闇鍋 (オンザタコス)
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アリサが不倫するお話(魔法少女リリカルなのは)

不倫のきっかけは成瀬の仕事が忙しくなって構ってくれなくなったことにあったと思う。

 

その結果誰かに構われること、要は愛に飢えてしまった。

 

 

ある日町をぶらついていると、ふと目にホストクラブの文字が目に入った。

 

「あんなのに入り浸る女の気持ちが分からないわ」

 

そう唾棄してたハズの店に私は入っていった。

 

そして、ずぶずぶと沼にハマった。

金を払えば愛をくれる事で、私の飢え、そして自尊心を満たしてくれているような気がしたのだ。

 

気づけば、ホストの一人に家を与えてそこによく通うようになった。

 

所謂「通い妻」だろうか。

 

まぁ私にはちゃんと結婚した成瀬がいるので「通い不倫」かもしれない。

 

そうして「通い不倫」が2ヵ月ほど続いた頃だろうか。

 

 

成瀬にバレたのだ。

 

 

その時は全く持って「バレてしまった」という危機感や申し訳なさなど無かった。

 

むしろ

 

「あの人は私が求めなくてもあの人から求めてくれる」

 

「あなたは私が求めても答えてくれない」

 

そう比べて自分の自尊心を取ってしまった様な気がする。

 

この時に素直に

 

「あなたが居なくてさみしかった」

 

そう言えてたなら多分終わっていた話だったと思う。

そうして成瀬と別れた私はホストに家に入り浸っていた。

 

1ヵ月。

 

それが幸せの続いた日々だった。

成瀬は私には本物の愛を持っていた。

 

しかしホストは、私にはお金への執着心しか与えなかった。

 

辛い。

 

ただただ辛かった。

 

いつの間にか私は金と愛の違いすら分からないほど耄碌していたのだ。

 

急いで私は成瀬の元に向かった。

 

 

 

 

でもそこには

 

 

 

 

すずかと一緒にいる成瀬しか見当たらなかった。

 

頭が真っ白になった私はすずかに詰め寄った。

 

「私の成瀬を取らないで」って。

 

それを聞いた成瀬の顔が怒りの形相になった。

 

突き飛ばされ尻餅をついた私に成瀬は

 

 

「二度と顔見せるな」

 

 

その瞬間私はすべてを理解した。

 

 

もう元に戻らないことを。

 

 

すずかは、成瀬に「先に行っておいて」と言った後、尻餅をつきっぱなしの私の目線に合わせる様にしゃがんで、哀れむような嘲笑するような目線を向けた。

 

 

「私はね?アリサちゃん。成瀬くんとアリサちゃんなら上手くいくしベストなカップルだと思って自分の気持ちを諦めたんだ」

 

 

「それに私は吸血鬼だし、成瀬くんも化け物とは嫌だろうなって思って好きって気持ちに蓋をしたんだよ」

 

 

「でもさ、ある日町歩いてたら泣いてる成瀬君にあったんだ」

 

 

「そこで全部聞いたよ」

 

 

「全部無駄にしたんだね。私の気遣いも成瀬くんの愛も」

 

 

「なんで私は我慢したんだろって最初に聞いた時に思ったよ」

 

 

「こんなアリサちゃんに少しでも成瀬くんを譲ったことに後悔した」

 

 

「ん?反省したって?」

 

 

「何言ってるのアリサちゃん。捨てたものはもう戻ってこないよ。」

 

 

「アリサちゃん入らないから捨てたんでしょ?」

 

 

「成瀬くんがいらなくなったんでしょ?」

 

 

「変な言い方になっちゃうけど」

 

 

「だから私が成瀬くんを拾ったんだよ?」

 

 

「…もうどうしようもないよ?」

 

 

「じゃあね?アリサちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

あぁ…私はほんとに馬鹿だ。

 

 

 



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なのはが不倫するお話

それが発覚するまではみんなが幸せだった。

家に帰れば夫と娘がいて仕事場では慕われる、たまにある休日には彼と食事へ行き、愛を囁いてもらう。

 

―――そんな、幸せな 日々だった。

 

そんな幸せな日々は私自身が壊してしまった。

 

夫、鳴瀬悠音とは小さい頃からの幼馴染で私の初恋が叶った形となって結婚した。あの頃の写真の私は本当に幸せそうだった

ほんとうに。

 

 

いつからか結婚したことで欲が深まったのだろう、仕事仲間として接していた時付き合っていた時よりはるかに謎の寂しさを感じるようになっていた。

 

その時に教導隊の部下から食事に誘われた。夫が今日は遅いということを知っていた私はその誘いにのってしまったのだ。それが始まりで終わりだったんだろう。体の関係ももち始めて2ヶ月過ぎた頃、おそらく私は人生の幸せの絶頂期にいた。自分は男二人を誑かしている。そんなふうな思考があったのだろう、背徳感と幸福感とで狂っていた。そこから1ヶ月後一気に叩き落とされるのだが。

その日は突然だった。夜、彼との食事を終えそのまま帰った日夫が家で真面目な顔をして待っていた。夫は話を始めたのだ。

 

「なのは……君、不倫しているだろう?」

 

その時なんとなくだが幸せな時間は終わったんだという感覚があった。

夫に知った理由を問いかけた。

 

夫の顔が苦々しい顔に変わる。

 

「ヴィヴィオとフェイトだ。」

 

耳を疑った。確かに最近少し二人とも距離を置かれていた気がする。

 

「フェイトが俺に教えてくれたんだよ…泣いてたんだぞ!ヴィヴィオ!」

 

寂しかったものはしかたがないじゃない。

 

そんな言葉が口から抜けていった。

 

「そうか、寂しくさせてしまったのか……悪かった、なのは」

 

夫は悪くないのに謝る。なんにもどこも悪くないのに。

 

「でもななのは、婚姻関係を続ける上でお互いの信頼って大切だと思うんだよ。そう思うんだ、俺は。だからさ俺達はもう夫婦としてはやっていけないと思う。」

 

いやだ。

 

「多分不倫させてしまったってことは俺も悪い所があったんだよ、そんな奴とこれ以上暮らしても仕方がないだろう?な?なのはわかってくれないか?」

 

いやだ。いやだ。すてられたくない。

 

その一心で夫にすがりついた。でも、それでも夫は決心が固まっていた。

 

もうダメなんだ。

 

悟った。それでも一縷の希望を信じて、彼との逢瀬をやめ、家事もした。捨てられないという可能性を、それだけを信じていた。

 

その希望を打ち砕いたのは娘であるヴィヴィオだった。

 

「なんでまだうちにいるんですか?高町さん」

 

この家に私の居場所はもうない。

 

部下であった彼もフェイトちゃんが上に伝えたことで懲戒免職処分となり居場所がわからない。私はお咎めは確かにあったが広告塔としての利用価値を考えたのだろう、減給数ヶ月という形で終わった。

 

私は、娘も夫も親友も何もかもを失ったのだ。

 

最後に荷物を取りに行った時、家の外から夫の泣き声が聴こえた。今まで小さい頃から泣くことなどなかった夫のだ。

 

罪の重さを知った気がした。私には贖罪する権利すらないのだろう。

ごめんなさい。さようなら

 

もう誰とも恋愛をしない。それが私に許されたたった一つのことだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数年たって悠音くんを街でみかけた。どうしても気になってこっそり、ひっそりと跡をつけた時彼が待ち合わせしている人に気がついた。フェイトちゃんとヴィヴィオだったのだ。3人で歩いていった時捨てたものの重みを改めて認識した。

フェイトちゃんがこっちをみた。まるで憐れな人をみる目でこっちをみていた。そうして私は1人呟いたのだ。

 

 

 

 

ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 



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憧の初恋が敗れるお話(咲-Saki-)(オリ主じゃないよ)

色々ツッコミどころあるけど気にすんな


小さい頃から私達は3人ひとまとまりで認識されてたような気がする。

 

天真爛漫で笑顔が可愛い高鴨穏乃。

 

金髪で優しいちょっぴりエッチな男の子須賀京太郎。

 

そして私、新子憧。

 

穏乃が変なことやって、

私が突っ込んで、

京太郎がそれを見て笑ってる

これが私たちの小学校の生活だった。

 

 

変わったのは中学時代だ。

この年の男女は、性を意識し始める。

私もその例に漏れなかった。

京太郎の事が好きで好きでたまらなくなったのだ。

惚れたきっかけ、なんてものは思い出せないけれど間違いなく京太郎の事が大好きだと断言出来る。

 

京太郎が髪が長い方が好きだと言い始めたから、髪を伸ばし始めたし

 

胸が大きい方が好きだとわかったから、毎晩風呂上がりに牛乳を飲んだりバストアップ体操を試したりなんかした。

 

穏乃と中学が別れ、京太郎の近くに穏乃が居ないことに安堵した自分に対して嫌悪したこともあった。

 

そうして私は少しずつ、少しずつ京太郎との距離を縮めていった。

 

でも

それでも

告白という一線は超えなかった。

 

いや、超えられなかった。

 

今の関係が壊れるのがとても怖くて勇気が出なかったし、

 

何より京太郎の周りに自分以外の女の影がない事に胡座をかいていたのだ。

 

京太郎と肩を並べて歩くことは出来ても、手を繋ぐことは出来なかった。

 

京太郎の家に遊びに行くことが出来ても、京太郎の部屋に入ろうとはしなかった。

 

 

そんな中学時代を経て高校時代。

 

穏乃の発案でインターハイを目指すことになった阿知賀麻雀部には、京太郎も入部した。

それはもちろん、京太郎の周りに女子が増えることにほかならない。

 

それでも私は一歩を踏み出さなかった。

 

中学時代の過ごした時間の長さを理由にして、私はその場で足踏みしたのだ。

 

 

 

そしてインターハイも終わり、12月24日のクリスマスイブ。

 

 

私は、忘れ物を取りに部室へ向かった。

扉部室を開け、その中で見たのは

 

京太郎と穏乃がキスをしている所だった。

それを見た瞬間に私は学校の外へと一心不乱に駆け出した。

 

当然の結果だと思う。

私が足踏みしてる時に、穏乃は走って京太郎に向かっていったのだ。

そして私が踏み出せなかった場所を穏乃は躊躇いなく超えていったのだ。

 

そう理解する頃には、目から涙が止まらなくなっていた。

 

 

告白して振られるのと告白せずに結果的に振られるのとでは天と地の差がある。

 

告白しておけばよかった…

 

手を繋いでおけばよかった。

 

後悔が目から溢れ出して止まらない。

 

 

「恋愛なんてしなければよかった…!」

 

 

それはひどいエゴだ。

 

私が怠けていただけなのに、その罪を捨てることにも等しい発言だと思う。

 

それでもそう思わずにはいられない。

 

 

 

 

だって私は弱い女だから。

 

 

 

 

あなたのことを忘れることが出来ない女だから。

 

 

 

 

外は雪が降っていた。

 

 



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誰も幸せになれない世界(原村和)(咲-Saki-)

男、須賀京太郎は高校時代の同級生である原村和からの連絡であることを知った。

 

「咲さん、不倫してますよ」

 

「は?」

 

そりゃそうである。急に高校時代の同級生から配偶者が不倫しているだなんて言われたのだ。焦らないわけがない。

 

「え?まじ?それ」

 

「ええ…街中で久々に見かけたので声をかけようとしたのですが…あー……えっと、男の方と腕を組んでホテルに入っていったので……私も弁護士をやっている身ですので写真は撮っておいたんですが……みますか?」

 

そうして送られてきた画像には見たことの無い女が映っていた。そこそこ濃いメイクにとても既婚者が普通着るものではない攻めた服装。

 

ただ

 

ただそれでもその女は間違いなく彼の妻だった。

開いた口が塞がらないとはこのことだろうか。彼が汗水垂らして働いている最中に専業主婦の彼の妻はどこの誰とも知れぬ馬の骨とイチャコラしていたわけだ。

まあわかる、と女は嘆息した。

 

女、原村和は至極まともな女性である。いくら高校時代からの親友だからといって倫理観的にも職業的にも不倫など認められるわけがなかった。その夫の須賀京太郎も憎からず想っているし昔はともかく今はとても紳士的で信用に足る友人であった。だからこそ不倫は許せなかったのだ。

 

「落ち着いてください。京太郎くん」

 

「あ、あぁ和。そっか……不倫か……」

 

沈黙が暫く続いた。時間が経ち彼が口を開いた。

 

「そうだ、和お前に弁護士を頼むことって出来ないか?」

 

「離婚の…ですか?」

 

「そうだ。」

 

彼女にとっては同じ仕事である。が、見知らぬ夫婦の不倫と結婚式でスピーチをするレベルの夫婦では訳が違った。だが、弱々しい彼の声を聴いていると何とかしてあげたいという気持ちが心に芽生えていた。

 

 

 

「いいですよ、請け負いましょう。」

 

 

彼は彼女の助言に従い、妻にバレないように相手の男の情報と決定的な証拠を興信所に依頼することにした。

 

そうして相手の有責で離婚できるだけの情報が集まりいざ内容証明を送ろうという時期の話だ。

原村和は一抹の不安を感じていた。

基本不倫された人間は息巻いて離婚したはいいもののまるですることは終わったかのように抜け殻のような状態になることが多いのだ。

今の彼女にとっては親友だった彼の妻は軽蔑すべき対象でしかなかった。それほどまでに酷かったのだ。

 

 

「京太郎くん、明日の話し合いには私も同行しますから……ね?安心してください」

 

 

「あ、あぁ、ありがとな和。ほんと良い友達を持ったよ俺は…」

 

 

彼のお金を不倫相手のプレゼントに使い込み、挙句の果てには家事の放棄。

 

興信所から届いたその結果を見た彼は声を荒らげることもせず、怒りに身を任せることもなく、ただただ泣いていた

 

 

 

女はすこしときめいた。

 

 

予想に反し彼の妻は意外とすんなり離婚や慰謝料の請求などに承諾した。

 

どうしようもなくなっていた。

少し助かったかもしれない。

 

 

不倫相手にも逃げられたというのに彼女は何処か救われたような表情をしていた。

 

 

離婚してからのの彼は見ていられない状態だった。

たまに様子を見に行った時には部屋を暗くし天井をみつめボーッとしている。

その状態が心配であると共に女はどうしようもなく満たされる気分になっていたのだ。

 

 

そうして女が彼の世話を焼き数ヶ月がたった。

 

 

「和はなんでここまでしてくるんだ…?」

 

 

弱々しい声で彼が聴いた。

 

 

「離婚したあと、抜け殻みたいな状態になった京太郎くんをみて思ったんです。『この人は私がついてなきゃダメだって』」

 

彼は馬鹿にされたと感じたのだろうか。女を押し倒した。

 

 

「いいですよ、あなたなら……うん京太郎くんなら」

 

 

色んな感情が一気に押し寄せてきたのだろう、彼は大泣きしながら女の身体を貪り尽くした。

 

それからの彼は徐々に快方へと向かっていった。

 

女はそのことに安堵はしていたがと同時に嫌だという気持ちもあった。

 

彼に必要とされなくなってしまう。切り捨てられる。

 

治るまでの間傍からみれば依存していたのは彼だが実質的なところは共依存だったのだ。ではここで問題がある。共依存であった関係が片方は依存をしなくなった、さてどうなるだろうか

 

答えは簡単だ。ずっと一緒にいたい、私を必要としない彼なんてダメだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だからだろうか。

 

「本日、東京都世田谷区のマンションで若い男女2人の死亡が確認されました。遺書などの内容から2人は心中だと―――」



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