被弾の転生者 (島夢)
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1話 「で?またか?」

息抜きですので、早くても一週間に一度の更新です…
遅くても一ヶ月に一度は更新します
では本編をお楽しみください!


ちなみに、超短いです第一話。
しばらく短い話が続くかと思われます。
あらかじめご了承ください。


「で?またか?そろそろ天国に行きたいんですけどねぇ?」

 

 

少し刺々しく目の前のロリ幼女に言ってみる

 

 

「むりじゃのう…ハハハハハ!!!おぬし、また変な死に方しよって!ハハハハハ!!!

わしの仕事が増えるからさっさと普通に死んでくれんかのう?」

 

「………」

 

「………」

 

 

 ロリ幼女がそういってきたので無言でにらみ合う…。

 

 

「変な死にかただとぉ!?なんで元民間人の俺がなんであんなとんでも戦争に参加せにゃならんのだ!!!」

 

「おぬし元とか言っておるが民間人だったのはおぬしの体感で十数世紀はまえ話じゃろうが!!!」

 

「いやいやいや!元々お前がミスって俺を殺したのが原因だよねぇ!?そして転生させてくれるって言った!」

 

「じゃから転生させたじゃろうが!!」

 

「ああ、転生させてもらったさ!とんでも超人のたくさんいる戦場に5-7一丁だけ持たしてなぁ!!!!しかも転生先を言わずに5-7だけ渡してぽいっと…ふざけんな!!!」

 

 

 転生させてくれるのは嬉しいが銃を持ったことない民間人に銃渡してぽいってふざけてんのか!?

 

 

「じゃがおぬしはそれでも生き残ってその戦争ばかりだった世界を平和にして英雄になったではないか!

なのに…それなのに!どこかの主人公みたいに行方をくらますのはよかったのじゃが…海の近くの横断歩道でつまずいてそこにかなりでかいトラックが来て、戦場でつちかった経験をいかして避けた先に女性がいて、不思議な身体能力を発揮して空中を蹴ってもとの場所に戻ってよく見たら自分以外に幼女がこけてて、それを助けようとしてたらトラックがきて幼女を横断歩道から横断歩道の外に投げて、外にいた保護者に受け止めてもらい自分はトラックに引かれてそのまま跳ね飛ばされて運悪く跳ね飛ばされた先にまたトラックが来てさらにひかれてそのまま海へどぼんして両手両足が折れてしまっていて泳げずそのまま水没死ってなんなのじゃ!!!!!!!!!!」

 

 

 そう…一回目の転生はそんな死に方だったなぁ…。

 でも息が二十分ももったのに発見してもらえなかったんだ…仕方ないだろ?

 俺が今まで転生した世界は数知れず。

 すべての世界で5-7を使って戦った。

 いや超能力とかは…少ししか…たたかったこと…あったなぁ…。

 

 でも前々回と前回がやばかった。

 

 そこでの死因は…聞かないでくれ…。

 

 

 

「次はのう…」

 

「おい…無視か?」

 

「緋弾のアリアの世界に行ってもらうぞ?」

 

「そうですか…正直原作なんてかなり読み直したけど忘れたよ…読んだことあるのはわかるんだがな…」

 

 

 何世紀も前に読んだ本なんて忘れたよ…でも確か、かなりお気に入りだったな。

 

 

「大丈夫じゃ!おぬしは今じゃ銃の扱いに関しては負けなしじゃろうしな!」

 

「お前のせいでこうなったんだがね?」

 

「元々はおぬしが悪いのじゃろう? 変な死に方ばかりしよって…神とこんなに交流したのはおぬしが初めてじゃ!」

 

「お前神なのになんでそんな見た目なんだ?」

 

「なんじゃ? 惚れたか?」

 

「いや、可愛いとは思うが、なんでもっと威厳のある姿にならないのかなぁと」

 

「…ほっといてくれなのじゃ…」

 

「あ…あぁ、わかった…」

 

 

 さてと…そろそろ行こうかな…。

 なんども転生したおかげでどうやって行くのかわかってるしなぁ…。

 真っ白い空間の中に佇む、これまた真っ白い扉に目を向ける。

 

 

「じゃあな、またここにくるかもな?」

 

「そうじゃな、きそうじゃな…おぬしなら」

 

 

俺はそういった後、光の中に飛び込んだ。

 

 




経験がチートです、色んな人と戦っている人です
ちなみに主人公の持っているFN5-7はなんの改造もされてない普通の5-7です…今はね?
では感想待ってます!
次回もお楽しみに!
何度も言いますが息抜きです!でもアリアも好きなのでしっかり書いていきます!







2015年3月21日修正


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2話 「眠れ安らかに…」

お久しぶりです一週間ぶりですね!
東方ssも見ているかたは久しくないかもしれませんが!
一週間って久しいのか?
一話更新に一ヶ月かかるかもと言ったな?あれは嘘だ
こんなとこでネタ言ってすいませんでした
感想ありがとうございました!
では第2話!ゆっくりしていってね!


 今は転生して結構たった肉体年齢14歳。

 物心ついたときには当たり前に前世の…そして前々世のそしてさらにってもういいか…まあ、たくさんの前世の記憶を持っていたって感じだな。

 後、この世界の親はいなかった、物心ついたときには銃が必要な状況下で…はあ…色々殺し合いとかした。

 さて、俺は今…普通にロンドンを歩いている…いや、普通にではないな。

 多分原作開始2年前…俺が原作キャラたちと同い年なら…だがな。

 まあ、原作にはかかわっても関わらなくても正直どっちでもいい。

 俺が今している仕事は…

 

 

『ゴースト?ターゲットはわかった?』

 

 

 殺し屋だ。

 まあ、お似合いだろう…今までも散々人を殺してきたんだ…。

 この通信相手はパートナーだ、通信によるバックアップをして貰ってる。

 名前はフィール・モールス。

 

 美少女だ…なんで俺がこんな報告してるんだ?

 いやまあ美少女だと思うがな。

 金髪ロング碧眼の美少女だ、年齢は俺と同じ歳だ、14歳にしては胸部に豊満な双丘を持っている…触れてみたいなぁ…殺されそうだからやらないけど…。

 なんでこっち側(裏社会)の世界にいるのかは知らない。

 いつか表に戻してやりたいな…武偵になりたかったって言ってたな。

 能力的には簡単にいけるだろう。

 

「ゴーストって言うのやめてくれよ、フィール」

 

『ごめんなさい、でも仕事中はコードネームのほうがよくないかしら?』

 

「いやいや、もともと俺にコードネームなんてないだろ?仕事してたら勝手に呼ばれ始めただけで…」

 

 

 なんでも幽霊を相手にしているみたいに攻撃がまったく当たらないからだとか…。

 お前らが当てないだけだろ。

 後、通信は俺以外には聞こえないので小声で話している…ケータイじゃないから独り言に見えるんだろうなぁ。

 

 

『あと、ちゃんと質問に答えなさい、ターゲットは?』

 

「わかってる」

 

『そう、ならいいわ…ターゲットは自宅でお金を数えているわ、詐欺で集めたお金をね…少し詐欺をやりすぎて恨みを買ってしまったってとこかしらね?』

 

「そうかもな」

 

 

 俺はそういいながらその詐欺師とやらの家に向かっている。

 …あそこか…。

 部屋を見つけた。

 どうやって入ろうか…正面から入ってもいいけどな。

 そんなことを考えてるとフィールからの通信。

 どうでもいいけどフィールってしゃべり方が妙に大人だな…いや、本当にどうでもいいけど

 

 

『ねぇ、どうやって入るつもりなの?』

 

「ん?正面から堂々と入ろうかなと…」

 

『そう…まあそれ以外ないかもね、窓から入ってもいいんじゃない?』

 

「いや…窓は全部閉まってるし…」

 

 

 全部閉めてあるんだよなぁ。

 だから入ることはできないし。

 

 

『それだと扉も閉まっているでしょうに…』

 

「まあ…確かに…」

 

『まあ、そこのビルのセキュリティーは簡単に破れるけどね』

 

「え?悩んでた俺がバカみたいじゃん…」

 

『ほら、さっさと行きなさい』

 

「はいはい…」

 

 

 そのターゲットの部屋の前で俺は立ち止まる。

 

 

「んで?どうやって開けるんだよ」

 

『カードキー…行く前に渡したでしょ?』

 

「え?コレで開くの?」

 

『その後に私がパスワードを見つけるから、それをアナタが入力するの』

 

「なるほどね…流石フィール、可愛い顔してやるねぇ」

 

「バカ言ってないでさっさと入力しなさい」

 

 

 カードキーを使い、パスを入力する。

 うん、開いたな…流石フィールだ。

 侵入方法考えてた俺がバカみたいだな!

 

 少し豪華な部屋ってくらいだな…。中に入った俺は考える。

 どこにターゲットがいるかは勘って言うか気配ではっきりわかる。

 長年戦場に身をおいてきたんだからこれくらいは出来て当然だ。

 通信機のスイッチをオフにする、フィールがどうしても言っておきたいことがあったらフィールのほうから通信はつなげられるけどな。

 

 

 

 

 

 

 銃のセイフティーを解除してそいつがいる部屋に入る。

 ターゲットはニヤニヤしながらこっちを見ている。

 部屋に入った瞬間にターゲット…ではなく、右に銃口を向ける、そしてそちら側を見ずにターゲットを見たまま何のためらいもなく引き金を引く。

 カキィッ!!と何かにあたった音がした…。

 何かって言うか…銃だ、銃に銃弾を当てた。

 少女が俺に向かって銃口を向けていた、入ってすぐ撃てるように、奇襲をかけたかったのだろうか?

 気配をよむのは得意だから簡単にわかったが…。

 かなり隠れるのがうまかったな。

 視界の端に入った少女は驚愕の表情を浮かべている。

 日本人…?

 まあいい、それよりターゲットを始末しないとな。

 ターゲットに銃口を向ける。

 もうすでにニヤニヤした余裕の表情は消え去って、完全に怯えている。

 

 

「た…助けてくれ…た…頼む…か、金なら…やるから…い、いくらでも…」

 

 

 なんか言ってきた…俺は少女を警戒しながらターゲットに返答する。

 見事な速さの手のひらクルーだな。

 

 

「そうか、それは魅力的な提案だな。だが、それで俺の依頼者の恨みがはれるのか?金を貰って殺すのをわすれちゃただの人殺し、そして、金をもらってうらみも貰っているんだ。その分、きっちり返してやる、それが俺の仕事だ。ちなみに今回の依頼料金は23ポンドだ…」

 

「に…にじゅう…さん? …たった…それだけで…?」

 

「この23ポンドってのはお前のせいで家族も、友人も死に、それでもなお金をため、俺に依頼した依頼主の覚悟の数字、恨みをあらわした数字だ。この23ポンド…職もない依頼主はどうやって稼いだんだろうな?まあ、俺に出来るのは恨みをはらすことだけだ。

 

 眠れ安らかに…赦しは請わない、せいぜい恨めよ、恨むのは死んだあとでも出来るからな」

 

 

 俺は引き金を引く

 ダンッ…。

 という音が家に響く…そこそこ豪華な家だけあって防音性が高く、音がもれないことはもうすでに確認済みだ。

 そしてターゲットが座っていたところには物があるだけだ…。

 人間の成れの果て…怯えた表情のまま…ただの人だったモノだ。

 死ぬときにこんな顔しかできない死に方が一番嫌な気がするな…。

 

 

「まあ、殺されて安らかに眠るのは難しいかもしれないだろうけどな…」

 

 

 さてと?この少女は?

 

 

「なあ、そこの可愛いお嬢さん」

 

 

 少女は日本人だろう、長い黒髪…美少女だな…とても顔は整っている。

 顔に幼さが残るため、同い年くらいだろうか?目は少しツリ目だな。

 そして胸がかわいそうなことになってくる大きさだ…いや、それもいいと思うよ?美少女だし。

 

 

「………なに?」

 

 

 少女は警戒しながら答える。

 いや、俺から見たら簡単に殺せそうだが…。

 それは本当に警戒しているのかい?

 いや、こんな少女にそこまでの技術を求めるのはおかしいか。

 

 

「名前はなんていうんだ?」

 

 

 少女はチラッと一瞬弾き飛ばされた銃見た。

 駄目だなぁ…取りに行こうとしているのバレバレだぜ?

 飛ばされたときに確認するべきだ。

 今確認したら次の動きが相手にわかっちまうぜ。

 

 

「………」

 

 

 だんまりか…。

 まあいいや。

 それにしても、美少女ににらまれるのって結構いいな!俺Mじゃないんだけどな、にらまれるのもいいけど、涙目にさせてやりたいねぇ…。

 俺は銃をショルダーホルスターにしまい、少女を無視して帰ろうとする。

 すると少女はバッ!と服を翻して銃のところまで一瞬で距離をつめ拾って撃ってくる。

 本当は銃を拾うのも邪魔できたんだが…。

 普通の人、というか人間の動体視力では見えない速度で銃をホルスターから抜き、銃弾を撃ち、ホルスターにしまう。

 俺が放った銃弾は少女の撃った銃弾にぶつかった。

 まあ、俺がやったことは簡単銃弾に銃弾をぶつけることで銃撃を防いだ、それを見えないような速度でやっただけ…た、確か…原作にも…えーと…インヴィジビレって名前…だったか?んで銃弾に銃弾をぶつける…えーと、そうだ!ビリヤードだ!

 なんかあっただろ?あれを同時に使った。

 少女はまたびっくりした顔をしている…。

 何が起こったの?って顔だ。

 

 

「ふむ、何もしてこないならこのまま帰るつもりだったんだが…」

 

 

 防弾服みたいだな…あの服。

 インヴィジビレで少女の鳩尾を狙って撃つ。

 美少女を撃つのは気が引けるがな…。

 少女の鳩尾に吸い込まれるようにして銃弾が当たり、少女は気絶した。

 さて、どうやって連れて帰ろう。

 

 

 気絶した少女をお姫様抱っこで持ち上げて運ぶ。

 人にばれないように行くのは結構得意だぜ!

 さてと…家に戻ろうかな…家っていっても一時的な家だがな…フィールも待ってるだろうしな。




主人公、チートの片鱗を見せてますね…。
ちなみにこの主人公、ステルスはないです、存在すら覚えていません
まあ出てきてもびっくりするだけでしょうがね…。
時々フィールとかと会話していてステルスっていう単語が出てきたりしても、ん?なんだそりゃ?って感じですけど、スルーされてます。
さて、こんな感じの主人公です、まだわからないかもしれませんね。
では、感想待ってます!
次回もお楽しみに!






2015年3月21日修正


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3話 「あの…家事…任せてもいい?」

お久しぶりです!
前回より、一週間と一日ぶりでごぜぇます!
感想ありがとうございます!
ゆっくりしていってね!


「で?何かいうことは?」

 

「すいませんでした…」

 

 

 今俺は正座している…。

 意味がわからない?安心しろ、それで正常だ。

 説明すると…黒髪美少女を連れて帰る。銃を所持していたし、そこそこの実力だったので念を入れて銃を奪い、更に手錠で拘束した。

 フィールも一緒に住んでるため当然ばれる、さらって来たのかと思ったんだろう、とりあえず本気でビンタされる…。

 正座、と短く静かに言われたので今正座して、何か言うことは?って言われた。

 

 

「何に対して謝ってるの?よくわからないからしっかりと説明してくれないかしら?」

 

「はい…」

 

 

 とても怖いです。

 そもそも、なんで日本人じゃないのにフィールが正座なんて知っているんだ。

 取りあえず説明した。

 すると…

 

 

「そう…ならいいわ」

 

「じゃ、じゃあ正座を崩しても?」

 

「ええ、もういいわよ、理由もなくビンタとしたのと正座をさせてごめんね」

 

「いや、普通は勘違いしてもおかしくないから別にいい」

 

 

 フィールは自分の間違いはすぐ謝るな。

 まあいいところだけど。

 

 

「でも、手錠は少し可哀想ね」

 

「いや、でも状況判断が出来なかったら撃たれるぞ? 実際危ないと思ったら取りあえず撃つ習性はいつの間にかついてるもんだし」

 

「それは理解してるつもりだけど…」

 

 

 なんだか哀しそうな目で見られる。

 う、う~ん、危ないんだけどなぁ…。そんなに切羽詰ってる状態でもないし、別に手錠とってもいいか…?

 うん、今回だけだ。今度があるかわからないけど、今度からはこんな甘い判断はしない!

 

 

「わかったよ、手錠はずしとく」

 

「そう…無理をいってごめんなさい」

 

「別にいいよ。女性の頼みは極力断らないようにしてるから」

 

 

 黒髪ロングの美少女はまだ気絶している…。

 フィールと違って色々可哀想な胸だ。

 何故か俺のベッドに寝かされている。

 なぜに?これ起きなかったら俺が寝れないじゃん。

 ……怒りがわいてきた…。

 

 

「絶壁…」

 

 

 小声でそういうとほぼ同時。

 ――ダンッ!

 

 あ…あぶねぇ!?

 黒髪の美少女が起きて俺に銃を向けていた…って言うか撃ってんじゃん!?

 

 

「うわっ!?」

 

 

 狙いは正確だな! いい腕だ畜生!

 頭に飛んでくる銃弾を俺は飛んできた弾丸を弾丸と同じ速度で腕を引きつつ銃弾のスピンにあわせて手をひねりながら銃弾を掴む。

 

 ――パシッ

 つ…掴めた…こんな荒業、あんまり使いたくないんだが…。

 銃弾を掴むなんて、もう人間じゃないだろ…今までも、ちょくちょく使ってきたけど…

手…火傷したし…。

 黒髪の美少女は目をまん丸にして驚いている。

 フィールもすごく驚いているみたいだ。

 俺は銃弾を捨てる。

 ころころ…っと転がっていった。

 

 

「よかったわ…ライム…大丈夫だった?」

 

 

 さらっと名前言ったな…。

 心配してくれてるのか…こんな美少女に心配されるなんてうれしいぜ!

 でも…なんか微妙に涙目なんだが…そんなに心配だった?

 黒髪の美少女は何を思ったかおろおろしだしている…。

 そして黒髪の美少女は

 

 

「あ、ああああの!すいません!あ、謝ってすむことじゃないのはわかってますが!す、すすいません!」

 

 

 謝ってきた、人に謝るのは大事なことなんだよ。謝られたら極力赦すようにしている。

 でもね、俺銃弾受け切れなかったら死んでたよね…。

 フィールはあなたにまかせるわって顔で黙っている。

 はあ…

 

 

「まあ、こんな美少女に謝られてるんだし、許すけどな」

 

「び、美少女…」

 

「ああ、お前十分美少女って呼べるくらい可愛いぜ? お前の名前はなんていうんだ?あと年齢もな」

 

「あ、あの…私の名前は、間宮 ななかっていいます…14歳です」

 

 

 間宮?確か日本の公儀隠密の家系…。

 なんでこんなところに…と思いながらフィールとアイコンタクト。

 

『間宮一族がどうなったかしらべてくれ』

 

『了解』

 

 

 こういうのは便利だから覚えていた、フィールも俺もな。

 俺は一番初めに転生した世界で覚えた。

 年齢は同じか…。

 それにしても…今撃たれたのは絶壁って言ったからなのか? それとも、昔からそういうふうに教育されてきたのか? できれば後者であってほしい!

 

 

 

「そうか、ななかって呼ぶぞ?」

 

「はい、どうぞ…」

 

「俺の名前は、士咲 来夢(しざき らいむ)って言うんだ、よろしくな、あと襲ったりしないからその銃を捨てて警戒をといてほしいんだが…」

 

 

 この名前は苗字は神が考えた…咲…中二病っぽいとか少しでも考えたやつ!出て来い!

 今なら、5-7でドタマ5回弾くだけで勘弁してやる!

 好きでこの名前ってわけじゃねぇんだよ! 一番初めに転生するときに神がつけた名前だからな…。

 来夢ってほうは、俺の転生する前からの名前だ…だから結構思い入れのある名前だ

まあ、士咲もなんだかんだ言っても長い間使ってるから愛着がわくけどな。

 

 

「い、いえ…あの…」

 

「ま、そう簡単に信用してくれはしないよな…」

 

 

 まだ警戒したままだ…銃をはなさない。

 ちなみに、あのともりが持っている銃はH&K USPだ、なんのオプションもついてないやつ、フィールの銃だ。まあ、フィールは銃…撃ってもまったくあたらないけどさ。

 そして銃を離さないくらいに警戒しているのに、なぜ名前を教えた!? あれか?ドジッ娘か?

 まあ、殺しかけたとは言え、知らない人だしな…俺。

 うーん…気配の消し方とかはうまいんだけどな。

 何でだろ?アンバランスだな…まあ、できること、できないことは人それぞれか?

 取り合えず…これからどうするんだろ…この子。

 

 

「これからどうするんだ? ななか」

 

「え……そう…ですね…どうしましょう…依頼主は来夢さんに殺されてしまいましたし…。やっと依頼主見つけたんですけどね…ここからまた依頼主を見つけるのは…難しそうです。でも、あんまりいい依頼主でもなかったんですけどね」

 

 

 

 フィールがこっち見てくる…。

 お前のせいでこうなったんだから助けてやれって顔だな。

 とはいえ、フィールさん、貴女も一枚噛んでますよこの件。

 それはそれとして…

 

 

「なあ、ななか、俺たちと一緒に暮らそうぜ?それなら仕事のことを考えなくてもいいだろ?」

 

 

 ななかはすごくびっくりした顔をしている。

 少しツリ目気味の目を、まんまるに見開いている。

 そして小さな声で

 

 

「どうしてそこまでしてくれるんですか?」

 

 

 とたずねて来た。

 少し警戒している様子だ。

 

 フィールが俺の前に出てきてななかに本心を語り掛けるように言う。

 

 

「ライムとわたしが、お人よしだからよ…いえ、わたしよりもライムはお人よしだけれどね…。それに、同じような境遇の人は放っておきたくないし」

 

 

 フィールのほうがお人よしだろ…どう考えても…。

 俺は、フィールの要求に従ってるだけだし…

 

 

「そう…ですか…行くとこも…あてもないですし…お願いします」

 

「そう…ところで…家事はできる?」

 

「はい、一通りはできますよ」

 

 

 なんでフィールがこんなこと聞くか?

 俺もフィールも家事ができなからだよ…。

 それのせいで、そこら辺でインスタント食品買ってくるか、弁当買ってくるのどっちかなんだよ。

 フィールが申し訳なさそうに聞いている。

 

 

「あの…家事…任せてもいい?」

 

「はい、わかりました!」

 

 

 こうして、住人が一人増えた。

 ななかには、殺しはさせないさ…仕事は全部俺がする…本当はフィールにも手伝わせたくないんだけどな。

 ななかが今まで何人殺してきたかはしらないが…これからは俺が殺すから…大丈夫だ

 いつか…こんな仕事は俺一人でできるようになりたいもんだ…フィールにも…ななかにも…表に戻ってもらいたいな。




さらっと銃弾掴みをする、今回名前を披露した来夢さん
ちなみに、ななかが銃弾を撃ったのは混乱していたからと、意識が完全に覚醒していないときに、自分のコンプレックスを指摘するであろうことが聞こえてきたので、撃ったんですね…ほとんど意識は覚醒してませんでしたが…
時間的には今間宮がイ・ウーに襲撃されたあと…それからしばらくたったくらいです
ななかはイギリスに渡ってきて、仕事してたんですね…

感想待ってます!
次回もお楽しみに!



2015年3月22日修正


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4話 「ええ、だから…切らせてね?」

今回は原作キャラも登場!
そしてオリキャラも登場!
少しずつ遅れてきてますがすいません。
これ以上は遅れないはずです
感想ありがとうございました!
ゆっくりしていってね!


 今は『仕事』が終わって帰る途中…人通りの少ない…というか人がいない道を通って帰る途中…。

 

 

「フィール、帰るの遅れると思う、飯は先に食ってろ」

 

 

 そういって通信をきる。

 俺の裏には黒い雨合羽?見たいなのを着て、顔を隠している人物が立っていた。

 というより、殺気をガンガン飛ばしながらこちらを見ている。

 この頃噂の連続殺人犯…か?

 この頃、人が斬殺される事件が多発している。

 ナイフ、いやメスのようなものが凶器らしい。

 

 

「んで?最近噂の連続殺人犯さんか?」

 

 

 すると、少し首を動かしてこっちの顔を確認した。

 ニヤァと笑って突っ込んできた、速い! 顔は見えないけど、口は見える女? かな?

 

 

「っていきなりかよ」

 

 

 右手にはメスのようなナイフが握られており、それで切りかかってくる。

 顔って言うか左の目玉狙ってきた。

 それを顔を右にそらして避けながら、インヴィビレのみたいな感じで5-7をショルダーホルスターから右手で抜く。

 左手にもメスみたいなナイフを持っていて左手で腹を狙ってくるが、それをバックステップでかわす、その時に相手のフードをはずす。

 それにしても、この世界はなんでこんなに強い人が多いんだ。いや、いままでもだけどさ

 何回か銃弾を当てれそうだったが…まあ、しないで置いた。

 理由?相手が女性だからだ。

 綺麗な顔が出てきたな、おい。何歳だろうな?微妙に幼い感じが残るけど…美人って言える感じだな。

 

 

「ずいぶん綺麗な顔してるな」

 

 

 髪の色は黒髪、胸部の膨らみは、雨合羽みたいなので確認できないが…少しふくらみがあるので、かなりでかいだろう…何の考察してんだ?俺。

 まぁ、男の本能ってことでしゃあなしだな。

 

 

「あら、ありがとう、今まではみんな顔を見せても怯えるだけだったから嬉しいわ」

 

「そうかい、結構タイプだぜ?」

 

「ありがと、そうね、私もあなたの顔は好みよ?」

 

 

 ほめられた…あんまり顔はよくないと思ってたんだけどな?

 

 

「へぇ、嬉しいね、俺はあんまり顔はよくないと思ってたんだけどね」

 

「そんなことないわよ?今すぐズタズタに切り裂いてやりたいくらいにはいい顔よ?」

 

「それは…ほめられているのか?俺。まぁ、でも嬉しいよ、君みたいな可愛い女の子にタイプだなんて言われるのはさ」

 

 

 恐ろしい犯行予告をされた。

 美人が言うもんだからとても怖い。

 いや、綺麗だけどもさ。

 

 

「ええ、だから…切らせてね?」

 

 

 なんとも狂気的な笑みで言うなぁ。

 もう一度言おう美人なので余計怖い。

 美人さんが怖いこと言うとなんだかとても怖く感じるよね、怪談とか美人な人が言うと怖さが増す。

 

 

「女性からの頼みは極力断らないようにしてるんだが、悪いね。まだ斬られるわけにはいかないんだ」

 

 

 俺がそういった瞬間に彼女は突っ込んでくる!

 ナイフで目を刺そうとしてくるのを5-7で受け流す。

 彼女はもう片方のナイフで腹を狙う、それを俺は左手の人差し指と中指の間に挟んで止める。

 彼女は驚いた顔をしているが、どちらのナイフの力も弱くなっていない。

 特異体質だろうか? 異常な力だ。このままではいずれ指の力が抜けて腹をブスリとやられるかもしれない。

 それを抑えながら俺は話しかける。

 

 

「名前はなんていうんだ?」

 

「知らないわ…そうね…じゃあジャック・ザ・リッパーとでも名乗ろうかしらね」

 

「19世紀に出た連続殺人犯…か?捕まってないらしいがな」

 

 

 ジャック・ザ・リッパー、と聞いて頭の中に資料のように思い浮かぶ。

 

 ジャック・ザ・リッパー

 日本語にすると、切り裂きジャック1888年8月31日から11月9日の約2ヶ月間にロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペルで少なくとも5人をバラバラにしたが、犯人の逮捕には至らなかった。署名入りの犯行予告を新聞社に送りつけるなど、劇場型犯罪の元祖とされる。神経症患者から王室関係者まで、その正体については現在まで繰り返し論議がなされているが、1世紀以上経った現在も犯人は不明。

 特定の臓器やらなんやらを摘出したりしていることから、医者だと言う説が有力視されている。

 だったか? 女性だったという説もあったかな。

 

 

「そうね、なんか似ていると思わない?」

 

「まあ、でもあれは男だぜ? 名前だけ見るとな。女性はジル・ザ・リッパーって呼ぶらしい」

 

「フフフ、じゃああなたが名前をつけてくれる?」

 

 

 我ながら、殺されそうになってるのになんでこんな冷静なのかといいたくなるな。

 これはいつの間にか身についちまったからしょうがないな。

 

 

「別にいいぜ?殺し合いでもしながら考えてやるよ」

 

「随分余裕ね」

 

「そうだな、正直俺から見たらあまり脅威にならないからな」

 

 

 確かに急所を的確に狙うし、速い、力もまあまあだ、武偵相手でもSランクと殺しあえるくらいだろうが…?

 でもまぁ、そのくらいなら今までにもたくさん相手してきたし。

 

 

「少し、イラッとくるわね」

 

「気に障ったのなら謝るが?」

 

「いいわ、ズタズタにしてあげるから」

 

「怒ってる?」

 

「いいえ」

 

 

 彼女は右手を一回引く左手はキャッチされているから無理なんだろうな。

 俺は次の攻撃に備えるために左のナイフを放しながらバックステップで距離を取る。

 すると彼女は右手のナイフを投げてくる…投げナイフかよ!

 それを右半身を傾けて避けた。彼女は投げたナイフに追いつくような速度で距離を詰めて心臓部を的確に刺しに来る。

 俺はそれを更にバックステップでかわす。

 相手が女性だから攻撃できねぇ…美人だから余計にな。

 と言うか今ナイフ何処から出した…どこにナイフしまってたんだよ!

 ふともものあたりから出てきたような気がするが?

 

 

「ナイフ…どこに隠してんだよ…」

 

 

 というか雨合羽はどこに捨てた…

 いつの間にかなくなっている…

 服はミニスカ…メイド服ぅぅぅうううううううう!!!!!!!

 わかってらっしゃる…。

 ミニスカな理由は恐らくナイフを取り出しやすいようにだな。

 ふとももにあるナイフは8本…他には?あるか?

 

 

「なんでメイド服?」

 

「ナイフは色んなところに隠してるわ、メイド服は…服屋で似合うやつって頼んだら出てきたの」

 

「うーん、店員さんわかってらっしゃる…。というかイギリスでメイド服って普通に出されるのかよ…」

 

 

 その店、日本人が経営してたりしてな。

 黒髪ロングにメイド服…ありだな…。

 そして、胸は思ったとおり巨乳!

 結構でかい、フィールより少し上…!

 

 だが大きすぎるわけでもない!

 いい具合の大きさ!

 

 

「そういや何歳なんだい? 綺麗なお嬢さん」

 

「何でそんなこと聞くのかしら?そうね、14歳よ」

 

「同い年…」

 

 

 なんで同い年ばっかり俺の敵に来るんだ?

 いや、別に同い年以外ともちょくちょく戦うけどさ。

 

 

「あら?あなたも14歳なの?ふーん、随分大人な雰囲気だしてるけど?」

 

「大人だからな」

 

「フフフ、そう」

 

 

 信じてない…まあ、大人だもんな俺…大人な対応しよう。

 

 

「君の名前ってさ、日本語でいい?」

 

「あら? 本当に考えていてくれたの?」

 

「ああ、女性との約束は守るようにしてるんでね」

 

「日本語…ね、まあいいわ、本当に考えてくれるとは思わなかったわ」

 

「美少女との約束は守るぜ?」

 

「あら、ありがとう」

 

 

 ちなみに今までの会話はすべて英語だ。ここはイギリスだからな。

 ちなみに、こんな会話してるけど、こうしてる間にも、彼女はナイフいっぱい投げたり刺してきたりしている…俺はそれを防いでいる。

 名前…名前…。

 切ろうとしてくるんだから、伐乃(きりの)?とか?どうかな?

 

 

「伐乃ってどうだ?そもそも日本語がわかるか知らないが…」

 

「なんとなく響きがいいわね、そう呼んで?」

 

「ん、わかった」

 

 

 何度もすまないがこんな会話してるが、俺はナイフで殺されそうなままだ。

 ナイフいっぱい投げるわ、刺してくるわで…。

 狙いが正確、フェイントも上手いしスピードと力も申し分ない。

 

 俺は唐突に銃を伐乃の後ろに向けて引き金を引く…。

 ――ガキィ!

 金属と金属が高速でぶつかった音、銃弾で銃弾を弾いた音だ。

 

 

「おいおい、いきなり裏から危ないじゃないか…」

 

 

 後ろから伐乃が撃たれたんだ…まあ防いだけど。

 伐乃は少し驚いた顔をしている。

 俺が伐乃を助けたことと、銃撃されたことにかな?

 んで?銃撃した人は?

 

 

「誰だ?君は…俺と伐乃のデートの邪魔すんなよ?お嬢さん」

 

 

 茶髪の…男物の服を着ているお嬢さんだ。

 

 

「ぼ、僕はお嬢さんじゃない!! 男だ!! 君たちを逮捕する…銃殺の許可も僕にはある、速く投降した方が身のためだと思うけど?」

 

「そうかい、君程度には俺を殺ることはできないよ? 名前を教えてくれないかい? 可愛い可愛いお嬢さん?」

 

 

 顔はいいのに、何で男のふりなんかしてるんだ?

 

 

「だから! ぼくはお嬢さんじゃないといっている!」

 

「あら? さっきまで私を口説いていたくせに、違う女を口説くのね」

 

 

 伐乃が少し不満そうに言った。

 今は俺の隣にいる、俺に銃撃されるとかは考えないのか?

 あと殺気の向け方が俺と茶髪の女の子で半々なんだな。

 俺の隣にいるのにな、怖いなぁ…。

 

 

「だから僕は女じゃない!」

 

「まあ、確かに私から見ればあなたは男に見えるけどね」

 

 

 あれ?伐乃からみてもそうなのか?

 ああ、そうか…普通はこんな見分け方しないか…。

 

 

「足にかかる重心が男と女じゃ違うんだよ、そして立っているときの姿勢も微妙にことなる」

 

「そ、それがどうしたんだ?」

 

 

 あれ?こんだけ言っても気づかない?

 

 

「お嬢さん、君の重心のかたよりは爪先の方に向かっているんだよ」

 

「だからなんだというんだ!」

 

「男の重心は踵よりなんだよ」

 

「!」

 

 

 驚いた顔をしているな。そんなに知られたくないことなのか? というか何故バレないと思ったんだ?

 うん?この顔…どっかで…。

 あっ!前、イギリスの二つ名持ちを暗記したときにいたな名前が印象深かったから覚えた奴だな!

 名前は、エル・ワトソン。

 名探偵シャーロック・ホームズの相棒、J・H・ワトソンの曾孫…だったか?

 銃は…P226、耐久性に優れたちょっと高い銃だな。

 ああ…女だってのは言わないほうがよかったかもしれない。

 これで狙われることになったな。

 さっさと逃げるかな…。

 

 

「じゃっ!そういうことで」

 

 

 俺はそういいながら懐から懐中時計を取り出す。

 14歳の誕生日にフィールからもらったものだ。

 かなり気に入ってる、便利なものだしいいデザインだからな。 

 

 ただの懐中時計じゃないけどな。

 懐中時計を俺の視界に入らないように俺の頭上に掲げる。

 そして…スイッチを押す。

 ピカッと光る…つまり、この懐中時計はフラッシュグレネードの機能があるってことだ。

 んじゃ、逃げるかな。

 伐乃も光を見たみたいだな…目が見えてないだろうな。

 うん、まぁ…ここで置いて行くのもなぁ…。

 伐乃をお姫様抱っこする。

 

 

「じゃあ、エル!女だということは秘密にしといてやる!また会うときまでごきげんよう!!」

 

 

 そういいながら俺は逃げる…。

 あ…名前を言ったのは名前を知ってますよ!ってアピールだ。

 なんでそんなことするかって?美少女だから一応また会えるようにしと来たいんだよ。

 出来れば敵対じゃなく協力関係になりたいしな、二つ名持ちと良好な関係を結ぶのは色々特になるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ…伐乃つれて帰ったらいらん誤解につながるんじゃ…。

 はあ…仕方ないか…。




ワトソンが出てきましたね!
俺はアリアの中じゃ、ワトソンが一番好きです!
だが、理子もすてがたい…
ジャンヌも好きですがね…
あっ!あとヒルダも個人的に好きです!
皆さんはどのキャラが好きですか?
新しいオリキャラ、伐乃さんは少し狂ってますが、基本常識人です、戦闘狂ですが…
感想待ってます!
次回もお楽しみに!






2015年3月22日修正


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5話 「私はあなたに惚れるかもしれないわ」

感想ありがとうございました。
ゆっくりしていってね!


 伐乃をお持ち帰りしている途中。

 早朝ということもあり、通行人はいない。

 早朝というか、まだ夜だろう、日が昇ってないしな。

 人がいたらいろいろ面倒だからうれしいことだが。

 

 

「なんで私も連れてきたの?」

 

 

 伐乃は目がそろそろ治ってくるだろうが、まだ目を閉じたままで聞いてくる。

 そんな当たり前のこと聞くなよ。

 

 

「俺は男だ、美少女が大好きな男だ、男ってのは女を守るもんだろ?それに言ったろ?顔が結構好みだってさ、あのまま置いといたらお前、逃げるのに結構手間取るだろうし、ナイフもたくさん消費していたんだ、捕まってたんじゃないか?」

 

「そうかもしれないわね…はあ、でもあのお嬢さんには捕まらなかったけどこんな女たらしに捕まるなんてね」

 

「残念だったな、それは運が悪かったと諦めてくれ」

 

 

 女たらしね…そういやフィールにも言われたな。

 俺は本心を言って、常識を言ってるだけだというのに、みんな失礼だなぁ…。

 こんな美少女をお姫さま抱っこできて嬉しいことは嬉しいがな!

 でもな伐乃はあんまり赤面しないからタイプだが、赤面させればギャップでとてもかわいいと見た!

 どうすりゃ赤面するかな?

 いや、こんなどうでもいいこと考える意味ないけどさ。

 

 

「今はどこに向かってるの?」

 

 

 まあ、そりゃきくだろうな。

 自分の身の安全とかのために、その辺知っておきたいだろう。

 

 

「俺の家だな」

 

「あら?私をあなたの家に連れ込んでどうするの?」

 

「勘違いすんなよ? 同居人もちゃんといるぜ? だからお前の貞操は大丈夫だ、まことに残念ながらな」

 

「あらそう」

 

 

 そうなんだよなぁ…どうしようか?

 説明どうしよう…殺されそうになった、違うやつに襲われて一緒に逃げてきた。

 よし、これで行こう!これなら許してくれるはず!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無理でした…。

 今俺は正座を強いられております。

 何故かななかも加わって頬を膨らまして怒っております。

 フィールはとてもいい笑顔で。

 笑顔が怖いよ! 笑顔は本来攻撃的な表情で云々ってどっかで聞いたけど本当だったんだな!

 それもこれも…全部…伐乃のせいだ!!

 まず普通にななかとフィールが勘違いする。

 それの事情を説明しようとしたら伐乃が嘘を言う…そりゃあもう俺が悪役になるようにな…。

 この二人…純粋すぎて簡単に信じやがった。

 ちゃんと話はするべきだと思われる。

 

 

「ライム?少し…お仕置きをしてあげましょう」

 

 

 や、やばい!このままじゃなんでお仕置きを受けてんのかわかんなくなる!

 というかお仕置きを受ける理由が俺にはない!!

 

 

「NO!! ちょっ! 待てって! 俺の話を聞け!!」

 

「来夢さん?見苦しいですよ?男の子ならちゃんと責任は取ってください」

 

 

 ななか! 俺は確かに男の子だが、取るべき責任もないのに、責任を取ることはしないぞ!?

 そいつは流石に女尊男卑が激しすぎるんじゃないかい!?

 

 

「俺はわるくねぇだろ!! そもそも責任を取るようなことしてねぇ!!」

 

「私みたいな美少女をここまでさらってきたのに?」

 

「伐乃は黙ってろよ!!」

 

 

 くっ!このままでは伐乃の手のひらの上で踊らされて、俺はこのままお仕置きされるだろう…。

 だが! 絶対にそうはならんぞぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!

 

 見せてやる! 伊達に長い間たくさんの人生を経験してないんだよ! 俺のコミュ能力でこの場を見事に切り抜けてみせ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駄目でした。

 今ね…ロープでみのむしにされてね、吊られています。

 というかなんで俺の体重を支えられるほどの強度があるんだよ…この天井…俺の部屋だけどさ。

 というか、どこからこんなロープ持ってきたんだ?

 もう夜遅いなぁ。帰ってきたのが今日の朝で、フィールとななかの説得をしようとして昼が過ぎ、抵抗虚しく捕まったのが昼の三時くらい。

 あ…ちなみに俺たちが住んでいるのはマンション? 見たいなところだ、ファミリー用マンション? みたいな? 家族で入っても楽々でおさまるようなマンション。

 一人一つずつ部屋がある…。

 

 そんなことを考えていると…

 俺の部屋に伐乃が入ってきた。

 

 

「こんな時間になんのようだよ?夜這いでもかけてくれんのか?」

 

「そうね?それもいいけど、今その状態でそんなこといっても面白いだけよ?」

 

「ああ、わかってる…」

 

 

 みのむし状態でそんなこと言ってもなんの意味もないな。

 というかむしろ滑稽にうつるだろう。

 なんのコントだよまったく…。

 こんな状況でも口説き文句が出る俺の頭はいろいろどうかしている可能性が高いかもしれない。

 

 

「んで?なんの用だよ?殺しにでも来たか?」

 

 

 正直本当に殺しに来たんなら俺、どうしようもない…こともないけど、危ないがな。

 縄抜け出来るかな? 出来なきゃ死ぬが。

 

 

「そうね、殺そうとも少し考えたわ」

 

 

 考えたのか…。

 やめてくれよ、この状況で襲われたら流石に危ない…。いや、何とかして見せるけど。

 

 

「でもね、ここであなたたちと一緒に暮らすのも悪くないわね」

 

「ああ、そうかい…美少女の頼みなら俺は基本的になんでも聞くぜ」

 

「あら、ありがとう」

 

 

 伐乃は微笑んだ後。

 

 

「私はあなたに惚れるかもしれないわ、貴方みたいな面白い人、そうそういないだろうしね…」

 

 

 と言った。

 まあ大歓迎だ、伐乃は美少女だからな。

 可愛い女の子に好意を寄せられてうれしくない男などいるはずがない!

 

 

「そうかよ、お前ならいつでも大歓迎だぜ?美少女だしな」

 

「そう、ありがと」

 

 

 そういって伐乃は部屋から出て行った。

 あの微笑んだ顔可愛かったな!

 あっ…降ろしてもらえばよかった…。

 

 俺って実はかなり馬鹿なんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、早朝…。

 

 

 

「はあ…これは…やばいな…」

 

 

 ――ピンポーン

 というチャイムの音がする。

 誰か来たな…。というか、誰かはわかるんだけどさ。

 俺は縄抜けで縄を抜ける。

 俺の予想が正しければ…

 急いで部屋を出て玄関に行こうとしているななかをしゃべらずに肩をとんとん、と叩いて止める。

 そして、小声で話しかける。

 

 

「裏の窓からフィール、伐乃と一緒に逃げろ。いや、まあこの面子ならここで返り討ちにできるが…面倒だし、フィールにイギリスを出るからその準備を頼むって言っといてくれ」

 

 

 そういうとななかは首を立てに振ってリビングに戻る。

 玄関にいるのは一人。

 ちなみに準備って言うのは知り合いの…なんというか…まあ説明しづらいそいつに外国へ渡るためのの手配をしてもらうためだ。

 俺たちは戸籍がないから国を出るのに偽装パスがあるが、それを使うつもりだったんだが、あいつに頼めば大丈夫だろう。

 伐乃も自分のを持っているようだし、ななかは持っていないのでこの間知り合いに頼んで偽装パスを作ってもらった…なのに使わないとか…はあ、本当は穏便に飛行機で出たかったんだけどなぁ。

 まあ、そんなことを考えていたらみんな出たみたいだな。

 そしてもう一回ピンポーンとなる。

 そろそろ怪しんで無理やり入ってきそうだな。

 

 俺は至って普通に玄関を開ける。

 いつもの装備で…ショルダーホルスターに5-7をしまった状態でな。

 

 

「やぁ…ワトソンちゃん?」

 

 

 玄関開けるとエル・ワトソンがいた。 

 うん、思ったとおりだね。

 ワトソンはいきなり銃を突きつけて撃とうとしてくる。

 俺はそれを銃を持っているワトソンの右腕を右手で抑えて止める。

 ワトソンは左手にナイフを持って刺そうとしてくる。

 左手首を左手で止める…。

 両腕がXの形にクロスしている状態で互いに動かなくなる。

 

 

「いきなり危ないなぁ」

 

「ぼ、僕が女だと言うことを知った君を生かしておくわけにはいかない!ワトソン家のために」

 

「へぇ~でもさ、君に俺を殺すのは無理だぜ?」

 

「自信がすぎると死ぬぞ?」

 

「そうかもな、でもワトソンちゃん?君も随分な自信家だと思うけど?」

 

 

 事実何回か死んでるしな…俺。

 でもワトソンは俺を殺せないのも事実だ。

 まだ死ぬつもりはないし、実は俺も自信はそこまでない。

 元々ただの凡人だったんだからな、ワトソンの方がよっぽど天才、俺なんかとは比べようもない天才だ。

 

 

「人生なんて死ぬまでの暇つぶしだ、死ぬまでに何をなすかは特に重要でもない、死ぬまでにどう過ごすかが重要だ…お前みたいに何かを成そうと必死になるのもいいが、少しは休むべきだ、もし俺が死んでもそれは暇つぶしが終わっただけだからな」

 

「僕には理解できない考えだ」

 

「そうだろうな。でも、せっかく可愛い顔してるんだから、ちゃんと楽しめよ」

 

「なっ…か、かわ…可愛い…い、今…可愛いって…」

 

 

 随分可愛い反応だことで、ななかやフィールと同じ反応だな。

 いや、フィールはこの反応をしてくれるときとそうでないときがあるからな。

 

 

「そうそう、可愛い顔してるんだからさ」

 

「ふざけるな!そんなわけない!僕は男なんだ!」

 

「ふーん…男…ねぇ?こんな可愛い男がいるかよ、まあ、俺には関係ないな。じゃあ、俺は他の女もまたせてるからこの辺で」

 

 

 俺がそういうとワトソンは途端に殺気を出す。

 顔は少し赤いままなので可愛い。

 というか、この子はからかい甲斐がありすぎて面白い。

 

 

「させると思うのか?」

 

「残念、俺は逃げるよ」

 

 

 俺はそういいながらワトソンからバックステップで離れる、そのときに薬のカプセルみたいな小ささのあるものを投げておく、俺はバックステップで下がりながらその投げたものをインヴィジビレで打ち抜く。

 その投げたものに銃弾はあたって、当然投げたものは砕ける、そしてもう一つの太陽が出来たかのように光だし、キィィインと独特な耳を刺激する超高音が響く。

 

 

「また同じ手にかかったな…ワトソン」

 

 

 さあて、逃げるかな。

 待ち合わせ場所は今は使われていない、海辺の倉庫…がいっぱいあるところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついたが…みんなはもう来てるのかなぁ?

 うん、もう乗ったんだな。

 なんでわかるかって?

 目の前に潜水艦があるからだよ。

 うわぁ…でかいなぁ。

 

 

「久しぶりだね!ライム!」

 

 

 ボーっとしていると元気な声が聞こえてくる…。

 黒髪のショートカットで14歳相応のスタイルの美少女。

 

 

「ああ、久しぶりアリル」

 

 

 アリル・ティーチ…有名な海賊エドワード・ティーチ…通称黒髭の子孫にあたる少女だ。

 まあ今は船じゃなくて、船にもなるなんでこんなものができてるのかよくわからん潜水艦に乗ってるけどな。

 

 

「ようこそ、私の船へ、といっても今回で六回目だっけ?」

 

「そうだな、みんなはもう乗ってるのか?」

 

「うん、みんな乗ってるよ、私の部屋でポーカーしてたよ」

 

「ポーカー?へぇ…」

 

 

 俺とアリルは近況報告という名の割とどうでもいい会話をしながら一緒に部屋まで行く。




またもや出てくる子孫…黒髭さんの子孫でしたね
感想待ってます!
更新が遅くてすいません
次回も頑張ります!


2015年3月22日修正


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6話 「やっぱりお前は女に甘すぎるぞ?」

短いです…
すいません、とても短いです
主人公の決意表明みたいな?
来夢さんが女性に甘いと言う指摘をもらったのでそのことについてのことです
感想ありがとうございました!
ゆっくりしていってね!


俺とアリルで廊下というかなんというか…まあ歩いていると

アリルが話しかけてきた

 

 

「聞いたよ~ななかちゃんの話と伐乃ちゃんの話…」

 

「ふーん、それで?どうかしたのか?」

 

 

そう聞くとアリルは目つきが鋭くなって話しかけてくる

 

 

「やっぱりお前は女に甘すぎるぞ?」

 

 

後ろ側が出てきたか…

二重人格とかじゃなくて、普段この黒い部分を隠しているんだよなぁ

まあ、いいけどさ

口調も違うし

 

 

「そうか?」

 

「そうだ…普通お前ぐらいの人間なら、誰かを捕獲したとき、手足を折るくらいはするはずだ、それがなくても縛ることくらいはする…」

 

「亀甲縛りでいいなら縛ってやるぞ?」

 

「今はそういう話じゃないんだよ…私はお前のことが気に入ってるんだ、だからこんな忠告をするんだぞ」

 

 

はあ…わかってるよ…

俺が女に甘いことぐらい…

男ならしっかり手足を折ったんだけどなぁ…

 

 

「俺の安全のために美少女を傷つけるなんてことはしたくねぇんだよ」

 

「死ぬよ?」

 

 

単純で…そして本音のこもった一言

それだけだから…だからこそ説得力もある

 

 

「そうかもな…でもな、別に俺が何処で死んでも俺がそこまでだったってだけだよ…そこの結論にそれ以上のものもそれ以下の物も必要ない」

 

「お前が死ねば苦しむ者も居るし、その甘さのせいで近くの人間が死ぬぞ?」

 

「そうならないために強くなったってこともあるんだよ」

 

 

そう…別に今までの世界、ある程度強くなることにはなってもここまで強くなる必要はなかった

銃弾を受け止めたり銃弾に銃弾を当てたり、銃の腕をあげたり

でも俺はそこまで強くなった…

一番初めに転生した世界で俺は自分の甘さのせいで何人も死んだところを見ている…

直そうと思ってもこの甘さが直らない…なら強くなろうと…そう思っただけだ

 

 

「そうか…まあ、お前の好きにしろ…お前は私のお気に入りだからな、お前の足りない部分は補ってやる」

 

「そっか…ありがとな…感謝してるよ」

 

「ふん!そう思うなら直して欲しいものだな…

そんなことよりね!ななかちゃんや伐乃ちゃん、それにフィールちゃんでポーカーやってたよ!罰ゲームつきでね」

 

 

罰ゲーム?絶対アリルが考えただろ…

というか口調がすげぇ変わる…

まあいいや、ポーカーをしてるのは聞いたが罰ゲームってなんだ?

 

 

「罰ゲームって?」

 

「うん、見てからのお楽しみにね!」

 

 

アリルはくすくす笑いながら言う

な、なんか嫌な予感がするんだが…

そうこうしていると、部屋の前についた…

 

 

「早く開けて開けて!」

 

 

うわぁ…嫌な予感がする…

あ、開けたくねぇ…

 

 

「じゃあ、私が開けてあげる!それ!」

 

 

俺が止める間もなくアリルは扉を開け放つ…

そして…中にいたのは…

まあ、みんないた…が

 

 

「で?どういう状況だ?これは」

 

 

フィールがメイド服を着ている…

伐乃がバニーガール…

ななかがスク水…

ちょっとまて、最後のスク水ってなんだ!?

 

 

「ら…」

 

「?」

 

 

ななかがなんか言ってる…

なんて?

 

 

「来夢さんはみないでぇぇぇええええええええええええええええええ!!!!!!!!」

 

「ぎゃぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

 

思いっきりぶん殴られました…

意識が途切れる直前見たのは…

メイド服姿で真っ赤になってるフィールとバニーガール姿でニヤニヤしてる伐乃…

おい、伐乃、お前そんな姿でニヤニヤされても、こっちのほうがニヤニヤしてしまうぞ?

というか恥ずかしくないのか…伐乃は…

アリルは爆笑している…

そして俺は廊下の壁に頭をぶつけて気絶した…

これは…理不尽だろ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




表裏の激しいアリルちゃん…理子みたいな感じですかね~
黒髭の子孫があんな無害そうな感じじゃ駄目だろ…と思ってこんな感じになりました
感想待ってます!
短くてすいませんでした!
次回も頑張ります!


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7話 「名前はワトソンって言うんだ」

更新遅れてマジすいませんでしたぁぁあああああああああああああ!!!!!!
いや、待ってくれてる人がいるかは疑問ですが…
本当にすいませんでした!!!!!!!!!!!!!!

では!7話!ゆっくりしていってね!


―――撃て…殺せ…お前の勝ちだ…―――

 

 

 

―――ふざけんな!俺は誰かを殺したいわけじゃない!―――

 

 

―――なめたこと…言ってんじゃ…ねぇ!…さっさと…引き金を引きやがれ…!…―――

 

 

 

これは…夢だな…俺の記憶…始めて人を殺したときの記憶…

客観的に見ている感じだ…

夢だとわかっている夢か…

俺が一番初めに殺したこの人は…この世界で俺の命を救ってくれた恩人だ…いや、恩人だった人だ

俺は誰も殺したくはなかった…

 

 

―――俺は…誰かを殺したくは…誰も殺したくなんて…ない…―――

 

 

―――お前が…撃たないなら…俺が…お前を…撃つぞ?…最後くらい…お前に殺して欲しいんだよ…兵士として…死なせてくれよ…―――

 

 

そういってあいつは銃を俺に向ける…

あいつは俺に撃たれた傷のせいで息もできないような状況で…銃を向ける

俺は、自分が死ぬのが怖くて…怖くて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引き金を引いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた…

 

 

「ご、ごめんなさい!たたいてしまって!ごめんなさい!」

 

「い、いや、別にいいよ…女性の罪なんて数えるもんじゃないからな」

 

 

というかあれはたたくなんて生易しいものじゃなくて…

殴り飛ばすだと思うのだが…まあいい

それにしても…なつかしい夢だな…

初めて人を殺したときに使っていた銃もこいつ…この5-7だった…

まあ、そんなこと思い出してもなぁ…

 

 

「どれくらい寝てたんだ?」

 

「6時間くらいよ?」

 

 

伐乃が答えてくれる

6時間か…結構たってるな…

 

 

「止まってるみたいだが…どこについたんだ?」

 

 

 

そう聞くと…アリルが答える

 

 

「リバティーメイソンの人に武器を売りに来たんだよ、家のお得意さんなんだよね」

 

「へぇ~リバティーメイソン…ん?リバティーメイソン!?」

 

 

ああ、言い忘れていたが、アリルは武器屋?みたいなのをやってる…

非合法に銃を売りさばいてるやつらから武器をそれこそ海賊の如く奪って、そして売る…

だが、このアリルの方は政府も黙認している…なぜって?政府には安くしたりして利益が出るようにしてるからだよ

そして今回の取引相手がリバティーメイソンだったらしい…

落ち着け俺、別にワトソンが来るわけじゃあるまいし

 

 

「でね~その取引相手がね~いつも同じ人なんだけどね~茶髪の可愛い男の子なんだよ~」

 

 

HAHAHAHAHAHA!!!!!!!!

ないない、そんな偶然あるわけないよな~~~!

だよな!!!!!!!

 

 

「名前はワトソンって言うんだ」

 

 

いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!

予想が当たっちまったぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

 

 

「へ、へぇ~、んで?取引する場所にはどれくらいでつくんだ?」

 

「?もうついてるよ?」

 

 

やべぇぇぇえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!

ほぼ完全にワトソンと鉢合わせする!?

 

 

「と、取引相手はきてるか!?」

 

「もうそこに来てるよ?」

 

「取引する場所は外だよな!?」

 

「いつもはそうだけど、今回は武器を選びたいって言ってたから中だよ?なんでも倒したい人ができたんだってさ…5-7使ってる人だってさ、どんな人だろうね?」

 

 

アリルは俺を見ながらニヤッとする…

そのワトソンが言っている人物が俺だと気づいてやがる…まあ、気づかないわけないが…

いや、この部屋にいればここに入ってくることはないだろう…

そう思っていると

 

 

「あのさ…ワトソンくんさ…」

 

 

アリルがニヤニヤしながら言ってくる…

 

 

「このまま外国で仕事があるとかでさ…」

 

 

まさか…

いやいやいやいやいやいやいや!!!!!!

そう考えるのは少しはやすぎやしないかい俺!!!!!!!

 

 

「この私の船に乗って行くんだってさ!」

 

 

ぎゃぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

嘘だろ!?

マジでか!!!!!!!!!

そしてアリル!これはお前の船じゃなくてお前の潜水艦だろ!!!!!!!!

まあ、今はそんなことどうでもいい!!!!!

問題はワトソンがおりるまでどうやってバレないように過ごすかだ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、俺以外は伐乃しか顔を見られていないので、伐乃と一緒にワトソンから隠れ始めてもうすでに2日立ちました…

そろそろなれてきて安心しながら生活している…

そして…

 

 

「眠い…」

 

 

頭がぼやーっとする…

はあ…つかれた

色々あって何回か寝ずに夜を過ごした…

超眠い…さっさと自分の部屋に戻ろう…

 

 

 

 

あっ…ついたな…

俺は扉を開ける…

寝ぼけた目で部屋の中を見る…

ん?なんか…ベッドの位置とか…違うくね?

 

 

「な…ななななんでこんなところにききききみが!?!?!!?!」

 

 

俺は声がしたほうを向く

なんか聞き覚えがある声だが…

 

 

「こ、こここここっちを見るな!」

 

 

え?えぇ?なんで…え?どういう状況?

んーと…状況確認…下着姿のワトソンがいるね…

ん?下着姿のワトソン?

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!

流石にこんなところでラッキースケベはおかしいだろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!

俺はワトソンを直視する…

白い下着だ…うん…

直視するがワトソンも声を出せば性別が知られてしまうので涙目になりながら頑張って声をあげるのを耐えている…可愛いなぁ…

っていうか…どうすんだ?この状況…




感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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8話 「ワトソン…人を殺したことはあるか?」

更新遅れてもうしわけありません!
待っててくれているかたは…いるかわかりませんが…
感想ありがとうございました!

ゆっくりしていってね!


「とりあえず…ワトソン、失礼した」

 

 

俺はそういって冷静に部屋の外に出る…

そして俺は自分の部屋に進む…

やべぇ…どうしよ、マジでばれてるよ…

この後アリルはワトソンに聞かれてみんなにばれたことが広まった…

そしてみんなで集まって(ワトソンも含める)話し合いだ

 

 

「とにかく、私の船であばれたら全員海に叩き落すぞ?」

 

「あ、アリル…怖いわよ」

 

 

フィールが裏のアリルを見て少し怯えている

 

 

「大丈夫だ、少なくとも俺は暴れるつもりはない、俺が暴れたら、ここにいる奴らじゃとめれねぇだろうが…」

 

「それもそうだな」

 

 

アリルは一応俺にたいしては納得しくれた

もともと俺がこんなことで暴れるわけないとわかっているからというのもあるのだろうがな

まあ、俺が暴れたらアリルと戦うことになるだろうが、アリルは俺に一度も勝った事ないしな…

 

 

「それで?ワトソン?お前はどうするんだ?」

 

 

アリルがワトソンに聞く…

殺気でてるけど…大丈夫ですか~?

 

 

「僕もここでは彼を捕まえようとは思わない…ここで放り出されでもしたら僕は移動手段が無くなるからね…」

 

「ふ~ん…じゃあいいだろう、どちらも私の船にいる間は暴れないようにな…?」

 

「ああ、わかったぜ」

 

「ああ、わかった」

 

「んじゃ!みんなでなにかしよっか!」

 

 

いつものアリルに戻ってしゃべりだす

 

 

「なにするんですか?」

 

 

ずっと黙ってたななかもそれにのっかる…

まあ、いいか…

 

 

「そうだね~なにする?」

 

「まあ、遊ぶのはいいが、俺はもう寝る…眠いんだ…」

 

「え~のりが悪いぞ~ライム!」

 

「いや…もう眠くて眠くて…それに伐乃ももう寝たじゃねぇか」

 

 

伐乃は自分の部屋へ行って寝ている…

眠かったらしい…

 

 

「まあ、そうだね、まあ寝るならそれでいいけどね、おやすみ~あっ、あと明日には目的地につくからね~」

 

「おう、お休み」

 

 

寝よう…さっさと…

自分の部屋に行き、そして俺は…寝る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~…おはよう…」

 

 

誰にいってんのかわからんが、まあ、俺の習慣みたいなもので、起きたらとりあえず言ってしまうのだけれど…

もちろん返事など帰ってくるはずもない…はずだった

 

 

「ええ、おはよう」

 

 

俺は固まる…

こ、この声は…伐乃…

 

 

「な、なんでここにいるんだ…?」

 

「昨日は寒かったから」

 

 

どういうこと…?

 

 

「だからひっついて寝たわ…あなたが寝た後に布団に入ってね」

 

「なっ!?」

 

 

ほかのやつらにばれたらどうするんだ…!

そしていやじゃないのかお前は!俺の理性が飛んでお前を襲ったらどうするんだ!?

 

 

「大丈夫よ、襲われてもかまわないわ」

 

「そこはかまえよ!そしてなんで心の声がわかるんだ!」

 

「あなたわかりやすいのよ」

 

「そうなのか…」

 

 

どうやら俺はわかりやすいらしい…

 

 

『ライム~朝ごはんだよ~」

 

 

がちゃっとアリルが入ってくる…

まて…今の状況を考えてみよう…

俺がベッドに座っている…

そして俺の横には伐乃がいる…

微妙に服がはだけているのもポイントだ…なんのポイント?

さて、この状況を見て、アリルはどう思うだろう…

答えは…

 

 

「あ~…朝から元気だね…そういうことは私の船ではできればやらないで欲しいんだけど…」

 

 

ということらしい…

いやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!!!!!!!

 

 

「待て!アリル!勘違いするな!」

 

「いやいや、ごめんね…私邪魔だったね」

 

「まてまて!マジで勘違いするな!」

 

「いや、若い男女がいるんだしそういうこともあるよね」

 

「俺らまだ14歳だからね!?わかってる!?」

 

「いや、私はまだ経験ないけど、そういうもんだよね」

 

「話し聞いてますか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、あれから色々あって…なんとか納得させた…

よかったな…本当に…

朝ごはん食べに行ったらワトソンもきていた…

ちなみにみんなは食べたらしい…

俺は伐乃と一緒に来た…

んでご飯が配られてるところで貰い、ワトソンのところへ行く…

 

 

「ワトソン、一緒に食おうぜ?」

 

「まあ、いいだろう、別にいやだという理由もないしね」

 

 

伐乃も一緒に食べるようだ…

ご飯と無言で食べているとワトソンが話しかけてきた

 

 

「君は…僕を殺せたはずだ。一回目の時も、二回目のときも…姿を見られたのだから君にとっては殺した方が賢い判断だったと思うのだけれど…なんで僕を殺さなかった?」

 

 

ふぅん…

まあ、特に理由はないんだけどね…

 

 

「俺はあんまり人を殺すのは好きじゃない…女性ともなればさらにだ…」

 

「人を殺すのが好きじゃないのになんで殺し屋なんてしているんだ…」

 

 

俺はその問いにふぅ~と深いため息をついてしまう…

 

 

「つまらないことを聞くな~…そうすることでしか生きてこなかったんだ…これからもそうすることで生きるしかないじゃないか」

 

「そんなことはない!確かに人を殺すことは罪だg「違うよ…そうじゃない…」…では、どういうことなんだい?」

 

「ワトソン…人を殺したことはあるか?」

 

「殺したこと…?」

 

「そうだ…人ってのはな…他人を殺したときに戻れなくなるんだよ…誰かを一度殺すと命を軽く思ってしまえるようになる…まあ、どれくらい軽くなるかは人それぞれだろうが…少なくとも俺は…迷いなく引き金を引けるくらいには軽くなった」

 

 

伐乃もつまらなさそうにしてご飯を食べている…

こいつも何人か殺してるから、命ってモノを軽く見てしまってんのかもな…

 

 

「………」

 

「どういう意味かわかるか?普通に働いても今みたいに戦ってるころのくせは中々抜けない…特に命を軽く見るのが致命的だ…また簡単に人を殺してしまうこともあるだろう…」

 

 

所詮そんなものだ…

俺たちは表に戻ることは、難しい…それでもいつか表に戻ることがあるのだろう…

俺は人を殺しすぎていて難しいかもしれないが、フィールやののかは戻れる…

 

 

「もし、まだ殺してないのなら…ワトソン…殺すことがどういうことか、考えてから引き金を引け…じゃないと、俺みたいになっちまうぞ?」

 

 

俺はご飯も食べ終わったので立ち上がる…

伐乃もそれについてくる…

なんだかつまらなさそうな顔だが…

まあいいか

ワトソンはなにか考えているようだ…

さあて、もうすぐつくらしいし…どこにつくんだろうな…




人を殺すと、どうなるか…ちゃんと考えてから殺しましょうってことをいいたかったのですね、来夢さん…

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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9話 「すまん、ちょっとでかけるわ…」

「はあ…まさか…ここにくるとはなぁ」

 

「ん?ライムはここがきらいなの?」

 

 

フィールが聞いてくる

まあ…

 

 

「ちょっとな…」

 

 

ここにはあいつがいるだろうし…

どこに来たかって?

ルーマニアだ…

ちょいと前に一人で来たことがあって、そのときに…ちょっと面倒な奴に目をつけられてな…

あとワトソンはもう先に一人ですたすた行ってしまった…

一応別れの挨拶みたいなことはした

今度はいつ逢えるかなぁ…

 

 

「大丈夫ですか?なんならアリルさんの船に戻りますか?」

 

 

ななかがそう言ってくれるが…

 

 

「いや、もう行っちまったし、今からじゃあいつも大変だろ…?」

 

「そうね…今から戻るのは厳しいわね」

 

 

伐乃が同意してくれる

まあ、とりあえず寝泊りするところ探すか…

 

 

「んじゃ、宿探すぞ~」

 

「お金はあるんですか?」

 

 

ない…マジでな…

やべぇ

 

 

「ない…な…やばい…」

 

「大丈夫よ?」

 

 

フィールが大丈夫といってくれた…

ん?どういうことだ?

 

 

「アリルがお金を持たせてくれたわ」

 

「マジで…?」

 

「ええ、マジよ、これでしばらくなら働かなくてもOKよ」

 

 

マジでか…

本当に…もう…なんで俺にわたさねぇの…?

まあいい、生活に困らないなら

 

 

「ねぇ、その内の4割くらいちょっと使っていい?」

 

「4割?結構多いわね…」

 

 

?伐乃…なにに使うつもりだ?

 

 

「いえ、ちょっとお金かせぎよ」

 

 

つまり…カジノか…

まあ、大体予想はつくし、伐乃なら間違いなくかせいできそうだし…

大丈夫かな?

 

 

「伐乃、泊まるところが決まったら、電話するぞ?」

 

「ええ、わかったわ」

 

 

そういって伐乃は街の人ごみの中へ消えていく

それにしても…伐乃はまだ14歳なのにカジノに入れるのだろうか…?

まあ、大丈夫だろうなぁ

伐乃、だますの上手だし…

どんな感じでかせぐんだろうな…どんなイカサマを覚えてるんだろうか…

もちろん俺も過去になんどもカジノでかけやったしときには俺の内臓とか色々かけたことあるから、イカサマとかは得意なんだけどな…

 

 

「んじゃ、泊まるところ探すか」

 

「そうですね」

 

「近くにホテルってあったかな…」

 

 

フィールは地図を見ながら言う…

 

 

「ここがいいんじゃない?それくらいルーマニアにいるかわからないけどアリルに多すぎるくらいのお金を貰っちゃったんだし…なんか昔のライムの働きのお返しだって…まだ全然足りないけどっていってたけど…」

 

 

ああ…まあ、色々したからなぁ…アリルんとこいたときは…

その分は住まわせてもらってたからいらねぇっていっといたのに…

まだ返す気だったのか

そういうとこなんか義理堅いからなぁ…アリルは

まあいい、とりあえず拠点を見つけたら会いにいかないとなぁ…あいつに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてとりあえず部屋GET!

 

電話する…

 

 

「もしもし伐乃?」

 

『ああ、来夢?』

 

「今からフィールに電話渡すからフィールに従ってくれ」

 

 

なんでって?めんどk…いや、こういうのはフィールのほうがうまいから

 

 

「それぐらい自分でしなさいよ…」

 

 

フィールが呆れているが…まあいい

ちょっとでかけるか…

 

 

「すまん、ちょっとでかけるわ…」

 

「はい、気をつけていってくださいね」

 

「ああ」

 

 

フィールは伐乃に道を教えている…

さあてと…

ここから意外と遠いが…

ちょいといってくるとするか…

会うのは…一年ぶりくらいかなぁ…

 

こっちから会いにいかないと色々めんどうなことになるからさっさといかねぇとなぁ

 

どうやって行こうかなぁ…あの趣味の悪い城まで…

適当にバイクパクッて行くか…

 

ん?良さそうなバイクだなぁ…

 

というか…なんでこんなところのGSX1300Rハヤブサが…

いや、深く考えるのはよそう…

 

がちゃがちゃと鍵を弄ってエンジンをかける

 

 

「さあて…バイクに乗るのは久しぶりだが…行くとするか」

 

 

俺はゴーグルをだして装着する

流石にゴーグルなしは目が痛いからなぁ…

 

俺は目的地に向かってバイクを走らせ始めた



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10話 「よぉ…来夢、久しぶりだなぁ…」

今回は皆さん大好き!かはわかりませんがあの方の登場です
まあ、みなさん予想ついていると思いますがね…
意外と綺麗なあの方です

感想ありがとうございました!

ゆっくりしていってね!


「うはぁ…何度来ても、なんど見ても趣味の悪い…」

 

 

なんか…すごく気味の悪い城?屋敷…?

見たいなところの門で俺はバイクを止めた…

バイクから降りて俺は歩き出す…

 

 

「狼…か…」

 

 

狼がいっぱいでてきた

威嚇しながら俺の方に飛び掛ってくる…

 

 

「手厚い歓迎だなぁ…いや、手荒い歓迎だな」

 

 

俺は狼の攻撃をかわしてそのまま自然に歩いているような感覚で門を越える…

もちろんたくさんの狼は絶え間なく攻撃してくる…

でも当たらない…

そう簡単に当たってたまるかってんだ…

でかい扉の前に来る…

扉が開かない…

 

 

「まあ、鍵は持ってるんだけどねぇ…」

 

 

俺は狼の攻撃を最小限の動きで…ギリギリでかわす…

そしてかわしながら扉を開ける…

屋敷か城かわからんが、俺は堂々と入っていく…

狼はなぜか屋敷には入れないのか、扉の前で止まっている

扉を閉めて、俺は先を急ぐ

 

日の光が入らない大きな部屋に来た…

 

 

「よぉ…来夢、久しぶりだなぁ…」

 

「ああ、久しぶり」

 

 

部屋の奥に誰かいる…

いや、俺は誰かわかるんだけど…

とにかく誰かいる…

 

 

「お前、四六時中その姿なのか?」

 

「あぁ?まあな…ここにいるときぐらいはな、で?どうだ?お前がここに来たのははじめてだろ?俺はこの国のことは気に入ってるがな」

 

「ああ、いい国だと思うぜ?でも吸血鬼がいるしなぁ」

 

 

俺がそういうと…

 

 

「はっ!お前がそこを気にする必要ねぇだろ?というか、俺がその吸血鬼だろぉが」

 

 

そう、俺が話している相手は吸血鬼なのだ…

暗すぎて見えねぇけど、この奥にいるのだ

 

 

「ああ、ヒルダが会いたがってたぞ?会いに行ってやれ、どうせ自分の部屋にいるか、屋敷を歩き回ってる」

 

 

あっ!やっぱ屋敷なんだ…

とかどうでもいいこと考えた俺

 

 

「そういや…はじめてあったときと全然違うな、お前…人間を見下したりしてたが…見下さないのか?」

 

「ゲババババ!人間は俺たちよりも下の劣等種だ」

 

「ああ、それは認める」

 

 

俺は吸血鬼の方が上位の種族だとは思う…

あの再生能力、力、超能力、技術、頭脳、なにをとってもそこらの人間じゃ相手にならないからなぁ…

まあ、場合によっちゃぁ、下位種族が上位種族に勝つこともあるってことはちゃんと理解しないといけないけどな?

まあ、だからこいつら親子が人間を見下すのは仕方がないと思っている

 

 

「でもなぁ、自分の娘の命救った奴に恩を感じないほど吸血鬼としての誇りを失ったおぼえはねぇんだよ」

 

「そっか…でも、あれはお前からの依頼だ、俺は仕事しただけだぜ?」

 

 

こいつらも何だかんだいって、人間みたいなんだよなぁ…

というか、

 

 

「初めて会ったときに殺しあったとはおもえねぇな…俺たち」

 

「ゲバババ!お前には感謝してるぜ?お前のおかげでヒルダが助かったんだしなぁ」

 

「そういや…ヒルダにその笑い方やめて欲しいって言われてなかったか?」

 

「………ああ、頑張る…」

 

 

一気に元気がなくなる…

まあな…

 

というか、もうわかったと思うが、俺が会話している相手は吸血鬼…ドラキュラ…ブラド…

 

2年前くらいになぁ…

 

ルーマニアにきたんだ…

フィールとは、そのころ別行動しててな…

 

どっかのお偉いさんからの依頼で、ブラドを殺す依頼が来た…

まあ、殺しあった…

 

最終的にがんばって魔臓を全部潰して、一度は倒した…

 

まあ、そこで殺そうとしたんだが…

 

バチカンの奴らがブラドを横取りで殺そうとしてなぁ…

んでブラドがバチカンの奴らに殺されると依頼の完遂ができないので返り討ちにした…

 

んでバチカンの方たちが死ぬときに、ブラドにお前の娘はもうじき死ぬぞ?的なこと言って死んで…

 

ブラドから依頼された…

 

ヒルダを助けることをな

 

超久々の救出ミッションだったんだけど…

 

まあ、ギリギリで助けれたけど、魔臓を働かないように封印されて、血を流しまっくって死にかけてたんだ…

一応俺は医療の知識もあるし、応急処置はしたが…

 

いかんせん血がたりないってなってな…

 

偶然俺と血液型がまったく同じだったから俺の血液を輸血したと…

 

 

まあ、ざっくり言うとこんな感じだ

 

 

「ああ、ヒルダにあってくるよ」

 

「ああ、じゃあな?飯食うんならご馳走するぜ?」

 

「いいや、待たせてるやつらがいるんでね、また来るとするよ」

 

「そうかよ、女か?」

 

「ああ、その通りだ」

 

 

俺がそう答えるとなんかブラドは静かになって…

 

 

「ヒルダが嫉妬するぞ?ありゃ母親似だ、なんとか一度納得させりゃぁいいが、それまで嫉妬するぞ?頑張って納得させろよ?フハハハハハハ」

 

 

笑い方が改善されている!?

なんかおかしいが、しっかり笑っている!?

 

まあいいか…

 

俺はブラドの部屋からでてヒルダの部屋に向かう…




ブラドさんは個人的にこんな人なんじゃないかなと思います
人は見下してても、恩は感じるっていうのはヒルダの理子に助けてもらってからの態度と、そしてヒルダとの親子仲が悪そうじゃなかったことを見ると、娘思いなのかなって思いましてね
こんなブラドさんもいいんじゃないかなと思います
でも人間は下に見ているって言うね…その辺は変える必要ないかなと思います
そしてブラドさんの笑い方…あれが好きになれなかったからすこし変えさせてもらいました…

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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11話 「いいや、残念ながらお父様じゃないな」

この館…ものすっごい気味悪いんだけど…

いや、別に内装じたいはとてもいい、豪華な感じだ

なぜか雰囲気がすごい…

まあ、そんなことはどうでもいいんだ

 

 

「でかいなぁ…扉まででかくする必要あるのかよ…」

 

 

でかい扉だ…

部屋も広いが扉でかい…

 

 

「うん?お父様?」

 

 

ヒルダの声がする

扉の前に立っただけでよく気づくな

 

 

「いいや、残念ながらお父様じゃないな」

 

「!」

 

 

ヒルダがタッタッタと扉に小走りで近づいてきている音がする

扉が開いてヒルダが顔を出す

 

 

「ひ、久しぶりね!私のものになる気にはなったのかしら?」

 

 

ヒルダは嬉しそうにニコニコして、それを隠そうと無理やりニヤリ!っていう顔に変えようと頑張っている…

うん、普通に面白い

 

 

「ヒルダ、まあ、その誘いは素直に嬉しいよ?ヒルダみたいなかわいい子に私のものになってくれってのはさ」

 

 

そういうとかわいい子ってとこに反応したのか顔を真っ赤にする…

まあ、箱入り娘だし、ブラドはあれはあれで親ばかだしな…

 

 

「でもな、俺は誰かのものにはなれない、守りたい奴らがいるしな、俺には守れないかもしれないけど…それでも…な」

 

 

俺はそこで一旦言葉を区切って…

 

 

「もちろん、俺の守りたいものの中にはヒルダ、君も入ってるんだぜ?」

 

 

そういうとヒルダは真っ赤になる…

そして俯きながらつぶやく

 

 

「わ、私は…誰かに守られるほど…弱くはないわ…」

 

「そうだな、確かにそうだ、なら俺が困ったときは助けてくれよ?俺は誰かのために尽くすんじゃなくて、誰かと支えあっていきたいと思ってるからな」

 

 

ヒルダは少し嬉しそうにしたが、すぐにもとに戻って

 

 

「つまり私のものにはならないというわけね?」

 

「まあ、そういうことだな」

 

 

俺がそう答えて、ヒルダは白い指をあごに添えて少し考える…

なにを考えてるんだ?

 

 

「守りたい奴『ら』…と言ったわね?」

 

「ああ、それがどうした?」

 

 

ヒルダは少しムスッとしている

なんで怒ってるんだ?

 

 

「つまり、私のほかにも何人かいる…ということよね?」

 

「まあ、そりゃあな」

 

 

結構いるよな…

フィール、ななか、伐乃、アリル…

 

まあいいか、とにかくかなりいっぱいいるな

 

 

「そう…ええ、わかってはいたわ…ライムは女たらしだし、わかってはいたわ…」

 

 

ん?なんかぶつぶつ言ってる…

なんだろう、伐乃にも言われたが、俺は本当に女たらしなのだろうか?

いや、俺今までの世界で一度ももてたためしがないんだが…

いや、モテても死んだりしてたのかな?

 

 

「ヒルダ?」

 

「あっ…な、なに?」

 

 

ヒルダは声をかけると我に返った

 

 

「今日は顔を出しに来ただけだからさ、またくるよ」

 

「そう…」

 

「時間的にもちょい遅くなってるしなぁ…」

 

「ら、ライム?」

 

「ん?」

 

 

部屋からでようとしたら呼び止められた…

ヒルダは俯いている…

 

?なんだ?

 

 

「ち、近いうちに…ま、またちゃんと来てね?」

 

 

おぉう…ハートを撃ち抜かれるかと思った…

すげぇかわいかった…

あぶないあぶない、ヒルダのものになるところだった

 

 

「ああ、もちろんだ」

 

 

俺はそういって部屋を出る

あぁ~ヒルダかわいかったなぁ~

ヒルダのものになってもよかったかもなぁ~

 

さてと…そろそろ帰らないとなぁ~

伐乃もついてるだろうし…

 

 

俺は玄関を通り過ぎる…

 

狼は大人しくなっている…

ブラドがなんかしてくれたか…

 

ハヤブサにまたがって…

 

帰るかぁ…

 

街に向かってバイクを走らせる

 

夜景を眺めながらバイクを走らせる…

夜景眺めてたら事故りそうで怖い…

ということで、ちゃんと前見て運転するとしますかな…

それにしても、このバイク…何キロくらいでるんだろうか…

まあいいや、そんなにスピード出す必要もないしなぁ

 

 

そんなどうでもいいことを考えながらバイクを走らせる…




ヒルダさんかわいいと思っていただければ幸いです

送れてすいません!

次回も頑張って編みます!


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12話 「…他の女に現を抜かさないでね?」

これを更新するのは久しぶりだ…
みんな忘れてるんじゃないだろうか…
待ってた方、いないと思うけど手を挙げて

感想ありがとうございました!

ゆっくりしていってね!


「うわぁ…」

 

 

帰ってきたら伐乃がドヤ顔している

そしてカジノで勝って来たのか、色々いっぱい部屋に散乱している

 

 

「これでしばらく生活には困らないわね」

 

 

伐乃はそういう

確かに困らないだろうな

でもこれ…多すぎて片付けめんどくさそうだな…

少しは妥協しようぜ

 

まあ、いいか、寝よう

 

 

「もう夜おせぇし、寝るぞ~みんな」

 

「「「は~い」」」

 

 

は~いって言うようなキャラじゃないだろ三人とも…とは口に出さなかった俺は大人だと思う…

少し…伐乃の様子がおかしかったが…何かを我慢している感じ…か?

まあいい、気のせいかもしれんし…

寝よう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――お前は私を無責任だと思うか?そう思ったのならそれがお前の答えだ―――

 

 

 

―――お前は簡単に人を殺す…なんの躊躇もなくひきがねを引く…それを引けば悲しむ人が増えるのに…だ―――

 

 

 

―――では、私が殺したものに虐げられていたものたちは?彼らだって悲しんでいたさ、自分の意見を持つことも許されず、仲間は死に、自分も死を待つのみ…―――

 

 

 

―――それでも…人を迷い無く殺すのは間違っているだろ!?―――

 

 

 

―――では迷えばいいのか!?迷って迷って…迷った結果殺すのと、迷わず殺す…どこが違う!?―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開ける…見覚えのある天井だ

 

 

「…また夢か…はぁ…結局…あいつと同じになってるもんなぁ…俺…迷うのも意味もないことに思えてきて…迷いも無く引き金を引いて…」

 

 

俺は色んな世界で色んな人とであって…殺して、殺されかけたりもした…

そのうちに、なんの迷いも躊躇もなく引き金を引くようになった

 

今夢で見たのは一番初めの世界で…ずっと一緒に戦ってきた仲間だったやつと殺し合う前の会話

 

 

「迷って迷って…迷った結果殺すのと、迷わず殺す…どこが違う…か…そうだな…どこが違うんだろうなぁ…」

 

 

時計を見てみるとまだ3時だ

外も暗い

 

 

「あ~あ…嫌な夢見ちまったなぁ…」

 

 

外に行こうか

というか、なんでもいいから歩きたい

俺は防弾のロングコート(黒)を着て

5-7を懐に入れ、外に出た

 

しばらく歩いたところに広場があった

 

まだ3時なので誰も外に出ていない

少なくともここまでの道には誰もいなかった

 

けど…黒い人影、レインコートみたいなのを着ている

というか

 

 

「伐乃…?」

 

 

気配は伐乃だが…

 

 

「こんな時間に女性が一人あと危ないぜ?」

 

 

なんか様子が変だな…っと危ないなこりゃ

いきなりナイフが投げられた

 

 

「危ないじゃないか、なんだ?また俺のことが殺したくなったか?」

 

「そう…ね、殺したくてたまらないわ…誰でもいいから…肉を伐りたくてしょうがない」

 

 

…殺人衝動か…遺伝かな?この感じは

 

俺は伐乃からの攻撃を受け流したり避けたりして捌きながら考える

 

ジャック・ザ・リッパー…

俺は一番初め伐乃と出会ったときのことを思い出す

 

19世紀に出た殺人鬼

 

そいつは捕まってない、誰だったかもわからない

そして殺人衝動は遺伝する

 

例えば小さいころに虐待されていた子供は自分に子供ができたときに虐待する可能性が高い

もちろん、全員が全員ではないがな

 

伐乃の先祖がもし殺人鬼だったりして、狂気的な殺人衝動を有していたら…

まあ、遺伝する可能性はあるだろうな

伐乃の両親に遺伝していなくても覚醒遺伝もあるし…

伐乃は孤児だから先祖を確認することはできないが…

 

 

「随分めんどくさい体質で生まれちまったみたいだな、伐乃、泣くなよ、綺麗な顔が台無しだぜ?まあ、泣いてても可愛いけどな」

 

 

伐乃は泣いてる

涙を流しながらナイフで刺し、ナイフを投げ、ナイフで切ろうとする

口から血が出るほど歯を食いしばって…

 

俺はそれをしゃべりながら捌いて行く

 

 

「んじゃぁ、その体質のこと教えてくれ、このまま捌き続けて時間がたてば治るのか?」

 

「いえ…それは無いと思って…時間の経過じゃどうしようもなかった…どんどん悪化していくだけ…」

 

「その衝動はどれくらいの頻度で起こる?」

 

「少なくとも…一回治まれば1ヶ月は大丈夫よ…」

 

 

なるほど、伐乃に会ってもう一ヶ月近く…そういうことね

つまりあの日、俺とあったときの伐乃はもう既に誰かを殺ったあとってことか

そういや、新聞に出てたな…

 

 

「んじゃ、どうすれば治まる?」

 

 

これが一番大事だ

もし死ぬまでだったら正直やばいが…

 

 

「人の肉を伐れば…それでいいわ」

 

 

それって殺人衝動っていえるのかな?

まあ、どうでもいいか

伐るだけでいいなら

 

 

「そうか、じゃあ、こうすればOKだな」

 

 

俺は伐乃が刺そうと突いてきた右手の手首を左手で掴み、俺の腹に刺す

もちろん、内臓に刺さらないように内臓の間を通るようにな

 

 

「ぐっ…」

 

 

内蔵避け(オーガンスルー)

 

まあ、そのままの名前だが、たまに使う

この世界で使ったのははじめてだけどな

 

まあ、それにしても痛いものは痛い…

 

 

「んで?これで大丈夫か?」

 

 

俺は伐乃に笑顔でそういう

伐乃は力が抜けたみたいでそのままへたり込む

 

 

「な…んて無茶するの!」

 

「っ!?」

 

 

いきなり怒鳴られた!?

 

 

「死んだらどうするの!?あなたが死んだら我慢してた意味がないじゃない!」

 

 

怒ってるな…伐乃が…

珍しい…怒ってるところなんてはじめてみた

我慢って、殺人衝動のことか?

あと治まったみたいだな殺人衝動

人肉切れば治るのか…

 

 

「はい…」

 

 

俺にはこうとしか言いようがなかった

怖い…女性は怒ると怖い

 

 

「取り合えず傷の手当てを…」

 

「そんなに深手にはなってないから大丈夫」

 

「そういう問題じゃないの!私は…もう大切な人を切りたくないのよ…もう…いやなのよ…あのまま…殺してくれればよかったのに…」

 

 

前にも伐ったことがあるのか…

まあ、そりゃ…いやだよな…

俺にはこういうとき励ます言葉なんてもってないけどさ

しゃべってることなんてわけわかんねぇってなるかもしれないけどさ…

でも、何か言わなきゃいけない気がした

この勘に従うとするさ

 

 

「伐乃、俺はお前に始めてあったときにいったよな?男ってのは女を守るもんだろ?って、そして顔が好みだとも言ったよな?男ってのはさ、女のためにならなんだってできるんだぜ?」

 

 

言葉を区切る、流石に急がないと血がなくなってやばくなるからな…このままじゃ

でもここは大事なときだ

急いだりできるかって

 

 

「俺だって、自分の大切な人に銃を向けたことも、引き金を引いたこともある、殺したことだって一度や二度じゃない…」

 

 

何度も何度も撃ち殺した

ずっと一緒に戦ってきた戦友だって殺した

憧れていた人だって殺した

好きだった人も殺した

 

 

「だから、俺はもうそうはならないようにする、いくら殺されそうになっても、いくら酷い裏切りをされようとも、俺は大切な人を殺さない…でも逆に殺される覚悟はある」

 

 

仲間に殺されても、それは俺の選択の結果だ

誰も恨まないし、誰も責めるつもりもない

 

 

「お前の気持ちなんて全然わかんねぇ、俺とお前は違う人間で違う人格だからな…でも、俺の前でお前を死なせるつもりは無い、殺してくれなんていわれても引き金を引くつもりは無い」

 

 

俺は伐乃を殺さない

でも本人の望む結果を出さなかった代償として

 

 

「俺はずっとお前を守ってやる、お前がおかしくなったら正してやる、ずっと一緒にいてやる」

 

 

伐乃はずっと静かに聴いていた

まあ、こんなこと俺が言っても安っぽくなるだけだけど…

俺は言ったことはちゃんと実行するから大丈夫

俺が生きてる限りは全力で実行してやる

 

 

「…他の女に現を抜かさないでね?」

 

「善処する」

 

 

こればっかりは断言できないね

まあ、まずは…早く帰らないとな

取り合えず止血だけでもして行こうか…




感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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13話 「そんな余裕でいれんのも今のうちだぜ?世界最高最強の名探偵」

俺は今一人でとある港にいる

でも夜だし、誰もいない

 

伐乃やフィール、ののかは今はホテルで待ってもらってる

んで

 

 

「あんたが呼び出したんだ、そろそろ出てきてくれないかなぁ…シャーロック・ホームズさん?」

 

 

俺は周りに誰もいないが海を見ながらそういう

どこからか声がする

 

 

「ああ、呼び出しておいて失礼だったね、知っていると思うが、僕がシャーロック・ホームズだ」

 

 

どこからかでてきたその男性は自分がシャーロックホームズだと言った

髪はオールバック、鼻は高い、顔は整いすぎ…

 

 

「何のようだ?いや、あんたには俺の方から用があるんだ」

 

「そう言うことも推理していたよ?」

 

 

自分の行動が読まれてるってのは…面白くないな

シャーロック…

 

 

「お前、女にもてても友達は少ないだろ?」

 

「………どうしてわかったんだい?」

 

「あんたのお得意の推理だよ、というか、あんたの性格だとあんまり友達できる感じじゃねぇし」

 

 

というか、すべて知ってる顔して隣にいられたら気がきじゃねぇだろ常人なら…

まあ、正直俺はそういう知り合いがいても面白いと思うけどな

 

 

「んじゃぁ、俺の用件を言うぞ?」

 

「かなえられる用件で、尚且つそれに見合う報酬があるなら考えよう」

 

「伐乃の殺人衝動をなんとかする、フィールとななかに東京武偵校に通わせる」

 

 

ちなみになんで東京武偵校かというと、ななかは日本にまだ知り合いがいるかもといっていたからな…東京のほうが会える確率も高いだろう

それにあいつらの能力なら結構すぐなじめそうだし

 

 

「この二つだ、どうだ?行けるか?」

 

「うん、どちらも何とかできるね…」

 

 

伐乃の殺人衝動が怪しかったが…なんとかできるのか

学校のほうはなんとかできると踏んでた

 

 

「それで、報酬はどうするんだい?」

 

「あんた、俺に連絡を取った理由はなんだ?」

 

「君の事を聞くためだ」

 

 

俺のこと…ね?

俺は5歳児の体になって転生した

この世界の親がいるわけじゃない

 

俺はシャーロックに目をつけられるくらいのことはこの世界でしている

ブラドの知り合いだったり…まあ、色々な

 

そして俺のことを調べて、そして俺のことを推理してもわからないことがあるだろう

 

いかに天才でも存在しない真実なんてものは見つけようが無いもんな

 

 

「俺の戸籍がない、どこで生まれたかも、なぜここまで生き残れるくらいに強いのか…あんたの頭でも分からなかったわけだろ?」

 

「その通りだよ、初めてのお手上げだ、推理を間違ったのではなく、推理しても結果が出なかった…だからこそ君に興味が涌いた」

 

 

俺は手を挙げてクビを振りながらこう言う

 

 

「正直、いくら顔がよくても男に興味を持たれても嬉しくないね」

 

 

するとシャーロックはふっと笑って

 

 

「大丈夫だよ、僕以外にも興味を持った子が何人かイ・ウーにいるからね」「そいつは嬉しいな」

 

 

俺は即座に返答する

勝手に体が反応してしまった

俺に興味を持った子(美少女)がいるだと!?

 

 

「クッ…ハハハ!面白いね…いやぁ、とても愉快な気分だよ、あと美少女とは言ってないのに君の頭の中ではそう変換されるんだね」

 

「んじゃ、報酬、俺のことを教えてやる」

 

「いいねぇ~願ってもない報酬だ、ただしそれでは武偵校に通わせる分までの報酬にしかならないな…君と伐乃くんがイ・ウーに来るというのなら話は別だがね」

 

 

なるほど、勧誘か

俺はOKだが…

 

 

「伐乃の方はわからんぜ?」

 

「いいわよ、別に、ライムも来るのならね」

 

 

後ろからそんな声が聞こえた

ついてきてたのかよ…いや、まぁ実は気づいてたんだけどね…

ののかは来てないだろうな?いや、着いて来てないな気配的に

と思いつつ後ろを向く

 

 

「まだ寝てると思ったんだけどな」

 

「あなたのベッドに入ろうとしたらいなかったから」

 

 

そんな理由で気づいたのかよ…!

俺はまだ童○捨てるつもりはないぞ!?

 

 

「最近の若者って…進んでるね」

 

「いや、待てっくれシャーロック」

 

「あら?責任とってくれないの?私にあんなことさせたくせに」

 

 

待て、あんなことって俺を刺したときのやつか!?

まあ、確かに責任とらなきゃならんと思うがここでその言い方は誤解をまねくぞ!?

 

 

「取り合えず話を戻そうか、どちらもイ・ウーに来てくれるかい?」

 

「ああ、OKだ、フィールとななかには俺から手紙を書こう、後はあんたが手配してくれ…でも…イ・ウーだということだけは言うなよ?」

 

「ああ、ななかという子が間宮の子だということは知っているさ…では、ようこそ、イ・ウーへ」

 

 

そういってシャーロックは手を差し出してきた

俺はその手を全力で力を込めて掴んで握手して

こういった

 

 

「そんな余裕でいれんのも今のうちだぜ?世界最高最強の名探偵」




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「はぁー…復讐か…考えたことがないわけじゃないけどなぁ…」

なにはともあれ、俺と伐乃はイ・ウーに入ったわけだ

この原潜にのってもう3日

ななかとフィールはどうしてるだろうな…

ただわかるのは…

 

 

「今度会ったら…ボコられる…」

 

 

俺は自分に与えられた部屋でそう呟く

暇だぁ…このイ・ウーではやたらと殺気浴びせられる

特に金髪ツインテールのロリ巨乳からの視線がつらい…もう親の仇を見ているみたいな目だ

俺何かしただろうか?

いや、俺が今まで殺ってきた奴らの中にあの子の親が入ってたのだろうか?

まあいいや、あの子の名前…なんて言うんだっけか…

 

あぁ、そうだ、峰理子か…上手い具合に殺気を抑えていたが…あんまり隠せてないぞ…

まぁ、俺には関係の無い事か

正直興味ない、殺されそうになれば殺せばいい

あのくらいなら簡単だ

シャーロックがダメって言えばやらないが…いや、やれない…かな

それに女性だからな、殺すことは…まあ、危険なら殺すが、そうじゃないなら殺さないだろう

 

 

「さてと…することもないし…」

 

 

と思ったらもうすでに手が銃の整備をし始めていた

くせになってんなぁ…

この銃はおそらく整備さえ怠らなければ壊れることはない

というか、壊れてるのを見たことが無い

 

鉄をあっさり切断するような剣を受けても切れなかったし

レーザーで斬ろうとしても斬れなかった

高水圧で斬ろうとしても切れなかったし

圧力かけて潰そうとしてもつぶれなかった

太陽にシャトルと一緒に突っ込んでいったが数日後帰ってきた

瞬間的に莫大な圧力をかけられても無傷

 

まあ、つまり…これが俺の転生特典なわけだ

 

でも、絶対壊れないって言っても威力は普通の銃だし、俺自身が弱いから関係ない

 

そんなどうでもいいことを考えながら銃を整備していく

 

 

突然、ゾクッと背筋にいやな感じが走る、殺気を向けられたときの感覚だ

 

 

俺は椅子から立ち上がりながら真後ろを蹴る

 

足がなにかにあたった感触がする、人体だ、蹴りが届くところもまで接近を許したのか…気が緩んでたな

 

俺は椅子を右手で持って、全身の関節や筋肉を使って足のほうを前にして回転をかけないように投げる

 

椅子は槍のように飛び、足で俺の後ろにたっていた人であろう人をはさみ、一瞬拘束する

 

その瞬間距離を詰め、椅子を持ち、拘束状態を維持する

運よく、両手とも動かせないようになっているのでいい感じに拘束できた

改めて俺の後ろにたって、えぇと…誰だ?

 

金髪で親の敵のように俺を見て、ツインテールでロリ顔で巨乳

 

 

「峰…理子?」

 

 

そう、確か峰理子だ

イ・ウーの中でも特別俺に殺気を向けてくる奴だ

まあ、いつか殺しに来るだろうなぁとは思ってたんだよなぁ

銃はまだ整備中で使用できないし

 

ポケットに常備しているバタフライナイフを首筋にそっと当てる

 

まあ、襲われたとはいえ女性だからな

 

 

でも…もし危険なら…殺す

まあ、この程度の腕ならあんまり怖くないが…

 

さて…どうするか…

どうせシャーロックのことだ、峰理子が俺を襲うことくらいわかってたんだろうなぁ

 

 

さて…どうするか…

 

 

椅子に拘束されたまま睨み付けてくる

どうでもいいけど椅子に拘束されるってだせぇな

 

 

「峰理子、答えたくないなら答えなくてもいい、正直どうでもいいからな…なんで俺を襲った?」

 

「………」

 

 

無言のまま睨み付けている

峰理子…ん~どっかで聞いた名前だな

 

そういや…興味ないから聞き流してたけど

ブラドが監禁してた子の名前がそんな名前だったはず…

 

フルネームは…峰理子リュパン四世…だったな

 

 

「もう一度訊くぞ? Il m'a frappé pourquoi?(なんで俺を襲った?)

 

「!」

 

 

リュパン4世はフランスの大怪盗だ

だからわかってるぞ、ということでフランス語で話した

一応結構な数の言語しゃべれるぞ?

 

 

「………」

 

 

無言、返答なし、沈黙

はぁ~まあ、大体察しはつく

大方、ブラドに復讐したいとかで、俺が邪魔になるかも…とでも思ったんだろう

 

まあ、どうでもいいや、ここで殺すのもいいと思うけど、殺しても生かしても後々めんどくさそうだ

 

なら生かしておく選択をとるとしよう

 

なにより、女性には優しく…な

 

椅子を持っていた手を離す

 

 

「もう襲うなよ、正直、ブラドがどうなろうと、そうなるべくしてなったのなら、それでいい、あんたの邪魔をするつもりはないから、無視してくれ」

 

「!?…なぜ…私を逃がす?あんたにとっては不利益だろう…?」

 

「君が女性だから、しかもとびきりかわいい…な」

 

 

俺はそういって峰理子に十分注意を払いながら銃の整備に戻る

 

峰理子はこれ以上攻撃しても無駄だと判断したのか、静かに外に出ていった

 

はぁ~可愛いのに、復讐に取りつかれてるね~

それ以上にブラドに恐怖している…か

 

恐怖も復讐も理解できるけど、それに身が焼かれぬよう…もしものときは助けてやろうか…

 

いや、ここまでくればただのお節介だな

 

 

 

 

「はぁー…復讐か…考えたことがないわけじゃないけどなぁ…」



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15話 「白色、いいと思うぞ」

「ああ~…なんか今日は寒いなぁ…」

 

 

 原潜のなかで何を言うといわれれば確かにそうだが、事実寒い…。

 だってなんか霜降りてるし…いやちょっと待て、これは異常だろ?

 はぁ…もう…大体何が起こったかわかるけどさ…。

 

 

「話はきくから、殺気をしまえ…確か…ジャンヌ・ダルクだったか?」

 

 

 俺は後ろを振り向きながらそう声をかける…思った通り、俺の後ろには美しい銀髪の少女が堂々と立っていた…。

 この子はなんで俺に殺気を向けるんだろうか? なんでこんなに寒いんだろうか?

 絶対この子だわ…マジで寒い…。俺の隣にいる伐乃は大変不機嫌そうな顔をしている…寝起きで俺のベッドに入っていたからばれないように這い出したのが相当嫌だったらしい…普通は男と同じベッドに入ることを嫌がるはずなんだけどな…。

 あと寒いのは嫌いっていってたな…昨日…。

 まあ、色々な条件が合わさって超不機嫌になったのか…その原因の一つを作ってしまった俺としては大変心苦しいぜ…

 

 この冷気を発生させていると思われるジャンヌ・ダルクは俺の言葉を無視してにらんでくるばかりだ…。伐乃が元々不機嫌だったところに面倒そうなことがきたのでさらに不機嫌になり、挑発的な言葉を話し始める

 

 

「ジャンヌ・ダルク、寒いからその冷気をしまいなさい、私は今とっても不機嫌よ? なんならあなたのその綺麗な肌を切り裂いて遊びましょうか?」

 

 

 目を細め、殺気を出しながら彼女は笑う。それはもう楽しそうに…。お前は私のおもちゃだ、ストレスを発散するために遊ばせろ…とでも言っているようだ…。

 

 

「理子があなたに挑んで負けたそうだな」

 

 

 理子…峰理子のことか……なるほど、つまり彼女は峰理子の友達でその仇討みたいなものだろうか…?

 正直なにもしていないというか、攻撃されたから正当防衛しただけなのに狙われるというのは気分が悪い…。

 伐乃は俺のそんな気持ちも考えてキレたんだろうな…。

 気が利きすぎるのも考え物だ…。

 やばいな…このままじゃまさしく死合はじめちまいそうな空気だ…。まあ、どちらかが死にかければ止めればいいか?

 いやいや、もしどっちかが死んだらどうしよう…?というか、シャーロックはこの状況を知っているのだろうか?

 

 

「ああ、その通りだ、峰理子に襲撃されたので撃退した」

 

 

 俺は簡潔に質問されたことだけ返す…。そうすると、ジャンヌ・ダルクは少し顔をしかめる。

 

 

「ならば…私はあなたに決闘を申し込む」

 

 

 え~…こんな人だっけ? 決闘とか正直めんどくせぇ…。

 まあ、大方いきなりイ・ウーに入ってきた俺の強さを知りたいんだろうなぁ…。

 

 

「ライムと戦うの? そう…ならその前に私を倒しなさい、じゃなきゃ絶対にライムにあなたの刃は届かないわ」

 

 

 伐乃さん本格的にストレス発散モードですか…。どんだけイライラたまってるんだよ…。

 ジャンヌ・ダルクの強さは測り兼ねるが、伐乃の強さは大体わかる…伐乃はかなり強い、武偵ランクで言えば、Sランクを倒すくらいはあるだろう…。

 

 

「いいだろう、ではあなたを倒してから彼に挑むとしようか!」

 

 

 そういって手に持った西洋剣でいきなり伐乃に斬りかかるが伐乃は特に気にした風もなく簡単にナイフで剣を受ける。

 ニヤッと笑う伐乃は実に楽しそうだ…はぁ…面倒なことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side伐乃

 

 

 ジャンヌ・ダルクね…確かステルスだったわね。少しは楽しませてくれると嬉しいわ…。

 ジャンヌ・ダルクは連続で剣をふるう…周りの大気が冷たくなる…氷のステルス…便利そうね。

 

 まあ、すぐに終わらせるのはつまらないし…少し遊ぼうかしら?

 

 ナイフを投げつつ距離をあける…ジャンヌ・ダルクはナイフを避けたり弾いたりして防いでいる…。

 指の間にナイフを挟んで八本のナイフを投げる。これも防ぐ…。

 

 

「ふふっ よく避けるわね、すごいわ」

 

「あまり甘く見るな!」

 

 

 少し勘に触ったのか少し怒っているようだ。

 攻撃が単調になった…そういえば、ライムも話をしながら戦うけれど、これは余裕があるからと、相手の攻撃パターンを単調にするためなのかしら?

 まあ、どうでもいいわ…。

 

 そこまで考えたときジャンヌ・ダルクが一気に距離を詰め、上段から振りかぶった剣を振り下ろす。

 

 ナイフでそれをさばきつつ、蹴りを入れジャンヌ・ダルクを吹っ飛ばす

 

 今はロングスカートバージョンのメイド服を着ているので、ライムには見えなかったはず…よね? ライムがすごく嬉しそうな顔をしているのは見なかったことにしましょうか…。

 

 吹っ飛ばされたジャンヌ・ダルクにナイフを三本投げる。一本はジャンヌ・ダルクの頭のすぐ横の壁に刺さり、一本はジャンヌの腹部のすぐ横の壁に刺さり、もう一本は足のすぐ横の壁に刺さる

 

 ジャンヌ・ダルクは体制を立て直そうとする…。私はそんな彼女に笑顔で声をかける

 

 

「動かない方がいいわよ? 少しでも動くと全身が綺麗にスライスされるわ」

 

 

 そういいながら私は手に持っている一本の剛糸を見せる。

 戦い始めてからずっと投げていたすべてのナイフには剛糸が仕込んであり、彼女の周りを剛糸がまんべんなく囲むようになるように投げていた。

 だから今動くと危ない…というわけ…。

 

 

「ライムと戦うにはまだまだ強さが足りないわ」

 

 

 私はそういって剛糸を捨てる…その瞬間色んなところに刺さったナイフから伸びていた糸が緩み、床に落ちる…。

 

 

 私はそのまま自分の部屋へ戻る

 ライムも私と一緒に少し広いあの決闘場みたいなところから出てくる

 

 

「なんで本気でやらなかったんだ?」

 

 

 そう声をかけきたライムは少し嬉しそうにしていた。

 

 

「別に、遊びだもの、遊びの仕合で本気になるつもりはないわ…死合なら別だけれどね…」

 

「ふ~ん…そうか…そういえば、言っておかなきゃならないことがある…」

 

 

 ライムが急にそんなことを言うのでなにごとかと思い、ライムの顔を見る。ライムは至極真面目な顔をしていう

 

 

「白色、いいと思うぞ」

 

 

 その言葉の意味を理解した私は赤くなった顔を隠すように自分の部屋へ走った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライムのバカ…




感想待ってます!

感想をくれるとやる気が出ますんでね…

次回も頑張って編みます


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16話 「安心して眠るといい」

「で?なんのようだよシャーロック」

 

 

 俺はいきなりシャーロックに呼び出され、シャーロックの部屋に来た…。

 ここ原潜の中だよな?ってくらい豪華だな。こんなんなら俺の部屋ももっといい部屋にしてくれよ!

 

 と、心の中で叫ぶが、俺はポーカーフェイスを装う。

 

 

「君宛に手紙が来たよ?」

 

 

 そういってシャーロックは俺に手紙を渡す。

 この手紙は…。差出人シャーロックと書いてある…英語で…。

 

 

「差出人あんたじゃねぇか! というか、わざわざ呼んだんだから、手紙じゃなくてもいいだろ!」

 

「ライムくん、これは正式な依頼だよ?」

 

 

 そういわれ俺は立ち止まる…はぁ…とため息をつきつつシャーロックを睨み、どかっと近くの椅子に腰を下ろす…。

 そしてゆっくりと口を開け、質問する。

 

 

「報酬は?」

 

条理予知(コグニス)

 

「?」

 

 

 意味がわからん…。

 いや、条理予知のことは知っている…シャーロックの未来予知と言って良いレベルにまで研ぎ澄まされた優れた推理力…それが条理予知

 

 

「君はここ、イ・ウーに来てまだ何も得ていないだろう?」

 

「まあ…な」

 

 

 そりゃそうだ、俺の戦闘スタイルで見本になるような奴いなかったんだからな…。

 みんななんらかのステルスか、それとも俺とは全く違う戦い方か…まあ、ステルスは強力だとは思うが、覚えるつもりもないし、そもそも覚えることはできないだろう。

 俺はシャーロックみたいにこのイ・ウーにいる全員の能力を覚えるつもりはないんだからな…。

 

 

「だから僕が与えよう…君をほぼ強制的にここに入学させたというのになにも渡さないのは少し気が引けるからね…報酬は先払い、どうだい?悪い条件じゃないだろう?」

 

 

 確かにな…条理予知は貰えるなら欲しい…というか、どうやって受け渡しするんだよ、脳みそでも交換すんのか?

 とかどうでもいいことを考えながらまた口を開く

 

 

「どうやって条理予知を俺に渡す?」

 

「簡単だ、ずっと昔…百年くらい昔かな…?まあ、自分の記憶というか…技術のノウハウを相手に渡すという器用なステルスに会ってね…彼の能力を使えばいい」

 

 

 それってつまり、シャーロックはその人の力を持ってるってことか…多分、こいつとガチでやったら勝てないかもしれない…今の俺じゃあな。

 もしこいつが敵に回ったらどうするか…そしてこいつが全力で俺を殺しに来たらどうするか…。

 

 これはずっと考えてるんだが、逃げるか死ぬのどちらかしか思い浮かばねぇ…。

 逃げても追いつかれそうだしなぁ…。

 そう思いながらシャーロックと会話する。

 

 

「それ…ノウハウを渡すだけならそもそも使える素質がない奴は覚えられないんじゃないのか? 俺はあんたほど頭がよくないぞ?」

 

 

 俺は正直に言う…まあ、長生きしてるから色々知ってはいるけど、別に頭がいいわけじゃない…そこそこ頭の回転は速いとか言われるが、俺の目の前にいる天才に比べたら足元にも及ばないだろう…。

 

 

「ああ、その通り、普通の人に教えても覚えるのは不可能だろう…けど君は頭がいいし、何より…君には僕程度では及びもつかない『経験』がある」

 

 

 ?どういうことだろうか…?

 確かに経験だけならシャーロックよりは上だろうが…。

 それが条理予知となんの関係がある?

 

 

「条理予知は推理によって成り立つが…君の場合は自分が今まで経験したことも推理の材料として使えばいい…そうすれば…戦闘時だけなら僕並か、それ以上の条理予知になるだろう」

 

 

 なるほど…戦闘限定の条理予知か…。確かに条理予知がどんな感覚で使えるのかはわからないが、シャーロックの予知能力みたいなのが戦闘限定で使えるなら、十分な報酬だ。

 とか色々考えているが、シャーロックを相手にこういう頭を使う交渉とかは勝てる見込みはないので、素直に受け取るのが吉か…。

 俺に渡されるというか…教えてもらう条理予知についてもう少し聞いておこうか…。

 

 

「戦闘時以外はまったく使えないのか?」

 

 

 俺が疑問に思い、聞いてみるとシャーロックはくびを横に振り、答えた

 

 

「いいや、それはないね…予知…といえるほどではなくても、名探偵としてやっていけるくらいの推理はできると思うよ…君は元々頭の回転が速いからね」

 

 

 そりゃあいい、もし仕事がなくなったら探偵やるのもありだな…帯銃を認められてる国じゃないとだめだけど…。 

 便利なもんを報酬にしてくれるじゃないかシャーロック。

 

 

「どうだい?この依頼…受けてくれるかい?」

 

「OKだ、その依頼受けてやるよ…強さってのは持っているだけで便利なもんだしな」

 

「そうかい、それはよかった…ちょっと多い知識がいきなり頭に入るから、大概はみんな気絶するし…頭が痛くなるようだが…始めるよ」

 

 

 え?それ危なくねぇ?って聞く前にもうすでにシャーロックは俺の頭に手を置き、なんかしている…俺の頭に置かれた手はピカーっと光って…。

 

 眩しい!そう思ったときにはありえないほどの頭痛が襲ってくる。

 

 

「!!」

 

 

 頭ン中にいきなりなんか突っ込まれた痛さ…。思わず意識を放棄したくなる痛みだが無駄に耐久力が高かったようで意識を手放せない…。

 

 内側から脳みそが膨張して弾け飛ぶんじゃないかって痛みがそれから10分間以上続いた…。

 シャーロックは痛みでうめく俺を見つめていた…こいつこの痛みをなんとかする方法知ってるんじゃないだろうか?

 とかも思ったがそれも一瞬だ…そんな思考は頭痛の濁流に飲み込まれ、消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

 痛かった…今やっと落ち着いた…シャーロック、最初に言えよ…。

 と思い、睨み付けるがシャーロックは悪びれもせず、立ち上がり、なんか知らんが拍手してきた…。

 

 

「いやぁ…気絶しないこともすごかったけれど、悲鳴すら上げないとはね…まあ、大体は推理でわかっていたけど…それにしてもすごいね…普通の人間なら死ぬほどの痛みなのに」

 

 

 おいシャーロック…そんな危険なことしたのか…先にリスクの説明しろよ…!

 そうは思っても口には出さない…というか出せない…しばらくしゃべれそうにない…。

 

 

「そんなに睨まなくてもいいじゃないか…悪かったとは思っているけど、死なないということは推理してわかっていたからね」

 

 

 ああ…やばい…意識が遠のく…もうなんか全身だるい…。

 

 シャーロック…仕事の内容教えなかったな…。

 

 

「ああ、仕事、報酬は先払いといっただろう? この仕事はまだまだ先…一年から二年後くらいに依頼することになる…」

 

 

 そんな先のこと…今…依頼するな…よ……………

 

 

「安心して眠るといい、伐乃くんを呼んであるからね…お休み、ライムくん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




経験による条理予知…戦闘時ならシャーロック並かそれ以上の条理予知が可能とか…
チート化が進みましたね…


感想心よりお待ちしております


次回も頑張って編みます!


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17話 「見つけたでぇ…やっとや…ゴースト」

「諸君、香港についた…出発は10時間後、香港を見て回る、武器の補充などをしたい場合は降りてよい…ただし時間は厳守、でなければ置いて行くよ? 以上だ、では有意義に過ごしなさい」

 

 

 俺はシャーロックのイ・ウー全体に聞こえる放送を聞きながら考える…。

 そうだな…銃がもう一丁欲しいし…できればリボルバー…。

 具体的に言えばコルトSAA(シングルアクションアーミー)…香港に銃の知り合いっていたっけかな?

 

 ちなみに香港によったのは補給だな…超人がわんさか乗ってるイ・ウーでも初戦は原潜、補給は必要だ…だから香港の藍幇からの補給を受けに来た…というわけだ。

 

 と思っていたら電話がかかってきた…ちょっと待て、なんで原潜の中に電波が飛んでんだ?いや、香港についたんだったな…ならわかるか。いや、おかしくね?

 まあいいか…

 

 

『よう、士咲…久しぶりだなぁ』

 

 

 電話の向こうからドスのきいたおっさんの声が聞こえてくる…。

 俺はその声を聞いて、返答する

 

 

「ああ、久しぶり、平賀さん、何の用ですか?」

 

 

 平賀 源次…平賀源内の子孫らしい…本人がそういっていた。

 この人は、俺が必要になった武器をいつも手配してくれるのだが、日本人だからな…香港から日本に行って、銃を貰って帰ってくるのを十時間以内にするのは難しい…。

 

 

『いやぁ…ただ自慢しようと思ってな!』

 

「自慢ってなんですか? 浮気相手でも見つけましたか?」

 

 

 冗談でそういうと、平賀さんはとても大きな声で怒鳴ってくる…。

 

 

『バカヤロウ!俺は嫁さん一筋だってんだ!』

 

 

 正直めっちゃうるさい…まあ、話を戻そうと思い、聞き直す。

 

 

「冗談です、それで、何を自慢するんですか?」

 

 

 俺がそう聞くと、平賀さんは電話の向こうでニヤリと笑った…ような気がした…いや、気がしただけかもしれんけどさ…。

 

 

『今よ、香港に旅行に来てんだよ!どうだ、いいだろ?』

 

 

 ん?ちょっと待て…香港?香港っていったか!?

 俺は慌てて聞き返す。

 

 

「香港ですか!?本当に!?」

 

『おうよ、どうだ、いいだろ?美味いもんいっぱいだぜ?』

 

 

 美味いもんは確かに魅力的だが、その前にもっと重要なことがある!

 

 

「銃は持ってきてますか?」

 

『これでも一応、武偵だぜ?あたりめぇだろ?』

 

「売り物の銃は!?」

 

 

 そう、ここが大事だ!まず売り物の銃を持ってきてない可能性もある!

 

 

『あるぜ…え~とDEとm9、5-7にH&K P2000…あとはピースメーカー(コルトSAA)だな」

 

「よっしゃぁああ!!」

 

 

 やった!あった!平賀さんの売り物なら、安心できるから、すげぇ嬉しい!最後の最後にSAAあってよかった…なんで最後に言ったんだ…ちょっとひやひやしたぞ…。

 

 

『ど、どうしたんだ?』

 

 

 電話の向こうから純粋に疑問に思ったのだろう…そうとわかる声がする…。

 俺は落ち着きを取り戻し、言う

 

 

「いえ、なんでもありません…今から会いませんか? ピースメーカーを売ってほしいんです、あと弾薬も…」

 

『なんだ、香港にいるのか、お前』

 

「ええ、では、待ち合わせは―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、香港に来て、今取引が終わったところだ。

 いやぁ…運がよかったぜ、平賀さんがいてよかった…。

 コルトSAAも手に入ったし、弾薬も補給できたし…。

 

 美味いもんでも食うとしよう!

 ああ、伐乃にお土産も買って行こうかな?

 ちなみに伐乃は「人が多いのは少し苦手だし、今日はまだ眠いから降りないわ…お休み」といって俺のベッドで寝てしまった…。

 いつも思うが、俺のベッドである必要性が皆無なのだが…。

 お前はいつも俺のベッドで寝るじゃないか…しかも、なぜか朝は服がはだけてるし…いや、もういいや…諦めよう。

 

 

 

 まあ、色んな飯を食いながら、お土産も探して遊ぶ…まあ、少し金をスられそうになったが、流石にそんな簡単にスられたりはしない…ということで防いだ。

 

 

 

 そんな感じで楽しんでいると…。

 

 

「そろそろ時間か…行こう」

 

 

 時間にはまだ余裕はあるが、時間にルーズってのはあんまりよくないからな、できるだけ余裕を持って行動したいからな…そう思いつつ歩き出す…。

 

 後ろから殺気…と呼んでいいほどの敵意を感じて後ろを振り向く…。

 

 そこには長いポニーテールの綺麗な女性がたっていた…背中には布で包まれた何かが背負われている…いや、シャーロックからもらった条理予知で推理すりゃわかる…。

 

 あの布で包まれたものは斬馬刀…アホみたいにでかい大剣…普通の人間、それも女性が振るえるものでもないのだが…。

 

 

「見つけたでぇ…やっとや…ゴースト」

 

 

 俺の通り名でそう呼ぶポニーテールの女性…周りを見てみると、人が一人もいなくなっていた…近くで何か催し物をやっているようだ…そっちにみんな夢中で見に行ってしまった…。

 

 おいおい…ここで俺の通り名の知ってる人、斬馬刀、懐に銃があるのと、火薬の匂い…この女性…。

 

 

「武偵か?」

 

「その通りや…武偵、蘭豹ちゅう名前…お前を捕まえる武偵の名前や…覚えとけ」

 

 

 おいおい…この武偵…簡単にあしらえるような感じじゃないぞ?なんとなくの纏ってる雰囲気でわかる…この…蘭豹という武偵…かなり強い…。

 

 

「まあ、おとなしく死ねぇ!」

 

「おいおい! さっき捕まえるとか言ってただろうが! 矛盾してんぞ!」

 

 

 一瞬で距離を詰めつつ、布に包まれたままの斬馬刀を振り上げる…『片手』で…異常だろ!?片手は異常すぎるだろ!?

 

 

「だぁ!畜生!」

 

 

 そう叫びながら、俺は仕方なく、武偵 蘭豹を迎え撃った。




感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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18話 この二人は生まれる時代を間違えた

サブタイ?俺の思ったことを書きました(笑)

今回は蘭豹からの逃亡戦…。

あとこばとんさん、感想返しのときに、候は出ないと言いましたが…あれは嘘だ

では、ゆっくりしていってね











 蘭豹の振るう斬馬刀を上体をそらしながら回避し、斬馬刀が通り過ぎた瞬間体制を戻し、SAAで不可視の銃弾(インヴィジビレ)を放つ。

 

 蘭豹は飛んできた銃弾を紙一重でかわしつつ下がりながら斬馬刀を振るう…斬馬刀はでかいからリーチが長い!

 

 俺も急いでバックステップで下がりつつ、左手、SAAを持っていない方の手で45LC弾を6発分、上へ投げ、不可視の銃弾(インヴィジビレ)で残り5発すべて撃ち尽くす。

 斬馬刀は俺の鼻先3センチくらい前を過ぎる…。

 

 SAAのハンマーを二段階まで引き、ローディングゲートを開き空薬莢を落としつつ、親指でシリンダーを弾くことでシリンダーをクルクルと回し、上に投げた45LC弾が落ちてくるタイミングに合わせつつ、右から左へ、不可視の銃弾(インヴィジビレ)の要領で見えない速度で振る。

 弾が6発装填されたことを確認。

 

 まぁ、不可視の装填(インヴィジビラ)かな? 不可視の銃弾(インヴィジビレ)からとってさ…。

 

 そしてローディングゲートを閉じ、左手で5-7を居合抜きの要領でショルダーホルスターから抜きつつ、不可視の銃撃を一発する。

 

 

「ッ!?」

 

 

 蘭豹は見えない銃撃に驚いていたが、銃ではなく、銃弾を見てかわす…いやいやいや、おかしいおかしい。

 まあ、それはそれとして…。

 

 

「やっぱりSAAはリロードが難しいな…」

 

 

 俺はそう呟く…5-7なら空中リロードは楽なんだが…オートマチックだし…。

 

 SAAはソリッド・フレーム…つまりスイングアウトしないんだ…。

 いっぺんに薬莢を出して、いっぺんに弾を装填ってのができねぇ…まぁ、それはこれからなれればいいか…。

 

 

「なんやぁ…? 銃が見えへんし、しかもリロードまで見えんやと? ゴースト(亡霊)…お前、生まれる時代間違えたんとちゃうか?」

 

 

 蘭豹は少し楽しそうな顔をしてそういう…おぉ、怖い怖い…。けどまぁ…こういう緊張感も…悪くない。

 楽しいねぇ…けど、生まれる時代を間違えたのは俺だけじゃなくてあんたもだろ?そう思いながら言う。

 

 

「その言葉、そっくりそのまま返すぜ、その異常な怪力と銃弾を見る動体視力…しかも獲物はS&W M500…ホントに人間かよ」

 

 

 S&W M500…50口径のマグナム弾を装填することができる銃…この弾は.44マグナム弾の約3倍の威力を誇るといわれる。だから、フレームには特大フレームであるXフレームを使用し、シリンダーの肉厚を確保できる装弾数5発になっている…。

 

 威力に比例して発射時の反動も相当なものになっているので、8インチモデルや10.5インチモデルはその反動を抑制するためにあえて2kg前後の重量を持たせている。

 だが、それでも反動はすさまじく、「手の中で何かが爆発したような感覚」らしい…

 

 売る側も「安易にこの銃を撃った場合、射手の健康は保障できない」なんて言うような銃だからな…。

 

 んなゲテモノ銃、俺には使えそうもないんだよなぁ…。

 

 

「ウチの獲物…よくわかったやないか」

 

「さっきの交戦でちょっと見えてたからな…」

 

 

 そんな銃をおそらく利き手ではない方の左手で構える蘭豹はおかしいのだと思う…が、俺は懐中時計を見て、時間がないことを確認…。

 

 そろそろ本当に時間がない…ということで…。

 

 

「ふっ!!」

 

 

 5-7で不可視の銃弾(インヴィジビレ)を三発撃ち、背を向けて走り出す…いや、本当に時間がない…。

 

 

「待てやぁ!!」

 

 

 と、そこまで考えた瞬間、蘭豹の怒号が聞こえ、条理予知でありえないことを推理してしまった…が、これは条理予知…未来予知みたいなもんだ…なら…。

 俺はスライディングする、その瞬間、俺の頭上を斬馬刀が飛んでいく…。

 

 ということは…投げやがったな!?

 斬馬刀は俺の前にあった車に深々と突き刺さる…。

 

 

「こ、殺す気か!?」

 

「おとなしく死ねぇ!」

 

「お前日本の武偵だろ!?9条はどうしたんだよ!」

 

 

 俺はそう叫びながら斬馬刀の刺さっている車を乗り越える、蘭豹は後ろから走ってきて、深々と刺さっている斬馬刀を軽々と抜く…。

 

 もうあいつに手加減なんていらない気がする…。

 

 俺は、振り向きながら、車のガソリン給油口に銃弾を撃ち込む、蘭豹は俺がなにをしたのか一瞬で思い至ったようで、全力で走って車から離れる…。

 

 斬馬刀を持っているというのにめっちゃ速い…。

 

 そして車が爆発する…。蘭豹はぎりぎりその爆発に巻き込まれて、吹っ飛ぶ…そう、なぜか俺の方向に…。

 

 

「え?」

 

「おりゃぁぁああああああ!!」

 

 

 無茶苦茶しやがるな! 蘭豹は俺の頭上から斬馬刀で振り下ろしながら落ちてくる…蘭豹こえぇ…。

 

 半身を反らし、かわす…蘭豹の斬馬刀は地面を斬りこみを深々と痕をつける…。

 

 急いで距離を取り、また俺は走り出す…。後ろからピンっという音がする…。

 この音は…手榴弾!?

 

 振り向きつつ不可視の銃弾(インヴィジビレ)で手榴弾を打ち抜く、ギリギリ効果範囲に入る前だったからダメージはなかった…が、周りはえらいことになっている…。

 

 手榴弾の爆発が車に当たり、車がさらに爆発…。その爆発で近くにあった消火栓が吹っ飛び、中から水があふれ出る…。

 

 

「「うわぁ…」」

 

 

 俺と蘭豹の声が重なる…あまりの被害に呆然とする俺…流石に蘭豹もやばいと思ったのか、俺と同様の反応だった…。笑えない。

 

 俺はいち早く我に返り走り出す、蘭豹もそれに気づき、走り出す…。

 

 

「いい加減にせぇよ!逃げんなぁ!」

 

 

 なんでこんな追っかけっこしなきゃならんのだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからしばらく走ったが…。全然離れない、しかもなんの容赦もなく発砲するわ、斬馬刀で斬ってくるわ、手榴弾投げるわ…。

 

 終いには武偵弾まで使ってくる始末…俺と蘭豹が通ったあとが破壊しつくされている…。残り時間はあと数分、これを過ぎれば、イ・ウーと、はいさようなら状態だ。

 

 

「蘭豹! 俺とお前の通った道が大変なことになってるぞ!」

 

「いいやないか!ウチとお前の二人で残していこうや!」

 

 

 蘭豹からの攻撃を防ぎながら会話する…。蘭豹はバトルジャンキーの気があるのか、すげぇ楽しそうだ。

 いや、気があるというか、そうなんだろう…。俺も実は少しだけ戦闘狂なんだよなぁ…少しだけだけどさ。

 

 

「いいねぇ! 美女と二人で何かを残す! だがその共同作業がまさかの破壊活動でしたってか笑えねぇよ! けどまぁ、二人で何かを残すってのは素敵かもな!」

 

 

 いつも通りとはいかないが、相手が女性なのでちょっと動揺を誘ってみる…まぁ、俺の言葉に嘘偽りは一切ないがな。

 

 

「なんやぁ? ウチのことを女性としてでも見てくれるってか? そんなわけないわな!」

 

 

 笑ったまま、しかし確かにほんの一瞬だけ悲しそうな顔をして斬馬刀を振るってきた…。

 俺はそれをかわしながら言い返す。

 

 

「え?いや、美女だろ? 本当に可愛いよあんた」

 

「嬉しいこと言ってくれるやないか!」

 

 

 本当に嬉しそうな顔で言う。 うん、蘭豹…実は乙女なタイプだろ? 自分はモテるはずがないとは思ってるけど褒められたらうれしいタイプか…。

 

 まあ、さっきも思考したように俺の言葉に嘘偽りはないのだが…。

 会話しながらの逃亡戦は続く…逃げきれねぇ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は道路を走る…。 裏路地につながりそうな細い道が俺の前方三十センチくらい前にある…。

 大体予想ができるのでうしろに振り向きつつ不可視の銃弾(インヴィジビレ)で飛んでくる武偵弾を打ち抜く…その瞬間、爆炎で視界がふさがる…。

 

 その爆炎の中から蘭豹が飛び出してきて、斬馬刀を振り上げる。

 そして斬馬刀は振り下ろされる…。

 さっきまでと同じように、回避しようと思ったその矢先…

 

 

「「!?」」

 

 

 俺のすぐ前方にあった裏路地につながりそうな細い脇道から…小さな女の子が出てきた…!

 なんかよく見れば尻尾が生えているが今はそんなことどうでもいい!尻尾の生えた女の子なんざ色んな世界で見慣れてるからな!

 それよりも条理予知が発動しなかった!

 いや、この条理予知は俺の戦闘経験で支えることにより未来予知にしている…ならば、こんな状況には陥ったことは…いや、あるけど少し経験が足らなかったわけか…。

 

 

「はわわ!」

 

「やべぇ!」

 

「ッ!!」

 

 

 小さな黒髪の少女は慌てて頭を抱えて目をつぶってしゃがむ…。

 蘭豹の斬馬刀はもう振り下ろされて、俺へ迫ってくる…どうやら流石に蘭豹の怪力でも振り下ろした斬馬刀を止めるのは難しいらしい…。

 

 俺が避ければこの少女は斬馬刀で真っ二つ…か。

 よけれねぇな!畜生! 

 

 

「チッ!」

 

 

 俺はその場で5-7とSAAを地面に落とす、SAAはちゃんとハンマーを二段階下げているので爆発の恐れはない…。

 

 一瞬、頭の中で何かがキレる音がする…。

 

 全身の筋肉が伸縮される音が響く…。

 

 そして俺は振り下ろされた斬馬刀を両手で真剣白羽取り(エッジキャッチング)する。

 

 

「なんやとぉ…? お前、人のこと言えん怪力しとるやないか…」

 

 

 蘭豹は驚いているのだろうけど、この状態は長続きしないんだよ…な!

 

 

「ふっ!!」

 

 

 つかんだ斬馬刀を力の限りぶん投げる…蘭豹は吹っ飛ばされる斬馬刀につかまったまま吹っ飛び、近くにあった店に突っ込む…。

 ちゃんと体が売り物の高級ソファーの上に落ちるように投げる…女性だからな、優しくないとな。

 

 どうやら、蘭豹はそのまま気絶したようだ…。

 

 俺は足元に落ちた5-7とSAAを拾う

 

 

「筋肉痛確定だな…まぁ、このまま走るか!」

 

 

 この状態は、人間のリミッターを無理やり解除した状態、まぁ他にも色々やっているが…色々頑張ってできるだけ体に負担がかからないようにした結果、3分間超人になれるようになった。

 

 三分を過ぎれば全身の骨という骨がボキボキに俺、筋肉の断裂が起こるが…。

 

 とりあえず、三分の間、思考の加速、怪力、スピードの向上…etc まぁ、全身の強化ができる。

 絶対に筋肉痛になるっていう欠点があるが…。

 

 名前は『超人状態(スーパーモード)』…ああ、わかってる、そのまんまだってのはわかってる…仕方ねぇだろ。死んだ戦友がつけてくれた名前なんだから使いたいじゃんか。

 

 黒髪の尻尾の生えた少女はぺたっと女の子座りでっこちらを呆然と見ている…。

 

 

「巻き込んで悪かった…本当に」

 

 

 俺は頭を深々と下げてから頭を上げ、方向転換して全力で走り出す。

 

 

 間に合うかな…。

 走るとき、足に力をこめすぎて、道路に足跡がくっきりと残るが、時間がないのでそんなの気にせずに走り去る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は無事、本当にギリギリで間に合った。

 後日、香港の新聞を読んでいると…ん?なんでイ・ウーに新聞があるのか?知らんけど届くんだよ…。

 

 まあ、話を戻すが、新聞にはこんな記事があった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『蘭豹武偵、街への破壊活動! 香港を出禁に!?』

 

 

 正直、蘭豹には悪かったと思ってる…。














蘭豹が出禁になりました(笑)
そしてみなさんおわかりかと思いますが途中で出てきた黒髪の尻尾の生えた少女…候です。

ちなみに来夢と蘭豹の戦いの被害は…それこそハリケーンが通ったあとのような被害でした…。
 爆発物使ったり車爆破したり…描写されてませんが、タンクローリーを爆破したりもしています…。
 その爆破でとあるビルの一回が吹き飛んだり…。

 この戦いの被害は武偵の中でも語り継がれるほどの被害でした…

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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19話 私の勇者様

―――教授、私の勇者様はどんな方なんでしょうか?―――

 

 

 

―――ふむ?そうだね…僕の推理では…もうこの船に乗っているよ?―――

 

 

―――ホントですか!?―――

 

 

 

―――彼は…黒い髪で女性に甘く、だからこそ女たらし…そんな人だよ―――

 

 

―――会えると…いいな―――

 

 

―――会えるさ、僕の推理ははずれたことなんてないのだから…―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳥のさえずりと、目覚ましの音…寝息が聞こえる朝…。

 目覚ましを止め、そしてまだ寝たりなくて寝返りをうつ…すると柔らかい感触が手に伝わり…。

 というか、この辺で大体わかった…。

 上体を起こし、隣で寝ている黒い髪の少女に声をかける。

 

 

「はぁ…またか?伐乃?」

 

「んぅ…? ふぁ…おはよう、ライム」

 

「なんでここで寝てんだ?」

 

 

 眠たそうにしている伐乃…。いつもいつもなぜ俺のベッドで寝ている?

 というか、お前自分の部屋があるのになぜここに来る?

 疑問ばかりが出てくる。

 

 

「ライムの隣は安心して眠れるからかしらね?」

 

 

 伐乃は笑いながらそういう。

 俺が伐乃にバレないようにベッドから出て、起きるまで放置するとなぜか機嫌が悪くなるんだよなぁ…。

 まあ、いいや。

 

 

「でも、今日はなんだかまだ眠いわ…もう少し寝るわ…」

 

 

 そういって伐乃はすーすーとまた寝息を立て始めた。

 寝顔はとても穏やかで、可愛い。

 

 今はベッドから出ても機嫌を損ねないだろうか?

 まあいいか。そこまで怒ることもないだろう…ということで、外に出よう…。

 

 俺はベッドから出て、服を着替え、部屋の扉を開ける…。

 

 

「ん~、お、重たい…です。ちょっと疲れてしまいました…」

 

 

 俺の部屋の手前で荷物を運ぼうとしている少女がいる。

 人の名前はできるだけ覚えるようにしているからわかるが、確か名前はリサ…リサ・アヴェ・デュ・アンクだったと思う。

 重くて、ここまで運ぶのに疲れたみたいだな。

 大丈夫かな?と、そう思い話しかける。

 

 

「大丈夫か?なんなら手伝おうか?」

 

「!?」

 

 

 いきなり声をかけられたからなのか、ビクッ!と驚いている様子だった。

 

 

「い、いえ…大丈夫です」

 

「女性が困ってたら助けるもんだろう? それが美女なら尚更だ。本当に手伝うのがいやならやめるが?」

 

 

 俺は少しだけ相手を安心させるように微笑みながら言う。

 少しぼーっとしたあと、少女はハッとなって復活して。俺におずおずといった感じだが頼んでくれた。

 

 

「で、では…よろしくお願いします」

 

「ああ、任された」

 

 

 俺は微笑みではなく、笑みを浮かべながら荷物を持って歩き出す。

 荷物はズッシリと重く、確かに女性一人で運ぶには大変な重さだ。

 

 なぜ彼女が運んでいるのだろう? いや、どうでもいいことか…。

 

 

「俺の名前は士咲 来夢だ、よろしく。リサ・アヴェ・デュ・アンク」

 

「私の名前を?」

 

「人の名前はできるだけ早く覚えるようにしているんだ」

 

「モーイ!すごいです!」

 

 

 なぜかすごく褒められた…。

 まあ、褒められて気分が悪くなることなんてないから嬉しい。

 そういえば、この「モーイ」ってのはオランダ語…だよな?

 

 素敵ですとか、綺麗とかの意味を持ってたはず…。

 

 

「そんなに褒められることじゃないぜ?ただの癖だし」

 

「十分褒められるようなことだと思います。事実、私はあなたのことを知りませんでしたから」

 

「人は人、自分は自分だ」

 

 

 俺は荷物を持って歩きながら話す。

 この原潜、イ・ウー(確か、原子力潜水艦ボストークだったか?)でかすぎじゃねぇか?とか考えながら歩く。

 

 

「ここでいいのか?リサ・アヴェ・デュ・アンクさん」

 

「はい、ここです。ありがとうございました」

 

 

 俺がフルネームを言っているのは、なんか名前だけだと馴れ馴れしいかな?とね。

 本人が名前で呼んでいいよって言えば、ちゃんと名前で呼ぶけどさ…。

 深いお辞儀をしながら笑って彼女は言う…。

 

 

「あ、あの…」

 

「何だ?」

 

「リサって呼んでくれませんか?フルネームはなんだか遠い感じがして…」

 

 

 恐る恐るといった感じで彼女は少し上目使いでそういう…。

 可愛いね、うん。

 とか考えていると彼女が慌てている。

 

 

「い、いえあの! ちょっとなれなれしかったですか?ご、ごめんなさい…」

 

 

 どうやら無視されたのかと思ったようだ。

 しゅんとなって、なんだか子犬が落ち込んでいるようにも見えた。

 俺は首を振ってこたえる。

 

 

「いやいや、なれなれしくはねぇよ、リサ。俺のことも来夢でいいぞ?」

 

「では、ライムさんとお呼びしますね」

 

「ん~まあ、いいか」

 

 

 敬称がついたけどいいかな?と思う。

 さてと…そろそろ部屋に戻ろうか?

 伐乃が起きるまでに戻らないとまた機嫌を損ねそうだ。

 

 

「また困ったら言ってくれれば手伝うぜ?」

 

 

 俺はそう言いながら、名刺?のようなものを渡す。

 名前と連絡先が書いた紙だな、簡単に言うと…。

 

 俺は手を少し上げながら自分の部屋へ戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの人が…ライムさんが…私の勇者様かな…?そうだったらいいな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ!?寝起きで機嫌悪いからってナイフ投げんな!」

 

「またほかの女に(うつつ)を抜かしてたでしょう?匂いでわかるもの」

 

「匂いって…ちょっ!あぶねっ!」

 

「すぐにほかの女に手を出すんだから…もう…お仕置きが必要ね」

 

「お前まだ寝ぼけてんだろ!?なあ!ぎゃぁぁああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 




 ちなみに、一番最後の方、伐乃さんはほとんど寝ぼけています。
 
 普段なら行動には出ないでしょうけど、寝ぼけていてそのまま感情のままに行動してしまったんでしょうねぇ…。

 嫉妬、独占欲です…。まあ、可愛いもんですこのくらい…来夢さんなら…。

 感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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20話 日本についたらしい

遅れて申し訳ない!

感想ありがとうございました!

ゆっくりしていってね!


―――戦役…ねぇ…―――

 

 

―――おぬしはどちらに来るのじゃ?―――

 

 

―――眷属…かな―――

 

 

―――儂と一緒じゃのぅ!―――

 

 

―――嬉しいのか?―――

 

 

―――儂はお主のことを好いておるからのぅ!―――

 

 

―――はっはっは!お前みたいな可愛い女の子にそんなこと言ってもらえて光栄だ―――

 

 

―――そうか、光栄か、ならばお主…死ぬなよ?―――

 

 

―――…ああ、そう簡単には死なねぇよ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「懐かしい夢だ…いくつ前の世界だったかな…」

 

 

 目が覚めて、天井を見上げながら呟く。

 いくつか前の世界で俺の体感で八十年以上前の記憶なのに妙にはっきり覚えてるもんだな…。

 

 あれか?そう簡単には死なないとか言っといて死んだからなんか頭に残ったのかな?

 

 そういや、あの世界の時代って今いる世界の時代より八十年以上古い時代なのか…。俺の体感と同じくらいだなんて珍しいこともあったもんだな。

 

 と、考えていると、イ・ウー全域に聞こえるアナウンスが流れる。

 

 

『僕の個人的な要件で申し訳ないが、イ・ウーの進路を日本に取らせてもらうよ? ついでに日本に用がある者がいた場合は僕の用が終わるまでに片づけておくこと、では、放送を終わるよ』

 

 

 日本か…そういえば、フィールとななかも日本の武偵校にいるはずだったな…。

 だからなんだというわけではないが…。

 

 今会いに行く必要はないし、イ・ウーが停泊する場所もそんな近くねぇだろ。

 

 となると…暇だな。

 本当に暇だ…。と思いながら上体を起こす…。

 

 そういえば、今日は伐乃が来ていないな…。

 まぁ、いいことだ。いつまでたっても一人で寝ようとしないからな。

 

 と思いながら起き上ると…。俺の部屋の扉が開いた。

 

 

「あら?もう起きたの?」

 

 

 開かれた扉から中に入ってきたのは伐乃だった。

 いや、まぁ、伐乃以外ありえんけどさ…。ほかに知り合いなんて…あぁ、リサもありえるかもしれん…いやないな。

 

 

「もう…って、今何時だと思ってる?」

 

「イ・ウーは世界中動き回っているから…時計はあんまり関係があるとは思えないのだけど…」

 

「ん?そういやそうだな」

 

 

 そう、確かにそうだ…。

 俺は今まで何を後生大事に時計なんぞ持っていたのだ?

 そりゃあ、フィールにもらった懐中時計は大事にしてるけどさ…。このそこら辺でめっちゃ安く買った置時計とか意味なくねぇ?

 

 まぁ、どうでもいいか…。

 

 暇だし…日本のどの辺にイ・ウーは到着したのだろうか…?

 

 

「そういえば、今日はあんまり寝ないんだな、伐乃」

 

「ええ、そうね…この頃よく寝てたから」

 

 

 ふむ、確かにそうだ…。伐乃はここ最近…、というかイ・ウーに来てからずっと寝る時間が多い…。

 

 少しだけ気になるのでシャーロックにもらった推理力で推理してみようか…。

 

 まず推理する題材は伐乃がなぜこんなに良く寝るのか。

 

 推理材料は…

 ①イ・ウーに入ってからよく寝るようになった。

 ②殺人衝動がなくなったみたい

 

 二つしかないな…。いや、もう少し考えてみようか…

 

 うん、もう一つあったな…。

 

 ③イ・ウーに入るときの条件は、伐乃の殺人衝動をどうにかすること…。

 

 ここまでわかれば簡単だな。

 

 シャーロックがなんらかの方法で殺人衝動を抑えれるようにし、抑える条件ってのがよく寝ること…だ。

 

 多分そんなことだろう…。シャーロックには及ばないまでも一応これも条理予知だからな…。

 

 疑問がスッキリしたところで!暇になったし…

 

 

「伐乃、日本についたらしいし、暇だからどっかに出かけようぜ?」

 

「いいわよ、そういえばデートは二度目ね」

 

「一度目のデートが初対面でしかも一緒に踊った(殺し合った)よな、あれは楽しかったけど今回は歩き回る方向で行こうか」

 

「そうね、平和的に行きましょうか」

 

 

 なんだか嬉しそうな顔をしている伐乃と一緒に部屋を出る。

 服装は適当に着替えて行く…もちろん防弾、防刃服だ。いつ撃たれるかわかったもんじゃないし、いつ斬られるかわかったもんじゃない。

 

 懐にはいつも通りピースメーカーと5-7とその弾を入れて出る。

 

 伐乃もどうせ懐にはナイフが何十本とか入ってるんだろうなぁ…とか思いながらイ・ウーの中を歩く…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからイ・ウーを出て街を歩いている…。

 伐乃と二人で出かけるのは結構久々だ。

 

 いつも伐乃はイ・ウーの中の俺のベッドか自分のベッドで寝てるからな…。

 でもまぁ、取り合えず金を下ろしに銀行行かなきゃならん…。

 

 日本円は持ってないが、銀行には結構振り込んであるはず…。取り合えずそれを引き出さなきゃ一文無しだからな…。

 

 

「伐乃、銀行に行くけど…ついてくるのか?」

 

「…そうね、私も少し用事があるから一度わかれましょう」

 

「となると集まる場所だが…近くになんかわかりやすいところは…」

 

「ここでいいんじゃない?」

 

 

 ここ?と思いながら見回してみると、稲荷神社があった。

 なるほど、ここならばわかりやすいな…。

 

 まぁ、はじめての街だし迷うことはあるかもしれないけどさ…。

 

 

「それじゃあ、二時間後くらいにここでいいな?」

 

「ええ、またあとで」

 

 

 そういって俺とは別方向に進み始める伐乃…。

 その伐乃の背中に声をかける。

 

 

「ああ、伐乃? どこぞのバカな男にナンパとかされたら」

 

「大丈夫よ、私がその程度で怪我するとでも?」

 

「違う、ここは日本だから、あんまり暴れるなよってことだ」

 

「あぁ、そういうことね」

 

 

 よし、言っておかなきゃならないことは言った。

 さ~てと、銀行どこかな…。

 

 なんとなくこっちの方が近い気がする…。

 と思いながら裏路地へ…。

 

 この裏路地長すぎねぇ?めっちゃいろんな方向にわかれとる…。

 まぁ、日本はまだマシだけどさ…。

 

 と考えながら普通に歩いていく。

 すると、聞き覚えのある声がする。

 

 

「や、やめてください…!」

 

 

 ふむ…リサの声だが…。

 なぜイ・ウーから降りたのだろうか?

 リサは日本で降りる理由はほとんどない気がするんだが…。

 

 

「いやいや、そんなこと言わずにさぁ」

 

 

 ん?絡まれてるみたいだな…。

 まぁ、リサ可愛いし、仕方ないわな…。

 

 そう思いながら声のする方に歩いていく。

 

 

「君どこの国の子?日本人じゃないよね?」

 

「ん?その子、オランダの子だよ、可愛いだろ? 俺の友達なんだよ」

 

 

 気配を消して、リサに絡んでいる二人組の真後ろに近づき、リサに投げかけた問いに親切に答えてあげる。

 すると、すごい驚いた様子で慌てて俺の方に振り返り、めっちゃ睨んでくる。

 

 だが、向けてきているのは殺気ではなく敵意、殺気なんて向けられたら反射的に銃抜いちゃうかもしれねぇけどな。

 

 リサも俺が近づいていることに気づかなかったのか、目を見開いて驚いている。

 

 

「驚いた顔も可愛いな。こんなところで何してんの?リサ」

 

「え?あ…お使いを頼まれて…」

 

「それで…近道しようとでも思ったのか?なんだってこんな裏路地に…」

 

「無視してんじゃねぇぞ!!ガキ!!」

 

 

 リサと会話しているといきなり殴られた。

 腹を殴られたな…。まぁ、殴られた…?んだよな?威力低すぎるだろ…。

 

 体重のせるくらいしろよ、そうじゃなくてもせめて加速力とか使えよ…。

 

 これじゃあ、ぺちって音がしても不思議じゃねぇぞ…。

 まぁ、平和な日本で、武偵も目指してないならこの程度か…。

 

 ガキとか言われたけど精神年齢はお前らより年上だぞ?

 確かに肉体年齢はお前らより年下だけどさ…。

 

 

「はぁ…いきなり殴りかかってくるなんてどういう教育受けて育ったんだあんた」

 

 

 俺は相手に向かってそう言いながら殴ってきた腕を掴み、ひねりあげ、関節を極める。

 

 

「いッ!いてぇ!!放せよ!!」

 

 

 このまま外してもいいけどなぁ…。日本でそれは十分事件か…。

 それはちょっと駄目だろ…色々駄目だろ…。

 

 ということで…。

 

 首筋に手刀をトンッて感じで入れて気絶させて…。

 

 

「おい、お前、こいつ連れて帰れ。それともこのまま殴りあいでもするか?」

 

 

 俺は笑いながらもう一人の男にそういう。

 男は震えながらこくこくと頷き、気絶した男をかついで走って行った。

 

 殺意は込めてないのにあんなに怖がられた…。敵意だけでもあんなにおびえられるもんなんだな…。

 とかどうでもいいことを考えながらリサの方を向く。

 

 

「ありがとうございました!」

 

「まぁ、どういたしまして…だけど、これはリサのためにやったわけじゃねぇぞ?攻撃されたから反撃したってとこだからな」

 

「でも結果的にでも私は助けてもらったので…。では、私はそろそろ行きます、またお会いしましょう」

 

 

 リサはそういうとてってってーという感じで走って行った。

 こけなきゃいいけどな、リサ…なんだかありえそうだ…。

 

 さっさと銀行行くか…遅刻したら洒落にならん、伐乃相手だからマジで洒落にならん…し、女性を待たせるってのはな…。

 

 

 

 それから俺は急いで銀行に行き、金を引き出し、稲荷神社へ向かった。




 来夢さんの夢に出てきた古臭い口調の人物!
 大体の人がだれかわかるであろう。
 ちなみにリサはおつかい頼まれてイ・ウーから出てきました。そこを不良に絡まれました。

 感想待ってます!

 PCがぶっ壊れたので使用不能になり、感想返しは遅れますが、感想を書いてくれるとうれしいです!

 次回も頑張って編みます!


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22話 私は人に非ざるものを殺す。たとえそれが同族であろうとも…Amen」


お久しぶりです。
色々なリアルでの事情が重なって長らく更新することが出来ず、申し訳ありませんでした。

更新速度は遅いままだと思いますが、更新を再開します。

本当に申し訳ありませんでした。


 稲荷神社についた俺は、伐乃を探す。

 日本人ばかりだから、黒髪だけど日本人の顔付とは異なる伐乃は見つけやすいはずだ。

 美人だから目立つし…。

 

 

「お? いたいた」

 

 

 伐乃を見つけて思わず呟く。

 このまま見つけれずに探し続けるとかは正直遠慮したかったからな。

 

 

「やぁ、待った?」

 

「来夢、きもい」

 

 

 精一杯の爽やかさで話しかけたら失礼なことを言われた。

 

「…ひどいな…様式美だよ」

 

「どんな様式美よ…」

 

「かわいい女の子と待ち合わせして、自分の方が後に来た時の第一声といえばこれかな…と思ってな」

 

 

 そう言いながら歩きだす。

 というか…。暇だからと出てきたはいいが、特にすることがないんだよなぁ…。

 

 しばらく歩いて、稲荷神社から結構離れたあたりで…ゾワッと、何か嫌な感じがした。

 

 なんだ…?

 路地裏からその感じが漂ってくる…。それと、少しの血の香り…。

 妙に既視感を覚える…まるで、この感覚は……知り合いが死ぬときにたまに感じとれる…!

 

 そこまで理解した瞬間体は弾かれるように走り出す。嫌な感じがする路地裏へ…。

 

 伐乃もびっくりした顔をしたあと、ただ事じゃないと思ったのか、すぐについてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideリサ

 

 

 

 カツェさんに頼まれた(拒否権はない)買い物が終わって、帰ろうとしたとき、人気の無いところに行ったときでした…。ソレに襲われたのは…。

 

 黒い神父服を着て、十字架の首飾りをした、若く、整った顔立ちの黒い髪の男性が歩いていました。

 でも、日本人ではなさそうです…。

 その男性は私を見ると呟くようにして後ろ髪を書きながら言う。

 

 

『今日は旅行に来ただけなんだがな…。ここで人外と出会うか…。まぁ、悪いがこちらも仕事だ、狩らせてもらう』

 

 

 イタリア語…?

 

 いつの間に持ったのか、その手には刃渡り80~90㎝くらいの十字架のような形をした剣を持っていた。

 確かに、さっきまで手ぶらだったのに…。それはどこから出したのか…? ステルス? わからなけれど…怖い…と思った。

 

 

「日本語の方がいいか?」

 

 

 とても発音の良い、上手な日本語、日本人とくらべても遜色ないくらいの…でも、私はそれどころじゃない…。

 逃げることすら出来ない、恐怖で足が動かない…。

 彼の持った剣が私のお腹を斬る。

 そこまで深くない。

 だがその痛みで動けるようになった。

 

 剣を持った男性に背中を向けて走り出す。

 

 

「ん? 逃げるのか…? 試しに斬ってみたが…反撃してこないのか? ふむ、自分の意思じゃ力をコントロールできないタイプか…」

 

 

 何かぶつぶつ言っていますが、私には逃げることしかできません…。

 どう考えても相手の方が足は速い…。それでも、まだこんなところで死ねない、死にたくないから…。

 

 

「足も遅い、普通の女性くらい…。さぁて、君はどういう人外なんだ? 」

 

「あぅッ…!」

 

 

 剣が飛んできて、私の足の剣を斬る。

 痛い、と思ったが、それ以上に逃げられない…と思った。

 男性はまた、いつの間にか手に二本の刃渡り80~90㎝くらいの十字架のような形をした剣を持っていた。

 そのままカツン、カツン、と足音を立てながら近づいてくる。

 薄暗い路地裏で、剣の刀身と男性の首から下げられた十字架だけが光っている…。

 

 

「…ぁ」

 

「本性を見せて襲ってきてくれても構わないが、どちらにしろ、私の仕事は君を殺すこと。やることは変わらない。

 私は人に非ざるものを殺す。たとえそれが同族であろうとも…Amen」

 

 

 Amenと言いながら男性が剣を振り上げる。

 そして、その剣は真っ直ぐ振り下ろされる。

 思わず目を瞑る…。

 

 

 怖い…! まだ死にたくない…!

 

 まだ会えてもいないのに…!

 

 助けて……!

 

 

 

 ダァン、ガキィッ!

 

 銃声と、金属と金属がぶつかった音が聞こえ、切り裂かれる痛みが来ない…?

 少しだけだが、恐怖も忘れて思わず目を開ける。

 

 目の前には黒いロングコート…。

 

 

 

「おいおい、このクソ平和な日本で、外国人同士が殺し合いだなんて悪い冗談はよしてくれよ」

 

「外国人同士…ね。人外同士の方があってると思うぞ?」

 

 

 そして、軽口をたたきながらも本気で怒っているようにも見える、来夢さんが立っていた。

 私がいつも夢見ていた私を守ってくれる理想の勇者様のように…。

 それを見た瞬間、安心からか、意識がフッと暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side来夢

 

 

 

「伐乃、リサを連れてイ・ウーまで帰れ、ここからそう遠くないし、お前なら人目に付かないようにするのは慣れてるから帰れるだろ?」

 

 

 伐乃に言いながら、片手で携帯を操作し、電話をかける。

 目の前の黒神父からは目を離さずに…。

 そして、電話が繋がる。

 

 

「カツェか? 頼む、非常事態だ、霧を出してくれ」

 

『あん? なんで私がそんなことしなきゃならないんだよ』

 

「こっちにもいろいろあるんだ、今度なんかするから!」

 

『チッ、しゃあねぇなぁ。これは貸しだぞ? 』

 

 

 必死なのが伝わったのか霧を出してくれるようだ。

 これで伐乃も人目を避けて帰れるだろう…。

 

 

「伐乃、速く行け」

 

「来夢は…戦るの?」

 

「ああ、足止めしなきゃ追いつかれる」

 

 

 コルトSAAも懐から出し、右手に5-7、左手にコルトSAAでダブラの戦闘スタイルになって構える。

 伐乃も気絶したリサを連れていくのは難しいか? と思ったのに余裕で背負っていく。

 意外と力持ちだな…。

 

 俺は黒神父にコルトSAAを向ける。

 

 

「待っててくれたのか?」

 

「まぁ、な。私の今のターゲットは彼女ではない、一応仕事柄、人外を見つけたら狩らなければならないんだが、別にターゲットではないなら逃がしてもいいだろう…それに」

 

 

 黒神父は俺を見て、剣の切っ先を地面に向けての自然体のような体制になり、その整った顔立ちが笑みを作る。

 

 

「君は私のターゲットのうちの一人だ。亡霊(ゴースト)。というわけで、狩らせてもらう」

 

「幽霊は死んでるから狩れないぜ?」

 

「試して、みようか!」

 

 

 一瞬で距離を詰めてくる黒神父、この狭い路地裏じゃ不利だ。

 かといって、広いところに出ると人目がある。ただでさえ銃を撃ってるんだ。目立ってしようがない。

 お巡りさんの厄介になるわけにはいかねぇしな。

 

 距離を詰めて右手に持った剣で横なぎに斬ってくる。

 それを俺はバックステップでかわしつつ5-7を三発撃つ。

 

 

「ふっ!」

 

 

 左手の剣をブレるほどの速さで三回振る…。って銃弾斬りやがった…。

 

 

「おいおい、冗談きついぜ…。その刃渡りの剣なら結構重いだろうに…」

 

 

 なんでそんな速さで振れるんだ…。

 ステルスか? いや、ステルスって感じじゃないな…。

 元々の特異体質? 

 

 

「まぁ、このくらいの重さなら、羽とそう大差ない」

 

 

 いやいや、大有りだろ、大差あるよ普通。

 というか、律儀に雑談に応じてくれるあたり、意外といいやつなのかもしれない…。

 

 

「でもまぁ…。知り合いを殺そうとしたし、俺を殺そうともしていることだ。殺す」

 

「そろそろ、おしゃべりもいいだろう?」

 

 

 コルトSAAで不可視の銃弾(インヴィジビレ)を撃ちながらさらに距離をとる。

 ああいう相手に接近されていいことないしな。

 黒神父は軽く銃弾を弾きながら異常な脚力で飛び上がる。

 軽く五メートルは飛んでる。そして、両手に持っていた剣を投げつけてくる。

 条理予知(コグニス)でわかっていた俺はそれを最小限の動きでかわす。

 

 黒神父は虚空からいきなり十字架の形をした剣を二本出して両手に掴み、落ちながら斬りかかってくる。

 

 俺は右手の5-7で先に来た、右側の剣をそらしながらコルトSAAを相手の額を狙って放つ、だが相手はこれを首をひねってかわしながら左側の剣で俺の腹部を刺しに来る。

 体をひねってかわしながらひねったときの力を利用して蹴りを相手の腹に放つがびくともしない。

 

 

「おいおい…!」

 

 

 仕方がないのでそのまま相手の体を足場にして飛び、距離をとりながらコルトSAAで不可視の銃弾(インヴィジビレ)を二発放つ。

 これであとSAAの装填されている残弾二発だ。

 右手の剣を二回、もう、剣筋が見えない速度で振りながらこちらに走ってくる。

 

 

「銃弾は効かんぞ」

 

 

 ギギィッ!と銃弾が払われた音がする。

 

 更に残りの二発SAAから撃ちながら相手の方へ走る。弾が出た瞬間にSAAをホルスターにしまう。

 

 

「ふっ!」

 

 

 放たれた二発の弾丸は同じく切り払われる。

 俺が剣が届く範囲に入った瞬間黒神父は切っ先が見えない速度の突きを放つが、これを条理予知(コグニス)で予測し本当にギリギリのタイミングでバックステップをしてギリギリの距離まで下がる。

 

 ジャンプして剣の刀身に足を乗せ、さらに上に飛ぶ。

 

 相手の力が化け物みたいに強いからこそできる芸当。

 上から5-7の引き金を連続で六回引き絞る。

 放たれた六つの弾丸を躍るようなステップでかわした黒神父はまだ滞空している俺に向かって剣を二本とも投げつけてくる。

 

 それを条理予知(コグニス)で相手の投げてくる軌道も予測していた俺は剣の軌道に弾道が沿って飛ぶように合わせて二発撃つ。

 

 これで5-7の残弾8発。

 

 地面に着地した瞬間に空中に六発.45LC弾を投げつつ5-7を八発撃つ。

 

 黒神父は虚空から二本の剣を掴み取る。

 

 5-7を空中に投げてから、右手でホルスターからSAAを取り出す。

 SAAのハンマーを二段階まで引き、ローディングゲートを開き空薬莢を落としつつ、親指でシリンダーを弾くことでシリンダーをクルクルと回し…

 そのとき丁度落ちてきた銃弾に合わせるようにして右から左へSAAを振るう。

 

 黒神父はそのとき、八発の弾丸を右と左で四発ずつ切り払ったところだ。

 

 落ちてきた5-7を左手で取りながらマガジンを出す。

 足元に落ちてきた5-7のマガジンを筋肉と関節を同時に動かした音速にまで達する蹴りで黒神父に向かって蹴り飛ばす。

 

 かなりの速度で飛んでいったマガジンだがあっさり斬りおとされる。

 

 その間にSAAを持っている手でマガジンを取り出し、5-7に入れる。

 

 これでリロード完了。

 

 5-7を相手に向けるが…。そこで相手が動かないことに気づく…。

 

 

「日本の警察は…中々に行動が速いようだ…」

 

 

 耳を澄ませてみると、パトカーのサイレンの音が聞こえる。

 ここは逃げたいが…。目の前のこいつが逃がしてくれるか…?

 

 

「安心しろ、元々俺も休暇で来ただけだ。こんなところで警察に捕まるのは本意じゃない…。ここは休戦だ」

 

 

 と、思ったら見逃してくれるようだ…。持っていた剣もどこかに消えてしまっている。

 さっきまで嫌というほど伝わってきた殺意も失せている。信じていいか…?

 

 

「そうかい、んじゃあ、まぁ、俺は逃げさせてもらうぜ」

 

 

 そう言いながら。俺は相手から目を離さずに距離を開けて行く。

 黒神父はこっちを見て、少し笑う。

 

 

「名前を名乗っておこう、アドルフォだ。残念ながら、ファミリーネームは知らない」

 

「まぁ、名乗られたら名乗り返さなきゃ、な。士咲 来夢だ」

 

 

 どうせ戸籍も何もない名前だから、名前が特定されたところで何も変わらんし…。

 

 

「そうか、来夢。またな」

 

「そうだな、またなだ。次あったら俺の知り合い傷つけた落とし前、つけてもらうぜ」

 

 

 俺がそう言った直後、異常な脚力で飛び、建物の上に行った…。

 何メートル飛んだんだよ…。十メートル以上あるぞ…?

 

 って、そんなこと考えている場合じゃねぇ、さっさとここからとんずらしねぇと、警察来るな…。

 

 その場所から離れて、イ・ウーに向かいながら考える。

 あの黒神父…アドルフォと言ったか、化け物みたいな強さだったな。

 

 そして、リサのことを人外と言っていたし、「外国人同士…ね。人外同士の方があってると思うぞ?」とも言っていた。

 つまり、あいつも人外ということか…。まぁ、じゃなきゃあの身体能力に説明がつかないしな。

 というか、リサは人外なのか。まぁ、関係ないけど…。

 

 あーあ、なんでこの世界にはあんなに強いのがいっぱいいるんだか…。生きるのが疲れるぜ、まったく。








感想、待ってます。


次回も遅くはなるかもしれませんが、頑張ります。


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22話

―――ちょっと待っててくれよ。

 

 

―――はい、待っています。

 

―――わりぃな、まだやらなきゃならないことがある。

 

 

 

―――はい…わかっています。

 

―――はっはっは! そんな顔すんなよ、悲しい顔でも綺麗な顔は綺麗な顔だけど、俺はいつもの無表情の方が好きだ。

 

―――笑顔を見せてくれると尚良しだ。

 

―――んじゃあ、まぁ…行ってくるわ。

 

 

―――ウルスの忠誠は永久、故に、何時までも待っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまん、シャーロック、もう一度言ってくれるか?」

 

「ああ、構わないよ」

 

 

 俺とシャーロックはイ・ウーの中のとある一室で話をしていた。

 

 なんで話をしているかというと、俺が自分の部屋で5-7とSAAを整備していたら、シャーロックに呼ばれたので来てみたら…。

 

 

「第一次世界大戦、前回の極東戦役、第二次世界大戦、最後にインドネシア独立戦争で君の存在が確認されている

、つまり、君は今回以外に、この世界に転生したことがあるということだよ」

 

「おいおい…マジか…」

 

 

 確か、俺が一回の転生で第一次世界大戦、第二次世界大戦を経験したのは…前々回の世界だ。

 極東戦役って名前の戦争もそのときの世界。んでインドネシア独立戦争で鬼たちと超人たちに殺された。

 

 つまり…。

 

 

「ってことは…シャーロック、モンゴル北部、バイカル湖の南方の当たりに、いや、出来るだけでいいからその近くにイ・ウーから俺を降ろしてくれないか?」

 

「どうしてだい?」

 

「待たせてる人がいる、二人いるんだけど、そのうちの一人がそのあたりにいる」

 

 

 俺がそう言うと、シャーロックは少し難しそうな顔をする。

 

 

「君が派手に暴れたせいで香港は規制が厳しくなっている、このイ・ウーが停泊出来る場所結構限られているんだ。それに、イ・ウーはその隠匿性が強み、同じ場所、というか地域に留まり続けるのは危険なんだ。君なら、わかるよね?」

 

 

 ああ、わかってる…けどさ…。

 あの世界に俺が生まれたのは1900年、そして死亡は1945年に始まったインドネシア独立戦争。あれのいつごろか忘れたけど、途中で死んだ。

 オランダに待たせている奴は、俺と同い年だったはずだから、普通に考えて生きてるはずがない、生きていれば106歳になっているだろう。

 もう片方は…まぁ、寿命とか関係なさそうな奴だったしな…。

 

 待たせている彼女は死んでいるかもしれないが、せめて墓参りだけでも…そして、謝りたい…。

 

 待たせて悪かったって…。帰れなくてごめんなさいって…。

 

 

「ふぅ…仕方がないね…。来夢くん、来なさい」

 

 

 シャーロックが椅子から立ち上がり、部屋の奥の扉を開いて歩いていく。

 

 

「え…? お、おう」

 

 

 少し驚いてしまった。

 がまぁ、シャーロックについていく。どこに行くんだ?

 

 しばらく、歩いたあと、暗い、そしてでかく、工具となんかよくわからない機械がたくさん置いてある部屋についた。

 シャーロックが持っていた杖、というかステッキを地面でトンッとならすと電気がついた。

 部屋の真ん中には壺が鎮座していた。

 

 

「んむ? シャーロックなりや?おん」

 

 

 壺から可愛らしい声が聞こえる。壺の中に誰かいるようだ。

 ん?ちょっと待て、この声どこかで聞いたことあるぞ…?

 えーと、いつだっけか…。

 

 

「ああ、壺、悪いんだけど、彼をここから打ち上げて、バイカル湖まで飛ばせる、ロケットを作ってくれるかな?」

 

 

 そんなもんで俺を飛ばすつもりだったのか!?

 しかもロケット!? あと運が悪けりゃ撃ち落とされるぞ! それ!

 

 

「ふむ…」

 

 

 壺が少し開いて、中から俺をうかがう気配がする。

 この気配もどこかで感じた気がする…。

 どこかで…? 会ったよな?

 

 どこだろう…?

 

 

「…ッ……!?」

 

 

 壺が突然その場で飛び跳ねた。

 予想外過ぎてちょっとビクッてなってしまった。

 それどうやって飛び跳ねたんですかねぇ?

 

 

「ななな、汝、何故生きておる!? 確かに死んだはず!おん!」

 

 

 確かに死んだ…?

 まるで俺が死んだところを見たような…いや、見たのか。

 あ、あー! (コン)か!?

 

 

「あー! なるほど、お前、(こん)か? 壺なんかに入ってるからわからなかったぞ? 久しぶりだな、前に会ったときは、確か、俺を殺した時だな」

 

 

 そう言いながら、手を少し開いて、少し脇を開ける。これでいつでも銃が抜ける。

 目を細めて壺の様子をうかがう、一人では勝てないと思ったのか、向こうも動かずにこっちの様子を伺っている。

 場に沈黙が訪れる…。と思ったがシャーロックが突然口を開く。

 

 

「推理していたよ。やっぱり君たちは知り合いだったんだね」

 

「おう、俺がハーレム状態で殺し合った仲だよな。壺」

 

「何故…生きておる? 確かに死んだ。確かにその命果てるところを見た」

 

「まぁ、確かに死んだよ、一回。転生した」

 

 

 俺はそこで言葉を区切り、(コン)に近づいていく。

 壺は警戒はしているが動かない、ここで戦闘になったらほぼ間違いなく向こうが負けるから警戒するのは当たり前だ。

 シャーロックは静観するつもりみたいだし。

 俺を殺したときは俺が超人数人倒したあと連戦で鬼の一味がほぼ全員来たからな。

 

 

「んで? ロケット造ってくれないか? どうしても行かなきゃなんないんだ、というか、お前らのせいで約束破っちまったんだから責任とれよ」

 

「人の一生は短く桜のように儚く散り行くおん、約束した相手は死んでおる」

 

「それでも、墓参りくらいはしたいもんなんだよ、人間はさ」

 

「わからぬ」

 

「大丈夫だ。お前らはもうわかっているはずだから」

 

 

 元々、お前らは人の一族、鬼という人種なのだから…。

 そう言ったあと、俺は(コン)の入ってる壺を見る。

 

 

「あと、お前らのことは恨んでねぇから安心しな。やられたらやり返すけど、あれは俺がやったからやり返されただけだしな。それに、お前らのことは嫌いじゃない」

 

 

 俺は両手を上げて戦闘の意思はないと伝えると、いまだに警戒している壺に向かって聞く。

 

 

「んで? 協力してくれるのか?」

 

「………よかろう、力を貸してやろう、明日ここに来い、完璧に仕上げて見せようおん」

 

 

 少し考えたようだが、なんとか了承してくれた。

 これはシャーロックの存在も大きいのだろうな。

 

 

「そうかい、ありがとさん」

 

 

 俺はその言葉が聞ければもうここには用がないので、先に部屋から出ようとしているシャーロックについていくようにして部屋からでようとする。

 だが、途中で言い忘れていたことがあったので壺の方に半身だけ振り返って笑いかける。

 

 

「なんで壺なんかに入ってるのか知らないけど、今度は壺じゃなくて(コン)の姿が見たいな。お前は自分に腕が四本あるからと言って自信無くしすぎなんだよ。大丈夫だ、前にも言ったけど、女性はそれぞれの美しさを持つ、それはお前の個性でお前は綺麗だからさ」

 

 

 そう言ったあとすぐに前に向き直り、部屋を後にする。

 出た後、しばらく歩いたあたりで少し前を歩いていたシャーロックに声をかけられる。

 

 

「いやぁ…流石だね」

 

「なにがだよ」

 

「流石、僕が君以上の女たらしは存在しないと思っている人だ、あのタイミングで君と壺の関係性でさらにあの顔であんな台詞回しで彼女のコンプレックスを肯定してさらにほめることが出来るなんて、本当に凄いね」

 

 

 いや、お前いっつも俺のこと女たらしとかなんとか言うけどさ、俺は本心を言ってるだけである、そこは譲らん!

 だから別に女性をたぶらかしているわけではない。

 

 

「うん、君が考えてることは手に取るようにわかるけど、どう考えても君は女たらしだと思うよ」

 

「いやいや、あんなんで俺を好きになるわけないじゃん。俺は隠し事が苦手なだけだ」

 

「君の性質の悪いところは微妙に鈍感なところだよ」

 

 

 シャーロックが何を言ってるのかわからない…。 個人的に敏感じゃないと生きていけなかったから鈍感ではないと思うんだけどなぁ。

 

 

「ほら、また一人増えたよ?」

 

「いや、何が?」

 

「君にたぶらかされた女性…かな」

 

「どういうことだってばよ?」

 

 

 シャーロックが不可解なことを言っている。

 思わずシャーロックを見るが苦笑いをするのみ…。

 と思ったら手を上げて。

 

 

「じゃあ、私は自室に戻るよ」

 

 

 そう言ったと思った瞬間消えた。

 瞬間移動まで使えるのかお前…。

 

 

「あ、あの!」

 

 

 誰かが近づいてきてるのはわかったが、シャーロックの瞬間移動に気を取られ過ぎてどれくらい近づいていたのかわからなかった。

 敵意がなかったから放置してたけどさ。

 でも突然大きな声で話しかけられるとは思わなかった…。まぁ、とてもびっくりしたということだ。

 

 

「あぁ、リサか。どうした?」

 

「助けていただいたので、お礼をと思いまして…」

 

「別にいいよ、礼なんてさ。俺は知り合いに死なれるのは嫌だったから助けただけだし…」

 

「いえ、それでもお礼くらいは…本当に、ありがとうございました」

 

 

 うん、まぁ…いいか。別にものを貰うわけじゃないし、礼くらいは受け取っておこう。

 

 

「どういたしまして、だ。リサみたいな愛らしい子が死ぬのは俺としても耐えられないからな」

 

 

 なんだろう? 俺は一言しゃべるごとにこういうことをつけたさないといけない呪いでもついてるのだろうか。

 シャーロックに言われたから意識してみたら、気付いたら言ってたみたいな状態だぞ、おい。

 

 

「あ、愛らしいだなんて…そんな……」

 

「謙遜することはないぞ、君が死ねば人類に多大な損失が出たと言えるくらいには可愛い子だ」

 

「へぇ、そう、来夢…。何をしているかと思えば…口説いてないでさっさと部屋に戻るわよ」

 

 

 気配消すのが上手くなったじゃないか伐乃、イ・ウーに来たおかげかな?

 誰にならったんだその気配の消し方。

 

 

「はいはい、わかりましたよっと、じゃあ、リサ明日からしばらく会えなくなるかもしれないけど、またな。伐乃にも言っとくな、明日からちょっと旅に出る」

 

「随分急ね…。私も」

 

「ついて来なくていい。というか、ついて来ないでくれ。ちょっと、約束破っちまったからさ…俺の問題だし、大丈夫、帰ってくるよ」

 

 

 そう言いながらリサにまたな、と言って自分の部屋に入り、扉を閉めてそのままベッドにダイブする。

 明日はいつごろに行けばいいのかわからんが、取りあえず、朝に行ってみることにしよう…。

 

 俺の意識はすぐにまどろみの中に落ちていった。






 大戦の時代にウルスの子にフラグ建ててた来夢君。
 女たらしですからね、しょうがないね。

 こんな言動しといて童貞ですが何か?


 感想待ってます。

 次回も頑張ります。


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