お値段以上の発明家 (カモシカ)
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お値段以上の発明家

思いついたので書いた。

それだけ



《固有霊装》が顕現したその日その時、河城にとりはとある記憶を思い出した。それは伐刀者など居ない世界で生きていた一人の男の記憶だ。

160センチと日本人にしても小柄な身体に、キチガイじみた発想力と好奇心を詰め込んで。その熱情が突き動かすままに生き、そして死んだ。

その男の名は発目新(はつめしん)。現代の発明王であり────

 

 

 

死という生命の《運命(さだめ)》を振り切り、『河城にとり』として転生せしめた稀代の大バカ野郎である。

 

 

 

 

****

 

 

 

ドッガーン!

 

黒鉄一輝の朝は早い。なぜなら、隣の部屋が超高性能目覚まし時計だからだ。何せ昼夜を問わず、不定期的に爆発するのだから。

 

そういう訳で一輝は午前二時に目が覚めた。

 

 

・・・・・・怒鳴り込みに行きたい気持ちをぐっと抑えて、一輝は毎朝の走り込みに出た。

 

一輝が空を見上げると、六月の梅雨時には珍しい、雲ひとつない青空があった。なんだかさっきの爆発音なんてどうでもいいと思えてきた。ああ、この雄大な青空と比べれば、先の爆発音のなんて小さいことか!

 

無理やり納得した一輝は、いつもの様に走り始めた。

 

 

 

 

 

 

帰ってきた一輝を待っていたのは、妙に古めかしい、そして謎の郷愁を抱かせる巨大ロボットだった。

 

「おお、いい所に来たねぇ一輝くん!これぞ私の五年間に及ぶ研究の集大成!名付けて、『熱核造神非想天則』だよ!」

「第一秘剣:犀撃」

 

一輝はキレた。必ずやこの邪智暴虐の河城にとり(はつめいか)を取り除かねばならないと決意した。

 

「うおい!ちょ、ま、そこはダメだから!まだ強度的にそこ弱いから!だから犀撃しながら裂甲しないで!」

「混合秘剣:砕甲撃」

「秘剣が増えた!」

 

そして非想天則の頭飾りが飛んだ。注連縄を模したと思われる飾りと頭部との結合部は弱かったのだ!

 

「ふっふっふ。しかぁしこの程度では止まらないよこの非想天則は!」

「なっ!飾りが・・・・・・飛んでいる!」

 

そう、分離した注連縄はにとりの意思により操作が出来るのだ!ちなみによく分からない無駄に洗練された無駄に高度な技術が無駄遣いされているので原理は気にするな!

 

「けど、その程度じゃ僕は止められないよ」

「分かってるさ。けど、こうすれば、どう?」

 

そう言って、にとりは手元の赤いボタンを押した。

言わずもがな、それは自爆スイッチである。

 

「ポチッとして、ドカーン!」

「うわ煙い!」

 

注連縄が爆発し、赤い煙幕が張られた。

 

「にーげるんだよー」

 

にとりは()()()()()()()()()()()、中庭から逃走した。

 

 

 

****

 

 

河城にとり

■PROFILE

伐刀者ランク:B

伐刀絶技:のびーるアーム、乾燥尻子玉など

二つ名:超妖怪弾頭

人物概要:爆発しまくる破軍学園の問題児

 

攻撃力:D

防御力:B+

魔力量:B

魔力制御:B+

身体能力:D

運:E+

 

かがみんチェック!

彼女の《固有霊装》はあらゆるモノを改造して自らの霊装にする事が出来る。すごいね!けどぶっちゃけマッドサイエンティストだから関わらないことをオススメするよ。ただし、彼女独特のロマンを理解出来る人、彼女の発明品の実験台になりたい稀有な人なら"盟友"と呼ばれることがあるかも!あの一輝先輩が被害者第一号だというウワサも・・・・・・。




発目新・・・・・・モデルはヒロアカのあの子

熱核造神非想天則・・・・・・ぼくらのロボット

自爆スイッチ・・・・・・ロマン

無駄に洗練された無駄に高度な技術が無駄遣いされている・・・・・・説明しよう!貧弱な作者の知能では原理が思いつかないのだ!

超妖怪弾頭(物理)・・・・・・試作品が爆発する度に一輝くんに向かってにとり本人が飛んでくるぞ!射程距離は150kmだ()!


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核融合エネルギーを動力源とするとても安全でクリーンなスーパーロボット

この作品はニコニコ大百科を参考にしています


 その日、破軍学園は戦慄に震えた。

 

 "その者"は覇王の威容を纏い、大空を飛んでやって来た。

 

 "その者"は自らの姿を隠そうともせず、むしろ見せつけるようにやって来た。

 

 "その者"は神だった。紛れもなく、神威を醸す巨神だった。

 

 

 そして、誰かが叫んだ。

 

『彼は──彼こそは────!』

 

 

 

 《熱核造神非想天則》である、と。

 

 

 

 

 破軍学園入学式。新入生の挨拶での出来事である。

 

 

 

「あ、やべ」

 

 ドッガーン!!!!!!

 

 

 

 ****

 

 

 

「いやー、今日のは失敗だったよ。安全装置付けてるとはいえ、仮にも核融合エネルギー使ってるからねぇ」

 

 悪びれる様子もなく語るのは河城にとり。此度の大爆発事件の犯人である。

 

「その通りです。分かっているなら、きちんと反省してください。奇跡的に体育館が崩れただけで済みましたが、あれだけの爆発が起きたなら普通は何千何万と人が死にますからね!?」

 

 それに対するのは東堂刀華を初めとする生徒会メンバー。教師が対応するよりも先ににとりを捕獲し、拘束の末説教を始めたのである。

 ・・・・・・しかし、教師が対応を遅れた理由の一つに、『男のロマン』というものがある事を忘れてはならない。いくつになっても、男子は男の子なのだ。巨大ロボットのロマンを体現した生徒を怒るのは偲びないのだろう。

 

「技術の発展に犠牲はつきものさ」

「雷切チョップ!」

「ぶべらっ!」

 

 説明しよう!『雷切チョップ』とは、東堂刀華が怒りの余り即席で作り出した伐刀絶技だ!手刀に雷を纏わせ、脳天目がけて振り下ろす!ナ〇トのあれだぞ!(説明放棄)

 

「ふごごごごご」

「いいですか、大体あなたには自覚が足りていない!破軍学園の新入生として・・・・・・」

 

 

 1時間後

 

 

「ですから、あなたはきちんと自分の力と発明したものへの責任と自覚を持ち・・・・・・」

(何この人。説教ながすぎ)

 

 

 さらに3時間後

 

 

「そもそもあなたは周りを気にしなさすぎです。数時間の短い付き合いですがよーく分かりました。私の話を聞き流すその態度!それを見れば一発です。ですからあなたは・・・・・・」

(核融合エネルギーの制御装置、もう少し見直すか。やっぱり冷却機構に無理があったのかなあ)

 

 

 

 さらに1時間後、ついににとりは音を上げた。

 

「誠に申し訳ございませんでした。以後、周囲の安全とTPOを常に考慮し、適切な行動を取ることを誓います」

「よろしい!これからは気をつけてくださいね」

「はあい・・・・・・」

 

 こうして、破軍学園の平和は保たれた。

 しかしそこに体育館の犠牲があったことを忘れてはならない。

 

 そしてなにより・・・・・・学園長、及び教頭の頭部に敬礼を!うお、眩し!

 

 

 

 ****

 

 

 

 どうも皆さんこんにちは。毎度おなじみ河城にとりでございます。

 いやーそれにしても今日の大爆発は痛かったなあ。《熱核巨人非想天則・type63》、つまりはプロトタイプの63号なわけなんだけど。

 救いは霊装化がまだだったから気絶しなかったことと、材料のほとんどがスクラップだったことかなあ。流石に重要な部分はちゃんとしたので作ったけど。

 

 さて、失敗は失敗。そしてそれは成功の母となる。父でもいいけど。おさげ巨乳の説教で時間食われたから、今日は徹夜コースだぜい!ヒャッハー!!

 

 ・・・・・・え?明日は授業とかあるだろって?この学園には寮があるから入っただけだし、ぶっちゃけ退学させられなければいいかなって。

 

 ま、んなことはどうでもいいよね。さあ、始めようか!

 

「発明の時間だよ!《携行研究所(ポータブルラボ)》展開!」




すまない・・・・・・気づいたら刀華ママが映姫様になってたんだ・・・・・・すまない。
何を言ってるか分からない?俺もだよ、ハハッ。

でも、ちょっと刀華さんに説教されてみたいと思う今日この頃。


熱核巨人非想天則・type63・・・・・・熱核造神非想天則の前身、熱核巨人シリーズの63号。にとりとしては今回の試運転で成功すれば完成品扱いする予定だった。しかし安心と信頼の爆発オチ。これを教訓に魔改造もとい改良を加えていく。そして数字の数だけ爆発があるのだ。


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