やはり俺が八神コウのお兄ちゃんなのはまちがっている。 (Oceans)
しおりを挟む

本編
第1話 やはり俺が八神コウのお兄ちゃんなのはまちがっている。


活動報告で述べた通り、妹チェンジシリーズを再編版としての投稿です。このカテゴリにはNEW GAME編(各ヒロイン編)を投稿していきます。

それでは、今回もよろしくお願いします。


俺の名前は八神八幡、専業主夫志望を高校生まで掲げていたがその夢は潰えてしまった。今現在、26歳。某ゲーム制作会社(イーグルジャンプ)でキャラクターデザインを妹であるコウと共に担当している。俺がこの会社に入るきっかけとなったのは、言うまでもなくゲームが好きで特にこの会社で発売されていたゲームが好きだったので俺もこの会社でゲームを作りたいという思いが強かったからだ。

 

説明はこのぐらいにしておき入社9年目の春、今日も出社なので俺は支度をする。

 

「コウは今日も帰ってないか...」

 

俺は妹のコウと一緒に生活している。といっても、コウは家に帰らず社内で泊まることが多い。理由としては残業等が多い。まぁ、コウはキャラ班リーダーだから仕方ないが。俺はコウほど仕事量は多くないし、それより残業が好きではないので定時までに仕事を終わらせるようにしている。残業は追い込みの時期だけだ。

 

 

「とりあえず、飯食うか...」

 

そして俺はスッ○リを観ながら朝食を摂る。スッ○リは良い番組だ。ニュースやエンタメなどいろんな情報をたくさん得ることができる。だが、時間の関係で誕生日占いを観れないのは残念ではあるが...そんな事を考えつつ朝食を食べ終え、片付けをする。

 

 

 

 

「行ってきます」

 

誰もいない家に挨拶をし、家を出る。家から会社までは歩いて20分、自転車で5分と結構近い距離にあるので滅多に俺は遅刻などはしない。

今日は時間に余裕があるので歩いて会社に行くことにした。

 

 

「桜が綺麗だな...」

 

 

俺の家から会社までの道には桜の木が植えてある。そのため春になると桜が満開となり凄く綺麗で気分が爽快になり、やっぱり春はいい季節だと改めて感じる。

そんな事を思っているとあっという間に会社へと到着した。

 

「ん?」

 

会社の前で何やら中学生らしき女の子がブツブツと何か言っており、

キョロキョロしていた。俺は迷子なのかと思い、その女の子に声をかける。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「ひゃっ!ごめんなさい!」

 

俺が声をかけると、女の子は突然謝ってきた。

 

「謝んなくていいけど、どうしたんだ?迷子か?」

 

「え...いや...その」

 

「迷子なら、お兄ちゃんが相談に乗るぞ」ナデナデ

 

俺は怖がらせないように頭を撫でながら優しく話しかける。

 

「あうっ...そうじゃなくて...」

 

女の子がモジモジしながら何か話そうとしたところに...

 

「あら?八幡くん、何してるのかしら?」

 

妹のコウと同期である遠山りんが後ろから声をかけてきた。何故か、声のトーンが低い。

 

「いや、俺は迷子の中学生の女の子をだな...」

 

「そうなの?」

 

「違います!私は中学生じゃありません!」

 

「「えっ!」」

 

マジか...背が小さいし、制服着てたから中学生だと思ってたわ。

 

「じゃあ、何でこんなとこにいるんだ?」

 

「私は今日からイーグルジャンプ社で働くことになっているんです」

 

「あら?そうだったの」

 

「そうだったのか。すまんな、勘違いして。名前はなんて言うんだ?」

 

「いえ、大丈夫です。私は涼風青葉って言います。もしかして上司の方ですか」

 

「そうよ。涼風さんは私達と同じチームよ」

 

本当にこの会社は女子率高いよな。男子は俺を含めて少数しかいないし。求む!男子の社員!

 

「そうなんですね!」

 

「私はADの遠山りんです。よろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

「ほら、八幡くんも自己紹介して!」

 

「俺もか?」

 

「当たり前でしょ!同じチームなんだから!」

 

「そんな怒るなよ...」

 

「八幡くんが悪いんでしょ」

 

「へいへい。俺が悪かった。まぁ...とりあえず、自己紹介するか。俺は八神八幡だ。一応、キャラデザを担当してる」

 

「ちなみに八幡くんはフェアリーズストーリーのキャラデザも担当してたのよ」

 

「その情報はいるのか?」

 

「それって本当なんですか!」

 

「うおっ!びっくりした。どうしたいきなり」

 

「私、小さい頃にフェアリーズストーリーにハマってたんです。それで私もいつかフェアリーズストーリーを制作している会社に入ろうって決めたんです」

 

「そうだったのね」

 

「そうだったのか。まぁ、大変だとは思うが涼風も頑張れよ」

 

「はい!」

 

そんな会話をした後、俺達はオフィスへと向かった。

 

 

 

「涼風さん、ここがオフィスで、ここがあなたの席よ」

 

「広いですね!それより、人がいないみたいですけど...」

 

「それはだな...社員のほとんどが時間ギリギリに来るからだ」

 

「そうなんですね」

 

「それより、涼風さん。何か飲む?」

 

「それじゃあ、オレンジ....コーヒーのブラックをお願いします!」

 

おい...今、オレンジジュースっていいかけなかったか?そんなんで、コーヒーブラック飲めるのか?俺でもブラックは飲まんぞ。俺はMAXコーヒー一筋だからな。

 

「八幡くんは?」

 

「俺は自前のものがあるから大丈夫だ」

 

「MAXコーヒーはほどほどにね」

 

「へいへい」

 

「ぎゃー!」

 

「どうした涼風」

 

「あそこに誰かいるみたいで...」

 

「あれ、俺の妹だ」

 

「八幡さんに妹がいるんですか!」

 

「ああ。あれが、妹の八神コウだ....おい、コウ。早く起きろ!そして、ズボンを履け」

 

「うーん...何だ、お兄ちゃんか」

 

「何だじゃねぇよ。早くズボンを履け」

 

「分かった...それより、隣の子は誰?」

 

「ああ。新入社員の涼風だ」

 

「涼風青葉です。よろしくお願いします」

 

俺達、3人がそう会話していると

 

「あー!もうコウちゃん、また会社で寝てる。いつも家に帰りなさいって言ってるでしょ」

 

コーヒーを持ってきたりんが妹のコウに対して注意していた。

 

「しょうがないじゃん。仕事も溜まってたし」

 

「八幡くんもコウちゃんのお兄ちゃんなんだから注意しないと」

 

「とばっちりがきたよ...」

 

「大変ですね...」

 

「まぁ、いつものことだ」

 

「八幡くん!ちゃんと聞いてるの?」

 

「はい!ちゃんと聞いてます!それより、コーヒー冷めるから渡したらどうだ?」

 

俺はすぐさま、話題を変えた。

 

「はい、涼風さん。ブラックコーヒー」

 

「ありがとうございます」

 

「へぇ...ブラックコーヒー飲むんだ」

 

「私、大人ですから...」ケホケホ

 

「飲めないのかよ!」

 

やっぱり飲めなかったか。

 

「涼風。このコーヒー飲むか?」

 

「ありがとうございます」

 

俺は涼風に俺の愛飲するMAXコーヒーを渡す。

 

「甘くて美味しいです!」

 

涼風もMAXコーヒーの良さが分かってるな...

 

「そうかそうか。欲しくなったらいつでも言ってくれ」

 

「はい!」

 

「お兄ちゃん、私にもちょうだい」

 

「ほれ」

 

コウにもMAXコーヒーを渡す。

 

「それで何歳なの?」

 

コウはMAXコーヒーを飲みながら涼風に年齢を聞いていた。

 

「18歳です」

 

「高卒とは珍しい!」

 

「珍しいってコウも高卒じゃねーか」

 

「お兄ちゃんもでしょ!」

 

「まぁな...あとりんも高卒だったな」

 

「皆さんも高卒で入社したんですね」

 

「にしても、18歳に見えないなぁ...」ハッハッハ

 

「っ!じゃあ八神さんは何歳なんですか?」

 

「いくつに見える?」

 

「そうですね...その前に1ついいですか?」

 

「何?」

 

「八神さんも八幡さんと同じでキャラデザの担当だったりしますか?」

 

「うん、そうだよ」

 

「じゃあ、30歳近いとかですか?」

 

「25歳だよ!」

 

「ご、ごめんなさい」

 

コウが30歳に近かったら俺は何歳になるんだよ。俺ってそんな歳取ってるように見えるか?まぁ、目が腐ってるからそう見えるだけかもしれんな。そう願いたい。

 

「気にしなくてもいいのよ。それじゃあ、私は何歳に見える?」

 

「23歳ですね!」

 

「私と同い年だよ!」

 

「青葉ちゃんはいい子ね。じゃあ、八幡くんは何歳だと思う?」

 

「俺の年齢まで当てさせんのかよ」

 

「八幡さんは八神さんのお兄さんだから...30歳ぐらいですか?」

 

やっぱり涼風から見たら俺は30代に見えるのか...

 

「あっはっは。お兄ちゃんが30歳!あー面白い!」

 

おい、コウ。笑いすぎだぞ。俺だって傷つくことだってあるんだぞ。

 

「コウちゃん!笑いすぎよ。ふふっ...」

 

ちゃっかり、りんまで笑ってるし。俺、泣いていいかな?

 

「涼風、俺はまだ26歳だ」

 

「ご、ごめんなさい〜」

 

涼風はひたすら、俺に謝っていた。

 

この後も、この話で持ちきりだったのは言うまでもない。

 

 

 

...続く

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

他のNEWGAMEのヒロイン編も投稿予定なのでお待ちください。

それでは、次回もよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 5~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。