TV版恋姫†無双OVA…転生者と原作のクロス (ヒーロー好き)
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恋姫†無双OVA
孔明、学園に登校するのこと


お気に入り登録者が500人を超えました
ありがとうございます
これを記念して恋姫OVA版を投稿したいと思います
おかしな所もあると思いますが楽しんでもらえるとうれしいです

では、どうぞ


都会街から少し離れた市街地。そこらに建っている家々の前にある歩道を、一人の背の小さい女の子が何やら慌てた様子で走っていた

 

「はわわ〜!転校初日から寝過ごすなんて最悪です~!!」

 

どうやら女の子は学生の様だ。呼吸を荒くしながら走る

 

「はぁ…はぁ…きゃあっ!」

 

曲がり角に差し掛かると、突然顔に柔らかい衝撃を覚え、女の子は後ろに飛ばされる。そして尻餅をついてしまう

 

「あたたた」

 

「大丈夫か?」

 

「す…すいません。いきなり飛び出しちゃって」

 

手を差し出され、それを掴み立ち上がる

 

「ん?」

 

視線を向けると長く艶やかな黒髪。目鼻立ちが整っている少女がいた

 

「(なんてきれいな黒髪)」

 

「その制服、私と同じ聖フランチェスカ学園の生徒だな」

 

「あ、あの、私今日が転校初日で、な、なのに寝坊しちゃって、はわわっ!ってなっちゃって」

 

「ほぉ~、今日が初登校か。ならば、尚更身だしなみをきちんとしないとな」

 

「へっ?」

 

「ほら、リボンが曲がっているぞ?」

 

少女は少し屈み、女の子のリボンを整える

 

「これでよし」

 

「……」

 

少女の綺麗な笑顔に女の子の頬は赤みを帯びていた

 

「では、行こうか」

 

「でも…」

 

「学園はあっちだ」

 

「え、えへへ…はい!」

 

二人は学園へ向かうべく歩を進める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ、ある家

 

 

「ん~~~」

 

一人の男の子が起きた

 

「……もう朝か……」

 

男は起き上がり、身だしなみを整える。そして朝食を食べ、聖フランチェスカ学園の制服に着替える

 

 

「まあ、こんなもんかな」

 

支度を整え、家を出る

 

「………」

 

が、道に出ようとした時、その前に止まる

 

「………今日もいるよ。毎回毎回、何で居るのかな。しょうがない……月歩!」

 

そう言うと、空中に浮きあがる

 

「………やっぱり」

 

空中に高く上がると、歩道に五十人ほどの女が待ち構えていた

 

「……毎回、飽きないな」

 

そういうと、空中を歩くように、その場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、

 

「そろそろ学校が見えてくるな……ん?」

 

何かに気付く

 

「……いない……まさか」

 

方向転換をし、ある場所に向かった。もちろん空中を歩いて

 

 

「………」

 

そして、ある建物が見えてくる。大きな建物で、傍に、聖フランチェスカ学園女子寮と書かれた看板があった

 

「……やっぱりいたよ」

 

何かに気づき、ある窓の前に移動する。すると赤い髪で虎の髪飾りを着けている女の子が慌てて支度をしていた

 

「………しょうがない」

 

そう言って、窓をノックする。すると部屋の中に居た女の子が窓を開ける

 

「あっ!!お兄ちゃん」

 

「寝坊したのか?遅刻するぞ」

 

「だって、いつもは愛紗が起こしてくれるのに!!」

 

「良いから、早くしろ」

 

「分かったのだ!もう着替えたから一緒にいくのだ!」

 

「そうか…じゃあ下で待っているぞ」

 

「あっ!ちょっと待つのだ」

 

そういうと、外靴と鞄を持ってきた

 

「これは?」

 

「鈴々をおぶって欲しいのだ。そうすれば一緒に行けるのだ」

 

「えっ!でも」

 

「だめなの」

 

目に涙を浮かべる

 

「はあ……分かったよ」

 

「えへへ」

 

嬉しそうな表情をし、男の背中に抱き着く

 

「さて、行くか」

 

「いくのだ!」

 

こうして、二人が学園に向かう。もちろん空中を歩いて

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、学校が見えてくる。聖フランチェスカ学園である。校門前に四人の女子が立って会話をしている

 

「いた。お~い!」

 

そう言うと、四人に向かって降りる

 

「うわ!」

 

「おはよう」

 

「何処から現れているんだよ」

 

「そうですよ。高杉殿」

 

「勇作殿」

 

「ごめん。鈴々、着いたよ」

 

声を掛けるが

 

「にぁあああ」

 

高杉の背中で眠っていた

 

「……寝てるよ」

 

「はあ」

 

「あの…貴方は」

 

「ん?」

 

「紹介しておこう。この人は高杉勇作。この学園に在学している数少ない男子生徒の一人だ」

 

「よろしく」

 

「(……はわわ、かっこいい人)」

 

すると

 

「にあ」

 

鈴々が起きた

 

「やっと起きたか」

 

「愛紗……愛紗!」

 

勇作の背中から降りると、二人はケンカを始めた

 

「(……こうなったか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼時

 

 

 

 

 

下駄箱付近に位置するパン売場で大勢の生徒達が並んでいる。大群の後方で、一人の少女が財布を手におろおろと狼狽えていた

 

「ええっとあの、すいません、私もパンを…きゃあっ!」

 

進もうとしてもすぐに阻まれ、後ろへと弾かれる

 

「おっと」

 

すると、また顔に柔らかい感触を感じた。見上げると、

 

「ご、ごめんな…関羽さん」

 

「また会ったな」

 

「えっ?」

愛紗はくるりと購買の方に振り向かせる

 

「では、突撃開始!」

 

大群の間をそそくさとくぐり抜け、あっという間に到達した

 

「さ、孔明殿。私は、と」

 

愛紗はポケットからメモらしき紙を取り出した。

 

 

 

 

 

 

「本当にありがとうございます。パンを買うのまで助けてもらっちゃって」

 

二人はパンを購入し、紙袋に積んだ後、自然公園を二人で歩いていた

 

「なに、困った時はお互い様だ」

 

「所で関羽さん、もしかしてそれ全部食べるんですか?」

 

「えっ?違う違う、これはじゃんけんに負けたから仲間の分も一緒に」

 

〈愛紗〜〜!!〉

 

「噂をすれば…だな」

 

「愛紗〜〜!!」

 

鈴々が走ってきた

 

「何していたのだ!遅いのだ!」

 

「すまぬ、パン売り場がいつも以上に混んでいてな」

 

女の子の後ろにある一本の木の下に。

 

「いただきなのだ!」

 

「あ!おい」

 

鈴々は紙袋を取る

 

「麦で作るからパンなのだ!お米で作っても気にしない!」

 

訳の分からない歌を歌ってはしゃいでいた。木の下まで行くと仲間である二人の少女がいた。紙袋からパンをどさどさと出していく

 

「えへへ、鈴々のはこれとこれと」

 

「おい!その馬刺しサンドはあたしのだぞ!」

 

「あ、ごめんなのだ」

 

「よこせ」

 

茶髪の少女もパンをもらい、水色の髪の少女は弁当を広げる

 

「ない!ないのだ!鈴々の大好物の穴子サンドがないのだ!」

 

「いや~、穴子サンドは売り切れで買えなくて…代わりに最初はこってり、後味さっぱりのこっさりラーメンサンドを買っておいたから、それで我慢してくれ」

 

「そんなのじゃダメなのだ!鈴々は一日一個穴子サンドを食べないとお腹から空気がもれて力がでない…ってあぁー!!」

 

鈴々は孔明の紙袋を見るや否や大声を張り上げる。孔明が抱えている紙袋の中には穴子サンドが一つ入っていた

 

「どうして!?どうしてお前が鈴々の穴子サンドを持ってるのだ!?」

 

「あの、これは私が…」

 

「よさぬか鈴々。これは最後の一つを孔明殿が買ったものだ」

 

愛紗は暴走気味になっている鈴々を止める

 

「でも、鈴々は毎日お昼のメインは穴子サンドって決めてるのだ!」

 

「ご、ごめんなさい…私そのこと知らなくて…」

 

「なにもそなたが謝ることはない。責めを受けるなら買えなかった私であって…孔明殿が気にすることが」

 

「何で何で何で何でなのだ〜!!何で愛紗は姉妹の契りを結んだ鈴々より、そんなやつの肩を持つのだ!?」

 

沸騰したやかんのように鈴々は怒りだした

 

「お前の事を妹だと思うからこそ!姉として我儘をたしなめてやっているのだ!」

 

「妹が欲しがっているんだから譲ってくれって頼んでくれてもいいのだ!!」

 

「それが我儘だ!!」

 

「はわわっ!」

 

「やれやれ…」

 

孔明はどうすればいいか分からずにおり、後ろの方にいる二人もため息をついていた。

 

「愛紗のバカァァァァッ!!」

 

「あ、こら!待て」

 

鈴々は涙目になりながら走り去っていった。途中で転ぶが立ち上がり、走り去る

 

「ふんっ!」

そっぽを向く愛紗

 

 

 

 

 

 

「全く、食い物の事位で仲違いとは、情けない」

 

「生徒会長戦も近いってのに、こんなことじゃ先が思いやられるな」

 

「生徒会長戦?どなたか生徒会長に立候補されるんですか?」

 

「あ、いや、この学園はちょっと変わってて…大将一人に武将二人それに軍師一人を加えた四人を一チームとしてトーナメントに出場し、様々な競技で競い合って、最後まで勝ち残ったチームの大将が会長になるというシステムになっているのだ」

 

「それじゃあ…」

 

「ああ。我ら四人は、関羽を大将にして、生徒会長戦に出る予定だったのだが…」

 

「すいません、そんな大事な時なのに、私のせいでこんなことになってしまって…」

 

「なに、悪いのは鈴々の方なのだから、孔明殿が責任を感じることではない」

 

「けど、まじでどうすんだ?張飛抜きじゃ面子が足んないぞ?」

 

「そうだぞ。確かにあやつはバカだが、筋金入りのバカだけあって、あの馬鹿力は武将としてそう馬鹿にできんぞ?」

 

「ちょっと馬鹿バカ言い過ぎじゃあ…」

 

「心配するな。しばらくしたら…やっぱり鈴々が悪かったのだ〜とか言って、泣きついて来るに決まってる」

 

「…だといいがな」

 

星の一言で、その場は少し暗くなった

 

 

「皆、何やっているんだ!」

 

声がした方に視線を向けると、

 

「高杉殿」

 

高杉勇作がいた

 

「暗くなって」

 

「はわわ!」

 

「何を驚いて?」

 

「いえ、男の人見たのはすごく久々で」

 

「まあ、そうだよな」

 

「高杉殿」

 

「ちょっと、星!」

 

水色の髪の少女が抱き着いてくる

 

「うふふ」

 

「おい!星!いったい何をやってる!」

 

「何をって、翠」

 

「お願いだから、抱き着かないで、二人の視線が」

 

愛紗と翠が高杉に嫉妬の眼差しで睨み付ける

 

「あの…すいません」

 

「どうした?孔明殿」

 

「この学園って女子高ですよね。けど何で男である貴方が」

 

「ああ、実は…俺のおじ、この学園の学園長なんだけど、一緒に住むことになって、この学校に編入してきたんだ」

 

「そうなんですか……問題はなかったのですか」

 

「この学園の生徒の中から嫁さんを探せという条件付きで、編入できた」

 

「よ、嫁!……はわわ」

 

「仕方あるまい!今の時代、男女の比率が1:1000、男子一人に対して女子は1000人の割合なのだ」

 

「政府の政策で一夫多妻制だが、世の男はあまり積極的じゃないし」

 

「まあ、高杉殿は他の男とは違い、少し誘惑すれば、コロッと」

 

「俺は種馬じゃない!」

 

「まあまあ」

 

「それに、無理矢理に婚約することはしないよ。相手の気持ちも考えないと」

 

「へえ」

 

「けど、毎日のように家の前に女の人が待ち構えているけど」

 

「大変ですね」

 

「まあね、まあじっくり考えるよ」

 

そういうとその場を立ち去る勇作であった

 

「………」

 

「あの、皆さん、もしかして…高杉さんのこと」

 

「な、何を言って」

 

「そ、そうだぜ、そんな」

 

「そう言うな。愛紗も翠も勇作殿ことが好きであろう。むろん私もだが」

 

そういうと顔を赤くする二人であった

 

「はわわ」

 

孔明の顔を赤くるのであった

 

「(さて、当の本人は誰を選ぶのやら…むろん負けるつもりもない)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別棟の二階に位置する理科室

 

「甘寧、これはどういう事だ!」

 

「申し訳ありません、周瑜様…」

 

周瑜は机をバンッ!と強く叩き、甘寧は目を伏せて謝罪する

 

「私は穴子サンドを買ってこいと言ったのだぞ?それなのに間違えて、夜のおやつ鰻サンドを買ってくるとは、なんたる失態…!」

 

周瑜は鰻サンドを手にとり、わなわなと握りしめている

 

「穴子サンドは購買部でも一二を争う人気商品。売り切れる前に確保しようとつい焦ってしまい…」

 

「言い訳は聞きたくない!」

 

周瑜は甘寧を激しく叱咤する

 

「周瑜、もうそれぐらいでいいだろう?たかがパン一つでそんなに叱る事もあるまい」

 

孫権は教卓にもたれ、腕を組んで仲裁に入る

 

「そうよねぇ。それより早くお昼御飯に…」

 

「し~っ!尚香様…」

 

「何を甘いことを!」

 

周瑜の大声にシャオと陸遜はビクッと肩を竦める

 

「孫権様!兵糧の確保は戦の基本。それを疎かにしては、大事を成す事など夢のまた夢」

 

「それはそうかもしれぬが…」

 

「全く、生徒会長戦も近いというのに、この体たらく。進学先も就職も決まらぬまま、敢えなく卒業されてしまった孫策様がこの有り様を見たら、なんと仰られるか……」

 

周瑜は嘆くように息をつく

 

今の彼女が家でテレビゲームをぐうたらやっている孫策であった

 

「姉上の事を言うな!私には私のやり方がある!」

 

いつの間にか孫権と周瑜はお互いに睨みあう形になり、その場の空気が重くなる

 

 

「何とかしなさいよ。お昼たべられないじゃない!」

 

「そう言われましても」

 

他の三人もどうにも出来ずにいる

 

 

バン

 

と音がし視線を向けると

 

「はいはいそこまで」

 

勇作がいた

 

「「「高杉殿!!」」」

 

「高杉さん」

 

「勇作!」

 

「何をケンカしているの」

 

「高杉さん……いったいどこから」

 

「窓から」

 

「ここ2階ですよ」

 

「別に大したことないよ」

 

「ねえ、勇作…一緒にご飯食べよう。ここじゃあ心地悪いし」

 

「ごめん、この後、おじ、じゃなくて学園長に会いに行くことになっていて」

 

「そうなの」

 

「ああ」

 

「じゃあ、今度二人きりで食べよう」

 

「二人きりって」

 

「もちろん私と、蓮華姉様と違って消極的じゃないし」

 

「小蓮!!」

 

「ねえ、良いでしょう」

 

「……考えておきます」

 

「うふふ」

 

小蓮は姉に向けて視線を向ける

 

「ぐぬぬ」

 

「あの…ケンカはほどほどにね」

 

そういって、理科室を出た

 

 

 

 

午後の授業も終わり、生徒が早々に下校していく。空は夕焼けに染まり、屋上の手すりにもたれている周瑜を照らしていた。周瑜はふぅ、と静かに息を吐く

 

「孫権様は甘すぎる…」

 

周瑜は橙色の空を見上げた。そこにはかつての主、孫策が映っていた

 

「生徒会長の座を目指しつつも、志半ばでいってしまった雪蓮…」

 

「まだ生きてるわよ〜〜?』

 

「あなたの頼みだからと、これまで仕えてきたけれど…我が主に相応しい器かどうか、一度確かめてみるか……」

 

周瑜の眼鏡が太陽に反射して、キラリと怪しく光った

 

 

 

 

 

 

そのころ勇作は

 

「さて、俺は帰るよ」

 

「そんな…もう少しここに居ても良いのよ」

 

「あのね、もう下校時間だよ。それにまだまだ仕事あるでしょう」

 

「そうだけど、家族水いらずに話したいだけだと」

 

「けど」

 

「もう…そんなに照れなくてもいいのよ、何なら私の熱いキスを!」

 

「……剃」

 

低い声とともに瞬間移動し

 

「指銃!」

 

人差し指を弾丸の速さで突く

 

「もう…冗談なのに」

 

が、学園長はその場から素早く移動し、勇作の後ろに居た

 

「冗談でもたちが悪いわ」

 

「もう」

 

「はあ、ご飯作っているから、早く帰ってきてね」

 

「ありがとね、むふふ…それと」

 

「ん?」

 

「貴方、良い嫁さん見つけたかしら?」

 

「……」

 

「そんな目をしないの!ゆっくりで良いから」

 

「簡単に言わないでよ…本気で愛してくれる人がいるとは限らないだよ」

 

「……」

 

勇作は部屋を出た

 

「(俺は声が聞こえるだよ…相手の声が。確かにここの皆は違うかもしれないけど……まだ駄目なんだよ)」




どうでしたか。ここで世界観と高杉勇作の詳細を書きます


世界観

現代とあまり変わりはないが、男女に比率が1:1000。男子一人に対して女子は1000人の割合であり、男子は少ない。そのため、政府は一夫多妻制を制定し子供の人数を増やそうとしたり、人工授精で子供を増やそうとするが成果はイマイチ。さらに貞操観念が若干逆転しているため、男子が小作りに対して消極的になっている。政府も子供が出来たら援助金を出したりして対策を立てているが、男を襲う女子が逆に増えてしまう結果になってしまい、男子はさらに消極的もしくは女子恐怖症になったり問題が起きてしまっている。男子を保護する法律も制定し改善に取り組んでいる




高杉勇作の詳細

名前:高杉 勇作 たかすぎ ゆうさく

年齢:17歳

身長:180cm

体重:76㎏

容姿:世間からいうとイケメンの容姿


性格と経歴:マイペースで穏やか。若干の女子恐怖症である。現在聖フランチェスカ学園の2年生

彼の両親は勇作が3歳の頃に交通事故で亡くなり、その後、彼は親戚に引き取られてたが親戚をたらい回しされた。彼が5歳の時、筋肉ばけ…もとい漢女の貂蝉が現れ、彼の祖父ということが判明する。家族がいたことに驚く(別の意味でも)が勇作は嬉しそうな表情をする。貂蝉も孫の存在に嬉しそうな表情になる。その後、月に一度、過ごすようになりだんだんと笑顔が増えていった
そして7歳の時、貂蝉の家を訪れた時、ある書物を見つける。その書物には武術の書であり、貂蝉と一緒に読んだり、自力で修行したりして16歳で、六式と見聞色、武装色、覇王色の覇気三種を取得した。
が、見聞色の覇気を取得したことにより相手の心が読めるようになり、ある日、ある親戚が翌日に勇作を性的に襲う計画を立てていることを知る。信じられないと思いながらも貂蝉に連絡したり、証拠が残るように準備をした。そして翌日、計画が実行されることになる。襲いかかる女を覇気と六式で倒していき、気づけば5万人の女子を病院送りしていたという。そして親戚やそれに下端した者は全員刑務所に送られた。親戚どもは勇作をお金を生み出すためのただの道具にしか見ておらず、愛してないとのことだったこのことがトラウマとなり女子恐怖症となってしまった。その日以来、家に引きこもっていたが、中学を卒業を機に貂蝉と同じ家に住むこととなり、元々女子高であったが学園長である貂蝉に助力により、学園の生徒の中から嫁さんを探せという条件付きではあったが編入が許された。
勇作はあまり乗り気でなかったが、愛紗たちの助力もあり少しずつ登校するようになり、今では普通に登校するようになった。がいまだにあの時のトラウマにより人との交流は消極的である。生徒のみんなは勇作に編入の条件をすでに知っており狙っている生徒も大勢いるが、貂蝉の存在により大半の女子生徒が消極的になっている。また学校の外でも勇作を狙っている女子もいるが貂蝉の力や覇気と六式を使ってうまく逃げている


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群雄、生徒会長戦の準備をするのこと

OVA2話目です

後書きに真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~の主人公、紅翼のこの話においての詳細を書きます

では、どうぞ


翌日

 

昨日と同じ様に孔明は愛紗達と一緒にお昼を食べていた

 

「ええっ、私がみなさんと一緒に生徒会長戦に!?」

孔明は肉まんをゴクリと喉を通す

 

「うむ…聞けば、孔明殿は人材育成で定評のある水鏡先生の塾で、将来を大いに嘱望された天下の奇才とか…是非軍師として我らを助けてもらいたい」

 

「武将はあたしと趙雲がやるからさ」

 

「期待してるぞ、孔明殿」

 

「あ、あの、でも、それだと張飛さんは?」

 

「ふんっ!あんな聞き分けのない虎娘。どうなろうと知ったことか」

 

「実はあの後寮に帰ってから一悶着やらかしてな…」

 

「せ、星、余計な事は言うな!」

 

「出場辞退ってのも格好悪いしさ、引き受けてくれよ」

 

愛紗、星、翠は三人揃って正座し、右手をグーにし、左手で包む様に合掌する

 

「「「頼む!」」」

 

一顧

 

「え?」

 

「「「この通りだ!!」」」

 

二顧

 

「でも…」

 

「「「我らの軍師になってくれ!!!」」」

 

三顧

 

 

 

「はわわ……ん?」

 

弱々しく呟くと、呂布がやってきた。孔明の手にある肉まんを見つめる

 

「肉まん…美味しそう……」

 

「あの、よかったらどうぞ…」

 

孔明は肉まんを手渡す

 

「セキトにも…」

 

少女は渡された肉まんを半分にちぎって、子犬にあげる。子犬は肉まんにかぶりつき、少女も両手でもぐもぐと頬張り、ツンと立った二本の触角みたいな毛がピコピコと動いている

 

「ば、馬刺しサンドも食わないか…?」

 

「こ、こっさりラーメンサンドも、上手いぞ~…?」

 

「め、メンマなぞどうだ?」

 

どこか愛らしい仕草にキュンとする愛紗達

 

「なんだか…」

 

「訳が分からぬが…」

 

「小動物が食べてる様で…」

 

「和むな〜…」

 

はわわ~~~ん

 

その場は穏やかな雰囲気に包まれた。するとその時

 

 

カシャ

 

カメラのシャッターのする音がした。皆が視線を向けると

 

 

「うん…良く撮れているな」

 

仮面ライダーディケイドのお面を付けた一人の男子がいた。勇作と同じでこの学園の制服を着ている

 

「お主は!」

 

「紅 翼!!」

 

「どうも」

 

「えっ!」

 

「な、何でここに居るんだよ」

 

「何でって俺もこの学園の生徒だよ」

 

「それはそうだが」

 

「あの…この人は?」

 

孔明は愛紗に聞く

 

「こいつは、紅 翼(くれない つばさ)。高杉殿と同じでこの学園の生徒だ」

 

「そうなんですか……それでその仮面は?」

 

「ああ、それは…」

 

「それより、なぜお主がここに?」

 

「たしかスタントマンのアルバイトに行っていたはずでしばらくは…」

 

「そうなんだけど…学園長に呼ばれてね……僕と勇作が必要になるから必ず来いっと言われちゃって」

 

「そうなのですか?」

 

「うん…断ると嫌な予感がして…」

 

「そうか」

 

「じゃあ、僕はこれで行くけど…頑張ってね」

 

「所でなんで仮面を?」

 

「これがないと翼は女子とまともに会話できないんだ」

 

「会話が出来ない(それって)」

 

孔明は女性恐怖症のことを思い出す

 

「言っておくけど、翼殿は女子恐怖症ではないぞ」

 

「どういうことですか?」

 

「こういうことだよ」

 

そういうと星は翼がかぶっている仮面を外した

 

「ちょっ!」

 

「どうしました?」

 

「あ…いや…あ」

 

「おや…おかしいですね…何ならここで」

 

そう言いながらスカートを上げる

 

「ちょっと!!勘弁してよ!!」

 

翼は顔を真っ赤にし、仮面を奪い返してこの場をものすごい勢いで去った

 

「これはいったい?」

 

「実はな、翼殿は女子に対しての免疫がかなり低いのだ」

 

「低い?」

 

「うむ、女子とほとんど会話できない。女子の下着姿を見ただけで顔を真っ赤にするなど多々あるのだ…決して女子恐怖症ではないのだ」

 

「そうだよな…あれで女子恐怖症ではないと言っても誰も信じてくれないしな」

 

「はあ」

 

「それを知っているのは一部の女子だし」

 

「それでも、あの仮面をかぶってれば女子と会話が出来り、女子の下着姿を見てもあんなに過敏に反応しないのだがな」

 

「そうだな」

 

「仮面を外すことができるのはいつの事やら」

 

 

そんな会話をしながら過ごす愛紗達であった

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。ある場所

 

「ウチに刃向うなんざ1800年早いんや!一昨日きい!」

 

張遼が不良3人をやっつけた

 

「はあ…あんな奴らより翼と一緒に過ごしたいわ……ん?」

 

階段を上っていると何かに気付く

 

「ん?」

 

上にある人が立っていた

 

 

 

ある飲食店。一つの席に謎の女性と食事をしている許緒がいた

 

「えっ!ボクが生徒会長戦に!!」

 

 

 

 

そして夜、学校の校門前

 

「諸君!来たるべき生徒会長戦に向けて我が公孫賛軍は憂の人材を求めている」

 

公孫賛が募集をしていた

 

「知力、武力とうの数値には一切かかわらない。やる気重視の初心者歓迎!我を思わんと者はぜひ我が旗の元へ!今なら申込み用紙に名前を書くだけで白ブルマ将軍と名高い!」

 

携帯を取り出し

 

「この公孫賛の携帯待ち受け画面をプレゼント!!」

 

「もう誰も残ってないよ。アンタも帰ったら」

 

校門前を掃除していたおばさんがいう

 

「へっ!はあ…誰も聞いてくれなかった。やっぱり私って影薄いのかな」

 

ガックリと肩を落としていると

 

「あ!いらっしゃい!!」

 

マスクを被った女性がやってきた

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、生徒会長戦の日がやって来た

 

「さぁ!晴れ渡る空の下!聖フランチェスカ学園生徒会長戦の日がやって参りました!」

 

司会の陳琳の声がマイクを通して空に届く

 

「気合いを入れていくぞ!」

 

「関羽」

 

横から声がした。そこには曹操の面々がいた

 

「良い軍師を見つけた様ね」

 

「え?」

 

「曹操殿」

 

「水鏡塾の伏龍を引き入れるなんて、流石ね」

 

「へぇ~…」

 

「天下の奇才とは聞いていたが…」

 

「お主があの伏龍とは…」

 

孔明は恥ずかしそうに下を向いた

 

「でも、私は負けないわよ。関羽、あなたのしっとり艶々を手に入れるためにね!」

 

「えっ!?」

 

「華琳様ったら~…」

 

「私達というものがありながら~…」

 

「まあまあ、姉者」

 

 

 

 

「これより開会式が始まります!尚、今回は解説に養護教諭の黄忠先生をお招きしています」

 

「よろしくお願いします」

司会の陳琳の隣に黄忠が座る

 

「そして特別ゲストとしてこの学園の数少ない男子生徒の代表として高杉勇作さんと紅 翼さんをお呼びしています」

 

「どうも」

 

「よろしく」

 

二人も席に座る

 

「まずは全選手、入場!」

 

高らかに鳴り響く銅鑼の音と共に、群雄が行進する。それぞれのチームには、誘導として先頭に、プラカードを持ったメイドが歩いている。司会の陳琳は各チームの紹介を行う

 

「学年の美少女は全て私の物!ガチ百合クイーン!曹操」

 

「バランスのとれた戦力に鉄の忠誠心。今回の優勝候補筆頭でしょう」

 

「暴虐不断!悪逆非道!死の天使!董卓」

 

「華雄に呂布と戦力は揃っているのですが、全体の統率がとれていないのがネックでしょうか」

 

「姉上の意志は私が継ぐ!よく分からないが額のマークは伊達じゃあない!孫権」

 

「軍師にエースの周瑜を外して、控えの陸遜を出してきたのが注目ですね。後、本当に何なんでしょう?あのマーク」

 

「もう影が薄いとは言わせない!白ブルマ将軍!公孫賛推参」

 

「一匹狼を集めた急造チームですが、ゼブラ軍師と名乗る謎の人物が気になりますね」

 

「しっとり艶々なのは髪だけじゃあない!全ての攻め、受けて立つ!関羽」

 

「新加入の軍師、孔明がどこまでやってくれるか楽しみです」

 

「三馬鹿から四馬鹿へ!新たに張飛を配下に収め、意気軒昂な袁紹」

 

司会の紹介に、驚きの表情を見せる愛紗達

 

「無謀にも知力三十四の顔良を軍師として、関羽軍を離脱した張飛を武将に迎えたのですが、果たしてそれが吉と出るかどうか…」

 

鈴々は、ニヤ〜っと挑発するような笑みを愛紗に見せた。愛紗は眉に皺を寄せる

 

「それでは、開幕に際して学園長からのお言葉です!」

 

選手全員が並び終えると、スーツを着た強面の一人の男性がマイクの前に出る。色黒の禿げ頭で、両耳の上に三つ編みされた髪が生えている

 

「えぇ〜ウォッホン!儂が、この聖フランチェスカ学園の学園長…」

 

一瞬、力んだと思いきや、服がビリビリと破け、筋肉隆々の肉体が露になった

 

「貂蝉よ〜ん!うっふぅ〜ん!」

 

途端に全校生徒がずっこけた。

 

「みんな~!生徒会長戦がんばってねぇ〜ん!ムチュッ!」

 

「あはは」

 

「何をやっているですか」

 

翼は苦笑いをし、勇作は頭を抱える

 

「え〜、学園長のありがた〜いお言葉を貰って、さぁ、開幕!……の前に」

 

「ん?」

 

「ここで高杉さんと紅さんにも一言言ってもらいましょう」

 

「「ええっ!!」」

 

突然のことに二人は驚く

 

「ちょっと何言ってんだよ」

 

「そうだ」

 

「学園長どうでしょう」

 

「……いいわよ!」

 

「「おい!!」」

 

「では、どうぞ」

 

そういうが二人は上がろうとしない

 

「上がらないなら学園長の熱いキ」

 

何かを言う前に二人はステージに上がった

 

 

「………」

 

最初は翼

 

「………………がんばれ」

 

「(それだけ?)」

 

全生徒が思った

 

「ほかには」

 

「これ以上は無理です!!」

 

「はあ…では、高杉さん」

 

「………悔いのないように頑張ってください」

 

「では……改めまして…………開幕です!!」




紅 翼の詳細

名前:紅 翼 くれないつばさ

年齢:18歳

身長:179cm

体重:74㎏

容姿:髪は黒と目は赤色で世間からいうとイケメンの容姿

性格と経歴マイペースで穏やか。世間では珍しい若干の純情。大の特撮ヒーロー(特に仮面ライダー)好きでオタク

両親に過保護すぎるほど愛され、一種の箱入り娘ならぬ箱入り息子であった。そのため人との交流が少なく、退屈な日々を過ごしていた。だがテレビで仮面ライダーの放送を見た時、彼の行動が変わる。パソコンでヒーローショウがある日を調べて必ず行くようにしたり、何時間も並んでそれに関連するおもちゃを買ったりした。そんなことをしていたためか、彼は周りから引くほどのヒーローオタクになった。だが彼にも苦手ことがある。女子との交流である。男性との交流は問題ないが、若干の純情である上に女性に対しての免疫が低かった彼にとって交流するのも大変だった。そのせいで周りから極度の女子恐怖症と思われている。(実際はそうではないのに)だが仮面ライダーディケイドの仮面もといお面を被るとそれが嘘のように普通に女子に交流することができる。そして彼が高校の進路を決める時に筋肉ダ…もとい漢女の貂蝉が訪問して来て、聖フランチェスカ学園から推薦された。両親は反対したが次の日には許可が下りた。理由を聞いたが両親は話なさなかった。何があったのか。こうして翼も学園の生徒の中から嫁さんを探せという条件付きではあったが編入することになった。両親の仕送りもあったが、迷惑をかけないために自分でバイトをした。ヒーローオタクとしての知識を生かしたバイト、バカ高い身体能力をいかしたスタントマンのバイトなどをし、何とか初めての一人暮らしに慣れていった。そしてある事件が起きる。
バイトで得たお金でカメラを買い終わった後の帰り道、二人の女子生徒が不良に襲われていたのだ。翼はヒーロー番組で見て覚えた技とバカ高い身体能力で利用しこれを撃退することに成功。その救った二人の女子生徒が曹操と荀彧であった。これが原因か二人は翼に惚れてしまった。そのため時々、曹操の面々、さらに同じく翼に惚れた張遼と許緒も交流するようになった。そのおかげで女子に対しての免疫は初めの頃よりはついたが、いまだ仮面をつけないと交流することに変わりないのであった


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群雄、生徒会長の座を狙って相争うのこと~前編~

恋姫OVA3話目です

この話は、本家の主人公が登場します。この性格であっているかわかりませんが、出来るだけ頑張って同じ何るようにします。あと後書きに詳細を書きます

では、どうぞ


「生徒会長戦!スタートを飾る第一試合は…関羽軍対董卓軍…競技は二人三脚」

 

スタート位置にそれぞれの代表がいた

 

「アン、ドゥー、トゥルワーを知ってるか?」

 

「知らね」

 

「……」

 

「……」

 

「趙雲、馬超組、華雄、呂布組が勝利を目指して走ります」

 

「いいか呂布!一で外側。二で内側の足だからな?」

 

「うん……」

 

「二人三脚は二人の息を合わせるのが大事だから絶対に間違えるなよ」

 

「うんうん」

 

「(…あれ、絶対わかってないな)」

 

それぞれのレーンに着き、お互いの片足を紐で固定する。全ペアの準備が整い、スターターが銅鑼を手に取る

 

「位置について!」

 

「行くぞ!呂布!」

 

「うん」

 

「用〜意…」

 

そして銅鑼の大きい音を合図に、走り出した。しかし

 

 

「い~ち!ん……?」

 

スタート直後、華雄が外側の足を出すのと反対に、呂布は内側の足から出してしまった。そのせいでバランスを崩してしまい、転倒してしまった

 

「一と言ったら外側の足だと言ったろう!」

 

「うん…」

 

「今度は間違えるなよ…?」

 

「うん…」

 

「行くぞ!」

 

再びスタートをする

 

「いーち!ん……?」

また間違えて転んでしまった

 

「き〜さ〜ま〜!」

 

困った表情を浮かべる呂布をわなわなと震えながら睨む華雄

 

「息の合わない華雄、呂布組に対して趙雲、馬超組。どんどん差を広げていきます。これは勝負あったか」

 

「不味いわね、こうなったら…」

 

董卓軍の軍師。賈駆は爪を噛みながら、頭を捻る。すると、大声で叫びだした

 

「あーっ!大変だ〜!セキトが酷い目にあって〜いる〜!」

 

華雄と呂布は賈駆の指差した方を向く。ゴール付近に一匹の子犬、セキトがいた。しかも、何やら全身を紐などで括られている。そして、一人の少女がセキトに近づいてきた

 

「え、え〜い…この卑しい雄犬め〜、ワンと鳴け〜…」

 

赤いハイヒール、黒を基調としたハイレグという、なんともイヤらしい姿をした董卓が、手に持っている鞭をバシンッ!と地面に叩きつけた

 

「ちょっと月!かんつうカッコしているんだ!!」

 

「……おれには刺激が強すぎる」

 

翼はお面をかぶっていたのでギリ大丈夫であったが外せば気絶間違いなしである

 

「っ!」

 

その様子を見ていた呂布は、ギラリと目を光らせ、華雄を引き摺るようにして駆け出す

 

「一二一二一二一二一二一二………!」

 

「うわぁぁぁぁぁっ!」

 

「すごいすごい華雄、呂布組というか呂布選手凄まじい追い上げです」

 

そしてゴールテープに、同着でゴールインした

 

「ゴールイン!」

 

「胸の差もほとんど無いように見えましたが?」

 

「これは実行委員の裁定が待たされます!」

 

皆がゴクッと唾を飲む中

 

「結果発表です。厳正な審議の結果、同着ではありますが、華雄選手がノックアウト状態の為、関羽軍の勝利とします」

 

盛り上がる関羽軍陣営

 

「ふん」

 

「おっしゃ!!」

 

「くっ」

 

「そんな〜、こんな恥ずかしい格好までしたのに……」

 

賈駆は舌打ちをし、董卓は恥ずかしさの余り、体を抱いてその場に座り込んでしまった。呂布はセキトを抱っこして仲良く頬擦りしている

 

「短命の定めなのか……がくっ」

 

目を回して気絶した華雄は、担架で運ばれていった

 

「あ~あ、いろいろとあったね」

 

「というか月ってあんなこともできるのか」

 

「たぶん無理矢理だけど…」

 

「ちょっと声かけてくる」

 

勇作は月の方に向かった

 

「お~い」

 

「勇作さん」

 

「泣くのは後で良いから早く着替えろ!風邪ひくぞ」

 

「はい」

 

「ふう……うわ!!」

 

後ろから衝撃がくる。振り向くと

 

「恋」

 

呂布がいた

 

「恋、頑張った」

 

「うん……頑張ったね」

 

「お腹すいた。勇作、ご飯食べる」

 

「え!?いやでも」

 

「だめ」

 

ウルウルとした視線を送る

 

「……お昼なら」

 

「月達も一緒」

 

「えっ」

 

「はい」

 

「ちょっと月!!ボクは」

 

「行かないの?」

 

月もウルウルとした視線を送る

 

「わかったよ」

 

「わ~い」

 

「あははは」

 

 

「(恐怖症の割には凄いことするな)」

 

今の会話はマイクが入っていたため会場に全て聞こえていた。その時の全生徒が羨ましがり一部の生徒はそれプラス嫉妬&殺気は放っていたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

「続いて第二試合は公孫賛軍と孫権軍。競技は借り物競争。大将同士による一発勝負です」

 

開始の銅鑼が鳴った

 

「今、スタートしました」

 

机に辿り着き、お題が書かれた紙を手にする

 

「いっ!!」

 

顔を真っ青にした公孫賛

 

「学園長のワキ毛」

 

震えながら紙を見ていた

 

「っ!!」

 

孫権は探すものが見つかったのか、ある場所に向かって急に走り出した

 

「いや…これは」

 

「公孫賛殿!何をしている!早く目的の物を借りに……ん?」

 

公孫賛の軍師であるゼブラ軍師が叫んでいると、孫権がこちらに向かってくる。孫権はゼブラ軍師の手を引いて、ゴールまで走っていく

 

「な、何をする!?」

 

「おおっと、これはどうしたことでしょう!孫権選手、敵軍の軍師を借りて走り出した〜っ!」

 

「メモに(夜道で会ったら声をかけにくい人)と書いてあったのでしょうか?」

 

「一方、公孫賛選手は」

 

横を見ると

 

「さあさあ!遠慮せず思う存分抜き抜きしていいわよん!」

 

くねくねと腰をうねらせる学園長。公孫賛は思いっきり引いていた

 

「あの、その…」

 

「さあ!さあ!うらあぁぁぁぁ!!」

 

「ひいぃぃぃぃぃ〜〜!!」

 

公孫賛ダウン

 

「公孫賛選手が学園長の毒気に当てられいる内に、孫権選手がしゅう…失礼!ゼブラ軍師の手を引いてゴールイン!」

 

孫権、ゼブラ軍師はゴールテープを切った

 

「まったく、メモになんと書いてあったが知らぬが、敵軍の軍師を借りるとは非常識な…」

 

「仕方あるまい、真っ先に思い浮かんだのだから…」

 

孫権は一枚の紙を手渡す。そこには(一番信頼している人)と書かれていた

 

「それでは、気づいておられたのですね?正体が私だという事を」

 

「ええ!」

 

ゼブラ軍師はゼブラマスクを外した。その正体は、周瑜であった

 

「(いや、一部の人は知っていたと思うけど」

 

「ただいま借りたものをチェックしていますが、合格です!孫権軍の勝利を飾りました」

 

「(雪蓮、見ていますか?あなたの妹は、私が思っていたよりずっと立派に成長していたようです…)」

 

その姉はいまだにゲームをしていた

 

 

「僕らの出番全然なかったね」

 

「やっぱあれやな〜。影の薄い大将に仕えたらそれが移ってしまうんちゃうか?」

 

「私か!?私のせいなのか!?」

 

「まあ、ドンマイです」

 

そこには翼がいた

 

「あれ、兄ちゃんどうしたの?」

 

「俺は写真撮りに来ただけだよ」

 

「なあ、翼。ウチ、この後めっちゃ暇なんや!デートでもせえへん」

 

「えっ!」

 

「あー!ずるい!ボクも兄ちゃんと遊びたいのに」

 

「ウチが先や」

 

「ボクとするの」

 

「落ち着いて!」

 

この後、デートの約束(強制)しこの場を後にした。この会話もマイクが入っていたため会場に全て聞こえていた。その時の全生徒が羨ましがり一部の生徒はそれプラス嫉妬&殺気は放っていたのは言うまでもない

 

 

 

「第3試合はお昼の後、会場をプールに移して行います」

 

「璃々、大人しく待っているかしら…」

 

 

「その前に」

 

「どうしました学園長」

 

「お昼まで時間があるので、ここで借り物競争のエキシビジョンを行います」

 

 

全生徒が(ええ~~!!)と声を上げた

 

 

 

 

 

 

 

「え~突如、学園長の思いつきで始まった借り物競争のエキシビジョン!その出場選手の紹介です」

 

「学園長の祖父に持ち、過去に5万人の女子を病院送りにしたこともある…高杉勇作選手!」

 

「何で」

 

「驚異の身体能力に周りが引くほどのヒーローオタク、写真が趣味でもある…紅 翼選手!」

 

「こんなことに」

 

「二人に比べて、何の特徴もないが、誇れるものは女好き、学園の種馬である…北郷一刀選手!」

 

「なっているの?後、種馬っていうな!」

 

「「違うの?」」

 

「orz」

 

「以上が出場選手でありますが…なぜ、これをやることに」

 

「いや…ただ見ているだけでは面白くない人もいるだろうし、ちょっとした余興よ!ムフフ」

 

「そうですか」

 

 

「ごめん、こんなことになって」

 

「気にするな」

 

「そうだよ…やるからには全力を出すだけだよ」

 

「そうだな」

 

「競技を始める前に、翼選手は仮面を取ってください」

 

「えっ!!」

 

「いやでしたら、学園長からの熱いオシオキが」

 

「外します!!」

 

「も~照れなくていいのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろいろあったが3人はスタート位置に着いた。そして開始の銅鑼が鳴った

 

「………え?」

 

そして一瞬の内に勇作は剃を使って移動した

 

「嘘!」

 

「ずり!」

 

「さて……どれを選ぼうかな」

 

勇作がどれを取るか悩んでいると

 

「追いついた……これだ!」

 

翼が追いつき、お題が書かれた紙を手にする

 

「あ!…くそ、俺はこれだ」

 

勇作も手に取る

 

「やっと追いついた」

 

一刀も追いつき、手に取る。そして3人はお題をみる

 

「……え?」

 

「……これは」

 

「………うそ」

 

3人は固まる

 

「3選手固まってますね」

 

「その紙にはお題だけでなく、指示も書かれているからね」

 

「指示ですか」

 

「ええ、これは人によっては幸運間違いなしよ」

 

「……これでいいのかな」

 

「……思い浮かんだけど、これ必ずやるの」

 

「………」

 

「指示は必ずよ…やらなかったら」

 

「言わなくていいです!!」

 

「……よし!」

 

「おっと北郷選手が走り出した」

 

「決まったようね」

 

「ええい!やけくそだ」

 

「続いて紅選手も走りだした」

 

「……くそ!どうにでもなれ」

 

「そして高杉選手も走り出した」

 

「…蓮華!来てくれ」

 

「えっ!」

 

「華琳!失礼する」

 

「え?きゃあ!」

 

「翠!」

 

「うわ!」

 

「おーと、高杉選手は馬超を、紅選手が曹操を、北郷選手は孫権を連れてきた」

 

「高杉と北郷は手を繋いでいますね。紅はお姫様抱っこですか…若いわね」

 

「「「連れてきた!!」」」

 

そしてほぼ同時にゴールした

 

「さあ、この中に入ってください」

 

「え?」

 

「はあ」

 

「?」

 

「そしてこれを」

 

「なっ!!」

 

「嘘!」

 

「えっ!」

 

「さあ、お願いします」

 

それぞれ箱もとい更衣室に入って行った

 

「しかし、何の指示とお題が書かれていたのでしょう」

 

「さあ」

 

そして、しばらくして

 

「さあ、終わったようです」

 

そして更衣室から出てくる

 

「うう…なんてあたしが」

黒いゴスロリ服(真恋姫で出た)を着た馬超

 

「………」

魔法少女の服(無印恋姫に出た)」を着た曹操

 

「………一刀」

白い服(無印恋姫で一刀がプレゼントした)を着た孫権

 

 

「おお。これは」

 

「あらあら、3人とも似合っているわよ」

 

「そんなわけないじゃん…あたしがそんな」

 

「そんなことないよ!すごく似合っているし、可愛いよ」

 

「○■×▼%」

 

「翼も」

 

「うん、俺も思った通り」

 

「一刀」

 

「すごくきれい、一緒にデートでもしたいよ」

 

「そう」

 

「明日でもその服を着て、デートしない」

 

「………いいわよ」

 

 

「さて……判定は…3人とも見事合格です」

 

「合格?」

 

「さて、それではそれぞれのお題を見ましょう」

 

「紅は(魔法少女服が似合いそうな人。その人をお姫様抱っこをしてくれてくる)ですか」

 

「似合う人はすぐに思いついたけど…指示が」

 

「良く頑張ったね」

 

「やけくそ連れて来たから」

 

「続いて北郷選手は(絵に描かれている服が似合う人。着替えたらその場でデートに誘えるか聞く)ですか」

 

「まあ、すごく似合っていたし。デートって断れるかも知れなかったけど、OK貰えるとは」

 

「……私は、いつでも良いのに」

 

「姉様ばかりずるい!!」

 

「落ち着いてください!」

 

「北郷!貴様!」

 

「うっ」

 

「最後に高杉選手ですか…(ゴスロリ服が似合いそうな人。感想を一言いう)ですか」

 

「これで良かったか分からなかったけど……すごく似合っていたよ」

 

「な!何言っているんだよ」

 

「あはは……はっ!」

 

「どうしたんだ?体が震えているぞ」

 

「なんでもない」

 

と言うが実際は見聞色の覇気で関羽陣営及び一部の女子生徒から嫉妬及び殺気が感じ取ったのである。もちろん他の陣営からも勇作に向けたものではないが、嫉妬及び殺気を向けられていた

 

 

 

 

「この後、無事に過ごせるかな」

 

 

 

 

「では、改めまして午前の部は終了です!!」




北郷一刀

本家、恋姫の主人公

九州の出身で、学園長にスカウトさら入学した、性格は本家と変わらすで女好き(この世界では珍しい)である。そしてほめ言葉とじて学園の種馬と呼ばれている(本人は否定しているが)孫権とは入学初日で出会いそのまま周瑜たちと交流して、全員惚れている(一部否定しているが)。勇作と翼とは自然と友だちになり、大親友となった


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群雄、生徒会長の座を狙って相争うのこと~中編~

お昼休み

 

昼食を取るため、購買部でパンを買おうと向かった愛紗、孔明

 

「売り切れ?」

 

「はい、袁紹さんが全部買い占めちゃって…」

 

購買部員はそう説明する

 

「やられましたね…」

 

「仕方ない。今日は食堂にしよう」

 

「あ、孔明さんに頼まれたもの。用意しておきましたよ」

 

「ありがとうございます」

 

その会話を聞いて、疑問を抱く愛紗であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曹操軍では

 

「申し訳ありません!」

 

「穴子サンドの買い占め失敗しました」

 

夏侯姉妹が曹操に謝罪をしていた

 

「まさか袁紹軍に先を越されるとは」

 

「噂によると、張飛の力の源は穴子サンド。その供給を断てば戦力を削げると思ったのだけど」

 

作戦が失敗して悔いている曹操

 

「(少し舞い上がっていたのかしら…)」

 

先ほどの借り物競争のことを思い出す曹操

 

「(う~私も翼にお姫様抱っこされたかったのに)」

 

荀彧は心の中で羨ましがっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

袁紹軍では

 

「お〜ほっほっほっほ!名族袁家に不可能はありませんわ〜!」

 

大きく高笑いする袁紹の後ろには、大量のパンが山積みになっている

 

「大好物の穴子サンドをいっぱい食べて頑張ってね」

 

「すごいのだ!」

目をキラキラと光らせる鈴々

 

「いただきますなのだ!」

 

口を開けて穴子サンドを頬張ろうとする

 

『それが我儘だ!』

 

姉の言葉がふと脳裏をよぎる。その途端、暗い表情になり、一口だけしか口にしなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後半のスタートは準決勝第一試合シード組からの対決!勝ち抜き水上尻相撲です!」

 

プールの真ん中に浮いている直径約9メートルの物凄く滑りやすい台が設置され、台から落ちたら負けの競技。両軍は廻し以外は何もつけずにおり腕で胸を隠している

 

「はたして勝利を手にするのは袁紹軍か?それとも曹操軍か?」

 

堂々としている袁紹軍に対して

 

「華琳様以外に見せたくないのに~」

 

「こんなの聞いていないぞ」

 

恥ずかしそうにしている曹操軍

 

 

 

「誰だよ!こんな競技考えたの?」

 

「これはこれでいい」

 

「……」

 

実況席にいる勇作はツッコミを入れ、一刀は鼻の下を伸ばし、翼は後ろを向いて体育座りをしていた

 

「(見ちゃだめだ!見たら気を失ってしまう)」

 

仮面で見えないが顔を真っ赤にして自分に言い聞かせる

 

 

 

で試合が始まり

 

「わあぁ!!」

 

「そんな!」

 

「ぐあっ!」

 

「へっぴり腰じゃ!」

 

「きゃあ!」

 

「鈴々には勝てないのだ!」

 

鈴々が夏侯惇、夏侯淵、荀彧を続けて倒した

 

「お~と!夏場公園の噴水で水遊びをする幼女並にまったく隠すつもりのない張飛選手!羞恥心にからめとられた曹操軍の面々を次々撃破!優勝候補とされていた曹操軍。このまま一矢報いることなく敗れ去ってしまうのか!?」

 

「おーっほっほっほっほ!いい気味ですわ!ざまみろですわ!」

 

「ぐっ~こうなったら」

 

歓声が上がる

 

「なっ!なんと!曹操選手!A地区ならぬB地区に絆創膏を張っての出場です」

 

「しかし勝ち抜き尻相撲国際ルールでは、廻し以外の着用は認められないはず果たしてこれはありなのか?」

 

すると学園長が

 

「おぉけぇぇい!これはこれでエロいからしてあ~り~」

 

「良いのかい!!というか国際ルールあるの!!」

 

「俺もあり!」

 

「見ちゃだめだ!見ちゃだめだ!」

 

「学園長からOKが出ました」

 

 

「ぐ~小悪クルクル小娘め!姑息な手を」

 

悔しそうにする袁紹

 

「猪々子!斗詩!袁家に代々伝わる華麗なる白鳥の舞で士気を上げるわよ!」

 

「「はい!」」

 

張飛と曹操が戦っていると

 

「こっちを見なさい!」

 

声がした方に視線を向けると、三羽の白鳥の頭が目に写った

 

「「「そーれそーれそーれそーれっそれ!もひとつおまけにそーれっそれ!」」」

 

白鳥のまわしを着けた袁紹達がよく分からない踊りをやりだした

 

「ぷっ…くくっ……!」

 

その光景に曹操は思わず笑ってしまう

 

「あ!隙ありなのだ!」

 

それを見逃さなかった鈴々は体当たりを繰り出し、曹操はプールに落ちてしまった。

 

「えっ?きゃあっ!!」

 

「やりました張飛選手!曹操軍を完全撃破です!」

 

「おーっほっほっほっほ!袁家伝統の白鳥の舞は無敵ですわ〜♪」

 

「張飛一人にしてやられるとは、不覚…」

 

高笑いする袁紹。ずぶ濡れになりながら自分の失態を悔やむ曹操

 

「やっと終わった」

 

翼が視線を戻すと

 

「……」

 

そこには頭にたん瘤が出来ている一刀の姿が見えた

 

「それどうしたの?」

 

翼が聞くが

 

「……」

 

あまりの痛さに説明できないでいた

 

「あれ」

 

勇作が指さし翼が視線を向けると

 

「ふん!!」

 

そこには自分の陣営に戻る甘寧が見えた

 

「そういうこと」

 

「だいたい分かった」

 

「痛い」

 

鈴々は得意気に、観客席にいる愛紗ににやけ顔を見せる。彼女はむっとした表情を浮かべる

 

「少しは隠せよ」

 

 

 

「準決勝第二試合は関羽軍対孫権軍。水上騎馬戦対決です!」

 

関羽軍は、愛紗・星・馬超が馬で、孔明が騎手。一方孫権軍は、陸遜・孫権・甘寧が馬で、尚香が騎手である

 

「水上での機動力が決め手のこの競技!メンバー全員が指の間に水かきがあると噂される孫権軍が有利か!?」

 

「ないわよ水かきなんて!」

 

水上騎馬戦開始の銅鑼が鳴らされた

 

「今、開戦の銅鑼が鳴らされました!」

 

すると突然、プールサイドに二人の女の子がやってきた

 

「大喬!小喬!何やっているの?」

 

一刀が聞くと

 

「「歌います!!」」

 

騎馬戦のBGMとして歌を披露する様だ

 

 

 

「まずは水攻めにて、敵の体力を削ります。尚香様」

 

「ラジャー!」

 

陸遜の指示に従い、騎手のシャオは足で水を蹴り、関羽軍に浴びせる

 

「水で…けほっ!息が…結構、堪えるな…」

 

「ここは耐えて下さい」

 

口や目に入りそうになり、関羽軍は苦戦を強いられていた。

 

「どうした!臆したか!」

 

「なにっ!」

 

「関羽さん!」

 

甘寧の挑発に乗りかけた愛紗を、騎手の孔明が制止する。

 

「シャオ疲れた〜」

 

「頑張って下さい!」

 

だらける尚香を励ます陸遜

 

「ここかな」

 

すると音楽を止める勇作

 

「って終わらないでよ!」

 

「もっと歌わせて!」

 

「もうすぐ終わるからここまで」

 

「え?」

 

「それと翼」

 

「ん?」

 

「後ろ振り向いた方がいいぞ」

 

 

 

 

「ん?あれは…」

 

観客席から観戦していた周瑜は何かに気づいた様だ。上から見てみると、さっきから関羽軍が孫権軍を中心に、渦を巻くようにして回りをぐるぐると進んでいた

 

「もういや!」

 

「尚香様」

 

攻撃が止まった

 

「…今です!」

 

「「「おう!」」」

 

孔明の声と共に、馬である愛紗達は渦に逆らうようにして、逆方向に進みだした

 

「後ろをとられてはだめ…」

 

急に逆回転を加えたため、陸遜の豊満な胸が激しく揺れてしまい、結果

 

「え?きゃあああっ!」

 

水の抵抗に耐えきれず、水着が外れてしまった。咄嗟に両手で胸を押さえる陸遜。そのせいで土台が崩れてしまった

 

「突撃〜!!」

 

それを見計らった様に、関羽軍は孫権軍に突撃する

 

「取った~!!」

 

そして、孔明が尚香のハチマキを取った

 

「やりました!絶対不利と言われた関羽軍!胸ポロハブニングに乗じて見事孫権軍を撃破!」

 

「いいや!今のは胸ポロハブニング等ではない!」

 

周瑜が立ち上がって抗議の声を上げる

 

「相手の騎馬を旋回させ続けることにより、回りに渦を発生させ、かつおっぱいに過度の重力をかける…それを急激に反転させる事で慣性のついた大質量の巨乳を兵隊化した渦が襲い、脆弱なビキニを振り払らわせる」

 

「あの~周瑜さん」

 

「これは、古来より水上騎馬戦において巨乳ビキニはポロリの担当、という故事をふまえた非常に高度な作戦。これぞ名付けて!水計八陣!巨乳は急に止まれないの計」

 

「くっ!そうだったか!」

 

「すいません、私のおっぱいが聞き分けがないばかりに〜 」

 

「穏!!」

 

声がしたほうに視線を向けると

 

「ナイスハプニング!」

 

親指を立て、鼻血を押さえている一刀が見えた

 

「いやん!一刀のエッチ♪」

 

そういうがまんざらいやそう素振りを見せない陸遜

 

「「一刀っ!!」」

 

「北郷!!」

 

「ひぃ!」

 

「(ご愁傷様)」

 

心の中で合唱する勇作

 

「お前、こういう結果になるってわかってたの?」

 

「さあね」

 

と勇作は誤魔化すが

 

「(覇気でこうなるって見えたからね)」

 

未来視の見聞色によりこうなるって知っていたのであった

 

「(よかったかも。俺だった気を失ってたし)」

 

 

 

そして関羽軍では

 

「流石名軍師。よくやった」

 

「えへへ♪」

 

愛紗達に褒められ、孔明は嬉しそうにしている

 

「諸葛亮か、恐ろしい娘だ…」

 

諸葛亮 孔明を人知れず警戒する周公謹であった

 

 

 

 

 

次はいよいよ決勝戦



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群雄、生徒会長の座を狙って相争うのこと~後編~

恋姫OVA最終話です

では、どうぞ


「泣いても笑ってもこれが最後!この戦いで生徒会長が決まります!」

 

ついに始まる決勝戦

 

「決勝は新加入のはわわ軍師、孔明の奇策で強敵孫権軍を打ち破った関羽軍!皮肉にもその関羽軍を裏切った張飛の活躍によって勝ち上がってきた袁紹軍との対決です!」

 

「……」

 

鈴々は愛紗と視線が合うが、お互い視線を逸らす

 

「(ありゃりゃ)」

 

「競技は自由形リレー」

 

それぞれ選手が準備する

 

「袁紹軍は一か八かで袁紹軍に仕えている時点で人生負けが見えている…文醜選手!」

 

「ちょっとそれってどういう意味ですの!?」

 

「それに対するは、好物はメンマの女体盛りと噂の、趙雲選手…に代わって華蝶仮面選手!」

 

「えっ!!華蝶仮面!!」

 

翼が目をキラキラさせ、身を乗り出す

 

「うおぉ!本物だ!がんばれ~」

 

「落ち着け…翼」

 

「相変わらずのヒーロー好きだね…翼」

 

翼を押さえる勇作と苦笑いしながらツッコム一刀

 

「……はぁ~まったく翼は」

 

その様子をため息をつきながら見る曹操の面々

 

「っていいんですかね?華蝶仮面選手は関羽軍としてエントリーしてないんですが…〕

 

「いいんじゃないんですか?どうせ正体は趙う…」

 

 

しばらくお待ち下さい

 

 

(失礼しました)

 

 

「両者!いいスタートをきりました!」

 

レースが始まった

 

「バタフライなだけに華蝶仮面が有利か」

 

「関羽軍の次峰は、おしっこは漏らしても決して弱音は漏らさない!馬超選手!」

 

「余計な事言うなよ!」

 

華蝶仮面に代わり、馬超がプールに飛び込む

 

「袁紹軍、次峰!よなよなプニプニお腹を触っては溜め息をもらす顔良選手!なお趣味はムダ毛処理のことです」

 

「それは別に趣味でやっているわけじゃ…」

 

「そんなことはいいから早く!」

 

「えっ?あ、えい!」

 

文醜に急かされ、急いで泳ぐ顔良

 

「もう!なにやってますの!」

 

「うぅ…」

 

大声で叫ぶ袁紹に対し、ビート坂を持った孔明は不安の表情を浮かべる

 

「ぷはっ!頑張れ孔明!」

 

翠はタッチし飛び込む孔明。それに続いて袁紹も飛び込む

 

「おっしゃ~」

 

「おお」

 

ビート坂を使って頑張る姿を見せる孔明を見て勝ちを確信するが

 

「……」

 

浮き輪を使っている袁紹を見て、文醜は項垂れる

 

「そっか、麗羽様泳げないんだっけ…」

 

「ええ、これはこれでいい勝負ではないかと」

 

盛り上がらない実況をしていると

 

「ねぇ、お母さんは?」

 

「ちょっと、大人の事情で…」

 

黄忠先生の娘の璃々ちゃんがやってきた

 

「孔明殿!しっかり!」

 

一生懸命泳ぐ孔明を励ます愛紗

 

「あと少しだ!がんばれ」

 

そしてタッチする孔明

 

「はぁ…はぁ…」

 

「よくやった」

 

孔明を褒めプールに飛び込む愛紗

 

「……」

 

それをどこか寂しそうな眼で見つめる鈴々

 

「……」

 

その様子を見た勇作は席を立ち、ある物を取りに行く

 

「はい、タッチ……っ!!」

 

袁紹のバトンタッチで鈴々はスタートする

 

「早い!これは早い!張飛選手、関羽選手を抜き去ってさらに差を広げていきます!」

 

ロケットスタートした鈴々はどんどん泳ぐ

 

「やはり水中では水の抵抗が少ないお子ちゃま体型の張飛選手の方が断然有利のようですね〕

 

「へぇ?」

 

「なんで明確実況出来るんだよ」

 

「やっぱり黄忠先生の娘だよ…璃々ちゃんは」

 

翼と一刀はツッコミを入れる

 

「(くっ!このままでは負ける)」

 

焦る愛紗

 

「(へへ…ざまみろなのだ!このままぶちぎって愛紗を…)」

 

しかし、鈴々は動きを止めてしまった

 

「(しまった…穴子サンド一口しか食べなかったから、おへそから空気が漏れて力が…)」

 

力が入らず、鈴々は深く沈んでいく

 

「(愛紗、ごめんなのだ…鈴々が悪かったのだ……)」

 

薄れゆく意識の中で見たものは、自分に近づく大好きな姉の姿だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…鈴々!しっかりしろ!鈴々!」

 

「……愛紗?」

 

ゆっくりと瞼を開けると、心配そうな姉の顔があった。周りには同じように心配している仲間の姿があった

 

「よかった…気がついたんだな!」

 

「あれ?でも、なんで?鈴々、愛紗と勝負してたんじゃ…」

 

「途中で溺れた張飛さんを、関羽さんが助けてくれたんですよ」

 

「どうして?どうしてなのだ?鈴々の事放っておけば…愛紗の勝ちだったのに…どうして?」

 

「鈴々!本当お前は馬鹿だな!」

 

愛紗の瞳から涙が流れている。しかし、表情は笑顔だ

 

「私にとって、お前を犠牲にしてまで得たい勝利などあるものか…!」

 

「愛紗…鈴々が悪かったのだ!もう我儘言わないのだ!」

 

「本当か〜?」

 

二人は泣きながら抱き合う

 

「姉妹っていいなぁ…」

 

「確かに、少し妬けるな…」

 

馬超と星の瞳も微かに濡れていた。

 

「念のため、保健室に行くか?」

 

「大丈夫なのだ、ちょっとお腹が空いただけなのだ」

 

「張飛さん」

 

愛紗に抱っこされる鈴々。横から孔明が声をかける

 

「穴子サンドとってありますよ、後で食べてください」

 

「…孔明」

 

昼間の時に購買の人に頼んでおいた孔明

 

「孔明…色々ごめんなのだ!鈴々は…鈴々は」

 

「もういいですよ」

 

謝る鈴々を、孔明は優しく微笑む

 

「えらいぞ!鈴々」

 

仲間は笑顔で答える

 

「(……なんか場違いだな…俺)」

 

勇作がその場を去ろうとした時

 

「高杉さんもありがとうございました」

 

「え?」

 

「鈴々をスムーズに助けられたもの高杉さんのおかげです」

 

「ん?お兄ちゃんが何かしたのか?」

 

「関羽さんが張飛さんを助けた時に浮き輪を投げてくれたんです。そのおかげで素早く救助できたのです」

 

「別に大したことしてないよ」

 

「お兄ちゃんありがとうなのだ」

 

「ああ」

 

「決勝戦の判定が出ました!」

 

結果が電光掲示板に映し出される

 

「競技中に関羽選手が他のコースに入ったため、それを反則行為と見なし、失格!よって、袁紹軍の勝利とします!」

 

「ついに…ついに私たちの時代が来ましたわぁぁぁぁ!!」

 

袁紹達は抱き合って喜ぶ

 

「おおげさな」

 

「あははは」

 

そして、閉会式

 

「生徒会長戦を見事勝ち抜いた袁紹選手に、学園長から生徒会長の印字が授与されます!」

 

生徒会長の証である金色に輝く印字が渡され袁紹は喜ぶ

 

「続いて副賞として、学園長から祝福の熱〜いキスが贈られます!」

 

「え…!?」

 

「ぶっちゅうぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

「いぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

天国から地獄へ落ちた瞬間であった

 

「「「南無」」」

 

勇作、翼、一刀は手を合わせる

 

「これにて全プログラムを終了します!」

 

 

 

 

 

 

「ここにお母さんいるの?」

 

「ああ」

 

放課後、勇作は璃々ちゃんを連れて体育倉庫に来ていた

 

「黄忠先生いますか?」

 

「お母さん」

 

勇作が扉を叩き、璃々ちゃんが扉の前で呼ぶと

 

「璃々!高杉くんもいるの?」

 

黄忠先生の声が中から聞こえた

 

「お願い助けてくれないかしら…縛られて動けないの」

 

「わかりました」

 

扉を開けると

 

「……ぇ?」

 

縄できつく縛られいる黄忠先生しかもエロい縛られ方で

 

「何ですかそれは」

 

「私も気付いた時には…」

 

「誰だよこんな縛り方したの!?」

 

「さあ」

 

「もう解きますよ」

 

勇作はカッターを取り出し、ヒモを切る

 

「ありがとう高杉くん」

 

黄忠先生は解放された

 

「では、これで」

 

そしてその場後にする勇作であった

 

「お兄ちゃん」

 

「高杉殿」

 

校門の前に来ると愛紗達が待っていた。そして一緒に帰る勇作であった

 

 

翼というと

 

「よく食べるね」

 

許緒と張遼と一緒にレストランに来ていた

 

「生徒会長戦があったからね。お腹すいて」

 

「いや、競技に出てないでしょう…それと霞」

 

「なんや?」

 

「くっつぎすぎ」

 

霞は翼の右腕に抱き着いていた

 

「気にせんでええやん!細かいことは」

 

「どこがだ!」

 

その様子を後をついてきた曹操たちが嫉妬しながら見ていたことは言うまでもない

 

 

そして一刀はというと

 

「謝るからもう機嫌直して」

 

「ふん!一刀の馬鹿!」

 

「ごめん」

 

孫権達のご機嫌取りをしているのであった

 




次回から真・恋姫†無双OVAに入ります

次もお楽しみ


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真・恋姫†無双OVA
群雄、南の島にいくのこと


真・恋姫†無双OVAです

では、どうぞ


青い空、眩しい太陽の光。さざ波の音とカモメの鳴き声が耳に入ってくる

 

「ふぅ……南の島バカンス…か」

 

快晴の下、白いビーチウェアに腰かける紫苑

 

「おかあさ~ん、お腹空いた~」

 

浮き輪を持ちながら、璃々は小さなプールから上がる

 

「えっ!それじゃあ、そうめんでも茹でましょうか」

 

「うん!」

 

紫苑はさざ波の音とカモメの鳴き声がするカセットを止める

 

「私も行きたかったな…南の島」

 

紫苑と璃々の二人は、南国の島ではなく、家の広い庭にいるのであった

 

 

 

 

 

「ほえ~でっかい船だな」

 

「本当だな……」

 

聖フランチェスカ学園は今、夏休みの真っ最中だが、生徒会長である麗羽が、自らが所有している南のリゾート地へと招待したのだ

 

「それにしてもよく招待したな」

 

一刀と勇作は港で豪華客船を見ながら会話をしていた

 

「どうせ…人気取りのだと思うけど…」

 

招待を受けた生徒達は、バスで出発し、豪華客船によって南の島へと向おうとしていた

 

「おい、勇作大丈夫?」

 

「なんとかね」

 

「相変わらず夏の季節は苦手なんだね」

 

「ああ、熱中症で倒れないように気を付けるよ」

 

「それがいいよ」

 

「それにしても、翼もくればよかったのに」

 

「しょうがないよ。スタントの仕事なんだから」

 

「断ればいいのに」

 

「無理だと思うよ。特撮映画の撮影のスタントだって張り切ってたし」

 

「たしかに」

 

そんなことしていると船の汽笛がなる

 

「やべっ!」

 

「出発する」

 

二人は乗船するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜になり、招待された生徒は船内で用意されたディナーを味わっていた

 

「皆さん!この度はわたくしの招きに応じてくださりありがとうございます」

 

豪華な衣装を着た袁紹がスピーチをしていた

 

「我が袁家カンパニーが誇る一大リゾート土地、ニャンバン島ではお金は一切いりません!すべては生徒会長である私がすべて奢って差し上げますわ!島に着くまでの間、ゆっくりとつくろいでくださいね」

 

文醜と顔良が拍手と歓喜の看板を上げるが

 

「……」

 

聞く耳を持つ者は当然の如くいないのであった

 

「あの袁紹が生徒会長選で争った我らをバカンスに招くとはな…何か裏がなければいいが」

 

秋蘭は振り返り

 

「なあ姉者…どう思う」

 

「ん?んんっ!」

 

声を掛けられた春蘭は食べ物を喉に詰まりそうになるが、事なきを得た

 

「秋蘭…そう難しく考えることはなくてよ」

 

華琳が心配ないと声を掛ける

 

「相手は他ならぬ袁紹…深い策などありはしないはず。見え透いた人気取りにすぎませんわ」

 

桂花もそう言う

 

「そういうこと…だからせいぜい楽しませてもらいましょう」

 

「わかりました」

 

「でも…翼が一緒じゃないのが少し残念なところね」

 

「はい」

 

「まったく!あいつは仕事を優先するとは」

 

「そういうな、姉者」

 

「しかし」

 

「さあ、楽しみましょう」

 

そういうが、華琳達はどこかさみしい表情するのであった

 

 

 

 

 

 

 

「へックシュン!!」

 

そして翼は撮影が行われている場所で夕食を食べていた

 

「(だれか俺の噂でもしているのかな)」

 

「どうしました?」

 

「なんでもないよ」

 

「そうですか?」

 

「(まあ、伝わってればすぐ会えるだろうし)」

 

そう思いながら夕食を食べるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は船内に戻り

 

「んん~うめ~」

 

「ほんとうにおいしいのだ」

 

鈴々と翠は、バイキング形式の豪華料理を大盛りにのせ、一気に平らげていく

 

「こら鈴々…そんなにがっついてはしたないぞ」

 

愛紗は注意するが

 

「けど、そういう愛紗もお料理てんこ盛りなのだ」

 

愛紗も山盛りに料理を取っていた

 

「いや…これは」

 

「人の事言えないじゃん」

 

勇作がそういうと鈴々達は笑った

 

「あら…趙雲さん」

 

朱里は星が滝の様に流れるチョコレートフォンデュに、串で刺したメンマを入れ、そのチョコメンマをパクリと口にした様子を目にした

 

「はあああ~」

 

天に昇った様な、恍惚の表情を浮かべてる星

 

「み、見なかったことにしよう」

 

ドン引きする朱里であった

 

 

 

 

 

「汚れた皿、持ってきたよ」

 

季衣が船内のキッチンに入ってきた

 

「あと、ローストビーフの追加お願い」

 

「は~い」

 

中にいた典韋が返事をする

 

「ごめんね季衣。本当はお客さんなのに私のアルバイト手伝わせちゃって」

 

「何言ってんだよ!僕と流琉の仲じゃんか!臭いことは言いっこなし……ね」

 

「うん!!所で」

 

「ん?」

 

「兄さまはやっぱり」

 

「うん…仕事でここには」

 

「そうなんだ」

 

「元気出してよ。一生会えないわけじゃないんだから」

 

「そうだけど、兄さまに会えると思って楽しみにしてたのに」

 

「流琉……大丈夫」

 

「大丈夫だよ……ウフフフ」

 

そういって光の無い目をしながら空の中華鍋をかき混ぜる

 

「(仕事と言って別の女と会っていませんよね…兄さま…ウフフ、フフフフフフ)」

 

「(いつもの流琉じゃない!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美羽様…美羽様」

 

ここは船の貯蔵庫にある人物がいた

 

「ここじゃ…七乃」

 

一人は袁紹の従妹の袁術、もう一人はその部下の張勲であった

 

「美羽様…食料調達してきました」

 

張勲が食料をもって戻ってきた

 

「うむ…ご苦労なのじゃ。さあ早く蜂蜜水をだしてたも」

 

貯蔵庫は暑いのか袁術の顔が少し赤い

 

「それが、ただの水しか見つからなくて」

 

「もう嫌じゃ!!いくら人目を避けるとはいえここは暑くてたまらん!!外に出るぞよ!」

 

外に出ようとするが

 

「ちょっと待ってください」

 

張勲がそれを止める

 

「バカンス気分で油断している袁紹様をギャフンを言わせるために…こっそり船に乗り込んだですから…明日、島に着くまで我慢してください」

 

「おっ!そうであったな」

 

怒りに震えながら袁術は

 

「童を差し置いて生徒会長になりおって…あ奴が不意を突かれて慌てふためく顔を思い浮かべると、今から笑いがこみ上げてくるわ。くくく」

 

すると袁術の顔がだんだん赤くなり

 

「ふにゅ~」

 

その場で倒れてしまった

 

「ああ…美羽様~お気を確かに」

 

そういって袁術の顔に水を搔ける張勲であった

 

 

 

 

 

 

そうしていると

 

「おい!誰かいるか?」

 

誰かが入ってきた

 

「この声は一刀さん」

 

「主様!」

 

一刀が入ってきた

 

「誰かいないの?」

 

「(美羽様…声を出さないでください)」

 

「(なぜなのじゃ!?)」

 

「(これも作戦の為です。押さえてください)」

 

「(しかし?)」

 

「おっかしいな…やっぱり気のせいだったのかな?」

 

「何が気のせいなの?」

 

一刀の後ろから蓮華が来た

 

「うおっ!って蓮華か」

 

「何驚いているの?」

 

「ごめん…実はここに誰かが入っていくのが見えてね。誰かなって思って探しに」

 

「そうなの?」

 

「うん…けど気のせいだったかも」

 

「そう」

 

「それより蓮華はどうしてここに?」

 

「実は一刀に大事な話があるの」

 

「大事な話?」

 

「うん…実は……」

 

話そうとした時

 

「な~に~し~て~い~る~の~~~~~~~~~……」

 

「うわっ!」

 

小蓮がやってきた

 

「こんなところでお姉ちゃんと何しようとしてたの…?」

 

「小蓮…どうしてここに?」

 

「一刀の甲斐性なし!シャオがいるのにお姉ちゃんとイチャイチャするつもりだったんでしょ~!」

 

「違う…俺はただ」

 

「たまっているんでしょ?今晩は正妻のシャオがたっぷり可愛がってあげるから」

 

「ぶほっ!?何を言って…」

 

「一刀!?いつから小蓮を正妻にしたの?」

 

「誤解だ!あれは小蓮が勝手に言っているだけで……」

 

「なんですってぇ~~……」

 

「あの~二人とも…」

 

「「黙ってて!!」」

 

「(何で!?)」

 

いつの間にか修羅場となり、二人は今にもつかみ合いの喧嘩に発展しそいな兆しになる

 

「「……」」

 

「(どうしよう…?)」

 

「こうなったら…いつもの奴で決着よっ!」

 

「受けて立つわ!」

 

「(明日、朝日拝めることできるかな)」

 

そう思いながら、二人連れられその場と後にする一刀であった



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群雄、南の島でバカンスをするのこと 〜あと、ポロリもあるよ!〜(前編)

豪華料理を味わった後、愛紗達はブリッジへ涼みに来ていた

 

「いや~、食った食った!」

 

満足げにお腹を擦る翠

 

「お腹いっぱいなのだ!」

 

「って言ったそばから何食べているですか?」

 

「鈴々、お気に入りのスナック…うまいだ棒、羊の丸焼き味なのだ」

 

朱里に見せながら説明する

 

「何十種類も味のある大人気お菓子で、おまけにくじが付いて、銀の虎なら五枚、金の虎なら一枚で海外旅行が当たるのだ」

 

「うまいだ棒か……。それを見てると、姉上の事を思い出すな」

 

悲しい表情で発した愛紗の言葉を聞き、鈴々も同様の顔をする

 

「えっ!?愛紗さん、お姉さんがいたんですか?」

 

「転校生の朱里が知らないのも無理はないが…愛紗には鈴々と共に、三人で姉妹の契りを結んだ義理の姉がいたんだ。そして勇作の正妻になるはずだったお方だ」

 

「せっ正妻に!!」

 

「姉の名は劉備。鈴々と同じようにうまいだ棒が好きで、海外旅行が当たった時は本当に喜んでいたな」

 

「うん…飛行機に乗る時から水着で大張り切りだったのだ」

 

「だが、その飛行機が途中で南の海へ落ちて、行方不明に………」

 

「すみません。辛い事を思い出させてしまって……」

 

申し訳無さそうに頭を下げる朱里

 

「いや…お主が気にすることではない」

 

愛紗は無数の星が並んでいる夜空を見上げた

 

「それに、私は信じているのだ。どんな苦難に直面しても、姉上なら……のほほんとしたあの姉上なら、きっとどこかの空の下で元気に生きていると……」

 

「そうなんですか…あのもう一つ聞いて良いですか?」

 

「何だ?」

 

「さっき星さんが言っていた正妻ってのは」

 

「ああ、そのことか」

 

星は説明する

 

「勇作達が学園の生徒の中から嫁さんを探すというのは知っているな」

 

「はい」

 

「編入当時に勇作は女子恐怖症のあってか…あまり女子とも交流せず学園にも登校しなかったんだ」

 

「ああ、それにたまに来て交流しようとしてもなぜか気絶する女子が続出したんだ」

 

「気絶ですか?」

 

「そうなのだ。なんで気絶するのかわからなかったのだ」

 

「けどそんなある日、姉上が不良に襲われている所を勇作が助けてな…」

 

「その時の縁もあってか、二人は交流することになったんだ」

 

「そして私や鈴々…そして皆と出会い、次第に学校にも登校するようになったんだ」

 

「その内に皆、勇作の事を好きになっていったんだが…」

 

「劉備殿が海外旅行に行く一週間前に勇作が劉備殿に告白したんだ」

 

「告白!!何て?」

 

「貴方が好きになりました。僕の妻になってくださいってね」

 

勇作がやってきた

 

「勇作さん!」

 

「話し声が聞こえると思ったら桃香の話してたのか」

 

「すいません」

 

「気にしなくてもいいよ。それに告白したのは本当だし」

 

「それで返事は?」

 

「OKだったよ。条件付きで」

 

「条件?」

 

「愛紗達も妻にすることだよ」

 

「愛紗さん達もですか?」

 

「ああ、一夫多妻が当たり前だけど…正直に言うと桃香以外に妻を増やすつもりはなかったんだ」

 

「そうなんですか?」

 

「けど桃香は…皆で幸せになったほうがいい。私が海外旅行言っている間…愛紗達とも交流してねって言ったんだ」

 

「そうなんですか…大丈夫なんですか?勇作さん」

 

「大丈夫だよ…なぜだか知らないけど、また会える気がするんだ。だから大丈夫」

 

そういうが皆は勇作が無理して笑顔を作っているように見えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、船はリゾート地のにゃんばん島に到着した

 

「皆さん!にゃんばん島にようこそ!夏休みのひと時を南の島でのバカンスでたっぷり満喫してくださいね」

 

本島を中心に四つの小島が囲んでおり、上空から見ると、猫の肉球の様に見える。白い砂浜に透き通る綺麗な海に天気は雲一つない快晴

 

「確かに…いい天気だね」

 

「おい…大丈夫」

 

これから遊ぶって時に、勇作はあまりの暑さにダウンしていた

 

「南の島ってこんなに暑いの?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「おにいちゃん」

 

「ごめん。少し休むわ」

 

そういってホテルの入り口の近くにある冷房の効いた部屋で休む勇作であった

 

 

 

 

「わあ~綺麗な海」

 

勇作以外の学園生徒達は、砂浜でビーチウェアに腰掛けながら海を眺めたり、壮大な海で夏を楽しんだりと、それぞれ充分に満喫していた

 

「素敵ですね」

 

一刀は蓮華達と海で遊んでいた

 

「一刀…どう?私の水着?」

 

「最高!」

 

「ふん!」

 

ドガ!

 

鼻の下を伸ばしていたせいか思春に殴られる一刀であった

 

「はいっ!」

 

「やっ!!」

 

季衣と流琉はビーチバレーで遊び、白蓮は審判をしていた

 

「ふふ…重くないですか?尚香様?」

 

シャオは砂の上に横になり、大橋に胸の部分に砂山を作った

 

「うふふ…いいからもっと大きくしなさい」

 

「はい!」

 

砂で作ったとはいえ巨乳になっている姿に満足していた

 

「尚香様?気持ちいですか?」

 

視線を向けると、小橋が下半身の一部を砂山で大きくしていた

 

「そっちは大きくしなくていいの!?」

 

「はい?」

 

 

「お~ほっほっほっほ!わたくしのお城が完成ですわ」

 

麗羽達は砂を城を作っていたが、大波によって壊れるのであった

 

 

 

「華琳さま…サンオイルを」

 

春蘭はサンオイルを手にと秋蘭は4人分のかき氷をもってやってきたが

 

「桂花、上手よ。すごく気持ちいわ」

 

二人がみたのは、うつ伏せになった華琳の背中にサンオイルを塗る桂花の姿であった

 

「ありがとうございます」

 

「あん♪そこは後…」

 

ガク!

 

「姉上」

 

がっくり項垂れる春蘭。それを慰める秋蘭であった

 

「はあ~」

 

「どうしました?華琳さま?」

 

「やっぱり翼がいないと寂しいわね」

 

「……そうですね」

 

「せっかく新しい水着を用意したのに」

 

「今、着てる水着がですか?」

 

「これは別の。新しい水着はホテルの中よ」

 

「華琳さま!今すぐ着替えに!」

 

「だ~め。始めは翼に見せてから」

 

「そんな~」

 

その言葉にがっくり項垂れる桂花であった

 

「(翼…次にあったらたっぷり責任を取ってもらうわよ。うふふふ)」

 

 

 

ゾク!

 

「な!なんだ?」

 

別の場所、翼は映画のスタントをしていたが、妙な寒気に襲われた

 

「どうしました?

 

「何か急に寒気が…」

 

「風邪ですか?」

 

「体調は万全です」

 

「そうですか。気分が悪くなったら行ってくださいね」

 

「は~い」

 

「撮影はじめます!」

 

こうして撮影現場に向かう翼であった

 

 

「よ~し!行くぞぉ!それ!」

 

愛紗がフリスビーを投げると

 

「がお~」

 

鈴々がそれに犬のように向かい

 

ガブ

 

口でキャッチする

 

「えらいぞ~鈴々!」

 

愛紗が鈴々の頭を撫でる

 

「次、あたし!あたしにやらせて!」

 

翠も準備するが

 

「ガアア!」

 

鈴々が翠を威嚇すると翠も鈴々を威嚇するのであった

 

「えっえ~と…」

 

朱里はその様子に苦笑いをする

 

「当人たちが楽しいのだからよいではないか」

 

星はうまいだ棒を食べながらいうのであった

 

 

 

「ほら見て月」

 

「うふ…かわいい」

 

月と詠は海岸でカニを見ていた

 

「「ん?」」

 

すると恋が近づいてきて

 

「恋も、かわいいの見つけた」

 

そういって手にもっているカブトガニを見せる

 

「うわっ!」

 

「きゃあ!」

 

月と詠は驚き、顔が真っ青になる

 

「足がいっぱいでかわいい」

 

「すぐに返してください!!」

 

 

そんなこんなで生徒たちは遊んでいた



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群雄、南の島でバカンスをするのこと 〜あと、ポロリもあるよ!〜(中編)

「美羽様…気を付けて」

 

皆が遊んでいる頃、島の反対側の岩場に袁術と張勲がいた

 

「こっそり船を降りて泳いでくる間に随分潮に流されちゃいまいたね」

 

「のお七乃…お主が選んだこの水着、ちょっとワイルドすぎやせんかの」

 

二人とも紫色の派手な水着を着ていた

 

「何言っているんですか…このジュウシーでポーリーな所がいいんじゃないですか」

 

「ふむ…そんなもんかの……っでこの後どうするのじゃ?」

 

「そうですね…とりあえず見つからないようにジャングルを通ってビーチまで行きましょう」

 

「うむ」

 

こうして二人はジャングルの中に入っていた

 

「…あれ?」

 

そしてその様子を見ていた者がいた

 

「あれは袁術と張勲じゃないか…何でこんな所にいるんだ?」

 

翼がいた。声を掛けようとしたが

 

「撮影の続き始まりますよ」

 

スタッフにそう言われその場を後にするのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フリスビー見つかりませんね」

 

同じ頃、愛紗達もジャングルの中にいた

 

「こっちの方に飛んでったと思ったんだけどなぁ」

 

無くしたフリスビーを探していた

 

「全く…お前が馬鹿力で投げるから」

 

「愛紗が思いっきり投げろって言ったのだ!!」

 

「だからって見当外れの方向に投げる奴があるか!?」

 

二人が喧嘩をしていると

 

「みんな動くなっ!」

 

突然、星が叫んだ

 

「星、どうしたの?」

 

「何かが……何かが近づいてくる」

 

低い声で答える

 

「熊!?」

 

「虎!?」

 

「猪!?」

 

「ミツユビナマケモノ!?」

 

「いや違う……この気配は……メンマ好きの熟女美人だ!」

 

「私はどちらかというと、ザーサイの方が」

 

探し求めていたフリスビーを手に持ちながら現れた探検服を身に付けていた女性

 

 

「鈴々のフリスビー!」

 

「水鏡先生!」

 

「あら、朱里!」

 

「お久しぶりです!」

 

朱里が前に通っていた学校の恩師の水鏡が現れた

 

「そうですか…皆さんはバカンスでこの島に来られたのね」

 

「はい!生徒会長の袁紹殿の招待で」

 

近くにあった木に腰掛け、事情を説明する

 

「先生はどうしてこの島に?」

 

「実は、このにゃんばん島にはある伝説があって、それを調べているの」

 

「伝説?」

 

「ええ。最近発見された碑文に(ニャンバン族の王が頭上に頂く三つの星を手に入れし者。必ずや大いなる力を得るであろう)と書かれてあったのだけれど、それ以外に手掛かりとなる資料がほとんどなくて……」

 

「そんな伝説が…」

 

「それで、ちっとも研究が進まないので、思いきってこの島に来てみたの。ここでニャンバン族の人達を探して、古くからの言い伝えを聞けば何か分かるかもと思って」

 

ため息をつき、落胆しらがら説明をする水鏡

 

「でも…肝心のニャンバン族が中々見つられないの。ジャングルの奥地で暮らしていて、あまり人前には姿を現さないと聞いていたから、そう簡単にはいかないとは覚悟していたのだけれど……」

 

すると、鈴々が不意に立ち上がった

 

「だったら、一緒に探してあげるのだ」

 

「えっ!」

 

「そうだな。大事な仲間の恩師が困っているのだ。見捨ててはおけまい」

 

「ようしっ!そうと決まれば早速出発だ!」

 

「でも、闇雲に探すより、ここは一つ、袁紹に話を聞いてみてはどうだ?あ奴は…毎年ここへバカンスに来てるみたいだし、もしかするとニャンバン族の居場所について何か知ってるかもしれんぞ」

 

「そうですね。私もそれがいいと思います。先生!それでいいですよね」

 

「ええ」

 

「では、ビーチに戻るとするか。勇作の体調も良くなっているかもしれないし」

 

「勇作ってもしかして高杉さんのことかしら」

 

「そうですけど…」

 

「知っているのですか?」

 

「ええ、朱里からの手紙で」

 

「そうなんですか」

 

「ニャンバン伝説か…面白くなってきたぞ」

 

一行は、ビーチへと戻る事にした

 

「(どんな人物かしらね…未来の朱里の旦那さんである高杉勇作さん)」

 

 

その勇作はというと

 

「へっくしゅん!!」

 

「どうしたの?」

 

まだ調子が戻らずにいた。隣には一刀もいる

 

「いや、誰か俺の事…噂していると思った」

 

「どうせ…愛紗達が心配しているんだろう」

 

「そうかな」

 

「それより一刀…その頭のたん瘤は…」

 

「思春に」

 

「…言わなくていい」

 

「ありがとう…俺、嫌われているのかな」

 

「それはないから安心しろ」

 

「そうかな……それより大丈夫?」

 

「何とかね……それにしても暑すぎだよ!冷房掛けているのに」

 

「無理しないなよ」

 

「ああ」

 

そう言って目を瞑る勇作であった

 

 

 

 

 

 

場面は戻り

 

「美羽様、聞きました?」

 

「うむ、聞いたのじゃ」

 

先ほどの会話を盗聴していた袁術と張勲が近く茂みの中から出てきた

 

「どうします?」

 

「当然、妾がその三つの星とやらを手に入れて、大いなる力で麗羽姉様をぎゃふんと言わせてやるのじゃ」

 

「は~~い」

 

出発する袁術と張勲

 

「…って、出発したのはいいものの、何かあてはあるんですか?」

 

「細かい事は気にするでない。こうして歩いておれば、その内なんとかなるのじゃ。ほれ、犬も歩けば穴に落ちるというであろう?」

 

「それは穴に落ちるじゃなくて、棒にあたっあぁぁ!!」

 

と訂正する前に、主共々落とし穴に落ちてしまった

 

「ほれ、穴に落ちるでよかったであろう?」

 

袁術がそう言うが、張勲は目を回している

 

「ひっかかったニャ!」

 

南蛮の衣装を身につけた三人の少女が上から覗いてきた

 

「獲物ニャ」

 

「けど、ちっこい方はあんまりお肉がついてなさそうで、マズそうなのニャ」

 

「こりゃあ!妾に向かってマズそうとは何事じゃ!」

 

袁術は怒りを露にする

 

「美羽様、怒る所が違ってますよ…」

 

「むっ、そうであった」

 

張勲に宥められ、落ち着きを取り戻す袁術

 

「オホン…貴様ら!名門袁家の真の正統後継者たる妾をこの様な目にあわせるとは、言語道断!胴体切断!螺旋階段じゃ!ただでは済まさぬから覚悟せい!」

 

堂々した振るまいに、三人はビクッ!とし姿勢を正す

 

「獲物のくせになんか怒ってるけどどうするニャ?」

 

「あのちっこい方、イバりんぼな所がなんか大王しゃまそっくりなのニャ」

 

「もしかしたら大王しゃまと同じくらい偉い人かもしんないニャ」

 

「だったらうっかり食べたら怒られちゃうニャ~」

 

「どうするニャ?どうするニャ?」

 

「とりあえず大王しゃまの所に連れてくにゃ。どうするかは、大王しゃまに決めてもらうにゃ」

 

「それがいいにゃ」

 

ヒソヒソと相談する三人であった

 

 

 

「美羽様…やたらニャーニャー言っている所を見るとどうやらこいつらがニャンバン族のようですね」

 

「そのようじゃの」

 

大王しゃまに決めてもらうために袁術と張勲を連れて移動する三人

 

「好都合にもなんか王様の所に連れて行ってくれるみたいですよ」

 

「んま…童がビシッといえばこんなもんじゃ!相手は何と言っても所詮はどう…んっ」

 

「原住民ですよ!原住民!いくら美羽様でも言って良いことと悪いことがあります!」

 

後ろから手で袁術の口を押える張勲であった

 

 

「あっ!新入りニャ」

 

しらばく歩いていると前方から同じ南蛮衣装を身に付けた桃色の長髪の美少女がやってきた

 

「新入りどこいくニャ?」

 

「晩御飯のおかずに、川に魚を獲りに行こうと思って」

 

モリを見せらながらそう言う

 

「皆さん…狩りはどうでした?」

 

「獲物…獲れたニャ!」

 

「けど獲物かどうかわからないから、大王しゃまに見せに行くニャ!」

 

「そうなんですか」

 

「魚いっぱい獲ってくるニャ!」

 

「は~い」

 

そう言ってすれ違い、袁術と張勲はその後ろ姿をも送るのであった

 

「あ…でも大王様は今。お昼寝中だから起こすご機嫌斜めかも

 

そのことを思い出し止まる少女

 

「それに、なんか今日この島に私の大好きな匂いはするんだけど………まさかね」

 

そう思いながら漁に向かうのであった

 



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群雄、南の島でバカンスをするのこと 〜あと、ポロリもあるよ!〜(後編)

そして、その砦へと辿り着いた

 

「苦しゅうない、面おもてを上げるのニャ」

 

袁術と張勲は、下げていた頭を上げる

 

「あっ」

 

玉座に座っていたのは、袁術も同年代と思われる少女の孟獲

 

「美以が南蛮族の王、孟獲ニャ」

 

孟獲の頭の上に一匹のタコがおり、タコの触手に、赤・青・緑色の宝石が埋め込まれた指輪がはめられていた

 

「(美以様…頭の上を見てください)」

 

「(ん?…おぉ!あれが伝説の…)」

 

目的のものと思わしき物を見つけ、袁術と張勲は小声で話し合う

 

「何をこそこそと話してるニャ」

 

「な、何でもありませんです…はい」

 

「こっちの話ですなのじゃ!」

 

慌てて返事を返す二人

 

「まあいいニャ」

 

頬杖をつき

 

「それより一体何の用なのニャ。美以の昼寝を邪魔した以上、つまらぬ事だと承知しないニャ」

 

「何を言うておるのじゃ!そっちが勝手に…っ!?」

 

慌てて袁術の口を押える張勲

 

「美羽様、考えがあります。ここは私にお任せを」

 

「何にゃ…またヒソヒソ話か?」

 

「あ…いえ…」

 

袁術を宥めると、孟獲と向き合う

 

「実は私達、偉大なる大王様のお噂を常々耳にしておりまして、冥土の土産に一目お姿を拝見したいと、遥々訪ねてきた次第であります」

 

「ほお…」

 

「ありがたくも、こうしてご尊顔を拝させて頂き、感謝感激雨霰!」

 

おだてに弱いのか、不機嫌だった孟獲の表情がどんどん緩み始めていく

 

「そこで、ニャンバン族の皆様は歌がお好きなご様子。もし宜しければ、お礼として一曲歌わせていただければと思うのですが」

 

「うむ、美以達は歌が大好きなのニャ!

 

「「大好きにゃ!」」

 

「一つ歌ってみるがよい」

 

「はい、それでは」

 

一呼吸置き、張勲は歌を披露する。その美声は、森の奥まで響き渡った

 

「いい歌だニャ…」

 

「なんだか胸がポカポカしてくるニャ」

 

「気持ちいいニャ」

 

その歌が子守唄となり、孟獲を含めた猫娘三人組が夢の中へと旅立っていった

 

 

 

「美羽様、美羽様」

 

その事を確認すると、張勲は眠ってしまった袁術を起こす

 

「う~ん、妾はまだおねむなのじゃ……」

 

「って…美羽様まで寝ちゃったら駄目じゃないですか」

 

「むっ、そうであった」

 

「うむ!」

 

「さあ、あれを持ってずらかりましょう」

 

張勲は孟獲の頭上に居座るタコをそのまま持ち去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、ここまで来れば大丈夫じゃの……」

 

「はい!」

 

にゃんばん族の住み処から遠ざかり、浜辺まで逃げてきた二人

 

「美羽様、やりましたよ!」

 

「うむ!早く指輪を寄越すのじゃ!」

 

「はい!ただいま!」

 

「はよ!はよするのじゃ!」

 

「はい!手を足してください」

 

張勲は指輪を取り出すと、それを袁術に手渡す。用済みと言わんばかりに、たこは後ろへと投げられた

 

「ニュッ!?」

 

目を覚ますタコ。赤くなった頭を撫でながら、三つの指輪がないことに気づく

 

「ニュッ!!」

 

すると、タコは怒りの表情を浮かべ、体がみるみる内に大きくなっていく

 

「不思議ですね…サイズがぴったり」

 

そうとは知らずの二人

 

「どうじゃ!童に相応しい輝きじゃと思わんか…」

 

「はい!豚に真珠!サルに玉璽とはこのことかと」

 

「そうであろう!そうであろう!も~とほめてため」

 

ツンツン

 

後ろから何かに突かれる

 

「はい?」

 

「ん?」

 

そこにいたのは巨大なタコの化け物であった

 

「「ぎゃああああぁぁぁ!!!」

 

悲鳴を上げる二人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれは……!?」

 

少女は悲鳴が聞こえた方に視線を向けると、巨大なタコの化け物が赤い触手を振るい、暴れまわっているのが見えた。

 

「島の守り神様!」

 

少女はそう呟くと、タコの化け物がいる方向に向かっていった

 

 

 

「……」

 

公孫瓚がくつろいでいると、悲鳴のような声がきえてきた

 

「ん?」

 

袁術と張勲が砂煙を舞い上げながら逃げるように走ってきた

 

「うわっ!」

 

二人が逃げてきた方に視線を向けると、タコの化け物が見え、その場から逃げる公孫瓚

 

 

「尚香様」

 

孫権達がビーチバレーで遊んでいると、袁術と張勲と公孫瓚が逃げてきた

 

「ん?」

 

後ろを振り向くと

 

「ニュニュッ!」

 

巨大タコが触手を伸ばす

 

「あっ!……何っ!?」

 

タコは触手で甘寧の水着を奪い取る

 

「ニュニュッ」

 

「こら~返せ!!」

 

タコは次に孫権の水着を奪い取る

 

「きゃあぁぁぁ!!」

 

「ニュニュッ!!」

 

巨大タコは次々と女子生徒の水着を奪い取っていった

 

 

「だめ~~って璃々!!」

 

「えへ」

 

黄忠も家で娘に水着を奪い取られるのであった

 

 

 

 

 

海辺の店に戻ってきた愛紗達は、袁紹にニャンバン族の話を聞く

 

「私達も、ニャンバン族の事はあまり……」

 

「そうですか……」

 

しかし、これといった情報がなく、手がかりは掴めなかった

 

「外が騒がしいな」

 

外の方から大音が聞こえてきた

 

「何かあったのか?」

 

怪訝に思い、外に出る一同

 

「やらしいタコ」

 

「出番や!おい!華雄!出番やで!」

 

巨大タコによって水着を奪われ、女生徒達の素肌が晒され、悲鳴が上がり、まさにカオスな状態

 

 

「これは?」

 

「私のビーチで何をやってますの!?」

 

「麗羽姉様、助けてたもぉ……」

 

「あら美羽さん、どうしてここに?それにジューシーでホーリーな水着は?」

 

「そんな事はどうでもよいのじゃ!それよりタコが指輪で巨大化怒ってるのじゃ」

 

「「「は?」」」

 

袁術の答えに理解出来ず、頭上に?マークを浮かべる

 

「島の守り神は、聖なる三つの石を奪われ、怒っています」

 

すると、密林の奥から一人の少女が歩み出てきた

 

「姉上!?」

 

「桃香お姉ちゃん!」

 

愛紗と鈴々は同時に驚いた

 

「あら愛紗ちゃん、鈴々ちゃんも」

 

彼女こそが行方不明となっていた、劉備なのだ

 

「あらではない!あらでは!!」

 

「一体今までどうしてたのだ?」

 

「実は私…飛行機が落ちた後、この島に流れ着いて、にゃんばん族の人達に助けられたの。にゃんだかとっても気が合っちゃって、居心地がいいものだから…つい」

 

「ついって……」

 

「あはは」

 

呆れながら、姉の無事を喜ぶ二人

 

「あのぅ、お取り込み中の所、申し訳ないのですが……」

 

張勲の指差す先には、巨大なタコがいた

 

「お~い!ほかの皆は脱がしておいて、なんで私だけスルーなんだ!おっぱいが残念だからか!?えっ!おい!何とか言え!!」

 

公孫瓚はタコに文句を言うが、触手ではじかれた

 

「こ、これは返すのじゃ……。だから許してたも……」

 

おずおずと袁術は指輪を返そうとする

 

「ニュッ!!ニュッ!!ニュッ!!」

 

しかし、タコが大きく威嚇。それに怯えてしまい、張勲に抱きつく袁術

 

「我が身より、島の宝を抜き去りし罪。万死に値する。愚かな人間共に、同じ屈辱を味わわせるまでは、我が怒りが収まる事はないだろう……と言っています」

 

「そうか!それで人間が身に纏っている水着を抜き取って周っているのね」

 

「ただのエロダコじゃあなかったんだ」

 

「ニュッ!!ニュッ!!ニュッ!!」

 

「誰がエロダコかぁっ!?……と言っています」

 

「こうなったら私が出るしかないな」

 

その様子を、物陰から星は観察していた

 

「デュワッ!」

 

星は蝶を彩った目元だけの仮面を取り出し、掛け声と共に、それを目に装着。すると、みるみる大きくなり、大ダコとほぼ同じ大きさの巨人となった

 

「あれは!」

 

「ウルトラ変態仮面なのだ!」

 

「ウルトラ変態仮面ではない!ウルトラ華蝶仮面だ!」

 

「っと言っていますげど…あれってアリなんでしょうか?」

 

「いや、アリというかナシというか……」

 

「けど…なっちまったもんはしょうがねんじゃねーの」

 

「ああ!ウルトラ華蝶仮面様!!」

 

劉備は目を輝かせる

 

「(嘘!あれは!!)」

 

同じころ、ある場所に向かっていた一人の人物もその姿を見えて、急いでその場所に向かう

 

「ヘアッ!」

 

ウルトラ華蝶仮面は果敢に立ち向かっていった

 

「ん?」

 

するとタコは触手でウルトラ華蝶仮面を拘束する。すると胸の一部が聞いたことのある音と共に点滅しだした

 

「何ですのあれ?胸の所が光ってますけど」

 

「もうすぐ達するんじゃ!?」

 

「ただの時間切れでしょう」

 

顔良の指摘に顔を真っ赤にする朱里

 

「知力36が勝った」

 

そして水着を剥がされ、あえなく撃沈

 

「負けちゃったのだ」

 

「無念……!」

 

「ニュニュッ!!」

 

タコは触手で他の生徒の水着を奪い取ろうとした、その時

 

ザク!!

 

「ニュッ!!」

 

巨大タコの触手が切られた

 

「ニュッ!!ニュッ!!」

 

「誰だ!触手を切ったのは?……と言っています」

 

全員が視線を向けると

 

「………」

 

海辺の店から勇作が出てきた

 

「あれは!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「あは!勇作さん」

 

勇作の姿を見た劉備は勇作に近づく

 

「勇作さん!久しぶり!」

 

声を掛けるが

 

「……」

 

何の反応もない

 

「あの勇作さん」

 

劉備は手を伸ばすが

 

「剃」

 

シュ!

 

一瞬でその場から消える

 

「……」

 

そして巨大タコの前に立つ

 

「ニュッ!!」

 

タコは無数の触手で勇作に襲い掛かるが

 

「紙絵」

 

紙の如くひらりとすべて触手の攻撃をかわす

 

「ニュッ!!」

 

今度は触手で勇作を叩きつぶそうと高く上げるが

 

「嵐脚」

 

凄まじい速度で脚を振り抜き、鎌風が起こり、触手を切られる

 

「ニュニュニュッ!」

 

今度は触手を森の方に伸ばし、一本の木を引き抜く

 

「ニュッ!!」

 

タコはその木を使って、勇作を殴りかかる

 

「鉄塊」

 

全身に力を込める。すると木が粉々に砕けた

 

「……もう終わりか」

 

勇作は巨大タコに近づく

 

「勇作さん」

 

劉備は勇作に声を掛けるが

 

「無駄だよ」

 

奥から一刀が出てきた

 

「あまりの暑さで、熱暴走しているんだ!勇作は」

 

「そんな!?」

 

「……」

 

「ニュッ!」

 

覇王色の覇気を発動しているのか巨大タコは、涙目になりながら後退する

 

「覚悟しろ」

 

足を思いっきり後ろに上げる

 

「らん…きゃ…くう」

 

と思ったら糸が切れたみたいのその場に倒れる勇作

 

「勇作!」

 

「お兄ちゃん」

 

「勇作さん」

 

あまりの暑さについにダウンする勇作であった



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群雄、南の島でバカンスをするのこと 〜あと、ポロリもあるよ!〜(完結編)

真・恋姫OVAの最終回です

では、どうぞ


「ニュッ?」

 

巨大タコは突然倒れた勇作に恐る恐る近づく

 

ツンツン

 

触手でツンツンする

 

「まずい!このままじゃ勇作が危ない」

 

「でも…どうすれば!?」

 

「もう…終わりなのじゃ」

 

「何か打つ手はありませんの?わたくしのビーチが台無しですわ」

 

解決策が見つからず、歯痒さを感じていると、

 

「強き絆で結ばれた三姉妹が、三つの星に願いを込める時、大いなる力への扉が開かれる」

 

語りかける様に、水鏡は呟いた

 

「先生、それは……?」

 

「古文書に書いてあった伝説の一説よ。恐らく三つの星とはこの指輪の宝石の事」

 

「それじゃあ……」

 

「ええ、望みはあるわ」

 

水鏡は、掌の上にある指輪を見つめる

 

「小蓮!!

 

「蓮華姉様!!」

 

二人は手をつなぎ

 

「強き絆で結ばれた三姉妹とは、まさしく我らのこと…必ずや大いなる力への扉が開くことができるはず」

 

「駄目です!蓮華様」

 

周瑜がそれを止める

 

「どうして?」

 

「雪蓮は……もう」

 

悔しそうに手を握る

 

「「あっ!?」」

 

 

 

孫権の姉の孫策はというと

 

「ぷはっ!!やっぱ働いてない後の一杯は最高よね。さてと今日のクエストは?」

 

家でお酒を飲みながらネットゲームをしているのであった

 

 

「そうか…姉様はもう……」

 

孫権は両膝を着き、悲しみに暮れる

 

『まだ生きているわよ!!』

 

 

「だったら鈴々達がやるのだ!」

 

「待て鈴々。姉妹とは言っても、私たちは姉妹の契りを交わしただけで、血の繋がりは……」

 

「なに言ってるのだ!鈴々達の絆は、血の繋がりなんかに負けないくらい強い筈なのだ!だから絶対大丈夫なのだ!」

 

「いや、だが……」

 

「愛紗ちゃん」

 

隣から、桃香が静かに語りかける

 

「やっても出きるかどうか分からないけど、やらなかったら絶対出来ないよ。だから、やるだけやってみましょう?」

 

「姉上………よしっ!一つやってみるか!」

 

「そうこなくっちゃなのだ!」

 

三人は指輪を受け取り、それを自らの指に嵌めた

 

「「「………」」」

 

三人は強く願う。その想いに呼応するかの様に、眩い光が三人を包み込む

 

「「「……」」」

 

やがて、光は晴れていった

 

「愛と呑気のピーチレット!」

 

赤色の大きなリボンを付け、ピンクのバトルドレスに身を包んだ桃香

 

「揺れる黒髪!ピーチブルー!」

 

こちらは青系統を基調としたバトルドレス。身軽さが強調され、愛紗は着こなしていた

 

「緑色だけどカレー好き!ピーチグリーン!」

 

鈴々は黄緑色で、二人とほぼ同じデザインで大きなハンマーを武器として所持している

 

「「「三人揃って、ピーチガーデンシスターズ!」」」

 

神々しい後光を浴びる一同

 

「これが…大いなる力」

 

伝説を目にし感動する水鏡

 

「ブルー!グリーン!行くわよ!」

 

「おう!」

 

「なのだ!」

 

戦闘が始まる……と思ったら

 

「ちょっと待てぃ!!」

 

3人はその場に止まる。そして全員が声がしたほうに視線を向けると

 

「戦う前に祝わせてもらう」

 

そこには、白の半袖と黒の半ズボンを身に付け、左手に白色の拡声器を持った翼がいた

 

「翼!!なんでここに!?」

 

一刀が翼に聞くが

 

「そんなもん後だ!」

 

翼は右手を上げ、拡声器に向かって言う

 

「祝え!大いなる力への扉が開かれ、にゃんばん島に平和を齎す伝説の三姉妹!その名もピーチガーデンシスターズ!三つの星と三姉妹が起こした奇跡の瞬間である」

 

高らかに宣言するが、微妙な空気になる

 

「……あっ」

 

桃香はすぐに巨大タコの方に視線を向ける

 

「「ブルー!グリーン!改めて行くわよ!」

 

「お、おう!」

 

「わかったなのだ!」

 

大勢が見守る中、三人は散開して巨大ダコに立ち向かっていく

 

「ブラウンブリザード!」

 

レッドが技を放ち、茶色の大洪水が大ダコを襲う

 

「これは…米糠?」

 

「なるほどね…生タコを調理する時、米糠で揉むと滑りが取れるのよ」

 

華琳がそう説明する

 

「ラディッシュハンマーなのだ!」

 

手持ちのハンマーで、タコの脳天を叩き割るグリーン

 

「そして大根で叩くと身が柔らかくなる」

 

「たんぱく質分解酵素…ジアスターゼの働きね」

 

詠と月が解説する

 

「ということは…」

 

「煮るときには…炭酸水で!」

 

冥琳がそう言うと

 

「バブルシャワー!」

 

両手から繰り出されたブルーの必殺技。澄んだ大水流を浴び、大空へと消えていった

 

「……」

 

恋が海岸で座っていると

 

「…?」

 

頭に何かが当たる。そして視線を向けると

 

「キュー」

 

タコが目を回していた

 

「…可愛い」

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

しばらくして横になっていた勇作が目を覚ます。どうやら海辺の店の中の休憩室にいるようだ

 

「あれ?いつの間に寝たんだ?」

 

「…あっ!気が付いた」

 

視線を上に向けると

 

「えっ?桃香!!」

 

ビックリして身を起そうとする。どうやら桃香の膝の上で寝ていたららしい。いわゆる膝枕ってやつ

 

「駄目!!」

 

それを止める桃香

 

「無理しないで…さっきまで倒れていたんだがら…」

 

「……あ」

 

勇作はその時のことを思い出す

 

「そうだ…暑いから飲み物を買いに行こうとしたら間違って倉庫に行ってから……駄目だ、その後の事が思い出せない」

 

「相変わらず夏に弱いね」

 

「でもなんで桃香が?」

 

「実は……」

 

桃香は勇作に説明する

 

「…というわけなの」

 

「おい……それはないだろう」

 

「ごめんね」

 

「…………でも無事でよかったよ」

 

「勇作」

 

「ねぇ…もう少し休んでいい?」

 

「うん…いいよ」

 

そう言って目を閉じる勇作であった

 

「……」

 

その様子を扉の隙間から愛紗達が覗いていた

 

「………」

 

「愛紗よ…気持ちはわかるが今は」

 

「わかっている。わかっているが…」

 

嫉妬が抑えられず光の無い眼差しで二人を見つめる愛紗。その様子に皆、若干おびえる一同

 

「なんかすごいことになっているね」

 

翼がそういう

 

「それはこっちのセリフよ」

 

華琳達が翼に詰め寄る

 

「ど、どうしたの?」

 

「どうしたのじゃないわよ!!説明してもらうわよ」

 

怒りのオーラを纏った華琳が仁王立ちで見下ろしていた。春蘭たちも同様のようだ

 

「はっはい!」

 

あまりの迫力に正座をする翼

 

「なんでこの島にいるの?」

 

「本来の撮影場所が使えなくて、急遽この島で撮影することになって」

 

「なんで教えてくれなかったの?」

 

「時間がなかったんだ。許可を得た時のは、すぐに撮影しないと間に合わないから……けど」

 

「……けど?」

 

「撮影が終わったら、俺も参加するって袁紹に……っておい!袁紹というか生徒会長!」

 

翼は袁紹に視線を向ける

 

「俺、頼んだよね。遅れるけど俺も参加するって…それを華琳やほかの皆に伝えてくれって」

 

「そ…そうだったかしら…そんな事、覚えなんてありませんわ!」」

 

しらばっくれる袁紹

 

「嘘つけ!これを聞いてもまだそんなことが言えるのか」

 

翼はポケットからボイスレコーダーを取り出し再生ボタンを押す。そこには島での撮影を許可するやり取り。そして翼が袁紹に遅れるけど参加する…このことを華琳やほかの皆に伝えてほしいとお願いするやり取りがばっちり録音されていた

 

「……これが証拠」

 

停止ボタンを押す翼

 

「念のため録音していたけど…まさか伝えていないとは……」

 

「こ、これは捏造ですわ!私を陥れよう……」

 

「……麗羽」

 

とてつもない殺気に気付いた袁紹はその方向に視線を向ける

 

「ひぃい!?」

 

光の無い目で袁紹を見る華琳達。それを見た袁紹は顔面蒼白になる

 

「ちょっとこっちでオ!ハ!ナ!シ!しましょう」

 

「あの華琳さん…これから予定が」

 

その場から逃げようとする袁紹

 

「春蘭!秋蘭!」

 

「「はい!!」」

 

逃げないように挟み撃ちする春蘭と秋蘭。袁紹の腕を掴む

 

「桂花……荷物置き場にある例の物を」

 

「御意」

 

桂花は道具を取りに行く

 

「さあ、逝きましょう」

 

「誰かお助けてください!!」

 

というが誰も助けず、連れていかれる袁紹であった

 

「……行っちゃった」

 

「…兄さま」

 

「ん?」

 

翼が視線を向けると

 

「流琉!久しぶり!」

 

「はい!」

 

「ごめんな、こんなことになって」

 

「大丈夫です。それよりお腹、空いていません?料理作りますけど」

 

「空いているけど……もうすぐ撮影再開されるからあまり時間ないけど」

 

「問題ありません」

 

「じゃあ…お願いするよ」

 

「はい!!」

 

時間がないが楽しみに待つ翼であった

 

「よかったよかった」

 

安心する一刀

 

「一刀」

 

蓮華が一刀に声を掛ける

 

「まだお昼まで時間あるけど、遊ばない」

 

「蓮華姉様ずるい!一刀…シャオも」

 

「一刀さん」

 

「北郷…」

 

「よし!皆で遊ぶか」

 

一刀は蓮華達とビーチにむかうのであった

 

 

「(こうして、危機を脱した私達は、にゃんばん族に指輪を返し、過ちを許してくれた彼女達と、残りのバカンスを共に楽しく過ごしたのでした)」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

一部の例外は存在するが

 

「(そして今日、研究の為、島に残る水鏡先生に別れを告げ、帰路につくことに…あと守り神がどうなったのかと言うと)」

 

「実はここにいる」

 

恋が保護しており、ひと悶着あったが…思い出に残る旅行であった




次回から真・恋姫~乙女大乱~OVAに入ります

次もお楽しみ


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真・恋姫†無双〜乙女大乱〜OVA
群雄、学園祭の準備をするのこと(前編)


真・恋姫†無双〜乙女大乱〜OVAです

では、どうぞ


 

秋の深まる季節

 

「おお…これは…」

 

桃香、愛紗、鈴々は聖フランチェスカ学園内にある大浴場に来ていた

 

「広~い!」

 

「すごいのだ」

 

風呂場にはほかにも、蓮華達や華琳達と麗羽達も居る

 

「これは寝湯ですね」

 

「こっちは死海風呂ですよ」

 

大浴場だけあって、いろんな風呂があった

 

「いろんなお風呂があるね」

 

「全部入るのだ!」

 

はしゃぐ桃香と鈴々

 

「おいおい…走ると危ないぞ」

 

その様子を見て注意する愛紗

 

「学園のシャワールームを大浴場に改装するなんて…袁紹、貴方もた・ま・に・は・いいことするじゃない」

 

別の風呂では華琳達と麗羽達が入浴していた

 

「お~ほっほっほっほ!曹操さんもやっとわたくしの偉さがお分かりになったようですわねぇ」

 

麗羽の態度に一同は苦笑いする

 

「あら…ちょっと湯気が濃くありませんのこと」

 

湯気がたくさん出ていることを気にする麗羽

 

「そっすね」

 

「陳琳さん、換気扇を回してきてくださらない」

 

「はい」

 

陳琳は換気扇のスイッチを入れる

 

「うん…これで湯気スッキリ!」

 

そして湯気が晴れていった

 

「流石生徒会長!」

 

「これで学園に苦情の電話も来ませんね」

 

「湯気の苦情って?」

 

「誰から来るんだ?」

 

「所で袁紹…そろそろ学園祭が近いけど、貴方たちは何をするか決まったの?」

 

華琳が聞く

 

「私たちは素敵な企画を考えたわよ」

 

「もちろんとびっきりの出し物を計画してましてよ」

 

堂々と言う麗羽。その後ろで斗詩は複雑そうな顔をする

 

 

「何だこれ!!」

 

その時、右の壁の方から声が聞こえた

 

「どうしたんだよ?」

 

「どうしたもないよ!すごい湯気だよ」

 

どうやら隣の浴場からの声だ

 

「この声は?」

 

「お兄ちゃんの声だ!」

 

「それに一刀の声も」

 

声に気付いた鈴々と蓮華

 

「お兄ちゃん…どうしたのだ?」

 

「風呂に入ろうとしたけど、すごい湯気に驚いただけだよ」

 

「換気扇回っているのか?これ…」

 

「回してくるよ」

 

「俺も行くよ」

 

そういうと二人はその場を後にするのであった

 

「そういえば勇作」

 

「何だ?」

 

「明後日、学園祭だけどさ…翼って来るのかな」

 

「来るでしょう……あいつもそう言ってたし」

 

「そうだけど……こんな時まで仕事って言ってたから、ちょっと心配で」

 

「大丈夫だよ。それに学園祭に必要な仕事だって本人が言ってたし」

 

「そうだな…信じよう」

 

「(いったい何の仕事しているんだろう…特撮のスタントマンの仕事じゃない言ってたけど……)」

 

その翼はというと

 

「………じゃあ、お願いします」

 

ある場所で携帯電話で会話しながら手帳に何かを書いていた

 

「ふう……これでよし」

 

電話を終えると女の人がやってきた

 

「お疲れ様です」

 

「お疲れ」

 

「電話してたけど……例の」

 

「はい。無事に…」

 

「意外でしたよ……貴方がスタントマンの仕事以外にこんな仕事もするなんて」

 

「そうですか?」

 

「てっきりこういうのはやらないと思っていましたから……何か理由でもあるんですか?」

 

「……」

 

「まあ、がんばってください」

 

そういうと女の人は出て行った

 

「理由か……」

 

翼はその場を後にする

 

「(ありますよ。これが俺に出来る償いなんですから)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日になり、学園祭の前日のこともあり、全校生徒が最後に仕上げに取り組んでいた

 

「完成したな!」

 

「やった~!!」

 

「なかなかの出来だな」

 

「明日の学園祭が楽しみだぜ!」

 

愛紗達の組の出し物はカフェのようだ。教室の中を飾り付け、壁にはわわメイドカフェの文字が張られていた

 

「見て見て」

 

4人が後ろを振り向くと

 

「じゃ~~ん」

 

そこにはメイド服(原作で朱里が着ている)を着た桃香が居た

 

「ほう」

 

「どうです?」

 

「良く似合ってるじゃん」

 

「特に帽子がいい感じだな」

 

愛紗、星、翠がメイド服を褒める

 

「えへん…そうかな」

 

桃香は思わず照れる

 

「流石桃香お姉ちゃん!頭が帽子置き場にピッタリなのだ」

 

「あ、ありがとう」

 

鈴々の言葉に苦笑いをしながらお礼を言う桃香

 

「さて、衣装はこれでいいとして…キッチンを誰が担当するかですが…」

 

朱里がそういうと

 

「おにぎりとおむすびと卵かけごはんならお任せなのだ」

 

「編み物なら得意なんですけど、お料理は……」

 

「はあ~」

 

朱里は星と翠の方に視線を向けるが

 

「残念ながら学園祭当日はメンマの研究発表と展示即売をすることになっているから、手伝んなぁ……なぁ翠」

 

「うぇ!あたしも!!」

 

「じゃあ…」

 

愛紗に視線を向ける

 

「えぇ……まあ得意ではないが、それなりに…」

 

「それじゃあ…試しに料理の(さしすせそ)を言ってみてもらえますか?」

 

「うむ!さは砂糖、しは塩、すは酢、せは……せ…せ…セミ!そっそっそして伝説へ!」

 

「確かに伝説になりそうですね」

 

愛紗の答えに皆が、苦笑いをする

 

「……」

 

そして愛紗は顔を赤くし頬っぺたを膨らませるのであった

 

「わかりました。キッチンは私が引き受けます」

 

するとその時

 

「「すいません」」

 

大橋と小喬がやって来た

 

「居た居た」

 

「孔明さんにお届け物があるんですけど…」

 

「えっ?私に?」

 

「はい…宛先は学園になってたんですけど、たぶん孔明さん宛てみたいで…」

 

「私たち孫静先生に頼まれて持ってきたんです」

 

「一体何かしら?」

 

「勇作さん、こっちです」

 

「は~い」

 

そういうと勇作が段ボールが4つ乗ったカートを押してきた

 

「ふう、重かった!」

 

「勇作さん!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「ん?おう結構出来ているじゃん」

 

「勇作さん」

 

「ん?」

 

「どう、似合ってます」

 

勇作は桃香が自分の着ているメイド服を見る

 

「すごく似合っているよ!桃香!」

 

「えへへ、ありがとう」

 

勇作に褒められてうれしい表情になる桃香

 

「……」

 

その様子に光の無い目で見つめる愛紗

 

「それと愛紗」

 

「はい」

 

「さっき聞こえたけど、せは醤油で、そは味噌だよ。覚えといて」

 

「はい」

 

「(一瞬、愛紗の目に光がなかったけど、気のせいだよね)」

 



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群雄、学園祭の準備をするのこと(後編)

今年最後の投稿です

では、どうぞ


「いったい何が入っているんだ?」

 

「結構、重かったぞ」

 

運ばれてきた4つの段ボール教室の中にいれた一同

 

「開けてみますね」

 

「ちょっとドキドキするのだ」

 

朱里はガムテープを剥がし、蓋を開ける

 

「「「「あっ!!!」」」」

 

箱の中には、南蛮衣装を身に付けた少女がいた

 

「こ、これって」

 

「にゃんばん族の」

 

「シャムさんじゃにゃいですか!?」

 

「じゃあ!あの箱の中身はもしかして」

 

箱の中身は、にゃんばん島で出会った孟獲達だった

 

「(なんとなく予想はついていたけど、いったいなんのようだろう?)」

 

勇作がそんなことを考えていると

 

「勇作!」

 

声がしたほう視線を向けると、翼がいた

 

「どうしたの?」

 

「学園長が呼んでいるよ」

 

「嘘!わかった!じゃあね」

 

そういうとその場を後にする勇作であった

 

 

「えっ!水鏡先生からのお手紙?」

 

箱から出た孟獲は、愛紗の膝の上に乗りながら手紙を見せた

 

「そうにゃ!大事なお手紙って言ってたから、み~達がじきじきに届けに来たのにゃ」

 

そう言いながら手紙を渡す

 

「はあ…それでわざわざにゃんばん島から小包で……それはご苦労様でした」

 

「うむ」

 

「水鏡先生はお元気か?」

 

「毎日、研究で飛ぼ回っているにゃ!」

 

朱里は手紙を広げて読む

 

「何て書いてあるのだ?」

 

「雛里ちゃんが来るんです!」

 

明るい表情になる朱里

 

「雛里ちゃん?」

 

「ほお…お雛里ちゃんというと」

 

「知っているのか?」

 

「陰嚢を遠回した表現だ」

 

星の言葉に翠と愛紗は顔を赤くする

 

「それはお稲荷さんだ」

 

「雛里ちゃんは水鏡塾で一緒だった私の一番のお友達なんです!」

 

朱里は皆に説明する

 

「雛里ちゃんは水鏡先生と暮らしてたんですけど、先生が研究のため長期滞在することになって、それでずっと一人にしておくのは心配だからって寮がある聖フランチェスカ学園に転校してくることになったんです」

 

「へえ~」

 

「あと雛里ちゃん…下見を兼ねて明日の学園祭に来るから案内してほしいって」

 

「そうか……しかし朱里の親友ともなれば、きっと相当の才の持ち主なのだろうな」

 

「うむ…さぞやいい子であろう。今から会うのが楽しみだな」

 

「へん!朱里の友達ならきっと同じようなドジっ子に違いないのだ!鈴々の方がいい子に決まっているのだ!」

 

むっとした表情をしながらそう言う鈴々

 

「こら鈴々!なんてことを言うのだ!」

 

「ふん!」

 

「あれあれ?もしかして鈴々ちゃんヤキモチ?」

 

「あっ!違うのだ!図星だけど絶対違うのだ!」

 

顔を赤くしながら必死に否定をするのであった

 

「早く会いたいな…雛里ちゃん」

 

手紙を見ながら楽しみにする朱里であった

 

「それより、桃香」

 

「どうしました?大王様」

 

「頼まれた物を持ってきたにゃ」

 

「えっ!本当ですか!」

 

そう言って小さい袋を渡す

 

「姉上…それは何ですか?」

 

「……」

 

桃香は孟獲から渡された袋の中身を見た後、真剣な表情になる

 

「皆、話したいことがあるの」

 

「何だ?」

 

「お姉ちゃんがいつになく真剣なのだ」

 

「私は真剣だよ!勇作さんにも関係のあることだから」

 

そういいながら何かを話し始めるのであった

 

 

 

 

 

別の場所では

 

「えぇ!足ふみジュースバー?」

 

華琳達の組ではドリンクバーの出し物をするのだが、風紀委員の稟が審査をしていた

 

「華琳様が愛らしい衣装に身を包み、そのおみ足で果汁を踏んで絞った汁をジュースとして提供するのよ」

 

風紀委員に出し物を説明をする桂花

 

「さらに追加料金を払えば…果汁にまみれた華琳様のおみ足を舐められるサービス付き」

 

「もちろん一部を除いた女性限定サービスよ」

 

「足を舐める……」

 

稟は想像したのか少しニヤける

 

「いけません!そんなわいせつな催し…風紀委員としては許可できません!」

 

許可しない姿勢を取るが

 

「あら!何がわいせつですの!?」

 

「何がって」

 

桂花が反論する

 

「そもそも確たる基準もなしに、風紀委員という組織の一員に過ぎないあなたの個人的な感覚によってわいせつか否かを決め。活動を規制しようとするなど言語道断!許されることではありませんわ!!」

 

「それは確かにそうですけど…」

 

「桂花…それくらいしておきなさい」

 

椅子に座っている華琳は右足の靴下を脱ぐ

 

「わいせつかどうか…まずは試してみてから判断するのが筋ではなくて」

 

そういうと素足になった右足を前に出す華琳

 

「はあ…えっ!わ、私が足を……ブバッ!!」

 

稟は鼻血を噴き出し倒れるのであった

 

「あら……それより翼、そこにいるんでしょう」

 

華琳がそういうと

 

「ちょっとやりすぎじゃないの?」

 

翼が教室に入ってきた

 

「これくらいがちょうどいいのよ」

 

「そっちじゃなくて出し物の方を言っているんだよ」

 

「貴方も反対なの」

 

「そうじゃないけど…俺には刺激が強すぎるよ。しかも女性限定とはいえ」

 

「あら聞いていなかったのかしら」

 

「?」

 

「一部を除いたって言ったのよ。翼…あなたには無料でいくらでも飲ませてあげるから」

 

「えっ!いや何言って」

 

「それとも口移しで飲ませてあげましょうか…気分が高まったらその先も…」

 

「華琳様ずるいです!私だって翼と…」

 

「ふにゅ~」

 

稟と同様に顔を赤くしながら倒れる翼であった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとこれ短かすぎない」

 

蓮華達も学園祭で使う服(原作で思春が着ている)を着ていた

 

「何を言っているんですか!孫権様の美しいおみ足を生かすには、これぐたい大胆に見せた方がいいです」

 

蓮華は恥ずかしそうにもじもじする

 

「そ…そうかしら」

 

「それに皆で同じ装束を着てバンド演奏をしてこそ…結束も固まるもの」

 

「って言っている割には、陸遜の姿が見えないんだけど」

 

小蓮がそう言うと

 

「ああ…陸遜様ならあちらの準備室に」

 

亞莎は準備室を指指す

 

「学園祭は掛け持ちの文芸部で本を出すから執筆に専念すると」

 

陸遜はパソコンを使って準備していた

 

「おう!バンドの衣装合わせ進んでおるようじゃな」

 

元気よく祭が教室に入ってきた

 

「周瑜よ…年甲斐もなくと言いたい所じゃが、ちょいと無理のあるいつもの制服よりは大分によっておるな」

 

「そういう黄蓋殿こそ、もう制服は無理ではございませんか?」

 

やたら長いスカートを見た周瑜が言う

 

「やむを得ない。先代様よりお主らを見守ってくれと頼まれたのじゃ……勝手に卒業するわけにはいかんじゃろう」

 

「それはともかく…ちとスカート長すぎねーか」

 

「わしらの頃はこれがなうかったんじゃ……っ!!」

 

後ろを振り向くと

 

「いつの間に」

 

「これは風紀委員の程昱殿…一体何用で」

 

そこには風紀委員の風がいた

 

「一方こちらはいささか短すぎるようなのです。あまりうるさいことは言いたくないのですが…ちょっと動いただけで白いものがチラチラするのは風紀上いかがなものかと」

 

風がそういうと

 

「何を言う!純白の締め込みは我らの結束の証!見えて困ることなぞあろうはずがない!」

 

そう言ってフンドジを見せる思春

 

「そもそも私はこれをたわってから気高き誇りと共に、肌に離さず穿き続けているのだぞ!それを侮辱することは許さん!」

 

力説する思春を他所に蓮華と小蓮と冥琳は顔を赤くする

 

「いや…洗濯しろよ」

 

ツッコミを入れる宝慧

 

「何はともあれ…このままでは風紀委員として見過ごしにできないのです!」

 

「そんな!今更、別の衣装なんて用意できないわよ」

 

「困ったわね」

 

蓮華がどうしようと悩んでいると

 

「孫権様…ここは私にお任せを」

 

明命に何か策があるようだ

 

「程昱殿」

 

「ん?」

 

「猫心あればモフ心ありと申します。もしよろしければあちらにもてなしのご用意が」

 

小声で話しかけながらある場所に向かう

 

「さあ、どうぞ」

 

「おお!これは……」

 

そこには段ボールに入った白い猫は寝ていた

 

「お気に召していただけましたか…衣装の件を見逃しいただけるのなら、ご存分にモフリ頂いても…」

 

目を輝けせる風

 

「おめえもなかなか悪じゃあねえか…」

 

「いえいえ風紀委員様こそ」

 

「(時代劇以外でこんなのを見ることになるとは)」

 

「あら一刀。いつからいたの?」

 

「さっき来たばかりだよ」

 

「それより一刀…どう?」

 

小蓮が聞いてくる

 

「すごく似合っているよ」

 

「ありがとう」

 

「一刀…私は?」

 

「蓮華もすごく似合っているよ」

 

「バンド楽しみにしてね。特等席用意しているから」

 

「わかった」

 

そんなこんなで学園祭に向けて準備を進めていくのであった

 




今年もありがとうございました

来年もよろしくお願いします


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学園祭だよ!全員集合のこと(前編)

そして聖フランチェスカ学園学園祭の開催日が来た

 

 

「レディースアンドジェントルメン!聖フランチェスカ学園学園にお越しの皆様!袁術様…プレゼンツ、ハニーウォーターショウにようこそ」

 

学園内にある野球グラウンドでは、特設ステージが設置され、満員の観客で埋め尽くされている

 

「いろんな出し物を取り揃えておりますから…最後まで楽しんで行ってね」

 

ステージ上では、張勲が司会をしている

 

「それでは…レッツ!パーティー!!」

 

会場は盛り上がりを見せる

 

 

「皆さ~ん……我が聖フランチェスカ学園へようこそ!」

 

体育館でも、派手な衣装を着た袁紹が開催を宣言していた

 

「今日は袁紹一座の舞台で素敵な思い出を持って帰ってくださいね~」

 

同じように盛り上がりを見せていた

 

 

 

同じころ

 

「まだ着かないのかな…」

 

一人の少女がバスに乗っていた

 

「ちゃんと待っててくれるかな?朱里ちゃん」

 

不安な表情になる少女。名前は雛里

 

「絶対大丈夫だよね。……朱里ちゃん…きっと待っててくれるよね」

 

 

そして学園内では、それぞれの出し物によりいつもより賑わっていた

 

 

 

「はわわ!お嬢様!オムライスが来ちゃいました!どうぞ!」

 

桃香たちのメイドカフェも賑わっている

 

「出来たのだ!」

 

鈴々もケチャップでオムライスに文字を書いていた

 

「はぁ~」

 

チャーハンと書かれたことに困惑するお客

 

「お帰りなさいませ!お嬢様!はわわ!」

 

「はい!」

 

「ただいま…」

 

愛紗はというと真面目すぎるのか接客が苦手なのか、怒っている表情で仕事をしていた

 

「オムライス出来ました!」

 

「は~い」

 

朱里は厨房で料理を作っていた

 

「雛里ちゃん…もうすぐ会えるね」

 

期待に胸を膨らませる朱里であった

 

 

 

 

場所は変わり、野外ステージでは

 

「ふぉほほ!人がゴミのようじゃの」

 

会場の盛り上がりに袁術はご機嫌になっていた

 

「美羽様……最後には人気アイドルの張三姉妹が控えてますし、この催しは成功間違いなしかと」

 

「そうであろう!そうであろう」

 

張勲の言葉に、さらに上機嫌になる袁術

 

「これなら冠スポンサーである美羽様の評判も、昇り竜のごとく上昇間違いなし!」

 

「にょほほほほ!麗羽姉様の悔しい表情が目に浮かぶようじゃの」

 

そんなことを言っていると

 

「あの…張三姉妹に関しては俺のおかげでだというの忘れていません」

 

二人が後ろを振り返ると、翼がいた

 

「もちろん忘れていませんよ!張三姉妹のマネージャーである貴方の努力も…」

 

「本当ですか?」

 

「もちろんじゃ」

 

「……そういう事にしておきます。じゃあおれはこの後の催しの準備があるので」

 

そういうと翼はその場を後にするのであった

 

「それにしても彼がマネージャーをしているなんて驚きましたね」

 

「そうなのか」

 

「ええ…しかもマネージャーになったのが例のスキャンダルの後でしたから」

 

「スキャンダルって張三姉妹のか?」

 

「はい!彼がいなかったら張三姉妹がアイドルとして再び大人気になるってことはありませんでしたし」

 

「そうか……」

 

 

「そろそろ出番ですよ」

 

「スタンバイお願いします」

 

野外ステージの控え室には、蓮華達がおり、大喬と小喬が入ってきた

 

「皆!気合いれていくわよ」

 

「「「はっ!!」」」

 

「うむ、頑張ってこい!」

 

全員が気合を入れる中、小蓮は元気がない様子

 

「けどせっかくの晴れ舞台…雪蓮姉様にも見てほしかったな」

 

どうやら姉が来ないことで表情を暗くしているのであった

 

「しょうがないじゃない。姉様はお仕事なんだから」

 

「そうですよ。かつて自宅の少覇王とまで称された雪蓮が、ようやく仕事をする気になって社会への一歩を踏み出したのですから」

 

 

 

 

その孫策はというと

 

「………お仕事楽しいよ」

 

工場で死んだ目をしながら働いていた

 

 

 

 

「我々はそれを暖かく見守ってあげないと」

 

『って死んでないんだから黒いリボンは止めてよね』

 

遺影のように顔を浮かべる周瑜にツッコミを入れる孫策であった

 

「大丈夫?差し入れ持ってきたよ」

 

と一刀は人数分ジュースをもってやってきた

 

「一刀!」

 

「俺は応援しかできないけど、がんばれよ」

 

「ねえ!一刀!ステージが終わったら私を一緒に」

 

「駄目!一刀はシャオと回るの!」

 

「私と」

 

「私が」

 

出番が近いのに一刀の取り合いする蓮華達であった

 

 

 

 

 

「ムムムムムム」

 

階段の踊り場では、星と翠によるメンマ研究会発表場が開かれていた

 

「何がムムムだ?」

 

「いや…誰も見て行ってくれないなっと思って」

 

たくさんのメンマが並べられていたが、いまだに客が一人も来ていない

 

「まあ…そう焦るな。こうやって我が研究の成果である自家製メンマも用意しているのだ。いずれはこれを目当てに老若男女が押しかけて、大入り満員は間違いない」

 

「だといいが…」

 

自信たっぷりの態度にお茶を飲みながら苦笑いをする翠であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆、盛り上がっているな」

 

勇作は学園内をパトロールしていた

 

「ん?あれは」

 

勇作は校門の所である光景が目に入った

 

 

 

「着いた…けど早く来すぎちゃった。探せば朱里ちゃん見つかるかな」

 

そういいながら門を潜る

 

「……あっ」

 

学園長の銅像の前で色紙を売っている呂布を見つかる

 

「……」

 

「……その……あの……」

 

「……いらっしゃい」

 

「……あわわ!!」

 

驚いた雛里はその場から逃げ出す

 

「(……知らない人怖い。朱里ちゃん……早く迎えに来て)」

 

前を見ずに走っていると

 

「きゃあ!」

 

誰かにぶつかった

 

「いたた……」

 

「大丈夫?」

 

「ふえ……」

 

雛里は振り向くと、そこには勇作がいた

 

「あ、あわわ…」

 

「立てる?」

 

勇作は手を差し伸べる

 

「あ…ありがとうございます」

 

「友達と待ち合わせ?」

 

「はい…」

 

「そうか……じゃあね」

 

そういって勇作はその場を後にするのであった

 

「(…………王子様)」

 

顔を赤くしながら勇作を見る。そして姿が見えなくなると

 

「(…どうしよう…名前聞くの忘れちゃった)」

 

そう思いながら再び校門の前で待つのであった



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学園祭だよ!全員集合のこと(中編)

勇作が雛里と別れた。同じころ

 

「朱里……そろそろ迎えの時間だが、後の料理はどうする?何なら私が……」

 

迎えの時間が近くなり、声を掛ける愛紗

 

「大丈夫です……策は打ってあります」

 

朱里がそういうと

 

「孔明さん!!」

 

扉が開かれ、やってきたのは

 

「助っ人に来ました」

 

流琉だった

 

「なるほど…これ以上ない助っ人だな」

 

「ありがとうございます!典韋さん……2時間ぐらいで戻ってきますから…お願いしますね」

 

「はい!任せてください!」

 

朱里はエプロンを脱いで、教室から出て行った

 

「あれ?流琉…何やっているの?」

 

朱里が出た後、翼が教室の中を覗いた

 

「あれ?兄さま…野外ステージにいるはずじゃ」

 

「出番までまだ時間あるから、早めに昼食を取ろうと来たんだけど」

 

「そうなんですか…なら今から作りますから…座ってください」

 

「…わかった。メニュー見せて」

 

「はい」

 

いつも以上張り切って調理する流琉であった

 

 

 

 

「……王子様」

 

校門前では、雛里が勇作のことを思い出しながら待っていた

 

「……」

 

そこへ朱里がやってきた

 

「……あっ!雛里ちゃん!」

 

「あっ!朱里ちゃん」

 

お互いに再会を喜びながら手を握った

 

「久しぶり!元気にしてた?」

 

「うん!朱里ちゃんは?」

 

「もちろん元気だよ!」

 

そして二人は手を繋いで校内に入っていく

 

「雛里ちゃん…まずはどこに行こっか?」

 

「どこでもいいよ。……朱里ちゃんの好きな所で」

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、野外ステージでは

 

「サンキュー!ありがとう!!」

 

蓮華達のバンドの演奏により会場は盛り上がっていた

 

「(このバンドが終わったら、絶対一刀とデートするんだから)」

 

小蓮が心の中で……いや

 

「「「「「「「………」」」」」」

 

蓮華達全員が心の中で思う

 

「皆、ノリノリだね!それじゃあもう一曲行くね!」

 

 

 

その一刀はというと

 

「……久しぶりだな…お化け屋敷……けど翼はここにいるのか」

 

翼を探しにお化け屋敷に来ていた

 

「……ん?」

 

泣き声が聞こえ、一刀はその方に歩いていく。そこには井戸があり中を覗くと

 

「ううぅ…やっぱり華琳様のお手伝いがしたかったよ」

 

お化けの衣装をを着た春蘭と秋蘭がいた。

 

「姉上…仕方なかろう。虫に刺された瞼をそうまで腫らしてしまっては、ジュースバーのウェイトレスは務まるまい」

 

「けど、せっかくの学園祭なのに…」

 

顔を下に向ける春蘭

 

「確かにそうだが…お化け屋敷で絶叫させて、喉を嗄らした客に、ジュースを買わせるこの策を成功に導くには、今の姉上の無残な顔はむしろ好都合」

 

肩に手を置きながら姉は励ます秋蘭

 

「策が成った暁には、きっと華琳様より軍功第一とお褒めの言葉があろう」

 

「そうかな」

 

顔を上げる春蘭

 

「ひぃっ!!」

 

「本当にそうかな!!」

 

顔を近づける春蘭

 

「……大変だな」

 

一刀はその様子を見ていると

 

「一刀…何やっているの?」

 

後ろから翼の声が聞こえた

 

「何って翼を探……し……に……」

 

後ろ振り向くとそこには

 

「…どうしたの?」

 

化け物(アナザーゴースト)がいた

 

「「わあぁぁぁぁぁ!!(ぎゃあぁぁぁぁぁ!!)」」

 

一刀と秋蘭は悲鳴を上げるのであった

 

「(昼食食べ過ぎて、運動がてら華琳達の様子を見に行こうしたけど、この格好はまずかったかな。けど次のステージショーじゃあ、これを使うし)」

 

悲鳴を他所にそんなことを考える翼であった

 

 

 

 

 

「パトロールも大変だな……ん?」

 

パトロール中の勇作はある物を見つけた

 

「ったく星の奴!ちょっとトイレって言っていつまで掛かってんだよ」

 

それはメンマ研究会発表場だった。そこでは翠が遅い星にぶちぶち文句を言っていた

 

 

 

 

その星はというと

 

「選手!入場!」

 

体育館にいた。華蝶仮面になって

 

「さあ、ついに始まります。華蝶自演乙仮面VSBJ魏延!」

 

中央にはボクシングリングがあり、華蝶仮面と魏延はリングに上がり、ボディーチェックを受けていた

 

「どっちが勝つのか非常に興味があります!この野球拳対決!!」

 

「えっ野球拳?」

 

野球拳を聞き、驚く焔耶

 

「そんなの聞いていませんよ。桔梗様」

 

「だって言ってないもん」

 

「それじゃあ。これに勝ったら勇作とのデートというのも」

 

「ない!」

 

「さあ、試合開始です」

 

 

 

場所は戻り、メンマ研究会発表場

 

「(くそ!ウーロン茶がぶがぶ飲むんじゃなかった……うぅ~まじでやばいぞこれ!けど売り物もあるし…ここを離れるわけには…)」

 

漏れそうなるが、翠はウーロン茶の空ボトルを見つける

 

「(そうだ!誰もいない…今なら……)」

 

ウーロン茶のボトルを掴もうとした時

 

「……翠」

 

「うぉ!」

 

勇作に声を掛けられ驚く翠

 

「(危ねぇ!?漏らす所だった)」

 

「そんなに驚かなくても……」

 

「急に声を掛ければ誰だって驚くに決まっているだろう!!」

 

「…ごめん……そういえば星は?」

 

「トイレに行くって言ってまだ戻ってこないんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「ごめん!星を探してくるから店番頼む!!」

 

「えっ!?ちょっと翠!」

 

「(もう我慢できないんだ!すまない!)」

 

そう思いながらトイレに向かう翠であった

 

「はあ…しょうがないな」

 

勇作は椅子に座り、店番をする

 

「(見聞色を使えば、場所はわかるんだけど…こんなに人がいる場所では使いたくないな……そういえばあの子、友達に会えたかな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その雛里はというと

 

「はわわ~!? 」

 

「あわわ~!? 」

 

朱里と一緒に文芸部の発表会場にいた

 

「これは韓信のーーー攻めに!」

 

「項羽のーーー受け!」

 

そこで穏の本屋にて艶本を見ていた

 

「ーーーのーーー受けもありますよ」

 

「それってまさしくーーーの会じゃないですか!!」

 

「は~い……お二人とも通ですね」

 

「いや~~」

 

「それほどでも……」

 

二人は学園祭を楽しんでいるのであった

 



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学園祭だよ!全員集合のこと(後編)

「……完売した」

 

店番をしていた勇作だったが、座って数秒しないうちにお客が集まり、メンマが完売するのであった

 

「(……星のメンマってこんな人気があったのかな?)」

 

的外れなことを考えていると

 

「ねぇ…君、暇」

 

「ん?」

 

視線を向けるとギャル風の一人の女子がいた

 

「暇なら私とデートしない?断ると言ったら……わかるわよね」

 

「(……うわぁ…この手の奴か……めんどくさいな)」

 

ナンパされる勇作であった

 

「どうする?」

 

「……断る」

 

「なんですって!!」

 

「痛い目に合わない内に、この場からいなくなった方がいいよ」

 

「うるさい!!貴方は私に従っていればいいのよ!!」

 

右手を上げる

 

「……(やむを得ない……か…)」

 

勇作は覇気で気絶させようとする

 

「……」

 

「ん?」

 

「え?」

 

がいつの間にか現れた愛紗が女性の右手首を掴んだ

 

「……」

 

「愛紗!なんでここに?」

 

「ちょっと放しな……っ!痛い!痛い」

 

握り潰す勢いで力を入れる愛紗。あまりの痛さに苦痛の表情を浮かべる

 

「いい加減に放し……っ!?」

 

「キサマ…ゴシュジンサマニナニシヨウトシタ?」

 

光の無い目で女を見つめる愛紗。女性はそれに恐怖し逃げようとする

 

「ニガサナイ」

 

「ごめんなさい!助けて!」

 

「愛紗…俺は大丈夫だから…放してあげて」

 

「……」

 

そう言うと愛紗は手を放す

 

「……こんなことしてただで済むと」

 

「ナニガ」

 

「ひぃ!」

 

「ナニガスマナイッテ」

 

あまりの恐怖で女性は壁際に逃げる

 

「ニガサナイ!!」

 

愛紗も追いかける

 

「ひぃぃぃぃっ!来ないで」

 

「……」

 

愛紗は後ろの壁に手を付ける。いわゆる壁ドンだ…が力を入れすぎたせいか、大きな音と同時に壁にヒビが入った

 

「壁にヒビが……」

 

「オイ!」

 

「……はい」

 

「ツギハナイ!モシチカヅイタラ…ワカルナ」

愛紗は耳元で女性に低い声で呟く

 

「ヒィィィ!わ、分かりました!だからお助けを!」

 

恐怖に怯える女性

 

「……イケ」

 

少し離れる愛紗。その隙に女性はその場から下の方に逃げるのであった

 

「ご愁傷様でした」

 

「何があったんだ?」

 

勇作は心の中で手を合わせ、戻ってきた翠はこの状況に困惑するのであった

 

 

同じ頃、朱里と雛里は保健室にいた

 

「これでよしっと」

 

朱里も右手首に包帯が巻かれていた

 

「もう、何もない所で転んじゃうなんて、本当ドジなんだから」

 

「これ璃々」

 

「てへ」

 

「でも本当に気を付けてね。しばらくは手首を動かしちゃダメよ」

 

紫苑先生は治療した手首を見ながら言うのであった

 

「……はい」

 

その言葉に朱里と雛里は不安の表情をしながら答えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

「……流琉!迎えに来たよ。早くしないと料理対決始まっちゃうよ!」

 

「ええっ!?もうそんな時間!」

 

はわわ喫茶で料理対決に出場する流琉を季衣が迎えに来た

 

「三分間待って」

 

「四十秒で支度して!」

 

そこに朱里が戻ってきた

 

「あっ!よかった…孔明さん」

 

そして教室の入り口の前で鉢合わせした

 

「次があるんで、私…失礼します。後はお願いします」

 

「流琉!早く早く!」

 

「あっ!ちょっとそんなに押さないで!」

 

流琉は季衣に背中を押されながらその場を後にするのであった

 

「どうした?」

 

愛紗が戻ってきた

 

「えぇ!!右手をねん挫した」

 

朱里は怪我をしたことを伝える

 

「はい…しばらくは動かさないようにって」

 

「じゃあ、この後は誰が料理を作るのだ?」

 

「やむを得ない……こうなったら私が」

 

気合を入れる愛紗。だが朱里が急いで止める

 

「はわわ!駄目ですよそれは…保健所が来ちゃいます」

 

「う……」

 

「ならどうすればいいのだ?」

 

すると桃香が厨房にやってくる

 

「はわわ!オーダー入っちゃいました。オムライス2つに、ミルクティーのセットを…」

 

緊急事態に困っていると

 

「あの…もしよかったら私が……」

 

「「「えっ?」」」

 

雛里が声を上げる

 

「お料理なら…いつも水鏡先生のお手伝いをしてたから」

 

その言葉に一同の顔が明るくなる

 

「そなたが…」

 

「ほ…鳳統です」

 

「では、鳳統殿…頼んだぞ!」

 

「任せたのだ!」

 

「頑張ってね」

 

「…はいっ!」

 

力強い返事をする雛里であった

 

「それよりも愛紗」

 

「なんだ?」

 

「さっきはどこに行っていたのだ?」

 

「どういうことですか?」

 

「愛紗が急に、ここを出て行ったのだ。お兄ちゃんが危ないとかいいながら」

 

「……実は」

 

愛紗はその時のことを説明した

 

「……ということが」

 

「そうでしたか」

 

「それで勇作さんは?」

 

「またパトロールに行きました」

 

「それと約束は守りましたよ」

 

「わかった」

 

「あの…皆さん」

 

「ん?」

 

「その勇作さんって誰なんですか」

 

「……それは後で話すから!今は……」

 

「……はい」

 

 

 

そして料理対決会場では

 

「よ~し、やったるで」

 

「うむ」

 

凪と真桜が気合を入れていた

 

「まずは上質小麦を天然水でよ~く捏ねる」

 

「そして激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「豚骨鶏ガラ野菜と厳選した食材を煮込みに煮込んだスープの灰汁を丁寧に取る」

 

「そこに激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「自家製の味玉に、何進先生からいただいたチャーシューに、秘伝のメンマをトッピング」

 

「仕上げに、激辛唐辛子ペーストをたっぷりと」

 

「ちょ~まてい!なんでかたぱっしから唐辛子ぶちこむねん!」

 

「いや…でも、味にパンチを出すためには…」

 

「パンチも何もラーメン真っ赤かやないか!」

 

「(今、気付くかそれ)」

 

審査委員長の一刀はツッコミを入れる

 

「じゃあ彩りに緑のハラペーニョを」

 

「あほか!!」

 

「(駄目だこりゃ……翼の奴、こうなることを知っていたから審査員辞退したのかな)」

 

 

 

 

 

そして翼はというと

 

「みんな大好き~~!」

 

 

 

てんほ~ちゃ~~ん!!

 

 

 

「みんなの妹~~!」

 

 

 

ちいほ~ちゃ~~ん!!

 

 

 

「とっても可愛い…」

 

 

 

れんほ~ちゃ~~ん!!

 

 

「ありがとう!」

 

「今日もばっちり決まったね」

 

「さあ、今からいくよ」

 

 

ホワッホワッホワァァァァァッ!!

 

 

「よし、今日も問題ないな」

 

野外ステージで、張三姉妹のステージを見守っていた

 

「……それにしても、夜になったら…張三姉妹を連れてこいって華琳言ってたけど、ファンなのかな?」

 

翼はそんなことを考えてながらステージを見るのであった



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学園祭だよ!全員集合のこと(完結編)

遅れてしまいすいません

今年もよろしくおねがいします


 

「カンパーイ」

 

学園祭は大成功を収め、全生徒はグラウンドに集まり、キャンプファイヤーを楽しんでいた

 

「学園祭成功おめでとう」

 

「皆、よくやった」

 

孫策が黄蓋と一緒にジュースを飲みながら労っている

 

「先代もきっと喜んでいるぞ」

 

「シャオの勇士、見てくれたかな」

 

蓮華たちも一緒に労っていた

 

「モフモフ」

 

孟獲は明命にモフられ、子分たちは穏、霞、真桜の膝の上に座っている。そして隣に紫苑と璃々もいる

 

 

 

「楽しかったのだ」

 

「大ウケでよかったね」

 

「こっちは散々だったぜ」

 

桃香たちも労っていた

 

「ご苦労様」

 

体育座りをしている雛里の隣に、朱里が来た

 

「今日は、本当に助かちゃった」

 

「……」

 

「どうしたの?疲れちゃった?」

 

「そうじゃなくて、ちょっと心配で……」

 

「心配?」

 

不安な表情をする雛里

 

「私…今度この学校に転校してくるでしょう。でも私、人見知りが激しいからお友達が出来るかどうか」

 

「へん!やっぱり思った通りのおバカちゃんなのだ!」

 

「ん?」

 

「本当だな」

 

「おバカちゃん」

 

鈴々と愛紗と桃香が立ちながらそう言う

 

「そんな劉備さんまで」

 

思わす怒る朱里

 

「鳳統は、鈴々達と力を合わせて、一緒にに頑張ってピンチを乗り越えたのだ…だからもう仲間なのだ」

 

「……」

 

「それなのに、まだ友達が出来るがどうか心配しているなんて、訳わからないのだ」

 

「そうだよ!鳳統ちゃん」

 

「我らはもう仲間だ」

 

「鳳統…友達の友達も」

 

「皆、友達さ」

 

その言葉に、笑顔になる雛里であった

 

 

「ここにいたんだ」

 

すると勇作がやってきた

 

「お兄ちゃん!?」

 

「……え?」

 

「あれ…君は」

 

「勇作さん、雛里を知っているんですか?」

 

朱里は驚く

 

「学園をパトロールしていた時にちょっとね」

 

「……王子様」

 

「紹介しますね。私の友達の雛里ちゃんです」

 

「高杉勇作だよ…改めてよろしくね」

 

「……」

 

「……あれ?」

 

違和感を感じ、顔を近づける

 

「……」

 

雛里は顔は赤くし、気絶していた

 

「ちょっと雛里ちゃん!大丈夫!?」

 

「……なんで?」

 

「それより勇作さん?どうしたんですか?」

 

朱里が聞く

 

「2つほど用事があってね」

 

「用事ですか?」

 

「ああ、皆…翼を知らないか?」

 

勇作がそう聞くが、皆は横に首を振る

 

「そうか…どこに行ったんだろう?」

 

「用事でもあるのですか?」

 

「ああ。パトロール中に翼の仕事場の人が来て、伝言を頼まれてね」

 

「そうなんですか…それでもう一つの用事というのは……」

 

「それは…」

 

答えようとした時

 

「勇作!!」

 

一刀がやってきた

 

「どうしたの?見つかったの?」

 

「ああ、見つかったんだけど……」

 

歯切れの悪いように答える一刀

 

「??」

 

 

 

 

 

 

翼はというと

 

「………」

 

右側に張三姉妹

 

「………」

 

左側に華琳、春蘭、秋蘭、桂花、流琉が座っていた

 

「(…どうしてこうなった?)」

 

尋常じゃない雰囲気の中、その間に翼が座っている

 

「で…貴方達は翼の何なのですか?」

 

人和が聞く

 

「もう人和ちゃん、この人たち…私たちのファンなんだから、そんな怖い顔しないで」

 

天和がなだめるが

 

「天和姉さんは黙ってて」

 

「…人和ちゃん、怖いよ……ちいちゃん」

 

地和に縋りつくが

 

「天和姉さん、すこし静かにして」

 

地和にも取り付く島もなく

 

「うぅ…翼……ひっ!」

 

天和は翼に近づこうとした時

 

「……」

 

全員が殺気を放つ

 

「ドサクサニマギレテチカヅクナ…ドロボウネコ」

 

包丁をちらつかせる流琉

 

「(どっから出したの!?)」

 

心の中でツッコむ翼

 

「……」

 

天和は静かに自分の席に座った

 

「(このままじゃ、殺し合いが始まる雰囲気だよ)」

 

冷や汗を流す翼 そして、その時、ある人物が現れた

 

「こんな所にいたのか」

 

それは勇作だった

 

「(ナイス!)」

 

心の中で親指を立てる翼

 

「探したぞ。こんなところにいたのか」

 

「どうしたの?」

 

「翼の仕事場の人からこれを渡されたんだ」

 

白い封筒が渡された

 

「……」

 

封筒を破いて、中身を見ると一枚の紙が入っていた

 

「アルティメットアイドルフェスティバル出演決定のお知らせ」

 

その言葉に張三姉妹は驚く

 

「本当なの!!」

 

「ああ、間違いないよ」

 

「「「やったー--!!!」」」

 

張三姉妹は喜びを爆発させた

 

「私たち…やったのね」

 

「ああ」

 

「それと翼」

 

「その人から伝言を預かっているんだけど…」

 

「伝言?」

 

「ああ………これで罪滅ぼしが出来たはずだからマネージャーを辞めるには丁度いい時期なんじゃないかって」

 

「えっ?どういうこと?」

 

「どういうことだよ?翼」

 

「一体何をしたの?」

 

「………」

 

「そうだな…少し長くなるけど話すよ」

 

「天和達もいい?嫌なことも話すことになるけど…」

 

「かまわないわ」

 

「わかった」

 

翼は席に座る

 

「今から一年前…華琳と初めて出会う一週間の時かな…俺は張三姉妹を知ったのは」

 

「え?私たち、会った記憶がないんだけど…」

 

「しょうがないよ。直接は会ってないんだから。小さなステージでライブしていたのを物陰から見ていたからな」

 

「ああ…あったわね」

 

「懐かしいわね」

 

「うん、あれが初めてのライブだったよね」

 

思い出に浸る3人

 

「そこでライブを見ていた俺は、小さな電撃にも似た衝撃を感じたんだ」

 

「まさか…その時に」

 

「ああ、ファンになったんだよ。仮面ライダー以外に興味をもつなんて今でも驚いているよ」

 

「……」

 

「その後は、華琳達との出会いや、仕事もあってそれ以降会う事はなかったけど、テレビや雑誌で活躍は見ていたよ」

 

「そうなんだ」

 

「そんなある日、俺がスタントしている特撮に張三姉妹が出演することになったんだ」

 

「……」

 

「俺は挨拶をするために、控室に向かったんだ。そこで俺は見てしまった。マネージャーらしき人がお金を渡している様子を」

 

「お金を」

 

「ああ、買い忘れでもしたのかなと思っていったんだ。でも違った。そしてとんでもないことを知ってしまったんだ」

 

「とんでもないこと」

 

「ああ、二人が半グレ集団黄巾党のメンバーだということ、そして張三姉妹が初代リーダーだということだ」

 

「黄巾党!!」

 

黄巾党という言葉に全員が驚く

 

「黄巾党ってあの暴力団ともつながっていたあの…」

 

「テレビなどで話題なっていた」

 

「ああ、言っとくけど半グレ集団になったのは、2代目からで天和達は全く関係がないよ」

 

「そうなの?」

 

「そうだよ。元々黄巾党は天和達の親衛隊だからね」

 

「へえ……」

 

「話を戻すけど、そんなことを知らない俺は、そんな状況を知って、ショックだったよ」

 

「そうでしょうね」

 

「そして裏切られたと思った。だから俺は、仮面ライダーみたく、あいつらを倒してやるって思ったんだ」

 

「何をしたの?」

 

「その場面を写真で撮り、週刊誌に送り付けたんだ。黄巾党のことも、天和達こともな」

 

「……」

 

「そのおかげか、黄巾党とその暴力団は警察の捜査が入り、壊滅。かなりの余罪をあったらしいしね」

 

「テレビでよくやってたな…そういえば」

 

「俺はそれをみて、優越感に浸っていたよ。悪者を退治したからね……」

 

「けど」

 

「けど?」

 

「そんなことを一瞬で吹き飛んでしまったんだ」

 

「まさか」

 

「ああ、その後、公園にいる天和達を見つけたんだ。そして知ったんだよ。天和達は何もしていないことなどがな」

 

「……」

 

「今でも鮮明に覚えているよ…天和達の絶望に沈んだ姿、泣いている時の表情……何も調べず全員が悪いと決めつけたせいで、俺の青臭い正義のせいで、天和達のアイドル生命を破壊してしまったってな」

 

「……」

 

「俺はどうしても許せなかった。自分が憧れていたアイドルを自分の手で壊してしまったことが……そして俺は、マネージャーになることを決めた。天和達に罪滅ぼしとして、今まで以上に輝けるように」

 

「それが、翼がマネージャーになった理由なんだ」

 

「ああ」

 

「そうだったのね……」

 

「天和、地和、人和」

 

翼はイスから降り、土下座する

 

「すまなかった」

 

「「「翼!!」」」

 

「許してくれとは言わん。だけど本当にすまなかった。この話を聞いて、俺と居たくないって言うなら今すぐにでも俺は降りるし、二度と会わないようにする」

 

「……」

 

「だから本当にすまなかった」

 

目に涙を浮かべながら頭を下げる

 

「顔を上げて翼」

 

天和がいう

 

「わたしたち、知ってたよ」

 

「え?」

 

「翼がマネージャーになった理由…」

 

「えぇ?」

 

「あの後ね…記事を書いた記者を教えてもらったんです」

 

「じゃあなんで?」

 

「確かにこのことを知った時は驚いたわよ」

 

「けど私たちはあなたのおかげで立ち直れたんですよ」

 

「それに私たちは貴方のことが好きなんです」

 

「えっ?」

 

「気づかなかったの?」

 

「そんな暇がなくて」

 

「私たちが知らないふりをしていれば翼は私たちのそばにいてくれる。だから気付かないふりをしていたんです。ごめんなさい」

 

「謝らないでくれ、悪いのは全て俺なんだ。だから俺は君たちに謝らなくてはいけないんだ」

 

「翼さん……」

 

「翼、顔を上げてちょうだい」

 

「翼ちゃん……」

 

「翼……」3人は優しく翼を抱き締める

 

「翼……あなたは本当に優しい人なのね」

 

「違う……俺はただ、自己満足な理由でマネージャーになっただけだよ」

 

「ううん、翼は私たちのためにしてくれたんでしょ?なら私たちは感謝しているわ」

 

「……天和、地和、人和」

 

「私こそ……助けてくれてありがとね。翼」

 

「うん、私たちを守ってくれたこと、忘れないわ」

 

「そうだね。一生恩に着るよ」

 

「これからもよろしくお願いします。翼さん」

 

「ああ。ありがとう……」

 

4人とも、笑顔になり、天和達との絆を深めた。そしてその光景に全員が涙を浮かべるのであった

 

「それより翼、私…ご褒美が欲しいの」

 

天和が言う

 

「ご褒美?」

 

「私、翼の……ほしいの?だからこの後ホテルに……」

 

その瞬間、周りの空気が急激に冷たくなった

 

「貴方、何言ってるの」

 

「曹操さんでしたっけ…邪魔しないでくれない」

 

「邪魔しているのは貴方でしょう!!」

 

今にも、殺し合いが始まる雰囲気にまたなった

 

「(……退散しよう)」

 

勇作はその場を去ろうとする

 

「勇作・・・」

 

「桃香!!」

 

すると桃香たちがいつも間にかいた

 

「いつからここに?」

 

「ついさっきだよ……それより華琳」

 

「ん?」

 

「これ…例の物だよ」

 

そういって小さい紙袋を渡す

 

「そう…これが」

 

「桃香…何を渡したの?」

 

「大王様に頼んでいた…子宝丹って薬だよ」

 

「子宝丹?」

 

「それを男性に飲ませると子宝に恵まれる薬だよ」

 

「へぇ~子宝に……ん?まさか」

 

「勇作……しよう」

 

「ななな、なに言ってるの!!」

 

「私たちは本気だよ…だから学園祭が終わるまで独り占めしないように約束したんだよ」

 

「ちょっと待て、あの時、愛紗がすぐに戻ったのは…」

 

「はい」

 

「いやでも」

 

「蓮華ちゃんにも渡したから、きっと一刀は今頃……」

 

 

 

 

「私が先!」

 

「シャオが先だよ」

 

「あの二人とも」

 

「一刀、二人はほっといて私と」

 

「雪蓮!!」

 

「「姉様」」

 

「(美羽様、今のうちに)」

 

「(そうじゃの)」

 

「「「「(何している!?)」」」」

 

「(おれ死なないよね)」

 

一刀は蓮華、小蓮、雪蓮、穏、冥琳、思春、明命、亞莎、美羽、七乃と一緒にホテルの一室にいる、例の薬と一緒に

 

 

 

 

 

 

 

「まじで…」

 

「私たちと……したくないの?」

 

「そういうことじゃあ…」

 

「じゃあ問題ないね」

 

「けど…」

 

「それにどうやら華琳さんも行くみたいだし」

 

「え?」

 

視線を向けると

 

「決着はホテルでってことで」

 

「異議なし」

 

「(俺の意見は?)」

 

そういって連れてかれた

 

 

「……」

 

「勇作」

 

桃香は勇作に抱き着き、ほかの皆は逃げないように囲む

 

「…行こう」

 

耳元で囁き誘惑する桃香

 

「……はい」

 

 

こうして学園祭は成功を収めた

 

 

 

その後、勇作は、桃香、愛紗、鈴々、星、翠、朱里、蒲公英、焔耶、途中で合流した恋、月、詠

 

 

そして、翼は、華琳、春蘭、秋蘭、桂花、季衣、流琉、天和、地和、人和、途中で合流した凪、沙和、真桜、風、稟、霞

 

ホテルに向かい、三日間はホテルで過ごすのであった




TV版恋姫†無双OVA…転生者と原作のクロス

これにて完結です


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