怪獣アパートの日常 (メガテニスト(偽))
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怪獣アパートの日常
地球。この青い星でいつもの日常が流れている。そこに青く輝く巨大な球体が落ちてきた!
そこからは巨大な生物…怪獣が現れた!
「うわ!あれなんだ!」「怪獣?」「怪獣や!」
「確か…えーっとあれ、ベムラー!ベムラーじゃん!」
怪獣の名前はベムラー。初代ウルトラマンに出てきた記念すべき最初の怪獣である。空想の中から出てきた怪獣は今現実に降り立ち、そして…、
「あ!動き出した!うわうわうわっ!やばい!やばいって!」
「逃げよ!早よ!逃げな!」
暴れ出した。逃げ惑う市民。
「押さないでー!こっちですー!早くこちらへ避難をー!」
警察の誘導で避難がすぐさま開始される。
自衛隊もすぐさま出動。航空機や戦車、歩兵による攻撃が始まる。
しかし、それらを跳ね除けてずんずんと進む。
「顔だ!顔に集中攻撃!」
その言葉の通り顔に攻撃が集中!さしものベムラーもこれには怯んだ。
が、怯んだだけだ。これに怒ったらしい。ベムラーは口から青い怪光線を吐き出した。
「退避!退避ー!うわああああ!!」
光線は適当にばらまかれ建物を破壊していく。吐かれたもののうちの一つが自衛隊の戦車を襲おうとしたその時!
謎の光がそれを阻んだ!
「あれ…?これは…もしかして…!」
そう!怪獣が現れるとき、また現れるものがいる!それは光の巨人!
光とともに現れた人型のシルエット!その名は!
「ウルトラマン!…あれ?なんかちょっと違う…。」
「残念ながらご期待にはそえないかなあ…。」
現れたのはウルトラマンによく似ているがなんだかちょっと違う。
「てかあれ、ニセウルトラマン…ザラブ星人じゃね?」
「ご名答。よくわかったね。」
そう、現れたのはニセウルトラマン、ザラブ星人だった。
突然現れた乱入者へと攻撃を仕掛けるベムラー。
ニセウルトラマンは軽くそれをいなして格闘を仕掛ける。
摑みかかるベムラーの腕をかわしつつカウンターでパンチを腹に当てる。
たたらを踏むベムラー。今度は熱光線を吐き出す。
ニセウルトラマンはそれを上へと振り払う。そしてお返しにとばかりに手から短い光線、ハンドスラッシャーみたいなものを出して攻撃。
本格的に怒りを示すベムラー。今度は長い尻尾を振り回して攻撃する。
ニセウルトラマンはベムラーへと少し近づいてそれを受け止める。
尻尾の勢いを止めたところで尻尾を離しベムラーの背中を蹴りつける。背中を蹴りつけられてよろけるベムラー。
「なんか妙だな…。…そうか、攻撃を全部受け止めているんだ…。
もしかして街に被害がいかないように…?」
ニセウルトラマンはベムラーの攻撃を全て受け止めているのだ。最初に現れた時といいまるでこちらを守るように戦ってくれている。
もう一つ気がついた。双方あまり移動していない。あの巨体が移動すればそれだけで被害は大きい。投げ技ももってのほかだ。
既に被害が出ているところにとどめながら戦っている。
「随分と周りに気を使っている戦い方だな。あれじゃ戦いにくいだろうに。よしっ!被害の少ないところに誘導するぞ!攻撃して気を引くんだ!」
ニセウルトラマンとベムラーの戦いに自衛隊の横槍が入る。
一方向からの一斉攻撃だ。
「おーい!ニセウルトラマン!聞こえてるか!こっちだ!こっちで戦えー!」
ニセウルトラマンがそちらを向いた。そしてベムラーの攻撃をかわして首を脇で挟み、自衛隊の車両とは少し別方向に強引に引っ張って投げ飛ばした!そちらには山があった。戦いながらも投げなどを駆使して強引に戦いの場を変える。
「ようし!そこなら周囲の被害の心配もいらないだろ!」
第二ラウンドの開幕だ!
さっきとは違いフットワークを活かした戦いを繰り広げる。
先程は使えなかった投げ技も存分に使える。
敵の攻撃をかわし、隙をついて攻撃、カウンター、敵の勢いを利用した投げ技に、挙動の始めを潰す攻撃など、スタイリッシュな戦いぶりで終始優勢に戦いを進める。
疲れを見せるベムラー。おお振りの攻撃を華麗にかわして攻撃を加えるとベムラーは倒れ込んだ。今がチャンスだ!
「チャンスだ!光線だ!」
「でもあいつニセウルトラマンですよ?」
「あ、そっか、でもさっきは手から短い光線はなってたぜ?」
「ガルシウム光線!」
ニセウルトラマンは腕を十字に組んで光線を放った!
「あいつニセウルトラマンのくせに光線とか出しましたよ!」
「なんだっていいだろ!とにかく倒せれば!」
光線はベムラーへと真っ直ぐに飛んでいき、光線をくらったベムラーは光に包まれて爆発した!ベムラーは消え去り、そしてベムラーのいた場所から何かが落ちていった。
「やったー!ベムラーを倒した!」
「バンザーイ!」
「あ、でもザラブ星人ってこうやって友好を装って悪いことする星人でしたよね。」
「なるほどそうか。じゃあ、あいつも敵か!?」
「分かりません。どちらにしても勝てる相手かなあ。」
その時、ニセウルトラマンはこちらを振り向いた。
「へっへっへっ、シンパイスルコトハナイ。私は別に侵略をするつもりはない。
私の名はご存知の通りザラブ星人。もうかれこれ15年はこの地球で過ごしている。普段はサラリーマンとして一般社会に溶け込んでいるのだ。」
「そうなのか。じゃあ一体何が目的なんだ?何故戦ってくれたんだ。」
「端的に言えば…
生活が壊されるのが嫌だったからだ。」
「はあ…?」
帰ってきた答えは何とも小市民的なものだった。
「あいつが暴れれば街はめちゃくちゃ、インフラもめちゃくちゃ。復興に時間と資源がかかり、必然的にその負担は国民、ひいては私にも降りかかる。物価だって上がる。それが嫌だっただけだ。
私はこの地球で美味いものとか食べたりアニメとか漫画とか見て静かに怠惰に暮らしていたいだけだ。
そのためにあいつに暴れてもらっては困る。だから戦ったそれだけだ。」
「侵略とかしないんですかー?」
「ぶっちゃけ面倒くさい。侵略したところで何がしたいわけでもないし、統治に時間を取られてアニメを見る時間がなくなるじゃないか。
それに、今時世界征服なんて労力ばっかかかって古臭いったらありゃしない。もっと省エネルギーに生きたい。」
「なんか今流行りの悟り世代って奴みたいだな…。」
「私は15年前に次元空間の歪みによってこの宇宙に漂流してからずっと故郷に帰る方法を探しながらずっと地球に潜伏するうちに故郷に帰る気を無くしたのだ。
ぶっちゃけあそこ娯楽少ないし、美味いものは少ないし…。地球の暮らしの方が何倍も楽しい。帰る方法は今でも探しているが無事を報告したらすぐにここに戻って来るつもりだ。
地球で暮らし始めた頃、しばらくは他に宇宙人がいないか探したが見つからず、そもそもこの宇宙には怪獣がいない事がわかった。空想上の存在として知られていただけだったのだ。
漂着したものも他には見つからなかった。だから今の今までずっと地球人として生活していたのに急にベムラーがきた。何か原因があるはずだ。私はこれからそれを探るつもりだ。これ以上侵略者に来られるのは私も困る。
それと、私のことは探らないでもらいたい。私は穏やかな人生を送りたいだけなのだ。」
「侵略しないってことを保証できるものはあるのか?」
「あるかと問われればないと答えるしかないだろうな。今後、行動で示す他ないと言える。」
馬鹿正直な返事だった。
「弱ったなあ。これじゃあどうにもならないよ。」
「信用してくれと言うしかないが、同族の行いでなかなか信用されない。これが連帯責任というやつか。まったく、困ったものだ。」
「それでなくても人類に牙を向けばとてつもない脅威だからなあ。」
「致し方ないものだ。世間の風は冷たい。」
「まったくだよ、あはは。」
「なんだか打ち解けてますねえ。」
「なんだか悪者とは思えないよ。役職上声を大きくして言えないけど。」
その時、ニセウルトラマンは唐突に尋ねた。
「あ、ちょっとすまない。お尋ねしたいのだが、今何時かわかるかな。」
「えっと、いまは十二時五十分です。」
「おっと、もうそんな時間か。とにかくそろそろ戻らねば。では、私はこれにて失礼させてもらう!」
「え、あ、ちょっと!」
言い終わるや否や飛び去ってしまったニセウルトラマン。
「あ、そうだ。」
急に飛行をやめたかと思いきや何やらベムラーがいた場所へと降り立ち、何かを拾ってまた飛び去った。
「行っちゃいましたね…。」
「ああ…。」
「にしても全然正義の味方って感じじゃありませんでしたね。」
「あれくらいの方が親近感が湧くけどな。」
ともあれ、騒動は終わり、撤退していく自衛隊。
「あっ、皿部さん、おかえりですか?」
「ああ、今帰ったよ。もう怪獣騒ぎで大混乱で、ようやく!」
「それは災難でしたね。ここは避難範囲外でしたから避難してなかったんですが。あ、今お茶入れますね。」
「ありがとう。」
同時刻。皿部と呼ばれた男の自宅…。
毛布で巻かれた上に銀色のテープにぐるぐる巻きにされている少女とその近くに奇妙な石が転がっている…。
一体この少女の正体とは!奇妙な石の正体とは!待て!次回!
-第2話-
ニセウルトラマンが出現して1ヶ月が立った。
人々はあれから嘘のように平和を享受していた…。
しかし、平和は長続きしない。その時、空から謎の飛行物体が舞い降りた。UFOだ!UFOはJAXAに着陸した。
中から降り立ったのはセミによく似た顔と巨大なハサミを持つ宇宙人、バルタン星人であった。
そこからはもう大騒ぎであった。すぐに厳戒態勢が敷かれた。
マスコミも大騒ぎだ。そしてテレビで生放送が流れて一時間くらいしてすぐにニセウルトラマンが飛んできた。今度は大幅にデザインが違う。
「イメチェンした。デザインだって今風の方が受けはいいだろう?
通訳はどうするかね?私が信用できないなら誰かの身体をバルタン星人に貸すことになるが。」
誰も手を挙げなかった。当然だ。すぐさま話し合いが始まった。
「ふむふむ、時空の乱気流に呑まれてこの宇宙に。その際に宇宙船が壊れたと。それで修理のために立ち寄った。なるほどねえ。」
どうやらそういうことらしい。
「どうかね地球の諸君、ここは協力してあげては。私としてはできうる限り暴力沙汰は避けたいのだが。」
政府の回答はこうだった。
「これは日本のみならず世界、ひいては地球の問題になる。今おいそれと返事をするわけにはいかない。緊急で国際会議を開かねば。」
「それはいつになるのかね。いつ終わるかね。」
「それはわからない。とにかく始めない限り…」
「出来るだけ早めがいいだろう。寿命は長くても何日も待たされれば
相手を不安がらせて何をされるや知れないぞ。」
すぐさま電話での会談が始まった。そして普段では考えられないスピードで援助が決まった。とにかく藪をつついて蛇を出したくなかったのだ。
「では私は会社があるのでこれで。バルタン星人の基礎的なことはは教えたぞ。何かあればこの携帯に電話をくれたまえ。」
特定の電話にしか使えない携帯を渡してニセウルトラマンは去っていった。
それから1ヶ月、バルタン星人はもてなされていた。流石に最重要技術は教えられないがそれなり程度のテクノロジー程度は見返りに人類にもたらされた。
そんなある時、1ヶ月で日本語をマスターしたバルタン星人はこう切り出した。
「この星が気に入ったでござる。宇宙船が直っても元の宇宙に帰れる保証もないしこの星に移住したいでござる。5億人の同胞とともに。」
これには全世界が困った。すぐさまオブザーバーが呼ばれた。
「困るなあ。今この星は移民というワードに対してすごく敏感なんだ。なんせ受け入れたところで風習の違いや思想の違いなどで治安の悪化が目に見えているからね。特に、食べるためには働かなければならない。国民の仕事がなくなってしまえば食べるために犯罪を犯す人間は増える。今すぐに5億も増えればそれはもうとんでもないことだ。今この星で君たち全員が受け入れられることはないだろう。」
「がーんでござる。でも、この星にはまだたくさん住める場所が残っているじゃないでござるか。人間サイズでなら窮屈でござるが拙者たちを受け入れられるだけの場所はあるでござろう!
拙者たち、他に住むあてもないんでござる!」
「同じ地球人同士でさえこれだけ難民問題には頭を悩ませているのだ。ましてや違う星の宇宙人の君たちなら更に根深い問題になるだろう。今この星の住民は君たちを受け入れられない。そうだね?」
「ええ、そうです。申し訳ないが宇宙船の修理が完了次第出て行ってもらいたい。それが人類の総意です。」
ことここに至って交渉は決裂。
「ち、地球人は狭量でござる!もういいでござる!こうなったら勝手に住まわせてもらうでござる!」
「どうしてそうなるのやら…。こうなれば武力交渉しかあるまい。」
巨大化する二体。そして唐突にニセウルトラマンは光線を発射。
二体はどこかへと吸い込まれる。
「こんなこともあろうかとバトルフィールド形成装置を作っておいたのだ。ここでなら存分に暴れられる。」
どこからか届いた電波により映像と音声が中継される。
テレポーテーションと分身により相手を撹乱しようとするバルタン星人。しかし、
「…一体いつから、私にそんなものが通用すると錯覚していた?」
動きはまるで『竜の玉』だった。スピードが目で追えない。
「そこ!」
テレポーテーションも通じない。テレポーテーションした先に攻撃が置かれている。
「私とて鍛えなかったわけではない。漫画やアニメを参考に修行をしていたのだ。何より昔はやんちゃでね、ウルトラ一族を騙くらかし…変装して潜入していたこともあった。あそこの訓練はきつかった。
君の気を読んで動きを読み取るくらいわけはない。」
若干弱いものイジメに近いレベルで力の差を見せつけられたバルタン星人。
「こ、降参!降参でござる!わかった!出て行くでござる!ううっ…あてのない旅に逆戻りでござる…。」
「そのことだが、私の方で君たちの居住に適した惑星を見つけておいた。今後、侵略行為を働かないと約束するなら監視付きでそこに連れて行ってやろう。」
「ほ、ほんとでござるか!?」
「ちょっ、ちょっと待ってください!許すんですか!こいつらを!それに外宇宙から来た宇宙人たちですよ!?この宇宙に住まわせるなんて…!第一あなたに何の権利があって…!」
「まだ被害は出ていないだろう。それに、元々地球だって侵略の歴史はあったのだ。誰も知らない惑星で住むくらい許してやりたまえよ。」
「もしも彼らがまたこの星にやってきた場合はどうするんです?」
「その時は私が責任を持ってこの星を守る。私が言い出したことだからな。」
こう言われては今の地球の軍事力ではかなわない相手なのだ。渋々従うしかなかった。
修理された宇宙船は宇宙へと飛び立つこととなった。
「あ、ちょっと待ちたまえ。」
「何でござるか?」
「ガルシウム光線!」「アバーッ!?」
唐突にニセウルトラマンは光線を暴れたバルタン星人に放った。
アワレ光に包まれてバルタン星人は爆散!
「えーっ!?」
これには流石に見ていた人たちも驚いた。
「な、何を一体!」
「暴れていた奴だけは別だ。しっかりと反省してもらわねばならない。それが地球のルールだろう?おっと、認識阻害装置オン!顔は隠しておいてやらねば。」
煙が晴れた先にいたのは顔は見えないが女の子だった。その近くには奇妙な石も落ちている。
「な、なにが…せ、拙者!地球人の女の子になってる!?」
「私のガルシウム光線は怪獣や異星人の力を分離してこの怪獣ストーンに封印し、怪獣を地球人にすることができる。暴れた彼女は私の方で預かって反省させたら彼らのもとに帰す。刑務所みたいなものだ。
殺すのは簡単だが、私、宇宙警備隊でもないし残った死骸の処理も大変、なによりあまり殺す事なんてしたくないのだ。殺さずに無力化できるならそうしたほうがいいだろう?ウルトラマンだってきっと殺さずにすむならそうするはずさ。なに、元の宇宙に帰る方法が見つかったら彼女たちもみんな元の場所に帰す。ちょっとの辛抱さ。ではそろそろ。」
そう言ってニセウルトラマンはバルタン星人達を連れて飛んで行った。
この事件を受けて世間は宇宙人への対策を求めるようになった。それを受けて地球防衛軍が設立。皮肉にもバルタン星人からもたらされたテクノロジーも存分に使われることとなる。…が、設立して一年ほどして割と暇していた。
なぜなら、来たのが侵略者の場合、被害が出る前に全部ニセウルトラマンが解決するのである。
例えば、
「な、何故バレた!」
「地球の周りに大量の監視衛星を配置しているのでね。近づくだけでわかる。それに大量の監視カメラをハックしたりドローンを飛ばして監視していたのだ。」
「ち、地球のみなさーん!聞きましたか!これがこいつのやり口です!勝手にこんなことしてとても正義の味方とは思えない!こんな奴に地球の平和を任せていいんですか!?」
「私は任されているのではなく自主的にやっているだけだ。それに決して悪用はしていない。あと、これは地球防衛軍とも共同だ。」
「だからってこんないつでも監視をできる奴、信用できるわけないでしょう!ね!地球の皆さん!」
「信用されなくてもいい。私はこの生活が守れればいいだけだ。というわけで神妙にしたまえ。安心しろ、殺しはしない。ただ地球人と同じくらいの身体能力になって反省してもらうだけだ。」
「俺のそばに近寄るなぁーー!」
何せ人死などの深刻な被害が出る前に大体解決するから怪獣達を殺さずにいることに文句は言えない。いつしか中継される怪獣との戦いは娯楽のような扱いになっていった。
そして、みんなたまに来る友好的な宇宙人のことにのみ注力し、怪獣対策など放っておくようになっていった…。
これは、そんな平和な地球の日常の話である。
M78星雲、ウルトラの星。
ここでは宇宙警備隊が日夜宇宙の平和を守り続けている。
そこでは今、あるものが映し出されていた…。それはザラブ星人のある地球の光景だった。
それを見つめるウルトラの父とゾフィー。
「ニセウルトラマンの守る星か…。どう思う?」
「まだなんとも…。ここは信じて見守ることにしましょう。」
「そうだな…。」
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住民Fail0〜3
ザラブ星人は地球に来て身につけた影分身の修行方法でドラゴンボール並みの修行をしている。たゆまぬ訓練こそが強さの秘訣。
Fail0ザラブ星人
ザラブ星人。15年前にこの宇宙に漂着した。この作品における一応の主人公。なんか訳のわからない強さで今日も地球と生活の平和を守る。
正義の味方じゃないからウルトラマンなら手を出さないことにも手を出す。中立ではない。
地球人の姿では割と整った顔立ちにしている。
「顔がいい方が得をするのは確かだからな。」とは本人の弁。
地下室に高度な科学力の研究所を持っており、元の宇宙に帰る方法を探している。
最有力な方法はすべての宇宙につながっている怪獣墓場を通ることなのだが、怪獣墓場は帰りたくないアパート住民によって隠されている。
最近の悩みはアパートの住民に女の子が多すぎてあらぬ誤解を受けていること。
普段は普通のサラリーマン。職務中に怪獣が現れたら影分身して向かう。
Fail1ベムラー。
凶悪怪獣ベムラー。それは地球に来たウルトラマンが最初に戦った怪獣である。この宇宙における地球でも最初に確認された怪獣だったのだが…。
「おねえちゃーん!」
「うちの子を泣かせた奴は誰だー!!」
生来の気質はどこへ行ったのやら、今ではなんとまあ丸くなっている。
ニセウルトラマンことザラブ星人に負けて地球人の姿にされた当初はまだ暴れて手がつけられない状態だったというのに、ある日この地球にやってきたタマゴから生まれたゴモラに懐かれて以来お姉ちゃん気質に目覚めたというかなんというか。
今では料理を手伝い、掃除を手伝い、洗濯も手伝う、家事全般を手伝ってくれる模範囚とかしている。
その有様はもはやママというかなんというか雰囲気が既にお母さんっぽかった。
しかし、暴力的な部分は決してなくなったわけではない。
ゴモラを泣かせた奴や悪さした奴には容赦なくプロレス技を仕掛ける。
たまにザラブ星人にも仕掛ける。
「や、め、な、さ、い、って、いっ、て、ん、の、よー!」
「ぎゃー!ギブギブ!参った!もうやらない!もうやらないからー!」
ちなみにこれはメフィラス星人が悪巧みをしてバレた時のお仕置きである。この時はゴモラに悪質な嘘を吹き込んでいた。
「私のスイーツを勝手に食うんじゃないわよ!」
「ぬをををを!す、すまん!余が、余が悪かった!だからやめるのじゃー!」
かけられている相手はエンペラ星人。見事な卍固めだ。
「ねえ!たまには休日に何処か連れてって欲しいわ!」
「わかった、わかった!」
ザラブ星人に後ろからの抱きつき攻撃。
Fail2科学忍者バルタン星人
このアパートに二番目にきた住人、バルタン星人。
彼女の順応は早かった。暴れることもなく大人しくしていた。
しかし、十分反省したと判断されて解放された後もアパートに居座った。
「勝手に美味しいご飯がでてくるのでござるよ!こんないい物件出て行くわけないでござる!家賃も安いし!」
何せ朝食と夕食と休日は昼食が勝手に出てくるのである。
しかもザラブ星人の作る飯はとてもうまかった。
一度説得したことはあるが、
「いやしかし君、ここは刑務所のようなものであってアパートというわけじゃないんだ、居座られても…。」
「いやでござる!出て行かないでござる!金を払ってでも居座るでござる!テコでも動かんでござるよ!拙者!」
勝手に地球に滞在されるよりかはマシということで結局ここにいる。
元の姿に戻るための怪獣ストーンも渡されたのではあるが、
「地球でならこの姿の方が楽でござる。地球のご飯もこっちの方が美味しいでござる。」
といって元の姿に戻らない。
そんな彼女は普段はOLとして働いている。
奇しくもザラブ星人と同じ職場であった。
また、ザラブ星人と同じ趣味を持っていてオタク趣味でサブカルには色々手を出している。よくザラブ星人と貸し借りをしたり観賞会をしたりしている。
仲がいい上に同じアパートということで職場では、できているんじゃないかなどと噂されている。
「フィーヒヒヒwキタコレwテンション爆上げでござるw」
「バルタン!変な笑い声を出すな!」
Fail3暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人
「ほう、まだ挑むつもりか。よかろう、今度は跡形もなく消し去ってくれる。」
「…」
「むうん!」
レゾリューム光線を放つエンペラ星人。しかし、それはザラブ星人の体をすり抜けていく。
「…」
「ふむ、どのようなカラクリかは知らんがそれならば周りごと吹き飛ばすだけだ!」
前方をまるごと吹き飛ばすエンペラ星人。しかし、ザラブ星人はいつのまにか背後に立っていた。
「なにい?!」
ザラブ星人の攻撃により多大な傷を受けるエンペラ星人。
「こ、これは!その深い哀しみを背負った顔は…!ぬ、ぬおおおお!!」
3万年前に怪獣軍団を率いて光の国に侵攻した宇宙人で、宇宙警備隊が結成されるきっかけとなったウルトラ大戦争を引き起こした元凶。
GUYSのメンバーと一体となったメビウスフェニックスブレイブとゾフィー、「ウルトラマンと人類の絆」によって退けられたはずだった。
しかし、何があったのかわからないが突如復活してこの宇宙の地球に降り立ち、ザラブ星人も一度は退けられた。流石に宇宙警備隊も慌てて助けに行こうとしたが、アパートを破壊され、深い哀しみを背負ったザラブ星人が夢想転生を発動しあらゆる攻撃が通用しなくなったところをテ-レッテ-された。コメディ故の中の人ネタとギャグ補正による敗北であった。
地球人の女の子にされた後も、常に怪獣ストーンを取り戻して寝首をかく機会をうかがっているが、何だかんだ地球での生活を満喫している。お気に入りはゴスロリファッション。
常にゴスロリに身を包み薄暗い部屋に基本的に引きこもっている。
インターネットで色々してる。
ついたアダ名が闇ニート、もしくはゴスロリのじゃのじゃ暗黒大皇帝。
推しは神崎蘭子。熊本弁一級。
「雷まじ怖い。よく地球人はこんな星に住んでいられるのじゃ。」
雷が怖い。理由は太陽は常に登っているから嫌いなだけで怖くはないが雷はいきなりピカッと来るからとのこと。
意外と面倒見は良い。ゴモラとかもよく寝かしつけている。
口調から生活から威厳というものが大幅になくなっている。
何故こんな悲劇的ビフォーアフターとなってしまったのか。
が、本人は割と楽しそうなので案外幸せなのかもしれない。
ちなみに、雷が多い日はザラブ星人の布団に潜り込んでくる。
番外、ウルトラマンゼロ
たまに様子を見に来る。ウルティメイトフォースゼロと一緒にバンドしたりする。たまにパワーアップアイテムの実験台にされたりする。
飯を食べていく。
苦言を呈しにいったはずなのに騒動に巻き込まれてうやむやのうちに帰って、また来て別の事に巻き込まれて結局後日通信で伝える。
「なになに?まずウルティメイトイージスを装着して?俺は既に未来を掴んでいると言いながら掲げて?その後にブレスレットに装着して、ハイパーキャストオフと言ってツノを引っ張る。」
『HYPER CAST OFF!』
「なんか全般的に鋭角的になってるー!?」
「俺はゼロ!ハイパーゼロだ!なるほど!これはウルティメイトイージスの力を限定的に引き出すものだったのか!」
「いくぞ!ハイパーゼットキング!光を超えた速さでお前を討つ!ハイパークロックアップ!」
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