極天に咲く桜花 (ゾディス)
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1話

 生前、私は大切な人たちと最後まで共に在ることができなかった。

 病、時流。そうあれなかった理由はいくつかあって、それがどうしようもないことだったとも理解している。仕方ないことだったのだと、頭のなかではわかっていた。

 

 それでも——それでも私は、最後まであの人達とありたかった。共に剣を誓い、時代を駆け、戦った彼らと最後まで。

 剣が折れたら鞘で、鞘が折れたら素手で。たとえ命を散らすことになろうとも構わない。軒先でのどかな光に包まれ、空を仰いで病に伏せるならば、彼らと共に走り続け、無意味な死に果てる方がずっと良かった。

 最後まで、あの人達と肩を並べて戦いたかった。

 

 

 故に、私の聖杯にかける願いは『最後まで戦い抜くこと』だった。その願い(こうかい)を胸に、私は剣士(セイバー)の英霊として現界することとなる。

 

「は、はじめまして。マスターの藤丸立香です。とりあえず、よろしくね、沖田さん」

 

 私を召喚したあなたを見て、最初はひどく頼りないように思えたものだ。

 何人もの英雄を従える彼らの(マスター)としては、あまりに未熟で弱々しい。魔術に長けているわけでもなく、武の心得があったわけでもないし、知識に秀でているわけでもない。おまけに、どうも根性が足りてない気がしてならない。

 正真正銘の一般人。それが私のマスター、藤丸立香に対する第一印象だった。

 

 けれど、聖杯探索(グランドオーダー)の旅を続ける中で、その認識は間違いだと気付いていく。

 

 あなたは一度として諦めようとはしなかった。

 強大な英霊を前にして足を震わせることもあったけれど、逃げ出すことはしなかった。怖いだろうに、逃げ出したくて仕方がないはずなのに、最後の最後まで、あなたの心が折れたことは一度もなかった。

 相手を煽って、虚勢を張って。一騎当千の力を持つ英霊(わたしたち)でさえ臆するような状況になっても、あなただけは膝を折らず、まっすぐ前を見据えていた。

 

 あなたは優しかった。

 人斬りだった私を、少しだって怖い顔をせずに受け入れてくれた。怖がるどころか、私のことを凄いと褒めてさえくれた。慈しんでくれた。生きていた時分、子供達の他は誰しもが私を避けて通ったというのに。

 いいえ、私だけじゃない。善人とは呼べないような、悪人としか言いようのない英霊達に対しても、敵であった英霊であっても、あなたは彼らに怯えたり、彼らを蔑んだりしなかった。どんな英霊の過去も受け入れ、尊重するだけの心の広さがあった。

 

 あなたはそれを「流されやすいだけ、深く考えてないだけ」と言ったけれど、そうは思わない。

 私ならきっと許せなかったろう。私なら、平然と人を殺したような輩を受け入れることができるとは到底思えない。きっと蔑み、遠ざけただろう。

 私ならきっと信用なんてできなかっただろう。背中を任せるなんて以ての外、仲間だなんて微塵も思えなかったに違いない。

 それができる優しさは、私はあなたの強さだと思えた。

 

 一つ一つ、全ての特異点を踏破していくにつれ、あなたは見違えるほどに変わっていった。少しずつ仲間の英霊を増やし、ついには6つの特異点を修正してみせるまでに。

 そうなってからも、あなたは英霊(私たち)を分かろうとしてくれた。そのことが、私はとても嬉しかった。もっと私を知ってほしいと、心から。

 

 不意に気づく。

 いつからだろうか、あなたのことを目で追ってしまう私がいた。あなたのことを考えると、心を高鳴らせている私がいた。

 色恋沙汰に疎い私でも、これが恋なのだと理解するのにそう時間はかからなかった。

 生前は殆ど覚えなかったこの感情を、私は二度目の、この呪われた第二の生で初めて経験することになったのだ。

 

 私を召喚してくれたあなたと共に、今度こそは、たとえこの霊基(からだ)が砕けるとも、あなたの剣として共にあり続けたい。

 あなたが人類史(みらい)を取り戻し、再び日常を歩き出す最後の瞬間まで、あなたと共に戦いたい、あなたと一緒にいたい。

 そう思った。

 

 けれど、この気持ちを伝えてしまうことはきっとあなたの為にならないだろう。だから、(かお)には出さないで、心の中に秘め続けた。

 この想いを口にしてしまえばあなたが前に進むのに邪魔になってしまうのではないか。そう思うと怖くなって、伝えることだけはできなかった。

 

 人類史を取り戻した時、あなたが未来へ歩き始める時、私はあなたの隣にはいられない。この想いを伝えることは、あなたが亡霊に囚われることになると思ったから。

 

 

「あなたがマスターで、本当に良かった」

 

 私の言葉に、「そっか」と照れ臭そうに、それでいてちょっと残念そうな顔をして頰をかくあなたを見て、ほんの少しだけ罪悪感に苛まれる。

 本当なら、そんな言葉では全然足りなかった。そんなものではないと、心の奥底で叫んでいる私がいる。悟られまいと言葉を変えて送った私自身の言葉に、私自身が傷ついた。

 

 あなたが好きなのだと、いつまでも隣にいたいのだと。

 私の(こころ)はここにあるんだと。

 

 本当は伝えたくてたまらなかった。

 

 

 それでも、この想いは伝えない。伝えるべきではない。

 私は死者で、彼は生者。どうあっても共に歩むことは叶わない。

 

 だからこそ。これは、この想いは、藤丸立香(生者)に仕えた沖田総司(亡霊)だけの宝物で良い。報われなくても構わない。あなたが笑って未来へと歩んでいけるなら、それだけで十分だ。

 そう言い聞かせて、私は今日もあなたの為に剣となる。

 

 ◇◇◇

 

 彼女を召喚したのは、第二特異点の最終局面でのことだ。最後の戦いを控えた俺たちは、少しでも戦力を強化すべく資源を投じ、サークルを回した。

 

 

「新撰組一番隊隊長、沖田総司推参」

 

 彼女が現界し(あらわれ)た瞬間、幻の桜が舞った。

 

「あなたが私のマスターですか?」

 

 彼女の声が響くたび、心の中を春風が吹き抜けた。

 

 

 それはまるで桜のような、暖かな雰囲気をまとった少女。それが、沖田総司だった。

 

 桜色の袴に、うっすらと桃色を残す白髪は後ろで束ねられ、黒いリボンで結われている。双眸に宿るのは透き通った真鍮色の瞳。

 史実とは大きくかけ離れたその姿を目の前にして、少なからぬ驚愕に襲われたのを覚えている。けれど、そのことに対して違和感を覚えたわけではなくて、むしろ俺の目には好ましく映った。

 

 いいや、この際だ。はっきり言ってしまおう。

 

 俺は彼女に一目惚れした。

 彼女は俺にとっての春そのものだった。

 

 薄い桜色の髪に、黄金色の瞳、桜色と臙脂色の袴。ぴょこんと跳ねたアホ毛。

 その全てが愛らしく見えた。出会ったその瞬間、俺はあっさりと恋に落ちたのだ。

 

 どんな人物かもほとんど分からない、「沖田総司」という人物であるということしか知らないにも関わらず。

 

 

 話すに連れて、彼女が明るく活発な少女だと知っていく。

 

 甘いものが好き。

 嫌いなものはないけれど、沢庵は遠慮したい。

 主従はよく分からない。けれど、マスターとは近藤さんや土方さんと同じように、身内のような間柄でありたい。

 

 願いが叶うのなら、病弱な体を治したい。

 

 嬉しそうに、あるいは呆れ混じりに笑いを浮かべた。懐かしむような表情を見せたと思えば、その顔にわずかに影を落とすこともあった。

 彼女は表情をコロコロと変えてみせた。そんな彼女を見て、彼女を理解できた、上手くやっていけそうだと安心したものだ。

 

 

 けれど、それはあくまで彼女の一面でしかなかったと俺は思い知る。

 

 暫くの後、薔薇の皇帝ネロ・クラウディウスと共に、敵方の首魁であるランサー・ロムルスと相対した時。

 

 史実通り天才的と称された剣技をもって、彼女は瞬く間に彼を追い詰めていく。そこに一切の容赦はなく、病弱に血を吐きながらも刀を振り抜く彼女の表情には、文字通り鬼気迫るものがあった。

 

 新撰組。江戸時代末期、京の街にその名を響かせた人斬り集団。

 その中でも屈指の実力を誇るとされた彼女を見て、俺は怯えた。彼女を怖いと思った。血みどろの壬生狼が、俺は怖かった。

 冬木の町とオルレアン、そしてこのセプテム。戦闘には慣れてきたと自負し始めた直後に、あっさりとその自信を覆されてしまったんだ。

 

 特異点を修正しカルデアへと帰還した後も、召喚直後とは反対に彼女のことを心なしか遠ざけようとする俺がいた。

 それを知ってか知らずか、彼女の方も俺に進んで近づいてくるようなことはなかった。

 これまで召喚に応じてくれたどの英霊も受け入れることができた俺にとって、沖田総司は初めて「受け入れられない」と、そう思ってしまった英霊になった。

 

 

 オケアノスの海の上で波に揺られながらに夢を見る。

 

 血に染まる平野、あたりに充満する硝煙、地面に突き刺さった、あるいは折れて転がった無数の刀。

 登りゆく太陽へと歩いていく幾人もの侍たち。

 

 彼女(オレ)は手を伸ばす。

 伸ばした手は吐き出した自らの血に塗れ、病に侵された体は立ち上がることを許さない。

 

『おいていかないでください』

 

『私も一緒に連れていって』

 

 叫ぶたび、言葉と共に血が空を舞った。しかしその声が届くことはなく、一人、また一人と彼らは消えてゆく。

 日本の夜明けと共に散っていった彼ら(なかま)を、彼女(オレ)はただ1人、床につきながら見送った。

 

 なんで私は、私だけは。

 

 それは何に対する怒りの慟哭なのか。誰に対する憎しみの怨嗟だったのか。それを真に理解することは、果たしてなかったけれど。

 たった一つ、彼女の(まこと)の願いを俺は知った。血を吐き膝をついてもなお立ち上がり剣を振るう彼女を、俺はようやく理解した。

 

 

 目を覚まして、近くで眠る彼女を見やる。すうすうと寝息を立てるその姿からは、血に飢えた狼のようなあの姿を想像することは難しい。

 どこにでもいる、普通の少女の姿がそこにはある。

 

 何も知らず怯えた自身に腸が煮えくり返り、自分の勝手さに反吐が出そうだった。

 ほんの一面を知ったにすぎない俺が、それだけで彼女を理解できたなど。挙句、新しい一面を知った途端に怯えて遠ざけるなどと。ふざけるにもほどがある。

 

 でも、だからこそ。

 俺はもっと彼女を知りたいと思った。

 

 彼女の悔しさを俺は理解したかった。

 その悔しさに泣いた彼女も、あどけない笑顔を見せてくれる彼女のことも、刀を構えて敵を睨む彼女のことも、もっと知りたい、分かってあげたい。

 他でもない、俺が理解(わか)ってあげたいと。

 

 今度こそは、心からそう思えたんだ。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

「それは嘘ですよね、沖田さん?」

 

 私、嘘には敏感なんですよ? そう言った狂戦士(きよひめ)の顔は、にこやかな笑顔とは反対に、微塵の暖かさもたたえてはいなかった。

 

 (マスター)はあなたのことを慕っている。

 そう告げた彼女は悲しげではあったけれど、どこか優しげだった。

 

「あの方は嘘をつきませんでしたから。いつもならきっと、嘘でも本当でもないことを言って私のお誘いを逃れてしまわれるのに、今回だけはそれはもうハッキリと言ってくださいました」

 

「それが嬉しかった。あの方に、憎むべき嘘をもって私に愛を告げられる……そんなことにならなくて」

 

 本当に良かった。うっすらと涙を浮かべながら呟いた彼女は、一転して私を睨みつける。

 

「沖田さん、もしあなたが自分にまで嘘をつき、ますたぁを悲しませるようなことがあったなら。その時は私が——」

「侮るなよ、清姫(バーサーカー)

 

 思うよりも早く、口から言葉が飛び出た。理性が制止するより早く、瞳は眼前の少女を睨み返した。

 

「どうあっても、私はあの方を、マスターをお慕い申し上げています」

 

 今ここ(カルデア)にいる誰よりも。目の前の清姫や、あのシールダーの少女よりもずっと。

 でも、だからこそ。

 

「私はマスターの悲しむ顔を見たくはない。私を思って、彼が立ち止まるようなことがあってはいけない」

 

 だから何も告げはしない。何も言わないまま、彼の行く末を笑顔で見送ろう。

 

「それは——」

 

 傲慢だ。彼女に指摘されるまでもない。我ながら思い上がりも甚だしいと呆れ果てる。

 

 しかし、続いた言葉は、私の予想からは大きく外れていた。

 

「それは、あなたが逃げただけでしょう。失うことが、あの方の中に存在を遺してもいつかは忘れられてしまうことが、あなたは恐ろしいのでしょう?」

 

 何も言わずに背を向けた。否、何も言い返せはしなかった。

 自覚していなかっただけで、きっとそれは図星だったから。

 

 いつか忘れられてしまうのなら、いっそ覚えられないままで良い。

 

 心のどこかで、そう思っていたから。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

「君が沖田に、か……」

「やっぱ、変だよね……」

 

 7つ目の特異点に挑む直前、ついそんな言葉を漏らす俺がいた。チラチラと周囲を伺って浅葱色の羽織がいないのを確認する俺を見て、目の前の彼はこれ見よがしにため息をつく。

 

「サーヴァントの見てくれは人間のそれだからな。好意を抱くことだってあるだろうさ。そう自分を蔑まなくていい」

「……そっか」

 

 自虐的に呟いた俺を、弓兵(エミヤ)は否定せずに認めてくれた。俺を見る瞳がどこか別の場所を見ているようにも思えたけれど、かえってそれがどこか心地よく感じられた。まるで何かを重ねているような、そんな瞳。

 

 けれど、続いた言葉にその暖かさはなく。

 

「だがなマスター。俺たちが本来は何であるか、それだけは忘れるなよ。本来相容れない存在だと肝に命じておけ」

「そ、そんなこと」

 

 分かっている。

 そう繋ぐ前に、エミヤはすかさずこう告げた。

 

「君が思っているよりずっと、その道は優しくはない」

「っ……」

 

 

 ——分かっている。本当は分かっているんだ。この恋が俺の望む形で実ることがないことくらいは。

 エミヤが言った通り、彼らは結局死者でしかない。いつか、それも遠くない未来に、俺は彼らに別れを告げる時が来ると。全てが終わったその時には、誰一人の例外なく、俺の前から消えてしまうのだと。

 

 

 でも、だからって諦められる程度のちっぽけなものでもない。未来が決まっているからと、それで諦めるようなしょぼくれたものなんかじゃない。

 

 エミヤの言葉にはなにも返さず、無言で立ち上がる。

 

「……ご馳走さま」

「……あぁ、お粗末様」

 

 ぼそりと発した礼の言葉を、彼は一呼吸遅れて返事をよこした。

 

「……私とてよく覚えているわけでもないというのに、なんとも偉そうに語ったものだな」

 

 そっと呟かれたエミヤの一言を聞くこともなく、俺は食堂を後にする。

 

 人理を修復した後、この世から沖田総司という英霊(そんざい)は消えて無くなる。この想いは行き先を永遠に失うことになる。

 きっとそれは苦しいことだ。ドラマや小説のように、彼女との記憶さえあれば良いなんて、そんな生易しい未来ではないということは容易に想像できる。

 

 それでも、それでも俺は、その程度のことでこの想いを、俺自身の気持ちを否定したくはない。この旅がなければ起こり得なかった出会い(うんめい)を、俺は否定したくない。

 彼女とともに歩んだ軌跡は、まぎれもない事実なのだから。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 冠位時間神殿。あらゆる時間と隔絶された虚空に浮かぶ獣の領域。

 7つ目の聖杯が示したその空間に、全ての元凶たる魔術王は居を構える。

 

 果てしない道のり、厳しい戦いの果てに、彼らは数多の英雄と縁を繋ぎ、絆を結んだ。

 

 溶鉱炉 ナベリウス、情報室 フラウロス、観測所 フォルネウス、管制塔 バルバトス、兵装舎 ハルファス、覗覚星 アモン、生命院 サブナック、そして廃棄孔 アンドロマリウス。

 無数の魔神柱を前にして助太刀に現れた古今東西の英雄たち。

 誰も彼もが先に行けと背中を押してくれた。

 

 Xの座、廃棄孔の一端で黒衣の復讐者(きょうはんしゃ)に見送られ、遂に玉座への道が開かれた。

 

 全ての決着の地へと一歩、また一歩と歩を進める。

 黒幕たる魔術王の消滅と、カルデアへの帰還をもって、聖杯探索(Grand Order)は完遂される。

 全てが終わる。

 

「ようこそ諸君。 早速だが死に給え。 無駄話はこれで終わりだ」

 

 玉座に至り、魔術王(ソロモン)が姿をあらわす。

 御使いの柱を顕現させた(ビースト)を前に、少年は令呪を掲げ、呼応するかのように前へ進みでた。

 その額には、生前の少女の全てを体現する誓いの鉢金。主人と仰ぐ少年との深い絆の証。

 

「行くよ沖田さん(セイバー)

「お任せを、我が主(マイ マスター)

 

 少年の声に背中を押され、少女は翔ける。

 愚かと嗤う魔術王の心臓を穿たんと刀は閃き、無駄と蔑む男の首を刎ね飛ばさんと刃は(はし)る。

 

 

 生者と死者という枠組みを超えて想いを告げることを望む藤丸立香。

 死者という立場ゆえに、自らの想いを封じ込め告げないことで、愛する主君の幸せを願う沖田総司。

 互いを好きあっていながらも、その形は正反対で、だからこそ、彼らの好意はすれ違い続けたまま結末へ至る。

 それでも、彼らが互いを想うことに変わりはなく。

 

 

 盾の少女の一撃を受け、魔術王が無防備な体躯を晒す。その瞬間を、彼らは決して逃さない。

 

「令呪をもって命ずる——」

 

 令呪が輝く。少年の令呪から送り込まれる膨大な量の魔力が、少女の体へと流れ込む。

 

「トドメを刺せ、セイバー!」

 

 暴れ狂うほどの魔力が身体を駆け巡り、少女の力を跳ね上げる。

 

「一歩音越え、二歩無間……三歩絶刀——」

 

 

——これからもずっと、君と一緒にいたいから

 

——この先もずっと、あなたに笑っていて欲しいから

 

 

魔術王(きさま)は必ず討ち倒す。

 

 

 防御姿勢を取る間もない。魔力に後押しされて、文字通り光速で駆け抜けた彼女は放つ三段突きを放ち。

 

「——無明 三段突きッ!」

 

 真紅の桜が、極天に花を咲かせた。

 

 

 





読了してくださった皆さんに、正直謝罪したい作者です()

このたび、Twitterで開催された「好きなものに忠実に書く」という企画に参加させていただきまして、このような作品を書くに至りました。
ぐだ沖という推しCPを、自分がこうだろうと思う在り方で書くのは至極簡単で楽しい……はずだったのですが、実際には、書き始めてから何度も壁にぶち当たり、ぶっちゃけ書くのが辛かったです。あとがきに移ってからも「これで良いのか」と悩み続けていたり。

しかし、今回は「好きに忠実」が大前提。他人の声など知ったことかと、途中からは割り切って書いていました。 「こんな世界もあるのかもな」とゆるく見ていただければ幸いです。

最後に、今回の企画を主催してくださった亜梨亜様と、今作を書くにあたり相談に乗ってくださった皆様に感謝を。本当にありがとうございました。


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