世界気の向くまま旅~木組みの家と石畳の街の素敵なカフェ~ (長星浪漫)
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プロローグ「車窓の中で」

はじめまして、長星浪漫といいます。
この小説は「もし、自分がまんがの町に旅人として行ったら」という妄想を書いたものです。
原作のキャラとこんな風にふれあいたいな、という願望を書いたものです。なので、投稿スピードはかなりゆっくりです。
今回はプロローグなのでさくっと書きました、旅をしている気分になっていただけるように書いていけたらと思います。


 カタンカタン…カタンカタン…。ゆっくりしたスピードでボクを乗せた電車が進んでいく。

 

「まだまだ時間がかかりそうだな」

 

 流れる景色を見ながらボクは大きな欠伸をした。

 ボクは旅人。色んな世界を見て回っている。

 

「目的地は…『木組みの家と石畳の街』、か」

 

 持っているパンフレットには木で作られたヨーロッパの国にありそうな家々が写っている。

 

「どんな所なんだろう?」

「とても素敵な街ですよ」

「うわぁ!?」

 

 ボク一人しか座っていなかったので返事が帰ってきたのにびっくりして思わず叫んでしまった。声のしたほうを見るといつのまにかおっとりした雰囲気の女性がゆったりと微笑んでいた。

 

「ごめんなさい、驚かせてしまいましたね」

「え、あ、そう…ですね?」

 

 突然のことで頭が真っ白になる。その女性はのんびりした雰囲気で自己紹介をしてくれた。

 

「私は、青山ブルーマウンテンといいます」

「青山…ブルーマウンテン?」

 

 どこかで聞いたような…あっ!

 

「もしかして『カフェインファイター』の青山ブルーマウンテン先生ですか!?」

「あら~、私の作品ご存じなんですね」

「はい、ある山の中にあったパンやさんの店員さんに薦めてもらいまして」

「どうでしたか?」

「面白かったです。主人公の女の子が生き生きしていて…」

 

 それから十分くらい青山先生の作品について本人に直接感想を伝えられるという夢のような時間を過ごした。

 

「うふふ、ありがとうございます」

 

 青山先生は嬉しそうに笑った。

 

「あなたなら、『木組みの家と石畳の街』でも楽しい時間が過ごせると思いますよ」

「ご存じなんですか?」

「私もそこで生まれたんですよ」

「そうだったんですね!」

「はい、ちなみにどういったご予定ですか?」

「特に予定は決めていないのですが何泊かして街を見て回ろうと思っています。カフェがたくさんあるそうなのでそこを中心に見て回ろうかと」

「でしたら!」

 

 急に青山先生が前のめりになってきた。ふわっとコーヒーの香りが鼻をくすぐる。

 

「『ラビットハウス』というお店がおすすめですよ」

「『ラビットハウス』?ですか?」

「はい、私がデビュー前に通いつめた…今でも通ってますが…思い出深いお店なんですよ」

「へぇ~!是非いってみたいです。どこにあるんですか?」

「えーっとですねぇ…」

 

 青山先生が紙に地図を書こうとした時、近くのドアがバーンと開いた。

 

「青山先生!やっと見つけましたよ!!」

「あっ」

「え?」

 

 突然入ってきた女性は流れるような動きで青山先生の襟首を掴んだ。青山先生はまるで猫みたいになった。

 

「あら~」

「なにやってるんですか!!締め切りは過ぎてるって何百回言ったらわかるんですか!?」

「何百回も言ってない…」

「んん!!?」

「いえ~何でもないです~」

「全くいつもいつも……あ」

 

 ここでやっと目があった。女性の顔がぱっと赤くなる。

 

「す、すすすすいません!騒がしかったですよね?」

「あ、いえ、」

 

 何度か頭を下げたあと、その女性(恐らく青山先生の担当編集)は青山先生を引っ張りながら別の車両に移動していった。

 

「それでは良い旅を~」

 

 青山先生はさっきと変わらないおっとりした笑顔で引っ張られていった。二人がいなくなったあとだとさらに静かになってしまったような気がした。

 

「『ラビットハウス』か…」

 

 どんなお店かな?と色々想像していると、目的の街が遥か向こうに見えてきた。




読んでいただきありがとうございました!
次から本編に入っていきます。
少しでもお付き合いしてくだされば幸いです。


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一日目「ウサギの家」
「金色少女の土下座」


「着いた~!!」

 

 長い電車の旅が終わりボクは目的地の『木組みの家と石畳の街』に到着した。駅を出たとたん目の前に広がったのはまるで異国に迷い混んだかのような街並みだった。道路や歩道には石畳が敷かれ、建ち並ぶ家々はまるで木組みのおもちゃのように可愛らしいものから、歴史を感じさせるような荘厳なたたずまいのものもある。そしてなにより目を引いたのが…

 

「モ、モフモフ…!」

 

 街のそこかしこにいるウサギたちだ。ボクは足元に寄ってきた一羽をひょいと持ち上げるとそのフワフワな毛並みを堪能した。

 

「ガイドブックにのってたから知ってはいたけどここまでとは思わなかった」

 

 ウサギを放しながらあたりを見渡すと数えきれないほどのウサギがあたりをピョコピョコしている。それを見て思わず頬が緩む。

 

「は!いかんいかん…宿を探さなきゃ」

 

 そう言ってボクは駅の出口にあった地図を確認する。適当な宿を探しているとふと青山先生のことを思い出した。

 

(『ラビットハウス』というお店がおすすめです)

 

 『ラビットハウス』。その名前が頭の中で反響する。

 

「まずはそこに行ってみるか」

 

 地図の中で『ラビットハウス』を確認し、スマホでも確認する。

 

「…よし!行くか!」

 

 荷物を持ちボクは颯爽と街の中へ一歩踏み出した。

 

 

 

 二時間後、ボクは公園のベンチでうなだれていた。

 

「迷った…」

 

 そう迷った。スマホのマップを使ったり地元の人に聞いたりして動いたのだが迷ってしまった。迷いに迷ったあげく疲れはてたボクはこうして公園のベンチに座っているわけだ。

 

「少し浮かれすぎたかな?少し休んだら今度は慎重に…」

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

 どこからともなく誰かが何度も謝る声が聞こえてきた。

 

「ん?なんだろう?」

 

 ボクは耳をそばだてよく聞こうとした。

 

「ごめんなさい!許してください!ごめんなさい!」

 

 何度も何度も謝っている。時々言葉が変わる。その声色はなにか切羽詰まったような印象をもった。

 

「もしかしてなにかトラブルか?」

 

 ボクは荷物をまとめその声の方に向かった。ボクは多少武術の心得がある。街のチンピラくらいなら10人くらいまでなら武器を持っていてもなんとかなるだろう。声がどんどん近づいてくる。そしてついに声の主が視界に飛び込んできた。

 

「………ん?」

 

 『その光景』を見たボクは混乱した。ベンチの上に積まれた紙の束の上にちょこんと座った可愛らしい三羽の子ウサギ

その子ウサギに向かって地面に頭を打ち付けてしまいそうな勢いで何度も土下座を繰り返す金髪の女の子。その女の子はロップイヤーのついたカチューシャを頭につけてウェイトレスのような格好をしていた。その女の子が周りの目も気にせず(というよりも気にする余裕もなく)土下座を繰り返している。

 

「ごめんなさい!許してください!どいてください!」

 

 どうやら三羽の子ウサギに紙の上からどくように頼んだいるらしい。なんで自分でどけないのか?なぜ敬語なのか?色々疑問が浮かんだがとりあえずどかしてあげることにした。紙の束が崩れないように気を付けながら三羽の子ウサギを一羽ずつ下ろしていく。下ろし終えた三羽はかわいいお尻を弾ませながらどこかへいってしまった。「これで大丈夫…」そう思って女の子を見ると額を地面に擦り付けていた。そのせいで子ウサギがいなくなったことに気づいていない。

 ボクは慌てて女の子に子ウサギがいなくなったことを伝えた。

 

「もう大丈夫だよ!子ウサギはどけたから!」

「ごめんなさ…えっ?」

 

 その子は恐る恐る顔を上げた。肩より少し上くらいまである綺麗な金髪はふわっとカールし、長いまつげも金色に輝いている。よほど怖かったのかその翡翠のような目は涙で潤んでいる。「お人形さんみたい」という言葉はこんな感じの子のためにある。と確信できるほどの美少女だった。

 

「大丈夫?」

 

 とりあえず立ち上がらせる。

 

「は、はい、ありがとうございます…」

 

 その子は顔を真っ赤にしながら立ち上がった。スカートについた土を払い頭のカチューシャを整える。

 

「あの!ご迷惑おかけしました…」

 

 再びぴょこんと頭を下げる。カチューシャについたロップイヤーが一緒に動く。

 

「いや、気にしないで…といいたいところなんだけど、なんで土下座してたのか聞いてもいい?」

「うっ……わかりました」

 

 その子は“シャロ”と名乗った。シャロちゃんはウサギ恐怖症でウサギに触ることすら怖いらしい。

 

「最近家でウサギを飼い始めたんですがまだ少し怖くて…」

「そうなんだ…」

 

 だからあんなに必死に土下座していたのか…誰しも嫌いなものの一つや二つあるだろうけどこんなにウサギの多い街でウサギ恐怖症はツラいだろうな…

 

「でも、とりあえずこれで大丈夫だね。それじゃあボクは行くね」

「あ、あの!」

「?なんだい?」

「その、なにかお礼がしたいんですけど…」

「気にしなくていいよ」

「そういうわけにはいきません!」

(グイグイくるな~、あっそうだ!)

 

 ボクは自分が迷子なのを思い出した。

 

「『ラビットハウス』っていうカフェに行きたいんだけど道に迷っちゃって…道わかる?」

「『ラビットハウス』ですか?もちろん!」

 

 シャロちゃんは『ラビットハウス』の常連、というか友人が働いているそうだ。スマホや地図ではわからない目印をいくつか使って地図を書いてくれた。

 

「ありがとう!これならなんとか行けそうだよ!」

「これくらいお安いご用です。この街には観光ですか?」

「そんなところ。カフェが有名な街だからカフェ巡りをメインに考えてるんだ」

「それなら私のバイト先のお店にも来ませんか?」

「シャロちゃんも喫茶店で働いてるの?」

「はい、『フルール・ド・ラパン』っていうハーブティーがおいしいお店です。あっ、チラシどうぞ」

 

 そう言ってチラシを受け取ったボクは思わず眉ねをひそめてしまう。

 

「あの、シャロちゃん」

「なんですか?」

「このチラシなんだけど…」

 

 ボクはチラシの絵が見えるようにシャロちゃんの方に向ける。チラシには多分紅茶がのったお盆を片手に乗せたセクシーなスタイルのバニーガールのシルエットが妖艶な感じで描かれていた。

 

「ここ…もしかしていかがわしいお店?」

「あっ、なっ…!」

 

 シャロちゃんが真っ赤になって口をアワアワさせている。

 

「け、健全なハーブティーのお店です!!!」

 

 恥ずかしさに身を震わせながら全力で否定した。

 

 

 

 シャロちゃんの描いてくれた地図はとても分かりやすかった。おかげで後は数百メートル先の角を曲がるだけだ。最後のストレートを歩いているとふと隣に見える小さな公園に目がいく。

 

「誰かがいる?」

 

 公園なので誰かがいても不思議はないのだがそこにいた少女は少し妙なことをしていた。少女の周りには数羽のウサギ、皆少女の手もとをじっと見ている。その手には栗羊羮が握られていた。

 

「ほ~ら、おいしいわよ~」

「え?ウサギって羊羮たべれるっけ?」

 

 興味が沸いたボクはなんとなきけ少女に気づかれないように声がよりよく聞こえる位置まで近づいた。

 ウサギたちは鼻をヒクヒクさせながら羊羮を興味深そうに見つめるが、すぐに興味を失いその少女から離れていった。

 

「ああ~~…」

 

 その少女はがっくりと肩を落とした。その様子を少し離れた位置で観察するボク。観察しながらあることを思い出していた。

 

(そういえぱこの街に着いてから何も食べてなかったな…)

 

 そんなふうに考えたのがいけなかった。ボクのお腹が限界を伝えるかのようにぐ~っとかなり大きな音をたてた。

 

(わっ!)

 

 ボクは慌ててお腹を押さえたが時すでに遅し、その少女がこちらを向いていた。

 

「あら?どちら様?」

「えっと、ボクはですね?」

 

 内心焦っていた。後ろを向いたら知らない人がこっちを見ていたとか怖すぎる!下手したら通報されるかも…!

 感じている危機感とは裏腹にその少女は柔和な笑みをほどよい丸みの可愛らしい顔に浮かべながらタッタと近づいてきた。

 

「あなた、もしかしてシャロちゃんが言ってた旅人さん?」

「シャロちゃんって、ウェイトレスの格好してた金髪の…」

「そう!その子!さっきメールが来て『もし見かけたら助けてあげて』って言われてたの!」

「そうなんだ…」

 

 ボクはホッと胸を撫で下ろし、シャロちゃんに改めて感謝した。

 

「初めまして、私は千の夜と書いて“千夜”っていいます。お近づきの印にこの栗羊羮をどうぞ♪」

「あ、ありがとう」

 

 ボクは恥ずかしさに赤くなりながらもらった栗羊羮を食べた。

 

「!おいしい…」

「うふふ ありがとう」

 

 この千夜という子は恐らくさっき会ったシャロちゃんと同い年くらいなのだろうが、見た感じは年上に見えてしまう。長い黒髪にどこかの店の制服であろう着物を着ているから余計にかもしれない。

 

「この『星が散りばめられし黒き柱』は今度私の実家で甘味処の『甘兎庵』で新商品として発売するのでよかったら食べに来てくださいね」

「うん、え?『黒き…』?え?」

 

 ボクが混乱しているうちに千夜ちゃんは公園の出口に向かっていた。

 

「『ラビットハウス』はもうすぐですよ。私はお店がありますのでこれで失礼しますね」

「あ、うん、ありがとう!」

「私の『甘兎庵』にもよかったら足を運んでくださいねー」

 

 ぱたぱたと手を振りながら千夜ちゃんは走っていった。それを見送りながらボクは改めてこの街に来れたことを嬉しく思った。

 

「行きたいお店がたくさんだなぁ」

 

 ボクは栗羊羮の包み紙を近くのゴミ箱に捨てるとシャロちゃんの描いてくれた地図を取り出し『ラビットハウス』に向かった。

 




読んでいただきありがとうございます!
次の話でやっと目的地に到着します。


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「うさぎの家でのゴタゴタ」

 公園を出て通りを真っ直ぐ進み交差点を左に曲がって少し行くと目的のお店の看板が見えてきた。

 

「ここが『ラビットハウス』か」

 

 そこはあまり目立たなそうなカフェだった。入り口の上の方にウサギのモチーフがお客を迎えている。目立たないと言ったが、外装はとてもオシャレで店先の看板には本日のオススメコーヒーが書かれていた。さらに看板の上の方には「ウェルカムカモーン」という少し変な言葉と一緒に目がついたわたあめが描かれていた。

 

「少し変わった…いや、独特なセンスのお店のようだなぁ」

 

 店先に立っていても仕方がないので中に入っていった。カランカラン♪と心地いい音が店の中に響いた。

 

「いらっしゃいませ」

 

 カウンターの向こうからお客を迎える声が聞こえた。ボクは軽くあいさつ返しながらその声の主をあまり見ずに内装を見た。外観に比べてお店の中は広く感じた。窓際のテーブルに座り椅子やテーブルを触ってみたがかなり使い込まれているようだった。お昼時を過ぎていたのもあってかお店の中はボク以外は誰もいなかった。

 メニューを見ていると、出迎えてくれた声の主が水を持ってきてくれた。

 

「ご注文はお決まりですか?」

「あぁ、まだちょっと…?」

 

 ここで初めて声の主の顔をちゃんと見た。声の感じから女の子だとは思っていたが、目の前の女の子は想像よりもさらに幼かった。少し眠たげな目に青みがかったロングヘアー、バッテンの髪止めをしている。ハッキリ言って美少女だった。しかしそんな美少女であることを頭から吹っ飛ばしてしまうような事実がその子の頭の上に乗っかっていた。

 

「あの…」

「はい?」

 

 その子はお盆を口を隠すように持ちながら首をかしげた。その子の頭の上の物体も合わせて揺れる。

 

「その頭の上のものはなに?」

「あぁ」

 

 お客のこういった質問になれているのか少女は頭から謎の白いフワフワした毛玉を胸の辺りに抱えた。

 

「これは“アンゴラ”という種類のウサギです。名前は“ティッピー”といいます」

「へぇ、フワフワで普通のウサギとは違った愛嬌があるなぁ…触ってもいいかな?」

「どうぞ、少しだけなら構いませんよ」

 

 といって撫でやすいようにティッピーを差し出してくれる。ボクはゆっくりと手をのばしティッピーの頭を撫でた。フワフワの羊みたいな毛がとても気持ちいい。

 

「フワフワ~」

 

 あまりの心地よさに撫で続けているとふいに声が聞こえた。

 

「撫ですぎじゃ、注文を早くせぃ」

「!!」

 

 思わず手を引っ込めるボク。今のは明らかに初老くらいの男性の声だった。しかもそれが店内の…というか目の前のウサギから聞こえたような?

 

「腹話術です」

「え?」

 

 今度は突然女の子の声が聞こえて戸惑う。声の出所はもちろんさっきの店員さん。

 

「私、腹話術が得意でたまにお客さんを驚かせているんです」

「え?今の声を?…」

 

 あきらかにおじいさんの声だった。でも確かに店内にはボクとこの店員さんだけだし疑いようがない。  

 

「すごいね、本物のおじいさんかと思ったよ」

「ありがとうございます」

 

 ぴょこんと頭を下げる店員さん。可愛らしいな、と和やかな気持ちになりながらメニューをパラパラとめくる。そしてまたしても妙なことに気づいた。

 

「あの、店員さん。一つ質問いいかな?」

「どうぞ?」

「ここのカフェはパンやさんもやってるの?メニューのパンのページが七ページくらいあってスゴく充実してる」

「あぁ、それは…今はいないのですがうちの店員の一人がパンやさんの家の娘さんで、パン作りが得意でいくつか作っているうちにここまで増えたんです…」

「へぇ~、その店員さんは今はいないの?」

「今日は用事があるそうで少し遅れてくるそうです」

「そっかぁ、どんな子か会ってみたかったけど、仕方ないか、あっメニューだよね、ちょっとまってね…えーっとぉ…じゃあクロワッサンとカフェオレで」

「かしこまりました」

 

 店員さんがメニューをメモしカウンターに戻ろうとした時、お店のドアが元気に開かれた。

 

「チノちゃーん!!ごめんね、遅くなっちゃった!!」

 

 ドタドタとお店の中に入ってくるやいなや目の前の店員さんに飛び付いた。その拍子にティッピーが転げ落ちたので慌ててボクは受け止めた。

 お店に入ってきた桜色の髪の毛をした女の子が店員さんに摩擦で火がつくのでは?というくらいほおずりをしている。されている店員さん、さっきチノちゃんと呼ばれていたからチノちゃん、は物凄く迷惑そうな顔をしている。

 

「コ、ココアさん!お客様の前ですよ!」

「え?あっ」

 

 入ってきた女の子、ココアちゃんと目があった。

 

(あれ?どこかで見たことがあるような?)

 

 ココアちゃんを見たときそんなことを思った。一方のココアちゃんの顔がみるみる赤くなっていく。

 

「ご、ごめんなさ~い!!」

 

 顔をりんご見たいに真っ赤にし、さらにボクの手からティッピーをとるとそれで顔を隠しながら店の奥に走っていった。

 

「ちょっ、ココアさん!?ティッピーを持っていかないでください!!あっ、すいません。注文すぐにお持ちします!」

「あっうん、急いでないからゆっくりでいいからね」

 

 チノちゃんは軽く会釈するとココアちゃんを追っていった。しばらくすると頭にティッピーを乗せたチノちゃんとお店の制服に着替えたココアちゃんが戻ってきた。ココアちゃんはまだ少しほっぺたが赤いような気がした。

 チノちゃんはカフェオレを用意するためにカウンターに入り、ココアちゃんはクロワッサンが乗ったお皿を運んできてくれた。

 

「お待たせしました…あの、さっきはごめんなさい」

 

 お皿を置くのと同時に謝ってきたので「大丈夫だよ」と笑顔で返した。そして、チノちゃんとココアちゃんを見比べてなんとなくこんなことを言った。

 

「あの店員さんと君って何だか姉妹みたいだね」

「え?」

 

 その瞬間ココアちゃんの雰囲気が変わった。

 

「…ますか?」

「え?」

「私とチノちゃんが最高の姉妹に見えますか!?」

 

 しゅんとしていたのが一瞬で立ち直り目を輝かせながらぐいっと顔を近づかせてくる。

 

「え、えと、う、うん?」

「えへへ~、やっぱりそう見えるんだ~チノちゃ~ん!!私たち最高の姉妹に見えるんだってぇ~!」

「…ココアさん、仕事してください」

 

 声の調子は変わらないが明らかに怒っているのが伝わってきた。それはボクだけじゃなくココアちゃんも感じたようで、「は~い…」と少し慌てながらチノちゃんの所に走っていった。ボクはカフェオレを待とうかと思ったがお腹も空いていたので先に少しクロワッサンを食べることにした。三つあるうちの一つを掴み口に運ぶ。噛んだ瞬間バターの香りが鼻を抜けた。外側のサクッとした食感と中身のフワッとした食感にとても心が踊った。一つ目を食べ終わり二つ目にいこうとした時にココアちゃんがカフェオレを持ってきてくれた。

 

「お待たせしました~♪」

 

 さっきまでの落ち込みはどこへやら、元気な笑顔でカフェオレを運んでくるココアちゃん。ボクも食べる手を止めココアちゃんの方を向く。しかしその瞬間、またしてもハプニングが起こってしまう。

 

「あっ」

「あ?」

 

 ココアちゃんが床の隙間に足を引っ掛けバランスを崩す。倒れるのを支えようと思わずボクが立ち上がった時、カフェオレがボクの服にかかってしまった。

 

「きゃあ!」

「あっちぃ!」

 

 ココアちゃんは支えられたが持ってきてくれたカフェオレがボクの体にもろにかかってしまった。熱かったのですぐに上着を脱いだ。思っていたよりは汚れてなかった。

 

「ご、ごごごごごめんなさい!」

「なにやっているんですかココアさん!」

 

 チノちゃんが真っ青になってタオルを持ってきてくれた。ボクはそれを受けとり濡れた部分を拭いた。チノちゃんに「ありがとう」と言ってココアちゃんのほうを見る。

 

「大丈夫だった?」

「…」

 

 ココアちゃんは俯いたまま反応がない。何度か呼び掛けた時にやっと顔をあげた。ココアちゃんの目から涙が溢れていた。

 

「え?」

「ごめんなざぃぃぃ!」

「え?ちょ!?」

 

 ココアちゃんは見事な土下座を見せてくれた。いや、見たくはなかったけどね。ボクは「顔をあげて!?」と繰り返すのだか一向に聞いてくれない。チノちゃんに助けを求めたがチノちゃんもお手上げのようで、なんとか二人で落ち着かせようと頑張った結果、土下座はやめてくれたがまだべそをかいている。

 

「うぅ、さっきからお客様にご迷惑をかけてばかり…」

「い、いや、ボクは気にしてないからさ!」

「そうです。それにこんなことをはココアさんにとって日常茶飯事じゃないですか」

 

 店員さんそれはフォローなの?と心の中で疑問に思いながらココアちゃんを見ると制服をめくりあげ、お腹を出していた。

 

「なにやってるの!!?」

 

 とうとう意味がわからなくなり声が裏返ってしまう。ココアちゃんの手には一本のフランスパン(どっから出した?)

 

「私、責任をとってフランスパンで切腹します!」

「なにいってんの!?」

 

 フランスパンで腹が切れるわけはないのは重々承知しているが、とにかくこの状況を何とかしたかったのでとりあえずココアちゃんからフランスパンを取り上げようとしたが思ったより力が強い。てんやわんやしているとお店のドアが開かれた。

 

「ココアちゃーん♪ラビットハウスに旅人さんがこなかっ…た…?」

「あ…」

 

 タイミングというのは一度悪くなると連鎖するものである。今入ってきたのはさっき出会った黒髪の女の子、千夜ちゃんだった。いや、そんなことよりも、今ボクはバランスを崩して倒れたココアちゃんに引っ張られ仰向けに倒れるココアちゃんの顔の両側に手をつきよく漫画とかで見る「襲う寸前」の状態になっていた。しかもココアちゃんの瞳は涙で濡れていた。

 

「…ほぉ?」

 

 千夜ちゃんからただならぬ殺気があふれでてきた。ボクは慌ててココアちゃんの上からどき現状の説明をしようとしたが…

 

「天誅ー!」

 

 どこから出したのか、薙刀(のおもちゃ)を持った千夜ちゃんにしこたま叩かれた。

 数分後、チノちゃんが状況を説明してくれたので千夜ちゃんは叩くのをやめてくれた。ボクはカウンター席に移動し隣に千夜ちゃんが座り、カウンターの向こうにはチノちゃんとココアちゃんが新しいカフェオレを作ってくれている。濡れた服は更衣室を借りて着替え今は洗ってもらっている。

 

「どうぞ」

「ありがとう」

 

 少し甘めに頼んだのもあってとてもおいしかった。おわびということでクロワッサンを追加してくれたので結構お腹がふくれた。

 

「旅人さんはこの街をどこで知ったんですか?」

 

 他にお客もいないので雑談が始まる。

 

「あるパンやさんに薦められたんだ。かわいい街だから行ってみてって」

「どんなパンやさんなんですか?」

「素敵なパンやさんだったよ。山の奥にあるんだけどそれでもお客さんでいっぱいだったよ。女性二人でやってるんだけどね、娘さんのお客さばきがすごくてね」

 

 それを聞いていたチノちゃんが千夜ちゃんに抹茶ラテを作りながら小首をかしげた。

 

「なんだかココアさんのご実家みたいですね」

「そうなの?」

「確かに似ている気はするね~」

「他になにか気になっことはあるのかしら?」

 

 千夜ちゃんが探偵みたいなキメ顔をしている。

 

「え?そうだな~…あ!そういえば、その店員の娘さんに青山ブルーマウンテン先生の『カフェインファイター』を薦められて、サインが入っためん棒?を見せてくれたよ!」

「うちだーーー!」

 

 ココアちゃんの驚きとも歓喜ともとれる声が店内に響きわたった。




のんびり書いてます。
ただ最近はリアルが忙しすぎて泡をふきそうです。


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「ステイ イン カフェ」

 「ココアさんうるさいです」

「ご、ごめーん…」

 

 チノちゃんの一言でココアちゃんはお母さんいや、お姉さんに怒られた妹のようにしゅんとなった。

 

「それにしても、まさかあのパンやさんの店員さんの妹さんに出会えるとは…世の中せまいなぁ」

 

 よく見たらココアちゃんはパンやさんの娘さんのモカさんに似ているようだった。ふと外をみると街全体が夕焼けで幻想的なオレンジに染まっていた。

 

「あっ、そろそろお会計をお願いするよ」

「え?もう行っちゃうの?」

 

 ココアちゃんが少し寂しそうにしてくれている。

 

「うん、そろそろ洗濯も終わっただろうし、今日泊まる宿も探さなくちゃいけないしね」

 

 レジでチノちゃんにお金を渡しながら今後の予定を説明するとチノちゃんが予想もしない提案をしてきた。

 

「ではうちに泊まりませんか?」

「え?」

「それいい!」

 

 ココアちゃんがお盆を回して喜んだ。しかし、ボクは困惑した。

 

「いや、さすがに悪いよ」

「そんなことないよ~、服を汚しちゃったこともあるし♪」

「で、でもそれはクロワッサンのサービスしてもらったし…」

「あぁ、あれはサービスというのもあるのですが、ココアさんがかなり多めに作ってしまったので、元々すべてのお客様にお出しする予定だったんです」

「そ、そうなんだ…」

「私としても店員のおこした事に対する責任を取る義務があります」

「うっ…」

 

 ココアちゃんが胸を押さえて顔をばつの悪そうな顔になる。

 

「それに…」

 

 急にチノちゃんが照れくさそうにお盆で口許を隠した。

 

「旅人さんのお話も聞いてみたいです…」

「ボクの話?」

 

 そうこうしているとお店の奥の扉が開いて一人の男の人が出てきた。

 

「チノ」

「おとうさん」

「旅人さんの服、乾いたから部屋にかけておいたぞ」

「え?」

「ありがとうございます。こちらがその旅人さんです」

「やぁ、君がさっき聞いた旅人さんだね、部屋は掃除もしておいたから」

「え?あ、ありがとう…ございます」

 

 チノちゃんのおとうさんはダンディな笑顔をボクに向けると再び奥に戻っていった。数秒後チノちゃんのほうを見ると目があったチノちゃんはこくんと頷き、

 

「先程旅人さんの衣服を持っていった時におとうさんに言っておいたんです」

「そ、そうなんだ」

 

 意外に行動力があるなぁ…と感心しながらカフェオレを飲み干した。なんだかなりゆきでこのお店に泊まることになったけど正直助かった。今から宿泊先を探そうと思っていたからだ。ボクは改めてチノちゃんとココアちゃんにお礼を言った。

 

「ありがとう、お言葉に甘えさせてもらうよ」

 

 

 

 案内された部屋に入るとボクの服がクローゼットにかけてあった。部屋は八畳くらいあって窓のそばにベッドが一つ置いてある。机と椅子もワンセットあり、電気スタンドも置いてある。普段はあまり使っていないらしいが掃除は毎日しているらしくとても綺麗だ。

 

「さて、明日以降の予定を考えるか」

 

 荷物をおろし、かばんから筆記用具を取り出した。机に座りいきたい場所をいくつかメモしているとノックの音が聞こえた。「はい」と返事するとドアが開いてチノちゃんのお父さんが入ってきた。

 

「部屋はどうかな?」

 

 ダンディな見た目にぴったりなダンディイケボで聞いてくる。

 

「はい、かなり居心地がいいです。でもいいんですか?部屋を宿泊に使わせていただいて…」

「構わないよ、部屋はあまっていたしこういうときにでも使わないともったいないだろう?」

「そう言っていただけるなら、ありがたく使わせていただきます」

「なにか必要なものがあったら遠慮せず言ってくれ」

「はい、ありがとうございます」

 

 そのあと今後のことをいくつか話し、タダで泊めてもらうのはさすがに気が引けるので、開店準備や家の掃除、その他荷物運びなどの雑務を手伝うことになった。

 

「自分の家だと思ってくつろいでくれたまえ、夕飯ができたらまた呼びにくるよ」

 

 あらかた決め事が決まり、チノちゃんのお父さんは部屋を出ていった。そのあと一時間ぐらいたって、再びドアがノックされた。

 

「どうぞ」

「旅人さん、ごはんができました」

 

 入ってきたのはチノちゃんだった。頭にのっていたウサギは今は胸に抱えている。

 

 

「ありがとう、すぐに行くよ」

「キッチンまで案内します」

 

 チノちゃんの後についてキッチンに向かった。キッチンに入るとココアちゃんとタカヒロさんーあとでチノちゃんに名前を聞いたーがごはんをテーブルに並べていた。

 

「あ!旅人さん!準備できたよ~」

 

 ココアちゃんが笑顔で迎えてくれる。その手にはやっぱりいろんなパンが入ったかごを持っていた。ボクはチノちゃんに促されタカヒロさんの隣に座った。「いただきます」の号令とともに食事が始まった。

 

「ふぁふぃふぃふぉふぁんはぅ、ふぉのまひふぇふぁんへひはの?」

「えっ?なんて?」

 

 ココアちゃんがパンで口いっぱいにしながら多分ボクに喋りかけてきた。だが、聞き取れなかった。

 

「ココアさん、口のなかをいっぱいにしながらしゃべるのははしたないですよ」

「ふぁ…ふぁい…(ゴクン)」

 

 チノちゃんのたしなめられてあわててパンをミルクと一緒に飲み下すココアちゃん。一呼吸おいてから改めて質問をしてきた。

 

「旅人さんはかの街にどうしてきたの?」

「目的ってこと?観光がメインかな、お昼にも言った通りココアちゃんのお姉さんに紹介されたからっていうのが理由だよ」

「もうどこに行くのか決めているんですか?」

「主にカフェを巡ろうと思っているよ、フルールと千夜ちゃんのお店の甘兎庵とかね」

「そうなんだ~」

「他にもおすすめの場所があったら教えてほしいな」

「そうてすね…」

 

 考え込むチノちゃん、ハッとなにか思い付いた顔をした時にココアちゃんが割り込んできた。

 

「そうだ!水着で入る温水プールとかどうかな?建物がお城みたいですごいんだよ~」

「へ、へぇ~」

 

 大変興味を惹かれたが、ココアちゃんの隣でチノちゃんのほっぺたが少しだけ膨らんでいた。ココアちゃんもそれに気づいた。

 

「チノちゃん!?え、どうしたの??」

「…気にしないでください、なんでもありませんから」

「えぇ~??」

 

 二人のケンカ?を心配しながらどうしようかと思っているとタカヒロさんがボクの肩を叩いてきた。

 

「気にしなくていいよ、あれはケンカというよりじやれあっているっていう感じだから」

「そうなんですか?」

「ところで僕のオススメの場所はね、夕陽がとても綺麗に見える場所があるんだ。場所を教えるからよければ行ってみて」

「おお、行ってみますね」

 

 タカヒロさんに色々教えてもらっている間もココアちゃんとチノちゃんのケンカ?は続いていた。

 

 

 

 夕食を食べ終え、タカヒロさんはラビットハウスの夜の部に向かっていった。ボクはみんなの好意で先にお風呂に入らせてもらった。なるべく早くお風呂を出て明日の予定を考えているとドアがノックされた。

 

「ど…」

「お邪魔しまーす!」

「ちょっ、ココアさん!?」

 

 返事が終わるまでにココアちゃんとチノちゃんが入ってきた。お風呂からでたばかりなのかホカホカしていた。ココアちゃんはピンクのチェックが入ったパジャマを着ていて、チノちゃんは兎のフードの付いた白いパジャマを着ている。

 

「なにか用かな?もしかして手伝うことがあるのかい?」

 

 泊まらせてもらうかわりに手伝えることはなんでも手伝うという約束をしたので、その事だと思ったが違うようで二人とも座るためにクッションを持ってきていた。チノちゃんは三つのコーヒーカップがのったトレイを持っていた。それを床に置いて座る。

 

「旅人さん!旅人さんのお話聞かせて!」

「これ、コーヒーです」

「あ、ありがとう。そういえば約束してたね。どんな話がいいかな?」

「今まで食べたなかで一番美味しかったものはなぁに!」

「ココアさん…さっきご飯食べたばかりでしょう?」

「そ、そうだけど気になったから」

「ココアさんらしいです。私は一番綺麗だった景色を知りたいです」

 

 ぐいぐいくる二人。ボクは「落ち着いて!」と二人を少しなだめながら一つ一つ答えていった。

 一時間ほどはなし、眠くなってきたので今日は途中で終わることにした。二人が部屋を出ていく寸前にココアちゃんがなにかゆ思い出したように振り返った。

 

「そうだ旅人さん!明後日の土曜日の予定って決まってる?」

「いや、まだ決まってないかな」

「だったら私たちとさっき言ってた温水プールに行かない?」

「温水プール…えぇっ!?」

 

 思わず驚いてしまうボク。その反応に拒否の意思を感じ取ったのかチノちゃんが残念そうな顔になる。

 

「なにか予定がありましたか?」

「いや、予定はないけど…その、ボクも行っていいの?」

「?構いませんよ」

「そうだよ~、そこで私の華麗なクロールを見せてあげるよ!」

「ココアさん、あれはクロールじゃないんですよ」

「ふっふっふっ!私はあれからちゃんと練習したのだよ!!もう完璧だよ!!」

「お手並み拝見ですね。では旅人さん、詳細は後日お伝えします」

「あ、うん、ありがとう…」

「おやすみなさい」

「おやすみなさーい!」

「おやすみ」

 

 二人は少し眠たげな様子で部屋を出ていった。ボクは明日の予定をもう少し整理しながら、思わずできた予定に少しテンションが上がっていた。

 

「そういえば、ボク水着ってアレしか持ってないけど大丈夫かな?」

 

 明後日のことはまた明日以降に考えることにし、ボクは部屋の電気を消して眠ることにした。

 

 

 

 不思議な夢を見た。ボクはたくさんのウサギに埋もれている。すると目の前にウサギの着ぐるみを着たココアちゃん、チノちゃん、千夜ちゃん、シャロちゃんともう一人、ツインテールの見たことない女の子が………ボクにハンドガンを向けていた。




一日目はこれで終了です。
二日目には町のなかをぶらつきます。
二日目は金曜日で書き忘れていましたが.時期は12月のはじめです。


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