ラブライブ!るーきーず!! (山本富士)
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第1章 ラブライブ!スターズ!!
プロローグ 「Sirius」



μ's優勝から10年、Aqours優勝から5年経った2024年4月…新たなスクールアイドルが「輝き」を掴むためラブライブ!を目指します。

第1章「ラブライブ!スターズ!!」

舞台は未来の音ノ木坂学院。
この時代のスクールアイドルの名は…


 

プロローグ

 

「Sirius」

 

 

 

2017年7月

アメリカ ロサンゼルス…

 

 

日が暮れて空が暗くなって来た頃、1人の少女が家の外にある椅子に座って空を見上げている。

 

 

「ねぇねぇ唯お姉ちゃん何見てるの〜?」

 

 

…ふとその時妹と思われる女の子が近づいて来る。

年はまだ小学生くらいだろうか。

 

空を見上げていた少女の名前は唯と言うようだ。

 

 

唯  「…お星様を見てたんだよ瑠衣!」

 

 

唯は微笑んで瑠衣と言う名の妹に答える。

 

瑠衣  「ふ〜ん… お星様綺麗だもんね!瑠衣も好きだよ!……でもまだあんまり見えないね。」

 

目を凝らして星を探す瑠衣。

 

唯  「ううん。お星様はどんな時だってお空で輝いているんだよ?……それにホラ!一つだけ…ね!」

 

ある一点を見つめながら話す唯。

 

瑠衣  「え?……あ!ほんとだ〜!1番星み〜つけた〜!」

 

 

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唯  「…あのお星様はね…お空で1番明るくて…いつでも唯のお願いを聞いてくれるんだ!」

 

ニッコリ笑う唯。

 

瑠衣  「1番明るいんだ!お姉ちゃん何をお願いしてたの〜?」

 

 

唯  「……いつか……いつか憧れのμ’sに会えますように!って……それと生まれ変わったら元気な身体でスクールアイドルをやれますように!って…」

 

目を閉じて囁くように答える唯。

 

 

瑠衣  「お姉ちゃん………じゃあ…じゃあさ!瑠衣がさ!…お姉ちゃんの分までスクールアイドルやるよ!」

 

小さな拳を握る瑠衣。

 

唯  「本当に?…じゃあお願い一個追加だな!瑠衣がラブライブに出れますように!って…」

 

瑠衣に向かってウィンクする唯。

 

瑠衣  「うん!絶対ラブライブに出るであります!

ケイレイ ……ねぇお姉ちゃん?」

 

唯  「ん?」

 

瑠衣  「あのお星様のお名前……なんてゆーの?」

 

唯の腕を掴んで先程見つけた一番星を指差して尋ねる瑠衣。

腕に乗った瑠衣の手を握って唯は答えた。

 

 

唯  「あのお星様のお名前はね……

 

『シリウス』だよ…」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

7年後…2024年6月9日

関東スクールアイドルフェスタ舞台裏…

 

 

スクールアイドルのライブステージの裏に出番をドキドキしながら待つ9人の少女達がいた。

ちなみにこのスクールアイドルイベントの出場者リストの一番上に彼女達の学校名、グループ名、メンバーの名前が掲載されていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【関東スクールアイドルフェスタ出場者リスト】

 

No1 音ノ木坂学院 「Sirius」

 

1年

卯月ツバメ

葉月向日葵

神無月ルミ

 

2年

長月瑠衣

霜月霞

師走茉央

 

3年

轟弥生

島村皐月

如月野乃花

 

No2 埼玉花咲学院 「〜〜〜〜」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

霞 「ま、まさか私達がトップバッターとは…それに…ねぇ…ほんとにやるの?」

 

青い顔で尋ねるオレンジ色のショートカット2年生の霞。

 

 

瑠衣 「当たり前でしょ!瑠衣9人でやるの楽しみにしてたんだから!」

 

満面の笑みで答える同じく2年生、瑠衣。

ピンク色のロングヘアーに右上にサイドテールが付いている。

 

 

茉央 「ホラ!やるならさっさとやるわよ!」

 

ツンツンしながら言う同じく2年生、茉央。

紫色の髪を左サイドで結んでいる。

 

 

ツバメ 「やろうやろう!」

 

ニコニコ笑顔の1年生、ツバメ。

アッシュグレーのショートカット。

 

 

向日葵 「…や、やるです!」

 

若干強張った表情の1年生、向日葵。

黒髪サラサラヘアーのセミロング。

眼鏡が良く似合っている。

 

 

ルミ 「…や、やろぉー…」

 

照れながら声を出す1年生、ルミ。

空色のオカッパヘアーに長いツインテールが付いている。

 

 

弥生 「みんなやる気満々じゃん!」

 

ニカッと笑う3年生弥生。

ネイビーブルーの髪をポニーテールにしている。

 

 

皐月 「私もやる気マンマンだよ!やっちゃん!」

ガッツポーズをしながら気合いを見せる3年生皐月。

赤ワイン色のウェイビーなロングヘアー。

 

 

野乃花 「マンマンよ…やる気…私も…♡」

 

顔を赤らめて呟く3年生の野乃花。

エメラルドグリーンの長い髪を両サイドで三つ編みにしている。

 

 

弥生 「何で顔紅潮させてんの?野乃花…」

 

ジト目で野乃花に尋ねる弥生。

 

野乃花 「だって…(みんな可愛いし…何よりカスミンとこれから同じステージに…♡)」

 

頬っぺたに手を当てモジモジし出す野乃花に他の8人は若干引いている。

 

 

瑠衣 「まぁ…と、とにかく!みんな…

 

行こう!!」

 

メンバーを見回す「Sirius」リーダー、瑠衣。

 

笑顔で頷く他の8人。

 

 

瑠衣 「…Siriusファーストライブ!

 

…誰よりも高く跳ぼう!」

 

 

「スゥ〜…」

 

 

 

 

瑠衣 「一番ぼ〜し♪」

 

霞 「二番星! テレ」

 

ツバメ 「三番ぼ〜し♪」

 

向日葵 「四番ぼ〜し♪」

 

野乃花 「五番ぼ〜し♡」

 

弥生 「六番ぼ〜し♪」

 

皐月 「七番ぼ〜し♪」

 

茉央 「八番ぼ〜し♪ テレ」

 

ルミ 「九番ぼ…し♪」

 

 

瑠衣 「せ〜の!!」

 

全員 「みぃ〜つけた!!」

 

 

瑠衣 「シリウス〜〜!」

 

 

全員 「フライ〜ハァ〜〜イ!!」

 

 

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この物語の過去の話であるラブライブ!イフストーリー、「行き当たりバッタリイフライブ!」と同時進行で少しづつ話を進めて行きます!

歳を重ねたμ'sとAqoursも徐々に登場予定です!

次回、第1話「一番星み〜つけた!」


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第1話 「一番星み〜つけた!」

 

関東スクールアイドルフェスタから遡る事2ヶ月…

 

〈2024年4月、音ノ木坂学院…〉

 

かつて伝説のスクールアイドル「μ's」を産んだ音ノ木坂学院。

新学年、新学期2日目、その学院の2年E組と書かれた教室のドアを1人の女生徒が開くところからこの物語は始まる。

 

 

『ガラッ』

 

 

女生徒「あ!瑠衣ちゃんお早う!勧誘はどう…だっ……た?(こ、この落ち込みようは…)」

 

自分の席で下を向いて落ち込んでいる「瑠衣」と呼ばれた生徒が顔を少し動かして女生徒を見る。ピンク色の長い髪の右側にサイドテールが付いている。暗い顔をしているが美少女だ。

 

瑠衣 「…おはよー…友美ちん。」

 

弱々しく挨拶する瑠衣。

どうやら女生徒の名前は「友美」と言うようだ。

 

友美 「今日も…駄目…だった?」

 

瑠衣 「…おかしい。」

 

友美 「え?」

 

瑠衣 「だってそうでしょ!?ここはあの伝説のスクールアイドルが産まれた伝説の音ノ木坂学院なんだよ!?…何で?…何でだれもアイドル部に入ってくれないの!???」

 

瑠衣の机の上にはアイドル部勧誘チラシの分厚い束が置かれている。

どうやらほとんど受け取ってもらえなかったようだ。

 

友美 「う〜ん…やっぱり今の音ノ木坂はスクールアイドルより進学校のイメージが強いからな〜…5年前まではスクールアイドルで有名だったけど…」

 

顎に手を当てて瑠衣に答える友美。

 

瑠衣 「…瑠衣は…瑠衣はね!ともちん!」

 

友美 「は、はい!」

 

瑠衣 「どうしても…ど〜〜〜…ぅしても!μ’sみたくなりたくて今や超難関の音ノ木坂に入るために超嫌いな勉強を超頑張ってなんとか入学したんだよ!?…それなのに…それなのに!どうしてスクールアイドルやりたい子が全然いないの!?」

 

ウルウルした瞳でやり場のない憤りを訴える瑠衣。

 

友美 「そ、そっか。確かに瑠衣ちゃん中学のとき勉強苦手だったもんね…でも一年の時はアイドル部5人いたんでしょ?」

 

瑠衣 「…いたけど…すぐ3人は辞めちゃうし…授業についていけないからって…」

 

目を逸らしながら話す瑠衣。

 

友美 「…もう1人は?…確か凄い可愛い子だった気が…」

 

瑠衣 「うん…瑠衣よりやる気もあったんだけど…『こんなところじゃアイ活は出来ないわよ!』って結局…今は…」

 

友美 「る、瑠衣ちゃんよりもやる気あったの?…今は?」

 

 

瑠衣 「今は……

 

…ねぇともちん?」

 

友美 「え?」

 

瑠衣 「あの…1番後ろの窓際で本読んでるメガネの子…だれ?」

 

ふと瑠衣の視界に見たことがない生徒が映り目が止まる。

昨日は空席だった場所に明るいオレンジ色のショートカットの美少女が座って読書をしていた。

眼鏡の中に大きな瞳と長いまつ毛を覗かせている。

 

友美 「あ、ああ…昨日の始業式風邪で休んでた…確か…

『霜月』さん…かな?」

 

 

瑠衣 「……可愛い…」

 

 

友美 「あ、ああ確かに…。そう言えば友達から私達のクラスにショートカットでクールビューティの子がいるって聞いたけど…もしかして霜月さんの事…かな?…ってあれ?瑠衣ちゃん?」

 

いつのまにか友美の隣にいた瑠衣が消えている。

 

 

 

瑠衣 「…あの〜…」

 

霜月 「はい? 」

 

突然知らない生徒に話しかけられて読書を中断し不機嫌そうな様子で眼鏡を外す霜月。

 

 

 

瑠衣 「………ヤバイ…」

 

 

霜月 「はぁ?」

 

怪訝な顔を瑠衣に向ける霜月。

 

 

瑠衣 「メガネないと…さらに………

 

 

 

…可愛い〜!!」

 

 

 

霜月 「な、なに?いきなり!?」

 

出会いがしらに褒め言葉を浴びせられ真っ赤な顔になる霜月。

 

 

 

瑠衣 「赤くなった!超可愛い!ハラショー!」

 

手をブンブン振りながら興奮する瑠衣。

 

 

霜月 「…な、何なの!?あんたは!ハ、ハラショー?」

 

 

瑠衣 「…見つけた…」

 

 

霜月 「ハァ?」

 

一人で突っ走る瑠衣に付いていけない霜月。

 

 

瑠衣 「一番星…」

 

霜月 「い、一番星?」

 

 

瑠衣 「一番星…みぃ〜つけた☆」

 

 

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この物語の11年前、同じ音ノ木坂学院で高坂穂乃果が廃校の知らせを見て気を失ったそうな…。

次回、「カスミン」


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第2話 カスミン


かつてスクールアイドルμ'sの活躍により廃校を免れた音ノ木坂学院。

11年後の1学期2日目の朝、2年E組の教室に青空が見える時間帯とは思えないセリフが突然こだました…。


 

瑠衣 「一番星み〜つけた!」

 

『ザワザワ』

『クスクス…』

 

突然大声で瑠衣が発したセリフに周りの生徒がざわめき瑠衣と霜月の方に視線を向ける。

 

 

霜月 「ちょっ……何!?一体なん…」

 

瑠衣 「初めまして!私…

 

『長月瑠衣』

 

って言います!

 

霜月さんだよね!?下のお名前は何て言うの!?」

 

真っ赤な顔で瑠衣に文句を言おうとする霜月をさえぎりハイテンションで話し出す瑠衣。

 

 

 

霜月 「………『霞』。」

 

瑠衣とは視線を合わせずボソッと答える霜月霞。

 

瑠衣 「霞…霜月…カスミ…なんかカッコイイ!!アダ名はカスミンだね♪」

 

霞 「カ、カスミン?」

 

いきなりあだ名を付けられ変な声が出てしまう霞。

ニコニコしながら瑠衣は話し続ける。

 

瑠衣 「……それで…いきなりなんですが〜……

 

瑠衣と一緒に……」

 

後ろに手を組んでモジモジしながら上目遣いで霞を見る瑠衣。

 

霞 「…は?一緒に?」

 

怪訝な顔をする霞。

 

 

瑠衣「『スクールアイドル』…やりませんか!?」

 

『シ〜ン…』

 

いつのまにか二人の会話を聞いていた周りの生徒がシーンとなる。

 

 

 

霞 「……ハハッ。」

 

長いまつ毛の目を閉じて静かに笑う霞。

 

瑠衣 「あ!カスミン笑ってる!…ということは!?」

 

ご褒美をもらう時の犬のように目を輝かせる瑠衣。

 

霞 「…あのさ…「ナガツキ」さん…だっけ?」

 

ゆっくり話し出す霞。

 

瑠衣 「うん!長月瑠衣!『瑠衣』って呼んでね!」

 

霞「フゥ〜…。」

 

ニコニコ笑顔の瑠衣に霞は溜め息をついてから再び話し出す。

 

霞 「……ナガツキさん?馴れ馴れしいって言葉は分かるよね?進学校の音ノ木坂にいるんだから…」

 

瑠衣 「あ…カスミンはやだった?やっぱり最初はカスミちゃんの方が〜…」

 

片方の手に肘を乗せ顎に指を当てて呼び方の第二候補を提案する瑠衣。

 

霞 「そうじゃなくて!…まず第一に私は読書を邪魔されるのが大っ嫌い!第二に朝からテンション高い奴も嫌い!!第三に初対面でアダ名とかで呼ぶ奴も嫌い!!!第四にスクールアイドルって何!!!?第五に『一番星みぃ〜つけた!』って私はお星様じゃないから!!!!!」

 

早口で瑠衣に文句を言い切る霞。

 

いつのまにか教室中がシーンとしている。

 

 

瑠衣 「……一番星って言うのはね?瑠衣がその日見つけた最初に金ピカなことをそうやって表現してるんだけど…」

 

霞をなだめる様に笑顔で説明する瑠衣。

 

霞 「…とにかく!…続き読みたいから!邪魔しないで!」

 

不機嫌にそう言うと再び眼鏡をかけて読書を再開する霞。

 

瑠衣 「……スクール…アイドルって言うのはね?」

 

なおも笑顔で霞に話し掛ける瑠衣。

 

 

友美 「る、瑠衣ちゃん!とりあえずあっち行こ?…霜月さんゴメンね…」

 

不穏な空気を感じて瑠衣を霞から遠ざけようとする友美。

 

霞 「………。」

 

眉が吊り上がったまま霞は読書を続ける。

 

 

瑠衣 「あ…カスミン…じゃなくて霜月さんが読んでるのって…!」

 

友美に引っ張られながら霞が読んでる本に目が行く瑠衣。

 

友美 「る、瑠衣ちゃん!」

 

 

キッと瑠衣を睨みつける霞。

 

霞 「…だからいい加減に!」

 

 

瑠衣 「…やっぱり!それ『火星兄弟』の最新刊だよね!?」

 

霞が読んでいた本はどうやら漫画のようだ。

 

友美 「ご、ごめんね霜月さん!もう邪魔しないから!…瑠衣ちゃん!行こ?」

 

これ以上霞を刺激しないよう瑠衣を急かす友美。

周りの生徒もハラハラしながら成り行きを見守っている。

 

 

霞 「…そう…だけど…」

 

 

友美 「へ?」

 

 

意外な霞の反応に素っ頓狂な声を出してしまう友美。

 

瑠衣 「…やっぱり!もう出てたんだ!」

 

嬉しそうに言う瑠衣。

 

霞 「…今日発売だから…コンビニで買って…」

 

何故か顔を赤らめて話す霞。

 

瑠衣 「それめっちゃ面白いよね〜!瑠衣全巻持ってるよ〜!…あっ…でもお小遣い日前だからまだ…買えないや…」

 

肩を落としてガッカリする瑠衣。

瑠衣はとにかく身体で感情を表現する。

 

霞 「…………読む?」

 

瑠衣とは視線を合わせずに話す霞。

 

瑠衣 「え?」

 

ポカンとした顔をする瑠衣。

 

 

霞 「私が…読み終わったら。」

 

瑠衣 「え……い、いいの!?

 

目を丸くして驚く瑠衣。

 

 

霞 「まぁあんたが自分で買ってから読みたいなら別に…いいけど。」

 

真っ赤な顔でぶっきら棒に言う霞。

霞の肌は白いので照れてるのがわかりやすい。

 

瑠衣 「ありがと〜!カスミ〜ン!!♡♡」

 

 

『ギュッ』

 

霞の両手を握り締める瑠衣。

 

 

霞 「ちょっ…あんた何ドサクサに紛れて手を…!そ、それに呼び方!」

 

アワアワしながら文句を言う霞。

 

 

瑠衣 「約束だよ!カスミン♡」

 

満面の笑みを霞に向ける瑠衣。

 

 

霞 「…………うん。」

 

そう言うと霞は頬を染めてコクンと小さく頷いた。

 

 

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2年E組生徒全員

『(カ、カワイイ!!)』

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No1

長月瑠衣

 

【挿絵表示】

 




カワイイ!

ツンデレクールビューティキャラは最高ですね。

次の話はあの人とあの人とあの人のお母さんが登場します(笑)

次回、「伝説のスクールアイドル」


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第3話 伝説のスクールアイドル


この物語の中では浦の星女学院は存続した設定になっているのでよろしくお願いします。


 

〜音ノ木坂学院で瑠衣と霞が出会う前日〜

 

〈沼津、浦の星女学院…〉

 

千歌 「エエェ〜〜!!?お、音ノ木坂…ですか!!?」

 

2024年度浦の星女学院始業式の朝、理事長室からかつてのスクールアイドル『Aqours』のリーダー、高海千歌の声が鳴り響いた。

千歌はこの春から国語教師として浦女で勤務する事になっていたのだ。

 

ことりママ 「そ、想像通りのリアクションね…」

 

5年前、小原鞠莉から理事長職を引き継いだ元・スクールアイドルμ'sの南ことりの母である南理事長が千歌の目の前に座っていた。

 

千歌 「ど、どういうことです!?私は浦の星の先生になりたくて頑張って教員採用試験を受けて…それで採用してくれたんじゃないんです!?」

 

南理事長に食ってかかる千歌。

 

南理事長 「そう…だったんだけどね。ちょっと事情があって…高海さんには是非とも音ノ木坂学院に行って欲しいのよ…」

 

落ち着いた口調で話す南理事長。

 

千歌 「事情って…一体何なんです!?」

 

中々事態が飲み込めないままの千歌。

 

南理事長 「…それはね…」

 

 

『千歌さん!』

 

その時凛とした声色の誰かが千歌の名を呼んだ。

 

 

千歌 「ダ、ダイヤちゃん!」

 

声の主は千歌と同じく元・スクールアイドル『Aqours』の黒澤ダイヤだった。

ダイヤは千歌よりも1年早く浦の星の教師として教鞭を奮っていた。

ちなみに担当教科は社会だ。

 

 

ダイヤ 「お早うございます理事長。…それと『高海先生』!」

 

爽やかな笑顔で二人に挨拶するダイヤ。

 

理事長 「あら黒澤先生!お早う!」

 

千歌 「ダ、ダイヤちゃん〜!高海先生だなんてぇ〜照れるでありますぅ〜!」

 

両手を前で組みモジモジクネクネし出す高海千歌先生。

 

 

ダイヤ 「(ち、千歌…チャン…もう学生じゃないのだからここでダ、ダイヤちゃんはまずいですわ ヒソヒソ )」

 

赤い顔で千歌の耳元で注意する黒澤ダイヤ先生。

 

千歌 「(じゃ、じゃあ何て呼べばいいの? ヒソヒソ )」

 

ダイヤ 「(…「黒澤先生」…ですわ!ヒソヒソ )」

 

千歌 「(え〜?…じゃあ「ダイヤ先生」は? ヒソヒソ )」

 

ダイヤ 「(…そ、それでも構いませんわ ヒソヒソ )」

 

 

南理事長 「…黒澤先生?」

 

少し困った顔で二人のやりとりに口を挟むことりママ、南理事長。

 

 

ダイヤ 「し、失礼致しました!…ウホンッ!…高海先生?」

 

 

千歌 「はい!ダイヤ先生!」

 

 

ダイヤ 「あなたももう社会人なのだから雇用主である南理事長に逆らったりするのは…

 

『ブッブ〜!』ですわ!

 

…浦女で働きたいあなたのお気持ちもわかりますが…あなたはもう駄々をこねられる立場ではありませんのよ?」

 

千歌を真っ直ぐ見つめて話すダイヤ。

 

千歌 「それは…そうかもしれないけど…」

 

 

南理事長 「…ごめんね高海先生。とにかく理由を説明するわね。」

 

 

…………………

 

…………………

 

 

千歌 「…そうだったんです…か…」

 

南理事長 「ええ…高海先生も会ったこと…あるんでしょ?」

 

微笑んで千歌に尋ねる理事長。

 

千歌 「いえ…私は会ったというか…5年前に一度見たことある位で…」

 

南理事長 「…どうかしら?力を貸してもらえない?」

 

千歌 「…でもそれなら…ダイヤちゃん

 

ダイヤ 『ウホンッ!』

 

…ダ、ダイヤ先生の方がいいんじゃ〜…今の音ノ木坂は超進学校だし…私じゃ…

…それにラブライブの優勝経験があるのもダイヤちゃ…先生も同じですよ?」

 

ダイヤ 「高海先生?理事長は…かつてラブライブでわたくしたち「Aqours」を優勝に導いた伝説のスクールアイドル…「高海千歌」にお願いしたい、と仰っているのですわよ?」

 

優しく千歌に言うダイヤ。

 

千歌 「で、伝説のスクールアイドルって!

…それを言ったらダイヤちゃ…先生だって!」

 

恥ずかしそうに言う千歌。

 

 

南理事長 「…ほんとはね。黒澤先生にも頼もうかと思ったんだけど…黒澤先生はもう浦の星のスクールアイドルを見て貰っているし…それにね?他にして欲しいこともあるのよ…」

 

 

千歌 「他にして欲しい…こと?」

 

 

南理事長 「……高海先生?」

 

 

千歌 「は、はい!」

 

まだ呼ばれ慣れない呼び方をされてこそばゆい感じがする千歌。

 

 

南理事長 「…さっきも言ったけど…今の音ノ木坂は確かに進学校経営コンサルタントのお陰で生徒数も倍増したわ。…でもね?スクールアイドルが活躍していた笑顔溢れる5年前までの音ノ木坂とは全く違う雰囲気になってしまった…

経営者の立場としては甘いことばかり言ってられないのだけれど…やっぱり好かれる学校でいて欲しいのよ!生徒からも…働く先生からも…私自身からも。」

 

窓の外で部活動の朝練をする生徒を見ながら話す南理事長。

 

千歌 「理事長…」

 

ダイヤ 「理事長…」

 

 

南理事長 「色々調整に手間取ってしまって勤務初日から無理を頼むことになってしまって申し訳ないんだけれど…

 

…今の音ノ木坂学院でまたμ’sのようになろうとしているスクールアイドル…

 

「Sirius(シリウス)」

 

…のリーダー長月瑠衣ちゃんに…力を貸してあげてくれないかしら?」

 

笑顔で千歌に頼む南理事長。

 

 

千歌 「…「Sirius」…長月瑠衣ちゃん…

 

…唯ちゃんの妹の…

 

………………

 

……クスッ……μ’sみたく…か…

 

 

(スクールアイドルAqoursです!私達の目標は…「μ’s」です!)

 

 

 

………わかりました!わたくし元Aqoursのリーダー高海千歌が…

 

音ノ木坂学院スクールアイドル…

 

「Sirius」の顧問…引き受けます!」

 

ニコッと笑ってはっきりと言う千歌。

 

 

南理事長 「本当に!?高海先生!」

 

ダイヤ 「千歌ちゃん!

 

……ウホンッ…高海先生!」

 

 

 

千歌 「今の音ノ木坂に…

 

 

もう一度…

 

 

μ’sに負けない伝説のスクールアイドルを誕生させます!!」

 

かつてのAqoursのリーダー高海千歌は笑顔でそう宣言した。

 

 

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ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No2

霜月霞

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




千歌っちはまだ1人しかいない「Sirius」をμ'sやAqoursのように育てる事が出来るのか!?

そしてことりママがダイヤ先生に頼みたい事とは果たして何なのか?

次回、「星空の始まり」


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第4話 星空の始まり


かつて音ノ木坂学院と言えば誰もが「スクールアイドル」を思い浮かべた。しかし超進学校へと変貌を遂げた2024年時の音ノ木坂は最早誰もスクールアイドルの事を口にしなくなっていた。あの伝説の「μ's」の名前さえも…。


 

〜長月瑠衣と霜月霞が出会った翌日の朝〜

 

 

〈音ノ木坂学院…〉

 

校門へと続く階段の下の通りにスマホをスクロールしている可愛らしい小さな女の子が立っていた。

制服の襟元に一年生色の水色のリボンを付けている。アッシュグレーの髪色で前髪がやや長めのショートカットだ。

先程から少女がスマホで見ている画像の検索欄には「2024年 春 ファッションコーデ」と入力されている。

 

 

『ツバメちゃ〜ん!』

 

 

ツバメという可愛い鳥類系の名前を呼ばれた少女。

嬉しそうに声がした方に顔を向ける。

 

ツバメ 「…あ!お早う!ひまちゃん!」

 

笑顔で友達の『ひまちゃん』に挨拶するツバメ。

 

ひまちゃん 「ハァハァ…お、お早うです!ツバメちゃん!ハァハァ…」

 

息を切らしながらお早うを言う『ひまちゃん』は小さなツバメとほぼ同じ身長で負けじと可愛らしい顔をしている。サラサラな黒髪セミロングヘアに赤い眼鏡がよく似合っている。

 

ツバメ 「ひまちゃん…走って来たの?」

 

息を切らす友達に尋ねるツバメ。

 

ひまちゃん 「はい!その…昨日遅くまで実験していたので…寝坊した…です…」

 

バツが悪そうに言うひまちゃん。

 

ツバメ 「そうなんだ…昨日は何の実験?」

 

ニコッと笑顔で尋ねるツバメ。

 

ひまちゃん 「…朝最高にスッキリした気分で目覚める栄養ドリンクを作っていて……最悪の気分で目覚めたです…」

 

最悪の気分の表情で説明するひまちゃん。

 

ツバメ 「…ド、ドンマイだよ!ひまちゃん!」

 

ひまちゃん 「で、でももうほぼ完成してるから出来たらツバメちゃんに…プレゼントするです!」

 

ツバメ 「ほんとに?楽しみだな〜♪」

 

嬉しそうに言うツバメ。

 

 

 

『ガサ ガサ…』

 

その時校門を通るツバメとひまちゃんを付近の茂みから覗く怪しい人影が動いた。

 

 

?「か、可愛い…。あのちっちゃいショートカットの子が…あのμ’sのことりちゃんの従姉妹『卯月ツバメ』なのね…それに隣の眼鏡っ娘は一年生美少女リスト上位の『葉月向日葵(ひまわり)』……」

 

どうやらツバメは「卯月ツバメ」、ひまちゃんは「葉月向日葵」と言う名前のようだ。

 

?「と、とりあえず二人ともスマホに収めて…」

 

二人にスマホを向け、拡大させる怪しい人影。

 

 

「何を…やっているの?二年D組…

 

 

『師走(しわす)茉央』さん?」

 

 

怪しい人影は音ノ木坂の二年生で「師走茉央」と言うらしい。

よく見ると彼女もかなり美少女だが少しキツそうな顔つきをしている。

紫色の髪を左サイドでアップにしている。

 

 

茉央 「え?…チラ

 

あ!…せ、生徒会長の…!」

 

 

生徒会長「はい!生徒会長の…

 

 

『如月(きさらぎ)野乃花』よ?」

 

キラキラした笑顔で自己紹介する生徒会長「如月野乃花」。

襟元のリボンは三年生色の緑だ。

エメラルドグリーンの髪を三つ編みにしていて整った綺麗な顔立ちをしている。

 

 

茉央 「あ…私はただ…朝の爽やかな風景の写真を撮ろうかな〜って。」

 

笑って誤魔化す茉央。

 

野乃花 「フフ…誤魔化しても無駄よ?…『卯月ツバメ』さん…あの「μ’s」の南ことりさんの従姉妹さん…可愛いわよね♡さらに5年前のラブライブ、別名『ラブライブ!サンシャイン!!』で第3位に輝いた音ノ木坂のスクールアイドル「Eden」のリーダー卯月ヒヨコさんの妹さん…素敵だわ…♡♡」

 

ウットリした表情で校舎に向かうツバメの背中を見ながら饒舌に語る生徒会長・如月野乃花。

 

茉央 「え!?せ、生徒会長も知ってるんです…か?そ、そんな細かいことまで!?」

 

スクールアイドルが廃れた今の音ノ木坂で自分以外に「μ's」や「Eden」の事を語る人がいた事に、しかもそれが超進学校となった音ノ木坂の頂点にいる生徒会長である事に驚くアイドルマニアの茉央。

 

野乃花 「へ?…そ、それは…生徒会長たるもの新入生のことは…さ、最低限知っておかないといけないもの!」

 

冷静を装って喋る野乃花。

 

茉央 「…今のが最低限?」

 

ジト目で野乃花を見る茉央。

 

 

野乃花 「と、とにかく!こんなとこで盗撮してないで早く教室に行きなさい!あなた遅刻の常習犯なんだから!」

 

焦っている事を誤魔化すように茉央を叱る野乃花。

 

茉央 「わ、わかったわよ!(クッ…こ、この為に早起きしたって言うのに…!)」

 

恨めしそうな目を野乃花に向けながら校舎に向かって歩き出す茉央。

 

 

野乃花 「フゥ…(焦ったわ…)さて…ツバメちゃんも可愛いけれど…

 

 

もうすぐ…

 

もうすぐ…

 

もうすぐ!

 

 

もうすぐ今日も会えるのね!!」

 

急に頬を染めてソワソワし出す野乃花。

 

 

【挿絵表示】

 

 

…するとピリッとした雰囲気の少女が階段を登り切り校門の前にいる野乃花に向かって近付いてきた。

 

 

野乃花 「(あ!き、来たわ!)」

 

目が♡になる野乃花。

 

 

野乃花 「お、お早う!霜月さ…」

 

 

 

瑠衣「おっはよ〜!カッスミ〜ン♡」

 

 

霞 「…………シャカシャカ♪」

 

 

瑠衣 「あれ?カスミ〜ン?」

 

 

霞 「…………シャカシャカ♪」

 

 

瑠衣 「あ!音楽聴いてるから…

 

えい!」

 

反応してくれない霞のイヤホンの片方を笑顔で外す瑠衣。

 

霞 「…ちょっ!何すんのよ!」

 

瑠衣 「お早うカスミン!何聴いてるの?」

 

霞 「べ、別に何だって…」

 

瑠衣 「どれどれ?シャカシャカ♪」

 

目を閉じて霞のイヤホンの片方を耳に付ける瑠衣。

 

 

瑠衣 「……あ!これ…

 

 

『火星兄弟』の主題歌だ!

 

めっ………ちゃ!いい曲だよね♪♪」

 

 

霞 「……………うん。」

 

頬を染めて頷く霞。

 

 

瑠衣 「あ〜♡やっぱカスミん可愛い〜!ハラショ〜♡」

 

 

霞 「…またそれ?…あんたロシア人に知り合いでもいるの?」

 

ジト目で瑠衣に聞く霞。

 

瑠衣 「うん♪…クォーター?って言ってたかな?…ていうかカスミンμ’sのエリーチカさんって知らない?その人なんだけど…」

 

嬉しそうに言う瑠衣。

 

 

霞 「ミューズ?…石鹸の?」

 

 

瑠衣 「いやいや違くて!スクールアイドルの……カスミン…ほんとにμ’s…ていうかスクールアイドル知らないの?」

 

 

霞 「…知らない。」

 

 

瑠衣 「じゃ、じゃあ…五年前のラブライブでμ'sと奇跡のライブをやったあの『Aqours』も?」

 

 

霞 「アクア?…水?…知らない。」

 

 

瑠衣 「そっか〜…じゃあこれから瑠衣が1から教えて…」

 

瑠衣が腰に手を当て人差し指を立てて霞に言い掛けたその時…

 

 

野乃花『ちょっとあなた!』

 

 

瑠衣 「へ?」

 

素っ頓狂な声を出す瑠衣。

 

 

霞 「あ…」

 

 

野乃花 「…ゴホンッ…

 

 

お早うカスミン♡」

 

 

瑠衣・霞 「…………カス…ミン?」

 

ポカンとした顔をする二人。

 

 

野乃花 「……(ま、間違えた!!)

 

 

………お早う霜月さん♡」

 

何事も無かったかのように言い直す超進学校の頂点にいる生徒会長・如月野乃花。

 

 

霞 「……どうも。」

 

目を合わさず挨拶する霞。

 

野乃花 「ウフ♡(あ〜〜!!これで

今日も一日生きていけるわぁ〜♡♡♡)

 

 

瑠衣 「生徒会長さん…お早う…ございます!」

 

少し言いづらそうに挨拶する瑠衣。

 

 

野乃花 「あら…長月瑠衣さん…お早う…

 

……ところであなた…随分とカスミン…ん〜ん〜!!

 

…霜月さんと仲がいいのね?」

 

キラキラした笑顔で尋ねる野乃花。

 

瑠衣 「はい!昨日お友達になりました♪漫画の貸し借りをする程仲良しです!」

 

ニコニコ嬉しそうに言う瑠衣。

 

霞 「べ、別に大して仲良くなんて…」

 

赤い顔で否定する霞。

 

野乃霞 「ピクピク……漫画の…貸し…借り!?カスミン…霜月さんと!?」

 

野乃花のキラキラ笑顔が引きつる。

 

瑠衣 「はい!『火星兄弟』知らないですか?超面白いですよ♪」

 

野乃花 「私はあまり漫画は…読まないから…(後でアマゾンで注文しなきゃ!)

 

…それから…さっき私の聞き間違えじゃなければ…長月さん?あなた…μ’sの絢瀬絵里さんと知り合いだとか?」

 

口元だけ笑って瑠衣に尋ねる野乃花。

 

 

瑠衣 「はい!私のダンスの先生です!」

 

手を上げて元気よく答える瑠衣。

 

 

野乃花 「フフフフ…それはあなたの昨日見た夢の話か何かでしょ?」

 

優しく瑠衣に微笑みかける野乃花。

 

 

瑠衣 「え?夢?…違いますけど…」

 

困惑した顔になる瑠衣。

 

 

『キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン…』

 

 

『生徒会長〜!そろそろ門を閉めないと…』

 

他の生徒会生徒に呼ばれる野乃花。

 

野乃花 「そ、そうね……さぁ!あなた達!寝惚けたこと言ってないで早く教室に行きなさい!……カスミン…霜月さんはゆっくりでいいのよ?♡」

 

キラキラ笑顔で言う野乃花。

 

霞 「は、はぁ…」

 

 

生徒会生徒 「(ゆっくりじゃ駄目だろ…)」

 

 

 

 

〈下駄箱…〉

 

霞 「…夢の中の話…なの?」

 

靴を履き替えながら瑠衣に聞く霞。

 

瑠衣 「…違うよ!ほんとにエリーチカ先生は瑠衣の先生だもん!」

 

必死な表情で言う瑠衣。

 

霞 「…そっか。そう疑われる位凄い人ってことでしょ?その…ハラショーなエリーチカさんは…」

 

優しい口調で言う霞。

 

瑠衣 「カスミン!…うん!エリーチカ先生はさいっ…こうにハラショーだよ!!」

 

満面の笑顔になる瑠衣。

 

瑠衣 「…ってカスミン急がなきゃ!もう誰もいないよ!」

 

霞 「マジか!」

 

慌てて教室に向かう瑠衣と霞。

 

 

『タッタッタッタッ…』

 

 

 

 

『ザッ…』

 

下駄箱の外から二人を見ていた人影が微笑みながら呟く。

 

千歌 「……あれが瑠衣…ちゃん…

 

そっくりだな…唯ちゃんに…」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No0.顧問

高海千歌

 

【挿絵表示】

 

 





チラホラ登場し始めた音ノ木坂学院の美少女達。
「関東スクールアイドルフェスタ」まで後二ヶ月…。

果たして高海先生と瑠衣はどんな出会いをするのか!?

次回、「三番星・卯月ツバメ」


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第5話 三番星・卯月ツバメ


2024年度の音ノ木坂学院…

前回登場したことりちゃんの従姉妹の一年生「卯月ツバメ」、その友達「葉月向日葵」。三年生で生徒会長「如月野乃花」、怪しい二年生「師走茉央」

この4人が「長月瑠衣」「霜月霞」とどう関わって行くのか?

そしてあの「元・Aqoursのリーダー」と…

今回の話しは前回と同じ日の放課後から始まります。





 

〜放課後…〜

 

〈音ノ木坂学院のとある部室〉

 

 

「ツモ!…裏ドラは…ヤッタ〜!満貫で親だから…4000オールで!…はい!皐月(さつき)!4000!」

 

嬉しそうに叫んで麻雀牌を倒す女生徒。

ネイビーブルーの長い髪をポニーテールにしていて健康美人といった感じだ。

…だがワイシャツの上にブレザーやセーターではなくジャージを羽織っている。

 

 

皐月 「はいどうぞ!やっちゃん絶好調だね! ジャラ 」

 

皐月と呼ばれた女生徒がウィンクしながら麻雀の点棒を役を上がった「やっちゃん」に渡す。

ワインレッドの長いウェイビーな髪をしていて左サイドに細い三つ編みを作っている。

はんなりした雰囲気の美人で胸元に膨よかな膨らみを覗かせている。

 

「皐月」「やっちゃん」も三年生色である緑色のリボンタイをしている。

 

 

『コンコン』

 

『ガチャ』

 

 

「失礼しま〜す…」

 

 

やっちゃん「おっ!待ってたよ霞♪」

 

皐月 「霞ちゃんいらっしゃい♡」

 

 

霞 「あれ?弥生さんその子達…は?一年生?」

 

「やっちゃん」はどうやら本名は「弥生」のようだ。

 

 

弥生 「ああ…なんか隣の科学部に入ろうとしてた所を…わが麻雀部にスカウトしちゃいました! ウィンク 」

 

皐月 「フフ…2人とも可愛らしいでしょ♡」

 

霞 「はぁ…でも出来るんですか?麻雀…」

 

麻雀とは無縁そうなラブリーな見た目の2人を見て呟く霞。

 

 

ツバメ 「え…っと…この赤い点の棒を4本…でいいんですか? アセ 」

 

皐月 「そうよ〜親番のやっちゃんに渡してね!ツバメちゃん♡ ナデナデ」

 

ニコニコしながら小柄なツバメの頭を撫でる皐月。

 

ツバメ 「は、はい! テレ (き、きれいな人だな…ことりちゃんみたい…)」

 

嬉し恥ずかしそうなツバメ。

 

 

向日葵 「…2600デス… ボソ 」

 

 

弥生 「ん?」

 

皐月 「え?」

 

 

向日葵 「平和ツモで4役だけど20府になるから…親番でも7700なので1人2600点になるデス!」

 

赤縁眼鏡をキランと光らせて言う向日葵。

 

 

皐月 「そ、そうなの?やっちゃん? アセ 」

 

弥生 「う…私…細かい計算は…出来ない…」

 

タジタジする皐月と弥生。

 

 

霞 「…そうなんですか?弥生さん同好会代表なのに ジト …まぁ私も基本ネット麻雀だから計算出来ないですけど アセ 」

 

弥生 「いや〜私も全部先輩に任せっきりだったから…3年になってやっとちょっと…覚えてきたというか… アハハ 」

 

笑って誤魔化す弥生。

 

皐月 「やっちゃん大丈夫!私も全然計算出来ないよ♡」

 

ウィンクしながら言う皐月。

 

霞 「…誰も計算出来ない同好会…メンツも1人足りてないし…」

 

先輩二人をジト目で見る霞。

 

 

ツバメ 「す、凄いねひまちゃん!麻雀のルール知ってたの?」

 

羨望の眼差しを向日葵に向けるツバメ。

 

向日葵 「…うん…お父さん達のメンバーが足りない時…よくやってるデス… テレ」

 

照れる向日葵。

 

弥生 「フッフッフ…とにかく!これで期待の新人が2人も同好会に入ったことでメンバーも足りるし…点数計算もちゃんと出来るし…早速生徒会長の野乃花に部に格上げして貰って…目指せ全国大会だ!

 

拳を握って宣言する弥生。

 

皐月 「ぜ、全国…なんだか凄いねやっちゃん!」

 

手に汗握る皐月。

 

 

ツバメ 「ツ、ツバメは今日初めてまーじゃんやったんですけど… ニガワライ 」

 

向日葵 「わ、私も…科学部に…入ろうとしてたデス… コマリガオ 」

 

 

 

『バンッ!』

 

突然豪快に開くドア。

 

 

 

全員 『え!? ビクッ 』

 

 

 

瑠衣 「全国に…じゃないよ!!

どこの美少女麻雀漫画の話しですか!?」

 

 

 

皐月 「シ〜〜ッ!」

 

鼻の前で人差し指を立てる皐月。

 

 

 

瑠衣 「『シ〜〜ッ』…じゃないですってば! アセ 」

 

 

弥生 「…ど、どちら様?…あ!入部希望者かな!?

 

 

瑠衣 「違います!瑠衣は麻雀なんてやらないです! アセ

…私は2年E組の長月瑠衣!アイドル部でスクールアイドルやってるんです!」

 

必死な表情で説明する瑠衣。

 

 

皐月 「スクール…アイドル?…じゃあなんで瑠衣ちゃんは麻雀同好会の部室に来たのかな?」

 

はんなり笑顔で質問する皐月。

 

 

瑠衣 「私はそこのカスミンに用事が…

 

…ていうかカスミン!瑠衣がせっかく1からスクールアイドルの素晴らしさを説明して一緒にやって貰おうとしてるのに!何故に麻雀!? アセ 」

 

霞 「は?…だって私…麻雀好きだし。ていうか別にスクールアイドルとか…やる気も興味もないんですけど…」

 

瑠衣とは視線を合わせず言う霞。

 

弥生 「良く言った霞!流石次期代表候補!」

 

親指を立てて嬉しそうに言う弥生。

 

霞 「それもやる気ないです!」

 

弥生 「は、早いな拒否…」

 

 

ツバメ 「スクール…アイドル? アセ 」

 

向日葵 「ツ、ツバメちゃん… アセ 」

 

ポカンとしつつ何故か少し嬉しそうな表情の二人。

 

 

瑠衣 「とにかく!カスミンそんなに可愛いんだから麻雀なんてしてないでスクールアイドルになって瑠衣と一緒に輝こ!?」

 

ニコニコしながら霞に手を差し出す瑠衣。

 

霞 「だ、だから興味ないし!…それに…別に可愛く…ないし… カオマッカ 」

 

弥生 「いや…確かにカスミは可愛い…」

 

顎に手をやり呟く弥生。

 

皐月 「だよね!一緒にいるとドキドキしちゃうもん…♡」

 

頬っぺたに手を当てて呟く皐月。

 

 

霞 「なっ!?二人まで何言って…! カオマッカ

…ていうかお二人こそ滅茶苦茶可愛いじゃないですか! アセ 下級生に沢山ファン…いますよ?」

 

弥生 「…まぁ確かに皐月は現役グラビアアイドルやってるくらいだから!」

 

ニカッと笑って言う弥生。

 

瑠衣・ツバメ・向日葵

『え〜!!?』

 

驚くるいツバひまわり。

 

皐月 「べ、別にアルバイトでちょっとやってるだけだけど… テレ 」

 

赤くなる皐月。

 

皐月 「…って、ていうかやっちゃんこそ運動部の助っ人引っ張りだこだし!…バレンタインチョコ貰う数やっちゃんより多い人見たことないよ〜? ニヤ 」

 

弥生 「…まぁチョコは好きだけどあんなに貰うと逆に困るんだよね…」

 

苦笑いしながら頭を掻く弥生。

 

瑠衣 「…た、確かに2人とも超可愛い…(汗)

…ていうかそこにいる1年…生?の2人も可愛い…!!(汗)」

 

目を丸くして四人を交互に見る瑠衣。

 

ツバメ 「え? テレ 」

 

向日葵 「デス? テレ 」

 

 

瑠衣 「なんで……なんでこん……っな美少女が集まって……

 

 

音ノ木坂でスクールアイドルじゃなくて麻雀ジャラジャラやってるの!!?

ほんとどこの美少女麻雀漫画のお話しですか!!

 

 

皐月 「シ〜〜ッ!」

 

 

瑠衣 「だからシ〜〜ッ…じゃないですってば! アセ

 

 

これじゃ…

 

これじゃ…

 

これじゃ…

 

 

 

草場の影からμ’sの9人が泣いてるよ!!(泣)

 

 

 

向日葵 「!…ツバメちゃん…」

 

驚いて顔を見合わせる向日葵とツバメ。

 

 

ツバメ 「…あ、あの! アセ 」

 

 

瑠衣 「…な、何?…ていうかあなた…小ちゃくてメチャクチャ可愛いね… アセ 」

 

改めて感心する瑠衣。

 

 

ツバメ 「あ… テレ そ、その…音ノ木坂にスクールアイドルって…まだいるんです…か?」

 

恐る恐る尋ねるツバメ。

 

瑠衣 「…モチロン!!ここはあの伝説のスクールアイドルμ’sを産んだ音ノ木坂だよ!?スクールアイドルがいなくてどうするの!

……まぁ…今は…瑠衣しかいない…ケド…」

 

最後小声になる瑠衣。

 

 

ツバメ 「そ、そうなんだぁ〜…」

 

嬉しそうな顔で言うツバメ。

 

 

瑠衣 「え?…も、もしかして…興味あるの!?

 

 

ツバメ 「……はい!」

 

笑顔で返事をするツバメ。

 

 

弥生 「え〜!?ま、麻雀部は?全国は? アセ 」

 

慌てる弥生。

 

皐月 「ま、まだ同好会だよやっちゃん!」

 

はんなり突っ込む皐月。

 

霞 「…ていうか弥生さんスポーツ万能なのになんで麻雀同好会なんですか? ジト 」

 

弥生 「え〜? アセ だ、だって…運動部じゃ…ほら… ホホソメ 」

 

 

霞 「?(…な、何故照れて… アセ )」

 

 

 

瑠衣 「……ほんとに?」

 

 

ツバメ 「え?」

 

瑠衣 「ほんっ……と〜〜に!スクールアイドルに興味…あるの!? ホロリ 」

 

ツバメ 「…は、はい!…ツバメも…

ずっとμ’sに憧れてました!

 

嬉しそうに言うツバメ。

 

 

瑠衣 「やった……

 

やった……

 

やっと……

 

やっと……

 

 

音ノ木坂に…いる気がする… グスン

 

 

 

一番星…み〜つけた!! ポロポロ

 

ツバメの肩を掴んで嬉し泣きする瑠衣。

 

 

霞 「出た…しかもめっちゃ泣いとる… アセ」

 

 

 

瑠衣 「私…グスン…長月瑠衣!よろしくね!

 

…あなたは? グスン 」

 

 

ツバメ 「私は…

 

『卯月ツバメ』です!

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

弥生 「な、なんか麻雀部の新入部員取られたんだけど…」

 

納得しかねる表情の同好会代表の弥生。

 

皐月 「まだ入部してないし…部じゃなくて麻雀同好会だよ?やっちゃん!」

 

はんなり笑顔で言う皐月。

 

 

向日葵 「よ、よかったですね!ツバメちゃん!…これでツバメちゃんがスクールアイドルやれれば…お姉さんも…従姉妹の『南ことりさん』も喜んでくれるデスね!」

 

ニッコリ笑って言う向日葵。

 

 

瑠衣 「…………え?い、今なんて? アセ 」

 

 

ツバメ 「あ…ツバメは…5年?前にいた音乃木坂のスクールアイドル『Eden』のヒヨコお姉ちゃんの妹で…『μ’s』のことりちゃんの…いとこ…なんです…」

 

少し照れながら説明するツバメ。

 

 

瑠衣 「……ダティチョー(マジで)!!?」

 

目を見開きロシア語で驚く瑠衣。

 

 

ツバメ 「?(汗)……と、ところで…」

 

 

瑠衣 「な、なぁに?ツバメちゃん! 」

 

ニコニコ笑顔で聞く瑠衣。

 

 

ツバメ 「グループ名は…決まってるんです…か?…あ、でもメンバー1人じゃまだ…」

 

瑠衣 「ううん…昔は5人いたし…グループ名はちゃんとあるよ?瑠衣が考えたっていうか始める前から…決めてたんだけど…」

 

少し寂しそうに笑う瑠衣。

 

ツバメ 「?…そうなんですね!…それでなんていう名前なんですか?」

 

 

瑠衣 「スッ…」

 

突然上を指差す瑠衣。

 

 

ツバメ・向日葵・弥生・皐月・霞

「? 」

 

キョトンとする五人。

 

 

瑠衣 「お空で…一番明るいお星様の名前だよ…」

 

目を閉じ微笑んで呟く瑠衣。

 

 

霞 「…『一番星』とか? ニヤ 」

 

 

 

 

「超進学校の音ノ木坂の生徒なら…わかるでしょ?」

 

 

全員 『…え?』

 

驚いて声がしたドアの方を見る一同。

 

 

『ガチャ…』

 

開かれる麻雀同好会部室のドア。

 

 

千歌 「『Sirius(シリウス)』でしょ?今の音ノ木坂学院のスクールアイドルの名前は…ね!瑠衣ちゃん! ウィンク 」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 





危うく美少女麻雀の話しになる所を何とかスクールアイドルの話しに戻した長月瑠衣。

そして出会った未来のスクールアイドルと伝説のスクールアイドル。

「Sirius」は「μ's」、「Aqours」のような輝きを放てるのか!?

次回、「ラブライバー・師走茉央」


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第6話 ラブライバー・師走茉央


Aqoursとμ'sが奇跡のライブを行った第12回ラブライブ、別名「ラブライブ!サンシャイン!!」
(この物語の過去の話し「行き当たりバッタリイフライブ!」設定)

それから5年後の2024年・4月。
長月瑠衣と高海千歌は音ノ木坂学院・麻雀同好会部室で出会う事となった。

…しかし千歌を初めて見る様子の瑠衣に対して千歌が瑠衣に言った言葉は意外にも?




 

〈スペイン…〉

 

 

スペインの首都バルセロナのサグラダファミリアが見える広場に人だかりが出来ている。

そこにはアコースティックギターを弾きながら日本語で歌う女性シンガーがいた。

 

 

…ジャンジャン ジャカジャ ジャン♪

 

 

それぞれのす〜きなことを♪

 

頑張れるなら♪

 

新しい場所がゴールだね〜♪

 

それぞれのす〜きなことを♪

 

信じていれば〜♪

 

トキメキを抱いて〜♪

 

進めるだろう〜♪

 

怖がるくせは捨てちゃえ♪

 

とびきりの笑顔で〜♪

 

飛んで 飛んで 高く〜♪

 

僕らは今の中で〜♪

 

輝きを待ってた〜♪

 

ジャンジャンジャカジャ

ジャンジャンジャカジャ

 

ジャンジャンジャカジャ ジャン〜…♪

 

 

 

 

『パチパチパチパチパチパチ!』

 

 

「グラシアス!グラシアス!」

 

笑顔で観客にお礼を言う女性シンガー。

 

 

『パシャ!パシャ! 』

 

女性シンガー「イェーイ!」

 

スマホで撮影する人達に向かってノリノリでピースする女性シンガー。

その時観客の一人が何かを尋ねる。

 

 

女性シンガー 「…え?名前?

 

 

…Soy HONOKA KOUSAKA!

(高坂穂乃果です!)」

 

 

『パシャ!パシャ!』

 

 

穂乃果 「…じゃあ次は…

 

 

Aqoursの歌でも歌っちゃおうかな!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

Aqoursの曲のコードを押さえて鳴らし始める穂乃果。

 

穂乃果 「…そういえばリリィが今日から千歌ちゃんが音ノ木坂の先生になるって言ってたっけ。

 

…てことは千歌ちゃんが瑠衣ちゃんの先生になるかもしれないんだ…フフ…

 

 

楽しみだな!

 

瑠衣の姉から貰った帽子のつばを持ち上げながらスペインの青空に向かって穂乃果は笑顔で呟いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

〜同じ日の日本・音ノ木坂学院〜

 

 

〈麻雀同好会部室…〉

 

 

千歌 「久しぶりだね!瑠衣ちゃん!…って話した事ないからわからないか…」

 

苦笑しながら言う千歌。

部室内の音ノ木坂学院生達は突然見知らぬスーツ姿の女性が現れて戸惑っている。

 

 

瑠衣 「?…な、なんで瑠衣の事知って…それにグループ名が『Sirius(シリウス)』って…先生…なんですか? アセ 」

 

色々自分の事を知っている見知らぬ女性を不思議そうに見て尋ねる瑠衣。

 

 

ツバメ 「…グループ名『Sirius』って言うんですか!?素敵な名前ですね!」

 

現在の音ノ木坂のスクールアイドルの名前を知って喜ぶツバメ。

 

瑠衣 「あ、ありがとうツバメちゃん!」

 

笑顔で応える瑠衣。

 

 

皐月 「先…生なの?知ってる?やっちゃん…アセ 」

 

弥生 「いや…見た事ないけど…」

 

見たことのないスーツ姿の女性を不審な目で見る三年生の二人。

 

千歌 「そりゃそうだよ!今朝浦の星女学院から音ノ木坂学院に転勤になったばっかりなんだから! ニガワライ 」

 

自分が音ノ木坂に来たばかりの教師であることを説明する千歌。

 

瑠衣 「浦の…星?って…スクールアイドルの『Aqours』がいた…学校…だよね?」

 

顎に手を当てて言う瑠衣。

 

ツバメ 「…る、瑠衣さん! アセ もしかして…その人…その人が『Aqours』のリーダーだった人なんじゃ… 」

 

千歌の顔を見ながら恐る恐る言うツバメ。

 

瑠衣 「え?…『Aqours』のリーダーと言ったら…ラブライブ史上唯一、2回連続優勝というμ’sですら出来なかった快挙を成し遂げたあの伝説のスクールアイドル『高海千歌』さんでしょ?」

 

皐月 「あ!私もその話し知ってる♪」

 

弥生 「『Aqours』…確かにスクールアイドルと言えば『μ’s』か『Aqours』…だよね?あんまりわからないけど…」

 

苦笑いしながら言う弥生。

 

 

霞 「へ〜…そんな凄い人がどうしてこんな寂れた麻雀同好会の部室に…ボソ 」

 

 

弥生 「何処が寂れた部室よ! アセ 」

 

 

千歌 「アハハ…申し遅れましたが〜…

私は…」

 

向日葵 「見てくださいデス…」

 

スッとなにやら画像を瑠衣に見せる向日葵。

 

瑠衣 「え?…てかスマホの画面デカイね アセ 」

 

向日葵 「タブレットデス…」

 

瑠衣 「ジ〜…これ…は…あ!可愛い!高海千歌さん!凄いキラキラして…る……

 

……あ…れ?……」

 

タブレットの画面と目の前の女性を見比べる瑠衣。

 

 

千歌 「……キラキラ…もうしてない?」

 

笑顔で尋ねる千歌。

 

 

瑠衣 「お、おんなじ…顔?え?…

 

 

……高海……千歌…さ…ん?(汗)

 

 

 

千歌 「うん!」

 

ニッコリ笑顔で答える千歌。

 

千歌「改めまして…本日から音ノ木坂学院国語教師…そしてスクールアイドル『Sirius』が所属するアイドル部顧問に就任しました…元・浦の星女学院スクールアイドル『Aqours』の…

 

高海千歌です!ヨロシクね! ケイレイ

 

 

ツバメ 「す、凄い!本物だ! アセ 」

 

瑠衣 「…してる…キラキラ…

 

輝いてる!!

 

キラキラした目で千歌を見る瑠衣とツバメ。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〈隣の科学部部室…〉

 

 

『ガラガラガラ…』

 

茉央 「失礼しました〜」

 

朝、校門でツバメと向日葵を盗撮しようとした二年生の師走茉央が科学部部室から出て来る。

科学部なのだろうか?

 

茉央 「……何よ!クラスの子に聞いたら科学部の見学に行ったっていうから来てみたら…いないじゃない!

 

『卯月ツバメ』…私が神と崇めるスクールアイドルμ’sとAqours…そのμ’sの南ことりちゃんの従姉妹だなんて!しかもAqoursとラブライブで競った『Eden』のリーダー『卯月ヒヨコ』さんの妹…色々話しも聞きたいし…何より…仲良くなってなんとかことりちゃんのサインを貰ってきてほしい!

 

……全く一体何処に…」

 

 

 

〈隣の麻雀同好会部室…〉

 

 

瑠衣 「ツ、ツバメちゃん!」

 

ツバメ 「る、瑠衣さん!」

 

お互いの手を取り合う二人。

 

 

瑠衣・ツバメ 『ほ、本物のAqoursの高海千歌さんだ!!』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

茉央 「………え?今ツバメちゃんって…それに瑠衣って…Aqours?高海…千歌?……何なの一体?…麻雀同好会部室?な、何でこんなとこから気になるキーワードが次から次へと…」

 

麻雀同好会部室前の廊下で足を止めて聞き耳を立てる茉央。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

瑠衣 「ほ、本当に…音乃木坂の先生になったんですか!?あの『Aqours』の高海千歌さんが!?そ、それにアイドル部の…顧問って…」

 

ツバメ 「す、凄い…!」

 

興奮する瑠衣とツバメ。

 

向日葵 「こ、これは…スクールアイドルが大好きな人達…通称『ラブライバー』にとっては絶叫的な大事件デス!」

 

皐月 「…凄いねやっちゃん! アセ 」

 

弥生 「….こ、この人が…『Aqours』の…」

 

霞 「…ヘェ〜…(Aqours…あの人が水の人なんだ…)」

 

 

 

千歌 「…フフ。ほんとに音ノ木坂の先生になったんだよ!ちなみに明日から瑠衣ちゃんと…そこにいる霜月霞ちゃんの2年E組の担任でもあるから…ヨロシクね!」

 

瑠衣と霞にウィンクする千歌。

 

 

瑠衣 「ほんとですか!?」

 

霞 「!……ヨロシク…です。(名前…知ってるし…)」

 

千歌とは目を合わせず挨拶する霞。

 

 

千歌 「…そういえば…絵里さんは元気?瑠衣ちゃんダンス習ってるんでしょ?」

 

ニコニコしながら瑠衣に尋ねる千歌。

 

瑠衣 「え?…そ、それも知ってるんですか? アセ 」

 

ツバメ 「絵里さんって…μ’sの!?す、凄い!」

 

嬉しそうに驚くツバメ。

 

 

 

『バタンッ!!』

 

 

 

全員 『ビクッ!』

 

再び突然豪快に開くドアに驚く一同。

 

 

 

茉央 「……………」

 

 

瑠衣 「…あ!

 

 

弥生 「あ!もしかして…麻雀部入部希望者!?」

 

突然現れた見知らぬ生徒を期待の目で見る弥生。

 

皐月 「だから同好会でしょ?やっちゃん!

アセ」

 

 

 

茉央 「……………いる…

 

ほんとに……いる!

 

 

瑠衣 「ま、茉央ちゃん! アセ …久しぶ…

 

 

 

茉央 「イヤャーーー!!!!!

 

か、神が!!Aqoursが!!高海千歌がイルゥゥゥ!!音ノ木坂か浦の星に入ればもしかしたらμ’sかAqoursのだれかに会えるんじゃないかって期待してたけど…まさかの音ノ木坂でAqoursのリーダーに遭遇!!

 

…し、しかも国語教師!?2-E組の担任!?ア、アイドル部顧問!?……ア、アタマどーかなりそーーー!!!」

 

千歌の事を見て絶叫するアイドルオタクの茉央。

その茉央の異常なリアクションを見てポカーンとする一同。

 

 

向日葵 「…こ、これがいわゆる『ラブライバー』の反応デス!」

 

眼鏡のフチを持ちながら解説する向日葵。

 

弥生・皐月・霞

『な、なるほど…(汗)』

 

 

千歌 「あ、あなたは確か…2年D組の〜…

 

『師走茉央』…ちゃんだよね?」

 

苦笑いしながら言う千歌。

 

 

茉央 「イヤァーーーー!!!!!

 

た、高海千歌が私のクラスと名前を知ってるゥゥゥ!!!(泣)」

 

 

瑠衣 「ま、茉央ちゃん落ち着いて! アセ 」

 

 

茉央 「……それからアンタ!!長月瑠衣!!」

 

突然コロッと態度が変わり瑠衣のことを見据える茉央。

 

瑠衣 「え?は、はい! アセ 」

 

 

茉央 「アンタが昔言ってたμ’sのエリーチカこと絢瀬絵里さんがアンタのダンスの先生って話し…本当だったの!?」

 

瑠衣の肩を掴んで問い詰める茉央。

 

瑠衣 「え?だ、だから瑠衣は本当だって何度も…」

 

 

茉央 「もっと早く言いなさいよ!!本当だってわかってれば…サイン貰って来て貰えたのに〜!! 」

 

瑠衣 「だ、だから…ほ、本当だって…い、言ってたってば〜! アセアセ 」

 

茉央に肩を揺さぶられながら答える瑠衣。

 

 

茉央 「…それからそこの『卯月ツバメ』ちゃん!!」

 

瑠衣の肩を掴んだまま今度はツバメを睨む忙しい師走茉央。

 

ツバメ 「え? アセ な、なんでツバメのこと知って…」

 

茉央 「あなたスクールアイドル『Eden』のリーダー『卯月ヒヨコさん』の妹で…『μ’s』『南ことりさん』の従姉妹なんですって!?」

 

 

ツバメ 「そ、そんなことまで!? アセ 」

 

茉央のことが少し怖くなるツバメ。

 

 

千歌 「え!?…こ、ことりさんの…従姉妹?」

 

初耳情報に驚く千歌。

 

 

茉央 「……今度……

ことりさんのサイン貰って来てください!

 

ツバメに手を合わせて頼む茉央。

 

ツバメ 「…い、いいですけど アセ 」

 

茉央 「え!?ほ、ほんと!?」

 

心の底から嬉しそうな顔をする茉央。

 

皐月 「あら!可愛いだけじゃなくてツバメちゃん良い子なのね♡ ナデナデ 」

 

ツバメの頭をはんなり笑顔でナデナデする皐月。

 

ツバメ 「…エヘヘ テレ 」

 

恥ずかし嬉しそうに笑うツバメ。

 

 

『ゴソゴソ…』

 

…今度はカバンをなにやらゴソゴソし始める忙しない茉央。取り出した物をサッと後ろに隠しモジモジしながら千歌を見る。

 

 

茉央 「…それから… モジモジ…

 

サインください!高海千歌さん!!

 

千歌に頭を下げて色紙とサインペンを差し出す茉央。

 

 

千歌 「……う、うん…いいよ!(じゅ、準備いいな…)」

 

突然現れた騒がしい茉央に若干引きつつ笑顔でサインに応じる千歌。

 

 

霞 「(…これが…ラブライバー…)」

 

スクールアイドルに全く興味のない霞は終始珍獣でも見るように茉央をジト目で眺めていた…

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No3

卯月ツバメ

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




霜月霞の中で珍獣にカテゴライズされた師走茉央。
霞が作った歌を2人並んで歌い踊る瞬間まで後2ヶ月…

次回、「目指せ!ラブライブ!」


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第7話 目指せ!ラブライブ!


何故か音ノ木坂学院・麻雀同好会部室で顔を合わせることになった元・「Aqours」のリーダー高海千歌とスクールアイドル「Sirius」の長月瑠衣。

この部屋にいる美少女達が同じ方向へ歩き出すのはもう少し後の話し…。


 

〈生徒会室…〉

 

音ノ木坂学院生達が登校し始める前の朝早い時間に生徒会長・如月野乃花がなにやらPCの画面を眺めている。

 

 

野乃花 「…ハァ〜…どのアイドルの動画も可愛いけど…素敵…だけど…

 

やっぱり…

 

 

やっぱり…

 

 

今は…

 

 

音ノ木坂学院2年E組、11月11日生まれA型の…霜月霞…いや…

 

 

カスミン♡♡

 

…が一番輝いてるわ!!!

 

 

 

…ハァ〜…まさか…また…中学のあの時みたいに…素敵な出会いがあるなんて…人生何があるかわからないわ〜…

 

 

カスミン…SNSとかやってないかしら?

 

『カタカタカタ』

 

霜月…霞…検索…っと!

 

『カタ!』

 

 

…フフ。全く…学校のPCで何やってるんだか アセ

 

 

……まぁ…カスミンは…こういうのやらなそうだものね…

 

……………………ん?

 

 

『FAN CLUB KASUMI』

 

素人女子高生ファンクラブ…まとめサイト?

 

 

な、なんだか如何わしいけど…

 

まさかね アセ

 

 

 

『カチッ』

 

 

………え?

 

 

 

……カ……

 

 

……カ……

 

 

カ、カ、カ、カ、カ、

 

 

 

 

カスミン!!? アセアセ

 

 

き、昨日出来たばかりのサイトで…

会員はまだ1人…

え?

『今なら会員NO2副会長の称号が手に入ります!キラン』!!?

 

 

にゅ、にゅ、にゅ、

 

 

 

入会します!!!

 

 

『カチッ!』

 

気合いを込めてエンターキーを押す野乃花。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〈都内の閑静な住宅街…〉

 

薄暗い部屋で一人の少女がPCの画面を眺めている。

少女の部屋はフリフリしたもの、可愛いお人形、ぬいぐるみなどが沢山置かれている。ただ色は白と黒で統一されている。

自身も白黒のフリフリの格好でいわゆるゴスロリ少女だ。

 

 

『ピロリン♪』

 

少女のPCのメール受信音が鳴る。

 

 

ゴスロリ少女「…あ…入会希望だ……この人って…」

 

 

『コンコン』

 

 

「ルミちゃ〜ん!ご飯ですよ〜!」

 

扉の向こうから少女を呼ぶ声がする。

ゴスロリ少女の名前はルミと言うようだ。

 

 

ルミ 「……は〜いお婆ちゃま!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〈音ノ木坂学院2年E組…〉

 

 

『ガラガラガラ』

 

 

「起立!礼!」

 

『おはようございます!』

 

「着席!」

 

 

千歌 「…おはようございます!3日遅れだけど…今日から皆さんの担任になる高海千歌と申します!」

 

爽やかな笑顔で音ノ木坂学院の生徒達に挨拶する千歌。

 

 

『ザワザワ』

 

生徒A 「た、高海千歌って アセ 」

 

生徒B 「あのスクールアイドル…『Aqours』の!? アセ 」

 

 

千歌 「アハハ アセ なんかチラホラ知ってる人もいるみたいだけど…そうです!高校時代はスクールアイドルをやっていました!今はご覧の通り教師です!

…担当科目は国語、好きな食べ物はみかん! キラン …それからスクールアイドル『Sirius』がいるアイドル部の顧問もやります!…新任の教師なので今日から皆さんと日々スキルアップして行きたいと思っています!楽しくやろうね! ウィンク 」

 

 

『パチパチパチパチ!』

 

 

ーーーーーーーー

 

騒めく教室をドアの外から一人の生徒が覗いている。

 

茉央 「…ほ、ほんとに高海千歌が…音ノ木坂の先生なんだ…(汗)…こ、こんな事なら中途半端に勉強しないでE組になっておけば…!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〜ショートホームルーム後…〜

 

 

瑠衣 「ほ、ほんとに千歌さんが…瑠衣達の先生なんだ…」

 

友美 「す、凄いね アセ …瑠衣ちゃん嬉しいんじゃない? ニコ 」

 

瑠衣 「そ、そりゃあ嬉しいよ!ね!カスミン!」

 

読書をしていた霞に振る瑠衣。

 

 

霞 「…別に私は…あの人よく知らないし…」

 

本から視線を動かさず答える霞。

 

 

瑠衣 「…でも知らなきゃ駄目だよ!なにせ…

 

カスミンもこれからアイドル部で瑠衣と一緒にお世話になるんだから!

 

満面の笑みで言う瑠衣。

 

 

友美 「瑠衣ちゃん…」

 

微笑む友美。

 

 

霞 「…まぁネットでプロフィールはチラっと見たけど…」

 

白い肌が赤くなる霞。

 

瑠衣 「動画は!?『Aqours』の曲全部見た!?」

 

霞 「…いや…『火星兄弟』観た後…寝ちゃって…気づいたら朝だったから…」

 

瑠衣 「カ、カスミ〜ン!…まぁ瑠衣も観たけど…やっとムッちゃん火星目指せるね♪」

 

霞 「動画…昼休み観るよ。 」

 

瑠衣の方は見ずに呟く霞。

 

瑠衣 「ほんと!?じゃあ一緒にみよ?」

 

霞 「…うん テレ」

 

赤い顔でコクンと頷く霞。

 

瑠衣 「…もう!可愛いなカスミン♡

 

霞 「な、何でよ! カオマッカ 」

 

 

友美 「…フフ(良かったね!瑠衣ちゃん!)」

 

瑠衣と霞を見ながら嬉しそうに微笑む友美。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

前日…

 

 

〈麻雀同好会部室…〉

 

 

茉央 「あ、ありがとうございます千歌さん!!しゃ、写真と握手まで…サイン…家宝にします!!」

 

千歌 「よ、喜んで貰えて嬉しいよ!(なんかμ’sに初めて会った時のダイヤちゃんとルビィちゃんみたいだな〜 アセ )」

 

オーバーリアクションな茉央に引き気味に応じる千歌。

 

 

瑠衣 「私も千歌さんのサイン貰えて嬉しいであります! ニコニコ 」

 

ツバメ 「ツバメも嬉しい! ニコニコ 」

 

茉央程ではないが普通に嬉しがる瑠衣とツバメ。

 

皐月 「良かったね!瑠衣ちゃん♡ツバメちゃん♡

ナデナデ」

 

瑠衣・ツバメ 『は、はい!…エヘヘ』

 

恥ずかし喜ぶ二人。

 

 

千歌 「…ところで…ここにいる皆んなが…もしかして『Sirius』のメンバーなのかな?」

 

部屋にいる一同を見渡して尋ねる千歌。

 

瑠衣 「え?…ち、違い…ますけど…」

 

千歌 「え?…違うんだ アセ 確かにここ入り口に麻雀同好会って書いてあったけど…ここにいる子みんな凄い可愛いからてっきり『Sirius』のメンバーなのかと…」

 

笑顔で頭を掻きながら言う千歌。

 

瑠衣 「あ…その…『Sirius』は今…メンバーは瑠衣だけなんです… アセ 」

 

千歌 「え?…瑠衣ちゃん…だけ?…こ、こんな美少女達が集まって…スクールアイドルじゃなくて…麻雀やってるの? アセ ここ…『音ノ木坂』…だよね?あの『μ's』がいた…」

 

瑠衣 「そ、そうですよね!こんなのおかしいですよね!」

 

千歌 「…ほんとに…スクールアイドル廃れちゃったんだ…今の音ノ木坂は…」

 

なんとなく自分が音ノ木坂に行くように南理事長から頼まれた意味がわかって来た千歌。

 

 

千歌 「…よし!こうなったら…

 

ここにいる皆んなでスクールアイドルやっちゃおう!

…そしてラブライブを目指そう!

 

笑顔でガッツポーズしながら麻雀同好会部室内の生徒達に言う千歌。

 

 

弥生 「な、なんでやねん! アセ 」

 

皐月 「さすがにそれは…強引なんじゃ… ニガワライ 」

 

向日葵 「私は〜…科学部に入るデス…」

 

霞 「……興味ないし。」

 

茉央 「………」

 

 

 

瑠衣 「茉央…ちゃん… もう一度…もう一度一緒に…やらない? アセ 」

 

微笑みながら茉央に尋ねる瑠衣。

 

茉央 「…私は…」

 

瑠衣から目をそらす茉央。

 

千歌 「そうだよ!スクールアイドル好きなんでしょ?茉央ちゃん!」

 

笑顔で尋ねる千歌。

 

茉央 「…千歌さんに言われても アセ …私今…学校外でアイドル活動してるし…」

 

千歌 「え?そうなの!?」

 

瑠衣 「…やっぱりそっちが忙しいかな? アセ 」

 

茉央 「…と、とにかく…一度にショッキングなことがあり過ぎてアタマどーかしそうだし…外でやってるアイドルの練習行かなきゃだから……帰ります!!

 

 

『ダダダッ』

 

突然ドアに向かって突進する茉央。

 

 

『ガッ!』

 

つまづいて宙に浮く茉央。

 

 

茉央「あっ!」

 

全員 『あっ!』

 

 

 

『ズザザ〜ッ…』

 

茉央 「………」

 

 

千歌 「だっ…」

 

瑠衣 「大丈夫!?茉央ちゃん! アセ 」

 

心配そうに床に倒れ込んだ茉央を見る一同。

 

 

茉央 「……へ、平気よ!これくらい! アセ (イタイイタイイタイよ〜〜!!泣)」

 

『ダダダダダダッ……』

 

むくっと起き上がり走り去る茉央。

 

 

千歌 「い、行っちゃった… ポカ-ン 」

 

瑠衣 「茉央ちゃん…」

 

 

向日葵 「あ、あの〜…私もそろそろ…」

 

ツバメ 「あ!そっか! アセ ひまちゃん科学部の見学行かなきゃだもんね! アセ 」

 

向日葵 「で、でもツバメちゃん…いいんデス?」

 

チラッと千歌と瑠衣のことを見る向日葵。

 

ツバメ 「ひまちゃんのやりたい事も大切でしょ?

ニコ 」

 

 

皐月 「そっか! アセ 元はと言えばお隣に用事があったんだよね?ひまちゃんとツバメちゃん…」

 

申し訳なさそうに笑って言う皐月。

 

弥生 「あ…でも全国に行くには二人の力が…」

 

皐月 「強制は出来ないよ!やっちゃん!」

 

名残惜しそうな弥生を言い含める皐月。

 

 

瑠衣 「あ!で、でもさっきツバメちゃんスクールアイドルに興味あるって…!」

 

千歌 「瑠衣ちゃん!…強制は出来ないよ?」

 

弥生以上に残念そうに言う瑠衣に皐月と同じ事を言う千歌。

 

 

ツバメ 「あ、あの!」

 

 

瑠衣 「え?」

 

 

ツバメ 「あ、後でまた…お話し聞きに来ていいですか?」

 

 

瑠衣 「う、うん!もちろん!」

 

 

嬉しそうに笑ってお辞儀をして向日葵と一緒に部屋から出て行くツバメ。

 

 

弥生 「…今のは麻雀部に対してではないのかな?」

 

霞 「…残念ながら。」

 

皐月 「同好会だってばやっちゃん! アセ 」

 

 

 

千歌 「…あとは?『Sirius』に入って『μ’s』みたく輝きたい子は…いない? ニコ 」

 

部室に残った3人に尋ねる千歌。

 

 

皐月 「…って言われても アセ …ねぇ?やっちゃん?」

 

困った笑顔で弥生を見る皐月。

 

弥生 「……スクールアイドル……もしかして…可愛い衣装…いっぱい着れたりする感じ…ですか? アセ 」

 

少し恥ずかしそうに質問する弥生。

 

皐月 「え?やっちゃん? アセ 」

 

 

瑠衣 「は、はい!それはもう!可愛い衣装着たい放題キラキラしまくりですよ!」

 

何か手を動かしてキラキラを表現する瑠衣。

 

弥生 「可愛い衣装…着たい…放題…♡」

 

皐月 「…やっちゃん…(そういえば…)」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

少し昔、原宿…

 

 

皐月 「ご、ごめんねやっちゃん!私の買い物に付き合って貰っちゃって…はい!約束のクレープだよ♡」

 

弥生 「………ジ〜…」

 

 

皐月 「?やっちゃん? アセ 何をそんなに見て…あ!あのツインテールのゴスロリの子?可愛いね!」

 

弥生が見つめる先には空色のオカッパ頭にツインテールを付けた小柄なゴスロリ少女がいた。

隣には祖母と思われる女性がいる。

 

 

「お洋服はもういいの?ルミちゃん!」

 

ルミ 「…うん!…凄い可愛いお洋服買って貰っちゃって…ありがとうお婆ちゃま!」

 

お婆ちゃま 「ウフフ。ルミちゃんが喜んでくれるなら一緒に買い物に来た甲斐があったわ♪…でもお婆ちゃま疲れちゃったからちょっと休憩しましょうか? アセ 」

 

ルミ 「はい!お婆ちゃま!」

 

 

 

 

弥生 「…うん…可愛い…でもやっぱりああいう可愛い服はああいう小さい可愛らしい感じの子じゃないと…似合わないよね。」

 

寂しそうに笑って言う弥生。

 

皐月 「…もしかして〜…やっちゃんもああいう格好…したかったりする? ニヤ 」

 

弥生 「え!? アセ…そ、そんなこと! アセ 私背結構あるし!ずっと運動ばっかで制服以外女の子っぽい服とか…ないし…基本ジャージだし…」

 

皐月 「え〜?やっちゃん凄い可愛いんだから絶対ああいう可愛い格好似合うと思うけど…

それに背なら私の方が高いし アセ 」

 

弥生 「さ、皐月はスラ〜ッとしててボインでモデル体型だからいいんだよ!…私は…筋肉質だし…」

 

皐月 「え〜!?やっちゃんも細いし可愛いし…モデル体型だよ?」

 

弥生 「い、いいよ!別にフォローしてくれなくて!…てか皐月これからスーパーのパートでしょ?のんびりしてていいの?」

 

皐月 「あ!ほんとだ! 夕飯の準備もしなきゃだ! アセアセ 」

 

弥生 「フフ…皐月はほんといい奥さんになるよ!」

 

皐月 「え〜?貰い手いればいいけど アセ 」

 

弥生 「多分100万人くらいいるよ…」

 

皐月 「そ、そんないないよ!やっちゃんの方が可愛いからきっと旦那様候補いっぱいいるよ! ニコ 」

 

弥生 「…私を旦那にしたい女子ならいそうだけど…プロポーズされたことあるし…女子から…」

 

皐月 「え?(汗)」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

皐月 「…(やっちゃん…やっぱり…可愛い格好したいんだ…フフ )」

 

千歌 「もしかして…アイドルの衣装に興味ある? ニヤ 」

 

弥生 「え? アセ …なくはない…けど テレ 」

 

瑠衣・千歌 『おぉっ!』

 

 

霞 「…あの〜弥生さん、皐月さん…麻雀やらなそうだし…私もう帰ります…」

 

皐月 「あ…帰っちゃうの?霞ちゃん アセ 」

 

 

千歌 「よし!…じゃあとりあえず考えておいて!…えっと…弥生ちゃん!皐月ちゃん!

 

弥生と皐月にパチっとウィンクする千歌。

 

弥生 「は、はぁ… アセ 」

 

皐月 「わ、私も? アセ 」

 

 

千歌 「瑠衣ちゃん?」

 

瑠衣 「は、はい?」

 

千歌 「ちょっと2人で話そっか? ウィンク」

 

瑠衣 「は、はい!」

 

嬉しそうに返事をする瑠衣。

 

 

霞 「失礼しま〜す…」

 

静かに部屋から出て行こうとする霞に瑠衣が声を掛ける。

 

 

瑠衣 「カスミン!」

 

 

霞 「…何?」

 

振り向かずに返事をする霞。

 

瑠衣 「瑠衣…諦めないから…

後でまた電話するね! ニコ 」

 

 

霞 「…別に…いいけど… 」

 

部室から出て行く霞。

 

 

瑠衣 「絶対絶対するからね〜!」

 

部室の中から大声で言う瑠衣。

 

 

霞 「分かったよ!アセ

 

 

(…スクールアイドル…か…)

 

 

モヤモヤ〜…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『ワ〜ワ〜かっすみ〜ん!!』

 

 

霞 「今日はみんな来てくれてありがとう!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

『キャ〜可愛い〜♡』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

モヤ〜…

 

フフフ…

 

…はっ! アセ 」

 

 

周りをキョロキョロする霞。

 

 

霞 「べ、別に興味…ないし!カオマッカ

 

 

……帰ろ。」

 

 

 

 

 

 

 




元々スクールアイドルに興味がある者。
たまたま居合わせた者。

反応はそれぞれ違うものの元・Aqoursのリーダー「高海千歌」と出会ったことで彼女達はスクールアイドルの魅力に徐々に引き込まれていくことになるのでした。

次回、「長月瑠衣の気持ち」


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第8話 長月瑠衣の気持ち


音ノ木坂学院麻雀同好会部室で出会った高海千歌と長月瑠衣はかつて「μ's」が活動していたアイドル部部室へと向かうのでした。

共にμ'sに憧れた2人は果たして伝説の部室で何を感じ何を話すのか…


 

 

〈霜月霞の家…〉

 

ーーーーーーーー

 

届けて

切なさには♪

名前をつけようか“Snow halation”♪

想いが重なるまで

待てずに

悔しいけど好きって純情♪

微熱の中 ためらってもダメだね

飛び込む勇気に賛成 まもなくStart!! ♪♪♪

 

ーーーーーーーー

 

 

霞 「…これが…μ’s…音乃木坂に昔いたスクールアイドル…か…」

 

PC画面を見ながら呟く霞。

 

霞 「…スノー…ハレーション…

 

…………いい曲だな。」

 

 

『ヴヴッ ヴヴッ』

 

 

「着信中 長月瑠衣」

 

 

霞 「あ…ほんとに電話来た…

 

……『ピッ』

 

 

…もしもし?」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

数時間前

 

〈音ノ木坂学院アイドル部部室…〉

 

 

千歌 「わぁ〜……こ、ここが音ノ木坂学院アイドル部の部室か〜…ここで『μ’s』が活動してたんだ…!…それに雪穂さん達の『duet's』やことりさんの従姉妹ヒヨコさんの『Eden』が!」

 

感慨深げにアイドル部室内を見回す千歌。

 

瑠衣 「フフ…さすが千歌さん!やっぱりまずはそこに感動しますよね!私と…茉央ちゃんも…初めてここに来たときはメチャクチャ感動したであります! ケイレイ 」

 

 

千歌 「スッ…」

 

テーブルの上に手を添えて目を閉じる千歌。

 

千歌 「……ここで…穂乃果さんや…ことりさんや…海未さん、真姫さん、凛さん、花陽さん、にこさん、希さん、絵里さん…そして雪穂さん、亜理沙さんが…スクールアイドル…やってたんだ!」

 

瑠衣 「…千歌さん…千歌さんも一緒にやってたんですもんね!

 

…そのメンバーと『A-μ’s』で!」

 

ニッコリ笑って言う瑠衣。

 

千歌 「…うん!『A-μ’s』か…懐かしいな…それに…楽しかったな…凄く! ニコ 」

 

瑠衣 「瑠衣…見てましたよ!観客席から…お姉ちゃんと…」

 

笑顔で言う瑠衣。

 

千歌 「うん…唯ちゃんと…見ててくれたんだよね?」

 

 

瑠衣 「千歌さん…知って…るの?お姉ちゃんのこと…」

 

瑠衣の記憶では姉からAqoursのだれかと会った事があるとは聞いたことがなかった。

 

 

千歌 「…直接会ったことはないけど…遠くから穂乃果さんやμ’sの皆んなと話してるとこは見てたんだ…その時まだ小学生だった瑠衣ちゃんも見たんだよ!」

 

パチっとウィンクする千歌。

 

瑠衣 「そっか…だから最初久しぶりって…」

 

千歌 「うん!…でも瑠衣ちゃんはμ’sとは今まで何度か会ったりしてるんでしょ?」

 

瑠衣 「はい!…μ’sの皆さんお姉ちゃんに会いに来てくれてたから…とくに穂乃果さんは!」

 

ニコニコしながら話す瑠衣。

 

千歌 「そっか!…追っ掛けだったんだもんね!唯ちゃん、穂乃果さんの!」

 

瑠衣 「はい!穂乃果さん…何度も…お姉ちゃんに会いにアメリカにも福島にも来てくれて…ことりさんともよく一緒に…だから…瑠衣…穂乃果さんが…μ’sが大好きで…絶対μ’sみたいなスクールアイドルになって…輝きたいんです!

 

……お姉ちゃんの分まで…」

 

 

千歌 「…そっか…

 

…やっぱり引き受けてよかったな!」

 

 

瑠衣 「え?」

 

 

千歌 「ううん!…なれるよ絶対!μ’sみたいに…」

 

瑠衣 「え!?ほ、ほんとですか!?」

 

千歌 「うん!…だって…伝説のスクールアイドルμ’sと一緒に『A-μ’s』をやったAqoursの高海千歌が今日からSiriusを指導するんだから!」

 

 

瑠衣 「Aqoursだった千歌さんが…Siriusを…」

 

嬉しそうな顔になる瑠衣。

 

 

千歌 「…あ…ちょっともう部屋暗いね アセ …えっと…電気は…あった!」

 

 

『カチッ』

 

アイドル部部室の電気を点ける千歌。

 

 

瑠衣 「…あ…」

 

千歌 「ん?」

 

 

瑠衣 「…そっか…てことは…

 

…瑠衣…もう…もう…グス…」

 

 

千歌 「あれ?る、瑠衣ちゃん? アセ 」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

瑠衣、一年の時…

 

 

 

瑠衣 「お願いしま〜す!スクールアイドル『Sirius』で〜す!一緒に『μ’s』や『Aqours』みたいな輝きを目指しませんか〜?」

 

校門から校舎の正面口へと続く並木通りで元気よくアイドル部勧誘のチラシを配る1年生の瑠衣。

 

 

生徒A 「…フフ…またやってるよ?あの子 ニヤ 」

 

生徒B 「…ほんとだ…こんな中途半端な時期に新しい部活なんて入る子がいる訳…フフ 」

 

二人の生徒が瑠衣から離れた場所を歩きながら何やら話している。

 

 

瑠衣 「一緒にラブライブ…目指しませんか〜! ニコニコ 」

 

 

生徒A 「しかも…スクールアイドルって…何のために音ノ木坂にいるのかしら?」

 

生徒B 「昔有名だったんでしょ?…それにしてもあれで良く難関進学校の音ノ木坂に入学出来たわね アセ 」

 

生徒A 「ほんとよね…クス 」

 

生徒B 「ね…クスクス 」

 

 

瑠衣 「…お願い…しま〜…す……ニコ…」

 

 

生徒A・B 「ヒソヒソヒソ…スタスタスタ....」

 

瑠衣から距離を取って通り過ぎて行く二人の生徒。

 

 

瑠衣 「アイドル…部…で…す…」

 

中々ビラを受け取って貰えない上、心なしかみんな瑠衣の事を避けて歩いてるように感じ声も小さくなる瑠衣。

 

 

『ヒューーー』

 

 

瑠衣 「あ!」

 

 

『バサバサバサバサ』

 

 

瑠衣 「た、大変!拾わなきゃ!アセ

 

 

 

 

…………………

 

…………………

 

…これで最後…かな?」

 

 

?「はい!どうぞ!」

 

ビラを慌てて拾い集める瑠衣の背後から誰かが声を掛ける。

 

瑠衣 「ありがとうございます!…あ!り、理事長…さん…(こ、ことりさんのお母さん…やっぱりキレイだな…)」

 

 

理事長 「…中々集まらない?部員は…」

 

微笑みながら瑠衣に尋ねる理事長。

 

 

瑠衣 「……はい…みんなもう違う部活やってるし…やってない子は…勉強で忙しいみたいだし…」

 

理事長 「そうよね……5年前まではね…アイドル部に入りたい子が多すぎるくらいだったんだけど……変わってしまったわ…音ノ木坂は…」

 

寂しそうな顔で言う理事長。

 

瑠衣 「…でも…音ノ木坂でスクールアイドルをやることが瑠衣…私の夢だったから…その為に頑張って勉強もしたし…だから…私は絶対諦めたりしません!

 

ニコッと笑って言う瑠衣。

 

理事長 「そっか……応援してます!」

 

瑠衣 「は、はい!頑張るであります! ケイレイ 」

 

 

 

放課後…

 

 

部室棟の廊下をトボトボと歩く瑠衣。

 

瑠衣 「ハァ〜……やっぱり…瑠衣1人でラブライブ目指すしかないの…かな…でも…」

 

『ガチャ…』

 

ドアを開けて薄暗い部室の中に入る瑠衣。

 

瑠衣 「…この部室も…昔はお隣も使えたみたいだけど…瑠衣1人じゃここだけでも…広すぎるや…」

 

力なく笑って何も乗っていない会議用テーブルに鞄を降ろす瑠衣。

かつてこのテーブルには所狭しとアイドル部部員の鞄や荷物が置かれていた…

 

 

『ワイワイガヤガヤ』

 

 

瑠衣 「あ…お隣…そっか補修の時間か…」

 

瑠衣が電気を点けようと手を伸ばした時ふいに隣の部屋から話し声が聞こえてくる。

 

 

ーーーーーーーー

 

生徒C 「ねぇねぇこの隣の部屋って…空いてるんじゃないの?」

 

生徒D 「…確かに…いつも誰もいないよね?」

 

生徒E 「でもたまに電気ついてるっぽいよ?」

 

生徒C 「え〜?こわ〜い!幽霊いるんじゃないの? アセ 」

 

生徒D 「てゆーか空いてるんなら使わせて欲しいよね!この補修教室元々部室だったらしいから狭いんだよね〜 」

 

『ガチャガチャ!』

 

補習教室とアイドル部部室間のドアを開けようとする生徒D。

 

生徒E 「…駄目だ…鍵かかってる…」

 

生徒C 「…あとで先生来たら使っちゃダメか聞いてみようか…あ!でも…幽霊… ビク…」

 

 

生徒D 「……ワ!!

 

生徒C 「ヒ、ヒィー!!…ちょっやめてよ〜!(泣)」

 

生徒E 「アハハ!ビビりすぎなんですけど!」

 

生徒D 「アハハハ!」

 

生徒 C 「全くもう! アセ 」

 

 

生徒C・D・E

『アハハハハ!……』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

瑠衣 「……電気……点けれないや…」

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

瑠衣 「…グス…瑠衣…もう…もう…1人ぼっちじゃないんだ!

この部室も…もう1人で使わなくていいんですよね!? グス」

 

部室の電気を点けた千歌を見て目に大粒の涙を浮かべて言う瑠衣。

 

 

千歌 「瑠衣ちゃん……うん!そうだよ!これからは私が毎日来るし…それに…」

 

 

『ガバッ!』

 

千歌に走り寄って抱き付く瑠衣。

 

 

千歌 「る、瑠衣ちゃん….」

 

優しく微笑んで瑠衣の肩を抱く千歌。

 

 

瑠衣 「ウ…ウ……

ヴワーン!!

…瑠衣…瑠衣…寂しかったんだよ〜!!

不安だったんだよ〜!!

グジュ…茉央ちゃんが辞めちゃってから…ずっと1人で…何度勧誘しても…冷たい反応しかなくって…グジュ…結局ラブライブに参加すら出来なくて…グジュ…」

 

声を震わせながら言う瑠衣。

 

 

千歌 「そう…だったんだ…」

 

 

瑠衣 「瑠衣…オリジナルの曲とか作れないし…グジュ…このまま…ずっと瑠衣1人なのかなって…グジュ…このまま…お姉ちゃんとの約束…果たせないままなのかなって…思って…グジュ…凄い怖かったの…グジュ…」

 

 

千歌 「…約束って?」

 

 

瑠衣 「瑠衣…約束したんです…グジュ…絶対μ’sみたくなってラブライブに出るって!…グジュ…お姉ちゃんがやりたかった…お姉ちゃんが大好きなお星様の名前…『シリウス』っていう名前のスクールアイドルを…瑠衣が…グジュ…代わりにやるって…グジュ…お姉ちゃんの分まで…やるって…グジュ」

 

 

千歌 「そっか…『Sirius』って…唯ちゃんが付けた名前だったんだね…」

 

瑠衣 「…コクン」

 

千歌 「…とっても素敵な名前だね!」

 

瑠衣 「…コクン」

 

千歌 「…お姉ちゃんのこと…大好きなんだね…」

 

瑠衣 「……コクン …グス…グス…」

 

 

千歌 「よしよし!泣くな泣くな!」

 

瑠衣の頭を撫でる千歌。

 

千歌 「ナデナデ…(フフ…瑠衣ちゃん…泣き虫な感じは曜ちゃんみたいだな♡)」

 

少しの間千歌の腕の中で泣き続ける瑠衣。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

瑠衣 「…グス…ごめんなさい…グス…千歌さんの服…濡れちゃったであります……グス…」

 

服の袖で顔を拭きながら言う瑠衣。

 

千歌 「いいよそれくらい!…はい!使って!」

 

ハンカチを瑠衣に差し出す千歌。

 

瑠衣 「あ…ありがとうデス…ゴシ…」

 

千歌 「…それにね…出来るよ?今からだって全然…瑠衣ちゃ…『Sirius』も『μ’s』みたいなスクールアイドルになって…

ラブライブに出れるよ!!

 

笑顔で親指を立てて言う千歌。

 

 

瑠衣 「…でも瑠衣…歌…作れないし…お裁縫も苦手で…」

 

千歌 「フフ…なに言ってるの!…瑠衣ちゃんはあのμ’sの絵里さんにダンス習ってるんでしょ?」

 

瑠衣 「…そう…ですけど アセ …エリーチカ先生多忙だから月に一回とかだし…それに…いくらダンスが出来たって…それだけじゃラブライブには…」

 

言いながら何も出来ない自分が情けなくなる瑠衣。

 

 

千歌 「私もだよ!」

 

 

瑠衣 「え?」

 

 

千歌 「私も何も出来なくて…やったのは作詞をなんとかかんとかやったくらいだし…」

 

苦笑いしながら言う千歌。

 

瑠衣 「そ、そうなんですか!?」

 

千歌 「うん!…私達も最初はオリジナルの歌なんて作れなくて…たまたまピアノが弾けた転校生の梨子ちゃんに頼み込んで作曲して貰って衣装は器用な曜ちゃんが作ってくれて…」

 

その話を聞いて再び沈んだ顔になる瑠衣。

 

瑠衣 「そっ…か…じゃあやっぱりまだ瑠衣には曲も…衣装も作れないや…」

 

 

千歌 「瑠衣ちゃん!」

 

 

瑠衣 「え?」

 

 

千歌 「瑠衣ちゃんは…1人でラブライブに出たいの?」

 

 

瑠衣 「…それは…瑠衣だって……

 

瑠衣だって『μ’s』や『Aqours』みたく沢山仲間が欲しいです!

 

切実な想いで言う瑠衣。

 

 

千歌 「でしょ?駄目だよ?1人でやろうとしちゃ!

 

……それにいるでしょ?もう瑠衣ちゃんには仲間が!

 

ね!ツバメちゃん! ウィンク

 

 

 

瑠衣 「え?」

 

 

『ガチャ』

 

部室のドアを開けて1年生のツバメが入って来る。

 

ツバメ 「は、はい!瑠衣…さんは…1人ぼっちなんかじゃ…ないですよ!」

 

 

瑠衣 「ツ、ツバメちゃん!

 

……いつからいたの? アセ 」

 

 

ツバメ 「…ちょっと…前から…」

 

 

瑠衣 「…見てた?」

 

 

ツバメ 「…ちょ、ちょっとだけ〜…」

 

親指と人差し指を少し離し苦笑いしながら言うツバメ。

 

 

瑠衣 「ム〜…カオマッカ…(ゆ、油断した…)」

 

茹でダコのような顔色になる瑠衣。

実は瑠衣は人前であまり泣いた事がなかった。

 

瑠衣 「…で、でも!友達の…ひま…ちゃん…って子と科学部に行ったんじゃ…」

 

 

ツバメ 「はい!友達の…『葉月向日葵』ちゃんと見学には行きましたけど…ツバメは付き添いだったから…ひまちゃんが…『アイドル部気になるなら行って来て!』…って言ってくれたんです!」

 

笑顔で言うツバメ。

 

瑠衣 「そうなんだ!……でも…ひとりぼっちじゃないって言うのは…どういう〜イミ…」

 

先程言ったツバメの言葉の意味を尋ねようとする瑠衣。

するとツバメは微笑んで言った。

 

ツバメ 「ツバメが…『Sirius』に入るってことです!…入っても良ければ…ですけど…」

 

 

千歌 「フフフ…良かったね!瑠衣ちゃん!」

 

 

瑠衣 「………」

 

下を向いて何も言わない瑠衣。

 

 

千歌・ツバメ 「あ、あれ? アセ 」

 

反応しない瑠衣に戸惑う二人。

 

 

ツバメ 「や、やっぱりダメ…」

 

 

瑠衣 「ほんと?」

 

 

ツバメ 「え?」

 

 

瑠衣 「ほんとに…『Sirius』に入ってくれる…の?」

 

顔を上げた瑠衣の目からポロポロと涙がこぼれ落ちている。

 

ツバメ 「はい!モチロンです!…てか瑠衣さんまた泣いてる…」

 

困った笑顔で言うツバメ。

 

瑠衣 「だって!…グス…瑠衣ずっと1人だったのに…グス…一気に顧問の先生の千歌さんと…ツバメちゃんが…去年の1学期に茉央ちゃんが来なくなっちゃって以来…グス…だれも見向きもしてくれなかった『Sirius』に…!…ツバメちゃんが…入ってくれたんだよ!?

だから瑠衣…もう…もう…嬉しくって!…ボロボロ…」

 

千歌に借りたハンカチで顔を押さえてまた泣き出してしまう瑠衣。

 

 

ツバメ 「瑠衣さん…グス…」

 

千歌 「瑠衣ちゃん…ウル…」

 

思わず貰い泣きする二人。

 

 

ーーーーーーーー

 

〈部室の外…〉

 

茉央 「…私だって…そりゃ…スクールアイドル続けたかったわよ!…でも…」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

千歌 「?あれ?…今なんか声…しなかった?」

 

『ガラッ』

 

部室の窓を開ける千歌。

 

 

茉央 「やばっ! アセ 」

 

 

『サッ』

 

 

千歌 「ん〜?誰もいない?」

 

 

『ニャ、ニャ〜ゴ!』

 

 

千歌 「なんだ〜…猫か!」

 

 

茉央 『ゴロニャ〜ゴ!(危なかった…)』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

千歌 「……ところでツバメちゃん?」

 

 

ツバメ 「は、はい!」

 

 

千歌 「ツバメちゃん…ことりさんの従姉妹…なんだよね?世界的デザイナーの『南ことり』さんの! ウィンク 」

 

ツバメ 「…はい!そうですよ! ニコ 」

 

 

千歌 「もしかして〜…ツバメちゃんも衣装とか…作れちゃう?」

 

ツバメ 「……衣装……って言えるかわからないけど実は……ことりちゃんに…たまに教わったりして…ます…テレ 」

 

瑠衣 「ほ、ほんとに!?ツバメちゃん!あ、あの超有名デザイナーの…元μ’sの衣装担当の…ことりさんから!?」

 

赤い目と鼻声で聞く瑠衣。

 

ツバメ 「ま、まぁ会えない時は…Skypeとか…」

 

瑠衣 「え!?ツバメちゃんも!?瑠衣もたまにエリーチカ先生にSkypeで教わるよ!」

 

ツバメ 「る、瑠衣さんだって凄いです!アセ あのμ’sの絵里さんに直接ダンスを教わってるなんて…」

 

千歌 「フフ…ほらね?瑠衣ちゃん!

…ダンスは絵里さんに教わってる瑠衣ちゃんがいて…衣装はことりさんに教わってるツバメちゃんがいるなんて…

『Sirius』…絶対ラブライブに出れるよ! ウィンク 」

 

 

瑠衣 「……でも……曲……は?」

 

 

千歌 「…あ(汗)……こ、こうなったら梨子ちゃんか真姫さんに頼んで…! アセ 」

 

 

瑠衣 「そ、それはそれで凄いですけど…」

 

 

ツバメ 「あの〜…作曲なんですけど…」

 

 

瑠衣・千歌 「出来るの!?ツバメちゃん!?」

 

 

ツバメ 「い、いえ…ツバメじゃなくて…実は…ひまちゃんが……弾けます…ピアノ…」

 

 

瑠衣・千歌 「え!?か、科学部なのに!?(汗)」

 

 

ツバメ 「…はい!…凄い上手ですよ!」

 

ニッコリ笑って言うツバメ。

 

 

千歌 「瑠衣ちゃん!」

 

瑠衣 「はい!千歌さん!」

 

千歌 「行くよ!科学部に! ウィンク 」

 

瑠衣 「了解であります! ケイレイ 」

 

ツバメ 「え?…もしかして… アセ 」

 

 

……………………

 

……………………

 

……………………

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

その日の夜…

 

 

『ピッ』

 

 

霞 「…はいモシモシ。」

 

 

瑠衣 「こんばんわ〜!カスミン♪」

 

 

霞 「…全く…あんた電話でもテンション高いね…」

 

 

瑠衣 「カスミンは電話でもテンション低いね♡」

 

 

霞 「……それで?わざわざ夜中に電話で勧誘の続き?」

 

 

瑠衣 「…そうだけど…違うよ?」

 

 

霞 「え?…意味分かんないんだけど…

 

 

『カ〜ス〜ミ〜ン!!』

 

 

…え? アセ ……ま、まさか…」

 

 

『ガラッ』

 

部屋の窓を開ける霞。

 

 

瑠衣 「あ!そこがカスミンのお部屋なんだ!」

 

 

 

霞 「…あ、あんたはストーカーか!! アセ …てかなんで家の場所を…!」

 

 

 

瑠衣 「ウフ、教えて貰ったんだよ! ニコニコ 」

 

 

 

霞 「だ、だれに!?……って…まぁ…あの顧問か…」

 

 

瑠衣 「カスミン!…ちょっと…お話し…しよ?」

 

笑顔で言う瑠衣。

 

 

霞 「……まぁ……いいけど……」

 

 

外に行くためにブツブツ言いながらパーカーを羽織る霞。

 

 

霞 「…全く!こんな時間に…!

 

家にまで来るなんて……

 

 

…………変な奴…だな…クス…」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

 

スクールアイドル「Sirius」No4

葉月向日葵

 

【挿絵表示】

 

 

スクールアイドル「Sirius」No5

如月野乃花

 

【挿絵表示】

 

 

 




かつてずっと一人で活動していた矢澤先輩と同じく長月瑠衣も一人で頑張り続けました。
穂乃果達が入部した時のにこの涙と瑠衣の涙は通づるものがあるのかもしれないですね。

高海千歌が顧問に、卯月ツバメがメンバーになった「Sirius」。
果たして葉月向日葵に作曲を頼む事は出来るのか?
そして瑠衣は霞を口説けるのか?

次回、「Siriusの一番星」


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第9話 Siriusの一番星


音ノ木坂学院スクールアイドル「Sirius」の顧問になった高海千歌に霞の家の場所を教えて貰い訪ねてきた長月瑠衣。

初めて霞を見たときから運命を感じていた瑠衣は霞を「Sirius」に入れることは出来るのか?



 

 

〈霞の家近くの公園…〉

 

 

霞 「…で?やっぱり勧誘の続きなの?」

 

眼鏡にパーカーと部屋着スタイルで尋ねる霞。

 

瑠衣 「…ねぇカスミン…」

 

霞 「…何よ?」

 

 

 

瑠衣 「…あなたの…

 

一番星は何ですか?」

 

 

 

霞 「え? アセ あ、相変わらず突拍子もない…」

 

瑠衣 「フフ…わからない?『火星兄弟』のセリフだよ?」

 

霞 「…あ!…ス、スフィアおばさんの…」

 

自分の愛読書のワンシーンを思い出す霞。

 

 

瑠衣 「うん! ニコ 瑠衣が一番好きなシーンなんだ!…睦月くんことムッちゃんが火星を目指すかどうか迷ってるとき…スフィアおばさんがムッちゃんに問いかけるセリフ…」

 

霞 「確かに…いいシーンだね…」

 

微かに笑顔になる霞。

 

 

瑠衣 「瑠衣ね…スクールアイドル始めたはいいけど…全然上手くいかなくて…最初いたメンバーも気付いたらいなくなってて…瑠衣…1人になってて…結局ラブライブに参加も出来なかった…」

 

霞 「…まぁ…今の音ノ木坂じゃ…しょうがないんじゃない?…私も勉強ついて行くのに必死だし…」

 

瑠衣 「うん…何となく噂には聞いてたけど…まさかここまで厳しい状況だと思わなかったから アセ …正直…何度も…無理なのかな?って…思っちゃったんだ…」

 

下を見ながら話す瑠衣。

 

 

霞 「…でも…あんたはずっと1人でビラ配りしてたよね?」

 

瑠衣 「え!?…カスミン…知ってたの!? 」

 

顔を上げて驚く瑠衣。

 

 

霞 「…まぁ…そりゃあんなしょっちゅうおかしな時期に部員勧誘してれば…目立つから…」

 

瑠衣から目を逸らして言う霞。

 

 

瑠衣 「カ、カスミ〜ン!気付いてたなら話しかけてよ〜! アセ 」

 

 

霞 「だ、だから私はスクールアイドルなんて興味なかったから! アセ …あの時は…」

 

瑠衣 「…あの時は?」

 

霞 「う…アセ …そ、それで!?…どうしてあんなに誰にも相手にされなかったのに…ずっとビラ配って勧誘してたのよ!? アセ 」

 

動揺を誤魔化すように慌てて尋ねる霞。

 

 

瑠衣 「私の…一番星だから…ラブライブに出ることが。」

 

霞 「…そんなに出たいの?ラブライブに…」

 

 

瑠衣 「うん! ニコ 」

 

 

霞 「…まぁいいんじゃないの?こんな状況の音ノ木坂でも…あんたがやりたいっていうなら好きにすれば…」

 

瑠衣 「…カスミンは?」

 

霞 「え?」

 

瑠衣 「まだ答えてくれてないよ?…カスミンの一番星は何なのか…」

 

微笑んで尋ねる瑠衣。

 

霞 「わ、私は…あんたみたいに…夢とかやりたいこととか…別に…ないから! アセ 」

 

瑠衣 「…じゃあどうして『火星兄弟』が好きなの?今あの漫画程夢を追いかける大切さを教えてくれる漫画はないんじゃない? ニコニコ 」

 

霞 「そ、それは アセ …ただ…単純に…面白いから読んでるだけで…

 

…とにかく私には夢なんてないから!!」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜霞、音ノ木坂学院入学初日〜

 

 

教師 「それでは皆さん!これからクラス分けを決める学力テストを受けてもらいますが…その前に進路調査をしたいと思います!

…音ノ木坂学院での三年間を将来のために1分1秒無駄なく過ごすため常に目標を念頭に置いて行動するようにしてください!

…まぁここにいる皆さんなら既に決めてあるとは思いますが…それでは30分後にまた来るのでそれまでに第三志望まで記入しておいてください!」

 

 

霞 「………」

 

 

教師 「フフ。入試の時首席だった霜月さんならやっぱり第一志望は東大か…あるいは欧米の大学かしら?」

 

霞 「…そう…ですね…」

 

微妙な笑顔で答える霞。

 

教師 「あなたなら間違いなくAクラス入りね!待ってるわよ!」

 

 

霞 「は、はい! 」

 

進路調査票に視線を移し固まる霞。

 

 

霞 「……………………

 

 

 

………将来………

 

 

 

私のやりたいことって…

 

 

 

…何?

 

 

 

(………結局……私は調査票に何も書けず…テストの結果も最悪で…最下位クラスのEクラスに入ることになった…)」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜現在 、霞宅近くの公園…〜

 

 

霞 「……将来なんて…やりたいことなんて…考えれば考えるほど…わからないよ!!」

 

瑠衣 「カ、カスミン…」

 

急に声を荒げる霞に少し驚く瑠衣。

 

 

霞 「…あんたはいいよ!…成績最下位グループのEクラスにいたって…ちゃんと…やりたいことがあるんだから!…私は…私には…目標なんて…中学までは単純に…みんなが褒めてくれるから…難関進学校目指して…一所懸命勉強して…バスケ部も早めに引退して…遊んだりもしないで…

 

…でも…でも…何のためにこんなに必死に勉強するのか分からなくなってからは…もう…何もやる気起きなくて…バスケをまたやる気にもなれなくて…家で引きこもって漫画、テレビ、ゲームの毎日で…

 

私だって…私だって…考えてるけどわからないんだよ!!…私には無いんだよ……あんたや…ムッちゃんが持ってる一番星なんて…」

 

俯向きながら話す霞。

 

 

瑠衣 「…じゃあさ…瑠衣とカスミンで…ムッちゃんみたく宇宙飛行士になって火星に行く?」

 

ニカッと笑って言う瑠衣。

 

 

霞 「あ、あんた! アセ 本気で言ってんの!?」

 

 

瑠衣 「うん! ニコ 」

 

 

霞 「ば、馬鹿にしないでよ!!」

 

顔を赤くして怒る霞。

 

 

瑠衣 「してないよ!馬鹿になんて!」

 

負けじと言い返す瑠衣。

 

 

霞 「だ、だって…ありえないでしょ!火星とか!

アセ 」

 

 

瑠衣 「あり得るよ!…火星じゃなくて…ラブライブだけど! ニコ 」

 

笑顔で言う瑠衣。

 

 

霞 「ああ…そういうこと…」

 

 

瑠衣 「知ってる?瑠衣達の『Sirius』は…火星より…太陽より…ずっとずっと…ず〜〜っと!

…宇宙で強く輝いてるんだよ?

 

…ほら!」

 

夜空で輝く一等星シリウスを指差す瑠衣。

 

 

霞 「………シリ…ウス…まぁそれ位は知ってるけど。ん?…達?…ってあんた1人なんじゃ…って…ああそう言えば一年の子で入りそうな子いたんだっけ…」

 

 

 

瑠衣 「…一緒にやらない?カスミン!」

 

 

 

霞 「…別にもうあんた1人じゃないんだから無理矢理私を誘わなくていいんじゃないの?」

 

 

瑠衣 「私は…カスミンとやりたい!一緒に…『Sirius』で一緒に…私達の火星を…

 

ラブライブを目指したい!!

 

 

霞 「だ、だからそれは私の一番星…! テレ …も、目標とかではないし… 」

 

 

瑠衣 「…でも『Sirius』に入れば…自動的にラブライブが一番星になるんだよ? ウィンク 」

 

霞 「な、何よそれ!そんなの屁理屈…」

 

 

瑠衣 「いいじゃん!屁理屈でも何でも!

…やりたいことがわからないならさ…引きこもってるより…外で動きながら考えればいいじゃん!同じことでしょ? ニコ 」

 

霞 「そ、それは……で、でも…私が…アイドルなんて…」

 

頬を染めながら言う霞。

 

瑠衣 「大丈夫!カスミンめちゃかわだし…声もハスキーな感じで可愛いし♪ダンスだって瑠衣やエリーチカ先生が教えるし!ていうか『Aqours』の千歌さんがいるし!…ツバメちゃんが…きっと可愛い衣装も作ってくれるし!…だから…だから…カスミンの一番星が見つかるまでの仮入部でもいいから…

 

だから…

 

瑠衣と一緒に「Sirius」をやってくだしゃい!!

 

……(か、噛んだ!?大事なとこ! アセアセ )」

 

 

勢いよく頭を下げて手を差し出したものの最後の最後で噛んでしまう瑠衣。

 

 

霞 「…噛んだでしょ?最後… ジト 」

 

 

瑠衣 「………はい(汗)」

 

頭を下げたまま返事をする瑠衣。

 

 

 

霞 「…全く

 

……………………

 

………大丈夫か?

 

…こんなのに着いて行って…」

 

 

瑠衣 「こんなのって! アセ

 

 

…え?…そ、それって…」

 

 

 

霞 「…スフィアおばさんが言ってたでしょ?

 

『上手じゃなくても音を出さなきゃ音楽は始まらない』…って…」

 

漫画「火星兄弟」の中のセリフを言う霞。

 

 

瑠衣 「…出してくれるの?おと… 」

 

涙目で霞を見つめる瑠衣。

 

 

霞 「音なのか何なのか知らないけど アセ

 

…でも…まぁ…

 

やるよ…

 

漫画もテレビもゲームも飽きてきたし…」

 

苦笑いしながら言う霞。

 

 

瑠衣 「だ…だ…

 

ダティチョー(まじで)!!? 泣

 

 

霞 「な、何それ?またロシア語?

ってうわ! アセ

 

 

『ガバッ!』

 

 

瑠衣 「ハラショー!!カスミ〜ン♡」

 

 

霞 「ちょっ!? アセ な、何抱きついてんのよ!カオマッカ 」

 

 

瑠衣 「だって! グス カスミンと一緒にスクールアイドルやれるなんて…瑠衣…嬉しくって! グス 」

 

 

霞 「な、泣くほど嬉しいの?」

 

 

瑠衣 「泣くほど嬉しいよ! グス

だって…瑠衣…ずっと1人だったのに…グス

今日1日だけで千歌さんにツバメちゃんに…

カスミンまで「Sirius」に入ってくれたんだよ!?

 

この日三度目の嬉し涙を流す瑠衣。

 

 

霞 「…千歌さんは顧問でしょ?」

 

瑠衣 「顧問の先生でも『Sirius』の一員なの!」

 

霞 「…まぁどっちでもいいけど。」

 

瑠衣 「今はまだ千歌先生を入れても4人だけど…最初はこのメンバーから頑張ろうね!カスミン! グス ン 」

 

嬉し泣きしながら言う瑠衣。

 

 

霞 「まだ…って…まだ勧誘すんの?」

 

 

瑠衣 「うん!…だって…お姉ちゃんも言ってたもん!メンバーの数はやっぱり9人がいい!…って!」

 

笑顔になって言う瑠衣。

 

 

霞 「お姉ちゃん…いるの?」

 

 

瑠衣 「うん!」

 

 

霞 「好きなんだ…あんた…瑠衣…のお姉ちゃんもスクールアイドルが…」

 

 

瑠衣 「…うん!大好きだよ! ニコ

 

……って…カ、カスミン!?今瑠衣のこと『瑠衣』って呼んだ!? アセ 」

 

 

霞 「あんたは『瑠衣』でしょうが!…ひ、人のことは勝手にあだ名付けて呼んでんだから……別に…いい…でしょ?」

 

瑠衣の事は見ずに茹でダコのように真っ赤っかになって言う霞。

 

 

瑠衣 「か、可愛い〜〜!!!

…やっぱ瑠衣カスミンにメロメロだよ〜♡♡」

 

 

霞 「な、何でそうなるのよ!? ユデダコガオ」

 

 

瑠衣 「照れてる照れてる!!可愛い〜♡

カスミン肌白いから赤くなるとわかりやすいんだよ?」

 

ニヤニヤしながら言う瑠衣。

 

 

霞 「う、うるさい! アセ やめるよ!スクールアイドルやるの!

 

 

瑠衣 「え……ヤダ…グス 」

 

急に笑顔から泣き顔になる瑠衣。

 

 

霞 「あ、あんたこそすぐ泣きすぎなのよ!」

 

 

瑠衣 「だって……瑠衣もう…メンバーに辞められるの…嫌なんだもん…グスン 」

 

 

霞 「あんたが私のことからかうからでしょ!」

 

 

瑠衣 「ま…また『あんた』に戻ってる… ガ-ン 」

 

 

霞 「る、瑠衣…がからかうからでしょ! カオマッカ」

 

 

瑠衣 「可愛いい〜〜♡」

 

 

霞 「……辞める。」

 

 

瑠衣 「う、嘘嘘!可愛くない可愛くない!カスミンは全っ…然可愛くないよ! ウィンク

 

 

霞 「……辞める。」

 

 

瑠衣 「え〜!?嘘嘘!可愛いよ〜!超可愛いよ〜!! アセアセ 」

 

 

霞 「……辞めるの止める。」

 

 

瑠衣 「え……やめない…ってこと?」

 

 

霞 「さあ?」

 

 

瑠衣 「ちょっ アセ カ、カスミ〜ン!

どっち!? アセ 」

 

アワアワしながら言う瑠衣。

 

 

霞 「…ププッ」

 

 

瑠衣 「え?…あ!さ、さては…瑠衣で遊んでるな〜!? アセ 」

 

 

霞 「遊んで…ププ…ないよ…」

 

 

瑠衣 「カスミン笑ってるし!

 

もう!

 

ムスッとなる瑠衣。

 

 

 

霞 「フフフ……

 

 

……………………

 

……………………

 

 

よろしくね…瑠衣!」

 

 

『スッ』

 

手を差し出す霞。

 

 

 

瑠衣 「カスミン…!

 

 

うん!

 

 

『ギュッ』

 

 

今日一番の笑顔で霞の手を握る瑠衣。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

瑠衣は音ノ木坂学院に入学して以来この日ほど沢山泣き沢山笑顔になった日はなかった。

 

夜空で瞬くシリウスはいつまでも嬉しそうに霞の手を握る瑠衣を微笑んで見つめているようであった。

 

 

 

 

 

 

「(…良かったね!瑠衣!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No6

轟 弥生

 

【挿絵表示】

 

 

 

スクールアイドル「Sirius」No7

島村 皐月

 

【挿絵表示】

 

 

 

 





長月瑠衣に口説かれSiriusに加入したカスミンこと霜月霞。
意外な才能が開花し霞が作った歌が後に加入するあるメンバーを救う事になるのですが…

こうして3人プラス顧問となったSirius。次に向かう先には果たして何が待っているのか!?

次回、「保健室登校、神無月ルミ」


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第10話 保健室登校、神無月ルミ


約一年、姉との約束を胸にたった1人でスクールアイドル「Sirius」を続けて来た長月瑠衣。念願の仲間2人と顧問の先生がアイドル部に加入したことでようやく瑠衣の求めていたスクールアイドルとしての楽しい日々が始まっていくのでした…

そしてSiriusとは別の所で新たな動きも始まって?


 

〜音ノ木坂学院 校門…〜

 

 

『おはようございま〜す!』

 

 

野乃花 「おはよう! キラキラ」

 

爽やかな笑顔で校門を通る生徒達に挨拶する生徒会長・如月野乃花。

 

 

生徒A 「生徒会長朝から綺麗だね!」

 

生徒B 「ほんとキラキラしてるよ♡」

 

 

生徒会生徒 「フフ…生徒会長朝から人気者ですね!」

 

野乃花 「ウフフ。ありがとう!ホホエミ 」

 

生徒会生徒 「(ほ、ほんとキラキラしてるなぁ〜…)」

 

野乃花のパーフェクトスマイルに見惚れる生徒会生徒。

 

 

 

生徒C 「お、おはようございま〜す! テレ 」

 

 

野乃花 「おはよう!キラキラ」

 

 

 

生徒D 「………。」

 

 

野乃花 「…おはようございます!キラキラ」

 

 

生徒D 「……… アセ 」

 

 

『タッタッタッタッ…』

 

挨拶を返さないばかりか野乃花のキラキラスマイルから逃げるように走り去る生徒D。

 

 

生徒会生徒 「あ、あの小さいおかっぱ一年生!生徒会長を無視するなんて! 怒…初めて見るけど何組の誰よ!?」

 

野乃花 「……1年A組…『神無月ルミ』

今年の入試、クラス分け試験で首席だった子よ。」

 

走り去る空色のおかっぱ頭を見つめながら言う野乃花。

 

生徒会生徒 「にゅ、入試とクラス分け試験両方首席!? アセ …それって…生徒会長と同じじゃ…」

 

驚愕しながら神無月ルミと野乃花を見比べる生徒会生徒。

 

野乃花 「…そうね。

(あの子が…保健室登校の…

でも可愛いわ〜♡)」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《保健室…》

 

 

『ガラッ』

 

 

保健の先生 「あ!おはようルミちゃん!」

 

ルミ 「お、おはよー…ござ…います…」

 

先生とは目を合わさずに挨拶するルミ。

 

 

保健の先生 「今日からよろしくね! ニコ 」

 

ルミ 「……ペコリ

 

……(…さっきの校門にいたのが…3-A組、生徒会長の如月野乃花……

 

………ルミが…新しく作ったファンクラブ

 

『KASUMI』の…副会長…か…)

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

《放課後、1年A組教室…》

 

 

ツバメ 「…さて…今日からスクールアイドル…頑張るぞ!」

 

嬉しそうに言うツバメ。

 

向日葵 「良かったですねツバメちゃん!音ノ木坂にまだスクールアイドルやってる人がいて…」

 

ツバメ 「うん!…ツバメ…ずっとヒヨコお姉ちゃんやことりちゃんみたくなりたかったから…『Sirius』に入れて凄い嬉しいよ♪」

 

向日葵 「…ファイトデス!ツバメちゃん!」

 

 

 

『ガラッ!』

 

 

ツバメ 「あ!」

 

向日葵 「あ… アセ」

 

突如勢いよく開かれた教室のドアの向こうからスクールアイドル「Sirius」リーダー・2年生の長月瑠衣が現れる。

 

 

瑠衣 「ツッバ〜メちゃ〜ん!!

迎えに来たよ〜!!」

 

ニコニコしながら大声で言う瑠衣。

 

 

『ザワザワ 』

『え?誰?』

『ザワザワ』

『二年生? アセ 』

 

 

ツバメ 「瑠衣さ〜ん!」

 

笑顔で手を振るツバメ。

 

 

瑠衣 「あ!いたいた!会いたかったよツバメちゃ〜ん♡」

 

 

『ハグッ』

 

 

ツバメ 「る、瑠衣さん!テレ 」

 

 

霞 「…ちょ!アセ あんた一年生の教室で何いきなり抱きついてんのよ!!」

 

瑠衣の後から教室に入って来る霞。

 

 

ツバメ 「あ!カスミさんも!」

 

 

『ザワザワ!』

『え?…誰あれ!?』

『ザワザワ!』

『す、凄い美人…てゆーかカッコ可愛い〜♡♡』

 

 

瑠衣 「さっすがカスミン!早くも注目されてるね! ウィンク 」

 

霞 「べ、別にされてないし! テレ 」

 

ツバメ 「ツバメも霞さん見ると見とれちゃいます♡」

 

瑠衣 「だよね!瑠衣もいまだにそうだもん♡」

 

霞 「あ、あんた達何バカなこと言ってんのよ!今日から練習なんでしょ!やるんならさっさとしなさいよ! カオマッカ 」

 

瑠衣 「まぁまぁカスミン!そんな照れないで……」

 

霞 「照れてないっつーの! カオマッカ 」

 

霞をなだめつつツバメの後ろの存在に目がいく瑠衣。

 

 

瑠衣 「…あ!向日葵ちゃん!!」

 

 

向日葵 「ど、どうも…デス アセ 」

 

微妙な表情で瑠衣に挨拶する向日葵。

 

 

瑠衣 「考えてくれた?瑠衣達の…『Sirius』の作曲の話し!

 

ニコニコしながら尋ねる瑠衣。

 

向日葵 「そ、それは アセ …昨日も言ったですけど…私やりたい実験がたくさんあって…それにピアノの練習もしないとなので アセ 作曲してる余裕は…」

 

話しながら下を向く向日葵。

 

瑠衣 「作曲は…出来ない感じ…かな?」

 

残念そうに言う瑠衣。

 

向日葵 「…それに私…アイドルが歌うような曲…作ったことないデスし…」

 

瑠衣 「じゃあさ…とにかく詞を見せるからそれにメロディをつけるとかだけでも!」

 

霞 「ちょっと!あんまりしつこいと迷惑だよ!」

 

困る向日葵に助け舟を出す霞。

 

ツバメ 「ご、ごめんねひまちゃん!アセ ひまちゃんピアノのレッスンの合間を縫っていろんなやりたい実験やってるから…その貴重な時間を減らしちゃ駄目だよね ホホエミ 」

 

向日葵 「あ…でも…私は…」

 

ツバメに何か言いかける向日葵。

 

 

霞 「…とにかく!千歌さん待ってるんでしょ?早く行かないと!アセ 」

 

ツバメ 「じゃあ…ツバメ行くねひまちゃん!ひまちゃんは科学部行くんだよね! ニコ 」

 

向日葵 「は、はい…

 

 

………あの!

 

 

瑠衣・霞・ツバメ 『え?』

 

 

向日葵 「詞…」

 

 

瑠衣 「し? アセ 」

 

 

向日葵 「詞を…見せてくれませんか?」

 

微笑んで言う向日葵。

 

 

瑠衣 「し……し………し………」

 

 

ツバメ 「?瑠衣さん? アセ 」

 

 

霞 「どうしたのよ?せっかく興味持ってくれてんのに! アセ 」

 

 

瑠衣 「………実は〜…」

 

苦笑いする瑠衣。

 

霞 「瑠衣…あんたまさか…」

 

何かを察する霞。

 

 

瑠衣 「……うん!まだ出来てないです!

(・ω<) テヘペロ」

 

 

ツバメ 「る、瑠衣さん…ニガワライ 」

 

向日葵 「まだ…出来てないデス…か…コマリガオ 」

 

霞 「…ほんとに大丈夫か?こんなのに着いて行って…」

 

先行き不安になる霞。

 

 

瑠衣 「こ、これから物凄〜〜…い!いい詞を書いてお持ちしますので少々お待ちを向日葵ちゃん! テヘヘ 」

 

向日葵 「……わかりました…デス…」

 

瑠衣からは視線を逸らして答える向日葵。

 

 

ツバメ 「…でもひまちゃん…実験する時間が減っちゃわない?」

 

向日葵 「…ちょっとくらいなら…まだ作曲するって決めたわけじゃないデスし…アハハ 」

 

ツバメ 「ほんとに?…無理はしないでね!」

 

微笑んで言うツバメ。

 

向日葵 「…はい!

 

………(無理も何も…私が実験する理由は…

 

初めて出来たお友達…ツバメちゃんを喜ばせるものを作りたいから…デス!)

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方その頃、秋葉のファミレス…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

野乃花 「……もう全員集まったようね!

 

音ノ木坂から5人…他校から5人…そして私を入れて計11人が…ファンクラブ

 

『KASUMI』キラキラ

 

…の初代幹部ということね♡

 

…それでは…第一回ファンクラブ「KASUMI」の幹部会を行いたいと思います!」

 

ファミレスに集まった面々に告げる音ノ木坂学院生徒会長・如月野乃花。

 

 

『ザワザワ』

『…え?な、何で生徒会長が!? アセ 』

『ザワザワ』

『ファンだったの?カスミンの… (汗)」

 

 

会員A 「あ、あの〜…」

 

野乃花 「はい?何かしら?

…あなたは…会員No3・多摩川学園の…『青梅明子』さん!

 

キラキラスマイルで言う野乃花。

 

青梅明子 「は、はい アセ あの…どうしてあなたが仕切ってるんですか?…もしかして…会長さん…ですか?」

 

野乃花 「いえ…『KASUMI』の会長ではないわよ?」

 

音ノ木坂生徒A 「…その人はウチの…音ノ木坂学院の容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能の生徒会長です!

 

野乃花に変わって説明する音ノ木坂生徒A 。

 

 

青梅明子 「え!?あ、あの超進学校音ノ木坂学院で成績TOPっていう…噂の…『PSK』!? アセ 」

 

音ノ木坂生徒B 「その通り! エヘン

 

P…パーフェクト

S…生徒会長

K…如月野乃花

 

とは…このお方のことです! キラララン 」

 

野乃花に手をかざしてドヤ顔をする音ノ木坂生徒B。

 

 

『ザワザワ!』

『な、何でPSKがここに!?』

『ザワザワ』

『カスミンのファン…なんでしょ? アセ 」

 

 

野乃花 「フフ…皆さんに紹介してくれてありがとね!会員No11番、2年B組柴又香織さんNo10番、2年D組青砥綾香さん! ウィンク 」

 

柴又香織 「え? アセ せ、生徒会長…私のこと知って… ホロ 」

 

青砥綾香 「朝校門で挨拶しかしたこと…ないのに… ホロ 」

 

憧れの生徒会長に知られている事に感激する会員No11番・2年B組柴又香織とNo10番・2年D組青砥綾香。

 

 

『ザワザワ』

『さ、さすがPSK!』

 

 

野乃花 「…私の音ノ木坂での紹介はもう2人がしてくれたから省略するとして…どうして私が仕切っているかよね?」

 

微笑みながら幹部メンバーに問い掛けるPSK・野乃花。

 

青梅明子 「は、はい… アセ 」

 

野乃花 「それは…

 

私がファンクラブ『KASUMI』の会員No2番で副会長だからです! キラン

 

 

全員 『え〜!!?』

 

 

『ザワザワ!』

『PSKが…ファンクラブ「KASUMI」のふ、副会長!?』

 

 

青梅明子 「そう…だったんですか…」

 

驚きながら言う青梅明子。

 

柴又香織 「さ、さすが生徒会長!ここでも責任ある立場に!」

 

青砥綾香 「これで…『KASUMI』の運営は何の問題もなくなるわ!」

 

再び感激する音ノ木坂二年生コンビ。

 

 

野乃花 「でも…今日の幹部会を開いたのは私ではなく…この会を立ち上げた…会長からの指示が副会長の私にあったからなのよ。ニコ 」

 

青梅 「じゃ、じゃあ会長も…来るんですか? アセ …てゆーか幹部会なんだから来てくれないと…」

 

野乃花 「会長はお忙しいお方だから…なにせ…『KASUMI』の会長はあの…数々のファンクラブを運営する伝説のファンクラブメイカー……

 

『カンナミ』さんなのだから! キラララン

 

 

全員 『え〜〜!!?』

 

会長の正体を聞き驚愕する幹部一同。

 

 

『ザワザワ』

『な、何で…人気スクールアイドルでもプロのアイドルでもない一般女子高生のカスミンのファンクラブを… (汗) 』

『ザワザワ』

『ラブライブ常連のスクールアイドルや人気アイドルのファンクラブを組織化・運営するあの「カンナミ」さんが!? アセ 』

 

 

野乃花 「フフ…そうよね…それは私も知りたいわ。

…とにかく!本人の口から説明して貰いましょう!…じゃあ会長をお呼びします! ニコ 」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《秋葉原の大通り…》

 

秋葉原駅からファミレスのある方角へ空色おかっぱ頭に長いツインテールを付けたゴスロリ少女がフリフリした可愛らしいキャリーケースを引きながら歩いてる。

 

『ヴヴッ』

 

カンナミ 「あ…PSKから…LINE来た…」

 

 

『カンナミ会長!準備OKですよ!ウィンク 』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《幹部会場ファミレス…》

 

『ザワザワ』

『こ、これからここにあの「カンナミ」さんが アセ 』

『ザワザワ』

『カンナミさんに目を付けられるなんて…やっぱカスミンは凄いんだわ♡』

 

 

野乃花 「…(私も…まだLINEでやり取りしただけだから…流石にドキドキするわ!…どんな方なのかしら…日本中のアイドルをフォローするカリスマファンクラブメーカーの『カンナミ』さんは…)」

 

 

 

ウェイトレス 「…お客様!お待ち合わせの方をお連れしました!ニコニコ 」

 

 

幹部一同 『ゴ、ゴクリ…

 

 

 

…………え?(汗)』

 

 

 

カンナミ「……み、みなさん……こんにちわ アセ ……

 

こ、この度は……

 

ファンクラブ『KASUMI』に……

 

にゅーかい…してくれて……

 

ありがと…ございます…

 

(//o//) アセ

 

ル…わ、わたしがかいちょーの…

 

 

『カンナミ』です…

 

(//v//) ペコリ 」

 

 

 

幹部一同 『……か、可愛い!♡』

 

突然現れた小柄なゴスロリ少女のたどたどしい自己紹介に胸がキュンとなるファンクラブ「KASUMI」幹部一同。

 

 

野乃花 「可愛い!♡…………じゃなくて…

 

 

……い、1年A組…か、神無月…ルミさんが…

 

 

『カンナミ』さんなの!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 





日本中の有名アイドル、人気スクールアイドルのファンクラブを組織化・運営するカリスマアイドルフォロワー「カンナミ」さんの正体は恥ずかしがり屋の可愛らしいゴスロリ美少女、音ノ木坂学院新一年生のルミちゃんでした♡

一方で保健室登校のコミュニケーション下手な高校生、一方でカリスマアイドルフォロワーの神無月ルミとは一体どんな少女なのか?
そしてSiriusリーダー瑠衣はツバメの友達ひまちゃんに曲を付けて貰えるいい詞が書けるのか?

次回、「二人のスーパーアイドル」


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第11話 二人のスーパーアイドル


音ノ木坂学院2年E組、11月11日生まれ、さそり座のB型「カスミン」こと霜月霞の為に結成されたファンクラブ「KASUMI」の幹部会に集まった10人の霜月霞ファン。

ファンクラブ副会長の如月野乃花から会長はカリスマファンクラブメーカーとして名高い「カンナミ」だと告げられ驚くメンバー。

しかし現れた「カンナミ」の姿を見て幹部一同はさらに驚くのであった…



 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

秋葉ファミレス・第一回

ファンクラブ「KASUMI」幹部会…

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

野乃花 「カ、カンナミさんが…今年の音ノ木坂学院一年生の首席…神無月ルミ…さん?(…小学生時代からずっと…保健室登校っていう…あの…)」

 

驚愕した顔でカンナミこと神無月ルミを見るPSK

(パーフェクト/生徒会長/如月野乃花)。

 

 

『ザワザワ』

『え…カンナミさん…凄い…か、可愛い♡』

『ザワザワ』

『こんなちっちゃいゴスロリの子が…伝説のファンクラブメーカー…?(汗)』

 

 

野乃花 「と、とにかく アセ 今日急遽わざわざ皆さんに集まって貰ったのは…神無月…いえ…『カンナミ』会長から皆さんにお話ししたいことがあるみたいだから…

お、お願いします!会長!」

 

ファンクラブ会長「カンナミ」に話を振る野乃花。

 

 

カンナミ 「…ペコリ」

 

真っ赤な顔で微笑んでお辞儀をするゴスロリ少女カンナミ。

 

全員 『(…可愛い♡ キュン )』

 

 

カンナミ 「ゴホン..え〜…皆さんに今日集まって貰ったのは…『KASUMI』は他のファンクラブとは少し趣旨が違うということを…お伝えするのと…お知らせしたいことが…その…ありまして… アセ 」

 

可愛らしい小声でたどたどしく喋り始めるカンナミ。

 

青梅明子 「…あ、あの!カ、カンナミ会長!初めまして! アセ 私会員No3番青梅と言います! 」

 

緊張気味に挨拶する青梅。

 

 

カンナミ 「はい!多摩川学園の…青梅…明子さん…」

 

 

青梅明子 「そ、そうです!…その…私…カンナミ会長が運営するいくつかのスクールアイドルのファンクラブに登録してるんですが…UTX高校の『アルテミス』や浦の星女学院の『オリオン』を始め…」

 

 

『ザワザワ』

『わ、私も入ってる!』

『ザワザワ』

『わ、私も!』

 

嬉しそうに顔を見合わせる幹部一同。

 

 

カンナミ 「あ…ありがと…ございます…ペコリ 」

 

顔を赤くして律儀にお辞儀をするカンナミ。

 

青梅明子 「は、はい♡…それで…どのファンクラブも会員No11番までが幹部の称号を与えられてるわけですけど…幹部会って今までLINEでしか行われてませんよね?…どうして『KASUMI』はわざわざこんな風に集まったんですか? アセ 」

 

 

野乃花 「青梅さん?会長はそれをこれから説明しようとしてるんじゃない?」

 

微笑んで言う野乃花。

 

カンナミ 「…はい…そうです… テレ

皆さんも気付いてると思うけど…音ノ木坂学院2年、霜月霞さんこと『カスミン』は…人気スクールアイドルでもアイドルでもない…です… アセ 」

 

 

全員 『ま、まぁ…確かに…』

 

 

カンナミ 「でも…ルミ…じゃなくて アセ 私…霜月さん…『カスミン』を初めて観た時…感じたんです!

 

 

全員 『え?…な、何を? アセ 』

 

ずっと小声で喋っていたカンナミの声が急に大きく(普通)になり驚く幹部一同。

 

 

カンナミ 「…この人は…

『絶対スーパーアイドルになる!』…って…

(//∇//) キラキラ 」

 

 

全員 『…確かに!(泣)』

 

 

カンナミ 「それに…青梅…さん?」

 

 

青梅 「は、はい アセ 」

 

 

カンナミ 「ルミ…私…が…運営するファンクラブで…実際に集まって幹部会をやったことが前に一度だけ…ありました…」

 

再び小声になって話すカンナミ。

 

青梅 「え?」

 

 

カンナミ 「…UTX高校…ラブライブ前大会で優勝したスクールアイドル…

『アルテミス』のセンター…

 

『月虹陽愛(ひめ)』

 

…さんのソロファンクラブ…『RUNA HIME』を発足した時に…」

 

 

青梅 「そ、そうなんですか!? アセ …確か…

『RUNA HIME』は月虹陽愛さんがまだ…『アルテミス』に入る前に結成されたんです…よね?」

 

 

野乃花 「(私も…『RUNA HIME』の会員だけど…ヒメちゃんも可愛いわよね♡)」

 

 

カンナミ 「ルミ…私が初めてサーカスで『ヒメちゃん』を観た時の話しなんですが…(おじいちゃまとおばあちゃまと一緒に…)」

 

大好きな祖父と祖父母の顔を思い浮かべて笑顔になるカンナミ。

 

 

青梅 「あ…そっか…『ヒメちゃん』とメンバーの『天川亜蘭』さん…確かUTX高校に特待生として編入するまで…サーカスに…」

 

色々詳しいアイドルマニア青梅明子。

 

カンナミ 「…はい。…ブランコ乗りのヒメちゃんを初めて観た時…『絶対スーパーアイドルになる!』…って思って…その日にファンクラブ「LUNA HIME」を…作ったんです…(//∇//) エヘ 」

 

 

『ザワザワ』

『さ、さすがカンナミさん!見る目があるわ!』

『ザワザワ』

『…てゆーかカンナミさん…いくつ?(汗)』

『ザワザワ』

『…じゃ、じゃあ我等が「カスミン」もスクールアイドル…やるってこと!? ワクワク 』

 

 

青梅 「…あ、あの…『カスミン』が特別だって言うのは…何となくわかったんですけど…お知らせしたいことって言うのは? アセ 」

 

 

カンナミ 「…今皆さんが…言ってましたけど…カスミン…もうスクールアイドルに…なりました…」

 

 

全員 『……え!?』

 

目を丸くする幹部一同。

 

カンナミ 「…音ノ木坂学院スクールアイドル…『Sirius』に…昨日入ったみたいです…」

 

 

『ザワザワ』

『カ、カスミンがスクールアイドルに!? アセ 』

『ザワザワ』

『音ノ木坂って…まだスクールアイドルあったの? アセ 』

『ザワザワ』

『シ、シリ…ウス?知らないんだけど…』

 

 

青砥綾香 「『Sirius』って…あの…いつも勧誘してる?」

 

柴又香織 「うん…確か2年の…長…月?って子が1人でやってる…」

 

顎に手をやり思い出す柴又。

 

 

野乃花 「……2年E組…長月瑠衣さんよ…」

 

微笑を浮かべて言う野乃花。

 

 

青砥・柴又 『それだ!』

 

 

野乃花 「…神無月…『カンナミ』さん?

…その話し…本当です…か? アセ 」

 

 

カンナミ 「…はい…あと…1年生の…μ’sの南ことりちゃんの従姉妹…『卯月ツバメ』さんも…メンバーです…」

 

 

全員 『え〜!!?』

 

『ザワザワ』

『μ’sのことりちゃんの…い、いとこ!?』

 

 

カンナミ 「さらに…浦の星女学院の伝説のスクールアイドル…Aqoursの元リーダー、高海千歌さんが…『Sirius 』を指導する顧問になりました…」

 

たたみかけるかのように衝撃情報を伝えていくカンナミ。

 

 

全員 『…うっそ…』

 

驚き過ぎて小声になる一同。

 

 

柴又香織 「せ、生徒会長知ってましたか? アセ 」

 

野乃花 「…モ、モチロンじゃない! ホホエミ

プルプルプルプルプルプルプルプル

 

柴又・青砥 『(…ど、動揺しとる!PSK!)』

 

 

カンナミ 「…それなので…ファンクラブ『KASUMI』とは別に…

 

『Sirius』のファンクラブも発足するので…

 

入りたい人は…います…か…? テレ 」

 

 

 

全員 『…入ります!!!』

 

声を揃えて手を上げる10人の霜月霞ファン。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

帰り道…

 

 

柴又香織 「…それにしても…驚きの連発の幹部会だったわ… アセ 」

 

青砥綾香 「そ、そうね…まさかカスミンが…スクールアイドルに…それにあの『Aqours』の元リーダー高海千歌が…音ノ木坂にいるなんて…(汗)」

 

柴又 「…それと『カンナミ』さんがあんな可愛らしい女の子だったのもビックリしたけど…なんか…見たことあるような気も…」

 

顎に手をやり思い出そうとする柴又。

 

青砥 「わ、私も思った!…生徒会長は…どうですか? チラ 」

 

後ろを振り返る青砥と柴又。

しかし…

 

青砥 「…あれ?…いない?さっきまでいたのに… アセ 」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

野乃花 「…『カンナミ』会長!

 

 

カンナミ 「…!」

 

そそくさとフリフリキャリーケースを引いて歩くカンナミを後ろから呼び止める野乃花。

 

 

野乃花 「…いえ…音ノ木坂学院1年A組…

『神無月ルミ』さん? ニコ 」

 

 

ルミ 「…つけて来たん…ですか?」

 

野乃花の顔は見ずに頬を染めて尋ねるルミ。

 

 

野乃花 「…まぁ…そうね。」

 

 

ルミ「…何の用…ですか? テレ 」

 

 

野乃花 「…別に用って程でもないんだけれど…とにかく今日の幹部会…皆んなも言ってたけど…驚きの連続だったわ アセ 」

 

ルミ「…そうですか…

…今日は…みんなを集めてくれて…ありがとでした…如月…さん…」

 

たどたどしくお礼を言うルミ。

 

 

野乃花 「フフ…どういたしまして!『カンナミ会長』!…ちゃんとお礼言えるのね ニコ 」

 

 

ルミ 「…如月さんには…ファンクラブ『Sirius』の副会長も…出来れば…お願いしたいです…」

 

 

野乃花 「もちろんいいわよ!」

 

笑顔で答える野乃花。

 

 

ルミ 「ありがと…です…」

 

俯向きつつ若干嬉しそうな表情になるルミ。

 

 

野乃花 「…ねぇ…神無月…ルミちゃん?

…一つ聞いてもいい?」

 

 

ルミ 「…はい…」

 

 

野乃花 「…あなた…あんなにしっかりみんなの前で喋れたり…あんなに多くの組織を運営したり…おまけに成績も学年トップなのに…

どうして保健室登校…なの?」

 

少しの間黙るルミ。

 

 

野乃花 「ま、まぁ話したくなければ…」

 

ルミ 「………ルミ…あんまり…誰かと話したり…仲良くするの…苦手…だから… アセ 」

 

 

野乃花 「え?…でも…知らない…しかも年上の人相手にあんなに喋ってたじゃない。」

 

微笑んで言う野乃花。

 

ルミ 「あれは…だ、大好きなアイドルの人達のため…だから…その…頑張れると…いうか…

(//~//) 」

 

 

野乃花 「…そっか…健気なのねルミちゃん♡」

 

ルミ 「え? アセ 」

 

 

野乃花 「ただ…残念だわ。せっかく同じアイドル好きな子と知り合えたのに…学校ではあまり会えないのね。」

 

寂しそうに笑って言う野乃花。

そんな野乃花を少し不思議に思うルミ。

 

ルミ 「せ、生徒会長とは…その…学年違うから…元々…そんなに…会わない アセ 」

 

野乃花 「…まぁそうよね フフ 」

 

 

瑠美 「ルミ…あんまり遅くなると…おじいちゃまとおばあちゃまが…心配するから…

…じゃあ… 」

 

 

『ガラガラガラガラッ』

 

急に足早に立ち去るカンナミこと神無月ルミ。

 

 

野乃花 「あ! アセ …行っちゃった…

…おじいちゃまとおばあちゃま?…お父様とお母様じゃなくて?」

 

 

『ガラガラガラガラッ』

 

 

野乃花 「…あ…なんかちょっと戻って…?」

 

 

ルミ 「……ペコリ」

 

両手を前にして野乃花にお辞儀をするルミ。

 

『クルッ…ガラガラガラガラッ

 

 

 

野乃花 「ウフ…ルミちゃん…可愛いわ〜♡

 

……それはそうと…

 

カスミンがスクールアイドルを始めるなんて アセ

 

それもあの…今にも無くなりそうだったスクールアイドル…長月瑠衣さん1人だった『Sirius』に…

 

 

……ウチの学校のスクールアイドル…

 

『Sirius』に……

 

 

ん?

 

 

………ということは……

 

 

『Sirius』に入れば…

 

 

……………………………

 

 

いつもカスミンと一緒にいられるってことじゃない!!!? アセアセアセ

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Sirius」No8

師走茉央

 

【挿絵表示】

 

 

スクールアイドル「Sirius」No9

神無月ルミ

 

【挿絵表示】

 

 

 





かくしてスクールアイドル「Sirius」に入る事のメリットに気付いたPSKこと如月野乃花。果たしてスルーし続けた長月瑠衣に頭を下げる事が出来るのか?
そして次の話では元Aqoursのあの人がイタリアから帰国します!

次回、「王者・UTX学園」


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第12話 王者・UTX学園


音ノ木坂学院2年生、カッコかわいいクールビューティ・「カスミン」こと霜月霞のファンクラブ「KASUMI」の幹部会で霞がスクールアイドル「Sirius」に加入した事を知った生徒会長・如月野乃花。

霞にちょっと危ない想いを抱いている野乃花は衝撃の事実に気付くのでした。


 

 

野乃花 「『Sirius』に入れば…

 

 

いつもカスミンと一緒にいられるってことじゃない!!!

 

 

モヤモヤ〜

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

野乃花 「はい!カスミン練習お疲れ様♡

喉乾いたでしょ!」

 

霞 「あ…ありがとう野乃花さん!…これは何ですか?」

 

野乃花 「私がカスミンのために栄養学を勉強して作ったPSK特製栄養ドリンクよ! キラキラ 」

 

霞 「ありがとう野乃花さん!嬉しいです! ニコ 」

 

野乃花 「い、いいのよ別に!

(//∇//)…それと…

 

 

『のんちゃんの愛情』が沢山入ってるぞ♡ 」

 

 

 

霞 「…野乃花さん… ウル

 

…いや…のんちゃん!…今日…いや…

 

毎日一緒に帰りましょう!

 

 

野乃花 「カ、カスミン! ホロリ

 

よ、喜んで!!♡

 

 

『ハグッ♡』

 

 

瑠衣 「…全く…お熱いんだから2人とも アセ 」

 

ツバメ 「…ヒューヒュー…ですね♪」

 

千歌 「青春だなぁ〜…(私も早く帰って曜ちゃんと…♡)」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

モヤモヤ〜……

 

 

ウフ…ウフフ…千歌さん?何いけないこと…考えてるんですか?…曜さんと一緒にご飯?…お風呂?…それとも…

(//∇//) ツツツ〜ッ… 」

 

 

?「あの〜…」

 

道端で妄想にふける野乃花に誰かが話しかける。

 

野乃花 「ハッ!…は、はい!何でしょうか!?(い、いけない!私ったら妄想が曜チカにまで膨らんでしまっていたわ! アセ …続きは帰ってから…)」

 

慌てて反応する野乃花の前には長身(170cm位)の女性が立っていた。

頭にお団子を二つ付けた黒髪の美女でどこかチャイナ風な雰囲気がある。

 

 

?「鼻血…出てるよ?…ティッシュ…どうぞ アセ 」

 

 

野乃花 「え?(汗)…ほ、ほんとだわ… あ、ありがとうございます…フキフキ 」

 

気まずいながらも貰ったティッシュで鼻血を拭くパーフェクト生徒会長、如月野乃花。

 

 

?「エッチなことはお家に帰ってからゆっくり考えなよ! ニコ …それじゃ!」

 

イタズラっぽく笑って颯爽と立ち去るチャイナ風美女。

 

 

 

野乃花 「エ、エッチなことって! カオマッカ …まぁ…考えていたけれど… アセ

…あ〜私としたことが〜… アタマカカエ

…と言うか…今の人…どこかで見たことあるような…?

 

……あ!ま、また鼻血が… アセアセ 」

 

 

 

 

 

?「……フフ…今の子…凄い美人なのにムッツリさんなんだな ニガワライ

 

…それにしても…

 

毎回海まで迎えに行きなきゃならないこっちの身にもなれよなぁ〜

 

 

……陽愛(ひめ)のやつ!!

 

早足で歩きながらスマホを睨んで呟くチャイナ風美女。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〈湘南 海岸…〉

 

 

ザァ〜…

 

ザァ〜…

 

 

少女 「フフフ…"波"さんは綺麗な歌声だなぁ♪」

 

湘南の海辺で小さな女の子が目を閉じて波の音を聴いている。

…しかし少女の座っている場所はいささか異様で周りに何も無い高い壁の上であった。

ハシゴや階段を使わずにどうやって登ったのだろうか?

 

 

『ヴヴッ』

 

 

少女 「あ…亜蘭からLINE…

 

〈亜蘭『また勝手に海見に行ったのか!?行く前は一言言えっていつも言ってるだろ! 怒

…ったく!今から迎えに行くからジッとしてろよ陽愛(ひめ)!』〉

 

フフ…亜蘭はおこりんぼさんだなぁ…

 

……あ!……富士山さん見えた! パアァァ 

 

 

【挿絵表示】

 

 

大きな瞳を見開き顔を輝かせる陽愛(ひめ)という名の少女。

少女の瞳の色は左右違っていていわゆるオッドアイだ。

 

 

陽愛 「……明日は沼津辺りまで行ってもっと大っきい富士山さんみよっと♡ ニコニコ 」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

〈イタリア→日本便 飛行機内…〉

 

ゴォォォ…

 

お金持ちだけが乗る事を許される飛行機のファーストクラスの席に頭に6の時の編み込みを付けた金髪の女性がニヤニヤしながら座っている。

23歳になった小原鞠莉であった。

 

 

鞠莉 「…フフ…もうすぐジャパーンにアライブデ〜ス!…やっとイタリアでのスクールマネジメントの研修が終わってこれで晴れて私も…

 

早く果南とダイヤに会いたいな♡

 

 

 

CA (キャビンアテンダント)

「Sorry…would you like meat or fish? アセ (あの〜…魚かお肉…どちらにしますか?) 」

 

少女 「……………シ-ン..」

 

鞠莉の隣の席にチョコンと座っている銀髪碧眼の美少女に日本人と思われるCAが話しかけている。

…しかし少女の反応がない。

 

 

CA「…イタリア人かな? アセ

 

Sia carne che pesce?

 

…フランスかしら? アセ

 

Les viandes et les poissons ?

 

イタリア語とフランス語で同じ事を少女に尋ねるCA。

しかしジ〜っと固まって微動だにしない銀髪碧眼少女。

 

 

少女 「……………シ-ン..」

 

 

鞠莉 「…?どうしたんでしょうか…?あの子…何も答えず…固まっていマ〜ス アセ 」

 

隣のやりとりを怪訝な顔で見つめる鞠莉。

 

 

CA 「Are you all right? Dear Ms.a visitor:?(あ、あの アセ お客様?気分でもお悪いんです? アセ) 」

 

 

少女 「……………シ-ン..」

 

 

 

鞠莉 「Oh!freezeしていマ〜ス! アセ 」

 

固まり続ける少女に少し驚く鞠莉。

 

 

CA 「ど、どうしたのかしら… アセアセ

Ms.a visitor!?Ms.a visitor!?

 

不安な顔で少女に呼びかけるCA。

 

 

少女 「…………………ハッ!

 

ビクッと身体を震わせる少女。

 

 

CA 「Are you all right!? アセ 」

 

 

 

少女 「…寝てないですよ?

 

…ちょっと…夢を見てただけです。」

 

微笑を浮かべて言う少女。

 

 

CA 「は?夢って…あれ?に、日本語? アセ 」

 

 

鞠莉 「Oh〜…それは寝てるということデ〜ス…というより…あんな目を開けたまま…寝れるのデ〜スか!? アセ 」

 

少女の不可解な発言を不思議に思う鞠莉。

 

 

CA 「だ、大丈夫って事かな? アセ あ、あの…お食事は…お肉とお魚どちらにいたしますか? アセ 」

 

 

少女 「…魚で。」

 

微笑んで答える少女。

 

 

 

 

鞠莉 「…ボンジョルノ!」

 

イタリア語で銀髪碧眼少女に挨拶する鞠莉。

 

 

少女 「!…こんにちわ ホホエミ 」

 

 

鞠莉 「あれ?イタリア人ではないのデ〜スか?…フランス?

…ていうかなんで日本語なの? アセ 」

 

少女 「イタリア人とフランス人のハーフですが…父の仕事の都合で5歳まで日本にいたのデス ニコ 」

 

鞠莉 「そ、そうなのデスか… アハハ 」

 

少女 「そうなのデス ニコ 」

 

端正なフランス人顔で自分より自然な日本語で話されて複雑な気持ちになるマリー。

 

 

鞠莉 「ゴホンッ…では…始めまして!ワタ〜シは小原鞠莉!日本人とイタリア人のハーフデース!歳は23歳だよ! ウィンク 」

 

 

少女 「…私は…

 

 

ソフィア・バルバラ・オレフィッチ

 

15歳です。

今年から日本の…UTX学園1年生になるのデス!

ホホエミ 」

 

 

鞠莉 「え!?…UTX?…それって…

確かスコォールアイドォ『A-RISE』の…」

 

UTXと聞いて真っ先にA-RISEを思い浮かべる元スクールアイドル「Aqours」の鞠莉。

 

 

ソフィア 「ご存知なのデスね。…さすがA-RISE…と言ったところでしょうか…」

 

 

鞠莉 「Oh〜…ソフィアちゃん…凄い可愛いらしいからスコォールアイドォやれば『A -RISE』みたくシャイニーなアイドォになれるんじゃない? ニコ 」

 

 

ソフィア 「…どうでしょうか?

 

……ファ……」

 

あくびをするソフィア。

 

 

鞠莉 「Oh〜 アセ 眠いのデ〜スか?

…それはそうと…マリ〜に教えて欲しいのですが…どうすれば目を開けたまま夢を見れるの?今度マリーのアミーケ(友達)に本当の開眼睡眠を見せてあげたいのデ〜ス! 」

 

ニコニコしながら尋ねる鞠莉。

 

 

ソフィア 「……………シ-ン..」

 

突然先程と同じようにfreezeするソフィア・バルバラ・オレフィッチ。

 

 

鞠莉 「………ソフィア…ちゃん?(汗)」

 

 

ソフィア 「……………シ-ン..」

 

 

鞠莉 「…か、開眼睡眠…

 

Bravo(ブラーヴォ)!

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Artemis」No1

月虹陽愛

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 





ちなみに「Bravo(ブラーヴォ)」はイタリア語で「素晴らしい!」です。
ついに姿を現し始めた前回ラブライブ王者のUTX学園スクールアイドル「アルテミス」の月虹陽愛(ひめ)と天川亜蘭。
そして天空で出会った伝説のスコォールアイドォ小原鞠莉と謎のUTX新入生ソフィアちゃん。
ソフィアちゃんの自然な日本語への嫉妬を抑えてマリーは開眼睡眠を伝授して貰えるのか!?

次回、「関東スクールアイドルフェスタ」


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第13話 関東スクールアイドルフェスタ


姉との約束を胸に秘めた…
一番星☆長月瑠衣

夢を持てずに悩む…
二番星☆霜月霞

偉大ないとこと姉に憧れる…
三番星☆卯月ツバメ

ツバメの力になる事が生き甲斐の…
四番星☆葉月向日葵

霞に危ない想いを抱く…
五番星☆如月野乃花

可愛い衣装に憧れるイケメン女子…
六番星☆轟弥生

はんなりゆったりみんなをナデナデする…
七番星☆島村皐月

アイドルとして一旗上げる事を夢見る…
八番星☆師走茉央

はにかみ笑顔で一所懸命アイドルを支える…
九番星☆神無月ルミ


この9個の星が一つになる時夜空に輝く一等星
"Sirius"に負けない輝きを放つのでした。

後に伝説のスクールアイドルに導かれその輝きを最初に放つ事になるイベントの名前は…





 

 

第13話 「関東スクールアイドルフェスタ」

 

 

〈音ノ木坂学院アイドル部部室…〉

 

 

千歌「Siriusの皆さん!とりあえず…ラブライブ優勝しちゃいましょう!」

 

 

瑠衣・霞・ツバメ 『え?(汗)』

 

音ノ木坂学院スクールアイドル「Sirius」の3人に向かって顧問の高海千歌はニッコリ笑って言った。

 

 

瑠衣 「ゆ、優勝って… アセ 」

 

霞 「…ラブライブってもしかして参加校少ないの?」

 

ツバメ 「…5年前から徐々に減ってはいるみたいですけど…日本全国から5000組以上参加します… ニガワライ 」

 

瑠衣 「で、でも千歌さん…瑠衣たちやっと練習始めたばっかで アセ …オリジナルの曲もまだ …」

 

スクールアイドル「Sirius」はまだ遊びのようにμ'sやAqoursの曲を踊っただけで本格的に活動するのは今日が初めてであった。

 

 

千歌 「…だから〜!常にそこを目指してやって行こうってことだよ瑠衣ちゃん! ニコ 富士山だっていきなり頂上には行けないでしょ?」

 

霞 「…確か富士山は五合目からみんな始めるんだっけ?」

 

千歌 「お!詳しいね霞ちゃん!…さては登山好き? ニヤリ 」

 

霞 「べ、別に… アセ 」

 

千歌から目をそらす霞。

 

 

ツバメ 「じゃ、じゃあ…五合目はやっぱりラブライブ出場…ですか!?」

 

瑠衣 「そ、そこでまだ半分!?」

 

 

千歌 「…ううん…そこはもう頂上付近だよ…ラブライブに出る子達はみんな優勝してもおかしくないくらい上手だもん!」

 

瑠衣 「た、確かに…」

 

何度も観客として見てきたラブライブ出場者達を思い浮かべる瑠衣。

 

 

霞 「…もうちょっと現実的な目標がいいんじゃない?…とりあえずライブをやる…とか。」

 

瑠衣 「お!カスミンやる気だね♪」

 

ツバメ 「ラ、ライブ… アセ スクールアイドルの…! パアァ 」

 

嬉しそうなツバメ。

 

 

千歌 「…まぁ私達『Aqours』も最初はそこからだったな…(名前すら決まってなかったなぁ… フフ )

 

…でもとりあえず『Sirius』が目指す五合目は…これです! バサッ 」

 

一枚の紙をテーブルの上に置く千歌。

そこには大きな文字でイベント名が書かれていた。

 

 

《関東スクールアイドルフェスタ2024》

 

 

瑠衣 「あ!…このチラシは…!」

 

ツバメ 「ラ、ラブライブの前夜祭とも言われる今年度最初のスクールアイドルのイベント…

 

関フェス!

 

 

霞 「ヘェ〜…ラブライブ以外にも大会あるんだ…」

 

千歌 「フフ…まぁ私の時はなかったけど…とにかくまずはこれに出てラブライブ予選までに勢いをつけちゃおう!

…もちろん目指せ最優秀スクールアイドルだよ!」

 

親指を立てて言う千歌。

 

 

瑠衣 「……(…そっか…もう1年経つんだ…)」

 

 

 

…〜…〜…〜…

 

〜1年前、音ノ木坂学院アイドル部部室…〜

 

 

瑠衣 「え!?さ、最優秀スクールアイドル!?」

 

茉央 「そうよ!なんとしてもこのタイトルを手に入れて無名スクールアイドルから一気にラブライブ出場有力候補までのし上がるのよ! ニヤリ 」

 

瑠衣 「で、でも…曲は? アセ 」

 

茉央 「う アセ …ま、まぁそこは私のコネクションで何とかしたりしなかったり…」

 

瑠衣 「どっち…?」

 

不安な顔で茉央を見つめる瑠衣。

 

茉央 「う、うるさいわね! アセとにかくチャンスなんだから何とかするわよ!衣装も私のコネクションで何とかするから…ダンスはちょっとはあんたに期待してるからね!」

 

 

瑠衣 「うん!了解であります! ケイレイ

 

…ところで…ほんとに名前…

 

「Sirius」…でいいの?」

 

 

茉央 「…あ〜…まぁ私はそんなに名前とかこだわりないし…いいんじゃない?とりあえず横文字なら!」

 

本当にこだわりがない様子で言う茉央。

 

瑠衣 「そ、そっか! アセ (とりあえず横文字…)」

 

…でもありがと!茉央ちゃん! ニコ 」

 

 

茉央 「べ、別にお礼を言われることじゃないし…

アセ 」

 

 

瑠衣 「ううん…だって…瑠衣の夢だったから…『Sirius』ってスクールアイドルを誰かとやることが。…だから瑠衣…茉央ちゃんと出逢えてほんとに嬉しいよ♡」

 

屈託無い笑顔を茉央に向ける瑠衣。

 

茉央 「な、何急にこっぱずかしいこと言ってんのよ! カオマッカ …そ、それに私の足を引っ張るようならいつでも解散するからね!」

 

半分照れ隠し、半分本気で言う茉央。

 

 

瑠衣 「は、はい! アセ 茉央ちゃんの足を引っ張らないよう瑠衣精一杯ダンスするであります! ケイレイ 」

 

 

茉央 「…まぁあんたと私が頑張っても他の3人次第で解散だけどね!」

 

 

瑠衣 「み、みんなで頑張るであります! アセ 」

 

 

茉央 「…それにしてもまさにその3人遅いわね!昨日も遅れて来て練習少ししか出来なかったのに!」

 

 

瑠衣 「る、瑠衣ちょっと教室見てくるよ!」

 

バタンッ!

タッタッタッ…

 

茉央をなだめるように急いで他の3人の部員を呼びに行く瑠衣。

 

 

茉央 「全く!昨日と全く同じパターンじゃない…」

 

そう言いながら『関東スクールアイドルフェスタ2023』のチラシを見つめる茉央。

 

 

茉央 「……スクールアイドルをやれる…一生に一度のこの3年間は…

 

1秒だって無駄に出来ないんだから…!

 

 

 

…〜…〜…〜…

 

 

 

瑠衣 「(…結局…その後瑠衣と茉央ちゃん以外の3人はすぐ辞めちゃって…2人で出た関フェスも駄目駄目で…学校でも誰からも相手にされなくて…茉央ちゃん学校外で地下アイドル活動はじめちゃったんだよね…)」

 

 

「……い!る〜い!…瑠衣!

 

 

瑠衣 「…へ?」

 

 

霞 「ちょっと何度も呼んでんでしょ! アセ 何回想シーン入ってんのよ!」

 

物思いにふけっていた瑠衣に怒る霞。

 

 

瑠衣 「ご、ごめんなさい…てか何で回想シーンしてたのバレてんの!? アセ 」

 

 

霞 「いや、瑠衣って時々急に物思いにふけるから…引きずってる過去を思い出してんのかな?って…」

 

 

瑠衣 「え…瑠衣ってそんななの? ニガワライ 」

 

 

ツバメ 「瑠衣さん大丈夫!ツバメも良く急に考え込んだり関係ない事考えて笑っちゃったりするから!」

 

ニッコリツバメスマイルで言うツバメ。

 

 

瑠衣 「あ!瑠衣も笑っちゃうの良くやるよ!」

 

 

霞 「…(…そういや私も…やるかも…)」

 

 

千歌 「フフ、私も良くやるよ! ニコ

…ツバメちゃんはやっぱりことりさんのいとこだね〜 シミジミ 」

 

 

ツバメ 「え?」

 

 

千歌 「No1癒し系スクールアイドルの血を引いてるってことだよ! ウィンク 」

 

 

ツバメ 「…そっかな?

(//∇//) テレ 」

 

 

瑠衣 「…てゆーか瑠衣ツバメちゃん見てるだけで癒されてます!可愛いんだもん♡」

 

ツバメ 「瑠衣さんだって…可愛いです! ニコ 」

 

瑠衣 「ん〜!ありがと♡ ハグッ 」

 

 

霞 「…また抱きついてるし… ジト

 

……それよりあんた…詩は出来たの?」

 

疑いの目で尋ねる霞。

 

 

瑠衣 「……も、もう少々お待ちクダサイ…」

 

小さくなって呟く瑠衣。

 

 

千歌 「…う〜ん…瑠衣ちゃん…もしかして…詩とか書くの苦手でしょ? コマリガオ 」

 

 

瑠衣 「そ、そ、そんなことなくなくないですよ!

ニコニコアセアセ 」

 

 

ツバメ 「瑠衣さんわかりやすい… アハハ 」

 

 

千歌 「…じゃあさ!明日までにとにかく歌詞書いてこよう!皆んなで!」

 

 

瑠衣・霞・ツバメ 『み、みんなで!?』

 

 

千歌 「そうだよ!1人一つ書いて来て見せ合いっこして…1番いい作品を採用します!…ちなみに私も書いてくるからみんな私に負けちゃ駄目だぞ!」

 

ニカッと笑いながら言う千歌。

 

瑠衣 「え?元Aqoursの千歌さんの作詞が見れるの!?」

 

思わず目を見開く瑠衣。

 

霞 「…ていうか千歌さん国語教師なんだから普通に千歌さんよりいい詩って難しいでしょ! アセ

…せめて一つじゃなくて五つくらい書かせてくれないと…」

 

何故かノルマを増やす霞。

 

瑠衣 「え?…カ、カスミンなんでハードル自分から上げるの!? アセ 」

 

ツバメ 「五つなんかツバメ無理…グスン 衣装のデザイン画なら出来るかもだけど エヘ 」

 

言いながら衣装をイメージして楽しそうになるツバメ。

 

千歌 「ま、まぁ〜…書けるなら何個書いてきてもいいよ!」

 

 

霞 「ほんとですか!? パアァッ

………あ〜あ!めんどくさ!」

 

 

瑠衣 「カ、カスミン?(汗)」

 

ツバメ 「(…もしかして霞さん)」

 

千歌 「(フフ…霞ちゃん…)…まぁ別に国語教師とかは関係ないよ?スクールアイドルの歌の作詞は…1番大事なのはテクニックじゃなくて何かを伝えようっていうハートだから! ドン 」

 

自分の胸を叩く千歌。

 

 

霞 「ですよね!パアァッ

………あ〜あ…大変そう!」

 

 

瑠衣 「カ、カスミさん?(汗)」

 

ツバメ 「 (やっぱり霞さん!)」

 

千歌 「よし!とにかく作詞は明日のお楽しみということで…」

 

瑠衣 「明日か〜… ハァ 」

 

霞 「明日か〜… フフ 」

 

正反対の表情になる瑠衣と霞。

 

 

千歌 「今日はみんなで『Aqours』の曲の中から好きな曲を一緒に踊ってみよう〜♪」

 

 

瑠衣・ツバメ 『お〜〜!!(╹◡╹)』

 

霞 「…お、お〜… テレ 」

 

 

千歌 「それじゃみんな!伝説の練習場所に〜

 

 

レッツゴー!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〈夕方、音ノ木坂学院屋上…〉

 

 

千歌 「…じゃあ今日はこれくらいにしておこうか!」

 

瑠衣 「はい! ニコニコ 」

 

 

ツバメ 「ハァハァ…

は、はい!(…つ、疲れた〜 アセ )」

 

霞 「ハァハァ…

ふぅ〜…(やっと終わりか〜 アセ )」

 

 

千歌 「フフ。瑠衣ちゃんはまだ余裕ある感じだね!さすが絵里さんの弟子!」

 

瑠衣 「あはは…って言っても月に1回くらいですけど〜…」

 

ツバメ 「でも…凄いです!」

 

尊敬の眼差しを瑠衣に向けるツバメ。

 

 

千歌 「次は絵里さんにいつ教わるの?」

 

瑠衣 「…次は…今週の日曜です♪

 

嬉しそうに答える瑠衣。

 

 

千歌 「え!すぐじゃん! アセ 」

 

 

瑠衣 「はい!…そうだ!じゃあカスミンとツバメちゃんも一緒に来ない? ニッコリ 」

 

千歌 「それ凄くいい!」

 

ツバメ 「え!?いいんですか!? アセ 」

 

霞 「…まぁお邪魔じゃなければ…いいけど…」

 

ツバメ 「あ…じゃあその日ツバメのウチにも遊びに来ませんか?今度の日曜の夜ことりちゃんが来るんです! ニコ 」

 

 

瑠衣・千歌 『え〜!? アセ 』

 

 

霞 「…μ’sの南…ことりさん…が…」

 

 

瑠衣 「ことりさんに会うの瑠衣めっちゃ久しぶりだ〜♡」

 

千歌 「よし!久しぶりに絵里さんにもことりさんにも会いたいから…私も参加します!」

 

笑顔で拳を握る千歌。

 

ツバメ 「はい!是非千歌さんも来てください!

ニコニコ 」

 

霞 「(さすがにちょっと…緊張するな アセ )」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈部室外…〉

 

アイドル部部室の窓に紙コップを付けて聞き耳を立てる怪しい人影が驚愕の表情で固まっていた。

 

茉央 「な、な、ななななんてことなの?…みゅ、μ’sのエリーチカに…こ、ことりちゃんに今度の日曜会うですって!? アセアセ

 

 

…日曜は…奈緒美と地下アイドル活動の日だけど…

 

 

良し!キャンセルしよう…!

 

 

そう呟くと茉央は沈む夕日に向かって絵里とことりのサインをゲットする事を心に固く誓うのであった。

 

 

 

 

 

 

 





ゆっくりと動き始めたμ'sの後輩スクールアイドルSirius。

そこには少しづつ高海千歌以外の伝説のスクールアイドル達も引き寄せられて来るのでした。

兎にも角にも次の日曜にエリーチカとことりちゃんに会う事になったSiriusの三人。
この情報を盗み聞きしていたアイドルマニアの茉央は見事サインを貰う事が出来るのか!?
(*ちなみに茉央が呟いた"奈緒美"は番外編・エピソード1に出て来た埼玉花咲学院2年生、春日部奈緒美ちゃんの事です。)

次回、「富士山さんと王者の出会い」


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番外編
エピソード 1 晴れの日の歌



ラブライブ!るーきーず!!最終章の1つの回を投稿してみます。
時期は2025年3月、第24回ラブライブ直前、3つのスクールアイドルが作戦会議をするお話です。


音ノ木坂学院 「Sirius」

1年
卯月ツバメ
【挿絵表示】

葉月向日葵
【挿絵表示】

神無月ルミ
【挿絵表示】


2年
長月瑠衣/リーダー
【挿絵表示】

霜月霞
【挿絵表示】

師走茉央
【挿絵表示】


3年
轟弥生
【挿絵表示】

島村皐月
【挿絵表示】

如月野乃花
【挿絵表示】



埼玉花咲学院 「彩りBouquet(ブーケ)」

1年
白岡星乃
【挿絵表示】

吉川菫(すみれ)
【挿絵表示】

熊谷花子
【挿絵表示】


2年
美女木朝/リーダー
【挿絵表示】


【挿絵表示】

飯能美玲
【挿絵表示】

春日部奈緒美
【挿絵表示】


3年
大宮杏
【挿絵表示】

大宮林檎
【挿絵表示】

川越檸檬
【挿絵表示】



埼玉木曽呂北高校 「Paradise Brace」

1年
鴻巣楓(かえで)
【挿絵表示】

所沢英莉華
【挿絵表示】

ミア・アナスタシア・高麗川・スミス
【挿絵表示】


2年
大宮桃/リーダー
【挿絵表示】

宝塚 咲
【挿絵表示】

モニカ・アレクサンドラ・イ・ルイス・トリニダード・サンテシマ・ラ・デ・クリスピアノ・クリスピン・レメディオス・ロス・デ・マリア・ネポムセノ・ファン・パウラ・デ・フランシスコ・ホセ・ガルシア
【挿絵表示】


3年
朝霞魔鈴
【挿絵表示】

白岡月乃
【挿絵表示】

本庄萌心(もこ)
【挿絵表示】



 

ラブライブ!るーきーず!!

最終章

エピソード 1

 

「晴れの日の歌」

 

 

朝 「…ラブライブは…終わらせない!…絶対に!」

 

 

朝の大きな声が音ノ木坂学院の体育館に鳴り響く。

 

檸檬 「終わらせないって言ったって…どうするのよ?もう今回のラブライブ!が最後って決まったんでしょ?」

 

朝 「……」

 

檸檬の問いかけに答える事が出来ない朝。

 

杏 「今回で…最後…」

 

悲しそうな顔で桃の顔を見る杏。

 

桃 「…やっぱり…寂しいね…」

 

朝 「終わらせないったら終わらせない!…だって…僕…約束したんだ!美穂ちゃんから受け継いだラブライブの…スクールアイドルへの想いをずっとずっと繋いで行くって…!」

 

奈緒美 「朝…あんた…」

 

咲 「でもな〜…μ'sや Aqoursの人らが交渉しても駄目やったんやろ?ていうかμ's、 Aqoursの中にもラブライブ!終了に賛成の人もいるみたいやん!」

 

ミア 「そ、そうなのですか!?」

 

咲 「…みたいやな。まぁ運営サイドにいる方々の意見らしいんやけどな。」

 

ミア 「ミアのお父様とお母様になんとか頼んでみましょうか?」

 

モニカ 「いやいやミアのご両親が出てきたら国際問題になっちゃいマ〜ス!」

 

桃 「ミアちゃんのお家王族だもんね…」

 

咲 「そ、そうやった!ミアっちお姫様や!」

 

ミア 「…やはりダメでしょうか…」

 

ションボリする王女ミア 。

 

 

 

茉央 「お、お金の問題なら…あんたどうにか出来ないの!?デスひま!」

 

向日葵 「そのアダ名やめてくださいデス!…ていうか私の貯金くらいじゃ…それにたとえお父さんが強力してくれてもラブライブ!そのものを運営していくなんて…」

 

ツバメ 「そう…だよね…あ!で、でも!」

 

茉央 「そ、そうよ!あんたがまだいるじゃない!ルミ!」

 

ルミ 「…確かにルミの会社の力を使えば今回で終了…,じゃなくなるかもしれない…」

 

ザワザワザワザワ!

 

ルミの発言にざわつく体育館に集まった一同。全員ルミの事を期待の眼差しで見つめる。

 

野乃花 「ほ、ほんとなの?ルミちゃん!」

 

ルミの肩に手を置き尋ねる野乃花。

 

弥生 「さっすが大富豪のお孫さん!」

 

ルミ 「でも…それでもルミのお家の力だけじゃあと1年続けるのが精一杯だし…何より共同出資している鞠莉さんと真姫さん、希さんはラブライブ!終了に賛成しているし…。」

 

肩を落とす現役スクールアイドルの一同。

 

星乃 「賛成してるμ's、Aqoursの人ってその人達なんだ…で、でもダイヤ先生は反対してるよね?」

 

菫 「はい…先生…ラブライブ!は終わらないって…言ってました!」

 

星乃 「そうそう!花子も聞いてたよね?」

 

花子 「私の名前はユメですから!…まぁ言ってたけど…ダイヤちゃん…」

 

 

楓 「うちのキズナちゃんだって…終わらないって…言ってたよね?」

 

少し自信なさげに隣に聞く楓。

英莉華 「Zzz…」

 

楓 「って寝てる!?」

 

萌心 「…まぁ無理ないわね…英莉華いつもならこの時間もう寝てるから…」

 

魔鈴 「ま、まだ21時だけど…」

 

 

英莉華 「パチンコ…」

 

 

楓 「あれ?起きてる!」

 

萌心 「き、奇跡だわ…」

 

魔鈴 「英莉華ちゃん…絆先生またパチンコ行ってたの?」

 

英莉華 「絆ちゃんがパチンコで大勝ちして…たくさんお菓子をくれたんだ…」

 

Paradise braceメンバー「え!?絆ちゃんが大勝ち!?」

 

英莉華 「夢の中で…」

 

Paradise braceメンバー 「ガクッ!」

 

夢オチ発言に膝を落とすパラブレ8人。

 

 

 

月乃 「ラブライブ!…終わるしか…ないのでしょうか…」

 

そう言いながら窓の外の月を見つめる月乃。

その儚げな呟きに目を奪われるSirius、彩りBouquet、Paradise brace の26人。

 

 

霞 「…ていうかあんたさっきから何黙ってんのよ瑠衣!」

 

茉央 「そ、そうよ!みんなで策を練ってるこの時に…諦めの悪さがアンタのウリでしょ!?」

 

瑠衣を指差して言い放つ茉央。

 

朝 「瑠衣…」

 

桃 「瑠衣ちゃん…」

 

グイッ

 

桃 「え?」

 

桃の裾を引っ張る杏。

 

杏 「桃ちゃん…お腹すいた…」

 

涙目で桃に訴える杏。

 

桃 「そっか…お昼ご飯食べてから何も食べてないもんね…」

 

お腹を空かせた姉をどうしたものかと困った表情になる桃。

 

林檎 「あ、あんちゃん!今大事なお話ししてるんだから…もうちょっと我慢しなきゃダメです…グゥ〜……あ…」

 

お腹が鳴って真っ赤になる林檎。やりとりを見ていた面々がクスクス笑う。

 

美玲 「はい!飴をどうぞ!あんちゃんにりんちゃん!」

 

笑顔で持っていた飴を差し出すお菓子屋さんの娘美玲。

 

杏・林檎 「あ、ありがとう〜♡」

 

同じ顔でお礼を言う双子の杏と林檎。

 

一同「(可愛い〜♡)」

 

 

皐月 「もしかして〜…瑠衣ちゃんもお腹減っちゃったかな?美玲ちゃんに飴貰う?」

 

そう言いながら瑠衣の頭をナデナデする皐月。

 

瑠衣 「さ、皐月ちゃん!…もう!」

 

恥ずかしそうで嬉しそうな表情の瑠衣。

 

ツバメ 「瑠衣ちゃんは…どう思ってるの?」

 

 

ずっと黙っていた瑠衣を見つめる一同。

 

 

瑠衣 「瑠衣は…瑠衣のやることはもう決まってる!」

 

笑顔でそう答える瑠衣。

 

全員 「ザワザワ」

 

瑠衣に何か問いたげになる一同。

 

霞 「決まってるって…」

 

茉央 「どうするのよ?」

 

 

朝 「な、何かいいアイデアでもあるの瑠衣!?なら早く…」

 

ギュッ

誰かに手を握られる朝。

 

朝 「え?…桃ちゃん…」

 

桃 「瑠衣ちゃんのお話し聞こ?」

 

優しく微笑んで朝を諭す桃。

 

朝 「う、うん…ごめんなさい…」

 

Paradise brace一同 「(さすが私達のエンジェルリーダー桃ちゃん!♡)」

 

桃をニコニコしながら見つめるParadise braceの8人。

 

 

瑠衣 「ラブライブ!を終わらせない交渉は…きっと千歌さんやダイヤさん…それに穂乃果さんやことりさんもしてくれてる!もちろん絆さんだって!…エリーチカ先生も出来ることはやるって言ってくれた…だから瑠衣達は!…私達スクールアイドルはスクールアイドルにしか出来ないことをやるしかないと思う!!」

 

全員に伝わるよう大きな声でハッキリ話す瑠衣。

 

ツバメ 「瑠衣ちゃん…!」

 

向日葵 「かっ、カッコいいデス!」

 

ルミ 「…うん。」

 

瑠衣を頼もしく感じるSiriusの1年生3人。

 

 

野乃花 「なにを…やるつもりなの?瑠衣ちゃん…」

 

 

 

 

瑠衣 「…私達で…いや…スクールアイドルみんな…じゃなくって…

 

ラブライブ!を愛する人達全員で…

 

 

歌おう!!」

 

 

バタン!

 

その時体育館のドアが開く。

 

 

陽愛 「歌おう歌お〜う!♪」

 

美空 「歌いましょう!」

 

 

 

茉央 「ア、アルテミスの5人!?」

 

奈緒美 「それに…オリオンの3人まで!」

 

 

朝・桃 「フフフ…」

 

顔を見合わせて笑い合う朝と桃。

 

 

霞 「…歌うって…何を?」

 

 

 

 

瑠衣 ・? 『…スクールアイドルみんなの唄…Sunny day song を!!』

 

そのとき体育館にいた全員が確かに聞いた気がした…瑠衣と…もう一人瑠衣と似た声の誰かが叫ぶのを。

 

 

 

 

瑠衣 「(………ありがとう…

 

 

唯お姉ちゃん…)」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

スクールアイドル「Paradise Brace」No0.顧問

嵐山 絆

 

【挿絵表示】

 

 

スクールアイドル「Artemis」No1

月虹 陽愛(ひめ)

 

【挿絵表示】

 





第1章 「ラブライブ スターズ!」

第2章 「ラブライブ フラワーズ!」

第3章 「ラブライブ パラダイス!」

最終章 「ラブライブ るーきーず!」

補足1.朝の言う美穂ちゃんは朝が1年の頃3年生だったアイドル部部長の幸手美穂のこと。
【挿絵表示】


補足2.希はこの時点でインド人の富豪と結婚しセレブになっている。サラちゃんと言う2歳の女の子の子供がいる。

補足3.アルテミスはUTX学院スクールアイドル。第20回ラブライブ優勝。
1年 矢澤ここあ、ソフィア・バルバラ・オレフィッチ
3年 月虹陽愛、天川亜蘭、矢澤こころ

補足4.「オリオン」は浦の星女学院スクールアイドル。第20回ラブライブ準優勝。顧問は黒澤ダイヤ。ダイヤは臨時教員として「彩りBouquet」の顧問も兼任している。
1年 熱海おとめ
2年 葵美空
3年 御前崎つむぎ


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エピソード 2 海岸での再会


ラブライブ!るーきーず!!最終章のエピソード第二弾です。
時期はエピソード1と同じ日の出来事です。

11年前μ'sが解散を決意した海岸で1人佇むのは…


 

ラブライブ!るーきーず!!

最終章

エピソード 2

 

 

「海岸での再会」

 

 

3つのスクールアイドルが音ノ木坂学院に集まったのと同じ日の夕方、高坂穂乃果は日が傾いてオレンジ色に染まり始めた海を眺めていた。

高校の時μ'sの9人で一緒に来て以来穂乃果はこの海岸にちょくちょく来るようになっていた。

 

 

『ザァ〜 ザァ〜…』

 

 

穂乃果 「ハァ〜…」

 

 

『どうしたの?溜息なんか付いて!」

 

 

穂乃果 「え!?」

 

誰もいなかったはずの海岸で突然話しかけられびっくりする穂乃果。

 

穂乃果 「……お、お姉さん…」

 

 

女性シンガー 「フフフ…久しぶりね!」

 

いたづらっぽく笑ってウィンクする女性シンガー。

 

穂乃果 「ほ、ほんとに久しぶりですね!…この前は確か…『A-μ's』をやってた頃だから…6年ぶり?かな?」

 

女性シンガー 「そっか…時が経つのはあっという間ね…それよりあなた…大人っぽくなって凄い美人になったわね!その帽子も似合ってる♡」

 

穂乃果 「え、えぇっ!?と、突然何を… テレ

…そう言うお姉さんこそ……な、なんかお姉さんって…アメリカで始めて会った時とあんまり変わってないような…あれから10年位経つのに…」

 

まじまじと女性シンガーの顔を見る穂乃果。

 

女性シンガー 「フフ…年齢よりも若く見えてるってことね♪」

 

穂乃果 「う、う〜ん…お姉さんって一体何歳…ていうかどうしてこんな所に!? アセ 」

 

女性シンガー 「いいじゃないそんな事!…それより…ま〜た悩んでるんでしょ?」

 

穂乃果に顔を近づけて言う女性シンガー。

 

穂乃果 「え? アセ …ま、まぁ…」

 

女性シンガー 「フフ…あなたっていっつも何か悩んでるわよね。」

 

楽しそうに言う女性シンガー。

 

穂乃果 「て、ていうかお姉さんが毎回悩んでる時に現れるんじゃ… ニガワライ 」

 

女性シンガー 「そうだっけ?」

 

 

『ザァ〜… ザァ〜…』

 

 

女性シンガー 「…それでね?今回はどうしてもあなたに会いたいって子がいて連れて来てるの。…あなたも良く知ってる子よ!」

 

ニコッと笑って言う女性シンガー。

 

穂乃果 「え?一体だれ…」

 

 

『トントン』

 

誰かに肩を叩かれる穂乃果。

 

 

穂乃果 「え?」

 

振り向いた穂乃果の目の前には1人の少女が立っていた。

もう会えないはずの少女が…。

 

 

 

『…久しぶり!穂乃果ちゃん!』

 

昔と変わらない笑顔を穂乃果に向ける少女。

 

 

 

穂乃果 「……ゆ…唯…ちゃん?」

 

 

唯 「フフ…どうしたの?穂乃果ちゃん!幽霊でも見るような顔して! ニコニコ 」

 

穂乃果 「ゆ、幽霊って…え?…ゆ、唯ちゃんなの?そっくりさんじゃなくて?」

 

あり得ない事態に戸惑いながら言う穂乃果。

 

唯 「唯は本物の…

 

長月唯であります! ケイレイ

 

 

穂乃果 「……お、お姉さん!?一体何がどうなって…ってあれ?お姉さん? アセ 」

 

キョロキョロ周りを見回す穂乃果。だが女性シンガーの姿はどこにもなかった。

 

穂乃果 「も、もしかして…お姉さんって幽霊…ていうか穂乃果…気づかないうちに…死!?

 

唯 「… んでなんかないよ! アセ …フフ…ごめんね穂乃果ちゃん。そう思うのも仕方ないよね。突然唯が現れたりしたら…」

 

穂乃果 「ゆ、唯ちゃん…そんな事…」

 

今起きてる事態をどう解釈したらいいのかわからない穂乃果。

 

唯 「…でもね…唯…どうしても穂乃果ちゃんとお話ししたくて…神様にお願いして…今日ここに来させて貰ったの。」

 

穂乃果 「か、神様って…いるの!? アセ 」

 

唯 「うん!」

 

笑顔で頷く唯。

 

穂乃果 「そ、そうなんだ…ていうか唯ちゃん…

 

唯ちゃん…

 

唯ちゃんだ!

 

唯ちゃ〜〜ん!!

 

 

『ハグッ』

 

 

唯 「フフ…良かった…また穂乃果ちゃんとハグ出来て。あったかいなやっぱり…」

 

目を閉じて穂乃果の温もりを感じる唯。

 

 

穂乃果 「ヴヴッ…グス…唯ちゃん…唯ちゃん…会いたかったよ〜…グス 」

 

 

穂乃果が三年ぶりに抱きしめた唯の身体は不思議な程暖かかった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『ザァ〜… ザァ〜…』

 

 

唯 「…それでね?穂乃果ちゃん…ほんとは唯…穂乃果ちゃんと沢山お話ししたいんだけど…あんまり時間がないの…」

 

残念そうに言う唯。

 

穂乃果 「え!?そ、そんな…瑠衣ちゃんだって唯ちゃんに会いたいだろうし…」

 

唯 「そりゃあ唯も会いたいよ?…でもほんとに時間がなくて…

 

…ねぇ穂乃果ちゃん?」

 

 

穂乃果 「え?」

 

 

唯 「穂乃果ちゃんはさ…

 

ラブライブ…終わっちゃってもいいと思う?」

 

 

穂乃果 「ゆ、唯ちゃん…どうしてその事…

 

ううん…終わって欲しくないよ。

 

でも…どうすればいいのか…」

 

穂乃果はここ最近その事でずっと悩んでいた。

 

 

唯 「唯もね…ラブライブ終わってなんか欲しくない!だって…ラブライブがあったから穂乃果ちゃんにμ'sに出会えたんだし…6年前のラブライブサンシャインで『A-μ's』も見れて…それに瑠衣が唯の代わりに音ノ木坂でスクールアイドルを始めて…あんな素敵なメンバーがいる『Sirius』を作ってくれた!」

 

 

穂乃果 「そ、それも知ってるんだ…!

 

……良かった…」

 

瑠衣の頑張りを唯が知ってる事を嬉しく思う穂乃果。

 

唯 「ラブライブは…唯に沢山沢山夢を見させてくれた。ラブライブがあったから唯の人生は凄い素敵な人生になれた!だから…

 

だからもっともっとたくさんの人にラブライブから夢を受け取って欲しい!

 

ニッコリ笑って言う唯。

 

 

穂乃果 「ゆ、唯ちゃん…グス…

 

そうだよね…

 

穂乃果も…ラブライブがあったから沢山夢を見れて…μ'sのみんなにもAqoursにも…唯ちゃんや瑠衣ちゃんに会うことが出来た…

 

だから…

 

もっともっとたくさんの人たちに

 

素敵な夢を見て欲しい!…素敵な出会いをして欲しい!

 

 

唯 「フフフ。」

 

穂乃果 「 フフフフ。」

 

 

笑顔で見つめ会う2人。

 

 

『ザァ〜 ザァ〜…』

 

 

唯 「…ごめんね穂乃果ちゃん。

 

…もう行かなきゃ。」

 

寂しそうに笑って言う唯。

 

 

穂乃果 「唯ちゃん…またいつか会えるのかな?」

 

 

唯 「フフ…忘れたの?唯は…

 

穂乃果ちゃんの1番の追っかけの長月唯であります! ケイレイ

 

…それにね?唯…いつもお空で聴いてるよ!穂乃果ちゃんが歌う『ユメノトビラ 』を!」

 

 

穂乃果 「グス …唯ちゃん…!」

 

 

唯 「『Sirius』のライブもいつも凄い楽しみにしてるんだ!

 

早く瑠衣達がラブライブのステージで歌う姿も見てみたいな…

 

穂乃果ちゃん。色々大変だと思うけど…

 

ファイトだよ!! ガッツポ-ズ

 

 

穂乃果 「アハ…唯ちゃん!」

 

 

唯 「それじゃ…穂乃果ちゃん!唯の代わりに瑠衣の事お願いします!それと…千歌さんに本当にありがとうって伝えておいてください!」

 

そう言うと穂乃果に頭を深々と下げる唯。

 

 

穂乃果 「ゆ、唯ちゃん…勿論!任せといて!」

 

【挿絵表示】

 

 

 

唯 「良かった…」

 

 

『ハグッ』

 

唯を抱きしめる穂乃果。

 

 

 

唯 「穂乃果ちゃん…」

 

 

 

穂乃果 「良かった…今日唯ちゃんに会えて……グス…神様に感謝しなきゃ…グス…」

 

 

 

唯 「唯もだよ!…穂乃果ちゃん…

 

次のライブも唯…楽しみにしてるね。」

 

 

 

穂乃果 「うん…グス…」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『ザァ〜 ザァ〜…』

 

 

日が沈んだ海岸で1人夜空を見上げる穂乃果。

 

 

穂乃果 「…終わらせないよ!ラブライブ!」

 

そう笑顔で呟く穂乃果に答えるかのように一等星シリウスはより強く瞬いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

元スクールアイドル「μ's」No1

高坂穂乃果

 

【挿絵表示】

 

 

穂乃果の追っかけ・長月瑠衣の姉

長月唯

 

【挿絵表示】

 





これは現実なのか穂乃果の妄想なのか…

確かな事は穂乃果の中で唯ちゃんは生き続けていると言う事です。


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エピソード 3 黒澤ダイヤの隠れ家


ラブライブ!るーきーず!!
第二章、ラブライブ!フラワーズ!!のエピローグを投稿してみます。

時間軸は2024年6月9日、「関東スクールアイドルフェスタ」というラブライブの前夜祭的なイベントでのお話しです。

浦の星女学院の教師でありながらことりママに頼まれて姉妹校の埼玉花咲学院の臨時教員を引き受けた黒澤ダイヤ。
そこで出会ったスクールアイドル
「彩りBouquet(ブーケ)」の9人をラブライブ出場に導くためコーチをやる事にもなります。

沼津と埼玉を行ったり来たりし、二つのスクールアイドルの面倒を見るのですが(浦女には「Orion」という3人組のスクールアイドルがいる)さすがに疲労感を隠せなくなってしまいます。

関東スクールアイドルフェスタで教え子の「彩りBouquet」の素晴らしいライブを見終えて会場外のベンチで一息つくダイヤ。そこへかつて「A-μ's」という伝説のユニットを一緒にやった憧れの大先輩が近付いていきます…



 

ラブライブ!るーきーず!!

第二章、ラブライブ!フラワーズ!!

エピローグ

 

「黒澤ダイヤの隠れ家」

 

 

2024年6月9日

《関東スクールアイドルフェスタ》

 

埼玉花咲学院スクールアイドル

「彩りBouquet」ライブ後…

 

 

ダイヤ 「ふぅ…」

 

会場の外のベンチに腰掛けて溜息をつくダイヤ。

…するとそこへ誰かが近付いて来て声をかける。

 

 

「ダ〜イ〜ヤ〜ちゃん!」

 

 

 

ダイヤ 「あ!

 

 

………穂乃果…さん…

 

 

………お久しぶり…ですわね アセ 」

 

驚きつつも微笑んで反応するダイヤ。

 

 

穂乃果 「え〜?3月にA-RISEの解散ライブで会ったじゃ〜ん!」

 

ダイヤ 「ま、まぁ…そうですけれど…あの時は…あまりゆっくりお話も出来なかったですし…」

 

穂乃果 「じゃあ今ゆっくりお話ししよ!ピタ」

 

ダイヤの真横にピットリ肩を付けて座りニコニコ笑顔になる穂乃果。

 

 

ダイヤ 「だ、だから…近いですわ! テレ

 

恥ずかしがるダイヤ。

 

 

穂乃果 「え〜? アセ いいじゃ〜ん!穂乃果久しぶりにダイヤちゃんとお話し出来て嬉しいんだよ〜♡

カタスリスリ 」

 

 

ダイヤ 「そ、それは…わたくしもですけれど…

(〃ω〃) アセ

(相変わらずのタラシっぷりですわね… アセ )」

 

 

 

「サァ〜…」

 

穂乃果とダイヤの前を二枚の葉っぱがふわっと通り過ぎる。

 

 

穂乃果 「フフ…風が気持ち〜」

 

ダイヤ 「そう…ですわね」

 

 

穂乃果 「『彩りBouquet』のライブ凄かった……さっすがダイヤちゃんの教え子達だね! ウィンク 」

 

ダイヤ 「そう言っていただけるのは嬉しいですが…全てあの子達の力ですわ ニコ わたくしはほんの少しお手伝いさせて頂いただけで…」

 

穂乃果 「アハハ!ダイヤちゃんは謙虚だね〜…まぁダイヤちゃんらしいや!」

 

ダイヤ 「フフ…でもあなたのお褒めの言葉をあの子達に伝えればきっととても喜びますわ!なにせあなたは全スクールアイドルの憧れですものね。」

 

目を閉じて微笑むダイヤ。

 

穂乃果 「いやいや アセ 『Aqours』のダイヤちゃんだって負けてないでしょ!」

 

若干照れながら言う穂乃果。

 

ダイヤ 「…まぁそういう事にしておきますわ ニコ 」

 

 

穂乃果 「ウフフフ…ニヤニヤ 」

 

突然ダイヤの事をニヤケながら見る穂乃果。

 

ダイヤ 「な、なんですの?気持ち悪い顔で見ないで頂けません? アセ 」

 

穂乃果 「き、気持ち悪い!?…いや…だってダイヤちゃん…綺麗になったなぁって思ったからさ♡」

 

ダイヤ 「なっ!?突然何を言いだすんですの!?(//o//) テレ 」

 

穂乃果 「アハハ!照れてるダイヤちゃんも久しぶりだ〜!可愛い〜♡ ニコニコ」

 

ダイヤ 「…わたくし他の皆さんの所に行きますわ…」

 

ベンチから立とうとするダイヤ。

 

穂乃果 「ちょっ アセ まだ全然お話ししてないよ!?」

 

ダイヤ 「あなたが訳のわからない事を言うからです!」

 

穂乃果 「そんな…穂乃果はただダイヤちゃん大人っぽくなってますます美人になったから見とれちゃっただけなのに… グスン 」

 

ダイヤ 「…全く…あなたのそういう発言にわたくしがどれだけ… (〃ω〃) ブツブツ 」

 

 

穂乃果 「…どれだけ? 」

 

ダイヤ 「な、何でもありませんわ! カオマッカ 」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈観客席…〉

 

ことり 「…あれ?海未ちゃん!穂乃果ちゃんは?」

 

飲み物を買いに行き戻って来たことりが海未に尋ねる。

 

海未 「あぁ…穂乃果ならダイヤの所に行くと… ホホエミ 」

 

ことり 「ダイヤちゃんの…とこ…」

 

複雑な顔になることり。

 

海未 「…ま、まぁ先程の『彩りBouquet』のライブは素晴らしかったですから! アセ 私達もダイヤの所に行きましょうか? ニコ 」

 

何かを察する海未。

 

ことり 「…そう…だね アセ 」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

穂乃果 「…ところでどう?先生としてのダイヤちゃんは?」

 

ダイヤの体に肩をピットリ付けて尋ねる穂乃果。

 

ダイヤ 「そ、そう…ですわね テレ 教育者としての日々はわたくし自身も学びの毎日で…決して楽ではありませんが…だけどやりがいは大きくとても充実していますわよ ホホエミ 」

 

穂乃果 「…ジ〜〜…」

 

ダイヤの事を至近距離で探るように見つめる穂乃果。

 

ダイヤ 「う アセ (ま、またそんな見つめられては…照れますわ(〃ω〃) アセ …あと...近い!デスワ…)」

 

穂乃果 「…そっか。やっぱりダイヤちゃんは立派な子だねぇ〜」

 

ダイヤ 「な、なんですの?それ? アセ

……それよりあなたの方はどうなんですの?歌手としての日々は…」

 

微笑んで尋ねるダイヤ。

 

穂乃果 「うん!毎日めちゃくちゃ楽しいよ!

ニッコリ 」

 

ダイヤ 「フフ…まぁ聞くまでもなかったですわね!今日のステージも素晴らしかったですわ…」

 

眼を閉じて先程の穂乃果の歌う姿を思い浮かべるダイヤ。

穂乃果は関東スクールアイドルフェスタのオープニングスペシャルライブでAqoursの「君の心は輝いてるかい?」を歌ったのだった。

ちなみに伴奏は桜内梨子が担当した。

 

穂乃果 「エヘ!リリィのピアノ凄い歌いやすいからね〜♪さすが天下の『Aqours』の作曲してただけあるよ!」

 

ダイヤ 「天下の『μ's』のリーダーにそう言っていただけて光栄ですわ! ホホエミ 」

 

 

穂乃果 「そう言えばダイヤちゃん!」

 

ダイヤ 「?何ですの?」

 

穂乃果 「あの話し…いつにしようか? ニコ 」

 

ダイヤ 「あの…話し?」

 

何の事かわからず戸惑うダイヤ。

 

穂乃果 「穂乃果が浦女に歌いに行く話しだよ〜!

ニコニコ 」

 

言いながらダイヤに肩をスリスリする穂乃果。

 

ダイヤ 「ああ…その話し…ですか。

(カタスリスリ〜デスワ!>Δ<°。)」

 

穂乃果 「ダイヤちゃんが教えてる浦の星のスクールアイドルにも会いたいし♪」

 

ダイヤ 「『Orion』の3人ですわね ニコ それでしたら今日この会場に来ているので良かったら後で…」

 

穂乃果 「ほんとに!?会いたい会いたい♡」

 

ダイヤ 「フフ…きっと物凄く喜びますわ!」

 

穂乃果 「…でもやっぱりダイヤちゃんは凄いね ニコ『Orion』の3人…前回ラブライブ準優勝でしょ?それにさっきの『彩りBouquet』の9人も凄かったし…しっかり『Aqours 』の魂を伝えてるんだねぇ〜」

 

腕を組んでシミジミと言う穂乃果。

 

ダイヤ 「フフ…『A-μ's』の魂でもありますわ! ニコ それに…」

 

穂乃果 「…それに?」

 

ダイヤ 「わたくし…いえ…千歌ちゃんも『Aqours』の他のメンバーも…いえ…全てのスクールアイドルがあなた達『μ's』の魂を受け継いでいるのですわ!

 

 

穂乃果 「ダイヤちゃん…

 

ありがと♡

 

嬉しそうに微笑んで言う穂乃果。

 

 

ダイヤ 「 !(//o//)…い、いえ アセ と、当然の事を言っただけ…ですわ(//∇//) アセ (カワイ-デスワ..)」

 

 

穂乃果 「穂乃果ね…」

 

 

ダイヤ 「?…な、何ですの?」

 

 

穂乃果 「穂乃果…ずっとダイヤちゃんに会いたいなぁ〜って思ってたんだけど…」

 

ダイヤ 「な!?(//0//) アセ …そ、それは…ワタクシモ..デスワ..」

 

穂乃果 「でも…なんか2人で会ったらいけないのかな〜って思って…我慢してたんだ

(//∇//) アセ 」

 

ダイヤ 「…そうだったん…でしたのね…

(〃ω〃) アセ 」

 

穂乃果 「だからこうしてまたダイヤちゃんとお話し出来て…穂乃果今凄い楽しい!(//v//)」

 

頬を染めてニッコリ微笑む穂乃果。

 

ダイヤ 「(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い)

…カワイ-デスワ..」

 

穂乃果 「え? アセ ダ、ダイヤちゃん(//∇//) アセ 穂乃果もう可愛いって歳じゃないんだけど…

(//v//) テレ 」

 

ダイヤ 「あ…(汗)(わ、わたくしとしたことがつい口に出してしまいましたわ!(//0//) アセアセ )」

 

穂乃果 「…でもありがと!とっても嬉しい♡ ニッコリ 」

 

ダイヤ 「(あ〜〜〜!!かわいーですわー!!♡久しぶりの穂乃果さん…かわいーですわー!!♡)」

 

心と頭の中がMAXハイテンションなAqoursのほのキチ・黒澤ダイヤ。

 

 

〜少し離れた場所…〜

 

 

鞠莉 「…か、果南!ダイヤのほのキチー度がマズイことになってマース! アセ 」

 

果南 「ほのキチー度って何!? アセ…でも確かにダイヤの頭から湯気が出てるよーな…(汗)」

 

物陰から大先輩の真横でパニックになっている幼馴染をハラハラしながら見守る鞠莉と果南。

 

 

 

〜同じく少し離れた場所…〜

 

 

海未 「ど、どうしましょう アセ 中々二人に話しかけるタイミングが見つかりません…

ハッ! アセ

 

…チラ 」

 

何かを察し隣をチラ見する海未。

 

ことり 「(・8・)°。°。プルプルプル」

 

海未 「あ、アァッ!(ことりが限界MAXの時の顔に!?)」

 

 

 

 

 

ダイヤ 「あ、あの穂乃果さん?わ、わたくしは…その…やっぱり!(〃o〃) アセ

 

穂乃果 「後ね?ダイヤちゃん…」

 

ダイヤ 「あなたの事が…え?」

 

 

 

 

鞠莉・果南・海未・ことり

『?』

「?(・8・)°。」

 

 

穂乃果 「穂乃果ね…ダイヤちゃんに一つ言いたいんだけど…いいかな? ホホエミ 」

 

ダイヤ 「?な、何ですの?(//∇//)アセ(あ、危なかったですわ! アセ 全くわたくしったら!…あれ?確か前に千歌ちゃんも同じことを…)」

 

 

 

ハグッ

 

突然ダイヤを抱きしめる穂乃果。

 

 

鞠莉・果南・海未・ことり

『ナァーー!?(°0°)°。』

「!?(・8・)°。」

 

 

 

ダイヤ 「ほ、ほ、穂乃果さん!?は、破廉恥…!(//0//) アセアセ 」

 

 

穂乃果 「ラブライブ!…出なくてもいいんだよ?」

 

 

ダイヤ 「え?」

 

 

穂乃果 「出なくても…大丈夫だよ?」

 

 

 

ダイヤ 「穂乃果さん……ほの…グス…あれ?…グス…わたくし…グス…何で?」

 

 

穂乃果 「…ちょっとだけこうしてていい?」

 

ダイヤの耳元で優しく言う穂乃果。

 

 

 

ダイヤ 「穂乃果さん…グス…わたくし…グス…わたくしは…グス…」

 

何故か涙が止まらなくなるダイヤ。

 

穂乃果 「いいよダイヤちゃん…頼りないお姉ちゃんだけど…穂乃果には甘えてくれて… ホホエミ 」

 

 

ダイヤ 「ウヴ…グス…ほんとに…グス…頼りないお姉様…グス…ですわね…グス…」

 

嬉しくて泣きながら笑顔になるダイヤ。

 

 

穂乃果 「フフ…よしよし ナデナデ」

 

 

 

 

果南 「ダイヤ…(凄いな穂乃果さん…)」

 

鞠莉 「あんなダイヤ…初めてミマ〜ス…

(さすがμ'sのリーダーデ〜ス アセ )」

 

今まで見たことのなかった弱いダイヤを見て驚く二人。それを引き出した穂乃果に感心しつつも少し嫉妬も感じていた。

 

 

 

 

海未 「穂乃果…ダイヤ… ニコ 」

 

ことり 「………ニコ 」

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キャラクター紹介

元スクールアイドル「μ's」No1

高坂穂乃果

 

【挿絵表示】

 

 

元スクールアイドル「Aqours」No7

黒澤ダイヤ

 

【挿絵表示】

 

 





ダイヤが穂乃果に憧れ以上の想いを持っている事を知っている果南と鞠莉、そして海未とことり。

ハラハラしながらなりゆきを見守りつつも優しくダイヤを包み込む穂乃果と素直に甘えるダイヤを見てホッコリした気持ちになるのでした。


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第1章 ラブライブ!スターズ!!(続き)
第14話 富士山さんと王者の出会い



「関東スクールアイドルフェスタ」という最初の目標が決まった音ノ木坂学院スクールアイドルSirius。

元Aqoursのリーダー高海千歌がいるとはいえ動き出したばかりのSiriusは果たして二ヶ月で結果を残す事が出来るのか?




 

 

日も暮れて練習を終え音ノ木坂学院から下校する瑠衣と霞。

 

 

瑠衣 「あぁ〜今日も楽しかった〜!カスミンも楽しかった?」

 

ニコニコしながら尋ねる瑠衣。

 

霞 「…まぁその分疲れたけどね…。(…スクールアイドルがこんなにハードとは…)

でも瑠衣…あんた凄いね。あれだけ動いて何ともないの?」

 

瑠衣 「え?…うん!エリーチカ先生に言われた基礎トレ毎日やってるから平気だよ!

…はいこれ練習メニュー! 」

 

カバンからメモ帳を取り出し見せる瑠衣。

 

霞 「 …え?…う、うわ!あ、あんた毎日こんなことやってたの?」

 

小さなメモ帳数ページにギッシリ書き込まれた基礎トレメニューを見て驚愕する霞。

 

瑠衣 「うん!最初はキツかったけど。もう慣れちゃった! ニコ 」

 

霞 「 …なんか日曜エリーチカさんに会うの不安になってきた…。」

 

瑠衣 「え〜?大丈夫だよカスミン!エリーチカ先生凄い優しいよ!メチャクチャ美人だし♪」

 

霞 「 …まぁ確かに動画でも凄い美人に写ってるよ。『Angelic Angel』だっけ?特にあの曲センターで輝いてるよね。」

 

瑠衣 「お!カスミンも大分μ’sの事が分かってきたね〜。『Angelic Angel』の絵里さんメチャクチャ綺麗だよね!…でも実物はもっともっと綺麗だから楽しみにしててカスミン! ウィンク 」

 

霞 「…まぁそうだね。(…てかちょっと緊張して来たな…)」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈音ノ木坂学院校門前…〉

 

 

ツバメ 「…あ!ひまちゃんやっと来た!」

 

向日葵 「あ!ツバメちゃん!待っててくれたデスか?」

 

ツバメ 「うん!瑠衣さん達には先に帰って貰ったんだ。」

 

向日葵 「…そうですか…ありがとうデスツバメちゃん!(う、嬉しいデス!)」

 

 

 

ツバメ 「…どう?科学部は?」

 

向日葵 「はい!お家より使える薬品も道具も揃っているので…凄いやり甲斐があるデス!」

 

嬉しそうに言う向日葵。

 

ツバメ 「そっか!良かったねひまちゃん!

…今は何を作ってるの?」

 

向日葵 「今は…激しい運動をしても疲れないお薬と…キレイな歌声が出るお薬を…作ってるデス…」

 

ツバメ 「え…それって…」

 

向日葵 「はい!ツバメちゃんのアイ活のお手伝いが出来ればと…思いまして… テレ 」

 

ツバメ 「ありがとうひまちゃん!」

 

向日葵の手を取って感謝するツバメ。

 

向日葵 「いえいえ…。ところでツバメちゃんはどうですか?スクールアイドルは…」

 

ツバメ 「うん!凄く楽しいよ!明日はね皆んなで歌詞を作って見せ合いっこするんだ♪」

 

向日葵 「あれ?歌詞は…長月さんが書くのでは…」

 

ツバメ 「…うん。瑠衣さん…作詞あまり得意じゃないみたいで…皆んなでやろうって千歌さんが… アハハ 」

 

向日葵 「そう…ですか アセ 頑張ってくださいね!」

 

ツバメ 「フフ。いい歌詞出来たら…ひまちゃんが曲をつけてくれたら嬉しいな。…ってひまちゃん忙しいか!」

 

向日葵 「…とりあえず歌詞を見たいデス。」

 

ツバメ 「…ねぇひまちゃん?」

 

向日葵 「?…どうしたデスか?」

 

ツバメ 「ひまちゃんも…スクールアイドル…一緒にやらない?」

 

微笑んで尋ねるツバメ。

 

向日葵 「え!?…そ、そんな…無理ですよ!私がアイドルなんて…歌も踊りも出来ないし…顔も…メガネで可愛く…ないし…」

 

ツバメ 「え?ひまちゃん凄い可愛いよ?眼鏡だって似合うし…それにツバメだって歌も踊りもやり始めたばかりだし!」

 

向日葵 「ツ、ツバメちゃんは…メチャクチャ可愛いから…声も可愛いし…運動神経もいいし…絶対すぐ人気アイドルになれるデスよ!…私なんかじゃ…ダメですよ…」

 

寂しげに微笑む向日葵。

 

 

ツバメ 「…でもツバメ知ってるよ?…ひまちゃんが…音楽室でたまにピアノ弾きながら歌ってるの…今日も聴いちゃった!ひまちゃんが…Aqoursの『想いよ一つになれ』弾き語りしてるとこ…」

 

向日葵 「…き、聴いてたデス…か?…は、恥ずかしいデス…!」

 

顔が真っ赤になる向日葵。

 

ツバメ 「…どうして?ツバメ凄い感動しちゃったよ!?曲も歌も凄い綺麗だったよ!」

 

向日葵 「…あ、ありがとう…デス……でも…私がアイドルなんて…」

 

ツバメ 「ひまちゃん?…ツバメね…スクールアイドルとして輝くことりちゃんや…ヒヨコお姉ちゃんを観てきて…ずっとツバメもこうなりたい!って思って来て…今こうしてやっとスクールアイドルを始めることが出来た!」

 

向日葵 「…はい!ツバメちゃんがスクールアイドルやりたがってたの私も知ってたデス。」

 

ツバメ 「…でもね?…ツバメが憧れたμ’sやEdenは…素晴らしい仲間がたくさんいた!ことりちゃんやお姉ちゃんは大好きな人達と一緒だったからあんなに楽しそうに…輝けたんだと思うの!」

 

向日葵 「………… 」

 

ツバメ 「だからね…ツバメも…大好きな人と…ひまちゃんと…一緒にスクールアイドルを『Sirius』を…やりたい!…それで…瑠衣さんや霞さんや…ひまちゃんと練習帰りに寄り道とかしたいな♪ 」

 

向日葵 「ツ、ツバメちゃん…」

 

ツバメ 「…明日…凄いいい歌詞をひまちゃんに見せるから…だから…考えておいて!一緒にスクールアイドルやることも。ニコ 」

 

 

向日葵 「……………わかりました…デス。」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈沼津駅前…〉

 

千歌 「フフ。瑠衣ちゃんも霞ちゃんもツバメちゃんも…みんな可愛いな〜♡

…さて…久しぶりにいい歌詞を書いてスクールアイドルの先輩の実力を見せなきゃ!……にしても遅いな〜曜ちゃん!久しぶりにタイミングが合って夜ご飯一緒に食べようってなったのに!船遅れてるのかな…

 

…ん?」

 

 

女の子 「うわーん!」

 

なにやら大きな木のふもとで小さな女の子が泣き喚いている。

 

 

母親 「 …もう諦めなさい!あんな高いとこじゃ取れないでしょ?…また新しい風船貰ってあげるから!」

 

女の子 「うわーん!あれが…ヒグッ…あの風船がいいの〜! ヒグッ」

 

 

千歌 「 …あちゃ〜…木のてっぺんに……流石にスーツじゃ取りにいけないしなぁ…」

 

千歌や母親がどうしたものかと困っていると長い髪の上に大きな花の髪飾りを付けた小柄な少女が木に近づいて行った。

 

 

「テクテクテクテク…」

 

 

千歌 「?…なんだろあの子…」

 

 

ヒュッ!ヒョイヒョイヒョイ

 

パシッ!

 

目にも止まらぬ速さで木のてっぺんまで行き風船を手にする少女。

 

 

千歌 「あ!す、凄い!あっと言う間にてっぺんに…って!?飛び降りた!?

 

 

ヒュ〜〜〜…

 

ガッ!ピョ〜ン…スタッ!

 

てっぺんから飛び降り下の木の枝を掴みそのまま勢いで宙返りし着地する少女。

 

『オッ…オ〜〜!!!』

 

いつのまにか出来ていた人だかりから歓声が上がる。

 

パチパチパチパチ

ザワザワ す、すげ〜!

ザワザワ と、跳んだぞ!

 

 

少女 「はい!もう離しちゃダメだよ!…風船さん…木の上で寂しそうだったから…」

 

そう言いながら小さい女の子に風船を渡す謎の少女。

 

女の子 「グスッ…うん!ありがとう!お姉ちゃん!

ニコ 」

 

母親 「あ、あの…ありがとうございます!…でも…大丈夫なんですか?あんな高いとこから飛び降りて…」

 

心配そうに尋ねる母親。

 

少女 「…大丈夫!"木"さんの肩…借りただけだから……それじゃ!」

 

母親 「あ、あの! アセ 」

 

クルンと身を翻し立ち去る少女。

 

 

「テクテクテクテクテクテク…」

 

 

千歌「ちょっとあなた!」

 

少女を呼び止める千歌。

 

少女 「…ん?」

 

千歌 「あなた…凄いね!あんな身の軽い子初めて見たよ!…でも…危ないよ?あんな…」

 

少女 「 …危なくないよ?ひめはもっともっと高い所でも自由に飛べるもの…」

 

笑顔で答える少女。

 

千歌 「…自由にって…あれ?あなた…」

 

少女の顔をよく見ると右目は青、左目は茶色のいわゆるオッドアイである事に気付く千歌。

 

少女 「…あ!……『Aqours』の高海千歌さん!そうでしょ!?」

 

突然千歌を指差し嬉しそうに言う少女。

 

千歌 「う、うん…知ってるの?私のこと…」

 

千歌も少し嬉しそうに答える。

 

少女 「…沼津に来れば会えるかなって思ってたけど…スクールアイドルの富士山さんも近くで見れちゃった♪」

 

千歌 「ふ、富士山さん? アセ …もしかして…あなたもスクールアイドルなのかな?」

 

 

少女 「うん!…ひめは…UTX学園スクールアイドル…

 

"アルテミス"の

 

月虹陽愛(ひめ) だよ!」

 

少女はそう言うと何故かニコニーポーズでウィンクした。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 





運命に導かれ出会う事となった高海千歌と月虹陽愛。かつて沼津で出会った高坂穂乃果と高海千歌のようにスクールアイドルの頂点に立つ者は時代を超えて引き寄せ合うのかもしれません。

次回、「王者アルテミスと伝説のAqours」


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