『完結』 幼馴染との約束 (ぽぽろ)
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約束 1

初めまして!ぽぽろ@明天と申します。
普段はpixiv様の方でヤンデレ小説を上げさせて貰っています。
今回からこちらでも上げさせて貰うのでよろしくお願いします!


「ゆびきりげんまん。うーそついたら針千本のーます。ゆびきった!」

 

「やくそくだからね!忘れないでね!」

 

これは小さい時に2人で交わした約束。

――の約束。彼と交わした大切な約束

彼は私の中では特別だった。

昔からずっといるのに、私はずっと彼の事が好きだから。

けどもう1人の幼馴染もまた同じだろう。

けど告白は出来ない。振られたら立ち直れないだろうから。今までの関係が崩れるのが怖いから。

 

けど伝えたいこの気持ちを。

そうじゃないときっと誰かに取られてしまうだろうから。

 

朝の優しい太陽の光に照らされ起きる少年。

 

「約束か…」

 

誰かとした約束けど今は忘れてしまった。

何の約束をしたかも。

 

「珍しい夢を見るもんだ。」

 

そして彼は学校に行く準備した。

 

欠伸をしながら登校している少年は、

加瀬 千尋 かせ ちひろ

 

「やっほー☆千尋。」

 

今挨拶をした少女は今井リサ。

俺の幼馴染だ。

 

「おはよう。千尋」

 

そしてもう1人の幼馴染 湊友希那

 

「千尋はまたゲームしてておそくなったんでしょ。駄目だよ!早く寝ないと二人とも」

 

「レベリングに夢中だったんだよ。」

 

「私は、新しい曲を考えていたわ。」

 

はぁー。と溜め息をつくリサ

 

「溜息をつくと幸せ逃げるぞリサ」

 

「溜め息程度で逃げる幸せなら要らないよ…」

 

「だめよ。リサ。小さな幸せも逃さないでおくべきよ。」

 

そして小さく可愛らしく欠伸をする。

 

そして眠気で前を見ていなかったのであろう友希那がつまづいて転びそうになったのを支える。

支える時に顔が近くなってしまったが、どうせ幼馴染だ。自分に言い聞かせる

 

しかし友希那は、顔を赤らめている。

…風邪でも引いたのだろうか

 

そしてリサは何故か黒いオーラを纏い睨んでいる。うん。怖い。めっちゃ逃げたい。逃げさせて

そして手を見ると彼女の胸部の辺りを触っている事に気づき、慌てて手を離す

 

「ご、ごめん。友希那」

 

「べ、別にわざとでは無いのでしょう?

親切心でやってくれた事だから私はべ、別に構わないわ。」

 

そして俺は、感触を確かめるように手を動かす。

 

…友希那はひんに―グハァ!

 

心の中で言う前にリサに蹴られる。

 

「セクハラだ。あーあ。これは紗夜に報告かなぁ。」

 

「ごめんなさい。わざとじゃないんです。許して下さい。紗夜さんに報告だけは、どうかご勘弁を!」

 

そのまま土下座する。全面降伏だ。

あの紗夜さん相手じゃ無理!怖いもんあの人

 

そのまま他愛のない話をしながら学校に向かった…

 

「ちょっと付き合ってくれないかしら?」

 

授業が終わり帰る生徒や部活に向かう生徒がぼちぼちいる中友希那は、訊ねた。

 

「別に用事はないけど…どこだ?」

 

「いつもの場所よ。」

 

「分かった。」

 

そして俺達はいつもの場所へ歩き出す。

 

いつもの場所とかズバリ!

 

猫カフェだ。

彼女は、未だに猫好きがバレていないと思ってるらしく、隠している。

…別に皆知ってるけどなぁ。

 

「にゃおーん。にゃおー♡」

 

彼女は絶賛(彼女の中で)猫と会話中だ。

いや。可愛いけど

店員さんが寄ってきてメニューを尋ねる。

 

「ご注文は何ですか?「兎で―」お見掛けした所ごカップルの様ですので、カップル限定メニューなど如何でしょうか?」

 

ボケようとしたら店員に邪魔されたぜ。

悲しい。

 

「あのカップルじゃ―「それでお願いするわ。」え?」

 

「かしこまりました。」

 

「き、曲で恋愛の歌作る時為になると思ったのよ。」

 

「ふーん。頑張れよ。」

その後青い液体が入ったグラスにストローが2つついたのが来て俺無事死亡。

さよなら。次回作にご期待下さい。

 

…なんて事は出来ない。

残念だったな!まだ続くぞ!

 

帰り道彼女と公園で休む。

 

「あ、あれは凄かったわね。」

 

「お、おう。そうだな。」

 

そして2人に沈黙が訪れる。

 

「よし。」

 

彼女は何かを決心したようにそう小さく言葉を零す。

 

「突然で悪いけど千尋。

私と付き合ってくれないかしら?」

 

「はぁー。次はどこだ。」

 

「そ、そういう意味じゃないのよ。好きなのよ。私。貴方の事が、異性として」

 

いつも幼馴染としてしか見ていない俺がその瞬間、友希那は1人の女の子である事を認識する。

 

「は?」

 

色々考え熟考の末に

それが最初に出た言葉だった…

 




幼馴染イコールリサ姉異論は認めない。
ただしリサ姉と友希那の賛美なら認める。
リサ姉は、女子力の塊かわいい。ヤンデレは、次には多分出せます。


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約束 2

少なくともこれ入れてあと2話で終わります。短編の予定なので


私と付き合ってくれないかしら?」

 

「は?」

 

思考が停止する。

友希那が俺の事を…好き?

あの友希那が?

紗夜と並ぶポンコツで知られている友希那が?

 

「ど、どうかしら?別に返事は後ででいいわ。でもこれだけは知っておいて。」

 

一呼吸置いて紡ぐ

 

「私は誰よりも貴方を愛してるわ。昔から。この世界の誰よりも。」

 

途端に顔が真っ赤になる友希那

うん…こんな真っ向に告白したらなぁ

 

「ごめん。俺は恋愛って言う物がよく分からないんだ。幼馴染なら尚更。

俺はリサも友希那も好きだけど、恋愛的な好きなのかがよく分からないんだ。」

 

「だからまだ憶測でしかないけど…

 

俺は友希那の事好きだと思う。1人の女の子として」

 

「そう…私達両想いなのね…こんな事ならサッサと想いを伝えたらよかったわ。

これで恋人同士ね。」

 

ふふっ。と小さく微笑む彼女は、とても大人っぽく思わず見とれてしまっていた。

 

「てか良いのかまだ確証は持ててないぞ」

 

「別に私は大丈夫よ。これから私を好きになってくれたらいいもの。」

 

「くっ!いつの間にこんな小悪魔的なセリフを言うようになったんだ!お父さんこんな子に育てた覚えはないぞ!」

 

「別に貴方に育ててもらってないもの。

あと1つ訂正しておくわ。

お父さんではなくて夫よ。分かった?

ダ ン ナ さ ま?」

 

「気が早過ぎないか…」

 

「私をヤルだけヤッておいて飽きたら捨てるのね。酷いわ。」

 

「誤解をされる言い方をやめろォ!いや。やめてください。お願いします。

あと質問だけど」

 

「何かしら?」

 

Qキャラ崩壊してない?

A気の所為よ。

 

Qいやそんなキャラじゃ無かっただろ

A見せるのは貴方だけよ。

 

Q飽きたんだけど

Aじゃあ辞めればいいじゃない

 

Qどうやって辞めればいい?

A今から辞めればいいじゃない。

 

Q急に戻すのも違和感覚えない?

A面倒臭い生き方してるわね

A'まあな

 

「私は辞めるわよ。リサに報告しましょ。」

 

「そうだな。」

 

あっ。戻ったぁ。

 

「千尋約束よ。一生私の傍にいてくれる?」

 

「あぁ。もちろ―」

 

[約束]という言葉を聞いた時、頭痛がした。耐えられないような激しい痛み。

 

「将来何でもできるようになったら―してあげるよ。」

 

「ほんと!?」

 

目を輝かせ答える少女は誰だろうか。

 

「やくそくだからね!ぜったい!」

 

時間的には少しだったのだろうが、それがとても長い時間に感じられる。

 

…こんな約束をしたか?

忘れていただけか?

 

「大丈夫?」

 

友希那が心配をしてくれる

 

「大丈夫だ。」

 

 

リサに報告をした。

一瞬ビックリしたようだが、直ぐに笑顔に戻り俺達を祝福してくれた。

 

これからは朝私居ない方がいいね。

 

と寂しそうにリサが言ったが、友希那はこれからも同じようにしてくれと頼んだ。

 

去る直前にキッと俺を睨んだ様だったが、きっと幸せにしないとダメだよ。のような彼女也のエールだろう。

 

 

私はその日枕に顔を埋め泣いた。

本当は祝うべきなんだろうが、素直には祝えない。

 

私も彼の事が好きだったから。

幼馴染以上に彼の事が好きだったから

 

友希那は、実は私より千尋といる時間が少ない。

途中で転校してきて彼と友達になったのだ。

 

だから先にこされてしまった。

自分の中で、彼を奪い取ってしまいたいという気持ちが渦巻く。

 

ふと窓を見ると彼と2人で仲良く手を繋ぎ歩いてくるのが見える。

 

憎い。その言葉で心がいっぱいだ。

 

憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。

 

もう私は迷わない。その為に行動をする。

 

あの約束を果たすために…

 

 

それから俺と友希那は色々な所へデートに行った。

水族館や猫カフェ、プールなど色々な所へ2人で遊びに行ったし

偶にはリサも誘い遊びに行った

 

そんなある日

リサは用事があると言って先に帰ってしまった。ここの所忙しいみたいだ。

なので2人で帰っている。

 

「今日も、学校面倒臭かったなぁ。テスト近いからってなぁ…」

 

「ええ。ほんとね。テスト何て無くなって欲しいものだわ…」

 

「けどしなかったり、赤点だったら紗夜に怒られるぞー」

 

「そ、それだけは勘弁ね…」

 

氷川紗夜は怒ると怖い。Roselia共通の認識

 

その時、彼女―今井リサが走ってくるのが見えた。

 

「おー。リサどうしたんだ?用事あったんじゃなかったか?」

 

「ねぇ。千尋。私を裏切らないよね…」

 

「は?」

 

「いきなりそんな事を言われても…」

 

「ねぇ…千尋。あの約束を覚えてる?」

 

「あら?何かリサと約束をしてたのかしら?」

 

もし貴方がこの立場だったら小さい時。自分のした約束をおぼえているだろうか?自分の幼馴染との約束を…

 

ここはその分岐点である。

 

選択肢

▷覚えている

 

▷覚えていない




★10 咲菜さん

★8 せっけんさん
ありがとうございます!他にもお気に入り登録やたくさんの閲覧ありがとうございます!


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約束3 end1

これってあるヤンデレゲームを元に作ったんですけど、知っている人いますかね?
今回グロ注意です。苦手な方はブラウザバック推奨です。


「ねぇ…千尋。あの約束覚えてる?」

 

「約束…?」

 

記憶を一生懸命辿るがそんな事した記憶が全くないそんな約束しただろうか?

 

「覚えて…ない。どうしたリサ?そんな事を」

 

「へ~、ふ~ん。そんな事…か…

別になんでもないよ。ごめんね」

 

この場が一瞬冷たく張り詰める。

 

「うん。別にいいけど、またね気をつけて帰れよ。」

 

「そんな子供じゃないんだから!」

 

彼女は忙しくそそくさと帰っていった。

明るく元気に。

先程のが嘘だったかの様に…

 

「何だったんだ?今の」

 

「さ、さぁ?私にも良く分からないわ…」

この時は軽く考えていた…

 

 

 

 

今は友希那を家に送り自分の家に帰っている。

帰っていると言っても直ぐ近くなのだが

 

家の前にリサが立っているのに気がついた。

 

「どうしたリサ?」

 

「あ。来た?今日夜ご飯作ってあげようと思ってさ☆」

 

親がいない時良くリサが料理を作ってくれる時がよく合った

見た目はギャルだが、以外にも料理上手で家事なら全般他にも色々完璧に出来てしまう。幼い頃から習い事を多くしてきたようで、完璧人間だ。

だから夫となる人は幸せ者だと思う。

 

「またあいつらはどっか行ったのか…」

 

「今日はお仕事って言ってたよ~」

 

「まぁ、いいや。」

 

「そう言えば千尋。約束本当に覚えてない?」

 

「あぁ。全く身に覚えがない。早く入るぞ?」

とドアを開ける時後頭部に強い衝撃を受ける。

 

そして小さく彼女は

「嘘つき…」

と呟いた。

 

 

 

 

 

目を開けると、そこは雪国でも天国でもなく知らない場所だった。

固く、埃っぽい長椅子から身体を起こし、周りを見渡して言って見る。

 

そこは教会の様だった。

 

俺を気絶させたのは多分リサだ。

彼女はきっと近くにいる。

一刻も早くここから逃げ出さなければ…

 

立ち上がろうもしても上手く立つことが出来ない。

何回も経とうとするが、何回やっても上手く立つことが出来ない

「早く逃げろ。」と本能がそう言っている。だから何回も何回も挑戦するが、何回やっても結果は同じであった。

「あ。千尋おはよう。」

 

柔らかく優しいその声は、さっきまでのが夢だったのでないかと疑うほど優しい声音であった。

思わず振り返ってしまって目を見開いた。

 

そこには、純白のドレスに身を包んだリサが立っていた。

その美しさに思わず見とれてしまう。

 

しかし彼女の目には光が灯ってなくて俺に恐怖を与えてくる。

 

「やめろ…来るな…」

 

恐怖に青ざめ、震える声で叫ぶが彼女には届いていない様だった。

動けない俺に弾んだ様に歩き寄ってくる。

そして

 

「ねぇ、私と結婚しよう?約束とは少し早いかも入れないけれど、私は私で一生懸命今まで頑張ってきたもん。そのくらい許されるよね?」

 

甘えるようにこちらに手を伸ばすが、俺には恐怖しか感じなくて、その手を強く払いのけた。

 

「触るな!結婚って何だ!何で俺がそんな事リサとしなくてはならない!俺の愛するのは湊友希那ただ1人だ!」

 

リサは笑みから一転呆然とした顔になる。

 

「千尋、なんで……?だって約束でしょ?」

 

「約束何て知らねぇよ!お前と約束なんてして無い!」

 

リサの繰り返す「約束」というのに耐えきれなくて、そう叫ぶ。

リサはストンと表情を無くし、底の見えない暗闇の目にじっと見つめられ、肌が粟立つ。

 

「そう、忘れちゃったんだ。約束破るんだ。嘘つき」

 

感情がなく静かに呟く様は、この世の終焉を告げる音の用で様であった。

それを知る前に太腿に痛みが走る。

 

痛みに耐えながら見ると太腿には太い裁縫針が刺さっていた。

慌てて手で抜こうとするが、逆にその手にまた針が刺される。

激痛の為腕がピクリとも動かなくなる。

 

「なん…で…?」

 

震えながら問いかける。

 

「ゆーびきりげんまん。嘘ついたら針千本のーます。針千本飲ませてもいいけど無理だろうから、刺してあげようかと思って」

 

不気味に口を歪め、ドレスの裾を持ち上げると、小さな、それでいて尖っている銀の雨が床に落ちる。

 

なんの為に持っているのかは、考えなくてももう自分の身で体験しているので分かってしまっていて、青ざめ動かない身体を必死に動かす。

ハッキリいえば無駄な抵抗だ。

しかしそれをせざるを得なかった。

 

「嫌だ…来るな…」

 

それでも1歩。また1歩とこちらに近づいてきて、こちらにゆっくりと身を寄せて

 

「嘘つき」

 

そう呟いて、喉元へ痛みを振りかざした…

 

 

 

 

 

ぴくりとも動かなくなってしまった彼。

そんな彼をよそ目に1人出来事を思い出す。

 

私は小さい頃とても鈍臭い子供であった。

何も出来なくて虐められる日々。

しかしそんな日常に急に光が刺す。

 

そう彼―加瀬千尋である。

私を虐めていた子供を撃退し、

 

「もうだいじょうぶだよ!」

 

と言ってくれた。

彼は勉強以外は何でも出来た。だから私は彼の後ろを金魚のフンの様について行っていた。家が近所である事を知ってから更に加速し、学校から何からずっと彼の後をついて行っていた。私は彼の事が段々好きになっていた。

 

しかし小学校になってから特に高学年になってからは変わってしまった。

彼が告白をされ始めてしまったのだ。

容姿はいい彼は、女子からは人気が高く良く私に好きな物や食べ物を聞く女子が増えた。

それが私を焦らせた。

だから自分も告白しようと考えた

 

「わたし、ちひろのことが好き!」

 

そう言うと彼は困った顔をして

 

「ごめんね。僕はリサと付き合えない。まだ早いと思うんだ。」

 

「じゃあいつになったらいいの?」

 

私は半分泣きながら問いかける。

 

「じゃあ。リサが料理とか何でも出来るようになったら結婚しよう」

 

今の私からしたらとてもハードルの高い事だか、その時に限ってはとても低く感じた。何故なら折角彼との付き合う事が出来るかもしれなかったからだ。

 

「やくそくだよ!」

 

「うん。約束」

 

「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます!指切った!」」

 

そこで私達の「約束」が出来た。

 

高校になってからも彼に告白しようとする奴がいたので、しっかりと処理をして必死に自分を磨く事を頑張った。

けれど彼は…彼は同じ幼馴染である湊友希那と付き合っていた。

 

「きっと私の繋ぎだ。」と考える事で自分を保っていたが、あそこまでの仲良しっぷり、そして彼自身の証言から自分を抑えられなくなっていた。

 

そこで今の状況を見つめる。手元にはまだ針が沢山残っている。

もう刺せる所が無いからだ。

そして赤黒く染まってしまったドレス

彼との結婚を果たす為自分で作った純白のドレスが今はもう面影は無い。

 

ちゃんと話し合っていたら、良かったのか

ちゃんと思い出させれば良かったのか

そしてこんな事していなかったから、まだ彼は自分を見てくれていただろうか

 

『彼が好き』その事は昔から変わらず…いや、昔より強く、より強く思っている。

 

気づくと目に涙が零れていた。

 

「あ~あ。本当に好きだったのになぁ…」

 

ポツリと彼女が呟いた…

 

end1 嘘つきの代償




★8 人の皮を被ったメガネさん
ありがとうございます!
その他のお気に入りや感想もとても嬉しいです!


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約束4 END2

今回もグロ注意です!苦手な方はブラウザバックを推奨します!お待たせして申し訳ありません。


 

「ねぇ…?千尋あの約束覚えてる?」

 

リサが問いかける

 

「覚え…てる」

 

誰かと約束をした気がする。

結婚の約束を

それがリサだったのか…

 

「そう♪覚えててくれたんだ!」

 

「あぁ。」

 

「じゃあさ、友希那と別れて?」

 

「「え?」」

 

友希那と…別れろ?

リサはこんな事を言うはずがないだろう。

最近疲れてるからそのせいだろう

 

「ごめん。もう1回言ってもらってもいい?」

 

「うん♪何回でも言うよ♪友希那とさっさと別れて私と結婚しよ?

ちょっと約束には早いかもしれないけど、アタシだって頑張ったんだもん♪この位のご褒美はあってしかるべきでしょ?」

 

「それは聞き捨てならないわね。リサ?

今の千尋の彼女は私なの。彼とこれから一生を歩んで行くの。

千尋に近づく女子を片っ端から脅したり、実力行使で、離してたリサが彼を幸せに出来るとは思えないわ。」

 

「友希那こそアタシがいなかったら何にもできないじゃん?そしたら千尋に頼るわけだから千尋に迷惑かけることになるから可哀想だよ?

アタシだったら彼の望むことは何でもするし、叶えなれるくらい頑張った。

勿論子供だって望むなら今すぐでも作れるよ?」

 

これ以上2人の罵り合いを見たくない。

2人がお互いを傷ずけ合うのを見たくない。

 

その気持ちから俺は走って逃げた

 

何処に?そんなの考えてない。

2人から逃げ出せればいい

 

何故?2人の暗黒面をこれ以上見たくないから

 

だから2人がだんだん小さくなり、見えなくなってもただ走り続けた

 

道は適当に身体の赴くままに

そんなこんなで走って、気づけば自分の家に着いていた。

 

人間はやっぱ逃げる時には安心出来る所に無意識に逃げるものだ。

そして大概その場所とは自分の家だ

 

「ただいまー」

 

そう言ってリビングへの扉を開けてしまった…

 

そこには自分が逃げた…と思っていた2人が立っていた

 

「おかえり♪千尋」

「おかえりなさい。千尋」

 

「「ここに戻ってくると信じてたよ。あなたなら」」

 

その言葉の後の俺の意識は無かった…

 

 

 

「…ろ……きて」

 

「……?……さい?……起きなさい?」

 

2人に身体を揺すられ泥の様な暗闇のなかから覚醒する

 

そのには、笑顔の2人がいた

 

「千尋おはよう♪」

 

「千尋おはよう」

 

意識を失う前の記憶が恐怖をゾワっと襲い

 

「ひっ……お前ら…やめろ…」

 

距離を取ろうと後ろに下がろうとすると

ガチャという金属音と共に遮られる

 

見ると全身に手錠や縄がついており、まるで科学者のモルモットになった気分だ

 

「なっ……?はぁ……?」

 

あまりに異常な光景に呆けた声を出すと、それがおかしいと言った様子でリサと友希那が笑う

 

「ふふっ。千尋可愛いね♪」

 

「千尋可愛いけど落ち着きなさい。」

 

並んで声を掛けてくる2人はさっきまでいがみ合ってたのが嘘のように仲良くまるで姉妹のようだった。

現状に似合わないその態度が一層恐怖心を煽り必死にガチャガチャと身を捩った

 

「落ち着いてられるかよ!お前ら何をするつもりだ!」

 

恐怖で声が震えながら必死に絞り出した

その言葉に2人は顔を見合わせゆっくりとこちらの顔へ手を伸ばす

 

その手から逃れようとガチャガチャと暴れるが微塵も拘束は緩まない

 

「千尋?私達考えたのよ?私達は貴方が欲しくて欲しくてたまらない」

 

「だから私達は話し合ってその結果千尋を『はんぶんこ』にする事にしたの」

 

「はんぶんこ…?」

 

意味が分からずオウム返しに返すと、2人はコクリと頷きそれぞれの指先をこちらへ寄せてくる

 

「アタシは、手と足と顔」

 

「私は私は胴体と顔」

 

言いながらその場所を優しくなぞる指先は

冷たく、無慈悲であった

これからどうなるか。何て想像もしたくなかった。

 

「腐らないようにして、お人形さんにするの♪そうしたらずっと一緒。

結婚だって出来る。素敵でしょ?」

 

「安心して。脳も臓器も絶対に死なせはしないわ。貴方の反応をずっと見るのよ、」

 

夢を見るようにキラキラとした瞳ではしゃぐ2人の姿は狂気でしか無くて、全身の血が凍ったような感覚になる

 

「大丈夫よ。直ぐに終わる」

 

そう言って引き寄せて来たワゴンには大小様々な刃物がライトに照らされギラギラと硬質な光を放つ

刃物までもが今か今かと待っている様だった

それが何に使われる物なのか、理解はしたくないのに身体はガタガタと勝手に震え出す

 

「嘘…だろ?いや、いやだ!やめ……ヒッ!」

 

乾いた唇から情けない言葉が出たと同時に瞳からは涙が零れる

 

リサは針を取り出して

 

「千尋安心して?チクッとしたらお終いだよ?最後に話せて楽しかったな。」

 

「千尋。2人でずっとずっと愛してあげるからね。」

 

「大好きだったよ。千尋」

 

甘く狂っている言葉と共に首筋にずきりと痛みが走り――俺はすべてを手放した

 

 

 

END2 2人で分け合う愛




本当にお待たせして申し訳ありません。
覚えてはいたんですが、他の小説の方に掛かりっきりになってしまっていたので…
次で最終回の予定ですが、また1ヶ月後とかになるかもしれませんが気長に待って頂けると嬉しいです!


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約束5 END3

今回で最終回です。


時は遡り、学校で

 

「くっそ…やらかした。」

 

時は昼休み、クラスの奴らが机をくっつけ仲良くご飯を食べている中俺はカバンの中を見て舌打ちをする。

 

いつもカバンに入っているはずの財布が入っていない。

はて?どこに置いたのだろうか。

と記憶を辿る。

すると昨日ゲームを買っていった際に机に財布を置いていたままだったと思い至る。

これでは昼食が、買いに行けないではないか

朝抜きならともかく昼抜きというのは辛いものがある。

勉強で頭の使うのでお腹が減る。

別に俺はお腹のなっている人を見ても

「お腹減ってんのか。俺も腹減ったな…」

位しか思わないが、鳴る側からするととても恥ずかしい。

 

友達に言えば良いだろうが、それはそれで

「後で奢れよ。」

と言われて、高い物を奢らされるのも癪だ。

誰か後腐れのない奴は居ないだろうか。

 

と思考を巡らすとリサがいた。

 

「リサ、ちょっと財布忘れたからさ、金貸してくれない?帰った時返すから」

 

ちょうどRoseliaのメンバーとご飯を食べに行こうとしていたリサを引き止め頼む。

 

ちょうど近くの席だし、あまり気は進まないが、他のやつに借りるよりはよっぽど楽だ。

 

「財布忘れるなんてね~。だからいつも前の夜に準備しろって言ってるのに」

 

ちょっとした説教を食らいつつもカバンを漁り、ピンクの可愛らしい巾着袋を取り出した。

女子にしては少し大きいだろうか。

けどリサはダンス部だし、お腹は減るだろうな。

 

「アタシのこれあげるね。ちょうど購買に用があったし、ちょっと購買が気になったから」

 

「金貸してくれるだけで良いのに…

直ぐに返すし」

 

「ふふ~ん。中身を見ても同じ事言える?」

 

少し面倒だ。と思いつつも弁当を開け手を止めた。

全て手作りで、そして何より俺の好物ばっかが詰めらていた。

 

「アタシが作ったんだけど。要らない?」

 

「…いる。めっちゃいる!」

 

少し負けたような気持ちになるが、パァァとした無邪気なリサの表情を見てたらそんな気持ちも失せる

 

「でもこれお前が作ったものだし、悪いよ。」

 

「別にいいって☆千尋なら。あっ。アタシ買いに行ってくるね!」

 

そう言って笑いながら彼女は去っていった。

 

自分の席に戻り、もそもそとその弁当を食べる。

 

「やっぱうめぇ…」

 

それは見た目通りうまさだった。

いや。結構あいつの料理は食べているが

考えてみるとリサは何でも出来ている。

料理や洗濯等の家事から何でも完璧にこなす。

そしてルックスも悪くない。

幼馴染では無かったら、きっと好きになっていただろう。

幼馴染にはずっと一緒にいるからか、妹や姉に似た感覚で、異性として見るのは難しい物がある。

 

 

そんなこんなで面倒な学校も終わり、友希那と待ち合わせをして帰る。

リサは用事が、あると言ってどっかに言ってしまった。

 

「帰りましょうか」

 

2人で帰路を辿る。

友希那は手を怪我していた。

 

「手怪我したのか?」

 

「ちょっと転んでね。」

 

「気をつけろよ。バンドに響くかもしれないだろ。」

 

「その優しさ好きよ。」

 

少し赤面していると

あっ。と思い出した様に声をだし、彼女が言う

 

「そう言えば千尋が財布忘れたのに何も出来なくてごめんなさいね。」

 

は?彼女に俺は言っただろうか。

記憶を辿るが言った覚えも無く、リサが言った訳では無い。

なぜならほとんどどちらかと一緒にいた為言っていたら俺の耳にも入る。

可能性としては体育だが、今日はない。

 

「何で」と、言う前に俺は崩れていた。

地面に倒れたのだった。

 

 

 

 

ムクリと起きる。そして背伸びをしようとすると異変に気づく。

ガチャンと手には鎖が付けられていた。

 

幸いな事に犬に付ける縄の様に、ある程度の距離は歩ける。

ドアまで行き、回して見るがガチャガチャとなるだけだった。

 

すると突然隅にあったテレビに灯りが付き、ぱっとそちらに目を向ける。

 

「おはよう。私の愛しい恋人千尋。」

 

画面に映るのは湊友希那だった。

同時に明るい声が聞こえてくる。

ずっと画面を凝視していると

 

「そんな怯えなくても大丈夫よ。ここは安全。」

 

陽気に笑っている彼女と反対にこちらには何も安心出来なかった。

 

「リサは?」

 

「ここには来ないわよ。いいえ。来れないわ。ここを知っているのは私だけ」

 

笑顔を崩さずにそう答える。

 

「ちょっと待て、『誰も』と言ったか」

 

「えぇ。『誰も』ここで愛を育む場所よ」

 

誰も知らない場所という事は助けを望めない。と言うこと

そしてここからは出られない。という事

目の前の異常性にテレビに吠える

 

「ここから出せよ!俺は何をした?どうしてこんな目に合わなきゃならない!」

 

「リサの料理を食べたから」

 

「それならいつも食べてるが、いきなりはおかしいだろ!」

 

「えぇ。確かに、けどね私と貴方は恋人でしょ?だから貴方の中に他の女の、異物を入れたくない。貴方の中身を全部私色に染めたい。

貴方を全て管理したい。」

 

理解出来ずに固まっていた俺を見て、頬を赤く染める

「ここに色々なセンサーやカメラがあるわ。だからここで貴方の一挙手一投足、365日、24時間、心拍数や瞬きの数、呼吸の回数までが全て記録出来る。何て素晴らしいのかしら!」

 

素晴らしい事の様に熱弁をする彼女

これから彼女に自分の全部を知られる。そんな生活を送る。

彼女が飽きる迄、下手すりゃ一生。

 

「何で…何でだ…」

 

「だって本当に貴方を愛してるもの。」

 

END3 暴かれる部屋

 




これで「幼馴染との約束」は終わりです。
次から「白鷺と天才」というヤンデレが少しあると思われる物語を、更新して行きます。
これまで見て頂き本当にありがとうございました!


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