家出少年の軌跡 (常闇 狭間)
しおりを挟む

全ての始まり

俺は霞 遠也。あるとき、母親に呼ばれた。なんでも、大事な話があるそうだ。

これから俺の家柄について説明しようと思う。

 

『霞家』・・・世界七大家の一つ。魔法や武術、その他いろんなことにバランスよく

       長けている。特に武術を専門に訓練される。当主は能力で決められる

       完全な実力主義。

 

 

と言ったところか。今の候補として俺の兄がいる。だからか俺にはより厳しかった。

兄は俺とは違いイケメンで魔法ランクは幻龍級と言って最高ランク。しかも怒濤の

四属性使用可能と言ったチートぶり。それに比べ俺は魔法ランクは初級にも満たない

全くのダメ人間。実力がすべてなため努力や過程は気にも止めない。

 

「遠也、あなたは努力しているのですか!?」

「当たり前だろ!その姿は何時もそばで見ていたじゃねーか!!」

「それでもこの結果はあり得ないわ!」

「あり得るあり得ないじゃなくて今この結果があるんだろ!!確かに俺は魔法も武術も

 指揮も戦術も全くと言っていいほどダメだがな!努力はしっかりてるよ!!」

「どうしてなの!?妹の奈菜はもう上級なのよ!兄だって幻龍級にはその年ではなってた

 のに!」

「個人差や才能があるだろ!?霞家って自慢するのにこんなことも知らねぇのか!テメェは!」

「それでもよ!従兄弟は才能がなかったのに今では超級までつかえるの!」

 

結局俺のことは見てくれない。こんなのが親で良いのかよ。糞が!何が「従兄弟は」「妹は」だ。

兄弟や親戚が出来るからって俺にまで押し付けるのかよ。自分たちだって結局中級しか使えずに

子供たちに負けてるってのに。もういい、こんなとこから出てってやる。

 

「聞いてるの!?返事しなさいよ!どうせ何も出来ないただの人形のくせに!!」

 

ブチッ!

 

「・・・。」スタスタ

「返事もしないで何を勝手に出ていこうとしてるの!?」

「・・・っ!」ピシャンッ!!

 

つい流れと勢いで家を出てしまった。でも外で死んだ方がましだよ。あんな個人を見ない家族と

なんていたくねぇ。

 

「はぁ、すっかり暗くなったな。まぁあいつらもこれで喜んでくれるだろう。」

『何も出来ないただの人形のくせに!!』

「っ!?いや、喜びも悲しみもしないわな。そんなやつらだし。俺が大怪我をしても心配の素振りも

 見せずにただ罵倒しただけだったし。」

 

さて、このあとは一体どうするか。特にあてもなくブラブラして餓死?それともここにずっといて

餓死?まぁ、山の中にある家だったからなにか植物は食べれるだろう。まぁ、襲われたらそこまで

だけどな。それよりも今日は満月・・・しかも赤い月か。最悪のタイミングで出てきたな。

 

「そこのあなた、こんなところにいていいの?吸血鬼に血を吸われるかもよ。」

「っ!?吸血鬼に血を吸われる・・・か。そうか、そういう死に方もするかもしれないのか。」

「ちょっと、聞いてるの?」

「ん?ああ、スマン、考え事してた。あとその話し方やりづらいなら無理してやんなくてもいいぞ。

 敬語とかそういった言葉には慣れてなさそうだし。」

「そういうわけにもいかないわ。霞家の人にタメ口なんて。」

「ああ、それなら問題ない。俺は霞家を抜けたからな。それに・・・いや、なんでもない。」

 

そう、俺なんかいなくたっていい。いや、そもそも霞家の一員として扱われてなかった可能性まである。

というかもはや扱われなかった。断言しよう。

 

「そうなの。じゃあ、敬語はやめるよ。」

「おう、やっぱり違和感がなくて接しやすいわ。」

「きみ、抜けたってことはいくとこないんだよね?」

「まぁ、そうだな。大丈夫だ。俺はここらで適当に餓死でも「だったら!」?」

「僕の家にこない?あ、ちゃんとした理由もあるよ。」

「お前の家に?まぁいいや、理由を聞いてからだ。」

「まず君には魔力がある。属性はわからないけどね。それに、君は剣を使ったようだけど、君に

 適性のある武器種は別のもの。鎌と刀と蛇腹剣かな。これらを使ったら君はとても強くなる

 よ。」

「ふーん、信じられんがまぁ、今回は乗ってやる。ってスマン上から目線過ぎるな。人間ごときか

 吸血鬼に向かって。まぁ、よろしく頼む。」

 

うん、全然信用ならん。けどこう言ったことに挑戦するのも面白いかもしれない。今までは両親の

言うことばかり聞いていたけど今回は自分で行動しよう。

 

「吸血鬼っていつ気づいたの?」

「ん?そりゃ、お前が話してるときに犬歯が見えたし。」

「ルヴィ・・・。」

「ん?何?」

「ルヴィ・ノワール。僕の名前。ルヴィってよんで。」

「いや、馴れ馴れしいにもほどがある。ということでノワーr「ルヴィ。」・・・

 ノワ「ルヴィ」・・・n「ルヴィ」・・・。分かったよルヴィ。それで、聞きたいんだが、

 ノワ・・・ルヴィの家族構成は?」

「両親と兄と姉だよ。あ、後僕ね。」

「わかった。じゃあ行くか。あ、血を吸われても吸血鬼にはならないんだよな?」

「ん?そうだよ。」

「ならよかった。血を吸われたときはどうしようかt「まぁ、悪夢は見るかも。」・・・。」

 

そのあと、色々不安に思いながらもノワー「ルヴィ」・・・ルヴィの家にいくことになった。断られないよな?

こんな底辺の人間ごときが行っても。いや、ルヴィの家族だ。大丈夫なはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞 美香(主人公母)side

 

私は息子の遠也を呼び出した。何せ戦闘の結果があまりにも悪いのだ。あれだけ練習を

しているのに上がらないのはおかしい。そう思い問い詰めたが。出ていってしまった。

どうしよう、言い過ぎた。人形なんて言ってしまった。明日には帰ってくるはず。明日

謝ろう。

 

 

しかし、次の日になっても、一週間たっても遠也は帰って来なかった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

どうやら俺は紹介されるようだ(意味深?)

俺は早速ルヴィの家にいくことになった。ただ、俺はお礼するための

物を持っていない。さらには世界でも嫌われている「霞家」の次男。

普通はこころよく迎えられることなどない。そう思うと気分が暗くなる。

 

「大丈夫?さっきからぶつぶつ言ってるけど。」

「ん?ああ、大丈夫だ。なんでもない。気にするな。」

「そう?わかった。あ、じゃあ、僕の家に行くまで僕の家のことを紹介

 するね。」

 

どうやらノワール家は吸血鬼の家のなかでも上位に君臨するらしい。そんなとこへ

俺は行くのか。命たりるかな?まぁ、それよりも母親は最凶、父親は最恐、兄は

最狂、姉は最強といわれているらしい。ルヴィは統率者といわれ、この四人に有無

を言わせず命令やら頼み事をするらしい。

 

「さぁ、ここが僕の家だよ!」

「え!?」

 

指を指された所には大きな屋敷があった。俺の家も大きめだったが、この家は更に

4倍は余裕でありそうだ。使用人(メイド&執事)は合計65人らしい。・・・けたが

違いすぎる。世界は広いなぁ。

 

「あ、でも最狂とか色々言ったけど狂ってる訳じゃないからね。おかしいほどに強い

 って意味だからね。」

「おう、分かってるよ。そんなに慌てて説得しなくても。」

「ただいま~。」

「おかえりなさいって、あら。あなたは・・・。」

 

そう言いつつ出てきた女性は俺をにらむ。恐らく霞家だから警戒してるんだろう。え?

何故みんな姿を知ってるかって?町に危険人物としてはられてんだよ。はぁ、また霞家

だからあることないこと言われて追い出されるんだろうな。・・・慣れてるけど。

 

「あ、お母さん。この子さっき話して家を出たらしくて連れてきちゃった。」

「は、初めまして。か、かす、霞 遠也・・・と言い・・・ます。」ビクビク

「霞・・・あなた、もしかして霞家の。」

 

やっぱり名字でバレるよな。この後どうなるんだろうか。殴られて罵られるならマシな

方なんだがな。まぁ、どうなっても俺を心配するやつなんていない。

 

「は、はい・・・。すいません。迷惑ですし話したくないですね。失礼します。」

「ちょっと待ちなさい。あなた、本当に霞家?」

「はい、霞家です。いえ、二時間前に抜けましたが。なので、今は何処にも・・・。

 それにしてもどうしてその様な質問を?」

「いえ、霞家にしては威張らないし少しおかしいって思ってね。」

 

なるほど。確かに俺の家族は皆を見下した感じがする。上から目線だし。はぁ、なんで

上から目線なんだろうな。意味わからん。

 

「そうですか。すいません、家族たちが不快にさせるような態度をとってしまい。」

「大丈夫ですよ。それよりも、家に入ったらどうですか?」

「すいません、失礼します。」

 

ん?態度がまるっきり違うって?そりゃそうだ。わざわざ自分を・・・いや、自分たちを

恨んでる奴らに生意気な態度をとればそれこそ火に油を注ぐことになる。

 

「あの奥にお父さんがいるから先に行っててね。」

「わ、分かりました。」

 

早速ラスボス登場でした。はぁ、どんな風に追い返されるんだろう。いや、この考えは

入れてくれたルヴィ母とルヴィに失礼だ。

 

コンコン

 

「はいれ。」

「し、失礼します。」

「君は?今日はお客は来ないはずだが。」

「いきなりすいません。僕は、いえ、私は霞 遠y「なんだと!」っ!」

「貴様らは!従兄弟の家をメチャクチャにしたと思ったら今度は私の家か!いい加減にしろ!」

 

・・・は?いまこの人はなんて?俺の家族がルヴィの従兄弟達の家族をメチャクチャに・・・。

あいつらはこんなことまでしてたってのかよ!

 

「もうし今日という今日は我慢ならん!覚悟しろ!ここで成敗してやる!!」シャキン!

「少し話を「黙れ!」痛っ!」

「なにが痛いだ!従兄弟のほうがもっと痛かったわ!!こんなんで泣き言を言うな!!」

 

俺はなにもしてないのに、家族の尻拭いか。それもそうか。それほどのことを母親は・・・

いや、あのクソ共はやってきたもんな。

 

「あなた!落ち着きなさい!!」

「うるせぇ!こいつは俺の従兄弟を!!」

「彼は関係ないわ!!」

「大丈夫?」

「・・・クソがアアアアアアアアァァァァァ!!」

「「「っ!!!」」」

「「いったいどうした(の)!」」

 

あいつらのせいで俺がこんな目に!!俺には家族に味方がいない。だから他の人に頼もうと!

なのに、なのに・・・

 

「何なんだよ!あのクソ共はこんなことをしてたのかよ!どういうことだよ!家族を壊したって!

 俺に家族の大切さを厳しく言っていたのに!結局自分らは守れてねぇじゃねぇか!!結局俺は

 あいつらの尻拭い!あいつらのせいで!」

「え!いったいどういうことだ!あいつは霞家の次男で!」

「あなた、此方にきて。あの子についてルヴィが教えてくれたことを話すわ。あなたたちは彼を

 何とかしてちょうだい。」

「「「わかった。」」」

 

あいつらは何もされないのに俺の時だけ!家族からは人形やガラクタ扱い!外からは危ない人と

友達も誰もいない。俺は何を支えにして生きれば良いんだよ・・・。あ、あそこにちょうど

ナイフがあるじゃん。あれで自分の首をかっ切れば楽に・・・。

 

「止めなさい!!」

「止めるな!こんな生きる価値も存在する価値もないやつは死ぬだけだ!!家族からはガラクタ扱い、

 外からは危ない人。どうすればいいんだよ!教えてくれよ!誰か・・・助けて・・・くれよぉ。」

 

周りは闇。俺に死ねと囁く殺意。消えろと命令する悪意。救世主なんて存在しない。なら自分で

自分を殺めれば楽になれる。誰も助けて(殺して)くれないなら自分でやるだけ。そう、それだけ。

 

ギュッ

 

「っ!?何だよ。同情するなら殺してくれ「ゴメンね。」・・・なんでお前が謝るんだよ。

 俺の家族が悪い、俺が悪いのに。俺さえ強ければ他の奴等は俺の家族になにもされなかった

 はずなのに。どうして・・・お前・・・が・・・。」

「ゴメンね。君がこんなに辛かったのに全く気がつかなかった。」

「気がつかないのが普通だよ。そもそも俺を気にかける奴がいないんだから。」

 

するとルヴィの母親と父親が部屋に入ってきた。

 

「さっきはすまなかった。君にも事情があったのに。」

「いえ、大丈夫です。俺なんかに、ガラクタ何かに謝らなくても「遠也君?」ん?ひっ!?何だ

 ルヴィ!怖いぞ!?」

「いま自分のことをガラクタっていったよね?」

「そんなこと今は「言ったよね?」・・・はい。」

「じゃあ、向こうではな死しようか。」

 

このあと、こっぴどく叱られました。でも、俺のことを心配してくれて嬉しかった。これからは

ルヴィの家で暮らしたいと思えた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特訓が始まる・・・と思ってました

ここで一つ注意、ルヴィは女の子です。いわゆるボクっ娘。


「まずは自己紹介をしようと思う。私はレジン・ノワール。ノワール家

 の当主だ。そしてこちらが妻の」

「ナティア・ノワールと申します。よろしくお願いします。」

「あ、いえ、固い言葉づかいじゃなくて良いですよ。むしろ僕が敬語

 じゃないといけないのに。」

 

レジンさんとナティアさんの許可が出たことによって俺はここノワールの性を

名乗って生活することになった。というか、根本的に名前をかえることになった。

名前は『トール・ノワール』になった。この時はルヴィも大喜びしていた。

 

「じゃあ、家族になるんだからお互い遠慮なしにしましょ。私はお母さん、

 旦那はお父さんでいいわよ。」

「はぁ、分かりま・・・分かった。それで、そちらの二人は?」

「僕はタル・ノワールです。よろしくお願いします。」

「私はターニャ・ノワールよ。元霞家だからといって調子にのらないことね。」

 

どうやらターニャはあま良く思っていないようだ。まぁ、今までの仕打ちと比べれば

軽いけどな。いや、本当あのときは地獄だった。

 

「調子に乗るつもりはない。そもそも俺はなんの力もないただの人間だからな。

 あいつらとは違いいわゆる出来損ないって奴だ。」

「もう!またトールは自分を蔑ろにする。またおはな死されたいの?」

「いえ!滅相もございません。だからその笑顔をしまってください!(精神的に)

 死んでしまいます!」

 

ルヴィのおはな死は・・・あかん、思い出しただけで震えがアガガガガガガガガ!

とまあ、茶番はこのぐらいにして、

 

「もう、分かったから土下座しないでよ・・・。」

「まぁ、それは置いといて、俺はどんな訓練したらいい?」

「じゃあ、まずは属性の適性をみよう!」

 

属性の適性・・・なんだろ、オヤジギャグに聞こえる。いや、タルが意識して言っている

訳ではないと言うのは知ってる。でも・・・ねぇ・・・。

 

「属性から?まずは魔法の適性からじゃないのか?」

「いや、前にも言ったけどトールには魔力があるよ。ようするに魔法が使えるってこと。

 ただ今は何かの封印をほどこされてるから魔法が思うように使えないだけ。ただ属性

 付与は出来るからね。」

「なるほどな。なら、調べようかな。」

 

適性を調べるのは簡単だった。ただ単に魔力を感知する魔石に手を近づけるだけらしい。

炎は赤、水は青、氷は水色、雷は黄色、草は深緑、風は黄緑、地面は茶色、無属性は

銀色、闇は青紫、光は白、複数属性はマーブル状になるらしい。

 

「これがその魔石だ。手をかざしてみろ。」

「分かった。こういう感じか?おやじ。」

「うむ。というか私はおやじと呼ばれるんだな・・・。少し悲しい。」

「あ、色がかわりましたよ!え~と、赤と水色のマーブルですね。」

「ふーん、と言うことは氷と炎の複数属性なのね。なかなかやるじゃない。人間の

 くせに。」

 

複数属性・・・でも二種類だろ?俺の兄と妹は光、闇以外使えるから・・・。

 

「あーっと、一つ気になるんだが、この黒とも紫とも言えない色はなんだ?」

「なんだろ?少なくとも僕は見たことがないね。お父さんは?」

「いや、私もないな。初めてだ。」

「まぁいいか。さてと、次は何をするんだ?」

「次は刀と鎌と蛇腹の使い方を練習するよ。知り合いの吸血鬼に全ての武器を使える

 人がいるから付いてきて!」

 

そのまは俺は手を引っ張られ、敷地内の戦闘練習場のようなとこへついた。そこには

白い髪をした女性が立っていた。見なくても分かる。あれは敵に回してはいけない。

ん?そう言えば元霞家の時点で全員敵になるじゃん。・・・せめて誕生日位は祝って

欲しかった。というかそもそも俺の誕生日いつだったっけ?

 

「あー、君がー元霞家の人ー?ふーん。ってことは優秀なんだねー。」

「あ、旧名は霞 遠也、本日からトール・ノワールになりました。今日からよろしく

 お願い「やだー。」・・・。」

「だってー、あの霞家でしょー。教えたくないなー。そうだねー、霞家はドラゴンを

 ソロで倒せるんでしょー。じゃあ、見せてー。倒せたら合格ねー。」

 

ドラゴン・・・魔物の中でも最高ランク。鱗は鋼より固く、牙や爪は刃より鋭い。

       属性はあるが、魔法が得意な魔法。中には知能があるドラゴンもいる。

       普通倒すために20人は必要になる。

 

はぁ、ドラゴンを倒せ=私たちから見えないところで死んでこい。なんだろなぁ。

 

「ちょっとカーラちゃん!!トールに無理難題を!」

「いいよ、ルヴ「ねぇー?ルーちゃんと話さないでくれる?」・・・。」

「それでねー、早く行ってくれると嬉しいなー。」

 

俺は行くことにした。そうしないと認められない。それに認められなくても事故満足は

できる。それに唯一優しかったメイド長と執事長も言ってたしな。

 

『後悔は行動をしてから言いなさい。行動せずに言うのはただの傲慢よ。』

『まずは行動をしてください遠也様。そうしなければ見えるものも見えなくなって

 しまいます。』

 

ってな。じゃあ、俺はやってから後悔するぜ。後悔すること前提だが。それに、後悔は

した。もうするだけ後悔した。後は動く。それだけ。

 

「そう言えば武器はないな。・・・はぁ、格闘で挑むか~。」

 

ドラゴンのいるレヴィオン山に向かう。そこには山賊がいるらしいからまぁ、武器は手に入る

と思う。最悪、見つからなければそこまでと言うことで腹を括るだけ。

 

「行くぜ~、ドラゴン。いや、レヴィオン山のドラゴンの名はマンティコアだったな。

 マンティコア、覚悟してろよ。・・・とか言ってるけど勝てないしそもそも聞こえない

 か。」

 

 

 

 

 

 

 

その頃のレヴィオン山の禁域

 

 

 

 

マンティコアの近くに小鳥が近づき、鳴いている。

 

『ん?私を倒そうとするやつが来るのか?なに?武器も持ってないのに覚悟しろ?

 ハッハッハ。こんなに愉快なやつがまだいるか。少し興味があるな。殺さずに

 話でもしてみるかな。久しぶりに楽しめそうだ。ガッカリさせるなよ。』

 

マンティコアの目は愉快そうだった。そして、目を輝かせ、今か今かとトールを

待つ。後に森の生き物は『あんなコア様は始めて見た。』と生き物どうし話していた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

急展開!?マンティコアと話して訓練して、あとあと!!

レヴィオン山のマンティコアを目指してはや3日、ようやく麓に到着した。

どうやらマンティコアは山頂付近にいるようだ。・・・標高2500メートル

なのにこの薄着でいけって・・・。

 

「はぁ、防寒着くらい貰ったら良かったな。はは、はやから後悔してるわ。」

 

マジで凍死しても仕方がないと思うくらい寒い。これから登っても1週間近く

掛かるかな?そして野宿と。何処のサバイバル生活なんだか。はぁ、転移魔法

使えたら楽なんだろうな。とか思いつつ歩いて三時間たった頃に薄く影が

連なっているのが分かった。

 

「なんだ?・・・見た感じ何かの群れっぽいけど。オオカミだったらヤバイな。」

 

どんどんその群れがこちらに来るのが分かる。数はパッと見50体といったところ。

 

「ちょっと、影に隠れていよう。ちょうどいい岩影があるしな。」

 

急いで岩影に隠れた。そのすぐあとに群れと思っていた軍隊のような人たちが通った。

ボソボソと聞こえたので耳をすます。

 

<なんだよ、あのドラゴン。レベル60の騎士が一撃だぞ。>

<勝てるわけがねぇよ。国の騎士団最強と言われた方が軽々・・・。>

<ステータスオール800はあるのに・・・。>

 

うっそ、レベル60が一撃かよ。俺のレベルは・・・

 

名前 〈旧〉 霞 遠也 

   〈現〉 トール・ノワール

レベル 13

職業  村人 (レベル10)

体力  25

防御力 40

技術力 120

魔力  ―――

 

・・・低!?いや、技術力はまぁまぁな方だけど。こんなんで勝てるのか?他のステータスも

見てみるか。

 

素早さ 112

攻撃力(未装備) 250

精神力 687

 

・・・精神力だけが異常なのは気のせいか?いや、攻撃力も高いけど。あれ?村人って

全てのステータスがレベル100でも150いくかいかないか。そうかんがえると高いのか?

まぁ、それがどんなんでも、1つ確定してることがある。それは・・・

 

「俺瞬殺されるじゃねーかーー!!」あーー!あーー!あー!(こだま

 

でも、ルヴィにあんなこと言ったら諦める訳にはいかないな。よし、覚悟はできた。逝こう。

 

「っていっても一週間かかるしな。」

 

ん?そういやルヴィに話すことを怒られて何もいってねえや。失敗失敗。

 

 

 

 

 

 

 

 

ええ、つきました!一週間と少しかかりました!!意地でも突き進みました!!文句ありますか!

・・・俺、誰に怒鳴ってるんだろう。まぁでも、ここから先は禁域、気を抜かないぞ!!

 

「たのもーう!!七大家の霞家最弱の男の登場だーー!・・・すいません、テンション可笑しく

 なってます。って、誰に謝ってんだ俺は!あーもう、勝負じゃー!」

『うるさいのう。誰じゃ?ワシの眠りを邪魔するものは?』

「俺だ!マンティコアと戦闘を(強制的に)挑む!!(命令された。)」

『おぬし、死にたいのか?それでもよいなら相手になるが?』

「あー、まぁ、俺が死んだってねぇ。ただの人形だからさ。ほら、お前も興味のない

 人形が壊れたって気にしないだろ?だから俺が死んでも全然OK!!」

 

いや、ルヴィには怒られるだろうけど、まぁ、こうでもしないと恐怖が・・・。マンティコア

から物凄いプレッシャーが。アガガガガガガ。

 

『なるほどの。だが、ワシがお主に興味があると言ったら?』

「マンティコアができ損ないの俺に興味?あり得ない。・・・よね?」

『すまんな、ワシはもうとっくにお主に興味がある。まず1つ、ワシの言葉を聞くことが

 出来ていること。ワシの声は本来ドラゴンやその他の生物にしか聞くことができない。

 なのにお主は聞き取ることができている。』

 

あるぇ?そうなの?いや、正しくは聞き取ると言うよりもそう言っているような気がする

ってだけなんだがな。あくまで"気がするだけ"・・・。

 

『お主、ワシはお主の心を読めるからの。』

「あ、そっすか。それで、戦闘してくれます?」

『そうじゃの。お主と戦闘してもいいことないからの。基礎能力の底上げなら手伝って

 やるぞ。どうじゃ?』

「おお、それはありがたいな。でも、人間に肩入れはいけないと。」

『ワシは面白いものの味方で、お前の味方ではない。』

 

結局基礎能力を強化することに決まりました。時間的には半年かかった。予想以上に

かかった。ちなみに、特訓後の能力はこうだ!

 

名前  トール・ノワール

レベル 87 

職業  錬金術師

体力  7850

防御力 5680

技術力 8700

魔力  ―――

素早さ 11700

攻撃力(未装備) 12500

精神力 16800

 

もはや化け物レベル。マンティコアも『ここまで早く成長するのは初めてじゃ。お主は

やっぱり面白いの。』ってさ。さてと、急いで帰るか。というか俺もう死人扱いじゃね?

はぁ、今帰ったらルヴィのおはな死が来るだろうなあ。

 

「ティア、俺はもうそろそろ帰るわ。ありがとな。」

『そうなのか。これからよろしく頼むぞ。お主についていくからな。』

「・・・はい?」

『安心しろ。小さくなってお主のポーチに入っておるから。さぁいくぞ!』

「はいはい。跳ぶぞ。」

 

俺は一回思いっきり地面を蹴る。俺の居たとこはもう見えなくなった。あ、ちなみに

9メートルのクレーターが発生したのは分かった。跳んで40秒ほどでノワールの屋敷

が見えた。

 

「えーと、チャイムチャイム。」

 

ピンポーン

 

「はーい、どちら様・・・で。」

「あーと、お母さん。ただいま。」

「・・・え?み、みんなーー!急いで来て!!」

 

ハハハ、こんなに慌てる母さんは珍しいだろうなぁ。おおう、めっちゃ来た。・・・うわぁ、

カーラと呼ばれた奴もいるよ。

 

「遠也、じゃなくてトール!!どうやって!?あれから半年も!!」

「あ~、今から説明するわ。」



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。