GANTZ 神代蓮の序章 (サムスの趣味)
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プロローグ

原作一年前ぐらいからです。


「蓮、何かあったらこの鍵を使いなさい」

そう言って父さんは鍵を渡してきた。

 

「これ、父さんの研究室の……いいの?」

「ああ、だがずっと籠って時間を忘れた、なんてことにならないようにな」

真剣な顔で父さんは言うが、

「大丈夫よ、蓮は英一さんと違ってちゃんとしてるから、英一さんとちがって」

母さんが呆れながら言う。

 

「あはは、研究してると時間を忘れるのは昔からの癖でね、悪いと思ってるよ」

苦笑いしながら言うが、その顔に反省の色はないようだ。

「悪いと思ってるなら直しなさい。いつも私と蓮で呼びに行かないと反応もしないんだから、だいたい「あー分かった分かりました説教はあとで聞くから今は蓮に」ハァ、そうだったわね」

母さんは溜息をつきながら、ネックレスをとりだした。

「はいこれ、ハスのネックレス」

「ハス?それって僕の名前の由来になった花だよね?」

僕は首を傾げながら聞いた。

 

「そうよ、よく覚えているわね。もしつらい時や諦めそうになったらそれ見ながら思い出しなさい、貴方は一人じゃない、私達はずっとあなたを見ているわ」

そう言った母さんの顔は悲しそうな顔をしていてなんだか不安になって、

「……帰ってくるよね」

「何言ってるの、あなた一人残してどっか行くわけないでしょ」

母さんは抱きしめながらそう言った。

「エヴァもうすぐ時間だ」

「ええ、そうねじゃ蓮すぐ帰ってくるからおとなしくしとくのよ」

「うん、いってらしゃいっ‼」

直後目の前が歪んで喋れなくなり体が動かなくなった。

 

父さん!母さん!そう言って手を伸ばしたが喉から声がでることもなく体は金縛りにあったかのように動かない。

だんだん歪みが酷くなり目の前見えなくなり立っているのかさえ分からなくなってきたがそれでも手を伸ばすのやめなかった。

 

行かないで!父さん!母さん!行ったら死んじゃう!とお、さん、かあさ、ん……

 

―――――――――――――

 

 

「はっはぁはぁ……」

 

くそっまたかハァ、今のは夢だ。

三年前父さん達は帰ってこなかった、帰りの飛行機で事故にあい死んだのだ。よく思い出せば父さん達は死ぬかもしれないことが分かっていたのかもしれない。それからよくさっきの悪夢を見るようになった。

 

「シャワー浴びるか」

 

 

ジュージュー チン

 

「パンが焼けたか」

 

皿にパンをのせ卵ウィンナーにおかずと、よし。

 

「いただきます」

 

父さん達が死んでから知らない人たちがよく来て親戚だの、かわいそうだの、言って俺を引き取ろおとしたがそいつらが、遺産目当てなのはまるわかりだった。一人だけ本当に善意で引き取ろとした人もいたが、そのときにはもう一人で暮らす事に決めていたから断った。

 

それからは二年ぐらい過ごしたが父さんとの思いでつらくなり一年前にアパートに引っ越した。

背は高かったので歳を誤魔化したらいけた。お金は遺産にはあまり手を付けないでネットオークションで自作したパソコンだったりを売って、その伝手で修理やプログラムで稼いでいる。

 

幸い俺には父さん達の遺伝なのか、運動は練習すれば大抵ことはできてしまうし、勉強も俺は完全記憶記録型と呼んでるが、見て聞いて感じたことは忘れない、ただ普段は普通より記憶力がいいぐらいで、思い出そうすれば思い出せる、というものだ。これらのおかげで勉強や運動や家事なども困らないし一人でできる。

父さんの鍵は一度も使ってない、あそこにはいくきがおきなかった。

今は15歳中学三年、高校生になるまであと三か月ぐらいだ。

 

「ごちそうさま」

 

身支度をして、眼鏡をかけ鏡をみれば映っているのクラスに一人はいそうな根暗だ。この眼鏡は度がはいっていない伊達メガネだ。

父さん達が死んでからはまわりとは距離をおくようにした。俺は小さい頃から感受性が強く感情が大まかに分かるそのおかげで父さん達からの愛情は確かに感じ取れたが、ただ死んでからの喪失感がすざましく、もうあんな思いをしないために、距離をおくようになった。

 

「よし、行ってきます」

 

ガチャ

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

放課後

 

帰り道にスーパーによってそのまま河川敷に行き、

 

ピー!

 

指笛を吹いて数十秒後、猫、犬、鳥、はては兎まできた。

 

「あーまて、まてだぞ……よし」

 

それを合図に一斉に自分の餌のところに行った。こいつらは野良だ、兎や鳥がいるのは近くに山があって時々降りてくるからだ。

俺はたまに学校帰りによって餌を与えていたら、いつの間にか集まっていたのだ。

一人がいいといっても俺の心は、そこまで強くなかったらしい。だからといって人と関わるのは無理だ、そこアニマルセピラーを思い出してここでやっていたら、はまてしまった。

 

ただ心の片隅では依存かもしれないと思っている。失礼かもしれないけど動物達は本能よりなのか分かりやす感情だった、優しくすればなついてくれるし、人よりも付き合いやすい

 

「よし、ここまでなー、また来週じゃあな」

 

立ち上がって振り返ったらだれかこちらを見ていた。

 

「こんにちは」

「こ、こんにちは」

 

挨拶しながら通り過ぎたが今の制服、金持ちが通う学校のだよな、ここら辺に豪邸だったり有名人の家は無かったはずだが、それに男物の服だったけどどう見ても顔から体つきまで女らしかったんだが、謎の男の娘、現る!みたいな噂がでそうだなー。

そんな事を考えながら帰るのだった。

 

 

退屈だけど不満はなく、人恋しいけど怖くて近づけない、そのまま何事もなく一人寂しく死ぬのかな。

そんな事を思いながら信号を待っていたら、

「っ」

今のは、誰かの嫉妬それに憎悪まずい!俺えの感情なある程度読み取れるが、誰かから誰かえの感情は特別強くなければ感じ取れない。好意的ななら公開告白なりなんなりだが、悪意は刃物沙汰もしくは人が死ぬかもしれない。

ドンッ

そんな音が聞こえ目をむければ黒髪ロングの女が道路に突き飛ばされていた。いつの間にか体が動いていた。

プップー‼キーー

このまま突き飛ばしても間に合わない、俺は女の人を体の中に抱くように抱きしめながら突き飛ばされた。

ドンッゴロゴロ、ゴロー

 

「キャー!」「救急車! 誰か救急車呼べ!」「おい! 大丈夫か!」「まじか事故、事故だ写真、写真」ざわざわ

 

「うっくっ」

くそっまわりがうるせっお前が救急車、呼べよ!それと人が事故ってるのに写真撮んじゃね!てかそれより女の人無事か?

「お……い……だい……じょ……うぶか」

女の人へ顔を向けながら聞けば泣きながら頷いた。

「そっ……か、おま……えが………ぶ……じ……なら……いい」

俺は笑いながらそう言った。

 

やばい目の前が暗くなってきたもうすぐ死ぬかも。でも最後に誰かを助けて死ぬんだ、父さん達も許してくれるだろ。

 

ピーポーピーポ

「ま―――をあ――も―――き―――――うし――――ら!」

 

サイレンと女の人の声が聞こえるが何言ってるか分かんねぇ。

本格的にやばいかもあっ眠くなって……きた……お……や……す………み…………

 

 

ジジジジジ

 

「はっ」

 

目を覚ましたら知らない天上だった……

 

人生でこのセリフを言うとは思ってなかったがここ何処だ確か俺、死んだはず。

そう思いながら起きてまわりを見渡せば、東京タワーが見える部屋に俺を入れて9人ぐらいの人と部屋の真ん中に、

 

黒い球があった

 



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第1話 俺はいい奴なんかじゃない

 まわりを見るに9人のうち中学生、ノッポ、男女一組の4人が何か知ってそうだな。こちらに向ける感情に見下しや哀れみなどがあるし、服の下に共通の着ているし。

 

他の4人は不良3人に金髪ポニテの女の子だな。不良はずっと騒いでいてうるさい。金髪の女の子は結構冷静だ。

しかし金髪の女の子は何処かで見たことある顔だな。それにこちらに向ける感情が……

 

じっと見ていたら見ているのに気がづいたのかこっちに来た。

 

「何、じっと見てきもいんだけど」

「きもっ、い、いや何処かで見たことある顔だなとおもってな」

「ふーん、この状況でナンパなんて貴方みかけによらず軽薄なのね」

 

ナンパって確かにそう言われてもしょうがない言い方だったけど、この子口を開けば罵倒しないと話せないのか。

はぁまあいいか俺のほうが年上そうだし。

 

「いやナンパのつもりじゃ無かったんだけど、それよりこの状況について君は「君じゃない」ん?」

「私の名前、君じゃなくて、姫愛(ひめな)(たちばな)・マクダウェルよ、姫愛でいいわ」

 

っ、マクダウェルって母さんの旧姓のそれに、

 

「橘って、橘企業の橘?」

「そうよ、その橘、崇めてもいいわよ、ふふん」

 

橘企業―日本でも有数の企業で何処よりも早く、新製品の開発などをして経済に影響を与えてる、そうして父さんの働いてたとこ―

偉ぶってるつもりかもしれないけど、背が俺より低いせいで子供が背伸びしてるようにしかみえなく微笑ましい目をしてしまった。

 

「な、何よ、その目は冗談に決まってるでしょ! 私これでも16だから!」

 

16!俺より一個年上だったのか。なんかそれはそれで可哀想に見えてきた。

 

「うっ、そんな哀れんだ目で見ないで! 私だってきにしてるんだから! それより名前、貴方の名前は?」

神代(かみしろ)(れん)、俺も蓮でいい」

神代蓮やっぱり合ってた

 

小声で喋ったと思ったら急にガッツポーズし始めたぞ。

 

「ど、どうした?」

「んっん、な、なんでもないわ。それよりこの状況ついてだったわね、正直私も分からないわ。死にかけたと思ったらここにいたから、それにドアや窓も開けられないっていうか、触れなかったから、蓮は?」

「そうか、俺もだいたい同じだ。そうえいば姫愛は俺よりも早くここにいたのか?」

「そうね、蓮が現れる一っこ前にここにいたけど、それがどうしたの?」

「いや、俺がどうやって現れたかと思ってな」

 

そう俺は確かに車にひかれたはず。死んだどうかは分からないが骨だって何本折れていた。なのに目を覚ましたら怪我一つない、これはただ現れたってわけじゃなさそうだな。

 

「ん、それならそこの球から光線が照射「ジジジジジジ」あ、ちょうど現れるみたい」

 

姫愛が言ったとうり球から光線が照射したと思ったらそのまま眼鏡をかけた人を作っていた。

 

「なっ、これは……人を作ってるのか?」

「作る?私は転移なりなんなりしてると思ったんだけど」

「いや俺は確かに骨が何本も折れているの覚えている。それがここに来てからなくなっていた、ついでに古傷もないだから作られてると思ったんだが」

「いえ、そうね私も死にかけたって言うのは、そのあと記憶がないからだったけど言われてみればそうね。ってちょっとまってということは、私死んだの?……」

そう言った姫愛の顔が青ざめていく。

 

うかつだったか!俺より年上とはいえまだ16だ、今まで冷静だったから大丈夫だと思ってたけど気づいていなかったからか!俺が記憶があるのは完全記憶のおかげか?

 

俺は咄嗟に姫愛の手を握り、

「大丈夫だ今は生きている、こうして触れるのが証拠だ。それにさっきの俺の推測であって絶対じゃないだから落ち着け」

「え、ええ、ふぅ……ごめんなさい迷惑かけたわね」

「いや大丈夫だ、俺こそすまなかったな。」

「そうねそれより、い、いつまで握ってるつもりかしら」

「あ、悪い」

 

 

「聞いてくれ! これから――」

 

眼鏡が現れて一分後ぐらいに男女一組の男の方が言った。

・これから黒い球からラジオ体操の歌が流れて指令がでるそうだ。指令は星人と言う敵を倒すこと。

・そうして違う場所に強制的に移動させられてそこで星人を倒す。倒すつまり殺すと言うことだ。

・移動された場所にはエリアがあってそこから出ないようにと出たら死ぬらしい。近づけば頭に音が鳴るからわかるそうだ。

・星人を倒すと点数が獲得できて100点まで集めれば、ここから解放、強い武器、死んだ人間の再生どれかをえらべる。

・最後にガンツの中から一人ずつ専用のスーツがあるから絶対に着るようにと。これを着ないとまず生き残れないらしい。

なんでそんな事をしってるかと言うと俺らより前からずっと繰り返しているからと言っていた。

 

まあ、不良は「ふざけな!」「なめてんのか!」「調子くれてんじゃねえぞ!」などを言って全然信じなかった。

眼鏡は「論理的にそんな話信じませんし、コスプレの設定は自分たちやって人さま迷惑をかけないように」なんて見下しながら言っていたけど現実逃避だな。てか眼鏡が着てる制服、夕方の男の娘が着てた金持ち学校のやつだ。姫愛も女用の奴、着てるしあとで聞くか。男の人は信じないならいいのかその後は何も言わなかった。

 

「蓮は信じるの?」

「信じる信じないは後にしてスーツは着て損はないだろうな。それにあの人の言う通りならもうすぐ球から歌が流れるだろうし」

「それもそうね」

 

あーたーらしーい あーさがきた きぼーうの あーさーが

 

                  てめぇらの命は

                  無くなりました

                  新し命を

                  どう使おうと

                  私の勝手です。

 

                  という理屈なわけだす。

 

ガシャッ

 

               てめぇらは今からこの方をヤッつけに行って下ちい

 

                  トラ星人

                  特徴 トラ 動物ッぽい くさい

                  好きなもの 肉

                  口癖 うがーッ

 

急に歌が聞こたと思ったら球の表面に文字が表れ球の両サイドと後ろが展開された。中には裸の男が入っていた。

 

「うお、なんだこれ」「これ、本物っすかね」「んなわけねーだろ」「ずいぶん作りこんでるんですね。見た目だけなら本物だ」

 

色々言ってるがこれ全部本物だったら、凄い技術だぞ一個人として仕組みがすごい気になるが、これであの人が言ってた事に信憑性がましたな。

そうなるとスーツをなおさら着ないといけないが両サイドが武器っぽいから後ろの方か?後ろを見たらアタシェケースがあって名前?が書いてあった。ふむ、これは姫愛だな、俺のはこれか。

 

「ほれ」

「ありが……ねぇ蓮なんでこれが私のだって分かったの」

 

姫愛が青筋たてながら聞いてきたが何怒ってるんだ、何で分かったかなんて、

 

「ケースに書いてあるじゃないか貧乳(・・)って、たぶんこれその人の特徴や雰囲気なりで決めてるんだろ俺の根暗だし」

「なっ! あなた、私の特徴が貧乳といいたいのかしら、失礼ね私はこれで「落ち着けそんなこと喋ってる場合じゃないぞもうすぐ転送されるだろし、それに俺、貧乳も好きだよ」なっ、もー///こっちこないでね!」

そう言って廊下に行った。

 

ふぅ何、怒ってるんだか貧乳は恥ずかしくないだろうに。

それにしてもこんなに他人と話したのいつぶりだろうか、いつもなら無視するか会話を終わらせようとするのに。

もっと話したいと思ってしまう、やっぱりどこか母さんに似ているからだろうか?

 

そんなことを思いながら着替えて数分後にスーツの上に制服を着て姫愛が来た。

 

「うー、これ制服着てなかったら、プロポーションがまるわかりで恥ずかしかったんだけど」

 

このスーツ頭部を除く全身を覆う感じピッタリなのだ。

 

「そうなんだ、見てみたかったな」

「なっ、何いってるの! ばっかじゃないの!」

 

ジジジジジジ

 

なんて言いあってたら転送が始まった。

 

「あっち行ってもうごくなよ」

「分かってるわよ」

 

ジジジジジジ

 

 

 

 転送された場所は近くに動物園がある住宅街だった。

持ってきてるのはハンドガンサイズの銃だ。

 

「おい何処だここ」「それよりこの銃売ったら金になんないっすかね」「そんなんどうでもいい外に出れたんだ帰るぞ」

「ふぅ、やっと出れましたか。家ではママがまってるんです、早く帰らないと」

 

「待ってくれ君たちエリアから出たら「やめなさい」、明里さん」

「ああいう人達はもう無理よやるだけ時間の無駄。それより私は点数のために早く行きたいんだけど」

「そう、ですね……」

 

不良達と眼鏡はやっぱり信じなかったらしくそのまま帰るようだ。

ノッポと中学生はすでに何処かに行っていない。男の人が止めようとしたけど一緒にいた女の人が止めて諦めたと思ったら今度はこっちに来た。

 

「君たちは部屋にいた時から冷静だったしスーツも着てくれた、それだけでも期待できるけど今回が初めてだ、だから生き残ることを最優先にしてくれ、生きてさえいれば手足が無くても再生された状態で戻れる」

「分かりました、えっと……」

「ん、何か分かんないことでもあったか」

「あ、いえ名前を聞いていなかったので」

「ああ言ってなかったな悪い俺は橿原大樹(かしばらおおき)よろしく」

「神代蓮です、よろしくお願いします」

「姫愛・橘・マクダウェルよ、よろしくしてあげてもいいわ」

 

初対面で上から目線て俺の時もそうだったけどこいつ罵倒しないと喋れないツンデレか!

 

「お前ぇ、なんで上から目線なんだ」

「はは、いいよ神代君も敬語じゃなくいいし、大樹でいいよ同じぐらいだろ」

「あ、いえそれはえっと……そうだな分かった、じゃ俺も蓮でいいよ」

「うん、それじゃ生き残る事、最優先でどうやら星人は複数いるようだし、じゃ行くから」

「ああ」「ええ」

 

橿原さんはすごい勢いで走っていってモノホイールバイクに乗って後ろに女の人を乗せていった。

 

「ねぇなんで本当の歳、言わなかったの?」

「いやなんか、気まずくなりそうだったから」

「そう」

「ああ……それじゃ俺らも行くか」

「そうね」

 

そんなことを言いながら俺らは、スーツの機能やxガンについて調べながら歩いていった。

 

 

 

15分ぐらいだろうか大体の機能は確認できた。

 

 まずスーツについて、基本的に防御力と身体能力が飛躍的に高くなっていて筋力や精神の向上でスーツが疑似筋肉みたいになって発動する。

運動能力は壁と壁を飛び回れ、自動車を超える速度で走れ、石も紙屑みたいにできたから岩でもいけるだろ。

あと頭を殴ってもらって確認したが頭部も保護されていた。

耐久性や炎などのエネルギーは攻撃を受けないといけないから分からなかった。

それとリストバンドに小型のコントローラーがついていてレーダー、制限時間表示、戦闘エリア表示にステルスモードがついていた。ついでにxガンの装着もできた、ほかにあるから違う武器もできると思う。

 

 xガンはトリガーが二つあり上がロックオン下が発射で、数秒のタイムラグがある。

射程は短く今のところ球切れにはなっていない、もし永久機関ならすごく気になる。

後部のモニター画面にはレントゲン機能もついていたし発射時x状になるかxガンにした。見た感じエネルギーを発射して、内部で爆発してると思う。

あと上部にあるダイヤルでエネルギーの放射量を調節可能だったが戦闘中にやる暇は無いと思う。

発射時は向きに関係なく命中した。それと複数の対象をロックオンしてから発射することもできた。デザインは太い円筒形の本体にグリップをつけたような形状だ。色は両方黒。

 

ああ、それと俺達の事はまわりには見えないようだ。

 

「今ならお風呂も覗けるわね。ねぇ蓮」

「そんな事、するわけっ!」

 

今のは!事故の女の時と一緒の、感情の波か!それにこれは恐怖。方向はあっちてことは、不良達か!

コントローラを見るに星人が一匹いる。

 

「ちょっとどうしたの? 本当に覗くわけないわよね。ねぇ本当にどうしたのそんな怖い顔して」

「これ見てくれ、不良達が危ないかもしれないから、俺は行く」

「これ星人よね、危ないって襲われてるかもしれないって事?でもスーツ着ないのは自業自得じゃない」

「それでも、感じてしまったものは見逃せない、だから俺は行く。姫愛はここで待っててくれ」 

 

ドンッ

 

俺は床をけって走った。

 

「ちょっと待ちなさい! 感じるってなによ! もう、お人よしなんだから」

 

お人よしか……違うそんないいことじゃない。感じる、感情が感じてしまうから……感じなかったら見えていても見逃していただろう。普段生きてるだけで小さい生物だって殺しているかもしれない感情に気が付かないだけで。

俺はそんな人間だ……

 



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第2話 星人を殺す

ドスン

 

スーツの力を使って走ったから結構早くこれた。場所は目に前を右に曲がって行き止まりにいる。レーダーによると星人は、行き止まりで動いていない。という事は不良達は行き止まり側にいて、星人は俺から見て後ろを向いてるはず。なら声をだして注目させてそのうちに逃げてもらおう。

 

そんな事を考えながら右に曲がった。

 

「だいじょっ!」

 

 

「ちっ、全然当たんねえじゃねえか、すばしっこい奴だな!」「顔、半分ぐらい無いのに生きてるんすね」「俺が片目を当てて5点だから、お前は他の部位じゃないと点数はいらないからな」

 

早く助けないとそんな事を思いながら俺が見たのは、不良達が星人を甚振ってる姿だった。

 

何が起こってるのか分からなかった。今まで感情の波を感じたのは人だったから、今回も人だと思っていたが見てみれば星人だった。

俺はどうすればいいのか分からなかった。

 

「蓮、早いわ、もう。それで不良達は、って無事じゃない。それにしてもあれが星人ね、確かに見た目は宇宙人てかんじ。……気に食わないわね、敵とはいっても甚振るまねなんてして」

 

敵……敵なのか?確かに見た目は、猫より少し大きく背中から大きい触手を何本か生やして口が大きいトラだが、俺には怯えて逃げ回ってる子供にしかみえない。

俺たちは本当に正義、いや正しい事なのか?、まわりは分からないだけで俺だけが怯えているのが分かる、ならここは星人を助ける方が正しいじゃないのか?……いやそんな事考えてる場合じゃないとりあえず止めないと!

 

「おい! やめろお前たち!」

「ちょ蓮、どうしたの?」

 

「あ、やめるって何いってんだ、邪魔すんじゃねえよ」

「そうっすよ、俺たちは正義の味方、悪い星人をやっつけてるだけっすからね」

「お、いいこと言ううじゃねかそ言うことだからとっと「ビュッ」え、あ…し…」

「うわぁぁし、死んで「グサッ」う、む胸が、せん…ぱ…」

「くそっなんなんだよ! 死ね(ギョーン)! 死ね(ギョーン)! 死ね(ギョーン)!「ヒュッ」っひゅーひゅーかはっ」

 

止めようとしたのが悪かったのだろうか。不良が撃つのをやめた瞬間、さっきまで逃げていたのが嘘のようにあっというまに不良達が死んだ。

体を切断され、胸を貫かれ、喉を切られた死体を見て俺は動けずにいた。初めて見た死体という事もあるだろうが何よりもさっきまで恐怖という感情だったのが敵意、いや殺意という感情をこちらに向いたからだ。

 

確かに星人にとって、俺たちが動物や虫などを見分けられないように、人を見分けられないなら見える人すべてが敵に見えるのだろう。

 

「ガルルル」 ヒュンヒュンヒュンヒュン

 

星人はゆっくり歩き触手を振り回してこちらにきている。多分大きい触手と体の大きさ、片目が無い事から走りながら触手を上手く操れないのだろう。と頭の冷静な部分が分析していた。

 

死んだと思ったら知らない部屋にいて自分が死んだかもしれないのに受け入れる、初めて死体を見て自分が狙われてるのに相手を冷静に分析できる、そんな事ができる俺は、どこか異常なのかもしれない。

 

ヒュッ

 

いつの間にか触手が迫ってきてた。

考え事に集中してて気が付かなかったか!やばい死ぬ!

 

「蓮!」ドンッ グサ

「姫愛!」

 

姫愛が俺を突き飛ばした。

 

「バカ、死にたいの! 早く逃げるわよ!」

「あ、ああ」

「痛っ」

「足が! 俺を庇った時にくそっ…こうなったら運ぶぞ!」

「やめて、私あなたの足手まといになるぐらいな死んだほうがまし」

 

姫愛を運ぼうとしたら、逆に突き飛ばさそんな事を言ってきた。

 

「何言ってるんだ! 死ぬんだぞ!」

「いいのよどうせ一回死んだ身だし、それに橿原が言ってたじゃない生き残ること最優先て、足手まとい抱えてたら生存率が下がるでしょ、頭いい貴方なら分かるでしょだから……」

「できるわけ無い、そんなこと! それならここであの星人を倒す!」

「蓮、無理しないで何でか分からないけど、貴方しか感じない何かであの星人を殺せないでしょ」

 

それは確信しきったような言葉だった。確かに隠そうとはしてなかったが、そんな非現実的な事普通考えない。

普通は偽善や怯えてると思うわれるだろう。

 

「っ! な何でっ、それにそんな事ない…」

「無理しないでって言っただしょ、貴方のことずっと見てたんだからそんぐらい分かるわ。それに無理して生き残って体は無事でも心が傷つく、きっと貴方のそれは優しい事なはずよ、普通に生きてたらよかったけどここではそれは自分のそうして仲間の命を危険にさらす。だからこれから少しずつでいいから覚悟を決めていかなきゃいけない。蓮、貴方はこちら側(殺し合い)に向かない、生き残ってここから解放されなきゃいけない人、ううん私が蓮に生き残ってほしいの。お願い、生きて(・・・ ・・・)

 

姫愛がどうしてそんなに俺の事を気にかけてくれるか分からない、それも自分の命を使ってまで。

思えば最初にあった時からこちらの事を気にかけていたし、名前を名乗ったら感情が好意的に変わっていた。好意が恋愛か友情までは分からないけど、ここまでやるほどなんてもしかした昔、何処かで会ったことがあるのかもしれない。どこか懐かしいかんじがするし。

ただ一つだけ分かる事があるそれは、生きてほしいそう言った。

 

生きる(・・・)……」

 

俺が死ねば姫愛も死ぬ。

 

ヒュン

 

「っ蓮!危ない」

 

俺達が喋ってる間に結構近くにまできたようで、触手の一本が俺に向かって凄い勢いできた。どうやら姫愛が動けないと分かって先に此方を殺しに来たらしい。

 

ただ俺には遅くみえる、まるで世界のすべての時間が遅く流れてるように、景色はだんだん色が無くなっていき白黒に見えるぐらいまでになり、ついには星人しか見えなくなり、生き残るにはどうしたらいいか、頭の中で凄い勢いで演算がおこなわれてる。

これが走馬灯かそれとも死を身近に感じた事で極限の集中状態になったのか俺には分からない。

ただ生存率を上げるにはどうしたらいいか、感情が問いをだし脳が機械のよう答え続ける。

 

―姫愛を守りながら戦う低下却下自分を囮にする低下却下体の一部を囮にする低下却下誰か来るの待つ低下却下周りを壊して隠れる低下却下etc.姫愛の一部を囮にする上昇推奨姫愛を囮にする上昇推奨―

 

そうだ姫愛を囮にして……`お願い、生きて`っ違う!俺は機械じゃない人間だ!俺には感情がある!ときには感情のままに動くそれが人間というものだ!俺は姫愛を助け俺も生き残る!

 

―なぜ俺はそこまで姫愛を守ろうとする会って数時間の関係でしかないのに―

 

なぜ、思えば何故だろう俺を庇ってくれたから、何処かで会っていて懐かしさを感じるから、生きてほしいと言ってくれたから、どこか母さんに似ているから、多分全部だと思う。

 

 

けどそれよりもっと単純だ、俺は姫愛のことが好きだ。

 

 

庇ってくれたから、懐かしいから、言ったから、似ているから、確かにあるでも今この時間一緒にいて、話して、触れて、感じて、その感情が母さん達が俺に向けていた打算も何もない、いわゆる無償の愛それと似ていたから好きになっていた。感情が感じやすいぶんすぐに好きになってしまう。

見返りを求めず、相手のためなら自分が犠牲になれて、ただ幸せになってほしいと願い、道を間違えたら敵になってでも怒ってくれる、そんな愛。

 

普通はそんな事できない、人間は嫉妬、怒り、求め、疑う、それが普通だからこれは異常なことなのかもしれない

でも俺は知っている感じるだから、だから強欲なほど異常なまでにそんな愛を欲してしまう。だが同時に無くすのが怖くてずっと避けていた。俺はそんな矛盾をはらんだ異常者だ。

 

だから、

 

星人を殺す(彼奴を殺す)上昇受理、演算開始………xガンを11時方向に下に15度に向け撃ちながら首を20度傾げる―

 

世界に色が戻った。

 

ギョーン(ビュッピシ)

 

「かはっ」

「蓮!」

「大丈夫ちょっと頭を使いすぎただけ、刺さってないよ」

 

脳の使いすぎで鼻血に血涙と口から血を吐いた事を勘違いしたようだ。目も少しぼやけて耳が少し聞こえずらい、どうやら五感のほとんども使っていたようだ。

触手は顔の頬を少し切り後ろの壁に突き刺さった。片目がなくて命中精度が下がっていたのだろう少し首を傾げれば避けれた。

 

ドシャ

 

触手と体がつながってる部分を中心に星人が弾けた。そこが弱点らしく頭の半分を失っても生きていたのはそうゆうことだ。弱点はなんとなく分かった。

 

「蓮あなた……」

「別に無理してないよ、ただ姫愛を守りたいと思ったらいつの間にか撃っていたんだ。だから俺は悪くない」

「はぁ、貴方ねぇ私結構恥ずかしかったんだからね、さっきのは忘れなさい、もう……ありがとう

「ん、なんて言ったんだ?」

「なんでもない! なんでもないわ! それよりここから早く離れたいから背負いなさい」

「なんで偉そうなんだよ。まぁいいけど、よっこいしょっと結構早く走るからちゃんと捕まってろよ。それとステルスモードにするぞ」

「分かったわ。あ、胸の感触味わいたいからじゃないでしょうね」

 

なにを言うと思ったら、

 

「フッ」

「今鼻で笑ったわね! 私そんな笑われるほど無いわけじゃないから! まな板じゃないから!「ドン」きゃーーー」

 

 

数分後

 

ちょうどいい場所があったのでそこ隠れる事にした。

 

ギュッ

「っ!」

 

ステルスモードを起動すると仲間にも見えなくなるから、隣に座ったんだが姫愛が急に手を握ってきた、そのせいで震えてるのがばれてしまった。

 

「震えてる……」

「……星人を殺した時は姫愛を守る事だけを考えて、まるで自分が機械にでもなったかのように感情が消えていたが、落ち着いた今になって恐怖が沸き上がってきたんだ。

相手にも家族がいるんじゃないか?俺は大切な人を無くす悲しみを知っているから、それにあれはただ怯えていただけなにも殺さなくてもよかったんじゃないか?そんな事を考えはじめてしまう。

はは、情け無いよなお前を守るなんて言ってこれじゃな…」

「ううん、そんな事無いよ。私安心した、貴方無理をしてたんじゃないかと思ってたから。その恐怖は貴方が優しい証拠よ。

それに蓮あの部屋に来てから冷静で頭もいいし運動神経も高かったから、私足手まといなんじゃ無いか、必要ないんじゃないかって思っての。でも貴方のそんな弱いところを見て私でも役に立てる、支えられるんじゃないかって思ったえたから」

 

今の俺にはその言葉がありがたかった。でも初めてあった俺にそこまで思えるなんて、やっぱりどこかで会った事あるのかもしれない。

 

「姫愛、お前ど「ジジジジジジ」、転送がはじまったって事は大樹さん達が倒したのか」

「蓮なんか言った?」

「何でもない」



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第3話 必要なのは強さ

 転送が終わって周りをを見れば俺、姫愛、大樹さん、女の人、中学生、ノッポだけだった。

 

「お前達無事だったか」

「ああ、それよりこのあとは?」

「えっと、このあと採点が始まってその後部屋を出れるようになる」

「そうか、分かった」

 

                   それぢわ ちいてんを

                      はじぬる

 

根暗

10てん

 

total10てん

あと90てんでおわり

 

「お、凄いじゃないか初めてで倒すなんて。星人が一匹いなかったらどうしてたかと思ったが蓮が倒してたのか」

「ん、まあ、偶然だよ……」

 

貧乳

0てん

 

根暗のことすきすぎ

 

「なっ、れ、蓮これはそういう事じゃなくて、えっと、そう、友情と親愛とかそんな感じ!」

「分かった、分かったから落ち着け、それに俺もお前の事は好きだし」

「え、それってどういう…」

 

おおきくん

0てん

 

total60てん

あと40てんでおわり

 

「あと40点、すごいな」

「はは、そん事ないよそれに俺より明里さんの方がすごいよ」

 

西くん

0てん

 

隠れすぎ

 

「……」

 

中学生だ。

 

和泉くん

0てん

 

total16てん

あと84てんでおわり

 

こっちはノッポ。

 

「ふんっ」

 

あかりちん

20てん

 

total112てん

100てんめにゅーへ

 

1、記憶を消されて解放される

 

2、より強力な武器を与えられる

 

3、メモリーの中から人間を再生する

 

 

「100点、これが」

「……3番でおねがい」

「なっ明里さん!」

 

そのあと球の表面に顔写真がいっぱい表れその中から一人の男が再生された。

 

「っここは、星人はどうなった」

「懐里……」

 

「明里さん、そうだったのか……」

 

正直大樹が悲しすぎて見てられなかったので気になってた事を聞いてみる。

 

「大樹、聞きたい事があるんだが大丈夫か」

「ん、あ、ああ大丈夫、それで何を?」

「俺達は本当に死んだのか、なんで記憶がない、今の俺達は何なんだ」

「ああ、それについてか。俺達は死んだそれは確かだ。そうして死んだ直前、傷の付く前の状態から複製されてる。だから傷のついた後の記憶は無い、ミッション中に致命傷をおった時も同じだ。」

「複製……」

「ああ、ファックスのコピーみたいなものだ。コピーと言っても違いなんてない、あるとした記憶ぐらいだろう。

それと、偶にミスか何かでオリジナルが生きてる事もあるって聞いたことがある、俺が知ってるのはこれぐらいだな」

「十分だ、ありがとう」

 

「おい出られないぞ、どうなってんだ」

 

西がそんな事言ってきたので、ためしに窓を開けようとしても開かなかった。これは、

 

あーたーらしーい あーさがきた きぼーうの あーさーが

 

               てめぇらは今からこの方をヤッつけに行って下ちい

 

                  ひょうほん星人

                  特徴 人体標本 つよい ずるがしこい

                  好きなもの 人間の身体 暗いところ

 

「大樹どうなってるんだ」

「分からない、俺も初めだ、今まで連続ミッションなんてなかった。明里さんこれは」

「私も分からないわ、でも普通じゃないって事は確かね」

 

ジジジジジジ

 

転送が始まってしまった、俺は咄嗟に姫愛を掴んだ。

 

 

 

転送が終わってみれば何処かの学校の廊下にいた。

とりあえずレーダー見てみたが星人が映って無い!どうなってんだ今回が2回目だから異常な事なのか分からないが、ただ嫌な予感がする。

 

ドンッ

 

「っ今のは近い、行こう」

「分かったわ」

 

 

 音のした方に行くと壁が破壊されていて、そこに人体標本のような星人がいた。見たかんじ何にも持っていない腕が一対メスを持ってる腕が一対の四本腕で、胸許から手術器具を持ってる細長い腕を無数に生やしてる。

 

星人以外に誰もいない事から戦ってた奴は逃げたか隠れたか。それにやっぱり敵意がある まえの奴と一緒だ。

だがこのまま殺していいのか?一回話しかけるぐらい、

 

「蓮どうすの、誰かくるまで待ってる?」

「いや、俺が行く、行って話してみる」

「話すって貴方、相手は星人語言を理解してるかどうかも分からないのに」

「その時は、逃げるか倒す。だから姫愛はここにいてくれ」

「いやよ、私も一緒に行く。貴方がダメって言っても無理やりついていくから」

「姫愛、はぁ分かった、でも俺の後ろにいろそれならいい」

「不満だけど、分かったわ」

 

xガンを構えゆっくり歩きながらロックオンしようとしたらできなかった、どうなってるんだロックオンが機能してない、それに今ので気がつかれてしまった。

 

「動くな、動いたら撃つ」

 

声を聞いてこっちにこようとしたのが止まった。此方の語言が理解できるのか。

 

「キミは`鍵`か……」

「鍵?いやそれより喋れるのか」

「ああ分かるよキミ達の語言はある程度喋れる。それにしてもこちらに喋りかけてくるなんてキミは珍しいね」

「それよりもお前達は何者だ、何で戦ってる、何が目的だ」

「せっかちだな、せかっちはモテないってここでは言うんだっけ「カチャ」分かった分かった、えっとまずボク達は宇宙人で、何で戦ってるかっていうそちらが先に攻撃してきんだ、だから殺した。たしかこういうの正当防衛って言うんだろ。それで何が目的かだけど特にないかな、しいて言うなら地球に来れた事かな。とある事情で住める星を探してたんだ、それがここだったんだ」

「そうか、だいたい分かった。こちらが先に攻撃したって言うなら、こちらから攻撃しなければ殺さないだな」

「当たり前じゃないかボクだって殺したくて殺してるわけじゃいんだから」

 

ふぅ、そうか、よかったこれなら、

 

そう安心して警戒がゆるんだのがいけなかったのだろう。

 

「そうだいいもの見せてあげる」

 

星人がそんな事を言った瞬間急に、寺みたいな場所で姫愛が胸に穴をあけて横たわり俺がその体を抱えているヴィジョンが映った。

 

「うっ、今のは」

「な、何今の」

姫愛も見たのかそんな声が後ろから聞こえた。

 

今のを星人に聞こうとしたらメスの持つ腕を上げていた。俺は咄嗟に横に避けたが同時に後ろに姫愛がいる事を思い出し、

 

「姫愛! 避けろ!」

「きゃっ」 ズシャ

 

なっ、スーツが効いていない、あのナイフ、スーツの耐久性を無視するのか!いやそんな事より姫愛が危ない!

俺は急いで駆け寄った。

 

「大丈夫か!」

「うっふぅはぁはぁ」

 

肩から斜めに切られててこのままだとまずい、姫愛は痛みで喋れないのか声をかけても反応しなかった。

とりあえず姫愛の物陰に隠した。

 

「あれ、今の避けるのかもっと動揺すると思ったのにさすがは鍵だね」

「てめぇどいう事だ! それにさっきのはなんだ!」

「あはは落ち着きなよ、さっきのは未来だよ君たちの未来いずれああなるだよ」

「嘘ついてんじゃねぇ! どうせ幻覚か何かだろ! 未来なんて見れるはずがない!」

「嘘じゃいよ、未来ではキミがボクたちのもっとも邪魔になる存在、`鍵`になるんだ。だから今のうちに仕留めようと隙ができたところ狙ったんだけどさすがだね」

「何訳の分からないことを!」

 

今の奴には敵意に嫌な悪意を感じるなんで今で感じなかったのか、いや感じないふりをしてただけなのかもしれない。そのせいで姫愛がやられて、クソッ!

 

星人はまたメスで攻撃してきた、なんとか避けるがもう一つのメスで避けたところに攻撃してくる。手術器具の腕もあるせいで此方の攻撃をする隙がない。避けれるのだってトラ星人の時ほどじゃないが、周りが少し遅く見えるおかげだ。だがそれでも何か所か切られてる。

 

あの時みたいに自分が機械見たいになれたら互角ぐらいにはもってけたかも知らないが、姫愛が死にそうな事、また感情が消えてく恐怖感、それで倒せなかったら俺も姫愛も死んでしまう、そんな事ばかり気に取られて集中できないでいた。

 

手元にはxガンしかないがロックオン機能が効かないせいで止まって撃たないと当たらないし止まれば切られる。

スーツの身体能力でどうにかしようにも一つでも致命傷を受ければ、耐久性を無視するせいで死ぬ。

このままじゃ姫愛が死んでしまう。こうなったら腕の一本や二本は覚悟していくしかないか。

 

いったん下がって今は相手を倒す事だけを考えると、さっきより相手の動きが遅く見えたが機械のような声までは聞こえなかった。

そのまま凄い勢いで星人に向かっていった。手術器具のすべてをかすりながらも避け、メスが此方にきたら掌を貫通させメスと手を一緒に掴んだ。これでメスの攻撃ができなくなった、後はそののまま床を蹴って逆さになり天上を蹴って膝蹴りを頭に叩き込むと同時に手を放す。

 

ドスンッ

 

星人が膝をついて倒れこんだ。だが今の手ごたえは、

 

「はぁはぁ、くそ!」

「いや~、今のは危なかったな腕が4本無かったら死んでたよ」

 

そう言って星人は何にも持ってない腕2本を見せてきた。両腕とも折れ曲がっておりあの2本で防御したのだろ。

 

「残念だったね、そちらは両腕が使いものにならないのに対してボクは腕が二本折れただけで他にもある。本当、人間て不便だよね」ギョーン

 

嘲笑いながら此方にこようとしたらxガンの音がして同時に星人が飛びのき、数秒後星人のいた床が爆発した。

 

「そこの君、大丈夫か!」

「あなたは、確か懐里さん」

「ああそうだ、だが今は自己紹介してる暇はない、君はそこの彼女を連れて逃げるんだ。彼奴は俺が相手をする」

「それは、でも彼奴めちゃくちゃ強いですし一人では……」

「何言ってんだ、俺はお前より経験豊富なんだぞあんな奴いっぱい倒してきた。それにお前が心配するのは俺じゃなくそこの彼女だろ、お前のそれは美徳かもしれないがここでは仲間を危険にさらすだけだ。今のお前に誰かを守れるほどの強さはない、だから優先順位をつけろ」

「くっ、……はい」

 

 悔しかった、今まで過ごしてきてできなかった事はほとんどなかった、だから無意識の内に自分は何でもできる何があっても何とかなるだろうて考えてた。トラ星人の時もなんだかんだ言いながら姫愛を助けれたそれもあって星人を見下していたのかもしれない。俺のせいで今、姫愛は傷つき倒れてる、守るって言ったのに。

 

俺の優しさは、優しさじゃない弱いだけだ、恨まれるのが憎まれるのが怖がられるのが嫌なだけだ。今までならよかったのかもしれない、けどここでは弱さは罪だ、まわりを傷つけるだけ。

優しさはここでは必要ない、必要なのは強さ。それがなければ誰もまもれやしない口先だけの嘘つき。

 

「悔しか、なら強くなれお前はリーダーに向いてるリーダーだった俺が言うんだから間違いない」

「はい」

 

「もういいかな一人増えただけで変わらないそれにお前は鍵より弱いそんなんでボクを倒せると思わないことだ」

 

「ふ、お前ら星人はいつもそうやって人間を見下してる。だが人間はそんなに弱くはない。行け!」

「無事でいてくださいよ!」

 

「逃がさないよ、キミはここで仕留める「ギョーン」ちっ、鬱陶しいんだよ下等生物が!」

 

後ろで懐里さんが戦ってる音を聞きながら姫愛を抱えて離れていった。

 

 



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第4話 お前が好きだ、大好きだ

ガラガラガラ

 

「はぁはぁ、見つけた」

 

 開けた部屋は保健室だ、ここは学校、ならあってもおかしくない。そう思ってここにきた。急いで手当しなきゃ、まずベッドに寝かせ治療器具を持ってきた。

 

数分後

 

「ふぅ、やっと終わった。だいぶ落ち着いたな」

姫愛の汗を拭きながら言った。

 

 音は止んだり起こったりしてる、たぶん他の仲間も来て戦ってるんだろう。姫愛は手当をしたらだいぶ落ち着いたがほっとけば死んでしまう、だからなるべく早く戦いが終わるように願う事しかできない。

 

「ん、ここは蓮何が?」

「目を覚ましたか、今は寝てろその怪我で動くと傷口が広がるだけだ」

「痛っ、これそうだひょうほん星人は! 私変なの見て、攻撃されてそれから記憶が……」

「落ち着け今は他の奴らが戦ってる。あの後一人で少し戦ったが追い詰めれてなそこ、懐里さん、明里さんが再生した人が助けてくれてな、戦いはその人に任せて俺は姫愛を抱えて保健室に逃げたってわけ」

「そう、なんだ、私のせいで、私やっぱり足手まといなのかな、蓮を支えれるそう思った、のは思い、上がりだった、のかな、私必要な、いの、かな……うっううっひくっうぇぇっ」

 

 姫愛が泣いてるのを見てられなかった。悲しい感情が伝わってきて悲しくなり、そんな俺よりもっと悲しい思いをしてる思うと、俺は姫愛を抱きしめた、包み込むように。

 

「必要ないわけない、俺はお前がいてくれたから生き残れたんだ。あの部屋にお前がいなければ俺は感情の無くした機械になってたかもしれない。トラ星人の時だってお前を守りたいと思ったから生き残れた。お前が支えらるって言った時、嬉しかった。お前を守るって言ったのに守れなかったそのせいでこんなにお前を悲しませて……お前がいないと俺は、俺じゃなくなるかもしれない。お前が好きだ、大好きだ」

 

 自分の感情が伝わるように心を込めて言った。比喩じゃない感情が感じ取れるのと同時に相手に自分の感情をある程度伝えられるのだ。そのおかげで小さい頃から動物に好かれていた。

俺はこの力あまり好きじゃない。だけど今だけは、今だけは俺のこの気持ちが姫愛に伝わるように、そう願いながら。

 

「……蓮、私も、私も貴方が大好き」

「姫愛」

 

そうして俺達はキスをした。

 

「今のファーストキスだったんだけど……」

「そうか、俺もだ」

「そっか、えへへ……なんか嬉しいような、悲しいような……複雑な気持ち……ううっ」

 

そうやって二人で笑いあってたらまた泣き出した。

 

「おいおいどうしたんだ、また泣き出して」

「だって私の今のこの気持ちも思い出も再生されれば、全部忘れちゃうんでしょ……やっと叶ったのに

 

そういう事か、確かに再生されれば傷を負う前の状態に遡って治されるていってたな。

でも俺は、

 

「姫愛、俺が忘れない。俺には完全記憶がある、これのおかげか分からないけど俺は死んだときの記憶があった。見た事、聞いた事、触れた事、感じた事すべてを忘れない、絶対にだ。だからお前の記憶が無くなっても俺がお前の事を好きなのは忘れない。何度、忘れようとも好きって言い続ける……と思う」

「はぁ、貴方ねぇ、と思うはいらないでしょ、思うは」

「だって、なぁ、恥ずかしいし」

「貴方自分がもっと恥ずかしい事言ってるの自覚してる?このヘタレ」

「うっ、おっしゃるとおりで」

「はぁ、でもいいわ、貴方が私を思い続けるって分かっただけでも、私から告白すればいいだけなんだから」

「面目ないです」

「何で敬語なのよ「ジジジジジジ」、どうや時間が来たようね、再生された私によろしくしてね。私恥ずかしくなると暴言言っちゃうから」

「ツンデレか」

「うっ、ツンデレで悪いか!この……貴方にやっと好きって言えてよかった。小さい頃からの夢みたいなものなの、それが両想いまでになれたんだし、私としては満足かな」

「それって、やっぱり俺達、昔あった事があるって事なのか?」

「貴方が本当に忘れないって言うなら、いずれ分かるわ。だから自分で分かりなさい」

 

そうして俺達はあの部屋に転送されていった。

 

 

 

「蓮! あれここは、ひょうほん星人は?」

「倒されたよ、姫愛は致命傷を負って記憶が無くなってるんだ」

「そう、なの」

 

本当に記憶が無くなってるらしく俺としては分かっていても少し悲しい。

 

「何よ」

「いや、やっぱり可愛いなと思ってな」

「なっ、バッカじゃないの! アホ! バカ!」

 

姫愛に聞いた今では照れ隠しにしか見えない。

 

 転送されて少したったが明里さん、懐里さんは来なかった。生き残ったのは和泉、西、大樹、姫愛、俺の五人だけだった。

くそっ、やっぱりあの時残って、いやこれは懐里さんに失礼か。話したのはあの時が初めてだったけど、懐里さんおかげで俺と姫愛が生き残ったのは事実だし、間違いにも気が付けた。

俺達は懐里さん達の分まで生き残らなくちゃいけない。そうして姫愛は絶対に守る。俺はそう心に固く誓った。

 

 その後の採点で、点数が入ったのは大樹だけだった。どうやら星人は彼奴だけだったらしい。

そうして大樹はちょうど100点を取った。今までの点数が60点だったから、ひょうほん星人だけで40点は取ってる事になる。やっぱり彼奴は特別だったのかもしれない、喋れたし未来も知ってるらしかったしなんか知ってる雰囲気だったしな。

 

「一番だ。一番で頼む、俺は抜ける」

「大樹お前……」

 

 大樹は泣きながら言った。俺はてっきり明里さんを再生すると思ってんだが、ただ大樹は明里さんが嫌いなったとか彼氏がいたからでは無いのは、その顔を見れば分かる。それに明里さんも半分は大樹の事好きになってようだし、ミッション中に何か言われたのかもしれない、それで大樹は一番を選んだ。

 

 死んだ人間を蘇らせる、それは決して良い事ばかりじゃない人によってはむしろ地獄かもしれない、だからといって悪い事ばかりじゃない。結局そこに良い悪いはないあるのは欲や願いなどの感情だけだ。

 

大樹は明里さんの願いを聞いて、自分の会いたいという欲を抑えたそれが人間関係というもだ。

俺が今で避けてい事、だから俺は大樹の事を尊敬する。

 

 その後は特に何事も無く部屋を出れた。ただ和泉の様子がおかしかった、ぼーっとしてたと思った時折此方を見てはまたぼーっとするそれの繰り返しで、前までの見下しや傲慢などがなくなり嫉妬や劣等感、怯えが感じ取れたが特にこちらに何かしてくる様子がなかったので気にしないようにした。

 

 

「ふぅ、やっと帰れる。なんか長かったような短かったような不思議な体験をしたわね」

「ああ、死んだと思ったら変な部屋にいて、命がけの戦いをして、生き残った。そうしてまた……」

「ええ、またあの部屋に行って100点取るまで戦い続ける、ずっと」

「だが俺はお前が一緒にいてくれる。それだけで俺は戦える、俺のため、お前のためにも」

「な、何よ急に変な事言って、貴方見かけよらず女たらしよね」

「そうか? 俺はただ正直な気持ちと相手が喜んでくれると思って言ってるだけだがな。まあ今ではあまり人と関わらないようにしてし、さっきのは恥ずかし事言ってるの自覚してる。ってそうだお前に聞きたい事があったんだ

けどいいか」

「別にいいわよ、ただここでずっと立ってるのはあれだし」

「それなら近くに公園があるそこまで行こう」

「そ、なら案内よろしく」

 

数分歩いて着いた公園のベンチに座って俺は気になった事を聞いた。

 

「お前の苗字にマクダウェルってあるだろ、俺の母さんの旧姓、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルなんだけどなんか関係あるのか?」

 

そう自己紹介された時に聞いたマクダウェルそれとどことなく母さんに似ていたからもしかした血縁者なのかと思ったのだが。

 

「ええあるわ、私のお母さんの妹がエヴァ叔母さんね、だから貴方は私の従弟になるのよ。光栄に思うことね、私の弟になれるんだから」

「い、いや、お前何言ってるんだ、俺の母さんの姉がお前の母でお前は俺の姉って、それにお前俺の事知ってたのか」

「当たり前じゃないエヴァ叔母さんから聞いてたわよ。『私の息子は頭いいし運動もできるしそれに優しいあと顔もいいわね。』『私の息子は世界一、いえ宇宙一よ』なんて私のお母さんに耳がタコできるぐらいに言ってたわねそれで気になった私が聞いたら蓮の事教えられてね」

「か、母さん、ていうか俺そんな事一度も聞いたこと無いぞ」

「そうね、エヴァ叔母さんがサプライズとして黙ってらしいだけど、その前に亡くなってね……だから私が探そうと思ってね、幸い貴方が何処らへんに住んでるかは分かってたから、高校生になったら一人暮らしして探してたらちょっとした事件に巻き込まれてね。それであの部屋に行ったらに会った、て事」

「そうなのか」

 

ただ嘘は言ってないがまだ喋ってない事もありそうだな。今聞いた事だけで俺の事をあんなに好きになるとは思わないからな。

 

「だから、これからは私の事をお姉ちゃんと呼んでもいいわ」

「いやそれはちょっとな」

「じゃお姉様でもいいわよ」

「いやそういうことじゃなくてだな」

「何よ文句がばかりねそれなら姉貴お姉ねーちゃんなんでもいいわよ」

「だからそうじゃなくてだな、その、どう見てもお前の方が見た目てきに妹だろ」

「なっ、言ってはならない事を言ったわね。私が気にしてる事を、私だって分かってたわよ。でも弟に憧れてたんだからそのぐらいいいじゃない、それなのに貴方は、ふんもういい帰る!」

「あ、おい」

 

そんなに気にしてるとは思わなかったが、姫愛は公園を出てったと思ったらすぐに戻ってきて手を差し出してきた

なんだ握手か?

 

「違うわよ! 携帯よ携帯、何かあった時のためにお互い連絡手段ぐらいは会った方がいいでしょ。べ、別に貴方のが気になるからとかじゃないわよ。あくまでも何かあった時のためだから、ただ私と話したいと思うなら連絡しても許してあげる」

「別にそこまで言わなくても、連絡ぐらい普通だろうに」

「いいから貸しなさい」

 

携帯を取り出してそのまま渡した。特に見られて困るものはないかな。

 

「あなた、友達誰もいないのね、まあ私が一番初めの友達になるために作らなかったって言うなら褒めてあげるわ」

「なんだその微妙なフォローの仕方は、別にずっといなかった訳じゃない小学校頃は普通にいたよ。ただ両親が死んでから少し一人になりたくて人間関係を避けてたら癖になってそままてだけだよ」

「ふーん、そうなんだ、ならこれからは私が手伝ってあげる、友達作り。私、お姉ちゃんだしね。それじゃ今日はここまで、そのえっと、またね」

「ああ、またな」

 

姫愛はさっきと違ってご機嫌良さそうにそれこそ鼻歌を歌いながら帰っていった。それにしてもさっきの鼻歌何処かで聞いたことあるような、まあいいか。

 

 

 家に帰るために歩いてたら俺が事故にあった場所についた。それにしてもまだ人がまばらにいる、まあ関係ないか。人を避けながら帰ろうとしたら、気になる事を聞いた。

 

「おい聞いたか、事故だってよ、しかも轢かれたの有名人だって話らしいぜ」

「ああなんでも嫉妬か何かで突き飛ばされて轢かれそうになったところ、男の子が庇って本人はあまり怪我はしてないらしぜ。」

「おいおいまじか、今の時代にそんな事できる奴いるのかよ。まあ俺が若かったら同じ事してたけどな」

「何言ってんだ、どうせしょんべちびって怯えてるだけだろ。それにそいつ全身骨折に死にそうだったらしいけどなんとか一命をとりとめたらしいし」

「なにもんだよ、そいつ。俺だったら轢かれた瞬間、死んでしうだけどな。何かやってたんかね」

「さあなただ――」

 

 そこまで聞いて大樹の話を思い出した、たしか時々オリジナルが生きて時があるって言ってたな。本当かどうかはとりあえず確認しないと分からないし、よし。

 

 その後、周りに聞き込み病院を見つけスーツの機能を使って確認した。スーツや銃は使えるらしいけど見つかったら死ぬらしい。ただ服のしたに着たりして全身が見られなければ大丈夫なようだ。

どうやら本当らしく包帯ぐるぐる巻きながらも息をしていた。はぁ、俺家に帰れないじゃないか。とりあえず今日は河川敷の橋の下で寝るか。

 

 寝ようとして違和感を感じポケットを弄ったら鍵がはいってた。そうえいば父さんの鍵は使った事は無いけど形見だからずっと持ってたんだっけ。

鍵を見つめながら父さんの言葉を思い出す。たしか何かあったらこの鍵を使えだったな、ふむ……よし明日確認するか、もう3年それに何か役に立つものがあるかもしれない。姫愛を守るためにもな。

 

ふぁぁ、今は寝るか。

 



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第5話 謎の男の娘

つんつん

 

「ん、誰だ勝手に人の家に入ってきたのは」

 

 頬を突かれて目を覚ました。寝起きで誰か分からないが目の前に人がいるのは分かった。それにしても今日はやけに寒いな。寒い?確か昨日は、

 

「へぇ、ここが蓮の家なのね。ずいぶんと広いようだけど、玄関どころか壁も無いからそのまま来たんだけど、勝手に入って悪かったわね。今度からは壁ぐらいは作った方がいいわよ」

「あ、そうえいば昨日色々あって野宿したんだ。だからちゃんと家はあるぞ、ホームレスじゃないからな。それより姫愛はどうしてここに?お前の高校はここら辺じゃないはずなんだけど」

「あら、そうだったの。私はまたあの部屋に行くの決まってるんだから、普段からちょとした事でも鍛えようと思ってね、少し遠回りしてたら見覚えのある人がいたから気になって見てたの。それで貴方は何でここで寝ていたの?」

「家に帰ろうとしたらオリジナルが生きていたのが分かってな、それで帰れなくなりここで寝てたんだ」

「オリジナル、そんな事も言ってたわね。それなら私に電話してくれてもよかったのに、なんのために交換したと思ってるのよ、もう。それにしても家に帰れないね、ふーむ……それならちょうどよかったわ、私ちょうど人手がほしかったのよ、はいこれ」

 

なんか渡してきたと思ったら鍵だった。おい、これって、

 

「まさかお前の家に住めって事か?」

「当たり前でしょ」

「いやお前、一人暮らしなんだろそんなとこに男を住まわせて襲われでもしたら」

「な、何言ってんのよ貴方は弟で私は姉、だから大丈夫よ。それとも貴方は私を襲いたいの?」

 

それりゃお前記憶にないだけでな……

 

「はぁ、分かったよありがたく貴方様の家に住まわせていただきます」

「最初からそう言ってればいいのよ。はいこれ住所、それと部屋は一つ空いてるからそこを使ってね、ご飯はこれ使って、帰ってくるの五、六時ぐらいになるから、私、時間ないからもう行くね」

「ああ、じゃあな」

 

 それから三十分以上かかって着いた。ここから学校までなら十数分ぐらいで着く、あいつ本当に遠回りしてたんだな。それにしても案外普通のマンションだな、もっと豪勢な所かと思ってたが。

 

ガチャ

 

「お邪魔します、うっ」

 

開いてすぐにゴミ袋がいっぱいあった。あいつちょうどいいってこれの事かよ、はぁまあ住まわせてもらうんだからそんぐらいはするが、やるからには徹底的にだな。

 

二時間後

 

ふぅ、やっと終わった、結構汚れてたから見間違えたな。今は十時ぐらいか、ちょうどいいし父さんの研究所見てから昼にするか。

 

 スーツを着てステルスモードを起動、なんか自分の家に隠れながら入るのって変な気分だな。

あった廊下の壁に掌ぐらいの機器がついているあそこが入口だ。掌を機器に押し付けるすると「ピッ」そんな音ともに壁の一部が開き俺を光線でスキャンする。

 

『認証完了、鍵を差し込んでください』

 

言われた通りに父さんの鍵を開いたとこに差し込んだ。

 

ガチャ、ガチャガチャガチャガチャガチャ

 

すると差し込ん所を中心にパズルみたいに開いていき何も無い白い部屋に繋がった。

今までの近未来的な装置は全部父さんの趣味だ。本当はもっと普通にできるのだが頑固なにそこは譲らなかった。

……懐かしでる場合じゃないな、ここはエレベータだ地下に研究室がある。実は俺も入るのは初めてだ。

 

ピッ ウィーン………チン ウィーン

 

 扉が開いて部屋に入れば自動的に電気が点く。まず目に入るのは人が一人入れるぐらいのカプセルだろう、その近くにモニターが何個かあり他にもよくわからない機器がたくさんある。部屋はここと扉で繋がってる数部屋だけ。

 

 あのカプセルはvrだ。父さんの夢はvrをもう一つの世界を作る事だった。映画や漫画でよくある意識を仮想世界に移す奴だ。でも今の時代そんな事やってもバカにされるだけ、だから父さんはvrは一人で細々と作って他の事で成果をだしそのお金でvrを作るというようなことをしていた。正直、父さんのおかげで他の技術が進んだと言ってもいいぐらい優秀だった。

さて、とりあえずは一通り見て回るか。

 

数十分ぐらいであらかたの事は見れたが、細々とした物やよくわからない物は詳しく見てないこれらは調べると時間を忘れるかもしれないからだ、とりあえずノートpcと他の俺が気になって持ってける物をリュックにしまって家を出た。

時間は十二時すぎだこの後は昼飯を食って少し黒い球の事を調べる事にするか。

 

 

「ただいまって、あれ部屋間違えたかな「おーい姫愛、合ってるぞ」あ、蓮じゃこれは蓮が掃除したって事?」

「ああ、まあな汚すぎて一瞬分からなかっただろ」

「うっ、しょがないじゃない、今まではメイドがやってんだから。まあここまで綺麗したんだし感謝してあげる」

「そりゃどうも。風呂、沸かしたからゆっくり入ってこい、そのうちにご飯作ってるから」

「え、あ、ありがとう。それにしても貴方手馴れてるし積極的じゃない」

「これでも一人暮らししてたからな、それに住まわせてもらうだ、これぐらい当たり前だろ。これでもお前には感謝してるんだからな」

「そ、そうだったの、貴方がそう言うんだったらまあいいわ。じゃ貴方の言う通りゆっくり入ってるわね」

 

機嫌のいい姫愛を見送り俺はご飯を作る事にした。ふっ、俺の腕前をみせてやろう。

 

「はぁーいい湯だった。ひさしぶりゆっくり入ったわ」

「お、あがったかご飯できてるから座れ、今日はカレーにしてみた」

「ふーんカレーね。私、結構な高級料理を食べてきたのよね。そんな私の舌を唸らせるといいけど、まあまずくても食べてあげるから」

「いいから食べてみろよ」

 

パクっ……ガツガツ

 

「おいそんなに急いで食べるな、ほれ水」

「ごくん、ふぅ……蓮、私の執事になりなさい!」

「急にどうした、まず落ち着け」

「ふぅそうね、貴方の料理が予想以上に美味しすぎて取り乱したわ。だけど執事と言うのは本当よ」

「急に言われてもな、今はごたごたしてるしすぐには返事できないよ」

「そうね、落ち着いたらまた聞くわね。まあ執事になるまでずっと聞くけど、そうしていずれ私の専属執事になって主従関係の禁断の恋まで……むふふ「おーい目覚ませ、全部聞こえてるぞ」はっ……んっん、落ち着いたらまた聞くわね。それで今日は何してたの」

 

こいつ無かった事にしたぞ、ただ顔がまだ少し赤いって事は自覚してるのか。ここは触れないのが優しさだよな。

 

「えっと、今日は部屋の掃除して両親の家から必要なものを運んで昼飯食べてその後は調べもしてたな」

「調べもの?それってもしかして」

「ああ、あの部屋についてだ。それでこれを見てくれ」

 

家から持ってきたノートpcを使いあるサイトを開いた。

 

「`黒い球の部屋`これって大丈夫なの?」

「何にも知らない人から見れば嘘と思われるからな。これ読んだらあの部屋についての実況みたいものだったんが、ここで情報交換だったりをしてるんだろ」

「へー結構いるのね。外国人までいるじゃない、それって世界中にあるって事よね」

「ああ、世界中にあるらしくてな、謎の黒い球を見たってのもあったしな」

「ふーん、ま、そこら辺は蓮に任せるわ。時間もちょうどいいし布団はベッドの隣に敷いてね」

 

ん?何言ってるんだこいつは、

 

「は、何言ってるんだ。俺の部屋はあっちだろう」

「ええ、そうよ。ただ寝るときは一緒の部屋」

「いや、だからなんでそこ一緒の部屋になるんだ」

「そ、それはもし何かあった時のためによ。そんなに蓮は嫌なの?」

 

うっ、上目遣い+涙目は卑怯だ。

 

「はぁ、分かったよ」

 

「お休み」

「ああ、お休み」

 

 

数日後

 

プルルルプルルル ピッ

 

「もしもし、姫愛かどうした」

『今日友達泊まる事になったから晩御飯よろしくね。多分驚くと思うよじゃ』

「あ、おい、切れてる。はぁ、あいつは急に。今晩は鍋にするか」

 

 姫愛の家に住み始めて数日、この生活にも慣れてきた今では俺も立派な主夫だ。家事洗濯から姫愛の身の回りまで本当に執事みたいな事をしている。そのせいで最近は執事もいいんじゃないかと思い始めてしまった。姫愛はもお慣れてきたのかだらしなくなってきた、初めて会った時より口調が違ってる時がある。

 もちろんガンツの事についても調べてる、ガンツとはあの黒い球の事だ。サイトでそう呼ばれてたの見て俺達もそうした。あと株もやり始めた、さすがに一銭も払わないのは嫌なので顔がみられるとまずいから、パソコンでできるので稼ぎ始めた。それと動物達に餌やりにいったら事故から庇った人がやってたから、もしかしたあの後知り合ってオリジナルの俺から頼まれたのかもしれない。これから餌やりができないのは残念だがしょうがない。

 

「ただいま」

「お邪魔します」

 

「おかえり、ご飯鍋だから先に飯食ってから風呂な」

「分かったわ、それでこちらが「あ、動物の人」「あ、謎の男の娘」、あれ知り合い?」

「いやそういうわけじゃないんだが、その話も飯食べながらにするか」

「そうねじゃ彩加さん、ここに座って」

「あ、うん」

 

「「「いただきます」」」

 

「それじゃ自己紹介として二人を知ってる私が、まず戸塚彩加(とつかさいか)さん。今まで同じクラスだったんけど最近ある事で知り合ってそれから友達になったわね、こうみえて男なのよ。

それでこっちが神代蓮、蓮と私のお母さんが姉妹でね、蓮の両親が亡くなって最近ここに住み始めたのよ。それで二人はどこ知り合ったの」

「あー俺とえっと戸塚さん「戸塚でいいよ敬語もなくて、背の高い人からは言われ慣れてないから」それじゃ

戸塚は姫愛と会った日の夕方に河川敷に餌やりに行った帰りにすれ違った程度だよ。ただ金持ち学校の男物の制服着てたからここじゃ珍しいなと思ってな」

「僕は家あそこら辺だから、それに噂になってるよ週一の夕方に動物達が集まるって家も近いから見てたら目が合って」

「ふーんそうだったんだ、あーあせっかく驚かそうと思ったのに」

 

不貞腐れて言ってるが、

 

「お前そのために急に泊まる事言ったんじゃないだろうな」

「そ、そんなわけないじゃない。あーお腹一杯ごちそうさま。私さきにお風呂はいってくるね」

「おい、あいつ逃げやがったな」

「ふふ、仲いいんだね」

「そうか、まあ一緒に住み始めて数日はしてるからな。食器は置いといてくれ後で洗っとくから、先に風呂入っていいぞ」

「そんな悪いよ、ごちそうになって何にもしないなんて食器ぐらい洗うし、お風呂も先に入っていいよ」

「いや戸塚はお客様なわけだし」

「でも」「いや」

 

そん事を言いあってたんだが見た目に似合わず頑固だな。

 

「それじゃ一緒に洗って一緒に入ろう」

「いや一緒に入るのは「僕男だよ」そうだったな、じゃいいか。そうと決まったら食器洗うか」

「うん」

 

ジャー

 

「それにしても手馴れてるな」

「……僕、祖父母に育てられてるから、家事の事は僕がやってるんだ」

「あれ、両親は?」

「小さいころに亡くなって……」

「そう、だったのか悪い」

「ううん大丈夫、慣れたからそれに珍しい事じゃないし世の中にもっと不幸な人もいるから、僕だけ悲しでばかりじゃお爺ちゃん達に迷惑かけちゃうから」

「戸塚……」

 

自然と手が戸塚の頭をなでていた。

 

「悲しい時は泣いていいんだぞ」

「えっ」

「珍しい事じゃないし世の中にもっと不幸な人がいる、そんな風に思わないと立ち直れなかったのかもしれない、だけど今は違う戸塚の爺さん婆さんそれに姫愛と俺だっている。お前は一人じゃない、もし迷惑だと思ってるなら勘違いだぞ、もしろ逆だ大切な人が悲しんでるのを気づけなかった自分を怒るだろう。戸塚だって友達が悲しんでたなら何で言ってくれなかったんだって思うだろ」

「うん、でも」

「でもじゃない今は俺しかいないから頼りないかもしれないが、胸ぐらい貸すぞ。まあ最初は一人の方がいいかもな、それから周りにちょっとずつでもいいから頼っていけばいいじゃないか」

「うっ、あり、がとう……ううっえぇぇん」

 

泣きながら胸元に抱き着いてきた。こんな偉そうな事言える立場じゃないけどな、俺より戸塚の方が偉い。戸塚は立ち直ろうと、前に進もうとしたんだから、俺はまだひきずってる開いた穴を他の何かで埋めようとしてるんだから。だから俺は戸塚には前にちゃんと進んで欲しいと思う。俺のように間違わないように。

 

戸塚は数分して泣きやんだが少し顔が赤い。

 

「うっ、ごめんね服汚しちゃって、今日会ったばかりなのに」

「大丈夫だよちょうど食器洗いしてた時だったし、それに今日会ったばかりとか関係ない目の前で友達が悲しんでる、なら何かしてあげたいと思うの当たり前だろ」

「ふふ、そうだね。なら神代君が悲しき時は僕を頼ってね」

「ああ、そうするよ」

 

 その後は色々な話をして戸塚が絵を描くのが趣味で後で写真を取る事になった。周りに頼める男の人がいなかったらしく、自分じゃ女っぽいからと言っていた。

 



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第6話 武者星人 ゾーン

「あがったよー、あらどうしたのなんか距離近くないかしら」

「そ、そうかな普通じゃないかな」

「うーむ、ま、いいわ。私はアイス食べてるから」

「ふぅ」

「何で隠したんだ?」

「な、何でかな、なんとなく浮気してるみたいだったから?」

「何言ってるだよ、戸塚男だろ。冷めない内に風呂入ろうぜ」

「そ、そうだね」

 

服脱いで全裸になってから視線を感じると思った戸塚が俺のあそこを顔を赤くしながら凝視してた。いや男とはいえそんなに見つめられると恥ずかしいだが。それに戸塚の体の隠し方が妙にエロいくてやばい。

 

「さすがにそんなに見られると恥ずかしいだが」

「あ、ごめんね、その僕より大きかったからつい」

「そ、そうか俺は先に入ってるぞ」

「うん僕もすぐ入るよ」

 

「あー気持ちいい」

「はは、お爺ちゃんみたい」

「しょうがないだろ、久しぶりにゆっくり入れるだから。そうえいば姫愛は学校ではどうだ」

「姫愛ちゃんの事?うーんそうだな入学した時から周りに興味がないっていうか他の事に忙しい感じだったかな。勉強も運動もできたし話かければ話てくれる。それになんだか気品と威圧感があってクラスでは王女なんて呼ばれて人気かな。最近は前みたいな雰囲気が無くなり周りに興味を持つようになって色々な人と話すようになったから学校の人気ものになっただよ」

「そうなのか、まあ確かにあいつ人の上に立つような雰囲気と喋り方だよな。それで戸塚と姫愛はどうして知り合ったんだ」

「あーそれは、実は僕学校でいじめらてたんだ」

「悪い、言いにくい事ならいいよ」

「今ならそのぐらい平気だよ、いじめって言ってもそこまで酷くないから。僕の家、貧乏ってわけでもないけどお金持ちってわけでもない普通の家なんだよね。それで将来のためにもいい高校は入ろうと思ってあの高校に特待生で入ったんだ。」

「特待生?」

「特待生は入学費免除だったり色々特典があってね、ただお金持ち学校だけあって周りは偉い人の子供ばかりで、それに僕見た目が女っぽいでしょ。だから自然といじめられて、そこに偶々通りがかった姫愛ちゃんが『女の子をいじめて男として恥ずかしくないの』て言って止めたんだ。内心複雑だったけどねはは、その後は僕の見た目に興味をもって話すようになったんだ」

「姫愛らしいな…………あーもう上がるか」

「そうだね、姫愛ちゃんも待ってるだろうし」

 

上がって姫愛を見たらベッドの上に座りながら眠っていてた。子供かよ、とりあえず横にして布団を被せた。

 

「眠ちゃってたね」

「みんなで話そうと思ってベッドで待ってる内に眠たんだろ。俺達も寝ようぜ」

「うん」

 

「おやすみ」

「おやすみ」

 

 

翌日

 

 朝起きたら目の前に美少女がいて吃驚した――いや戸塚だったな、男と分かっててもこれはだめだな。煩悩退散煩悩退散、よし朝飯のしたくするか。

その後は特に何事もなく戸塚と姫愛を見送った。戸塚はそれからよく家に遊びに来るようになり、泊まる事もあるので布団を一つ買った。さすがに泊まる事にあれはまずい。

 

 いつものように家事、情報収集、株、武器の研究などをして二か月が過ぎミッションも三回やった。ミッションはだいたい一か月に一回以上はあり星人の強さもまちまちだった。ただ今のところひょうほん星人より強い奴は出てきてない。ガンツの表面に表れる星人の情報は間違ってないが圧倒的に情報が不足していて違う敵が現れる時があった。

 

 西は単独行動をし基本ステルスを使って生き残る事最優先のようで、和泉あれからそこそこ強い奴とチームを組んでリーダーぽい事をしてる、ただ何処か焦ってるようにも見えたが。

俺と姫愛は二人で組んで聞かれたら答えるといった方針で積極的には関わらないようにしている。戦闘ではガンツバイクとガンツソード、俺がxガンで姫愛がXショットガンを使って姫愛は俺の後ろにいるようにして援護してもらってる。

 バイクは大樹達が使ってた巨大なホイール状の二人乗りの奴だ、中と後部に後ろ向きのタンデムシートがある。ソードは刀状の武器でグリップ部分だけだがスイッチを押すと刀身が出現し伸縮自在だが長くなれば重くなるよになっている。この二つは奥の扉の部屋に置いてあった。

Xショットガンはxガンの強化版で威力と射程がxガンより高いが砲身が長いのでソードを使った接近戦ではxガンの方が使いやすい。

 

 

「ありがとうございました~」

 

ゾクッ ゾクッ

 

っ! やばい早く帰らなきゃ! くそっ慣れてきて油断してたか。

 

 今のは部屋に転送される時に背筋に感じる悪寒だ。いつも外に出るときはスーツを着るんだが、今日は調味料が無くなってコンビニに買いに行こうとして近くだし時間もかからないからスーツは着なかった、一応ソードは毎日持ってるようにしてたからあるが、このままじゃ間に合わないか。星人しだいで生き残れるか変わってくるし後は運に任せるか、はぁ。

 

 

                  武者星人

                  特徴 武者鎧

                  好きなもの 強い奴

                  口癖 カカカカッ

 

今回は新人はいないようで俺と姫愛、和泉と仲間三人、西だけの七人だ。敵は武者星人、今ある情報だけなら技術が高い可能性があるな、星人は人間より身体能力が高いためただのパンチや蹴りだけでスーツを着てなければ死ぬ、だから技術が基本的に低い。もちろん例外もいるが。

和泉が転送され始め見てたら目が合って「フッ」鼻で笑われた。スーツ着てないのばれて見下されたが同時に安心してる事が感じとれた。俺らも始まったようだ。

 

「蓮、私から絶対に絶対に離れないでね!」

「分かった分かった」

 

 

転送された場所は何処かの広場、和泉達は動いていない、いや何か待ち構えてる感じだ。レーダーを確認するとすでに囲まれて数は俺達の倍ぐらい。なるほど動けないのか、突っ込んだら囲まれて終わりだからな。一人、二、三体倒せば終わりそうだが、ボスがいたらまずいな。

 

ガチャガチャ、ガチャガチャ

 

現れたのは色々な武器を持った武者鎧だ。

 

「出てきたな」

「どうするの、蓮」

「……そうだな、バイクに乗って危なそうな人を援護しながら逃げよう。今回は一人でも死なれたらまずい、それとボスっぽいのがいたら言ってくれ、そいつとは関わらないようにする」

「分かったわ、蓮、今回は防衛以外では戦わないでね」

「ああ」

 

 運転は俺がして姫愛はすでに戦ってる人達を援護して逃げていた。近くによる事で中身が黒い塊だと分かった、人型の黒い塊に目だけが鎧を着てる感じだ。

 

 和泉達が戦ってるのを見るに、相手の技量はそこそこいいみたいだが倒せないほどでは無い、ただ壊しても黒い塊がうごめいて再生していて倒せないでいる。これはまずいな持久戦になったらこっちが負けてしまう、何か考えないと……まず一つとして黒い塊が無くなるぐらいの攻撃をすればいい、再生するのにも時間がかかるみたいだからできそうだが、こっちの武器は時間差があるから一体に集中して攻撃すればできる、だがその内に他に奴らに攻撃される。くそ、駄目だな他のも似たようなのばかりだ。せめて時間差の無い武器があれば。

 

 そもそもずっと再生されるのか? 倒せないような奴ミッションにしないだろうし何か弱点があるはず、体のどこか、特定条件か、どれかが本体か……ん?違和感を感じレーダーと見比べれば、これは一体足りない! という事はそいつが本体か! 急いで姫愛に伝えようとしたら「曲がって!」叫びながら言われ反射的に曲がった。

 

ドカンッ ズサー

 

 くっ、なんだ! 何かが降ってきたと思ったらバイク事、吹き飛ばされたぞ!

 

「大丈夫か、姫愛」

「ええ、蓮こそスーツ着てないのによく無事ねって今話してる場合じゃないわ、どうやら大将のお出ましようね」

 

 姫愛に言われ吹っ飛んできた方を見れば、身長二メートル以上で今までの奴らより豪華な鎧を着た奴が此方に歩いて来てた。

 

「彼奴が本体か。それにしてもめちゃくちゃボスっぽいんだけど最悪だ」

「愚痴言ってる場合じゃないわ、蓮は下がって、周りには他の奴らはいないようだし。それと本体て?」

「ああ、何か弱点があると思ってな、簡単言うなら彼奴を倒したら、他の奴らは動かなくなるか再生できなくる可能性がある」

「そう、なら猶更ひけないわね。すーふっ」

 

キィィン

 

 xショットガンは吹き飛ばされた時に手元から離れたため、ソードを持って姫愛は突っ込んで行った。

相手の方が力が強いのは明白なので、なるべく鍔迫り合いにならないようにしていたようだが、無理な体勢で避けてそこに刀が振り下ろされ鍔迫り合いになってしまい「ドゴンッ」吹き飛ばされ、俺と離されてしまった。

 

「姫愛!」

 

「こっちは大丈夫! それより逃げて! ああもう邪魔!」 キン キン

 

 他の奴らがいる所に飛ばされたのか! 本当にまずいぞこっちはソード一本、相手も刀一本だが身体能力から技術まで違いすぎる。そんな事考えてたら目の前に刀を振り下ろそうと迫って来てた、余所見した一瞬に内に来られて咄嗟に避けたが少し掠ったか。

 

「ほう今のを避けるか」

「っ! お前も話せるのか」

「ああ、だがそんな事より今のは確かに斬ろうとしたのだが、お前は他の奴より弱いと思ってたが、ふむ見誤ったか」

 

 そんな事を言いながらもずっと攻撃してくる。何とか捌けてるがそれは相手が何故か手加減してるからだ。慣れたと思ったらスピードが上がりそれも慣れたまたスピードが上がる、それの繰り返しだ。馬鹿にしてるのかこれじゃまるで、鍛錬だ。

 

「何のつもりだ」

「気が付いたか、何貴様はどうやら戦いながら急速に成長しているようだからな。某は強い奴が好きでな貴様は強くなるそれ故だ」

「くっ、嘗めやがって」

 

 だが都合がいい今の内にゾーン(・・・)に入れれば。

 

 ゾーンはトラ星人やひょうほん星人の時になった世界が遅く見え機械的になる奴だ。あれから何回も試したが一回も出来なかった、それで何か条件があると思ってゾーンに入った時を思い出して考えたら、二つとも危機的状況で余計な事は一切考えない目的だけ考える極限の集中状態だった。もしかしたら他にもあるかもしれないが今考えてる暇はない、危機的状況なんてそうそうないから今まで出来なかったが今なら、

 

 まずは相手の事だけを考え目的を持つ、彼奴を殺す、彼奴を殺す、彼奴を殺す、殺す、殺す、殺す、すると段々世界が遅く見え始めついには武者星人以外は見えなくなった。

 

 

「むっ」

 

―動きを解析開始、半身ずれ一歩下がり斜め前に進み下斜めから攻撃―

 

キン

 

武者星人の刀で止められた。

 

「カ、カカ、カカカカカ! いいぞもっと強くなれ!」

 

―脳フル稼働開始……80、90、100%―

 

キン キン キィン キン

 

 この戦いを誰かが見てたら驚くだろ、スーツなしで星人と互角に戦ってるのだそう互角に、技術的な事は戦ってる内に上がるとして、身体能力までは上がらい。

 

脳は十パーセントしか使われていないと言うが、あれは嘘だ。脳には役割がある、右脳、左脳、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉など詳しく言えばもっとあるが脳の部位ごとに各機能があり、視覚は後頭葉、聴覚は側頭葉といったように。これらは何をしている時でもすべての機能が活発に働いてるが、ある機能が他の機能より活動的と言うのがある。だが蓮はゾーンに入る事で各機能をフル稼働させて力を限界まで動かしてるのだ。

 

 今の蓮は戦いが長引けば長引くほど解析し強くなる。眼の動きから筋肉の動き、呼吸、心拍、汗、重心の位置、刀の振り方などを見抜き先読みし、解析し自分に取り入れてるのだ。蓮はそれに完全記憶もある事から時間が経つごとに精確になって行く。

 

 武者星人が唐竹、袈裟切り、逆袈裟、右薙ぎ、左薙ぎ、左切り上げ、右切り上げ、逆風、刺突などあらゆる斬撃をやれば、先読みにより避けられ、解析し体の動きを最適化し、同じことをやれば完全記憶で先に攻撃する。もはや武者星人は蓮の経験値となっていた。そうしてついに、

 

「カカ! 貴様本当に人間か!」

 

―180、190、200%、五感超強化―

 

ギャリギャリギャリ グサッ

 

一瞬蓮の眼には武者星人の体に黒い点が見えた、そこが直感的に弱点だと分かり、こっちに向かってきた所を刀身どうしを擦り合わせ火花を散らし、相手の重心を動けないように合わせ黒い点に向かって刺突をした。

 

「かはっ、見事な……り……」

 

それを最後に武者星人は動かなくなり、他の奴らも動かなくなった。

 

 

「かはっ、げほっ」ビチャッ 

 

 はっ、俺は今まで……記憶はある、だが自分が自分じゃないようで少し怖い。前と比べて機械よりになってるようだし。限界以上に力を使った事で体が動かなくなり顔中血だらけになってる。やべぇ超痛い、早く転送されないかな。

 

「蓮! 貴方、大丈夫なの? こんなになって、ごめんなさい私のせいで」

「何言ってだよ、これはスーツを忘れた俺の自業自得だろ」

「でも……」

「でもじゃない。とりあえず話は転送されてからな」

「うん」

 

こうして初めてのスーツなしの戦いが終わった。

 

 

 



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第7話 俺は人間に見えるか

 転送されて和泉が此方を見て驚いてたが俺の採点の時に、

 

かみしろくん

30てん

 

total56てん

あと44てんでおわり

 

 名前が変わってるのは多分活躍したからだと思う、それにしても30点か、ひょうほん星人ほどでは無いが結構高い喋れる奴は点数高いのかもな。それに後半分で解放か、ちらりと姫愛を見る、姫愛を残して解放されるなんてできないよな。

 

「どうゆう事だ!」

 

 考え事してたら和泉が怒鳴ってきた。

 

「どうゆう事?」

「何でお前が点数を獲得してる!」

「それは、星人を倒したからな」

「なっ! スーツ無しで倒したのか! お前、今まで手加減してたのか。スーツ無しで倒せるなら、有った時はもっと倒せるはずだろう」

「別に手加減はしてない、俺には生きる理由がある、だからスーツが有った時は全力で生き残る事を考えて戦ってた、今回も生き残るためにできる事をやったまでだ」

「生きる理由……くそっ! 意味わかねぇよ! お前何者なんだよ!」

 

 そう言って和泉は出て行った。それにしても和泉がおかしくなったのはひょうほん星人からだよな。確か彼奴、未来を見せる事ができたし、もしかしたら和泉も何か見てそれで焦ってるのかもしれない。その後は和泉の仲間が謝ってきて俺達も帰る事にした。

 

 翌日、さすがに精神的に疲れたので家についたらすぐに寝てしまった。なんだか体の調子がいいと思いながら、朝風呂に行き鏡を見て吃驚した。筋肉がついているのだ、ムキムキマッチョな筋肉という分けじゃないが、昨日の時より確実に見て分かるほど筋肉ができていた。これが長時間かけてできたなら普通だが、昨日の今日でこれは異常だ。俺の体はどうなってるんだ……少し怖くなった時、

 

「蓮ー、ご飯まだ」

「わ、分かった、少し待ってくれ」

 

 姫愛の声で我に返り急いでシャワーを浴びご飯を作った。それから俺は自分の体の事について考える事は無かった。多分逃げていたんだろう。

 

 最近、姫愛が無防備だ。特に風呂上りなんてパンツと薄いシャツだけで過ごすようになり、時々チラチラ見えてもう我慢の限界だ。こいつわざとじゃないだろうかと思いははじめた。

 

「おい、姫愛お願いだからズボンぐらいは、履いてくれ」

「んー、なんで?」

「そ、それはだな、えっと、俺の目の毒だからだ」

「――別に見たければみ、見てもいいのよ」

「おまっ、俺だって男なんだぞ、その……」

「そ、そのぐらい大丈夫よ、私夜の女王なんて呼ばれてるんだから。あ、もしかて貴方童貞なのね、そーなんだふーん、ほれほれ」

 

 いきなりシャツをヒラヒラしてきた。こいつっ、何が夜の女王だ、ファーストキスだってまだだったくせに。だが正直このままだと本当に襲いかねない。俺の体は……ここはがつんとやるか。姫愛が座ってるベッドに近づいていった。

 

「姫愛」

「ん、何がま「ボフンッ」きゃ、ど、どうしたの」

「姫愛の言う通りだよ、我慢できなくなったんだ。」

 

そういいながら片手は姫愛の両手を頭の上で抑えて、もう一つの手で頬を触り顎にもっていく。

 

「わ、私たち姉弟だよ」

「姫愛が悪いだ、あんな事するから責任とってもらわなくちゃね」

「さっきのはその……」

 

 口では嫌がってるが感情は怯えと期待でいっぱいだ。このままいけば俺までやばいからそろそろやめるか。顔を少しづつ近づけていくと、姫愛は目を閉じ、俺はその額に「バチンッ」デコピンした。

 

「いたっ、な、何急に」

「冗談だ」

「冗談? ――そ、そんなの分かってたし」

 

そうは言うが顔が真っ赤だ。

 

「それにしては抵抗してなかったな」

「試してたのよ、ふん、もう遅いから寝るわね」

「ああ、おやすみ」

 

 それから姫愛はズボンを履くようになった。

 

 

「ふーん、玲花の密会ねー」

 

「玲花?」

 

ご飯を作ってたら姫愛が週刊誌を読みながら言った。

 

「人気巨乳グラビアアイドル、貧乳の敵よ! ふん――あれ、これよく見たら蓮じゃない、ちょっと蓮! これどいう事よ!」

 

姫愛が怒鳴りながら週刊誌を見せてきた。ん? この顔何処かで……

 

「あ、」

「あ、って何よ、まさか本当なの、この私と一緒に住んどいて、よりにもよってこんな巨乳なんかと! 信じらんない!「落ち着け」落ち着ける分け「オリジナルだよ」、オリジナル?」

 

どうや忘れてるようだ。

 

「何で俺が姫愛の家に住んでるだ」

「あ――で、でもそれとこの巨乳がどうやって知り合うのよ。相手は有名人なのよ」

「ガンツ部屋に行った時の事故、その人庇って巻き込まれたんだよ。テレビとかあまり見ないからそんなに有名人だと知らなかったんだ。多分オリジナルの方はその事故がきっかけで親しくなったんだろ」

「な、なんだ、それならそうと早く言いなさいよね。慌てたじゃない」

 

ふーん慌てたね、俺はニヤニヤしながら、

 

「何で姫愛が慌てるんだ、関係ないだろう」

「そ、それは、近くに世界一の女がいるのに他の女と付き合うあんたの目の節穴に慌てたのよ。けっして嫉妬とかそう言うのじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!」

「凄い見事なツンデレだな」

「ツ、ツンデレって、だからそういうのじゃ」

「はいはい分かった分かった」

「絶対分かってない!」

 

さっきまでの話題なんて忘れて俺達はその日はじゃれあった。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

ギョーン ギョーン ギョーン

 

 周りは人、動物、星人あらゆる生物の死体だらけでその中心には俺がいた。

 

 感情のない機械のようにただ殺す。

 

 俺は一体何をしてるんだ? そこにガンツスーツを着た集団が来て先頭にいたのは姫愛だった。姫愛! これはどうなってるんだ! 

 そう言ってるのに声が出ず俺の意思と関係無く体が勝手に動いていた。その手にはガンツソードを握って一瞬の内に姫愛に向かっていった。 

 おい! まさか――やめろ! 止まれ! 止まれーーーーーーー!

 

グサッ

 

「れ、蓮……」

 

 そんな意思とは裏腹に姫愛の胸にソードが突き刺さった。まるで現実味の無い夢のようだ、そうだこれは夢だ、夢に決まってる。俺が姫愛を殺すなんてあるはずがない。ああ、早く覚めてくれお願いだ、これは夢なんだろう。

 

「ば、化物が! 死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「死ね!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン

 

ああ、やっと………………

 

――――――――――――――――――――――

 

「はっ、はぁはぁ」

 

 姫愛の家に住むようになって父さん達の夢は見なくなっていたが、武者星人ぐらいからよく今の悪夢を見るようになった。何でこの夢を見るようになったのかは分からない、俺が姫愛を殺すはずが無いんだから。

 

 初めてガンツ部屋に来てから十一か月、後ひと月で一年だ。この十一か月は、朝起きたら家事して調べもの研究偶に戸塚が遊びに来る、夜はガンツ部屋に行き星人と戦い、人が減ったり増えたりの繰り返しで変わりない。

 和泉はすでに100点取って解放されている。みんなは和泉が強力な武器を選ぶと思ってただけに驚いてたが、俺は納得してた。彼奴はひょうほん星人に会った時から焦って怯えていたからな。星人と言えば一回だけミッション終了後に星人ぽい奴らに襲撃されたらしい、俺は先に転送されて知らなかった。西は相変わらず一人だ。

 

姫愛は武者星人から過保護になった、ミッション中は常に一緒にいるのは当たり前で、学校以外の時も一緒にいるぐらいだ。それによく鍛錬もするようになった。そんなに瀕死になったのが心配だったらしい。

 

 調べものして分かった事があった、いずれカタストロフィが起きるというものだ。俺達はそのために戦ってるというのだ。そもそもカタストロフィとは何なのか詳しく調べても分からなくてただ起きるとだけ。西も知ってるらしくガンツの玉で時間が確認できた。姫愛と話し合って候補はあったが、俺はその中で星人が関係してると思ってる。たとえば大規模侵略、地球規模で星人達が暴れまわる、などだ。

 

どっちにしろ地球の秩序が崩壊すると分かったのでガンツ部屋から解放は無くなった、まあ俺達は最初から解放されようと思ってなかったが。解放されれば記憶が無くなるそれは姫愛が俺の事も忘れるという事だ。俺は忘れないから姫愛だけでも説得しようとしたが無理だった。まあ当たり前だ反対の立場だったら俺もそうする。そんな事もあり、あらためて戦う覚悟を決めた。

 

 最近、髪が長くなってきたのでいっそうの事短髪にしようとしたら、姫愛に止められ、理由を聞いても焦ってるだけで何も言わなくて、戸塚に聞いたら苦笑いしただけだ。自分では顔は悪い方だとは思ってなかっただけにショックだった。結局少し切って後は結ぶだけになった。

 

 

ジジジジジジ

 

 今回初参加は三人それに俺、姫愛、西、和泉の仲間三人組で合計十人だ。敵はゾンビ星人で転送場所は墓地だった。見た感じ何もいないがレーダーではすぐ近くに反応がある、という事はゾンビと言うだけに地面か。

 

「おいおいなんだ外出れんじゃん」

「健ちゃんここ怖い~早く帰ろ」

「おう、そう「ドゴンドゴン」っ! な、なんだ今の」

 

ドシャ

 

カップルの新人が帰ろうとした時に、墓の地面を吹き飛ばし敵が現れ、数が結構多い。見た目はまんまゾンビだが地面を吹き飛ばした事から力はそうとうあるので近づけないで、銃で倒す方がいいな。他の奴らもそう思ったのか離れて銃を構え始めた。

 

「お~なにこれ凄げ~超リアルじゃん」

「君! 迂闊に近づくじゃない!」

 

カップルの彼氏の方がゾンビの一体に近づいて行った。テレビか何かと思ったんだろうが、周りを見れば分かるだろうに。

 

「うっ、臭っ、そこまで再現しなくてもいいだろうに「ゔ~」お、何だ俺とやるってのかいいぜ来いよ。っ! いてっ、ちょ力強すぎ、たんまたんま。おい離せよお「ガブッ」いってー! 痛い痛い痛い、なんなんだよ誰か助けてくれよ」

「きゃー! 健ちゃん!」

 

彼女が急いで向かったがもう駄目だろう。俺達も助けられれば助けたがゾンビの数が多くて動けないし射線の邪魔になって撃てない。

 

「健ちゃん、やめて! どうしたの!」

 

どうやら彼氏はゾンビになったようだ。ゾンビと言えば定番だがやっかいだな、これでますます近づけなくなったが、

 

ギョーン ギョーン ギョーン

 

近づかかなければいいだけで、順調に倒していった。数もだいぶ減ったがカップルのゾンビは誰も倒してない。ゾンビになったとはいえ他の奴らと違って原型を保ったままだから躊躇ってるのだ。

 

「うわー! か、体が勝手に」

「おい武士! どうした!」

 

声が聞こえた方を見てみれば和泉の仲間三人組の一人が変な動きをしていた。どうやら体が勝手に動いてしまうらしい。何か異常は無いかxガンのレントゲン機能で見たが、これは、そういう事か!姫愛にも早く知らせないと!

 

「姫愛! 敵の正体は寄生虫だ!」

「寄生虫?」

「ああ、だからただ倒しても意味がない、レントゲン機能でよく見れば分かる。それと周りに気おつけろ今まで倒した奴らの分までいる」

「なるほどね、分かったわ」

 

 三人組にも聞こえるように言ったのだが遅かったようだ。

 数分後、周りにいた寄生虫達は倒したが、動きが変わった。俺達に向かって来てたのが、三人組の方に向かっていったのだ。そちらを見れば何とか原型は保ってるが筋肉が異常に膨れ上がっている、意識はあるらしくずっと「痛い」「助けてくれ」と喋り続けてる。くそっ、見た目が人間だからと後に回してのが仇になったか、こんなの

生き地獄だ。

 見た目が人間とか言ってる場合じゃない、これは殺してやる事が救いだろう。姫愛の方を見れば銃を向けているがトリガーに指が掛かってない。やはりここは俺がやった方が、

 

「姫愛、ここは俺がやる」

「蓮……いいえ、私もやるわ。貴方だけに任せるわけにはいかない」

 

そう言ったの姫愛の顔にはさっきまでと違い覚悟ができていた。人を殺すと言う事の。

 

「そうか、なら一緒にやろう。チャージショットでやれば一回でできる」

 

 数分もしない内に寄生虫すべてをロックオンできた。身体能力が上がっていたが単調だったから避けやすかった。新人三人が倒されていたので西がちゃっかり倒したのだろう。

 

「準備はできた。後はこのトリガーを押せば終わりだ……姫愛にまでやらせて悪い。俺の心がもっと強ければ」

「そんな事無いわ、私は嬉しい最近の蓮はどんどん強くなっていって、何処か遠くに行っちゃう気がしたから」

「姫愛……俺はずっとお前のそばにいる。絶対にだ」

「ちょ、な、何よ急に、こんな時にバカ。もう、それより早くやるわよ」

 

姫愛の後ろから両手を重ねxガンとショットガンを持つ。三人組とはあんまり親しく無かったが別に嫌いと言う分けじゃ無い、助けられた時だってある。

人を殺す事の罪の意識に耐えられるか、一人だったら無理だったかもしれない、だが俺には姫愛がいる。本当は一人でやりたかった、でも俺の心はそんなに強くは無い。誰かがいないと前も向けない弱い人間だ。

 

「ああ……三、二、一」

 

ギョーン ドシャッ

 

一斉に三人組が弾けた。

 

「うっ」

「姫愛、大丈夫か。つらいなら我慢しない方がいい」

 

姫愛が吐きそうになってたので背中を摩りながら聞いた。

 

「大丈夫よ。やっぱり蓮は強いのね、自分もつらいのに私の心配をしてくれて」

「そんな事、っ!」

 

 言われて気が付いた。俺は何も感じていなかった、罪悪感や罪の意識は無くだからと言って、喜びや快楽なども感じない。道端の石ころを壊したような無機質なただ殺したとしか感じなかったのだ。

 

「蓮、どうしたの? 蓮聞いてる?」

 

 姫愛が何か言ってるが耳には入ってこなかった。俺は自分が怖くなった。直感的に気が付いたのだ悪夢を見るようになった理由を、いや気が付いたじゃ無い、気が付かないふりをしてたんだ。自分の体が心が異常な早さで変わって行くのを。今までは相手が星人だから何とかなっていたが、今回は人間だそれも意識のある、それで何も感じないのはさすがに異常だ。元から感じないなら分かるが俺は感受性が高い感じないなんてあるはずがないのに。

 

 いつの間にか家にいた、どうやら意識が外に向かってなかったようだが、完全記憶があるおかげで思い出せる。あの後はすぐ転送され生き残ったのは俺と姫愛と西だけで、俺が百点を取って強い武器を選んでいたようだ。それから話すことも無く家に帰ってきた。無意識に姫愛に聞いていた、

 

「なあ、俺は人間に見えるか」

 



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原作開始
第8話 お前が生きる理由はなんだ


 

「急にどうしたの、人間に見えるか、なんて当たり前でしょ」

 

そう言ったが蓮の顔を見て何かただ事では無い、このままほっとけば自殺しかねない様子に気がつた。

 

「何が合ったの、話しなさい」

「い、いや、別に……」

「はぁ、とりあえずそこに座って落ち着きなさい。飲み物もってくるか」

 

姫愛は蓮を机の前に座らせて飲み物を取りに行った。

 

「はい紅茶。それでどうしたの」

「……彼奴らを殺した時何も感じなかったんだ」

「感じなかった?」

「そこに感情なんて湧かなかった……石を壊すみたいに無機質だった」

「それは、慣れや精神病の一種かもしれないじゃない」

「それは無い。俺は小さい頃から感受性が強く、自分に向けられた感情ならなんとなく感じ取れるんだ」

「――もしかして、トラ星人の時も」

「ああ、あの時は感情の波と読んでるが、激しい感情は俺に向けられてなくても感じ取れるんだ。この力はオンオフなんて無い、強制的に感じ取る、だから慣れるなんて事も無い……いつからだったかは分からないが、星人を殺してるのに感情が湧かなくなった、感じ取れるのに俺の心は動かなくなっていたんだ」

「――でも精神病だってある。悲しけど心が耐え切れなくて乖離したって事かもしれない」

「確かに精神、心だけならそう言う事も考えたかもしれない。でも違う違ったんだ、異常は体にもあった。武者星人事覚えてるか」

「ええ、蓮がスーツ忘れて瀕死になった時の事でしょ。忘れるわけない」

「その次の日、筋肉ができていた。一晩でできる筋肉じゃ無い、時間をかけてつけていく筋肉が一晩でできたんだ。あきらかに異常だ。それからも大怪我を負うたびにあった。思えば子供の頃から努力すれば大抵の事はすぐ出来た。でもそれがおかしかったんだ、努力したからといって必ずみのるわけじゃ無いし時間もかかる。才能が有ったならまだしも、俺は最初がどんなに出来なくても数をこなせば自然と出来てしまう。今回も同じだ、戦闘をするたびに精神が機械のように効率よくなっていって、怪我や強い敵と戦うたびに体が強くなっていく。

――悪夢を見るようになったんだ、俺は機械のように殺す、周りは人間、動物、星人あらゆる死体があふれかえり、ガンツスーツを着た集団と戦ってる。その中に姫愛もいてお前をこの手で殺す、最後に他の奴らに殺される。そんな夢をみてた……無意識に気がついていた。このまま感情を無くしていき、いずれ姫愛への思いも無くなり殺してしまう。そう思うと怖くてしょうがない、こんなのはもう人間じゃない! 化物だ! それなら一層の事……死んだ方が「パンッ」、姫、愛」

「ごめないさい」

 

姫愛がビンタをして抱きしめながら言ったその言葉はあるゆる思いがつまっていた。

 

「支えるって言ったのに、気づいてあげられなくてごめなさい」

「そんな事、ない、この異常な成長で分かる事が一つある、思う事だ。生きたいと思うと強くなる、感じる感情が苦しいと思うと心が動かなくなる。最初は姫愛に欲情していた、だけど俺の体は異常だ、襲ってもし姫愛の体に異常が起きたらと思うと性欲が無くなった。姫愛を殺す夢を見てこんなに苦しいのは姫愛の事が好きだからだ、と思ったらこの感情が段々消えていく。だけどそれでも俺はお前の事が好きだから、でも好きだからこそ消えていく、なにがなんだか分からなくなって、壊れてしまいそうだ」

「蓮……私、貴方になら殺されてもいいと思ってた。でも私が死ぬ事で貴方が壊れるのは嫌だ。だから蓮が私を守って私が蓮を守るから、何があっても、どんな姿になろうと、貴方が私の事を忘れてもそれでも私はずっとそばにいる」

「姫愛……俺もずっとお前のそばにいる、絶対に守ると誓う」

「ふふ、なんだかプロポーズみたいね。あ、それなら誓いのキスもしないとね」

 

そう言って姫愛は蓮へとキスをした。深く長く好きという感情が伝わるように。

 

「んっちゅぷはぁ、私の初めてよ嬉しいでしょ」

「――残念、俺のファーストキスは一年前にしてるんだ」

「そ、そう、それで相手は?」

「お前だよ」

「私?」

 

姫愛は目を点にした

 

「ひょうほん星人の時、記憶が無くなってただろうその時にな」

「あ、あの時に――まってじゃあ私が蓮の事好きなの知ってたの?」

「ま、まあな」

「貴方それで何で告白してこなかったよ、もう、このヘタレ」

「うっ、前にも同じ事言われた。ふぅ、なんだか気持ちの整理というか軽くなったという、まあ話せて良かったよありがとう」

「貴方はため込みすぎなの、彩加さんも気にしてたのよ――ん、もうこんな時間ねそろそろ寝ましょ」

「そうだな、あーその、今日は一緒に寝てもいいか?」

「ん、別に今日だけとわ言わずずっとでもいいのよ」

「い、いや今日だけでいいよ。さすがに毎日はね」

「そう、残念、まあ一緒に寝たくなったらいつでもいいなさい、私はお姉ちゃん――いや恋人なんだから」

「ああ、そうするよ。おやすみ」

「おやすみ」

 

 

ゾクッ ゾクッ

 

「――来たか。姫愛」

「うん」

 

 姫愛に膝枕してもらってたのを、起こしてガンツスーツを着て準備しながら姫愛を見て変わったなと思った。

 

 あれから二か月、姫愛と恋人になって変わった事はよく甘えるようになった事だ。ご飯ではあーんをして、外に出る時は手を繋ぐ、俺が風呂に入ってると時々一緒に入ったりと、今まで我慢してたの解放するかのように、最近やっと落ち着いてきたぐらいだ。口調も少し変わったし初対面の人とはあまり喋らないようになった。戸塚の事も彩加ちゃんと呼ぶようになった、今まで呼んでみたかったけど恥ずかしかったらしい。それと一緒に過ごす内に既知感を感じた、姫愛が時々鼻歌を歌ってるのを聞いて、たしか昔、俺が作って誰かに聞かせた……姫愛に聞いても「ないしょ」と言われ教えてくれなかった。

 

 戸塚には悲しまれた。「どうして僕を頼ってくれなかったのか」「やっぱり女の子っぽいから頼りないのかな」なんて言われて慌てて次は絶対に頼るなんて言ってしまった。こっちはガンツなどの事もあって話したくても話せないのだ。最後に「一層の事、女の子だったら甘えてくれたのかな」と言ってたの聞いてドキリとした。

 

 星人との戦闘では前より動けるようになった。多分今まで無意識の内に制限をしてたのだろう、それが姫愛が恋人になった事、周りからの恐怖の視線や自分が化物かもしれないと言う負の感情に、心が動じないようになった事で解放された。周りの感情を感じ取る事による疑似探知、これは大まかな識別も可能で集中すると星人か人間か、男か女かと感じ取れる。あと戦闘で恐怖を感じない事で体が動きやすくなった事だろう。

 百点を取って選んだ武器は、zガンというグリップを間に挟んだ形状の双銃身の大型銃だ。円形の高圧エネルギー、重力を標的直上より不可視状態で降下させて標的を圧潰する、ロックオンしてエリアを決める事もできる。今のところ一撃だが過信しない方がいいだろう、また連続で撃つと威力が落ちる。使った感じ狭い場所や味方が密集してる時は使いづらい。

 

 

あーたーらしーい あーさがきた きぼーうの あーさーが

 

ねぎ星人

特徴 つよい くちい

好きなもの ねぎ 友情

口癖 ネギだけでじゅうぶんですよ

 

 転送されてみれば俺達が最後だったらしく、すぐに指令が来た。今回は初参加が七人―1匹犬もいるが―と多い事もあってやっぱりテレビか何かだと思ってる。

 

「蓮ちゃん、蓮ちゃんだよな」

 

初参加者の観察をしてたら、ガタイのいい高校生が話しかけてきた。ん?こいつ何処かで……

 

「……加藤、お前、加藤勝か」

「やっぱり蓮ちゃんだったか! 髪伸ばしてたから不安だったんだ。蓮ちゃん落ち着いてるけど何か知ってるのか?」

「まあな、ただ説明してる時間も無いからとりあえず、スーツと銃を持っとけ」

「それはどういう「うわ! なんだこれ!」なっ!」

 

声が聞こえた方を見ればヤクザの一人の頭が無くなっていた。転送が始まったか。

 

「ああ言う事、転送が始まっただ。加藤も準備しろ」

「わ、分かった」

 

ほどなくして転送が終了した。場所は住宅街だ。

 

「ここは外……」

「だが帰るなよ。今はスーツ着とけ」

「ああ」

 

物陰に加藤が行った。

 

「ねえ、蓮さっきの人誰」

 

今まで黙って姫愛が話しかけてきた。

 

「加藤勝、小学生時代の同級生だよ」

「ふーん、ちゃんと友達いたんだ」

「友達って言うか、犬みたいだったな」

「何それ」

 

加藤は何かと俺の後ろを追ってきたからな。

 

「何話してるだ」

 

どうやら終わったようだ。

 

「お前の事だよ。そうえいば姫愛とは自己紹介してなかったな」

「そうだった、加藤勝よろしく」

「橘姫愛、蓮の彼女」

「か、彼女、やっぱすげぇよ蓮ちゃん」

「何がだよ」

 

「あーちょっといいかな」

 

三人で話してると西が全員を呼び止めた。

 

「これさ、テレビなんだよね。さっき指令に出てたネギ星人て言うのをこの銃で撃って倒すハンティングゲーム」

「でも勝手に拉致するなんて犯罪ですよ」

「皆ここに来る前に話しかけられたでしょ。その人が催眠術をかけたんだ、リアリティを出すためにね。因に賞金は一千万、俺は親父が関係者でコネで出さしてもらってるだ」

「まじか、一千万」

「一千万それがあれば」

「おい、早くいくぞ一千万は俺らのもんだ」

 

初参加者はやる気をだして行ってしまった。西はああやって誰も戦おうとしない時は言っている。多分カタストロフィに向けて少しでも戦力を増やすためだろう。あの話は結構穴があるがこういう混乱してる時は騙されやすい。

 

「れ、蓮ちゃん、今の話本当なのか?」

「いや嘘だよ。なんだ一千万欲しかったのか?」

「そ、そういう分けじゃないが……それより蓮ちゃん雰囲気変わったよな」

 

あきあらかに誤魔化したが、まあ加藤は何か苦労してそうな感じするし触れないでおこう。

 

「あれから三年以上たってるしな少しは変わるだろう」

「そうかな、前は優しくて誰の相談にも乗ってくれる頼れるリーダーって感じだったじゃん」

「そうだったかな」

「あ! あれ覚えてるかな、友達が上級生にいじめられてたの、蓮ちゃんが止めてそこから喧嘩になったけど一対多数なのにあっというまに倒しちゃったて。あん時思ったよ俺、蓮ちゃんみたいになりたいって……俺頭悪いからよくない奴が集まる学校行ってるんだけど、そこで蓮ちゃんに近づこうとがんばってたんだよね」

「そう、だったのか」

 

悪い気はしないが加藤、お前が憧れてる神代蓮はもういないだよ……

 

ドサッ

 

急に俺達の目の前に子供が降ってきた、いやあれはネギ星人か。

加藤がネギ星人に駆け寄った。

 

「おい! 大丈夫か!」

「ネ、ネギあげます」

「ちょ、待って!」

 

そう言ってネギ星人は走って行きその後を他の新人達が追いかけていった。

 

「悪い蓮ちゃん、俺ちょと見に行ってくる!」

 

「あ、おい加藤! はぁまあ大丈夫かスーツ着てるし」

「それで蓮はどうするの、追いかける?」

「ああ手は出さないが一応な」

「そう、一応ね」

「なんだよ」

「なんでもない、それより行きましょう」

「おい待てって」

 

なんなんだよまったく

 

 

 追いついたけどは新人達は加藤以外死んでる。その加藤はネギ星人の大人バージョンと対等してる。あれは父親て感じか怒りと悲しみの感情が感じ取れる、ネギ星人は新人達の死体と一緒になってるし殺されら怒りか。

 加藤は涙を流しながらネギ星人に謝ってる。彼奴のあれは命乞いなんかじゃない本当に悪いと思ってるんだろう、だがどんな思おうと言葉は通じない、偶に通じ奴もいるそういう奴らは人間を見下してる、だから殺すしかない。

 ネギ星人の爪による攻撃に加藤は何とか避けれてるが戦ってる場所が悪かった、足を踏み外して河川敷の下に転がり落ちた。ネギ星人はそのまま攻撃するがスーツで加藤は無事だがそれにも耐久力がある時間の問題だ。

 

 くそっ、もともとの正義感に目の前でネギ星人の子供が殺されるのを見て罪悪感あるんだろう、それのせいで抵抗も弱弱しい。このまま加藤を見殺しにするのか?いやここで助けるのに価値があるかどうか……よし。

 

「助けに行くのね」

「加藤は身体能力も高いしリーダーシップもとれる。カタストロフィのためにも戦力は必要だ」

「そうね、そういう事にしときましょ」

「そういう事も何もってそんな事言ってる場合じゃ無い」

 

急いでネギ星人にxガンを撃った。

 

ギョーン

 

「れ、蓮ちゃ「ドシャッ」蓮ちゃん!」

「加藤これが現実だ。ここでは誰かを守るには敵を殺すしかない」

「くそ! なんなんだよ!」

 

加藤はうなだれながら叫んだ。加藤ここに来た以上覚悟を決めなければならない、生きるための。

 

ジジジジジジ

 

 

 生き残ったは俺達三人と西だけ、今回も西は隠れてたらしい。得点は三点だった、まあ妥当だろう。西はそのまま帰っていった。説明は俺らに任せるらしい。

 

「蓮ちゃん説明してくれるんだろ」

「ああそうだなまず――」

 

それから一年前から参加してる事、得点、百点メニュー、ガンツ装備、頭の爆弾そうして死んでる事について説明した。

 

「――こんな感じだな」

「なんで、なんで初めに説明しなかったんだ蓮ちゃん! そうすれば……」

「無駄だよ、今回は新人が多い事もあって説明しても信じてもらえないし、それにここで生き残れない奴はこの先生き残れないし、地獄をみるだけだ。まあこれは俺がそう思ってるだけだからお前に押し付けようとは思わないし、今までもお前みたいな奴はいたからな。ただこれだけは言っとく、加藤お前が生きる理由はなんだ」

「生きる理由……歩、弟を一人にしないために」

「弟か、そうかならこれからお前は戦うたびに弟を思い出せ、そうして目の前の奴と比べるんだ、どちらがもっとも大切か、そうすれば自然と何をすればいいのか分かる。そうやって強くなっていって大切なものを増やしていけばいい」

「蓮ちゃん、はは、やっぱり蓮ちゃんは昔と変わって無かったや」

 

急に笑いながらそんなことを言ってきた。何言ってんだこいつ。姫愛、お前もニヤニヤするな、まったく。

 

「知ってる事は喋ったしお前も帰れ、弟が待ってるんだろ」

「あ、うん、ありがとうな蓮ちゃん、じゃ」

 

加藤は走って帰って行った。

 

「はぁ、俺達も帰るぞ、それとさっきから何ニヤニヤしてるんだよ」

「べっつにー、ただツンデレさんだなーと思ってただけ」

「ツンデレって別にそういうのじゃないからな、加藤は戦力になるって説明しただろう」

「うんうん、そうだねー」

「お前なぁ、晩飯抜きにするぞ」

「ごめんなさいごめんなさい、ただ嬉しかったのよ、蓮にもまだ友達を心配する心があって」

「姫愛……」

「――だからご飯を作ってください」

「はぁ、まったく冗談だよ、早く帰るぞ」

「うん」

 

俺達は手を繋ぎながら帰った。

 



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第9話 死の重みを分からせてやる

 晩飯の買い物帰りに見覚えのある奴を見かけた。あれは、加藤か、で隣の子供は例の弟かな?。ちょうどいい。

 

「加藤!」

「ん、蓮ちゃん! どうしたんだ?」

「買い物帰りにお前が見えたからちょうどいいと思ってな。携帯の番号教えてくれ」

「分かった」

「兄ちゃんこの人誰?」

 

 加藤の弟らしき人が言った。

 

「ああ、紹介してなかったな、すまん」

「俺は神代蓮、加藤とは小学生時代の同級生で、最近再開してな。よろしく」

「どうも、加藤歩です。兄ちゃんの弟です」

「やっぱり君が弟か。加藤から聞いてるよ、歩は俺が守るって」

「兄ちゃん……」

「ちょ、蓮ちゃん! 今は関係ないだろ! 携帯!」

「何恥ずかしがってだ、冗談だよ」

 

 それから番号を交換した後少し話をした。

 中学の頃に両親を亡くして弟と一緒に叔母の家に居候してるが冷遇されてるらしく、バイトをしてアパートを借りるつもりらしい。

 

「そうか、ならアパートは俺が探すよ、ちょうど心当たりもあるし」

「いや、悪いよ蓮ちゃんも忙しだろうし」

「それがそうでも無い、ちょっとした事情で学校に通ってなっくてな、結構暇なんだよ。それに俺も両親亡くしてるし、それがどんなに大変か分かるし」

「蓮ちゃん……分かった、頼むよ。ありがと、ほら歩も」

「ありがとうございます。蓮さん」

「気にするな、こっちは暇だからな」

「それにしても蓮ちゃんあの時と雰囲気ちがうな、何か昔に戻ったみたいだ」

「そうか? いやそうかもな」

 

 思えばそうか戦闘ばかりしてきた感情が動かない奴が、日常を違和感なく過ごせるっていうのは少し異常か。こうした何気ない日々を過ごしてる時は感情も動くし、これは戦闘と日常で意識を切り替えてる、と言うより感覚的にそこに適応(・・)してるみだ。まあ加藤の影響もあるのだろう、加藤は小学校時代の俺を憧れてる、その感情がこうして話してる時に無意識に感じて、俺も昔を思い出してるのかもしれない。

 

「まあ、気にするな気持ちの切り替えみたいなものだ。晩飯の支度しないといけないから帰るな。じゃあな」

「ああ」

 

 それから家に帰って晩飯の支度をしたら、姫愛が帰ってくるまでアパートを探してた。探すと言っても候補は何個かある、オリジナルの俺が住んでるアパート、姫愛のマンションと父さん達の家の周りのアパート、の何処かから探してる。何かあった時のために近くにしたが、数日悩んでちょうど三つの近くになる所にした。

 加藤に電話して伝えたら、お礼を言ってお金が貯まり次第引っ越すそうだ。株で稼いでるからお金も俺が建て替えもいいが、そこまですると加藤に限って無いと思うが、人は与えすぎるといつかそれが当たり前になって堕落するものだからな。まあ自分で稼いだ金の方が気持ち的にもいいだろう。

 

 

ジジジジジジ

 

 転送されたら加藤と目が合った。

 

「あ、蓮ちゃん、この前の事ありがとな」

「そう思うなら生き残れ、俺が探したのが無駄になるからな」

「ああ、絶対生き残ってみせる」

 

 今回は暴走族四人、老婆と子供の二人、貞子みたいな女とイケメンのカップル二人の八人が転送されてきた。加藤は皆が死なないためにも説明した―西は反対したが―がやっぱり信じてもらえなった、特に暴走族に。だが武器には興味がでたらしい、スーツはダサいそうだ。ちょっとしたいざこざで西が暴走族の一人を殺してしまった。そのおかげか、老婆達とカップルはスーツを着た。加藤はyガンを使うらしい、そうすると思ってたが一応xガンも持たせた。

 

田中星人

特徴 つよい ちわやか とり

好きなもの とり ちよこぼうル からス

口癖 ハァー ハァー ハァー

 

 

 最後に転送され場所は前回と同じ住宅街、周りには姫愛が一人だけ。レーダーを確認すると近くと少し離れた所に星人がいる、疑似探知には近い方に加藤達の反応があるが、どうやまずい状況ぽい西から恐怖が感じ取れる。俺達は急いでそっちに向かった。

 

「加藤!」

「はぁはぁ」

 

 状況を確認するに遅かったようだ。川の岸に西の死体があった。周りは加藤とカップルと橋の上に暴走族だけ、婆さん達はいない。加藤の顔色は悪いが時間がもったいないし、何があったか聞いた。

 

 まず転送されてすぐ田中星人と遭遇したが「裕三くん?」と聞いてきたり、不気味な小動物を連れ歩いてて戸惑ってた所、田中星人が変な方向に口からビームみたいな攻撃したら、そこに西が現れ直撃し、田中星人は西に標的をうつした。助けを呼ぶ声に我に返りyガンで転送したがすでに西は瀕死だったらしい。婆さん達は怖くなって逃げたって感じかな。

 田中星人はステルスを看破する特性の他、西がもう一度ステルス機能を使わなかったと言う事は、コントローラーの破壊もできると考えた方がいいな。ビーム自体も数発くらうだけで死ぬって事は威力も強いと。

 

 田中星人について考えをまとめ、加藤には休んでもらい、もう一つ反応があった場所に行こうとバイクに乗ろうとしたら、姫愛の顔色が悪いのに気が付いた。

 そうか、そうだよな、あまり親しくないとはいえ一年一緒に戦ってたんだ、西自身も問題のある奴だったが捻くれた子供って感じで少しは情も湧くものだよな。

 

「姫愛、お前はここで休ん「行く!」だが」

「大丈夫、彼奴、問題のある奴だったけどなんだかんだ生き残ってたから、こんなにあっけなく死んだのに動揺しただけ。それに蓮、一人で行かせる分けないでしょ。忘れたの、誓いの事」

「そうだったな、悪い。じゃあ行くか。加藤お前はここで休んどけ」

「悪い蓮ちゃん」

「まだ二回目だ、むしろ敵を倒したんだし誇っていい事だ。だから西を救えなかった事は気にするな、話を聞く限り西の油断が招いた結果だ」

 

 そう言ってレーダーの反応があった場所に向かった。

 

 加藤にあんな事を言ってるが他人事じゃない、死は唐突にやってくる理不尽なものだ、死んであの部屋に送られて色々な人の死をこの一年見てきたから分かる、俺達はそういう世界にいるって事が。だから俺達も例外じゃない、その事を西の死であらためて感じた。

 

 

 付いた場所はボロアパートだ。疑似探知によるとアパートには星人しか感じ取れない、一応xガンの透視機能でみたがやっぱり星人だけだった。ならzガンでアパート事やった方が効率がいいな、ここは姫愛に任せる事にした。俺の援護ばっかりだったから点数はあまり取れていないのだ。姫愛も分かってたようで引き受けてくれた。俺は生き残った奴の後始末だ。

 

ドンッドドン ギョーン ギョーン

 

 姫愛が連続して撃った。俺その中の生き残った奴をxガン撃った。

 

「蓮!」

「分かってる!」

 

 姫愛の声と同時に横にずれ後ろを振りながらガンツソードを振るった。すると何か斬り真っ二つになった大きな鳥のような奴が現れた。田中星人の中身で多分大きさからしてボスだ、俺達の死角に周りこんで攻撃するつもりだったんだろうが、疑似探知で分かってたのでガンツソードを準備してたのだ。

 

「ふぅ、分かってたなら言っておいてよね、心臓に悪いじゃない」

「悪い悪い、相手が喋るって聞いたから一応な、今晩はカレーにするから許してくれ」

「やったー、蓮はやっぱり分かってるわね」

 

 そうしてなごんでるがもちろん警戒も怠ってない。敵を倒した直後にこういう会話もできるようになったのも慣れてきたからだろう、それをそっちょくに喜んでいいのかは分からなが。

 ほどなくして転送が始まった。

 

 

 どうやらあの後は何事もなかったようで婆さんと子供以外は生き残った。婆さん達は頭の無い死体が見つかったらしい、エリア外にでたか。

 それと採点でカップルがカップルじゃない事が分かった。女はストーカーで男はホモだった、本人は必死に否定してたが加藤と暴走族は距離を取っていた。俺が距離を取らないのを見てホモは熱い視線を向けてきたので「俺は見た目が女ぽければ、性別は気にしないからな。まあ彼女がいるがな」と言ったら、見て分かるほど落ち込んでた、お前本当に隠す気あんのかよ。

 何故か加藤が「すげぇよ蓮ちゃん」なんて言ってきて、こいつ馬鹿なんじゃないか、いや馬鹿か。姫愛は姫愛で変な顔してたがどうせ戸塚の事考えてたんだろう。まあ当たってるがな、戸塚と一緒に過ごすようになってもう性別なんて関係ない見た目が女ならいいかと開き直ったのだ。違いがあるとしたらちんこが有るか無いかだけだしな。

 何事もなかったかのように姫愛をひっぱって部屋を後にした。

 

 

 解析のためゼットガンを研究室に置いてきた帰り道、唐突に感情の波を感じた。恐怖と罪悪感のこの感情は覚えがある。今の現代日本では俺達みたいな裏の世界じゃない限り無いだろう、そう俺が初めてトラ星人を殺た時に感じた罪の意識(・・・・)。とっさに感じる方向に走って行った。

 

 ついた場所は周りから見えない路地、とりあえず入口から中を覗いて安心した。そこに居たのは女子高生四人だった、もしかしたら人が死んでいたかもしれないからだ。見た感じギャル三人が顔色の悪い眼鏡の子を囲んでる、とりあえず状況確認のため耳を立てた。

 

「バン! へへ、なあ朝田、兄貴がさぁモデルガン何個かもってるんだよなぁ、今度学校で見せてやろうか、お前好きだろ、ピストル」

「っ! っ! うっうっぷ」

 

 囲んでる中の一人が手を銃の形にして脅して、囲まれてる子は必至に首を振って否定して吐きそうになってる。

 これはいじめか、ただ……

 

「おいおいゲロるなよ、朝田」

「あんた教室でゲロって倒れた時、すっげぇ大変だったんだぞ」

「とりあえず今持ってるだけで許してやるよ、朝田具合悪いみたいだし」

 

 やりすぎだな。本人達は軽いつもりでも実際はもっと重い。感情が感じ取れる俺だからこそ言葉の重みはよく分かる。俺はカバンを取ろうとした相手の手を掴んだ。

 

「痛っ! 痛い痛い離して、何なのあんた!」

 

 思ってたより強く掴んでた。どうや俺も無意識に怒ってたようだ。取り巻き二人が何か言ってが無視して、掴んだ手を引っ張って壁に押し付けた。いわゆる壁ドンだ、まあそんな甘いものじゃないがな。

 

「ちょ、セクハラ! 訴えるぞ!」

「なあ、お前らは何を思ってそんな事ができるんだ。俺には理解できないよ」

「は、意味分かんない。あんた正義の味方のつもりなら間違いだよ、あいつはね人殺しなんだよ」

 

 女がそう言うと眼鏡の子はついに吐きだしてしまった。はぁ、こいつはどうしてこうも俺の怒りを煽ってくるんだ。

 

「お前はあれを見ても、まだそんな事が言えるのか」

「汚いだけっしょ。何、もしかして同情でもしてるの、それでも人を殺した事に変わり無いっつーの」

 

 どうやら口だけで言っても分からないようだな。俺は女がやったみたいに手を銃の形にして向けた。

 

「お前に死の重みを分からせてやるよ」

「何その手、別に私は朝田と違ってそう言うの無いから意味ないんだけど。てか早く離せ「バン!」っ! ひっ!」

 

 女はしりもちをつき股から尿を流しながら俺を恐怖の視線で見た。

 相手の意識が高まったところに大声と殺意を放ったのだ。意識が集中してる時に急に大きな音をだしたら頭が真っ白になるのと同じ原理だ、そこに殺意を伝えた。俺は相手に感情を伝えられるのと実際に殺してきた本物の殺意だったから、相手は実際に殺されると思っただろう。普通の奴がやるより何倍も強烈だ。

 

「ちょ、遠藤! あんた何したんだよ!」「それよりこれ、まじやばくね。関わらない方がいいって」

 

 取り巻き達が女を立たせて連れて行こうとしたから、一言いっといた。

 

「もう関わんなよ、次やったらどうなるか、分かるよな」

 

 そう言うと女は必死に頷きながらどっか行った。

 はぁ、久しぶりだな姫愛の事以外で怒りを感じるのは。とりあえず眼鏡の子の対処だな。

 

「これで拭け。それと近くに水道のある公園がある、歩けるか」

「ええ、ごめんなさい」

「気にするな」

 

 ハンカチを渡しながら立たせ、近くの公園まで連れ添った。

 



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第10話 お前の事は絶対に守る

キュキュ

 

「さっきはありがとう、ございます」

「どういたしまして、それと敬語は無くていいよ。歳近そうだし、使い慣れてなさそうだし」

「そう……」

「……」

「……」

 

 気まずい、怒りにまかせてやってしまったが別に後悔はしてない。ただ姫愛と出会って人と関わるようになったが、今まで関わったのって姫愛と戸塚ぐらいだった、後はガンツ部屋に行く時ぐらいだし。何か話題は無いかと眼鏡っ子を見てたら、スカートから除く脚が鍛えられてるのが目に入ってとっさに言ってしまった。

 

「いい脚してるな、何かやってるのか」

 

 言ってから後悔した、こんなただのセクハラだ。案の定、眼鏡っ子はスカートを引っ張って睨んできた。

 

「わ、悪い、別に変な意味じゃ無い、本当に鍛えられてるから、何か運動でもやってるのかなと」

「はぁ、分かってるわよ、黙ってた私も悪いと思ってるから。ただ初対面でいきなりいい脚してると言わると思ってなかったから」

「いや、咄嗟に目に入ったのがそこだったからつい、それで何かやってるのか」

「まあね、サバイバルゲームをやってるのよ」

「サバイバルゲーム? でも君は銃にトラウマがあるんじゃ……」

「ええ、そうよ。ただ普通のじゃなくてvrのだけどね」

「vr……」

 

 それは父さんが開発したものだ。意識を移すのでは無く、ヘッドディスプレイを被ってゲーム専用の機器で遊ぶ、もちろん他の分野にも使われてる。ただ一般家庭持てるんじゃなくて、何処かの会社や団体が複数持って応募でやる遊びだ。そのため結構なお金がかかる。

 そうかvrサバイバルゲームか、それならたしかに実際に動くしステージもでかくなってるしな、納得だ。

 

「このトラウマを知った友達が勧めてくれて、一種の暴露療法でやってみたの。そしたら不思議な事に仮想世界でのシノンでいる時は、銃を握っても向けられても発作は起きなかった。シノンが強くなればなるほど、現実世界の私も強くなれる、そう信じて戦い続けてきたのに、なのにこのありさま……ねえ、助けてよ! 知らない私を助けるぐらい強いなら、私を一生守ってよ! ねぇ!」

「……」

 

 喋ってる途中から思い出してきたのか、泣きながらそう叫んできた。

 やっぱり似ている、強くなろうとするその姿勢、俺と違うのは隣に支えてくれる誰かがいない事、この子はずっと一人で戦い続けていたんだ。でもそれは逃げだ、そうやってきた今の俺がいる、そうして俺は感情を……

 落ち着いてきたのか泣き止んだその顔は赤くなってたが、赤くなったのは自分の言葉を思い出したからだろう、とりようによっては告白だからな。

 

「……はぁ、何やってるんだろう、私。初対面の貴方にむかってこんな事」

「はは、気にするな、昔から人の相談事は聞いてきたから、そう言う雰囲気がでてたんだろう」

 

 実際は俺の感情を伝える奴が無意識にだてたんだろう。共感や心配そういうのが伝り、昔を思いして感情が爆発した、まるで俺が他人ではなく自分のように感じて。

 

「ただ、そうだな、俺から一言言うならそれは、逃げだ」

「なっ! そ、そんなの分かってる、分かってるわよ! でも、それならどうしたらいいのよ……貴方、どうしてそんなに強いの、どうしたらそんなに強くなれるの」

「俺はそんなに強く無いよ……殺した、何回も何回も何回も殺した」

「えっ」

「状況が、そうしなけれ生き残れなかったと言うのもあるが、俺はその戦いの中で大切な人を見つけ、その人を守るために強くなろうとして、実際強くなった。ある日敵を殺した時に気が付いた、俺の心は動いていなかった。あんなに怖かったに、無機物を壊すのと一緒だったんだ。君はそうなりたいわけじゃ無いだろう」

「――そ、それは、そうだけど、そんな、どうしようも無いじゃない。もう私は死ぬ事でしか償えないと言うの」

「――後悔してるんだ、もしも戻れるなら俺はあの時、姫愛を理由にするんじゃなくて、ちゃんと向き合えばよかた、その罪と」

「罪と向き合う……」

「ああ、君にまだ恐怖を感じる心がある、俺が忘れてしまった心が。罪の意識はしょせん感情の問題だ、だから殺した事の意味、その重さを受け止め考え続けるんだ。それはもしかしたら死ぬまでかもしれない、でも自分がいつの日か納得できる日まで考え続ける、それが俺ができる最低限の償いだったんだ」

「受け止め、考え続ける……」

 

 少し説教くさくなったな。俺はこの子に自分とは違った道を、自分の願望を押し付けてるだけかもしれない。でも見たかった。

 

「私に、できるかな、そんな事」

「何も一人で考え続ける分けじゃない。俺にもできたように君にもいずれ大切な人ができる。だからそれまで支えやる、それが俺の責任だ」

「そ、それは、ありがと。でも貴方には大切な人がいるんじゃ」

 

 顔を赤くしながら言った。

 

「姫愛にもいずれ君を紹介するよ、そうやって人と関わって色々な人と生きていけばいい。それに俺は見てみたいんだ、自分にはできなかったその道を、俺にはできたんだって今の自分に見せて、この忘れてしまった心に少しでも思い出してもらうために。だから俺にためって事でもある」

「そう、ならこれからよろしく、えっと……」

「あ、名前かそうえいば言ってなかったな、すまん。んっん、あらためて神代蓮、高一、蓮でいい。まあとある事情で今は行ってないがな。よろしく」

「あまり聞かない事にするわ、朝田詩乃、同じく高一、詩乃でいいわ。これから私を支えてよね」

「ああ」

 

 その後携帯の番号を交換して帰って行った。姫愛に詩乃の事を話したら「絶対会う!」って言った。まあ分からなくも無い、帰ってきたら知らない女を紹介されたんだから。一応事情は話しておいた。

 それから数日、初めて会った時は剣幕だったが一緒に話してる内に仲良くなった。姫愛はあれで世話焼きというか困ってる人はほっとけないからな、子供と女性限定だけど。

 

 加藤がお金が貯まったらしくアパートに引っ越した。お祝いとして俺がお金をだして祝い。ついでに戸塚も紹介しといた。

 

 

ゾクッ

 

「来たか」

 

 準備しようとスーツ着て武器を探してたら、zガンを忘れてた。ここ最近は詩乃の事で忙しかったから研究室に置きっぱなしだ。やっちまったな、zガン以外はあるから強い敵じゃなければいいが。

 

ジジジジジジ

 

 今回は多種多様な人種がいる。お坊さん、不良二人、会社員、空手家、自衛隊、ミリオタ、それと詩乃、詩乃の友達?、と九人だ。それにしても詩乃は死んだのか、ここにこれたのは運が良いのか悪いのか分からないな。

 詩乃はこちらに気がついたが、驚いた顔をしていた。多分俺がここにいる事じゃ無く、雰囲気だろう。ガンツ部屋に来ると自然と戦闘をするための意識に変わる。これはどうしよも無い治したくても治せないし、このおかげで生き残れたのも事実だしな。

 

 詩乃への説明は姫愛にまかせて、俺は今回の参加者観察した。

 俺らの後に加藤、北条―ホモの事―、サダコが来たが、族達は来なかった。まあ理由は想像つくがな、どうせガンツの情報を喋ったかxガンを使ったのだろう。

 加藤は来て早々説明をしたが今回はお坊さんもいて聞いてもらえていない。だがガンツの玉が開いた事で数人は興味をもったが、やっぱりお坊さんが邪魔して駄目だったからスーツの力を見せて半ば強制的にスーツとxガンを持たせた。結局スーツを着たのは詩乃、新川―詩乃の友達―だけだった。不良二人は強制的に持たせた。坊さんと会社員以外は銃の方が気になるようだ。さっきから新川とか言う奴の嫉妬の感情がうざい、詩乃への歪んだ愛情だろうが、少し注意しといた方がいいな。

 

あばれんぼう星人  

特徴 つよい おおきい      

好きなもの せまいとこ おこりんぼう

口癖 ぬん

 

おこりんぼう星人

特徴 つよい おおきい

好きなもの せまいとこ あばれんぼう

口癖 はっ

 

ジジジジジジ

 

 転送された場所は寺院だった。外にでれたと分かったとたん数人が帰ろうとした。

 

「おい! 待ってくれ! エリアからでたら危ないんだ!」

「加藤! やめとけ。あゆう奴ら実感しないと分からないだよ」

「でも!「バン!」っ!」

 

 俺達が話してるうちにエリア外にでて会社員が死んだらしい。それを見てさすがに帰ろうとはしなくなった。

 さて色々あったがさっきから感じてる門の左右の奴をどうにかするから。ほかの奴らは銅像だと思って気づいてない。星人たちが動いてないのもあるが。

 

「加藤、合図したら門を撃て」

「で、でも壊したら……」

「どうせ戦うのに壊れるだろ、いちいち気にするな。建物なんか気にしてたら命がいくつあっても足りない」

「……分かった」

 

 いちいち律儀な奴だな。

 

「姫愛は俺と一緒に左の奴を撃つ、いいな」

「分かった」

 

 姫愛は今ので俺がやる事が分かったようだ。さすがだな、だてに一年一緒に戦っただけある。

 

「三、二、一」

 

ギョーン ギョーン ギョーン ズズズ ガシャン

 

 撃ったと同時に左右の仏像が動いたが、左の奴は俺と姫愛の攻撃でちゃんと死んだようだ。左右に分かれて撃ってもよかったが、五メートと巨大だったから確実に仕留めるために一体に集中した。

 

 急に動きだした仏像に初参加の奴らは慌てだした。

 

「蓮ちゃん!」

「中に入るぞ、ここじゃ戦いにくい」

「ああ、皆! 門の中に入るんだ!」

 

 壊れた門を潜って中に入り、その後を加藤達が付いてきた。仏像もちゃんと付いてきた。他の奴らが俺らの後ろに来たの確認して姫愛に目で合図した。

 

 ソードを持って突っ込んだ俺の後ろから姫愛がxショットガンを二つ持って仏像の両手を撃った。俺はそのまま突っ込みスーツの力も加わった居合で足に通り抜きざまソードを長くして斬った。仏像は両手が爆発し両足が斬れて無くなった事で膝をつき頭から突っ込んだ。最後に頭に向かって姫愛が撃つ事で終わった。

 

「ふぅ」

「さすが蓮ね」

「姫愛が援護してくれたからだ」

 

 姫愛が言ってるのはソードの事だろ、あれは切れ味もいいしちょっとそっとじゃ折れないから強いが、扱いにくくて初心者には難しい。それに姫愛の援護おかげも本当だ、他の奴だったらあそこまで思い切って出来ないだろう。下手な奴がやれば標準がくるって俺に当たるかもしれないからだ。

 

「うおぉぉ! すげぇ!」「まじかよ」

「蓮ちゃん、さすがだな!」

 

 今のを見て他の奴らもやる気をだしたよだ。

 

「やる気をだすのはいいが、レーダーで確認する限りまだいる、気お付けろ」

 

 加藤達に一言いってから、改めて周りの景色をみて、違和感いや即知感をかんじた、ここは何処かで……

 考え込んでると、詩乃が近づいてきた。新川とか言う奴はいなくなってた。

 

「……姫愛さんから聞いたわ、一年前から戦い続けてるのね」

「ああ、軽蔑したか今の俺を見て」

 

 口からはそんな言葉がでていた。どうやらこの姿を詩乃に見せたくなかったようだ。俺の中で詩乃は結構大きな存在になってた。あってまだ少しなのに、姫愛や戸塚もそうだったが俺は惚れっぽいらしい。

 

「そんな事ないわ、もし貴方がいなかったらもっと動揺してたでしょうね。それに貴方が私の事支えてくれんでしょ」

 

 そう言った詩乃の手は震えていた。そうだ詩乃は初めてなんだ、なのに弱気になってる俺を励まして。

 詩乃の手をそっと握った。

 

「ありがと、お前の事は絶対に守る」

「あ、う、うん……」

「……」

「……」

 

「ジー」

 

「あ」「あ」

 

 姫愛が居た事を忘れてた。ジト目でこっちを見てくる。

 

「ちょっと蓮、彼女目の前で他の女口説くとか、どうかと思うけど」

「いや、違う、そんなつもりは無い」

「じゃあ、その手は何」

「おっと――何の事だ」

「ばっちり見てたから、誤魔化しても無駄だよ! シノンもシノンだよこの前言ったじゃない」

「そうね、でも、それとこれとは関係ないわ。貴方の魅力が私より劣ってだけよ」

「な、何お~」

「何よ」

 

 急に二人で睨みあいをはじめた。こいつらここが戦場だと忘れてないか。よしみしてると「ドゴン!」言ったそばから。蔵の中から大仏の姿をした十五メートルもする奴がでてきた。他にも見える範囲に二メート程度の仏像がいる。見えないが疑似探知によると仏像の方は他にも何体かいる。

 

 坊さんはお経を唱え始めたが潰された。ミリオタはxショットガン両手に持って突っ込んだが手に捕まって、加藤が助けようとしたが間に合わなくて食われた。自衛官は屋根に上って長距離から撃ってるが大仏に意味がないと分かったら、仏像の方を狙いだした。不良二人と空手家は仏像の方をやりにいった。

 大仏の相手は俺、姫愛、加藤、ホモ、サダコでやってる。詩乃はステルスで隠れてもらってる。一応疑似探知で場所は分かってる。

 

 大仏は巨大なだけあって強い、特殊な能力はないが銃はあまり効いてないくて、蹴りやパンチだけでもやばい。今までの星人の中で一番力が強い。ゲームで言う身体能力に極振りした見たいがここまで厄介だとは、ただ弱点と言うか勝てそうなのは、巨大ゆえに早くない事と再生しない事だろう。弱点と思った額の白毫を撃っても凶暴化しただけだった。zガンがあればよかったんだが。

 

 俺は一年間戦ってきたんだ、今までの事を思い出せ、体が硬い奴はどうやって倒した……そうだ!何も難しい事はしてない、ただ銃で撃っただけだ。表面は固くても中は生物である以上柔らかい、ガンツの銃は中から直接爆発する。

 銃が効かなかったから効かないものだと思ってたから、大仏と体が硬い奴の違いは大きさぐらいだ、なら直接中に入れば、いける!

 

「お前ら! なるべくそいつを引き寄せて動かないようにしてくれ!」

 

「蓮ちゃん! 何か分かったのか!」

 

「ああ! 成功すれば倒せる!」

 

「分かった! 任せる!」

「おいおいまじかよ、信じていいのか?」

「蓮ちゃんは昔から嘘はつかない信じよう」

「そうね、蓮はこの中で一番強いんだから、従いなさいホモ」

「ちょ、俺はホモじゃないって、はぁ分かった分かった」

「……」

 

 話しあいは終わったらしい。こっちの準備は終わってる。加藤達は顔付近を撃って邪魔をして大仏が加藤達を潰そうとして、加藤達は避けずにその足を踏ん張った。加藤達に注意が向いてる今だ!

 

ダン!

 

 ミリオタが持ってたxショットガンを二丁持って、クラウチングスタートの姿勢から勢いよく走りちょうどいい場所の所で力の限りジャンプした。

 

ドゴン!

 

 そのまま大仏の白毫にできた穴に入り、中からxショットガンで撃ちまくった。

 大仏は加藤達から足をどけて顔に手をやって苦しみだし、膝をついて倒れ動かなくなった。

 俺は大仏の口から何とか出できた。

 

「蓮ちゃ「蓮!」

 

 加藤のセリフを遮って姫愛が叫びながら抱き着いてきた。そのせいで加藤の上げた手は所在なさげになった。

 



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第11話 喋ってくれ、少しでいいから

 その後レーダーを見て敵が複数に分かれてる事から、別行動をするようになった。加藤、ホモ、サダコと俺、姫愛、詩乃に分かれた。

 

「私も戦うわ」

「詩乃、初めてだし無理をしなくても」

「皆が戦ってるのに、私だけ隠れてるのなんて我慢できないし、知らない内に貴方が死んだなんて事になったら、一生後悔する、それなら貴方達と一緒に戦って死ぬ方がまし」

「詩乃……姫愛、お前からも何か言ってくれ」

「私は賛成かな、それにこうなった女の子は何をしてもついてくるわよ」

「姫愛、はぁ分かった。勝手に行動して死なれた目覚めが悪い、俺のそばを離れるなよ」

「ふふ、分かったわ」

 

 そう言って腕に抱き着いてきた。いやそういう意味で言ったんじゃ無いんだが。これは確信犯だな。

 

「ちょっと、離れなさいよ!」

「蓮が離れるなって言ったのよ」

 

「お前達、ふざけてないで行くぞ」

「はーい」

「了解」

 

 

 数体星人を倒して詩乃が初めてにしては戦い慣れてるのに疑問を持った、仏像星人は複数いるだけあって身体能力は人間とそう変わらなが、そうえいばサバゲーをやっていたんだっけ。発見したそばから詩乃が撃ってほとんどの星人をヘットショットで決めていた。時々外れるのは実際の殺し合いが初めてだからだろう。

 詩乃に聞いてみたところサバゲーでは長距離からのスナイパーを使ってるらしく、1000メートル級の長距離射撃において、ほぼ外した事がないと言っていた。

 それは期待できるな、俺が前衛、姫愛が中衛、詩乃が後衛のバランスのとれた構成ができる。ただおしいのはエリアが決まってる事だ。

 そんな事を考えてたら、

 

「いた! おーい! 来てくれ加藤達が危ない!」

 

 不良二人組が叫びながら走って来た。

 詳しく聞くと、ある部屋に千手観音とそれを取り囲む四体の仏像がいて、空手家が一体の仏像に挑んだが死に。北条が千手観音を見て撤退するよに言ったが四体の仏像に取り囲まれて何とか不良達だけ逃げてきたらしい。その時加藤が俺に伝えるように言って探してようだ。その話を聞いてたら感情の波が来た、それも加藤の怒り、殺意だ。まずいな、一人で突っ走ってるかも。

 不良達を置いて俺は急いで向かった。その後を姫愛と詩乃が何か言ってきながらついてきたが、話してる暇はない。

 

 

 反応があった場所についた。

 

「うおおぉぉぉ」ギョーン ギョーン ギョーン

「加藤!」

 

 ちょうど加藤が千手観音を撃った所だった。千手観音は左腕に持ってた瓶の中から液体を放った。同時に上半身がはじけ飛んだが、逆再生のように復活した。加藤は液体をもろに浴び徐々に溶け始め下半身が無くなった。

 

「クソが!」

 

 確実に死ぬな、そう考えた俺の思考に怒りを感じた。加藤が死にそうなにそれを冷静に把握してる、悲しみたいのに悲しめないそん自分に。

 

「へへ、やっぱ、蓮ちゃん見たいには、行かなかったや……歩の事よろし、く、な」

「加藤! 加藤!「蓮!」」

 

 後から来た姫愛に引っ張られた、俺がいた所を仏像星人が蹴りを放ってた。

 姫愛達が来た事で冷静さが戻って改めて周りの状況把握を行った。北条とサダコは体重なった状態で上下に分かれてる。傷跡からして瓶による酸の攻撃だろう。それと今まで姿の見えなかった新川らしき頭の無い死体があった。仏像は一体は死んでいて残り三体。強さとしては雑魚仏像の上位変換だろう、連携してきた事から知能も高い。

 そうして何よりボスっぽい千手観音だ、彼奴はひょうほん星人と同じく特殊だろう。再生の仕方が普通じゃなかった、右手に持ってる時計みたいなのが動いて再生してた事から時間の巻き戻し、逆行だろう。ひょうほん星人も幻覚を見せてきたから今さら驚かないが、ん?幻覚何か違和感が、いや今考える事じゃ無いな。

 取り合えず方針は決まった。

 

「姫愛、詩乃二人で仏像三体を引き受けてくれ、彼奴らは連携もしてくるから気をつけろ。俺は千手観音をやる」

「分かったわ、蓮こそ気おつけて」

「了解、すぐ倒して援護に向かうわ」

 

 詩乃の言葉を最後に俺は突っ込んんだ。そのまま千手観音に向かって行くと当然のように仏像星人が邪魔してくるが姫愛達が相手をする事で通り過ぎた。

 改めて観察し千手観音は両手に剣と灯篭、右手に時計、左手に酸の瓶。灯篭がまだ分からない、能力があるのかないのも、だからあえて距離を空けてxガンで戦う。

 

ギョーン ギョーン ビー

 

 何回か撃つと灯篭からレーザーを放った。何とか避けたが少し掠ってスーツの防御力を無視するようで血が出た。これは剣も防御力を無視すると考えた方がいいな。そうなると彼奴の攻撃はすべて避けなければならない。

 クソっ、条件がそろってるからゾーンは使えるが、使ったら周りが見えなくなって千手観音の攻撃が姫愛達に向かったら危ない。ここは時間を稼いで姫愛達が終わるのを待つか。

 

 接近したり距離を開けたりして、間合いを掴めなくしながら時々時計を狙ってるが相手も分かってるいるのか中々壊れないそうしながら時間を稼いだ。

 すると千手観音がいきなり爆発した。

 

「「蓮!」」

 

 やっと終わったようだ。再生してる間に急いで今までの情報を伝えた。俺が前衛、姫愛が中衛、詩乃が後衛の布陣で戦う事になった。いきなりの事だが今までの連携に詩乃が入るだけだ、詩乃の腕は確認して信じてるから大丈夫だ。

 ガンツソードを姫愛の分も持って二刀流で突っ込んだ。そのまま走りレーザーを避けながら瓶の方に近づいていく、そしたら案の定、酸を放って来たので上に跳ぶのと同時に姫愛が両手に持ってるxガンで両方の灯篭を撃つ。俺はそのままガンツソードを振り下ろした、そこに詩乃の射撃で時計を撃つ。もしも両手の剣で時計を守っても俺が両腕を斬る事で詩乃はそのまま撃つ手筈になってる。結局俺のガンツソードを剣で防いだ事で時計を撃たれた。

 後注意するのは剣と酸だけになった、俺達はその勢いのまま攻撃しようとしたところで、

 

「待って待って! 僕だ! 新川だ!」

 

 いきなり喋りだした。それも死んだ奴の名前で。俺達は一旦集まった。

 

「新川君!」

「落ち着け、まず確認からだ。死体がそこにある、それはどういう事だ」

「頭が無いだろう、どうやこいつ―僕、どっちでもいいや、まあこいつは人の脳を捕食する事で知識や経験を取り込む能力があるんだ。僕は透明化出来る事が分かったからそれを使ってこいつを殺そうとしたんだけど見事に殺されて、それで脳を食べられたってわけ」

「なら、何で今になって現れた」

「それはちょうどこいつと融合が終わったからね。僕は見た目はこれでもまだ人間だ、だから助けてくれ」

 

 その言葉に俺は悩んだ、自分と似てるからだ。だが、

 

「新川君本当に大丈夫なのね」

 

 詩乃がそう言って近づいて行った。

 

「待て! 詩乃!」

「え」

 

 俺が叫んだ事で詩乃が振り向いた。そこに新川は剣を振り下ろそうとした、まずいこの距離じゃガンツソードで防げない、こうなったら、片腕で詩乃を押して突き飛ばした。そこに剣が振り下ろされて俺の片腕が斬り落とさた。だがそんなの気にしてる場合じゃない、残りの片腕でもう一本の剣を防いだが、そこにまた振り下ろした剣を横なぎにしてもう一本の腕も斬り落された。

 

 すると自動的にゾーンに入った。すべての剣を紙一重で躱し近づき、瓶を上に蹴る事で酸が新川自身に降りかかるようにした。

 

「ぐわぁぁぁ!」

「「蓮!」」

 

 その声でゾーンがとけた。姫愛達は俺を持って距離を取った。今のは勝手に発動したのか?

 

「くそ! よくも邪魔してくれたな!」

「新川君! どういう事!」

「朝田さん大丈夫、今の僕はそいつ何かより強い、だから僕が守ってあげる」

「な、何を言って「無駄だ」え」

「今の彼奴はもう前までの新川じゃない、もう彼奴の心はお前を殺す事しか無い」

「そんなどうして……」

「そうよ、彼奴はシノンの事すきだったでしょ、なのに殺すなんておかしくない?」

「そうだな彼奴の愛は歪だった、そこに融合した事での全能感、そうして脳を食べる事で融合する事が分かって、そうなったんだろう、そうだろう新川」

「ああ、よく分かったね、そう朝田さんの脳を食べる事で僕と朝田さんは融合する、ずっと永遠に僕と一緒になるんだ、すごいだろ!」

「ひっ!」

 

 さすがに今のセリフはきもかったらしく、詩乃は悲鳴を上げた。姫愛なんてゴキブリを見る目だ。

 

「姫愛、撤退だ、血がやばい、くらくらしてきた」

「ちょ、早く言いなさいよ!」

 

 俺は姫愛に背負われて撤退した。詩乃はxガンで撃って追撃してるが一発も当たってない。さすがに友達を殺す事は出来ないか。

 

 何とか撒けて外側の廊下で応急処置をした。

 

「ありが、とう」

「何言ってるのよ、こういう時こそ頼りなさいよね。それで彼奴どうするの」

「ああ、俺が囮になる、その内に姫愛、お前が仕留めろ」

「却下、そんなの私が了承すると思ってるの」

「だがお前一人で戦わせるわけには」

「……ごめんさい、私が戦えれば」

「それで、いいんだよ詩乃は、ここで心を殺してやったら駄目だ」

「そうよ、さすがに友達を殺せなんて言わないから、それに蓮を見といて」

「分かったわ、今の私にはそれしか出来ないものね」

「そう、落ち込むな……そろ、そろ意識がやばい、姫愛、危険と思ったら、俺を置いて、逃げろ……」

 

 それを最後に俺の意識は闇に落ちていった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 ここは、ひょうほん星人の時の場所?

 俺の目の前にはひょうほん星人と対等する俺と姫愛がいた。

 これは夢か?

 

『そうか、だいたい分かった。こちらが先に攻撃したって言うなら、こちらから攻撃しなければ殺さないだな』

『当たり前じゃないかボクだって殺したくて殺してるわけじゃいんだから』

 

 確かこの時……そうだ幻覚、いやあれは幻覚だったのか?

 

『そうだいいもの見せてあげる』

 

 夢のひょうほん星人がそう言ったの同時にこっちにも、寺みたいな場所で姫愛が胸に穴をあけて横たわり俺がその体を抱えているヴィジョンが映った。

 ぐっ!この場所は!今現実で俺がいる場所だ!って事は本当に未来なのか?でもこのヴィジョンでは、腕もあるし、詩乃がいない。

 

 いやそもそも何でこの夢を見た?それにこんな鮮明な夢はおかしい、夢と言うに非現実的な事もないし、これは夢と言うより記憶の再生だ。俺には完全記憶がある、だがこの完全記憶もすぐ思い出せるわけじゃ無い、古い記憶は思い出すのに時間もかかる、ただどんな事でも絶対に思い出せる、だから完全記憶と呼んでるいる。

 

 この夢は俺の記憶を鮮明に再生してるって事か。なら何故、今になって、いや現実で姫愛の危険を感じ取り、無意識にこの時の幻覚―未来?―を思い出したのか。それで夢と言う形で見ている。

 

 そうなったら早く目覚めなければ!幻覚か未来かなんて関係ない、こうして姫愛の危険を感じ取って俺に何かを伝えよとしてる。それで十分だ。

 

 だから、お願いだから死なないでくれ、姫愛…………

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「っ! 姫愛!」

 

 目覚ませば、詩乃がいる事には変わりないが、姫愛がいない。

 まさか!急いで周りを見渡せば、廊下の外で六本腕の異形の生物と戦っていた。ふぅ、よかった。

 詩乃が俺が目を覚ましたのに気が付いた。

 

「何が、どうなって……」

「落ち着いて心配なのは分かるけど姫愛はそんなに弱くないはずでしょ。それは貴方が一番分かってるじゃない」

「そう、だな」

「それで状況としては、貴方が意識を失った後、新川君が来て姫愛がここで戦うのは危ないから、蹴って外に跳ばして今戦ってるのよ」

「そうか」

 

「ああもう、うっとしいわね! さっさと死になさい!」

「邪魔をするな! 邪魔をするな! 邪魔をするな!」

 

 戦闘力はさほど高くないようだが、新川は確か詩乃にサバゲーを勧めたぐらいだ、自分もそれなりにやってるんだろ。そのおかげか、銃の攻撃は避けられて当たってない。そのためガンツソードで戦って接近戦をしてる、パンチの威力も高くなくてスーツで耐えられるぐらいだ

 だがそのままくらい続ければスーツが駄目になる「キュゥゥゥン」いったそばから、このままじゃまずいな、いつもの姫愛ならすぐ仕留められるのに……俺がいるからか、ここで此奴に負ければ俺が危ない、だから早く仕留めようとするだが、なかなか当たらなくて焦ってる。それのせいで動きが悪くなってる。

 

 姫愛にとっては初めてだから、自分が負ければ大切な人が死ぬ、そんな戦いは。武者星人の時は確かに危なかったが逃げる事ぐらいはできた。だが今は逃げる事も出来ず、見てるだけ。そんな俺ができるのは声をかけるだけだろう。だがそれ十分だ、俺は感情を伝えられる。

 詩乃に体を起こしてもらい、

 

「勝たないと、じゃないと「姫愛!」っ! 蓮!」

「落ち着け! 俺はお前を信じてる!」

 

 たったそれだけの言葉で姫愛は落ち着いた。それからはあっというまだった。

 今までパンチをくらってたのが嘘のように避けていき、右側の腕を斬り、そのまま流れるように左側の腕も斬る

 

「ひっ、待ってくれ! 悪かった! だから「ザンッ」そん、な」

 

 命乞いもかまわずその首を斬り落とした。

 やっぱり気鬱だったか、いや俺が声をかけなければ負けていたかもしれなかった。ならあの夢にも意味はあったんだ。

 

「ふぅ……蓮!」

 

 一息いれてから姫愛は笑顔でこっちに来ようとしただが、っ!

 

「避けろ!」

「っ!「ドスッ」これ、は、かはっ」

 

 最後の気力だったのか新川だった生物の尻尾が姫愛の胸を貫いた。

 

「そんな……」

「姫愛!」

 

 死にそうだったのも忘れて俺は無理やり姫愛に駆け寄った。

 

「死ぬな! 少しでいいから生きてくれ! そうすれば「ごめん、なさい」何を言って」

「死んじゃって……でも……蓮を守れて……よかった……」

「姫愛! 姫愛! 姫愛! 喋ってくれ、少しでいいから、お願いだよ」

 

 だが姫愛はピクリとも動かず、喋らなかった。その笑顔は綺麗なぐらい動かなくて、それが一層俺の心を締め付けた。

 

「くそぉぉぉぉぉ!!」

 

 俺はただ叫ぶ事しかできなかった。

 

ジジジジジジ

 



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