貴方は何トリア?私はアル………アサトリアだ!※アサトリアのアサはアサシンのアサである。 (星の空)
しおりを挟む
第0聖
(…………ここは………何処だ………)
俺、
先程まではある漫画を読んでいたのだが、あるキャラの名シーンのところでプツンと意識が落ちたのは覚えている。そこで気が付いた。
(……………ここってもしかして………転生系二次創作にてよくある転生の間では?)
「当たりだよ〜。どうも〜、私、14人の最高神のうちの1人、ロンゴミニアドだよ〜。」
そしたら、薄黄緑色のウェーブがかかったロングヘアで、真紅の目を眠たそうに半開きにしている美少女がゆったりとした口調で声を掛けてきた。
(………って、最高神どんだけおんねん。)
「その訳は後で語るよ〜。それでね〜、燦くんがなんでここにいるのかと言うとね〜、なんと!転生抽選に当選しました〜!!」
最高神の数は後で教えてくれるそうで、今は俺がここにいる訳を教えてくれた。
(………転生する者を抽選で選ぶとか………それで、俺が選ばれたのは分かったが、これからどうすんだ?)
俺がロンゴミニアドに質問をしたら、一体どこから出したのかクジ箱と14Dサイコロを出てきた。
「まず、サイコロを14回転がして〜、出たその和を7で割る!その数が君の転生特典の数さ〜。」
(これ………面が多過ぎじゃね?転がすけど。)
俺は指示された様に14Dサイコロを転がす。
1回目、5。2回目、2。3回目、1。
4回目、7。5回目、5。6回目、8。
7回目、11。8回目、9。9回目、1。
10回目、6。11回目、10。12回目、3。
13回目、1。14回目、4。
計73で7で割ると10.42857142857143。約10個である。
(……10個か。これは多い方なのか?)
「まずまず〜。最大が28個だからね〜。それじゃ、次はこの箱から10回クジを引いてね〜。」
(これって大抵外れるんだよなぁ。)
まず、1回目を引く。
クジに書かれていたのは、【アルトリア・ペンドラゴン«全»】
(ふぅん。ん?«全»ってなんだ?英霊その者か?)
「ふふふ〜、それは転生後のお楽しみ〜。」
(マジっすか…)
2回目、【全事象掌握操作】
(俺に何をさせる気なのでしょうか!!?)
「そんな事言われても〜、燦くんが引いた事なので諦めなよ〜。」
3回目、【ATフィールド】
(うおぉぉぉい!!?なんかアニメ界屈指の盾?が手に入ったんだが!!?これは転生先が危ないんじゃ!!?)
「Zzzz………」
(寝んのかよ!!?まぁいい。次だ次。)
4回目、【
(おぉ、これはまだマシだ。)
5回目、【超高性能キャンピングカー】
(……………これは当たりかハズレか…うぅむ。)
6回目、【英霊
(ん?英霊?サーヴァントでも手に入るのか?)
7回目、【他転生者全特定+簒奪】
(おぉ、これは当たりだ。アドバンテージになる。が、+はアウトだ。)
8回目、【宝具、
(おぉう、これはやばい。)
9回目、【スキル、勇猛EX、黄金律EX、千里眼EX】
(精神耐性とお金、全見通しか。これは良いな。)
10回目、【デメリット無効】
(最後のは特典のデメリットを無くすのか?)
「ふわぁぁぁ!およ?全部引いたようだね〜。それじゃあ、説明タ〜イム!!!」
全て引き終わったら、タイミングを計ったかのように起きて、説明を始めるロンゴミニアド。
「最高神が沢山いる訳だけどね〜、それぞれが司っているものがあるからだよ〜。ゼウスが天空、アテナが処女、アレスが戦、ポセイドンが海水とかそんな感じだよ〜。因みに私は〜星だよ〜。某運命な戦争の乳上さんが扱うあれと私は同一なのだ!それ故に星なのさ!
そういえば、私以外の最高神達も転生者を抽選してるからね〜。」
(……まぁ良い。転生者対策に持って来いな奴があるからな。)
最高神はそれぞれ担当がおり、ロンゴミニアドが俺をここに招いた?様に他の最高神達も招いているようだ。
(それで、俺はどの世界へ転生するのだ?)
「それがさ〜、最高神達の総意で複合世界に決まりました〜!!あと、転生者は皆最高神から試練を与えられま〜す!私が燦くんに与える試練は〜、生き抜け!!!以上〜!!」
(そんなもんでいいのか?)
「いいんだよ〜。シークレットが出てるからね〜。………正直、教えたらいけないことなんだけど、6回目に出てきた英霊はその英霊と同じ目に合う。もしくはその英霊その者になるかもしれない。気をつけて。」
(……それって俗に言うTSの可能性もあるのかよ。)
「それじゃ〜、王裂燦くんよ〜達者でな〜!!」
「おい!!?それってまさか!!?」
ロンゴミニアドがシークレットだけは危ないかもしれないと忠告を受けた。それはいい。
しかし、そのいつの間にかあるその紐を引いてはならない!
俺は咄嗟に紐引きを阻止しようとしたが既に手遅れ。引かれてしまった。
すると、俺の真下がパカッという効果音と共に開き、俺はその中に落ちた。
(何やっとんじゃァァァァ!!?)
「バイバ〜イ!!!!!」
ロンゴミニアドの姿が段々と小さくなり、やがて見えなくなる。そこで俺は気を失った。
✲✲✲
(……………うぅん………ここは?)
どうやら気を失っていたようだ。俺は辺りを見回す。
何処か近代的なヨーロッパの建物の中のようだ。
(……成程、ここは1800年代後半のイギリスか。)
此処がイギリスであると分かったのは、部屋の隅に窓があり、外が見える。
そこに丁度ロンドンの時計塔が見えるのだ。
次に俺自身の確認だ。容姿は分からないが、能力は転生物でよくあるアレを唱えよう。
(ステータスオープン!!)
→←→←→←→←→←
真名:アルミナ(=ペンドラゴン)※()内は隠蔽中
属性:混沌・中庸・星
筋力:S+
耐久:A++«ATフィールドのお陰でEX状態»
敏捷:EX
幸運:B
宝具:EX
✧スキル✧
対魔力:EX、騎乗:EX、直感:A
魔力放出:A+、単独行動:EX
陣地作成:A、最果ての加護:A
心眼(偽):A、極地:A
不断:B、無辺:A、真名看破:S
神明裁決:A、啓示:A
自己回復(魔力):A+、自己改造:EX、
竜の魔女:EX、自己回復(魔力)A+
自己改造:EX、竜の魔女:EX
支援砲撃:EX、銀河流星剣:C、
オルトリアクター:A、∞黒餡子:EX
刹那無影剣:C+、乗着:EX
刑事の直感:E、最果ての正義:A
皇帝特権:EX、戦闘続行:B
✧宝具✧
✧
ランク:A+
種別:
レンジ:0
最大捕捉:1人
✧
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1~2
最大捕捉:1人
✧
ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1〜99
最大捕捉:1000人
✧
ランク:EX
種別:結界宝具
防御対象:1人
✧
ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:9~30
最大捕捉:1人
✧
ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:900人
✧
ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1000人
✧
ランク:A
種別:対人宝具
最大捕捉:1人
✧
ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:1~30
最大捕捉:-
✧
ランク:A
種別:対界宝具
✧
ランク:A
種別:結界宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:???
✧
ランク:EX
種別:特攻宝具
レンジ:???
最大捕捉:???
✧
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:100人
✧
ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1人
✧
ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:1人
✧
ランク:EX
種別:対人宝具
レンジ:9~99
✧
ランク:EX
種別:対軍宝具
レンジ:9~99
✧
ランク:B
種別:対陣宝具
レンジ:30、60、90
最大捕捉:100人、500人、1000人
✧
ランク:A
種別:対軍宝具
最大捕捉:500人
✧
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人
✧
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:800人
✧
ランク:C
種別:対人(自身)宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
→←→←→←→←→←→←
(………………宝具……多っ!!?まさか«全»って
1人でステータスを見ている時に分かったのだが………
俺氏、赤ん坊でっせ。赤ん坊。
此処から1歩も動けません。
ステータスの件と相まって現実逃避をしていたら、この部屋唯一の出入口から厚化粧をしたケバすぎるおばさんが入ってきた。
おばさんは聞こえない程小さな声でボソボソと呟きながら俺を抱えあげる。
(え、此奴俺の家族?お婆ちゃんにしたら若いし、まさか…母親?)
俺が思案していたら、段々と生臭すぎる橋の上にまで来ていた。
直後、頭の中に俺が投げられる光景が写った。
(ッ!!?)
赤ん坊故に抵抗すら出来ずに落とされる。
下は、大量な赤ん坊の死体が埋まっていた。
(…………こりゃあ不味い。って、これってまさか……
ケバすぎるおばさんの奴、まさかの娼婦だったのか。
まぁ、あんななりしていたら誰でもわかる事だな。
そのまま俺は死体の上に落ちる。
(………あぁ、クセェ。人の命をなんだと思ってやがんだ。)
俺は手足を動かす。ただひたすらに動かす。
何故かって?そりゃ早く動きたいからだ。だが、まだ首が据わってないのだ……………あ、十二の試練があるから首折れて死んでも大丈夫だ。
ならば動こうか。首と全身の骨に硬化魔術、全身に強化の魔術を掛けてゆっくりと死体の上に立つ。そして、確実に1歩ずつ歩んでいく。
(………おぉ、1発で出来た。取り敢えずは橋下に移動しよう。)
橋下に移動して死体がない所に倒れ込む。
(あぁぁぁ、ダリィ。身体が出来てねぇから想像以上にダリィ。)
俺はだるい中、腹を括って魔術を切る。
ゴリッ!!!
ブシュッ!!!
(……あっ、これガチで死ぬわ…………)
魔術を切った途端、限界を越えて身体を酷使したため、骨が砕け、筋肉や皮膚が裂けて血が噴き出す。
再び意識がなくなった。
2日後
目が覚めたら2日も経過していた。これには流石に驚いた。
さらに驚いたことに、強化や硬化の魔術を使わずとも立てるようになった。
それをいい事に俺は彗星走法を手に入れた時におまけで付いていた物凄く長いマフラーを全身に巻き付けて姿を隠す。
その姿でこの時代のデパートらしき場所に入り込んでは乳児食をくすねて、捨てられた橋の下で食べる。
そういった暮らしをして10年間を過ごした。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第1聖 ある子との出会い
俺がロンゴミニアドに転生され、ケバすぎるおばさんに捨てられてから10年の月日が経った。
10年間何をしていたのかと言うと、剣術や体術等の修行をしたり、7歳辺りから暗殺稼業をしたりしている。
10年間もあれば産業も発達する。が、そのせいで町中が排煙だらけである。夜は霧と合わさるせいで先が見えない。俺は直感と千里眼で大丈夫だが。
そして今は、暗殺を依頼されて対象の元に向かっているところだ。
依頼者によると、対象は娼婦なのだが、その娼婦は規定年齢を超えているのである。クビにしようとしても、脅されているためなかなか出来ない。
そこで、ココ最近暗殺の依頼を受け負う者の噂を聞いて受け負う者である俺を半年かけて見つけ出して娼婦暗殺の依頼してきたのだ。
その娼婦の家はロンドンの時計塔から少し遠く、結構歩くこととなった。
夜中(午後8時)、歩いているときに懐かしい場所に来た。
そこは俺が捨てられた橋である。そこは以前は生臭すぎたのだが、今は全く臭くない。橋の下を見てみると、大量にあったはずの赤ん坊の死体がひとつも無くなっていた。どうやらこの10年の間で撤去された様だ。
おっと、10年間で思い出した。俺氏、やっと容姿の確認が出来ました。
俺は俺が今住んでいる所に鏡が無かったため、容姿の確認が遠回しだったのだが、暗殺稼業で稼いだ金を奮発して買ったのだ。
俺の容姿は、
砂金の様に澄んだ金色の長髪。
神の血を引くことを意味する紅眼と聖なる者の証?みたいな翡翠が輝きを失っているオッドアイ。
背丈は10歳のそれより小柄で、体格は少女の様に華奢であった。しかし、男の尊厳はきちんとあるため俺の性別は男である。
最初に見た途端咄嗟に股に手を伸ばしたのは忘れたい。だって、トイレに行った時に見ているため知っている筈なのに動いてしまったのだから。
閑話休題
俺は橋から移動を始めた。
暗殺対象の家に向かって歩む。辿り着いたのは、あのケバすぎるおばさんが俺を抱えて出た時のアパート?である。
「………まさかあのケバすぎるおばさんの奴、まだ娼婦でもしてたのか?」
俺は呟きながら階段を登る。
暗殺対象の家の前に来て千里眼で中を確認する。
中には、あのケバすぎるおばさんとおばさんより若い男性、そして、2人を足して2で割った様な子供が仲良く夕飯を食べていた。
俺の何かがキレて、宝具をしようした。
「
風王結界を俺自身に纏うことで姿を消す。手には魔剣と化した
戸を開けずに中に入る。扉は音もなく粉々に粉砕された。そりゃそうだろう。風王結界は風の収束体なので、ライオンシュレッダーに物を入れた感じだ。ただ、風を少し操って音が響かないようにしたが。
3人家族がいるリビングに着く。
無論、扉は音もなく粉々になっていった。
いきなり扉が消えたように見えたであろう3人。子供に至っては手に持つフォークを落としてしまってすらいる。
クラレントの柄で子供と男性を気絶させる。
ケバすぎるおばさんが慌てて駆け寄り、安否を確認する。
俺は風王結界を解除してケバすぎるおばさんの背後に立つ。
「………よかった……気絶してるだけで………」
「…そういう貴様はここで死ぬけど。」
「ッ!!?誰よ!!?」
いきなり声をかけられたことで驚きながら振り返って後退るおばさん。
「……誰って………捨てた本人が忘れるとかふざけてるの?娼婦。」
「捨てた………本人………まさか……でも赤ん坊だったから……既に死んだ筈!!?」
「この目を見て。この目は神の血を引くことを意味する。捨てられた位で神の子が死するわけないのよ。さて、時間が無いから………逝け。」
「ちょっ、まっ─────」
俺はケバすぎるおばさんの首を撥ねた。
首から血が吹き出て、その血が俺にかかる。俺はそんなことを気にせずに外に出る。依頼主に死んだことが分かるようにするため、敢えて置いておくのだ。報酬は前払いなため既に受け取っているから問題ない。
俺はアパート?から出たら捨てられた橋の元に行く。着いたら、川辺に降り、服を脱いで水に浸かる。
そうして、いつも身体の清潔を保っているのだ。
川に腰だけ浸かった状態で霧や排煙だらけの空を見上げる。
そこには、綺麗に満月だけ見える状態であった。ゆっくりとしていたら、川下にある橋の下からナイフが4つ飛んできた。が、ATフィールドの影響で弾かれる。
「あれ?狙いは確実だったんだけどなぁ。決まらなかったポイや。」
橋の下から呟きながら出てきたのは白髪で傷のせいか分からないが左目を閉じている黒装束の少女が現れた。
「……………同業者か?」
俺はどこかで見たことがある少女に疑問を持ちながら暗殺者なのかを問う。ついでに川から上がり、手ぬぐいで身体を拭く。
「………ん〜とねぇ、殺人鬼!それでねそれでね、私たちはお母さんを探してるの!」
「…………殺人鬼で母親探し………」
さらにワードが出た事で朧気ながらでてきかける。
「………でもね、今日尋ねる筈だったお母さん候補を貴方が殺しちゃった。」
「ッ!!?切り裂きジャックか!!!」
ジャック・ザ・リッパー、彼の者は娼婦を母か確認し、母でなければ必ず殺す。殺す訳はただ殺したいという殺人鬼その者。
「おぉ!!!やっと分かったんだ
「…………………はぁ?」
ジャックからありえない言葉が聞こえたせいで俺は素っ頓狂な声を出した。
「俺は妹なんて持ってねぇし!そもそも、俺は男だ!!!」
「えっ?男?でも匂いは女の人の匂いだよ?って、違う違う。貴方がお姉ちゃんだって言う訳わね、私たちが私たちになる前から自我を持って私たちより先に動けた。何より、私たちと同じ境遇だから。」
「………」
ジャックは要するに、捨て子である己と俺を同じ目に合ったが、ジャックより先に俺が動き、同じことをしている故に姉と呼んだのだ。
「…………そういうことか。あんたはここにあったはずの赤ん坊達の魂魄の集合体…………霊か。」
「ん?そうだけど?まぁ、もうお母さん探しはいいけどね。」
「……………どういうことだ?貴様は殺人だけを成す殺人鬼に成り下がるのか?母親探しという目的があるのなら目を瞑るが、見境なく人を殺すのなら………容赦なく殺るよ?」
俺が煉獄剣という沖田オルタの扱う日本刀を召喚して鞘を右手で持って左で柄を握る。所謂居合の構えである。
「違う違う!私たちはお母さんが見つからないけど、家族は見つけた!だからお母さんが見つからなくても充分だもん!!!」
此奴は今、なんと言った?家族がいれば充分?それって………
「まさかとは思いますが………俺に付いて来る気?」
「うん!!!」
ジャックは満面の笑みで頷く。
「……おい……あぁ、一応聞くが、俺が一緒に来ることを却下したらどうするんだ?」
「ん?追いかけるけど?」
何言ってんだこいつ。と言いたげな顔をしてサラッとストーキング宣言をするジャック。
「あぁもう、分かったよ。だけど、容易に殺しをしないように!血の匂いで場所割れは嫌だからな。」
俺は忠告をしながらジャックを伴って俺の拠点に戻る。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第2聖 日本
俺がジャックと共に過ごす事となってから50年が経った。
その間には色々あったさ。
ロンドンが特異点と化して、俺のオリジナルであるモードレッドが霧や排煙だらけの街を駆け回っていたり、カルデアという機関から特異点の修正をするために現れた藤丸立香(男)とマシュ・キリエライトという2人がモードレッドに付いて行動していたりと。
そのお陰で容易に外を出歩けなくなったのはご愛嬌だ。
途中、どこで嗅ぎつけたのかパラケルススという魔術師が接触してきたが、ジャックの欲求不満が爆破して話を聞かずにバラバラに切り刻んで満足していた。
哀れパラケルススよ。
結局、俺達は藤丸立香らと接触する事となった。パラケルススが殺される前に魔力を大量に流したせいで藤丸立香らが来てしまったのだ。
出会ったあと、話し合うこととなったのだが、モードレッドが何かと俺を気にかけてきたので色々と困った。
藤丸立香らと共に特異点を修正する事になって暫くは行動を共にした。
時計塔の地下には冬木市にある筈の大聖杯があったのは驚いたが、それ以外は特に何も無い。
マキリ・ゾォルケンが魔神柱管制塔バルバトスと化してそれを相手にした。ATフィールドがあるおかげでバルバトスは1度も俺達を傷付けずに倒された。
ゾォルケンが残したニコラ・テスラは煉獄剣を使って極地と戦闘続行で激戦となったが、それを隙と見たモードレッドが剣の極光砲撃で消えた。
最後に俺と似ている贋作、アルトリア・ペンドラゴン・オルタナティブがランサーとして現れたが、モードレッドが一騎打ちを所望したため、許可をした。
結局は勝ち、英霊の座に帰って行った。俺達は藤丸立香らがカルデアに戻るのを見送った。
ただ、俺とジャックがこの時代で今も尚生きている人間だと言うことを知った時のあの二人の仰天ぶりは凄かった。
それが、丁度25年前だ。俺はセイバー・リリィ程の身長に伸びたが、ジャックは霊故にあの頃と一切変わらない。
因みに今は1860年頃である。
『ねぇねぇお姉ちゃん、日本って防犯意識低くない?』
(これから発展してくんだ。まぁ、200年規模になるがな。)
俺とジャックは今、日本に上陸して行動している。いやぁ、超高性能キャンピングカーは凄いなぁ。あの車、
『あれは楽しかった!また乗ろうよお姉ちゃん!!!』
俺は歩いているがジャックの姿は無い。
先程からジャックは何処から話しているのかと言うと、霊となって俺の中にいるのである。
何故なら俺は桜セイバーの和服はあるがジャックは無い。ならば俺の中で待機していればいいと結論したのだ。
あ、ジャックのお姉ちゃん呼びについてはもう諦めている。
俺達は位置的に福島県であろう所、会津にいる。
何故かって?ロシアを横断して来たからさ。横断時にロマノフ一族に会えたのは少々驚きである。
話は戻るが、俺達は日本を一気に下り、京都の池田屋という宿に泊まった。
ここは京都の三条辺りで三条大橋が見えるのだ。俺達は宿の浴衣を借りて、部屋でのんびりしていた。
が、その夜中に殺伐とした空気を感じて、ジャックはいつもの戦闘衣に、俺は沖田オルタが着ていたあの黒い羽織を羽織り、赤で裾の短い和風なワンピース擬きを着る。後は、加州清光を手に持つ。
しばらくしたら、隣から騒音が聞こえて来て余りにも煩かったので乗り込むことにした。
ジャックには、浴衣に着替えてもらい今目が覚めました。というふうに装って貰っている。
一応俺も浴衣に着替えている。なら戦闘衣に着替える必要はあったのだろうか?
そんな疑問を持ちながらも隣の部屋に乗り込む。
「隣の!ドッタンバッタンうるさい!!!ろくに寝れん!!!周りのこと考えてくれ!!!」
隣の部屋は俺達が使っている部屋より広く、部屋の中には尊皇攘夷派であろう者が44人、新撰組の羽織を着た者が40人の2組が混戦状態であった。
しかし、俺が眠そうな顔(装い)のジャックと俺が乱入した事で鎮まり返った。
「………え、私?」
「……………?」
乱入して最初に目に付いたのは俺と瓜二つの少女であった。
その少女は俺を見て困惑している。
無論俺も驚愕した。なんせ、俺はその少女を知っていたからだ。
「………と、兎に角周りに迷惑かけないでくれ!!」
1度、泊まっている部屋に戻る。
「………やはり………か。」
複合世界とロンゴミニアドに言われていたのだが、未だにFateシリーズのキャラ達しか会えていない。これ程長く生きていれば悪魔なり天使なりと出会っているはずなのだが………
「……どうしたの?神妙な顔してさ。」
考え事をしていたらジャックから声がかかる。どうやら、心配してくれているようだ。
「…うんや、なんでもないよ。暫くは日本を回ろうか。」
「うん!!!」
この日は寝て、次の日の早朝に池田屋から出て行った。
・
「あのぉ、ここに白髪の少女と金髪の少女が泊まってませんでしたか?」
「?あぁ、彼女達ならもう出てったわよ。」
「ありがとうございます女将さん。………………………あぁぁ、迷惑かけちゃったなぁ。」
その1時間後に桜の様な色をした髪を持ち、アルミナに似ている少女、沖田総司が来たとか。
因みに、尊皇攘夷派の者達は外に連れ出されて殺されました。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第3聖 討幕と第1の魔との会合
「いやぁ、あの時は驚きましたよ。いきなり私と瓜二つの少女が男口調で乗り込んできたんですから。」
俺とジャック、総司は今、会津藩にいる。
最初、俺とジャックは日本各地を回っていたのだが、会津藩に着いてちょっとした所で、総司が歩いているのを出会したところで総司が血反吐を吐いて倒れたのだ。
それを新撰組の拠点に運び込んで介抱しているのである。
因みに、新撰組のその他勢は江戸幕府の守護のために出動している。
「でも、こんなに症状が悪いのに無理したらダメだよ?総司。」
ジャックは総司のことをかなり気に入った様で、総司が江戸幕府の守護に向かおうとするのを抑えているのである。
俺はその隙に金目の物や食料、総司の装備を荷造りしている。荷造りをする訳は千里眼で幕府側がこちら側に押されているから此処が占拠されるのも時間の問題だからである。
「………うし。総司よ、移動するぞ。面倒事が起こる前に。ジャックは周囲の警戒を頼む。」
「?あ!うん!!!」
ジャックは俺のこの一言に疑問を持ったようだが、何故なのか直ぐに分かったようだ。
俺は異空間に仕舞ってあるキャンピングカーに荷造りした荷物を入れてから総司を背負い、ジャックに俺が首に巻いているマフラーで総司を俺に括りつけてもらってから立ち上がる。
「ほぇ?………何やってるんですか?」
「少々厄介な奴がこの周辺をうろちょろしてる。様子からして何かを探している。いや、隠すのは良くないか。………奴は総司を狙ってる。が、新撰組の拠点がどこか分からないらしいから時間を喰ってる。」
「…………何故私が狙われてるんですか?ってか何故そんな事が分かってるんですか?」
「なに、総司の剣技はこの時代において群を抜いている。だが、それと同時に病弱でもある。そこを突いて従属の駒を総司に埋め込んで利用しようとしてる。俺は千里眼持ちだからな、他人の見え見えな動きから何をするのかを見る事が出来るのさ。」
俺は総司に事情を説明しながら新撰組の拠点から出る。隠密行動を取りながら移動をする。が、赤黒い玉が何処からか飛来してきたのでATフィールドで防ぐ。
しかし、今ので1枚割れてしまった。
(ッ!!?割れた……まさか!!?)
「消滅の魔力か!!!ジャック、霧を放て!!」
「分かってる!!」
赤黒い玉が消滅の魔力である事が分かったので、ジャックの宝具である霧を撒いてもらい盲ましをしてから此処を離脱する。
「…………魔力ってなんですか?言葉的に妖か何かが持つような力の様ですが。」
「俺自身よく分かってねぇが命に直結してる生命力や精神力などを消費して扱う物っぽいものだ。これを持つ者は総じてタフだ。まぁ、少ないと直ぐに死ぬがな。っと、忘れてた。この鞘を持っててな。この鞘は
森に入って暫くしたら江戸幕府の者達が逃げているのを目指してそこからかなり離れた位置を駆け抜ける。
が、あの消滅の魔力は依然として此方を狙っている。しかも、かなりのコントロール力で総司には当たらないようにしてあるのだ。
森の中で一際広い場所に出て、中央で立ち止まる。総司を地に寝かせてからジャックに看病を頼む。
「さっきから御丁寧に俺だけを的確に狙いやがって。いい加減姿を現したらどうだ?聖書の悪魔め。」
そう声をかけたら上の方から声がかかった。
「あれ?なんで悪魔だって分かったのかな?」
姿を現したのは赤い長髪の青年と追従してメイド姿の白髪の女性、そして、黄の短髪に上半身裸で顔や胴体に無数の傷のある男が現れた。
「そりゃあ消滅の力を有するのは1部だけ。その1部が今まさに俺の目の前にいる。それはいいとして、アンタの目的はこの子か?」
俺はジャックに看病されている総司に親指で指して目の前の集団に問う。
「あぁ、彼女は主を守れずして逝くだろう?だから
「…………何を言ってるんですか?私の主は貴方等ではない。私の主は徳川一族ないしは松平容保様だ!」
「そうかい。なら、君が死んでから悪魔の駒を埋めるとしよう。」
「残念だが、此奴は死なねぇよ。四大魔王サーゼクス・ルシファー。」
「おや?どうして僕の名がわかったのかな?僕は一言も名を語ってないんだけど………それより、彼女が死なないって言うのはどういうことだい。」
「なに、此奴が死ぬ原因である病そのものを死滅させたからさ。嘗て何処かに存在し誰もが望んだ理想郷、
「ッ!!?エクスカリバーの鞘!!?モルガンがアーサーから簒奪して行方不明となった鞘が何故北欧にあった!!?」
どうやら鞘についてはその程度しか知らなかったらしい。噂だが、モルガンは全て遠き理想郷を使って不老と化しようとしたが一切使えず猛りくるって勢い余って売ってしまい、ロマノフ一族が買ったとか。
「…………まぁ、そんなのはどうでもいい。エクスカリバーは既に壊されている。鞘があったとしてもどうにもならないさ。話を戻すけど、彼女が死なないのなら強硬策に出させてもらうよ!!」
己の中で話は着いたのか自己完結をして、総司を殺すためにメイドの女性と上半身裸の男に指示を出した。
女性が魔力弾を総司に向けて放つが、ジャックが全てを弾く。
その間に上半身裸の男がこちらに足止めをするためか鎖で繋がっている2つの剣のうち1つを振り下ろしていた。
俺は謎のヒロインXの最終霊基を纏って聖魔2本の約束された勝利の剣を出して、上半身裸の男の剣を弾く。
「うおっ!姿が変わった!?」
「あぁ、アンタとサーゼクスを相手取るにはこれが1番いいからなバーサーカー・巨人殺しのベオウルフ。」
「ッ!!?てめぇも英霊か!!?」
「残念だが違う。だが、英霊の力を有するのは確かだ。」
俺がベオウルフとジャックがメイドの女性を相手にしている間にサーゼクスが総司のもとに寄るがアルトニウムを生成してビームにして放ち、それに気が付いたサーゼクスは躱す。
俺自身はベオウルフを蹴り飛ばしてからサーゼクスに切りかかる。サーゼクスは消滅の魔力を俺に放つが、俺が聖剣で切ることで霧散した。
「んな!!?こちらの攻撃が消えた!!?ッ………まさか………その剣は聖剣か!!!」
サーゼクスは鼻頭を掠めてギリギリで躱す。2度目の攻撃に入ると後ろからベオウルフが蹴りをかまそうとする。
俺はそれを膝窩で挟むようにして止めてブレイクダンスでサーゼクスの方に投げ飛ばす。
丁度殴りかかろうとしていたサーゼクスは意表を突かれてベオウルフに衝突し、錐揉み状態で飛ばされる。
「…………無理矢理するのは悪魔らしいが、そんなんだといずれ破綻するぞ。ロマノフ曰く、悪魔共は他種族の意志を顧みず、己の我欲しか顧みていない。故に他の神話や教団から殲滅されるのも時間の問題だ。とな。貴様の我欲で他者を貶すくらいなら今ある大切なものを守り抜くために行動しろ。」
ジャックがメイドの女性の喉笛にナイフを翳しており、振り下ろそうとしていた。
「ッ!!?グレイフィア!!!」
それを見たサーゼクスが一目散にグレイフィアと呼ばれた彼女のもとに向かう。
それを見てジャックはグレイフィアから距離をとって総司のすぐ側に立つ。
「……やはり………貴様にも大切なものがあるのだな。ならばそいつらを守り抜きな。」
サーゼクスは俺の言葉が聞こえたかわからないが、忠告はした。
「…………………何かよく分からないけど………この気持ちはなんだろうか。…………何かが抜け落ちる様な感じがした。」
「それは大切なものを失ったと心が思ったからだよ。よっぽどその人が大切なんだね、赤髪のお兄さん!」
「その感じを忘れるな。貴様らが他の者を貶すことはその者を大切に思っている者にその感じを与えている。俺の言いたいことが分かったならばとっとと冥界に帰って大切なものを守り抜くための基盤を整えな。」
「………………行くぞ、ベオウルフ。」
強い意志を持った目で此方を1目見てからグレイフィアをお姫様抱っこしてベオウルフと共に此処を去って行った。
「さて、奴らも去ったことだし、戻るか。」
まだ、病により上手く動けない総司を抱えて立ち上がり、新撰組の拠点に歩いて移動する。
「……………えっ……」
「………………えぇぇ」
「…………こりゃないだろ。」
新撰組の拠点に着いた。着いたのだが、今現在物凄い勢いで燃えている。
「………そ………んな………皆の………皆との思い出が…………」
総司はその場に崩れ膝をつく。
俺とジャックはこういう状況にあったことが無いため対処法を知らず、立ち尽くしていた。
しかし、時は待ってくれない。
「いたぞ!!沖田総司だ!!!」
「そばに2人居るがどうする?」
「そんなもん沖田総司ごとやっちまえ!」
尊皇攘夷派の武士達がこの地でずっと総司を探していた様で、最終手段として此処を燃やしたのであろうと俺は予測した。
総司がどう動くのか見ていたが一向に動かないため、此方から動く事にした。総司を肩に担いで走り出す。ジャックは何をすればよいか分かっているのか、自然と殿に就いた。
「ちっ、なんの慰めにもならんだろうが今は生きろ!お前は主を守れないことを悔いている。だが、それはお前自身の心の中の話。お前以外のメンバーの中にはお前にだって生きて欲しいと願っているはずだ!ほかのメンバーの真意を確かめる為にも生きろ!!」
「それに、思い出ってさ建物や物だけなのかな?私たちにとっての思い出は全部此処にあって不滅の宝物だよ。総司は違う?」
「………………確かにそうですね………思い出は宝物で全て此処にある。…………うん。………………貴方が言うように生き長らえて土方さんに問い質しますよ。…………そう言えば………自己紹介をしていないのに何故私の名が分かったのですか?」
「総司って鈍感なのか?お前の名を知らない奴は少ないぞ?っと、言い忘れていたが俺の名はアルミナ・L・ヴィヴィアン。神の血を引きし者だ。」
「それでね。私たちはジャック・ザ・リッパー。わけアリの幼い少女ってね。」
暫く走りながら喋るが、一向に尊皇攘夷派は引かず追いかけてくる。
目が凄い血走っているのを見て若干心配するが、いい加減諦めて欲しいのでギアを上げようとした所、前方より何者かが走ってきた。
「沖田あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その者は、全身に銃痕や切り傷、裂傷などを追いながらも向かってきていた。
「土方さん!!?大丈夫なんですか!!?早く手当しないと!!?」
「俺は保たん!故に貴様だけでも生き延びろ!!!そこの2人、沖田を頼むぞ!!!」
「ちょっ!!?なんでそんな事を言うのですか!!?私だって十分戦えますよ!!!」
「生き延びて欲しいのは新撰組一同の総意!!!!!誠の旗は不滅なり!!!故に俺の事は考えずに行け!!!
「ッ……………助力ありがとうございます。お元気で………」
俺は立ち止まること無く土方のそばを一言告げて通り過ぎる。
その時に、そいつを頼む。と言われた事は忘れない。
「アルミナさん!!?降ろしてください!!!土方さんが…………私の同胞がいるんです!!!まだ間に合───」
「総司!!!彼の意志を無駄にする気か!!?それに彼はもう保たん。俺は彼の意志を尊重する。」
総司が駄々を捏ねるが諌める。総司は名残惜しそうに1人瀕死になりながらも病弱な総司を心配してこちらに来た土方を見る。しかし
「…………あれ?あの影は……」
総司が何かを見つけ、気になった俺も1目見たら驚愕する出来事が起きていた。
尊皇攘夷派の集団に1人で特攻をする土方に追従するように、永倉新八や近藤勇などの新撰組主要メンバーが続いていたのだ。
「土方に続けぇ!!!」
『うおぉぉぉぉぉ!!!!!!』
「新撰組だぁ!!?」
「戦死した筈じゃ!!?」
「いいから殺せぇ!!!」
俺が総司を担ぎ、ジャックが追従する中、後方では新撰組と尊皇攘夷派の追手で混戦しだした。
「ッ!!?宝具!!?………………ベオウルフと似たようなパターンか。…………兎に角今は走る。」
「…………………」
✲✲✲
その後、新撰組は一人残らず殲滅された。しかし、沖田総司並びに2人の人物の追跡は不可能であった。
沖田総司を追う尊皇攘夷派をアルミナが蹴散らしても良かったのですが、ここはこの時代の者に殿をさせようと思い、Fateシリーズに既に出ている土方さんが登場しました。
ただ、土方とすれ違うシーンで、アルミナが土方さんに敵と認識されなかったのかと言うと、顔が似すぎていたため池田屋事件以来忘れてはいなかっただけです。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第4聖 麻帆良の地
尊皇攘夷派による倒幕から100年ほどの月日が経った。
その間にも様々な出会いと別れがあったのだが割愛する。
俺達は50年前にあった冬木市の第3次聖杯戦争を終わらせてからその余韻に浸りつつも日本列島を北上している。
勝利し、願った事はジャックと総司を英霊化させる事だ。ジャックは霊故に行動が制限されていたし、総司に関しては全て遠き理想郷で無理矢理生き長らえさせていたので、英霊化させる事で全て遠き理想郷が無くとも生きる事が出来るようにした。
そこから50年が経った今はのんびりと日本中を旅していたのだ。朝昼はのんびり寝て過ごすか、着いた街の散策。夜には超高性能キャンピングカーで移動をする。
そんなあたりざわりなく過ごしていた。
今は次の街に向けて移動をしている。
因みに、運転をしているのは俺である。騎乗EXは伊達ではない。総司とジャックは炬燵に入ってトランプをしている。
そう言えば、土方と別れた後総司は鬱状態になり暫くは大変だったが、今は立ち直っている。ただ、俺が女性と話をしたりする時に目からハイライトがよく消えるのだが………あれか、ヤンデレってやつか?
それはおいおい考えるとして、そろそろ次の街に到着する。
右の角を曲がると大きな街が見えて来た。しかし、同時に何かの結界内に入った感じがした。
「およ?何かを通り過ぎましたが構わないのですか?」
トランプをしていた2人も気がついたのか問うてくる。
「構わん。ステルスを既に起動しているから大抵のことでは見つからん。」
暫くして日本では絶対にありえない巨木を見つけ、その根元にキャンピングカーを停める。
「それにしても、この木大き過ぎませんかね?」
キャンピングカー………そろそろ名前をつけたほうがいいか………の窓から外を覗きながら呟く総司。ジャックは眠たいのかウトウトしだしている。
「あぁと、ジャック。眠たいなら寝てもいいぞ。布団まで運ぶから。」
「…………うん………お休み………Zzz」
「よっこいしょ!総司、お前もそろそろ寝ろよ?明日は観光するんだから。」
「はぁい。」
俺はジャックを寝床に寝かした後、自分の寝床に入って寝た。
寝ている時に誰かが入って来たが、あまり気にせず眠り続けた。
✲✲✲
次日
「ふわぁああ。よく寝…………何故ジャックではなくお前がここで寝ている。って、此奴爆睡してやがる。」
いつもならジャックが侵入してくるのだが、今日は何故か総司が侵入していた。
その事に呆れつつ布団から出て、ふと気が付いた。
俺氏、成長止まってね?だって、第3次聖杯戦争の時に総司と身長が全く同じだったのに………目算だが今も全く同じように見える。
「…………フッ、どうせ俺はアルトリアと同じ様に小さいんだよ。」
そこで、全て遠き理想郷の不老が発動している事に気が付いた。
どうやら、FSNのアルトリアの身長に追い付いたらしい。
「……………………アルトリアとは、誰デスカ?」
そんな事を思っていたら突如背筋に怖気が走った。直ぐに振り返ると、いつ起きたのか総司が背後に立っており、目元が暗く表情が見えない。
「…あ、えぇと………故人だよ、故人。俺の持つ力を持っていたある王様さ。全て遠き理想郷の保持者でね、今日俺が全て遠き理想郷の保持者にされたんだよ。」
「………へぇ、尊敬しているんですね。」
事情を説明したらいつもの表情に戻った。理解してくれたらしい。
「あぁ、あったことも無いけどな!」
「………………はぁ!!?」
「なっはっはっはっ!だが、個人としての願望としてなら尊敬している。さぁて、朝飯でも作るか!」
総司がフリーズしているのを無視して寝室を出て行く。
約5分後にフリーズは解けてキャンピングカー……名はドゥンスタリオンにしよう………のリビングに来た。その時の膨れっ面は可愛かったとだけ。
日本の和食で定番な白ご飯と味噌汁、焼き鮭、沢庵を添えたら完成。
俺はこういった安易なものしか作れないのだ。
だが、ジャックや総司がいつも美味しいと言ってくれるので俺としては嬉しい。
総司は桜セイバーの和服に、ジャックはこの前買った子供用のしかし、機動性のある和服を、俺は魔神セイバーの和服(下は短パンを履いている)に着替えてからドゥンスタリオンから降りる。ドゥンスタリオンは俺の異空間に仕舞ってから街の方へ向かう。
街に到着したら、道の脇に屋台がずらりと並び、人でごった返していた。
「今日は何かあるんですかね?」
俺も思っていた事だが、総司が先に問うてきた。
「さぁ。それはそこらの屋台の店番に聞けば分かるだろ?」
「それもそうですね。それなら私、団子が売ってあるところに行きたいです!」
「そんなのすぐそこにあるじゃんか。金やるから買ってこいよ。」
そう言って3000円程総司に渡す。
総司は金を受け取ったら縮地を利用してまで団子屋に駆けて行った。
3分後にきっちり3000円分の団子を買い、ホクホク顔で歩いてくる。
「お姉ちゃん!!!私たちはお肉が食べたい!」
屋台を眺め、何を食べようか悩んでいたジャックが決めたのか声を掛けてきた。
「歩きながら探すか。」
「うん!」
「あ、団子屋の人にこの祭り騒ぎが何か聞いたんですけど……まほら武道会という格闘大会があるからだそうです。」
歩き出しながら総司がこの祭り騒ぎについて聞いたことを教えてくれた。
「へぇ、何処かの強い奴が現れるのか。観戦位は一興だな。よし、肉食ったら武道会の観戦でもするか。」
「うん!」「はいっ!」
その後、ジャックのお眼鏡に適った焼肉店で肉を食べてから武道会の会場に向かい出した。
目次 感想へのリンク しおりを挟む