ、アギエルバだ。それでどうなんだ?」

 

「まだわかりません。原因を調べないとならないので。」

 

「そうか、わかった。答えられる事ならなんでも答えてやる。」

 

「腹痛には色々ありますが、今日と昨日のアルドラちゃんの食べていたものとかわかりますか?」

 

「昨日はこの艇の飯とお菓子だな。」

 

「そのお菓子に何かあるとかは?」

 

「いや、俺も同じ菓子を食ってる。なら俺も腹が痛くなるはずだ。」

 

「一度部屋を見せてもらってもいいですか?」

 

「いいぜ。そこでアルドラたんを寝かせてもいいか?」

 

「はい、そうしましょう。」

 

早速部屋の捜索とするか。

 

とりあえず一緒に食べたお菓子を見せてもらった。

 

賞味期限は‥近いけどきれていないな。消費期限も大丈夫だ。

 

じゃあ、この艇の料理なのか?

 

「この艇に昨日、今日と子供がいた事は?」

 

「ああ、それなら私が答えよう。確か‥スィールとヤイアがいるが、皆異常はない。」

 

「因みに歳は?」

 

「スィールが9歳、ヤイアが6歳だ。」

 

「アルドラちゃんは?」

 

「4歳だ。」

 

「うん?」と絵夢はなにかを見つけ奥から引っ張り出す。

 

「このお菓子は?」

 

「ああ、それは‥消費期限が切れてるな。今度捨てようと思って目の届かねえ所に隠してたんだ。」

 

「あ!それは勿論食わせてないぜ。まあ食べたい食べたい!って大泣きされたがな。」

 

「‥‥!爪楊枝みたいなものはありますか?」

 

「ああ、ほらよ。」

 

渡された爪楊枝でアルドラちゃんの歯からお菓子のカスを取る。

 

そして賞味期限が切れたお菓子を一つだす。

 

やっぱり‥

 

「原因はこのお菓子です。」

 

 

 

 



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7話

「そんなわけないだろう。このお菓子は奥にしまってたんだ。」

 

「それはアルドラちゃんは知っていますか?」

 

「知る訳‥知ってるかもしれん‥」

 

「とりあえず‥よく誤解されるのですが賞味期限なら少し過ぎたくらいなら風味や味が悪くなるだけで、あまりオススメしませんが食べても大丈夫です。しかし消費期限はアウトです。恐らくアルドラちゃんは隠していたこのお菓子をお父さんが独り占めしてると勘違いしたのでしょう。」

 

「即刻このお菓子は捨ててください。」

 

「わかったぜ。だが俺のせいでアルドラたんを苦しめちまったのか‥親失格だな。」

 

「いえ、そんな事はありませんよ。ミスなんて誰にもあります。僕だって失敗します。今度から気をつけたらいいんです。」と僕は微笑みながら言う。

 

「ありがとよ、永夢先生。」

 

「とりあえず、胃や腸が弱ってるので整腸剤や胃腸薬を飲んで、消化のいい物を食べさせてあげてください。あと感染の疑いがありますので、同じ食器やタオルを使わないようにしてください。あとトイレの使用後の消毒も忘れずにお願いしますね。」

 

「ありがとよ、とりあえずジャスミン呼んでくるぜ。」

 

その後、ジャスミンから薬を処方され、数日後に治った。

 

「永夢せんせ!」

 

「あ!アルドラちゃん!もうお腹は大丈夫なの?」

 

「うん!あのねあのね、これおとたんから!」と瓶のお酒を渡された。

 

「え?いやーべつにお礼はいいのに。」と言いながらもらうことにした。

 

ぼくお酒そこまで強くないんだけど。

 

そう思ってるとグランが僕の元に歩いてきた。

 

「やあ、宝生先生!」

 

「永夢でいいよ。」

 

グランとはアルドラちゃんを助けた後に仲良くなった。

 

「これからどうするの?行くあては?」

 

「うーん、特にないんだよね。」

 

「じゃあ、一緒に行こうよ!」

 

「いいの?」

 

「うん!君は仲間の恩人だよ。大歓迎さ。」

 

「ありがとう、じゃあそうしようかな。」

 

「ありがとう。じゃあ今日の晩にみんなの前で紹介するね?」

 

 

 

そして夜

 

言われた時間に食堂に行くと、ほとんど集まっていなかった。

 

ええと、いるのは‥ラカムとアンナとククルか。

 

まだ話しした事ないな。話しかけてみよう。

 

「すいません。」

 

「お?ああ、誰かと思えば宝生先生か。話は聞いてるぜ?」

 

「俺はラカムだ。よろしくな。向こうに座ってる帽子被って人形と話ししてるのがアンナ、その近くで銃を分解してんのがククルだ。」

 

「そうなんですね。」

 

この世界に来て困ってるのが、キャラとの接し方だ。

 

僕はグラブルを結構力入れてやってたため、キャラの名前は知ってる。

 

勿論この艇で見た人は全員知ってる。

 

そのキャラと会うたびに初対面のリアクションをとらなくてはならないのだ。

 

そして時間が近づくごとにどんどん人が集まってくる。

 

中には今日まで艇で見なかった人もいる。

 

そして食べる前にグランが喋る。

 

「今日は新しくこの騎空団に入る事になったメンバーを紹介したいと思う。」

 

「はい、この度騎空団に入ることとなりました。宝生永夢です。医者をしています。よろしくお願いします。」と自己紹介をした。

 

すると予想より、みんなが歓迎してくれた。

 

「この団のルールは簡単だけど覚えといて。まず私闘はダメだからね。」

 

席に戻る内に色々聞こえてくる。

 

 




はい、とりあえず登場したキャラの中で本編で紹介していないキャラの紹介をします。

ジャスミン‥動物をこよなく愛し、たとえ悪人であろうと怪我をした人を放って置けない心優しい性格。
一方天然気味な面もあり、時折独特の感性で周りを困惑させる。

元々は地元でひっそりと暮らしていたが、拾い食いで体調を崩したビィを救ったことをきっかけに船医としてスカウトされ、主人公達の騎空団に入団した。
以降は自身の薬の知識で多くの人々を救おうと奔走している。
因みにウェルダーとは同郷の幼馴染だが、村に住んでいた頃は交流は殆どなかったらしい。

ラカム‥幼少期に打ち捨てられていた騎空艇グランサイファーに魅せられ、いつしか船を動かすことを夢見て艇の整備を進める傍ら操舵の腕を磨いてきたが、ついに修理が完了し飛行に成功した直後船が停止。
折り悪く吹いた突風もあって船を墜落させてしまう。それがきっかけで操舵士としての自信を完全に喪失し、腕利きの操舵士を求め訪ねて来た主人公達の勧誘も最初は断ってしまう。

しかし帝国のフュリアス将軍の策略で島が墜落の危機に陥る中、主人公や町の住民の声を受けて奮起。今度こそグランサイファーを飛ばすことに成功し、主人公達と共に島の守護神ティアマトの暴走を止め、そのまま団の操舵士となった。

アンナ‥暗き森に住む博識な魔女。元々は捨て子だったが偉大な魔女である祖母に拾われ育てられるが、祖母亡き後は一人で森に住みぬいぐるみのカシマールが唯一の話し相手だったため、最初主人公達を幻覚だと錯覚する。後に空への冒険にあこがれ、騎空団に加わる。

ククル‥良質な銃を作る工房の親方夫妻の娘で、まだこの物語には登場していないクムユの義姉。クムユからは「何でもできるお姉ちゃん」と慕われているためイメージを崩さないように努力している。

pixiv百科事典より抜粋。


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8話

「さて、みんないただこうか。」

 

「「いただきます!!」」

 

ワイワイガヤガヤ

 

「ねえ、フェリ聞いてよー今日さーカルバと一緒に潜ったんだけど、見てこれ。こんな古いツボしかなかった〜」

 

そう絡まれたフェリと呼ばれた少女はゾンビ達が住む霧に包まれた島で暮らしていた少女で幽霊。元々名前がなかったがドランクが名付けた。ドランクとフェリが外見が似ているのだが、その理由は‥おっと!これはネタバレだな。

 

「マリー。これはこれで味があるツボじゃないか。なあ、セイラン。」

 

マリーはトレジャーハンターを生業とする少女で大盗賊ガルチーザに育てられた過去を持つ。

 

「そうですね。価値は見ないと分かりませんが、良いインテリアにはなるんじゃないですか?」

 

 

セイランと呼ばれた青年は有名な鑑定士だ。気が弱くおどおどしているが仕事には手を抜かずしかも、鑑定結果をはっきりと言ってしまうため、よく争いが起きてしまう。

 

 

「姉様、あのお方をどう思いますか?」

 

「え?スーテラ。あういうのが好みなの?ちょっとナヨってしてるけど、悪く無いんじゃない?」

 

 

そしてこちらの絵夢を品定めしている姉妹は姉がメーテラ、妹がスーテラだ。メーテラは高度な飛翔の術を使う。彼女は服装、性格共に軽い印象を受けるが、六属性の魔術を使え弓の腕も立つ、まさに天才と呼ばれる女性だ。

スーテラは村から父のへそくりを盗み逃げた姉を探している最中に主人公と出会った。性格は生真面目であり努力家。だが真面目を通り越して天然の域に達している。

 

「あ!ソース取ってバザラガ!」

 

「ゼタ、お前の方が近いだろう。そのくらい自分で取れ。」

 

「あ!ユーステス!それは私のだぞ!」

 

「まだお前の皿には乗ってない。だからお前のものではない。」

 

 

ソースを取るように言われた大きなツノが生えてて、すっぽりと頭を覆う仮面を被った男はバザラガだ。とある組織の人間で大鎌グロウノスを使役するドラフ。非常に無口で珍しく喋ったかと思うと「喋り過ぎたな。」と黙り込む。ゼタとは同じ組織の一員であり相棒。

 

その男にソースを取るように言った赤い服の女性はゼタだ。とある組織の一員でありアルベスの槍を使役する女性。バザラガとは対照的で明るくよく喋る。その件でバザラガからよく注意され喧嘩になるが、互いに認め合う仲。

 

自分が目をつけていた料理を取られ恨めしく睨む女性の名はベアトリクス。とある組織に所属しエムブラスクの剣を使役する女性。自信家だが、よくトチるため仲間内ではいじられキャラとなっている。

 

冷静な口調で反論する男性はユーステスだ。とある組織のメンバーでフラメクの雷と呼ばれる長物の銃を使役する。常に任務を優先する言動を取るため冷徹な人物に思われがちだが、なんだかんだ面倒見がいい。

 

 

「あら、アイル。口にソースが付いてるわよ。」

 

「そのくらい自分で出来るよ、姉さん。」

 

少し離れたテーブルで世話を焼いている女性はジェシカ。彼女は弟を星晶獣に誘拐され探している最中に主人公と出会い仲間になった。元々世話を焼きたがる性格で特に離れ離れになっていた弟に対しては凄まじい。

 

そして世話を焼かれているのがアイル。彼はジェシカの弟で星晶獣に誘拐されたのではなく、ただの家出だった事が後に判明する。喧嘩賭博の選手として生計を立てていたが憲兵隊に闘技場を潰されて忍び込んだ艇が偶然主人公の艇だった為、そのまま仲間となった。

 

永夢が海老に手を伸ばそうとすると、ヒュッと横からかっさらわれた。驚き見ると顔に骸骨のペイントをした男、スカルだった。彼はギャング集団オダヅモッキーの元メンバー。元々自由が好きで【本当の自由】を見つける為主人公の仲間になったのだ。

 

「ヒャッハー!エビゲットだぜー!」

 

肉に手を伸ばすと同時に横から手が伸びてくる。手というか人形だった為そちらを見る。ボロボロのワンピースのような物を着た少女の名はダヌア。ある事件のせいで声が出せなくなり専ら通訳を保護者?役の人形2体がしている。

 

「ほら!ダヌア!肉だぜ!」

 

「にぃ‥くぅ‥」

 

「おい、グレーテル。ダヌアにもっと野菜を食べさせろ。」

 

「いぃ‥やぁ‥」

 

なかなか食べ物が取れない事に困っていると、横からアルドラちゃんともう一人の女性が食べ物がバランスよく乗った皿を差し出してきた。

 

「これ、おとたんから先生にって!」

 

「ありがとう。アルドラちゃん。」とお礼を言い、アギエルバさんに頭を下げると手を挙げて答えてくれた。

 

さてもう一人の女性だが、ナルメアだった。彼女は魔法を用いた剣術を使う剣士だ。おっとりした性格で瞑想中に寝てしまうほどの抜けているが剣に関しては狂気を感じる程のストイックさを見せ魔術で刀を別の形状の武器に変えたり、ただの移動で瞬間移動をしてしまうほどの達人である。

 

「永夢君って呼んだらいいかな?私はナルメア。私の事は‥もし良かったらお姉ちゃんでいいからね?」

 

こんな風に自称団内のお姉ちゃんとして何かと世話を焼きたがる。

 

アルドラちゃんが持ってきてくれた料理を食べた後はナルメアさんが取ってきてくれる料理を食べ続けた。

 

そこから黎斗さんに連絡を取る為にトイレに行く。

 

「永夢!どうだ?そっちは。」

 

「はい、無事グランさんの仲間になって、今は夕食中です。あれ?でもそちらからは見えてる筈じゃ?」

 

「見えん。」

 

「そうですか。あとパラドが‥」

 

「それも知ってるさ。パラドと会話がしたい。変わってくれ。」

 

「だってさ、パラド。」と言った瞬間、パラドが出てくる。

 

「パラドオオオ!貴様!勝手な事を!!」

 

「おいおい、ゲンム。固いこと言うなよ。それに俺がこっちに来ないことで永夢が変身できなかったらどうするつもりだよ。」

 

「ぐ‥それを言われたら‥分かった!貴様の分の転送プログラムを作る必要がある。永夢!君には明日新しいガシャットを送る。パラド!貴様はプログラムが完成するまでそのガシャットだけで戦え!以上だ!」と通信は切れた。

 

あ!急いで帰らないと!

 

戻ると僕は驚いてしまった。

 

グランの体からルリアが出てきていたからだ。

 

いや、設定自体は知ってる。グランはヒドラによって一度殺された際、ルリアに命を分け与えられている。その時から二人は一心同体。

 

ゲーム内の戦闘でもグランなりジータがやられるとルリアによる召喚ができなくなっている。

 

驚いたのは僕の予想と違ったからだ。

 

パラドみたいに粒子となってグランの体に出たり入ったりするものだと思っていたけど、まるで幽体離脱をしているみたいだ。

 

 

 




さて永夢は初めてグランからルリアか出てくるシーンを見ましたが、よく考えたら永夢も似た事やってんだよね。
ジータ出そうか迷いましたが、出します。
次の島で出ます。



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9話

驚かないと不自然かな。

 

「え!?グランからルリアが!?」

 

「それについては私が説明する!」とカタリナが立ち上がり、説明してくれた。

 

「しっかし、面白かったよねー!ベアなんて最初見たとき腰抜かしてたもんw」

 

「あ、あれは不意打ちだったからだ!今似た者見ても大丈夫だ!なんたって私も強くなったからな!」

 

「僕も同じことできますよ。」と僕はその場でパラドを分離させた。

 

僕の目が赤く光り体から赤や青の粒子が飛び出してパラドの体を構成した。

 

「え!?」

 

これには皆固まってしまった。

 

いや、正確にはユーステスやバザラガ以外は固まってしまった。

 

「グラン以外にも出来る奴がいたんだ‥」とビィがつぶやく。

 

「永夢‥君も一回死んだの?」とグランが聞いてくる。

 

「いや、僕の場合は‥」と説明した。

 

パラドが僕に感染しているバグスターであること、最初は敵対していたが、仲良くなったこと。

 

「えっと‥つまり‥永夢はバグスターと呼ばれる敵と戦ってきたと‥」

 

「うん、そうなんだ。」

 

「バグスターか。聞いた事ないや。みんな知ってる?」とグランがみんなに聞くが誰も知らなかった。

 

当たり前だ。僕の世界にしかバグスターは存在しないからだ。

 

「ま、まあ、とりあえずパラドさん?でいいのかな?自己紹介頼める?」

 

「ああ、いいぜ。俺の名はパラド。さっき言った通り永夢に感染してるバグスターであり、永夢の最高のパートナーだ。それとルリアとビィだっけ?俺の口調聞き覚えないか?」

 

「え?ええと‥あ!確か!シェロさんのところで助けてくれた!」

 

「そうだぜ!あの時はとっさに永夢の体を借りて戦ったんだぜ?イケてただろ?」

 

「ああ!とってもカッコよかったぜ!」とビィが言う。

 

「ねえ、永夢。パラド‥君とだいぶ性格が違うね。」

 

「まあね。」

 

そして僕の歓迎会の夕食はお開きとなった。

 

どうやら明日他の島へ飛び立つらしい。場所はバルツだ。

 

グランとラカムがパラドの為の部屋を用意しようかと言ってきたが、パラドは僕の中で眠るから必要ないって言ってた。

 

そして部屋に入り、僕はベットに寝転び、パラドは椅子に座った。

 

「なあ、永夢。ここ数日はお前の中で世界を見てたけど、グラブルの世界も悪くねえな。」

 

「だろ?僕が勧めた時にやっとくべきだったでしょ?」

 

「ああ!最初は有名な声優で釣ってるだけかと思ったけど、自分で体験したらやっぱり違うな。」

 

「それに明日からはようやく協力プレーができるんだろ?ハハッ!まさに俺心が躍るな!」

 

「明日は新しいガシャットが届くから早く寝よっか。」と拳を出す。

 

「だな!明日から楽しみだ!」と拳を当て僕の体に入った。

 

「おやすみ、パラド。」

 

僕は眠りについた。



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10話

次の日

 

永夢が起きると、チョコブロックが目の前にあった。

 

パラドが見守る中、殴って壊すと中からガシャットとガシャコンバグヴァイザーIIが出てきた。

 

「ゲキトツロボッツだ。あとこのバグヴァイザーIIはなんなんだろう?」

 

すると黎斗さんから通信が入った。

 

「はっはっは!永夢!新しくガシャットを送ってやったぞ!はぁはぁ‥後‥パラド!!貴様のシステムも作ってやったぞ!ありがたく思え!」

 

「ちょっと黎斗!昨日からずっと作ってたの!?ライフ一個なんだからやめて!死んじゃうよ!」

 

「黙れえぇぇぇ!!私は神だ!神に不可能はなアァァァァ!」とそれから声がしなくなった。

 

どうやらバグヴァイザーIIにしまわれたようだ。

 

「永夢?ここからは私がナビゲートするね!」

 

「なんか思い出しちゃうから、それやめてください。」

 

「え?そう?とりあえず黎斗は強制的にバグヴァイザーIIにしまったから、私が説明するね?現実世界に現れたバグスターは元々のそっちの世界の星晶獣に取り憑いてるの。だからそれを倒して、バグスター成分を抜き取って!そうしたら患者は治る筈だから!そのバグヴァイザーIIは転送装置も付いてるからね?転送の仕方は後で言うから!じゃあ頑張ってね!」と通信がきれた。

 

「まあ、とりあえず‥パラドが使いなよ。ほら武器にもなるし。」

 

「そうだな。ありがたく使わせてもらうぜ。」

 

すると外が何やら騒がしくなった。

 

気になった為、外に出るとラカムさんと眼帯をつけた年をとった男性が話していた。

 

その男の名はオイゲン。元はアウギュステで自警団をしていたが、主人公の考えに賛同して仲間となった。何か黒騎士と因縁があるらしいが‥やめておこう。

 

「おいおい、俺だって意味が分かんねえよ。だが仕方ないだろ?飛ばねえんだよ。艇がよ。」

 

「どういう事だよ?ノアの機嫌でも損ねちまったのか?」

 

「いや?それはない。」と急にノアが現れる。

 

ノア‥彼はラカムの昔からの友人で正体は星晶獣でグランサイファーは彼が作った一品である。

 

「風がおかしいんだ。これはティアマトの風じゃない‥いやティアマトはティアマトなんだけど何か良からぬ力が介入して暴走しそうになっている。」

 

「は?ノアよ、何言ってんだよ。風は穏やかだぞ?」

 

「それはティアマトが何とか抑えこんでるからだよ。でもそれがいつまで持つか分からない。」

 

 

「おい、永夢。これはヤバイぞ。」

 

「だね。バグスターだ。」

 

「何話してんの?」

 

「ああ、グラン。騒ぎは聞いてる?」

 

「うん、ティアマトでしょ?」

 

「恐らく魔晶かな?」

 

「とりあえず調べてみるよ。」

 

「多分だけどそれ魔晶じゃなくてバグスターだと思うんだ。」

 

「バグスター?それってパラドと同じの?」

 

「うん。」

 

「みんなの前で話してもらえる?」

 

こうして食堂に全員集まり、僕とパラドで話す事となった。

 

 



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11話

「今回のこの騒動だけど、バグスターが関係してると思うんだ。」

 

「実は僕とパラドは、この世界の人間じゃない。バグスターは僕らの世界で生まれたものなんだ。」

 

一瞬ザワっとなる。

 

「バグスターはゲームの中に現れるウィルスが進化して人に感染するようになったもので、バグスターに感染した人はストレスによって病状が進行して、ウィルスが完全体になった時には宿主は消滅する。僕はそれを何人も見た。」

 

「僕はそれを退治する医者として活動していた。バグスターは本来はそのウィルスが生まれる元となったゲームキャラから生まれて、その姿をとる。僕らの世界にはこの世界の星晶獣、確認できたのはティアマト、コロッサス、リヴィアサン、そしてユグドラシルだ。」

 

え!?ゆぐゆぐが!と聞こえてきたが無視する。

 

するとユーステスが手を挙げた。

 

「はい、ユーステスさん。」

 

「今お前はこう言った。お前の世界でそのバグスターとやらは星晶獣の姿を模して出てきた。しかしバグスターはゲームの人物を模して出てくる。と。

つまり俺たちの世界はゲーム‥そう言いたいのか?」

 

「そうか!」や「なるほど!」など声が聞こえる。

 

「そうです。そしてここからは皆さんにはとても信じがたい話です。皆さんの世界は僕の世界ではグランブルーファンタジーと呼ばれるゲームになっています。」

 

そう言った瞬間、皆が笑い出す。

 

そりゃそうだ。そんな昨日加入した仲間がいきなり自分はこの世界の人間ではなく、更にこの世界は元の世界ではゲームになってると言われたら狂ってると思うだろう。

 

その中で一人笑っていないものがいた。

 

アルベールだ。彼は自国で騎士団長を務め雷迅卿と呼ばれる。彼の持つ天雷剣は雷を操り攻撃や防御、また嘘を見抜く能力も持つ。

 

「みんな、聞いてもらえないだろうか。」

 

「さっきからこの剣を通じて嘘をついていないか見ていたが、今までの話に嘘はなかった。つまり彼が言ってる事は本当だ。」

 

「まじかよ、アルベール。」と声があがる。

 

「ありがとうございます。アルベールさん。ですから実は皆さんの名前など全て知っていました。」

 

「そしてバグスターの倒し方ですが、僕とパラドが持つ、このガシャットと呼ばれるアイテムを使う以外にありません。」と言い、見せる。

 

次はククルが手をあげた。

 

「そのガシャットって大量生産できないの?出来るならそれをみんなに配ってその力でなんとかできるんじゃ?」

 

「無理です。大量生産するにはコストがかかりますし、できたとしても皆さんには抗体が無いため、使えませんし、最悪バグスターウィルスに感染します。」

 

「そっか‥」とククルが落ち込む。

 

「な、何すか!?あの変な生き物は!?」とファラが叫ぶ。

 

すると何気なく窓の外を見た他の団員達が騒ぎ出す。

 

そして僕とパラドが窓から外を見ると、バグスターが大勢歩いていた。

 

それはソルティやアランブラとは異なる自分たちがバグスターウィルス戦闘員と呼ぶ個体だった。

 

それらが艇を無視してうようよと歩いてどこかに向かっている。

 

どこに向かってんだ?

 

するとラカムが何かに気づいた。

 

「まさか!あの方角は街だ!街があるぞ!」

 

 



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12話

「こ、これは‥ひどい‥」

 

ルリアが口にした事だった。

 

あれから戦える人員をグランの選抜のもと、連れて街に着いた所だった。

 

しかし街はバグスター戦闘員に襲われ、衛兵達は倒され、街の人達は逃げ惑う。そんな状況だった。

 

「良いですか!皆さん!作戦はここに来るまでに伝えた通りです。一見弱そうに見えるかもしれませんが侮らないでください。」

 

「よし、行くよ。パラド。」マイティアクションX!

 

「ああ、永夢。」ガシャン!パーフェクトパズル!

 

What's the next game!

 

「「変身!」」

 

ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!

 

デュアルアップ!Get the glory the chain! Perfect pazzle!

 

「超協力プレーで!」

 

「クリアしてやるぜ!」

 

「姿が変わった!」

 

「あ!オイラ達を助けてくれた姿だ!」

 

「お!覚えててくれたか!」

 

「パラド!僕らは二手に分かれよう!」

 

「良いぜ!頑張れよ!」と拳を合わせて別々の方向へかけて行った。

 

永夢が見たのはバグスター戦闘員に追いかけられてる市民だった。

 

そこに永夢は割って入る。

 

バグスター戦闘員達はいきなり現れた異形の者に首をかしげるが、すぐ得物を手に向かってきた。

 

「杖とパティシエ‥アランブラとソルティか!」

 

永夢はガシャコンブレイカーを出し、応戦する。

 

「パラド!バグスターが分かった!ソルティとアランブラだ!」

 

「ああ!今アランブラと戦ってる!」

 

パラドside

 

「私を無視するとは良い度胸だな!」とバグスター戦闘員を差し向ける。

 

雑魚はとっとと終わらせるか。

 

俺はフィールドのエナジーアイテムから高速化とマッスル化を選択し自分に付与する。

 

そして攻撃力と素早さをあげた俺は周りのバグスター戦闘員を瞬殺し、アランブラの前に立った。

 

「ほほう、やるな。む?貴様もバグスターか。何故人間の味方をする。」

 

「決まってるだろ。俺には一緒に遊んでくれる友がいる。それだけだ。」

 

「ふん!バグスターの面汚しめ!くらえ!シバール!」

 

「甘い!」

 

俺は攻撃を難なく避け、エナジーアイテムを取ろうとした時、嫌な予感がしてそこから飛び退く。

 

すると先程まで自分がいた場所に拳が飛んできた。

 

飛んできた方を見る。

 

「チッ!ソルティも来たか。」

 

「アランブラよ、この者を倒そうじゃないか!」

 

「そうはさせないぞ!」とエグゼイドが走ってきた。

 

パラドside end

 

「永夢。遅かったな。」

 

「ごめん、戦闘員が多くてね。」

 

「これで2対2だ。ノーコンテニューで!」

 

「クリアしてやるぜ!」

 

「永夢!ソルティは任せたぞ!」

 

「了解!」

 

ソルティに向き合うとガシャットを取り出す。

 

ゲキトツロボッツ!

 

「大変身!」

 

もう一つのスロットにゲキトツロボッツのガシャットを刺し、ロボットアクションゲーマーになる。

 

「ふん!姿が変わった所でそれがどうした!」



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13話

「パラド!僕はソルティをやる!そっちは任せた!」

 

「いいぜ!」と拳を合わせて同時に突っ込む。

 

「はぁあああ!」と左手によるパンチを繰り出す。

 

「パンチか!面白い!」とソルティも電気を纏った拳を突き出してくる。

 

僕のロボットの拳とソルティの電気を纏った拳がぶつかりあい、ソルティが吹き飛ばされる。

 

そりゃそうだ。左腕のロボットアームはパンチ力だけでいうとレベル50に匹敵するのだ。

 

「くらえ!」と追撃でロケットパンチを撃つ。

 

ロケットパンチを撃った瞬間にガシャコンブレイカーを出し、突撃する。

 

敵は避けられず直撃し、ロケットパンチに気を取られていたせいで僕の接近に気がつかなかったのか僕の攻撃がヒットする。

 

その証拠に気持ちいいくらいに空中に「HIT!」の文字が浮かぶ。

 

そろそろトドメだ。

 

僕はゲキトツロボッツのガシャットを抜き、キメワザスロットホルダーに刺す。

 

そして素早くボタンを二度押す。

 

キメワザ!ゲキトツクリティカルストライク!

 

左腕を突き出し、ロケットパンチを撃つ。その攻撃により後ろに吹き飛ばして、僕は走り出す。

 

そうしてもう一度腕にはめ直してパンチを繰り出す。

 

「クソ!!!」

 

ドガーン!!!

 

「よし!ソルティ撃破!」

 

パラドの方を見るとちょうど敵を倒したところだった。

 

「おーい!大丈夫か!」とグランとルリアが走ってきた。

 

「はい、こちらは大丈夫です!」

 

「二人ともご無事でよかったです。‥は!皆さん!星晶獣です!」

 

「でも‥」とルリアが口ごもる。

 

「どうしたんだよ?ルリア。」とパラドが聞く。

 

「いえ‥星晶獣は星晶獣なんですが、様子が変です。何か異質なものが混ざっているような‥?」

 

「異質?」とグランが首を傾げた瞬間、空に大きな竜を三びき従えた女性が現れる。

 

「ティアマト‥」

 

全員が空に気をとられた瞬間、地面からガシャットが、マイティアクションXとタドルクエストの二本が飛び出してティアマトに刺さる。

 

「‥!!!!」

 

ティアマトが苦しみ出して、光に包まれる。

 

そして光の玉が地面に落ちて光が治る。

 

そこには人の大きさになったティアマトがいた。

 

しかし剣を持ち、全体的に禍々しくなったティアマトが現れた。

 

「フフフフ」と笑い、こちらに手を翳す。

 

「伏せろ!!!」とパラドが叫ぶ。

 

僕はすぐに二人を地面に伏せさせた。

 

そしてパラドはすぐに反射と鋼鉄化のエナジーアイテムを自分に付与する。

 

付与した瞬間に緑色の光弾が手から射出されパラドに迫る。

 

軽い爆発が起き、見るとパラドが少しダメージを受けていた。

 

確かにパラドは反射と鋼鉄化のエナジーアイテムを獲得していた。

 

それなのにダメージを与えたのだ。

 

 



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14話

前回一個ずつとはいえ、反射と鋼鉄化を重ねがけしたパラドに対してダメージを与えたティアマト。
果たしてティアマトを倒す事は出来るのか!


「おいおい、俺たちくらいの大きさだってのに強すぎるだろ。」とパラドがぼやく。

 

そのはずなのだ。大きさは大体プレイアブルくらいの大きさだ。

 

しかしエナジーアイテムで強化されたパラドにダメージを与えた。

 

それに右手に剣持ち、そして左手が常に電気を纏っている。

 

ソルティとアランブラの能力も引き継いでいるように思う。

 

本来なら僕がムテキゲーマー、パラドがパーフェクトノックアウトになれば楽に勝てそうだが、無い物はない。

 

「は!」とティアマトを囲むように大量にバグスター戦闘員が現れる。

 

「俺にダメージか。そうこなくちゃ。」とデュアルギアを抜き、ノックアウトファイターにする。

 

The strongest fist! "Round 1" Rock & Fire!

 

「大変身!」

 

DUAL UP! Explosion Hit! KNOCK OUT FIGHTER!

 

「ふ〜やってやんよ!」と特攻していった。

 

「!パラド!‥しょうがないな。とりあえずグランは応援を頼みます。ティアマトは僕らが止めます。」とだけ言い、自分もバグスターの中に飛び込んでいった。

 

置いてけぼりとなったグランとルリアはあっけにとられるが、すぐに応援を呼びに行った。

 

その5分後

 

応援が到着した。

 

メンバーはグラン、フェザー、ランドル、ゼタ、ベアトリクス、カタリナだ。

 

「永夢!パラド!ざこは俺たちに任せてティアマトを頼む!」

 

「分かった!行くよ!パラド!」

 

「あ?OK!」

 

「来い!人の子よ!」と緑の光弾を撃つ。

 

それをエグゼイドはゲキトツスマッシャーで、パラドクスはマテリアライズスマッシャーで弾き返す。

 

「な!?」

 

「くらえ!」とパラドクスのパンチが当たると思われたが、なんと光弾のゼロ距離発射で相殺され、他の竜の口から発せられた光弾に吹き飛ばされる。

 

「パラド!」

 

「よそ見をするな!人の子よ!」と呪文をかけられる。

 

「シバール!」

 

「!?しまった!? 」

 

すると左手の電気が更に大きく放電し始める。

 

「「くたばれ!」と思いっきりアッパーカットをくらい、吹き飛ばされた。

 

ゴロゴロと転がり、パラドに受け止められた。

 

「くそっ!」とパラドが地面を殴る。

 

「俺の心を‥滾らせるな!」

 

「待て!パラド!」

 

「ウォラァァァ!!!」とラッシュを打ち込む。

 

当たってはいるが、決定打になっていない。

 

どうする‥このままじゃただの消耗戦で、こちらが不利だ。

 

そのとき通信が入った。

 

「私の‥神の恵みを授けてやろうかァァァ!」

 

「黎斗さん!?もう体は大丈夫なんですか?」

 

「ああ!もうなんともないさ!それより神の恵m‥」

 

「ください!」

 

「よかろう!いつも通りチョコブロックで送ってやったぞ!」

 

すると目の前にチョコブロックが現れた。




黎斗からのありがたい神の恵みが転送されてきた!
果たして中に入っているアイテムで勝ちを収める事は出来るのか!


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15話

チョコブロックを破壊する。

 

「こ、これは!」

 

中から出てきたのはゲーマドライバーだった。

 

「パラド!」とゲーマドライバーを投げる。

 

パラドは受け取った物を見て仮面で隠れているが、ニヤリと笑ったのが笑った。

 

「へへ!ゲンムの奴。やっとか!」

 

「さあ!ティアマト。これで終わりだ。」

 

デュアル!ガッシャット!

 

『The strongest fist! What's the next stage?』

 

「マックス大変身!」

 

『マザルアップ!』

『赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアーウト!』

 

パラドはパラドクスの最終形態であるパーフェクトノックアウトゲーマーLv99に変身した。

 

これでパーフェクトパズルのエナジーアイテムを操る能力、ノックアウトファイターの圧倒的攻撃力を兼ね揃えた。

 

「へへ!第2ラウンドだぜ!ティアマト!」

 

手にガシャコンパラブレイガンを構えて突っ込む。

 

「おら!」とガシャコンパラブレイガンをアックスモードにし斬りかかる。

 

「甘い!」と手に持った剣で受け止める。

 

「甘いのはお前だ。」と左手でボディブローを叩き込む。

 

「グオッ!」

 

「初めてダメージが通った!?」

 

「な、何故だ。バグスターウィルスの鎧を着ているはずなのに。」

 

「残念だったな。俺の拳に埋め込まれているダメージインパルサーはダメージをそのまま装甲内部に伝える。

バグスターウィルスの鎧は無意味。お前は丸裸も同然だ。」

 

「くたばれ!シバール!」

 

シバールの魔法がパラドクスに当たる。しかし‥

 

「か、体が‥な、何故だ!」

 

「どうやら俺の中にはまだ反射の効果が残っていたようだな。」

 

「さて!さっさと決めるかな!永夢!こいつは俺がもらうぞ!」

 

そう言うとゲーマドライバーのレバーを閉じる。

 

ガッチャーン!ウラワザ!

 

そうしてもう一度レバーを開く。

 

ガッチャーン!パーフェクト!ノックアウト!クリティカルボンバー!

 

パラドクスは飛び上がると両足を揃えて、滑空する。

 

パラドクスのキックが炸裂し大爆発が起きた。

 

そして永夢はパラドから受け取っていた改造バグヴァイザーIIでソルティとアランブラを吸い取る。

 

煙が晴れると、そこには禍々しいオーラがなくなったティアマトがいた。

 

ー 人の子よ!

 

「‥!」

 

永夢とパラドは戸惑う。

 

ティアマトはなんと頭の中に話しかけてきたのだ。

 

ー 人の子よ。そなたらのお陰で私は助かった。礼を言う。

 

ー 私の他にも操られた仲間がいる。助け出してくれ。

 

「分かった。必ず助け出すよ。」と永夢は言う。

 

「ああ!とても面白いゲームだったぜ。助け出してやるよ。」

 

ー 頼もしいな。では!頼んだぞ。

 

そう言うとティアマトは消えた。



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第3章 地と空のMachines
16話


次の日

 

僕達は新しい地に向けて艇を飛ばしていた。

 

新しいといってもバルツ公国に行くだけなんだけどね。

 

バルツにはどうやらジータと他のメンバーが待ってるらしい。

 

それにしてもジータがいるのには驚いた。

 

グラブルの主人公はグランとジータだが、本来ジータはプロフィール画面でグランと入れ替えないと出てこないキャラだ。

 

まあ過去にイベントではジータがルリアとマリーとヴィーラと一緒に歌ってて、グランがプロデューサー?的な事をしていたから必ずしも同時に存在しない訳ではないけど。

 

「おーい!そろそろバルツに着くぞ!」

 

ラカムが放送で呼びかける。

 

それを合図に皆部屋から出て食堂に集まってくる。

 

僕らは最初から食堂にいた。

 

考え事をしている僕の横でパラドはずっとゲームをしていた。

 

ズズーン!

 

どうやら到着したようだ。

 

皆ぞろぞろと艇を降りていく。

 

「パラド。僕らもそろそろ。」

 

「少し待ってくれよ、永夢。今いい所なんだ。」

 

パラドがやっているのはパーフェクトパズルだ。

 

もちろん幻夢コーポレーション製だ。

 

「よし!やりぃ!」と立ち上がり出口へ歩いていった。

 

グランサイファーから降りて僕は感動した。

 

ポートブリーズより賑わいを見せ、体が大きなドラフが多くて賑わっている。

 

するとグランが手を振って僕らを待っていた。

 

「遅かったね。永夢、パラド。さあ、こっちだ。みんなに紹介しないと。」

 

グランとルリアとビィに連れられ喫茶店に入る。

 

そして二階に上がるといた。

 

一番隅に大人数がいた。

 

「ジータ!」

 

声をかけられて金髪にピンクのカチューシャをした少女が顔を上げる。

 

グランを見つけてパァっと顔が明るくなる。

 

「グラン!」

 

グランは歩き出してジータと握手をした。

 

「久しぶりだな。元気か?」

 

「うん!兄さんも元気だった?」

 

グランとジータとルリアとビィが近況を話し合っているとジータが僕らに気づいてグランに質問する。

 

「グラン。そちらの二人は?」

 

「ああ、新しく入った仲間だよ。」

 

「宝生 永夢です。医者です。」

 

「パラドだ。よろしく。」

 

「お!新入りか!俺はヴェイン!よろしく頼むぜ!」と握手を求められた。

 

ええと、ここにいるのは‥ジータとイオとヴェインとガラドアとアルメイダとアルタイルとアリーザとスタンとシルヴァとデリフォードとヘルナルか。

 

みんなと握手を交わして席に座る。

 

「実は、ここバルツに良からぬ噂がある。それは今もなお稼働している地下施設についてだ。」とアルタイルがきりだした。

 

「え?地下施設はザカ大公の協力の下、片っ端から殲滅したはずだぞ?」とグランが聞き返す。

 

「確かにそれは知っている。ザカ大公でも知らないような施設があったのだ。」

 

「ヘルナルの機械鳥で偵察に向かったが、いずれも破壊された。これがその残骸だ。」と袋から鉄屑と化した鳥を出す。

 

「でもね?僕の鳥が良い物映してきたんだよね〜これ見てよ。」とヘルナルが映像を映す。

 

そこにはまず全体的にボロボロな遺跡?みたいなものが映っていた。そして統制がとれたように行進する機械兵達。

 

そしてそれらを指揮する二つの影。

 

「ガットンとバーニア‥」

 

ガットンはゲキトツロボッツのバグスターで、そのゲームのラスボスである。

右腕の強化アーム『ガットンスマッシャー』を利用した格闘術と全身をデータ化する事での移動を用いて戦う。

 

バーニアはジェットコンバットのバグスターで、そのゲーム内のキャラ。

飛行強襲ユニット『バーニアサルトジェット』を搭載し、空中からミサイルを発射しての爆撃や、コンバットゲーマの形をした小型ユニットを呼び出して空から攻撃するなどの奇襲攻撃を得意としている。

右腕のジェットエンジンからは強力な電磁竜巻を発射できる。

 

これらは単体であれば永夢やパラド達にとっては勝てる相手だ。

 

しかしティアマトの時のように星晶獣のコロッサスと融合してしまった場合、非常に厄介な相手となる。

 

それに映像内の機械兵達がガットンやバーニアを守る為に一斉に大挙してきては勝ち目があるかも分からない。

 

「永夢。その‥バグスター‥とかいう奴らは映ってた?」

 

「ああ、映ってた。これは僕らがなんとかする。」

 

その会話をしているとスタンが話しかけてきた。

 

「ちょっと待ってくれ。今そこからバグスターっていう聞きなれない単語が聞こえてきたんだが、なんなんだ?」

 

そこで永夢とパラドはバグスターのこと、自分たちの事を説明した。

 

「え!?二人ってこの世界の人間じゃないの!?」

 

「ダメだ‥私には理解できない。」

 

「ええと‥つまり‥エムとパラドはファータ・グランデの出身じゃないのか‥」

 

イオとアルメイダとアリーザは混乱していた。

 

まあ見慣れた光景だ。

 

「そうなのか。別世界から‥なるほど。」

 

「ほほう、私は帝国兵として生きてきて別世界の存在は聞いていたが‥まさか本当にあるとは。」

 

「だっはっはっは!おもしれえ!気に入ったぜ!」

 

だがシルヴァやデリフォード、ガラドアは納得していた。

 

まあ、見た事ない服装だからだ。

 

「それでそれで!戦う為の鎧はどんな感じなんだ?」

 

「カッケェ!!無敵じゃないか!」

 

「へぇ〜面白いな!」

 

そしてヴェインとスタンとヘルナルはまるで童心に帰ったかのように目をキラキラさせていた。

 

その話を聞いていたアルタイルが手を叩いた。

 

その音に皆が注目した。

 

アルタイルは眼鏡をクイッと上げて永夢とパラドを見る。

 

「それではお二人はそういう敵の討伐は慣れている‥そういう事ですね?」

 

「うん。」

 

「ああ。」

 

「バグスターという未知の生命体をお二人で押さえ込めますか?押さえ込めるのであれば‥戦況は変わってくるでしょう。」

 

永夢とパラドは肯定の意思を込めてうなづく。

 

「分かりました。では準備を整えてから行きましょう。」



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17話

3日後、編成部隊が組まれた。

 

メンバーは僕とパラド、グラン、ジータ、バザラガ、ヴェイン、ヘルナル、アルタイル、アリーザ、スタン、ゼタ、ナルメア、アギエルバだ。

 

「しっかし本当にいるのか?ヘルナル?」と槍斧を肩に担いだヴェインが喋る。

 

ヴェインは一見楽観的な印象を受けるがフェードラッヘの白竜騎士団の副団長を務めている。あと家事全般のスキルが高く、よく団の料理も担当している。

 

「おいおい、君も見ただろう?僕の自信作が壊れながらも映像を残して帰ってきた。必ずいる。」とヘルナルが反論する。

 

ヘルナルは女性を口説くのは、その女性に対する礼儀というくらいに軽い男だが、やるときはやる男だとイベントで知ってる。

 

「全く‥君は本当に‥パーシヴァルが呆れる意味が分かるよ。」

 

こういって顔に手を当てて呆れた男の名はアルタイル。

 

読書が好きで、この団では軍師を担っている。

 

 

「しっ!」とパラドが口に指を当て僕たちを止める。

 

パラドが指差す方を見るといた。

 

「ギギギ。」

 

機械兵が歩いていた。

 

「アギエルバ。あれ周りにバレないように仕留められる?」

 

「すまん。無理だ。一撃で潰せるが、どうしても音が出る。」

 

「なら、やっぱりエナジーアイテムだろ。」とパラドがパラドクスパズルゲーマーに変身する。

 

「よし、これだ。」とエナジーアイテムを13個用意して僕らに付与した。

 

「透明化!」

 

僕らの姿は透明になり、なんなくその場をすりぬけ、とうとう奥にまでたどりついた。

 

「な、なんだ‥?これは?」

 

そこにはガットンとバーニアが機械兵達に指揮をして何か分からないが巨大な何かを作り上げていた。

 

「あれは‥まさかコロッサスか?」

 

「間違いないな。」とバザラガが答える。

 

「見た事がないやつがいるけど、あれもバグスターってやつね。」とゼタが呟く。

 

「うっひゃー。なんか強そうだね。スタン大丈夫?」

 

「あ、ああ。大丈夫だ。」

 

「それにしてもあれは何をつくっているんだろうか?」

 

「新しいコロッサスじゃないか?形的に。」

 

「そのようだね。大き過ぎるけど。」

 

「じゃあ、そろそろ仕掛ましょうか。」とアルタイルの言葉で全員が準備をする。

 

僕はとりあえずレベル2に変身する。

 

「行くぞ!!!」

 

バッと全員で飛び出し走り出す。

 

すると僕たちに気がついた敵が作業を中断して向かってくる。

 

僕とパラドは機械兵達を倒しながらガットンとバーニアの元へ走る。

 

「ジジジ!エネミー!」

 

「敵か!」

 

向こうもこちらに向かって走ってくる。

 

互いの攻撃がぶつかり合い鍔迫り合いとなる。

 

 



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18話

「ガットン!何が目的だ!」

 

「バーニア!お前もだ!」

 

永夢とパラドが問いただす。

 

「ジジジ!ワレラ‥ヒガン‥」

 

「そうとも!俺たちバグスターの為だ!」

 

「「バグスターの為だと‥」」

 

「お前だってバグスターだろう?何故人間の味方などをする!」

 

バーニアの射撃を回避しながらパラドが答える。

 

「へへっ!人間を消滅させるより、永夢と協力して戦う方が何十倍も楽しいからだよ!」と言いながらいつのまにか獲得していた伸縮化のエナジーアイテムの力で、飛んでいるバーニアを殴り壁に激突させる。

 

永夢はもう一つのスロットにゲキトツロボッツのガシャットを刺し力を得る。

 

「永夢!こいつを!」パラドから鋼鉄化とマッスル化を付与され、ガットンを圧倒する。

 

「永夢!決めるぞ!」

 

二人ともが必殺技の体勢に入り、永夢のパンチ、パラドのキックがガットンとバーニアにヒットし爆散する。

 

だがすぐにゲキトツロボッツとジェットコンバットのガシャットがコロッサスに刺さり光に包まれる。

 

光が晴れると、人間サイズにはなったものの、そこには右手がガットンスマッシャー、左手がジェットエンジンに、背中にバーニアサルトエンジンを搭載した事で更にメカメカしくなったコロッサスがいた。

 

「おいおい、嘘だろ?」

 

コロッサスは空を飛び、機械兵を巻き込みながらミサイルを落とす。

 

俺たちは逃げながら作戦を練る。

 

「そうだ!永夢!これで行くぞ!」とパラドは自分には伸縮化、僕にはマッスル化と軽量化を付与する。

 

パラドは僕を掴んでパチンコの要領で僕を撃ち上げた。

 

そのままコロッサスの前まで飛び、右手にマッスル化の力を乗せ、思いっきり殴りつけた。

 

そのまま、パンチの衝撃で地面に落下し、コロッサスは地面に叩きつけられた。

 

「ジジジ、ヤルナ。」

 

「ダガ!コレナラ!」とミサイルを撃つ。

 

僕らはミサイルに向かって駆け出し、当たる直前でジャンプしやり過ごす。

 

そのままの勢いで僕はロボットアーム、パラドは斧モードにしたガシャコンパラブレイガンで襲いかかる。

 

しかし、奴は無言で僕にはガットンスマッシャー、パラドにはジェットエンジンを出し、吹き飛ばした。

 

僕らは思いっきり壁に叩きつけられる。

 

「俺の心を!滾らせるな!!!!」

 

そう言いながらパラドはもう一度ガシャコンパラブレイガンを構えて突っ込む。

 

飛んでくるミサイルをパラドはガンモードに変えて撃ち落としながら進むが、一発撃ち漏らしてしまう。

 

それが自分の後ろをすり抜けていったのを確認して斧に変え、斬りかかる。

 

しかし、避けた筈のミサイルが背中にヒットし、空中で体制が崩れてしまう。

 

そこを見逃さず、ガットンスマッシャーで殴り飛ばされる。

 

「ジジジ、ツイビミサイルヒット!ジジジ!」

 

近寄ればガットンスマッシャーやジェットエンジンの餌食に、離れればミサイル攻撃‥どうやって攻略すれば‥

 

その時、通信が入る。

 

「永夢ゥ!!我が神の恵みを与えてやろうぅぅぅ!!!」ブチっ!

 

それだけ言って通信が切れると目の前に新たなチョコブロックが現れる。

 

僕は急いでそれを壊す。

 

「これは‥ジュージューバーガーガシャット!?」

 

僕はバガモンを思い出す。



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