ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘と (稼津斗)
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Episode1『初めまして早乙女雪奈です!』

新連載だなBy雪奈     如何やらその様ですね?By真雪


Side:雪奈

 

 

アタシこと、早乙女雪奈は世間的に言って不良……と言うかヤンキー娘なのは間違いないと思う。

銀髪と蒼目は生まれつきの遺伝だからどうしようもないが、中学の頃からお世辞にも素行が良いとは言えなかったし、街の不良共との喧嘩は日常茶飯事だったからな。

 

とは言え、アタシだって元からヤンキーだった訳じゃない――自分で言うのも何だが、こう見えて小学校の頃は学年一の優等生だったからな。

 

そんなアタシがヤンキーになった理由は只一つ、溜めに溜め込んだストレスが爆発した結果としか言いようがねぇ。

 

アタシの両親は大企業の重役だから、子供のアタシにも色々期待してたらしく、小学校の頃は冗談抜きで遊ぶ暇もない位の習い事をさせられてたんだが、格闘技系の習い事以外はアタシに合わなかったみたいで、知らず知らずのうちにストレスをためてて、それが小学校卒業と同時に爆発して、親に盛大に喧嘩を売って、でもって勝っちまって習い事を全部やめた後に、後はアウトローの道をまっしぐらだ。

 

 

とは言っても、アタシにはアタシの理念がある。

アタシは確かにヤンキーだが、自分の拘りとして『堅気の連中に迷惑はかけない』って決めてる――まぁ、だからこそ、堅気の連中に迷惑をかけてるボケ共は、アタシの滅殺対象なんだけどよ。

 

まぁ、その理念を貫いた結果、中学の頃には幾多の不良グループやチーマーを単身でぶっ倒しまくって、そんな中で何時の頃からか、名前をもじって『雪女』なんて、仇名が付いちまったが、まぁ悪くねぇか。

二つ名持ってのは、迫力があるみたいだしな。

 

けど、アタシは決して何処かの不良グループやチーマーには属さなかった……群れるのは好きじゃないかなら。

 

だが、群れずに中学を過ごして分かったのは、群れないのは楽だが存外つまらないって事だ……群れなければ、面倒な事は確かにないが、逆に楽しい事も滅多にないからな。

 

其れでも、温い友達ごっこはガラじゃねぇから高校でも一匹狼でいる心算だったんだが――

 

 

 

「雪女さん、いい加減に起きてはどうですか?」

 

 

 

高校に上がってからは、そんな事も無くなっちまった――ま、こう言うのも悪くねぇと思うけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘と

『初めまして早乙女雪奈です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ふあ……何だよマユ、もう昼休みか?

 

 

 

「放課後です。そんなに寝てばかりいると、目が腐ってしまいますよ?」

 

「目が腐る……そいつは大変だ、直ぐに目薬を打たないと――否、もう手遅れか?」

 

「いえ、まだ大丈夫みたいです。」

 

 

 

授業サボって屋上で昼寝してたアタシに話しかけて来たのは、同じクラスの『西行寺真雪』――去年の入学直後に、不良にナンパされてた所を助けてやったのが縁で、何かと一緒に居る事が多い。

黒目黒髪って言う抜群の大和撫子なんだが、滅多に表情が変わらない上に色々とポンコツだから正に『残念な美少女』って奴だぜ。

体育では跳び箱に特攻して鉄棒から落っこちて、バレーボールは顔面レシーブ上等で、家庭科では自分の指縫うわ、調理実習で指詰めかける事数回で、鍋が黒炎弾した数は数えるのも面倒クセェって感じだからな……そのフォローをするせいで体育と家庭科だけは出席率100%なんだけどなアタシは。

 

にしても、もう放課後か……我ながらよく寝たもんだ。

 

 

 

「えぇ、マッタクです。

 2時限目の体育の後で姿を消してから今の今まで寝ていた訳ですから……数学の山崎先生が『俺の授業をサボるなんざ、100年早ぇんだよ!』とキレていましたよ?」

 

「山崎……アイツ絶対選ぶ職業間違えたろ?

 見た目的にもキャラ的にも教師は向かねぇ……つーか普通にヤクザだってのアレは。」

 

担当教師が嫌いな授業は、最低出席日数をオーバーしないレベルでサボるのが基本のアタシだが、山崎の授業だけは追試になっても良いから受けたくねぇ……幾ら名前が同じだからって某格闘ゲームのキレたヤクザになり切らなくても良いと思うんだがな。

あんなのが教師をやってるとか、大丈夫かこの学校はマジで……此れで割とレベルの高い学校だってんだから驚きだが。

 

「まぁ、何だ、放課後ってんなら帰んぞマユ。」

 

「はい、その心算で呼びに来ましたので。」

 

「成程……ってか、よくアタシの居る場所が分かったな?」

 

「雪女さんのサボる時の指定席は、屋上か中庭の大樫の木の枝か仮病を使っての保健室のいずれかで、屋上の確率が大体70%ですので。」

 

「……お前、色々とポンコツのくせに見る所は見てんだな?」

 

「はぁ、褒め言葉として受け取っておきます。」

 

 

 

褒めてねぇけどな。

にしても只まっすぐ帰るってのもつまらねぇな?どっか寄ってくか?

 

 

 

「そうですねぇ……なら湖の畔の公園に寄って行きませんか?

 今日は水曜日なので、とても美味しいクレープの屋台が店を出していますから食べて行きましょう――なんでもSNSでも話題の屋台らしく、『一口食べたら、此処のクレープ以外のクレープは食べられなくなる。』との事です。」

 

「其れは些か言い過ぎなような気もするが、取り敢えずめっちゃ美味いって事だけは良く分かったぜ。」

 

んじゃまぁサクッと帰っか。

生活指導の棚部とか、級長の花音なんかに見つかると面倒だからな……つーか、アイツ等はアタシの事を一方的に敵視してるから色々と面倒臭いんだよなぁ?

他校の生徒との喧嘩は確かにしてるが、アタシがぶっ倒したのは一般人に迷惑かけてるボケ共だってのに、其れを考えもせずに『他校の生徒と喧嘩した』って事実だけで説教しやがるからなアイツ等は……一歩間違ったら、ブチ切れて殴り飛ばしてるぜマジで。

 

 

 

「山寺先生は雪女さんの味方みたいですけどね?」

 

「山ちゃん先生はマジでな。

 まぁ、あの人はアタシがガキの頃から色々世話になってからな……まさか、教師になってるとは思わなかったけどさ。」

 

山ちゃん先生ってのは、本名『山寺里美』って言うアタシとマユのクラスの担任で、生徒からの人気も高い英語教師。24歳、独身。

子供の頃は勉強見て貰ったりとか色々と世話になってたんだが、高校に上がってからまた世話になるとは思ってなかったぜ――5年ぶりに再会した時には、アタシの豹変ぶりに驚いてたけどな。

 

けどよ山ちゃん、アタシももうガキじゃねぇんだから『雪ちゃん』って呼ぶのは止めようぜ?――プライベートは兎も角、授業中はアタシだって『山寺先生』って呼んでるんだからさ。

 

 

 

「呼び方と言うのは、存外変えられないのかも知れませんねぇ?――私が貴女を『雪女さん』と呼ぶように。」

 

「微妙に否定できねぇな其れは。」

 

そんな事を話してる内に昇降口について、靴を履き替えて外にだ。

因みに、この学校は一応学校指定の靴は存在してるが、其れは強制じゃなくて基本靴は何でも良い事になってる――ので、アタシは某有名ブランドのスニーカー、マユは本革製のレディースブーツを使ってる。

 

そんなこんなで、雑談をしながら公園に向かってたんだが……運が良いのか悪いのか、胸糞が悪くなる現場に出くわしちまったなオイ?

 

 

 

「へっへっへ……お嬢ちゃんよ、ぶつかっておいて何も無しってのは良くないよなぁ?

 お兄ちゃん達ちょ~~~っと、腕痛めちゃってさぁ……病院に行かなきゃならないみたいだから、お金くれると助かるんだよねぇ?出来れば一人につき10000円ほどさ。」

 

「キッヒッヒ、払えないって言うなら身体で払って貰うだけだけどねぇ?」

 

「……」

 

 

 

小学生と思われるガキンチョをナンパだか恐喝だか分からねぇ事をしてるクソッタレ共を見つけちまったからな。

ったく、ガキ相手に何してやがんだか……其れともロリコン趣味の変態不良か?――何にしても、見つけた以上は無視する事は出来ねぇよな。

 

オイ、何してやがる此の戯けモン共!!!

 

 

 

――ガスゥ!!!

 

 

 

取り敢えず背後から近寄って、一番後ろに居た馬鹿に踵落とし一閃!……うん、我ながら見事な踵落としを、ネリチャギをかましたモノだな。

んで、ネリチャギをかましたクソッタレはそのままKO!良い夢見ろよ~~。

 

 

 

「な、テメェ行き成り何しやがる!!」

 

「あぁん?ガキンチョ相手にクソッタレな事をしてる馬鹿を叩きのめしただけだ……なんか文句あんのかあぁ?」

 

「粋がってんじゃねぇぞアマ!

 正義の味方気取りか?――不意打ちで一人倒したからって調子に乗るなよ?……五人に二人で勝てると思ってんのか?」

 

「あ、コイツは頭数に入れんな。

 テメェ等をボコるのはアタシだから。コイツは、そのガキンチョを此処から連れ出す役目だから。」

 

「と言う訳で、行きましょう。」

 

「ふぇ?でも……」

 

「大丈夫です、雪女さんなら、あの程度の輩には負けませんから。」

 

 

 

……普段は何かとポンコツなのに、こう言う時はテキパキ動くなマユは。

クソ共の意識がアタシに向いた瞬間にガキンチョを救出して即座に離脱だからな……其れを普段の生活で発揮できれば、ポンコツにはならねぇと思うんだが、其れは言うだけアレって奴なんだろうな。

 

 

 

「何時の間に!!だが、一人で五人を相手に出来ると思ってるのか?」

 

「言葉を返すようで悪いが、テメェ等こそたった五人程度でアタシに勝てると思ってんのか?

 この天下無敵のアウトローである雪女様によぉ?」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

 

 

おおっと、雪女の雷名は効果抜群だな?

不良やってるなら、雪女を知らない筈ねぇからな……アタシが雪女だと知ってもやる気かテメェ等?

 

 

 

「お前が雪女だと……ハ、ハッタリに決まってる!!

 囲って叩きのめすぞ!!」

 

「オウよ!其の後は……たっぷりと楽しませて貰うぜ、中々良い身体してるみたいだしな。」

 

 

 

はい、コイツ等馬鹿決定!

アタシの異名を聞いてもビビらないのは評価してやらない事も無いが、其れをハッタリと決めつけてってのは駄目だな……そして、何とも下半身に忠実な奴等だぜ――誰がテメェ等なんぞにやらせてやるかってんだ!!

 

取り敢えず一番前に居た奴に一足飛びで近付いて、渾身のアッパーカット!!

 

 

 

「んな!?」

 

「驚いてる暇があるのか?」

 

「!!!」

 

 

 

其れで一撃KOしたアタシに驚いてる奴を捕まえて、今度は卍固めで絞め上げて意識を刈り取る!!……燃える闘魂が編み出した必殺技は伊達じゃないぜ!!

更に、そばに居た奴を飛び膝蹴りからのジャンピングアッパーカットでKOし、その流れで次の相手に飛び蹴り→飛び回し蹴り→空中回転踵落としを喰らわせてKO!!

 

さぁて、残るはテメェだけだな?

 

 

 

「あ、あぁ……でも、俺は負けない!!お前を倒して俺は!!」

 

 

 

最後の一人は、錯乱してナイフを出して来やがったか……ったく、そんなモン出したなら責任は取れよ?――こっちは素手で、テメェの方が凶器携帯ともなれば、テメェの重罪は免れねぇからな。

 

 

 

「ナイフに素手で勝てると思ってるのか?……ひん剥いてやんぜ!!」

 

「アタシに限っては、ナイフと素手なんてのはハンデにもならねぇんだよ!!」

 

ナイフを振りかざして来た相手の背後に回って、腰をホールドすると同時に、全力全壊のジャーマン・スープレックス一閃!!プロレスのマットの上ででも必殺となるジャーマンを固い地面で繰り出したとなれば喰らった相手は戦闘不能必須だぜ。

 

 

 

「たわば!!」

 

 

 

アタシのジャーマン喰らったクソッタレは白目剥いて泡拭いて気絶しちまったからな……ったく弱すぎるにも程があるだろ?

不良やるなら、相応の実力を身に付けて来いってんだ。

取り敢えず、コイツ等の本名と顔は記録しておくか――罪状と共にネットにアップしたら非難は免れないだろうしな。……ま、今回は相手が悪かったって事で諦めるんだな。

 

 

 

「「「「「……」」」」」」

 

「聞こえてるとは思わねぇけどよ。」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

取り敢えずクソッタレ共を撃退して、湖の畔の公園まで来た訳なんだが……おいマユ、何だってこのガキンチョが居やがるんだ?

家に送り届けたんじゃないのかよ?

 

 

 

「私もその心算だったのですが、雪女さんへのお礼がしたいと聞かなかったモノですから。」

 

「お礼って、別にいいんだけどな?」

 

「其れだと私が良くないんです――お姉ちゃん、助けてくれてありがとう。此れ、お礼だよ。」

 

 

 

さっきのガキンチョ……お前さんが買ったのかこのクレープは?

水曜限定の屋台のクレープなんだろうが、決して安い値段じゃねぇ……其れをアタシに寄越すとはな――随分と大枚をはたいただろうに。

ありがとよガキンチョ、有り難く頂くぜ。

 

 

 

「はい、召し上がれです♪」

 

 

 

5人相手にした報酬がクレープ1個ってのは割に合わないのかも知れないが悪い気はしねぇ。

――まぁ、偶にはこう言うのもアリなのかも知れないないな。

 

まぁ、まさかこの時の事が切っ掛けで、このガキンチョとこれからも付き合ってくことになるなんてのは、マッタク予想もしてなかったけどな――本当に人生ってのは何が起きるか分からねぇもんだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




キャラクター設定




・早乙女雪奈

本作の主人公。やたらめったら腕っ節の強い、銀髪蒼眼のヤンキー少女。
名前の通り日本人だが、母方にドイツ系の血が流れており、其れが隔世遺伝的に強く出た為、日本人離れした容姿になっている。
小学校の頃は優等生だったが、遊ぶ暇もない位に大量の習い事をさせられていた事で溜まっていたストレスが小学校卒業と同時に爆発し、親への反発も相まって中学で見事にヤンキーデビュー。
習い事で格闘技もやっていたせいで、やたらと強く、5人組の男を相手にしても負けない。
何処かの不良グループに属したりはしない一匹狼で、寧ろグループに属するよりもグループを叩き潰す側の人間。(但し何でもかんでも叩き潰すのではなく、一般人に迷惑をかけてる連中が対象。)
その圧倒的な強さを恐れられて、付いたあだ名が名前をもじって『雪女』。
高校に進学した際に、不良グループにナンパされてた真雪を助けて以降、何だかんだで一緒に居る事が多いが、雪奈自身は結構それを気に入っているらしい。


・西行寺真雪

何を考えてるのかよく分からない、黒目黒髪の女の子。
見た目は可成りの美人なのだが、表情があまり変わらない上に、色々とポンコツな所謂『残念な美女』。
物腰は柔らかく、誰に対しても『ですます調』で話すが、雪奈の事を『雪女さん』と呼ぶ辺り、ヤッパリ何処かズレていると思われる。
高校進学後に不良グループにナンパされていた所を雪奈に助けられ、その後は何かと馬が合ったらしくて一緒に居る。
授業をサボる事の多い雪奈が体育と家庭科だけは出席率100%なのは、真雪が何かとやらかすから、其れをフォローするためである。


・磯野崎愛雪

ツインテールが特徴的な、小学生の女の子。
ロリコン趣味の不良(……普通に通報ものだろ。)に絡まれてた所を雪奈と真雪に助けられた事(雪奈が不良を叩きのめし、真雪が愛雪を連れて逃げた。)が切っ掛けで、学校外では此の2人と一緒に居る事が多くなった。
雪奈の事を『雪女のお姉ちゃん』、真雪の事を『まゆお姉ちゃん』と呼ぶ。



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Episode2『此処に集いしは3つの雪みたいだ』

銀髪ヤンキーって、委員長の目の仇にはされるわなBy雪奈      その銀髪が良いのに・・・・・・委員長は分かっていませんねBy真雪


Side:雪奈

 

 

あふ……今日も今日とて一日のはじまりだな――今日も目覚ましが鳴る前に目覚めた事を考えると、アタシに目覚ましが必要なのかは甚だ疑問ではあるが、まぁあって困るもんじゃないから不問にしておこう。

 

でもって何時もの登校路――そろそろアイツと会う所だな。

 

「よう、おはようさんマユ。」

 

「おはようございます雪女さん。」

 

 

 

今日もバッチリ何時もの場所で合流だな――って、お前今日は朝食登校かマユ?

 

 

 

「お恥ずかしい事ですが少し寝過ごしてしまいまして、朝ごはんを食べている暇がなくなってしまったので、駅前のパン屋さんで朝食を調達した次第です。」

 

「成程な……で、そのパンは何だよ?可成りヤバそうな感じなんだが。」

 

「新作の『抹茶クリームスパゲッティサンド』ですね。」

 

「……美味いのか其れ?」

 

「とっても微妙な感じですが、コアなファンが付く可能性は否定できませんね。」

 

 

その感想だけで、ドンだけヤバい物なのかってのが分かったぜアタシは……名前からしてヤバいとは思ってたが、如何やらアタシの予想以上にヤバイモンだったみたいだな――尤も、其れを普通に買うコイツに驚きだけどよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode2

『此処に集いしは3つの雪みたいだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで登校した訳なんだが、正門まで嫌な奴に会っちまったなぁ……まさか、正門前で張ってるとは思わなかったぜ委員長さんよぉ?

一体何の用だってんだ――シンプルに述べな。

 

 

 

「一体何の用かですって?貴女自身が良く分かって居るんじゃありません事?」

 

 

 

コイツはアタシのクラスの級長『小和泉花音』。通称『委員長』。

長い黒髪を一本の三つ編みにして、更に眼鏡装備で微妙な丁寧語と言うか、委員長口調で話す、ちょいと時代錯誤な女子高生。噂では両親は大企業の重役……同じような両親持ちながら、アタシとは全く退局の存在って奴だな。

 

「はいはい、覚えがあり過ぎて分かりませんなぁ?

 今日は何だ?昨日授業サボった事か?其れとも帰りに他校の生徒と喧嘩してぶちのめしちまった事か?或は、商店街でたむろってたチンピラ共を野郎オブクラッシャーした事か?」

 

「どれも違います!と言うか、他校の不良は兎も角、チンピラを叩きのめさないで下さい!

 コホン――貴女……昨日公園で、小学生位の子供からクレープ貰ってたらしいじゃありませんか?……小学生を脅して奢らせるだなんて恥ずかしいと思わないんですか!!」

 

 

 

……は?

なに言ってんだコイツは?アタシがガキを脅してクレープ奢らせただと?……あのガキンチョとの事言ってやがんのか若しかしなくても?

ちぃ、迂闊だったなぁ?アレを見てたうちの生徒が居たって事かよ――だが、今のコイツの言い方からして見てた奴から直接聞いたってよりは、見てた奴が世間話的な感じで話題にしたのを聞いて、テメェで勝手な解釈したって感じだな……面倒くせぇ。

 

 

 

「全く貴女と言う人は、授業はサボる、喧嘩はする、挙げ句の果てに子供を脅すと、ホントに碌でもない不良ですねぇ?

 黙ってないで何とか言ったらどうなんです!!!」

 

「やだ。っつーか、アタシが何か言った所でテメェはアタシが嘘ついてるってハナッから決めつけんだろ?一緒に居たマユが話しても同じだ。

 テメェの中では、アタシがガキ脅したって事は決定事項なんだろ?

 なら、アタシが何を言った所で無駄じゃねぇか。――真実がどうであれ、テメェは最初っからアタシを『悪』と決めつけて、その前後に何があったかを確かめずもせずにモノ言ってやがるからな。」

 

「委員長さん、一つだけ言わせて貰うのならば、雪女さんはその少女を助けたのであり、クレープは彼女からのお礼です。」

 

 

 

ハッ、言っても無駄だマユ。

そいつにとって、アタシは『絶対悪』であり、そのアタシと一緒居るお前も『要注意問題児』になってるだろうからな!……正義の味方を気取るのはテメェの勝手だが、テメェの価値観だけでモノ見てんじゃねぇ、クソ委員長。

 

っち、朝っぱらから最悪な気分になっちまったぜ。

 

 

 

「ちょっと、何処に行くんですか!」

 

「今日は全時限出る心算だったが、テメェにいちゃもん付けられて気分が最悪になったからサボる!

 序に、テメェの顔を見たくもねぇから無断欠席だ馬鹿野郎!!」

 

「では、私も本日は失礼します。」

 

「西行寺さんまで!?貴女はサボらなくてもいいでしょう!!」

 

「……今日は化学の実験がある日ですよね?

 学校が爆破炎上して無くなっても良いと言うのならば授業に出ますが?……自分で言うのも何ですが、雪女さんが居ない時に私が化学の実験に参加するなんて、放火魔に火炎放射器持たせるような物ですが……」

 

「う゛……」

 

「と言う訳で失礼します。」

 

 

 

……かなり強引だなマユ。

其れなら其れで、化学の時間は保健室で休んでりゃいいだけじゃねぇのか――アタシに付き合ってサボるとか、あんまし感心できねーぞ?

そもそもお前、アタシとつるんでるって事で山ちゃん以外の先公の評判はあんまりよくないみたいだし。……まぁ、如何言う訳か英語と歴史と音楽だけは滅茶苦茶成績いいから、その担当教師からは高評価みたいだけど。

 

 

 

「偶には、ですよ。

 其れに、私としても雪女さんがあのように言われたのはあまり気分が良い物ではありませんので、今日一日は委員長さんの顔を見たくない気分なので。」

 

「……ムカついた?」

 

「ありていに言えば。」

 

 

 

大前でもムカつく事があるんだな……表情が殆ど変わらねぇから分からねぇけどよ。

だが、仲良くサボりなら今日はこのまま街に繰り出すか!制服姿ではあるけど、今時学校をさぼってぶらついてる程度じゃ、余程の問題を起こさない限りは補導はされないだろうからな。

 

 

 

「えぇ、行きましょう。人生初のサボり生活、満喫させて貰います。」

 

「お前……まぁ、確かに楽しまなきゃ損損だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

つー訳で、駅前までやって来たんだが……マユ、お前何処か行きたいとことか有るか?

アタシはサボる時は、大抵の場合ゲーセンかカラオケボックスをフリータイムで入って入り浸るか、或いは映画館でだら~~っと、何本か映画見るんだが。

 

 

 

「そうですねぇ……特に行きたい場所は無いのでお任せします。只、昼食だけは今日は美味しいハンバーガ食べたい気分です。

 正直、抹茶クリームスパゲッティサンドは微妙過ぎた上にその微妙な味が舌に残ってしまったので美味しい物を食べて舌をリセットしたいので。」

 

「あんな明らかにヤバそうなもんを買うからそうなるんだっての。

 まぁ、口の中が気持ち悪いのは良くねぇから、取り敢えずガムでも噛んでスッキリしろや。ブルーベリーのガムじゃ、スッキリ感に欠けるかも知れねぇけどさ。」

 

「いえ、有り難く貰っておきます。」

 

 

 

ったく、コイツは新商品だと、かなり微妙な感じの物でも先ず買っちまうんだよなぁ……辛いの嫌いな癖に新商品で『超激辛ハバネロミートパイ』とか見るととりあえず買ってるからな。――今更だが普通に変人だなコイツは。

 

 

 

「変人とは心外ですね?個性的と言って下さい。」

 

「微妙に心読んでんじゃねぇ、このスットコドッコイ。」

 

そんじゃまぁ、先ずはゲーセンでも行くか?

確か今日は新作の格ゲーのベータテストやるって言ったから運が良けりゃ、発売前のゲームを遊ぶ事が出来るかも知れないからな!って、ん?

 

アレは、昨日のガキンチョじゃねぇか?

 

 

 

「あ~~!昨日のお姉ちゃん達!!」

 

 

 

っと、アタシ等に気付いたか。

おうガキンチョ、こんな所で何やってんだ?見た所ランドセルも背負ってないみたいだが……小学生で学校をサボるってのは感心できねぇなぁ?

 

 

 

「今日は創立記念日で学校お休みなんです――お姉ちゃん達こそ、サボりでしょ?」

 

「サボりとは心外だな?

 今日は全時限出る気だったのに、委員長に難癖付けられて気分を害されたから自主休校する事にしただけだ。」

 

「同じく、其れに付き合っての自主休校です――まぁ、彼女が居ない状態で化学の授業に出たら、冗談抜きに学校が吹っ飛ぶかもですので。」

 

「ようはサボりだよね?」

 

 

 

要約すればな。

そんでガキンチョ、創立記念日ってのは分かったが、こんな駅前で何してんだ?友達と待ち合わせしてるって感じでもなかったし、子供が一人で居る場所でもないだろ?

何してたんだお前?

 

 

 

「えっとね、此処に行こうと思ってたの。」

 

「何だこりゃ?遊園地の広告か?」

 

「その様ですね?……如何やら本日オープンの新しい施設の様です。」

 

「成程な……だが、一人で行くってのは如何かと思うぜガキンチョ?」

 

「一人じゃなくて、本当はパパとママと一緒に行く筈だったの!

 でも、今日になって行き成りパパは大事なお仕事が入っちゃって、ママも其れに付き合う事になっちゃって……でも如何しても行きたかったから一人で行こうと思ったの……お金、足りないかも知れないけど。」

 

 

 

あ~~……お前も親の都合で割り食ってる口か。

ったく、仕事が大事なのはわかるけど、娘との約束位守れってんだ……ってか約束の日には仕事が入らない様に年休とか取っとけって話だぜ。

 

まぁ、其れは兎も角、此のガキンチョの有り金は高が知れてるから、電車の片道と入園料だけで金が吹っ飛ぶ可能性がある――如何に子供料金とは言ってもガキの小遣いで賄い切れる範囲じゃねぇだろうからな。

 

「おいマユ、お前今いくらぐらい持ってる?」

 

「福沢さんが1枚と、野口さんが5枚、あとは500円玉以外の小銭がジャラジャラと。雪女さんは?」

 

「樋口さん3枚と、野口さんが3枚だ。」

 

2人合わせて3万3000円ちょっと……金額的には充分だな。

おいガキンチョ、良ければその遊園地、アタシ達と行かねぇか?アタシ達もサボって何しようかと思ってた所だからよ――全乗り物フリーパスの入園料と昼飯代はアタシとマユ持ちって事で。

 

 

 

「え?で、でも……」

 

「ガキが遠慮すんなっての。

 なけなしの小遣いはたいてでも行きたかったんだろその遊園地――だったら、思い切り楽しまねぇと損じゃねぇか。

 ガキの小遣いじゃ、片道分の足代と通常の入園料で吹っ飛んでお終いだ……遊園地に入って、何にも乗れねぇとか、そんなの詰まらねぇじゃんかよ――遊園地ってのは楽しまなきゃ損だしな。」

 

「私も雪女さんに同感です……遊園地は楽しむ、これは基本です。そして迷路で迷った挙句に鏡の間に突入して出られなくなって、インターホンで救助に来て貰うのは基本です。」

 

「そんなのお前だけだタコ。」

 

「褒め言葉受け取っておきましょう。タコは実はとても知能が高いらしいので。」

 

「あ、其れじゃあ撤回。ダチョウだ。ダチョウの脳みそはオレオビスケットよりも軽いらしいからな。」

 

「ダチョウ肉は、赤身でヘルシーで刺身でも美味しいらしいですね?」

 

「そうだな……って、そんな話してねぇし!!」

 

ったく、お前は話しを迷走させる名人だなマユ……こう言っちゃなんだが、此の特技で委員長を何とか出来たんじゃねぇかと思うんだが、其れと此れは、また別問題なんだろうな。

 

んで、如何したガキンチョ?

 

 

 

「ぷ……あははははは!!

 お、お姉ちゃん達……まるで漫才見てるみたいだよ!!とっても面白かった!!」

 

「其れは良かったです……いっその事漫才ユニット汲んでM-1出場でも目指してみますか?」

 

「いや、止めとく。お前とコンビ組んだら。アタシが突っ込みとして大変そうだからな。」

 

んで、如何するガキンチョ?遊園地、行くか行かねぇか。

 

 

 

「えっと、行きます!!」

 

「おし、そう来なくちゃな!」

 

一度アタシの家に戻って、スクーターで3ケツすれば電車代も浮くしな。――って、そう言えば自己紹介が未だだったな?

アタシは早乙女雪奈。マユがそう呼んでるから知ってるかもしれないが、周りの奴等からは『雪女』って呼ばれてる、多分この辺の界隈じゃ最強のヤンキーだ。

 

 

 

「西行寺真雪と言います。以後お見知りおきを。」

 

「えっと、磯野崎愛雪です。」

 

 

 

愛雪って事は、メユだな。

そんじゃまぁ、行くぜマユ、メユ!今日は一日遊園地で遊び倒すとしようじゃねぇか!そんでもって、遊園地で遊び倒した其の後は、カラオケで歌いまくって晩飯は駅前のラーメン屋でだ!異論は有るかテメェ等!!

 

 

 

「ありません。」

 

「ないでーす!」

 

 

 

なら、決まりだな!

へへ、委員長の物言いにムカついてサボっちまったが、今日は存外いい日になりそうだぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




キャラクター設定



・小和泉花音

雪奈と真雪のクラスの級長。
典型的な真面目タイプの学級委員長で、常に己の正義に基づいて行動しているが、それ故に主観による先入観がとっても強く、雪奈の事もヤンキーだと言う事実だけで敵視している。(雪奈は基本相手にしないが。)
只、時には雪奈と意見の合う事も有り、雪奈と意見があったその時はとてもいい結果を齎すので、『雪女と委員長が組んだらマジ最強』との噂もあるらしい。


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Episode3『Mission:遊園地を満喫しろ』

最後の最後でこう来たか……By雪奈      まさかの大どんでん返しですねBy真雪


Side:雪奈

 

 

さてと、一度家に戻って私服に着替えた(マユは、アタシの家にお泊りする事も少なくないから、その時の為に何着か着る物を置いてあるからマッタク問題は無かったな。)

 

 

で、アタシのスクーターに3ケツなんだが……お前其処で大丈夫かメユ?

 

 

 

「大丈夫だよ、雪女のお姉ちゃん。

 何て言うか、此処は落ち着ける感じがするから。」

 

「さよか。」

 

まさか、アタシの膝の上とは予想外だったぜ……マユが来てたら邪魔な事この上ねぇが、小学生のメユなら大して邪魔にならねぇから此れもまた有なのかもな。

 

 

 

「其れは良いのですが、何やらパトカーが追いかけてきてるみたいですよ雪女さん?」

 

「あぁ?マッポなんざ撒いてナンボだぜ!!」

 

高々パトカー程度でアタシを如何にか出来ると思ってんのか?……だとしたら脳天がハッピーだとしか言いようがねぇよ。

――ま、マッポなんざさっさと撒いて、今日は思い切り羽を伸ばすとしようじゃねぇか!!――まぁ、楽しませて貰う事にするぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode3

『Mission:遊園地を満喫しろ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パトカーが入って来られないような狭い路地ばっかり選んで走ってたら、何時の間にかパトカー撒いてたが、其れは其れで良いとするか。

で、スクーターの3ケツで辿り着いたのは、広告よりもかなりでっかい遊園地……ジェットコースターは、可成りのレベルだろうねコイツは――つーか入場口付近まで客の絶叫が聞こえるって、ドンだけだオイ。

 

まぁ良いか。取り敢えず1日フリーパスを大人1枚と子供1枚と。

 

「ほいよメユ。」

 

「わぁ、ありがとう雪女のお姉ちゃん!」

 

「雪女さん、私の分は?」

 

「マユ、オメーは高校生なんだから自分で出そうね?」

 

「残念、この流れで行けば出して貰えると思ったのですが、早々世の中甘くはないようですね……」

 

 

 

いや、今の流れで如何して出して貰えるって思考になるんだか不思議だわ……ったく、時々こう言うふざけた思考をしてくれんだよなぁマユは?

しかも本人は狙ってやってるんじゃなくて天然だから性質が悪い事この上ねぇわ。

 

さてと、中に入った訳だが、平日なのに親子連れが多いな?

メユの学校が創立記念日で休みだから、その影響だろうな――メユも本当だったら親御さんと来てる筈だったんだけどさ。

 

「んで、最初は何に乗る?

 入り口で貰った簡易マップによると、此の遊園地はジェットコースター系だけで4個くらいあるみたいだけどよ?」

 

「えっとね……やっぱりこの園一番の目玉である『限界突破爆裂マッハコースターHell or Heaven』で!!」

 

「最大落差666m、最大傾斜角65度、最大速度は95km……設計した人は、一体何を目指していたのか激しく気になる所ですね此れは?」

 

「日本一のジェットコースター目指したんだろ。」

 

なら、先ずはそいつで行くか。

行列は出来てるが、ジェットコースターは一度に乗れる人数もそこそこ多いからあんまし待たずに済みそうだからな――っと、メユは逸れない様にアタシと手繋いどこうな。

 

 

 

「うん。」

 

「では私は、人ごみに紛れてしまわない様に雪女さんと腕でも組みましょうか。」

 

「組まん。」

 

「では、組まずに腕にしがみつきましょう。」

 

「歩きにくいだろ!と、言いたい所だがお前が逸れると見知らぬ誰かに迷惑をかけかねんから、あんましべったりくっ付かない様にするなら許可してやる。」

 

「はぁ、ありがとうございます。」

 

 

 

小学生の手を引いてる大凡日本人には見えない外見の奴に、そいつの腕に引っ付いてる黒目黒髪の無表情少女……どんな3人組に人の目には映るんだかな。

 

んで、待つ事10分ちょっとで順番が来たか。

お?このコースターは1輌3人乗りなのか……此れなら全員一緒に座る事が出来る上に、如何やら一番前みたいだ。此れは、運が良かったぜ!

 

 

 

「運が良いのでしょうか?」

 

「良いだろ?ジェットコースターなんてのは先頭に乗ってナンボだぜ?」

 

「そうだよマユお姉ちゃん!

 ジェットコースターの先頭は基本!それも、凄いやつほど先頭に乗らないとだよ!」

 

「基本ですか……では、基本に忠実に行くと致しましょう。」

 

 

 

分かってるのか分かってねぇのかよく分からんが、兎に角発進だな。

おぉ、此れはのぼりだけで結構ヤバい感じがするな……666mってのは考えてみりゃ、某スカイツリーよりも高い訳で其処から一気に急降下ってのは相当なもんだな?

 

 

 

「いやぁ、上るだけでも結構かかるものですね?」

 

「まぁ、666mもありゃな。」

 

「でも、そろそろ一番上みたいだよ?」

 

 

 

――ガタン

 

 

 

あぁ、到達したみてぇだな。

一瞬止まった其の後は……

 

 

 

――キュゴォォォォォォォ!!

 

 

 

「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「きゃーーーーーーーー♪」

 

「わーーーーーーー。」

 

 

 

一気に急降下!!

最大傾斜65度って、此れはもう殆ど垂直落下だろ!!しかも666mの高さから身体から身体に感じるGがハンパねぇ!!下手したら、失神する奴も出てくんじゃねぇのかオイ!!

 

更に其処から連続ループにスパイラル、からの急上昇と急降下の連続に横倒し大回転!!

そして逆さまになった状態でのバックストレートから半回転してゴールに到着……コイツは想像以上の大迫力だったなマユ、メユ!!

 

 

 

「はい、此れならば他の乗り物やイベントも楽しむ事が出来るかも知れません。」

 

「ジャンジャン回ろう!!」

 

「オウよ、言われなくてもその心算だぜ!!」

 

ガンガン行くぜガンガン!!

 

 

 

 

【極寒の館】

 

 

マユが行ってみたいって言うから来てみたんだが……さっみぃ!!何だこりゃ!!

ナンボ極寒つっても程がアンだろオイ!!

 

 

 

「パンフレットによるとま、マイナス30度だって……ゆ、雪女のお姉ちゃんでも寒いんだ……」

 

「雪女ってのは渾名であって、寒さに強い訳じゃねぇんだよ。」

 

「困りましたね、眉毛が凍りました。」

 

 

 

オイィィィィ!?

こんなヤバいのはさっさと出て次行くぞ次!!……ったく、なんでこんなモン作りやがったのか果てしなく謎だぜ。

 

 

 

 

【ホラーハウス】

 

 

メユのリクエストで入ったホラーハウスは、順路が無くて洋館風の施設内をフリー移動出来るんだが、それがかえって怖さを演出してるかもな。

出てくるのはお化けのロボットじゃなくて、ゾンビやモンスターに扮したスタッフだからタイミングがずれて出てくる事も無いし。

 

「でもよぉ、此れは流石にヤバくね?」

 

「えぇ、食べてますね確実に……まぁ、食べてるふりでしょうが。」

 

「あの、こっち向いたよ?」

 

『がぁ……ゴワァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

 

おっしゃ、逃げるぞ。

奇声あげながら襲ってくる奴ってのは案外強いって相場が決まってんだ――否、アタシなら勝てるけど、客がスタッフを怪我させたとか笑えねぇし、其れが委員長に知られたら何を言われるか分からねぇからな。

 

 

 

「残念、雪女さんが元祖ケンカキックでゾンビを倒す所が見れるかと思ったのですが。」

 

「あ、其れはちょっと見たかったかも。」

 

「何に期待してんだオメェ等はよ……」

 

 

 

 

【ゲームコーナー】

 

 

此処はアタシの希望だな。

取り敢えず、小学生のガキンチョ相手に、格ゲーで大人気ないコンボ喰らわせてた自称ゲーマーと思われる輩に乱入してフルボッコにしてやった。

対戦でのハメと待ちは駄目だと言うルールすら護れない奴に容赦はねぇからな。

 

んで、其の後はユーフォーキャッチャーで遊んでるんだが……

 

 

 

「マユお姉ちゃんすごーい!」

 

「コイツ、ユーフォーキャッチャーだけは天才的に巧いんだよなぁ。」

 

マユが無双状態。

500円6回でやって、6回全部景品ゲットってドンだけだよ……しかもこれで3機目――お菓子にフィギュアにヌイグルミ……お菓子は食えば良いからは兎も角として、ヌイグルミとフィギュアはお前の部屋に飾り切れんのか?

 

 

 

「いえ、フィギュアは雪女さんに、ヌイグルミはメユさんへのプレゼントです。

 このフィギュアは、確か雪女さんの好きなゲームのキャラだったと思うので――メユさんは、何となく犬とか猫とか好きなんじゃないかと。」

 

「まぁ、確かに此れはアタシの好きなゲームのキャラだけどな――ってか、見事にアタシの好きなキャラばかり取ってくれてたな。」

 

「動物は好きだよ♪ありがとう、マユお姉ちゃん。」

 

「いえいえ。」

 

 

 

其の後は、シューティングとか対戦型レースゲームで遊んだんだが、メユの奴がガンコンのシューティングが滅茶巧い事に驚きだったぜ。

 

 

 

 

【昼食:園内のハンバーガーショップ】

 

 

本日の昼飯はハンバーガーって事で、アタシは海老カツバーガーのセットを飲み物とポテトをLサイズで。飲み物はコーラな。

メユはてりやきバーガーのセットを飲み物はMでポテトはSサイズ、飲み物はメロンソーダ――で、マユはイカ墨バーガー……バンズにもパテにもイカ墨を練り込んだ真っ黒なハンバーガーで、セットのポテトを海苔塩で味付けしたブラックポテトにして飲み物はアイスコーヒーと、見事なまでに真っ黒なメニュー!

味は問題ないだろうが、相変わらず変な頼み方するなおい。

 

 

 

「此の黒さに可能性を感じませんか?」

 

「微塵も感じねぇよ!!」

 

「お口の中が真っ黒になりそうです。」

 

 

 

マッタクだ……腹黒くなっても知らねぇからな!!

 

 

 

んで午後は、施設内にあるカラオケで目一杯歌って楽しんだ。

そう言えばマユの歌を聞くのは初めてだったが、コイツ意外と歌巧いんだな――まぁ、歌ってた曲が全部演歌って言う、女子高生とは思えないチョイスだったがな。

 

メユは、アニメとか特撮の歌が多かったが、此れもまた滅茶苦茶巧かった……ちびっ子のど自慢で優勝できるかもだぜ。

 

 

そして、閉園時間まで遊びに遊んで、晩飯にラーメン屋に寄ってラーメン食べて……席に備え付けの薬味の葱を、マユは目一杯乗せてラーメン食ってんだか葱食ってんだか分からなかったけどな。

まぁ、メユはラーメン好きだったみたいだから喜んでもらえて良かったぜ。

 

んで、ラーメン屋を出たらもう7時半だ……メユ、送ってくから家教えてくれ。

 

 

 

「えっとね、3丁目のコンビニの所を右に曲がって、2個目の信号を左に行って、其処から200mくらい直進してくれれば私の家だよ。」

 

「了解だ。」

 

ってな訳で、その通りに走って着いたのは、何だか滅茶苦茶デカいお屋敷!?

しかもなんか門の前に、黒服来たオッサンが居るし……若しかして、メユは物凄く良い所のお嬢様だったりするのか?――取り敢えずついたぞ?

 

 

 

「えへへ、ありがとう雪女のお姉ちゃん♪たっだいまーーー!!!」

 

「お、お嬢ーーー!お帰りなさいませ!!

 行き成りいなくなっちまうから親分も奥様も慌ててましたぜ!!」

 

「だって、お父さんもお母さんも、私との約束破ってお仕事なんだもん……今日は1日遊園地で、このお姉ちゃん達と遊んでたの。」

 

「そうだったんすか……でもまぁ、親分と奥様の事を恨まないでやってくだせぇお嬢。

 丁度お嬢の学区に、まぁ其処も家のシマなんすけど、其処に筋を通さないで勝手に店を出した他所のモンが出て来まして、其れがまたガラの悪い連中でして、そんな奴等がうろついてたらお嬢とそのお友達に危害が加わるかも知れねぇって事で、緊急に相手方と話を付ける事になっちまったんすよ……全てはお嬢の為なんです。」

 

 

 

……おい、シマとか親分とかなんか不穏な単語が聞こえたんだが……メユ、お前の親父さんて何やってる人なんだ?

 

 

 

「おっと、アンタ達がお嬢と遊んでくれた人か。

 俺は、関東指定暴力団『磯辺崎組』の幹部の一人だ……お嬢と遊んでくれてありがとうよ。」

 

「オウよ、此れ位はな。」

 

って、ちょっと待て、関東指定暴力団って言ったか?

って事は何……メユってば、つまりはヤクザの娘って事かよ!!……お前、凄い奴だったんだなメユ――まさか、ヤクザの娘だとは思わなかった。

 

 

 

「あ、良かったら上がって行ってよ!

 昨日、お姉ちゃん達に助けられたって事を話したら、お父さんもお母さんも一度会いたいって言ってたから♪」

 

「マジかオイ……」

 

「ヤクザの知り合いが出来るフラグが建ちました……流石は雪女さんですね。」

 

 

 

何が流石なのか良く分からねぇが、取り敢えず不良なんか目じゃない位のアウトローと知り合いにはなれるかもな……ったくメユがヤクザの娘とは思いもしなかったぜ――マッタク持って、人は見かけによらねぇな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode4『ヤクザの親分と姐さんと邂逅って…!』

ヤクザってのは必ずしも悪人じゃねぇんだよな?By雪奈      本来は侠客ですからね……今のヤクザは侠が足りない輩が殆どですBy真雪


Side:雪奈

 

 

すっかり遅くなっちまったんで、メユを家まで送ってったんだが、まさかメユの家がヤクザだとは思わなかった……マジで驚愕のどんでん返しって奴だぜ此れは。

加えて、メユに言われるがまま応接間に案内されてるからな現在進行形で――まぁ、あんなに可愛い顔で『お父さんとお母さんに紹介します』って言われたら断る事は出来ねぇけどよ。

 

 

 

「アレを断る事が出来るのは、相当な鬼畜か外道でしょうね。」

 

「……否定はせんが、少々極論過ぎねぇか其れ?」

 

「極論とは極めた論と書くのですよ雪女さん。」

 

「極端な論でもあるだろうが!!」

 

ったく、オメェは変な所で頭が回るなマユ!?

そんなしょーもない事が即座に浮かぶんなら、その能力をちったー勉強の方に回せってんだ!!……補習を受けないとは言え、赤点ギリギリラインの低空飛行は拙いだろマジで。

 

 

 

「赤点が無ければ大丈夫でしょう?

 まぁ、雪女さんは常に平均80点ですので、私の成績はヤバいと思うのかも知れませんが――と言うか、平均80とる不良は、全国何処を探しても雪女さんだけでしょう。」

 

「まぁ、否定はしねぇ。」

 

マッタク持って不本意だが、親にやらされてた習い事のおかげでアタシは無駄にスペックが高いからな――学校のテストくらい余裕だっての。

だが、今はそんな事よりもメユの親父さんとお袋さんとの面会に全神経を注がねぇとな。

ヤクザの大親分と姐さんに気に入られなかったら、アタシの人生此処でエンディングになりかねないからなぁ……生きて帰れるように頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode4

『ヤクザの親分と姐さんと邂逅って…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メユに案内されて辿り着いた部屋の中に居たのは、キッチリとスーツを着込んだ端正な顔立ちのオッサンと和服を着た清楚な美人さん……この人達がメユの両親って事か。

 

 

 

「愛雪、一体何処に行ってたんだ?行き成りいなくなるから心配したぞ?」

 

「パパもママも、メユとの約束破ったからちょ~っと面白くなくて、前に話した雪女のお姉ちゃんとマユお姉ちゃんと一緒に遊んでたの。」

 

「其れは、今連れて来たあの人達かしら?」

 

「うん、そうだよママ!!」

 

 

 

で、なんかこっちに注目されちまった――周囲の幹部の視線も痛いが、この程度で怯むアタシじゃないぜ!!

 

「どうも、今し方紹介されました、雪女こと早乙女雪奈っす。」

 

「西行寺真雪です。よろしくお願いします。」

 

「ふむ……君達がこの前愛雪を助けてくれたと言う子達か。私は磯辺崎源一郎、愛雪の父親だ。

 娘が危ない所を助けてくれた事、礼を言おう――おかげで愛雪は無事だったから、無用な血を流す事が無くて済んだよ。」

 

 

 

いや、無用な血とかサラッと恐ろしい事言うなよオイ……強面じゃねぇが、思考がヤッパリヤクザだな?

テメェの娘が傷付けられて怒らねぇ親はいねぇと思うが、だからって報復として流血沙汰になるなんて事は滅多にあるモンじゃねぇと思うからよ。

 

 

 

「あの方達は、雪女さんにボコられた方が幸せだったと言う事ですね。」

 

「あぁ、下手したら物理的に指を一本失ってたかもな……」

 

「『詰める』と言う奴でしょうか?」

 

 

「ハッハッハ、其れはあくまでヤクザ映画の中での話で、実際にやる事は滅多にない事だ。

 其れにウチは、他の暴力団とは違って、戦後すぐに法人として登記した組織でね、国が法人格を認め、税金も納めているから他の暴力団の様に警察に必要以上にマークされてる訳じゃないんだ。

 言うなれば一般と比べて、可成り武闘派な会社と言った所かな。」

 

「そうは言っても、銃刀法違反上等な物を持ってる以上は色々アウトよ貴方。

 っと、其れよりも愛雪を助けてくれただけじゃなくて、今日は一緒に遊んでくれてありがとう……この子との約束を破ってしまった事を、悪いとは思っていたのよ。

 あ、私は磯辺崎汐、愛雪の母親です。」

 

 

 

法人化したヤクザって……今は暴力団は法人登記できねぇから、法律が変わる前の既得権ってヤツか。

まぁ、其れは其れとして、今日はアタシ等も楽しませて貰ったから其処はお相子って事で如何っすかね?――アタシとしては、歳の離れたダチ公が出来たって事で嬉しくもありましたし。

 

 

 

「そうですね。

 私も雪女さんも、お互い以外に友人はいませんので、歳が離れてるとは言え新たな友人が出来たと言うのは喜ばしい事ですので。」

 

「あ、私もお姉ちゃん達とお友達になれたのは嬉しいよ♪」

 

「お、そいつは嬉しい事言ってくれるじゃねぇかメユ?」

 

「……わーい。」

 

 

 

……はい、空気が死んだ。

マユ、ジェットコースターの時も思ったけど、お前はもう少し言葉の抑揚と言うか、言葉に感情乗せる事は出来ねぇのかオイ?ハッキリ言って、驚いてんのか喜んでるのかキレてるのか判別つかねぇんだよオメェは!

表情の変化も乏しいし!!

 

 

 

「な、中々に個性的な子だな真雪君は……」

 

「さーせん、コイツ何分色々とポンコツな上に、表情の変化とかに乏しいもんで……せめて喜ぶなら笑顔で抑揚付けて言えってんだよマユ。」

 

「ふむ、では改めまして。

 わーい♪」(ニコ)

 

 

 

――ズギャァァァァァァァァァァァァン!!!

 

 

 

こ、今度は別の意味で空気が死んだ!

やべぇよ、普段無表情な奴の笑顔が此処まで破壊力高いとは思わなかったぜ――無表情でポンコツだからうっかり忘れちまうが、マユは可成りの美人なんだよな実は。

黒服の幹部連中の何人かは確実に今のでハートブレイクされてんぞオイ。

 

 

 

「お褒めに預かり光栄です。」

 

「まぁ、今のは一応褒めてるのか?

 で、何時まで笑顔で居るんだオメェは?」

 

「いえ、慣れない事をしたせいか顔の筋肉が吊ってしまって元に戻らなくなってしまったと言いますか……」

 

 

 

はぁ!?

笑顔作って顔の筋肉が吊るって、オメェはドンだけ表情筋かてぇんだオイ!!実は死んでんじゃねぇのか!?死後硬直満喫中かこら!!

 

 

 

「いえ、生きていますが……あの、何とかなりませんかね?」

 

「知るか!テメェでほっぺたでも引っ張ってろ!!」

 

「成程、其れは効果がありそうです。」

 

 

 

だからって実践すんなっての……はぁ、このポンコツぶりがマユの魅力と言えば其れまでなのかも知れねぇけど、コイツ将来的に社会で生きていけるのか不安になって来るぜ。

 

 

 

「ハッハッハ!

 いやはや、此れはまた何とも面白い友達を持ったな愛雪?男5人相手にしても完勝する不良少女に、一般的な感覚とはズレた残念系美少女って言う友達は中々居ないぞ?」

 

「そうね、お父さんの言う通りだわ。」

 

 

 

あ……そう言えば、ヤクザの親分と姐さんの眼前だった。

つい、何時ものやり取りをしちまったぜ……お見苦しい所をお見せしました。

 

 

 

「いや、構わんよ……君達の人となりが良く分かったからね。

 娘を助けてくれた人だから、一度会いたいと思っていたが、会ってみて愛雪が君達の事をしきりと私達に話した理由が良く分かった――もし良ければ、此れからも愛雪と仲良くして貰っていいかな?」

 

「アタシ達の人となりが分かったって……流石はヤクザの親分、観察眼は有るって事っすか。

 んで、メユと仲良くしてくれだなんて、そんなの当然っすよ――アタシ等は、もうダチ公なんすから。」

 

「はい、メユさんは私と雪女さんの友人ですので。……漸く顔が元に戻りました。」

 

 

 

……やっとか。

まぁ、そんな訳なんでアタシ等の方こそ仲良くさせてくれって感じっすよ親分さん。――取り敢えず、アタシが一緒に居る時に限っては、メユは絶対に傷付けさせないって誓うぜ。

 

 

 

「ふむ、其れは頼もしいな。

 腕っ節も強いらしいし……如何だ、将来はウチの組員にならないか?」

 

「あ~~……どうしても就職先が無かったら、そん時は頼んます――そしてその時は序にマユも一緒に。

 正直言って、コイツが将来的にどっかの企業に就職できるとは思えねぇんで。」

 

「ふふ、ならば最終手段として、貴女達2人分の席を確保しておきましょう。

 さて、今日はもう遅いから泊まって行ったらどうかしら?きっと愛雪も喜ぶと思うし。」

 

 

 

はは、あざーす。

でも、今日は泊まらずに帰ります――ってか、泊まるのも良いんですけど、アタシだけなら兎も角、マユが泊まったら夜中にトイレに起きた際に道に迷って方々に迷惑かける可能性が大なんで今回はパスで。

泊まるにしても、この屋敷の全体を完全に把握してからじゃないとまず無理っす。

下手したら、コイツのドジで屋敷その物が潰れて無くなる可能性があるっすからね。

 

 

 

「むぅ、其れは残念です……」

 

「そんな顔すんなよメユ。

 機会があれば、今度アタシの家でお泊り会やろうぜ?――マユの奴は良く泊まりに来るから、アタシは全然かまわないからさ。」

 

「雪女のお姉ちゃんの家でお泊り会……約束だよ?」

 

「おう、約束だ。」

 

そして、約束した以上は絶対だ。

雪女さんは約束を破るのが一番嫌いだからな――でもまぁ、そう言う事なんで、今日は此れでお暇させて貰う事にしまっす!!

 

 

 

「そうか……オイ野郎共、客人を正門まで案内しろ!」

 

「「「「「「合点です、親分!!」」」」」」

 

 

 

んで、黒服の幹部に正門まで案内されて、其処から見送りまでされちまった……ハハ、此れはもう完全に西行寺組との関わりが出来たのは間違いねぇな?アタシも、お前も。

 

 

 

「ですね。」

 

「まぁ、滅多にある事じゃねぇから良いとしておこうぜ。

 そんでマユ、お前今日は如何する?家まで送る?其れともウチに泊る?」

 

「制服が置きっぱなしなので、雪女さんの所に泊る事にします。」

 

「やっぱりそう来るよな。」

 

なら、コンビニで夜食を幾つか買っていくか。

マユがお泊りするときは、夜遅くまでゲームとかやってる事が多いからな――まぁ、夜食だけじゃなく、アタシは普通に缶チューハイも買うけどな。

未成年の飲酒と喫煙はお断りします――バレなきゃいいだろバレなきゃ。

 

 

 

「流石は不良、言う事が違いますね。」

 

「褒め言葉と受け取っておくぜ。」

 

そんな訳で、マユとのお泊り会は、何時ものように深夜まで遊び倒して、一緒のベッドで寝て――翌朝、アタシはベッドから蹴り落とされてた。

マユがベッドから転げ落ちない様に壁際にしたのに、まさかアタシが蹴落とされるとは思っても居なかったぜ。

 

取り敢えず、ムカついたのでマユの頬っぺたを抓って起こしたアタシは絶対悪くねぇ。

 

そんで起きろマユ、学校行くぞ?

 

 

 

「もうそんな時間ですか……おはようございます、雪女さん。」

 

「おう、おはよう。」

 

でも、こんなやり取りも悪くねぇって思ってんだから、アタシは今の此の生活スタイルを気に入ってるのかもな――まぁ、其れなら其れで悪い事じゃねぇとは思うけどな。

 

さて、今日も良い一日になると良いな――不良的にはアウトかもだけどなこのセリフは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 




キャラクター設定



・磯辺崎源一郎
 愛雪の父親。
 その正体は、関東一派のヤクザ組織を束ねる大ヤクザ組織『磯辺崎組』の組長。
 端正な顔立ちだが、極道特有のオーラを纏っており、そんじょそこ等のチンピラなら一睨みで黙らす事が出来る、覇道の侠客――なのだが、娘と妻には頭が上がらない。


・磯辺崎汐
 愛雪の母親にして、『磯辺崎組』の現姐。
 和服の似合う日本美人だが、その美貌の奥にはヤクザ組織の姐の迫力が秘められている。――のだが、基本的には優しいお母さんであり、人当たりの良い奥様。



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Episode5『取り敢えず、ちょっとした日常です』

ちょっとした日常ってやつだなBy雪奈      此れもまた、大事な事かもしれませんねBy真雪


Side:雪奈

 

 

今日も今日とていい天気だ――こんな日はサボらずに授業受けてやろうって気が満々になっちまうまマッタク。――まぁ、今日は体育がある日だから、そもそもサボるなんて選択肢はねぇんだけどよ。

 

ま、今日は気持ちよく登校――する前に最近の日課を果たさねぇとな。

 

「ウィーッス!起きてっかメユ!!」

 

「おはよう、雪女のお姉ちゃん!!」

 

 

 

最近のアタシの日課、其れは登校前にスクーターでメユを迎えに行って、其のまま2ケツで学校まで送って行く事だ――アタシとしては『偶には良いか』程度の心算だったんだが、メユが思った以上に喜んだ事と、メユの親御さんに頼まれた事で日課になっちまったぜ。まぁ、悪くないがな。

 

「そんじゃあ行くぜメユ?ヘルメットはぶったか?」

 

「バッチリだよ雪女のお姉ちゃん。其れじゃあ、行ってきま~す!!」

 

「「「「「「「行ってらっしゃいませお嬢!雪女の姐さん、お嬢をよろしくお願いしやす!」」」」」」」

 

 

 

悪くはねぇが、日本全国何処を探しても、ヤクザの娘をスクーターで学校まで送って行って、しかもそのヤクザの連中から『姐さん』呼ばわりされてる女子高生なんざアタシ位なもんだろうな……否、まず間違いなくアタシ以外には存在してねぇ筈だ。

 

まぁ、ある意味ではこれもまたヤンキーとしての一つのステータスになんのかもしれねぇな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode5

『取り敢えず、ちょっとした日常です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、朝っぱらからマッポとカーチェイスって気分でもねぇから、キッチリ法定速度を守って走ってメユの学校に到着ーー!

本当なら2ケツも充分道交法違反なんだが、2ケツ程度は反則切符も安いから、余程杓子定規で真面目なマッポじゃねぇ限りは見て見ぬふりってやつなのかも知れねぇけどな。

 

「ほいよ、到着したぜメユ。」

 

「うん、いつもありがとう、雪女のお姉ちゃん。」

 

「ま、此れ位はお安い御用ってな。」

 

「マユお姉ちゃんも一緒に登校できると良いのにね?」

 

「……アタシも最初はそっちの方がお前も喜ぶと思ったんだけどよ、流石に3ケツは見逃しちゃくれねぇだろ?

 しかも同乗者の1人が、有名なヤクザ組織のお嬢さんだったなんて知れた日には、マユは兎も角アタシは速攻で連行されて事情聴取確定だ。」

 

「そんな時にはパパの名前を出せば大丈夫だと思うよ?」

 

 

 

……な、何が大丈夫なのかは敢えて聞かねぇ事にしとくぜメユ。

まぁなんだ、学校が終わって特に用事が無きゃアタシの学校の近くまで来いよ――小学校の方が先に終わるだろうし、此処からアタシの学校に着く頃にはこっちも授業終わってるだろうからさ。

マユも入れて3人で帰ろうぜ?

 

「そんで、もし可能だったらそのまま家でお泊り会すっか?

 明日は土曜で休みだから、多少夜更かししても大丈夫だろうし……自慢じゃねぇがアタシは結構対戦型のゲーム持ってるから退屈だけはしないと思うぜメユさんや?」

 

「え、お泊り行ってもいいの!?」

 

「おうよ、何時かお泊り会しようぜって言ったっきり、まだ1度もやってねぇからな。」

 

「うん、じゃあ後でパパとママに聞いてみる!」

 

 

 

そうしてくれ。

……流石に、メユの護衛として黒服何人か派遣されるとか、そう言うのは勘弁して貰いてぇけどな。……メユのお袋さんは兎も角、オヤッさんはやりかねねぇからよ。

 

ま、そんだけメユが大事って事なんだろうけどよ。

そんじゃなメユ、また後で。何時までも、銀髪青目の日本人離れしたヤンキーが小学校の正門前に居るってのは、あんまし良い事でもねぇからな。

 

 

 

「ん~~……でも、雪女のお姉ちゃんウチの学校では結構低学年を中心に人気みたいだよ?

 何度か一緒に登校してる内に、『あの人は誰』って話になって、雪女のお姉ちゃんの事を話したら、何だか皆が『凄い人だ』って思ったみたいで、其れが伝言ゲームのように学校中に伝わってね?」

 

「それ、絶対どっかで誇張された情報が混じってるよな。」

 

まさか小学生のガキに人気が出るとは思わなかった……ヤンキーがガキンチョにモテるなんてのは、アニメや漫画の世界だけかと思ってたが、どうやらそうでもねぇみたいだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、メユを送り届けた後は少しアクセル吹かして自分の学校にだ。

 

「オラー!なにボテボテ歩いてやがんだマユ!遅刻すんぞ!!」

 

「おや、雪女さん?

 おはようございます、今日も朝から元気ですね。」

 

 

 

朝っぱらから辛気臭い顔して一日を過ごす事が出来るかってんだ。

んな事は良いから、さっさと後ろに乗れ。寝坊して遅刻したとか、カッコわりぃにも程があんぞ?……少なくとも、無遅刻はお前の数少ない取り柄でもあるんだからよ。

 

 

 

「そう言えば無遅刻でしたね?……ですが、なぜ寝坊したと分かったのでしょう?若しかしてエスパーですか?」

 

「アホたれ、その手に持った朝飯のパンで丸分かりだっつーの。

 どうせ、ギリギリまで寝腐ってて朝飯食べてる時間も無くて出て来たくせに、パン屋でドレにするか無駄に悩んでたんだろ?」

 

「素晴らしいですね、文句のつけようがないくらいに100点満点の答えです。」

 

 

 

分からいでか。

そんで、今日は行った何のパン買ったんだ?……若しかしなくても、新作だよな其れ?

 

 

 

「はい、抹茶クリームスパゲッティパン以来の新作なのですが、今回は前回以上に攻めて来たようです。

 今回の新作は、オニオングラタンタラコマヨネーズクリームコロッケデミハンバーグバーガーですね……この無駄に長い名前に、未知の魅力を感じた次第です。」

 

「微塵も感じねぇよ。」

 

色々盛り過ぎな上に、劇物はマジってねぇが個性の強い物を混ぜ合わせたせいでかな~りカオスな味になってるのは間違いねぇ……前々から思ってるが、あの店は一体どの方向を目指してるんだか謎だぜ。

まぁ、こう言う変なモノじゃないのは普通に美味いから、そっちのファンは居るんだろうけどな。

 

 

 

「此れにもコアなファンが付く予感がしますよ?」

 

「そんなモンを好き好んで買うのは、お前と同レベルの変人だけだから、その辺を頭に入れとけよ?

 時にマユ、今日ってこの間の英語の小テスト返ってくる日だけど、出来の方は如何だったんだ?……山ちゃんにしては、厳しめの問題だったと思うんだが……」

 

「さぁ、其れは返ってくるまで分かりませんね?

 自分としては、解答欄は全て埋める事が出来たので0点と言う事だけは無いと信じているのですが……まぁ、何とかなるでしょう。」

 

「お前の、その根拠のない自信が何処から来るのか不思議でならねぇよアタシは。」

 

取り敢えず、閉門まであと3分だから飛ばすぜマユ?振り落とされねぇように捕まってろよ!!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

つー事で、閉門1分前にギリギリスクーターで滑り込んで、靴履き替えたらマユを担いで教室まで全力疾走して、山ちゃんが教室に入る前に足だけ教室の中に突っ込んでギリギリセーフ。

そのままホームルームを終えて、1時限目は担任でもある山ちゃんの英語の時間で、この間の小テストが帰って来た訳なんだが……マユ、此れは流石に不味いだろ?

 

 

 

「全部埋めたのに、まさか半分も取れないとは……やりますね山寺先生。」

 

「全部埋めて30点ってのは初めて見たわ。

 まぁ、バツが付いてる所は、解答欄を埋めただけで明らかに間違ってるから仕方ねぇんだが……珍解答ベスト50に選ばれる程の解答には吃驚するしかねぇっての。」

 

一体全体どこを如何やったらそんな答えが出てくるのか聞いてみてぇモンだぜマッタク。

こんな事を言ったら何だがな、お前よりも今日日の小学生の方が遥かに英語力あんぞ!マユだって、小学3年なのにもう英語の授業が始まってるって言ってたし……下手したら小学生より下だぞお前?

 

 

 

「其れは、流石にプライドが傷つきますねぇ?……勉強を教えて貰っても宜しいですか雪女さん?」

 

「言われなくてもその心算だ……この際だから、英語だけじゃなく他の科目も見てやる!

 この分じゃ他の科目も可成り怪しいだろうし、此のままだと期末考査は炎上しかねねぇからな……赤点3個以上の生徒が居るクラスは、夏休みの半分が補習になっちまうから委員長と一緒にみっちり仕込んでやるから覚悟しろや。」

 

「このクラスから赤点が出たなど、恥じ以外の何物でもありませんので覚悟して頂きますわよ真雪さん?」

 

「……普段は反目し合っているのに、変な所で気が合いますね雪女さんと委員長さんは?」

 

 

 

利害一致って奴だな此れは。

アタシも委員長も夏休みが補習になるなんてのは御免だからな!……そんな訳だから、今日の昼休みはみっちりやるからその心算で居ろよ?

序に、今日のお泊り会でも、メユが寝たらガッツリ行くからな!!

 

 

 

「お手柔らかにお願いします。」

 

「其れは、お前の頑張り次第だぜ。」

 

まぁ、お前はやれば出来るんだから精々頑張れ――取り敢えず、お前のせいでクラス全体が夏休みの半分を失うなんて事になった日には、幾らなんでも笑えねぇからな。

 

 

 

「はぁ、善処します。」

 

「善処じゃなくて、死ぬほど頑張れよこのスットコドッコイ!!」

 

ったくコイツはホントにマッタクよぉ!

はぁ……マッタク持ってポンコツ娘と付き合うのも楽じゃないぜ……ってな事を言いながら、何だかんだで一緒居るアタシは、マユと一緒じゃないと面白くねぇって思ってるのかも知れないけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:愛雪

 

 

今日の授業も終わって、雪女のお姉ちゃんとマユお姉ちゃんの学校までやって来たんだけど……流石に高校の校舎は小学校よりも遥かに大きいみたい……思わず圧倒されちゃったよ。

 

 

 

「お、もう来てたのかメユ?」

 

「お早いおつきですねメユさん。」

 

「あはは、今来た所だよ雪女のお姉ちゃん、マユお姉ちゃん。」

 

まぁ、お泊り会が楽しみで、少し気持ちが急いてたのは否定しないけどね。――パパとママにも許可を取ったから、お泊り会はOKだから。

 

 

 

「そうか……なら、お泊り会に必要なモンを買ってくぜ?

 夜更かし用の食べ物と飲み物は必須だからな――準備万端整えてこそ、楽しいお泊り会が出来るってモンだからな♪」

 

「そうなんだ……」

 

其れじゃあ、今夜のお泊り会、楽しみにしてるよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode6『取り敢えずお泊り会って事で♪』

お泊り会ってのも良いモンだよな?By雪奈      はい、素晴らしいですBy真雪     パジャマパーティは楽しいね♪By愛雪


Side:雪奈

 

 

お泊り会って事で、帰りのコンビニで色々と改題中な訳なんだが、取り敢えず飲み物とスナック菓子は鉄板だよな?――晩飯は別として、夜更かしするなら、此れは欠かせないからな。

 

「メユ、遠慮しないで買えよ?」

 

「んと、其れじゃあ、これとこれ。」

 

 

 

んで、メユが籠に入れたのは、桃味の乳酸飲料とチーズ味のポテチか……可愛いなぁ本気で!!思わずお持ち帰りし高くなっちまう位だ、マジで。

――まぁ、其れは其れとして、時々コンビニってのは何処をターゲットにしてんだか分からねぇモンを発売するよな?

 

「カンブリア紀生物グミって、誰が買うんだこんなもん?」

 

「コアなファンが居るとしか言えません……と言うかマユお姉ちゃんが買ってるよ、雪女のお姉ちゃん。」

 

 

 

はぁ!?何してやがんだあのズベ公が!!

個人的な趣向に口を挟む心算はねぇが、モチっと考えて買えや!!明らかに色々拙いだろ、このグミキャンディーは!!

 

 

 

「……化石でしか知り得ない生物をグミで再現したその探求心に無限の可能性を……」

 

「微塵も感じねぇよ馬鹿野郎。」

 

「其れは残念です。」

 

 

 

と言うか、感じられる奴がレアだからな?――先ずは其れを認識するんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode6

『取り敢えずお泊り会って事で♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ってな訳で、帰り道がてら色々と買った訳なんだが、不覚にも今晩のメニューを如何するか考えてなかったぜ――マユとメユ、特に喰いたいモンとかあるか?

あんまり難しいのは無理だが、アタシの範囲で出来る事なら応えるぞ?

 

 

 

「では、ハヤシライスで。」

 

「あ、私もハヤシライス食べたーい!!」

 

「OK、ハヤシライスだな。」

 

こう言っちゃなんだが、ハヤシライスはアタシの得意メニューだ……ほっぺたが落ちる位の一品を喰らわせてやるから覚悟しな!!アタシのハヤシライスは、天下無敵だからね!!

 

 

 

「何か手伝いますか雪女さん?」

 

「手伝わなくて良いから大人しくリビングでメユと一緒にアタシの部屋でゲームでもやってろ。

 出来たら持ってくからよ。」

 

「とは言いましても、何も手伝わないのは人として如何なものかと……」

 

「OK、その心構えは立派だが、お前に限っては手伝わない方が人の為になるって事を認識しような先ずは。

 食器を割る程度なら兎も角、お前に料理の手伝いなんぞさせた日にゃ、下手すりゃアタシの家が燃えて無くなるわ!調理実習で、何度お前は学校を燃やしかけたと思ってんだ!」

 

「両手の指では足りませんねぇ?」

 

「マユお姉ちゃん、其れ色々とヤバイと思う……」

 

 

 

ヤバい所じゃねーよ、ヤッベーんだよコイツの場合は。

しかも性質の悪い事に、被害を周囲に撒き散らして出来た物は、見た目は兎も角味は良いからな?……料理の出来栄えも残念な美味だぜ。

 

 

 

「お褒めに預かり光栄です。

 では、特に手出しをしないで雪女さんの料理する姿を観察する事にしましょう。」

 

「いや、だからアタシの部屋で待ってろって……」

 

「あ、でも私も雪女のお姉ちゃんが料理するところ見てみたい!!」

 

 

 

おうふ、そう来たかい。

まぁ、見てたいってんなら別に構わねぇが、大して面白い物でもねぇからな?

 

飯の方は朝タイマーセットして来たから良いとして、ハヤシソースを作らねーとな。

取り敢えず、フライパンを火にかけて、温まるまでの間に玉ねぎ2つをスライスして、フライパンが温まったらバターを2カケ入れて、溶けた所にスライス玉ねぎを入れてよく炒める。

玉ねぎがしんなりした所で、缶詰のマッシュルームを……マッシュルーム好きだから2つ投入するか。

でもって、缶詰はもう火が通ってるから、此処で一緒に牛の細切れを投入して全体に火が通るように良く炒めて、全体に火が通ったら固形コンソメを溶かしたお湯を加え、デミグラスソース、ケチャップ、そしてアタシオリジナルの隠し味として中濃ソースと醤油、ヨーグルトを加えて煮込む。

圧力なべを使うと、煮込みも短時間で出来るから便利だよな。

煮込んでる間に、余ったコンソメスープに適当な大きさに切ったベーコンとジャガイモとトマトを加えて人煮立ちさせて、煮立った所に溶き卵を加えて、これでスープも出来上がり。

そして、仕上げにペッパーミルで挽きたての黒コショウで味を調えてハヤシソースの完成だ。

あとはコイツを飯にかけて、上からサワークリームを加えりゃ雪女様特製ハヤシライスの完成だぜ!

 

 

 

「相変わらずの手際の良さですね雪女さん。」

 

「凄い包丁さばきだった……プロの料理人みたいだったよ!!」

 

「ま、やってる内に出来るようになっちまっただけだけどな。」

 

さてと、お前等が部屋で待ってるなら部屋に持ってく心算だったが、そうじゃないならリビングで喰うか。

マユ、机の引き出しからスプーン出してくれ。其れ位なら、流石にドジらねぇだろうからな。

 

 

 

「了解しました。」

 

「其れじゃあ私はお皿持って来るね?そこの戸棚に有るやつで良いんだよね?」

 

「あぁ、適当に見繕ってくれやメユ。」

 

んで、準備が出来たから……

 

 

「「「いただきます。」」」

 

 

さてと、味の方は如何だ?

 

 

 

「……おいしーーー!!

 スッゴク美味しいよ雪女のお姉ちゃん!!こんなに美味しいハヤシライスは初めて食べたかも!――其れこそ、パパが連れて行ってくれた洋食屋さんのハヤシライスよりも美味しいかもだよ!」

 

「えぇ、実に見事な味です。

 牛肉のコクのある旨味に、玉ねぎの甘さとマッシュルームの食感がアクセントとして加わり、コンソメ、デミグラス、ケチャップの基本の味と、隠し味である醤油、中濃ソース、ヨーグルトが良くマッチしています。

 そして、辛い物が苦手な私でも楽しめる程度のスパイシーさを黒コショウで演出して、サワークリームが全体の味を〆てて、素晴らしい味です。」

 

「そいつは頑張った甲斐があるぜ。

 其れとマユ、意外とお前食レポ巧いじゃねぇか?――将来は、そっち関係の仕事を探してみちゃどうだ?」

 

「そうですね、前向きに検討してみる事にします。」

 

 

 

まぁ、お前の食レポは何かとハプニングが起きそうだけどな。

取り敢えず遠慮しないで喰えよ?親父達の分も考えて可成り大目に作ってあるから、1人3杯喰っても余裕があるからよ。

 

 

 

「其れじゃあおかわり~~!!」

 

「雪女さん、私にもおかわりを下さい。」

 

「へっ、良い喰いっぷりじゃねぇか?其れでこそ作った甲斐があったってもんだぜ♪」

 

そう言えば、こうやって自分の家で賑やかな晩飯なんてのは随分と久しぶりな気がするな?

マユとのお泊り会の時は、大概外で済ませちまうことが多かったし、そうじゃない時は基本的に1人で飯食ってからな……久しく味わってなかった団欒ってやつだな此れは。

此れが出来たのも、偏にメユとダチになれたからかもな……マッタク、人との出会いってもんは分からねぇもんだな。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・

 

・・・

 

 

 

んで、飯食った後は一休みしてから全員で風呂入って(家の風呂は無駄に広いから3人くらい余裕で入れるぜ。)、其処からはアタシの部屋でパジャマパーティの始まりだ!

コンビニで買って来たスナック菓子と飲み物開けて、ゲームで遊びまくりだぜ!

 

「オラオラ如何した!そんなんじゃアタシの永遠のチャレンジャーには勝てないぜ?」

 

「負けませんよ雪女さん、私の暗黒魔王は此処からが本番です。」

 

「私の伝説のヒーローだって負けないんだから!」

 

「ハッ!あめぇんだよ!喰らえ、真・翔龍拳!!」

 

『KO!!Wiener is EternalChallenger!』

 

『翔龍拳を破らぬ限り、お前に勝ち目はない。』

 

対戦型乱闘ゲームではアタシが圧勝し、

 

 

 

「いっくよ~~?ライトニングドリフト走行!!」

 

「ちょ、待てやメユ!なんだその超絶コーナーリングは!?」

 

「トップスピードのままの華麗なるコーナーリング……雪女さんの、バイクテクニックの更に上を行きますね。」

 

 

 

対戦型レースゲームでは、メユがアタシをも上回る超絶技巧を披露してくれて、

 

 

 

「其れでは参ります……必殺、30連鎖です。」

 

「30連鎖って……メテオおじゃまが来たーーー!!」

 

「ふえーん、これじゃあ消せないよ~~!!」

 

 

 

パズルゲームでは以外にもマユが鬼神の如き連鎖を見せて圧勝。

他にもトランプゲームとか、双六とか、ビンゴゲームとかで大層盛り上がったんだが、だいぶ夜が更けてもメユは一向に寝る気配が無いから、一緒にマユの勉強を見る事になった訳なんだが……

 

 

 

「マユお姉ちゃん、此処スペル間違ってるよ?」

 

「おや、その様ですね?」

 

 

 

いやはや、メユが確りとマユの間違いを指摘してくれるから楽だぜ。

流石に数学の方程式とかは無理だけど、英語のスペル間違い程度ならメユも分かるみたいだからな――それ以前に、小学生にスペル間違いを指摘されるマユがヤバいけどな。

 

 

 

「可成りのレアででょうか?」

 

「希少種なのは間違いねぇが、全然マッタク持って貴重でもなんでもねぇからその辺を間違えんなよ?」

 

「はい、肝に銘じておきましょう。」

 

 

 

ったく、コイツは本気で分かってるのか疑わしいが、マユは此れで良いんだと思ってる辺り、アタシも大概だぜ。――取り敢えず、赤点にならねぇように頑張らねぇとだな。

 

 

 

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・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

んで、皮膚付けが変わる頃になって漸く3人でベットにだ。

アタシを中心に、メユが窓際でマユが床側だ――此れなら少なくともメユが蹴り落とされる事だけはねぇからな。

 

 

 

「成程、私が床に落ちるだけだと言う事ですね?」

 

「有体に言えばな。」

 

まぁ、ベッドから落下した位じゃ大した怪我はしねぇって――そもそも、お前に蹴り落とされるから、ベッドの下にはクッション敷いてあるからな。

そんでメユ、人生初のお泊り会は如何だった?

 

 

 

「スッゴク楽しかった!

 また、やりたいくらいだよ!――私の家とか、マユお姉ちゃんの家でもね。」

 

「そうかい、そいつは良かった。」

 

にしても、マユやメユの家でのお泊り会ってのは良いかもな――ま、機械があればやってみるとすっか。

何にしても、初めてのお泊り会がメユに楽しんでもらえてよかったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode7『今日の不良はワサビ醤油味』

なんだこのタイトル?By雪奈      意味が分かりませんね流石に?By真雪     作者の脳みそがショートしたのかな?By愛雪


Side:雪奈

 

 

季節は夏。

衣替えも終わって、いよいよ夏本番って所だな――そんな最中、恒例となったお泊り会で、今回はメユの家に泊まる事になった訳なんだが、流石にこの家のデカさには圧倒されたぜ。

 

まぁ寝具は最高レベルの一級品が揃えられてたから寝心地は最高だったけどな。……布団は三つ敷いた筈なのに、朝起きたらマユとメユが腕に

しがみ付いてたのはもう突っ込む気にもならなかったぜ。

 

んで、顔洗って朝飯なんだが、いやはやまさか座敷でお膳てのには驚いた。

昨日の晩飯は、源一郎さんが寿司屋に連れてってくれたから外食だったんだが、普段は座敷とはな……こんな朝飯は、旅館とかじゃないと有り得ねぇって思ってたぞ。

 

 

 

「そうですね。

 まぁ、純和風のお屋敷なのでもしかしてとは思いましたが……其れでも、お膳に使われている物が、箸に至るまですべて極上の漆塗りとは驚きです。」

 

「……分かんのか?」

 

「勘です。」

 

「勘かよ!!」

 

「マユお姉ちゃんは相変わらずだね♪」

 

 

 

ホントにマッタク持ってコイツはよぉ。

しかもボケとか受け狙いじゃなくて完全に素なんだよなコイツの場合……しかも、今回に限って言えばその勘は結果的に大当たりだった。

汐さんが言うには、1セット10万円の高級品って事だったからな――アタシんちも割と裕福な方だけど、メユの家は何て言うか格が違うぜ格が。

流石、関東指定暴力団は伊達じゃねぇな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode7

『今日の不良はワサビ醤油味』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、お泊り会は日曜だったから、今日は普通に学校がある訳で、朝飯食ったら登校だ。

一学期はこれ以上サボると、二学期と三学期は全くサボれなくなっちまうから、夏休みまでは真面目に登校しねぇとな――つーか、そろそろ期末考査が近いからサボると委員長がうるせぇし。

 

しかし、メユの奴が今回のお泊り会はスクーター使わないで来てくれって言ってたが何でだろうな?

 

 

 

「其れは、あれが理由ではないでしょうか雪女さん?」

 

「……は?」

 

「あ、来た来た♪」

 

 

 

アタシ達の前に現れたのは、黒塗りのロールスロイス。如何にも『ヤクザ』って感じの車だが、コイツは一体何!?

まさかと思うがメユ……

 

 

「うん、今日は此れで学校に行こうかなーって♪

 いっつも雪女のお姉ちゃんにスクーターで送って貰ってるから、偶には私がと思ったの。」

 

「そいつは心遣いありがとよ……しかし、ロールスロイスとは驚かされたぜ。」

 

「もしかしたら、真っ黒なベンツやフェラーリまであったりするかもしれませんね。」

 

「あるよ?」

 

「あるのかオイ!!」

 

何つーか、昨日のお泊り会から驚かされてばっかだなメユんちには。

昨日の寿司屋は、磯野崎組の系列って事だったし、風呂は檜造りでめっちゃ広いし、寝具から家具、食器に至るまで超高級品で、極め付けに高級外車を複数所持してると来たからな。

 

まぁ、いいか。

こんな高級車に乗る機会は滅多にないから満喫させて貰うぜ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・

 

・・・

 

 

 

んで、無事に登校した訳だが、黒塗りのロールスロイスで登校した事からめっちゃ注目されちまったなうん。

そのせいで『雪女はヤクザの知り合いがいる』って噂が流れてるみてぇだが、全く持って嘘じゃねぇから否定する事も出来ねぇな――磯野崎組の幹部の何人からは『雪女の姐さん』って呼ばれてるし。

 

 

 

「雪女さん、ヤクザに知り合いがいると言うのは本当ですか?」

 

「おー、本当だぜ委員長。

 つーか、もっと言うなら前にオメーがアタシがカツアゲしたって勘違いしたガキンチョがヤクザの娘でな、そいつとは現在とっても仲が良いから其の流れでヤクザとも知り合いだ。」

 

「序に言うと私もですね。」

 

「や、ヤクザの娘さんに手を出したんですか貴女は!?

 コホン……アレは私の早とちりでしたので今更何も言いませんが――そのヤクザと言うのは、その大丈夫なんでしょうか?世間的には、あまり良いイメージがあるモノではありませんが……」

 

 

 

ん~~、大丈夫だろ?

メユの親父さんは本物の任侠モンって感じで、実際の堅気の人間には一切手を出さねぇし、それどころか麻薬の密売とかやってる暴力団を率先して叩き潰してる、言わば『正義のヤクザ』って感じだからな。

 

 

 

「正義のヤクザ……なんか、矛盾を感じますわね?」

 

「だろうな、アタシも言っててそう思った。」

 

まぁ、ヤクザだからって悪人じゃねぇって事だ。

アタシだって不良やってるけど『悪』ではねぇからな?――まぁ、未成年の分際で飲酒喫煙上等な時点で大分アウトだとは思うけどよ。

 

 

 

「大幅にアウトですよ雪女さん!

 と言うか普通に教室でタバコ吸わないでいただけます!?」

 

「あ~、悪い悪い、分煙は基本だったな。」

 

「そう言う事ではありませんわ!!」

 

「一本吸ってみっか?」

 

「吸いません!!」

 

「今日も今日とて、見事なやり取りですね雪女さんと委員長は。」

 

 

 

まぁ、何時もの事だろマユ?

アタシと委員長は立場的に絶対に慣れ合う事はねぇが、だからと言って口も利かねぇほど仲が悪いって訳でもねぇからな――まぁ、アレだ典型的な不良と委員長の関係ってやつだ。

 

 

 

「普段は反目しつつも、意見が合ったその時は強靭、無敵、最強と言うやつですね、分かります。

 と言う事は、委員長さんは実は雪女さんと仲良くしたいのに、委員長と言う立場から素直に慣れなくてキツク当たってしまうツンデレさんと言う事でしょうか?」

 

「なんだ、そうだったのか委員長?」

 

「違いますわ!!

 と言うか、誰がツンデレですか誰が!!雪女さんのような不良と仲良くなんて、おぞましい事を言わないで下さい西行寺さん!!」

 

「そうですか、これはまた見事なツンデレですね。」

 

「ですから違いますわ!!」

 

 

 

アタシ以上にマユと委員長のやり取りは見てて面白れぇな?

だけど、2人ともそろそろ席に戻った方が良いんじゃねぇか?今日の一限目は生活指導の田辺が担当してる社会だからな――田辺が入って来た時に席についてなかったら拳骨喰らっちまうぞ?

 

 

 

「体罰反対。」

 

「言うだけ無駄ですよ西行寺さん。

 田辺先生は、昔気質の熱血先生ですので、生徒指導の一環として拳骨位は普通ですから――それでも、体罰問題が起きないのは偏に田辺先生の人柄かも知れませんがね。」

 

 

 

アイツは、熱いと言うより暑苦しいけどな。

そんじゃまぁ、真面目に授業を受けるとしますか!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

んでもって、今日も一日無事に過ごして放課後――今日は家庭科も体育も科学の授業もなかったから結構楽だったぜ……マユのフォローをするのは結構大変だからな。

 

 

 

「はぁ何時もお世話になってます。」

 

「本気でそう思ってるなら、少しはアタシのフォローが無くても良いようになってくれや……正直、お前のフォローばっかりしてたらアタシの身が持たねぇからな。」

 

「善処します。」

 

 

 

そうしてくれ、期待はしてねぇけどよ。

それはさておき、今日は何して帰るかな?

メユを迎えに行ってそのままゲーセンもアリだしカラオケもアリだ――商店街のコロッケ買って公園で満喫するのも悪くねぇ。ホント放課後の過ごし方ってのは色々有るな。

 

 

 

――ブオォォォン!バリバリバリィ!!

 

 

 

と思って矢先に物凄い爆音がして、バイクが十台ほど入って来たな?

其れだけなら未だしも、バイクに乗って来た連中はどう見たって普通の奴じゃねぇ――ドレッドヘアーで両腕に入れ墨をしてる奴が普通な筈がねぇからな。

コイツ等、何モンだ?

 

 

 

「俺を退学にし腐ったクソ教頭出てこいや!!

 退学にしてくれた礼をしに来たぜオイ!!」

 

 

 

コイツ等、お礼参りに来たのかよ!!今時お礼参りなんて流行らねぇぞオイ!!

なんて事を言って聞く輩じゃねぇよな此れは……放課後を満喫しようと思ってた矢先に、全く持って面倒な事が起きてくれたもんだぜ――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode8『不良とヤンキーと金属バット』

今回のタイトルは前回よりはマシか?By雪奈      まぁ、内容を考えれば間違いではないかとBy真雪


Side:雪奈

 

 

此れから下校って時に、時代錯誤の馬鹿野郎が現れたみたいだな――今時お礼参りなんて流行らねぇっての……なんて事を言った所で聞く連中だとは思えねぇけどよ。

てかよ、お礼参りが時代錯誤なのは当然として、連中の格好も如何なんだアレ?

教頭が如何の言ってた、リーダー格と思われる奴は、ジーパンにタンクトップ、両腕に派手に入れ墨して鼻ピンのドレッドヘアーで顎には髭。

他のメンバーもアフロヘア―で口元をバンダナで隠してたり、ターバンにグラサン、ライダージャケットに髑髏模様のヘルメットetc……頭悪いにも程がアンだろアイツ等。

 

 

 

「えぇ、頭がぱっぱらぱーなのは間違いないでしょうね。」

 

「……オメーにそう言われちゃ、色々とお終いだぜ。」

 

「いえ、其れ程でも。」

 

「だから、褒めてねーっつーの。」

 

アイツ等が本当に教頭だけが目当てなら如何でも良い。

つーか、体育教師や生活指導が何とか対処するだろうからな――だけど、若しも一般生徒に被害が出る様なら話は別だ。

 

ってか、既にコイツ等に怯えてる女子もいるしな……仕方ねぇ、正義の味方ってガラじゃねぇが、少しばかりお話ししに行くとしますかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode8

『不良とヤンキーと金属バット』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪女さん、何者ですか彼等は?」

 

 

 

っと、連中と話し付けに行こうと思った所で委員長登場か。

アイツ等はだな、見たまんまの不良……そして多分この学校に在籍してたと思われる。少なくともリーダーらしきドレッドヘアーの入れ墨大男は。

何か退学にされた事に逆恨みして、退学を進言したらしい教頭にお礼参りに来たらしいぜ?

 

 

 

「お礼参りって、一体何時の時代ですか其れ?」

 

「昭和か、平成一桁だろうな。」

 

「こう言っては何ですけれど、同じ不良でも貴女とは雲泥の差があるモノなのですね……」

 

「確かにアタシは不良だけど、あぁ言う馬鹿共と一緒にすんなよ。

 授業はサボる、飲酒喫煙上等、喧嘩も常習犯だけど、少なくとも善良な一般生徒に迷惑かける様な事だけはしてねぇからな?授業サボった代償を喰らうのはアタシ自身だしな。」

 

「其れはまぁ、そうですが。

 其れで、貴女は彼等に何をする心算だったのでしょうか?」

 

 

 

あん?

あ~~……まぁ、何だ、不良同士なら話が通じる部分もあるんじゃないかと思ってよ?取り敢えずお引き取り願えねぇかとお願いしようかと。

もっと言うなら、生徒が何やらやってるとなれば教師陣が対処に出てくるんじゃねぇかなと思ってな……まぁ、口で言っても聞かねぇ場合は、実力行使で退散して貰う事になるけどよ。

 

 

 

「貴女と言う人は……ですが、今回は其れが正解でしょうね。

 ですが雪女さん、実力行使をする場合はガードして良いので先ずは相手に攻撃させてください。そうすれば正当防衛が成り立ちますので。

 流石に一般生徒に被害が出ては大事ですので、乱闘になっても今回は目を瞑ります――風紀委員や生活指導の先生にも、正当防衛を主張しておきましょう。」

 

「へっ、珍しく協力的だな委員長?」

 

「貴女の為ではありません、一般生徒の安全の為です。」

 

「……此れはまた、見事なツンデレ具合ですね。」

 

「だから、ツンデレではないと言っているでしょう西行寺さん!!」

 

 

 

マユ、オメェが居ると如何にもしまらねぇな……まぁ、堅くならなくて良いけどよ。

取り敢えずマユと委員長は、一般生徒に被害が出ねぇように安全な場所に誘導しといてくれ――実力行使が必要になった場合は、相手の数が多いから、アタシも凶器使っての大立ち回りをしねぇとだからな。

 

 

 

「凶器って、何を使う心算ですか?」

 

「其れは見てのお楽しみだ。」

 

そんじゃ行ってくるぜ。

 

 

 

取り敢えずは普通に話しかけてみっか。

なぁ、この学校に何か用かドレッドヘアーの兄ちゃん?

 

 

 

「あぁ?誰だテメェ?」

 

「名乗る程のモノじゃない。って言うか、この学校の生徒だよ。見れば分かるだろ?」

 

「この学校の生徒か……オイ、教頭の野郎は何処にいる?」

 

「教頭二人居るんだけどどっちよ?」

 

「眼鏡のハゲの方だ!」

 

 

 

眼鏡のハゲ……バーコード教頭の方か。

多分職員室に居ると思うけど、教頭に何か用かよ?こう言っちゃなんだが、如何考えても教頭にアンタみたいな知り合いが居るとは思えねぇんだけど。

 

 

 

「あの野郎は、俺を退学にしやがった……其れが気にらねぇ!」

 

「否、退学になるのは相応の理由があったんじゃねぇのか?――アンタ、何をしたんだよ?」

 

「大した事はしてねぇ。

 他校の生徒と喧嘩したり、自販機ぶっ壊して中の金盗んだ序に商品かっぱらったり、商店街で万引き、後は適当な女を路地裏に連れ込んでレ○プとかだ。」

 

「思いっきりアウトだ馬鹿野郎。」

 

他校の生徒との喧嘩は未だしも、それ以外は完全に犯罪じゃねぇか。

そりゃ、退学にもなるぜ……ってかよ、そんだけの事をして退学になったのを逆恨みしてお礼参りに来るとか、アンタ少し頭おかしいんじゃねぇのか?……あぁ、テメェの下事の重大さも理解してねぇんだからおかしいに決まってるか。

 

その分だと、テメェ教頭だけじゃなくて一般生徒にも手を出す心算だったな?……主に女子に。

 

 

 

「勘が良いじゃねぇか……あぁ、その通りだ。

 教頭と体育教師と生活指導をシバキ倒して、奴等の目の前で女教師と女子生徒を犯してやる心算だ!!」

 

「はぁ……やっぱりかよ。

 ……舐めた事言ってんじゃねぇぞ、このクズ野郎。」

 

「あ?」

 

 

 

テメェが教頭だけにお礼参りするってんなら好きにすりゃいいが、全く無関係な奴等を巻き込むってんなら看過出来る事じゃねぇ。

アタシも不良だから偉そうな事を言う心算はないがな、不良やるのは勝手だが、一般人に迷惑かけてんじゃねぇこのクソ野郎が!!

 

 

 

「メスガキが偉そうに……なら、まずテメェからやってやるよ。」

 

 

 

殴りかかって来たが、遅いな。

お前の攻撃位なら、見てからでもガードが間に合うぜ。

 

 

 

――ガキィィン!!

 

 

 

「咄嗟にガードしたか……だが、その腕はもう使い物にならねぇな?

 自慢じゃねぇが、俺の拳はバットを粉砕する。テメェの腕じゃ、骨がいかれちまったんじゃねぇか?」

 

「ご心配痛み入るが、生憎と罅一本入ってねぇぜ?

 バットを砕くとかぬかしてくれてたが、そのバットは余程不良品だったんだな?……そんな温い拳、アタシには通じねぇんだよ腐れドレッドが。

 そもそもにして、テメェ等如きチンカス風情がアタシに勝てると思ってんのか?

 この天下無敵の不良である、雪女様によぉ?」

 

「テメェが雪女だと!?」

 

 

 

そう、アタシが雪女だ。

ハッキリ言わせて貰うが、20人程度でアタシに勝てると思うなよ?テメェ等みたいなハナクソ如き、何人集まろうとアタシの敵じゃねぇからな。

 

 

 

――ズル!!

 

 

 

「!?」

 

「でもってお前、偉そうな事言ってる割に皮被りかよ……オエ、気持ちわりぃ。

 こんな粗末なモノで、ウチの学校の女子をやる目的があったってのか?……テメェみたいのはな、家でB級のAVでも見てるのがお似合いだぜ租チン野郎。」

 

「て、テメェ……如何やら、俺のバタフライで切り裂かれてぇみたいだな!!」

 

 

 

おぉっと、キレて凶器出して来やがったな?

バタフライナイフとは中々良い得物だが、アタシに限っては大した事はねぇな……こっちにはバタフライをも上回る凶器があるんでな!!

 

 

 

――ガッ!

 

――スルスルスル

 

 

 

これぞ不良が装備できる最強の凶器、金属バットだ!!

しかもコイツはアルミで出来た安モンじゃなくて、高校野球の強豪校でも使われてるレベルの代物で、しかもツチノコバットだから攻撃力もめっちゃ高いぜ?

分かり易く言うなら、この金属バットを装備したアタシの物理攻撃力は255だ。

 

 

 

「それ以前に、何処から其れ取り出しやがった!」

 

「背中の凶器入れからだ馬鹿野郎。」

 

お喋りは此処までにしようぜ?

来いよ、中途半端なクソ共が――本当の不良が如何言うものかアタシが直々にレクチャーしてやるからよ!

 

 

 

「メスガキが……調子に乗ってんじゃねぇぞこら!!」

 

「ハッ、格下相手に余裕こいて何が悪いんだよ!!」

 

キレて襲い掛かって来たドレッドヘアーを蹴り上げで顎をぶち抜いて、更に蹴り上げた足でそのまま踵落としをブチかまして、体勢が崩れた所でネックハンキングをかまして、そのままネックハンキングドライバー一閃!!

頸動脈を圧迫された上で後頭部から地面にたたきつけられたドレッドヘアーは此れで戦闘不能だぜ――意識が吹っ飛んでなくても、頸動脈を圧迫された状態で後頭部を強打したら、しばらくは真面に動けないからな。

 

だが、リーダーを倒してハイ終わりって訳じゃないだろ?――来いよクソ共、徹底的に相手になってやるぜ。

 

 

 

「こ、このメスガキがぁ!調子こいてんじゃねぇぞコラァ!!」

 

「よ、よくもリーダーを!!許さねぇ!!」

 

「お、おま、おま、お前は俺達が叩きのめしてやる!!」

 

「ちょっと強いからって調子に乗るなよ?……数に勝てると思うなよ!!」

 

 

 

おぉ、おぉ、威勢がいいね?

その威勢のよさは嫌いじゃねぇが、テメェ等みたいなハンパモンじゃ、金属バットを装備したアタシに勝つ事は出来ねぇよ――テメェ等の戦闘力を仮に1万とした場合、アタシの戦闘力は53万だからな。

 

 

 

「お前、何処の宇宙の帝王だ!?」

 

「好きなんだよ宇宙の帝王。」

 

まぁ、そんな訳だからアタシと戦うってんなら骨の一本や二本は持ってかれると思えよ?

お前等みたいな馬鹿は嫌いじゃないんだが、一般生徒に手を出す心算だってんなら、アタシも黙ってられねぇからな……あんましアタシを怒らせんなよ?

アタシを怒らせたら、マジで死を見るぜテメェ等。

 

其れは兎も角、テメェ等はこの学校にとって害悪でしかないから駆逐させて貰うぜ?――覚悟するんだな。

雪女の異名がどれ程の物か、テメェ等の魂に刻み込んでやるぜ!!Come on!Get Serious!!(来いよ、マジでやろうぜ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode9『馬鹿と不良とヤクザの幹部と』

乱闘にヤクザがログインしましたBy雪奈      其れは、とても楽しそうですねBy真雪


Side:雪奈

 

 

「雪女だと?

 上等だよ、穴だらけにしてやんぜ!このジャーク様の連続ダーツでよぉ!!」

 

「誰を穴だらけにするって?……効くかよ、そんなヘタレ技!!」

 

 

 

――カキィィィィン!!

 

 

 

「ば、馬鹿な……俺のダーツを、金属バットの一振りで叩き落しただと!?」

 

 

 

何を驚いてやがる……言っただろ、アタシは天下無敵に不良である雪女だって――テメェ等みたいなハナクソなんぞ、アタシの足元にも及ばねぇんだよやられ専門の雑魚共が。

 

まぁ、個人的な事を言わせて貰うなら、テメェ等みたいな馬鹿も嫌いじゃねぇんだが、善良な一般市民に危害を加えるってんなら話は別だぜ。

特にテメェ等は、ウチの学校の女子にも手を出す心算で居たんだ……正直、如何考えても許せねぇんだわ。

 

ツー訳で、今日のアタシをあんまりキレさせんなよ?

正直言って、テメェ等の出現に、相当にドタマに来てんだアタシは――あんましアタシをキレさせっとなぁ、死ぃ見んぞ、あぁ?……其れでも構わねぇって根性の有る奴はかかってこいや。

雪女の力、骨の髄まで叩き込んでやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode9

『馬鹿と不良とヤクザの幹部と』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、調子に乗ってんじゃねぇぞメスガキが!

 テメェなんぞ、この俺様の二刀流バタフライで細切れに――」

 

「るせぇ馬鹿。」

 

 

 

――ガスゥ!!

 

 

 

「ピギャ!?」

 

 

 

予想以上の回復力で驚いたが、テメェなんぞはアタシの敵じゃねぇんだよ入れ墨ドレッド――そもそもにして、テメェみたいな租チン野郎がアタシに挑む事自体が大間違いだけどよ!!

んで、二刀流のバタフライでアタシを細切れにするんだっけ?――其れはもう無理だよな?自慢のバタフライは、アタシの金属バットで叩き折られてるんだからな。

加えて、アタシの蹴り上げを顎に喰らったんだ……真面に立つ事だって出来ないだろマジで?

 

 

 

「クソ……バケモンかテメェ!

 幾ら凶器持ってるとは言え、此れだけの数を相手にたった一人で立ち回るとか普通に有り得ねぇだろ!!ベルトスクロールアクションの主人公でもあるまいし!!」

 

「そうだな、アタシは不良だしな。

 だがよ、忠告したはずだぜ?アタシとお前等じゃ戦闘力に圧倒的な差が有るってよぉ?――其れなのに、こうして戦う事を選んだんだ、痛い思いをする事位は覚悟してんだろ?」

 

「舐めんじゃねぇ、メスガキがぁ!!」

 

 

 

――ガッ!!

 

 

 

ってぇ……後ろから殴りやがったなこの野郎?

しかも今のは、チェーンか?……ゲッ、血が出てるし……ヤッベーな、血の染みって落ちねぇんだよなぁ?……こりゃクリーニング代も弁償して貰わねぇとだぜ。

 

 

 

「ち、チェーンで殴られて如何して平気なんだよ!?」

 

「平気じゃねぇ、頭は割れたし、スッゴク痛いぜ?

 だけどなぁ、喧嘩するなら痛い思いするのは当然の事だ――だからなぁ、痛みなんてのは気合で如何とでもなんだよ、此の三流以下の生ごみ野郎!

 コンポストの中にでも入って肥料になってろ!!」

 

んで、チェーン野郎の腹に金属バットでの突きを喰らわした後に、飛び回し蹴り叩き込んでKO!……此れで大体半分って所だな?

よぉ、如何するお前等?

見ての通りアタシは手負いだが、其れでもテメェ等に負ける事だけは絶対にねぇ……寧ろ血と一緒にアドレナリンが出まくってるからな?

多分、流血した今のアタシの方がさっきよりもずっと強いぞ?

 

だが、其れだけに此れまで以上に手加減は出来ねぇ……此れから戦う奴は、骨の一本や二本は覚悟して貰うぜ?――骨じゃなくとも、最低でも前歯を全て失う覚悟位しとけや。

 

 

 

「こ、コイツ……女のくせになんて恐ろしいガンを飛ばしやがる――!!」

 

「血で赤く染め上げられた銀髪と、血濡れで笑う顔はまるで悪魔だぜ……」

 

 

 

ハッ、この程度でビビってんのかよ……ったく、トンだファッション不良共だぜ。

アウトローやるってんなら、この程度の事でビビってんじゃねぇぞ?――むしろ、おっかねぇ相手だからこそ向かってく位の事はしてみやがれってんだ半端モン共が!!

 

 

 

「そうだな、アウトローをやるならば其れ位の覚悟を決めろ。

 そして、己以上のアウトローに喧嘩を売った場合、負けた時には『死』が待ってると知れ。」

 

「あん?誰だよ……って、ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 

 

……うん、お前の気持ちは分からなくもないぞ?

行き成り声を掛けられたと思って振り向いたら、顔面傷跡だらけのグラサン+スキンヘッドの黒スーツがいたら悲鳴を上げたくなるってモンだからな。

 

ってか、アンタ確かメユの所の幹部だよな?鮫口つったっけか?

いや、其れは其れとして何でアンタが此処に居るんだよ?……こう言っちゃなんだが、この学校はヤクザお断りだぜ?ヤクザOKな学校があるかは知らねぇけどな。

 

 

 

「磯野崎組若頭の、鮫口銀次郎、覚えていてくれて光栄です雪女の姐さん。

 お嬢が、姐さん方と放課後を楽しみたいってんで車を回したんですが、着いてみりゃ姐さんが悪になり切れねぇ半端モンを相手に、金属バット片手に大立ち回りを演じてるじゃねぇですか?

 其れだけなら良かったんですが、チェーンで頭を割られたのにお嬢が怒ってですね?俺に、連中を懲らしめて来るように言った訳です。」

 

「成程、そう来たか……だが、そう言う事ならコイツ等に確りと教えてやらなきゃならねぇよな?

 本物のアウトローの怖さってやつをよぉ?」

 

「お嬢に命令されたのもそうだが、雪女の姐さんに上等働いてくれた事にはキッチリと落とし前を付けさせて貰うぜ坊主共……まぁ、精々中途半端な覚悟でアウトローの世界に足を突っ込んじまった事を後悔すんだな……」

 

 

 

如何やらメユが言ったかららしいが、其処からはアタシと鮫口のオッサンによる蹂躙をも越えた圧倒的な殲滅戦だったな。

アタシは当然として、鮫口のオッサンも顔の傷跡が示す程の修羅場を潜って来たヤクザだから、中途半端な不良如きが敵う相手じゃないからな――ぶっちゃけアタシの金属バットが振るわれ、鮫口のオッサンの拳が繰り出される度に、馬鹿共は次々と地面とキスしてたからな。

 

3分が経った頃には、残りは後一人にまでなってたぜ。

 

「さて、テメェで最後だ……大人しく往生しろや!!」

 

「ワルはワルらしく、散る時は覚悟を決めろ!!」

 

「ひいぃぃぃぃぃ!!?」

 

 

 

――バキィ!!

 

――ガスゥ!!

 

 

 

そしてその一人も、アタシのホームラン打法と、鮫口のオッサンの拳で完全KO!!――ったく、あくびが出る位の喧嘩だったぜ……まぁ、アンタの参戦は有り難かったけどな。

 

 

 

「姐さんが傷つけられた上に、お嬢の命令にまで反してはイカンでしょう?……ま、ヤクザの義理の通し方だと思ってくだせぇ。」

 

「アンタ『漢』だな。」

 

取り敢えずお礼参りに来た馬鹿共は鎮圧したけど、それで『はい、終わり』って訳には行かねぇし、流石のアタシも頭の傷は治療しねぇとだ……縫うなんて事態じゃないだろうが、流石に止血しないとだからな。

取り敢えず先ずは保健室に――

 

 

 

「くおらぁ!貴様等一体何をしている!!!」

 

 

 

って、漸くやって来やがったか生活指導の田辺以下、屈強体育教師共が……ったく、おっせーんだよ!!

テメェ等がさっさと出て来てさえすれば、アタシが此処までの大立ち回りをする必要は無かったんだぜ?対応が遅れたなんてのは、言い訳にもならねぇよ。

 

 

如何やら、クソッタレ共をKOして『はい、お終い』って事にはならなさそうだな……ったく、面倒事ってのは続くもんだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 




キャラクター設定



鮫口銀次郎
・『磯野崎組』の大幹部にして若頭――万が一組長に何かあって、新たな組長が必要な場合な場合には彼が組み長代行を行う事になっている。
 顔は傷だらけだが、此れは戦いに於いて、相手に決して背を向ける事が無かった事の証である。


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Episode10『ヤンキーと取り調べ』

事情聴取か……だるいなBy雪奈      まあ、仕方ありませんねBy真雪


Side:雪奈

 

 

取り敢えず、お礼参りに来た馬鹿共を退けたんだが、アタシはチェーンで頭をかち割られちまったから絶賛保健室で治療中……頭を縫うなんて事にはならねぇだろうな?

 

 

 

「其れは大丈夫よ。

 大分派手に血を流したみたいだけど、傷そのものは浅いし、ガーゼと包帯をしていればそれほど時間がかからずに直るわ――傷跡が残るか

 も知れないけど、其れも髪の毛で隠れるから大丈夫よ。」

 

「なら安心したぜ。」

 

頭を縫うなんて事になったら、其処からは毛が生えて来ないから一部剥げになっちまうからな。

取り敢えず怪我の方は大した事は無かったんだが……此れから待ってるのは先公の事情聴取か――ハッキリ言って憂鬱だぜ。

 

山ちゃんはアタシの味方だけど、大概の教師はアタシを敵視してっから、其れを考えると最低でも停学は免れねぇかもな。

 

 

 

「いえ、そうはさせません。

 今回に限っては貴女は正しい事をしたのですから、処分されると言うのは不当な扱いだわ――なので、誠心誠意弁護させて貰いますよ。」

 

「委員長……期待してるぜ。」

 

さてと、どうなる事かねぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode10

『ヤンキーと取り調べ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っつー訳で、保健室での手当てが終わったアタシは生徒指導室――じゃなくて職員室に呼び出されて此れから事情聴取って所だな……あぁ、山ちゃん以外の先公……特に生活指導の田辺は完全にアタシに敵意向けてるぜ。

まぁ、委員長も弁護してくれるみたいだから大丈夫だろうが……おい、何で居るんだマユ?其れとメユと鮫口のオッサンも!!

 

 

 

「何となく居た方が良いかと思いまして。」

 

「鮫口さん行かせたのは私だしね?」

 

「まぁ、事情を聞きたいって事なんで仕方なく。

 其れと姐さん、如何か自分の事は気安く『銀ちゃん』とでも呼んでくだせぇや。」

 

「何なんだかマッタクよぉ……つーか、アンタ『銀ちゃん』って面じゃねぇだろ?――だが、其れが望みだってんなら、アタシは此れからアンタの事を『銀ちゃん』と呼ぶ事にする!」

 

「光栄ですぜ、雪女の姐さん。」

 

 

 

さてと、其れで何を聞きてぇ訳よアンタ等は?

見ての通り、アタシはお礼参りに来た馬鹿共を説得しようとしたけど、殴られたんで正当防衛として反撃しただけだぜ?……序に言うと、怪我したのはアタシだけで他の生徒には被害出してねぇんだから呼び出される意味が分からねぇんすけどねぇ?

 

 

 

「早乙女……そもそも喧嘩が大問題だと言っておるんだ!!

 お前と言う奴は、言っても言っても喧嘩三昧から卒業する気が全くない……しかも今回は校内での喧嘩沙汰と来ている!!それが、此の学校にとって、ドレだけの不名誉か理解しているのか!!」

 

「お言葉ですが田辺先生、学校の名誉とは生徒の安全よりも優先されるモノなのでしょうか?

 もしも雪女さんが彼等の対処をしなかった場合、学園の生徒――特に女子生徒に被害が出ていた可能性は否定できませんし、教頭先生にも被害が出ていたでしょう。

 其れに、雪女さんが言っていたように、今回の一件は喧嘩ではなく、殴りかかって来た相手に対しての正当防衛ですよ?

 そもそもにして、貴方をはじめとする教師陣がもっと早く対処する為に動いていたのならば、雪女さんが怪我をする事も無かった筈だと愚考する次第なのですが?

 と言うか、此れ等の事を総合的に判断すれば、雪女さんの行動は寧ろこの学校の名誉を守った事になる訳で、こうして呼び出されてお説教されると言うのは不当な扱いと言わざるを得ません。

 大体にしてですねぇ、普段は己の肉体美を自慢し、学生時代は学生プロレスのチャンピオンだったと言っている体育教師の佐山先生は何をしていたんです?

 貴方ならば、不良程度は簡単に制圧できた筈ではないのですか?……貴方の言う事が本当であったとするのならば。」

 

「~~~~!!!」

 

 

 

お~、委員長の弁護で先公共が黙っちまったな?山ちゃんは口元に手を当てて笑ってるけどよ。

しっかしまぁ、相変わらず弁が立つねぇ委員長は?正論に次ぐ正論に、時には暴論とも言える理論を交えて先公共の反撃を完全封殺ってのは大したモンだぜ。

だがな委員長、佐山が学生プロレスのチャンピオンだったってのは多分ふかしだぜ?

アタシは習い事で格闘技もやってたから分かる事なんだが、佐山の筋肉はボディービルで鍛えただけのモノで、クソ力は有るかも知れねぇけど、戦う為の力は備わってねぇよ。

 

 

 

「成程、つまりは見掛け倒しと言う事ですね雪女さん?」

 

「マユ、その通りだがハッキリ言ってやるな……佐山が可哀想だ。」

 

ふ~~……あぁ、タバコが美味いな。

 

 

 

「こら雪ちゃん、タバコは身体に悪いよ?」

 

「分かっちゃいるけどやめらんね~~。ってか、突っ込む所が微妙に間違ってる気がするのはアタシだけか山ちゃんや?」

 

「えぇい、教師の前で堂々と煙草を吸うんじゃない!!」

 

「あんだよ田辺、アンタも吸うか?」

 

「吸わぬわ馬鹿者!!」

 

 

 

そうかい。

銀ちゃん、アンタは如何だ?

 

 

 

「有り難く頂きやす雪女の姐さん。

 ……さてと先生方、アンタ等の言い分は分からないでもないが、アウトローの世界に身を置く俺としちゃあ、其処の委員長の嬢ちゃんも言ってたが、雪女の姐さんのやった事は、賞賛されこそすれ、否定されるもんじゃねぇでしょう?

 確かに校内での喧嘩沙汰ってのは問題かも知れねぇが、なんで其処で『お礼参りに来た馬鹿共を片付けてくれた』『喧嘩した当人以外の生徒に怪我はなかった』と、其れで良しと出来ねぇんですかい?」

 

「雪女のお姉ちゃんは、絶対に間違った事をしてない……其れなのに、罰を与えるって言う感じなのは納得できないよ。」

 

「雪女さんの行動は、何も間違っていません――寧ろ生徒の安全を守った彼女に対して停学などの処分を行ったとあっては、其れこそ我が校の名に傷が付きますよ?」

 

「でしょうね。

 まぁ、不良グループのボス格に、行き成りズルパンかましたのには驚きましたが……」

 

 

 

――ヒュゥゥゥゥ……

 

 

 

銀ちゃんとメユと委員長が良い感じに話を持って行ってくれたところで、マユが要らん事を言って空気が死んだ!!――うん、空気が死んだだけじゃなくて全員がフリーズしたな此れ。

マユ、余計な事言ってんじゃねぇぞ!!

 

 

 

「おや?言っておいた方が良いと思ったのですが……因みに、リーダー格のナニは如何程だったのでしょうか?」

 

「お前なぁ……女子がそんなの聞くなっての!!

 まぁ、敢えて答えるとするなら、クッソキタねぇ真正の皮被りで、5cmにも満たねぇ粗チン野郎だったと言っておくぜ……ったく、あんな粗末なモンで、うちの生徒をやる心算だったってんだから驚きだぜ。」

 

「成程。

 つまりゴールドクラッシュ(金的)する価値もないと言う事ですね?」

 

「否、何匹かはゴールドクラッシュして野郎としての選手生命絶ってやったぜ?――金属バットで潰されたら、流石に再生は出来ねぇだろうからな……ってか、その心算でやったからよ。」

 

「まぁ、其れも正当防衛の範囲内ですから問題は有りませんよ雪女さん。」

 

 

 

っと、そう来たか委員長。

慣れ合う心算はないが、オメェは味方だと頼もしい事この上ねぇな?――不良と委員長ってのは基本的に相容れないモノだから反目する事の方が多いんだが、其れだけに結束した時は強いってもんなんだろうな。

とは言え、マユが余計な事を言った事が帳消しになる訳じゃないんだけどよ。

 

 

 

「貴様等……纏めて停学になりたいか!!」

 

「……其処までです。

 纏めて停学を独断で決めるなど、流石に越権行為ですよ田辺君。」

 

 

 

おぉっと、此処で学園長のご登場か……なんかよく分からんけど、アタシは学園長には気に入られてんだよなぁ?……孫に似てるからとか言ってたけど、まぁ悪い気分はしねぇな。

 

 

 

「確かに外部からやって来た人達と喧嘩をしたと言うのは問題かも知れませんが、我が校の生徒に被害は出ていませんし、早乙女さんも正統防衛を行っただけあり、停学にする理由は何処にもありませんよ?

 そもそもにして、我が校を守った生徒に対して罰則を科すと言うのならば、其れこそ我が校の倫理観を疑われてしまうでしょう?」

 

 

 

ハッ!まさかの学園長からの援護があるとは思わなかったぜ――流石に学園長から言われちまったら、アンタ等は何も言えねぇよな?……こう言っちゃなんだが、テメェの事で手一杯になってる先公に見る目を求めるのは、間違ってるのかもしれないけどよ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

結局、委員長の証言と、学園長の鶴の一声でアタシは無罪放免となった訳だが……悪かったな委員長、おかげで助かったぜ。

 

 

 

「此れ位の事は当然よ雪女さん。――何より、不当な罪でと言うのは余りにも納得できる事ではありませんでしたので。」

 

「テメェの正義に従ったって事か。」

 

クックック……良いねぇ委員長?

此れまでは反目しあって来たけど、アンタは最高だぜ!!――アンタと一緒のクラスで良かったって、今はじめて思う事が出来たよ。

 

其れは其れとして、もうこんな時間か……途中でラーメンでも食べてくとすっか♪

 

 

 

「全面的に賛成です雪女さん。」

 

「ラーメン大好き~~~!」

 

「今回は自分も一緒に行かせて貰います。」

 

 

 

おっし、そうと決まればラーメン屋に一直線だぜ!!

最悪の場合は退学も覚悟してたんだから、そうならなかった事への祝いって事で、今日はアタシが全額負担させて貰うぜ?――ま、精々楽しむとしようぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 



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Episode11『ヤンキーと夏休み、其の壱』

シングルがダブルになるの良いとして、ダブルがトリプルってのは…By雪奈      下手したら、お腹壊しますねBy真雪


Side:雪奈

 

 

あっちぃ……まぁ、夏だから当然の事なのかも知れないけど、此の暑さは有り得ねぇだろ流石に――って言うか熊谷で最高気温40度って幾ら何でもキチガイ過ぎんぜ……人間を蒸し焼きにする心算かオイ。

 

猛暑厳しい季節だが、アタシは現在夏休みの真っただ中だ――期末考査は、アタシと委員長の指導もあってか、マユが赤点を回避した事で補習を回避する事が出来たからな。

 

其れは其れとして、暑いからって一日中冷房の効いた部屋でゴロゴロしてるのもどうかと思うから、少し出掛けてみっか。

そう言えば、今日は地区の夏祭りもあった筈だから、夕方にはそっちにも顔を出して見るのもいいかもな。

 

取り敢えず街に繰り出してみるか――思わぬ出会いがあるかも知れないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode11

『ヤンキーと夏休み、其の壱』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、街に繰り出した訳なんだが、行き成り見知った顔とエンカウントしちまったな?まぁ、夏休みって事を考えればある事だったかもだが。

よう、メユ?こんな所で会うとは奇遇だな――見た所、ダチ公と一緒みたいだが、午前中は思いっきり遊んできた感じか?真面目に遊ばないとそんないい感じの日焼けはしないだろうからな。

 

 

 

「あは、流石だね雪女のお姉ちゃん……お姉ちゃんの言う通り、午前中はプールで思い切り遊んで来たよ。」

 

「やっぱりそうだったか。」

 

だが、家に閉じこもりがちなガキ共が多いこのご時世に、外で思い切り遊ぶ事が出来るってのは大事な事だぜ――うん、実に大したモンだ。

メユのダチ公達も良い感じの小麦色の肌だからな。

 

 

 

「えっと、メユちゃん、この銀髪のお姉さん誰?」

 

「キヌちゃん、この人が前に話した雪女のお姉ちゃんだよ。」

 

「えぇ、この人が!?」

 

「ウィーッス、ガキンチョ共。アタシが雪女こと早乙女雪奈だ。初めましてだな。」

 

「は、初めまして。中西絹江です!」

 

「御園一華(いちか)です。」

 

「篝美咲でーす♪」

 

「二片・トリッシュ・伊織。宜しくお願いします。」

 

 

 

キヌにイッカにミサにイオリンだな。

 

 

 

「イオリンですか、そう呼ばれたのは初めてです……が、ちょっと気に入りました。」

 

「気に入って貰えたんなら付けた甲斐があったってもんだぜ。」

 

しっかしまぁ、改めてみるとホント気持ちの良い位に健康的に焼けてるなぁお前等?

正直ちょっと羨ましいぜ?アタシは其処まで綺麗に焼けないからなぁ?精々表面がちょびっと茶色くなる程度だからな……まぁ、時代錯誤のガングロになろうとは思わねぇけどよ。

 

其れは其れとしてだ、子供らしく外で元気に遊んで健康的に日焼けしてるお前等には感心した。

夏休みの宿題ってのは当然あるんだろうが、そんなモンよりも夏休みは先ず遊ばねぇとな?――家に閉じこもってゲームばっかりってのは駄目だが、外で遊んで日焼けするってのは夏休みの正しい過ごし方だ。

そんな正しい夏休みを過ごしてるお前達に、御褒美として雪女さんがアイスを奢ってやろう。

 

 

 

「え、良いの雪女のお姉ちゃん?」

 

「おうよ。つーか、アタシも暑いからアイスでも食おうかと思ってたしな。

 其れにだ、お前等もプールで思い切り遊んで来たって事は、お前等が思ってる以上に体力が使われてる筈だから、甘い物を摂った方が良いんだよ、遠慮なんかすんな。」

 

「其れじゃあ、ゴチになります雪女さん!」

 

「ちょうどあそこにコンビに有るから、其処で?」

 

 

 

オイオイオイ、コンビニのアイスだなんてケチな事言うなよ?

駅前の『41アイスクリーム』を奢ってやるよ。ちょうど今は、夏のキャンペーン中で、キングサイズを頼むとレギュラーサイズがついてダブルになるからな。確か『真夏の甘い雪だるま』つったけかな。

取り敢えず、店に向かってレッツゴーだぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、41アイスクリームに到着……いやぁ、此の暑さのせいか大繁盛だな。

取り敢えず、遠慮しないで好きなモン頼めよ?雪だるまでな。

 

 

 

「えっと、下がストロベリーで上をレモンシャーベットで。」

 

「キングがベルギーチョコ、レギュラーがキャラメルリボン!」

 

「胴体をフローズンヨーグルト、頭をブルーベリーシャーベットでお願いします。」

 

 

 

キヌとイッカとイオリンは割かし子供らしいチョイスだな?

特にイオリン、ヨーグルトとブルーベリーは相性抜群だからな、ガキンチョながらに分かってるぜお前――んで、メユは如何する?

 

 

 

「えっとね……下が宇治抹茶、上が大納言小豆で。」

 

「渋いなオイ!!」

 

いやまぁ、確かにその組み合わせは美味いし、アタシも好きだけど小学生の頼む組み合わせじゃねぇと思うんだが、其れについては如何よ?

 

 

 

「ママが趣味で茶道やってて、お茶会に時々出る事があるから、抹茶と餡子の相性の良さは知ってるの。」

 

「汐さん、そんな趣味もあったのか……まぁ似合うけどよ。」

 

そんなじゃあアタシは頭をチョコミント、胴体をキャラメルリボンストロベリーで。

 

 

 

「ありがとうございます、お会計は2000円になります。」

 

「ダブルサイズを6個頼んで2000円、安いよな。」

 

「真夏の甘い雪だるまキャンペーン中ですから♪」

 

 

 

だよな。

んで、夫々オーダーしたモノを貰って席に……しっかしまぁ、なんつーか夏だからと言われればそれまでなんだが、クッソ暑いよなぁ?地球温暖化とかのレベルじゃないだろ此れ?

 

 

 

「日本は未だ良い方だよ雪女のお姉ちゃん。

 アメリカでは日中の体感温度が53度に達したみたいだからね……普通に熱中症確実だよ。」

 

「はぁ!?体感53度って、普通に死ねるわ其れ!!」

 

「因みに、車内に牛の塊肉を置いたらどうなるか実験したら、5時間後にはこんがりとステーキになってたって。」

 

「ドンだけだオイ!!」

 

でも、確かにこの暑さだと炎天下に放置した車のボンネットで目玉焼きが出来るかもだからな……まさかとは思うが、マユの奴ぶっ倒れたりしてねぇだろうな?

アイツの事だから、熱中症対策全然しないで外出てぶっ倒れる可能性が否定できねぇんだよな……うん、心配になって来たからアイス食い終わったらマユの家に行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

41アイスクリームでガキンチョ共と別れたアタシは、マユの家に来た訳なんだが……

 

「熱中症でぶっ倒れてるんじゃないかと思ったが、心配するだけ無駄だったみてぇだな……このクソ暑いのに、何してんだオメェは?」

 

「はぁ、見ての通り発掘ですが?」

 

「発掘って、オメェの家の庭は遺跡か何かかっての……」

 

「まぁ、あながち間違って居ないかも知れません。

 実は、祖父の遺品を整理していたら、この家の見取り図が出て来まして、丁度今掘っている所にバツ印が付いていたので此れは何かあると思って掘ってみる事にしたのですよ。」

 

 

 

さよか。

だけどよマユ、お前の爺さんがどんな人だったかは知らないが、そのバツ印の場所に何かを埋めたとは限らねぇだろ?若しかしたら、爺さんが既に何かを発掘して、その場所を忘れない為にバツ印を付けたかもしれねぇ訳だしな。

 

 

 

「いえ、祖父はそんな事をするような人ではありませんでした――兎に角、自分の成果を記録に残さない人でしたので、此のバツ印が祖父の発掘の跡では無いのですよ。

 逆に、人を驚かせたりするのは大好きだったので、此のバツ印には絶対なにか埋まってる筈なのです。」

 

「成程、変人は遺伝だったんだなオメェは。」

 

「褒め言葉と……」

 

「褒めてねぇよ?」

 

「そうですか、残念です。」

 

 

 

相変わらず微妙にずれてるなマユは……まぁ、其れと付き合ってるアタシも大概だとは思うけどよ。

 

んで、発掘する事20分!出て来たのは……何だこれ?

 

 

 

「如何やら祖父のコレクションの様ですね?

 先ずはエントリーナンバー1、『明日の天気は』を延々と繰り返して予報に行かない天気予報人形。」

 

「ただ単純に壊れてるんじゃねぇのか其れ?」

 

「エントリーナンバー2、明らかに一度剥がされた跡のある『大魔王封印』のお札が張られた信楽焼の壺。」

 

「オメェの家、呪われたりしねぇよな?」

 

「エントリーナンバー3、何処をどう見ても融合事故を起こしたとか思えない、羽の生えた人面犬のような何かの木像。」

 

「最早、訳分からねぇな。」

 

ったくほとんどガラクタじゃねぇか……お前の爺さんは、一体何を思ってこんなモンを地中に、しかも御丁寧に土に浸食されないようにステンレスの箱に入れて保存してたんだ?

お宝鑑定番組に出しても、1000円行けばいい所だろ此れ等は!!

 

 

 

「因みに、生前に出場した事があったのですが、その時は番組史上最低額の10円を叩き出しました。」

 

「其れはある意味スゲェわ。」

 

「ですが、祖父にとっては此れ等は紛れもなく宝物だった筈なのですから、其処に価値を付ける事自体がナンセンスなのかも知れません。

 第3者が何を言おうと、祖父にとっては価値のあるモノだったのですから。」

 

「其れは、確かにそうかもな。」

 

ったく、普段はぼ~っとして、何を考えてるのか分からねぇが、時々核心を突いた事を言うんだよなマユは。

時にマユ、お前今日の夕方何か予定有るか?

 

 

 

「いえ、特に予定はありませんが?」

 

「なら良、夕方からはメユも誘って夏祭りに行かねぇか?――ってか、夏休みに夏祭りは外せない、だろ?」

 

「良いですね、その提案乗らせて頂きます。」

 

「なら、決まりだな♪」

 

夏のイベントとして夏祭りは外せないからな。

夏祭りと言えば浴衣が正装なんだろうが、生憎とアタシは持ってねぇから、不良ファッション夏バージョンで出る事になるだろうけどよ。

だが、一代ヤクザ組織のメユは、きっといい浴衣を来てくるんだろうな……楽しみだ。――夏祭りの始まりが待ち遠しくなって来たな此れは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

キャラクター設定

 

 

 

・中西絹江

真雪のクラスメイトで友人。愛称は『キヌ』。

真面目な性格で、真雪のクラスの級長を務めている。

 

 

・御園一華

真雪の友人の一人、雪奈が呼んだ愛称は『イッカ』。

歳の割に落ち着いた話し方が特徴と言えば特徴。

 

 

・篝美咲

真雪の友人の一人。愛称は『ミサ』。

底抜けに明るく、ムードメイカー的な存在になっている。

 

 

・二片・トリッシュ・伊織

真雪のクラスメイトで友人。雪奈からは『イオリン』と呼ばれている。

 



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