ようこそ高度育成高等学校へ~大切なもの~ (Phospho Miller)
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プロローグ

読もうと思ってくださりありがとうございます。
初めての投稿、執筆です。


 俺の名前は黒金玲二(くろがね れいじ)。AB型。15歳。高校一年生。8月1日獅子座。身長174cm。

 父は中学校に入るときに母は中学3年生のときに他界しており、一人で暮らしている。祖母がいるが月1で家に様子を見に来る程度である。父・母の残した家とお金で暮らしていたが、高度育成学校に入学が決まり入学前に家を売っている。なぜ俺がこの学校に入学しようと思ったきっかけは、この学校はとても特殊で卒業生は希望する進学・就職先にほぼ100%応えるといわれているからだ。俺には親がいない中学校を卒業したら働こうと考えていた。しかし、今の現在社会では中卒で雇ってもらっても将来は保障されないだろう。そこで先生に相談してみたところ入学金、授業料などがすべて免除されており十分すぎるほどの設備が整っている高校があるからいってみないか?と言われたからだ。俺はそんな高校があるのだと知りその高校に入学することを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

突然だが、少し考えてみてほしい。

 

 あなたにとって一番大切なものはなんだろう?

 

家族?恋人?友人?人によって大切なものは違うだろう。

しかし!

俺にとって一番大切なものはない・・・いや、あえて言うとすればお金だろう。

なぜなら、それさえあれば何でも手に入るからだ!

この考えになる前は違かった。

俺の・・・・一番大切だったものは・・・・・あるやつによって奪われた・・・・俺に力(金)があれば・・・・救えたのに・・・

 

 

 

 

4月。入学式。俺は集合時間よりだいぶ早く学校に着いていた。それは60万平米以上もある敷地に充実した施設を早く見てみたいと思ったからだ。

「これは、凄いな!カラオケに映画館、寮もでかくて綺麗だ!こんなところで3年間暮らすことができるのか。」

「校舎はどんな感じだろうな。」・・・時間もたくさんあるし行ってみよう

特別棟につながる薄暗い階段に向かう途中声が聞こえてきた・・・

「今日、入学式だってよ!」

・・・隠れる必要はないんだが・・・

「新入生のやつらかわいそうだな!」

・・・上級生か?というか俺たちがかわいそう?意味がわからないな・・・

「ここがどんなところかも知らないでwww」

「ははは、俺たちも最初はそうだったじゃねーか!まぁー今じゃAクラスだけどな!」

「Dクラスじゃなくてよかったよな!」

「だな!Dクラスだったらどれほど辛いことかwww」

「確かに、Dクラスだったら大変だよなー」

「今、Dクラス何人退学した?」

「・・・7人か8人くらいじゃなかったか?」

・・・退学者が7、8人もいるのか・・・というかDクラスだと大変?・・クラス分けは学校側が意図的に行っているのか?・・・疑問点が多すぎる。

「まじかよ!」

「まぁー俺たちはBクラスからスタートだったけど、南雲のおかげで今じゃAクラスだもんな!」

「そうだよなー。南雲がいなきゃ一年間落ちこぼれてたな!」

「退学してたかもしれないしな」

「南雲がいればAクラスで卒業までいつ続けられるからな!www」

・・・南雲って人は相当信頼されているな・・・しかしAクラスで卒業するといいことでもあるのか?

「そんなことよりも俺はポイントが欲しいなー。」

「確かにポイントは欲しいよなー。いろいろ買いたいし。」

「確かに買いたいものはあるが、そーゆーことじゃねーよ。南雲がいればAクラスでいつ続けることは叶うかもしれないが・・・それ以外にもポイントの使い方はあるだろ?」

「そういう意味なら俺も一応貯めておきたいな!」

「一年から奪えばよくね?」

「そんなことしたら、おまえ退学だぞwww」

「冗談だよ、そんなことしたら三年前にいろんな人に詐欺をして退学したっていう噂の先輩と同じになるじゃねーか!」

「それもそうだな!」

・・・そこまでしてポイントを集めている人がいるのか。まぁできる限り金が欲しいという気持ちはよくわかるがそれは見つからないように表に出ないようにしなければ意味がない・・・・・・ん?そろそろ入学式が始まる時間か

「おい!そろそろ入学式だぞ!早く行かないと減点をくらうぞ!」

「やベー!いこうぜ!」

・・・・・行ったか

「おっと、俺も行かないと」

・・・早く学校について正解だったな。いろんなものを見ることができたし新しい発見もあった。それに、いろんな情報を聞くことができた。しかし、退学者、クラス分けにポイント、BクラスからAクラスになったこと・・・ははは、なるほど面白い学校だな。

玲二はこれから始まる学校生活という名の激しい戦いにうきうきしながら体育館に向かうのだった・・・

 

高度育成高等学校学生データベース

氏名 黒金 玲二(くろがね れいじ)

クラス 1年D組

部活動 無所属

誕生日 8月1日

 

評価

学力   A

知性   A

判断力  B+

身体能力 B+

協調性  D

〔面接官からのコメント〕

 学力、身体能力共にAクラス相当の能力を持ち合わせており、今回の試験では全教科学年1位であった。小学校では友達との関係もよかったが中学校からはあまり友達もおらず遅刻、欠席も多い。面接時ではこちらの質問にすばやく的確に回答している。しかし、別途資料における事実を考慮し、Dクラスへの配属とする。




どうでしたでしょうか?
楽しんでもらえたら幸いです。


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Dクラスと説明

1話はどうだったでしょうか?
話はまだ始まったばかりですが

2話目になります。



「Dクラスかー。はぁー」

・・・朝に先輩もDクラスだと辛いって言ってたなー。どうしよう。

 

「俺は、Dクラスだからここの教室か」

 

教室に入った瞬間奇妙なものが目に入った。しかし俺は気にせずネームプレートがある一番左の後ろから二番目に座る。そのまま、朝に先輩が言っていたことについてどうするか考える。そして、あることが浮かびどのタイミングで言うか考えていると前から歩いてくる男と目があった。・・・挨拶はしておこう。

 

「おはよう」というと男は少し驚いた様子だったが

「・・・おはよう」

「俺は、黒金玲二だ。これから一年間よろしく!」

「綾小路清隆だ。こちらこそよろしく頼む」

「綾小路はどうしてこの学校に来たんだ?」

「もちろん、進学のためだ。黒金もそうだろう?」

「そうだな、進学のためって言うのは大きいが授業料などが免除って部分にも惹かれた」と話していると黒髪ロングの女が綾小路の隣の席に座った。

「同じクラスだったなんてな」

 

・・・知り合いか?

 

「オレは綾小路清隆。よろしくな」

「いきなり自己紹介?」

 

・・・あれ?知り合いじゃないのか?

 

「会話するの2回目だしな。別に良いだろうそれくらい」

「拒否してもかまわないかしら?」

「一年間、互いに名前も知らずに隣の席で過ごすのは、気持ち悪いと思うけどな」

「私はそうは思わないわ。それよりもあなたさっきからこっちを見ているようだけどなにかしら?」

「すまない。綾小路と知り合いなのかと思っていたがあまりにも他人行事なんだなと思ってみていたんだ」

「そう。その解釈で間違えじゃないわ。名前だって今知ったもの」

「そうのなのか?」

「バスの中で会って降りて少し話しただけだ」

「そうだったのか。俺の名前は黒金玲二よろしく!名前は?」

「あなたも自己紹介?拒否してもかまわないかしら?」

「これから話すかも知れないしだめかな?」

「黒金も知りたいみたいだし教えてくれないか?」

「・・・物好きね、あなたたち。私に話しかけても面白くないわよ」

「これ以上迷惑というならやめとく」

「そうだな、無理に聞くつもりはない」

 

玲二も綾小路もこれで会話は終了だと思ったが、少女はため息をついた後、気持ちを切り替えたのか、真っ直ぐな瞳をこちらに向けて来た。

 

「私は掘北鈴音よ」

玲二も綾小路も応えてくれないと思っていたため驚いたが、少女・・・・堀北はそう名乗った。初めて正面から堀北の顔を捉える。

・・・めっちゃ可愛いじゃん!ていうか、すげぇ美人じゃん!玲二と綾小路はこの時はじめて意気投合した!

同じ学年なのに、1つ2つ年上と言われても納得するかもしれない。それほど落ち着きがある美人だった。

 

「一応オレがどんな人間か教えておくと、特に趣味はないけど、何にでも興味はある。友達は沢山いらないが、ある程度いればいいと思っている。まぁ、そんな人間だ」

「事なかれ主義らしい答えね。私は好きになれそうにもない考え方だわ」

「何だろう、オレのすべてを1秒で拒否された気がする」

「なー、事なかれ主義ってなんだ?」

「あー、玲二には言ってなかったな。事なかれ主義っていうのは、争いごとが嫌いで平穏無事であることを優先することだ」

「なるほどな、さっきの感じからすると綾小路と堀北さんの周りで何かあったのか?」

「ちょっと、行きのバスの中でいざこざがあってな」

「これ以上不運が重ならないことを祈りたいものね」

「そうだな。けど堀北あれを見ろ」

そう言い、綾小路が指した方をみるとガタイの良い金髪長身の男が教室に入ってきた。

「中々設備の整った教室じゃないか、私と同じで素晴らしい所ではないか!ははは!」

 

・・・明らかに高校生ぽくないやつだな

 

「なるほど。確かにこれは不運ね」

 

・・・あの金髪がバスのいざこざに関係しているのか?

 

すると高円寺は両足を机に乗せ、鞄から爪とぎを取り出し、鼻歌を歌いながら気ままに爪の手入れを始めた。周囲の喧騒や注目など、まるで無いものとして行動している。僅か数十秒足らずで、クラスの半数以上が高円寺にドン引きしているのが見て取れた。

「なんだあれは・・・」

信じられない行動をとっている高円寺を見て思わず玲二は声を出していた。

・・・気がつくと堀北は本を読んでいたが気にすることなく綾小路と話していると、すぐに始業を告げるチャイムがなった。ほぼ同時に、スーツを着た一人の女性が入って来る。見た目からは印象はしっかりとしたように見える、年は30に届くか届かない程度でそれなりに長そうな髪をポニーテール調でまとめている美人だ。

 

「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。この後、二時間後に学校内施設の簡単な案内をする。それが終わり配布物を配ったら今日は帰っていい。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの三年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶことになると思う。よろしく。入学式でも言っていたこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせてもらう。以前入学案内と一緒に配布はしてあるがな」前の席の人から合格発表を受けてから貰ったものが回ってくる。

 

この学校には、全国に存在するあまたの高等学校とは異なる特殊な部分がある。それは学校に通う生徒全員に敷地内にある寮での学校生活を義務付けると共に、在学中は特例に除き外部との連絡を一切禁じていることだ。そして、もう1つ学校には特徴がある。それがSシステムの導入だ。

 

「今から配る学生証カードを校門の前で貰った仮IDと交換で渡す。それを使い、敷地内にあるすべての施設を利用したり、売店などで商品を購入することが出来るようになっている。クレジットカードのようなものだな。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。この学校においてこのポイントで買えないものはない。学校の敷地内にあるものなら、何でも購入可能だ。」

 

・・・これが学生証か、スマホは持ち込み禁止だったからなこれがスマホの代わりなのかな?それにしてもなんでも購入可能か

 

「施設内では機械にこの学生証を通すか、提示することで使用可能だ。使い方はシンプルだから迷うことはないだろう。それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう。」

 

・・・学生証を通すのはわかるが提示して使用可能とはどういう意味だ?それに毎月1日に振り込まれるつまり来月も10万とは限らないということか?それにしても1ポイントで1円の価値か。極力使わないようにして卒業して進学したときの元手にしようかな。

 

教室の中がざわめいた。

「10万!すげー」

「何買おうかなー」

「私化粧品とか買いたかったんだよねー」

「この学校に入ってよかったー」

 

・・・騒ぎすぎだろ。いや、仕方ないか入学してすぐに10万円も貰えばこの反応は普通か。

 

「ポイントの支給額が多いことに驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちには、それだけの価値と可能性がある。そのことに対する評価みたいなものだ。遠慮なく使え。ただし、ポイントは卒業後にはすべて学校側が回収することになっている。現金化したりなんてことは出来ないから、ポイントを貯めても得は無いぞ。振り込まれた後、ポイントをどう使おうがお前たちの自由だ。好きに使ってくれ。仮にポイントを使う必要が無いと思った者は誰かに譲渡しても構わない。だが、無理やり奪うような真似だけはするなよ?」

 

・・・実力で生徒を測る…か。なら後で先生に聞いてみようかな?ていうか現金化できないのかー残念だなー。

 

「毎月10万も貰えるのか!」

「なに買いに行こうかなー」

 

戸惑いの広がる教室内で、茶柱先生はぐるりと生徒たちを見渡す。

ある男子生徒が手を上げた。

「茶柱先生!このあと学校案内があるということでしたがそれまでは自由時間でしょうか?」

「あーそうだ。好きに過ごしてよい。しかし、時間までには教室に集まるように」

「わかりました。ありがとうございます。」

「ほかに、質問はないか?ないようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

と言い残し、茶柱先生は教室から出て行った。

 

・・・時間もあるしちょうど先生も教室から出て行ったことだしトイレに行こう。

 

 

 

 

 

 

玲二はゆっくりと歩いている茶柱先生に向かって行き・・・

「茶柱先生!」

「なんだ?」

「質問があるのですが・・・・」




どうでしたか?
茶柱先生の説明が多かったですよね?
オリ主である黒金玲二と原作の物語にどう関わらせていくか難しいところです。
ですが、頑張っていきたいと思います!


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質問と自己紹介

3話になります。
よろしくお願いします。


「質問?」

「はい」

「なぜ、聞いたときに言わなかった?」

「すみません。個人的に話しておきたかったことなので…」

「個人的?」

「はい。いくつか質問よろしいでしょうか?」

「いいだろう」

「ありがとうございます。では、来月ポイントは貰えますか?」

「・・・・・それはわからんな」と茶柱先生は微笑みながら答える。

「そうですか。わからないですか」

「不服か?」

「いえ、ありがとうございます。」

「もう1つ、先生は先ほどの説明でこの学校は実力で生徒を測ると仰いました。」

「それがどうした?」

「入学試験、僕は何位だったのでしょうか?」

「なるほどな。黒金、お前は全教科学年一位だった。」

「そうですか」

「それだけか?喜んだりしないのか?」

「素直に嬉しいのですが、そういうことではなくてですね」

「ん?ではなんだ?」

 

この先生わかってるくせに人が悪い。

 

「入学試験で一位になったのでポイントを下さい。」

 

「・・・・・・・・フフ、はははは。なるほどそういうことか。」

「だめですか?」

「確かに、実力で生徒を測ると言った以上入学試験での全教科一位総合も一位ならポイントを欲しがるのも無理は無いな!」

「では、お願いできますか?」

「そうだな、こんなにも早く気がつくとはな!いいだろう今日中に振り込んでおこう」

「ありがとうございます。」

「もう一つだけお聞きしたいことがあります。-------ー」

玲二は本当に聞きたかったことを茶柱先生に聞き、教室に戻るのだった・・・

 

 

 

 

 

 

そのころDクラスでは・・・・

 

「ねぇねぇ、帰りにいろんなお店見て行かない?」

「うんっ。これだけあれば、何でも買えるし。私この学校に入れてよかった~」

先生が居なくなり、高額なお金をもらって浮き足立ち始めた生徒たち。

 

「皆、少し話しを聞いて貰ってもいいかな?」

そんな中スッと手を上げたのは先ほど茶柱先生に質問をした、如何にも好青年といった雰囲気の生徒だった。

 

「僕らは今日から同じクラスで過ごすことになる。だから今から自発的に自己紹介を行って、1日でも早く皆が友達になれたらと思うんだ。学校案内までに十分時間もあるし、どうかな?」

「賛成!!私たち、まだみんなの名前とか全然分からないし」

一人の生徒が口火を切ったことにより、迷っていた生徒たちが後に続いて賛成を表明する。

 

「僕の名前は平田洋介。中学では普通に洋介って呼ばれることが多かったから、気軽に洋介って読んで欲しい。趣味はスポーツ全般だけど、特にサッカーが好きで、この学校でも、サッカーをするつもりなんだ。よろしく」

 

 

「もし良ければ、端から自己紹介を始めて貰いたいんだけど……いいかな?」

あくまで自然にそれとなく確認を取る平田。そのまま皆自己紹介をしていく。

井の頭心、山内春樹、櫛田桔梗、とスムーズに進んでいくと思われたが・・・

「じゃあ次の人ーー」

「俺らはガキかよ。やりたい奴だけでやれ!」

赤髪短髪が平田の言葉を遮り睨みつきけながら言った。

「クラスで仲良くしていこうとすることは悪いことじゃないと思うんだ。不愉快な思いをさせたなら謝る」

「自己紹介くらいいいじゃん」

「そうよそうよ」

「みんなやってるんだから、やればいいのに」

 

「うっせぇ。仲良しごっこするためにここに入ったんじゃねぇよ」

赤髪短髪は席を立った。それと同時に数人の生徒が後に続くようにして教室を出る。綾小路の隣に座っている堀北もゆっくりと立ち上がり歩き出し教室を後にした。

「彼らを勝手にこの場を設けた僕が悪いんだ」

「そんな、平田君は悪くないよ。あんな人たちほっといて続けよう?」

 

 

 

 

 

 

・・・タイミングの悪いときに戻ってきてしまった。入りづらい。しかし、荷物とか教室内だし入るしかないな。

 

ドアの入り口で堀北と目があった。

「教室の中の人はなにをやってるんだ?」

「自己紹介らしいわ」

「自己紹介か、それにしては殺伐としてたな」

「赤髪の人とさっき先生に質問してた人が言い合っていたのよ」

「なるほど、それで自己紹介する組としない組で分かれたわけか」

「あなたはどうするの?」

「俺は自己紹介も含めてクラスの人に提案したいことがあるから教室に行くよ」

「そう」

堀北は興味がないのかそのまま教室を後にした。

 

教室に入り自分の席に座ると既に自己紹介は再開していた

「ふふふ。いいだろう」貴公子のように微笑んで見せるが、高円寺は両足を机の上に乗せたまま自己紹介を始めた。

 

「私の名前は高円寺六助。高円寺コンツェルンの一人息子にして、いずれはこの日本社会を背負って立つ人間となる男だ。以後お見知りおきを小さなレデイーたち」

クラスと言うよりは異性にだけ向けただけの自己紹介だった。

 

・・・本当に高校生らしくないな。変人はどこにいってもいる者だと思うがあれは次元が違うな。顔はカッコいいんだけどな~

クラスメイトと女子は金持ちのボンボンに目を輝かせることなく、ただの変人を見るような目で高円寺を見ていた。

 

・・・だろうな。

 

「それから私が不愉快と感じる行為を行った者には、容赦なく制裁を加えていくことになるだろう。その点には十分配慮してくれたまえ」

「えぇっと、高円寺くん。不愉快と感じる行為って?」

「言葉通りの意味だよ。しかし、1つ例を出すのならば、私は醜いものが嫌いだ。陰口などという行為を目にしたら果たしてどうなってしまうことやら」といいながら不気味に笑う。

「あ、ありがとう。気を付けるようにするよ」

 

そんな、高円寺特有な自己紹介が終わり

「えーと、次の人・・・そこの君、お願いできるかな?」

「おい!綾小路の番だってよ!」と綾小路にだけ聞こえる声で教える。

「え?あーそうか。ありがとう黒金」

 

「えー・・・・・・えっと、綾小路清隆です。その、えー・・・・・得意なことは特にありませんが、皆と仲良くできるよう頑張りますので、えー、よろしくお願いします」

 

パチパチパチ

 

・・・おいおい。綾小路なにやってるんだよ。話すのが苦手ってわけでもなさそうだが・・・緊張して言葉が出なかったのか?

「よろしくね綾小路くん。仲良くなりたいのは僕らも同じだ、一緒に頑張ろう」

 

・・・流石平田だな。フォローは完璧だ。フォローは…なWWW

 

「綾小路、なんだ今の自己紹介?俺のときと全然違うじゃん!」

「緊張してうまく言葉が出なかったんだよ」

「そうなのか?」と二人で話していると・・・

 

「まだ自己紹介してない人は・・・あっ!さっきトイレにいってた君だね!お願いできるかな?」

別にトイレに行ってたことは言わなくてよくないか?まぁいいか。俺はしっかりと自己紹介しなくちゃな!

「えー、こんにちはトイレに行っていた黒金玲二です。中学からの知り合いは一人もこの学校に進学していません。いろんなスポーツを遊びでやっていました。部活に入るつもりはありません。気軽に玲二と呼んでください。三年間よろしくお願いします」

「よろしく!玲二くん。三年間同じクラスの仲間として頑張っていこう!」

「よろしくー」

・・・いい感じに自己紹介できたのではないだろうかと思っていると綾小路が

 

「黒金、俺も玲二と呼んでいいのか?」

「ん?別に構わないが」

「そうか」

 

「では、みんな自己紹介が済んだ事だし。連絡先ーーー」と平田が提案したが。

その言葉を遮るように玲二はDクラスのみんなにこれからやる提案という名の取引を行うのだった・・・・・・

 

 




どうでしたでしょうか。


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提案と取引

4話目です。


「悪いな、平田」

「みんなに提案があるんだが・・・聞いてくれないか?」

と玲二は切り出す。

 

「なにー」

「なんだよー。玲二ー」

「自己紹介のときになにか言い忘れたのか?」

ははははは!とみんなが笑っている。

 

「みんなは今日貰った10万ポイントを何に使うのか知りたいんだ。」

 

「なんだよー。そんなことかよ!」

「私は、カラオケに行きたいなー」

「カラオケいいよねー。私も行きたーい!」

「拙者はパソコンが欲しいでござる!」

「ゲームだな!」

「なにか食べに行きたいよねー」

と、十人十色の答えが返ってきた。

 

これは交渉の余地があるなWWW

 

「玲二はどうするんだよー」

 

「俺はみんなと同じだ!みんなは来月も同じ風にもらえるポイントを使っていくのか?」

 

「そうだなー!毎月10万ポイントも貰えるんだから我慢しないで欲しいものを買うぜ!ははは!」

「山内の言うとおりだな俺も毎月貰える10万ポイントで好きなもの買おうと思ってる!」

「みんなも毎月貰える10万ポイントで遊ぶよな!」と池たちが言う。

「遊ぶ!遊ぶ!」

「いぇーい!」

「本当にこの学校は入れてよかったよなー」

 

・・・などと言っているクラスメイトを見て玲二は、こいつらは本当にバカだなと思った。しかし、だからこそやれることがある。

 

「毎月10万も貰えるんだから買いたいもの買えるし。俺、すげー嬉しいし!ははは」

「毎月10万貰えるって佐枝ちゃん先生も言ってたしな!」

「そうだな!」

「最高ー!」

「毎月10万!、毎月10万!」ニヤニヤ

「玲二も毎月10万貰えて嬉しいだろ?」

 

「そうだな!俺もポイントが貰えて嬉しい!」

 

「そうだよな!」

「いっぱい欲しいものがあるし、このポイントだけじゃ足りないかもしれないな」WWW

「そうだね。私も足りないかもしれない・・・」

 

・・・いい感じに俺の望む展開に行っているな。

 

そんなことを思っていると、平田が

「そうかな?僕は少し貰いすぎな気がするけど・・・」

 

・・・まずいな。ここで疑念が出ればこの話があやふやになってしまう。

 

「深く考えすぎじゃないか?茶柱先生も言っていただろ?」

・・・先生が言っていたという事実を言うことで平田は信じてくれるかもしれない。それに周りが同意してくれたら最高だな。

 

「そうだね。玲二くんの言うとおりだね」

「そうだ、平田。その通りだ!」

 

ここで山内や池、テンションが上がっている女子たちが

「平田くん。大丈夫だよ~」

「平田~。考えすぎだって~」

「紗枝ちゃん先生も言ってただろ?」

「ポイント使って何か買いにいこうぜ!平田!」

「・・・そうだね」

 

「そうだな。みんなの言う通りだな!」

玲二はここで話しを切り出すことを決める・・・

 

「みんな!さっき言った提案なんだけど、俺は10万prは少し多いから33人に卒業までに貰う予定の360万のうち8万ずつみんなにあげるていうのはどうかな?」

 

「マジかよ!」

「いいのかよ!玲二!」

「そんなことしたら、毎月2万ちょっとしか入らねーじゃん!分かってんのかよ?」

 

「ああ、構わない。だが、もし来月から10万ポイント貰えなかったとしたら、ここにいるみんなから毎月3万ポイントを一人ひとりから貰いたい」

 

「別にいいんじゃね?3万くらい。むしろ8万貰えるんだからめちゃ得じゃん!」

「そうだね!毎月10万貰えてしかも玲二くんから合計8万ポイントも貰えるなんて・・・」

 

「みんなどうだろうか?俺の提案に乗ってくれないか?」

 

「いいんじゃないか?来月も10万貰えるし」

 

「ありがとうみんな!」

・・・感謝するよWWW

「明日、契約書持ってくるから明日の放課後サインしてくれ!」

 

「わかった!」

「約束守れよな!玲二!」

「よろしくね!玲二くん!」

「よろしく~!」

 

「分かってるよ!」

 

 

「玲二くん、本当にいいのかい?」

「なにがだ?」

「僕たちにポイントをあげてしまって・・・」

「あー、構わない。それに茶柱先生も言っていただろう?ポイントをどう使おうが個人の自由だって。」

「そうかもしれないけど・・・」

「いいんだよ、平田!それにみんなが笑顔のほうがクラスも良い雰囲気になってもっと仲良くできるかも知れないだろ?」

「・・・そうだね!玲二くんがクラスのことを考えてくれて僕は嬉しいよ!」

「そうか。ありがとう、平田」

「こちらこそ、ありがとう。これから頑張って行こうね?」

「ああ」

 

 

・・・悪いな、平田。俺は自分さえ良ければいいんだ!おまえらは卒業まで俺にしっかりと金を振り込んでくれよWWW

 

 

 

そのあと、すぐに連絡先をみんなが交換しているときに綾小路はやってきた。

「玲二。オレは玲二の話には乗れない。悪いな」

「・・・・・そうか。残念だ、綾小路。わかった」と言うと綾小路は教室から出て行った。

 

 

 

「みんな!この話はここにいる32人以外には話さないでくれ!」

「どうしてだよ!」

「別にいいじゃん」

「考えてもみろ。この話がさっき自己紹介しなかった人に知られたら・・・絶対に俺にもくれっていってくるぞ?」と絶対にそんなことにはならないと分かった上でみんなに伝える。

「確かに!俺の取り分が無くなるかもしれない」

「それはまずいな」

「内緒にしておこうぜ!」

「そうだな。話さないようにしよう」

 

 

 

その後すぐに学校案内十分前のチャイムが鳴った。自己紹介をしなかった人が帰ってくるのと同時に茶柱先生も来た。

「このあと、すぐに学校案内を始める。廊下に並んでおくように」

・・・・・そして、俺たちは一通り敷地内の案内があり、先ほど茶柱先生から貰った今週の予定表を貰って解散となった。

 

 

俺はそのまま、パソコン室に向かった。明日サインしてもらう誓約書を作成するためだ。

それにしても・・・・ははははは。あいつら本当にバカだな!毎月10万も貰えるわけ無いじゃないか!・・・しかし、綾小路はあの様子だと俺の考えに気づいていたな。要注意人物だな。と思いながら玲二は誓約書を書いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誓約書(20××年4月1日記載)

1、来月一日にDクラスの生徒全員に10万pr(プライベートポイント)が振り込まれた場合、黒金玲二は今後、毎月貰う10万pr(プライベートポイント)のうちの8万pr(プライベートポイント)を下記にサインした生徒に均等になるように月末までに振り込まなければならない。

 

2、来月一日にDクラスの生徒全員に10万pr(プライベートポイント)よりも少ない額が振り込まれていた場合下記にサインした生徒全員が毎月3万pr(プライベートポイント)を月末までに黒金玲二に振り込まなければならない。

 

3、この誓約を下記にサインした生徒が下記にサインした生徒以外に教えることを卒業時まで禁ずる。もし、それが見られた場合その生徒は100万pr(プライベートポイント)を違反した月の末までに黒金玲二に振り込まなければならない。また、黒金玲二が下記にサインした者以外に話した場合下記にサインした生徒一人ひとりに3万pr(プライベートポイント)を違反した月の末までに振り込まなければならない。

 

4、下記にサインした生徒または黒金玲二が退学になった場合、下記にサインした生徒は退学が決まり退学書を出す前に持っているpr(プライベートポイント)をすべて黒金玲二に振り込まなければならない。

 

5、下記にサインした生徒が3万pr(プライベートポイント)を持っておらず振り込むことが出来なかった場合借金とし来月にまとめて払うものとする。また、次の月にも払えなかった場合その次の月に借金という形を卒業まで繰り返す。意図的でも忘れていても持っているのに振り込むことをしなかった場合プラス5万pr(プライベートポイント)の罰金とし、黒金玲二に振り込まなければならない。また、進級するまでに振り込めるpr(プライベートポイント)を持っているにもかかわらず振り込まなかった場合現在所有しているpr(プライベートポイント)すべてを黒金玲二に振り込まなければならない。振り込むときに黒金玲二は下記にサインしている生徒の所有しているpr(プライベートポイント)を見ることが出来る。

 

6、100万pr(プライベートポイント)を月末まで振り込めなかった場合来月又は卒業する前日までに黒金玲二に振り込まなければならない。

 

7、一括で振り込むことも可能であり一括の場合下記にサインした生徒以外に本誓約を話すこと及び教えることを禁ずる。

 

8、本契約は卒業まで継続するものとする。

 

下記の者は上記の誓約に誓い絶対遵守することを誓います。

氏名_______________(親指を朱肉に付け氏名の横に押す)

 

          以上

 

 




どうだったでしょうか?
5話目もがんばります!


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制約と無料

忙しかったので大分期間があいてしまいました。
5話目です。
よろしくお願いします。


「よし!これで誓約書は書き終えたな」

「しかし、みんなの反応面白かったな。それに茶柱先生に聞いたあの質問・・・あれで朝聞いた先輩たちの言っていたことが少し分かったような気がするな・・・」

 

玲二はそんなことを考えながら、コンビニに向かっていた。

「ここにもあるのか。監視カメラ・・・」と教室にもあったものと同じものを見つけた。コンビニに入り一通り商品を見ていると奇妙な物を見つけた

「無料?・・・一ヶ月3個までか」

「とりあえず、歯ブラシ・歯磨き粉のセットとシャンプー・リンス・コンディショナーの三点セットのものとかみそり三本セットを買うか」

と言いながら無料商品をカゴに入れていく。

「0円のものが三点ですね?それでは端末の提示をお願いします」

「はい」

 

・・・なるほど、茶柱先生が言っていたのはこれだったのか。と、納得する。

「それに、茶柱先生が今日中に振り込むって言っていたprも振り込まれていたな・・・」

「6万pr・・・か」

 

玲二は入学初日にしておそらく一年生の中では一番prを持っているだろう。

 

カラーンカラーン

「ありがとうございましたー」

 

 

「コンビニに無料商品があるなら食堂やスーパーにもあるかもしれないし行ってみるか・・・」

 

「いらっしゃいませ~」

 

店内を歩いていると

「やっぱり、あったな」

賞味期限が今日までの商品が専用のダンボール箱に入っていた。

 

一日ひとり3品まで!!!

 

と書かれた商品を買う。

「卵二個入り一つと鉄火巻一パックとインスタント味噌汁にしよう」

ほかには無いかと探していると、形のいびつな野菜があった。

「これもひとり3個までか・・・」

 

玲二は無料の商品を買えるだけ買い。今日中に食べられるものと日持ちする物に分けた後、寮に帰って行ったのだった。

 

 

 

 

「ここが俺の部屋か~。意外と広いな」

部屋は、八畳でキッチンや冷蔵庫も付いている。トイレ共同の風呂付きだ!

この学校では入学の前日までに必要だと思う人だけに衣類だけは郵送することが出来る。しかし、郵送できる数が決まっている。

 

自分が送ったダンボールに入っている衣類をタンスにしまう。

先ほど買ってきた物を入れていく

「あ!飲み物買ってない!寮を出て少し行ったところに自販機があったな」

 

 

 

 

 

 

自販機前・・・

「ここにも、無料のミネラルウォーターがあるのか」

玲二はミネラルウォーターを3本買う。そのとき・・・

 

「おやおや、君は帰り際おかしな提案をしていたブラックマネーボーイじゃないか!」

と言いながら高円寺が話しかけてきた。幸いここには誰もいなかった。

「ブラックマネー?おい、高円寺。それは俺の黒金から取っているのか?」

俺が闇金みたいに聞こえるのでやめてもらいたい・・・

 

「イェス!そのとおりだ!」

「しかし、君も面白いことを考えるねー」

 

「?面白いこと?」

 

「だってそうだろう?みんなから金を貰おうとしているじゃないか!」

「そう警戒しないでくれたまえ!別に私以外の人間が何をしようと私にはNO problemだ!」

 

「なら、高円寺は誓約書にサインしてくれるのか?」

 

「んー。たかだか3万ぽっちだからねー。でも毎月振り込むのはめんどくさいねー」

 

「なら、一括でもいいぞ?」

「一括?」

「ああ」

「そのほうが、楽かもしれないねー。でも・・・そこまで私がする必要があるかね?君の考えていたことは私はすべて看破しているのだよ?」

「本当に俺の目的がわかっているのか?」

「ああ。わかっているとも!ここで私がすべて話してもいいがそれじゃ面白くないねー」

「そうだな・・・なぁ高円寺。おまえはこの学校のこと、Sシステムのことどこまで理解している?」

「おかしな質問をするねー。ブラックマネーボーイ!」

「おかしな質問?俺の考え目的がわかっているのならこの質問の意味がわかっているはずだが?」

「しかし、まだ初日だからねー。私もわからないところが少々あるのだよ!」

 

嘘つけ、それなりには分かっているくせによく言うよ!

 

「なら、良いことを教えてやるよ!」

「良いこと?」

「そうだ!高円寺も興味が湧くと思うが・・・」

「ほう!なにかな?教えてくれたまえ!」

「教えても良いが。その代わり毎月3万pr俺に振り込んでくれるならいいぞ!」

「先ほどもいったが、めんどくさいのだよ!わかるかね?」

「なら、俺が先生に自動的に振り込んでもらうことが出来るか聞いてみるよ!誓約書もしっかりと作っておく!」

「ん~。それなら考えてあげてもいいかな?」

「考えるだけじゃだめだ。確約が欲しい!」

「しょーが無いね~。君の持つ情報が正しく貴重なものならば確約しよう!」

「それでいい」

「では聞かせてくれたまえ!」

「それはーーーーー」

 

と言い俺はいずれ分かるだろうと知っていながら高円寺に話すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日Dクラスは授業中だというのに私語や携帯(学生証端末)をいじったりしている。

「ははは!」

「寛治!お前面白すぎだって!」

「春樹だって!面白いって言ってたじゃねーか!」

ガラガラガラ〜

「おーい!健!おせーよ!」

「そろそろ昼じゃねーか!」

「あ?別にいいだろ?」

 

Dクラスは初日から授業を受ける環境としては最悪の状態であった。しかし、誰も注意することなく淡々と午前中の授業は終わった。

 

「綾小路昼飯一緒に食べないか?」

「え?良いのか?」

「ああ。食堂でいいか?」

「大丈夫だ」

玲二と綾小路は食堂に向かった。

 

 

食堂に着くと

 

「ん?玲二は無料定食にするのか?」

「面白そうだろ?」

「普通、飯は美味しそうかそうでないかで判断するものじゃないのか?」

「そうかもしれないな」

 

「はい!無料定食だよ!」

「ありがとうございます!」

「こっちの君は、スペシャル定食だね!」

「はい」

 

「綾小路と俺の差がすごいな!ははは!」

「そうだな」

「玲二。周りを見てみろ。お前だけが無料定食を食べてるみたいだぞ?」

「・・・みたいだな」

玲二の飯は活気ある食堂で異彩を放っていた。

 

「まぁ、美味しいかどうかは食べてみればわかるさ」

と言いつつ、ご飯と味噌汁も冷めていて、おかずも少なく薄味であった・・・

 

「・・・・・」

 

 

「・・・やっぱり、美味しくはないな」

「・・・そうか」

「醤油取ってくる」

「玲二。そういうと思って持ってきといた」

「マジか!ありがとう」

 

この学校の食堂にはそれぞれの食券の隣にちょっとした調味料が置かれている。だが、使い過ぎれば減点をくらう。

 

 

 

ーーー

 

午後の授業も終わり、昨日の自己紹介組が教室に残っている。

 

「玲二〜。持ってきたかー」

「これから、カラオケ行くんだから!早く!」

「玲二くーん!」

 

「わかった。わかった」

「これが誓約書だ」

「サイン欄に自分の名前を記入してくれ。あと、ここに朱肉とタオルがあるから親指に付けて名前の横に押してくれ」

 

 

「ここに書けばいいのか?」

「指に朱肉付けたくないんだけど・・・」

 

「それくらいは我慢してくれ」

 

「本当に作ってくるなんてな!」

「玲二よく作ったよなー」

 

「まぁな!それともう一つみんなに言っておきたい。ここにいる人から3万pr回収させてもらいたい。」

 

「はぁ?何でだよ!」

 

「昨日言っただろう?来月10万pr貰えるかわからないって」

「そして、今サインしたものにも書いてある通り貰えなかったら3万pr払うって約束だろう?払うとき持ってなかったら振り込めないじゃないか。まぁ、あくまでも一時的なもので来月に10万pr入ったら返すと約束するよ」

 

「でもなー」

「まぁ、あくまでも一時的なものだからいいんじゃないの?」

「使い過ぎの抑制にもなるしいいかもしれないよ」

「でも、そのまま取られるかもしれないし・・・」

 

「奪うようなことはしない。できないと学校で決まっているし・・・平田少しいいか?」

「何かな?」

「今から平田の携帯に1万pr送るからそのまま送り返してくれ」

「わかったよ」

俺は平田にポイントを送ったポイントがそのまま俺に送られてくる。

 

「これを見てくれ!」

そういい俺はみんなに履歴を見せる。

 

「本当だー!」

「そうなってるのかー」

「買い物した時の出費したものしか見なかったけど、こうなってるのか」

 

「それともう一つ言っておきたい。俺に3万pr預けてくれたら1000ポイントあげよう。6万pr預けてくれた人には2000ポイントあげよう!しかし、これは来月に10万pr貰えて俺が返すときに一緒に渡そう」

 

「マジ!」

「預けるだけで1000ポイントかよ!」

「6万prだったら2000だぞ!」

「俺預けようかな?」

「どうしよう?」

「預けた方が得じゃね?」

「でも、そのまま取られるかもしれないし」

「それは玲二言ってただろ?履歴が残るからそんなことできないって。それに、学校が決めてる事だし大丈夫だよ」

「そうかなー?」

 

「これは自主的なものだ。やりたくない人はやらなくていい。だが、ポイントをあげるのは今預けてくれた人だけだ」

 

「どうしよう?」

「俺は預けるぜ!」

「僕も預けようかな?」

「私も預けてみようかな?」

「3万prならいいかな?」

「私は今月買うものがいっぱいあるし、やめとこうかな?」

 

「じゃー、預けたい人はこっちに来てくれ」

28人・・・か

「じゃー、順番に俺の携帯に振り込んでくれ」

 

「俺は3万にする」

「私も3万ね!」

「僕は一応3万にしとくよ」

「私は3万かなー」

と、どんどん俺の携帯に振り込まれていく。

 

「あとは、平田だけだな。どうする?」

「僕は6万にするよ」

と、現在持っているうちの半分もの額を指定した。すると案の定クラスの人は

「おいおい!いいのかよ平田!6万だぞ!6万!」

「うん。大丈夫だよ!1ヶ月で4万も持ってれば十分すぎるしね?」

「まぁ。平田がいいならいいんだが・・・」

 

「じゃー、俺からはこれだけだから。また明日な!」

 

放課後・・・

ガラガラガラ~

「失礼します。茶柱先生いらっしゃいますか?」

「・・・なんだ。黒金か」

「質問があります」

「おまえは質問が多いな。ここではなんだ。指導室にでも行こうか」

「わかりました」

 

「高円寺か・・・珍しいな」

「簡単な質問です。高円寺の学生証から俺の学生証に毎月3万prを自動的に振り込むことは出来ますか?」

「・・・可能だ。だが、なぜそのようなことをしなければならない」

「高円寺と俺で約束したので。高円寺も納得しています」

「出来ることがわかったのなら私は失礼するよ!」

「待て!高円寺!おまえは本当に納得しているのか?」

「そこのボーイが言っていただろう?ティーチャー!毎月3万pr渡してくれたまえ!」

「・・・そうか」

「それでは失礼するよ」

 

ブラックマネーボーイはやめてくれとあの時言ったが・・・ボーイと呼ばれるとは・・・

 

「黒金。なにをした?」

「・・・なにとは?」

「とぼけるな。高円寺が3万prも毎月渡すなんてどうかしている」

「高円寺がくれると言ったので貰っただけです。」

「・・・はぁ~。まぁいい」

「それで?聞きたいこととはこのことだけなのか?」

「はい」

「そうか。ならもう帰れ」

「失礼しました」

と言い寮に帰った・・・



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小テストと日本記録

6話目です。


入学して三週間がたとうとしていた・・・

「これから、小テストを行う」

 

「はぁ?聞いてねーよ!」

「いきなりなんだよー」

「やりたくねー」

 

「そういうな。これは成績には一切関係ない。成績にはな」

 

「なんだよー」

「なら良いじゃん!」

「めんどくせー」

・・・成績には入らないのか。まぁ、おれはいつも通りやるだけだが。

「では、始め!」

 

テストは簡単すぎた。20問中17問が中学生で習ったものだった。しかし

 

「ん?これは・・・」

最後の3問が高校二年生以上のレベルであった。

「この問題はレベルが違うな。だが、これくらいなら解けるだろう」

 

「終わったー」

「簡単だったな」

「でも、最後の3問が意味がわからなかったよー」

「そうだな」

「別に良いんじゃね?成績に影響するわけでもないし!」

「それもそうだな」

 

いい気味だな。自分の首を絞めていることにも気づいていないとは・・・それも仕方ないか。こいつらは何も知らないんだからな

 

 

「ていうか!明日プールだろ!最高じゃね?」

「だな!」ニヤニヤ

「女子の水着が拝めるな」

「最高だー!」

 

 

そんなプールではなく女子の水着しか楽しみにしていない男子達の水泳の授業が始まった。

 

「よっしゃープールだ!」

「女子は。女子はまだなのか!」

「はーはー」

 

そんな男子達が話していること数分後、女子の声が聞こえてきた。

 

「すごーい!広い!」

「めっちゃ綺麗じゃん!」

「そうだねー」

 

「き、来たぞ!」

じろじろと女子の水着姿を目にしていく男子達。しかし・・・

 

「どういうことだ!」

「長谷部がいない!」

「おい!後ろだ!」

「なに~!」

「なんだと・・・」

池は膝から崩れ落ちた。

クラスで一番の巨乳と噂されている長谷部は見学であった・・・

「き、きょ、巨乳が見れると思ったのに・・・」

キモ、と長谷部は呟き立ち去った・・・

 

「池!安心しろ!俺たちには、まだたくさんの女子たちがいるじゃないか!」

「そ、そうだな!まだ、俺の櫛田ちゃんが出てきてないからな!」

「そうだ!元気だせ!」

 

「二人とも、なにやってるの?」

「く、櫛田ちゃん?」

スクール水着を着た櫛田は、身体のラインがはっきりしてた。

 

一方で玲二は・・・水泳を見学していた。

「授業を見ているだけだと楽だからなー。男子は皆櫛田さんに夢中だな」

周りを見ると男子20人中俺以外の見学者である3人がいた。

 

こちらも遅れて女子が来た。

 

玲二は一瞬、視線を送りすぐにプールの方へと視線を向けた

 

「此処いい?」

話しかけられるとは思わなかったため返事が遅れた。

「・・・ああ。いいぞ」

一席空けて座った人は・・・なんと先ほど池たちが話していた長谷部という女子であった。

「なに?やっぱりダメ?」

「いや、問題ない。ここにいてくれ」

「そ、そう」///

 

「なんで、見学してるの?ほとんどの男子は出てるのに」

「なんとなくな」

「泳げないってわけでもないでしょ?」

「溺れることは無いな。見学で授業が終わるならこんな楽なことは無い」

「私は、キモイ男子達に見られたくないから・・・」

「・・・そうか」

 

一方、水泳に参加している生徒たちはーーー

「先生ー。俺あまり泳げないんですけど・・・」

「問題ない!私が教えるからな!それに泳げるようになっておけば必ず役に立つ絶対だ!」

 

 

「ほとんどの生徒が泳げるな。それでは今から男女に分かれて50m自由形の競争を行う。」

「えー」

「マジかよー」

「1位になった生徒には私から特別ボーナス1万ポイントを支給しよう。しかし、一番遅かったものには補修を受けてもらう」

「そんな・・・」

「嫌だよ。そんなの・・・」

「1位になったら1万貰えるのか!」

「頑張るぞー!」

 

 

男子16人 女子12人

 

 

見学組の玲二は

「女子のレースが始まったな・・・」

「・・・そうだね。誰が勝つと思う?」

 

話しかけたわけではないが長谷部は聞いてくる

 

「そうだな・・・やっぱり水泳部の小野寺さんかな?」

「そうだよね。・・・あ、始まった」

 

堀北が意外と早い

 

「早いな」

「そうだね。やっぱり堀北さんが気になる?」

「・・・?なんで?」

「仲よさそうだし・・・」

「そんなこと無いと思うが。それを言うなら綾小路のほうが仲が良さそうにみえるが?」

「そうだね。一部の女子から噂になってるし・・・」

「お!次始まるみたいだぞ?」

 

次は水泳部の小野寺さんと男子の憧れ櫛田さんがいるグループのレースだ。

レースは一瞬だった。小野寺さんがぶっちぎりの1位の26秒と言う数字を出し完勝であった。

 

「凄かったな」

「そうだね。凄く早かった」

「長谷部さんは泳げたりするのか?」

「私も溺れることはないかな」

「・・・そうか」

 

ついさっきの玲二と同じ答えをし二人は笑い合っていた。

 

「ん?男子は3組目のスタートか。話に夢中になってたな」

「ほんとだ。・・・でもあれ・・・」

「・・・ああ」

 

二人が見たのは・・・

 

「はははは!私の出番のようだね!見ていた前!完璧は目の前にいるということを!」

 

その人は・・・

 

「・・・高円寺」

「何でブリーフの水着着てるんだろうね・・・」

「まぁ。学校で認可はされているけどな・・・ふつうは着ないよな」

「・・・キモイ」ボソ

キモイのは分かるが・・・

「やっぱり早いな」

 

「22秒88・・・だと」

 

教師もこの記録には驚きを隠しきれないようだ・・・

 

「ん~~。やはり、私はすばらしい!絶好調だ!」

 

息が切れている様子はない。

 

「燃えてきたぜー!!絶対勝つ!」

「頼むぞ須藤!」

 

しかし、レースは高円寺の圧勝となった。

 

 

「凄いな。まだまだ高円寺は余力があったようにみえた」

「そうだね。今の日本記録ってどれくらいだっけ?」

「確か日本での男子の記録は21秒87だったな」

「最初22秒88でその次は22秒04だったよ!」

「あれは同じ人間に思えない。いや、同じ人間じゃないんだろうな」

「そうかもね。今日はありがとう」

「こちらこそありがとう。話し相手になってくれて」

 

そう言い残し長谷部は立ち去った。

 



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二人きりのカフェ

7話目です。


「おい!綾小路!」

「・・・なんだよ」

「俺たちは友達だよな?」

「あ、ああ。そうだな」

「クラスの仲間として友達として隠し事は極力なくすべきだと思うんだ!」

「ああ。そうだな」

「なら、わかるよな?」

「・・・いや、特に隠していることはないぞ?」

「堀北と付き合ってるんじゃないよな?」

「は?堀北と?おれが?付き合う?何の冗談だ?」

「だって今日も授業中コソコソ二人で話したり見詰め合ったりしてたじゃねーか!」

 

 

「なんだ。堀北さんと付き合っていたのか?綾小路」

「・・・玲二もか。そんなことはない。てか、堀北の性格知ってるだろう?」

「だが、堀北さんも女だ。そうなってもおかしくはないだろう?」

 

まぁ堀北さんはそういうタイプにはみえないが・・・

 

「ない。絶対にない!」

「あ!玲二もだぞ!」

「なんのことだ?」

「とぼけるなよ!水泳のとき長谷部とイチャイチャしてたじゃねーか!」

「してない。話しかけられたから話しただけだ」

「俺は見たぞ!ていうか、俺たちは話したこともないのに!」

「くそー。お前たちだけずるいぞー!」

「とにかく!彼女が出来たら隠さず言えよな!」

「出来たらな・・・」

 

綾小路が席を立ち歩き出す・・・

 

「俺コーヒー」

「コーラー」

「人にたかるな。自分で買ってくれ」

「いや、俺ほとんどポイント残ってないし。あと1000くらい」

 

流石にやばいだろ一ヶ月で約10万も使ったのか・・・俺との誓約を忘れたのか?まぁ来月払えない奴が出てくるとは思ったけど・・・

 

「頼むよー。友達だろー」

「友達には奢らないといけないのか?」

「いいじゃねーか。来月の10万で俺も奢ってやるから」

「・・・わかった」

「サンキュー。綾小路~」

「ここにもあるんだな」

 

綾小路が言ったのは入学初日玲二が買った無料のミネラルウォーターだった。

 

「食堂にも無料のものがあったよな?」

「あ~あれだろ?草食べるやつ」

「やだやだ。食べたくないねー」

「でも、食べてる人意外といるぞ?」

「月末だからだろ?」

 

綾小路と玲二は目が重なった・・・

 

「あ~早く来月になんないかなー」

 

ククク・・・そうだなお前ら来月から卒業までしっかり振り込んでくれよ!

 

 

 

4月最後の日ーーー

 

玲二は久々に行く従業員以外ひとり二人しかいないカフェに入る。

席に着くと・・・

 

「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたらお声かけ下さい。」

「コーヒーとケーキのセットで」

「かしこまりました。ケーキは何になさいますか?」

「今日は抹茶でお願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

ここのカフェはコーヒーとケーキのセットがお得で従業員の接客も丁寧なので気に入っている。コーヒーとケーキのセットを頼むとコーヒーのお代わりが何度でも可能である。人が少ないことも魅力の一つだ。

 

「お待たせいたしました。こちらコーヒーと抹茶のケーキでございます。ごゆっくりどうぞ」

「ありがとうございます」

 

従業員が去ると

 

「いやーやっぱりおいしいなここのコーヒーとケーキは。しかし、うちのクラスはダメだな・・・私語に居眠り、遅刻。テストではペンすら動かしていない奴がいた。・・・来月ポイント貰えるのか?」

 

今、俺が持っているポイントはクラスの人から87万ポイント、テストで6万ポイント、今月1万使ったから余りの9万ポイントを足して・・・約100万prか

 

「1ヶ月1万ならいいほうだろう。・・・ん?」

 

「いらっしゃいませ~」

「一人です」

「空いている席へどうぞお座りください」

「はい」

 

珍しいな。この時間に女一人でここのカフェに来るなんて・・・

 

「カプチーノ一つ下さい」

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

玲二は様子を伺っていると・・・女はこちらに向かってきた。店内は薄暗く顔までは見れなかったが同じ一年生であることは歩いてくる途中分かった。

もしかして、見ているのが分かったのだろうか?

 

「何でこっちを見ていたの?」

「この時間に一人でここのカフェに来る人を始めてみたから気になったんだ。不快に思わせてしまったなら謝る。すまなかった」

やはり、見ていたのに気がついていたらしい・・・

 

「ううん。大丈夫だよ!少し視線を感じて気になっただけだから」

「そうか」

「君こそなんで一人でここに?」

「俺のクラスは五月蝿過ぎて静かな場所を探していたらちょうどここを見つけたんだ」

「そうだったんだ。じゃー邪魔しちゃったかな?ごめんね?」

「いや、まったく問題ない。誰がどこに居ようと自由だからな」

「ありがとう。実は私もちょっとひとりになって考えたいことがあったの・・・」

「そうだったのか・・・俺のほうこそ邪魔をしてしまった。すまない」

「私から話しかけたんだもん謝ることないよ!」

「分かった」

「そういえば名前を言ってなかったね!・・・私は一之瀬帆波Bクラスだよ!」

 

一之瀬帆波という女子生徒はとても可愛く美しかった。しかし・・・帆波?どこかで聞いたことがあるような・・・珍しい名前だが・・・

 

「一之瀬さんか・・・俺は黒金玲二だDクラス」

「玲二?どこかで聞いたことあるような・・・」

「そうか?」

「ううん。私の勘違いかも、ごめんね?」

「いや、大丈夫。よろしく、一之瀬さん」

「うん!よろしくね!黒金君!ここに座ってもいい?」

「ああ。いいぞ!」

 

そういい。一之瀬は玲二と向かい合うように座った。

 

「こちら、カプチーノになります。」

「ごめんなさい。席移動しちゃって」

「かまいません。それではごゆっくりどうぞ」

「ありがとうがざいます」

 

一之瀬はこちらに向かって苦笑いをした。

 

「にゃはは。定員さんに迷惑かけちゃった」

「大丈夫だろう。今は俺たちしかいないし・・・」

「そうだね・・・私たち以外誰もいないね」///

「Bクラスってどんな感じなんだ?」

「へ?うちのクラス?」

「ああ」

「えーとね~。みんな仲良くやってるよ?この前のテストもみんなそれなりに出来たし」

「そうなのか?」

「うん!私Bクラスの委員長やってるんだけど、みんな仲良くやってるよ!」

「委員長?そんなものあったか?」

「あ~うちのクラスで自主的に作ったんだ~」

「Bクラスはまとまっていそうだな」

「そうだね~。Dクラスは違うの?」

「酷いものだよ。はは」

玲二は乾いた笑いをした。

その後も他愛のない話が続き・・・

 

「一之瀬さん良いことを教えてあげるよ」

「良いこと?」

「ああ、良いこと。これを信じるか信じないかは一之瀬さんが決めて」

「うん。わかった」

「クラス分けは仕組まれたものだ。優秀な人がAクラスにDクラスには落ちこぼれが集まっている」

「・・・なんで、そんなことを教えてくれるの?」

「特に理由はない。信じるかどうかは一之瀬さん次第だ。それともう一つ明日貰えるポイントは絶対に10万prじゃない」

「・・・え?でも先生が毎月10万貰えるって・・・」

「いや、教師は今月分の10万ポイントっていったはずだ。毎月とは言っていない」

「・・・確かに。でも、どうして?」

「たぶん明日教師から説明があると思うよ」

「・・・そうだね」

「いい時間だし俺は寮に帰るよ」

「あ!待って私も一緒に帰る!」

「会計は俺がまとめてやっといたよ!」

「え!いつの間に。悪いよ、ポイント返すね?」

「いいよ。いろいろ話すことが出来たし」

「でも~」

「なら、またここで話そう!」

「そんなことでいいの?」

「ああ。それがいい」

「わかった。じゃー、連絡先交換しよう?」

「・・・わかった」

「ありがとう。いろいろ教えてくれて!」

「たいした事じゃない。明日には分かることだ」

「ううん。先に知っているのと知らないとじゃ違うから」

「そうかもな・・・じゃー帰るか」

「うん」

 

玲二と一之瀬は二人で寮に向かうのだった・・・・



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真実

8話目です。


5月1日ーーー

携帯端末を確認すると昨日カフェで払った後の残金とまったく変化がなかった・・・

 

「マジか・・・まさか0ポイントとはな。とりあえず、準備して行くか」

 

この後Dクラスで起こるであろうことを考え、心の中で玲二は笑みを浮かべながらDクラスへ向かうのだった。

 

 

 

 

 

ーーーDクラス

「なーポイント入ってたか?」

「いや、振り込まれてなかった」

「なんでだろ~。学校のミスかな?」

「どういうこと?」

「おまえも?」

「なんで?」

 

などとクラスメイトたちが話していると茶柱先生が教室へ入ってきた。

 

「席に着け。朝のHRを始める」

 

 

「せんせーポイントが振り込まれてないんですけどー」

「毎月1日に支給されるんじゃないんですか?」

 

「その通りだ。各クラスに確実に支給されている」

 

Dクラスの生徒のほとんどが茶柱先生の話がまったく理解できていない様子だ・・・

 

「でも、実際に支給されてないし」

 

 

 

 

 

「本当に愚かだなー。お前たち」

 

・・・まったくだ。愚か過ぎて笑えるよ

 

「なるほど。そういう意味かティーチャー。私たちには1ポイントも支給されなかったということさ!」

「は~?なに言ってるんだよ高円寺!毎月10万ポイント振り込まれるって言ってたじゃないか!」

「私はそんなことは聞いていないがね?」

 

「高円寺の言うとおりだ。まったくなぜここまでヒントを出したのに気がついた者が数人とは」

茶柱先生はあきれながらいった。

 

平田が席を立ち・・・

「なぜ振り込まれなかったのでしょうか?」

 

「遅刻欠席、合わせて98回。授業中の私語や携帯電話を触った回数391回。良くこれだけのことをやらかしたものだ・・・この学校では、クラスの成績がポイントに反映される。査定の結果Dクラスは貰えるはずだった10万ポイントをすべて失った。今月支給されるポイントは0だ!入学式の日に説明したはずだ。この学校は実力で生徒を測ると」

 

また平田が発言をする

 

「僕らはそんな説明受けていません。」

 

「なぜだ?説明されなければ何も出来ないのか?」

 

「当然です!説明があれば私語や携帯を触るといったことはしなかったと思います」

「そーだ!そーだ!」

「説明しなかった佐枝ちゃん先生が悪い!」

 

「それはおかしいな?確かに私はポイントの査定基準などの説明はしなかった。しかし、学校での授業中私語をすること、携帯を触ることはしてはいけないことだと小学校、中学校で習わなかったのか?・・・教わっただろう?それらをすることは悪だと。説明されていればやらなかった?当たり前だろ!やらないのが普通なんだよ!それを説明されなかったからと私を攻める?お門違いだろう?ふざけるな!」

 

やっぱりこうなったか・・・何も考えないで毎日を過ごしているからだ・・・

 

「何の制約もなく毎月10万も使えるはずがないだろう!国が運営している優秀な人材教育を目的とするこの学校で?ありえないだろう?常識的に考えて。なぜ疑問を疑問のままにしていた・・・」

 

 

それでもDクラスの生徒は文句がとまらなかった・・・

 

 

 

 

「おっと、無駄話が過ぎたな・・・これが各クラスのポイントつまり成績だ」

 

Aクラス 940ポイント

Bクラス 650ポイント

Cクラス 490ポイント

Dクラス   0ポイント

 

「おかしくない?」

「Aクラスから順に下がっていってる・・・」

 

「Dクラス以外は1ヶ月暮らすには十分すぎるほど支給されている。」

 

「なんでほかのクラスはポイントが残ってるんだよ!」

「おかしいよな?」

「なぜここまでクラスに差があるのですか?」

 

「理解してきたか?この学校は優秀な生徒がAクラスにダメな生徒はDクラスへ、と。クラス分けされている。しかし、感心もしている。1ヶ月ですべてのポイントを吐き出したクラスははじめてだ!これを見れば誰もがお前らが不良品ということが分かるだろう!」

茶柱先生はわざとらしく拍手をした。

 

 

「ポイントが増える機会はあるのですか?」

 

「あるぞ。そうだなーこの時期でいえば次の中間試験で良い成績をとることだ。だが・・・これを見ろ!」

そういい茶柱先生は大きな丸めた紙を黒板に貼った。

 

「この数字がなんだか分かるだろう?先日やった小テストの結果だ。揃いも揃ってバカ丸出しの点数だな?次回赤点を取ったものには即退学とする」

 

「は、はあああああああ?」

「マジかよ!なんでだよ!」

「勉強なんて出来ないよ」

 

退学はまずいな・・・貰えるポイントが少なくなる・・・

 

「これも学校のルールだ。それともう一つ・・・国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。が・・・世の中そんなうまい話はない。お前らのような低レベルな人間がどこにでも進学、就職できはしない」

 

「つまり希望の進学、就職先にいけるにはCクラス以上に上がる必要があるということですね?」

平田が代弁して発言するが・・・

 

しかし、茶柱先生は・・・

「間違っているぞ平田。希望が叶うのはAクラスに上がるしかない」

 

「そ、そんな・・・」

「みっともないねぇ。落ち着きたまえ」

「高円寺!悔しくないのかよ!Dクラスだったんだぞ!黒金もそうだろ?」

 

・・・なるほど成績トップの俺に振ってきたか・・・

 

「悔しいわけがない。この学校が私のポテンシャルを測りきれなかっただけのこと。私は誰よりも自分のことを評価し、尊敬し、尊重し、偉大な人間であることを自負しているのだよ!学校側がたとえ落ちこぼれでダメな生徒と判断しようと私には関係ないことなのだよ!」

「それに私は高円寺コンツェルンの跡を継ぐことは決まっている。DでもAでも些細なことなのだよ」

 

どうやらあの時高円寺に言ったことは役に立ったみたいだ・・・

 

「中間テストまで約3週間じっくりと考え退学を回避できるように頑張ってくれ。お前らがテストを乗り切れる方法があると確信している」

 

確信している・・・か。まぁ俺には必要ないことだがな。というよりここからだな・・・

 

 

先生が出て行くとすぐに平田が立ち

「みんな聞いてくれ今回ポイントは貰えなかった卒業までこのままとはいけないと考えてる。明日から勉強会を開きたいと思う。それと、入学式のとき自己紹介した人は今日残っていてほしい」

 

最後の平田の言葉でほとんどの生徒が玲二の方を向いた・・・

 

 

フフフ・・・平田が動いたか・・・放課後が楽しみだな

 



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悪魔の誓約

9話目です。


放課後ーーー

 

 

 

 

 

平田が入学式の日に自己紹介したみんなに向かって

「みんな集まってくれてあーー

 

「おい!玲二知っていたのか?」

「何とか言えよ!」

「どうなんだ?」

「俺たちをだましていたんだろ?」

 

玲二の周りをほとんどのDクラスの生徒がいる。

 

「ちょっとみんな落ち着いて!」

平田が押さえに入るが・・・

 

「でもよ平田!玲二は知っていてこの誓約をしたんだぞ?」

「そうだ!そうだ!」

「許せねーよ!」

「知っていたんだろ?玲二!」

 

 

 

 

やはりきたか・・・

「・・・何のことだ?」

 

「しらばっくれるなよ!」

「今日先生が話したことをだよ!知っていて俺たちに誓約させたんだろ?」

 

 

 

 

「分かってるじゃねーか」

雰囲気が変わった玲二にDクラスの生徒は驚いていた・・・

 

「誓約しただろ?こんなに大きな声で話していたらここにいない人に聞こえるぞ?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・もう一度言う。誓約は絶対だ!誓約書にも書かれているだろう?ここにサインしたもの以外に話したら・・・100万prを俺に振込むと・・・いいのか?」

 

Dクラスは静まり返った・・・

 

「・・・さきほど俺に知っていたのか、と聞いたな。・・・知っていたに決まっているだろう?お前らが先月に貰った10万をたったの1ヶ月で消費し、今月まったくポイントを貰えずそのことに対して苛立ち、毎月俺に3万prものポイントを振り込まなければならない。・・・ははは。どうするんだ?おまえら?茶柱先生が言っていた通り不良品にふさわしいものいいだな。」玲二は薄ら笑みを浮かべる・・・

 

 

 

「玲二君・・・」

 

「なんだ?櫛田?」

 

「この前預けた3万pr返してもらえないかな?」

「・・・そうだ。俺も預けたんだった・・・」

「・・・私も」

「わ、私だって預けたもん・・・」

「そうだった。3万はとりあえず返ってくるんだった・・・」

「俺は預けてない・・・マジやべー。どうしよう・・・」

「俺も預けてない。・・・預ければよかった」

「僕は6万預けたから少し貸してあげるよ!」

「本当か?」

「俺も頼むよ。絶対返すから!」

「・・・うん、わかったよ。玲二君そういうことだから預けたポイント返してくれるかな?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・なぜだ?」

 

 

「なぜって・・・この前僕たちのポイントを君に預けたじゃないか・・・」

「そうだ、俺も預けたぞ!」

「そうだ!それに玲二は1000ポイントをくれるって言ったじゃないか!」

 

「・・・知らないな。身に覚えがない」

 

「身に覚えがないって・・・ここで約束したじゃないか!」

「そうだぜ!玲二!」

「ふざけんなよ!約束守れよ!」

 

「約束?した覚えはないが?」

 

「・・・なんで・・・」

「当たり前の要求じゃないか!」

 

「証拠はあるのか?」

 

「・・・証拠?」

 

「そうだ。俺がここにいる人からポイントを預かったという証拠だよ?」

 

「そんなのここにいる全員が証拠だよ!みんなそうだよな?」

「そうだ!」

「そうよ!」

「言ったじゃん!」

 

玲二は考えるそぶりをする・・・

 

「わるいわるい・・・そうだったな!思い出した!」

そう言いながら玲二は学生証を取り出す・・・

 

「ここにそのとき録音したものがある」

 

「なんだよ!じゃーそれを聞けば証明されるじゃねーか!」

「なんだよー。あるなら早く言えよー」

「玲二それを聞いてみろよ!」

「そうだね!それを聞けば分かると思う!」

 

「じゃー流すぞ?」

 

 

 

 

ーーーーー

「本当に作ってくるなんてな!」

「玲二よく作ったよなー」

 

「まぁな!それともう一つみんなに言っておきたい。ここにいる人から3万pr回収させてもらいたい。」

 

「はぁ?何でだよ!」

 

「昨日言っただろう?来月10万pr貰えるかわからないって」

「そして、今サインしたものにも書いてある通り貰えなかったら3万pr払うって約束だろう?払うとき持ってなかったら振り込めないじゃないか。まぁ、あくまでも一時的なもので来月に10万pr入ったら返すと約束するよ」

 

「でもなー」

「まぁ、あくまでも一時的なものだからいいんじゃないの?」

「使い過ぎの抑制にもなるしいいかもしれないよ」

「でも、そのまま取られるかもしれないし・・・」

 

「奪うようなことはしない。できないと学校で決まっているし・・・平田少しいいか?」

「何かな?」

「今から平田の携帯に1万pr送るからそのまま送り返してくれ」

「わかったよ」

俺は平田にポイントを送ったポイントがそのまま俺に送られてくる。

 

「これを見てくれ!」

そういい俺はみんなに履歴を見せる。

 

「本当だー!」

「そうなってるのかー」

「買い物した時の出費したものしか見なかったけど、こうなってるのか」

 

「それともう一つ言っておきたい。俺に3万pr預けてくれたら1000ポイントあげよう。6万pr預けてくれた人には2000ポイントあげよう!しかし、これは来月に10万pr貰えて俺が返すときに一緒に渡そう」

ーーーーー

 

 

 

 

「どうだ?わかったか?」

 

「俺たちがあってたじゃねーか!」

「よかった~。これで今月は平気だね?」

「聞いただろ?玲二。預けたポイントを返してくれ!」

 

 

「本当に聞いていたのか?」

 

「だから聞いてたって!」

「早く返せよ!」

 

「・・・なぜだ?」

 

「なぜって・・・だから、預けたポイントを俺たちに返せばいいんだよ!」

 

「それはおかしいな?これは俺のだ!もう一度録音したものを聞いてみろ!」

 

 

Dクラスはもう一度録音した音声を聞く。

 

 

「どこにも可笑しなところなかったよな?」

「そうだよな?」

 

 

しかし、平田は暗い顔をしていた・・・

 

 

「なら、教えてやろう・・・」

「俺はこう言ったんだ・・・来月に10万pr入ったら返すと約束するよ。続けて・・・それともう一つ言っておきたい。俺に3万pr預けてくれたら1000ポイントあげよう。6万pr預けてくれた人には2000ポイントあげよう!しかし、これは来月に10万pr貰えて俺が返すときに一緒に渡そうと言ったんだ・・・」

 

 

ここで平田が話す。

「つまり、僕たちが預けたと思っていたものは今月10万pr貰えなかったから預けたポイントは返ってこないって言うことだよ・・・」

 

「・・・・」

「・・・な!ふざけんな!」

「ふざけんなよ!」

「こんなの詐欺じゃねーか!」

「そうだ!そうだ!」

「返せ!」

「これからどうしていけばいいの?」

 

 

「どうだ?これで分かっただろ?」

 

Dクラスの生徒はまた静まり返った・・・

「玲二!テメ~!」

「う、訴えてやる!」

「そうだ!先生に言ってポイント返してもらうからな?」

 

「まだ分からないのか?」

 

「な、なんのことだ?」

 

「誓約書にサインした者以外に話すことを禁ずる。話したら100万prだぞ?それでもいいなら相談するといい」

 

「くそ~!」

「みんな、待ってくれ!先生に相談しても解決しないよ!」

「だったら、どうすればいいんだよ!」

平田はうつむきながら・・・

「目をつぶるしかないよ・・・」

 

「な、なんで・・・」

「ど、どうして・・・こうなっちゃったの・・・」

 

Dクラスの生徒は黙り込むしかなかった・・・

玲二の完璧な誓約書、言動などにミスはないのだから・・・

 

「ここでもう一つ言いたい・・・先月分と今月分合わせて6万pr。振り込んでくれよな・・・じゃーな」

 

玲二はそう言い残し教室を後にした・・・

 

「・・・・・」

 

「これからどうするんだよ・・・」

「平田。どうするよ」

「・・・」

「おい、6万なんて持ってないぞ・・・」

「来月になったらまたプラス3万だぞ!」

「くそっ!」

 

Dクラスのほとんどが悪魔との誓約をしてしまった・・・



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10話

やっと10話目にいきました!
では、10話目どうぞ!


教室を出ると携帯がなった。メールだ・・・

 

「・・・一之瀬か」

 

(これから、カフェで話しませんか?)

 

(ああ、いいぞ。30分後でいいか?)

 

(うん!いいよ!)

 

「とりあえず、やることを済ませておくか・・・」

 

 

 

ーーー職員室

 

「失礼します。茶柱先生、いらっしゃいますか?」

 

「ん?佐枝ちゃん?」

 

「はい」

 

「佐枝ちゃんは生徒指導室にいるよ?」

 

「生徒指導室・・・ですか?」

 

「うん。以外でしょ?」

 

「そうかもしれませんね・・・それでは廊下で待たせていただきます。失礼しました」

玲二は職員室を後にする

 

「佐枝ちゃんに用事があるんでしょ?なら、生徒指導室に行こうよ!」

 

「えっと・・・あなたは」

 

「あ、そうだったね。私はBクラス担任の星之宮知恵です!」

 

 

・・・一之瀬さんの担任か

「そうでしたか。先ほどはありがとうございました。」

 

「君は?」

 

「黒金玲二です」

といいつつ頭を下げる。

 

「黒金君か~。君もかなり格好いいね~。モテるでしょ~?」

 

・・・君も?

「いえ、そんなことは無いです」

 

「え~そう?そんなことは無いと思うけどな~」

 

このままではいつまでたっても目的の場所にいけそうに無いので話を切った。

「とりあえず、生徒指導室に向かいますか?」

 

「あ、そうね。行きましょうか」

 

予想外にもBクラスの担任星之宮と生徒指導室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

ーーー場面は変わりDクラス

 

「おいおい、どうするんだよ!」

「ポイントは入らないし、入ったとしても3万はとられるんじゃいつまでたっても0のままじゃねーか!」

「本当に最悪」

「玲二君はどういうつもりなんだろ~?」

「どういうつもりもあるかよ!詐欺だっちゅうの!」

平田が立つ・・・

「これからの方針だけど、さっきみんなの前で話した通りクラスで協力していく必要があると思うんだ」

「そんなこと言っても・・・先生が言ってたじゃないか」

「そうだよ。たとえ私語や遅刻などを直してもポイントが増えることはないって・・・」

「確かにそのとおりだけど、続けていたら増えることは絶対ないよ」

「確かにそうだけど・・・」

「玲二君・・・」

 

 

 

 

 

 

 

一方で玲二はーーー

 

「星之宮先生、なぜついてきたのですか?」

 

「ん~?だって、面白そうなんだもん!」

 

「面白そう・・・ですか?」

 

「うん!だって佐枝ちゃんに用事があるんでしょ?佐枝ちゃんに相談なんておかしいもん」

 

「担任の先生に相談することがですか?」

 

「うん!」

 

・・・なぜだ?まだまだ俺が把握できていない情報がありそうだな。いや、個人的なことか?

 

「着きましたね」

 

「そうね」

 

ガラガラ~

「お?堀北さんと綾小路じゃないか」

 

「玲二か。・・・星之宮先生と何かあるのか?」

 

「いや、職員室で茶柱先生のことを尋ねたらついてきただけだ」

 

「・・・そうか」

 

「やっほ~綾小路くん!」

「どうも」

「何の話してたの?」

 

 

バシーン

 

「いったぁ~。何するの!佐枝ちゃん!二回目だよ!」

「先ほども生徒に絡むなと言っただろ?」

「でも~」

「黒金?どうした?」

 

「授業のことで質問がありまして・・・」

 

「・・・そうか。綾小路、堀北、話は終わりだ」

「わかりました。ですが先生私の考えは変わらないと覚えておいてください」

「・・・わかった」

堀北と綾小路は戻ると思ったが・・・

 

「黒金君に話があるので待っていてもよろしいでしょうか?」

「・・・かまわん」

 

「お前はさっさと戻れ」

「え~、いいじゃん!私も黒金君の話し聞きた~い!」

「授業の質問についてか?」

「うん!」

「はぁ~。これ以上言うなら上に報告するぞ?」

「私はただ佐枝ちゃんと黒金くんの話を聞きたいだけなんだけどな~。・・・まぁ、いっか」

「いいならさっさと行け!」

「は~い。じゃーね、黒金君。また話そうね?」

 

「はい、さようなら。星之宮先生」

 

「で?話とは?」

 

綾小路と堀北さんがいるけどいいか・・・

 

「小テスト、1位だったのでポイントをください」

 

「そうか。今回も1位だったな、わかった。振り込んでおこう」

 

「茶柱先生。次から1位をとったら自動的に振り込んでいただけませんか?毎回言うのは面倒なので・・・」

 

「次も1位をとれるかわからないと思うが・・・わかった。次からもテストで1位をとったら報告なしで振り込んでおこう」

 

「ありがとうございます」

 

 

「話はこれで終わりだな。なら私は職員会議があるから戻るぞ」

そう言い残し茶柱先生は立ち去った。

 

 

 

 

廊下には・・・玲二、綾小路、堀北がいる。

 

 

「黒金君、すごいのねすべて100点だなんて・・・それに綾小路君も」

「なぜ俺が出てくる?玲二よりもだいぶ下だぞ?」

「嫌味ね。あんな点数だったのに」

 

「綾小路は今回のテスト50点だったと思うがどうしてだ?」

 

「簡単な問題を間違えて、難しい問題を完璧に解いていたからよ」

 

「なるほどな。その話も、していたんだな」

 

「ええ、そうよ。・・・本当に綾小路君はAクラスには興味がないの?」

「堀北こそ、Aクラスに随分と執着しているようだな」

「いけない?Aクラスに行きたいと思うことが」

 

「そうだな。俺もできればAクラスで卒業したいな。綾小路は違うのか?」

 

「なれたらいいなー程度だな」

「なによそれ。それに希望する進学先に行くために努力することがいけないこと?」

「いや、自然なことだと思う」

 

「しかし、その希望する進学、就職するためにはAクラスにならなければいけないぞ?」

 

「そうね・・・ところでさきほど茶柱先生に言ってたことどういう意味?」

 

やはり聞いてきたか・・・

「言葉とおりだ。テストでいい点数をとったからポイントを貰おうと思っただけだ」

 

「それはおかしいわ。茶柱先生は最初テストでいい点数を取っただけじゃポイントを貰えるとは言ってなかったもの」

「確かに言ってはなかったが・・・」

 

「そうだな言ってはなかったが、貰えないとも言ってない。それに一番最初に言っていただろう?実力で生徒を測るって、だから学業もひとつの実力だと思ったんだ」

 

「・・・なるほど、そういうことね」

「よく気がついたな、玲二」

 

「綾小路も気づいていただろう?」

 

「・・・いや、全然気づかなかった」

 

「そうか?まぁいい」

 

「ポイントはどれくらい使ったのかしら?」

 

「ん?俺か?」

 

「そうよ。綾小路君も」

 

「俺は1万くらいかな?」

 

「俺は2万くらいだ」

「私も2万くらいかしら・・・それにしても黒金君はよく1万で過ごせたわね?」

 

「そうだな。ここにはいろんな施設に無料のものが多いからな」

 

「それにしても、10万も貰えば少し贅沢したくなると思うのだけれど・・・」

 

「そうか?まぁ、確かにほとんどの生徒は使い切っていたしな。でも、堀北さんとほとんど変わらないと思うけど?」

 

「そうかしら?」

 

「堀北さんこそ女の子だしいろいろ必要なんじゃないか?」

玲二がそういうと堀北は綾小路のことを睨んだ。

 

「ん?どうした?」

 

「・・・いえ、綾小路君にセクハラされたことを思い出したのよ」

 

「セクハラ?」

綾小路のほうを見ると・・・全力で顔を横に振っていた。

 

「してない。してない。」

「したじゃない。初対面の人に対してかみそりでーーー」

「してない!」

「まぁ、いいわ。二人にはお願いがあるの」

「なんだ?」

 

「お願い?」

 

「私がやることはまず私が本当にDクラスなのか確かめること。もし本当ならAクラスを目指すこと。いいえ、かならずAクラスになる!」

「相当大変だぞ?」

 

「そうだな、現実的じゃない。遅刻や居眠り、授業中の私語をやめて、なおかつテストの点数を上げて要約±0だ!」

 

「玲二の言うとおりだな」

「・・・わかってるわ。出来れば学校側のミスであることを願うわ」

 

そういえば、このあと一之瀬さんと話があるんだったな・・・

 

「痛って!」

 

「どうした?」

 

「なんでもない」

綾小路は脇腹を抑える。

 

「そんなことより、すぐに改善しないといけないことは三つね。遅刻と私語。それから中間テストで全員が、赤点を取らないこと」

 

・・・最初の二つは何とかなるがテストはな~

 

「そこで、綾小路君と黒金君に協力してほしいの」

 

「「協力ぅ~?」」

 

バシっ!

 

「「痛て!何するんだよ!」」

 

「仲いいわね?」

 

「そうかもしれないな」

 

「暴力反対!俺は協力しないぞ!」

「いいえ、綾小路くんは協力してくれるわ。・・・協力してもらえるわよね?」

「断る!」

「ありがとう。綾小路くんなら協力する、そう言ってくれると信じてた。」

「ちょっと待て!しっかり断っただろうが!」

「いえ、私には協力させてくださいと聞こえたわ」

 

・・・怖っ!

 

「黒金君もいいわよね?」

 

「いや俺は役に立てないと思うぞ?」

 

「私よりも良い点数を取っておいてそんなことをいうの?それに、いち早く学校側の意図に気づき行動できるのだから凄いわ」

 

「そこまで言ってくれるとは思わなかった・・・多少の協力はする。が、決定権は俺にしてくれ」

 

「・・・まぁいいわ。とりあえず綾小路君は確保できたし」

 

「ありがとう」

 

「おい、玲二!俺を売ったな!」

 

「そんなことはない。・・・あ、悪い。このあと約束があるんだった。また明日な!」

 

「待って、黒金君。・・・これ、私の連絡先あとで連絡するわ」

 

「わかった。また明日な!」

 

「ええ」

 

 



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