憧れはされないし、理解もされないクソ死神 (乗り遅れ)
しおりを挟む
やりたいことをやるだけやって消えるなら良い人生
ブリーチというジャンプの漫画がある。
学生時代に真面目に勉強してこなかった俺は、そのアルファベットがBREECHなのか、BLEACHIなのかもさっぱり解らんが、内容は概ね覚えている。
藍染という奴が悪い。
ユーハバッハという奴も悪い。
大体こんな所だ。
着いてこられるか? 世界を置いてけぼりにする俺の記憶力に。
記憶力にはそれなりの自信がある。
テストで半分以上の点数を取ったことは無いが、それは些細なことだ。
部活に明け暮れた俺は、全部員のお姉ちゃんの年齢も覚える記憶力を持っているのだから。
部員でもない級友や教師の顔は偶に忘れそうになるが、それは仕方ない。
何でこんな話をしたかというと、俺はそのブリーチの世界に転生したからだ。
しかも原作が始まるよりもずーっと昔だ。
つまり俺はユーハバッハとかはよく解らんが、藍染よりは大先輩になるわけだ。
ならば、やりようはいくらでもある。
大先輩の権力を行使して、成長する前に潰すのだ。
そんな感じで俺は藍染がやってくるまで修行したり、呑んだり、遊んだりしてきた。
そんでもって、俺は藍染の顔も忘れそうになっていた頃、藍染がやってきた。
取り敢えず、刀を取り上げるとへし折ってみた。
これで大丈夫だ。
もし、直ることがあったらその都度へし折ってやれば良い。
「うわー、あの人また後輩いびりしてる。
有望そうな若手の芽を潰してまで偉そうにしたいのかしらー」
女性隊士にはそんな陰口を叩かれるが、これには今まで藍染みたいな顔や名前の隊士がいたら、刀を取り上げてへし折ってきたせいだ。
いや、藍染本人に出会えたから良かったものの、千年位してくると記憶に自信もなくなってくるので、取り敢えず似ていたらへし折ることにしていた。
この度めでたく本人を発見したので、今後もちょくちょくと目をかけて、伸びる前に潰すとしよう。
これで、藍染の方の問題は解決だ。
いや、成長する前の天才を理不尽に潰すのは、既に力を持った先輩の特権だな。
後は、ユーハバッハか。
対処法は解らないが、尸魂界の影に入るって事なんで、つまりそこら辺にいるって事だ。
というわけで、ユーハバッハの部下であるあいつらを常に馬鹿にしたりしていれば、暴発して出てくるやつもいると思った。
実際、馬鹿なやつが引っかかったので捕まえた。
色々吐かす前に自害されたのは残念だった。
スーパーマリオ3の白い足場の上で3秒しゃがんでいたらステージの裏側に行ける的な、影の世界への侵略方法を聞きたかったのだが、残念だった。
その他にも色々やっていたのだが、どれも上手くいかなかった。
そんなこんなで適当にやっていると、遂に零番隊に行くことになった。
零番隊は何かしらの功績がないと行けないのだが、俺は『全ての死神に嫌われる』という功績で零番隊に行けることになった。
同僚になった二枚屋からは、斬魄刀を折りまくった男として嫌われた様だが、まあ仕方ない。
俺は藍染が鬱になるくらい追い込んだ男だから、同僚に嫌われてもダメージはそんなに無い。
あと、零番隊に行くことになったのは、ぶっちゃけ隊長以下の隊士がいる通常の隊だと部下達が可哀想で仕方ないとか、そういう理由で、零番隊への昇進というよりは、ぶっちゃけ追放って感じがする。
まあ、そこからは行き詰まって結局ユーハバッハが来てしまった。
というわけで、和尚に頼んで百年違う時代から、夜を百夜持ってきて貰った。
…未来からじゃなくて過去から。
ユーハバッハが力を取り戻すには、900年かけて鼓動を取り戻し、90年かけて理性を取り戻し、9年かけて力を取り戻し~とかそんなのがあった。
つまり、100日の夜、つまり50日分の時間を無かったことにしたら、時間経過で強さが変わる奴には大痛手ということだ。
遊☆戯☆王のサイレントソードマンのレベルを下げたり、究極完全体の蛾を芋虫に戻したら弱いだろ? そういうことだ。
無理して強くなった敵に、それより強くなって戦う王道とかどうでも良い。
相手が自分達より弱くなったところをいたぶれば良いんだ。
…そっちの方が楽だろ?
後は和尚に俺をスーパー強くして貰ってユーハバッハをボコボコにして終わりだった。
和尚の世界初の卍解『しら筆一文字』で俺を最強キャラに書き換えて貰って、完全勝利ッ!!
これで、俺は世界中の女と金と酒を手に入れるぞ。
死神共よ、まだ大分生き残っている滅却師の男は殺し、女は犯せ。男でも美形なら犯してもいいぞ。
俺は俺以外に性欲を向けるならホモでもかまわん。
犯されて孕んでも、そんなのは知らん。責任など識る者か。勝手に孕んだ方が悪い――――――
―――――――そう思っていたときもありました。
「あんたが、責任取ってくれるなんてね。あの時は思わなかったわ」
兵主部一兵衛殿の、『しら筆一文字』で心も全て綺麗に書き換えられた
死神と滅却師の間の婚姻。
それも両陣営の幹部級のそれは、今後の平和な未来への希望を抱かせることにもなるでしょう。
真っ黒だった、私の心が
とはいえ、今の私にとっては、これが私ですし、気にすることでもないのでしょうね。
後書き――――無し
目次 感想へのリンク しおりを挟む