カードファイト!!ヴァンガードG 再結成!世界に挑戦する3人 (リー・D)
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第0ターン:挑戦するべき舞台

実は予告編がPixivに投稿されています。
そちらも見てみてください。


ギーゼとの戦いから3年の月日が経った。

この年の夏、8月も終わりが見えたころの海はまだまだ多くの人で賑わっていた。

そんなビーチで1人遠泳を行っていた男が海から上がってきた。

 

「お疲れ様、クロノ。はい、ドリンク」

 

その男が歩いた先にいたパーカー姿の女性は、彼にドリンクを渡した。

 

「ふぅ、サンキューな。トコハ」

 

その男、新導クロノは夢である宇宙飛行士に向けて水泳の特訓に励んでいた。

プロファイターとしてフランスに滞在している恋人トコハとの久々のデートにて海を選んだのは、トコハとの時間を楽しむのと同時に特訓が出来るからだ。

遠泳で体力を消費したクロノは、スポーツドリンクを飲んで体を休め、飲み終わったところでトコハに声をかけた。

 

クロノ「どのくらい泳げてた?」

 

トコハ「30分で1.5kmぐらいかな。プールとは環境が違うから比較は難しいけど、フォームも崩れてなかったし、凄く泳げるようになったよ。クロノ偉い」

 

そう言って、トコハはクロノの頭を撫でた。

不特定多数の人の前で、そうされるのは慣れていないためか、クロノは頬を赤く染めて、照れてしまう。

ほんわかとした空気が2人から放たれ、周りの人から色んな意味で注目を集めた。

中には爆発しろと言う人もいたらしい。

 

トコハ「よし! クロノ、遊ぼ」

 

着ていたパーカーを脱ぎ、水着姿になったトコハがクロノを立ち上がらせる。

その水着姿に注目してしまい、さらに照れたクロノは抵抗することなく、引っ張られる形で海に向かった。

 

クロノ「トコハ」

 

トコハ「ん?」

 

クロノ「その水着、似合ってて可愛いぞ」

 

トコハ「ツ/// ありがとう///」

 

その後、しばらく、水着をほめられて嬉しそうなトコハと共にクロノは全力で楽しんだ。

 

 

トコハ「あーっ、楽しかった。海って最高ね」

 

十分楽しんだ2人は着替えて帰宅のためにバスに乗っていた。

 

クロノ「泳げるの夏だけだけどな」

 

トコハ「冬は冬で楽しいから良いの。それに……泳げない海って言ったら、あの時のことを思い出すし」

 

クロノ「あの時?」

 

トコハ「ほら。私たちが地区予選で敗退して、私とシオンがグレちゃったことあったじゃない。その後、クロノが私たちを励ます為に夕方から海に連れて行ってくれた時の事よ」

 

言われてクロノも思い出した。

 

クロノ「あー、あれな~。悪かったなって今でも思ってるよ。雨まで降ってきて服汚したあげく、目的だった流星群も見れなかったしな」

 

トコハ「確かに被害に有ったときは最悪だったけど、クロノが一所懸命私たちを励まそうとしてくれたのが分かったし、貴方の素直な気持ちが聞けてすごく嬉しかった。偶然見れた花火も綺麗だったから、嬉しかったよ。それに……」

 

トコハがクロノの肩に頭を置いて言葉をつむいだ。

 

トコハ「私、あの時やっぱりクロノが好きなんだって分かったから。貴方の不器用な優しさが大好き。ちょっと無愛想なのが玉に瑕だけど、そんなところも好き」

 

目を瞑って嬉しそうに言うトコハにクロノは恥ずかしいのか耳まで真っ赤になって顔を覆ってしまう。

同じく聞いていた他の乗客や運転手まで、恥ずかしくなってしまっている。

しばしの沈黙がバス内に流れた。

 

トコハ「シオンか~。最近会えてないよね」

 

その沈黙を破ったのもトコハだった。

先ほどの話で出てきた友人シオンの話題を振り出した。

 

クロノ「……/// そ、そうだな。あいつ忙しいもんな。綺場の仕事を本格的に始めたし、フェンシングの試合も有るし、大学もあるからな。トコハが日本に一時帰国するときは、予定が合わないことが多いよな」

 

赤くなり、熱くなった顔を振り切り、トコハとの会話を再開したクロノ。

高校を卒業し、大学生となったクロノたちの生活は、以前よりもさらに変化した。

特に忙しくなったシオンの現状とトコハの都合がかみ合わないためにトライスリーの3人は2号店でも集まれないのだ。

そのことがトコハには寂しく思えてしまう。

そんなトコハの気持ちを知っているクロノが何と声を掛けるべきか迷っている間に、バスは走り、2人が降りるべきバス停に到着した。

降りたところで、クロノはある物に目をつけた。

 

クロノ「トコハ。これ」

 

そう言ってクロノが指差した物をトコハも見る。

 

トコハ「これって……」

 

2人して暫くそれを見続けていた。

 

 

綺場コンツェルン本社

 

シオン「これでよし。岩倉、次の仕事は?」

 

その頃、シオンは社長室で書類整理を行っていた。

傍には執事の岩倉がそのサポートを行っている。

 

岩倉「そうですね。次のお仕事は――おや、お電話がかかっていますよ」

 

シオン「そうだね。はい、社長室。えっ、クロノとトコハが? 岩倉」

 

岩倉「はい。1時間なら時間が空いています」

 

岩倉がシオンの言いたいことを察して、予定表を確認する。

それを聞いたシオンは笑顔になった。

 

シオン「分かった。あっ君。大至急、2人を連れて来てくれ。どちらも僕の大切な友人だから、粗相が無いように……ね」

 

シオンが受話口の向こうにいる人に念を押してお願いしたあと、岩倉が下がり、シオンは扉が開くのを待った。

 

受付嬢「社長、お友達をお連れ致しました」

 

シオン「ありがとう。それと、3人分の珈琲を持ってきてくれないか」

 

受付嬢「かしこまりました」

 

受付のお姉さんが下がり、部屋にはトライスリーの3人だけが残った。

シオンは嬉しそうに2人に声をかけた。

 

シオン「クロノ、トコハ。久しぶり」

 

トコハ「久しぶりだね。シオン」

 

クロノ「悪いな、シオン。急に押しかけて」

 

クロノは部屋の真ん中に設置されていたソファーにトコハと共に座る。

シオンも向かい側に座る。

 

シオン「構わないよ。忙しかったら来ていいって言わないさ。それで、今日はどうしたんだい? 2人が一緒なら、デートでもしてきたんだろ」

 

察しの良いシオンは2人の行動を読んでいた。

簡単に言い当てられ、クロノは照れくさそうに頭をかきながら口を開いた。

 

クロノ「そうなんだけどさ。たまたまお前のことが頭によぎってな。そしたら……こんな物を見つけたんだ」

 

そう言ってクロノは懐から紙を1枚取り出す。

その紙は――

 

シオン「ヴァンガードファイト世界大会日本予選……近日開催」

 

そのチラシを見たところで、クロノが立ち上がった。

 

クロノ「シオン! これに参加しようぜ!」

 

トコハ「また私たち3人で!」

 

トコハも立ち上がる。

この広告とその言葉にシオンは窓際に向かった。

 

シオン「……実は僕、最近個人的に何か大きなことに挑戦してみたくてね。フェンシングでも良かったんだけど。どうしようか決め切れなくてね、困ってたんだよ。でも……2人のおかげで僕も決めた」

 

振り返り、シオンは決心する。

 

シオン「よしっ! やろう! トライスリーで世界を取ろう!」

 

クロノ「おう!」

 

トコハ「ええ!」

 

シオンの宣言にクロノもトコハも同意した。

今此処に、トライスリーの再結成と新たなる挑戦が決定した。

彼らが挑戦するVF世界大会とは何なのか。

彼らは優勝することができるのか。

 

 

続く

 

なお、先ほどの受付嬢から珈琲を受け取った岩倉がこの光景を嬉しそうに見ていたと言う。




次回予告

「ところで2人とも、今日はデートだったんじゃあ?」

「ああ、2人で海に行って来たぜ」

「帰りに3人で始めて海に行ったことを思い出したから、また3人で挑戦したくなったのよ」

「そうなんだ。でも、髪や水着は大丈夫? 直接此処に来たんだろ」

「それなら大丈夫だ。泳いだ後、お風呂や洗濯がある施設で全部洗い流してきたからな。乾燥機も有ったから乾かしてきたし」

「水着必須だったけど、混浴もあって楽しかったわよ」

「……君たち、特にトコハは本当に混浴好きだよね」

「まあねぇ/// って、なんでシオン私が混浴好きなの知ってるの!?」

「さあて、じゃあそろそろルールの確認しようぜ」

「それが良いね」

次回、第1ターン:VF世界大会のルール

「ちょっと、露骨に話し変えないでよ!」

「「なんのことかな~?」」

「おおーーい!」


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第1ターン:VF世界大会のルール

さっそく2つ目です。
前作がプロローグなので、今回が1話になります。
今回はタイトル通り大会のルールやいくつかの細かい設定のおさらいです。
独自設定は特に細かく書きます。
今後の展開で分からないことがあったら何度でも確認してください。


シオン「さあて、それじゃあルールの確認をしようか」

 

ここは、綺場コンツェルン本社社長室。

そこで社長のシオンは親友であり、チームメイトのクロノとトコハと共にパソコンを覗いていた。

 

クロノ「公式ホームページはもう有るな。おっ、気づかなかったけど、今回が第1回なんだな」

 

トコハ「これまでは、U-20と全国大会が普及協会公式大会の主力だった。けど今回は、立凪財閥や蒼龍財閥との連携で、サーキット以上の大きな大会にして、文字通り世界1のヴァンガードチームを決定するのね」

 

シオン「これは大きく盛り上がるだろうね。プロもアマも未成年も関係ないから、老若男女あらゆる人が参加できる。ただし、参加条件はグレード6以上であること」

 

クロノ「なるほどな。この時点で大きく篩いをかけてるってことか」

 

トコハ「つまり、強敵しか出てこないってことよね」

 

ファイカとクエストが復活したことで、再び普及協会はグレード制を採用したのだ。

ここで、各グレードの大まかな内容と上昇条件を確認しよう。

 

グレード(以下G)0:始めたばかり、ファイカを貰ったばかりの人。

G1:何でも良いので1つクエストをクリアすれば上がれる。初心者。

G2:ある程度のクエストをこなし、ポイントを集めた人。早ければ1ヶ月でなれる。

G3:ここから公式大会に参加可能。初心者卒業。

G4:クエストのポイントだけ集めて、大会に参加していない人はここが最終到達点。ただし、救済が無いわけではない。(後述参照)

G5:地区大会以上の大会で好成績を取ればなれる。中級者クラス。

G6:全国規模の大会に出場経験がある者か、県大会クラスで常に好成績を取り続ければなれる。

G7:全国大会やU-20規模の優勝経験者。条件さえ満たせば自動的になれるのはここまで。

G8:ここまで来ると協会から推薦と許可を貰わなければなることができない。クランリーダーは全員低くてもここ。

G9:プロ上位クラス。

GEX:世界最強クラス。クランマスターもここ。

 

G5~7のグレード上昇条件だが、より正確には一定数以上のポイント集めた上で、相応の実力があることを示せば良いので、別に全国大会優勝者のG3だっているし、全国大会出場未経験者のG6だっているのだ。

ただし、U-20はファイカさえ持っていれば参加可能。

出場者が常に上位の実力者ばかりなため、初心者で勝ち上がるには相当の才能がなければいけないが。

また、G4のままでクエストだけでポイントを集め続けている人は、一定以上のポイントが集まれば「クエストマスター」と認定され、特別なカラーのファイカを授与されることが発表されている。

 

シオン「2人とも、グレードはいくつだっけ。僕はG7だけど」

 

そう言って、シオンは自らのファイカを取り出した。

クロノたちも自身のファイカを取り出し、グレードを確認しあった。

 

クロノ「俺もG7だ。最近大会に参加してなかったし」

 

トコハ「私G8。ここまでユーロ第2リーグを全勝して来期の第1リーグ出場が決定したことが評価されてライドしたわ」

 

クロノ・シオン「「おお~」」

 

岩倉「皆様。お茶が入りましたよ」

 

岩倉が持ってきてくれた珈琲と茶菓子を頂きながら、3人は話を続けた。

 

クロノ「申し込みは、2号店でできるな。明日俺バイトだし、2人とも来いよ。さっさとやろうぜ」

 

トコハ「そうね。シオン、明日予定大丈夫?」

 

シオン「申し込みに時間はかからないだろ。それぐらいなら、空けれるよ。ただ、大会に専念できるように、暫くの間の仕事を片付ける必要があるからね。明日以降、何日かは会えなくなることは知って欲しい」

 

クロノ「分かった。社長業も大変だな」

 

トコハ「中学の時の御曹司業も大変だったしね」

 

シオンは社長なのだ。

その忙しさは、中学の時以上だろう。

御曹司の時の忙しさを見たことがある2人は、簡単に承諾した。

理解有る友人たちにシオンも嬉しく感じた。

 

クロノ「俺も大学の課題が集中しないように気をつけなくちゃな。授業はもう少し後だけど、申請時には土曜日に授業入れないようにする必要があるだろうし」

 

シオン「天下の東大生も大変だね。うちの大学は、僕みたいな企業の御曹司が集まる場所だから、その意味では楽なんだけど」

 

幸いにも大会の試合が行われるのは土日だけだ。

都内の大学に通う2人は、地方から出てこなければならない者よりも簡単だろう。

 

トコハ「私もリーグはオフシーズンだから大丈夫よ」

 

クロノ「もしかして、世界中各リーグがオフなのは、今回の大会に参加して欲しいからじゃね?」

 

トコハ「言われてみればそうかも。去年はこの時期にも試合有ったのに、今年から無くなったのは不自然だなって思ってたのよね」

 

シオン「となると、各国や各地域の本予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに勝ち上がるのはプロがほとんどだろうね。特にヨーロッパからはガイヤールさんたちが勝ち上げって来る確立が高い。強敵だね」

 

具体的に何チームが決勝に勝ちあがれるのかは、まだ判明していないが、最低でもアメリカ、中国は国単位で予選を行うことになっている。

そのどちらもが強豪ファイターを抱えている。

 

トコハ「具体的に世界に出てきそうなのは、チームカエサル。チームジニアス。チームドレットノートが候補かしら」

 

クロノ「……その全員に俺たち会ったことあるよな」

 

シオン「まあ、全チームがアジアサーキットでQ4と戦ったチームだからね。カムイさん経緯で知り合えるのは当然だよ。ただ、アメリカのチームが読めないのが不安だね」

 

クロノ「チーム単位だと難しいよな。個人ならラティさんが上がるけど」

 

トコハ「あの人、また大会不参加になりそうなのが怖いのよね」

 

ありそうな未来を想像して全員がため息をつく。

 

クロノ「後は、本予選に進むための予選はU-20同様、協会から認められた各ショップで行うのと、指定の支部で行われる事前予選の2つか」

 

シオン「できるなら事前予選で進みたいね。時間に余裕ができるから」

 

トコハ「その後の本予選の内容が分からないのも、U-20と一緒ね。気を引き締めて挑まないと足元すくわれそうね」

 

そんな時、突然携帯のベルが大きく鳴った。

 

シオン「あっ、ごめん僕のだ。そろそろ仕事に戻らなくちゃね」

 

クロノ「そうか。じゃあ、俺たちは退散だな」

 

トコハ「今日はありがとう。大会頑張りましょう」

 

シオン「こちらこそ、具体的な目標が出来てやる気が沸いてきたよ。仕事にも気合が入る。2人ともありがとう」

 

3人は小さく笑いあう。

その瞳には熱い闘志が宿っていた。

2人が去っていった後、社長室に残ったシオンは、窓から外を見ていた。

 

シオン「本当にありがとう、2人とも。ヴァンガードで僕の名を、いやトライスリーの名を残す絶好の機会を与えてくれて。……ふっ。終わったら、僕もプロとしてどこかのリーグに参加するかな。僕自身の目標のために」

 

そんな決意を岩倉は嬉しそうに見ていた。

その頃、会社から出て行ったクロノとトコハは帰り道を2人で歩いていた。

 

トコハ「シオン、嬉しそうで良かった。断られたらどうしようかと思ってたし」

 

クロノ「アイツが断るわけ無いだろ。そんなことしたら、アイツらしくない」

 

簡単に言うクロノにトコハは少し呆れてしまう。

 

トコハ「男の友情って良いわね。言葉にしなくても簡単に通じ合っちゃうんだから」

 

クロノ「何言ってんだよ。お前とシオンの男女の友情だってかなりのものだろ」

 

そう言いながらソッポを向くクロノに気づき、トコハはイタズラっ子のように笑った。

 

トコハ「にっしっし~。あっれ~? クロノ、もしかして嫉妬してる~?」

 

クロノ「う/// わ、悪いか?///」

 

頬を赤く染めながら、歩を早めて歩くクロノにトコハはイタズラ心が沸いてきた。

 

トコハ「えいっ!」

 

クロノ「えっ? うぉお!」

 

トコハがクロノの背中に飛びついた。

クロノは驚いてこけそうになってしまった。

しかし、何とかバランスを取って持ちこたえた。

 

クロノ「危ないだろ! 何してんだよ!」

 

トコハ「ん~。今日は疲れたから、このまま帰る~」

 

クロノはキレた。

しかしトコハは受け流した。

 

クロノ「……俺のほうが疲れてるのに。女ってズルイ……」

 

クロノは呆れながらもトコハが落ちないように支え、背中の熱を感じながら歩き出した。

そんなところが嬉しかったのか、トコハはさらに強くクロノの背中にしがみついた。

 

クロノ「……トコハ。痛いし、重いから、それやめろ」

 

トコハ「重いって言うな、馬鹿。今夜はサービスしてあげるから」

 

そう言いながらトコハはクロノの頭をはたいた。

 

クロノ「いて。一応言うが、重いのはお前が体重かけてくるからだからな」

 

トコハ「例えそうだとしても、女に重いは禁句なの。デリカシーが無い」

 

クロノ「はい、はい。分かったよ」

 

トコハ「はいは、一回」

 

クロノ「はーい」

 

トコハ「もう。ふふっ」

 

まるで親子のような会話だが、こんな何気ない一時がトコハは大好きだった。

母親を知らず、叔母のミクルにも甘え無かったクロノが自分には甘えてくれるのが分かっているから。

クロノもまた、遠慮せずに自分を叱ってくれたり、泣いてくれたり、笑ってくれるトコハが大好きだからこそ、軽口を簡単に言えるのだ。

 

トコハ「私、シオンには感謝してるんだよね」

 

急にトコハがシオンの話に切り替えた。

 

クロノ「急に如何した?」

 

トコハ「思ったのよ。クロノこと気になった理由はいろいろだけど、シオンが居なかったら、クロノと恋人同士にならなかったかもしれないって」

 

クロノ「……はい?」

 

いきなりの事にクロノは言葉を失ってしまう。

 

トコハ「いや別にクロノが悪いって訳じゃ無いんだけどさ。シオンって、勉強も出来るし、顔も良いし、人当たりも良い。中学の頃のクロノとは真逆の存在だったじゃない」

 

クロノ「……まあな」

 

恋人が親友とはいえ他の男を褒めるのが詰まらなさそうにクロノは聞いていた。

それを理解して、トコハはクロノの頭を撫でてなだめながら話を続けた。

 

トコハ「チームメイトだったからかな。クロノの良いところとも悪いところも、シオンが比較対象だったのよ。シオンのおかげで見えたことは沢山有る。私がクロノを好きになったのは、シオンのおかげで私もクロノも成長できたからなのよ」

 

クロノ「確かに、シオンがきっかけで前に進めたことって多いよな。特にGクエで成長したアイツの影響は量りしえない。でもそれなら、お前がアイツのことを好きになっても可笑しくはないんじゃないか?」

 

トコハ「それを言ったら、私に強い影響を与えた男性である、ハイメやミゲル、兄さんや江西さんと恋人同士になるって話になるわよ。でも、私がクロノとなりたい関係は彼らとは別だし、シオンとの関係もまた別なの」

 

クロノ「どういうことだ?」

 

トコハ「あのね。私は、クロノの『当たり前』になりたいの。クロノと一緒に毎日を過ごす。家にはね、いつもクロノが居る跡があるの。帰ったらクロノが出迎えてくれたり、逆に私がクロノを出迎える。食事をとって、2人で寝るのが当たり前な生活を過ごすの。一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に悩んで、一緒に喜ぶ。それが私の望む未来、私の日常なの」

 

そんな未来予定図を聞かされて、クロノや周りで聞き耳を立てていた人々の顔は湯気が出そうなほど真っ赤に染まった。

 

トコハ「でもね。シオンは私の、私たちの『特別』なの」

 

クロノ「『特別』?」

 

意味が分からずクロノは首をかしげる。

 

トコハ「クロノと私は1対1で対等な関係。でも、私たち2人だけなら世界はそこで閉じてしまう。対して、シオンは身近でありながら、最大の第3者。シオンが居るから、世界は広がるの。世界に目が向くの。私たちはね、2人だけじゃ駄目。3人必要なの。だからシオンは『特別』なんだよ」

 

クロノ「3人必要……か。まるで立体だな」

 

トコハ「えっ?」

 

今度はトコハが首をかしげる。

 

クロノ「XとYだけだと面にはなるけど、横から見るとただの1本の線にしか見えない。でも、Zが加われば、立体になって、本当に様々な形になるんだ。そして、互いを尊重し有ってできる平方四角柱はとても綺麗な形をしている。俺たち3人の関係もきっとそうなんだろうな」

 

その言葉を聞いたトコハは、目を大きく輝かせた。

 

トコハ「クロノ凄い。私そんな風に考えなかった。そっか、私たちは3人で立体という世界を造っているんだ」

 

クロノ「まっ、本当に世界一を目指すのなら、俺たち1人1人がもっと大きく成長しなきゃ駄目だけどな。自分という線を伸ばして、初めて立体は大きくなるから」

 

トコハ「うん。そうだね。あっ着いちゃった」

 

家があるマンションに着いたため、トコハはクロノの背中から降り、家まで歩いた。

 

クロトコ「「ただいま~」」

 

ライブ「おう。おかえり、2人とも」

 

帰るとクロノの父、新導ライブが出迎えてくれた。

 

クロノ「親父。帰ってたのか」

 

ライブ「まあな。腹減ってるだろ。夕飯作ってみたぞ。クロノほど美味しくは無いだろうが」

 

頭をかきながら恥ずかしそうにライブはリビングのテーブルの上に盛り付けてある料理を示した。

 

クロノ「助かったよ、親父。途中からトコハを背負って歩いたから、くたくただったんだ」

 

トコハ「何よそれ~。私が重いって言うの?」

 

クロノ「ずっとって言うのがキツイの」

 

トコハ「ぶ~。お風呂の準備してくる!」

 

拗ねたトコハがドカドカと洗面所に向かって歩いていくのをクロノは呆れながら見ていた。

 

ライブ「おまえら、ホント仲良いよな」

 

ライブも少し呆れている。

トコハを待ちながら、クロノとライブは食事の準備を済ませ、トコハが席に座ったところで食事を開始した。

 

ライブ「どうだ、2人とも。上手いか?」

 

ライブは少し食い気味に聞いてきた。

 

トコハ「う~ん。クロノやミクルさんの方が美味しいけど……普段料理をしない人からしたら十分美味しいですよ」

 

トコハは評価しているつもりで、棘のある言葉を言ってライブを凹ました。

 

クロノ「食えたものじゃない分、マシだ。初めてシオンに料理をさせてみたら、酷いことになったし」

 

黙々と食べていたクロノは、過去にあった悲劇を思い出して遠い目になった。

そのクロノを見て、トコハも同じく遠い目になった。

 

ライブ「? ところで2人とも、今日は楽しかったか?」

 

何故遠い目をしだしたのか気にはなったが、スルーして今日の2人のデートのことを聞いてきた。

 

トコハ「はい! 楽しかったですよ」

 

トコハは満開な笑顔で答えた。

 

クロノ「海は楽しめたし、そのあと少し、シオンと会って来たぞ。今後の予定について聞くために」

 

ライブ「今後の予定?」

 

トコハ「はい。私たち、3人で『VF世界大会』に出場するんです」

 

そう言いながらトコハは世界大会のチラシをライブに見せた。

ライブはチラシを受け取り、マジマジと見つめた。

 

ライブ「ほう。こんな大会をやるのか。トライスリー復活ってわけだ」

 

クロノ「まあな。親父たちが叶えられなかった世界一の称号。俺たちが取ってきてやるよ」

 

ライブ「えーっ。俺は出れないの~」

 

なにやら不満そうである。

 

クロノ「親父。グレードは?」

 

ライブ「5」

 

トコハ「参加資格、6以上です」

 

ライブ「ガーン」

 

本気でショックだったのか、ライブは涙目になる。

そんな父を見て、クロノは呆れ、トコハは苦笑するしかなかった。

食事が終わるまで新導家には沈黙が続いてしまった。

 

トコハ「……お義父さん、お風呂沸きましたよ。入ります?」

 

ライブ「うん。ありがとうトコハちゃん」

 

そう言って洗面所に向かうライブの背中には哀愁が漂っていた。

 

トコハ「……とりあえず、片付けよう」

 

クロノ「……そうだな」

 

しばらくして風呂から出てきたライブはそのまま寝てしまい、クロノとトコハもそれぞれ汗を流して寝室に入った。

 

トコハ「……アタック。お義父さんに悪いことしちゃったかな?」

 

寝る前に2人でファイトしながらトコハは聞いた。

 

クロノ「ガード。まっ、事実を言うのは悪くないぜ。ドロー、ストライド。親父の分まで頑張ればいいさ。アタック」

 

トコハ「う~ん。ノーガードか~。ダメージチェック。負けた~。悔しい~」

 

どうやら今回はクロノに軍配が上がったようだ。

本気で悔しかったのか、トコハはそのまま床に転がってしまう。

 

トコハ「……お義父さんの分まで頑張るか~。そうだね。クロノの言うとおりだ。頑張ろう、クロノ。トライスリーが絶対優勝できるように!」

 

少しだけ転がったまま考えたトコハは、起き上がって決意を新たにした。

そんなトコハをクロノは優しく見守るのだった。

大会まで約1ヶ月。

やるべきことは沢山ある。

本気で優勝を目指すためにトライスリーの3人は、今出来ることを全力で取り組むのだった。

 

続く

 

そのころシオンは、まだ会社で仕事を続けていた。

 

「クロノ、トコハ。……来てくれたのは嬉しかったけど、目の前でイチャつき過ぎだよ。はぁ……せめて僕がアムと会えていれば我慢できたのに。会いたいな~」




次回予告

「社長、まだ仕事していますけど、止めないでよろしいのですか? 岩倉さん」

「シオン様は新しい目標に向けて一直線なのです。邪魔をしてはいけませんよ」

「でも~」

「我々に出来ることは、唯1つ。シオン様の負担を少しでも減らせるよう、仕事をこなすことです」

「岩倉さん……」

「さあ、明日からも頑張りますよ」

次回、第2ターン:強敵たち

「分かりました。不肖受付嬢。社長のために一心不乱に働かせてもらいます」

「それで良いのです。ところであなた、名前が無いのに出番多くないですか?」

「お願いですから、それを言わないでください」orz


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第2ターン:強敵たち

第2話にてついにファイトします。
頑張って毎回ファイトできるようにしていきますので、お楽しみください。


翌日、キャピタル2号店にて、クロノは朝からバイトに励んでいた。

横には大学から新しくバイトに入った多度ツネトが居た。

 

ツネト「は~ぁ」

 

クロノ「どうした、何時も悩みなんて無いって顔をしているお前がため息なんて珍しいな」

 

ツネト「どういう意味だ!」

 

シン「ツネト君。何を悩んでいるのかは知りませんが、バイトはちゃんとやってくださいよ。クロノ君もです」

 

クロノ・ツネト「「は~い」」

 

注意が入ったので、2人はそれぞれの仕事の集中。

午前中は滞り無く時間が過ぎていった。

 

トコハ「こんにちは~。クロノ~、お弁当持ってきたよ~」

 

お昼ぐらいになったところで満開な笑顔でトコハがやってきた。

 

ツネト「けっ、クロノさんは愛妻弁当かよ。羨ましいね、こん畜生が!」

 

クロノ「いて。ひがむなよ」

 

そんなトコハの様子を見たツネトがクロノに文句を言いながらエルボーをくらわしていた。

少しクロノは痛そうである。

そんな2人のやりとりを気にせずにトコハはテーブルの1つに弁当を並べていた。

 

トコハ「多度君も食べる?」

 

クロノが近寄ってくるのを片目で見ながらツネトを誘う。

 

ツネト「いいの!? トコハちゃんさん!」

 

トコハ「作りすぎちゃったから。てか、ちゃんさん?」

 

ツネトの言葉に疑問を感じながらも、ツネトの分の弁当を差し出す。

 

ツネト「……クロノのと比べて小さくないですか? いや、貰っておいて文句言うのは筋違いだと分かるんだけどさ」

 

彼に差し出された弁当に対してクロノの前に置かれている弁当の大きさは倍以上大きい。

これには確かに少しぐらい文句も言いたくなるだろう。

 

クロノ「ツネト。これ、俺とトコハの2人分だぞ」

 

ツネト「なに!? しかも、クロノの痛弁だと!?」

 

開けられたクロノの弁当にはデカデカとクロノの顔が配置されていた。

ちなみにツネトの弁当は普通の海苔弁である。

 

クロノ「どうも、ナギサさんに相談して作ったらしい。俺も初めて見た時は驚いたしな」

 

トコハ「はい、クロノ。あ~ん」

 

クロノの隣に座ったトコハが箸を使っておかずの1つを差し出した。

クロノはそんなトコハに呆れながらも黙って差し出されたおかずを食べる。

笑顔になったトコハはそのまま口を開けたので、クロノは適当に弁当の中からおかずを選び箸でトコハの口の中に運んだ。

食べさせてもらってトコハはさらに嬉しそうに笑うのだった。

 

ツネト「……2人とも慣れすぎじゃね? まさか、毎日やってるの?」

 

トコハ「まっさか~。毎日はやってないわよ。精々料理中に味見して欲しい時にやってるぐらい~」

 

ツネト「そういやぁ2人とも料理できたね。トコハちゃんから始めたの?」

 

トコハ「ううん。クロノが最初にやってくれた~」

 

ツネト「えっ!?」

 

クロノ「誤解の無いようにいうけど、トコハが料理の邪魔するぐらい話しかけてくるから味見させて黙らせたのが始まりだからな」

 

ツネト「お前何言ってるのか分かってる!? 自爆してるようにしか聞こえないぞ! このバカップル!」

 

ハッとクロノは気づいてしまい、顔を真っ赤にして覆い隠した。

そんなクロノを見て、ツネトはまたため息をついた。

 

トコハ「多度君。今日は何時もよりも元気ないね。何か悩みでもあるの?」

 

ツネト「えっ、俺、そんなに変に見える? てか、トコハちゃん何時まで俺のこと多度って呼ぶの?」

 

トコハ「いや~、ツネト君って呼んじゃうと、多度ツネトって本名忘れちゃいそうで、つい」

 

ツネト「酷くね!?」

 

クロノ「一応聞くけど、トリドラの残りの2人のことはなんて呼んでるんだ?」

 

頬は赤いままだが、復活したクロノが弁当の残りを食べながら聞いてきた。

 

トコハ「えっ? 山路君と長良君だよ。そもそも、ハイメとミゲルを例外として、親しい人以外は苗字で呼んでるよ」

 

ツネト「俺たちは親しくないと!? 我らトリニティ・どらごんは……はぁ」

 

いつもの調子で名乗ろうとしたところで、再びツネトはため息をつき、クロノとトコハだけでなく、シンまで驚いてしまう。

 

クロノ「ツネトお前、あの2人と喧嘩でもしたのか?」

 

ツネト「いや、してねえよ」

 

シン「しかし、最近3人がそろっているところを見る機会が減りましたよ。本当に大丈夫なのですか?」

 

ツネト「いや、本当に喧嘩とかじゃ無いんで。ただ……」

 

トコハ「ただ?」

 

クロノ「いい加減言いやがれ」

 

言うのを渋るツネトに顔を近づけて、迫力のある顔でクロノは聞き出した。

 

ツネト「分かったよ。カルはさ、自分の目と足で情報を集めるって決めて、ジャーナリストになるんだとよ」

 

クロノ「前に言ってたな」

 

ツネト「そして、ケイは動物園の職員として様々な動物とふれあうって目標を持った」

 

ツネトの言葉に3人はうんうんとうなずいた。

 

ツネト「でもよ……じゃあ、俺はってなってな。俺、未だにあいつらみたいな夢や目標を持ててないんだ」

 

落ち込むツネトにクロノもトコハも何も言えなくなってしまう。

 

シン「そういえば、クロノ君もトコハちゃんも同じことに悩んでましたね。確か中2と高1の時でしたか」

 

クロノ「……そうでしたね」

 

トコハ「今はともかく、あの時は明確な目標を持ち続けているシオンが本気で羨ましかったですよ。悩みまくったせいでクロノと恋人になるのが遅れましたし」

 

そこかよ、と他の全員が心の中でつっこんだ。

そんな時、店の扉が開けられた。

 

シン「いらっしゃい」

 

入ってきた人は、シンに軽く会釈して、クロノたちが座っている席に向かった。

 

クロノ「おっ、お前らは……」

 

カル・ケイ「「ツネトさん!」」

 

ツネト「えっ? カル! ケイ! お前らどうしてここに!?」

 

ツネトが振り返った先に居たのは、彼のチームメイトである山路カルと長良ケイであった。

突然の来客にツネトは本気で驚いてしまう。

 

カル「僕たち、ツネトさんにお願いがありまして」

 

ケイ「ツネトさん。お願い」

 

カル・ケイ「「僕たちといっしょにVF世界大会にでましょう!」」

 

ツネト「ヴァ……VF世界大会?」

 

クロノ「なんだ、ツネト、知らないのか? ほら、あれだよ」

 

そう言って、クロノは店の入り口近くに貼ってあるポスターを指差した。

それはVF世界大会の公式ポスターだった。

 

シン「ちなみに、チラシもありますよ」

 

シンがレジ付近に配置してあったチラシを見せる。

ツネトは本気で驚いているようだ。

 

トコハ「昨日、ここであのチラシを持っていったんだよね。私たちも大会にでるから」

 

カル「そうなんですか!?」

 

ケイ「リベンジのチャンス!」

 

ツネト「け、けどよぉ」

 

しかしツネトは乗り気ではないようだ。

 

ツネト「お前ら、勉強とかは大丈夫なのかよ~」

 

カル「そんなもの何時でもできます! でも!」

 

ケイ「僕たち3人で世界を目指したいんです!」

 

ツネトの謙虚な言葉を一蹴されてしまい、ツネトはさらに困ってしまう。

助けを求めて、ツネトはクロノの方を見た。

目が合ったクロノは――

 

クロノ「ツネト。お前逃げるのか?」

 

逆にツネトを挑発した。

 

ツネト「なっ、何言ってんだよ! 俺は……」

 

クロノ「言っとくが、俺たちはトライスリーで参加するぜ」

 

トリドラの3人が絶句する。

トコハとクロノが出るのは聞いたが、それがトライスリーでの参加とまでは思っていなかったのだ。

 

シン「トライスリーが再結成しての参加ですか。これは盛り上がりそうですね。さっそく登録の準備をしましょう。おや3人揃わないと登録はできないみたいですね」

 

トコハ「シオンなら夕方ぐらいには来るって言ってましたよ。さて、多度君」

 

トコハがツネトと向き合うために話しかけた。

 

トコハ「多度君の悩み、分かるよ。同じことを以前に考えたことがあるから。でもね。悩んでるだけじゃ解決はしないよ。私は、U-20を通してプロになることを決めた。クロノは、アイチさんと出会うことで、宇宙飛行士になることを決めた。私たち2人は、行動したからこそ、将来の目標を決めることができたの。多度君は、悩んでるだけで、立ち止まっているだけなの?」

 

その真剣な瞳にツネトは何も言えなくなってしまう。

 

クロノ「ツネト。俺はな、お前たちにリベンジしたいんだ。トライスリーがまだ『名前が無い』ときのファイト。あれ悔しかったんだぜ。お前は俺たちの再挑戦を受けずにただの極楽3人衆で終わっちまうのか?」

 

ツネト「なっ!? だ……誰が……」

 

ツネトは立ち上がり、顔を伏せたまま震える。

カルとケイも同じく震えている。

 

ツネト「誰が極楽3人衆だ! 俺たちはなっ!」

 

トリドラ『トリニティ・ドラゴンだ!』

 

いつものポーズを決めて大きく高らかに名乗る。

その顔は真剣そのものだ。

 

ツネト「良いだろう! 受けてやるぜ、お前たちのリベンジマッチ!」

 

カル「今度も返り討ちにしてあげますよ!」

 

ケイ「トリドラ、最強!」

 

トリドラ『と言うわけで店長! 登録よろしくお願いします!!!』

 

シン「はい。トリニティ・ドラゴン。VF世界大会に参加ですね。では登録開始します」

 

それぞれのファイカをシンに差し出し、彼らの登録が行われる。

 

クロノ「ところでお前らって、グレードいくつだよ?」

 

トリドラ『6!!!』

 

トコハ「全員一緒なんて珍しいわね。地味に上げてたんだ」

 

ツネト「ふっ、そういうことだ。クロノ! 大会の前哨戦だ! 俺とファイトしろ!」

 

ファイカを手に、ツネトはクロノに腕を突き出す。

それを見たクロノは、シンのほうを向いた。

 

シン「しかたがありませんね。1回だけですよ」

 

店長の許可も得たので両者はファイトテーブルで向かい合う。

ファイカをかざしてフィールドを選択し、それぞれのデッキと手札を整えた。

じゃんけんにより、クロノが先行となった。

 

クロノ「いくぜ!」

 

ツネト「こい!」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

クロノ「《クロノ・ドランZ》」

 

ツネト「《神魂烈士 イクツヒコネ》」

 

クロノ「ドロー、ライド。《クロノエトス・ジャッカル》」

 

クロノ手札:5枚

〈 〉〈ジ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

ツネト「ライド。《神魂烈士 クマノクスビ》。イクツヒコネは先駆で移動。そのままアタック」

 

クロノ「ノーガード」

 

ツネト「ドライブチェック」

 

荒神の霊剣 スサノオ(無し)

ツネト手札:6枚

〈 〉〈ク〉〈 〉

〈 〉〈イ〉〈 〉

 

クロノ「ダメージチェック」

 

刻獣 リボルバー・ドラコキッド(無し)

クロノダメージ:1

 

カル「出だしは静かですね」

 

トコハ「クロノ! 負けたら今晩のファイトはヒールとクリティカルと守護者抜いたデッキでやってもらうからね!」

 

クロノ「ちょっ!? トコハさん!? それは酷くない!?」

 

トリドラが何を言っているのか分からず、少し困惑しているが、そこは気にせずにクロノはカードをドローする。

 

クロノ「ライド。《クロノビート・バッファロー》。ドランを自身のスキルでバインド。山札の上5枚を見て、グレード1か3を手札に。《スチームテイマー アルカ》を手札に」

 

ケイ「完全ガードが手札に加わった」

 

クロノ「《刻獣 リボルバー・ドラコキッド》をコール。スキルで《クロノジェット・ドラゴンZ》を見せて、クロノジェットZを手札に、そのままドロップへ」

 

手札交換が終わったクロノはユニットに手を出して、攻撃宣言を行った。

バッファローの拳がクマノクスビに向かう。

 

クロノ「ドライブチェック」

 

刻獣使い ルガル・ウレ(無し)

 

ツネト「ダメージチェック」

 

覇天戦神 スサノオ(無し)

ツネトダメージ:1

 

続けてリボルバー・ドラコキッドもクマノクスビを殴りつける。

ツネトはそのままダメージを確認した。

 

バトルシスター がなっしゅ(引)

ツネトダメージ:2

ツネト手札:7枚

クロノ手札:6枚

〈 〉〈バ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「あ~。多度君の手札が増えちゃったか~。まあ、しょうがないか。ところで多度君って、バトルシスター入れてたんだね」

 

ツネト「トリガーはスキル持ちの方が良いからね。それにライドするわけじゃ無いから拘る必要は無いしね。ライド《神宮衛士 アカギ》」

 

さらに《リジッド・クレイン》と《神魂烈士 アメノオシホ》がコールされ、ヴァンガードから攻撃が行われた。

 

ツネト「ドライブチェック」

 

神剣 クサナギ(☆)

ツネト手札:6枚

 

ツネト「クリティカルはヴァンガードに。パワーは右のクレインだ」

 

アカギ:☆2

クレインパワー:9000→14000

 

クロノ「げっ。ダメージチェック」

 

クロノファング・タイガー・G(無し)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノダメージ:3

 

クロノ「パワーはバッファローへ」

 

バッファローパワー:9000→14000

 

ツネト「ちぃ。クレインでヴァンガードにアタック」

 

クロノ「ガード。《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》」

 

バッファロー+メリーブロックシールド:19000

 

ツネト「なら、アメノオシホでドラコキッドをアタック」

 

クロノ「ノーガード。ドラコキッドは退却だ」

 

ツネト「ターンエンド」

 

ツネト手札:6枚

〈ア〉〈ア〉〈ク〉

〈 〉〈イ〉〈 〉

 

クロノ手札:5枚

クロノダメージ:3

〈 〉〈バ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ケイ「4ターン終わって、ダメージは2対3。ツネトさんが有利」

 

カル「次はクロノのG3。ここから勝負が動く」

 

クロノ「ライド。クロノジェット・ドラゴンZ。コール、ルガル・ウレ、《ドキドキ・ワーカー》、《刻獣 スピアヘッド・ユニコーン》。ドキドキ・ワーカーのブースト、スピアヘッドでアタック」

 

スピアヘッド+ドキドキ・ワーカーパワー:13000

 

ツネト「クレインでインターセプト」

 

アカギ+クレインシールド:14000

 

クロノ「クロノジェットでヴァンガードにアタック」

 

ツネトはこれをノーガード宣言。

ドキドキ・ワーカーのスキルでクロノは手札を3枚に増やし、ドライブチェックが開始される。

 

クロノメディカル・ハムスター(治)

 

クロノ「ダメージ1回復。パワーはルガル・ウレへ」

 

ルガル・ウレパワー:9000→14000

クロノダメージ:2

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(無し)

クロノ手札:5枚

 

ツネト「ダメージチェック」

 

荒神の霊剣 スサノオ(無し)

ツネトダメージ:3

 

クロノ「ルガル・ウレでアタック」

 

ツネト「クマノクスビ2体でガード」

 

アカギ+クマノクスビシールド:19000

ツネト手札:4枚

 

クロノ「ターンエンド」

 

クロノ手札:5枚

クロノダメージ:2

〈ス〉〈ジ〉〈ル〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ツネト手札:4枚

ツネトダメージ:3

〈ア〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈イ〉〈 〉

 

ツネト「いくぜ! ライド、《荒神の霊剣 スサノオ》。ストライドジェネレーション。《恵みの霊神 アメノサグメ》。さらにイクツヒコネのスキルで1枚ドロー」

 

さらにツネトはアメノオシホのスキルで1枚ドローし、《神剣 クサナギ》と《プレシャス・オフィディアン》2体をコールした。

 

トコハ「ここでプレシャス・オフィディアンのスキルが発動する」

 

カル「これでツネトさんの手札は5枚、ソウルは2。神託の発動条件は整いました」

 

ツネト「さらにアカギをコールだ。カウンターブラスト(以下CB)とソウルブラスト(以下SB)を1つずつ払い、山札の上2枚を見て、1枚を手札に、残りを山札の下へ。アカギのパワー+2000」

 

ここでツネトの場を確認しよう。

ツネト手札:5枚

ツネトダメージ:3(裏1)

〈ク〉〈ア〉〈ア〉

〈プ〉〈 〉〈プ〉

アカギパワー:9000→11000

アメノサグメソウル:1

 

ケイ「これで攻撃態勢は整った。頑張れツネトさん!」

 

ツネト「いくぞ、クロノ。まずはオフィディアンでブーストしたクサナギでアタック」

 

クサナギ+オフィディアンパワー:11000

 

その攻撃はスピアヘッドがインターセプトで阻んだ。

 

クロノジェット+スピアヘッドシールド:16000

 

ツネト「アメノサグメでアタック。クサナギのスキル」

 

アメノサグメパワー:26000→31000

ツネト手札:6枚

 

クロノ「……ノーガード」

 

ツネト「トリプルドライブ」

 

神剣 クサナギ(☆)

バトルシスター ぽるぼろん(治)

神明護官 アマツヒコネ(無し)

アメノサグメ:☆2

アカギパワー:11000→21000

ツネトダメージ:2(裏1)

ツネト手札:9枚

 

クロノ「マジか……。ダメージチェック」

 

クロノビート・バッファロー(無し)

クロノビート・バッファロー(無し)

クロノダメージ:4

 

ツネト「さらに、アメノサグメのスキル発動。2枚ドロー、1枚捨てる。カウンターチャージ(以下CC)1、ソウルチャージ(以下SC)1」

 

ツネト手札:10枚

ツネトダメージ:2(裏無し)

スサノオソウル:2

 

カル「さっき、クロノは何を迷ったんでしょう?」

 

トコハ「完全ガードを切るか迷ったのよ。でも、ダメージは1だから、次のターンに回すことにしたの」

 

ツネト「そして、アカギでアタック」

 

アカギ+オフィディアンパワー:28000

 

クロノ「ジェネレーションガード。《遡る時乙女 ウルル》。スキルでハムスターとスピアヘッドを山札の下へ。シールド+5000」

 

クロノジェット+ウルルシールド:31000

クロノ手札:4枚

クロノダメージ:4

〈 〉〈ジ〉〈ル〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ツネト手札:10枚

ツネトダメージ:2(裏0)

〈 〉〈ス〉〈ア〉

〈プ〉〈 〉〈プ〉

 

ケイ「ツネトさんの手札……多い」

 

カル「いや、ケイだってあれぐらい持つでしょ。でも、完全ガードもヒールトリガーもある。ツネトさんの防御は万全です」

 

クロノ「ストライドジェネレーション。《超刻獣 スプリット・ペガサス》。ストライドスキル。SB1でオフィディアンを山札へ。スピアヘッドをスペリオルコール。CB1、スピアヘッドを山札に送り、ジャッカル2体をコール。さらに《刻獣 メタルパーティ・ドラゴン》をコール」

 

クロノ手札:4枚

クロノダメージ:4(裏1)

〈メ〉〈ス〉〈ル〉

〈ジ〉〈 〉〈ジ〉

ペガサスソウル:2

 

〈 〉〈ス〉〈ア〉

〈プ〉〈 〉〈 〉

 

ツネト「ちっ、少ない手札で除去と展開しやがった。これだからギアクロは厄介何だ」

 

クロノ「さらに、ペガサスのスキルで前列の十二支刻獣にパワー+1000。ルガル・ウレでアタック」

 

ルガル・ウレ+ジャッカルパワー:9000→19000

 

ツネト「《サイキック・バード》でガード」

 

スサノオ+サイキック・バードシールド:21000

ツネト手札:9枚

 

クロノ「ペガサスでアタック」

 

ツネト「ノーガード」

 

クロノ「トリプルドライブ」

 

クロノダッシュ・ペッカリー(無し)

刻獣 スラスター・バイソン(☆)

クロノジェット・ドラゴン・G(無し)

クロノ手札:7枚

 

クロノ「クリティカルはヴァンガード。パワーはメタルパーティに送り、G3の十二支刻獣をゲットしたため、SB1でルガル・ウレを時翔! クロノファング・タイガー・G!」

 

ペガサス:☆2

ペガサスソウル:1

メタルパーティパワー:10000→16000

 

ツネト「ダメージチェック」

 

リジッド・クレイン(無し)

神明護官 アマツヒコネ(無し)

ツネトダメージ:4

 

クロノ「クロノファングでアタック」

 

クロノファングGパワー:11000→12000

 

トコハ「クロノの狙いは後列のオフィディアンね。あれは超越コストを無くすスキルがある。除去できるのならした方が良いわね」

 

ツネト「甘いぜ、クロノ! Gガード、《ダークエレメント ディズメル》」

 

スサノオ+ディズメルシールド:26000

ツネト手札:8枚

 

クロノ「なに!?」

 

トコハ「クレイエレメンタル!? しかもディズメルですって!?」

 

ツネト「スキルで、オフィディアンはスキルの対象にならない!」

 

これでクロノファングGのスキルは対象を失って発動できなくなった。

クロノは唇を噛みしめて、メタルパーティでアタックをした。

メタルパーティのパワーはブースト込みで23000だ。

 

ツネト「もういっちょ、Gガード。《八千代の日輪 アマテラス》。シールド+10000。さらにSC1と山札の上1枚を確認して、下か上に置く。これは上だ」

 

スサノオ+アマテラスシールド:36000

スサノオソウル:3

ツネト手札:7枚

 

クロノ「くっそ。Gユニットと時翔したクロノファングはフィールドを離れる。ルガル・ウレを戻してターンエンド」

 

クロノ手札:7枚

クロノダメージ:4(裏1)

〈メ〉〈ジ〉〈ル〉

〈ジ〉〈 〉〈ジ〉

クロノジェットソウル:1

ツネトダメージ:4(裏0)

ツネト手札:7枚

 

トコハ「クロノの攻撃を完璧に防ぎきった。今回は多度君凄いって、素直に思うわ」

 

ツネト「スタンド&ドロー。いくぜ、クロノ。スサノオの神託でSC1。オフィディアンの神託、こいつを退却させることで超越コストを払うことなく超越できる!」

 

スサノオソウル:4

 

ツネト「ジェネレーションゾーン、解放! 未来の扉をこじ開けろ! ストライドジェネレーション! 《導きの天神 ワカヒルメ》!」

 

ツネトがライドするには可愛すぎるユニットだが、その恐ろしいスキルを知っているが故に、クロノの顔は青くなる。

 

ツネト「超越スキルでSB2して1枚ドロー。そして、アメノオシホ、クマノクスビ、《商売繁盛 エビス》、《サイレント・トム》をコール」

 

ツネト手札:5枚

ワカヒルメソウル:2

〈サ〉〈ワ〉〈ア〉

〈ク〉〈 〉〈エ〉

 

トコハ「サイレント・トム!?」

 

シン「おやおや、懐かしいユニットですね~」

 

ツネト「ワカヒルメでアタック。CB1、SB1で、ドローして手札1枚を山札へ」

 

ツネトダメージ:4(裏1)

ワカヒルメソウル:1

 

クロノ「完全ガード」

 

クロノ手札:5枚

 

ツネト「トリプルドライブ」

 

カル「ツネトさんは手札にあったクサナギを戻しているはず、1枚はクリティカル確定として、問題は残りのトリガー」

 

ケイ「クロノの手札は5枚。1枚はトリガー。でも残りは分からない」

 

トコハ「残り全てがグレード1以上として、インターセプト込みでシールド合計は4万。アメノオシホは自身のスキルでパワー+3000。エビスのスキルで合計4千上がって最終的に22000。トムは16000だからトリガー込みで必要なシールドは計30000」

 

シン「ツネト君が勝つには、此処で残り全てがトリガーである必要があります。さて、どうなりますかね?」

 

神剣 クサナギ(☆)

 

ツネト「効果は全てトムへ」

 

トムパワー:9000→14000/☆2

 

ツネト「セカンドチェック」

 

サイキック・バード(☆)

 

クロノ「ダブル!?」

 

ツネト「パワーはトムへ。クリティカルはアメノオシホへ」

 

アメノオシホ:☆2

トムパワー:14000→19000

 

ツネト「サードチェック」

 

全員が息を呑んで見守る中、ツネトはカードをめくる。

そのカードは、サイキック・バードだった。

 

ツネト「ふっ、効果は全てトムへ!」

 

トムパワー:19000→24000/☆3

ツネト手札:8枚

 

ツネト「サイレント・トムでヴァンガードに、アタック!」

 

トム+クマノクスビパワー:31000

 

クロノ「……(手札にG0が3枚。この攻撃を受けるにはガードが足りない。トリガーに賭けるしかない)ノーガードだ。こい!」

 

トムの銃撃がクロノジェットにヒットする。

クロノがダメージチェックのために山札からカードをめくる。

 

刻獣 メリーブロック・ドラゴン(無し)

スチームテイマー アルカ(無し)

クロノダメージ:6

ツネトWIN

 

トコハ「クロノが……負けた……」

 

ケイ「ツネトさんが……」

 

カル「ツネトさんが……勝った!」

 

ツネト「勝った……勝ったぞ……クロノに勝った!!!」

 

うおおおおっと、大声でツネトが叫んで喜びをあらわにする。

カルとケイも喜びながらツネトに近づき抱きついた。

トリドラの3人が仲よく喜んでいるなか、ただ呆然と突っ立っているトコハを目覚めさせたのは、敗北したクロノ当人だった。

カードをまとめ、ケースに閉まったクロノはトコハの肩を叩き、目を合わせて、ただ、優しく微笑んだのだった。

この後、トコハが取った行動は……言うまでも無いだろう。

なお、この後店内に2重の意味で大きな音が鳴り響いたらしい。

 

 

 

夕方。

ファイトの後のバイトを無事にすましたトリドラの3人が帰った後、シオンがタイヨウとカズマを引き連れてやってきた。

そこで彼らはクロノから先ほどのツネトとのファイトを3人に伝えられた。

 

シオン「結果を見ると、クロノのデッキよりもツネト君のデッキの完成度が高かったんだね」

 

クロノ「確かにな。俺の手札やソウルかなり消費してたしな。大きくデッキを見直すか」

 

カズマ「だったら、手伝ってやるよ。そのまま今度の大会、一緒に出て、優勝しようぜ」

 

クロノ「あっ、スマンカズマ。俺、VF世界大会ならトライスリーで出るから」

 

タイヨウ「なっ、なんですってー!?」

 

突然の大声に全員が驚きすくんでしまう。

シンも青い顔となり、手で注意する。

 

タイヨウ「クロノさんが……トライスリーが参戦!? 最近U-20に参加してなくて、公式戦でファイトする機会が無いのが悔しかったけど、これは良い事聞きました。すみなせん、カズマさん。僕、今回はジャスティス・ヴィクトリーズで参加します!」

 

カズマ「えっ!? お前ら先日のU-20で優勝したからVF世界大会にはストライダーズで参加しても良いって言ったじゃなねえか」

 

タイヨウ「どの道クロノさんがトライスリーで参加ですからストライダーズは参加できませんよ。それなら僕はこの機会でクロノさんに挑戦します。グレードも全員足りてますし、2人への相談もこれからですが、絶対参加しますよ。クロノさん、本予選で勝負です!」

 

クロノ「おしっ、分かった。お互い頑張ろうぜ、タイヨウ」

 

タイヨウ「はい!」

 

クロノとタイヨウは硬い握手を交わす。

そんな2人を見て、カズマはこぶしを握る。

 

カズマ「クロノともタイヨウともチームを組めないのか……。なら、俺だって! 悪いクロノ。俺、もう帰るわ」

 

クロノ「帰るって……お前は参加するのかよ?」

 

カズマ「もちろん! だからまずはチームメンバーを探す。心配するな。当ては有る。俺がお前を倒すからな。覚悟しとけよ!」

 

そう言って、カズマは店から出て行った。

少し唖然とした空気が漂ったが、クロノもこぶしを握って震えだした。

 

クロノ「おもしれえ。世界大会、楽しみだぜ! シンさん。トライスリーの登録、お願いします!」

 

シン「はい。では皆さん。ファイカを出してください」

 

トライスリーの面々はそれぞれのファイカをシンに差し出し、パソコンにスキャンされた。

 

シン「これで登録は完了です。頑張ってくださいね」

 

トライスリー『はい!』

 

シオン「じゃあ、まずはクロノを始め、全員のデッキの見直しからだね」

 

クロノ「ああ。ツネトだけじゃねえ。参加者全員が強くなってる。俺たちも止まってなんかいられねえ」

 

トコハ「ユーロリーグ仕込みの腕でビシバシ扱いてあげるわ。2人とも覚悟しなさいよ」

 

仲間たちが強敵となって参加するVF世界大会日本予選。

そこで繰り広げられるであろう熱いファイトをイメージし、トライスリーは心震わす。

3人の挑戦は始まったばかりだ。

 

続く

 

トコハ「とりあえず、クロノ。今夜はお楽しみだから♪」

 

クロノ「あ゛」

 

シオン・タイヨウ「「えっ?」」




次回予告

「それにしても、クロノが負けるなんてね」

「ツネトはホント強くなってたぜ。たぶんカルとケイもだな」

「トリドラに負けないように精進しないといけませんね。ところで、カズマさんはどうするんでしょうか?」

「当てが有るって言ってたけど……誰なんだろうな?」

「さあねぇ。まっ、明日聞けば良いじゃない」

次回、第3ターン:カズマのチーム

「さ~て、クロノ~。帰るわよ♡」

「こらトコハ引っ張るな! 待って! ホント待って! シオン! タイヨウ! 助けて!!」

「「えーっと。ご、ご愁傷様?」」

「うわああああ!!!!」


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第3ターン:カズマのチーム

第3話はカズマ中心です。
予告で出ていたあのキャラが登場します。
さて、誰でしょう。


カズマ「さて……今大丈夫かな?」

 

2号店を出て行ったカズマは、ドラエン支部に足を運んでいた。

中に入り、受付の人に『ある人』を呼び出してもらう。

しばらくしてその人がやってきた。

 

カズミ「やあ、カズマ。今日はどうしたんだい?」

 

カズマ「ちょっと頼みがあるんだ。兄さん」

 

呼び出された人、鬼丸カズミは東海林カズマの異母兄弟にあたる。

現在はドラエン支部所属の[ぬばたま]のクランリーダーでもある。

なお、前任のクランリーダーは他の地方の支部に移籍している。

 

カズミ「頼み?」

 

カズマ「ああ。今度、VF世界大会が開かれるだろ。あれに俺と一緒に出て欲しい」

 

どうやらカズマの言っていた当てとはカズミのことだったらしい。

しかし、当のカズミは少し困ったような顔になる。

 

カズミ「あ~。カズマ。実は……」

 

「あっ、カズミ君」

 

突然後ろから声をかけられ、その方向に2人とも振りかえる。

 

カズミ「ベルノ?」

 

そこに居たのはベルノ・ファーレンハート。

かつてカズミ、ミゲルと共にチームオーガとしてU-20を制覇した、現役モデルである。

 

ベルノ「ごめん。連絡入れないでいきなり来て。実は、私と一緒にVF世界大会に出て欲しいの。残りのメンバーは決まってないけど」

 

カズマ「おお! じゃあ俺が入っても良いか?」

 

ベルノ「カズマ君が? ええ、私は構わないわよ。弟であるカズマ君の実力は良く知っているから」

 

カズマ「よし!」

 

カズミ「あ~。あのな。2人とも」

 

ここでカズミが大きく頭を下げる。

 

カズミ「すまない。俺は今大会に出場できないんだ」

 

カズマ・ベルノ「「えっ?」」

 

カズミ「俺たち協会の人間は、主催者側だから選手として出場することができないんだ。特に俺はクランリーダーだから、レジェンドコーチを担当することもあって、参加者側に立つことはできないんだ。態々訪ねてくれたのに申し訳ない」

 

ベルノ「そ……そんなぁ~」

 

ベルノはこの言葉を聞いて膝から崩れ落ち、へこたれてしまう。

 

ベルノ「カズミ君と一緒に出たかったな」

 

カズミ「べ、ベルノ。そんなに落ち込まないで。今日は難しいけど、お詫びに食事に連れて行ってあげるから」

 

ここで勢い良くベルノが立ち上がる。

 

ベルノ「本当?」

 

カズミ「あ……ああ。本当だ。だから、カズマをお願いできるかな?」

 

ベルノはその言葉に凄い勢いでうなずき、とても機嫌が良さそうだった。

カズミはもう1度カズマに謝り、仕事があるからと去っていった。

 

ベルノ「さて、カズマ君。残りのメンバーをどうしようか」

 

カズマ「そうだな~。俺にはもう当てがないんだよな。ベルノさんある?」

 

ベルノ「残念ながら私も。本当にどうしよう」

 

そうして2人が悩んでいると声をかけてくる人が居た。

 

?「すみません。ちょっと良いですか?」

 

ベルノ「はい。なんでしょう?」

 

?「あなた、U-20初代チャンピオンのチームオーガのベルノ・ファーレンハートさんですよね。そちらは、2回目のチャンピオンのストライダーズの東海林カズマ君」

 

カズマ「その通りだけど。あんたは?」

 

ショウマ「僕は東雲ショウマ。世界中を旅している身なんだけど。ふと知り合いに会いたくなってね。この町に来たんだ」

 

眼鏡をかけた男、東雲ショウマは笑ってそう言った。

 

カズマ「会いたい奴がいるなら、会いに行けば良いじゃねえか」

 

ショウマ「そうもいかない。正面から会いに行くには、僕と彼らは因縁が多すぎる。だから此処のクランリーダー、安城マモルの力を借りようと思ったんだけど。忙しい彼に会うよりも、君たちと接触したほうが確実に会えそうな気がしてね」

 

ベルノ「それで私たちに話しかけたと?」

 

そう、と東雲は笑いながら答えた。

その笑顔にカズマはなんとも言えない胡散臭さを感じていた。

 

カズマ「誰なんだ、会いたいやつってのは?」

 

ショウマ「綺場シオンと伊吹コウジ。昔彼らといろいろあってね。あれから5年ぐらいたったかな。テレビ越しではなく、直接会いたくなったんだよ」

 

カズマ「分からねえな。マモルさんに会うのは、伊吹と直接会うために時間を取って貰うのが目的なんだろうから理解できる。でも、俺たちと接触するのはなんでだ?」

 

ショウマ「君たちに接触する理由となったのは、先ほどの鬼丸カズミさんとの話を聞いたからさ」

 

その笑顔にカズマはさらに不機嫌になる。

 

ベルノ「私たちの話を聞いて、何を考えたの?」

 

ショウマ「簡単なことさ。僕を君たちのチームに入れて欲しい」

 

カズマ「……なんでだ?」

 

ショウマ「伊吹さんはともかく。シオンには、1選手として会いたい。それだけの話だよ。それで、引き受けてくれるかな?」

 

ベルノ「なんでそんなに綺場シオン君に会いたいの?」

 

ショウマ「言っただろ。世界中を旅している身なんだけど、ふと知り合いに会いたくなったって。5年前にシオンとファイトして、自分の価値観が変わった気がしてね。世界を旅して、それを確かめた。そして、今の自分に彼がどう見えるのか知りたくなった。そしてそれをファイトで確かめたい。それが理由さ」

 

カズマ「……」

 

カズマは何か考え込むように黙って聞いていた。

 

ショウマ「信用されていないようだね。まあ、警戒するのは悪くない。だからこうしよう。僕とファイトしよう」

 

その提案にベルノは思わず微笑んでしまう。

同じように東雲も笑う。

 

ショウマ「伊吹さん曰く、『ファイトにはその人間の全てが現れる』らしいからね。僕のことを僕のファイトで見極めて欲しい。僕も君たちのファイトを直に感じたいからね。悪くない提案だろ」

 

これにはカズマも笑う。

 

カズマ「なるほどな。いいぜ。乗ってやる。で、どっちとファイトするんだ?」

 

ショウマ「君たちが決めていいよ。今すぐと言いたいけど、もう遅いからね。明日の9時ぐらいに此処に来れるかな? その時にファイトしよう」

 

ベルノ「分かった。じゃあカズマ君。アドレス交換しよう。それでどっちがファイトするか決めよう」

 

カズマ「OKだ。ところで、アンタのデッキは?」

 

ショウマ「僕はジェネシスを使う。協会に僕のデータが残ってるかもしれないよ。探してみるといい」

 

カズマ「東雲ショウマだったな。分かった。じゃあ、明日」

 

ショウマ「ああ。明日ね」

 

そう言って、東雲は去っていった。

カズマとベルノもそれぞれの家に戻り、データベースで彼のファイトを見た後、デッキ調節をした。

そして翌朝。

2人はドラエン支部のファイトテーブル前で合流した。

 

カズマ「おはようです。ベルノさん。ところで、どっちがファイトします?」

 

ベルノ「おはよう。彼のデータを見たけど、私よりも君のほうがいいと思う」

 

カズマ「分かった。おっ、来たな」

 

彼らの視線の先には入り口があり、丁度東雲ショウマが入ってきたところである。

 

ショウマ「やあ。おはよう」

 

カズマ「ああ」

 

ベルノ「おはよう」

 

ショウマ「さて、早速始めようか。どちらが相手だい?」

 

カズマ「俺だ」

 

ショウマ「では……」

 

2人は互いのデッキをシャッフルし、FVをセットした。

手札を整え、FVに手を添える。

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

カズマ「《竜刻魔道士 ビクレオ》」

 

ショウマ「《革の戒め レージング》」

 

カズマ「ライド《竜刻魔道士 ニーズ》。ビクレオを先駆で移動。さらに、手札の《竜刻魔道士 ファームナッハ》のスキル発動。ビクレオをレストして、ファームナッハをドロップへ送り、1枚ドロー。ターンエンドだ」

 

カズマ手札:5→6→5枚

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

ショウマ「スタンド&ドロー。ライド《枷の戒め ゲルギャ》。先駆で移動。《クレイマー・ハリー》をコール。ゲルギャでアタック」

 

東雲手札:5→6→5→4枚

 

カズマ「ノーガード」

 

ショウマ「ドライブチェック」

 

神界獣 ハティ(無し)

東雲手札:4→5枚

 

ショウマ「おや、残念」

 

カズマ「ダメージチェック」

 

竜刻魔道士 モルフェッサ(無し)

カズマダメージ:0→1

 

ショウマ「レージングでブースト、クレイマー・ハリーでアタック」

 

クレイマー+レージングパワー:11000

 

カズマ「ニーズでガード」

 

ニーズ+ニーズシールド:12000

カズマ手札:5→4枚

 

ショウマ「ターンエンドだよ」

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:4枚

東雲手札:5枚

〈 〉〈ゲ〉〈ク〉

〈 〉〈 〉〈レ〉

 

ベルノ(昨日の夜調べて分かったけど、彼はフェンリル使い。ゲルギャ……あのカードが入っていると言うことは、やはり変わらずフェンリルを使うわけね)

 

カズマ「スタンド&ドロー。ライド《竜刻魔道士 ウスキアス》。さらに《スラップテイル・ドラゴン》をコール。ヴァンガードでアタック」

 

カズマ手札:4→5→4→3枚

 

ショウマ「ノーガード」

 

カズマ「ドライブチェック」

 

ハウルオウル(引)

 

カズマ「よし、パワーはスラップテイルに、1枚ドロー」

 

スラップテイルパワー:9000→14000

カズマ手札:3→5枚

 

ショウマ「ダメージチェック」

 

ドリーミング・ドラゴン(醒)

 

ショウマ「パワーはゲルギャへ。クレイマー・ハリーをスタンド」

 

ゲルギャパワー:7000→12000

東雲ダメージ:0→1

 

カズマ「ちっ、ビクレオでブースト、スラップテイルでアタック」

 

スラップテイル+ビクレオパワー:19000

 

ショウマ「ノーガード。ダメージチェック」

 

戦巫女 コトノハ(無し)

東雲ダメージ:1→2

東雲手札:5枚

カズマダメージ:1

カズマ手札:5枚

〈ス〉〈ウ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

ショウマ「スタンド&ドロー。《貪り喰うもの グレイプニル》にライド。《戦巫女 コトノハ》をコール。コトノハの天啓。山札の上をソウルへ送り、レージングをレスト。ソウルにカードが置かれたため、コトノハのスキルでパワー+1000。天啓で置かれたため、さらに+1000」

 

東雲手札:5→6→5→4枚

コトノハパワー:9000→11000

グレイプニルソウル:1→2

 

ショウマ「では。コトノハでアタック」

 

カズマ「ガード《竜刻魔槍士 ディルラド》」

 

ウスキアス+ディルラドシールド:14000

カズマ手札:5→4枚

 

ショウマ「グレイプニルでアタック」

 

カズマ「ノーガード」

 

ショウマ「ドライブチェック」

 

杭の戒め スヴィティ(☆)

 

カズマ「ゲッ!」

 

ショウマ「パワーはクレイマー・ハリーに。クリティカルはグレイプニルへ」

 

グレイプニル:☆2

クレイマーパワー:6000→11000

東雲手札:4→5枚

 

カズマ「ダメージチェック」

 

竜刻魔道士 ファームナッハ(無し)

覚醒を待つ竜 ルアード(無し)

カズマダメージ:1→3

 

ショウマ「クレイマー・ハリーでアタック」

 

カズマ「《アビサル・オウル》でガード」

 

ウスキアス+アビサルシールド:14000

カズマ手札:4→3枚

 

ショウマ「おや、良いのかい? ターンエンド」

 

カズマダメージ:3

カズマ手札:3枚

東雲ダメージ:2

東雲手札:5枚

グレイプニルソウル:2

〈コ〉〈グ〉〈ク〉

〈 〉〈 〉〈レ〉

 

カズマ「これでいいのさ。いくぜ。スタンド&ドロー。この力を我が手に、ライド《闇に縛られし竜 ルアード》。このままアタック」

 

カズマ手札:3→4→3枚

 

ショウマ「ノーガード」

 

カズマ「ツインドライブ。ファーストチェック」

 

救恤の撃退者 アリル(治)

 

カズマ「ダメージ1回復。パワーはスラップテイルに」

 

スラップテイルパワー:9000→14000

カズマダメージ:3→2

 

カズマ「セカンドチェック」

 

ベリアルオウル(☆)

 

ショウマ「おや」

 

カズマ「パワーはスラップテイルへ。クリティカルはヴァンガードへ」

 

スラップテイルパワー:14000→19000

ルアード:☆2

カズマ手札:3→5枚

 

ベルノ「ダブルトリガー。良い感じだね」

 

ショウマ「それでは、ダメージチェックだよ」

 

神界獣 スコル(無し)

奉仕の神器 エイル(治)

 

ショウマ「ダメージ1回復。パワーはグレイプニルへ」

 

グレイプニルパワー:9000→14000

東雲ダメージ:2→4→3

 

ベルノ「ここでダメージトリガー」

 

マモル「さすがは、東雲ショウマ君だね」

 

ベルノが呟いていると、突然居ないはずの人間の声がしたため、驚いてそちらに振り返るとそこには安城マモルが居た。

 

ベルノ「まっ、マモルさん。どうして? いつ此方に?」

 

マモル「いや~。支部内の見回りに来てみたらカズマ君と東雲君がファイトしているのを見つけてね。折角だから見学することにしたのさ。来たのは今だよ」

 

ベルノ「マモルさんは、彼……東雲ショウマを知っているのですか?」

 

マモル「……昔、伊吹君とシオン君といろいろあった。僕が伝えられるのはそれくらいだよ」

 

顔を伏せて答えた後、「さあ、ファイトの続きを見よう」と進めるマモルにベルノは何も言えなくなった。

 

カズマ「スラップテイルでアタック」

 

スラップテイル+ビクレオパワー:24000

 

ショウマ「ノーガードだよ。ダメージチェック」

 

神を狩る黒狼 フェンリル(無し)

東雲ダメージ:3→4

東雲手札:5枚

カズマダメージ:2

カズマ手札:5枚

〈ス〉〈ル〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

ベルノ「ガードしませんでしたね」

 

マモル「トリガー1回なら手札1枚でガードできたけど、今回は2枚ないとガード出来ないからね。仕方がない」

 

事実、東雲は迷うこと無くノーガードを宣言したのだ。

 

ショウマ「僕のスタンド&ドロー。ライド《神界獣 フェンリル》。《神界獣 スコル》のスキル。超越するときこのカードのグレードを2つ上げる」

 

そのままスコルをドロップに送り、Gゾーンのカードを手に取った。

 

ショウマ「ストライドジェネレーション。《大天使 ドゥームブレイス》。超越スキルでSC3、スキル獲得。コトノハのスキルでパワーアップ。さらにレージングのスキルで自信をソウルに送り、ヴァンガードはスキル獲得。コトノハのスキル」

 

東雲手札:5→6→5→4枚

ドゥームブレイスソウル:4→7→8

コトノハパワー:9000→10000→11000

 

ショウマ「《神界獣 ハティ》と《杭の戒め スヴィティ》をコール。ドゥームブレイスのスキル。SB3でクレイマー・ハリーとコトノハにパワー+5000。ハティのスキルで自信のパワー+1000。ドゥームブレイスが獲得したレージングのスキル。SBしたカードをコールする。《盤の戒め ギョウル》をコールだ。自身のスキルでCB1とパワー+4000とスキル獲得」

 

東雲手札:4→2枚

東雲ダメージ:4(裏0→1)

ドゥームブレイスソウル:8→5

ハティパワー:7000→8000

コトノハパワー:11000→16000

クレイマーパワー:6000→11000

ギョウルパワー:9000→13000

〈コ〉〈ド〉〈ギ〉

〈ス〉〈ハ〉〈ク〉

 

ショウマ「ギョウルの天啓。ソウルに送り、ハティをレスト。コトノハのスキル。さらにソウルのゲルギャのスキル。このカード山札の下へ送り、ハティをスタンド。パワー+3000。さらにSC2とコトノハにパワー+3000。そしてコトノハのスキル」

 

コトノハパワー:16000→18000→21000→22000

ハティパワー:8000→11000

ドゥームブレイスソウル:5→6→5→7

 

ベルノ「凄い。流れるようにユニットのパワーを上げている。これが彼のファイト」

 

ベルノは自信も天啓を行使するデッキを使う故に、彼の凄さがよく分かった。

 

マモル「今のカズマ君のダメージは2だから余裕がある。だけど、これがダメージ4以上の時にされたら、防ぐのは難しいと言える」

 

マモルの言うとおり、カズマもこの状況を見て焦りが生じていた。

 

カズマ(このターンはともかく、次に回したらやばいな)

 

ショウマ「では行こう。スヴィティでブースト、コトノハでアタック」

 

コトノハ+スヴィティパワー:26000

 

カズマ「Gガード。《竜楯魔道士 ブロナーハ》。スキル発動。山札の上から5枚公開」

 

ベリアルオウル(G0)

竜刻魔道士 ファームナッハ(G1)

スラップテイル・ドラゴン(G2)

竜刻魔槍士 ディルラド(G1)

竜刻守護者 エスラス(G1)

 

カズマ「この中のG1を全てGサークルへ。残りは山札の下へ」

 

カズマ手札:5→4枚

ルアード+ブロナーハ+ファームナッハ+ディルラド+エスラスシールド:36000

 

ショウマ「やるね。ならばドゥームブレイスでアタック。スヴィティのスキルで1枚ドロー。パワー+5000」

 

当然ながらコトノハのスキルも発動する。

 

ドゥームブレイスパワー:26000→31000

東雲手札:2→3枚

ドゥームブレイスソウル:7→8

コトノハパワー:22000→23000

ドゥームブレイス+ハティパワー:42000

 

カズマ「チッ。ノーガード」

 

ショウマ「トリプルドライブ」

 

堅守の女神 キビツヒメ(無し)

神界獣 スコル(無し)

奉仕の神器 エイル(治)

東雲手札3→6枚

 

ショウマ「ダメージ1回復。パワーはコトノハへ」

 

東雲ダメージ:4→3(裏1)

コトノハパワー:23000→28000

 

カズマ「なっ!? ダメージチェック」

 

ハウルオウル(引)

 

カズマ「ゲット、ドロートリガー。パワーはルアードへ。1枚ドロー」

 

ルアードパワー:11000→16000

カズマ手札:4→5枚

カズマダメージ:2→3

 

ショウマ「ギョウルでアタックだ」

 

ギョウル+クレイマーパワー:24000

 

ショウマ「ここでスキル発動。SB3。1枚ドロー。クレイマー・ハリーのスキル。CC1。フェンリルのスキル。CB1でハティをコール。ソウルからドロップへ送られた《春眠の女神 ターロ》のスキル。このカードを山札の下へ送り、コトノハをスタンド」

 

東雲手札:6→7枚

ドゥームブレイスソウル:8→5

東雲ダメージ:3(裏1→0→1)

 

カズマ「《カースドアイ・レイヴン》でガード」

 

ルアード+カースドアイ・レイヴン:26000

カズマ手札:5→4枚

 

ダメージトリガーが出ていたため、カズマは余計な手札を消費せずにガードできたことにホッとする。

 

ショウマ「なら、ハティでブーストしてコトノハでアタックだ」

 

コトノハ+ハティパワー:35000

 

カズマ「パワー高けえな。ノーガード。ダメージチェック」

 

竜刻魔剣士 ダグザ(無し)

カズマダメージ:3→4

カズマ手札:4枚

東雲手札:7枚

東雲ダメージ:3(裏1)

フェンリルソウル:5

〈コ〉〈フ〉〈ギ〉

〈ハ〉〈ハ〉〈ク〉

 

カズマ「逆転されたか。……だが、これからだ! スタンド&ドロー。ルアードの儀式。超越コストを『ノーマルユニット1枚を山札の下へ送る』に変更。ファームナッハを選択。覚醒せよ、オレの中の真なる力! ストライドジェネレーション。《覚醒せし竜皇 ルアード》! 超越スキル。CB1でアビサル・オウルをコール。儀式持ちをコールしたため、同列のユニットを退却。コトノハを退却だ」

 

カズマ手札:4→5枚

カズマダメージ:4(裏1)

 

ベルノ「うまい! これで東雲君のパワーアップが難しくなる」

 

マモル(しかし、覚醒ルアードか。大丈夫かな?)

 

カズマ「スラップテイルの儀式で自信とアビサルのパワー+3000」

 

スラップテイルパワー:9000→12000

アビサルパワー:7000→10000

 

カズマ「《竜刻魔剣士 ダグザ》と《ハウルオウル》をコール。ハウルオウルのスキルでダグザのパワー+3000」

 

ルアードソウル:2→3

ダグザパワー:9000→12000

カズマ手札:5→3枚

 

カズマ「そして、《ベリアルオウル》をコール」

 

カズマ手札:3→2枚

〈ス〉〈ル〉〈ダ〉

〈ビ〉〈ベ〉〈ア〉

 

カズマの攻撃の準備が整った。

 

カズマ「ビクレオでブースト、スラップテイルでアタック」

 

スラップテイル+ビクレオパワー:17000

 

ショウマ「ノーガード」

 

ここでのノーガード宣言に見学していたベルノとカズマが驚く。

対して、東雲とマモルは冷静だ。

 

ショウマ「ダメージチェック」

 

ドリーミング・ドラゴン(醒)

東雲ダメージ:3→4(裏1)

 

カズマ「ツ!」

 

ベルノ「ダメージトリガー!」

 

ショウマ「パワーはヴァンガードへ」

 

フェンリルパワー:11000→16000

 

カズマ「覚醒せし竜皇 ルアードでアタック。儀式7! スラップテイルとビクレオを退却させ、手札2枚を全てドロップへ。送った枚数につきパワー+3000。クリティカル+1、ドライブ+1。相手はG1以上でガードできない! ビクレオの儀式でCC1と自身をソウルへ!」

 

ルアードパワー:26000→32000/☆2

カズマ手札:2→0枚

カズマダメージ:4(裏1→0)

ルアードソウル:3→4

ルアード+ベリアルパワー:36000

 

ショウマ「Gガード。《天蓋の戦巫女 ハナサツキ》。クレイマー・ハリーを選択し、ソウルにいるためシールド+10000」

 

フェンリル+ハナサツキシールド:41000

東雲手札:7→6枚

 

カズマ「それじゃあ足りないぜ!」

 

ショウマ「ならば追加だ。ギョウルでインターセプト。さらにターロでガード」

 

フェンリル+ハナサツキ+ターロ+ギョウルシールド:56000

東雲手札:6→5枚

 

カズマ「クアドラプルドライブ」

 

カースドアイ・レイヴン(醒)

 

カズマ「レストしているユニットが居ないため、ダグザにパワーだけ送る」

 

ダグザパワー:12000→17000

竜刻魔道士 ウスキアス(無し)

竜刻守護者 エスラス(無し)

ベリアルオウル(☆)

 

カズマ「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てダグザへ」

 

ダグザパワー:17000→22000

カズマ手札:0→4枚

 

カズマ「アビサルでブースト、ダグザでアタック。ダグザの儀式5。CB1とベリアルを退却させ、山札からG1カードを2枚前列と後列にコールする。ファームナッハとディルラドをコール。それぞれの儀式。SB1で1枚ドロー。パワーアップだ。さらにベリアルの儀式でもう1枚ドロー」

 

ダグザ+アビサルパワー:32000

カズマ手札:4→5→6枚

ルアードソウル:3→2

ファームナッハパワー:7000→14000

 

手札と場を改めて整えて、攻撃は続く。

 

ショウマ「《堅守の女神 キビツヒメ》で完全ガード。天啓でソウルへ。さらにドロップに送られた時にSC2」

 

東雲手札:5→3枚

フェンリルソウル:5→6→8

 

カズマ「くっ。ディルラドでブースト、ファームナッハでアタック」

 

ファームナッハ+ディルラドパワー:21000

 

ショウマ「ノーガード。ダメージチェック」

 

貪り喰うもの グレイプニル(無し)

東雲ダメージ:4→5(裏1)

東雲手札:3枚

カズマダメージ:4(裏1)

カズマ手札:6枚

ルアードソウル:2

〈フ〉〈ル〉〈ダ〉

〈デ〉〈 〉〈ア〉

 

ターン終了時にベリアルが自身のスキルによりドロップから山札の下に送られたのを確認した東雲は、自分のデッキからカードをドローした。

 

東雲手札:3→4枚

 

ショウマ「ストライドジェネレーション。《破壊神獣 ヴァナルガンド》。超越スキルSC3、スキル獲得」

 

東雲手札:4→3枚

ヴァナルガンドソウル:8→11

 

ショウマ「コトノハをコール。天啓。ソウルへ。コトノハをレストしてスキル発動」

 

ヴァナルガンドソウル:11→12

コトノハパワー:9000→11000

東雲手札:3→2枚

 

ショウマ「ギョウルをコール。天啓とスキル。コトノハの後ろのハティをレスト」

 

東雲手札:2→1枚

東雲ダメージ:5(裏1→2)

ヴァナルガンドソウル:12→13

ギョウルパワー:9000→13000

コトノハパワー:11000→13000

 

ショウマ「ソウルの2体のゲルギャのスキルをそれぞれ発動。ハティとコトノハをスタンド。パワー+3000。SC後のパワーアップを全てコトノハへ」

 

ヴァナルガンドソウル:13→12→14→13→15

コトノハパワー:13000→16000→17000→20000→21000→24000

ハティパワー:7000→10000

〈コ〉〈フ〉〈ギ〉

〈ハ〉〈ハ〉〈ク〉

 

ショウマ「ハティのブースト、コトノハでアタック」

 

コトノハ+ハティパワー:34000

 

カズマ「ノーガードだ。ダメージチェック」

 

竜刻魔道士 ニーズ(無し)

カズマダメージ:4→5(裏1)

 

ベルノ「ここでダメージトリガーなしは大きいね」

 

ショウマ「ギョウルでアタック。SB3、1枚ドロー。CC1と2体のハティのスキル」

 

ギョウル+クレイマーパワー:19000

ヴァナルガンドソウル:15→12

東雲手札:1→2枚

東雲ダメージ:5(裏2→1)

ハティパワー:10000→11000

ハティパワー:7000→8000

 

カズマ「ベリアルオウルでガード」

 

ルアード+ベリアルシールド:21000

カズマ手札:6→5枚

 

ショウマ「ハティでブースとしたヴァナルガンドでアタック。スキル発動。SB6。そして、フェンリルのスキル」

 

ヴァナルガンドソウル:12→6

ハティパワー:8000→9000

ハティパワー:11000→12000

東雲ダメージ:5(裏1→2)

 

マモル「再びドロップに送られたカードの中から1枚がコールされる。今度はいったい何を出すかな?」

 

東雲が選んだのは、ギョウルだった。

天啓でカードがソウルに送られ、自身のスキルも発動する。

 

ヴァナルガンドソウル:6→7

コトノハパワー:24000→26000

東雲ダメージ:5(裏2→3)

ギョウルパワー:9000→13000

ヴァナルガンド+ハティパワー:35000

 

ベルノ「あれ? 天啓でレストするユニットはギョウル自身? 彼は何を考えているんだろ?」

 

カズマ「いやまて、さっきドロップ送りになったカードの中に!!」

 

ショウマ「そう、ターロが2体いる。それぞれのスキルでギョウルとコトノハをスタンドだ」

 

カズマ「通すかよ! 《竜刻守護者 エスラス》で完全ガード!」

 

カズマ手札:5→3枚

 

ショウマ「ドライブチェックだけど、その前に山札の上4枚を確認し、好きな順番で山札の上か下に置くよ」

 

東雲は2枚を上に置き、残り2枚は下に置いた。

 

ショウマ「では改めて、トリプルドライブ」

 

堅守の女神 キビツヒメ(無し)

春眠の女神 ターロ(醒)

 

ショウマ「効果は全てハティへ」

 

ハティパワー:12000→17000

 

ベルノ「ここまでは確認したからあっさりだったけど、最後の1枚は?」

 

東雲が3枚目のドライブチェックを行うと――

 

杭の戒め スヴィティ(☆)

 

カズマ「ここでクリティカル!?」

 

ショウマ「効果は全てコトノハへ」

 

コトノハパワー:26000→31000/☆2

東雲手札:2→5枚

 

カズマは愕然とする。

彼の残りの手札は3枚。

その中に守護者は無い。

つまり次のコトノハの攻撃を防ぐ手段が無いのだ。

しかもコトノハの攻撃で受けるダメージは2。

2回ヒールトリガーが出なければ負けてしまう。

 

カズマ(それでも……諦めるか!)

 

ショウマ「ギョウルでアタック」

 

カズマ「ウスキアスでガード」

 

ギョウルパワー:13000

ルアード+ウスキアスシールド:16000

カズマ手札:3→2枚

 

そのままギョウルのスキルが発動し、東雲は手札を増やし、ハティがパワーアップ。

 

ヴァナルガンドソウル:7→4

東雲手札:5→6枚

ハティパワー:17000→18000

ハティパワー:9000→10000

 

マモル「あの手札が完全ガードでなければカズマ君の負けだ」

 

ショウマ「コトノハで……アタック」

 

コトノハ+ハティパワー:49000/☆2

 

カズマ「……ノーガード」

 

目を瞑り、意を決したノーガード宣言を行ったカズマは、そのまま山札をめくった。

 

闇に縛られし竜 ルアード(無し)

カズマダメージ:5→6

東雲WIN

 

カズマ「俺の負けか。あんた強いんだな」

 

ショウマ「お褒めに預かり光栄だよ。君も強かった。いいファイトをありがとう」

 

2人は互いの健闘をたたえ、深く握手をした。

カズマの目には、もう敵意は無かった。

パチパチパチと音が鳴ったので振り返ってみると、ベルノとマモルが拍手を行っていた。

 

マモル「2人とも、いいファイトだったよ」

 

ベルノ「東雲さんのファイト。同じジェネシス使いとして、勉強になりました」

 

ショウマ「いやいや。僕のほうこそ、ベルノさんのファイトを参考にした動きをしているからね。お互い様だよ。さてお二方。改めて聞くけど、僕を君たちのチームに入れてくれないか?」

 

カズマとベルノは顔を見合わせて、互いにうなずいた。

もう答えは決まっているらしい。

 

カズマ「ああ。こちらこそお願いするぜ」

 

ベルノ「私たちのチームに入ってください。そして、一緒に世界一を目指しましょう」

 

2人はそれぞれの手を東雲に差し出した。

東雲もそれぞれの手を掴んで握手を交わした。

 

ショウマ「ありがとう」

 

マモル「ここに新しいチームが誕生したわけだね。よし、3人とも、早速登録をしよう」

 

カズマ「はい」

 

ベルノ「ありがとうございます」

 

ショウマ「ありがとうございます、マモルさん。ところで、伊吹さんに会うことはできませんか? 今日のことを含め、彼に話したいことがたくさんあるのですよ」

 

4人は受付に向かいながら話し出した。

そこには、警戒心から始まった関係など見えないほど暖かな空気が漂っていた。

 

カズマ「よし、登録が終わったら今後の予定を決めようぜ」

 

ベルノ「そうだね。デッキの見直しも必要だし」

 

ショウマ「よろしく頼むよ、2人とも」

 

新たなるチームの挑戦はこれから始まるのだ。

 

続く

 

4人が去っていった後、物陰から彼らを見ていた人影が去っていったのに誰も気がつかなかった。




次回予告

「東海林君もVF世界大会への登録が終わったんだって。チームメンバーは内緒だけど」

「……そうか」

「私たちも負けてられないね。特訓。頑張らなくちゃ」

次回、第4ターン:特訓

「……そうだな」

「ところでクロノ。なんでそんなに疲れてるの?」

「誰のせいだ。誰の!」


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第4ターン:特訓

4話行きま~す。
懐かしいキャラが出てきますが、口調間違っていたらすみません。


トライスリーの大会参加登録が行われた後、クロノとトコハは日を置いて2号店に来ていた。

 

クロノ「シオンのやつが、今日は特訓相手を呼んだって言ってたけど、誰なんだろうな?」

 

トコハ「さあ? シオンの人脈って広いから予想できないよね」

 

シン「まあまあ。待っているあいだに、デッキを組んだらどうです?」

 

クロノ「でもな~。どのカード入れてどれ抜けばいいのか悩むんだよな~」

 

トコハ「とりあえず、クロノジェットとクロノセラピー以外のクロノシリーズ抜いたら?」

 

クロノのデッキを広げながら2人は話し込む。

トコハの遠慮の無い言葉にクロノは少し切れて喧嘩も始めているが、いつもの事である。

 

シン(それにしても、トコハちゃん、クロノ君の背中に抱きついているんですよね。クロノ君も何も言いませんし、家ではこれがデフォなんでしょうか?)

 

家に帰ったら妻であるミクルと話す話題を決めてシンは仕事に集中した。

そして、店の扉が開いた。

 

「クロノ殿~~~!!!」

 

クロノ「いらっしゃいって、タケル!?」

 

タケル「久しぶりですな! クロノ殿!」

 

彼の名は馬場タケル。

ヴァンガードを始めたばかりのころにクロノと出会った風来坊だ。

当時彼は病弱な弟の代わりにヴァンガードを始め、その修行のために風来坊として全国を旅していたのだ。

 

トコハ「お久しぶりです。タケルさんは今どうしているのですか?」

 

タケル「トコハ殿もお久しぶりですな。某は現在、弟ハヤトの治療が上手く言っているため、近くでバイトをして留まっているのです。そしたらシオン殿と偶々再会を果たし、今回の特訓相手として誘われたのですなあ」

 

クロトコ「「なるほど」」

 

3人で話しているとまた扉が開いた。

 

トコハ「いらっしゃいませ。あっ、あなたは……緒川さんとヒナコさん」

 

緒川「久しぶり」

 

ヒナコ「お久しぶりです」

 

クロノ「お~。本当に久しぶりだな。お前もシオンに呼ばれたのか?」

 

緒川「うん。デート先が偶々綺場財閥の傘下だったらしくてね。視察に来ていた綺場君と再会したんだ」

 

緒川(下の名は設定されていない)。

結成前のトライスリーの3人が受注したクエストの依頼主であり、一目惚れした女性、現在の彼女であるヒナコ(こっちも名字不明)を探し、告白する勇気を与えてくれたので、特にクロノには感謝してもし切れないほど恩を感じているのだ。

 

緒川「それにしても、君たち2人が付き合ってるなんて……ネットで見た時は驚いたよ」

 

ヒナコ「本当。でも直接見た今なら言えるよ。おめでとう2人とも」

 

タケル「うむ。めでたい!」

 

クロトコ「「あっ……ありがとう///」

 

今更ながら、祝われるのは照れるらしい。

 

タケル「某は今回の大会にはグレード不足で参加できん。しかしクロノ殿達の力となれるのなら、喜んで力を貸しますぞ」

 

緒川「僕は大会に出場してないから、グレードはまだ3なんだよね。元々出場する予定なんてなかったから別にいいけど。でも、折角シオン君に頼まれたんだから、出来る限り力に成るよ」

 

ヒナコ「これはシオン君からのクエストでもあるしね。ファイターとしての実力は3人よりも劣るけど……私も頑張るね」

 

3人がそれぞれに事情を話してくれたので、クロノもトコハも心からお礼を言った。

そうして笑いあっていると、ついにシオンがやって来たのだった。

 

シオン「やあ皆。今日は集まってくれてありがとう。今回の特訓に付き合ってくれる人がもう1人いるから先に紹介するね」

 

そう言ってシオンが扉のほうに目線を向けると、そこには早尾アンリが居た。

 

アンリ「こんにちは、皆」

 

クロノ「アンリさん。仕事はいいのかよ」

 

アンリ「有給取ったから大丈夫だよ。僕は協会の職員だから、VF世界大会には出られないけど、今日1日は相手になるよ。よろしくお願いするね」

 

トコハ「あれ? 協会の人間は大会に参加できないんですか?」

 

アンリ「うん。流石に主催側だしね。ユナサン支部のチームAL4の参加を雀ヶ森支部長は求めていたけど、伊吹さんが却下したよ。その代わりに、事前予選の会場がユナサン支部になったけど」

 

クロノ「マジか。事前予選大変なことになりそうだな」

 

シオン「でも勝つためにはやるしかない。僕は雀ヶ森支部長と是非戦ってみたいと思っていた。むしろ光栄だよ」

 

トコハ「そうね。あの時は叶わなかった、キョウさんやアサカさんの全力のファイトができるかもしれない。絶対に戦いたいわ」

 

タケル「うむ。その意気ですな」

 

緒川「僕たちも全力でサポートするよ」

 

全員がやる気を見せる。

 

クロノ「それじゃあ。始めようぜ!」

 

その言葉に大声で応え、トライスリーの特訓が始まった。

それぞれのデッキの改良を相談したり、自身の力を試すためにファイトを行ったり、そのファイトで見つけた欠点を克服するために別のカードを確認したりと2号店内で騒がしくも楽しく時が過ぎていった。

そして、そんな中、1組のファイターがファイトを初めようとしていた。

 

トコハ「早尾さん。ファイトの相手お願いします」

 

アンリ「僕で言いのかい? なるかみなら馬場くんも使ってるけど」

 

トコハ「タケルさんの全面退却よりも早尾さんの雷激によるバインド対策をしたいんです」

 

アンリ「なるほどね。分かった。全力で行かせて貰うよ」

 

トコハ「ありがとうございます」

 

FVをセットして互いに準備完了であることを確認した2人のファイトが始まった。

ちなみに今回2人は普通のテーブルで座っている。

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

アンリ「《ハードロッド・ドラコキッド》」

 

トコハ「《萌しの乙女 イーダ》」

 

アンリ「僕のターンだ。ライド、《チェインボルト・ドラグーン》。ハードロッド・ドラコキッドは先駆で移動。ターンエンド」

 

アンリ手札:5→6→5枚

チェインボルトソウル:0

〈 〉〈チ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ハ〉

 

トコハ「私のターン。ライド、《信頼の乙女 オデット》。先駆で移動。アタック」

 

トコハ手札:5→6→5枚

オデット+イーダパワー:12000

 

アンリ「ノーガード」

 

トコハ「ドライブチェック」

 

グリーンショット・エルフ(無し)

トコハ手札:5→6枚

 

アンリ「ダメージチェック」

 

プラズマトロン・ドラゴン(無し)

アンリダメージ:0→1

トコハ手札:6枚

オデットソウル:0

〈 〉〈オ〉〈 〉

〈 〉〈イ〉〈 〉

 

アンリ「スタンド&ドロー。《マーシャルアーツ・ドラゴン》にライド。(スキルは使えないか。なら)《魔竜戦鬼 チャトゥラ》をコール。マーシャルアーツ・ドラゴンでアタック」

 

アンリ手札:5→6→5→4枚

マーシャルアーツパワー:9000

 

トコハ「ノーガード」

 

アンリ「ドライブチェック」

 

招雷の舞姫 アナスタシア(無し)

アンリ手札:4→5枚

 

トコハ「ダメージチェック」

 

胸焦がすラナンキュラス アーシャ(無し)

トコハダメージ:0→1

 

アンリ「ハードロッド・ドラコキッドのブースト、チャトゥラでアタック」

 

チャトゥラ+ハードロッドパワー:13000

 

トコハ「ノーガード。ダメージチェック」

 

播種の乙女 ティアニー(無し)

トコハダメージ:1→2

 

アンリ「スキルは使わない。このままターンエンド」

 

トコハダメージ:2

アンリ手札:5枚

アンリダメージ:1

マーシャルアーツソウル:1

〈 〉〈チ〉〈チ〉

〈 〉〈 〉〈ハ〉

 

トコハ「スタンド&ドロー。ライド、《理想の乙女 トゥーリア》。アタック」

 

トコハ手札:6→7→6枚

トゥーリア+イーダパワー:14000

 

アンリ「ノーガード」

 

トコハ「ドライブチェック」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハ手札:6→7枚

 

トコハ「クリティカルトリガー。効果は全てトゥーリアへ」

 

トゥーリアパワー:14000→19000/☆2

 

アンリ「ダメージチェック」

 

プラズマトロン・ドラゴン(無し)

凱旋の雷 レシェフ(☆)

 

アンリ「意味ないけど、効果は全てマーシャルアーツ・ドラゴンに与えるよ」

 

マーシャルアーツパワー:9000→14000/☆2

アンリダメージ:1→3

トコハ手札:7枚

トコハダメージ:2

トゥーリアソウル:1

〈 〉〈ト〉〈 〉

〈 〉〈イ〉〈 〉

 

アンリ「スタンド&ドロー。ライド。《ドラゴニック・ヴァンキッシャー “SPARKING”》」

 

アンリ手札:5→6→5枚

 

アンリ「このままアタックだ」

 

トコハ「ノーガード」

 

アンリ「ツインドライブ」

 

凱旋の雷 レシェフ(☆)

 

アンリ「パワーはチャトゥラへ。クリティカルはヴァンガードへ」

 

チャトゥラパワー:8000→13000

SPARKING:☆2

豊穣の抹消者 ヨウキ(治)

アンリ手札:5→7枚

 

アンリ「パワーはチャトゥラへ。ダメージ1回復」

 

チャトゥラパワー:13000→18000

アンリダメージ:3→2

 

トコハ「ダメージチェック」

 

盛運の乙女 ディアン(無し)

信頼の乙女 オデット(無し)

トコハダメージ:2→4

 

アンリ「チャトゥラでアタック」

 

チャトゥラ+ハードロッドパワー:23000

 

トコハ「(流石にこれ以上は不味い)《盛運の乙女 ディアン》と《花園の乙女 マイリス》でガード」

 

トゥーリア+ディアン+マイリスシールド:24000

トコハ手札:7→5枚

トコハダメージ:4

アンリ手札:7枚

アンリダメージ:2

SPARKINGソウル:2

〈 〉〈ヴ〉〈チ〉

〈 〉〈 〉〈ハ〉

 

トコハ「今度は此方の番です。スタンド&ドロー。全ての蕾よ、今こそ花開け。ライド、《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》。手札の《開墾の戦乙女 パドミニ》のスキル。このカードは超越コストとする際にグレードを2上げる。ストライドジェネレーション。《経世の花乙姫 セルフィーナ》超越スキル。CB1で開花を持つカードをコールする。《グリーンショット・エルフ》をコール」

 

トコハ手札:5→6→5→4枚

トコハダメージ:4(裏0→1)

 

トコハ「さらにイーダのスキル。ソウルに送り、グリーンショット・エルフを選択。セルフィーナはグリーンショット・エルフと同名カードになる。手札からグリーンショット・エルフをコール。開花。全てのグリーンショット・エルフにパワー+2000」

 

セルフィーナソウル:2→3

グリーンショットパワー:9000→11000

セルフィーナパワー:26000→28000

グリーンショットパワー:9000→11000

トコハ手札:4→3枚

 

トコハ「セルフィーナのスキル。グリーンショット・エルフにパワー+2000して、山札からグリーンショット・エルフをコール。開花を2体分」

 

トコハダメージ:4(裏1→2)

グリーンショットパワー:11000→13000+2000×2→17000

セルフィーナパワー:28000+2000×2→32000

グリーンショットパワー:11000+2000×2→15000

グリーンショットパワー:9000+2000×2→13000

〈グ〉〈セ〉〈グ〉

〈グ〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「セルフィーナでアタック」

 

アンリ「ノーガード」

 

トコハ「トリプルドライブ」

 

播種の乙女 ティアニー(無し)

アンスリムの銃士 ニクラ(治)

 

トコハ「ダメージ1回復。パワーは右のグリーンショット・エルフへ」

 

トコハダメージ:4→3(裏2→1)

グリーンショットパワー:17000→22000

アンスリムの銃士 ニクラ(治)

トコハ手札:3→6枚

 

トコハ「これも右のグリーンショット・エルフへ」

 

グリーンショットパワー:22000→27000

トコハダメージ:3→2(裏1→0)

 

アンリ「ダメージチェック」

 

マーシャルアーツ・ドラゴン(無し)

アンリダメージ:2→3

 

トコハ「左のグリーンショット・エルフのブースト、グリーンショット・エルフでアタック」

 

グリーンショット+グリーンショットパワー:28000

 

アンリ「《黒風白雨のジン》と《毒心のジン》でガード」

 

SPARKING+黒風白雨+毒心シールド:31000

アンリ手札:7→5枚

 

トコハ「右のグリーンショット・エルフでアタック」

 

グリーンショットパワー:27000

 

アンリ「ノーガード。ダメージチェック」

 

チェインボルト・ドラグーン(無し)

アンリダメージ:3→4

アンリ手札:5枚

トコハダメージ:2

トコハ手札:6枚

アーシャソウル:3

〈グ〉〈ア〉〈グ〉

〈グ〉〈 〉〈 〉

 

アンリ「ふう。やっとリアガードを並べてくれたね。これでこっちも本領が発揮できる」

 

リアガードやドロップゾーンのカードをバインドして戦うアンリの【雷激】に対して、トコハはリアガードを並べないように戦っていた。

しかし、攻撃に移る際に、次のターンにバインドされるリスクを承知した上でリアを並べる選択をしたので、このターン、アンリに大きく攻められるのは当然なのだ。

 

アンリ「いくよ。スタンド&ドロー。手札の《ドラゴニック・ヴァンキッシャー》をドロップへ送り、ストライドジェネレーション。《征天覇竜 ドラゴニック・ヴァンキッシャー “VBUSTER”》。超越スキル。CB1で相手は自分のドロップゾーンのカード1枚をバインド」

 

トコハはパドミニを選択した。

トコハバインド:0→1

アンリダメージ:4(裏0→1)

アンリ手札:5→6→5枚

 

アンリ「このスキルには続きがある。雷激を持つユニットに超越したため、相手は自分のリアガード1体を選択して、バインド」

 

トコハ「後列のグリーンショット・エルフをバインドします」

 

トコハバインド:1→2

 

アンリ「続いて、ハードロッド・ドラコキッドのスキル。自信をレストすることで、相手は自分のドロップゾーンのカード1枚をバインド」

 

トコハ「マイリスをバインドします」

 

トコハバインド:2→3

 

アンリ「《プラズマトロン・ドラゴン》をコール。こいつにもドロップゾーンのカード1枚をバインドさせるスキルがある」

 

トコハ「くっ、オデットをバインド」

 

アンリ手札:5→4枚

トコハバインド:3→4

 

アンリ「レシェフをコール。VBUSTERのスキル。SB1して、相手は自分のドロップとリアのカードを1枚ずつバインド」

 

アンリ手札:4→3枚

VBUSTERソウル:2→1

 

トコハ「左のグリーンショット・エルフとディアンをバインド」

 

トコハバインド:4→6

 

一気にバインドゾーンのカードを増やされてしまい、トコハは自分がピンチに陥っていることを味わっている。

 

アンリ「そして、このスキルを使ったあと、相手よりも自分のリアのユニットの数が多いので、3体のユニットのパワー+3000。レシェフ、プラズマトロン、チャトゥラを選択する」

 

チャトゥラパワー:8000→11000

プラズマトロンパワー:9000→12000

レシェフパワー:4000→7000

 

アンリ「そして、ハードロッド・ドラコキッドの雷激4。自信をソウルに送り、チャトゥラを選択してパワー+3000。相手は自分のリアを退却させ、バインド」

 

残ったグリーンショット・エルフもバインドされてしまう。

フィールドには1体もリアガードが残らず、トコハは思わず唇を噛みしめてしまう。

 

チャトゥラパワー:11000→14000

VBUSTERソウル:1→2

トコハバインド:6→7

 

アンリ「そして、チャトゥラのスキルとプラズマトロンの雷激4でそれぞれのパワーをアップする」

 

アンリダメージ:4(裏1→2)

チャトゥラパワー:14000+3000→17000

プラズマトロンパワー:12000+2000×7→26000

〈プ〉〈ヴ〉〈チ〉

〈レ〉〈 〉〈 〉

 

アンリ「レシェフでブースト、プラズマトロンでアタック」

 

プラズマトロン+レシェフパワー:33000

 

トコハ「Gガード、《絆の守護銃士 アンテロ》のスキル。シールド合計+20000」

 

トコハ手札:6→5枚

アーシャソウル:3→2

アーシャ+アンテロシールド:46000

 

アンリ「VBUSTERでアタック。レシェフのスキルでパワー+5000、1枚ドロー」

 

VBUSTERパワー:26000→31000

VBUSTERソウル:2→3

アンリ手札:3→4枚

 

トコハ「ノーガード」

 

アンリ「トリプルドライブ。ファーストチェック」

 

黒風白雨のジン(醒)

 

アンリ「スタンドトリガー。効果は全てプラズマトロンへ。セカンドチェック」

 

プラズマトロンパワー:26000→31000

ドラゴニック・ヴァンキッシャー “SPARKING”(無し)

 

アンリ「サードチェック」

 

毒心のジン(☆)

 

アンリ「クリティカルトリガー。パワーはチャトゥラへ。クリティカルはヴァンガードへ」

 

VBUSTER:☆2

チャトゥラパワー:17000→22000

アンリ手札:4→7枚

 

トコハ「ダメージチェック」

 

開墾の戦乙女 パドミニ(無し)

ツッケン・ドーン(☆)

トコハダメージ:2→4

 

トコハ「効果は全て、アーシャに」

 

アーシャパワー:11000→16000/☆2

 

アンリ「ダメージトリガーが乗っちゃったか。なら、チャトゥラでアタック」

 

チャトゥラパワー:22000

 

トコハ「《ツッケン・ドーン》でガード」

 

アーシャ+ツッケンシールド:26000

トコハ手札:5→4枚

 

アンリ「アタックがヒットしなかったため、チャトゥラの追加スキルは発動しない。プラズマトロンでアタック」

 

トコハ「Gガード《聖樹竜 レインブレス・ドラゴン》。スキルで手札のトゥーリアをコール。シールド+5000。さらに《アンスリムの銃士 ニクラ》のスキル。このカードとヒールトリガーをバインドして、SC1。……《モンキーポッド・ドラゴン》か」

 

アーシャ+レインブレスシールド:36000

トコハ手札:4→3→2枚

トコハバインド:7→9

アーシャソウル:2→3

 

アンリ「残念。ターンエンド」

 

アンリダメージ:4(裏2)

アンリ手札:7枚

SPARKINGソウル:3

〈プ〉〈ヴ〉〈チ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:4

トコハ手札:2枚

トコハバインド:9

アーシャソウル:3

〈ト〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「スタンド&ドロー。ライドステップにアーシャのスキル。サークルのトゥーリアとドロップのツッケン・ドーンを山札の下に戻して、1枚ドロー。《共に咲く乙女 ケラ》をコール」

 

トコハ手札:2→3→4→3枚

 

トコハ「《胸焦がすラナンキュラス アーシャ》を捨てて、ストライドジェネレーション。《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》。超越スキルで、ケラをコール。開花でパワー+10000。さらにアーシャのスキル。CC1、SC1」

 

トコハ手札:3→2枚

ケラパワー:9000→10000→20000

ケラパワー:9000→10000

トコハダメージ:4(裏0→1→0)

ヴェルヘミーナソウル:3→4

 

トコハ「(うっ、マイリスがソウルに)ヴェルヘミーナのGB4。前列のリアガードのパワー+5000とクリティカル+1」

 

ケラパワー:20000→25000/☆2

ケラパワー:10000→15000/☆2

〈ケ〉〈ヴ〉〈ケ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「右のケラでヴァンガードにアタック」

 

ケラパワー:25000/☆2

 

アンリ「(ケラは抵抗持ち。ブルワークは使えるけどスキルが無駄打ちになる。なら)Gガード、《雷王霊帝 ヴリトラ》。雷激でシールド+5000」

 

SPARKING+ヴリトラシールド:31000

アンリ手札:7→6枚

 

トコハ「ヴェルヘミーナでアタック。スキル発動。CB1。山札から2枚選び、前列と後列にスペリオルコール。ケラをコール。全てのケラが開花。攻撃を終えたケラは重複で退却するわ」

 

ヴェルヘミーナパワー:26000

トコハダメージ:4(裏0→1)

ケラパワー:9000→10000→20000→25000/☆2

ケラパワー:15000→25000/☆2

ケラパワー:9000→10000→20000

 

アンリ「《招雷の舞姫 アナスタシア》で完全ガード」

 

アンリ手札:6→4枚

 

トコハ「トリプルドライブ」

 

播種の乙女 ティアニー(無し)

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(無し)

モンキーポッド・ドラゴン(引)

トコハ手札:2→5枚

 

トコハ「ドロートリガー。1枚ドロー。パワーは右のケラへ」

 

ケラパワー:25000→30000/☆2

トコハ手札:5→6枚

 

アンリ「(ここはノーガードでもよかった? いや、結果論か)アナスタシアの雷激。1枚ドロー」

 

アンリ手札:4→5枚

 

トコハ「(増えちゃった)右のケラでアタック」

 

アンリの手札が予想よりも削れずトコハが本気で落ち込んでしまった。

 

ケラパワー:30000/☆2

 

アンリ「2種のジンでガード」

 

SPARKING+黒風白雨+毒心シールド:31000

アンリ手札:5→3枚

 

トコハ「開花でブーストを得たケラでブーストしたケラでアタック」

 

ケラ+ケラパワー:45000/☆2

 

トコハ(残り手札は3枚。これなら届くはず)

 

しかし、ここでアンリが手札1枚を捨てたのを見て、トコハは驚いた。

Gに置かれたのは、招雷の舞姫 アナスタシアだった。

 

アンリ「完全ガード。1枚ドロー」

 

アンリ手札:3→1→2枚

 

トコハ「決め切れなかった」

 

トコハダメージ:4(裏1)

トコハ手札:6枚

トコハバインド:9

アーシャソウル:4

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈ケ〉〈 〉〈 〉

 

アンリダメージ:4(裏2)

アンリ手札:2枚

SPARKINGソウル:3

〈プ〉〈ヴ〉〈チ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アンリ「ふぅ。危なかった。(でも、次のターンは無い。このターンで決めないと)スタンド&ドロー。SPARKINGの雷激。CC1して、相手はドロップゾーンのカード1枚をバインド」

 

トコハは先ほどSBでドロップに送っていたイーダをバインドした。

 

アンリ手札:2→3枚

アンリダメージ:4(裏2→1)

トコハバインド:9→10

 

アンリ「《マイティボルト・ドラグーン》をコストにして、ストライドジェネレーション。もう1度、VBUSTERだ。超越スキル発動」

 

トコハ「ケラをバインド。でも、リアのケラには抵抗がありますから、バインドできませんよ」

 

アンリ手札:3→2枚

アンリダメージ:4(裏1→2)

トコハバインド:10→11

 

アンリ「十分だよ。チェインボルト・ドラグーンと《スマッシュボクサー・ドラゴン》をコール」

 

アンリ手札:2→0枚

 

トコハ(手札を全てコールした。このターンで決めるつもりなんだ)

 

アンリ「VBUSTERのスキル。相手は自分のドロップとリアのカードを1枚ずつバインドし、3枚選んでパワー+3000。VBUSTERの雷激7で前列はさらにパワー+5000。VBUSTERはクリティカルとドライブが1上がる」

 

トコハ「……胸焦がすアーシャをバインド」

 

VBUSTERソウル:3→2

トコハバインド:11→12

チャトゥラパワー:8000→13000→16000

VBUSTERパワー:26000→31000/☆2

プラズマトロンパワー:9000→14000→17000

スマッシュボクサーパワー:7000→10000

 

アンリ「今度も、チャトゥラのスキルとプラズマトロンの雷激4でそれぞれのパワーをアップする」

 

アンリダメージ:4(裏2→3)

チャトゥラパワー:16000+3000→19000

プラズマトロンパワー:17000+2000×12→41000

〈プ〉〈ヴ〉〈チ〉

〈ス〉〈 〉〈チ〉

 

アンリ「チェインボルト・ドラグーンでブースト、チャトゥラでアタック」

 

チャトゥラ+チェインボルトパワー:26000

 

トコハは自分の手札を見ながら冷や汗をかいていた。

 

トコハ「(やばい、6枚中4枚はバレてるから強気で攻撃してきてる。でもここでガード無しはもっとやばい……)ツッケン・ドーンでガード。さらにケラ2体でインターセプト」

 

アーシャ+ツッケン+ケラ+ケラシールド:31000

トコハ手札:6→5枚

 

アンリ「なら、ヴァンガードでアタック」

 

トコハ「アーシャをドロップへ、《播種の乙女 ティアニー》で完全ガード。ドロップのティアニーの開花。このカードをバインドすることで、開花持ち、ケラを手札へ」

 

トコハ手札:5→3→4枚

トコハバインド:12→13

 

アンリ「クアドラプルドライブ」

 

凱旋の雷 レシェフ(☆)

黒風白雨のジン(醒)

招雷の舞姫 アナスタシア(無し)

毒心のジン(☆)

アンリ手札:0→4枚

 

トコハ「そんな!」

 

アンリは最初のクリティカルのパワーを全てプラズマトロンへ、スタンドと最後のクリティカルはチャトゥラに送った。

これを見たトコハは本気で驚愕し、手が震えてしまった。

 

プラズマトロンパワー:41000→46000/☆2

チャトゥラパワー:19000→24000→29000/☆2

 

トコハ(どっちも受けられない)

 

現在のトコハの手札には完全ガードのティアニー1枚、ドロートリガーのモンキーポッド。

G2のケラ、そして、アンリの知らない1枚の4枚だ。

全てはこの最後の1枚にかかっている。

 

アンリ「(最後の1枚がヒールトリガーなら防がれる。でも僕は賭けにでるだけだ)チャトゥラでアタック」

 

チャトゥラパワー:29000/☆2

 

トコハ「…………ノーガード。ダメージチェック(まだヒールが出れば……)」

 

理想の乙女 トゥーリア(無し)

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハダメージ:4→6

アンリWIN

 

ファイトはアンリの勝利で終わった。

2人して大きく溜め息をついた後、握手を交わした。

 

トコハ「完敗です。おめでとうございます。早尾さん」

 

アンリ「いやぁ、僕の方こそ危なかったよ。最後の手札は何だったんだい?」

 

トコハはその言葉を受けて、残された4枚の手札をアンリに見せた。

知っていた3枚と……盛運の乙女 ディアンのカードがそこにはあった。

合計シールド値は15000。

攻撃の順番が違っても、防ぎきることはできなかったのだ。

 

トコハ「あそこでスタンドとクリティカルトリガーの両方が出たのが痛かったですね。せめて順番が違うか、どっちか片方だけなら防ぎきれたのですが……」

 

アンリ「そこは運だからね。むしろトリプルトリガーが出なければ防ぎ切れたんだから安城さんはやっぱり強いよ。僕は次の攻撃を防ぎきれたか怪しいし」

 

トコハ「……開花の種がことごとくバインドされましたから、次のターンの攻め手がほとんど無いんでけど」

 

トコハが半目で睨みつける。

これに対してアンリはただ苦笑するしかなかった。

 

クロノ「何冷や汗かいてるんですか。むしろ相性最高な相手に負けるほうが恥ずかしいでしょ。逆転手段なんてもうGB8のあれしかなかったんだし」

 

途中から口出ししないで観戦していたクロノが口を出してきた。

トコハの頭に腕を乗せて。

 

トコハ「ちょっとクロノ。どこに腕乗せてるの!」

 

クロノ「いや~。ちょうど良い高さの肘置きがあったからな~」

 

トコハ「こら~!!」

 

立ち上がりながらクロノの腕を跳ね除け、振り返った。

 

トコハ「誰が肘置きよ! 負けた彼女にそんな扱いって無いでしょ!」

 

クロノ「勝負の賭け時を間違えたくせに何言ってんだよ。早尾さんの初回超越の時にGガード2回使う必要あったか!?」

 

トコハ「スタンド来るなんて分かんないんだから良いでしょ! 5ダメージになってVMAX来たら負け確じゃない!」

 

クロノ「なんのためのレインブレスだよ! アイツで攻撃対象以外のリア増やせばバーンなんて飛んでこないだろ!」

 

一瞬だけハッとしたトコハだったが、すぐにクロノを睨みつけた。

その様は意地になって認められないようだった。

 

トコハ「ふん! クロノ馬鹿。今日はもう逆アスナロしてあげない!」

 

トコハはそのまま腕を組んで窓際の椅子に座ってしまった。

 

クロノ「たっく。なんだよ、逆アスナロって」

 

シオン「たぶん、よくクロノが座っているときにトコハが後ろから抱きつくあれだよ。はい、これ」

 

シオンがクロノにデッキケースを渡した。

良く見るとテーブルに置かれていたトコハのカードが片付けられている。

シオンがやってくれたのだろう。

 

シオン「それにしても先輩。今回はなんとか勝ちましたけど、最後はVBUSTERではなく、VOLTAGEでも良かったのでは?」

 

アンリ「ああ、GB3のパンプかい? そうだね、どの道リアガードはバインドできなかったんだから、パワーを上げて確実にヒットさせるのも考えたよ。でも、ドライブで手札を増やしたかったんだよ」

 

なるほど、とシオンは納得してそれ以上の言及はしなかった。

そして、シオンはクロノの方を見る。

 

シオン「ところでクロノ。可愛い彼女さんが拗ねてしまったけど、フォローしなくていいのかい?」

 

ああ、とクロノは呆れながら言った。

 

クロノ「大丈夫だよ。どうせ腹が減ったら戻ってくるし、今日の献立はトコハの大好きなコロッケだからな。食べてお腹が膨れれば機嫌直るよ。慰めるのはその後で十分」

 

アンリ「なんか……手馴れてるね」

 

タケル「トコハ殿はそんなにも分かりやすいのですか?」

 

緒川「ヒナコさんがさっきから話しかけてるけど、一向にこっち向かないよ」

 

見てみると、隣に座ったヒナコが心配して話しかけているが、トコハはソッポを向いたままだ。

 

クロノ「大丈夫、大丈夫。何故か昨日帰ってこなかった親父と比べれば可愛いものだよ。仮に実家に帰ってもすぐに連絡入るし、夜遅くか朝早くかは分からないけど帰ってくるから」

 

そう言って、タケルをファイトに誘ってクロノは行ってしまった。

シオンたちはそんなクロノを見て、なんとも言えない雰囲気になってしまった。

トコハは拗ねたままヒナコとしかファイトをしなかった。

時間が過ぎ、今日の特訓はここまでとして、解散することになったので、クロノはさっさと帰ってしまった。

トコハも帰りの準備を進めたところでシオンが声をかけた。

 

シオン「トコハ。クロノと顔を合わせたくないなら僕の家に泊まっていいよ」

 

トコハ「大丈夫よ。少し風に吹かれて帰りたいだけだから。お互い意地になるとね、すぐには喧嘩を続けちゃうだけだから、時間を置いたほうが良いのよ。心配してくれてありがとう、シオン」

 

それじゃあ、とトコハは新導家がある方に帰っていった。

 

岩倉「あのお2人はご自身や相手の気持ちや考え方を理解しています。ご心配なさらなくとも大丈夫です」

 

シオン「分かるのかい?」

 

岩倉「シオン様のご両親にも、あのような時期が合ったのです。わたくしは、それを幾度もなく見てきましたから」

 

シオン「父さんと母さんが……」

 

チームメイトの2人の成長を見て、シオンは取り残されたような気がして、少し寂しい気持ちになってしまった。

 

シオン「僕も……彼女とあんな風になれるのかな」

 

岩倉「それは、シオン様とあの方しだいです。さあ、帰りましょう」

 

岩倉に薦められ、シオンは車に乗って帰宅した。

その迷いはまだ晴れないままだった。

 

トコハ(はあ、クロノ怒ってないかな)

 

そのころ、トコハは新導家に帰宅していた。

なるべく音を立てずにリビングまで近づいた彼女は、こっそりと台所を確認した。

そこには、誰も居なかった。

トコハはそれを見て、少し悲しそうな顔をして立ち止まってしまった。

 

クロノ「何やってんだよ」

 

トコハ「きゃ!」

 

急に後ろから声をかけられたので、驚いて立ち上がった後、振り返ってみると、エプロン姿のクロノがいた。

 

トコハ「クロノ!? どこ行ってたの!?」

 

クロノ「お前が確認しなかった方にいただけだ。どうかしたのか?」

 

トコハ「べ……別に。寂しいなんて思ってもないんだから!」

 

クロノ(語るに落ちたな)

 

ツンデレみたいな言い方をする彼女にクロノは完全に呆れてしまった。

相変わらずソッポを向いたトコハに溜め息をつきながら、クロノは歩いてフライパンの前に立った。

丁度その時、近くに置いておいたタイマーが鳴り響いた。

 

クロノ「おっ、丁度良かった」

 

そう言ってクロノは菜箸を手に取り、フライパンの中に入れた。

菜箸を引き上げると、その先には、黄金色に輝くコロッケがでてきたのだった。

その匂いに釣られ、トコハはつい近づいてしまう。

そのあいだにも、クロノは揚げていたコロッケを取り出していた。

 

クロノ「もう出来るから、お茶碗の用意してくれ。白米用と吸い物用の2種類な」

 

トコハ「えっ? あっ……うん!」

 

驚きはしたものの、クロノのお願いに笑顔で返したトコハは、言われたとおり、ご飯と味噌汁の用意を行ったのだった。

そして、料理が完成し、テーブルに並べられた。

 

クロトコ「「いただきます」」

 

トコハ「はむ。う~ん。美味しい!」

 

口に入れた瞬間、トコハは凄くいい笑顔でその味を堪能した。

そんなトコハを見て、クロノも嬉しそうにしている。

 

トコハ「クロノのコロッケ最高」

 

クロノ「そりゃよかった」

 

クロノはその言葉に満足したのか、笑顔になった。

その笑顔を見たトコハは、あっ、と言って顔を伏せてしまった。

 

トコハ「……クロノ」

 

クロノ「どうした? 食べないのか?」

 

トコハ「ごめんね」

 

クロノ「何のことだ?」

 

申し訳なさそうなトコハを特に気にしない様子でクロノは黙々と食べていた。

 

トコハ「昼間……クロノのアドバイス。認められないからって逆に怒っちゃって」

 

クロノ「そんなことあったな」

 

トコハ「それで……えーっと。その……」

 

クロノ「トコハ」

 

トコハ「なに?」

 

クロノ「明日、お前の旨い料理食わせてくれよ。2人で食べきれるやつ」

 

おもむろに普通の鍋は勘弁して欲しいと言いたいらしい。

 

トコハ「えっ? わ……分かった」

 

クロノ「ありがとな」

 

クロノは立ち上がり、トコハを立ち上がらせ、抱きしめた。

あまりにも急なことなのでトコハは真っ赤になる。

 

トコハ「く……クロノ!?/// えーっと///」

 

クロノ「俺こそごめんな。お前を煽るような言葉を言っちまって。でもホント感謝してるんだぜ。お前と喧嘩して、それでも一緒に食事取って、仲直りする。そんな生活ができることを。俺、やっぱお前が好きだわ」

 

トコハ「ふ……ふえ!? く……クロノ、反則/// そんなこと言われたら……許すしかないじゃない!!///」

 

耳まで真っ赤に染めて文句を言うトコハをクロノは笑って抱きしめるのだった。

仲直りが成功し、また絆が深まった2人がシオンを巻き込んで行う特訓はまだまだこれからだ。

 

続く。

 

トコハ「クロノの馬鹿!/// 明日まで好きって言わないんだから!///」

 

クロノ「そんな素直じゃないトコハも可愛くて好きだぞ」

 

トコハ「ツ/// 馬鹿///」




次回予告

「恋人同士の喧嘩後の謝罪の早さは異常!」

「いきなりですね。シオン君は恋人と喧嘩したこと無いのですか?」

「ありますけど……そういうシンさんは奥さんと喧嘩するんですか?」

「ありますねぇ。カードを拭く技術を磨く時間があるのなら、子どものおしめを替える技術を得ろとよく言われます」

「子育ても大変なんですね」

「ええ。そして……家内のご機嫌取りのためにも、僕は少しお店を休みます」

「えっ?」

次回、第5ターン:事前予選

「必ず帰るとクロノ君たちに伝えておいてください」

「シンさん!? どこ行くんですか!? シンさーーん!!」

「お土産……楽しみにしていてください」


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第5ターン:事前予選

今回から、あらすじ形式で行きます。

いよいよ始まるVF世界大会。
その最初の関門、事前予選にトライスリーが挑む。
立ちふさがる強敵から勝利を掴めトライスリー!


追記:1部スキルが間違っていたので、修正しました。


VF世界大会参加受付が始まって約1ヶ月。

 

シオン「2人とも、こっち、こっち」

 

クロノ「お~う」

 

トコハ「おはよう、シオン」

 

クロノ「おはよう」

 

シオン「おはよう。いよいよだね」

 

トコハ「うん。VF世界大会日本事前予選。今日がその日よ」

 

トライスリーの3人はVF世界大会優勝のための第1歩を踏み出すためにユナイテッドサンクチュアリ支部に来ていた。

合流した3人は、受付を済ませ、大会が行われる会場に向かった。

 

タイヨウ「クロノさん。来ましたね」

 

ヒロキ「よっす!」

 

サオリ「こんにちは」

 

会場では、タイヨウたち、ジャスティス・ヴィクトリーズと出会った。

 

クロノ「おう、タイヨウ。久しぶりだな」

 

トコハ「皆元気そうね」

 

タイヨウ「当然です。僕たちはこの予選を突破して、1足早く本予選に向かいますから」

 

ヒロキ「いつになくタイヨウがやる気だからな。俺たちの正義を見せてやるぜ」

 

サオリ「ヒロキ君。正義じゃなくて力だよ」

 

シオン「ははは。相変わらずだね、君たちは」

 

6人が笑いあっていると、正面モニターに画像が映し出された。

そこには、今回来ているチーム名とそのメンバーが記されていた。

 

クロノ「カズマはいないのか」

 

ツネト「あいつなら他のショップらしいぜ」

 

横から声をかけられたので、クロノがそちらを見てみると、そこにはツネトが居た。

 

クロノ「おう、ツネトじゃねえか。極楽3人衆もこれに出るんだな」

 

ツネト「なんだ極楽3人衆ってのは! 俺たちは――」

 

トリドラ『トリニティドラゴンだ』

 

何時ものポーズを決めて彼らは叫んだ。

 

ツネト「この事前予選。突破するのは俺たちトリドラだ。負けねえぞ」

 

クロノ「いーや、勝つのは俺たちだ。1ヶ月前の俺たちと同じだと思うなよ」

 

指差しで挑発するツネトにクロノは笑って返して見せた。

2人のあいだに雷が鳴り響いたような雰囲気の中、会場の照明が落ちた。

そして、ステージに1人の男が現れた。

 

レン「は~い。みなさん、こんにちは。ユナサン支部支部長雀ヶ森レンで~す。今日はお越しくださって~ありがとうございま~す」

 

おお、と言う歓声が上がったところでレンが下がり、新城テツが前に出た。

良く見ると頭を抱えているように見える。

 

レン「じゃあ、テっちゃん、後はよろしく~」

 

テツ「お前というやつは。ふう。司会を任された新城テツだ。このVF世界大会日本予選は本来、指定のショップ毎に行われる大会にて優秀な成績を収めたものが本予選へと進むことが出来る。しかし、今日のイベントで優勝を果たしたチームは1足先に本予選への出場を決めることができる。余裕を持って本予選への対策を取りたいのであれば、優勝目指して頑張って欲しい」

 

大きな歓声があがり、参加者たちの気合が十分であることが伝わった。

 

テツ「では、ルールを説明しよう。今回集まったのは、参加登録の早い順の10チーム。計30名がこの場に集まったことになる。その全員がくじを引き、引いた番号のテーブルにてファイトを行ってもらう。相手は、このユナサン支部の優秀なファイターたちだ。彼らに勝てば1点ポイントがもらえる。これを3回繰り返し、合計ポイントが多いチームが優勝だ」

 

トコハ「つまり、勝ち続ければ良いってことよね。簡単じゃない」

 

テツ「ただし! 敵となるファイターには、クランリーダーと我らAL4も加わる」

 

ここで会場内がザワつく。

勝てる自身が無いものがいるのだろう。

 

テツ「クランリーダーとAL4のメンバーに勝利した者には、2点ポイントが与えられる。また、支部長、雀ヶ森レンに勝利すれば3点だ」

 

シオン「なるほど、勝率が低い相手からはポイントが多くもらえるから、一発逆転が狙えるわけだ。くじ運が大きく左右するあたり、なかなかシビアだね」

 

クロノ「3人がそれぞれ3回ファイトするから、全勝して9点。最大で21点もらえるけど、まあ、これは無理だろうな。順当に考えて多くて15点ぐらいか」

 

シオン「でもトコハの言うとおり、全勝すればそれだけ優勝の確立は上がる。だったら、僕たちはそれぞれ、勝つことだけを考えよう」

 

クロトコ「「うん」」

 

テツ「それでは、各自くじを引くように」

 

テツの合図と共に、3つのくじ箱が置かれたテーブルにチーム毎に並び、3つのくじを1人1つずつ引いていく。

シオンが引いたのは――

 

シオン「1か」

 

クロノとトコハもそれぞれが引いた番号のテーブルに向かっていることを確認したシオンも、1番のテーブルに向かった。

 

レン「おや、最初の相手はあなたですか」

 

シオン「雀ヶ森支部長」

 

シオンの相手は支部長だった。

 

レン「運が無いですね~。初戦から僕が相手なんて」

 

シオン「いいえ、むしろ光栄です。あなたに勝てないようでは、世界を取ることなんてできませんから」

 

強気でレンを見つめるシオンにレンは嬉しそうに笑った。

 

レン「いや~。良いですね~。では、あなたの覚悟、見せてもらいます」

 

レンも普段のふざけた態度を捨て、真剣な表情でシオンと向き合う。

ファイトの準備は整った。

クロノは職員の人と、トコハはエンジェルフェザーのクランリーダーと向き合う。

 

司会の人『それでは皆さん。準備は整いましたね。一斉に行きますよ』

 

全員『スタンドアップ!』

 

シオン・レン「「THE!」」

 

全員『ヴァンガード!!』

 

シオン「《瞬きの騎士 ミーリウス》」

 

レン「《フルバウ》」

 

シオン「フルバウですか」

 

レン「ふふ~ん」

 

フルバウはシャドウパラディンのFVの中でも初期に発売されたものだ。

連携ライドユニットの1体であるこのユニット。

レンがどのようなデッキで来るのかシオンには全く読めなかった。

 

シオン「僕のターン。ライド、《月牙の騎士 フェレックス》。先駆で移動」

 

シオン手札:5→6→5枚

フェレックスソウル:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

レン「僕のターンですね。ドロー。ライド、《ブラスター・ジャベリン》。フルバウのスキル発動。山札から《ブラスター・ダーク》を手札に加えます。さらにブラスター・ジャベリンのスキル。ソウルにフルバウがいるので、パワー+2000」

 

レン手札:5→6→5→6枚

ジャベリンパワー:6000→8000

 

レン「ブラスター・ジャベリンでアタック」

 

ジャベリンパワー:8000

 

シオン「ノーガード」

 

レン「ドライブチェック」

 

竜刻守護者 エスラス(なし)

レン手札:6→7枚

 

シオン「ダメージチェック」

 

勝勢の騎士 アスカニウス(なし)

シオンダメージ:0→1

レンダメージ:0

レン手札:7枚(ブラスター・ダーク、エスラス他)

ジャベリンソウル:1

〈 〉〈ジ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン「スタンド&ドロー。ライド、《絶世の騎士 リヴァーロ》。ミーリウスでブーストしてアタック」

 

シオン手札:5→6→5枚

リヴァーロ+ミーリウスパワー:15000

 

レン「ノーガード」

 

シオン「ドライブチェック」

 

勝勢の騎士 アスカニウス(なし)

シオン手札:5→6枚

 

レン「ダメージチェックです」

 

血戦の騎士 ドリン(なし)

レンダメージ:0→1

 

シオン「ミーリウスのスキル。自信をソウルに送り、山札の上10枚を見て、その中にあるアルトマイルを2枚まで公開し、1枚を手札へ、もう1枚をソウルに送る。《天命の騎士 アルトマイル》と《神明の騎士 アルトマイル》があったため、神明の騎士を手札に加え、天命の騎士をソウルに送る」

 

リヴァーロソウル:1→2→3

シオン手札:6→7枚(神明の騎士、アスカニウス他)

シオンダメージ:1

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

レンダメージ:1

レン手札:7枚

 

レン「スタンド&ドロー。ライドTHEヴァンガード。わが分身、ブラスター・ダーク」

 

レン手札:7→8→7枚

ダークパワー:9000→10000

 

シオン「……きましたね」

 

レン「このままアタックしましょう」

 

シオン「ノーガードです」

 

レン「ドライブチェック」

 

ガスト・ブラスター・ドラゴン(なし)

レン手札:7→8枚

 

シオン「!? あのカードは!」

 

シオンがドライブチェックで出たカードに驚愕するのを横目にレンは笑って手札に加えた。

 

シオン「ダメージチェック」

 

反攻の騎士 スレイマン(なし)

シオンダメージ:1→2

レンダメージ:1

レン手札:8枚(ガスト・ブラスター、エスラス他)

ダークソウル:2

〈 〉〈ダ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン「僕のターン。スタンド&ドロー。我が誇りは君の剣と共に! ライド、神明の騎士 アルトマイル」

 

シオン手札:7→8→7枚

 

シオン「《勝勢の騎士 アスカニウス》をコール。スキル発動。手札の神明の騎士を見せて、CB1で勇敢を持つカードスペリオルコール。《ぎゅーんみー》をコール。さらに《夢の運び手 ベレヌス》とリヴァーロをコール」

 

シオン手札:7→6→5→4枚(神明の騎士他)

シオンダメージ:2(裏1)

 

シオン「ベレヌスでブースト、リヴァーロでアタック」

 

リヴァーロ+ベレヌスパワー:14000

 

レン「ノーガード。ダメージチェック」

 

ブラスター・ジャベリン(なし)

レンダメージ:1→2

 

シオン「アルトマイルでアタック。ベレヌスのスキル。ソウルに送り、1枚ドロー。アルトマイルにパワー+5000」

 

アルトマイルパワー:11000→16000

アルトマイルソウル:4→5

シオン手札:4→5枚

 

レン「ノーガード」

 

笑って行われるノーガード宣言に、シオンは苛立ちを感じながらドライブチェックを開始する。

 

ダマスカスの支援術士(なし)

壮気の騎士 リルディス(☆)

シオン手札:5→7枚

 

シオン「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはアスカニウスに。クリティカルはヴァンガードに」

 

アスカニウスパワー:7000→12000

アルトマイル:☆2

 

レン「ダメージチェック」

 

ハウルオウル(引)

レンダメージ:2→3

 

レン「ゲット、ドロートリガー。パワーはブラスター・ダークへ。1枚ドロー」

 

ダークパワー:10000→15000

レン手札:8→9枚

真黒の賢者 カロン(なし)

レンダメージ:3→4

 

シオン「ぎゅーんみーとアスカニウスでアタック」

 

アスカニウス+ぎゅーんみーパワー:19000

 

レン「ブラスター・ジャベリンでガード」

 

ダーク+ジャベリンシールド:20000

レン手札:9→8枚

 

シオン「くっ。(ダメージ調節させれたか)ターンエンド」

 

レンダメージ:4

レン手札:8枚(ガスト・ブラスター、エスラス他)

シオンダメージ:2(裏1)

シオン手札:5枚(神明の騎士、支援術士、壮気の騎士他)

アルトマイルソウル:5

〈ア〉〈ア〉〈リ〉

〈ぎ〉〈 〉〈 〉

 

レン「僕のスタンド&ドロー。では、行きますよ。わが分身よ、新たなる力を身にまとえ。ライド、《ブラスター・ダーク “Diablo”》」

 

レン手札:8→9→8枚

 

シオン「そっちですか」

 

レン「本当は使いたいのですが、君相手にガスト・ブラスター使うのは舐めプになっちゃいますからね~。手札の《ガスト・ブラスター・ドラゴン》を捨てて、ストライドジェネレーション。《覇道黒竜 オーラガイザー・ダムド》」

 

レン手札:8→7枚

 

シオン「なっ!?」

 

予想もしていなかったカードの登場に、シオンは思わず絶句してしまう。

 

レン「コール。《真黒の賢者 カロン》、《血戦の騎士 ドリン》。ダムドのスキルをCB1とGゾーンの裏の《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》を表にし、3体リアを退却して発動。2体分となったカロンとトランペッターを退却させ、山札の上2枚を公開、G1以下が出れば、その数だけ相手のリアを退却させます」

 

レンが山札をめくると、《救恤の撃退者 アリル》(G0)と《闇夜の乙女 マーハ》(G2)が公開された。

 

レン手札:7→5→7枚

レンダメージ:4(裏0→1)

 

レン「では、ぎゅーんみーを退却させます」

 

シオン「くっ(超越コストを)」

 

レン「さらに、マーハ、カロン、《血戦の騎士 ドリン》をコール。ドリンは自信のスキルでパワー+2000」

 

レン手札:7→4枚

ドリンパワー:9000→11000

 

レン「カロンでブースト、マーハでアタック。スキル発動。ブーストされてアタックしたとき、CC1で山札からG1をコールします。《力戦の騎士 クローダス》をコール。クローダスも自信のスキルでパワー+2000」

 

マーハ+カロンパワー:16000

レンダメージ:4(裏1→2)

クローダスパワー:7000→9000

 

シオン「《壮気の騎士 リルディス》でガード」

 

アルトマイル+リルディスシールド:21000

シオン手札:5→4枚

 

レン「では、ダムドでアタック」

 

ダムドパワー:26000

 

シオン「ノーガード」

 

レン「トリプルドライブ」

 

ガスト・ブラスター・ドラゴン(なし)

闇夜の乙女 マーハ(なし)

デッドクラッシュ・ドラゴン(☆)

レン手札:4→7枚

 

レン「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはドリンに。クリティカルはヴァンガードに」

 

ドリンパワー:11000→16000

ダムド:☆2

 

シオン「ダメージチェック」

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

せぷとがる(なし)

シオンダメージ:2→4(裏1)

 

レン「クローダスでブーストしたドリンでアタック。それぞれのスキル発動。クローダスのスキルでドリンはパワー+2000。ドリンのスキルでCC1」

 

ドリンパワー:16000→18000

レンダメージ:4(裏2→1)

ドリン+クローダスパワー:27000

 

シオン「ガード。《さるーがる》、リルディス」

 

アルトマイル+さるーがる+リルディスシールド:31000

シオン手札:4→2枚(神明の騎士他)

シオンダメージ:4(裏1)

〈ア〉〈ア〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

レンダメージ:4(裏1)

レン手札:7枚(エスラス、マーハ他)

Diabloソウル:3

〈ド〉〈ダ〉〈マ〉

〈ク〉〈 〉〈カ〉

 

シオン「スタンド&ドロー。アルトマイルを捨てる。ストライドTHEジェネレーション。《勇壮の聖騎士 アルヴァクス》。超越スキル。勇敢持ちをSB1。勇敢持ちを山札からコール。《反攻の騎士 スレイマン》をコール」

 

シオン手札:2→3→2枚

アルヴァクスソウル:5→4

 

シオン「スレイマンとアスカニウスを入れ替える。《ダマスカスの支援術士》をコール。さらに、アルヴァクスのスキル。CB1で、Gゾーンのアルヴァクスを表にし、Gゾーンの勇敢持ちと同じ枚数だけ山札から勇敢持ちをコールする。ぎゅーんみーをコールして、パワー+2000」

 

シオン手札:2→1枚

シオンダメージ:4(裏1→2)

ぎゅーんみーパワー:7000→9000

 

シオン「そして、僕の手札が3枚以下になったため、勇敢が発動。スレイマンのパワー+3000。アルヴァクスの勇敢でCC1して、パワー+5000」

 

スレイマンパワー:9000→12000

アルヴァクスパワー:26000→31000

シオンダメージ:4(裏2→3)

〈ス〉〈ア〉〈リ〉

〈ア〉〈ダ〉〈ぎ〉

 

シオン「バトル。ぎゅーんみーでブーストしたリヴァーロでアタック」

 

リヴァーロ+ぎゅーんみーパワー:19000

 

レン「《デッドクラッシュ・ドラゴン》でガードしましょう」

 

Diablo+デッドクラッシュシールド:21000

レン手札:7→6枚

 

シオン「アスカニウスでブーストし、スレイマンでアタック。スキル発動。手札1枚を捨て、CB1。山札から勇敢持ちをコール。リヴァーロをコールし、パワー+2000」

 

シオン手札:1→0枚

シオンダメージ:5(裏3→4)

リヴァーロパワー:10000→12000

スレイマン+アスカニウスパワー:19000

 

レン「ふ~ん。ノーガード。ダメージチェック」

 

ハウルオウル(引)

レンダメージ:4→5(裏1)

 

レン「ゲット、ドロートリガー。パワーはブラスター・ダーク Diabloへ。1枚ドロー」

 

レン手札:6→7枚

Diabloパワー:11000→16000

 

シオン「ここでダメージトリガー!? アルヴァクスでアタック」

 

アルヴァクス+ダマスカスパワー:38000

 

レン「《竜刻守護者 エスラス》です。1枚捨てて、このアタックはヒットしません」

 

レン手札:7→5枚

 

シオン「トリプルドライブ!」

 

夢の運び手 ベレヌス(☆)

 

シオン「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てリヴァーロへ」

 

リヴァーロパワー:12000→17000/☆2

 

月牙の騎士 フェレックス(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

シオン手札:0→3枚

 

シオン「リヴァーロでヴァンガードにアタック!」

 

リヴァーロパワー:17000/☆2

 

レン「マーハでガード」

 

Diablo+マーハシールド:21000

レン手札:5→4枚

 

シオン「エンドフェイズにダマスカスの支援術士の勇敢。このユニットを退却させることでCC2と1枚ドロー」

 

レンダメージ:5(裏1)

レン手札:4枚

シオンダメージ:4(裏4→2)

シオン手札:3→4枚

アルトマイルソウル:4

〈ス〉〈ア〉〈リ〉

〈ア〉〈 〉〈ぎ〉

 

7ターンが終了したところで、クロノとトコハはそれぞれ決着が着く所だった。

 

クロノ「ギアネクストでアタック」

 

トコハ「ヴェルヘミーナでアタック。勝った!」

 

クロノ「お疲れ、トコハ」

 

トコハ「クロノ。勝った?」

 

クロノ「もち。後はシオンだな」

 

勝利した2人は、シオンのテーブルに向かい、ファイトを見守ることにした。

 

トコハ「今7ターン目が終了した所みたいね。ダメージだけならシオンが優勢か」

 

クロノ「でも相手はあの雀ヶ森支部長。どうなるか読めないぜ。頑張れシオン」

 

レン「おやおや、ギャラリーが来ましたね。そろそろ、決着をつける時が来たようです。スタンド&ドロー。ガスト・ブラスターを捨てて、Gゾーン解放。闇より出でし、運命を拓く剣をここに。ストライドジェネレーション。《暗黒竜 スペクトラル・ブラスター “Diablo”》」

 

レン手札:4→5→4枚

 

レン「そして、カースドアイ・レイヴンをコール。スペクトラル・ブラスターのスキル発動。SB1でカースドアイ・レイヴンを退却し、スキル獲得。さらに山札からブラスター・ジャベリンをコール」

 

レン手札:4→3枚

スペクトラルソウル:3→2

〈ド〉〈ス〉〈マ〉

〈ク〉〈ジ〉〈カ〉

 

レン「まずは、ドリンでアタック」

 

ドリンパワー:9000→11000→13000

クローダスパワー:7000→9000

レンダメージ:5(裏1→0)

ドリン+クローダスパワー:22000

 

シオン「ノーガード。ダメージチェック」

 

月牙の騎士 フェレックス(なし)

シオンダメージ:4→5(裏2)

 

レン「続いて、スペクトラル・ブラスターでアタック。ブーストはしません」

 

スペクトラルパワー:26000

 

シオン「Gガード! 《神聖竜 ディフェンドホールド・ドラゴン》。勇敢により、このカードは完全ガードとなります!」

 

シオン手札:4→3枚

 

レン「おや、残念。ドライブチェック」

 

竜刻守護者 エスラス(なし)

救恤の撃退者 アリル(治)

 

レン「ゲット、ヒールトリガー。パワーはマーハ。1枚回復」

 

マーハパワー:9000→14000

レンダメージ:5→4

デッドクラッシュ・ドラゴン(☆)

レン手札:3→6枚

 

レン「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはマーハへ。クリティカルはスペクトラル・ブラスターへ」

 

マーハパワー:14000→19000

スペクトラル:☆2

 

レン「アタック終了時、スペクトラル・ブラスターのスキル発動。CB2とドリンとクローダスを退却させることで自身をスタンド」

 

レンダメージ:4(裏0→2)

 

レン「カロンでブースト、マーハでアタック。スキル発動。山札からG1、《ダークハート・トランペッター》をコール。スキル発動。SB1でG1をコール。カロンをコールです」

 

マーハ+カロンパワー:26000

レンダメージ:4(裏2→3)

スペクトラルソウル:2→1

 

シオン「ベレヌス、せぷとがるでガード、スレイマンでインターセプト」

 

アルトマイル+ベレヌス+せぷとがる+スレイマンシールド:31000

シオン手札:3→1枚

 

レン「ブラスター・ジャベリンでブースト、スペクトラル・ブラスターでアタック」

 

スペクトラル+ジャベリンパワー:37000/☆2

 

シオン「《厳戒の騎士 レギウス》でガード。このユニットは、勇敢により、SC1し、手札が1枚以下なため、コスト無しで完全ガードできる」

 

シオン手札:1→0

アルトマイルソウル:4→5

 

クロノ「いいぞ。シオン」

 

トコハ「でもまだ安心できない」

 

レン「分かっていますね。ここでトリガーが出ればあなたの負けですよ」

 

シオンの手札はない。

インターセプトはできるが、防げる攻撃力は1万5千まで。

レンのフィールドには合計パワー1万4千の攻撃可能なユニットが残っている。

ここでトリガーが出れば、シオンは攻撃を防ぐことが出来ない。

 

シオン「分かっています。でも、チェックは1枚だけ。出ない確率は十分にありますよ」

 

レン「度胸がありますね~。そういうの好きですよ。では、ドライブチェック。おや」

 

ダークハート・トランペッター(なし)

レン手札:6→7枚

 

レン「ざ~んねん。ノートリガーです。ダークハート・トランペッターでブーストしたカロンでアタック」

 

カロン+トランペッターパワー:14000

 

シオン「インターセプト!」

 

アルトマイル+リヴァーロシールド:16000

 

レン「ターンエンド」

 

シオンダメージ:5(裏2)

シオン手札:0枚

アルトマイルソウル:5

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈ア〉〈 〉〈ぎ〉

 

レンダメージ:4(裏3)

レン手札:7枚(エスラス他)

Diabloソウル:1

〈カ〉〈ダ〉〈マ〉

〈ト〉〈ジ〉〈カ〉

 

シオン「僕のターン! ぎゅーんみーの勇敢。超越コストをこのユニットを退却するに変更! Gゾーン解放! 滅びぬ魂よ、その光をもって悪しき者を打ち倒せ! ストライドTHEジェネレーション! 《不滅の聖剣 フィデス》!!超越スキル。スレイマンをコール」

 

シオン手札:0→1

フィデスソウル:5→4

スレイマンパワー:9000→12000

〈 〉〈フ〉〈ス〉

〈ア〉〈 〉〈 〉

 

シオン「フィデスのスキル。CB1で、勇敢持ちのアタックはパワーに関係なくヒットできる」

 

シオンダメージ:5(裏2→3)

 

クロノ「これでレン支部長は、ガードするごとに手札を2枚以上消費することになる」

 

トコハ「ロイパラの連続攻撃との相性抜群の能力ね。しかもGB4の条件も満たしてる」

 

レン「う~ん。これは拙いですね」

 

シオン「スレイマンでアタック。スキルでリヴァーロをコール」

 

シオン手札:1→0

シオンダメージ:5(裏3→4)

リヴァーロパワー:10000→12000

 

レン「ここは賭けるしかないですね。ノーガード。ダメージチェック」

 

ダークサーガ・ペインター(なし)

レンダメージ:4→5(裏3)

 

シオン「よし! リヴァーロでアタック。勇敢で、《逆風の騎士 セリム》をコール。このカードは山札内でG2として扱う。勇敢」

 

シオンダメージ:5(裏4→5)

セリムパワー:7000→10000

リヴァーロ+アスカニウスパワー:19000

 

レン「ダークハート・トランペッターでガード。さらにマーハでインターセプト」

 

Diablo+トランペッター+マーハシールド:21000

レン手札:7→6枚

 

シオン「フィデスでアタック。勇敢! 山札から3体スペリオルコール!神明の騎士2体とフェレックスをコールだ!」

 

〈ア〉〈フ〉〈ア〉

〈フ〉〈 〉〈セ〉

アルトマイルパワー:11000→16000→18000/☆2

フィデスパワー:26000→28000

アルトマイルパワー:11000→16000→18000/☆2

フェレックスパワー:7000→8000

 

レン「エスラスで完全ガード」

 

レン手札:6→4枚

 

シオン「トリプルドライブ」

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

レメディ・エンジェル(治)

 

シオン「ゲット、ヒールトリガー。パワーは左のアルトマイルへ。1枚回復」

 

アルトマイルパワー:18000→23000/☆2

シオンダメージ5→4(裏5→4)

壮気の騎士 リルディス(☆)

シオン手札:0→3枚

 

シオン「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て右のアルトマイルへ」

 

アルトマイルパワー:18000/☆2→23000/☆3

 

レン「あ~らら」

 

クロノ「よっしゃぁ!」

 

トコハ「いけー! シオーン!」

 

シオン「右のアルトマイルでヴァンガードにアタック!」

 

アルトマイル+セリムパワー:33000/☆3

 

レン「Gガード、《暗黒竜 プロットメイカー・ドラゴン》。儀式でシールド+10000。さらに、《ダークサーガ・ペインター》でガード」

 

Diablo+ペインター+プロットメイカーシールド:41000

レン手札:4→2枚

 

シオン「左のアルトマイルでアタック!!」

 

アルトマイル+フェレックスパワー:31000/☆3

 

レン「う~ん。無理ですね。ノーガード。ダメージチェック。あらら」

 

ブラスター・ダーク “Diablo”(なし)

レンダメージ:5→6

シオンWIN

 

シオン「セ・フィニ」

 

トコハ「シオンが勝った!」

 

クロノ「さすがシオンだぜ!」

 

シオンはデッキを片付けて、息を整えてから、後ろにいる2人に向き合った。

 

シオン「2人とも。応援ありがとう。そっちはどうだった?」

 

クロトコ「「もちろん勝ったぜ(わよ)」」

 

息の合った恋人2人を見て、シオンは笑った。

そんなシオンにつられたのか、クロノもトコハも笑い、3人の笑い声が会場中に響いた。

 

レン「いや~。お疲れ様です。これでシオン君は3点ゲットですね」

 

拍手をしながら、レンが近づいてきた。

 

シオン「ありがとうございます。クロノとトコハも勝っているので、トライスリーはこれで計6点です」

 

レン「良い調子ですね。でも、まだ1戦目です。頑張ってください」

 

トライスリー「「「はい!」」」

 

その後、2回目のくじ引きが行われ、トライスリーの3人は、全員一般職員とのファイトとなったが、全員が勝利を収める良い結果となった。

ちなみに、2回目にレンに挑戦することになったのはヒロキだった。

 

レン「ライドTHEヴァンガード。最上級の恐怖により生まれし畏怖の具現体……その姿……《ガスト・ブラスター・ドラゴン》!!」

 

ヒロキ「おうおう。何かすげえの出てきたじゃねえか」

 

レン「ガスト・ブラスターでアタック。アタック時、パワー+2000。LB発動。CB1、ジャベリン、ドリン、クローダスの3体を退却させ、ソウルのブラスター1体につき、パワー+5000、クリティカル+1。ソウルには2体のブラスターがいるため、合計パワー+10000とクリティカル+2」

 

ガスト・ブラスターパワー:11000→13000→23000/☆3

 

ヒロキ「えっ!? でもまだダメージは2だ。ノーガード」

 

レン「いいんですか? ツインドライブ。クリティカルトリガーゲットです。これで4ダメージ受けてくださいね」

 

ヒロキ「えっ? えっ!?」

 

なお、続く第3試合でもヒロキとファイトし、圧倒的な実力で下したらしい。

 

テツ「これで全てのファイトが終了したな。では、優勝チームを発表しよう。優秀は、合計14点を獲得した。チームトライスリー!」

 

スポットライトが3人にあたり、同時に大きな拍手が巻き起こった。

 

ツネト「くっそぉ。負けたかー」

 

カル「まだ出場を逃したわけではありません。頑張りましょう」

 

ケイ「うん、うん」

 

なお、ツネトは3回連続でテツとファイトをするという運勢最悪の状況となってしまったので、しかたがないだろう。

 

ヒロキ「すまねえ。タイヨウ、サオリ。俺が2回連続で支部長と当たらなければ」

 

サオリ「しかたがないよ。運だから。それに僕も1回負けちゃったから、ね」

 

タイヨウは1人、項垂れるヒロキを慰めるサオリを無視してステージに上がったトライスリーの3人を見て笑っていた。

 

タイヨウ「……今回は負けましたけど、次は負けませんよ。クロノさん」

 

ステージに上がったトライスリーの3人は、支部長達に迎え入れられていた。

 

テツ「おめでとう。これで君たちは、本予選出場決定だ」

 

シオン「ありがとうございます」

 

レン「本当は全員とファイトしたかったのに~残念です。やっぱり僕たちも出場しましょうよ~」

 

テツ「レンわがままを言うな!」

 

これを見たキョウや一般職員は大声で笑い出した。

この光景にトライスリーは何とも言えない雰囲気になってしまった。

 

レン「しょうが無いので諦めます」

 

アサカ「来年は出場できるようにかけあいましょう。あなたたち、まだ本予選まで時間があるから、負けないようにしっかりと努力しなさいよ」

 

トコハ「はい。頑張ります」

 

テツ「今日この場で優勝を逃したチームも、まだチャンスはある。みな、それぞれの目標に向かって努力してほしい。健闘を祈る」

 

レン「では、今日はここまでですね。お疲れ様で~す」

 

そして、全員が解散し始めた。

ジャスティス・ヴィクトリーズ、トリドラも互いの健闘を讃え、激励を送り合ったのだった。

 

ツネト「クロノ! トライスリー! 本予選では覚悟しろよ!」

 

タイヨウ「首を洗って待っていてください!」

 

クロノ「そっちこそ、本予選前に敗退するなよ。じゃあな」

 

他のチームが帰ると、3人も帰宅し始めた。

 

トコハ「今日はうちで祝勝会よ。内容はもちろん鍋!」

 

クロノ・シオン((やっぱりか!))

 

シオン「壮行会は別の時かな。うちが用意しようか?」

 

クロノ「そのあたりも今日食べながら決めようぜ。まずは買い出しだ」

 

トコハ「シオンは今日のMVPなんだから、余計なことは考えない。行くわよ」

 

駆けだしたトコハを追いかけるようにクロノとシオンも走り出す。

その姿は、中学の頃となんら変わりなかった。

次は、日本本予選。

彼らの挑戦は、始まったばかりだ。

 

続く

 

シオン「ところでクロノ。トコハの鍋奉行は止められないの?」

 

クロノ「安心しろ、シオン。俺はもう、あ・き・ら・め・た」

 

シオン「おい、こら。彼氏」




次回予告

「あっ、シオン。その野菜もう食べられるよ」

「ねえ、トコハ。僕が主催の祝勝会なんだよね? なんで君が仕切るの?」

「鍋だから仕方が無い」

「鍋は生き物よ。クロノ、そっちの豆腐いけるよ」

「はいはい。シオン。食わねえと先が無くなるぞ」

「……壮行会はクロノのご飯が食べたいです」

次回、第6ターン:壮行会

「その前にどっか行くか」

「シオン考えてね」

「……なるべく安いの考えとくよ」


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第6ターン:壮行会

今回はファイトなしです。

いよいよ近づくVF世界大会日本本予選。
その健闘をたたえるために、トライスリーは壮行会を行おうとしていた。


VF世界大会本予選数日前。

 

シオン「やあ2人とも」

 

トコハ「やっほ~。来たよ~」

 

クロノ「で、今日はどこ行くんだ?」

 

シオン「それは着いてからのお楽しみってことで。じゃあ、行こうか」

 

トライスリーの3人は、岩倉の運転する車に乗り、シオンが決めた目的地に向かった。

辿り着いた先は――

 

クロノ「ここって……」

 

トコハ「……服屋?」

 

シオンは笑って頷いた。

 

シオン「トコハに似合いそうな服をプレゼントするよ」

 

そのまま3人は店に入り、中のラインナップを見て回った。

しばらくして、車を止めに行っていた岩倉が合流した。

 

クロノ「とりあえず、ここは綺場系列の店だな」

 

シオン「流石に分かるよね。ここなら融通効くから、何でも好きな物選んでよ」

 

トコハ「それは良いんだけど。なんで服?」

 

確かに、とクロノも頷いた。

 

シオン「実は……ね。気づいちゃたんだ」

 

クロトコ「「何を?」」

 

シオン「ノブレス・オブリージって知ってる?」

 

トコハ「確か、高貴なる者の義務。よね」

 

シオン「僕はね。それをしていないなって」

 

クロトコ「「えっ?」」

 

突然の告白にクロノもトコハも絶句してしまう。

 

クロノ「いやいやいや! お前、俺が告白する時に自家航空機貸してくれだじゃねえか!」

 

トコハ「それに今日だって送迎してくれたじゃない! 他にも、花火! そう! 花火上げてくれるじゃない! あれシオンじゃなきゃできないでしょ!」

 

トライスリーの約束の花火は、今年の夏にも上がったらしい。

 

シオン「うん。そうだね。でもどれも、綺場の財力。つまり、僕が受け継いできた物を使ってやってきたことなんだ。綺場シオンとして築いてきたものでは無い」

 

クロノ「いや、でも。十分だぜ」

 

シオン「そうもいかない。早尾先輩や羽島先輩ならともかく、君たち2人には、数え切れない恩があるんだ。少なくとも、1回は個人的に何かしないと、僕の気が済まない」

 

トコハ「ぐ、具体的に何がしたいの?」

 

クロノもトコハもシオンの勢いに押されてしまい、言葉が単調になっているのに気づいていない。

とりあえず、シオンが求めていることを聞き出すことから始めたらしい。

 

シオン「奢らせて欲しい。僕が稼いできたお金で」

 

クロトコ「「そ、そうきたか」」

 

真剣な表情のシオンに2人は呆れながら納得する。

 

クロノ「でもそれなら全然違う店のほうがいいんじゃねえか? この店の信頼はシオンじゃなくて綺場が得てきたものだろ」

 

シオン「いいや、違う。そういう服屋も確かに有るけど、この店はそのリストに入っていない。ここは僕が自分で入って、信頼足ると感じて契約した店。つまり、僕が自分で勝ち取った財産の一角だよ」

 

トコハ「それで、この店なのね」

 

クロノもトコハもシオンが店に立ち寄った理由を頭に過ぎらせた。

ある女性の笑顔を。

そんな2人の様子を察したのか、岩倉が近づいて、小さくつぶやいた。

 

岩倉「お察しの通り、このお店には、アム様へのプレゼントを買うために立ち寄ったのです。偶然でしたが、アム様にピッタリの物を選出して頂いたので、信頼しているのですよ」

 

岩倉の言葉に両者は「なるほど」とも「やっぱり」とも思い、補足してくれた岩倉に感謝した。

 

シオン「僕が奢るのなら、食べ物系じゃなくて、服が1番だと思ったからね。どれでも好きなものを選んでいいよ」

 

トコハ「分かったわ。今回は、シオンのお言葉に甘えましょう」

 

シオン「ありがとう。じゃあ、クロノ。さっそくトコハに似合いそうな服を選んできなよ」

 

クロノ「俺に服のセンスはないぞ。ちゃんとしたの選ぶなら、岩倉さんが1番だろ」

 

岩倉「おや、わたくしでよろしいのですか?」

 

トコハ「そうですね。お願いします。岩倉さん」

 

岩倉「承りました。トコハ様にピッタリなものをお選びいたしましょう」

 

トコハと岩倉は、店の奥へと入っていった。

トコハの服を選んだ後、クロノとシオンの分も選ぶことになるので、2人は店の中にある休憩スペースに入り浸ることにした。

適当に飲み物を買い、椅子に座ってくつろいで居た。

 

シオン「女性の服選びは時間がかかりそうだね」

 

クロノ「そうだな」

 

シオン「でも、良いのかい? 君は、本当はトコハと2人だけで過ごしたかったんじゃ」

 

クロノ「何言ってやがる。今日はトライスリーの壮行会だろ。お前抜いたら唯のデートじゃねえか」

 

シオン「それはそうだけど」

 

クロノ「俺たちはな、互いの友好関係を邪魔するつもりなんてないぞ。トコハがお前と2人だけで遊びに行ったって良いと思ってる。もちろんお前が無事にトコハを帰さなかったら、怒るし、最悪殴るけど」

 

笑顔で殴るとか言うクロノにシオンは苦笑してしまった。

 

シオン「(でもそれは、2人の間に確かなる絆。愛情があるからなんだよね)ホント、君たちは仲良いね。羨ましいよ」

 

クロノ「……シオン」

 

シオン「ん?」

 

クロノ「アムとは上手くいってるのか?」

 

シオン「え゛? なっ、なんで、そんなこと言うんだい?」

 

クロノ「(動揺したな、コイツ)会いたいのなら会えば良いじゃないか」

 

トコハに告白するためにフランスにまで飛んだ人間の言うことは説得力に満ちている。

 

クロノ「『親しい仲にも礼儀あり』って言うのは当然だと思う。俺たちが互いの友好関係を邪魔するつもりが無いようにな。けど、時には礼儀を無視して会いに行くのは有りだと思うぞ」

 

シオン「そうは言うけど、収録中とかに突撃するのはどうかと思うよ」

 

クロノ「じゃあ電話でもしろよ。声が聞けるだけでも心には余裕が出来るぞ。再会した時に我慢できるかは保障しないけどな」

 

シオン「遠距離恋愛中の人間のアドバイスは心にしみるよ」

 

若干呆れながら、シオンは笑って礼を言った。

釣られてクロノも笑い、飲み物が無くなるまでホッコリとした雰囲気が場を支配した。

 

トコハ「2人ともお待たせ~」

 

しばらくするとトコハが休憩所にやってきた。

 

シオン「お疲れ、トコハ。おや」

 

クロノ「///」

 

紙袋を持ち、新しい服を身に纏った姿に2人して感動してしまった。

 

トコハ「ふふふ。岩倉さんに選んで貰ったわ。2人とも、似合う?」

 

シオン「良く似合っているよ。ねっ、クロノ」

 

クロノ「あっ/// ああ/// と……とても……よく……似合う……ぞ///」

 

トコハ「ちょっ///! 顔赤くしたまま褒めないでよ! こっちまで恥ずかしくなるじゃない///!」

 

基本バカップルな2人の初々しい姿にシオンも岩倉も笑ってしまった。

笑われたのが余計に恥ずかしいのか、クロノもトコハもさらに顔を赤く染め上げた。

羞恥心で顔を隠したトコハが落ち着いてから、シオンとクロノの服を選ぶこととなった。

 

シオン「う~ん。これが良いかな?」

 

トコハ「私が青と緑が中心の服だから。シオンは白と黄色の組み合わせにするとして、これなんかどう?」

 

シオンの服はトコハと相談して決めることになった。

そのため、クロノのほうには岩倉がいた。

 

岩倉「クロノ様は、このような服がよろしいのでは? トコハ様とお並びになっても十分映えますよ」

 

クロノ「そうですか? じゃあ、着て見ますね。……そういえば、トコハの紙袋大きくないですか?」

 

元々来ていた服が入っているとしても、トコハが持っている袋は大きかった。

 

岩倉「別の服もご購入されたのですよ」

 

クロノ「なるほど」

 

納得したところで、岩倉がクロノの耳元でささやいた。

 

岩倉「わたくしは見ていないのですが、1着はクロノ様に直接お見せしたいものだそうです。2人っきりの時にしっかりとご覧になってあげてください」

 

言われたことを理解してクロノの顔は耳まで真っ赤になって、見繕ってもらった服を持って試着室に飛び込んだ。

そんなクロノを見て、岩倉は嬉しそうに笑っていた。

 

無事に3人の服を購入した後、3人は岩倉と共に新導家の最寄のスーパーで買い物をしていた。

昼食と夕食の買出しだ。

 

クロノ「今日は、どっちも俺が作るからな」

 

シオン「クロノの料理、久しぶりだよ。楽しみだね」

 

トコハ「でもシオン良いの? シオンならいつも高級レストランの予約取ってたりするじゃん」

 

2人は早尾アンリから高1のU-20の壮行会では、船上レストランで食事を取った話を聞いているのだ。

 

シオン「いや、それはVF世界大会で優勝した時にとっておくとこにしたんだ」

 

それに……とシオンは付け足した。

 

シオン「最近、そういう料理ばかり食べていてね。なんて言うのかな? 飽きてきたとか?」

 

クロトコ「「……」」

 

クロノもトコハも互いの顔を見て、アイコンタクトを交わした。

互いに言いたいことは分かっている。

 

クロノ「よし、昼は適当に外で食おう」

 

トコハ「そうね。ハンバーガーとか良さそうね」

 

シオン「えっ? クロノが作るんじゃあ?」

 

クロノ「夕食を全力で作ってやる。だから行くぞ」

 

岩倉「それなら、ご購入した物はわたくしがクロノ様のお宅までお運びいたしましょう。皆様のご洋服もご一緒に」

 

岩倉からの提案を2人は嬉しそうに承諾した。

そうして、買い物が終了した3人は、新導家の近くのハンバーガーショップで簡単に昼食をとった。

 

シオン「ジャンクフードなんて久しぶりに食べたよ」

 

クロトコ「「やっぱり」」

 

シオン「えっ? 2人とも、分かってたの?」

 

トコハ「シオンのセリフを聞いた時になんとなくね」

 

クロノ「お前たまにははめ外せ。例の部屋まだ解約してないんだろ?」

 

例の部屋とは、中2の時に1人暮らしをすることとなったシオンが借りていたアパートの1室のことだ。

一時期トライスリーはこの部屋をたまり場としていたのだ。

 

シオン「うん。最近は使ってないけど」

 

クロノ「高校の時と比べて忙しくなったのは分かるけど、1人になる時間を取った方が良いぜ。緊張しっぱなしだと、肝心な時に力入らなくなるぞ」

 

トコハ「バランスって大切よ。1人が嫌なら、愚痴を言い合える友達……具体的には、クロノとかと話す時間を増やすとかしなさいよ。貴方は1人じゃないんだから」

 

シオン「はい。気をつけます」

 

説教もここまでとなったのか、3人は続く本予選の対策を話し合いながら食事を取った。

笑い合う3人の姿は、やはり中学の時となんら変わりなかった。

そして、食事が終了した3人は、新導家に向かったのだった。

 

トコハ「岩倉さん。帰っちゃってたね。ちょっと残念」

 

新導家の鍵は閉まっており、指定していた場所に鍵が収められていた。

中に入ると、購入した食材は、きちんと冷蔵庫などにしまわれており、服はテーブルの上に置かれていた。

さすがに人様の家の物を勝手に整理することはしなかったらしい。

トコハは自分の服をしまいに部屋に向かい、クロノは適当にお茶を出してシオンを椅子に座らせた後、調理を開始した。

 

シオン「ホント、クロノは手際が良いよね」

 

デッキ調節をしながら片目でクロノの調理現場を見たシオンは呟いた。

聞こえるはずの音量で言ったのだが、クロノは反応せずに調理に集中していた。

時間がかからずトコハが出てきた。

 

トコハ「シオン、デッキ調整中? なら、私のも手伝って」

 

シオン「良いよ」

 

2人はそれぞれのデッキを広げ、互いの戦術を確認しあい、改良点を指摘しあった。

軽くファイトをしていると、クロノが台所を離れ、ソファに座った。

 

シオン「クロノ。料理はもういいの?」

 

クロノ「下ごしらえは終わったし、吸い物系は放置して良い段階だから休憩。ふう、疲れた」

 

トコハ「お疲れ様」

 

トコハが自然とクロノに飲み物を渡した。

特に驚きもせずに普通に受け取り、それを飲む姿がシオンには羨ましく見えた。

 

シオン(本当に、仲良いよね)

 

羨ましいので、飲み物を持ってソファに突撃したシオンを向かえ、トコハを挟んで3人でソファに座ってまったりとした時間を過ごしていると、ちょうど良い時間になったので、クロノが調理を再開した。

そうして待っていると、ご飯が炊けたので、トコハがつぎ、シオンもコップなどを用意し始めた。

完成して皿に載せられた料理をクロノが運んできたので、テーブルに並べ食事の準備は完了した。

 

クロノ「今日の献立は、トンカツだ。まあ、ある意味お約束だな」

 

トコハ「あれ? 何で味噌があるの?」

 

シオン「これは……八丁味噌だね。名古屋で有名な味噌だよ」

 

クロノ「前にミクルさんが出張のお土産でくれた。向こうの味噌カツは上手いらしい。折角だからやってみようぜ」

 

飲むゼリーが入っている系列の容器に入った味噌のふたを開け、カツにかけて食べてみる。

 

クロノ「おお!」

 

シオン「うん!」

 

トコハ「わあ!」

 

トライスリー『美味しい!』

 

想像以上の美味しさに3人は絶賛した。

 

クロノ「合うな! これ!」

 

トコハ「味噌甘い! カツ美味しい! ご飯も美味しい!」

 

シオン「味噌とカツの組み合わせがここまでマッチするなんて思わなかったよ。キャベツとの相性も良いし、さくさく食べれるね」

 

歓喜となった3人ともあっという間に食事を済ませてしまい、最後の1口を食べ終えた時、3人は満足気の顔となった。

少しだけ余韻に浸った後、クロノはお皿を洗面台に運び、片付け始めた。

その間に、お風呂が入ったことが伝えられたので、残りの片づけをシオンとトコハに任せ、クロノから順に入浴を開始した。

最後に入ったトコハが出てくると、そこにあった光景にトコハは驚いた。

 

クロノ「Zzzz」

 

シオン「さっきまでファイトしてたんだけど、終わったら寝ちゃったよ」

 

トコハ「そっか。掛け布団持ってくるね」

 

シオン「ベッドまで運ばなくて良いのかい?」

 

トコハ「机ならともかく、ソファだから。このまま寝かせてあげよ」

 

ソファの背もたれに体を預けながら寝ているクロノに布団を掛け、トコハはその隣に座って、頭を撫でた。

 

トコハ「お疲れ様。シオンのおかげだね。ありがとう」

 

シオン「え?」

 

急にお礼を言われたシオンは、思わず困惑してしまった。

 

トコハ「ライブお義父さんから聞いたんだけどね。クロノって、この家で1番最後に寝ようとするの。もちろん昼寝は例外だけど」

 

シオン「そうなのかい?」

 

トコハ「私も気になっていろいろ試してみたんだけど。クロノ、私が部屋に戻るまでリビングで勉強してて寝ようとしないの。先に寝ててって言ってもだよ」

 

シオン「それは……ちょっと心配だね」

 

トコハ「だから、こうして寝てるのは、シオンのおかげ。シオンを本当に信頼してるから安心して眠ることができるんだと思うの。ありがとう」

 

トコハのお礼を受け取ったシオンは、クロノがなかなか寝ない理由を考える。

 

シオン(……クロノは、幼い時に父親を失った。もしかして、怖いのかな。目の前で誰かを失う可能性を。……クロノが信頼できる人を派遣するかな)

 

トコハ「シオン? 眠いなら、クロノの部屋で寝る?」

 

シオン「え? あっ、ごめん。ちょっと考え事してたよ。でも、そうだね。お邪魔させてもらうよ。……変な臭いしないよね?」

 

トコハ「フ○ブリーズならここに!」

 

シオン「借りるよ」

 

シオンはクロノの部屋に向かい、ドアを開けた直後に1回フ○ブリーズをかけて戻ってきた。

 

トコハ「あれ? どうしたの?」

 

シオン「いや、トコハはどうするのかなって。……心配要らないみたいだけど」

 

トコハは寝ているクロノの膝を枕にしてソファで横になっていた。

掛け布団もかぶっているため、このまま眠るらしい。

 

トコハ「ソファだから大丈夫。それじゃあ、お休み」

 

シオン「うん。お休み」

 

シオンはリビングの電気を消して、改めてクロノの部屋に入った。

そこでシオンは携帯電話を取り出して、電話をかけた。

 

シオン「やあ、こんばんは。久しぶりだね。……うん。ちょっと声が聞きたくて」

 

誰と話しているかは分からないが、その顔はとても優しい笑顔になっていた。

 

シオン「……うん。そうなんだ。それじゃあ、お互い頑張ろう。……うん。会場で。……また、電話……かけて良いかな? ……うん。ありがとう。お休み」

 

会話を終えたシオンは、そのままベッドに入った。

 

シオン「……クロノのベッドか。トコハが帰ってきた時は、ここで2人は一緒に寝ているんだよね。……2人の幸せをこのベッドを通じてお裾分けしてもらおう。……ありがとう、2人とも。君たちが、僕に友で居てくれたことを感謝するように。僕も君たち感謝しているよ」

 

シオンは眠った。

その顔には、確かな喜びと決意に満ちた穏やかなものだった。

VF世界大会日本本予選が迫る夜。

トライスリーは、また1つ、絆を深めたのだった。

 

続く

 

シオン「おはよう」

 

トコハ「あっ」

 

シオン「あっ」




次回予告

「いや~。シオンのおかげで楽しかったな」

「そうね」

「シオンの悩みも解決したし、これで何事も無く大会を進めたいぜ」

「いろいろあったもんね。無駄に」

「もうすぐ、始まる。日本本予選。絶対勝ち抜いてやる」

「頑張りましょう」

次回、第7ターン:本予選開幕!

「ところで、シオンは何所いったんだ? 帰ったわけじゃないのに」

「聞かないであげて」

「?」


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第7ターン:本予選開幕!

ついに始まるVF世界大会日本本予選。
トライスリーに立ちふさがるのは、予想もしない強敵達だった。


MCミヤの口調間違っていたら、申し訳ありません。


U-20の会場にもなった、日本が誇るヴァンガードスタジアムで今日、VF世界大会日本本予選が開催した。

 

MC『VF世界大会。今年から始まった、文字通り世界一のヴァンガードファイターチームを決めるビッグイベントが今日ここに開催しにゃす!』

 

数々の大会のMCを勤めてきたミヤが今大会の開催を高らかに宣言した。

その様子をトライスリーの3人は、会場内のホールで真剣な表情で見ていた。

 

クロノ「U-20以来か。またここに来れるなんてな」

 

シオン「しかも、今度は同じチームで。あの時は、別々だったね」

 

トコハ「あの時は、2人とファイトするのが楽しみだった。でも、やっぱりこのチームで立てることがとても安心できて、嬉しいな」

 

クロノ「本当にな」

 

トコハが笑ったことにつられて、クロノもシオンも笑った。

 

ミヤ『今大会、注目すべきチームは数多く居ますが、最初に紹介するべきは、やはりこのチーム!』

 

ミヤの合図により、会場の電気が落とされた。

そして、正面スクリーンにかつての活躍が映し出される。

 

ミヤ『数多くの試練をくぐり抜け、初代ジェネレーションマスターに輝き、3年前のU-20では、それぞれが、それぞれのチームをベスト4以上にゃで導いた彼らが今! 再び戻って来た!』

 

そして、スポットライトが彼らを照らし出し、会場中が歓声に包まれた。

 

ミヤ『チームトライスリー! プロファイターとして活躍中の安城トコハ選手以外は、ここ最近ヴァンガード大会への出場がありにゃせんでしたが、再び、リーダー新導クロノを中心に改めてチームを組み、世界に挑戦しにきにゃした! 彼らがどれほど成長したのか注目が集にゃるぞ!』

 

ミヤのプレゼンにより、客席はまたしても大きな歓声をあげた。

これを聞いたクロノは少し照れくさそうだ。

 

ミヤ『注目すべきは、彼らだけではありにゃせん。今年のU-20優勝チームがこのVF世界大会に殴り込みだ! チームジャスティス・ヴィクトリーズ!』

 

次はタイヨウたちを照らし出す。

 

ミヤ『リーダー、明日川タイヨウは、かつて、チームストライダーズとして、新導クロノの右腕を務めていにゃしたが、翌年からは一転、打倒新導選手を目指してこのチームを結成! 残念ながら公式大会での対戦機会はこれにゃで1度もありにゃせんが、今回こそは対戦が期待されにゃす!』

 

クロノ「やっぱり出てきたな、タイヨウ」

 

トコハ「渕高君や守山君も強敵だもん。予選ぐらいは突破してくるわよね」

 

シオン「U-20の優勝チーム。当然ながら、要注意だね」

 

ミヤ『そして、かつてのストライダーズの最後のメンバー! 東海林カズマが新チーム、ニューオーガを率いて堂々参戦だ!』

 

スクリーンに、カズマとそのメンバー、ベルノと東雲が映し出される。

 

クロノ「カズマ!? それにあの2人は!」

 

トコハ「ベルノさん!? オーガってことは、鬼丸さんが当ての人!? それにもう1人は!」

 

2人は最後の1人との因縁がある人物、シオンの方に振り向いた。

 

シオン「……東雲……ショウマ……」

 

ミヤ『東海林カズマのチームメンバーは、兄、鬼丸カズミのチームメイト、ベルノ・ファーレンハートと元チームディマイズのメンバー、東雲ショウマだ! 5年前の全国大会以来の公式大会出場となる東雲ショウマですが、その実力がどれほど上がっているのか、注目が集まりにゃす!』

 

シオンは、ただジッとスクリーンを見つめるだけだった。

 

トコハ「シオン……」

 

クロノ「……大丈夫か?」

 

2人は、因縁の相手の出現に、シオンが何を感じているのか分からず、心配する。

だが、シオンは笑った。

 

シオン「大丈夫だよ。驚きはしたけど、彼とはもう決着が着いている。ただ、大会中に会って見るよ。何のために出場したのかを」

 

その真直ぐな瞳にクロノもトコハも安心して笑い、3人はスクリーンに向き合った。

 

シオン(来るなら来い。東雲ショウマ。僕は逃げも隠れもしない。4年と言う歳月が貴方にどのような影響を与えたのか、ファイトで見極めてあげます!)

 

ミヤ『VF世界大会にもやはりアイドルは必要だ! チームラミーラビンリスwithサーヤ! 今大会にも堂々参戦!』

 

人気アイドルである彼女たちの紹介は、これまで以上に会場を沸き立てた。

 

シオン「アム……」

 

クロノ「どうやら、知ってたみたいだな」

 

トコハ「この間、電話でもしたんじゃない? 次の日から機嫌よかったし」

 

シオン「まあね。彼女とのファイトもちゃんとしないといけないね」

 

そんなことを言ったシオンの顔は、これまで以上に嬉しそうだった。

そんなシオンを見たクロノとトコハの顔は、とてもニヤついていた。

 

ミヤ『U-20からの資格はまだまだいにゃす! チーム新ニッポン! 今年のU-20は惜しくも準優勝でしたが、敗退したジャスティス・ヴィクトリーズにリベンジなるか!』

 

クロノ「あいつらの目標は、世界だったもんな。そりゃ出るか」

 

3年前にお好み焼きを一緒に食べた時、彼らが語った夢のことを思い出していた。

 

トコハ「ライブお義父さんたちが叶えられなかった目標を、自分たちがやり遂げるって何時も言ってるもんね」

 

クロノ「ああ。マコトなんて、親父が帰ってきてからは、U-20前は必ずファイトしてもらってるからな。俺もたまにやるし」

 

シオン「でも今回はライバルだ。必ず勝とう」

 

3人は大きくうなずいた。

 

ミヤ『女性の顔は笑顔だけではありにゃせん! このチーム名は、その証か!? チームガールズラース!』

 

スクリーンに映し出された3人を見て、多くの人が驚愕の感情をあらわにした。

 

トコハ「クミちゃん!? なんで!?」

 

シオン「あれって……先導エミさん!?」

 

クロノ「ナギサ……さん」

 

カズマ「ちょっ、えっ? ……えっ?」

 

ミヤ『3年前はチームヘル&ヘブンとしてU-20に参加した先導エミと大文字ナギサが今度は、チームハイメフラワーズの岡崎クミを迎えて再挑戦! いったいどんなファイトを見せてくれるのか!』

 

観客席は可愛い女性の登場に大きく沸きあがった。

しかし、トライスリーの3人を始め、知り合いのものたちのテンションは低かった。

 

トコハ「クミちゃん。最近連絡が取れないときが多かったけど、こんなことやってたのね」

 

クロノ「ラースってなんだよ。ラースって。カムイさんやカズマなんかしたのか?」

 

シオン「ラースは間違いなく憤怒だろうけど。本当にどうしてこんなチーム名をつけたんだろうね」

 

トコハ「私、クミちゃんに問いただすね」

 

クロノ「おう、頑張れよ。こういう時、女は強いぞ」

 

シオン「経験談?」

 

苦笑するしかなかったシオンが聞いた言葉にクロノは肯いた。

彼が思い浮かべるは5回連続クリティカルだ。

 

ミヤ『そして、伝説のチームの復活は、トライスリーだけではありません。かつて、アジアサーキット優勝を果たした、このチームも復活だ! チームQ4!』

 

スクリーンには、アイチ、櫂、カムイが映し出された。

これにも大きな歓声が上がった。

 

ミヤ『メンバーの1人、戸倉ミサキは、今回は不参加と言うことで、他の3人が出場だ! 特に、櫂トシキはユーロリーグで、葛木カムイはアジアリーグでの活躍からか、今大会優勝候補筆頭に名が上げられているぞ!』

 

クロノ「カムイさん! 戻ってきてたんだ。それにアイチさんまで」

 

トコハ「櫂さんも参戦か。まあ、同じユーロリーグ所属の私が参加してるんだもん。櫂さんが出てても不思議じゃないよね」

 

2人が嬉しそうに話している中、シオンは、黙って彼らへの対処法を考えていた。

この内容は、開始直前に2人に伝えられることになる。

 

シオン(ところで、櫂さんの顔が若干青いのはなんでなんだろう? カムイさんが青いのは何時ものことだけど)

 

ミヤ『続いては、チームトリニティ・ドラゴン! トライスリーと互角に渡り合える実力を持ちながらも、組み合わせの悪さ故に、全国以上の大会は何時も逃してきた彼らがついにこの舞台に上がって来た!』

 

トコハ「多度君たち、勝ち抜けたんだ。良かった」

 

クロノ「あいつらは2号店の予選突破組みだぜ。俺が司会やってたから良く知ってる」

 

シオン「知ってるなら教えてくれればよかったのに」

 

トコハ「そうよ」

 

少し攻められた言葉にクロノは頬をかきながら苦笑した。

 

クロノ「あいつらに頼まれたんだよ。会場で驚かせてやるから黙ってろって。1号店で負けたって言ってたから、たぶんアイチさんたちに敗れたんだろうな」

 

シオン「戦歴は?」

 

クロノ「決勝で、チーム下克上って言う、石田さん、三和さん、小茂井さんのチームと戦って、三和さんにカルが負けて、それ以外が勝ったって感じだ」

 

クロノは嬉しそうに、その大会のことを思い出している。

 

シオン「石田さんは比較的強いほうだから、トリドラもやっぱり強敵だね」

 

トコハ「本人たちは何時もどおりだけどね」

 

スクリーンには、何時ものポーズを決めたトリドラが映っている。

紹介されてからずっとこのままなので、苦笑により会場の熱が少し冷めてしまった。

 

ミヤ『そして、今大会最重要のチームを紹介いたしにゃしょう! あの、伝説のチームが本当に復活しにゃした!』

 

スクリーンに大きく映し出された彼らは――

 

トライスリー『えっ!?』

 

ミヤ『かつて、日本を制し、世界に挑戦する機会を与えられたにも関わらず、突如として解散してしまった伝説のチーム。その名は……チーム! NIPPON!』

 

ライブ、シン、そしてマークの姿があった。

会場は、1度困惑したものの、すぐに彼らの正体に気づき、これまでで1番大きな歓声が上がった。

 

クロノ「お……親父!? シンさん!? マークさんまで!? なんで!? えっ!? えーっ!???」

 

トコハ「おおお、おち……おち……落ち着いて、クロノ!」

 

シオン「2人とも落ち着いて。まずは深呼吸だ」

 

シオンの言葉の通り、深呼吸をした2人は、改めて状況を確認した。

 

クロノ「親父……確かG5って言ってたのに。何で参加してるんだ?」

 

シオン「冷静に考えれば、参加までにグレードを上げたんだろうね。シンさんが急に仕事を休むって言っていたけど、合流するためだったんだ」

 

トコハ「私たちに話が来なかったのは、ミクルさんが口止めしてたからよね。やられたわ」

 

全員が溜め息をつくぐらい呆れたのは仕方が無いだろう。

 

クロノ「てか、マークさん。ニンジャマスターじゃないんだな。珍しい」

 

シオン・トコハ「「えっ? ニンジャマスターって何?」」

 

クロノ「マークさんはファイトする時は兜被ってニンジャマスターMを名乗るんだ。ちなみにぬばたま使いな」

 

へーっと2人はクロノの友好関係に感心した。

そして、もう1度、スクリーンを見る。

 

クロノ「日本を制しただけあって、親父たちは本当に強い。間違いなくこの大会、優勝への壁として立ち塞がるのは親父たちだ」

 

トコハ「お義父さん強いもんね。私あんまりファイトしたことないけど、すると結構負けるし」

 

シオン「それは強いね。でも、アイチさんや櫂さんも強敵だ。いや、ここに居る全員が僕たちの壁だ」

 

クロノ「なら、壊して進むだけだ。これまでとなんら変わりない」

 

トコハ「そうね。必ず優勝しましょう」

 

ミヤ『名前は挙げませんでしたが、彼ら以外のチームも、強豪がたくさんいにゃす! 優勝するのは、いったい、誰だ!!』

 

MCミヤのプレゼンにより、会場中が活気に満ち溢れた。

その空気のまま、再び照明が落ち、1つのスポットライトのみが残った。

それは中央ステージを示しており、ある人影を映し出した。

 

伊吹『ヴァンガード・ファイト世界大会の実行委員長を務める伊吹コウジだ。これより、VF世界大会日本本予選、ファーストステージを行う。諸君らに挑んでもらうのは、「クレイスクランブル」だ』

 

伊吹の合図に合わせ、スクリーンに複数の風景が映し出される。

それは、1度U-20で降り立ったものと同じ風景だった。

 

伊吹『諸君らには、この惑星クレイをモチーフにした会場で、ファイトを行ってもらう。諸君らのファイターズバングル。通称ファイバは、対戦相手と一定の距離に近づけば、自動的にファイト申請が入るようにしてある。ファイトを拒絶することはできないので注意するように』

 

参加者の多くが、受付で受け取り、自身の腕に取り付けたファイバを確認する。

少し操作を行うと、自分の状況が映し出される。

 

伊吹『ファイバには、自身とチームの現在のポイントが映し出される。時間は限定されるが、他のチームのポイントも映し出されるので、参考にするようにしろ。ポイントは、最初は全員5ポイントずつ渡されている。このポイントを賭けてファイトをしてもらう』

 

トコハ「3年前のU-20と同じルールね」

 

ここでスクリーンにデフォルトされた伊吹とヴァンガ朗君が映し出される。

 

伊吹『(何故これなんだ)ファイトに勝利すれば、勝利ポイント1ポイントと対戦相手のポイントの半分を得る。ファイトに敗北すれば、所有ポイントの半分を失い、ドロップゾーンに送られる。チーム全メンバーがドロップゾーンに送られれば、その時点で失格となる。逆にチームメンバー何れかが勝利すれば、ドロップに送られていたメンバーは全員復活できる。万が一、ポイントが0になった場合は、その場で失格。チームが勝ち上がらなければ復帰できない。チームで50ポイントを獲得すればファーストステージ突破だ。さて、ここまでは、3年前のU-20と同じルールだ』

 

伊吹が言葉を句切ったところで、スクリーンも切り替わる。

 

伊吹『今回は、諸君らに相性と言うものを設定している』

 

参加者全員が、伊吹が何を言っているのか分からないという反応をした。

 

伊吹『ランダムに対戦する相手との相性が良いか悪いかを設定してある。諸君らと対戦する相手と相性が良いのなら、勝利時に通常よりもポイントが多くもらえる。悪いのなら敗退時にポイントを多く失うことになる。それぞれの逆は通常と変わらない』

 

シオン「つまり、相性が良い相手に負けてもペナルティは通常通りだけど、相性が悪い相手に勝ってもボーナスは無いってわけか」

 

クロノ「結構複雑だな。勝ち続ければ良いだけだけど。あれ? トコハどうした?」

 

横を見てみると、トコハが何か考え込んでいた。

 

トコハ「これ、私とクロノの相性を見せてもらえないかしら」

 

考えていたことを知った2人は、完全に呆れの表情に変わった。

 

シオン「……悪かったら落ち込むと思うから、やらない方が良いよ」

 

クロノ「同感。シオン、頑張れ」

 

クロノがシオンの肩に手を置き、慰めた。

そう、シオンは恋人であるアムと戦うつもりなのだ。

機械がランダムに選んだとはいえ、恋人同士で相性最悪などと出れば、落ち込むのは必然だろう。

 

シオン「……せめて、相性普通と出て欲しいね」

 

伊吹『相性が良い相手を引き当てるのも、強さの1つだ。このステージでは、諸君らのあらゆる引き運を見せてもらう。ルール説明はここまでだ。諸君らの健闘を祈る。さあ、舞台に降り立て! ヴァンガードファイターたちよ!』

 

伊吹の合図に合わせ、ファイターたちは次々とクレイスクランブルの会場内へと送られた。

トライスリーはそれぞれを見て、ただ肯くだけ。

言葉にする必要は無い。

狙うはただ、優勝だけだ。

 

 

クロノ「ここは……前にカオスブレイカーと戦った場所か」

 

クロノが着いたのは、以前のクレイスクランブルで最後にファイトした場所である、滝のある自然豊かなところだった。

懐かしんで、周りを見渡していると、クロノのファイバが音を出し、ファイトが受理したことを示す、エクスクラメーションマークが映し出される。

 

クロノ「おっ、早速か」

 

クロノは相手を確認するために、周りを見渡す。

 

?「あっ! クロノさんだ!」

 

対戦相手は、すぐ傍に居たのだった。

 

続く




次回予告

「伊吹君お疲れ」

「ああ。毎度のことだが、この役目は疲れる」

「そうだね。ねえ、伊吹君。あの相性システムって僕たちも使えるの?」

「は? 登録すれば、使えるが?」

「ならよかった。伊吹君、登録してきてよ。そして相性が良い人を探して付き合ってみたら?」

「お前は何を言っている。安城マモル。あれはファイターとしての相性を見るためのシステムだぞ。恋愛相談用じゃ無い」

次回、第8ターン:リベンジ

「だいたい。お前の方が年上だろ!」

「いやいや、君は万年独身のような気がしてならないんだよ」

「よけいなお世話だ!」


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第8ターン:リベンジ

ついに始まったVF世界大会日本本予選ファーストステージ。
その舞台、クレイスクランブルで、クロノは最初の対戦相手とファイトを始めようとしていた。


今年最後の投稿です。
皆さん良いお年を!
来年もよろしくお願いします。


伊吹『いよいよ、ファイトが始まろうとしている。改めて今此処に、VF世界大会の開催を宣言する! スタンドアップ! THE!』

 

観客『ヴァンガード!!』

 

会場中が歓声で沸きあがる。

宣言後、VF世界大会日本本予選ファーストステージ、クレイスクランブルでは、続々と初戦のファイト申請が行われ、中にはファイトが始まった者も居た。

その中には、クロノの姿もあった。

その様子を、伊吹はステージ上で見ていた。

 

 

 

クロノ「おっ、早速か」

 

クロノのファイバが音を出し、ファイトが受理したことを示す、エクスクラメーションマークが映し出される。

クロノは相手を確認するために、周りを見渡す。

 

?「あっ! クロノさんだ!」

 

クロノ「お前は、ノア!」

 

傍に居たのは、星崎ノア。

チーム新ニッポンのメンバーだ。

彼のファイバにもクスクラメーションマークが映し出されている。

 

クロノ「ノアが相手か」

 

ノア「はい。よろしくお願いします」

 

ノアがお辞儀をしたのと合わせて、ファイトテーブルが展開される。

2人はそれぞれのデッキを取り出し、ファイトの準備を行った。

 

ノア「クロノさんとは、ちゃんとファイトしたいと思っていたんです。3年前に迷惑をかけてしまいましたし。ここ数年は、公式大会でファイトできませんでしたから」

 

クロノ「そういや、お前と大会でファイトするのは、これが本当の意味で初めてなのか。良いファイトしようぜ」

 

ノア「はい!」

 

ノアは笑顔で応えた。

すでに準備は終わっている。

 

クロノ「(前に此処でファイトしたのは、ノアに乗り移ったカオスブレイカーだった。あの時は、なんとか勝てたけど、次に奴とファイトした時は勝てなかった。そして、今のノアの実力は、奴よりも高い。でも勝つさ。俺たちの目標のために!)行くぞ!」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

同じころ、シオンやトコハもファイトを始めるのだった。

 

ノア「《錯綜の星輝兵 カーボン》」

 

クロノ「《クロノ・ドラン・Z》」

 

ミヤ『さあ! いよいよVF世界大会日本本予選ファーストステージが始まりにゃした! 今回もそれぞれ違うゲストを呼んで、解説をお願いしにゃす!』

 

カズミ『本日の解説を務めさせていただきます。鬼丸カズミです』

 

ミヤ『すでに会場では、多くのファイトが始まっているぞ! 注目すべきものとして、チームトライスリーの新導クロノとチーム新ニッポンの星崎ノアが対決中だ!』

 

ノア「ライド、《混迷の星輝兵 ジンク》」

 

ノア手札:5→6→5枚

ジンクソウル:0

〈 〉〈ジ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈カ〉

 

ミヤ『3年前のU-20では、ファーストステージ最終ファイトとなりにゃした2人が、今度は初戦で当たることとなりにゃした!』

 

カズミ『(2人は確かに対戦している。でもそれは、ノア君に憑依したカオスブレイカーだった。あの一連の事件を通して成長した2人のファイトか……)とても楽しみですね。どちらが勝つのか、予想ができません』

 

クロノ「ライド《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》。先駆で移動。アタック」

 

クロノ手札:5→6→5枚

メリーブロック+ドランパワー:12000

 

ノア「ノーガード」

 

クロノ「ドライブチェック」

 

刻獣 ボンバード・ホッグ(☆)

クロノ手札:5→6枚

 

クロノ「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードに」

 

メリーブロック+ドランパワー:12000→17000/☆2

 

ノア「ダメージチェック」

 

星輝兵 グロビュラディア(なし)

星輝兵 クォーク・シュービル(引)

ノアダメージ:0→2

 

ノア「ゲット、ドロートリガー。1枚ドローです」

 

ノア手札:5→6枚

ノアダメージ:2

クロノ手札:6枚

メリーブロックソウル:0

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

ミヤ『新導クロノ。最初からダメージ2を与え、順調な滑り出しを決めました!』

 

カズミ『しかし、ノア君もドロートリガーを引いています。まだまだ勝負はこれからです』

 

ノア「僕のターン。スタンド&ドロー。ライド、《星輝兵 メビウスブレス・ドラゴン》。このままアタック」

 

ノア手札:6→7→6枚

メビウスブレスパワー:9000

 

クロノ「その攻撃を通す訳にはいかない。《刻獣 ボンバード・ホッグ》でガード」

 

メリーブロック+ボンバードシールド:17000

クロノ手札:6→5枚

 

ノア「ドライブチェック」

 

星輝兵 ミューレプトン(なし)

ノア手札:6→7枚

 

ミヤ『新導クロノ、ガード成功! しかし、これにはどんな意味があったのでしょう?』

 

カズミ『メビウスブレスには、ヒットした時に相手のリアガードを呪縛できるスキルがあります。新導君は、これでクロノ・ドランを呪縛されることを嫌ったのですよ』

 

ミヤ『なるほど。次のターン以降を想定した行動と言うわけですか。序盤から、高度な展開が行われていにゃす!』

 

クロノ手札:5枚

クロノダメージ:0

ノアダメージ:2

ノア手札:7枚

メビウスブレスソウル:1

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈カ〉

 

クロノ「俺のターン。スタンド&ドロー。ライド、《刻獣 メタルパーティ・ドラゴン》。ドランのスキル。こいつをバインドして、山札の上5枚を確認、G1かG3のカードを手札に加える。《スチームテイマー アルカ》を手札に」

 

クロノ手札:5→6→5→6枚

クロノバインド:0→1

 

クロノ「(次のターン。ノアはカオスブレイカーにライドするのは間違いない。超越されるならともかく、そうじゃないから手札を呪縛させることはできない。なら)このままアタック」

 

メタルパーティパワー:10000

 

ミヤ『新導クロノ、バインドにカードを溜めつつ、手札を補充! さらには、呪縛対策で手札を温存する作戦か!』

 

ノア「(クロノさん強い)ノーガード」

 

クロノ「ドライブチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

クロノ手札:6→7枚

 

ノア「ダメージチェック」

 

星輝兵 マグネター・ヘッジホッグ(☆)

ノアダメージ:2→3

 

クロノ「(ダメージを受けた? 嫌な予感がするぜ)ターンエンド」

 

ノア手札:7枚

ノアダメージ:3

クロノダメージ:0

クロノ手札:7枚

メタルパーティソウル:1

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ミヤ『ここまでは、ダメージは3対0。新導選手が大きくリードしていにゃす』

 

カズミ『しかし、次はノア君がG3を出します。ここから大きくファイトが動くでしょう』

 

ノア「スタンド&ドロー。ライド、《星輝兵 カオスブレイカー・クライシス》。さあ、行こう。道化師として、最後まで笑ってファイトするんだ!」

 

ノア手札:7→8→7枚

 

本来なら、ライド時にスキルが発動するのだが、クロノの場には1枚もカードが無いため条件を満たせず発動できなかった。

そこでノアは、手札から1枚を手に取った。

 

ノア「コール、《星輝兵 グロビュラディア》。スキル発動。CB1で、クロノさんは自分のドロップゾーンのカードを呪縛状態でリアに置いてください。その後、このユニットのパワーは+3000です」

 

ノア手札:7→6枚

ノアダメージ:3(裏0→1)

 

クロノ「くっ。ボンバードを選択だ」

 

グロビュラディアパワー:9000→12000

●(呪縛中)左後:ボンバード

 

ミヤ『なんとここで! 星崎ノア、掟破りのドロップからの呪縛! 新導クロノ、先のターンの努力が水の泡だ!』

 

カズミ『それだけではありません』

 

ノア「さらに、《星輝兵 ミューレプトン》をコール。CB2でスキル発動。クロノさん。呪縛状態で、左前列、ボンバードの前に手札1枚を置いてください」

 

ノア手札:6→5枚

ノアダメージ:3(裏1→3)

 

クロノ「うぐっ」

 

クロノ手札:7→6枚

●左前:不明、左後:ボンバード

 

カズミ『これで新導君の左列は全て呪縛されました。次のターン。彼の攻撃回数が1回減ってしまいましたね』

 

ミヤ『これは拙い! 新導クロノ、得意の連続攻撃を、封じられたぞ!』

 

ノア「そして、カーボンのスキル発動。自身をソウルに送り、相手のフィールドに呪縛カードがあるのなら、山札からG1以下のカードをコールします。僕は、ジンクをコール。スキル発動。このユニットもソウルに送って、CC2とSC2です」

 

カオスブレイカーソウル:2→3→4→6

ノアダメージ:3(裏3→1)

 

カズミ『ノア君は、ここでコストの補充を選択しましたね』

 

ミヤ『他にも、何か選択肢が有ったのでしょうか?』

 

カズミ『はい。サテライト・ミラージュをコールして、手札交換と、パワー稼ぎができました。ここでコスト補充は有りですが、代償として、ミューレプトンは単体ではアタックできなくなってしまいました』

 

ミヤ『あのユニットが攻撃できるかは、トリガー次第というわけですか』

 

ノア「さらに、《星輝兵 メトンアクス・ドラゴン》をコール。行きます! カオスブレイカー・クライシスでヴァンガードにアタック」

 

ノア手札:5→4枚

カオスブレイカーパワー:11000

 

クロノ「ノーガード」

 

ノア「ツインドライブ」

 

星輝兵 ペンローズゲート(なし)

星輝兵 マゼラニックストリーム(治)

ノア手札:4→6枚

 

クロノ「くっ!」

 

ミヤ『ここでヒールトリガーだ!』

 

ノア「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはミューレプトンへ」

 

ミューレプトンパワー:9000→14000

ノアダメージ:3→2(裏1→0)

 

クロノ「ダメージチェック」

 

クロノスピン・サーペント(なし)

クロノダメージ:0→1

 

ノア「メトンアクスでブースト、ミューレプトンでアタック」

 

ミューレプトン+メトンアクスパワー:21000

 

クロノ「ノーガードだ。ダメージチェック」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノダメージ:1→2

 

ミヤ『新導クロノ。ここは2回連続でノーガードだ!』

 

カズミ『ノア君のダメージが2なので、次のターンのヒール狙いなら、ここでダメージを揃えるのは良い判断です』

 

ノア「グロビュラディアでアタック」

 

グロビュラディアパワー:12000

 

クロノ「メリーブロック・ドラゴンでガード!」

 

メタルパーティ+メリーブロックシールド:15000

クロノ手札:6→5枚

 

ミヤ『新導クロノ、ここでガード! ダメージを抑えます!』

 

カズミ『あのカードは、ドロップに送る意味のあるカードです。先のドライブで手札に加えたカードと合わせ、次のターンの攻撃が楽しみですね』

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:5枚

メタルパーティソウル:1

〈●〉〈メ〉〈 〉

〈●〉〈 〉〈 〉

●(呪縛中)左前:不明、左後:ボンバード

 

ノアダメージ:2

ノア手札:6枚

カオスブレイカーソウル:6

〈ミ〉〈ク〉〈グ〉

〈メ〉〈 〉〈 〉

 

ノア「(簡単に勝たせてはくれないか)やっぱり、クロノさんは強いですね」

 

ノアは純粋な笑顔でそう言った。

そんなノアに、クロノも笑って返す。

 

クロノ「お前だって、強くなったじゃねえか。ここで1列呪縛されるのは想定外だったぜ。次は俺のターンだ。スタンド&ドロー。掴みたい未来のために、魂を震わせろ! ライド、《クロノジェット・ドラゴン・Z》! コストとしてメリーブロックをバインド。ストライドジェネレーション! 《超刻獣 スプリット・ペガサス》!」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノバインド:1→2

 

中継されていた会場中が沸き上がる。

 

ミヤ『新導クロノ。ここで分身、クロノジェット・ドラゴン・Zにライド! さらにスキルで手札を減らさずに、超越したぞ!』

 

カズミ『クロノジェットZのスキルで、超越コストをドロップの十二支刻獣のG3をバインドするに変更できます。ドロップには、前のターン、ガードに使用したメリーブロックが居ましたから、そのスキルでグレードを変化しているので、問題なく発動できますね』

 

クロノ「さらに、クロノジェットの超越スキル。SB1して、メトンアクスを山札の下へ送り、そのユニットより、グレードが1つ高いカードを山札からコール。メタルパーティをコールだ」

 

スプリットソウル:2→1

 

クロノ「さらに、スプリット・ペガサスのスキル。Gゾーンの裏のスプリット・ペガサスを表にして、CB1。メタルパーティを山札に戻し、このユニットよりグレードが1つ低いカードを2枚コール。《刻獣 トランジット・ドラゴン》を2枚コールだ。さらに、《ドキドキ・ワーカー》をコール」

 

クロノダメージ:2(裏0→1)

クロノ手札:5→4枚

 

ミヤ『新導クロノ、スキルを駆使して、ユニットを並べました!』

 

カズミ『あのユニットたちは全てソウルに入るスキルがあります。手札を整え、呪縛対象を減らす作戦ですね』

 

クロノ「さらに、Gゾーンのスプリット・ペガサスのスキル。前列の十二支刻獣にパワー+1000」

 

スプリットパワー:26000→27000

〈●〉〈ス〉〈ド〉

〈●〉〈ト〉〈ト〉

●左前:不明、左後:ボンバード

 

クロノ「トランジットでブースト、ドキドキ・ワーカーでアタック」

 

ドキドキ+トランジットパワー:11000

 

ノア「ミューレプトンでインターセプト」

 

カオスブレイカー+ミューレプトンシールド:16000

 

クロノ「トランジットのスキル。G4のクロノジェットが居るので、ブーストしたアタック終了時にこのユニットをソウルに送り、1枚ドロー」

 

スプリットソウル:1→2

クロノ手札:4→5枚

 

クロノ「スプリット・ペガサスでヴァンガードにアタック。ドキドキ・ワーカーのスキル発動。ソウルに送り、1枚ドロー。スプリット・ペガサスのパワー+5000」

 

スプリットパワー:27000→32000

スプリットソウル:2→3

クロノ手札:5→6枚

スプリット+トランジットパワー:39000

 

ノア「ノーガード」

 

クロノ「トリプルドライブ。ファーストチェック」

 

クロノメディカル・ハムスター(治)

 

ミヤ『新導クロノ! ヒールトリガーをゲットだ!』

 

クロノ「ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはヴァンガードに。セカンドチェック」

 

スプリット+トランジットパワー:39000→44000

クロノダメージ:2→1(裏1→0)

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

 

クロノ「サードチェック」

 

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノ手札:6→9枚

 

クロノ「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードに」

 

スプリット+トランジットパワー:44000→49000/☆2

 

ノア「くぅ、またクリティカルなんて!」

 

カズミ『新導君は今回引きが良いですね。これで3回トリガーを引いています』

 

ミヤ『しかし! まだダメージチェックが残っているぞ!』

 

星輝兵 メビウスブレス・ドラゴン(なし)

星輝兵 カオスブレイカー・クライシス(なし)

ノアダメージ:2→4

 

ノア「これでダメージ4。またリードされた」

 

クロノ「トランジットのスキル」

 

スプリットソウル:3→4

クロノ手札:9→10枚

 

クロノ「これで俺のターンは終了だ」

 

カズミ『ですが、ここで解呪が行われます』

 

ミヤ『前列のユニットは、いったい何だ!?』

 

解呪、左前:クロノジェット・ドラゴン・G、左後:ボンバード

 

ノア「!?(クロノジェットG!? くっ、こいつを退却させるわけにはいかない)カオスブレイカーのスキル。解呪したボンバードを退却。1枚ドロー」

 

ノア手札:6→7枚

 

カズミ『この判断は正しいです。前列にユニットを残したため、次のターンの呪縛対象にできますし。G3がドロップに送られていないので、超越コストにもできない。次のターンがノア君の腕の見せ所です』

 

ミヤ『新導クロノのダメージは1なので、決着が着くにはまだ早いと思いますが?』

 

カズミ『次のターンの彼の行動次第では、もう彼のターンが回ってこない可能性があります。そうならないようにできるか、と言うことです』

 

ノアダメージ:4

ノア手札:7枚

カオスブレイカーソウル:6

〈 〉〈ク〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:10枚

クロノジェットソウル:4

〈G〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ノア「スタンド&ドロー。《星輝兵 ペンローズゲート》をG3としてドロップに送る。ストライドジェネレーション! 《滅星輝兵 カオスユニバース・アルサーニ》! 超越スキルは使いません!」

 

ノア手札:7→8→7枚

ミヤ『これは、アルサーニのスキルを優先したか!』

 

カズミ『アルサーニも呪縛できますからね。新導君のリアは1枚。アルサーニの2つ目のスキルを考えるのなら、カオスブレイカーのスキルは、コストの払い損となってしまうからでしょうね』

 

ノア「アルサーニのスキル。登場時、SB1で、クロノさんは自分のリアを2枚まで呪縛してください」

 

クロノ「……クロノジェットGを呪縛」

 

アルサーニソウル:6→5

●左前:クロノジェットG

 

ノア「2枚呪縛できなかったため、僕は2枚ドロー。そしてアルサーニとグロビュラディアにパワー+2000」

 

ノア手札:7→9枚

アルサーニパワー:26000→28000

グロビュラディアパワー:9000→11000

 

ノア「さらに、ペンローズゲートのスキル。超越コストとして、このカードを捨てた時、SB1して、山札の上7枚を確認。その中のカオスカード1枚を手札に加えます。《星輝兵 カオスブレイカー・クローズ》を手札に。残りはシャッフル」

 

アルサーニソウル:5→4

ノア手札:9→10枚

 

クロノ「クローズまで……」

 

カズミ『これでノア君は、次のターンの超越コストを手に入れました。手札も多い。まだまだ動けますね』

 

ノア「もう1度、グロビュラディアをコール。ボンバードを右前列に呪縛してください。その後、このユニットのパワー+6000」

 

ノア手札:10→9枚

ノアダメージ:4(裏0→1)

●左前:クロノジェットG、左後:ボンバード

グロビュラディアパワー:9000→15000

 

ミヤ『星崎ノア!新導クロノの前列を全て呪縛したぞ!』

 

カズミ『グロビュラディアには、相手の呪縛カードが2枚以上なら、パワーをさらに+3000するスキルがあります。状況は先ほどよりも悪いと言えるでしょう』

 

ノア「さらに、《星輝兵 サテライト・ミラージュ》をコール。手札のクローズを捨てて、1枚ドロー。捨てられたクローズのスキル。SB1して、クロノさんは手札1枚を呪縛状態でリアに置いてください」

 

クロノ「またかよ……」

 

ノア手札:9→8→7→8枚

アルサーニソウル:4→3

クロノ手札:10→9枚

●左前:クロノジェットG、右前:ボンバード、右後:不明

〈グ〉〈ア〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

ミヤ『星崎ノア、サテライト・ミラージュとのコンボで、新導クロノの盤面と手札を削っていきにゃす!』

 

カズミ『既に前列が封じられている以上、新導君は次のターン、ヴァンガードでしか攻撃できません。これがどう影響をもたらすのかが勝負の分かれ目でしょう』

 

ノアは他の手札を暫く見ていたが、決意したように目を離した。

 

ノア「アルサーニでヴァンガードにアタック」

 

クロノ「ノーガード」

 

ノア「トリプルドライブ」

 

鉄壁の星輝兵 トリウム(なし)

星輝兵 カオスブレイカー・クローズ(なし)

星輝兵 パラダイムシフト・ドラゴン(☆)

ノア手札:8→11枚

 

ノア「ゲット、クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガードに。パワーは右のグロビュラディアに」

 

グロビュラディアパワー:11000→16000

アルサーニパワー:28000/☆2

 

ミヤ『ここでクリティカル! 一気にダメージを詰めます!』

 

クロノ「ダメージチェック」

 

刻獣 リボルバー・ドラコキッド(なし)

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

クロノダメージ:1→3

 

ノア「左のグロビュラディアでヴァンガードにアタック」

 

グロビュラディアパワー:15000

 

クロノ「《刻獣 ヒュプノシス・シープ》でガード」

 

クロノジェットZ+シープシールド:21000

クロノ手札:9→8枚

 

ノア「右のグロビュラディアでアタック」

 

グロビュラディア+ミラージュパワー:23000

 

クロノ「《スチームテイマー アルカ》で完全ガード」

 

クロノ手札:8→6枚

 

ノア「えっ? ここで完全ガード?」

 

ミヤ『なんとなんと! 新導クロノ、Gガードではなく、完全ガードを使用。これには、どんな意味が含まれているのでしょうか?』

 

カズミ『次のターンに注目ですね』

 

ノアダメージ:4(裏1)

ノア手札:11枚

カオスブレイカーソウル:3

〈グ〉〈ク〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:6枚

クロノジェットソウル:4

〈●〉〈Z〉〈●〉

〈 〉〈 〉〈●〉

●左前:クロノジェットG、右前:ボンバード、右後:不明

 

クロノ「(ここでダブルトリガーだったら、危なかったかもな)行くぜ。スタンド&ドロー。クロノジェットのスキル。ドロップゾーンのクロノジェットZをバインド。ストライドジェネレーション。《クロノドラゴン・ギアネクスト》!」

 

クロノ手札:6→7枚

クロノバインド:2→3

 

ノア「ええっ!? 何時の間にZをドロップに……あ!」

 

ミヤ『これは、いったい?』

 

カズミ『先ほどの完全ガードで、捨てていたのですよ』

 

ミヤ『なるほど! 完全ガードはこのための布石だった! しかも、新導クロノが選択したのは、連続攻撃が可能なギアネクスト! これで勝負を決めるつもりか!?』

 

クロノ「超越スキル。右のグロビュラディアを山札の下へ。山札でもG3として扱うメリーブロックをコール」

 

ギアネクストソウル:4→3

ギアネクストパワー:26000→28000

 

クロノ「さらに、ドロップのアルカと十二支刻獣のトリガー、ヒュプノシス・シープをバインドして、もう1枚のアルカを手札に」

 

クロノバインド:3→5

クロノ手札:7→8枚

 

カズミ『なるほど』

 

ミヤ『何がですか?』

 

カズミ『先ほど新導君が完全ガードを切った理由ですよ。すでにドロップには、ヒールで落としたアルカが居たので、切っても問題なかったのですよ(そして、バインドを増やすことも目的の1つだろうね)』

 

クロノ「ドキドキ・ワーカーをコール。そして、SB1を払って、ギアネクストは、スキル獲得」

 

クロノ手札:8→7枚

ギアネクストソウル:3→2

 

クロノ「いくぞ、ノア! メリーブロックでブースト、ギアネクストでアタック! ドキドキ・ワーカーのスキル。さらに、メリーブロックのスキルで、自信以外の十二支刻獣1枚につき、このユニットのパワー+2000」

 

ギアネクストソウル:2→3

クロノ手札:7→8枚

ギアネクストパワー:28000→33000

メリーブロックパワー:7000→9000

ギアネクスト+メリーブロックパワー:42000

 

ミヤ『なんというパワーだ!』

 

ノア「《鉄壁の星輝兵 トリウム》で完全ガード。スキルで1枚ドロー」

 

ノア手札:11→9→10枚

 

クロノ「トリプルドライブ」

 

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

刻獣 オビュラシー・オックス(なし)

刻獣 ヒュプノシス・シープ(醒)

クロノ手札:8→11枚

 

クロノ「ゲット、スタンドトリガー。スタンド対象は居ないが、パワーはギアネクストへ」

 

ギアネクストパワー:33000→38000

ギアネクスト+メリーブロックパワー:47000

 

ミヤ『ガード成功! しかし、まだ攻撃は終わっていないぞ!』

 

クロノ「ギアネクストのスキル。アタック終了時に、手札とリアから十二支刻獣を3枚選び、山札の下に送ることで、このユニットをスタンド! リアのメリーブロック、手札の《刻獣 オビュラシー・オックス》とヒュプノシス・シープを選択。ギアネクストをスタンド。ドライブ-2」

 

クロノ手札:11→9枚

 

クロノ「もう1度、ギアネクストでアタック。GB4発動。2回目のアタック時、パワー+10000。ドライブ+1」

 

ギアネクストパワー:38000→48000

 

ノア「Gガード! 《創世獣 デスティニー・ガーディアン》。クロノさんの右列の呪縛カードを全て解呪。シールド+10000」

 

ノア手札:10→9枚

解呪、右前:ボンバード・G、右後:トランジット

カオスブレイカー+デスティニーシールド:36000

 

ノア「トランジット!? カオスブレイカーのスキル。ボンバードを退却させ、1枚ドロー。さらに、《星輝兵 パラダイムシフト・ドラゴン》、《星輝兵 マグネター・ヘッジホッグ》でガード。グロビュラディアでインターセプト」

 

カオスブレイカー+デスティニー+パラダイムシフト+ヘッジホッグ+グロビュラディアシールド:61000

ノア手札:9→10→8枚

 

クロノ「ツインドライブ」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

クロノ手札:9→11枚

 

ミヤ『星崎ノア! 新導クロノの連続攻撃を、大量の手札で防ぎきりました!』

 

カズミ『ですが、新導君も大量の手札を抱えています。次のターン、ノア君が決めきれることができるのかが、勝負です』

 

ノアダメージ:4(裏1)

ノア手札:8枚

カオスブレイカーソウル:3

〈 〉〈ク〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:11枚

クロノジェットソウル:3

クロノバインド:5

〈G〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ト〉

解呪、左前:クロノジェットG

 

ノア「スタンド&ドロー。ストライドジェネレーション! 《滅星輝兵 カオスブレイカー・デリュージ》! 超越スキル。CC1でクロノさん、リアを1体呪縛してください」

 

クロノ「トランジットを呪縛だ」

 

ノア手札:8→9→8枚

ノアダメージ:4(裏1→2)

●右後:トランジット

 

ミヤ『星崎ノアは、ここで切り札を投入だ!』

 

カズミ『あのユニットは恐ろしいですよ。まさに切り札に相応しい性能です』

 

ノア「まだです。超越コストとしたクローズのスキルも発動します」

 

デリュージソウル:3→2

 

クロノ「クロノジェットGの位置に置くぜ。クロノジェットGは退却だ」

 

●左前:不明、右後:トランジット

クロノ手札:11→10枚

 

ミヤ『新導クロノ。上手く呪縛対象を減らしたぞ!』

 

カズミ『さらに、クロノジェットGがドロップに送られたため、次のターンの超越コストも確保しました。新導君はこのターンを確実に守りきるつもりですね』

 

ノア「まだです! 《猛攻の星輝兵 ドブニウム》と《混濁の星輝兵 アイアン》、ジンクをコール。ジンクのスキル」

 

ノア手札:8→5枚

デリュージソウル:2→3→5

ノアダメージ:4(裏2→0)

 

ノア「デリュージのGB3。SB1と手札1枚を捨てる。クロノさん、今度は手札2枚をリアに呪縛して置いてください」

 

クロノ「またかよ」

 

ノア手札:5→4枚

デリュージソウル:5→4

クロノ手札:10→8枚

●左前:不明、左後:不明、中央後:不明、右後:トランジット

 

ノア「このスキルには続きがあります。相手のダメージが4以下なため、相手は自分の呪縛カード1枚をダメージゾーンに置いてください」

 

クロノ「左前のカードを置くぜ」

 

クロノダメージ:3→4(裏0→1)

〈 〉〈Z〉〈 〉

〈●〉〈●〉〈●〉

●左後:不明、中央後:不明、右後:トランジット

 

〈ア〉〈デ〉〈ド〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

ノア「アイアンでアタック。スキルでパワー+2000」

 

アイアンパワー:9000→11000

 

クロノ「ノーガード。ダメージチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

クロノダメージ:4→5(裏1)

 

ノア「カオスブレイカー・デリュージでアタック」

 

クロノ「アルカで完全ガード」

 

デリュージパワー:26000

クロノ手札:8→6枚

 

ノア「トリプルドライブ」

 

星輝兵 ペンローズゲート(なし)

星輝兵 メトンアクス・ドラゴン(なし)

星輝兵 パラダイムシフト・ドラゴン(☆)

ノア手札:4→7枚

 

ノア「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てドブニウムに」

 

ドブニウムパワー:9000→14000

 

ミラージュでブースト、ドブニウムでアタック。スキル発動。CB1。クロノさん、手札1枚を呪縛していいですよ。断るなら、このユニットパワーは+10000されます」

 

ノアダメージ:4(裏0→1)

 

クロノ「……」

 

クロノは迷わず手札を置かない選択をした。

 

ドブニウムパワー:14000→24000/☆2

ドブニウム+ミラージュパワー:31000/☆2

 

クロノ「Gガード、《刻獣守護 イリシュ》でガード。SB1でシールド+5000。さらに、バインドゾーンのカードが5枚以上なため、さらに+15000」

 

クロノ手札:6→5枚

クロノジェットソウル:3→2

クロノジェット+イリシュシールド:46000

 

ノア「耐えられた。くっ。ターンエンドです」

 

ミヤ『新導クロノ! 渾身のGガードで、見事に全ての攻撃をいなしました!』

 

初戦にも関わらず、会場は大きな歓声に包まれた。

これには、伊吹達主催者側も、今後の展開に期待することができて、大いに満足な結果となった。

 

ノア手札:7枚

ノアダメージ:4(裏1)

カオスブレイカーソウル:4

〈ア〉〈ク〉〈ド〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

クロノ手札:5枚

クロノダメージ:5(裏1)

クロノジェットソウル:2

クロノバインド:5

〈 〉〈Z〉〈 〉

〈●〉〈●〉〈●〉

●左後:不明、中央後:不明、右後:トランジット

 

クロノ「流石に強いな、ノア。でも、俺だってここで負けるわけにはいかないんだ。俺のターン。スタンド&ドロー! ジェネレーションゾーン解放! 今こそ示せ、我らが真に望む世界を! ストライドジェネレーション! 《クロノバイザー・ヘリテージ》!」

 

クロノ手札:5→6枚

クロノバインド:5→6

 

クロノが出したユニットを見て、会場はさらに大きな歓声に包まれた。

 

ミヤ『新導クロノ! ここで最強のGユニットの投入だ!』

 

カズミ『新導君の重要なファイトでは必ず決め手となったユニットです。ノア君の手札は7枚。これに耐えることができるでしょうか?』

 

クロノ「超越スキル。ドブニウムを戻して、メリーブロックをコール。さらに手札からオックスをコール」

 

ヘリテージソウル:2→1

メリーブロックパワー:7000→9000

ヘリテージパワー:26000→28000

オックスパワー:11000→13000→18000

クロノ手札:6→5枚

 

ミヤ『新導クロノは、スプリット・ペガサスの永続スキルでパワーを+2000し、さらに、オックスのGゾーンの表の枚数と同じ数だけパワーを+1000できる永続スキルで怒濤のパワーアップだ!』

 

カズミ『さらには、インターセプトを1つ封じました。これでノア君は防ぎにくくなりましたね』

 

クロノ「オックスのスキル。CB1で、Gゾーンの表の枚数と同じ数だけパワーを+1000できる。合計+5000」

 

クロノダメージ:5(裏1→2)

オックスパワー:18000→23000

〈メ〉〈Z〉〈オ〉

〈●〉〈●〉〈●〉

●左後:不明、中央後:不明、右後:トランジット

 

〈ア〉〈ク〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

クロノ「いくぜ、ノア! メリーブロックでアイアンにアタック」

 

ノア「くぅ、ノーガード。アイアンは退却」

 

カズミ『全てのインターセプトを狙ってきましたね』

 

クロノ「ヘリテージでアタック」

 

ノア「完全ガード!」

 

ノア手札:7→5→6枚

 

クロノ「トリプルドライブ」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノスピン・サーペント(なし)

クロノメディカル・ハムスター(治)

クロノ手札:5→8枚

 

クロノ「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはオックスに」

 

オックスパワー:23000→28000

クロノダメージ:5→4(裏2→1)

 

クロノ「オックスでアタック!」

 

ノア「(ここでノーガードは駄目だ。勝負は次のターン)パラダイムシフト、メトンアクスと《星輝兵 クォーク・シュービル》でガード」

 

カオスブレイカー+パラダイムシフト+メトンアクス+シュービルシールド:31000

ノア手札:6→3枚

 

ミヤ『星崎ノア! 手札を大きく消耗しならがらも、防ぎました!』

 

カズミ『これは、次のターンのダメージトリガーに賭けたのでしょう』

 

クロノ「ターンエンド。エンドフェイズ。解呪が行われる」

 

解呪、左後:メタルパーティ、中央後:ヒュプノシス、右後:トランジット

 

ノア「! カオスブレイカーのスキル。ヒュプノシス・シープを退却してください」

 

ノア手札:3→4枚

ノアダメージ:4(裏1)

カオスブレイカーソウル:4

〈 〉〈ク〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈サ〉

 

クロノ手札:8枚

クロノダメージ:4(裏1)

クロノジェットソウル:1

クロノバインド:6

〈メ〉〈Z〉〈オ〉

〈メ〉〈 〉〈ト〉

 

クロノ「Gゾーンに戻ったヘリテージのスキル。自信以外の表の十二支刻獣4枚を裏に戻すことで、追加のターンを得る!」

 

クロノはギアネクスト2枚、スプリット・ペガサスとイリシュを、1枚ずつを裏に戻した。

 

クロノ「スタンド&ドロー。ライドファイズをスキップして、メインフェイズの最初にヘリテージは戻ってくる。もう1度、俺のターンだ!」

 

ミヤ『でたああーーー!! ヘリテージのエクストラターンスキル!!』

 

カズミ『ギアクロニクルのみに許された特殊スキル。さっそく見れましたね』

 

クロノ「超越スキル。サテライト・ミラージュを山札の下へ。コールは行わない。左列前後を交替」

 

クロノ手札:8→9枚

ヘリテージソウル:1→0

メタルパーティパワー:10000→11000

ヘリテージパワー:26000→27000

オックスパワー:11000→12000→13000

 

ミヤ『これは、使う意味が有ったのか?』

 

カズミ『新導君があるカードを警戒していたのなら、使う意味はありますよ』

 

クロノ「ヒュプノシス・シープをコール。メリーブロックでブースト、メタルパーティでアタック」

 

クロノ手札:9→8枚

メリーブロックパワー:7000→17000

メタルパーティ+メリーブロックパワー:28000

 

ノア「(ここだ!)ノーガード」

 

ミヤ『ここでガードしない!』

 

カズミ『トリガー。特にドロートリガーが出れば、新導君は攻めにくくなります』

 

ノア「(僕は勝つんだ!)ダメージチェック」

 

星輝兵 パラダイムシフト・ドラゴン(☆)

ノアダメージ:4→5(裏1)

カオスブレイカーパワー:11000→16000

 

ミヤ『ここでクリティカルトリガー! 新導クロノ、攻めきれるか!?』

 

クロノ「流石だな。でも、俺だって負けてられない。メリーブロックのスキルで、このユニットをバインド。メタルパーティのスキルで、CB1を払い、自信をバインド。そして、バインドゾーンからG3とG1のカードを同じ縦列にそれぞれコール。クロノジェットGとメリーブロックをコール」

 

クロノバインド:6→7→8→6

クロノダメージ:4(裏1→2)

クロノジェットGパワー:11000→12000

 

クロノ「オックスでアタック」

 

オックス+トランジットパワー:20000

 

ノア「ペンローズゲート!」

 

カオスブレイカー+ペンローズゲートシールド:21000

ノア手札:4→3枚

ヘリテージソウル:0→1

クロノ手札:8→9枚

 

クロノ「ヘリテージでアタック」

 

ヘリテージ+シープパワー:31000

 

ノア「もう1度、完全ガード」

 

ノア手札:3→1枚

 

ミヤ『さあ、運命のドライブチェックだ!』

 

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノ手札:9→12枚

 

ノア「くっ」

 

クロノ「クリティカルトリガー。効果は全て、クロノジェットGへ」

 

クロノジェットGパワー:12000→17000/☆2

 

クロノ「クロノジェットGでアタック」

 

メリーブロックパワー:7000→15000

クロノジェットG+メリーブロックパワー:32000/☆2

 

ノアは唇を噛みしめた。

 

ノア「(耐えられない)ノーガード」

 

星輝兵 カオスブレイカー・クライシス(なし)

ノアダメージ:5→6

クロノWIN

 

ミヤ『決まった!! 新導クロノVS星崎ノア。勝者は、新導クロノ!』

 

ノア「あーあ。負けちゃいました」

 

クロノ「ホント、強かったぜ。ノア。ありがとな」

 

クロノが手を差し伸べたため、応えたノアと握手を交わした。

 

ノア「うーん。気持ち的にも負けるつもりはなかったんですけどね」

 

ノアは頭をかいて反省ポイントを探している。

 

ノア「僕も彼女の前でカッコ良く勝ちたかったな~」

 

クロノ「え゛っ!? ノア、彼女居たの?」

 

ノア「あっ、言ってませんでしたね。居ますよ。幼馴染みなんですけど」

 

あははは、と笑って報告するノアに、クロノは驚いて口を開けてしまった。

 

クロノ「まあ、お前。この3年でカッコ良くなったしな。背も伸びて、声も低くなったし」

 

3年前のノアの身長は、トコハよりも小さかったが、今のノアの身長は、クロノよりも大きい。

内面も外見も成長すれば、モテるのも当然だろう。

 

ノア「まあ、僕が気づかなかっただけで、昔から好意を持っていてくれたみたいですけどね。この間のU-20にも応援に来てくれましたから、今度も良い所見せますよ」

 

デッキを片付けながらノアは決意を表した。

ここで、ノアの足元が下がりだした。

 

ノア「あっ、ここまでか。クロノさん。頑張ってくださいね。セカンドステージ以降でリベンジしますから」

 

クロノ「ああ。またファイトしようぜ」

 

ノアの姿が見えなくなると、地面が閉じて穴がふさがれ、ファイトテーブルも仕舞われた。

 

クロノ「よし。まずは1勝。次も勝つぞ」

 

クロノも決意を持って、走り出した。

VF世界大会ファーストステージは始まったばかりだ。

さらに激しいファイトが彼らを待っている。

 

続く




次回予告

「いきなりヘリテージを使うことになるとわな」

「ヘリテージとリンクジョーカーの相性が良すぎるんですよ。他になにか考えていました?」

「ミステリーフリーズ」

「あー。それもやばいですね。もっと早く攻め手を増やせるように調節しますか」

「頑張れよ~」

次回、第9ターン:互いの決意

「アラタ~。マコト~。早く勝って~」

「俺も負けないように気を引き締めないとな」


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第9ターン:互いの決意

強敵、星崎ノアに勝利し、快調な滑り出しを決めた新導クロノ。
そのチームメイトたちも次なる戦いに身を落としていた。


トコハ「あっ、クロノ勝ってる。流石っ。シオンも勝ってるし、私も頑張らなくちゃ♪」

 

VF世界大会ファーストステージ初戦を無事に勝ち抜けたトコハは、走りながら次の対戦相手を探していた。

ある程度走っていると、知っている声が聞こえてきた。

 

トコハ「あれは……」

 

クミ「《エキサイトバトルシスター しゅとれん》でアタック」

 

彼女……岡崎クミのGユニットのアタックが相手ヴァンガードにヒットし、6ダメージを与えたことで勝利を収めたところだった。

 

トコハ「クミちゃん!」

 

クミ「トコハちゃん。久しぶり~」

 

デッキを仕舞ったところで声をかけると、クミがいつものふんわりとした様子で返してきた。

 

トコハ「あっ……うん。ひ、久しぶり」

 

少し気構えて話しかけたトコハは、何時もの様子のクミに少し困惑してしまった。

 

トコハ「クミちゃん、元気そうだね。大学は順調?」

 

そんな様子を見せないように、いつも通り話を進めた。

 

クミ「うん。服のデザイナーになるための勉強は順調だよ~」

 

トコハ「よかった。大学、東京から離れちゃったから、なかなか会えないんだよね」

 

クミ「現在は、ヨーロッパへの短期留学も考えていますぞい。トコハちゃん専用の服製作をお待ちください」

 

岡崎クミは高3の夏に進路を決め、都外の専門学校に入学したのだ。

もしもヨーロッパへの短期留学が実現すれば、トコハと会える機会も増えるだろう。

こぶしを握りながら、何時もの口調で話す親友にトコハは安心して笑った。

 

クミ「どうしたの~?」

 

トコハ「う~ん。クミちゃんがラースなんて物騒な名前のチームに入っていたから何かあったのかなって~。あれ?」

 

クミの質問に対して答えながらトコハはなるべく自然に疑問をぶつけてみた。

だが、トコハは突然室温が下がった気がしたので、目の前の親友を見てみた。

 

クミ「……」

 

トコハ「ひっ」

 

クミが纏う雰囲気に、トコハは怯えてしまった。

 

トコハ「ク、クミちゃん?(えっ!? 何あれ!? 般若!? え!? 怖い!)」

 

トコハには、目の前の親友の後ろに般若の面をかぶった《バトルシスター ふろらんたん》が見えた。

そのふろらんたんが、手持ちの銃器を自分のほうに構えているのだ。

怯えるのも無理はない。

 

クミ「……トコハちゃん。ファイト……しよっか」

 

彼女たちのファイバには既にファイト受理のマークが出ている。

互いが対戦相手だというのは明確だ。

 

クミ「ごめん、トコハちゃん。今の私には譲れないものがあるの!」

 

自身のデッキを構えてクミは力強く宣言した。

その決意の高さの理由が分からず、トコハは困惑し、悲しくなる。

 

トコハ「クミちゃん……それを、話してはくれないの?」

 

クミは首を横に振る。

 

クミ「ううん。話すよ。でも、先にファイト始めよう。多分……その方が話しやすいから」

 

トコハ「あっ……」

 

少し顔を伏せたクミの心情を察したトコハは、ファイトテーブルの前に立つ。

そしてデッキを構えた。

 

トコハ「いいよ。始めよう」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

ミヤ『さあ、続々とファイトが行われていにゃす! 次はどのファイトを実況しますか?』

 

カズミ『そうですね……おっ、元ハイメフラワーズの2人、安城トコハさんと岡崎クミさんがファイトを始めていますよ』

 

ミヤ『それは是非見ましょう! 文字通り注目の1戦です!』

 

2人の知らないところで、この1戦もまた、会場のメインスクリーンに流されることになった。

 

クミ「《バトルシスター きっふぇるん》」

 

トコハ「《栽植の乙女 オズ》」

 

可愛らしいエルフとバイオロイドがクレイの森の中に立ち上がる。

しかし、その強いオーラは本物だ。

 

クミ「ライド、《バトルシスター ここあ》! きっふぇるんは先駆で移動。ここあのスキルでVかRに登場した時、山札の1番上のカードを見て、山札の上か下に置くよ。このカードは下だね。このままターンエンド」

 

クミ手札:5→6→5枚

ここあソウル:0

〈 〉〈こ〉〈 〉

〈 〉〈き〉〈 〉

 

トコハ「(クミちゃんが序盤からデッキ操作なんてするなんて。顔は笑顔だけど、本気なんだね、クミちゃん)いくよ、クミちゃん。ライド、《盛運の乙女 ディアン》! 先駆で移動して、アタック!」

 

トコハ手札:5→6→5枚

ディアン+オズパワー:12000

 

クミ「ノーガード」

 

トコハ「ドライブチェック」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

トコハ手札:5→6枚

 

クミ「ダメージチェック」

 

神明護官 アマツヒコネ(なし)

クミダメージ:0→1

 

クミ「あっ」

 

トコハ「え?」

 

クミ「ううん。なんでもないの(ヒールで落とそう)」

 

クミダメージ:1

トコハ手札:6枚

ディアンソウル:0

〈 〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

カズミ『【バトルシスター】でアマツヒコネですか』

 

ミヤ『珍しいですか?』

 

カズミ『いえ、ピン刺しならありえますよ。問題はドロップ回収時のデメリットがこの先の展開にどう作用するかが分からないことですね。重要なカードがバインドされてしまったらピンチになりますよ』

 

ピン刺しとは、デッキに1枚だけの投入していることだ。

意図せずにデッキ破壊を行い続けるヴァンガードでは基本的に推奨されない構築方法だ。

 

クミ「ライド、《バトルシスター さぶれ》。《バトルシスター べりーむーす》をコール。このままアタックだよ」

 

クミ手札:5→6→5→4枚

さぶれ+きっふぇるんパワー:14000

 

トコハ「ノーガード」

 

クミ「ドライブチェック」

 

バトルシスター まふぃん(☆)

クミ手札:4→5枚

 

クミ「クリティカルトリガーだよ。パワーはべりーむーすに。クリティカルはヴァンガードに送るぞい!」

 

さぶれ+きっふぇるんパワー:14000/☆2

べりーむーすパワー:9000→14000

 

トコハ「ダメージチェック」

 

モンキーポッド・ドラゴン(引)

 

トコハ「ドロートリガー。1枚ドロー。パワーはディアンに」

 

ディアンパワー:7000→12000

トコハ手札:6→7枚

播種の乙女 ティアニー(なし)

トコハダメージ:0→2

 

クミ「べりーむーすでアタック」

 

トコハ「《共に咲く乙女 ケラ》でガード」

 

ディアン+ケラシールド:17000

トコハ手札:7→6枚

 

ミヤ『安城トコハは、このターンダメージを2で押さえました』

 

カズミ『岡崎さんはトリガーをよく引きますからね。可能な限りダメージを押さえるのは正しい判断です』

 

トコハダメージ:2

トコハ手札:6枚

クミダメージ:1

クミ手札:5枚

さぶれソウル:1

〈べ〉〈さ〉〈 〉

〈 〉〈き〉〈 〉

 

トコハ「スタンド&ドロー。ライド、《理想の乙女 トゥーリア》。さらに《プルメリアの花乙女 シャルル》をコール。オズのスキル。CB1とこのカードをソウルに送って1枚ドロー」

 

トコハ手札:6→7→6→5→6枚

トコハダメージ:2(裏0→1)

トゥーリアソウル:1→2

 

トコハ「いくよ! トゥーリアでアタック!」

 

クミ「ノーガード」

 

トコハ「ドライブチェック」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハ手札:6→7枚

 

トコハ「ゲット、クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガード、パワーはシャルルへ」

 

トゥーリア:☆2

シャルルパワー:9000→14000

 

クミ「ダメージチェック」

 

バトルシスター まどれーぬ(なし)

バトルシスター まかろん(なし)

クミダメージ:1→3

 

トコハ「よし。シャルルでヴァンガードにアタック!」

 

クミ「う~ん。さすがトコハちゃん。やりますな~。《バトルシスター じんじゃー》でガードだぞい!」

 

さぶれ+じんじゃーシールド:19000

クミ手札:5→4枚

 

カズミ『ここで防ぎますか(終盤まで使いようが無いまふぃんを残したけど、何か考えがあるのかな?)』

 

クミダメージ:3

クミ手札:4枚

トコハダメージ:2(裏1)

トコハ手札:7枚

トゥーリアソウル:2

〈 〉〈ト〉〈シ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クミ「スタンド&ドロー。ライド、《バトルシスター ふろらんたん》!」

 

クミ手札:4→5→4枚

べりーむーすパワー:9000+2000→11000

 

クミは自身の分身と言えるG3ユニットを出し、何か考え込むようにそのカードを触った。

トコハはその様子を心配するように見ていた。

 

クミ「いくぞい、トコハちゃん! まずはふろらんたんのスキルで山札の1番上のカードを確認。そのままにするよ。《バトルシスター らすく》をコール。さらに、さぶれをコールだぞい。さぶれのスキルでバトルシスターをSB1して、1枚ドロー。べりーむーすはさらにパワーアップ!」

 

べりーむーすパワー:11000+2000×2→15000

クミ手札:4→2→3枚

ふろらんたんソウル:2→1

 

クミ「(この手札だと、ここまでだね)らすくでブーストしたさぶれでアタック」

 

さぶれ+らすくパワー:16000

 

トコハ「シャルルでインターセプト。《純潔の乙女 カトリーナ》でガード」

 

トゥーリア+シャルル+カトリーナシールド:19000

トコハ手札:7→6枚

 

クミ「きっふぇるんでブースト、ふろらんたんでアタック!」

 

ふろらんたん+きっふぇるんパワー:16000

 

トコハ「ノーガード」

 

クミ「ツインドライブ」

 

バトルシスター ままれーど(なし)

バトルシスター ばーむくーへん(なし)

クミ手札:3→5枚

 

クミ「う~ん。トリガーなしか~」

 

クミはめくったカードを困った顔をしながら手札に加えてが、その様子をトコハは顔を青くしながら見ていた。

 

トコハ「(確かにトリガーは無い。でも……)強いね。クミちゃん」

 

カズミ『完全ガードと超越コスト。どちらもやっかいなカードです』

 

ミヤ『次のターンの守り、そして反撃用のカードが手札に入った。これはやっかい!』

 

トコハ「でもね」

 

トコハは笑った。

 

トコハ「私だって負けないよ! ダメージチェック!」

 

孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)

トコハダメージ:2→3(裏1)

 

トコハ「クリティカルトリガー! 効果は全てヴァンガードへ!」

 

トゥーリアパワー:9000→14000/☆2

 

ミヤ『ここでトリガー! 攻めにくくなったぞ!』

 

クミ「うう。べりーむーすでアタック」

 

トコハ「シャルルでガード」

 

トゥーリア+シャルルシールド:19000

トコハ手札:6→5枚

 

カズミ『ダメージトリガーを利用した良い防御でした』

 

ミヤ『次は安城トコハの超越! さあ、ここからどう攻める!?』

 

トコハダメージ:3(裏1)

トコハ手札:5枚

〈 〉〈ト〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クミダメージ:3

クミ手札:5枚

ふろらんたんソウル:1

〈べ〉〈ふ〉〈さ〉

〈 〉〈き〉〈ら〉

 

場の状況を見て、トコハは笑った。

 

トコハ「強いね。クミちゃん。でも、私だって! スタンド&ドロー。全ての蕾よ、今こそ花開け! ライド! 《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》!」

 

トコハ手札:5→6→5枚

 

クミ「アーシャ。トコハちゃんの象徴!」

 

トコハ「私だって、強くなった。大好きなヴァンガードと一緒に! こんなに楽しいファイト。負けていられない! 手札の《開墾の戦乙女 パドミニ》のスキル。このカードは超越コストとする際にグレードを2つ上げる。ストライド・ジェネレーション! 《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》!」

 

トコハ手札:5→4枚

 

美しく咲いた花と可憐な剣を持ったカードにライドしたトコハ。

その姿をクミはしばらく何も言えずに見ていた。

 

トコハ「クミちゃんは、楽しくないの? 何時も笑顔で、とても楽しそうにファイトしてたのに?」

 

クミ「楽しい……ファイト……」

 

クミは顔を伏せてしまう。

そして、言葉をつむいだ。

 

クミ「ごめんね。トコハちゃん。ちょっと、気が立ってたみたい」

 

クミは自分のことを思い返し、少し苦笑していた。

 

トコハ「……何があったの?」

 

クミ「私ね。この大会のことを知った時に、真っ先にカズマ君と出場しようと思ったの。でも……」

 

彼女が思い出すは、ドラエン支部にて握手を交わす3人の姿。

 

クミ「カズマ君は、自分でチームを組んじゃった。それだけなら良いんだけど」

 

クミは顔を上げて声を荒立てた。

 

クミ「酷いんだよ! カズマ君、全然連絡してこなかったんだよ! せめて一言この大会に出場するって言ってくれれば、私だってなんとも思わなかったのに!」

 

トコハ「ええ……」

 

トコハはカズマの行動に呆れてしまった。

それは集音マイクを通して聞いていたカズミも同様である。

 

ミヤ『なにやら2人は話し込んでいますね。鬼丸さん、どうしました?』

 

カズミ『い、いえ。なんでもないです(カズマェ……何やってるんだ……)』

 

幸いにも、カズミ以外には聞こえなかったらしい。

 

トコハ「そ、それは酷いね」

 

クミ「でしょ!? だからね、同じ気持ちを抱えてるエミさんとナギサちゃんと一緒に出ることを決めたの! この大会で、カズマ君とファイトして、懲らしめてやるんだから!」

 

両手で机を叩いたあと、拳をにぎり、クミは高らかに宣言する。

なお、手札はテーブルに置かれたので、トコハに見えることは無かった。

そんなクミの様子を、トコハとカズミは何とも言えない気持ちで見ることとなった。

でもね、とクミは続けた。

 

クミ「私、そのことばかり気にしてて、トコハちゃんとのファイトに集中できてなかった。ごめんなさい」

 

トコハ「クミちゃん」

 

クミ「だから、全力で来て。私も全力で迎え撃つから。負けないぞい!」

 

笑顔で語るクミに、トコハは何時もの彼女が戻ってきたことを確信した。

だからこそ、彼女も笑顔で応える。

 

トコハ「分かった。いくよ、クミちゃん。アーシャの超越スキル! CB1で、開花を持つユニットを山札からコール! カトリーナをコール」

 

トコハダメージ:3(裏1→2)

 

トコハ「さらに、トゥーリアをコール。トゥーリアのスキル、このユニットは、カトリーナとして扱う。カトリーナの開花! カトリーナを5体選び、パワー+4000!」

 

トコハ手札:4→3枚

カトリーナパワー:7000→11000

トゥーリアパワー:9000→13000

 

ミヤ『でたあああ! 安城トコハの開花! 思う存分、咲き誇れ!』

 

トコハ「さらに、《花園の乙女 マイリス》をコール」

 

トコハ手札:3→2枚

〈ト〉〈ヴ〉〈マ〉

〈 〉〈 〉〈カ〉

 

カズミ『これで、安城さんは前列が攻撃可能になりました』

 

クミ「さっすが、トコハちゃん! でも、防ぎきってみせるぞ!」

 

トコハ「じゃあ、行くよ! カトリーナのブースト、マイリスでヴァンガードにアタック!」

 

マイリス+カトリーナパワー:15000

 

クミ「さぶれでインターセプト!」

 

ふろらんたん+さぶれシールド:16000

 

トコハ「これなら、どう? ヴェルヘミーナでアタック! マイリスのスキル! このユニットをソウルに送って、1枚ドロー。ヴェルヘミーナにパワー+5000!」

 

ヴェルヘミーナソウル:3→4

トコハ手札:2→3枚

ヴェルヘミーナパワー:26000→31000

 

トコハ「さらにヴェルヘミーナのスキル! CB1、山札から、開花を持つ同名カード2枚を前列と後列にコール! ディアンをそれぞれコール! 開花で、パワー+10000! そして、ラナンキュラスと名のつくヴァンガードがいるため、パワー+1000、抵抗を得る!」

 

トコハダメージ:3(裏2→3)

ディアンパワー:7000→8000→18000

ディアンパワー:7000→8000→18000

 

ミヤ『ヴェルヘミーナとマイリスのスキルのコンボによって、安城トコハ、合計4回のアタックが可能になったぞ!』

 

クミ「やっぱり、トコハちゃんは強いな~。ノーガード!」

 

トコハ「トリプルドライブ!」

 

播種の乙女 ティアニー(なし)

矢車菊の花乙女 イーネス(なし)

メイデン・オブ・ゼフィランサス(☆)

トコハ手札:3→6枚

 

トコハ「クリティカルトリガー! クリティカルはヴェルヘミーナ、パワーは右のディアン!」

 

ヴェルヘミーナ:☆2

ディアンパワー:18000→23000

 

クミ「うう、ダメージチェック!」

 

バトルシスター ここあ(なし)

バトルシスター ここあ(なし)

クミダメージ:3→5

 

ミヤ『ダメージ5! 岡崎クミ、追い詰められにゃした!』

 

トコハ「ディアンでアタック!」

 

クミ「Gガード! 《エキサイトバトルシスター ばばろあ》! スキル発動。CB1。1枚ドロー! 山札の1番上のカードを公開。それがG1以上ならシールド+5000! ふろらんたんだよ! このガードは山札の下へ!」

 

クミダメージ:5(裏0→1)

さぶれシールド:15000→20000

ふろらんたん+さぶれシールド:31000

クミ手札:5→4→5枚

 

トコハ「有ったんだ。ヒールトリガー。でも、まだまだ! トゥーリアでアタック!」

 

トゥーリア+ディアンパワー:31000

 

クミ「来て、《バトルシスター ままれーど》! 完全ガード!」

 

クミ手札:5→3枚

 

ミヤ『防ぎきったあああ!!!』

 

ミヤの実況に観客は沸き上がった。

 

ミヤ『岡崎クミ! 安城トコハの猛攻を、見事に凌ぎきりました!』

 

カズミ『ここから岡崎さんのターンです。ダメージは3対5。このターンは見逃せませんよ』

 

クミダメージ:5(裏1)

クミ手札:3枚

〈べ〉〈ふ〉〈 〉

〈 〉〈き〉〈ら〉

 

トコハダメージ:3(裏3)

アーシャソウル:4

トコハ手札:6枚

〈ト〉〈ア〉〈デ〉

〈デ〉〈 〉〈カ〉

 

状況は圧倒的にクミが不利だ。

でも、クミは笑った。

ただ、純粋に、何時ものように、このファイトを楽しんでいるから、笑っているのだ。

そして、彼女はデッキに手を添えた。

 

クミ「スタンド&ドロー。トコハちゃん! 今度は私の番だぞ! 《バトルシスター ばーむくーへん》は、パドミニと同じ超越コストとする際にグレードを2つ上げるスキルを持ってる! ストライド・ジェネレーション! 《エキサイトバトルシスター しゅとれん》! 超越スキル! バトルシスターをCB1。山札の上2枚を見て、1枚を手札に加えて、もう1枚は山札の上か下に置くぞい! これは上だね!」

 

クミ手札:3→4→3→4枚

クミダメージ:5(裏1→2)

 

クミ「そして、このターン、バトルシスターのRは全て、パワー+3000!」

 

べりーむーすパワー:9000→11000→14000

きっふぇるんパワー:5000→8000

らすくパワー:7000→10000

 

クミ「そして、さぶれとらすくをコール!」

 

クミ手札:4→2→3枚

しゅとれんソウル:1→0

べりーむーすパワー:14000→16000→18000

らすくパワー:7000→10000

さぶれパワー:9000→12000

 

クミ「まだまだだぞい! きっふぇるんのスキル! ソウルに送って、バトルシスターのRは全て、さらにパワー+3000だ!」

 

しゅとれんソウル:0→1

べりーむーすパワー:18000→21000

らすくパワー:10000→13000

さぶれパワー:12000→15000

らすくパワー:10000→13000

 

カズミ『たかが、3千、されど3千。重なると恐ろしいですね』

 

トコハ「まるで開花ね」

 

クミ「もっとだぞ! 《バトルシスター まふぃん》をコール。スキルで、山札に戻して、べりーむーすに神託とパワー+3000を与えるぞ~!」

 

クミ手札:3→2枚

べりーむーすパワー:21000→23000→26000

 

トコハ「そして、次は――」

 

クミ「そう、しゅとれんのスキル! CB1! SC1! Rのバトルシスターと同じ枚数だけ山札の上のカードを見て、上か下に置くぞい! 3枚上、1枚は下ね」

 

クミダメージ:5(裏2→3)

しゅとれんソウル:1→2

 

クミ「そして、しゅとれんのGB3! やっぱりバトルシスターのRにパワー+3000!」

 

べりーむーすパワー:26000→29000

らすくパワー:13000→16000

さぶれパワー:15000→18000

らすくパワー:13000→16000

 

トコハ「うう、開花よりはましだけど、馬鹿にできないパワーが……」

 

カズミ『安城さんの手札は6枚。ヒールと完全ガードを抱えているとはいえ、どこまでダメージを受けるかが決め手ですね』

 

クミは楽しそうに笑いながら、ヴァンガードに手を添えた。

 

クミ「いくよ、トコハちゃん! しゅとれんでアタック!」

 

トコハ「(クミちゃんは3枚を戻した。絶対に3枚ともトリガーだ)《播種の乙女 ティアニー》で完全ガード! 開花! ドロップのティアニーをバインド! ドロップの開花持ちを手札に戻す! シャルルを手札に!」

 

トコハ手札:6→4→5枚

トコハバインド:0→1

 

クミ「トリプルドライブ! ファーストチェック!」

 

バトルシスター まふぃん(☆)

 

カズミ『やはり、トリガーですか……』

 

クミ「効果は全てべりーむーすに!」

 

べりーむーすパワー:29000→34000/☆2

 

トコハ「ううっ」

 

クミ「セカンドチェック!」

 

バトルシスター まふぃん(☆)

 

クミ「これも効果は全てべりーむーすに!」

 

べりーむーすパワー:34000→39000/☆3

 

ミヤ『まだ1枚残っているぞ!』

 

クミ「サードチェック!」

 

バトルシスター ぽるぼろん(治)

クミ手札:2→5枚

 

ミヤ『やはり3枚ともトリガーだ!!』

 

トコハ・カズミ((でもヒールトリガー!))

 

クミ「パワーはべりーむーすだよ!」

 

べりーむーすパワー:39000→44000

クミダメージ:5→4(裏3→2)

 

トコハ「高いパワーのべりーむーすにクリティカルの全振り。そうか! クミちゃんは山札の上3枚のカードを知っていたからこそ、ガードがしにくいこの布陣を作れたんだ!」

 

クミ「これが私のヴァンガードだぞい!」

 

笑顔でピースサインを作ったクミを見て、トコハは驚愕と同時に笑顔になる。

 

トコハ「うん。やっぱり、クミちゃんはそうでなくっちゃ!」

 

クミ「この攻撃を防ぎきれる? べりーむーすでアタック!神託発動! CC2!」

 

べりーむーす+らすくパワー:60000/☆3

クミダメージ:4(裏2→0)

 

ミヤ『パ、パワー6万!?』

 

カズミ『ダメージトリガー無しで防ぐのは、至難の技です。安城さんはどうするのか……』

 

トコハ「Gガード! 《絆の守護銃士 アンテロ》! SB1でスキル発動! シールド+5000! Rが4枚以上なためさらに+15000! さらにガード! 《メイデン・オブ・ゼフィランサス》! シャルル!」

 

アンテロシールド:15000→20000→35000

アーシャ+シャルル+ゼフィランサス+アンテロシールド:61000

トコハ手札:5→2枚

アーシャソウル:4→3

 

クミ「防がれた!?」

 

トコハ「よし!」

 

ミヤ『安城トコハ! 見事にしのぎきりました!』

 

カズミ『見事ですね(ミゲル……君が守ってくれたのかい?)』

 

カズミは亡き友の分身の未来の姿を見て、ふと思った。

だが、トコハの表情を見て、考えを改めた。

 

カズミ(いや、違う。Gガーディアンもまた、彼女が築き上げてきた絆の1部なんだ。過去を力にして、シオン君やクミちゃん。何よりも、クロノ君との未来を歩んでいるんだ)

 

GユニットをGゾーンに戻しながら、笑うトコハの姿が、カズミにはとても美しく見えた。

 

カズミ(愛する人との輝く未来。それを掴むために築き上げる過去。ミゲルは、その1部として、ソコに、宿っているんだな)

 

ミヤ『鬼丸さん?』

 

カズミ『えっ!?』

 

トコハを見て、彼女の姿に目を奪われていたカズミは、ミヤに話しかけられてようやく正気に戻った。

 

ミヤ『どうか、しましたか?』

 

カズミ『い、いえ。なんでもないですよ。あっ、岡崎さんがさぶれで攻撃しましたね』

 

さぶれ+らすくパワー:34000

 

トコハ「ノーガード」

 

ミヤ『安城トコハ! ここは迷わずノーガードだ!』

 

理想の乙女 トゥーリア(なし)

トコハダメージ:3→4(裏3)

 

クミ「ターンエンド」

 

クミは一旦一呼吸をおいて自分の場を見た。

 

クミ「エンドフェイズに《神明護官 アマツヒコネ》の神託が発動するよ! CB1で、このカードを手札に戻して、手札1枚をランダムに裏でバインド!」

 

クミは手札をシャッフルして、裏向きにフィールドに置いた。

そのままクミから見て、左から2番目のカードをバインドゾーンに置いたのだった。

 

クミダメージ:4(裏0→1)

クミ手札:5→6→5枚

クミバインド:0→1

 

クミは裏のカードを確認したあと、手札を再び手に取った。

 

トコハダメージ:4(裏3)

アーシャソウル:3

トコハ手札:2枚

〈ト〉〈ア〉〈デ〉

〈デ〉〈 〉〈カ〉

 

クミダメージ:4(裏1)

ふろらんたんソウル:1

クミ手札:5枚

クミバインド:1

〈べ〉〈ふ〉〈さ〉

〈ら〉〈 〉〈ら〉

 

トコハ「クミちゃんの手札に完全ガードが加わっちゃったか。でも、負けない。スタンド&ドロー! ライドフェイズ開始時、アーシャのスキル。ドロップとサークルのノーマルユニットを山札の下に戻す! ドロップとサークルのディアンを戻して、1枚ドロー。そして、手札のカトリーナをコール! 開花!」

 

トコハ手札:2→3→4→3枚

トゥーリアパワー:9000→13000

カトリーナパワー:7000→11000

カトリーナパワー:7000→11000

 

トコハは手札のG3、《矢車菊の花乙女 イーネス》を捨てる。

 

トコハ「Gゾーン解放! 今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライドジェネレーション! ヴェルヘミーナ! 超越スキル! ディアンをコール! 開花! さらにCC1、SC1」

 

トコハ手札:3→2枚

トコハダメージ:4(裏3→4→3)

ヴェルヘミーナソウル:3→4

ディアンパワー:7000→8000→18000

ディアンパワー:8000→18000

 

トコハ「トゥーリアのスキル! このユニットはカトリーナ扱いでもあるため、ドロップのカトリーナを山札に戻して、このユニットを手札に戻す!」

 

トコハ手札:2→3枚

 

クミ「カトリーナとトゥーリアを戻した!? 確かトゥーリアって……」

 

トコハ「そうだよ。もう1度トゥーリアをカトリーナとしてコール。今度は2体のカトリーナが開花!」

 

トコハ手札:3→2枚

トゥーリアパワー:9000→13000→17000

カトリーナパワー:11000→15000→19000

カトリーナパワー:11000→15000→19000

 

トコハ「そして、ヴェルヘミーナのGB4! 前列のRにパワー+5000、クリティカル+1!」

 

トゥーリアパワー:17000→22000/☆2

ディアンパワー:18000→23000/☆2

〈ト〉〈ア〉〈デ〉

〈デ〉〈カ〉〈カ〉

 

ミヤ『でました! ヴェルヘミーナのGB!』

 

カズミ『岡崎さんのダメージは4。トリガーの可能性を含めて、全ての攻撃を防がなければなりません。これは辛い』

 

トコハ「いくよ! トゥーリアでアタック!」

 

トゥーリア+ディアンパワー:40000/☆2

 

クミ「パワー4万! うう、辛い。Gガード! 《八千代の日輪 アマテラス》! スキルでシールド+10000! 先にぽるぼろんのスキルで自信ともう1体をバインドして、SC1! アマテラスでSC1! 山札の上のカードを確認! やったあ! そのままにするね!」

 

クミ手札:5→4枚

クミバインド:1→3

ふろらんたんソウル:1→2→3

アマテラスシールド:15000→25000

ふろらんたん+アマテラスシールド:36000

 

クミが押さえきれないほど喜んでいるのを見て、トコハの警戒心は強まる。

 

クミ「さらに、さぶれでインターセプト!」

 

ふろらんたん+アマテラス+さぶれシールド:41000

 

トコハ「やるね。クミちゃん。だったら、ヴェルヘミーナでアタック! スキルで山札から、カトリーナを2体、コール! 開花!」

 

トコハダメージ:4(裏3→4)

カトリーナパワー:7000+4000×6→31000→36000/☆2

カトリーナパワー:7000+4000×6→31000

カトリーナパワー:19000+4000×6→43000

カトリーナパワー:19000+4000×6→43000

ヴェルヘミーナ+カトリーナパワー:69000

 

クミ「アマツヒコネで完全ガード!」

 

クミ手札:4→2枚

 

トコハはドライブチェックのためにデッキに手を添えながら考える。

 

トコハ「(クミちゃんのあの喜びよう。絶対にヒールがある。ここで私が勝つには……ダブルクリティカルしかない!)トリプルドライブ! ファーストチェック!」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

 

トコハ「セカンドチェック!」

 

孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)

 

トコハ「よし! ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、カトリーナに!」

 

カトリーナパワー:36000/☆2→41000/☆3

 

トコハ「サードチェック!」

 

クミ「ごくりっ」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハ手札:2→5枚

 

トコハ「ゲット、クリティカルトリガー!効果は全て、ディアンに!」

 

ディアンパワー:23000/☆2→28000/☆3

 

クミ(やっぱり……トコハちゃんには……敵わないなぁ)

 

クミは自信の手札を見て、目を閉じた。

その1枚はままれーど、完全ガードだった。

 

トコハ「ディアンでヴァンガードにアタック!」

 

ディアン+カトリーナパワー:71000/☆3

 

クミ「でも……諦めないよ! ダメージチェック!」

 

バトルシスター ぽるぼろん(治)

 

クミ「ゲット! ヒールトリガー! ダメージ1回復、パワーはふろらんたんへ!」

 

クミダメージ:4→3→4(裏1→0)

ふろらんたんパワー:11000→16000

バトルシスター ふろらんたん(なし)

クミダメージ:4→5

 

クミ「最後の1枚!」

 

ミヤ『運命のダメージチェック!』

 

バトルシスター じんじゃー(☆)

クミダメージ:5→6

トコハWIN!

 

クミ「あ~あ。負けちゃいましたな~」

 

クミはただ純粋に、笑顔でそう言った。

 

トコハ「やっぱりクミちゃん強いよ。楽しいファイトをありがとう」

 

笑顔で差し出される手に、クミは迷うこと無く掴んで、握手をした。

 

トコハ「まだ終わってないよ。頑張って、クミちゃん」

 

クミ「うん! 次は負けないぞい! 終わったら、みんなでお茶会しようね」

 

そう言ってクミはドロップゾーンへと降りていった。

その姿を見送ったトコハは、次なるファイトを求めて走り出した。

この高ぶる気持ちが収まらないうちに……。

 

 

その頃。

 

シオン「アルトマイルでアタック!」

 

スギル「まけた~~!」

 

シオンは対戦相手、刈谷スギルに6ダメージを与え、ファイトの決着をつけたのだった。

 

スギル「ちくしょう。また負けちまったか~。リベンジのつもりだったんだけどな」

 

シオン「負けるつもりはありませんから」

 

スギル「まっ、俺に勝ったんだ。負けんなよ」

 

2人の握手が終わったところで、刈谷はドロップゾーンへと送られた。

 

シオン「さて、次は……」

 

刈谷を見送ったシオンも次なるファイトのためにその場を離れようとしたところで、ファイバが反応を示した。

慌てて周りを見渡すと……

 

アム「シオン……」

 

シオン「アム」

 

出会うべき2人が出会ったのであった。

 

続く

 

マコト「まったく、何やってるんだ。お前は」

 

ノア「ごめ~ん。でも、ありがとう~」

 

マコト「次は負けるなよ。いくぞ、ノア」

 

ノア「うん。僕たちの本予選はこれからだよね」




次回予告

「あ~あ。カズマ君になんて言おう?」

「どうしたの? 急に?」

「トコハちゃんはいいですな~。何時もクロノ君と喧嘩してますから~仲直りも簡単にできて~」

「いや、別に会えば毎回喧嘩してるわけじゃ無いけど。まあ、確かにクミちゃんが怒ることってあんまり無いもんね」

「そうなんですよ~。だからいざ会うとなると言葉に詰まるのですな~」

「まあ、同じように喧嘩が少ないカップルも今現在話そうとしてるんだから。クミちゃんも頑張って」

次回、第10ターン:夫婦喧嘩!? シオンVSアム

「そうですな~。あらゆる感情を込めてファイトしてみますか~」

「うん。クミちゃんなら勝てるよ。絶対。でも、言葉で話すのも忘れないでね」

「は~い」


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第10ターン:夫婦喧嘩!? シオンVSアム

次々と行われるファイト。
その中で、ついに出会うべき者たちが出会ってしまった。
2人は、何を思い、口にしあうのだろう。



今回からソウルカウンター、バインドカウンターに引き続き、ドロップカウンターとデッキの枚数の表示を追加します。
文字数は増えますが、前よりも見やすくなったと思います。


VF世界大会日本本予選ファーストステージクレイスクランブル。

参加者の1人であるクロノは、また勝利を重ね、次なるファイトを行うために走っていた。

 

クロノ「さっきの奴も、勝利ポイントが増加したようには見えなかった。つまり、相性は普通か悪いかの2択。これじゃああんまりポイントが増えないなぁ」

 

クロノは走りながら、大きなため息をつく。

 

クロノ「でも、勝つしかない。俺たちはチャレンジャーなんだから」

 

顔を上げて、クロノは足を速める。

そんな時、クロノの耳に声が聞こえてきた。

 

トコハ「クロノ~!」

 

クロノ「おお~。トコハ~」

 

その声の主は、チームメイトであり、恋人であるトコハだった。

とても嬉しそうに笑い、手を振りながら、トコハはものすごい勢いでクロノに向かって走っていた。

そして、あと数歩でクロノに追いつくところまで走ると、クロノに飛びついた。

 

トコハ「ク~ロ~ノ♡!」

 

クロノ「うおっと!」

 

トコハ「クロノ♡ クロノ♡ ク~ロ~ノッ♡!」

 

そのまま数秒足を浮かせていると、クロノがすとんとトコハを下ろした。

満足したのか、トコハは満開の笑顔をクロノに向けた後。

 

トコハ「また後でね~!」

 

と、言いながら去って行った。

そんな彼女を見送るクロノの顔は真っ赤になっていた。

 

クロノ「/// たっく///」

 

心なしどころか、完全に嬉しそうにクロノも走るのを再開したのだった。

しかし2人は知らなかった。

この1連の光景を見てる者が大勢居たことを。

 

ミヤ『』

 

カズミ『……凄いもの見てしまいましたね』

 

ミヤ『……あの2人つきあっているといううわさはほんとうなんですね』

 

カズミ『ミヤさん。しっかりしてください』

 

それは実況席の2人と観客席のみなさんだった。

あまりの衝撃に、会場中が静まり返っている。

正気なのはカズミだけだ。

 

ミヤ『……仲良いですね』

 

カズミ『はい。正直羨ましいです』

 

ミヤ『あの2人ってよく言い争いをする仲だと思っていたのですが』

 

カズミ『いえ、今でもよく喧嘩しているそうですよ。しかし、新導君は見事でしたね』

 

ミヤ『ええ。飛びつく安城トコハを受けとめ、そのまま数回回転しながら体勢を整え、安全に地面に降ろしましたからね。なんと言いますか……手慣れている感じが凄いですね』

 

カズミ『普段から互いに本音をぶつけ合っていますからこそ、簡単に素直な行動も取れるのでしょうし、相手の考えも理解できるのでしょう。逆に基本喧嘩しない男女は、本音を言えず不満が溜まってしまう危険性がありますから注意が必要ですね』

 

ミヤ『そう言う意味では、とても安心して見れる2人だということですね』

 

カズミ『はい。そして、今まさに、不満が溜まりに溜まりまくった1組の男女がいますね』

 

ミヤ『えっ?』

 

カズミが笑顔でモニターを切り替えると、そこにはファイトを始めたばかりのシオンとアムの姿が映し出されていた。

 

2人「「スタンドアップ!」」

 

シオン「THE!」

 

2人「「ヴァンガード!!」」

 

シオン「《瞬きの騎士 ミーリウス》!」

 

アム「《死せざる死者 グルナッシュ》!」

 

2人のファイトの舞台は何時もの幽霊船だ。

白い騎士と黒い幽霊の対峙は、もはや必然と言っていいだろう。

 

シオン「ライド! 《月牙の騎士 フェレックス》!」

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:44→43枚

フェレックスソウル:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

アム「ライド! 《粉骨の呪術師 ネグロボーン》! グルナッシュはそのままよ! アタック!」

 

アム手札:5→6→5枚

アムデッキ:44→43枚

ネグロボーンパワー:7000

 

シオン「ノーガード!」

 

アム「ドライブチェック!」

 

お化けのちゃっぴー(なし)

アムデッキ:43→42枚

アム手札:5→6枚

 

シオン「ダメージチェック」

 

さるーがる(醒)

シオンデッキ:43→42枚

シオンダメージ:0→1

 

シオン「スタンドトリガーだけど。意味ないね」

 

アム「あら、残念ね~。ま~たトリガー運が無いのかしら~」

 

ここでアムは、昔のファイトを題材にシオンを挑発する。

その顔はなにやら怒っているように見える。

 

シオン「ほぅ。君だって、彼氏に連絡しない日々が続いたよね。1人で何でも抱え込む昔の君が戻って来たのかな?」

 

そんなアムの挑発に対して、シオンは笑顔で不満を返した。

完全に喧嘩を売る体制だ。

アムはジト目になってシオンを睨みつける。

 

アム「……アンタのターンよ。早くしたら?」

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

シオンデッキ:42枚

 

アムダメージ:0

アム手札:6枚

アムデッキ:42枚

ネグロボーンソウル:1

〈 〉〈ネ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン「では、お言葉に甘えて。僕のターン。ライド、《せぷとがる》。スキル発動。手札の《神明の騎士 アルトマイル》を公開してSB1。山札から、パワー7000の勇敢を持つカードをコールする。《ぎゅーんみー》をコール。さらに《絶世の騎士 リヴァーロ》をコールだ」

 

シオン手札:5→6→5→4枚

シオンデッキ:42→41→40枚

せぷとがるソウル:1→0

シオンドロップ:0→1

 

アム「さっそくロイパラお得意の展開で攻めてくるのね。我慢弱いのは、貴方の弱点の1つじゃないかしら?」

 

このアムの言葉にシオンはムッときたのか、そのまませぷとがるで攻撃宣言を行うことになった。

 

せぷとがる+ミーリウスパワー:14000

 

アム「(まあ、ミーリウスは放置で良いかな)ノーガードよ」

 

シオン「ドライブチェック」

 

要撃の騎士 レドン(なし)

シオンデッキ:40→39枚

シオン手札:4→5枚

 

アム「ダメージチェック」

 

お化けのとみー兄弟(なし)

アムデッキ:42→41枚

アムダメージ:0→1

 

シオン「アタックがヒットしたため、ミーリウスのスキル発動! このユニットをソウルに送り、山札の上10枚を確認。その中のアルトマイルを2枚まで公開して、1枚を手札に加え、もう1枚はソウルに送る。神明の騎士2枚を公開」

 

せぷとがるソウル:0→1→2

シオンデッキ:39→37枚

シオン手札:5→6枚

 

シオン「ぎゅーんみーでブースト、リヴァーロでアタック!」

 

リヴァーロ+ぎゅーんみーパワー:17000

 

アム「《お化けのちゃっぴー》でガードよ。スキル発動。山札からグランブルーを1枚ドロップに送るわ。私は《キング・サーペント》を選択!」

 

ネグロボーン+ちゃっぴーシールド:17000

アム手札:6→5枚

アムデッキ:41→40枚

アムドロップ:0→1

 

アム「さらに《スケルトンの砲撃手》でガードよ!」

 

ネグロボーン+ちゃっぴー+砲撃手シールド:22000

アム手札:5→4枚

アムドロップ:1→3

 

シオン「おや、良いのかい? いきなりそんなにも手札を使って」

 

アム「ふん。良いのよ。落としたいカードを落としたんだから」

 

シオンの挑発に、アムは少し悔しそうにしながらも、強がって返した。

そんなアムを見て、意地汚く笑いながら、シオンはエンド宣言を行うのだった。

 

アムダメージ:1

アム手札:4枚

アムデッキ:40枚

アムドロップ:3

 

シオンダメージ:1

シオン手札:6枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:37枚

シオンドロップ:1

〈 〉〈せ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈ぎ〉

 

アム「スタンド&ドロー! ライド! 《倦怠の呪術師 ネグロレイジー》!」

 

アム手札:4→5→4枚

アムデッキ:40→39枚

 

アム「(あのカードは残すと面倒ね)ネグロレイジーでリヴァーロにアタック!」

 

ネグロレイジーパワー:9000

 

シオン「ふっ。ノーガードだよ。さあ、トリガーを引いてみなよ」

 

ネグロレイジーのパワーが9000なのに対し、リヴァーロはパワー10000。

このままでは攻撃は通らない。

シオンは挑発を込めてその事実を言い放った。

それに対してアムも怒りを抑えきれない。

もはや2人して普段のキャラからは考えられない空気を放っているほどだ。

 

アム「……」

 

シオン「……」

 

アム「……ドライブチェック」

 

お化けのでゅーい(治)

アムデッキ:39→38枚

アム手札:4→5枚

 

アム「ヒールトリガーゲットよ! パワーはネグロレイジー! 1枚回復! どうよ!」

 

ネグロレイジーパワー:9000→14000

アムダメージ:1→0

アムドロップ:3→4

 

シオン「……リヴァーロは退却だよ」

 

シオンドロップ:1→2

 

アム「はん。ターンエンドよ」

 

シオンダメージ:1

シオン手札:6枚

シオンデッキ:37枚

シオンドロップ:2

〈 〉〈せ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ぎ〉

 

アムダメージ:0

アム手札:5枚

アムデッキ:38枚

アムドロップ:4

ネグロレイジーソウル:2

〈 〉〈ネ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アム「所詮アンタは、私に勝てないのよ! ファイトでも人生でも!」

 

シオン「……」

 

溜まっていた不満を吐き出すように、アムは罵倒を始める。

それをシオンは、顔を伏せながら聞いていた。

 

アム「私の考えていることなんて何にも分かってないくせに、何でも分かってるような顔して!」

 

シオン「……うるさい……」

 

アム「連絡頂戴!? 私のLINE無視してるのは何処の誰!? 勝手なこと言うな!」

 

シオン「うるさいっ」

 

アム「アンタってやつは!」

 

シオン「うるさーーーい!!」

 

アムの言葉を遮ってシオンは叫ぶ。

先ほどまでの雰囲気に呑まれ、実況席で黙ってみていた2人も驚いた。

 

シオン「スタンド&ドロー! ライド! 《神明の騎士 アルトマイル》! さっきから黙って聞いていれば! 好き勝手言ってくれるね! スキル発動! 勇敢持ちをSB1! 山札から勇敢持ちをコール! 来い、ぎゅーんみー!」

 

シオン手札:6→7→6枚

シオンデッキ:37→36→35枚

アルトマイルソウル:3→2

シオンドロップ:2→3

 

シオン「君だって! 僕がどれだけ大変なのか、知らないだろ! 君が有名になればなるほど、僕がどれほど世間の目を気にしなければならないのか、本当に分かっているのか!」

 

シオンの怒りの瞳に思わずアムも驚いてしまう。

 

シオン「せっかく君と話し合うと同時にファイトできると思ってウキウキとしていたら! 君は怒っているし、長々と説教されるし! フェレックス、《要撃の騎士 レドン》をコール! 君こそ! 勝手なことを言うな! 馬鹿なのか! 君は!」

 

シオン手札:6→4枚

フェレックスパワー:7000→8000

 

アム「なっ、なんですってぇー!」

 

アムも負けずと言い返す。

 

アム「馬鹿はアンタでしょうが!」

 

シオン「誰が馬鹿だ! レドンでアタック!」

 

レドン+ぎゅーんみーパワー:16000

 

アム「ノーガード! ダメージチェックよ!」

 

荒海のバンシー(☆)

アムデッキ:38→37枚

アムダメージ:0→1

 

アム「そんな、ヘナチョコパンチ効かないわよ! クリティカルトリガーでネグロレイジーにパワーを与えるわ!」

 

ネグロレイジーパワー:9000→14000/☆2

 

シオン「ちっ! なら! アルトマイルでアタック!」

 

アルトマイルパワー:11000

 

アム「ノーガード!」

 

シオン「ツインドライブ!」

 

夢の運び手 ベレヌス(☆)

 

シオン「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てアルトマイルに!」

 

アルトマイルパワー:11000→16000/☆2

レメディ・エンジェル(治)

シオンデッキ:35→33枚

シオン手札:4→6枚

 

シオン「ゲット! ヒールトリガー! パワーはフェレックス! ダメージ1回復!」

 

シオンダメージ:1→0

シオンドロップ:3→4

フェレックスパワー:8000→13000

 

アム「最初とは逆に運が良いわね! ダメージチェック!」

 

防潮のバンシー(なし)

お化けのみっく一家(醒)

アムデッキ:37→35枚

アムダメージ:1→3

 

アム「こっちもスタンドトリガーゲットよ! 当然パワーはネグロレイジー!」

 

ネグロレイジーパワー:14000→19000/☆2

 

シオン「フェレックスでアタック!」

 

フェレックス+ぎゅーんみーパワー:20000

 

アム「効かないって言ってるでしょ! 《腐海の呪術師 ネグロルーク》でガードよ!」

 

ネグロレイジー+ネグロルークシールド:24000

アム手札:5→4枚

アムドロップ:4→5

 

アム「バーカ、バーカ。ヘナチョコパンチ」

 

シオン「ぐぬぬぬ、ターンエンド」

 

アムダメージ:3

アム手札:4枚

アムデッキ:35枚

アムドロップ:5

 

シオンダメージ:0

シオン手札:6枚

アルトマイルソウル:2

シオンデッキ:33枚

シオンドロップ:4

〈レ〉〈ア〉〈フ〉

〈ぎ〉〈 〉〈ぎ〉

 

言い争いが続いているが、お互いに幼稚な言葉を言っているそのさまは。

 

ミヤ『えーっと。これは、何と言いますか……』

 

カズミ『まるで痴話喧嘩ですね』

 

アム「シオンのお馬鹿!」

 

シオン「アムの頭でっかち!」

 

見ている人全員を呆れさせている。

特にアイドル蝶野アムのファンは、何時も見ている姿とはまるで違う彼女の姿に、目を丸くしているほどだ。

 

アム「もう、許さない! 私のターン! スタンド&ドロー! ライド! 《星影の吸血姫 ナイトローゼ》! 《海淵のゾンビホエール》をコストに、ストライドジェネレーション! 《嵐を呼ぶ海賊王 ガッシュ》!」

 

アム手札:4→5→4→3枚

アムデッキ:35→34枚

アムドロップ:5→6

 

シオン「ふ~ん。今日は星影の方なんだ」

 

アム「アンタを倒すためよ。超越スキル! CB1! 山札の上3枚をドロップへ。ドロップゾーンから1枚選び、コール! キング・サーペントよ!」

 

アムダメージ:3(裏0→1)

アムデッキ:34→31枚

アムドロップ:6→9→8

 

アム「キング・サーペントのスキル。SC1! CC1!」

 

ガッシュソウル:3→4

アムデッキ:31→30枚

アムダメージ:3(裏1→0)

 

アム「さらに、ガッシュのスキル! CB1! SB1! ガッシュのソウルを任意の枚数ドロップへ送るわ。その枚数と同じだけドロップからコール! 私は2枚ドロップに送るわ! そして、ドロップからネグロレイジー、ネグロボーンをコール!ガッシュのスキルでパワー+1000!」

 

アムダメージ:3(裏0→1)

ガッシュソウル:4→3→1

アムドロップ:8→9→11→9

ネグロレイジーパワー:9000→10000

ネグロボーンパワー:7000→8000

 

ミヤ『出ました! グランブルーのドロップゾーンからのスペリオルコール! まさしく圧巻です!』

 

アム「ネグロレイジーとグルナッシュを亡霊に! さらにネグロレイジーのスキル! CB1とSB1で、ドロップゾーンのG2以下をコール! グルナッシュをコール! 亡霊! さらにネグロレイジーにパワー+2000! そして、ランペイジ・シェイドをコール!」

 

アムダメージ:3(裏1→2)

ガッシュソウル:1→0

アムドロップ:9→10→9

ネグロレイジーパワー:10000→12000

アム手札:3→2枚

〈ネ〉〈ナ〉〈キ〉

〈ラ〉〈グ〉〈ネ〉

 

カズミ『ガッシュのスキルでドロップに送られていたカードですね』

 

超越コストともう1枚以外、手札を使わないで全てのリアガードを展開した。

この脅威の展開力こそがグランブルーの特徴だ。

シオンの操るロイヤルパラディンとは全く異なるベクトルの展開力。

それには何時も苦戦させられる、シンプル故に強い能力なのだ。

 

アム「グランブルーは何度でも蘇る! 蘇る度に強くなるのよ! アンタを負かして頭下げらせるまで、私は絶対に諦めないわ! ネグロレイジーでフェレックスにアタック!」

 

ネグロレイジー+ランペイジパワー:16000

 

シオン「《夢の運び手 ベレヌス》でガード!」

 

フェレックス+ベレヌスシールド:18000

シオン手札:6→5枚

シオンドロップ:4→5

 

アム「ネグロボーンでブースト、キング・サーペントでアタック!」

 

サーペント+ネグロボーンパワー:17000

 

シオン「ガード! せぷとがる! レドンでインターセプト!」

 

アルトマイル+せぷとがる+レドンシールド:21000

シオン手札:5→4枚

シオンドロップ:5→7

 

アム「ネグロボーンのスキル! CB1! キング・サーペントを退却して、ドロップからネグロルークをコール! 亡霊!」

 

アムダメージ:3(裏2→3)

アムドロップ:9→10→9

 

アム「ガッシュでヴァンガードにアタック! ランペイジ・シェイドのスキル発動! このユニットをソウルに送り、1枚ドロー。パワー+5000!」

 

ガッシュソウル:0→1

ガッシュパワー:26000→31000

アムデッキ:30→29枚

アム手札:2→3枚

ガッシュ+グルナッシュパワー:36000

 

シオン「ノーガード」

 

アム「トリプルドライブ」

 

夜霧の吸血姫 ナイトローゼ(なし)

防潮のバンシー(なし)

ランペイジ・シェイド(☆)

アムデッキ:29→26枚

アム手札:3→6枚

 

アム「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはネグロルーク! クリティカルはヴァンガード!」

 

ガッシュ:☆2

ネグロルークパワー:9000→14000

 

シオン「ダメージチェック!」

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

ダマスカスの支援術士(なし)

シオンデッキ:33→31枚

シオンダメージ:0→2

 

アム「よし! ネグロルークでアタック! スキルでパワー+2000! さらに! 亡霊状態なため、パワー+5000!」

 

ネグロルークパワー:14000→16000→21000

 

シオン「ガード。リルディス、《反攻の騎士 スレイマン》」

 

アルトマイル+リルディス+スレイマンシールド:26000

シオン手札:4→2枚

シオンドロップ:7→9

 

アム「(ガード2枚。流石にわざとよね)ターンエンド。亡霊状態のユニット3体はドロップへ。グルナッシュのスキル。CC2。ネグロボーンのスキル。CC1、SC1」

 

アムドロップ:9→12

アムダメージ:3(裏3→1→0)

ナイトローゼソウル:1→2

アムデッキ:26→25枚

 

フィールドに残らず、再び墓地で力を溜めるユニットたち。

そんなユニットたちに、アムの心情の1部を見たシオンは笑った。

 

アム「何笑ってるのよ!」

 

シオン「あははは。いや、ごめん。君の攻撃を受けて、少し頭が冷えてね。伊吹さんの言葉を思い出したんだ」

 

アム「伊吹本部長の言葉?」

 

これにはアムだけでなく、ミヤやカズミも首をかしげる。

 

シオン「『ファイトには、その人間の全てが現れる』クロノを通して、その言葉の意味を何度も見てきたけど、僕もこのファイトを通じて、君の気持ちが見えてきた気がするよ」

 

アム「私の……気持ち」

 

シオン「だから、アム。君も、僕のファイトを見てくれ。僕の全てを!」

 

シオンダメージ:2

シオン手札:2枚

シオンデッキ:31枚

シオンドロップ:9

〈 〉〈ア〉〈フ〉

〈ぎ〉〈 〉〈ぎ〉

 

アムダメージ:3

アム手札:6枚

アムデッキ:27枚

ナイトローゼソウル:2

アムドロップ:12

〈 〉〈ナ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ネ〉

 

カズミ『綺場君は、本音を言ったおかげか。冷静な自分を取り戻すことができたみたいですね』

 

ミヤ『次は綺場シオンのターン! ここからどんな展開を見せてくれるのか!』

 

シオン「僕のターン! スタンド&ドロー! アルトマイルを捨てて、ストライドTHEジェネレーション! 《不滅の聖剣 フィデス》! 超越スキル! SB1! 山札からスレイマンをコール!」

 

シオン手札:2→3→2枚

シオンデッキ:31→30→29枚

フィデスソウル:2→1

シオンドロップ:9→10→11

 

シオン「さらに! 《ダマスカスの支援術士》をコール!」

 

シオン手札:2→1枚

〈ス〉〈フ〉〈フ〉

〈ぎ〉〈ダ〉〈ぎ〉

 

シオン「フィデスのスキル! CB1で、勇敢持ちのアタックはパワーに関係なくヒットできる!」

 

シオンダメージ:2(裏0→1)

 

ミヤ『出ました! フィデスのガード制限スキル! これで蝶野アムは、守護者以外のガードが難しくなりにゃした!』

 

シオン「スレイマンとフェレックスの勇敢!」

 

スレイマンパワー:9000→12000→14000

フィデスパワー:26000→28000

フェレックスパワー:7000→8000→10000

 

シオン「フェレックスでアタック!」

 

フェレックス+ぎゅーんみーパワー:17000

 

アム「《マルトリート・シェイド》とネグロレイジーでガードよ!」

 

ナイトローゼ+ネグロレイジー+マルトリートシールド:21000

アム手札:6→4枚

アムドロップ:12→14

 

シオン「それなら、フィデスでアタック!」

 

フィデス+ダマスカスパワー:35000

 

アム「《防潮のバンシー》で完全ガード!」

 

アム手札:4→2枚

アムドロップ:14→16

 

シオン「トリプルドライブ!」

 

せぷとがる(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

夢の運び手 ベレヌス(☆)

シオンデッキ:29→26枚

シオン手札:1→4枚

 

シオン「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全てスレイマンへ!」

 

スレイマンパワー:14000→19000/☆2

 

アム「シオンお得意の連続攻撃。……辛いわね。でも、デッキは大丈夫なの? 欲しいユニットがなくなったら次の攻め手がなくなるんじゃない?」

 

シオン「よく言ってるじゃないか。僕は全てを手に入れる。そのために、あらゆる手を使うと。やり方なんて、幾らでもあるさ! スレイマンでアタック! スキル発動! CB1と手札1枚をコストに、山札からリヴァーロをコール! パワー+2000!」

 

シオンダメージ:2(裏1→2)

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:11→12→13

シオンデッキ:26→25枚

リヴァーロパワー:10000→12000

スレイマンパワー:19000→17000/☆2

スレイマン++ぎゅーんみーパワー:24000/☆2

 

アム「Gガード! 《招来の幻妖術師 ネグロノーラ》! SB1! ドロップゾーンから2枚選択して、ガーディアンとしてコール! 私は、お化けのちゃっぴーとキング・サーペントをコールするわ。ちゃっぴーのスキルで、山札から《お化けのべいる》をドロップへ!」

 

アム手札:2→1枚

ナイトローゼソウル:2→1

ナイトローゼ+ネグロノーラ+ちゃっぴー+サーペントシールド:41000

アムドロップ:16→17→15→16→18

アムデッキ:27→26枚

 

シオン「流石に硬いね。リヴァーロでアタック!」

 

リヴァーロパワー:12000

 

アム「ノーガード」

 

スケルトンの砲撃手(なし)

アムデッキ:26→25枚

アムダメージ:3→4

 

シオン「ダマスカスの支援術士の勇敢。このユニットを退却させて、CC2と1枚ドロー」

 

シオンドロップ:13→14

シオンダメージ:2(裏2→0)

シオン手札:3→4枚

シオンデッキ:26→25枚

 

シオン「ターンエンド」

 

アムダメージ:4

アム手札:1枚

アムデッキ:25枚

ナイトローゼソウル:1

アムドロップ:18

 

シオンダメージ:2

シオン手札:4枚

シオンデッキ:25枚

アルトマイルソウル:1

シオンドロップ:14

〈ス〉〈ア〉〈リ〉

〈ぎ〉〈 〉〈ぎ〉

 

アム「はあ。やっぱりアンタムカつくぐらい強いわ」

 

シオン「お褒めに預かり光栄です」

 

溜め息をつきながら皮肉った言葉に、シオンは素直に頭を下げた。

そんなシオンをアムはジト目で睨みつけるのだった。

 

アム「スタンド&ドロー。ライド、《夜霧の吸血姫 ナイトローゼ》! さらに夜霧の吸血姫 ナイトローゼをコストに、Gゾーン解放。行くわよ、シオン。絶望を乗り越え、立ち上がれ! 我が未来はここにある! ストライドジェネレーション! 《夜薔薇の海賊王 ナイトローゼ》!」

 

アム手札:1→2→1→0枚

アムデッキ:25→24枚

アムドロップ:18→19

 

ミヤ『蝶野アム! ここで超越したのは! ナイトローゼの新たなる姿!夜薔薇の海賊王 ナイトローゼだ!』

 

カズミ『しかも夜霧ナイトローゼにライドし直しています。次のターンの守りも万全ですね』

 

アム「超越スキル。CB1して、ドロップゾーンからスケルトンの砲撃手をコールよ。パワー+2000! スケルトンの砲撃手のスキル。CB1して、相手のユニットを退却!右のぎゅーんみーを退却させて、1枚ドロー!」

 

アムダメージ:4(裏0→1→2)

アムドロップ:19→18

砲撃手パワー:9000→11000

アム手札:0→1枚

アムデッキ:24→23枚

シオンドロップ:14→15

 

アム「夜薔薇の海賊王 ナイトローゼのスキル。CB1。ドロップゾーンからGBと同じ枚数まで亡霊状態でコールするわ。私は、ランペイジ・シェイド、グルナッシュ、お化けのべいるをコール。3枚以上コールしたため、このユニットのクリティカル+1。さらにべいるは自身のスキルで、パワー+2000」

 

アムダメージ:4(裏2→3)

アムドロップ:18→15

ナイトローゼ:☆2

べいるパワー:7000→9000

〈ス〉〈ナ〉〈べ〉

〈ラ〉〈グ〉〈ネ〉

 

アム「はあぁ、ホント私たちって不器用よね。もっと素直に気持ちを言い合えれば良いのに」

 

シオン「クロノとトコハみたいに、日頃から喧嘩して仲直りすることができれば良いんだけどね。いや、あの2人は参考にならないか」

 

2人の瞼の裏には中学の時から続く喧嘩と仲直りを繰り返すクロトコメモリーが映し出される。

確かにあのケンカップル兼バカップルのように行くことは難しいだろう。

 

シオン「でも、僕たちは僕たちのペースで進んでいけばいいんだよ」

 

アム「そうね。まずは、ごめんなさい。シオン。最近忙しくて、貴方のお誘いを断り続けちゃって」

 

アムは素直に、申し訳なさそうに頭を下げた。

 

シオン「僕のほうこそ、時間がかみ合わないと思って、あまり連絡しなくてごめん」

 

シオンも同じように謝った。

謝る姿が全く同じだったため、2人は急に笑い出した。

 

アム「あははは。あ~可笑しい。結局私たちって、似たもの同士ってことね」

 

シオン「同じような人間が同じように意地張って、同じように嫉妬し合ったんだ。拗れるのもしかたがないね」

 

アム「もう少し頻繁に会いましょう。我慢のしすぎは体に良くないわ」

 

シオン「そうだね。さて、時間云々は後で話そう。今は、このファイトに集中だ」

 

アム「ええ。負けないわよ。バトル! ナイトローゼのスキル! ドロップのナイトローゼの数だけユニットを選択、パワー+5000! 今私のドロップには、ナイトローゼが2枚あるわ。私はお化けのべいるとスケルトンの砲撃手を選択!」

 

砲撃手パワー:11000→16000

べいるパワー:9000→14000

 

ミヤ『ナイトローゼが自身のスキルで展開したカードにさらにパワァーを与えたぞ!』

 

アム「ランペイジ・シェイドのブースト、砲撃手でヴァンガードにアタック!」

 

砲撃手+ランペイジパワー:20000

 

シオン「ベレヌスでガード!」

 

アルトマイル+ベレヌスシールド:21000

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:15→16

 

アム「まだまだ行くわよ! ネグロボーンのブースト、べいるで、ヴァンガードにアタック!」

 

べいる+ネグロボーンパワー:21000

 

シオン「ノーガード! ダメージチェック!」

 

天命の騎士 アルトマイル(なし)

シオンデッキ:25→24枚

シオンダメージ:2→3

 

アム「ネグロボーンのスキルで、べいるを退却! ネグロレイジーをコール! 亡霊! さらにべいるは、バトルフェイズ中に退却した場合、自身を山札の1番下に戻すことで、CC1!」

 

アムダメージ:4(裏3→4→3)

アムドロップ:15→16→15→14

アムデッキ:23→24枚

 

アム「蘇ったネグロレイジーのスキルで、ネグロルークを呼び戻す!」

 

アムダメージ:4(裏3→4)

ナイトローゼソウル:2→1

アムドロップ:14→13→14

ネグロレイジーパワー:9000→11000

 

アム「ナイトローゼでアタック!」

 

ナイトローゼソウル:1→2

ナイトローゼパワー:26000→31000/☆2

アム手札:1→2枚

アムデッキ:24→23枚

ナイトローゼ+グルナッシュパワー:36000/☆2

 

シオン「Gガード! 《神聖竜 ディフェンドホールド・ドラゴン》! 勇敢で、完全ガードになる!」

 

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:16→17

 

アム「出たわね。それなら、トリプルドライブ!」

 

防潮のバンシー(なし)

お化けのでゅーい(治)

 

アム「ヒールトリガー! ダメージ1回復、パワーはネグロルークへ!」

 

アムダメージ:4→3(裏4→3)

アムドロップ:14→15

ネグロルークパワー:9000→14000

荒海のバンシー(☆)

アムデッキ:23→20枚

アム手札:2→5枚

 

アム「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、ネグロルークへ!」

 

ネグロルークパワー:14000→19000/☆2

 

カズミ『ダブルトリガー。流石ですね』

 

アム「これならどう? ネグロルークでアタック! 亡霊状態なため、スキル発動!」

 

ネグロルークパワー:19000→21000→26000/☆2

 

シオン「(ここだ!)ノーガード!」

 

ミヤ『おーっと!綺場シオンはここでノーガードだ!』

 

シオン「ダメージチェック」

 

ぎゅーんみー(なし)

要撃の騎士 レドン(なし)

シオンデッキ:24→22枚

シオンダメージ:3→5

 

カズミ『残りの攻撃は1回。確実にガードできるからこそのノーガード宣言ですね』

 

アム「なら、ネグロレイジーでアタックよ!」

 

ネグロレイジーパワー:11000

 

シオン「《厳戒の騎士 レギウス》! 勇敢! SC1! 手札が1枚以下なため、ノーコストで完全ガード!」

 

シオン手札:2→1枚

アルトマイルソウル:1→2

シオンデッキ:22→21枚

シオンドロップ:17→18

 

カズミ『前のターンの最後にドローしたカードは分からないままでしたか』

 

ミヤ『前のターンのトリプルドライブで手札に入ったカードが見えていた以上、このターンで決めきれないことは、蝶野アムにも分かっていたのでは? だからこそ、連続攻撃よりも手札を増やすことに集中したわけですし』

 

カズミ『それでも、情報が見えているのかいないのかは大きく違います。少しでも多くの手札を見たいために、この攻撃を仕掛けたのでしょう』

 

アム「エンドフェイズに、亡霊状態のユニットは退却するわ。まずは、グルナッシュよ。スキルでCC2。ここで、夜霧の吸血姫 ナイトローゼのGB2発動。Rがドロップゾーンに置かれたため、山札の上3枚をドロップゾーンに送り、ドロップゾーンのユニットをコールするわ。私は、スケルトンの砲撃手をコール。亡霊にして、スキル発動。私は、左のぎゅーんみーを選択。さらに1枚ドロー」

 

アムドロップ:15→16→19→18

アムデッキ:20→17→16枚

アムダメージ:3(裏3→1→2)

アム手札:5→6枚

シオンドロップ:18→19

 

アム「残りのユニットは同時に退却するわ」

 

アムダメージ:3(裏2→1)

ナイトローゼソウル:2→3

アムデッキ:16→15枚

アムドロップ:18→21

 

ミヤ『蝶野アムは、これで完全ガードが手札に1枚入っています。大丈夫か?』

 

シオンダメージ:5

シオン手札:1枚

シオンデッキ:21枚

アルトマイルソウル:2

シオンドロップ:19

〈ス〉〈ア〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アムダメージ:3(裏1)

アム手札:6枚

アムデッキ:15枚

ナイトローゼソウル:3

アムドロップ:21

〈 〉〈ナ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ネ〉

 

シオン「(手札は6枚。なら、いける)ファイナルターン!」

 

シオンのファイナルターン宣言を聞いていた全員が息を呑む。

 

シオン「超越コストは《天命の騎士 アルトマイル》! ストライドTHEジェネレーション! 《不滅の聖剣 フィデス》!」

 

シオン手札:1→2→1枚

シオンデッキ:21→20枚

シオンドロップ:19→20

 

シオン「超越スキル! フェレックスをコール!」

 

フィデスソウル:2→1

シオンドロップ:20→21

シオンデッキ:20→19枚

 

シオン「フェレックスの勇敢! 前列全てにパワー+2000と抵抗を与える!」

 

スレイマンパワー:9000→12000→14000

フィデスパワー:26000→28000

フェレックスパワー:7000→8000

リヴァーロパワー:10000→12000

 

シオン「フィデスのスキル!」

 

シオンダメージ:5(裏0→1)

 

アム「前列全てに抵抗があるから、砲撃手で除去するができない。しかも、連続攻撃の準備が整った!」

 

カズミ『綺場君のユニットはほぼ全て勇敢持ち。蝶野さんのダメージは3。ダメージトリガーに全てがかかっていますね』

 

シオン「いくよ、まずはスレイマンでアタック! スキルは使わないよ」

 

スレイマンパワー:14000

 

アム「ノーガードよ。ダメージチェック」

 

お化けのとみー兄弟(なし)

アムデッキ:15→14枚

アムダメージ:3→4(裏1)

 

ミヤ『1枚目はノートリガーだ!』

 

シオン「続いて、リヴァーロでアタック! スキルで、3枚目のスレイマンをコール!」

 

リヴァーロパワー:12000

シオンダメージ:5(裏1→2)

シオンデッキ:20→19枚

スレイマンパワー:9000→12000→14000

シオンドロップ:20→21

 

アム「もう1度よ。ノーガード! ダメージチェック!」

 

お化けのとみー兄弟(なし)

アムデッキ:14→13枚

アムダメージ:4→5(裏1)

 

アム「くっ!」

 

ミヤ『2回連続、ノートリガー!』

 

カズミ『これで彼女は、もう攻撃を通すことができなくなりました』

 

シオン「スレイマンでアタック! リヴァーロをコール!」

 

スレイマンパワー:14000

シオンダメージ:5(裏2→3)

シオン手札:1→0枚

シオンドロップ:21→22→23

シオンデッキ:19→18枚

リヴァーロパワー:10000→12000→14000

 

アム「リヴァーロもスレイマンも3枚ずつ。ネグロルークとキング・サーペントでガードよ」

 

ナイトローゼ+ネグロルーク+サーペントシールド:21000

アム手札:6→4枚

アムドロップ:21→23

 

シオン「リヴァーロでアタック! 来い! 《逆風の騎士 セリム》!」

 

リヴァーロパワー:14000

シオンダメージ:5(裏3→4)

シオンデッキ:18→17枚

セリムパワー:7000→10000

 

カズミ『セリムは山札でG2として扱うスキルを持っていますから、リヴァーロでリクルートが可能です』

 

アム「……(フィデスの攻撃を含めて、最低後3回は攻撃ができる。防ぎきるには……)賭けるしかない! ノーガード!」

 

ミヤ『ここでノーガード宣言!?』

 

カズミ『連続攻撃が続く以上、勝つためにはここしかないでしょう』

 

アム「ダメージ……チェック(お願い!)」

 

アムは目をつむって祈るように山札をめくる。

しかし、めくられたカードは、夜霧の吸血姫 ナイトローゼだった。

 

夜霧の吸血姫 ナイトローゼ(なし)

アムダメージ:5→6

シオンWIN

 

無情にも彼女の相棒は、彼女の敗北の決定打となってしまった。

アムはそのカードを見て、ダメージゾーンに置いた。

 

アム「あ~あ。負けちゃったか。残念」

 

シオン「セ・フィ二。ありがとう。良いファイトだったよ」

 

2人はカードを片付け、握手を交わした。

そして、ポイントが勝者に渡される。

 

シオン「これは……多いね。アム、君何点ぐらい取っていたんだい?」

 

アム「えっ? 私は――」

 

アムが話した点数を聞いたシオンは、笑い出した。

 

アム「え!? なんで!? 何が可笑しいの?」

 

シオン「いや、ごめん。どうやら、このシステム上の僕たちの相性は良いみたいでね。それが嬉しくて、つい」

 

アム「えっ!?///」

 

相性システムのことを思い出し、アムは頬を染めた。

当然だろう。

目的が違うと言っても、恋人同士の相性が良いと言われれば嬉しいが道理だからだ。

ここでアムがドロップゾーンに送られ始める。

 

アム「あっ、シオン!」

 

慌ててアムが大きな声でシオンに呼びかける。

 

アム「今日は、難しいかもしれないけど。明日!」

 

アムが言わんとしていることに気づき、シオンはアムが降りていく穴に近づく。

 

アム「明日。会いましょう」

 

少し寂しそうだが、確信に満ちた目を向けて言葉を紡いだところで、アムの姿が見えなくなった。

その言葉を聞いたシオンも少し寂しそうに顔を伏せたが、すぐに顔を上げた。

 

シオン「もちろんだよ。アム」

 

会う約束。

それを交わすことができたシオンは、笑って歩み出した。

すれ違っていた想いが、繋がり合ったことが今は何よりも嬉しいから。

 

続く

 

ピンポンパンポ~ン

 

ミヤ『えーっ。皆様、そろそろお昼の時間が近づいてまいりました。お食事は、バインドゾーンにて行ってください』

 

カズミ『あそこ美味しいですよね。俺も食べたかった』

 

ミヤ『こんなことも有ろうかと、1部をここに』

 

実況席でも、美味しそうな食事フェイズが開始されるのだった。




次回予告

「しまった! お昼の時間なのにドロップに落ちるなんて! ファイト時間短くなるじゃない!」

「えっ!? そっち!?」

「よく考えなさい。私のチームメイトは……ルーナとサーヤよ」

「あぁ(察し)」

「ああぁ。2人が心配だわ。特にルーナ」

次回、第11ターン:過去と未来

「まあまあ、彼女たちも18歳になってるんだから、信じてあげようよ」

「はぁ。変な所で時間潰してないと良いんだけど」


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第11ターン:過去と未来

多くのファイト。
入り乱れる人々の思い。
その中で、少女は1人の人間の悩みを聞くのだった。


VF世界大会日本本予選ファーストステージクレイスクランブル1日目も半日が経過した。

ファイターはそれぞれ、バインドゾーンにて食事を開始していた。

その中には、トライスリーの3人の姿もあった。

 

シオン「ふぅ。ここまでは全勝か」←焼き魚定食を食べている

 

トコハ「良い感じよね。3年前の大苦戦が懐かしいわ」←コロッケ定食now

 

クロノ「いや、そんなフラグ立てるようなこと言うなよ」←ハンバーガーバクバク

 

トコハ「フラグって何よ!」

 

クロノ「3年前に初日と2日目と連日で敗北したお前が言うと危険な気がするんだよ!」

 

トコハ「私だって負けたくて負けたわけじゃ無いわよ! そう言うクロノだって!」

 

シオン「2人ともストップ!」

 

何時もの通り喧嘩を始めようとした2人を、シオンが静止する。

なお、この場には他にも大勢の参加者が集まっていたので、当然この会話が聞こえていた。

なので、多くの人は聞き耳を立てていたのだった。

 

モブ共(((あの喧嘩を止めるなんて綺場シオン△(さんかっけー))))

 

彼らの思いは一致していた。

 

シオン「全く君たちは。ここが往来の場だってことを分かっているのかい?」

 

クロトコ「「うっ」」

 

モブ共(((いいぞ! もっと言え!)))

 

シオン「どうせ君たちのことだから、ある程度言い合ったらお互いの非を認め合って、仲直りするんだろ! 知ってるんだよ!」

 

モブ共(((えっ? そっち!?)))

 

シオン「そして、そのままイチャイチャ。状況によってはマウストゥマウスかい!? 家で2人だけの時にやりなよ!」

 

クロノ「うう/// 確かに///」

 

シオンの言葉をクロノは頬を赤めながら認め、顔を伏せた。

対して、トコハはジッとシオンを見つめていた。

 

トコハ「……シオン。何か良いことあった?」

 

シオン「えっ?」

 

何かを見据えた目を向けられて、シオンは冷や汗をかいてしまう。

 

トコハ「だって、シオン、テンション高いよ。こんな風にシオンがなるのって、何か良い事があった時か、これから良い事が起こるかのどっちかだよ」

 

クロノ「あ~、確かに。櫂さんとのファイトなんて滅茶苦茶嬉しそうでテンションMAXだったよな」

 

トコハの指摘に、クロノが納得してしまい、よりいっそシオンは大きく冷や汗をかいた。

 

トコハ「シオン。アンタ……アムとファイトしたわね」

 

シオン「ギクッ」

 

シオンは露骨に顔をそらした。

これを見て、トコハは自身の推測が確信に変わったことを自覚した。

 

クロノ「あ~。それで~」

 

クロノは納得した後、露骨に顔を歪ませてニヤける。

同じようにトコハも笑った。

 

シオン「ッ/// だっ、だからなんだ! 2人とも笑うな!」

 

シオンは羞恥心からか、顔をタコのように真っ赤にして怒鳴った。

 

クロトコ「「いや~青春だな~」」

 

シオン「2人とも。ちょっとそこに正座」

 

この後、シオンはチームメイトカップルを10分ぐらい説教し続けるのだった。

なお、周りの人々は、この光景を生暖かい目で見守っていたと後に語る。

 

その頃。

 

ルーナ「あれ~? 此処何所~?」

 

ラミーラビリンスの弓月ルーナは、迷っていた。

そんな彼女に近づく影があった。

 

江西「ルーナ?」

 

ルーナ「あれ? 江西さん? どうして此処に?」

 

それは、ダークゾーン支部支部長江西サトルだった。

何故か彼は、頭に三角巾を着け、エプロンを身に纏っていた。

 

江西「俺は食事スペースの手伝いだ。人手が足らないと言われてな。ルーナは、何故此処に?」

 

ルーナ「そうだったんですか。私は、お手洗いに来たんですけどぉ」

 

江西「……もしかして、迷ったか?」

 

江西の指摘にルーナは恥ずかしそうに赤くなった。

 

ルーナ「えへへへ///」

 

笑う姿から察するに、図星だったようだ。

 

江西「はぁ。気をつけろ。こっちだ」

 

江西は案内するために歩き出す。

ルーナも慌ててついていった。

 

ルーナ「すみません。お手を煩わせてしまって」

 

江西「気にするな。俺はスタッフで、お前は参加者だ。参加者が無事にイベントを行えるようにサポートするのが仕事だ」

 

話している間に、ルーナは江西の隣まで追いついた。

 

ルーナ「でも意外でした。江西さんって、そんな格好もするんですね」

 

江西「前に、ドラエン支部で働いていた時は、似たような姿だったぞ。特にヴァンガ朗君の中の人やった時とか」

 

ルーナ「そうなんですか~」

 

江西「それに、今回の仕事は俺が自分で志願したんだ。少しでも多くの人がファイトを楽しむ姿を見たかったからな。俺の行動1つで、1人でも多くの人が笑顔になれる。そんな現場を。それこそが、俺を救ってくれた、彼女の思いに応えることだから」

 

ルーナは黙って江西の話を聞いていた。

江西の少年の時の出来事を彼女も知っているから。

 

江西「とは言え、なかなか上手くいかないものだ。最初は、調理担当を志願したのだが、安城さんが即時却下してな。結局、掃除係に任命されてしまった」

 

ルーナ「え? マモルさんが?」

 

彼女にとっては意外なことを聞いて、驚いてしまったらしい。

ルーナにとって、安城マモルとは優しくて懐の広い人だった。

筆頭するのはサーヤのことだろう。

サーヤと良く仕事をする間柄故に、サーヤの無茶な要求にはルーナもアムも何時も苦悩し、フォローに回ることが多い。

サーヤも昔と比べて成長しているのか、最近は無茶振りが減ってきて、スタッフさんたちと相談した上で、自身の要求を述べるようになったので、サーヤのマネージャーもフォローに回ることが少なくなり、胃痛がなくなったと安堵しているらしい。

そんな中で、サーヤが遠慮なく自身が求めるステージを要求できる場所があるのだ。

ドラエン支部である。

お祭り大好きドラエン支部では、彼女の急なスケジュール変更すらも、イベントに変えてしまう。

支部長大山リュウタロウと安城マモルが、「彼女の好きなようにやって欲しい。フォローは自分たちの役目だ」とはっきり言った上で、それを実行してみせたのだ。

特にマモルの方は、サーヤが特に信頼している人物として、名が挙がるほどの信頼を得ている。

そんな人が志願をすぐさま却下するとは思えなかったのだ。

 

ルーナ「江西さん。マモルさんが調理係を却下した理由って分かりますか?」

 

アム曰くマモルでもよほどのことが有れば怒ることがある、と聞いていたルーナは今回のことは江西が原因ではないかと推測した。

江西もすぐさま考えるように顎に手を当てた。

 

江西「ふむ。そういえば、以前支部長クラスだけでお好み焼きパーティを行ったのだが、最年少と言うことで俺が最初焼いたのだが、焼き始めた段階で何故か俺の周りがいろいろと飛び散っていたな」

 

ルーナ「……それですね」

 

自覚がないのか、とても不思議そうな顔をしている江西をルーナは呆れたような目で見つめた。

 

江西「後、支部で俺が湯飲みを洗うと必ず割れてな。置くだけならなんともないのに何故なんだろうな?」

 

ルーナ「とりあえず江西さんは一生料理に関わらないほうが良いことが分かりました。マモルさんが正しいです」

 

ルーナにまではっきりと言われてしまった江西は、やはり納得しかねない顔をしたが、はっきりと言われてしまった以上仕方が無いので黙ってしまった。

そんな江西を見て、ルーナは笑う。

 

江西「……そんなに可笑しいか?」

 

ルーナ「ふふふ。ごめんなさい。江西さんって、天然で可愛い所が有るって、トコハやクミから聞いてましたけど、本当だったんですね」

 

江西は元チームメイトの2人を思い出して少し目を細めてしまう。

そんな江西を見て、ルーナは続けた。

 

ルーナ「でも、良いことだと思いますよ。初めて会った江西さんって、なんだか恐い人だと思いましたから。江西さんの素顔が分かれば、みんな江西さんのこと好きになってくれますから」

 

ルーナは満開の笑顔でそう言った。

 

江西「そう……か? お前も、そうなのか?」

 

ルーナ「えっ?」

 

江西「いや、何でも無い」

 

江西が少し頬を染めながらボソッと言った言葉は、ルーナには聞こえなかったので、江西は誤魔化した。

話している内に、人が大勢集まっている所に辿り着いた。

 

江西「もう、迷うなよ」

 

ルーナ「ありがとう、ございました。江西さん」

 

江西「サトルで良い」

 

そう言った江西の頬はやはり赤かった。

 

ルーナ「分かりました。サトルさん。お仕事頑張ってください」

 

江西「ああ。俺も、お前のファイト、できるだけ見よう」

 

ルーナ「はい。では、失礼します」

 

お辞儀をしたルーナは、そのまま走り去っていった。

その背中を江西は見えなくなるまで見続けた後、決意を新たに彼も歩み出した。

己の成すことを果たすために。

 

ルーナはその後、バインドゾーンから出て、ファイターを探していた。

 

ルーナ「サトルさんも見てるし、みんなの笑顔のため、頑張りますか」

 

そんな時、彼女のファイバがファイト申請を受け取った。

周りを見渡すと、同じマークが表示された人を見つけた。

 

ルーナ「君は、渕高サオリ君」

 

サオリ「あ、貴方は、ラミーラビリンスのルーナさん!?」

 

相手は、チームジャスティス・ヴィクトリーズの渕高サオリであった。

過去のU-20で何度か会ったことがある2人は、すぐにファイトの準備に取り掛かった。

 

ルーナ「よろしくお願いします」

 

サオリ「こちらこそ、お願いします」

 

お互いに笑いあい、2人はテーブルに置かれた1枚のカードに手を添えた。

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

ルーナ「《ハピネス・コレクター》!」

 

サオリ「《リザードソルジャー コンロー》!」

 

ルーナはイメージする、この戦いを。

荒野に舞い降りるバニーと竜騎士。

一見すると、勝負にならないほど力関係がはっきりしているように見えるが、それは惑星クレイでは関係ない。

だからこそ、彼女は力強くカードを引いた。

 

ルーナ「ライド、《月光の旋律使い ベティ》。ハピネス・コレクターは先駆で移動」

 

ルーナ手札:5→6→5枚

ルーナデッキ:44→43枚

ベティソウル:0

〈 〉〈ベ〉〈 〉

〈 〉〈ハ〉〈 〉

 

次にルーナが憑依したのは空中を舞うハーピィだ。

凛とした顔で相手を見据える姿にサオリは思わず見惚れてしまう。

 

サオリ「ライド、《ドラゴンナイト ナーデル》。コンローは先駆で移動。アタック!」

 

サオリ手札:5→6→5枚

サオリデッキ:44→43枚

ナーデル+コンローパワー:12000

 

負けじとサオリは飛竜に乗った騎士に憑依した。

そしてもう1体の竜騎士の力を借りて、ルーナに切りかかった。

 

ルーナ「ノーガード」

 

サオリ「ドライブチェック」

 

ワイバーンストライク ジャーゴ(なし)

サオリデッキ:43→42枚

サオリ手札:5→6枚

 

残念ながらトリガーはなかったが、この攻撃による一閃はルーナにヒットし、ルーナを地面に叩き落した。

 

ルーナ「ダメージチェック」

 

月光の旋律使い ベティ(なし)

ルーナデッキ:43→42枚

ルーナダメージ:0→1

 

サオリ「よし、ターンエンド」

 

ルーナダメージ:1

ルーナ手札:5枚

ルーナデッキ:42枚

 

サオリダメージ:0

サオリ手札:6枚

ナーデルソウル:0

サオリデッキ:42枚

〈 〉〈ナ〉〈 〉

〈 〉〈コ〉〈 〉

 

ルーナ「私のターン、ドロー。ライド、《夜空の舞姫》。スキル発動。CB1。山札からG2以下のカードをソウルへ。私は《絵札の奇術師 ラッピン》を送るよ」

 

ルーナ手札:5→6→5枚

ルーナデッキ:42→41→40枚

ルーナダメージ:1(裏0→1)

舞姫ソウル:1→2

 

叩きつけられた痛みに耐えながら、次にルーナが憑依したのは、可愛らしい衣装を身に纏ったエルフだ。

その力によって、ルーナは自身の力を蓄える。

そして、ルーナは自分の手札を見て、少し考察した。

 

ルーナ「(うーん。展開してダメージを与え過ぎちゃうと、退却効果でこっちの被害の方が大きくなっちゃうかな)なら、ここは、ハピネス・コレクターのブースト、夜空の舞姫でヴァンガードにアタック!」

 

舞姫+ハピネスパワー:14000

 

サオリ「ここはノーガードです」

 

ルーナ「ドライブチェック」

 

キューティ・パラトルーパー(なし)

ルーナデッキ:40→39枚

ルーナ手札:5→6枚

 

舞姫の姿をしたルーナがサオリを蹴りつける。

これには、サオリも痛そうに顔を歪めた。

 

サオリ「うっ。ダメージチェック」

 

ドラゴンダンサー ニルダ(醒)

サオリデッキ:42→41枚

サオリダメージ:0→1

 

サオリ「スタンドトリガーですが、パワーを与える意味はありませんね」

 

ナーデルパワー:7000→12000

 

ルーナ「ターンエンド」

 

サオリダメージ:1

サオリ手札:6枚

サオリデッキ:41枚

 

ルーナダメージ:1(裏1)

ルーナ手札:6枚

舞姫ソウル:2

ルーナデッキ:39枚

〈 〉〈舞〉〈 〉

〈 〉〈ハ〉〈 〉

 

サオリ「スタンド&ドロー。ライド、《ドラゴンナイト シャクール》」

 

サオリ手札:6→7→6枚

サオリデッキ:41→40枚

 

今度は別の竜に乗り換えるように憑依する。

そして、サオリは自身のダメージゾーンに手を出した。

 

サオリ「僕はCB1を払い、コンローのスキルを発動します。このユニットを退却させて、山札からG1以下を手札に加えます。僕は、《ガトリングクロー・ドラゴン》を加えます」

 

サオリダメージ:1(裏0→1)

サオリドロップ:0→1

サオリデッキ:40→39枚

サオリ手札:6→7枚

 

サオリの後ろに居た竜騎士は、自信の身を犠牲に仲間を呼び寄せた。

 

サオリ「本当はガトリングクローのスキルを使いたいのですが、コストが足りませんね。ならば、バトルです。シャクールでアタック!」

 

シャクールパワー:9000

 

ルーナ「ノーガード」

 

サオリ「ドライブチェック」

 

ドラゴンナイト ジャンナット(☆)

サオリデッキ:39→38枚

サオリ手札:7→8枚

 

サオリ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全てヴァンガードへ」

 

シャクールパワー:9000→14000/☆2

 

シャクールのボウガンから放たれた2本の矢が夜空の舞姫に直撃した。

そんなイメージをしてしまったルーナは結構苦しそうだ。

 

ルーナ「ダメージチェック」

 

フライング・ペリュトン(なし)

ホッピング・バルーン(治)

ルーナデッキ:39→37枚

ルーナダメージ:1→3(裏1)

 

ルーナ「やったぁ。ヒールトリガー! ダメージ1回復だよ」

 

舞姫パワー:9000→14000

ルーナダメージ:3→2(裏1→0)

ルーナドロップ:0→1

 

仲間の1人の援護により、ルーナの傷は少し癒された。

その事実に、ルーナは嬉しそうに笑った。

 

ルーナダメージ:2

ルーナ手札:6枚

ルーナデッキ:37枚

ルーナドロップ:1

 

サオリダメージ:1(裏1)

サオリ手札:8枚

シャクールソウル:1

サオリデッキ:38枚

サオリドロップ:1

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

サオリは、このままターンを終了している。

 

ルーナ「スタンド&ドロー。ライド! 《仮面の幻術師 ハリー》!」

 

ルーナ手札:6→7→6枚

ルーナデッキ:37→36枚

 

サオリ「出た。ハリー。ルーナさんの分身」

 

ルーナが憑依した相棒ユニット、ハリーをサオリはしっかりと見据えて構える。

そんなサオリをルーナは笑顔で応えた。

 

ルーナ「ハリーのスキル。山札の上2枚を確認。1枚をソウルへ。もう1枚を山札の下へ送るね。私は《パープル・トラピージスト》をソウルに送るね」

 

ルーナデッキ:36→35枚

ハリーソウル:3→4

 

ルーナ「このままバトル。ハピネス・コレクターのブースト、ハリーでヴァンガードに、アタック!」

 

ハリー+ハピネスパワー:16000

 

ルーナは手を銃のように構え、打つように攻撃宣言を行った。

 

サオリ「の、ノーガード!」

 

それを見たサオリは、つい見惚れてしまったが、なんとかファイトを続けた。

 

ルーナ「ツインドライブ。ファーストチェック」

 

マスカレード・バニー(なし)

 

ルーナ「セカンドチェック」

 

ダークサイド・ソードマスター(☆)

ルーナデッキ:35→33枚

ルーナ手札:6→8枚

 

ルーナ「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てヴァンガードに」

 

ハリーパワー:11000→16000/☆2

ハリー+ハピネスパワー:16000/☆2

 

ハリーの姿のルーナは、そんなサオリが乗った竜を容赦なく杖から発した魔術で打ち落とし、サオリ自身を杖で殴り飛ばした。

 

サオリ「ダメージチェック」

 

ラディエント・ドラゴン(なし)

ガトリングクロー・ドラゴン(引)

サオリデッキ:38→36枚

サオリダメージ:1→3

 

サオリ「よし、ドロートリガーです。1枚ドロー」

 

サオリ手札:8→9枚

サオリデッキ:36→35枚

 

ダメージトリガーで手札を増やしたサオリを見て、ルーナは笑った。

ファイト内容としては、若干不利になったのは確かだが、それ以上に、サオリが楽しそうに笑っていることが彼女にとっては重要なのだ。

 

ルーナ「(1人でも多くの人が私たちのファイトを通して笑顔になって欲しい。それが私の願い。私のヴァンガード。間違いを犯したサトルさん、私やアムだからこその想い)さあ、サオリ君! 君の笑顔とヴァンガードを私に見せて!」

 

サオリダメージ:3(裏1)

サオリ手札:9枚

サオリデッキ:35枚

サオリドロップ:1

 

ルーナダメージ:2

ルーナ手札:8枚

ハリーソウル:4

ルーナデッキ:33枚

ルーナドロップ:1

〈 〉〈ハ〉〈 〉

〈 〉〈ハ〉〈 〉

 

ルーナの声援を聞いたサオリは、自信の手札に眠るダムジッドのカードを見ていた。

 

サオリ「(僕は間違いを犯した。彼を、ダムジッドを止めることができず、結局、彼の暴走を引き起こす原因になってしまった。トコハさんに止めて貰わなければ、今頃どうなっていたか……。でも、タイヨウ君が教えてくれた。間違ってもまたやり直すことができるって。だから……)僕は未来を信じて進みます! スタンド&ドロー! 共に行こう! 僕の分身! ライド! 《ドラゴニック・ブレードマスター “紅焔”》!」

 

サオリ手札:9→10→9枚

サオリデッキ:35→34枚

 

ルーナはサオリが憑依したブレードマスターを見て、先ほどよりも大きく、声を出して笑ってしまった。

 

サオリ「? あの、僕どこか可笑しかったですか?」

 

いきなり笑い出したルーナを見て、サオリは困惑してしまった。

 

ルーナ「あ、ごめんなさい。ちょっと、面白い話を思い出しちゃっただけだから。サオリ君は何も悪くないよ(マモルさん経緯でサトルさんのことを思い出しちゃったなんて言えないな///)」

 

謝るルーナの頬が仄かに赤くなっていたことは、誰にも、彼女自身も気づいていなかった。

 

サオリ「そう……ですか。では、続けます。手札の《ワイバーンストライク ジャーゴ》を捨て、ストライドジェネレーション。《覇天皇竜 エクセンドグレイブ・ドラゴン》。紅焔の超越スキルは使いません」

 

サオリ手札:9→8枚

サオリドロップ:1→2

 

サオリ「ナーデルと《ラディエント・ドラゴン》をコール。ラディエントのスキルをCB1とSB1で発動します。相手のユニットを1枚退却。ルーナさんのフィールドのユニットは1枚しかいないので、ハピネス・コレクターを退却させてください。さらにパワー+2000とスキルを獲得。ナーデルもです」

 

サオリ手札:8→6枚

サオリダメージ:3(裏1→2)

エクセンドグレイブソウル:2→1

サオリドロップ:2→3

ルーナドロップ:1→2

ラディエントパワー:9000→11000

 

ルーナは燃やされるバニーのイメージを見て少し悲しそうにする。

ゲームである以上文句は言わないが、日に焼き尽くされる女性を見て嬉しそうにする人間はそうはいないだろう。

それをサオリ自身が気づいてしまうのは、彼女の優しさ故だろう。

 

サオリ「さらに、シャクール、《ドラゴンナイト ジャンナット》をコール」

 

サオリ手札:6→4枚

〈ラ〉〈エ〉〈シ〉

〈ナ〉〈 〉〈ジ〉

 

サオリ「エクセンドグレイブ・ドラゴンのスキルをCB1で発動。スキルを獲得しました」

 

サオリダメージ:3(裏2→3)

 

ルーナ(サオリ君が表にしたGゾーンのカードは戴天。次のターンにユニット残しちゃうと最低でも3枚は焼かれちゃう。気をつけなきゃ)

 

サオリ「行きます。ジャンナットでブースト、シャクールでアタック。この瞬間、シャクールのスキルでヴァンガードを竜炎状態にします。竜炎状態となったことで、シャクール、ラディエント、ナーデルのスキル発動。シャクールは自身のパワー+2000。ラディエントは相手の開いているR1つにつき、パワー+2000。合計1万アップ。ナーデルは自身のパワー+4000とCC1です」

 

シャクールパワー:9000→11000

ラディエントパワー:11000→21000

ナーデルパワー:7000→11000

サオリダメージ:3(裏3→2)

シャクール+ジャンナットパワー:15000

 

炎に包まれたヴァンガードに古謡するように、力を発揮するユニットたち。

それはまさに、全てを焼き尽くさんと次から次へと燃え移る炎のようであった。

 

ルーナ「《キューティ・パラトルーパー》でガード」

 

ハリー+パラトルーパーシールド:16000

ルーナ手札:8→7枚

ルーナドロップ:2→3

 

サオリ「なら、エクセンドグレイブ・ドラゴンでアタック。ジャンナットのスキル。自身をソウルに送るとこで、ヴァンガードにパワー+5000、1枚ドロー。さらに、エクセンドグレイブのスキルでもう1枚ドロー」

 

エクセンドグレイブソウル:1→2

サオリ手札:4→5→6枚

サオリデッキ:34→33→32枚

エクセンドグレイブパワー:26000→31000

 

ルーナ「ノーガード」

 

サオリ「トリプルドライブ」

 

炎熱猟兵 ダムジッド(なし)

ラーヴァフロウ・ドラゴン(なし)

ドラゴンダンサー ターラ(治)

サオリデッキ:32→29枚

サオリ手札:6→9枚

 

サオリ「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはラディエントへ」

 

ラディエントパワー:21000→26000

サオリダメージ:3→2(裏2→1)

サオリドロップ:3→4

 

ルーナ「ダメージチェックだよ」

 

仮面の奇術師 ハリー(なし)

ルーナデッキ:33→32枚

ルーナダメージ:2→3

 

竜の持つ巨大な剣の1撃によって奇術師に憑依していたルーナは吹き飛ばされてしまった。

しかし、サオリの攻撃はまだ終わっていない。

 

サオリ「ラディエントでアタック」

 

ラディエント+ナーデルパワー:37000

 

強大な力を得た火竜が飛ばされて倒れてしまったルーナに容赦なく襲い掛かる。

しかし、ルーナは冷静だった。

 

ルーナ「Gガード、《鎖鋸の大奇術 ファーニバル》! スキルで山札の上3枚を見て、1枚をソウルに、残りは山札の下に。《ミス・ディレクション》をソウルへ。このスキルでG1以上をソウルに置いたため、シールド+5000。さらに、《スカイハイ・ウォーカー》でガード」

 

ファーニバルシールド:15000→20000

ハリー+ファーニバル+ウォーカーシールド:41000

ルーナ手札:7→5枚

ルーナデッキ:32→31枚

ハリーソウル:4→5

ルーナドロップ:3→5

 

火竜の攻撃は、チェーンソーを持った奇術師とピエロによって防がれた。

そのことに感謝したルーナを見ながら、サオリは次の手を打った。

 

サオリ「エンドフェイズに、ルーナさんのRが1体も居ないため、紅焔のGB2が発動します。ドロップゾーンの竜炎持ちのカード1枚を手札に戻します。僕はジャーゴを手札に」

 

サオリドロップ:4→3

サオリ手札:9→10枚

 

ルーナ(G3も手札に戻した。手札10枚。次のターン、どれだけ削れるかな~)

 

焼け野原になった自身の場と、サオリの手札を見ながらルーナは考えた。

自分が次のターンにどう動けば良いのかを。

 

ルーナダメージ:3

ルーナ手札:5枚

ハリーソウル:5

ルーナデッキ:31枚

ルーナドロップ:5

〈 〉〈ハ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

サオリダメージ:2(裏1)

サオリ手札:10枚

紅焔ソウル:2

サオリデッキ:29枚

サオリドロップ:3

〈ラ〉〈ブ〉〈シ〉

〈ナ〉〈 〉〈 〉

 

ルーナ「スタンド&ドロー! 《マスカレード・バニー》をG3として捨てて、ストライド・ジェネレーション! 《仮面の奇術王 ハリー》!」

 

ルーナ手札:5→6→5枚

ルーナデッキ:31→30枚

ルーナドロップ:5→6

 

ルーナは自身の分身であり、相棒でもあるハリーの未来の姿を呼び寄せた。

奇術を極めたハリーのマジシャンショーが開始される。

 

ルーナ「SB1で超越スキル発動。ソウルから奇術持ちをコール。私はキューティ・パラトルーパーをコール。この娘が奇術の効果でコールされた時、SC1してソウルから同じ縦列にコールしてパワー+5000するよ。ラッピンをコール」

 

ハリーソウル:5→4→3→4→3

ルーナドロップ:6→7

ルーナデッキ:30→29枚

ラッピンパワー:9000→14000

 

ルーナ「さらに、ソウルのミス・ディレクションのスキル。この娘は他のユニットがソウルからコールされた時に、自身をコールできるよ」

 

ハリーソウル:3→2

 

ルーナ「そして、《ダークサイド・ソードマスター》をコール」

 

ルーナ手札:5→4枚

〈ミ〉〈ハ〉〈ラ〉

〈ダ〉〈 〉〈パ〉

 

サオリ「たった1枚から3体も並べるなんて……。やっぱり展開力のあるクランはすごいなぁ……」

 

ルーナ「ふふふ。もっと増えるからもよ。ダークサイド・ソードマスターでブーストしたミス・ディレクションでアタック!」

 

ディレクション+ソードマスターパワー:13000

 

サオリ「ラディエントでインターセプト!」

 

紅焔+ラディエントシールド:16000

サオリドロップ:3→4

 

ルーナ「なら、キューティ・パラトルーパーでブーストしたラッピンでアタック。ラッピンのスキル発動。SC1して、この娘のパワー+2000。さらにSCしたのは《仮面の奇術師 ハリー》。奇術を持っているため、さらにパワー+3000」

 

ハリーソウル:2→3

ルーナデッキ:29→28枚

ラッピンパワー:14000→16000→19000

ラッピン+パラトルーパーパワー:26000

 

サオリ「(連続攻撃が来るんだ。ここは……)ガード! 《ドラゴンダンサー ニルダ》、ガトリングクロー!」

 

紅焔+ニルダ+ガトリングクローシールド:31000

サオリ手札:10→8枚

サオリドロップ:4→6

 

奇術によって現れたユニット達の攻撃は、阻まれてしまった。

だが、彼女のマジックは終わっていない。

 

ルーナ「仮面の奇術王 ハリーでアタック! この瞬間ダークサイド・ソードマスターのスキル発動! この子をソウルに送り、1枚ドロー。ヴァンガードのパワー+5000。さらに、ハリーをCB1で発動! サークルのラッピンとキューティ・パラトルーパーをソウルへ! ソウルから3体のユニットをコール!」

 

ハリーソウル:3→4→6→3

ハリーパワー:26000→31000

ルーナ手札:4→5枚

ルーナデッキ:28→27枚

ルーナダメージ:3(裏0→1)

 

ルーナはベティ、パープル・トラピージスト、ラッピンの3体を選びそれぞれをコールした。

1度攻撃を終えたユニット達を再び起き上がらせる大マジックにサオリは下を巻かされる。

だが、まだマジックは終わっていない。

 

ルーナ「ハリーのスキル。Gゾーンのハリーの1枚につき、奇術を持っている子のパワー+3000。さらに、パープル・トラピージストのスキル。ミス・ディレクションをソウルに送って、ダークサイド・プリンセスをコール!」

 

ハリーパワー:31000→34000

ラッピンパワー:9000→12000

ハリーソウル:3→4→3

〈ダ〉〈ハ〉〈ラ〉

〈パ〉〈 〉〈ベ〉

 

一通りのマジックが終わったので、ハリーは走って竜に向かい、攻撃を繰り出す。

 

サオリ「ノーガード」

 

ルーナ「トリプルドライブ」

 

ラブリー・コンパニオン(なし)

スカイハイ・ウォーカー(醒)

 

ルーナ「スタンドトリガー。効果は全てダークサイド・プリンセスへ」

 

プリンセスパワー:9000→14000

鏡の国のいたずらっ娘(醒)

ルーナデッキ:27→24枚

ルーナ手札;5→8枚

 

ルーナ「スタンドトリガー。こちらも効果は全てダークサイド・プリンセスへ」

 

プリンセスパワー:14000→19000

 

サオリ「ダメージチェック」

 

ドラゴンナイト ムブディ(なし)

サオリデッキ:29→28枚

サオリダメージ:2→3

 

ルーナ「ベティでブースト、ラッピンでアタック! SC1!仮面の幻術師 ハリーも奇術を持ってるよ!」

 

ハリーソウル:4→5

ルーナデッキ:24→23枚

ラッピンパワー:12000→14000→17000

ラッピン+ベティパワー:24000

 

ルーナの打撃によりよろめいたところを空かさず追撃が続く。

しかし、そんな攻撃を阻む影があった。

 

サオリ「Gガード! 《炎翼剛獣 ディナイアル・グリフォン》! スキル発動。CB1。アタックしてきた相手のユニットを退却させる!」

 

サオリ手札:8→7枚

サオリドロップ:6→7

サオリダメージ:3(裏1→2)

ルーナドロップ:6→7

 

ルーナ「なら、ダークサイド・プリンセスでアタック! スキルでパワー+5000!」

 

プリンセスパワー:19000→24000

プリンセス+トラピージストパワー:30000

 

サオリ「(受けても良いけど、次のターンで決め切れなかった場合、クリティカルを上げることができるカードが使われるな)なら、完全ガード! 《炎熱猟兵 ダムジッド》!」

 

サオリ手札:7→5枚

サオリドロップ:7→9

 

お姫様の攻撃を防いだのは、サオリが昔から愛用していたカード、ダムジッドだった。

 

サオリ(ありがとう、ダムジッド。次は僕の反撃だよ。見ていてよ。僕と仲間たちの力を)

 

ルーナ「バトル終了時、ダークサイド・プリンセスはソウルに戻る。さらに、エンドフェイズ。ハリーのスキルでコールした子達もソウルに戻る」

 

ハリーソウル:5→6→8

 

ルーナ「そして、仮面の幻術師 ハリーのGB2。CB1で、ソウルのG3の奇術持ちの子を手札に加えるよ。仮面の奇術師 ハリーを手札に」

 

ルーナダメージ:3(裏1→2)

ハリーソウル:8→7

ルーナ手札;8→9枚

 

サオリ「ならこちらも、紅焔のGB2で、ダムジッドで手札に戻します」

 

サオリドロップ:9→8

サオリ手札:5→6枚

 

ルーナ「ターンエンド」

 

サオリダメージ:3(裏2)

サオリ手札:6枚

紅焔ソウル:2

サオリデッキ:28枚

サオリドロップ:8

〈 〉〈ブ〉〈シ〉

〈ナ〉〈 〉〈 〉

 

ルーナダメージ:3(裏2)

ルーナ手札:9枚

ハリーソウル:7

ルーナデッキ:23枚

ルーナドロップ:7

〈 〉〈ハ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

サオリ「スタンド&ドロー! コストとして、《ラーヴァフロウ・ドラゴン》をG3扱いが捨てて、ストライドジェネレーション! 《炎熱機竜 ズィーゲンブルク》!」

 

サオリ手札:6→7→6枚

サオリデッキ:28→27枚

サオリドロップ:8→9

 

サオリが次に繰り出したのは、ディフライドされていた時に必ず使っていたユニット、ズィーゲンブルクだった。

当時のものは燃えてなくなってしまったため、意識が回復してから新調したものだ。

 

サオリ「この状況ならこのユニットが1番です。ニルダ、ジャーゴ、《ドラゴンナイト ターヘル》をコール!」

 

サオリ手札:6→3枚

〈ジ〉〈ズ〉〈シ〉

〈ナ〉〈ニ〉〈タ〉

 

サオリ「ターヘルでブースト、シャクールでアタック! 竜炎! ターヘルはパワー+2000! ジャーゴは相手のユニットの居ないR1つにつきパワー+2000!」

 

シャクールパワー:9000→11000

ターヘルパワー:7000→9000

ジャーゴパワー11000+2000×5→21000

シャクール+ターヘルパワー:20000

 

ルーナ「《鏡の国のいたずらっ娘》でガード!」

 

ハリー+いたずらっ娘シールド:21000

ルーナ手札:9→8枚

ルーナドロップ:7→8

 

サオリ「ニルダ! ズィーゲンブルクに力を!」

 

ズィーゲンブルク+ニルダパワー:30000

 

炎を纏った機械竜がルーナに迫る。

 

ルーナ「ノーガード」

 

ルーナは慌てることなく、冷静に判断を下した。

 

サオリ「トリプルドライブ!」

 

リザードソルジャー ベイラー(醒)

 

サオリ「スタンドトリガー! 効果は全てシャクールへ!」

 

シャクールパワー:11000→16000

ドラゴンナイト イウサール(なし)

ドラゴンナイト ジャンナット(☆)

サオリデッキ:27→24枚

サオリ手札:3→6枚

 

サオリ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガード!」

 

ズィーゲンブルクパワー:26000→31000/☆2

ズィーゲンブルク+ニルダパワー:35000/☆2

 

ルーナ「ダメージチェック」

 

夜空の舞姫(なし)

スカイハイ・ウォーカー(醒)

ルーナデッキ:23→21枚

ルーナダメージ:3→5

 

ルーナ「ゲット、スタンドトリガー! 効果はハリーへ!」

 

ハリーパワー:11000→16000

 

サオリ「ッ! ダメージトリガー。ニルダのスキル。アタックがヒットしたため、自身を山札の下に置き、CC1!」

 

サオリデッキ:24→25枚

サオリダメージ:3(裏2→1)

 

サオリ「そして、ズィーゲンブルクのGB3! CB1と相手のRのユニットの数だけ手札を捨てて、このユニットをスタンド、ドライブ-2! ルーナさんにRはいないため、手札コストなしでスタンドします」

 

サオリダメージ:3(裏1→2)

 

機械竜が起き上がり、再び攻撃の準備が可能となった。

これで後、3回は攻撃が行われる。

 

サオリ「もう1度、シャクールでアタック!」

 

シャクールパワー:16000

 

ルーナ「ベティでガード」

 

ハリー+ベティシールド:21000

ルーナ手札:8→7枚

ルーナドロップ:8→9

 

2度目の飛竜に乗った騎士のボウガンをハーピィが跳ね飛ばす。

その影から、機械竜が全砲門をルーナに向けて発射した。

 

ルーナ「《ラブリー・コンパニオン》! 完全ガード!」

 

ルーナ手札:7→5枚

ルーナドロップ:9→11

 

サオリ「ドライブチェック!」

 

ドラゴンナイト ジャンナット(☆)

サオリデッキ:25→24枚

サオリ手札:6→7枚

 

サオリ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ジャーゴへ!」

 

ジャーゴパワー:21000→26000/☆2

 

機械竜の攻撃は前のターンに手札に加わっていた完全ガードによって防がれた。

だがその攻撃は無駄ではなく、隣で臨戦態勢状態の飛竜に力を与えたのだ。

 

サオリ「ジャーゴでアタック!」

 

ジャーゴ+ナーデルパワー:33000/☆2

 

飛竜の攻撃をルーナは杖をふるって対応した。

 

ルーナ「Gガード! 《愛満ちる幻道化 マーヤ》! コストとした《ホッピング・バルーン》のスキル。ドロップのヒールトリガーと自身をバインドして、SC1! さらに、スキルでシールド+5000。スキルで鏡の国のいたずらっ娘をソウルからコール!」

 

ルーナ手札:5→4枚

ルーナドロップ:11→12→10

ルーナバインド:0→2

ハリーソウル:7→8→7

マーヤシールド:15000→20000

ハリー+マーヤシールド:36000

 

サオリ「2枚目のヒールトリガー!?」

 

ルーナ「エンドフェイズに鏡の国のいたずらっ娘はソウルに戻るよ。この瞬間スキル発動。この子を山札に戻して、別のカードをソウルに送るね。私は《フライング・ペリュトン》を選択するよ」

 

ハリーソウル:7→8→7→8

ルーナデッキ:21→22→21枚

 

サオリ「でも、紅焔のスキルも発動します。僕はニルダを手札に戻します」

 

サオリドロップ:9→8

サオリ手札:7→8枚

3度発動した紅焔のスキルでサオリの守りはさらに堅くなる。

これにはルーナも少し困ってしまう。

 

ルーナダメージ:5(裏2)

ルーナ手札:4枚

ハリーソウル:8

ルーナデッキ:21枚

ルーナドロップ:10

〈 〉〈ハ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

サオリダメージ:3(裏2)

サオリ手札:8枚

紅焔ソウル:2

サオリデッキ:24枚

サオリドロップ:8

〈ジ〉〈ブ〉〈シ〉

〈ナ〉〈 〉〈タ〉

 

ルーナ「(う~ん。最低でもトリガーが4枚、完全ガードが1枚か~。ダメージも余裕があるし、このターンで決めきれるかな~)でも、やるしかないね。スタンド&ドロー。仮面の奇術師 ハリーを捨てて、ジェネレーションゾーン解放! 輝く未来を掴むまで! 夢はまだ終わらない! ストライド・ジェネレーション! 仮面の奇術王 ハリー!」

 

ルーナは杖をふるい、再びユニットを並べた。

今度は最初からパワーアップした状態だ。

 

ルーナ手札:4→5→4枚

ルーナデッキ:21→20→19枚

ハリーソウル:8→7→6→7→6→5

ルーナドロップ:10→11

ハリーパワー:26000→32000

パラトルーパーパワー:7000→13000

ラッピンパワー:9000→14000→20000

 

ルーナ「さらに、ラッピンの奇術! CB1払って、ソウルからG1の子をコール! 私はベティをコール!」

 

ルーナダメージ:5(裏2→3)

ハリーソウル:5→4

〈ミ〉〈ハ〉〈ラ〉

〈ベ〉〈 〉〈パ〉

 

ルーナ「もう少し動けるかな? 《スカイハイ・ウォーカー》をコール。スキル発動。この子をソウルに送って、CC1!」

 

ルーナ手札:4→3枚

ハリーソウル:4→5

ルーナダメージ:5(裏3→2)

 

サオリ(CCしてきた! 防御を捨ててでもこのターンに決めてくる気だ!)

 

サオリはルーナの場の攻撃力の合計と自信の手札のシールド値の合計を見比べて、連続攻撃に備えた。

 

ルーナ「行くよ! まずはベティでブースとしたミス・ディレクションで、ヴァンガードにアタック!」

 

ディレクション+ベティパワー:16000

 

サオリ「(ダメージは3だから)ジャンナットでガード!」

 

紅焔+ジャンナットシールド:21000

サオリ手札:8→7枚

サオリドロップ:8→9

 

ルーナ「ベティのスキルをCB1で発動! ミス・ディレクションをソウルに戻して、奇術を持つ子をコールするよ。フライング・ペリュトンをコール」

 

ルーナダメージ:5(裏2→3)

ハリーソウル:5→6→5

ペリュトンパワー:9000→15000

 

ルーナ「フライング・ペリュトンでシャクールにアタック」

 

ペリュトンパワー:15000

 

サオリ「ノーガード。シャクールは退却」

 

サオリドロップ:9→10

 

ペガサスの突撃によりドラゴンライダーは消滅。

続いて、ラッピンが紅焔に向かって突撃した。

 

ルーナ「SC1で入ったのは、マスカレード・バニーだね。この子は奇術を持っていないよ」

 

ルーナデッキ:19→18枚

ハリーソウル:5→6

ラッピンパワー:20000→22000

ラッピン+パラトルーパーパワー:35000

 

サオリ「(ぐっ……。パワーが高い。でもここでダメージを受けるわけにはいかない)もう1度、ディナイアル・グリフォンです!」

 

サオリ手札:7→6枚

サオリドロップ:10→11

サオリダメージ:3(裏2→3)

ルーナドロップ:11→12

 

グリフォンに咆哮により、ラッピンは退却。

ルーナは貴重な高攻撃手段を1つ失ったこととなった。

 

ルーナ「でもまだだよ! ハリーでアタック! スキルでフライング・ペリュトンとキューティ・パラトルーパーをソウルに送って、コール! ダークサイド・プリンセス! ラッピン! キューティ・パラトルーパー!」

 

ルーナダメージ:5(裏3→4)

ハリーソウル:6→8→5

ハリーパワー:32000→35000

ラッピンパワー:9000→18000

パラトルーパーパワー:7000→16000

 

Gゾーンのハリーの枚数が増えたことで、盤面がさらにパワーアップした。

 

サオリ「ノーガード」

 

これにはサオリも苦しそうな顔をし、ダメージトリガーに期待するように攻撃を受けた。

 

ルーナ「トリプルドライブ。ファーストチェック」

 

鏡の国のいたずらっ娘(醒)

 

ルーナ「スタンドトリガー。ベティをスタンド。パワー+5000」

 

ベティパワー:7000→12000

 

ルーナ「セカンドチェック」

 

ラブリー・コンパニオン(なし)

 

ルーナ「サードチェック」

 

ダークサイド・ソードマスター(☆)

ルーナデッキ:18→15枚

ルーナ手札:3→6枚

 

ルーナ「クリティカルトリガー。クリティカルはヴァンガード、パワーはダークサイド・プリンセスへ」

 

ハリーパワー:35000/☆2

プリンセスパワー:9000→14000

 

攻撃がヒットしたことで、地面に落ちた紅焔は自身の傷を確認した。

 

サオリ「ダメージチェック」

 

ドラゴンナイト シャクール(なし)

ラディエント・ドラゴン(なし)

サオリデッキ:24→22枚

サオリダメージ:3→5(裏3)

 

ルーナ「続いて、ラッピンでアタック! SC1したカードは、仮面の幻術師 ハリー!」

 

ハリーソウル:5→6

ルーナデッキ:15→14枚

ラッピンパワー:18000→20000→23000

ラッピン+パラトルーパーパワー:39000

 

サオリ「お願い、ダムジッド!」

 

サオリ手札:6→4枚

サオリドロップ:11→13

 

ルーナ「まだまだ! ダークサイド・プリンセス!」

 

プリンセスパワー:14000→19000

プリンセス+ベティパワー:31000

 

サオリ「ベイラー! ジャンナット! イウサール!」

 

紅焔+ベイラー+ジャンナット+イウサールシールド:36000

サオリ手札:4→1枚

サオリドロップ:13→16

 

ルーナの劇団員たちの怒涛の攻撃をサオリは防ぎきった。

だが、この攻防で発生した煙にはまだ影が見える。

 

ルーナ「まだベティのスキルが残ってるよ。ダークサイド・プリンセスをソウルに送って、フライング・ペリュトンをコール」

 

ルーナダメージ:5(裏4→5)

ハリーソウル:6→7→6

ペリュトンパワー:9000→18000

 

サオリ(まだだ。僕の最後の手札はニルダ! 1回なら問題ない!)

 

だが、サオリが良く見てみると、フライング・ペリュトンは不思議な光を発していた。

 

ルーナ「フライング・ペリュトンのスキル。SC1して、ソウルから1枚コールできる。私はパープル・トラピージストをコール!」

 

元々居たハーピィを押しのけ、新たなユニットが姿を現した。

 

ハリーソウル:6→7→6

ルーナデッキ:14→13枚

ルーナドロップ:12→13

 

サオリ「そのユニットは!」

 

ルーナ「この子のスキルも発動するよ。ラッピンをソウルに送って、もう1度コール!」

 

ハリーソウル:6→7→6

ラッピンパワー:9000→18000

 

これでルーナは後2回攻撃が可能となった。

この脅威のマジックショーでサオリができるのは、ヒールトリガーを願うことだけだった。

 

ルーナ「ラッピンでアタック!」

 

ラッピンパワー:18000

 

サオリ「ノーガード。ダメージチェック」

 

ドラゴニック・ブレードマスター “紅焔”(なし)

サオリダメージ:5→6

ルーナWIN

 

サオリ「僕の負けですね。ありがとうございます」

 

ルーナ「私も楽しかったよ。ありがとう」

 

互いの健闘をたたえ合う2人はとても良い笑顔で笑っていた。

 

サオリ「ルーナさん。僕たち、必ずセカンドステージに上がります。その時は、またファイトしてください」

 

ルーナ「うん。もちろん。頑張ってね。私も頑張るから」

 

ドロップゾーンに落ちていくサオリを見送りながら、2人は再戦の約束を交わした。

サオリが見えなくなると、上がってくる人影があった。

 

ルーナ「アム」

 

アム「想像以上に早かったわね、ルーナ。何か良い事有った?」

 

復帰したアムの一言にルーナは拗ねてしまった。

 

ルーナ「え~。何それ~。酷いよ~アム~」

 

アム「ごめん、ごめん」

 

頬を膨らまして拗ねる相棒にアムは苦笑しながら謝る。

 

アム「でも、今のルーナ。すっごく良い顔してるよ」

 

ルーナ「えっへへ~。そうかな」

 

ルーナは少し赤くなった頬をかいた。

 

ルーナ「アム」

 

アム「何?」

 

ルーナは真剣な目で一呼吸置きながら言った。

 

ルーナ「頑張ろうね」

 

アム「……ええ!」

 

その言葉に秘められた様々な意味を察してアムも答えた。

彼女たちの戦いもまだまだ続く。

 

続くったら、続く。




次回予告

「精が出るな」

「伊吹本部長。どうして、ここに?」

「お前が弓月ルーナと話していると聞いてな」

「え?」

「いや、別に彼女は参加者だし、お前の友人だから話すなとは言わないが。お前、彼女に気があるのか?」

「えっ、えっ? 伊吹支部長?」

「なんだ? 別に不満を言っているわけではないぞ。それとも、お前まで俺のことを万年独身とか言うつもりか?」

「え!? 話の流れがよく分からないのですが?」

「こっちは好きで相手がいないわけでは無いんだ。くそっ。クロノといい、綺場といい。自分が彼女持ちだからって調子に乗りやがって」

「伊吹さん! 落ち着いてください!」

次回、第12ターン:待つ者

「いずれ待ち人は来ますよ!」

「ええい! 中途半端な慰めはいらん!」


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第12ターン:待つ者

人は1人1人違う生き物。
たとえ恋人同士や家族であっても気持ちがすれ違うことはある。
ましてや想いがつながっていない者同士では、すれ違いの末に相手の気持ちを理解する前に分かれてしまうこともあるだろう。
そんな時、大切なことが何なのかを知っている少女がとった行動は……


ミヤ『VF世界大会日本本予選ファーストステージクレイスクランブル! 初日も半分が過ぎ、素晴らしいファイトが続々と行われています!』

 

ミヤの実況により観客は大きく歓声を上げながら、スクリーンに移る光景を見た。

会場では、また1つ、ファイトが行われていた。

 

ナギサ「これで終わりよ!」

 

そのファイトはチームガールズラースの1人、大文字ナギサが勝利を治めた。

デッキを片付け、互いの健闘を讃えたあと、歩き出すとすぐにファイバが反応した。

 

ナギサ「あら? 次の相手は誰かしら?」

 

クロノ「えーっと、次の相手はっと。あっ」

 

ファイバの反応の先は、クロノだった。

 

ナギサ「あら、久しぶりね~。クロノ」

 

クロノ「ど、どうも。ナギサさん」

 

ナギサは普通の笑顔でクロノと話し始めたが、クロノの頬には冷や汗をかいていた。

過去の経験から、クロノはナギサが恐ろしいのだ。

 

ナギサ「次の相手はアンタね。負けないわよ」

 

その言葉を聞いたクロノは深呼吸をして、ナギサに向き合った。

 

クロノ「こちらこそ、負けません」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

クロノ「《クロノ・ドラン・Z》!」

 

ナギサ「《黒羽の魔女 ステビア》!」

 

クロノ「魔女!?」

 

クロノはナギサのFVを見て、本気で驚いた。

彼が知る限り、彼女のデッキはノヴァグラップラーだった。

 

クロノ「(ビクトールでも、獣神やブラウでもないなんて)あの、ナギサさん。そのデッキ……」

 

ナギサ「ふふ~ん。この大会のために、新しく組んだデッキよ。その恐ろしさを、身をもって味あわせてあげるわ!」

 

自信満々で言い放つ目の前の女性の姿にクロノはさらに多くの冷や汗をかきながらファイトを始めた。

 

クロノ「……ど、ドロー。ライド、《刻獣 リボルバー・ドラコキッド》。ドランは先駆で移動して、ターンエンド」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:44→43枚

ドラコキッドソウル:1→0

 

動揺しているのか、何時もよりも動きが硬かった。

 

クロノ手札:5枚

ドラコキッドソウル:0

クロノデッキ:43枚

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

ミヤ『さあ、こちらは、チームトライスリーの新導クロノと、チームガールズラースの大文字ナギサのファイトが始まっております』

 

カズミ『この2人も3年前のU-20で戦っていますね。その時は、新導君が大文字さんに惨敗しています』

 

ミヤ『さあ、新導クロノは、勝つことができるのか!』

 

ナギサ「私のターン、ドロー。ライド、《猫の魔女 クミン》。ステビアを先駆で移動して、クミンのスキル発動。登場時、SC1よ」

 

ナギサ手札:5→6→5枚

ナギサデッキ:44→43→42枚

クミンソウル:1→0→1

SC:オレンジの魔女 バレンシア

 

クロノ「いきなり、SCか……。しかもバレンシア。やばいかも」

 

クロノの冷や汗は止まらない。

 

ナギサ「じゃあ、ステビアでブースト、クミンでアタックよ」

 

クミン+ステビアパワー:12000

 

クロノ「(落ち着け)ノーガード」

 

ナギサ「ドライブチェック」

 

白兎の魔女 カルダモン(なし)

ナギサデッキ:42→41枚

ナギサ手札:5→6枚

 

クロノ「ダメージチェック」

 

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:43→42枚

クロノダメージ:0→1

 

クロノ「うっ」

 

カズミ『いきなりクリティカルトリガーですか。幸先が悪いかもしれませんね』

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:5枚

ドラコキッドソウル:0

クロノデッキ:42枚

クロノドロップ:0

 

ナギサダメージ:0

ナギサ手札;6枚

クミンソウル:1

ナギサデッキ:41枚

ナギサドロップ:0

〈 〉〈ク〉〈 〉

〈 〉〈ス〉〈 〉

 

ナギサ「クロノォ。らしくないんじゃない?」

 

クロノ「くっ。俺のターン」

 

クロノ手札:5→6枚

クロノデッキ:42→41枚

 

ナギサの言葉を無視してファイトを続けるクロノだが、確かに焦っていることが目に見えて分かる。

 

クロノ「ライド、《刻獣 スピアヘッド・ユニコーン》。ドランのスキル発動。自身をバインドして、山札の上5枚を確認。G1かG3を手札に! くっ。G1の《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》を手札に加える!」

 

クロノ手札:6→5→6枚

クロノバインド:0→1

クロノデッキ:41→40枚

 

ナギサ「(どうやら欲しいカードがなかったみたいね)クロノ、本当に大丈夫?」

 

クロノ「大丈夫です。続けます。スピアヘッドでアタック!」

 

スピアヘッドパワー:9000

 

ナギサ「ノーガード」

 

クロノ「ドライブチェック」

 

刻獣 トランジット・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:40→39枚

クロノ手札:6→7枚

 

ナギサ「(ああ、ダメダメね)ダメージチェック」

 

魔女の使い魔 しろーま(☆)

ナギサデッキ:41→40枚

ナギサダメージ:0→1

 

ナギサ(う~む。こっちも残念ね)

 

クロノ「くそっ。ターンエンド!」

 

ナギサダメージ:1

ナギサ手札;6枚

クミンソウル:1

ナギサデッキ:40枚

ナギサドロップ:0

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:7枚

スピアヘッドソウル:1

クロノデッキ:39枚

クロノドロップ:0

クロノバインド:1

〈 〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ナギサ「スタンド&ドロー。ライド、《白兎の魔女 カルダモン》」

 

ナギサ手札:6→7→6枚

ナギサデッキ:40→39枚

 

カズミ『大文字さんは着実と展開する準備を進めていますね。次のターンが楽しみです』

 

ナギサ「もう1体のクミンをコール。SC1」

 

ナギサ手札:6→5枚

ナギサデッキ:39→38枚

カルダモンソウル:2→3

SC:知恵の実の魔女 ルイボス

 

ナギサ「ここで、CB1でステビアのスキル発動よ。このユニットをソウルに送って、山札の上3枚を確認。1枚をソウルへ送り、残りはドロップに送るわ。私は《羽ペンの魔女 オニオン》をソウルへ。そして、クミンのパワー+5000」

 

ナギサダメージ:1(裏0→1)

カルダモンソウル:3→4→5

ナギサデッキ:38→35枚

ナギサドロップ:0→2

クミンパワー:7000→12000

 

ミヤ『大文字ナギサは、ソウルを溜め続けます! 次のターン、強力な双闘ユニットが攻めてくることを考えると、まさに恐怖へのカウントダウン!』

 

カズミ『新導君には冷や汗が見えますね。大丈夫でしょうか?』

 

クロノ「……」

 

カズミの心配はむなしく響き、クロノは冷や汗が止まらず、フリーズしてしまっている。

 

ナギサ「……はぁ。クロノ~」

 

ナギサの呼びかけにも応じない。

それでもナギサは続けた。

 

ナギサ「アンタ。私がカムイちゃんに怒っているからこの大会に参加したと思っているんでしょ?」

 

その言葉を聞いたクロノは目を見開いて顔を上げた。

 

クロノ「えっ!? 違うんですか!?」

 

ナギサ「クミから聞いた話から想像したんでしょう。まあ、分からなくもないけど、違うからね」

 

腕を組み、少々呆れながらもナギサは語った。

 

ナギサ「クロノ。アンタとトコハって順調よね。喧嘩してもすぐに仲直りするし、遠距離でも問題なく過ごせてるし」

 

クロノ「まあ、そうですね。最初は離れるの苦しかったですけど」

 

クロノは頭をかき、少し照れた様子だった。

 

ナギサ「他にもカップルを見てきたけど、そこで私は自身とカムイちゃんの関係を考え直したわ。カムイちゃんが私に振り返ってくれるのを待つだけでなく、現状を振り返って改善するべき点を見つけるために」

 

クロノ「なるほど」

 

ナギサ「そんな時だったわ。エミちゃんに好きな人がいる事実を知ったのは」

 

クロノ「ええっ!?」

 

ナギサ「驚くのも無理ないわ。この事実を知っているのは私とアイチさん、ミサキさん、クミ。そしてエミちゃんの恋愛対象である櫂さんだけよ。まあ、櫂さんがその気持ちに応えようとしないから、エミちゃんは憤って、クミと結託してこの大会に出場することを決めたんだけど」

 

クロノ「岡崎がエミさんとナギサさんとチームを組んだのはそう言う理由だったんだ」

 

衝撃の事実にクロノは驚きすくんでしまった。

 

ナギサ「結託した2人は3人目を誰にするのか悩んで、自分たちと同じ気持ちを持っていると思っていた私に声を掛けたわ。でも私はそんな気持ちはもう無かったから断ることも考えた」

 

でもね、とナギサは目を瞑って言葉を続けた。

 

ナギサ「この事実を突きつけられてショックを受けるのは、他ならぬカムイちゃんよ。私はカムイちゃんのことが好き。その事実は変わらない。だからね、見届けることにしたの」

 

クロノ「何を?」

 

ナギサ「カムイちゃんのエミちゃんへの恋の行方をよ。別に振られたからって無理矢理迫るつもりも無いわ。私は見て、待ち続ける、それだけよ」

 

感心したかのようにクロノは何も言わずにナギサを見つめ続けた。

 

クロノ「……ナギサさん」

 

ナギサ「何よ?」

 

クロノ「すみません。ナギサさんのこと、誤解してました」

 

クロノは頭を下げてナギサに謝った。

もうクロノの動きには硬さが見えない。

 

クロノ「ナギサさんって想像以上に良い人だったんですね」

 

笑ってそう言うクロノにナギサは笑顔を向けた。

 

ナギサ「あら~。まるで私が悪い女って聞こえるけど~」

 

……心なしかナギサの周りの空気が震えているように見えるのは気のせいか?

 

クロノ「え?」

 

クロノもそんな雰囲気を感じて、先ほどとは違う意味で冷や汗をかいてしまう。

ナギサはそんなクロノを無視してとても良い笑顔でカードに手を添えた。

ちなみに、観客や実況席の2人は、この会話を聞いていなかった。

 

ナギサ「ヴァンガードでアタック」

 

カルダモンパワー:9000

 

クロノ「ノッノーガード」

 

ナギサ「ドライブチェックよ~」

 

魔女の使い魔 しろーま(☆)

ナギサデッキ:35→34枚

ナギサ手札:5→6枚

 

ナギサ「ゲット、クリティカルトリガー! パワーはクミン。クリティカルはカルダモン!」

 

カルダモン:☆2

クミンパワー:12000→17000

 

クロノ「(やべえ、怒らせた)だ、ダメージチェック」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

刻獣 ヒュプノシス・シープ(醒)

クロノデッキ:39→37枚

クロノダメージ:1→3

 

クロノ「よし、スタンドトリガー。効果は全て、ヴァンガードへ」

 

スピアヘッドパワー:9000→14000

 

ミヤ『ここでダメージトリガーだ!』

 

ナギサ「やるじゃない。クミンでアタックよ」

 

クミンパワー:17000

 

クロノ「メリーブロックでガード」

 

スピアヘッド+メリーブロックシールド:19000

クロノ手札:7→6枚

クロノドロップ:0→1

 

カズミ『新導君、先ほどの堅さが感じられなくなってきましたね。この調子を維持できればいいのですが』

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:6枚

スピアヘッドソウル:1

クロノデッキ:37枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

 

ナギサダメージ:1(裏1)

ナギサ手札;6枚

カルダモンソウル:5

ナギサデッキ:34枚

ナギサドロップ:2

〈ク〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノは深呼吸をしてからデッキに手を置いた。

 

クロノ「スタンド&ドロー。あっ。(来てくれたか)掴みたい未来のために、魂を、震わせろ! ライド! 《クロノジェット・ドラゴン・Z》!」

 

クロノ手札:6→7→6枚

クロノデッキ:37→36枚

 

ナギサ「ここでデッキトップがそれなんて……ふふっ、らしくなってきたじゃない」

 

クロノ「(ごめんな。俺のデッキ。お前達を信じてやれなくて。でも、ここからは……)全力で行きます! コール! 《刻獣 トランジット・ドラゴン》! 《ドキドキ・ワーカー》!」

 

クロノ手札:6→4枚

 

ミヤ『さあ、新導クロノは、ここから反撃だ!』

 

クロノ「トランジットでブースト、ドキドキ・ワーカーでクミンにアタック!」

 

ドキドキ・ワーカー+トランジットパワー:11000

 

ナギサ「そっちか。ノーガード」

 

ナギサドロップ:2→3

 

ドキドキ・ワーカーのビームがクミンを貫く。

その光景に目を奪われたナギサはクロノジェットの姿を見失ってしまう。

 

クロノ「クロノジェットでヴァンガードだ! ドキドキ・ワーカーのスキルでパワー+5000、1枚ドロー。ドキドキ・ワーカーはソウルへ」

 

クロノジェットソウル:2→3

クロノデッキ:36→35枚

クロノ手札:4→5枚

クロノジェットパワー:11000→16000

 

ナギサ「きゃっ、ノーガードよ」

 

クロノ「ツインドライブ!」

 

クロノスピン・サーペント(なし)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:35→33枚

クロノ手札:5→7枚

 

クロノ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガードへ!」

 

クロノジェットパワー:16000→21000/☆2

 

クロノが憑依した白い機械竜が魔女に憑依したナギサを2回殴りつけた。

 

ナギサ「ダメージチェック!」

 

黒蛇の魔女 チコリ(なし)

春眠の女神 ターロ(醒)

ナギサデッキ:34→32枚

ナギサダメージ:1→3

 

クロノ「(チコリ? ならメインヴァンガードはミントか?)ターンエンド」

 

ナギサダメージ:3(裏1)

ナギサ手札;6枚

カルダモンソウル:5

ナギサデッキ:32枚

ナギサドロップ:3

〈 〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:7枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:33枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

〈 〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ト〉

 

ミヤ『ダメージは3対3!』

 

カズミ『次のターン。大文字さんは超越か双闘をすることになります。どちらにせよ、大きくファイトが動くでしょうね』

 

クロノ「……」

 

クロノは自身の経験を元にナギサのデッキの内容を考えた。

【白魔女】デッキは双闘を中心としたデッキだ。

中心とするG3ユニットである双闘リーダーによってG2も1部固定しなければならない。

先ほどダメージゾーンに送られたカード、チコリは双闘メイトカードの1枚だ。

汎用性は高いが、双闘リーダーが違う軸では採用されていないことがあるためどのカードが採用されているのか悩ませる要因になっているのだ。

そんなクロノの疑問を無視してナギサはファイトを続ける。

 

ナギサ「スタンド&ドロー。いくわよ、クロノ! 愛しきあの人を照らす、星の光、《瑞星の魔女 アニス》にライド!」

 

ナギサ手札:6→7→6枚

ナギサデッキ:32→31枚

 

クロノ「そっち!?」

 

カズミ『主軸はアニスですか。【白魔女】でも展開力に優れたカードですね。このターンで一気に展開してきますよ』

 

ナギサ「まずは、《魔女の使い魔 しろーま》をコール。スキル発動よ。このユニットを山札の上に戻して、シャッフルして1枚ドロー。その後、上から3枚を見て、1枚をソウルに、残りをドロップに送るわ。オニオンをソウルへ」

 

ナギサ手札:6→5→6枚

ナギサデッキ:31→32→31→28枚

アニスソウル:6→7

ナギサドロップ:3→5

 

ミヤ『これでドロップゾーンのカードは5枚。双闘の準備は整いました!』

 

ここでナギサは、自身のヴァンガードに手を添える。

 

ナギサ「行くわよ、シークメイト! ドロップゾーンのカードを4枚山札に戻して、山札から指定のカードをヴァンガードサークルに双闘メイトとして登場させるわ! 明日のために、私に力を貸しなさい! 双闘! 《星芒の魔女 スター》! CB1でスターのスキル発動! SC2して、スターとアニスにパワー+2000よ!」

 

ナギサドロップ:5→1

ナギサデッキ:28→32→31→29枚

ナギサダメージ:3(裏1→2)

アニスソウル:7→9

アニスパワー:11000→13000

スターパワー:9000→11000

SC:衰微の女神 ヘル、星芒の魔女 スター

 

現れた双闘メイトによって、ヴァンガードの力が大きく高まる。

だが、アニスの力はここからだ。

 

ナギサ「《黒蛇の魔女 チコリ》をコール」

 

ナギサ手札:6→5枚

 

ナギサ「ここで、双闘しているアニスのスキル発動。SB3して、CC1とSC1よ。落とすのは、クミンと《衰微の女神 ヘル》、《オレンジの魔女 バレンシア》よ」

 

アニスソウル:9→6→7

ナギサドロップ:1→4

ナギサデッキ:29→28枚

SC:猫の魔女 クミン

ナギサダメージ:3(裏2→1)

 

クロノ「で、さらにスキルが発動するんですよね」

 

ナギサ「その通りよ。まずはバレンシアのスキルでSC2。アニスのスキルでCB1してクミンをS(スペリオル)コールよ。双闘しているため1枚ドロー。クミンのスキルでSC1」

 

アニスソウル:7→9→10

SC:奉仕の神器 エイル、瑞星の魔女 アニス、春眠の女神 ターロ

ナギサデッキ:28→26→25→24枚

ナギサダメージ:3(裏1→2)

ナギサドロップ:4→3

ナギサ手札:5→6枚

 

クロノ(ヒールが入ったのは良いけど、ターロが入っちゃったか。恐いな)

 

ナギサ「クミンがコールされたため、アニスのスキル」

 

アニスソウル:10→7→8

ナギサドロップ:3→6

SB:白兎の魔女 カルダモン、奉仕の神器 エイル、知恵の実の魔女 ルイボス

ナギサデッキ:24→23枚

SC:ドリーミング・ドラゴン

ナギサダメージ:3(裏2→1)

 

ナギサ「《知恵の実の魔女 ルイボス》のスキル。手札1枚を捨てて、このカードを手札に戻して、SC2。カルダモンのスキル。CB1でこのカードをSコール。パワー+2000」

 

ナギサ手札;6→5→6枚

ナギサドロップ:6→7→6→5

ナギサデッキ:23→21枚

アニスソウル:8→10

SC:猫の魔女 クミン、オレンジの魔女 バレンシア

ナギサダメージ:3(裏1→2)

カルダモンパワー:9000→11000

 

ナギサ「さらにアニスのスキル!」

 

アニスソウル:10→7→8

ナギサドロップ:5→8

SB:羽ペンの魔女 オニオン、オレンジの魔女 バレンシア、猫の魔女 クミン

ナギサデッキ:21→20枚

SC:猫の魔女 クミン

ナギサダメージ:3(裏2→1)

 

ナギサ「今度は《羽ペンの魔女 オニオン》のスキルよ。このカードはカルダモンと同じスキルを同じ条件で発動できるわ」

 

アニスソウル:8→10

ナギサデッキ:20→18枚

SC:白兎の魔女 カルダモン、魔女の使い魔 しろーま

ナギサダメージ:3(裏1→2)

ナギサドロップ:8→7

オニオンパワー:7000→9000

 

カズミ『これでさらにアニスのスキルが発動します。ソウルにはもう1枚オニオンがいますから、さらに展開できますね』

 

ナギサにはカズミの言葉は聞こえていないが、彼が言うように、アニスのスキルを発動していた。

 

アニスソウル:10→7→8

ナギサドロップ:7→10

SB:羽ペンの魔女 オニオン、瑞星の魔女 アニス、ドリーミング・ドラゴン

ナギサデッキ:18→17枚

SC:オレンジの魔女 バレンシア

ナギサダメージ:3(裏2→1)

 

ナギサ「今回はオニオンをSコールするだけね。コールした後のアニスのスキルは使わないわ」

 

ナギサダメージ:3(裏1→2)

ナギサドロップ:10→9

オニオンパワー:7000→9000

〈チ〉〈ア、ス〉〈カ〉

〈オ〉 〈ク〉 〈オ〉

 

ナギサ「バトルよ! オニオンでブースト、カルダモンでアタック!」

 

カルダモン+オニオンパワー:20000

 

クロノ「ガード、《刻獣 ボンバード・ホッグ》!」

 

クロノジェット+ボンバードシールド:21000

クロノ手札:7→6枚

クロノドロップ:1→2

 

ナギサ「クミンでブーストした、アニスとスターで双闘アタック!」

 

アニス+スター+クミンパワー:31000

 

ナギサが盟友であるスターと力を合わせて放った魔術がクロノに襲い掛かる。

これに対してクロノが取った行動は――

 

クロノ「ノーガード!」

 

ミヤ『おぉっと! 新導クロノは、ここでノーガードだ!』

 

カズミ『ダブルクリティカル以上だと、ここで敗北になりますが、賭けでしょうね』

 

ナギサ「良い根性してるじゃない! ツインドライブ!」

 

狼の魔女 サフラン(なし)

衰微の女神 ヘル(なし)

ナギサデッキ:17→15枚

ナギサ手札:6→8枚

 

ナギサ「残念。ノートリガーね」

 

クロノ「ふぅ。ダメージチェック」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:33→32枚

クロノダメージ:3→4

 

ナギサ「これならどう? オニオンでブーストした、チコリでアタック! チコリのスキルで自身のパワー+3000!」

 

チコリパワー:9000→12000

チコリ+オニオンパワー:21000

 

クロノ「Gガード! 《刻獣守護 イリシュ》! スキルは使わない!」

 

クロノジェット+イリシュシールド:26000

クロノ手札:6→5枚

クロノドロップ:2→3

 

ナギサ「う~ん。残念。もっと削れると思ったのに。ターンエンドよ」

 

クロノダメージ:4

クロノ手札:5枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:32枚

クロノドロップ:3

クロノバインド:1

 

ナギサダメージ:3(裏2)

ナギサ手札;8枚

アニスソウル:8

ナギサデッキ:15枚

ナギサドロップ:9

〈チ〉〈ア、ス〉〈カ〉

〈オ〉 〈ク〉 〈オ〉

 

クロノ「スタンド&ドロー! クロノジェットZのスキル! 超越コストをドロップゾーンのG3の十二支刻獣をバインドするに変更する! G3扱いのメリーブロックをバインドして、ストライドジェネレーション! 《超刻獣 アヴニール・フェニックス》! SB1で超越スキル! チコリを山札の下に送り、山札から送ったユニットよりもグレートが1つ高いカードをコール! 俺は、《クロノジェット・ドラゴン・G》をSコール!」

 

クロノ手札:5→6枚

クロノデッキ:32→31→30枚

クロノドロップ:3→2→3

クロノバインド:1→2

アヴニールソウル:3→2

SB:刻獣 リボルバー・ドラコキッド

ナギサデッキ:15→16枚

 

ナギサ「やっぱり厄介なスキルよね。除去と展開を同時にできる上に手札も減ってないなんて」

 

強力なスキルにナギサは文句を言うが、クロノはスルーしてファイトを続けた。

 

クロノ「ドキドキ・ワーカーをコール」

 

クロノ手札:6→5枚

〈G〉〈ア〉〈ド〉

〈 〉〈 〉〈ト〉

 

クロノはここでバトルフェイズに移行した。

 

ナギサ「あら? もう良いの?」

 

クロノ「ええ。クロノジェットGでアタック!」

 

クロノジェットGパワー:11000

 

ナギサ「ノーガード。ダメージチェック」

 

狼の魔女 サフラン(なし)

ナギサデッキ:16→15枚

ナギサダメージ:3→4

 

クロノ「トランジットでブースト、ドキドキ・ワーカーでヴァンガードにアタック!」

 

ドキドキ・ワーカー+トランジットパワー:11000

 

ナギサ「カルダモンでインターセプト!」

 

アニス+カルダモンシールド:16000

ナギサドロップ:9→10

 

クロノ「トランジットのスキル! ブーストしたアタック終了時、このユニットをソウルに送り、1枚ドロー!」

 

アヴニールソウル:2→3

クロノ手札:5→6枚

クロノデッキ:30→29枚

 

クロノ「アヴニールでヴァンガードに、アタック! ドキドキ・ワーカー!」

 

アヴニールパワー:26000→31000

アヴニールソウル:3→4

クロノ手札:6→7枚

クロノデッキ:29→28枚

 

クロノ「ここで、アヴニール・フェニックスのスキル発動! CB1とGゾーンの裏の同名カードを表にして、山札の上5枚を公開。Gゾーンの表のカード1枚につき2体までコールする!」

 

クロノダメージ:4(裏0→1)

刻獣 ヒュプノシス・シープ

刻獣 クルージング・ドラゴン

スチームテイマー アルカ

刻獣 ボンバード・ホッグ

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン

 

カズミ『コールできるのは最大4体です。新導君はどのカードをコールするんでしょうか?』

 

クロノ「俺は、《刻獣 クルージング・ドラゴン》と《刻獣 ヒュプノシス・シープ》、《刻獣 メタルパーティ・ドラゴン》をSコール! 残りは山札の下へ!」

 

クロノデッキ:28→25枚

クロノドロップ:3→4

〈メ〉〈ア〉〈ク〉

〈 〉〈 〉〈ヒ〉

 

クロノ「さらに、アヴニール・フェニックスのGB3! Rの十二支刻獣のパワー+2000!」

 

メタルパーティパワー:10000→12000

クルージングパワー:9000→11000

ヒュプノシスパワー:4000→6000

アヴニールパワー:31000

 

ナギサ「《衰微の女神 ヘル》! 完全ガード! スキル発動! ヘルがドロップゾーンにいるため、CC1!」

 

ナギサ手札:8→6枚

ナギサダメージ:4(裏2→1)

ナギサドロップ:10→12

 

クロノ「トリプルドライブ!」

 

刻獣 リボルバー・ドラコキッド(なし)

スチームテイマー アルカ(なし)

刻獣 ボンバード・ホッグ(☆)

クロノデッキ:25→22枚

クロノ手札:7→10枚

 

クロノ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、メタルパーティへ!」

 

メタルパーティパワー:12000→17000/☆2

 

クロノ「メタルパーティでアタック!」

 

メタルパーティパワー:17000/☆2

 

ミヤ『新導クロノの怒濤の連続攻撃が続きます!』

 

ナギサ「受けるわけ無いでしょ! 《春眠の女神 ターロ》でガードよ!」

 

アニス+ターロシールド:21000

ナギサ手札:6→5枚

ナギサドロップ:12→13

 

クロノ「クルージング・ドラゴンでアタック! クルージング・ドラゴンのスキルをCB1で発動! 山札の上3枚を見て、1枚を手札に加える! 俺は、《クロノメディカル・ハムスター》を手札に! さらに、クルージング・ドラゴンは自信のスキルでパワー+2000!」

 

クロノダメージ:4(裏1→2)

クロノデッキ:22→21枚

クロノ手札:10→11枚

クルージングパワー:11000→13000

クルージング+ヒュプノシスパワー:19000

 

ナギサ「……高いわね。ガードしても良いけどここは、ノーガードよ」

 

オレンジの魔女 バレンシア(なし)

ナギサデッキ:15→14枚

ナギサダメージ:4→5

 

クロノ「なら、ヒュプノシス・シープのスキル。クルージング・ドラゴンを山札の下に送り、自信をソウルへ送って、メタルパーティをスタンド! メタルパーティでアタック!」

 

アヴニールソウル:4→5

クロノデッキ:21→22枚

メタルパーティパワー:17000/☆2

 

ナギサ「Gガード! 《七色の女神 イーリス》! スキルで、ドロップゾーンのオニオン、カルダモン、バレンシアをソウルに送り、シールド+5000! さらに、《奉仕の神器 エイル》のスキルで自信とドロップのヒールトリガーをバインドして、CC1よ!」

 

イーリスシールド:15000→20000

アニス+イーリスシールド:31000

ナギサ手札:5→4枚

ナギサドロップ:13→14→11→9

アニスソウル:8→11

ナギサバインド:0→2

ナギサダメージ:5(裏1→0)

 

ミヤ『大文字ナギサ! 守護者を残したうえで、ダメージを5で押さえました!』

 

クロノ「流石ですね。ターンエンドです」

 

ナギサダメージ:5

ナギサ手札:4枚

アニスソウル:11

ナギサデッキ:14枚

ナギサドロップ:9

ナギサバインド:2

〈 〉〈ア、ス〉〈 〉

〈オ〉 〈ク〉 〈オ〉

 

クロノダメージ:4(裏2)

クロノ手札:11枚

クロノジェットソウル:5

クロノデッキ:22枚

クロノドロップ:4

クロノバインド:2

〈メ〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ナギサ「スタンド&ドロー」

 

ナギサ手札:4→5枚

ナギサデッキ:14→13枚

 

ナギサは自身が引いたカードを見て、笑って思い出した。

自分がこのデッキを使うこととなった時のことを。

 

 

 

その時、ナギサは自身の兄、ゴウキとファイトをしていた。

 

ナギサ「あ~。また負けた~」

 

ゴウキ「はっはっはっ。惜しかったな、ナギサ。この大文字ゴウキ。グランブルーで妹に負けるわけにはいかないのさ」

 

どうやらナギサはグランブルーデッキでゴウキとファイトをしていたようだ。

 

ゴウキ「しかしナギサ。どうして急に違うデッキを使いたいと言ってきたんだ? お前、ノヴァグラップラーを十分使いこなしているだろ」

 

ナギサ「そうだけど、私は今のままじゃいけないの」

 

そう言ってナギサはカードのカタログを読み出した。

頑固な妹の姿にゴウキは頭を悩ませる。

 

ゴウキ「……ナギサ。カムイのことで悩んでいるのか?」

 

ナギサは無言で頷いた。

そんな態度にゴウキは溜め息をついた。

 

ゴウキ「具体的なことは聞いてないが、カムイの初恋が悲恋に終わるんだろ。カムイが振られたら、お前が慰めてやればいいじゃないか。お前の優しさにカムイも惚れ込むぜ」

 

サイズアップで笑いかける兄にナギサは首を横に振る。

 

ナギサ「嫌よ。そんな傷心に漬け込んだやり方なんて私らしくないわ! エミちゃんのことなんて関係ない! 私は私自身の力でカムイちゃんと結婚するのよ! ナギサ、もう19歳だから、親の承諾無しで結婚できるのよ!」

 

※19歳では親の承諾無しで結婚できません!

 

ナギサ「だから待つの。カムイちゃんがエミちゃんのことを乗り越えて、歩みだす時を!」

 

ナギサはこぶしを握って兄に熱弁した。

そんな妹の姿にゴウキは嬉しそうに笑った。

そんな時、ふとナギサの後ろにあるカタログに目がいったゴウキは、妹に承諾を貰って自身の部屋に向かった。

そして、戻ってきたゴウキはあるカードをナギサに渡した。

 

ゴウキ「今のお前になら、そのカードが相応しいぜ。使いこなして見せろ」

 

ナギサ(そう言って笑ったお兄ちゃんのおかげで、私はこのデッキを組んだんだ)

 

ナギサにとって、たった一人の兄であるゴウキは、何時も彼女の味方だった。

そんな兄と共に組んだデッキは、ナギサの大きな自信となった。

それはゴウキが彼女に言った言葉も関係しているだろう。

 

ナギサ『瑞星の魔女 アニス? このカードがナギサに相応しいの?』

 

ゴウキ『ああ。お前が目指しているのは、カムイにとっての星だと思えてな』

 

ナギサ『星?』

 

ゴウキ『そうだ。星ってのは、昼間は太陽に。夜だって、月や他の星の陰に隠れて見えないことが多い』

 

ゴウキは横にある窓から空を見上げる。

そして、でもな、と言葉をつなげる。

 

ゴウキ『星はそこにあるんだ。カムイの奴が、エミちゃんって言う太陽に目が行っていても、お前という星の輝きが消えるわけじゃ無い。アイツが太陽の輝きに身を焦がして、倒れてしまっても、アイツを見守る星であればいい』

 

ナギサ『ナギサがカムイちゃんを見守る星に……』

 

ゴウキ『そうだ。そして、アイツが星の美しさに気づくのを待ち続ければ良いさ』

 

ゴウキはナギサの肩に手を置いて続けた。

 

ゴウキ『頑張れナギサ。お前ならできる。お前は強い子だからな』

 

ナギサ「(うん。お兄ちゃん。ナギサ、頑張るよ)その一歩として、このファイトに勝つわ! 行くわよ、クロノ!」

 

クロノ「望む所です!」

 

ナギサ「手札の《狼の魔女 サフラン》をコストに、ジェネレーションゾーン、解放! 今こそ示せ、我が真に望む世界を! ストライド・ジェネレーション! 《聖水の魔女王 クローブ》!」

 

ナギサ手札:5→4枚

ナギサドロップ:9→10枚

 

ミヤ『来た~~!! ストライド! 大文字ナギサが、新たな自分の未来の姿を呼び出した!』

 

クロノ「これが、ナギサさんの【白魔女】デッキのGユニット……」

 

ナギサ「その通りよ。さあ続きよ。まずは、左のオニオンを前列に移動。そして、《ドリーミング・ドラゴン》とスターをコール! スターのスキルで、SC2、クローブ、オニオン、スターのパワー+2000よ!」

 

ナギサ手札:4→2枚

ナギサダメージ:5(裏0→1)

ナギサデッキ:13→11

クローブソウル:11→13

SC:瑞星の魔女 アニス、狼の魔女 サフラン

スターパワー:9000→11000

クローブパワー:26000→28000

オニオンパワー:7000→9000

〈ス〉〈ク〉〈オ〉

〈オ〉〈ク〉〈ド〉

 

ナギサ「さあ、バトルよ!」

 

ナギサの全ての列が攻撃可能となったため、クロノは大きく気を引き締める。

 

ナギサ「ドリーミング・ドラゴンでブースト、オニオンでアタック!」

 

オニオン+ドリーミングパワー:13000

 

クロノ「ガード、《クロノスピン・サーペント》!」

 

クロノジェット+クロノスピンシールド:16000

クロノ手札:11→10枚

クロノドロップ:4→5

 

クロノは、ナギサに見えていたカードでガードした。

豊富な手札に何が隠れているのか分からないのはナギサにとって攻めづらい状況なのだ。

 

ナギサ「オニオンでブースト、スターでアタック!」

 

スター+オニオンパワー:18000

 

クロノ「《刻獣 ボンバード・ホッグ》でガード!」

 

クロノジェット+ボンバードシールド:21000

クロノ手札:10→9枚

クロノドロップ:5→6

 

ナギサ「なら、クローブでアタックよ! クローブのスキル! SB6! 全ての魔女のパワー+5000! さらに、クローブのハーツが2枚あるため、クリティカル+1!」

 

クローブソウル:13→7

ナギサドロップ:10→16

SB:白兎の魔女 カルダモン、羽ペンの魔女 オニオン、魔女の使い魔 しろーま、猫の魔女 クミン、オレンジの魔女 バレンシア、春眠の女神 ターロ

スターパワー:11000→16000

オニオンパワー:7000→12000

クローブパワー:28000→33000/☆2

クミンパワー:7000→12000

オニオンパワー:9000→14000

クローブ+クミンパワー:45000/☆2

 

ナギサ「SBした、カルダモンとオニオンのスキル! どちらもCB1でドロップから自身をSコールして、パワー+2000! さらに、バレンシアのスキルで、SC2! ターロのスキルで、このカードを山札の下に戻して、ドリーミング・ドラゴンをスタンドよ!」

 

ナギサドロップ:16→14→16→15

ナギサダメージ:5(裏1→2→3)

ナギサデッキ:11→9→10枚

クローブソウル:7→9

SC:白兎の魔女 カルダモン、魔女の使い魔 しろーま

カルダモンパワー:9000→11000→16000

オニオンパワー:7000→9000→14000

〈カ〉〈ク〉〈オ〉

〈オ〉〈ク〉〈ド〉

 

上書きにより攻撃回数が増えたうえ、ユニットがパワーアップしたのは先のクロノのターンと同じだが、そのパワーの上昇値が全然違うため、クロノも大きく怯えてしまう。

 

クロノ「くっ、《スチームテイマー アルカ》で完全ガード!」

 

クロノ手札:9→7枚

クロノドロップ:6→8

 

だが、怯えながらも、彼は冷静にガードした。

 

ミヤ『大文字ナギサの脅威のパワーアップに対して、新導クロノは、完全ガードで対抗だ!』

 

カズミ『ですが、ここで大文字さんがクリティカルトリガーを出せば、新導君は守りにくくなります。ドライブは重要ですね』

 

ナギサ「トリプルドライブ! ファーストチェック!」

 

衰微の女神 ヘル(なし)

 

ナギサ「ノートリガー! セカンドチェック!」

 

春眠の女神 ターロ(醒)

 

ナギサ「スタンドトリガー! 効果は全て、レストしたオニオンに! 当然スタンドよ!」

 

オニオンパワー:12000→17000

 

ナギサ「サードチェック!」

 

奉仕の神器 エイル(治)

ナギサデッキ:10→7枚

ナギサ手札:2→5枚

 

ナギサ「ヒールトリガー! ダメージ1回復! パワーは、カルダモンに!」

 

カルダモンパワー:16000→21000

ナギサダメージ:5→4(裏3→2)

ナギサドロップ:15→16

 

ダブルトリガーだったが、クリティカルが出なかったことに、クロノはホッと一息ついた。

 

ナギサ「(このターンでトドメは無理か)もう1度、ドリーミング・ドラゴンでブーストしたオニオンでアタック!」

 

オニオン+ドリーミングパワー:18000

 

クロノ「こっちももう1度、ボンバードでガード!」

 

クロノジェット+ボンバードシールド:21000

クロノ手札:7→6枚

クロノドロップ:8→9

 

ナギサ「カルダモンでアタックよ!」

 

カルダモン+オニオンパワー:38000

 

クロノ「ノーガード。ダメージチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

クロノデッキ:22→21枚

クロノダメージ:4→5

 

ナギサ「(手札、あんまり削れなかったな)エンドフェイズにドリーミング・ドラゴンのスキル発動。このユニットを山札に戻して、ドロップゾーンのカードを全て山札に戻すわ。戻したカードは16枚だから、1枚ドロー」

 

ナギサドロップ:16→0

ナギサデッキ:7→8→24→23枚

ナギサ手札:5→6枚

 

ナギサ「ターンエンド」

 

カズミ『決めきれませんでしたが、次のターンの布石も打ちましたね。新導君は、このターンで決めきれないと拙いかもしれません』

 

クロノダメージ:5(裏2)

クロノ手札:6枚

クロノジェットソウル:5

クロノデッキ:21枚

クロノドロップ:9

クロノバインド:2

〈メ〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ナギサダメージ:4(裏2)

ナギサ手札:6枚

アニスソウル:9

ナギサデッキ:23枚

ナギサドロップ:0

ナギサバインド:2

〈カ〉〈ア、ス〉〈オ〉

〈オ〉 〈ク〉 〈 〉

 

ナギサ「(とは言え、手札6枚で防ぎきれるかしら? でもまあ、強きでいきましょう)来なさい、クロノ!」

 

クロノ「行きます! スタンド&ドロー! クロノジェットZのスキル! クロノジェットGをバインド! ジェネレーションゾーン、解放! 今こそ示せ、我が真に望む世界を! ストライド・ジェネレーション! 《クロノドラゴン・ギアネクスト》! 超越スキル! カルダモンを山札の下へ、山札でG3扱いのメリーブロックをSコール!」

 

クロノ手札:6→7枚

クロノデッキ:21→20→19枚

クロノドロップ:9→8→9

クロノバインド:2→3

ギアネクストソウル:5→4

SB:刻獣 トランジット・ドラゴン

ナギサデッキ:23→24枚

 

ミヤ『さあ! ここで新導クロノは、エースの1枚、ギアネクストに超越だ!』

 

カズミ『手札6枚の大文字さんは、この攻撃をどう防ぎますかね?』

 

クロノ「手は抜きませんよ! コール! 《刻獣 オビュラシー・オックス》! メリーブロックとヒュプノシス・シープだ! オックスは自信のスキルでパワー+3000!」

 

クロノ手札:7→4枚

オックスパワー:11000→14000

〈メ〉〈ギ〉〈オ〉

〈メ〉〈メ〉〈ヒ〉

 

ナギサ「あ~。つまり、本気でこのターンで仕留めに来たってことね~」

 

クロノの布陣の凶悪さを見たナギサは半端諦めの表情で呟いた。

 

クロノ「でもこれからですよ。SB1でギアネクストのスキルを発動して、ギアネクストはスキルを獲得。オックスはさらにパワー+1000。さらに、オックスのスキルをCB1で発動。Gゾーンの表のカードの枚数と同じ数だけパワーを千上げる。つまり、パワー+4000です」

 

ギアネクストソウル:4→3

クロノドロップ:9→10

SB:ドキドキ・ワーカー

オックスパワー:14000→15000→19000

クロノダメージ:5(裏2→3)

 

カズミ『パワー1万9千ですか。これが連続攻撃してくると考えると、恐ろしいですね』

 

クロノ「行きます! メリーブロックでブースト、メタルパーティでヴァンガードにアタック! メリーブロックのスキル! 自信以外の十二支刻獣1枚につき、パワー+2000。合計+10000!」

 

メリーブロックパワー:7000→17000

メタルパーティ+メリーブロックパワー:27000

 

ナギサ「うわぁ。強力ね~。ノーガードよ。ダメージチェック」

 

魔女の使い魔 しろーま(☆)

ナギサデッキ:24→23枚

ナギサダメージ:4→5

 

ナギサ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガードに!」

 

アニスパワー:11000→16000/☆2

 

ミヤ『ここでダメージトリガー! 新導クロノ、攻めにくくにゃったぞ!』

 

クロノ「まだだ! メリーブロックはスキルを使った攻撃終了時、自身をバインド! メタルパーティのスキルで、CB1と自身をバインドすることで、バインドゾーンのG3とG1を同列にSコール! 来い、メリーブロック! クロノジェットG!」

 

クロノバインド:3→4→5→3

クロノダメージ:5(裏3→4)

〈G〉〈ギ〉〈オ〉

〈メ〉〈メ〉〈ヒ〉

 

クロノ「今度は、オビュラシー・オックスでアタック!」

 

オックス+ヒュプノシスパワー:23000

 

ナギサ「ターロでガードよ!」

 

アニス+ターロシールド:26000

ナギサ手札:6→5枚

ナギサドロップ:0→1

 

クロノ「ギアネクストでヴァンガードだ! メリーブロックのスキル!」

 

メリーブロックパワー:7000→17000

ギアネクスト+メリーブロックパワー:43000

 

カズミ『パワー4万3千ですか。開花には劣りますが』

 

ミヤ『恐ろしいパッワァーには変わりありません!』

 

ナギサはこの攻撃に対し、迷わずカードを切った。

 

ナギサ「ヘルで完全ガード!」

 

ナギサ手札:5→3枚

ナギサドロップ:1→3

 

クロノ「トリプルドライブ!」

 

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

クロノスピン・サーペント(なし)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:19→16枚

クロノ手札:4→7枚

 

クロノ「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガードへ!」

 

ギアネクストパワー:26000→31000/☆2

 

クロノ「ギアネクストのスキル! 自身の後ろのメリーブロックと、クルージング・ドラゴン、クロノスピン・サーペントを山札の下へ。ギアネクストをスタンド!」

 

クロノ手札:7→5枚

クロノデッキ:16→19枚

 

ブーストを終えて、本来ならバインドされるはずだったメリーブロックは山札に戻ることでデメリットが打ち消された。

このままクロノはスタンドしたギアネクストで再び攻撃を行った。

 

クロノ「ギアネクストのGB4! このユニットのパワー+10000! ドライブ+1!」

 

ギアネクストパワー:31000/☆2→41000/☆2

 

カズミ『スタンドしたギアネクストは本来なら1回のドライブチェックでしたが、このGB4によってツインドライブになりました』

 

ミヤ『大文字ナギサ。このアタックをどうする!?』

 

ナギサ「知恵の実の魔女 ルイボスでガード! CB1で山札の上5枚をガーディアンとしてコール! クインテットウォール!」

 

山札からコールされたのは、上から順に、アニス、チコリ、クミン、ターロ、ステビアだ。

 

アニス+ルイボス+アニス+チコリ+クミン+ターロ+ステビアシールド:46000

ナギサ手札:3→2枚

ナギサダメージ:5(裏2→3)

ナギサデッキ:23→18枚

ナギサドロップ:3→9

 

クロノ「追加はいりませんか?」

 

この数値は1枚でもトリガーが出れば貫通する数値だ。

普通なら追加で出しても可笑しくはない。

 

ナギサ「ええ。これでいいのよ(クロノの攻撃は残り2回。私の手札を考えると、ノートリガーなら防ぎきれる。つまりどう転んでも同じなら、これに賭ける!)」

 

クロノ「なら、ツインドライブ!」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

クロノメディカル・ハムスター(治)

クロノデッキ:19→17枚

クロノ手札:5→7枚

 

めくられたカードを見た瞬間、ナギサは全てを悟って天を仰いだ。

 

クロノ「ゲット、ヒールトリガー! ダメージ1回復。パワーはギアネクストに!」

 

ギアネクストパワー:41000/☆2→46000/☆2

クロノダメージ:5→4(裏4→3)

クロノドロップ:10→11

 

ナギサ「ふぅ(条件が整ったから、《慈愛の究極神器 エイル》が使えたんだけどね。残念だわ)ダメージチェック」

 

星芒の魔女 スター(なし)

ナギサデッキ:18→17枚

ナギサダメージ:5→6

クロノWIN

 

意を決してナギサがめくったカードは、新たなる分身の相方だった。

 

ナギサ「あ~あ~。負けたか~」

 

クロノ「トドメ差しきれないと思いましたよ。危なかったです」

 

ナギサ「でもその場合はドローカード込みでも2回しか攻撃できなかったわ。どの道ジリ貧になって私の負けね」

 

深い溜め息をついたナギサはドロップゾーンに落ちていく。

 

ナギサ「時間切れか。クロノ~」

 

クロノ「はい」

 

ナギサ「私に勝った以上、絶対に優勝しなさいよ」

 

クロノ「もちろん! ナギサさんも頑張ってください!」

 

クロノの応援にナギサは笑顔で応え、ふたが閉じた。

クロノの姿が見えなくなったナギサは、もう1度溜め息をついた。

 

ナギサ「クロノ、強くなってたな~。私も負けていられないわね。まずはファイトの反省点を見直して、もっと強くならなきゃ」

 

ファーストステージは負けても終わりではない。

次の勝利のために、少女は思考する。

ファイターたちの戦いは、まだまだ続く。

 

続く

 

トコハ「さ~て、次の相手はどこかしら~?」

 

ヒロキ「あ」

 

トコハ「あっ」




次回予告

「う~む。今回はちょっと運が無かったかな~」

「反省会ですか?」

「そうよ。デッキから特定のカードだけソウルに送るのは難しいわね~」

「まあ、所詮運ですしね」

「いっそ星占いを見直してみようかしら?」

「いや、そんな曖昧な」

「意外と馬鹿に出来ないわよ。占いが良い日にはとてつもなく強くなるファイターもいるし」

「誰のことを言っているのかは分かりませんが。同じジェネシス使いに相談したらどうです?」

「当てはあるの?」

「そうですね」

次回、第13ターン:互いのプライドを賭けて……

「いっぱい居ますが、とりあえずミサキさんで良いのでは?」

「アイチさん経由でカムイちゃんにばれるから駄目ーー!!」

「ええっ!?」


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第13ターン:互いのプライドを賭けて……

ある男は言った。
彼は自分にとって最高の友にしてライバルであると。
ある男は言った。
彼は自分を救ってくれた唯一の友であると。

彼らは言った。
どちらが相応しいのか……どちらが強いのか、はっきりさせようと……

賭けるのは、己のプライド……



今回は短いよ。


シオン「ふ~む。午前中に戦いすぎたかな? なかなか出会えないや」

 

初日の午後、シオンはフィールド中を歩き回っていたが、まだ1度もファイトしていないようだ。

困ったように歩みを緩めていると、彼のファイバが反応を示した。

 

シオン「おや、君は……」

 

カズマ「ゲッ……」

 

そこには、チームニューオーガのリーダー、東海林カズマが居た。

 

シオン「クロノの元クラスメイト兼チームメイトの君と、こんな形で戦うことになるとは思わなかったよ」

 

シオンはデッキをシャッフルしながらカズマと世間話を始めた。

 

カズマ「そうだな。3年前のU-20じゃあ、結局お前とはファイトできなかったしな。今度は、お前がクロノのチームメイトとして参加か」

 

シオン「正確には、僕のほうが先にクロノのチームメイトになったんだけどね。トコハとは勝負したんだよね」

 

カズマ「まあ、あの時は俺がクロノや安城、それにお前には敵わないと思い込んで、勝負から逃げたんだけどな。U-20でリベンジする予定だったんだが、機会を逃したんだよな」

 

シオン「あれは完全に運だから、しょうがないよ。でも、今回は遭遇できた」

 

シオンはシャッフルを終えた自身のデッキをカズマに渡しながら、少し声を強めた。

 

シオン「君とは、いろんな意味で勝負したかったからね」

 

カズマ「ッ」

 

シオンから発せられる空気にカズマは少し当てられてしまう。

 

カズマ「へっ、上等だ! 勝負だ!」

 

負けじと、カズマもシオンを睨みつける。

両者とも気合いは十分だ。

 

2人「「スタンドアップ!」」

 

シオン「THE!」

 

2人「「ヴァンガード!!」」

 

カズマ「《竜刻魔道士 ビクレオ》!」

 

シオン「《瞬きの騎士 ミーリウス》!」

 

カズマ「俺のターン! ライド《竜刻魔道士 ニーズ》! ビクレオを先駆で移動!」

 

カズマ手札:5→6→5枚

カズマデッキ:44→43枚

ニーズソウル:1→0

 

カズマ「まだだ! 《アビサル・オウル》をコール。スキル発動。山札の上7枚を見て、ルアードがあれば手札に加える!」

 

カズマが7枚を捲って確認すると、ニヤッと歯を出して笑い、1枚をシオンに見せた。

そのカードは、闇に縛られし竜 ルアードだった。

 

カズマ「有ったぜ。このカードを手札に加える。代償として、手札のカードを合計G3になるように捨てる。俺は、《竜刻守護者 エスラス》、《竜刻魔槍士 ディルラド》と《竜刻魔道士 ファームナッハ》を捨てるぜ!」

 

カズマ手札:5→4→5→2枚

カズマデッキ:43→42枚

カズマドロップ:0→3(G1:0→3)

 

シオン「最初から儀式の準備。しかも3枚も捨てるなんて、本当に全力だね」

 

カズマ「ターンエンドだ!」

 

カズマダメージ:0

カズマ手札:2枚

ニーズソウル:0

カズマデッキ:42枚

カズマドロップ:3(G1:3)

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈ア〉

 

シオン「ドロー。ライド、《月牙の騎士 フェレックス》。先駆で移動」

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:44→43枚

フェレックスソウル:1→0

 

シオン「ミーリウスでブースト、フェレックスでアタック!」

 

フェレックス+ミーリウスパワー:12000

 

カズマ「ノーガード!」

 

シオン「ドライブチェック」

 

せぷとがる(なし)

シオンデッキ:43→42枚

シオン手札:5→6枚

 

カズマ「ダメージチェック!」

 

ハウルオウル(引)

カズマデッキ:42→41枚

カズマダメージ:0→1

 

カズマ「よし! ドロートリガーだ! 1枚ドロー!」

 

カズマ手札:2→3枚

カズマデッキ:41→40枚

 

シオン「ふっ、やるね。アタックがヒットしたため、ミーリウスのスキル発動。このユニットをソウルに送り、山札の上10枚を確認。その中のアルトマイル2枚を公開して、1枚を手札に、もう1枚をソウルに送る。有ったのは、《天命の騎士 アルトマイル》2枚だ」

 

フェレックスソウル:0→1→2

シオンデッキ:42→40枚

シオン手札:6→7枚

 

シオン「ターンエンド」

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:3枚

ニーズソウル:0

カズマデッキ:40枚

カズマドロップ:3(G1:3)

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈ア〉

 

シオンダメージ:0

シオン手札:7枚

フェレックスソウル:2

シオンデッキ:40枚

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

カズマ「俺のターン。ドロー! ライド、《竜刻魔剣士 ダグザ》!」

 

カズマ手札:3→4→3枚

カズマデッキ:40→39枚

 

カズマ「アビサル・オウルを移動。ダグザでヴァンガードにアタックだ!」

 

ダグザパワー:9000

 

シオン「ガード、《夢の運び手 ベレヌス》!」

 

フェレックス+ベレヌスシールド:17000

シオン手札:7→6枚

シオンドロップ:0→1

 

カズマ「ちっ、トリガー貫通は無理か。ドライブチェック!」

 

竜刻守護者 エスラス(なし)

カズマデッキ:39→38枚

カズマ手札:3→4枚

 

シオン「よし!」

 

カズマ「くそっ。アビサル・オウルでアタック」

 

アビサルパワー:7000

 

シオン「ノーガード。ダメージチェック」

 

要撃の騎士 レドン(なし)

シオンデッキ:40→39枚

シオンダメージ:0→1

 

カズマ「ターンエンドだ」

 

シオンダメージ:1

シオン手札:6枚

フェレックスソウル:2

シオンデッキ:39枚

シオンドロップ:1

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:4枚

ダグザソウル:1

カズマデッキ:38枚

カズマドロップ:3(G1:3)

〈 〉〈ダ〉〈ア〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

シオン「スタンド&ドロー! ライド、《せぷとがる》! スキル発動! 手札の天命の騎士を見せ、SB1で、山札から、パワー7千のユニットをコール。僕は、フェレックスをSコール!」

 

シオン手札:6→7→6枚

シオンデッキ:39→38→37枚

せぷとがるソウル:3→2

SB:瞬きの騎士 ミーリウス

シオンドロップ:1→2

 

シオン「ヴァンガードが勇敢を持っているため、フェレックスは自身のスキルでパワー+1000。抵抗を得る!」

 

フェレックスパワー:7000→8000

 

シオン「さらに、《絶世の騎士 リヴァーロ》、《ぎゅーんみー》、《ダマスカスの支援術士》をコール!」

 

シオン手札:6→3枚

〈リ〉〈せ〉〈ダ〉

〈 〉〈フ〉〈ぎ〉

 

カズマ(一気に展開してきたな。防御無視の速攻か)

 

シオン「さあ、どこまで耐えれるかな? リヴァーロでアタック!」

 

リヴァーロパワー:10000

 

カズマ「ノーガード。ダメージチェック」

 

カースドアイ・レイヴン(醒)

カズマデッキ:38→37枚

カズマダメージ:1→2

 

カズマ「ゲット、スタンドトリガー! パワーはヴァンガードへ!」

 

ダグザパワー:9000→14000

 

シオン「パワーが上がった。でも、せぷとがるで、ヴァンガードにアタック!」

 

せぷとがる+フェレックスパワー:17000

 

カズマ「もういっちょ、ノーガードだ」

 

シオン「ドライブチェック」

 

さるーがる(醒)

シオンデッキ:37→36枚

シオン手札:3→4枚

 

シオン「スタンドトリガー。効果は全て、リヴァーロへ」

 

リヴァーロパワー:10000→15000

 

カズマ「(攻撃回数が増えたか)ダメージチェック」

 

竜刻魔道士 ウスキアス(なし)

カズマデッキ:37→36枚

カズマダメージ:2→3

 

シオン「もう1度、リヴァーロでアタック!」

 

リヴァーロパワー:15000

 

カズマ「ニーズでガード!」

 

ダグザ+ニーズシールド:19000

カズマ手札:4→3枚

カズマドロップ:3→4(G1:3→4)

 

シオン「ダマスカスの支援術士でアタック!」

 

支援術士+ぎゅーんみーパワー:14000

 

カズマ「ディルラドでガード」

 

ダグザ+ディルラドシールド:19000

カズマ手札:3→2枚

カズマドロップ:4→5(G1:4→5)

 

シオン「ふむ。ターンエンド」

 

カズマダメージ:3

カズマ手札:2枚

ダグザソウル:1

カズマデッキ:36枚

カズマドロップ:5(G1:5)

〈 〉〈ダ〉〈ア〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

シオンダメージ:1

シオン手札:4枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:36枚

シオンドロップ:2

〈リ〉〈せ〉〈ダ〉

〈 〉〈フ〉〈ぎ〉

 

カズマ「流石に、つえぇな。だが、俺だって負けられねえ! スタンド&ドロー! 闇を乗り越え、我が力となれ! ライド! 《闇に縛られし竜 ルアード》!」

 

カズマ手札:2→3→2枚

カズマデッキ:36→35枚

 

カズマ「《スラップテイル・ドラゴン》をコール」

 

カズマ手札:2→1枚

〈ス〉〈ル〉〈ア〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

カズマ「アビサルで、ダマスカスの支援術士にアタック!」

 

アビサルパワー:7000

 

シオン「僕にダメージを与えない戦術か。良いだろう。《反攻の騎士 スレイマン》でガードだ!」

 

支援術士+スレイマンシールド:12000

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:2→3

 

カズマ「ヴァンガードでアタック!」

 

ルアードパワー:11000

 

シオン「ノーガード!」

 

カズマ「ツインドライブ!」

 

救恤の撃退者 アリル(治)

カズマデッキ:35→34枚

 

カズマ「ヒールトリガー! パワーはスラップテイルに、1枚回復」

 

スラップテイルパワー:9000→14000

カズマダメージ:3→2

カズマドロップ:5→6

 

ハウルオウル(引)

カズマデッキ:34→33枚

カズマ手札:1→3枚

 

カズマ「ゲット、ドロートリガー! こっちもパワーはスラップテイルに! 1枚ドロー!」

 

スラップテイルパワー:14000→19000

カズマデッキ:33→32枚

カズマ手札:3→4枚

 

シオン「ダメージチェック」

 

せぷとがる(なし)

シオンデッキ:36→35枚

シオンダメージ:1→2

 

カズマ「行くぞ。スラップテイルでアタック!」

 

スラップテイル+ビクレオパワー:24000

 

シオン「これもノーガード! ダメージチェック!」

 

神明の騎士 アルトマイル(なし)

シオンデッキ:35→34枚

シオンダメージ:2→3

 

カズマ「(ちょっと微妙か)ターンエンド」

 

シオンダメージ:3

シオン手札:3枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:34枚

シオンドロップ:3

〈リ〉〈せ〉〈ダ〉

〈 〉〈フ〉〈ぎ〉

 

カズマダメージ:2

カズマ手札:4枚

ルアードソウル:2

カズマデッキ:32枚

カズマドロップ:6(G1:5)

〈ス〉〈ル〉〈ア〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

シオン「スタンド&ドロー。そういえば、聞いてなかったね。どうして君と東雲が同じチームとしてこの大会に参加したのか」

 

シオン手札:3→4枚

シオンデッキ:34→33枚

 

シオンの質問に、カズマは少しだけ溜め息をついてから答えた。

その反応は、シオンがこの質問をしてくることを予想していたように見える。

 

カズマ「向こうから声をかけてきたんだよ。自分の目的のために協力して欲しいってな」

 

シオン「目的?」

 

シオンはその言葉を聞くと明神リューズの協力者となっていた時の彼を思い出してしまい、あまり良い気分にはなれなかった。

 

カズマ「お前らの過去なんてしらないが、アイツはこの数年を過ごした自分がお前をどう見えるのか知りたいって言ってたぜ。そのために親しい仲で、比較的温厚なマモルさんに協力を求めてドラエン支部に来てたんだ」

 

シオン「なるほどね。そこで君たちと出会ったんだ」

 

カズマ「ああ。もちろん、俺も初対面だったからな。最初は警戒した。でも、アイツとファイトをして、少なくとも悪い奴じゃないことは分かったからな。協力してやることにしたんだ」

 

シオンは黙ってカズマの評価を聞いていた。

イメージ力が高い彼の評価は使用できると判断したからだ。

 

シオン「なるほど。君の評価はよく分かったよ。彼は必ず僕の元に来るってこともね」

 

カズマ「ああ。俺の言葉に納得がいかないのなら、直接確かめれば良い」

 

シオン「そうさせてもらうよ。でも、参考にはなった。ありがとう」

 

シオンはしばらく頭を下げたあと、手に持っていたカードを強く握りしめた。

 

シオン「さあ、ファイトを続けよう。君臨せよ、我が新たなる剣! ライド! 《天命の騎士 アルトマイル》!」

 

シオン手札:4→3枚

 

シオン「ストライドステップ! ぎゅーんみーの勇敢発動! このユニットを超越コストに変更する! Gゾーン解放! 滅びぬ魂よ、その光をもって悪しき者を打ち倒せ! ストライド・THE・ジェネレーション! 《不滅の聖剣 フィデス》!」

 

シオンドロップ:3→4

GB:0→1

 

シオン「天命の騎士 アルトマイルの超越スキル! 手札から《さるーがる》をSコール! パワー+4000! さるーがるは自身の勇敢により、スキルを獲得!」

 

シオン手札:3→2枚

さるーがるパワー:4000→8000

 

シオン「ダマスカスの支援術士を後列へ。《壮気の騎士 リルディス》をコール。勇敢により、自身をソウルに送って、ダマスカスの支援術士のパワー+5000」

 

シオン手札:2→1枚

フィデスソウル:3→4

支援術士パワー:7000→12000

〈リ〉〈フ〉〈 〉

〈さ〉〈フ〉〈ダ〉

 

シオン「フィデスのスキル。CB1とGゾーンのカード1枚を表にして、このターンの勇敢持ちの攻撃は、ガーディアン1体ではヒットする! さらにフェレックスの勇敢により、前列のユニットのパワー+2000、抵抗を与える!」

 

シオンダメージ:3(裏0→1)

GB:1→2

リヴァーロパワー:10000→12000

フィデスパワー:26000→28000

 

シオン「リヴァーロでヴァンガードにアタック! 勇敢発動! CB1で、山札から、G2をコール! 僕は《反攻の騎士 スレイマン》をSコール! スレイマンの勇敢により、パワー+3000!」

 

シオンダメージ:3(裏1→2)

シオンデッキ:33→32枚

スレイマンパワー:9000→12000→14000

リヴァーロ+さるーがるパワー:20000

 

カズマ「ノーガード。ダメージチェック」

 

スラップテイル・ドラゴン(なし)

カズマデッキ:32→31枚

カズマダメージ:2→3

 

シオン「スレイマンでアタック! スキル発動! 手札1枚を捨てて、CB1、山札からG2をパワー+2000してコール! リヴァーロをコールだ!」

 

シオンダメージ:3(裏2→3)

シオン手札:1→0枚

シオンデッキ:32→31枚

シオンドロップ:4→5→6

リヴァーロパワー:10000→12000→14000

スレイマン+支援術士パワー:26000

 

カズマ「Gガード! 《竜楯魔道士 ブロナーハ》! スキル発動。山札の上から5枚公開」

 

ベリアルオウル(G0)

竜刻魔道士 ファームナッハ(G1)

スラップテイル・ドラゴン(G2)

竜刻魔槍士 ディルラド(G1)

竜刻守護者 エスラス(G1)

 

カズマ「この中のG1を全てGサークルへ。残りは山札の下へ」

 

カズマ手札:4→3枚

GB:0→1

カズマドロップ:6→7→10(G1:5→8)

カズマデッキ:31→28枚

ルアード+ブロナーハ+ファームナッハ+ディルラド+エスラスシールド:36000

 

シオン「なら、フィデスでアタック!」

 

フィデス+フェレックスパワー:36000

 

カズマ「《竜刻守護者 エスラス》! 完全ガードだ!」

 

カズマ手札:3→1枚

カズマドロップ:10→12(G1:8→9)

 

シオン「トリプルドライブ!」

 

ぎゅーんみー(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

レメディ・エンジェル(治)

シオンデッキ:31→28枚

シオン手札:0→3枚

 

シオン「ゲット! ヒールトリガー! ダメージ1回復! パワーはリヴァーロに!」

 

リヴァーロパワー:14000→19000

シオンダメージ:3→2(裏3→2)

シオンドロップ:6→7

 

シオン「リヴァーロでアタック!」

 

リヴァーロパワー:19000

 

カズマ「ノーガード。ダメージチェック」

 

ベリアルオウル(☆)

カズマデッキ:28→27枚

カズマダメージ:3→4

 

シオン「エンドフェイズ。ダマスカスの支援術士の勇敢。自身を退却して、CC2。1枚ドロー。さるーがるのスキル。1枚ドロー。このユニットを山札へ」

 

シオンドロップ:7→8

シオンダメージ:2(裏2→0)

シオンデッキ:28→27→26→27枚

シオン手札:3→4→5枚

 

カズマ「ちっ。守りを固めてきたか」

 

カズマダメージ:4

カズマ手札:1枚

ルアードソウル:2

カズマデッキ:27枚

GB:1

カズマドロップ:12(G1:9)

〈ス〉〈ル〉〈ア〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

シオンダメージ:2

シオン手札:5枚

アルトマイルソウル:4

シオンデッキ:27枚

GB:2

シオンドロップ:8

〈リ〉〈ア〉〈ス〉

〈 〉〈フ〉〈 〉

 

シオン「(これでダメージは2対4。さて、東海林カズマ君は、どう出るかな)さあ、君のターンだ。かかってこい!」

 

カズマ「望む所だ! スタンド&ドロー! ルアードの儀式X! 超越コストをドロップゾーンのノーマルユニット1枚を山札の下に送るに変更! ファームナッハを戻す。ストライドジェネレーション! 《深淵を覗く竜皇 ルアード》!」

 

カズマ手札:1→2枚

カズマデッキ:27→26→27枚

カズマドロップ:12→11(G1:9→8)

GB:1→2

 

カズマ「超越スキル! CB1で山札からG1以下をコール! 《ベリアルオウル》をSコール! 儀式持ちをコールしたため、同列のユニットを退却できる! リヴァーロを退却だ!」

 

カズマダメージ:4(裏0→1)

カズマデッキ:27→26枚

シオンドロップ:8→9

 

カズマ「ドロップのエスラスの儀式! ビクレオを退却させ、同名のカードを山札の下へ。このカードを手札に戻す! 退却したビクレオの儀式で、このカードをソウルへ。CC1」

 

カズマドロップ:11→12→10→9(G1:8→6)

カズマデッキ:26→27枚

カズマ手札:2→3枚

ルアードソウル:2→3

カズマダメージ:4(裏1→0)

 

カズマ「深淵を覗く竜皇 ルアードのスキル。SB1。ベリアルオウルを退却させ、Gゾーンの同名カードを表に。山札から、G1を2体コールする。俺は、ディルラドとニーズをコール。儀式持ちを2体コールしたため相手ユニット1枚を退却させる。スレイマンを退却」

 

ルアードソウル:3→2

SB:竜刻魔道士 ニーズ

GB:2→3

カズマドロップ:9→10→11(G1:6→7)

カズマデッキ:27→25枚

〈ス〉〈ル〉〈ア〉

〈デ〉〈 〉〈ニ〉

シオンドロップ:9→10

 

カズマ「ベリアルオウルのスキルで1枚ドロー。ディルラドの儀式。SB1で1枚ドロー。スラップテイルの儀式。G1が登場する度に自信と登場したユニットにパワー+3000。ニーズの儀式でパワー+2000」

 

カズマデッキ:25→24→23枚

カズマ手札:3→4→5枚

ルアードソウル:2→1

SB:竜刻魔道士 ビクレオ

カズマドロップ:11→12

スラップテイルパワー:9000→12000→15000

ディルラドパワー:7000→10000

ニーズパワー:7000→10000→12000

 

カズマ「さらに、ルアードのGB3。ドロップゾーンのG1の数4枚につき、前列のユニットのパワー+10000。俺のドロップには、G1が7枚と、ドロップゾーンでG1として扱うスラップテイルがいる。合計8枚のため、パワー+20000だ」

 

スラップテイルパワー:15000→35000

ルアードパワー:26000→46000

アビサルパワー:7000→27000

 

シオン「相変わらず、やっかいなスキルだよ」

 

カズマ「ディルラドでブースト、スラップテイルでアタック!」

 

スラップテイル+ディルラドパワー:45000

 

シオン「《厳戒の騎士 レギウス》! 完全ガード!」

 

シオン手札:5→3枚

シオンドロップ:10→12

 

カズマ「ルアードでアタック!」

 

ルアードパワー:46000

 

シオン「ノーガード!」

 

カズマ「トリプルドライブ!」

 

竜刻魔道士 ファームナッハ(なし)

カースドアイ・レイヴン(醒)

カズマデッキ:23→21枚

 

カズマ「ゲット、スタンドトリガー。効果は全て、スラップテイルに」

 

スラップテイルパワー:35000→40000

 

ベリアルオウル(☆)

カズマデッキ:21→20枚

カズマ手札:5→8枚

 

カズマ「ゲット! クリティカルトリガー! クリティカルはヴァンガード、パワーはアビサルに!」

 

ルアード:☆2

アビサルパワー:27000→32000

 

シオン「ダメージチェック」

 

ぎゅーんみー(なし)

月牙の騎士 フェレックス(なし)

シオンデッキ:27→25枚

シオンダメージ:2→4

 

カズマ「アビサルでアタック!」

 

シオン「ノーガード。ダメージチェック」

 

せぷとがる(なし)

シオンデッキ:25→24枚

シオンダメージ:4→5

 

カズマ「アタックが終了した時、ニーズのスキル。CB1、アビサルを退却させ、1枚ドロー」

 

カズマダメージ:4(裏0→1)

カズマドロップ:12→13(G1:7→8)

カズマデッキ:20→19枚

カズマ手札:8→9枚

 

カズマ「スラップテイルでアタック!」

 

スラップテイルパワー:40000

 

シオン「Gガード! 《神聖竜 ディフェンドホールド・ドラゴン》! 勇敢で完全ガードになる!」

 

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:12→13

GB:2→3

 

カズマ「ちっ……エンドフェイズ、ドロップゾーンのベリアルオウルの儀式。自信を山札の下に戻す」

 

カズマドロップ:13→12

カズマデッキ:19→20枚

 

カズマ「これでターンエンドだ」

 

シオンダメージ:5

シオン手札:2枚

アルトマイルソウル:4

シオンデッキ:24枚

GB:3

シオンドロップ:13

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈フ〉〈 〉

 

カズマダメージ:4(裏1)

カズマ手札:9枚

ルアードソウル:1

カズマデッキ:20枚

GB:3

カズマドロップ:12(G1:8)

〈ス〉〈ル〉〈 〉

〈デ〉〈 〉〈ニ〉

 

シオン「僕のターン。スタンド&ドロー。(なかなか厳しいけど、僕がやれることをやるしかない)アルトマイルのスキル。手札のぎゅーんみーをSコール。パワー+4000されるけど、関係無いね」

 

シオン手札:2→3→2枚

シオンデッキ:24→23枚

ぎゅーんみーパワー:7000→11000

 

シオン「ぎゅーんみーの勇敢! Gゾーン解放!今こそ刻め、新たなるエピック! 我が望む未来を掴み取れ! ストライド・THE・ジェネレーション! 《神聖竜 ルミナスホープ・ドラゴン》! 超越スキル! 手札の《神明の騎士 アルトマイル》をSコール! パワー+4000!」

 

シオンドロップ:13→14

GB:3→4

シオン手札:2→1枚

アルトマイルパワー:11000→15000→17000

ルミナスホープパワー:26000→28000

フェレックスパワー:7000→8000

 

シオン「《夢の運び手 ベレヌス》をコール」

 

シオン手札:1→0枚

〈ア〉〈ル〉〈 〉

〈ベ〉〈フ〉〈 〉

 

シオン「ルミナスホープ・ドラゴンのスキル。Gゾーンのカードを表に。Gゾーンのルミナスホープ・ドラゴン1枚のにつき、このユニットのパワー+10000。勇敢持ちのパワー+1000。表のルミナスホープ・ドラゴンは2枚あるため、パワーは2万と2千アップする!」

 

アルトマイルパワー:17000→19000

ルミナスホープパワー:28000→48000

フェレックスパワー:8000→10000

 

シオン「アルトマイルでアタック! アルトマイルの勇敢! アタックした時、パワー+5000、クリティカル+1!」

 

アルトマイルパワー:19000→24000/☆2

アルトマイル+ベレヌスパワー:28000/☆2

 

カズマ「くっ……《ナイトスカイ・イーグル》、《カースドアイ・レイヴン》でガード! さらにインターセプト!」

 

ルアード+イーグル+カースドアイ+スラップテイルシールド:31000

カズマ手札:9→7枚

カズマドロップ:12→15

 

シオン「ルミナスホープ・ドラゴンでアタック! ベレヌスのスキルで、ソウルに送って1枚ドロー! パワー+5000! 勇敢! アタック時、山札からG2をSコール! 自信のクリティカル+1! 僕はスレイマンをコール!」

 

ルミナスホープソウル:4→5

シオンデッキ:23→22→21枚

シオン手札:0→1枚

ルミナスホープパワー:48000/☆2→53000/☆2

ルミナスホープ+フェレックスパワー:63000/☆2

スレイマンパワー:9000→11000

 

カズマ「完全ガード!」

 

カズマ手札:7→5枚

カズマドロップ:15→17

 

シオン「トリプルドライブ!」

 

壮気の騎士 リルディス(☆)

シオンデッキ:21→20枚

 

カズマ「!?」

 

シオン「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、スレイマンに!」

 

スレイマンパワー:11000→16000/☆2

 

神明の騎士 アルトマイル(なし)

夢の運び手 ベレヌス(☆)

シオンデッキ:20→18枚

シオン手札:1→4枚

 

シオン「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、スレイマンに!」

 

スレイマンパワー:16000/☆2→21000/☆3

 

シオン「スレイマンでアタック! スキルで3体目のリヴァーロをコール! 勇敢が有効になったため、パワー+3000!」

 

シオンダメージ:5(裏0→1)

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:14→15→16

シオンデッキ:18→17枚

リヴァーロパワー:10000→12000→14000

スレイマンパワー:21000/☆3→24000/☆3

 

カズマ「くらうか! ファームナッハ、ダグザ、ウスキアスでガード!」

 

ルアード+ファームナッハ+ダグザ+ウスキアスシールド:26000

カズマ手札:5→2枚

カズマドロップ:17→20枚

 

シオン「なら、リヴァーロでアタック! 勇敢!」

 

シオンダメージ:5(裏1→2)

シオンデッキ:17→16枚

シオンドロップ:16→17

スレイマンパワー:9000→12000→14000

リヴァーロパワー:14000

 

カズマ「ノーガード! ダメージチェック!(ここでトリガーが乗れば、耐えれる!)」

 

竜刻守護者 エスラス(なし)

カズマデッキ:20→19枚

カズマダメージ:4→5

 

カズマ「くそっ!」

 

シオン「よしっ! スレイマンでアタック!」

 

シオンダメージ:5(裏2→3)

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:17→18→19

シオンデッキ:16→15枚

リヴァーロパワー:10000→12000→14000

スレイマンパワー:14000

 

カズマ「(これを防いでも、攻撃は後3回。どのみち手札が足りない。ならっ)ノーガードだ! ダメージチェック!」

 

ハウルオウル(引)

カズマデッキ:19→18枚

カズマダメージ:5→6

シオンWIN

 

カズマ「ちっ、負けちまったか」

 

シオン「いやいや。ヒールトリガー無かったから、あそこでトリガー出てたら僕の負けだったよ。良い勝負だった」

 

舌打ちするカズマにシオンは手を差し伸べた。

その手を見たカズマは、苦笑しながら握手に応えた。

 

シオン「東雲と合流したら伝えておいてくれ。お前の挑戦、受けて立つ。とね」

 

カズマ「あいよ。お前達2人の勝負、楽しみにしてるぜ。そろそろ時間だな」

 

カズマが懸念した通り、彼の足元が下がり始め、ドロップゾーンに送られ始めた。

 

カズマ「俺の方こそ、クロノに伝えてくれ。お前との勝負、絶対に負けねえぞ。ってな!」

 

そう言って、カズマはドロップゾーンに落ちていった。

シオンはそんな姿を少し嬉しそうに見ていた。

 

シオン「ここまで素直にクロノに挑戦できるのは、正直羨ましいよ。君を見習って、僕も個人的にクロノに勝負を挑んでみようかな」

 

微笑を浮かべながらシオンは歩き出した。

次の熱い戦いに想いを馳せて。

 

続く

 

トコハ「アタック!」

 

ヒロキ「ぐああっあ!」

 

そのころ、トコハはヒロキとのファイトに勝利していた。

悔しそうな表情を浮かべながらも、ヒロキはトコハに激励をしながらドロップゾーンに落ちていった。

 

トコハ「さて、大分ポイントも溜まってきたわね。次の相手はっと」

 

走るトコハの前に、人影が現れる。

それは、彼女の最愛の人、クロノの父、ライブだった。

 

ライブ「トコハちゃん!」

 

その腕のファイバは、大きく鳴り響いていた。

 

トコハ「……次の相手は、お義父さんですか」

 

静かに相手を見据えるトコハの耳に、アナウンスが聞こえてきた。

 

『終了時間30分前です。次のファイトを本日の最終ファイトにしてください』

 

ファーストステージ初日は、大詰めだ。




次回予告

「くっそっ! 勝てなかった」

「いやいや。本当に惜しかったよ。あそこでヒールトリガーだったら確実に負けてたしね。諦めない姿勢は正しかったよ」

「……俺も成長してるってことなのか……」

「まあ、でも。結果は結果だ。クロノの親友兼ライバルトップの座は僕のものだね」

「拘るな~」

「それくらいの地位は手に入れておかないとクロノ関連でトコハに負けちゃうから」

「勝負してるのかよ」

「してないけど、意地みたいなものかな~。ライブさんも発言権低いみたいだし」

次回、第14ターン:義娘の怒り

「今回ライブさんが、クロノとトコハを怒らせるようなことをしでかしたからね。遭遇すると大変なことになるね」

「クロノの親父さん……生きろ」

「後でミクルさんからの説教もあるから、難しいと思うよ」


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第14ターン:義娘の怒り

怒りの感情。
それが燃え上がるのは、その人にとって最も大切な何かが傷つけられた時だ。
それは物であったり、プライドであったり……人によって様々である。
少女にとってのそれは、最愛の人だった。
最愛の人を傷つけた元凶に対し、少女は本能と理性によって怒りを爆発させる。
今、少女を止められる者は誰も居ない。


ミヤ『VF世界大会日本本予選。ファーストステージ、クレイスクランブル初日はいよいよ大詰めです。本日のラストファイトの行方は文字通り注目の的だ!』

 

すでにファイトが終わった者は観客席に戻り、残りのファイターの様子を見ている。

その中には、シオンもいた。

 

シオン「まだクロノとトコハは残ってるか。頑張れ、2人とも」

 

シオンが覗くスクリーンのさきで、クロノはファイトを開始しようとしていた。

 

クロノ「まさか、今日の最後の相手がお前とはな。ツネト」

 

ツネト「へっ。それはこっちのセリフだ。また勝たせて貰うぜ!」

 

クロノ「い~や。あの時のリベンジだ。借りは返すぞ。行くぜ」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

そして、もう一方でもファイトが始まろうとしていた。

 

ライブ「……」

 

トコハ「……」

 

2人は相手のデッキをシャッフルしているが、何故か終始無言だった。

 

ライブ「……(えっ、なにこの沈黙。恐い)」

 

ライブは怯えながらトコハにデッキを返した。

そして、自分のデッキが戻って来たので、手札を整えた。

 

トコハ「……お義父さん」

 

ライブ「はい……」

 

トコハ「言いたいことはいっぱいありますが、先にファイトを始めましょう」

 

ライブ「……分かった」

 

双方がFVに手を添える。

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

トコハ「《栽植の乙女 オズ》!」

 

ライブ「《ベビーカマラ》!」

 

親と義娘、2人の戦いのゴングが鳴り響いた。

先行はトコハだ。

 

トコハ「私のターン、ドロー! ライド、《純潔の乙女 カトリーナ》!」

 

トコハ手札:5→6→5枚

トコハデッキ:44→43枚

カトリーナソウル:1→0

 

トコハ「ターンエンド」

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:5枚

カトリーナソウル:0

トコハデッキ:43枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

ミヤ『さあ、こちらは、安城トコハと新導ライブのファイトが始まっているぞぉ!』

 

カズマ『新導ライブさんは、新導クロノ君のお父様です。実質、父親と義娘の対戦になりますね』

 

ミヤ『これまた注目の一戦ですね』

 

ライブ「俺のターン! ライド! 《黒翼竜 レイヴンプテラ》! 先駆で移動!」

 

ライブ手札:5→6→5枚

ライブデッキ:44→43枚

レイヴンプテラソウル:1→0

 

ライブ「バトル! レイヴンプテラで、ヴァンガードにアタック!」

 

レイヴンプテラ+ベビーカマラパワー:12000

 

トコハ「ノーガード」

 

ライブ「ドライブチェック」

 

コンバレスオーニス(治)

ライブデッキ:43→42枚

ライブ手札:5→6枚

 

ライブ「むっ。回復はしないが、パワーはレイヴンプテラだ」

 

レイヴンプテラパワー:7000→12000

レイヴンプテラ+ベビーカマラパワー:17000

 

トコハ「ダメージチェック」

 

播種の乙女 ティアニー(なし)

トコハデッキ:43→42枚

トコハダメージ:0→1

 

ライブ「これで、ターンエンド」

 

トコハダメージ:1

トコハ手札:5枚

カトリーナソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:0

 

ライブダメージ:0

ライブ手札:6枚

レイヴンプテラソウル:0

ライブデッキ:42枚

ライブドロップ:0

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

トコハ「私のターン、ドロー。ライド、《共に咲く乙女 ケラ》」

 

トコハ手札:5→6→5枚

トコハデッキ:42→41枚

 

トコハ「《盛運の乙女 ディアン》をコール。ここで、オズのスキル発動。G1以上の開花持ちがコールされたため、自身をソウルに送り、1枚ドロー」

 

トコハ手札:5→4→5枚

ケラソウル:1→2

トコハデッキ:41→40枚

〈 〉〈ケ〉〈デ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「ケラで、ヴァンガードにアタック!」

 

ケラパワー:9000

 

ライブ「ノーガード」

 

トコハ「ドライブチェック」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハデッキ:40→39枚

トコハ手札:5→6枚

 

ライブ「むっ」

 

トコハ「クリティカルトリガー。パワーはディアンに、クリティカルはヴァンガードへ」

 

ケラ:☆2

ディアンパワー:7000→12000

 

ミヤ『クリティカルトリガーだ! これは幸先良いか!』

 

ライブ「ダメージチェック」

 

凍竜 フリーザーニクス(なし)

帝竜 ガイアエンペラー(なし)

ライブデッキ:42→40枚

ライブダメージ:0→2

 

トコハ「あら……残念ですね。お義父さん」

 

なにやら高圧的な表情でトコハはライブを見下す。

その様子にライブは怯えてしまう。

 

トコハ「ディアンでアタックです」

 

ディアンパワー:12000

 

ライブ「くっ! 《古代竜 ディノダイル》でガード!」

 

レイヴンプテラ+ディノダイルシールド:17000

ライブ手札:6→5枚

ライブドロップ:0→1

 

トコハ「ターンエンドです」

 

ライブダメージ:2

ライブ手札:5枚

レイヴンプテラソウル:0

ライブデッキ:40枚

ライブドロップ:1

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

トコハダメージ:1

トコハ手札:6枚

ケラソウル:2

トコハデッキ:39枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈ケ〉〈デ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ライブ「あの~。トコハちゃん。そ……そんなにも怒らなくても……」

 

トコハ「は?」

 

ライブ「すみませんでした!」

 

ライブは雰囲気的にトコハが怒っていることに気がついたので、どうにか緩和できないか試みた。

だがトコハの表情を見たライブは迷うことなく両手をテーブルにつけて頭を下げる。

これには見ていた側はビックリだ。

だが、何事も例外がいるのである。

 

シオン「……(ライブさん。あなたって人は……)はぁ~」

 

トコハが怒っている理由を知っているシオンは呆れかえった様子でライブを見ていたのだった。

 

ミヤ『え~っと。これはいったい?』

 

カズミ『今日はこんな光景を見る機会が多いですね~。今度は何があったんでしょうか?』

 

司会の2人の疑問をよそに、ライブが言い訳を言い始める。

 

ライブ「いや、あのね。クロノを驚かせようと思って、それで内緒で」

 

トコハ「だからって失踪の後1日も連絡をよこさないのはどうかと思いますよ。貴方の場合前科があるんですからね。前科が」

 

ぐぅの音も出ずにライブは伏せてしまった。

そんなライブにかまうことなくトコハは続けた。

 

トコハ「前科のあれがクロノのことを思ってのことだということは知ってますが、やり方に問題が有ったと思いますよ。例の計画を阻止することが目的なら10年も失踪する必要がありました? 協力者ゆえの説得力不足なんて考えずに真正面から説得なり強硬手段なりで止めればよかったんですよ。結果的に良かったことは確かにありましたが、それって結局結果論ですよね。少なくともあの時の行動は最善とは言えませんよ」

 

ライブ「はい。その通りです。クロノのトラウマの原因は俺です。ごめんなさい」

 

ミヤ『どうも家庭内の事情みたいですね。ところでトラウマとは?』

 

カズミ『新導さんは10年以上失踪してましたからね。その関係で息子さんは我々も知らないトラウマを抱えてしまったのでしょう。1部を知っている身としては確かに正しいと言える行動ではなかったですね。その関係で救われたこともありますが』

 

ミヤ『難しい問題ですね』

 

ミヤの言葉を聞いた仲間たちは、全員揃って悩み始める。

終わりよければ全て良し、とは言いづらいし、では最善の行動が何かとも言えない。

行動が変わっていれば当人たちの関係も変わっていたのだ。

結局、過去は変えられないである。

 

トコハ「まあ、あの時のことを追求するのはやめましょう。でも自覚してくださいよ。貴方の行動が息子を大きく傷つけることがあることを」

 

ライブ「はい。すみませんでした」

 

トコハ「今回もクロノは心配してたんですからね。帰ったらミクルさんも呼んで家族全員で説教です。逃げちゃ駄目ですよ」

 

ライブ「申し訳ありませんでした」

 

ライブは、今度は土下座をした。

そんな彼の姿を、トコハは蔑んだ目で見つめていた。

少ししたら、トコハは深いため息をついた。

 

トコハ「まあ、良いです。今はファイトを続けましょう」

 

ライブ「はい。スタンド&ドロー。ライド、《重弾竜 ディアブロキャノン》」

 

ライブ手札:5→6→5枚

ライブデッキ:40→39枚

 

ライブ「さらに《タンクマンモス》をコール」

 

ライブ手札:5→4枚

〈タ〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

ライブ「……(トコハちゃんは、怒ってる。でも、ファイトには純粋な想いしか乗せていない。その想いを無下にするわけにはいかない!)タンクマンモスで、ディアンにアタック!」

 

タンクマンモスパワー:9000

 

トコハ「……(守ってもいいけど、また攻撃される面倒ね)ノーガード。ディアンは退却させます」

 

トコハドロップ:0→1

 

ライブ「ディアブロキャノンでアタック! 暴喰により、タンクマンモスを退却! タンクマンモスのスキル! CB1、SB1で、自身をSコール! パワー+3000!」

 

ライブドロップ:1→2→3→2

ライブダメージ:2(裏0→1)

ディアブロキャノンソウル:1→0

SB:黒翼竜 レイヴンプテラ

タンクマンモスパワー:9000→12000

ディアブロキャノン+ベビーカマラパワー:14000

 

トコハ「ノーガード!」

 

ライブ「ドライブチェック!」

 

砲撃竜 パラサウランチャー(☆)

ライブデッキ:39→38枚

ライブ手札:4→5枚

 

ライブ「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはタンクマンモス、クリティカルはヴァンガード!」

 

タンクマンモスパワー:12000→17000

ディアブロキャノン:☆2

 

トコハ「ダメージチェック」

 

共に咲く乙女 ケラ(なし)

モンキーポッド・ドラゴン(引)

トコハデッキ:39→37枚

トコハダメージ:1→3

 

トコハ「ドロートリガー。パワーはヴァンガード。1枚ドロー」

 

トコハ手札:6→7枚

トコハデッキ:37→36枚

ケラパワー:9000→14000

 

ライブ「むぅ。タンクマンモスでアタックだ」

 

タンクマンモスパワー:17000

 

トコハ「ケラでガード!」

 

ケラ+ケラシールド:19000

トコハ手札:7→6枚

トコハドロップ:1→2

 

ライブ「ターンエンド」

 

トコハダメージ:3

トコハ手札:6枚

ケラソウル:2

トコハデッキ:36枚

トコハドロップ:2

〈 〉〈ケ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ライブダメージ:2(裏1)

ライブ手札:5枚

ディアブロキャノンソウル:0

ライブデッキ:38枚

ライブドロップ:2

〈タ〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

カズミ『4ターン目を終えて、現在ダメージは3対2ですか』

 

ミヤ『次のターン。安城トコハはG3にライドします。ここからの展開が楽しみです』

 

トコハ「行きます! スタンド&ドロー! 全ての蕾よ、今こそ花開け! ライド! 《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》!」

 

トコハ手札:6→7→6枚

トコハデッキ:36→35枚

 

トコハ「コール。《花園の乙女 マイリス》、カトリーナ」

 

トコハ手札:6→4枚

〈マ〉〈ア〉〈 〉

〈カ〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「カトリーナのブースト、マイリスでタンクマンモスにアタック」

 

マイリス+カトリーナパワー:11000

 

ライブ「むぅ。《サベイジ・ヒロイン》でガード!」

 

タンクマンモス+サベイジシールド:14000

ライブ手札:5→4枚

ライブドロップ:2→3

 

トコハ「アーシャでアタック! マイリスのスキル! ソウルに送って、1枚ドロー。アーシャのパワー+5000」

 

アーシャソウル:3→4

トコハ手札:4→5枚

トコハデッキ:35→34枚

アーシャパワー:11000→16000

 

ライブ「ノーガード」

 

トコハ「ツインドライブ」

 

開墾の戦乙女 パドミニ(なし)

アンスリムの銃士 ニクラ(治)

トコハデッキ:34→32枚

トコハ手札:5→7枚

 

トコハ「ゲット、ヒールトリガー。パワーはヴァンガード、ダメージ1回復」

 

アーシャパワー:16000→21000

トコハダメージ:3→2

トコハドロップ:2→3

 

ライブ「ダメージチェック」

 

砲撃竜 スレッジアンキロ(引)

ライブデッキ:38→37枚

ライブダメージ:2→3

 

ライブ「ドロートリガー。1枚ドローだ」

 

ライブ手札:4→5枚

ライブデッキ:37→36枚

 

トコハ「ターンエンド」

 

ライブダメージ:3(裏1)

ライブ手札:5枚

ディアブロキャノンソウル:0

ライブデッキ:36枚

ライブドロップ:3

〈タ〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

トコハダメージ:2

トコハ手札:7枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:32枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈カ〉〈 〉〈 〉

 

シオン「手札、ダメージ、場。全てがトコハ優勢。でも、本番はここからだ。頑張れ、トコハ」

 

ライブ「スタンド&ドロー! 今度はこちらの番だ! ライド! 《帝竜 ガイアエンペラー》! 手札の《プリズムバード》は超越コストとする際、グレードが2つ上がる! ストライドジェネレーション! 《大帝竜 ガイアダイナスト》!」

 

ライブ手札:5→6→5→4枚

ライブデッキ:36→35枚

ライブドロップ:3→4

ライブGB:0→1

 

ライブ「超越スキル! CB1で、手札から2体コールする! 俺は、《凍竜 フリーザーニクス》と《光線竜 アパトメーザー》をSコール! この2体にスキルを与える!」

 

ライブダメージ:3(裏1→2)

ライブ手札:4→2枚

 

ライブ「アパトメーザーのスキル。CB1、SB1でパワー+2000とスキル獲得」

 

ライブダメージ:3(裏2→3)

ガイアダイナストソウル:1→0

SB:重弾竜 ディアブロキャノン

ライブドロップ:4→5

アパトメーザーパワー:9000→11000

 

ライブ「さらに、《砲撃竜 パラサウランチャー》をコール」

 

ライブ手札:2→1枚

〈タ〉〈ガ〉〈ア〉

〈フ〉〈ベ〉〈パ〉

 

ライブ「まずは、タンクマンモスでヴァンガードにアタック」

 

タンクマンモス+フリーザーニクスパワー:16000

 

トコハ「《孔雀草の銃士 ラケーレ》でガード!」

 

アーシャ+ラケーレシールド:21000

トコハ手札:7→6枚

トコハドロップ:3→4

 

ライブ「なら、アパトメーザーでアタックだ。暴喰発動。フリーザーニクスを退却だ。アパトメーザーの獲得したスキルにより、パワー+5000、1枚ドロー」

 

ライブドロップ:5→6

アパトメーザーパワー:11000→16000

ライブ手札:1→2枚

ライブデッキ:35→34枚

 

ライブ「退却したフリーザーニクスのスキルにより、CC1とSC1、アパトメーザーにパワー+2000だ。さらに、ガイアエンペラーのスキルにより、フリーザーニクスをSコール!」

 

ライブダメージ:3(裏3→2)

ガイアダイナストソウル:0→1

ライブデッキ:34→33枚

SC:光波竜 カスモルクス

アパトメーザーパワー:16000→18000

ライブドロップ:6→5

アパトメーザー+パラサウランチャーパワー:22000

 

トコハ「Gガード! 《聖樹竜 レインボーサイクル・ドラゴン》!」

 

アーシャ+レインボーサイクルシールド:26000

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:4→5

トコハGB:0→1

 

トコハ「レインボーサイクル・ドラゴンがGゾーンに戻ったところで、スキル発動。ドロップゾーンの同名ノーマルカード2枚を山札の下に置くことで、このカードを裏に戻すわ! 私は、ケラ2枚を山札の下へ」

 

トコハドロップ:5→3

トコハデッキ:32→34枚

トコハGB:1→0

 

ライブ「ガイアダイナストでアタック! パラサウランチャーのスキルにより、このユニットをソウルに送り、1枚ドロー。パワー+5000」

 

ガイアダイナストソウル:1→2

ライブ手札:2→3枚

ライブデッキ:33→32枚

ガイアダイナストパワー:26000→31000

 

ライブ「ガイアダイナストの暴喰でタンクマンモスを退却! ここでスキル発動! Gゾーンの同名カードを表にして、アパトメーザーを選択。選択したユニットと同じ縦列のRを全て退却させ、CC1!」

 

アパトメーザーの列には、他にトコハのカトリーナがいる。

トコハは残念そうにカトリーナをドロップへと送った。

 

ライブドロップ:5→6→7

ライブGB:1→2

ライブダメージ:3(裏2→1)

トコハドロップ:3→4

 

ライブ「退却させたタンクマンモスを自信のスキルで、アパトメーザーは獲得したスキルでそれぞれSコール! もう1度、アパトメーザーはスキルを獲得させる!」

 

ライブダメージ:3(裏1→2→3)

ガイアダイナストソウル:2→1→0

SB:砲撃竜 パラサウランチャー、光波竜 カスモルクス

ライブドロップ:7→8→7→6→7

タンクマンモスパワー:9000→12000

アパトメーザーパワー:9000→11000

ガイアダイナスト+ベビーカマラパワー:36000

 

トコハ「ノーガード」

 

ライブ「トリプルドライブ!」

 

大砲竜 ヘビーアルゼン(なし)

結界竜 スティラコロード(なし)

古代竜 ディノダイル(☆)

ライブデッキ:32→29枚

ライブ手札:3→6枚

 

ライブ「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはアパトメーザー、クリティカルはヴァンガード!」

 

ガイアダイナスト:☆2

アパトメーザーパワー:11000→16000

 

トコハ「ダメージチェック」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

メイデン・オブ・ゼフィランサス(☆)

トコハデッキ:34→32枚

トコハダメージ:2→4

 

トコハ「こちらもクリティカルトリガーゲットです。効果は全て、ヴァンガードに!」

 

アーシャパワー:11000→16000/☆2

 

ライブ「再び、タンクマンモスでアタック!」

 

タンクマンモス+フリーザーニクスパワー:19000

 

トコハ「《理想の乙女 トゥーリア》でガード!」

 

アーシャ+トゥーリアシールド:21000

トコハ手札:5→4枚

トコハドロップ:4→5

 

攻撃が防がれたことを確認したライブは、もう1度アパトメーザーでアタックを開始し、暴喰のコンボで、手札とコストを確保した。

 

ライブドロップ:7→8

ライブ手札:6→7枚

ライブデッキ:29→28→27枚

ライブダメージ:3(裏3→2)

ガイアダイナストソウル:0→1

SC:サベイジ・ガーディアン

アパトメーザーパワー:16000→21000→23000

 

トコハ「Gガード! 《聖樹竜 レインブレス・ドラゴン》! スキルで、手札のトゥーリアをアーシャとしてコール! シールド+5000!」

 

レインブレスシールド:15000→20000

アーシャ+レインブレスシールド:36000

トコハ手札:4→3→2枚

トコハドロップ:5→6

トコハGB:0→1

 

ミヤ『安城トコハ、何故かGガーディアンで防ぎましたが、これは一体?』

 

カズミ『おそらく、次のターンのための布石です。次のターンが楽しみですね』

 

ライブ「ターンエンド」

 

トコハダメージ:4

トコハ手札:2枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:32枚

トコハドロップ:6

トコハGB:1

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈ト〉〈 〉〈 〉

 

ライブダメージ:3(裏2)

ライブ手札:7枚

ガイアエンペラーソウル:1

ライブデッキ:27枚

ライブドロップ:8

ライブGB:2

〈タ〉〈ガ〉〈ア〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

トコハ「私のターン! スタンド&ドロー! ライドステップ開始時、アーシャのスキル発動! サークルのトゥーリアとドロップゾーンのディアンを山札の下へ! 1枚ドロー! 手札のディアンをSコール! そして、《開墾の戦乙女 パドミニ》のスキルで、超越コスト時にG3となる! ストライドジェネレーション! 《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》!」

 

トコハ手札:2→3→4→3→2枚

トコハデッキ:32→31→33→32枚

トコハドロップ:6→5→6

トコハGB:1→2

 

トコハ「超越スキル! CB1、山札から開花持ちをコールする! 私は、ディアンをSコール! Rに他のディアンがいるため、CC1、SC1!」

 

トコハダメージ:4(裏0→1→0)

トコハデッキ:32→31→30枚

SC:矢車菊の花乙女 イーネス

アーシャソウル:4→5

〈デ〉〈ヴ〉〈デ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

トコハ「そして、すでにいたディアンの開花! パワー+10000! さらに、Vがラナンキュラスなため、パワー+1000、抵抗を得る!」

 

ディアンパワー:7000→17000→18000

ディアンパワー:7000→8000

 

ミヤ『さあ! 攻撃の準備が整った!』

 

トコハ「右のディアンでアタック!」

 

ディアンパワー:18000

 

ライブ「アパトメーザーとタンクマンモスでインターセプト!」

 

ガイアエンペラー+タンクマンモス+アパトメーザーシールド:21000

ライブドロップ:8→10

 

トコハ「なら、ヴェルヘミーナでアタック! スキル発動! CB1、Gゾーンのカードを表に、山札から、開花持ちの同名カード2枚をコール! 私は、残りのディアンをSコール! 開花!」

 

トコハダメージ:4(裏0→1)

トコハGB:2→3

トコハデッキ:30→28枚

トコハドロップ:6→7

ディアンパワー:8000→18000

ディアンパワー:7000→17000→18000

ディアンパワー:7000→17000→18000

ヴェルヘミーナパワー:26000

 

ライブ「……ノーガード」

 

ミヤ『ここでノーガード!?』

 

カズミ『ダブルクリティカルなら、敗北ですが、出ないことに賭けたのでしょう』

 

トコハ「トリプルドライブ!」

 

矢車菊の花乙女 イーネス(なし)

播種の乙女 ティアニー(なし)

アンスリムの銃士 ニクラ(治)

トコハデッキ:28→25枚

トコハ手札:2→5枚

 

トコハ「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーは、右のディアンに」

 

トコハダメージ:4→3(裏1→0)

トコハドロップ:7→8

ディアンパワー:18000→23000

 

ライブ「よしっ。ダメージチェック」

 

プリズムバード(なし)

ライブデッキ:27→26枚

ライブダメージ:3→4

 

トコハ「右のディアンでアタック!」

 

ディアンパワー:23000

 

ライブ「Gガード、《鉄甲宰相 ディモールファランクス》! Rの数がこちらの方が少ないため、スキルで、シールド+5000!」

 

ファランクスシールド:15000→20000

ガイアエンペラー+ファランクスシールド:31000

ライブ手札:7→6枚

ライブドロップ:10→11

ライブGB:2→3

 

トコハ「ここでGガーディアンですか。なら、左のディアンでブースト、ディアンでアタック!」

 

ディアン+ディアンパワー:36000

 

ミヤ『相変わらず高いパワァだ!』

 

ライブ「ノーガード! ダメージチェック!」

 

光波竜 カスモルクス(なし)

ライブデッキ:26→25枚

ライブダメージ:4→5

 

カズミ『新導さんは、手札とコストを確保する作戦にでましたか。この判断が吉と出るか凶と出るかがこのファイトの行く末になりそうですね』

 

全ての攻撃が終了したトコハは、次のターンの攻撃をどう対処するのか考えながらターンを終了した。

 

ライブダメージ:5(裏2)

ライブ手札:6枚

ガイアエンペラーソウル:1

ライブデッキ:25枚

ライブドロップ:11

ライブGB:3

〈 〉〈ガ〉〈 〉

〈 〉〈ベ〉〈 〉

 

トコハダメージ:3

トコハ手札:5枚

アーシャソウル:5

トコハデッキ:25枚

トコハドロップ:8

トコハGB:3

〈デ〉〈ア〉〈デ〉

〈デ〉〈 〉〈 〉

 

ライブ「俺のターン! スタンド&ドロー! ここで決めるぞ! 手札の《大砲竜 ヘビーアルゼン》を捨てる! ストライドジェネレーション! 《破壊新帝 ガイアデバステート》!」

 

ライブ手札:6→7→6枚

ライブデッキ:25→24枚

ライブドロップ:11→12

ライブGB:3→4

 

ライブは、自信の分身の進化した姿にストライドした。

凶悪な恐竜たちが、トコハに襲いかかろうと大きく咆哮をあげた。

 

ライブ「超越スキル! アパトメーザー、レイヴンプテラをSコール!」

 

ライブダメージ:5(裏2→3→4)

ライブ手札:6→4枚

ガイアデバステートソウル:1→0

SB:サベイジ・ガーディアン

ライブドロップ:12→13

アパトメーザーパワー:9000→11000

 

ライブ「さらに、《古代竜 ディノダイル》をコール。ディノダイルのスキル。このユニットをソウルに送ることで、CC1」

 

ライブ手札:4→3枚

ガイアデバステートソウル:0→1

ライブダメージ:5(裏4→3)

 

ライブ「ディアブロキャノン、プリズムバードもコールだ」

 

ライブ手札:3→1枚

ディアブロキャノンパワー:9000→11000

〈デ〉〈ガ〉〈ア〉

〈レ〉〈ベ〉〈プ〉

 

トコハ「また連続攻撃の準備が……」

 

カズミ『2度目の5回連続攻撃。安城さんの手札は5枚。どこまでノーガードするかが勝負の分かれ目ですね』

 

ライブ「まずは、ディアブロキャノンでアタックだ! 暴喰発動! プリズムバードを退却!」

 

ライブドロップ:13→14

ディアブロキャノン+レイヴンプテラパワー:18000

 

トコハ「ラケーレでガード!」

 

アーシャ+ラケーレシールド:21000

トコハ手札:5→4枚

トコハドロップ:8→9

 

ライブ「アパトメーザーでアタック! 暴喰でレイヴンプテラを退却! ガイアエンペラーのスキルでSコール!」

 

ライブドロップ:14→15→14

ライブ手札:1→2枚

ライブデッキ:24→23枚

アパトメーザーパワー:11000→16000

 

トコハ「ノーガード。ダメージチェック」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハデッキ:25→24枚

トコハダメージ:3→4

 

ミヤ『ここでダメージトリガー!』

 

トコハ「クリティカルトリガー。効果は全て、アーシャに!」

 

アーシャパワー:11000→16000/☆2

 

ライブ「くっ。またか。なら、ガイアデバステートでアタック! 暴喰発動! ディアブロキャノンを退却! CB1とGゾーンの同名カードを表にして、スキル発動! Gゾーンの表のカード1枚につき、2体まで、サークルのカードを退却させる! 俺のGゾーンの表のカードは4枚! よって、Rを退却させる!」

 

カズミ『これは安城さんの場も対象になります。さらに、サークル指定なので抵抗持ちも問答無用で退却させることができますね』

 

ライブドロップ:14→15→18

ライブダメージ:5(裏3→4)

ライブGB:4→5

トコハドロップ:9→12

 

ガイアデバステートが全てのRを食べてしまったことで、フィールドはほぼ更地となってしまった。

 

ライブ「ガイアデバステートは、俺のカードを3枚以上退却させたため、パワー+10000、クリティカル+1、ドライブ+1を得る!」

 

ガイアデバステートパワー:26000→36000/☆2

 

ライブ「この瞬間、ベビーカマラのスキル発動! CB1! 山札からG1をコールし、パワー+3000! 俺は、フリーザーニクスをSコール!」

 

ライブダメージ:5(裏4→5)

ライブデッキ:23→22枚

フリーザーニクスパワー:7000→10000

 

ライブ「そして、アパトメーザーはガイアエンペラーのスキルで、ディアブロキャノンは1枚捨てて、レイヴンプテラはSB1と自信のスキルで、それぞれSコール! ディアブロキャノンはパワー+5000! レイヴンプテラのスキルでCC1」

 

ライブドロップ:18→19→20→17

ライブ手札:2→1枚

ガイアデバステートソウル:1→0

SB:古代竜 ディノダイル

ライブダメージ:5(裏5→4)

ディアブロキャノンパワー:9000→11000→16000

〈デ〉〈ガ〉〈ア〉

〈レ〉〈 〉〈フ〉

 

ライブ「さあどうする、トコハちゃん?」

 

トコハ「それなら、《播種の乙女 ティアニー》で完全ガード! ティアニーの開花! ドロップゾーンのティアニーをバインドすることで、ドロップゾーンの開花持ちを手札に戻す! 私は、ディアンを選択!」

 

シオン「これで、トコハが防ぎきる確率が増えた。良いぞ。トコハ」

 

トコハ手札:4→2→3枚

トコハドロップ:12→13→12→11→12

トコハバインド:0→1

 

ライブ「クアドラプルドライブ!」

 

帝竜 ガイアエンペラー(なし)

光波竜 カスモルクス(なし)

黒翼竜 レイヴンプテラ(なし)

砲撃竜 パラサウランチャー(☆)

ライブデッキ:22→18枚

ライブ手札:1→5枚

 

ライブ「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、ディアブロキャノンに!」

 

ディアブロキャノンパワー:16000→21000/☆2

 

ライブ「アパトメーザーでアタック! 今回暴喰は使わない」

 

アパトメーザー+フリーザーニクスパワー:19000

 

トコハ「ノーガード。ダメージチェック」

 

共に咲く乙女 ケラ(なし)

トコハデッキ:24→23枚

トコハダメージ:4→5

 

ライブ「よし。レイヴンプテラでブーストしたディアブロキャノンでアタックだ。ディアブロキャノンの暴喰でフリーザーニクスを退却。フリーザーニクスのスキル発動!」

 

ライブドロップ:17→18

ライブダメージ:5(裏4→3)

ガイアデバステートソウル:0→1

SC:コンバレスオーニス

ライブデッキ:18→17枚

ディアブロキャノンパワー:21000→23000/☆2

ディアブロキャノン+レイヴンプテラパワー:30000/☆2

 

この攻撃に対して、トコハは迷うことなく手札を切った。

 

トコハ「Gガード! 《絆の守護銃士 アンテロ》! SB1でスキル発動! シールド+5000、私のRが1枚以下のため、さらにシールド+15000!」

 

アンテロシールド:15000→20000→35000

アーシャ+アンテロシールド:51000

トコハ手札:3→2枚

トコハドロップ:12→13→14

アーシャソウル:5→4

SB:花園の乙女 マイリス

トコハGB:3→4

 

ミヤ『防ぎきったぁ!』

 

ライブ「流石だな。ターンエンド」

 

トコハダメージ:5

トコハ手札:2枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:23枚

トコハドロップ:14

トコハバインド:1

トコハGB:4

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ライブダメージ:5(裏3)

ライブ手札:5枚

ガイアエンペラーソウル:1

ライブデッキ:17枚

ライブドロップ:18

ライブGB:5

〈デ〉〈ガ〉〈ア〉

〈レ〉〈 〉〈 〉

 

シオン「ライブさんのダメージは5のまま。そして、トコハの手札には、G3がいる。このまま行けば、たぶん」

 

トコハ「スタンド&ドロー。アーシャのスキルで、ドロップゾーンのカトリーナを山札に戻す」

 

トコハ手札:2→3枚

トコハデッキ:23→22→23枚

トコハドロップ:14→13

 

トコハは手札のG3、《矢車菊の花乙女 イーネス》を捨てる。

 

トコハ「Gゾーン解放! 今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライドジェネレーション! 《盛夏の花乙姫 リエータ》!」

 

トコハ手札:3→2枚

トコハドロップ:13→14

トコハGB:4→5

 

ライブ「ここでリエータ!?」

 

ライブ「超越スキルは使わないで、リエータのスキル! CB1、Gゾーンのリエータを表にして、手札のカードをソウルに送り、リエータは、ソウルのカードと全てと同じ名称を得る。そして、GBと同じ枚数まで山札から自身と同じ名前のカードをコール! 私は、手札のトゥーリアをソウルに、山札から3枚のカトリーナ、そして、トゥーリアをカトリーナとして2枚Sコール!」

 

トコハダメージ:5(裏0→1)

トコハGB:5→6

トコハ手札:2→1枚

リエータソウル:4→5

トコハデッキ:23→18枚

〈ト〉〈リ〉〈ト〉

〈カ〉〈カ〉〈カ〉

 

トコハ「そして……カトリーナの、開花!」

 

ミヤ『出ました! 安城トコハの開花! 堂々と咲き誇れ!』

 

ライブ「くっ」

 

開花の処理を行う中で、トコハは意を決したようにライブに向き合った。

 

トコハ「お義父さん」

 

ライブ「ん?」

 

トコハ「貴方は、クロノの父親です。クロノの幸せを見守る義務がある。私はそう思っています」

 

トコハの強い瞳に、ライブは何も言い返せずに目を背けてしまう。

そんなライブにかまわず、トコハは続ける。

 

トコハ「私は、クロノを愛しています。絶対にクロノと幸せになります。だから、クロノが将来海外に向かう時も、一緒に行きます。その先で子どもも生まれるかもしれません。ライブお義父さん」

 

ライブ「な、なにかな?」

 

トコハ「貴方も着いてきてください」

 

ライブ「え!?」

 

トコハの強い言葉がライブには少し意外だったのか、驚いて思わずトコハのほうを向いてしまった。

 

トコハ「言いましたよね。貴方にはクロノの幸せを見守る義務があるって。私たちが築く家庭を、貴方が1番近くで見守ってください。そして、貴方の死因は孫やひ孫に見守られての老衰以外認めませんよ。事故死ならともかく、勝手にどっか行ってのたれ死んだら新導家のお墓にいれてあげませんからね。分かりましたか?」

 

トコハが人差し指を差して強く言う言葉に、ライブは弱々しくはい、と言うしかなかった。

その答えに満足したのか、笑顔になったトコハの元に、ファイバが通知を告げる。

それは、シオンの元にも届いていた。

 

シオン「クロノ。勝ったんだ」

 

そのころ、フィールドの一角では、ツネトに勝利したクロノがガッツポーズを取っていた。

 

クロノ「よっしゃーーぁ!」

 

ツネト「ちくしょーーぉ!」

 

それを見たトコハは、とても嬉しそうに頬を緩めて笑った。

その顔は、慈愛に満ちていた。

 

トコハ「続けましょう。カトリーナの開花で、カトリーナを5枚選択して、パワー+4000! 5体同時にコールさせれたため、4体分、合計パワー+16000! これを3回行う! 私は、右列と左列のカトリーナとトゥーリア、そして、リエータを選択! 選択したユニットは、合計パワー+48000!」

 

トゥーリアパワー:9000→57000

カトリーナパワー:7000→55000

リエータパワー:26000→74000

トゥーリアパワー:9000→57000

カトリーナパワー:7000→55000

 

トコハ「そして、リエータのスキルで前列全てにパワー+3000!」

 

トゥーリアパワー:57000→60000

リエータパワー:74000→77000

トゥーリアパワー:57000→60000

 

ミヤ『い、今。パワー幾つですか?』

 

カズミ『両端の列が11万5千。ヴァンガードの列が8万4千ですね』

 

ミヤ『……文字通り桁違いですね』

 

この高すぎるパワーを見て、ライブは元々青かった顔をさらに青ざめる。

ちなみにこの桁違いのパワーを見た人々は、桁が可笑しい、と文句を言ったらしいが、どうでもいい余談である。

 

トコハ「リエータでヴァンガードにアタック!」

 

リエータ+カトリーナパワー:84000

 

しかし、顔を青くしながも、ライブは最後までファイトを続けた。

 

ライブ「《結界竜 スティラコロード》で完全ガード!」

 

ライブ手札:5→3枚

ライブドロップ:18→20

 

トコハ「トリプルドライブ!」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

播種の乙女 ティアニー(なし)

メイデン・オブ・ゼフィランサス(☆)

トコハデッキ:18→15枚

トコハ手札:1→4枚

 

ミヤ『来たぁーぁ!』

 

トコハ「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、左のトゥーリアに!」

 

トゥーリアパワー:60000→65000/☆2

 

トゥーリアのパワーが上がったところを見たライブは、続くトコハの攻撃を潔く受け入れた。

 

トゥーリア+カトリーナパワー:115000

 

古代竜 ディノダイル(☆)

ライブデッキ:17→16枚

ライブダメージ:5→6

トコハWIN

 

彼のダメージが限界を向かえ、ファイトはトコハの勝利で終わった。

 

ミヤ『決まったーぁ! 安城トコハvs新導ライブ。このファイトは、安城トコハの勝利だぁー!』

 

ミヤの言葉に会場中が大いに盛り上がり、歓声が鳴り響いた。

 

シオン「よしっ!」

 

その中で喜ぶシオンに近づく影があった。

チームメイトのクロノである。

 

クロノ「シオン」

 

シオン「クロノ。来てたんだ」

 

クロノ「ああ。トコハ、やったな」

 

そう言って、クロノはスクリーンに映るトコハを、優しそうな目で見つめていた。

スクリーンの先では、勝利を喜び笑うトコハが映し出されていた。

 

トコハ「やったぁー」

 

ライブ「俺の負けか。完敗だよ。トコハちゃん」

 

潔く敗北を認めたライブに出来ることは、勝者を称えることだけだった。

トコハはこれに、笑顔のまま応えた。

 

トコハ「ありがとうございます。さて、お義父さん」

 

ライブ「あっ」

 

トコハ「シンさんやマークさんにも連絡を入れます。逃げちゃ駄目ですよ」

 

ライブ「はい……」

 

トコハの笑顔にうな垂れたライブを見て、クロノは首を傾げるのだった。

その後少しして、トコハも2人の元に戻ってきた。

 

トコハ「2人ともお疲れ~。勝ったよ~」

 

シオン・クロノ「「お疲れ~」」

 

合流したトライスリーの3人は、互いの戦果を検討したところで、司会から通達が入った。

 

ミヤ『VF世界大会日本本予選。ファーストステージ、クレイスクランブル初日はこれにて終了ですが、みゃんと、初日から、ファーストステージを突破したチームが現れました!』

 

この通達に参加チームも観客も全員が驚く。

 

クロノ「もう出たのか」

 

シオン「3年前もあったけど、やっぱり驚くね。今回はどこのチームだろう?」

 

トコハ「ありそうなのは、やっぱりQ4かしら?」

 

少しザワザワとなるなか、ミヤの話は続く。

 

ミヤ『そのチームは……チームトライスリー!』

 

クロノ「はっ?」

 

トコハ「えっ?」

 

シオン「なっ?」

 

トライスリー「「「ええっ!?」」」

 

この結果に驚いたのは他でもなく当のトライスリーの面々だった。

彼らが驚く中、他の参加者や観客には、驚くのを止め、真っ先にセカンドステージにコマを進めた彼らに拍手を送る者達が現れた。

 

ミヤ『彼らは3人全てが全勝。且つ最も多くのファイトを行ったため、ファーストステージを突破しました。初日から、波乱の展開だ!』

 

カズミ『2日目以降が楽しみですね。残り15枠。どんなチームが飛び出てくるのか分かりません。皆さん頑張ってください』

 

ミヤ『それでは改めて、VF世界大会日本本予選。ファーストステージ、クレイスクランブル初日はこれにて終了です!』

 

終了が宣言され、会場中の人々が外に出始めた。

その中には当然、トライスリーの3人も混じっていた。

 

クロノ「それにしても、まさか初日から突破とはな」

 

シオン「勝ってたのは事実だけど、これは予想外だったよね」

 

トコハ「3年前なんて、全員揃って最後のほうにようやく突破だったもんね~。今回は運が良かったってことなのかしら?」

 

まさかの結果に3人は苦笑してしまう。

 

トコハ「あっ、クロノ。今日、ミクルさん呼んでね」

 

その言葉にクロノは一瞬首をかしげるが、隣を歩く恋人の顔を見た瞬間、全てを悟って先ほどとは違う意味で苦笑してしまう。

 

クロノ「ははは。わ、分かった」

 

シオン「(ライブさん。自業自得だけど、ご愁傷様)じゃあ、僕はお邪魔かな」

 

クロノ「あ~。悪いな、シオン」

 

シオン「良いよ。僕もこの後個人的にやりたいことがあるしね。それに、偶然でも暇になったから、明日からまた仕事して、セカンドステージはもっと暇な状態で臨みたいから」

 

クロノ「仕事、頑張れよ」

 

トコハ「アムのこともね」

 

クロノとトコハは2人ともサムズアップをしてシオンを応援した。

シオンはそれに笑って応えながら、迎えに来ていた岩倉のもとに歩いて行った。

 

クロノ「さて、帰りますか」

 

トコハ「ええ」

 

そう言って、クロノとトコハは手を繋いで帰路についていった。

今日の勝利を喜びながら。

 

続く

 

なお、この日の晩、新導ライブは飯抜きで夜通し正座をさせられたらしい。




次回予告

「今日はお疲れ様ね。とりあえず、おめでとう」

「ありがとう。この結果は、僕も予想外だったけどね」

「前半あんたら全員走り回っていたからでしょ。不本意なら次からは自重しなさい」

「不本意って訳じゃ無いけどね。ただ、僕はファーストステージが終わるまでは、仕事に集中するから、君のファイトは直接見れそうにないね」

「それは別に良いわよ。それよりも、仕事に集中しすぎて体壊さないでよ」

「それはもちろん。2日目以降、頑張ってね。クロノが見るみたいだから」

「ええ。恥ずかしくないファイトをするわ。クロノの元チームメイトが相手でも負けないわよ」

次回、第15ターン:ストライダーズの誇り

「それより、クロノのお父様は大丈夫なの?」

「ファーストステージ2日目まで1週間あるんだ。大丈夫だよ」

「それって今晩は無事じゃ済まないってことよね……」

「「……はぁ」」


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第15ターン:ストライダーズの誇り

ストライダーズ……本来は大また歩きと言う意味の言葉だが、彼らの中では別の意味が存在する。
超越者達。
それが、彼が目指す目標であり、形だった。
そんな彼と共に戦った2人は、彼に感謝し、自らも目標を共にした。
今度は、それぞれの目標のために彼らは立ち上がる。
互いが立ち塞がることを願いながら。


ミヤ『VF世界大会日本本予選。ファーストステージ、クレイスクランブルも2日目を迎えみゃした』

 

既にステージ内では多くのファイターがファイトを行っていた。

 

ミヤ『本日のゲストには、ドラエン支部かげろうクランリーダー、安城マモルさんにお越しいただきみゃした』

 

マモル『よろしくお願いします』

 

マモルの登場に観客は大きく声援を上げる。

そんな様子を全く別のところで見ている影があった。

 

クロノ「相変わらず、マモルさんは人気だな」

 

先日の初日でファーストステージを勝ち上がった、トライスリーのリーダーであるクロノが関係者席でクレイスクランブルを観戦していたのだ。

 

クロノ「で、何でお前が此処にいるんだ? 伊吹」

 

伊吹「1日でファーストステージを突破したのは、3年前のU-20を沸騰させるからな。怪しい動きが無いか監視させて貰うぞ」

 

その頃、某異界転移者。

 

3人「「「へくしゅんっ」」」

 

クロノ「はははっ。なんだそれ。普通に観戦に来ただけだろ」

 

伊吹「分かっているぞ。ところで、お前1人か。安城と綺場はどうした?」

 

この場にいるは、クロノと伊吹の2人だけだった。

 

クロノ「シオンは綺場の仕事で、トコハはバイト。で、俺は勉強しながらの観戦ってわけ」

 

事実、クロノのその手には、シャーペンが握られていた。

伊吹がクロノの前の机に目を向けると、そこにはノートと教科書が広げられていた。

勉強が苦手だったクロノの姿を知っている伊吹には、その姿が少し笑えてしまった。

 

クロノ「……笑うなよ」

 

伊吹「いや、すまん。お前も成長したなと思っただけなのだがな」

 

それでも笑い続ける伊吹をクロノは渋い目で睨みつけた。

 

クロノ「……出会って何年経ってると思ってるんだよ」

 

伊吹「そうだな。トライスリー。ストライダーズ。どちらでもお前たちは過酷な環境に身を置く事になってしまい、結果的に成長することになった。その原因の1人として、申し訳ないとは思っているが、同時に感謝しているんだ。お前達がいてくれてよかったとな」

 

クロノはその言葉を黙って聞いていた。

そんな2人がスクリーンに目を向けると、そこには明日川タイヨウの姿が映っていた。

 

伊吹「特に、タイヨウには迷惑をかけてしまった。後の戦いに備えてのことだったとはいえ、勝手に利用して、責任をお前に押し付けたことは、本当に申し訳ないと思ってる」

 

そんな伊吹の自虐を聞いたクロノは、呆れるように笑った。

 

クロノ「なに言ってんだか。確かに、お前には散々迷惑をかけられたさ。ストーカーみたいにまとわり着いて、勝手に期待して、勝手に失望してを繰り返して。呆れることなんて沢山あったぞ」

 

でもな、とクロノは続ける。

 

クロノ「俺がヴァンガードを始めるきっかけはお前だ。お前がヴァンガードを、クロノジェットのカードを俺にくれたから、俺は夢を見つけ、友達が出来て、好きになる人と仲良くなれたんだ。俺が自分ってやつを見つけることができたのはお前のおかげなんだ。タイヨウだってそうだ。タイヨウは自分からお前についていって、自分で答えを出して強くなったんだ。勝手に責任だけを感じてるんじゃねぇ。お前のおかげで変わったこと、変われた人がいることを自覚して喜べよ。頭堅えんだよ! だから万年独身なんだよ、お前は」

 

伊吹「誰が万年独身だ! そんなことを言われる筋合いは無い! 大体なんでそうなる!」

 

クロノ「お前がいい歳してそんなんだからだろ! ストーカー野郎が!」

 

伊吹「何だと! 貴様がそんなことを言うから安城にまでいろいろ言われたんだぞ! 訂正しろ!」

 

クロノ「誰がするか! このおっさん!」

 

伊吹「貴様ぁ!」

 

売り言葉に買い言葉。

この後、2人の口喧嘩は係の人が扉を開けるまで続けられたと言う。

 

 

その頃、ステージ内では。

 

タイヨウ「次の相手は貴方ですか。カズマさん」

 

クロノと伊吹が喧嘩をしている間に、タイヨウは移動しており、対戦相手となったカズマと対峙していた。

 

カズマ「へっ。タイヨウなら、相手にとって不足無いぜ」

 

タイヨウ「では」

 

2人「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

 

タイヨウ「《小さな拳士 クロン》!」

 

カズマ「《竜刻魔道士 ビクレオ》!」

 

元ストライダーズの2人のFV、黄金の騎士と暗黒の騎士が対峙する。

 

ミヤ『こちらでは、チームジャスティス・ヴィクトリーズの明日川タイヨウとチームニューオーガの東海林カズマのファイトが始まりみゃした。2人は、3年前のU-20では、チームストライダーズとして、共に戦った仲でしたが、今回は敵同士!』

 

マモル『お互いの戦術を知っている者同士のファイトは面白いですよ。互いの対処が見所ですね』

 

ミヤ『先行は明日川タイヨウ! さあ、始まりです!』

 

タイヨウ「僕のターン。ライド、《朝明の騎士 ホルサ》。クロンは、先駆で移動します」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:44→43枚

ホルサソウル:1→0

 

タイヨウ「ターンエンド」

 

タイヨウダメージ:0

タイヨウ手札:5枚

ホルサソウル:0

タイヨウデッキ:43枚

タイヨウドロップ:0

〈 〉〈ホ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

カズマ「(前とFVが違うのか。戦術を変えてきたか)俺のターン。ライド、《竜刻魔道士 ニーズ》。ビクレオを先駆で移動」

 

カズマ手札:5→6→5枚

カズマデッキ:44→43枚

ニーズソウル:1→0

 

カズマ「さらに、《竜刻魔道士 ファームナッハ》のスキル。ビクレオをレストして、このカードを手札から捨てる。1枚ドロー」

 

カズマ手札:5→4→5枚

カズマドロップ:0→1(G1:0→1)

カズマデッキ:43→42枚

 

マモル『先日、シオン君とのファイトでは、いきなり3枚も手札を捨てて、今回は1枚捨てました。どちらも、後半にシャドウパラディンの儀式を使うための準備です。どれだけ早くドロップゾーンにG1ユニットを溜められるかが、勝負に大きく影響してくるでしょうね』

 

カズマ「バトルだ! ニーズでアタック!」

 

ニーズパワー:7000

 

タイヨウ「ノー、ガード」

 

カズマ「ドライブチェック」

 

闇に縛られし竜 ルアード(なし)

カズマデッキ:42→41枚

カズマ手札:5→6枚

 

タイヨウ「ダメージチェック」

 

ミリタントアクト・ドラゴン(なし)

タイヨウデッキ:43→42枚

タイヨウダメージ:0→1

 

タイヨウ「くっ」

 

ミヤ『おや? 明日川タイヨウ。何か悔しがっていますね?』

 

マモル『落ちて欲しくないカードがダメージゾーンに行ってしまったのかもしれませんね』

 

カズマ「? ターンエンドだ」

 

タイヨウダメージ:1

タイヨウ手札:5枚

ホルサソウル:0

タイヨウデッキ:42枚

タイヨウドロップ:0

〈 〉〈ホ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

カズマダメージ:0

カズマ手札:6枚

ニーズソウル:0

カズマデッキ:41枚

カズマドロップ:1(G1:1)

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウ「僕のターン。ドロー。ライド、《春光の騎士 ベリーモール》」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:42→41枚

 

タイヨウ「クロンのスキル発動。CB1とこのユニットをソウルに送ることで、山札の上5枚を見て、G3を手札に加えます。《黄金の聖剣 グルグウィント》を手札に」

 

タイヨウダメージ:1(裏0→1)

ベリーモールソウル:1→2

タイヨウデッキ:41→40枚

タイヨウ手札:5→6枚

 

マモル『無事にG3を手札に加えることができましたね。クロンやその互換のカードのスキルは外れることも多いので、発動タイミングを考える必要がありますが、少ないコストで手札を整えることができる強力なスキルです。退却対策にもなりますから、多くのファイターに親しまれていますね』

 

タイヨウはデッキをシャッフルした後、他のカードを出すことなく、攻撃宣言を行った。

 

ベリーモールパワー:9000

 

カズマ「ノーガードだ」

 

タイヨウ「ドライブチェック」

 

曙光の騎士 ゴルボドゥク(なし)

タイヨウデッキ:40→39枚

タイヨウ手札:6→7枚

 

カズマ「(超越コストが入ったか)ダメージチェック」

 

アビサル・オウル(なし)

カズマデッキ:41→40枚

カズマダメージ:0→1

 

タイヨウ「よしっ。ターンエンド」

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:6枚

ニーズソウル:0

カズマデッキ:40枚

カズマドロップ:1(G1:1)

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウダメージ:1(裏1)

タイヨウ手札:7枚

ベリーモールソウル:2

タイヨウデッキ:39枚

タイヨウドロップ:0

〈 〉〈ベ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

カズマ「スタンド&ドロー。ライド、《竜刻魔道士 ウスキアス》」

 

カズマ手札:6→7→6枚

カズマデッキ:40→39枚

 

カズマ「コール、《スラップテイル・ドラゴン》!」

 

カズマ手札:6→5枚

〈ス〉〈ニ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウ(次の超越への布石ですか)

 

カズマ「バトルだ! ウスキアスで、ヴァンガードにアタック!」

 

ウスキアスパワー:9000

 

タイヨウ「……ノーガード」

 

カズマ「ドライブチェック」

 

ハウルオウル(引)

カズマデッキ:39→38枚

カズマ手札:5→6枚

 

カズマ「ドロートリガー! 1枚ドロー! パワーはスラップテイルに!」

 

スラップテイルパワー:9000→14000

カズマデッキ:38→37枚

カズマ手札:6→7枚

 

タイヨウ「ダメージチェック」

 

フレイム・オブ・ビクトリー(☆)

タイヨウデッキ:39→38枚

タイヨウダメージ:1→2(裏1)

 

タイヨウ「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードへ」

 

ベリーモールパワー:9000→14000/☆2

 

カズマ「ちぃっ。なら、スラップテイルでアタックだ」

 

スラップテイル+ビクレオパワー:19000

 

タイヨウ「《聖管の奏者 ヘリー》でガード」

 

ベリーモール+ヘリーシールド:24000

タイヨウ手札:7→6枚

タイヨウドロップ:0→1

 

マモル『先のトリガーが幸いしましたね。手札1枚でガード成功です』

 

ミヤ『ここでのガードがこの先、どう影響するのでしょうか?』

 

カズマ「ターンエンドだ」

 

タイヨウダメージ:2(裏1)

タイヨウ手札:6枚

ベリーモールソウル:2

タイヨウデッキ:38枚

タイヨウドロップ:1

〈 〉〈ベ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:7枚

ウスキアスソウル:1

カズマデッキ:37枚

カズマドロップ:1(G1:1)

〈ス〉〈ウ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウ「スタンド&ドロー!」

 

タイヨウ手札:6→7枚

タイヨウデッキ:38→37枚

 

タイヨウは力強くカードを引いて、笑った。

このファイトに勝つと言う決意と、ファイトを楽しんでいることが傍から見ても分かるように。

 

タイヨウ「(クロノさんに教えてもらった、楽しいファイト。僕は、それを、クロノさんとやりたい。そのために、強くなったんだ!)照らし出せ、新たなる光! ライド! 《黄金の聖剣 グルグウィント》!」

 

タイヨウ手札:7→6枚

 

カズマ「出たな。タイヨウの分身」

 

タイヨウ「コール、《スカーフェイス・ライオン》、《日射の騎士 カリヌス》。グルグウィントが結束持ちのため、カリヌスは抵抗を得ます」

 

タイヨウ手札:6→4枚

〈ス〉〈グ〉〈 〉

〈カ〉〈 〉〈 〉

 

マモル『これで次のターン。カズマ君はカリヌスを対象に退却効果を使うことができなくなりました。ルアードの後半のスキルを使えなくしたのは大きいですね』

 

カズマ(ちっ。やっかいだな)

 

タイヨウ「バトルです。スカーフェイス・ライオンでヴァンガードにアタック!」

 

スカーフェイス+カリヌスパワー:11000

 

カズマ「Rじゃなくて良いのか?」

 

タイヨウ「どうせ防ぎますよね?」

 

カズマ「まあな。《竜刻魔槍士 ディルラド》でガード」

 

ウスキアス+ディルラドシールド:14000

カズマ手札:7→6枚

カズマドロップ:1→2(G1:1→2)

 

タイヨウ「知ってました。なら、次はグルグウィントでアタックです。スカーフェイス・ライオンのスキル。ソウルに送って1枚ドロー。グルグウィントのパワー+5000です」

 

グルグウィントソウル:3→4

タイヨウデッキ:37→36枚

タイヨウ手札:4→5枚

グルグウィントパワー:11000→16000

 

カズマ「便利だよな。それ」

 

マモル『いやまったく』

 

ミヤ『マモルさんが言うんですか?』

 

この1連のやり取りに、観客席では苦笑いが響いたらしい。

 

カズマ「《竜刻守護者 エスラス》で完全ガード! コストは《アビサル・オウル》だ」

 

カズマ手札:6→4枚

カズマドロップ:2→4(G1:2→4)

 

ミヤ『おっと! 東海林カズマ、さっそく完全ガードを切ったぞ!』

 

マモル『エスラスには、回収スキルがあるので、思い切ったのでしょう。現状の場なら、ダメージも1枚あれば十分ですしね』

 

タイヨウは少し驚きながら、ツインドライブでデッキをめくった。

 

解放者 インプルーブ・ファルコン(なし)

解放者 シャギー・ラビット(治)

タイヨウデッキ:36→34枚

タイヨウ手札:5→7枚

 

タイヨウ「ヒールトリガーゲットです。ダメージを1つ回復します。パワーは……上げても無意味ですからヴァンガードですね」

 

グルグウィントパワー:16000→21000

タイヨウダメージ:2→1(裏1→0)

タイヨウドロップ:1→2

 

タイヨウ「ドロップが溜まってしまいましたね。ターンエンドです」

 

カズマダメージ:1

カズマ手札:4枚

ウスキアスソウル:1

カズマデッキ:37枚

カズマドロップ:4(G1:4)

〈ス〉〈ウ〉〈 〉

〈ビ〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウダメージ:1

タイヨウ手札:7枚

グルグウィントソウル:4

タイヨウデッキ:34枚

タイヨウドロップ:2

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈カ〉〈 〉〈 〉

 

カズマ「スタンド&ドロー! 闇を乗り越え、我が力となれ! ライド! 《闇に縛られし竜 ルアード》!」

 

カズマ手札:4→5→4枚

カズマデッキ:37→36枚

 

カズマ「ルアードの儀式X! ドロップゾーンのファームナッハを山札の下へ! ストライドジェネレーション! 《深淵を覗く竜皇 ルアード》!」

 

カズマドロップ:4→3(G1:4→3)

カズマデッキ:36→37枚

カズマGB:0→1

 

タイヨウ「さっそくアビスですか。展開優先ですね」

 

カズマ「おうよ。超越スキル。CB1で、山札からG1以下をコールする。俺は、エスラスをSコール」

 

カズマダメージ:1(裏0→1)

カズマデッキ:37→36枚

 

マモル『本来ならここで、ルアードのスキルの続きで、同じ縦列にいるカリヌスを退却できますが、カリヌスには抵抗があるため、選択できません』

 

カズマ「だが、スラップテイルの儀式3は発動するぜ。自身とエスラスのパワー+3000だ」

 

スラップテイルパワー:9000→12000

エスラスパワー:7000→10000

 

カズマ「続いて、ルアードのスキル。SB1とGゾーンの同名カードを表に。エスラスを退却させ、山札からG1を2枚コールする。ニーズとディルラドをSコールだ」

 

カズマGB:1→2

ルアードソウル:2→1

SB:竜刻魔道士 ニーズ

カズマドロップ:3→4→5(G1:3→4→5)

カズマデッキ:36→34枚

〈ス〉〈ル〉〈デ〉

〈ビ〉〈 〉〈ニ〉

 

ミヤ『ルアードのスキルで一気にユニットを展開だ!』

 

カズマ「まずはディルラドの儀式1! SB1で1枚ドロー!」

 

ルアードソウル:1→0

SB:竜刻魔道士 ウスキアス

カズマドロップ:5→6(G1:5)

カズマデッキ:34→33枚

カズマ手札:4→5枚

 

カズマ「続いて、ニーズの儀式3でパワー+2000! スラップテイルの儀式は2回発動だ!」

 

スラップテイルパワー:12000→15000→18000

ディルラドパワー:7000→10000

ニーズパワー:7000→9000→12000

 

マモル『スラップテイルの儀式は回数制限がありません。G1をコールし続ける限り、何処までもパワーが上がってしまいます』

 

カズマ「ドロップゾーンのエスラスの儀式3! ビクレオを退却させ、同名カードを山札の下へ。自身を手札に戻す!」

 

カズマドロップ:6→7→5(G1:5→3)

カズマデッキ:33→34枚

カズマ手札:5→6枚

 

カズマ「ここでビクレオの儀式3が発動。ソウルに送り、CC1」

 

カズマドロップ:5→4(G1:3)

ルアードソウル:0→1

カズマダメージ:1(裏1→0)

 

カズマ「《ハウルオウル》とファームナッハをコール。ファームナッハのコールしたため、スラップテイルの儀式が発動」

 

カズマ手札:6→4枚

スラップテイルパワー:18000→21000

ファームナッハパワー:7000→10000

 

カズマ「ハウルオウルは、自身のスキルでソウルに送り、ディルラドのパワー+3000」

 

ルアードソウル:1→2

ディルラドパワー:10000→13000

〈ス〉〈ル〉〈デ〉

〈フ〉〈 〉〈ニ〉

 

タイヨウ「右列のパワー合計が2万5千。左が3枚1千。GB3が使えないのに、ここまで高いパワーをつくれるなんて……流石ですね、カズマさん」

 

カズマ「(トリガーを考えるのなら、先にディルラドで攻撃するべきなんだが。ここは)スラップテイルでアタックだ!」

 

スラップテイル+ファームナッハパワー:31000

 

タイヨウ「(先にこっちですか)ノーガード。ダメージチェック」

 

陽日の騎士 サロニウス(なし)

タイヨウデッキ:34→33枚

タイヨウダメージ:1→2

 

続いて、ヴァンガードである巨大な竜のブレスがタイヨウを襲った。

タイヨウは、これも真っ向から受け止めた。

 

ルアードパワー:26000

 

カズマ「トリプルドライブ」

 

竜刻魔剣士 ダグザ(なし)

アビサル・オウル(なし)

ベリアルオウル(☆)

カズマデッキ:34→31枚

カズマ手札:4→7枚

 

カズマ「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはディルラドへ! クリティカルはヴァンガードへ!」

 

ディルラドパワー:13000→18000

ルアード:☆2

 

タイヨウ「ダメージチェック」

 

朝明の騎士 ホルサ(なし)

スカーフェイス・ライオン(☆)

タイヨウデッキ:33→31枚

タイヨウダメージ:2→4

 

タイヨウ「クリティカルトリガーゲットです! 効果は全て、ヴァンガードに!」

 

グルグウィントパワー:11000→16000/☆2

 

カズマ「ディルラドでアタック!」

 

ディルラド+ニーズパワー:30000

 

タイヨウ「Gガード。《聖天祈祷師 レイア》!」

 

グルグウィント+レイアシールド:31000

タイヨウ手札:7→6枚

タイヨウドロップ:2→3

タイヨウGB:0→1

 

カズマ「スキルなしで防いだか。ニーズのスキル。CB1してディルラドを退却。1枚ドロー」

 

カズマダメージ:1(裏0→1)

カズマドロップ:4→5(G1:3→4)

カズマデッキ:31→30枚

カズマ手札:7→8枚

 

カズマ「ターンエンド」

 

タイヨウダメージ:4

タイヨウ手札:6枚

グルグウィントソウル:4

タイヨウデッキ:31枚

タイヨウドロップ:3

タイヨウGB:1

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈カ〉〈 〉〈 〉

 

カズマダメージ:1(裏1)

カズマ手札:8枚

ルアードソウル:2

カズマデッキ:30枚

カズマドロップ:5(G1:4)

カズマGB:2

〈ス〉〈ル〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ニ〉

 

ミヤ『さあ、次は明日川タイヨウの超越です。ここから、どんな展開が待っているのか?』

 

タイヨウ「スタンド&ドロー。《曙光の騎士 ゴルボドゥク》は、超越コストとするさい、グレートを2つ上げます。ストライドジェネレーション、《天道聖剣 グルグウィント》!」

 

タイヨウ手札:6→7→6枚

タイヨウデッキ:31→30枚

タイヨウドロップ:3→4

タイヨウGB:1→2

 

タイヨウ「超越スキル。CB1とSB1で、山札の上4枚を見て、1枚コール。それが結束持ちの場合、山札の1番上のカードをレストでコールします。僕は、《昼光の騎士 キナリウス》をSコール! キナリウスは結束を持っているため、山札の1番上、《フレイム・オブ・ビクトリー》をレストでSコール」

 

タイヨウダメージ:4(裏0→1)

グルグウィントソウル:4→3

SB:スカーフェイス・ライオン

タイヨウドロップ:4→5

タイヨウデッキ:30→29→28枚

 

マモル『ここからさらに繋がりますよ』

 

タイヨウ「2枚以上コールしたため、結束達成。キナリウスのスキル。手札1枚を捨てて、山札の上3枚を見て、1枚コール。残りは山札の下に置きます。僕は、《日華の騎士 ジェフリー》をSコール! キナリウスは自身の結束により、パワー+4000」

 

タイヨウ手札:6→5枚

タイヨウドロップ:5→6

タイヨウデッキ:28→27枚

キナリウスパワー:9000→13000

 

タイヨウ「続いて、2枚目のスカーフェイス・ライオンをコール」

 

タイヨウ手札:5→4枚

〈キ〉〈グ〉〈ス〉

〈カ〉〈フ〉〈ジ〉

 

タイヨウ「天道聖剣 グルグウィントのスキル。CB1とGゾーンの同名カードを表に、1枚捨てます。Gゾーンのグルグウィント1枚につき、全てのユニットのパワー+2000。さらにスキルを得る」

 

タイヨウGB:2→3

タイヨウダメージ:4(裏1→2)

タイヨウ手札:4→3枚

タイヨウドロップ:6→7

キナリウスパワー:13000→15000

カリヌスパワー:7000→9000

グルグウィントパワー:26000→28000

ビクトリーパワー:4000→6000

スカーフェイスパワー:4000→6000

ジェフリーパワー:7000→9000

 

カズマ「一気に増えたな~。あれ? この展開ならヘリオスでも良くね?」

 

タイヨウ「連続攻撃したかったんですよ。スカーフェイス・ライオンでスラップテイルにアタックです」

 

スカーフェイス+ジェフリーパワー:15000

 

カズマ「うっ、そっちか。仕方が無いノーガードだ。スラップテイルは退却する」

 

カズマドロップ:5→6(G1:4)

 

タイヨウ「ジェフリーの結束で、ブーストしたアタック終了時にソウルに入ることで、1枚ドローします」

 

グルグウィントソウル:3→4

タイヨウデッキ:27→26枚

タイヨウ手札:3→4枚

 

タイヨウ「続いて、キナリウスでヴァンガードにアタックです」

 

キナリウス+カリヌスパワー:24000

 

カズマ「デカイな。ここはノーガード。ダメージチェック」

 

竜刻魔道士 ウスキアス(なし)

カズマデッキ:30→29枚

カズマダメージ:1→2(裏1)

 

タイヨウ「天道聖剣 グルグウィントでヴァンガードにアタック! スカーフェイス・ライオンのスキルを先に発動」

 

グルグウィントソウル:4→5

タイヨウデッキ:26→25枚

タイヨウ手札:4→5枚

グルグウィントパワー:28000→33000

 

タイヨウ「グルグウィントの結束。山札の上7枚を見て、コールします。ベリーモールをSコール! さらにベリーモールもCB1でキナリウスと同じスキルを発動します。僕は、カリヌスをSコール。ベリーモールは結束でパワー+2000されます」

 

タイヨウデッキ:25→24→23枚

タイヨウダメージ:4(裏2→3)

ベリーモールパワー:9000→11000→13000

カリヌスパワー:7000→9000

 

ミヤ『居なくなったユニット分、もう1度展開したぞ! これでさらにアタックが可能だ!』

 

カズマ「ちっ、ノーガード」

 

タイヨウ「トリプルドライブ」

 

黄金の聖剣 グルグウィント(なし)

朝明の騎士 ホルサ(なし)

聖管の奏者 ヘリー(醒)

タイヨウデッキ:23→20枚

タイヨウ手札:5→8枚

 

カズマ「ゲッ!」

 

タイヨウ「ゲット、スタンドトリガーです。効果は全て、キナリウスに」

 

キナリウスパワー:15000→20000

 

カズマ「増えやがった。ダメージチェック」

 

カースドアイ・レイヴン(醒)

カズマデッキ:29→28枚

カズマダメージ:2→3(裏1)

 

カズマ「よしっ! こっちもスタンドトリガーだ! パワーはヴァンガードへ!」

 

ルアードパワー:11000→16000

 

タイヨウ「なら、もう1度キナリウスでアタックです」

 

キナリウスパワー:20000

 

カズマ「ガード、アビサル・オウル」

 

ルアード+スラップテイルシールド:21000

カズマ手札:8→7枚

カズマドロップ:6→7(G1:4→5)

 

タイヨウ「なら、ベリーモールでアタック」

 

ベリーモール+カリヌスパワー:22000

 

カズマ「ここはノーガード。ダメージチェック」

 

闇に縛られし竜 ルアード(なし)

カズマデッキ:28→27枚

カズマダメージ:3→4(裏1)

 

タイヨウ「(防がなかった)ターンエンド」

 

カズマダメージ:4(裏1)

カズマ手札:7枚

ルアードソウル:2

カズマデッキ:27枚

カズマドロップ:7(G1:5)

カズマGB:2

〈 〉〈ル〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ニ〉

 

タイヨウダメージ:4(裏3)

タイヨウ手札:8枚

グルグウィントソウル:5

タイヨウデッキ:20枚

タイヨウドロップ:7

タイヨウGB:3

〈キ〉〈グ〉〈ベ〉

〈カ〉〈フ〉〈カ〉

 

ミヤ『ダメージは互いに4ずつ。次のターンが勝負でしょうか?』

 

マモル『お互いに手札に完全ガードを握っていますからね。次の動きは重要ですよ』

 

カズマ「俺のターン! スタンド&ドロー! ダグザを山札の下へ!覚醒せよ、オレの中の真なる力! ストライドジェネレーション! 《覚醒せし竜皇 ルアード》! 超越スキル! 《ベリアルオウル》をSコール! 同じ縦列のキナリウスは退却だ」

 

カズマ手札:7→8枚

カズマデッキ:27→26→27→26枚

カズマドロップ:7→6(G1:5)

カズマダメージ:4(裏1→2)

タイヨウドロップ:7→8

 

タイヨウ「ここで覚醒ですか」

 

マモル『勝負に出ましたね』

 

ミヤ『しかし。まだドロップにはG1は変化したものを含めて6枚しかないはずですが?』

 

マモル『見てください』

 

カズマ「ダグザをコール!」

 

カズマ手札:8→7枚

〈ダ〉〈ル〉〈ベ〉

〈フ〉〈 〉〈ニ〉

 

マモル『あのユニットのスキルで増やすんですよ』

 

カズマ「ドロップゾーンのスラップテイルは、G4のルアードがいるため、G1として扱う。そして、ファームナッハの儀式5! パワー+7000と抵抗を得る!」

 

ファームナッハパワー:7000→14000

 

カズマはさっそくニーズでブーストしたベリアルオウルでヴァンガードに攻撃した。

 

ベリアル+ニーズパワー:11000

 

タイヨウ「ホルサでガード!」

 

グルグウィント+ホルサシールド:16000

タイヨウ手札:8→7枚

タイヨウドロップ:8→9

 

カズマ「ニーズでベリアルオウルを退却させ、1枚ドロー! ベリアルオウルの儀式3でも1枚ドローだ!」

 

カズマダメージ:4(裏2→3)

カズマドロップ:6→7(G1:5)

カズマデッキ:26→25→24枚

カズマ手札:7→8→9枚

 

カズマ「次はダグザでアタックだ! ダグザの儀式5! CB1、ニーズを退却させ、山札からG1を2枚コール! ファームナッハとディルラドをSコール!」

 

カズマダメージ:4(裏3→4)

カズマドロップ:7→8(G1:5→6)

カズマデッキ:24→22枚

ファームナッハパワー:7000→14000

〈ダ〉〈ル〉〈デ〉

〈フ〉〈 〉〈フ〉

 

タイヨウ「またディルラドの儀式で手札がっ!」

 

ルアードソウル:2→1

SB:竜刻魔道士 ビクレオ

カズマドロップ:8→9(G1:6)

カズマデッキ:22→21枚

カズマ手札:9→10枚

ダグザ+ファームナッハパワー:23000

 

タイヨウ「ッ! ノーガード! ダメージチェック!」

 

陽日の騎士 サロニウス(なし)

タイヨウデッキ:20→19枚

タイヨウダメージ:4→5(裏3)

 

カズマ「なら、覚醒せし竜皇 ルアードでヴァンガードにアタック! 儀式7! ダグザとファームナッハを退却させ、手札を任意の枚数捨てて、捨てた枚数1枚につきパワー+3000。2枚以上捨てれば、ドライブ+1、クリティカル+1、相手はグレード1以上を手札からコールできない!」

 

タイヨウ(次のターンを考えるのなら、ここで捨てる手札は多くて5枚。それなら防げる!)

 

自分の手札を見ながらタイヨウは真剣に耐えることを考える。

しかし、カズマはその上を行った。

 

カズマ「俺は、手札全てを捨てる!」

 

カズマ手札:10→0枚

カズマドロップ:9→11→21

ルアードパワー:26000→56000/☆2

 

タイヨウ「なっ!」

 

ミヤ『なんと、なんと! 東海林カズマ、4回のドライブで手札を回復できるとはいえ、大胆な行動に出た!』

 

マモル『捨て身の行動。文字通りここで決めるつもりですね』

 

タイヨウ「パワーが高すぎる。これじゃあすれいみー・フレアでも届かない」

 

タイヨウは手札にあったヒールトリガーに力を込めながら下を向き、ノーガードを宣言した。

 

カズマ「クアドラプルドライブ!」

 

アビサル・オウル(なし)

竜刻守護者 エスラス(なし)

スラップテイル・ドラゴン(なし)

ベリアルオウル(☆)

カズマデッキ:21→17枚

カズマ手札:0→4枚

 

カズマ「ゲット、クリティカルトリガー! クリティカルはヴァンガードへ、パワーはディルラドへ!」

 

ルアード:☆2→☆3

ディルラドパワー:7000→12000

 

タイヨウ「ダメージチェック。1枚目」

 

解放者 シャギー・ラビット(治)

タイヨウデッキ:19→18枚

タイヨウダメージ:5→6(裏3)

 

ミヤ『おぉっと、ヒールトリガーだ! これでダメージが1つ回復しますね』

 

タイヨウダメージ:6→5(裏3→2)

タイヨウドロップ:8→9

 

マモル『ですが……』

 

もう1度、タイヨウはデッキをめくった。

無慈悲にも先の結果がただの延命処置であることを証明するように。

 

陽日の騎士 サロニウス(なし)

タイヨウデッキ:18→17枚

タイヨウダメージ:5→6

カズマWIN

 

カズマ「よっしゃぁ!」

 

タイヨウ「負けました。まさか10枚全てを捨ててくるなんて思いませんでしたよ」

 

カズマ「俺だって迷ったさ。でも、タイヨウの防御の堅さをぶち破るには、これぐらいしなきゃと思ってな。結果的に正解だったな」

 

タイヨウ「完全ガードできないのにパワー5万越えは酷いです」

 

カズマ「手札大量に捨てないとできないんだから許せよ」

 

半目になって睨みつけるタイヨウをカズマは笑いながら宥める。

 

タイヨウ「……次は、負けませんよ」

 

カズマ「返り討ちにしてやるよ」

 

デッキを片付けた2人が改めて笑って握手をしたところでタイヨウがドロップゾーンに送られた。

その目には、次の戦いに向けた決意が込められていた。

まだまだファイター達の戦いは続いた。

 

 

 

そして。

 

ミヤ『決まったぁ! たった今、VF世界大会日本本予選。ファーストステージを突破した最後の。16番目のチームが決まりみゃした!』

 

マモル『2日目ですが、これで、VF世界大会日本本予選ファーストステージを終了します。皆さんお疲れ様でした』

 

ミヤとマモルの宣言に会場は大いに盛り上がり、参加者間では歓喜と落胆の声が上がっていた。

その中には、タイヨウとカズマもいた。

 

タイヨウ「カズマさん、やりましたね」

 

カズマ「おう。次はセカンドステージだな」

 

タイヨウ「次は、負けませんよ。カズマさんにも、クロノさんにも」

 

カズマ「それは俺のセリフだ」

 

ここでカズマの後ろからチームメイトのベルノが声をかけてきたので、話を切り上げてカズマはチームの元へと去って行った。

時間をかけず、タイヨウの下にもチームメイトの2人が来たので合流した。

 

マモル『続くセカンドステージの情報も追って伝えます。皆さん、楽しみにしていてください。改めて、VF世界大会日本本予選ファーストステージは終了です』

 

マモルのアナウンス終了後、それぞれが帰宅をし始めた。

今日の結果の反省をして、次に生かすために。

VF世界大会は終わっても、ファイター達の戦いはまだまだ続く。

 

続く。




次回予告

「そっか。タイヨウくんたちも、東海林君たちも勝ちあがったんだね」

「ああ。他にも強敵がいっぱい居るぜ」

「私たちも負けていられないね。頑張らなくちゃ」

「そうだな。そのあたり含めて願掛けするか」

次回、第16ターン:壮行会その2

「ところでクロノ。会場でしばらく伊吹さんと喧嘩したんだって?」

「え゛っ!? なんで知って!?」

「兄さんが係りの人から聞いたのよ。その反応は本当なのね」

「う゛」

「クロノ~!」

「ごめんなさい!!」

(夫婦喧嘩は犬も食わないっとぉ)


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第16ターン:壮行会その2

VF世界大会日本本予選。セカンドステージに向けて、トライスリーはまた集合した。
己と仲間たちへの激励。
次の目的地は、どこ?


平成最後の作品になりました。
令和になっても続けて投稿するのでこれからもよろしくお願いします。


VF世界大会日本本予選。ファーストステージ、クレイスクランブルが終了した次の休みの日。

 

クロノ「おっ。来たな」

 

シオン「やあ、2人とも」

 

トコハ「これで揃ったわね。それじゃあ、行きましょうか」

 

トライスリーの3人は、ファーストステージを突破し、セカンドステージに向けて壮行会を行うために集まった。

 

トコハ「そういえば、最近新しいGユニット出たわよね」

 

目的地に向かう途中、3人は雑談を始めた。

 

クロノ「そうだな。ロイヤルパラディンの新規なんて、かなり強力だよな。勇敢無いけど」

 

シオン「そのぶん色んなデッキに入れられるから、汎用性は高いから問題ないよ。ただ、僕のデッキの場合、リヴァーロが攻撃できなくなるのが痛いけどね」

 

トコハ「いっそのこと抜いたら? 他にもリクルートカード居るでしょ」

 

シオン「勇敢能力捨てる戦術か。考えておくよ」

 

※これは2019年4月4日の時点で判明しているカードの話題です。

 

クロノ「まっ、折角新しいカードが出るんだ。使う使わないはともかく、検討してみるのは、悪くない」

 

シオン「そうだね」

 

トコハ「ヒストリーメーカーやカトリーナがGユニットとして登場する、『プレミアムコレクション2019』は5月17日にヴァンガード公認店舗限定で発売よ」

 

クロノ「おう、そうだな。お疲れ」

 

シオン「こう言うのを宣伝乙って言うのかな。ところでトコハ、目的地はまだかい?」

 

トコハ「もう着くわよ。ほら、此処」

 

クロノ・シオン「「此処って……」」

 

トコハが指さし、2人が見たその先には……

 

クロノ・シオン「「ゲームセンター!?」」

 

トコハ「そう♪」

 

驚いた2人を見て、トコハはとても嬉しそうに笑った。

まるで、してやったりと言うように。

 

 

 

クロノ「で、何でゲームセンターなんだ?」

 

シオンがシューティングゲームで苦戦している間に、クロノはトコハに質問した。

トコハは少し悩むように人差し指で頬を叩いた。

 

トコハ「ん~。ヴァンガードも楽しいけど、今日ぐらい、大会のことも何にも考えないで、純粋に3人で楽しむのも有りかなって。男も女も関係なくね」

 

クロノ「それなら、遊園地とかでもよかったんじゃね?」

 

シオン「そこはほら、カップルで行ったほうが楽しいんじゃないかな」

 

話し込んでいるとゲームが終わったのか、シオンも会話に加わった。

良く見てみると、シオンの後ろにあるゲーム機には、シオンが惨敗したことが写っていた。

 

シオン「ほら、遊園地のジェットコースターとか、2人が並んで1人があぶれることがあるじゃないか。トコハは、今日は『3人』で遊びたいって言ってたじゃないか」

 

クロノ「なるほどな。確かにゲームセンターなら、観戦側も楽しめるからな」

 

トコハ「そう言うこと♪ 次は、何にする?」

 

ハイメ「じゃあ、みんなで写真撮ろうよぉ。アミーゴ♪」

 

クロノ「プリクラか。まあ、いいかなって……」

 

トライスリー「「「ハイメ!?」」」

 

ハイメ「ハァーイ! 久しぶりだね~」

 

3人が振り返った先には、ユーロリーグのハイメが何時もの笑顔でそこにいた。

 

クロノ「ハイメ!? なんで此処に!?」

 

ハイメ「遊びに来たよ!」

 

シオン「いや、向こうのファイトは!?」

 

ハイメ「そんなことは気にしn」

 

この瞬間、ハイメの顔の横を何かが通り過ぎていった。

自信の頬をかすめたその何かをハイメは、青い顔で振り返って確認した。

そこには、飛ばされたしおりのような物が地面に落ちていた。

 

ハイメ「」

 

シオン「……」

 

青い顔のハイメとシオンは、それを投げた人物に目を向ける。

そこには、座っていない目をしたトコハと、呆れた表情で恋人を見つめるクロノがいた。

 

クロノ「はぁ。トコハ」

 

トコハ「……ハイメ。何でいるの?」

 

とても冷たい目線がハイメを睨みつける。

まるで蛇に睨まれた蛙のようにハイメは震え上がった。

 

ハイメ「いや、だから、本当に遊びに来ただけだよ!」

 

トコハ「ふ~ん。じゃあ東海林君とかタイヨウ君とか江西さんとかのところに行ったら? 私たちは『3人』で遊びたいの」

 

ハイメ「あの」

 

シオン「トコハ落ち着いて」

 

睨むのをやめないトコハを見て、シオンが肩を掴んで止めに入る。

そんなシオンもトコハに睨みつけられ、震えてしまう。

今のトコハを止められるのは1人だけだ。

 

クロノ「トコハ。落ち着けって。そんなに威嚇してちゃ、話なんてできないだろ」

 

その人物……クロノがトコハの頭を撫でながら仲介に入る。

撫でられたトコハはやっぱりムッとしながら別の方向に指を差す。

指差された方向には、ベンチがあった。

全てを悟ったクロノは、そのベンチに座り、トコハはクロノの膝の上に座り、2人をもう1度睨みつけた。

 

トコハ「……」

 

シオン・ハイメ「「あのっ」」

 

トコハ「2人とも、正座」

 

シオン・ハイメ「「えっ?」」

 

トコハ「正座」

 

シオン・ハイメ「「アッハイ」」

 

おとなしく正座する2人を見て、クロノは溜め息を吐きながら少しでも穏便に事を済ませるために、トコハの頭を撫でた。

 

トコハ「さてハイメ。なんで私が怒ってるのか、貴方分かっているのかしら?」

 

ハイメ「はい。皆さんの楽しいひと時を邪魔してしまって申し訳ありません」

 

クロノ「ハイメ。口調おかしいぞ」

 

シオン「恐怖のあまり口調が丁寧語に変わるのは、よくあることだよ」

 

ちなみに、シオンもハイメも顔は青いままだ。

 

トコハ「分かっているなら言うことがあるんじゃない?」

 

ハイメ「すみませんでした!」

 

正座していたハイメがとても綺麗に土下座をした。

トコハがさらに深いため息を吐いたのを見て、さすがにクロノも口を出すことにした。

 

クロノ「ハイメ、ヨーロッパの予選はどうなってるんだ?」

 

ハイメ「えっ? ああぁ。それもう、すごく盛り上がってるよ。俺のチームも大変苦戦さ」

 

トコハ「ハイメの日本語の間違いは突っ込まないけど、ハイメのチームメンバーって誰なの?」

 

ハイメ「俺のチームは、ネーブとガイヤールだよ。2人とも俺のアミーゴだからね」

 

想像していなかったメンバーの名前に、3人は思わず驚いてしまう。

特にパリで何度もその2人と会っているトコハの驚きは大きい。

 

トコハ「あのガイヤールさんとネーブさんが!? まっ、強豪チームなのは確かね。ハイメも強いし。それでも苦戦したんだ」

 

ハイメ「うん。俺たちが最初のステージをクリアしたのは、真ん中ぐらいだったかな。3人は凄いよね。天辺クリアしたなんて」

 

クロノ「突破したタイミングなんて関係ねえよ。俺なんて3年前のU-20のファーストステージ最後に突破したけど、結果的には優勝したぜ」

 

トコハ・シオン「「う~ん。この説得力」」

 

クロノの実績を思い出したハイメは笑って納得した。

 

トコハ「でも、たとえハイメのチームが強力だからって、優勝するのは私たちよ。ねぇ、クロノ~ 」

 

クロノ「え? ふあっふ!?」

 

突然、トコハがクロノを押し倒した。

2人はそのままベンチに横向きで倒れ、ちょうどトコハの胸元にクロノの顔が入り込むような体勢となった。

 

クロノ「!?!?!?///」

 

トコハ「えへへ  トコハぶとん~ 」

 

シオン・ハイメ「「あ~あ」」

 

イチャつきだしたクロトコの姿を見る、正座していた2人の目はまるでもっと遠いところを見ているようだった。

 

ハイメ「シオン、あの2人のあんな日常を見続けるなんて、大変じゃない?」

 

シオン「もう慣れましたよ。それに、ああやってクロノとトコハが自然体でいられるのは互いのおかげですから。それを横目で見たりからかったりするのも楽しいですよ」

 

この一瞬、ハイメにはシオンがドヤ顔しているように見えたのはきっと気のせいだろう。

事実少し目を逸らしたあとにもう1度見直すと、シオンは何時もの顔に戻っていたのだから。

 

クロノ「トコハ! 放せ!」

 

トコハ「     」

 

その後しばらくの間、トコハはクロノを押し倒したままだった。

 

 

トコハ「ふっふ、ふ~ん♪」

 

シオン「トコハ元気だね」

 

クロノ「……ああ」

 

クロノを解放し、遊ぶことを再開したトコハが某太鼓ゲームを楽しんでいる。

その横では、ハイメが大苦戦をしていて、顔を歪ませる。

シオンは元気の無いクロノを支えながらトコハの姿を呆れながら見ていた。

対して、クロノは優しい目でトコハを見守る。

 

シオン(さすがだよ)

 

そんなクロノをシオンが尊敬するような目で見るのも仕方が無いことだろう。

 

ハイメ「トコハ少し良い?」

 

ゲームを終えたとき、ハイメが3人の許しを得て、トコハと2人だけで話を始めた。

 

ハイメ「前から聞きたかったんだけど、トコハは今後の予定とかって決めてるの?」

 

トコハ「今後の予定?」

 

ハイメ「来期には、第1リーグが始まるとして、それ以外のリーグに参加するとかさ。ガイヤールが、別のリーグにも挑戦するって決めてたから、俺も弁上しようと思ってね。トコハにも聞きたかったんだ」

 

トコハ「とりあえず、弁上じゃなくて、便乗ね。そうね……」

 

トコハはハイメから伝えられた話に驚きながら考えた。

プロとして進むのなら、アメリカを始めとした各国のリーグに参加するのは理にかなっている。

トコハもそれは理解しているのだが――

 

トコハ「ごめんね。私、行かない」

 

ハッキリとした答えに、ハイメは少し顔を曇らせながら、話を続けた。

 

ハイメ「理由。聞いて良いかな?」

 

トコハ「私ね。第1リーグを優勝したら、そのままプロを引退する予定なの。その後のことはまだ具体的には決めてないけど、とりあえず日本に戻るつもり」

 

ハイメ「……そっか」

 

強い決意がこもった言葉を聞いたハイメは、ただ笑うだけだった。

 

ハイメ「やっぱり、クロノのこと?」

 

トコハ「うん。あの人の傍に居たいから。それにね」

 

続く言葉にハイメは驚く。

 

トコハ「ユーロリーグで優勝する目標を達成した次の目標がね、『此処』でなら見つかると思うの。まだハッキリとしてる訳じゃないけどね」

 

ハイメ「次の、目標、か。それがトコハの新しいドリームなんだね」

 

トコハ「うん」

 

ハイメ「分かった。それをガイヤールに伝えるよ。今日は邪魔しちゃって本当にソゥリーだよ。それじゃあまた」

 

そう言って、ハイメは去っていった。

トコハは、ハイメの姿が見えなくなるまで見送った。

 

ハイメ(次の目標か。俺も見つけるべきなのかな。……久しぶりに会いに行こうかな)

 

トコハ「待たせてごめんね~」

 

ハイメを見送ったトコハが戻ってきたので、2人は立ち上がって今度こそ某写真撮り器に3人で入り、子どものようにはしゃぎながら写真を撮った。

その写真は、3人の思い出として大切に使われるのだった。

 

 

 

 

クロノ「ヴァンガードにアタック」

 

シオン「ガード」

 

その後、3人はキャピタルに移動し、次の戦いに向けて練習を重ねていた。

 

シオン「次のセカンドステージは、間違いなく激戦になるよね」

 

トコハ「そうね。Q4やヴィクトリーズ、ニューオーガ。ラミラビにNIPPON。強敵ぞろいだもんね」

 

セカンドステージにコマを進めた強豪チームたちに思いを馳せながら、クロノは目を瞑った。

 

クロノ「望むところだ。それぐらいじゃなきゃ、出たかいが無い。だって俺たちは……」

 

目を開けたクロノに同意するように、シオンもトコハも肯きながら声を重ねた。

 

トライスリー「「「トライスリー(挑戦する3人)だから!」」」

 

3人は固い決意を旨に特訓を続けた。

自分たちの挑戦の限界を知るために、彼らの戦いはまだまだ続く。

 

その頃。

 

サオリ「……ねえ。ヒロキ君」

 

ヒロキ「……なんだよ」

 

サオリ「毎度のことながら、タイヨウ君って物好きだよね」

 

ヒロキ「そうだな……」

 

ジャスティス・ヴィクトリーズの3人はとある食事処の前にいた。

その店の扉には、『制限時間1時間で食べ尽くせば豪華商品をプレゼント!』と書かれており、それを見たサオリとヒロキはゲンナリとした表情を浮かべていた。

 

タイヨウ「さあ、2人とも! ここの料理を食べきろう! これを乗り越えて気合を入れれば絶対に優勝できる!」

 

ヒロキ・サオリ「「それ何回も聞いたよ(ぞ)ぉ」」

 

タイヨウ「今回は特に意味が有るよ! 強敵ばかりなんだから! これで活を入れるんだ!」

 

勢いそのまま店の中に入っていったタイヨウを尻目で見る2人は、深い溜め息を吐きながら同じく店の中に入っていった。

出された料理の量には絶望しかなかったが。

 

ヒロキ「タイヨウ……頼むから……勘弁してくれ……」

 

サオリ「これ以上は……もう……胃袋もたないよぉ」

 

タイヨウ「が……頑張るんだ。こ……これを乗り切った……先に……しょ、勝利が……」

 

そんな彼らの戦いもまだまだ続く。

続くったら、続く。




次回予告

「強力なGユニットと引き換えにフェレックスとリヴァーロが使いづらくなった……」

「リヴァーロはともかく、フェレックスは採用圏内だろ」

「そもそもPスタンだと私たちのユニットは趣味以外で採用する人居ないわよ」

「「1番使い辛いアーシャ使いは言うことが違うな(よね)~」」

「2人ともうるさい。まぁ。2つ目のデッキを作っても良いと思うわよ」

「そうだね。この先何が起きるのか、分からないしね」

次回、第17ターン:開始! セカンドステージ!

「それより、俺としてはスタンダートで十二支刻獣使いたい」

「「公式さん、新規早く!」」

(10月以降まで待ち確定なんですよね……)


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第17ターン:開始! セカンドステージ!

ついに始まるVF世界大会日本本予選、セカンドステージ。
参加者も観客も、これから始まる熱い戦いに、心を振るわせる。
しかし、その中で1人、不安を抱える者がいた。
彼の不安とは?
そして、このセカンドステージのルールとは?

令和最初の投稿になります。
今回はいままでと少し書き方を変えてみました。
これ以降の書き方はPixivでアンケートを行いますのでその結果しだいです。
感想で意見を述べていただいても良いですよ。


VF世界大会日本本予選の会場では、時間となったため、司会のミヤがその手にマイクを取った。

 

『VF世界大会日本本予選! そのセカンドステージがついに開幕です!』

 

会場中が熱狂に包まれる。

観客も、参加者も、今か今かと待ち焦がれている。

そんな期待に応えるように、責任者である伊吹がステージに立った。

 

『改めて、ここにVF世界大会日本本予選、セカンドステージの開始を宣言する。ここに集まった16チームの面々は、この日本において、最高クラスのヴァンガードファイター達だと自負している。そんな君たちに挑んでもらうステージは、これだ』

 

伊吹が指を上げると、その先にあるスクリーンに巨大な迷路が映し出された。

 

『名前は、ウォールトライメイズ。その名の通り、この中には、ファイター達にとって試練となるものが設置されている。これを順に解いていくことでゴールに辿り着ける』

 

スクリーンが切り替わると、そこにはファイトテーブルも映し出されていた。

 

『当然ながら、その中には、別のチームメンバーとのファイトも存在する。ファイトに敗北したり、問題が不正解であったりしても、必ずしも失格になるわけではない。しかし、その場合、自分だけで無く、チームメイトにも多大な悪影響が行われることになる』

 

「多大な悪影響?」

 

これを聞いていたクロノたちの疑問に答えるように、伊吹は話を続けた。

 

『これは迷路であるため、道が複数に分かれている箇所がある。通常はお前たち自身が選べば良いのだが、問題がある箇所や、ファイトを行う場所では、その結果に応じて進む道が限定される』

 

スクリーンには、デフォルトされた伊吹がT字路前の問題を間違えてしまったことで、片方の道がふさがれて、渋々ながら開いている道を歩き出した。

しかし、その伊吹はある程度歩くと、迷路の外に出てしまって、ショックを受けたところで映像が終了した。

 

『(毎度の事ながら何故俺のSDキャラなんだ?)進んだ道によっては、即時失格になるものもある。そして、チームメンバーの内1人がゴールに辿り着いた時点で、そのチームはセカンドステージ突破となる。ゴールした人間が4人になった時点で、セカンドステージは終了だ。つまり、このステージでは、ファイターとしての実力だけでなく、知力、行動力、そして運が試される』

 

一旦言葉を区切った伊吹がクロノたち参加者を指差して、説明を続ける。

 

『1部の箇所では、君たちが取った結果によって、チームメンバーの進む道にも影響がでる。これが先ほどの『多大な悪影響』の正体だ。これで即時失格となることは無いが、ゴールまでの道のりが険しくなることは確定だ。確実に勝ち抜きたいのなら、勝て! 己の栄光を己で勝ち取れ!』

 

伊吹の強い言葉に、会場は何度目か分からない歓声が巻き起こった。

その空気を断ち切るように、ステージに安城マモルが上がった。

 

『皆さん、こんにちは。大会副委員長の安城マモルです。これから僕が、セカンドステージの補足説明をさせていただきます』

 

マモルの補足説明を含めて、セカンドステージのルールをまとめると以下の通りとなる。

 

・会場に用意された迷宮を通り、ゴールを目指す。

・迷宮内は1人で進み、チームメンバーとの連絡は不可能。

・途中何らかの課題が割り振られ、その結果により道順が変更される。

・失敗した場合のペナルティはゴールへの遠回り。そのまま失格になることは無い。

・基本的に道を戻ることは可能だが、ゴール以外の場所で迷宮から出てしまう道を通った場合、逆順は不可能。そのまま失格となる。

・課題直後にふさがった道も開くことがないため進めない。

・課題はファイト以外にも様々なものが用意されている。

・他の参加者との遭遇は基本的に課題がある場所でのみ行われる。

・先着4チームが決勝トーナメントへの出場権を得る。

・セカンドステージは、今日1日のみ。

・4チーム出そろわなければ、敗者復活戦で残りのチームを決める。

 

『大会内での質問は、ファイバで受け付けます。観客の皆さんには、これからパンフレットを配りますので、参照にしてください』

 

一通り伊吹とマモルの説明が終わったので、会場にtheワtheワと声が響き始めた。

その中で、トライスリーを始めとした各チームは、作戦会議を始めていた。

 

「いや~。まさかこんな形になるとわね~」

 

トコハはルールの内容に若干呆れているように両手を広げていた。

 

「基本的に相談不可能となると、文字通り1人1人が全速力でゴールを目指すしか攻略方法がないね。シンプル故にかなりやっかいだ」

 

シオンはルールの複雑さに頭を悩ませる。

 

「ファイトで負けたりすると、チームの足を引っ張ることにもなる。ホント、メンドクサイルールだな」

 

クロノは、ルールを考えた人たちがどんな思いでこのルールを作ったのか考えながら、自分の意見を述べる。

少々呆れた口調で話しながらも、彼らの表情は笑顔でいっぱいだった。

 

「クロノ君」

 

そこに、アイチがやってきた。

 

「アイチさん、お久しぶりです」

 

先輩であるアイチに話しかけられて、クロノは嬉しそうに応えた。

 

「うん。久しぶり。勉強は順調?」

 

「ええ。おかげさまで」

 

「そっか」

 

答えを聞いたアイチは何故か複雑そうな顔をしたが、クロノは気がつかなかった。

 

「ねえ、クロノ君。ちょっと……」

 

「アイチお兄さん! もう、始まりますよ」

 

「ええ!?」

 

話を進めようとした所で、カムイからの呼びかけにより、2人は伊吹が話を進めていることに気がついた。

すでに行われた伊吹の合図により、全選手が何時もの謎技術により、スタート位置に移動する。

 

「あっ! クロノ君!」

 

「じゃあ、アイチさん。また会いましょう」

 

アイチの制止も効かず、無情にも2人はそれぞれのチームのスタート地点に送られてしまった。

 

『では、これよりVF世界大会日本本予選、セカンドステージを開始する! スタンドアップ・ザ!』

 

伊吹がカードを掲げたのと同じように、観客も自信のカードを掲げる。

そして、会場に居る全員の声が重なった。

 

『『ヴァンガード!!』』

 

 

 

 

セカンドステージ開始の合図と共に、迷宮の扉も開いた。

トライスリーは、その1つの前に居る。

その道は、早速3本に分かれていた。

 

「ここからは、連絡が取れないのね」

 

「ルール通りだしね。ところで2人とも。僕たちだけで勝負しないかい?」

 

「「勝負?」」

 

シオンの突然の提案にクロノもトコハも首を傾げる。

 

「そう。失格になった人間は、他の2人に何か奢るって感じで」

 

シオンの提案にクロノもトコハも不敵に笑った。

 

「面白そうね」

 

「その話乗った」

 

「ついでにゴールした人へのご褒美もありってことで」

 

2人も自信満々に答えた。

トライスリーは似た者同士だからこその答えだろう。

 

「じゃあ」

 

クロノの合図の元、3人は拳を合わせる。

 

『勝負!』

 

それぞれの健闘を祈って3人は別々の道を走り出した。

クロノが走り出して、しばらくすると、開けた場所に出た。

 

「ここが最初の課題ポイントか?」

 

そこには2つの扉があり、その間の壁には、「イマジナリーギフト。フォース2の効果は?」と書かれており、その下にはディスプレイが置かれていた。

 

「ここに書けってことか。えーっと、サークルに置いて、そのサークルのユニットの元々のクリティカルが2になるっと」

 

設置されていたディスプレイに答えを書くと、正解を示すマークが現れ、片方の扉が開いた。

クロノがもう片方の扉を弄ってみても、開く気配は無い。

 

「なるほどな。こうやって正解し続ければゴールに近づくわけか。ルール事態はシンプルだな」

 

拓かれた道をクロノは迷うことなく進んで行く。

同じころ、トコハもまた迷路を進んでいた。

しかし――

 

「あれ? 行き止まり?」

 

こちらは何故か行き止まりに着いてしまった。

本来なら、引き返して別の道を進むのが正しいのだが。

 

「私、1本道を通って来た筈よね」

 

自分が通ってきた道の記憶が間違っていないか、トコハは頭を悩ませた。

こうしている間にも時間はどんどん過ぎていくことも彼女の混乱を進ませた。

 

トコハ「あ~! もう、どうしてこうなるのよ!」

 

頭を抱えたトコハはとうとう自棄になって正面の壁を蹴りつけた。

その瞬間、ボコォという大きな音が鳴り響いた。

 

「……え?」

 

なんとトコハが蹴った壁が壊れてしまったのだ。

これにはモニターしていた会場側も唖然とした空気が漂った。

 

「え? うそ? なんで……あれ?」

 

混乱したトコハが恐る恐る壊した壁に近づいて、さわってみた。

すると、不思議なことにそれはとても簡単に持ち上げることができた。

 

「これ……発泡スチロール?」

 

自信が壊した物の正体にトコハは唖然としてしまう。

 

「いや、もしかして……」

 

そう言ってトコハは他の壁を叩いてみる。

しかし、残念ながらそれらが壊れることはなかった。

 

「……ここの壁を壊して先に進めってことだったのね。分かりづらい。でも何処かで同じようなことやったような……何処だっけ?」

 

疑問に思いながらもトコハも前に進む。

そして、今度は大きく開けた場所に着いた。

そこには、ファイトテーブルと、2つの扉があった。

 

「ファイトテーブル。と言うことは、ここでファイトか。相手は?」

 

「みゅみゅ~!」

 

後ろから声がしたので、トコハは振り返る。

 

「トコハお姉ちゃんだみゅ!」

 

「サーヤ!」

 

そこに居たのは、チームラミーラビリンスwithサーヤの弥富サヤだった。

トコハに懐いている彼女は、嬉しそうに近づいてきた。

 

「久しぶりだみゅ~。元気だみゅ?」

 

「もちろん。サーヤこそ、元気そうね」

 

「アイドルが、ファンに疲れてるところなんて見せないみゅ!」

 

元気良くポーズを取り、まるでカメラの位置が見えているようにファンサービスを行う姿は、まさにアイドルの鑑である。

 

「流石はサーヤね。サーヤが此処に来たって事は、私の相手はサーヤなのね」

 

「多分そういうことだみゅ。さあ、トコハお姉ちゃん。サーヤとファイトだみゅ!」

 

「もちろん!」

 

2人はデッキを取り出した。

さあ、ファイトの開始だ。

 

「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

「《偉才の声音 ローリス》!」

 

「《栽植の乙女 オズ》!」

 

それぞれがFVにライドする。

2人のファイトが開始されたのは当然司会席にも伝わっていた。

 

『おおっと、安城トコハと、弥富サヤのファイトが始まったぞ!』

 

どうやら、2人のファイトが中継されるようだ。

 

「《トランセンドアイドル アクア》にライドだみゅ! 先駆で移動するみゅ!」

 

サーヤ手札:5→6→5枚

サーヤデッキ:44→43枚

アクアソウル:1→0

 

「ターンエンドだみゅ」

 

サーヤダメージ:0

サーヤ手札:5枚

アクアソウル:0

サーヤデッキ:43枚

サーヤドロップ:0

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈ロ〉〈 〉〈 〉

 

サーヤの順調な滑り出しに応えるように、トコハもカードを手に取る。

 

「私のターン、ドロー。ライド、《盛運の乙女 ディアン》。先駆で移動」

 

トコハ手札:5→6→5枚

トコハデッキ:44→43枚

ディアンソウル:0→1

〈 〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

サーヤとは違い、真後ろに送ったFV。

トコハはそのカードを横向きに変え、バトルフェイズに入った。

 

「さっそく行くよ、サーヤ。ヴァンガードでアタック!」

 

ディアン+オズパワー:7000+5000=12000

 

「ガードしないみゅ」

 

「なら、ドライブチェック」

 

プルメリアの花乙女 シャルル(なし)

トコハデッキ:43→42枚

トコハ手札:5→6枚

 

「ダメージチェックみゅ」

 

喝采の美声 ローリス(なし)

サーヤデッキ:43→42枚

サーヤダメージ:0→1

 

「ターンエンドよ」

 

サーヤダメージ:1

サーヤ手札:5枚

アクアソウル:0

サーヤデッキ:42枚

サーヤドロップ:0

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈ロ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

ディアンソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

互いに可もなく不可もない最初のターン。

ファイトはまだ始まったばかりだと言わんばかりに、サーヤは勢い良くカードを手に取る。

 

「サーヤのターン! ドローみゅ! 《愛の集大成 エレノア》にライドみゅ!」

 

サーヤ手札:5→6→5枚

サーヤデッキ:42→41枚

 

サーヤがライドしたのは、水着姿が良く似合う人魚のユニット。

このカードの真価を発揮させようと、サーヤは手札の2枚のカードを手に取った。

 

「さらに、《新品の衣装 アカリ》を2枚コールだみゅ。エレノアとローリスのハーモニー発動みゅ!」

 

サーヤ手札:5→3枚

〈ア〉〈エ〉〈 〉

〈ロ〉〈ア〉〈 〉

 

「ハーモニー。同じ縦列に他のユニットが現れることで条件を満たす、バミューダ△の固有スキル。他のユニットが登場することで歌いだし、それに釣られるように2体のユニットがメロディーを奏でる。まさにアイドルに相応しいスキルね」

 

トコハの目には、4人の人魚たちが1つの合唱を行っているように見えた。

 

「ここで、偉才の声音 ローリスのスキル発動だみゅ。4体がハーモニーになったことで、SC1みゅ」

 

サーヤデッキ:41→40枚

エレノアソウル:1→2

SC:Chouchou ミレーナ

 

『サーヤは、着実にコストを確保しているみゅ!』

 

「バトルみゅ。ローリスのブーストで、アカリでアタックみゅ」

 

アカリ+ローリスパワー:7000+5000=12000

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

播種の乙女 ティアニー(なし)

トコハデッキ:42→41枚

トコハダメージ:0→1

 

トコハのダメージを確認したサーヤは、続けてヴァンガードのエレノアで攻撃を行った。

 

エレノア+アカリパワー:9000+7000=16000

 

この攻撃に対して、トコハは悩むそぶりを見せた。

 

「(ガードしても良いけど、トリガーがなぁ。もったいないし、ここは……)ノーガードよ。来なさい、サーヤ」

 

トコハの宣言に対して、サーヤも笑顔で応えた。

 

「じゃあ、ドライブチェックだみゅ」

 

がんばる才能 シャンディー(なし)

サーヤデッキ:40→39枚

サーヤ手札:3→4枚

 

何もトリガーが出なかったことにサーヤは肩を落とした。

目に見えて落ち込んだサーヤをトコハは苦笑するしかなかった。

 

「ダメージチェック」

 

理想の乙女 トゥーリア(なし)

トコハデッキ:41→40枚

トコハダメージ:1→2

 

「みゅ~。でも、ここでアカリのスキルが発動みゅ。アカリをソウルに送って、1枚ドローして、ハーモニーを持つユニットを手札に戻すみゅ。もう1体のアカリを手札に」

 

エレノアソウル:2→3

サーヤデッキ:39→38枚

サーヤ手札:4→5→6枚

 

『出ました! バミューダお得意の手札戻し! これで、サーヤは再びハーモニーを発動できるみゅ!』

 

「これでアタック対象がヴァンガードしか居なくなっちゃったか」

 

トコハはサーヤがターンを終えた所で互いの場の状況を確認した。

 

トコハダメージ:2

トコハ手札:6枚

ディアンソウル:0

トコハデッキ:40枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈デ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

サーヤダメージ:1

サーヤ手札:6枚

エレノアソウル:3

サーヤデッキ:38枚

サーヤドロップ:0

〈 〉〈エ〉〈 〉

〈ロ〉〈 〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー。ライド、《共に咲く乙女 ケラ》」

 

トコハ手札:6→7→6枚

トコハデッキ:40→39枚

 

トコハも負けじとG2にライドした。

だが、ここで一旦手を止めた。

 

「(どうしよう。場に出せるカードはあるけど、展開する意味あるかな? 私のデッキに除去カードなんて入ってないし、下手にダメージコントロールされると怖いわね。なら)このままバトルよ!」

 

長いようで短い思考を終えたトコハは、バトルフェイズに入った。

 

「ケラで、ヴァンガードにアタック!」

 

ケラ+オズパワー:9000+5000=14000

 

「ノーガードだみゅ」

 

対して、サーヤは迷うことなくノーガードを宣言した。

 

「ドライブチェック」

 

花園の乙女 マイリス(☆)

トコハデッキ:39→38枚

トコハ手札:6→7枚

 

ドライブチェックで出たカードをトコハは嬉しそうに宣言する。

 

「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガード!」

 

ケラパワー:9000→14000/☆2

ケラ+オズパワー:14000+5000=19000/☆2

 

「ダメージチェックみゅ~」

 

とびきりの新入生 シズク(なし)

ポッピングメロディー レイラ(☆)

サーヤデッキ:38→36枚

サーヤダメージ:1→3

 

流石にダメージ2は大きかったのか、サーヤは残念そうにカードを置いた。

ころころ顔が変わり、楽しそうにファイトを続けるサーヤの姿にトコハも影響されて笑っていた。

 

「ふふ。ターンエンドよ」

 

サーヤダメージ:3

サーヤ手札:6枚

エレノアソウル:3

サーヤデッキ:36枚

サーヤドロップ:0

〈 〉〈エ〉〈 〉

〈ロ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:2

トコハ手札:7枚

ケラソウル:1

トコハデッキ:38枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈ケ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

そんなトコハの笑顔に満足そうに、サーヤはファイトを続ける。

 

「サーヤのターンみゅ。スタンド&ドロー。ライド、《未来の呼び声 ローリス》!」

 

サーヤ手札:6→7→6枚

サーヤデッキ:36→35枚

 

ここでサーヤがライドしたのは、彼女の分身といえるカードであり、FV偉才の声音 ローリスの成長後の姿、未来の呼び声 ローリスだ。

 

「まだまだ行くみゅ! 《とびきりの新入生 シズク》をコールみゅ」

 

サーヤ手札:6→5枚

〈 〉〈ロ〉〈 〉

〈ロ〉〈シ〉〈 〉

 

Vの後ろにコールしたことで、ローリスがお互いをハーモニー状態に変える。

サーヤの展開は止まらない。

 

「エレノアをコールみゅ。ローリスのハーモニー! そして、SC1みゅ」

 

サーヤ手札:5→4枚

〈エ〉〈ロ〉〈 〉

〈ロ〉〈シ〉〈 〉

サーヤデッキ:35→34枚

ローリスソウル:4→5

SC:トランセンドアイドル アクア

 

さらにコストが確保されていくことに、トコハは苦い顔をしてしまう。

 

「トコハお姉ちゃん。笑顔、笑顔。サーヤはまだ動くよ。《元気の魔法 ウィータ》と《大切なフレーズ レイナ》をコールみゅ。ウィータのハーモニー!」

 

サーヤ手札:4→2枚

〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉

〈ロ〉〈シ〉〈レ〉

 

(これで全てのユニットがハーモニー状態に。GBがあるから効果の発動はしないけど、次のターン、あのユニットたちのスキルが発動してしまう。放置しておくとやっかいね)

 

トコハは特に、サーヤの右列のカードに注目しながら対処法を考えていた。

 

「行くみゅ! ウィータでヴァンガードにアタックみゅ!」

 

ウィータ+レイナパワー:9000+4000=13000

 

アイドルたちの歌による攻撃が迫り来る。

トコハはこれを受けるわけにはいかないと、カードを切る。

 

「ガード、《プルメリアの花乙女 シャルル》!」

 

トコハ手札:7→6枚

トコハドロップ:0→1

ケラ+シャルルシールド:9000+5000=14000

 

「なら、ヴァンガードでアタックみゅ! ここでレイナのスキル発動みゅ。ソウルに送って、1枚ドローみゅ。ローリスのパワー+5000!」

 

ローリスソウル:5→6

サーヤデッキ:34→33枚

サーヤ手札:2→3枚

ローリスパワー:11000→16000

ローリス+シズクパワー:16000+7000=23000

 

トコハの使う花園の乙女 マイリスと同じスキルでサーヤは手札を整える。

パワーも上がったためガードが難しくなってしまった。

 

「ノーガードよ」

 

このアタックをトコハは迷うことなくノーガードで受けることを宣言。

ダメージが2つしか受けていないのだから、当然だろう。

 

「ツインドライブみゅ」

 

トランセンドアイドル アクア(なし)

Chouchou ミレーナ(治)

サーヤデッキ:33→31枚

サーヤ手札:3→5枚

 

『ここでサーヤがヒールトリガーを引いたみゅ! 完全ガードとヒールトリガーで、守りも万全だ!』

 

「ヒールトリガーゲットみゅ! ダメージを1回復して、パワーはエレノアみゅ」

 

サーヤダメージ:3→2

サーヤドロップ:0→1

エレノアパワー:9000→14000

 

ローリスの歌に魅了されてしまったトコハは、デッキをめくってダメージを確認する。

 

「ダメージチェック」

 

モンキーポッド・ドラゴン(引)

トコハデッキ:38→37枚

トコハダメージ:2→3

 

「ゲット、ドロートリガー。パワーはケラに、1枚ドロー」

 

トコハデッキ:37→36枚

トコハ手札:6→7枚

ケラパワー:9000→14000

 

『ここでダメージトリガーが乗ったぁ!』

 

「うう、ガードされるみゅ? エレノアでアタックみゅ」

 

エレノア+ローリスパワー:14000+5000=19000

 

「《花園の乙女 マイリス》でガード」

 

トコハ手札:7→6枚

トコハドロップ:1→2

ケラ+マイリスシールド:14000+10000=24000

 

トコハが先ほど手札に加えたカードでガードを行った。

 

「(これでトコハお姉ちゃんの手札、分かんなくなっちゃったみゅ)ターンエンドみゅ」

 

トコハダメージ:3

トコハ手札:6枚

ケラソウル:1

トコハデッキ:36枚

トコハドロップ:2

〈 〉〈ケ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

サーヤダメージ:2

サーヤ手札:5枚

ローリスソウル:6

サーヤデッキ:31枚

サーヤドロップ:1

〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉

〈ロ〉〈シ〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー! 全ての蕾よ、今こそ花開け! ライド! 《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》!」

 

トコハ手札:6→7→6枚

トコハデッキ:36→35枚

 

今度はトコハが自信の分身であるアーシャにライドした。

そして、更なる未来を掴むために、彼女は手札に手を添えた。

 

「手札の《開墾の戦乙女 パドミニ》は超越コスト時にG3となるスキルを持っているわ。わたしは、このカードをコストに、ストライドジェネレーション! 《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:2→3

トコハGB:0→1

 

超越したのは、彼女の愛用のGユニットでもあるヴェルヘミーナ。

Gユニットが登場したここからがファイトの本番だ。

 

「超越スキル! CB1で山札から開花をもつユニットをコールする。ディアンをSコール! ラナンキュラスがVにいるため、ディアンのパワー+1000、抵抗を得る!」

 

トコハダメージ:3(裏0→1)

トコハデッキ:35→34枚

ディアンパワー:7000→8000

 

「ここで、オズのスキル発動。開花持ちがRに登場したため、CB1、このカードをソウルに送って、1枚ドロー!」

 

トコハダメージ:3(裏1→2)

ヴェルヘミーナソウル:2→3

トコハデッキ:34→33枚

トコハ手札:5→6枚

 

FVのスキルで手札を整えたトコハはメインフェイズに移った。

 

「《理想の乙女 トゥーリア》をディアンとして扱ってコール。ディアンの開花。パワー+10000」

 

トコハ手札:6→5枚

ディアンパワー:8000→18000

 

「さらに、マイリスをコール」

 

トコハ手札:5→4枚

〈マ〉〈ヴ〉〈ト〉

〈デ〉〈 〉〈 〉

 

「2枚目みゅ!?」

 

サーヤは先ほどガードに使用したカードと同じカードが使用されたことに驚く。

このままトコハはバトルフェイズに入った。

 

「ディアンのブースト、マイリスでウィータにアタック!」

 

マイリス+ディアンパワー:4000+18000=22000

 

「みゅ!? ウィータの方みゅ!?」

 

ヴァンガードではなく、Rが攻撃されたことに驚きながら、サーヤは手札を切った。

 

「ちょっと勿体ないけど……Gガード! 《ラグジュアリーウェーブ エリー》! スキルは使わないみゅ!」

 

サーヤ手札:5→4枚

サーヤドロップ:1→2

サーヤGB:0→1

ウィータ+エリーシールド:9000+15000=24000

 

「なら、ヴェルヘミーナでヴァンガードにアタック! マイリスもレイナと同じスキルを持っている!」

 

ヴェルヘミーナソウル:3→4

トコハデッキ:33→32枚

トコハ手札:4→5枚

ヴェルヘミーナパワー:26000→31000

 

Vの攻撃力を上げ、手札を増やしたが、トコハのアタックステップは終わっていない。

 

「ここで、ヴェルヘミーナのスキル発動。CB1とGゾーンのカードを表にして、山札から開花持ちを前列と後列にコールするわ」

 

トコハはここで、デッキに残っている残りのディアンをそれぞれSコールした。

2体のディアンはそれぞれの開花により、攻撃力を上げる。

 

トコハダメージ:3(裏2→3)

トコハGB:1→2

トコハデッキ:32→30枚

ディアンパワー:7000→18000

ディアンパワー:7000→18000

〈デ〉〈ヴ〉〈ト〉

〈デ〉〈 〉〈デ〉

 

『出みゃした! 安城トコハお得意の、開花による連続攻撃! 圧倒的パワァーがサーヤに襲いかかる!』

 

残り2回に増えた攻撃を前にサーヤはファイターとして冷静な判断を下す。

 

「ノーガードみゅ」

 

「トリプルドライブ」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

播種の乙女 ティアニー(なし)

孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)

トコハデッキ:30→27枚

トコハ手札:5→8枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはトゥーリアに、クリティカルはヴァンガード!」

 

トゥーリアパワー:9000→14000

ヴェルヘミーナ:☆2

 

トリガーの力を借りたヴェルヘミーナの2連撃がローリスを襲った。

 

「ダメージチェックみゅ」

 

照り映える輝石 サンディー(なし)

未来の呼び声 ローリス(なし)

サーヤデッキ:31→29枚

サーヤダメージ:2→4

 

「ディアンでヴァンガードにアタック!」

 

ディアンパワー:18000

 

「うう。ノーガードみゅ。ダメージチェックみゅ」」

 

喝采の美声 ローリス(なし)

サーヤデッキ:29→28枚

サーヤダメージ:4→5

 

防ぎ難い攻撃にサーヤは涙目になりながら、ノーガードを行い、ダメージを受けた。

 

『サーヤのダメージ5! だが、攻撃は残っているぞ!』

 

「トゥーリアでヴァンガードにアタック!」

 

トゥーリア+ディアンパワー:14000+18000=32000

 

ディアンの力を受けたトゥーリアがサーヤに襲いかかる。

すでにダメージ5のサーヤは、この攻撃を受けることができない。

 

「《トランセンドアイドル アクア》。完全ガードみゅ。コストで手札1枚をソウルに送るみゅ」

 

サーヤ手札:4→2枚

ローリスソウル:6→7

サーヤドロップ:2→3

 

手札コストをソウルに送るという珍しいカードでトコハの攻撃を防ぎきったサーヤは、笑って見せた。

 

「トコハお姉ちゃん。やっぱりすごいみゅ」

 

ピンチな状況でも簡単に笑ってみせるサーヤに、トコハもつられて笑う。

 

「ふふ。今度はサーヤの番だよ。ターンエンド」

 

トコハダメージ:3(裏3)

トコハ手札:8枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:27枚

トコハドロップ:3

トコハGB:2

〈デ〉〈ア〉〈ト〉

〈デ〉〈 〉〈デ〉

 

サーヤダメージ:5

サーヤ手札:2枚

ローリスソウル:7

サーヤデッキ:28枚

サーヤドロップ:3

サーヤGB:1

〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉

〈ロ〉〈シ〉〈 〉

 

トコハからターンを渡されたサーヤは、それに応えるようにカードを引いた。

 

「スタンド&ドロー。征くみゅ! 手札の《がんばる才能 シャンディー》は、超越コストとする時に、G3として扱うみゅ! ストライドジェネレーション! 《念願の晴れ舞台 シャンディー》!」

 

サーヤ手札:2→3→2枚

サーヤデッキ:28→27枚

サーヤドロップ:3→4

サーヤGB:1→2

 

『出たああ!! サーヤが新たなるGユニットに超越したああ!!』

 

サーヤが全く新しいGユニットを登場させたことで会場は大きく湧き上がる。

 

「これが、5月17日にヴァンガード公認店舗限定で発売された『プレミアムコレクション2019』で登場したバミューダ△のGユニット」

 

トコハも始めてみるカードに、警戒心を大きくした。

 

「宣伝お疲れ様みゅ。このGユニットと一緒に、サーヤは新たなる未来に進むみゅ。そしてその未来でのサーヤの夢は、ホップ、ステップ……」

 

「「宇宙征服!!」」

 

手を握ってポーズを決めたサーヤにあわせるようにトコハも腕を大きく上げた。

変わらないサーヤの夢に、2人は大きく笑いこげた。

 

「ふふふ。本気でサーヤが宇宙を征服しちゃったら、世の中平和になるかもね」

 

トコハは遠い惑星クレイのことも考えながら、言った。

 

「当然みゅ。さあ、トコハお姉ちゃん、覚悟するみゅ。ローリスの超越スキルで、CB1してRを手札に戻して、1枚ドローみゅ。サーヤはエレノアを手札に」

 

サーヤダメージ:5(裏0→1)

サーヤ手札:2→3→4枚

サーヤデッキ:27→26枚

 

サーヤは減っていた手札を増やした。

しかし、サーヤのコンボは、ここからが始まりだ。

 

「手札に戻ったエレノアのスキルをCB1とSB1で発動みゅ。場のハーモニーを持つユニットと同じ枚数だけ山札の上を見て、その中の1枚を手札に加えるみゅ。サーヤの場には4体居るみゅ。よって4枚確認して、《照り映える輝石 サンディー》を手札に、残りは山札の下に置くみゅ」

 

サーヤダメージ:5(裏1→2)

シャンディーソウル:7→6

SB:トランセンドアイドル アクア

サーヤドロップ:4→5

サーヤデッキ:26→25枚

サーヤ手札:4→5枚

 

「さらに、シズクがハーモニーになったためスキル発動みゅ。山札の上5枚を見て、G3以上のカードを手札に加えるみゅ。未来の呼び声 ローリスがあったみゅ」

 

サーヤデッキ:25→24枚

サーヤ手札;5→6枚

 

シャンディーが現れたことにより、シズクから始まったデュエットがシズクの力を解放させた。

トコハはサーヤのデッキをシャッフルしながら、あっと言う間に手札を3倍に増やしてしまったことに下を巻いた。

 

「メインフェイズに入るみゅ。ここで、ウィータのスキル発動みゅ。SB1でこのカードを手札に戻して、手札のG1以下のカードをコールするみゅ。サーヤはアカリをSコールするみゅ。さらに、VがG4なので、CC1みゅ」

 

シャンディーソウル:6→5

SB:トランセンドアイドル アクア

サーヤドロップ:5→6

サーヤ手札:6→7→6枚

サーヤダメージ:5(裏2→1)

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈ロ〉〈シ〉〈ア〉

 

「もう1度エレノアとウィータをコールみゅ」

 

サーヤ手札:6→4枚

〈ウ〉〈シ〉〈エ〉

〈ロ〉〈シ〉〈ア〉

 

「ここで、偉才の声音 ローリスのスキル発動みゅ。このカードソウルに送って、CB1でエレノアを手札に、1枚ドローみゅ」

 

サーヤダメージ:5(裏1→2)

シャンディーソウル:5→6

サーヤ手札:4→5→6枚

サーヤデッキ:24→23枚

〈ウ〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈シ〉〈ア〉

 

「エレノアが手札に戻ったってことは……」

 

「当然! エレノアのスキル発動みゅ。また4枚見るみゅ。……シャンディーを手札に」

 

サーヤダメージ:5(2→3)

シャンディーソウル:6→5

SB:大切なフレーズ レイナ

サーヤドロップ:6→7

サーヤデッキ:23→22枚

サーヤ手札:6→7枚

 

「コールみゅ。シャンディーとエレノアみゅ!」

 

サーヤ手札:7→5枚

〈ウ〉〈シ〉〈エ〉

〈シ〉〈シ〉〈ア〉

 

3度エレノアがコールされたことで、全てのユニットが再びハーモニー状態になった。

ここでサーヤは臨戦態勢に入った。

 

「ウィータでトゥーリアにアタックみゅ」

 

ウィータ+シャンディーパワー:9000+7000=16000

 

Rへの攻撃宣言を聞いたトコハは真剣に悩んだ。

 

「う~ん。ここは――」

 

悩んだ末の答えはノーガード。

トコハはおとなしくトゥーリアをドロップゾーンに送った。

 

トコハドロップ:3→4

 

「続けるみゅ。エレノアで……(ヒール2枚使われると面倒だみゅ)ディアンにアタックみゅ!」

 

エレノア+アカリパワー:9000+7000=16000

 

トコハは、今度は迷うことなくノーガードを宣言した。

これでトコハの前列にはヴァンガードしかいないことになる。

 

トコハドロップ:4→5

 

「ここでアカリのスキル発動みゅ。エレノアを手札に」

 

シャンディーソウル:5→6

サーヤ手札:5→6→7枚

サーヤデッキ:22→21枚

 

「念願の晴れ舞台 シャンディーでヴァンガードにアタックみゅ! ここでシャンディーのスキルみゅ。CB1とGゾーンのカードを表にして、山札の上10枚を見て、ハーモニー状態のユニットの数と同じだけコールするみゅ。今ハーモニーなのは4枚。《熱き羨望 マロニエ》、喝采の美声 ローリス、《ポッピングメロディー レイラ》、《お寝坊注意! クルク》をSコールみゅ!」

 

サーヤダメージ:5(裏3→4)

サーヤGB:2→3

サーヤデッキ:21→17枚

サーヤドロップ:7→9

〈ロ〉〈シ〉〈マ〉

〈ク〉〈シ〉〈レ〉

シャンディー+シズクパワー:26000+7000=33000

 

「Sコールしたユニットがハーモニー! これで6体のユニットがハーモニーになったことで、シャンディーはGゾーンの表のカード分クリティカル+1するみゅ!」

 

ローリスパワー:11000→16000

シャンディー:☆3

マロニエパワー:9000→12000→21000

 

ハーモニーによりライブを始めた人魚達がその力を高めていく。

シャンディーはその高まった力でアーシャに向けて歌を歌う。

 

「《播種の乙女 ティアニー》で完全ガード!」

 

トコハ手札:8→6枚

トコハドロップ:5→7

 

これに対し、トコハは完全ガードで迎え撃つ。

 

「征くみゅ! トリプルドライブ!」

 

大切なフレーズ レイナ(☆)

サーヤデッキ:17→16枚

サーヤ手札:7→8枚

 

「ファーストチェック! クリティカルトリガー! パワーはマロニエ、クリティカルはローリスみゅ!」

 

マロニエパワー:21000→26000

ローリス:☆2

 

ポッピングメロディー レイラ(☆)

サーヤデッキ:16→15枚

サーヤ手札:8→9枚

 

「セカンドチェック! クリティカルトリガーみゅ! 効果は全て、マロニエへ!」

 

マロニエパワー:26000→31000/☆2

 

トランセンドアイドル アクア

サーヤデッキ:15→14枚

サーヤ手札:9→10枚

 

「サードチェック! トリガーじゃなかったみゅ!」

 

「ほっ」

 

デッキ圧縮を続けていたので、全てトリガーが出てくる可能性もあった。

それがなくて、安心したトコハはティアニーを退却させながら、次のガード方法を考える。

 

「マロニエでヴァンガードにアタックみゅ! ここで、レイラのスキル発動みゅ! このカードを手札に戻して、ブーストしたユニットのパワーを倍にするみゅ! さらに、GB2をもっているため、クリティカル+1みゅ!」

 

サーヤ手札:10→11枚

マロニエパワー:31000/☆2→25000/☆2→50000/☆3

 

後列がいなくなったため、ハーモニー状態ではなくなったが、それを補って余りある攻撃力が生まれた。

トコハはこれを防ぐために温存していたカードを切った。

 

「Gガード! 《秋景の花乙姫 ヴェルナ》! スキルで、ディアンを選んで、同名カード1枚につき、シールド+5000! 2体いるため、10000よ!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:7→8

トコハGB:2→3

ヴェルナシールド:15000→25000

アーシャ+ヴェルナシールド:11000+25000=36000

 

まだガード値が足りないため、トコハはさらにカードを切る。

 

「さらに、Gガード! 《聖樹竜 レインブレス・ドラゴン》! スキルは使わないわ!」

 

トコハ手札:5→4枚

トコハドロップ:8→9

トコハGB:3→4

アーシャ+ヴェルナ+レインブレスシールド:11000+25000+15000=51000

 

『凌いだ! 安城トコハ、2枚のGガーディアンを使って、サーヤの攻撃を凌ぎきりました!』

 

2人の女性ファイターによる素晴らしいファイトに会場は大いに盛り上がる。

その中には、トコハの兄マモルも妹の成長を喜びながら見ている姿も有った。

 

「みゅ~。喝采の美声 ローリスでアタックみゅ」

 

ローリス+クルクパワー:16000+4000=20000/☆2

 

悔しそうにサーヤはRのローリスをレストした。

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

共に咲く乙女 ケラ(なし)

開墾の戦乙女 パドミニ(なし)

トコハデッキ:27→25枚

トコハダメージ:3→5(裏3)

 

「ここで、クルクのスキル発動みゅ。ハーモニー状態のクルクがブーストしたバトルの終了時、クルクをデッキに戻して、ローリスを手札に、手札のマロニエをSコールみゅ!」

 

サーヤデッキ:14→15枚

サーヤ手札:11→12→11枚

〈マ〉〈シ〉〈マ〉

〈 〉〈シ〉〈 〉

マロニエパワー:9000→12000

 

「マロニエでアタックみゅ!」

 

サーヤの最後の攻撃がトコハに襲いかかる。

 

「《孔雀草の銃士 ラケーレ》でガードよ」

 

トコハ手札:4→3枚

トコハドロップ:9→10

アーシャ+ラケーレシールド:11000+10000=21000

 

トコハが難なくこれを防いだことで、サーヤのバトルは全て終了。

やることがなくなったサーヤはおとなしく自身のターンを終了した。

 

サーヤダメージ:5(裏)

サーヤ手札:11枚

ローリスソウル:6

サーヤデッキ:15枚

サーヤドロップ:9

サーヤGB:3

〈マ〉〈ロ〉〈マ〉

〈 〉〈シ〉〈 〉

 

トコハダメージ:5(裏3)

トコハ手札:3枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:25枚

トコハドロップ:10

トコハGB:4

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈デ〉〈 〉〈デ〉

 

「スタンド&ドロー。ライドステップ、アーシャのスキル発動。サークルのディアンを山札の下へ送るわ」

 

トコハ手札:3→4枚

トコハデッキ:25→24→25枚

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈デ〉〈 〉〈 〉

 

本来ならここで墓地のカードもデッキに戻せるのだが、その後の強制効果のコールを嫌ったトコハは場のカードだけを処理した。

そして、手札の幻蒼のアーシャを捨てた。

 

「征くよ! Gゾーン解放! 今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライド! ジェネレーション! 《穢れなき聖女 グリンカトリーナ》!」

 

トコハ手札:4→3枚

トコハドロップ:10→11

トコハGB:4→5

 

「来たみゅ。トコハお姉ちゃんの新しいGユニットみゅ」

 

今度はトコハが新カードを使ったことで、サーヤは警戒心を強める。

 

「超越スキルは使わないで、グリンカトリーナのスキル。Gゾーンのカードを表にして、Gゾーンの表のカードと同じ枚数だけ、プラントトークンをコールする!」

 

トコハのGゾーンの表のカードはたった今表にしたカードを含めて5枚。

よって、全てのRサークルにプラントトークンがコールされる。

当然ながら、残っていたディアンは上書きにより墓地に送られる。

 

トコハGB:5→6

トコハドロップ:11→12

〈プ〉〈グ〉〈プ〉

〈プ〉〈プ〉〈プ〉

 

プラントトークンがどこからともなく現れたことに1部の観客が疑問に思う。

ここでMCミヤが説明を開始した。

 

『安城トコハ、ここでプラントトークンをコールした! トークンは、カード効果でのみ現れる特殊なユニットのことだ! デッキにも、Gゾーンにも存在しないため、場から離れると消滅してしまうが、手札やデッキを減らすこと無く、攻撃が可能となるぞ!』

 

「プラントトークンのパワーは5000。ブーストをもっているわ。さらに、グリンカトリーナのスキルにより、すべてのプラントトークンのパワー+10000!」

 

プラントトークンパワー:5000→15000

プラントトークンパワー:5000→15000

プラントトークンパワー:5000→15000

プラントトークンパワー:5000→15000

プラントトークンパワー:5000→15000

 

「みゅ!? 全部の列のパワー、3万以上みゅ!?」

 

「バトルよ! 右のプラントトークンでヴァンガードにアタック!」

 

プラントトークン+プラントトークンパワー:15000+15000=30000

 

Gユニット以上の攻撃力でトークンがサーヤに襲いかかる。

 

「レイラでガードみゅ。さらにマロニエ2体でインターセプトみゅ!」

 

サーヤ手札:11→10枚

〈 〉〈ロ〉〈 〉

〈 〉〈シ〉〈 〉

サーヤドロップ:9→12

ローリス+レイラ+マロニエ+マロニエシールド:11000+10000+5000+5000=31000

 

3体の人魚が力を合わせてトークンの攻撃を防ぐ。

その影からもう1体のトークンがサーヤに攻撃を開始した。

 

プラントトークン+プラントトークンパワー:15000+15000=30000

 

「レイナとレイラでガードみゅ!」

 

サーヤ手札:10→8枚

サーヤドロップ:12→14

ローリス+レイナ+レイラシールド:11000+10000+10000=31000

 

続く攻撃も防がれたが、これでサーヤは先のターンに手札に加えていたトリガーを全て消費したことになる。

サーヤは攻撃が防ぎ辛くなったが、逆にトコハには手札のカードが読み辛くなったことを意味する。

 

「グリンカトリーナでヴァンガードにアタック!」

 

グリンカトリーナパワー:26000

 

それが分かっていながらも、トコハは攻撃を続ける。

 

「グリンカトリーナのスキル! CB1で、山札から場のプラントトークンと同じ数だけカードをコールする! 私のフィールドには、プラントトークンが5体。よって、山札から《純潔の乙女 カトリーナ》4体と、トゥーリアをカトリーナとして1体、Sコール!」

 

トコハダメージ:5(裏3→4)

トコハデッキ:25→21枚

〈ト〉〈グ〉〈カ〉

〈カ〉〈カ〉〈カ〉

 

「ちょ、ちょっと待つみゅ! カトリーナ4体を同時にコールみゅ!?」

 

サーヤは嘗てのファイトを思い出して、青い顔になる。

 

「見せてあげる。私の輝きを! カトリーナの開花! 他のカトリーナがコールされた時、カトリーナ5体のパワー+4000! 4体同時にコールされたため、16000アップする!」

 

そして――とトコハは続ける。

 

「このスキルを4回行う!」

 

この発言に、サーヤも観客も驚く。

 

『なんと、なんと! カトリーナの開花が、驚異の16回行われるぞ!』

 

「カトリーナの開花、開花、開花、開花!」

 

トゥーリアパワー:9000→25000→41000→57000→73000

カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000

カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000

カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000

カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000

 

全てのカトリーナとトゥーリアの攻撃力が驚異的に伸びていく。

その数値はもはや他のカードゲームでも見ることができないぐらい膨れ上がった。

 

「はわわわわ」

 

サーヤは残った自分の手札と、トコハの場を何度も見返しているが、その様子はどう見ても慌てふためいているようにしか見えない。

青い顔のサーヤはそれでも勝つことを考えて、思考を重ねる。

そして、彼女が出した結論は――

 

「手札の《照り映える輝石 サンディー》は、Gガードのコストにできるみゅ。2体目のエリーをコールみゅ。エリーのスキルで、ドロップゾーンの守護者と、Gゾーンの表のエリー1枚につき、シールド+10000みゅ。サーヤには、3枚の守護者と1枚のエリーが居るみゅ。合計40000みゅ」

 

ギリギリまで耐えることだった。

喰らうダメージを少しでも少なくすることでノーガードによるヒールトリガー狙いの確率を少しでも上げることを選んだのだ。

 

サーヤ手札:8→7枚

サーヤドロップ:14→15

サーヤGB:3→4

エリーシールド:15000→55000

ローリス+エリーシールド:11000+55000=66000

 

こちらもまた驚異的な守備力でトコハの攻撃を防御した。

これでトコハは3回トリガーが出てもヴァンガードの攻撃を通すことができない。

 

「トリプルドライブ」

 

そんな彼女の意気込みを感じたのか、トコハも堂々とデッキを捲り始めた。

 

共に咲く乙女 ケラ(なし)

播種の乙女 ティアニー(なし)

メイデン・オブ・ゼフィランサス(☆)

トコハデッキ:21→18枚

トコハ手札:3→6枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはトゥーリアに、クリティカルはカトリーナに!」

 

トゥーリアパワー:73000→78000

カトリーナ:☆2

 

トゥーリアのパワーとカトリーナのクリティカルがさらに上がり、グリンカトリーナに憑依していたトコハはそのままサーヤに斬りつけたが、防がれた。

その攻撃を陽動としたカトリーナの攻撃が始まった。

 

カトリーナ+カトリーナパワー:71000+71000=142000/☆2

 

「完全ガードみゅ!」

 

サーヤ手札:7→5枚

ローリスソウル:6→7

サーヤドロップ:15→16

 

こちらは完全ガードで防ぎきる。

残る攻撃は1回だけだ。

 

(これでサーヤの手札は5枚。もしあの中に完全ガードがあるか、ヒールもしくはサンディーが2枚あれば防がれる)

 

サーヤのエリーはスキルで大きく守備力が上がる。

現在の上昇値は6万で、合計7万5千となる。

これもまた驚異的な守備力だが、トコハの攻撃を防ぐには足りない。

だが、2枚あれば防ぎきられる。

 

「(でも、止まるわけにはいかない!)カトリーナでアタック!」

 

トゥーリア+カトリーナパワー:78000+71000=149000

 

最後の攻撃がサーヤに襲いかかる。

全てはサーヤの手札にかかっていた。

 

「ノーガードみゅ! もうどうにでもなれみゅ!」

 

ガードは、できなかった。

ダメージに苦しみながら、サーヤはデッキに手を置いた。

 

「ダメージチェックみゅ」

 

未来の呼び声 ローリス(なし)

サーヤデッキ:15→14枚

サーヤダメージ:5→6

トコハWIN

 

結局ヒールトリガーもでなかったことで、サーヤは項垂れながらダメージを置いた。

だが、時間をおかずにサーヤは顔を上げた。

 

「やっぱりトコハお姉ちゃんは強いみゅ~。負けちゃったけど、サーヤとっても楽しかったみゅ~」

 

顔を上げたサーヤはいつも以上の笑顔でトコハを称えた。

そんなサーヤにトコハも同じように応える。

 

「サーヤもとっても強かったよ。もしGガードが2回使えたら、防がれてたもん」

 

トコハは最後の攻撃の際に懸念していたことを告白しながらサーヤを称えた。

あれだけのパワーをたたき出しながらも防ぎきられる恐れがあるとは、やはりバミューダ△は恐ろしい。

 

「みゅ~。完全ガードもヒールもなかったみゅ~」

 

その懸念が杞憂であったことをサーヤは少し苦笑しながら伝えた。

そうして笑い合っていると、2つの扉が同時に開き、その上に勝者と敗者とそれぞれ書かれた。

 

「勝ったわたしがこっち。負けたサーヤはそっちに進めばいいのね」

 

「そうみたいだみゅ。じゃあトコハお姉ちゃん、サーヤたちと決勝トーナメントで戦うためにも、頑張るみゅ!」

 

サーヤは両手を挙げて宣言した後、自分の道を全力で走って行った。

 

「うん。そうだね。サーヤも頑張って。さて、行きますか」

 

トコハはそんなサーヤを見送った後、聞こえないことも分かったうえでサーヤを激励しながら自らの道を進み始めた。

VF世界大会日本本予選、セカンドステージは始まったばかりだ。

 

 

 

ちなみに。

 

「サーヤ頑張るみゅ~! あれ?」

 

トコハと別れたサーヤが全力で道を走っていると……何故か観客席についてしまった。

 

「あれ? サーヤだ」

 

「ホントだ。どうしたんだろ?」

 

偶然後ろを向いた観客がサーヤに気づき、ざわめきだす。

この意味に気づいたサーヤの顔は青くなる。

 

「もしかして……サーヤ失格みゅ!?」

 

「サーヤだ! サインくれー!」

 

「握手してくれー!」

 

嘆くサーヤを無視してファンたちはサーヤに群がる。

サーヤはプロ根性で対応しながら自分がセカンドステージ最初の失格者であることを受け入れたのだった。

 

弥富サヤ、失格。

 

続く。

 

そのころ、シオンは迷宮内を走っていた。

 

「それにしても、この迷路はよくできているね」

 

周囲を確認しながら進む姿は迷宮に良く似合う。

突然、シオンは立ち止まって迷路の壁を良く観察してみた。

 

「この迷路、どこかで見たことあるような?」

 

彼の疑惑が解決する時、それはそんなに時間もかからずに来るのだった。




次回予告

「みゅ~! もう失格みゅ~」

「おしかったね、弥富君。良いファイトだったよ」

「ありがとうみゅ~。でもチームとしては負けてないみゅ。サーヤはルーナちゃんとアムちゃんを信じるみゅ」

「うん。それでこそ、チームと言うものだね」

「トコハお姉ちゃんも、前にそういうの学んだって言ってたみゅ」

次回、第18ターン:ダークゾーンの儀式

「トコハが何処でそれを学んだのかは、気になるけど。それよりも弥富君、仕事の話をしていいかな?」

「もちろんみゅ。またドラエンをサーヤが盛り上げてみせるみゅ」

「よろしくお願いするよ。詳しい話は別室でね」


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第18ターン:ダークゾーンの儀式

いきなり脱落者を出した波乱のセカンドステージ、ウォールトライメイズ。
こんなトンデモナイイベントは、ある人物からのアドバイスで実行に移されたことを今はまだ、誰も知らない。



あ~、書くの遅くなったあ!!
少し不調です。
次も遅くなるでしょうが、頑張って書き続けます。


『さあ、VF世界大会日本本予選、セカンドステージ。ウォールトライメイズは波乱の幕開けだ!』

 

ザワメク会場の中、ミヤの実況が続けられる。

 

『ステージでは、いきなりのサーヤの脱落! これでラミーラビリンスwithサーヤは、残り2人で勝ち進まなければならないぞ! 生き残りを賭けたウォールトライメイズ! ここから、どんな展開を見せてくれるのか!』

 

迷宮内では、参加している16チームの面々が走り、課題を解き、ファイトを行っていた。

その中の1人であるクロノもまた、ファイトを行っているところだった。

 

「ヴァンガードでアタック!」

 

丁度、終わったところだったようだ。

デッキを片付け、相手と握手をしたクロノは、勝者が進むべき道を進んだ。

 

「長いなぁ、この迷路」

 

ボヤキながらも走っていると、また開けた場所に出た。

 

「それにしても、この迷路どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ。何処だっけ?」

 

真ん中に設置されたファイトテーブルに近づき、相手を待っていると突然笑い声が響いた。

 

「誰だ!?」

 

周りを見渡しても誰も居ない。

クロノの警戒心は高くなる。

 

「誰だと言われても答える者はそうはいない。しかし、貴様には分かるはずだ。闇の儀式を乗り越えた貴様には」

 

先ほどの声がまた響く。

その言葉にクロノは困惑し始めた。

 

「闇の、儀式?」

 

「そう! 貴様を試練へと導いた儀式だ! 確か、5年ほど前だったか?」

 

その言葉を聞いてもクロノは頭を悩ませる。

 

「ええい! 忘れたのか! ならば、答えを見せてやる!」

 

バサァと大きな音が響く。

その音のほうを振り向くと、マントらしきものが舞い上がっており、その下には人影があった。

クロノはその人影を見て、驚きながら指を差した。

 

「ぶ、ブラド三世!?」

 

そして大きな声で相手の名を叫んだ。

その答えに満足したのか、その男、ブラド三世は高らかに笑った。

 

「あっはっはっはっは。久しぶりだな、ブラド四世」

 

クロノは頭からズッコケた。

 

「誰がブラド四世だ! それは断っただろ!」

 

顔を上げながらクロノは5年前に初めてブラド三世に出会った日のことを思い出していた。

ブラド三世。

本名、山田一郎はドラエン地区にて自身の家を改造したアトラクションのようなものを使ってクエストを発注している、闇の使徒を自称している人物だ。

ようするに厨二病を患ったまま大人になってしまったいt……ゲフンゲフン、残念な大人である。

そんな彼のクエストは高難易度で知られており、当時高いポイントを求めていたクロノが挑戦したことで知り合ったのである。

ちなみに、クロノはそのクエストを1人では苦戦してしまい、シオンとトコハの協力の下、クリアすることができたことで、傷心のクロノが2人と和解することができた経緯がある。

 

「何を言う! 我が闇の試練を突破し、このわたしを倒した君こそ、ブラド四世に相応しいではないか!」

 

要するに、そのクエストをクリアしたクロノを気に入り、後継者と称して、自分が自称する名を継承させようとしたのだ。

その時はクロノが断ったうえで逃げ出したため事なきを得たが、今回は逃げられそうに無い。

 

「さあ、私とファイトだ! 今度こそ君にブラド四世の名を継いでもらう!」

 

既にブラド三世は臨戦態勢だが、ここでクロノは疑問に気づく。

 

「それよりも、ブラド三世出場してたんだな。俺2日目見てたけど気づかなかったぞ」

 

ファーストステージではクリアした時点でそのチームを紹介するため、外から見ていたクロノはブラド三世がチーム紹介の際にいなかったことを知っているのだ。

……喧嘩していたときを除いて。

 

「それはな、丁度2日目のときに実家で仕事をしなければならなかったのだ。2日目にはチームの予備メンバーを出撃させていた。だから気づかなかったのだろうな」

 

「予備メンバー!?」

 

補足すると、この大会のチームは3人1チームだが、なんらかの事情により予定が合わない人が出た時のために補欠メンバーを2人まで登録していいのだ。

社会人となると果たさなければならない責任があるため、このルールが適応されたのだ。

クロノが気づかなかったのも仕方が無いだろう。

 

「しかも仕事って……」

 

「実はな、このステージは、我のアイデアなのだ!」

 

「なっ! なんだってーぇ!」

 

ブラド三世の実家のクエストは、カムイが知っていたようにドラエン地区内では有名なので、マモルが直々に以来しに行ったらしい。

それで最終的に完成したのが、このステージなのだ。

事実に驚くクロノをよそに、ブラド三世は高笑いをした。

 

「つまりだ、このステージの突破者は、我が闇の儀式を突破したも同然! そして、この私に出会えたのは、君が初めてだ! やはり君こそブラド四世の名にふさわしい!」

 

参加者側にも関わらず勝手なことを堂々と言うブラド三世にクロノは何も言えずに絶句してしまう。

 

「はっはっは! さあ、真の闇の儀式の開幕だ! ファイトだ! ブラド四世!」

 

「ええい! こうなったら自棄だ! 俺が勝ったら、ブラド四世の名は返上させて貰うからな! 2度とそう呼ぶなよ!」

 

「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

自然な流れでファイトが始まった。

 

「《ヴァーミリオン・ゲートキーパー》!」

 

「《クロノ・ドラン・Z》!」

 

クロノはドランに憑依してブラド三世のダークイレギュラーズを迎え撃つ。

ブラド三世はニヤリと笑いながらカードを引いた。

 

「我がターン。ライド、《キリング・ドールマスター》。ヴァーミリオン・ゲートキーパーのスキル。ソウルチャージ(以下SC)1」

 

一郎手札:5→6→5枚

一郎デッキ:44→43→42枚

キリングソウル:1→2

SC:ヴェアティーゲル・プリュンダーラー

 

FV(ファーストヴァンガード)候補カードの多くは先駆と呼ばれるライドされるとソウルからR(リアガード)にコールできるスキルを持つが、例外もある。

ヴァーミリオン・ゲートキーパーは逆にソウルに止まり、ソウルを増やすスキルを持つ。

ダークイレギュラーズのスキルの発動をサポートするためのカードなのだ。

 

「キリング・ドールマスターをコール」

 

一郎手札:5→4枚

 

「ターンエンドだ」

 

一郎ダメージ:0

一郎手札:4枚

キリングソウル:2

一郎デッキ:42枚

一郎ドロップ:0

〈 〉〈キ〉〈 〉

〈キ〉〈 〉〈 〉

 

ブラド三世は次のターンの布石を打ちながらクロノにターンを渡した。

 

「俺のターン、ドロー! ライド、《刻獣 リボルバー・ドラコキッド》! ドランは先駆で移動!」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:44→43枚

リボルバーソウル:1→0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

クロノもブラド三世の実力を知っているからこそ、強く警戒しながらも堅実な手を取った。

 

「バトルに入るぞ! リボルバー・ドラコキッドでヴァンガードにアタック!」

 

リボルバー+ドランパワー:7000+5000=12000

 

「ノーガードだ」

 

序盤からガードする必要はないと、ブラド三世は笑いながら宣言した。

 

「ドライブチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・G(なし)

クロノデッキ:43→42枚

クロノ手札:5→6枚

 

「わはははは! ダメージチェックだ!」

 

悪夢の国のモノクローム(醒)

一郎デッキ:42→41枚

一郎ダメージ:0→1

 

ブラド三世は無駄トリガーが出たにも関わらず、顔色1つ変えることなくダメージゾーンに置いた。

そんな様子にクロノは引いてしまう。

 

「……ターンエンド」

 

一郎ダメージ:1

一郎手札:4枚

キリングソウル:2

一郎デッキ:41枚

一郎ドロップ:0

〈 〉〈キ〉〈 〉

〈キ〉〈 〉〈 〉

 

クロノダメージ:0

クロノ手札:6枚

リボルバーソウル:0

クロノデッキ:42枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

そんなクロノの様子に気づくことなく、ブラド三世はファイトを続ける。

 

「我がターン、ドロー! ライド、《トラジック・クロー》!」

 

一郎手札:4→5→4枚

一郎デッキ:41→40枚

 

「メインフェイズ開始時に、キリング・ドールマスターのスキル発動! このカードをソウルに送り、SC2!」

 

トラジックソウル:3→4→6

一郎デッキ:40→38枚

SC:ヒステリック・シャーリー、夜明けへと進む者 シャルハロート

 

「《ヴェアティーゲル・プリュンダーラー》をコール。ここでトラジック・クローのスキルが発動する。同じ縦列に他のカードがコールされた時、SC1だ」

 

一郎手札:4→3枚

一郎デッキ:38→37枚

トラジックソウル:6→7

SC:純愛のサキュバス

〈 〉〈ト〉〈 〉

〈 〉〈ヴ〉〈 〉

 

場と手札のカードを消費させながらも、3ターン目で一気にソウルを溜めるブラド三世。

ダークイレギュラーズの特性を理解し、ソウルを溜めることに特化している彼のデッキだからこそできることだ。

 

「ではこのままバトルだ! ヴェアティーゲル・プリュンダーラーでブーストしたトラジック・クローでヴァンガードにアタック!」

 

トラジック+プリュンダーラーパワー:9000+7000=16000

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック!」

 

夜明けへと進む者 シャルハロート(なし)

一郎デッキ:37→36枚

一郎手札:3→4枚

 

「ダメージチェック」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノデッキ:42→41枚

クロノダメージ:0→1

 

攻撃こそ平凡だが、ファイトはまだ始まったばかり。

警戒心を高めながらも、クロノは自分のファイトを進めていく。

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:6枚

リボルバーソウル:0

クロノデッキ:41枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

一郎ダメージ:1

一郎手札:4枚

トラジックソウル:7

一郎デッキ:36枚

一郎ドロップ:0

〈 〉〈ト〉〈 〉

〈 〉〈ヴ〉〈 〉

 

「俺のターン、スタンド&ドロー! ライド! 《刻獣 メタルパーティ・ドラゴン》! ドランのスキル! バインドして、山札の上5枚を確認。G3かG1を手札に! 俺は《クロノジェット・ドラゴン・Z》を手札に!」

 

クロノ手札:6→7→6→7枚

クロノデッキ:41→40→39枚

クロノバインド:0→1

 

クロノのFV、ドラン・Zは仲間を呼び集める能力を持ったカードだ。

これにより、クロノの手札にはクロノジェットが2枚あることになる。

次のターン、クロノは問題なく超越が行えることを意味する。

 

「このままバトル! メタルパーティでヴァンガードにアタック!」

 

メタルパーティパワー:10000

 

ブラド三世と違い、クロノは大きく動くことなく、メインフェイズを終えた。

ジェネレーションブレイク(GB)が要求されるギアクロニクルが動き出すのは次のターンからだ。

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック」

 

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:39→38枚

クロノ手札:7→8枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガードだ!」

 

メタルパーティパワー:10000→15000/☆2

 

「なんと! ダメージチェック」

 

ベイルファル・リプレッサー(なし)

独眼のサキュバス(☆)

一郎デッキ:36→34枚

一郎ダメージ:1→3

 

「ぬう!」

 

クリティカルによる2ダメージの上に、2度目の無駄トリガー。

流石にこれにはブラド三世も顔をゆがめて残念がる。

 

「ターンエンドだ」

 

一郎ダメージ:3

一郎手札:4枚

トラジックソウル:7

一郎デッキ:34枚

一郎ドロップ:0

〈 〉〈ト〉〈 〉

〈 〉〈ヴ〉〈 〉

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:8枚

メタルパーティソウル:1

クロノデッキ:38枚

クロノドロップ:0

クロノバインド:1

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー! ライド、《夜明けへと進む者 シャルハロート》!」

 

一郎手札:4→5→4枚

一郎デッキ:34→33枚

 

ブラド三世がG3ユニットにライドした。

だからこそできる動きにブラド三世は入る。

 

「トラジック・クローと《独眼のサキュバス》を同じ列にコール! トラジック・クローでSC1!」

 

一郎手札:4→2枚

一郎デッキ:33→32枚

シャルハロートソウル:8→9

SC:フライング・ライブラリアン

〈 〉〈シ〉〈ト〉

〈 〉〈ヴ〉〈サ〉

 

「さあ、バトルだ! 独眼のサキュバスのブースト、トラジック・クローでヴァンガードにアタック!」

 

トラジック+サキュバスパワー:9000+4000=13000

 

ブラド三世のブーストしたカードはシャルハロート専用のクリティカルトリガー。

よくある攻撃方法に対し、クロノは冷静に判断した。

 

「《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》でガード!」

 

メタルパーティ+メリーブロックシールド:10000+5000=15000

クロノ手札:8→7枚

クロノドロップ:0→1

 

ガードされたことを見たブラド三世は、次の攻撃に移った。

 

「ヴェアティーゲル・プリュンダーラーでブーストしたシャルハロートでアタック! 独眼のサキュバスのスキル発動! ソウルに送り、1枚ドロー。シャルハロートのパワー+5000!」

 

シャルハロートソウル:9→10

一郎デッキ:32→31枚

一郎手札:2→3枚

シャルハロートパワー:11000→16000

シャルハロート+プリュンダーラーパワー:16000+7000=23000

 

独眼のサキュバスによる攻撃力と手札とソウルの補強。

5ターン目からこれが行えるのは独眼のサキュバスとその互換カードの最大の長所だ。

 

「ノーガード」

 

ダメージに余裕のあるクロノは、ここでコスト確保のノーガード宣言。

 

「ツインドライブ」

 

絶縁の堕天使 アクラシエル(なし)

アモンの眷族 アビズム・ラスト(治)

一郎デッキ:31→29枚

一郎手札:3→5枚

 

「ゲット、ヒールトリガー! ダメージ1回復するぞ!」

 

一郎ダメージ:3→2

一郎ドロップ:0→1

 

攻撃力アップは無駄なので処理せずに、クロノ側のダメージステップに移行させた。

 

「ダメージチェック」

 

クロノスピン・サーペント(なし)

クロノデッキ:38→37枚

クロノダメージ:1→2

 

「ターンエンドだ」

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:7枚

メタルパーティソウル:1

クロノデッキ:37枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

一郎ダメージ:2

一郎手札:5枚

シャルハロートソウル:10

一郎デッキ:29枚

一郎ドロップ:1

〈 〉〈シ〉〈ト〉

〈 〉〈ヴ〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー! 掴みたい未来のために、魂を震わせろ! ライド! 《クロノジェット・ドラゴン・Z》!」

 

クロノ手札:7→8→7枚

クロノデッキ:37→36枚

 

6ターン目、クロノは愛用のクロノジェットにライドした。

ここから超越が可能となる。

 

「クロノジェットZのスキル! 超越コストを、ドロップゾーンのG3十二支刻獣をバインドするに変更する! ドロップゾーンでG3扱いのメリーブロックをバインド! ストライド・ジェネレーション! 《超刻獣 スプリット・ペガサス》!」

 

クロノドロップ:1→0

クロノバインド:1→2

クロノGB:0→1

 

「超越スキル! SB(ソウルブラスト)1で、ヴェアティーゲル・プリュンダーラーを山札に戻して、そのカードよりもグレードが1つ高い十二支刻獣をコールする! 俺は2体目のメタルパーティをS(スペリオル)コール!」

 

スプリットソウル:2→1

SB:刻獣 リボルバー・ドラコキッド

クロノドロップ:0→1

一郎デッキ:29→30枚

クロノデッキ:36→35枚

 

手札を消費することなく、相手のカードを除去し、自分は展開する、クロノのお決まりパターンが決まった。

当然、彼の展開はまだ終わっていない。

 

「スプリット・ペガサスのスキルをCB(カウンターブラスト)1とGゾーンのカードを表にして発動! メタルパーティを山札に戻し、このカードより、グレードが1つ低いカードを2体コールする! 《刻獣 トランジット・ドラゴン》2体をSコールだ!」

 

クロノダメージ:2(裏0→1)

クロノGB:1→2

クロノデッキ:35→36→34枚

〈 〉〈ス〉〈 〉

〈ト〉〈 〉〈ト〉

 

クロノはここで先ほど表にしたGユニットを指差した。

 

「Gゾーンの表のスプリット・ペガサスの永続スキルで、前列の十二支刻獣のパワー+1000!」

 

スプリットパワー:26000→27000

 

「さらに、《クロノジェット・ドラゴン・G》、《ドキドキ・ワーカー》をコール!」

 

クロノ手札:7→5枚

クロノジェットGパワー:11000→12000

〈ド〉〈ス〉〈G〉

〈ト〉〈 〉〈ト〉

 

展開が終わったクロノは、すかさずバトルフェイズに入った。

 

「バトルだ! ドキドキ・ワーカーでトラジック・クローにアタック!」

 

ドキドキ+トランジットパワー:4000+7000=11000

 

Rのトラジック・クローを狙われたことにブラド三世は頭を抱える。

ノーコストでSCを行えるトラジック・クローは、ブラド三世にとって残しておきたいカードだったからだ。

 

「だが、ここはノーガード!」

 

一郎ドロップ:1→2

 

あえて手札を切る必要も無いと言わんばかりにこの攻撃は通った。

ドロップゾーンにカードが置かれるのを見たクロノは、次の行動に移った。

 

「トランジットのスキル。アタック終了時に、ソウルに送り、1枚ドロー!」

 

スプリットソウル:1→2

クロノデッキ:34→33枚

クロノ手札:5→6枚

 

「スプリット・ペガサスで、ヴァンガードにアタック! ドキドキ・ワーカーをソウルに送り、1枚ドロー! スプリット・ペガサスのパワー+5000!」

 

スプリットソウル:2→3

クロノデッキ:33→32枚

クロノ手札:6→7枚

スプリットパワー:27000→32000

 

前のターン、ブラド三世が使った独眼のサキュバスと全く同じ効果をクロノも使用する。

 

「ノーガード」

 

「トリプルドライブ!」

 

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

スチームテイマー アルカ(なし)

刻獣 ボンバード・ホッグ(☆)

クロノデッキ:32→29枚

クロノ手札:7→10枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはクロノジェットG、クリティカルは、ヴァンガード!」

 

クロノジェットGパワー:12000→17000

スプリット:☆2

 

「ダメージチェック」

 

フライング・ライブラリアン

ヒステリック・シャーリー(引)

一郎デッキ:30→28枚

一郎ダメージ:2→4

 

「ドロートリガーだ。1枚ドローし、ヴァンガードにパワーを与える!」

 

一郎デッキ:28→27枚

一郎手札:5→6枚

シャルハロートパワー:11000→16000

 

ブラド三世は2度目のクリティカルトリガーによる2ダメージを受けたが、ドロートリガーを引いたことで攻撃を防ぎやすくなった。

 

「クロノジェットGでヴァンガードにアタック!」

 

クロノジェットG+トランジットパワー:17000+7000=24000

 

トリガーのおかげで、1万で防げる攻撃だが、ブラド三世はあえて手札を切った。

 

「Gガーディアン! 《偽りの闇翼 アグラド・バト・マラト》! SC2、ソウルが6枚以上なためシールド+5000だ!」

 

一郎手札:6→5枚

一郎ドロップ:2→3

一郎GB:0→1

一郎デッキ:27→25枚

シャルハロートソウル:10→12

SC:アモンの眷族 アビズム・ラスト、悪夢の国のモノクローム

アグラドシールド:15000→20000

シャルハロート+アグラドシールド:16000+20000=36000

 

ソウルも、GB(ジェネレーションブレイク)も増えた。

ブラド三世の反撃の準備はこれで整ったことになる。

 

「……トランジットのスキルで1枚ドロー」

 

スプリットソウル:3→4

クロノデッキ:29→28枚

クロノ手札:10→11枚

 

対するクロノも最後のトランジットで手札を整え、防御の布陣をしいた。

 

「ターンエンド」

 

一郎ダメージ:4

一郎手札:5枚

シャルハロートソウル:12

一郎デッキ:25枚

一郎ドロップ:3

一郎GB:1

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノダメージ:2(裏1)

クロノ手札:11枚

クロノジェットソウル:4

クロノデッキ:28枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:2

クロノGB:2

〈 〉〈Z〉〈G〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「我がターン! スタンド&ドロー! 《純愛のサキュバス》を自信のスキルで超越コストとして、Gゾーン、解放! 光をも飲み込む闇があると知れ! ストライドジェネレーション! 《魂を狩る者 バラム》!」

 

一郎手札:5→6→5枚

一郎デッキ:25→24枚

一郎ドロップ:3→4

一郎GB:1→2

 

「げっ!」

 

ブラド三世は、前回使用した忌まわしき者 ジル・ド・レイと近い能力を持つカードであるバラムだった。

ちなみにクロノは知らないが、伊吹がガスティールと戦った際に使われたカードでもある。

ただ、効果は知っているので、クロノは顔を青くしてしまう。

 

「まずは超越スキルにより、SC2し、ソウルの深闇持ちを手札に加え、手札1枚をソウルに置く。私は《絶縁の堕天使 アクラシエル》を手札に戻す」

 

一郎デッキ:24→22枚

バラムソウル:12→14→13→14

SC:フロスティ・スティープル、絶縁の堕天使 アクラシエル

一郎手札:5→6→5枚

 

これでブラド三世の手札にはこれで完全ガードが2枚。

手札の数にもよるが、クロノは4回以上攻撃しなければ、ブラド三世にとどめをさせなくなってしまった。

 

「トラジック・クローをコール。さらに、同列に《悪夢の国のモノクローム》をコール。トラジック・クローでSC1。深闇でパワー+2000だ」

 

一郎手札:5→3枚

一郎デッキ:22→21枚

バラムソウル:14→15

SC:夜明けへと進む者 シャルハロート

〈ト〉〈バ〉〈 〉

〈モ〉〈 〉〈 〉

トラジックパワー:9000→11000

 

「バラムのスキルをCB1とGゾーンの同名カードを表にして発動。相手のR。今回はクロノジェットGを選択し、そのパワーを得る。さらにドライブ+1し、選択したユニットは退却だ。そして、Gゾーンの表のカード1枚につきSC2、合計SC6できるが、今回はしない」

 

一郎ダメージ:4(裏0→1)

一郎GB:2→3

バラムパワー:26000→37000

クロノドロップ:1→2

 

バラムのSCは任意効果。

ブラド三世は、既にソウルが十分にあると判断し、デッキの枯渇を防ぐためにSCを行わない選択をしたのだ。

 

「モノクロームのスキル発動。このカードを山札の上に置いてシャッフル。SC1、CC(カウンターチャージ)1。ソウルが10枚以上のため、1枚ドロー」

 

一郎デッキ:21→22→21→20枚

バラムソウル:15→16

SC:ヴェアティーゲル・プリュンダーラー

一郎ダメージ:4(裏1→0)

一郎手札:3→4枚

 

「さらに、《ベイルファル・リプレッサー》をコール」

 

一郎手札:4→3枚

〈ト〉〈バ〉〈ベ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノはブラド三世が出したカードに見覚えがあり、一層警戒心を強くした。

 

「さあ、バトルだ! バラムのGB3! ソウルが13枚以上あるため、このターンお前はG1をコールすることができない!」

 

これでクロノの手札の完全ガードは全てのバトルで使用不可能になった。

 

「トラジック・クローでヴァンガードにアタック!」

 

トラジックパワー:11000

 

「《刻獣 スピアヘッド・ユニコーン》でガード!」

 

クロノ手札:11→10枚

クロノドロップ:2→3

クロノジェット+スピアヘッドシールド:11000+5000=16000

 

クロノは攻撃性能が高いG2をガードに出した。

ターン指定のガード制限は、相手に余計なカードの消費すらも防ぐ、非常に強力な効果なのだ。

 

「では、バラムでアタックだ!」

 

バラムパワー:37000

 

通常ならば、ヴァンガードの攻撃は完全ガードで防ぎたいところだ。

しかし、クロノはガード制限によって、それができない。

ここでクロノが取った行動は――

 

「ノーガード」

 

3回クリティカルトリガーが出る可能性も考えながらもガードしないことだった。

 

「クアドラプルドライブ!」

 

独眼のサキュバス(☆)

一郎デッキ:20→19枚

一郎手札:3→4枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはベイルファル・リプレッサーに。クリティカルはヴァンガードだ!」

 

ベイルファルパワー:9000→14000

バラム:☆2

 

「セカンドチェック」

 

ヒステリック・シャーリー(引)

一郎デッキ:19→18枚

一郎手札:4→5枚

 

「ゲット、ドロートリガー! パワーはベイルファル・リプレッサーに、1枚ドロー!」

 

ベイルファルパワー:14000→19000

一郎デッキ:18→17枚

一郎手札:5→6枚

 

「サードチェック!」

 

フライング・ライブラリアン(なし)

一郎デッキ:17→16枚

一郎手札:6→7枚

 

「ファイナルチェック!」

 

純愛のサキュバス(なし)

一郎デッキ:16→15枚

一郎手札:7→8枚

 

トリガーは4枚中2枚。

クリティカルトリガーが出たため、クロノはダメージを2つ受けた。

 

「ダメージチェック!」

 

クロノスピン・サーペント(なし)

刻獣 リボルバー・ドラコキッド(なし)

クロノデッキ:28→26枚

クロノダメージ:2→4(裏1)

 

「ベイルファル・リプレッサーでヴァンガードにアタック! ソウルが8枚以上なため、スキルにより、パワー+10000! G0でガードできない!」

 

ベイルファルパワー:19000→29000

 

これでクロノは手札からのコールを実質封じられたことになる。

 

「だけど! 手札以外のコールは封じてない! Gガード! 《刻獣守護 イリシュ》! SB1でスキル発動! バインドゾーンが1枚以上あるため、シールド+5000!」

 

クロノ手札:10→9枚

クロノドロップ:3→4→5

クロノGB:2→3

クロノジェットソウル:4→3

SB:ドキドキ・ワーカー

イリシュシールド:15000→20000

クロノジェット+イリシュシールド:11000+20000=31000

 

バラムとベイルファル・リプレッサーのスキルの穴をついて、クロノは攻撃を防ぎきった。

これでブラド三世の攻撃は全て終了したことになる。

 

「ターンエンドだ」

 

クロノダメージ:4(裏1)

クロノ手札:9枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:26枚

クロノドロップ:5

クロノバインド:2

クロノGB:3

〈 〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

一郎ダメージ:4

一郎手札:8枚

シャルハロートソウル:16

一郎デッキ:15枚

一郎ドロップ:4

一郎GB:3

〈ト〉〈バ〉〈ベ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「俺のターン! スタンド&ドロー! (ここでギアネクストを出すのがセオリーだけど。あの人の手札には完全ガードが2枚あるんだよな~。ドライブ5回で突破できるかな?)」

 

クロノ手札:9→10枚

クロノデッキ:26→25枚

 

クロノは迷っていた。

ブラド三世の手札には、クロノが知らないカードが2枚あり、これがヒールトリガーならこのターンの攻撃を防ぎきられる可能性が高いからだ。

 

「(確実性は無いが、ここは……)クロノジェットGをバインド! ストライド・ジェネレーション! 《超刻龍 ミステリーフリーズ・ドラゴン》! Gゾーンのスプリット・ペガサスのスキルにより、パワー+2000だ!」

 

クロノドロップ:5→4

クロノバインド:2→3

クロノGB:3→4

ミステリーフリーズパワー:26000→28000

 

ここでクロノが選んだのは、確実性こそ無いが複数枚のガード制限が行えるミステリーフリーズだった。

これで確実にヴァンガードの攻撃を通す作戦なのだろう。

 

「超越スキルでベイルファル・リプレッサーを山札の下に! 《刻獣 オビュラシー・オックス》をSコール!」

 

ミステリーフリーズソウル:3→2

SB:刻獣 トランジット・ドラゴン

クロノドロップ:4→5

一郎デッキ:15→16枚

クロノデッキ:25→24枚

オックスパワー:11000→13000

 

「オビュラシー・オックスはGゾーンの表のカード1枚につき、パワー+1000される。さらに、《刻獣 ボンバード・ホッグ》をコール」

 

オックスパワー:13000→16000

クロノ手札:10→9枚

〈 〉〈ミ〉〈オ〉

〈ボ〉〈 〉〈 〉

 

「ミステリーフリーズのスキルをCB2で発動! 山札をシャッフルして、上4枚をバインド。バインドされたグレートのカードを相手はこのカードのアタック時にコールできない!」

 

クロノダメージ:4(裏1→3)

クロノデッキ:24→20枚

刻獣 クルージング・ドラゴン(G2)、スチームテイマー アルカ(G1)、刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(G2)、ドキドキ・ワーカー(G0)

クロノバインド:3→7

 

クロノのデッキからバインドされたのは、G2が2枚とG1とG0が1枚ずつ。

これでブラド三世は、ミステリーフリーズの攻撃をGガーディアンとインターセプトで防がなければならなくなった。

追加効果もあるのだが、今回は不発である。

 

「ここで、ボンバード・ホッグのスキル発動。このユニットをバインドして、CC1」

 

クロノバインド:7→8

クロノダメージ:4(裏3→2)

 

「メタルパーティ、メリーブロック、《刻獣 ヒュプノシス・シープ》をコール!」

 

クロノ手札:9→6枚

〈メ〉〈ミ〉〈オ〉

〈メ〉〈 〉〈ヒ〉

メタルパーティパワー:10000→12000

 

「オビュラシー・オックスのスキル。CB1で永続効果と同じ分だけ、パワーを上げる」

 

クロノダメージ:4(裏2→3)

オックスパワー:16000→19000

 

これでメインフェイズを終えたクロノは、バトルフェイズへと移行した。

 

「メタルパーティでヴァンガードにアタック。メリーブロックのスキル。他の十二支刻獣1枚につき、パワー+2000。合計+8000!」

 

メリーブロックパワー:7000→15000

メタルパーティ+メリーブロックパワー:12000+15000=27000

 

攻撃後のデメリットはあるものの、強力な効果によりガードが難しい数値になった。

 

「アクラシエルで完全ガード! コストはソウルに送られる」

 

一郎手札:8→6枚

シャルハロートソウル:16→17

一郎ドロップ:4→5

 

ここでブラド三世は完全ガードを切った。

ヴァンガードの攻撃をトリガーなしで受けるつもりなのだろう。

 

「アタック終了時、メタルパーティのスキル。CB1を払い、自身をバインドすることで、バインドゾーンからG3とG1のカードを同じ縦列にコールする。俺は、クロノジェットGとメリーブロックをSコール! 残ったメリーブロックは上書きされる!」

 

クロノダメージ:4(裏3→4)

クロノバインド:8→9→7

クロノドロップ:5→6

〈G〉〈ミ〉〈オ〉

〈メ〉〈 〉〈ヒ〉

クロノジェットGパワー:11000→13000

 

「オビュラシー・オックスでヴァンガードにアタック!」

 

オックス+ヒュプノシスパワー:19000+4000=23000

 

「独眼と純愛のサキュバスでガードだ!」

 

一郎手札:6→4枚

一郎ドロップ:5→7

シャルハロート+独眼+純愛シールド:11000+10000+5000=26000

 

続く攻撃も防がれてしまう。

しかし、これでブラド三世の手札は半分になってしまった。

 

「ミステリーフリーズでヴァンガードにアタック!」

 

ミステリーフリーズパワー:28000

 

ガード制限が行われている攻撃がブラド三世を襲う。

ここでノーガードを行っても、クリティカルトリガーが1枚でも出れば彼の負けとなる。

 

「Gガード! 《断絶の医学 ヴィンセント》! Gゾーンの裏のカードを表にし、SC1! ソウル5枚につき、シールド+5000となる!」

 

一郎手札:4→3枚

一郎ドロップ:7→8

一郎GB:3→4→5

一郎デッキ:16→15枚

シャルハロートソウル:17→18

SC:フロスティ・スティープル

ヴィンセントシールド:15000→30000

シャルハロート+ヴィンセントシールド:11000+30000=41000

 

ブラド三世は、持っていたヒールトリガーがGガーディアンを呼び出した。

ソウルが18枚であったため、上昇したシールド値は15000。

トリガー3枚で貫通する数値である。

 

「さらにトラジック・クローでインターセプトだ!」

 

一郎ドロップ:8→9

シャルハロート+ヴィンセント+トラジックシールド:11000+30000+5000=46000

 

「防がれたか。トリプルドライブ!」

 

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

刻獣 ヒュプノシス・シープ(醒)

クロノデッキ:20→18枚

クロノ手札:6→8枚

 

「ゲット! スタンドトリガー! 効果は全て、オビュラシー・オックスへ!」

 

オックスパワー:19000→24000

 

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:18→17枚

クロノ手札:8→9枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! 効果は全て、オビュラシー・オックスへ!」

 

オックスパワー:24000→29000/☆2

 

攻撃終了の処理を行った後、クロノはスタンドトリガーとクリティカルトリガーの組み合わせにより、高い攻撃力を得たオビュラシー・オックスで再びヴァンガードに攻撃を行った。

 

オックスパワー:29000/☆2

 

「くっ。もう1度完全ガードだ!」

 

一郎手札:3→1枚

シャルハロートソウル:18→19

一郎ドロップ:9→10

 

「クロノジェットGでアタック!」

 

メリーブロックパワー:7000→15000

クロノジェットG+メリーブロックパワー:13000+15000=28000

 

「これで終わりか……。ノーガード! ダメージチェックを行う!」

 

絶縁の堕天使 アクラシエル(なし)

一郎デッキ:15→14枚

一郎ダメージ:4→5

 

残念ながらトリガーは無く、ただダメージが増えるだけだった。

それでも安心しているブラド三世にクロノは笑いながら話しかけた。

 

「俺の攻撃は、まだ終わってないぞ。メリーブロックはバトル終了時にバインドゾーンに送られるけど、その前にヒュプノシス・シープのスキル。このカードをソウルに送り、メリーブロックを山札の下に送ることで、ユニット1枚をスタンドさせる!」

 

「なっ!」

 

ブラド三世が驚くなか、その効果は処理される。

クロノがスタンド対象に選んだのは、オビュラシー・オックスだった。

 

ミステリーフリーズソウル:2→3

クロノデッキ:17→18枚

 

「オビュラシー・オックスで3度アタック!」

 

オックスパワー:29000/☆2

 

オビュラシー・オックスの3度目の攻撃がシャルハロートに襲い掛かる。

要求されるシールドの数値は2万。

つまりブラド三世の手札にヒールトリガーがあれば防がれることになる。

この最後の攻撃に対してブラド三世は――

 

「……ここまでか……ノーガードだ! 来い! 新導クロノ!」

 

高らかに宣言し、攻撃を受け、デッキをめくった。

 

夜明けへと進む者 シャルハロート(なし)

一郎デッキ:14→13枚

一郎ダメージ:5→6

クロノWIN

 

ヒールトリガーが出ることも無く、ファイトはクロノの勝利で終わった。

しかし、そこに悲惨な空気はなかった。

 

「はっはっはっはっ! 流石だな! この私を倒すとは!」

 

むしろ嬉しそうに笑うブラド三世の姿があった。

 

「はぁ。通ってよかったぜ。やっぱアンタ強いよ。ブラド三世」

 

対してクロノは、無事に勝てたことに安堵し、項垂れていた。

端から見ると、どちらが勝ったのか分からない光景である。

 

「う~む。やはり、そなたこそ闇の後継者に相応しい。どうだ? ブラド四世、継いでみないか?」

 

「断る!」

 

再びの勧誘に、クロノは今度こそはとハッキリとその勧誘を蹴った。

 

「しかし! そなたはソウルを巧みに操っていたではないか!」

 

「SCはやってないからな! 大体ギアクロはダークゾーン組の中でも異色だろ!」

 

それでもと勧誘を続けるが、クロノもユニット設定も生かして断り続ける。

このままでは平行線だ。

 

「ぬぬぬぬ。仕方が無い。今回は私の負けだ。おとなしく引き下がろう」

 

扉が開く音が鳴り響いたところで、悔しそうにブラド三世は引き下がる。

その反応に、クロノはホッとしてしまう。

しかし――

 

「私の後を継ぎたいのであれば、我が屋敷の門を開けると良い! 私はいつでも待っているぞ!」

 

そう言ってブラド三世は自信のルートに戻っていった。

 

「……諦めてねぇ」

 

その姿を見たクロノは、そう呟いて項垂れ、ため息を吐くだけだった。

 

 

 

その頃、別の場所では。

 

「カムイさん……」

 

「よお。次はトコハちゃんが相手か」

 

別の部屋では、トコハとカムイが対峙していた。

ファイトテーブルもあるため、2人がファイトするのだろう。

現にトコハは、デッキを取り出して臨戦態勢だ。

 

「どうしたんですか、カムイさん? 早くファイトしましょうよ」

 

しかし、カムイは動かない。

 

「まあ、待てよ。トコハちゃん。あれ、よく見てみな」

 

そう言ってファイトテーブルを指さすため、トコハも改めてファイトテーブルを見る。

 

「なっ。あれって」

 

「そういうこと」

 

そこに有ったのは、2つ並んだファイトテーブルだった。

 

「つまりここで行われるのは……」

 

「タッグファイト」

 

トコハの呟きに答えるようにカムイは言った。

タッグファイトとは、2人1組で行う特殊ファイトだ。

合計4人いるため、カムイは対戦相手2名と相方の1人を待っていたのだ。

トコハが来たことで、相手チームはトライスリーで、さらにクロノかシオンがくることになる。

 

「それにしても、タッグファイトか~」

 

カムイがため息を吐くように呟いた。

 

「どうかしたのですか?」

 

「いや~。ちょっと苦い思い出があってな」

 

ははは、と笑うカムイの姿にトコハは首をかしげる。

その姿に哀愁が漂っているように見えるのは気のせいだろうか?

そんなとき、トコハの後ろから人の気配が来た。

2人が振り返るとそこには。

 

「か……櫂!」

 

櫂トシキ。

チームQ4、カムイのチームメイトがそこに立っていた。

 

続く。




「ふむ。次は安城が葛木と櫂に挑むのか」

「那嘉神さん。急にメタ発言しないでください。貴方僕に負けましたよね」

「綺場か……。ふっ、貴様も瞳を持つ者だったか」

「意味が分からないことを言わないでください。僕は行きますからね」

次回、第19ターン:不協和音

「行くのなら、1つアドバイスだ。同情と情けは別物だぞ」

「え?」

「行けば分かるさ。行けばな……」


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第19ターン:不協和音

チームQ4のカムイと櫂を相手にタッグファイトを挑むことになったトコハ。
相方がいるとはいえ、恐ろしい強敵を相手にすることは変わりない。
しかし、彼女は、いや、彼女たちは知らなかった。
2人に流れる不穏な空気を。




いや~、とうとう1ヶ月に1度の更新も途切れてしまいました。
2ヶ月ぶりの投稿ですね。
完成が遅れて申し訳ありません。
なんかやる気でないんですよね~。
それでもできるだけ頑張って書いていきます。
でもライフポイントは減り続けているので、回復用に応援してくださると助かります。


「……」

 

「……」

 

「……」(゚-゚;)

 

「…………」

 

「…………」

 

「「………………………………………」」

 

「……クロノ。助けて」(´;ω;`)

 

VF世界大会日本本予選、セカンドステージ。

ウォールトライメイズの1室では、2人の男の睨み合いが半泣き状態の女性が見守る中続けられていた。

いや、正確には睨んでいるのは1人だけ。

もう1人は何も言わずに壁に寄りかかっているだけだった。

 

「「…………」」

 

しかし、その沈黙が女性、トコハにとってはとても重く、耐えられそうに無かった。

 

「」(´;ω;`)

 

「……なんでお前がパートナーなんだよ」

 

そんな沈黙を終わらせたのは、カムイの方だった。

 

「あ~あ。アイチお兄さんが良かったな~」

 

「……」

 

カムイの言葉を櫂は何も言わずに聞き流していた。

そんな2人の態度の理由がトコハには理解できなかった。

 

(どうしてこうなったの?)

 

カムイと櫂は本来なら同じチームメンバーであり、ギーゼを始めとした強敵や犯罪者との戦いでは力を合わせて情報を集めてくれたりしてくれた頼れる人たちと言うのがトコハの印象だった。

しかし、今目の前にいる2人には、そんな雰囲気が微塵も感じられない。

むしろ険悪な関係に見えた。

 

「……櫂」

 

カムイが今にも殴りかかりそうな顔で櫂に近づく。

トコハはその光景を、息を呑みながら見つめる。

 

「何とか言えよ、櫂! お前と……」

 

ついにカムイが櫂の胸元を掴み睨みつける。

そんな時、3人が居る部屋の扉が開いた。

 

「あれ? どうかしたんですか?」

 

扉から出てきたのは、シオンだった。

 

「し、シオ~ン!!」

 

やっとやって来たチームメイト兼親友にトコハは恥ずかしげも無く泣きついた。

よっぽど恐かったらしい。

 

「えっ!? トコハどうしたの!? 僕はクロノじゃないよ」

 

「そんなことどうでもいいの! とにかく、あの2人を止めて!」

 

シオンは服の袖を掴むトコハを引き離そうとするが、トコハの凄い剣幕で指さした方向を見せられ、その理由に納得した。

シオンが見た先に居るカムイは、未だに櫂の胸元を掴んだままだった。

 

「……ちっ」

 

シオンが来たことに気づいたカムイは櫂から手を離して距離を置いた。

 

(さて、状況を見る限り、カムイさんと櫂さんが何かの理由で喧嘩している。で、それが終わっていない状態でこの部屋に辿り着いてしまった、と言ったところか)

 

シオンは冷静に分析しながら自分の後ろに隠れているトコハを見る。

彼女は、いまだにシオンの服の裾を持って震えていた。

 

(裾か。僕がクロノだったら間違いなく抱きついていただろうね。いや、岡崎さんやルーナ、アムでも抱きついていただろうから、男で抱きつくほど自然に体を預けられるのがクロノだけってことか)

 

どこか納得した表情でシオンはトコハから目を離した。

誰かさんの嫉妬に燃えて怒った顔を想像しながら。

 

(それより、この状況をどうするか……)

 

険悪な空気の部屋に頭を悩ませるシオンをよそに、カムイがファイトテーブルの前に立った。

 

「……シオン。トコハちゃん。櫂。さっさと始めようぜ」

 

どう見ても櫂への敵意を隠せていないが、大会を進めるためにもファイトは必須である。

仕方が無いと言わんばかりの態度で3人はファイトテーブルに集まった。

トコハは、シオンが来てくれたおかげか、大分落ち着きを取り戻していた。

 

「シオン。カムイさんをお願いできない? 私はまだちょっと」

 

タッグファイトでは、先攻後攻のみならず、4人中2人が向かい合い、バトルや効果の対象が正面の相手で固定されるルールがある。

多少落ち着いたとはいえ、今のトコハにはカムイと対峙することができなかったのだろう。

 

「分かった。櫂さんの攻撃は激しいと思うけど。頑張って」

 

トコハの願いを承諾したシオンは、カムイの前に。

トコハは櫂の前に立ち、それぞれの手札を構えた。

 

「葛木。やるからには全力だぞ」

 

櫂も手札を整え、カムイの隣りに立つ。

 

「……いくぜ」

 

カムイもまだ気にしているようだが、櫂に対して特に何も答えず、シオンと向き合った。

 

「「「「スタンドアップ!」」」」

 

「「THE!」」

 

「「「「ヴァンガード!!」」」」

 

「《メチャバトラー ビクトヘッド》!」

 

「《瞬きの騎士 ミーリウス》!」

 

「《リザードソルジャー コンロー》!」

 

「《栽植の乙女 オズ》!」

 

4人が一斉にFVを開いた。

最初は、カムイのターンだ。

 

「ドロー。ライド、《メチャバトラー ジェロホーク》! ビクトヘッドは先駆で移動する」

 

カムイ手札:5→6→5枚

カムイデッキ:44→43枚

ジェロホークソウル:1→0

 

「このままターンエンド!」

 

カムイダメージ:0

カムイ手札:5枚

ジェロホークソウル:0

カムイデッキ:43枚

カムイドロップ:0

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

最初のターンを終えたカムイの次は、シオンのターンだ。

 

「僕のターン、ドロー。ライド、《月牙の騎士 フェレックス》。ミーリウスを先駆で移動させる」

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:44→43枚

フェレックスソウル:1→0

 

「ターンエンド」

 

カムイダメージ:0

カムイ手札:5枚

ジェロホークソウル:0

カムイデッキ:43枚

カムイドロップ:0

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

シオンダメージ:0

シオン手札:5枚

フェレックスソウル:0

シオンデッキ:43枚

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

タッグファイトでは、2ターン目でも攻撃ができないため、シオンも特にやることはなくターンを終えた。

次はカムイの隣に立つ櫂の番だ。

 

「俺のターン! ライド! 《リザードジェネラル コンロー》! リザードソルジャー コンローを先駆で移動させて、ターンエンドだ」

 

櫂手札:5→6→5枚

櫂デッキ:44→43枚

コンローソウル:1→0

 

櫂ダメージ:0

櫂手札:5枚

コンローソウル:0

櫂デッキ:43枚

櫂ドロップ:0

〈 〉〈コ〉〈 〉

〈コ〉〈 〉〈 〉

 

櫂もまた、攻撃ができないため、このままターンを終えた。

 

「私のターン、ドロー。ライド、《開墾の戦乙女 パドミニ》! オズを先駆で移動」

 

トコハ手札:5→6→5枚

トコハデッキ:44→43枚

パドミニソウル:1→0

〈 〉〈パ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

タッグファイトでは、攻撃が可能となるのは4ターン目。

つまり、このトコハのターンが最初の攻撃だ。

 

「オズでブースト、パドミニでアタック!」

 

パドミニ+オズパワー:7000+5000=12000

 

最初の攻撃が櫂のヴァンガードに向かった。

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック」

 

幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)

トコハデッキ:43→42枚

トコハ手札:5→6枚

 

攻撃が通ったことで、櫂がダメージステップを処理した。

 

「ダメージチェック」

 

プロテクトオーブ・ドラゴン(なし)

櫂デッキ:43→42枚

櫂ダメージ:0→1

 

「ターンエンドです」

 

櫂ダメージ:1

櫂手札:5枚

コンローソウル:0

櫂デッキ:42枚

櫂ドロップ:0

〈 〉〈コ〉〈 〉

〈コ〉〈 〉〈 〉

 

カムイダメージ:0

カムイ手札:5枚

ジェロホークソウル:0

カムイデッキ:43枚

カムイドロップ:0

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:1

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

パドミニソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈パ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

シオンダメージ:0

シオン手札:5枚

フェレックスソウル:0

シオンデッキ:43枚

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:0

 

これで全員が一通りターンを重ねたことになる。

タッグファイトはこれを繰り返し、ダメージが2人合わせて9ポイントになった方が負けとなる。

 

「俺のターン! ライド! 《メチャバトラー ニンジャード》!」

 

カムイ手札:5→6→5枚

カムイデッキ:43→42枚

 

続くカムイのターン。

G2カードを出したカムイもこのターンから攻撃が可能だ。

 

「このままバトル! ニンジャードでアタック!」

 

ニンジャード+ビクトヘッドパワー:9000+5000=14000

 

「ノーガード」

 

シオンは向かってきた攻撃を受けとめた。

 

「ドライブチェック」

 

メチャバトラー ゴルシャーチ(なし)

カムイデッキ:42→41枚

カムイ手札:5→6枚

 

「ダメージチェック」

 

夢の運び手 ベレヌス(☆)

シオンデッキ:43→42枚

シオンダメージ:0→1

 

「ターンエンドだ」

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

フェレックスソウル:0

シオンデッキ:42枚

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

パドミニソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈パ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

カムイダメージ:0

カムイ手札:6枚

ニンジャードソウル:1

カムイデッキ:41枚

カムイドロップ:0

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:1

 

櫂ダメージ:1

櫂手札:5枚

コンローソウル:0

櫂デッキ:42枚

櫂ドロップ:0

〈 〉〈コ〉〈 〉

〈コ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:1

 

「僕のターン、ドロー。ライド、《せぷとがる》」

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:42→41枚

 

続くシオンはせぷとがるにライド。

さらに手札に手を出した。

 

「せぷとがるのスキル発動。SB1と《神明の騎士 アルトマイル》を公開し、山札からパワー7000の勇敢持ちをコールします。フェレックスをSコール」

 

せぷとがるソウル:1→0

SB:月牙の騎士 フェレックス

シオンドロップ:0→1

シオンデッキ:41→40枚

〈 〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈ミ〉〈 〉

 

「さらに《督励の騎士 アルビオン》をコール」

 

シオン手札:5→4枚

〈ア〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈ミ〉〈 〉

 

(アルビオン?)

 

(ファーストステージでは確認できなかったカードだな)

 

ここでシオンは前回では投入していなかったカードを出した。

これにカムイは疑問を持ち、櫂は警戒心を露わにした。

 

「バトルです。せぷとがるでアタック!」

 

せぷとがる+ミーリウスパワー:9000+5000=14000

 

「ノーガード!」

 

比較的強力な効果を持つミーリウスだが、カムイはあえてノーガード宣言した。

相手のカードが増えることよりも、自分の手札を温存することを選んだのだ。

 

「ドライブチェック」

 

さるーがる(醒)

シオンデッキ:40→39枚

シオン手札:4→5枚

 

「スタンドトリガーゲット。パワーをアルビオンに。スタンドするユニットはいません」

 

アルビオンパワー:9000→14000

 

片方の効果が無駄に終わったものの、アルビオンのパワーが上がり、次の攻撃も通りやすくなった。

 

「ダメージチェック」

 

メガマンマーレディ(引)

カムイデッキ:41→40枚

カムイダメージ:0→1

 

「よっしゃ! ドロートリガーだ。パワーはニンジャードに。1枚引くぜ」

 

カムイデッキ:40→39枚

カムイ手札:5→6枚

ニンジャードパワー:9000→14000

 

「僕も、ここでミーリウスのスキルを発動します。勇敢持ちをブーストしたバトルでダメージを与えたため、自身をソウルに送って、山札の上10枚を確認します。その中にあるアルトマイルを2枚まで選び、1枚を手札に、もう1枚をソウルに送ります。神明の騎士が2枚あったので、それぞれを手札とソウルに」

 

せぷとがるソウル:0→1→2

シオンデッキ:39→37枚

シオン手札:5→6枚

 

互いの手札とパワーが上昇したことで、今回の攻防は痛み分けの結果に終わった。

 

「アルビオンでアタック!」

 

アルビオン+フェレックスパワー:14000+7000=21000

 

「《ザール・ブラウグランツ》でガード!」

 

カムイ手札:7→6枚

カムイドロップ:0→1

ニンジャード+ブラウグランツシールド:14000+10000=24000

 

2度目の攻撃も防がれ、シオンのバトルは終了した。

 

「ターンエンド」

 

カムイダメージ:1

カムイ手札:6枚

ニンジャードソウル:1

カムイデッキ:39枚

カムイドロップ:1

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1

櫂手札:5枚

コンローソウル:0

櫂デッキ:42枚

櫂ドロップ:0

〈 〉〈コ〉〈 〉

〈コ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:2

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:38枚

シオンドロップ:1

〈ア〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

パドミニソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:0

〈 〉〈パ〉〈 〉

〈 〉〈オ〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:1

 

「俺のターン。ライド・ザ・ヴァンガード! 《皇竜騎士 ネハーレン》!」

 

櫂手札:5→6→5枚

櫂デッキ:42→41枚

 

「リザードソルジャー コンローのスキル。CB1でこのユニットを退却。山札からG1以下1枚を手札に加える。《ガトリングクロー・ドラゴン》を手札に」

 

カムイ・櫂ダメージ:2(裏0→1)

櫂ドロップ:0→1

櫂デッキ:41→40枚

櫂手札:5→6枚

 

「ガトリングクロー・ドラゴンをコール。スキルを発動する。葛木、お前のダメージを使わせてもらうぞ」

 

「ちっ」

 

櫂手札:6→5枚

 

櫂の言葉にカムイは全力で舌打ちしながら自身のダメージゾーンのカードを裏にした。

 

カムイ・櫂ダメージ:2(裏1→2)

 

「……葛木。ファイトに集中しろ」

 

カムイの態度に流石に櫂も苦情を発するが、無視されてしまう。

仕方が無いので、櫂はそのままファイトを続行した。

 

「CB1とガトリングクロー・ドラゴンをソウルに送り、相手のG0ユニットを退却させる。オズは退却だ」

 

トコハはまた顔を青くしながらも、オズを退却させた。

 

ネハーレンソウル:1→2

トコハドロップ:0→1

 

「リザードジェネラル コンローをコール。スキル発動。手札のG3カード、《ドラゴニック・オーバーロード》を公開。山札からオーバーロードカードを手札に加え、1枚捨てる。《ドラゴニック・オーバーロード “The Destiny”》を手札に加え、オーバーロードを捨てる」

 

櫂手札:5→4→5→4枚

櫂デッキ:40→39枚

櫂ドロップ:1→2

〈コ〉〈ネ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「《インスパイアエール・ドラゴン》をコール。そして、バトルだ!」

 

櫂手札:4→3枚

〈コ〉〈ネ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

追加でトリガーユニットをコールしたことで、櫂の攻撃ラインは整った。

 

「ネハーレンでヴァンガードにアタック!」

 

ネハーレンパワー:9000

 

「《メイデン・オブ・ゼフィランサス》でガード!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:1→2

パドミニ+ゼフィランサスシールド:7000+10000=17000

 

櫂のヴァンガードにブーストが居ないため、トコハはトリガー1枚で防ぎきることができた。

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー」

 

ドゥームブリンガー・ハイフレイム(なし)

櫂デッキ:39→38枚

櫂手札:3→4枚

 

「インスパイアエールでブースト、コンローでアタック!」

 

コンロー+インスパイアエールパワー:7000+4000=11000

 

「《純潔の乙女 カトリーナ》でガード!」

 

トコハ手札:5→4枚

トコハドロップ:2→3

パドミニ+カトリーナシールド:7000+5000=12000

 

結局、このターン櫂は1ダメージも与えることができなかった。

 

「おい、櫂! 何やってんだ!」

 

ここでカムイが櫂に怒鳴った。

何時もなら激励のようなものだが……

 

「さっき俺にファイトに集中しろとか言ったが、お前こそ、やる気あんのか!?」

 

「「!?」」

 

今日のカムイは攻撃的だった。

これにはシオンもトコハも驚いてしまう。

 

「なんだと……」

 

これには櫂も黙っていない。

 

「何が不満だ。言って見ろ」

 

「ああ!?」

 

まるで煽るようなセリフにカムイもついに本格的にキレてしまう。

 

「……お前のことは……前から気に入らなかったが、今回は許せねえんだよ。お前が……お前が……」

 

なにやら顔を伏せながら震えている。

 

「お前がエミさんに告白されてるにも関わらず、返事を保留にしてることが許せねえんだよ!!!!」

 

「「……えぇ」」

 

ついに出たカムイの本音にシオンもトコハも何とも言えなくなってしまう。

要するに呆れているのだ。

 

「あっ、そう言えばクロノがそんなこと言っていたような」

 

シオンは今更ながらクロノがファーストステージで手に入れた情報を思い出していた。

そんなシオンを無視してカムイは話を続ける。

 

「俺は聞いたからな。さっき、お前がエミさんとファイトした時に邪険にあしらったことを!」

 

カムイが言うには、この部屋に辿り着く前に、たまたま壁の向こう側の声が聞こえたらしい。

数10分前。

 

「櫂さん。ちゃんと寝てます?」

 

「ああ」

 

「公園で寝ないでくださいね」

 

「何故公園なんだ?」

 

「何か困ったことがあれば何時でも相談に乗りますから」

 

「少なくとも今は無いな」

 

カムイはこんな感じにしばらく続いた会話を聞いたのだった。

そして――

 

「櫂さん。私、櫂さんのこと好きですよ」

 

「……そうか」

 

それだけ言って櫂は先に進んだようだ。

回想終了。

 

「許せねえ。エミさんがお前を好きなのもそうだが、それ以上にお前の態度が許せねえ。そんな冷たい態度取るならさっさと振っちまえ!」

 

そんなカムイの語りを聞いたシオンはやはり何とも言えない気持ちでカムイを見ていた。

 

「ふん。お前には関係無い」

 

櫂はやっぱり櫂だった。

この反応に再びカムイが反応しそうになったその時……

 

ドンッ!

 

「「「!?」」」

 

と大きな音が鳴り響いた。

男3人がその音源の場所に振り返ると……そこには、テーブルを叩いたと分かる姿勢のトコハが居た。

 

「カムイさん」

 

「はいっ!」

 

ゆらりと振り向いたトコハに呼ばれ、カムイは思わず姿勢を正して返事をしてしまう。

その姿をシオンと櫂は冷や汗をかきながら見ていた。

 

「嫉妬するのは分かりますが、引っ張りすぎです。ファイトにまで持ち込まないでください」

 

「いや、それは……」

 

そもそも! と有無を言わせずトコハは続ける。

 

「櫂さんに当たるのはお門違いです! 櫂さんがエミさんのことを好きなのかは個人の自由ですが、エミさんが櫂さんのことを好きなのは確かなんですからね! そんなにエミさんが好きなら玉砕覚悟で本気で告白してきてください!」

 

トコハの言葉にカムイは何も言えなかった。

 

「分かりましたか!?」

 

「はい! すみませんでした!!」

 

トコハの迫力にカムイが土下座する勢いで頭を下げて謝った。

 

(トコハは怒ると凄いって、クロノが言ってたけどこういう事なんだ)

 

親友から聞いていたチームメイトの一面を直接見たシオンは戦慄していた。

ファーストステージの時にもライブに対して見せたと聞いていたが、直接見ると予想以上に迫力があったため処理が追いつかなかったらしい。

 

「それと、櫂さん」

 

やっぱり周りを気にせず、トコハは次のターゲットに視線を向けた。

 

「な、なんだ?」

 

櫂さえも深く動揺させるほどトコハの威圧感は凄かった。

櫂がトコハから視線を外しているのは気のせいでは無いだろう。

 

「櫂さんも悪いんですよ。エミさんに対して冷たい態度ばっかり取ってるから、こんな大会にまで態々追いかけて来てしまったんですよ。しかもクミちゃんやナギサさんを巻き込んで。反省してください。カムイさんじゃないですけど、中途半端は駄目ですよぉ」

 

「す、すまん」

 

(櫂さんも飲まれたか)

 

他人事のようにシオンは3人を見ていた。

シオンの目にはトコハからゴゴゴゴゴと言うオーラが見えるのはきっと気のせいでは無い。

 

「櫂さん。謝るのは私ではないですよね?」

 

ニッコリと笑うトコハの背後には、先ほどのオーラが機械仕掛けの竜となっていることが見える。

流石の櫂もトコハの気迫に押されるしかなかった。

 

「か、カムイ。すまなかった」

 

今の櫂に威厳など無い。

 

「い、いや。俺こそ悪かった」

 

謝り返すカムイにも先輩としての威厳は無い。

この場は完全にトコハの支配化だ。

 

「さて櫂さん。そろそろターンを進めてください」

 

笑顔のトコハに櫂は引きつった顔で答え、エンド宣言をするしかなかった。

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:38枚

シオンドロップ:1

〈ア〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:4枚

パドミニソウル:0

トコハデッキ:42枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈パ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:1

 

カムイダメージ:1(裏1)

カムイ手札:6枚

ニンジャードソウル:1

カムイデッキ:39枚

カムイドロップ:1

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1(裏1)

櫂手札:4枚

ネハーレンソウル:2

櫂デッキ:38枚

櫂ドロップ:2

〈コ〉〈ネ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:2(裏2)

 

「私のターン。スタンド&ドロー! ライド、《プルメリアの花乙女 シャルル》!」

 

トコハ手札:4→5→4枚

トコハデッキ:42→41枚

 

「(私のデッキじゃあ、これ以上の展開は無意味か)バトルです。シャルルで、Rのコンローにアタック!」

 

シャルルパワー:9000

 

「なに!?」

 

「えっ!?」

 

「あっ、そっち?」

 

この展開から攻撃対象がR側だったことに3人がそれぞれ反応を示す。

ちなみに、上から櫂、カムイ、シオンである。

トコハはこれ以上櫂からの反応もなさそうなので、ターンを進めた。

 

「ドライブチェック」

 

モンキーポッド・ドラゴン(引)

トコハデッキ:41→40枚

トコハ手札:4→5枚

 

「ドロートリガー。効果は全て、ヴァンガードへ。1枚ドロー」

 

シャルルパワー:9000→14000

トコハデッキ:40→39枚

トコハ手札:5→6枚

 

先ほどの威圧感からヴァンガードを攻撃すると予想していた櫂にとっては完全に虚をつかれた形になってしまい、少し悔しそうにコンローを墓地に置いた。

ダメージが欲しかった櫂にとっては残念な結果だったらしい。

 

櫂ドロップ:2→3

 

「ターンエンドです」

 

カムイダメージ:1(裏1)

カムイ手札:6枚

ニンジャードソウル:1

カムイデッキ:39枚

カムイドロップ:1

〈 〉〈ニ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1(裏1)

櫂手札:4枚

ネハーレンソウル:2

櫂デッキ:38枚

櫂ドロップ:3

〈 〉〈ネ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:2(裏2)

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:38枚

シオンドロップ:1

〈ア〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

シャルルソウル:1

トコハデッキ:39枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:1

 

「俺のターン! スタンド&ドロー! (……トコハちゃん、こええな。でも、ビシッと言ってくれたおかげで目が覚めた)闘魂炸裂! リミット解除! 俺様ウォリアー! 《ズバットバトラー ビクトール》に、俺様ライド!」

 

カムイ手札:6→7→6枚

カムイデッキ:39→38枚

 

カムイは現在の愛用カテゴリー、ビクトールの最新型に乗り込んだ。

 

「(そうだよな。今までずっと、エミさんに思いを伝えてきたつもりになっていて、本気で告白したことなんてなかったもんな。俺も、半端モンだったわけか……)コール!」

 

カムイは独想しながら《メチャバトラー ゴルシャーチ》をコールした。

 

カムイ手札:6→5枚

〈ゴ〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

「(櫂に嫉妬する前に、やることが有ったはずなのに……俺は、情けねえ)ビクトールでヴァンガードにアタックだ!」

 

ビクトール+ビクトヘッドパワー:11000+5000=16000

 

「ノーガードです!」

 

「ツインドライブ!」

 

メチャバトラー アラシード(なし)

メチャバトラー ブチヌーク(☆)

カムイデッキ:38→36枚

カムイ手札:5→7枚

 

「クリティカルトリガーゲットだ。パワーはゴルシャーチに、クリティカルは、ヴァンガードだ!」

 

ゴルシャーチパワー:9000→14000

ビクトール:☆2

 

カムイの渾身の一撃がこれまで大してダメージを負っていなかったシオンたちに突き刺さる。

シオンもダメージの確認に入った。

 

せぷとがる(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

シオンデッキ:38→36枚

シオンダメージ:1→3

 

「続いて、ゴルシャーチでアタックだ!」

 

ゴルシャーチパワー:14000

 

「ガード! 《壮気の騎士 リルディス》!」

 

シオン手札:5→4枚

シオンドロップ:1→2

せぷとがる+リルディスシールド:9000+10000=19000

 

「ガードされちまったか。ターン終了時、ズバットバトラーのスキルが発動する。ダメージゾーンの表のカードが1枚以下のため、CC1だ」

 

カムイダメージ:1(裏1→0)

 

「(もう俺は迷わない。どんな結果になろうとも、前を向いて進むだけだ)ターンエンド!」

 

シオンダメージ:3

シオン手札:4枚

せぷとがるソウル:2

シオンデッキ:36枚

シオンドロップ:2

〈ア〉〈せ〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

シャルルソウル:1

トコハデッキ:39枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:3

 

カムイダメージ:1

カムイ手札:7枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:36枚

カムイドロップ:1

〈ゴ〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1(裏1)

櫂手札:4枚

ネハーレンソウル:2

櫂デッキ:38枚

櫂ドロップ:3

〈 〉〈ネ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:2(裏1)

 

「スタンド&ドロー。(トコハのおかげで、櫂さんとカムイさんの空気が変わった。まったく、流石だよ、トコハは)我が誇りは君の剣と共に! ライド! 神明の騎士 アルトマイル!」

 

シオン手札:4→5→4枚

シオンデッキ:36→35枚

 

「アルトマイルのライド時スキル! 勇敢持ちをSB1することで、山札から勇敢持ちをコールできる! 僕は、《ぎゅーんみー》をSコール!」

 

アルトマイルソウル:3→2

SB:神明の騎士 アルトマイル

シオンドロップ:2→3

シオンデッキ:35→34枚

〈ア〉〈ア〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ぎ〉

 

通常のファイトならば、ここで超越が行えるのだが、これはタッグファイト、超越のルールも違う。

最初のターンの攻撃同様、このターンの超越はできない。

互いのVがG3以上と言うルールが全てのプレイヤーのVに切り替わったのだ。

 

「《夢の運び手 ベレヌス》をコール」

 

シオン手札:4→3枚

〈ア〉〈ア〉〈ベ〉

〈フ〉〈 〉〈ぎ〉

 

シオンはこのままバトルに入り、まずはベレヌスでゴルシャーチに攻撃を行った。

 

ベレヌス+ぎゅーんみーパワー:4000+7000=11000

 

「くっ、ノーガード」

 

カムイドロップ:1→2

 

カムイは手札を見比べながら、少し悔しそうにカードを墓地に送った。

 

「(手札を温存して、ダメージを稼ぎにきましたか。集中してますね)アルトマイル!」

 

シオンはアルトマイルの攻撃時にベレヌスをソウルに送り、その効果によって1枚の手札とアルトマイルのソウル、パワーを補給した。

 

アルトマイルソウル:2→3

シオンデッキ:34→33枚

シオン手札:3→4枚

アルトマイルパワー:11000→16000

 

カムイはこの攻撃に対してノーガードを宣言。

 

「ツインドライブ!」

 

ダマスカスの支援術士(なし)

壮気の騎士 リルディス(☆)

シオンデッキ:33→31枚

シオン手札:4→6枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはアルビオンへ! クリティカルは、ヴァンガード!」

 

アルビオンパワー:9000→14000

アルトマイル:☆2

 

「やるな、シオン。ダメージチェック」

 

メチャバトラー バリオン(なし)

メチャバトラー ガンズドン(なし)

カムイデッキ:36→34枚

カムイダメージ:1→3

 

「(よし。トリガー無し。トコハに一括された2人が勢いづく前にダメージを稼げるのは大きい)……」

 

シオンはトコハを見た。

自分の額に冷や汗が出ていることに気づかないまま。

 

(冷たい空気の理由が分かった途端、カムイさんと櫂さんを説得してしまうなんて……新導家最強の名は伊達じゃないね)

 

親友が冗談めいたように語ったファーストステージの夜にあったことを思い出しながら、シオンはトコハへの視線を外さなかった。

そんなシオンの視線に気づいたトコハは首を傾げるだけだった。

 

「? シオン?」

 

「いや、なんでもないよ。アルビオンでヴァンガードにアタック!」

 

アルビオン+フェレックスパワー:14000+7000=21000

 

「《メガハンマーレディ》と《メチャバトラー ブチヌーク》でガード!」

 

カムイ手札:7→5枚

カムイドロップ:2→4

ビクトール+メガハンマーレディ+ブチヌークシールド:11000+5000+10000=21000

 

誤魔化しながら行った攻撃をカムイは防いだ。

 

(1万5千ガードって、結構難しいな~)

 

(旧環境だから仕方が無い)

 

(こいつ、直接脳内へ!!)

 

(ファ○チキください)

 

(遊んでないで話進める!)

 

(今回人が多いからネタも多いな~)

 

謎の沈黙が場を支配したが、いったいなんだったのだろう?

ともかく、シオンのターンは終了した。

 

カムイダメージ:3

カムイ手札:5枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:34枚

カムイドロップ:4

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1(裏1)

櫂手札:4枚

ネハーレンソウル:2

櫂デッキ:38枚

櫂ドロップ:3

〈 〉〈ネ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:4(裏1)

 

シオンダメージ:3

シオン手札:6枚

アルトマイルソウル:3

シオンデッキ:31枚

シオンドロップ:3

〈ア〉〈ア〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ぎ〉

 

トコハダメージ:0

トコハ手札:6枚

シャルルソウル:1

トコハデッキ:39枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:3

 

「スタンド&ドロー。この世の全てを焼き尽くす、黙示録の炎! ドラゴニック・オーバーロード “The Destiny”! ライド・ザ! ヴァンガード!」

 

櫂手札:4→5→4枚

櫂デッキ:38→37枚

 

「スキル発動。SB1。綺場シオン。お前のアルビオンは退却してもらう」

 

オーバーロードソウル:3→2

SB:皇竜騎士 ネハーレン

櫂ドロップ:3→4

シオンドロップ:3→4

 

Destinyの破壊効果は相手を指定していないタイプだ。

自分のカードも選択できる特性を活かし、タッグファイトでも正面の相手以外のカードを破壊できる。

これにより、シオンは大きな痛手を負うことになった。

ちなみにこの効果は対象を取らない効果であるため、フェレックスも問題なく破壊できるのは余談だ。

 

「さらに、《グロウヒーター・ドラゴン》をコール。グロウヒーター・ドラゴンは手札かVにオーバーロードが居なければパワーが5000マイナスされるが、俺のVはThe Destinyだ。問題ない」

 

櫂手札:4→3枚

〈グ〉〈オ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

グロウヒーターはVがオーバーロードでない時は、手札公開をする必要があるカードだが、その代わりに元々の攻撃力が1万と、他のカードよりも高いデメリット効果カードだ。

手札の少なく、GBも使えない櫂にとっては貴重な戦力だ。

 

「バトル! The Destinyでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブ。ファーストチェック」

 

ガトリングクロー・ドラゴン(引)

櫂デッキ:37→36枚

櫂手札:3→4枚

 

「ゲット、ドロートリガー。パワーはグロウヒーター・ドラゴンへ。1枚ドロー」

 

櫂デッキ:36→35枚

櫂手札:4→5枚

グロウヒーターパワー:10000→15000

 

「セカンドチェック」

 

ファイヤーチェイス・ドラゴン(☆)

櫂デッキ:35→34枚

櫂手札:5→6枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはグロウヒーター・ドラゴンへ。クリティカルはヴァンガード!」

 

グロウヒーターパワー:15000→20000

オーバーロード:☆2

 

「安城、礼を言う。俺も、覚悟が足りなかったようだ。愛と言う気持ちをどんな形でも受け入れる覚悟が」

 

そう語る櫂を見て、トコハは嬉しそうに笑いながらデッキを捲った。

 

理想の乙女 トゥーリア(なし)

開墾の戦乙女 パドミニ(なし)

トコハデッキ:39→37枚

トコハダメージ:0→2

 

「その覚悟を今ここで掴む! これは……そのための戦いだ! グロウヒーター・ドラゴンでアタック!」

 

グロウヒーター+インスパイアエールパワー:20000+4000=24000

 

この攻撃に対して、トコハは手札を見ながら迷ってしまった。

防げる手札がないのだろうか?

そんなトコハを見たシオンは――

 

「ガード! リルディス! 《さるーがる》!」

 

シオン手札:6→4枚

シオンドロップ:4→6

シャルル+リルディス+さるーがるシールド:9000+10000+10000=29000

 

タッグファイト最大の特徴、それはパートナーが攻撃された際にカーディアンの召喚が可能となる、通称タッグガードだ。

このタッグガードでシオンはトコハを守ったのだ。

 

「ありがとう。シオン」

 

「このくらい当然だよ」

 

そう言って笑い合う2人には、チームメイトとして、友としての絆が確かに感じられた。

 

「ターンエンド」

 

シオンダメージ:3

シオン手札:4枚

アルトマイルソウル:3

シオンデッキ:31枚

シオンドロップ:6

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ぎ〉

 

トコハダメージ:2

トコハ手札:6枚

シャルルソウル:1

トコハデッキ:37枚

トコハドロップ:3

〈 〉〈シ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:5

 

カムイダメージ:3

カムイ手札:5枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:34枚

カムイドロップ:4

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:1(裏1)

櫂手札:6枚

オーバーロードソウル:2

櫂デッキ:34枚

櫂ドロップ:4

〈グ〉〈オ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:4(裏1)

 

「私のターン! スタンド&ドロー! 櫂さん、カムイさん。……行きます! 全ての蕾よ、今こそ花開け! ライド! 《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》!」

 

トコハ手札:6→7→6枚

トコハデッキ:37→36枚

 

これで全プレイヤーがG3にライドしたことになった。

つまり……

 

「パドミニをG3扱いで捨てて、ストライド、ジェネレーション! 《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:3→4

トコハGB:0→1

 

超越が可能となったということだ。

さっそくトコハは超越時効果を発動した。

 

「アーシャのスキル! CB1で、山札から開花持ちをコールできる! 私は、《共に咲く乙女 ケラ》をSコール!」

 

トコハダメージ:2(裏0→1)

トコハデッキ:36→35枚

 

「ケラのスキル! アーシャが居るため、抵抗を得て、パワー+1000!」

 

ケラパワー:9000→10000

 

抵抗は前述通りDestinyには無意味だが、それ以外の破壊効果に対しては問題なく発揮する。

これで櫂はかげろうの効果を使いづらくなってしまったわけだ。

 

「《花園の乙女 マイリス》、《盛運の乙女 ディアン》をコール。ディアンもケラと同じスキルを持っているわ」

 

トコハ手札:5→3枚

ディアンパワー:7000→8000

〈ケ〉〈ヴ〉〈マ〉

〈 〉〈 〉〈デ〉

 

「バトル! ディアンでブースト、マイリスでヴァンガードにアタック!」

 

マイリス+ディアンパワー:4000+8000=12000

 

「グロウヒーター・ドラゴンでインターセプト!」

 

櫂ドロップ:4→5

オーバーロード+グロウヒーターシールド:11000+5000=16000

 

櫂はトコハの攻撃をインターセプトで防いだ。

これは前のターンにパワーが上がった攻撃をRにされたことでコスト不足に陥っていまい、カムイがろくに攻撃できなかったことの反省から来た行動だ。

前列にカードを残さないことで、攻撃をヴァンガードに集中させる作戦だ。

 

「ヴェルヘミーナでヴァンガードにアタック! マイリスのスキルで1枚ドロー! パワー+5000!」

 

ヴェルヘミーナソウル:2→3

トコハデッキ:35→34枚

トコハ手札:3→4枚

ヴェルヘミーナパワー:26000→31000

 

「ヴェルヘミーナのスキル発動! アタック時、CB1とGゾーンの裏のカード1枚を表にすることで、山札から開花持ちのカードを2枚前列と後列にコール! ケラ2体をSコール!」

 

トコハダメージ:2(裏1→2)

トコハGB:1→2

トコハデッキ:34→32枚

〈ケ〉〈ヴ〉〈ケ〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

 

「ケラの開花! 自身のパワー+10000! ブーストを得る!」

 

ケラパワー:10000→20000

ケラパワー:9000→10000→20000

ケラパワー:9000→10000→20000

 

これでトコハは後2回攻撃が可能となった。

だが、まだヴァンガードの攻撃は終わっていない。

 

「ノーガード!」

 

櫂はこれをノーガード宣言。

タッグファイトではダメージ9で敗北であるため、また余裕があるのだ。

 

「トリプルドライブ!」

 

矢車菊の花乙女 イーネス(なし)

盛運の乙女 ディアン(なし)

アンスリムの銃士 ニクラ(治)

トコハデッキ:32→29枚

トコハ手札:4→7枚

 

「ゲット! ヒールトリガー! パワーは左のケラに! ダメージ1、回復!」

 

トコハダメージ:2→1(裏2→1)

トコハドロップ:4→5

ケラパワー:20000→25000

 

ヒールトリガーもチームの合計数を参照とすることになる。

今回は5対4とトライスリー側の方が多いため、問題なく効果が適応される。

 

「ダメージチェック」

 

ラーヴァフロウ・ドラゴン(なし)

櫂デッキ:34→33枚

櫂ダメージ:1→2(裏1)

 

「続けて、右のケラでアタック!」

 

ケラパワー:20000

 

「ガード! 《ファイヤーチェイス・ドラゴン》!」

 

櫂手札:6→5枚

櫂ドロップ:5→6

オーバーロード+ファイヤーチェイスシールド:11000+10000=21000

 

「ケラでブーストしたケラでアタック!」

 

ケラ+ケラパワー:25000+20000=45000

 

「櫂! ここはっ……」

 

「ノーガード!」

 

「ガードしろ! って、おい!」

 

カムイの呼びかけと被る形で櫂はガードを放棄した。

そのことに気づいて怒るカムイを無視して櫂はデッキを捲る。

 

ドラゴンダンサー ターラ(治)

櫂デッキ:33→32枚

櫂ダメージ:2→3(裏1)

 

「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復」

 

櫂ダメージ:3→2(裏1→0)

櫂ドロップ:6→7

 

結局、櫂がヒールトリガーを引いたことでダメージは増えることはなく攻撃は終わった。

そんな結果を見て、カムイはため息を吐いた。

 

「お前、トップヒールだって分かってたのか?」

 

「そんなわけが無いだろ。ただ、あそこはガードするべきではないと思っただけだ」

 

櫂がそう答えたのを聞いて、カムイは笑ってしまった。

そんなカムイを3人は首をかしげて見つめる。

 

「あははははww。ああ、悪い。ちょっとした事実に気づいちまってなww。あ、トコハちゃん、ターン進めても良いよ」

 

「あ、はい。ターンエンドです」

 

カムイダメージ:3

カムイ手札:5枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:34枚

カムイドロップ:4

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

櫂ダメージ:2

櫂手札:5枚

オーバーロードソウル:2

櫂デッキ:32枚

櫂ドロップ:7

〈 〉〈オ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:5

 

シオンダメージ:3

シオン手札:4枚

アルトマイルソウル:3

シオンデッキ:31枚

シオンドロップ:6

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈ぎ〉

 

トコハダメージ:1(裏1)

トコハ手札:7枚

アーシャソウル:3

トコハデッキ:29枚

トコハドロップ:5

トコハGB:2

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

 

シオン・トコハダメージ:4(裏1)

シオン・トコハGB:2

 

未だに笑うカムイに困惑しながらも、トコハはヴェルヘミーナをGゾーンに戻した。

 

「あ~あ。たっく、俺たちってホント、足並み揃わないよな。トライスリーとは大違いだぜ」

 

少し落ち着いたカムイが櫂に語りかける。

 

「当然だろ。俺たちはアイチの元に集って生まれたチームだ。違う道を歩みながらも、心は同じトライスリーとは別物だ。俺たちにあいつ等のような阿吽の呼吸を期待するな」

 

櫂はそんなカムイの言葉を呆れたようにが……

 

「だが、俺たちは、メイトだ。俺たちには俺たちなりの絆がある。カムイ……俺はお前を信じているぞ」

 

カムイに顔を向け、笑いかける。

カムイはこそばゆそうに鼻をかいた。

 

「へっ……口下手なお前にそんなこと言われちゃあ……やる気出すしかねぇなぁ! スタンド&ドロー! 《メチャバトラー アラシード》をG3扱いで捨てる! ストライドジェネレーション! 《ウイニングチャンプ ビクトール》!」

 

カムイ手札:5→6→5枚

カムイデッキ:34→33枚

カムイドロップ:4→5

カムイGB:0→1

 

「ズバットバトラーの超越スキル! CB1で1枚ドロー! 手札から1枚コール! 俺はニンジャードをSコール! さらに、ユニット1枚を選び、『アタックした時に他のRをスタンドする』能力を与える! 俺はウイニングチャンプ ビクトールにこのスキルを与える!」

 

カムイダメージ:3(裏0→1)

カムイデッキ:33→32枚

カムイ手札:5→6→5枚

〈 〉〈ビ〉〈ニ〉

〈 〉〈ビ〉〈 〉

 

怒涛の効果の連鎖により、カムイはこのターン4回以上の攻撃が可能となった。

しかもカードの上書きをせずにである。

だが当然ながら、カムイのメインフェイズはこれからである。

 

「さらにジェロホーク、ゴルシャーチ。そしてブチヌークを、コール!」

 

カムイ手札:5→2枚

〈ゴ〉〈ビ〉〈ニ〉

〈ジ〉〈ビ〉〈ブ〉

 

先のターンにブチヌークがガーディアンとして使われているので、これは2枚目である。

間違いなくこのターン中に素引きしたのだろう。

デッキ内のトリガー率が下がっていることを意図的ばらしてしまったことに気がついた櫂が憐れみの目でカムイを見ているのは、きっと気のせいではない。

 

「? 櫂、何見てるんだ?」

 

幸いだったのは、カムイがそのことに気がついていないことだろう。

 

「いや、なんでもない」

 

「? まあいいや。ニンジャードでヴァンガードにアタック!」

 

ニンジャード+ブチヌークパワー:9000+4000=13000

 

「《モンキーポッド・ドラゴン》でガード!」

 

トコハ手札:7→6枚

トコハドロップ:5→6

アルトマイル+モンキーポッドシールド:11000+5000=16000

 

この攻撃はトコハがタッグガードで防いだ。

 

「ゴルシャーチでアタック! ゴルシャーチのスキル! アタック時、CB1で他のRをスタンドさせる! ニンジャードをスタンド!」

 

カムイダメージ:3(裏1→2)

ゴルシャーチ+ジェロホークパワー:9000+7000=16000

 

「ここで、ウイニングチャンプ ビクトールのスキルが発動する! Rがスタンドした時、Gゾーンのカードを1枚表にして、SB1でスタンドしたユニットのパワー+5000だ!」

 

カムイGB:1→2

ビクトールソウル:2→1

SB:メチャバトラー ジェロホーク

カムイドロップ:5→6

ニンジャードパワー:9000→14000

 

ウイニングチャンプの効果にターン制限は無い。

ソウルがある限り、スタンドする度にパワーが上がっていく、恐ろしい連続攻撃の嵐だ。

 

「《孔雀草の銃士 ラケーレ》でガード!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:6→7

アルトマイル+ラケーレシールド:11000+10000=21000

 

「ジェロホークのスキル! このユニットをソウルに送り、CB1! 今ブーストしたユニットをスタンドだ! さらにパワー+2000し、1枚ドロー!」

 

カムイダメージ:3(裏2→3)

ビクトールソウル:1→2

ゴルシャーチパワー:9000→11000

カムイデッキ:32→31枚

カムイ手札:2→3枚

 

「ここで、ウイニングチャンプ ビクトールのスキルとゴルシャーチの闘魂が同時に発動! ゴルシャーチの闘魂でパワーが+7000されるため、合計+12000だ!」

 

ビクトールソウル:2→1

SB:メチャバトラー ジェロホーク

カムイドロップ:6→7

カムイGB:2→3

ゴルシャーチパワー:11000→16000→23000

 

コンボによってゴルシャーチのパワーが先ほどとは比べ物にならないほどアップした。

カムイはこのままゴルシャーチで連続して攻撃を行った。

 

ゴルシャーチパワー:23000

 

「ノーガード! ダメージチェック!」

 

さるーがる(醒)

シオンデッキ:31→30枚

シオンダメージ:3→4

 

「スタンドトリガーゲット。パワーはアルトマイルに。フェレックスをスタンドさせる」

 

アルトマイルパワー:11000→16000

 

ダメージトリガーのおかげでシオンとトコハはガードがしやすくなった。

しかし、カムイは怯えない。

 

「ウイニングチャンプ ビクトールでアタック! この瞬間、ブチヌークのスキルを発動させる! ブチヌークはお前らのマイリスやベレヌスと同じスキルを持っている!」

 

ビクトールソウル:1→2

ビクトールパワー:26000→31000

カムイデッキ:31→30枚

カムイ手札:3→4枚

ビクトール+ビクトヘッドパワー:31000+5000=36000

 

「さらに、超越スキルで獲得したスキルで、ゴルシャーチをスタンド! 三度、ウイニングチャンプ ビクトールのスキルが発動する!」

 

ビクトールソウル:2→1

SB:メチャバトラー ブチヌーク

カムイドロップ:7→8

カムイGB:3→4

ゴルシャーチパワー:23000→28000

 

「ノーガード!」

 

「トリプルドライブ!」

 

メッチャバトラー ビクトール(なし)

メチャバトラー アバレール(なし)

メチャバトラー バリオン(なし)

カムイデッキ:30→27枚

カムイ手札:4→7枚

 

今回は1枚もトリガーが出ることはなかった。

シオンは内心ガッツポーズを取りながらダメージの確認に入った。

 

レメディ・エンジェル(治)

シオンデッキ:30→29枚

シオンダメージ:4→5

 

「ゲット、ヒールトリガー! パワーはアルトマイルに! ダメージ1回復!」

 

シオンダメージ:5→4

シオンドロップ:6→7

アルトマイルパワー:16000→21000

 

結果としてダメージは相殺され、相手のヴァンガードのパワーが上がっただけのバトルとなってしまったが、カムイは焦ることなく、次の処理に移った。

 

「ウイニングチャンプ ビクトールのGB3! バトル終了時、相手のユニット1体を退却させ、1枚ドローだ。俺はぎゅーんみーを指定させてもらう」

 

カムイデッキ:27→26枚

カムイ手札:7→8枚

シオンドロップ:7→8

 

毎回ぎゅーんみーが破壊されているのは気のせいでは無い。

それだけ強力な効果なのだ。

……だからと言って囮に使われるぎゅーんみーがいい顔しないのも確かだろうが。

 

「3度目だ。ゴルシャーチでアタック!」

 

ゴルシャーチパワー:28000

 

ゴルシャーチの攻撃力が下手なGユニットよりも高い数値となってシオンに襲いかかる。

 

「ガード! さるーがる!」

 

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:8→9

アルトマイル+さるーがるシールド:21000+10000=31000

 

しかし、2回のトリガーによって攻撃力が上がったアルトマイルが相手では、1枚のガードで防がれてしまう。

だが、これもカムイは承諾していた。

 

「ニンジャードでアタック! CB1! ニンジャードのスキルでゴルシャーチをスタンド! ニンジャードとゴルシャーチは、Gゾーンの表のカード1枚につき、パワー+2000、合計6000アップだ! さらにゴルシャーチはウイニングチャンプ ビクトールのスキルでパワーアップ!」

 

櫂ダメージ:2(裏0→1)

ニンジャードパワー:14000→20000

ゴルシャーチパワー:28000→34000

ビクトールソウル:1→0

SB:メチャバトラー ニンジャード

カムイドロップ:8→9

カムイGB:4→5

ゴルシャーチパワー:34000→39000

 

「まだまだ! ゴルシャーチがスタンドしたため、ビクトヘッドのスキルも発動! こいつをソウルに送って、CB1! 1枚ドロー! ゴルシャーチのパワー+2000! 俺のダメージゾーンに表のカードが無いため、CC1!」

 

櫂ダメージ:2(裏1→2)

ビクトールソウル:0→1

カムイデッキ:26→25枚

カムイ手札:8→9枚

ゴルシャーチパワー:39000→41000

カムイダメージ:3(裏3→2)

 

複数回の効果と複数の効果を積み重ねることでゴルシャーチは単機でとんでもない攻撃力を得た。

ニンジャードの攻撃は力及ばず届かなかったが、その役割は十分に果たしたと言えるだろう。

 

「これで最後だ! ゴルシャーチで、ヴァンガードに、アタック!」

 

ゴルシャーチパワー:41000

 

櫂のダメージゾーンのカード、ビクトールのソウル、カムイの場のカード。

様々な物を犠牲にして得た力でゴルシャーチは自慢の薙刀をアルトマイルに振るった。

 

「ノーガード!」

 

しかし、シオンはこの攻撃をただ受けただけだった。

冷静に考えればこの攻撃を受けても負けることは無いのだ。

無理して防ぐ必要もない。

それが分かっているからこそ、シオンはダメージを受けること選択したのだ。

 

天命の騎士 アルトマイル(なし)

シオンデッキ:29→28枚

シオンダメージ:4→5

 

全ての攻撃が終了して、ウイニングチャンプがGゾーンに戻ったところで、カムイは最後の効果処理に移った。

 

「ズバットバトラー ビクトールのスキルで、ダメージゾーンのカードが1枚以下だからCC1。ソウルも1枚以下だからSC1。両方行ったので、1枚ドローだ」

 

カムイダメージ:3(裏2→1)

カムイデッキ:25→24→23枚

SC:メチャバトラー アラシード

ビクトールソウル:1→2

カムイ手札:9→10枚

 

カムイはこのターンだけで5枚ドローしたことになる。

これはターン開始時と同じ枚数だ。

ノヴァグラップラーの底力を見た気分になってしまった。

 

「ターンエンド」

 

シオンダメージ:5

シオン手札:3枚

アルトマイルソウル:3

シオンデッキ:28枚

シオンドロップ:9

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

トコハダメージ:1(裏1)

トコハ手札:5枚

アーシャソウル:3

トコハデッキ:29枚

トコハドロップ:7

トコハGB:2

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

 

シオン・トコハダメージ:6(裏1)

シオン・トコハGB:2

 

カムイダメージ:3(裏1)

カムイ手札:10枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:23枚

カムイドロップ:9

カムイGB:5

〈ゴ〉〈ビ〉〈ニ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

櫂ダメージ:2(裏2)

櫂手札:5枚

オーバーロードソウル:2

櫂デッキ:32枚

櫂ドロップ:7

〈 〉〈オ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:5(裏3)

カムイ・櫂GB:5

 

シオンは自身の手札、場のカード、相手の手札を見ながら思考を重ねた。

決意がついたのか、彼は目を開く。

 

「ドロー! 神明の騎士を捨て、ストライド・ザ・ジェネレーション! 《双絶の聖騎士 セイント・オブ・ツインソード》!」

 

シオン手札:3→4→3枚

シオンデッキ:28→27枚

シオンドロップ:9→10

シオンGB:0→1

 

ここでシオンが超越したのはロイパラの新カードであり、シオンが過去使用していたツインソードの強化版、セイント・オブ・ツインソードだ。

 

「超越スキルは、ライド時と同じスキルです。山札から《反攻の騎士 スレイマン》をSコール!」

 

ツインソードソウル:3→2

SB:せぷとがる

シオンドロップ:10→11

シオンデッキ:27→26枚

〈 〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈 〉〈 〉

 

シオンの手札が3枚以下のため、スレイマンは自身の永続効果で攻撃力が3000ポイントアップした。

 

スレイマンパワー:9000→12000

 

「さらに、セイント・オブ・ツインソードのスキル! 山札からコールしたユニットのパワーをGゾーンの表のカード1枚につき、+5000する!」

 

シオンは今回が初超越。

Gガーディアンも出していないため、本来ならここでスレイマンのパワーが上がることはない。

 

「僕のGゾーンの表は無いけど、タッグファイトでは、パートナーのGゾーンのカードの数も数えるため、スレイマンのパワー+10000!」

 

スレイマンパワー:12000→22000

 

「リルディスと《ダマスカスの支援術士》をコール」

 

シオン手札:3→1枚

〈 〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈リ〉

 

「リルディスの勇敢。ソウルに送り、他のユニットのパワー+5000。僕はフェレックスを選択」

 

ツインソードソウル:2→3

フェレックスパワー:7000→12000

〈 〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈 〉

 

態々手札を減らしたが、これには意味がある。

 

(これでシオンは、次のターンも超越スキルが使えるようになった)

 

神明の騎士のスキルにはソウルの勇敢持ちをSBしなくてはならない。

しかし、このターンの最初にソウルの勇敢持ちを使いきってしまったのだ。

リルディスは意図的にソウルに入ることができる数少ないカード。

カムイが心で考えたように、シオンは次のターンのことを考えてこの効果を使ったのだ。

 

「さらに、フェレックスの勇敢も同時に発動。前列に抵抗を与え、パワー+2000」

 

ツインソードパワー:26000→28000

スレイマンパワー:22000→24000

 

ツインソードは勇敢持ちではないため、フェレックスの前半の効果は発揮しないが、後半のGB2はアルトマイル指定のため問題なく発動できる。

永続効果なので手札が増えれば発揮しないし、相手ターン中は駄目だが、条件さえ満たしてしまえば前列に抵抗を与え続ける優秀な効果だ。

 

「スレイマンでアタック! スレイマンのスキル! 手札1枚を捨て、CB1! 山札からG2をコールする! 僕はせぷとがるをパワー+2000してSコール!」

 

シオン手札:1→0枚

シオンドロップ:11→12

シオンダメージ:5(裏0→1)

シオンデッキ:26→25枚

せぷとがるパワー:9000→11000→21000

〈せ〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈 〉

スレイマンパワー:24000

 

3枚目のせぷとがるも、セイント・オブ・ツインソードで大きく攻撃力が上昇した。

 

「また面倒いパワーだな。ノーガード! ダメージチェック」

 

ザール・ブラウグランツ(☆)

カムイデッキ:23→22枚

カムイダメージ:3→4(裏1)

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードに」

 

ビクトールパワー:11000→16000/☆2

 

「せぷとがるで、ゴルシャーチにアタック! せぷとがるの勇敢! パワー+2000!」

 

せぷとがるパワー:21000→23000

 

破壊効果を持つカードが少ないシオンは、カムイの負担を増やすために、Rへの攻撃を優先した。

今回はぎりぎり1万5千を越えない数値での攻撃であるため、トリガー1枚とインターセプトで防げる数値だ。

カムイの判断が試される。

 

「これもノーガード。ゴルシャーチは退却だ」

 

カムイドロップ:9→10

 

カムイは次の攻撃を警戒してか、守らない選択をした。

 

「なら、ダマスカスの支援術士でブーストしたセイント・オブ・ツインソードでヴァンガードにアタック!」

 

ツインソード+ダマスカスパワー:28000+7000=35000

 

「セイント・オブ・ツインソードのスキル! ブーストしたアタック時、Gゾーンのカードを表にし、CB1で山札からG2を2体コールする! 僕は、アルビオンとスレイマンをSコール! それぞれパワーが上がりますが、Gゾーンの表のカードが増えたことで、パワーはさらに上昇!」

 

シオンダメージ:5(裏1→2)

シオンGB:1→2

シオンデッキ:25→23枚

〈ア〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈 〉

シオンドロップ:12→14

アルビオンパワー:9000→11000→26000

スレイマンパワー:9000→12000→14000→29000

 

「完全ガード! 《メチャバトラー バリオン》! CB1で1枚ドロー!」

 

カムイ手札:10→8枚

カムイドロップ:10→11→12

カムイダメージ:4(裏1→2)

カムイデッキ:22→21枚

カムイ手札:8→9枚

 

バリオンはビクトールモンスター専用の完全ガードだが、代わりにその場で手札補給ができる効果を持っている。

その点だけを見ればトコハのティアニーに近いが、ティアニーとの違いとして、ドローなので表のダメージさえあれば何時でも発動できることが大きいだろう。

ティアニーはティアニーで確実にガード用のカードを手元に加えることができる強みがあるのだが、墓地に同名カードがなければならないので、戻す手段がなければ3回しか使えない。

対して、バリオンはコストさえあれば4枚すべてで使用できるのだ。

弱いわけが無い。

とまあ、カード評価はここまでにしよう。

 

「トリプルドライブ!」

 

レメディ・エンジェル(治)

シオンデッキ:23→22枚

シオン手札:0→1枚

 

「ゲット、ヒールトリガー。パワーはアルビオンに。ダメージ1回復」

 

シオンダメージ:5→4(裏2→1)

シオンドロップ:14→15

アルビオンパワー:26000→31000

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

ぎゅーんみー(なし)

シオンデッキ:22→20枚

シオン手札:1→3枚

 

シオンが捲った残り2枚のカードはトリガーではなかった。

攻撃も防がれたため、そのまま手札に加えたシオンは、次の行動に移った。

 

「アルビオンでヴァンガードにアタック! アルビオンのスキル! CB1とSB1で山札から勇敢持ちをコールできる! 僕は、《逆風の騎士 セリム》をSコール!」

 

シオンダメージ:4(裏1→2)

ツインソードソウル:3→2

SB:夢の運び手 ベレヌス

シオンドロップ:15→16

シオンデッキ:20→19枚

〈ア〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈セ〉

セリムパワー:7000→22000

アルビオン+フェレックスパワー:31000+7000=38000

 

「セリムの勇敢! パワー+3000!」

 

セリムパワー:22000→25000

 

「くっ、Gガード! 《メテオカイザー ドガンティタン》! 俺のRの方がシオンよりも少ないため、シールド+10000!」

 

カムイ手札:9→8枚

カムイドロップ:12→13

ドガンティタンシールド:15000→25000

ビクトール+ドガンティタンシールド:16000+25000=41000

カムイGB:5→6

 

「続いて、スレイマンでアタック! 勇敢で、《要撃の騎士 レドン》をSコール!」

 

シオンダメージ:4(2→3)

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:16→17

シオンデッキ:19→18枚

〈レ〉〈セ〉〈ス〉

〈フ〉〈ダ〉〈セ〉

シオンドロップ:17→18

レドンパワー:9000→11000→13000→16000→31000

 

「レドンの勇敢! 他の前列のユニットのパワー+3000!」

 

スレイマンパワー:29000→32000

スレイマン+セリムパワー:32000+27000=59000

 

シオンはブースト込みとはいえ、カムイよりも巨大なパワーをたたき出した。

しかし、この攻撃は逆にいえば。

 

「(決めきれないと判断したか)ノーガード! ダメージチェック」

 

メチャバトラー ブチヌーク(☆)

カムイデッキ:21→20枚

カムイダメージ:4→5(裏2)

 

「クリティカルトリガーだ。効果は全てヴァンガード!」

 

ビクトールパワー:16000/☆2→21000/☆3

 

これで2枚目のダメージトリガー。

次のシオンの攻撃が最後のため、カムイ達にとってはありがたいだろう。

 

「レドンでアタック!」

 

レドンパワー:31000

 

「インスパイアエール・ドラゴンでガード」

 

櫂手札:5→4枚

櫂ドロップ:7→8

ビクトール+インスパイアエールシールド:21000+10000=31000

 

櫂がトリガーでガードをしたが、これでは足りない。

 

「ナイスだ、櫂。ニンジャードでインターセプト!」

 

カムイドロップ:13→14

ビクトール+インスパイアエール+ニンジャードシールド:21000+10000+5000=36000

 

Q4は見事なタッグガードでシオンの攻撃を防ぎきった。

阿吽の呼吸とまでは言えないが、チームとしての絆が確かに見えた瞬間だった。

 

「ここで、ダマスカスの支援術士の勇敢が発動します。このユニットを退却させ、CC2をして1枚ドロー」

 

シオンドロップ:18→19

シオンダメージ:4(裏3→1)

シオンデッキ:18→17枚

シオン手札:2→3枚

 

「これでターンエンドです」

 

カムイダメージ:5(裏2)

カムイ手札:8枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:20枚

カムイドロップ:14

カムイGB:6

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

櫂ダメージ:2(裏2)

櫂手札:4枚

オーバーロードソウル:2

櫂デッキ:32枚

櫂ドロップ:8

〈 〉〈オ〉〈 〉

〈イ〉〈 〉〈 〉

 

カムイ・櫂ダメージ:7(裏4)

カムイ・櫂GB:6

 

シオンダメージ:4(裏1)

シオン手札:3枚

アルトマイルソウル:2

シオンデッキ:17枚

シオンドロップ:19

シオンGB:2

〈レ〉〈ア〉〈ス〉

〈フ〉〈 〉〈セ〉

 

トコハダメージ:1(裏1)

トコハ手札:5枚

アーシャソウル:3

トコハデッキ:29枚

トコハドロップ:7

トコハGB:2

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

 

シオン・トコハダメージ:5(裏2)

シオン・トコハGB:4

 

ダメージは7体5。

Q4の方が不利だが、まだ2点差。

いくらでも覆すことが可能だ。

しかも、次は櫂のターンなのだから、油断などできない。

 

「スタンド&ドロー。ライドステップ、The Destinyの炎は再びフィールドを焼き尽くす。フェレックスを退却だ。カムイソウルを借りるぞ」

 

「あいよ」

 

櫂手札:4→5枚

櫂デッキ:32→31枚

ビクトールソウル:2→1

SB:メチャバトラー アラシード

カムイドロップ:14→15

シオンドロップ:19→20

 

カムイのソウルからSB1を行い、シオンのカードが再び破壊された。

前のカムイのターンの時といい、よほど説教が効いたようだ。

 

「2枚目のThe Destinyを捨てる。Gゾーン解放。終わりなき探求の果て、辿り着きし更なる進化。荒ぶる魂を昇華させ、今こそその姿を現せ! ストライド・ザ・ジェネレーション! 《覇天皇竜 ドラゴニック・オーバーロード “The Ace”》!」

 

櫂手札:5→4枚

櫂ドロップ:8→9

櫂GB:0→1

 

超越して出てきたのは、2種存在する櫂の分身オーバーロードのGユニットの1枚、The Aceだ。

これよりも強力なカードはあると言ってはいけない。

使用者の心情の問題なのだから。

どの道トコハの場のカードが抵抗持ちだけなのだから竜炎持ちは使いづらいし。

 

「超越スキル。CB1、相手のR1枚を退却させ、山札の上7枚を確認し、オーバーロードを手札に加えることができる。安城のRは全て抵抗状態のため退却はできないが、山札からドラゴニック・オーバーロードを手札に加えさせてもらう」

 

カムイダメージ:5(裏2→3)

櫂デッキ:31→30枚

櫂手札:4→5枚

 

「The Aceのスキル。CB2、GゾーンのThe Aceを表に。Gゾーンの表のカードが2枚以上のため、The Aceはスキルを獲得し、ドライブマイナス1」

 

カムイダメージ:5(3→5)

櫂GB:1→2

 

先ほどのシオンのターン同様、カムイのGゾーンのカードを数えることでThe Aceは自身の力を解放した。

 

「グロウヒーター・ドラゴン、ネハーレン、《ドゥームブリンガー・ハイフレイム》をコール。ドゥームブリンガー・ハイフレイムのスキル。ドロップゾーンのオーバーロードを2枚まで山札に戻し、シャッフルする。2枚戻したため、1枚ドロー」

 

櫂手札:5→2枚

〈ネ〉〈オ〉〈グ〉

〈イ〉〈 〉〈ド〉

櫂ドロップ:9→7枚

櫂デッキ:30→32→31枚

櫂手札:2→3枚

 

「グロウヒーター・ドラゴンはG4のオーバーロードがいるため、相手、すなわち安城のダメージゾーン1枚につきパワー+2000。ネハーレンはオーバーロードがいれば+2000、同条件ならアタック時にさらに+5000される」

 

ネハーレンパワー:9000→11000

グロウヒーター:10000→12000

 

「カムイのドガンティタンのスキル発動。GゾーンこのカードはSB1することで裏に戻り、CC1できる。今度もカムイのソウルを使い、俺のダメージを表にする」

 

カムイGB:6→5

ビクトールソウル:1→0

SB:メチャバトラー ビクトヘッド

カムイドロップ:15→16

櫂ダメージ:2(裏2→1)

 

自身のヴァンガードにも十分にソウルがあるにも関わらず、徹底してカムイのソウルを消費する櫂。

シオンもトコハも必ず何かがあると踏み、カムイが使ったカードを考えて警戒心を強めていく。

さらに櫂は、もう1枚のドガンティタンの効果も発動し、自信のダメージを全て表にした。

 

カムイGB:5→4

オーバーロードソウル:2→1

SB:ガトリングクロー・ドラゴン

櫂ドロップ:7→8

櫂ダメージ:2(裏1→0)

 

そして、櫂のバトルフェイズが始まった。

 

「ネハーレンで右のケラに、アタック!」

 

ネハーレンパワー:11000→16000

ネハーレン+インスパイアエールパワー:16000+4000=20000

 

トコハはこれをノーガード。

ケラを墓地へと送った。

 

トコハドロップ:7→8

 

「The Aceでヴァンガードにアタック! インスパイアエールのスキルにより、ヴァンガードは竜炎状態に! インスパイアエールのスキルも誘発して発動! 山札の下に置き、1枚ドロー。ユニット1体のパワー+5000。俺はThe Aceを選択!」

 

櫂デッキ:31→32→31枚

櫂手札:3→4枚

オーバーロードパワー:26000→31000

 

先の攻撃によりトコハの場のカードが櫂よりも少なくなったため、竜炎の発動条件が整ったのだ。

エースの名を持つ帝国の大指令が攻撃力を上げてその炎をトコハに向けて打ち出した。

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブ」

 

ドラゴニック・オーバーロード(なし)

ドラゴニック・オーバーロード(なし)

櫂デッキ:31→29枚

櫂手札:4→6枚

 

「「「「……」」」」

 

一瞬謎の沈黙が流れた。

 

「ダメージチェック」

 

矢車菊の花乙女 イーネス(なし)

トコハデッキ:29→28枚

トコハダメージ:1→2(裏1)

 

「The Aceのスキル発動。手札のオーバーロードともう1枚を捨てることで、スタンド、パワー+5000。さらに、安城のダメージが増えたため、グロウヒーター・ドラゴンのパワーも上がる!」

 

櫂手札:6→4枚

櫂ドロップ:8→10

オーバーロードパワー:31000→36000

グロウヒーターパワー:12000→14000

 

先ほど手札に加えたオーバーロード2枚をコストにし、The Aceはもう1度攻撃が可能になった。

 

「The Aceよ! 再び立ち上がれ! その荒ぶる炎で全てを焼き尽くせ! The Aceでヴァンガードにアタック!」

 

オーバーロードパワー:36000

 

「完全ガード! 《播種の乙女 ティアニー》!」

 

トコハ手札:5→4→3枚

トコハドロップ:8→10

 

「ツインドライブ!」

 

皇竜騎士 ネハーレン(なし)

ガトリングクロー・ドラゴン(引)

櫂デッキ:29→27枚

櫂手札:4→6枚

 

「ゲット、ドロートリガー! パワーはグロウヒーター・ドラゴンに! 1枚ドロー」

 

櫂デッキ:27→26枚

櫂手札:6→7枚

グロウヒーターパワー:14000→19000

 

「グロウヒーター・ドラゴンで、アタック!」

 

グロウヒーター+ドゥームブリンガーパワー:19000+7000=26000

 

「Gガード! 《秋景の花乙姫 ヴェルナ》! スキルでケラを選択。他のケラ1枚につき、シールド+5000!」

 

トコハ手札:3→2枚

トコハドロップ:10→11

トコハGB:2→3

ヴェルナシールド:15000→20000

アーシャ+ヴェルナシールド:11000+20000=31000

 

「ターンエンド」

 

シオンダメージ:4(裏1)

シオン手札:3枚

アルトマイルソウル:2

シオンデッキ:17枚

シオンドロップ:20

シオンGB:2

〈レ〉〈ア〉〈ス〉

〈 〉〈 〉〈セ〉

 

トコハダメージ:2(裏1)

トコハ手札:2枚

アーシャソウル:3

トコハデッキ:28枚

トコハドロップ:11

トコハGB:3

〈ケ〉〈ア〉〈 〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

 

シオン・トコハダメージ:6(裏2)

シオン・トコハGB:5

 

カムイダメージ:5(裏5)

カムイ手札:8枚

ビクトールソウル:0

カムイデッキ:20枚

カムイドロップ:16

カムイGB:4

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

櫂ダメージ:2

櫂手札:7枚

オーバーロードソウル:1

櫂デッキ:26枚

櫂ドロップ:10

櫂GB:2

〈ネ〉〈オ〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

カムイ・櫂ダメージ:7(裏5)

カムイ・櫂GB:7

 

櫂のターンが終了し、次はトコハのターンだ。

 

「私のターン! スタンド&ドロー! ライドステップ開始時、アーシャのスキル! サークルのケラとドロップのケラを山札の下に戻し、1枚ドロー。今回はコールしません」

 

トコハ手札:2→3枚

トコハデッキ:28→27枚

トコハドロップ:11→10

トコハデッキ:27→29→28枚

トコハ手札:3→4枚

 

前のターンに破壊されたケラを戻して、トコハは手札を整えた。

そして、この場で前回の解釈違いを謝罪したい。

2話前のトコハのファイトにて、私はアーシャのコール効果が強制効果だと明言してしまったが、実際には任意効果であった。

本当に申し訳ない。

今後はこのようなことがないよう進めていくことを肝に免じよう。

閑話休題。

 

「《矢車菊の花乙女 イーネス》を捨てて、Gゾーン解放! 今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライドジェネレーション! ヴェルヘミーナ!」

 

トコハ手札:4→3枚

トコハドロップ:10→11

トコハGB:3→4

 

「超越スキル! ディアンをSコール! フィールドに他のディアンが既にいるため、CC1、SC1!」

 

トコハダメージ:2(裏1→2)

トコハデッキ:28→27→26枚

SC:幻蒼のラナンキュラス アーシャ

ヴェルヘミーナソウル:3→4

トコハダメージ:2(裏2→1)

〈デ〉〈ヴ〉〈 〉

〈ケ〉〈 〉〈デ〉

ディアンパワー:7000→8000

 

 

「ディアンの開花、パワー+10000!」

 

ディアンパワー:8000→18000

 

「ケラとディアンを入れ替え、左のディアンを前列に、ヴェルヘミーナのGB4! 前列Rのパワー+5000、クリティカル+1!」

 

〈ケ〉〈ヴ〉〈デ〉

〈デ〉〈 〉〈 〉

ケラパワー:10000→15000/☆2

ディアンパワー:18000→23000/☆2

 

トコハのRが強化されたことで、櫂たちはどちらの攻撃も受けることができなくなった。

現在のQ4側のダメージは7。

ダメージ9点で敗北なので、受ければヒールトリガーを捲らないかぎりゲームオーバーになってしまうからだ。

 

「ディアンでヴァンガードにアタック!」

 

ディアンパワー:23000/☆2

 

「ガード! ネハーレン、ガトリングクロー・ドラゴン! さらに、ネハーレンでインターセプト!」

 

櫂手札:7→5枚

櫂ドロップ:10→13

オーバーロード+ネハーレン+ガトリングクロー+ネハーレンシールド:11000+5000+5000+5000=26000

 

「ヴェルヘミーナでヴァンガードにアタック! スキル発動! ケラ2体をSコール! そして開花!」

 

トコハダメージ:2(裏1→2)

トコハGB:4→5

トコハデッキ:26→24枚

〈ケ〉〈ヴ〉〈ケ〉

〈デ〉〈 〉〈ケ〉

トコハドロップ:11→12

ケラパワー:15000/☆2→25000/☆2

ケラパワー:9000→10000→20000→25000/☆2

ケラパワー:9000→10000→20000

ヴェルヘミーナパワー:26000

 

相変わらず一瞬で強大なパワーをたたき出す開花は凄まじい。

こんなパワーを出せるのは他にバミューダ△ぐらいだろう。

だがトコハは忘れていた。

櫂の使うオーバーロードには、他のかげろうデッキには無い強みがあることを。

 

「Gガード! 来い、《覇天皇竜 ディフィートフレア・ドラゴン》!」

 

櫂手札:5→4枚

櫂ドロップ:13→14

 

「ディフィートフレア・ドラゴンのスキル発動。ヴァンガードのアタック時、CB1とドロップゾーンのG3フレイムドラゴンを2枚山札の下に置くことで、相手の後列全てを焼き払う! 燃やし尽くせ!」

 

櫂ダメージ:2(裏0→1)

櫂ドロップ:14→12

櫂デッキ:26→28枚

トコハドロップ:12→14

〈ケ〉〈ヴ〉〈ケ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

櫂GB:2→3

オーバーロード+ディフィートフレアシールド:11000+15000=26000

 

ディフィートフレアはオーバーロード専用のカード。

条件は厳しいが、相手の後列全てを破壊する効果であるため、抵抗が意味をなさないで攻撃力を一気に削ぐことができる恐るべきカードだ。

ただ、もう1つ欠点が在り、それは、自信の守備力が上がらないため、Gユニット相手では1枚だとガードしきれないところだ。

 

「ガード。ファイヤーチェイス・ドラゴン」

 

「もういっちょ! ザール・ブラウグランツ!」

 

櫂手札:4→3枚

櫂ドロップ:12→13

カムイ手札:8→7枚

カムイドロップ:16→17

オーバーロード+ディフィートフレア+ファイヤーチェイス+ブラウグランツシールド:11000+15000+10000+10000=46000

 

タッグガードにより、3枚全てがトリガーであっても貫通することができない数値となったため、ガードが成功したことになった。

これ以上カードが出されることがなくなったため、トリガーステップへの移行が行われた。

 

「トリプルドライブ」

 

播種の乙女 ティアニー(なし)

孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)

トコハデッキ:24→22枚

トコハ手札:3→5枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、左のケラに!」

 

ケラパワー:25000/☆2→30000/☆3

 

孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)

トコハデッキ:22→21枚

トコハ手札:5→6枚

 

「クリティカルトリガーゲット。こちらは全て右のケラに!」

 

ケラパワー:25000/☆2→30000/☆3

 

「ダブルトリガーかよ」

 

カムイの言うとおり、この重要な場面で2度のトリガーは大きい。

たとえ決めきれなくとも上がったパワーで手札が減らされることは返しのターンに大きく影響するからだ。

しかも、2人は先ほどのアタック時に手札を多く削っている。

いくらブーストがいないとはいえ、Gガーディアンを使わなければ防げない攻撃を2回防ぐのは大変だ。

 

「左のケラで、ヴァンガードにアタック!」

 

ケラパワー:30000/☆3

 

「完全ガード! 《プロテクトオーブ・ドラゴン》! プロテクトオーブ・ドラゴンはドロップゾーンに同名カードが存在してる時、CC1ができる」

 

櫂手札:3→2→1枚

櫂ドロップ:13→15

櫂ダメージ:2(裏1→0)

 

櫂はプロテクトオーブ・ドラゴンを2枚も使っていないが、1枚はヒールトリガーでダメージゾーンから墓地に送ったカードだ。

ダメージとして捲られた時からこのように使うことを想定していたのだろう。

これのおかげで、次のターンのコストを確保しながら手札消費を抑えることができたことになる。

 

「なら、右のケラでヴァンガードにアタック!」

 

ケラパワー:30000/☆3

 

今度はカムイが動いた。

 

「Gガード! 《メテオカイザー ユニオール》! 俺のダメージゾーンに表のカードが無いため、スキル発動! CC2、シールド+5000! ソウルも無いため、SC2! さらにシールド+5000!」

 

カムイ手札:7→6枚

カムイドロップ:17→18

カムイダメージ:5(裏5→3)

ユニオールシールド:15000→20000

カムイデッキ:20→18枚

SC:メチャバトラー アバレール、アラゴ・ブラウエナギー

ビクトールソウル:0→2

ユニオールシールド:20000→25000

カムイGB:4→5

オーバーロード+ユニオールシールド:11000+25000=36000

 

ガード成功。

さらにはコストまで回復してしまった。

1つ前のターンで櫂がカムイのソウルやダメージを消費していたのはこれが狙いだったのだ。

 

「そして、捨てた《アラゴ・ブラウエナギー》のスキル! 自信とドロップのヒールトリガーをバインドし、CC1!」

 

カムイドロップ:18→16

カムイバインド:0→2

カムイダメージ:5(裏3→2)

 

全ての攻撃が防がれ、ダメージを与えることができなかったトコハはターンを終了するしかなかった。

 

カムイダメージ:5(裏2)

カムイ手札:6枚

ビクトールソウル:2

カムイデッキ:18枚

カムイドロップ:16

カムイバインド:2

カムイGB:5

〈 〉〈ビ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

櫂ダメージ:2

櫂手札:1枚

オーバーロードソウル:1

櫂デッキ:28枚

櫂ドロップ:15

櫂GB:3

〈 〉〈オ〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

カムイ・櫂ダメージ:7(裏2)

カムイ・櫂GB:8

 

シオンダメージ:4(裏1)

シオン手札:3枚

アルトマイルソウル:2

シオンデッキ:17枚

シオンドロップ:20

シオンGB:2

〈レ〉〈ア〉〈ス〉

〈 〉〈 〉〈セ〉

 

トコハダメージ:2(裏2)

トコハ手札:6枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:21枚

トコハドロップ:14

トコハGB:5

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:6(裏3)

シオン・トコハGB:7

 

「俺のターン! スタンド&ドロー! 切り裂け世界! 掴め、今こそ! 守るべき未来のために! ストライドジェネレーション! 《メテオカイザー バスタード》!」

 

カムイ手札:6→7→6枚

カムイデッキ:18→17枚

カムイドロップ:16→17

カムイGB:5→6

 

手札のメッチャバトラー ビクトールを捨てて現れたのは、かつて大舞台で師弟対決を行った際にカムイが使用したGユニット、メテオカイザー バスタード。

その連続攻撃能力でトドメを差しに来たのだ。

 

「超越スキル! 《メチャバトラー アバレール》をSコール! アバレールにスキルを与える!」

 

カムイダメージ:5(裏2→3)

カムイデッキ:17→16枚

カムイ手札:6→7→6枚

〈 〉〈バ〉〈ア〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「アバレールは登場時、CB1とSB1でスキル獲得! さらに、パワー+2000!」

 

カムイダメージ:5(裏3→4)

バスタードソウル:2→1

SB:アラゴ・ブラウエナギー

カムイドロップ:17→18

アバレールパワー:9000→11000

 

再び、カムイお得意の連続攻撃の準備がなされていく。

これを防ぎきらないと、トライスリーの負けだ。

 

「ゴルシャーチ、アラシード2体、《メチャバトラー ガンズドン》をコール!」

 

カムイ手札:6→2枚

〈ゴ〉〈バ〉〈ア〉

〈ガ〉〈ア〉〈ア〉

 

「ガンズドンのスキル! レストして、ユニット5枚までに抵抗を与える。俺はゴルシャーチ以外に与えるぜ」

 

通常ならばレストしたガンズドンは攻撃ができないが、そこはノヴァグラップラー、スタンドさせるのはお手の物だ。

 

「さらに、Gゾーンのドガンティタンのスキル発動!」

 

バスタードソウル:1→0

SB:メチャバトラー アバレール

カムイドロップ:18→19

カムイGB:6→5

カムイダメージ:5(裏4→3)

 

これでカムイの攻撃準備は整ったことになる。

 

「まずは、アバレール1体でレドンにアタック! アバレールが得たアバレールのスキルでガンズドンをパワー+5000してスタンド! ガンズドンの闘魂で、Gゾーンの表のカード1枚につきパワー+4000! 合計28000だ!」

 

ガンズドンパワー:7000→12000→40000

アバレールパワー:11000

 

とんでもないパワーがガンズドンに追加されてしまった。

ちなみに使うタイミングは自由なので、バスタードの攻撃後に使えばさらに4千アップするのだが、トリガー1枚分以下のパワーよりも、連続攻撃時の高攻撃力を優先したのだろう。

レドンを優先したのは、単純にインターセプト封じだろう。

 

「ノーガード。レドンは退却させます」

 

シオンドロップ:20→21

 

「ガンズドンでブーストしたゴルシャーチでヴァンガードにアタック! スキルで、アバレールをスタンド!」

 

カムイダメージ:5(裏3→4)

ゴルシャーチ+ガンズドンパワー:9000+40000=49000

 

単体とはいえ開花並みのパワーがシオンを襲う。

 

「ノーガード!」

 

シオンはこれをノーガードで受ける。

ダメージチェックに入った。

 

夢の運び手 ベレヌス(☆)

シオンデッキ:17→16枚

シオンダメージ:4→5(裏1)

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードへ」

 

アルトマイルパワー:11000→16000/☆2

 

この重要な場面でダメージトリガーが出たのは大きい。

カムイは攻めにくくなってしまった。

 

「なら、アラシードでブーストしたアバレールでヴァンガードにアタック! アバレールが得たビクトールのスキルで、ガンズドンをスタンド!」

 

アバレール+アラシードパワー:11000+7000=18000

 

「トコハ!」

 

「任せて! カトリーナでガード!」

 

トコハ手札:6→5枚

トコハドロップ:14→15

アルトマイル+カトリーナシールド:16000+5000=21000

 

ダメージトリガーとタッグガードの組み合わせにより、見事に攻撃を防いでみせた。

 

「続けて行くぞ! バスタードでアタック! スキル発動! CB1、Gゾーンの裏のカードを表に! Gゾーンの表のバスタードの数だけ他のユニットをスタンドさせる!」

 

櫂ダメージ:2(裏0→1)

カムイGB:5→6

バスタード+アラシードパワー:26000+7000=33000

 

カムイのGゾーンには、ウイニングチャンプの効果によって表になっていたバスタードが2枚、たった今表になったバスタードが1枚の合計3枚がある。

これにより、アバレールによってスタンドしていたガンズドン以外の左右の列が全てスタンドした。

 

「ゴルシャーチの闘魂でパワー+7000!」

 

ゴルシャーチパワー:9000→16000

 

ゴルシャーチの攻撃力が上がったことで、左列の攻撃力はさらに凄まじいことになった。

そんな攻撃に対してシオンは――

 

「Gガード! 《神聖竜 ディフェンドホールド・ドラゴン》! 勇敢! 攻撃を無効にする!」

 

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:21→22

シオンGB:2→3

 

完全ガードのGガーディアン、ディフェンドホールド・ドラゴンで防いだ。

だが、シオンはまだ油断していない。

 

「トリプルドライブ! ファーストチェック!」

 

メチャバトラー ブチヌーク(☆)

カムイデッキ:16→15枚

カムイ手札:2→3枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、アバレールへ!」

 

アバレールパワー:11000→16000/☆2

 

「セカンドチェック!」

 

メチャバトラー ブチヌーク(☆)

カムイデッキ:15→14枚

カムイ手札:3→4枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ゴルシャーチ!」

 

ゴルシャーチパワー:16000→21000/☆2

 

「サードチェック!」

 

ザール・ブラウグランツ(☆)

カムイデッキ:14→13枚

カムイ手札:4→5枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガード!」

 

バスタードパワー:26000→31000/☆2

 

全てのカードがクリティカルトリガー。

一見ヴァンガードへのものは無駄のように見えるが。

 

「分かっているな。バスタードのスキル! アタック時のスキルで、2体以上スタンドし、Rが4体以上なら、CB1、手札2枚を捨てて、バスタード自信をスタンド! ドライブ-2!」

 

櫂ダメージ:2(裏1→2)

カムイ手札:5→3枚

カムイドロップ:19→21

 

バスタードにもスタンド能力があるのだ。

これでシオンたちも、全ての攻撃を防がなければ敗北してしまう状況になった。

 

「もう1度、バスタードでアタック!」

 

バスタードパワー:31000/☆2

 

バスタードがメテオの名の通り、大気圏からその剣を振り下ろす。

 

「完全ガード! ティアニー!」

 

トコハ手札:5→4→3枚

トコハドロップ:15→17

 

その衝撃は、トコハの完全ガードによって防がれた。

まるでクロノとの戦いを再現するように。

 

「ティアニーの開花! ドロップゾーンのティアニーをバインドすることで、ドロップゾーンの開花持ち1枚を手札に加える! 私は、カトリーナを手札に!」

 

トコハドロップ:17→16

トコハバインド:0→1

トコハドロップ:16→15

トコハ手札:3→4枚

 

カードを手札に加えたところでティアニーの効果処理は終了だ。

だが、攻撃はまだ終わっていない。

 

「ドライブチェック!」

 

メチャバトラー バリオン(なし)

カムイデッキ:13→12枚

カムイ手札:3→4枚

 

トリガーは無かった。

それでも、カムイは焦らず、バトルフェイズを進めた。

 

「アラシードでブーストしたアバレールでヴァンガードにアタック!」

 

アバレール+アラシードパワー:16000+7000=23000/☆2

 

「ガード! ラケーレ!」

 

トコハ手札:4→3枚

トコハドロップ:15→16

アルトマイル+ラケーレシールド:16000+10000=26000

 

「ゴルシャーチでアタック!」

 

ゴルシャーチ+ガンズドンパワー:21000+40000=61000/☆2

 

トリガーを含めて、完全に開花と同等の攻撃力となったゴルシャーチがトドメと言わんばかりに襲い掛かる。

 

「ガード! 《厳戒の騎士 レギウス》! アルトマイルがVのため勇敢でSC1! さらに、手札が1枚以下のため攻撃を無効にする!」

 

シオン手札:2→1枚

シオンドロップ:22→23

シオンデッキ:16→15枚

SC:ぎゅーんみー

アルトマイルソウル:2→3

 

条件下ではノーコストの完全ガードとなるシオンお得意の攻防一体の超速攻戦術を形にしたようなカードがカムイの最後の攻撃を防いでみせた。

カムイの攻撃が終了したため、3度ビクトールのスキルが発動する。

 

カムイダメージ:5(裏4→3)

カムイデッキ:12→11枚

SC:メチャバトラー ゴルシャーチ

ビクトールソウル:0→1

カムイデッキ:11→10枚

カムイ手札:4→5枚

 

「ターンエンド」

 

シオンダメージ:5(裏1)

シオン手札:1枚

アルトマイルソウル:3

シオンデッキ:15枚

シオンドロップ:23

シオンGB:3

〈 〉〈ア〉〈ス〉

〈 〉〈 〉〈セ〉

 

トコハダメージ:2(裏2)

トコハ手札:3枚

アーシャソウル:4

トコハデッキ:21枚

トコハドロップ:16

トコハバインド:1

トコハGB:5

〈ケ〉〈ア〉〈ケ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオン・トコハダメージ:7(裏3)

シオン・トコハGB:8

 

カムイダメージ:5(裏3)

カムイ手札:5枚

ビクトールソウル:1

カムイデッキ:10枚

カムイドロップ:21

カムイバインド:2

カムイGB:6

〈ゴ〉〈ビ〉〈ア〉

〈ガ〉〈ア〉〈ア〉

 

櫂ダメージ:2(裏2)

櫂手札:1枚

オーバーロードソウル:1

櫂デッキ:28枚

櫂ドロップ:15

櫂GB:3

〈 〉〈オ〉〈グ〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

カムイ・櫂ダメージ:7(裏5)

カムイ・櫂GB:8

 

「僕のターン。スタンド&ドロー!」

 

シオン手札:1→2枚

シオンデッキ:15→14枚

 

2度のカムイの猛攻を防いで迎えたシオンのターン。

 

「ファイナルターン!」

 

ドローしたカードを見て、シオンはハッキリと宣言した。

そしてそのまま、手札のアルトマイルを捨てた。

 

「Gゾーン解放! 天昇連激、無限の未来をこの手に! ストライド・THE・ジェネレーション! セイント・オブ・ツインソード!」

 

シオン手札:2→1枚

シオンドロップ:23→24

シオンGB:3→4

 

「超越スキル! フェレックスをSコール!」

 

ツインソードソウル:3→2

SB:壮気の騎士 リルディス

シオンドロップ:24→25

シオンデッキ:14→13枚

〈 〉〈セ〉〈ス〉

〈 〉〈フ〉〈セ〉

ツインソードパワー:26000→28000

フェレックスパワー:7000→47000

スレイマンパワー:9000→12000→14000

セリムパワー:7000→10000

 

各カードが勇敢により攻撃力が上がっていく。

フェレックスは自身の強化はできないが、セイント・オブ・ツインソードの効果により、シオンとトコハのGゾーンの表のカード、合計8枚により4万と言う恐るべき数値を得た。

ちなみに通常のファイトでも理論上は15×5千で7万5千も攻撃力が上がるのだが、そんな数値が出る前に決着が着くので要らない情報だ。

閑話休題。

 

「セイント・オブ・ツインソードでヴァンガードにアタック! スキル発動! 山札から、レドンとアルビオンをSコール! レドンの勇敢! 手札を1枚捨てて、ブーストを得る!」

 

シオンダメージ:5(裏1→2)

シオンGB:4→5

シオンデッキ:13→11枚

〈ア〉〈セ〉〈ス〉

〈レ〉〈フ〉〈セ〉

シオン手札:1→0枚

シオンドロップ:24→25

アルビオンパワー:9000→54000→57000→59000

レドンパワー:9000→12000→57000

ツインソードパワー:28000→31000

スレイマンパワー:14000→17000

ツインソード+フェレックスパワー:31000+47000=78000

 

…………本気で開花と同じくらいのパワーが出てるんだけど、どうしようこれ。

まあ、次からはこんな数値出ないしいいか。

 

「もう1度バリオンで完全ガード!」

 

カムイ手札:5→4→3枚

カムイドロップ:21→23

カムイダメージ:5(裏3→4)

カムイデッキ:10→9枚

カムイ手札:3→4枚

 

この攻撃を防ぎ、手札も確保したが、カムイはヒシヒシと迫り来る敗北と言う結果を感じ始めていた。

 

「トリプルドライブ!」

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

ダマスカスの支援術士(なし)

月牙の騎士 フェレックス(なし)

シオンデッキ:11→8枚

シオン手札:0→3枚

 

デッキが残り10枚以下ととても薄くなったが、残念ながらトリガーはなかった。

だが、そんなものは必要ないぐらいの力がシオンの場には整っていた。

 

「スレイマンでアタック! スレイマンのスキルは使いません!」

 

スレイマン+セリムパワー:17000+10000=27000

 

「くっ、ガード!」

 

カムイはメチャバトラー ブチヌーク2枚をガーディアンサークルに出した。

 

カムイ手札:4→2枚

カムイドロップ:23→25

ビクトール+ブチヌーク+ブチヌークシールド:11000+10000+10000=31000

 

これでカムイの手札は2枚。

櫂の分はあるが、彼の手札も1枚。

もはや完全ガード以外ではガードなどできない。

 

「アルビオンでアタック! スキル発動! 2枚目のスレイマンをSコール!」

 

シオンダメージ:5(裏2→3)

ツインソードソウル:2→1

SB:瞬きの騎士 ミーリウス

シオンドロップ:25→26

シオンデッキ:8→7枚

スレイマンパワー:9000→12000→14000→17000→62000

アルビオン+レドンパワー:59000+57000=116000

 

ガードが出来ないカムイはノーガード宣言をしてダメージを確認するしかなかった。

 

ズバットバトラー ビクトール(なし)

カムイデッキ:9→8枚

カムイダメージ:5→6(裏5)

 

「スレイマンでアタック! スキルにより、最後のアルビオンをSコール!」

 

シオンダメージ:5(裏3→4)

シオン手札:3→2枚

シオンドロップ:26→27

シオンデッキ:7→6枚

シオンドロップ:27→28

アルビオンパワー:9000→11000→13000→16000→61000

スレイマンパワー:62000

 

何度も何度も行われる特殊召喚祭りにも打ち止めがなされようとしていた。

コスト的にも、デッキ的にも次の特殊召喚が最後となるだろう。

カムイたちが防ぎきれていればだが。

 

「ダメージチェック!」

 

アラゴ・ブラウエナギー(治)

カムイデッキ:8→7枚

カムイダメージ:6→7(裏4)

 

「よっしゃあぁ! ヒールトリガー! ダメージ1回復! パワーは当然、ヴァンガードだ! 俺はまだ負けてないぞ!」

 

カムイダメージ:7→6(裏4→3)

カムイドロップ:25→26

ビクトールパワー:11000→16000

 

奇跡が起きたようなトップヒールにカムイは本気で大声を上げて喜ぶ。

だが、櫂の表情は険しい。

 

「まだです! アルビオンでアタック! スキルで、スレイマンをSコール!」

 

シオンダメージ:5(4→5)

ツインソードソウル:1→0

SB:ぎゅーんみー

シオンドロップ:28→29

シオンデッキ:6→5枚

シオンドロップ:29→30

スレイマンパワー:9000→12000→14000→17000→62000

アルビオンパワー:61000

 

シオンの攻撃は2度残っていた。

 

「これもノーガード! まだヒールトリガーを引けば!」

 

いやっ、と櫂が呼び止める。

 

「カムイ……お前のドロップとダメージ、バインドを良く見てみろ……」

 

そう言った櫂の言葉に耳を傾け、カムイは自身の墓地と除外ゾーンのカードを確認する。

この時点で、勘の良い人は気がついただろう。

 

「……ドロップゾーンにヒールトリガーが……3、枚……」

 

そう、すでに、カムイのデッキにヒールトリガーは残っていなかった。

つまり……

 

「もう……ヒールトリガーは出ない。俺の……負け……」

 

気づいてしまったカムイは、顔を伏せて、震える手でデッキを捲った。

捲られたカードはメガマンマーレディ。

望んでいたものとは、別のトリガーだった。

 

カムイダメージ:6→7

カムイ・櫂ダメージ:9

シオン・トコハWIN

 

長い……長い戦いに終止符が付いた。

敗北したカムイは顔を高く上げて、天井を見上げた。

 

「くっそおおーーーーぉ!」

 

本気で悔しがるカムイの目には、何か光るものが見えたような気がした。

 

「負けちまったか」

 

顔をトコハたちに向けたカムイの顔はもう笑顔に戻っていた。

そんなカムイを見た櫂は密かに笑っていた。

 

「このファイト、俺たちの惨敗だ」

 

「ああ。前半での喧嘩がまずかったか?」

 

櫂の一言から始まった考察で、カムイは自虐を口にした。

 

「いや、安城が上手かった」

 

そんな自虐を櫂は否定する。

櫂の言うとおり、このファイトの勝因は、トコハに入ったダメージが少なかったからだ。

もしも、櫂の超越時にトコハのダメージが3以上だったのなら、櫂は迷わず別のGユニットを使っていただろう。

そうなれば、櫂の攻撃はもっと激しかったはずだ。

櫂と向き合うトコハのダメージを抑え、カムイの連続攻撃でシオンがダメージコストを稼ぐ。

この作戦が成功したからこそ、最後のカムイのターンを軽症で済ませて勝利することができた、文字通りの作戦勝ちだ。

 

「そうだな」

 

カムイは肯定しながら櫂に笑いかけた。

そして、よしっ、と両手で自分の頬を叩き、気合を入れなおす。

 

「じゃあ行くか。まだまだセカンドステージは終わってねえからな」

 

そう言ってカムイは歩き出した。

次の戦いに向かって。

 

「とっ、そうだ」

 

と思ったら急にカムイは足を止め、2人のほうを向いた。

 

「トコハちゃん。説教、効いたよ。ありがとな」

 

笑いながらそう告げたカムイは、そのまま次のステージに向けて歩き出した。

その笑顔は、何時も以上に良い笑顔だった。

 

「カムイさん達も頑張ってください!」

 

「決勝で会いましょう!」

 

シオンとトコハはそう答え、自分たちが進むべき扉に向かって走って行った。

2人の後姿をカムイは嬉しそうに見ていた。

 

「ところでカムイ。最後の手札は何だったんだ?」

 

空気を読まない櫂が空気を読まない問いかけをしてきた。

 

「おまっ、此処でそういうこと言う!?」

 

櫂のKYっぷりにカムイもご立腹だ。

 

「だいたい櫂が序盤から積極的に攻めていかなかったのが敗因だろうが!」

 

「ふざけるな。超越タイミングが1度しかなかったのにPurgeなど使える訳ないだろ!」

 

「シオンの場ばっか退却させる必要はなかっただろ! それに最初のライドは素のオバロで攻めれば良かっただろ! なんでDestinyやねん!」

 

「俺がDestinyで綺場のサークルを退却させていなければもっと激しいアタックが来たはずだ! 感謝こそされど、文句を言われる筋合いは無い!」

 

「頼んでねえし! お前は全部見えてますって態度取ってるくせに何にも見えてねえんだよ! エミさんの件だってな!」

 

「それに関しては、お前の一方的な嫉妬から始まったことだ!」

 

「なにお~~~~~!!!」

 

顔を真っ赤にして怒るカムイを無視して櫂は続ける。

 

「ふっ、安城に怒られたにも関わらず、まだ俺にキレるか。成長しないな、カムイ」

 

「お前が挑発してきたんだろうが! あ~もう、やっぱお前なんか~~~」

 

嫌いだーーーーー!!!

 

続く




「綺場、安城のあの恐ろしさはいったいなんなんだ?」

「彼女は、新導家のヒエラルキーのトップですから。ちなみに同率1位がミクルさんです」

「最下位がライブさんで、クロノは真ん中だって言ってたな。クロノよ、それで良いのか?」

「戸倉に頭が上がらないお前が言っても説得力はないぞ。カムイは懐が狭いな。そう、まるでゴールドパラディンデッキがあるのに一切使わないアイチのように」

「なんだとゴラァ! それに、なぜにアイチお兄さん!?」

「エイゼルさんは、泣いていい」

「何言ってるんですか?」

次回、第20ターン:約束

「俺と戸倉は別クランをちゃんと使っているのに何故アイチは使わないんだ?」

「そう言えばクロノもネオネクデッキ持っていたような。強いの、トコハ?」

「うん。強いよ。私やシオンを始め、いろんな人とファイトしてきたからね」

「そうか。文字通り、過去が今に繋がっているんだね」


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第20ターン:約束

最初のファイトは楽しかった。
次のファイトは楽しめなかった。
その次は、憎んでしまった。
それでも、貴方はいつだって僕に真剣に向き合ってくれた。
だから、今度は、今度こそは、貴方と真剣に、全力でファイトしたい。
本当の意味で強くなった僕と、最高の舞台で。

「よう、タイヨウ。ファイト、しようぜ」

もちろんです。


どうも、最近バトルスピリッツを始めました。
元々ダンのことを知っていたので興味はあったのですが、サーガブレイヴ1話を見て始めようかと考えながらも使いたいカードが思いつかなかったのでやっていなかったのですが、ようやく使いたいカードが見つかったので始めてみました。
そして先日のサーガブレイヴの2話、見ましたが、やばすぎでしょ。
あんなの泣くわ。
ダンとズングリーの約束が果たされただけでもよかったのに、ヴィクトリーファイアの使用、激覇最終話からちゃんと大事に使われていたリバイバル前のジーク・ヴルムとか卑怯です。
そしてなによりも最後の1枚絵とか完全に視聴者の涙腺を破壊しに来てますよ。
後、EDの「君が待ってる」でダメでした。
ええ、死にましたよ。
スタッフGJすぎ。
みんな、サーガブレイヴコレクターズBOX予約しようぜ。
あの内容で2万とか安い安い。
最後の3話にも期待です。
あれ?これ何の小説だっけ?


 

 

『さあ、セカンドステージも中盤が終わり、そろそろゴールが近づいてきたぞ! 次なるファイトは~?』

 

「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

ミヤ実況と同時にモニターを探していると、1組のファイター達がファイトを始めていた。

 

『おっと! 元ストライダーズの新導クロノと明日川タイヨウがファイトを始めたぞ!』

 

「《クロノ・ドラン・Z》!」

 

「《小さな拳士 クロン》!」

 

クロノはタイヨウのFVを知っていたので、カズマと違い、特に驚くことは無かった。

 

「俺のターン、ドロー。ライド、《刻獣 リボルバー・ドラコキッド》。ドランは先駆で移動」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:44→43枚

リボルバーソウル:1→0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

「このままターンエンド」

 

クロノダメージ:0

クロノ手札:5枚

リボルバーソウル:0

クロノデッキ:43枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

「僕のターンです。ドロー。ライド、《日射の騎士 カリヌス》。クロンは、先駆で移動します」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:44→43枚

カリヌスソウル:1→0

〈 〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

「バトルです。クロンのブースト、カリヌスでヴァンガードにアタック」

 

カリヌス+クロンパワー:7000+5000=12000

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック」

 

スカーフェイス・ライオン(☆)

タイヨウデッキ:43→42枚

タイヨウ手札:5→6枚

 

「クリティカルトリガーゲットです。効果は全て、ヴァンガードへ」

 

カリヌスパワー:7000→12000/☆2

 

トリガーだったが、タイヨウのデッキでここまで見えてるカードが、全てクロノが知っているものであったため、クロノは少し警戒心を解いた。

カードゲームにおいて、情報アドはなによりも重要なのである。

 

「ダメージチェック」

 

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノデッキ:43→41枚

クロノダメージ:0→2

 

「トリガーなしですか。なんだか、初めてのファイトを思い出しますね」

 

「! ああ、そうだな」

 

2人が思い出すのは、タイヨウの正真正銘、初めてのファイトだ。

クロノのティーチングファイトの時にも最初のドライブチェックでクリティカルトリガーが出たのだ。

詳しくはヴァンガードG第26話を見よう。

あれ?

今でも某笑顔動画で無料公開されてるのか?←調べたら見えたわ。

ヴァンガード初心者は是非見よう。

歴代でも随一のティーチングファイトが見れるぞ!

 

「ターンエンドです」

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:5枚

リボルバーソウル:0

クロノデッキ:41枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈リ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

タイヨウダメージ:0

タイヨウ手札:6枚

カリヌスソウル:0

タイヨウデッキ:42枚

タイヨウドロップ:0

〈 〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

「俺のターン、ドロー。ライド、《刻獣 メタルパーティ・ドラゴン》。ドランのスキル。自信をバインドし、山札の上5枚を確認し、G3かG1の十二支刻獣1枚を手札に加える。俺は《刻獣 オビュラシー・オックス》を手札に」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:41→40枚

クロノバインド:0→1

クロノデッキ:40→39枚

クロノ手札:5→6枚

 

定番と言うかテンプレな動きだが、テンプレとはそれが最善と言えるほど強いからテンプレなのだ。

 

「さらに、2枚目のリボルバー・ドラコキッドをコール。スキル発動。手札のG3を見せて、山札から十二支刻獣のG3を1枚手札に加える。俺は、《クロノジェット・ドラゴン・Z》を手札に。その後、手札を1枚捨てる」

 

クロノ手札:6→5枚

〈 〉〈メ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:39→38枚

クロノ手札:5→6→5枚

クロノドロップ:0→1

 

クロノが捨てたのはオビュラシー・オックス。

これもまた、理想的な動き方だ。

 

「バトル! メタルパーティでアタック!」

 

メタルパーティパワー:10000

 

新ルールでは当たり前のように存在する攻撃力1万カードだが、旧ルールのこのファイトではデメリット持ちかバニラしか居ないので、採用されることは少ない。

そのため、先行でライドできたクロノは、かなり有利になったことになる。

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:38→37枚

クロノ手札:5→6枚

 

「ダメージチェック」

 

黄金の聖剣 グルグウィント(なし)

タイヨウデッキ:42→41枚

タイヨウダメージ:0→1

 

「リボルバー・ドラコキッドでアタック」

 

リボルバーパワー:7000

 

「ガード、《昼光の騎士 キナリウス》」

 

タイヨウ手札:6→5枚

カリヌス+キナリウスシールド:7000+5000=12000

タイヨウドロップ:0→1

 

トリガーが無かったことを良いことに、タイヨウは序盤のダメージを抑えてきた。

次のドライブでヒールトリガーの発動条件が満たせないことになったが、序盤なので些細なことだろう。

 

「ターンエンド」

 

タイヨウダメージ:1

タイヨウ手札:5枚

カリヌスソウル:0

タイヨウデッキ:41枚

タイヨウドロップ:1

〈 〉〈カ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:6枚

メタルパーティソウル:1

クロノデッキ:37枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

〈 〉〈メ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー。ライド、《春光の騎士 ベリーモール》」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:41→40枚

 

タイヨウは手札を見た。

最善の一手を考察するために。

 

「決めました。バトルです。ベリーモールでヴァンガードにアタック」

 

ベリーモール+クロンパワー:9000+5000=14000

 

メタルパーティの攻撃力は1万。

対して、タイヨウが現在出せるカードは9千以下がほとんど。

クロンの効果を使えば、ヴァンガードすらトリガーが出ない限り攻撃は通らない。

ならば、余計な展開をすることなく、手札を温存することこそが最善と考えたのだろう。

 

「ガード! 《刻獣 ボンバード・ホッグ》!」

 

クロノ手札:6→5枚

メタルパーティ+ボンバードシールド:10000+10000=20000

クロノドロップ:1→2

 

ここでクロノは手札に有ったトリガーを使ってガードを行った。

これでタイヨウがトリガーを捲っても攻撃力は1万9千止まり。

絶対に攻撃が通らないことになった。

たったの1千が重要な意味を持ったのだ。

ちなみに新ルールでも序盤にトリガーでガードすることでヴァンガードの攻撃を確実に防ぐというのはテクニックの1つとして数えられるので、覚えておくと良いだろう。

 

「ドライブチェック」

 

聖管の奏者 ヘリー(醒)

タイヨウデッキ:40→39枚

タイヨウ手札:5→6枚

 

残念ながら無駄トリガーと言う結果に終わってしまった。

タイヨウの攻撃、そしてターンはこれで終了だ。

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:5枚

メタルパーティソウル:1

クロノデッキ:37枚

クロノドロップ:2

クロノバインド:1

〈 〉〈メ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウダメージ:1

タイヨウ手札:6枚

ベリーモールソウル:1

タイヨウデッキ:39枚

タイヨウドロップ:1

〈 〉〈ベ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー。掴みたい未来のために、魂を震わせろ! ライド! 《クロノジェット・ドラゴン・Z》!」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:37→36枚

 

5ターン目。

無事G3にライドしたところで、クロノの攻めが始まった。

 

「コール! 《ドキドキ・ワーカー》、《クロノスピン・サーペント》!」

 

クロノ手札:5→3枚

〈サ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

前のターンから居たリボルバー・ドラコキッドがドキドキ・ワーカーのおかげで攻撃に参加できるようになり、反対側の列にはバニラG2が出された。

 

「バトルだ! ドキドキ・ワーカーのブースト、リボルバー・ドラコキッドでヴァンガードにアタック!」

 

リボルバー+ドキドキパワー:7000+4000=11000

 

「ガード、カリヌス」

 

タイヨウ手札:6→5枚

ベリーモール+カリヌスシールド:9000+5000=14000

タイヨウドロップ:1→2

 

タイヨウは再びガード。

どうやら、ガードできるところはトコトン防いでダメージを抑えるつもりのようだ。

 

「クロノジェットZでヴァンガードにアタック! ドキドキ・ワーカーのスキル! ソウルに送り、パワー+5000、1枚ドロー!」

 

クロノジェットソウル:2→3

〈サ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:36→35枚

クロノ手札:3→4枚

クロノジェットパワー:11000→16000

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブ!」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノメディカル・ハムスター(治)

クロノデッキ:35→33枚

クロノ手札:4→6枚

 

「ゲット、ヒールトリガー! ダメージ1回復。パワーはクロノスピン・サーペントへ!」

 

クロノダメージ:2→1

クロノドロップ:2→3

サーペントパワー:10000→15000

 

クロノダメージが回復した後、タイヨウのダメージチェックが行われた。

これでダメージは逆転した。

 

「ダメージチェック」

 

日華の騎士 ジェフリー(なし)

タイヨウデッキ:39→38枚

タイヨウダメージ:1→2

 

「クロノスピン・サーペントでアタック!」

 

サーペントパワー:15000

 

「ノーガード。ダメージチェックです」

 

解放者 インプルーブ・ファルコン(なし)

タイヨウデッキ:38→37枚

タイヨウダメージ:2→3

 

「ターンエンド」

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:6枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:33枚

クロノドロップ:3

クロノバインド:1

〈サ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウダメージ:3

タイヨウ手札:5枚

ベリーモールソウル:1

タイヨウデッキ:37枚

タイヨウドロップ:2

〈 〉〈ベ〉〈 〉

〈 〉〈ク〉〈 〉

 

「僕のスタンド&ドロー! 照らし出せ、新たなる光! ライド! 《黄金の聖剣 グルグウィント》!」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:37→36枚

 

タイヨウはライドした自信の分身を見ながら、クロノとの思い出に浸った。

そして、手札の《曙光の騎士 ゴルボドゥク》を捨てた。

 

「(グルグウィント。僕に力を貸して。君と僕で、クロノさんに勝とう。過ちも、喜びも、全てを力に変えて!)行きます。これが僕、僕達の可能性。ストライド・ジェネレーション。《天道聖剣 グルグウィント》!」

 

タイヨウ手札:5→4枚

タイヨウドロップ:2→3

タイヨウGB:0→1

 

タイヨウはお馴染みの、グルグウィントの未来の姿に超越した。

 

「超越スキル。CB1、SB1で、山札の上4枚を見て、1枚をコール。僕は《昼光の騎士 キナリウス》をSコール。さらに、コールしたユニットが結束を持つため、山札の1番上のカードをレストでコール。《フレイム・オブ・ビクトリー》をSコール」

 

タイヨウダメージ:3(裏0→1)

グルグウィントソウル:2→1

SB:春光の騎士 ベリーモール

タイヨウドロップ:3→4

タイヨウデッキ:36→35→34枚

〈 〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈ク〉〈フ〉

 

「キナリウスのスキル。手札を1枚捨てて、山札の上3枚を見て、1枚をコール。《日華の騎士 ジェフリー》をSコール」

 

タイヨウ手札:4→3枚

タイヨウドロップ:4→5

タイヨウデッキ:34→33枚

〈 〉〈グ〉〈キ〉

〈ジ〉〈ク〉〈フ〉

 

ライドステップでタイヨウは一気に展開。

少し前のファイトと同じ展開のような気がするが気にするな!

 

「2体以上コールしているため、結束の条件達成。キナリウスの結束。グルグウィントが居るため、パワー+4000」

 

キナリウスパワー:9000→13000

 

「《スカーフェイス・ライオン》をコール」

 

タイヨウ手札:3→2枚

〈ス〉〈グ〉〈キ〉

〈ジ〉〈ク〉〈フ〉

 

「天道聖剣 グルグウィントのスキル。手札を1枚捨て、CB1とGゾーンの同名カードを表に。アタック時のスキルを獲得し、このターン全てのユニットのパワーをGゾーンのグルグウィント1枚につき+2000。今は1枚のため、2000です」

 

タイヨウダメージ:3(裏1→2)

タイヨウ手札:2→1枚

タイヨウドロップ:5→6

タイヨウGB:1→2

スカーフェイスパワー:4000→6000

ジェフリーパワー:7000→9000

グルグウィントパワー:26000→28000

クロンパワー:5000→7000

キナリウスパワー:13000→15000

ビクトリーパワー:4000→6000

 

「(ちょっと勿体ないですが)クロンのスキルを発動します。CB1とこのユニットをソウルに送ることで、山札の上5枚を確認し、G3を1枚手札に加えます。《ミリタントアクト・ドラゴン》を手札に」

 

タイヨウダメージ:3(裏2→3)

グルグウィントソウル:1→2

タイヨウデッキ:33→32枚

タイヨウ手札:1→2枚

〈ス〉〈グ〉〈キ〉

〈ジ〉〈 〉〈フ〉

 

タイヨウのダメージが全て裏となってしまい、グルグウィントのブースト要員も居なくなってしまったが、これでタイヨウは次のターンの超越が可能となった。

 

「バトルです。ジェフリーでブースト、スカーフェイス・ライオンでアタック」

 

スカーフェイス+ジェフリーパワー:6000+9000=15000

 

「クロノスピン・サーペントでインターセプト」

 

クロノジェット+サーペントシールド:11000+5000=16000

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノドロップ:3→4

 

天道聖剣のスキルでパワーが上がっても、2000ずつでは足りないことも多い例である。

 

「ジェフリーのスキル。ブーストしたバトル終了時、このユニットをソウルに送ることで、1枚ドロー」

 

グルグウィントソウル:2→3

〈ス〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

タイヨウデッキ:32→31枚

タイヨウ手札:2→3枚

 

これでタイヨウは、キナリウスの手札コストを帳消ししたことになる。

 

「天道聖剣 グルグウィントでヴァンガードにアタック。スカーフェイス・ライオンのスキル。このユニットもドキドキ・ワーカー同様にソウルに入ることで、ヴァンガードのパワー+5000と1枚ドローするスキルを持ちます」

 

グルグウィントソウル:3→4

〈 〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

タイヨウデッキ:31→30枚

タイヨウ手札:3→4枚

グルグウィントパワー:28000→33000

 

「天道聖剣 グルグウィントの結束発動。山札の上7枚を見て、1枚をコール。僕は、《陽日の騎士 サロニウス》をSコール」

 

タイヨウデッキ:30→29枚

〈サ〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

サロニウスパワー:9000→11000

 

天道聖剣のパワーアップスキルは永続効果なので、後から出てきたカードにも有効なのだ。

ここでは2000のおかげでサロニウスは単体で攻撃ができるようになった。

 

「サロニウスの結束。全てのユニットのパワー+2000」

 

サロニウスパワー:11000→13000

グルグウィントパワー:33000→35000

キナリウスパワー:15000→17000

ビクトリーパワー:6000→8000

 

2枚のカードによって大きく上昇した攻撃力がクロノに襲い掛かる。

 

「ノーガード」

 

「トリプルドライブ」

 

春光の騎士 ベリーモール(なし)

日射の騎士 カリヌス(なし)

解放者 シャギー・ラビット(治)

タイヨウデッキ:29→26枚

タイヨウ手札:4→7枚

 

「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはサロニウスへ」

 

タイヨウダメージ:3→2(裏3→2)

タイヨウドロップ:6→7

サロニウスパワー:13000→18000

 

「ダメージチェック」

 

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

クロノデッキ:33→32枚

クロノダメージ:1→2

 

クロノ側のトリガーは無かった。

これでダメージは同じだ。

 

「キナリウスでヴァンガードにアタック」

 

キナリウスパワー:17000

 

後列のフレイム・オブ・ビクトリーはレストしているため攻撃に参加できないので、キナリウスも単体で攻撃を行った。

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

刻獣 メリーブロック・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:32→31枚

クロノダメージ:2→3

 

「サロニウスでアタックします」

 

サロニウスパワー:18000

 

「Gガード! 《遡る時乙女 ウルル》! スキル発動! ドロップゾーンのトリガーユニットとノーマルユニットを1枚ずつ山札の下に戻すことで、シールド+5000!」

 

クロノ手札:6→5枚

クロノドロップ:4→5→3

クロノデッキ:31→33枚

ウルルシールド:15000→20000

ウルルシールド:11000+20000=31000

クロノGB:0→1

 

戻したのはデッキボトムだが、ギアクロニクルはデッキシャッフルを良く行うタイプのクランだ。

純粋にクロノのデッキのトリガー率が上がったと考えていいだろう。

 

「ターンエンドです」

 

タイヨウダメージ:2(裏2)

タイヨウ手札:7枚

グルグウィントソウル:4

タイヨウデッキ:26枚

タイヨウドロップ:7

タイヨウGB:2

〈サ〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:5枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:33枚

クロノドロップ:3

クロノバインド:1

クロノGB:1

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「俺のターン。スタンド&ドロー。成長したな、タイヨウ。今度は俺の番だ。クロノジェットZのスキル。超越コストをドロップゾーンのG3をバインドすることに変更。オビュラシー・オックスをバインドし、ストライドジェネレーション! 《超刻獣 アヴニール・フェニックス》!」

 

クロノ手札:5→6枚

クロノデッキ:33→32枚

クロノドロップ:3→2

クロノバインド:1→2

クロノGB:1→2

 

「クロノさんといい、カズマさんといい。手札減らないどころか条件がデメリットではなくメリットなの本当にずるいですよね」

 

いやまったく。

 

「おいナレーター、本音言うな。とにかく続けるぞ。超越スキル発動。SB1。タイヨウのサロニウスを山札の下に戻し、戻したユニットよりもグレードが1つ高い、今回はG3ユニットを山札からコールする。俺は《クロノジェット・ドラゴン・G》をSコール」

 

アヴニールソウル:3→2

SB:刻獣 メタルパーティ・ドラゴン

クロノドロップ:2→3

タイヨウデッキ:26→27枚

〈 〉〈グ〉〈キ〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

クロノデッキ:32→31枚

〈G〉〈ア〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

サロニウスは相手のターンにて結束条件を満たせるカードだ。

ここでの除去は正しい。

 

「さらに、《刻獣 トランジット・ドラゴン》を2体コール」

 

クロノ手札:6→4枚

〈G〉〈ア〉〈リ〉

〈ト〉〈 〉〈ト〉

 

「バトルだ。トランジット・ドラゴンでブーストしたリボルバー・ドラコキッドでヴァンガードにアタック!」

 

リボルバー+トランジットパワー:7000+7000=14000

 

「キナリウスでインターセプト」

 

グルグウィント+キナリウスシールド:11000+5000=16000

タイヨウドロップ:7→8

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈フ〉

 

「トランジット・ドラゴンもブーストしたバトル終了時、ソウルに入って1枚ドローできる」

 

アヴニールソウル:2→3

〈G〉〈ア〉〈リ〉

〈ト〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:31→30枚

クロノ手札:4→5枚

 

ちなみにトランジット・ドラゴンもジェフリーも発動条件が少し違うだけで効果はまったく同じである。

 

「トランジット・ドラゴンでブーストしたクロノジェットGでアタック!」

 

クロノジェット+トランジットパワー:11000+7000=18000

 

「ガード。《聖管の奏者 ヘリー》」

 

タイヨウ手札:7→6枚

グルグウィント+ヘリーシールド:11000+10000=21000

タイヨウドロップ:8→9

 

「もう1度、トランジットのスキルで1枚ドロー!」

 

アヴニールソウル:3→4

〈G〉〈ア〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:30→29枚

クロノ手札:5→6枚

 

「アヴニール・フェニックスでヴァンガードにアタック! スキル発動! Gゾーンの同名カードを表し、CB1で山札の上5枚を公開。Gゾーンの表のカード1枚につき2枚までコールできる」

 

クロノが公開したカードは、上から――

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン

刻獣 ヒュプノシス・シープ

刻獣 メリーブロック・ドラゴン

クロノメディカル・ハムスター

ドキドキ・ワーカー

であった。

 

「俺は、メタルパーティと《刻獣 ヒュプノシス・シープ》、《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》をSコール。残りは山札の下へ。クロノジェットGは上書きでドロップに退却」

 

クロノダメージ:3(裏0→1)

クロノGB:2→3

クロノデッキ:29→26枚

〈メ〉〈ア〉〈リ〉

〈メ〉〈 〉〈ヒ〉

クロノドロップ:3→4

アヴニールパワー:26000

 

「ノーガード」

 

「トリプルドライブ!」

 

刻獣 メリーブロック・ドラゴン(なし)

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:26→23枚

クロノ手札:6→9枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー! クリティカルはヴァンガード、パワーはメタルパーティだ」

 

メタルパーティパワー:10000→15000

アヴニール:☆2

 

「ダメージチェック」

 

黄金の聖剣 グルグウィント(なし)

曙光の騎士 ゴルボドゥク(なし)

タイヨウデッキ:27→25枚

タイヨウダメージ:2→4(裏2)

 

トリガーが無いのは、タイヨウ的に不利な結果だ。

 

「アヴニール・フェニックスのGB3! 自分のRの十二支刻獣全てのパワー+2000!」

 

メタルパーティパワー:10000→15000

メリーブロックパワー:7000→9000

リボルバーパワー:7000→9000

ヒュプノシスパワー:4000→6000

 

「メタルパーティでアタック! メリーブロック・ドラゴンのスキル! このユニット以外の十二支刻獣1枚につき、パワー+2000。攻撃+8000だ!」

 

メリーブロックパワー:9000→17000

メタルパーティ+メリーブロックパワー:15000+17000=32000

 

「Gガード! 《癒しの真・解放者 エルリーゼ》! CB1とGゾーンのGガーディアンを表にしてスキル発動します。山札の上2枚を見て、1枚をコールし、1枚を山札の下へ。僕は、スカーフェイス・ライオンをSコール」

 

タイヨウ手札:6→5枚

タイヨウドロップ:9→10

タイヨウダメージ:4(裏2→3)

タイヨウGB:2→3

タイヨウデッキ:25→24枚

グルグウィント+エルリーゼ+スカーフェイスシールド:11000+15000+10000=36000

 

「ガード成功です。エルリーゼのスキルでコールしたスカーフェイス・ライオンはRに移動します」

 

タイヨウGB:3→4

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈ス〉〈 〉〈フ〉

 

ゴールドパラディンらしい不安定さはともかく、場にカードを残せるのはコスト持ちGガーディアンとして相応しいと言えるだろう。

このコールで結束条件も達成された。

 

「メリーブロック・ドラゴンはスキルを発動したアタック終了時、自信をバインドする。さらに、メタルパーティのスキル発動。CB1と自信をバインドすることで、バインドゾーンのG1とG3をコールできる。俺は、メリーブロック・ドラゴンとオビュラシー・オックスをSコールだ!」

 

クロノバインド:2→3

クロノダメージ:3(裏1→2)

クロノバインド:3→4→2

〈オ〉〈ア〉〈リ〉

〈メ〉〈 〉〈ヒ〉

 

オックスパワー:11000→13000→15000

メリーブロックパワー:7000→9000

 

オビュラシー・オックスにはGゾーンの表のカード1枚で1千ポイント攻撃力が上昇する永続効果がある。

今のクロノのGゾーンには2枚のカードがあるため、合計2千ポイント上昇した。

今でこそこの程度だが、次のターンには更に上昇する。

塵も積もれば山となるとはこのことだ。

 

「メリーブロック・ドラゴンでブースト、オビュラシー・オックスでアタック!」

 

ここで再び、メリーブロックは自身の効果でパワーアップ。

 

メリーブロックパワー:9000→17000

オックス+メリーブロックパワー:15000+17000=32000

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

春光の騎士 ベリーモール(なし)

タイヨウデッキ:24→23枚

タイヨウダメージ:4→5(裏3)

 

本来ならここでメリーブロックは除外されてしまうのだが……

 

「ヒュプノシス・シープのスキル! ユニットのアタック終了時、他のユニットを山札の下に戻し、自信をソウルに送ることで、ユニット1体をスタンドする。メリーブロックを山札の下に置き、オビュラシー・オックスをスタンド!」

 

クロノデッキ:23→24枚

アヴニールソウル:4→5

〈オ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

作者的にはヒュプノシス・シープは最強のスタンドトリガーなんだが、どうだろう?

 

「まあ、強い方なんじゃねえか。オビュラシー・オックスでアタック!」

 

オックスパワー:15000

 

「通常のトリガーとして使いながらバトルに参加することも可能なのは強いですよ。黄金の聖剣 グルグウィントの結束。後列からインターセプトできます。フレイム・オブ・ビクトリーでインターセプト」

 

グルグウィント+ビクトリーシールド:11000+10000=21000

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈ス〉〈 〉〈 〉

タイヨウドロップ:10→11

 

「ターンエンド」

 

クロノダメージ:3(裏2)

クロノ手札:9枚

クロノジェットソウル:5

クロノデッキ:24枚

クロノドロップ:4

クロノバインド:2

クロノGB:3

〈オ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

タイヨウダメージ:5(裏3)

タイヨウ手札:5枚

グルグウィントソウル:4

タイヨウデッキ:23枚

タイヨウドロップ:11

タイヨウGB:4

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈ス〉〈 〉〈 〉

 

防ぎきることには成功したが、このターンでタイヨウのダメージは5。

追い詰められてしまったことになる。

 

「まだ、諦めません! スタンド&ドロー! もう1度ゴルボドゥクを捨てます。Gゾーン解放! 僕のつかむ未来、新たな覚悟を今ここに! ストライドジェネレーション! 《黄金竜 グロリアスレイニング・ドラゴン》!」

 

タイヨウ手札:5→6→5枚

タイヨウデッキ:23→22枚

タイヨウドロップ:11→12

タイヨウGB:4→5

 

タイヨウは超越スキルでベリーモールとグルグウィントが呼び出され、このターン結束が達成された。

 

タイヨウダメージ:5(裏3→4)

グロリアスレイニングソウル:4→3

SB:スカーフェイス・ライオン

タイヨウドロップ:12→13

タイヨウデッキ:22→20枚

〈 〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈グ〉〈 〉

 

「ベリーモールのスキル。CB1で山札の上3枚を見て、1体を同じ列にコール。僕は、ヘリーをSコール」

 

タイヨウダメージ:5(裏4→5)

タイヨウデッキ:20→19枚

〈 〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈グ〉〈ヘ〉

 

メインフェイズに入り、タイヨウのカード達が自信の効果により攻撃力を上げた。

例えばベリーモールは結束により攻撃力が2千ポイントアップし、ヘリーは3千ポイントアップするのだ。

 

ベリーモールパワー:9000→11000

ヘリーパワー:4000→7000

 

「カリヌスをコール」

 

タイヨウ手札:5→4枚

〈カ〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈グ〉〈ヘ〉

 

「カリヌスの結束。自信をレストすることで、ユニット1体のパワー+4000。僕は、ベリーモールを選択。さらに、グルグウィントがVに居るため、自信と他の別名のユニットを山札の下に戻すことで、1枚ドローし、CC1。こちらでは、Rのグルグウィントを戻します」

 

カリヌス:スタンド→レスト

ベリーモールパワー:11000→15000

タイヨウデッキ:19→21→20枚

タイヨウ手札:4→5枚

タイヨウダメージ:5(裏5→4)

〈 〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈 〉〈ヘ〉

 

「そして、もう1度ジェフリーをコール。さらにミリタントアクト・ドラゴンをコール」

 

タイヨウ手札:5→3枚

〈ミ〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈ジ〉〈ヘ〉

 

タイヨウはこれでメインフェイズを終了し、バトルフェイズに入った。

そしてそのままベリーモールでヴァンガードへの攻撃を行った。

 

ベリーモール+ヘリーパワー:15000+7000=22000

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

クロノデッキ:24→23枚

クロノダメージ:3→4(裏2)

 

「ヘリーのスキル。ソウルに送りCC1」

 

グロリアスレイニングソウル:3→4

〈ミ〉〈グ〉〈ベ〉

〈ス〉〈ジ〉〈 〉

タイヨウダメージ:5(裏4→3)

 

「続いて、ミリタントアクト・ドラゴンでアタック」

 

ミリタントアクト+スカーフェイスパワー:11000+4000=15000

 

「ガード、メリーブロック・ドラゴン」

 

クロノ手札:9→8枚

クロノジェット+メリーブロックシールド:11000+5000=16000

クロノドロップ:4→5

 

ここまでは順調と言える。

問題は次の攻撃だ。

 

「ジェフリーでブースト、グロリアスレイニング・ドラゴンでアタックします。まずはスカーフェイス・ライオンのスキル」

 

グロリアスレイニングソウル:4→5

〈ミ〉〈グ〉〈ベ〉

〈 〉〈ジ〉〈 〉

タイヨウデッキ:20→19枚

タイヨウ手札:3→4枚

グロリアスレイニングパワー:26000→31000

グロリアスレイニング+ジェフリーパワー:31000+7000=38000

 

「グロリアスレイニング・ドラゴンのスキル。アタック時、CB1とGゾーンの同名カードを表にし、R2体を山札の下に戻し、山札の上7枚を見て、Gゾーンの表のカードと同じ枚数まで別々のRにコールします」

 

タイヨウは左右の列のミリタントアクト・ドラゴンとベリーモールをデッキボトムに置き、デッキトップ7枚を捲った。

 

タイヨウダメージ:5(裏3→4)

タイヨウGB:5→6

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈 〉〈ジ〉〈 〉

タイヨウデッキ:19→21枚

 

「僕は、キナリウス、サロニウス、《神聖魔道士 ラヴィニア》、《解放者 インプルーブ・ファルコン》をSコール! 3枚以上コールしたため、CC1とSC1をします!」

 

タイヨウデッキ:21→17枚

〈キ〉〈グ〉〈サ〉

〈ラ〉〈ジ〉〈イ〉

タイヨウダメージ:5(裏4→3)

タイヨウデッキ:17→16枚

SC:ミリタントアクト・ドラゴン

グロリアスレイニングソウル:5→6

 

「まだです。まずはラヴィニアの結束を発動します。山札からRに登場した時、他のRを山札の下に戻すことで、このユニットを手札に戻します」

 

タイヨウデッキ:16→17枚

〈キ〉〈グ〉〈サ〉

〈ラ〉〈ジ〉〈 〉

タイヨウ手札:4→5枚

〈キ〉〈グ〉〈サ〉

〈 〉〈ジ〉〈 〉

キナリウスパワー:9000→13000→15000

グロリアスレイニングパワー:31000→33000

ジェフリーパワー:7000→9000

サロニウスパワー:9000→11000

グロリアスレイニング+ジェフリーパワー:33000+9000=42000

 

タイヨウはこの効果のコストとして、インプルーブ・ファルコンを選んだ。

続いて、キナリウスの効果が発動する。

 

「フレイム・オブ・ビクトリーをSコール」

 

タイヨウ手札:5→4枚

タイヨウドロップ:13→14

タイヨウデッキ:17→16枚

〈キ〉〈グ〉〈サ〉

〈 〉〈ジ〉〈フ〉

ビクトリーパワー:4000→6000

 

タイヨウの再展開が終了したことで、クロノのガードステップに入った。

 

「《スチームテイマー アルカ》! 完全ガード!」

 

クロノ手札:8→7→6枚

クロノドロップ:5→7

 

「トリプルドライブ」

 

ミリタントアクト・ドラゴン(なし)

フレイム・オブ・ビクトリー(☆)

タイヨウデッキ:16→14枚

タイヨウ手札:4→6枚

 

「ゲット、クリティカルトリガーです。効果は全て、キナリウスへ」

 

キナリウスパワー:15000→20000/☆2

 

フレイム・オブ・ビクトリー(☆)

タイヨウデッキ:14→13枚

タイヨウ手札:6→7枚

 

「ゲット、クリティカルトリガーです。効果は全て、サロニウスへ」

 

サロニウスパワー:11000→16000/☆2

 

タイヨウは2枚のトリガーを両列に振った。

これでクロノは両方の攻撃を防ぐ必要ができた。

 

「キナリウスでヴァンガードにアタック!」

 

キナリウスパワー:20000/☆2

 

「ドキドキ・ワーカーでガード!」

 

クロノ手札:6→5枚

クロノジェット+ドキドキシールド:11000+10000=21000

クロノドロップ:7→8

 

クロノが攻撃を防ぎ、カードを墓地に送ったことを確認したタイヨウは、次の攻撃に移った。

今度は、フレイム・オブ・ビクトリーがブーストしたサロニウスの攻撃だ。

 

サロニウス+ビクトリーパワー:16000+6000=22000/☆2

 

「Gガード、《刻獣守護 イリシュ》!」

 

クロノ手札:5→4枚

クロノドロップ:8→9

クロノジェット+イリシュシールド:11000+15000=26000

クロノGB:3→4

 

クロノは効果を使うことなく防ぎきった。

 

「お見事です。ターンエンド」

 

タイヨウダメージ:5(裏3)

タイヨウ手札:7枚

グルグウィントソウル:6

タイヨウデッキ:13枚

タイヨウドロップ:14

タイヨウGB:6

〈キ〉〈グ〉〈サ〉

〈 〉〈ジ〉〈フ〉

 

クロノダメージ:4(裏2)

クロノ手札:4枚

クロノジェットソウル:5

クロノデッキ:23枚

クロノドロップ:9

クロノバインド:2

クロノGB:4

〈オ〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「俺のターン!」

 

クロノ手札:4→5枚

クロノデッキ:23→22枚

オックスパワー:11000→15000

 

クロノは笑顔でデッキからカードを引いた。

 

「……いくぜ、タイヨウ! 今度はこっちの番だ! ジェネレーションゾーン解放! 今こそ示せ、我が真に望む世界を! ストライドジェネレーション! 《クロノドラゴン・ギアネクスト》!」

 

クロノドロップ:9→8

クロノバインド:2→3

クロノGB:4→5

 

クロノは再び超越スキルを発動し、サロニウスを山札の下に戻し、メリーブロックを特殊召喚した。

 

ギアネクストソウル:5→4

SB:刻獣 ヒュプノシス・シープ

クロノドロップ:8→9

タイヨウデッキ:13→14枚

〈キ〉〈グ〉〈 〉

〈 〉〈ジ〉〈フ〉

クロノデッキ:22→21枚

〈オ〉〈ギ〉〈リ〉

〈 〉〈メ〉〈 〉

 

クロノの、ギアクロニクルの猛攻はここから始まる。

 

「メインフェイズ! ギアネクストのスキル発動! SB1とGゾーンの同名カードを表にすることで、スキル獲得! これでオビュラシー・オックスはさらに力を得る!」

 

ギアネクストソウル:4→3

SB:刻獣 トランジット・ドラゴン

クロノドロップ:9→10

クロノGB:5→6

オックスパワー:15000→16000

 

「続いて、オビュラシー・オックスのスキル! CB1することで、永続スキルと同じだけパワーを上げる! 俺のGゾーンの表のカードは5枚だ!」

 

クロノダメージ:4(裏2→3)

オックスパワー:16000→22000

 

「ドロップのスチームテイマー アルカのスキル! もう1枚のアルカとトリガーをバインドすることで、このアルカを手札に戻す! 俺はヒュプノシス・シープをバインド!」

 

クロノドロップ:10→8

クロノバインド:3→5

クロノドロップ:8→7

クロノ手札:5→6

 

さらにクロノは、メリーブロックとヒュプノシス・シープ、《刻獣 クルージング・ドラゴン》を召喚。

元居たリボルバー・ドラコキッドを墓地に送り、攻撃準備を整えた。

 

クロノ手札:6→3枚

〈オ〉〈ギ〉〈ク〉

〈メ〉〈メ〉〈ヒ〉

 

「バトルだ! クルージング・ドラゴンでアタック! スキル発動! CB1することで、山札の上3枚を確認。十二支刻獣1枚を手札に加える! 俺は、クロノジェットZを手札に! さらにクルージング・ドラゴンは自信のスキルで、パワー+2000!」

 

クルージングパワー:9000→11000

クロノダメージ:4(裏3→4)

クロノデッキ:21→20枚

クロノ手札:3→4枚

クルージング+ヒュプノシスパワー:11000+4000=15000

 

「インターセプト!」

 

グルグウィント+キナリウスシールド:11000+5000=16000

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈 〉〈ジ〉〈フ〉

タイヨウドロップ:14→15

 

タイヨウはダメージ5。

ここでダメージを受けるわけにはいかない。

だが、クロノの攻撃はまだ続く。

 

「メリーブロック・ドラゴンでブースト、ヴァンガードでアタック!」

 

ここで3度、メリーブロックの効果が発動する。

今回は他に5体居るため、攻撃力は1万アップだ。

 

メリーブロックパワー:7000→17000

ギアネクスト+メリーブロックパワー:26000+17000=43000

 

「くっ、パワーが高い。ラヴィニアで完全ガードします!」

 

タイヨウ手札:7→6→5枚

タイヨウドロップ:15→17

 

ここでタイヨウは完全ガードを切った。

流石に残りの手札では防ぎきれないと言う判断だろう。

 

「トリプルドライブ!」

 

刻獣 ボンバード・ホッグ(☆)

クロノデッキ:20→19枚

クロノ手札:4→5枚

 

「ゲット! クリティカルトリガー! 効果はすべて、ヴァンガードへ!」

 

ギアネクストパワー:26000→31000/☆2

 

「ギアネクストは連続攻撃ユニット。次の攻撃は、トップヒールで躱させないつもりですね」

 

タイヨウの言葉に笑いかけながら、クロノは2枚目を捲った。

 

「セカンドチェック!」

 

刻獣 トランジット・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:19→18枚

クロノ手札:5→6枚

 

ここでトリガーは無かったが、続く3枚目。

 

刻獣 ヒュプノシス・シープ(醒)

クロノデッキ:18→17枚

クロノ手札:6→7枚

 

「ツッ! スタンドトリガー!」

 

「スタンドトリガーゲット! パワーはオビュラシー・オックスだ!」

 

クルージング:レスト→スタンド

オックスパワー:22000→27000

 

最後のトリガーはスタンドトリガー。

これでクロノは、さらに1回攻撃することができるようになった。

 

「バトル終了時、ギアネクストの獲得したスキル! 手札とRの十二支刻獣を3枚選び、山札の下に戻すことで、このユニットはスタンドする!」

 

クロノが選んだのは、先ほどのチェックで出たトランジット・ドラゴンとボンバード・ホッグ。

さらに、場のメリーブロックを除外される効果に割り込ませる形でデッキボトムに戻した。

クロノは、前のターンと同じように損失無しで攻撃回数を増やしたのだ。

 

クロノ手札:7→5枚

クロノデッキ:17→20枚

〈オ〉〈ギ〉〈ク〉

〈メ〉〈 〉〈ヒ〉

ギアネクスト:レスト→スタンド

 

「もう1度クルージング・ドラゴンでアタック!」

 

クルージングパワー:11000

 

「なら、フレイム・オブ・ビクトリーでガードです」

 

タイヨウ手札:5→4枚

グルグウィント+ビクトリーシールド:11000+10000=21000

タイヨウドロップ:17→18

 

「再度ギアネクストでアタック! GB4! パワー+10000! ドライブ+1!」

 

ギアネクストパワー:31000→41000/☆2

 

ギアネクストは、自信の効果で攻撃回数を増やした時、ドライブチェックの数を1つに減らしているが、続く効果により、ツインドライブで攻撃が可能となったのだ。

 

「(さっきのダブルトリガーが大きすぎる。でも)……まだ諦めません! Gガード! 《聖天祈祷師 レイア》! スキルにより、登場時にRが2体以上いるため、シールド+5000!」

 

タイヨウ手札:4→3枚

タイヨウドロップ:18→19

レイアシールド:15000→20000

グルグウィント+レイアシールド:11000+20000=31000

 

ここでタイヨウのグルグウィントの結束が発動。

タイヨウは、後列のフレイム・オブ・ビクトリー、ジェフリーをガーディアンとしてインターセプトした。

 

グルグウィント+レイア+ビクトリー+ジェフリーシールド:11000+20000+10000+5000=46000

〈 〉〈グ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

タイヨウドロップ:19→21

 

ここでタイヨウはガードを終了。

全ては、クロノのトリガーに託された。

 

「(1枚貫通か)なら……勝負だ、タイヨウ!」

 

「望む所です!」

 

「ツインドライブ!」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

クロノメディカル・ハムスター(治)

クロノデッキ:20→18枚

クロノ手札:5→7枚

 

結果を見たタイヨウは、全てを悟るように、目を閉じた。

 

「ゲット! ヒールトリガー! ダメージは回復しないが、パワーはヴァンガードへ!」

 

ギアネクストパワー:41000→46000/☆2

 

ギアネクストの攻撃力はグルグウィントとそのシールド達の合計と同じになった。

ヴァンガードでは攻撃力が同じならば攻撃側の勝ちとなる。

つまり、タイヨウにダメージが届いた。

 

「ダメージチェックです」

 

このダメージは2点。

そしてタイヨウのダメージは5。

つまりタイヨウは、2回連続でヒールトリガーを出さなければならない。

だが……

 

黄金の聖剣 グルグウィント(なし)

タイヨウデッキ:13→12枚

タイヨウダメージ:5→6

クロノWIN

 

タイヨウは最後の1枚をダメージに置いた。

 

「負けてしまいました。でも、楽しかったです。ありがとうございました。良いファイトでした。クロノさん」

 

「俺もだぜ。タイヨウ」

 

2人は握手を交わして、お互いを健闘しあった。

初めてのファイトの時、交わした約束が今、果たされたのだった。

 

 

 

 

 

タイヨウと別れたクロノはまた走り出した。

まだ大会は終わっていないのだから。

 

「……はあ、はあ。ここは?」

 

「やあ、待っていたよ」

 

クロノが辿り着いた部屋を見渡していると声が響いた。

そこに居たのは――

 

「東雲……ショウマ!」

 

「やあ。新導、クロノ君」

 

続く




「また、勝てなかった」

「ドンマイ、タイヨウ。でも良い勝負だったぜ」

「ヒロキ君。でも、負けは負けだよ。僕には決定打が無かったんだからさ」

「え?」

「カズマさんの覚醒ルアード、クロノさんのネクストやヘリテージ。僕には無い強さが僕の敗因だよ」

「諦めんなよ。Pスタンならゴルパラは環境入りしてんだから問題ねえだろ」

「でもPだと使われてるのはエイゼルなんだよ。グルグウィントなんて影も形も無いじゃないか」

「天道聖剣やヘリオスは使われてるだろ。そんなこと言い出したらギアクロこそ影も形も無いだろ」

「ギアクロなんてクロノジェットのギフト持ちが来たら環境に復帰するよ。そしてトコハさんとイチャつくように環境を2等分するんだ」

「タイヨウ?」

「あの2人の恋人としての時間をよく見せつけられる僕の苦労をみんな分かってないんだ。シオンさんはあんなんだし、カズマさんはクミさんとだし」

「タイヨウ!?」

次回、第21ターン:互いの目的

「サオリ君はこの間告白されて、ヒロキ君だって最近モテてきたのに。何で僕だけ。ブツブツブツ」

「タイヨーーー!!」

「ブツブツブツブツ」


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第21ターン:互いの目的

あけましておめでとうございます(←遅い)
時間がかかったうえにモノローグも思いつかない駄目人間の作品ですが、これからも精進しますのでどうかよろしくお願いします。


「君が来たんだね。久しぶり。それとも初めましてと言うべきなのかな。新導クロノ、君」

 

VF世界大会、日本本予選。

セカンドステージの次の部屋でクロノが出遭ったのは、チームニューオーガの東雲ショウマだった。

 

「東雲、ショウマ。お前が相手か」

 

「そうだよ。同時に、このステージ最後の相手さ」

 

「最後?」とクロノがつぶやくと、東雲は指を別の方向に指した。

彼が指さした先には、「ゴール」とデカデカと書かれた扉があった。

 

「ブラド三世ェ……」

 

いろいろと事情を知る身としては、この外装は思う所が有ったようだ。

まあ、実際ダサいしな。

 

「まあ、あの扉のデザインについては後で伊吹さんに問いただせば良いさ。それよりも、君は僕に、聞きたいことがあるんじゃないのかい?」

 

東雲の言葉に対し、クロノは何も答えずにテーブルの前に立った。

 

「その答えはコレで聞けよ」

 

そう言ってクロノはデッキを取り出した。

元々ファイトを行う場なのだ。

当然だろう。

 

「アンタとは、1度もファイトしたことないからな。やろうぜ、ファイト」

 

「そうだね。始めようか」

 

「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」

 

クロノは、何時もの《クロノ・ドラン・Z》。

対して東雲は、《革の戒め レージング》のカードにライドした。

さあ、2人の初ファイトの開始だ。

 

「俺のターンからだ。ドロー! ライド、《刻獣 メリーブロック・ドラゴン》。ドランを先駆で移動」

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:44→43枚

メリーブロックソウル:1→0

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

「ターンエンド」

 

クロノダメージ:0

クロノ手札:5枚

メリーブロックソウル:0

クロノデッキ:43枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

第2ターン。

東雲は《枷の戒め ゲルギャ》にライド。

そのままレージングを先駆で移動した。

 

東雲手札:5→6→5枚

東雲デッキ:44→43枚

ゲルギャソウル:0→1

〈 〉〈ゲ〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

「では、このままバトルに入ろう。レージングでブースト、ゲルギャでアタック」

 

ゲルギャ+レージングパワー:7000+5000=12000

 

この攻撃をクロノがノーガードすることを宣言したため、東雲はドライブチェックを行うためにデッキを捲った。

 

衰微の女神 ヘル(なし)

東雲デッキ:43→42枚

東雲手札:5→6枚

 

「ダメージチェック」

 

スチームテイマー アルカ(なし)

クロノデッキ:43→42枚

クロノダメージ:0→1

 

「これでターンエンドだよ」

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:5枚

メリーブロックソウル:0

クロノデッキ:42枚

クロノドロップ:0

〈 〉〈メ〉〈 〉

〈 〉〈ド〉〈 〉

 

東雲ダメージ:0

東雲手札:6枚

ゲルギャソウル:0

東雲デッキ:42枚

東雲ドロップ:0

〈 〉〈ゲ〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

続くクロノのターン。

クロノは、《クロノスピン・サーペント》にライド。

ドランZの効果を使用した。

 

クロノ手札:5→6→5枚

クロノデッキ:42→41枚

 

「ドランのスキル。G2以上がV(ヴァンガード)に登場した時、自信をバインドして、山札の上5枚を確認する。その中のG1かG3の十二支刻獣を手札に加える。《クロノジェット・ドラゴン・Z》を手札に!」

 

クロノバインド:0→1

〈 〉〈サ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:41→40枚

クロノ手札:5→6枚

 

「さらに、《刻獣 リボルバー・ドラコキッド》をコール。スキル発動。手札のG3カード、クロノジェットZを相手に見せ、山札から十二支刻獣のG3を手札に加える。その後、手札1枚を捨てる。俺は2枚目のクロノジェットZを手札に、このカードを捨てる」

 

クロノ手札:6→5枚

〈 〉〈サ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:40→39枚

クロノ手札:5→6→5枚

クロノドロップ:0→1

 

「バトルだ! リボルバー・ドラコキッドでアタック!」

 

リボルバーパワー:7000

 

「ガード、《神界獣 ハティ》」

 

東雲手札:6→5枚

ゲルギャ+ハティシールド:7000+5000=12000

東雲ドロップ:0→1

 

東雲のガードが成功。

その後、クロノがヴァンガードのクロノスピン・サーペントで攻撃を仕掛けた。

 

サーペントパワー:9000

 

「では、これはノーガードで」

 

「ドライブチェックだ」

 

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:39→38枚

クロノ手札:5→6枚

 

クリティカルトリガーが出たので、クロノはその効果を全てヴァンガードに送った。

 

サーペントパワー:9000→14000/☆2

 

これにより東雲は2点ダメージを受けた。

 

神を狩る黒狼 フェンリル(なし)

衰微の女神 ヘル(なし)

東雲デッキ:42→40枚

東雲ダメージ:0→2

 

互いにこれ以上の処理が無いため、クロノのターンは終了した。

 

東雲ダメージ:2

東雲手札:5枚

ゲルギャソウル:0

東雲デッキ:40枚

東雲ドロップ:1

〈 〉〈ゲ〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:6枚

サーペントソウル:1

クロノデッキ:38枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

〈 〉〈サ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。ライド、《盤の戒め ギョウル》」

 

東雲手札:5→6→5枚

東雲デッキ:40→39枚

 

東雲はメインフェイズに何もしないでバトルフェイズに入った。

 

「レージングでブースト、ギョウルでアタック」

 

ギョウル+レージングパワー:7000+5000=12000

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック」

 

神界獣 フェンリル(なし)

東雲デッキ:39→38枚

東雲手札:5→6枚

 

ダメージを受けたので、クロノのダメージチェックが行われた。

 

刻獣 スピアヘッド・ユニコーン(なし)

クロノデッキ:38→37枚

クロノダメージ:1→2

 

ここで東雲のターンは終了。

 

クロノダメージ:2

クロノ手札:6枚

サーペントソウル:1

クロノデッキ:37枚

クロノドロップ:1

クロノバインド:1

〈 〉〈サ〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

東雲ダメージ:2

東雲手札:6枚

ギョウルソウル:1

東雲デッキ:38枚

東雲ドロップ:1

〈 〉〈ギ〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

続く第5ターン。

 

「スタンド&ドロー。掴みたい未来のために、魂を震わせろ! ライド! 《クロノジェット・ドラゴン・Z》!」

 

クロノ手札:6→7→6枚

クロノデッキ:37→36枚

 

G3へのライドが行われた後、クロノはリボルバー・ドラコキッドの後ろに《ドキドキ・ワーカー》をコールした。

 

クロノ手札:6→5枚

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈ド〉

 

「バトルだ。リボルバー・ドラコキッドでアタック!」

 

リボルバー+ドキドキパワー:7000+4000=11000

 

東雲は、これをゲルギャでガード。

 

東雲手札:6→5枚

ギョウル+ゲルギャシールド:9000+5000=14000

東雲ドロップ:1→2

 

「そして、クロノジェットZでアタック! アタック時、ドキドキ・ワーカーのスキル、発動!」

 

ドキドキ・ワーカーの効果。

カテゴリ、クロノジェットがヴァンガードで攻撃した時、自信をソウルに送ることでヴァンガードの攻撃力を5千上げ、デッキから1枚ドローできるのだ。

 

クロノジェットソウル:2→3

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:36→35枚

クロノ手札:5→6枚

クロノジェットパワー:11000→16000

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブ」

 

刻獣 ボンバード・ホッグ(☆)

クロノデッキ:35→34枚

クロノ手札:6→7枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果は全て、ヴァンガードへ」

 

クロノジェットパワー:16000→21000/☆2

 

「2枚目」

 

クロノメディカル・ハムスター(治)

クロノデッキ:34→33枚

クロノ手札:7→8枚

 

「ヒールトリガーゲットだ。ダメージ1回復。パワーはヴァンガード」

 

クロノダメージ:2→1

クロノドロップ:1→2

クロノジェットパワー:21000/☆2→26000/☆2

 

東雲へのダメージが確定したことで、ダメージチェックが2回行われた。

 

枷の戒め ゲルギャ(なし)

ドリーミング・ドラゴン(醒)

東雲デッキ:38→36枚

東雲ダメージ:2→4

 

トリガー処理を行った後、クロノはターンを終了させた。

 

東雲ダメージ:4

東雲手札:5枚

ギョウルソウル:1

東雲デッキ:36枚

東雲ドロップ:2

〈 〉〈ギ〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

クロノダメージ:1

クロノ手札:8枚

クロノジェットソウル:3

クロノデッキ:33枚

クロノドロップ:2

クロノバインド:1

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー。さあ、次は僕の番だ。解き放て、滅びを告げる狼の顎! ライド、《神界獣 フェンリル》」

 

東雲手札:5→6→5枚

東雲デッキ:36→35枚

 

東雲も自信の分身カードにライド。

しかし、ここで東雲はいったん手を止めた。

 

「新導君。君は僕に聞かないのかい? 終わった事とは言え、僕は、君の親友を傷つけた張本人なんだよ。そんな僕が再び現れたことに思うことは無いのかい?」

 

「……」

 

クロノは、黙って東雲の話を聞いていたが、意を決したように口を開いた。

 

「俺はアンタのことは大して知らない。けど、昔のアンタなら、こんな回りくどい方法でシオンと接触しないだろ。もっとシオンにちょっかい掛けるはずだ」

 

2人は互いに狭い独り暮らしの中で苦悩していたシオンの姿を思い浮かべる。

特に一時は見ていられないくらい落ち込んでいたくらいだ。

本気を出した東雲の恐ろしさはクロノもよく知っている。

 

「そんなアンタがこの方法を選んだんだ。少なくとも前とは違うことは分かる。このファイトでも、俺を悩ませるような話はしていないしな。それが分かった以上、俺が聞くべき事は何もねえよ。ただ、ファイトに集中するだけだ」

 

クロノの言葉を聞いた東雲は、笑い出した。

 

「ははは。君は凄いね。あの時は理解できなかったけど、今なら伊吹さんやシオンが認めるのも理解できるよ。君と出会わなかったら、シオンはどんな運命を辿っていたのかも気になるけど、今となってはそれもつまらないな」

 

東雲は手の中のカードを取り、言葉を続けた。

 

「君と全力で戦い、勝利することが、シオンと出会う上で僕にとって必要な、最後の試練だ。行くよ。ストライドジェネレーション」

 

東雲は、手札の《神界獣 スコル》を捨てた。

このカードもまた、超越時にG3となるカードだ。

 

「黄昏の世界に終末の裁きを! 《大天使 ドゥームブレイス》!」

 

東雲手札:5→4枚

東雲ドロップ:2→3

東雲GB:0→1

〈 〉〈ド〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

「フェンリルの超越スキル発動。SC(ソウルチャージ)3、Vにスキルを与える」

 

東雲デッキ:35→32枚

SC:戦巫女 コトノハ、春眠の女神 ターロ、神界獣 ハティ

ドゥームブレイスソウル:2→5

 

東雲は、さらに《戦巫女 コトノハ》を召喚した。

 

東雲手札:4→3枚

〈コ〉〈ド〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈 〉

 

「コトノハのコール時、天啓を発動」

 

天啓とは、ジェネシス特有の効果だ。

召喚時、デッキトップのカードを確認し、そのままにするかソウルに置くかを決めることができる効果だ。

これにより、プレイヤーは、デッキトップ操作を行い、トリガーが出る確率を増やすことができるのだ。

ただし、ソウルに置いた場合、Rのカードをレスト(横向きに変えること)しなければならないデメリットもある。

 

「僕はソウルに送るよ。そしてレージングをレスト」

 

東雲デッキ:32→31枚

ドゥームブレイスソウル:5→6

 

「さらに、僕のソウルが増えた時、コトノハのスキル発動。このユニットのパワー+1000。天啓で置かれたため、さらに+1000だ」

 

コトノハパワー:9000→10000→11000

 

さらに、東雲は、《杭の戒め スヴィティ》を召喚。

 

東雲手札:3→2枚

〈コ〉〈ド〉〈 〉

〈 〉〈レ〉〈ス〉

 

続けてレージングを自信の効果でソウルに送り、Vにさらに効果を与えた。

 

ドゥームブレイスソウル:6→7

〈コ〉〈ド〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈ス〉

 

「ここでドゥームブレイスのスキル。SB(ソウルブラスト)3を行い、Rのユニット2体を選択。選択したユニットのパワー+5000だ」

 

ドゥームブレイスソウル:7→4

SB:盤の戒め ギョウル、神界獣 ハティ、神を狩る黒狼 フェンリル

東雲ドロップ:3→6

コトノハパワー:11000→16000

スヴィティパワー:4000→9000

 

「そっちのRは2体しか居ないから、当然そのユニットのパワーが上がるわけか。しかも、今ドロップに行ったカードは」

 

「当然。ここでドゥームブレイスが獲得したフェンリルとレージングのスキルが発動。フェンリルの方はコストとしてCB(カウンターブラスト)1を支払い、今ソウルからドロップに送られたカードを1枚ずつ選び、コールできる。レージングはノーコストで同じスキルだよ」

 

東雲は、この効果でギョウルとハティをコール。

一気に展開することに成功した。

 

東雲ダメージ:4(裏0→1)

東雲ドロップ:6→4

〈コ〉〈ド〉〈ギ〉

〈ハ〉〈 〉〈ス〉

 

「ギョウルの天啓。ふむ、これはソウルに置こう。ハティをレスト。ソウルが増えたためコトノハのスキル」

 

東雲デッキ:31→30枚

ドゥームブレイスソウル:4→5

コトノハパワー:16000→18000

 

「ギョウルの登場時スキル発動。CB1でパワー+4000。スキル獲得だよ」

 

東雲ダメージ:4(裏1→2)

ギョウルパワー:9000→13000

 

「さらに、ソウルのゲルギャのスキル。このカードを山札の下に戻すことで、レストしているハティをスタンドさせ、パワー+3000。さらにSC2しユニット1体のパワー+3000だ。コトノハを選択し、同時にコトノハのスキル」

 

ドゥームブレイスソウル:5→4

東雲デッキ:30→31枚

ハティパワー:7000→10000

東雲デッキ:31→29枚

SC:奉仕の神器 エイル、盤の戒め ギョウル

ドゥームブレイスソウル:4→6

コトノハパワー:18000→19000→22000

 

東雲はここでメインフェイズを終え、バトルフェイズに入った。

まずは、ハティにブーストされたコトノハの攻撃だ。

 

コトノハ+ハティパワー:22000+10000=32000

 

「ノーガード。ダメージチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・Z(なし)

クロノデッキ:33→32枚

クロノダメージ:1→2

 

「では続けて、スヴィティでブースト、ギョウルでアタックだ」

 

ギョウル+スヴィティパワー:13000+9000=22000

 

ここでギョウルの効果が誘発される。

東雲はSB3を行い、デッキから1枚ドローした。

 

ドゥームブレイスソウル:6→3

SB:春眠の女神 ターロ、奉仕の神器 エイル、神界獣 スコル

東雲ドロップ:4→7

東雲デッキ:29→28枚

東雲手札:2→3枚

 

「ハティのスキル。ソウルからドロップゾーンにカードが置かれた時、パワー+1000される」

 

ハティパワー:10000→11000

 

「さらにドロップゾーンに送られた《春眠の女神 ターロ》のスキル。このカードを山札の下に置くことで、R1体をスタンドさせる。僕はコトノハをスタンド」

 

東雲ドロップ:7→6

東雲デッキ:28→29枚

 

東雲側の攻撃時の効果処理が終わったので、次はクロノのガードステップだ。

 

「《刻獣 ボンバード・ホッグ》とメリーブロックでガード!」

 

クロノ手札:8→6枚

クロノジェット+メリーブロック+ボンバードシールド:11000+5000+10000=26000

クロノドロップ:2→4

 

守備力が攻撃力を上回ったため、ガード成功だ。

続けて、ヴァンガードによる攻撃がクロノに迫った。

 

「ここで、スヴィティのスキル。このカードをソウルに送り、パワー+5000し、1枚ドロー。そしてコトノハのスキルも発動」

 

ドゥームブレイスソウル:3→4

〈コ〉〈ド〉〈ギ〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

東雲デッキ:29→28枚

東雲手札:3→4枚

コトノハパワー:22000→23000

ドゥームブレイスパワー:26000→31000

 

クロノはこの攻撃に対してガーディアンを出すことをやめた。

 

「トリプルドライブ」

 

神界獣 フェンリル(なし)

ドリーミング・ドラゴン(醒)

東雲デッキ:28→26枚

東雲手札:4→6枚

 

「ゲット、スタンドトリガー。ギョウルのパワーを上げてスタンドさせる」

 

ギョウルパワー:13000→18000

 

奉仕の神器 エイル(治)

東雲デッキ:26→25枚

東雲手札:6→7枚

 

「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復、パワーはコトノハへ」

 

東雲ダメージ:4→3(裏2→1)

東雲ドロップ:6→7

コトノハパワー:23000→28000

 

「ダメージチェック」

 

クロノジェット・ドラゴン・G(なし)

クロノデッキ:32→31枚

クロノダメージ:2→3

 

「では再び、コトノハでアタック」

 

コトノハパワー:28000

 

これに対し、クロノは手札から1枚を切り捨てた。

 

「《刻獣 スピアヘッド・ユニコーン》でガード。Gガード、《時空竜 ヘテロラウンド・ドラゴン》! SB1でスキル発動。ギョウルを山札に戻す。その後シャッフルして山札の上のカードを同じ位置にコールさせる!」

 

クロノ手札:6→4枚

クロノドロップ:4→5

クロノジェットソウル:3→2

SB:刻獣 メリーブロック・ドラゴン

クロノドロップ:5→6

クロノジェット+スピアヘッド+ヘテロラウンドシールド:11000+5000+15000=31000

東雲デッキ:25→26枚

〈コ〉〈ド〉〈 〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

 

東雲が自身のデッキをシャッフルした後、デッキトップのカードを捲ると、出てきたのはスヴィティだった。

 

東雲デッキ:26→25枚

〈コ〉〈ド〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

 

効果処理が行われた後、攻撃は防がれ、ヘテロラウンドは姿を消した。

 

クロノドロップ:6→7

クロノGB:0→1

 

「これ以上の攻撃は無理だね。ターンエンドだよ」

 

クロノダメージ:3

クロノ手札:4枚

クロノジェットソウル:2

クロノデッキ:31枚

クロノドロップ:7

クロノバインド:1

クロノGB:1

〈 〉〈Z〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

東雲ダメージ:3(裏1)

東雲手札:7枚

フェンリルソウル:4

東雲デッキ:25枚

東雲ドロップ:7

東雲GB:1

〈コ〉〈フ〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

 

「スタンド&ドロー! 次は俺の番だ! クロノジェットZのスキル! 超越コストをドロップゾーンのG3十二支刻獣をバインドすることに書き換える!」

 

クロノは、デッキと墓地でG3扱いになるメリーブロックを除外した。

 

クロノ手札:4→5枚

クロノデッキ:31→30枚

クロノドロップ:7→6

クロノバインド:1→2

 

「ストライドジェネレーション! 《超刻獣 スプリット・ペガサス》!」

 

クロノGB:1→2

〈 〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「超越スキル! SB1でRを1体選択し、山札の下に戻す。その後、戻したユニットよりもグレードが1つ高いユニットをコールする。俺はコトノハを戻し、《刻獣 オビュラシー・オックス》をSコール!」

 

スプリットソウル:2→1

SB:ドキドキ・ワーカー

クロノドロップ:6→7

東雲デッキ:25→26枚

〈 〉〈フ〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:30→29枚

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

東雲の場を荒らし、自身の場を整えたクロノは、メインフェイズでさらなる展開に入った。

 

「《刻獣 スピアヘッド・ユニコーン》、《刻獣 ヒュプノシス・シープ》をコール」

 

クロノ手札:5→3枚

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈ヒ〉〈ス〉

 

「スプリット・ペガサスのスキル! CB1とGゾーンの裏のカードを表にし、R1体を山札に戻し、そのユニットよりもグレードが1つ低い十二支刻獣2体をコールする。スピアヘッド・ユニコーンを戻し、《刻獣 トランジット・ドラゴン》2体をSコール!」

 

クロノダメージ:3(裏0→1)

クロノGB:2→3

クロノデッキ:29→30枚

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈ヒ〉〈 〉

クロノデッキ:30→28枚

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈ト〉〈ヒ〉〈ト〉

 

ここでオビュラシー・オックスと先ほどクロノがGゾーンで表にしたスプリット・ペガサス永続効果が発揮される。

スプリット・ペガサスの効果で前列のカードの攻撃力は千上がり、オビュラシー・オックスはGゾーンの表のカードの数につき攻撃力を千上げることができる。

今回は2枚なので2千ポイント上がった。

 

オックスパワー:11000→12000→14000

スプリットパワー:26000→27000

リボルバーパワー:7000→8000

 

「オビュラシー・オックスのスキル。CB1でこのターンの間、Gゾーンの表のカードと同じ数だけパワー+1000する。合計2000アップだ」

 

クロノダメージ:3(裏1→2)

オックスパワー:14000→16000

 

ここでメインフェイズは終了。

クロノのバトルフェイズが始まった。

 

「トランジット・ドラゴンでブースト、リボルバー・ドラコキッドでアタック!」

 

リボルバー+トランジットパワー:8000+7000=15000

 

「ここはノーガードするよ。ダメージチェック」

 

春眠の女神 ターロ(醒)

東雲デッキ:26→25枚

東雲ダメージ:3→4(裏1)

 

「スタンドトリガーゲットだ。パワーは当然ヴァンガード。ハティをスタンドさせよう」

 

フェンリルパワー:11000→16000

 

トリガーにより攻撃力が上がり、攻撃が防がれやすくなってしまったが、クロノは大きく気にせずに次の効果処理に移った。

 

「トランジット・ドラゴンのスキル。ブーストしたバトル終了時、G4のクロノジェットが居るため、こいつをソウルに送って1枚ドロー」

 

スプリットソウル:1→2

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈ト〉〈ヒ〉〈 〉

クロノデッキ:28→27枚

クロノ手札:3→4枚

 

「まだまだ行くぜ! ヴァンガードでアタック!」

 

スプリット+ヒュプノシスパワー:27000+4000=31000

 

東雲はこれを完全ガードカード、《衰微の女神 ヘル》で受けた。

墓地には同名カードが存在するため、同時にCC1も行われた。

 

東雲手札:7→5枚

東雲ドロップ:7→8

東雲ダメージ:4(裏1→0)

東雲ドロップ:8→9

 

「トリプルドライブ!」

 

刻獣 メタルパーティ・ドラゴン(なし)

スチームテイマー アルカ(なし)

ドキドキ・ワーカー(☆)

クロノデッキ:27→24枚

クロノ手札:4→7枚

 

ここでクリティカルトリガーが出された。

クロノはこの効果を全てオビュラシー・オックスに注ぎ込んだ。

 

オックスパワー:16000→21000/☆2

 

「オビュラシー・オックスでヴァンガードにアタック!」

 

オックス+トランジットパワー:21000+7000=28000/☆2

 

「《奉仕の神器 エイル》を捨て、Gガード。《天蓋の戦巫女 ハナサツキ》。スヴィティを選択し、ソウルにもスヴィティが存在するため、シールド+10000」

 

東雲手札:5→4枚

東雲ドロップ:9→10

ハナサツキシールド:15000→25000

フェンリル+ハナサツキシールド:16000+25000=41000

東雲GB:1→2

 

「通らないか。なら、まずはトランジット・ドラゴンのスキル」

 

スプリットソウル:2→3

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈ヒ〉〈 〉

クロノデッキ:24→23枚

クロノ手札:7→8枚

 

「ヒュプノシス・シープのスキル。自信をソウルに送り、他のR、リボルバー・ドラコキッドを山札の下に置くことでR1体をスタンドさせる。残っているのはオビュラシー・オックスだけだから、こいつをスタンドだ。これでもう1度攻撃ができるな」

 

スプリットソウル:3→4

〈オ〉〈ス〉〈リ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

クロノデッキ:23→24枚

〈オ〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

クロノは再びオビュラシー・オックスで攻撃。

これでこのターン4度目の攻撃だ。

 

オックスパワー:21000/☆2

 

だが、この攻撃は。

 

「流石だよ、新導君。でもあまい。《ドリーミング・ドラゴン》でガード」

 

東雲手札:4→3枚

フェンリル+ドリーミングシールド:16000+10000=26000

東雲ドロップ:10→11

 

ダメージトリガーのせいで東雲は余裕を持って防御に成功した。

これでクロノのターンは終了だ。

 

東雲ダメージ:4

東雲手札:3枚

フェンリルソウル:4

東雲デッキ:25枚

東雲ドロップ:11

東雲GB:2

〈 〉〈フ〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈 〉

 

クロノダメージ:3(裏2)

クロノ手札:8枚

クロノジェットソウル:4

クロノデッキ:24枚

クロノドロップ:7

クロノバインド:2

クロノGB:3

〈オ〉〈Z〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

残念ながら、1つしかダメージを与えられなかったところで東雲のターンに入った。

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。さて、そろそろ決着を着けよう。《神を狩る黒狼 フェンリル》を捨て、目覚めろ、未来を食らう神の獣。ストライドジェネレーション。《天獄神獣 フェンリル》」

 

東雲手札:3→4枚

東雲デッキ:25→24枚

東雲手札:4→3枚

東雲ドロップ:11→12

東雲GB:2→3

 

ここで東雲は、切り札、天獄神獣 フェンリルを繰り出した。

GB(ジェネレーションブレイク)は3なので、天獄神獣の永続効果が発揮される。

その前に、再び超越スキルが処理され、天獄神獣は効果を得た。

 

(こっちはまだダメージ3なのに、ファイナルターン宣言? 自信があるのか? いや、相手は東雲ショウマだ。油断ならない)

 

クロノはその決着宣言に警戒心を強くする。

 

東雲デッキ:24→21枚

SC:枷の戒め ゲルギャ、春眠の女神 ターロ、戦巫女 コトノハ

フェンリルソウル:4→7

 

「コトノハをコール。天啓が発揮されるが、天獄神獣 フェンリルのGB2。天啓スキルを山札の上2枚を確認し、1枚までをソウルに送り、残りを好きな順番で山札の上に置くに変更する。ふむ、こっちはソウルに送ろう」

 

東雲手札:3→2枚

〈 〉〈フ〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈コ〉

東雲デッキ:21→20枚

フェンリルソウル:7→8

コトノハパワー:9000→11000

 

変更された天啓では他のRをレストする効果は無い。

そのため東雲は、デッキトップを確実に固定したうえに、場の戦力を削ぐ事が無いのだ。

 

「天獄神獣 フェンリルのスキル。CB1、SB3。1枚ドローするか、引くカードをソウルに送りR1体とVをパワー+3000できる。今回は引かせてもらうよ」

 

東雲ダメージ:4(裏0→1)

フェンリルソウル:8→5

SB:枷の戒め ゲルギャ、盤の戒め ギョウル、神を狩る黒狼 フェンリル

東雲ドロップ:12→15

東雲デッキ:20→19枚

東雲手札:2→3枚

 

SBが行われたため、ハティの効果が発動される。

 

ハティパワー:7000→8000

 

さらに東雲はギョウルを召喚した。

 

東雲手札:3→2枚

〈ギ〉〈フ〉〈ス〉

〈ハ〉〈 〉〈コ〉

 

そしてギョウルの2つの効果も発動。

東雲は再びデッキトップ操作を行い、ギョウルの攻撃力を上げた。

 

東雲ダメージ:4(裏1→2)

ギョウルパワー:9000→13000

東雲デッキ:19→18枚

フェンリルソウル:5→6

コトノハパワー:11000→13000

 

「コトノハとスヴィティを入れ替え。さらにドリーミング・ドラゴンをコール」

 

東雲手札:2→1枚

〈ギ〉〈フ〉〈コ〉

〈ハ〉〈ド〉〈ス〉

 

「これで準備は整った。バトルに入るよ。コトノハでアタック」

 

コトノハ+スヴィティパワー:13000+4000=17000

 

クロノはこれをノーガードで受ける。

ダメージトリガー狙いだろう。

 

刻獣 クルージング・ドラゴン(なし)

クロノデッキ:24→23枚

クロノダメージ:3→4(裏2)

 

「続けて、フェンリルでアタック。スヴィティのスキルを再び発動」

 

フェンリルソウル:6→7

〈ギ〉〈フ〉〈コ〉

〈ハ〉〈ド〉〈 〉

東雲デッキ:18→17枚

東雲手札:1→2枚

フェンリルパワー:26000→31000

コトノハパワー:13000→14000

フェンリル+ドリーミングパワー:31000+4000=35000

 

「完全ガード! 《スチームテイマー アルカ》!」

 

クロノ手札:8→6枚

クロノドロップ:7→8→9

 

「トリプルドライブ」

 

ドリーミング・ドラゴン(醒)

東雲デッキ:17→16枚

東雲手札:2→3枚

 

「スタンドトリガーだ。効果は全てコトノハへ」

 

コトノハパワー:14000→19000

 

ドライブチェックはまだ続いた。

 

杭の戒め スヴィティ(☆)

東雲デッキ:16→15枚

東雲手札:3→4枚

 

「なっ!?」

 

「パワーはコトノハへ、クリティカルはギョウルへ」

 

コトノハパワー:19000→24000

ギョウル:☆2

 

「サードチェック」

 

杭の戒め スヴィティ(☆)

東雲デッキ:15→14枚

東雲手札:4→5枚

 

「ここで!?」

 

クロノが驚いても結果は変わらない。

トリガーは全てコトノハへと注がれた。

 

コトノハパワー:24000→29000/☆2

 

「コトノハで再びアタック」

 

コトノハパワー:29000/☆2

 

「(くっ、なら、ここは)ドキドキ・ワーカー、メタルパーティ、スピアヘッド・ユニコーンでガード」

 

クロノ手札:6→3枚

クロノジェット+メタルパーティ+ドキドキ+スピアヘッドシールド:11000+5000+10000+5000=31000

クロノドロップ:9→12

 

「防いだね。当たり前か。ギョウルでアタック。スキルでドロー」

 

フェンリルソウル:7→4

SB:春眠の女神 ターロ、杭の戒め スヴィティ、枷の戒め ゲルギャ

東雲ドロップ:15→18

東雲デッキ:14→13枚

東雲手札:5→6枚

ハティパワー:8000→9000

ギョウル+ハティパワー:13000+9000=22000/☆2

 

「ここで神界獣 フェンリルのスキルを使うよ。先ほどドロップに落ちたゲルギャをSコール。ゲルギャの天啓。ソウルへ」

 

東雲ダメージ:4(裏2→3)

東雲ドロップ:18→17

〈ギ〉〈フ〉〈コ〉

〈ハ〉〈ド〉〈ゲ〉

東雲デッキ:13→12枚

フェンリルソウル:4→5

コトノハパワー:29000→31000/☆2

 

「そしてターロのスキルでコトノハをスタンド」

 

東雲ドロップ:17→16

東雲デッキ:12→13枚

 

これでコトノハはもう1度攻撃が可能となった。

ギョウルの攻撃はまだ続いているのでクロノが負けないために取った行動は――。

 

「来い! ノーガードだ!」

 

ここでヒールトリガーを引くことに賭けることだった。

そして、捲られたのは……

 

刻獣 ヒュプノシス・シープ(醒)

クロノデッキ:23→22枚

クロノダメージ:4→5(裏2)

 

「ゲット、スタンドトリガー! パワーはヴァンガード、オビュラシー・オックスをスタンド!」

 

クロノジェットパワー:11000→16000

 

トリガーが出たことでクロノは嬉しそうにヴァンガードの攻撃力を上げた。

これでヒールトリガーが出れば、次の攻撃も防ぐことができるのだろう。

 

「セカンドチェック!」

 

クロノジェット・ドラゴン・Z

クロノデッキ:22→21枚

クロノダメージ:5→6(裏2)

東雲WIN

 

だが、捲られたカードはヒールトリガー。

クロノは賭けに負けたのだ。

 

「負け……か」

 

その事実を受けとめ、クロノは顔を上げた。

 

「ありがとうございました。良いファイトでした」

 

東雲がそう言いながら差し出した手をとった。

 

 

「負けたよ。やっぱ、アンタ強いな」

 

「君も強かったよ。流石はトライスリーのリーダーだ。リューズさんに勝っただけのことはある」

 

「あの時のことは、アンタには感謝してるよ。一応」

 

詳しくはテレビ本編をチェックだ。

そうこう話しているとクロノが謎技術の光に包まれる。

 

「東雲ショウマ」

 

クロノの姿が見えなくなる直前、クロノは東雲に呼びかけた。

 

「シオンとトコハが必ず勝ち上がる。だから、ファイナルステージで会おうぜ!」

 

そう言って、クロノは光の中に消えていった。

 

「ゴール直前の敗北は、そのままそのメンバーの失格か。他のメンバーへのペナルティもあるし、トライスリーは不利になってしまったかな」

 

東雲はそのまま開いた扉へと歩いて行った。

 

「でも、待っているよ。シオン。君なら必ず勝ち上れるとね」

 

そうして、東雲は扉の中の光へと消えていった。

 

『チームニューオーガ、セカンドステージ突破だ!』

 

実況席でミヤがそう叫んだ瞬間、ニューオーガの2人も迷宮の中から姿を消したのだった。

決勝への席はあと3つ。

 

続く。




次回予告特別バージョン

『やあ~~~~っと完成した』

「遅いわ!」

『ぎゃああああ!! クロノジェットが謎ビーム!?』ドーン!

「反省しろ!」

『ごああああ!! アルトマイルの剣で斬撃飛ばすな!!』ザシュ!

「さようなら」

『ちょっ!? 何これ!? 花のファ○ネル!? そんなどこぞのMFみたいなこと……ああああああ!!!』ズドドドドーン!

「「「自業自得だ!」」」

『だってさあ、しょおがないじゃん。最近のヴァンガード詰まらないもん。やる気起きないよ』←血ダラダラ

「もうすぐ俺たちの分身のリメイク来るだろ! それで持ち直せよ!」

『嫌だよ! だって絶対に地雷じゃん! こんな早期のリメイク誰も望んで無かったよ!』

「なんてこと言うんだ! それでもヴァンガードファイターか!」

『決闘者(デュエリスト)だよ!!』

「さっさと続き書け!」ブン!

『またぁ!? ごふっ! ごはぁ!』バタン

「さて、こんなダメ作者の作品ですが、ここまで読んでくださってありがとうございます」

「続きの予定はやっぱり未定となりますが、僕たちがたたき起こして書かせるので、どうかお待ちしていてください」

「また、私たちトライスリーのカードもリメイクしてスタンダードに登場するので皆さん是非買ってください」

『うぐっ。じ、次回はこちら』

次回、第22ターン:セカンドステージファイナルターン!

『長かったセカンドステージも次で終了なので、お待ちください』

「次回もみんなで……」

「「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」」


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第22ターン:セカンドステージファイナルターン!

クロノが東雲に敗北したことを皮切りに、トコハとシオンは苦戦を強いられてしまう。
それでも2人はそれぞれに進み続け、ついにゴールまでたどり着いた。
これがセカンドステージ最後の戦いです。


投稿時期に関しては何も言わないでください。
後、偶にpixivで短編書いてますので、そちらもよろしければ読んでください。


『さあ! セカンドステージもいよいよ大詰め! 日本予選ファイナルステージに進める枠は後1つ!』

 

この実況は聞こえていないが、トライスリーのシオンは一所懸命走っていた。

 

「はあ、はあ。途中から、道が険しくなったね。誰かが負けたのかな」

 

シオンにはクロノが失格になったことを知るよしも無いが、自信の状況からある程度のことを察していた。

だからこそ、自信が動かなければいけないと考え、全力でゴールへと走っているのだ。

この間に何度問題を解いたり、ファイトで勝ったのか、シオンはすでに数えていない。

そして、彼はついに辿り着いた。

 

「はあ、はあ。此処が、最後の……」

 

そう。

前話でクロノと東雲が戦った場所と同じ装飾が行われた部屋である。

そして此処には、もう1人がすでに辿り着いていた。

 

「貴方は、アイチさん!」

 

居たのは先導アイチ。

チームQ4のリーダーである彼もまた、仲間の敗北を拭い、ファイナルステージに王手をかけるこの場まで戻ってきたのだ。

今この場で勝った方が決勝へと進む。

泣いても笑ってもこれがラストチャンスだ。

 

『ここで、セカンドステージ突破可能チームが絞られた。ステージに残った全ファイターを退去。このファイトをセカンドステージラストファイトとする』

 

実行委員長の伊吹もそれがわかっているからか、あの場にたどり着けなかったチームに現実を突きつけるようにウォールトライメイズに残った参加者を謎技術で退去させる。

これで迷宮内に残ったのは、ゴール済の者とシオンとアイチだけだ。

当然、まだ敗北していないがゴールにたどり着けなかったトコハも退去対象となるわけで。

 

「あっ、クロノ~」

 

強制退去させられたトコハは先に失格となっており、観客席にいたクロノと合流した。

愛しの彼との久々(話数的に5話ぶり)の再会にとても嬉しそうである。

 

「お疲れさん」

 

「うん。クロノも残念だったね」

 

合流前にクロノの事情を聞いていたのだろうか。

クロノを慰めるように頭を撫でた。

 

「後は、シオンに託すさ」

 

素直にトコハの好意を受けながら、最後のチームメイトを信じて見守り始めた。

 

「ところでクロノ。賭けのこと忘れてないよね。最初に失格になったんだよ」

 

「あっ」

 

閑話休題。

 

「昔櫂君に絞られたみたいだね」

 

一方そのころ、デッキをシャッフルしながら、最後のファイター2名は雑談を行っていた。

 

「ええ。あの時は、僕の心理状態も問題だったのですが、あの鬼引き連発を真顔でやり続ける櫂さんがかなり恐かったですね」

 

傍から見ると表情筋が仕事を放棄してしまった櫂の真顔は確かに恐いだろう。

本人的には表情豊かのつもりなので心外と思いそうだが。

櫂本人の気持ちを知りながらも周りの感想も分かるアイチは苦笑するしかなかった。

 

「でも、僕のワガママに最後まで付き合ってくれたので、落ち込んでいた僕は吹っ切ることができたんです。だから感謝しています」

 

それよりも、とシオンは話を切り替えた。

 

「聞きましたよ。妹のエミさんが櫂さんの事が好きで強気にアタックをかけているって」

 

良かったですね、と続けようとしたシオンはアイチの顔を見て言葉に詰まってしまう。

 

「えっ? アイチさん? ど……どうしたんですか? アイチさんと櫂さんは仲が良いはずですねよ?」

 

詰まる喉を振り切って発したシオンの疑問にアイチは苦笑しながら答えた。

 

「うーん。確かに、僕にとって櫂君は友達で、ヴァンガードで、恩人だけど。家族になるって考えるとちょっと思うところがあるんだよね」

 

アイチの言葉にシオンの疑問は更に増えていく。

 

「櫂君のことは、すごいと思うし、尊敬している。好きか嫌いかなら好きだけど。それは友達としてであって、それ以上の関係になると、面倒くさいんだよ。シオン君、君は、リバースファイター事件を知っているかな?」

 

「ええ。カムイさんから聞きました」

 

ギーゼ事件の後の2年の中でクロノやシオンはアイチ達が乗り越えた試練の数々を聞いていた。

その中には当然リバースファイター事件もある。

 

「確か、リンクジョーカーに憑依されたタクトと言う方が原因で、最初にリバースファイターにされた櫂さんが他の人をリバースファイターにしていったんですよね」

 

詳しくはリンクジョーカー編を見よう。

2020年2月現在、youtubeで無料配信されてるぞ。

 

「うん。でも、シオン君は櫂君がリバースされた理由を知ってる?」

 

シオンは知らないと言うように首を横に振る。

 

「あれね、僕に勝つためなんだよ」

 

「……は?」

 

アイチが語る真実にシオンは言葉を失ってしまう。

 

「しかもそれが僕と何度もファイトして1回も勝てないからなら、まだ分かるけど。当時の僕は櫂君とほとんどファイトしなかったからね。事情はもっと複雑だよ」

 

アイチ曰く、当時アイチ率いる宮地学園カードファイト同窓会は後江高校カードファイト部に団体戦を挑んだのだが、ここでアイチは大将として森川カツミとファイトを行った。

だが、森川の使用デッキはいつものG3デッキではなかったのだ。

 

「森川君が使用したのは、三和君や井崎君がすり替えた櫂君の組んだかげろうだったんだ。最初は森川君がかげろうを中心に組んだんだと思ったんだけど、森川君が知らないって言ってたから間違いないよ」

 

人のデッキをすり替えるなんて酷い話である。

良い子のみんなはそんなことしてはいけないぞ。

とは言え、森川の場合は他人が組んだデッキでファイトした方が勝率高いので勝つためと割り切れば理解できる話ではあるが、やはり酷い話であることは間違いない。

 

「櫂君もこのことは知っていて、僕も真剣にファイトに挑んだ。そして勝ったんだ。でも多分、相手が櫂君だったら怪しかったよ」

 

でも、とアイチは続ける。

 

「櫂君はそうは思わないで、自分が使っても、僕に『絶対』に勝てないって思ったらしいんだ。そんなこと思うのならショップで僕にファイト挑んでくれば良いのね。ね、面倒くさいでしょ」

 

まったくである。

たかがカードゲームで無駄なプライドを持ちすぎだ。

ちなみにこの会話は会場中に流されている。

櫂の黒歴史、全面公開だ。

 

『まあ、そんなこんなで、僕としては面倒くさい櫂君よりも、カムイ君の方がエミの相手としては相応しいと思うんだよ。彼には待っている人が居るから諦めたけど、カムイ君がフリーだったら絶対に櫂君と付き合うのを反対していたよ』

 

アハハハハと笑うアイチ。

それを会場で見ていた櫂とカムイは、底知れぬアイチの腹の黒さに戦慄し、顔を青くしてしまう。

ミサキと結婚したアイチは、既に櫂の手を離れ、愛する人と共に強くなっていたのだ。

少なくとも、恩人の悪口を暴露することに躊躇が無くなるぐらいには。

 

「……アイチさんェ……」

 

「シオン……ガンバ」

 

そんな話を聞かされてやはり顔を青くしたシオンを親友カップルは応援するしかなかった。

 

「」

 

ファイトテーブルでは、シオンがアイチの話に絶句しながらも、デッキシャッフルを終え、手札を整える。

 

「ごめんね、愚痴聞いてもらっちゃって。じゃあ、始めようか」

 

「は……はい……」

 

いよいよ、戦いのゴングが鳴り響く。

 

「「スタンドアップ!」」

 

「THE!」

 

「「ヴァンガード!!」」

 

「瞬きの騎士 ミーリウス!」

 

「ういんがる・ぶれいぶ!」

 

第1ターン。

シオンは、《月牙の騎士 フェレックス》にライド。

ミーリウスを真後ろに移動させた。

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:44→43枚

フェレックスソウル:1→0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

そして、そのままターンを終了させた。

 

アイチダメージ:0

アイチ手札:5枚

アイチデッキ:44枚

ういんがるソウル:0

アイチドロップ:0

〈 〉〈う〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオンダメージ:0

シオン手札:5枚

シオンデッキ:43枚

フェレックスソウル:0

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

「僕のターン。ライド、《ブラスターフレンド ばーくがる》。ういんがる・ぶれいぶは先駆で移動」

 

アイチ手札:5→6→5枚

アイチデッキ:44→43枚

ばーくがるソウル:1→0

〈 〉〈ば〉〈 〉

〈 〉〈う〉〈 〉

 

このままアイチはバトルフェイズに入り、攻撃を行った。

 

ばーくがる+ういんがるパワー:7000+5000=12000

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック!」

 

ブラスター・ブレード・エクシード(なし)

アイチデッキ:43→42枚

アイチ手札:5→6枚

 

攻撃が当たり、捲ったカードを手札に入れるとシオンが自身のデッキに手を添える。

彼のダメージチェックだ。

 

せぷとがる(なし)

シオンデッキ:43→42枚

シオンダメージ:0→1

 

「ういんがる・ぶれいぶのスキル。カード名にブラスターを含むユニットをブーストしたアタックがヒットしたため、このユニットをソウルに置くことで、山札からカード名にブラスターを含むカードを手札に加える。僕は、《ブラスター・ブレード・スピリット》を手札に加えるよ」

 

ばーくがるソウル:0→1

〈 〉〈ば〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

アイチデッキ:42→41枚

アイチ手札:6→7枚

 

アイチは自身の分身の友達の力を借りて分身の魂を呼び寄せた。

アイチが次のターンにどんな動きを行うかを、シオンにも簡単に理解できる形で行い、アイチはこのターンを終えた。

 

シオンダメージ:1

シオン手札:5枚

シオンデッキ:42枚

フェレックスソウル:0

シオンドロップ:0

〈 〉〈フ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

アイチダメージ:0

アイチ手札:7枚

アイチデッキ:41枚

ばーくがるソウル:1

アイチドロップ:0

〈 〉〈ば〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「僕のターン、ドロー! ライド! 《要撃の騎士 レドン》!」

 

シオン手札:5→6→5枚

シオンデッキ:42→41枚

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈ミ〉〈 〉

 

メインフェイズ、シオンは何もせず、バトルに移った。

 

レドン+ミーリウスパワー:9000+5000=14000

 

「ノーガード!」

 

ミーリウスの効果を知っていながらも、アイチはそのまま攻撃を受けた。

 

ぎゅーんみー(なし)

シオンデッキ:41→40枚

シオン手札:5→6枚

 

「ダメージチェック」

 

光と闇の愛弟子 リュー(なし)

アイチデッキ:41→40枚

アイチダメージ:0→1

 

ここでミーリウスの効果が発動。

勇敢持ちをブーストした攻撃が通ったため、ソウルに入ることでデッキトップ10枚を確認、その中のアルトマイルカード1枚を手札に加え、もう1枚をソウルに入れることができるのだ。

アイチがこの効果を知っていながら防御しなかったのは、自身の効果を通してくれたお礼か、或いは早期に処理されていた方が楽だからだろう。

シオンはこの効果で《神明の騎士 アルトマイル》2枚を選び、手札とソウルに加えた。

 

レドンソウル:1→2

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

シオンデッキ:40→38枚

レドンソウル:2→3

シオン手札:6→7枚

 

「ターンエンド」

 

アイチダメージ:1

アイチ手札:7枚

アイチデッキ:40枚

ばーくがるソウル:1

アイチドロップ:0

〈 〉〈ば〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオンダメージ:1

シオン手札:7枚

シオンデッキ:38枚

レドンソウル:3

シオンドロップ:0

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「僕のスタンド&ドロー! その魂よ、蘇れ! 立ち上がれ、僕の分身!ライド! ブラスター・ブレード・スピリット!」

 

アイチ手札:7→8→7枚

アイチデッキ:40→39枚

〈 〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

ブラスター・ブレード・スピリット。

その名の通り、ブラスター・ブレードの魂だけで現れたカードだ。

 

「コール! 《ナイト・オブ・フラグメント》!」

 

アイチ手札:7→6枚

〈ナ〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アイチはこれでメインフェイズを終え、バトルフェイズに入った。

 

「ブラスター・ブレード・スピリットでアタック!」

 

スピリットパワー:10000

 

「ノーガード!」

 

アイチが山札を捲る。

 

フローラルパラディン ふろうがる(☆)

アイチデッキ:39→38枚

アイチ手札:6→7枚

 

ここで今ファイト初のクリティカルトリガー。

アイチは当然のようにVにクリティカル、Rに数値を振った。

 

フラグメントパワー:9000→14000

スピリット:☆2

 

「ダメージチェック」

 

厳戒の騎士 レギウス(なし)

壮気の騎士 リルディス(☆)

シオンデッキ:38→36枚

シオンダメージ:1→3

 

「ゲット、クリティカルトリガー。効果はすべてヴァンガードへ」

 

レドンパワー:9000→14000/☆2

 

シオンもトリガーが誘発される。

これで次の攻撃は防がれやすくなったが、続けてナイト・オブ・フラグメントの攻撃を宣言した。

 

フラグメントパワー:14000

 

「ガード! 《逆風の騎士 セリム》!」

 

シオン手札:7→6枚

レドン+セリムシールド:14000+5000=19000

シオンドロップ:0→1

 

攻撃が防がれたので、バトルフェイズは終了。

同時にアイチのターンは終わった。

 

シオンダメージ:3

シオン手札:6枚

シオンデッキ:36枚

レドンソウル:3

シオンドロップ:1

〈 〉〈レ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アイチダメージ:1

アイチ手札:7枚

アイチデッキ:38枚

スピリットソウル:2

アイチドロップ:0

〈ナ〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「僕のターン! スタンド&ドロー! 我が誇りは君の剣と共に! ライド! 《神明の騎士 アルトマイル》!」

 

シオン手札:6→7→6枚

シオンデッキ:36→35枚

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「アルトマイルのスキル。勇敢持ちをSB1することで、山札から勇敢持ちをコールする!」

 

シオンはデッキから《ぎゅーんみー》を特殊召喚した。

 

アルトマイルソウル:4→3

SB:要撃の騎士 レドン

シオンドロップ:1→2

シオンデッキ:35→34枚

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈ぎ〉〈 〉〈 〉

 

「コール! 《反攻の騎士 スレイマン》! レドン!」

 

シオン手札:6→4枚

〈ス〉〈ア〉〈レ〉

〈ぎ〉〈 〉〈 〉

 

「レドンで、ナイト・オブ・フラグメントにアタック!」

 

レドンパワー:9000

 

この攻撃はスルーされ、ナイト・オブ・フラグメントは容赦なく破壊された。

 

アイチドロップ:0→1

〈 〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

「ヴァンガードでアタック!」

 

アルトマイルパワー:11000

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!」

 

月牙の騎士 フェレックス(なし)

天命の騎士 アルトマイル(なし)

シオンデッキ:34→32枚

シオン手札:4→6枚

 

今回もトリガーはない。

 

「ダメージチェック」

 

まぁるがる(引)

アイチデッキ:38→37枚

アイチダメージ:1→2

 

アイチはドロートリガーを引いた。

そのまま処理を行い、Vの攻撃力とアイチの手札が増える。

 

アイチデッキ:37→36枚

アイチ手札:7→8枚

スピリットパワー:9000→14000

 

続けて、スレイマンがぎゅーんみーの力を借りてブラスター・ブレードに襲い掛かる。

 

スレイマン+ぎゅーんみーパワー:9000+7000=16000

 

「ガード! 《小さな軍師 マロン》!」

 

アイチ手札:8→7枚

スピリット+マロンシールド:14000+5000=19000

アイチドロップ:1→2

 

潤っていた手札から1枚を場に出し、攻撃をしのいだ。

これ以上攻撃ができるカードは無いため、シオンはターンを終了せざるを得なかった。

 

アイチダメージ:2

アイチ手札:7枚

アイチデッキ:36枚

スピリットソウル:2

アイチドロップ:2

〈 〉〈ス〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

シオンダメージ:3

シオン手札:6枚

シオンデッキ:32枚

アルトマイルソウル:3

シオンドロップ:2

〈ス〉〈ア〉〈レ〉

〈ぎ〉〈 〉〈 〉

 

「僕のスタンド&ドロー! 湧き上がれ、僕の新たなる力! ライド! 《ブラスター・ブレード・エクシード》!」

 

アイチ手札:7→8→7枚

アイチデッキ:36→35枚

〈 〉〈エ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

召喚時効果により、CB1を払って、シオンのG1以上のカード、今回はぎゅーんみーを破壊した。

 

アイチダメージ:2(裏0→1)

〈ス〉〈ア〉〈レ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

シオンドロップ:2→3

 

「手札の《月桂の騎士 シシルス》をG3扱いとして、捨てる! ストライドジェネレーション! 《双絶の聖騎士 セイント・オブ・ツインソード》!」

 

アイチ手札:7→6枚

アイチドロップ:2→3

〈 〉〈セ〉〈 〉

〈 〉〈 〉〈 〉

アイチGB:0→1

 

エクシードの超越時効果はGカードが対象外であるため発動しない。

そのため、そのままアイチのメインフェイズに移った。

 

「コール。《フローラルパラディン ふろうがる》、ブラスターフレンド ばーくがる!」

 

アイチ手札:6→4枚

〈 〉〈セ〉〈 〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

 

「バトル! ふろうがるでブースト、セイント・オブ・ツインソードでアタック!」

 

ここでセイント・オブ・ツインソードの攻撃時効果が発動。

ブーストされるとCB1とGゾーンの裏のカード1枚を表にすることでデッキからG2を2枚特殊召喚することができるのだ。

今回は、《神聖騎士 ガンスロッド・ピースセイバー》を表にして、ナイト・オブ・フラグメントとブラスター・ブレード・スピリットを出してきた。

 

アイチダメージ:2(裏1→2)

アイチGB:1→2

アイチデッキ:35→33枚

〈ス〉〈セ〉〈ナ〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

ツインソード+ふろうがるパワー:26000+4000=30000

 

さらに、セイント・オブ・ツインソードの永続効果により、デッキから特殊召喚されたカードはGゾーンの表のカード1枚につき、攻撃力が5000アップするのだ。

 

『現在の先導のGゾーンは1枚。よって、今Sコールされた2枚はパワー+5000だ』

 

フラグメントパワー:9000→14000

スピリットパワー:10000→15000

 

「さらに、ナイト・オブ・フラグメントはG2が2体以上いるので、パワー+2000し、スキルを得る」

 

フラグメントパワー:14000→16000

 

シオンは、この攻撃をブロックすることなく、ライフで受けた。

 

「トリプルドライブ!」

 

光昭の騎士王 アルフレッド・オース(なし)

新風のブラスター リュー(なし)

聖泉の巫女 リアン(なし)

アイチデッキ:33→30枚

アイチ手札:4→7枚

 

アイチ側も今回はトリガー無し。

シオンに1点ダメージが入る。

 

「ダメージチェック」

 

レメディ・エンジェル(治)

シオンデッキ:32→31枚

シオンダメージ:3→4

 

「ゲット、ヒールトリガー。ダメージ1回復。パワーはヴァンガードへ」

 

シオンダメージ:4→3

シオンドロップ:3→4

アルトマイルパワー:11000→16000

 

Vの攻撃力が上がったことで攻撃が通らなくなったブラスター・ブレード・スピリットをアイチはスレイマンへの攻撃に割り振った。

 

スピリットパワー:15000

 

シオンはこれを手札の《さるーがる》でガード。

攻撃を通さなかった。

 

シオン手札:6→5枚

スレイマン+さるーがるシールド:9000+10000=19000

シオンドロップ:4→5

 

「なら、ナイト・オブ・フラグメントでアタック!」

 

フラグメント+ばーくがるパワー:16000+7000=23000

 

「Gガード。《神衛聖騎士 イグレイン》。スキルは使いません」

 

シオン手札:5→4枚

シオンドロップ:5→6

アルトマイル+イグレインシールド:16000+15000=31000

シオンGB:0→1

 

これ以上の攻撃はできないので、アイチのバトルは終了。

 

「ターンエンド」

 

シオンダメージ:3

シオン手札:4枚

シオンデッキ:31枚

アルトマイルソウル:3

シオンドロップ:6

シオンGB:1

〈ス〉〈ア〉〈レ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

 

アイチダメージ:2(裏2)

アイチ手札:7枚

アイチデッキ:30枚

エクシードソウル:3

アイチドロップ:3

アイチGB:2

〈ス〉〈エ〉〈ナ〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

 

「僕のターン。スタンド&ドロー!」

 

シオン手札:4→5枚

シオンデッキ:31→30枚

 

「手札の《天命の騎士 アルトマイル》を捨てます。ストライド・THE・ジェネレーション!セイント・オブ・ツインソード! 超越スキル発揮!」

 

アルトマイルは召喚時効果を超越時にも使える。

これにより、シオンは《ダマスカスの支援術士》を特殊召喚し、セイント・オブ・ツインソードの効果で攻撃力が上がった。

 

シオン手札:5→4枚

シオンドロップ:6→7

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈 〉〈 〉〈 〉

シオンGB:1→2

ツインソードソウル:3→2

SB:神明の騎士 アルトマイル

シオンドロップ:7→8

シオンデッキ:30→29枚

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈 〉〈 〉

ダマスカスパワー:7000→12000

 

「フェレックスと《壮気の騎士 リルディス》をコール! スキルで前列のユニットのパワー+2000! 抵抗を与える! さらに勇敢でスレイマンパワー+3000! レドンの他の前列のユニットのパワー+3000!」

 

シオン手札:4→2枚

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈フ〉〈リ〉

スレイマンパワー:9000→11000→14000→17000

ツインソードパワー:26000→28000→31000

レドンパワー:9000→11000

 

「リルディスの勇敢。ソウルに入れ、ダマスカスの支援術士のパワー+5000」

 

ツインソードソウル:2→3

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈フ〉〈 〉

ダマスカスパワー:12000→17000

 

「さらに、《夢の運び手 ベレヌス》をコール」

 

シオン手札:2→1枚

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈フ〉〈べ〉

 

ここでシオンのメインフェイズは終了。

バトルに入り、まずはレドンで攻撃を行った。

 

レドン+ベレヌスパワー:11000+4000=15000

 

アイチはこれを、ブラスター・ブレード・スピリットのインターセプトでブロック。

攻撃を通さなかった。

 

エクシード+スピリットシールド:11000+5000=16000

〈 〉〈エ〉〈ナ〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

アイチドロップ:3→4

 

「スレイマンでナイト・オブ・フラグメントにアタック!」

 

スレイマンパワー:17000

 

「(効果を使わない?)ノーガード!」

 

〈 〉〈エ〉〈 〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

アイチドロップ:4→5

 

「フェレックスでブースト、セイント・オブ・ツインソードでアタック! まずはベレヌスのスキル。1枚ドロー。そして、セイント・オブ・ツインソードのスキルで、山札から2枚目のスレイマンとレドンをSコール! 勇敢とレドンのスキル発動! パワー+3000し、手札を1枚捨てることで、ブーストを得る!」

 

ツインソードソウル:3→4

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈フ〉〈 〉

シオンデッキ:29→28枚

シオン手札:1→2枚

ツインソードパワー:31000→36000

シオンダメージ:3(裏0→1)

シオンGB:2→3

シオンデッキ:28→26枚

〈ス〉〈セ〉〈レ〉

〈ダ〉〈フ〉〈レ〉

シオンドロップ:8→9

シオン手札:2→1枚

シオンドロップ:9→10

スレイマンパワー:9000→11000→14000→17000→20000→30000

ツインソードパワー:36000→39000

レドンパワー:11000→14000

レドンパワー:9000→12000→22000

ツインソード+フェレックスパワー:39000+8000=47000

 

1枚目のスレイマンが上書きで墓地に送られ、シオンの攻撃回数が増えた。

1枚目のスレイマンの効果は使われなかったが、インターセプトを消したので、十分仕事はしたと言って良い。

 

「ノーガード!」

 

アイチはこの攻撃もスルー。

シオンはドライブチェックに入った。

 

神明の騎士 アルトマイル(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

ダマスカスの支援術士(なし)

シオンデッキ:26→23枚

シオン手札:1→4枚

 

トリガーも出ず、手札が増えてしまったため、勇敢の効果は一旦途切れた。

 

スレイマンパワー:30000→27000→24000→21000

ツインソードパワー:39000→36000→33000

レドンパワー:14000→11000

レドンパワー:22000→19000

ツインソード+フェレックスパワー:33000+7000=40000

 

「ダメージチェック!」

 

ふろうがる(醒)

アイチデッキ:30→29枚

アイチダメージ:2→3(裏2)

 

「ゲット、スタンドトリガー! パワーはヴァンガード、フローラルパラディン ふろうがるをスタンド!」

 

エクシードパワー:11000→16000

 

Vの攻撃力が上がったが、シオンは気にせずスレイマンで攻撃をした。

ここで、スレイマンの効果が発動。

手札を1枚捨て、CB1することで、デッキからG2カード1体を、攻撃力を2千上げて特殊召喚できるのだ。

この効果で、シオンは《督励の騎士 アルビオン》を特殊召喚した。

 

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:10→11

シオンダメージ:3(裏1→2)

シオンデッキ:23→22枚

〈ス〉〈セ〉〈ア〉

〈ダ〉〈フ〉〈レ〉

シオンドロップ:11→12

アルビオンパワー:9000→11000→21000

スレイマンパワー:21000

 

「手札が再び3枚になっただめ、勇敢発揮!」

 

スレイマンパワー:21000→24000→27000

ツインソードパワー:33000→36000

アルビオンパワー:21000→24000

レドンパワー:19000→22000

 

再度、攻撃力が上がった攻撃をアイチは何もせずに受けた。

 

光と闇の愛弟子 リュー(なし)

アイチデッキ:29→28枚

アイチダメージ:3→4(裏2)

 

「レドンのブースト、アルビオンでアタック! スキル発動! CB1、SB1で、山札からせぷとがるをSコール! スキルを与える!」

 

シオンダメージ:3(裏2→3)

ツインソードソウル:4→3

SB:夢の運び手 ベレヌス

シオンドロップ:12→13

シオンデッキ:22→21枚

〈せ〉〈セ〉〈ア〉

〈ダ〉〈フ〉〈レ〉

シオンドロップ:13→14

せぷとがるパワー:9000→19000→22000

アルビオン+レドンパワー:24000+22000=46000

 

シオンはコストを使い切ったので、連続攻撃はここで打ち止め。

連続攻撃要員ではない方のカードを特殊召喚した。

だが、攻撃力は4万越え。

どうしてこうなった。

……そう言えば、スタンダードのアルトマイルでもRにこれぐらいの数値簡単に叩き出せるんだよね。

大丈夫かな?ヴァンガード。

 

「《聖泉の巫女 リアン》! 完全ガード! コストはSB1だ」

 

アイチ手札:7→6枚

エクシードソウル:3→2

SB:ブラスター・ブレード・スピリット

アイチドロップ:5→6→7

 

聖泉の巫女 リアンは、Vがブラスターかアルフレッドの時のみに使えるカードだ。

手札ではなく、ソウルでコストを支払うことで攻撃が通らなくなるため、手札の消費を抑えながら防御ができるのだ。

 

「せぷとがるでアタック! 勇敢でパワー+2000!」

 

せぷとがるパワー:22000→24000

せぷとがる+ダマスカスパワー:24000+17000=41000

 

『先導アイチ、ここはノーガードだ!』

 

フローラルパラディン ふろうがる(☆)

アイチデッキ:28→27枚

アイチダメージ:4→5(裏2)

 

シオンの攻撃が終了したところで、ダマスカスの支援術士の勇敢効果が発動。

このカードを墓地に送ることで、1枚ドローし、CC2を行った。

 

シオンドロップ:14→15

〈せ〉〈ア〉〈ア〉

〈 〉〈フ〉〈レ〉

シオンデッキ:21→20枚

シオン手札:3→4枚

シオンダメージ:3(裏3→1)

 

「ターンエンドです」

 

アイチダメージ:5(裏2)

アイチ手札:6枚

アイチデッキ:27枚

エクシードソウル:2

アイチドロップ:7

アイチGB:2

〈 〉〈エ〉〈 〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

 

シオンダメージ:3(裏1)

シオン手札:4枚

シオンデッキ:20枚

アルトマイルソウル:3

シオンドロップ:15

シオンGB:3

〈せ〉〈ア〉〈ア〉

〈 〉〈フ〉〈レ〉

 

「僕のスタンド&ドロー! ストライド・ジェネレーション! 《聖騎士王 アルフレッド・ホーリーセイバー》!」

 

アイチ手札:6→7→6枚

アイチデッキ:27→26枚

アイチドロップ:7→8

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈ふ〉〈ば〉

アイチGB:2→3

 

ここでアイチはツインソードではなく、【ブラスター】デッキの切り札の1枚のアルフレッド・ホーリーセイバーに超越した。

さらに、このカードはセイバーと名のついたカードだ。

つまり……

 

「エクシードの超越スキル発動! セイバーに超越したので、CB1で、山札からブラスター・ブレードの名を含むカードを手札に加える。僕は、《ブラスター・ブレード・エクシード》を手札に!」

 

アイチダメージ:5(裏2→3)

アイチデッキ:26→25枚

アイチ手札:6→7枚

 

アイチは、手札のブラスター・ブレード・エクシードと《光と闇の愛弟子 リュー》、《小さな軍師 マロン》を召喚。

マロンの召喚時効果は使わなかった。

 

アイチ手札:7→4枚

〈エ〉〈ア〉〈リ〉

〈マ〉〈ふ〉〈ば〉

 

「アルフレッドのスキル! CB1、手札を1枚捨て、Gゾーンのアルフレッドを表に! Rのブラスター・ブレードの名を含むカードであるエクシードのパワー+3000し、ツインドライブを与える!」

 

アイチダメージ:5(裏3→4)

アイチGB:3→4

アイチ手札:4→3枚

アイチドロップ:8→9

エクシードパワー:11000→14000

 

「まずはばーくがるのブースト、リューでアタック! リューのスキル! ブラスターフレンド ばーくがるにブーストされたため、パワー+3000!」

 

リューパワー:9000→12000

リュー+ばーくがるパワー:12000+7000=19000

 

「せぷとがるとアルビオンでインターセプト!」

 

アルトマイル+せぷとがる+アルビオンシールド:11000+5000+5000=21000

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈フ〉〈レ〉

シオンドロップ:15→17

 

攻撃終了時、リューの効果が発動。

ブラスターフレンド ばーくがるか、フローラルパラディン ふろうがるにブーストされたリューは、CB1とこのカードをソウルに入れることで、デッキから《ブラスター・ブレード》を特殊召喚できるのだ。

 

アイチダメージ:5(裏4→5)

アルフレッドソウル:2→3

〈エ〉〈ア〉〈 〉

〈マ〉〈ふ〉〈ば〉

アイチデッキ:25→24枚

〈エ〉〈ア〉〈ブ〉

〈マ〉〈ふ〉〈ば〉

ブラスターパワー:9000→12000

 

「ブラスターフレンド ばーくがるのスキル。同列にブラスター・ブレードが登場したため、CC1できる!」

 

アイチダメージ:5(裏5→4)

 

「アルフレッドでアタック!」

 

アルフレッド+ふろうがるパワー:26000+4000=30000

 

「Gガード! 《神聖竜 ディフェンドホールド・ドラゴン》! 勇敢で完全ガード! さらに《レメディ・エンジェル》のスキル! このカードとヒールトリガーをバインドし、CC1!」

 

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:17→18→16

シオンバインド:0→2

シオンダメージ:5(裏1→0)

 

ドライブチェックで出てなかったヒールトリガーをシオンが何時手札に加えたのか疑問に思う者もいるだろう。

だが答えは簡単。

ドローで素引きしただけの話だ。

 

「トリプルドライブ!」

 

ブラスターフレンド ばーくがる(なし)

レメディ・エンジェル(治)

アイチデッキ:24→22枚

アイチ手札:3→5枚

 

「ゲット、ヒールトリガー。パワーはブラスター・ブレードへ。1枚回復」

 

アイチダメージ:5→4(裏4→3)

アイチドロップ:9→10

ブラスターパワー:12000→17000

 

フローラルパラディン ふろうがる(☆)

アイチデッキ:22→21枚

アイチ手札:5→6枚

 

「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ブラスター・ブレードへ!」

 

ブラスターパワー:17000→22000/☆2

シオンGB:3→4

 

「くっ!」

 

『おーっと!先導アイチ、ここでクリティカルトリガーだ!』

 

「まずい!」

 

これが何を意味するのか理解しているクロノは、観客席で悲鳴を上げる。

 

「ブラスター・ブレードでアタック!」

 

ブラスターパワー:22000/☆2

 

シオンはこれをノーガード。

ダメージを確認すると。

 

さるーがる(醒)

夢の運び手 ベレヌス(☆)

シオンデッキ:20→18枚

シオンダメージ:3→5

 

シオンもここでクリティカルとスタンドトリガーを引き当てた。

当然、この効果を振るのは、Vのアルトマイルだ。

 

アルトマイルパワー:11000→16000→21000/☆2

 

「フローラルパラディン ふろうがるのスキル! CB1を行い、このユニットを山札に戻すことで、ブラスター・ブレードをスタンドさせる!」

 

アイチダメージ:4(裏3→4)

〈エ〉〈ア〉〈ブ〉

〈マ〉〈 〉〈ば〉

アイチデッキ:21→22枚

 

これで2点ダメージを与えるブラスター・ブレードがもう1度攻撃ができるようになった。

 

「エクシードでアタック!」

 

エクシード+マロンパワー:14000+7000=21000

 

「リルディスでガード!」

 

シオン手札:3→2枚

アルトマイル+リルディスシールド:21000+10000=31000

 

2枚貫通の数値でシオンはガードした。

そしてアイチのドライブチェックに入った。

 

月桂の騎士 シシルス(なし)

ふろうがる(醒)

アイチデッキ:22→20枚

アイチ手札:6→8枚

 

「ゲット、スタンドトリガー! パワーはブラスター・ブレード。ばーくがるをスタンド!」

 

ブラスターパワー:22000/☆2→27000/☆2

シオンドロップ:16→17

 

このままアイチはばーくがるでブーストしたブラスター・ブレードで攻撃。

 

ブラスター+ばーくがるパワー:27000+7000=34000/☆2

 

これに対してシオンは。

 

「《厳戒の騎士 レギウス》! 手札が1枚なのでノーコストで完全ガード!」

 

シオン手札:2→1枚

シオンデッキ:18→17枚

SC:壮気の騎士 リルディス

アルトマイルソウル:3→4

シオンドロップ:17→18

 

出した時、手札1枚の時のみコストを払わずに効果を発揮できるレギウスで防ぎきった。

これ以上の攻撃ができないアイチはこのままターンを終了した。

 

シオンダメージ:5

シオン手札:1枚

シオンデッキ:17枚

アルトマイルソウル:4

シオンドロップ:18

シオンバインド:2

シオンGB:4

〈 〉〈ア〉〈 〉

〈 〉〈フ〉〈レ〉

 

アイチダメージ:4(裏4)

アイチ手札:8枚

アイチデッキ:20枚

エクシードソウル:3

アイチドロップ:10

アイチGB:4

〈エ〉〈エ〉〈ブ〉

〈マ〉〈 〉〈ば〉

 

これでダメージは4対5。

勝負は大詰めとなった。

 

「ファイナルターン!」

 

ドロー前にシオンは言い切った。

 

「スタンド&ドロー! Gゾーン解放! 天昇連激、無限の未来をこの手に! ストライド・THE・ジェネレーション! セイント・オブ・ツインソード!」

 

シオン手札:1→2枚

シオンデッキ:17→16枚

シオン手札:2→1枚

シオンドロップ:18→19

シオンGB:4→5

〈 〉〈セ〉〈 〉

〈 〉〈フ〉〈レ〉

ツインソードパワー:26000→28000→31000

 

再度のツインソードの登場。

そして、シオン自身の自信にあふれた目に負けないようにアイチも眼力を強くする。

 

「超越スキル! Sコール、ぎゅーんみー!」

 

ツインソードソウル:4→3

SB:壮気の騎士 リルディス

シオンドロップ:19→20

シオンデッキ:16→15枚

〈 〉〈セ〉〈 〉

〈ぎ〉〈フ〉〈レ〉

ぎゅーんみーパワー:7000→27000

 

シオンはレドンを前列に移動。

 

〈 〉〈セ〉〈レ〉

〈ぎ〉〈フ〉〈 〉

レドンパワー:9000→11000

 

バトルフェイズに入り、まずはレドンでブラスター・ブレードに攻撃した。

 

レドンパワー:11000

 

アイチはこの攻撃を黙って受け入れ、ブラスター・ブレードを墓地に送った。

 

〈エ〉〈エ〉〈 〉

〈マ〉〈 〉〈ば〉

アイチドロップ:10→11

 

「セイント・オブ・ツインソード行け! スキル発動! アルビオンと《逆風の騎士 セリム》をSコール!」

 

シオンダメージ:5(裏0→1)

シオンGB:5→6

シオンデッキ:15→13枚

〈ア〉〈セ〉〈レ〉

〈ぎ〉〈フ〉〈セ〉

アルビオンパワー:9000→34000→36000→39000

セリムパワー:7000→32000→35000

ツインソード+フェレックスパワー:31000+7000=38000

 

「Gガード! 《小さな大賢者 マロン》! スキル発動! SB1で山札からG1をコールし、シールド+5000。今回は《閃光の盾 イゾルデ》をSコール! イゾルデは何処から出てもスキルが発動できるので、手札を1枚捨て、完全ガード!」

 

アイチ手札:8→7枚

アイチドロップ:11→12

エクシードソウル:3→2

SB:ういんがる・ぶれいぶ

アイチドロップ:12→13

アイチデッキ:20→19枚

マロンシールド:15000→20000

アイチ手札:7→6枚

アイチドロップ:13→14

 

閃光の盾 イゾルデは最初期に出た完全ガードカードだ。

そのため、召喚場所を指定していない。

これを利用してデッキから指定のカードをGに直接特殊召喚できる小さな大賢者 マロンの効果でリクルートすることで、効果を発動できるのだ。

たとえ手札からの守護者やG1以上の召喚を封じられても、確実に防御ができるのだ。

 

「トリプルドライブ!」

 

月牙の騎士 フェレックス(なし)

厳戒の騎士 レギウス(なし)

さるーがる(醒)

シオンデッキ:13→10枚

シオン手札:1→4

アルビオンパワー:39000→36000

ツインソードパワー:31000→28000

セリムパワー:35000→32000

ツインソード+フェレックスパワー:28000+7000=35000

 

「スタンドトリガーゲット! 効果は全てレドンに!」

 

レドンパワー:11000→16000

アイチGB:4→5

アイチドロップ:14→15

 

ヴァンガードでの攻撃終了後、シオンは再びレドンで攻撃を仕掛けた。

今度の攻撃対象は、アイチのヴァンガードである。

 

レドンパワー:16000

 

これに対し、アイチはスタンドトリガーのふろうがるでブロック。

攻撃を通さなかった。

 

アイチ手札:6→5枚

エクシード+ふろうがるシールド:11000+10000=21000

アイチドロップ:15→16

 

さらにシオンはアルビオン単騎で攻撃。

効果により、レドンに上書きする形で3枚目のスレイマンを特殊召喚した。

 

シオンダメージ:5(裏1→2)

ツインソードソウル:3→2

SB:瞬きの騎士 ミーリウス

シオンドロップ:20→21

シオンデッキ:10→9枚

〈ア〉〈セ〉〈ス〉

〈ぎ〉〈フ〉〈セ〉

シオンドロップ:21→22

スレイマンパワー:9000→34000→36000

アルビオンパワー:36000

 

アイチはこの攻撃ブロックせず、ダメージを受けた。

 

まぁるがる(引)

アイチデッキ:19→18枚

アイチダメージ:4→5(裏4)

 

「ゲット、ドロートリガー。パワーはヴァンガードへ! ワンドロー!」

 

アイチデッキ:18→17枚

アイチ手札:6→7枚

エクシードパワー:11000→16000

 

「スレイマンでアタック! スキルで、3枚目のアルビオンをSコール!」

 

シオンダメージ:5(裏2→3)

シオン手札:4→3枚

シオンドロップ:22→23

シオンデッキ:9→8枚

〈ア〉〈セ〉〈ス〉

〈ぎ〉〈フ〉〈セ〉

シオンドロップ:23→24

アルビオンパワー:9000→34000→36000

スレイマンパワー:36000→39000

セリムパワー:32000→35000

スレイマンパワー:39000

 

『さあ、先導アイチ、この攻撃はどう出る!?』

 

「(防ぐことはできる。でも、この攻撃を耐えてもシオン君は後3回攻撃が可能だ。ブーストも残している攻撃を今の手札で防ぎきることはまず不可能)だったら、ノーガードだ!」

 

アイチは攻撃を受ける選択を行った。

 

「お兄さん、ここで6点ヒール狙いですか」

 

「アイチの手札は7枚。ここでヒールトリガーが出れば逆転の目があると判断したのだろう」

 

カムイは心配そうに、櫂は冷静にアイチの判断を見守った。

クロノも、トコハも、テレビで見ているミサキも、全員がこのトリガーチェックに注目する。

 

「ダメージチェック」

 

ブラスター・ブレード・エクシード(なし)

アイチデッキ:17→16枚

アイチダメージ:5→6

シオンWIN

 

『き、決まったぁぁぁあ!!!!!』

 

会場が大きな歓声でつつまれた。

 

『日本本予選ファイナルステージに進んだのはっ! チーム、トライスリー!!!』

 

「よっしゃぁぁぁあ!!」

 

「やったわ! シオォォン!」

 

クロノは勢い良く立ち上がり、トコハはそんなクロノに抱き着いて、この結果を喜んだ。

 

「お兄さん……」

 

対して、カムイは分かりやすく落ち込んだ。

此処で彼らの大会は終わりなのだ。

当然だろう。

 

「……だが、アイチはよく戦った」

 

櫂の声にも少し悔しそうな感情が見受けられる。

櫂だけでは無い。

トライスリー、ニューオーガ、他2チーム以外は全員がこの大会ではファイト資格を失ったのだ。

大会とはそう言うものだが、彼らの後悔は簡単に割り切れるものではないだろう。

そしてここにも、その悔しさを隠せない男が1人。

 

「負けちゃったか。ごめんね、ブラスター・ブレード。ははは、ミサキさんに怒られちゃうね」

 

カードをしまう途中、最も思い入れのあるカードに謝り、愛妻への謝罪を真剣に考えるほどだ。

 

「アイチさん」

 

その呼びかけにアイチが気づいたところでシオンは頭を下げ、そのまま扉へと向かって行った。

多くを語る必要は無い。

ただ感謝と敬意を示すだけだと。

 

『これでファイナルステージに進んだ4チームが決定した』

 

伊吹の司会が進むと同時にメインスクリーンにはウォールトライメイズのゴールに到着した者達が映し出された。

 

『まずは、チームニューオーガ!』

 

「やあ。まずはおめでとう、シオン」

 

「東雲……ショウマ」

 

『次に、チームガールズラース!』

 

「クミちゃん。凄い」

 

「負けてられないな」

 

「シオン君! 負けないぞい!」

 

「お手柔らかに頼むよ、岡崎さん」

 

『チームNIPPON!』

 

「シオン君、優勝は渡しませんよ」

 

「それはこちらのセリフです」

 

『最後に……チームトライスリー!』

 

全てのチームが発表され、会場は大きく湧き上がる。

 

『決勝は、この4チームによるトーナメント形式で行う。ここで優勝したチームが日本代表としてVF世界大会本戦へと進むことができる。諸君らの健闘に期待する。それでは解散!』

 

続く。




「改めて、お疲れ。シオン君」

「こちらこそ、良いファイトをありがとうございます。アイチさん」

「決勝頑張ってね」

「勿論です。ところで、セカンドステージ開始前にクロノと話していたそうですが、何の話だったんです?」

「ああ、それね。本人に直接話す予定だから気にしないで」

次回、第23ターン:真実

「何を悩んでいるのかは知りませんが、クロノなら受け入れてくれますよ、きっと」

「ありがとう。シオン君」


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