ファイアーエムブレム 聖魔の光石 外伝「金剛石は砕けない」 (アップルトン中将)
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飛ばされて来た金剛石
第一話「話をしよう」


やっちまった

第一話始まるよ


さてさて、何から話せばいいのやら・・・

 

俺の名は「金石 剛」(かないし ごう)

 

俺は別に死んでしまったとか

光の扉に吸い込まれたとか

神様に転生願いを出されたとか

そんなことは何一つ無かった

 

だが・・・

 

俺は気がついたら

「マギ・ヴァル大陸」

という大陸にいた、そこは戦乱やまぬ大陸

そして俺のよく知る、ゲームの世界であった

 

最初はSAOやログ・ホライズンみたいな

ゲームの世界に閉じ込められたとかそんな

感じかと思ったがそうではなかった

 

腹は減る、怪我したら血は出る少なくとも俺には現実の物と感じてる

 

こんな世界、手元の金は無いし

どうして暮らせばいいかもわからない

 

俺はどうしようもなくいつの間にか

ただ流されるままに・・・

傭兵団に入っていた、最初は小間使いやら買い出しやら

偵察やらとか、非戦闘任務こなしていった

 

 

そんなある夜、おれの所属する傭兵団が夜襲をかけられた

瞬く間に敵が現れ、襲いかかってくる

 

俺は一応持っていた剣を振り回しながら逃げていた

だが逃げきれるものじゃない

森に追い込まれた俺は背中を浅く切りつけられ

倒れた、

 

敵は馬に乗っていることからおそらく「ソシアルナイト」だろう

剣は既に敵に奪われ、俺は狩りの獲物が追い詰められるように

どんどん逃げ道を奪われていった

 

俺はうつ伏せになりながら、惨めに這い蹲りながら逃げていた

 

俺を追い詰めた敵は自身の勝利を確信して笑い

「ほらほら、逃げないと背中を刺されるぞ(笑」

など下品に笑いながら槍の刃を俺の背中にちょいちょいと当ててくる

地味に痛いからやめてほしい

 

 

俺は合いも変わらず這い蹲りながらなんとか草むらに隠れようとする

そして草むらに左手を突っ込んだ時、何かが左手に当たった

 

何か、柄のような物がある、

 

俺は瞬間的にそれを掴んだ

 

「つまらんな、もう刺しちまうか」

心底飽きたような声で敵が俺に槍を構え、一気に突き刺そうとする

 

俺は咄嗟に背中に迫る槍をかわした

 

体制は低いまま、柄をそのまま馬の足に叩きつけた

 

「ブヒィィィィィン!!」

 

馬の悲鳴が鳴り響く

ピシャピシャと俺の顔に血が掛かる

無論自分の血ではない、馬の血である

 

よく見たら俺の持っていた柄の先には斧の刃がついていた

つまりはただの斧である、どうやら誰かが仕舞い忘れていた

のを俺が掴んだようである、なんという幸運か!!

右前脚を切断された馬は悲鳴を上げ、のたうち回る

 

「ぐぁっ!!」

馬から落馬した男もたまらずうめき声を上げる

 

俺を追い詰めた敵に対し、俺は高く振り上げた

斧をただその男に振り下ろした

 

「まてっ!!やめt・・「グシャっ!!」

最後まで言葉を喋ることはなく

脳天を斧で叩き潰した

一心不乱に何回も何回も俺は斧を振り下ろした

 

今まで、この世界に来てからも人を殺したことなんてなかった

途中で正気に戻った俺は

あたりに漂う血なまぐさい匂いと脳漿だったものをみて

死ぬほど嘔吐し続けたが何時までもその場には入れない

 

少し離れた森の木の上から野営地を見てみたが、完全に

瓦解したな、誰も生きてはいないだろう・・・

 

思い入れが無いわけでもないが、

俺は死にたくはないのでさっさと逃げることにした

 

敵が野営地に集中してるならいまが逃げる好機

仮に生き残りが居て抵抗しているのなら尚更である

 

それ以降何回も戦に参加、慣れてしまったのだろう

人を殺すことに

 

金をもらっては戦争に行くという毎日の繰り返し

 

そして俺は出会ってしまった

 

「ケセルダ」

 

この男に・・・そして思い出した、この世界がゲームの世界だと

 

だったら俺は・・・

 




中途半端に終わって、申し訳ないとは思っていない


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第二話「まだ話をしよう」

一応まだ帝国入りするまでのダイジェストデス
最後の方に名前だけ出てきたあの人が出るお


 

この世界に流れ着き、早数年がたった。

あれ以来幾度かの戦闘に参加した俺は

そこそこ戦いなれしはじめて来た

 

今いる傭兵団でも上から数えたほうが早いくらいには実力はある

し、一応は一部隊任せられてる身でもある

 

手持ちの得物は基本的に「斧」である

一応クラスは傭兵であり、ゲームでは傭兵は斧を使うことはできないが

ここはリアル世界でもある、槍だろうが弓だろうが扱うことはできる

 

ならば斧が使えない道理は無い

 

今回の戦闘は山賊共を退治する小競り合いみたいなもんだった

戦闘を小競り合いなんて言うほど俺は「戦い」と言うものに慣れてしまったのだろう・・・

 

作戦は夜襲及び、挟撃戦法

 

まず俺が率いる戦闘部隊(以後これをAと称する)が

真正面から夜襲を仕掛ける

 

その誘いに乗った山賊共をAが迎撃

 

その後、分かれていた分隊(以後これをBと称する)が

背面より敵のアジトを乗っ取り、占領する

 

それ以降、山賊共を殲滅

晴れて依頼達成という訳だ

 

弱い市民どもを相手にしかしてなかった山賊どもに

俺達は毛の先程も負ける気はしない

それだけの修羅場や死線は超えてきたつもりだ

 

そしてアジトを見つけ、待機

 

作戦開始の時刻だ・・・

 

 

「お前らぁぁぁぁぁ!!、攻め込むぞォォォォ!!」

 

「「「「「うォォォォォォォおおお!!」」」」」

 

 

俺たち戦闘部隊が叫び声を上げながら門付近にいた見張りの奴らを

叩き伏せる。

 

 

「なんだこいつらぁ!!」

 

「野郎ども!!迎え撃てやぁぁぁ!!」

 

「「「「「おおおおおおおおおおおお!!」」」」」

 

 

山賊どももすぐに体制を整え、こちらに向かってくる

 

真上面からぶつかり合う俺らと山賊

 

策もない山賊どもはバカ正直に真正面から力攻めしかしない

 

 

「ピィィィィィィィィィィィ!!」

 

戦場に笛の音が鳴り響く、これは引きながら戦う合図だ

 

「お前ら、合図だ!!」

 

俺達は劣勢になり、引きながら戦う、振りをした

 

そして山賊どもはこちらの誘いに乗り

俺たちを追い掛け回す

 

しばらく戦闘が続いていたら山賊の一人が気がつき始める

 

 

「お頭・・・さっきから同じところを回ってませんかね?」

 

「なんだとっ!?そりゃどういうことだ!!」

 

そしてもう一人の子分が気がつく

 

「お頭!!あれを見てくだせえ!!」

 

「なんでい?・・・・なんだとォォォ!!」

 

 

奴らのアジトには既に、俺たちの旗がはためいていた

 

「まさか・・・お前らこれが狙いで・・・」

 

「そういうこった、さてお前ら!!、もう逃げんのは無しだ!!

 押しつぶしちまいな!!」

 

「「「「「おおおおおおおおおお!!」」」」」

 

 

「ヒィ!!!」

 

「なんてこったい!!」

 

「逃げるぞ!!」

 

「逃げるってどこへ!?」

 

こうなれば最早こいつらは烏合の衆

動揺してる間に殲滅する

 

さらに砦からこちらの援軍も直ぐにつ

 

王手だな、否こちら風に言えば「チェックメイト」か・・・

 

 

 

 

☆    ☆    ☆    ☆    ☆

 

 

 

さて、山賊どもの殲滅を終えた俺達は依頼をした村の奴らから報酬を受け取り

意気揚々としていた

 

酒・食料を買い込み宴会状態だ

 

因みにおれは下戸だ、ぶどうジュースを飲みながら武器の手入れ中

 

さてさて、ここいらでもっとデカイ仕事にありつきたいね

うちの傭兵団もそこそこ大きな人数になってきた

そろそろ本格的に国に雇われてデカイ金をもらいたいね

 

そんな事を考えていた矢先だった・・・

 

あたり一面に大きく響く声、その一言に

仲間たちの酔は一気に冷めた

 

 

「敵襲!!!!敵襲!!!」

 

 

 

「なんだって!?、誰だ!!」 

 

「早く、武器を持て!!」

 

「お前ら、グズグズすんな!!迎え撃つぞ」

 

「隊長!!」

 

俺は鉄の斧を持ち、いの一番に敵に突っ込む、少し遅れて俺の部下たち

 

 

ズバっ!!、ぐちゃ!!、ぐしゃ!!

 

 

骨を折り、肉を立つ生々しい音が再び響き出す

 

所畏(ところかしこ)で悲鳴が上がる

 

マズイな・・・こっちは酔いがまだ冷めてない

それに引き替え、あちらはシラフ・・・

考える限り、こちらに勝ち目はない・・・

 

そう考えているうちに俺達は既に四方を取り囲まれていた

 

そして取り囲む一団の中からひとりの男がこちらに歩を進めてくる

 

 

「もうお前たち意外に誰も生きちゃいないぜ」

 

「なんだと!!、誰だお前!!」

 

 

「・・・・お前は・・・」

 

俺は驚きを隠せないでいた、俺の目の前にいたのは・・・

 

「お前は・・・ケセルダ・・・」

 

赤茶けたオールバックに、僅かに垂らした前髪

そして何より虎の如く鋭い目つき・・・

 

間違いなくコイツはグラド帝国

魔将石の一角「虎目石」のケセルダ

 

だがこの時期、まだグラドは戦争を起こしてはいない

 

詳しい時期は知らんが、コイツは今グラドにいるのか?

 

 

「ほう、俺を知ってるか。」

 

「あぁ、有名人だからな・・・」

 

どうする、コイツはグラドに居る、もしくはいずれ入る

だったらこいつに取り入れられて、なし崩しにグラドに入り込むか

 

それともコイツは今、俺たちをここで殺す気か・・・

 

俺の表情が必然的に険しくなる、自然と手に力が入り

全身から汗が吹き出る

 

今戦えば俺に勝ち目はない、兵数でも兵質でも

総合的に見た俺の実力も俺はこいつに劣っている

 

 

「構えな!!」

 

ケセルダは剣を鞘から抜き、構える

 

「サシで勝負しようじゃねーか」

 

 

・・・従うしか無いか

 

俺は斧を構える

 

今までにないくらいの勝負が起きることを俺は理解していた・・・




ケセルダ出ました

うん、それだけしかありません


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第三話「勝てるわけがないし」

この主人公には大まかなゲームの歴史しか特典はありません
っーかろくに戦いも経験したことのない奴が
いきなり超人的な力を手に入れたって
戦いを恐れず敵に向かっていけるわきゃねーだろうがァァァァァ!!


「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」

 

圧倒的だった・・・

俺は今、頭から血を流して片膝震わせながら

なんとか立っているような状態だ

 

「差が開きすぎて・・・悪態つく気にもなれねーよ・・・」

 

対して相手は余裕綽々といった風に構えており

ニヤニヤ笑いながらこちらを見据えている

 

 

「おいおい、そんなもんかよ、がっかりさせてくれるなよ」

 

 

「ちっ・・・ムカつくぜ・・・」

 

勝手に期待しといて勝手にがっかりしてんじゃねーよ

こちとらテメーの命すらアンタの前では風前の灯火なんだからよ

 

斬り下し、袈裟斬り、胴、何処を切りつけてもガードされる

武器の三すくみ・・・

 

斧は槍

槍は剣

剣は斧

 

そういう相性といったものがある

ジャンケンみたいに、絶対勝てないというわけではなく

極端な話、熟練した槍使いは未熟な剣士には負けることはまず無い

つまりは相性と練度のバランスなわけだが

今回ばかりは武器の練度と言う意味でも差が開いてる

 

つかそもそもなんでこいつらは俺達を狙ってきたんだ

根本的なそこがわからない

ダメもとで聞いてみるか

 

「つかよ・・・そもそもなんでアンタ等、俺達みたいな小さい傭兵団を狙ってきたわけ?

 初対面のアンタ等に狙われる理由なんて心当たり無いんだけど・・・」

 

 

「はっ!!俺に一撃入れる事ができたら教えてやるよ!!」

 

そう叫ぶとケセルダは剣を構えて俺に向かい、突撃してきた

 

「クソッタレ!!」

 

思いっきり振り下ろされた袈裟斬りを俺はなんとか斧で受け止める

 

 

  《ガキィィッン!!》

 

 

「くあっ!!・・・重てェッ!!」

 

なんとかガードは出来たが・・・

 

「はァっ!!」

 

俺の横っ腹にケセルダの蹴りが入る

 

「ぐふぉっ!!」

 

胃に入れてたものが逆流しそうな衝動を

なんとか無理やり押さえ込むが体制は崩される

 

「終わりだよ、お前はな!!」

 

そのまま俺の脳天にケセルダの剣が振り下ろされるのが分かる

迫り来る剣が遅く感じるのはやはり走馬灯という奴だろう

 

この刹那とも言うべき極々短い時間の中で俺は色々思い出していく

 

そして皮肉にも俺は、俺が初めて殺した人間と同じ死に方を

するとは、何とも皮肉ではないか

そう感じ、死の直前故の諦めなのか少し笑えてくる

 

あぁ、俺は何のためにこの世界に飛ばされたのか・・・

理由も知ることはなく、俺は死ぬのだろう

 

そう考えて、体の力を抜いた瞬間であった

 

 

「隊長ォォォォォォォォォォォ!!」

 

 

叫び声を上げたのは今まで俺の後ろに控えていた部下達だった

ソイツ等は俺の横を通り過ぎケセルダに突貫していく

 

 

「邪魔だぁぁぁ!!雑魚どもがぁぁぁ!!」

 

 

ケセルダの一撃で部下たちが弾き飛ばされる

 

「お前らぁぁ!?」

 

部下たちは直ぐに立ち上がりケセルダに武器を向ける

 

「隊長・・・アンタは俺たちみたいな世間からはみ出した俺たちを

拾ってくれたんだ・・・」

 

「そうさ、バカやって家追い出された俺を拾ってくれた」

 

「身寄りのない俺を自分の部隊に引き入れてくれた」

 

「腹空かせてブッ倒れてた俺に飯を分けてくれた」

 

「俺たちゃ・・・あの時、人間じゃなかった、人を信じず、自分だけしかしんじてなかった」

 

「だけど隊長は何時も俺たちに背中預けてくれてた・・・」

 

「そんなアンタを俺たちゃ・・・好きになっちまったんだよ・・・」

 

 

「そうかよ・・・だったら・・・何が何でも勝たないとなぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

そうだよ、俺の後ろにはこいつらが何時も居たんだ、こいつらが居たから

俺は戦っていたんだ

 

この世界に飛ばされて、身内の居ない俺には、こいつらが仲間であり家族だったんだ

だったら・・・

 

「だったらぁぁ!!俺はこいつらを絶対に守ォォォォる!!」

 

「いい覇気じゃねーかぁ、かかってこいやぁぁ!!」

 

 

「ぬぁっ!!」

 

 《ガキィッン!!》

 

「ヘアぁぁッ!!」

 

 《ゴキィッン!!》

 

「りゃぁぁぁ!!」

 

 《ガキッン!!》

 

力任せだが、今の俺には小手先の技なんて考える余裕は無い

ある意味ではあるが本来の斧の使い方

 

  【力任せに振り下ろす】

 

これにつきる

 

 《ギギギギギギギギッ!!》

 

斧と剣で鍔迫り合いをしながら俺はケセルダ睨みつける

 

絶対に・・・おれは絶対に負けない!!

 

「ぬァァァァァっ!!」

 

俺は剣を弾いた、そしてこれを狙っていた!!

 

「そこだァァァァァァ!!」

 

 《ゴキンッ!!》

 

ケセルダの剣を俺の斧が側面から一撃を入れる

そしてケセルダの剣は真っ二つに折れた

 

「よし!」

 

俺は勝利を確信した、だがその瞬間だった

 

 

「取り押さえろォォォォォ」

 

 

俺たちを囲う敵の兵隊の部隊長と思わしき男が

一同に俺達に迫る

 

 

「なっ・・・なんだとォ!!」

 

「隊長ォォォォォ!!」

 

敵に取り押さえられ、俺は頭を殴れれて

そのまま意識を手放した・・・




前書きであんなこと言ってますが
主人公チートもの、俺もよく見ます
別にディスってるわけじゃ無いデス


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第四話「まさかのスカウトですよ」

絵の上手い友人にこの作品の主人公
書いて欲しいと頼んだら速攻拒否られました


「ん・・・ぬあっ・・・痛えな・・・」

 

目を覚ました俺は見たことない場所にいた

おそらくは牢獄か独房か何かだろう

 

「畜生・・・なんだってんだよ」

 

ケセルダとの戦いを思い出してぼやく

 

「結局の所、襲われた理由はわかんねーし・・・つかなんで俺生きてんだよ?」

 

アノ後てっきり押さえ込まれて首を跳ね飛ばされると思っていたが

幸い(?)にも首は(物理的な意味でも)つながっている

俺はアイツ等の真意を測りかねん(分からないの意味)

 

まずは自分の置かれた状況の確認

 

手には木製の手枷

足には鉄球、しかもご丁寧に両足にしている

牢はよくある鉄製の棒を縦横に張り巡らせるタイプ

 

服は元々の服

当然だが斧はない

服に隠していたナイフや小刀

ソレもない様子、仮に合ったとしても使えるわけがない

 

(やれやれ・・・こりゃ八方塞がり・成す術無しもいいところじゃねーか)

 

「はぁ・・・」

 

ため息が出るのも当然である

もしかしたら今すぐ牢屋から出されて斬首刑なんてことも

あるやもしれぬ、

そもそもここにぶち込まれる理由すら分かっていないのが

本音なのだが・・・

 

(ん?そういやあいつらどうしたんだ!?)

 

あいつらとは当然部下達のことであろう

一緒に取り押さえられてるのか

それとも殺されたか・・・

考えたくはないが最悪ありえることだ

 

「誰か居ないのか?」

 

叫んで誰か呼んでみる

 

「隊長ォォォォォ!!ご無事でしたか!?」

 

「隣かよ!!」

 

壁一枚隔てた向こうには少なくとも一人部下がいた

 

「こっちにもいますよ!!」

 

「今度は左か!?」

 

「隊長、前見てください」

 

「正面!?」

 

綺麗に部下たちに三方を囲まれていた

とはいえ3人とも生きていたことは

純粋に嬉しく思う

 

「お前ら、生きてたか!!」

 

「たりめーじゃねーっすか隊長!!」

 

「俺達そんなに軟(やわ)じゃねーっすよ」

 

「そうそう!!」

 

「へっ!・・・そうかい」

 

少し涙ぐんで顔を伏せる

 

と、そこへケセルダが現れる

 

 

「よう、諸君、機嫌のほどはどうかな?」

 

嫌味っぽく笑いながら4人を見回す

 

 

「けっ・・・快適な生活がお前のツラ見ただけで最悪に様変わりだ」

 

「ほ~う、そこまで嫌味が言えるくらいには回復したか」

 

「何の用だよ、こちとら虫の居所が悪いんだよ」

(主にお前の顔みたせいでな)

 

「まぁ、落ち着けや、俺はお前に話があってきたんだぜ」

 

「話ぃ?」

 

「そうだ、単刀直入に言うぜ、お前にはグラド帝国に入ってもらう」

 

「はぁ!?」

 

「どういうこったぁ!!」

「ふざけんなコノヤロー!!」

「ふざけたこと抜かしてんじゃねーぞ!!」

 

部下3人から文句が聞こえる

確かにあんなことされたら誰だって文句を言いたくなる

それに俺達は傭兵だ、依頼されたら金次第で

グラドの味方にもなる

 

「おいおい、俺たちゃ傭兵だぜ、金さえ払えばグラドの味方にもなるぜ」

 

「確かにな、だがそれじゃあダメだ」

 

「なんでだよ」

 

「俺達が求めてるのは本当に強い軍団だ」

 

「は?」

 

「傭兵は確かに金さえ払えば戦いはする、だがなそれだけじゃダメだ

 弱い奴をいくら雇おうがなんら俺たちの目的のなんら解決にはなんねェ」

 

「目的?・・・」

 

「そうだ、ここ数年以内にデカイ戦争が起きる」

 

「・・・そいつに生き残るためか」

 

「そうだ」

 

「・・・なんでお前らはデカイ戦争が起きることを知っているんだ?」

 

「そいつは当然さ、なぜならその「デカイ戦争」は俺達が引き起こすからさ!!」

 

「なんだと!?」

 

「グラド帝国が戦争を引き起こし俺達がこの大陸の覇権を手にする」

 

「・・・・」

 

「話についてこれないか?、だがなこんなのはまだまだ序章にすぎねえ」

 

「・・・って事は他の大陸にも!!」

 

「そうよ、帝国も俺の野心もこの小さな大陸なんかにゃ収まらねぇ

 この海の先、否この空の遥か先までも俺達は突き進んでみせる」

 

「それには強い兵と将が必要と言うことか・・・」

 

「話が早くて助かるぜ、だがまだ時じゃない、今は力を蓄える時だ」

 

「その戦いに、俺を巻き込もうってわけか」

 

「そういうこった、そもそも俺達がお前を襲ったのも

 俺達なりの篩(ふるい)(意味は選別)って奴さ」

 

「へ、一方的に殺された奴らは浮かばれないな」

 

「弱い奴と運の無い奴から死んでくのさ、この世の中はな」

 

「そうかい・・・」

 

「そういう点で言えばお前はギリギリ合格点だな」

 

「・・・・」

 

「不満げな顔だな」

 

「当たり前だ」

 

「グラドの軍門に入りゃここから出してやれるぜ」

 

「断れば?」

 

「最悪一生、良くて処刑執行の時にしか出られないな」

 

「そうかい・・・」

 

「答えは?」

 

「ハナっから選択肢なんて無いんだろう?

 いいぜ入ってやるよ、グラド帝国にな」

 

「いい返事が聞けて良かったぜ、かく言う俺も傭兵上がりで

 グラドの将軍職についた身だからな、お前ももしかしたら・・・な」

 

「へっ・・・当然だが、部下も離してもらおうか」

 

「わかってるぜ・・・おい」

 

 《ガチャガチャ!!》

 

部下達のいた牢屋が次々開けられる

 

「隊長!!」

「すいやせん隊長!!」

「俺たちゃどこまでもついて行きますぜ!!」

 

「ありがとよ・・・お前ら・・・」

 

「感動のご対面の最中悪いが早速仕事に入ってもらうぜ

 お前らにゃ実力をつけてもらわないと困るからな」

 

「任務内容は、グラドの海域を最近荒らしてる海賊の討伐任務さ」

 

「わかった・・・行くぞお前ら」

 

「「「はいっ!!」」」

 

 

「お前らはたった今からグラド帝国・魔将石「虎目石」ケセルダの部下だ」

 

「言われずとも」

 

「そういや、お前の名前はなんだ?」

 

「俺の名か・・・」

 

俺はこの世界に来てからひとつの偽名を使ってる

この世界に来てからずいぶん長いし

もうこっちの名前が定着していた

 

「俺の名は・・・「ダイアー」だ」

 

さすがにこの世界で堂々と「剛」なんて違和感ある名前では名乗りたくない

女っぽい名前だがそこは我慢だ

 

「なら行くぜ、ダイアー!!」

 

「おう!!」

 

胸を張って堂々とした態度と表情で牢屋のある地下室から出てくる

そこには覚悟を決めた男の姿があった

 

悪いが俺は俺の目的がある、ケセルダ・・・いやグラド帝国!!

お前たちの好きにはさせないぜ、ここからが俺の本当の意味での戦いのはじまりだ!!




やっとプロローグが終わりましたよ
プロローグが4話ってそうそう無いよね?
まぁ、文字数少ないし、無駄に区切っただけだしね

とまあ、次章からゲーム開始ちょっと前辺りくらいで
始まる予定でし

一応プロローグはゲーム本編開始数年前と今更ながら言っておきます
次回はキャラ紹介の予定デス


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登場人物紹介(1)

前回の予告どうりに行きます


 金石 剛(かないし ごう)

「ダイアー」

 

兵種「傭兵」→「勇者」

 

今作品の主人公飛ばされた当初20代初め

本編開始時には20代半ばから後半に差し掛かった辺り

 

武器は「斧」

 

二つ名は「金剛石」のダイアー

 

もう感づいている人も居ると思う・・・ってか

タイトルと名前見たら丸分かりなのでもう言います。

 

当初は人殺しに嫌悪していたものの「殺られる前に殺る」

が当たり前のこの世界にて否応なく人殺しをしなければならなくなる

 

大の和食党なのだがこちらに飛ばされてから

一粒の米も食っていないためホームシックならぬ和食シックにかかっている

博打運は恐ろしいほど無く

逆に彼と反対に掛けた人はボロ儲けするほど

それ故本人は博打には一切手出ししない

本編でも述べたが下戸である

因みに左利き

 

 

 

「アージ」

 

兵種「傭兵」

 

部下その一

バカやって家追い出されたのはコイツ

そもそも家は豪商でそれなりに裕福な暮らしをしていたが

それにアグラかいて馬鹿なことをした結果

家を追い出される羽目になる

3人の中では一番の技と速さを誇る

 

 

 

「ラージ」

 

兵種「戦士」

 

部下そのニ

腹空かせてブッ倒れていたのはコイツ

一件太っているように見えるが

かなりの骨太(物理的な意味でも)

家は平々凡々の農家だが山賊に襲われ

一家は離散となる

そこで空腹で倒れていたところをダイアーに拾われる

離散した家族を探すこととダイアーに対する恩義で

彼についていくことを決める

3人の中で一番の力と体格を誇る

 

 

 

 

「カイツ」

 

兵種「ソシアルナイト」

 

部下その三

身寄りがないのはコイツ

貧民街でかなり知られた不良男

たまたまそこに通りかけたダイアーに

金目のものを奪おうとしたところを

逆にボコされることとなる

その威勢のいい性格を買われて

無理矢理半ば自分の傭兵団に

引き込まれ、信頼できる仲間を得る事となる

3人の中で一番の根性と気合を誇る

 

 

 

 

作者記述

皆さんお分かりの通り部下3人のモデルは

初代ファイアーエムブレムのサジマジバーツです

個人的にあの3人が大好きでDSでトライアングルアタックを

実装されたときは狂喜乱舞しました

 

3人の設定に関しては様々な作品を参考にして

それっぽい感じに仕上げました

3人とも武器に関しては

 

アージ・剣

ラージ・斧

カイツ・槍

 

とお互いにカバーし合う形として

このようにしたというような感じです

 

 

因みにダイアーに関しては

これといって無いデス

この3人の上司ならオグマ隊長かと考えましたが

あの人ほど渋くカッコイイ感じにはならない気が・・・

 

 

とはいえこれからこの4人がこの物語の

メインメンバー(?)になるのですから

かっこよく書いていこうと思います

 




次回!!(が、もしあったら)
新章開幕!!(するかもしれない)

ひとつ注意書き
本編開始時にはゲームと並行しながら執筆となりますので
プレイ状況等によっては更新が遅くなる事もありえます
特にエフラム・エイリーク編の二つに分かれるとそれが顕著に
現れることと思います。
最悪の場合カセットが破損した等の問題が起こるかもしれません。
なんだかんだ言いながらゲーム自体は約10年前の代物ですから。



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戦争開始
第五話「任命式と宣戦布告」


本編ちょっと前から始まるよ


 

グラド帝国・帝城・謁見の間

 

 

壮厳な雰囲気の中、王座に座りし「皇帝ヴィガルド」

そこに居るのは6人の男女、それは帝国が誇る6人の勇猛なる将軍

魔将石である

 

【黒曜石・デュッセル】

【日長石・グレン】

【 蛍石 ・セライナ】

【月長石・ヴァルター】

【血碧石・アーヴ】

【虎目石・ケセルダ】

 

誰も口を開かず、ただ皇帝が言葉を発するのを待っている

そして万を持したように口を開く

 

 

「我がグラド帝国が誇る6人の魔将石よ・・・

 これより帝国は隣国ルネスへと侵攻を開始する」

 

6人がざわめき出す

ひとりは薄気味悪い笑を浮かべ

ひとりは野心を抱いた笑を浮かべ

またひとりは今回のことに納得いかない風に顔をしかめる

 

皇帝が再び口を開く

 

「またこれに伴い、新たな魔将石をこの場に加えよう、

 入って参れ!!」

 

 《ギィィィッ・・・》

 

目の前の両開きの扉が音を立てながら開き

扉から部屋に歩みを進める

 

 《コツコツコツ・・・》

 

迷うことなく一直線に皇帝に向かう

道筋の左右に分かれる男女には目もくれず

皇帝の前で立ち止まり、片膝をついて頭を下げる

 

「頭を上げよ・・・」

 

そう言われ、頭を上げ、6人を見渡す

 

「この者が7人目の魔将石、ダイアーである」

 

簡素な自己紹介をする

 

「たった今より、皇帝閣下から魔将石の地位を拝命した

 ダイアーだ、若輩者ながら帝国の勝利のために戦い抜く

 事を今此処で誓う」

 

「また、ダイアーの魔将石としての二つ名は「金剛石」とする」

 

 

 

------------------------------------------------------------------

 

皇帝への謁見が終わり、魔将石は各々バラけていく

そんな中、ケセルダがダイアーに話をかける

 

「おい、ダイアー!」

 

「ケセルダか・・・」

 

「ふん、お前とうとう俺たちと肩を並べちまったな」

 

「あぁ、アレから長くもあり、短くもあり・・・

 やっとここまで来た」

 

アノ後、グラド帝国での初陣を見事勝利してみせたダイアーは

それからというもの、激しい戦いの中に身を置き

見る見るうちに頭角を現し始めた

 

そして開戦の折、とうとう新たな魔将石としてまで認められたのである

 

「だがここからが本番だ!、気を抜くなよ」

 

「わかってる、この大陸を掌握するまで気を緩めるつもりはない」

 

「へっ!ならいいんだがな」

 

言いたいことを言い終えたのか、ケセルダは満足そうに帰った

 

そしてまた一人、彼に近づく者がいた

 

 

「ダイアーよ」

 

「おぉ!これはデュッセル将軍殿!!」

 

「敬語はよせ、お前も地位は私と対等となったのだからな」

 

「何をおっしゃいますか、デュッセル将軍にそのような態度とるなど・・・」

 

「だがそれでは下の者に示しがつかぬぞ」

 

「たしかにそうですが・・・」

 

「・・・時にダイアーよ、お主はこの陛下のご判断どう見る?」

 

「ケセルダの手前、余計な不破や軋轢を産まない為にも口を合わせていましたが

 私は・・・正直に言えば、やはり同盟国を打つという行為には賛同しかねます」

 

「やはりお主もか・・・」

 

「と言いますと?」

 

「ふむ、実はグレンにも同じ事を聞いたのだが、お主と同じ答えだった」

 

「ですか・・・」

 

「やはり今一度、この一件皇帝陛下に問いただしてみるべきか・・・」

 

「決して無理はなさらぬ様に、デュッセル将軍」

 

「うむ、お主もな、魔将石としての初陣で打ち取られては

 元も子もないぞ」

 

「そのお言葉、重々肝に銘じておきます」

 

「うむ、それではな、私も戦支度をするとしよう」

 

----------------------------------------------------------------------

 

自室に戻り、これからのプランを考える

当面の目標はやはりエイリーク側に寝返る最の事と

グレン将軍とイシュメア王妃の事

そして聖石の破壊阻止、正確には破壊したと思わせる

行為か

 

非業の死を遂げた二人だからこそ、俺はこの二人を救いたい

 

となると、やはり邪魔なのは

「ヴァルター・ケセルダ・アーヴ」の3人か

セライナはなんとか、こちらの陣営に加えることは可能だろうか?

少なくとも、疑念は抱いていた様子だし

なんとか説得の材料と手回し根回しが必要か・・・

さてこれから本当に忙しくなってくるな・・・

 

俺はこれからの事を考えながら戦支度を済ませ

これから国境沿いの砦へと攻め込むのであった

 

 

 




え~、最近小説書いてたら異様に後ろから視線を感じる作者デス
もちろん振り返っても誰もいません

小説書いてる時は胡座をかいているので足の前面の筋肉が引っ張られている状態
デスので足が軽い筋肉痛の状態だから立ち上がる時に上手くいかず、一度すっ転びました

こんなもんです、後は何もないです


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第六話「王都陥落」

昔ファード王は勇名を馳せたと聞いた覚えがあるので
俺の予想では最後は戦って死んだんだと思います



 

さてさて侵略戦争開始から一月が経ちました

俺は驚いたことにルネス王国の王都を陥落させろと言う任務を

承りました、

何考えてんだ、アノ皇帝は?

 

 

一応部隊としては

ヴァルターの「蛇竜騎士団」

俺の「鬼神戦闘団」の二個騎士団が当たってる

 

 

「ふむふむ・・・これはこれは・・・」

 

「どうしたヴァルター?」

 

「いや何、今回の戦の手柄は君の物だと思ってな。」

 

「ん~?、あぁ成程な」

 

「君の予想通り、私の蛇竜騎士団では城内等という限られた空間では

 本来の力は出せんのでな、外の敵や脱出してきた敵を相手にするか・・・」

 

「竜や天馬は空飛んでナンボだからな。」

 

「まぁ、いいさ、私はことさら手柄になど興味がないよ、くくくっ!」

 

 

相変わらず薄気味悪い顔と笑い方だぜ、背筋が寒くなる

とはいえ、やはりコイツに外にいられると厄介だな

原作じゃエイリーク達は無事に脱出したが・・・

、まぁとにかく、今は目の前の城落とすことに集中しろ

、それに手は打ってある

、形はどうあれ俺は今やグラド帝国の将軍なんだ!!

 

 

「時間だ、王都を落とすぞ、ヴァルター!」

 

「あぁ・・・行くとしようか」

 

 

-----------------------------------------------------------------

 

ルネス王国・城門前

 

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「がはっあ!!」「ぐはぁ!」

 

愛斧(あいふ)を振るい、敵を蹴散らす

 

なんとかここまで来たな・・・

主力部隊はエフラム王子が率いているから

簡単ではあったが、楽ではなかった

まったく、ここまで気乗りしない戦は初めての殺し以来だぜ

 

王の間まではもはや眼前か・・・

ん?・・・どうやら脱出には成功したらしいな

エイリークを馬に載せたゼト将軍の後姿が城の窓から見えた

あのまま行けばヴァルターに見つかるだろうが・・・

 

 

 《バァァァァァァンッ!!!》

 

 

荒く開かれた大きな扉、静寂な王の間にけたたましく

鳴り響く音

そして王座に座るはルネス王国・国王ファード王

 

「・・・来たか、グラドの兵共よ」

 

泰然自若、威風堂々といった言葉が似合う男だ

その体格とも相まって尚の事大きく見える

 

いつの間にやら着替えたのかはわからないが

ジェネラルの鎧を纏い、大剣片手に俺たちを待ち構える

 

「来い、グラドの兵よ、自国を滅亡まで追い込んだ愚王の最後

 しかとその目に焼き付けよ!!」

 

王一人に対し十人以上で取り囲む、手持ちは皆槍である

阿呆か、この王の発する闘志は半端じゃないぞ

戦場から離れて長いだろうが、その腕は些かも衰えてはないだろう

そんな人物に対して武器の3竦みなんぞ意味がないだろう

 

「かかれぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

何を考えてるかは知らんが勝手に号令を出すな、この場の最高責任者は

俺だぞ、この阿呆が!!

 

 

「むぅぅぅぅン!!!」

 

 《ぶぉぉぉぉんっ!!》

 

ファード王の声と共に手に持っていた大剣を勢いよく

繰り出した

 

 

「「「ぐァァァァァっ!!」」」

 

はい、3人まとめて真っ二つですよ。

ハラワタやら内蔵やら飛び出たうえに、

俺に血がかかってきたんですが・・・

 

「むぅぅぅう!」

 

いや、お前が唸るなよ、隊長さんよ

お前の支持だから。

 

「おい!」

 

「はっ?・・・がはァァあっ!!」

 

 《メキメキメキっ!!》

 

 

とりあえず頭にきたから顔面に裏拳叩き込んでやった

前歯が全滅したと思うが、お前の勝手かつ無能な指示で

部下3人を無駄に犠牲にしたんだ、これでも生温いくらいだろう

 

とはいえ、これ以上犠牲が出ないようにするにはどうするか?

弓兵じゃ大きなダメージは与えられない

倒せたとしても、その間にこちらに突っ込んできて

大暴れされたらとんでもない事になる

 

ならば取る道は一つか・・・

俺は腹を決めて一歩踏み出す

 

「ルネス王国・国王ファード殿とお見受けいたす

 自分はグラド帝国・魔将石「金剛石」のダイアー」

 

「ほう、お前がか。」

 

「ご存知でしたか?」

 

「グラドに新しき将軍が生まれたと聞いた、それがお主とはな」

 

「若かりし頃は勇名を馳せ、その闘志は今なお衰えることはないご様子

 ぜひ自分と一対一の決闘を受けていただきたい!!」

 

「・・・いいだろう、ならば見事、我が首を獲ってみるがいい!!」

 

-------------------------------------------------------------------

 

「はァァァァァァァっ!!」

 

 《ガキィッッッン!!》

 

「ぬぁぁぁぁぁッ!!」

 

 《ゴキィッッッン!!》

 

「ぐぁぁぁぁっ!!」

 

なんていう力だ、これで中年のオヤジかよ

ありえねえ!!

とはいえ、これ以上は無理があるな、ここいらで喋るか

 

《ギギギギギギギギギッ!!》

 

鍔迫り合い状態で俺と王は必然的に顔が近くなる

 

(王・・・王様)

 

ボソボソと俺は王に喋りかける

 

(時間がないので端的に申し上げます

 俺は帝国の獅子身中の虫です

 エイリーク様は俺の信用できる部下が

 退路を確保しておきました、ご安心ください)

 

それを聞くと王は驚いた表情で居た

そして、ふっと・・・穏やかなで安心した

ような表情に変わる

 

「そうか・・・ならばもう未練など無い、この首

 貴殿に差し出そう・・・」

 

ピタッと動きが止まる

 

俺は斧を構え、

せめて最後に無礼が無いように言葉を発する

 

「・・・・・その武勇、誠に見事!!御免!!」

 

そう言うと、俺は斧を横凪に払い、王の首を跳ね飛ばす

せめて苦しみが無いようにと、一撃で仕留める

 

 《ぶしゃあぁぁぁぁぁ》

 

噴水がごとく王の首の切断面から血が噴き出す。

できることなら、この人にも生きてもらいたかった

だがこの状況で逃がすことなど出来もしない

ならばせめて、心残りが無いようにしてあげたい

 

王の首を抱え、俺は背中に纏っていたマントを外し

王の首を包み込む

、せめてこの首は恥ずかしめを受けさせず

丁重に弔おう

 

王よ、ルネス王国・国王ファード王よ

後世の歴史家がたとえ貴方を愚王と呼ぼうとも

私は決して忘れない

貴方は国を思い、民を思い、子を思う

善良なる王であったことを・・・




誠に勝手ではございますが皆さんにお知らせがあります。
主人公の元々の名前を変えさせていただきました

下の名前の「つよし」を「ごう」に変えました
理由は・・・一応有りますが聞かないでください

それだけです、後はないです
それでは。


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第七話「護衛と逃避行」

SFC買って、聖戦の系譜なう

いや、ツイッターで言えや!!



とりあえず今回のメインは
エイリーク・ゼトとあの3人(+1)です
さらっと新キャラ出してます


ほぼ同時刻

エイリークside

 

「お父様は無事でしょうか・・・」

 

「・・・今は脱出を急ぎましょう。」

 

「・・・はい」

 

城門を出て急ぎ、脱出するゼトとエイリーク

既に新米騎士・フランツをフレリアに使いとして出している

 

「とにかく我々もフレリアに行きましょう」

「・・・解りました、ゼト」

 

二人が城門から出て直ぐのことだった

まるで来るのが解っていたかの如く待ち構えていた

敵兵が居た、いずれも翼竜騎士(ワイバーンナイト)

であった

 

「ほう、これはこれは、どうやら私にもツキが

 回ってきたらしい」

 

薄気味悪い笑を浮かべるヴァルター

一件貧弱そうな感じだが

ぞれを上回る薄気味悪さが漂っていた

 

「貴様!何者だ!?」

 

「私か?・・・私は魔将石が一人【月長石】のヴァルター

 覚えなくても良い、貴様は直ぐに死ぬのだからな!」

 

「くっ!!」

 

「手を出すんじゃないぞ、お前たち、コイツは私の獲物だ・・」

 

 

 

エイリークは不安だった、ゼトは若いとは言えルネス王国の優秀な将軍である

、だがヴァルターも薄気味悪い雰囲気に飲まれ、エイリークの心は

お世辞にも落ち着いた状態とは言えなかった・・・

 

そしてエイリークたちの後ろの林の中からそれらを見据える者がいた

 

---------------------------------------------------------------

 

???side

 

「まずいぞ、よりによってあの野郎に見つかりやがった」

 

「かーっ!あのお姫様とことん運に見放されてるんじゃないのか!?」

 

「無駄口叩くな、こうなったら俺たちも腹据えるしかないぞ」

 

「今更だな」

 

「そうそう、俺たちゃ隊長からこの任務、いんや隊長について行くときめた

 時から腹据えてたはずだぜ」

 

「それもそうだ・・・お前もいいか、アイナス?」

 

「・・・わかった・・・」

 

「いつでも撃てるようにしとけよ、いっその事、あの野郎を

 仕留めるくらいにな」

 

(コクッ!)

 

頷くアイナス(アーチャー)

 

「あの若い将軍にゃ悪いが囮になってもらおう

 ヴァルターが仕留めようとする時に、こちらがアイツを仕留める」

 

戦いを見据える4人、

そしてヴァルターがゼトを仕留めようとしたその瞬間であった

 

「今だっ!!」

 

    《パヒュウンッ!!》

 

 

アイナスの放った矢を合図に他の3人が行動を起こす

 

「こっちだぁ!!、こっちに逃げろぉ!!」

 

------------------------------------------------------------

 

エイリークside

 

激しいゼトとヴァルターの打ち合い

ヴァルターの一撃がゼトに命中する

そしてヴァルター止めを刺そうとした瞬間

 

 《パヒュウンッ!!》

 

「ぬを!?」

 

ヴァルターに放たれた矢はギリギリ躱された

 

(糞ッ!外したか!)

 

心で舌打ちをしながら叫ぶ

 

 

「こっちだぁ!!こっちに逃げろぉ!!」

 

「?誰ですか貴方たちは?」

 

「いいから、まずは逃げるんだよぉ!!」

 

後ろの森から飛び出したソシアルナイトがゼトに向かい

怪我をしたゼトを担ぎ、馬を引き連れ森の中に消えていきました

 

そして私は傭兵らしき男に手を引かれ同じく森の中へと

引き込まれていくのでした

 

「えぇい!!追うぞ!!」

 

 《パヒュウンッ!!》

 

「ガハッ!!」

 

追おうとした翼竜騎士の喉に矢が突き刺さる

 

「チッ!、下がれ、下がるぞ!」

 

「ヴァルター様、みすみす逃がすのですか!?」

 

「ふふふ・・・逃げろ逃げろ・・・地の果てまでもな・・・」

 

部下の質疑を無視し、

薄気味悪い笑を浮かべながら呟くように・・

だが聴いたものの耳にはっきり残る声で・・・

 

---------------------------------------------------------

 

????side

 

さてさて、上手く助け出せたのはいいが、やっぱり

疑われてるな俺達・・・

 

「助け出してくれた事には感謝致します・・・ですが貴方たちは誰なのか

 知るまでは信用なりません」

 

「ゼト・・・」

 

男はコチラを睨みつけていた

ま、それが普通の反応だよ

 

「まぁ・・・俺達は、ある人の命令であんたら2人を

 護衛するように言われたのさ」

 

「護衛・・・ですか?」

 

「あぁそうさ、名前こそ明かせないがな」

 

「名前を明かせない、理由はお聞きできますか?」

 

「無理だね、こちらにも都合がある」

 

「そうですか・・・」

 

 

「エイリーク様!このような素性の知れぬものと共に居るのは危険です

 、急ぎこの者たちから離れましょう!」

 

「ゼト!?、無理をしては・・・」

 

「そうだぜ兄ちゃん、怪我してるってーのによ」

 

「私にはエイリーク様をフレリアまでお届けする使命がある!・・・くっ!」

 

「ゼト!!」

 

ヴァルターに差し貫かれた傷が痛み出す

 

 

「ほら、無理するからだ、傷を出しな、包帯と薬草があるからよ」

 

「私に・・・っ!」

 

「ゼト、ここは彼らの言うとおりにしてください」

 

「エイリーク様・・・解りました」

 

「やれやれだ」

 

少し肩を諌めながら簡易的な治療を行う

 

「幸い、大きな傷じゃない、無理しなきゃ直ぐに治るさ」

 

「そうですか・・・」

 

 

不安そうになるエイリーク

 

 

「安心しろ、そのために俺達が居るんだからよ」

 

「そうですね、そういえば、お名前を教えていただけますか?」

 

「そういや名乗ってなかったな、俺はカイツ、

 こっちの優男がアージだ」

 

「アージだ」

 

「そうですか、私の名前は・・・ご存知でしたね」

 

「あぁ、知ってるよ、あとついでに今偵察に出ているデカ物がラージ

 アーチャーの女がアイナスだ」

 

 

 《ガサガサガサッ!》

 

 

近くの雑木林が騒めく

 

「誰ですか!?」

 

 

「俺たちだ、お姫様」

 

「えぇ~っと、アージさん?ですか」

 

「違います、彼はラージです」

 

「これは!申し訳ありません」

 

「いいんですよお姫様」

 

気さくに笑うラージ

 

「それよりラージ、様子はどうだった?」

 

「小規模ながら追撃部隊が迫っていたから、俺たちで始末した」

 

「そうか」

 

「なーに、俺の手斧とアイナスの弓があればあっというまさ」

 

「そうだな」

 

「それよりもこっちが本命と言っていい」

 

「どうした?」

 

「この先に少し行けば村がある、だがなそれと同時に山賊のクソッタレどもが

 その村狙って進軍してきやがった」

 

「なんだと!?」

 

「山賊ですって!?」

 

「あぁ、俺は個人的にだが、アイツ等を許せねぇ・・・」

 

「ラージ・・・」

 

「わかってるよ、私心まで挟まないからよ」

 

 

握りこぶしを震わせながら声を低くするラージ

 

 

「・・・今から村に向かいましょう!」

 

高らかに叫ぶエイリーク

 

「私は、目の前で城を落とされ、国を失いました

 だからこれ以上後悔はしたくない、

 目の前の人々の命まで失いたくないのです」

 

 

「やれやれ・・・とんだことになっちまいそうだ」

 

「いいんじゃないの?たまにはさ」

 

「あぁ!山賊どもをぶっ飛ばしてやろうぜ!!」

 

「うん・・・」

 

「皆さん、ごめんなさい、こんなことに巻き込んで」

 

申し訳なさそうに顔をうつむかせるエイリーク

 

「かまいやしませんよ、あなたがそういう人だと感づいては居ましたし」

 

「元々山賊は許せないしな」

 

「民衆に罪はない」

 

「・・・蜂の巣にしてあげる・・・」

 

「私も行きます、エイリーク様!」

 

「ゼト!?、決して無理はしないでくださいね」

 

「はい。」

 

 

「そいじゃ行きますか、ではエイリーク様、命令を」

 

「はい、私たちは今より、村を守る戦いに赴きます!!」

 

 

「「「「「おおおおおおっ!」」」」」

 

 

高らかに宣誓するエイリークとそれに付き従う5人は村に向かうのでした




さーて来週の「金剛石は砕けない」は?

「壮絶兄弟喧嘩グレンVSクーガー」
「ケセルダ、ツリ目に悩む」
「ヴァルター、ホモ疑惑を解消せよ」

の3本以外でお送りします!


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第八話「国境の町ミュラン」

最近俺妹にハマリ気味・・・

今更!?


「この先、この森を超えれば国境のミュラン城ですな」

 

「えぇ。」

 

 

ここ数日、ミュラン城にむけて進軍する俺達、

幾度か山賊などと遭遇し、戦う事を繰り返し

エイリーク様は随分剣が上達された

が、まだまだ危なっかしい所はある

要努力と言った所か

 

 

俺達6人は今、山道を歩き

とうとうミュランを視認するにあたった

 

そしてそれと同時にミュランが既に襲われていることも

確認できたのであった

 

 

「こりゃ・・・いったい!?」

 

「考えりゃわかんだろう、グラドだよ」

 

「・・・ラージは頭弱い・・・」

 

「テメー!アイナス!」

 

「静かにしろ、馬鹿ラージ!!」

 

「ちっ、わーったよ・・・」

 

 

 

そんな中、エイリークはショックを受けていた

 

「そんな・・・すでにミュランにまでグラド帝国が侵攻しているなんて・・・」

 

「グラドの進行が予想より早いとは・・・」

 

「それだけじゃないぜ、俺たちゃ山賊相手に足止めされてた、

 それも含めてこの遅れさ」

 

「っっ・・・!!」

 

「・・・気に止むことないさ、お姫様」

 

「そうそう、むしろ村を見捨てていく事のほうが俺たちゃショックだぜ」

 

「だがそうしなかった、俺達はアンタを尊敬すんぜ」

 

「・・・私も・・・」

 

「皆さん・・・」

 

 

だが改めてミュランを見渡してみる

 

 

 

「とはいえ、こりゃ・・・」

 

「うん、数は少ないけどよ」

 

「・・・でも真正面からは危険・・」

 

「敵の隊長は重装甲騎士(アーマーナイト)のようです」

 

「だったらどうすんよ?」

 

「そりゃお前、セオリーなら魔道士が相手にするけどよ」

 

「・・・居ない・・」

 

「だったらこれしかないな、」

 

「だな、頼むぜラージ」

 

「おうっ、任せろ!!」

 

そう言うと、ラージは自身の荷物の中から

「ハンマー」を取り出した

 

 

 

「相手が硬い鎧なら、こっちはそれをハンマーでブッ壊せばいいのさ」

 

「重装甲騎士の相手はラージでいいとして、ほかは?」

 

「まずは俺とゼト将軍でかく乱する、機動力のある俺達が適任だ」

 

「そうなりますね」

 

「でだ、かく乱したところをアージ・ラージとお姫様が打ち取る」

 

「・・・私はその援護・・・・」

 

「そういうこった」

 

「そして最後にラージが敵の大将ブッ壊せば、はい終わりって所だ」

 

「では急ぎましょう、早々に敵を倒さなければ」

 

 

「おう!」

 

---------------------------------------------------------------

 

林の中、息を潜めるカイツとゼト

 

「用意はいいかい、ゼト将軍?」

 

「こちらいつでも。」

 

「・・・そうかい、だったら行こう・・・かァァァァ!!」

 

 

 《ガサガサガサっ!》

 

林から飛び出す二人、

二人の騎馬兵の槍が敵兵に襲いかかる

 

 

「うおりゃああああああああ!!」

 

 《ブスッ!!》

 

「ごはっあ!!」

 

近くにいた敵兵の胸を槍で貫く

 

 

 

「はああああああああっ!!」

 

ゼトも負けじと槍を敵兵に振るい続ける

 

「ぐはァっ!」「うわああああ!?」

 

敵の雑兵が倒されていく

 

 

「よしちょうどいい頃合だ、俺たちも出るぞ!」

 

「「「おおおおおおおおおおお!!」」」

 

 

いざ好機と見た後詰の4人も素早く作戦通りに

敵を倒していく

 

「うおりゃああああああ!!」

 

ラージの斧が敵兵を薙ぎ払う

 

 

「はあああああああっ!!」

 

アージの剣撃が敵を切り捨てる

 

 

「いやぁぁぁっ!」

 

エイリークのレイピアが敵に鋭く突き刺さる

 

 

「・・・・」《ぱひゅん!!》

 

アイナスは無言で敵を撃ち続ける

 

 

 

「くっ・・・なんだこいつらは!?

 ん?あれはルネス王国のエイリーク?

 ふはははははっ、私にも運が回ってきたらしい!」

 

「お?敵の大将がお越しだぜ」

 

「よし、ラージ頼むぞ!」

 

「任せろォ!!」

 

 

ガシャガシャと鎧を音が立てながらエイリークに

向かう敵将「ブレゲ」

 

「ふはははっ、エイリーク覚悟!!」

 

槍を振るうブレゲ、だが

 

 《ガキィィィィン!》

 

「なんと!」

 

二人のあいだにラージが割り込み、攻撃を受け止める

 

アーマーナイトはだいたいは大柄で力持ちな男

が受け持つものであるが

ラージの巨体からすればアーマーナイトもさして巨大には見えない

 

そしてその体格は比例するように凄まじい力を生む

そしてアーマーナイトのもうひとつの弱点である

「ハンマー」で殴られたらそれこそひとたまりもない

 

 

「ふん!はぁ!どりゃ!!」

 

「くっ!この!がぁぁ!!」

 

槍とハンマーの打ち合い

敵もそうとう粘ってはいるが

そろそろ終わるか・・・

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 《ギシャァ!!》

 

ブレゲの手にしていた槍が中央からヘシ曲がった

 

「ぬぅぅぅ!!」

 

焦るようにうなるブレゲ

 

 

「ふんっ!!」

 

両の腕に思いっきり力を込めるラージ

 

ギチギチギチと筋肉が唸り

バンプアップする

血管が浮かび上がり

赤く膨張してくる

 

それを見てブレゲは腰を抜かし

全身から冷や汗を流しながら

命乞いをする

 

「ややややややややややめてええええ、たすけ・・」

 

「ぬあああああああああああっ!!」

 

 《ゴシャン!!》

 

容赦なく脳天にハンマーを振り下ろし

頭を潰す

 

勢い余り、ハンマーは頭を潰し、

そのまま首の付け根まで届いていた

 

柔らかい物と硬いものを同時に潰すような

不愉快な音を立て、ハンマーで頭を潰された

ブレゲは見る影もなくそのまま倒れこむ

 

「ふーーーうッ!」

 

息を吹き出し、額の汗を拭うラージ

、どうやらほかの敵も打倒されていた模様

、後方からの敵の増援も

フレリアからの援軍が対処してくれた様子である

 

----------------------------------------------------------------------

 

 

「なんとか、国境をこえることができそうですね」

 

「はい」

 

 

 

「あぁ~、言いにくいんですが姫様、俺達はそろそろ・・・」

 

「クライアントからは国境超えるまででいいといわれたまして」

 

「ここまでくればもう安全かと」

 

「・・・次の仕事がある・・」

 

 

「そう・・・ですか、そうですね貴方たちは傭兵でしたものね」

 

残念そうに答えるエイリーク

 

 

「まぁまぁ、縁があれば、どこか出会えますよ」

 

「・・・一期一会・・」

 

「真逆だよ、言葉の意味!!」

 

すかさずツッコミを入れるカイツ

 

 

クスクスと笑うエイリーク

 

「それじゃ、自分たちはこれで」

 

「さよなら姫様、楽しかったぜ」

 

「またお会いしましょう!」

 

「・・・また会える予感・・・」

 

「どっちだよ、お前の意見は?」

 

 

エイリーク達から離れていく4人

彼らは今一度彼の元へ戻ります

、任務成功の報告へ向かいに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近モバゲーでもう書いてない作品を転移しようか考えてる

うん、それだけデス
あとは何もないデス


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第九話「言葉の戦争」

お久しぶりです
別に何もなかったです


sideグラド城

 

私室の椅子に座り、足を組んでふてぶてしく問いかける男

 

「よう、無事だったかお前ら」

 

その問いかけに部屋にいる4人は答える

 

「当たり前でしょ隊長!」

 

「おいおい、俺は今やグラドの将軍様だぜ

 いつまでその肩書きで読んでんでよ」

 

「俺たちには何時までも貴方は隊長です」

 

「そうかよ、まぁ今更だしな、とりあえず結果報告しろ」

 

 

 

その問いかけにカイツが報告する

 

 

「我々は指示どうりに城の外でエイリーク姫達を待ち

 ケセルダに襲われているところを救い出しました

 その道中幾ばくかの山賊と遭遇しそれを撃破

 指示どうり国境の町ミュランまで送り届けました」

 

 

「ふっ・・・パーフェクトだ4人とも」

 

 

「恐悦至極」

 

「所で隊長、これから俺達はどうするんです?」

 

「お前らはとりあえず、待機して体を休めておけ

 またしばらくしたら正規の戦闘に戻ることになるだろう」

 

「了解です」

 

「アイナス、お前もご苦労だったな」

 

「・・・気にしないで・・」

 

「部下の労をねぎらうのは当然だ

 それが優秀であれば尚更・・な」

 

「・・・ありがとう・・」

 

「ふっ・・・さてさて俺はこれからすることがある

 お前らさっきも言ったが体休めとけ」

 

「了解です」

 

 

各自自室へと戻つていく4人

 

 

「さて、これからが大変だな、舌戦は苦手だよ・・・」

 

 

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《コンコン》

 

部屋にノックの音が低く響く

 

 

「どうぞ」

 

そう言うと扉が開く

 

お三方共、夜分遅くにお呼びしてすいません

 

 

部屋に入ってきたのは

デュッセル・グレン・セライナの3人であった

 

「こんな時間になんの用だダイアー殿」

 

グレンが口火を切った

 

「まぁ、先ずは席にお座りください」

 

3人を円卓テーブルに案内する

4人はそれぞれ向かい合う形で座る

 

 

「先ずはこんな夜中にお呼びだてした事を謝りましょう」

 

「御託ははいいから要件だけを話しなさい」

 

セライナが説明を求める

 

「そうだな、説明をしてくれ」

 

デュッセル将軍の重厚な声が響く

 

 

「そうですね・・・」

 

「お三方、この戦争をどうお考えですか?

 それをお聞きしたいのです」

 

 

 

「ふむ・・・」

 

「むっ・・・」

 

「・・・・・」

 

3人は口を閉ざし考える

 

 

(思った通り、この3人は思うところ有りか)

 

内心細く微笑むダイアー

 

 

そんな中、一番早開口したのはグレンであった

 

「俺は、やはり納得がいかない、それは今も同じだ」

 

「私もだ、皇帝陛下がよもや侵略戦争を仕掛けるなど・・・」

 

デュッセル将軍も同意する

 

「私は・・・陛下のご意志に従うまでだ・・・」

 

セライナは答える

 

「セライナ将軍はこの戦争に肯定派だと?」

 

「我々は軍人だ、陛下のご意志に従うのみ」

 

「だが、戦争の目的もはっきりせず侵略するなど・・・」

 

「陛下の真意は我々如きの計り知れぬ所にあるのだろう」

 

「だが・・・」

 

「ダイアー将軍はどうお考えでしょうか?」

 

「自分は・・・反対ですね」

 

「貴様!・・・」

 

「まず、この戦争の目的がわからず、行く先も不透明です」

 

「確かに・・・」

 

「そして何より一番苦しむくのは力無い民衆です

 それが敵国にせよ自国にせよ・・・」

 

「くっ・・・」

 

「目的不明・行く先不透明・いたずらに国力の消費

 こんなことでは兵の士気も下がる一方」

 

「むぅ・・・」

 

「っ・・・」

 

「くっ・・・」

 

3人とも顔をしかめる

 

 

「あえて言いましょう、このままでは帝国は確実に崩壊します!!」

 

「貴様!!陛下を愚弄するか!!」

 

セライナが飛び上がり、ダイアーに掴みかかろうとする

 

「落ち着け、セライナ将軍!!」

 

グレンがセライナをたしなめる

 

「ではどうしますか?、このままこの国・・・否、この大陸を滅亡させる

 片棒を担ぐのですか!?」

 

「御三方とて分かっているはずです、陛下はまるで人が変わってしまったと!」

 

 

「「「・・・・・」」」

 

3人は何も言わない、分かっているのだろう、ダイアーの言うことが

 

「このまま帝国が暴走を続けるのであれば・・・

 これ以上人々の命を失う事になれば・・・

 俺自身、皇帝に弓を引く事も辞さない!!

 そのせいで俺はたとえ後世の歴史家に

 愚か者だと笑われても人々を守るために、

 反逆者の汚名を喜んで受けましょう」

 

 

「貴様!!!」

セライナが再び掴みかかる

 

「なら貴方は民や兵の命をいたずらに奪うというのですか!!

 陛下のためなら彼らの命など塵芥に過ぎないというのですか!?」

 

激しく叫ぶようだが口調は丁寧なままである

が・・・

 

「えっ!?、何か言い返してみろよ!!!

 グラド帝国・魔将石・蛍石のセライナ!!!」

 

憤慨の感情が爆発したように

激しく問い詰める

 

「くっ!・・・・・」

 

何も言い返せない、言い返すことができない

正しい、この男の発言はとても正しい

 

長らく帝国に忠誠を尽くしてきたセライナ

だが、尽くしてきたが故に忠誠心との板挟みで

危うく揺れ続けている

「忠誠心」か「民・兵の命」かで揺れている

 

 

「セライナ将軍、私も同じだよ、心が激しく揺れている

 、それ故に今答えを出すことは出来ない」

 

「俺もだ、ダイアー将軍、今ひと時の猶予が欲しい」

 

「・・・解りました、今すぐ答えが出るとは思っていません」

 

「グレン将軍・セライナ将軍、今宵の事は無論他言無用ですぞ」

デュッセル将軍が念を押す

 

「わかっています」

 

「・・・・・・・」

 

セライナは何も答えない、ただ顔を伏せて黙っていた

 




・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

はっ!?
いや皆様、お久しぶりです作者の三崎です

最近は妙にやる気が出ずに放置してましたが
そろそろ更新しないとと思いました

今回はダイアーが3人を説得しこの戦争に改めて
不信感をもたせてみました

これがきっかけで作品がどういう風になるかは・・・
作者もわかりません、いきあたりばったりです

それでは失礼します


追伸
感想で指摘の受けた部分を編集いたしますた
こんな感じでどうでしょうか?


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