人類の脅威が蔓延るこの世界で (rou-te)
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Amazons route end. To riders.

アマゾンズの世界にて



序章その1


 

とある街の日中。

 

普段なら住宅やマンションが立ち並ぶ閑静な街の広場では子供が遊び回り、その親達が談笑するなど平和な日常が送られる。

 

しかし、今は夏を前にした季節の影響によるものか雨が振りしきっている。

またそんな曇天の中で人々は気付かないが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そんな中、いつもなら見られる人々の姿は無く、代わりに街頭のあちこちから人型の大きさでありながらも明らかに異形の姿を持つ怪物があちこちから現れ、雨を受けて苦しむような動作をする個体もあれば、雨など介さぬように建物内にいる人々に襲いかかりそのまま命を奪いながら捕食している個体もいる。

……そんな異常事態が発生している街の一角にて。

 

 

 

 

二つの人影が相対していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っっと、シグマの姿を維持出来なくなったという事はこの振り続ける雨に混じった対アマゾン用の薬剤(トラロック)が全身に渡ってきたって所か。

……ということはもう時間切れ、だな。

が、これだけの時間オマエ()を引きつけることが出来ればあいつらも悠やマモルたちと合流することも可能な筈だろう。

全てのアマゾンを狩り尽くすオマエ()をここで足止めするという俺の役目は十分に全う出来た、という所だな。」

 

 

 

 

雨に打たれている、腰に獣の顔を模したバックルを付けた青年が、同じく腰にバックルを付け燃えるような赤く更に傷が多く走っている装甲を纏った、蜥蜴とかげの様な人型の怪人に話しかけている。

青年のバックルは銀色に煌めき、赤い蜥蜴の怪人はバックルにある目に見える部分が翡翠のごとく輝いている。

 

 

 

(じん)……。

俺が自分の体から採取して作った特別な抗体を打ちんだ上で元々腕輪を付けられていた通常の個体ならばこの(ふるい)を乗り越えられれば、既に覚醒していたとしても人と同じように願いと想いを強く持ち続ければ俺が開花させられなかった進化の力によって自身の意志で()()()()()()、あるいはアマゾン特有の()()()()()()()()()()()()筈だ。」

 

 

 

青年は既に戦闘の構えを解いて、最後に世間話でもする様に目の前にいる異形に話し掛ける。

 

 

 

 

「……。」

 

 

 

 

赤い蜥蜴の怪人────(じん)と青年から呼ばれた者は警戒を解かないまま、目の前の青年から投げ渡されたジュラルミンケースをチラリと一瞥した。

 

 

 

 

「それは、お前の分。

また以前みたく不意打ちされて拘束・拉致されてあの会社か、あるいはあの糞気に入らねえ国際営業本部長の野郎に奪われる可能性もあるだろうから、念を入れて同じのを七羽(ななは)ちゃんにも渡してある。」

 

 

 

「俺がこれを使うと思うのか?」

 

 

 

「それは、自分で決めればいい。

自分の運命だ、自分で決めろ。

あとお前か七羽(ななは)ちゃん以外が開ければ自壊するように調整してあるからその辺は気をつけろよ。

まあ、2年前の件で野座間製薬会長(あんのクソジジイ)に騙されていたとはいえ約4千の実験体(アマゾン)を脱走させたのは俺であるし

それから生きてく途中で生きるために食うだけだった餌としか見てなかった人間たちとの生活、俺たちと違って本能に呑まれたくないと人のように生きていたいと願う同胞たちとの生活の2つを経験させて貰ったからな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

 

このくらい安いもんさ、と挟み込み、

続ける。

 

 

 

 

「……自己満足であるしお前に言わせりゃ中途半端なんだろうが、俺は()()()()()()人の心を失った奴(畜生に成り下がった屑)()()し、()()()()()()()()人の心を保ててる(人とそう変わらない)奴なら絶対に()()

それぐらいしか、俺をここまで変えてくれた人達に示しがつかねぇ。

・・・・・・話を戻すが抗体に主として使っているアマゾン細胞すら変化させることすら可能な進化の力。

全身に分散しているから解明しきれなかったが何らかの切っ掛けで一箇所に集中させて更に上の段階に上がれるならまた何らかの力を発現することも有り得そうだが・・・。

時間が足りなかったな。

調べた感じからして明らかに一握りしか研究出来なかった。

この力の正体を最後まで解明できなかったのは少し心残りではある、が。

まあいい、もう俺も長くは持たねぇだろう。

最後がお前ならまぁ悪くは無い、さあトドメをさせ。

 

仁。」

 

 

 

 

「……っっぁぁああ!!!!」

 

 

 

[violent slash!!!!]

 

 

 

 

仁はバックルに付いたグリップを回し、そのまま勢い良く腕を青年に突き出そうと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────瞬間。

 

 

 

 

二人の間に、透明な壁が現れ中から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が現れた。

 

 

 

 

 

「っっぅなんだ、君は。

ピンク?

一体何者かな。

急に現れて……。」

 

 

 

突如として現れた仮面の戦士は、話しかける仁を無視して青年の方に近付いて来る。

 

 

 

「ピンクじゃない、()()()()だ。

そこは大事なところだ。

……仮面ライダーアマゾンズの世界に本来なら存在しない筈のアマゾン、そして()()の力の欠片を持つ者か……。

ふむ、大体わかった。」

 

 

 

 

 

否、色の間違いだけは許さないらしい謎の戦士は、そう呟くと何事かと警戒している青年を無造作に掴んで自身の腰にあるバックルにカードを差し込む。

 

 

 

 

『 Atack ride 』

 

 

「invisible!!!!」

 

 

 

 

バックルから音声が流れ、マゼンタカラーが特徴な仮面の戦士とその戦士に掴まれた青年は、その場から消え失せた。

 

 

 

「……はっ?!オイッッ!!!!何だって!!「ギチギチギチギチ……」っっ?!」

 

 

 

思わず声を出しかけた仁。

そこへ建物の陰から蟻を模した人型の怪物が出て来てくる。

その数、三体。

 

 

 

「はっ、()()()()()()()()()()()()()()()()は真っ先に潰しておきたかったが……。

また後で探し出して殺すかぁ、先ずは俺がつくったお前らから殺してやらなきゃなぁ……。

お前らをつくるの大変だったんだぞぉ

本当になぁ……。

……だから俺が責任持って殺し尽くしてやるからなぁぁああっっっっ!!!!」

 

 

 

 

特定の生物にとって死の雨が降る中、この街で再度生存を掛けた戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずここでいいか。」

 

 

 

 

 

首根っこをマゼンタカラーの謎の仮面の戦士に掴まれたままで青年は星々が瞬き合う空間に連れてこられていた。

宇宙空間だろうか、地球を見下ろせる位置に立っている。しかし普通は無重力下ではこうやって平面に立っているように立つことなど出来ないはずだが……。

よく見れば眼下の地球は複数個あり、そのどれもが()()()()()()()()()()()()()()()()かの様にそれぞれ近づいていっている。

 

 

 

 

「何だここは……。

というかそもそもお前は一体何者なんだ、アマゾンの気配が全くしないのにその変なドライb「俺は、通りすがりの仮面ライダーだ。今回のはちょっとした厄介事を頼まれただけだ。」……は?」

 

 

 

 

仮面ライダー。

腰に着けているドライバーを操作して変身を解除し人の姿になった男はマゼンタが鮮やかな二眼レフカメラをこちらに向けて困惑したままの青年を相手にいつもやっているかのように勝手に写真を撮り始める。

 

 

 

 

「あの地球は、未r……まぁいい。下を見てみろ、()()()()。」

 

 

 

 

何かしら言いかけたカメラの男だったが途中で頭を振り青年へと別に言葉をかける。

男に言われて青年が自分たちが立っている下のほうを見てみると先程はまだまだ距離があったように思える複数の地球が中心の地球と重なり始めている。

それを不思議に見ているとどこからともなくとてつもない耳鳴りが頭の中を駆け巡り、青年は思わず耳を抑え目を瞑ってしゃがみ込む。

しかし目を瞑っているというのに視界に、()()()()()()()()()()()映像が巡り始める。

 

 

 

 

「────ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」

 

 

 

 

たとえ叫んでも脳内に写し始められた光景は止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────それはあの世界あの地球にてこれから起きうる可能性の光景。

 

 

 

 

 

 

雪山の中で足元に倒れる死体を意に返さず笑い続けているのは、鍬形虫を模し、雪原の中にて真っ白なキャンバスを人々の血で真っ赤に染めあげる降り続く雪と同じ色の装甲に金の羽根の様な装飾を纏った白き闇の王(究極の闇を齎す者)

 

 

 

鏡の世界から次々と現実世界へ現れ、際限なく飛来し逃げ惑う人々を喰らい、或いは鏡の世界へと連れ去り消滅させていく青い蜻蛉の様な怪物(レイドラグーン)

 

 

 

全国、全世界に配られた謎の青い薔薇が一斉に咲き、薔薇に命を奪われて灰となり生命を散らす人間達と灰にならず新たな生命として生まれ出る、人型または異形の怪物(オルフェノク)

 

 

 

五十三体目 ジョーカーの勝利と判断されることにより、巨大な石版 モノリスより無限に湧き出る、緑の爪を持つ蜚蠊に似た生命体(ダークローチ)

 

 

 

封印していた楔が解け完全な姿で復活した魔化魍ヤマタノオロチは野山どころか都会まで降りてきて生贄として選んだ人間達を建物ごと破壊しまとめて喰らっていく。

 

 

 

シェルター等に隠れ、助けを祈っている人々を嘲笑うかの如くにその人々の一部から現れる、人に擬態した(ワーム)

 

 

自分達の望む未来へと繋げる為に、人々の過去へと赴く過去改変能力者(イマジン)

 

 

 

一時は絶滅に追いやられ掛けた一族(レジェンドルガ)の悲願である(ロード)の復活。

原因の種族(ファンガイア)の王である闇の鎧を纏った者(ダークキバ)や、それぞれの王に付き従う者達。

 

 

 

 

それらが。

 

 

 

 

()()

 

 

 

 

()()()

 

 

 

 

()()()

 

 

 

 

()()()

 

 

 

 

それぞれを混じえながら、殺し、壊し、蹂躙していく姿。

 

 

生きたまま、プラズマ化させられて焼死していく。

 

 

鏡の世界に連れ込まれ、身体が全て消滅していく。

 

 

死を乗越え新たな生命へ進化した異形の者達による青い触手などにより絶命し、灰へと崩れていく。

 

 

無限に湧き出る緑の爪を持つ蜚蠊の様な生命体に群がられ倒れ伏していく。

 

 

巨大な獣に捕まり抵抗も虚しく捕食されていく。

 

 

長年一緒に過ごし、心を通じあったと信じていた者や、育てていた者が蟲へと変異し絶命させられていく。

 

 

先程まで目の前にいた筈の人が、まるで過去が書き換わり存在から未確定になったかの如く消えていく。

 

 

生命力を吸い取られ尽くして、服だけを残して消えていく、或いは襲われていた人が襲っていた種族に変異して新たな異形となっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『助けて救けてア゙ア゙ア゙ア゙ア゙たすけてだずげで痛いイタイいたい誰かダレカだれか腕が足が耳がア゙ア゙ア゙ア゙ア゙消えるキエルあなたはだれ私は私ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙熱いあついアツイたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでもたすけてだずげでたすけてたすけてたすけてたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてだずげでたすけてア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

────絶望。

 

 

終焉へと向かう世界の人々の苦しみの姿、叫び、死への恐怖が直接流れ込んで来る。

 

 

 

「……あ、ああ、、あ、あ、、、、あ……。」

 

 

 

世界の全ての人の命、それが散っていく叫びを受けた青年は白目を剥いて涎を口の端から垂らしている。

 

 

 

「アマゾンの中ではそれなりに精神性は高かったようだが超越精神の青すら十全に使いこなせないなら流石に世界の滅亡を見て耐えられるわけが無い、か。

やはり無理だった様だな。

もう俺は帰ってもいいk

────そのときこの空間の上の方から淡く明滅する一枚のカードが現れ、心神喪失している青年の前に降りてきてその胸に、すっと溶けて入っていった。

 

 

 

「火の天使、いや光の力か。

こんな面倒な事に俺を使うな。

世界を渡ってコイツを連れて来させるなんてのは自力でも出来るだろ。

いいか、俺はもう帰るぞ。」

 

 

 

そう言って二眼レフカメラを持った青年は、いつの間にか音も無く後ろに立っていた白い服の青年────光の力を相手に失礼な物言いをしつつ仲間の待つ世界に戻ろうとしている。

 

 

『 待って下さい。最後にアレをお願いします。先程の世界で回収して来ているのでしょう?』

 

 

「内蔵式シグマのドライバーか……。

こいつが野座間製薬から盗んだ技術で独自に作っていた試作品だが、何かの時に海東への保険として使うつもり

 

『 ……。』

…………わかったわかった。

ほら。

代わりにさっきまでコイツが使っていた純正のシグマのドライバーは貰ってくぞ。」

 

 

 

そう言ってどこからかドライバーを取り出し、既に意識が失っている青年に向けて放る。

ドライバーは青年へと放物線を描いて飛び、青年の腰に勝手に巻き付き、先のカードと同じく青年の体に入っていった。

 

 

 

『 あとは生命の危険があるトラロックの薬剤だけ抜いておきましょう。』

 

 

 

「じゃあもういい加減帰るからな。」

 

 

 

青年は意識のないまま、いつの間にか完全に重なり合いながらもしかし崩壊せずに一つの地球として安定している世界へと、白い青年が手を挙げ出現させた透明な壁によって知らずの内に送られていったのだった。

 




〇主人公 原作アマゾンズに存在しないアマゾン。

生まれる際に並行世界に存在する『光の力』により、アギトの力を埋め込まれるもアマゾンズの世界では最後まで変身に至るどころかその片鱗すら扱えなかった。
誕生の経緯としてまだまだ試験途中でアマゾンを完成させるよりも以前、失敗した検体達をまとめて処理していると死骸の中より産まれ出てきた。
こいつが生まれたせいでアマゾンは死ぬと形を残さず溶けてしまうように調整されたとか(適当)
天上会長に口先三寸で騙されてアマゾン達を脱走させていた。
野座間研究所で研究員としてアマゾンズドライバーの研究をしていたのでドライバーを独自に作っていた。
トラロックのとき人として行きたいと願うアマゾンたちを生かすために仁の足止めをして殺されるつもりだったが、某世界の破壊者に拉致られ意識のないまま自身が国際営業本部長のところから盗んだ技術で試製していた内蔵式ドライバーと謎のカードを手に入れる(強制)。
現在意識を失っているが白い青年から謎のカードを入れられるという外からの切っ掛けを与えられたので目覚めろ、その魂!!!!して色んな記憶を呼び起こされる…………筈。



〇最近ジオウの世界でも通り過ぎている通称もやしこと、INUE兄貴。

「大体わかった。」の汎用性が高すぎる。
DCDなら何をしても大体しょうがない感じがする安心感。
この後は海東に
「司。
アマゾンズの世界に寄って来たんだってね、死体を動かすドライバーは無かったのかい。」
とか言い寄られてまだ渡す時ではないのであしらうのに苦労しているとか。

ちなみにベルトの色はマゼンタ。
ジオウ未視聴の方々には本当に申し訳無い。
これも全部、未来の魔王ってやつのせいなんだ。



〇白い青年こと火の天使であり光の力


正史の方とは別の、人?一体?一柱?、別の存在
そのまま主人公を平成一期統合の世界に送ると、溶原性細胞の危険が危ないなので
「せや、進化させればどうにか人間になったりするんやろ。」と言う思い付きでアギトの力を目覚めさせるために切っ掛けとして裏面が赤い謎のカードを投げ入れる。
なお、このままだとアマゾンがアギトの力で謎の方向に進化し新しく悪魔G細胞(自己進化再生分裂するアレ)になってしまうので、どうにか人間に近づいて貰う為に一工夫必要になってくる。
(野良フェノクさんをチラリ)


〇知らない仮面の戦士に殺す寸前だった相手を連れていかれたが、近くに別のアマゾンが湧いてきたので優先度的に近い方から殺しに行く鷹山仁ことTNGTの兄貴



この後は正史通りに生き残りのアマゾン達を追いかけるも時間稼ぎされたので逃げられた後七羽さんに保護される
その後、薬剤を長く浴びたせいで顔が焼けただれ正気を失っている間に七羽さんから主人公が渡したケースの中身を打たれ、身体は無事元通り(人間)になる。
ただ体の方はともかく心が戻るまで時間がかかったので、正気に戻った時には千翼君が七羽さんの中に……

数年後、黒髪ロングのjkに実の姉弟のように良く懐いているショタとそれを見守る二組の親子の姿があったとか。


因みに送られた先は某ラスボス系主人公が絶賛頑張っているライダー玉突き事故の世界によく似た世界
全く一緒ではない
ko-ji君達はいない


時系列はクウガの半年前からを予定
しかし順番通りクウガだけをなぞるとは限らない
と、思う


全ては書いてみてからなのだ。
と、良く言われるのが非常にわかる
分かる人だけに向けるが、書いてみるとあの作者様や、作品を生み出される方々の凄さが本当に身に染みてくる


一度しっかり物語を書いてみようとすれば分かる
描写、心情、人の動き、一つ一つがとてつもなく難しい
何度確認しても書き直したくなる


一次は特にだけど二次だとしても創作者は偉大すぎる……


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The riders world of the truth.

前書き

前回の形になった経緯
(N人公SSを読みながら)この作品は至高で更新後すぐに読むぐらい好きだけど、この世界観ならまた違った道を歩む(別な)主人公も見てみたいなぁ。

……せや!自己満足で良いからやってみよ!
(やってみて)無理な感じやったら消せばええやん!

あ、でもその前にAmazonPrimeでちょっとライダー成分でも摂取してから……。



(息抜き中)


(お前は誰だ〜♪俺のな〜かの俺〜♪影に隠れた〜♪そのすが〜た見〜せろ〜♪)

→出来上がり後
「何故こうなったorz。
そもそも主人公人間じゃねぇ!!!!」


しかしもっと良いアイデアが生まれて来ない。



助けてSSマン!!僕にアイデアを生み出す力を!!!!




それはさて置き前回までの三つのあらすじ!!


仁の足止めに成功するも通りすがりのもやしに拉致られてしまう


世界の終末を見せられ精神が耐えきれず意識を失ってしまう


意識の無い間に謎のカードと内蔵式ドライバーを体に入れられライダー玉突き事故の世界に送られてしまう



(前話を見て)信じられるか?
序章でこんな見せ場ない扱いをされてんのに主人公だってんだぜ………コイツ。


あ、今回も序章です。

次話からほんへの予定(未定)



目が覚めたのは暗い船底の一室────コンテナ群が積み重ねられていたので貨物室だったのだろうか。

壁に叩き付けられる豪雨の音と酷い揺れによって起こされた俺は、前世────仮面の戦士達(仮面ライダー)が日朝の特撮ヒーローとして子供達を中心には勿論だが、更に大人達にも広く認知されている世界での記憶が蘇った。

 

 

また、前世の人としての記憶が蘇った事でアマゾンとしての記憶や目覚める前に見せられた世界の記録に正気を奪われない様に、などと思えるほどの精神力が元一般人である俺にはある筈が無いにも関わらず、何故かアマゾンとしての俺が生きていた時から内に存在していた火の天使の力の欠片、アギトの力の一つ超越精神の青が無意識に発現していたのだろうか、発狂することも無いまま暫くはアマゾンの記憶と前世の人の記憶を統合するのに錯乱気味になりながらも時間がかなり過ぎてさっていた。

また統合の途中で気が付いたがこの身体の元々の主であり、人間の記憶を持つ俺が目覚める前までの以前アマゾンとして生きていた俺は、世界の終末とでも呼ぶべきあの光景を見せられたせいか()()()()()()()()()()()()()()()()

意識を自分の内側に向け集中すると一面の空と水面のみが存在する精神世界の様なところに入りこむことができて、アマゾンとして生きていた自分と同じ姿をした青年がいるのだが椅子に座ったままに虚空を見つめ目の前で何をしてもうんともすんとも言わないのである。

(しかしお陰で二重人格の様にならなかったのは、幸運だっかのもしれないが……)

前の俺(かれ)には黙祷を捧げておく、結局最後まで使えはしなかったが今の俺が目覚める前からアギトの力を宿していたのだから、もしかすれば今は返事が帰ってこない彼も目覚める可能性があるのかもしれない。

 

 

 

記憶の統合やこの身体に慣れる為に軽く運動と称して人間に不可能な動きとかに我を忘れてやり過ぎた結果、更に時間を奪われたのちにコンテナが積まれた部屋を出て船内を軽く見て回った結果分かったのだがどうやらこの場所は「()()()()()」という船の中らしい。

未だ自分が置かれた状況の全容は飲み込めないままだが、多少はその糸口が見えてきたので最悪の事態を想定しつつも静かに行動を始めることにした。

 

 

 

とにかく外へ出ようと階段を登り、アマゾンの身体となったことで人である時には存在しなかった感覚があるためなるべく人の匂いが薄い方の甲板に出る。

甲板へ出ると嵐の中を進んでいるかのような豪雨の中に強化された聴力により青年の響いてきたので物陰に姿を隠しながらも音がし続けている方へと視線を向けると、某賀集利樹似の津上翔一青年(いや、この頃は記憶喪失になっていない為にまだ元々の沢木哲也か)が、謎の青い怪人から襲いかかられている所だった。

 

 

 

……これは驚き酷く焦った。

先程も思っていたのだが「あかつき号」と言う名称は俺が元と々生きていた世界では確かに存在していたのだが、寝台特急の列車がそれにあたり決して船では無かった筈だ。

……個人所有などの小型船ならばその例に漏れるが、軽く見て回っただけでもそれなりに規模がある船の様であったのでその可能性は限り無く低い。

そしてなによりこの嵐の中で運航しているという状況である。

……正直襲われているのを発見せずとも船の名前と嵐の中での運航という状況証拠が揃っている時点でほとんど確信を得ていたが、まだその時は真実から目を逸らす事にしていた。

つい数時間前に目覚める前までは一般人だった俺には非現実的過ぎてそう簡単に認めたく無いことだったからだ。

 

 

 

 

 

しかしこれを見てしまっては()()()()()

どこの世界に嵐が来るのを分かっていて運航を決定する船があるか。

運航途中で超常の存在の介入による天候変化でもない限り、このレベルの嵐での運航と言う状況は存在しない筈である。

 

 

それに、だ。

先程まで襲われていた津上青年は既にある姿へと変わり謎の青い怪人に抵抗している。

その姿は。

金の二本角に輝く全身の装甲。

胸のワイズマンクリスタル。

両腰に二つのスイッチがあり中央に賢者の石が嵌ったバックル。

素人目ですら分かる武の達人にも迫ろうかという洗練された動き。

謎の青い怪人と呼んでいたが鯨をモチーフとした姿で人間(ひと)の匂いが内側から全くしない人型の異形。

自分の人智を超えた五感が狂っていなければ目の前で起きている戦闘により齎される本物の金属音。

 

 

間違い無い。

もはや目を背けることなど出来ないまでになった。

この世界には前世では存在しなかった超常の存在。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

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しかし現実をはっきり認識した所で状況は良くなどならない。

そもそもとして他の人間は勿論だが、今の時点で水のエルになど見つかってしまえば未だこの身体の扱いに不慣れの、戦闘も記憶の中だけという状況では発見されてしまえば抵抗どころか、全力の逃走すら成功する確率が低いという大変危険な状況にある。

これは(昔の様に)俺が純粋な人間であったのならまだ僅かな可能性として見逃して貰えるかもしれなかったが、今の俺は心と姿は人間だが体の構造は間違いなくアマゾン(人を喰う化物)なのである。

今も何故か過去を思い出しその力を認識したからか使えている超越精神の青によって、人よりも強い五感から感じる人間の香ばしい匂いから自然と溢れてくる食人衝動を無理矢理抑えつけているが、これもいつまで持つか予想がつかない。

もし水のエルに発見されてしまえば直ぐにでも二度目の死となる可能性が非常に高いだろう。

何が起きても対応できるよう俺はアマゾンシグマへの変身をしながら(記憶の統合途中に突然ドライバーが現れて変身出来た)、荒波打ち付ける船体に張り付き、気配を殺して戦闘の収まりを待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

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暫くは打撃音や戦闘による金属音が聞こえていたのだが、一際大きな音が聞こえたかと思うと甲板の方から人影が投げ出され嵐の海へと落ちていった。

……メタな視点から言えばここで津上さんを自己保身で見捨てて放置しても二週間程海を漂流するぐらいで無事五体満足で海岸に打ち付けられるのを知っていたのだが。

 

 

 

 

 

ここは間違いなく現実世界だ。

 

 

 

物語の中では無い。

 

 

 

 

自分が知っている仮面ライダーの物語と全く同じように物事が進んでくれるとは考えないぐらいの警戒心は最低でも持っていた方が良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしやはり泳いでこの船から脱出するしかないのか。

確かに今の身体は人から外れた力を持っているけれども……。

意識が無い人間は重いからな、人一人抱えて陸まで泳ぎ切れだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

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……その後は海中を流されていたアギトこと津上青年を抱えて、何度か迷子になりながらも着岸した後に関東へ行き、無事美杉邸前に置いてきたり、ある企業の会長から勧誘をされたり、その会長から業務の一環と騙されて海外の山々や遺跡に連れていかれたり……。

 

 

 

 

 

 

……おかしい。

あかつき号が嵐にあっていて長野県にて古代遺跡発掘の可能性?!とかのニュースだけならまあこじつければ世界観は繋がるし……多少違和感がある程度で済む話だけれども。

俺を勧誘した会長は()()()()()()()()()()()と言う企業のトップを勤めており、正式に雇われ連れて行かれた海外の道中で()()()()()()()()()にも出会ってしまった……………。

 

 

 

まさか清明院大学や流星塾、人類基盤史研究所、NPO団体・TAKESHI、ZECT、素晴らしき青空の会やその他諸々とか存在してないよな……。

 

 

長野に来る前、

「会長が探せる資料の中で、一番古い歴史の文献を纏めておいて下さい。

それとさっき言った企業や団体、学校や世間に普及している一般的な文化とかもお願いします。」

とは言って来たけど……。

なにが「丁度良い。遺跡に行くなら魔石も発掘して来てくれたまえ。」だよ。

何処の変形機構自販機に魔石や霊石の力(モーフィングパワー)的な技術を組み込むつもりだ、あの甘味誕生日会長。いや、待てよ自販機はこれから先更に全国にそれこそ爆発的に増えるはず、……使えるかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……っと、ここか。」

 

 

 

 

月明かりが差す、長野の山中にて。

青年が一人呟いている目の前。

……そこには小さな石棺があった。

石棺を開けた青年は中に納められていたバックルを手に取り、自分の記憶と相違ないものと見当付ける。

 

 

 

「長野県に九郎ヶ岳が存在しているし、ニュースで古代遺跡の可能性とかやってたからもしやとは思ったけど

クソッ!!

やっぱりあるのかよっ!!アークル《クウガのベルト》!!!!

しかしコレがここに存在するってことは……。」

 

 

 

 

青年は近くの地面を鋭く見据え、封印が解けた事によって地中から這い出ようとしている存在を超能力(テレパス)、また人間とは比べ物にならない(アマゾンの)嗅覚で捕捉していた。

 

 

 

 

「やはりいるよなぁ、小説版に存在した3体のグロンギ。

ともかく頼まれた物は持ち帰る、が。

その前にそろそろ食欲が抑えられそうになくなってきてる……限界、か。

あかつき号からしばらくは普通の蛋白質(通常の肉)を多めに摂ってアマゾンの本能を誤魔化して来たけど、この飢餓感は酷過ぎる。

最近じゃ道行く人達がステーキに見え始める始末とか、ありえないだロ。

正直青の力込みでも()()()()()()()()()()()()()のが不思議なくらいダ。

……これハ俺が人でいる(心まで怪物にはならない)為に必要な事だ……喰わなきゃ、シぬ。

恐れるナ、少しの間本能に任せルだけ(抑えるのを辞めるん)……ダ。

ルーツを辿レバ元々は人間だっタンだろうし、俺が言えた義理ハ無いがドうせ人を殺す遊戯(ゲーム)をするだケデ何ら非生産的な存在だ。

だから……。

俺の理性の為に死んでくれ(アア芳醇ナ人間ノ肉ガ香ル旨ソウナ匂イダ)

もう待ちきれ無い(ハヤクハヤクハヤクハヤクハヤク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タベタイ(たべたい)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

都内にある未だ隕石による被害など全く存在しない渋谷区の一画で鎮座する企業ビル。

 

 

 

「全く人使いが荒いですよ会長。

取り敢えず頼まれた物は有りますが、先に資料を下さいね早急に確認したい事があるので。」

 

 

 

「……。」

 

 

 

「素晴らしいッッ!!!!

確かに後から頼んだのは此方だが、自分が欲したものを率先して貰おうとするその姿勢。

実に良い欲望だッッ!!!!

……が、此方も頼んだ物はしっかり頂こうか。

勿論だが技術に転用出来るかの解析が済めば君に返そう。」

 

 

 

「……。」

 

 

 

青年の前には様々な古い文献が纏められたファイルが置かれる。

それを見て青年は懐からこぶし大ほどの石────魔石ゲブロンを机の上に載せる。

 

 

 

「扱いには十二分に気を付けて下さいよ。

コレ、俺並かそれ以上の危険物ですからね。

下手を打って適性がある人間に埋め込んだりなんかすればこの辺り一帯火の海ですからね。

まだ隕石が落ちてきてないんですから、先に渋谷を廃墟にしないで下さいよ。」

 

 

 

 

「……。」

 

 

 

 

「まぁ、それはさておき。

これがグロンギという怪人に内包されている魔石か、大きさだけで力を測れない事は良く知っているが、これによって人間が怪人へと変化すんだね。」

 

 

 

「……。」

 

 

「では、この資料は拝借させて頂きますよ。

仕事はしばらく休みでお願いしますよ、っと。

「……で、ここへ来た時からずっと君の後ろにいるその綺麗な少女は何処の娘なんだい。」…………………………oh。」

 

 

 

そう、先程から沈黙を続け話には全く入らなかったが青年が部屋に、否ビルへ入る時から一人の少女がずっと青年の後ろに付いて来ていた。

 

 

 

160後半に届くかという女性では高めの身長。

髪は背中まで伸ばした艶やかな黒のロング。

顔はやや幼さを残しながらも無表情と言うよりかは冷静そうな表情によって大人びた雰囲気を醸し出している。

スタイルもモデル並かそれ以上のスレンダーに見えるが出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでという大変見目麗しい限りだ。

 

 

 

両目のエメラルドグリーンが日本人離れして、その美しさを更に際立たせている。

 

 

 

 

「先程話した通り遺跡には封印されていた未確認生命体が居ました。

二体は会話にもならず俺が処理(ころ)しましたが、コイツは何をトチ狂ったか起きるや否や「お腹空いた!!ご飯!!!!」とか言い出しまして。

持ってた食料を渡したら何か犬みたいにくっついて来る様になりました。」

 

 

 

青年は顔を寄せ後ろに立つ少女に聞こえない様に会長に伝える。

 

 

 

「さらに現代の文化に慣れてないので、目を離すと店頭や屋台に出ている食品に飛び付いて行こうとする様な非常識さと食欲の権化です。

目を離した隙にそんな事ばかりしていたので仕方無く連れています。

 

……会長、引き取って貰えませんか。

財布の中身が全てアイツの食費で無くなりそうなんですよ。」

 

 

 

「……いや、いくら私でもそれは御遠慮頂こうかな。

代わりにだが君と同様に公的な身分の処理(面倒な諸々の手続き)はしてあげよう。

そ、そういえば急いでいるのではなかったかな、その娘の事はこちらでやっておこうか。

しばらくは休みたまえ。

……色々やる事があるのだろう。」

 

 

「……ありがとうございます。」

 

 

青年は舌打ちしそうな表情をしながらも言葉は素直に礼を言って部屋を出ていく。

後ろの少女も特に何も言わず黙って青年に付いて部屋を出ていく。

 

 

「……ふぅ。(確かに最近社員にもケーキを食べさせ始めたが食べさせるのは誰でも良い訳では無いのだよ。

今回の報酬はいつもより多めに用意しておこうか。)」

 

 

 

一人部屋に残された会長は心の中で青年へと黙祷を捧げた。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

最悪だ……。

これは流石に洒落にならねぇ。

一応、頭の片隅で置いといた可能性である漫画版が統合されてるよりかはマシかもしれんが、世界を回るとかそんな余裕な事やってられない……。

何か準備するとかそんな規模(レベル)の話じゃない、手段なんて選んでられないぐらいに生き残れるか分からない世界、か。

幸いかどうかアマゾンズドライバーで変身すれば体が覚えてた戦闘勘で今回戦った感じからして一応「メ」階級までなら何とかなりそうだけど……。

戦わない(関わらない様にする)のも一つの生き延びる方法かもしれないな…………。

 

 

 

「…お……………い。」

 

 

 

いや無理か、今年はともかく来年は向こうから襲い掛かってくるしそもそも俺が人間じゃない(アマゾンである)……か。

猶予は少ないが逆に考えればまだ今の内なら遺跡から持ち帰ったベルトとゲドルードもう一つのゲブロン、そしてアイツの……「…………い。……おい。おいっっ。」

 

 

「おいっ、いつまで一人で瞑想しているのだ。

っというか先程のアレは一体何のつもりだっっっ。」

 

 

 

見ると少女が髪の毛を逆立たせる様に怒りのオーラを纏い青年の前で仁王立ちしていた。

 

 

 

「なんだよさっきのアレって。」

 

 

 

「とぼけるなっ、先程は人前であったから黙っていてやったがこの私を非常識な食欲の権化だと言って愚弄したことっ。

わっ、忘れたとは言わせんぞっ。」

 

 

「なんだその事か。「その事とはなんだっ、その事とはっ、おま

 

 

「じゃあ素直に真実を言ったら良かったか。

多少はこちらの都合を知ってくれてるけれど、未だどちらかと言えば一般人よりの会長に対して全部説明しろってか。

……目覚めた嬉しさの余りすぐ近くに居た俺を゛ンの称号゛を持たないグロンギの分際でゲゲルのルールも無視して襲い掛かり返り討ちに遭い

そのまま俺に殺される寸前でお前の腹から爆音が鳴って、優しい優しい俺の非常食及び甘味を渡したら完全に餌付けされ、一時的に俺の共犯者に成り下がった元古代人ことグロンギの少女A。

なあ、りn……いや、ゲラグちゃん。

なーにが不満なんですかね。」

 

 

 

「……あっ、あっ、あの時の私は普通ではなかったのだっ。

永きに渡る封印の中で戦闘の勘も鈍っておったし、何より私が生きた当時はあんなに美味しい食物は存在していなかったのだからしょうがないではないかっっ。

あのはんばーがーや、ど、どーなつ?と言う素晴らしい食べ物に心奪われてしまうのは当然だ!!!!」

 

 

 

「はいはいはいはい、しっかし誇り高き(笑)戦闘民族たるグロンギ様がMックやMスドに負けるとはなー。

(某駆除班のモグラかよ……。あっちの方が精神的に幼くて純粋な分可愛げあるけど)

もういっそ新しい名前もMック・ゲラグ・Dーナツとかにするか。」

 

 

 

「貴様ぁぁっっ「嘘だよ。さて冗談は置いておくとして、“(りん)”。

ほれ、Mック。」

「ぐっ、そうやって飼い慣らそうとしたって最初の様にに行くとは思うなっ「あ、じゃあいらないね。

それじゃこれは俺がいただきm「下さいぃっっ。さっきのは嘘なのだ、強がりなのだっ、お願いだっっはんばーがーを下さいぃぃぃっっっ。」

 

 

 

やっぱり添加物たっぷりのジャンクフードには勝てなかったよ。

……とか即堕ち二コマをやらかして幸せたっぷりの表情でバーガーを食べている黒髪ロング美少女。

元グロンギ族、クラゲ種怪人、ゴ・ゲラグ・ギ。

改め、食欲の権化こと凛。

 

 

 

(しかし、無力化は出来たから良かったが前の二体同様初撃で首と体をさよならさせてしまうつもりだった所を紙一重とは言え避けるぐらいには戦闘へのセンスがある。

また、それを反射的に動きへ移せるほどの体も作られ、格上との戦闘にも慣れている節がある。

引き込むならあの三体の中では一番の当たりだった訳だ。

まぁ、途中で「ぐふぅっ。」とか言って急に倒れると同時に腹の爆音が鳴るのなんて聞いたら流石にこっちも毒気が抜かれてしまうしな。

 

……こんな腹ペコキャラのグロンギは無かった様に思うからやはり前世の時見たのと差異が現れているみたいだな。

現実である上は当然か……。

会長も遺跡からの発掘品とかは集めてるけど、メダルのメの字も無いし、コイツはドーナツとハンバーガー頬張ってるし……。

というか戦闘民族グロンギェ、個人の趣味とか持っていて人間(リント)とそう変わりないのか、コイツだけ特別変なのか……。

 

……伽部 凛(とぎべ りん)っていう名前には反応したので、何処か元の繋がりがあるっぽいのと気に入ったらしいから新しく゛凛゛と名付けて呼んでるんだが……)

 

 

「で、さっきの会長とやらに貰っておった物を読んで狼狽したと思ったら、物思いに耽り私の言葉にも反応せんかったが何が分かったのだ。」

 

 

「うん。その事か、それも教える必要があるが……

 

 

 

 

────丁度良いから、資料の中にあった昔話のついでにちゃんとこっち側の記憶(前世で過ごした世界の事)も見せておくとするか────

 

 

 

青年はおもむろに少女に近づき、未だジャンクフードを頬張る少女を手繰り寄せてその額に自身のそれを合わせた。

 

 

「っっいきなり何をすr、、まさか、、またアレk

 

 

 

────瞬間。

青年の精神感応で少女へと昔話と過去の記憶が流れ込んでいく。

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

─────────────────────────────────

 

 

「……と、まあそういう事で当初想定していたのと状況が変わった。」

 

 

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はっ、はっ、はっ。……。」

 

 

青年が離れ、少女は一度に来た情報に脳が耐えきれず床に膝を付け掌で自身の頭を抑える。

……が、すぐに腹部から伸びた強化神経組織が脳の損傷を再生させ始める。

それでも少女は心が追いつかず未だ息荒く呼吸を行っている。

 

 

 

「正直に言えば俺も戦える共犯者が居た方が何かと都合も良い上にその方が自分自身の生存率にも繋がる。

だが、この世界の真実は今見せた通りだ。

お前達グロンギのトップであり「究極の闇を齎す者」と呼ばれるダグバだけでなくそれ以外にも俺やその他人類を滅ぼせるだけの存在が、なかなか探せないが先達である力ある者達でも殺せない存在がこの日本や世界中に蔓延っている。

来年なんかは考えたくもない、正真正銘の神が相手だ。

実際には原作の主人公達に任せきるのも一つだが……。

そんな楽観だと足元を掬われかねない、

 

 

これからは中途半端に巻き込む様な真似はさせれない。

今なら俺が殺してやる。

終わりの無い戦いの途中で半ばに消えるくらいなら、いっそ今の内に死んだ方がある意味幸せかもしれない。

それに魔石だけじゃない完品のベルトがもう一本増えれば、早急に用意が必要なベルト(改良版アークル)がそれだけ早く出来ることに繋がるからな。

 

 

 

その上で聞こう。

俺が名付け会長が処理してる最中の゛千歳 凛(ちとせ りん)゛と言う人間として生きるのか。

誇り高き古代の戦闘民族の一人、ゴ・ゲラグ・ギとして俺に再度挑み今殺されるのか。

……お前は、どちらを選ぶ。」

 

 

少女の息遣いが静かに響く中、青年は腰に獣の顔を模したバックルを出現させ宣告通り少女をいつでも殺せる準備をして明確な死の気配を薄く纏わせている。

 

 

 

そんな中、少女は。

 

 

「ひと、つ、……。か、確認させ、て。「なんだ。」

 

 

グロンギとして生きる事を選んで殺されると、もうあの美味しさは。」

 

 

 

「当たり前だが味わえない。二度とな。」

 

 

 

「人間として生きるなr「途中で死にさえしなければ、何度でも味わせてやろう。

……いや、もっと旨いもの(俺や鴻上会長の料理)も食えるかもしれないぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

……そう、な、の、、か。」

 

 

 

 

青年は少女の足元を見る。

こんな状況だというのに少女の口元当たりから銀色のナニカがキラキラと溢れ、少女の足元に水面を作り出している。

色々と台無しなのは間違いない。

 

 

 

「で、答えはどうするんだ。「…………ガー。」なんだ。」

 

 

「とっても美味しかったんですよぉっ。ハンバーガーぁぁっっ、ドーナツぅっ。

それにぃっっっ、もっと美味しい料理っていうのをもっともっと味わってみたいっっ。

あんなに美味しいものやそれ以上の美味しい料理を二度と楽しめないまま死ぬなんてっ、出来ないのおぉっっ。」

 

 

 

……少女は顔を上げながら青年に駆け寄り胸の前に手をやり、ぞいの構えで宣言する。

現代の知識を得た事か単純に精神的ショックが原因かは分からないが先程までの古風な喋り方を辞め、現代の喋り方に変化している。

顔にはゴハンと書いてあり、目にはまだ味を知らぬ料理達を浮かばせている。

頭の中は満漢全席の様に大量の食べ物に溢れていることだろう。

……口の端からは今も(よくぼう)が溢れ出続けている。

実に自身の欲望に正直な様だ。

まだ封印から解き放たれて時間が経っている訳では無いのに、この痴態。

まさか古代でもこんな食欲の化身だったのだろうか。

 

 

 

「つまり……。」

 

 

 

「なるっ、なりますっ、いやっ、ならせて下さいっっ。私、ゲラgいや、私っ、千歳 凛はっ。

 

千歳 コウヤと、色々な美味しい食べm……「は?」っっぐ、グロンギである事を辞めてコウヤ様の共犯者でも何でもなりますぅぅっっっ。」

 

 

 

よし、その言葉が聞きたかった(ん?今なんでもするって言ったよね?)

しかし、一応日本人であるだろう女の子がその表情と口の端から溢れる液体はやめろ。

残念感が溢れて、星二つ半な感じだぞ。

 

 

 

 

 

 

見た目だけはクールな美少女なのに、どうしてこんなになった…………。

 

 

 

 




〇主人公 名前 千歳(ちとせ) 寇鵺(こうや)

前回出てきた主人公の意識はおやすみ中。起きるかは未定
アギトの力が目覚め始めたので前世の人格と記憶が呼び起こされた。
戦闘など全く関係無い生活の中で一生を終えているので小説版のグロンギと普通に戦うと蹂躙されていたかもしれない。
しかし、あかつき号で目覚めてからずっと食人本能を抑えていた(無意識によるアギトの力)のを長野の山中で限界を感じてアマゾンの本能に一時身を任せる事により変身後の性能を十全に発揮。
因みに試作品のドライバーはシグマをもとにしたので姿はシグマと成る
ライオンと猿の二体は一手で詰むことになった、合掌。
死体が人間態に戻ったので本能のまま一体目(猿)のほぼ全てを食い尽くしたからか死体の損壊も激しくゲドルードも半壊。
無事なのは魔石だけだった。
二体目を食べる途中で本能も収まり理性が効くようになるも、その頃に時間差で目覚めたゲラグから襲われたのでアマゾンとして体が覚えていた戦闘勘で応戦、鎮圧(餌付け)。


鴻上の元に戻るまでずっと凛から食事をねだられ続けていた。



〇ゴ・ゲラグ・ギ(仮)

新名 千歳(ちとせ) 凛(りん)
小説版に出て来るグロンギの三体の内の一体。
容姿は簡潔に言うと「アイドル」で「凛」の渋谷的なクール的なあのキャラ。
同名なアイドルもいたがその髪色は現実感が薄れるので……(尚こちらもエメラルドグリーンの目…)


しかし中身はシンデレラ三村、live小泉の様に食欲旺盛で容姿との差が残念な感じ
餌付けされてから鴻上の元までに精神感応で日本語を教えられ
「……リントの言葉を使わない奴に飯は無い」の一言により日本語で喋っているがどこか反抗したくて現代語りではなく古風な喋り方をしていたが……。

黒髪ロング+食欲旺盛+古風な喋り方
アイドルの凛よりもこのままでは精霊で、きなこ好きで、鏖殺公な大剣の人がチラつく……。
(識別名プリンセス)
よって喋り方を修正。作者には古風な喋り方の知識が無かったんや


階級が本当に「ゴ」なのか疑問の方もいる筈ですがこの作品は「ゴ」としておきます。(ふわふわ設定)


あの後は主人公の(料理)をたっぷり食べさせて貰いました(純粋)



〇鴻上ファウンデーション会長こと鴻上光生

一般人であり、800年前の王とは何の関係もない(作中2000年現在)
ぶっちゃけ主人公の社会的生命の為にバックが必要だったのとある理由の為に登場。
今の所(序章現在)とくに物語には絡む予定はないが、当初の凛と同じくライダーの知識を一部のみ伝えて協力して貰っている。
代わりに危険な遺跡、普通の人間では入れない、行けない、行えない場所や色々な案件を仕事として働かせている。


メダルが絡まないので器の大きいとても良いおじさん。





〇ベルト達


主人公が目覚めて直ぐに記憶の混流で正気を奪われかけている
オルタリング「大丈夫か主人公!!今青の力をおくっちゃるけんね」
アマゾンズドライバー(以下Aドライバー)「…………。」


九郎ヶ岳にて
主「タベタイ」
Aドライバー「(おっしゃ、やっとワイの出番やな!!!!)

«« S I G M A !!»»」

オルタリング「……(力の使用頻度は俺の方が多かばい)。」

主「……お前はどちらを選ぶ」
Aドライバー「おっ、またワイやな!!」
オルタリング「(クソクソクソクソクソクソクソクソ)」



プロトアークル&ゲドルード「………………。」




〇主人公が凛へ二度目の精神感応で送った昔話的なこの世界の設定的な
※ある作品の設定をお借りし原文そのままですが作者様にはご連絡し、あとがきで使用させて貰う事に許可は頂きました。



昔々、混沌から世界を作った神様が、自分の姿に似せて人間を作り出しました。

神様は次に、人と共にある仲間として自らの分身である天使達を元に獣を作り出しました。

けれど、人は自らを神の最も愛した子であると驕り、自分達よりも下等であるからと天使の子である獣を狩り、貪り始めてしまったのです。

天使達は自らの似姿である獣達を守り人を裁く為に戦争を始め、瞬く間に人はその数を減らしていきました。

それを哀れに思った火から生まれた天使は、人々との間に子供を作り、その子を人の力としました。

しかし、人との交わりという禁忌を犯してしまった火の天使は神の手により砕かれ、消えてしまったのです。

多くの天使達はそれを当然の事としましたが、ある天使は神の振る舞いに恐れを懐き、姿を変えて人々の中に隠れ潜み、その血と力を人の中に宿し、また、自らの力で神に立ち向かう為の戦士達を作り上げました。

結局、人と天使の戦いは、神の起こした嵐と洪水に流され、この時代の事は後の世から忘れられ、数ある神話の一つとされてしまいました。

 

時は流れ、地球という星には人間が溢れかえっていました。

けれど、その安寧は完全なものではありません。

火の天使と交わり生まれた力ある人々『ネフィリム』は力に呑まれ見境なく暴れ、罪あるもの『ギルス』と呼ばれるに至り──

火の天使は死に際に未来の人類に自らの力を分け与え、『アギト』という進化人類が生まれ──

神の振る舞いを恐れた天使の力を宿した人間は、やがて『グロンギ』と呼ばれる凶暴な種族へと進化し──

人類、ネフィリムと天使達の激しい戦いは世界を歪ませ『ミラーワールド』を作り出し──

人々の中に薄れながらも残り続けた天使の力はギルスとは異なる『オルフェノク』という異なる可能性を生み出し──

天使達の似姿である獣達の中から、天使に並ぶ領域まで進化した『アンデッド』が現れ、幾度となく地球の覇権を掛けて争い──

天使の力に目覚めながら、ただ野を行く獣の様に生きる事を続けた『魔化魍』は、自らを鍛え上げ人を守るために『鬼』へと至った戦士達と生きるために戦い続け──

神の目を盗み異なる星で生み落とされたとある天使の落とし子である『ワーム』は、しかし星の滅亡と共にその種子を宇宙へと解き放ち──

神や天使の力を自覚し、文明へと組み込む事で平行世界すら観測できるようになった未来人は、世界を自分達の居る可能性世界へ接続するため、過去改変能力者である『イマジン』を送り出し──

神に立ち向かう為に作られた戦士達はその目的を忘れ、自分達を『魔族』であると定義し──

 

時は西暦二千年。

人類は終わりなき戦いへと脚を踏み出そうとしていた。


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2000年 仮面ライダークウガ
油断/14号登場!!


あけましておめでとうございます(必死に日付から目をそらす)
今年もよろしくお願いします。


前回のあらすじ


前世の記憶がよみがえり何とか正気をとりもどし津上さんを原作通り美杉家へ届ける


九郎ヶ岳遺跡の存在を知り、小説版に存在するもう一つのアークルを手にいれ封印されしグロンギ二体を食べゲドルードと魔石も手に入れる


この世界の真実から新命名した千歳 凛(旧 ゴ・ゲラグ・ギ)に選択を持ちかけある意味予想を裏切られる()



なんだぁこれは素人丸出しじゃねえか……。
これだから見切り発車は困るんだ。
プロットすら知らない読み専ユーザーは……。
(許して下さいお願いします何でもry)





 

 

 

時刻は深夜、都内にある鴻上ファウンデーションビルの地下。

 

 

 

「クソがあぁぁぁっっ!ただの人間の癖に何でこの選ばれた存在である俺様の剣が当たらねぇんだよぉぉぉぉッ!!」

 

 

全身が灰に近い白をした怪人が一人の青年に自身の武器である長剣を当てようと躍起になって振り続けている。剣の大きさは襲われている青年の背丈に迫る程で恐らく人間など易々と切り裂く事が出来るだろう。

 

 

 

 

 

……しかしそれは当てる事が出来る、という前提が必要である。

青年に振るわれる大剣は縦横無尽に、それこそ怪人━━━━━オルフェノクが先程口走った様にただの人間であれば息を呑む暇なく真っ二つにされてしまう程のものである。

しかし、ある程度武術に通じている若しくは一定の戦闘経験がある者からすれば剣の扱いは素人同然、オルフェノクとしての膂力があるお陰か得物に振り回される程では無いのが唯一の救いではあったのだが、戦闘が始まってから一度もかすりすらしない状況が続き苛立ち、勇み足が過ぎてしまったオルフェノクはどんどんと大振りになっていき、もはやただただ棒を振り回している様な動きになってしまっている。

 

 

 

(最初帯剣してたから武術の心得でもあるかと思ったけど期待外れだ……。

そりゃ生前は普通の一般人だった筈だし、それが突然人間を超える力を手にして魔化魍とかに遭遇してなければ普通に人間を相手するなら力を振り回すだけで十分だよな。

それを十全に使いこなすなんてそれこそスマートブレイン直轄のオルフェノクくらいか……。)

 

 

 

青年はそのまま後方に下がり一度様子見でオルフェノクの息を整えさせようとする。

 

 

 

 

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっっ、なんっっっ、でっっ、当たらねぇぇえっっ!!!」

 

 

 

しかし意に反してそれを挑発と受け取ったか激昂したオルフェノクが大剣を強く握り直線的に距離を詰めようとして来る時……青年はその後方に見知った黒髪が大きな手振りで合図をしているのに気が付いた。

 

 

 

「おらああああああぁぁぁっっっ、さっさと死ねえええええええええええ

「すまない、随分と遊んでしまってた。

終わりにしよう。」

 

 

青年は静かにオルフェノクの見えない位置へと右腕を動かし自身のソレを銀色の装甲を纏った異形のものへと変化させ、ごく自然な足取りから一瞬でオルフェノクの懐へと潜り込む。

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズブリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自身の内から聞こえる肉を貫く音。

それがそのオルフェノクが聞いた最後の音だった。

 

 

 

 

 

 

 

「……取り敢えず最低限はクリア。

うーむ、しかし思ってたよりも大分弱いっていうか全然戦闘慣れしてないから準備運動にもならないな。

オルフェノクとして目覚めて間も無かったのか分からないけど正直期待外れ感が強すぎるなぁ。

これなら凛に他のを任せなくても良かったか。」

 

 

 

 

「だから言ったじゃない。

しばらく私と手合わせ、いや触手合わせしてたんだからそもそも戦闘にすらならない上にエネルギー効率の都合上体の一部しかアマゾン化出来なくても【メ】階級未満の強さの奴らなら一撃なんだからオルフェノクの攻撃傾向しか身に付かないわよ、コウ。」

 

 

 

青年━━━━━千歳 寇鵺(ちとせ こうや)ことコウは小走りで近寄って来た黒髪の少女━━凛(りん)から小言を受ける。

 

 

 

 

 

「悪い悪い。

……で、コイツらのバックはやっぱりスマートブレイン関係っぽかった?」

 

 

 

 

「そっちは残念ながらたまたま旅行で地方から来たはぐれのグループだったみたいよ。

地方でちょっとやりすぎたみたいでコッチで何人か使徒再生して連れ帰ろうかしてたみたいね。

それが一発目で私達に当たってしまうなんて不運………………いえグロンギやその他勢力を刺激しない前だったのだから逆に幸運かしらね。」

 

 

「そうか。

(ふぅ。正直今年スマートブレインなんかとドンパチやる様な余裕なんか無いからな。

助かる。)

……それじゃ事後処理してさっさと帰りますか。」

 

 

 

コウは先程腕を突き入れたオルフェノクへと向きを変える。

 

 

 

「しかし……。

これは一体どういう事なんだろうな。

凛が殺す分には普通に灰へと燃え尽きるのに。

しかも見た目が怪人体のまま固まるからなぁ、俺オルフェノクの王どころか、人間じゃないから因子を持ってるわけない筈なんだけど……。」

 

 

 

 

やっぱりベルトを作る時のアレが不味かったかなぁ。

……いやしかしオルタリングはまだ完全変身出来ないしアマゾンズドライバーが何故かオルタリングみたいに体内から出てきてそのまま変身出来はするし、一応シグマの姿になれるんだけど本物とは違うみたいで明らかな欠点とうか副作用が強すぎるから使いにくくてプロトアークルを盗掘してきたってのに体がアマゾンだからか、普通にプロトアークルを装着したら魔石がもたらす力の源的に電気が弱点になってる筈の今の状態じゃ最悪死にかねない以上は自分から採取して複製したアマゾンの核を基礎にしてそれを前世の俺が研究してたアギトの力で覆ってその上で魔石を搭載してアークルを再現するぐらいしか思いつかなかったし……。

まあ現状デメリットが明確に出て来ない上は更にプロトアークルとゲドルードを解析しつつ保留としておこう。

 

 

 

 

それに純粋な人間や数に限りがあるグロンギはともかく、一応人型を取ってるけど中身が違う童子や姫、ワーム、ファンガイアなんかは喰っても食人本能が止まらなかったから人間が滅ばない限り増え続ける生き餌としても非常に助かるんだよなオルフェノク。

見た目はアレだけど食感としては最初に食べたグロンギ(人間態)と同じでちゃんと瑞々しくて柔らかかったし。

本能に呑まれて人間を襲う様になったり、スマートブレインに属する下っ端連中は突然行方不明になっても元々死んでるから、やるつもりは無いけど人と違って事故とかで処理する必要無いし……。

でも人間の代わりにオルフェノク喰うようになってから身体が変化し始めてる気もするんだよな。

戦闘してて傷付くと噴出してた体液も前は真っ黒だったのに今は薄く赤みがかってきてる気がするし。

試製アークルの不完全さか、アギトの力による進化が促進しているのか、アマゾンの特性でオルフェノクもぐもぐしてるからその影響か、それともほかの要因なのか……。

前世からの知識外なことは全く予想が付かないから考えるだけ無駄なのかも知れないけれど。

 

 

 

 

「まあアマゾンズドライバーを使わないでいけば少しづつ飢えによる食人本能が減って来ているから都合良く考えればオルフェノクから人の部分も取り込んで人間に近づいて来てるのかもな。

そうだと良いなぁ…………。」

 

 

 

「……?

何一人で言ってるの食べ終わったのなら帰りましょう。

あとそろそろ新しくゲブロンが必要になりそうだから回収して来て欲しいの。

今着けてる試製のアークルを作った時よりもプロトアークルとゲドルードの解析もかなり進んでるってコウがよく色々頼んでる遺跡班のあの人も言ってたし。

そろそろ【メ】のゲゲルが始まる時期でしょうし私以外の実戦を本格的に始めた方が良いんじゃない?

【ゴ】以上の連中に襲われたらドライバーの力で対応しないといけなくなるでしょうけど……。

五代さんだけじゃ蝶の羽ばたきで予想外の事態が起きても対応出来ないから不安なんでしょ?

特撮の中で存在してた物語と違ってここが現実っていう不安要素が大きくて、最後の決戦まで彼が生き残れるかも確証はないから最悪自分でも敵を倒す力が必要なのは分かるけど……。

それはそれとして人間の姿のままでの実戦に拘り過ぎよ。

いくら魔石とアマゾンの再生力があるからといっても肉体の再生にも限界があるの、ダグバのモーフィングパワーによるプラズマ化には同じ力でしか対抗出来ないのは分かってるでしょう。」

 

 

凛にジト目を向けられている。

戦闘民族グロンギの価値観に当てて考えてもコウの過剰なまでの生身での戦闘は頭がおかしい様に見えるらしい。

冷静に考えればせめてクウガに変身してから魔石が馴染むよう更ににいえば魔石から伸びた神経がもっと全身に行き渡るようにした方が魔石にも戦闘の記録が残り、圧倒的に効率が良くなる筈なのである。

 

 

 

「いやそりゃそうだけど、元一般人舐めんなよ。

生半可に鍛えた物なんかじゃ付け焼き刃にもならないし、戦闘に限らずだけど基礎を固めて経験を積まなきゃ素人はどんなに便利な道具を持って振り回してもただの木偶だ。

猛士の支部とかで戦闘術を教えて貰いに行ってもいいけど、今年はグロンギ関連でやる事が多過ぎて恐らく時間がない。

そうなれば戦闘の基礎なんてあてがないから、経験だけで行くしかないんだよ。

経験ってのは昔から体に叩き込むに限る、魔石による恩恵なんかに頼っちゃ本物にはなれん。

積めるものはどれだけ積んでも不足しないだろうし生身を鍛えれば今はおとなしくこの体に収まっている力に呑み込まれる危険性が下がる。

……まあ、しかしこれからはあのクソカメレオンの時みたいに誰も見てない状況なんてのは難しいだろうから言う通りにするよ。

欲を言えば腕とかを変身したあとも一部アマゾン化させるのが今は使いやすいんだけどそんな姿なんかさらしたら、新しい未確認あるいは4号の亜種とかとして警察のリストアップに載せられかねないよな。

……悪い、分かったよ。

埋め合わせにまた今度ポレポレ辺りに連れてくわ。」

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

日と場所は変わって、都内。

ある建設途中マンションの屋上。

 

 

 

「うわああああああああああああああぁぁぁーーー-‐‐‐、、、、」

 

 

 

高層マンションの上階からまた人が落とされていく。

人を突き落としたグロンギ。ズ・ジャモル・レは反対に顔を向け建設作業車の方へ顔を向けた。

 

 

 

「ボセゼバギンドグシギ。ジョギ、リントゾボソグザベバサボグジャデデヅビゴドグザベゼジョギンザ。

……ゴセゼバブセデギスヅロシバボバ?リント。」

 

 

(見つかっていたっっ!?。

神様仏様どうか、どうかお助け下さいっ。)

 

 

 

 

隠れている作業員は胸元のお守りを強く握り、一心不乱に祈る。

作業員の隠れている場所はいわば完全な袋小路、見つかり辛い場所でもあるのだが見つかってしまえば後ろは空中である、つまり逃げ場はない。

先程自分の身代わりとなり落とされていった仲間の作業員がここに彼を押し込み逆へと逃げて怪人へ意識を向けさせていただけに見つかる筈など無い、そう考えていた。

 

 

ジャモルは隠れている作業員の方を向き直し、歩みを進める。

 

 

 

 

ジャモルは他の力任せにゲゲルを進めるグロンギたちと違い、自分の力がまだまだである事を自覚していた。

故に他のグロンギのようにゲゲルを進めて騒ぎを広めることなく、確実にクリアする為にある程度封鎖されている建設途中の建物、気付かれにくい場所の作業員のみを狙ったゲゲルを進めていた。

しかし知らずの内に気が緩んだ部分があるのだろう、昨日まではのどを潰して声を出せないようにしてから落とし、死体も見つからないように移動させていたが先の標的ではそのまま落としてしまった。

 

 

 

(気が抜けてたみたいだ、今までの奴らは冷静さを失って新しいクウガにやられて来た……。

リントが集まればクウガが来る。

クウガの姿を見れば自分も怒りに我を失うかもしれない……。

その前に早くこのリントを落として次の場所n

 

 

━━━━━━━━━タッタッタッタッタッタッタッタッタッ。

 

 

不意に足音が鳴り響く。

足音は迷い込んだ雰囲気はなく、明確に目標地点となる場所━━━━こちらに向かって来ているのが分かる。

 

 

 

(どうする?もしもクウガならば標的の一人など捨ててでも一度引いて確実にゲゲルを……。)

 

 

 

ジャモルが撤退か思考し、行動に移そうとした時

 

 

 

「うぉりゃああああああああぁぁぁっっ!!!!」

 

 

先程作業員を落とした方向から力強い掛け声と共に殴打を受けた。

衝撃自体はダメージにすらならない程度だったが、意識を別に向けていた時に貰ってしまったため一時視線が相手から逸れる。

その間に襲撃者は作業員との間に入っていた。

 

 

 

「怪我は無いですかっ。

もう大丈夫ですよ、落ち着いてそこで待ってて下さいね。

俺が全部何とかします。」

 

 

 

作業員に向かってサムズアップを向けて直ぐにジャルモへと向かいあう。

 

 

 

「変身!!」

 

 

 

作業員を助けた青年は赤のクウガ━━━━━マイティフォームへと姿を変えた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

五代はマンションを駆け上っていた。

マンションから人が落とされて殺されているのを見た近くの住人の通報により警察でも捜査が開始されているのを一条から聞いていたので虱潰しに建設途中のマンションを回っていた。

そしてあるマンションを通り過ぎようとした時、叫び声が聞こえたためすぐさま踵を返してもしもグロンギの仕業によるものであれば今ならまだ助けられる命があるかもしれないと思い最上階を目指す。

五代がマンションへ入るとき、先程聞こえた声は上から下へ落ちて行くように響いていたが落下痕こそあれ落ちたであろう人はマンションの周りにはいなかった。

 

 

 

「誰かっ!!いませんかぁっっ!!」

 

 

 

最上階へと着いた五代はマンションの外側を見続ける作業員の姿を発見し、保護することができたのだが未確認生命体は既におらず助けた作業員に聞こうとするも、作業員はこちらを見るなり先程まで自分が赤い仮面の姿に変身し、トカゲ?ヤモリ?のような怪人と戦って守ってくれたと感謝の意を向けてくるばかりだった。

 

 

 

 

 

 

「……と、言うことだったんですよ一条さん。

別れる際も俺がいつもの癖をしたら「ああっ

、それも変身する前に見たよ!サムズアップ。

やっぱり戻って来たんじゃないの?」と言われまして。」

 

 

 

何ですかね。

狐につままれた気分ですよ。

頭を掻き呟く五代の言葉を聞きながらも一条は思考する。

 

 

(姿を変える未確認?

いや、そもそも五代の姿を真似た何者かは完全に襲われそうになっていた被害者を守る意志をも見せている……。

いや、、だが、、しかし、、、)

 

 

「逃げる未確認生命体を追う時に青い姿にもなったと聞くが。

まさか五代の様な者、或いは未確認を狙う未確認が他に存在するとでも言うのか。」

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

とか、思ってるだろうなぁ一条さん。

ああクソ。

いくらなんでも不用心が過ぎた。

一応クソカメレオンの奴がやってた応用で姿を変えて見た目は騙せたししっかり練習したサムズアップも決めてきたから五代さんに助けられた事に出来たと思ってたのに。

 

来るの早えーよ!!

何なの?これじゃ五代さん以外にもクウガがいるのがバレるし、被害を抑えつつ本物が来たら離脱していくという世間的な4号の安心度を上げて早めに警察との連携を取れるようにして、俺が現場に間に合わないところでも被害をもっと抑えてもらう作戦ががががが……。

 

 

 

それもこれもあのヤモリ野郎のせいだ。

ヤ/モリ野郎にした上で魔石もキッチリ抜いてきたから首から下の胴体が警察署で動き出す死体にはならないはずだけど……。

 

 

 

「で、ちゃんと最後までクウガとして戦っていたのよね?ちょうど近くに出来たてのオルフェノクとして再生失敗した死体があるからといって食人本能が超覚醒するドライバー使ってシグマに変身なんてしてないのよね?」

 

 

 

エエハイソウデスネ。

モチロンデスヨ。

アマゾンシグマナンテスガタサラシテシャシンナンテトラレタラツギノヒノイチメンニノッテシマイマスヨ。

 

 

 

「幸い死体を食べてるとこは見つかってないみたい。

……でも写真写り良い感じね?未確認生命体14号さん?」

 

 

 

凛が広げていた新聞を一面がしっかり見えるように押し付けてくる。

見出しにはこう書いてある。

 

 

 

 

「「仲間割れか?!残虐!!白銀のトカゲ型未確認生命体!!!!昼の自然公園に出現!!!!」」

 

 

「「発見した記者によると別の未確認生命体を殺害していた模様!!」」

 

 

「「また、その未確認生命体の腹部から何かを取り出すような仕草をしていたため何らかの儀式の可能性も。

警察は殺害された方を13号、13号を殺害し死体から何かを取り出していた方を14号としてさらなる捜査を続けていく模様!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

コウは見せられた新聞紙を元に戻し、ゆっくりと大きく一拍吸い込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ア゛アッー!!!!!

 

 

 

 




ジャモルのグロンギ語部分

「これで12。よし、リントを殺すだけならこうやって突き落とすだけで良いんだ。……それで隠れているつもりなのか?リント。」



〇元一般人改め、未確認生命体14号ことアークルオルタリング内蔵アマゾン(変異中)


序章でグロンギ二体を食した以後はカメレオンを除き襲ってきたオルフェノクを中心に食べていた。
天使の呪いが蓄積されたオルフェノクを食べ続けるからか、あるいは他の要因か最近何かからだのちょうしがかわってきてる気がする()。
ドライバーを使わなければ食人衝動は減ってきている()。
シグマに変身後の体色も灰色混じりっぽくなってきている。
また凛との触手合わせ(訓練)の際はクラゲアマゾンに立ち向かう駆除班のイメージ(無手による特攻)
最悪の想定として独りでダグバを必殺する作戦が湧かないため焦っているところがあるのだが、常に【ゴ】クラスの相手がいるので五代さん津上さんよりベルトが馴染んでいる。
「アークルってアルティメットのことを考えるに雷、つまり電気が根底にあるっぽいじゃん。アマゾンは電気が弱点……。
あっ(察し)…………。」
なので新しく作ったアークル(装着済み)には色々なアレンジを加えて何とか体に負荷がかからないように試行している。
ジャモル戦ではマイティフォームで追い詰めていたが公園に移動した際、勇敢な記者による通報で来たパトカーの接近に即殺しようと焦り、記者が公園に到着したのに気づかずアマゾンシグマに変身して首を狩って魔石を抜いていった。
うっかりが過ぎるがそういうのは女子にさせろ野郎の天然うっかり萌えなんて需要がねえんだよクソが。
当人も若干気づいていたが本当のシグマのアマゾンズドライバーではないのでアマゾン体ではエネルギー効率が本物より悪く変身する度に食人が必要。


〇幕間でポレポレ特製カレーを5人分ぐらい食べてた黒髪ロング美少女食いしん坊ちゃんこと凛ちゃん

主人公のことは「コウ」と呼んでいるが名前を連続させてどこぞのnewてきなgame的なラジオの進捗報告会は関係ない作者の趣味が爆発している訳ではない(断言)
主人公がオルフェノクを一人相手している間に分断させている5人のオルフェノクと対峙していた。
一人指示を出してた奴をコロコロすると他の4人はネジが切れたように倒れたので取り敢えず主人公の元に行く。
ジャモル戦時は、先の4人が洗脳されていた被害者だったことから引き抜きを行い鴻上ファウンデーション地下で戦闘訓練をさせていた。



〇地方から都市部に人狩りかつ手駒を増やしに来たオルフェノクたち


主人公が殺したのはサブで凛が殺したのが超能力持ち(精神特化)のリーダー、使徒再生でオルフェノクに覚醒した者を洗脳してグループをつくっていたが洗脳が超能力由来で定期的に掛けないと切れるほどの弱い洗脳だったのでリーダーが死ぬことがきっかけで正気に戻る。
凛が魔石を欲していた理由がこの人たちであり表は社員、裏では鴻上ファウンデーションの護りとして使うためにグロンギ式エクササイズ(鬼)を受けている。
多分もう出ないが時間が進めば裏ではアークル装着オルフェノクとして野良のオルフェノクやファンガイアからの襲撃を中心に会社を守ってくれるぞ。
更に増えれば、全国の支社も同じように人外からの盾となったり遺跡発掘班にも組み込まれたりするかも。


〇世間には認知すらされず消されていった一般ゲゲル参加者ことズ・ガルメ・レ


3人目ぐらいに主人公に襲い掛かったが相手はリントではなくアマゾン、しかも途中で離脱しようとするも相手がアークルを取り出しクウガに変身したことによって思わず怒りに我を忘れてガル/メとなる。
死体は主人公が責任をもって美味しく頂きました。合掌。




原作………………どこ?…………………………………………ここ?
実際書きながら思ったのがアマゾンシグマとアギトの力が自由に扱えてたらその力にあぐらをかいて閣下或いはその他の『ゴ』のグロンギに殺られるよなぁ、と言うことでちゃんと努力して力を身につけろ(半ギレ)
しかし今年のラスボスことダグバを相手取るにはモーフィングパワーの相殺は必須なのでアークルは巻く
この主人公は果たしてアルティメットフォームの力に耐えられるのか?!
というか正気を保てるのか?!
書いている流れでアルティメットやその他になったりならなかったりするかもしれない。



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蛇足/余計な心配

前回のあらすじ


色々人型の怪人とか食ったけど、オルフェノクが1番美味しいです(色んな都合で)。



野良フェノクで精神汚染済みのヤツはもぐもぐ(石化)、人としての心が残ってる子は採用よー(グロンギ式エクササイズ【鬼】)。



五代さんの振りして4号を警察と早く連携させる作戦失敗、更にアマゾンシグマの姿を晒して14号と世間バレする(てへぺろーい♪)




お前(作者)最近移住された2000話以上あるのを一気読みしようとして途中で集中きれて他に目移りしたりしてんじゃねーか、早くかけぇ!!


街の中心部より少し離れた路地裏。

夜になれば人通りが増えるものの日中は野良猫やカラスが同族となわばり争いにいそしんでおりその騒音に近隣の住民は辟易し、住民からのクレームに行政は日夜どうしたものかと頭を抱えている。

そんな都心に数ある場所のひとつで。

 

 

2人は相対していた。

()()()()()()()()()()()()()()

しかしその間合いに入っているにもかかわらずその片割れの青年━━━コウはベルトも出さず変身もしないまま、自身の手中で現状において自身が最も長く使い続けてもはや手足のように扱えるほどまでに使い慣れた一対となる真っ直ぐな棒状の道具を握ったまま、座り続けている。

 

 

 

 

 

「(ああっ、クソッ!!

こざかしいっ。)…………。」

 

 

 

 

コウの視線の先ではクラゲが泳ぐかのように不規則な軌道を描きつづける白に近い黄色のような、だがしかし薄く赤をまとって熱気を上げ続ける細い細い麺が纏まったようなモノがあった。

ソレは今もなお予測不可能に動きつづけ飛沫と共にコウに服へと赤い染みを増やしていく。

……形だけでもという抵抗だろうか、コウは今握っている一対の道具を用いてどうにかソレを弾く、あるいは受け流しをしようとするもまるでその抵抗を無駄だとでも言うようにまたは頭が悪いことをしている者を嘲笑うかのごとく更にコウの服は赤く染まっていく。

……なおその間、それを続けている相手━━━凛はコウのことなど全く目に入ってない様子であり、それがコウの反骨心を煽っていく。

しかしそれでも短慮な行動に走らないのは体に複数ある内蔵式ベルトの一つであり、この世界においてまだ目覚めている者はとても少ないが目覚めた者が発現させるオルタリング━━━━━アギトの力が発現したひとつの面、超越精神、青の力によるものであるだろう。

 

 

 

 

ドライバーを用いて変身するまではあるいはアマゾン態を現すまでは人と何ら変わりないように見えるが本来はアマゾンの身体を持つためにもともと()()()()()()()()()()()()()()コウだったが、試製アークルをつけてからは更にその力は上がり再生力、思考力、記憶力、戦闘での身体への反応までも一段と高くなっている。

また、ときおり本能抑制のために出会うようにしている人知を超えた力に酔い殺人への快楽を見出したオルフェノクに対しても一部アマゾン化させずとも素の膂力で無力化させることが出来るようになってきていたためにこと戦闘に限るが最近は自信過剰というか、簡単に言うと調子に乗り始めていたようすが見られていたのでその驕り始めた心に釘を刺すこととなり、これで冷静に自身の力を見つめ直す機会になるだろう。

……無事にこの事態が収まれば、と前置きが必要にはなるのだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

……そんな状況が続いて十数分、待っていればあるいはもう少し普通に考えて行動すれば何事もなく落ち着いたかもしれないこの事態もここまでであり、一際大きな飛沫とともに無駄な抵抗をしていた阿呆の顔に大きな赤い飛沫がかかった時、思わず出た「熱っっっつ!!??」という声のあとにいよいよコウは限界を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前はっっ、もうちょっと綺麗に食えねえのかっっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウは目の前にある自身が食べているモノと比べて何倍もある器に入っている麺を尋常ではない速さで口の中へと消失させていきその速さによって坦々麺特有の熱々の汁を大量に飛ばしてくる凛に、店の中であることも忘れ大声で怒鳴りつけた。

 

 

 

 

 

 

ここは隠れに隠れた麺屋の一つでコウが心も怪物に成り下がったオルフェノク狩り、あるいは人の心を保つ者達をスカウトしている際に見つけた店の一つである。

昨日、今朝の新聞で一面に載せられるヘマをおかしたコウは

「今回はポレポレ以外も行ってみたいけどまだ東京に住み始めて日が浅いからあんまり地理分かんないのよね、ってことで()()()()()()()()()()()()()()()1()4()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

との言葉によりこうして凛に自身が楽しんでいた店の一つを紹介することによって埋め合わせには成功し、コウは取り敢えず安堵していたのだった。

……凛が「裏メニュー!!もしも1時間以内に完食すればお代無し!!年間無料券贈呈!!!!」というメニュー表の裏に書かれた一般人では遊びでもとうてい挑戦しないような項目を見つけるまでは……。

 

 

 

注文を受けた店員が持ってきたのはとんでもない量の坦々麺。

それも血の色よりも鮮やかな赤になるまで各種香辛料などを振られた地獄の超激辛仕様である。

最初は別に頼んだ一杯を普通に食べていたコウだったが次第にとんでくるスープを浴びて服が赤く水玉模様にに装飾されていくも昔の武芸者の真似か、最近オルフェノクを相手にも余裕で完封して調子に乗り始めていたコウは箸で自分に向かってくる飛沫を撃ち墜とそうとするも飛沫の多さに超越感覚の赤やアマダムの感覚特化の力を使用もせずに迎撃などできる訳もなく、結果今のコウは顔や服の至るところに赤い水玉模様ができあがっている。

コレがタキオン粒子を扱える技術か器官を持つ異星から来た人間へ擬態する蟲の様に時間軸へ干渉できるのであれば話は変わってきたかもしれないが……こんなことにそんな真似をするのは阿呆の極みであるだろう。脳味噌が筋肉でできている様な人間でもそこまではしない。

 

 

 

 

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

 

 

 

「食べきれるなら何でもいいかと思ってたけども、いくらなんでもスープを飛ばしすぎだろっ!!」

 

 

 

 

そんな馬鹿をしそうな男はまだ喋り続けている。

言ってる間も凛は食べ続けており集中しているのだろうか、コウの言葉に全く反応する気配すらない。

 

 

 

そして数分後。

 

 

 

 

「ごちそうぅ、、、さまでしたっっ!!!!」

 

 

 

 

食べ終わり、心から本当に美味しかったようで満足感から常夏の太陽を幻視するかのごとき輝かんばかりの笑顔をコウに向け視線を合わせながら食事を終える際の食べた生命とそれに関わった人達への感謝の表現をしてくる。

本当に心の底から美味かったのだろうと見て感じられるほど、普段の冷静な雰囲気は完全に消失しそこにいるのは年相応の美少女、()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である。

 

いや、天使といっても来年あたりから出没しはじめる超能力者狩りを使命とする闇の力の下僕たちのことではなく、純粋に一般に伝わる綺麗なことをイメージとしての天使であるのだが。

 

 

普段のクールな表情と元々類まれなる容姿をしている凛がそんな落差激しいギャップある表情をすれば、よほど特殊な嗜好かそもそも興味がないような者でなければ同性すら目眩を起こしかねないほどでありその笑顔には老若男女問わず悶絶させる破壊力が備わっている。

更に厄介なことであるがこれは意識したものなどではなく度々一緒に食事すればわかるが美味しいもの、中でも自分の好みのものに直撃する料理を食べると自然にこの表情がでてくる。

 

 

……コウはこのことを伏せて本人に自覚させないようにしながらも「お前は絶対に他の人と一緒にご飯へ行くな。」と、釘を刺しているがそれを凛は理由が分からず不思議に思っている。

日々そんな凛と食事をし、その表情を誰よりも見る回数が多くその危険性に気付き、本人へ釘を刺して凛に撃墜される人間を老若男女関係なく減らすことに成功しているコウはと言えばだが……。

 

 

 

 

「……っっっ、っっ!!!」

(あーもうっ、何度見てもその顔は狡ぃ

………。

その表情をされたらどうやっても俺じゃ勝てねえよ。)

 

 

 

「どうしたの?急に顔を背けたりして、まだ食べ終わってないじゃない。

……それ、食べていいの?」

 

 

 

何とこのクラゲグロンギ、常人では5人がかりで食べるのも大変な量を1人で平らげているにも関わらずまだ食べるつもりらしい。

これには凛によって撃墜中だったコウも平静を取り戻す。

 

 

 

 

「あのなぁ、っっっ?!」

 

 

 

 

言葉を発しようとしたコウだったが突如表情を真剣なものに変えて自身の身体に内包している魔石と同じものがあり、特殊な活動を始めている個体の接近を━━━超能力と魔石が影響し合っているのか分からないが━━━感じ取り、更に感覚を集中しようと目を瞑り、その気配を探す。

 

 

 

(空中を飛び回っている?しかもこれは確実に野生動物では有り得ない速さ、空中?そしてこの羽音に……

細く小さな何かの射出音……?

っということは蜂の野郎かっ、クソ!!

今朝の一面でのショックで忘れてたけど今日もやつら(グロンギ)は元気にゲゲルかよ!!)

 

 

 

「悪いが凛、急用ができたから食べといてくれ。

足りないなら追加注文もいいぞ。

俺のと追加分のお代は取り敢えず稲造さんを置いてくからそれで。

残りで帰りになんか甘いものでも買ってきてくれ、頼むっ。

それじゃっ、店長ごちそさうさまっっしたっ!!

また来ますっ!!!」

 

 

 

言うや否や、コウは店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

時と場所は少し移って千葉県富津岬。

海辺の砂浜にて雄介から見て少し離れた位置に故 夏目教授の忘れ形見の少女、夏目実加を守れるよう付いている一条薫。

そして腰に装着しているベルトことアークルに内蔵された霊石アマダム及び装甲と複眼を通常の━━古来より人を暖め時にはその制御を外れるほどに燃え上がることもある炎を連想させる赤から、疾風を始めとした通常の感覚では感じ取れない自然に存在する事象をも感じ取れるようになるからなのか、自然そのものをイメージにしたような緑へと姿を変化させた形態━━━━━━━━━━━━━━━━━━━クウガペカサスフォームは一条から託された拳銃を霊石から齎される代表的な力であるモーフィングパワーで金色の弩ペガサスボウガンへと変化させ空中から羽音をさざめかせてこちらを狙っている未確認生命体第15号を迎え打とうとしていた。

 

 

 

 

 

 

……そこにやってきたのは以前殺した相手が用いていた技術であるモーフィングパワーの応用により周囲の風景と同化しているもう一人のクウガ。

風景との同化によりほぼ透明になっているため姿が見えることは無いのだが、もし見えていれば青の装甲に身を包んでいるのが分かるだろう。

そんな透明化している青のクウガことコウは。

 

 

(……ふぅ、とんでもない速さだったけど螺旋状に飛び回ってるのと最終的なおおよその位置をなんとか覚えてたから間に合った、か。

そういえばペガサスフォームの初出はここ(海辺)だったな……。

ゲゲルを始めた魔石の気配が高速で空を飛んで行く先に魔石に似た反応と覚えがある人間の匂いがすると思ってたら、そういうことか。

 

……ふむ。

正史通りペガサスフォームも安定しているみたいだし、これなら大丈夫かな、ていうか蜂野郎に五代さんが気を集中させてる内に帰らないといくら姿を見えなくさせてても正史のカメレオンみたいにペガサスフォームの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()しな。)

 

 

 

 

くわばらくわばら、と音を出すのも警戒して心の中だけでコウが呟きつつもその場から取り敢えず去るために踵を返そうとした瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っっ、(邪悪な気配?!いや違うっなんだこの感覚はっ!?捕食者(プレデター)!?)」

 

 

 

 

直前まで未確認生命体第15号ことメ・バヂス・バに集中していた五代だったのだが変身した新たな力、ペガサスフォームの強化された超感覚が今まで世界中を旅して様々な人や動物などを見てきたことがある五代でも思わず隙を作ってしまうまでの異常な存在の気配。

例えるならば地球に存在しない生物のような、もっと言えば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようなおぞましさ、そんな気配を感じ取ってしまった五代は自然とそちらへ意識を向けてしまった。

 

 

 

相手が自分を標的にしている真っ最中だというのにも関わらずに……。

 

 

 

 

 

 

「ギベ……クウガァ!!!!」

 

 

 

 

 

空中をホバリングしつつ現代のクウガこと五代を狙っていたバヂスはそんな一瞬の隙を見逃さず、新たに生成していた針を緑のクウガ、五代へと射出した。

 

 

 

 

 

「…………があぁぁぁっっ?!!!!」

 

 

 

完全に意識を他に向けてしまっていたことにより空中より飛来した針を止めることも出来なかった為にバヂスからの攻撃を受けてしまった五代だが、幸か不幸か感覚が通常の数千倍まで高められていることにより針が命中する直前で咄嗟に身体をよじらせて何とか左肩のショルダーを砕かれるに留まった。

 

 

しかし元々エネルギーの消費が激しく長時間変身していられないこの形態で、更に感覚が数千倍のまま肉体変化した装甲のショルダーを破壊されるということにより通常の赤の形態マイティーフォームよりも何千倍も強い激痛に襲われることとなった。

それでも守るべき者たちがすぐそばに居る五代は、自分が倒れれば次は2人の身に危険が及ぶがゆえに体の限界を超えて踏ん張るが、直後どこからともなく聞こえてきたある言葉を聞いた瞬間フッと━━━━変身しているため表情は見えないのだが安心したような表情になって、気を抜いたことにより限界まで引っ張られた緊張の糸が切れるかのようにその意識を手放す。

すると同時に変身も直接解除された。

 

 

 

 

 

 

「五代ぃっ!!」

 

 

 

 

新たな形態を安定して発現させた青の形態の時同様、投げ渡した拳銃を手に取るや未知の武器へと変化させた五代を信頼していたのも束の間、突然あらぬ方向を見つめ始めた五代に釣られてそちらを見るも海岸線が続くばかりでなにも無いのを確認した一条が怪訝に思いながらも五代に視線を戻し、どうしたのかと口を開きかけた瞬間に先程まで変身していた人間が倒れるという突然の出来事に急いで五代に駆け寄る一条。

自分の背中で実加をカバーしながらも五代を抱えあげ息を確認し、脈をとり、左肩の傷を見て重症ではあるものの命に関わることでないことに一先ず安堵する。

すぐ反応をしたのはさすがといったところだが、普通ならば未確認からの追撃を注意するべきだろう。

それだけ五代雄介が目の前で敵にやられ変身解除してしまったということは一条にとって精神的にショックが大きいことなのだろう。

 

 

 

すぐさま五代の服を脱がしその服で止血しようと改めて傷口を見ると変身にも現れる腹部に存在するベルトの影響だろうか、以前関東医大病院で検査を受けた全身打撲のとき普通の人間では考えられない早さで治癒したように今回もまた既に出血自体は治まっているようだった。

 

……取り敢えず失血の可能性が無くなったことで安堵した一条はやっと気付く。

この状況で()()()()()()()()()()()()()()ことに。

依然としてどこからともなく羽音はする……。

する……が、それだけである。

 

 

 

 

 

 

様子を見ている?

自身が五代の様子を見ている間、感覚的で正確さに欠けるが恐らくは十五分以上経っているのでこれまでの傾向ではその間に自分達を襲えば、あるいは変身が解除されたクウガ━━━━五代にトドメを刺すことは出来ていたはずなのに何故かしかけてこなかった。

あるいはこの場から離れてまた螺旋状に飛行して次のターゲットを狙いに行くはず……。

 

 

 

 

 

━━━━━明らかに何かがおかしい。

未確認の思考は依然として不明な点の方が多いが、一条が持つ第15号の情報に照らすなら先に浮かんだ2つの選択のどちらかを選ぶはずである。

何故それらを行なわないのか?

今まで現れた未確認生命体は人を襲うことに躊躇することなどなかったはずだ。

……行わないではないのであれば、どういうことか。

……それを行えない?

その思考に行き着いた途端、一条の耳に砂浜を踏みしめる音が近くからし始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━()()は陽炎が揺れるように風景がぶれて突然に姿を現した。

()()は一条が未確認の事件に関わり始めてから1番近くで見る姿だった。

()()はいつも未確認を相手に一条と共に戦ってくれている人物(五代雄介)が人々の涙を見たくないからと決意し、戦うために変身した姿。

大きな複眼、金の二本角が特徴的で赤い甲殻のような装甲をもつ鍬形虫を模した立ち姿。

一条は知らないが古代においては()()()()()()()()()を封印し、現代において五代雄介が偶然か必然の運命によってかその力を受け継ぎしリント(人類)にとっての希望、戦士クウガ。

 

 

 

 

しかしいつもなら安堵を覚えるはずのその姿を見た瞬間、未確認相手に限れば幾つか修羅場をくぐったはずの一条の背に冷や汗が流れた。

五代と同じ姿をしているはずなのに何故か心臓は脈を上げ、頭は警鐘を鳴らし始める。

直接対峙して抵抗した結果負傷することもあった今までの未確認ですらこんな感覚を覚えたことがないと言うのに。

自分がまるで飢えた肉食動物を入れられている檻の中に丸腰で入ったかのような錯覚を受ける。

 

 

 

(未確認生命体とも違う、なんだ……この、生まれてきた世界すら違うような不自然な雰囲気は……?)

 

 

 

その赤い姿は目に写る限りでは普通の足取りのように見えるにも関わらず、数瞬で五代を抱く一条の目の前まで迫ってきていた。

 

 

 

 

 

 

「傷……は見た目より深くなかったですね。

まあ傷口の表面と毒の方は先ほd……ンンッ!えー、……モーフィンg、ッ!ゲフンゲフン。

……とにかく私が魔石による肉体変化の応用で毒を中和して傷口の表面は塞いだのでアナフィラキシーショックによる反応は防ぎましたし、失血死の危険は今貴方が確認された通りでしょう……。

これなら五代さんが腹部に身に付けている(内蔵されている)霊石アマダムの力だけで数日あれば千切れた肩の強化神経も元通りでしょう。

 

……さて、じゃあこっちはこっちであの未確認生命体の後始末と五代さんに余計な怪我をさせてしまった責任もありますから正史にかなり外れますがちょっと先んじて紫の姿をお見せしておきましょう。」

 

 

 

 

「碑文をしっかり解読すれば出てくるでしょうが……。

 

属性は大地。

 

 

邪悪なるものあらば鋼の鎧を身に付け

地割れの如く邪悪を斬り裂く、紫の戦士。」

 

 

 

 

一条が声を発するよりも早く目の前で赤い装甲から紫に瞳を変えその身を包む装甲も分厚く守りに適した鎧の様な形に変わる五代ではない謎のクウガ。

 

 

 

 

「来い。」

 

 

 

呟かれた言葉と時同じくして、先程五代に負傷を与えた針が空中より紫のクウガへと命中する。

……命中は確実にしたのだ、が。

 

 

 

「なっ?!」

 

 

 

 

紫のクウガが避ける素振りすら見せなかったのを近くから見た一条だったが、命中した針は分厚く堅牢になった装甲の前に儚くもその欠片を飛び散らせるに留まったのを見て驚愕の声を上げる。

……一条には見えていないがそれはバヂスも同じだったようであるようで自身が必殺と信じてやまない武器である針を受けて、全く意に返してないようすのクウガを見て━━━━━━━━ホバリングの姿勢は崩さないままだが一時的に自身が針を発射した()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

しかしいくらバヂスが空中にいるとはいえ未だ健在のクウガから意識を離してしまうという決定的な隙をつくってしまう。

 

 

 

 

 

 

地上ではバヂスの姿が見えていない一条たちの反応を無視して、右腕を凝視するバヂスの姿を確認すると同時に手の中に紫の直剣、タイタンソードを生成。

 

 

突然に現れた直剣に驚く一条たちを無視して紫のクウガことコウはそのまま槍投げの姿勢でアマゾンドライバーを作動させ腕のみをアマゾン化し、更にオルタリングも超越精神の赤を発動させて更に力を凝縮することで直剣を持つ右腕が一部肥大化する。

そしてバヂスが我に返った瞬間

━━━━━━地上より、元々変身無しでオルフェノクを圧倒する膂力がタイタンフォームにより数倍、腕のみだがアマゾン化させることにより更に数十倍へと引き上げられて片腕に集中して溜めたソレが解放され、タイタンソードは音速を超えて放たれる。

地上から何かが放たれたのを知覚した時には、音速を超えて放たれたタイタンソードが飛来した。

……が、五代も先程ペガサスフォームで針に反応した様にバヂスもまた命中する瞬間に身体をよじり即死は免れたのだが代わりに飛行に必須であった左側の羽根を2枚失ってしまいまともな飛行が困難となり、大きく揺らめきながらだんだんとその高度が自然と下がっていく。

 

 

 

「ちぃっ!!!寸前で避けやがったかっ……。

それなら…………」

 

 

 

おもむろ腹部より先程までアークルに薄くブレるように像が重なっていた獣の顔を思わせる黒いドライバーが急に実体を持ったかのように表面化し、アークルの像が逆に薄くなる。

 

 

 

 

 

 

『 『 VIOLENT BREAK 』』

 

 

 

 

 

その黒いドライバーのグリップを強く握りこみそのまま引き抜き、先ほどのタイタンソードと同じようにバヂスへと投げ放った。

これには万全な状態で飛行できないバヂスでは避けようもなく音速を超え放たれた影響か、直撃した首もとから上は吹き飛び残された下半身のみが力無く重力に従って海へと落ちていく。

 

 

 

 

 

「よし、仕留めた。

(危なかった……。まさか避けられるとは、)

 

 

……ああ、そういえば一条さん。

五代さんの体ですが傷自体は数日間はクウガに変身して未確認生命体との戦闘を行ったりしない限りはしっかり元通り動けるようになる筈なので、未確認が出ても3月までは絶対に戦闘させないようにして下さい。

もしも現われることがあるなら、本当はあまり出られないのですが未確認は私に対処をお任せ下さい。」

 

 

 

余計なことをしたせいで、本当に無駄な怪我をさせてしまったことですし。

口の中で呟いた音は一条には聞こえない。

 

 

 

「おまえh

 

 

 

「あと、夏目実加ちゃん。

君のお父さんや、調査隊の仇になる第0号だけど今は警察を総動員したとしても見つけられないんだ。

……ただ、これだけは約束しよう。

僕か五代さんになるかは分からないけど君のお父さんを死なせた第0号、ン・ダグバ・ゼバは必ずどうにかする。

今はこれを信じておとなしくしていて欲しいな、お願いだ。」

 

 

 

 

言いかける一条に被せてその後ろの夏目実加に一方的に約束をする。

 

 

 

「最後に一条さん、くれぐれも現場に向かう際は携帯電話はマナーモードにするようにして下さい。

……未確認との戦いの途中に目の前で貴方が死んだりなんてした日にはもしかすれば五代さんがその激情で一気にアークルの力を解放して凄まじき戦士と呼ばれる状態、第0号と同じ存在、()()()()()()()()()()へと変化してしまうかもしれません。

まだまだ五代さんにはあの姿は早すぎる。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

それでは今日は失礼します、と呟く声を響かせながら現れた時と同様に陽炎が揺れるように姿がぶれ、紫のクウガは砂浜より忽然と姿を消した。

砂浜には、急に情報を与えられて頭の中を整理するまでもうしばらく時間がかかりそうな一条と夏目実加、そして変身解除して気絶したままの五代だけが残されるのであった。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、結果的に蜂野郎は倒せたから良かった。

……いや五代さんが余計な怪我した、な。

昨日も思ってたけど俺は変に五代さんがいる近くに介入して余計な事しない方が良いよなぁ……。

冷静に考えれば別にあんな近くで見なくてもペガサスフォームならかなり離れてても観測できるし……。」

 

 

 

 

 

取り敢えず次のゲゲル後からはなるべく離れながらも対応できる距離で傍観して、五代さんになるべく頑張って貰う方向で、手を出すのは五代さんが来るのが遅くなりそうな時とかだけに留めることにして対ダグバ戦への手札を増やすために色々準備しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の日、某コーポレーションの地下で懲りずに大ポカをカマした間抜けに強制無手人間状態での変身態触手の1000連組手という天誅が下る。

 

 

 

……月末に現れた未確認生命体第16号は出現して通報を受けた警察が現場に来た頃には赤の4号によって撃破が完了されていた。




〇2話連続大ポカかますとかもうお前余計なことすんじゃねぇよクソが、こと主人公。


相も変わらず可愛くもないくせにドジを踏んでいる。犬のうんこでも踏んでろ。
しかし、基本的にお金には困らない(鴻上ファウンデーションからの正規の給料+鴻上個人からの依頼関係のボーナス)うえに毎日【ゴ】階級との無変身組手が自由なので今の時点ではダグバとのエンカウントが無い限り焦ることは無い。
強いていえばそろそろ地方で潜伏中のゲゲル参加無効になった連中から魔石を抜いて警察の解剖を早めさせて、神経断裂弾の早期配備ぐらい。
実際ダクバ戦がどうなるか分からないので実力をつけるために身近な「ゴ」クラスとの実戦に時間を注ぎ込む必要があるため、最後の方に一条へいった本当はあまり出られない、は嘘ではない。
しかし時々都内のオルフェノク狩りなどで出歩くこともある。

ほとんど食人衝動は落ち着いてきた。



次はイレギュラーな動き入ります。(予定は未定)



〇ただただ一心不乱に担々麺を食べ続けていた可愛いだけじゃなく最後にポカをやらかした主人公に制裁を加えることを忘れないヒロインこと凛


あれだけ激辛仕様の麺を食べても粘膜は全く痛まない(魔石による無駄な強化)
正直、普段クールな子が幸せそうに食べているのは好きだし食べ終わってからの恍惚とした表情というか幸せそのものっていう雰囲気が全身から溢れ出てくる感じほんと大好物です。(唐突な性癖暴露)
真面目な話ギャップいいですよね。
その高低差が激しければ激しいほど可愛さというか萌えがめちゃめちゃ際立ちます。


毎日の手合わせで実力的にはそろそろ閣下(通常体)に匹敵するぐらいには強化されています。


〇五代さん(被害者)
緑のクウガは集中して使わないと、頭がパンクしちゃうのに知覚範囲内に異常な気配がするから思わずそっちに意識を向けてしまう。
イメージはジャーザ戦でダグバを感じ取った時。
あっちでは銛、こっちでは針。
やっぱりペガサスフォームは肩を貫かれる運命なんやなって。
これは少し先の話ですがこの件が幸いしてジャーザ戦では、ダグバが見に来てても心を乱されずにRブラストペガサスを成功させることになりそうですよ。
やったね!

療養中に紫の姿のことを聞いて、前もってタイタンフォームへの準備も一条さんと先がける。
……以外と主人公、結果オーライでは?
いいえ、無駄に怪我を負わせているのでマイナスです。



〇何か色々暴露されるも、専門用語ばっかり使われて混乱してる間に重要参考人(人?)を逃してしまう警部補


あのあとすぐに応援と救急車を呼び、10kmほど先の海岸で15号の死体が応援により発見された。(魔石なし)
五代さんが目を覚ますまで全て伝えるかどうか悩んだが、とりあえずまだ新たな可能性があることだけを示唆。
おのれ14号、貴様は一体何者で何を知っているんだ。






ヒロイン(協力者)がそもそも強いので五代さんのように、泣きながら拳をぶつける必要もなく五代さんのフォローでもさせようかすると今回のように余計な邪魔になってしまう。
なんだ、コイツ(主人公)。
すげー本編に絡ませにくいですよ。
なのでちょっとクウガ以外のイベントをば欲しいんですが、やりすぎるとなんだかクウガ編ぽくない
ので予定は未定でもひとっ走り地獄に付き合ってくれる方はしばらくお待ち下さい。



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寄道/予想外の相手

いやー今年はなかなか雨が降らないということでまだ春なんですね。
梅雨が来てから夏がくる。つまり今はまだ春.QED。

4ヶ月も書き出しが決まらずにgdgdしてお気に入り小説を最初から読み漁ってたクソ野郎はいない、いいね?




前回までの3つのあらすじ


坦々麺をすする凛ちゃんに服を染められただけだったと思いきやバヂスの気配から今日もゲゲルがあるのを思い出す主人公


現場に急行し五代さんが無事に緑のクウガ、ペガサスフォームに変身しているのを確認したところ自身の気配も探られ、その隙に五代さんがバヂスに撃たれてしまう


余計なことをしたクソ野郎は代わりに先んじてタイタンフォームの姿とキーワードを予言して蜂をころころして帰る



砂浜には事態をまるで理解出来てないままの一条さんと実加ちゃん、傷のショックで気を失ったままの五代さんが取り残される




(あらすじが)三つに収めきれなかったんや、許して下さい!何でもしまs



体の底から引き締めるような冬の厳しさが薄れ始めるもまだまだ冬服は手放せないという2月の末頃に現れた恐らく生物モチーフがアンコウな16号は赤のクウガが持つ紫の片手剣により3枚におろされた。

 

 

 

 

 

……勿論赤のクウガ(マイティーフォーム)のままタイタンソード擬きをふるうなどというモーフィングパワーの練習でもするような真似を五代さんがするわけなく、やったのは未確認生命体14号で名が通っている表向き鴻上ファウンデーション生体研究所特別顧問とかいう大層な役職名を押し付けられた千歳寇鵺(こうや)こと俺なんだが、事情を知らない五代さん達からすれば素性のわからない不審レベルmaxな14号と認識している俺の言葉を素直に聞いてくれたのか、或いは単純に五代さんが受けた肩の傷に無理を通して現場に来るよりも早くに俺がグロンギを処理できたのかどうかは、16号をさっくり3枚におろして「そういえば水棲系のグロンギ由来の魔石を持ってないなぁ、以外とその辺の研究が出来てないから丁度いいや。」と、思い至って腹をかっさきバヂスと同じぐらいの大きさをもつ魔石を取り終えた頃に通報を受けて駆けつけた警官隊の中に一条さんが居らず五代さんがその身に宿しているアークル内の霊石、天飛(アマダム)の反応がその日も前日同様に一定の場所にとどまっていた所を警官隊の追跡より上手く撒いたあとで確認できたことから前者であったのだろう。

 

 

……そういえば警官隊で思い出した対未確認生命体合同捜査本部だが、正史と違い14号とかいう4号と同じ姿と銀色の装甲を纏った蜥蜴を模したような姿の2通りの姿を表した未確認が未だ民間人や警官隊に害を与えてないものの、発見されて以降特定のマナーモード警官や2000の技を持つ一般人を除いて姿を確認するのみで全く足取りを追えていないせいか早くも警視庁では合同捜査本部に一般の研究員や知識人の要請を始めたようだ。

 

 

おのれ14号、余計なことするから警察からの要請で鴻上ファウンデーションからも古代遺跡の調査班から班長を出す事になってしまったじゃないか。

彼は俺が知る限り調査班の研究員達の中でも特に見識が高いから専門外のこともかなり依頼してて無茶なことでも驚くべき早さで仕上げてきてくれる上に、最近も先週見つかったとある遺跡のことに掛かってくれようとしていたのに、こんなにも早くに合同捜査本部に持っていかれるとは、ゆ゛る゛s (ry。

 

 

 

 

 

 

……と、今日もグロンギを危なげなく撃破した4号こと五代さんをフレイム+ペガサスによって二重に強化された超感覚で確認したあとそんなことを考えながら会社であり、家であり、研究所であり、訓練所としても破格の環境が揃っている鴻上ファウンデーション本社に戻る途中、自社製携帯電話(銃に変形してイチゴ狩りツアーバス内で撃ったりは出来ない)がポケット内で着信をしらせる。

アマゾンズの世界から転移の際ポケットに入ったままに持ってきていたスマホを解析しているので実は時代を先取りした携帯を自社製作できるのだがスマートブレイン製でもないのに性能が時代錯誤のオーパーツ級な携帯をそうそう持ち歩くことは余計な波紋を起こしかねないのでスマホは量産していない。

所持しているのは2000年代に一般普及している携帯である。

もちろん仕事一筋生真面目対後輩女子唐変木警官(どこぞのマナーモードさん)とは違って常に着信などはしっかりバイブレーションに設定しているため、グロンギがいる場所で着信音を鳴らすなどといった大ポカを晒すようなことは無い。

……決してアドレス帳にのっているのが「会長」と「凛」だけで電話などのやりとりをする相手が居ない訳では無い。

断じて無い。

絶対である。

 

 

 

エ-イマドキカゾクイガイニレンラクスルヒトガイナイナンテアリエルー?

(うっ、古傷がっ……)

 

 

 

…………泣いてなどいない。

 

これはちょっと目にゴ=ミが入って起きた生理現象であり、いうなれば心の汗が溢れているだけだ。

試製アークルにより身体の調子は常に正常へと引き上げられているうえにオルタリングで変身せずとも日常生活で起きる動揺程度なら身体に影響が出ないぐらいは青の力を引き出しているのでちょっと昔のことを思い出したぐらいでは涙など流れない、断じて違うのである。

 

 

 

 

 

 

 

と、言った所で気持ちを切り替えて携帯を取り出すと鴻上会長からのようである。

一般人として生きていた前世よりも()()()()鋭くなった勘が「絶対に出るな」と警鐘を鳴らしているが非通知でもなく勝手知ったる相手であり形式上、雇用上だけでなく色々なことで世話になっているので警鐘を頭の片隅に追いやり電話をとる。

 

 

 

「もしもし千歳です。」

 

 

 

「ああ、千歳くん。

私だ。

鴻上だ。ファウンデーションとしては長期休暇をこちらから与えているのは重々承知しているんだが昔の知人から直接連絡があってね、財団の代表として特別研究員顧問としてではなく()()()()()()()()()()()んだが、良いかな?

なに以前のように何日もかかる遺跡への安全なルートを掘削して欲しいとかではないよ。」

 

 

「うーん……。

それならまぁ内容次第ではありますけども、昔の知人で会長へ直接連絡して依頼出来る人って

一体どこの代表の方ですか?」

 

 

「うむ、それなんたが……と、言いたいところなんだが内容が少し往来での電話だと色々心配だからね。

ちょっと私の所まで来てくれないか。」

 

 

「了解です。

丁度そっちに戻ってる最中なのでもう少しすれば到着すると思います。」

 

 

「ああ、分かったありがとう。

……ところで帰る途中でまた新しい人材を捕まえてきてくれないかな?

実は前に連れてきた子達が我社の元々居た警備員を訓練してくれてね。

それから警備員の質も上がって盗掘や盗難、あとは特に大事な社員の被害が減ってね、とても重宝しているんだが本社だけでなく支社にも話が広がってるらしいんだよ。

支社の話は君は聞いたことないだろうが支部を任せている部下たちによる報告では特に人材の話なんだが、東北や北陸は被害も少ないらしく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだが、近畿や九州や北海道にある支社では『妖怪(魔化魍)』や『ガラスの靴(オルフェノク)』とかの被害と思える案件が増えてきているみたいなのだよ。

更には『複体(ワーム)』が何人入れ替わってるかどうかも君が居ないと正確には調べられないからね。

一応体温検査g……これはまた今度かな。

とにかく正直今の人数じゃ本社だけで精一杯な状況だ。

……支社に送る余裕がないからね。

引き込めるなら私がバックアップは任されよう、君もやらなければならない事があるのは私も充分に承知しているから急いで頼みはしないから、少し頭の片隅にでも置いておいていてくれるかい。」

 

 

 

「うーん、まぁそういうことなら考えておきますけど、。

実はなかなかm社の勧誘の手も早いんで最近は目覚めたその日に会えないと厳しいんですけど、外に出る際にはなるべく探すようにしてみますよ。

ガラスの靴(オルフェノク)』は僕が直接増やせれば良いんですけどかなりの数を天使の呪いごと文字通り直接取り込んだはずなのに青いの(使徒再生用器官)出せないんですよね。

……あぁいや、しかしそもそも元々成功率が低いですから出来たとしても()()()()()()()()()なら意味が無いですね……。

()()()()もようやく運用の目処が立ってきたので上手く行けばそちらの方が安全性が……おっとコレも外だと不味いですね。

急ぎそちらに向かいますので一旦切らせて貰いますね。

……ではまた。」

 

 

 

 

一応自社製なので電波ジャックなどには対策を取ってあるので盗聴は心配ないし近くにオルフェノクの気配が無いことを確認済みなので言葉に気をつける必要はないかもしれないが、注意・警戒を怠らないことが習慣付くように日頃から直接的な表現は常に避けるようにしなければならない。

凛からも、「奥の手を除いてコウの実力?グロンギでいうなら総合的には「ゴ」の中間くらいよ。」と言われている今の実力では組織で囲んで叩かれでもしたら一網打尽であるからだ。

勿論、死力を尽くす覚悟で奥の手であるところのアマゾンズドライバーとアークルを重ねて変身して更にオルタリングで覆うように重ねればベルトを潰される心配もなく一個大隊のオルフェノク程度ならちぎっては投げちぎっては投げで殲滅可能だろうがアマゾンズドライバーでの変身は例のアレがあるので、街中などで「ゴ」クラスのグロンギやダグバ、天使、力が馴染んだオルフェノク代表の(三つの命)今はまだ社長ではない薔薇(劇場版ルートへの黒箱)、上級アンデッドにジョーカー、脱皮後の蟲、上位のファンガイアなどと不幸にも突然鉢合わせしてしまうような緊急時以外は簡単には解放できない。

しかもダグバはまだ完全体ではないにしてもその脅威は未知数だ。

2000年度が始まり桜の花も散り出した今の時期なら変身に必要なベルトであるゲドルードが完全ではないので変身体になろうともクウガで例える所のグローイングフォーム、中間体とか呼ばれいていた姿にしかなれないだろうがそれゆえに下手に追い詰めてとどめを刺しきれず正史で描かれなかった力を発現され暴走などれされようものなら下手すれば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

やはり正史の流れをなるべく壊さずに完全体へと至った後に、決戦となるザギバスゲゲルの余波で余計な犠牲者が確実に出ない九郎ヶ岳で殺すしかない、か。

 

 

 

 

ダグバ以外の東京内に潜伏しているグロンギそのほか人の姿を持つ異形の生物たちは2000年になってから4月までの間に怪人態へ変身したことのある個体であれば、ペガサス+フレイム+アマゾンの感覚特化で時々確認しているので本領発揮出来ない人間体限定になるが向こうの知覚範囲に入る前には先んじて匂いで気配が分かるのでそうそう遅れを取ることはないが、防犯カメラなど機器類を駆使されて待ち伏せされるなどがあれば先程の奥の手が必要になるかもしれない……。

まずは人の身へと戻り人として安心して生きるために走り始めた道のりだが毎日生身で「ゴ」の変身体相手に向かい続けて強制的に体の芯から戦う動きと勘を叩き込んでいてもそれ以上の脅威に抵抗するだけの力がまだまだ足りない……。

ダグバ完全体への対抗策も何とか五代さんに協力を仰いでダブルアルティメットで囲んで叩くぐらいしか確実な対処法は思いついていないし。

リスクも跳ね上がるけど最近班長が取り掛かり始めた()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、か。

 

 

 

 

「というか忘れそうになるけど別にダクバの極まったモーフィングパワーから繰り出される肉体の直接プラズマ変換を封じるだけなら()()()()()()()()()()()んだよな……。

五代さんが全員撃破したから誰も至らなかっただけでグロンギもまたゲゲルをクリアしていくか、五代さんみたく魔石を体に馴染ませながら戦い続けて外からのショックでゲドルードの制御を少しずつ外していけばもう1人の「ン」が誕生する可能性があるな。

暴走の可能性というか、もう1人ダクバの様な怪物が増えるだけの可能性もあるからちょっと凛に簡単には試せないけど……。

しかし、もしも五代さんのように理性を保ったままに凛が「ン」へ至れるなら五代さんが無理にアルティメットへと変身しなくてもいい……よな。

一条さんも「君には冒険だけしていて欲しかった。」と最後の変身の時に言ってたし、あの人は世界を青空に浮かぶ雲のように広く渡って旅をする方がよく似合うはずだ。

この世界なら日本の方が危険すぎるだけだけど、やっぱり海外を回るなら身の安全のためにベルトはつけててもらう方がよいけど……。

しかしクウガではないもう1人の「ン」かぁ。

凛は食べること第一で動いてるからなぁ、組手も毎食後のデザート二品追加でやってくれてるし、古代の狩猟民族グロンギとは一体何だったのか……。

いやあれだけの食欲魔人なら逆に正気のまま至れる、か?

…………立ち止まってたか。」

 

 

 

 

長すぎる独り言が漏れるほど考えごとに没頭し始めていたのに気づき、慌てつつも魔石が馴染んできたお陰で更に上がった超感覚でもう一度近くに人間以外の気配が無いのを確認して携帯をポケットに戻し本社へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

警視庁

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━━━━━━ということで今後も日頃の競合相手が居られる方々も未確認関連事件が解決するまでの間はどうか目を瞑って頂きまして早期解決へ御尽力よろしくお願いします。

また、最初にお話させて頂きましたとおり未確認関連事件の情報については一般の方々の不安を余計に煽らないためにも警察の方で管理いたしますのでくれぐれも持ち帰ることのないようにお願いします。」

 

 

 

 

 

 

……やっと終わった。

最近では凛によるグロンギ式エクササイズ(極)で鍛えられた人としての理性が強く残ったオルフェノク(引き込み済み)の誰かしらかがこういった護衛などの有事では呼ばれているんだが珍しく鴻上会長からの直接のご指名があったのと、どうも空腹の極みにいた凛が(極)を(獄)へとレベルアップさせたらしく全員グロッキーで凛も空腹による短気でやり過ぎた自覚があるからか本社で皆の具合を付きっきりで見ているらしい。

 

 

具合を付きっきりで見ているらしい。

 

 

……()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

………………………ナニモオモウコトナドナイ、コレハシカタガナイコトナンダ。

 

 

 

 

 

別にやましいことなどでは無いしなんなら皆と違って俺は凛とは一緒に住んでるしいつもご飯は一緒に食ってるし会長から貰ったケーキも2人で分けるし寝室も……まあ布団は別だけど大体一緒に寝てるし1日のほとんどは戦闘とはいえ大体一緒だしその戦闘したあとは隅々までモーフィングパワーの治療とマッサージしてもらってるし俺も治療するしマッサージするし美味しいご飯も作るし食べさせるし食べさせてもらうし風呂は別々だけどそれは当たり前のことだし時々下着姿の凛に鉢合わせて魔石アークルと青の力で常に平静を保てるように強化されているはずなのに俺の心が滅茶苦茶に揺らされてしまうのも前世で特に女性との接点が極端に少なすぎて色々な経験が無かったのだからある種当然の反応で致し方ないことだしというか凛も凜でその辺の恥じらいというか…………。

 

 

 

 

 

「あの、鴻上ファウンデーションの付き添いの方でしょうか。」

 

 

「ぅえあっ!?

ぁあっはい!……ええ。

そうですが何か御用でしょうか。」

 

 

 

思考に沈みかかっていたのに気づかず急に声を掛けられて焦ってなどいない。

 

 

 

 

「合同捜査本部の会議はこれで以上なのですが遺跡関連の研究で日本トップの鴻上ファウンデーションで代表の方に九郎ヶ岳遺跡のことについて意見を伺きたく、これから小一時間ほど頂くことになったのでお付きの方には申し訳ありませんがもうしばらくお待ち頂けますでしょうか。」

 

 

 

何も反応がないのはそれはそれで気を使ってもらってるのが露骨に分かるので実際傷付く。

……が、すぐに気を取り直す。

 

 

 

「会長の方へ連絡は。」

 

 

 

「会議中に急ではありますがご連絡させて頂きまして快諾して頂きました。」

 

 

 

「……ではこちらから特に申し上げることは無いです。護衛ということで私も一緒について行きますがそこはどうでしょうか。」

 

 

 

「はい。構いません。

その件も鴻上氏に連絡の際にお伝え頂いております。

……では遺跡から出土された物を管理している部署の方へ向かいますので代表の方と御一緒に…「失礼、案内は代表の方だけで良い。

上の方から指示を受けたてきた。お付の方は私に任せてくれ。」……了解しました。」

 

 

 

案内を受ける途中で会議室へと入り話を遮ってきた壮年と思しき警察官はコウへと向き直す。

 

 

 

「大変失礼致しました。

突然で申し訳無いのですが、貴方をお呼びするようにあるお方より仰せつかりました。

九郎ヶ岳の資料を見て頂く代表の方についてはこちらの者が3人護衛としてつきますので私に付いてきて頂けますでしょうか。」

 

 

男は「私」と言う瞬間にチラリと胸の内ポケットより()()()()()()()()()()()をコウにだけ見せてきた。

 

 

「なっっ!?

━━━━━━━━━━っっぅ!!!!

……っはい。

そういうことなら分かりました。

貴方について行きましょう。……ちなみに護衛につく方はそちら関係の方でしょうか?」

 

 

 

「はい、まだ()()()()()()()()()()()()()が間違いなく貴社の代表の方の身の安全が保たれるように選出してまいりました。

また、お早い判断ありがとうございます。

決して貴方が今一瞬の間に危惧したようなことはありませんので、その辺りは警戒されずとも結構でございます。

……では、こちらへお願いします。」

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「こちらです。

私に続いてお入りください。」

 

 

 

案内されて着いたのは地上ではなく地下。

演習場にも使えそうな場所をいくつか通り過ぎて一番奥の区画まで歩いている間に何度も察知したがよほど秘匿するべき何かを研究しているのか封鎖用の為に壁の中や天井にはしっかりと爆薬が設置してある。

警戒するなとは言われているし、この先で待っているであろう人の気配的に警察の中でも上層部の誰かであることは想像しやすいが、いくらなんでもこんな場所へと連れてこられてしまっては自然と罠を警戒し、異変を感じ次第直ぐに変身し脱出する心構えをしてしまう。

……が、それもここまでである。

案内の人が一番奥の区画にある厚い扉を開け「この先はご案内した方のみを通すようにと言われております。私は扉の外で待機させて頂きます。」

と、言われて中に入ったが重厚な扉の閉まる音にも反応出来ないほどの人物がそこにはいた。

……その人は俺の記憶が確かならば前世では1()9()7()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()であり、この世界では何度か警察の記者会見に出ており記録として残っていたものだがテレビで1度だけ見たことがあり、今年を無事に越せればという前提が必要だが来年に起きるであろう超能力者狩りの事件でもG4を巡る騒動で新たな時代の仮面の戦士ことアギト、津上翔一の前へ姿を現していたその人物は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()………………()?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやそれにしては機械類の独特な臭さがないし、目の届く範囲に見つけられないようにした上で服の内側に隠しているが、何度か山の中で遠目に確認したことがある極限まで鍛えた人間が行きつく戦士が常に持っている特別な呪具を携えており、身体の方も不純物や余計な器官が存在しない純粋な人間が持つこちらの本能を撫でるように刺激してくる芳醇で甘美な香りが鼻腔をくすぐる。

……しまった。

会議終わったら直帰で夕飯にしようと思ってたからつい…………食欲が漏れる。

もう少し青の力を強めて本能が暴走しないよう気をつけなければ。

 

 

ふぅ、む……。

やはりというかまぁ恐らくだが本物の本郷猛ではないようだ。

……と、思っていると目の前の本郷猛の顔をした何者かが口を開いて話し始めてきた。

 

 

 

「君が思ったとおり僕は本郷さんではないし、本郷さんは今、()()()()()()()()

数日前に1度帰ってきてたんだが君が写った新聞をしばらく見たあと僕へとコレを預けてまた遠い…………そう、()()()()()()()()へ更なる人々の自由と平和のために戦いへと向かって行ってしまったよ。」

 

 

 

 

「……っっ!、、っっ」

 

 

 

「ああいや、心まで覗くようなことは私には出来ないよ。

今のは単純に君が表情に出していたのを少し読んでみただけさ。

自分では気をつけてるつもりかもしれないけどかなり表情に出る人みたいだね。

うん、やっぱり本郷さんの言ってた通りみたいだね鴻上ファウンデーション生体研究所特別顧問千歳コウヤ君。

……いや、()()()()()()1()4()()君と呼んだ方がいいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━()()

 

 

 

 

 

 

コウは一息吸う間に意識的に警戒度を最大限まで引き上げると同時にすぐ無理矢理逃げ出せるようにと、試製アークルとオルタリングを同時に出現させ加えて人間態を辞めれるようにアマゾンズドライバーにも手をかけ全身から熱を放出しはじめた。

 

 

 

「……っとと、ああ。

驚かせてしまったね。

済まない。こちらに君を害するつもりは一切ない、証拠とは言えないかもしれないが気配を探って見てくれ、この周辺には僕しかいないはずだ。

 

外で待っている案内役の彼以外はね。」

 

 

 

 

突然戦闘への意識を切り替えはじめたコウを見て少し驚きつつも害意が無いことを伝えてくる。

……確かにこの区画に来るまでの間は案内の人以外はそれぞれの演習場や研究区画でそれぞれの仕事に打ち込んでいる様子であったし、今も案内した人は先に言われた通りに扉の外にて待機している。

壁の中にも念の為感覚を広げて確認してみるが途中まであった爆薬もこの辺りには設置されていないようである。

 

 

 

 

「……目的は?」

 

 

 

警戒度は下げないままだがとりあえず目の前の男が自分の素性を知りながらもその年齢から想像される実力を使って自分を捕獲しようとしないまま、企業越しではあるが真っ当な手段で呼びだし対面してまで何かしらかの用があるらしい。

 

 

 

 

 

「なに、あの本郷さんが危険ではない、と保証した君に少し頼みたいことがあるだけさ。

警視総監を本郷さんの代わりにあずかっている僕からね。」

 

 

 

 

 

 

……最悪だ。

やっぱり会長の電話が鳴った時点で走った直感を信じて着信を無視するべきだった。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

絶対にだ。

例えダグバと一人で単独決戦をやっている中でも俺は絶対に直感を信じ続けてやる。

 

 

 

 

 

 

 

コウは宙を見上げどこか現実逃避するように心に深く誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




〇先人と違って書くのに~ヶ月もかかるクソ雑魚執筆初心者は例のあとがきも考えながらなので時間がかかるので取り敢えず本編だけ先投げです

オルフェノク=灰色=灰被り=シンデレラ=ガラスの靴

M社=3年後に就任する社長のイニシャル。
薔薇のオルフェノク人間としての名前は?



〇正直アマゾンズドライバーがもっと使いやすかったらシグマに頼りっぱなしでグロンギころころし続けて人肉を食べるほど強くなるアマゾンの特性のおかげで「ゴ」クラスも余裕だったのもつかの間、モーフィングパワーへの対抗策もないまま九郎ヶ岳の決戦に横槍を入れて全身プラズマ化させられて終了の可能性があった無限の進化による影響が強くなりつつもアギトにはまだ変身出来ない(A)マ(ZO)ン


実はアマゾンとしての姿はシグマではなく別の生物?でその生物モチーフによる特性がある。
シグマの姿になれるのは内蔵式アマゾンズドライバーの仕様。
ベースをその生物?にしないとたとえ進化し続けているとはいえただのアマゾンが人ベース以外の化物を食べれるわけが無い。
あとは超能力はどっちかというと感覚とか精神特化に近くパイロキネシスやサイコキネシスが苦手でテレパス、サイコメトリー、遠視 透視 予知の力が強め。
……が、生物だと読み取れるのは自分より弱い者に限るので格上と同格相手だと地力での勝負といかねばならない。
オルタリングも出現はしているものの、肉体変化までは発現できず超越感覚と超越精神の力を引き出すのみである。
逆に魔石製アークルはプロトアークルとゲドルードを解析してアマゾンでも使えるように調整を重ねて作製しているのと、ご存知のとおり魔石パワーで寝ずにともずっと活動可能なので凛と夜のラフファイト(意味深ではない)をすることがそれなりにあるため1番馴染んでいる。
直近の悩みはシグマに変身は出来るものの、体に内蔵型ではないはずなのに何故か体に埋め込まれているアマゾンズドライバーの解析が上手く進まないこと、サイコメトリーが効かねえ!!なんでや!?ドライバーに関する記憶もそこだけなんかモヤが掛かってるのはなんでや!?初話の某天使「ニッコリ」

グロンギは野性味溢れる豪快な味、オルフェノクはそれより少し薄味、魔化魍は品質低いゴーヤみたいな味、ワームはそのまんま昆虫食の味、ファンガイアはモチーフに依存した味でそれぞれ生きた年数と実力が高いほど奥深い味わいになっている。
例の遺跡は海が近くにあって地下に巨大な石版が鎮座している超古代よりも更に古代から存在する遺跡。
パラレルワールド?へーきへーき、なんなら主人公もこの世界産じゃないですし



〇本人から主人公へある物をあずかってきた本郷猛似の警視総監殿


まだ何も渡してないし渡されるものも何になるか自分で分かってないけどライダー関連になるはず
明らかに歴戦の戦士で呪具を持っているにも関わらず未確認生命体を若い現場の警官らに任せている、あるいは任せるしかない理由が……?
まだ色々ふわふわのままだが予定は何となくある。



〇事情をよく分かってないまま警視庁まで連れてこられるも九郎ヶ岳遺跡は鴻上ファウンデーションが関われなかったので、狂喜乱舞して発掘品やリント文字を見て回って予定時間を大幅に押してコウから「(例の研究の)第1試験者にしてやろうか?」の一言で正気を取り戻した鴻上ファウンデーション遺跡班の班長。


超有能。
この人がいなければいくらプロトアークルとゲドルード(完品)があって未来の技術(アマゾンズ)を記憶から引っ張り出せる主人公でも魔石製アークルは試製とはいえ春先までかかるほどだった。(半年以上早く仕上げている)
あと可能性として時系列的に既に雇用されてそうな終末おじさんはまだいないし、この人が終末おじさんでもない。




次回は未定!!
やりたいこともあるけどさっさと時系列を進ませないと10話以上もクウガ編が続いてしまいそう。
前作持ちや他サイトとかで作品書いたことがある様な作者様ならともかくあまり長くすると畳めなくなりそうな恐れががががが……
何度も言いますが私は普段読み専ユーザーなので正直素人です。全く話の流れとかが分からず、人物の描き方すら知らないので許してくだしい。



それでも気にせず読んでくださる方は地獄(次話)までひとっ走り付き合いよろしくお願いします。


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奇縁/早すぎた邂逅

半年以上も展開を展開出来ずにいたので初投稿です。



前回までの3つのあらすじ


鴻上会長からの個人的な頼みで警視庁へと向かうコウ


おとなしく帰るところを止められ地下へと一人連れられ



警視庁地下にてコウを呼び出したのは本郷猛にそっくりの警視総監()だった




正直、戦闘シーンを書き起こせなかったので短めです。
何とか年内にはあげておきたかった。


 

あの強烈な出会いのあと。

実際に会った経験が無いので記憶を頼りにするしかないけれど、それを信用するのであれば本郷猛に瓜二つの姿をした警視総監殿と個人的なものであるが━━━━交渉という名のやりとりで年の功というよりもどちらかといえば以前にそういった方面での仕事にでも従事していたかと思えるほどに慣れた様子で、こちらの考えていたよりも向こうが有利になるようやりこめられてしまった。

 

 

正確に表現するならば少し違うのだろうけれど2度目の生をこの世界で、また()()()()()()()()()()()という目標を掲げならがらも実際に生きていけるようになった時に必要であるところの様々な技能が足りていないのがこの件で明確になった。

……今回は互いの役職上での責任などを考えた結果、

正式な、言うなれば公的な交渉の場では無いとは言え明らかにあちらにやりこめられたこと━━━━━━━確かに今年を確実に生き抜くために一番必要なことは、限界まで体に戦いを染み込ませて、戦いなどから全くの無縁だった平和な日本の一市民から常在戦場の戦士程度には己を高めることではあるのだけれど━━━━━━━それでも自分は今のところ戦闘しか出来ない脳筋であることを強く自覚させられた。

いや、()()()()()()()()()()()()()()()()、のだろう。

テレパスによる相手の心を読むのは歴戦の勇士を想像させる実力により阻まれたものの、感情の揺れ幅などは超能力、超感覚、人とは違う五感で感じ取れたけれどそこからは悪意などのイヤな感じがしなかったので、心までは読ませられないがこちらに悪意などは無いことを態と垂れ流してくれていたのだろう。

全て分からせないまま自分達に都合の良い駒として利用出来るようにも騙せたのにも関わらず、にだ。

これは貸しを作られたと思っていた方が良いだろう。

 

しかしここはまだその相手が居る場所だ。

そこは上手く表面に出さないようにしつつも、少し、いや実はかなり落ち込みながらも上手いこと認めさせられた1つ目の契約である

「警支庁内に存在するこちらが把握出来ていない悪意ある異形のリストアップ」

を本格的やるのは凛や班長に相談して、打ち合わせてから後日、慎重にやろう。

 

 

 

 

 

あと、本当ならすぐにでも帰りたいところだけれど相手に一杯食わされた気分だし黙って素直に帰るのもなんか癪だ。

どうせなら………………うん?

アマゾンの強化された五感と超感覚はすぐに異常を知らせてくれる。

先程警視総監殿と対面することになった部屋が存在する、警察にとって世間というか、マスコミに出されたら困りそうな武器、重要そうな兵器がそれなりに管理されていそうな地下の区画に感じる。

ただいま絶賛勤務中な人々の中に混じった一粒の異物。

俺がまだまだ人間に程遠い存在(アマゾン)である証、と、人間になりえる可能性(アギトの力)がある証、は今も正常に機能しているようだった。

欲を言えば先の交渉中にもっと頑張ってほしかったところでもあるけれど……。

 

 

 

「まぁ………一応行った方が良いか。」

 

 

 

 

この階層からさほど離れていない、人間の気配がほぼない区画にある部屋から感じるその異物をとりあえず確認すべくひとりでにコウは歩みを早めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、コウがひとり出ていった部屋に残った警視総監へとコウの案内役を任されていた警官が歩み寄る。

 

 

 

「どうでしょうか彼は、いくら本郷さんが「大丈夫。」と言われていたとはいえもしも警察、いいえ人々の脅威になり得る悪性を少しでも持つというのであれば私が!!」

 

 

「ああいや。

待ちたまえ、早まらなくても良いよ。

そもそも僕が直接、視ているし何よりもあの、、あの本郷さんが僕らよりも先に彼のことを見て「大丈夫。」と、言っているんだよ?

君も昔本郷さんに助けられた1人であり、あの人を少しでも報いたいとの思いでここまで来たなら最後まで本郷さんを信じるのが筋じゃあないのかい?」

 

 

 

何より、と続ける。

 

 

 

「僕を前にして警戒を最大に上げていただろうというのが見て取れていたところから察したのだけれどね。

……彼にこれを直接言うのはかなり気が引けたから彼には言わなかったのと、もしも彼に言うならばまず間違いなく躍起になって否定してくるだろうけれども、僕がこれまで生きてきた内に出会った人たちの中でも彼は稀に見るほどの天然君だったよ。

……そうだね、歩く天然記念物と言っても過言じゃないかな。」

 

 

 

「……天然記念物?」

 

 

 

「そう……。

しかし天然だからこそ、時に秀才すら飛び越していく予想のつかない結果をもたらしてくる瞬発力を持っていることが多い。

それはそうとして………。」

 

 

 

 

 

 

 

何度か足元で()()()()()()()気がしたのだけれど、彼はそのことに自分で気づいているのだろうかねぇ?、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は移り、警視庁地下6階のとある一室。

区画自体が廃棄用に使われているのだろうか隣接された他の部屋にも人気が無く製造途中で放棄されたかのようにみえる武器や兵器が散乱している研究室。

さながら武器の墓場とも言えるような部屋に、つい先日未確認対策本部へ引き入れられた小沢澄子は前主任の男に呼び出されていた。

……気のせいか部屋に入った瞬間につん、とおよそ金属類が乱雑に置かれたはずのこの部屋からはかけはなれた鼻腔をくすぐるような香りがした気がする、香水などではないだろうが気づいたあとには鼻が慣れたのか香りを確かめられず全く見当がつかない。

などと余計なことを考えていた小澤の前で元主任の男が振り返って話し始めた。

 

 

 

 

 

「小沢さぁん、俺はなあ。

あんたが来るまでは主任として未確認生命体に対抗するための武器を開発してたんだよぉ。

なのによぉ、マサチューセッツ工科大学を早くに卒業した天才だかなんだか知らねえが、あんたが開発に来て俺は主任から外されちまった。

俺様手製のGeneration1を引っ提げて帰ればウチの会社でも幹部昇進出来る可能性があったかもしれねえのによぉ、もうそのチャンスはこぼれちまったんだよぉ。

あんたさえ来なければG1のデータを使って会社で俺達専用の装備が出来ただろうし、俺がそれを使ってあのクソ気に入らねえ未確認共もいけ好かねえ4号とか言う奴もまとめて灰にしてやったのによぉ。

だけどよぉ、もう手遅れなんだなぁ……。

俺が警視庁のお偉方に隠れてコツコツ作ってたG1は小沢ぁっ!!

お前がっ!!!

お前が主任に来たせいで完成間近のG1をこの地下施設の部屋に廃棄して、そのデータから新しく人間用に再設計しやがった!!!!

……G1を会社へ送るのを失敗した俺が幹部にのし上がるにはお前をぶっ殺してまた俺が主任に返り咲くしかねえんだよだからお前を殺してやるよおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

言いながら自身の放つ言葉に苛立ちを含ませ始め、とうとう最後にはそれまで溜まっていた鬱憤を放つがごとくヒステリックに叫び始める主任だった男は、その姿を人間からかけ離れた大きさの体を持つ灰色に近い白をした 異形の姿へと変化させた。

元々あった四肢は特に大きな変化は無いが上腕の根元からそれぞれ大きな触手が一本ずつ、腰の後ろや肩の辺りから中くらいの無数に生えている白い触手や、頭部のかさを着たような形から想像するにクラゲを思わせる出立ちをしている。

ヒステリックな叫びを続ける男は腕にある大きな触手を2本とも同時にしならせ、突然のことにまだ反応すら出来ない小澤の元へ殺到させる。

 

 

 

 

「……え?

あ、、、、、あ、、、、あ、あ、

ぁ、ぁ、ぁっ、。

…………いやああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!???」

 

 

 

一応小沢も警察官の端くれ、一般的な警察官が受ける数多の訓練や試験をクリアしているからこそ、今こうして警視庁内に立っているがそれはあくまでも一般の人間相手を想定した訓練、試験であり人知を超えた異形の訓練などは想定していない。

いや、特殊な訓練で体を鍛え続けて、人間を食い物にする化物を浄化するような特別な組織を兼任している人物であればそういった訓練も積んですぐにでも臨戦態勢へ移れたかもしれないが、小沢は当然ながらそういう世界の人間ではないため前者に同じくそんな想定などされようはずもなく。

しかも、初めて会った時から余り良い印象を持たなかったとはいえ主任の引き継ぎなどで仕事に対しては真摯な姿勢で向かっていたように見えていた前主任という知己の相手が、突然未確認とも明らかに違う系統のクラゲが人型になったような異形へと姿を変えて襲いかかって来るなど普通の人間であれば想像すら出来はずもなく

 

 

急に本性を現し襲い来る元主任を前にし、本能的に叫ぶことしか出来ずに身を縮こませる小澤の元へうねりながら2本の大きな触手が━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『 VIOLENT PUNISH 』

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━そうですね。

確かに貴方が今しがた言った通り、この部屋に誰もいなければそのまま小沢女史だけは殺せていたでしょうね。

……この部屋に()()()()()()()()()()、なんですけどね。」

 

 

 

襲い来る脅威を前にして腕で自身の体を抱き目を瞑った小沢にはその声だけが聞こえた。

明らかに()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

(………………っっ。

…………………………。

……………………………………。

………………………………………………。

 

……………何………も……来……な……………い?)

 

 

 

その声が聞こえてから数秒、予想していたような暴力、元主任が異形になる直前に叫んでいた「殺す」という言葉に繋がるような攻撃が来ないことに気づいた小沢はぎゅっと閉じていた目を恐る恐る薄くだが確実にゆっくりと開いた。

 

目を瞑る直前までに見た光景である襲いかかって来ていた元主任の異形は先程までの激昂の雰囲気は消え失せ、顔?の様な部分も俯いており腕はだらん、と脱力し垂れ下がっている。

全身の様子も同じようで足はしっかりと床を踏みしめているが明らかに様子が一変している。

殺すと叫んで小沢の元へ向かって来ていた触手も同じように床の上にてその動きを止めている。

……誰の声なのか、何者が来たのか、何が起きたのか、と先程までと様子を一変させた元主任の異形をまた急に襲いかかられてもすぐに逃走出来るよう警戒しつつ、何が起きたのか状況を把握しようとするも、先程の恐怖からかいつの間にか腰が抜けているのに気づき近くにあった棚へと未だ少し震える手をかけてしっかりと足に力を入れて立ち上がりかけ

 

 

 

 

 

 

ぐちゅり、ぐちゅり、ぐちゅり、ずぼっっっっ。

 

 

 

 

というスプラッター映像などでないとそうそう聞けない生の肉を抉り抜くかのような異音が部屋の中で鳴り響く。

それと同時に小沢の前にいた元主任の異形にも新しく変化が現れた。

小沢の前に力なく項垂れ静止して立っていた元主任の異形が、胸前あたりからゆっくりと血によって真紅に染まった白銀の腕が生えた。

その鮮烈な光景を目の当たりにした小沢は「ヒッ!?」と小さく声を出し、顔から血の気がサッと引いていき目に見えて青ざめていく……。

 

 

……と、元主任の背後から顔を覗せる様にして小沢の視界に更に現れた1人の、否、一体の異形。

……顔と腕しかしっかり見えないも元主任が本性を現すと共に変えた姿ともまた違うその姿。

…………世間ではここ半年ほどで一気に名前が挙がるようになったうえ、新聞だけでなくテレビやラジオ、果てはオカルト本や都市伝説としても取りざたになっている。

警察では知らぬものは無いと言えるうえ、特に小沢が主任として抜擢された対策本部の対未確認用の武器、兵器開発で先程元主任の男の話にも出ていたGeneration1、G1のモチーフとなったとある冒険男が変身したのと同じ姿を持つと予想されており、最初に発見された際の写真しかその情報が無いその存在は━━━━━━━━━━

 

 

 

「……、よ、、4号……?

いえ…………その腕、、、の形状…………と………………銀色は……、、14……ご、、う。」

 

 

 

 

余りにも現実離れ過ぎる出来事の連続。

そして怪物の胸を突き破って貫手が生えてくるという凄惨な光景を見せられた小沢。

自身の処理能力を超えた情報を受け止めてしまったからだろうか、彼女は最後にそれだけ呟くと同時にそのまま意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ、地下で唯一人外の気配。それもオルフェノクが纏う燃えカスみたいな臭さと薄く人間の香りが少し合わさったような匂いを辿って来てみればなんてこった。

直感が響いたから直帰せずにとりあえずしっかり確認しておこうとしてて本当に良かった。

まさか、来年のキーマンいやキーウーマンであるところの小沢澄子さんがこんな所で命の危機に陥っているとは……。

しかし、まぁ小沢さんと元主任オルフェノクが部屋に入った時点で、既に部屋の背景に溶け込みながら後ろに着いてたから本当は小沢さんに危険が及ぶ前に安全に処理するのも可能だったんだけれど。

 

 

 

「……自白剤にも使用される薬剤をモーフィングパワーで精製して空中散布する、なんてアドリブは簡単にやるもんじゃないな。

もっと安定して使えるようになってからじゃないと、もう少し範囲を広げてたら危うく小沢さんにまで効果を及ぼすところだったし。

けど、触れずに精神感応で記憶を読み取りやすくするならコレが1番早いから安全第一にしつつ野良フェノクとかで慣れる必要アリ、かな。」

 

 

 

あんまり昔までは記憶を読めなかったけど、この感じなら個人の暴走でしかないレベル、であってる筈……。

薔薇や羊とかに繋がってくれてたらもっと情報が美味しかったかもしれないだけに勿体ないとは思うのだけれど……。

しかし、G1の開発に元主任がいるとは……。

本来ならGシリーズは全部小沢さんの研究によるものだった筈だけれど、あるいはこれがライダー世界の統合によるイレギュラーってやつなのか、あるいは……。

取り敢えず読み取れたのを信じて言ってたこと以外は特にこれといってあの会社の情報すら持っていない程度の使徒再生オルフェノクっぽいし、この部屋も入る前に確認してみたけれど監視カメラとかが設置されてないようであるし。

 

 

 

「しかし、Gシリーズか。

ここにあるのは小沢さんが作ったそれと違ってオルフェノク用の恐らくオリジナルよりも更にピーキーな作りになってるはず。別に必要無……、

……いや、オリジナルG1ですら中身がアレだったとはいえ、しっかりとアギトやG3-Xに通用していたような気がするからそれより更に確実に性能が上ならば……。

とりあえずデータはオリジナルG1共々ほんの半世紀ぐらい借りることにして本体は先にするべきことをやってから、考えようかな。」

 

 

 

一応殺してから数分ぐらいなら放置しても大丈夫なのは以前会社の地下で処理したオルフェノクで確認済みであるけれど。

だからといって余裕がある訳ではないうえ、あんまりG1のことで悩んでそのまま灰にするにはもったいないし、丁度良く小沢さんも気を失ってくれたからここは責任持って最後まで

 

 

 

 

 

「いただきm

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━と、その時。

灰化するでもなく怪人態の姿のまま胸元を貫かれ確実に息絶えていた元主任のオルフェノクの元へと薄く輝く光の玉?にも見える物体が部屋の天井を物理的な干渉を受けていないかのように下りて、すっ、とオルフェノクの体へととけるようにして入っていった。

しかし、丁度オルフェノクに食らいつこうとしていたコウはそのことに全く気付けなかった。

 

 

 

 

 

 

バヂィィィィィィィィィィィィィィィィィイイイ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「ッッッッッッッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

瞬間。

確実に死していたはずのオルフェノクの体の表面に()()()()()

比喩でもなんでもなく、目に見えて明らかに体に電流を纏っているかのように灰色だった生体装甲の表面を薄く赤熱させ、バチバチと電気が走っている。

電気は全身から迸り、段々と激しさを増していく。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

……と、異変が起こっているオルフェノクを置いて直前までそのオルフェノクへ接触していたコウはというと━━━━━━━━━

 

 

 

 

(あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!!!!!)

 

 

 

 

 

直前に今まで一度も感じたことの無い自身の内側から直接魂へと呼びかけてくるような、生命の本能的なものとは根本的に違った感覚が走っていたのと、変身したままであったのが功を奏し、オルフェノクの体を介して自身へと電流が流れる直前に接触させていた部分を寸前のところではなし距離を置いていた。

しかし、寸前のところで避けるだけではオルフェノクの体の表面から迸る電流に捕まってしまっていた。

 

 

 

 

 

(痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!痛い痛い痛い、、、痛い、痛い……………………いた、、い?……痛い?

痛いだけで済むか?アマゾンが?野生(仁さん)養殖(悠さん)歩く感染源(千翼くん)のようにドライバーで変身出来ない駆除隊の人達が、常に装備していた電気を纏った武器、弾丸やらでも駆除されることもあったアマゾンの体が?()()()()()()()()()()……?)

 

 

 

 

 

違和感を感じる、否、違和感どころではない。

以前、この世界で目覚めてからしばらくまだアークルを掘り起こす前のある日、一日の終わり風呂上がりに髪を乾かそうとドライヤーを使うため何気なくプラグを刺そうとコンセントへと手を伸ばしたところ、突然手先が爆発したかのような衝撃が走った。

それだけは瞬間的に知覚出来たけれど、何が起きたかを把握した時にはコンセントから離れ反対側の壁に背を強かに打ち付けていた。

あの頃は、痛みなどにまだまだ慣れない一般人相応な感覚しか持たなかったので多少は過大に感じていただろうけれど、それでも今感じた痛み程度ではないのは断言出来るほどに痛みの次元が違っていた。

にも関わらず、今は人間だった頃の冬場、静電気が走った時より少し強い程度しか痛みを感じていない。

 

 

 

 

 

(なんだ?一体何が……、いやそれに今まで感じれていたアマゾンの感覚g

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『━━━()()()()()()()()()()()()。』

 

 

 

 

『人の子よ…………。いや、お前は……、、、アギト、か。

しかし、それにしてはその魂は……。』

 

 

 

 

『……なれど、完全には目覚めずとも、アギトは、

、アギト。』

 

 

 

 

『その身、おとなしく、死して塵と化せ。』

 

 

 

 

 

 

 

異常事態とそれから発生した自身の異常にパニックを起こさず瞬時に分析し始めていたコウの前に文字通りの意味で━━━━━━━━━━━━━━()使()()()()()()

 

 

 

 

 

 




本当はマラーク戦後まで書いてから投稿したかったのですが、戦闘シーンが湧いてこなかったので初邂逅までです。


なんで2000年代のクウガ編やってるはずなのに、マラークとの戦闘に入ろうとしているんですか

申し訳ありません。
流れに乗ったらオルフェノクの体にマラークがinしてました。
正直ライジングすら出来てないうえ、何故かアマゾンの感覚を失っている主人公じゃ普通に圧倒的不利なんですがコレどうやって倒せばよいんでしょうか?




○主人公

直感を信じてオルフェノクの匂いを辿って来てみればオルフェノクの男性警官に着いていく小沢さんを発見。
幸い通路で発見出来たことで先に小沢さんにテレパスを繋いで部屋へ先回り出来た。
表では描写がないだけで、一日のほとんどは凛と一緒(変身体vs生身♪編、体で覚えろモーフィングパワー♪編など)なので基礎的なものは叩き込んであるので、応用的なモーフィングパワーの使用が可能になってきた。


本人は気付かなかったが交渉中に影が動いていたらしい……。
アマゾンの体である筈なのに電流を受けても大してダメージがないようだが……。
大丈夫?変身出来ます?というか超越生命体を相手に出来ます?




○オルフェノクの人
世界観統合の関係で渋谷隕石の際に死亡し、オリジナルに覚醒して生前の誠実で真面目な性格がほんへよろしく力に呑まれる。
呑まれるがオリジナルにしては直接的な戦闘力が低かったので強化外骨格を作成することを決心する。
それから未確認生命体事件が起き始めて、本編で語ったように完成した所を主任となった小沢さんから「人間には運用出来ない。」と、廃棄されて555本編の怪人と同じく自身の衝動を抑えることなく小沢さんを殺害するつもりだった。


○オルフェノク変化体
コウが鷹山サンダーして死んでいた筈のオルフェノク態へ光の玉が入ったことで紫電を体表に纏わせながら再生し、体躯もオルフェノク態よりも人型に近くなる。
言葉を喋っているのか、脳内に直接なのかでこれからの難易度が劇的に変わる気がするが……。


○コウの影
???
今はコウから離れている。
そんなオルフェノクじゃないんですから、影が喋ったり影に人が写ったり、勝手に動き出したりするはずないじゃないですかヤダー。




それでは良いお年を。
本年もありがとうございました。


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雷嵐/明闇する意識




疾走していた前回までの三つのあらすじ


直感が冴え渡り小沢の危機に間に合うコウ


元主任オルフェノクは見せ場なしに鷹山サンダーで心肺停止


心肺停止オルフェノクに舞い降りる魂、コウの前に顕現するは天使 マラーク


戦闘シーンもどきが本当にキツかった上に作者の表現力が追いつかない箇所が多かったので寛大な心でお許しください。何でもしm


 

 

 

━━━━━━━紫電を纏った一対の触手が大振りに正面から同時に迫り来る。

不幸にもコウの前に突如として顕現したマラーク ハイドロゾアロード ヒドロゾア・テグラと対峙している場所であるここは、廃棄あるいは不採用となった武器などを安置している広間を扉と同じくらいに大きな窓から見渡すことが出来る部屋である。

一応広間に隣接しているものの強化ガラス越しであり広間へ行くには別通路を使わなければならず、かといって今いる部屋で立ち回りを行うには難しい。

普通に部屋から出るための扉はヒドロゾア・テグラの後ろにある、という状況にあった。

更に運良くか悪くか、手が届くギリギリの範囲に意識を手放したままにコンクリートの冷たい壁へ寄りかかった小沢女史もいる。

この世界で目覚めてから何度も思い返している知識を頼れば闇の力、テオスの使徒であるマラークならばアギトの因子、テオスに反逆した火のエルが遺した力の欠片……簡潔にいえば超能力などを持つ限られた人間以外であれば、明確な敵対行為を働かなければ人間を超えた力あるいは天使にも通ずる武器を持たない、専門分野以外は普遍的で超一般人である小沢女史ならば普通に考えるなら特に危険なことは無いはずだろう。

 

 

……が、しかし。

だからこそ、今のイレギュラーな状況ではそれを()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

故に……。

とる行動の選択肢は幾つかある、が直感で浮かんだ一つ。

 

 

 

既に意識は戦闘時へと移り、脳の処理速度と体感速度が通常の時間軸と切り替わる。

触手がこちらへと向かい始めるのを確認したのち、瞬時にコウはこちらに迫り始めた触手から距離があるうちに、壁へと寄りかかり意識を失った小沢女史を素早く脇に担いでそのまま強化ガラスのある壁際に張り付く。

常人ではとても避けれないであろう速さで迫る触手を見据えてギリギリまで引きつける。

当たりかねない直前、上へ跳躍するように脚を踏ん張りフェイントを掛けておき、敢えて目の前へ跳ぶ。

上へと軌道を変えた触手に対しそのまま勢いよく強化ガラスへぶつかるように視線はヒドロゾア・テグラの挙動を見逃さないように正面のまま、腰を捻りつつ後ろざまに空中で蹴りを二度放つ。

 

 

 

「シッッ!!!!」

 

 

 

元々、普通の人には避けられない速さでコウへと向かっていたのと、普通の人間とは桁違いの膂力を持つコウがさらに同じ方向へ蹴ることによって勢いがさらに増したヒドロゾア・テグラの触手は、そのまま強化ガラスで覆われた窓へと向かい安全の為に貼られていた強化ガラスを大きな破砕音と共に容易く貫き、隣接した武器の廃棄場として使われている広間と部屋を繋げた。

部屋が繋がるのを確認するや否や強化ガラスに空いた穴付近に残る触手をすり抜けるようにして、コウは小沢を脇に抱えたまま広間へと身を投げ出した。

部屋から広間を見下ろす必要があるため、高低差は2m程になっており一般人なら飛び降りれば怪我を負うだろうが……

 

 

 

「安全確認ヨシ!!☞。」

 

 

 

日々、魔石を腹部に埋め込んだ古代人がその力を十全に発揮する変身体を相手に、ボコボコにされたり、吹き飛ばされたり、紐無し逆バンジーされたりを生身で受けているコウにとっては2mほどの高低差などものともせず、人1人を抱えているなどものともせず難なく飛び降りて怪我なく着地に成功していた。

 

 

(さて、あのマラークをどうするにしても小沢さんの安全をどうにかしないと……)

 

 

 

そして、広間へ落ちた自分を追ってマラークがこちらに降りてくる前に急ぎ小沢女史を物陰にでも隠そうかと振り返った瞬間

 

 

 

 

 

『距離な、ど取ろ、う、と無、駄だ。我、が前、にはそ

ん、なもの無、に等し、い。』

 

 

 

「っ!!、がっっっ!?」

 

 

振り返る直前、()()()()()()()()()()()()()()()()()

飛ばされながら自身が振り返ろうとしていた先には既にマラークが立ち構えており、コウは紫電を纏わない触手を受けて広間の中心付近へ吹き飛ばされる。

時間にして数秒すら無いその間は、速さに特化しているマラークや違う時間軸に乗ることで高速移動を可能に出来るワームならありえるだろうが、普通ならば自身を追い越して先回りなど不可能。

故に降り立ってから小沢について思考するその間を完全に油断していた。

そこを完全に突かれてしまっていた。

広間の中心付近には大きな柱が立っており天井に届いてないことから、支柱としての役割は無いように見える━━━━━━その大きな柱まで勢いを落とすことなく背中から打ち付けられたコウはそのままズルズルと地面へと力なく落ちた。

普段であれば問題無い程度の飛ばされ方だったが、油断から予想外の衝撃とマラークの膂力が強かったらしく全く勢いを殺せずに激突。

出血はそこまで深刻で無いようにみえるも打ち所が悪かったのか()()()()()()()()()()()()()()()らしく、背中を柱に預けたまま頭は項垂れてピクリとも動かない。

……と、脇に抱えていた筈の小沢女史は一緒に吹き飛ばされたと思いきやヒドロゾア・テグラの触手によって丁寧に床へ下ろされている。

 

 

 

 

『アギト…………、否、目覚、めること、も出来な、かった、超能力者よ。

人の子は、癪に触、るが我ら、が主の寵、児。

先、程は人の子、に危害が及ぶ、ために、雷を抑え、たがそれ、もここま、で……。

こ、れで止、めと、しよう。』

 

 

 

意識があれば脳内に直接送られていた言葉も完全に手放してしまったコウには全く届かない。

他に数多いるマラークと同様によほど人の言葉を話したくないのか、或いは主である闇の力からの受肉を介さず、天使の呪いが蓄積した人間が変異したオルフェノクを媒体として現界しているせいで言語の機能に異常でも生じたのか、一応言葉自体を発することは出来ているものの、電波障害時の携帯電話のように途切れ途切れに言葉を発したヒドロゾア・テグラがマラーク特有の左手の指で右手の甲を切る仕草をした後、ゆっくりコウへと近付いていく。

確実なる死を与えるためだろうか、体に纏う紫電が一歩ごとに強くなり薄暗かった広間が火花のバチバチと鳴る音とともに明るくなっていく。

意識を失っているコウの様子は相変わらずで、項垂れたまま表情も伺えない。

手足は力なく床に落ちているが、偶然にも背中を柱に預けられているのでなんとか床へ倒れてはおらず、場所がこんな地下の廃棄場ではなく夜の深まった居酒屋近くで見れば酒の飲みすぎでオチてしまった人のように柱を背に座って居るようにも見える。

 

 

 

 

『さ、らば、だ。灰、燼と帰、すが、いi

 

 

 

 

紫電を眩いほどに身に纏ったテグラから放たれた一対の触手がコウへと殺到し━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………仕方ねぇ」

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━刹那

()()()()()()()()

しかしそれは風と言うには余りにも風圧が強く、近くに居たヒドロゾア・テグラもほんの少しよろめいてコウから一瞬視線を逸らした。

 

 

()()()、と音が鳴る。

思わず音のした方へとヒドロゾア・テグラが振り返るとその音を発していたのは、まさに今、柱へ背を預けたまま意識を失っている超能力者へ確実なる死を与えるため自身が振るった一対の触腕が、肩口から切られた形で床の上で数秒蠢いたあとに動かなくなったのを確認した瞬間、ようやく両腕の感覚が無くなっているという違和感に気づいた。

気付くと同時、襲い来る痛みより早く先程の超能力者の背後をとった時のように己が持つ超能力の一つである()()()()を使って柱の近くから離れる。

転移する途中で襲ってきた痛みに苦悶しつつも、自身の触腕を切り裂いた原因を探ろうと正面を見据えようとして、ハタと気づく。

 

 

 

今の今まで柱に背を預けて意識を失っていたはずの超能力者の姿が掻き消え

代わりにテグラがつい数秒前に居たはずの位置でゆらりと立つその姿。

金色に輝く二本角に真っ赤な複眼は明かりの乏しい広間で燃えるように輝き、左腕と上半身を覆う鎧は腰に巻きついているバックル━━オルタリングの輝き同様、青く染まっている。

テグラの触手を切り裂いた張本人と思しき青いアギト━━━アギト ストームフォームは右手に風の力を纏った斧槍━━━ストーム・ハルバードを持ち両端の刃を展開させている。

そのリーチは平均的な成人男性一人分を超える長さと見る。

自身の腕を切り裂いたのはあの斧槍であろう。

テグラは内心で触手を切り裂かれた痛みに耐えながら冷静に敵の武器を見据えつつ、顕現のために器として利用した男から取り込んだ記憶から男が異形と化した際に1度だけ発現していた、触手の再生力を再現して触腕の再生を試みる。

元が人間であったオルフェノクに比べて"()"の使い方も分かっている、文字通り()()()()()()である自身ならば偶然に発現していた再生力を意図的に使用出来る━━━

 

 

(…………………)

 

 

しかし切られた触腕の根元は一瞬ボコリと泡立ち再生する兆候を見せるもただそれまでで、テグラが確認した男の記憶よりも何段も落ちた程度の再生で終わってしまう。

 

 

 

 

「随分のんびりしてんなぁ?天使さんや(テオスの使徒)。」

 

 

 

力の未発動に動揺を隠せないテグラにその声が聞こえたの同時に━━━━後ろから風を纏った斧槍の刃がその胴体を切り裂くため、風切り音と共に迫る。

回避行動を取るには遅すぎることを悟り、とにかく直ぐに距離をとり背後方向へ回るため先程までアギトが立っていた柱の方角へと空間転移でその場を離脱する、が最初に広間へ来た時と違い大雑把に固有能力を使ってしまったせいか柱の裏側━━━━━━━広間の中心よりもさらに先へと転移してしまった。

そして攻撃を避けられたアギトは、というと……。

 

 

 

 

「とりあえずこの女の近くからは引き剥がせたからヨシ!!

さすがに人質としても使える人間を近くに居させたままの戦いは不安が残るからなァ……。

コウの奴(やっこさん)も命の危機だってのに悠長に寝てやがるし、アギトの力もコッチに来てから1年も使い続けてるってのに一部しか顕在化させれないのはなぁ。」

(まァそっちは俺のせいでリソース不足になってたっぽいのは否めないから仕方ねぇ、が。)

 

 

「それもこれも天使を倒しちまえば万々歳で解決って寸法だな!!サクッとぶち殺されてくれよ?」

 

 

 

何やら色々都合がありそうな言葉をつらつら言いながらも、小沢を連れての一時撤退などは一切考えていない様子で手に持つ斧槍ストームハルバードの展開した切っ先 ドラグストームをテグラの方と突きつけつつ、腰に着けたベルト・オルタリングの前へ空いた右手を差し出す。

するとオルタリングから数千度もの炎が溢れ始め、溢れた炎が右手の前で収束し片刃の長剣へと形を為していく。

 

 

 

「とりあえずこの女はコイツで……。」

 

 

 

右手で炎から形作られた長剣 フレイムセイバーを小沢の目の前の床に突き刺す。

床に突き刺されたフレイムセイバーから炎が溢れ、小沢を中心にして床に炎の円を作り出す。

……が、しかし不思議なことに炎の円の中心にいる小沢には火傷はおろかその炎の影響が全く無いかのように先程までと同じく意識を失ったままである。

 

 

 

「……やっぱりコッチ(アギトの力)も超能力の延長みてえなもんでモーフィングパワー(魔石が齎す力)と大体同じ要領で扱えるな。

コウ(アイツ)が毎日毎日阿呆みたいに、それこそ()にまで馴染ませる勢いで色んな使い方を試してくれたお陰だな。」

 

 

さて、と呟き。

 

 

「さあ、コレで心配事は完全に無くなった。

主の目覚めも待たずに来やがった出しゃばり天使くん。

そろそろお開きとしようや。」

 

 

 

 

 

……既にテグラに残された道は少ない。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

警視庁地下にある廃棄区画の広間にて、光が迸り一筋の紫電が軌跡を描きながら虚空を走る。

放ったのは、心臓が一度停止して抜け殻となったオルフェノクの体へ入り込み新たに体を再構築した天使、クラゲを彷彿とさせる見た目をした異形ヒドロゾア・テグラ。

対する━━━紫電を放たれるも、最初からどこを紫電が走るかが分かっているかのごとく簡単に避けて見せる青いアギト━━━━アギト ストームフォーム。

両者対峙する姿は先程に比べ一見変わらないように見えるが、よく見ればマラーク、ヒドロゾア・テグラの方には明らかに覇気を失っている雰囲気が出てきている。

先程からアギトの構える斧槍 ストームハルバードのリーチを警戒して、攻撃を自らの持つ超能力を用い威力よりも精度と速さを主とした電撃でそのリーチ差を無くし、当たれば感電して起きるであろう筋肉の痙攣を利用して出来る隙を狙い続けている。

避けるにも空気中を走る電気の速さに対応するには、例えアギトであろうとも左右に跳ぶかするなどして大きく動いて回避に専念しなければ避けられない。

雷を例えに出すがざっくり言って雷の空気中を走る速さは、光速には大きく劣るが音速の数倍は速く進む。

主から与えられた万全の器ではないとはいえ電撃を操る力はそこまで落ちてなどはいない。事実、避けられた電撃が直撃している廃棄された━━━鉄クズ同様に朽ち果てている失敗作の武器たちは直撃した部分を中心に、範囲こそ小さいものの一部赤熱して溶解している。

自然界に発生する雷に比べれば威力は微々たるものだが、人型を相手するのに限定するならば、十分に隙を作ることが可能な威力は残っているのである。

アギトとはいえ雷から数段落ちるにしても、それに準ずる自身の放つ電撃を避けるというのは並の技量では不可能なのだ。

 

 

 

そう、普通ならば()()()()()()()()()のである。

 

 

しかも、最低限の移動だけで先の先を取るかのように動いて避けている。

まるで未来を視えているかのごとくに、1度ならず何度も何度も目の前にいるアギトは成し続けている。

その事実がテグラを次第に焦らせてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

一方、その避け続けているアギトは。

 

(いやぁコレが未来視、いわゆる予知能力ってヤツか。

助かるってレベルじゃねえ……勝手が良すぎて逆に反動が来るんじゃねぇかって疑っちまうな。

ヤツが何体にも重なって見えるのがちと目に悪い気がするが、電撃の精度と威力が下がってきてるな……、消耗している様子も見え始めているし、コレなら予定よりも早くこっちの狙い通りにいけそうか?

ここらで大きく消耗して欲しいな、ちと少し揺さぶってみるか……。)

 

 

 

「そんなバカスカ撃ってりゃお得意の電撃もそろそろ打ち止めになるんじゃねえか?

キモい触手の軌道は電撃の前に散々見切ったからなぁ、しかも最初に俺の攻撃を防御を捨てて必死に避けまくってたところから察するに、テメェの装甲は紙だな?」

 

 

だから、と続き。

 

 

(テオス)の使徒じゃなく、紙の使徒か?

それは流石に寒過ぎるだろう、さあネタ切れか?

ネタ切れならさっさと終幕(フィナーレ)と洒落込もうやあぁっっ!!」

 

 

 

言うや否や今までは待ちの姿勢、どんな攻撃にも対応出来るように構えていた姿勢を変え一転攻勢に出て、間合いを詰める。

テグラも最悪は転移があるものの、自身が主である闇の力に逆らった天使の力と似た力を宿す目の前にいるアギトを前に撤退など言語道断、先程までにやっていた電撃を放つのを辞めて一か八か今まで相手がしていたような待ちの姿勢を作り、必殺のカウンターを放つべく触手に残りの電撃を溜めてその時を見極めるべく集中の糸を限界まで張り詰める。

そして━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくとテグラは柱の裏側まで吹き飛ばされていた。

全身には深くはないものの大小様々な裂傷が増え、空間転移はともかく電撃は使い切ってしまったようで全く能力を行使出来そうにない。

装甲の薄いテグラがアギトの一撃を受けたにしてはダメージが少なすぎるのだが、当のテグラは決死の一撃が相手に刺さったかどうかを傷だらけの体に鞭を打って立ち上がり確認しようとしており、全く気づく様子がない。

あの一撃さえ入っていれば如何にアギトでも無事では居られn

 

 

 

「今のはかーなーり良い線いってたなァ、まさか青のアギト(ストームフォーム)の速さを超えてくるとはな。

もうちょっとで避け切れねぇトコだったじゃねえか……。

しかしコレでまな板の上の海月って感じだなぁ。」

 

 

 

 

居た。

五体満足で電撃を少しも浴びた様子なく。

悠然とした足取りでこちらへと柱の横を通って此方へ━━━━━━━と、その時薄暗かった広間の電気が一斉につき、広間全体が()()()()()()

 

 

「……っ!?……、……………………。

……?……、……他に余計な奴の気配はねぇな。

……なんだ。クラゲ野郎の電撃が壁伝いに配電でも掠ったか?」

 

 

 

テグラにギリギリ聞こえる声量でアギトが呟いているが、それどころではない。

 

 

アギトは既に柱を背にしているせいで見えていないだろうが、電気が点いて広間の中心付近にある柱に()()()()()()()()()()()()()()()()が見える。

それはテグラが顕現するさいに器とした男が作り上げたモノであると男の記憶を探ればすぐに出てきた。

既に終わっていた盤面をひっくり返せるかもしれない可能性。

……その為に必要な筋道。

 

 

テグラは立ち上がった格好から転身させ近付いてくるアギトに見向きもせず広間後方へと全力で走り出した。

見る者によっては必死に距離をとろうと、哀れにも逃げ惑う愚者(弱者)のようにも見えるだろう。

しかも戦闘前に使っていた空間跳躍を使うこともないことから焦って転移する余裕も無い、と感じるかもしれない。

 

 

「なんだぁ?鬼ごっこは趣味じゃねえぞ、コッチ(この世界)には本当に鬼がいるわけだし……。

天使っていうだけあるなら時間稼ぎかなにか知らねぇが、無様に逃げ惑わず潔く喰われろや。

お前らの()はまだ絶賛睡眠中で、水の奴(鯨の天使)が憑依した女は一般人だ。

簡単にはここまで辿り着けねぇから、お前らだけに使えるテレパスか何かがあっても増援はまずこねぇぞ。」

 

 

 

何事かを言われていても一切聞かず壁際へと一目散に逃げるように走り、()()()()()()()()()

振り返り左右を見渡し逃げる先を探す素振りを忘れず行い、あたかも新たに逃げるように走りだそうとして━━━━━━━━━━━━その一歩先をストームハルバードが行く手を遮る。

 

 

 

「最後の最後に妙な風に逃げ惑いやがって……。

はぁ、つまんねぇな。

興冷めだわ、さっさと死ね。」

 

 

 

アギトが止めを刺すべく斧槍を振り上げた━━━━━━━━()()

 

 

「なっ!?、どこへ……、」

 

 

 

 

テグラは()()()()()()()()()()

先程の広間の電灯が点くというアクシデント、その時にアギトの後方に見えていたテグラがこの盤面をひっくり返せる可能性。

柱に磔にされているようにして廃棄されているモノの姿。

一般人とは鍛え方が違う警察関係の人間ですら絶対に扱うことが出来ない、と天才である小沢に言わしめてここへ廃棄された。

しかしテグラは人間などという下等種族ではない。

魂は本来この世界とは違う次元にて存在し、本来と違う方法であり抜け穴というか裏技を駆使して顕現しているものの、間違いなく人間を超越して器となったオルフェノクすらも超えた体へと変化し現界している。

 

 

 

そしてその身に纏うモノ。

今年になって立て続けに起こり始め、今も尚新たな事件が発生している未確認生命体から人々を守る為に人知れず仮面の下で泣きながらも戦い続ける男が変身した姿を科学で再現させようと小沢ですら未だに人が扱えるように完成させられていない兵器。

G()e()n()e()r()a()t()i()o()n()1()

こことは違う平行世界の時間軸にて、未来の仮面ライダーたちの前へ立ちはだかった姿である。

 

 

 

 

『オオオオオオオォォォオォォォォォォォォッッッッ!!!!』

 

 

 

 

なんという高揚感。

戦闘服の中へと入ったことにより持ち前の触手によるリーチこそ無くなってしまったが、代わりに自身の弱点とも呼べる薄い装甲は完全に無くなり、堅牢な防御性を獲得。

しかも男の記憶を探れば防御だけでなく、人では命に関わるほどの強度で設計された倍力機構により、徒手空拳による近接格闘能力までも素の状態とは比べ物にならないほど底上げされている。

これだけの力があれば目の前にいるアギトなど取るに足らず……いくら神威の武器があろうともこの装甲の前には竹槍同然、外からの物理による攻撃など全て恐るるに足らず。

テグラは高揚感から自然と出ていた雄叫びを止め、改めてアギトへと向き直り距離を詰めるべく右足を踏み出す……も()()()()()()()

 

 

 

否、G1へ転移してすぐの時には間違いなく健在だった筈の右足の感覚が存在しない。

すぐに右足を確認するも装甲の上からは右足が健在のように見えるので内側から触手で右足を触れて確認しようとした。

()()()()()()()()……が右足が消失しているのにも関わらず痛みは全く襲ってこない。

常人なら自身が急にこんな状況にあればパニックに陥りかねないが、消耗していてもテグラは闇の力を主とする超越生命体、マラーク。

アギトに悟られないように努めて冷静に、片足ではバランスがとれないので立っている姿勢を維持するため左足を踏ん張ろうとするも左足も……同じように中身のみ消失している。

右足だけでなく左足も同じように無くなってしまえば、装甲の中に入っているテグラが至る結果は一つ。

 

 

『ッッッッ????!!!!足、ガっっ!!??』

 

 

 

何が何だか分からないまま地へ落ちたテグラに近づき見下ろしてくる者がいた。

当然ながら先程まで戦っていたアギトである。

 

 

しかし違和感を感じる。

今は広間の電気が点いているので天井から電灯の光がテグラ達を照らしている。

テグラを見下ろすならば自然と影が出来て光が当たっていない場所は暗く見えるはず。

それなのにも関わらず、見下ろしてくるアギトには()()()()()()

まるで()()()()()()()()()()かのように。

 

 

 

自身の状態に加えて新たな異常事態にもはや混乱状態になっているテグラへアギトが口を開いた。

 

 

「いやぁありがとう、()()()()()()()()()なぁ。

予定通りにコトが進みすぎて途中で何度か罠かと疑っちまったわ……。」

 

 

 

喋り始めたアギトは何を言われているのか分からないテグラのことなど気にせず、勝手に話し続ける。

 

 

 

「おかしいとか全く考えなかったのか?

その脆い防御力しかない体がこのストームハルバードの攻撃を何度も受けれていたのを。」

 

 

「相手が急所を一切狙わず、わざわざ手負いになるように戦いを長引かせて電撃が使い切れるまでお行儀よく攻撃を避けるだけに留まっているのを。」

 

 

「大ピンチというタイミングで電気が点いて、俺からは一切見えずお前だけに良く見える位置にある都合の良いG1。」

 

 

「最後に基本的なことだが……青の力(ストームフォーム)

この姿は基本、通常よりも速い敵に対応する形態だぞ?

大昔にあった大戦の時にネフィリム……アギトを相手にしたことが無かったのか?

手負いのマラークをむざむざと壁際まで逃がす訳ないだろ?」

 

 

と、そこでアギトは変身を解いた。

アギトの姿が掻き消え、青年の姿があらわれる。

変身していた青年はそのまま電源が切れたかのように崩れ落ちる。

同時に青年の隣へ影が集まる。

それは青年が倒れている下の地面から、またテグラが装着しているG()1()から集まり、崩れ落ちた青年と同じ形を為した。

 

 

『まァそんな訳だ。

もう空間転移と電撃を扱う異能は真っ先に……

そう、足を喰う前より前に頂いたから転移で逃げるのは無理だぞ?』

 

はァ、と溜息を一つ。

 

『全く時系列もなにもかも無視して出しゃばって来やがって迷惑な天使だ。

そこも正史と全く一緒かよ……。

ま、お陰で空間転移と電撃の異能はかなり棚ぼただったけどなぁ……コレなら電気への耐性と何よりもライz

んー?あー、もう聞こえてねぇな。』

 

 

影の青年はニヤリと嗤い、もはや目の前にいる異常そのものに反応出来ないテグラに最後の言葉を告げる。

 

 

 

『じゃあ、()()()()()()。』

 

 

 

 

━━━━━━━━━装甲の内側に侵入してくる影に自身の全てが喰われていく感覚を最後にテグラの意識は闇の中へと消え去った。




何ですかコレぇ……(ドン引き
kug編どこ?……ココ?たすけていにゅい……(一般作者)


⚫体はともかく意識は最初しか出番なしのa人公
_(ˇωˇ」∠)_ スヤァ…してる。
今回ほぼ見せ場が無い。体の方はアギトに変身して戦闘しまくってたけどね。


⚫小沢さん
コッチも_(ˇωˇ」∠)_ スヤァ…。
しかし流れで小沢さんが襲われてる方向に舵を切ったのだけれど、マラーク戦でこの人が扱いづらいのなんのって……テオスの目覚め前のマラークが人を襲わない保証がない、逃げるにも意識を失ってる、戦闘では抱えたままでは邪魔。一体どうしろっていうんです(流れに身を任せたクソ雑魚作者)
あ、ちゃんと一段落後安心安全のテレパスで記憶処理してから家に返しておいたよ(小並感)


⚫描写の関係上仕方ないとは言え明らかに今回はお前主人公じゃねえかよ、それはともかくムシャムシャ(テグラ)

ハイドロゾアロード ヒドロゾア・テグラ。
MASKED RIDER AGITΩ EDITION -PROJECT G1に出てくるクラゲ型怪人。
本編では空間転移でG1の中へ入り何故か街中で大暴れして駆け付けたアギト、G3マイルド、G4-X、V1によってG1ごと爆発四散する最後になる


コッチではオルフェノクを器として闇の力からの受肉をするまでなく現界した。
力の源が似てるからって能力や言語系も十全に扱えるとは限らないゾ♪じゃがいも+トマトでポマトを作るのとは訳が違うんですよ!!
正史でも明確な目的が分からないまま倒されてましたがコッチでは超能力を使ってる主人公+降りれる器(オルフェノク)の近さ、の条件が揃っていたので勢い良く限界して来た。辺りを落とし所にして貰えると……助かります。
本編でも分かんないのになんで素人作者が分かるんだよいい加減にしろ!!(豹変)


⚫謎の影および一般アギトストームフォーム
寝たままの主人公の代わりに戦ってくれた謎の影。
確か主人公君それなりの数オルフェノクをムシャムシャしてたよね?
この世界で主人公が目覚めて代わりにずっと眠ってる人がいますよね?
前回の最後の方でアマゾンの超感覚を失ってたよね?
なぜ態々これまで戦ってきた魔石の力を使わなかった?
魔石を核にしt……おっとこの先は未来の出来事でしたね。失礼しました。(プロット無し)
何者かというなら前のAmazon君ですかね、今の予定で進めばですが……(目逸らし)



⚫最初から広間でスタンバってたのに最後の方にしか出して貰えず、出番もイマイチの柱で磔になってたG1君


前話で鷹山サンダーしてた頃は主人公に着せてG1でテグラを撃破しようと思ってました()
しかし「戦闘中にコレをG3みたいにカチャカチャ着るの?正気か?そんな隙許してくれるの?」となり、あえなく没。
それでもどうにかG1君の出番は欲しいし、テグラも倒したいし……での結果。
性能的にはG1以上でG4未満といったところだけれど、AIの制御を搭載していないので中の人に大きく左右される。
元主任オルフェノクが使用してたら?
初代の暗黒進化って知ってますか?そうですそうです、スカルグレイモンのアレです。
あのイメージです。暴れるだけ暴れ回ってオルフェノクの寿命を使い終われば灰に還ります。



そろそろkug編に戻らせないとマジで2000年代が終わらないのでなるべく進めたいです。
しかし未来のことは未来の自分しかし分からないので後書きもgdgdせずにこのあたりで疾走して失踪します。
次回も頑張ります。


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交差/陽だまりと日陰




……本当に遅筆で申し訳ありません。
タグに「遅筆」を追加しました。




前回までの3つのあらすじ




現れたマラークの転移が読めず、死角からの一撃に意識を失うコウ



意識を失ったハズのコウが変わったアギトに押されるマラーク



アギトの死角にあった小沢製でないG1の中へ転移し、逆転を図るマラークだがそれすらアギトの術中で、肉体のみなず魂すら一緒に影に呑まれる





Kug本編は彼方に行ってしまいましたが私は謝りません。
なんとか次こそは次こそは!!!
……とおもうのですけど、本編に絡めて書けなかったので今の私に書けるものだけですがよろしくお願いします。


「今日で1週間……。

小沢さんの言った通り地下の廃棄室及び、周辺の区画も探しましたけど見つかったのは破壊された強化ガラスに、元主任の血痕と何者からが戦った形跡のある廃棄室。……動かした跡がある旧Generation1だけでしたね。

G1に関しては起動して数歩進んだところで停止してたみたいですけど、確かアレって資料に目を通しただけでも生きた人が使うには無理しかない設計だったはずですけど……動かしたにしては内部に髪の毛一本も残っていなかったですし人が動かさないとあんな位置まで勝手に動くわけないはずなのに……。」

 

 

 

「……ありがとう。

申し訳ないのだけれど、もうそこまでで結構よ。

今日まで時間の無い中調べてくれたけれど、これまででこの件については忘れて頂戴「えっっ!?、でも他にも小沢さんが意識を失う前に見た化け物とか」もういいの!!!

 

……未確認の事件が続いて上もゴタついている中、ついさっきやっとのことで上に直接この件を持っていったのだけれど、「その件は既に調査を終了している。

今は一刻も早く未確認へ対抗するための装備を民間企業らと力を合わせて開発している時なのだから、君は君が最も力を出せる所に尽力して些事は落ち着いてからにしてくれ」……だって。総監が通りかからなかったら間違いなく掴みかかってたわ。」

 

 

 

「小沢さんらしいですね……。というか、総監に止められたんですか?」

 

 

「いいえ?

ただ……丁度通りかかられて「君が腑に落ちないことは当然だろうがそういう時もある。僕だって分からないことが沢山ある。

……ここだけの話、彼も本心じゃ仲間が居なくなって気がかりで仕方なかったりしてるんだ。良いかな?」なんて言われたらいくら私でも引き下がる他ないじゃない……。」

 

 

「総監から直接言われたんですか!?流石というかやっぱり凄いですね小沢さん。」

 

 

「何?バカにしてるの?」

 

 

「えっ!?そんなつもりじゃ……アッ!!ほら、そろそろ例の装備開発に尽力してくれる民間企業の方々が来られますよ、急ぎましょう!!」

 

 

「……フン、今夜は焼肉奢りなさいよ。

そうしたら許してあげる。」

 

 

 

「えぇっっ?!いや僕も今月そんなに余裕が無く「何?」……分かりましたぁっ!!喜んで御一緒させて頂きますぅっ!!!」

 

 

 

つい先日、目の前で元主任が変身したオルフェノクに襲われかけたばかりだと言うのにも関わらず、小沢澄子は通常運行中であるようだ。

どころか、先日の件があった後に何故か突然失踪してしまった元主任のことを上に直接掛け合う始末。

余計な一言を漏らしたせいで溜まった鬱憤の矛先に当てられ焼肉を奢ることになった部下も、「小沢さんの心臓は未確認が纏う装甲並か」、と胸中で嘆息しつつも民間企業と合同のお陰で試作段階へと向かいつつある()()()の開発室へと足を向かわせた。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

……時を同じくして小沢らの話に出た警視総監はと言うと。

 

 

 

「うん……、こんなに早くリストを上げてきれくれるとは思わなかったよ。

……しかし大丈夫かい?以前会った時よりも気配が薄くなったというか纏う空気感が人間離れしてたソレとは変わった気がするね。

僕は今の方が雰囲気が柔らかくなって良いと思うけど、

……おっと済まない脱線したね。リストの報酬だけれど以前も言ったけれど本当にコレだけで良かったのかい?」

 

 

 

「ええ、あまりそちら側の事情に明るくないのですけれど一般人が東京で起動前とはいえディスクをこうやって直接触れさせて貰えるだけでも十分価値があります。」

 

 

「それにもう1つの件がこちらの都合でお断りせざるを得なくなってしまったので、その関係でそこまでお願いは出来ません。」

 

 

「そちらの件は今日も来ているけれど鴻上君から協力して貰ってる子が小沢君と上手い具合に嵌ってくれてるみたいでね、千歳君や4号君らだけに頼ってる現状を変えてくれる筈さ。

…………今のはここだけで頼むよ?」

 

 

「大丈夫です、上辺だけは班長から聞いています。」

 

 

 

「機密に触れるような話は?」

 

 

 

「鴻上ファウンデーションの班長は、警察へ全面的に協力出来る無力な一般人ですから勿論そちらの件で具体的なことは私や鴻上会長にも100%隠されます。

……聞いたと言っても合同で一つの成果に持っていくやり方なので、自分一人でやるよりも開発が進まないことへの愚痴程度のレベルしか聞いていません、御安心下さい。」

 

 

 

「そうかい……一応今日も協力して貰ってる他の企業の方々にも同じようにお願いしているからね、杞憂で済んで良かったよ。」

 

 

 

「いいえ、確証はありませんがまだまだ未確認の事件も収束には程遠い気がしますから、なるべく早く警察にも通常兵器以外で対抗出来る手段が無いと()()()()()()とかが増長しかねないですからね。」

 

 

「痛いところだね。」

 

 

「リストを作る過程で少し確認出来ましたが、そちらも(警察)一枚岩ではないようですし、やはり本郷さんという人間(ひと)の抑止力が強いことを実感します。」

 

 

 

「その辺りもリストに?」

 

 

「いいえ、形に残せるところだけしかリストにはありません。

しかしその辺りは貴方も把握しているのではないですか?」

 

 

 

「ご想像にお任せするよ。

……ところで今日はとても綺麗な子と一緒に来てた様だけれどあの娘はガールズフレンドk「はい、ありがとうございましたお返し致します貴重なものを手に取らせて貰えて満足しました。」……あぁうん、こちらこそありがとう。」

 

 

 

「ではそろそろ失礼させて頂きます、先にもお伝えしましたがあの件は力になれず申し訳ありません。」

 

 

 

「こちらこそ、僕がもっと自由に動ければ君に無理をさせずに済んだのだからねお互い様さ、お互い自分の役割を果たそう。

また急を要する時は鴻上君を通してお願いするかもしれないからその時は申し訳ないけれど、また宜しくね。」

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

東京都渋谷区。

 

 

そこは昨年飛来した隕石によって一部を除いた土地が荒廃し未だに廃墟と化している建物が多くあり、人の出入りは基本的になく、まれに肝試しと称して暇を持て余している不良学生らが人知れず入っていくこともあるが、不思議なことに帰って来てからは真面目に学校へ行き始める、と当人の家族からの投稿で未だ発展途上のインターネットのアングラなサイトに噂が流れる程度の場所となっている。

しかし、()()()()()にとっては重要な実験を長年行い続けており、同属にすら秘匿している研究所がある場所のエリアX。

万一にも遠方から偶然望遠されても大丈夫なように廃墟内部や瓦礫の陰には日中にも関わらず緑の化け物たちが見張りや巡視についており、ネズミ一匹すら通さない警備には一切の慢心は無いようである。

 

 

そんなエリアXの中心部に向けて廃墟や瓦礫の影を伝って真っ直ぐ進む()()()

緑の化け物らに全く気づかれることなく、影は現在進行形で実験が行われている地へと更に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

警視総監との会合を済まし、凛に班長の護衛を頼み一人警視庁を出たコウは乗ってきたバイクを走らせて目的地へ向かっていた。

 

 

 

 

 

まさか本当にディスクを触らせてくれるとは思わなかったけれど向こうからすれば触るだけで対象の者や物から記憶、記録を読み取れるサイコメトラー系の超能力者はそれなりの長い戦いの中でもいなかった……んだろうな対策も何もされてなかったし。

……まぁお陰でディスクアニマルの技術とそれに使われた()()()()()の知識を得られたのはこれからの生存戦略に間違いなく大きな収穫になったのでヨシ!!

いや、しかしやっぱりしばらくはあの人には会いたくないなぁ。

なんで会っただけでコッチの変化を的確についてくるなんて真似が出来るんだよ……伊達に長年戦ってきてない証拠なんだろうけど言われた瞬間は内心震え上がって仕方なかったわ。

 

 

 

 

 

コウは内心で先程までのことを思い出しつつ、前を走る車に乗っている運転手を人か異形か匂いで判断しようと集中する素振りを見せるも、直ぐに頭を降って嘆息した。

 

 

 

 

 

うん、分からない。

皮膚を切ったらちゃんと血液が赤いしやっぱりアマゾンとしての特性がさっぱり持っていかれてるし、全身をスキャンしたら魔石アークルも無い。

警視庁の地下に突然現れたマラークから一撃を貰って意識が飛んだところまでは覚えている……。

……で、気がついたら会社に戻ってきてたからとにかく自分で自分の体の記憶を覗いてみると、なんか意味深なことを言いながらアギトに変身してマラークを追い詰めて捕食してる意味わかんない(自分)がいた。

 

 

 

「なんだコイツ!?」とか思ってたら、

 

 

 

「俺が表に出れるのはまだまだの予想だったが……分割に必要な魂がちょうど手に入ったからな。

生き続けるため、抗い続けるための必要な手札を増やす。

元々は俺の(モノ)だ、必要な間返してもらうからな。

必要無いモンはそっちの身体に置いてくぜ。

……あとなんか分かれた時にコッチに付いてきちまったから魔石アークルもちょっと拝借。by元肉体主なアマゾン」

 

 

 

なんて置き手紙を会長に預けていってることから察するに以前アマゾンとして生きてきた俺の意識が戻ったみたいなのは察したからまぁ、良い。

アマゾン(平成の姿)の力、及びドライバーもなんかアイツが元々持ってたみたいだから正直リストを挙げていく時に難易度が段違いに上がったのがキツかったけど蟲と魔族だけは小沢さんの所に行く前にマークしてたからまだ許せたけど、魔石アークルこれはゆ゛る゛さ゛ん゛、オルフェノクをアギトの超感覚だけで判別するのは、それなりの数を狩ってきたから確かに出来ますよ?

しかしですねぇ、アマゾンとしての欠点が無いなら超越感覚の赤(Fフォーム)よりも、ライジングした緑のクウガの方がより精確性が高いんでよ!!!!

 

 

確かにまだプロトタイプもあるけれどもよりにもよってアークルを持ってくなy……ん?

 

 

 

 

……と、バイクを走行しながらも思考の渦に飲まれかかっていたコウの視界の端、反対車線にある路地から裏道へと続く道の入口へと何かから逃げるようして走る者が()()()()()()()

 

 

一瞬見えたその姿からただならぬ雰囲気を感じ、思わずブレーキをかけてバイクを止める。

そして、路地への入口を注視していると悠然とした足取りで、しかし普通の人間が競歩するよりも明らかに速く、同じく路地裏へ入っていく男の姿が見えた。

男の歩き方は別段おかしな感じはないものの、コウからすれば雰囲気は一般人のソレではない。

調査のために尾行する私立探偵や私服警官に見えなくもないが、雰囲気が全く逆で明らかに堂々と人を追いかける姿は、野生動物を追い詰めて安全なところから狩りをする金持ちの道楽━━━強者が弱者を甚振る楽しみを考えている姿━━━に見えた。

 

 

 

 

(これは…出来れば関わり会いたくない……けど、な見てしまったら知らん顔は出来ないのがSa・Ga。

けど……最終的には無事だったから良かったものの、寄り道はこの間の件で痛い目を見たばっかりなんだよなぁ……。

しかしまぁ感覚的に悪い感じはしないから、とりあえず様子見しつつで……ん?この感じ………は…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっはっはっはぁっ、ふっふっふっふっふぅっ!!!!………………。」

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

最近は未確認と呼ばれる謎の怪人による被害が甚大なものになってきており、警察も対未確認を長期に見据えてかこれまでよりも一層の対策を講じる。……と、新聞やニュースでも未確認関連の話題が尽きない日が日常となってきていたが、身近な友人、知人、近所の人達の会話に「未確認を見た、襲われてる人を見た。」ような人は居らず「それよりも○○さんとこの○○君が最近、急に真面目に学校へ行きだして……」などと興味の欠片も無い話ばかりを、井戸端会議中のおばさん達に捕まって延々と聞かされる羽目にならなど、刺激のない、つまらなくも人が殺されるといった命の危険とは無縁の、どこにでも有りふれた平穏な日常が自身の回りには溢れていた。

……ゆえに世間が騒ぎ立て始めた、未確認による犠牲者もTVや新聞にしか無い虚構であり向こう側。

現実でありこちら側の自分とは全く関係の無い、どこか遠い世界の話としか認識していなかった。

 

 

 

 

()()()()()()()()

 

 

 

 

幸せだった平穏が向こう側に見えるかのように錯角するほど、日常が壊されて行くのは突然だが大抵その切っ掛けは些細なものである。

 

 

冬の気配も薄れ、春の訪れを感じる程の陽気に当てられたせいか「春眠暁を覚えず」とはよく言ったもので、常には早寝早起きの自分にしては珍しく大胆に寝坊をかました。……時間の遅れを少しでも取り戻すべく、いつも使う道を避けて直進距離のみを頭の中で考え、たまに寄り道して帰る時に見る自然公園を突っ切ろうと足を踏み入れた。

いつもは利用することの無い公園を突っ切る途中、不思議なことに()()()()()()()()()、怪訝に思いながらも大体の方角に当たりをつけ、足元に気をつけながらも歩みを進めると、進行方向の少し先に霧の中で人がうつ伏せに倒れている姿が見える。

基本的に善良な一般市民であるので、大抵の人がそうするように慌てながらも直ぐに安否を確認しようと声を掛けながら近づいたところでハタ、と気づく。

倒れた人の首筋には牙の様なモノが突き立てられ、牙を突き立てられている人は現在進行形で命の色を失うかのように、その体が透明になっていき段々と()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()光景に……。

 

 

突如として自身へと近づいてきた非日常の匂い。

その出来事に呆然と立ち尽くす……が、こちらへ段々と近づいてくる足音にハッと我に返り……………

 

 

 

 

 

……気づけばがむしゃらに知らない道を走り続け、路地裏へと進みどんどん人気のない方へと入り込んでいってしまっている……が、時折後ろを見ては必死に駆けているため自分がどこを走っているのかを判断する余裕もなく、自身がナニから逃げているのか、ナニに追われているのかも分からない。

さらに焦りから視野も狭まっているのか、公園に発生していたような霧が路地裏にも立ちこみはじめ、自分が走り続けている道が薄く太陽からの光を閉ざして段々と薄暗くなり始めるも、霧がこの路地全体を覆ってきていることに全く気づけないようである。

 

 

 

 

「あぁっっ!?なんて事だ!!!…………壁っ!?

っぁあ!?……それにこれはさっきの公園と同じ……霧?

何故こんなところにまで…………。」

 

 

 

 

遂に三方を建物の壁が囲む袋小路へと辿り着いてしまった進める道はなく、自身に残されているのは今まで走り抜けていた後方にある道のみ。

既に霧は周囲の壁を何とか確認出来る程度にまで深くなり、陽の光も雨が降り出す前、あるいは逢魔が時のように暗い。

……そこへ鳴り響く足音。

姿は見えないが、こちらへと近づいてきているのは間違えようもなく、明らかに段々と大きくなってきている。

 

 

 

「嫌だぁっっ!!!来るなぁぁっっっっ!!!!」

 

 

 

それでも……自分がそちら側の世界へと足を踏み入れてしまったのを認めないための叫び。

自身の生存を願って精一杯に拒絶するが、その願いは儚くも無駄な抵抗となり、遂にはその音の主が姿を現す。

ステンドグラスを思わせる風貌の装甲を持ち、人間よりも余裕で一回り以上の大きさがあるだろうその異形は、現在進行形でこちらを品定めするかのように見下ろしている。

 

 

 

 

「チッ……貧弱な人間ごときが無駄に逃げ回りやがる。

一応さっきの奴である程度のライフエナジーは足りてるんだが、多少なら多くてもまぁそう困るわけじゃねぇし、見られちまったからにはしっかりと捕食して(喰って)やらないとなあ?」

 

 

 

ステンドグラスを思わせる装甲に人の顔が写ったかと思えば目の前の化け物が話しながら近づいて来る。

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 

 

 

「キーキーうるせぇなぁ…………が、まあ良いぜ。

直ぐに静かにしてやる。」

 

 

 

と、姿を現した異形━━ファンガイアを前にした恐怖からかそれまで必死に走り続けた疲労からか、急に膝から崩れ落ちる。

……腰が抜けたまま後ずさるも、その後方の虚空には人間の生命力━━━━ライフエナジーを吸い尽くすための捕食器官━━━━━吸命牙が音もなく浮き上がり、そのまま勢いよく人間の首元へと………………

 

 

 

 

キバット!!!!

おうっ、いくぜぇ!!…………ガブッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれは更に現れた、()()()()()()()により防がれた。

 

 

 

 

 







警視庁が最初に写ってたしkug警察も数人ですが出てきてるので実質クウガ。
ラスト??闖入者??キバッt?…………な、な、なんの事だかわ、わ、わ、分からないですねぇ… (汗)



⚫アッチでいうgzl姉貴的な、何か半身というか元々体を持ってたアマゾンがオルフェノクやアマゾン、魔石ごと抜けてったので、その辺を上手く調整してたアギトの力のみしか残っていない主人公



警視庁に班長と凛を置いて1人で行きたいところがあるらしかったが、白昼堂々と人間をストーキングしてて、狩人の雰囲気出てる怪しいヤツなんてもう怪人以外ありえない訳で……見ないふりできずに追っかけ中。
……霧が探知を妨げてたりする……とかで正確な場所を絞れてないために追いついていない。



⚫夜は焼肉大好き小沢さん
後輩へのyasasisaで食べ放題の方で妥協したが、
終わったあとのレシートに出た品数を見て後輩の目がぶっとぶサブイベがあったとか……
世界的企業の鴻上コーポレーションを筆頭に、色んな有力一般企業が尽力してくれてる上、元主任が作ったG1のデータがあるのでかなり早めに警視庁製強化装甲服が完成する予定。予定は未定。作者の力量的に扱えるか微妙なところ。駄目でもアギト編で使えるハズだから……



⚫一般人
ステンドグラスの化け物が現れたと思ったら
蝙蝠の仮面みたいな顔の化け物が増えてそろそろ意識のキャパシティも限界♪
足腰は力が入らないし、漏らしはしなくとも今回の記憶だけでトラウマは確定なところ
……精神感応(テレパス)で記憶操作してあげなきゃ(優しさの塊)




⚫突然ファンガイアとのあいだに入ってきた乱入者
一体何とーやんの息子なんだ!!!
作者が詳しく調べきれてないので、2000年時にも
あの楽器から鳴る音に導かれて戦ってたかは不明。
なので、あんまり深くは扱わないようにしたい。





クウガのどこのエピソードだったら、どの敵なら上手く絡めて書き始められるかなー、とか思いながら書き始めるもどうやっても没しまくって3ヶ月以上の経っていたので、もう思い切って自由に自分の流れに身を任せればあら不思議。
あっという間に11000字とか行ったので、やっぱり書けるものだけを書くのは大事なのを実感しました。

今回が約6000強で、あと大体半分ありますがもう少し加筆してアッチのエピローグ投稿されてから投稿しようと思います。(自分でモチベを維持出来ない屑感)


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続・交差/それぞれの目的

早めに寝て、朝起きたら更新来てたのでとりあえず本文だけ先に投下します。
また落ち着いてから、あとまえがきの欄を編集しておきます。


それでもよろしければどうぞお願いします。


潮風が優しく吹き、それによって波が海岸である岩場へ緩やかに打ち付けられているとある海岸。

高台になっている陸地からは「鴻上コーポレーション」

と書かれた作業用車などが数台止まり、発見した古代の小さな石版などを厳重に車へと運び込んでいる。

時折、「警備員」(SG)と書かれた作業着を来た者らがいることからこの会社にとって重要な仕事であるのだろう。

 

 

 

 

そんな部外者厳禁な様相をていしている陸地を後目に、影は海側の崖の裂け目から遺跡があるであろう方へと進む。

10分程で波が壁に打ち付けられる行き止まりに当たったが、影はそれを気にも止めず銀色の人型へと姿を変えて岩壁へと拳を振り抜く。

ゴオン、という決して小さくない音と共に壁へ穴が空き、銀色の人型はその内部へと足を踏み入れる。

内部は大きな空洞となっており、中心には巨大な石版が鎮座している。

影━━改め銀色の人型はその石版はと近づいていき━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

場所は路地裏へと戻る

 

 

 

 

 

「ガハッッッ!!」 「渡っっ!!しっかりしろっ!!!」

 

 

 

 

「フンッ、何者だか知らんが弱いくせに他人のランチタイムにしゃしゃり出て来やがって……。

そこで這いつくばって俺の食事でもゆっくり見ていやがれ。」

 

 

 

 

 

人間を助けるべく相棒であるキバットと共に、勢いよくファンガイアに戦いを挑みに行ったキバ━━━━紅渡(くれない わたる)だったがまだまだ彼は10代前半の少年であり、戦闘の経験もたった今あしらわれた様に目の前にいるファンガイアに比べれば圧倒的に少ない。

勿論何の術もなくやられた訳ではなく、キバットとの二人?だけでは適わないことも、戦闘に入ってすぐに分かり、それが分かれば判断もすぐでアームズモンスター達を呼ぶ為のシールフエッスルを発動しようとするも、そこも生きてきた年数の違い、戦闘経験の差か、シールフエッスルを吹こうとすればその暇を与えるものか、と間合い関係なく発生してくる霧がキバへダメージを与え、結果シールフエッスルを使う間もなく地面へと転がされてしまっていた。

本来ならば親に守られながら友人などとよく遊びよく学ぶような年齢だというのにも関わらず、自身よりも強大な化け物(ファンガイア)相手に立ち向かっていく。

父の形見である楽器から聞こえる声に導かれるのもあるが、渡は自らの意思でファンガイアから人々を守るためにその都度相棒であり、同じ家に住む家族として一緒に生活するキバットと共に戦い続けている。

 

 

 

そんな渡とファンガイアの間に立つ者が居た。

 

 

 

 

 

「やっと成長期が始まったぐらいの遊び盛りな少年の目の前で、普通なら下手しなくともトラウマになりかねないような光景をわざわざ見せつけるってのは、いくら文化や価値観が数世紀前から止まってる上位種気取りの産廃ガラス細工だったとしても絶版案件以外ありえないなぁ……。」

 

 

 

 

ああっっ!?数だけは多いのが取り柄で、俺たちファンガイアの餌である人間ごときがこの誇り高きファンガイア様に向かって産廃ガラス細工だと?」

 

 

 

「おおぅ……霧で人払いしてたとはいえ白昼堂々と人を襲うような低脳か、と思ってたから意味が通るとは思ってなかったけど……意外に知識自体はある個体だったのかぁ……これは都合が良い、良い情報を持ってそうだなぁ。」

 

 

 

「なにぶつくさ言ってやがるっ!!!てめえは甚振って啼かせて嬲って散々苦しめてからぶっ殺してやる!!オラァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

 

 

「っと、その前にちょっと渡くんには刺激が強くなるかもだから少し眠っててね。」

 

 

 

襲い来るファンガイアなど気にする素振りも見せずに青年は未だキバ(変身体)のままダメージに悶え、地面に伏せたままの渡に向かって屈みこんで、その素顔を隠す仮面に手を翳した。

手を翳されると同時にそれまで襲ってきていた痛みは薄れ、不思議と心地よい気分が全身に広がり、渡は自然と意識を手放してしまうのだった。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「ヨシ!!じゃあ……っとと、子供を寝かせてる時に突っかかってくるなんてランボーが過ぎる……っと。」

 

 

 

「うるせぇっ!!!俺様をコケにしやがった野郎に待つ時間なんてもんはねぇんだよぉぁっ!!!」

 

 

 

 

明確に自分へ敵対する怪物が近くにいるにも関わらず普通に背中を晒すコウもコウだが、意識を手放した渡を襲われていた一般人へ預けるコウへなんの躊躇もなく、これ幸いと当然のように後ろから襲いかかる事が出来るファンガイアもファンガイア、といったところだろう。

……しかしファンガイアへ背中を晒していたコウへ降りかかるハズの死角からの一撃は、背中を向けたままのコウがまるで()()()()()()()()()()()()()()()かのように半歩身体動かしただけ、でそれは空振りとなった。

ただの一般人が膂力や生命力、その他もろもろで圧倒的に格上のファンガイアに対してそんな芸当を出来る訳もない。

……この時点で通常ならばコウへの警戒度を上げるのがファンガイア以前に戦士としては当然なのだが……。

 

 

 

 

 

「てめぇっ!!俺様の一撃を黙って受けやがれぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

他にいるほとんどのファンガイアがそうであるように、戦士でもない彼ら一般的なファンガイアは人間に対して、自身らより力も弱く、特別な力もなく、ただ数がよく増えるというだけの下等種族、数だけは良く増える便利な餌としての認識しかない。

そんな餌であるという認識の人間に真正面から煽られ貶された……という事実に、永年かけて積りに積もったプライドを刺激されて本来回転させるべき頭は余すことなく沸騰し、誇り高きファンガイアである自分に対して「産廃ガラス細工」などといったその口を潰す、程度のことしか考えられていない。

 

 

 

 

しかし冷静であったとしてもそうでなくとも、基本的に餌である人間しか襲っていないのが彼の個体である。

もし、もしも「素晴らしき青空の会」との交戦経験があればすぐに冷静な判断をし、弱者への甚振りから戦闘へと意識を移行していたかもしれないが……どちらにしても結果としてはコウに見つかった時点で始めから彼には選べる道など残されてはいなかったのだから……。

 

 

 

「喰らいやがれえぇぇぇぇええっっ!!!!」

 

 

 

基本的に人間はファンガイアの膂力に適わないのが普通である。

なので、頭に血が昇ったままでも適当に力任せでもケッチャコがつくと思っているためにコウの腹部目掛けて大雑把に拳を振るう。

……ファンガイア族唯一の天敵であったレジェンドルガ族がほぼ全滅してから数百年の時が流れ、運良くファンガイアにとって脆弱な人間しか相手にしてこなかった彼の拳は、現在進行形でグロンギ、オルフェノク、魔化魍といった個体差はあるもののファンガイアに勝るとも劣らない存在と戦い続けているコウへは例え平常時でも届くことはない。

更に適度な挑発を受け、怒りに身を任せて大振りに放った拳はただ虚空を切るだけでなく、雑に繰り出したため体勢を大きく崩しコウの後方へとよろけてしまう。

 

 

 

「クソがっっっ!!!!もういっかい…………ぅあっっ!? 」

 

 

 

 

体勢を崩してよろけた体を踏ん張り体勢をたてなおし、後ろにいるはずのコウへと振り返ろう、としたところで急に身体へ重圧がかかる。

抵抗するべか力を込めて体を動かそうとするも、体は動かせず全くもって訳が分からない。

何とか動かせる視線だけで状況を確認しようとするファンガイアの視界にチラ、と()()()()が映る。

視線をそちらに向ければ先程まですぐ近くに居たはずの男の姿はかき消え、新たに姿を現したのは金色に輝く外骨格を持つ仮面の戦士。

仮面の戦士━━━アギトは音もなく構えをとり腰を落とし、構えをとる━━━━と、同時に頭にあるクロスホーンが開いて地面に神威の紋章が浮かびあがり、アギトの肉体へと吸収され、未だに強化された超念力から逃れられずにもがくファンガイアへと近づく。

そして無造作に腕を延ばし、ガッシリとその頭を掴み何かに集中する素振りを見せる。

するとファンガイアは一際大きく全身を震わせ、完全に意識を失ってしまったかのように脱力して怪人態から人間の姿へと変化した。

 

 

 

「ヨシ!!!」

 

 

 

変身したまま無力化したファンガイア(人間態)を肩に担ぎあげ、極度の恐怖と緊張からかいつの間にか意識を失っている一般人には目もくれず、「うーん、キバットぉ……それはバイオリンに使う素材だってぇ_(ˇωˇ」∠)_ 」と、まだまだ夢の中で幸せそうに眠る渡に近づいていき……

 

 

 

 

 

「おっと、待てよ?助けてくれたのはありがたいがアンタ何者だ?

怪しいが過ぎるんじゃねぇのか?……まさか偶然通りすがっただけじゃないよな?」

 

 

 

 

……これは困った。一般人が人間っぽくない雰囲気の奴に追いかけられてのを見過ごせなかった、偶然通りすがっただけの一般雇用社会人()アギトなんです。

 

 

 

 

「俺はキバットバット三世!! 由緒正しきキバットバット家の三代目だっ!!!……助力の礼は言うけど、もし渡に何か悪さしようってんなら、俺が相手になるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

うーん、この盛大なハゼの餌……どうしてくれようか。

完全な誤解なのに大見得切っちゃってるし、しかしその口上通り紅渡くんを守る意思、覚悟は本物みたいだし…………。

でも、気絶したままのファンガイア(人間態)を会社地下の研究区画に持ち帰るにはちょっと人の姿のままじゃ職質受けそうだし…………バイクにはそのまま載せれないし………………、バイ……ク?アギ……ト………バイク……マシントルネイd…………。

 

 

 

「ああ……、解決した。」

 

 

 

「おいっ!俺様の質問に答えr「ライダーブレイク(マシントルネイダー)」なっっっ!?」

 

 

 

突如空中に現れたスライダーモードのバイク(マシントルネイダー)に驚くキバットに目もくれず、コウは担いでいたファンガイアを器用にバイクへ括りつけて空に飛翔させた。

 

 

 

「三世くん、これ……じゃあ今のところは俺が渡くんに対して害意がないことを完全に証明は出来ないだろうけど……ともかく敵対の意思がないことはわかって貰えないかな……。

あと残念ながらマジに通りすがっただけの一般人なんだけど……信じてくれない……よなぁ、そこは無理だよねぇ。」

 

 

 

空に飛んでいくマシントルネイダーを唖然と見送るキバットの前でコウは話しながら変身を解く。

 

 

 

「……お、おぅ何だか更に訳が分からなくなったんだが、とりあえず渡に悪さしようってんじゃねえならまあ良…………ってお前のような一般人がいるかぁっっっ!!!!」

 

 

 

「あ、流石に一般人は無理だったかぁ……まぁ俺のことは置いといて渡くんも変身してて鎧に守られてたとはいえ、少なからず怪我してるし、俺がおぶってくから案内して貰える?渡くん家。」

 

 

 

「お前みたいな変な野郎に渡をおんぶさせるぐらいなら俺が引っ張って行「最近さぁ……未確認生命体だっけ?無差別に人を沢山襲う事件が増えてるよねぇ……。」クぅ…………。」

 

 

 

「俺を信用してくれるなら渡くんと一緒に確実に安全に家に帰れると思うけどなぁ……。」

 

 

 

「ぐぬぬ……。」

 

 

 

「あと姿を見られてた一般の人にその姿でファンガイアやキバの姿をどう説明して、どう言いくるめるつもりだったのかなぁ……。」

 

 

 

「…………。」

 

 

 

「あとは「わかったよ!!!!」ぁ……。」

 

 

 

「しつこく言うが渡に何かしやがったらタダじゃ済まさねぇからなぁっ!!!」

 

 

 

「こっちこそ、最初から何のつもりもないって言ってるんだけど…………。」

 

 

 

「今日のさっき初めて会ったやつで、一応助けて貰ったとはいえ自分が見たことも聞いたことも無い姿に変身するやつを見て「僕は通りすがりの一般人ですから安全ですよ。」ってのを鵜呑みにして信じるほど無警戒じゃ、悪意ある奴らから渡を守れないじゃねえか!!」

 

 

 

「うーん。

確かにまぁ逆の立場ならそんな簡単に警戒を解くわけにはいかないよなぁ。

……で、家までまだまだかかりそう?もし良ければタクシー呼ぶけど……。」

 

 

 

「あと15分ぐらいだよ!!あとタクシーは辞めとけよ。

知らない運ちゃんならともかく、この辺りは渡を不器味がって近づかないようにしてるから乗せてくれないぞ、恐らく。」

 

 

 

「うわぁ………。まだ10代前半ぐらいなのにたくさん苦労してるんだねえ……。」

 

 

 

 

口では警戒する素振りをさせ続けるキバットだったが、ことほか素直にコウを紅音也が遺した家━━━━息子である渡が自身と暮らしている洋館へと案内していた。

勿論、口ではツンツンしているが態度でデレている安易なステレオタイプのツンデレという話ではない。

キバへと変身し、自身が渡に行うサポートも十全に果たした上で通常形態も正面から圧倒され、ならば形態変化による強化をとアームズモンスター達を呼ぼうとする……も、()()()()()()()()()()()()()()()()()()にコチラを地面へと這いつくばらせた先程のファンガイア。

そのファンガイアを、倒れている渡の安全を考慮していたかは不明だが相手が冷静に次の相手、次の戦闘へと意識を塗り替える前に精神口撃によって逆上させ、たかが人間と侮らせたままに態とテレフォンパンチを誘発させ、残心しながら腰へベルトを出現させて、すれ違いざまの一瞬であの黄金の二本角を持つ姿へと変身し、先代である闇のキバを彷彿とさせるも全く別種の力による拘束術と謎の力で一方的に意識を刈り取って無力化した実力。

何の意図があるのかは今も全く不明だが、ここまで実力に彼我の差があると抵抗は無意味であり、意識の無い一般人も居たためその場では素直に案内する判断をとるに至ったのである。

 

 

 

 

 

(とりあえず一般人を簡単に口封じする(殺す)様なやつじゃないってことと、割と純粋にわたr……いや子供を心配する程度には善性か、それに準ずる優しさは持ち合わせてるようだから、最悪の想定は避けれそうだな。)

 

 

 

 

 

「着いたぜ、ここが俺たちの家だ。」

 

 

 

 

 

 

 

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「いや、しかし子供が1人……あぁゴメン2人で住むには広過ぎる家だよな。

仕事部屋もあるから生活スペースだけ考えると……いやどう考えても2人で住む広さじゃないわやっぱり。」

 

 

 

 

「そんなこと言ってもしょうがねぇよ、渡の母ちゃんは渡が小さい頃に出てっちまったし……父ちゃん…………は……。

……………………。」

 

 

 

 

「触れて欲しくない話題……か、すまない。

………………あぁっっ!!コレがブラッティローズかぁ!!素人目に見ても並の楽器じゃないなぁコレは!!!!

触れても大丈夫なやつ?ダメ?」

 

 

 

 

「……お、おぅ……いいぜ。

ただし絶対弾くなよ?

ていうか、お前バイオリン弾けるのか?」

 

 

 

 

「いや、演奏はからっきしなんだけど……なんかコイツからは並々ならないオーラみたいなのを感じた気がしたからさ…………。

………………………………………うん、やっぱり間近で見て()()()()()()()()()()。」

 

 

 

 

まじまじと手に取ったブラッディローズを見ているコウだったが、最後に目を瞑って黙り込み、数秒()()()()()()()素振りを見せる。

これはどうしたものか、声を掛けようかとキバットが考えて始めたあたりでコウは元の様子に戻り快活に感想を言いながらブラッディローズを元あった場所へと戻した。

 

 

 

 

「いやぁ、人生何周かしてもお目にかかれないような名器をこんなところで直接触れて見れて素で感動しちゃったよ、ありがとう。

……ん、そろそろ渡くんも起きてくる頃合かもね。

さっきはうつ伏せになってたから、俺の顔知らないだろうし急に知らない人が自分の家にいたらビックリするだろうから、そろそろお暇しようかな。

……怪我といった怪我は無かったし、軽いのは治療しておいたけど、体が出来上がってないこの歳であの姿への変身をしてたからか、かなり身体に負荷が溜まってたからしばらくは安静にするのと変身は控えてね。

…………もし、それでも今日みたいにファンガイアに立ち向かう時はこの番号で呼んで……出来る限りすぐ行くからさ。」

 

 

 

 

「お前……それはちょっとコッチに都合が良s「子供はもっと自由でワガママにして大人なお兄さんに迷惑掛けるぐらいが自然なんじゃない?

あんな戦いばっかりで大事な時期を過ごすべきじゃないだろ?…………近くに頼れる大人が居なかった今までは仕方ないかったかもしらないけど、自由に遊んでる同年代ぐらいの子たちを尻目に、()()()()()()だからってそれは渡くんが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……違う?」……………………。」

 

 

 

 

「……おっと、少しお喋りが過ぎたね。 時間が出来たら今度は渡くんが居ない時に来るよ。

……行きたかった場所に居るはずの会いたかった人には時間がなくなったからまた今度にして、今回のことで探すべき人も出来たしね。」

 

 

 

 

「……………………おう。」

 

 

 

 

渡のことについて考え始めたキバットを他所に、言いたいことだけ言って、コウは紅邸を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ん?()()()()()()………?俺は渡の何もアイツには教えていねーよな?

何でアイツは渡の生まれのことを知ってやがるんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ウェッ!!!!余計なこと口走ってた気がする…………今度紅邸に行くにしても、しばらく空けてからにしないと……。)

 

 

 

 

 

 

相変わらずしなくていい所でのミスを致しがちなコウである。

 

 

 

 

 

 

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人里離れた山地にある洞窟内。

とある理由で特定の者たちに追われる生活が続いている、黒衣に身を包んだ妖艶な風貌の女性が独りでに焚き火に薪をくべている。

 

 

 

 

「珍しいわね、私の命を狙う者以外のお客さんは……。

……しかも永く生きてきた私が()()()()()()()()()()、一体何者なのかしら?」

 

 

 

 

「気をつけろよ……俺も並のファンガイアや時折現れる変な化け物程度なら絶滅させられるが、この気配……チェックメイトフォーにすら届きかねんぞ。」

 

 

 

 

彼女がくべていた焚き火が煌々と照らしている地面に一箇所だけ不自然に出来ている影がゆらり、と蠢く。

 

 

 

 

「大丈夫……伊達に数年私のことを狙うもの達から逃げ続けていないわ。

今日のお客さんは私をどうこうするつもりはなさそうよ……と、いうよりも私より貴方に用事がありそうな雰囲気よ?」

 

 

 

 

 

「俺への用事……?あぁ、かなり久しぶりだが()()を求める者か…………、並の人間ではアレを纏うなどいたずらに命を捨てるだけだというのにな……。

全く……強過ぎる力には代償があることを何も理解せずに力ばかりを強欲に追い求めるとは……。

代償など関係あるか、と覚悟の上で命を賭して護りたい者たちを護った、()()()()()()()は中々いないものだな…………。」

 

 

 

 

 

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4月20日

春うららかとはよく言ったもので、日差しの中でも柔らかな暖かさを感じる程度の気候が広がる日。

ビルの谷間にある路地裏の室外機が温風を吐き出している。

その傍に佇む白く広い鍔の帽子を被った、腕にキノコのタトゥーが入った白髪で長髪の男。

その横をOLと思わしき格好の女性が通りかかる。

 

すると男はスっと女性に近づき、肩を抱いておもむろにキスをした。

誰かしらかに見られれていれば、強制わいせつによって1発逮捕間違いなしだが、運悪く近くにそれを視認できる人はおらず女性が自分で通報するしかない。

……と、思いきや急にキスをされた女性は男が既に身を引いたにも関わらず微動だにしない。

と、沈黙していた女性が突然地面へと倒れる。

 

 

「これで18人目。」

 

 

 

腕にキノコのタトゥーが入った男は、腕につけたカウントブレスで数をカウントすると薄く笑いながら、意識を無くし地面へと横たわる女性には目もくれずにどこかへと去っていった。

 

 

 

 





最後にキノコのキス魔がチラ見せしてるから実質クウガ。


⚫「これ俺が通りかからなかったら仮面ライダーキバ崩壊してたんじゃ……?」
と、あとから戦慄してたりしなかったりする主人公


直接的な超能力が使えなかったのは、アマゾンと魔石の力の干渉を上手く緩和するためにリソースをほとんど割いていたからなので、純粋に人間体+アギトの力全開だと、超能力の制限も無くなり満遍なく超能力を扱える上に今回の様にアギトに変身も可能になる

予想外な研究検体ゲット♪
プラス、紅邸で渡君(少年時)の治療と洋館にブラッディローズのサイコトメトリーで予想外に時間を消費したため、
予定が崩れた。
今のまま渡君を1人にはさせておくのは危険なため、会社の伝手でバイオリン修復の職人を探し出したい。




⚫2000年だと1〇歳のハーフファンガイアの彼、


小説版もまだ未読なので深く突っ込まないようにしたかったのですが……流れでやってしまいました
クロスオーバーの都合上、もしかしたらファンガイアが襲ってた人間がオルフェノクやワームの可能性とか色々想像した結果がこれですよ!!

子供だけで不気味な洋館に住んでて近所の人から敬遠されてたら「襲ってくれ」と言ってるようなものじゃないかと
戦闘に関しては、DCD版WATARUくんは同じ幼くとも王に選ばれ、側近達の助力が見込めるのでDCDでそれなりに戦えていたのは分かるんですが、こっちだとアームズモンスター達以外にサポートなさそうなので経験不足、ということで……
しかし実際どうやって1人で20歳近くまで生活していたんだろうか……小説にはその辺あるんでしょうかね?



⚫食事を邪魔された挙句、最終的にマシントルネイダーでドナドナされていった彼


正攻法で戦えばそれなりにやれていた程度には実力者ではある。
グロンギで例えるならガリマ姉さんくらい……ですかね?
煽られて頭に血が上ってたうえ、相手はアギト(未来予知使用)なのでどうあがいても、うん……すまない。

サバト関連と少しの魔術、東京に潜伏中のファンガイアの情報だよ!!
……あとは精神感応が上手く聞けば新しい駒の出来上がりだよ!!家族が増えるね!!やったね!たえちゃn(ry




⚫白いキノコ野郎
書いたあとに冷静になってみると、魔石アークルなし、アマゾン細胞なし、ドライバーなしの純粋アギトってこいつの胞子を五代さんばりに受けたら即死不可避っぽくないですか?
……いえ当たらなければどうということはない、の精神でいきます。行けます。
こちとら予知能力持ちの全方向超能力ぶっぱアギトですから、イケるイケる…………多分、ですが。





なんやかんや先のことを考えてるようでその時の流れで、一気に舵を切ったりしますので、ラストバトル以外はどうなるか未知数です。
ラストだけはこの前の疾走期間中に浮かんだので、よっぽどがなければ、今考えてる案で行きます。
次回の繋ぎで終わると次が描きやすいという、先人の知恵に習うも、中々執筆に向かえない基本rom専の作者でも良ければ次回まで気長にお待ち下さい。


今回もありがとうございました。


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