穏やかな学園ライフは程遠い (チョビ姐)
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第0話 なんら変哲もない日々
初めましての方は初めまして。
チョビ姐です(旧名ずいずい瑞鳳)
ノリと勢いで投稿したのですが文章力や国語力の無さが垣間見えあまりにも酷かった為、構成を見直し書き直ししました。
元とは多少異なっているますのでぜひまた1度読んで頂けたら幸いです。
「ヒロヤスくん〜戦車道やるから一緒にやって?」
………は?
遡ること数時間前…学園艦の寮の一角。
ピピピピッ!
鳴り響くアラームを止め体を起こす。
既に時計の針は7時を指している。
「う〜んやっぱ朝はトーストだな!」
ベッドから起き、少し気怠い気持ちを切り替えトーストにかぶりつく。
やっぱり朝はこうでなくては…
食い終わり身支度も済ませ、寮から学校へと向かう。
玄関のドアを開け外に出ると春らしい暖かな風が吹いていて気持ちがいい。
今日も今日とて変わらぬ一日になりそうだ。そんな事を考えなら歩いていると、道端に項垂れている女の子を発見した。
近寄ってみると…
「…つらい…生きているのがつらい…」
「これが夢の中なら良いのに…」
と言いながら膝を着いてしまった…見過ごす訳にもいかないので声をかけた。
「え、えーと大丈夫か?」
「だが行く…学校に行かねば…」
と言って立ち上がるもおぼつかない足取り。
流石にこのまま見捨てる訳にはいかず背負って学校まで行くことにした。
「ふぅ〜ぎりぎりセーフか?」
背負って行くのは案外苦でもなんでもなかった。
というか軽過ぎるくらいだ。
しかし校門に仁王立ちしていたおかっぱの風紀委員の子が
「遅刻よ!遅刻!多村さん!冷泉さん!」
と言ってきた。
「あちゃーぎりぎり間に合わなかったか…」
「多村さん!次冷泉さんが道端にいても無視しなさい!」
「そど子…」
冷泉がボソッと呟く。
どうやら風紀委員のおかっぱの子はそど子と言うらしい。
「なんか言った?」ギロッ
しかしその瞬間そど子?は背にいる冷泉を睨む。
がとくに何も起こらず、時間も時間なのか立ち去っていった。
自分達も教室へ向かわなければ。
「あー冷泉?学校着いたし降ろすぞ?」
そう言ってゆっくりとしゃがみ降ろす。
「すまない…」
「いいって気にすんな!」
「いや、この借りは必ず返す」
そう言って立ち去って行った。
借りとか良いのに…なんとも律儀な奴だった。
う〇い棒でも奢らせようかな…とくだらないことを考える。
「さて俺も教室行くか」
普通一科2年A組
俺の割り当てられたクラスである。
ちなみにこの大洗女子学園だがつい最近、共学になった為男子も通える事になっている。がしかし男子が全く居ないのが現状である。
ガララ…とドアが音を立てながら開く。
いつものように教室に入る。
男子ならばここで友などとおはよーなどと挨拶を交わすかもしれない。しかし此処はつい最近まで女子高だった場所。挨拶を交わす男が居ないのである。
べ、別に悲しくなんて無いんだからね!
「あ、ヒロヤスくんおはよー」
「おはようございます浩康さん」
「おうおはよう」
しかしそんな居ない男子の変わりに挨拶して来てくれるのはクラスメイトである武部沙織と五十鈴華である。なんでも武部は恋愛マスターらしい…本当なのだろうか?五十鈴は武部とは雰囲気が違いお淑やかなお嬢様系である。
「そういえばなんでこんな遅く来たの?」
と武部から聞かれる。
「道端で項垂れてた女の子が居たから背負って来たら遅れた」
ありのままの事実を伝えたのだが…
「えぇ何それ」
ちゃんと説明しろと言わんばかりの目でこちらを見る。
「何それも何も本当の事だよ」
と軽く受け流す感じで言った。
しかし武部はジー…という音が聞こえそうな目でこちらを見ている。
横を見ると五十鈴も同じ様な目で見ていた。
……
「本当は寝坊したんじゃないの〜?」
「な、失礼な…ちゃんと起きたわ!」
フーンという感じの視線が2人から向けられた。
絶対信じてない目線だ…
こうなったら無理にでも話を変えるしかないか…
「そ、そういえば選択授業何にしたんだ?」
「まだ決めてない〜恋愛の授業とか無いの〜?」
おいそんな授業来るやつそうそういねぇよ。というツッコミは心にとどめておいた。
「私は華道を選びました」
五十鈴らしい選択だと思いますね。
もう片方の人と違って。
「あ、今絶対失礼な事考えてたでしょ!」
武部が詰め寄ってきた。
変なとこで鋭いやつだなぁ…
「あー考えてない考えてないよー」
「むぅー…そういうヒロヤスくんは何選んだのー?」
「基本的に何でも良いからとりあえず剣道にするつもり」
そう答えた。
「なんか普通」
「普通ですね」
2人から言われた。
さっきから失礼だなお前ら!まったく…
「あっ!そういえば今日転校生くるって!」
武部がそう言う。
まあ別に誰が来ようが関係ない話なのだが…
その後たわいもない話をしているとHRが始まる時間が来ていた。
ある生徒が号令をかけ挨拶をする。
先生が色々話をしているのを右から左へ受け流していると、先生から「今から転校生紹介します」と言ってドアを開ける。
どうやらここのクラスだったようだ。
どんなやつか1度だけ確認しようと目線をそこにへ向ける。
入ってきた奴を見て目を疑った。そこに居たのは…
「ぇ、えと西住みほです。よろしくお願いします!」
だってそこにはあの西住が居たのだったから。
自分の目を凝らしもう一度見る。しかし現実は変わるはずもない。自己紹介が終わり、先生が席はあそこねと言って俺達のすぐ近くの空いている席を示す。
その時、西住と目が合う。
「え……ヒロ君…?」
これが西住みほとの再会である。
なんら変哲もない日常が変わった瞬間だった。
次回は過去編がメインとなります。
主人公が「あの西住」と言っていた意味が伝わると思います。
感想 評価 アドバイス お待ちしております!
1話以降もぼちぼちと修正して投稿していきます。
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