魔女のオルゴール (シナリオを回す方のノッブ)
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PLDATA ※link用
魔女のオルゴールを知っているか。
美しい音を奏でる、黄金で出来た小さなオルゴール。
その旋律を聞いた者は、永遠の富を得られるという。
ただし気をつけろ。
魔女のオルゴールは、持ち主である魔女以外がその蓋を開けると、たちまち呪いをかけてしまうらしい。
なんとか魔女に近づければ、そしてそのオルゴールの蓋を開けさせることが出来れば、あるいは……。
え? なんでそんなことを知っているのか、って?
知り合いから聞いたんだよ。ま、そんなことはどうだっていいだろ?
魔女のオルゴールを探せよ。永遠の富が目当てじゃなくてもいい。ロマンだろう?
そうだ、一つだけ教えてやる。
魔女は清廉なモノが苦手なんだ。清廉なモノが何かって?
そりゃあ自分で考えるこったな。さて、俺はそろそろ行くぜ。
お前たちが、魔女のオルゴールを手に入れることが出来るかどうか。
ゆっくり眺めさせてもらうさ。
PL Name : ソトヤマ ジュン
PL JOB : 医師
STR(筋力):13
CON(体力):13
POW(精神力):10
DEX(敏捷性):11
APP(外見):12
SIZ(体格):17
INT(知性):16
EDU(教育):13
SAN(正気度):50
幸運:50
アイデア:80
知識:65
耐久力:15
マジックポイント:10
ダメージボーナス:+1D4
医者の息子。コネで医大に入り、コネで医者になったが手術でミスをし闇医者に落ちた。得意技は刹那の血管斬り。勘で血管を斬るため、たまに失敗する。
ちなみに顔はそこそこだが結構それなりにちゃんと勉強しているので知識はある。技術が低いだけでかなり高スペック。正直モンクにEDUが負けているのが信じられない。
なお、物理型なのは彼も同じである。どころか耐久力が半端ない事になっているので、全英ファイターとしてはむしろモンクよりも上。あと常識がある。あとシナリオを進めようという意思がある。これ大事。
PL Name : むったそ
PL JOB : パイロット
STR(筋力):17
CON(体力):7
POW(精神力):10
DEX(敏捷性):8
APP(外見):6
SIZ(体格):12
INT(知性):10
EDU(教育):16
SAN(正気度):50
幸運:50
アイデア:50
知識:80
耐久力:9.5
マジックポイント:10
ダメージボーナス:+1D4
ピーキーなステータスを持つ物理で殴るヤツ。APPが低すぎてまともに見れたモンじゃないがこの卓ではAPP差によるSAN値減少を為しにしているため存在を許された。
家族構成不明。ただ、最近同じ夢をよくみる。モンクで魔王とかと戦っているらしい。
シナリオを進める気がゼロのヤツ……かと見せかけて、めちゃくちゃ個チャ送ってくる一人パラノイアしてるモンク。オープンチャットに乗っていない行動が多く、処理が面倒だった。でも好き。
EDUの高さ相応に考えて動ける人。サンマ隊の隊長らしい。
2018/11/24のデータ
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導入
オリジナルシナリオ「魔女のオルゴール」 KP:シナリオを回す方のノッブ
PL1:ソトヤマ PL2:むったそ
あなた方は暗い部屋で目を覚まします。すぐに鼻を衝くのは、消毒薬の匂い。
「どこだここ……」
「ZZZZZZZ」
ソトヤマが辺りを見渡すと、三方をカーテンに、一方を壁に囲まれたベッドの上である事がわかります。*2
壁には埋め込み型のデジタル時計。花瓶。絵画があり、ベッドの脇には引き出し付きの小さな机があります。
「ZZZZZZ」
「いびきがうるさい。あとナースコールのボタンもないのかここ。欠陥病院かぁ?」
暗くてよく見えませんでしたが、枕脇にナースコールのボタンを見つけました。*3
ソトヤマはベッドから身を乗り出し、裸足で病院の床に足を付けます。ひんやり。
ソトヤマが自身の体を確認すると、貫頭衣を着ている事、下着をつけている事、他には何も所持していない事がわかりました。ポケットはあります。
「スリッパがないとか……欠陥病院かぁ?」
*4ソトヤマは足元を見渡します。すると、スリッパを発見することが出来ました。さらにキラキラと光る白い粒を見つけます。
「カリッ……これは青酸ペロッ!?」
ソトヤマはその不思議な粉を舐めてみます。サラッとした感触と共に、なめらかでいて、それでいて不味いような、食べたことあるような。そんな味が広がります。*5
ソトヤマはこれがカルシウムを一年くらい放置した味に似ているな、と感じました。
「カルシウム……俺SIZ17なのにまだ伸びるのか身長」
「ZZZZZZ」
先ほどからいびきの煩いヤツはまだ寝たままですね。
あ、起きますか。はい。
「ふぅ……強敵だった……流石魔王の末裔の子孫」
ソトヤマは聞こえてきた声を寝言だと割り切り、引き出しを開けます。
中には刃渡り6cm程のメス一本、何か緑色の液体が入った3本のスピッツ、シリンジが入っていました。
ソトヤマはそれをすべて回収し、貫頭衣のポケットへ入れます。
「あの時俺がブレーンバスターをしかけていなければ確実にみんな死んでいた……魔王の末裔の子孫も人体構造的に人間と同じだったからなんとか勝てたな……フ、首の骨一つで人間の体が動けなくなることを知らなかった憐れなる末路よの……」
「寝言なげーなー」
ソトヤマは枕を動かしてみますが、特に何もありません。
ソトヤマはシーツを剥がしました。するとそこには――如何わしい表紙の、どこかの国の言葉で書かれた古臭い本が敷いてありました。
「エッッッッ」
ソトヤマはそれがドイツ語ではないかと思いましたが、どうやら違うようです。*6
日本語でもないです。日本語だったらどこかの国のって書きません。
ソトヤマは懐へそれをそっとしまいます。
「そう、あれは俺が二日前……いや、一万年と二千年前に愛していた話だったかな……」
むったそは言いながら周りを見渡しますが、何も見えませんでした。暗すぎる。*7
むったそは気にすることなくシャーーッと目の前の壁だと思っているはずのカーテンを引きます。目の前にはまたカーテンが。
「あ、これカーテンじゃーん」
ソトヤマは息を潜めますが、引き出しを戻すときに音を立ててしまいました。*8
「ムッ、何ヤツ! ええい姿をあらわせい!」
「ふ……バレてしまっては仕方がない。そう、俺は勇者の末裔の子孫の師匠の娘の孫の教師の母方の祖父の囲碁相手の息子! ソトヤマ! お前こそ名を名乗れ!」
と、ソトヤマは小声で高らかに名乗りを上げます。
むったそも小声だったようです。
「クックック……俺は勇者の末裔の子孫の師匠の娘の孫の教師の母方の祖父の囲碁相手の息子? そうか、お前が……これはなんて偶然だ。我はむったそ。勇者のパーティに入れてもらえなかったモンクだ……!」
「そうか、モンクなのか。でもPTは入れなかったんだな。なんでだ?」
「仲間にできる人数が最大だった」
悲しい理由が判明したところで、むったそは自分の体を確認します。貫頭衣と下着だけです。
「あ、そこに引き出しがあるんだけど、むったそは何か知っているか」
「引き出しがあるのか」
むったそはソトヤマに教えてもらった引き出しに辿り着き、ガッと勢いよく開けます。*9勢いよくメスが飛び出しますが、むったそに当たることはありませんでした。
むったそはカーテンに刺さっているメスを引き抜き、さらに引き出し内部のスピッツ3本、シリンジを取り出します。
何色かはむったそには見えませんでした。
「これは……患部で止まってすぐ溶けて高熱などの症状を緩和する血管収縮剤塩酸トルニトロトルエン配合の……!」
「
ついでに言うとトリニトロトルエンです。
むったそは手に入れたそれを貫頭衣のポケットへしまいます。
「あ、そこにスリッパありまっせ」
「む、感謝するぞソトヤマ」
じゃあ、教えてもらったので見えました。
ソトヤマもむったそもスリッパを履きます。
「改めて自己紹介したほうがいいかな」
「ふむ、では我から。
我はハルミーン公国大サンマ胴部隊隊長むったそ」
「サンマ」
「サンマだ」
「いいんだ」
「職業はパイロットになる」
「モンクでは??? というかサンマ隊の隊長では???」
「ドラゴンに乗るからな」
「なるほど」
「俺はソトヤマ。職業は医師で、一応医者の息子。だから金がある」
「金が」
「ある」
しかし今所持金ゼロですね。財産もゼロです。
「……ちょっと手術でやらかしちまって」
「ふむ……そういえばソトヤマ」
「なにか」
「アンタの奥さんがいなくなったのって……三年前だったよな」
「ああ。結婚してないけど」
「アンタがキメラを連勤したのも、三年前」
「まだ22連勤だから大丈夫。それで?」
「なぁ、ソトヤマ。アンタの娘……どこやった?」
「勘のいいガキは嫌いだよ……早く進めないとさすがに怒られるぞ」
自己紹介を終えた二人は改めて部屋を見渡します。
どうやらここは二人部屋のようで、他にベッドはなく、窓が一つと扉が一つあるだけのようですね。ソトヤマ、むったそ
ソトヤマが窓を見ます。
窓は正方形で、大の大人がそこから出るのは難しそうな上、ぱっと見鍵や取っ手が見つかりません。
「……どうやってあけんだこれ」
「割ればよくないか?」
「破片とか飛んで来たら貫頭衣程度じゃグッサグサだろ」
むったそは壁に埋め込まれているデジタル時計を見ます。ソトヤマに教えてもらって。
時間は表示されていませんね。*10むったそは持ち前の知識でデジタル時計をピコピコしてみました。
すると表示機能が復活し、11:00と表示されます。が、一瞬で表示が消えてしまいました。
「今は十一時っぽいようだな」
「マジかよ子供は早く寝なきゃじゃん」
「仕上げはおかーぁさーん」
「歯磨きしないと」
ソトヤマは扉に顔をひっつけて耳をそばだてます。*11コツ、コツ、コツと、何かが歩くような音が聞こえました。音は遠ざかって行っています。
「何かいるんですけど」
「病院ならいるだろ」
「せやったわ」
むったそは花瓶の花を引き抜いてみました。特におかしな場所はありません。
品種は百合ですね。
「百合だって!? まずいぞソトヤマ、俺たちは殺されてしまうかもしれない!」
「叫んでないことにしてくれ。で、なんで」
「ばっかお前百合だぞ!? 男がいたら一瞬で殺されるんだよ!!!!!!!」
むったそは小声で叫びます。鬼気迫る表情です。
「じゃあ見守ってやろうぜ……花瓶に戻してやってさ」
「あ、じゃあソトヤマの百合と同じ花瓶に入れよう」
「ギッスギスしそうだな」
むったそは自分の花瓶に入っていた百合をソトヤマの花瓶に入れ、自分の花瓶を手に取りました。
「鈍器があれば勝利確定」
「あとはレンガと丸太だな」
「チェーンソーでも可」
ソトヤマは絵画を外します。
すると、何かボタンがあることに気づきますね。
「なんてお約束」
「ボタンと言えばナースコールしたらどうなるんだ?」
「そらお前、ナースが飛んできて、そのまましっぽりだろ」
「せっ……せっ……」
ソトヤマは絵画のボタンもナースコールのボタンも押さずにむったその所へ戻ります。*12ソトヤマは絵画を戻したとき、背筋に怖気のようなものが走ったことを覚えていました。
ソトヤマが絵画をじっくり見ると、それはどこかの森の、赤い屋根の家が描かれている絵画であることがわかります。
おかしなところは特に見当たりませんね。*13
「そろそろ行くか」
「うい」
二人は扉のノブに手をかけようとして――気づきます。
ドアノブがありません。凹みもありません。
「なんじゃそりゃ」
「ははーん、これは」
むったそが力いっぱい片側を押しますがビクともしません。
「ははーん、これは」
むったそが扉の下部を力いっぱい押しますがビクともしません。
「ははーん、これは」
ソトヤマが絵画の裏にあったボタンを押すと、扉は静かにスライドして開きました。
「ははーん、これは罠ですわ。ムジュラ的な」
「俺時オカ世代なんだよなぁ」
「B○tW好評発売中!」
「あとでリプレイにしづらくなるからやめろ」
二人はようやく、部屋から出ました。
ソトヤマ :医師
むったそ :パイロット
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