HUNTERxHUNTER:オタク五人のオリ主旅団結成 (夜美スタ)
しおりを挟む

プロローグ


追加:
作者、Google Docs使って書いています。よってルビをふれません。

これらが主人公達の前世の名前です。

立山美夜=たてやま・みよる

砂川ハルヒ=すなかわ・ハルヒ

和山裕翔=わやま・ゆうと

明智イリカ=あけち・イリカ

明智相太=あけち・そうた


地震など日本では当たり前、と言えるほど頻繁に起きる災いなのだ。

 

そしてそのことは、日本で生まれ育った立山美夜(たてやま・みよる)は理解していた。いや理解していたつもりだった。

 

だが彼女は16年間東京に住んでいたため震度の高い地震を経験したことがなかったのだ。だからこそ地震の恐ろしさを完全に侮り、命を落としてしまったのだ。

 

視界がぼやける前に美夜が見たのはショックで目を丸くしていた四人の親友達の顔だった。

 

これは暗闇というのか。いや、多分違う。黒色にもかかわらず、なぜかぼやけてる銀色も混ざった視界の中で、美夜は独りぼっちだったのだ。

 

「後悔はあるのかい?」と、どこか遠くて、そしてなぜか近くに聞こえる声がした。そのささやきは妙に自分の声に似ている、とそう彼女は思った。

 

「後悔?そんなこと聞かれても…まああるとしたら友達を私が我慢できなかったから地震に巻き込んでしまった、というところかなぁ。皆んなならきっと無事だと信じているし、私が死んだからって落ち込んで欲しくない。誰だっていずれは死ぬ、それは人間として当たり前なことだ。私が死んだ程度で皆に自分たちの生きてる時間を台無しにして欲しくないしね。」

 

美夜は誰にしゃべっているのか分からずにそう答えた。それも死んだばかりの人にしてはあり得ないほど冷静な答えだった。自分が死んだことに対して、もっと喚き挙句だろうと予測していた美夜にとって、この冷静さは奇妙だった。まさかその信頼できそうな雰囲気を湧き出している声によってちょっとブラックで哲学的な発言をするとは思ってはいなかったがな。

 

「……そなたには願望などはないのか?」と再び声が聞こえた。なぜかこの時、その声にはわずかに遠慮しているように発言していた。

 

「願望?あったとしたら友達との冒険かなぁ。私達は漫画などで現実逃避していたけど、それはまるで麻薬にはまってしまったように足りなかった。実世界で退屈になった時私は皆んなと一緒に少年マンガとか読んでたけど、それだけじゃ足りなかった。だから私はそんな冒険を友達としたいんだけど、皆んなはまだ生きてるから、それはやっぱりないよね」

 

やけに長い願望だ。相手はちゃんと最後まで聞いてくれたかな?聞いてくれなくても攻めるつもりはないのだけど…全部心の奥底にある志願を今のうちに言わないと後で後悔してしまいそうに思った美夜はつい全部言ってしまった。

 

「それがそなたの望みなのか?」と不思議な声が確認した。

 

「うん。そうだよ。でも今はきっと叶わない望み、皆はまだ生きてるから。」

 

「……」不思議な声から返事はない。何故だ?

 

「それがそなたの願いなら叶えてあげよう。」と何事もなかったように声が呟いた。

 

「…え?どういうこと?」

 

「そなたが死んだ4分後、砂川ハルヒ(すなかわ・ハルヒ)と和山裕翔(わやま・ゆうと)は近くで崩れたビルの落下破片にあたり重傷を負ってそしてその2分後に死亡。そして二人が死んだ7分後に明智イリカ(あけち・イリカ)と明智相太(あけち・そうた)は二度目の地震を原因とし後頭部に重傷を負い死亡した。」

 

美夜にはその最初は魅力的で不思議だった声が、今ではやけに冷たく聞こえた。

 

「ど…どうして!?どうしてそう言い切れるの!そ…そうよこれはただ私の妄想よ。生きてた頃だって悲観的だったし、死んでもやっぱりそうだったのね」

 

その言葉には誰も誤魔化されてはいなかった。もちろん美夜自身もだ。その不思議な声の正体にも美夜は気づき始めていたのだ。だって美夜が最後に見たのはみんなが生きている姿だった。なのにこの声の持ち主は彼らが死んだと断言している。そんなことできる者は神様しかいない。

 

「貴方はやはり神様なのですか?」

 

「神様と言っても一種の、ですね。私達のような神様は人間の深い願いから生まれた存在なのですよ。その上そなた等は死ぬのはまだ早かった。最低三十代後半まで生きて要られたはずの、なんらかの過ちによってそれより早くなくなってしまった。その上そなた等は同じ異世界に転生するのですよ。再び会えることは、物事をよく利用できれば簡単なのですよ。」

 

「転生……ってはい??えっ……!?まさかの神様転生!?」

 

「嫌なのですか?そなたは友と共に冒険したくなかったのでは?そなたの元の世界ではそれは不可能であり、同じ世界に転生するためには記憶を失わなければいけないのだが、良いのですか?」

 

「いいえ、少し驚いてしまっただけです。皆と会うためなのですから記憶は失いたくありません。ただ、転生って言ってもどの世界に行くのですか?」

 

「それは オ。タ。ノ。シ。ミ。にですよ。そなたの行く先では少々苦労します。特に初期の頃にはですね。ですが後に便利な技術も身につくのですし、頑張ってくださいね。」

 

あれ…なんか神様の口調変わっていない?なんかとても明るくて何かを楽しみにしているように聞こえるが…まあいいっか。もう少しでみんなと会えるのですし。

 

「では、そなた等の再開を楽しみに見守っています。頑張ってくださいね」と神様は言った。そしてその瞬間美夜の視界は黒と銀の混ざった世界ではなく、

だんだんとただの黒色に染まってきた。

 

 

 

 

えっ!イタッ!痛タタタタ!なにこれ濡れてる!締められてる…!イヤぁあああ!!!

 

そんな時に突然、私の眼球に打たれた強烈の光に私は再び喚いた。ああなんて眩しい。もうぬるぬる感が無くなったのは良いことだけど、私は幼い赤子なのですよ、さっさとその眩しい光を消してください!そう思った瞬間、あのマジで眩しい光は……もっと私の方向に近づいて来てるんんですけど!なんで!!

 

痛ァ!ちょっと痛いんですけど!痺れてるんですけど!!誰か助けて!

 

あ、舌が…ヒリヒリして動かせない…

 

なんか頭がいたいなぁ…なんでだろう?痛い光が原因??

 

そんなほぼどうでもいいことを考えていた頃、つい私は気絶してしまったようだ。

 

 

……………

 

あのなんとも言えない謎の事件から三ヶ月経ち私はようやくどこに生まれ変わったのは知った。

 

それはどこからどう見ても呆れるほどのテンプレ、顔を手で覆うような場所だった。

 

私はゾルディック家の末っ子、カルトの双子の妹のカルラとして産まれてしまった。

 

どんだけテンプレなんだこの状況は!なんでわざわざ私の存在を無理矢理原作に詰め込むかなぁ!っていうかカルラってなによ!ゾルディック家のしりとりテーマから完全に外れているんですけど…

 

いや、まてよ。双子だから外れていないかも…

 

そんなことはどうでもいい。とにかくほかのみんなはどこにいるんだろう。私があんなに頑固にコミコンに行きたいって言ったからみんなは…まぁ神様曰く状況を有利に使えばすぐに会えるらしいし。

 

あ、でもまさかゴンの兄弟として産まれたりしてたら本当にうんざりして泣くからな。幻影旅団に入った〜などの設定よりはマシだろうけど。考えるだけで嫌で鳥肌が立ちそうだからもうそんな設定なんか忘れようっと。

 




作者の初投稿!やったーー〜〜

\^o^/

クロスオーバーと言っても他の漫画の能力をベースとしてオリキャラ達の念能力を作るというわけなのですので突然ナルトの暁が幻影旅団と同盟組んでる〜という設定はないのでご安心を。

というわけでよろしくお願いします


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話 現状把握と早速問題 (+美夜(みよる)/カルラ視点)

うううん、イルミさんってこう言う感じかなぁ。ちょっと口調や台詞を検索してみたんだけど、やっぱりちゃんと書けた自信はないかも。


立山美夜は真っ平な部外者だ。

 

それは勿論、彼女と共にトリップした四人の親友も含まれる。

 

立山美夜が三ヶ月経ってようやく自分の転生した場所を把握した、と言うよりも立山美夜という個性が奥深く埋められ、カルラ=ゾルディックが出来上がるまで三ヶ月経った、と言う方が相応しい。

 

それは何故だろう。

 

毎日欠かさずに流される電気、その赤子に対する拷問のような修行、それそのものの存在を否定したかったのだろうか。それとも事実を認めることは諦め同然とでも思っていたのか。

 

ハンターハンターの世界では一流の中の一流の暗殺一家。ゾルディックの名に関係があるだけで脅迫となり得る。その上、この世間一般の凡人の暗殺者と違って堂々と暮らしている。住処が観光地にされているぐらいだ。

 

そんな家族の一員として生まれてしまった異邦人、何も変わらないまま普通に暮らせるか?いやそんな事は断じて有り得ない。

 

だから立山美夜は、自分の為であるからこそ、立山美夜と言う存在を心の奥深くに埋め込めた。そうしなきゃいけなかったのだ。

 

そんな彼女は電流も毒も平然と最も近い心情で受け入れた。全ては親友の為、自分の為、そしてどこぞの適応できない弱虫少女にならない為だった。よく出てくるいつまでも助けられなきゃいけないお姫様になるのはごめんだった。

 

というわけでたった三ヶ月であっさりと16年間も磨き続けてきた己を捨てた。

 

そう適応する、潜伏する、強くなると決意したカルラ=ゾルディックは今悩み中。

 

目の前に立っている、ショートカットの髪型で柳の様に痩せ型の、美青年で無表情で瞳孔の無い瞳の持ち主、イルミ=ゾルディックと言う問題に早速カルラは遭遇してしまったのだ。

 

 

 

 

 

…いや、正直言って来ると思っていたよ。だって私のお兄さんだし、確か私は彼の初めての妹だった気が……

 

あれ?アルカって女だっけ?男の子だっけ?…知らん。本当に知らん。アルカに会ったらアルちゃんと呼ぼう。

 

カルトだって女の子っぽい格好して、実際ベースはセーラーサターンがモデルなのに本当は男の子でした〜〜みたいな展開だったし。やっぱこの家族って解せない。

 

兎に角、何故か私の目の前にイルミ=ゾルディックが居る。あのマザコンでブラコンで親に対してはイエスマンなイルミ=ゾルディックが今私の目の前に居る。

 

何という事だ。ヤバイ。マジでヤバイ。

 

私が前世で何をしたと言うんだ。なんか悪い事でもしたか。

 

…それは誰も答えなくていい。

 

現にこの試しの門より少し濃い灰色の、私とイルミ兄さん以外何も無いつまらない部屋を、色付けたのがこの無表情なイルミ兄さんが着ている鮮やかな緑色の洋服である事が本当に皮肉だ。

 

イルミ兄さんはその無表情なまま私を凝視している。

 

私は彼の、兄さんの目を凝視仕返す。

 

そして兄さんは私の視線に動揺せず、私を凝視し続けた。

 

怖いです。本当に怖いです。超怖いです。

 

真っ暗な目から放たれる視線が私を貫き、魂まで響く。一気に部屋中の温度が数度下がった。

 

「君、凄いね。オレの殺気、弱かってたけど生身で感じながら動揺しないなんて。」

 

……わっつ?

 

こいつ生まれて三ヶ月の赤子に殺気なんか向けてるの?マジで?いくら美少年だからってそれは許せないよ。

 

そうして私が戸惑っている間、数秒が経ってしまった。

 

「変な子。オレ、イルミ。君のお兄さん。」

 

……さっきの発言撤回。2011版のハンターハンター、イルミの声優がホスト部の鳳鏡夜と同じだったと気がついたアニオタの私は一瞬にイチコロ。流石有名暗殺一家の長男。声だけで人をこんなにあっさりとやれるとは。

 

後でビッシリと自分に言い聞かせなきゃ。

 

「無反応か…賢そうな目をしてるし、オレの言ってる事、まさか分かってる?」

 

これってどうすれば良いんだ?無反応だと言われたから反応するのは罠だよな。絶対罠。

 

「解る訳…無いよね。」

 

良し!セーフ!

 

「また来るね。ちょっと仕事が入ったから行かなくちゃ」

 

あれ、なんか兄さんがっかりしてる?仕方ない。いっそバイバイでも言うか。

 

「うぁいぃわい」

 

…………何今の。情け無い。黙っていれば良かった。早速喋るための修行しなきゃ。

 

はぁ

 

ついさっきまで殺気充てられていたのに好きなキャラと同じ声だからってまんまに許すなんて。

 

裕翔君大丈夫かなぁ。彼この世界にいる事は神様が確定してくれたし。でも彼、幻影旅団超苦手な割にはワンピースのウソップとか進撃の巨人のリヴァイの大ファンだし、声優の山口勝平さんとか宮野真守さんにすっごく憧れているしね。

 

幻影旅団とか遭遇しちゃったら彼絶対精神的に追われるよなぁ。

 

そう独り言を考えていた私は、イルミ兄さんが本の僅かに口角を上げた事に気づく事は無かった。

 




これは主に2011年版のアニメをベースにしている。1999年の遭難のボーナス試験はもしかしたらやるかもしれない。
フェイタン、リヴァイに超似ている上に声優さんはワンピースのウソップとかデスノートのL役の山口勝平さん。
クロロ=ルシルフルの声優さんはデスノートの夜神月役の宮野真守さん。
この少年漫画大好きな親友のオタク五人、気づかないわけがない。大好きで憧れの声優さんが超苦手なキャラを演じているとやっぱ辛いですよね。裕翔君可哀想。

*ちなみにイルミ役の声優、松風雅也さんは確かフェアリーテイルのレン=アカツキ役。あのブラコン殺人鬼をホスト系男子と被って見るとなんか真剣に考えられない。こう言うのは深く考えはならないという暗黙なルールとかあったっけなぁ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

その頃、流星街では (裕翔(ゆうと)&カルラ)

(その頃の裕翔)

 

 

気が付けば俺の視界はゴミだらけ。

 

右を見てもゴミ。左を見てもゴミ。下を見ても…うげっ!

 

死んでる…人が!

 

いや、落ち着け。本物じゃないだろう。いくらゴミ捨て場でもそれは流石にないだろう。

 

だってゴミ捨て場だよ?想像力全く無し。こんなの絶対捨てようとしたら近所の人に見つかってしまうというハメのやつ。きっと只の演技の小道具とかだろう。壊れて捨てられちゃったのかな?可哀想に。

 

って言うか何で俺はこんなゴミの海のど真ん中に居るんだ?

 

俺は先程までハルヒ、美夜、イリカと相太と一緒にコミコンに行ってきた。確か…千葉にあったコミコンは…何らかの理由で危なかったからやめようとハルヒと相太が言ってたんだけど美夜がやけに頑固で最終的に皆んなで行くことになった。

 

そして数時間ぐらい楽しんだ俺たちは折角だから観光スポットを見回ったり、景色を眺めながら歩いていた。

 

そしたら突然美夜は倒れるし、耳の鼓膜が千切れるような凄い音がするし、振り向けば目の前は真っ黒。いや、ちょっと濃いめのグレーだったっけ。

 

まあそこんとこはどうでも良いとして…

 

そうそう、気が付けば俺はゴミの海のど真ん中に居たという訳。

 

息を吸ってー深呼吸。

 

ぶはぁー

 

うん、全然落ち着けない。

 

だってゴミだよ。ゴミ。清潔無さに程がある。俺の知らない内に世界が滅んで俺が最後の人間設定とかはありえねえし。

 

そう呟きながら歩き始めた俺はついにそこらへんに転がっている鉄板に足を思いっきりぶつけて地面にチューした。

 

こんな衛生上にどう見てもヤバすぎる地面に、だ。

 

情けねえ、マジで。涙ぐみながら俺はそう思った。ようやく精神的に疲れ果てた俺はそのまま寝てしまった。

 

 

 

 

流星街。

 

ハンターハンターの世界の有りと有らゆるゴミが捨てられる場所。そこの住民は捨てられた物を全て受け入れ廃棄物を再利用して暮らしている。その上流星街で生まれた人間は社会的な情報を一切持っていない。

 

つまり正式上には存在しない。

 

そしてA金賞金首の幻影旅団の大半のメンバーはこの流星街の出身者である。

 

そんな街に今まで衣食住に一切問題なかったプチブルジョワの少年和山裕翔は神様の気まぐれに送られてしまったのだ。

 

地面にキスしている状態で発見された裕翔は早速住民達に街の中心へと運ばれた。

 

 

 

 

 

目が覚めた俺はすぐさまに立ち上がった。

 

目の前には六畳ぐらいの広さのスペースが見えた。柄など一切なく床は冷たいコンクリート。

 

ヤバイ。心拍数が上がりまくってる。兎に角無防備な状態はダメだ。そう思いながら俺は部屋の片隅へと震える足で行き、壁に背中を向けてしゃがんだ。

 

もうどうすれば良いのか分からない。誰に頼って良いのかもわからない。きっと自分で何とかしなきゃいけない。

 

檻の中ではなくベッドに置かれていたからきっと、誰だか知らないが害意はないと思う。だがそんな状況はいつまでも続くわけじゃない。

 

さっさと此処から出て、武器でも見つけて、情報を得なきゃ。

 

そう覚悟をした俺は立ち上がったが、同時にノックが聞こえた。

 

「!…あ、はい」

 

つい反応的に返事してしまった俺は、心の準備が出来ずに扉が開いたのだ。

 

扉の向こう側に立っていたのは茶髪の中年の男だった。左目はナイフの刺し傷のような傷跡があったけど、それ以外特徴はなかった。すっごい忘れ易そうな顔だ。

 

「おっ!起きたか!」と男性は明るい笑顔を貼り付けて俺に言う。

 

「早速だが…」と男は返事させてくれないまま続けた。

 

「君は何であんな所にいたんだい?あそこは長老達が立ち入り禁止って言っていた所だぞ。」

 

はっ? 立ち入り禁止?そんなの聞いてねえし。突然気が付いたらそこに居ました〜って通じるかな。

 

って言うか長老?なにそれ。まさか俺、ど田舎の民族集団にでも見つけられたの?

 

「長老?」と俺は尋ねて見た。どうかど田舎の民族集団ではありませんように。俺、インターネット無かったらきっと生きていけないし。

 

「流星街を統治している人達だ。…君、まさか捨て子?」

 

ワッツ? こいつ今なんて言った?

 

流星街…ありえねえ。嘘だと誰か言ってくれ、マジで。

 

 

 

 

 

それは嘘ではないのだ。

 

 

幻影旅団超苦手の和山裕翔は幻影旅団出身地である流星街へと送られてしまった。

 

和山裕翔オワタ。

 

これ神様絶対トロールだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

(カルラ)

 

…………うん、裕翔君はちょっと不安だ。さっさと修行してみんなに会えるようにならなきゃ。折角あの伝説ゾル家に生まれたんだから。

 

 

 




いや〜流星街とはなんとテンプレ。流石オタク神様、平凡人生なんてオリキャラには認めませんね。

ええっと美夜は自分がカルラであることを認めているため、今後はカルラでいる。

ついでに自白しなきゃいけないことがあります。作者は日本語下手目な英語派帰国子女です。なので間違えとかあったら是非教えて下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話=目指せ!ちゃんと動ける人間!カルラの修行が始まる!

(とあるゾル家では)

 

「イルミか。どうだった、カルラは?」と、ゾルディック家当主であるシルバ=ゾルディックは長男のイルミにそう尋ねた。

 

「うん。『自我』は無かったけどもうとっくに『自覚』はし始めてるみたい。キルとは別の種類の、『知能的才能』と言うやつみたい。』とイルミは答えた。

 

「そうか。なら良い。そいつも次期当主(キルア)の良い柱になるだろう。」とシルバは感情など一切ない声で返事した。

 

やはりイルミの突然の訪問には下心があり、こうしてカルラ=ゾルディックは再び命拾いした。

 

 

 

 

 

イルミ兄さんとの出会いから二週間ぐらい経ったが、仕事の所為で忙しいのか、私にはもう興味がないのかどうかは解らないけど、あれから彼が私に会いに来る事は無かった。

 

私からすればそれはとても有り難い事なんだけどね。

 

だって怖いもん。ホスト部声は兎も角、あの人サッカーボールをキルアの前に落としたからって暗殺依頼などされていない三人の子供を虐殺したんだよ。絶対悪夢とかに出そうな無表情な顔で、あまり似合わないスキンタイトなコスプレスーツを着ながら。そんなのどうやって対処するのよ!

 

まぁ私は家族だからきっと免除されると思うけど…いや免除される事を心から願っています。

 

で、私は今何しているかって?

 

単純に言えばコロコロしている。

 

私の揺り籠があった無地で灰色の部屋とは違って、明るくて、茶色いモフモフ絨毯にクリームベージュ色の壁がある部屋で私はコロコロ転がっている。

 

原作登場しなかった6人の執事達に見張られながら、私は基礎体力を上げようとしている。コロコロしながらこの新しい体に慣れようとしたり、ハイハイしながら機動力や持久力の向上を目指している。勿論、このプロテインが含まれている空気を満遍なく吸いながらにね。

 

私のプライドという物は一体どこへ飛んで行ったのでしょう。

 

情け無い。だが同時に仕方ない。この世界では何万人が定期的に死んでいる。そしてその事は当然なのだ。そんな世界で私は脆弱な赤ん坊として生まれたんですよ。もはやプライドと言う問題ではない。

 

一刻も早く前世の私より最低1000倍の身体力を得なければ本当にヤバイことになってしまう。ちなみに前世の私はジョギングで30分すら持たなかった貧弱オタクだった。そのままでいたらハンター試験の第一次試験で脱落したモブキャラ以下の存在となってしまう。あのデブトンパですら80km以上のマラソンを楽勝でクリアしたんだ。

 

そんな奴に負けてたまるか。今は私はゾル家の一員なんだぞ。

 

そう決意した私はコロコロやハイハイしまくった。途中で体が思い通り動かなくて悔しげながら地面を何度も殴った事件があったがそれは耐久力の訓練と見れば良い。

 

日が暮れるまで、涙流しながら私はこの哀れな修行に励んだ。唯一の休憩は食事の時間プラス食後の30分、電流流される時間、そしてお風呂の時間と寝る時間。

 

いくら毒入りミルクでも栄養素たっぷりな筈。そんな貴重食料を動き過ぎて戻してしまったら勿体無いし、執事達に迷惑かけてしまう。

 

そんな恥ずかしい状況は御免だ。

 

この世界で生きる為、そしてモブキャラもどきにならない為にも修行は一大事。体力尽くして気絶するまで私は修行しなければならない。全ては将来の為。

 

気がつけば日が暮れており、もう寝る時間となってしまったようだ。

 

寝る寸前の時間も貴重な為、私は「念」…ではなく「燃」の「四大行」を行うことにした。「念」を覚えるのにはまだ早すぎるし、アホみたいな能力を覚えてしまっても意味がない。だから先に「燃」だ。

 

“点”=心を一つに集中し、自己を見つめ目標を定める。

 

残念ながらこの部屋には鏡がなかったため、自己を見つめる事は出来なかったが、自分の目標なんかもう決まっている。

 

この世界の何処かにいるはずの仲間と合流して、皆んなを死なせてしまった事に対して謝る。許してもらえるかどうかはわからないが、謝らなければならない。

 

そしてもし許してもらえたら皆と一緒に原作崩壊へと挑む。

 

我々はオリ主なのだ。原作を我々の色に染めなければ、私がわざわざゾル家に転生した意味がなくなるじゃないか。

 

そもそも神様が直接私達をこの世界へと送ったのだ。きっと私達の新たな人生を観戦して楽しんでいるんだろうし、折角だから成し遂げなきゃね。

 

でもその目標に辿り着くためにはかなり強くならなきゃいけない。それは身体能力だけではなく、経済的の力や社会的地位も含まれる。この世は前世の世界ほど甘くない。皆んなと一緒に原作崩壊に挑むためにも力は必要なのだ。

 

目標は決まっているし、次は“舌”だ。

 

舌とはその目標を言葉にする事。

 

で此処で早速問題発生。やはり赤ん坊の舌でははっきり言葉を喋れないようだ。仕方ないから頭の中で唱えよう。

 

舌を終えたら“練”だ。練とは意志を高める事である。私はこの「強くなる」と言う意志を練で高めて、そしてそのまま瞑想をした。もちろん精孔を開く瞑想ではなく単なる息に集中しながら周囲を警戒する瞑想だ。

 

予定では念には5歳ぐらいで目覚める予定だ。そして二年間、7歳まで四大行の「纒」「絶」「練」のみの訓練。「纒」をしながら訓練に励み、「絶」で休憩時間を大幅にカット。「絶」有りと無しで尾行の訓練を家族の誰かから教わる。できたらゼノ爺さんからが良いな。キルアとアルカ除いてこの家族の中で一番正気な人っぽいし。

 

「練」は自由時間の時とか寝る寸前に張り切って行う。

 

口にすると簡単に聞こえるけど、絶対難しいはず。

 

と言うような感じで日々が順調に過ぎていった。朝起きたら電流流されて、その痺れて半分麻痺状態で毒入りミルクを飲まされる。オムツ替えは全て、運良く原作に出てこなかった女性の執事達に任されている。(オムツ替えが原作に出てきたゴトーさんとかやってたら私恥ずかしくて死んじゃう。) お風呂は女性の執事達か母のキキョウさんが入れてくれる。

 

朝御飯、昼御飯、晩御飯、そしてお風呂時間以外は全て自由時間で、その時間を私は修行に使った。

 

そんな日々がまた三カ月続いた。

 




うううう〜なんかちょっと満足できてないかな。ストーリーがあんまり進んでいない感じ。

どういう風に話が進むのかはもうとっくに決まっているんですけど、ちゃんとそれを皆様に伝えられているかどうか分かりません。

作者まだ本当に未熟です。ですが頑張ります!これからも宜しくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 修行の方針ともっと餌食付け

今までに神様転生というタグを付け加えていなくて申し訳ございませんでした。これによって迷惑をかけた方々には本当に申し訳ございません。


バカだった。私ったら本当にバカだった。三ヶ月何も起こらなかったからセーフだ〜とか思ってた過去の私を殴りたい。

 

そう私に思わせた出来事はちょうど『燃』の四大行を実践し始めてから三ヶ月経ったところだった。

 

その日、私は瞑想をし終わっていて寝るところだった。したら突然、涼しい風を肌で感じたのだ。それはあり得ない風だった。だって私の部屋に窓なんかないんだから。

 

気が付けば私のすぐ右にはゼノ爺様がいた。すぐさま鳥肌が立った。

 

原作キャラの餌食付けにもほどがあるでしょ、程って言うものが。

 

まったく。

 

「ほう、儂の殺気を感じ取れたとはのお。気配も消しておったのに。」

 

嘘つかないでくださいって。絶とか使っていたら私なんかが感じれるわけないでしょうに。

 

「天才だと聞いておったのじゃが、それも本当だったらしいのう。まさか生後六ヶ月で自覚を持つとはのう。」

 

これ、すっごくヤバイ展開になってるんじゃないか。

 

って言うか何しに来たんだろう、ゼノ爺様。

 

「と言うことでじゃ、お主がもう少し育ってからじゃが、尾行や潜入の技でも叩き込んでやるわい。」

 

こんなに早く願いが叶うとは。確かこの人、東ゴルトーに潜入したってキルアが言ってたっけ。サンキューオリ主補正。

 

…あ、もう居ない。いや、それとも絶を使っているのかな。もう考えるだけでめんどくさい。寝よう。

 

 

 

 

 

ゼノ爺様との遭遇から数日後、私はそろそろ自分の修行の方針を考えることにした。

 

私は女性。一般的に考えれば女性は男性より筋力は劣る。これは遺伝子上の事実だ。たとえ私が双子のカルトと同じ筋トレしたとしても、カルトの方が強くなるのは当然。(まあここで修行を重ねれば、そこらじゅうの脳筋には片手で勝てるだろうけど。)

 

その代わりに女性は男性より柔軟で、もっと痛みを耐えられる。それを私は修行の中心にすると決めた。優先順位的に言えばこう言う感じでしょう。

 

1)柔軟性・バランス

2)技術・コントロール・効率良さ

3)持久力・スピード

4)疼痛耐性・毒耐性

5)筋力

 

と言ったところかな。

 

柔軟性やバランスとかスピードと持久力は同時に鍛えれそうだから一緒にした。

 

技術・コントロール・効率良さ、それは最小限のエネルギー消費で最大限の効果をもたらす。そのためには人体を知り尽くし、全ての筋肉をコントロール出来るようにならなきゃいけない。目標といえばマチがヨークシン編でキルアを捕まえるために使ったあの技。胸を貫かれても出血すらせず、キルアの手が抜けなくなったあの筋肉コントロールの技。あれはすごい。それが目標だ。

 

小指やつま先で何時間立て続けられるバランス。足を頭の上に乗せられる柔軟性。一週間走り続けられる持久力や残像が何十人現れる程のスピード。リシンやシアン化物を水みたいに飲める毒耐性。あとは試しの門の」三ぐらいまで開けられるようになる。これを全て原作開始前、つまり私が10−11になる前までは達成しなきゃいけない。それに念の修行も加わる。

 

うん、ちょっと無理かも。

 




今回は短めです。最近投稿していなくてすみません。これからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 少し目のタイムスキップ

作者、ワード持ってません。よってルビふれません。不便です。申し訳ございません。


無理なんかじゃない!無理でも私はやって見せるんだ!私は強くなれる!才能と最高の血筋と原作知識に恵まれたんだ!そこまで貰って強くならないオリ主なんて何処にいる!折角だし、原作改変に挑むぞ〜!ウォーーーー!

 

それは突然の事だった。もうダメかもしれない、諦めたい、と思って寝てしまった私はその次の日、ヤル気が莫大に増えた。諦めなんかあり得ない、と思わせられるその強情、それはまるで少年ジャンプの主人公の感情の様なものだった。いや、もしかしたらそれそのもだったかもしれない。私、女なんですけど。

 

まあこの違和感半端ない感情の原因はすぐ分かったのだ。何故なら私の揺りかごの中には、ちょうど右手が届く位置に一枚の紙切れがあった。それにはこう書いてあった。

 

諦めるな。諦めて弱くなったらマジでブッ殺す。

ーBYカミ

 

神や髪、紙でもなくカミって書いてあった。マジで謎。

 

 

まあ分からないわけでもない。私だって原作知識あるのにそれを有効に使わないで、弱いままのオリ主主人公の二次を読むとムカつく時だってよくある事だ。アンタの存在、意味あんの?みたいでさ。

 

つまり、私の推測が合ってれば、これはオタクガミからの忠告だ。折角原作改変(多分これが目的)を楽しむためにオリ主(私達)を送ったのにそのオリ主組の一人がたった数ヶ月で「私、諦める〜」なんて言い始めたらそれはムカつくわ。よってこの忠告。ちなみにその紙切れは読み終わった瞬間、プファーと粉になって飛び散った。

 

大事な事は、これはカミ(神)からの原作改変の許可そのものなのだ。

 

え?チェスボード上の駒扱いされてムカつかないかって?いや、別に。死んだのは主に私の所為だし、原作知識アンド前世の記憶付き、その上に五人揃って同じアニメ世界に送ってくれたんだよ、とてもご親切に。原作知識も前世の記憶も消してドラゴンボール世界の一般市民に転生させることも出来たんだよ。それに比べれば死亡フラグだって飛び越え不可能な壁より回避可能の試練になる。

 

その上相手はカミだよ、神。私たちなんかアリンコ同然。文句なんかないし文句あってもいうようがない。

 

で、そんな最強の存在であるカミ様が強くなれって言ってるんだ。断れるわけないし、断るつもりはない。最近電流流されても瞑想状態になればかゆい程度で終わるし、ミルクに混ざってる超少量の毒だって痺れすら感じなくなってきた。それも全部まだ一歳になってないうちにだよ。ワタシ(この年の割には)Tueeeeeeとか超言いたいんですけどそんなこと言ったら落雷とか私に当たったりしそうでやめておく。

 

というわけで独り言はもう終わり。そんなことやってる暇があるんだったら修行しろよ、私。トニカクシュギョウダ〜ーーーー

 

 

修行の優先順位を考えると柔軟性とバランスが一番だ。と言うわけで私は今前世で時々(二ヶ月に一回)ぐらいやってたラジオ体操の赤ちゃんバージョンや脹脛ストレッチとかやってた。ついでに生まれてから6ヶ月ぐらい経ったから立てるかどうか試してみた。3秒ぐらい立てたけどすぐ転んだ。もう一回やってみた。今度は5秒で転んだ。プライドズタズタ。

 

ムカッ

 

って言うかゾルディック家って超一流の暗殺一家なんでしょ。さっさとパーソナルトレーナーでも連れてきなさいよ、もう。そうグズグズ言いながらようやく10回目で転ばずに立てた。よし、後は歩くだけだ。右足、左足、と慎重に私は動かした。よし、行ける!

 

その一歩一歩が泣ける程遅かった。何十人のマフィア達を7秒で抹殺できるゼノ爺様、きっと彼なら私が一歩踏む間で最低500回ぐらいは攻撃できるだろう。

 

悔しい。ムカつく。もっと早くならなければ。

 

そう頭の中に唱えながら一歩ずつ足を動かした。慎重に、慎重に、慎重に。。。

 

「あらまあカルラ様が。。。すぐ奥様にご連絡を」

 

執事達そういえばいたな。絶でもしてたのか?全然気付かなかった。奥様ってやっぱあの人だよねー。ちょっと私、ヤバいかも。

 

 

 

 

 

「まぁ!カルラったら、もう歩けるの?さすが私達の子ね」

 

まあこうゆう感じになるよねえ、やっぱり。ちなみに私は六人の兄弟のうち成長度は2、3位ぐらいらしい。キルアは生後5ヶ月で立ち、イルミ兄さんは私と同じ6ヶ月ぐらい。アルカちゃんとミルキは8ヶ月、カルトはまだ立っていない。アルカちゃんとミルキは遅いと見られているらしい。一般の子供は9から12ヶ月ぐらいで立つのが普通なのにね、ホント。

 

ちなみにキルアは5ヶ月で初めての言葉を言ったらしい。なら私もそろそろ言っても怪しまれないよね。うん、きっと大丈夫。

 

「お母さん?」

 

と言うわけで言ってみた。さあ、反応はどうだ?

 

結果:耳が痛くなった。「まぁ!なんて素晴らしいわね!」だって。人間の声ってそんなに高く響くんだ。初めて知った。そして私の修行が本格的になった。

 

 

 

 

1990年、一歳

 

痛い。全身が痺れてる。電流の電圧もますます高くなったし、毒も強くなってきた。歩けるようになった瞬間、暗歩の修行が始まった。歩いている間に音出したらバシンッと叩かれる。5回ぐらい。お母さんに。あの人をお母さんと呼ぶ日が来るとはなあ、なんかやっぱ変だわ。

 

耐えられないわけではない。全ては死亡フラグ回避のため。なんだってやって見せるんだから。

 

あ、あとカルトも私が立てた二週間後に立ち始めた。私とは交代でお母さんから暗歩を教わっている。原作通りかなりお母さんに懐いているらしい。私にもだけでどね。

 

カルちゃん超可愛い!

 

ストレッチも怠っていない。瞑想に加えて、寝る前に一時間半、腕や足、肩甲骨や背中、脹脛、太もも、そして首と腰の静的ストレッチを毎日やった。動的ストレッチは朝起きて30分で終わらせている。幼い頃は体が柔らかいけどそれがずっと続くわけでもない。

 

一歳児がストレッチとかしてて怪しくないかって?いや、大丈夫。今やってる修行は全部執事達が教えてくれたやつ。ここではほとんどは執事達に任されているらしい。そしてある程度成長したらお父さん直接に教わるらしい。ちょっと楽しみかも。

 

お母さんが毒や拷問訓練担当だ。あの性格を考えたらバッチリだね。

 

さすがに屋敷外には行かせてくれない。しょうがないから持久力やスピードは部屋内を走り回って付けている。一つ一つの部屋が大きいから問題ない。

 

あ、いい修行法を考えた!ある程度スピードと持久力を付けたらゴトーさんにコイン弾丸を撃ってもらう。そしてそれを頑張って回避する。反射神経とスピードも鍛えられるし、回避できなくても疼痛耐性が鍛えられる。一石二鳥なのだ!

 

バランスに関しては。。。まあ言わない方がいい。片足1分も経たずに転んでしまう。

 

筋肉コントロールや器用さに関しては綾取りでなんとかしてる。効率向上は技すら教わっていない今には無意味だから。

 

筋力?なにそれ美味しいの?

 

 

 

1991年、2歳

 

暗歩修行が始まってから三週間で私は習得できた。たった四日で覚えたキルアはバケモノだよ。

 

そうそうキルアなんだけどね、すっごくツンデレで可愛かったよ!マジで。髪の毛フワフワそうで褒められると照れ臭くなってホッペが赤くなる。あ〜心が癒されるわ〜。

 

でも何よりも最強なのはキルアとアルカちゃんのコンボ。キルアのことをお兄ちゃんって呼んでるアルカちゃんの姿は天使ちゃんだ。

 

カルちゃんは相変わらずママっこだ。いつもお母さんのそばにいたがってる。そしてお母さんが居ない時は私と一緒に綾取りや折り紙して遊んでる。

 

ミルキには会ったことすらない。本当に存在してんの?と言うぐらい。まあ最近の執事達の噂によると引き篭もりにになったらしい。あぁあ、痩せてるミルキ、フェイタンに似てるか見たかったのにな。残念。

 

イルミ兄さんは時々通りすがるだけ。興味なくしてくれたとしか言えない。私には都合がいいからいいんだけどさ、もっと声聞かせて欲しいんだけど。

 

あれ、なんか話ずれたよね?なんだったっけ?

 

あ、そうそう、修行の話。

 

暗歩習得したらすぐに気配を消す修行に入った。もちろん、相手は執事達。ゼノ爺様直接に教わるほど技術がまだ高くないって言うことだよね、分かってる。これの修行だって執事達に見つかったらあとでお母さんからのお仕置き(体罰)を食らうことになる。あれは痛いから何よりも避けたい。

 

柔軟性は向上し続けてる。毎日ストレッチしているからね。バランスも片足一時間以上立てるようになったし、今は逆立ちで修行している。ちなみに逆立ちは十分保てる。それ以上やったら血が上って目眩がする。

 

スピードは比べるものがないからわからないけど、持久力はかなり上がった。走っていれば30分保つしジョギングだったら一時間もいける。前世では15分走るだけで疲れていた、それを思い出すとちょっと涙目。

 

技術向上や効率向上に関しては、まあ、暗歩怠らず気配を消し続けながら日々を過ごしているからいいんじゃない?

 

キンリョク?知らない〜

 

 

 

 

1992年 3歳

 

あれから一年が経った。今では逆立ちや片足で一日中立て続けられるし、つま先と片手では三時間以上立て続けられる。指一本とか試してみたんだけど10秒経たずに落ちた。

 

柔軟性に関しては成果が凄すぎる。180度足開くのはもう楽勝、ついでにバレーに詳しい執事さんから少し教わった。ピルエットとか超楽しいし、体がとてもスッキリしている。

 

暗歩は完璧、気配を消すのは、まあまあかな。執事さん達にはよく褒められるんだけど簡単に見つかってる私からすれば素直に受け入れられない。

 

スピードや持久力に関してはムカつくほど向上が遅い。ジョギングで六時間ぐらい。なぜぐらいか、と言うと気絶してしまったからだ。走ってると三時間ギリギリでバテる。ムカつく。あのデブニコルやデブトンパだって地下トンネル六時間平気で走ってたし、ヌメーレ湿原でも息絶えずに走り続けていたっちゅうのに何故私は三時間ももたないの!(自分が三歳児だって言うことを都合よく忘れている)

 

そして最後に筋力。私、大事なこと忘れていた。このままじゃ私、試しの門の一すら開けられないじゃん。外に出たらどうやって帰ってくんの。筋力を無視してた過去の私を蹴りたい。本当にヤバいんだもん。

 

まあとにかくゼノ爺様との尾行の修行は2ヶ月後に始まるし、その時はきっとゼノ爺様があけてくれるだろう。

 

今日はそろそろキルアが。。。いや、頭の中でも兄様、せめて兄ちゃんとでも呼ぶようにしなきゃな。次期当主呼び捨てはダメでしょ。まあキルア兄ちゃんが仕事から帰ってくる頃だしお母さんとアルカちゃん、カルト、執事達、と私で待ってる。

 

でもすごいなぁ、5歳で暗殺出来るなんて。しかもこれは3回目の仕事らしい。キルア兄ちゃん(私の方が年上なんだけどね)も三歳の時から尾行修行してたらしいし、そうありえなくはないか。(そう言えば何故かイルミ兄様の側にいるとみんなを様呼ばわりしたがるんだけど、何故だろう)

 

そんな時だった。

 

『ゴォオオオオオオ!!』

 

「あらまあキルったら、もう一の扉両方開けられるとは!素晴らしいわ!三人とも頑張るのですよ」

 

はい?今この人4トンの重さもある一の扉が五歳児のキルア兄ちゃんが開いただと?ワッツ?

 

その夜私はお母さんに両手両足首用の重りが欲しいと言った。それも次の日届いていた。ゾル家スゲー。

 

 

 

 

あれから1ヶ月、私はひたすら修行した。両手両足首の重りは一個二キロぐらいあって、合計16キロ。カルトともっと折り紙折ったりキルア兄ちゃんと追いかけっこしたりアルカちゃんと一緒に芝生の上で寝転がったり。え、修行じゃないって?いや、これも修行だ。社会勉強と言うなの修行。重りもつけてるしね。

 

私、カルラ=ゾルディックは気づいたのだ。あれ、私家族関係皆無かもって。私は今まで余る時間を全て修行にこなしていたんだ。だからお母さんや執事達以外にあまり会話したことがないのだ。よく考えたらカルトとの遊びだって、カルトがお母さんがいなくて寂しがって、しょうがなく私と遊んでいるようなものだった。キルア兄ちゃんとアルカちゃんは遠くから眺めていた感じだった。このままだったら私ぼっちじゃん。

 

と言うわけで私はこの1ヶ月もっと積極的になって、兄弟達と遊ぶことにした。ミルキとイルミ兄様は今の所なるべく無視だ。

 

そんな環境で早速問題発生。

 

「カルラ〜カルラ〜、握手して」

 

どうすんのコレ。お母さんはキルと一緒なら安心ね、といって執事達もいないし、キルア兄ちゃんはゴジラ人形と遊んでいる最中。どうしよう。ヘルプ。

 




よっしゃ〜5000字突破です!

最近またナルトにハマり始めたんですよね。だから今後、もっと後のことなんですけど、この五人組を使ったハンターハンターナルトクロス作を書いてみます!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。