コードギアスー俺、知らんけどー (ユキユキさん)
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第1話 ~俺、転生するらしいよ?

作者的に色々と書いてみようかと、その一環です。


わりと考えなしに書くんでアレが可笑しいコレが可笑しいっていう所が多々あるかと。


そういうのは気にしないでくださいね?


それがダメなら見ないで下さいな。


何か知らんけど、…俺は死んだらしい。天国か地獄か、はたまた生まれ変わるのかって思っていたら転生するっぽい。…それって生まれ変わるってことですよね?

 

 

 

 

 

 

容姿を決められるとかのサービスがあるらしい、………マジで!?

 

どんな容姿にしようかと悩んでいたら、何故かファイアーエムブレム聖魔の光石の敵であるヴァルターが思い浮かんだ。何故にお前がしゃしゃり出る!…久々にプレイしたからか? …だが言わせて貰おう、……お前は違う! と。…だが悲しい哉、完璧細部まで頭の中がヴァルター一色。奴の姿が頭の中を占めやがる。

 

…………俺の容姿がヴァルターに決定したようだ、……やったね!!(ヤケクソ

 

 

 

 

 

 

次に能力とかそこら辺ということで、…突如現れたスロットを回しました。…ドラムが五つってことは、五つ貰えるんですかね?

 

一つ目のドラムは『天才3』と出た。『天才3』とは何ぞや? …と思えば、ガンパレの技能が全て使えるモノのようだ。…ガンパレとかって懐かしいじゃないか、めっちゃやり込んだ記憶があるぞ? …で思い出してみれば、確か『情報』は入ってないような? …今回は入るの? …そりゃどうもありがとうございます。世界観に合わせると? なるほど。

 

二つ目ドラムは『設計図』と出た。…謎だね、『設計図』ったって色々あるぜ? …何? 自分の知っているロボットであれば何でも知識として『設計図』が頭の中に現れる? それと目の前に現物があればそれの『設計図』も分かるって? ……それは凄いと思うけど、『設計図』があっても俺には技術なんてものが…。そこで『天才3』が使えるの? ………あ~『開発』とか『整備』とかね、……納得。

 

三つ目のドラムは『成長率:極』と出た。…これはアレか、成長率に限度がなく鍛えれば鍛える程ってヤツ? 転生の必需品とかって言われてる? やー…マジか、あざっす。

 

四つ目のドラムは『教導』と出た。これもまんまの意味で人を教え導く力らしいよ? …リーダーの素質ってヤツ? それとも天職が教師とかかい? …そんな感じなの? ………教える相手に『成長率:極』の恩恵を与えられる? そりゃ凄い。最強軍団が作れるかもってことじゃん。更に自分の技術を人に与えられる? ガンパレっぽいね、それ。…とにかく凄いヤツってこと? OK?

 

五つ目のドラムは『ご都合主義』と出た。世界が俺を中心に廻るらしい、…本来起こる筈のないことが起きるとか何とか。………これは行く世界が分からなきゃよく分からんものになるな、…まぁ悪いモノじゃないからいいか。

 

……全ての能力が出揃ったわけだが、正直…ふ~んって感じ。…実践してみなければ分からんからね、この反応…変じゃないよな?

 

 

 

 

 

 

…全ての設定? が終わった瞬間、俺の意識が何かに吸い込まれて………。

 

気付いたら身体がありました。さっきまではフワフワだったんだけど、今はどっしりハマっている感じ。正真正銘ヴァルターになりましたってか?

 

これより転生しますって? …早いね、…普通に地球? ………地球で間違いないけど、アニメの世界観なんだって。…コードギアスの世界らしいけど、…俺よく分かんね。美男美女が沢山出るロボットアニメとしか……、分からないんだよね。……そんなんで大丈夫なんですかね? と思ったら、『ご都合主義』が発動するよ! って誰かが言ってたような気がする。

 

 

 

 

 

 

………そんなわけで今から転生しますんで、…今後ともヨロシク。




投稿は疎らになるんじゃないかな?


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第2話 ~俺、生まれました。

適当ですんで、変だって言われても困りますからね。


…そんなわけで転生した俺です。転生した場所はブリタニアって国の貴族ん所、名門らしいよ? 生まれた瞬間に勝ち組のようですな、これが『ご都合主義』ってヤツ何ですかね?

 

 

 

───────────────────

 

 

 

俺の転生した場所はブリタニア貴族のバーンシュタイン家、あの格ゲー悪役キャラを思い浮かべる家名ですな。だからこそ武門の名門かと思ったら、その逆で文官輩出の名門っぽい。…バーンシュタインで文官肌の名門とかって何じゃそら、…バーンシュタインの名が泣くぞマジで。…とのことで、俺は武官…即ち軍人として名を売ることに決めた。内政屋よりは軍人、…前世で出来なかったことをしたいじゃん? 見た目も悪役ヴァルターで家名がバーンシュタインだもの、…完全に悪役軍人になるべきだろ。……悪役にはなりませんがね、…たぶん。

 

因みに俺の両親、…どちらも内政屋の優しい顔ですよ。その穏やかな両親の間に生まれた俺は悪党顔のヴァルター、…両親のダメなパーツを奇跡的な確率でかき集めた結果のようで。…ダメなパーツって…そりゃないでしょ、うん。…まぁでも、両親と似ているようで安心した。

 

 

 

 

 

 

軍人になろうと決めた俺、動けるようになってから体力作りを開始した。まだまだガキんちょだから簡単なモノだけどね、高速ハイハイとかしてたよ。…やらないよりはましだろ? ……母に『サカサカってゴキブリみたいね♪』と、…悪気なく言われた言葉に傷付いたが。

 

そんな日々を過ごす俺に両親は喜ぶ、家の子スゲーって。両親の友人に俺ぐらいの子がいるみたいで、その子よりも凄いとか。比べちゃダメだと思うよ? 俺には『天才3』と『成長率:極』があるんだから。…チートってヤツですから。そんな俺に父が、『いやぁ~…家の子は化物だね♪』って嬉しそうに言ってきたんだ。…褒めているんだよね?

 

そんな日々を過ごして五年、…五歳になった時。…我が家に見知らぬ美少女がいました、…同い年かね? ……両親の友人の子で同い年ですか、…何々名前はモニカっての? へぇ~…可愛い名前じゃないの。まぁなんだ、…家に来たのなら仲良くしなくちゃならんな。…挨拶の為に近付いてみれば、…目が合った瞬間に号泣された。…モニカの両親も俺を見て苦笑い、…悪かったね? 目付きの悪いヴァルター顔のガキんちょで!

 

 

 

 

 

 

美少女に泣かれた俺はこの先、…女の子とのお付き合いは絶望的になるのでは? と幼心に思った。今の姿でコレなんだ、歳を重ねれば更に絶望的じゃね? だって狂気顔が売りのヴァルターだよ? 整っちゃいるけど悪党顔だよ? ………独り身になる可能性大じゃん。

 

…ってなことで、俺はなおのこと頑張ろうと決意したよ。女なんかどうでもいいもんね! …といった感じで自分磨きに精を出す。がむしゃらに体力作りを頑張り、本とかを読んで知識も深める。頭も磨いておかないと脳筋残念野郎になるからね、知勇兼ね備えた軍人を目指すのさ。

 

……自分磨きの合間に使用人からモニカ一家が来ていると何度か聞いた、しかし会う気はないんで無視で構わんでしょ。どうせ泣かれるんだったら会わない方がいい、泣かれたら俺もショックを受けるんだぜ? ……そういうことですわ。

 

 

 

 

 

 

……気付いたら七歳になっていました。自分で言うのもなんだけど高スペック、巷では『バーンシュタインの麒麟児』と呼ばれているとか。まぁ親バカな両親が周囲に言い触らしているのだろう、何故なら俺はぼっちですから。自分磨きに精を出しすぎていた為…友達がいません、…モニカ? 知らない子ですね。我が家に来たりしているようですが泣かれても困るんでスルーしてます、なるべく会わないように行動しているんさ。

 

…俺に友達がいないことを心配した両親が、『芸でも覚えれば友達が出来るんじゃない?』と提案してきた。…何か違う気がしないでもないがその提案を受けよう、やらないよりやるってのが俺だし。『天才3』と『成長率:極』が良い仕事をしてくれると思うし、…よっしゃ! やったるぜ!!

 

 

 

 

 

 

色んな習い事をやって一年、…八歳になった俺ことヴァルター・バーンシュタイン。何をやっても難なくこなす自分、ハンパねぇわ。裁縫や掃除…料理等の家事は完璧だし、絵を描くのもダンスも…歌まで上手いときた。『天才3』と『成長率:極』は凄いね、…とにかく俺が凄すぎて恐い。両親なんて、『恐ろしい子!?』とか白目で言ってたし。…俺的に両親も恐いと思うよ? リアクションがね。

 

そういうのにも目覚めたわけで、身体を鍛える以外にも色々と磨くようにした。体力や知力…運動力は既に磨いているから、………魅力とか? …悪党顔で魅力を磨いても意味がないかな? とか思ってみたり。…まぁ磨かないよりはマシか? ……う~ん、…悪党顔で魅力のある男か。………………ラスボス?




不定期更新の予定。


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第3話 ~俺、知り合いました。

たまたま投稿出来た。



時系列が変だとかは知らない、だって適当だもの。


ーヴァルターー

 

転生してから自身を磨くことに集中、気付けば一一歳悪党顔のぼっちです。……これはアレか? 『天才3』に含まれる『密会』が力を発揮しているのか? 争奪戦が起きる可能性を低くするモノではなく、…人と出会う可能性を低くするモノ!? …それともやっぱり顔か? 完全に可愛い気のないヴァルター顔になっとるし、…わりとこの顔がコンプレックスになってるんだぜ? まぁそれでも両親に似ているみたいだからなぁ~…、整形はしないけど。

 

…顔のことはどうでもよくないけれど置いといてだ、この俺ヴァルター・バーンシュタインは自分で言うのもアレだが最強である。目指せ軍人てなわけで鍛えまくった結果、同世代や年上世代に勝ちまくり。大人にも勝てるし軍人にも勝てるようになった、…だが黒髪の美人さんにはまだ勝てない。…名前知らんけど誰なんだ? 両親に聞いても青くなるだけだし。とにかく最強と言っても勝てない人もいるわけで、驕ることなく気を引き締めて鍛練あるのみ!

 

そんな感じで日々を鍛練やら趣味やらで過ごしていれば、…褐色肌の年上美少女に勝負を挑まれた。…初顔ですな? 噂を聞いてやって来たのだろうが、……まじでやる気? 女の子でもマジでやりますよ? あの黒髪の美人さんにも『真剣勝負に男女区別駄目よ♪』って言われているし。……いいの? ………そっか、…了解。

 

……………で勝負をしたけど結果は当然完勝、開始と同時に懐へ飛び込んでポイッと投げました。投げられた美少女は痛がることなく大の字で倒れています、何か『見えなかった…。』とか言っているけど大丈夫だよね?

 

それ以降、たまに家へ来ては勝負を挑んできたり共に鍛練したりしてます。俺の凶悪顔にビビらないだけでも稀有な存在、…大事にしたい出会いですね。遂にぼっち卒業かな? …こんな俺に絡んでくれる彼女の名はドロテア・エルンスト、その名…覚えよう!!

 

 

 

 

 

 

俺の毎日の日課、…それは散歩である。たまにふらりと訪れては鬼のように襲い掛かってくる黒髪の美人さん、あれは辛いよね? それを含めて毎日何かしらをしている俺だが、その合間に散歩をして自身を癒している。王都は平和だからね、街も整備されていて綺麗だし。俺が一人で散歩しても大丈夫ってな感じ、…まぁ暴漢程度なら余裕で撃破出来るぐらい強いからね。伊達に鬼畜な黒髪美人の扱きに堪えてませんよ! …俺個人の実力に両親も安心しているからこそ、俺を一人で散歩に送り出してくれるんさ。逆に使用人達は…『殺しは控えて下さいね?』とか、違う意味で心配される始末。…顔か? この顔がそういう心配をさせるのか!? 人を殺す顔ですもんね? ……俺。………まぁ余程のことがなければ、…たぶんやらねぇし。俺、…一一歳のガキよ?

 

 

 

 

 

 

……今まで平和だったのに、…今日に限っては違った。俺の超視力によって街の死角、そこで小さな女の子が誘拐されそうな状況を発見。勘違いだったらヤバイんで静かにバレぬよう近付いて様子を見てみれば…、『大人しくしろ!』とか『高く売れそうなガキだぜ!』とか言っとる。マジもんの犯罪者で間違いない、女の子も口を塞がれて泣いとるし。

 

白昼堂々と大胆なことで。この男達はアレだな? 他国から流れてきた奴等だな、うん。今から通報しても間に合わなそうだから、俺が奴等をぶちのめすのが正解か? 俺は未来の軍人、守るべき存在はきっちり救わねばなるまい。犯罪者に手加減は無用、…それ以上にマジでやらなきゃ黒髪美人さんに殺される! …何故かあの人って何でもお見通しなんだよな、……人間か? まさかの転生者? 分からんけど犯罪者をぶっ潰すのがジャスティス! …やったるぜ!!

 

とりあえず警察? 軍人? に通報してから突撃しました、銃を持っていたら危ないんで速攻ですわ。まず見張り役っぽい男にテリーばりのバーンナックルっぽいダッシュストレートでぶっ飛ばし、その勢いのままにジョーのスラッシュキックも真っ青な蹴りでもう一人をぶちのめした。女の子を捕まえていた二人の男は突然のことに固まっている、…それが命取りだぜ! ってなことで懐へ飛び込んでボコボコにした。…ガンパレのスカウトばりじゃね? と自画自賛、女の子を無事に救出することが出来ました。

 

その後、通報を受けて駆け付けてきた軍人さんに犯罪者を引き渡す。軍人さんは気絶している犯罪者に驚いていたけど、俺の名前を言ったら、『ヴァルター…!? あのバーンシュタイン家の麒麟児!!』やら『マリアンヌ様のお気に入りの!?』とか言ってた。……マリアンヌって誰? 皇妃様と同じ名前だけど?

 

そのまま詰所へと連れていかれ、暫くしてから女の子は両親と再会。めちゃくちゃ感謝されたけどね、俺は当然のことをしたまで。将来は軍人を目指しているし貴族の端くれだからね、弱きを守るのは当たり前のことと言えば大いに感心された。『流石はマリアンヌ様の秘蔵っ子!』と言っていたけど、……マジでマリアンヌって誰さ。

 

 

 

 

 

 

それ以降、散歩をすれば高確率で件の女の子と遭遇。こんな悪党顔に絡んでくれるのです、この子は天使か? 『お兄ちゃん、お兄ちゃん。』とかって可愛すぎるじゃない? 慕ってくれるならば全力で可愛がります。たまに家へ招待して遊んであげたり、お菓子をあげたり、一緒に昼寝をしたり。家の両親も彼女を娘のように可愛がっています、……だって可愛いんだもの。…ドロテア? 美少女ではあるけれど脳筋:極だからな、どちらかと言えば…あれはゴリラだよ(笑

 

そんなんで可愛い彼女の名前はシャーリーちゃん、庶民の子だけどそんなん関係ねぇ! そんなん関係ねぇ!! 俺を慕う子は天使だ、いやさ…大天使だ! 異論反論は受け付けねぇ!!

 

…でそんな感じでシャーリーちゃんを猫可愛がっていると、たまに視線ビームを受けるんだよね。それを辿るとほぼモニカ、……目線を合わせたら逃げるけど。…恐いんだったら見なきゃいいのに、………何だかなぁ~。




時間がないからこれにて去らば。


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第4話 ~俺、…だけ知らない。

今日も仕事へ行く前にちゃちゃっと投稿。


適当なんでそれを踏まえて見てください。


ーヴァルターー

 

ドロテア&シャーリーちゃんと知り合ってから一年、俺の生活は充実していた。共に鍛練をしてくれる者がいるってのは良いものなんだな? …ぼっちだったから分からなかったよ。ドロテアは脳筋:極だから分かるけど、シャーリーちゃんもやりたがるのにはビックリした。…俺を慕う彼女には激甘な俺、はいはいとお願いを聞いてしまう。優しく指導しちゃうわけで、…それに不満を持つのがドロテア。『私には優しくない!!』ってさ、お前とシャーリーちゃんは別モノだろ。自惚れるなドアホと言えば殴られた、………何故に?

 

…ってなわけで基本は一人で鍛練等をし、たまに二人が交ざるかどちらか一人って感じかな。…まぁ半年ぐらい経った時にはシャーリーちゃんがほぼ毎日来るようになったけど、…俺と一緒に何かをするってのが嬉しいんだって。更に俺可愛がっちゃうよ? といった感じです。シャーリーちゃんの両親が恐縮しっぱなしだけどお気になさらずに、教えることで俺も学べるんですよ。それに家の両親も喜ぶしさ、…シャーリーちゃん可愛すぎるんだもの。

 

……とのことで生活が充実しているのです。シャーリーちゃんは物覚えが良いし、ドロテアは脳筋で面白いし、毎日が楽しいっすわ。

 

 

 

 

 

 

十二歳になった俺はいつも通りの日々を過ごしていた。そんなある日、…両親に強制連行された。…何故? 俺は何も悪いことなんかしてないぜ?

 

 

 

 

 

 

…やったことと言えば、あの黒髪美人さんに一矢報いたぐらいだよ? 用意周到にルートを選び罠を配置、あえてやられて逃亡し彼女を誘導。やってやられてのいつも通りと見せ掛けて罠のある場所へ、徒手空拳での攻防を演じて嵌めたのだ。狩人がする足に輪を嵌めて吊るすヤツ、あれを黒髪美人さんに食らわせたのさ。…吊るされてさ、…パンツ丸見えだった。それにはビックリしたよね? いつもスカートで襲ってきてたけど、中にスパッツとか短パンを履いていると思っていたから。…顔を赤くして怒ってたっけ? 俺的に美人のパンツを見れてラッキー! しかもガーターベルト付きっすか!? って内心興奮してたっけ。…まぁ顔に出さず、いつもの狂気顔でクールに決めていたわけだけど。

 

………………え? その後はアレだよ言わせんなって。

 

…………………地獄を見ましたよ?

 

 

 

 

 

 

そのことじゃないよな? …その件で大事になったとか? …とハラハラしていたんだけど違った。連行された場所には一人の美少女がいて、………モニカ? モニカじゃないか、…まともに顔を合わせたのって何年ぶりだ? めっちゃチラ見してくるんだけど何? …まだビビっていたりする? そう思いながらもその場に留まっておく。…何か話があるんだろうし、両親も見ているし。

 

…暫くしてから口を開いたモニカ。出てきた言葉が、『私とも仲良くしてくれませんか?』 …だって。何じゃそら? と思って両親を見れば、『ずっとそう思っていたみたいだよ。』とニヤついて言ってきた。…何かムカつくなその顔、親じゃなかったら泣かせたいレベル。…それとその顔が俺に似てる、したり顔がヴァルターなのか家の両親は。…ああなん足ることか、マジでダメなパーツの集大成なのね? …俺ってば。……トホホ、…泣けてくるぜ。

 

我が家の真実? に驚愕しつつ、モニカに視線を向ける。彼女…たまに俺へ向かって視線ビームを放ってきてたけど、…それが理由だったの? 初顔合わせん時みたいにビビっていたワケではなく? 何年もコソコソとそんなことを思いながら視線ビームを? ………今に思えば、色がややピンクよりの黄色だった? と言うか何で色が分かるんだよ! って自分にツッコミを入れてみたり。

 

微妙にテンパっている俺をよそに、モニカは饒舌に語ってくる。…あの時は恐かったけど、それ以降はキラキラしていた。毎日鍛練や勉強をしてたし、習い事もやっていた。小さな女の子女の子を助ける勇気も聞いてて凄いと思った、……とか褒めまくり。…何か褒められると照れるね? …がしかし褒めすぎじゃね? ……この悪党顔がキラキラしとるとかってそんなバカなことが…『そんなことないよ!!』…っとと。前のめりでモニカが俺の自虐を遮る、それと共に幼きあの日の出来事を謝られた。……何が何やら、…とにかく言えることは一つ。その腹立たしいニヤつき顔は止めろ、…父と母よ。

 

 

 

 

 

 

モニカと和解? し、彼女も俺達の輪の中に。…と言っても、日常が変わることもなく色々とやる日々。

 

ドロテアは脳筋ゴリラだけど美少女である、和解したモニカは正統派の美少女である、シャーリーちゃんは誰が何と言おうと大天使である、…何を突然と思われるかもしれないが聞いてくれ。美少女に囲まれている俺はハーレム野郎と言われ、同世代と年上世代の男に嫌われ気味だ。『女を侍らしつつ、マリアンヌ様にも気に入られている。…あまり調子に乗らない方が良いぜ? バーンシュタイン!!』と、ほぼ毎日こんな感じの言葉を言われとるのです。

 

俺は侍らしているつもりはないし、そもそもマリアンヌって誰? 皇妃様のことを言っているのだったら馬鹿馬鹿しい、俺と皇妃様に接点なんかねえよ。ドロテアとモニカが俺に寄ってくるのだ、シャーリーちゃんは妹みたいなもん。…後はあの黒髪美人さんだけど、皇妃様だと思っているのならアホかと言ってやりたい。あんなガキんちょみたいな人を皇妃様と同一視してしまったら、…間違いなく不敬罪とされるだろう。皇妃様のマリアンヌ様は聡明で美しく、淑女という言葉が似合う素晴らしいお方に違いない。断じて、…断じて黒髪美人さんと同一視してはならない高貴なお方! 月とスッポンぐらいの違いである!!

 

…と言っても、俺ってばマリアンヌ様のお姿を見たことがないんだよね? 調べようとしても皆が必死に止めてくる。俺如き木っ端貴族の小倅は、そのお姿を拝見することも烏滸がましいってことなのだろう。そういうことだと自身で納得し、今の今までそのお姿は分からず仕舞いなんだよね。

 

皆が噂するマリアンヌ様に会ってみたいな、…マジでハンパないぐらいの女神的美女なんだろうなぁ~。…とかブツブツ言ってたら、黒髪美人さんがニコニコ笑顔で絡んできた。…いつの間に来ていたんだ? この人は、…と言うか今日はいつもと違うな? 妙に優しいし、…悪い物でも食べたんか?




視線ビームってヤバイよね?

ガンパレ何処に仕舞ったかな?

探してみよう。


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第5話 ~俺、妄想で楽しむ。

……っべぇっ!やること色々ありすぎっしょ!!


とのことで投稿します。

毎日投稿なんざ出来やしねぇわ。


ーヴァルターー

 

…一三歳になった俺、最近のマイブームは設計図を書くこと。転生特典で『設計図』を貰ったじゃん? それを試していたわけさ。恥ずかしながら鍛練に趣味にと幼い頃から色々やっていただろ? …最近まで『設計図』という特典を忘れていたんだよね。それをたまたま思い出したのだ、…ドロテアのお陰で。

 

まぁ何てことのない、ドロテアの動きがロボットみたいだったってこと。アイツ…過剰に鍛練して筋肉痛になってやがんの、カクカク動いていて笑っちまったよね。…でそれを見てティンッ! と来たのさ、…俺には『設計図』という特典があったじゃないか! …と。

 

そんなわけで空いた時間にサラサラと書いている、…まぁこんなモノが現実に作れるとは思っていない。単純に趣味の一つ、…んで妄想をして楽しんでいるのさ。妄想では俺がエースよ? 俺ツエーで無双しまくりっす。

 

……………にしても何かモヤつくんだよね? 『設計図』って趣味の為だけにある特典だったっけ? この世界で何かしらの意味があったような…?

 

 

 

 

 

 

妄想で楽しんでいると言ったよな? …察しの通り、既に数枚の設計図は出来上がっている。ガンパレの対幻獣人型戦車『士魂号』の設計図、それも『通常型』『軽装型』『重装型』の三つを。残念ながら『複座型』『士翼号』はまだ書いていない。スカウト用の兵装とかも書きたかったんだがダメだった、…パワードスーツみたいなもんだからダメなのだろうか? そこらの線引きがよく分からん。生身の人間が装着するって概念を取っ払って、純粋にロボットとして設計すればいいのだろうか? …色々考えちまうけど楽しい、嬉しい悩みってヤツだな。…まぁ『士魂号』はロボットって言うよりは人造兵器ってのが正しいのかな? 人工筋肉を使用するし。…人が乗り込むって点でロボットに括られるのかね? まぁ書けるんだからそういうことなんだろうな。

 

…で『士魂号』の設計図だけではダメだよな? 武器が無ければ話にならない。そんなわけで書いているのさ、『士魂号』が使用する武器を。…ロボットだけだと思っていたのだが武器の設計図も書ける、ロボットの付属品だから書けるのだろうか? …本当にそこらの線引きが不思議で仕方がない、まぁそんなもんかと深くは考えないようにしているけど。分からんことをいつまでも考え続けるのは意味がない、その内分かるだろ精神でいくのが吉だな。

 

…とにかく今は武器の設計図である、なかなかに良い出来だぜ? この92mmライフルはよ。射角は狭く射程が長い、威力はそれなりで命中精度が極めて高い。ガンパレではスナイパープレイで多用してたな、狙いをつける・射撃だっけ? 調子に乗ってスキュラにやられた記憶があるぜ、…まぁこの世に幻獣なんざいないからな。妄想するなら相手もロボット、それを想定するのが正しいだろう。

 

…う~ん、…そうだな。敵機を撃墜させることが目的ではなく、行動不能にすることを目的とすればどうだろうか? コイツを使って動力部を撃つ、…命中精度が良いからな。いや…動力部を撃ったら誘爆する可能性が高いか? コクピットを狙った方が現実的か? それとも関節部? …悩み所だな。後…デメリットを考えると弾数がまず挙がるか? 他には………。

 

…長所を伸ばすのも良いかもしれん。例えばスコープを付けて更に命中精度を、いや…それをしたら周囲に目がいかなくなって危険か? …とか色々と考えながら、92mmライフルの付属品も追加で書き足していく。地味に完成度を高めていくが、使い方によっては致命的な欠点にもなる。…それらを踏まえて書く設計図、正直…超楽しい!

 

…他人から見たら危ない奴かもしれないが、これもまた立派な軍人になる為の布石であると自身に言い聞かせる。…断じて寂しい一人遊びではない! …………筈。

 

 

 

 

 

 

『士魂号』を含めた自身お手製の設計図、それらを見ては思考の海へとダイブする。決して『OVERS』として第5世界にアクセスしているワケではない、これ重要。…と何処の誰かに謎の言い訳をする俺の視界に何かが映る、…この白い手は女性の? …と思った矢先、俺の魂を込めた設計図の一枚を奪われる。…何奴!? と振り返れば黒髪美人さん。…俺の妄想が具現化した設計図が、…妄想で楽しんでいることがバレた…だと!? …由々しき事態だ、…これはバカにされる流れではなかろうか? …そんな感じで警戒したんだけどね?

 

滅多に見せない難しい顔をする黒髪美人さん。…いつバカにしてくるかと様子を窺っていたのだが、バカにする所か色々と質問をしてきた。細かく聞いてくるとかって真剣ですね? …前のめり過ぎて恐いんですけど。…とにかく聞かれたことに答えていけばいい、…俺の妄想であることも忘れずに付け足して。『構わないから続けて。』と真顔で言われたから続けるけど、…何が彼女を駆り立てる?

 

最終的に、俺の考えたことになっている『士魂号』は開発不可であると言い切る。『士魂号』を作るに当たって重要なモノ、それは人工筋肉という生体部品である。だがそんなモノがあるわけも作れるわけもない、よって『士魂号』は作れないと黒髪美人さんに伝える。それを聞いた彼女は設計図と俺を交互に見て唸り始める、…唸っても無理ですよ?

 

…暫くして、俺に『士魂号』の設計図をくれとか言ってきたんであげた。まぁ同じモノなら幾らでも書けるし、あそこまで熱心に聞かれて欲しがられたらねぇ。…俺の予想が正しければ、黒髪美人さんも俺と同じようにロボットが好きなのだろう。…ガキんちょみたいな黒髪美人さんのことだ、これを元に妄想勝負を仕掛けてくるに違いない。…となればだ、俺もこのままヘラヘラとしている暇はない。妄想の先人として彼女に負けるわけにはいかんのです、…妄想を更に磨きあげなければ!!

 

 

 

 

 

 

………………数ヶ月後、軍人さんに連行される俺ガイル。乗せられた黒塗りの高級車には黒髪美人さんがいて、めっちゃニコニコしている。……何? ……マジで何なんですかね? …軍人さんを私用に使うとかって何者なんですか? …俺は何も悪いことしとらんですよ?




ガンパレとガンオケ白・緑・青のネタをちょいちょい出したいけど、何分昔の話だからなぁ~。

思い出したネタだけ使うか。


因みに作者はゲームオンリーです、アニメは見とらん。


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閑話 ~…とある場所で。

…とある場所の屋内、そこで二足歩行の兵器が縦横無尽に動き回っている。『ランドスピナー』と呼ばれる脚部のホイールによって地を滑るように移動、時折『スラッシュハーケン』と名付けられたワイヤー式のアンカーを壁に突き刺し、巻き取ることで高速移動をしている。

 

それを見守る兵器の技術者達は、『ファクトスフィア』という情報収集用カメラから送られる映像を見ては頷き、『ナイトメアフレーム』という呼称の兵器が次の段階へと進んだことに喜んだ。

 

データの収集を終え、『ナイトメアフレーム』のコクピット部から一人の女性が出てくる。その女性に対し技術者の一人が、

 

「マリアンヌ様、『士魂号(・・・)』の乗り心地はいかがですか?」

 

自信に満ちた声でそう尋ねた。マリアンヌと呼ばれた女性は満面の笑みで、

 

「最高も最高、ご機嫌よ♪」

 

と弾んだ声でそう返した。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

…彼等、…特派と呼ばれる技術者集団は崖っぷちの一歩手前だった。最初は良かった、世界初のコクピットシステムを開発したのだから。戦車等の搭乗員を安全且つ速やかに脱出させる為のシステム、搭乗員のことを考えたこのシステムに軍人達は技術者達に感謝した。そこから色々と試行錯誤を繰り返し、コクピットに足を付けただけのモノを作ったりと迷走した。この時期のモノを『ナイトメアフレーム』始まりの世代、第一世代KMFと呼称している。

 

 

 

 

 

 

画期的なモノから足付きと迷走し、それらを越え兵器として開発されることになった。これもまた初めてのこと故に全てが試行錯誤、第一世代時の迷走が意外にも役立ったりした。『マニピュレーター』『ランドスピナー』『ファクトスフィア』と呼ばれるシステムを試験的に搭載、十分な性能は発揮されなかったがこの世代が後の大きな飛躍の足掛かりとなる。

 

特派と呼ばれる彼等が軍事目的で開発している『ナイトメア』と、アッシュフォード財団が福祉目的で開発している『フレーム』を統合し、『ナイトメアフレーム』という名称が付いたのもこの世代である。飛躍の為の一歩を踏み出した世代、この時期のモノを第二世代KMFと呼称されることに。

 

 

 

 

 

 

第二世代を発展させ、本格的に戦闘用として開発され始めるのがこの世代。この時に彼等、…特派は(おく)れを取った。全てにおいて何処よりも勝っていると思っていた、しかし動力源にて大きな差があった。何処でそれを知り入手したのか? 『サクラダイト』と呼ばれるモノの有無が明暗を別けたのだった。

 

アッシュフォード財団の実験機『ガニメデ』の前に、彼等…特派は窮地に立たされた。『サクラダイト』を動力源にした『ガニメデ』の性能は凄まじく、『ガニメデ』本来の機体性能を超え、特派の実験機の全てを超えたのだ。『サクラダイト』を入手して改装、改めて開発に着手するのは簡単だ。だが二番煎じ、アッシュフォード財団に助けられた特派という烙印が押されるのは明白。故に先ずは動力源よりも、元となる実験機だけで『ガニメデ』を超えなくてはならない。故に焦っている、…それらの理由で特派は崖っぷちなのだ。

 

そんな時にマリアンヌからもたらされた設計図、『士魂号』と呼ばれる人型兵器の細部にまで書き込まれた設計図。これにより特派の実験機はその性能を高めていく、人工筋肉という未知の生体部品の代用品は見付からず、ソレを使用する箇所は自分達の技術で何とかした。人工筋肉と呼ばれるモノに刺激を受けた技術者達は、現物が無いにも関わらず設計図とマリアンヌの話だけでソレに代わる技術を作り上げたのだ。

 

現在の特派が持ちうる全ての技術を『士魂号』に注ぎ、出来上がったのが『ガニメデ』を全てにおいて凌駕する実験機。『サクラダイト』を動力源にしたあの『ガニメデ』を超えた、技術者達はその現実に歓喜し、『士魂号』の設計図を書き上げた者に感謝した。勿論、その設計図をもたらしてくれたマリアンヌに対しての感謝も忘れはしない。

 

 

 

───────────────────

 

 

 

データの収集を終え、マリアンヌと共に『士魂号』を見上げる技術者達。次は動力部を『サクラダイト』に変えて…と言いたいが少々不安がある、自分達にはそれ相応の技術力があるけれど、『士魂号』に対しての技術は無いに等しい。設計図があったからこそ作れたわけで、その後の技術開発から整備については白紙なのだ。そんな中で、危険な『サクラダイト』を動力源とする改装を施しても大丈夫なのか? と考えるのは自然なことである。

 

それを正直にマリアンヌへと告げる技術者達に、…少しだけ考える素振りを見せてから、

 

「…なら設計者を連れてきちゃいましょう♪ 現物を見ながらの話も聞きたいし。…それ以上にあの子の反応が見たいわ♪」

 

設計者を連れてくると技術者達に約束した。それを聞いた技術者達は喜び、『士魂号』を設計した者はどのような人物なのか? と思いを馳せる。そんな彼等を見てニヤつくマリアンヌ、

 

(設計者がヴァルター君だと知ったら、貴方達はどのような反応を見せてくれるのかしら?)

 

なんて思っていたり。

 

 

 

 

 

 

…こうしてヴァルターは、マリアンヌの手により拐われることが決まったのだ。




『士魂号』っぽい『ナイトメアフレーム』が誕生秘話?


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第6話 ~俺、…の妄想が!

今回もまた時間がないから投稿だけってね。


いつもの如く適当です。


過度な期待は………って、いつの間にかお気にが増えとるよ!


ーヴァルターー

 

軍人さんに連行され、黒髪美人さんの乗る高級車へ。…何故に俺を? そして何処へ? と尋ねれば、『設計図のお礼よ~♪』とか言って頬をグリグリと指で押してくる。お礼? 何の? と考える前に、最近の黒髪美人さんはスキンシップが激しい。アンタ人妻なんだから控えなさいよ、…と言っても効果はない。ちょいとそこの軍人さん、この人をどうにかしてくんないっすかね? ………無理? やる気だしてよ軍人さん! …おい、目を逸らすなこっちを見ろよ!! ……えぇ~い、鬱陶しいわ!!

 

 

 

────────────────────

 

 

 

頭の悪い攻防を繰り広げていたら目的地に着いたみたい、…………工場…ではなく研究所? 俺的未知の場所へと連れてこられたっぽい。…俺ってば改造されたりしないよね? …黒髪美人さんだから否定出来ない俺の考え。久々にビビっていると、奥から人がこちらへ駆け寄ってくる。何か白衣を着たおっさん、黒髪美人に挨拶をしたかと思ったら俺を見てめっちゃ驚いてる。『この子が例の子よ、…バーンシュタインの麒麟児と言えば分かる?』と黒髪美人が言えば、『マリ……貴女様お気に入りの!なるほど、それならば納得です!』…だって。俺には説明なしで会話しとる、…でそのまま奥へと連行。…誰か俺に説明プリーズ、…というか襟首掴んで引き摺るのは止めてくれませんかね?

 

 

 

 

 

 

引き摺られている時にさ、通路で会う人が等しく黒髪美人さんに対して丁寧な挨拶をしていくのを見て、…マジでこの人何者!? と思う俺は普通だよね? しかも俺を見ては目を丸くしている、まぁ謎の悪党顔少年が黒髪美人さんに引き摺られていたらねぇ~…。そりゃあ気になるでしょ。

 

…とまぁ引き摺られて少し、何か広い空間に出た。そこで数人の技術者っぽい人達に出迎えられ、俺を見るや驚きつつも握手を求められた。『君のお陰で道が拓けた、ありがとう!』とか、『君のような天才と顔が繋げられたこと、この幸運を感謝するよ!』とか色々言われたけど、俺には何が何やら…。高級車の中で言っていた設計図のお礼、…黒髪美人さんにあげた『士魂号』の設計図が絡んでいたりするのかな?

 

技術者達との邂逅後、黒髪美人さんから『あちらに注目してちょうだい、ヴァルター君♪』と言われた。言われた通り視線を向けてみれば、何か真っ暗な空間が。…うっすらとシルエットが浮かんでいるようだが、…何か見覚えがあるような? と記憶の中を探ろうとした時、パッとその空間がライトアップされた。

 

俺はそこに佇むモノを見て目を剥く、……………嘘だろ!? 率直にそう思った俺は悪くないと思う。大きさや所々の装甲・装備に違いはあれど、あの姿は俺の考えた……ことになっているアレに間違いない! 現実的に作れる筈がないと思っていた、故に俺の妄想の中だけに存在していると思っていた。設計図を書いたのだって楽しかったからってーのと、妄想をよりリアルに思い描けると思ったからだし。そして妄想仲間が増えると思い、黒髪美人さんに設計図をあげた。それがこんなことになるなんて…っ!!

 

黒髪美人さんの方へ視線を向ければニコニコしている、…ってことはコレがお礼ってヤツ? …………何というか、色々と振り回されたりしているけど黒髪美人さん、…アンタ最高だよ! 『士魂号(・・・)』を作り上げるなんてさ、…マジでスゲーよ!!

 

 

 

 

 

 

静かに佇む夢にまで見た『士魂号』の勇姿、俺はそれを見て感激のあまり…もんどりうって倒れた。

 

俺は天井を見上げながら思う、これは夢じゃないよな? …と。しかしながら倒れた時、めっちゃ痛かったから現実であろう。ドロテアとかに木剣でやられた時はそんなにってとこなのに、今のようなのとか足の小指をぶつけた時の方が痛いってどうなんだろう? あまりの衝撃にどうでもいいことを考える。…でも夢じゃないんだよな、うん。

 

俺が凄い勢いで倒れた為、周りは大騒ぎだ。黒髪美人さんが顔を覗き込んできて『大丈夫?』と、俺を心配してくれるのはありがたいが全然大丈夫っす。医者とかを呼ばれても面倒だから、直ぐに起き上がって無事をアピールせねば。……とのことで、ヘッドスプリングをかまして復活した俺。黒髪美人さんを筆頭に安堵のため息、…本当にすみません。でも分かってくれ、それほどにまで驚いたのだよ。

 

 

 

 

 

 

テンションの上がった俺は、『士魂号』に張り付いて色々と見まくる。技術者達に説明され、逆に俺の何故か溢れる知識を提供する。これも俺の『開発』『整備』の恩恵なのだろうか? まぁいいとして話を聞く限り、基本はKMFの技術が使われているようだ。人工筋肉も可能な限り再現されとる、…まさかこのような方法で人工筋肉をね。この人達天才だわ、現物も無しに設計図を見てとかって。…だけどそうするならこうした方が良いんじゃないかな?

 

…………互いに『士魂号』へと張り付いては意見を言い合い軽い整備を行う、…より良くする為に。まぁ今回は俺へのお披露目みたいだから軽く…ね、…って黒髪美人さん動かすなよ、まだ俺とか技術者達がいるでしょうが! ……何? 前回のテストよりパワーが凄い? ……そら当たり前っすよ、整備は重要なんですぜ?




やべーよ、変なプレッシャーが!

…とか思っても、行き当たりばったりの適当でいきたい。

悩んだら止まりそうだし。


因みに、感想はまだ見てません。時間がある時に見ます、…返信を返したいからね。

……ということでサラバだ!!


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第7話 ~俺、…大地に立つ。

寝る前に。


ーヴァルターー

 

黒髪美人さんによって特派と呼ばれる技術研究所へと連れてこられた俺、そこで『士魂号』を見た。俺の知っている『士魂号』ではなく、『ナイトメアフレーム』…略してKMFの技術で作られたソレを見て興奮しました。…で技術者達と意見を言い合い整備をして、それに黒髪美人さんが乗って……てなことをしまして。

 

 

 

 

 

 

…その日から一ヶ月、一週間に一度は家に帰ってシャーリーちゃん達の相手を。一週間の内で一日だけ、それに対してシャーリーちゃんは俺に泣きついて、ドロテア& モニカには文句を言われる始末。…だけど今は、…今だけは許してくれシャーリーちゃん…とその他。俺の夢というか何というか、どうしても自らの手でやりたいことがあると説得。全てが終わったらめっちゃ絡んでやるからと約束し、ほぼ泊まり込みで『士魂号』…KMFの技術を吸収しとりました。

 

現在ある殆んどの知識を身に付けた俺、技術者達に類い稀なる天才と持ち上げられたりした。…そっちだって『士魂号』の知識を既に吸収しちゃっているじゃん? 特派の皆さんも十分天才っすよ。…そんな彼等と『士魂号』をより良いモノへと改修し、それに黒髪美人さんが操縦してテストをするの繰り返し。

 

そんな日々に俺は我慢出来ず、黒髪美人さんを無理矢理降ろして自分が『士魂号』に乗った。実は俺、…あの日見てから一度も操縦していなかったんだよね。乗る前に黒髪美人さんが乗っていたからさ、…俺だって乗りたかったのに。…ってなことでコクピットを奪いました、黒髪美人さんを引き摺り降ろしてね。その時に技術者達が慌てて、黒髪美人さんが顔を赤くして怒っていたけど気にしない。外で俺の操縦テクニックを見ているといい、…俺が一番『士魂号』を乗りこなせるんだ! …たぶん。

 

 

 

 

 

 

『士魂号』から黒髪美人さん達が離れたことを確認し、夢にまで見た『士魂号』という名のKMFを起動させる。コクピット内のモニターに『ファクトスフィア』からの映像が映し出され、周囲の計器に目を向ければ正常であることが分かる。

 

………もうこれだけで感無量ではあるが、今からコイツを俺が動かすのだと思うと興奮する。マニュアルは熟読済み、やれる筈だぞヴァルター・バーンシュタイン! 操縦桿を握って、…ヴァルター行きまーす!!

 

 

 

 

 

 

…自分で動かしてみて実感する、…ああこれはやっぱりKMFであると。普通に歩行するよりも、『ランドスピナー』で滑るように移動した方が機体に合っている。歩行に難があるならジャンプも苦手、ガンパレのように幅跳び前・左・右が上手く出来ない。その代わり『スラッシュハーケン』を上手く使えば壁を容易に登れるし、『ランドスピナー』と合わせれば壁面走行も可能。平面ではかなりの機動力を期待出来る一方、障害物…瓦礫や窪み等の多い場所では行動が制限されてしまう。

 

攻撃面に関しても『スラッシュハーケン』が使えるか? って感じ、…まぁ機体性能を重点的に見ていたわけだから仕方がないわけだが。これを兵器として見るならば、攻撃面…武装の充実が急務となろう。…となれば、黒髪美人さんに渡していない武器の設計図が役立つな。KMF用に書き直さねばならない、…ああそれと動力部を『サクラダイト』に変える改修をしないと。…やることが多いな! …大変ではあるけれどワクワクする、大いにやりがいのある仕事だぜ!

 

 

 

 

 

 

マニュアル通りにKMFの操縦をし、所々で『士魂号』らしい動きをしてみたりと色々してみた。素晴らしい機体ではあるが不満も多い、それらを何とかする為に一から設計を考えねば。…やはり乗って正解だな、乗らねば分からなかったことが多すぎる。

 

KMF『士魂号』から降りれば、黒髪美人さんを筆頭に俺を見て呆けていた。…どうしたのだろうか? と思えば、『何その操縦テクニック! …プライド傷付いたんですけど!?』と黒髪美人さんに迫られた。技術者達も『あのような使い方であのような動きが!? 素晴らしいじゃないかヴァルター君!!』と興奮しています。…………やり過ぎたのだろうか? と思ってみたり。

 

 

 

 

 

 

その後の話し合いでこの『士魂号』は黒髪美人さんのモノに。彼女のテクニックを磨く為、技術者達の技術を高める為、本当の意味でテスト用…実験機となった。俺は新たに設計図を書き、それを開発してもいいことになった。それはありがたいんだけど、…マジで黒髪美人さんて何者?

 

……………つーか人が足らねぇ。…助手としてシャーリーちゃん達を召集してもいいっすか? ……彼女は八歳ですけど優秀っすよ? ドロテアはまぁ…アレだけどモニカはなかなかに。…機密を守れるなら良し? じゃあ問題ないっす、呼ばせて貰いますわ。…とあざっす。




シャーリーはハイスペックになります。

ヴァルターの恩恵を受けまくってますからね。

スザク以上になるんじゃね(汗


では、良き夢を!


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第8話 ~俺、…のKMF開発中。

隙を見て文章を考えとります。

んで投稿。


ーヴァルターー

 

数ヶ月前、俺は『士魂号』に乗って華麗な操縦テクニックを披露した。それにより『士魂号』が黒髪美人さんのモノに、そして俺は新たにKMFを開発することになった。開発することになったのだが人手不足、故にシャーリーちゃん達を召集しました。…現在いい感じで開発が進んでいます、助手のシャーリーちゃんは優秀ですね!

 

 

 

 

 

 

『士魂号』を黒髪美人さんに取られた日、俺の溢れる創作意欲に火が点きまして。『士魂号』もとい人型兵器とKMFの技術、それらを合わせた現状最高のKMFの設計図を数日で書き上げた。直ぐにシャーリーちゃん達を召集し、数人の技術者達も確保が出来た。その中にまだ見習いだけど、将来の有望株と見てるセシル・クルーミーなる女性がいた。……彼女のことは追々紹介することにして、皆で一致団結…俺のKMFの開発が始まった。

 

 

 

 

 

 

現在開発しているKMFは『士魂号』を基準としたモノ、その名を『サムライ』とした。実験機の『士魂号』を操縦して感じた不満、それらを解消した新たなる仕様のKMF。これが出来た暁には、陸上において他の追随を許さぬ陸戦最強のモノとなるだろう!

 

『士魂号』にて感じた不満の一つにして最大の不満、それは歩行である。KMFは基本的に『ランドスピナー』による滑走走行が主流、…というかそれだけと言ってもいい。普通の歩行が得意ではなく、平面でなければ自慢の機動力が発揮出来ない。それどころか荒地等の障害物が多い場所では、…残念なことに木偶となるのが目に見えている。

 

戦場を駆る兵器としてKMFを見るのなら、その程度で行動が制限されてしまうのなら欠陥機とされるのは明白。それを防ぐにはやはり歩行を何とかする必要がある、…とのことで『サムライ』はそこを改善した。かなり苦労したけれど、普通に歩行が出来るようになった。瓦礫や窪みも何のその、普通に歩行して乗り越えることが可能に。

 

それだけではなく幅跳びも、ジャンプをも可能にした。…が動力部からのエネルギー循環のことや、脚部関節の耐久度や冷却に関しての数値がギリギリであることから、連続使用はなるべく控えてここぞという時に使用する。…そういうデメリットがあるけれど、ジャンプは『サムライ』の切り札になり得る…と俺は思っている。

 

そして更に隠しギミックと言いますか、見た者は必ず絶句するであろう仕掛けを施した。…ガンパレを知る者ならば、最低でも一度はやったことがあるであろう行動の一つ。…それは『上半身ひねり』である、…あのクセの強い使用が小難しいヤツ。進行方向の真逆に上半身を向けられる行動で、やったことを忘れれば大惨事を引き起こす魔性の技。それを『サムライ』で再現が出来るのだ、故に攻撃方向に死角なし。敵の度肝を抜くこと間違いなしではあるが、下手にやれば機体に多大な負荷を掛けることは確実故に訓練は必須。

 

 

 

 

 

 

移動関連はこれくらいだろうか? …まだまだ組み込みたいモノがあるけど、詰め込み過ぎは負荷になる為泣く泣く白紙に。いずれは『サムライ』を、それ以上のKMFを開発して組み込んでやるぜ!

 

…で武装のことになるが、『スラッシュハーケン』は外すことが出来ない。多目的武装であり、これがなくてはKMF特有のトンデモ走行が出来んのです。使い方次第では相手の行動を潰すことが可能な万能武装、その逆に自らを窮地に陥れる可能性もある諸刃の剣でもあるがね。…その『スラッシュハーケン』は両腕にそれぞれ二つずつ、計四つを『サムライ』に搭載した。

 

後は任意で着脱可能な武装、所謂…武器は現在三つ。それぞれ射撃武器で、『ジャイアントアサルト』『ジャイアントバズーカ』『92mmライフル』の三種である。広範囲に連射が出来る『ジャイアントライフル』は、その凡庸性から『サムライ』の基本装備として期待している。射程が非常に長く威力も極めて高い『ジャイアントバズーカ』は、敵の旗艦や要塞を粉砕出来る程のモノではあるが弾数一の使い捨て。まぁ威力は数値上で実戦ではどうなるやらってヤツ、…もう少し使い勝手を良くしたい。『92mmライフル』は前に設計図で説明したよね? アレだよアレ、もうちょい性能が上がらないかと調整中ではある。

 

後は白兵武装…格闘武器ってヤツ? それに苦戦しているんですよ。『超硬度大太刀』を開発したんだけど、…どうにも納得がいかないんだよね。シャーリーちゃんを筆頭に絶賛するんだけど、俺から見たらまだまだナマクラ。力任せで叩き斬るのではなく、こう…断ち斬るって言うのかな? それを目指したいんだよ。…実物の刀をこの目で見ないとダメなんかな?参考に出来る物が無いから…。

 

………う~む、設計図だけではダメなモノはダメなんだな。勉強になったよ、うん。




最近、直ぐに腹を下す。

ポンポンが痛いのです。

寒さで腹を冷やしたのかな?


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第9話 ~俺、…と春色の美少女?

今日も今日とて忙しい。

そして、適当故の苦しみ。

自分でも展開が……(汗




ーヴァルターー

 

俺が設計したKMF『サムライ』の開発は順調である、…というかほぼ完成している。後は色々なテストを経て完成、…という判が押せるんだがな。どうにも白兵武装…格闘武器の出来がね、…納得いかんのですよ。

 

『超硬度大太刀』の斬れ味が悪い、それを改善するには見本となる刀が必要不可欠。我らがブリタニアには刀の現物がない、なら…どうするか? 日本から取り寄せるのは簡単だ。現物を参考にすれば確かに斬れ味は上がるだろう、しかしそれでは何かが違う。もっとこう…原点というか、………そう思い悩んだ末にティンッ! ときた。日本に行って刀を鍛錬する様を見れば良いのでは?…と。そうすればきっと、『超硬度大太刀』の斬れ味がハンパないことに。完全にとまでいかなくとも、現物の刀に寄せることが出来る筈。

 

『超硬度大太刀』の完成度を高める為に日本へ行きたい、ダメ元で黒髪美人さんへ訴えてみれば簡単にOKが出た。黒髪美人さんの旦那さんが俺に期待しているとかで、旅費等の費用を全て負担すると申し出てくれたとか。……何と太っ腹で素晴らしいお方だろうか!これはもうお礼を言わねばならない! …と思ったんだけど、忙しいお方のようでそれは叶わないと言われました。……お礼の一つも言えないとは、…無念なり!

 

 

 

 

 

 

日本へ行くことになった俺だが、案の定…シャーリーちゃん達も行きたいと言ってきた。だが残念なことにシャーリーちゃんは親からダメだの一言で撃沈、ドロテア&モニカは学校があるからダメってことで轟沈。

 

…俺一人で行くことになったんだけど気になることが一つ、…学校って何? と言えば二人に視線を逸らされた。両親に聞いてみれば、『鶴の一声があってね、…ヴァルターは免除らしいよ。』とのこと。…何だよ鶴の一声って、俺も学校へ行って青春したいよ!!

 

…………魂の叫びは黙殺された。俺に青春は必要ないみたい、………くそぅっ!!

 

 

 

────────────────────

 

 

 

そして青春を奪われた俺は、失意の中…日本へと向かったわけで。その道中…飛行機の中で出会いが一つ、『…お前がアイツの言っていたヴァルターか? ………!? …っなかなかの面構えだな? …うん。』と隣席の人物が話し掛けてきました。…何かゴスロリっての? そんな格好をした緑髪の美少女が隣席にいてね、俺のことを知っているみたいなんだけど…ビビってない? …俺の顔だとしたら久々だね、………どう対応すべきかね?

 

…例が如く、隣の美少女を無視することにした俺。多少でも恐れがあるのなら関わらない方がいい、俺的経験からそれが一番良い対応だから。その方が面倒事に発展しにくい、…ということで寝ときますか。日本に着いたら即行動だからな、ヒントを得る為の短期旅行が待っている。

 

 

 

 

 

 

…………目を閉じて暫く、隣の美少女に起こされた。何なんですかね? 君が俺にビビっているから気を利かせて寝ようとしていたのに。怪訝に思っていると美少女が、『先程のことは謝るから無視はやめてくれ、…これから共に行動をするのだから。……この状態が続いたら地獄だぞ、…ホントに。』とか言うじゃないですか。…まぁ謝るのならそれなりの対応に変えますよ? 俺…優しいですから。

 

…………………というか待てよ美少女。共に行動するとはどういうことだ? 俺はこれから一人旅をする予定なのだが? と問えば、『…お前はヴァルターという名なのだろう? なら間違いない。お前と共に行動して気晴らしをしてこいと言われている、マリ…お前の知る黒髪美人という女からな。』って言うじゃないか。……何ですと!? 何一つ聞いてないんですけど!! 驚愕する俺に、『アイツは言っていたよ、お前に青い春を経験させてやると。…私という女がお前の春になるということだ、…理解したか?』とかってさ、どんだけだよコイツ。

 

…まぁ考えようによっては良いことなのか? 見知らぬ者とはいえ美少女、見た感じ春っぽく…見えるかもしれない。学校での青春が出来ないのなら、旅行で青春を感じろという黒髪美人さんの配慮になるのか? …俺としては仕事で日本に行くわけで、そこへ美少女が加わり二人旅となれば? 同い年っぽいしな彼女、………修学旅行っぽい?

 

………………何か良いかもしれないな、一人寂しく日本を廻るよりも。例えKMF関連の為とはいえ、一人よりも二人か?

 

 

 

 

 

 

大いに悩んだ結果受け入れた、…というか拒めないだろ。俺も彼女も既に大空の上、拒んで彼女を日本に捨て置くのは外道だし。…彼女は俺に対して苦手意識があるっぽいが、俺は大海が如き深い懐で受け入れようじゃないか。…どうなるか分からんけど今回はよろしく! …名前は? …シーツー? …変わった名前なんだな、うん。




後で…感想読まなきゃな、…いい加減。


感想をくれてる人申し訳ありません。


もう少し待って。


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閑話 ~ヴァルターという子

適当故に自分でも訳が分からなくなる。

先のことが分からない。

それじゃダメじゃん。



いやぁ~、評価が分かれますね?

面白いモノです。


ーマリアンヌー

 

ヴァルター・バーンシュタイン、この名を知らぬ皇族・それに準ずる者はこのブリタニアにはいない。幼き頃より頭角を出し始め、国の中枢にいる者達は彼に注目している。中枢にいる者達からの評価は以下の通り………。

 

 

 

 

 

 

武を司ると言ってもいいナイトオブワン、帝国最強の騎士と称されるビスマルク・ヴァルトシュタインは、『マリアンヌ様との組手を遠目で見たが、…末恐ろしいの一言。彼が青年と呼べる歳になった時、…その時には私をも越えているであろう。私は彼…、ヴァルター・バーンシュタインのラウンズ入りを心待ちにしている。』と笑みを浮かべて言ったのよ。…彼を一番知っていると自負する私もそう思う、既に私を打ち負かしているのだから当然と言えるわね。

 

性格から顔までビスマルクに何処と無く似ているヴァルター君、彼がラウンズ入りしたら帝国の二大看板になるのは確実よね。仏頂面のビスマルクに狂相のヴァルター君、………その中心にシャルルでしょ?

 

……………悪の帝国にしか見えないわね。これはアレよ、ヴァルター君のラウンズ入りの際には見目麗しい女子を数人入れなきゃ緩和されないわ。…まぁ彼に関連して強い娘がいるから大丈夫かしらね、…一人は庶民だけどどうとでもなるし。

 

ヴァルター君、ルルーシュやナナリーの騎士になってくれないかしら? 彼がなってくれたらどんなに安心か。…まぁそれを狙うなら、ギネヴィアには注意しないと。彼女はヴァルター君に興味を持っているからね、名門の出で生粋のブリタニア人だもの。それでいて多方面で優秀と聞けばそうなるわよね? でも彼はどちらかと言えば平等主義の子、差別を是とする彼女と合うのかな?

 

 

 

 

 

 

いずれ知を司ると言われている第二皇子、シュナイゼル・エル・ブリタニアは、『身分を偽って二度、彼とチェスをしたことがあるんだ。……認めたくはないが完敗したよ、もう…お手上げさ。あそこまで読めない表情、そこから繰り出される策の前に翻弄され続けてしまってね。初めて冷や汗というものを体験したよ、…彼とはもうチェスをやりたくはない。私という存在が彼に侵される…ような気がしてね、…彼は本当に恐ろしい男だよ。』と言わせたのだから。…私もその場面に立ち会ったけど、引きつり笑いのシュナイゼルを見たのは初めてだったわ。

 

シュナイゼルの言った彼に侵される…という表現、わたしにも分かる気がするのよね。ヴァルター君に深く関わったら最後、何処までも見ていたくなるの。彼はこれからどう動くのか、どんな反応を見せてくれるのかなって。何故か心の何処かに彼がいる、…そんな気がするのよ。

 

それにたぶんだけど、彼は私の正体に気が付いている。…気が付いているのにあえて知らないふり、私のことを考えてね。だからこそあの時、私がいると気付きながらも私を称賛した。…彼なりの激励、皇室で嫌われている私に対しての。

 

知らんぷりをして私を気遣ってくれている、…鬱憤とした気持ちをこの場にいる時ぐらいはって。分かっていながら尚、この私に茶々を入れては絡んでくるのだと。…正直嬉しいのよね、そういうの。彼以外の人達も気遣ってはくれるんだけど、…結局は皇族扱い。ヴァルター君は貴重よ? 私を普通の女性として扱ってくれるんだから。

 

考えれば考える程、ヴァルター君をルルーシュとナナリーの騎士にしたい。…もしくはナナリーの許嫁っていうのもアリかな? …難しいかしら? ……ルルーシュが反対しそうね、…シスコンだし。いえ…その前に、ドロテアとモニカが噛み付いてきそうね。シャーリーちゃんはまだ…分かっていないけど、もう少しで自覚するかも。

 

………ヴァルター君モテるわねぇ~。逆に男友達がゼロっていうのには泣けてくるけど、…まぁ何はともあれ頑張って! ヴァルター君!!

 

 

 

 

 

 

ブリタニア帝国皇帝であり愛する夫シャルル・ジ・ブリタニア、彼もまたヴァルター君を気に入っている。『ヴァルター・バーンシュタインという強烈な個を持つ男は他を圧倒する、彼の者の存在により競争と進化が加速する! それこそがワシの望む展開、…その個はワシをも飲み込むか? …久々に滾るぞヴァルター・バーンシュタイン! さぁ…、ワシの下まで駆け抜けて見せよ!!』と大絶賛したのには驚いたわ、…顔を合わせたこともないのに。

 

彼に関わった者達からの話、そして噂のみで彼をそう絶賛したのだからシャルルは規格外よね。現にシャルルの発言以降にシュナイゼルは負けたし、力ある貴族から軍人もヴァルター君に負けた。そしてKMF開発においても特派を若くして引っ張っている、KMFを進化させている。先見の明がありすぎよシャルルは、…そして彼に対する評価が嬉しくもある。何せ私が一番先に見出だしたんだから!

 

 

 

 

 

 

…とまぁ以上がヴァルター君の評価、予想通りの高評価ね。それ故に私を含めたブリタニアの中枢に注目されるなんて、…御愁傷様としか言えないわ。自重なしにやらかすヴァルター君が悪いと言えるし、気に入ったからと彼にちょっかいを出し続けた私も悪い。

 

 

 

 

 

 

そういえば話が変わるけど、ヴァルター君…日本へ行きたいとかって言ってきてたわね。KMF武装の刀を更に研き上げる為だとか言っているけど、方便…と見るべきね。聞く所によると日本人は武人気質の者が多いらしい、一庶民でも磨き上げれば一級品になると彼のメモに書いてあった。故に本当の目的は人材の確保、青田買いをする為ね。

 

ヴァルター君に興味を持つ者は多いけど、味方と言える人は? と考えれば少ない。バーンシュタイン家に連なる者、三人娘に特派、そして私ぐらいしかいない。…ほら、少ない。庶民と軍人には人気があるようだけど、…力があるわけではないからね。基本的に貴族、特に同世代と年上世代の同性に嫌われている。その強さと共に三人娘を侍らすいけ好かない奴、多くの嫉妬をその身で受け止めている。…全く気にしている素振りがないけれど、…メンタル強すぎ。

 

ヴァルター君は純血でありながら他人種を重用しようとしている、そんなことをすれば純血派の貴族達は…。そう考えて気付く、彼は今回のことを機に国内の名誉ブリタニア人を取り込む気だと。どんなに能力があろうとも重用されない名誉ブリタニア人、燻っている彼等を取り込んで新たな派閥を作ろうと? 言うならば混血派。

 

このブリタニアで混血派を作ろうと考えるとは、何という反骨精神。敵が増えることになる、…けどそれはシャルルの望むことなのよね。彼を中心に争い、勝ち上がった者こそが先へ進むことが出来る。弱肉強食こそが全て、…ヴァルター君はシャルルの下を目指していると見えるかな。即ちラウンズ入り、圧倒的な個を持って堂々と。…であるとすればシャルルが気に入る筈だわ、それを嗅ぎ取る嗅覚は流石ね。

 

 

 

 

 

 

そうであるのなら私も協力…しない方がいいか、下手に手を出して邪魔をしちゃ悪いもの。そこら辺の分別はあるのよ? 私にだって。とりあえずOKを出して旅費ぐらいは出してあげよう、名義は旦那様でいいわね。…後はいいかな? って思ったんだけど、耳に届いた『青春したい!』という言葉。そういえば私が彼の学校入りを免除、無くしたんだっけ?

 

そういうことで、毎日暇そうにしていたあの娘を送り込んでみたけど大丈夫よね? あの娘自身もヴァルター君に興味を持っていたし。まぁ彼のことだからあの娘と仲良く出来るでしょう、…これがきっかけであの娘も少しは笑うようになればいいんだけど。




因みに主人公は今回のようなことは一切考えていません。





シュナイゼルのことも覚えていません、無駄にチェスの強いイケメンがいたっけ?…程度です。

マリアンヌの正体も未だ分からない状態、黒髪美人さんのままです。

混血派? 何じゃそら? って感じです。

狂相ポーカーフェイスの悲劇。




つーか考えなしで書くのは大変やね。

少し間が空いただけで考えが変わるのだから。


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第10話 ~俺、…日本を満喫。

今日も思い付きで。


ーヴァルターー

 

日本へ向かう途中、空の上でシーツーという名の美少女と知り合いました。彼女曰く、黒髪美人さんからの紹介らしいけど俺は聞いてない。…がしかし、旅は道連れ世は情けと言うからな。これも青春と割り切ろうかと、…シーツーも自分が俺の春だとか言っとるし。KMFの為の日本だけど美少女と一緒、何やかんや言っとりますが楽しみであることは間違いない。仕事のついでにデートと洒落こみますか!

 

 

 

 

 

 

…で日本へ入国した俺とシーツー、とりあえず刀についての情報を集めよう。そう思い至った俺は人の集まる場所、繁華街を目指すことに。そこへ行けば人が沢山いるから情報収集には最適、…と思っていたんだがな。俺の精神というか本質というか、日本人であることを忘れていた。

 

何を言いたいかと言うと、目的を忘れて日本を楽しんでしまいました! …繁華街にて馴染み深い光景を目の当たりにし、テンションが上がってしまったんよ。そうなったら止められない、戸惑うシーツーの手を握って遊びまくりました。ゲーセンの懐かしいこと! カラオケにて熱唱! 寿司すき焼き天ぷら等の日本食! ハンバーガーやピザ等のジャンクフード!

 

今日体験したこと全てはブリタニア本国に無いものばかり、シーツーも俺の手を振りほどくことはしなかった。それ即ちシーツーも楽しんだってことだろう、ピザ屋で貰ったチーズくんキーホルダーを大切に仕舞っていたし。最初は俺にビビって警戒していたのに、僅かな時間で俺に気を許したっぽいのは正直嬉しい。

 

 

 

 

 

 

その後も俺の我が儘で日本各地を回ったよ、北は北海道から南は沖縄まで。各地の名所を巡り、思い出にと写真を取りまくったりした。それぞれ各地の名物を食べ歩こうかと思ったんだが、シーツーがピザを大層気に入ってしまってね。この旅行中、…毎日ピザを食べるハメに。旅行中にピザって何なんだろうね?

 

まさかその間にポイントが貯まるとは思わんかった。ポイントはシーツーのお願いを聞いてぬいぐるみに、期間限定のチーズくんぬいぐるみのペアである。俺がメスっぽいヤツでシーツーがオスっぽいヤツ、…普通は逆じゃね? …と思ったんだが、頑なに交換しようとしないんで諦めた。旅行中も大事に抱き抱えていたし、俺にもそれを強要してきたし。シーツーはいいよ? 美少女だから、…俺はシュールだよ? 悪党顔だから。まぁ楽しいから良しとしましょう、せっかくの旅行なんだし。

 

 

 

 

 

 

日本一周旅行になったわけだが、その途中で愉快な仲間が増えた。二、三歳年上の奴等なんだけど、とある名所にて馬が合ったってわけ。頭の悪そうな調子の良い野郎玉城真一郎、時折見せる鋭い目が気になるぽややん男速水厚志、美人なんだけど残念臭が凄い工藤百華、元気一杯の病弱美少女結城火焔、超真面目の一言に尽きる永野英太郎。この五人の集団と意気投合をしたんだけど驚いた、玉城は知らんけど他の四人はガンパレとガンオケのキャラじゃん!? 何故に存在するのかと考えて…止めた、どうせ『ご都合主義』が発動しているんだろうと結論付けて。

 

共に行動することになったんだけど、気になったから聞いてみたんだよ。君達五人はどういった関係なんだい? …と。そうしたら五人は孤児院出身の仲間で、最後の思い出作りに日本一周旅行をしているんだとか。何でも彼等の孤児院は日本政府の手により潰されることになるとかで、それに伴い彼等の兄貴分が費用を出してくれて…ってことらしい。

 

君らの兄貴分ってのは太っ腹やね? …日本一周旅行つったら旅費もハンパないだろうに。立派な方なんだろうね? って言ったら嬉しそうにしていた、…相当にその兄貴分のことを慕っているんだろうな。

 

…でこの旅行が終わり次第、玉城達五人はこの先離れ離れになるようで。まだ未成年だから仕方がないことと割り切り、この旅行を思い出にそれぞれの道へ。別れが待っているのに笑ってら、…友情っていうのは素晴らしいね。

 

俺にはシャーリーちゃん達がいるけど、…友情とは違うと思う。だからこそ羨ましい、彼等の友情という繋がりが。何つーか対等っての? …俺もそういう繋がりが欲しいぜ。

 

横目でシーツーを見てみれば、五人を眩しそうに目を細めて見詰めている。繋がった手を強く握ってくることから、彼女も俺と同じように彼等を羨んでいる…ってことなんだろう。




俺は玉城が嫌いではない。

んで出すつもりはなかったが、ガンパレガンオケキャラも出します。

人選は思い付いたから。



引き抜くと黒の騎士団がね、…玉城一人ぐらいいいだろ。


…で兄貴分とは誰なんだ?

…誰にしようかな。


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第11話 ~俺、…仲を深める。

寒いっす。


ーヴァルターー

 

日本へ上陸した俺は、テンションの赴くままにシーツーと日本一周旅行を楽しむ。その道中で知り合い意気投合をした孤児の五人組、これも何かの縁ということで共に行動することに。彼等の友情が美しく見え、俺とたぶんシーツーもその繋がりを羨ましく思った。…これって嫉妬になるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

…というわけで、俺とシーツーは玉城達と共に旅行を楽しんだ。シーツーと二人だけの旅行も良かったが、彼等との集団行動もかなり楽しい。俺…学校へ行ってないからなぁ、…ドロテア&モニカはこんな感じで青春をしているのだろうか? そうであるのなら本当に羨ましい。…こんな機会に巡り会えたのは黒髪美人さんとその旦那さんのお陰、シーツー共々感謝感激っす。

 

 

 

 

 

 

旅行中、玉城が馴れ馴れしいというか何というか。妙に肩を組みたがるし、…シーツーに絡みたがる。俺はいいよ? 正直嬉しいし、…男友達がいなかったから。それに『親友』ってさ、玉城が俺にそう言ったんよ。今まで流したことのない涙が一筋、…それを見たのはシーツーただ一人。何も言わずにハンカチで拭いてくれました、それもまたありがたく…。

 

逆にシーツーは嫌そうにしていた、凄く鬱陶しそうに。でも拒絶はしていない、…というか最終的にキレ気味。何故にそうなったのかと聞いてみれば逃げられた、代わりに百華が教えてくれた。玉城がシーツーを『ヴァルターの愛人』と評したらしい、…愛人とかってそりゃないだろ。やっぱアホだわアイツ、…意味が分かって言ったんか? シーツーがキレるのも頷ける。何てことを考えていたら百華がニヤつきながら、『私とアイツはその程度で収まりきれない、…言葉には出来ない繋がりがあるんだ!』って言ってたよって。…それを聞いた俺は恥ずかしさを感じながらも嬉しかった、…繋がりかぁ~。いいこと言うな! シーツーは♪

 

それ以降、俺はシーツーに構いまくった。シーツーは『突然何だ!?』って困惑していたがされるがまま、微妙にニヨニヨしとることを知ってるぜ? …そんな彼女を身近に感じながら、何となく繋がっていると感じている俺がいる。…不思議な感覚だよね? この心の高ぶりって何じゃらホイ。

 

 

 

 

 

 

とにかく、玉城達五人と更に仲良くなった。玉城はさっきも言ったが馴れ馴れしい、しかし俺にとっては一番好ましい奴だ。他の四人も良い奴等なのだがこの顔のせいか多少の遠慮がある、…が玉城にはそれがない。俺はそれで救われたような気がしたんだ、…特派には男の同僚はいるが男友達はいなかった。男友達とバカをやるのが俺の夢の一つだったんだ、それが玉城のお陰で叶いそう。…ありがとう、玉城真一郎!

 

速水はぽややんとしていて癒し担当だ、間の抜けたことを呟いたりしては皆を呆れさせる。…がたぶんそれは計算であると思う、どうにも変な空気になるとやらかすんだよね。場が和んだ時とか頻りに頷いているし、…俺がそれを見たことに気付くと笑顔を向けてごまかしてくる。…胡散臭いけど必要だよね? こういう奴ってさ。

 

百華は美人である、…性格も悪くはない。人をからかったりすることが好きっぽいが、黒髪美人さんで慣れているから特に気にすることもなし。本当にいい女ではあるのだが恥じらいがない、俺の目の前で普通にスカートをバタつかせる。床に座ることになれば胡座をかく、パンツが見え隠れしても気にしないっぽい。…他にも色々あるが全体的に親父臭い、…コイツの将来が心配なんだけど?

 

火焔はとても元気だ、落ち着きがないとも言うけど。しかし不快には思わない、逆に見ていて気持ちがいいぐらい。…がはしゃぎ過ぎると地に伏して動かなくなる、驚くことに彼女は病弱なのだ。孤児院出身が故にロクな治療も受けられず、現在…長くは生きられないと宣告も受けている。それでも悲観することなく生きる様は美しい、…何とかしてやりたいがどうだろう?

 

永野は真面目だ、常にルールを守ろうとする。暴走する玉城と火焔を本気で説教をするし、百華の恥じらいのなさに毎回怒髪天を衝く勢い。速水には苦言だけ、…にしてもこの手の奴は大体嫌われる傾向にある筈。なのにそうならないのは確かな絆があるから、皆を想ってのことだから。…それが分かっていながら改めない四人が凄いのか、諦めない永野の真面目さが凄いのか。

 

 

 

 

 

 

この旅行中に五人の性格や行動がある程度分かった、そして思うことはただ一つ。…大事にしたい縁であると、出来るならブリタニア本国へ来てくれないかなぁ~…なんて。




主人公の求めていた友達感覚の者達、…欲しくなる気持ちは分かりますよね。

男友達はいないし、ドロテア&モニカは何か違う、シャーリーは妹、マリアンヌは恩はあるけど問題児、特派の技術者達は技術変態仲間の同僚。

孤独ではないけれど変則的な孤独、それが解消されようとしているのです。


……でシーツーが今のところのNo.1か?






勿論、主人公にギアスを与えますよ?

どんなんかは何となく考えているんだけどね、…誓約とかがメンドイっす。…考えるのが。


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第12話 ~俺、…日本の軍人に会う。

調子が悪くて投稿出来ず。

感想も後日。


ーヴァルターー

 

更に仲良くなった玉城達、そして更に距離が近付いたシーツー。俺が求めていたモノを日本で見付けた、…出来ることならブリタニア本国に。素直にそう思う俺がいる、…そんな感じで悶々としとります。

 

 

 

 

 

 

俺とシーツー、玉城達と共に面白可笑しく旅行を楽しむ。こんなにはしゃいだのって初めてじゃないか? …ってな感じ。だがそんな毎日にも終わりがあり、後数日で玉城達の育った孤独院のある場所へ。内心寂しくはあるが、彼等を見習って顔や態度に出さぬよう振る舞う。

 

 

 

 

 

 

そして最後の日の夜、俺はホテルの一室でボーッとしている。ガラにもなくチーズくんぬいぐるみ・メスを抱き締めて、…俺の隣にはシーツーもいて同じ状態。二人揃ってボーッとしているのだ、楽しかった刻が終わるのだからな。…クールに決めていたシーツーも何だかんだで楽しんでいた、故に彼女も寂しいのだろう。

 

…暫くしてからシーツーが、『…ヴァルター。今までは別々のベッドで寝ていたが、…今日は一緒に寝たい。……ダメか?』とすがるような目で俺に言うではないか。服の裾を掴みつつそんな目で見られたら、…断れないじゃないか。それに俺も寂しいし、人肌を感じながら眠るのも悪くない。…そんなわけで、俺とシーツーは同じベッドで眠りました。お互いを抱いて温もりを感じながら、……それだけっす。俺はまだ一四歳なんでそーいうのはまだ早いっていうか、…シーツーとはそういう繋がりじゃないんで。

 

 

 

 

 

 

…で翌日、玉城達と共に孤児院へ。俺とシーツーには関係のない場所だけど、彼等のルーツである場所故に見てみたいと思って。そこで別れることになるが、…その時に言っておきたいことがある。もし…やる気があるのなら、我がバーンシュタイン家にて働いてみないか? …と。正確には特派にて、KMF開発の手伝いをしてみないか? ってね。まぁ直ぐにではなく、その前に勉強と訓練をして貰うけど。

 

そこらのことはきちんと説明するさ、…説明を聞いて貰って判断して貰う。出来ることなら来てほしい、…そして俺を支えて貰いたい。ドロテア&モニカは俺を支えることが出来ない、二人には学校がありそちらを優先させているから。シャーリーちゃんは年下だ、俺が親身になって支えてやらねばならない。黒髪美人さんは俺的に謎の関係、特派の技術者達は対等な同僚。シーツーは出会ってからの日が浅い、…が何つーか隣にいるのが当たり前的な? …支えてもらっているっぽい? それとも俺が支えてる? …深く考えると分からん、分からんけど必要な存在…だと思う。

 

せめて玉城一人、玉城だけでいいから来てくれないかなぁ~…。そんなことを考えながら歩いていたら、前を歩いていた玉城達が消えた。…え? 何処に行ったん? キョロキョロと見回せば、隣にいたシーツーが俺の服の裾を引きながら指を差す。…指の差す方へ視線を向ければ、玉城達が一人の青年に(たか)っていた。…………誰。

 

 

 

 

 

 

近付いていけば、その青年は軍服を着ていて…。え~と、…日本の軍人さん? 好奇心を含んだ視線ビームをぶつけていたら、その視線ビームに気付いた青年が俺とシーツーに向かって会釈。そしてこちらへ玉城達を引き連れて来て、『旅行先で弟達と仲良くしてくれたようで感謝する。俺は卜部巧雪、コイツ等の兄貴分とでも言えばいいか?』と挨拶をしてきた。…おぉ! この人が玉城達の太っ腹な兄貴分! 軍人であるのなら旅費ぐらい何とか出来るか?

 

…と思いつつ俺も挨拶をする。ブリタニアのヴァルター・バーンシュタインっす、んでこっちがシーツーと。互いに手を差し出し握手をし、玉城達を含めて談笑する。旅行の話を中心にしていたんだけど、後半は孤児院関係というか玉城達のことに。日数的に最低でも一ヶ月で孤児院が無くなるという、その前に受け入れ先を探さないといけないらしい。卜部さんは仕事の合間に探したらしいが未だ見付からず、玉城達は何とかなるさのテキトーさ。………卜部さんが恨めしそうに玉城達を見る、…苦労しているんすね?

 

 

 

 

 

 

……………決まっていないならブリタニアに誘えるんじゃね? 来るかどうかは分からないけど、少なくとも卜部さんからの印象が良くなるのでは? そう思った俺は提案をすることに決める。…どういう反応が返ってくるかな?




個人的に卜部が一番だと思う。

仙波も悪くない。



朝比奈と千葉はイヤ。

藤堂にはやや失望した。


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第13話 ~俺、…ん所に来ないか?

調子が未だに優れず。

…が持ち直してきたから投稿出来ると思う。


ーヴァルターー

 

旅行が終わり玉城達と共に孤児院へ。そこには玉城達の兄貴分で日本軍人である卜部巧雪さんがいて、互いに挨拶をして談笑をした。内容は旅行のこと、そして最終的には玉城達の受け入れ先の話に。…見付からないと嘆く卜部さん、楽観視する玉城達…永野は気にしているっぽいが。…それを聞いた俺は提案を決意、さて…どんな反応が返ってくるのかな?

 

 

 

 

 

 

玉城達の受け入れ先を早急に見付けたい卜部さん、そんな彼に俺は提案をさせて貰いました。俺ん家、バーンシュタイン家で働かせてみないか…と。色々と機密が絡むし不自由な点もあるかと思う、…が少なくともこの日本で働くよりは良い生活が出来る。働くにせよ生活するにせよ、孤児ってだけで良い顔はされない。ブリタニアでもその傾向はある、日本だってそうだろう。受け入れ先が見付からないというのはそういうことだろ? …現に卜部さんも軍に入るしかなかったと言っている、そして苦労しているみたいだし。

 

しかしながらブリタニアに来ればそうはならない、何せ俺ん家だから食いっぱぐれることはない。日本よりは良い生活が出来るであろうと言い切れる、五人が離れ離れになることはない。…その代わり日本へ帰ることが難しくなる、卜部さんと自由に会うことも話すことも出来なくなるだろう。機密が絡むが故に迂闊な発言も出来ない、…それと俺がやや嫌われ気味であることから難癖を付けられる可能性がある。

 

メリットは良い生活が出来る、機密ではあるが技術が身に付く。上手くいけば外国人から名誉ブリタニア人となり、更に良い生活が出来る。後ろ楯にバーンシュタイン家がある為、難癖は付けられるが危害は加えられない。…今まではこれでも大人しくしていた俺、しかし玉城達の誰かが来てくれるのなら全力で守る。要らぬちょっかいを出してきたなら潰す覚悟、ヴァルター・バーンシュタインが一皮剥ける時よ!

 

デメリットはさっきも言ったが不自由になるってこと、今までのように行動が出来なくなる。何処に行くにも連絡するにも許可が必要となる、ブリタニアは基本的に外国人には厳しいからな。馬鹿なことをすれば捕まるし、貴族に目を付けられたらまぁ…めっちゃ不快な目に遭うだろう。…と言っても、俺と常に行動を共にしていれば多少の理不尽は粉砕出来るが。俺ぁ友人の為なら鬼になれるぜ?

 

 

 

 

 

 

機密のことは話せない、メリット・デメリットのことも隠さずに言った。抜けていることもあるかもしれない、しかし俺の知る限り出来る限りのことは伝えたつもりだ。…さて、どんな返事が返ってくるかな?

 

卜部さんと永野は真剣に考えているっぽい、玉城と火焔は???が顔に浮かんどる。速水はニコニコと何を考えているか分からんし、百華はジッと俺の顔を見詰めてくる。…卜部さんと永野以外よく分からん反応だな? …まぁ玉城と火焔はバカっぽいから理解していないだけだと思う。…そのポカーンとした顔はやめろって、…何か力が抜ける。

 

 

 

 

 

 

それぞれが悩んでいるような現状、…最初に答えを出したのは意外なことに、『『行く!!』』と言ってきた玉城と火焔の二人。卜部さんも永野も目を丸くし、俺は喜びつつも驚いた。理由を聞けば、『俺は孤児でこんなんだから日本にいても居場所がねぇ、バラバラになったら真っ先に死んじまうのが目に見えている。…だったらヴァルターに賭けた方が良さそうじゃねぇか、勿論賭けるのは俺自身! それで死んじまったらそれまでってな、…俺は外へ行って変わるんだ!!』だって。意外に考えてるってことに驚いた、玉城なりに先を見ていて変わりたいと考えてる模様。

 

火焔も、『私は病気持ちだから一人になるのは無理だよ、…だからヴァルター君に付いて行く。私なりに頑張るから、ヴァルター君に面倒を見て貰いたいかなって。…勘なんだけど、付いて行けば私の未来が変わる気がして。』そんなことを言ってきた。彼女は病気持ちで長くは生きられないと宣告されている、自覚があるようで一人になるってことは死を意味すると理解している。なら生きられる可能性が現状一番高い俺の所へ、彼女なりに考えたことであるのは明白。俺に頼るようなすがるような目、そんな目で見られると俺は弱い。

 

…彼女の病気がどんなモノかは知らない、…が俺には特派がある。専門とは全然違うけど天才の集まりだ、突破口が見付かるかもしれない。…いやさ、見付かる筈だ。何せ俺には『ご都合主義』がある、…彼女を救える筈さ!




気温が上がったり下がったり、皆さんも体調には気を付けましょう。


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第14話 ~俺、…ん所へ来てくれるようだ。

ーヴァルターー

 

兄貴分である卜部さんに提案した、玉城達五人を俺の下に預けないか…と。機密は言えないが、それ以外の知っていることは全て伝えたつもりだ。

 

…意外にも最初に言葉を発したのが玉城と火焔、自身の人生を俺に賭けるとの言葉に俺は感動した。『ご都合主義』が発動するだろうけど、それをなしに考えてもこの二人は俺が何とかする。一皮剥けたヴァルター・バーンシュタイン、その目で見るといいわ!

 

…………という気概で頑張りたいと思う。

 

 

 

 

 

 

…とそんなわけで、玉城と火焔は俺ん所へ来るようだ。隠しきれない喜びが俺を包む、…さぞかし悪どい笑みを浮かべていることだろう。流石は俺の親友だな、玉城! …火焔もこれからは俺の家族だ、仲良くしよう! と二人に言えば玉城は親指をグッと立てて笑い、火焔は顔を赤くしてアワアワしている。何故かシーツーに脇腹をどつかれた、…解せぬ。そんな俺達を卜部さんが暖かい目で見てくる、…卜部さん! 二人のことは任せてくれ!

 

卜部さんに見守られながら盛り上がっていると、『…私も行かせて貰うわ。』と百華が言ってきた。真っ直ぐに俺の目を見てくる、…その瞳に一瞬だけ闇を見た。『…私には力があるわ。今日まで…いえ、貴方に会うまでは何の役にも立たない不思議な力が。…この力は貴方のモノよ? …貴方を守る為に使うわ。ヴァルターに見せてあげる、…受け止めてみて? 私の力をっ!!』最後の言葉と共に拳を放ってきたが、…俺は余裕でそれを掴む。

 

…………………痛いんですけどぉぉぉぉぉっ!? …黒髪美人さんよりも威力がある、…素人の力じゃないんですが!? 力が何なのかは分からんけど、…確かにあるわコレ! 俺の為に使う…守る為に使うと言っているけど、…期待しちゃっていいんですか? 驚きつつも頼もしく思う。俺の他に皆も驚いとる、特にシーツーが。………何故に?

 

 

 

 

 

 

あの親父臭くて恥じらいのない百華の本性? を見た俺達、卜部さんなんて『俺が早くに孤児院を出たからか? …百華がこんな、…グレていたなんて。』そう言って頭を抱えている。グレてるとかそういうのじゃないと思うよ? そう言いたいけど止めておこう、俺にもよく分からないことだし。…シーツーは何かを知っていそうではあるけれど、聞かぬが花ってヤツだと思う。その内彼女の方から話してくるだろう、…それを待つのが男ってもんさね。

 

百華の次に声を上げたのが速水。俺の前に来たと思ったら、『…行ったら出世って出来るかな?』と笑顔で聞いてきた。…しかし目が笑っていない、ほんの少しの野心…がありますな? …まぁ嘘を言っても仕方がないんで素直に頷く、俺の言う通りに動いて成果を上げれば出世は出来ると。言う通りと言っても命令ではなくお願い、約束さえ守ってくれれば何とかなるだろう。そうなるように俺も頑張るけどと付け加えておく、まだまだだからな俺も。そんな俺の返事に頷いて、『それじゃあ僕のこともお願いね? …後悔はさせないよ。』と承諾してくれたけど恐いなコイツ。…何か心に秘めているんか?

 

速水もブリタニアに来てくれるみたいだが永野は? そう思って視線を向ければ、『俺は巧雪の兄貴と同じ軍へ行こうと考えていた。…だが兄貴は辛い道だぞと言ってきてな、情けないが俺で勤まるかどうかと不安に思ってしまった。』そう言ってから玉城達を見て、『兄弟同然に過ごしてきたアイツ等と一緒なら、…どんなに辛くても頑張れると思う。…そういうことだからヴァルター、俺にも一枚噛ませてくれ。』だって。一緒なら頑張れるか、…いいよなそういうの。俺も同じ気持ちだ、玉城達が来てくれるなら俺も頑張れる気がする。シャーリーちゃん達と一緒でも頑張れるよ? だけどやっぱり男友達がね、…俺は欲しいわけよ

 

 

 

 

 

 

最終的に玉城達五人がブリタニアへ来てくれることに、卜部さんの顔に安堵の色が見える。懸念していた受け入れ先が決まり、バラバラにならないで済むのだから当然か。『どうか五人をよろしく頼む。…日本でバラバラとなり不遇な生活をするよりも、五人一緒にブリタニアで苦労をする方が良いに決まっているからな。機密というのが気になるが、非人道的なことをするわけではないのだろう?』と言われたが、そんなことをするわけがないと断言する。俺が力強く断言すれば、改めてよろしくとお願いされました。…卜部さんにとって本当に大切な存在なんだろうな、この五人はさ。

 

 

 

 

 

 

とりあえず連絡しとかなくては…とのことで、何故か黒髪美人さんの顔が浮かんだ。彼女に連絡すれば、特に問題なく話が進む気がする。…謎の信頼感があるよね? あの人には。




百華はまぁ…あれです。

ギアス持ち的な?

設定は廃棄された嚮団の生き残り的な?

ご都合主義でよろしく。

因みに百華のギアスは『愛する力』

百華の「人に尽くして必要とされたい」という願いが具体化されたもの。

自己暗示型のギアスで、この人に全てを捧げると決意した時に発動する。

身体能力が大幅に上がり、全てにおいてソツなくこなす。

……が依存気味になる為、愛された人は苦労する。



……みたいな感じ?


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第15話 ~俺、…忘れていました。

くそぅ。

忙しくて更新出来やしねぇ。


ーヴァルターー

 

玉城と火焔に続き、後の三人も俺の下へ来てくれるらしい。速水には多少の野心が、永野は玉城達と共に頑張りたいと言った。百華には何やら秘密がありそうだ、彼女の拳はこの俺に痛みを与えた。…この俺にだぞ? 自分のことはよく知っている、…黒髪美人さん以外で痛みを与えられるのはドロテアだけだった。百華で三人目だよ、俺に少しだけだがダメージを与えた人間は。

 

それに彼女の目、…正確に言うならば瞳。妖しく光っていた、…女の目とでも言おうか。ドロテア&モニカ以上の情愛を感じた、…一瞬だったけどな。その時のシーツーは様子が変だった、それも気になったんだけどまぁいい。この二人のことは詮索しない、自惚れでなければいずれ話してくれると思うし。

 

それ以上に今は喜ぼう、五人が俺の下へ来てくれるということに!

 

 

 

 

 

 

…そんなわけで俺は連絡をした、我が家の前に黒髪美人さんへ。何か知らんけど彼女は俺の上司っぽい振る舞いだし、今回の旅費は彼女の旦那さん持ち。そう考えれば彼女に連絡をするのは必然、当たり前のことである。帰りの飛行機代が増えるしね、…ダメだったら自分が出せばいい。俺ってば貯金がハンパないっすよ? 使う暇なく研究やら開発やら鍛練やらをしているからね、どの道何とかなるのです!

 

…で連絡してみれば、『構わないわよ、呼んじゃいなさい♪ 勿論お金も出してあげる。家の旦那様も笑っていたわ、…期待しているだって♪』理由も聞かずにOKとかって。黒髪美人さんも旦那さんも大物だね、普通は難色を示すぜ? 外国人の孤児なんてさ。とりあえず礼を言おうとしたのだが、『良い刀を見付けたみたいねぇ♪ ヴァルター君が見出だしたのなら期待が出来るというもの、…楽しみだわ♪ …それでいつ頃戻るのかな? シャーリーちゃんはいつも泣きそうだし、ドロテアとモニカに至ってはすこぶる機嫌が悪いのだけれど。』と先に言われた。…玉城達が期待されているか、…ちょいと安心した。それならばそれほど悪い扱いはされないかな?

 

それはともかくシャーリーちゃんが泣きそうになっているか、…毎日欠かさずに連絡をしているのだがな。まだまだ子供ってことなのかな? 顔を見ないと安心出来ないってんなら嬉しいぜ、この俺のような悪党顔でもシャーリーちゃんには必要なんだということか。…帰ったらめっちゃ可愛がろう、お土産も沢山買わなければならない。

 

…ドロテアとモニカには一応、…一週間に一度だけ連絡をしているが何故に機嫌が悪いのか? …解せぬが仕方ない、あの二人にもテキトーにお土産でも渡すか。そうすれば機嫌も良くなるだろう、…たぶん。

 

…で黒髪美人さんは刀と言ったよな? …刀、…刀ねぇ。

 

…………………………あっ! …忘れてた!?

 

 

 

 

 

 

日本へ来た理由を忘れて遊びまくっていた俺、それを思い出させてくれた黒髪美人さんに礼を言う。それともう少しだけ帰国が遅れると伝えれば笑って了承、…恩に着ますぜ黒髪美人さん!

 

…とのことで俺は卜部さんへ向かって頭を下げ、腰に差してある軍刀を見せてくれと頼み込む。戸惑う卜部さんに言ったのさ、日本へ来た理由は刀を入手すること。そして出来たら刀の鍛錬もこの目で見たいと、…先程の電話で思い出したんさ。…そう、忘れていたのだよと言ったらシーツーに呆れられた。

 

そういうわけで手始めに、卜部さんの軍刀を見せて貰った。鞘からして武骨な造り、そして抜いた刀身は直刃。俺としては乱れ刃の方が妖しくて好みではあるが、直刃もなかなかに素晴らしい。軍刀ということは軍からの支給品、即ち量産品の可能性が高い。卜部さんに聞いたら頷かれたから間違いなし、…量産品でこの美しさと品質か。この世界でも日本は日本、技術力が高いってことだな。

 

 

 

 

 

 

卜部さんに刀鍛冶の紹介を頼む、そして玉城達に最低でも一ヶ月後にブリタニアへ行くことを告げる。その間に旅立つ準備を進めてくれと言えば頷き、各々が孤児院の中へ消えていった。更に滞在が伸び、その間に孤児院が潰されたらホテルを手配してあげなきゃな。

 

卜部さんと連絡先を交換した後に別れ、俺とシーツーはホテルに戻る。そこでシーツーに、『当初の目的を忘れるなんてな?』とからかう感じで言われたので、『思いの外、シーツーと共に過ごした日々が楽しかったという事実が悪い。』と真顔で返せば、『そ…そうか。』とチーズくんぬいぐるみに顔を埋めて沈黙した。…足をバタつかせるな、…鬱陶しい!



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第16話 ~俺…、連絡を待つ。

考える時間が少ない。

何てこった!


ーヴァルターー

 

黒髪美人さんに玉城達五人の受け入れを頼んでみれば軽く了承、その他にもシャーリーちゃん達の様子がアレだというのも聞く。帰ったら大変だなぁ~…と思いつつ、日本へ来た理由を思い出した俺。慌てて卜部さんに刀鍛冶の紹介を頼み、彼の軍刀を見て日本の技術力が高いと実感する。

 

その後に解散し、シーツーのからかいを返して黙らせた。一週間以内に刀鍛冶を何とかする、卜部さんにそう言われたからのんびり待つつもりだ。のんびり待つと言っても調べものをするつもりである、刀の情報を集めまくるんだよ! 遅れを取り戻さなければならないのだ。…シーツーにも手伝って貰うからな? 覚悟しとけよ。

 

 

 

 

 

 

…卜部さんと顔を合わせてから数日、未だに連絡はなし。刀鍛冶を探すのに苦労しているのかな? …悪いことをしたかな? と思っている。因みに玉城達はうろちょろしているらしい、ブリタニアへ行く準備をしているのだろう。なけなしの金を使って生活用品等を買っているとみる、…持ち金が無くなったら俺から費用を出そうか。物を揃えるのは大切なこと、俺の出来る支援をしてあげなければ。

 

まぁ玉城達と言ったが一人だけ例外がいる、…百華のことである。彼女は玉城達と別行動をしており、シーツーとは反対側…俺の傍にいるのだ。どういうわけか百華の奴、別れた次の日から俺の所へ通っているのだ。調べものも率先して手伝ってくれるし、何故か身の回りの世話をしてくる。やらなくてもいいと言っているのだが、『私がやりたいの、気にしないで。』と返してくる。何度言っても聞いてくれない、…百華ってこんな奴だったっけ?

 

そんな感じで俺に尽くそうとしている百華を見て、何故か対抗心を全面に出してくるシーツー。百華と同じように俺の世話を焼く、…と言っても家事全般が百華に負けているシーツー。…でとった行動は膝枕とか添い寝、…お前は俺の母親か? なんて思うと、『…せめて新妻か? だろヴァルター!』だってさ。…シーツーは読心術を持っているんか!?

 

その時、扉の隙間から百華がこちらを見ていた。凄い眼力っすね? 何故に瞳が赤く点滅しとるの? 『……おのれぇ~っ!』って地を這うような声色は止めてください、…本気で恐いっす。

 

 

 

 

 

 

そんな二人に振り回されながらも、何とか刀についての情報を色々と入手出来た。いやぁ~…流石は日本、刀の生まれた場所だね。本屋に行けばあるわあるわ、刀に関する本が沢山ある。ブリタニアには西洋剣に関する本しかないからね、やはり調べたりするのは本場が一番。古本屋に至ってはあれだぜ? 秘伝書っぽい本が色々あったよ。結構な値段だったけど勿論入手、これだけでも開発が進むってもんだ。

 

互いに牽制し合う二人を尻目に俺は刀に関する本を読む、知識を頭に詰め込んでおかなければならない。一々本を読んで開発をするってのは無理だからな、幸い…記憶力には自信があるから余裕さね。後は玉城達と連絡を取り合ったり、シーツーと百華にされるがままになってみたりと。…逃げたら何か恐いからね、されるがままこそが最善なのですよ。こういう時は女が強くて男が弱い、…落ち着くまでは我慢我慢。……というか、…これって落ち着くんか?

 

 

 

 

 

 

卜部さんと別れてから丁度一週間後、待ち望んでいた連絡がやっと来たのだ。卜部さん的にはもっと早くに連絡をしたかったようだが、刀鍛冶を知っている尊敬する上司の周辺でいざこざがあったらしい。…千葉と朝比奈とかいう奴が俺に絡むかもしれない、…と卜部さんが言うんだけど何で? 俺…何もしとらんよ?

 

聞けば、ブリタニア人が日本でデカイ顔をするな! …とのことらしい。……はい? …デカイ顔なんざしていませんけど。…卜部さんを通じて刀の入手及び刀鍛冶の紹介がダメなんだって、…軍人を使うとは何様だ! ってこと? …言わんとしていることは分からんでもない、…謝って諦めた方がいいかな? …うん、…自分で探すとしよう。

 

 

 

 

 

 

先ずは卜部さんに謝り、その千葉と朝比奈っていう二人にも謝っておいてと伝える。刀と刀鍛冶は俺自身で見付けると言って連絡を終えたわけだがどうしよう、…というか買った本に刀鍛冶の住所が書いてあったな。

 

………え? 調べておいたって? …ありがとう百華、気が利くねぇ。



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第17話 ~俺、…刀鍛冶へ行く。

年末に向けて忙しくなる。

年末年始が休みな人は、毎年のことながら羨ましいし妬ましい。

寝正月を迎えるのが細やかな願いです。


ーヴァルターー

 

何故かは分からんけども、シーツーと百華が互いを牽制しながら世話を焼いてきた。逆らっても意味がなさそうだからされるがまま、その合間に刀に関する本を買い漁って知識を蓄える俺。…で待ち望んでいた卜部さんからの連絡、…内容がよくなかったりして。

 

そういうわけで自分で動くことにした。目的の場所は百華が調べてくれたようで、うむ…俺の望む刀鍛冶のようだ。ありがとう百華、早速行って…え? 一緒に行くって? 別に面白くは…それでもいいって? …じゃあ行く? …何? シーツーも行きたいの? …変わってるな、女には面白くもない場所だろうに………。

 

 

 

 

 

 

百華が調べあげた刀鍛冶は俺が気になっていた所だった。何冊もの本や雑誌に紹介されていた刀鍛冶、客を選ぶ本物の刀鍛冶だ。いいなぁ~…と思っていたのだが、本物に俺如きが大丈夫? と考え候補から外そうとしていたんだけど。せっかく百華が調べてくれたんだし、その刀鍛冶は目の前にあるわけで。…ダメ元で行くしかありませんな、…どうなることやら。

 

 

 

 

 

 

…で中へ入ればめっちゃ頑固そうな五〇代後半のおっさんが一人、俺を見るなり…『これで素振りをしてみろ。』と一振りの刀を手渡してきた。よくは分からんけどもそういうことなら…と、渡された刀を鮮やかに鞘から抜いて上段に構えた。

 

何を隠そうこの俺ヴァルターは、心の何処ぞに大和魂がある。故に鍛練の中に刀を想定したモノを取り入れていたのだ、俺の愛剣は片刃の剣。両刃の剣を持つドロテアと細身の剣を持つモニカ、二人は西洋剣であるから俺の剣術を不思議がる。まぁ居合術の練習をバカみたいにしたり、マンガで学んだ剣術を模範としているから不思議に見えるのは当たり前。正式に剣術を学んでいる者からしてみれば邪道、所謂…我流剣術である。その集大成を本場の人に見せるわけで、…めっちゃドキドキっすわ。

 

最初の一手を居合にすればよかった…と内心で思いながらも、上段に構えた刀を一気に振り下ろす。そのまま刀を返して下段より上段へ振り上げ、…そこから怒涛の我流演舞を披露する。緊張するとか思っていた癖に、やれば無心で演舞を繰り広げる。やはり西洋剣の片刃、なんちゃって刀とは全然違う。どうにも刀に遊ばれている感が拭えない、…自身の力不足に不満を持ちながら一息に刀を鞘に納めた。

 

刀を鞘へ納めて我に帰った俺、周囲に目を向けてみれば刀鍛冶のおっさんがしたり顔で頷いていた。視線をずらして一緒に来ている二人を見れば、シーツーと百華は目を丸くして驚いていた。…そこまで驚くことか? 軍人を目指す者として当たり前の武力よ? …確かにこの日本へ来てからは軽い素振りしかしていなかった、しかも人目を避けて。…二人には初めて見せたな、…だから驚いたのか?

 

二人の反応は置いといてだ、…刀鍛冶のおっさんに聞きたいんだけど。今のを見て、…俺に刀を売って貰えるだろうか? …先ずは手を見せろ? …別にいいけど刀を売ってくれるんか? ………今は売れない? ……何故!? ……………えっ? 今から刀を打って鍛えるの? 俺の為に? …マジで!?

 

 

 

 

 

 

…そんなわけで運が良いことに、名工である刀鍛冶のおっさんが俺の為に刀を打って鍛えてくれるそうです。何ていうか嬉しすぎて言葉にならん、既存の刀が入手出来ればいいと思っていたからな。…しかもだ、その刀を打って鍛える様を見学してもいいそうで。これについてもラッキー! としか言えない、達人の鍛冶をリアルに見れるんだぜ? これはもうアレだ、この鍛冶場に刀が出来るまで泊めてくれませんかね? こう見えて俺、西洋剣であれば鍛えて作ることが出来ますぜ! …まぁ並かそれ以下の拙い物ですけど。

 

 

 

 

 

 

………今日より短期で刀鍛冶に弟子入りし、見習いとなります。玉城達には悪いけど、一ヶ月以上掛かるかもしれん。シーツーや百華もすまん、俺はここで男の仕事をする。どうか待っていて欲しい、…手伝う? …却下!! 火傷するんだぞ!? …女の子が火傷なんてダメだろ!! …なら家事は…だって? ………親方がいいなら…っていいんかい!? 女手がないから色々と大変なのは分かるけどさ、…まぁ親方がいいなら俺が出る幕でもなし。

 

出来た恋人だな…ってそんなんじゃないっすよ。

 

……………あれ? 何この空気、『『どっち!?』』と言われても困るんだけど。あえて言うなら…あっち?



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閑話 ~特派に残った三人娘。

ーシャーリーー

 

ヴァルターお兄ちゃんが日本へ旅立ってからもう半年近くも経つ、…当初の予定を遥かに越えているんだよ!? 全然帰ってきてくれない!!

 

毎日の連絡はしてくれるけど、直に会えないのはとても辛い。いつも一緒にお勉強をしたり運動をしたりして、終わったら頭を撫でて『頑張ったね。』って。…今はヴァルターお兄ちゃんのお手伝いをして、KMF? っていうロボットを作ったりしている。その時も一緒に作業をして、『シャーリーちゃんは優秀だね、お陰様で作業が捗るよ。』って頭を撫でながら褒めてくれる。…それが私の日常だったんだよ?

 

…だけど今はヴァルターお兄ちゃんがいない、頭を撫でてくれる優しい手がない。ドロテアお姉ちゃんとモニカお姉ちゃん、マリア…黒髪美人さんや特派の人達は優しいけど違うんだよ? やっぱりヴァルターお兄ちゃんじゃなきゃ私は嫌だ、……ヴァルターお兄ちゃんの手が一番なんだよ!

 

 

 

 

 

 

…黒髪美人さんが、『近々ヴァルター君が戻ってくるわよ、…新しいお友達を連れてね♪』と言ってきた。新しいお友達がどんな人達なのか気になるけど、それ以上にヴァルターお兄ちゃんが帰ってくるっていうことが嬉しい! ドロテアお姉ちゃんとモニカお姉ちゃんが特に嬉しそう、特派の人達も目を輝かせている。超硬度大太刀だっけ? アレでも完成度が高いもの。ヴァルターお兄ちゃんが帰ってきたら、…更に凄いものになると確信しているみたい。私はそれも凄く楽しみだけどやっぱり一番はヴァルターお兄ちゃんだよね!

 

…それにしてもヴァルターお兄ちゃんはイジワルだ。毎日連絡を取り合っているのに、近々帰るってことを私に教えてくれないなんて。…黒髪美人さんはマリアンヌ様、そしてヴァルターお兄ちゃんの直属の上司みたいなお方だから仕方がないんだろうけど。…まぁヴァルターお兄ちゃんが帰ってくるならいいや、半年近くも甘えられなかったんだから一杯甘えちゃおう! ドロテアお姉ちゃんやモニカお姉ちゃんには出来ない私だけの特権なんだから! ………~♪

 

 

 

 

 

 

帰ってくると分かっているから、毎日の連絡もご機嫌な私。…だけど『ヴァルター君、緊急の事案がどうのってことで帰国が先延ばしになったって。』と黒髪美人さんが。それを聞いた私は頭の中が真っ白に、ドロテアお姉ちゃんとモニカお姉ちゃんの顔が般若に。…どういうことなの? ヴァルターお兄ちゃん。

 

 

 

 

 

 

………黒髪美人さんから聞いたこと、今日の夕方にヴァルターお兄ちゃん本人から聞いた。自分専用の刀を打って鍛えて貰えること、超硬度大太刀に役立つであろう技術を学べることが嬉しいと弾んだ声で聞かされる。…ヴァルターお兄ちゃんのバカ! そんな嬉しそうな声で話されたら文句が言えないよ!!

 

 

 

 

 

 

……………………うぅ~っ!

 

…………声だけじゃあ寂しいよ、……ヴァルターお兄ちゃん。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ードロテアー

 

ここ最近むしゃくしゃする。何もかもが気に入らない、大好きな鍛練にも身が入らない。…私の心が安定しないこと、それが原因だって分かっている。そしてそんな風に私の心を乱している年下の男、ヴァルター・バーンシュタインが原因であることは確実。

 

いつもなら共に鍛練をしている、KMFとかいうロボットのテストを強制的にやらされる、雑談は基本的に聞き流しつつもたまに絡んでくる賢しさ、何だかんだ私のことを考えて栄養価の高いバナナを無理矢理渡してきては悦に入る。何かと絡んでくるヴァルター、…私は気付いてしまった。奴は私のことが好きなのだと!

 

確信に変わったのはアレだな、私を頻繁にデートへ誘うという行為。断れば…しょんぼりとする顔を見て、あ…コイツ私のことが好きなんだと気付いてしまったのだ。そして私自身もヴァルターが好きであると気付いた瞬間だ、……どう考えても好き。そんないつも良い距離感で私と歩んでくれている彼がいない、このブリタニアにいないことがイラつきの原因であることは明白。

 

マリアンヌ様が総指揮を取るKMF計画、それに命を懸ける勢いで主導しているヴァルター。そのKMFの為に日本へ行っているのだ、…この私を置いてだ。…まぁ私個人に連絡を入れてくれることについては評価が出来る、…シャーリーとは違い週一だけど。…シャーリーを妹のように可愛がっているからな、それは仕方がないと割り切れる。…がモニカと同じ扱いというのが不満、そこは差をつけろと声を大にして言いたい。

 

 

 

 

 

 

ヴァルターに会えない、しかも声は週一だけ。…彼に会えないだけでこうも余裕がなくなるとは、う~む…由々しき事態だ。少しでもいいから落ち着かなければ、…そう考えている私を嘲笑うかのようにヴァルターからの連絡。『…帰国が遅れる、やるべきことが増えた。』と、驚くべきことを言ってきたのだ。しかも最後の方に、『ヴァルター君、着替えとかの準備は出来たよ。』とか、『…百華ばかり、…私にも構え!』って。女の声が聞こえた、…女の声が聞こえた! しかも二人!!

 

マリアンヌ様からヴァルターの帰国が遅れると聞いた時、…イラッと来た。そして今、本人から聞いて怒りが湧いた。仕事で行っている筈なのに観光を楽しむ、日本人五人をバーンシュタイン家で雇う等、私的に何をしてるんだと多少のイラつきはあった。…が女は許せん、しかも二人。凄く仲が良さそうだった、…めっちゃ牝の声。…何をしているんだヴァルター! …私という女がいる癖に!!

 

 

 

 

 

 

…更にイラつく私に対し、同世代の男共がいらんことをしてきた。私がヴァルターに捨てられた、遊び人のガキにフラれた哀れな女、自暴自棄になった男女とバカにしてきたのだ。…男というのはバカばっかり、何かあると直ぐにちょっかいを掛けてくる。ガキはお前達だろうに、…小学生かっての。

 

内容的に今の私には刺激が強い、即ち頭にキタッ! …というヤツだ。片っ端から舐めた口を利いた男共を粉砕、ヴァルターの足下にも及ばないザコと逆にバカにしてやったわ!

 

…これで少しは気が紛れたか。まぁ…紛れたとしても、ヴァルターが帰国したら一言言わねばならない。私のようないい女がいるのに浮気とは何事だ! …とな。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ーモニカー

 

ヴァルターがKMF関連の為に日本へ、その日から私の日常が少しだけ張り合いのないものとなりました。常に目標となる彼がいない、常に前を歩く彼がいないだけでこうもやる気に揺らぎが出てくるなんて。それほど彼…、ヴァルターが大きな存在であるということなのでしょう。

 

…まぁ目標の他に私が彼に恋をしています、それが一番の理由であることが挙げられるでしょう。私の出会いが悪かったせいで、ヴァルターは私をその対象に見ていないですけど。それでも私に振り向かせてみせる、この気持ちだけは揺らがないと思います。

 

恋のライバルは二人、シャーリーちゃんとドロテア先輩。特に危険なのはシャーリーちゃん、距離が一番近くてヴァルターが贔屓をする女の子。私とドロテア先輩を適当にあしらう癖に、シャーリーちゃんを猫可愛がりするのです。せめてもの救いは兄=妹の図式であること、…シャーリーちゃんが恋を自覚したら即オチするであろう関係。…ドロテア先輩は私よりも出会いが早いだけ、はっきり言って脳筋で勘違いをする人だからどうとでもなるかと思います。敵ではないけれど注意は必要でしょう、脳筋だからこそ行動が読めない…というわけです。

 

 

 

 

 

 

ヴァルターは自分に厳しいが人にもなかなかに厳しい、私は彼に失望されないように頑張っているつもりです。学校で学ぶことは当たり前、それ以外に鍛練と勉強を、特派での仕事も全力でこなさなければ彼に付いていくことが出来ないでしょう。

 

ヴァルターはマリアンヌ様の一声で学校には通っていません、それ故に年上世代、同世代、年下世代に侮られます。同性との仲があり得ない程に悪いのです、これ程にまで嫌われるようなこと等一切していないのに。…逆に女性からは一定の支持があります、私の地道な布教が結果を出しているのでしょう。

 

これもまた恋の作戦の一つ、仲の良い先輩、同級生、後輩に既成事実を植え付けているのです。学校へ通っていないヴァルターが相手だから出来る作戦、外堀を埋めていき周囲にそれが事実であると認識させ、更に鈍感系であるヴァルターに自覚させるのです! 貴方は私と恋人同士であると思われているのよ…って。少し抜けているから彼は、『そうだったのか!』って受け入れてくれると確信しています。………ウフフフフ♪ ゴリラなドロテア先輩には出来ない渾身の作戦なのです♪

 

 

 

 

 

 

ヴァルターがこの場にいなく連絡は週に一度だけ、そんな毎日でもいつも通りの日々を送れるよう心掛けています。彼がいないからモチベーションが少しアレだけど、私は頑張っていますよ? ヴァルター。ここ最近は同級生のリーライナ・ヴェルガモンがヴァルターに会いたがっているのだけど、後…他にも数人の女性が同じように。………布教しすぎたかしら? 外堀を埋める筈がライバルを増やしてしまったような気がします。

 

 

 

 

 

 

…そしてマリアンヌ様から聞かされたこと、その後の連絡を経て私は自分の甘さを呪いました。まどろっこしい策を実行せずに、ぐいぐいとアピールをすればよかったと。…火焔と百華? …シーツー? …ヴァルターはナンパをしに日本へ行ったの? …私がグダグダしている間に女を侍らしていたなんて!

 

…更に努力をしていい女にならなければならないようですね。ヴァルターが私を目で追ってしまうような魅力溢れるいい女に、…ポッと出の女性に負けるわけにはいかない。




じわじわと恋に変わっていくシャーリーちゃん。


そしてドロテアは勘違いをしています。ヴァルターはドロテアに対して愛よりも友の方です。


モニカは地道に外堀を埋めようと奮戦するも、敵を増やしてしまう失策を。


彼女達はどうなってしまうのか? 作者にも分からんのです。


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第18話 ~俺、…鍛冶を倣う。

ーヴァルターー

 

運良く刀鍛冶のおっさんに短期で弟子入りが出来た俺、そして何故かセットでシーツーと百華が付いてきた。おっさん…親方は短期だとしても女手が増えたと喜び、からかい目的の恋人発言で空気が悪くなったりした。俺に迫ってきたから咄嗟にあっち、そう言って逃げたのが弟子入り初日だった…。

 

 

 

 

 

 

初日はそうだったとしても、次の日から真面目にやりましたぜ? 西洋剣と刀、手順は違えど基礎は出来ている。教えて下さいとは言わない、こういうのは見て覚えるもんだ。そういうわけで親方を目で追いそれに倣う、知識があるからスムーズだ。親方も俺に感心する、『教えなきゃ何も出来ねぇモヤシとは違うな、外人さん侮り難し…ってか!』だって。そりゃあ経験者っすからね、何も出来ない素人ではないっすよ!

 

知識では知っていたが、この目で見てみると…凄いとしか言いようがない。鉄から始まるのではなく砂鉄から鋼を、これにより不純物の少ない良質の鋼を得ることが出来るのか。そこから水減し、積沸かしという手間が掛かる工程を経て、下鍛えという鍛錬を行う。その時に俺も槌を振るわせて貰ったよ、相槌を打つってヤツ。内心感動したりして、くぅ~…っ! 男の仕事だぜ!

 

そんなわけで刀鍛冶に俺の全てを注ぐ、何せ超硬度大太刀に繋がるのだから。不慣れではあるが食らい付く、ここでの技術がきっとKMFに役立つ筈だから。鋼の作成から再び積沸かし、上鍛えを経て鍛接と沸延べ。素延べ、火造り、空締め、生研ぎと繊細で実に集中力が必要となる作業が続く。…刀鍛冶ハンパねぇ、その技術を修得出来るんか? 俺。

 

 

 

 

 

 

親方と共に日々鍛錬、そのサポートを百華が中心でやってくれる。家事全般が得意だと凄いね、親方の鍛冶場に併設してある生活スペースがあっという間に綺麗になるんだもの。あんなに小汚ないを通り越してゴミ捨て場が如き場所が、人の住める…人の領域に戻ったんだから驚きもするさ。それが長年共に在り続けていた親方に至っては、『百華ちゃんは掃除の女神!』と畏怖し始めちまった。畏怖するのはいいけど、…いずれこの場から去るのだから最低限の掃除ぐらいは覚えた方がいいっすよ?

 

シーツーはまぁ…頑張っている、色んな面で百華に劣ってはいるがね。それが分かったのか、基本的に百華のサポート。出来ないことは出来ない、苦手なモノは苦手。だからこそサポートのサポートに、…努力をすれば出来るようになると思うから焦らないで欲しい。後…独り言もやめて欲しいね、『…私はどれ程の刻を無駄に浪費してきたんだ?』とか、『…過去の私よ、お前の不精が自身の恋の足を引っ張っているぞ。』とか、『…調子に乗っていた過去の私、面前に立ったのならボコボコにしてやる!』…等々。…中二病ですか? …まぁ悶える姿が可愛いんだが。

 

 

 

 

 

 

そんな二人のサポートを受け、鍛冶に没頭する親方と俺。土置き、焼入れ、合い取りの工程を経て、最後に仕上げへと入る。鍛冶押し、茎仕立て、樋掻き、下地研、銘切り、仕上研、それらを終えて最終的な研ぎを行う。平行して知り合いの職人である鞘師、白銀師、柄巻師、塗師、蒔絵師、金工師達の手を借りて刀が完成する。様々な職人達の集大成が刀、近くで学んで改めて思った。刀鍛冶ハンパねぇ、…日本の職人ハンパねぇってさ!

 

西洋剣も似たような所はあるけれど、刀のように様々な職人が関わるっていうのはない。大抵全てを一人でやるからね、…現に俺がそうしてたし。…そう考えるとブリタニアへ帰ったら一人、…俺はきちんと出来るだろうか? 不安に思うが試行錯誤でやるしかない。…本職と同じなんてことは言わない、ただ少しでもいいから近付けたい。

 

因みに長々と語りましたが、…今までの工程の全てが俺の刀ではなく他の刀のもの、たった一ヶ月で俺の刀に手を出せる筈もなし。何せ親方は一流の刀鍛冶、やらねばならないことが沢山ある。俺の刀はその後さ、…俺は刀鍛冶の工程を見て覚えるのが仕事だったってわけ。それが一番の目的よ? 自身の仕事を忘れちゃいないさ。…刀鍛冶の工程を特派で再現することが俺の使命、…厳しいだろうけど頑張らせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

………三ヶ月後、完璧とは言えないが刀鍛冶のノウハウは自身に叩き込んだ。俺自身のチートに感謝、今から特派に戻り施設を建造して超硬度大太刀を鍛える。…何ていうか燃えるよね?

 

親方も俺達に感謝してきたっけな、…家事を覚えられたって。…親方にも『教導』からのガンパレ技能、そして『成長率:極』の恩恵が与えられたっぽい。…………知らぬ間に恩返しが出来たってことにしよう。




あまり必要のない話ではあるけれど、一応学んだってことを示す為に書きました。

次回は再び閑話の予定。


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閑話 ~特派の技術者。

明けましておめでとうございます。


新年の挨拶がめっちゃ遅いですね。

仕事で疲れていまして、何も考えられなかったんですよ。




ーセシルー

 

私には夢があります、技術者として何かしらのモノを作るという夢が。何かしらと言っていることから分かるでしょうが、何を作り何を為すのかがまだ未定です。ただぼんやりと空を飛ぶナニカ、出来れば色々と盛り上がりつつあるKMFに携われないかな? と思っていたりします。

 

未来を見据えて自身の構想を図面に書き込んでいます、それをPCに入れて大切に保管していた筈でした。なのに何故か外へ流出してしまったようで、…KMFの最前線でトップを走る特派に召集されました。予期せぬことに驚きつつも、私は降って湧いた幸運に感謝をしました。

 

因みに私の構想は漏れたのではなく、私自身が特派にその構想を送ったようで。…無意識ですよ、…それ。…まぁ召集されたのでいいですが、…今度から気を付けないと。

 

 

 

 

 

 

特派に召集されて配属された部署は、ヴァルター・バーンシュタインさんが代表を務める新型KMFを開発する所でした。…彼の名は良く知っています、類い稀なる才能を遺憾なく発揮する天才。特派が最近公表したテスト機『士魂号』という名のKMF、その開発に多大なる貢献をした私よりも一歳年下の男の子。年下ながら尊敬に値する技術者、何せ『士魂号』のデータをライバル筆頭のアッシュフォード財団と他の研究機関に渡したのですから。

 

それを聞いた時、私はなんて馬鹿なことをするのだろうと評しました。私の周囲は彼を酷く馬鹿にしていましたが、世間一般的に考えればそれが正当な評価であると思います。…しかし、彼を含めた特派の技術者達はその酷評を笑い飛ばしたのです。『我々が考えなしにデータを渡したとでも? …そんな馬鹿なことをするものか。…我々が一人勝ちをしても意味がない、多方面からの視点でKMFを開発せねば停滞するのみ。…故にデータを渡して競争をする、互いに切磋琢磨してこその進化…良いモノが開発出来ると信じている。…貴卿等が進めば我らは更に先を歩む自信がある、負ける気は一切ないと言わせて頂く。…見物であるな、渡したデータを使いこなせるか否か。奮起してくれたまえ、…我らが特派の為に。』…と、ヴァルターさんが代表してこのコメントを発表。この言葉の意味を理解した者は奮起し、理解せぬ者は更に彼等を酷評し馬鹿にしたのです。

 

…私は理解しましたよ? だからこそ尊敬していますし、私のあの構想が産まれたのですから。それにヴァルターさんと直に会ってみて分かりました、ああこの人はとても凄くて素敵な人なんだな…と。顔面狂気と評される程の強面ですけど、その内面はとても…とても好ましかったと言っておきましょう。

 

………はい、恥ずかしながら一目惚れです。…この人の為に私、セシル・クルーミーは特派で成果を上げてみせます!

 

 

 

 

 

 

『士魂号』をマリアンヌ様に取られたらしく、ヴァルターさんは新たなKMFの設計図を作成したそうです。現時点で出来うるであろう限界ギリギリのKMF、『サムライ』と名付けられたソレは『士魂号』を超えるスペックのモノになるとのことです。…これ程のモノを開発しきれるのでしょうか?

 

…と思いましたが開発をする前に、ヴァルターさんとその補佐であるシャーリーちゃんが私達の為に設計図を細かく、そして分かりやすく書き直しているではありませんか! そんなことは無用です!! …と思ったのですけど、原案となる設計図を見た瞬間項垂れました。私と一緒に召集されたメンバー全員が、辛うじて分かる程度でしかなかったのですから。…凄すぎます、新しい技術が多いのです。これじゃあ分かりませんよ、…悔しいですけど。

 

最年少のシャーリーちゃんに負けている事実に、私を含めた召集メンバーはプライドを傷付けられました。そんな私達を見たヴァルターさんが、『シャーリーは私が色々と教え込んだ逸材、まぁ…気にするな。』…と言ってきましたが気にしますよ! 負けているんですよ?私達は…!!

 

未熟とはいえ、技術者としてのプライドがある私達はそのことをヴァルターさんに語りました。…そうしたらヴァルターさんが笑顔…と言えるか分かりませんが狂気を含む顔で、『諸君らのやる気、十分に分かった。…故に提案させて貰おうかと思うがよろしいか? 私を信じてくれるなら、諸君らを高みへと上げることが出来る。…まぁ条件として、短期間ではあるが私と共に行動をして貰う。…出来るかね?』と私達に言ってきたのです。…多少の不安はあるけれど、私としては一目惚れをしたヴァルターさんと共に行動出来るなら…と。

 

まぁ…後悔しましたよ? …高みへ上がれたのだから良かったんですけれど。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

特派の施設に着いた時、ヴァルターさんは既にいました。しかもシャーリーちゃんやマリアンヌ様の開発チームの方々まで、遅いのは私を含めた新人技術者達。特に遅れたということではないようで、ヴァルターさん達は誰も私達を咎めたりはしませんでした。…けれど、『そういえば言っていなかったな。…高みを目指したいのなら、明日からは後二時間…早く来てくれ。』と言われました。

 

よくは分かりませんでしたけど、言われた通りに明日からはもっと早く来よう。そう決意したのはいいですけれど、…何故に先輩技術者の皆さんは晴れ晴れとした表情で爽やかな汗をかいているのでしょう? 技術者の仕事はKMF関連ですよ? 汗をかく程のものなんてあるかしら? そもそもこんなに朝早く? ここは何も無いただの広い場所よね? …本当に分かりません。

 

 

 

 

 

 

次の日から言われた通り早く来ました。…そこで見たものは、ヴァルターさんを筆頭にそれぞれ鍛練やら組手やらをしている先輩技術者の皆さんがいるではありませんか! …ヴァルターさんなら分かります、今は技術者として活動していますが元々軍人志望の方ですから。その強さはこのブリタニアにて知らぬ者はいません、国に仕える者は皆さん知っています。そしてシャーリーちゃんもまだ分かります、ヴァルターさんを目標に行動をしているようですから。…でも先輩方は分かりません、何故に技術者であるのに鍛練や組手をしなければならないのか? …不思議で仕方がありません。必要ないのではないか? 率直にそう思います。

 

そう思っていた矢先、私達も鍛練と組手に強制参加をさせられました。ある程度の護身術は身に付けていますが、軽めとはいえ軍人式のモノをやらされるとは。…開発へ精を出す前に心身共々ぼろぼろです、何が何やらと思いつつ二週間近くは軽めの鍛練と組手をやらされました。…因みにその間は開発不参加です、出来る筈がありませんよ。

 

 

 

 

 

 

一時期軍人を目指したことからある程度の体力が自身にあると思っていました、故に技術者としては合格点であると。…ですがそうではありませんでした、まだまだ程遠い自身の体力。そもそも技術者集団である特派でこのような目に遭うとは、…心が疲弊してしまいます。…そんな時に今度は開発に加われと? …まぁヴァルターさんはシャーリーちゃんと今まで二人だけでしたからね、たまにドロテアさんとモニカさんが手伝いに来ているようですけれど。

 

私を含めた新人技術者の開発チームがダラダラと部署へ行ってみれば、召集の際にはなかった資材やら設備が用意されているではありませんか。…というか、まだ開発をしていなかったのですね。…え? 私達がいない中で開発などする筈もなしと? …共に作り上げてこそのチームですか、…それは何とも嬉しいですね。それに私達が鍛練をしている間に設計図を更に分かりやすく書き直したらしく、新しい設計図はとても分かりやすいです。…ヴァルターさんと鍛練をし、自主的にもやっていた私達が何故に設計図を理解できるのか。分かりやすいと言っても、新しい技術が多くて理解出来なかったんですよ? それが理解出来る、…正直解せません。しかし理解出来るのであれば自身の仕事が出来る、先程までのダラダラとした態度が一新。ヴァルターさんと仲間達と共に、一丸となって頑張りますよ!

 

 

 

 

 

 

…鍛練ばかりの日常からやっと開発に入ることが出来ました。…そして驚愕、…これはもう本気で。ヴァルターさんとシャーリーちゃんが高速でKMFのパーツを二人で作り上げていくのですから、…この二人は人間ですよね? と思う私は正常だと思います。この二人に私は…、私達は付いていけるのか?

 

………………………………何て思っていたら、…………出来ました。…私を含めた新人技術者は二人に及ばないまでも、以前より身体のキレが違います。スムーズに身体が動くのです、…びっくり!

 

設計図が分かりやすくなったにしてもこれには驚きます、一体全体何が起きているのか? 自身の身体がミラクルです。以前の私よりも三倍は早いかと、…そもそも私にはこれ程の技術力はなかった筈。………夢オチではないですよね?

 

自分自身の謎の成長に驚きながら働いていると、『私を信じれば高みへいけると言った、…嘘ではなかっただろう? …私は人を教導する素質があってね、…それが成果なのだよセシルさん。』とヴァルターさんが声をかけてきました。…教導する素質どころではないと思うのですが、…まぁいいでしょう。ヴァルターさんを信じて頑張った結果であることにします、…世の中結果が全てですものね。

 

 

 

 

 

 

自身の謎の成長に驚愕しながらも、新型KMF『サムライ』を開発していく私達。その開発速度は人間離れをしています、特派以外で開発しようものなら二年の月日が掛かるかと思います。何せ新しい技術が目白押しですからね、それを理解するのにどれ程の時が掛かるのか。…………二年では無理かもしれませんね、…きっと。

 

まぁ開発速度がどうのっていうのは置いておきましょう。とにかく『サムライ』が驚異的な速さで組み立てられていくのです、…私達の手で。本来であればこれ程の開発速度、誰か一人倒れても可笑しくはない筈。なのに私を含めて皆がピンピンしているのです、毎日元気に開発作業をしています。教導と言い張るヴァルターさんは神でしょうか? ………………素敵です。

 

開発をしている中でも皆に気配りをしてくれます、何よりその技術が凄くて尊敬を一心に集めています。気になるのがマリアンヌ様との距離がとても近いこと、三日に一回はじゃれています。まぁ私にも手取り足取り色々と教えてくれますからいいんですけどね。今日も手と手が触れ合って……………、ウフフフフフ♪

 

 

 

 

 

 

そして新型KMF『サムライ』はほぼ完成しました。その素晴らしい姿に皆が歓喜し、当然のことながら私も全身で喜びました。ヴァルターさんだけは眉をハの字にして不満顔、逆にシャーリーちゃんは跳び跳ねて喜んでいます。マリアンヌ様も別部署ながらお祝いに馳せ参じ、マリアンヌ様チームの先輩技術者の皆さんも自分のことのように喜んでいます。特派一丸となって喜んでいます、苦労した甲斐がありました。

 

後はテスト運用をして完成、…の筈なのですがヴァルターさんが不満を漏らしたのです。超硬度大太刀が未完成とのことで、…私としては良い出来だと思いますよ? 同じくシャーリーちゃんも。なのにこれだけは譲れないとのことで日本へと旅立ってしまいました、…ヴァルターさんは完璧主義者?

 

…本音を言えば後学の為に一緒に行きたかったな…って、近くでヴァルターさんの行動を見たかったです。…とりあえずは『サムライ』のテストをきっちりとやりましょう、いつヴァルターさんが帰ってきてもいいように。

 

………そういえば、特派に召集された要因のアレでも研究しましょうか? 今の私なら良いところまでいけるのでは? …成果を挙げればヴァルターさんが更に目を掛けてくれるかも。

 

………………………うん、今すぐに研究をしましょう。『フロートユニット・エナジーウィング』の研究をね、成果次第では『サムライ』が空を舞います。…私とヴァルターさんの共同で空を舞う、………何て素敵な光景なのでしょう!

 

気合いを入れるのよ! セシル・クルーミー!!




自分で言うのもあれですが、…何か違う。

名も無き技術者の話になる予定がセシルの話に。



セシル、…俺は嫌いではないですよ?

だからかなぁ~…、セシルの話になったのは。



とにかく疲れているけど、頭をフル回転して頑張ります。


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閑話 ~特派の話。

ダルさが抜けない。

何てこった。


………本編のつもりが閑話。

再び舞台は特派。


ー名も無き技術者ー

 

私は特別派遣嚮導技術部、通称特派の名も無き技術者である。

 

私達はKMF開発にて(おく)れを取り、特派もこれで終わりかと思っていた矢先、マリアンヌ様とヴァルター君に救われた。現在特派はKMF開発で独走状態にある、独走状態であってもヴァルター君の方針で驕ること無き開発を進めているのだ。

 

 

 

 

 

 

私はマリアンヌ様が代表を務める開発チームの一人だ、テスト機である『士魂号』を元にKMFを開発している。…今回は『士魂号』をランクダウンさせる、…何故にわざわざランクダウンさせるのか? 普通にそう思うだろうが必要なことなのだよ。何せ『士魂号』は替えのないテスト機であり高コストのKMF、現状では量産不可であり機密の塊なのだ。故に『士魂号』を元にして新型を開発している、低コストでありながら高スペックのKMFを。

 

まぁ機密の塊と言いながらも、そのデータを他の機関に送ったりしたが。…送ったのは初期のデータであるから脅威にならない、逆にそこから何かを掴めたのなら称賛に値するだろう。私達としてはそれを願っている、やはりライバルは強力な方が遣り甲斐があるしな。…どうかそのデータから独自の技術を開発して欲しく思う、さすれば私達も更に奮起出来るというもの。…抜かれることはないと思うが油断は禁物、常に驕らず研究・開発に鍛練を続けなければ。

 

 

 

 

 

 

他の機関がデータを元にKMFを開発しているであろう中、私達は低コスト高スペックで更に『士魂号』を小型化した新型KMFを開発した。ヴァルター君がいない中での新型完成だ、これ程嬉しいことはない。ヴァルター君チームの『サムライ』が良い刺激になった、ありがとう…ヴァルター君!

 

この新型…完全ではないけれど、『士魂号』の下でありながらアッシュフォードの『ガニメデ』よりは上のKMF。聞くところによると『グラスゴー』なるKMFを開発中とのことだが比べるまでもないだろう、…私達の新型の方が素晴らしいと言い切る。

 

…新型KMFの名は『互尊』という、…何? 何故に日本名で名付けたのかだって? …そんなのはアレだ、『士魂号』の流れを汲むKMFであるのと同時に、私を含めた大半の技術者が日本好きだからだよ。…ヴァルター君の日本かぶれに感化されたわけだ、…分かったかね?

 

とにかくこの新型KMF『互尊』は出来立てホヤホヤの機体、テストは十二分に行われている。汎用性を重視し、換装によって仕様が変わるようにする予定だ。しかし換装は現段階で構想のみ、作るとなるとなかなかに難しい。故に現状では通常型と白兵型、狙撃型の三種三機を作らせて貰った。この三機をそれぞれでテスト運用をし、問題点を洗い出しながらデータを蓄積させて換装を目指すのだ。

 

因みに『互尊』の白兵型を乗り回しているのはマリアンヌ様、無茶をしないよう言ってもやらかすから困ったものだ。…どうせヴァルター君に操縦の腕で負けたからだろう、彼は今…日本にいるからな。戻ってくる前に腕を上げてドヤ顔をする予定なのだろう、…マリアンヌ様は大きな子供だな。

 

…後の通常型と狙撃型は開発チームの主任と副主任がテストをしている。元々そういう技術を持っていなかったのだが、ヴァルター君が主導する全体鍛練のお陰で取得したらしい。この鍛練…乗り気ではなかったのだが、『健全な研究・開発は、健全な肉体に宿る。』とヴァルター君が演説が如き熱弁を私達に向けて語った。その圧倒的な雰囲気を纏いし熱弁の前に私達は、日々の鍛練や組手に汗を流すこととなる。そのお陰で十分過ぎる程の体力が身に付き、頭が冴えたことにより研究・開発が進み『互尊』というKMFが誕生したのだ。…ヴァルター君には頭が上がらない、感謝の極みである。

 

 

 

 

 

 

『互尊』三機のテスト運用をしながら、専用の武装を考えるもしっくりこない。現在テスト運用中に使用しているのは『士魂号』用の武装、規格が合わない為にどうにも正常なデータが取れないでいる。まぁ無理に使用しているからな、仕方がないと言えるが問題が起きる前に開発せねばならない。…規格が変わるだけでなかなかに難しい、四苦八苦してしまう。単純に『士魂号』専用武装を小型化するにもね、何か違うと思っていた矢先にヴァルター君からの定期連絡が………。

 

その連絡時に新型KMF『互尊』のことを話した、するとヴァルター君が物凄い勢いで食い付いてきた。食い付きついでに設計図があるとのことで、それを参考にしてくれたら嬉しいと言われた。…言葉通りに彼の研究室へ設計図を取りに行けば驚いた、この設計図…少し手直しをするだけで『互尊』の規格に合う。……何という用意周到、いや…開発しようとしていたモノを私達が先にってことになるのだろうか? …だとしたら嬉しい限りであるのと同時に、自らの案を軽く提供するヴァルター君の度量に頭が下がる一方だ。…これはもうより良いモノを開発して報いねばわりに合わなくなる、気合いを入れて武装の開発をしなければ!

 

 

 

 

 

 

ヴァルター君の好意に甘え武装を開発したり設計したり、確実に私達特派の技術力が上がっている中で起きた。『『『決闘だ!!』』』の叫び声が施設内に響き、現場へと向かってみれば主任と副主任が対峙していた。注視していると、『先に開発するのは私が設計した閃光弾だろう!? 強力な閃光で相手を怯ませる牽制武装に決まりだ!!』と主任が怒鳴り、『牽制は所詮牽制でしかない、まずは相手を射程外から撃ち抜くことが可能であるロングバレルライフルこそが必要であると何故分からん!!』と副主任が怒鳴り返す。…そこから始まる決闘、…という名の殴り合い。…………何をやっているのか、…この二人は。

 

…壮絶な殴り合いをハラハラと見詰める同僚達、………とは裏腹に私はこの場を立ち去る。この隙に私が推す『超硬度刺突剣』を開発してしまおう、そう思った矢先に殺気を感じた。振り返ってみれば、決闘という名の殴り合いを演じていた二人が私を見ている。顔の所々に痣を作り、口元からは血が滲んでいる。総じて技術者には見えぬ面相、それが私を見ていたのだ。

 

………危険を察知した私は身を翻して離脱を決行、背後からは『『待て!漁夫の利を狙う卑怯者!!』』と叫びながら追ってくる二人。…私は捕まらんよ!

 

 

 

 

 

 

これが特派の日常の一コマである。…因みに私は何とか逃げ切り開発室を数人掛かりで確保、無事…『超硬度刺突剣』を開発することに成功した。更にコイツをマリアンヌ様が気に入ってくれた時の喜び、…それを見てもんどりうって倒れた主任と副主任が笑えた。




『互尊』の性能はサザーランド級。

現在通常型、白兵型、狙撃型の三機だがテスト運用の後に換装の目処が付き次第、通常型を基本として換装システムを組み込む予定。

あらゆる局面に対応出来るKMFを目指し、ヴァルター派の主力にする予定。

『サムライ』と『互尊』の誕生により、格下とはいえ『グラスゴー』の開発も早まり性能も上がった。『サザーランド』の開発も早くなることだろう。

シャルルの構想である競争と進化は、順調にブリタニア国内に浸透している模様。


……という感じになるのか?


因みにヴァルターの演説が如き熱弁はアレです、芝村的演説です。まぁ言わずとも分かるか、…うん。



ガンパレとかでも決闘はあったよね。

来須とののみとか、…勿論ののみは負けてたっけ。

数日後、ののみの死が発覚。食料不足らしいけど本当に? …って思った俺は間違いではない。


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第19話 ~俺、…と帰国日前日。

今回は早い。


ーヴァルターー

 

百華のお陰で一流の刀鍛冶の下で学べ、刀鍛冶のノウハウを自身に叩き込んだ。学んでいる時、百華とシーツーがサポートをしてくれたお陰でもある。親方は勿論のこと、百華とシーツーにも感謝しなければならないな。

 

いずれ刀をブリタニアへ送ると約束してくれた親方に礼を言う、断られたけど世話になった分の金を無理矢理渡したよ。刀の代金込みだからね、受け取って貰わなければ我が家の名が廃るというもの。俺は百華とシーツーを伴って親方と別れ、既に連絡しておいた玉城達と合流することとなっている。

 

 

 

 

 

 

…玉城達と合流した俺達は、一週間後にブリタニアへと渡る。長らく日本にいたからな、黒髪美人さん達は元気だろうか? 連絡は取り合っていたけど、やはり直に見ないと安心出来ないわな。…とりあえずこの一週間で帰国の準備をせねばならない、玉城達とも遊ばねば! 日本を出国したら再び戻れるかと問われれば分からないと答える、故に帰国する前に思い出作りを。

 

遊ぶと言ってもカラオケとかゲーセンだけになるな、この近くで遊べるのはそこらだけだし。後は神社仏閣の見学になるか? …荘厳な空気が俺的に好きな場所であるし。玉城達も文句は言わないかと、最後になるかもしれないのだから。…そういえば神社仏閣って写真撮影は大丈夫なんだっけ? …う~む、…神主や坊さんに許可を貰ってからなら良いか? 大丈夫だと思うけど、最後の最後で問題を起こしたくはないからな。良い思い出で錦を飾りたい、そう思うのは自然なことだろう?

 

 

 

 

 

 

…………でさ、神社仏閣を巡っていたんだよ。最後の神社で俺達の今後を神頼み…お参りをして、全員集合の写真を取ってから軽く境内を見ようかと思っていた矢先に絡まれましたとも。キャンキャン(うるさ)い女と丸眼鏡の嫌味っぽい男、この二人を筆頭に十数人の集団に運悪くね。見た感じ日本の軍人だろうか? 服装が卜部さんと同じだ、…中身は彼と違って極東の猿だけど。

 

絡まれた理由はブリタニア貴族級にくだらないこと、俺とシーツーの存在が目障りとか。特に俺は狂相で貴族然とした服装が一番気に入らなく、シーツーのゴスロリ風の服装もまた境内の雰囲気をぶち壊すとか何とか。…何でもこの枢木神社は由緒正しい日本の神聖な場所の一つで、更に剣の道場が近くにあるから外国人が立ち入っていい場所ではないらしい。故に強制的に排除されたくなくば、即刻この枢木神社から立ち去れと脅迫紛いに言われたわけ。…神社の神主は何も言わず、それどころか歓迎されたけどね? …何だかなぁ~。いい気分で締めようと思っていたのに最悪だよ、同じ日本人である玉城達も渋い顔だし。

 

…これ以上絡まれるのはゴメンだからな、…言われた通り速やかにこの場から立ち去ろう。未だ何かしらを(さえ)ずる誇り高き軍人集団(笑)から俺達は離れ、そのまま枢木神社を後にする。俺的にブリタニア本国にも差別があるからあまり気にならないが、玉城達が怒り心頭。元々孤児院関係で日本政府に不信感を持っていたからね、この一件で日本から心が離れた模様。俺的に好都合ではあるけれど、…彼等を宥めるのに苦労したと言っておく。

 

 

 

 

 

 

もうあのように絡まれたくはない、…とのことで残りの数日はカラオケやらゲーセンとかで済ませました。なるべく静かに行動し、騒ぐのは極力カラオケルームやゲーセンの室内のみ。そのお陰か何事もなく楽しめた、…そして日本を旅立つ日の前日へ。

 

前日は最終確認、忘れ物はないか? パスポートは持ったか? 等をね。俺も我が家に連絡を入れて受け入れ体制の確認、そしてシャーリーちゃん達に帰国をするという報告を。シャーリーちゃん達、…めっちゃ声が弾んでいたな。…早く顔が見たいものだ、…~♪

 

 

 

 

 

 

そんな感じで思いの外バタついている俺達の下に来客が、…それは玉城達の兄貴分である卜部さんだった。明日はブリタニアへ帰国する日、その当日に見送りへ行くことが出来ないとのことで今日来たようだ。…で次に卜部さんが口にしたのは謝罪だった、…何故に? と思ったんだけど枢木神社の軍人集団は彼の同僚だった模様。疲れた顔の卜部さんに何も言えねぇ…、あの集団は問題児達なのか?

 

玉城達のことと同時に俺は卜部さんの愚痴を聞いてやった、…聞けばやはり色々と面倒な奴等のようだ。最近では尊敬する上司が寡黙すぎてイラッと来ることもあるようで、卜部さん…かなり精神にキテるんじゃない? 同じく苦労人の枠に入る仙波って人と互いに励ましながら頑張っているみたい。とりあえず全国巡りで入手した精神安定の効果があるお香をあげよう、少しでも精神が癒されるように。勿論仙波さんのもあげるよ、故に頑張って下され。




何もかんがえずに書いたりしてるけど、…ちょっとだけ考えてみた。


…………この調子で話が進むとする、これって原作のように話が進むのか?


シーツーとルルーシュがあのような出会いをするか? そもそもマリアンヌは襲撃されるのか? …考えれば考える程、厳しい気がしてきた今日この頃。


どうすっぺ。


主人公以外の転生者を出すか? そうすれば、無理矢理にでも原作通りに行ける?


…………う~む。


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第20話 ~俺、…とシーツーの夜。

何となく発言したことがヤバいかも知れんとのことで、今度から心の中だけにします。


因みに作者としては原作通りに進ませるかどうかというのは考えてません。ただ何となくそんなことを考えたってだけなんで。


いつも通りその時の作者の思考により話が進みます。



因みに会話シーン等が少ないのは、入れようとするとめっちゃ長くなりそうだからです。


とりあえず、ぼちぼちいきますわ。


ーヴァルターー

 

日本を離れる前に思い出作りとして近場を玉城達と巡ったんだが、枢木神社にて日本軍人にブリタニア貴族級のくだらないいちゃもんを付けられた。俺やシーツーはいいにしても玉城達が怒り心頭、宥めるのにちょい苦労してみたり。

 

帰国日前日に卜部さんが別れの挨拶と共に謝罪をしてきて、彼自身は大きなストレスを抱えているようだから精神安定の効果があるお香をあげたよ。俺が帰国しても連絡の一つでもくれれば愚痴は聞けるし、長期休暇を取ることが出来たのならブリタニアへ招待するよと言えば笑っていたっけ。元気付ける為の冗談と受け取った模様、…本気なんだけどね。

 

俺が帰国した後でも電話越しだけではなく、再び顔を合わせようと約束をして卜部さんと別れた。同期かどうかは分からんけど、仙波って人と互いに励まし合って頑張って下さい。

 

…帰国の準備を終えた俺は、日本最後の夜をホテルのテラスで迎える。………星が綺麗だなぁ。

 

 

 

 

 

 

刀の為に日本へ来て、シーツーや玉城達と出会った幸運。これも俺の『ご都合主義』が力を発揮した結果であるのは明白、本当にありがたいことですな。力をくれたの神? だと思うけど、超常的存在へ感謝の念を送っておこう。…星が煌めく夜空へ顔を向け、目を閉じて感謝の念を送る俺。分からぬ存在に届いてくれればいいんだけど…。

 

 

 

 

 

 

念を送ってしばらく、背後に気配を感じた。見るまでもなく分かる、この気配はシーツーだな。…シーツーもこの星空を見上げに来たのかな? そう考えていると背に感触が、シーツーの奴が俺の背に頭を押し付けているとみた。突然何だ? …と声を掛ける前に、『…ヴァルター。明日…帰国したら、…この関係も終わりだな。』とシーツーが先に口を開いた。

 

…関係が終わる? …彼女は何を言っているんだ? 同じブリタニアに住む者同士、帰国しても会うことは出来ると思うが。それにシーツーは黒髪美人さんの関係者だろう? 俺は黒髪美人さんと仲が良い、故にシーツーとの関係は終わること等ない。…黒髪美人さんがシーツーを制限することはないと思うが、…それともシーツーが何かしらを抱えているのか?

 

この旅行…本来は仕事だけど、シーツーと初めて会ってこれまで仲良くなった。隣にいることが当たり前だと思うようになった、彼女を尊重するというより対等に扱っていたと思う。シーツーも俺と同じことを思っている、…そう考えていたのは勘違いだったのか? …何てことを頭に浮かべるも直ぐに消す。シーツーだって楽しんでいたんだ、…その筈だ。

 

 

 

 

 

 

シーツーの言う関係が何を指すのかは分からない、終わることはないと言ってはみたが何を考えているのだろうか? …しばらくの沈黙の後、『…私は魔女なんだよ、…人とは違う。ヴァルターや百華達と過ごす日々が楽しくて忘れていたが、私は人を辞めた魔女なんだ。…ヴァルターとは違う、…違う存在なんだ。』と哀しそうな声色で呟くシーツー。…………シーツーが人を辞めた魔女? …何を言っているんだ? 関係が終わる理由…なのか?

 

シーツーの呟きに戸惑う俺、突然魔女だなんて言われたら誰だって戸惑うよね? それが共に行動していた娘ならなおのこと。何とか落ち着こうとする俺に対し、シーツーは懺悔をするようにポツポツと言葉を紡いでいく。奴隷から始まり不老不死のシスターに救われ、ギアスという不思議な力を与えられた。その過程で力に溺れて本当の愛を見失い、信頼していたシスターに不死の運命を押し付けられた。…その結果、魔女として処刑され続けるも不死故に生き続ける。何よりも死を望むがそれを叶えることが出来ず、不死の運命に流されて黒髪美人さんと出会った。

 

黒髪美人さんと出会うまである組織に身を置き、現在もそこで世話になっているとのこと。何人もの人間をギアスで狂わせた、与えることで人生を変えてしまった。罪深き自分が俺と出会い、自身が欲しかったモノをようやく見付けた。…そして現実を思い出し、夢から醒める時が来た。狂わせてきた自分が幸せになることは許されない、だからブリタニアへ帰ったらサヨナラ。

 

何てことを言ってきたんですよ。壮絶というか何というか、悠久の刻を生き続けてきたみたい。その悠久の刻の中で様々なことを経験、俺如きではそれに対する慰めの言葉が思い付かない。いや…何も知らぬ俺が慰めるなんて烏滸がましい、どう言葉を紡いでも安くなる。俺には彼女の過去を飲み込むだけで精一杯だ、…情けない話だけどな。

 

 

 

 

 

 

……………シーツーは自分のことを話した。…それに対して俺も秘密を話した方がいいのか? 俺自身もよくは分からんのだが、一応…二度目の人生であるし。さっきまで神? に対して感謝の念を送ったりしたが実際はどうだか知らん、このことだけを(ぼか)して話そうか。…俺には過去、前世の記憶があり不思議な力があると。

 

シーツーの秘密と釣り合うかどうかは謎、…でも話さないよりは対等か? ぶっちゃけ、…シーツーとこれでサヨナラは嫌だ。出来るなら共に在りたいと思うのは俺の我が儘だろうか?




返事はしてないけど、感想は読んどります。


……次話はどれくらいで出来るかなぁ。


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