モンハン世界に転生したので祖龍様に結婚を申し込んでみました。 (彼岸沙華)
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第0章:偶然が重なりましたがあなたに、会うために転生します
第一話 偶然が重なりましたがあなたに、会うために転生します《前編》


「好きです。結婚して下さい」

 

結婚

それは“ほとんどの人”の人生においての重大イベントの中の一つである。

現代においては、二人の愛し合う者がそれからの人生を二人三脚で歩んでいくことを誓うこと(独自解釈)。

人によっては人生の墓場なんて言ったりするが。

 

そんな重大イベントの一つである結婚を今自分は申し込んだ。

 

お相手の方は少々いえ、かなり混乱している様子です。

まあ、それも仕方のないことでしょう。

なにせお互いに、趣味も、好みも、性格も、全く知らないのですから。

 

でも、すこし誤りがあります。

自分は《彼女》のことを知っています。

先ほど上げたことは知らないですが。

その姿だけはずっと前から知っていました。

ストーカー?否と答えたいところですがこの状況、否定することは

できませんね。

なぜなら偶然もありますが《次元》を超えて会いに来たんですから。

《ここ》にいないかもしれなくて、いてもすぐに《殺される》かもしれなかったですが。

貴女はしっかりと《ここ》にいて、《殺そうとも》せずにちゃんと話を聞いてくれた。

 

《彼女》のその、鱗はどんな色でも染めることは決してできないと思わせるような《白》。

 

《鱗》と同じ《白》で壮麗な《翼》。

 

頭から伸びている《4本の角》はまるで偉大さを示す《王冠》の様。

 

その《眼》は《赤く》、《紅く》、世界にあるどんな宝石よりも美しい。

 

こんなつたない表現しかできない、自分の語彙力が嫌になってくる。

もっと《彼女》の《祖龍・ミラルーツ》様の魅力を表現できたなら。

これほどまでに悔しいことはありません。

そういえば、と。

いまだに再起動できていない《彼女》を見ながら

 

【挿絵表示】

 

《塔》というこの場所で逢えた運命を(勝手に)感じながら。

この《モンスターハンター》の世界に《転生》してからの事を思い出していくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはどこだ」

 

見渡しても見渡しても真っ白な空間が広がっているだけ。

そこには家具も植物も何もなく室内か屋外かもわからずどこまでも続いているように思える。

 

「確か俺はモンハンで遊んでいたはずだ」

 

もしかしてこれは夢か?だがそれにしては妙に意識がしっかりしている。

もしかするとこれはよく物語であるようなあれか?

しかしもしそうだとすると俺は......

 

「おや、目が覚めたみたいだな」

 

 

「お前、んっ。あ、あなたは誰ですか?」

 

考え事をしているのに、いきなり声をかけないでよ。

びっくりしたじゃん。しかも、驚きすぎて初対面のしかも年上の人に

お前とか言っちゃったよ。一応すぐに言い直したけれどどうしよう印象最悪じゃないか。

えっとえっとどうしよう。

 

「言葉使いは別にいいよ。それよりも驚かせてしまってすまない。別に驚かせる

つもりはなかったんだ」

 

そういって頭を下げてくる。悪い人ではなさそうだ。

というか、年上だと思われる人がこう簡単に頭を下げてくると、なんかこう

逆にダメージを受けるのではやく頭を上げて下さい。

 

「えっと大丈夫です。頭を上げて下さい。それからえっとありがとうございます」

 

「ありがとう。それから別に気にしてないからいいよ。あとそうだねえ、

誰なのかという質問なんだけど」

 

「すみません。こちらから名乗りもせずにそちらのことを尋ねるなんて失礼ですよね。

自分は、」

 

「別にいいよ。こちらから名乗らせてもらうよ。まあ、名前はあるようでないようなものだからね。

とりあえず私のことは、そうだな《神》とでも呼んでおくれ。おっとこれじゃあ頭の可笑しいやつみたいじゃないか。と言ってもそれくらいしか呼び名の代わりになるものがないのだけどもね」

 

《神》か、さっき考えたことが本当に......

いや、もしかしたら違うかもしれないし。

とにかく訊いてみよう

 

「すみません」

 

「なんだい」

 

「神様なんですよね?」

 

「まあ、そんな感じだね。と言っても信じないのも無理はない」

 

 

「いえ、とりあえず信じたんですけど」

 

「ほう、信じてくれるか。ありがとう。それでなにか聞きたいことでもあるのかい」

 

「あの、えっと、」

 

言うのを少しためらってしまう。自分自身の事を聞くのは

 

「......自分は死んだんですか?」

 

そういうと神様は少し驚いたような顔をして

 

「どうして、そう思ったんだい」

 

「それは、まあ、こういうのが最近の物語によくありますからね」

 

「ああ、知っているよ。確かライトノベルだったかな。でも、たとえ予備知識があったとしても自分が死んだと思ったにしてはあっさりしすぎではないかい?」

 

そう言うと少し慌てたようにすぐ。

 

「いや、まだ君が死んでしまったと決まったわけではないが」

 

こちらへの気遣いが伝わってくる。やっぱりいい人。いや、いい神様だな。

 

「いいえ、お気遣い結構です。それで自分は死んだんですよね」

 

「はあ、誤魔化そうとしても無駄か。そうだよ、君は死んだんだ。それにしてもさっきも言ったようにずいぶんとあっさりした反応だね。もっと困惑するものだと思っていたのだが」

 

これで疑問の一つが解決したな。でも、言う前に感じていた少しの恐怖心はなくなっている。

神様がいい神様だったから安心しているのかもしれない。

 

「そうですね。自分でもそう思います。たぶん実感があまりないからだと思いますが。

だってこうして喋れていますからね。あと、大丈夫なら、それでいいやみたいな感じの性格も関係していると思います」

 

「なるほどね。確かに死んだ瞬間を覚えているわけではないみたいだし、こうして私と会話している。

実感が湧かないのも当然か。今までここに来た者は死んだ瞬間の事を覚えていて生気がない状態か、それと君の様にライトノベルの事を知っている者も居たがそのような者達は基本的に興奮状態、話を聞かないか、聞いたうえでめちゃくちゃな要求をしてくる者がそのどちらかだけだったからね。

君みたいな者は稀だから話をしていてとても楽だよ」

 

「大変みたいですね。自分以外にも結構人はここに来ているんですね」

 

「すまない、愚痴を聞いてもらって。そうだね、そこそこいるかな。まあ、その理由なんだが。」

 

「よくあるラノベのみたいな感じですか」

 

「ああ、そんな感じだ。神、つまり私のミスと言っても定期的に起きてしまう《システム》の《不具合》みたいなものだからね」

 

「不具合?どんな?」

 

あ、そういえばまだなんの神様か教えてもらってないなー。

 

「そういえば、まだ私がどんなことをするのか、教えてなかったね。《生》と《死》の管理をしているよ。

だいたいは、何らかの生物が死んだとき、そこに宿っていた魂の記憶を消して、新しく生まれてくる生物に魂を宿したり。傷ついた魂の修復、傷み過ぎた魂を作り変えるまたは消滅させる。新しい魂を作り出す。

君たちの言うところの《輪廻転生》だね。そのような事をやっているよ」

 

なんとなく流れから予想できてたけどやっぱりか。

 

「すごいんですね」

 

「そんな、大したものではないよ。私はただ魂が滞りなく循環できるように管理しているだけさ。《生》と言っても、生まれてくる者に魂を入れるだけ、《死》と言っても死んだ体から魂を回収するだけ、強制力みたいなものはないから、拒まれたら私にはどうしようもないがね。もっとも、拒める自我をもつ力の強い魂はほとんど無いし、何れここには来るから別に問題ないんだけどね」

 

「?、でも、それではこんな事起きないんじゃないですか?」

 

死を強制する能力が無ければ間違いは起こらないはずだよな。あれ、でもさっき神様は不具合って。

 

「ああ、そうだよ。普通に考えれば起こりはしない。だから、さっきも言ったように、不具合みたいなものなんだ。昔はこんな事はなかったんだ。だが、今から数年前、自我のある魂が突然ここに現れたんだ。しかもいつ消滅してもおかしくないような傷を負って。驚いたよ、なんてたって今までになかった異常事態だからね。取り敢えず魂を修復して何が起こったのか調べたよ。そしたらなんとその魂が生きていた人間から無理やり、《引き剥がされた》事が分かったんだ。そして、それがこのシステムがやったということをね」

 

えっ。《輪廻転生》の《システム》が人を殺した?。

 

「どうして、そんな事が起きたんですか」

 

「原因はここ数十年の《人間の急激な増加》。おそらく、それによりこのシステムが限界を超えたんだろうね」

 

「急激な人口の増加が原因。でもそれが原因でしたら前にも起きていそうですけど?」

 

 

「ああ、君の言うとおり。《数だけ》が原因であれば、前にもおきていただろう。爆発的に増えたのが他の生物であればこんな問題は発生しなかっただろうね」

 

他の生物であれば発生しなかった。つまり、わからん。

 

「どうゆう事ですか」

 

「魂の質の問題だよ。他の生物に比べ、人間は魂の質が高くなりやすいんだ」

 

「どうしてですか」

 

「簡単に言うと、長生きしたり、たくさんの知識をつけたりするからだね。もちろんそれだけが魂の質を上げる方法じゃないんだけどね」

 

「なるほど、つまり魂の質が平均でそれなりにある人間がたくさん増えて、処理落ちしてバグったかんじですか」

 

「そんなかんじだね。もっともなぜ魂を無理やり引き剥がすなんてことが起きているのかはよくわかっていない。

今のところは、処理をはやめたり、《異世界》に送ったりしているんだが時々こういう事が起きてしまう。設計段階で予測しておけば問題なかったんだがね。だから、罪滅ぼしのつもりで、君の様になってしまった者の、魂を修復する。地球に転生させるには時間がかかる。だから、特別に、」

 

「よくあるラノベみたいに、異世界に転生させてくださると。もしかして、なにか《特別な能力》なんかを付けてもらったりしてくれたり?」

 

「するよ。と言っても。そこまですごい能力はあげれないし、転生する世界は選べないけどね。すまないね。君の将来を奪っておいて、このくらいしかできなくて」

 

「それで十分ですよ。生まれ変われて、それだけでも満足なのに能力まで下さるなんて、なんてお礼言ったらいいかわかりません」

 

「それならよかった。それでは、どんな能力が欲しいんだい?」

 

「うーん。いきなり言われましてもどんな能力があるのかとかわかりませんし」

 

「そうだね。とりあえず欲しい能力を言ってごらん。できるだけ要望に答えられるようにするよ」

 

「そういえば、転生させてもらえる世界ってどんな世界なんですか?」

 

「ああ、すまない。言い忘れていたね。君が転生してもらうことになるのは、

《モンスターハンター》の世界だ」

 

「…………………えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ、モンハンの世界!?

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
タイトルにもある通りこれは前編なのですか。元々は主人公が転生するまでを書こうと思ったんですが、途中経過で6000文字超えたと友達に言ったら長すぎるからわけろ(意訳)と言われました。言われなければそのまま10000文字近くのものを投稿していたとおもいます。たぶん読んでくれていると思うのでこの場を借りてお礼申し上げます。
ちなみに後編予定の文まだ全文書き終わってません。
本当は後編部分も書き上げてから投稿するつもりだったんですが。
書いてる途中にパソコンが突然再起動して一部がお亡くなりになったので、気分転換に投稿しております。
さて、それでは後編で会いましょう。

追記
11/14:挿絵追加
あまり上手くありませんが挿絵を描いてみました。
見苦しいと思いますが温かい目で見てください。

1/10:感想欄のアドバイスより、一部改変。




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第二話 偶然が重なりましたがあなたに、会うために転生します《後編》

「ああ、すまない。言い忘れていたね。君が転生してもらうことになるのは、

 

《モンスターハンター》の世界だ。」 

 

「…………………えっ?」

 

えっ、モンハンの世界

 

「マジで!」

 

「まじですよ」

 

「あ、すいません。言葉使いが」

 

「別にいいよ。何度も言うけど気にしなくていいよ」

 

「ありがとうございます。あの?」

 

「なんだい」

 

「モンスターハンターの世界って、どういうことですか?」

 

「そのままの意味だよ」

 

「でも、《モンスターハンター》の世界って、モンハンって、そのゲームですよね?」

 

「うん。確かにそうだね。知り合いからその世界の話を聞いて驚いたよ。偶然か意図的にか、

とても似ていたんだよ」

 

「そんなんですか」

 

へー、そんなこともあるんだなー。それにしても、モンハンの世界かー。能力何にしようかなー。

 

「それで、その世界とコンタクトを取ってみてこちらの事情を話したら転生者を送ってもいいと返事をいただいてね。もっとも、一人だけかつ、送ってきたらしばらくは無理と言われてしまったがね」

 

ほへー。色々と事情があるみたいだな。そんなことより能力だ。チートみたいな感じのは色々とアレだし、自分でやったりしないととつまらなくなるからな。でも戦闘センスは皆無だし運動もできない。そこら辺をいい感じにする+αみたいな感じで行こう。ちょっとチートになる気がするけど。

 

「神様」

 

「なんだい?」

 

「欲しい能力が決まりました」

 

「ほう、それはどんな能力だい?」

 

「まずは、転生先での身体能力を上げてください」

 

「ふむふむ。無難なところから来たね。まず、と言うことはまだいくつかあるのかい?」

 

「あー、やっぱり駄目でしたか?」

 

「いいや。そんなことないよ。そのくらいなら別に言わなくても付けたよ。あと今の状態では転生ではなく生まれ変わり。つまり、赤ん坊からになってしまうよ。すまない」

 

なるほど、お決まりと言えばお決まりだな。別に頼もうとしている能力には、関係ない。それにゲームで知っているとは言え、どんな差異があるのかわからない。下手によくわからないまま転生して死ぬよりは、赤ん坊からの方がありがたい。問題は羞恥プレイを耐えられるかどうかだ。この辺りの事をなんとかならないか聞いてみよう。

 

「別に大丈夫です。むしろありがたいです。あと一つ相談なんですが、5歳までは今の記憶が無いようにしてもらうことは出来ますか?」

 

「それならよかった。それと、それならば出来るよ。むしろ、こちら側から提案しようと思っていたくらいさ。

やっぱり記憶を持ったままだと色々と辛いことがあるだろうからね」

 

神さままじ神さま。やっぱこの神さますごく優しいよ。ちゃんとこっちの事も考えて色々とやってくれている事が分かるから。ほんと、神さまじ神さま。

 

「次の能力を言ってもいいですか」

 

「もちろん」

 

「ゲームと同じような感じで《片手剣》《ギルドスタイル》、《双剣》《エリアルスタイル》を使えるようにしてください」

 

「ふむ。そう来たか。でも、それでいいのかい?」

 

「どういうことですか?」

 

「今君が言った感じの能力に例えると、全ての武器種、スタイルを扱えるようになる、とかかな。いままでに来た者たちは大体がそんな感じの能力を要求してきたからね」

 

「そんな。色々と使えるようにしたって、必ず使わないやつが出てきてしまいますし、お金がかかりますからね。

武器防具ただじゃありませんからね。それだったら、ゲームでも、使ってきた彼らと共に戦いたいですよ」

 

「ふふ、君は面白いことを言うね。確かに色々な武器を使おうとすれば、お金がかかる。それで、どの武器を使うかとなれば、たとえそれがゲーム内だったとしても、慣れ親しんだもので、か。君が現実を見ているのか、夢を見ているのかがわからないよ。」

 

「たぶん、おもいっきり夢を見てると思います」

 

「そうか、それはいい夢だと思うよ」

 

ん?そういえば、武器やスタイルに関する疑問が飛んで来ないな。あ、でもゲームのタイトル知ってたしもしかしたら調べたのかもしれない。あれ?でもあの言い方だと聞いたときには既に知っていたみたいな感じだったよな?もしかすると、とりあえず聞いてみよう。

 

「神さま。質問してもいいですか?」

 

「もちろん。私に答えられることなら答えるよ」

 

「神さまって、モンスターハンターのことについて知っているんですか」

 

「ああ、もちろんだよ。それがどうかしたのかい?」

 

「えっと、もっと前から、世界の存在を知る前から知っていたんじゃないですか?」

 

「どうして、そう思ったんだい?」

 

「えっと。さっきの話で、モンハンの世界の存在を知ったときの反応が、モンハンを元々知っていた、みたいな話し方でしたもん」

 

「ふむ」

 

「もしかして、神さま。モンハンをやっているんじゃないでしょうか?」

 

なーんてね。冗談冗談。本当にやってると、思っているわけないですかやだー。

神さまの表情が、驚いたような感じになってらっしゃる。

えっ。まさか本当に。

すると、神さまが苦笑いしながら。

 

「いやはや、ばれてしまうとはね。君はほんとに面白い。そうだよ。私はモンスターハンターをやっているよ。

それと他のゲームもね。幻滅したかい?」

 

まじで。モンハンやってたー。え。え。え。ど、どんな反応をすればいいんだ。

ま、まあ、とりあえず。

 

「幻滅なんてしてませんよ。むしろ親しみを感じます。それとモンハンはどの作品で、何の武器を使っているんですか?」

 

「ありがとう。そうだね。X系統とworldだね。使っている武器は、XXでは、ブシドー双剣とブレイブ太刀がメイン

、worldでは、太刀をメインに使っているよ。一応全武器種使えるけどね」

 

ブシ双か、自分が使えないから、使いこなせる人はいいなとか思います。あれどうやって使うの?

使うと逆に死ぬんだけど。それとブレ太刀か、一応使ってた時期があるけどカウンターが難しくて、結局使いこなせなかったな。worldはプレイしたことないけど太刀使ってみたかったなー。それと、一応とはいえ全武器種使えるのか。すごいな。本当にギルド(ストライカー)片手とエリ双しか使えないもんな。うん、とりあえず話がおかしな方向に進んでいる気がするけどまあいいや。気にしたら負け。

 

「すごいんですね。ちなみにハンランはどれくらいですか?」

 

「うーんと。XXが700くらいで、worldが300くらいだったかな」

 

普通にやり込んでるー!まじか。ガチじゃん。俺より圧倒的にやりこんでません?うわー、死ぬ前に会いたかったな。(無理です)

 

「普通にガチでやり込んでるんですね」

 

「そうだね。ダメな神様だろう」

 

「いいえ。いい神さまだと思いますよ」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

「そういえば、神さま。話が脱線してませんか?自分が脱線させた気がしますけど」

 

「そうだね。別に気にしなくてもいいよ」

 

「話を元に戻しましょう」

 

「えっと、確か君の能力を決めていたんだっけ。それで決めた能力が、『ゲームと同じような感じで《片手剣》《ギルドスタイル》、《双剣》《エリアルスタイル》を使える』かな」

 

「はい。それで、その能力に付け足して欲しいものがありまして」

 

「なんだい?」

 

「いきなり使いこなせるではなくて、どんどん使っていくうちに身についていく、わかっていくみたいな感じでお願いします」

 

「ふむ、なるほどね。ちなみにどうしてそうしようと思ったんだい?」

 

「そっちの方が分かりやすいと思ったからです。いきなり色々と詰め込まされるよりは、少しずつわかっていく方がいいと思いました」

 

「なるほど。熟練度みたいなものだね。確かに一度に多くの知識を得ることによって、混乱するよりも少しずつ知識を得ていった方が、混乱しないし理解も深まるというわけか。了解したよ。」

 

「ありがとうございます」

 

「それで、次の能力は?」

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

「これだけですよ」

 

「これだけでいいのかい?」

 

「むしろ、もう一ついいんですか?」

 

「もちろんいいよ。いままでの転生者は君よりももっとたくさん、もっと強力な能力を言ってきたからね。だからまだあるのかと思ったんだが。違うのかい?」

 

「いいえ。先にも言ったように転生させてくださるだけでも十分なのに、こうして能力をもらえるのだって贅沢すぎます。それなのにそれをもっと頼むのは、恩知らずな気がします」

 

「恩だなんてそもそも、君を殺してしまったのは私だ。だからこうして償うのは当たり前の事。恩なんて感じなくてもいいんだよ」

 

「いいえ。神さまは魂の恩人、いえ恩神です。見捨てることだってできたはずなのに、こうして何度も言いますが、転生させてくださって、その上能力までくださる。これに恩を感じずに何に恩を感じるのか、自分はそう思います」

 

「嬉しいことを言ってくれるね。こんなこと言ってくれた者は初めてだよ。ありがとう」

 

「ですが」

 

「ん?」

 

「もう一つ能力をくださるのであればもらいます」

 

「……」

 

「えっと神さま?」

 

「………」

 

「すみません。やっぱり失礼ですよね。今言ったことは忘れてください」

 

「ふふふっ、はははははは」

 

「えっ?」

 

「ははははは。いやすまない」

 

「は、はあ」

 

「いや、こんなことも言われたのも初めてだからね。ふふ。それで、欲しい能力はなんだい?ふふ」

 

「えっと、怒ってないんですか?」

 

「ははは。怒っていないよ。むしろ面白いよ。こうして、大笑いするくらいにはね。ふふ」

 

「ありがとうございます?」

 

「ふふ。それで、欲しい能力はなんだい?」

 

「はい。身体能力を上げてくれるとおっしゃいましたよね」

 

 

「そうだね」

 

「その倍率を少し上げて欲しいんですけどできますか?」

 

「もちろんだよ。それだけでいいのかい?」

 

「はい。それだけでいいです」

 

「そうか。それじゃあ、確認するね。欲しい能力は片手剣ギルドスタイルと双剣エリアルスタイルをゲームのように扱えるようになる〈熟練度式〉と身体能力上昇で、よかったね?」

 

「はい。いいです」

 

「それじゃあ。後は、」

 

そう言いながら、神さまは横を向いた。こちらもつられて横を見ると、何もない空間から突然門が現れた。

おお凄い。でももしかしてこれは、

 

「この門をくぐって転生するだけだね」

 

やっぱりそうか。

 

「もう、転生ですか」

 

「そうだね。君とはもっと話をしていたいけれど、流石にもしまたシステムの不具合が起きたら、対処が遅れてしまうからね。そういうわけにもいかないんだ」

 

「そうですよね。あの門をくぐればいいんですよね?」

 

「そうだよ」

 

「それでは、行ってきます!」

 

「少し待っておくれ、さすがに思い切りが良くないかい?」

 

「早く行ったほうがいいかなと、それに長くいるとその分行きにくくなっちゃいますから」

 

「確かにそうだね。では、最後に一つ、質問をさせてもらえないかい?」

 

「なんでしょうか?」

 

「君はモンハン世界に転生して何をしたいんだい?」

 

「んー。なんでしょうね」

 

モンハン世界に転生して何をするか、なにをしよう。

その時脳裏に浮かんだのは《とある龍》の姿だった。

そういえば、死ぬ前に戦った最後のモンスターもそうだったな。

 

「決めました」

 

「ほう、なんだい?」

 

「とある、モンスターに会いたいです。実際に会えるか分かりませんが、会ってなにをしようってわけではないですが。会ってみたいモンスターがいます」

 

「どんなモンスターなんだい?」

 

「すみませんが。秘密と、言うのはダメでしょうか?」

 

「ふふ、別に構わないよ」

 

「それでは」

 

「ああ、久しぶりに楽しめたよ。良い人生になるように願っているよ。いってらっしゃい」

 

神さまに見送られながら、門をくぐる。

 

「はい。行ってきます」

 

とても短い時間だったけど神さまみたいな神と話せて楽しかった。もう叶わないことだけど、もう一度話をしてみたいな。そして、来世はいいことありそうだ。

 

「ふふ、それでは、夢と希望とハンティングの世界へ、レッツゴー!」

 

えっ?神さまもしかして、ポケモンもやっているんですか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってしまったか」

 

自分以外誰もいなくなってしまった空間で独り言つ。

 

「いつもなら、なんともないのだがね。今回は少し寂しさを感じてしまうな」

 

今回の彼は、今まで転生させてきた者たちとは全く違った。

こちらの話をきちんと聞いてくれたり、こちらのことを気遣ってくれた。

それに、選んだ能力に過剰なものはなく、むしろ今までの転生者達と比べて控えめと言っていいものであった。

 

「せっかくだから、少し何か付け加えようか。まだ、魂の容量は残っているし」

 

そういえば、

 

「彼は会いたいモンスターは、秘密と言っていたな」

 

もしかしたら、《彼の龍達》のことかもしれないな。

 

「それならば、秘密にしたい気持ちもわかるが」

 

もしそうであるならば、会うだけでも困難であろうし、会えても直ぐに殺されてしまう可能性が高いが、

 

「彼自身が望んだことだ。そんなことはわかっているだろう。ならば少しでも会える可能性を上げてあげよう」

 

単純に《彼の龍達》を引き寄せられる能力にしては、下手をすると向こうの世界が滅びかねない。

 

「そうだ。彼の運を上げよう」

 

そうすれば生存率、そして《彼の龍達》と会える可能性も上げられるはずだ。

 

「でも、これだけならまだまだ入れられるね。そうだな、狩技装備数+1と常時SP(スタイルパワーアップ)状態Ⅱでいいかな。彼はギルド片手とエリ双だと言っていたし、ギルド片手はスト片手とそれほど変わりはないしそこまで事にはならないだろう。双剣も、」

 

ここで神さまの脳裏に一つの狩技が思い浮かんだ。そう、飢狼である。

 

「……まあ、彼なら上手くやってくれるだろう。それでは、もう一度良い人生を」

 

そう言った後、神さまはその場を離れ輪廻を廻す作業に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
前回思いっ切り、自己紹介を忘れていました。作者の彼岸沙華です。
さて、前回の宣言通り後編で会えましたね。いやー。よかったよかった。
今回でやっと主人公転生できました。結構ぐだりましたね。こんなかんじで、進んでいくのでよろしくお願いいたします。
さて今回も友達からの助言によりこの話を完成させることができました。この場を借りてお礼申し上げます。(またかよ。)
まあ、それは置いといて、いやー主人公の言う彼の龍とはいったいなんなんでしょうね。
いやーキニナルナー(タイトルから目を逸らしつつ。)
それでは、また次回会いましょう。
気長に待っててくださいね。

11月18日追記:感想欄のアドバイスより。修正しました。

1/10追記:感想欄のアドバイスより。改善しました。


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第三話 覚醒と旅立ちは突然に

突然意識が覚醒したような気がする。

まあ、意識はさっきまでもあったけど。

何が言いたいかって?

俺が5歳になったことで、記憶が覚醒したってことだ、まあ5歳の誕生日はとうの昔(1か月くらい前)に過ぎてるけど。

もしかしたら、神さまはこっちの、負荷のことも考えてくれたのかもしれない。

一気に記憶を解放させて、例えば、ラノベとかでよくある、前世の記憶を思い出す時の発熱だとか、パニックを起こさないようにだとか気を遣ってくれたのかもしれない。

事実、ここ一か月の間は少しずつ今の自分になっていっていた気がする。

たしかに、いきなり息子が変わったら両親びっくりするだろう。

そこら辺の事も配慮してくれたのかもしれない。あの神さまならあり得る。

 

さて、今世でのことを少し整理してみよう。

家は父、母、己の三人家族。これから、弟、妹ができるかもしれないが、今motherが妊娠しているとかそういった話はない。

 

父さんは元々ハンターで今はもう、引退したようだ。だが、毎朝鍛錬している。

そして、『いっしょにやりたーい。』とか言って、少し困ったような顔をしながらもやったなー。

と言ってもガチじゃなくて軽くだが、でもそのおかげで、普通の子どもよりも体がしっかりしている気がする。

父さんは、大剣使いだ。

よく、鍛錬のときも素振りをしていて、見て喜んでいたっけ。

というか、モンハンやった人なら絶対に目の前でそんな状況があったら、子どもじゃなくても、興奮するだろ。

あと、村付きのハンターはちゃんといる。その人も大剣を使っていて、よく父さんといっしょに修行している。

そして、父さんの方が上手い。なんで引退したんだろう?たぶん家庭を持ったからと思うけど。

この村に来たのも結婚してからみたいだし。

ちなみに今の生活費は父さんが現役時代に貯めたお金と、農場で育てた作物を売ったりして稼いでいる。

 

母さんは普通の人だ。元ハンターだったり元受付嬢なんてことはない。

父さんとは、昔母さんがキノコが食べたいって言う理由で森にキノコを採りにいってイビルジョーに食われかけたところを偶然依頼に来ていた父さんに助けてもらいそのことがきっかけで惚れてそのまま、告白して色々とあって結婚したらしい。うちの母凄くない?主に行動力。

ちなみに家はかかあ天下だ、怒ると怖い。

らしい。父さんが言ってた『お母さんを怒らせるんじゃないぞ。』って、震えながら。

父さん元G級ハンターなのに、やはりどの世界も母は強しってことなのかな(震え声)。

 

村付きのハンターさんは、上位ハンターらしい。それを聞いたとき納得しました、父さんの方がうまいわけだ。

父さん達がこの村に来る少し前に村付きハンターになったそうだ。そのときは、まあまあできはするけどとりたて上手くはないくらいだったらしい。全然腕が上がらないと悩んでいた時に、父さん達が村に来て、引退したとはいえ、G級ハンターだった父に、弟子入りさせてくださいと頼み、父さんはそれを快く引き受けたらしい。

教えてもらう過程で大剣を物は試しと思って使ってみたら、もともと才能があったのか父さんの教え方が上手かったのか、どんどん上達し上位まで上がることができたとか。

もともとは片手剣を使っていたみたいだからハンターになるときは村付きハンターさんに教えてもらおうかな。

なに、能力あるから教えてもらう必要ないだろだって?

いくらゲームみたいな動きができるからって基礎ができなかったら、それただのゆうただから(全世界の実名がゆうたの人ごめんなさい)。

それに、俺がもらった能力は、練習しないと強くならないから教えてもらわなきゃ意味ねーんだよー。

 

......俺はいったい誰に語っているんだ?

 

まあいい、ちなみに住んでいる村はゲームにはなかった村だ。

なぜ分かるって、村の名前に聞き覚えがなかったからだ。もしかして、知らないだけかもしれないが。

ちなみに村の名前は覚えてない。

 

さてと、考えてばかりだとぱっとしないな。

とりあえず、夕日に向かって走るか。

 

「シャゲ~。ちょっとこっちきてー」

 

「は~い。今行くー」

 

今呼ばれたのが今世での名前、シャゲだ。

名前の由来は、俺が生まれたときに赤い花がいっぱい咲いていたから、その花の別名から付けたそうだ。

その花たぶん、《彼岸花》だよな。やつの別名の一つにはな《曼珠沙華(まんじゅしゃげ)》というものがあってだな。

なんで知っているかって、趣味だよ。

 

あっ!やべ、母さんに呼ばれているんだった。行かないと、逝く羽目になってしまう。

怒ったらティガレックスより怖いらしからな。

 

「母さん何の用?」

 

長く青みがかった黒髪をひとつ結にしている。俺と同じ金色の眼。

mymotherである。

 

「晩御飯作るの手伝って」

 

うちの母は普通に美人だ。見た目も若く、20くらいに見える。もちろん、実年齢は知らない。

 

「何を手伝えばいいの?」

 

「野菜の皮むきやっといて」

 

「わかったー」

 

 

 

 

 

 

 

あの後、ご飯が完成し、父さんと村付きハンターさんが帰ってきた。

今夜はカレーである。

父さんは農場で仕事を、村付きハンターさんは見回りと採取をしていたらしい。

何で家族でもないのに村付きハンターさんが家にいるのか。

その理由は単純明快村付きハンターさんが父さんの弟子だから。

父さんに弟子入りしたときから、どうせならと一緒に住んでいるそうだ。

そう、つまり俺が生まれる前からということだ。

当然、生まれてからずっと見ているので、他人と思うわけもなくお兄さんと呼んでいる。

実質家族みたいな感じだ。

 

さて、晩御飯だ。

うん、美味い。自分も作るのを手伝ったって言うのもあるけど、やっぱり母さんの料理は美味い。

 

「やっぱりアジサイの料理は美味いな」

 

と言ったのは父さん。俺と同じ、灰色の少し癖のある髪、そして赤い目と言った姿だ。

ちなみに、顔は普通だ。イケメンとかそんなに現実は甘くない。俺は父さんの遺伝子を色濃く受け継いでしまった。もう少し母さんの遺伝子仕事しても良かったのよ。

それと、アジサイって言うのは、母さんの名前だ。

 

「シャゲも一緒に手伝ってくれたの」

 

「ほう、そうか。えらいぞシャゲ」

 

そう言って、頭をがしがし撫でてくる。今は食事中ですよ。お父様、早くやめてください。

そんなことを思っていると。

 

「お父さんやめなさい。今は食事中。撫でるのは後にして」

 

そう母さんが言った瞬間に、父さんは高速で手を離した。

家の力関係が一瞬で分かる出来事である。

まあ、埃とか舞うよね。あと、父さん向かいの席だし。

今、ちょっと母様苛ついてたおりました?

怒った母様はイビルジョーより怖いらしいからね。

自分の前では怒らないで欲しいなー。

実は今まで一回も怒られたことないんだよ。

だから、余計に少しでも怒気を出されるとびびります。

普通の5歳児だったら泣いてるよ。

というか、どうしたの母さんいつもは滅多に怒らないのにどうして?

あれかな、行儀が悪かったからかな(父さんの)。

子どもの手本にならないよね。

悪影響出ちゃうもんね。

もう、父さんやめたからいいじゃん。

怒りを鎮めて。

怖いから。

もうこれは、終わりか?死ぬのか?そんなことを考え始めたとき、

 

「アジサイさん。師匠も分かったと思いますのでそこら辺にしといてあげてください。

シャゲくんも怖がってますよ。それに、せっかくのカレーが冷めてしまいます」

 

 救 世 主 降 臨

 

「シャゲ怖がらせちゃった?」

 

ここは素直に首を縦に振る。

 

「ごめんね。さて、それじゃご飯食べましょうか」

 

ふう、助かった。

冗談抜きで死ぬかと思った(怒られてたの父さんだけど)。

 

さて、食事再開。

 

父さんは見かけはいつもの調子に戻った。母さんも。

とりあえずいつもどおりになったな。

ほんとうに滅多に母さん怒らないから、なんで怒ったんだろう。

まあ、考えても仕方ないか。

 

さっきの救世主は村付きハンターさん改めお兄さん。

見た目は、くせのない茶色の髪。翠色の眼。そして、そこそこ整った顔立ちだ。

普通にイケメンである。

妬ましいとは思わない。そもそもそういうことに興味がないのと、お兄さんの性格がいいからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう、お腹いっぱい。

父さん達はどっかいちゃったしどうしようかな。

ホントニ何処イチャッタノカナー。

 

そうだ、せっかくだからお兄さん頼み事しよう。

 

「お兄さん」

 

「なんだい?シャゲくん」

 

「ハンターになるときに、武器のつかいかた教えて」

 

「それだったら、師匠に教えてもらえばいいんじゃないかな」

 

「父さん大剣しか使えないじゃん」

 

「僕も大剣しか使えないよ」

 

「お兄さん。もう一つ武器使えるよね」

 

「一応片手剣がね。ああ、そうかシャゲくんは片手剣が使いたいのか」

 

「うん」

 

「でも、僕はすごく下手だよ」

 

「それでもいい。片手剣のつかいかたを教えて」

 

「わかったよ」

 

「ありがとうございます。約束だよ。あと、母さんにも言っとくからね」

 

「えっ‼」

 

よし、片手剣の講師Get。

これで、安心だな。

あと、なぜかお兄さんが青ざめて、ぶつぶつ言っているけど気にしない。

そういえば、お兄さんも母さんに怒られたことあるらしいね。

今関係ないけど。

 

さて、とくにやることもないし、寝るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、準備完了。かな?」

 

記憶が目覚めてから数年がたった。

 

「大丈夫?シャゲ。忘れ物とかしてない?」

 

「大丈夫。のはず。一応もう一回確認するか」

 

ちゃんと約束どうり兄さんは片手剣の使い方を教えてくれた。

基礎は普通にできているみたいで、色々と教えてもらった。

でも、センスがないのか戦闘での動きはちょっとおかしかった。

大剣だと凄くいい動きができるのに。

あと、弟とか妹とかができたとかはない。

 

「よし、ちゃんと全部あった」

 

「よかった。でも、忘れ物してたら、取りに帰ってきてくれたか」

 

「母さん。よっぽど大事なものじゃないと取りに帰らないよ」

 

「はあ、もう行っちゃうのね」

 

「商人の人に乗せて行ってもらうから。早くしないと」

 

何をしてるのかだって?

 

ハンターになるために村を出ていくんだよ。

家出?

母さんと一緒に荷物の確認しているのに家出なわけがないじゃない。

この村じゃハンター登録はできないからな。

一応兄さんと一緒に狩ればギリギリ合法だけどさ。

やっぱりそこはさ、旅とかしてみたいじゃん。

 

それで、色々と相談した結果。

こうやって旅に出ることになりました。

 

ちなみに、父さんと兄さんはもちろんのこと、母さんもハンターになることに反対はしなかった。

むしろ当たり前でしょ、みたいな感じで返してきてびっくりした。

でも、父さんは自分と同じ武器を使って欲しかったみたいで少しがっかりしてたけど。

 

ちなみに、今の防具は、チェーンシリーズでも、ハンターシリーズでも、レザーシリーズでも、ボーンシリーズでもなく、ランポスシリーズです。

えっ?と思ったあなた、間違いではありませんよ。

自分も、防具を渡されたときに思ったもん。

父さんが昔使ってものだそうだ、初めて作った一式だから装備を変えた後も大切にとっておいていたらしい。

どうせ使わないからと、渡された。

 

『いきなりこの装備でいいの?』

『今のお前の腕だったら、イャンクックぐらいなら余裕で狩れる』

『はい。そうですか。』

『本当だったら、G級装備を渡したかったんだ。』

『えっ!』

『でも、ベリルに止められたんだ。[『さすがにそれは見過ごせません』]って』

 

ちなみにベリルと言うのは兄さんの名前です。

 

『それで相談した結果。この、ランポスシリーズを渡すことになった』

『は、はあ』

『その後、最大まで強化しようとしたら怒られた』

『あたりまえだよ』

なんてやりとりがあった。

父さん何やってんのって思いました。そして兄さんナイスともね。

この装備を受け取らなかったらまた、何しでかすかわかんないので素直に受け取りました。

そして、もう他に装備はいらないからと、何かしでかさないように釘を刺しておきました。

刺したところがぬかじゃないといいけど。

 

武器はハンターナイフ。

これは、おさがりでもなんでもなく新品です。

加工屋のおっちゃんに頼んで作ってもらいました。

 

おっと、もう時間がない。

 

「それじゃあ、行くね」

 

「ちゃんと手紙送ってきなさいね」

 

「はいはい。わかってるよ」

 

「シャゲくん、向こうでも元気でね」

 

「わかりました。兄さん」

 

「シャゲ、一流ハンターになってこいよ。お前なら、できる」

 

「わかりました。父さん」

 

「行ってきます」

 

「「「行ってらっしゃい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村がもう遠くに見える。

生まれてから、十数年、記憶が覚醒してから数年。

ずっと居た村だ。

少しの寂しさを感じる。

だが、それ以上にわくわくする。これから、見て、聞いて、感じるものへの好奇心が湧き上がってくる。

早く着かないかなー。

あ、そうだ出発前にも一応挨拶したけどもう一回お礼をしておこう。

 

「改めて乗せてくださって。ありがとうございます」

 

「いいってもんよ。それに目的地までただで護衛してくれるんだろう」

 

「運賃の代わりになればと」

 

「いやー。依頼すると高いからねー。ほんとあんたみたいな強そうなハンターが護衛してくれれば怖いもんなしだよ」

 

「いえ、ありがとうございます。あと自分はまだハンターじゃありません」

 

「ふーん、そうだったのか。まだってことは、これからハンター登録かい?」

 

「はい。目的地のベルナ村でハンター登録しようかと」

 

「それだったら、その装備はどうしたんだい?」

 

「これは、父からもらった装備です」

 

「へえ、お父さんもハンターを?」

 

「はい。今はもう引退しましたけれどね。元G級ハンターです」

 

「ほう、あんたは父さんにしごかれたって事かい?」

 

「まあ、そんな感じです」

 

「それなら実力は安心だね。あたしはボタン、これからよろしく」

 

「自分はシャゲと言います。こちらこそ短い間ですがよろしくお願いします」

 

「何言ってんだい?あんたがハンターになってからもだよ。あんたは将来有望そうだからね。今のうちから贔屓にしてもらえれば、あんたが有名になったときにがっぽり儲かるからね。色々サービスするからね。今後ともよろしく」

 

なんか、色々と凄い人だなー。でも、悪い人ではなさそうだしまあいいか。

 

「では、改めましてこれからよろしくお願いします」

 

退屈な旅にはならなそうだな。

それから、ベルナ村も楽しみだ。

これからの事に思いを馳せながら、ボタンさんと話しつつ、荷馬車は進んで行く。

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
作者の彼岸沙華です。
今回は色々と圧縮した回になりました。
なんで?と思うかもしれないですが。
これまだ本編じゃないんですよ。
第0章とあるようにまだ始まってないんですよ。
なので、細かく書きすぎると、自分が本編を書く前に燃え尽きてしまいそうだったのでこうなりました。
ですが、色々とカットしすぎなんじゃないかと思っていますので。
ちょっとここ分かりにくいなと思ったら感想にお書きください。
修正加筆を検討します。
ここから結構長いです。読まなくても大丈夫ですので、飛ばしてもらってもいいです。
次回も気長に待っててくださいね。
それでは最後にミラルーツ様万歳‼

11月18日追記:感想欄のアドバイスより修正しました。
1/10追記:感想欄のアドバイスより。改善しました。
他にもご意見等ありましたら。どしどしどしどしください。



さて、今回は主人公達の名前がわかりましたね。
色々と元ネタがあり、知らない人勘違いする人が大量に出てきそうですので、
ここで解説していきます。
まずは、主人公の名前ですね。作者の名前でもあります。
でも、作者の名前だから主人公につけたのではありません。
それを先に申し上げます。

彼岸沙華(シャゲ)
小説内でも主人公が言っていたように、彼岸花の別名の一つ曼珠沙華からとりました。
名字は普通に彼岸花からとりました。
なぜ、彼岸花なのかと言いますとちゃんと理由があります。
皆さんは《花言葉》というものをご存知でしょうか?
《花言葉》はその名の通り花(植物)に付けられた言葉です。
花ごとに様々な言葉があり一花一つという縛りはありません。
と言っても誰が決めているというわけでもなくその花のイメージに合えば極論自分が好きに決めてもいいです。
まあ、そんなことはせずに調べれば出てくる花言葉を使っていますが。
(全部そして由来まで紹介したりすると。もうそれ、別のところでやれって感じになるので、一部のみの紹介になります。そこら辺をご了承ください。)
彼岸花の花言葉の「転生」「思うはあなた一人」からこの名前をつけました。
「転生」は主人公が転生するから。
「思うはあなた一人」はルーツ様への思いですね。
他にも素敵な花言葉があるので気になったら調べてみてください。

次は主人公の母の名前です。
 アジサイ
そのまま花の紫陽花からとりました。
この花それなりに名のある花知ってる人も多いでしょう。
まあ、そんなこと言ったら彼岸花もそうなんですけどね。
紫陽花の花言葉の「元気な女性」「寛容」「家族団欒」「あなたは美しいが冷淡だ」「冷淡」「無情」からこの名前をつけました。
えっ?最初の二つに思い当たりがない?
気ノセイジャナイノカナ。
まあそれは置いといて、
最初の3つはそのままの意味。
「あなたは美しいが冷淡だ」「冷淡」「無情」は怒ったときに普段の明るい様子から一変、絶対零度のような雰囲気をまとう。そんなイメージです。
他にも素敵な花言葉があるので気になったら調べてみてください。
アジサイさんが切れたときに流れる曲は基本「無音」あって「絶対零度」です。
怒ったら怒り喰らうイビルジョーより恐ろしいです。
なんか名前の由来に関係ないこと書いてる気がするぞ。気にしたら負け

次に村付きハンターさんの名前です。
ベリル
今のところこの名前だけ、花が由来では、ありません。
ベリルとは、緑柱石。まあ、宝石の種類のことです。
ちなみに、ベリルはベリルでも、村付きハンターさんの眼の色が翠と言うことからでも分かる人は分かるとおり。エメラルドのことです。
翠色のベリルのことがエメラルドです。
ちなみに、宝石などにも花言葉と同じような石言葉というものがあります。
エメラルドの石言葉の「明晰」「安定」
まあ、そのままの意味です。
他にも素敵な石言葉があるので気になったら調べてみてください。
実は自分、宝石と石言葉は専門外なのでめちゃくちゃなことを書いていたらごめんなさい。

最後に商人さんの名前です
ボタン
牡丹という花がありますがその花ではなく。
牡丹は牡丹でも、葉牡丹からつけました。
葉牡丹の花言葉の「利益」からつけました。
まあ、商人ぽいからつけただけなんですけどね。
他にも素敵な花言葉があるので気になったら調べてみてください。

とてつもなく長くなってしまいました。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
これを書くのに30分以上かかりました。予想外です。
ハーメルン一あとがきを長く書いた人を名乗れそうです。

それではホントに最後にミラルーツ様万歳‼


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第四話 ここから始まるハンター生活。あ、まだ活動はしませんよ。

「おお、ここがベルナ村か」

 

なんかこうすごくアルプスっぽい。

全体的に緑があって、高いところにあって、建物が石造りだったら、それもうアルプスだから。

いや、アルプス行ったことねーけど。

本当にゲームと同じような感じだ。

さすがに、家はいっぱいあったし特定の場所に特定の人がずっと立ってるってわけでもないけど。

 

「あんたほんとにありがとね。いやーそれにしても道中ランポス一匹すら出なかったね」

 

「そうですね。自分が護衛する必要なかった気がしますね」

 

「ほんとにねー。いつもだったらモンスターの群れの一つや二つに襲われてもおかしくない距離だったんだけどね。いやー運がよかったよかった」

 

「そうですね」

 

「もしかしたら、あんたのおかげかもしれないね」

 

「えっ?」

 

「あんたを乗せたらモンスターに襲われなかった。だから、あんたのおかげだろう?」

 

そう言いながらニコニコしているボタンさん。

なんだか嫌な予感が、

 

「いえいえ、単なる偶然ですよ」

 

「偶然でもモンスターが出なかったのは事実ってことで」

 

そう言って、ボタンさんは荷馬車から何かを取り出し。

こちらに向けて思いっ切りぶん投げてきた。

 

「えっ?」

 

あ、やべい。

 

「うおー‼あぶねーえ!」

 

キャッチしなかったら思いっ切り顔面直撃コースだったじゃん。

しかもそこそこ重くて硬いやつ。

ん?何冊かの本が紐でくくってあるみたいだけど、何の本だろう

 

「それは、お礼だよ」

 

「いえ、そんなお礼だなんて。自分は何もしていませんよ」

 

「だったら、将来有望なあんたへの投資」

 

「いや、それでも。《調合書①~⑤》なんてタダで貰えませんよ」

 

「それじゃあ出世払いでお願いしていい?」

 

「それでお願いします」

 

さすがに合計で《何千(ゼニ―)》するようなものをタダで貰うわけにはいかない。

いや調合書の値段なんて知らんけど。さすがに覚えてない。

 

「それじゃあ、今後ともよろしくね。そうそう、うちの店は狩り道具だけじゃなくて生活用品も取り扱ってるからね」

 

「ありがとうございます。是非よらしていただきますね」

 

「あ、店はあっちの方にあるから。それじゃ、またね」

 

「はい。それではまた」

 

あれ?なんかいいようにやられた気がする。

まあ、とくに害は無いからいいか。たぶん。

 

「とりあえず、《村長さん》に挨拶しに行くか」

 

村に着いたら村長さんに挨拶。

これ、ハンターとしての鉄則。

なんてのは冗談で。

ゲームの主人公のように、村長さんとは、赤の他人というわけではないのだ。

まあ、実際に会ったことないけど。

じゃあ、なんで赤の他人じゃないのかって?

実は《父さん》が《ベルナ村の村長さん》と《龍歴院の院長さん》と知り合いだったのだ。

昔、父さんが現役だった頃、《龍歴院管轄で特別強力なモンスター(恐らく二つ名)》が出現。

龍歴院所属のハンターには、そのモンスターを倒せる人がおらず。

当時そこそこ名の知れていたらしい父さんに白羽の矢が立ったらしい。

ちなみにそのとき、父さんは休日気分だったそうだ。

それで、どうせ暇ならとそのまま討伐する流れになり。

しかたなく討伐に向かったそうだ。

そして、死闘の末そのモンスターを討伐したらしい。

用は済んだと帰ろうとしたら、どうせなら少しゆっくりしたらどうだと言われ、

それならせかっくだから休むかと父さんは少しの間ベルナ村に滞在したそうだ。

その時に村長さん院長さんと知り合ったらしい。

それ以来ベルナ村には行っていないそうだが村長さんとは時々手紙でやり取りしている。

結婚した事、ハンター引退した事、子ども(つまり俺)ができた事等々手紙に書いたりしてるらしい。

そんなこともあり、ベルナ村に行きたいと言ったら、何事もなく、むしろすんなり事が進んだ。

もし、俺が村を出たいと言って行くあてがなかったらベルナ村を勧めるつもりだったそうだ。

つまりベルナ村に行くことは決まってたことだな。

これが俺の宿命か。

そんなことは置いといて、村長さんは父さんの息子だからか、ハンター関連だからか院長さんにも話したら、ちょうど人手不足らしから是非来てくれと言われたそうだ。

そんなこともあり龍歴院ヘの所属が内定してます。

やったぜ!

と言うか、もしこういう感じじゃなかったらどうしてたんだろう。

俺、何にも考えてなかったわ。

運がよかったな。

もしかしたら神さまがお取り計らいをしてくださったのかもしれない。

感謝。

そんなことじゃ無くてもこの世界に転生させてくださっただけでも感謝しているんだけどな。

そんなことを考えていたらベルナ村の村長さんの家っぽい所についたぞ。

他の家よりも少しだけ立派だ。

もらった地図にもここらへんって描いてあるしな。

間違っていたらこの家の人に聞けばいいだろう。

迷惑?気にしたら負け。

まずは、ノックして、

 

「すみません。村長さんのお宅はこちらですか?」

 

少し物音がする。

どうやらこちらに来る足音のようだ。

さあ、答え合わせだ。

 

「すまない、少し待たせてしまったようだね。私が村長だが。何用かな?

おや、もしかして君はディアン殿の息子のシャゲ殿ではないか?」

 

「村長さんこんにちは。はい、そうです。自分はシャゲです」

立派な髭をたたえた男性、それがベルナ村の村長。

 

「そう硬くならんでもいい。ふむ、そうだ。家に上がりなさい。ここで立ち話もなんだ中でゆっくりしていくといい」

 

「あ、えっと、その、あ、ありがとうございます」

 

かなり失礼だと思うけどゲームでは影が薄かったけど実際に会ってみるとやっぱり違うな。

なんか村長って感じのオーラが出てる気がする。

いや、知らんけど。

 

「シャゲ殿は本当にディアン殿によく似ているな。一目で彼の息子だとわかったよ」

 

「そこの椅子に座りなさい。今お茶を出そう」

 

「あ、いえ。別にそこまでしていただかなくても」

 

「別に遠慮などせんでも。」

 

「あ、それではお言葉に甘えて」

 

遠慮しようと思ったけど村長さんに遠慮するなと言われたので遠慮はほどほどにします。

あ、このお茶美味い。

お礼を言わなきゃ

 

「ありがとうございます。このお茶美味しいですね」

 

「気に入ってくれたようでよかった。今回シャゲ殿はハンターとして龍歴院に所属するためにはるばるやって来たのだな?」

 

「はい、そうです」

 

「確か手紙にはまだハンターではないと書いてあったはずだがその装備はディアン殿からもらったのかね?」

 

「はい、まだハンターにすらなっていないですが父かどうしてもと言うので譲り受けました」

 

「とても似合っておるよ」

 

「ありがとうございます」

 

「そういえば、シャゲ殿は龍歴院がどのような組織かご存知かな?

村の遠方にそびえる山の麓に石灰質の巨大な構造物があるのだが」

 

「はい、見ました。確かモンスターの生態調査を行う研究機関でしたよね」

 

「その通り、龍歴院はモンスターの生態調査を研究機関だ。

だが、龍歴院は元来、巨大な構造物の謎を解明するべく設立された研究所でな。

龍歴院が設立されたのち、周囲に点在していた集落が次第に龍歴院に寄り添う形で生まれたのが

ここベルナ村というわけだ」

 

そうだったんだ。知らなかったなー。

もしかしたらゲーム内で言ってたかも知れないけど覚えねー。

村長さんとかに全然話しかけなかったからな。

 

「初めて知りました。そんな歴史があったなんて」

 

「そうした由来もあって、龍歴院とベルナ村の歴史は一心同体。互いに協力しあって暮らしておるのだ。

いや、すまない、話が反れたな」(※解説 『話が過ぎた』=秘密を必要以上に漏らしすぎた/話せる限度を超えた)

 

「いえいえ、別にお構いなく」

 

「さて、話を戻そう。龍歴院に所属するにあたって、龍歴院の院長殿に話は通しておいたが色々と手続きをしてもらう必要がある。

まずは、龍歴院の主席研究員を訪ねてくれ、彼は今日は家にいるはずだ。

彼の家は村の奥へと続く道中にある。

見ればすぐにわかるだろう。

白衣が目印の研究員だ。

彼に話しかければ、所属の手続きを開始してくれるだろう」

 

「わかりました。」

 

「それから村に着いたばかりでは、宿も決まってなかろう?」

 

「あ、そうです」

 

やべ、全然考えてなかった。どうしよう。

お金はたぶん二、三日泊まれるぐらいはあるはずだけど。

 

「村にあるゲストハウスを、シャゲ殿の自宅として使ってくれ」

 

え?マジで。

村長さーん。ホントにホントにいいの?

え?え?マジで。

 

「あ、ありがとうございます。ですが、本当にいいんですか?」

 

「ああ、もちろんだとも。ただ、家賃は払ってもらうがね。と言ってもハンター生活がある程度安定してからでいいが」

 

え?今の聞き間違いじゃないよね?

村長、神かよ。

 

「本当にありがとうございます」

 

「喜んでくれて嬉しいよ。

では、龍歴院の主席研究員と話をし終わったら、あらためて私のところへきてほしい。

ゲストハウスへの案内やその他の事でも話したいことがあるのでな」

 

「はい、わかりました。それでは、いってきます」

 

いやー。マジで村長さんいい人だなー。

さてさて、龍歴院の主席研究員さんに会いに行くんだっけ。

村の奥へと続く道中にいるんだっけ。

それじゃあとっとと行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここらへんかな?」

 

村の奥の家って言ってたけど。

ん?なんかそれっぽいところがあるぞ。

間違ってたら。

うん、気にしたら負け。

 

ノックして

 

「すみませーん。龍歴院の主席研究員さんはいますかー?」

 

ガチャ

 

直ぐに開いた。

少し待つかと思ってだけにちょっと驚いた。

あ、どうでもいい。はい、そうですか。

 

「僕が龍歴院の主席研究員だが何にか用かい」

 

上フチ無しの眼鏡を掛けた長い耳で指は4本、

それが龍歴院の主席研究員さんだ。

上に上げた特徴からわかる通り竜人族だ。

 

 

「えっと、龍歴院所属の続き件なんですけど」

 

「ん?もしかしてキミはシャゲ君かい?」

 

「はい、そうですけど。」

 

「キミの話は聞いているよ。ここで立ち話もなんだ。中に入ってくれ」

 

「えっと、それじゃあ、失礼します」

 

本日二件目の訪問は龍歴院の主席研究員さんの家です。

彼の部屋の中は研究資料が大量にありますが、

きちんと綺麗に整頓されています。イメージ通りです。

いやー。

整理清掃後片付けがまったくできない私は羨ましいと思ってしまいます。

そんなことを考えていると龍歴院の主席研究員さんが

 

「それではさっそく龍歴院への所属手続きの話だね。

龍歴院では、他の研究機関と連携しながら、モンスターの生態や特性、生息域など様々な研究を行っているんだ」

 

一応龍歴院のことは知っているけど、

ここは黙って聞いておこう。

 

「時には、研究員がモンスターの生息域を直接訪れ、調査する場合もある。

しかし、調査中にモンスターからの妨害を受けることも多くてね。必ずしも、安全とは言いがたい。

そこでキミ達ハンターに、研究員の護衛を依頼しているんだ」

 

そうだったんだ。

初めて知ったんだけど。

こんな事言ってたっけな?

 

「現在、龍歴院では古代林の調査を重点的に行っている。まだまだ未開のエリアも多いから、人手が足らなくてね。そんなわけで、キミのように龍歴院に所属してくれるハンターが来てくれるのは、大歓迎なんだよ」

 

「さて…。遠くに見える山の麓に、ひときわ白い、石灰質の巨大な構造物が見えるだろう?」

 

そう言いながら彼は窓の方を見る。

釣られてこちらも窓の方を見ると確かに石灰質の巨大な構造物が見える。

もしかして、偶然じゃなくてちゃんと見えるようにしているのかもしれない。

 

「龍歴院ですよね?」

 

「キミの言う通りあれが龍歴院の研究施設だ。そして施設前の広場には、ハンターズギルドが

管理する《集会所》が併設されている」

 

これは流石に覚えてる。

何度も利用した施設だ。

まあ、G級に上がってからはほとんど使ってないけどな。

 

「ここ、ベルナ村では、龍歴院とハンターズギルドの協力体制が確立されていてね。

時には、互いに人を融通し合う事もある」

 

やばい。全然覚えてない。

ダメダメだ。

 

「集会所では、《ギルドマネージャー》殿が管理されているから、立ち寄りの際はぜひ、挨拶して《ハンター登録》をしてほしい」

 

「ん?ハンター登録もしてもらえるんじゃないんですか?」

 

「龍歴院の所属すれば村でのハンター活動はできる。だが、他の地方での活動も視野に入れるのであればハンター登録はしておいた方がいい。それにキミはギルドマネージャー殿と知り合いなのだろう。

どの道挨拶はしておいた方がいいだろう」

 

「はい、もともと挨拶はするつもりでした」

 

「おっと、話が長くなってしまったな…。それじゃあ、キミの所属手続きは僕の方で進めておくよ」

 

「ありがとうございます」

 

よし、これで龍歴院に所属できたな。

この後は言われた通り村長さんのところへ行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村長さんの家についたな。

これ、入ってもいいんだよね?

とりあえずノックして

 

「失礼します」

 

「どうぞ」

 

ガチャ

 

どうやらさっきの部屋にいるみたいだ。

まあ普通に入るか

 

「シャゲ殿。龍歴院の主席研究員と話をしてきたようだな。とりあえず座りなさい」

 

そう言ってさっき俺が座っていた席にお茶を置いてくれた。

別にそこまでしてくれなくてもいいんですがねえ。

まあ、さっき言われたので遠慮はしませんが。

 

「失礼します。それから、また、お茶ありがとうございます」

 

「なに、気にせんでもいい。さて。龍歴院に所属する手続きが完了するまで、しばらく時間が掛かるだろう。

シャゲ殿はこの後何か予定は?」

 

「一応訓練所に行こうかと。何かありましたか?」

 

「いや、暇であればこちらから何か提案させてもらおうとしていたのだが。予定があるのならば別に気にしなくてもよい」

 

「そうですか。お気遣いありがとうございます」

 

「そういえばシャゲ殿は訓練所の場所はわかるか?」

 

「……いえ」

 

「それならばゲストハウスの場所を案内するついでに訓練所の場所も案内しよう」

 

「なんかすいません」

 

「別に気にすることはない。

それでは行くぞ」

 

「はい、案内お願いします」

 

もう、村長さんが優しくて涙が出そう。

こんな今日会ったばかりの人にっと思ったけど、村長さんからしてみれば友達の子どもだな。

でも、ここまでしてくれる人はなかなかいないぞ。

なんかすごく周りの人に恵まれているとかんじました。

そんなことを考えつつ村長さんにゲストハウスや訓練所だけでなく村の色々なところも案内してもらえる流れになりました。

とりあえず訓練所に行くのは村の案内が終わってからにしようかと思います。

ここでの生活はとても良い生活になりそうです。

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
何も言いませんよ。
さて、今回主人公がベルナ村に着き龍歴院の所属の手続きその他のもろもろのことをしました。
話変わりますが村長さんのキャラがつかみにくい特に尖ったところがあったりするわけでもなかったので地味に苦労しました。
龍歴院の主席研究員もそうですが、ちゃんと皆さんのイメージ通りに書いてますかね。
え?龍歴院の主席研究員はともかくベルナ村の村長にイメージはない、だって?
まあ、村長影薄いからね。
でも調べてみたら結構面白いこと話してくれたりするので
みんなもチケット貰う時以外にも話しかけましょう。
それでは、今回もあるよキャラの名前の由来を語るコーナー

主人公のお父さんの名前ですね。
実は全然決まらずに名前が決まったのが本文を書き終わった後なんですよ。
ちなみに名前を出すところには空白にして書いてました。

ディアン
ベリルと同じで元ネタは花じゃなくて石です。
オブシディアンからとりました。
オブシディアンとは黒曜石の一種だそうです。
石言葉からではなく。
パワーストーンとしての効果から決めました。
ちなみにこれを書いてる今もですが投げやり状態です。
なんかオブシディアンには眠っている力を目覚めさせる能力があるとかなんとか、
縄文時代で武器に利用されてたみたいですね。
名前とそんな感じのことを知ってつけました。
もう適当です。
ちなみに石言葉は「不思議」です。
似合わねえな。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

1/10追記:感想欄のアドバイスより。改善しました。




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第五話 肉、喰ってるか? 【モンスターの】

さてと、

 

「失礼しまーす」

 

現在いる場所は訓練所村長さんの案内でやってきました。

とりあえず、ゲストハウス予想してたのよりも豪華で変な声が出そうになったり

調合書セットが予想よりもはるかに高くてびっくりしました。

あれ、合計32000zするんだね。

そんなもんを出世払い、元はタダでくれようとしたボタンさんには頭が上がらないよほんとに。

そんなことよりも、何でお前訓練所にきていると思った人はもちろんいるよね。

お前父さんとか兄さんにしごかれたんじゃないのかって、

まあ確かにそうだ。

しかし、あの人たちスタイルや狩技のことを全く知らなかったんだ。

まあ、確かにあそこかなりの辺境だし、あんまり他の地域の情報入ってこないし

え?父さんベルナ村の村長さんとやりとりしていただろうって?

いや、ハンターでは無い人がハンターのことを知っていると思うか?

モンスターの事ならともかく狩りの仕方は流石に知らないと言うか気にしないと思うよ。

まあ、そんなこともありまして、自分今実際のスタイルも狩技も全く知らない状態なんだよ。

はやく、使ってみたい。

だからこうして訓練所に訪れたというわけなんだよ。

そんなことを考えていたら教官が来たみたいだ。

まずは、あいさつだな。

 

「こんにちは」

 

「こんにちは!ふむ、ちゃんと挨拶ができるようだな。最近の若い者は挨拶をしないものが増えているからな。その心がけよし!

それでは改めて、ハンターの頂点を目指す者よ、よくぞ来た!ここでは、ハンターとしての基本、狩猟スタイルと狩技についての訓練をおこなっている!」

 

そう言うと、教官は俺の顔を見て何かを思い出そうとするような顔をしている。

え?なんで?

 

「貴様、もしや、ディアン殿の息子ではないか?」

 

あー。そういうことね。

と言うかそもそも教官父さんの事知ってたんだ。

 

「はい、そうですが。父の事を知っているんですか?」

 

「うむ、以前ディアン殿がこの村に来たときに少し話してな。

彼ほどのハンターはなかなか見かけることはない。

話を脱線させてしまったな。すまない」

 

「いえ。大丈夫です」

 

「感謝する。それでは、話を戻そう。

ここに来たということは我輩に何か学びに来たということだろう?」

 

「はい、そうです」

 

「貴様、ディアン殿にしごかれなかったのか?」

 

なんでそんな事を聞く必要があるんだろう。

よくわかんないけど。とりあえず、真実を答えよう。

 

「いいえ、しごかれましたけど」

 

「それならば、我輩に学ぶことは無いと思うのだが。それにその装備、ハンターとして最低限の能力はもう既に身についていると見える」

 

あ、なるほど。

確かにそう思うよな。

とりあえず、この装備の事となんで学びに来たかについて説明しよう。

 

「えっと。いろいろ言いたいことがあるんでけど、長くなるかもしれませんが話してもいいですか?」

 

「うむ。もちろんいいぞ」

 

「ありがとうございます。まず、この装備の事なんですけど――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――と、言うわけなんです」

 

何回か話が脱線しかけるも、とりあえず伝わってほしいことはちゃんと説明できた気がする。

 

「なるほど、つまりディアン殿は狩技や狩猟スタイルの事を知らないということだな。

それで、ディアン殿から学べなかったことを我輩に学びに来たという事か。」

 

「はい、そうです」

 

「だが意外だな。ディアン殿が知らなかったとは」

 

「実家はどが付く程の辺境だったもので、あんまり情報が入ってこないんですよ」

 

うん。本当に情報とか入ってこなかったからな。

一応定期的に商人が来るけど基本的に人の出入りそれだけだし。

ちなみにその商人はボタンさんではない。

ボタンさんは俺が村を出ようかなと準備してたときに偶然に来たんだ。

なんでも、通ろうとしたルートが火竜の縄張りになってしまい。

その火竜がどうにかなるまで待ってられないと、縄張りを迂回しながら進んでいたら村に偶然着いたそうだ。

そのあと、少し村で休憩した後に目的地が同じだからと俺を乗せてくれたってわけだ。

あと、定期的にギルドから書類が届く、このことからもわかる通りギルド支部とかありません。

ほんとにうちの実家辺境だな。

あ、でも辺境にしては人は多いと思うよ。

他の辺境の人口知らんけど。

 

「なるほど、だが貴様は狩技や狩猟スタイルについて知識が少々あるようだが?」

 

少々どころかがっつりありますけどね。

まあ、確かに辺境で情報入ってこないって言ったのに少し知ってる風に話しちゃったもんな。

そりゃ、少し疑問に思いますわ。

馬鹿正直に前世で知りましたなんて答えるわけにもいかないし。

ここはそれっぽいことを言って誤魔化すか。

 

「ここに来る前に少し調べたんですよと言っても概要程度ですけどね」

 

「そうなのか。その勉強熱心な姿勢、大いに結構!」

 

なんか適当に誤魔化したら気に入られました。

やったぜ……なのか?

 

「ありがとうございます」

 

「では狩猟スタイルと狩技についてしっかり学んでいってもらおうか!」

 

「はい!」

 

「良い返事だ!まず、スタイルの事についてだ!

狩猟スタイルがどのようなものかわかるか?」

 

「はい、狩り方の違いみたいな感じだと思います」

 

「うむ、その通りだ。狩りの方法の違い、ハンターそれぞれの狩猟術のことだ。

そして、ここが大事な点だが…、狩猟スタイルごとに狩りでの立ち回りが劇的に変化するのだ。

いま、狩猟スタイルは6つ確立されていることは知っているな」

 

「はい、一応」

 

「どんな狩猟スタイルがあるかわかるか?」

 

「えっと、ギルドスタイル、、ストライカースタイル、エリアルスタイル、ブシドースタイル、ブレイヴスタイル

、レンキンスタイルでしたよね?」

 

「うむ、その通りだ。それぞれのスタイルの特徴はわかるか?」

 

「いえ、そこまでは。ギルドスタイルが自分の知っている動きとほとんど変わらなくて、エリアルスタイルが空を跳べるみたいな感じの事くらいしかわかりません。」

 

ここもホントの事言ったらダメなところだな。

あー、でもエリアルとギルドも言わなきゃよかったかな。

でもこの二つのスタイルは使う予定だし。

まあ、いっか。

 

「それだけわかっていれば十分だ。さてそれではそれぞれのスタイルの特徴を説明するとしよう。

質問はまとめて説明が終わってからだ」

 

「はい!お願いします!」

 

「うむ、良い返事だ。

まずはギルドスタイル。

昔から主流だった動きで他のスタイルのように特筆すべき点はないが、

バランスのとれた癖のないスタイルだ!

次にストライカースタイル。

このスタイルは武器の扱いを簡略化し、狩技を扱う事に特化したスタイルだ!

狩技についての詳しい説明は後でする。

次にエリアルスタイル。

自由自在に跳ぶことができ、空中での立ち回りを得意とするスタイルだ!

次はブシドースタイル。

相手の攻撃をカウンターしピンチをチャンスに変えるできるスタイルだ!

次はブレイヴスタイル。

果敢に攻撃を続けることで己を強化することができるスタイルだ!

最後にレンキンスタイル。

マカ錬金タルと呼ばれる特殊な道具を使う事で、仲間の狩猟を支援する技術に特化したスタイルだ!

以上だ。何か気になることはあるか?」

 

「いえ、ありません」

 

もともと知っていることの復習みたいな感じだからな。

 

「うむ、良い返事だ。次に狩技の事についてだ!

狩技がどのようなものかわかるか?」

 

「はい。えっと、ハンターが狩猟の時に使う大技みたいなものだと思います」

 

「うむ、その通りだ。モンスターに強烈な一撃を見舞う狩技や、華麗なる回避を可能にする狩技など、効果はまさに多種多様!

だが、ここで注意だ!狩技は、先ほど説明した狩猟スタイルによって、装備できる数が変わるのだ!

特殊な動きををしないギルドスタイルは2つ。先にも説明したように狩技の扱いに特化したストライカースタイル、能力をマカ錬金タルに依存したレンキンスタイルは3つ、特殊な動きをする、エリアルスタイル、ブシドースタイル、ブレイヴスタイルは1つ。

人は一度に扱えるものには限りがある。過去にエリアルスタイルやブシドースタイルで狩技を二つ以上使おうとしたものがいたそうだが、無理をしたため狩猟での動き、狩技の精度が悪くなりとんでもないめにあったそうだ。

貴様も無理をしないで堅実な狩りをするように。

以上だ。何か気になることはあるか?」

 

「いえ、ありません」

 

これも復習だな、狩技ごとの効果の説明とかなかったけど数がそれなりにあるから覚えたりするときに教えてもらうのだろう、たぶん。

 

「今聞いた狩猟スタイルのなかで気になるスタイルはあるか?」

 

「へ?は、はい。気になるスタイルですか」

 

「うむ、武器はその持っているハンターナイフを使うのであろう」

 

「はい、そうです」

 

「ならば、残るはスタイルを決めるのみ。と言ってもすぐには決めれないだろう。じっくりと考えてから決めるといい。

どのスタイルを選んでも我輩がきちんと指導するので安心するがよい」

 

ああ、そういうことね。武器決めてあるからとっととスタイルも決めようぜって感じか。

それならもう決まっているから別に問題ないな。

でも、すぐに言うのはちょっとあれだし少し悩んでるふりをするか。

あと、教官いい人じゃない?

ほんとに自分の周りの人たちいい人が多すぎて涙が出そう。

それは、置いといてちょっと考え事をしよう

時間稼ぎ時間稼ぎ、

とりあえず、自分の一番好きな花アネモネのことについて考えよう。

アネモネとは、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。

花弁のように見える部分は萼片で、これは同科同属で近縁の秋明菊(シュウメイギク)も同じである。

花言葉は薄れゆく希望、儚い夢、嫉妬の為の無実の犠牲―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

ー何十分後ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――などのことからこれらの花言葉がついたといわれる。

あと、それから「おい、貴様!」

 

「!?は、はい」

 

「さっきから、ずっと黙って考え込んでいるが狩猟スタイルは決まりそうか?

何かで悩んでいるならば、我輩に言うがよい」

 

 

あ、ああ。結構時間がたってたのか。

好きなものの事とか考えてると時間がマッハで過ぎていくな。

とりあえずスタイルは前世から決まっているのでさっさと言おう

 

「えっと、大丈夫です。決まりました」

 

「それで何スタイルを選ぶのだ?」

 

「ギルドスタイルです」

 

まあ、こればっかりはなー。せっかく神さまに能力貰ったんだからね。

 

「ギルドスタイルか無難な選択だな」

 

それと兄さんに教えてもらったからね。

ちなみに動きはゲームと同じ感じだった。

ちゃんと溜め斬りもあったよ。

細かい動きは違うかもしれないけどそこら辺は修正すればいいだけだからな。

 

「はい、片手剣の使い方は教えてもらったので」

 

「うむ、それでは動きは後で見せてもらうとして、次は狩技だ!」

 

「はい!」

 

「今貴様に教えられる狩技のなかで片手剣専用のものは《ラウンドフォース》《昇竜撃》《ブレイドダンス》の3種類、

それぞれの効果は―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せいや!」

 

訓練場にある丸太に目掛け体を軸にして周りを薙ぎ払うよう円状に斬撃を放つ。これが片手剣専用狩技の一つ目ラウンドフォース。

そして丸太には横一文字に刃でえぐったような傷ができる。

ラウンドフォースを放ったすぐ後、少し後ろに移動し、そこから勢いをつけさっき横に伐りつけた部分に今度は上から切りつけ、勢いを殺さずに刃を持っているのとは逆の手の盾で下からえぐるように殴り、それをさらに押し込むように思いっ切り飛び上がった。

わかる人はすぐわかるだろう、片手剣専用狩技の2つ目、昇竜拳。

………ではなく昇竜撃。

これによって丸太の表面は大きくえぐれた。

というか何だこの丸太。訓練用の武器とはいえ狩技を2つもぶち当てたのに壊れないなんてどんな耐久力だ。

でも、もう少しで壊せそうだ。

なそんなことを考えつつ丸太にとどめをさすべくさらに同じ場所に下、右、左、上と伐りつけこれで終わりだとばかりに突きを放つ。

まるで双剣の乱舞のような、片手剣専用狩技の《3つ目》ブレイドダンス。

そして突き刺した瞬間丸太は二つに分かれてぶっ飛んだ。

 

「え?」

 

木くずが舞う中今、自分がやったことに対しそのことに頭が追い付かない。

頭に落ちてきた丸太が直撃したがそれどころではなく教官の方を見る。

教官も今起きたことが信じられないという顔でこちらを見ている

 

「貴様、今頭に丸太が直撃したが大丈夫か?」

 

 

「それなら大丈夫です」

 

そんなことはどうでもいいんだ。

 

 

「……貴様が大丈夫だと言うならそれでいいが。

それよりも!貴様今狩技を3つ撃ったと見えるが」

 

「はい、確かに自分は今狩技を3つ使いました」

 

そうこれが重要。

どうしてこうなった?

 

「だが貴様はギルドスタイルだったはずだ」

 

「はい、そうです」

 

そう言いながら、バックステップをして溜め斬りを放つ。

狩技を3つ装備できるストライカースタイル、レンキンスタイルはバックステップからの溜め斬りができないから

これで証明になる。

 

「だがなぜ狩技を3つ扱えるのだ」

 

ほんとに使ったやつが言うなよって話なんだけどよくわかんない。

なんでだ?

 

「ふむ、もしかして貴様はハンターとしての才能が溢れているのかも知れないな」

 

「へ?ハンターとしての才能?」

 

「うむ、貴様が今やってしまったことは今まで前例のないことだ。

様子見る限り無理しているということもないだろう。

つまり貴様はギルドスタイルで3つの狩技を使いこなしているということになる。

それは常人にはできぬことだ」

 

「確かにそうですね」

 

だったらこれは封印した方がいいかな。

なにかあったらなんかなるし。

 

「しかし他人にできないからと言ってそれをしないと言う道理はない!

狩りとは己の全て使うものだ!

遠慮せずに存分に使うのだ!」

 

おお、こっちの事を見透かしたようなことを言ってくるな。

確かにそうだな狩りは食うか食われるかの世界

他人がどうとか言ってたらあっという間にやられてしまう。

 

「ありがとうございます!」

 

この人には本当に感謝だな。

 

「我輩は教官として当然のことを言ったまでだ。

それと、さっきの動きを見る限り狩技の動きは大丈夫そうだな。

また何かわからないことがあったら来るがよい」

 

「えっとそれじゃあ」

 

「今現在我輩が貴様に教えることはない」

 

「え!もういいんですか?」

 

ここにきてまだ数時間しかたってないんだが。

 

「貴様はもともと片手剣の扱いはできていたが。

この数時間で狩技も自分のものとした。

この調子で頑張っていくのだ」

 

 

「短い間でしたがご指導ありがとうございました!」

 

勢い良くお辞儀をする。

 

「うむ、だが貴様もわかっていると思うが我輩の指導も終わったわけではない。

新たな狩技を学べる時が来たらまた我輩が教授してやろうではないか!」

 

新たな狩技習得するはまた教官に学ばないとな。

 

「そのときはよろしくお願いいたします」

 

「ヌハハハハ!これで訓練はひとまず卒業だ!

だが、まだ一つここでやらなければならないことがある」

 

そう言うと教官は訓練所の奥に入っていった。

やらなければならないことって何だろう。

奥に行ったということは何かを取りに行った言う事かな。

本当に何だろう。

 

……おっ教官が来た。

なんか台車に乗せてる。

 

「ハンターの基礎中の基礎肉焼きだ!」

 

教官がにかっとしながらこちらに生肉と肉焼きセットを渡してくる。

なるほどそういうことか。

 

「はい‼‼」

 

さて、肉焼きセットに生肉をセットして

 

「貴様肉焼きの歌は知っているな」

 

「もちろんです!」

 

「よし、それでは肉焼きセットの火をつけろ我輩と同じタイミングで焼くのだ!」

 

「はい‼‼」

 

「それではいくぞ!」

 

「「ズッチャ♪ ズッチャ♪ チャンチャチャン♪ チャカチャチャンチャチャン♪ チャカチャ 

チャカチャン♪ チャカチャン♪ チャカチャン♪ チャカチャン♪ チャカチャカチャン♪」」

 

 ・ ・

 

「「上手に焼けました~!」」

 

我ながら素晴らしい焼け具合だ。

 

「うむ、いい焼け具合だな」

 

「はい!たしかにそうですね」

 

「そろそろ昼だからな。昼飯ついでに卒業祝いの品だ」

 

「もうそんな時間ですか」

 

そう言っているとなんだかお腹が空いてくる。

このこんがり肉のせいかもしれない。

 

「それでは食べるぞ。貴様もとっとと食べるがよい。いただきます!」

 

そう言って教官は勢い良くこんがり肉に食らいつく。

 

「うむ、美味い」

 

それじゃあお言葉に甘えて。

 

「いただきます!」

 

勢いよくこんがり肉にかぶりつく。

うめ―。もう細々しい言葉なんていらない(言えないだけ)。

やっぱりこんがり肉は最高だぜ。

 

 

こうしてしばらくの間昼飯(こんがり肉)を食いつつ教官と話しているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
今回はちゃんと言います。ごめんなさい。
一か月近く投稿が開いてしまい申し訳ありません。
言い訳になりますが前回の投稿後、いろいろあって、エタりかけたりやらなければならないことが突然できたり、何回か少しだけど小説が消えたり、モンハン4が楽しかったり、
xxでGXルーツ様で静電主で獰猛化が最強だったり、ラオ砲レンキンでEDFだったり、
年末大忙しでパソコンがそもそもやれなかったりしたんですよ。
ごめんなさい。
ちなみにこの話去年に投稿できたんですよ。
なんでかって一話と同じです。
とてつもなく長くなりました書いてる途中に、一万五千近くになったので、これは流石に分けようと思いました。
なのですぐ投稿できると思います。
本当に待ってくれていた方々申し訳ございません。

さてここからはこの話の内容に触れていきます。
まずタイトルですね。
分かる人はわかると思いますが、初代モンハンの宣伝文句です。
これに続く文もあるんですけどここには載せません。
モンスターハンター大辞典様に載ってい気になった人は見てみては?
次に教官のキャラは大丈夫でしょうか変な感じになってないか心配です。
切り取ってみて思ったのがこの話主人公と教官しか出てねー。
どうしてこうなった。
それとこの小説での狩技の設定はこういう感じです。
なんかおかしいと思ったら言ってください。

次回はお年玉スペシャルで一万字を投稿予定、楽しみにしていてくださいw。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼








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第六話 狩れ本能のままに‼

ふう、飯を食って腹が満たされた。

とりあえず何しようかな、なんかクエスト受けようか。

ん?あそこにいるのは村長さんか。

 

「そこにいるのはシャゲ殿かちょうどいいところに来てくれた」

 

「何かあったんですか?」

 

「オトモ広場にいるネコ嬢が、シャゲ殿を探しておったぞ。オトモ広場は村の入り口から右手へと続く小路の先だ。

用件は、ネコ嬢から詳しく聞くといい。早速、オトモ広場へ足を運んでみなさい」

 

「はい。わかりました」

 

なにやらネコ嬢さんが俺の事探しているみたいだな。オトモの勧めかな?クエストの依頼かな?

まあ、村長の雰囲気からしてただ事じゃないと思うからクエストの依頼かな。

どんな依頼だろう。

よし、オトモ広場についたぞ。

えっと、ネコ嬢さんは?

あ、それっぽい人いた。

 

「すみません。あなたがネコ嬢さんですか?」

 

「はい。あなたがハンターさんですか?」

 

「はい、そうですけど」

 

「村長さんに相談していたわたしの困りごと、ハンターさんが解決してくれるって聞きました~。

実は、ベルナ村でお仕事をするために、旅をしていたアイルーちゃんがモンスターに遭遇して、通せんぼされているんです…。

旅の途中、古代林でジャギィの縄張りにうっかり近づいて、ジャギィたちを怒らせてしまったみたい。

ハンターさん、お願い! ジャギィを追い払って、アイルーちゃんがこの村に到着できるよう、助けてあげてください!」

 

「はい、わかりました。すぐにでも向かいます」

 

「では、ハンターさん! わたしから依頼する

クエストは、クエストカウンターへ届けてあります。よろしくお願いします~!」

 

その言葉を聞き終わらないうちにダッシュでクエストカウンターに向かおうとオトモ広場を飛び出したがそういえばまだアイテムをそろえてないと思い。

 

「急げば回れとも言うしここはひとまずアイテムを整えてから向かうか」

 

そうと決まれば善は急げと言うしボタンさんの店に行こう。

全力疾走でボタンさんの店に向かう。

良しついた。

ここでいいんだよな看板出てるし

と言うかちゃんとした建物なんだ。

てっきり、よく見るテントみたいな感じだと思っていたんだけど。

とりあえず迷っている時間はない。

行くぞ~!

 

「失礼しまーす!」

 

「いらっしゃーい!ボタンのよろず屋にようこそ!ってシャゲじゃないかどうしたんだい?そんなに慌ててそうな雰囲気で」

 

「実はですね――――――――――

 

俺は色々と話した。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――という事なんですよ。」

 

「なるほどね。それでうちの店に来たってわけかい。で、何が必要なんだい。よっぽど貴重な品じゃ無い限りは大体あるよ。」

 

「そんなに貴重なものは買いませんよ。お金ないですし。とりあえず必要なもは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――こんな感じです」

 

「はいよ。合計2500z」

 

「あれ?安くないですか?」

 

「特別割引だよ。お金ないんだろう?」

 

「ありがとうございます。あと、調合書の件なんですけど」

 

「出世払い、出世払い。全然先でいいよ」

 

「ありがとうございます」

 

「それじゃあ。ちゃんと生きて帰ってきなさいよ」

 

「はい!」

 

まじでボタンさん優しいくて感激しそう。

さて、全力疾走でクエストカウンターに向かうぞ!

そういえばクエストカウンターの場所知らないな。

そんなことを考えつつ直感に任せて進んでいったら、

あった、クエストカウンターがあった。

直感も案外バカにできないな。

 

「こんにちは、ハンターさん!あなたが、龍歴院に所属希望のハンターさんね?

こんな事態でなければゆっくりとお話ししたいんだけど、ネコ嬢さんからの依頼が届いているわよ。

依頼内容は古代林でジャギイの群れの討伐。

このクエストを受けるのよね?」

 

「はい、もちろんです」

 

「クエストには村の左奥にある、道の両側に柱が立っている場所が目印のクエスト出発口がら行けるわ。

準備が出来たら出発してちょうだい。

それじゃあ、がんばってね、ハンターさん!」

 

「はい!」

 

さて準備はもうできている。飯ならさっき食ったし、アイテムも揃えた。武器防具は言わずもがな。

それではとっとと行きますか。

クエスト出発口にいってクエストを受注したという証明書を見せて飛行船に乗ってGO

 

さて、急いでいると言っても飛行船の速度はそんなに変わらん。

だいたい1時間半くらいかかるそうだ。

まあ、暇なので何か考え事をしよう。

このクエストについてだ。

依頼主、依頼内容から考えてまずこれは、モンハンクロス系統の村クエのキークエストのやつだと思われる。

たぶんだけど、このことから推測するに俺が主人公の立場になってないかこれ?

とりあえずそんな事はどうでもいいんだ。

問題なのはこのクエストの発生タイミングである。

うろ覚えだがこのクエストは他のいくつかのクエストをこなしたら依頼されるという形のクエストだったはず。

だから、村のクエストを一つもこなしてない今の状態で出てくるのはおかしいはずだ。

いくつか原因は思いつくんだが、まず一つ目は俺が転生したからだと思う。

ラノベとかでよくあることだな。

二つ目は訓練所で時間をつぶしたからだゲームではありえないがここは現実何をしようが容赦なく時間の流れは同じである。

まあ、これらが考えつく主な理由だな。

それよりも問題なのは俺がギルドスタイルなのにもかかわらず狩技が3つ装備できてしまうことである。

本当に謎である。

まあ、こればっかりは考えてもわからん。

使えるものはありがたく使わせてもらおう。

 

………暇だ考え事があっさり終わってしまった。

とりあえず、有毒植物の危険性(前世基準)について考えるか。

有毒植物は食ったら基本的に死ぬものから、ただ腹を壊したりするだけのものがある。

でも、毒性の強さに関係なく有毒植物は食わんほうがいい。

基本的に苦くてまずいからな。

しかし、良く誤食事故が起きているようなものは食べられる植物にすこぶる似ている。

例として鳥兜と言う植物を上げよう。この植物は平成元年から22年までの間に日本では46件の誤食事故が起こっている。

皆さん度存知の通り、この植物は毒性が強く致死量約0、5gであり少しでもかじったら最後待ち受けるのは死でる。

しかも、この植物花粉や蜜までにも毒性があり鳥兜の花粉や蜜が使われてしまった蜂蜜はただの毒物に変わりその蜂蜜を食べて中毒を起こした事例もある。

そんなヤバイ鳥兜、絶対食ってなるものかと思うだろ。

しかし、さっきも言ったように食える植物とすこぶる似ているのだ。

鳥兜の若芽は同科の二輪草と言う植物に瓜二つ、全然見分けがつかない。

他にもフキノトウやヨモギなどと間違えるといったことがある。

このように有毒植物と気が付かないうちに食って死んでしまうことがあるので素人はむやみに山菜などを採らないもし採るとしても事前にしっかりと下調べをしたり専門家の同行、ちょっと不安だが図鑑などを携帯するなどすれば、誤食する可能性を大幅に下げることができる。

美味しい思いをしようとして採ったら苦い思いをしてさよならバイバイすることになるなんて嫌だもんな。

そういえば、新大陸にドクカズラっていう刺激を与えたら毒をあたりにまき散らす植物があったような。

周りの蜂蜜とか大丈夫なのかな。

あっでもウツボカズラっぽいから食虫植物なのかな。

だったら大丈夫か、知らんけど。

続き続き、あと、他の有毒植物の例として――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、ついた。

ここが古代林かゲームと同じ、いやそんなもの比べ物にならないくらい凄いな。

ここ結構標高ああるみたいだし、目の前にはでっかい山があるし、

と言うかゲームやってた時は気がつかなかったけどベースキャンプのテントの横にある風車とその横にある飛行船の発着場の後ろに見える山。

あれ活火山なんだね。

そんなことは置いといて、アイルーたちを助けないと。

まずは、青い箱支給品ボックスから支給品をとって地図を見る。

たしかエリア8とかそこら辺だったけ?

そう思いながら走り出す。

エリア1、2、4、駆け抜けそしてエリア5にたどり着く。

ここはテントの残骸があるエリアだ。

そして、そこにいる無数の小型の肉食恐竜のような影、狗竜ジャギイである。

さっき俺エリア8とか思わなかったけ?

まあいい、とりあえずジャギイはクエストの目標である。

関係のないジャギかもしれないが、

 

「倒させてもらう」

 

ジャギイは今こちら側からみてテントの残骸を挟んだ少し離れた場所にいる。

どうやらこちらには気づいていないみたいだ。

ゆっくりと音をたてないように近づいていく、ゲームであれば正面突破だがここは現実そんなことをしたならば待ち受けるは死。

ジャギイ相手に何をそんなに慎重になってるんだって言いたくなるかもしれない。

だがしかしここは狩り場たとえ採取ツアーだろうと死ぬ危険性はある。

できるだけその可能性をつぶしておかなければならい。

テントの残骸についた無事気づかれずにここまでこれたようだ。

会心の刃薬を塗って着火、準備完了。

 

「やー!」

 

近くにいたジャギイに一撃を放つ。肉を裂いた感触、しかし急所を攻撃できなかったからかまだ倒れていないようだ。

だが、うまい感じに不意を付けたらしく攻撃したジャギイだけではなく周りのジャギイも状況がうまく飲み込めないようだ。

その隙に2撃目、3撃目と倒れるまで追撃をかける。

そして、倒しきるころには他のジャギイたちに包囲されていた。何匹か追加できたようだ。

 

「想定内だ」

 

その包囲網を崩すように目の前にいるジャギイに一撃を入れ、すぐに前へローリング後ろからの攻撃を回避する。

ジャギイの方へ向き直し襲い掛かってきたジャギイを盾で殴り飛ばす。

そうしていたらまた囲まれてしまった。

さっきと違い全方位全てのジャギイが攻撃態勢に入っている。

回避しようにもゲームとは違い無敵判定なんてものは無いので逃げ場のない今はただ敵に突っ込んでいくだけ、

ガードはそもそも裏を取られているので論外、なんか絶体絶命みたいな感じがしてきたな全然そんなこと無いけど。

ジャギイがいっせいに襲い掛かってきた。

その瞬間に俺は周りを薙ぎ払うように一閃。

 

「ラウンドフォースー!」

 

ジャギイを全て返り討ちにし、まだ倒れていないやつにとどめを刺す。

とどめを刺し終え、周りに他のモンスターの気配がないことを確認し一息入れる。

 

さっきは叫ぶ必要なかったな。それで他のモンスターが寄ってきたらどうするんだよ。

さて、黙祷して……………………。

剥ぎ取りだな、えっと確か竜骨【小】はいらないはずだからそれ以外を適当にっと。

よし、剥ぎ取り終わり。

さっき初めてモンスターを殺した。

だけと、特に何も思わなかったな。

いや、本当に何も思わなかったわけじゃない。

なんかこう特別な?気持ち悪い感じみたいなのがすると思ってたんだけど。

この世界に染まったってことなのかね。

さて、残りを片づけますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンターさん、おかえりなさい!ジャギィを追い払ってくれたんですね、ありがとう~!」

 

追い払ったんじゃなくてぶっ倒したんだがな。そんな細かいことはどうでもいいか。

 

「村にたどりつけなくて困っていたアイルーちゃんも、無事に到着しました。とっても感謝していましたよ!」

 

「それは良かったです」

 

「そうそう、ハンターさんには、依頼を解決してくれたお礼にハチミツと龍歴院ポイントを差し上げます~!」

 

「ありがとうございます」

 

「そう言っていただけると嬉しいです。龍歴院ポイントは、お食事の支払いや、交易窓口でのアイテム交換などなど…、施設を利用するのに便利なポイントです!

クエストをクリアすればポイントが貯まりますから、惜しまず使ってみてくださいね!それでは、お礼を受け取ってください~!」

 

そう言ってネコ嬢さんが蜂蜜をくれた。

このハチミツは調合じゃなくて料理に使おう。

 

「そういえばハンターさんのオトモはいますか?」

 

「いいえ、いませんけど」

 

「でしたら、わたしがお近づきのシルシと先ほどのお礼もかねて、ハンターさんの好みのオトモを見つけてきます!」

 

「別にいいです」

 

「えっ?どうしてですか?」

 

「いえ、その、オトモはいらないです」

 

そう言うとネコ嬢さんの表情が見る見ると悲しい顔に、

やらかしたー。

 

「ハンターさんはなんで、オトモがいらないんですか?」

 

泣きそうな顔をしながら話さないでくれ、凄まじい罪悪感が、精神的にキツイ。

 

「えっと、自分は集中すると周りが見えなくなるんですよ。それで、もし自分の攻撃がオトモに当たった嫌じゃないですか、だから、そういうことです」

 

「そういうことですか、そう思ってくださるハンターさんならきっと大丈夫ですよ。それに、そういうことをわかってくれるオトモを見つけてきますから」

 

えっと、なんか色々とやりますって言ってくれているネコ嬢さんには悪いんだけどオトモはいらない。

さっき言った理由もなるけどなんか嫌なのだ。

さてどうしたものか、このままゴリ押し断っても、良くないに決まってるだろうが泣くよたぶん。

ネコ嬢さんを泣かしたらどんぐりロケットにくくり付けられてお空の彼方に飛ばされる。

そんなことで死にたくはないのでどうにかしよう。

 

「ごめんなさい、ネコ嬢さん。オトモはいりません」

 

ストレートに謝罪。ん?あれなんかがおかし気がする。

 

「………そうなんですか」

 

それを聞いたネコ嬢さんはまた暗い顔をする。

ここまでだったらさっきの二の舞だ。

だがしかし、これで終わる俺ではない。

 

「どうしてネコ嬢さんはそこまでオトモを進めてくるんですか?」

 

押してダメなら引いてみな。使い方あってるか知らないけど。

とりあえず、理由を聞いてみることにした。

 

「さっきも言ったようにお近づきのシルシとお礼です」

 

「お礼ならハチミツ貰いましたし大丈夫ですよ」

 

「ハンターさんが良くてもわたしの気が収まらないんですよ~!」

 

「それだったら、他のものでいいです。そもそもこれ以上いりません」

 

「たしかにただお礼でしたらそれでもいいんですが、仕事ですから~!」

 

たしかにそうだね。オトモの斡旋とかだったよね。

それなら仕方ないか。

 

「それでも、すみません。オトモはいいです」

 

「はい、わかりました。そこまで言うのならこちらからは無理に勧めません」

 

「本当にごめんなさい」

 

「謝らなくてもいいです。ですがもしオトモが欲しくなったら言ってくださいね。いつでも手配しますから~」

 

「ありがとうございます。それでは、」

 

「はい、また来てくださいね、良い狩りを~」

 

 

 

 

 

ふう、一時はどうなることかと思ったよ。

どんぐりロケットにくくり付けられてお空の彼方に飛ばされるところだった。

さてこれからどうしよう。

とりあえずいったんゲストハウスにもどってから加工屋に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

少しぶらぶらした後加工屋にたどり着く。

 

「ん?オメーさんは…、新しくこの村に来たハンターさんかい?」

 

「はい、そうです」

 

「良く来たな、歓迎するぜ!オイラはこの村の加工屋だ。ハンターなら、武具は狩猟するためになくてはならないもんだ」

 

「なかったら狩れないですもんね」

 

「おうよ!今日はここに何しにきたんだい?」

 

「武器の強化に来ました」

 

「それで、どの武器を強化するんだい?」

 

「これです」

 

そう言いながらハンターナイフを渡す。

 

「ハンターナイフか、鉄鉱石と円盤石はあるかい?」

 

「はい、これです。足りますか?」

 

そう言って素材が入っている袋を渡す。

鉄鉱石と円盤石だけじゃなくて他にもいろいろと入ってるんだけど大丈夫かな。

そう言えば、何でお前円盤石もってるんだよと思ったかもしれない。

この素材は父さんに貰ったんだ。

半分くらい押し付けられたようなものだけど、

『いらない!』って言ったら、『貴重なものはない!だから受け取れ!』と言われて、そんな感じのやりとりを少しの間やり結局押し負けました。

でも貰っておいて正解だったかな。円盤石の存在なんてすっかり忘れてた。

まあ、雪山に行けば解決する問題なんだけど、

あっ!龍歴院の院長、ギルドマネージャに挨拶してない。

まあ、まだ一日もたってないしバタバタしてたから、あとで挨拶しよう。

 

「バッチしあったぜ!それとついでにソルジャーダガーに派生できるぜ。どうするんだい?」

 

「もちろん、お願いします」

 

「おうよ!そうこなくっちゃな。任せなオイラの腕前を披露してやるぜ!」

 

「お代は、」

 

「おっと忘れてたぜ!そうだな、オメーさんなら強化した武器を見事に使いこなしてくれそうだしな、

少しだけ負けて、1500zでいいぜ」

 

「いいんですか?」

 

「おうよ!遠慮せず負けられてくれ」

 

「それでは、お言葉に甘えて」

 

「しばらく待ってくれぱぱっとやるからよう」

 

「どれくらい待てばいいんですか?」

 

「別に一から作るわけじゃねえんだ。1、2時間でできるぜ」

 

「それじゃ1時間後くらいにきますね」

 

「まだできてねえかもしれねえぜ」

 

「そのときは見学させてください。いいですか?」

 

「おうよ!もちろんでい!」

 

「ありがとうございます」

 

「むしろ、今からでもいいぜ」

 

「遠慮しておきます」

 

「ハハ、そいつは仕方ねえな」

 

「すみません。それではまた、1時間後に、」

 

「おうよ!」

 

そう言いながら加工屋さんは武器と素材を持って奥へと入っていった。

さて、1時間どうしますかねえ。

適当にぶらぶらするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――村の名物になりそうな、あたらしい商品を考えたり…。

村を訪れた観光者さんが、快適に過ごせるようなサービスを考えたり…。

でも、今のところ、まだなにも実現してないのよね…」

 

「そうですねー。そういうのって名案だ、と思っても現実的に考えて無理だったり、いざ、やろうとしても、なんか違うってなったりしますもんね」

 

ちなみに今は受付嬢さんと話している。何をしようかなと村をぶらぶらしていたら、クエストカウンターたどり着き、そして今に至る。

 

「そうなのよね~。あ、そうだ。ハンターさんも観光事業手伝ってくれない」

 

「時間があるときになら」

 

「ありがと~!それじゃあさっそく今から、」

 

「すみません。この後用事があるので、もうそろそ行かなくちゃ」

 

「ん~。それなら、時間があるときに手伝ってね」

 

「はい、それでは」

 

「またね~」

 

別に手伝うのが嫌なわけじゃないからね。もうそろそろ、加工屋に行かなくちゃならない時間だからさ。

ほんとだよ。

武器、強化終わってるかなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、1時間たったので加工屋に来てみました。

まだ奥にいるのか、強化終わってないのかな。

そう思っていると店の奥から声が、

 

「おっ、オメーさんちょうどいいタイミングで来たな。たった今終わったところだぜ!」

 

まじかラッキー。

 

「そうなんですか!」

 

「おうよ!会心の出来だぜ!」

 

そう言ってハンターナイフ改めソルジャーダガーと余った素材を渡される。

新たな姿に生まれ変わった相棒を見て、

 

「これは、いいですね!」

 

「だろう。そういえばオメーさん。その防具、ここら辺のじゃないね。最近のものでもない。どうしたんだいその防具?」

 

「やっぱりわかりますか?」

 

「あったりめいよ」

 

「これ、父さんのおさがりなんですよ」

 

「ほう、ってことは親父さんもハンターを?」

 

「はい。そういえば父さん昔この村にきたことがあるらしいんですよ。大剣使いのG級ハンターで、ディアンって名前なんですけどわかりますか?」

 

「うーん、名前はわかんねーけど、大剣を背負ってディアブロZをきた凄くつえーらしいハンターが二十年ぐらい前に来たんだが、」

 

「あ、たぶんその人です」

 

「お、そうかい。少しだけ話したけどよう。オメーさんの親父さんはいい人だったぜえ。何よりも武器、防具を大事にしてたからな」

 

「ありがとうございます」

 

「なんかあったらまた言ってくれ、オイラの自慢の加工技術を存分にふるってやるからよ」

 

「はい!」

 

「おうよ! また来い…ってなもんだ」

 

「ありがとうございます」

 

さて、どうしようかな。

とりあえず、ゲストハウス(もう、マイハウスでいいかな?)に帰るか。

 

 

 

そうして、村をぶらぶらしながらマイハウスへ向かっていると、クエストカウンターにたどり着いた。

あれ?受付嬢さんと村長さんが何やら話しているみたいだ。

軽い雑談みたいな雰囲気じゃないな。

話しかけるのはやめておこう。

ん?受付嬢さんがこっちに気付いたみたいだ。

 

「あ、ハンターさん~!」

 

呼ばれたから無視はできないな。

とりあえず、行ってみよう。

 

「なんですか~?」

 

「これはシャゲ殿、良いところへ来てくれた。龍歴院で古代林を重点的に調査している話は、主席研究員から聞いたと思うが、その古代林で問題が起きてな…。

ドスマッカォと呼ばれる、鳥竜種のモンスターが、龍歴院の調査隊の探索を妨害しておるらしい」

 

ん?これは。村★2に上がるためのやつじゃね?

 

「そこで、シャゲ殿には、いまから緊急クエストに挑んでほしい。

目的は、古代林のドスマッカォの狩猟だ。

ドスマッカォは、群れを率いて、集団行動をする習性があってな。数が多いと、護衛のハンターだけでは手に負えぬやもしれん。

くれぐれも、気を抜かぬよう。緊急クエストを受注して欲しい。頼んだぞ、シャゲ殿」

 

「はい。わかりました」

 

「ハンターさん、今聞いた通り、村長さんから緊急クエストが届いているわ。

緊急クエストっていうのはね、クリアすれば、受けれるクエストの難易度があがるわ!

今回、届いている緊急クエストの内容は、ドスマッカォの狩猟ね。

どすまっかぉ! 名前は可愛いけれど、

ピョンピョン跳ねては機敏に攻撃してくる

いや~なモンスターなのよね。

ハンターさんも、お顔やお腹にいた~いキックをくらわないよう、気をつけて!」

 

ネコ嬢さんの依頼もそうだったけど他のクエやってないんだけど、まあいいか。

それじゃ、いっちょやりますか。

と思ったけどアイテムを補充しなきゃな。

 

「はい、すぐ行きます。と言いたいところですがアイテムを補充してから行きますね」

 

とっとと、ボタンさんの店に行って、アイテムを補充してクエ行きますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古代林到着、本日二度目となります。辺りはオレンジ色に包まれています。綺麗だ。

ボタンさん、あの人また割引してくれたんだけど、後が怖い。

ちなみに飛行船では、寝てました。おかげで元気いっぱい!

さて、支給品をとって、

たしか、奴の初期エリアは5だったはず。

よし、それじゃまずは、エリア2に向かいます。

そこでアオキノコとマヒダケを採取します。

薬草は持参しているので採取しません。

次にエリア4に行きます。

そこでも、アオキノコとマヒダケ、そしてハチミツを採取します。

ついでに、支給品にあった応急薬ととれたてほやほやのハチミツを調合して応急薬グレートを作ります。

それから、買ってきた虫あみで雷光虫を採取します。

そして、これまた買ってきたトラップツールと先ほど採取した雷光虫をなんやかんやして、シビレ罠をつくります。

これで準備終わり。

さて、いざエリア5に突撃ー!と行きたいところだが、

今回の相手は腐ってもボスモンスター、それにドス系のなかで結構強いって意見もよく聞くしね。

油断大敵です。

なので、エリア5に突撃する前に会心の刃薬を塗って着火、

それじゃあ、突撃ー!

と言っても正面突破するわけじゃないけど。

上手く不意を突けたらいいなー。

おっ!ターゲットを発見、まだこっちには気付いていないようだ。

よし、不意をついてやるぞ~、と思ったら、一頭のマッカォがこっちに気が付きやがった。

 

「これはまずい」

 

そのマッカォが吠える。

そのせいで、他のマッカォ達そしてドスマッカォも俺の存在に気付いてしまったようだ。

そして、威嚇動作に入りこっちを見つめている。

この距離じゃ攻撃は間に合わないか、そう思いながら片手剣を構える。

さて、どうしたものか。

とりあえず今の状況を確認しよう。

このエリアには3頭のマッカォ現在進行形で周りを囲まれている。

そして、ドスマッカォは尻尾を脚のようにして立ちこちらを威嚇するように吠え

って、まずい!

とっさに緊急回避(ハリウッドダイブ)をする。

その直後今まで立っていた場所にドスマッカォが跳んできた。

あぶねー。

あのまま突っ立てたら完全に跳び蹴りくらってた、あれ普通に痛いんだよね。

と言うか、身投げしたところにマッカォがいなくてよかった。

さて、どうしたものかね。

 

ドスマッカォはもう一度立ち上がり跳び蹴りの構えをしている。

もう一回ダイブはしたくないのでこんどはダッシュして場所を変える。

ついでに近くにいるマッカォを斬る、先にマッカォをある程度は倒しておきたい。

やっぱり小型モンスターの横やりは鬱陶しいし危険だからな。

特にホーミング生肉。あいつはダメだ。

ただ、先にかたずけたいからといってドスマッカォの方をおろそかにしてはいけない。

今でも後ろから思いっ切り殴ってきたからな。

それをうまく回避して斬りつける。

そして、ドスマッカォのパンチはマッカォに当たり吹き飛ぶ。

勢いあまって仲間殴りやがったぞあいつ、でも群れのリーダーだから大丈夫なのかな

でもなー、ドスマッカォ君ピンチになると見捨てられるんだよな。

悲しいな。

そんなことを思いながらマッカォ達とドスマッカォの攻撃を躱し反撃していく、途中マッカォの増援があったが難なく討伐。

 

一応、一対一の状況にすることができた。

奴は自分の仲間やられたからか、攻撃が当たってないからか、ほとんど攻撃をしてないのにキレている。

ドスマッカォは尻尾で立ちまた跳び蹴りを繰り出してきた。

それを斜めに前転することで回避、奴の方に向き後ろから斬りかかる。

そしたら、ドスマッカォはこちらを鬱陶しそうに少し見た後、跳び尻尾を叩きつけながら回転した。

張り付いていたから当然当り尻もちをついてしまう。そして今度は思いっ切りパンチをくらう。

予想してたよりも痛くないでも痛い。

だが、ダメージを受けたとしてもむやみやたらに回復していいわけじゃない。

回復している間に攻撃されてさらにひどいけがをすることになるからだ。

それに致命的な致命傷を受けたわけじゃないしな。

少し離れて体制を立て直す。

今度を立ってからの跳び蹴りではなく近づいてきて殴ってきた。

それを、斜め前に前転して回避。すぐに一発かます。

ドスマッカォはタックルを仕掛けてきた。それをバックステップで回避し溜め斬りで一閃。

そこから連続で攻撃をしていく。

ここで奴はいままでの戦いで腹が減ったらしい。

涎を垂らしながらエリア7の方に行った。

ひとまずこちらも体制を立て直そう。

まずは、応急薬グレート飲んで、砥石で研いでそれから刃薬を塗り着火。

いそいで、エリア7に向かう。

お相手さんはまだ食事中、格上(ディノなんとかさん)の卵だと思われるものをむしゃむしゃと食ってる。

美味そう。

と言うかそんなもん食べて大丈夫なのか?

そんなことを考えつつ食事に夢中のお相手さんの顔面に

 

「昇竜撃!」

 

いい感じにHitなんかスカッとした。

どうやら、お相手さんは食事を邪魔されてご立腹のようだ。

さて、どうくる?

こちらから斬りかかる、その一撃でとうとう頭の飾り羽がぶっ壊れる。

大きくひるんだそこにブレイドダンスを叩きこむ。

そして、奴はもう体力の限界が近いようで脚を引きずってエリア8の方向に、

っておい。

 

「もう?」

 

ゲームでも思ったけどドスマッカォ体力少なくないか、でもこんなもんかな。

そりゃあ、刃物でめった刺しみたいにされて、大丈夫のほうが異常だけど。

まあ、早く終わるんだったらそれでいいけど。

さて、気を取り直して、ドスマッカォを追う前に準備をしよう。

まずは、そこら辺にあるネンチャク草と石ころを採取して素材玉を作る。

次に先ほど採取したマヒダケと買ってきたネムリ草を調合して捕獲用麻酔薬を作る。

それら二つを合わせて捕獲用麻酔玉の完成。

良し、これで準備完了!

後はシビレ罠にかけて捕獲すればクエストクリアだ!

まってろよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村に戻ったら村長さんとメガネ、じゃなかった、龍歴院の主席研究員さんがいた。

どうしたんだろう二人そろって。

 

「これはシャゲ殿!無事に戻って何よりだ。ドスマッカォの狩猟、見事だった。現地に足止めされていた調査隊からも、シャゲ殿宛に謝辞が届いておるよ。

シャゲ殿は、龍歴院のハンターとなるべき十分な力量を備えているようだな。

…では、話の続きは、彼からしてもらおう」

 

話の続き、何なんだろう。

 

「やあ、おかえり。緊急クエストを見事にクリアしたようだね。

龍歴院への所属手続きも完了したよ。キミを、龍歴院の所属ハンターとして迎えることを、院長に代わって伝える。

ようこそ、龍歴院へ。歓迎するよ」

 

「ありがとうございます」

 

よし、これで明日の予定が決まったな。

院長さんに挨拶だ。

 

「おめでとう、シャゲ殿。これからは龍歴院の研究を支えるため、様々なクエストが届くことになるだろう。

詳しくは、受付のお嬢さんに聞いてほしい」

 

「はい」

 

「さて…。キミには、ここベルナ村だけでなく、新たに3つの村を拠点にして、調査を行ってもらいたいと考えている」

 

お!これはもしかして、

 

「ココット、ポッケ、ユクモ…名前は聞いた事があるかもしれないね。各村の村長には、話を通しておいた」

 

キター!潜入飛竜の巣、忍び寄る気配、ざわめく森だね。

クソやん。(クエ的に。)

 

「ふむ。遠方の村を訪ねるには移動手段が必要となるだろう。そこで、飛行船の利用手配も済ませておいた。

これで他の村へも訪問も、時間を掛けずに行えるだろう。詳しくは、村の奥にいる、飛行船窓口に聞いてくれ」

 

「はい」

 

「これからもよろしく頼むぞ。龍歴院のハンター殿」

 

「はい。こちらからもよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日は疲れたし、もう寝ようかな。

いやーまさか一日に2回もクエ行くことになるとは思わなかったな。

 

ぐ~。

 

そういや夕飯食ってねえな。

あまった、《マヒダケ》にネコ嬢さんからもらったハチミツ付けて食うか。

 

「!?マヒダケーえ!」

 

あぶねえ、一体俺は何をしようとしてたんだ。

もう、アオキノコをそのまま食おう。

意外とうまいな。

 

もぐもぐ、もぐもぐ。

 

お腹も満たされた気がする。

なんかもう、このまま寝ようめんどくさい。

 

「お休み!」

 

そう言ってベットに背中から倒れる。

 

 

 

 

 

 

 

てててて、てててて、てててて、てん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………。

…………………。

………………………。

 

「ここは、夢の中か?」

 

見渡す限り真っ白な世界。

 

「なんか、見覚えのあるなー。ってなるわけないだろ。一度見たら忘れるもんか。」

 

それくらいここに来たことは覚えてます。

あれ?ってことは、

 

「もしかして、間違えて毒テングダケを食べたとか」

 

「そんなことはないよ。君は死んでいないよ」

 

「そもそも、毒テングダケの毒はそんなに強くないですもんね。ってその声は神さま!?」

 

「やあ、久しぶりだね」

 

「お久しぶりです。あれ?でも神さまがいるってことは、本当に死んでませんよね?」

 

「もちろん死んではいないよ。夢のようなものさ」

 

「そうなんですか。それで、今回なんでこんなことに?」

 

「いろいろ、話したいことがあってね。っと、その前にまずは、ハンターになれたねおめでとう!」

 

「ありがとうございます。って、何で知ってるんですか?」

 

「時々君の事を見ていたからね」

 

「はあ、そうなんですか」

 

「もっとリアクションがあると思ってたんだけど、どうしたのかな」

 

「いえ、なんかこう。結構ありきたりだなーと、」

 

「あー、確かにありきたりだねえ。それと、主人公になったんだね」

 

「はは、そうですね。まあ、ちゃんと村とか守れるように頑張ります!」

 

「はは、期待してるよ!」

 

「はい。期待にそえるように頑張ります。ところで今日何か用事があるんですよね?」

 

まさかこれだけとかはないよね。

 

「ああ、そうだったね。忘れるところだったよ」

 

神さま意外と抜けてるなー。

 

「それでだ、君は狩技が多く装備できると思わなかったかい?」

 

「はい、思いましたけど。って、まさか!神さまが!?」

 

「うん、そのまさかだよ。いや実は、君が頼んだ能力以外にも少しね」

 

「どんな能力何ですかそれは?ちゃんと教えてもらえますよね?」

 

「もちろん。今回はそのつもりできたからね。それで、どんな能力かなんだけど、狩技装備数+1と常時SP状態Ⅱだ」

 

(運UPの事に関しては言わなくていいだろう。)

 

「え!何ですかそれ、チートともぶっ壊れとも言いえづ、かと言って弱いわけではない能力は、

凄く安心しました」

 

「それはよかったよ。ところでⅡをⅢにしたいのだが、」

 

「却下です。さすがにそれは、」

 

「まあ、そのなんこと言わずに私からの祝いの品だと思って」

 

「う、うーん。そこまで言われたら、うーん。」

 

「よし、それじゃあ決まりだね。」

 

そう言うと神さまこちらに手をかざす。

 

「え!ちょ、神さまー!」

 

制止も遅く(と言うか仮に間に合っても無視されてたと思う。)、俺の周りを白い光が囲む。

 

「?特に変わった感じはありませんね。と言うかこんなことができたんですね」

 

「そんな劇的に変わるものではないからね。それと、もともとあったものを増やしただけだからね」

 

まー。0から1にするよりも、1から2にする方が簡単だからね。

もう、人外になってる気がするけど気にしない。気にしないったら気にしない。

 

「もうこうなってしまったからいいですけど、もうこんなことしないでください」

 

「ふふ、善処するよ」

 

「はーあ。神さまほんとにもうしないでください。後、神さま」

 

「なんだい?」

 

「神さまってポケモンのこと知ってるんですか」

 

「ああ、一応やっているよ」

 

「それじゃあ、三値って知ってますか?」

 

「もちろん知っているよ」

 

「本当ですか!それじゃあ―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、しばらくの間ポケモンのことを語っていましたとさ。

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
ちょと遅くなってすみません。正月は1月7日(松の内)までだ。
どうも作者の彼岸沙華です。
今回はとてつもなく長いですごめんなさい。
まずは今作初の戦闘です。
上手く書けてるかな?
まあ、そこら辺は感想を見るとして。(みんな感想を書いてください。お願いします!)
ネコ嬢のキャラとか大丈夫ですかね?
時間が結構あれだけどこうするしかなかった。
後悔はしている。
次も早めに出せたらいいな。


それでは最後にミラルーツ様万歳‼



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第七話 妖星は災いと共に

天を衝く程の獣の咆哮、だがそれは開戦の合図などではなく、その獣が己の生き様を示すかのように、全てをかけた、聞くものすべてがそう感じるような咆哮。

そして、それを上げた者はすぐさま糸の切れた人形のように倒れる。

それを見る者はただ一人。

そして、先ほどまで構えていた片手剣を納め、手を合わせ黙祷する。

 

「さて、剥ぎ取るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回狩猟したのは皆さんご存知のざんりゅうだ。

そう、察しのよい方なら気付くと思うが、村★6に上がるための緊急クエスト。

そういえば、もう、ベルナ村に来てから半年以上経つのか、色々あったなー。

そしてこの後にはゲームではあれが流れるのか、公式が病気である。

初見は普通にビビって一回3DSを閉じたよ。

ちなみにXXからやった人は最初から見れるそうだ。

ある意味初見殺しである。

帰ってたらあの、ノリとかやめてね。頭おかしくなりそう(元からおかしい)。

 

 

 

 

 

とまあ、そんなことなく普通に?迎えられましたとさ。

みんなと色々話しました。

みんなから褒められてうれしい。

さて、今日はなんかお祭り騒ぎみたいになっているな。

とりあえず、騒ぎの中心から離れて、家に籠るか。

装備の点検もかねて確認しよう。

どっこいせっと。

いやー。こうしてじっくり防具見る機会とかなかったからなー。

特に目立った破損は無し、加工屋さんに頼むようなことはないだろう。

ちなみに相変わらずのランポスシリーズだ。

いやはや、我ながら物持ちがいいことで。

ちゃんと鎧玉で強化してるので防御力は安心、のはずだ。

 

次は武器、今回使ったのは水属性の片手剣。

ロアルクロウだ。

え!と思った皆さん、ロアルクロウだって強いんだぞ。

この段階ではそんなにだけど、・・・将来性を見込んでね。

これも加工屋に見せる必要なし。

 

お次は火属性の武器バーンエッジといきたいところだけど。

今手元にはない、ただいま強化中、明日取りに行く予定。

 

そいで次は氷塊もといフロストエッジだ。

水属性武器ではありません。

圧倒的氷属性。

これは、溶けてないな。

なんでこれ火山とかでも溶けないんだろうね。

不安になるけど持ってくといい感じなんだよね。

 

次は雷属性の武器、エムロードレイピア。

こいつも問題ないな。

 

さて最後に毒属性の武器、プリンセスレイピア。

こいつは、最初の武器のハンターナイフを強化したやつだ。

相棒枠かな?

正直、今回の狩猟はこいつの方が良かったかな?っと思っている。

性能的にも、設定的にも、

生態ムービーの時の仇!

それと、思ったのがこいつら(レイピア)を普通に斬ることに使うのが違和感がないんだよ。

まあ、いまさら言ってもしょうがないよね。

さて、何をしようかな。

そう思っていたら、

 

「フェー」

 

ドアを叩く音と同時にそんな音が聞こえた。

ん?誰かきたのか?

ドアを開いてみるが誰もいない。

なんだ空耳か、そう思っていたら足元に何かが軽くぶつかってきた。

 

「お?《コットン》か」

 

コットン、村のフェニーである。

 

「どうしたんだ?」

 

「フェプー?」

 

「もしかして、会いに来てくれたのか?」

 

「フェニニ!」

 

「そうかそうか、うん。よくわからん」

 

そう言いながら抱っこする。

もふもふして気持ちがいい。

 

「フフェ♪、フフェイ♪」

 

これでよかったようだ。

 

「お前が嬉しそうでよかったよ」

 

この日はフェニーと遊んで終わったとさ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、良く寝た。

さて、どうしようかな。

体調的には全然問題ないんだけど今日は狩り止めようかな。

 

「フェニー♪」

 

寄ってきたコットンをなでながら着替える。

そして、ランポス一式を装備してっと、

ってダメじゃん今日は休みにするんじゃなかったの?(自問)

いやーつい着ちゃったたんだよ(自答)。無意識って恐ろしい。

さて、せっかくきたんだし今日はこのままですごすか。

べつに動きにくいわけじゃないし。

まずは、加工屋に行ってバーンエッジができているかどうか確認しようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうよ!バッチリできてるぜ!」

 

「相変わらずのいいできですね」

 

「あったりめいよ!なにか、また用があったらいつでも来いよ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

さて、どうしようかなぁ。

今日は一日本でも読もうかな。

とりあえず、家に帰るか。

ん?あれは・・・・、メガネじゃなかった、龍歴院の主席研究員さんだ。

こんな所で、珍しいな。

 

「おはようございます!どうしたんですかこんな所で?」

 

「やあ、キミか。ちょうどいいところに来たね。今、キミの家に向かっていたところだったんだよ」

 

「そんなんですか。それは偶然で。なにか自分に用が?」

 

「ああ、ギルドマネージャー殿がお呼びだ。至急、集会場に来るように、だそうだ」

 

「え!」

 

あれ?なんか呼び出されるようなことしたっけなー?

まじで、なんにもやってない気がするんだけど。

なんかやらかした俺?

ほんとに心当たりないんだけど。

 

そんな俺の心の声を読み取ったかの、主席研究員さんが少し呆れたように。

 

「別に怒っている様子はなかったよ。、例の件で話がある。そう言っていたよ」

 

例の件?もしかして、

 

「わかりました」

 

あれか!

だったら、急いでいかないとな。

武器防具よし、《奴》ならばこのままで大丈夫だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタかい。ちょうど待っていたところさ。

以前、話した飛行船消失事件の解明のため、

調査団を派遣した件…、覚えてるだろうね?」

 

「はい」

 

「その調査団が、戻ってきたのさ。とんでもない報せを抱えてね。

調査団の連中はね、見つけちまったのさ。

無数の骨がうずたかく積み上がった、《竜ノ墓場》ってヤツを

だが、そのことに驚くヒマもなく、連中は撤退を余儀なくされちまった。

…現れた、双頭の龍によってね

まだ推論の域は出ないが、

この事件と双頭の龍、無関係だとは

とても思えないだろう?」

 

「そうですね」

 

「…と言うわけで、だ。

我々龍歴院、並びにハンターズギルドは本件を緊急クエストに認定する。

双頭の龍ことオストガロアを撃退せよ。本クエストを成功させた者を、ギルドは上位ハンターとして認める。

ってなもんさ。

さて、あとは言わなくてもお分かりだね?

…ふん、いい目じゃないか。

さあ、行っといで、お若いの。

龍歴院の名を冠するハンターの実力、見せつけてやんな」

 

「はい!」

 

良し、来たか。

なんかちょっと早すぎる気がしなくもないけど。

装備はOK,アイテムは、準備する必要があるな。

それじゃ、準備完了したら行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、オストガロアか、

 

「大丈夫かねぇ」

 

たぶん、下位、索餌形態だけだったら行けると思うんだけど、上位、捕食形態とかきたら、たぶん死ぬ。

ここは賭けだな。ゲームと同じようにしてくれるか、それとも。

 

「ま、なるようになれだ」

 

俺にできることは、全力でぶつかること、それから相手が上位個体じゃないことを祈ることだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、竜ノ墓場についた。

途中、もしかしたらオストガロアに襲われるんじゃないかと思ってひやひやしたよ。

全然、そんなことなかったけど。

にしてもゲームでも思ったけど凄い場所だな、

空は地平線のかなたまで雲の海みたいになってるし下を見ても同じようなことになってる。

それに、標高が高いからか風も凄い、そのせいで石が目の前に奈落のそこにでも通じてそうな穴に落ちて行ってるし、

世界の終わりみたいな場所だなぁ。

さてと、それじゃあまずは支給品をとって、なんやかんやして

 

「いくぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降りてみるとそこは異様としか言いようのない空間が広がっていた。元はただの空洞だったのだろうが、

床は骨で埋め尽くされており、壁は埋め尽くす程はないもののでかい骨が横たわっている。

天井に目を向ければ巨大な骨が装飾品のようにありそこから水が流れている。

そして、この空間を創り上げた主も同じように骨を纏っている。

 

 

「オストガロア、たしかに骸を纏う双頭の龍にしか見えないな」

 

しかしその実態は……、

 

「ガーーアーーー」

 

かすれた声のような咆哮が響き渡る。

それを聞いて意識を切り替える。

考え事をしていちゃダメだな。集中しないと。

 

オストガロアは背中にある噴出口から青い絵具の塊のようなものを撃ち出しながらこちらに向かってくる。

それを避け、竜の頭に擬態した触腕を斬りつける。

そうしたら奴はこちらに向きなおし、触腕を叩きつけてくる。

だが、その触腕は、運がいいのか相手さんがノーコンだったのかわからないが目の前に振り下ろされるだけに終わる。

そしてまた斬る。

オストガロアは何を思ったのかこちらから少し離れた場所に移動する。

いきなりどうした。と思っていたら。

触腕から青い液体をビームのように撃ってきた。

それを前転して回避接近して攻撃する。

そしてまた、奴は触腕を叩きつけてきた。

今度はバックステップで回避し力を溜め、一撃を放とうとしたとき奴は触腕で薙ぎ払らってきた。

完全に攻撃する体制だった俺をガードすることすらできずにぶっ飛ばされる。

いってぇ。完全に油断してた。今度からは気を付けないと。

それから、またオストガロアは噴出口から青くてねばねばしてそうな液体を出してきた。

今度は向かってくるというよりは突進だな。

そう思いながら回避して攻撃する。

しばらくの間、同じことの繰り返しのような攻防を続ける。

オストガロアが時々足元に潜って触腕のみをだし、青いペイントをぶちまけてくることがあったが、

張り付いていれば当たらないため別にそれがどうした状態である。

しかし、そんな攻防も終わりを迎えた。

奴が骨の床に潜っていく、また、触腕だけだしてグルグルビームでもしてくるのかと思ったら。

足場の周りの水辺に現れる。

そして、そこを旋回するように泳ぎ始め、青色のなんかをこっちに向かって撃ち出してきた。

それを回避しつつ考える。

今奴は足場から少し離れた場所にいて片手剣だったら届かない場所にいる。

バリスタを使ってもいいが、使用中動けなくなるバリスタはいい的だ。

とりあえず、こっちに近づいてくるまで並走しよう。

そうして、青のやつをかわしつつ並走する。

半周もしないうちに飽きたのか、触腕で殴りつけてくる。

近づいてきたのでとりあえずかわし、殴る。

青い液体ブレスをかわし殴る

そんなことをしていたがすぐに奴はまた泳ぎ始めた。

また、並走する。

そしたらいきなり止まって、触腕から青いビームを撃って、それをかわしすぐさま反撃に転じようとしたら、

今度は、奴の触腕がバチバチと音を鳴らし赤稲妻を纏いはじめ、すぐさま赤い、恐らく龍属性のビームを撃ってきた。

それをかわし攻撃する暇もなく青と赤のビームを乱射してくる。

そして、満足したのか撃ち終わるとすぐに足場に潜る。

どこに消えた?

そう思い辺りを見渡すと少し離れた場所から勢いよくオストガロアが飛び出してきた。

また、噴出口から青いやつを撃ち出してくる。

かわして攻撃。

オストガロアはこちらに軸合わせしてきて突進。

おい、また繰り返しかぁ?

そう思っていると触腕を骨の床に突っ込んだかと思うとすぐに出してくる。

だか、片方の触腕は今までと様子が違っていた。

頭のように見える部分が赤黒くなり刃が角のようについているではないか。

 

ディノバルド骨を使ってきたか!

たしか尻尾と頭を融合させて使ってきているんだっけな?

斬竜ディノバルド、昨日戦ったモンスター、古代林を主な縄張りとする。

獣竜種でザ、恐竜のような見た目だが、尻尾が剣のようになっていて、大剣のようにそれを扱ってくる。

ブレス、斬撃、噛みつきなど火属性のついた攻撃をしてくる。

 

その、斬竜の骨をカチカチと鳴らし火花を散らす。

そして、勢いよくただの竜骨の方と共に叩きつけてくる。

オストガロア本体の方に飛び込んだ。

今までいた場所が炎に包まれる。

 

あぶねー。

あと一歩遅かったら巻き込まれていた。

そんなことを思いながらあるものを投げる。

あるものは、宙に舞うと破裂し、高音をまき散らす。

そう、あるものとは音爆弾のことだ。

音に驚いたオストガロアはたちまちディノバルドの骨を落とす。

また、別の骨を出してくるか?

そう思ったら、骨の床に潜りこちらから離れ、青い液体ビームを撃ってくる。

かわして近づこうとすると、触腕を足場に突っ込んでくる。

足場が揺れる。

急いで回避すると勢いよく足場から触腕が飛び出してきた。

そして、青ビームを回転しながら撃ってくる。

張り付いて攻撃、敵の攻撃は当たらない。

片方の触腕の纏っていた骨がぶっ壊れる。

オストガロアが怯む。

その隙にもう片方の触腕を攻撃する。

こっちの方も限界だったのかすぐに骨が壊れバランスを崩して本体が転倒する。

急いで背中に移動し、体全体を覆っている骨の隙間にある虹色の部分、弱点にブレイドダンスを叩き込む。

これには奴もたまらなかったのだろう。

悲鳴を上げる。

転倒から直ると同時に咆哮を上げる。

その、余りのうるささに耳を塞いでしまう。

そして、今まで水色に発光していた部分が赤くなり、赤いオーラを纏ったように見える。

周りもそれに共鳴するかのように水色の幻想的な光に包まれる。

 

さっきまでが、現世の墓場だった今は正に黄泉国だな。

そう思うが急いで意識を切り替える。

こうなったと言うことは怒り状態になったということだ。

改めて気を引き締めないとな。

 

オストガロアはこちらに狙いを定めると勢いよく突進をしてくる。

それを間一髪でかわし、追う。

しかし、オストガロアはもう一度こちらに向きなおし再度突進を繰り出す。

 

なに!、そう思い回避しようとするが時すでに時間切れ直撃し大きくぶっ飛ばされる。

これはシャレにならんな。

急いで回復薬Gを飲む。

幸い攻撃は飛んでこなかった。

オストガロアの方へ向き直ると青いやつが飛んできた。

それを避けて距離を詰める。

また、奴は突進をしてくる。

それをかわしすれ違いざまにラウンドフォース。

二回目の突進もしっかりとかわす。

奴は触腕を足場に突っ込んでまた、ディノバルドの骨を取り出す。

こんどはそれだけにとどまらず緑色のゲルにまみれた骨をもう片方に装備している。

それを叩きつけると足場に緑色のゲルがぶちまけられる。

その液体は時間がたつにつれて色が、黄色、そして赤へと変化し爆発した。

そう、奴が新たに取り出した骨は砕竜ブラキディオスの骨だ。

ブラキディオスは獣竜種のモンスターで他の獣竜種と違い前脚が大きく発達している。

リーゼント……じゃなかった、角のように発達した頭殻が特徴的。

さらにこの種は体の一部に緑色ゲルみたいなものを纏っており、その正体は粘菌と呼ばれるものらしい。

この粘菌はさっきオストガロアがやって見せたように、なんかぶちまけると爆発する。

と言うかヤバイ、何をトチ狂ったのかさっきからオストガロアが両腕をめちゃくちゃにドンドンやってるせいで、炎と爆破の地獄絵図なんだけど。

両方に気を付けて隙を見て行動する。

音爆弾をぶん投げて骨の武装をどうにかしたいのだがあいにくこの手のモンスターの常でぶちぎれているときは音爆弾が効かない。

決死の思いで攻撃していると、片方の骨が破壊できた。

だが、まだもう片方が残っている、油断はできない。

そう思っているともう飽きたのか自分で武装を解除して足場に潜る。

そうして、また触腕のみを出してビームをグルグルしてくる。

すぐさま、追って攻撃する。

こんどは、オストガロアは離れて青いやつを撃ってくる。

追いかけてラウンドフォースを放つ。

両方の触腕が同時に壊れる。

驚いて転倒するオストガロア。

背中の弱点にありったけの力を込めてブレイドダンスを叩き込む!

かなり痛かったのか大声を出してもだえる。

そして、周りの景色が普通に戻る。

転倒から戻り両触腕を大きく振り上げると奴は足場に潜る。

何をしてくる!そう身構えるも、奴が出てくる気配はなくなっていた。

 

「撃退成功か」

 

そう漏らすもいまいち気が休まらなかった。たしかに俺はオストガロアが活動を再開するのを知っている。

しかし、それだけではない。

ただの気のせいかもしれない。緊張が聞かせた幻聴かもしれない。

だが、オストガロアがいなくなるとき、たしかに俺の耳には届いたのだ。

地獄の底から呼びかけてくるような声が

 

――――――次ハ必ズ食ラッテヤル

 

と言うのを聞き取ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
今回はディノバルド戦(全部カット)。
そして、Ⅹラスボスのやつとの戦闘(下位編)の二本立て(笑)でお送りしました。
さて、次回はみんな曲が大好きなあのモンスターが登場するぞ。
お楽しみに!



なんか、キャラ違うくねえかこいつ。
まあ、そんなことは置いといて、感想欄で言われたことちゃんとできましたかね?
自分的には全然できてない気が。頑張らないとなー。
何か意見等ありましたら是非感想欄にお書きください(意訳:感想くれー)。
それでは最後にミラルーツ様万歳‼


1/18追記:サブタイトル変えました。


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第八話 銀翼の彗星は凶兆を告げる

オストガロアを撃退して数か月が経った。

その間いろんなことがあった、

まず、上位ハンターになった。

と言っても劇的に環境は変わらない、クエストの難易度は上がり、リスクとリターンがそれに応じて上がる。

それから、周りからちょっと尊敬されるぐらい。

もちろん、これは普通のハンターの場合。

俺は何の因果かモンハンⅩ系統の主人公と同じ運命を辿っている。

つまり、何が言いたいかというと、

 

今俺は、空に住んでいる。

 

なにいってんだこいつと思った方がほとんどだと思うが、もしかしたら、あーってなった人もいるかもしれない。

まあ、説明すると空飛ぶ研究室こと、龍識船にいる。

名前から察せられる通り、龍歴院が建造した飛行船で研究機材だけじゃなくて生活に必要なものが一通りっている移動型の拠点。

そこの護衛を任されたんだよ。

まあ、護衛と言ってもやることは今まで通り、変わらないんだけどさ。

とりあえず、今のところ覚えてる範囲でストーリーから大きくそれたこともなく進んでいる。

別に変わったところでどうしようとかないけど、なるようになれだ。

でも、世界が滅ぶとかになったら頑張るけど。

 

そうそう、あと大きく変わったことがある。

さすがにランポスシリーズじゃきつかったんだよ。

例のクエストに現れるバルファルクとか言う戦闘機にボコボコにされてね、命に別状はなかったんだけど一歩間違えたら死んでいた。

ということで防具を新たにレウスSシリーズに変えた。

この装備は結構思い入れがあるんだよね。

それからエリ双を使い始めた、神さまからもらった能力のおかげか、しっかりと使いこなすことが出来た。

本格的に練習する前から、少し触れてはいたことも理由かもしれないがな。

ちなみに今装備している武器はラギアクルスの双剣ツインクルスだ。

今の俺は空の王者の力と海の王者の力が両方そなわり最強に見える。

いや、知らんけど。

 

おっと、考え事に集中し過ぎていたようだな。

もう直ぐ目的地に着くようだ。

今は遺群嶺向かっている。

しかもこれはただのクエストではない。

龍歴院の誇りにかけて必ず達成しなければならない。

そう、バルファルクとの決戦である。

あの野郎この前のの借り倍にして返してやるからな。

 

「それじゃあ、行くぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルファルクと再び刃を交え、どれくらい経ったのだろうか。

こちらは致命的な致命傷は受けていないものの、かすり傷や疲労が蓄積して来て、いつ攻撃を貰ってもおかしくないような状況にある。

相手さんは見た目ボロボロだが、尻尾切れてないし、まだまだ、ぴんぴんしてそうだ。

そして、ぶちぎれている。

 

奴はこちらを突き刺そうとその銀翼で突いてくる。

もう何度目か、わからない程見た攻撃。

俺は鬼人エア回避で翼をえぐるように斬り跳ぶ。

今までと違う動きをしたためか、驚かれたように動きが止まる。

その隙に俺は奴の顔面めがけ狩技、ラセンザンで突っ込む。

そのまま食らうかと思われたが、相手も伊達に古龍種をやっていない。

少しずらされ頭ではなく首をドリルのようにえぐる。

奴の最大の弱点は頭だ、完全に回避できなくても、最大の弱点は守ろうとしたのだろう。

 

だが、それは狙いどおり。

最初から俺は首を狙っていたのだ。

そもそも怒り状態では、双剣の主なダメージソースである属性は頭や翼には一ダメージも通らなくなっている。

なので、優先的にそれらの部位を狙う必要はない。

 

 

まだ、倒れないのか。

もうそろそろ、倒れてくれてもいいんだよ?

 

相手が殴りつけて来たので攻撃ついでに回避する。

すると、バックステップしつつ翼から龍属性のエネルギー弾を撃ち距離を離される。

すぐさま間合いを詰めるとバルファルクはキーンと掃除機が吸い込むときのような音を立て始める。

龍気のチャージか?そう思ったが、すぐさま奴は物凄い風圧と共に飛び立ち、空を翔る。

正にその姿は別名の天彗龍が表す通り、赤い彗星のようだ。

 

見とれている場合じゃない。

すぐさま、体勢を立て直し走る。

 

間に合えー!

 

そう心の中で叫びながらダイブ(緊急回避)する。

その直後、さっきまで俺がいたところに彗星が落下する。

 

間に合ったか。

 

そう思うが、直撃こそ避けたものの、落下より生じた爆風に吹き飛ばされ、地面を何回か転がる。

 

こりゃ、直撃してたら即死だったな。

だが、ここで終わりか。

 

まだ、戦えるがいつ死んでもおかしくない状態。

 

けど、最後まであがいてやる。

どうせなら、逃げようとして死にましたよりも、最後まで戦ってその結果やられましたの方がかっこが付くだろ。

 

双剣を握り直す。

バルファルクの方を見るとこちらにゆっくり歩いてくる。

余裕そうだな。

いつの間にか怒りは解けていたようだ。

攻撃のチャンスを窺っていると。

 

 〖はははははは〗

 

突然、笑い声が聞こえた。

 

「誰かいるのか」

 

予想だにしなかった事態が発生しパニック!

 

〖ははははは。誰かって、目の前にいるじゃないか〗

 

「目の前って、話したそうにこちらを見ているバルファルクしかいないぞ」

 

〖それもう、わかって言っているよね?〗

 

「いやはや、何のことだか。それよりも、なぜ?」

 

〖なぜ?、とはどういう意味だい〗

 

「そのままの意味だ。なんでさっき笑った?」

 

〖あー、そのことね。ここまで出来る人間がいるなんて思いもしなくてね。それでつい〗

 

「それにしては、随分と余裕そうだな、お前」

 

〖そう見えるの?それは良かった〗

 

「どういうことだ?」

 

〖こう見えてもう、僕、もう限界なんだよ〗

 

「なるほど」

 

そう言いつつ双剣を抜刀する。

 

〖おっと、やる気かい?〗

 

それに応じて戦闘態勢に入るバルファルク。

 

「冗談だ」

 

〖それは良かったよ。シャレになってなかったけどね〗

 

「そりゃ悪い。それにこっちも限界だよ」

 

〖そう?全然そうは見えないけど〗

 

「お互い様ってわけだったか」

 

「〖ははははははは〗」

 

「それよりも、なぜ我々と話が出来る?」

 

〖さあね?〗

 

「さあね?ってお前ぇ」

 

〖気が付いたら君たちの言葉を理解出来るようになっていたよ〗

 

「そうなのかー。他の奴らも(古龍種とその他)話せるのか?」

 

〖どうだろうね。僕くらい長生きすれば話せるようになるんじゃないのかな?〗

 

「そうなのかー。長生きしてるのかお前」

 

〖まあそうだね〗

 

「そういえば一時期、発見されなさ過ぎてお前絶滅した扱いされてたけど今まで何してたんだ?」

 

〖どういうこと!?それ〗

 

「そういうことだ」

 

〖ははは、なんだいそれは。大体はここ(遺群嶺)周辺にいたか空で飛び回っていたよ」

 

「たしかここは最近本格調査が始まったばかりだし、空を飛ぶ姿が彗星にしか見えないもんな。

そりゃ見つからんわけだ」

 

〖なるほどね。じゃあこれからはもっといろんなところに出かけてみようかな?〗

 

「お前はみんなに見られたいのか?」

 

〖また、絶滅扱いされるのは勘弁だ〗

 

「そりゃごもっとも。だけど、いろんなところに顔をだすとその分狙われるよ」

 

〖君みたいな奴らに?〗

 

「そうだ。そういえばなんであの時沼地に居たんだ?」

 

〖何となくかな?それに、〗

 

「それに?」

 

〖君がいたからね〗

 

「え!」

 

今、ぞっとした。

本能的にバルファルクから離れる。

 

「もしかして、そういう……、」

 

俺の様子を見てバルファルクも何かを察したのか、

慌てた様子で

 

〖違う違う違う〗

 

「本当に?」

 

〖ああ、強そうな奴がいたからね」

 

「なるほど、別の意味で怖いわ。でもあの時はコテンパンにやられたぞ」

 

〖でも、今はこれほどまでになっているじゃないか〗

 

「おかげさまでな」

 

〖もうそろそろ、時間だ〗

 

「え?」

 

〖失礼するよ〗

 

「最後に一つだけ質問いいか?」

 

〖どうぞ〗

 

「お前が現れたとき災厄が起きると言われている。何か知っているか?」

 

〖……さあ、どうだろうね?〗

 

「どういうことだ?」

 

〖一つだけ言わせてもらおう。奈落に輝きし妖星〗

 

「!?」

 

〖もう直ぐ再び〗

 

「おい、どういうことだ?」

 

〖フフ、それじゃまたお互い強くなって逢おう!〗

 

そう言って奴はこちらの返事を聞くことなく飛び去っていった。

 

「本当にどういうことだよ」

 

なんであいつがオストガロアのことを知っているんだ。

あー、もう、わかんない!

まあ、考えても仕方がないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人では届かぬはるか天空で天彗龍は先ほどのことを思い出していた。

 

〖フフフ、それにしても本当に面白い〗

 

今回話しをしたのは完全な気まぐれである。

最初はしばらくしたら殺そうかと思っていた。

だが、話していく内にそんなことは忘れてしまった。

 

彼はもっと強くなる。

これは、予測ではなく確信である。

次、逢った時今の自分なら必ず殺される。

 

〖もっと、もっと強くならないとね。

それに、なかなか複雑な、

フフ、楽しみだ〗

 

願わくば彼が途中で命を落とさないことを。

 

 

〖さて、どこへ行こう、砂漠か、雪山か〗

 

 

そうして、彼は強さを求め世界を巡り始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、龍識船に戻った。

船内はお祭り騒ぎで色々な事を聞かれた気がするがあんまり覚えていない。

なにせ、あんなことがあったのだ。

とりあえず、もう疲れたと言って部屋に戻った。

 

ランポスシリーズに着替えてベットにダイブ。

 

「はーあ、頭がパンクしそう。というか既に一回した」

 

バルファルクが喋った?

一体全体どうなっているんだ。

そもそも、古龍種が喋れるかもしれないのな?

あーもうわかんない。

とりあえず、古龍種はなんか話せる。

うん、それでOK。

次になんであいつがオストガロアのことを知っていたか。

いや、別にそれはいいんだ。

オストガロアの存在を知っていたことは、たぶん俺の何十倍も長生きているだろうから、物知りなんだろう。

だが、何で奴が再び活動始めることをしかも、推測ではなくまるでもとから知っているかのように、

確かにⅩ系統のストーリーと照らし合わせてもこれぐらいだと思うが、もう少し先だと思うんだよな。

 

「は~あ。考えすぎて疲れた。今日はもう寝るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間後、俺はあいつが言ったことが正しかったことを痛感する。

 

飛行船の消失事件が再発した。

そんな知らせが入ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
今回はちょっと短めでしたね。
さて、賛否両論あるかと思いますがこの作品では一部のモンスターが喋ります。
これで、もう無理と思った方は素直に他の作品。
例えば、モンスターハンターフロンティアを題材にした短編集とか読んでみることをお奨めします。
もしくは、悪夢をシミュレートするゲームの実況を見たりすることをお奨めします。
そんなもんを奨めんじゃねえだって?
ごもっともです。
もし、悪夢をシミュレートするゲームが気になった方は部屋を明るくして離れてみてください。
じゃないと吐きます(ガチ)

ここから、長いので読む気ない人は飛ばしてくださっても結構です。
それでは最後にミラルーツ様万歳‼

はい、何を書くのかと言いますと双剣のエリアルスタイルちょっとした説明です。
これは、Ⅹ系統知らないけど調べるのめんどくさいという人向けですね。
雑に書きますので詳しく知りたい人はちゃんと調べることをお勧めします。
そもそもスタイルとは、とかについては第5話で説明しているので飛ばしますね。
と言うかまず、このスタイルの要の部分になる?乗りについて知らない人がいるかと思いますので説明します。
mh4から段差とかから跳べるようになったんですよ。
それで、跳んでいる間に攻撃を当てると乗り蓄積と言うものが溜まるんです。
で、何回か跳んで攻撃当てて、乗り蓄積を一定以上溜めると、モンスターに乗って剥ぎとりナイフでグサグサやってモンスターをダウンさせることが出来るんですよ。
つまり意図的に隙を作れる凄いやつなんですよ。
でも、上に書いた通り、普通では跳ぶのは段差からしか出来ません。
しかし、エリアルスタイルでは、小説内でもちょっと出てきましたが前方回避が特殊になり
なんと、ハンターや爆弾、モンスターをふみ意図的に跳ぶことが出来るんですよ。
その他もろもろ変わってるところがあるのでそのことについて書いていきたいと思います。
双剣だけですけどね。
まず、上に書いた通り前方回避が特殊になる関係上前方に鬼人回避が出来ないんです。
自分はエリ双から双剣に入ったのでそれがどうしたって感じなんですけど(笑)
ごめんなさい。
次に鬼人化中に乱舞はできなくなっています。
ですが、鬼人強化中に鬼人ゲージを消費して撃てます。
それから、特殊な回避ですが、小説内にも出てくるように
エア回避、鬼人化中は鬼人エア回避ですが、
エア回避は普通に跳ぶだけです。
鬼人エア回避は体をなんだろう空中でひねるようにして跳びます。
特徴的なことはこれくらいかな、知らない人にも楽しめるように説明とか入れていきたいんですけど、自分の力不足で難しいみたいです。
間違ってることや付け足した方がいいことがあれば感想欄にお書きください。


それではほんとに最後にミラルーツ様万歳‼

あれ?なんかあとがき合わせたらいつもと同じぐらいな気が。
まあいっか。







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第九話 冥府の底にて妖星と踊る

あれから、数週間が経った。

生活は特に変わった事もない。

だが、一つだけ不穏な事がある。

 

飛行船の消失事件の再発並びに範囲の拡大。

 

これが何を意味するのかって(オストガロア)の活動再開そして、前よりもさらに凶暴になっているということだ。

 

ところで今、俺はどこにいるでしょうか?

 

ヒントは全体的に緑があって、高いところにあって、建物が石造りのところです。

 

…………

………………

……………………

 

わかりましたか?

正解はベルナ村です。

 

なんか変なテンションになっているけど気にしないでくれ、最近結構忙しかったんだ。

それで、あの知らせだ。

心身ともに疲労が溜まっていくってもんよ(それ程でもない)。

龍識船は快適だけどやっぱり結局家にいるのが一番いい。

と言っても今いるのは家じゃないけど。

 

「失礼しまーす」

 

「いらっしゃいませ。ボタンのよろず屋に、ってシャゲくんじゃないか。

久しぶり」

 

「久しぶりです、フェンネルさん。あれ?ボタンさんは?」

 

フェンネルさんは、ボタンのよろず屋の専属ハンターだ。

初めて会ったときは色々あったらしく、入れ違いにすれ違いだったようだ。

主に荷馬車の護衛をしていたりする。

それじゃあ、なんでボタンさんがいなくてなんでハンターであるフェンネルさんが店番しているんだと思うだろ。

 

「もしかして、またですか?」

 

「ええ。またです」

 

あははは、お互いに苦笑いをする。

はあ、あの人はまた……。

時々あるんだこういう事が、

ボタンさんは凄くアグレッシブなんだよいろんな意味で。

それでな、何か自分が面白いと思った事を聞いたら直ぐに行動するんだよ。

本当に直ぐに。

それこそ、護衛のハンターであるフェンネルさんを置いてまで。

ボタンさん曰く

『フェンネルの準備は遅い。そんなもたもたしてたら得られるものも得られなくなっちまうよ』

だそうだ。

けど、フェンネルさんの準備とかってそんな言うほど遅くないんだよね。

哀れフェンネル。

 

「あっ!何か、欲しいものがありますか?」

 

思い出したように接客を始めるフェンネルさん

別にいいんだけど、この事知られたらボタンさんに怒られそう。

まあ、そもそも本業ハンターだし、俺は完全に身内みたいなもんだしね(あと、俺も忘れかけてたし)。

 

「はい。もちろんですよ。あれとこれとそれとあそこにあるやつと向こうにあるやつとそれから―――――

 

 

 

それじゃ、ボタンさんがせっかち(B↓S↑)なのかって?

別にそうじゃないんだよね。

いつもは。

よくいるじゃん特定の事が絡むと性格が変わったりする人。

ボタンさんはそう言うタイプの人だ。

周りがあんまり見えなくなるんだよな。

と言ってもそれで間違いを起こさないのがボタンさんの凄いところなんだよなー。

 

 

「そういえば今度は何があったんですか?」

 

「さあ、よくわかりません。ただ、雑な文字で、『介J̻もい◯行〈.店蕃任せこ』、と意味不明な書き置きを残して消えました」

 

まじでなんだよこの書置き、いや何となく何を書きたかったかは伝わって来るんだ。

でも、でも、やっぱり意味わかんない。

 

「は、はあ。これはこれは。ご愁傷様です」

 

「解読出来ますか?特に前半」

 

「無理です。でもなんか伝えたいことはわかりますよね?」

 

「まあ、そうですけど。はぁ、一人で勝手に行かないで欲しいです」

 

「確かに同意見です。ただでさえ、最近飛行船消失事件が再発しているっていうのにねぇ」

 

「そうですね。どこに行ったのかわからないので不安です」

 

「ほんとにそこですよね。場所さえわかれば追いかけられますからね」

 

「もしかしたら、そのことを見越して場所は書かずに用件だけを書いたのかもしれませんね。

はい、こちらが注文の品です」

 

「はい、ありがとう。

その用件すら読み取れませんけどね」

 

「はあ、いつも書く字は綺麗なんですけどメモ書きのときは異様に雑で誤字脱字だらけになるんですよね。

あの人」

 

「同じ人が書いたとは思えないですからね。

はい、お金」

 

「丁度ですね。ありがとうございます。

この文字を見るたびに実は二重人格なんじゃないかとさえ思ってしまいますよ」

 

「そう言うところがいいんじゃないんですか?」

 

「ええ、そうですね」

 

「それじゃあ、また」

 

「はい、ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

 

さて、どうしようかなぁ。

コットンと戯れて一日終わらせようかな。

 

「まあ、とりあえず家に帰るか」

 

そう思い家へ向かい歩いていると

 

「あのをすいませーん!」

 

なんだか大きな声出してる奴がいるな。

 

「おーい!待ってくださーい!」

 

誰かを呼んでいるようだ。

俺には関係無いな。

 

「ちょっと。待ってくださーい!」

 

ほんと誰だよ呼ばれてる奴、とっとと止まってやれよ。

 

「あの、本当に待ってくださーい!

はあ、はあ、待って、くださ、い」

 

………………

もうそろそろ、かわいそうだから止まってやるか。

 

「何か用ですか?」

 

「はあ、はあ、気が、ついていたなら、はあ、はあ。

早く反応して、はあ。

くださいよ!」

 

「すまん。他の人に言っているのかと思いまして」

 

「絶対に嘘ですよね。僕が呼びかけた瞬間、歩くの速くしましたよね?」

 

「気のせいじゃないん」

 

「絶対に違います」

 

「それで」

 

「はあ。院長がお呼びです。直ちに装備を整えて来るように、飛行船消失の件で話があると」

 

「わかった。準備が終わり次第直ぐ行く」

 

「はい、そう伝えておきます」

 

「そんなに時間はかからないよ」

 

そう言って急いで家に戻る。

コットンが遊んで欲しそうにしていたが我慢して準備をする。

バーンエッジを装備して、

 

「準備完了だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく来着たんだね。アンタを待っていたんだよ。

いいかい、心してお聞き。

……竜ノ墓場を調査中の調査団からの連絡が途絶えた。

この意味はお分かりだね?

そう、事態はもはや、一片の猶予もない。

可及的速やかな調査団の救出は、我々の責務であり、権利さ。

だから…調査団救出に当たって、我々龍歴院は最も信頼のおけるハンターに、オストガロア討伐の任を与える」

 

「?」

 

「ふ、ポカンとした顔をしなさんな。もちろん、アンタのことだよ、お若いの」

 

「え?は、はい」

 

「ほらほら、分かったらボサっとしてないでさっさとお行きよ。

調査団の連中が待ちくたびれちまうからね。

頼んだよ、お若いの……いや、我ら龍歴院のハンター」

 

「はい!必ず成功させてみせます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもオストガロか、あいつも古龍種だし喋るのだろうか」

 

でも、

 

「和解なんてできないよな」

 

和解をするつもりなら最初から話しかけられてるよな。

それに、最後に聞いたあの言葉あれは幻聴なんかじゃないと思う。

だとしたら、

 

「お相手さんは殺意マシマシのぶちぎれ状態だと思うしな。

それだったらこちらも勝手に怒る理由も倒さなければならない訳もあるわけだからな」

 

はあ、生き残れるかな~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オストガロアよ私は帰ってきた」

 

ただいま竜ノ墓場ベースキャンプ。

相変わらずここは世界の終わりみたいな感じだな。

 

「できればここにはもう二度と来たくないな。

それじゃあ……、

行くぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に見えるは骸を纏いし龍。

ここで俺は刃薬を塗った。

それと同時に咆哮するイカ。

 

「ガーーオーーー」

 

予想通り。

背中の噴出口から青いやつをこちらに撃ち出してきた。

それをかわし攻撃する。

叩きつけが来たらそれをかわし攻撃、突進が来たらそれをかわし攻撃、かわして攻撃、攻撃。

前回と何も変わらない。

おかしいな。

そう思ってされど、気は抜かず戦う。

 

「どりゃあああああ」

 

ラウンドフォースを放ち片方の触腕の骨をを壊し、怯んだ隙にもう片方に攻撃、

ついげきのバックステッポからの溜め斬りでさらにダメージは加速した。

残りの触腕の方の骨まで破壊に成功する。

そして、バランスを崩し転倒したオストガロアの弱点にブレイドダンス!

痛みによってオストガロアは咆哮を上げる。

怒り状態か?

しかし、周りの景色は変わらない。

動かないオストガロア。

なんだどうした。

そう思った矢先。

突然、

 

〖ア、ア、アアア〗

 

冥府の底から死神がこちらに語りかけてくるような。

 

〖フフ、ハハハハ〗

 

そんな声が。

 

その声の主はこちらに《顔》を向け、

 

〖我ノ前二モウ一度現レルトハ、コノ忌々シイ人間ヨ〗

 

まるで侮辱された邪神が

 

〖言ッタデアロウ次ハ食ラッテヤルト〗

 

その怒りを表す様に

 

〖ダガ、気ガ変ワッタ〗

 

〖貴様ハ奈落二落チ続ケルヨウナ無限二終ワラナイ苦痛ヲ〗

 

周りが幻想的な、

否、この世のものとは思えない不気味な光に包まれる。

 

〖味ワワセテヤルー!〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
今回も短めでした。
まあ、もともと一話にまとめる予定の内容を二話に分けて出しているので。
さて、次回はついに本気の奴との闘い。
どうなるでしょうかね。
また長くなるのでめんどくさいという方はこれくらいで、

それでは最後にミラルーツ様万歳‼






はい、それではキャラの名前の由来のコーナー
フェンネル。
植物の名前はウイキョウといい。
商売花言葉で検索したら出てきたので付けました。
花言葉は「賞賛に値します」「背伸びした恋」「力量」「精神の強さ」
「強い意志」「どんな賛美でもあなたを語り尽くせない」など、
ちなみに他のキャラと違い花を選んでからキャラを作りました。

思ったより長くならかった。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼








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第十話 奈落より怨嗟を込めて 

〖チョコマカチョコマカト!シカシ、何時マデモツカナ?〗

 

そう言いながらオストガロアは両腕を骨の地面に叩きつけながら移動する。

片方には全体的に白く青色の鋭い突起物が付いている骨を装備している。

それは帯電していて、地面に叩きつける度水色の水晶の様なものをばら撒く。

ばら撒かれた水晶は同じく帯電しており、しばらくしたら放電すると同時に爆発する。

 

あぶねえ。

あともう少し当たるところだった。

それにしてもキツイな。

奴の言う通り何時までもつか、一発でも貰ったらそれだけで一気に分が悪くなる。

 

「せい!」

 

奴が触腕を叩きつけて来るのと同時にラウンドフォースを放つ。

 

〖ギャアアアアアアアアア〗

 

やっと壊せた。

ラギアクルスの背電殻を改造したやつ、本当に厄介だったんだよね。

あと、どれぐらいストックがあるのやら。

もう出さないでくれることを願います。

追撃をかけ纏う骨もぶっ壊す。

 

〖イギィ!死ネエ!〗

 

奴がペイントビームを撃ってくると同時に顔面へ駆け込む。

 

〖フザケルナア!〗

 

そして、奴の顔を容赦なく攻撃する。

切りが付いたところで離れるとその直後にこちらを押しつぶそうと頭突きを繰り出した。

 

叩きつけをさけ触腕に攻撃する。

 

〖小癪ナ!〗

 

こちらとの距離を開け無事だった方の触腕を地面に突っ込み、直ぐに焦げ茶色の塊、たしかウラガンキンのアゴだったかな。素直にうべい。

もう片方の触腕も《でいのばるど》の骨を武装しているでござる。

ウラガンキンの骨は叩きつける度に振動が発生し、足が取られそのままつぶされそうになる。

ディノバルドの骨は前回同様叩きつける度に発火し周辺が炎に包まれる。

これはこれでめんどくさいな。

致命的な致命傷を食らわないように立ち回り攻撃を重ねていく。

オストガロアはディノバルドの骨をしまい触腕を地面に潜らせ、シャガルマガランの地雷のようにペンキビームを撃ち出してくる。

撃つ直前足元が青色になるので注意していればそれ程脅威でもない。

しかし、音があまりしないのでギリギリまで気付かないということが割とある。

と言うか、怒り状態長くないですか?

そんなに俺が憎いのか。

おかげさまで、音爆弾がいらない子になっちゃてるんですが。

 

「やべ」

 

かわし損ねた叩きつけを咄嗟に盾で受けたが、片手剣の盾はお世辞にも良いとは言えない性能。

大きく後退する。

 

それを見てチャンスだと思ったのかオストガロアは青ビームを撃ち、止めとばかりに主任(ウラガンキン)のアゴで押しつぶそうとしてくる。

 

「うおおおおおお」

 

全力でダイブ!

 

〖フン、運ノイイ奴メ〗

 

あ、あっぶねえ。

あともう少しでぺちゃんこになるところだった。

 

その後もオストガロアは攻撃の手を緩めずこちらは余り攻撃が出来ていなかった。

直接、攻撃は食らっていないもののかすったり、当たりかけたりして結構危ない。

 

〖フハハハハハ、モウ終ワリナノカ?ハハハハハ〗

 

くそう。調子に乗りやがって。

いや、まあ、気持ちはわかるけどさ。

 

オストガロアが触腕を叩きつけをしてきたのに合わせて攻撃する。

 

〖ギャアアアアアアアア〗

 

けど、調子に乗った分痛い目に合ってもらうぜ。

 

オストガロアが触腕の骨を破壊され怯んでいる隙にもう片方の触腕に、

 

「ラウンドフォース!」

 

〖イギイイイイイイイ〗

 

両触腕が壊れ、バランスを崩し転倒してさらけ出された弱点をブレイドダンスで切り刻む。

 

〖アガアアアアアアアア〗

 

痛みによりもだえるオストガロア。

正直ざまあみろと言いたい気分だが、

 

〖アア、アアア。ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ、ヨクモ!〗

 

世界が幻想的で恐ろしいものへと変わる。

 

〖貴様アー!許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ許サナイ〗

 

そして、そこには先ほどとは違う、より一層不気味な雰囲気のオストガロアがいた。

頭の上にある骨の内側の部分は虹色に点滅し、口は赤く、紅く、見たものを深淵に引きずり込むような 輝きを放ち、赤黒い稲妻がオストガロアに走る。

 

【挿絵表示】

 

 

とうとう来たか!

 

オストガロアは今までと違い青い絵具の様なビームではなく、《深紅の、龍属性のビーム》を撃ってきた。

 

〖ガアアアアアアアアアアアアアアア!〗

 

怒りで我を忘れ、狂ったようにビームを撃ちまくる。

しかし、本能的かそれともああ見えて冷静な部分があるのか俺を狙って正確な狙撃をしてくる。

さらに、一発一発が食らえばただでは済まない。

本当にシャレにならないことになっている。

 

「うおっ!あぶねえなぁ」

 

ただ狙い撃ちしてくるだけじゃなくて目の前を薙ぎ払ってくる。

間一髪で回避に成功するも、攻撃できる隙がない。

無駄にヌルヌルと動き回るし、ビームを乱射してくるので思うように近づけない。

これじゃあ、《あれ》を止められないじゃないか。

くそ、もう手遅れか!

 

色が代わる代わる点滅していたのが紅一色になる。

赤黒い稲妻が勢いをましてさらに走る。

 

 

 

オストガロアはバックステップのような動きでこちらとの距離を離す。

 

〖死ネエエエエエエエエエエ!〗

 

そう叫ぶと同時に奴の口元には空間が歪んで見える程の龍属性エネルギー。

両触腕で自身をささえるような体制。

 

〖コレデ、終ワリダアアアアアアアアアア!〗

 

今まで溜まった怒りを全てぶつけるかのように龍属性のビームを放つ。

これまでの攻撃の全てが児戯に等しいと思わせるような。

正に必殺の一撃。

 

エリアの端から薙ぎ払い徐々に徐々にこちらに向かってくる。

触れたら即死、原形が残ればいい方。

ゲーム内では色々な方法で回避できたんだがな。

 

じりじと追い詰められていく。

すぐ後ろには死を喚ぶ紅閃。

何も考えず全力逃亡。

 

「あああああああああああああ」

 

なりふり構わず《足場の外回りにある。水場》にダイブ。

入ったところで、直ぐにビームが通過する。

ギリギリのところで助かった。

 

「うおおおおおおおお、溺れる!」

 

あぶねえ、あともう少しでおばれ死ぬところだった。

 

〖アアアアアアア!何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?何故ダ?

何故、死ナナイ!何故、死ナナイ!〗

 

そう発狂しながら、もう一度チャージに入るオストガロア。

 

〖アアアアアア!今度コソ、今度コソ。アアアアアアアアア!死ヲ、死ヲ!〗

 

完全に冷静さを失ったのか、めちゃくちゃにビームを撃ちまくる。

回数こそ多いものの狙いが定まっていない攻撃が当たるはずがない。

 

〖アアアアアアアアアアアアアアアアアア!〗

 

しかし、次こそ止めないとやばいな。

避けれるかもしれんが溺死はやだぞ。

 

〖アアアアアアアアアアアア!〗

 

と言うかさっきからうるさいな。

 

「少しは黙ってろ!」

 

これでも食らって大人しくしやがれ!

 

混 沌 の 刃 薬

 

駆け出すと共に刃に付けた薬を勢いよく摩擦で着火。

そのまま、力一杯一閃。

顔面にクリーンヒット。

 

〖ギャアアアアアアアア!〗

 

怯んだ隙に、

二、三撃入れ、

 

「これはおまけだ。受け取りな。

せい!」

 

ラウンドフォース!

 

〖イギャアアアアアアアアアアアア!〗

 

ダウンし、地に伏せるオストガロア。

 

〖死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ死ネ〗

 

背中に登り虹色に弱点の部分に全力を込めて

 

「これで終わりだ!ブレイドダンス!」

 

舞うように切り刻む。

 

〖ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!〗

 

叫び、その様子は正に七転八倒。

そのまま俺は振り落とされた。

 

〖アア、死ネ死ネ死ネ。嫌ダ嫌ダ嫌ダアアアア!〗

 

突然、オストガロアの口元に凄まじい龍属性のエネルギーが、

しかし、頭部の骨の内側は不安定に点滅し、もうまともな状態だとは思えない。

 

〖死ニタクナイ死ニタクナイ死ニタクナイ。アアアアアアアアアアアアアア!〗

 

先程とは比べ物にならないくらい、溜められた龍属性のエネルギー。

 

〖死ヌノナラ貴様モ道ズレニイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!〗

 

そう言いながら撃ち出してくるが、狙いを付けれる余裕はないらしく、明後日の方向に、そして反動故かそのまま天井をぶち抜く。

 

〖イヤダ、イヤダ、ナンデ?な、ん……〗

 

もう動かなくなったオストガロアを見つめて。

 

「はあ、後味悪いな」

 

やはり、自分と同じよう、

ではないけど言葉を話すものを倒すっていうのはな。

まあ、ろくなこと話してないけど。

それに、

 

「割と好きだったんだよな」

 

これは、まだゲームと現実の区別がついてないってことなのかな。

 

静かに目を閉じ祈るように手を組む。

 

「こいつに倒されて恨んでる奴がいるかもしれない。けど今だけは、少し祈らせてくれ。

もし、オストガロアに来世があるとしたなら、誰も傷つけることもなく、傷つくこともなく。

幸せになりますように」

 

こんなことを祈るなんて自分でも頭おかしいっておもうよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからしばらく経った。

調査団は負傷者こそいたものの死者はゼロ人でどうにか最悪の事態は防げたって感じかな。

まあ、ハッピーエンドだな。

と言いたいところだが、一つだけ不可解な事が起こったのだ。

 

オストガロアの死体の行方不明

 

あれは死んだふりで実は生きていたそんな可能性を考えたのだがそれはあり得ないと断言する。

ちゃんとはぎ取ったし、そもそも死んだふりをする余力あれば、あそこまで発狂しない。

仮にあれが演技であれば。

俺が気を抜いて油断したところを狙うはずだ。

 

まあ、とりあえず現状は要警戒と言ったところだ。

ちゃんと剥ぎ取り素材は提出したので討伐が認められ表向きには危機は去ったことになっているが。

不安は尽きないな。

 

考え事はここらで終わり。

今からクエストだからな気合い入れていくぞ。

しかも、タダのクエストではない特殊許可クエストである。

 

さて、翼を早めに壊せるように作戦を練っとかないとな。

それじゃあ、

 

「一狩行きますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
遅くなってすみません。
その割にあまり長くないというね。
とりあえず、普通に忙しくてまとまった時間があまりとれなかったのと、
モンハン4をやってたのと新天地で狩猟を始めたりその他ゲームで遊んでたのと
時間があるときにやる気が起きず。
時間が無い時にやる気がでるとか言うよくわかんないののせいです。
ごめんなさい。
ちなみにオストガロアの挿絵を描きましたが遅れた理由にはなりません。
ただ約一日がつぶれただけですので。
一番大変だったのが描くことよりも参考資料を探すことだったのですが。
まじで、最初検索した時絶望しかけました。

それから、この小説内でオストガロアはゲームとは違う行動をしているのでそこら辺を理解していただけたらなーと。

あと、小説用のTwitterアカウント作りました。
小説関係での質問を受け付けているのでよかったらしてみてください。
https://twitter.com/X57LZBg5umYZ7ev

それでは最後にミラルーツ様万歳‼


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第十一話 巨大龍の侵こ、......逃亡?

「あああああああ!…………よく寝た」

 

今回のクエストはちょっと長引いて暁くらいになっちゃたから、そのまま飛行船で寝たんだよな。

ふう、疲れはとれたな。

と言っても時間がかかっただけでそんな疲れなかったんだけど。

 

「このままもう一狩り行こうかな。まだまだ元気いっぱい!」

 

ちなみに今使っている防具は黒炎王シリーズ。

黒炎王と言う二つ名で呼ばれるリオレウスの特殊個体。

一般的なモンスタとは一線を超す強さで狩猟には特別な許可が必要。

そのようなモンスタ-から作り出される防具はそのモンスターの魂が宿ると言われている。

つまり、何が言いたいかって言うと強いやつから作れる強い防具ってことだ。

 

そんなことを思いつつ《集会酒場》に入る。

 

ん?

あれ?なんかいつも違う気がする。

なんかこう、ねえ?

 

辺りを見渡して、ふと気付く。

あまり、人がいない。

いつもであれば、この時間帯は、と言うかいつの時間帯も騒がしいはずだ。

ただ、騒いでる奴もいれば。

これから、クエストに向かう前の作戦会議と腹ごしらえをしてる奴らもいて。

俺みたいな、クエスト帰りのハンターもいる。

いつもはそんな感じ何だけどなあ。

何かあったのだろか。

 

うーん。誰かに聞いてみようかな。

ん?あそこでなんかただ事じゃない感じで話しているのは…………

 

「すみません。どうしたんですか?」

 

まあ、知らない仲じゃないしとりあえず、訊いてみよう。

 

「あら、いいところへ来たわねシャゲ」

 

そう言ったのは、ここ集会酒場、《ボーンズ》のマスター。

青いチャイナドレスを着た短い黒髪のお姉さんだ。

30代くらいに見えるが、竜人族なので実際にそのくらいの年齢かはわからない。

 

「厄介なことが起きたのよ。シュレイド地方のハンターズギルドから、急ぎの仕事が舞い込んできたの。

巨大な古龍、ラオシャンロンが同地方を侵攻中らしいの。予想ルート上には人里もたくさんあるわ」

 

「なるほど。それで、こんなに人がいないんですね」

 

「いや、それだけじゃねえよ。それだけだったらこんなことになってねえ」

 

そう、話に入って来たのは(と言うか、こいつとマスターが話していた間に俺が入ったんだけど)まるで特撮ヒーローものに登場する悪役のような黒く一部が翠色に点滅している。電の反逆者、電竜ライゼクスの防具ゼクスⅩシリーズを身にまとい、

その背には、クソ松ぼっ、ゲフンゲフン千刃竜セルレギオスのスラッシュアックス叛伐斧アルダバラン。

俺の狩友と言ってもパーティーを組んでるわけではなく気が合うからよく一緒に飲んだり時々一緒に狩リに行くだけなんだけど、名前はシセラスだ。

 

「ええ、そうなの実はラオシャンロンだけではなく、砦蟹シェンガオレンも砦を襲撃、そちらの対応に追われていて人手不足それでこっちにも応援要請が来たの」

 

まじかよ。それってかなりやばい状況なんじゃ。

 

「聞いて驚け、さらにとてつもなく巨大な、謎の物体が別の砦を目指して進行中。ここの奴らは皆その砦の防衛に行って、残ってて戦える奴は俺たちだけだ」

 

なん、だと。

 

「というわけで、二人だけだけど砦の防衛をお願いできるかしら」

 

「別に一人でやるわけじゃないからいいだろ?お前が来なかった止むを得ず俺一人で行く羽目だったからな」

 

「は、はあ」

 

どうやら受けるしかなさそうだ。

確か、ラオのクエはゲームではキークエストだったはずだ。

運命ってやつなのかねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、何か作戦はあるのか?」

 

まだ、ラオが砦に着くには少し余裕がある(と言ってもアイテムと装備をとっとと整えて即出発しないと間に合わなそうだが)らしいので作戦会議だ。

 

「どうしてそう思った。さっき聞いたばっかりだぞ」

 

「いや、お前の事だからな。どうせ知ってんだろラオシャンロンの事」

 

そう言ってジョッキをこちらに突き出した後中身を一気に飲み干す。

ちなみに入っているのは酒ではない。

ブラックコーヒー(もちろん何も入っていない)である。

 

「いや、まあ、そうなんだけどさ。うん。作戦もある」

 

「やっぱりなあ。それで、どんな作戦なんだ?」

 

「まず。ラオシャンロンみたいな規格外に普通の武器は通用しない。

ここは、砦にある兵器を活用していく」

 

「砦でわざわざ相手するようなモンスターだもんな」

 

「そ、れ、で、だ!そうなると俺たちに出来ることは少ないしかし、一つだけ派手に出来ることがある!」

 

「それで、その派手に出来ることはなんだ?」

 

「そう!つまり、芸術は爆発だ!

 

「うるせえ。あと座れ」

 

「はい」

 

大人しく席に着く。

 

 

「つまり、大タル爆弾を大量に持っていけばいいってことだろう」

 

「まあ、そういうことだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ありったけタル爆弾を持ち込み出発した。

一応、もしかしたら殴れるもしくは殴らなければならない時が来るかもしれないのでとりあえずゴールドラディウスを装備した。

 

「なんか緊張するな」

 

「そうだなー」

 

「はあ、お前といると緊張するのが馬鹿々々しくなってくるよ」

 

「なんですと!」

 

そんな、俺はただ皿回しをしているだけだというのに。

 

「はははははは」

 

「フォオオオオオオオオオ。ついでに玉の乗りもしちゃお。………………あっ!」

 

そんな感じで目的地に着きましたとさ。

 

 

 

 

 

 

「みんなタル爆は持ったな!行くぞォ‼」

 

ドドドドドドドドド

 

「おい!待てよ!自分だけ準備が出来たからって先に行くんじゃねえ!」

 

さて、おっ!ここかな?

とりあえずここにラオが来るものだと信じて大タルGをセット。

ゲームみたいに制限ないから置けるだけおいちゃえ。

 

「ふざけんなよ。はあ。とりあえず、ここに置けばいいのか?」

 

「そうだな。全部置いちゃってくれ」

 

そうして、とにかく爆弾を置きまくっていたら。

 

「大タル爆弾と大タル爆弾Gで爆弾がダブってしまった。なんだか凄いことになっちゃたぞ」

 

バリケードが出来ていた。

 

「はあ、意味不明なこと言うな。お前がやれって言ったんだぞ」

 

「まあ、そうだけどさあ。おっと」

 

地響きがする。

そして、遠目にデカい何か近づいてくるのが見える。

 

「やつが来たか。よし、作戦通りに頼む」

 

「おう。そっちもな」

 

「自分で建てた作戦なんだから大丈夫だって」

 

さてと、バリスタよーい。

目標確認。

まだ。まだ。まだ。

よし今だ。

 

「撃てえええええええええええええ!」

 

そう叫ぶと同時に発射。

狙い通り、タル爆バリケードに着弾。

一つのタル爆弾が爆破するとドミノ式に爆発していく。

その様子はまるで炎王龍テオ・テスカトラのスーパーノヴァがいくつも同時に放たれたようだった。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアア」

 

よし、OK。

 

急いで、バリスタ台から離れる。

このままバリスタを撃ち続けてもいいが、ラオシャンロンが攻撃してきたときに逃げ遅れる可能性があるからな。

 

「こっちは終わったぞ!そっちは?」

 

「とりあえず今詰めれる分は詰め終わってるよ。それにしても凄い爆発だったな」

 

「大タル爆弾何個置いたと思ってるんだ。でも、予想してたとはいえ、まだまだ元気そうだなラオシャンロン」

 

「そうだな。後は大砲を主に使っていくんだよな?」

 

「まあそうだよ。大砲の弾を詰めて撃つ詰めて撃つの繰り返し、そして、隙を見て巨龍砲を叩き込むだけの簡単なお仕事だな」

 

ちなみにここで言っている大砲は移動式大砲の事である。

レールが引いてあって台車の上に大砲を乗っけたやつだな。

左右にある奴を備え付けのピッケルでカツンってやると移動して、大砲を撃つときは真ん中についてる奴をカツンとやるんだ。

 

「もうそろそろいけるか。やっぱ近くで見るのはすげーな。おらよっと!」

 

シセラスが大砲の発射スイッチをカツン!ピッケルで叩く。

ドン、ドン、ドンと勢いよく大砲の弾は撃ち出されラオシャンロンに命中し爆発するが、当てられた本龍はびくともしない。

 

「へい!大将!追加で持って来やしたあ!」

 

「誰が大将だ。誰が」

 

しばらくは大砲を撃つだけの繰り返しの作業だった。

途中、移動するときに置いてかれたりしたが些細な事であろう(自業自得)。

 

 

「巨龍砲の準備が完了したみたいだな」

 

 

「まあ、ラオが十分な距離に近づいてきたら撃つか」

 

「それにしても、何でラオシャンロンは砦を襲撃してくるんだろうな」

 

「うーん。いろんな説があったはずだぞ。でも、襲撃じゃなくてただ縄張りを徘徊しているだけとか、何かから逃げているとかいろいろ言われているな」

 

「ふーん。何かねぇ。あんな山みたいにデカいやつが逃げる必要のあるものなんているのか?」

 

「とある御伽噺と関係があるという噂があるけど、実際はどうかわからないな。あくまで噂は噂だからねえ」

 

「やっぱ。お前はそういうのに詳しいよな。そんな情報どこで仕入れてくるんだ?」

 

「読書とその他いろいろ?」

 

「なんで疑問形なんだよ」

 

「おっ!もうそろそろいいじゃないか巨龍砲」

 

「おい。人の話を聞け!」

 

「おら!発射ああああああ!」

 

スイッチをカツンと叩く。

巨龍砲に凄まじいエネルギーが蓄積される。

巨龍砲はラオシャンロンとはいかないまでも並みの超大型モンスターに匹敵するサイズ。

それ程巨大な大砲がエネルギーを溜める様子はオストガロアのあのビームを思い出させる。

そして、溜められたエネルギーは放物線を描きラオシャンロンに着弾する。

さっきのタル爆バリケードよりも巨大な、立ち上がっているラオシャンロンを包み込む程の爆発が発生する。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアア!」

 

「こうかは ばつぐんだ!きゅうしょにあたった!」

 

「お前は何を言っているんだ」

 

「よし、とりあえずいい感じに行ってるな。このまま何事もなく進むといいのだが」

 

「おい。さっきから人の話を無視すんじゃねえ!」

 

「よし、大砲の弾はちゃんと入っているか。お前は隙を見つけ次第バリスタと大砲で攻撃してくれ、俺は弾の補充係となろう。いてっ!」

 

「ふざけるのもいい加減にしろよ。殴るぞ」

 

「殴ってから言われましても」

 

狩りには全く支障はないが地味に痛い。

たぶん調節したんだろう。

 

「ん?おい、あれ」

 

「なんだよ。俺は弾の補充に行くから、って。ん?」

 

「なんかラオシャンロンの様子がさっきと違う気がするんだが」

 

「え!もうエリア移動か早くない」

 

「どういうことだ」

 

「つまり、ここの砦の突破を諦めて向こうの本砦の方に向かっているってこと」

 

「なるほどな。それで早いってどういう意味だ?」

 

「えっと。まあ、聞いたり読んだりしたのよりも早かったからかな。もっとこう前衛砦も攻撃を食らってからやっと移動したみたいな感じだったからさあ」

 

「まあ、そういうことにしといてやるよ」

 

いつも、こうぼろを出しかけたときに深く詮索しないでくれて感謝。

なんか変な風に勘違いされてるかもしれないけど、いつかほんとの事話したいな。

 

「それじゃあ。ラオシャンロンを追ってエリア2に向かえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大砲準備よーし。おっ!奴が見えてきたな」

 

やっぱり双眼鏡っていいよな。

 

カツン!

 

「あ、待ってよ。さっきもそれやったじゃん。ねえ。ああああああああああああああ!」

 

「自分で歩け」

 

無情にも大砲は移動していく。もう既に届かない距離。

 

「もしかして、まだ、例のからあげの事根に持ってるのおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

くそう、地味に遠いんだからな!

 

 

バリスタを2、3発撃って即離れる。

梯子を上っている途中横目でバリスタ台が破壊されるのが見えた。

 

自分がもしあそこに居たらって思うと…………考えるのはやめよう。

 

「よし、それじゃあ次はっと」

 

「どうするんだ」

 

「まあ、とりあえず来るべき時が来るまでつり橋で待機だな」

 

 

 

 

「それで、つり橋で待ってるけど、何をするんだ?」

 

「まだ、まだだー」

 

「おい!」

 

「よし、今だ行くぞ。のりこめー!」

 

「え!ちょっと。おい!ふざけるな!」

 

すた。ラオシャンロンの背中に着地成功。

 

「よし、無事だな」

 

「精神的に無事じゃねえよ」

 

「あれ?対巨龍爆弾は?」

 

「なんだよそれ?」

 

「ほらあれだよ、支給品の中に入ってた黄色いデカいやつ」

 

「それなら置きっぱなしじゃなかったか?」

 

「「………………」」

 

〖ああもうほんとになんでこんな目に、〗

 

「ん?お前なんか行ったか?」

 

「え?いや何も。ああ、なんで俺はさっきベースキャンプに戻った時に気付かなかったんだ」

 

〖あいつから逃げてるだけなのに〗

 

「ほら、なんか聞こえてんじゃん」

 

「ほんとだ。なんか聞こえてくる声みたいなのが」

 

「でも、お前はこんな声じゃねえよな」

 

「そうだな」

 

「でも、他に人はいねえよな」

 

「そうだな。もしやこれが噂の集団幻覚!」

 

「ちげえよ。そもそも、今の状況だったら幻聴だろ」

 

「おお、そうだな、すまない。じゃあ言いなお「さなくていいわ!」

 

「うう。何故だ?」

 

「当たり前だ!それよりもこの声はなんだ」

 

「はい、先生!」

 

「誰が先生だ誰が。それで、なんだ」

 

「この声に一つだけ心当たりがあるんだけどさあ」

 

「ほんとか?言ってみろ」

 

「えっとねえ。うおっと!」

 

「なんだ!」

 

「ラ、ラオシャンロンが立ち上がるぞおおおおおおおおおおお!」

 

やべえ、ラオの背中の上だってことすっかり忘れてた。

 

急いで飛び降りて着地成功したので怪我をせずに済んだみたいだ。

 

「危険が危なかった」

 

「大丈夫か?お前。それよりも、声の心当たりってなんだよ」

 

「おし答えてやろう。

 

ラオシャンロンさああああああああああああああああああああああああああん!

こちらの声届きますかあああああああああああああああああああああ!

 

「うるせえ!」

 

「ぐは、そ、そんな本気で殴らなくとも」

 

今度は手加減無で殴って来やがった。

 

「鼓膜が破れるかと思ったわ!耳元で叫ぶんじゃねえ!と言うかどうした。ラオシャンロンに話しかけようとして、とうとう、本当に頭おかしくなったのか」

 

「違う、違う。本当なんだって」

 

「はぁ。本当に頭が湧いてんじゃねえの」

 

「いや、だからさあ」

 

「モンスターが喋るわけないだろが」

 

それが一般的に常識だよな。

どう説明すればいいか。

 

〖誰かよんだ?今はあいつから逃げるのに忙しいんだ。早く逃げないとあいつに襲われるんだ。なんかあるし、爆発とかするしほんとろくなこと起きないよ〗

 

「へ?まじか」

 

「ほら。まあ、こんなペラペラしゃべるのは予想外だったけどさ」

 

「うーん。いまいち現状を理解できないんだが」

 

「とりあえず、止まってもらうように頼んでみよう」

 

「はあ、もうどうにでもなれだ」

 

ラオシャンロンさああああああああああああああああああん!

止まってくださあああああああああああああああああああああああああああああああああああい!

 

〖なんか聞こえるけど。どうでもいいや。もうほんと最近ろくな事が起きてないよ。最近まともに眠れてないしさ〗

 

お前の睡眠事情なんて知るか!

 

〖ああ、もうまたなんかあるし、さっきはなんか痛いのが飛んできたから諦めたけど。ここはさっきあったやつないし、壊して進もう。早く逃げないと襲われる〗

 

「おい。ラオシャンロンが砦破壊を宣言したぞ。やばくないか」

 

「やばいな。こっちの声は聞こえているが届いてないみたいだし。まずは、大砲のとこまで行こう」

 

急いで梯子を登りながら、話し合う。

 

「あいつの話を聞いてる限りでは、少なくともまともな状態とは思えないな。古龍とまともな会話が成立するかはともかくなんとか落ち着かせれば話を聞いて貰えるかもしれねえな」

 

「なんとか落ち着かせる?それは名案だな」

 

「でも、あれを落ち着かせる手段なんてあるのか?ひとまず、大砲のところに着いたが撃つか?」

 

「ファイア!うーん、確かになそれがなあ。いや待てよ。ある。ラオを落ち着かせるかもしれないものが!」

 

「ほんとか。あ!、怯んだぞ」

 

「ガアアアアアアアアアア!〖なんか背中が痛い。早く壊して進まないと〗

 

ラオシャンロンは砦に勢いよくタックルをする。ズドン!と音がし、地面が少し揺れる。

まだまだ、大丈夫そうだがいつまで持つのかわからない。

 

「ただ、破壊意欲を上げただけだったな」

 

「……そうだな。それよりも、その方法ってなんだ。確実にやれるものなんだろうな」

 

「まあ、落ち着かせれるかはわからんが、確実にやれるな」

 

〖早くぶっ壊れろ!〗

 

「……訂正。確実にやれるかわからん」

 

「ん?もしかして、アレを使うつもりか?」

 

「ああ、アレだぜ」

 

「それじゃあ早く乗れ使えなくなる前にな」

 

「さすがに置いてかんか」

 

カツン!

 

「さて、さっきので壊れてないことを祈るか」

 

「そうだな。俺は単発式拘束弾でラオシャンロンを拘束する。後は頼むぜ」

 

「おう!まかせとけ」

 

それぞれの持ち場に着いたその時。

ラオシャンロンが丁度タックルをしてきた。

 

「よし、今だ!」

 

「わかってるよ!おら!」

 

シセラスが単発式拘束弾を撃つラオシャンロンのタックルが当たるか当たらないかの瀬戸際でギリギリ拘束に成功する。

 

「これで、頭を冷やしやがれ!」

 

そう叫ぶと同時にピッケルで撃龍槍のスイッチを叩く。

勢いよくでる4つの巨槍はラオシャンロンの体にぶち当たり、もろに食らったラオシャンロンはバランスを崩し倒れ込む。

 

急いで降りてラオシャンロンの顔の前に移動する。

 

落ち着いたかあああああああああああ!

 

〖う、う~ん。あれ?君たちは誰、ああ!早く逃げないと〗

 

「だから落ち着けって。さっきから逃げないとって言ってるけどどうしたんだ」

 

〖黒い、やつから逃げないと。だから進ませてよ!〗

 

「いや、それはできない」

 

〖なんでだよ!〗

 

「この先には町。ああ、俺らの仲間がたくさん住んでるところがあるんだ。だからこの先に進まれると凄く困る」

 

〖な、なるほど。ごめんよ〗

 

「まあ、いいってそれは」

 

〖じゃあ僕はどうすればいいの?〗

 

「えっと確かあっちの方から迂回していけば大丈夫だと思うよ。俺らの仲間は住んでなかったと思うから」

 

〖ありがとう。感謝する〗

 

「別にいいよ。それよりも、一つ聞いていいか?」

 

〖いいよ。でも、手短にお願いね〗

 

「ああ、わかってるよ。お前を襲おうとした奴ってどんな奴なんだ?別に言いたくないんだったら別にいいが」

 

〖大丈夫だよ。黒くておかっないやつなんだ。こっちが嫌だ嫌いだって言っても付きまとってきて、最近は襲ってこようとしたんだ〗

 

「それは災難だったな。とりあえず、達者でな」

 

〖それじゃあ。君たちもね〗

 

 

よし、これで撃退成功だな。

 

「はあ、それにしてもラオシャンロンが喋るとはなあ。と言うかお前は知ってたのか?」

 

「まあ、今まで何回かこういうことあったしね。ラオシャンロンは初めてだけど」

 

「そうか、古龍種か?」

 

「まあ、そうだな」

 

「ふーん。俺は古龍種に会うのは初めてだからな」

 

「そうなのか」

 

「そういえば、ラオシャンロンを追いかけてる奴の正体はわかったのか?何か色々と聞いてたが」

 

「まあな」

 

「どんな奴なんだそいつは?」

 

「そうだな。そいつを表すとしたら

 

    黒き伝説

 

かな?」




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
まあ、今回はギリギリセーフかな?
とりあえず、相変わらず忙しかったり、魔境の森に隣接している村に泳ぎに行ったり、同じことを繰り返すだけのゲームをやってたりといろいろあったんですよ。
とりあえず、今回ラオシャンロンのロケハンを手伝ってくれた友達にはこの場を借りてお礼申し上げます。

なんか、知らない人が多そうな作中で解説してない固有名詞を解説します。
覚えてる範囲内でです。はい。ごめんなさい。

集会酒場
・mhxxのG級のクエを受けれるところ。
ゲームの主人公はG級になるまで入れないけどマスターの話によると、ヒヨッ子から一騎当千まで大勢いるそうなので、もしかしたら下位からでも(世界観的には)入れるのかもしれない。
まあ、ただ単にG級ハンターの中でヒヨッ子なだけかもしれないけど。

それじゃあ、次は早めに上げるので皆さんそのつもりで、
あっ!この後続きますけど、長くなりそうなんで、時間がない人めんどくさい人はここまで。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼








はい。それでは恒例?の名前の元ネタ解説。

シセラス
今回はいい感じの花の名前がなかったので、とりあえず適当にまあ、
夕顔って花の学名をいい感じに一部切り取って合体させたものなんですよ。
いい感じになってますか?今回は半分くらいオリジナルなので自分の死んでるネーミングセンスで付けて変な感じになってませんか。
とりあえず、これダメだなって意見が多かったら変えます。
ちなみに夕顔の学名はLagenaria siceraria var. hispidaです。
え?読めない?グーグルせんせいに聞きなさい。さすれば道は開かれん。
はい。ちゃんと解説?します。
最初から順にラゲナリア シセラリア(本来はシチェラリアの方が正しい気がするけど自分はこう聞こえた。こう聞こえたんだ!) バア. ヒスピダ
ちなみに言語はラテン語です。
でも、一パーツごとにグーグルせんせーに聞くとわかるんですが一部英語判定されてたりします。これはアタリハンテイ力学のせい?冗談です。
それから、~顔と聞くとこいつは朝顔のナカーマだと思う人がいるかもしれませんが、違います。
朝顔はヒルガオ科サツマイモ属で(これを聞いて、え?てなりました。ヒルガオ科だと言うことは前々から知ってたけどサツマイモ属だったとは)夕顔はウリ科・ユウガオ属です。ひょうたんに似ている実を付けます(見た目が似ているだけで中身とかは全く違います)
あと、花言葉は「罪深い人」「罪」「逆境を克服する力」「夜の思い出」
「はかない恋」「魅惑の人」などです。
それらの花言葉が由来になりました。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

2/27追記:あとがき書きました。
4/9追記:今更なんだけど二つ以外にも後半の方も割と関係ない。
どうして、自分はこう言ったんだろう?




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第十二話 始まりの音色は奇跡によって紡がれる

あれから、結構な月日が経った。

とりあえず、色々あったよ色々と。

ありすぎて、一つ一つ詳しく語り過ぎると何年かかるかわかったもんじゃない。

それは、言い過ぎかな?

まあ、とりあえず、主に何があったかと言うとね。

バルファルク=サンと再会した。

ゲームでは、G4に上がるための緊急クエストがバルファルクだったから再開するかもと思ってたけど何事もゲーム道理に行くわけがないからなーと思いなおした矢先にこれだよ!神さま運命操作してません?(出来るわけがない)。

ちなみに戦いの結果は痛み分け、でいいのかなー?

正直生かされている感が半端ないんだよな。

うーん。まあ、ここはバルファルク=サンに素直に感謝をしよう。

あと、謎の巨大物体の正体を掴み、倒しました。

とりあえず、俺は正体を知っていたので驚かなかったけどシセラスの驚き様を見て大笑いした。

いや、いつもそこまで驚きとか出さないやつが(怒りはよく出すけど)驚くところを見て笑わないはずないじゃん。

と言っても戦いが終わってからだけどね。

それから、いろんなモンスターと戦った(主に二つ名)。

黒炎王シリーズを強化したり、色々武器を強化したり作ったりした。

それとね。

あの時ラオシャンロンから聞いた。

あいつの存在。

前から少しは調べていたが結局よくわからずじまいだった。

諦めかけていたが、ラオシャンロンのおかげで本腰を入れて調査を再開した。

 

でも、やっぱりわからなかった。G級になりギルドからも信頼されてかなーり閲覧できる書物とかが増えたとは言え流石にまだ規制されてるのかねえ。

うーん。院長さんに直談判しに行こうかな。

 

バキ!

 

「入るぞー」

 

シセラスあいつ、またやりやがったな。

ちなみに防具はゼクスⅩから青電主、ライゼクスの二つ名(二つ名の中でも最強クラス)から作られた防具に変えている。

相変わらず武器はクソ松ぼ、ゲフンゲフンセルレギオスのスラアクを強化した乱叛伐斧アルダバランを使っている。

 

「また、人の家の扉を蹴り壊して入ってくるんじゃねえ!」

 

「いや、空いてなかったからな」

 

ちゃんと、事前に連絡かノックすればカギは開けるよ。

一回無視したことあるけど。

 

「それしか答えないのか!それで、今日はなんでここにきた?」

 

「どうせお前今日暇だろ。家で一人でゴロゴロしてるくらいだったら、別にいいだろ」

 

確かに今日狩り行かない予定だけどさー。

 

「暇じゃありません。ちゃんと予定がありますー」

 

「そうか、それは済まなかったな。そんで、その予定とやらはなんだ?」

 

「アネモネの世話だ!」

 

そう言うとシセラスは呆れた顔をした、何故だ?

 

「…………そんな事だろうと思ったぜ。あの植物か、水やりか、なんかか?直ぐに終わるだろ」

 

「いや、雨が降ったからしなくてもいい、室内の方もさっきやった」

 

「それじゃあなんだ。肥料でもやるのか?」

 

「肥料はやみくもにやっても、逆に植物に悪影響を与えるんだ」

 

「は、はあ。それじゃあ何をするんだ」

 

「愛を注ぐ」

 

自信満々に言い放つ。

 

「…………」

 

無言で殴られる。何故だ?

 

「はあ、お前はブレねえな」

 

「だろう」

 

それからシセラスと過ごした。

昼にからあげいる?と聞いたら、殺害予告されたくらいしか特筆することがなかったな。

ちなみに夜になってあいつは帰ってた。

もちろん、夜飯を食って。

と言うより狩りに出掛けた、どうやら特定時間帯しか狩れないやつの依頼を受けたらしい。

突然の訪問はその暇つぶしだったようだ。

まあ、基本的に訪問は突然にだけどな。

 

 

「ふあぁ」

 

今日はもう寝よう。

 

「お休み」

 

 

 

 

 

 

「よくん寝た」

 

さてと、今日は集会酒場行ってなんかいい感じのクエストが無いか探すか。

その前に、

 

「アネモネの世話をしてから行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう、今日も賑わってるねえ。

おや、あそこに居るのは?

 

「おっ、シラセスじゃん。クエストどうだった」

 

まあ、聞かなくても何飲んでるか見ればわかるんだけどね。

今回もココアか、どうやらクエストは成功したみたいだな。

ちなみに失敗してたら、コーヒーを飲んでいる。

クエストに行く前に飲む時よりペースが悪いから見分けるのは簡単だったりする。

ちなみに、この二つで、一番好きな飲み物はココアらしいぞ。

 

「どうやら、成功したみたいだな」

 

「まあな。それで、そっちは今からか?」

 

「そうだよ!一緒に行こう!」

 

「断る。今日は休みにする予定だからな。緊急クエストでも、出ねえ限りは狩りにはいかねえよ」

 

「それなら仕方ない」

 

パーティーを組んでいるわけではないからな。

しょうがない。

それに、今すぐにどうしても金が要る状況ではないので高難易度のクエストを受けるわけじゃないからな。

 

「うーん。いいクエストないかな」

 

出来れば採取系でお願いします。

ただし、運搬お前はダメだ。

 

「クエストを探しているのなら、ちょうど頼みたい依頼があるけどどうかしら?」

 

「あ、マスターさん。どうも。それで、頼みたい依頼って何でしょうか?」

 

いろんな実績をたてたから、結構実力を信頼されて、こうやって緊急クエストとは別で直接クエストを依頼されることもある。

もちろん、そのクエストは高難易度のものが多い。

もしくは、機密性の高いものかな。

 

「実は今、フォンロンのバデュバトム樹海付近にある塔で異常事態が発生しているらしいの」

 

ほー。塔ねえ。

 

「強力なモンスターが出現する可能性が高い場所を研究員などが調べるわけにもいかないでしょう。

そこで、ハンターに塔の異常の調査の依頼が来たってわけ。

別に原因を解明しろってわけではないわ、何か糸口になるものを見つけてくれるだけでも構わない。

もちろん、解決しちゃってもいいけどね。

どう?受けてくれる」

 

うーん。調査か、もちろん受けてもいいけどねえ。

何があるか分からないのが不安なんだよな。

でも、塔で異常か、まさかね?

よし、決めた。

 

「受けます」

 

何が起きてるのか気になるからね。

 

「フフッ、そう言うと思ってたわ。準備ができ次第出発してもらえる?」

 

「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと」

 

武器は何にしようか。

何が出てくるかわからないから。

属性武器は論外、無属性武器はもともと論外。

というか、持ってない。

と、なると異常状態属性武器しかないな。

えっと、睡眠は、爆弾でも、持ち込まないとあんまり意味無いから没。

麻痺は、何か出てきたときに足止めは出来るが、うーん。

セクトドスベルデにしようかな。

でもなー。

やっぱ、ここは攻撃重視で爆破武器の真滅閃カシオヴァにしよう。

攻撃は最大が防御って言う名セリフがあるしね。

 

「よし、武器は決まったな。あとアイテムは」

 

まあ、適当に肉焼きセットとキノコとこやし玉と調合書とその他もろもろ入れとけばいいだろ。

 

「それから、最後に室内に置いてるアネモネを外に出すか」

 

何日も留守にする可能性があるからな。

その間水やりできないからな。

 

「それじゃあ、行きますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても塔で異常ねえ」

 

さっきも思ったけど、まさか。

やっぱり、あり得ないか。

どうせ、ドス古龍とかだろう(ヤマツカミも含む)。

あ、それだったら爆破効かない確率が高いじゃん。

…………まあ、テスカト科とかじゃないことを全力で祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塔に到着。

といっても、ベースキャンプは塔から、そこそこ離れた場所にあるからな。

何故ギルドはここに設置したのだろうか?

まあ、周りの景色綺麗だからいいんだけどさ。

滝が流れてて古代の遺跡感がむっちゃ出てるのがさ。

さてと、気を引き締めて調査開始!

 

ベースキャンプから出発し、少し開けた場所に出る。

相変わらず少し離れた場所に見える塔が綺麗だ。

高台に建っているのがいい感じの雰囲気を出してる。

高台は一部が人工的に造られたとしか思えないような形をしており、柱のようなものが支えている。

その光景がいにしえの暮らしを想像させる。

調査そっちのけで目の前に広がる景色を鑑賞していると、ふと、違和感が。

前にも何回か来たことがあるから、大きく何かが変わっていたら直ぐに気付くはずだけれど。

うーん。

ためしに耳を澄ますと、聞こえてくるのは流れる水の音、そして吹き荒ぶ風の音のみ。

そうか、わかったぞ!

アプトノスの群れがいないんだ。

いつもならここで食事をしたりくつろいでいたりするのだが、その姿が全く見えない。

まあ、あいつらは臆病な性格だから、なんか感知して逃げたんだろう。

 

とりあえず、塔に行くか

 

そう思いがある塔へと続く道を登る。

石畳でこれも雰囲気があっていい。

そして、登り切って一言。

おかしい。

カブラスが全くいない。

いつもなら、特に古龍種がいるのならうざいくらいに湧くはずなのに。

これは、本格的に気を引き締めていかないとな。

塔の内部に入る。ここはいつもなら大雷光中で溢れかえっているのだが、普通の虫の一匹すらいない。

やはりおかしい。

周りの様子を注意深く観察しながら進んでいく。

いつもなら、カブラスやギアノスが騒がしいエリアですらいない。

それどころか、不気味なほどに何もいない。

まるで、何かに怯えて逃げていったように。

もしくは、

 

「本当に、もしかしたら」

 

そう呟いていた時には足の進みは速くなっていた。

頂上に向かって進むに連れて何かを感じる。

よくわからない。言葉にできないけれど。

でも、何故か嫌な感じはしない。

 

 

頂上につく一歩手前のエリア。

よくわからない感覚はどんなに非科学的なものを信じない人でも信じざるをえない程に高まっている。

確実に何かがある。

そして、その何かはこの異常を引き起こした原因。

恐らく、ここで引き返してもいいと思う。

今は一人、先には何があるかわからない。

命あっての物種だ。

誰もとがめることはしないだろう。

むしろ、このことを報告してパーティーを組んでからもう一度来た方がいいのかもしれない。

得体の知れないことに対する恐怖はある。

でも、それ以上にここで引き返したら凄く後悔すると思うんだ。

 

「だから、たとえこの先どんなことが待ち構えていようとも絶対に後悔はしない!」

 

進もうとすると。

手が、足が震える。

これは恐怖からじゃない。

武者震いだ。

わからない感覚とは別に何かが体の中から湧いてくる。

これは恐怖じゃない。

未知のものに対する好奇心だ。

 

 

さあ、行くぞ。勇気を持って。

 

進んだ先に待っていたのは、想像はしたけど、思わなかったもので、

その時、自分は今まで感じたことのない程の驚きと喜びととにかくいろんな感情が押し寄せてきて、冷静なんてかけらもなくなった状態だった。

だからあんなことが出来たんだろうな。

我ながら本当にやらかしたなと。それと同時によくやったと。

俺はこの日のこと、そしてそれからの数日間の出来事を決して忘れない。

だってさ、――――と初めて会った日だから。

そして、俺はこの時のをもし、《彼女》に聞かれたその時はこう答えるだろう。

偶然が重なりましたがあなたに、会いに来ましたってね。

 

 

 

 

第0章―完―




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
はい!0章がやっと終わりました。
第一話投稿から約3か月以上かかりました。
いやー長かった。
2回くらい(いや、もっとか)更新が遅かった時があったかので、そのせいなんでしょうけど。
なんか最終回みたいなノリで話しているような気がしますがもちろんそんな事ないですからね。
やっとスタートラインに立てたそんな感じです。
モンハンもポケモンもラスボス倒してからが本番だから。
ちなみに、謎の巨大物体の正体についてですがあえて触れません。
約2年前のゲームで結構ネット上にバンバン情報出てますが、一応ラスボスなのでね。
それに、あえて出す理由がないですしね。
もし、mhxxを知らない人で気になるという人がいたら。
mhxxを買ってプレイするか。
調べるかしてください。(丸投げは基本)
はい。ごめんなさい。
でも、出す必要のないやつを無理に出すか?ってことですよ(本当はちゃんと説明しようと思ったんですけど、語彙力がなくて無理でした。すみません。でも、あいつ専用の話は書くつもりがありませんのでご了承ください。)

あと、アネモネの話なんですが実際に栽培されている方ああいう感じでいいですかね?
もし、何か致命的な間違いをしているのなら教えて下さい。お願いします。
一応調べたのですが不安で。
これを読んでお前こんだけアネモネの話をしておいて育ててないんかい!
と思いましたよね?
はい、育ててません。
ちゃんと育てようとしましたよちゃんと買ったんですよアネモネの球根。
でも、植えるのを忘れたんですよ。
そしてそのまま時期は過ぎてしまったのですよ。
今年こそはちゃんとアネモネを育てたい!
ちなみに今のくらいの時期にアネモネは咲いてます。
綺麗ですよ~。
それと、結構人気の花ですのでもしかしたら知らないって人でも見たことあるかもしれません。

少し長くなってしまいました。
ごめんなさい。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼



7/3:追記
今更ですが、主人公が持っていった武器の名前を書きました。




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第1章:あなたに捧げる花一華
第十三話 えっと?あのー、そのー…………はい?


何時からだろうか、こんな風になったのは。

何時からだろうか、

 

「ああああああああ!助けて、く、れ……」

 

自分が敵わないと悟ると助けを乞うてくる。

でも、

助けてくれも何もあなたたちから、攻撃してきたのでしょう?

雷を降らせ黙らせる。

 

「くそがあ!この化け物があああああああ!」

 

仲間がやられたからか、そう言って半狂乱になって斬りかかってくる者を雷を纏い殴り飛ばす。

 

「―!」

 

断末魔を上げる間もなく一撃で葬っていく。

 

ごめんなさい。ごめんなさい。

でもね、私だって黙ってやられるわけにはいかない。

みんながいるから。

ごめんなさい。

 

何時からだろうか、こんな風に言い訳するようになったのは。

 

本当に何時からだろうか、

 

この世界に希望を持つことを止めたのは。

 

私だって最初は攻撃なんてしたくなかった。

でも……、

 

 

 

 

 

塔からを見下ろせばそこは雲海が広がっていて、その隙間から地上の景色が見える。

綺麗、そう思えど感動はしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希望にあふれていたあの時。

願えば何でもかなう。みんな幸せになれるってそう信じて疑っていなかった。

だから、人と古龍種や飛竜種(私たち)は仲良く出来る。

そんな、ことを考えていた。

今思えばあの時の私はなんて愚かで世間知らずで

 

 

幸せだったんだろうか。

 

 

 

私がそんな夢を見なくなったのは何時からだろうか、どれくらい前からだっけ?

もう、覚えていないや。

凄く前のことのはず何のに、でも記憶は鮮明であの感覚と衝撃は忘れはしない。

 

私の希望が薄れ始めた日、

私が期待を止め始めた日、

 

あの日もこの景色を見ていたっけ?

でも、その時はもう何度目かわからないくらい見ていたのに感動していたっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

その者たちは突然現れた、私が聞いたこのある姿とはかけ離れていたがその特徴から人だと判断した。

 

お互いに予期せぬ出会いであったようで何をするでもなくただ立ち竦んでいた。

 

しばらくたった後、その者たちは何やら集まって話し始めた。

どんな、事を話しているのだろう。

仲良くなれるかな?

確か言葉は通じるって聞いたし、大丈夫だよね。

 

おっ!話し終わったみたい。

さて、どうするのかな?

 

1人がこちらに歩いてくる。

もしかして、話しをしてくれるのかな?

 

しかし、そんな希望は直ぐに打ち砕かれることとなる。

 

近づいて来た人は背中に背負っているものを手に持ち。

 

こちらに突然斬りかかってきた。

 

えっ!なぜ⁉

 

そう疑問に思う間もなく今度は後ろにいる3人が、一人は縦に細長い棒、もう2人は筒?みたいなものを構え、

それぞれから、棒状の細長いものと、石みたいなのが飛んでくる。

 

カキン!

 

「なんだこいつ!」

 

攻撃をはじかれ大きくのけぞのる。

 

バキ!

 

棒状のものは当たった瞬間砕け散り、石みたいなものははじかれる。

 

「は?」

 

うう、痛い。

 

「キュウ」

 

いきなり、どうして。

なんで?

 

突然攻撃されたことに困惑し、反撃するでもなく、戸惑うだけ。

その様子を見た四人組は、

 

「はじかれただけで、攻撃はきいているのか?」

 

「反撃はしてこないな」

 

「よし、お前離れろ、拡散弾を使うぞ」

 

攻め方を変えるようだ。

 

え!なに?今度は何をするの?

 

また2人が、筒みたいなものみたいなものを構え先ほどとは違う何がが飛んでくる。

それを避けようとするが、慌てすぎて思っていた方とは逆、つまり自ら当たりに行ってしまう。

当たった瞬間にそれは、なにかをぶちまけ、ぶちまけられたものは、すぐさま爆発する。

 

「キュウ!」

 

さっきよりも、痛い。

驚きのあまり、思わずひるんでしまう。

 

「おお!効いてるぞ!」

 

「よし、次だ」

 

「削り切れるか?」

 

そして、もう一度筒を構えなおし、先ほどと同じものが飛んでくる。

 

え!またなの?

 

次はしかっりと回避するがまた飛んでくる。

それを避け続けていたら今度は細長い棒状のものが飛んできた。

私の移動先を読まれているかの如く飛んでくる。

それを避けようとしたら今度は石みたいなのが当たり、それを避けようとしたら棒状のものが当たる。

どうすればいいのかわからなくなり、身動きが取れなくなっているときも、容赦なく攻撃される。

 

あ、うう。

どうすればいいの?

私は攻撃してないよ。

なんで攻撃するの?

痛い。怖い。

 

「こいつ、全然反撃してこねえな」

 

「そうだな。おまけに素材が高く売れそうだな」

 

どうして。どうしてなの?

 

「それにしても、耐えるな」

 

「このまま、死ねぇ!」

 

もう、もう、がまんできない!

 

「キュウーーーーーーーーーーー!」

 

痛いのはもうやめて!

 

「なんだ。突然叫び出したぞ!」

 

「何をしてくるん、だ……」

 

私が叫ぶと空から赤い稲妻が降り注ぎ、それに当たったものは一撃で消し飛んだ。

 

「なんだと!」

 

「そんな」

 

突然仲間がやられ、慌てだす。

 

「クソが!」

 

そしてそれは怒りに変わり。

その矛先は私に向く。

 

先ほど、はじかれたことを忘れたかのように勢いよく斬りかかってくる剣士。

より一層弾を込めて撃ってくるボウガン。

 

うう、怖い、怖い。

ああ、痛いのはいやだ!

 

視界が紅に染まる。

 

 

それから先の記憶はあまりない。

ただ、覚えているのは私がその人たちを殺したということ。

その事実だけは記憶に焼き付いている。

 

 

 

 

それからだ。

時々、人が現れるようになったのは、

そのたびに今度は分かり合えるんじゃないかと期待して、そのたびに裏切られて。

もしかしたらって思うけど。

結局いつも同じ、絶対に無理なのかな。

 

人と龍は相いれない。

 

そう言われ続けて、それを否定し続けて、

でも、もう諦めようかな。

あと、一回。

それで、終わりにしよう。

 

久々に塔に戻って来た。

相変わらず綺麗な景色。

はあ。

だけれど、それを見て出るのはため息だけ。

この景色を見るのが好きで来ているはずなのに。

 

なにかこちらに近づいてくる。

恐らく、人だろう。

あそこを使って私のところに来るのは人しかいないから。

正直、人が来ても期待はしない。

あと一回とは思ったものの過度な期待はこれ以上しない。

もう、疲れたから。

でも、こちらからは攻撃しない。

それが私の出来ること(言い訳)だから。

 

その、ものは赤と黒の物を身に纏っている。

大きな板や棒、筒のような物は見えないが恐らく武器は持っているだろう。

いままでのものがそうであったように。

 

どうやら、一人らしい。

珍しい。いつもは最低でも2人以上なのに。

 

立ち止まってこちらを見ている。

驚いているようだ。

いつも通り。

 

そして、こちらに近づいてくる。

今のところこちらに攻撃する様子は見られないけど、

そんなこと何回もあった。

それでも結局……。

 

ある程度こちらから距離を開けて止まる。

さて、どうするの?

そう思って、何をされてもいいように構えていると、いきなり。

 

「祖龍、祖龍ミラルーツ様ですよね?」

 

え?

 

話しかけてきた。

 

なにこれ聞いてない。

えっと、でもちゃんと聞かれたからには答えないといけないよね?

 

〖は、ひゃい。そ、そうれすけど!〗

 

うう、緊張して、

今までこんな事なかったよぉ。

 

「やはり、そうでしたか。ところで近づいてもよろしいでしょうか?」

 

?、なんでそんなことをきくの?

なに、なにかのいんぼう?

 

「あ、さすがに武器をもって近づくのは失礼ですよね」

 

黙っていたわたしのようすをぶきを携帯していたからとかんちがいしたらしい。

そんなことないけど、

 

〖べつに!だ、大丈夫でしゅ!〗

 

うう、はずかしいよ。

 

「ありがとうございます」

 

そう言って腰を綺麗に曲げて礼をしている。

 

ち、近づいてきたー。

 

少しだけ距離を置いてるけど、これ武器のまわいだよね。

け、警戒しないと!

 

頭に纏っていたものを外して

こちらを見てくる。

 

ひい、凄く緊張してきた。

けど、なんだか怖くない視線。

なんだろうこの感じ、不思議な感じだけど全く怖くない。

でも、警戒しないと、もしかしたら精神攻撃かもしれない!

 

「あなた様に言いたいことがあります」

 

私は気を引き締めた。

何を言って来るんだろう。

怒り、恨み、今まで私がしてきたことは仕方ないとはいえ。

彼らにとってはそういわれてもおかしくはない。

 

これから言われることに対して決意を固めていると。

 

彼も言う決意が固まったようだ。

こちらを真っすぐ見据えて、今までの人たちからは見たことのない表情で

 

「好きです。結婚して下さい」

 

思考が止まった。

全く予想だにしていないことが、飛んできた。

 

えっと?あのー、そのー…………はい?

 

チョットマッテ!

 

 

その後、最低限復旧するのには一時間くらいかかったとか。

 

 

 

「混乱しているルーツ様も美しいなぁ」

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。
第一章突入!
「やっときたか!」「おそい!」「きた!ヒロインきた!」「メインヒロインきた!」「これで勝つる!」
みたいな状況ですね。

いや、ほんとこれで脱タイトル詐欺。
ですよ。

さて、これからどうなっていくのでしょうか?


それでは最後にミラルーツ様万歳‼


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第十四話 北風が吹く塔で俺は思った。銀陽よ早よ沈めえ!

「大丈夫ですか?」

 

〖ええ、はい!大丈夫でしゅ〗

 

うん、大丈夫落ち着いた。

えっとつまり、彼は私と結婚したいってことだよね。

 

ん?結婚?

 

血痕、けっこん、ケッコン、kekkon。

 

…………へ?

 

〖結婚って、あの結婚ですか⁉〗

 

「あのって、恐らくはご想像の通りかと」

 

 

あうう。

どうしよう。これってプ、プロポーズって、ことだよね?

 

え!私、人からプロポーズされたの。

 

どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

ちゃんと答えなきゃいけないよね。

えっと、えっと、えっと、えっと、えっと、えっと。

 

そうだ!

 

「えっと、突然こんなこと言って失礼ですよね。

ですから、〖あの!すみません〗はい?」

 

わざわざ、一人で考える必要なんてないよね。

 

〖少し、少しだけ待っていただけませんか?〗

 

「はい。もちろん待ちますよ」

 

〖ありがとうございます!必ず戻ってきます!〗

 

とりあえず、ボレアスちゃんに相談しに行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーツ様が行ってしまわれた。

飛び立つ姿も美しい。

 

うん、そんな事よりも

 

や ら か し た。

 

いや、だってさあしょうがないじゃん。

だってねえ。ルーツ様だよ。

まあ、とりあえず、いきなり攻撃してくるとかじゃなくてよかったけどさ。

むしろ、こちらの話にちゃんと耳を傾けて下さる。

慈悲深いお方であらせられたわけなんですけども。

 

うーん。いきなり結婚申し込むのは自分でも少し冷静になってないなーと思って、訂正というか、話し合いをしようと思ったんだけど。

これ、嫌われたかな?

でも、あの様子からして、一旦冷静になりに行ったのかな?

どうしようか。

まあ、とりあえず飯でも食うか。

もう、時間いい感じだし。

何かあるかもと思って持ってきてよかったこんがり肉。

 

「たなつもの 百の木草も 天照す 日の大神の 恵み得てこそ。さて、いただきます」

 

そうして、俺がこんがり肉にかぶりつこうとした瞬間、突然辺りが暗くなる。

 

ん?どうした?

 

そう思い空を見上げると、

 

 

太陽が二つあった。

片方は銀色ですね。

 

はい。

 

その太陽(リオレウス希少種)は着地し、こちらを見ている。

 

もしかして、お腹空いているのかな。

試しに聞いてみる。

 

「どうだい?君も食べる」

 

「がう」

 

首を傾げた。

通じてないのかもしれない。

 

よし、それなら。

 

「If you are hungry, will you eat kongariniku together?」

 

これでどうだ。

リオレウス希少種はこちらをまじまじと見た後、

 

「があああああああああああああああああああああああ!」

 

咆哮し、

 

「うお!あぶねえ!」

 

リオレウス希少種はバックジャンプブレスを繰り出してきた。

 

どうやら、お気に召さなかったらしい。

さて、どうしようか?

 

片手剣を構えリオレウス希少種を見据えて考える。

 

 

俺の昼飯を邪魔した事後悔してやるうううううううううううううううううううううううううううううううう!

 

いざ、開戦!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、祖龍は、空にはよくわからない黒い渦がみえ。全く人気のない完全に廃墟と化した城。

シュレイド城に来ていた。

 

 

 

〖ちょっと、ボレアスちゃん!聞いて!聞いて!〗

 

〖何にかあったの?また、人にやられたの?〗

 

そう答えたのは。

ミラルーツと似ているが色は正反対の全てを飲み込むような《黒》。

目は水晶のようで見たものを狂気に落としてしまいそうな雰囲気を放っている。

御伽噺に語られる伝説の黒龍。

ミラボレアスである。

 

〖えっとね。そうだけど違うの。うん。やられたのだけどやられてないの?〗

 

うーん。攻撃はされてない。

でも、精神攻撃はされたけど。

 

〖うん。何を言ってるのかよくわからないから。とりあえず、落ち着いて〗

 

〖大丈夫!私は落ち着いてる!〗

 

何を言っているの?ボレアスちゃんは私はちゃんと落ち着いているよ。

 

〖そう言うのなら、まずはそわそわするのを止めなさい〗

 

〖うう、はい。だってぇ。いきなりあんなことされたら誰だってこうなるよ~〗

 

〖それで、一体何をされたの?〗

 

〖実はね、実はね〗

 

〖早く答えて〗

 

〖私、人に告白されたの〗

 

そう言うとボレアスちゃんは驚いたのかピン!となって。

 

〖…………その人間は頭が可笑しいんじゃないの。どんな考えをしたら私達に告白しようってことになるのよ。そもそも、姉様の勘違いってことはないの?〗

 

え!凄いボレアスちゃん私が聞いたときは理解するのに時間がかかったのにあっという間に理解しちゃうなんて。

 

〖それはないと思うよ。だって真っすぐにこっちを見て『好きです。結婚して下さい』って言ってきたもん〗

 

そう言うとボレアスちゃんは頭を押さえ何かぶつぶついっている。

どうしちゃったのかな?

 

〖大丈夫?〗

 

〖ええ、まあ。それでどう答えたの〗

 

〖まだ、答えてないよ〗

 

〖え!それじゃあ、なんでここに来たのよ?〗

 

〖えっと、ボレアスちゃんにどうすればいいのか相談にきたの〗

 

〖…………はあ、姉様はそう言う性格だったわね。それで、姉様はどうしたいの〗

 

〖え!どうしたいって〗

 

〖だから、〘規制されました〙するような関係になりたいのかそういう事よ〗

 

〖え!、え!その、それってどういう?〗

 

〖え?〘規制されました〙や〘規制されました〙とか〘規制されました〙をするってことじゃないの?〗

 

〖うう、そんな、あう〗

 

〖〘 と り あ え ず 、 全 て 規 制 さ れ ま し た 〙〗

 

〖――――――――――――――!!!!!!!(言葉にならない悲鳴)〗

 

プシユー。ボ!

 

〖あら、どうしちゃったのかしら?〗

 

ニヤニヤしているような雰囲気で、オーバーヒートして動かなくなった。祖龍を見るボレアス。

 

 

〖うう、うう、あう〗

 

 

しばらくたった後。

 

 

 

〖とりあえず、それは、姉様が決めることね。まあ、私だったら人間は論外ね。やっぱり、年上の龍が、じゅるり〗

 

最後の方は聞かなかったことにしよう。

そう言うのは個々の自由。うん。

 

〖えっと、ボレアスちゃん相談に付き合ってくれてありがとう?〗

 

〖どういたしまして〗

 

〖じゃあ、またね!〗

 

そう言って飛び去って行く祖龍を見ながら、ボレアスは一言。

 

〖私は早くラオを見つけないとね。次は絶対に逃がさない♪〗

 

 

どこかにいるラオシャンロンが突然悪寒がして身震いしたのは必然であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やあ!みんなこんにちは!シャゲお兄さんだよ。

今僕は何をしているのでしょうか。

さあ、みんなわかるかな?

 

「があ!」

 

外野から火球が飛んでくる。

それを、あっさかわす。

 

正解はね。

 

閃光玉縛りで銀レウスでした。

 

クソがあああああああああああああああ!

 

あいつ、俺が閃光玉等の対空手段持ってないと気付いた瞬間、ワールドツアーしかしてこねえんだけど。

まじでぶざけるな!

飛行なんて捨ててかかってこい。

かなぐり捨てやがれ!

 

毒爪強襲をさけてすれ違いざまに、

 

「おらあああああああ!」

 

ラウンドフォース。

 

「があう」

 

よしゃあ!撃墜成功!

 

食らえ!混沌の刃薬!

 

 

「でやあああああああああ!」

 

そのまま頭にブレイドダンス!

 

オラオラオラァ!

 

 

銀レウスが立ち上がった瞬間、混沌の刃薬に含まれる減気効果により銀レウスは眩暈を起こして倒れる。

それと同時に真滅閃カシオヴァの爆破属性が炸裂する。

 

爆破と同時に壊れる頭。

壊れた銀レウスの頭は弱点なのでガンガン攻撃していく。

 

「がああああ」

 

ナイス怯み!

 

しかし、そこは腐っても古龍級、すぐさま体制を立て直しバックジャンプブレス、こちらとの距離を離してくる。

そして、空中からブレスを撃ってくる。

 

こうなると、こちらから手出しできない。

 

閃光玉さえあれば。

 

またもや、ワールドツアーをする銀レウス。

 

飽きないな!

 

ブレスを撃ち我が物顔で旋回する。

 

しかし、そんな銀レウスも、今までの戦闘から疲れたのか疲労状態になる。

 

さて、

 

「反撃の時間だ!」

 

 

疲労でぼーとしているところに斬りかかる。

相手は反撃しようとしてくるが攻撃に足を取られる。

 

その隙で、やつの最大の弱点である背中を攻撃する。

 

「がああああああ」

 

部位破壊に成功!

 

「おらああああああ」

 

さらにラウンドフォースで畳みかける!

 

「がう」

 

 

 

これに懲りたのか、飛び去って行く銀レウス。

 

「バイバイー!」

 

全く、もうすぐ夕方じゃないか。

 

はあ、昼飯は抜きだったか。

まあいい。

 

気を取り直して

 

「たなつもの 百の木草も 天照す 日の大神の 恵み得てこそ」

 

食べようこんがり肉。

 

それにしても

 

「祖龍様遅いな。まあ、己の命が尽きようとも待つけど」

 

モグモグ、ごっくん。

 

「相変わらずうまいな。朝宵に 物喰ふごとに 豊受の 神の恵みを 思へ世の人。ごちそうさま」

 

さて、寝床を調達してくるか。

 

 

 

 

 

 

 

シュレイド城でボレアスに相談した祖龍だが、しかしまだ決めかねていた。

 

 

〖うーん。やっぽりちょっと不安だなー。よし〗

 

次はバルカン君に相談しに行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祖龍が塔に戻ってくるのはまだ先か。

そこまで、シャゲ君は生き残れるのだろうか。

 

「ふふ、これは面白いことになってきたね。君たちもそう思うだろう?

それにしても、あの銀レウスはクソ個体だったみたいだね。

まあ、あの行動自体は生き残る手段だから何とも言えないけど。

やっぱり、レウス族に閃光は必須だねえ」

 

そう言って先ほどでしていた作業に戻る。

どうやら、しばらくは何も起きないと踏んだらしい。

 

「うーん。皇金の太刀・屍套、手に入るかな」

 

物欲センサーの闇は深い。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。

いやー。
皆さんの感想を読んでにやにやが止まらなかったです。
ふふふ、こうなることを予想した方はどれくらいいたんでしょうか。

たぶん、あとがきは追記します。

ここから、追記分。

ちなみに、後悔してやるは誤字じゃないです。
それ以外の誤字は(自分がわざとそうしたことを覚えてなければ)普通に誤字ってます。はい。

銀レウスとの戦闘描写もっとあった方がいいと思った方はそれっぽい感じで感想等下さい。
直接だと消されると思うので。
自分でもちょっとあっさり過ぎたなーっと思ったので。
たぶん、意見来なくてもその内増えてると思います。

それから、アンケート使ってみます。
みんな投票してね。
それから、小説内で出てきた英文はグーグルせんせーに聞いたやつです。
間違ってたら教えてください。(もし、面白い間違え方してたらそのままにします)

それでは最後にミラルーツ様万歳‼


3/7追記:少しだけ銀レウス戦の部分を増やしました。


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第十五話 月下霧に覆われし塔。

霧が立ち込め月が見守る塔の頂上で俺は寝ていた。

ルーツ様が戻って来た時に居なかったら困るだろうからな。

どうやって、寝ているのかと言うとそこら辺にあったキャンプの残骸をあれこれそれしていい感じに作ったやつで寝ている。

我ながらいい出来だと思う。

さっきまではぐっすりだったんだけどなんか目が覚めた。

よくわからないが命の危険を感じて起きた。なんかいる気がする。

やべえモンスターでもいんのかな。こういう時の感覚は信頼した方がいいからな。

とりあえず、今は動かないようにしている。下手に動いたらそのまま死って言う事もあり得るからな。

このまま、何も起きなければいいが。

 

キュルルルル

 

音が聞こえたときには既に体が動いていた。

直後に聞こえる何かが刺さったような音。

 

あのまま、寝床にいたら無事ではなかっただろう。

 

防具とか装備しっぱなしでよかった。

しかし、何だいきなり。

 

そう思い辺りを見渡すが誰もいない。

 

なんだ気のせいか…………なんて訳があるか!

 

塔、夜、いない?

 

そのワードが頭の中をグルグル回り、一つの答えが浮かぶ。

それと同時に前へダイブする。

 

傍から見れば俺は突然何もなくダイブしたように見えるだろう。

 

シュ!

 

ダイブした直後に風切り音がし砂ぼこりが舞う。

 

そして、俺が振り返るとそこには、

 

まるで、月の光そのものの様な体色を持つ通常よりも巨大な、

 

 

ナルガクルガがいた。

 

「キャルウウウウウウウウウウウウウウウウウ」

 

 

やはりお前か!ルナルガ(ナルガクルガ希少種)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

溶岩島。

 

その場所は正に地獄という言葉が相応しい場所。

溶岩が固まり出来たと思われる開けた平地、その周りは溶岩の海、そこから溢れる熱気は並大抵の生物が存在することを許さない。

 

 

〖ああ、隕石落としてぇ〗

 

そう呟いたのはボレアスに似ている一匹の龍。

しかし、体色は漆黒ではなく血を混ぜたような色をしており、片方の角が異常なまでに巨大化している。

黒龍ミラボレアスの亜種とされるモンスター紅龍ミラバルカン。

 

〖いきなりどうしたんだ?いつものことだけどさ。あと隕石を落とすのはやめてくれるかい?困るからさ〗

 

そのつぶやきに答えたのは全身が黒く背中は剣山のよう。

威圧的な姿から黒き神、火山の暴君と呼ばれることのあるモンスター。

覇竜アカムトルム。

 

〖またあの時のことを思い出したんだ。ああ、イラつく!〗

 

バルカンが足踏みするとそれと同時に空から隕石が落ちてくる。

 

〖うお!危ない!いつも言っているだろう隕石を落とすなって、周りの被害も考えろ!〗

 

〖ごめん〗

 

〖はあ、全く、君はいつもそう言っているけど直ぐにわすれるじゃないか〗

 

〖そんな事よりも炎吐きてえな〗

 

〖…………はあ〗

 

何度言っても聞く耳を持たない友人に呆れつつこいつに長年付き合っている自分もたいがいだな。

そう思いながらふと空を見上げると、

 

〖ん?あれは……〗

 

 

え?

 

 

 

 

 

 

 

やっと、着いたー!

はあ、それにしても相変わらずここは暑いなー。

バルカン君はいるかな?

 

あ!いたいた!アカムさんも一緒みたい。

 

偶然かそれともこちらの存在に気付いたのか上を向くアカムさん。

 

 

〖バルカンくーん!アカムさーん!〗

 

もう少し近づいてからにしようかなと思っていたけど、まあいいかな。

 

〖うお!?ルーツ?〗

 

呼びかけてから気付いたのか驚いている雰囲気のバルカン君。

彼の周りがまた、凄いことになってる。

 

みんなが怪我するかもしれないから止めてって言ってるのにな。

まだ、大きな被害が出てないからいいんだけど……。

 

〖どうされたんですか王?突然こんなところに〗

 

〖そうだぜ。ルーツどうしたんだ?〗

 

そう聞いてくる二体。

 

〖えっと、実はね〗

 

 

 

 

何があったを話した。

 

すると、話を聞いていたバルカン君が。

 

〖その話をやめろ〗

 

雰囲気が突然変わった。

 

〖えっ?どうしたの?バルカ〖いいから、その話をやめろ!〗

 

バルカン君は勢いよく足踏みし、怒鳴られた。

 

怒らせちゃった⁉

 

バルカン君は口から炎が漏れ出し、いかにも怒ってますと言う雰囲気だ。

 

〖いきなり切れて、王がこまってらっしゃるじゃないか〗

 

〖うるせえな!〗

 

そう言って少しうつむいた後、

 

〖お前たちだけで勝手に話してろ〗

 

こちらにそう言い放ち。

 

〖おい!どこに行くんだ?〗

 

背負向け歩いていく。

 

〖ふん、どうでもいいことだろ〗

 

 

〖すみません。あいつが〗

 

〖別に大丈夫。それよりも、ほんとどうしちゃったんだろう?〗

 

〖いつも突然キレますけどさっきみたいな感じでは無いですからね〗

 

確かに、バルカン君があんな感じで怒ったのは見たことがない。

 

〖あいつのことが心配ですので、失礼します〗

 

〖うん。バルカン君のことお願い〗

 

うーん。ほんと、バルカン君どうしちゃったんだろ。

 

結局、相談……出来なかったなー。

 

〖よし、決めた!〗

 

次は彼に相談しに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナルガは勢いよく尻尾を叩きつける。

 

それは、難なくかわせるが。

 

 

あぶねえ!

 

紙一重で毒棘をかわす。

 

そして、地面に尻尾が刺さり動けなっている隙に攻撃。

蓄積された属性が溜まり爆破し

 

バキ!

 

よし、尻尾破壊!これで毒棘は少しはマシになったかな。

 

「キャルウウウウウウウウウウウウウ」

 

咆哮したルナルガ目は爛々と紅く輝き残像を残す。

 

怒り状態、こうなると、毒棘の装填速度が速くなるから今部位破壊した意味が薄く、まあ、どこぞの黒曜石みたいに半永久的に怒り状態じゃないからいいんだけどねっと!

 

「おら!」

 

跳びかかりだと思われるのを避け、ラウンドフォース!

 

「キャルウ」

 

上手い感じに顔にHit!

顔面破壊成功だな。

 

 

 

さて、次はどうしてくるかな?

 

そう思いながらルナルガの方を窺っていると。

 

 

「キャルウウウウウウウウウウウウウ」

 

突然咆哮し、少しこちらを見た後、透明になり。

 

 

 

 

 

どこかへ行った。

 

 

「へ?」

 

逃げたと思わせて不意打ちか?そう思い 警戒するも 気配なし。

 

はあ、逃げるんだったら最初から襲ってくるなよ。

寝床も毒トゲトゲだよ。

あ、でも、寝れんことはなさそうだな。

 

「おやすみい!」

 

疲れからか意味不明なことを思いつつ思考停止しねる。

 

そして、俺はこの後、無理してでもキャンプまで戻って寝ればよかった。こんな事が起きたんだからもう少し考えろよ。

果てしなくそう、思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 溶岩島奥地

 

バルカンは先ほどの様子とは違いどこか遠くを眺めていた。

それは、まるで昔のことを思い出し、懐かしみ、後悔しているようだった。

 

 

〖アカムか、お前ルーツとの話はいいのか〗

 

こちらのことを振り返らずにそう聞いてくる。

 

〖君が怒ってそれどころじゃなくしたんだろう。まったく〗

 

〖すまんな〗

 

そういう彼の姿は心の底からそう思っているようだった。

 

〖はあ、今回はしょうがない面もあるけどさ〗

 

〖ルーツがまさかあんなことを言うなんてな〗

 

〖ああ、そうだな〗

 

 

『〖それでね。私人間に告白されたの〗』

 

 

〖お前まだ、《あのこと》を気にしてるのか〗

 

あの反応はそういう事だろう。

 

〖当たり前だ!《あいつのこと》…………忘れられる訳がないだろ!〗

 

言葉は怒りそのものだが、その雰囲気には怒り以外の感情が含まれていることは明白だった。

 

確かに、簡単には忘れられることでは無しい、割り切るのも難しいだろう。

 

〖無理に忘れろとは言わんが、少しは前を向いたらどうだ?〗

 

 

〖…………それが出来たら苦労はしねえよ〗

 

 

その言葉を最後にしばらくは互いに何も言わずに時間が過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。

すみません。遅くなってしまって。ごめんなさい。
それでは、言い訳を始めます。
まずは、前回を投稿して数日はルナルガの取材をしてました。
はい。そこから一気に約千数百文字を書き上げた後、ちょっといろいろあり数日執筆できなくて、その後、steamでダークソウルをやれることを知って即買し、数日遊び、さて、続きを書くかと思ったところに、フロンティアのハンターライフコース無料キャンペーンが開催これはやるしかないと思い目一杯燃え尽きるまで遊びました。
はい。この通り遊んでばっかりでした。
それに、(ルナルガとの戦闘が何故か上手く書けずに)短くて、ごめんなさい。
次は早めに上げます。

あと、サブタイトルは、いいのが思いつきませんでした。ごめんなさい。

謝罪終わり。
ここからは気分を変えてなんか言われそうなことを先に書きます。
あ、ここから長いので時間のない人は時間があるときに読んでください。
少々大事なことが書いてありますので。


ここで読み終わる方へそれでは最後にミラルーツ様万歳‼


はい、それでは始めましょう何故アカムトルムが普通に会話してるのか、
これは、あれですね。
はい。アカムトルム自身は人間とかの異種族と会話できないけどルーツ様とかがわかるので会話が成立しているかんじです。
つぎに、なんでバルカンと仲良くしているか?
単純に気が合ったからそれだけのことです。
仲良くするのに小難しい理由は必要ない!
はい。モンスターサイドはこんなノリで行きますので、
こんなのは許容できない!
という人は即座に読むのをやめて、なんか自分が面白いと思う小説を見て(もしくは探して)まだ、評価やお気に入り登録してない人はしてみるのがいいんじゃないでしょうか?
もしくは、感想を書いてみるとか。
意外な事が起きるかもしれませんよ。

それから、アンケートの結果(3/22午後5時近く現在)を見て、

なんだこの結果は!
神さまが一位なのは予想できた予想できたけれども、
何故オストガロアが2位!?
意外過ぎる。
これ、ガチ票?ネタ票?どっちでもいいけど。え?え?
おっかしいな。コンナハズジャナイノニー!

あと、最近公式のミラ押しが凄い!凄い!凄い!凄い!
もう、ミラ系好きとしてはたまらない!
この動きからしてミラボレアスのアイスボーン登場は確定と言ってもいいでしょう。
ですが、それでも祖龍様の登場は確定とはいいがたい。
でるんだったら、無理しても買う!それからミラボレアスのフィギュアも!



はい。すみません。暴走してましたね。ごめんなさい。



それでは最後にミラルーツ様万歳‼

3/23:追記

細かい部分を変えて結構追加しました。



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第十六話 閑話 記憶浮かぶは、夜の色

ドアを蹴り破ろうとするが、ドアに足が当たりそうになる直前で止める。

 

そういえば、あいつ今クエストでいないんだったけな。

確か数日留守にするからアネモネ世話頼むっていわれたな。

はあ、しょうがないか。断ったけど、ここまで来ちまったし。

 

確か、土乾いてたら水やるんだったっけな?

 

よし、乾いてないな。

 

 

「さて、どうしようか」

 

完全にあいつに昼飯たかるきだったからな。

朝昼晩、集会酒場はなあ。

自分で作るか。

 

そう思い、家に帰ろうと歩き出したときに。

 

 

「お?そこにいるのは、シセラスじゃないの?」

 

誰かに話しかけられた。

後ろを振り向くとそこには

 

「ボタンさんか、こんなところで会うなんて偶然だな」

 

相変わらず、荷物一杯持ってるな。

また仕入れかなんかの帰りか?

そう思って見ているとあることに気付く。

 

「フェンネルの野郎は?」

 

「フェンネルだったら先に店に帰したよ」

 

「ふーん」

 

残念だったなフェンネル。

帰ってから飲む、ココアがうまくなりそうだ。

 

 

「ということは、あいつになんか用でもあんのか?」

 

あいつとはもちろんシャゲのことだ。

 

「これを頼まれてたんだけどね」

 

そう言って荷物から本を一冊取り出す。

 

「これは?」

 

「シャゲに『仕入れのついででいいから、各地の伝承とかあったら集めてください』って頼まれてね。

それで、仕入れ先にいい本が在ったから貰ってきたんだけど……どうやら、タイミングが悪かったみたいだね」

 

「ああ、何日か、帰って来ない。ちなみに、旅立ったのは今朝だ」

 

「ほんっとに、タイミングが悪いね。そういことなら、はい!」

 

そういうとボタンさんは元気よくこちらに本を差し出してきた。

 

「どういうことだ?俺は買わんぞ」

 

「前金はシャゲから貰ってるし、そもそもこんなことでお金はもらわなくてもよかったんだけどねえ」

 

「なるほど。でも、これの説明にはなってないんじゃないか?」

 

「本人がいないからね。しょうがないだろう?」

 

どうやら、あいつが帰ってくるまで俺に預かれという事らしい。

 

「はあ、わかったよ」

 

「ありがとね。もし、内容が気になったら遠慮なく読みな」

 

「それは、あんたが決めていい事じゃねえだろ」

 

入手したのはボタンさんでも、これはあいつのもんだろ。

 

「シセラスなら、勝手に読んでもシャゲは怒らないだろう」

 

「確かにな」

 

「それにもし怒られた私のせいにしな」

 

「当たり前だ」

 

そんときは全力で免罪符を切らせてもらう。

 

「それじゃあ。ボタンのよろず屋をよろしくね」

 

そう言ってこちらに手を振りながら去っていった。

 

それにしても、

 

「各地の伝承ねぇ」

 

ラオシャンロンのクエストの後からこんな風に資料読み漁ったりするようになったけど、ほんとに何したいんだろうね。あいつは。

 

 

「どこの伝承なのかな?」

 

そう言いながら本を見る。

俺だって別に読書が嫌いなわけではないし、この手のやつもあいつに付き合わされて読んだりしたからな。

 

題名らしきものは何も書かれていない。

今更だが少し古臭く手触りもいいほうじゃない。

 

確かに、いかにもって感じの本だな。

 

何が書かれているのかなと期待しながら、読み始める。

 

しかし、少し読んだところでページをめくる手が止まる。

 

「これは……」

 

天空山にまつわる…………、

 

 

「チッ。最悪だな」

 

せっかくココアがうまくなるかと思ったのによ。

 

思わず本を叩きつけそうになったが、こらえる。

 

これはあいつのものとはいえ、預かっているものだからな。

 

 

「ほんと、嫌なことを思い出させやがって」

 

 

そのとき、突然風が強く吹いた。

 

「はあ、こんなことずっと考えてても仕方ないか」

 

そう、無理やり自分に言い聞かせる。

 

 

「帰ったら。ココアでも飲むか」

 

いつもよりまずくなったココアでも飲まないよりはましだ。

 

そう思いながら再び帰路に就くのだった。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
まあ、とてつもなく拙い作品ですが。楽しんでいただけたでしょうか。
どうも作者の彼岸沙華です。

今回は今までにないくらい短いです。はい。

ちなみに、この話はこのままだとどう頑張っても圧倒的に1章が0章より話数が少なくなりそうだったので書いただけで、別にシセラスの人気があまりにもなかったからショックで書いたとかはありません。はい。

サブタイトルはいいのが思いつかなかったのでこうなりました。
後で、いいのが思いついたら変えます。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

3/24:追記 サブタイトル変えました。でも、これでよかった気がしません。
ああ、ネーミングセンスが欲しい。


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第十七話 神域に鳴は大轟音。最悪の寝覚めは破滅と再会?

その場所はまさに地獄、否その言葉が生温いと思えるような場所だった。

雷鳴がとどろき暴風が吹き荒れているかと思えば一寸先も見えない程の猛吹雪に変わり、

かと思えば、自然にはありえない炎の嵐がその場に生命が存在することを拒むかのように吹き荒れる。

そんなところに一体の黒い龍。

全身は無数の刃のような逆向きについている鱗に覆われており、頭には沢山の角が重なり合うように生えていて一つの巨大な角を形成している。

黒き光を放つ神、闇夜に輝く幽冥の星とも呼ばれているモンスター。

煌黒龍アルバトリオン。

 

彼は今この場所で、

 

 

         寝ていた。

 

 

〖おーい!アルバさーん!起きて―!〗

 

〖…………うーん。あと50年〗

 

〖そんなに待てないよ!〗

 

〖えー。それじゃあ。うーんと……10年、いや20年〗

 

〖絶対起きてるよね?〗

 

〖はあ、ばれたなら仕方ないか〗

 

そう言って、起き上がり、こちらをめんどくさそうに見ながら

 

〖で?何の用?〗

 

 

 

 

 

 

 

私はここにきた理由を話そうとした。

 

しかし、少し話したところで、

 

 

 

 

 

 

〖ふーん。そうなんだ。それじゃあ、お休み〗

 

〖ちょっと待ってください〗

 

そう言って、再び寝に入ろうとするアルバさんを止める。

 

〖うーん。もうなに~、僕は眠いんだ〗

 

〖その所をどうにか。お願いします〗

 

〖はあ、そんなの僕にとってはどうでもいいことだ〗

 

そう言って、また彼は寝に入ろうとする。

 

これは、しょうがないかな。

 

〖確かに、アルバさんにとってはどうでもいいことだよね。無理を言ってすみませんでした〗

 

私は頭下げる。

迷惑をかけたのだから謝るのは当然だ。

無論、この謝罪も寝たい彼には迷惑でしかないだろう。

しょせん自己満足だ。

そうして、謝罪を終え、これ以上迷惑をかけないように、と立ち去ろうとしたとき。

後ろで、物凄い音がした。

 

驚いて振り向く私。

 

そこには、何故か土下座をしているアルバさんがいた。

 

 

〖へ?〗

 

 

〖ごめんなさいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい‼〗

 

 

 

 

その日神域に一体の龍の咆哮(謝罪)が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖えっと、つまりアルバさんは寝ぼけていたってこと〗

 

コクコク、と今だに土下座しているアルバさんは頷いた。

 

私は気にしてないよ、そう言っているのだが、土下座を止めてもらえない。

どうにか、止めてもらいたくて、私の方が悪いから、と言ったら今度はなにかに怯えたぶるぶると震えだした。

 

そして、

 

〖バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される。バルカンに殺される〗

 

 

さっきから、ずっと同じことを繰り返し言い続けている。

正直に言って怖い。

 

〖えっと、別に大丈夫だと思うよ〗

 

なんで、アルバさんがここまでバルカン君に怯えているのかはわからない。

こんなことで、バルカン君はそんなことしないと思うけど。

うーん。どうしたのかな?

 

〖ルーツちゃんにあんな態度とったことがバルカンに知られたらぶっ殺される。ああ、ああ、ああ、ああ〗

 

〖とりあえず、落ち着こうよ。アルバさん!〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうにかして、アルバさんを落ち着けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖えっと、大丈夫?〗

 

〖一応。それよりも、ほんとにバルカンにこのこと言わないんだよな?〗

 

〖うん〗

 

〖絶対に言わないんだよな?〗

 

〖うん〗

 

〖あ、ボレアスもダメだぞ〗

 

〖どうして、ボレアスちゃんもダメなの?〗

 

〖あいつは、喜々としてバルカンに報告に行くだろうからな〗

 

彼のその声音は、少し震えていた。

 

〖あー〗

 

確かにあの子ならやりかねない。

 

〖それと、グランさんにも言わないでくれ〗

 

〖それこそどうして?グランさんならそんなことしないと思うけど〗

 

それに、そもそも、グランさんは…………飛べないから。

 

〖ああ、確かにあいつの性格上言わないだろう。しかし、ボレアスがどこからともなく嗅ぎつけて聞きだす危険性がある。いや、そんなこと言ったらルーツちゃんも同じなんだが…………、ほんと、こういう時のあいつは謎の情報収集能力を発揮するからなぁ〗

 

そう言ってどこか遠い目をするアルバさん。

きっと、過去に何かあったのかな?

触れるのはやめておこう。

 

〖確かに、時々こっちが驚くようなこと知ってますもんね〗

 

それは、アルバさんも同じだけど。

 

〖ああ。まあ、この話もここら辺で止めにしてっと〗

 

あれ?この話ってアルバさんが始めたんだよね?

 

〖ルーツちゃんの話を聞こうか〗

 

決め顔で言うアルバ。

 

〖………………〗

 

〖えっと、その眼はなに?〗

 

バルカン君に言おうかな。

そう、少し思ってしまった私は悪くないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ふむふむ。そういう事か〗

 

〖うん。そういう事〗

 

いろいろあったがやっとアルバさんに説明、相談できた。

そして、それを聞いたアルバさんは私に、

 

〖うーん。そもそもさ、ルーツちゃんはその、人間からの告白を本気だと思ってる?〗

 

〖え?もちろんそうだけど…………〗

 

なにかまずかったのかな。

 

〖もし仮に、仮に本当だとしたら確実にその人間は狂ってる。なにか大事なものが頭の中からぶっ飛んでるんじゃないの?

まっ、とりあえず何が言いたいかって言うと…………本気なんてありえないってことだね〗

 

〖…………〗

 

その可能性は考えてなかった。

 

〖たぶん、僕が思うにその場しのぎでやったことじゃないのかな?例えば、まあ、これにはその人間が僕たちが言葉を理解できるって確信していることが前提だけど。驚いてる隙に逃げ出そうとしてたとか、〗

 

その可能性はありえない。彼は、私に近づいて真っ直ぐみて、はっきりと言った。

そう反論しようと思った時、

 

 

〖あと、考えられることは、殺そうとしてたとか〗

 

〖っ!〗

 

その言葉は聞いた瞬間頭が真っ白になった。

 

まだその後にも、何か言って言っていたが聞き取れない、否聞きたくなかった。

 

なんで、なんでそんなこと言うの?

 

考えないようにしてたのに、…………考えたくなかったのに、

 

 

始めて、みんな(りゅう)以外で話しかけられて、………その言葉はちょっとどころじゃないくらいに驚いたけど、凄く嬉しかった。

 

確かに、アルバさんの言うことは正しい。

でも!でも!

 

うう、うう。

なんだかよくわからないけど。

凄く悲しいよぉ。

 

うん。少し落ち着こう。

ちゃんと話は聞かないとね。

うん。大丈夫。

そう、心を落ち着かて、さっきよりは余裕が出来た私だったが、直ぐ耳に入って来た言葉によってそんな余裕は直ぐに吹き飛んだ。

 

〖あとさ、その人間ってちゃんと待ってるのかな?

人間は僕たちみたいに強いわけじゃないから。もう、逃げ出しちゃってるかもしれないよ〗

 

それを聞いた私は、

 

 

振り向いて、

 

 

逃げた。

 

〖えっ!ちょっ!まっ!ルーツちゃん⁉〗

 

聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。

 

後ろから、何か言いながらアルバが追いかけてくるのがわかる。

 

〖来ないで!〗

 

これ以上私を不安にさせないで、苦しめないで!

 

 

錯乱していた私は無我夢中で雷を落とす。

 

〖ぐは!〗

 

後ろから、何か大きな音と叫び声がした気がするががそれを無視して進む。

 

 

来なければよかった。

 

 

 

 

 

 

それから、どれだけ経ったのかわからないくらい跳び続け、気が付いたら、グランさんの住んでいる所の近くに来ていた。

 

〖せっかく、だから相談しに行こうかな?〗

 

うーん。でもなぁ。さっきみたいな事いわれたら。

ううん。大丈夫!グランさんはアルバとは違うもん。

あんなこと言わない!

 

私はそう自分を鼓舞して、グランさんのところに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナルガとの死闘を終え眠りについていた俺は何か重いものがのっかってくる衝撃で目を覚ました。

そして、目を開けるとそこには、

 

 

大きく口を開いたティガレックスの顔があった。

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!」

 

寝起きになんてもん見せるだ!

 

咄嗟にティガレックスの口に肥やし玉を突っ込む。

 

 

「がああああああああああああああああああああああ!」

 

これにはさすがのティガも、(精神的に)参ったようで叫びながらのたうち回る。

凄い暴れっぷりだなー。あのまま落ちないかなー。

 

 

それにしても、危ない危ない。

あと、もう少しで食われるところだった。

あのままでは俺の寿命がストレスでマッハどころか、そこで終了してたね。

さて、今のうちに体制を整えってと。

防具よし、武器よし、アイテムよし。体調、たぶん何とかなるだろ。気持ち、最悪。

よし、完璧だな。

 

 

ん?あれ?よく見なくてもティガ全然違うくない?色とか大きさとか。

無茶苦茶デカいしさ。

赤いというか完全に返り血の色やん。

確実に何人か殺ってるな。

わしにはわかる。いや、知らんけど。

うーん。こいつがティガレックス希少種だということが確定的に明らかになったところで、どうしようか?

 

 

 

さて、そんなくだらないことを考えているうちにどうやら、キティちゃんは復活したようだ。

そのまま、永遠に復活しなくてもよかったのに。

そんなキティちゃんの様子は激おこぷんぷん丸ですね。

うん。だろうと思った。

だって誰でも美味しくご飯いただこうしてるのに口の中に肥やし突っ込まれたらぶちぎれますわなあ。

 

「がああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

さて、まじめにやりますか!

じゃないと死ぬ。

 

 

キティはこちらとの距離を詰めるためか、その凄まじい脚力を使い跳びかかってくる。

それを、前にでることによってかわし、キティが着地した瞬間に斬りつける。

 

キティがこちらに振り向きかみ砕こうとしてくる顎を横に難なく避け、攻撃する。

正直に言って体が大きくなったぶん、スピードが落ちているので、今のところは原種や亜種の方が手ごわいと感じてしまう。

そのまま、横から攻撃していると、体を捻り、捻った方向とは逆に回転する。

凄まじい力が込められたのか砂ぼこりだけではなく軽く地面がえぐれ、その破片が飛ぶ。

しかし、それだけではなく紅い粉のようなものが舞いすぐさま、爆発した。

 

うわ、最悪だ。

それを見て俺はあることを思い出した。

 

キティに爆破は効かない。

 

…………よし、思い出さなかったことにしよう。

 

 

キティは地面をがってやって人一人分くらいの岩を飛ばしてきたが、

何を血迷ったのか俺がいるところとは反対側だったので、無視して攻撃する。

 

これは、まずい!と思ったのか、ジャンプしてこちらとの距離を離し、改めて岩を飛ばしてくる。

 

今回はちゃんと狙ってるな。

嬉しくないけど。

 

その、火薬岩と化したものを避け、攻撃しようと距離を詰める。

キティはレックス科の十八番である突進でに突っ込んでくる。

 

紙一重でそれをかわし、反撃する。

 

しかし、それを読んでいたのかはたまた偶然か、キティは回転攻撃の体制に入っていて、

 

ガードこそ間に合ったものの、それでも痛い。

 

ま、これくらいならしばらく経てば大丈夫か。

 

 

さてと。

 

こちらをかみ砕こうとしているのを避けて。

 

 

「ラウンドフォース!」

 

お返しとばかりに、叩き込み。

 

バランスを崩して転倒したところに、出来る限りの攻撃をする。

 

「がうああ」

 

やわらかいから尻尾ばっかり狙っていたら切断できてしまった。

いや、仮に出来たとしてももっと先だとおもっていたんだけどな。

まあ、別にこっちにはメリットしかないからいいんだけどさ。

 

 

よし、追撃だ!

そう思ったとき、キティは突然、

 

バックジャンポして咆哮した。

 

「があああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

その姿は、おれの怒りが有頂天になったと言わんばかりで、こいつの事を知らなくても、やばいと思わせる。

 

キティは物凄い殺気を放ちながら突進してくる。

それは今までとは比べ物に早く、

 

「あぶねえ!」

 

ギリギリで突進を避ける。

 

爆轟状態は早いって聞いたけどここまでかよ!

 

外したことがわかるとキティはドリフトして、こちらをもう一度轢き殺そうとしてくる。

 

それも、かわす。

 

もう一度ドリフトして向かって来る。

 

これが最後だったはず。

 

そう思って、緊急回避をして、横目で見ると。

 

も う 一 度 ド リ フ ト し て 向 か っ て く る キ テ ィ が 見 え た。

 

 

やばい!

 

そう思うのも後の祭り、身を投げ出していた俺は急いで起き上がるも当然間に合わず。

 

 

キティの突進をもろに受け、ぶっ飛ばされて壁に打ち付けられた。

 

「がは」

 

 

くそ、やられた。

 

幸い武器は手元にある。

 

壁にぶつかって大ダメージを受けたが、まあ塔から落とされなかっただけまし、と考えよう。

 

ああ、鉄くせぇ。

べとべとする。

 

「ぺっ」

 

口の中が苦い。

 

体中が痛いじゃ済まされないレベルで痛い。

というか一周回って痛くないかもしれない。

 

 

ああ、もう最悪だよ。そう思って立とうとしたら少しふらついてしまった。

 

そんな、俺の様子を見てキティは勝ちを確信したのか、ゆっくりと近づいてくる。

 

くそが!もう、おしまいか?

 

いや、まだだ。まだ、やれる!

 

そう思って武器を構える。

仮に食われるとしても、もちろん俺は抵抗するで? 片手剣で。

 

さあ、来るなら来い!

 

キティの方をよく見る。

相変わらず。こちらにゆっくりと近づいてくる。

もう、既に爆轟状態は解除されていて、

もしかした何とかなるかも、そう思ってチャンスを窺っていると。

 

ん?なんか、空に見えるぞ?

あれは、赤い彗星?

 

あれ?なんか、どんどん大きくなってきてないか?

 

そんなことより改めて、キティの方を見ると、あと、少しと言うところまで迫ってきて来た。

 

そして、俺に止めを刺そうかと、動き出した瞬間。

 

《なにか》が物凄い勢いで突っ込んで来た。

 

その、《なにか》はキティを狙ったらしく、キティは頭を押さえつけられていた。

 

「キュインンンンンンンンンンンンンンン」

 

《なにか》は己の存在を示すように咆哮を上げ、キティを押さえつけていた前足を離す。

その一瞬で力関係を本能的にか把握したのだろう、キティは脱兎のごとく逃げした。

 

そして、俺はそのさっき自分を殺しかけたモンスターを一瞬のうちに追い払ったモンスターに対して笑顔で声をかけるのだった。

 

「お久しぶりですね。バルファルクさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖なるほど。それにしも、君は本当に面白い!〗

 

 

「こっちは真剣にやったんですけどね」

 

とりあえず、命を救ってもらったお礼をして、手当てして、なんでここにいるかっていう理由を話してた。

 

〖まさか、王に告白をするような人間が現れるとは、ふふ。これは僕でも予想外だったよ〗

 

「でしょうね」

 

〖それにしても、何故、王に?君が古龍と話せるということは僕で知っているとして、先ほどの口振りだと、君たちにとって危険だということはしっていたはずだ。もちろん、王はむやみやたらに力を振るうような方では無いのだが〗

 

「うーん。しいて言うなら」

 

そう、言いながら、俺は昼ご飯兼朝ごはんの毒テングダケを食べる。(もちろんこれだけじゃないが)

うん。案外いけるな。

体力がUPした気がする。

 

「好きだからすですね。むしろ、それしか理由がないでしょう!別に自分は祖龍様であれば殺されても構いませんからね。それにあの時は勝手に体が動いてましたし」

 

〖そこまで、堂々と言い切るとは、もはやすごいを通り越して呆れてくるよ。と言うか今君が食べたもの毒テングダケだよね⁉毒は弱いとは言え、何事もなかったかのようにしているけど、傷の治る速度と言い君が本当に人間かい?〗

 

古龍に人外認定された!酷い!

想像を絶する悲しみがシャゲを襲った。

うん。別にそんな傷ついてない。

 

くそう。この前にもシセラスに似たようなこと言われたけど、まさかバルファルクさんにも言われるとは。

 

「普通に人間です!むしろ他に何に見えるんですか⁉」

 

〖うーん。新種の生命体?〗

 

「それは失礼過ぎません⁉」

 

〖はは、もちろん冗談だよ〗

 

「ほんとですか?」

 

俺はバルファルクさんの眼をじっと見た。

そして、直ぐ逸らされた。って、え?

 

「…………まあいいです。それよりも、バルファルクさんはなんでここにきたんですか」

 

〖君がいたからかな〗

 

「それってまさか……」

 

〖いや違う!そもそも、そのノリは初めてあった時にやっただろう〗

 

「はい。すみません」

 

まあ、普通知り合いがピンチだったら助けに行くよな。

 

「そういえば、後どれくらいここにいるんですか?」

 

個人的には祖龍様が降臨なされるまでいて欲しいんだけど。

ここ、危険しかないし。

 

〖うーん。もうそろそろ行こうかな〗

 

えー。まあ、しょうがないかな?

俺に引き留める権利はない。

でも、理由を聞くぐらいはいいかな?

 

「どうしてですか?」

 

〖さすがに自分が王と会うのは気が引けるのと、こういう時は邪魔者がいない方がいいだろう?〗

 

確かに、そうだなぁ。

でも、危険が危ないから、いて欲しかったけど。

まあ、なんとかなるでしょう。

 

「それじゃあ。また、どこかで縁があれば」

 

〖最後に一つだけ言わせてもらおう〗

 

「なんですか?」

 

毎回(3回目)恒例のなんかよくわからないお告げのようなものだな。

大体、当たる。

 

〖古き古き龍出会うは戦、汝、死を見る。それ、避ければその先、望むものあり〗

 

こういう時は普通に何が起きるのか教えて欲しいんだけど、今回は不吉なワードか聞こえたから特に!

 

〖君の無事を祈っているよ。それじゃあ〗

 

「バルファルクさんも」

 

ああ、どこかに行っちゃった。

 

さてと。夕飯はどうすっかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー。やっぱ、こんがり肉は美味いなぁ」

 

もう辺りは真っ暗で、黄昏どきなど、とうに過ぎた時間。

 

さすがに学習し、今はベースキャンプにいる。

 

もしかして、夜の間に祖龍様が降臨なされる可能性があるが死んだら元も子もないないからな。

さすがに一回死にかけて、もう一回同じことをするほど、馬鹿じゃない。

 

さて、もう寝るか。

 

 

「お休み」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの空。

 

 

 

 

始めは、これほど長く付き合うとは思っていなかったが、今や友となった一人の人はとんでもないをしてくれた。

 

それは、今まで聞いたことがないような、とんでもないことで。

しかし、それは、1000年前にもあったこと。

 

〖あれは聞いた話だが今度は僕も当事者になるとはね。僕もささやかながら成功するように協力しよう〗

 

 

確か、彼は王に少しだけ待ってと言われ、どこかに行かれたと言っていたな。

恐らくその少しだけは我々基準なのだろうが。

 

彼は物凄く混乱していたと言っていたし、王の事だ。

大方、誰かに相談しに行ったのだろう。

 

そして、だいたいその龍と順番は予測できる。

 

〖間に合うかな?〗

 

交流のあるそれでいて、一番話を聞き理解してくれそうな彼の元へ急ぐ。

 

 

その日、タンジア周辺の空で紅い彗星が観測された。

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
平成が終わるまでに間に合った!
どうも作者の彼岸沙華です。

今回は地味に長いです。
あ、でも、最近の平均だと凄い長いのか。

あと、仮になにか察したとしても、それとなく書くだけで、はっきりと言わないでくださいね。
お願い致します。

ちなみに、明日はエイプリルフールですが何もやりません。と言うか何もやれませんでした。
思い出したの今日なので、はい。

一瞬、主人公殺して、ここで終わりまーすって言うのをエイプリルフールでやろうと思ったりしたんですが収集が付かなくなりそうだったので止めておきました。はい。


アルバトリオンのお話。

はず初めにどうしてこうなった。
自分でも書いてて、アルバトリオンのキャラはなんでああなったんだろうと自問自答していました。
アルバトリオンファンの方ごめんなさい。





それから、なんで一瞬の攻防だけでキティにげたの、相手バルファルクじゃんって声をいただきそうですが、まあ、塔、バルファルクこの二つでわかる方はわかるかと思いますが、全ての天彗龍を凌駕する、まさに種の頂点ともいえる個体だということです。
わかんない人は姉御バルファルクで検索すれば出てきます。
検索するのが面倒くさい人はイベクエの超強化されたバルファルクと思ってください。
ちなみに自分は瞬殺されました。
あれはむりです。


とりあえず、新年度になっても、この小説をよろしくお願いいたします。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼


4/4追記:毒テングダケの毒はドクではなく毒です。みんなも間違えないように気を付けましょう。(と言うか、誰か誤字報告してくれてもよかったじゃん。まさか!誰も気がつかなかったとでもいうのか⁉)



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第十八話 思い盛んにして故に言葉届く。

「あーたーらしーいーあさだああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

ああ、普通に起きれた。

夜中に暗殺されかけることもなく、朝に食われかけることもなく。

平穏に目覚めることができた。

なんと素晴らしいことなんでしょう!

 

「それにしても、あんまり痛くないな。軽い筋肉痛レベルだ」

 

うん。昨日はバルファルクさんにああ言ったけど、なんか最近人間止めてきてる気がするんだ。

でも、それを否定(現実逃避)したい自分がいる。

と言うか、認めてたまるか!

 

 

さて気分を変えて、朝食は何にしようか?

 

そこらへんにある食べれるやつを適当に鍋にぶち込んで食おうかな?

 

うん。そうしよう。

 

古代豆、怪力の種、大地の結晶、うーん。思ったよりあんまりないな。

お?これは、二輪草か?よしじゃあこれも………止めとこう。

過去に鳥兜と間違えてシセラス殺しかけてるし。

ほんっと、よく似ているんだよね。

花咲いてる時じゃないと(自分は)わからん。

さて、後はそこら辺にいるアプトノス(生肉)を狩るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお!いい感じになったんじゃないか?」

 

うん。とりあえず、採取した食材を鍋にぶち込んで煮ただけだけど、それっぽくなってる。

 

もう、いいかな?

 

「それでは、たなつもの 百の木草も 天照す 日の大神の 恵み得てこそ。いただきます」

 

鍋を膝の上に乗せながらだべる。

こんなことが出来るのも黒炎王の高い火耐性があってこそだな。

 

「おお、意外にいける」

 

隠し味みたいな感じで、毒テングダケとマヒダケとマンドラゴラとかを入れておいたのが良かったのかもしれない。

……ん?

 

まあ、なんか色々間違えてる気がしなくもないけど気にしない。

気にしないったら気にしない。

 

さて、飯はこれくらいにしてと。

 

「朝宵に 物喰ふごとに 豊受の 神の恵みを 思へ世の人。ごちそうさま」

 

残りは昼飯用にとっておこう。

もう一回なんか作るのはめんどくさいしね。

塔の頂上に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう。それにしても遠いな。

まあ、そのおかげでベースキャンプは安全だ!ということができるのだけども。

 

「「「ギャア、ギャア」」」

 

一匹のギアノスの跳びかかりをさけ、それに続く、別のギアノスの氷ブレスをさける。

前に立っているギアノスを無視し、全力疾走で駆け抜ける!

しばらくはギャアギャア合唱団に追い回されていたが、なんとか逃げ切った。

 

「ふう。それにしても前世(ゲーム)の時も思ってたんだけどなんで寒冷地でもないのにギアノスがいるの?

雪山と森丘に帰れ!」

 

まあ、文句言っても仕方ないか。

 

さてと、気を取り直して行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、ここまで来ると小型モンスターはいないな」

 

頂上付近、やっぱり強大なモンスターがよく来るからかね。

うーん、って事はまたなんか、やべー奴(古龍級)かなんかいるのか?

まあ、いたらいたで、全力で逃亡させていただく。

今まで、戦ってたやつが何を言うと思うかもしれないが、今までは逃げなかったんじゃなくて、逃げられなかったんだよ。

まあ、それだったら隙見て逃げればよかったんだけど、気にしたら負け。

 

「見たところ、何もいなさそうだな」

 

ルナルガの透明化は月明かりを屈折させてるから、昼間は透明化できないはず。

オオナズチは…………霧が出てないからいねえだろ。

たぶん。

 

 

 

さて、どうしようかな?

 

晴れてるし日向ごっこでも、するか。

それにしても、遠くに積乱雲が見えるな。

うーん。雨か、降りそうだ。

そうなったら、うーん。

どうしようかな?

 

そんな事を考えていると、突然暗くなった。

曇ったのかな?

特に何も考えずにのほほんと構えていると、

 

〖人間が何故こんなところに?〗

 

「ヘ?」

 

後ろから、何故か声がする。

まったく、予想していなかったことに驚き、振り向とそこには、

 

〖まあいい。理由など、どうでもよい。

王を散々苦しめてきた貴様らを生かしておくわけにはいかん!

ここで、我が成敗してくれる!〗

 

シルエットは球状で、そこから垂れるように触腕が何本か生えている。

さらに、身体の上の方には木や苔などが生えている。

その巨体は浮いていて、何で?と聞きたくなるが、どうやら体内にガスが溜まっているらしく、それで浮いてるらしい。

その名は、浮岳龍ヤマツカミ。

また、果てしない寿命を持つことされていることから、最古龍とも言われている。

バルファルクさんが言ってたのはこいつの事だったのか。

どうにかして戦闘を回避できないかな?

 

「少し話を聞いていただけませんか?私はあなた様とは敵対する気はございません。ましてy「キュアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

ヤマツカミは触腕を叩き付けきた。

どうやら、こちらの話を聞くつもりはないらしい。

めんどくさいことになったぞ。

 

「ああ!もう、そっちがその気ならやってやる!」

 

このまま、なぶり殺されてたまるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ふむ。とんでもないことになりましたなぁグラン殿〗

 

そう言ったのは島と勘違いしてしまいそうな程の巨体をもち、まるで全身が金で覆われているかのよう。

何より目を引くのが頭に生えている二本の巨大な角で、自分の顏すら隠してしまうほどである。

「海に浮かぶ新月」「深海に棲む光る巨人」などの異名を持つ、大海龍ナバルデウス。

の亜種、「荒ぶる神を超えるもの」とも言われる皇海龍ナバルデウス亜種。

 

ナバル亜種に質問を投げかけられたのは、

ただでさえ、巨大なナバルの1,5倍はあるかという巨体。

全身は黒く、それはまるで岩石の様な鱗に覆われ、所々、赤いマグマのようなものが流れていて、肩や胸、腰にはそれが渦巻いている。

背中にある翼は、飛行には適していないが、先端はまるで、火口のようになっており、それに連なるのように背中にはいくつかの火口がついている。

「大地の化身」「獄炎の巨神」「偉大なる破壊と創造」そして、「煉獄の王」とも呼ばれるモンスター。

煉黒龍グラン・ミラオス。

 

〖うむ。確かにそうだなナバルよ。まさか、こんなことになるとは夢にも思わなかった。ルーツ嬢が人間に……か。酔狂な者もいるものだ。いや、これはルーツ嬢に失礼か。ところで、お主はこの件をどう思う?〗

 

〖え!そ、そうですね。私はお二方のように王を直接知らないので何とも言えませんが。一つだけ言わせてもらうとその人間はおかしいと思います〗

 

 

そう答えたのはナバルやミラオス程ではないがそれでも十分巨体。

眼は紅く、体色は深海をその身に宿したかのような黒。

身体の所々から、蒼く発光している。

「海神の化身」とも呼ばれ、深淵から出で、激流の渦を以って万物を喰らうと伝えられるされるモンスター。

海竜ラギアクルスの希少種。冥海竜ラギアクルス希少種。

 

 

〖ふははは!ラギアもよく言うようになりおって、儂とあったときは言葉一つすら洩らさなかったのになぁ〗

 

〖それは!……しょうがないですよいきなり声をかけられたんですから〗

 

〖グラン殿と初めて会った時も怯えて儂の後ろに隠r〖もう!今はそんな話する時じゃありません!グラン様もなにか言ってください!〗

 

〖まあまあ、そう怒らなくてもよいではないかラギア。それと、ナバルもナバルだ。

確かに孫娘分の成長を見て喜ぶのはわかるが今はルーツ嬢のことが先だ。

それに、そのことは毎回言ってないか?〗

 

〖それも、そうだな。ふはははは!〗

 

この龍もう、ダメかもしれない。

言い方は違えど二体はそう思った。

 

〖……それでは、話を戻そう。っと言いたいところなのだが。噂をすれば影だ〗

 

それを聞いた二体はミラオスの視線を追う。

 

〖確かになにかがこちらに飛んできていますね?あれが……王?〗

 

〖む。どこにおられるのだ。儂にはまったく見えんのだが?〗

 

〖……諦めてください〗

 

そのデカい角が邪魔で文字道理なんにも見えないんだろうな。

だったら、なんでそんなものが生えてるのだろう。とっちゃえばいいのに。

そんな事を思いながら言ったラギアであった。

 

〖ナバル、ラギア。先ほどバルファルクが言っていたこと頼むぞ〗

 

〖わかってます〗

 

〖儂が違えるはずなかろう〗

 

〖あなたが一番心配です〗

 

〖仮に失敗したとて、取り返しがつかなくなることでもない。ラギアよそう気を張らんでもいい〗

 

〖はい。わかりました!〗

 

敬礼でもしそうな勢いで答えるラギア。

 

ふふ。まだまだ若いな。ラギアもルーツ嬢も我やバルカンのようにはならず信じるもの、大切なものを失わずこのまま真っ直ぐいてもらいたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が経ち先ほどよりは精神的にましになった私はグランさんを見つけた。

グランさん大きいから遠くからでもすぐわかる。

あれ?でも、いつもは海の中に潜ってるはずなのに、どうしたんだろう?

あ、ナバルさんと、あれは誰だろう?

でも、雰囲気的に古龍種じゃないよね。うーん。心当たりがないな。

まあ、仲がよさそうな雰囲気だし(特にナバルさんと)きっといいこだよね。

アルバの時みたいにならないよね。

うう。忘れなきゃ。嫌、嫌。

 

〖ルーツ嬢か。久しぶり〗

 

あ、先に声かけられちゃった。

 

〖王お久しぶりでございます〗

 

〖お久しぶりです。グランさん、ナバルさん。あと、えっと〗

 

〖ラギアです。初めまして〗

 

綺麗にお辞儀で自己紹介をしてくる。

 

〖こちらこそ初めまして。ミラルーツです〗

 

こちらもつられてお辞儀をする。

 

〖お噂はかねがねおz、ナバルやグラン様より伺っております。聞いていた通り、いえそれ以上にお美しいですね〗

 

美しい。ふふ。褒められちゃった。

 

〖ありがとうございます。えっと、ラギアちゃんってよんでもいいかな?〗

 

〖え!も、もちろんいいですよ〗

 

〖ありがとう!うん。ラギアちゃんこそ、黒くてかわいいと思うよ〗

 

〖え、か、かわいい?そ、そんなことな、無いですって〗

 

〖えー。絶対にかわいいと思うよ。ねっグランさん?〗

 

〖む。そ、そうだな。ナバルはどう思う?〗

 

〖もちろん、かわいいに決まっておろう!今こそ黒くなっておるが昔は王とはまた違った白でかわいかったのだぞ!〗

 

〖えっ!ちょっとおじいちゃん!〗

 

〖それからな、初めて会った時は〖ナバルよ。そこら辺にしてやってくれ。ラギアが倒れてしまうだろう。それに、ルーツ嬢は何か用事があって来たのではないか?〗

 

〖あっ。すみません。忘れるところでした〗

 

危ない危ないグランさんがいなかったらこのまま雑談して帰ってしまうところだった。

でも、気分転換になったからいいかな。

 

 

〖ここに来たのはグランさんに相談したことがあるからなんですが……、えっと〗

 

うーん。ラギアちゃんは会ってから少ししかたってないけどなんとなく大丈夫だと思う。

ナバルさんは大丈夫。

……大丈夫かなぁ?

いや、そのね。

ナバルさんを信じてない訳じゃないの。

ただ、何と言うか。別の方向でとんでもないこと言ってきそうだからちょっと不安。

 

そんな私の気持ちを汲み取ってくれたのかラギアちゃんが、

 

〖どうやら私たちは邪魔者のようです。おじいちゃん帰りましょう〗

 

〖ん?なぜ儂たちが帰らんといかん。知らない仲ではないのだから別にいいではないか〗

 

〖はいはい。ボケたこと言ってないでかえりましょうね~〗

 

そう言ってナバルさんを押しながら帰っていくラギアちゃん。

正直すごく助かったんだけど、私ってそんなにわかりやすい?

 

〖それでは、また機会がありましたらお会いましょう〗

 

〖うん。それじゃあばいばい〗

 

私は手を振って見送る。

ラギアちゃんはぺこりと綺麗にお辞儀していった。

私もお辞儀したほうがよかったかな?

 

〖気を使わせちゃいましたね〗

 

〖ルーツ嬢が気にすることではない。して、相談とは?〗

 

〖えっとね。私――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず初めに、告白されたことを話した。

 

次に、ボレアスちゃんに言われたことをはなした。

 

次にバルカン君の反応は話すことではないと思い言わなかった。

 

最後にアルバと話したことを話した。

 

その間、グランさんは何も言わず静かに、時々相槌を打ちながら聞いていた。

 

 

 

そして、さっきのやりとりで回復した私の気持ちはまた、あのことを思い出したせいで沈んでいた。

さっきのやりとりで持ち直したと思っていたけど、意外とダメージを受けていたらしい。

 

そして、気が付いたら私はこんな質問をしていた。

 

〖グランさんは……、その人からの告白本気だと思いますか?

それに、ちゃんと待ってると思いますか?〗

 

それを聞いたグランさんは、少し意外そうにしながら。

 

〖うむ。アルバに言われたことか〗

 

〖はい。言われてからずっと不安で、アルバ…………さんから聞いたときは思わず逃げてしまいましたが。

でも、しっかりと受け入れなきゃなって。

それは、その可能性は零ではありませんし、私は信じていたいですけど。

それで、少しでも整理をつけるために聞きたくなって〗

 

自分でも驚くくらい言葉が漏れてくる。

それに、比例してどんどん増えていく不安。

 

私が望んでいるのは肯定の言葉。

本気だと思う。待っててくれている。

そんな。

 

グランさんは優しいからもしかしたら、言ってくれるかもしれない。

けど、

 

〖本心を言ってください〗

 

少し驚いたように見えるグランさん。

やっぱり、私を傷つけないように……。

 

〖例え、私が傷つくことだったとしても。しっかりとグランさんあなたの意見を聞かせてください〗

 

グランさんなら、仮に私が傷つくようなことを言うときもできるだけ傷が浅くなるように言ってくれるだろう。

それに、今決めたのだ。

 

一度逃げたのだから、もうこれ以上は逃げられない!

 

でも、これを声に出す勇気はちょこっとだけ足りなかったみたい。

だって、少し恥ずかしいし。

うう。

 

 

〖うむ。ほんとにルーツ嬢は成長したのだな〗

 

こちらを見て一瞬優しい笑みを浮かべたかと思うとすぐに真剣な雰囲気に変わる。

 

〖では、望み通り我の本心を話そう。

我はその話を聞いた時、アルバと同じく、あり得ないと思った。本気などではないまやかしである、とうの昔に逃げ出していると〗

 

やっぱり……か。少しはほんの少し期待したけど、いいえ。わかっていた。

人と龍は相いれない。

私にこのことを初めて話してくれたのはグランさんだった。

きっと、過去に何かあったのだろう私に想像もつかないようなことが。

その時の眼はどこか遠くを見つめていて、何かを思い出してるようだったことは記憶に残っている。

とても悲しそうで、だけど、私の為を思ってか、優しく決して強くは言わなかった。

 

 

だから、ああ言ったのだ。

グランさんはこういう言うと思って。

けど、

その後に続いた言葉は意外で、

それこそ本当に予想なんてつかなくて、

 

〖しかし、その人間は逃げ出しておらぬよ。ルーツ嬢の帰りを待っておる〗

 

私にすごく都合のいい言葉だった。

 

〖どう、して〗

 

衝撃のあまり、まともに言葉を紡げない。

なんで?さっき、あり得ないって。

それに、どうしてそう、言い切れるの?

 

〖うむ。何故こう言ったのかわからないという顔。ルーツ嬢が言いたいことはよくわかる〗

 

私は言葉を出す余裕がなく、頷くしかなかった。

 

〖実は、ルーツ嬢が来る前にバルファルクが来てな〗

 

え?バルファルクさんが?どうして?

私の頭はさらに混乱を極めた。

 

〖なんと、バルファルクは件の人間と友諠を結んでいるらしい〗

 

え?チョット今ナンテ?

早速私の理解を超えかけた。

 

〖うむ。それでだ、偶然バルファルクが塔の近くを通った時に頂上で、あるモンスターと人間が戦っていたそうだ〗

 

え、それってもしかして、

 

〖それが、その人間だったらしく、劣勢のようであったから助けたらしい。

そこで、落ち着いた後、バルファルクはこう問うたらしい。

『〖なぜ?こんなところにいるんだい?〗』とそしたら、その人間はこう答えたらしい『祖龍様を待っているんです』と〗

 

私を、待っててくれた?

 

〖それでだ。そこに至るまでの経緯も聞いたバルファルクはこんなことも問うた『〖何故?王に告白したのか?〗』と〗

 

そう、そこが、気になるところなのだ。

でも、待っていてくれているってことは……

もしかして、

 

〖それでなその人間はこう答えたらしい『好きだからすですね。むしろ、それしか理由がないでしょう!』と〗

 

ほ、本当に!嘘。じゃないの。ふふふふ。ふふふふふふふふふ。

身体が震えてくる。

恐怖とかそんな暗い感情じゃない。

嬉しすぎて、嬉しすぎて、震えてしまうんだ。

でも、出来れば本人の口から聞きたかったな。

 

 

〖グランさん。それ本当なの!本当なの!嘘じゃ、噓じゃないの!私を喜ばせる為のとかじゃなくて!本当に本当なの!〗

 

〖真だ。わざわざ嘘をついてどうする。それから首を絞めながらゆするのを止めい〗

 

あ。

 

〖すみません。その、つい〗

 

私はグランさんを絞めていた手をはなし謝る。

 

〖うむ。別にわざとではないのだからよい。ところで、ルーツ嬢の悩みは解決したか?〗

 

 

〖……あ〗

 

いろいろあってすっかり忘れてしまったが、そう言えば、私悩んでたんだっだ。

 

〖はい!ありがとうございました〗

 

うん。もう解決した。

だって、あんな事聞かされたら解決するにきまってるじゃない。

 

私の答えは決まった。

 

だから後は伝えに行くだけだ!

 

〖それではまた、ちゃんと後で報告にきますから〗

 

〖うむ。楽しみにしておるぞ〗

 

 

行こう!彼が信じで待ってくれている塔へ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ちょこまかとかわしおって、早くくたばれい!〗

 

嫌です!

 

そう心の中で言いながら。

 

 

回転しながら急降下してくるヤマツカミから緊急回避をして、距離をとり当たらないように立ち回る。

 

くそう。最初は逃げ出そうとしていたが、それに気付いたヤマツカミが『〖逃がすか!〗』と叫び、出口の方に陣取ってしまったので逃げようにもどうにかして、どかすか、動きを止めなければならない。

 

「キュアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

びしんばしんと叩き付けてくる触腕に

 

ラウンドフォース!

 

「とう!」

 

それに怯んだ隙に混沌の刃薬!

 

「どりゃああああああああ」

 

まずは、一閃!

 

それからさらに攻撃を畳みかける!

 

「グギャアアアアアアアアアアアアアアアア」〖よくもやってくれたな人間よ。わしをこのようなめにあわせたこと後悔させてくれる〗

 

 

やっと落ちたああああああああああああああ!

 

よし、それじゃあ、追撃のブレイドダンス!

 

をするわけないだろう。

 

戦略的撤退ー!

 

全力で階段へと向かう。

 

ははは!この勝負俺の勝ちだ!

 

あと、もう少し。

なんか後ろで物凄い音がしてるけど気にしない。

あと、少し。

 

……あと少し。

 

…………ん?

あれ?

なんか進めない?

いや、むしろ。

後ろに引っ張られてる⁉

 

これって、もしかして!

 

前に進もうとしながら、後ろを振り向くと。

 

ヤマツカミが地面に向かってものすんごい勢いで吸い込んでいた。

その勢いは凄まじく、周りの小石とかはあっという間に吸い込まれて、

うん。これが吸引力の変わらないただ一つのダイソンってことだね。

 

は?

 

「それヤマクライのわざだろがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

そんなツッコミも空しくどんどん引っ張られていく。

 

やばい、もう飲み込まれるそう思った時。

 

吸引が止まった。

 

ふう。危ない危ないもう少しで吸い込まれてくちゃくちゃされるところだった。

 

さて、安心している暇はない。

 

ヤマツカミの様子を見ると眼は赤色から金色に変わっており怒り状態になったことがわかる。

吸い込みにより、距離は

 

 

〖次こそは必ずや貴様を!〗

 

そして、そう叫びながらもう一度吸い込み始めて、

 

は?

 

ふざけるんじゃねえ。

必殺技を二回連続で使って来るやつがどこにいる。

あ、いましたね。あのイカちゃん。

 

というか、本当にヤバイヤバイヤバイヤバイ!

 

こんな至近距離じゃあ。ダメだ。

 

クソが!

 

いや、まだわからない。

うおおおおおおおおおおおおおお!

 

諦めんなよ!

 

諦めんなよ、お前!!

 

どうしてそこでやめるんだ、

 

そこで!!

 

もう少し頑張ってみろよ!

 

ダメダメダメ!諦めたら!

 

……

 

…………

 

………………

 

あ、無理でした。

 

地に足がつかなくなった瞬間そう悟った。

 

はあ、短い人生だったな。

 

せっかく祖龍様と会えたって言うのに、まだ、答え聞いてないな。

 

あーあー。どうせだったら祖龍様に殺されたかったな。

贅沢言わないからせめて見ながら死にたいな。はは。

 

次の瞬間俺はむしゃむしゃされて第二の人生を終える。

かと思われた。

 

突然なる大轟音。

 

止まる吸引。

 

落ちる己+ヤマツカミ。

 

何が、起きたのか一瞬わからなかったが、俺は確かに見たのだ。

 

超高層紅色型雷放電(レッドスプライト)、つまり紅い雷を。

 

ま、まさか。

 

辺りを見回して、あ!

 

その瞬間、身体の痛みとかいろんなことがどうでもよくなった。

だって、だって。

 

目の前には天使のような美しさと神のごとき神々しさをもつ、祖龍様がいた!

 

 

ああ、ああ。

 

本当に戻ってきてくださったのですね。もちろん、信じていましたけれども!

 

一瞬、俺はもう一度祖龍様の姿見られたから死んでもいいや。

そんなことを考えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
最近、ゲームパットを買ったらイチタリナイが発生しました。(下調べって大事)
どうも作者の彼岸沙華です。

今回も、前回に引き続き長いです。

ちなみに、ナバルとラギアはおじいちゃんと孫娘をイメージです。
こいつらは、なんか書いてたら出てきて、最初イメージしてた感じとは違う仕上がりになりました。(え?直ぐ上と言ってることが違う?気にするな)
もう、モンスター側のことは突っ込まないでください。



あと、ヤマクライなにそれ?って人もいるかと思い説明しますとモンハンフロンティアに登場する。
まあ、ヤマツカミの特殊な亜種みたいなもんです。ヤマツカミより、森々してて、毒麻痺睡眠を使ってきます。サマソもあるよ。あと金歯。
気になる人はググれ。
それから、ヤマツカミは実際に急降下回転なんてしません。
ごめんなさい。オリジナル技です。
でも、してもおかしくないと思うんだ。
カプコンの人見てる~?

あと、サブタイトルはお気づきの方が多いと思いますが、グラン・ミラオスのクエスト「黒焔盛んにして災異未だ止まず」を改変したものです。
本当にモンハンクエスト名っていいですよね。
「舞うは嵐、奏でるは災禍の調べ」とか「祖龍」とか「白光」とか「滅びの伝説に挑みし者」とか「日輪沈蝕」とか。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼


4/9:追記 一部のセリフがちょっとおかしかったので変えました。






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第十九話 あなたに捧げる花一華。

〖ヤマツカミ何をしているのですか!〗

 

祖龍様は威風堂々としていて、最初に出会った時の雰囲気とは違い。

正に、王そう呼ばれるにふさわしい、否そう、呼ばなければならないと思わせる雰囲気ががオーラとして見えそうになる。

ああ、祖龍様!

 

〖王!何故……。いえ、これは王を苦しめることになるであろう人間を行排除しようとしていただけです〗

 

ヤマツカミは先ほどの態度とは全然違ってむっちゃオロオロしているような雰囲気だ。

正直言って、その気持ちわかる。

だって、祖龍様ちょっと怒ってる感じだもん。

自分もヤマツカミの立場に立ったら。怒らせちゃったのかな?どうしようと思って、たぶん同じ反応をする。

そして、死にたくなる。

 

〖なるほど、あなたの言いたいことは理解しました。私の為にやってくれたのですね。

それは嬉しく思います〗

 

〖ありがたきお言葉〗

 

〖しかし、彼とはちゃんと話し合えばこのようなことは無用の行いだとわかったはずです〗

 

〖王。質問よろしいでしょうか?〗

 

〖もちろん。いいですよ〗

 

〖なぜそのようなことが言えるのですか?人は我々を問答無用で攻撃し、数多の同胞を

屠ってきた存在ですそう、やすやすと信用できるものではありません〗

 

いや、今回に関してはあんたが問答無用で攻撃してきただろうが!

まあ、人間側の方が多いのは事実だと思うけどさ。

うーん。でも、ヤマツカミの言ってることは正論なんだよな。

 

 

〖なるほど、確かにヤマツカミの言うことは正しいです。しかし、彼は、私を見てもすぐには攻撃せずに、話しかけてくれました。なので、ちゃんと話せばそれで解決したはずです〗

 

〖しかし、王。それだけでは根拠にはなりえないと思いますが、人間が友好的を演じて油断させて攻撃するという作戦ということもあり得ます〗

 

〖私もその可能性について考えました。ですが、彼はバルファルクさんと友誼を結んでいます。信用できるとは思いませんか?〗

 

え!祖龍様知ってたの?いや、おかしくはないか。

うん。そのおかげで助かってる?から、バルファルクさんに感謝だな。

と言うか祖龍様もバルファルクさんなんだな。

うーん。なんだろう。あんまり意外性を感じない。

 

 

〖……確かに、それが本当であれば、信頼できましょうが。しかし、それは真ですか?〗

 

〖はい。私はこれをグランさんに聞きました。グランさんはバルファルクさんから聞いたそうです〗

 

グランさん?

もしかして、グラン・ミラオスのこと!

おお!

会ってみたい!

 

〖それならば、疑いの余地がありませぬ〗

 

〖うん。理解してくれてありがとう。それでは、ヤマツカミさん彼に謝罪を〗

 

確かに、今回はあちら側に非があるとはいえ、流石に直ぐに謝罪はきつくないか?

別に自分的には祖龍様にもう一度会えたからそれで、いいんだけど。

 

 

〖…………王がそうおっしゃるなら〗

 

そう言って渋々と言った感じでこちらを向いて、

 

〖すまなかった〗

 

頭を下げてくる。

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

うーん。そんな感じで謝ってくれるなら別によかったんだけどなー。本当に。

 

〖………むー〗

 

なんか、物凄く不満そうな視線が祖龍様の方からくる。

祖龍様は、ヤマツカミの謝罪がお気に召さなかったようだ。

 

ヤマツカミとアイコンタクトをする。

どうやら、同じようなことを考えたらしい。

 

「別にこちらは気にしてませんし大丈夫です」

 

〖そう言ってくれると助かる。では、〗

 

「それでは」

 

 

 

〖え?ちょっとま「さよーならあああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

これぞ、ゴリ押し。

祖龍様の意思をないがしろにするような行為だけど、まあ、これはさすがにね。

ヤマツカミが仮に心から謝罪をしてたり、俺が謝罪を要求していたならともかく、今回はどっちもねえからな。

形だけので十分だ。

 

 

〖むー〗

 

凄く不満そうな祖龍様。

今更だけど、登場してからあったはずの、王の雰囲気はとっくに無くなっている。

 

〖はあ、しょうがないかぁ。〗

 

完全に脱力して、offモードだな。

ONモードぽかったときも途中からボロボロだったけど。

 

〖ふー。疲れた。やっぱり、私には向いてないのかなー〗

 

それにしても、一応自分と言うほぼ初対面に近い奴がいるのに、そんな風にしてても、いいのだろうか?

別に俺得だからいいんだけどさ。

 

〖あ!〗

 

こちらと目が合って、状況を思い出したのだろう。

 

 

〖えっと。そのー。…………あう〗

 

少々慌てていて、何を言ったらいいかわからないそんな感じである。

 

その様子を眺めながら俺は思った。

 

どうやら、祖龍様はポンコツであれせられるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖えっと。その、ご、ごめんなさい。別に忘れてたってわけじゃあ〗

 

「いいえ。別に気にしてませんから。それにかわいかったですし」

 

〖か、かわいい⁉う、うあう〗

 

どうやら、祖龍様は褒められることに耐性が無いらしい。

うん。かわいい。

 

〖あ、ありがとうございます〗

 

「どういたしまして。先程は、助けて下さってありがとうございます」

 

とりあえず、まずは、お礼からだな。

このまま流れそうだったし。

 

〖いえ!別に礼はいりませんよ!〗

 

「自分がしたいからしたんです」

 

〖そ、そうですか〗

 

「…………」

 

〖…………〗

 

話題尽きた。

どうしよう、終わっちゃったよ。

うーん。そうだ!

 

「そう言えば、お互いまだ、ちゃんと自己紹介をしていませんよね」

 

〖そ、そうですね。まだ、名前とか。聞いてませんからね!〗

 

「では、まず自分から。自分はシャゲ。えっと、好きな言葉は土は己を知る者の為に死すです」

 

〖はい!つ、次は私ですね。私は祖龍ミラルーツ。えっと、好きな言葉は、えっと。うーんと、その…………。うーん。うーん〗

 

「別に無理に答えなくてもいいですよ。自分は、その。特に何言うか思いつかなくていったことですし」

 

〖そうなんですか。いえ、ありがとうございます〗

 

「どういたしまして。そういえば?気になったのですが、《ミラルーツ》って個人の名前なんですか?それとも、種族名なんですか?」

 

〖うーん。種族名だね。でも、今は私しか《ミラルーツ》がいないから実質私だけの名前みたいにってるかな?〗

 

「そうなんですか。ありがとうございます」

 

うーん。場合によっては、祖龍様は複数体いるかもしれないってこと?

それは、他の禁忌のモンスターもあてはまるのかな?

だとしたら、よく滅亡しなかったなこの世界の人類。

いや、もう既に何回か滅亡してんのかな?

 

〖どうして?そんなことを聞いたの?〗

 

「いいえ。特に深い意味はありません」

 

〖もしかして、それだと何かまずかった?〗

 

「いえ。たいしたことではないですけど。人前で呼ぶときにどうすればいいかな?っと思っただけです」

 

〖どういう事?〗

 

「祖龍様の立場を考えてみて下さい」

 

〖あ。確かにそうだね。うーん。どうしようか?〗

 

「さて、どうしましょうか」

 

自分で言ったのにあれだけど、、ミラボレアスならともかく、ミラルーツだったら大丈夫なのか?

そこのところどうなんだろう。

一回、ギルドマネジャーに聞いてみようかな?

ボタンさんに聞いてみるのもありかな?

いや、こういう事に関してならフェンネルさんの方がいいのかな?

 

〖そうだ!〗

 

「どうしたんですか?」

 

〖祖龍。もしくはミラルーツって呼ばなければいいんだよね?〗

 

「おそらくは」

 

〖それじゃあさ〗

 

そこで、言葉をいったん区切る。

そして、少し恥ずかしそうにしながらがら、言葉を続ける。

 

〖あなたが私の名前を考えてくれる?〗

 

「…………」

 

〖えっと?どうしたの〗

 

「…………………」

 

〖やっぱり。ダメ……だった?」

 

「………………………………」

 

〖自分で考えなきゃダメだよねこういうのは〗

 

「………………………………………………死ぬ」

 

〖え?〗

 

ドサ

 

〖ちょっと!大丈夫!しっかりして!〗

 

 

 

かうぃいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心配させて申し訳ありません」

 

〖別にいいよ。それにしても、どうしていきなり倒れたんですか?〗

 

「日頃の無理が祟りました」

 

祖龍様が可愛くて昇天しそうになったとは言えないな。流石に。

 

〖……もしかして、私のせい?〗

 

「いえ!そんなことはありません」

 

〖でも〗

 

「自分が好きでやったことです。気にしないでください」

 

〖ありがとう〗

 

「いえいえ。それでは話を戻しまして祖龍様の名前の件ですね」

 

〖考えてくれるんですか?〗

 

「もちろんですよ」

 

〖ありがとうございます〗

 

うーん。どうしようか。

祖龍様の名前だろ?

下手な名前は付けられない!

己の命を犠牲にしても、最高の名前を考えないと!

 

うーん。うーん。うーん。うーん。うーん。うーん。うーん。うーん。うーん。

 

うーん。

どうしようか。

 

まさに、暗中模索、五里霧中このまま、八方塞がりの打つ手なしで終わってしまうのか?

そう思ったとき、ある一つの光景が思い浮かんだ。

 

「……アネモネ」

 

祖龍様の美しい白鱗のようなアネモネが。

それを思いついたとき、まるでキメラを組んだとき、奇跡的にすべてが合わさった時のような感じがした。

 

〖……?〗

 

 

「アネモネというのはどうですか?」

 

〖アネモネ?〗

 

「はい。アネモネです」

 

〖……私の名前?〗

 

「そうですが、もしかして嫌でしたか?」

 

〖ううん。そんなことないよ!凄い素敵だと思うよ〗

 

「そう言ってもらえてうれしいです!」

 

〖その、アネモネってなにか由来があったりする?〗

 

「はい!アネモネは植物界 、被子植物門、双子葉植物綱、キンポウゲ目 、キンポウゲ科、イチリンソウ属の多年草で、古来より美しさと儚さの象徴とされている花なんですよ」

 

〖そ、そうなんだね。でも、それだと名前負けしちゃうんじゃないかな〗

 

祖龍様なら、どんな名前にも負けることはないと思う。

むしろ、名前がぼろ負けするレベル。

 

「いえいえ。そんなことはありませんよ。祖龍様。いえ。アネモネ様に似合った名前ですよ」

 

〖そんなことないよ。私には、もったいないよ〗

 

むむ、意外と頑固だな。

 

「いえ、もったいなくはありません。それとも気に入りませんか?嫌ですか?」

 

〖ううん。むしろ気に入ってるし。嫌ではないかな。でも、「ならば!」

 

まだ、食い下がる祖龍様の言葉を遮り。

堂々と有無を言わせないようにしっかりと言い放つ。

 

「ならば、大人しく受け取ってください!謙虚、謙遜は美徳ですが、行き過ぎると悪徳です。相手に失礼だと、そう思いませんか?」

 

〖うう。確かに……〗

 

「わかってもらえてよかったです」

 

〖ありがとう〗

 

「どういたしまして」

 

〖ふふ。アネモネか。アネモネ〗

 

そうやって、嬉しそうに何度も繰り返す祖龍様否。

アネモネ様は、まるでその名前を自分になじませているようだった。

 

あー。美しいなぁ。かわいいなぁ。

このまま、尊死しそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ふふ、アネモネ。アネモネ〗

 

これが、私の名前。

本当に、私にはもったいないくらい素敵な名前。

 

『―――古来より美しさと儚さの象徴されている―――』

 

彼は私の事そんな風に見てくれているのかな?

ちょっと恥ずかしいな。

 

でも、それ以上に嬉しい。

 

なぜか。身体がぽかぽかしてきて、ふふ。

悪い気はしないな。

 

〖アネモネ。私の名前はアネモネ〗

 

何度も繰り返すうちにこの言葉が私の名前なんだそんな実感が湧いてきた。

 

「――――アネモネ様。アネモネ様」

 

〖どうしたの?〗

 

「いえ。さっきから話しかけているのに全然反応していませんでしたが。ちゃんと聞いてましたか?」

 

〖え⁉も、もちろん聞いてたよ!〗

 

ちょっと真っすぐ顔を見てないのは気のせい。

うん。キノセイダヨ。

 

「…………まあ、いいです」

 

〖それよりも、さっきからアネモネ様って呼んでるよね〗

 

「はい。そうですが。何かご不満でも」

 

〖様付で呼ぶのを止めて下さい。いつもなら問題ないんだけどその名前を様づけで呼ばれると、なんていうかその、ちょっと変な感じがして〗

 

「なるほど」

 

〖呼び捨てでもいいので好きなように呼んでください〗

 

「よ、呼び捨てなんてできるわけないじゃないですか!」

 

〖え?〗

 

「様がダメだっていうなら。アネモネ尊と呼んでもいいですか!」

 

尊⁉

 

〖え?なにそれ?〗

 

「それがダメでしたらアネモネ卿」

 

卿⁉

 

〖いや、もっとダメだよ!〗

 

「じゃあ、なんて呼べばいいんですか!」

 

〖普通にさん付けでいいよ!〗

 

 

 

 

 

 

 

 

説得するのに結構時間がかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかりました。アネモネさん」

 

〖ありがとう〗

 

 

本来は様とつけて呼びたいんだけど、本龍にあそこまで言われちゃなぁ。

しょうがない。アネモネさんの意思は最も尊重すべきことだからな。

 

まあ、それは置いといて。

 

 

「そういえば、あの件なんですけど」

 

なんか、ずるずると引き伸ばしてる感があるからここらばちこりとはっきりさせておかないとな。

 

〖あの……件?〗

 

「はい。あの件です」

 

え?もしかして、忘れてたとかはないよね。

と言うか、さっきそのことについて話してたんだけどね。

 

〖えっと、うん。お返事だよね!〗

 

あ、これはさっき話聞いてなかったやつですね。わかります。

 

〖ふ、不束者ですが、……?〗

 

無言で制止する。

 

とりあえず、話を今度はちゃんと聞いて貰ってるか確認しながら話そう。

 

「そのことなんですが、先ほど話していたんですがやはり聞いていなかったんですね」

 

〖え?な、なんの話?〗

 

うん。キョトンとしているアネモネさん。

それをみたらいろんなことがどうでもよくなりそうだけど、ここはしっかりしないと。

 

「まだ、お互いのことをまだよくわかってないじゃないですか」

 

〖うん。そうだね〗

 

「だから。とりあえず、お友達から始めましょうって話ですよ」

 

〖え?〗

 

「やはり、こういうのはちゃんとお互いを知ってからじゃないと」

〖ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!〗

うお!びっくりした!

 

そんな驚くことかな?(普通驚きます)

でも、やっぱり、こういう事って大事だかね(普通は告白された側が言うことです)

 

あ、でも、アネモネさんが叫んだから言いそびれちゃったな。

 

あんな出会い頭じゃなくて、もう一回お互いを知ってからちゃんと告白したいって。

 

でも、いいか。

これから、アネモネさんと過ごす時間はたくさんあるわけだから。

 

うん。これから楽しくなりそうだ。

あー。ほんとに楽しみだ。

そういえば、アネモネさんは自分の名前の由来となった花を知らないんだよね。

 

よし、決めた!アネモネさんにアネモネを贈ろう

 

いや、この場合は捧げるって言った方がいいのかな?

 

あなたに捧げる花一華。

 

なんちゃって。

 

とりあえず、

 

「これからよろしくお願いしますね」

 

〖ふえ?う、うん。よろしく?うーん〗

 

ちょっと、混乱してるアネモネさんを見ながら。

 

これからの、生活を考えて。

…………何も考えないことにしようとりあえず今が楽しければいいか。

そう思ってしまった私は悪くない。

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
もうちっとだけ続くんじゃ。
どうも作者の彼岸沙華です。

まだまだ終わりませんよー。
と言うか、一章すらまだ続きます。
まあ、流れ的に終わりはしなくとも、それっぽいことをすると思った方は多いのではないでしょうか。

沙華さんがそんな風にすると思うか?

自分はみんなの予想の斜め左したを行きたい。(たぶん無理)

はい。それでは、キャラの名前元ネタのコーナー

今回も長いぞ。
というか、無茶苦茶長くなったので、読むのめんどい人時間の無い人はここでお別れだ。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼



アネモネ。
前々からちょくちょく出していて、もしかしたら、祖龍様の名前はアネモネになるんじゃないかって思った人もいるんじゃないだろうか。
そもそも、この章のタイトルの花一華はアネモネの別名の一つですしね。
ちなみに、祖龍様の名前をアネモネにするというのはかなり前から決めてました。
具体的には3、4話くらいので決めました。
ちなみに、その時はまだ、祖龍様のキャラをどのようにするか決めてなくて、最終的に花言葉にばちこりと引っ張られる感じになりました。

ちなみに、花言葉は(小説内で出てきたのも再度紹介)「薄れゆく希望」「儚い夢」「嫉妬の為の無実の犠牲」「儚い恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」
「辛抱」「無邪気」「期待」「可能性」「清純無垢」など。

全体的にマイナスイメージの花言葉が多いですが、そこがいいです。
とくに、「嫉妬の為の無実の犠牲」この花言葉が好きです。
ちなみに理由はわかりません。

次に色別です。

赤色は「君を愛す」

調べても多少言葉はブレたりしてますがこれしかなかったんですよね。
でも、まあ似合ってるしいいんじゃないんですかね。
とりあえず、もし、皆さんが誰かに告白するときは、バラではなくアネモネを使いましょう!
え?明らかにマイナスイメージの花言葉が多すぎるだろって?
こまけえことはいいんだよ!(まじめに言うと、事前にアネモネが好きもしくはプラスイメージを捉えてくれる人かを調べて渡すといいよ。
贈られた人も好きな花ならば、花言葉が悲惨でも嬉しいでしょうから。〔少なくとも自分はそう〕まあ、でも流石にスノードロップは止めときましょう〔花言葉:あなたの死を望みます〕)

次は白色です。

花言葉は「真実」「真心」「期待」「希望」など。

こちらは白という色のイメージ通りですかね?
とりあえず、祖龍様のイメージカラーということで欲しかったんですけど、この色だけ自分の行ったところにどこにも売っていませんでした。
代わりに、赤とか青とか紫とかはあったんですけどそれ以外の色がどうにも。


次は紫色です。

花言葉は「あなたを信じて待つ」「信じて従う」など。

この色花言葉はどちらかというと祖龍様より主人公の方が似合いますね。
むしろ、それを意識して書いたまでありますね。
ちなみに、アネモネのなかで一番好きなのはこの色です。
白と青も捨てがたいですがこの色が好きです。
まあ、単純に紫色が好きなんですけどね。


次はピンクです。

花言葉は「待望」「待ち望む」など。

なんか、紫色とだぶってますね。
と言うか、ピンク色だからもっと、恋にまつわる花言葉がついてても、おかしくないと思うんですけどね。
例えば、ハナモモの花言葉の「恋の奴隷」みたいな感じやつが。


次は青色です。

花言葉は「固い誓い」など。

アネモネらしい花言葉ですね。
仲の良い友人とかに送るのがいいと思います。
単純に(どの花もですけど)綺麗なので観賞用として買ってみてはいかがでしょうか?


最後は黄色系です。

さて、色に対してのイメージに反してわりとやばい花言葉が多い黄色。
アネモネの花言葉はいったいどんなのかな?と期待して調べてみると、

花言葉 なし。

Why⁉

ということで、調べてみても出てこないとかではなくはっきりとなしと描かれていました。

まあ、好きなようにしろということですね。


本当はアネモネの花言葉の由来とかもろもろを紹介したいのですがそうすると文字数がやばいことになりそうなので流石に自重します。

あと、今日4/23の誕生花の一つはアネモネなんですよ。
アネモネなんですよ。
アネモネなんですよ!
これだけは譲れない!

何があっても!

何故ならば、今日が自分の誕生日だから。
まあ、これがアネモネを好きなった理由の一つです。
たぶん(気が付いたら好きになってた)

とりあえず、最後の方は無視してもらってもいいですけど、
これだけは、無視しないでください。
アネモネは本当に素敵な花だからみんなも買ってみよう(ちょっと宣伝するのが遅い)


それでは最後にミラルーツ様万歳‼








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第二十話 妹さんを僕に下さい。お兄さん!

〖ねえ、お兄様。お兄様〗

 

これは、グランさんから、あの言葉を聞いたすぐ後、

まだ、私が幼かった時の記憶、何も知らなかった時の。

 

〖バルカンって呼べっていつも言ってるだろ。それでルーツなんだ?〗

 

この時はバルカン君がよく遊んでくれたっけ?

私の為にわざわざここ()まで来てくれて。

 

 

〖聞いて、お兄様。グランさんがね私がりゅうだけじゃなくて人とも仲良くできるかな?って聞いたらね『人と龍は相いれない』なんて言うの。酷いとは思わない?〗

 

グランさんのあの雰囲気を理解してなくて、

 

〖……そうだな〗

 

そして、バルカン君の雰囲気も。

 

〖お兄様ならどう思う?仲良く出来ると思う?〗

 

〖……なあ、ルーツ〗

 

バルカン君は目線の高さを私に合わせながら、話し始めた。

 

〖なに?お兄様〗

 

私は、少し不思議そうに答えた。

こんな風にバルカン君が話すのは初めてだったから。

 

〖お前は本気で人と仲良くしたい。そう思ったのか?〗

 

〖うーん〗

 

まだ、この時はそこまで深く考えてなかったな。

 

〖なら、やめとけ〗

 

〖どうして?〗

 

〖……そんなこと、ろくでもねぇからよ〗

 

この時バルカン君はきっと、すごく辛かったんだと思う。

何故はかわからないけどそう思った。

 

 

 

 

〖むー。お兄様まで、そんなこというの〗

 

なんで、あの時気付かなったんだろう。

 

でも、なんでなんな反応をしたのかは今も昔もわからない。

 

本当になんで、バルカン君はこの時、そしてあの時。

 

 

 

あれ?どうして、わたしはふたつをむすびつけたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍋料理のような何かを一口。

そして、一言。

 

「ふう。今日もいい出来ですなー」

 

ここで、シャゲ選手自画自賛していくー。

 

はい。

 

結局あんま寝れなかった。

そもそも、祖龍様じゃなかった。

アネモネさんの近くで寝られるわけが無い。

なので、アネモネさんが寝たのを確認した後、キャンプに戻っていろいろやってた。

それで、今はアネモネさん寝顔を見ながら朝食を食べてる。うん、控えめに言って最高。

昨日はなんだろう、後半の方はいろいろあわただしかったな。(え?いつもあわただしいだろって?気にしない)

 

 

アネモネさんを落ち着けた後。

気が付いたらいい時間(夕方)になっていたので、とりあえず、ご飯食べた。一度思ったら、なんでこいつ今まで空腹に気付かなかったんだよってくらい餓えてやばいって思ったが。

鍋とかはキャンプに置きっぱなしだったので、マラソンをする羽目になった。

もちろん、食べきったが火をかける余裕すらなかったので、冷たいまま食べたんだがまずかった。

当たり前だね。

 

ちなみに、アネモネさんに『ごはん食べますか?』と聞いたら『〖ううん。いらないよ〗』言われたので気にしなかったのだが、今よく考えたらこれダメだよな。うん。

別に本龍がまったく気にしてないからいいのかな?

 

 

〖……お兄様〗

 

ん?アネモネさん起きた?

 

〖…………〗

 

なんだ、ただの寝言か。

それにしても、お兄様ねえ。

うーん。ミラバルカンとか、そこら辺になんだろうか。

それとも、俺の知らないようなモンスターなんだろうか。

妄想が捗りますな。

 

〖……ん〗

 

……おや!?

アネモネさんの ようすが……!▼

 

テレレン。

 

テ、テ、テ、テ、テ、テ、テー。

テ、テ、テ、テ。

 

bbbbbbbbbbbbbbbbbbb

bbbbbbbbbbbbbbbbbbb

 

いや、別に進化するわけじゃないんだけどさ。

 

〖……ふ、ふぁぁ〗

 

「おはようございます」

 

〖ほえ。うーん。あ、おはよう〗

 

「アネモネさんも食べますか?」

 

そう言って、鍋を差し出しアネモネさんに見せる。

一応、食べたから残りを全部アネモネさんに渡しても大丈夫。

ちなみに、中身は、キノコメインだ。

 

〖!?。え、遠慮しておきます〗

 

「そうですか、欲しくなったらいつでも言ってくださいね」

 

具材はキノコ類、マンドラゴラ、マヒダケ、毒テングダケ、混沌茸、ドキドキノコとかで、あとは適当に食べれる山菜(安全を確認できたもの)、その他だ。

 

アネモネさんも起きたことだし。

とりあえず、どうしようかな。

 

うーん。ん?あれはなんだ?

 

〖どうしたの?〗

 

急に遠くを訝しげに見始めた様子の俺に気付いたアネモネさんは声をかけてくる。

 

「いや、あそこ。なんか見えませんか?紅いのがこっちに向かってきてるような。色的にバルファルクさんではないかな」

 

〖え?どこどこ?〗

 

 

「ほら、あそこの辺りです」

 

そう言って、アネモネさんにわかるように、よくガイドさんがやるように手を広げて、方向を示す。

 

だって、人に指さしたらいけませんっていうじゃん。

え?相手人じゃないだろって?こまけぇことはいいんだよ!

 

〖なにそのポーズ?〗

 

「指さしはダメだと思ったので」

 

〖ふふ〗

 

うーん。笑われた。

でも、アネモネさんを笑顔(?)に出来たならいいや。

 

「見つけれましたか?」

 

〖わかった!〗

 

おお、なんだかアネモネさん少しうれしそうだ。

 

 

〖ん?あれ、バルカン君じゃない?〗

 

へー。

あれがミラバルカンねぇ。

確かにさっきより近づいて、ミラバルっぽい色だとわかる。

 

「……へ?」

 

ばる、かん?

 

「ええええええええええええええええええええええええええ!」

 

〖わあ!ど、どうしたの急に!〗

 

ミ、ミラバルカンだ、だとおー!

 

まじかよ、サインもらわないと。

 

色紙、色紙はどこだ!

 

〖ちょっと!ようすがおかしいよ〗

 

「こ、これがへんじょうだーーーーー!」

 

〖意味がわかんないよーーーーーーーー!〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖お、落ち着いた?〗

 

「はい。さっきより。でも、何故バルカン様が?」

 

〖うーん。なんでだろう?もしかして、このことを話したからかな?〗

 

「そうなんですか」

 

確かに家族?に話すのは重要だな。

逆に話してなかったら話に言っていただくまである。

 

〖でも、その時バルカン君様子がおかしくなって〗

 

「なるほど」

 

うーん。これはもしかして、あれかな?

 

うちの妹はやらんてきなあれかな?

いや、わんちゃんアネモネさん姉説あるんだけど。

うん。

 

「……なさそうだな」

 

〖どうしたの?〗

 

「いえ。なんでも」

 

なんだろう。

直感が長女ではあるけど一番上じゃないっていってるような気がしなくもないんだよね。

まあ、いいか。

後で、聞こうかな。

 

それに、

 

「もう、そろそろ。こちらの声が届くかもしれませんね。聞かれて変な勘違いされるのは嫌ですから、話をするのは止めておきましょう」

 

〖え?でも、聞かれても大丈夫だと思うよ〗

 

「それでもです」

 

世の中いったいどんなやつがいるかわからなからね。

用心しておいて損はない。

……はずだ。

逆にそれが命取りになるかもしれないけど。

 

とにかく、

 

「悪い方向には進むなよ」

 

〖今、なにかいった?〗

 

「いいえ。特に」

 

〖そう?うーん。空耳かな?〗

 

まあ、なんとかなるだろ。

アネモネさんのこと見ていたら、どうでもよくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くには目的地の塔、そこにルーツが見える。

どうやら、既に帰って来ていたらしい。

そして、横を見ている様子からどうやら、例の人間も一緒のようだ。

ちょうどいい。

 

ここに、来るのは数百年振りか。

全然変わってねえな。

まだ、ルーツがちっこくてとてもではないがこっちに来れない時の頃だっけな。

 

 

あの後、しばらくしてだいぶ落ち着いた俺はルーツとしっかり話そうと思いここまで来たわけだ。

でも、まあ。

ルーツが俺に言うことはなくなってそうだな。

逆に、俺から言うことはたくさんできたけどな。

 

…………さて、そろそろだな。

 

 

〖ルーツは久しぶり、でもねぇか。うんで、そいつが〗

 

まずは、ルーツに声をかけてから、例の人間に視線を送る。

 

〖私に告白してきた人〗

 

ルーツは少し緊張したように言う。

一瞬、何故?と思ってしまったが、あの時の態度をみりゃあしかたないと思いなおす。

 

「…………」

 

敵意は、なしか。

しかし、反応もなしだな。

怖気づいたか?

そう思いながら、見続けていると、

 

〖バルカン君は、人間は悪いやつしかいないって思ってるかもしれないけど、この人はいい人だよ〗

 

ルーツが、まるで、庇護するようなことを言ってきた。

確かに、気持ちはわかるが、何を言われても意味はない

 

〖それが、どうした?〗 

 

ふん。俺だってそのくらいわかってるよ。

 

……少なくとも、お前(ミラルーツ)よりわな。

 

〖ルーツ。少しの間。どっかいってくれ〗

 

〖どうして?〗

 

〖こいつと、一対一で話をしたい〗

 

今から話すことはルーツにはあまり聞かれたくない。

 

俺の言葉を聞いたルーツは、こちらを疑わしげに見ながら、こう答えた。

 

〖……もしかして、殺す気?〗

 

今までの言動からそう思われてもしかない。

 

〖しねえよ。俺がお前の悲しむようなことを進んでするようなやつだと思ってんのか?〗

 

ただし、あいつの答え次第では……。

 

 

〖確かに。ごめんなさい。それじゃあ、終わったら呼んでね〗

 

そう言って、ルーツは飛び去って言った。

言葉からして、そんなに遠くには行かないようだ。

 

 

〖それじゃあ、話をしよう〗

 

俺は奴の眼をしっかりと見ながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおいうおういおうおうおう。

 

おお。

なんか、こう。

今すぐに叫びたい。

でも、流石にいきなり叫び出したらあれだから機会をうかがって叫ぼう。

 

うーん。アネモネさんとあったときほどではないが色々とやばいなあの時は色々と振り切ったおかげで一周回って冷静になれた気がするけど。

 

それにしても、流石にアネモネさん警戒?緊張?しすぎじゃないか。

実の兄(あってるよね)なんだからもっと気楽にいけば大丈夫だと思うよ。

うん。

ぶちゃけこっちが一対一で話たいまであるよ。

おや、話し合いは終わったみたいですね。

 

 

〖それじゃあ、話をしよう〗

 

ミラバルカンはこちらの眼を見ながらそう言った。

 

おお、凄い眼光だ。

くそう。

ここに、ペンと色紙があれば即、サインをねだれるのに。

なんで持って来なかったんだ!(いや、当たり前でしょう!)

 

それに、しても話ねぇ一体何をするつもりなのかな?

 

〖お前は何故ルーツに告白した〗

 

うむ。なるほど。

そう来たか。

当然の質問だな。

 

まあ、答えはもちろん。

 

「それは、もちろん、ア、祖龍様が大好きだからですよ」

 

ここは、しっかりとミラバルカンの眼を見て答えていく。

届け!俺の思い‼

バルカンの眼は美しいというよりも、なんかこう言葉にできないけど、すごいよね。

 

〖……模範解答だな。てか、お前ちゃんと喋るんだな〗

 

いやいやいや。

まあ、今までの態度からそう思われても、仕方ないけどさ。

 

〖てっきり、このままビビって喋らないのかと思ったが。まあ、そんな腰抜けじゃなくてよかったよ〗

 

「それはどうもありがとうございました」

 

やったぜ!褒められた(違います)

うん。むっちゃなめられてる気がするから、とりあえず適当な返しをしてみた。

じゃないと、暴走しそう。

 

ああ、今すぐ叫びたいんだけど。

くそ、ここは抑えなければ!

 

〖ふん。どうやら、少し見くびってた見てえだな。さっきまで黙ってたのは何か理由でもあんのか?〗

 

うむ。理由しかないんだけど、さてさて、それは言っていいものか。

うん。ダメだよな。だって、思わず感激して感激してフォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

ってなってました言うわけにはいかない。

ぶちまけたら、たぶん、ドン引きされる。

ということで言えない。

脳内会議では秒で決定したが、相手になにかあると思わせるために少し考えてるふりをしてから。

 

おお、バルカンはやっぱ、禍々しさとカッコよさが両立してていいよな。

少し、黒が混ざっててまるで、返り血を被ったかのような色合いが素晴らしい、って危ない危ない。

あともう少しで、やばい状態になっるところだった(既に手遅れです)

 

「はい。ありますけど」

 

〖それで?〗

 

「ですが、あなたに話す必要はないかと」

 

 

〖ほう。言うじゃねえか。まあ、無理して言わんでもいい。わざわざ、そんなもん聞きたくもねぇ〗

 

おおおおおおおおお!

 

やばい。

いい()だ。少なくとも俺にはそう見えた。

今すぐ、発狂しそう。

 

 

「……かっこいい

 

〖……っ⁉〗

 

あ、やべ。

漏れた。

 

ん?あれ、なんか、バルカンの様子がおかしいんだけど大丈夫だよね?

 

 

〖……色々と言いたいことがあったが、やめておく〗

 

そう言った時のミラバルカンは今まであったどんなモンスターよりも凄い威圧感で、

 

〖しかしな、これだけは言っておく。……なにがあってもルーツを悲しませるんじゃねえぞ!〗

 

それに、何故かはわからないけど、とても悲しそう。

そんな、印象を抱いた。

 

「当たり前ですよ。そんなの言われなくても」

 

けれと、俺はそれを気にせずに言う。

嘘とは言え、聞かないでおいてくれたことがあるし、自分では聞いてはいけない様な気がした。

 

〖ふん。せいぜい、がんばんな。泣かしたらぶっ殺すからな〗

 

そう言い放ちもう、言い残すことはないと言わんばかりにすぐさまに飛び立っていった。

 

「すごい、なんか去り方もなんかすごい(語彙力)」

 

ふう。

 

なんか、だんだん冷静になってきた気がする。

 

それでね。

気が付いちゃいけないことに気が付いた気がする。

 

「やばい。なんかやらかした」

 

よくわからないけど、絶対やらかした。

だって、途中から態度ガラっと変わったよ絶対なんか地雷踏んだって。

はあ。

まあ、でもいきなりぶちぎれるなんてことが無くてよかったけどさ。

 

これから、先が思いやられるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルカンか飛び去った後、しばらくしてアネモネさんは戻ってきた。

 

 

「これからどうしようか」

 

〖どうしたのいきなり?〗

 

うん。まあ、なんの脈絡もなく言ったらそんな反応するよね。

 

「いえ。単純にこれからどうしたものかと」

 

〖うーん。ここにずっといればいいんじゃない?〗

 

うん。凄い嬉しいことを言ってもらったんだけどね。

 

「自分もそうしたいんですけど、残念ながらそれはできません」

 

〖どうして?〗

 

本当に不思議そうに聞いてきて、やっぱりこっちの(人間の)ルールとかは知らないか。

バルファルクさんあたりなら知ってそうだけど。

 

「まずはそうですね。単純にここに住むとしても、いろいろ準備が必要です。今回みたいに数日間だけならともかく、永住するとなればしっかりとした寝床などがいります」

 

〖なるほど〗

 

「それから、自分はここには依頼、つまり頼まれごとで、ここの調査をしに来たのでその結果をほうこくしなければなりません」

 

うん。そうだよ。

今自分でいって気が付いたけど報告しなきゃいけないじゃん。

どうしよう。

 

〖……そうなんだ〗

 

「それに、自分の向こうでいろいろとありますからんね」

 

〖うん。そうだよね。ごめんなさい。無理を言って〗

 

「いえいえ。全然大丈夫ですよ。言われて凄く嬉しかったですし」

 

〖ふふ。ありがとう。そう言ってくれて〗

 

「こちらこそありがとうございます」

 

〖そういえば、バルカン君とはどんな話をしたの?〗

 

さてさて、これは話していいのかな。

うーん。よし、やめとこう。

 

「秘密です。でも別に変なことは言われてませんよ」

 

条件付き殺害予告をされたけど、あれは人の間でもする人はするからな。

特に何の変哲無いだろ。

俺が地雷を踏みぬいたと思われること以外。

でもなー。

これ言ったらダメな気がする。

 

言ったら恥ずかしいって言うのもあるけど、バルカンのことだからな。

一応アネモネさんも知っているかもしれんけど。

そもそも、なにでああなったのかわからないし。

 

〖そうなんだ。なら安心したよ〗

 

「それはよかったです」

 

それから、雑談しながら、俺はどう報告したものかと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかのはるかに高い空。

 

バルカンは、飛んでいた。

まるで、なにかから逃げるように。

なにかを振り払うように。

 

 

 

ああ、最悪だ。

まさか、あいつが、あんなこと言って来るなんてな。

 

ああ、ううう。

があああ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木漏れ日が揺れ、優しく風が吹く森の中。

 

 

『ねえ?』

 

『〖なんだ?〗』

 

『■■■って、かっこいいわよね』

 

『〖……はい⁉いきなりどうした。とうとう本格的に頭がおかしくなっちまったか?〗』

 

『失礼ね。もう、ただ思ってることを言っただけじゃない』

 

『〖はぁ?〗』

 

『ふふふふ』

 

『〖なにが、面白れえんだよ!〗』

 

 

 

遥か昔の事だというの色褪せぬその記憶は、

 

 

止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ  

                  

                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       ヤメロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ〗

 

 

 

 

 

まるで、呪いのように彼を蝕んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
遅くなり申し訳ありせん。
どうも作者の彼岸沙華です。


ゴールデンウイークがあったのにも関わらずにまったく投稿せずにすみませんでした。
ゴールデンウイークは普通に前半ポケモン後半モンハンで終わりました。

ゴールデンウイークあけてからも、時間に余裕がありまくるときがあったのですが結局遊んで、と言うか小説を探しては読んでました。
おぞましい早さで時間が溶けていきます。
あれはもはや猛毒です。
自分は猛毒を造れているでしょうか?

自分の時間があるときはやるべきことをやらずに他の事をやってしまうという悪癖がいかんなく発揮してしまいました。
どうにかして直したいです。


さてさて、この話はこれくらいにして。

一章もこれで終わりです。
もちろん、この小説は終わるわけがなく第二章に続いていきます。
いろいろ露骨な伏線をばら撒いておいたわけですが、本編で今のところ回収する気のないものも混じっていますのでご了承ください。


次回は軽めのものを早めに投稿したい。

モンハン世界に転生したので祖龍様に結婚を申し込んでみました。
第二章
「咲く花よ。地獄にて紫毒に染まりて」

(二章の題名忘れそうだからメモ代わりに書いたなんて言えない)

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

さっそく追記:5/21
サブタイトルは適当にノリでつけたもので本編の内容とはあまり関係ないです。
もしかしたら、そのうち変えるかもしれません。










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第2章:咲く花よ。地獄にて紫毒に染まりて
第二十一話 まじ、くぅ疲でエタノールファランクスにキャブトムシィ‼


どこにでもあるような酒場。ハンターであろう集団が、狩りが大成功でもしたのだろうか。

まさに、どんちゃん騒ぎと言った様子で、他の客のほとんどがそちらに意識を向けているか、一部のものが一緒に騒いでいる。

そんな、酒場の一角に、その喧騒を避けるように一人飲む者がいた。

フード付きの外套を羽織っていて、どんな風貌かは伺う事はできない。

テーブルには既に半分ほど無くなった料理が置かれていて、来てから多少の時間が経っていることがわかる。

その出で立ちと、近づきがたい雰囲気によって誰も声をかけることはなかった。

しかし、一人の男が周りの騒ぎに気を留めずその者に近づく。

 

「やっと来たか」

 

外套を羽織っている者は男の方を向かずに言った。

 

「悪いね。ちょっと色々あってね」

 

そう言いながら、男はその者の隣に腰掛ける。

 

「ちゃんと調べてきたのだろうな?」

 

「もちろんだ。だが、言う前に一つ聞きたいことがある」

 

「なんだ?」

 

外套の者は少しイラついたような声で聞き返す。

 

「これを知ってどうするつもりだ?」

 

「お前には関係ないだろ」

 

あからさまにイラついた声で答える。

 

「いやな、お嬢ちゃんみたいなのが、俺みたいなやつから、こんな情報を買ってどうするつもりだってことだよ」

 

男の言葉を聞いた外套の者改め少女は、先ほどよりもイラついた様子で、口を開こうとする。

しかし、男は言わせるつもりがないのかすぐさま言葉を続けた。

 

「見たところこっち側の人間ってわけでもないみたいだしな」

 

少女は目を見開いた。

ばれないと思っていたからである。本職の眼は誤魔化せないということだろう。

 

「それが、どうした」

 

少女はせめて動揺していることは、知られないようにと冷静を装いながら言った。

 

「いや、とくに意味はないが、嬢ちゃんからは危うい感じがするんだよ。今にも壊れそうだが、なにかが支えとなって壊れづにいる。しかし、それは決して褒められた感情ではない。まるで、復讐者みたいだな」

 

「……!」

 

自分の胸の内を当てられ思わず少女は男の方を向いてしまう。

さっきまであったイライラはもう既にない。

冷静を装うどころか。この動揺を誤魔化すことすら出来なかった。

 

「どうやら、図星みたいだな」

 

その言葉を聞いて少女ははっとしたように再び、テーブルの方を向く。

 

「別に止めようってわけじゃない。けど仕事柄、嬢ちゃんみたいなやつは何人も見てきた。そいつらの末路もな」

 

「……なにが、いいたい?」

 

男の言葉の意図が分からずに少女は聞き返す。

 

「いや、特に。ただ、嬢ちゃんみたいなのがこんなことをするのが意外でね。まあ、せいぜい。ギルドナイトには気をつけろよ」

 

そう言うと、男はポケットから紙きれを取り出し、少女の目の前に置く。

 

「まだまだ、若いんだからこれからの人生のことよく考えな」

 

「……」

 

紙きれを手に取り軽く中を確認した。

それを握りつぶすして外套の衣嚢に突っ込む。

 

「…………わたしの人生なんてもう、終わっているんだ。だから、これからなんてない。

なあ、そうだろう?シセラス」

 

そう言った、少女の柑子色の瞳はまるで、獲物を狙う狼のように輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くぅ~疲れましたw これにて報告完了です。

実は、とりあえず、なんか適当に言えば誤魔化せるだろう思ったのが失敗でした。

本当はこんな大立ち回りするつもりなんてなかったんですが←

ご厚意を無駄にするわけには行かないので完全アドリブで挑んでみた所存ですw

以下、シャゲさんが報告をした感想ををどぞ。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああ。

疲れた。しばらく、働きたくない。眠い。寝たい。シセラスママ抱っこして、それがダメならおんぶ!」

 

そう言って、俺は机にうつぶせになる。

片方の手にはジョッキにいっぱい入った炭酸飲料。

なんかあったので、とりあえず、入れてみたがぶっちゃけると炭酸は飲めないのでシセラスに押し付けよう。

 

「帰って来てからそうそう、お前は何を言っているんだ」

 

そう言ったのは、向かいに座っているシセラスだ。

なんか、帰ったら家の前に居たのでとりあえず、入れた。(引きずり込んだとも言う)

ちゃんと、アネモネ(花の名前だよ)に水はやっていてくれたらしい。

ツンデレかよ。

 

「お前だってわかるだろう!調査とかそういうのの報告のめんどくささがあああああああああああああああ!」

 

「別にそんなめんどくさいことなんてないだろ。ちょっとあったことを言って終わりだろ?」

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああ、ぐは」

 

いてえ!

 

「叫ぶな」

 

だからといって殴る必要はないだろ。

確かに、自分でもうるさいとは思ったけどさ。

 

「せめて、最後まで言わせてくれ」

 

「最後までって。どうせただ叫んでるだけだろ?」

 

「いや、普通にあるよ」

 

具体的にはさ、報告すべきことがごっちゃごちゃだったり、言ったら確実にやばいことがあったりするときはめんどくさいじゃんみたいな感じなのが。

この様子だとこいつはそんなことになったことはなさそうだがな。

 

「とりあえず、そんな事より飯だ」

 

「おい!シセラス!」

 

まあ、こんな流れで無視されるのはいつもの事なのでいいや。

さすがにこれは言っといた方がいいかなって言うのはゴリ押しして言うけど、今回のは、別にいいだろ。

 

「この様子だと、飯は作らないとか言うんだろ?」

 

「うん」

 

めんどくさい。

その気持ちを表すかのようにうつぶせになって、ダラ―ってする。

 

「しょうがないから、今日は俺が作るわ」

 

「いつもそうしろー」

 

食費は俺もちなんだからさ。

ほんと、こいつ俺よりも料理うまいんだから毎回作ってくれてもいいのにね。

まあ、料理の腕に関しては俺が手の込んだものは作れないって言うのもあるんだけど(一部は除く)。

 

そんなことを思いながらキッチンの方に向かっていくシセラスに向けて思い出したように言う(実際に思い出したんだけどね)。

 

「あ、なんかヤバイやつあると思うから気をつけろよ」

 

「了解」

 

うん。危ない危ない。

シセラスはそこら辺大丈夫だと思うけど一応ね。

まあ、まさかこんなに家を空けることになるとは思わなかったからな。

そこら辺の処理はまったくしなかったんだよなぁ。

こんなことになるならしておけばよかった。

 

「うわ、くさ!なんだこれ」

 

うん。ご愁傷様です。

 

はあ、後が大変そうだだなぁ

 

 

「前来た時こんなんなかっただろ。これどうなってんだ。おーい!おーい!」

 

 

「ふう。とりあえず。寝るか」

 

キッチンから聞こえてくる怒声を子守歌にしつつ料理が出来るまで寝ることにした。

お休み!

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱ。料理うまいはお前」

 

シセラスが作ってくれた料理を食べてもはやテンプレとかしたことを言う。

まあ、本心なんだけどね。

ちなみに、どうでもいい事だと思うが俺は箸。

シセラスはフォークとスプーンを使っている。

まあ、あれだ、文化の違いってやつだ。

うん。

 

「そりゃどうも。こっちはお前が寝やがったおかげで作るのに無駄に時間がかかったがな」

 

「すみませんね」

 

「そう言えば、お前、さっき報告がどうのこうの言ってたけどなんかあったのか?」

 

「うーん」

 

なんかねえ。

これは言ってもいいのかだめなのか。

一応、機密事項が含まれてることだけどうーん。

シセラスだったら別にいいかな。

いやでもな。

うーん。

迷うな。

 

 

よしここは、とりあえず。

 

「まあ、そんな感じだ。ちょっと、色々あってな」

 

「それで、なにがあったんだ?」

 

「銀陽からのへローキティにどっかんしてするるるるるるるってなり、ドドドドドドドドドでエタノールファランクスにキャブトムシィ‼ってなってから「もういい」なんで?」

 

まったく、シセラスから聞いてきたのに酷い!

 

「まともに説明する気の無い事だけはわかった」

 

うん。知ってた。

 

まあ、確かにまともに説明はしなかったけどさ。

 

実際のところしっかり説明したらしたで理解はしてくれるだろうけどするまでがめんどくさそうだしね。

 

ちなみに、報告の時に何があったのかと言うと。

 

クエスト報告に行く→その時に普通の職員じゃなくてギルドマネージャに直接報告しますっていう→一応、知り合いだし、信頼されてるし、ただ事じゃない感じで言ったので簡単に通った

 

→ギルドマネージャにぼかしつつも報告する(アネモネさんの事も言った)→完全にヤバイ事態扱い(当たり前だけど)でドンドルマまで飛ばされる。もちろん、家に帰る時間なんてない

 

→すっごい根掘り葉掘り聞かれまくる。誤魔化しがばれないように誤魔化す高難度ミッション。疲労でやばくなる→シセラスママ抱っこして!おんぶ!おんぶ!←今ココ。

 

 

「あ、そうだそうだそうだこれ飲む?」

 

忘れかけていたが、謎の炭酸飲料シセラスに押し付ける。

 

ほんと、何であったのかシャゲさん七不思議の一つである。

 

 

 

「なんだそれ?」

 

「しゅわしゅわしゅわしゅわ」

 

「お前炭酸飲めないんじゃないのか?」

 

あれで通じるとは流石、シセラスと言ったところか。

 

「うん。間違って注いじゃった。だから飲んで」

 

「はぁ。しょうがないな貸せ」

 

なんだかんだ言って、こういう時は頼みごとを聞いてくれるからなこいつ。

 

「ありがとう」

 

「いきなりどうした?」

 

ひどいな、突然お礼を言っちゃダメなのかよ。

まあ、確かに俺も突然言われたらそう言い返すことは確定的に明らかなんだけどさ。

 

「いや、なんでもない。それよりもシセラス」

 

「なんだ?」

 

「おんぶ!って、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。わかったからわかったから、ごめんなさーい!」

 

「アホか」

 

全く、だからといって抓る必要はないだろう!

 

 

まあ、色々あったけどやっぱりいつものこの感じが一番落ち着くな。

 

でも、

 

…………アネモネさんもいたらなぁ

 

「何か言ったか?」

 

「別に」

 

 

危ない危ない。

 

これはまだ、シセラスに知らせちゃいけない。

うん。今はまだ。

 

 

はぁ、なんだか、アネモネさんと話したくなってきたな。

 

帰り際に貰った《祖龍の厚白鱗》をシセラスにばれないように見ながらそんなことを考えるのであった。

 

 

あれ?そう言えば、なんか忘れているような。

 

なんか重要なことだった気がするんだけどな。

 

うーん。まあ、いいか。すこぶる不安だけど、大丈夫だろ。

その内たんぶきっとmaybe思い出すはずかもだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖行っちゃたなー〗

 

 

改めて私だけになった塔で遠くの景色を眺めながらそう言った。

 

確かに、寂しいけど。

それ以上に、見える景色が美しく感じる。

数日前とは違う、心にしみる感じ、白と黒だけしかなかった世界に様々な色がつけられていくような。

いくらでも、見続けていられる。

 

シャゲさんのおかげで私は救われた。

 

あのまま、もし来たのがシャゲさんではなかったら、うう。

そんな未来想像したくない。シャゲさんがいない未来なんて。

でも、そうなっていたらきっと私は壊れてしまっていただろう。

 

人をもう、信じられなくなっていたかもしれない。

 

昔と同じようにこの景色を見ることが出来なかったかもしれない。

 

何も楽しめられなかったかもしれない。

 

〖今はシャゲさんは色々事情があって一緒に居れないけど、それが終わったらずっと一緒に居られるよね〗

 

出会ってから、まだそれほど長くはない。

特に私達にとっては一瞬ともいえるような時間だ。

けれど、シャゲさんの存在は私の中では替えが効かないくらい大きくなっているみたい。

 

 

シャゲさんは今はまだ友達だって言っていたけれど、これは私のことを思っていってくれたことだから。

 

はやく会って、話してもっと仲良くなりたいな。

 

今は触れてくれないけれど、仲良くなったら触ってもらえるかな?

私があげた鱗だって素ででは触れてくれなかったし。

汚したくないって言ってたか嫌われてるとは思ってないけど。

 

 

でもね、いつかは…………。

 

 

ぐへへへへへへへへ。

 

は!

 

だ、誰もみてないよね!

 

私は周りを見渡す。

ここに誰かいたら、恥ずかしさで死にたくなっていただろう。

 

特にシャゲさんだったらと考えると。

うう。

 

 

 

〖あ、そうだ。どうせならみんなに報告しに行こう!〗

 

ボレアスちゃん。バルカンくんは大丈夫。グランさんにもしっかり報告しなくちゃ。

アルバは……別にいいや。

 

あー、でも、私が言ってる間にシャゲさんが来たらどうしよう。

 

入れ違いになったらすごく悲しい。

 

〖けど、シャゲさんなら待っていてくれるかな?〗

 

数日前の私ならしなかったような期待。

 

でも、今なら何の遠慮もなくすることが出来る。

 

〖それじゃあ、行ってきます〗

 

ここにはいない彼に向けて挨拶をし、飛び立つ。

 

 

ふふ、みんなどんな反応をするんだろうか。

 

私は、わくわくとドキドキを胸にまずは、ボレアスちゃんのところに向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
遅くなり申し訳ありせん。
どうも作者の彼岸沙華です(定型文)。

まず初めに謝罪を。

遅くなって申し訳ありませんでした。

なにをしてたんだとかは、ここでは書くのを止めておきます。

ちなみにタイトルはノリと勢いでつけました。
エタノールファランクスは誤字ではありません。



どうでもいい事ですけど。
アネモネさん視点はリーリエのテーマを聞きながら書いてました。
雰囲気にぴったりだとは思いませんか?

それから、なんだかアネモネさんが不穏な方向に進んでる気がするんですが気のせいですよね?

はい。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼







番外編始めました。

https://syosetu.org/novel/193874/




6/14:追記
感想のアドバイスから。
一部変えました。

今後、もっと読者の皆様に対してわかりやすくなるように改善していく予定です。

また、なにか思うことばあれば、遠慮せずにメッセージや活動報告に書いて下さい。
自分に出来る限りで全力の対応をさせていただきたいと思っています。

変更点。

冒頭部分の少女の最後のセリフ。


7/3:追記
今更ですけど、章分けました。
なんで今まで気が付かなかったのでしょうか。




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第二十二話 親しい人の家って気が付くと自分の家にいるみたいな感じになることってあるよね。え、ない?

「おじゃまっしまーす!」

 

「邪魔する」

 

昼飯を食った俺たちとりあえず、ボタンさんの店に来ていた。

 

「いや、何で君たちは普通に裏口から入って来ているんだい」

 

まあ、しょうがないか。

そう言って出迎えて?くれたのは、ボタンさんの護衛をやっているハンター。

フェンネルさん。

黄髪の中性的な顔立ちで髪も男性にしては長く、初対面の時防具が男性用じゃなかったら女性と間違えてたよ。

ガチで。

あとね、声も普通に、この人と女性だよって言われたら普通に納得してしまいそうな感じだ。

 

今は、ホロロⅩシリーズを装備していた。

とは言ってもフル装備ではなく頭は付けていなかった。

 

「別に、店のお客さんとしてきたわけでは無いですから。特に買いたいものとかないですし」

 

うん。

消耗品は特別減ってるって言うのは無いはずだから大丈夫なはずだ。

 

たぶんきっとmaybe。

 

「でも、お前大丈夫か?」

 

「何が?」

 

「食料」

 

「え?」

 

「食っても腹壊さなさそうなのさっほとんど使っちまったぞ」

 

「マジで?」

 

確かに、台所やばそうだったけ割とのっこてるかと思ってた。

まあ、さすがに後一食分くらいはあるだろうししばらくは外食ですませばいいだろう。

最悪キノコ食えばいいし。

 

と言うか、キノコあればよくないか。

そうだよ。

別にわざわざ食べに行く必要なんて、

 

「えっと、大丈夫ですか?」

 

「へ?」

 

「いえ、突然ブツブツと何かを呟いていたので」

 

あ、やばい。

思考が漏れてたか。

まあ、別に聞かれて困るような間柄でもないからいいけど。

……シセラスはともかくフェンネルさんには若干引かれそうだな。

 

「別に大した事ではないので」

 

「そうですか」

 

「どうせ、お前の事だからアホみてえなことでも考えていんだろ」

 

「Exactly!」

 

「……はぁ」

 

元気よく肯定すると、シセラスは呆れたようにため息をついた。

ええ、正直に言ったのに。

ナンデダローオカシイナー。

 

「あれ?そう言えば、ボタンさんは?」

 

この場にいない店主の所在を問う。

もしかしたら、まだ一人で旅立った?

そんな視線を送りながら。

 

「ボタンさんならお店の方にいらっしゃいますけど」

 

フェンネルさんは少し苦笑いをしながら質問に答える。

どうやら、心の声が届いたらしい。

 

まあ、ボタンさんの事を知る人物がこのタイミングでこんな感じの質問をするなんて、この意味しかないから届くもクソもないんだけどな。

 

「そうですか」

 

そうか、よかった。よかった。

うん。別に今日はボタンさんがいようがいまいが関係ないんだけどね。

緊急の用事があるわけでもないし。

 

でも、ボタンさんがいてくれたら久しぶりに《アレ》ができるし。

ふふ、今から楽しみだぜ。

 

ははははははは。

 

はぁ。

 

 

「あ」

 

突然フェンネルさんは、何かを思い出したように声をこぼす。

 

「どうしたんですか?」

 

まあ、とりあえず、反応しちゃうよね。

 

ちなみに、シセラスはいつの間にかテーブルに座ってました。

 

おそろしく速い着席、オレも普通に見逃したわ。

 

「いえ、お飲み物をと思いまして、お二人ともコーヒーでよろしいですか?」

 

「ブラックで」

 

「えっと、緑茶が飲みたいんですけど。いいですか?」

 

「はい、もちろん」

 

そう言って、キッチンの方にフェンネルさんは行った。

 

当然のことのようにしてるけど、これ全部フェンネルさんの厚意によるものなんだぜ。

 

フェンネルさん優しい。

いや、でも仲がいいからでしょって思うやん?

この人最初からこんな調子だったんだぜ。

驚きだろ?

 

 

俺だったら、いきなり自分の家に突撃されたら絶対に入れないもん。(相手による)

 

仮に易々と侵入を許したとしてもお茶なんてださない。(相手による)

 

むしろ、邪険に扱って即追い出そうとする。(相手による)

 

 

 

「シーセーラースー」

 

シセラスの隣に座り脱力する。

 

あー、脱力最高。

疲れてるときってむっちゃ脱力したくなるよね。

 

ここ、人んちだろって細かいことはいいんだよ!(前に一応許可もらってます)

 

「なんだ」

 

「今日の夜飯お前んちで食べていーいー?」

 

うん。久しぶりにシセラスの家に襲撃遊びに行きたーい。

 

「断る」

 

「えー」

 

即答ですかそうですか。

 

別にいいじゃんそれくらい。

いつも、俺の家によく来るから、お前の家に入れてくれても。

 

え?何しでかすかわかんないからダメ。

 

さいですか。

 

「まあ、酒場で奢るくらいならいいが」

 

「やったー!ありがとう!」

 

今夜はごちそうだああああああああああああ!

 

「ただし、頼む前に俺に言えよ。勝手に頼んだらその時はお前が全額払え」

 

「……はい」

 

がーんだな。

せっかくシセラスの財布を軽くできると思ったのに。(なおほとんど効果の無い模様)

先手を打たれてしまった。

 

前に似たようなことやったからかな。

 

しょうがないじゃんせっかく奢られるだからいいの食べたいじゃん。

 

 

 

「お待たせしました」

 

ちょうど話が切れたタイミングでフェンネルさんがお盆にコーヒーと緑茶、自分用と思われる紅茶そして、手作りであろうクッキーを載せてやってきた。

 

「ついでに、昨日作って余ったクッキーも持ってきましたけど、いかがですか?」

 

「少しだけもらいます」

 

せっかくだから、一枚くらいは食べようかな。

美味しいし。

 

それにしても、普通に丸いのや星形だけじゃなくて動物とかかわいい感じの奴もあるんですね。

 

まあ、遠慮なく食うけど。

 

そう言えば、アネモネさんはクッキーとかって食べるのかな。

 

……フェンネルさんにクッキー作り教わろうかな。

 

 

「………………」

 

そして、シセラスよ。

 

本当にお前そういうの好きだよな。

 

別にそんながつがつ食わんくてもとらんから安心しろ。

 

変わりに夕飯はいっぱい食べるから。

 

 

「そう言えば、最近見かけませんでしたけど旅行でもなさっていたんですか?」

 

「ギルドからの依頼で少々、ドンドルマまで足を運ぶはめになりました」

 

うん、あのままでは寿命がストレスでマッハだったよ。

 

「お疲れ様です」

 

フェンネルさんは雰囲気で察してくれたのか労いの言葉をかけてくれた。

 

すると、黙々とクッキーを食べていたシセラスがなにか納得したように声を上げる。

 

「あーだからあんな様子だったんだな」

 

それを聞いて、あれ?と思って考えるまでもなく。

 

「言ってなかった?」

 

「ああ。一言も」

 

はぁと少し呆れたように言うシセラス。

 

言ってたら少しは優しくしてくれたのだろうか。

 

うん。まあ、過ぎた事だからしょうがないね。

 

ぶっちゃけ言っても扱い変わんなかっただろうし。

 

悲しいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ボレアスちゃーん!〗

 

 

ボレアスちゃんのところにやってきた私は早速声をかける。

 

ああ、早くこのことを伝えたい。

 

うーん。もうここで叫んじゃおっかな。

 

いや、ちゃんと言わないとダメだよね。

 

ふふふ。

 

はぁ。一刻も早く言いたいな。

 

 

 

〖姉様。結局どうなったって、……聞くまでもないわね〗

 

〖ええ。聞くまでもないって、いいじゃん聞いてくれても〗

 

〖見てわかるもの〗

 

むう。

話すの楽しみにしてたのに。

ボレアスちゃんのけち。

別にいいじゃん。

 

〖はぁ。わかったわよ。ちゃんと聞いてあげるわよ。それで、どうなったの?〗

 

ボレアスちゃんは呆れたようにため息をつきながらも、聞いてくれた。

 

あ、呆れられちゃった。

ど、どうして?

 

 

……ま、まあ。うん。気にしないことにしましょう。

 

〖……ありがとう。えっと、まずはね〗

 

 

それから、私はボレアスちゃんに相談した後のことを話した。

 

しっかり、真剣に聞いてくれた(後半は基本的に呆れたような感じだったけど)

 

時々、ボレアスちゃんは質問してきたり(何故かバルカン君のことが多かったけど)別に話を逸らしたつもりはないんだけど話を逸らさないで怒られたりしたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖えっと。つまり、その人間とは友達になったってことでいいのかしら〗

 

〖うん。そうなの。シャゲさんがまずは友達からはじめましょうって〗

 

さっき、聞いたわそれ。

 

〖それからねえ――――――――

 

本格的に惚気はじめた姉様の話を聞き流しなら、さっきまでの話について考える。

 

まずは、人間(名前はシャゲと言うらしいがどうでもいいので人間と呼ぶ)についてだけど。

 

まあ、大丈夫でしょう。

 

自ら一歩戻り、〘規制されました〙な関係にならずに友達になるというのは、普段ならヘタレと鼻で笑うところだが、出会って間もない相手なのにもかかわらずこんな状態になる姉様を見ているとそう言いたくなるのもわかる。

 

普段の様子を見て、純粋すぎると思っていたけど、まさかここまでだとは。

確かに、相談に来たときもそれっぽい予兆はあったけれども。

あんなのになるとは思うわけないでしょう。

 

はぁ。頭が痛くなってくるわ。

 

今回奇跡的に(推定)いい人だから良かったものをもし利用しようと近づいてくるような人だったらどうするつもりだったのかしら。

 

と、ここまで考えて私はふと気が付いた。

 

そもそもの話古龍や飛竜(私たち)を利用するような人間は告白なんて面倒くさく非効率なことはしないと。種族がまず違うし、姉様は純粋の化身みたいな龍だけど基本的には竜大戦(あのこと)のせいでいいイメージ無い龍の方が多い。

 

それに、相手の善意に付け込みたければただ、友好的に接すればいい。

それだけで、言うことを聞く者は聞く。

 

姉様程とは言わないが人と仲良くしたいという龍はそれなりにいる。

 

ただ、ほとんどが途中で折れてしまうけれど。

 

そう考えると、折れそうだった姉様を救ってくれた彼には感謝してもいいかもしれないわね。

 

 

 

〖ねえ、ボレアスちゃんちゃんと聞いてる?〗

 

〖ええ、もちろんよ〗

 

当然、思考に没頭していて全く聞いていなかったが適当に相槌を打っておいたのでこう言っておけば姉様なら誤魔化せる。

 

恐らく、相槌なんて打ってなくても誤魔化せてしまうと思うのだけど。

 

はぁ、少しは忠告しておいた方がいいのかしら。

 

でも、あのアホ(アルバ)がやらかしてくれたおかげでどんな言葉で逆鱗に触れるか分かったものじゃないわ。

本当に何やってるのかしらねぇあのアホ。

 

後で兄様に言おうかしら。

 

 

〖そうなの?

まあ、さっきの続きなんだけどさ〗

 

 

 

さっきも思ったのだけれど、何で2、3日程度しか一緒にいなかったのにこんなに話せるわけ⁉

 

 

その日はボレアスがあれな事を言う気力を粉微塵にされるくらい話し続けられたとさ。

 

 

 

 

 

〖全く、聞くこっちの身にもなってほしいわ〗

 

 

 

 

 

 

 




この活動休止期間が無駄では無かった事の証の為に…!
再びこの話の続きを書くために…!
祖龍様への愛を発信するために…!
読者よ!私は帰って来た!!

はい、ここまで読んでいただきありがとうございました。

どうも作者の彼岸沙華です。

まずは謝罪を、ごめんなさい。
活動報告を読んでいない方は何言ってんだこいつとなったかもしれませんが、活動休止してました。
理由は活動報告に書きましたのでよろしければお読み下さい。

ちなみに、上記のあれですが、自分はググって見て改変しただけなのでガンダムとか知りません。(と言うか今回調べて初めてあのネタがガンダムが元ネタだって知ったし)


小説の話ですが、次回は比較的早く投稿出来る気がします。

あと、そんなに長くなくて申し訳ございません。


それでは最後にミラルーツ様万歳‼









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番外:粉砕!野郎どものバレンタイン《前編》~旅は道連れ世はカカオ~

※注意この話は無駄にテンションが高いです。ごめんなさい。

この話はバレンタイン前日と思ったが間に合わなかったのでホワイトデーのだいたい一週間前に投稿することにしました。後編はホワイトデー当日にあげたいです。

番外とある通り本編とは関係ありません。
続きを待ってくださっている方々には大変申し訳ないと思っていますが、首を長くして待っててください。




ふふふ、遂にこの日がやってきた。

 

そう、待ちわびていたこの日が

 

それは!

 

「バレンタインデー!!!!」

 

「の前日だけどな」

 

魂の叫びと、ずばばあんって感じにとったポーズを無視して言葉のみに突っ込んでくれたのは我らが常識人(ツッコミ役)シセラス。

今日はいつもの静電主シリーズではなく、全体的に黒い服だ。

お世辞にも優しそうと言えない顔立ちと合わさって、なんだか裏社会にいてもおかしくない雰囲気に。

 

……実はシセラスってお酒の名前だったりしない?

もしくは、身体の一部を武器に変えれたりする?

 

「というか、何でシセラスがいるの?」

 

ちなみに、ここはぼくのうちです。

シセラスを中へ入れた覚えはない。

 

「……はぁ。お前が呼んだんだろ」

 

あからさまな呆れ顔になり、ため息をつき、頭をだいたいの人が盾持つ方の手で抑えながら。

空いてる方の手でシセラスは一枚の紙を俺に突きつける。

 

明日ちょっと手伝って欲しいものがあるんだ。だから、家に来てください。来なかったら次君が狩猟に行ってる間にそこで一人チェスをやりながらコーヒーを入れてトランプタワーを作りながらご飯の準備をして居座ります。 

                            シャゲ。

追伸:ニリンソウ採ったんだけどいる?

        

 

「あー」

 

それを見て俺は確かにそんなもん書いたなと、何故か感慨深い気持ちになった。

《例の物》が届いてテンションMAXになってシセラスに増援要請をしたのをすっかり忘れていた。

完全にある程度進んでから呼びに行くつもりになってたよ。

だいたい、狩後のシセラスって家にいるか俺の家に来るか行方くらますかのどれかだもん。

 

いけない、いけない、もう年かな?

 

「『あー』じゃねぇよ。家に帰ってコーヒー入れようとしたらポットの中にこんな紙が入ってた時の、俺の気持ちを考えろ。

おかげでコーヒーとココアが不味くなっちまったじゃねえか」

 

この言い方だと普通に飲んでませんかこの人。

だったら、別に問題ない気もするけど。

 

まあ、言いたいことは分かる(じゃあ、やるなよって話)

 

「とりあえず、ニリンソウいる?」

 

近くに置いてあるニリンソウの入った籠を引っ張り出し、シセラスの前に差し出す。

 

「そんな、毒かもしれないようなやつはいらん」

 

目の前に籠が来る前に突き返される。

そして、続けざまに。

 

「一回お前が間違えたせいで死にかけたんだぞ。投げ返して帰らないだけありがたく思え」

 

そう、若干キレ気味で言い放ってきた。

これにはちょっと流石に、罪悪感が。

 

「その件は本当にすまん。

でも、大丈夫。今度はしっかり毒味をしてきたから。

ちょっと、かじって大丈夫だったから」

 

毒味なんてして大丈夫かと思う人もいるだろうが、流石に鳥兜と言えどほんの少しかじった程度では死なん。

多少ピリピリするだけだ。(だからと言って食べていいわけではない)

 

「普段から、毒キノコを食ってるような奴の大丈夫が信用できるか」

 

「くそ、真実だからなにも言い返せない」

 

ぐうの音も出ない。

 

 

「それで、何で呼んだんだ?」

 

仕切りなおすようにシセラスは俺に今日呼んだ理由を聞いてくる。

 

結局、ニリンソウはいらないってことか。

 

残念。

 

「ああ、それの事なんだけど」

 

俺は台所から箱詰めされた《例の物》を持ってきてシセラスの目の前に置く。

シセラスはそれを見て訝しげな様子で箱を軽く叩き。

 

「一応聞いておくが開けた瞬間爆発とかはしないよな」

 

これはキレていいよな。

 

「失礼な!さっきから疑ってばっかりだなお前!流石に爆発はしねえよここ俺の家だぞ。

家の中で爆破物を起動させるバーカがどこにいるんだ!」

 

俺の身振り手振りを加えた怒りの叫びに対して、さっきから俺の物に対して疑いの眼しか向けてこない不届きものは

 

「お前」

 

そう言ってこちらを満面の笑みで指すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~少し経って閑話休題的な感じ~

 

俺とシセラスは机を挟んで向かい合って座り話していた。

 

「それで、こいつが俺を呼んだ訳ってことか」

 

そう言ったシセラスは《カカオ豆》をつまみながら興味の有り無が半々半々のような様子で。

ちょっと見たら、たくさんあるカカオ豆の湖の中に自身がもっていたものをストンと落とした。

 

 

ちなみに、あの後俺は怒りに身を任せシセラスに戦いを挑んだが、叩き止めされてしばらく頭を冷やし今に至ります。

あともう少しで、病院で栄養食を食べるハメになるところだった。

 

 

「ああ、そうだ」

 

「こんな、木の実?種?でどうするつもりなんだ?」

 

どうやら、シセラスはこれがなにかわからないらしい。

 

ふ、ふ、ふー。

どうやら、説明が必要そうだな。

 

「よかろう。何も知らないシセラス君の為に私が直々に解説してあげますのでその振り上げた拳を下げていただけると嬉しいです」

 

危ない、危ない。

シセラスって割と直ぐに切れるからな。

流石にもう一回は勘弁だ。

 

「はぁ。とりあえず、御託はいいからとっとと説明してくれ」

 

これで、ふざけたら冗談抜きで怒って帰ってしまいそうだからまじめにやろう。

 

「了解。まず、これの名前はカカオ豆だ。アオギリ科テオブロマ属のカカオという果樹からとれるやつだな。このままなっている訳じゃなくて楕円形?の実に入っている。

チョコレートや、お前の大好きなココアの原料になっていたりする。

ちなみに、そのまま食べると苦いの苦手な人には死ぬほど苦いらしい。苦いのが得意な俺らには関係ない話だな」

 

と、ここで一旦説明を区切る。

まだまだ説明したいことはたくさんあるのだが一気に説明すると疲れるし聞いてる人も大変だし反応も伺いたしな。

 

「これがココアの原料か。確かに色は似てるな。

でも、人によっては死ぬほど苦いんだろ?ココアは逆に甘いぞ」

 

「ココアは粉末溶かすだろ。その粉末にするまでにいろんなもの混ぜたり抜いたりするみたいで、そこの過程でいい感じになって甘くなるらしい」

 

「ふーん。なるほどな」

 

シセラスは疑問が解消したからか割と適当な感じで興味無さげに返事をする。

まあ、それを作りたいと思わない限りは製造過程なんて聞いたらそこで終わりだよな。

 

「それで、説明の続き行くぞ」

 

「……続きがあるのか」

 

シセラスが若干めんどくさそうな反応を、

まあ、まあ、いいじゃありませんか。

 

「それで、カカオの生育環境なんだが暑くて湿ってるところで、直射日光は苦手。そのため日陰樹(シェードツリー)と呼ばれる覆いとなる木と一緒に植えられたりする。さらに、カカオの最も特徴的な部分と言えば枝からだけではなく幹にも実がなると言うところだろう。何故、そのようになっているかというと「ちょっといいか」

 

「なんだよ」

 

まったくもう、人がせっかく気持ちよく説明しているのに何で邪魔をするんだ!

これからが本番だって言うのに。

 

「なあ、その説明は今からやることに何か関係があるのか?」

 

「……」

 

さーて、いったん中断されちゃったから説明再構築しなくちゃなー(現実逃避)

えっと、カカオが何で幹に実を付けるかだっけ。

 

「まさか、説明に夢中になって本来の目的を忘れてたなんてことはないだろうな?」

 

「ふははははは。まさか、この私がそんなことありますからその振り上げた拳を下ろしてくださると助かります」

 

いやー。だって説明楽しいじゃないですかー。シセラスもね。きっとその気持ちわかってくれると思うんだ。

だからね、本当にその拳下ろして?

 

「一発殴らせろ」

 

「いや、もう既にさっき何回か殴られてるんだけど。あ、下ろし、ぐぎゃあ」

 

いてえええええええええええええええええ。

まじで、まじでダメな奴だこれ。

うごえええええええええええええええええ。

 

ああ、こんなんもうたってられるかぁ!

 

ばたんと、ではなく芝居で主役に倒される切られ役のように大げさに見える動きで倒れる。

 

 

とりあえず、今何が起きたか説明しよう。

シセラスは一旦拳を下ろした。しかし、それはアッパーの準備だったようで、拳はシセラスの見事な動きで曲線を描き、己の顎にクリティカルHitした。

その威力は破壊力ばつ牛ンで我が脳みそをかき混ぜるには十分な威力を発揮し、要するに

き” も” ち” わ” る” い” 。

 

と言った感じでぶっ倒れている。

シセラス(ことの元凶)はそんな俺を見て軽蔑の視線を。

 

「はぁ。とりあえず、前置きとかはもういいから直ぐに何するか言ってくれ。

……次ふざけたら帰る」

 

いや、別にふざけた訳じゃなくて、ただただ忘れてただけだからいいじゃん。

いや、それがダメだって。

 

「わかったから少し待って、まだ頭がちょっとあれで」

 

世界がちょっと歪んでる。さっきよりは幾ばくかましだけど。

さっきまで、殴られた直後は本当にやばかった。

具体的にはシュレイド城の空。実際に見た事ないけど、あそこ一回くらいは行ってみたいなー。

ミラボレアスと会えるかもだし。

 

「……本当にわかってんのか」

 

わかってますーよー。

 

ああ、もう大丈夫な感じになってきたな。

ふう、早めに回復出来てよかった。

ここでまた区切られるのはちょっとあれだかな。

 

「よし、ふっかつー!」

 

立ち上がって、荒ぶるレウスのポーズ!

 

「お前は無駄にタフだよな」

 

相変わらず触れてはくれないのね。

そして、それは自覚している。

 

「よし!それじゃあ、今からチョコを作るぞ!」

 

おー!と聞こえてきそうなポーズで宣言。

バレンタインデー(前日)で、チョコの材料(カカオ豆)とくれば語らずともわかってくれていたであろう。

シセラスでなくてもね。

 

しかし、どうやらシセラスについては予想は外れたようで。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

シセラスはまるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてた。

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
お久しぶりです。
どうも作者彼岸沙華です。

タイトルと前書きを見てくださればわかる通り間に合いませんでしたがバレンタインようにかきました。
色々あって(小説に関して)瀕死状態になってましたのでそのリハビリ的な感じです。
一応、本編の続きもちゃんと書いてますから安心してくださいね。
……牛歩ごとき進行速度ですが。



それでは最後にミラルーツ様万歳‼


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番外:粉砕!野郎どものバレンタイン《後編》~地獄への道はカカオで舗装されている~

エプロン、三角巾装着確認、

それじゃあ、イクゾー!

 

 

「さーて、今週もやってまいりました。24時間クッキングのお時間です。

今回は、このシャゲと、シセラス!の二人でお送りします。

 

……本日作る料理はこちら。

てでん。

チョコレート!……です。

 

使う食材は以下の通り、

 

カカオ豆

 

以上!

 

……もちろん、お好みで砂糖を用意していただいても構いません。

 

……続いて用意するものをいうので、しっかりとメモを取って下さいね?

ボール、たくさんの水、水を入れても漏れない大きい容器、フライパン、汚れてもよい布切れ、すり鉢、すりこぎ棒、大量の時間、労働力、チョコを流し固めるための型、チョコを冷やせる場所です。

 

 

…………それでは実際に手順を確認していきながら作っていきましょう!

ばん!」

 

そう言って俺は、横で同じようにエプロンと三角巾をして立っている友人に向かってすりごぎ棒を突き付けながら今まで内に秘めていた思いを解放した!

 

 

 

 

 

 

「ツッコめよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

流石にもうきついわあああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 

何故がふき出すシセラス。

いや、何が面白い。

 

「いや、楽しそうにやってたから邪魔しちゃ悪いなって思ってな。すまん」

 

 

お前、普通にふき出した時点で笑いこらえられてないからな。

すまんって言って、誤魔化そうとしても時すでに時間切れだからな。

せめて、その地味ににやけた顔を戻せ!

 

「明らかにツッコミ待ちだったじゃん。どう見てもツッコミどころあったじゃん。どう考えてもツッコミ交えて完成するタイプのボケじゃん。なにもなかったらただの痛い人(いつもより3割増し、当社比較)だよ!」

 

はぁ、はぁ。勢いよく喋り過ぎて疲れた。

はー。

 

「とりあえず、続きから作るか」

 

続きもなにもまだ道具材料準備しただけだけど。

 

「了解」

 

はいはい、そんな言葉が付いてそうな感じで返事をされた。

てっきり、なんか言って来るかと思ったけど。

ツッコミは大事だけど過度にツッコまれるのもなんというか。

 

かと言って全くツッコまれないって言うのは嫌だけど。

 

「それでは実際に手順を確認していきながら作っていきましょう!」

 

「……それでやってくのか」

 

よし、次はちゃんとツッコんでもらえたな。

若干呆れ交じりだけど。

 

「まずは、カカオ豆を洗うために水を入れたボールを用意します」

 

どん!と目立たないところに準備をしておいた水INボールを置く。

シセラスが来る前に最初の最初のところはやっておいたのさ。

 

「あ、シセラスの分は用意してないから自分でやってね」

 

ただし、一人分である。

まあ、シセラスを呼び出していたこと忘れてたから。

これはしょうがないよね。

一応道具はもう一人分準備しているからそれでやってくれ。

 

そんないろいろダメなこころ声が届いたのか、だからボールは一つしかなかったのかと呟く声が聞こえた。

そして、案の定というかなんというか。

こういう場面に遭遇したら誰でもするであろう質問をシセラスにぶつけられる。

 

「……この先なにか特別に準備をする必要のあるものは?」

 

「ない。……はずだ」

 

記憶を思考という名のスコップで掘り返してみても、今のところはカチンといった手ごたえはない。

だから、ないのと同義である(暴論)

 

返答を聞いたシセラスは満足したのかどうかはわからない(たぶんしてない)が仕方ないといったようすでそれ以上は何も質問はしてこなかった。

とりあえず、シセラスは水INボールを用意しているから先に始めてしまおうか。

 

洗い方は、米を研ぐように多少雑にやってもカカオ豆はそこまでやわじゃないから大丈夫だろう。

むしろカカオ豆の心配よりも、この後の手順が合ってるかどうか不安になって来たから洗い終わったら手順確認しよう。

確かカカオ豆の山の跡地と一緒に手順メモを置いておいたはず。

 

 

うん。やっぱり凄く不安になって来たから今から手順確認しようか。

なお、今感じている凄い不安は手順を間違てチョコ作りを失敗することに対する凄い不安ではなく、手順を間違えたことによってシセラスがぶちぎれることに対する凄い不安である。

下手なところで間違えようものなら、

『たいがいにしろよカスが

マジでお前の家のマカライトのフライパンを使ってぶん殴るぞ』

みたいな感じで怒られかねん。(※セリフはあくまでイメージです)

もしそんな風に殴られたら、多分奥歯が揺れるくらいの威力で済むわけがなく絶望的な破壊力も誇る破壊力を持つことになった一撃で神さまの前へ強制送還されることになるだろう。

 

まあ、シセラスのことだから今やってるみたいな簡単なことならともかく複雑になってきたら事前確認してくるだろうし。

 

「うわぁ。もうこんなになってるのか」

 

いろいろと思考しているうちに気がつけば水は濁り切っていた。

ちなみに、カカオ豆の汚れは一度濁らせたくらいでは落ち切らないので濁らなくなるので何度でも何度でも水を変え洗いましょう。

 

そういえばシセラスはどうしたのかなと探すまでもなく、隣で同じようにカカオ豆を洗っていた。(普通に水の音がするし何で気付かなかかったんだろう)

ボールの中を覗くと水は少し濁っていて、さらに、濡らさないためかボールから少し離して手順を書かいた紙が置かれていた。

 

って置かれていたで済ませちゃダメじゃん。

あいつ、いつのまに取ったのやら。

でも、シセラスが持ってるんだったらさっきの心配事は考えなくていいな。

 

「なあ」

 

安心安心と、逆にカカオ豆を汚せそうなレベルで濁って来た水を変えようとした時。

さっきまでもくもくとカカオ豆を洗っていたシセラスが話しかけてきた。

 

「なにー?」

 

「これって何回洗えばいいんだ?」

 

話しかけてきたというよりは質問であった。

 

「水が濁らなくなるまで無限回」

 

その質問に二重の意味で適当に答えながら古き水を捨て新しき水を入れる。

水の入れ替えが終わり次第定位置に戻り作業再開。

ついでとばかりに質問を受けて疑問に思ったことを聞く。

 

「シセラスが持ってる手順メモに書いてなかった?」

 

「この大雑把にしか書いてないやつにか?」

 

その言葉と共に目の前に置かれた手順メモを見て、

そう言えば何グラム必要とかキッチリ何分間焼くとかの細かい指定がなかったから大体わかればいいやって、本当に概要くらいしか書かなかったんだっけ。

 

「超能力者でもない限りはこれから細かいことを読み取るのは無理だぞ」

 

カカオ豆からチョコレート

・用意するもの

ボール、たくさんの水、フライパン

布切れ、すり鉢、すりこぎ棒、

時間、型、氷室もしくは冷やせる場所

・手順

1、カカオ豆を水入りボールで洗う

  水が濁るから変える

2、焙煎 

焦がさない。パンパンして少し

たったら

3、皮をむく

  全部

4、ペースト状になるまで潰す  

5、湯煎しながら潰す

  トロトロさせる

6、滑らかになるまでやる

 やる気根気時間

7、型に流して冷して固まらせる

 

改めて、見てみて我ながらなかなか酷いなと思わずにはいられないクオリティである。

これだけを見せられてチョコを作りの知識が無い人が作れと言われても、どんな料理上手であれ首をかしげシセラスのように責任者を問いただすであろう。

 

じゃあ、なんでこんなものを書いたのかはこれから説明するとしよう。

 

「人はさ、一度覚えたことなら忘れたと思ってても何かきっかけがあれば不思議と嘘のように思い出せるもんだよな」

 

「確かにそうだな」

 

「だから、一回覚えたことだったら別にそんな詳しく書く必要ないよねと。

もちろん細かいことがあれば別だけど、今回作るやつは特別に決まった分量や時間があるわけではないからね」

 

そもそも、あれは自分ように作ったやつだから他人がわかろうがわかるまいが関係なく自分さえわかれば問題ないのだ。

まあ、今の状況だとシセラスがわからないから問題が発生しているんだけど。(某食卓に愛がある料理番組風の解説はいつの間にかお亡くなりになりました)

 

「なるほどな」

 

シセラスはそう言うと少し考えるようなそぶりをみせた後、改めてと言うように。

 

「……仕方ないか。じゃあ、ちゃんと説明しろよ。詳しい調理法はお前しか知らないんだからさ」

 

表情こそ普段と大きな違いはないものの笑っている、と見た人にそう思わせるような顔をしながら作業を再開するシセラスを見て、ちゃんと(怒られない範囲でふざけながら)説明しなくちゃなーと思うのであった。

 

 

 

 

そうして我ら調理部隊は濁りがなくなるでカカオ豆を洗い、焦がさずいい感じに焙煎をしたのち、焙煎によってむきやすくなった皮を全てむき。

 

すり潰しの作業(地獄)への一歩を踏み出そうとしていた。

 

 

「次は『ペースト状になるまで潰す』か、なにか注意することはあるか?」

 

シセラスは手順メモを見て本日何度目かの作業前の確認をしてきた。

ここから書いてある通りカカオ豆を潰すしていくだけだ。もちろん、しっかりとすり鉢とすりこぎ棒を使ってやる。力任せに握り潰したりはしない。

ただ、カカオ豆をすり潰すだけなので技術的な面などでは別に注意することはない。

 

「ない。……だが、強いて言うならここからは料理ではないと思った方がいい」

 

心してかかるようにと、教官のような口調で真剣に語る。

それに、大してのシセラスの反応は、

 

「……はぁ」

 

どうせ、大げさに言ってるんだろと言った感じである。

 

ふん、そんな風な対応してられるのも今のうちだ。

どうせ最後にはこの言葉が大げさでもなんでもないとその身をもって知ることになるだろうからな。

 

「作業を始める前に、少し早いけど先にお昼ご飯を食べようか」

 

狩りの前もそうだけど大仕事の前はしっかりと

 

「別にチョコレートが作り終わってからでもよくないか?」

 

こいつ、完全にチョコ作りをなめてやがる。

作業時間(予想)的にここで飯休憩を挟まないと中途半端どころか、よくて量が多いおやつになりかねん。

意地でも連れていくぞ。飯に!

 

「まあ、まあ、そう言わずに。台所はこんな感じだし、外で奢ってあげるからさ。

飯食いに行こうぜ。ほらほら」

 

「よくわからんけど。ちゃんと奢ってくれるんだよな?」

 

おい、もしかして懐事具合を疑われてる?

確かにキノコとか食ったりしてるけど別にお金がないわけじゃないんだよ。

 

「もちろんさ。最近、結構実入りのいい依頼があってそこそこ懐は潤ってるんだ。

武器も作ったりして無いから。ちゃんと財布に金は入ってるぜ」

 

ちなみに、その依頼は報酬こそよかったものの二度と受けたくないと思いました。

スーパーサ〇ヤ人もどきに関わる依頼は緊急クエスト扱いじゃないかぎりはもうお断りだ。

 

「お、おう。わかったから。疑って悪かった。

だから、そんなに近づいてくるな」

 

あ、気が付いたらシセラスに詰め寄るかたちに。

直ぐに離れてっと。

 

それじゃあ気を取り直して。

 

「よし、じゃあ飯食いにいこうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。

 

 

飯を食いに行ってから数時間後台所にはひたすらカカオ豆をすり潰す音だけがまるでBGMかのように流れていた。

頭おかしくなりそう(もとからおかしいというのは禁句)。

 

チョコレート製造は力の入れ過ぎで器具を破壊しただとか、湯煎しているときに勢いまってひっくり返したりだとか、そんなミスもなく順調に進みただいま最終段階の一歩手前まで終わっている。

 

今やっている作業はそう、滑らかになるまですり潰すだ。

 

 

がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。がりがり。

 

 

ただただすりこぎ棒を使って擦り付けるようにぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。

 

正直に言うともうやめたい。

だが、開始3時間くらいの時にシセラスが『もうこれくらいでよくないか。そろそろ切り上げて次の作業に行こうぜ?』って言った時に。

『お前それで良いのか?確かに今切り上げるのは楽かもしれない。そこそこやったからそれなりのチョコレートは出来るだろう。

しかし、せっかくここまでやったんだぞ。最後まで、それなりではなく店にあるようなチョコレートを作りたいとは思わないのか?』と啖呵切ってしまったのだ。

そんな事を言ってしまった手前自分からやめるを提案するのは凄くやりにくい。

流石にチョコが満足いくような出来になっていればともかくまだ少しぶつぶつが残っているように思う。

それでもだ。止めたいと言うには当然訳があるわけで、疲れてきたし手も少しだが痛い。

いくら一般人よりもパワーもスタミナも根本的なレベルで違うというレベルのハンター(人外)とはいえ何時間も少しとはいえ力を込めて同じ作業をしているのだ。

疲れない方がおかしい。

 

くそ、でもなぁ。ここで止めますって言うのも絶対に後でシセラスになんか言われると思うし、それ以前にやっぱり作るならいいものを作れるのならそうしたい。

というかなんで、シセラスも一緒にやってくれているんだろう。

あんなことを言ったとはいえ普通に次の作業に行ってくれもいいんだけど。

単純に言われて腹が立ったからかな?それとも、もしかして付き添い的なあれ?

前者だったらともかく後者だったら罪悪感が少し。

 

ああもう!なんであんな事いったんだろう!

 

心の中の叫びと共にがっ❕と思いっ切りすり鉢のなかをすりこぎ棒で一周。

はぁはぁと手は動かしならがも肩で息をする。

そんな奇行を見かねてか、それともただタイミングがあっただけなのかもしれないがちょうどその時、シセラスがこのカカオ豆無限すり潰し地獄に終止符を打つかのごとく口を開いた。

 

「なあ、そろそろよくないかこれ?もう十分出来たと思うんだけど」

 

その言葉を待っていた!

 

「うん!うん!確かにもう、殆どぶつぶつも無いしいい感じだと思う」

 

ああ、やっとこれで解放される!この際シセラスが狙ってやったとかやってないとかそんなのどうでもいい!

純粋に感謝をする盛大になぁ!

 

 

「……じゃあ、次の型に『流して冷して固まらせる』作業だが、型はあったが冷やせるような場所、物なんてここら辺にあるのか?」

 

「あるぞ。ちゃんとこの為に用意しておいた。さあ、こっちに来るがいい!」

 

そもそも無かったら作ろう!とは言わない。

それくらいは考えて行動してるわ。

 

「なんかやけにテンション高いな」

 

なんか言いたげにシセラスがこちらを見ているが無視して例の物の前に移動する。

聞いてもいいけど藪をつついて蛇王龍は出したくはないからな。

 

さて、

 

「これが今回チョコレートを作るのにあたって導入した冷凍庫だ!」

 

「これが……。ただの丈夫そうな箱にしか見えないけど」

 

冷蔵庫だ!とは言ったものの。もちろん、電化製品のようなハイテクなものではない。

実際は丈夫な箱にちゃんと冷気が循環するように瞬間凍結袋を適当に配置しただけのもの。

 

「まあ、とりあず開けてみろよ。別にびっくり箱とかではないからな」

 

そう言うとシセラスは半信半疑と言った様子で冷凍庫(偽)を開ける。

するとそこから勢い良く冷気が放出され、台所はあっという間に寒冷地に早変わりした。

 

「うわ!何だこれ⁉」

 

そして、その冷気の発生源の正面かつ真近くいたシセラスは、まるでベリオロスのブレスをくらい氷属性やられになったかのような状態になっていた。

 

……これじゃあある意味びっくり箱だな。

 

「シセラス、大丈夫か?」

 

「これが大丈夫なように見えるか?」

 

「いえ、見えん」

 

ハクション!っと、どこぞの壺在住の大魔王が呼び出せそうなぐらい見事なくしゃみをしたシセラスに対してとりあず俺はホットドリンクとウチケシの実を用意するのだった。

 

 

 

 

その後、ちゃんとチョコレートの制作は続行され純度100%のカカオチョコレートが誕生し、それをバレンタインデー当日にシャゲとシセラスにプレゼントされ食べさせられた食べたフェンネルさんがあまりの苦さにぶっ倒れるという事件が発生したがそれはまた別のであり、それに伴いホワイトデーにお返しとばかりに激辛チョコを渡され「これいけるやん」となったのは完全な余談である。

 

 




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
ホワイトデーから三日も遅れたぜこんちくしょう。
どうも作者彼岸沙華です。

遅れた理由は、モンハンとその他のゲーム漫画小説(読む)を満喫してしまったことと。
予想以上(2倍近く)に話が長くなったことです。
もう(前編含め)三分割にしてもよかったぐらいの長さです。前編と合わせて約1万文字よくかけたな自分。
端折るに端折ってこれですからね。(ついでにちょっと雑になった気がするが気にしない)
本当だったら作業工程を余すことなく書いてこれ読んだらちゃんとチョコレート作れるよって言うのを書きたかったのですが。
まあ、そんなこと言ってますが実際のところまだ一回もチョコレート自作したことないんですけどね。(ちゃんと調べたので作り方とかは間違えてないと思いますが変なところがあったら教えてください)
いつか、友達を誘ってチョコレートを作りたい!

ちなみに、この話実は最初のプロットではこんなにまとも?にチョコ作りするつもりはなかったんですよ。

チョコ作ってる途中に、大変!強力なモンスターが!対応でき人が君たちしかいないんだ頼む!みたいな感じになってモンスターはなんとか出来たものの。
結局チョコはバレンタインまでには完成せずに(しかもいろいろあって取り返しのつかない状態に)落ち込んでしまったシャゲに対して見かねたシセラスが自分家に招いてココア振舞ってEND。

みたいな感じで、
いやーなんか調べてるうちに目標がすり替わってましたね。
しょうがないそれだけチョコ作りが魅力的ということだ。


次はちゃんと本編を投稿したいですね。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼





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第二十三話 ウオオオオオ!マ ジ で 許 さ ん !

※注意、この話は本編(前前前回)の続きであり前回前々回の番外編とは関係の無い話となっています。そのことをご理解の上お読みください。





あ……ありのまま、今、起こった事を話すぜ!。

物陰から飛び出して来た女性?を見て、何があったのかと物陰を覗いたらシセラス(親友)が血塗れで倒れていた。

な……何を言ってるのか、わからねーと思うがおれも何がおきたのかわからなかった……。

 

オオナズチだとかクシャルダオラだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を……ってふざけてる場合じゃない!

 

「シセラアアアアアアアアアアアアアス!シセラアアアアアアアアアアアアアス!

大丈夫か!しっかりしろ!生きてるか!生きているなら返事をしろください!」

 

現実逃避から復帰しすぐさまシセラスへ叫びながら駆け寄る。

どうやら息はあるっぽいな。よかった。

 

「……う、うる、さい、な。生き、てるわ」

 

「馬鹿野郎!こんな重傷を負ってんのに喋んな!」

 

血は胸の辺りからで、これは、……包丁?か。根元まで押し込んであるぞ。この傷、深い!

こういう時は抜、いちゃダメなんだよな。

 

とりあえず、えっと位置的に担いじゃ、止めさしちゃうからお姫様抱っこするか。

 

「よし、もう少しの辛抱だから耐えろよ。くれぐれも絶えるんじゃないぞ」

 

そうして、シセラスをお姫様抱っこしようとした時、シセラスは体を少し動かしたかと思うと今にも死にそうな声で話し始めた。

 

「……まて」

 

「おい!だから、」

 

話すな!このすっとこどっこいが!そう続けようとしたが、途中で言葉が口をふさがれたかのように詰まった。

気迫とでもいうのだろうか、シセラスから出る言い表せないものに止められた気がしたのだ。

 

「……は、なしを、きけ。もし、おれがし、だとして、も、殺ったやつは、さがす、な……」

 

そう言うと、シセラスはまるで最後の力を出し尽くしたかのように動かなくなった。

 

「シセラアアアアアアアアアアアアアアアアスウウウウウ‼‼‼」

 

うおぃ!驚いて心臓止まるかと思ったがどうやらまだ息はある。

大丈夫、大丈夫、大丈夫。

まだ!間に合う。

 

 

「死ぬな。死ぬな。死ぬなよシセラス!」

 

なりふり構わず、お姫様抱っこっでシセラスを抱え俺は村を駆けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーン

 

 

そこは正に静寂だった。

生きとし生けるものの音は無く。

唯一の音らしきに音と言えば先ほどのお鈴(仏壇の前とかにあるチーンって鳴らすやつ)の音が響くのみ

 

ああ、あれからどれくらいの時間が経ったのであろう。

 

 

一日、あるいは五日?いや、もしかしたらもっとかもしれない。

 

 

ああ、シセラスどうしうてあんな事に……ああ、シセがらら

 

ドンドンドンドン

 

「……こんなことろで何やってんだお前」

 

「何って、見てわからないのか?シセラスを追悼してるんだよ」

 

まったく、せっかく人がシリアスな雰囲気でしんみりしてるのにぶち壊しだよ!

 

「勝手に殺すんじゃねえよ」

 

そう言ってシセラスは思いっ切り頭にチョップしてきた。

 

「痛い!」

 

うおおおおお!まるで病み上がりとは思えないパワー。

あまりの痛さに七転八倒っとうだよ。

こっちが追悼されちゃうよ。

 

「ああ、でもよかった。死ななくて」

 

あれから、実はまだ半日ほどしか経っていない。

シセラスも大事ではなく(普通だったら危なかったらしいけど)普通に抜いて止血してその他処置して終わり!だった。

まあ、処置が終わってから目覚めなかったかったからびびったけど普通に寝ただけだったみたいだしね。

 

 

「まあ、な?」

 

うーんと、その曖昧な返しはなんだい。嬉しいけど素直に喜べないみたいな感じのさぁ!

 

「はぁ。とりあえず、そこ座って」

 

そう言うと、シセラスは大人しく言われた通りに座った。ちなみに、言い忘れていたけどここは自分家です。

 

さて、簡易仏壇とか片付けながらっと。

 

「なぁ、シセラスいくつか気になることがあるんだけど質問いいよな?お前の遺言を守って事件は大事にするつもりはないが、質問出来なかったら、もしかしたら気が変わるかもしれない」

 

若干どころかもろ脅迫した言い方になってしまったがこうでも言わないと答えてくれないような気がしてな。だって自分を殺しかけた相手をかばってんだぞ。俺だったら、例えシセラスがやむを得ない事情があって襲いかかってきたら逃げ出してギルドに通報だからな。

 

しかし、まあそのかばっているであろうやつは女か。

うーん。女ねぇ……あ、閃いた!

 

「まず、お前を刺したやつは小柄な髪の長い女性で間違いないよな?」

 

片付けの手を止めずにに質問をぶつける。

 

「……ああ、そうだが。……見たのか」

 

驚きながらも疑問が確信に変わった様子のシセラス。

まあ、助けたのは刺された直後だっただろうしそう考えるのは自然な

 

「そうだ。そいつが飛び出して来たところを見てシセラスを見つけたんだ。

じゃあ、次はそいつをかばわなければいけない理由。それは恐らく、お前は直接的、もしくは意図的ではないにしろ彼女を傷つけたんだろう。それにより彼女がこうする事が何となくわかっていた」

 

シセラスが驚いたように目を開き口を開ける。

え?もしかしかして、これ当たってるの?

わりと当てずっぽうだったんだけど。

 

まあ、いい。このまま突っ走るぞ!

 

片付けの手を止め。お鈴を持ちシセラスの方を向き勢いよく言い放つ。

 

「そして、彼女がこんな凶行に走った理由は、お前が彼女の彼女を惚れさせてしまい。別れる原因を作った事だ!違うか?」

 

 

チーン

 

 

それを聞いたシセラスは肩を震わせ。

 

「違うわああああああああああああああああ!!!!!」

 

ドズ。

 

「ぐぁ」

 

全力で殴ってくるのであった。

 

うん。とても病み上がりだとは思えない素晴らしい右ストレートだ!

 

そのまま、後ろの壁までぶっ飛び。

 

 

「ごぇ”え”」

 

後頭部を強打し案の定視界が暗転するのであった。

 

 

ここまでやることはねえだろが。ウオオオオオ!マ ジ で 許 さ ん !

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前でうつぶせになって、何故か左腕を伸ばしながら気絶しているシャゲ(友人)を見てため息が漏れる。

 

 

「はあ、マジで知ってるかと思ったじゃねぇか。本当にびびらせやがって」

 

結局はこいつお得意の冗談だったわけだけれども。

その、ふざけた冗談の当てずっぽうで半分以上当てられちまった。

 

案外、最後の以外はまじめに考えていたのかもしれぇな。

 

「もしかしたら、あんなふうにふざけたのは俺を気遣って、」

 

そこまで言ったところでこいつの普段の言動が脳裏をよぎる。

うん。きっといつも通りふざけただけだろうな。

 

でも、下手に気を使われるよりは遥かにマシだ。そういう意味ではこいつには感謝しなくちゃな。

 

ひとまず、このまま寝かせとくのもあれだし適当にベットにでも放っておくか。

 

シャゲを雑に担ぎ上げる。すると、偶然かそれとも俺が近くにいることを感じ取ったのかうわ言を漏らした。

 

「止まるんじゃねぇぞ……。シセ、ラス……」

 

うーん、一応俺の名前呼ばれたな?よくわかんねえけど。

いや、寝言に意味なんてねぇか。

 

 

でも、強いて意味を持たせるなら。

 

「死ぬなってことだろうな。

ふふ、まあもう、やられるつもりはねぇよ。

俺が死ぬのがあいつと俺にとって最善の選択でも、俺とお前にとっては最悪の選択だからな」

 

とりあず、こいつをベットに放ったら起きるのを待つついでに飯でも作るか。

 

「ふふ、起きたら五月蠅そうだな」

 

それがまた、楽しい、か。

 

そう思いながら俺はあいつをベットに放り投げ、台所へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございます。
どうも作者の彼岸沙華です。

まずは、本編投稿が約半年もの間出来ずに申し訳ありません。
エタッテマシタ。
ぶっちゃけると、ここからは前前前回までのブロットをぶち壊し全速前進で進んで逝くので、おィ!?この伏線ぽいの回収されてねぇぞ!となってしまう可能性が多々あります。(そこ、もともとこの小説にまともな伏線無いでしょうとか言わないで、自分の賢さの無さに絶望するから、いやー本当にうまく自然に伏線を貼れる人がうらやましい)

まあ、とりあずこの件でわかったことは自分は下手にプロットを出力するとそこで力使い果たしてオワオワリになるということですね。
もう、絶対にまともなプロットは作らねえからな。


あ、ここからどうでもいい話したいと思いましたがここでするのはあれなので活動報告にてしようと思うので、どうでもいい話を聞いてやるよしょうがねえなぁって人は見てください。

それでは最後にミラルーツ様万歳‼

早速、追記:よく考えたら半年余裕で超えてましたねいったいどうな計算をしたんでしょう。


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未完話 ごめんなさい。

まず、始めに謝罪をごめんなさい。
今回の投稿を持ちましてこの小説は未完結とさせていただきます。
理由としては、この先どれだけ時間をかけてもこの物語を完結させることができないと判断したからです。
続きを待ち続けていた皆さまを裏切るようなこととなってしまい大変申し訳ございません。
最後に、第24話に当たる話を書けたとこまで乗せておきます。

それでは、さようなら。





「だああああああああああああ!シセラあああああああああああああス!」

 

跳ね起きると共に、己を強制就寝させた犯人を捜すために当たりを見渡す。

いない、そしてここはベットだ。

 

「シセラース。ベットまで運んでくれてありがとう!

でも、それとこれとは話が別じゃアアアアアアア!」

 

十字架に張り付けて体中をくすぐってやるわ!

どこだ!どこだ!どこにいる!

 

うおおおおおおおお!と(心の中で)叫びながら寝室を勢いよく飛び出した。

 

すると、そこには。

 

「お!起きたみたいだな」

 

シセラスがいた!

 

よし、この野郎あそこでふざけたのは、確かに悪かったと思うがあれはやり過ぎだじゃぼけ!

今こそ、天誅を下してくれるわ!

 

「腹は減ってるか?飯作くっといたけど」

 

食べるか?

 

そう聞かれたときには既に席についていた。

 

「ママ―!いただきまーす!……うまい!もう一杯!」

 

「いや、俺はお前のママじゃねえよ」

 

うん?さっきまでの物騒な思考はどうしたって?

 

 

美味しいごはんにはかなわなかったよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後はシセラスに襲いかかるも返り討ちに合うという恒例行事以外何事もなく食事を終えのんびりとくつろいでいた。

 

 

さーて、何しようかな。

 

 

「なー、シセラス。これからどうする?」

 

とりあず、シセラスに聞いてみようか。

 

「うーん。まあ、もう時間もあれだしそろそろ帰ろうかな?」

 

「帰って大丈夫なの?一応、助かったとはいえお前殺されたんだぞ。今日は泊まれ」

 

あ、言い方間違えた。なんか死者蘇生したみたいになっちゃってるよ。

きっと、使った呪文はインフェルノゲートだな。

 

「勝手に殺すな。……まあ、確かにそうだな。今夜はお前の言葉に甘えさせてもらうか」

 

「おう!今日はばちこり泊っていけ。ついでに今日はシャゲさんがとっておきの料理をお見せいたしましょう!」

 

そう言って勢いよく立ち上がった。さーて、張り切って作るぞ。

とスキップしながら台所へ向かおうとした時、突然後ろから引っ張られる。

 

うぇ。ちょっと吐きそう。

 

後ろを見るととシセラスが襟を掴んで立っていた。

 

なんでや!

 

「お前がそんな風に台所に入ってまともなものが出てきたためしがないからな。

ここで待機してろ」

 

確かに、確かに今までこんな風に台所に入って、意図的であろうとなかろうとシセラスはろくな目に合わなかったけど。でも、流石に今回は大丈夫だよ。

 

「いや、今回はちゃんとした料理だから。それに、病み上がりの人に作らせるのは流石にあれだし」

 

「病み上がり云々に関しては今更過ぎるだろ。襲いかかってきた奴が何を言うんだ」

 

あれに関してはシセラスもちょっと悪いじゃん。

 

「それに、お前のこの場合のちゃんとしたはろくでもないだろ。

お前に殺されたくは無いし、宿代替わりだと思って大人しくここでまってろ」

 

凄い酷いことをさらっとどころかガッツリ言わなかったかこいつ。

まあ、いい。そこまで言うなら今度はこっちがお言葉に甘えさせてもらいます!

 

「はーい」

 

そう言ってだらんと横になる。

そうして、とりあえずぼーとする。

 

うーん。今夜は徹夜で賽の河原式トランプタワーでもやろうかな。

そんなことを考えながらまるで何事もなかったかのように一日が過ぎて行った。

 

 

 

ちなみに、賽の河原式トランプタワーは、説明の段階でシセラスにチョップを貰い行われることはなかった。

 

 

 

 




ここから、モンスターサイドの話を入れるつもりでした。


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