仮面ライダー龍騎 Dead or Alive (無い物ねだり)
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第一話 繰り返し

どうも、無い物ねだりです。

龍騎の二次創作を書きたくなったので作ってみました。

一話です、どうぞ。


まただ・・・

 

また死んでしまった・・・

 

もう何回繰り返したんだろう・・・

 

どうしてお前は・・・死んでしまうんだ・・・

 

残された時間は・・・あとわずかだ・・・

 

もう一度・・・もう一度だ・・・

 

 

 

 

 

 

 

?side

 

俺は今、二つの大きな出来事に直面している。

 

一つは猛烈な空腹。もうすぐ夕飯時だし、仕方のないことだ。

 

もう一つは、鏡に映っている

 

いや、鏡の中にいる怪物が俺を呼んでいることだ。

 

「何だよ、お前も腹が減っているのか?」

 

俺は鏡の前に立ち、カードデッキを鏡にかざした。

 

「変身!」

 

カードデッキをバックルに挿入すると、俺の姿は変わった。

 

赤き龍のライダー、仮面ライダー龍騎に。

 

 

 

 

 

 

 

ミラーワールド

 

簡単に言うと鏡の中の世界だ。

 

そこには人がおらず、代わりにミラーモンスターという怪物が住んでいる。

 

そんな世界になぜおれはいるのか。

 

それは、相棒のモンスターのドラグレッダーに餌を与えるためだ。

 

『グルァッ!』

 

「くっ!?」

 

死角からヤゴ型のミラーモンスター、シアゴーストが俺に向かって襲いかかってきた。

 

「ちょうどいい、こいつを倒すか。」

 

《SWORD VENT》

 

ドラグレッダーの頭部を模した左腕の召喚機《龍召機甲ドラグバイザー》にカードをセットした俺は

 

どこからか落ちてきた柳葉刀の姿をした武器、ドラグセイバーを手にし

 

再び襲いかかってきたシアゴーストの突進をかわし、背後をドラグセイバーで斬りつけた。

 

それでも、シアゴーストはひるむことなく間合いを詰めてくる。

 

「くそ、しぶとい奴だな。」

 

「おいおい、何一人で楽しんでんだ?」

 

「・・・っ!誰だ!」

 

「モンスター狩りもいいがよ、ライダーの敵はライダーってことを忘れんな!」

 

そんな台詞とともに、何もないところからヨーヨーのようなものが俺を攻撃した。

 

振り返ると、カメレオン型の怪物とその契約者のライダーが姿を現した。

 

「またお前か、高見沢!」

 

「はー、俺にはベルデっていうかっこいい名前があるんだぜ。そう呼んでくれないと・・・

 まぁいい、さぁライダーバトルを始めようぜ!」

 

《CLEAR VENT》

 

そういうと高見・・・ベルデは俺と同じくカードを使い、その姿を消した。

 

俺は仕方なくドラグセイバーを構えて戦う姿勢をとる。

 

しかし、姿の見えない相手にはまともに戦うことができない。

 

俺はされるがままにベルデの攻撃を受け続けた。

 

「いい加減出てこい!卑怯だぞ!」

 

「卑怯?馬鹿め、ライダーの戦いに卑怯もラッキョウもあるものか!」

 

「何!?・・・ぐはぁ」

 

ベルデはその姿を現し、俺に蹴りを入れる。

 

「おまえも知っているだろ、ライダーバトルを勝ち抜き最後の一人になったものが、

 自分の願いをかなえられると。そのためには、お前に死んでもらわなきゃいけないんだよ。」

 

「ッ・・・やぁ!」

 

「チッ、やりやがったな!」

 

俺はすかさずベルデの腹部に蹴りを当て、後ずさった隙にドラグバイザーの装填口を開け、

1枚のカードを入れる。

 

《ADVENT》

 

『グオォォォォォォォォォォン!!』

 

「!?何・・・うわぁ!」

 

『グルッ・・・グワァァァァァ!』

 

咆哮とともに俺の契約モンスター、ドラグレッダーが火炎弾を放ち、

 

ベルデやその契約モンスターを攻撃する。

 

「これで終わりだ!」

 

《FINAL VENT》

 

「はっ!!」

 

『グオォォォォォォォォォォン!!』

 

ファイナルベントのカードを装填した俺は大きく跳躍し、ドラグレッダーも俺に続いて

 

上空へ舞い上がる。ドラグレッダーが回転をしている間に、俺は大きく体を捻らせ

 

右足でキックを構えに出た。

 

『グオォン!』

 

「だぁーーーーーーっ!」

 

『グワァァァァァァァ!!!』

 

ドラグレッダーが噴き出す炎とともに、俺は必殺技《ドラゴンライダーキック》を

 

ベルデの契約モンスターに食らわせた。その一撃は、逃げようとしたモンスターの背中を貫き、

 

爆散させた。その光景を目の前に見せつけられたベルデは、自分の契約モンスターを倒されたことに

 

動揺を隠せないでいた。

 

「馬鹿な・・・俺のバイオグリーザが・・・うっ!!!」

 

次の瞬間、ベルデの姿が変わっていった。全身の色は明るいメタリックグリーンから灰色に変わり、

 

デッキにあったカメレオンのような紋章がなくなっていった。契約モンスターが倒され、パワーを失ったためだ。

 

「ふざけるな、ふざけるなぁぁぁ!俺はこんなところでは死なない、死なないんだよ!

 俺はライダーを倒して社長になるんだ、なるんだーーーーー!!!それを・・・お前はぁぁぁ!」

 

「・・・・・・願いをかなえるためには最後のひとりになるんだろ。」

 

「黙れぇ!お前のような甘ちゃんに倒される俺じゃない!

 なぜだ・・・なぜ負けたぁぁぁ!!!」

 

苛立ちに身を任せ、ベルデは俺に殴り掛かってきた。しかし、契約モンスターを失ったベルデには

 

俺と互角に戦う力はない。俺がパンチをかますと、ベルデは駐車場の車にぶつかり爆発した。

 

「悪いな、高見沢。俺にも叶えたい願いがあるんだ。」

 

高見沢の契約モンスター、バイオグリーザが倒されたところからエネルギーが放出された。

 

それをドラグレッダーに食べされることで、餌を与えたことになる。

 

「予想外だったけど、仕方ないよねドラグレッダー。」

 

俺はミラーワールドに入ってきた鏡から出ようとした。

 

そのときだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、おまえもライダーか?なら、俺と戦え。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《SWORD VENT》

 

「!? ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

俺の背中に、強烈な一撃が当たった。吹き飛ばされた俺の背後には、あいつがいた。

 

そう、俺の倒すべきあいつが。

 

「お前・・・浅倉・・・威・・・だな。」

 

「はぁん?そうだが。」

 

俺の後ろにいたのは、鈍器のような武器を持ったライダーが。

 

いや、浅倉威がいた。浅倉は武器を俺に向けた状態でけだるそうに言い放つ。

 

「お前、何処かであったか?」

 

「忘れたとは言わせないぞ。俺の父さんを、母さんを、妹を殺したこと。

 そして・・・美穂をあんな目に合わせたことを!!!」

 

「・・・あぁ、思い出した!お前、あのときのガキか。

 たくさん人殺しているから、思い出すのに時間がかかったぜぇ。」

 

「ふざけるなあぁぁぁ!」

 

《ADVENT》

 

『シャァァァァァッ!!』

 

「くっ!?」

 

浅倉の契約モンスター、ベノスネーカーが浅倉の後ろから出現し、俺に毒液を

 

吐いてきた。俺が毒液にひるんだすきに、浅倉が迫ってくる。

 

「なぜだ。なぜ美穂たちだったんだ。」

 

「なぜって。俺はライダーだぜ。モンスターに餌をやっていなかったからなぁ。

 コイツもすごく腹が減っていた。おまえの家族は餌にちょうど良かったんだよっ!」

 

「ぐほぉっ!?」

 

浅倉の攻撃とベノスネーカーの毒液に翻弄され、反撃する間もなく俺は攻撃され続けた。

 

高見沢との戦いで蓄積されたダメージもあるためか、思うように体が動かない。

 

浅倉は俺にとどめを刺すべく、カードデッキから1枚のカードを引き抜いた。

 

「なんだ、大したことないな。」

 

「ぜぇ・・・くそ、このままじゃ・・・」

 

「あばよ」

 

《FINAL VENT》

 

浅倉とベノスネーカーが必殺技の構えに出る。俺には技をよける力がなかった。

 

もうだめか・・・、そう思っていた時だった。

 

「そこまでだ。」

 

「何?」

 

「お・・・お前・・・は・・・!」

 

突如として現れたのは、ライダーバトルの主催者である神崎士郎だった。

 

「まさかこんな事態になるとは。想定外だ。」

 

「お前、何言ってんだ?俺をイライラさせるな!」

 

浅倉が殴り掛かったところに、神崎はいなかった。

 

神崎はいつのまにか、浅倉の後ろに立っていた。

 

「このままでは駄目だ。」

 

「あぁん?」

 

「・・・変身」

 

神崎はカードデッキを取り出し、俺たちと同じく仮面ライダーに変身した。

 

だがその姿は俺たちと違って、神々しく光っていた。

 

「私は仮面ライダーオーディン。この戦いは無効だ。」

 

「お前・・・何を、言って・・・」

 

《TIME VENT》

 

「さぁもう一度、もう一度だ・・・」

 

神崎が、オーディンが謎のカードを使うと、その姿が鏡が割れたかのように崩れた。

 

すると、周りの景色が、浅倉の体が、そして自分の体が崩れていった。

 

「何だ・・・これ・・・何が・・・どう・・・なっ・・・て・・・」

 

意識が遠くなっていく。何かがおかしい。

 

すると、俺の頭の中に次々と情報が流れ込んできた。

 

浅倉が俺の家族を殺したこと。神崎にカードデッキを渡された日のこと。

 

ライダーとして、モンスターやほかのライダーたちと戦ってきたこと。

 

そして、思い出した。

 

今日までの出来事を何度も何度も

 

繰り返していることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで。

感想、評価などよろしくお願いします。

では。


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