とある外道の引き金世界(仮) (カツヲ武士)
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とある外道の引き金世界(仮)

別作品の主人公っぽいのが
ワールドトリガーの世界に?

ふと頭に浮かんだので
さささっと書いて見たり

オリ展開
オリ設定

こまけえことは気にすんな!



とある日のこと、本部に出勤して自身が所属する嵐山隊の隊長と合流した木虎は、一人訝しんでいた。

 

その思いは、普段は広報を担当する自分達嵐山隊だけでなく、他のA級小隊の隊員も同じ部屋に集められていたことで、更に深まっていた。

 

ーーー

 

木虎視点。

 

うーん。確かに今月の全体のシフトを見て不思議には思ってたのよね。

 

なんせ今日は全部のA級小隊が全部出番なのに、防衛任務に就いてる隊が一つも無いんですもの・・・

 

でもって、私たちはランク戦の観客席に集合でしょ?

もしかして臨時の訓練か何かかと思ったけど、どうも違うみたいなのよね。

 

だって隊員は居るけど、隊長が居ない小隊も居るし。

 

加古さんはともかく、二宮さんと三輪さんは遅刻とか絶対しない人だから、隊員だけが先に居るって事は無いはずよね。

 

あ、緑川くんと双葉ちゃんもキョロキョロしてる。

 

だけど他の人たちは普通よね・・・いや、犬飼さんが微妙な顔をしてるけど、あれは何かを知ってる顔よ。

 

って事は私を含めて今季からA級に入った人は知らないってことかしら?

 

・・・こう言うときは素直に知ってそうな人に聞いた方が良いわよね?

 

「あの、嵐山隊長?」

 

「ん?どうした木虎」

 

・・・隊長はいつもと違いが無いように見えるけど。

いえ、何か楽しみにしてる?

 

 

 

 

 

「・・・これから何が起こるんですか?」

 

 

私がそう問いかけると、嵐山隊長は少し悩んでから、こう答えたわ。

 

 

 

「大惨事対戦だ」

 

 

 

 

どーゆーことだってばよ?!

 

 

 

――――――――――――――――

 

外道8号。

 

 

あぁ。またこの季節が来てしまったか・・・

 

「ハチ、黄昏てると目が腐るぞ?」

 

俺がこれからのことを考えていると、俺の同級生にして職場の先輩にして上官が俺に声を掛けてくる。

 

つーか、目が腐るとか言うな。

 

つーかあんたの方が腐ってるだろうが!

 

とか言えたらなぁ。

 

いや、言えるけど言ったらリアルに地獄見るし・・・

 

「チュウさんは何か楽しそっすよね」

 

とりあえずお互いの目についてはほっとこう。

今はこの人に関してだ。

 

だって楽しそうなんだぞ?

この人がこんな感じのときは

絶対何かやらかすんだよ。

俺は詳しいんだっ!

 

「そりゃな。寺島さんが抜けた今、俺たちは

嘗てないほど追い詰められているのだぞ!」

 

「いや、そうなんすか?」

 

追い詰められてる?誰が?誰に?

それに追い詰められて楽しそうにするって

なんか違うくない?

なるほど。この人はMだった・・・って。

 

「ぐぉぉぉぉぉぉ?!」

 

いきなり皮膚を直撃するかのような刺激が俺に襲いかかって来た!

 

痛い痒い痛い痛い痒い痛い痛い痒い?!

コレってアレだろ?!

暴徒鎮圧に殺るヤツっ!!

ナンデ?!いきなりナンデ?!

 

「HAHAHA☆ハチよ『目も口ほどにモノを言う』って名台詞を知らないのか?」

 

知らねーよっ!!

何となく意味はわかるけど、

そんな名台詞知らねーよっ!!

 

「言いたいことは何となくわかったんで、

止めろ下さい!死んでしまいます!」

 

「いやいやいや、安心すると良い。

この程度では人は死なん」

 

・・・

 

突っ込むな!絶対突っ込むなよ俺っ!

ならどこまで殺れば死ぬん?

なんて突っ込んだら、体験させられるぞっ!

 

「押すなと言われたら押したくなるのが世の情け」

 

ダチョウかっ?!それとも

ロケットの方か?!

とりあえず時間を稼げ!

そうじゃないと間違いなく

地獄を見るぞっ!

 

そう考えた俺は、必死でツッコミを我慢する。

 

「失礼なヤツだ。俺がそんな簡単に

地獄を創るように見えるか?」

 

「はい」

 

「HAHAHAこやつめ。抜かしよる」

 

「あだだだだだだだだだだだだ

割れる!割れるぅぅ!!」

 

くそっ嵌められたっ!!

 

つい本音をこぼしたら、次の瞬間には俺の頭はガシッと掴まれていた。

 

これはテレポーターを使った技術ではなく、純粋な体術である縮地だ。

 

この人は当たり前に武術を極めているからタチが悪いんだよ!

 

つか何でトリオン体なのにアイアンクローの痛みがそのまま反映されてんだよ?!

 

「ソレはな?人は痛みがなければ覚えない生物だからだよ」

 

「さっきから当たり前のように頭の中を読まんで下さいっ!」

 

しかも答えになってねぇし!

 

「・・・いつもながら賑やかだな」

 

この声は?!

 

「おぉ、寺島さん。お疲れさまです。ハチの激励ですか?」

 

助かった!コレで勝つる!

 

「まぁ、そのつもりではあったんだがな」

 

アレっ?なんか風向きが・・・

 

「なぁ、チュウ。ソレってショーグンクローだよな?」

 

え、アイアンクローじゃないの?

 

「さすが寺島さん。OMEGA高い!」

 

時計かっ?!

 

「もしかして、お前って」

 

ナニ?ナニ?なんなの?!

 

「地獄の九所封じって出来るのか?」

 

しのフルコースって何ですかねぇ?!

 

「嫌だなぁ寺島さん」

 

出来るわけ無いよね?!

 

「出来るに決まってるじゃ無いですか」

 

できるのかよ?!

 

「おぉっ?!」

 

寺島さんのテンションが上がった?!

す、凄く辛い食べ物とか・・・じゃないですよねぇ。

 

「ま、まさかとは思うけどよ」

 

なんです?まだ何かありますのん?

 

「もちろん神威の断頭台も出来ます」

 

「お、おぉぉぉ?!」

 

いまだ嘗てないテンションだ!この人

こんなテンションになることあったんだ?!

 

「つか、なんすか神威の断頭台って!首飛んでるじゃねーですか?!」

 

くらってたまるか!絶対にくらったらダメなヤツだっ!

 

「は?何を言ってるんだ八幡」

 

「ハチ勉強不足にも程があるぞ?」

 

え、知ってるのが普通なの?

 

・・・くそっボッチに常識なんか求めてるんじゃねぇよ!

 

「なぁ、八幡」

 

「は、はい?」

 

「お前、悪魔将軍って知ってるか?」

 

何を言ってるんだこの人は?

 

「ここに居ますよね?」

 

目の前に居るじゃないか。

 

ってあだだだだだだだだだだだだ?!

ぐぉぉ後頭部が!後頭部がぁぁぁぁぁ!

 

つい本音をぶちまけたら、そのまま床に叩きつけられた件について。

 

いや、普通なら死んでるからな!

 

「HAHAHA☆どうですか寺島さん?!」

 

「おぉぉぉ!完璧な地獄の超特急だっ!」

 

完璧ってなんだ!ただ普通に叩きつけただけじゃねーのか?!

 

「いやぁ、トリオン体って便利ですよね?」

 

何をする気だ?!

 

「あ、あの!そろそろ模擬戦の準備しませんか?」

 

逃げる。コレ以上はなんかヤバイ!

小町、力を貸してくれぇ!

お兄ちゃんは逃げ切って見せるぞぉぉ!

 

「ふむ、それもそうだな。

ハチ立てるか?手を貸そう」

 

えっ?あれ?大丈夫?

 

「あ、はい。ありがとうございます?」

 

ん?力が入らない?さっきので

調子がおかしく・・・

 

「おぉぉぉ?!あ、握手だっ!」

 

いや、確かに握手だけど?!

 

「ハチ、寺島さんのリクエストだ。覚悟を決めろ」

 

「えっ?!」

 

何の覚悟を決めるかわからないまま、俺が

返事をすると、チュウさんは俺の両腕を固定し・・・いや、これってプロレスのアレですよね?

 

ダブルアームスープレックスの体勢。

まさかこのまま投げ捨てるつもりか?

 

そう思っていた時期が俺にもありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダダブルアームカラノ、スピンダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハチマンガ、チョクリツシテイクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トクシュナカイテンヲクワエテ、ウエニナゲタッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オイカケルヨウニジャンプッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイテトノラッカニアワセテ、ケリアシヲクビニッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーー!

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

東視点。

 

さて、今季もこの日が来たな。

 

「東さん、こっちは準備ができました」

 

ニノ・・・

 

「俺もです。今回こそあの外道どもに地獄を見せてやりましょう!」

 

シュウジ・・・

 

「そうよ!寺島さんが居なくなった今回こそ絶好の機会!」

 

加古・・・

 

「みんな、気持ちはわかる。だが気負い過ぎるな」

 

そう、あの外道共相手に冷静さを失えば前回の二の舞だ!

 

「東さん。ソレは無理よ!」

 

「加古の言う通りです」

 

「ヤツらは前回、やり過ぎました」

 

「お前らの気持ちはわかる凄くよくわかる!

だが前回の屈辱を繰り返す訳には行かんのだ!」

 

「絶対に繰り返さないわよ!今回は自害用の

メテオラだって用意したんだから!」

 

そんな後ろ向きでどうする・・・

 

「加古」

「加古さん」

 

そうだ!二人とも言ってやれ!!

 

「「俺にもくれ(下さい)」」

 

チクショウ!まともなのは俺だけかっ?!

 

「お前らなぁ」

 

とりあえず注意はしとかんとな。気持ちで負けてたら勝てる戦いも勝てん!

 

「だって東さん!」

「そうですよ東さん!」

「コレに関しては俺も同意見です!」

 

「そうよ!たとえトリオン体でもっ!」

 

「「「また丸坊主にされてたまるかっ!」」」

 

 

 

わかるけどさー。

 

元のチームメンバーからの魂の叫びを受けた俺は、それ以上何も言うことは出来なかった。

 

なにしろ俺も同じ気持ちだからな。

 

 

「いや、ただで負ける気はないわよ?けど

万が一のときを考えたら備えは必要でしょ?」

 

加古が言うのも間違いではない。

 

実際に緊急脱出はランキング戦の戦略の

一つだし、実戦でも時には逃げることを

優先すべきときはあるからな。

 

「そもそもトリオン体を気絶させるって何なんですかね?」

 

シュウジが本当に不思議そうに聞いてくるが、俺だってわからねぇよ。

 

なにせ鬼怒田さんも首を傾げてたくらいだからな。

 

「原理はわからんが殺られるんだ。対処は必要でしょう」

 

ニノも便乗してきたか。いや確かにそうなんだが、後ろ向き過ぎないか?

 

「「「それとも、東さんは丸坊主を受け入れるんですか?」」」

 

誰が受け入れるかっ!

 

「既に自害用の弾丸は用意してある!」

 

「「「ズルくない?!」」」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

えーコレよりー本部付き試験小隊VS元A級一位東隊のエキシビションマッチを行います。

 

実況は私、玉駒支部の宇佐美栞。

解説は、忍田本部長と落ち着いた筋肉こと

パーフェクトオールラウンダー

木崎レイジさんでお送り致します。

 

 

 

 

「「「えぇぇぇぇ?!」」」

 

木虎と緑川と黒江が揃って声を上げたのは、言うまでもない。




あとで書き足すかも?

当然別作品を、優先しますよ?ってお話。



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2話

あれ?
なんか続いた?

恋姫は??

オリ設定!
オリ展開!
重要だからもう一回

オリ設定!!!
オリ展開!!!


木虎視点。

 

 

・・・今、試験小隊と元A級一位東隊のエキシビジョンマッチって言ったわよね?

 

緑川君と双葉ちゃんは・・・焦ってるわ

 

東隊ってアレでしょ?

始まりのスナイパー東さんに

加古さんと二宮さんと三輪さんが

居て、それを月見さんがサポート

するっていうバグメンバー。

 

試験小隊がなんなのかわからないけど即殺でしょ?ソレを見るために?私たちは集められたの?

 

「えーと隊長?」

 

「どうした木虎」

 

「あの東さんの小隊と試験小隊って・・・一方的な試合になって終わりますよね?」

 

そんなの見てどうするんです?もしかして、上には上がいるってことを教える為のデモンストレーション?

 

だけどそれだと試験小隊の人たちの立場が無いわよね?

 

「そうだな」

 

え?否定しないの?もしかして試験小隊って嫌われてる?って言うか・・・

 

「試験小隊ってどんな人たちなんですか?」

 

「あぁ、木虎は知らなかったか?」

 

「はい、知りませんでした」

 

名前からすると技術局所属かしら?

 

「本部付きのA級小隊でな」

 

「え、A級ですか?!」

 

ナンデ?A級って厳しいランク戦を

勝ち抜いて選ばれた精鋭部隊でしょ?

ランク戦にも出ないのにナンデ?!

 

「ラ、ランク戦には出たことないですよね?」

 

「試験小隊だからな」

 

いや、え?そうなの?

 

「レイジさんや烏丸がいる玉狛第一と似たようなもんだ」

 

「なるほど!」

 

ならしょうがないわね!

い、いや、ダメよ藍!どこの馬の骨とも

知れない連中を烏丸先輩と一緒にしちゃ

ダメなんだからっ!

 

「不満そうだがな、よく考えてみろ。

試験小隊ってのは言い換えれば実験小隊だ。

まだ正式採用されていないトリガーや

理論を研究して、試さなきゃならん」

 

あぁ、それは・・・嫌ね。

嵐山隊長から告げられた話を聞いた私は

それだけで試験小隊の人たちに同情をしたわ。

 

「実験の結果、いつ体調を崩したり、

動けなくなったりするかもわからん」

 

「なるほど」

 

それならシフト制の防衛任務や

ランク戦も出られないか・・・

 

「さらに新たな試みをするためには

豊富なトリオン量と、ソレを

コントロールできる技術が必要だ」

 

「たしかに」

 

実際にトリオンが足りないとまともに起動

しないトリガーもあるし、暴走して爆発

されても困るしね。

 

「そんな貴重な人材を、まさか

固定給無しのB級にするわけにも

いかんだろう?」

 

ソッチ?!って言うか

 

「A級なのって給料の為ですか?!」

 

「大事だろ?」

 

いや、大事ですけど!大事なんだけどもっ!!

 

「危険手当みたいなもん・・・

というより、そのまんま危険手当だな」

 

あ、あぁそうよね。薬の治験だって

危険手当だもんね。でも、それなら・・・

 

「あの、もしかしてこの試合は

試験小隊の試験の結果を

発表する場・・・ですか?」

 

危険手当まで出して研究させてるんですもの。

当然周りに還元されないと意味ないわよね?

 

「そうだな。そういう一面もある」

 

そういう一面?

 

「で、あいつらがどんな人間かって話だが・・・」

 

「はい」

 

なんか誤魔化された気もするけど、そうよね。その話だったわ。

 

「一言で言えば・・・外道だ」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

木崎視点

 

 

木虎がなにか叫んでいるが・・・

あぁ、アイツはまだヤツを

知らなかったか。

 

『ではレイジさん、今回の予想は?』

 

宇佐美、そんなの聞くまでもないだろう?

 

「5対0で試験小隊だ」

 

もし東さんが一勝でも出来たら、俺は筋肉辞めるぞ。

 

「「「「だよなぁ」」」」

「「「えぇぇぇぇ?!」」」

 

木虎と緑川と黒江以外のメンバーは俺の予想に異を唱えることなく、黙って頷いている。

 

『ほほう?寺島さんが抜けても、試験小隊は揺らがないと?』

 

「宇佐美よ・・・それは違うぞ」

 

アホか、寺島がいないから歯止めが効かんのだろうが。

 

俺がそう言おうとしたら、隣に座る

忍田さんが神妙な顔をして同意してくれた。

 

「そうだな、寺島がいない方が奴らは・・・ヤツは危険だ」

 

ですよねー。

忍田さんもそう思いますよねー?

 

まったく、宇佐美め。勉強不足にも程がある。

連中は伊達に外道の看板は背負ってないんだぞ?

 

『なるほど!では忍田本部長の予想も?』

 

「4対1・・・くらいになると良いなって思ってる」

 

あぁ、手を抜く可能性ですか?ないと思いますよ。

 

『最後に流すということでしょうか?』

 

最後が一番ダメなヤツだろうが。

 

「いや、おそらく4戦目はひき・・・外道八号にやらせるはずだからな」

 

外道八号か・・・まぁありえなくはないですけど、

俺の予想は違う。

 

「いや無理でしょう?」

 

たとえ八号を殺っても、ヤツが残ることには違いがないからな。

 

『おぉ、レイジさんは断言しますねー!

ですが、東さんたちだって初戦じゃ無いん

でしょう?前回の反省を活かして、

しっかりと対処してきてると思いますよ?』

 

対処ったってお前・・・

 

「アレを相手に何を対処するんだ?」

 

いや、ホントに。

 

「・・・そうだな。レイジの言う通り

ヤツは何か特別な手や奇策を使ってる

わけではない。ただ鍛えた結果

一切の無駄がないだけだ。

さらに試験小隊としての新戦術を

使ってくるはずだから対処と言ってもな」

 

まぁ試験小隊として、何かしらの

結果を見せなきゃならんから、

奇策と言えば奇策を使ってくるかも

しれんが・・・その奇策だって

ヤツの卓抜した技術あってのもの。

 

「技術戦でヤツを倒すのは至難の業だ。

ヤツに勝つためには小手先の技じゃ不可能。

技を超える筋肉!これこそが唯一の正解ッ!」

 

今の俺の筋肉では足りん!だからこそ

今日は奴等の戦いを観察して、勝利に

必要な筋肉を逆算してやるぜ!

 

「・・・まぁ一つの正解ではあるだろう」

 

『な、なるほどー!外道八号も怖いがやはり、外道魔王が怖いと?!』

 

「「当たり前だ」」

 

外道魔王の時点で怖いだろうが・・・

 

「頼むぞ東!少しでもヤツの引き出しをっ!」

 

「必死っすね?」

 

「・・・次は俺たちだからな」

 

あぁ、次は忍田さんと太刀川でしたか。そりゃ必死になりますよね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

東視点。

 

「・・・なんて言われてるけど?」

 

「そうだな」

 

解説席のコメントを聞いた月見が俺たちを

煽るように言ってくるが、俺としても反論の

余地が無い。

 

木崎の言う通りすぎて返す言葉もねぇよ。

 

「・・・月見さんには違う意見が?」

 

シュウジ。無理するな手が震えてるぞ。

 

「魔王に勝てるとは思わないけど・・・

せめて八号は倒して欲しいわね」

 

結局5対0じゃねぇか

 

「月見。八号だって雑魚じゃないぞ」

 

「ニノ、その通りだ」

 

八号はあの外道魔王に鍛えられた外道だぞ。

例えるなら外道魔王がシロナガスクジラで、

八号がマッコウクジラだ。

 

雑魚だなんてとんでもねぇ。

 

「そんなことはわかってるわ。だけど前回の

試合から四ヶ月・・・みんなだって遊んでいた

わけじゃないでしょう?」

 

「・・・あぁ」

 

最初の一ヶ月は凹んでたけどな。

 

「もちろんよ。近づいてきたら

きっちり自爆してやるんだから!」

 

加古・・・なんか違う。

 

「加古さん。その気持ちを忘れないで!」

 

いいのかよ?!

 

「なんか驚いてるけど・・・東さんに何か対策は有るの??」

 

いや、対策って言われてもなぁ。

 

「そもそも木崎や忍田さんが言うように

連中に隙はない。さらに言えば今回も

奴らの新技や新理論の実践だろ?

従来の手で来たらそりゃ対策も取れる

だろうが、全く新しい手を使って来る

奴にできる対策って・・・何だ?

持久戦用にシールド二枚とバックワーム。

緊急避難用にテレポーターかグラスホッパー

仕込むくらいしか無いんじゃないか?」

 

「それはそうなんだけど・・・あとはカメレオンかしら?」

 

いや、月見よ。それは微妙だぞ。

 

「月見さん、慣れてないトリガーを

使っても無意味だし、あの小隊に

カメレオンって効かなくないですか?」

 

そうだよな。シュウジが言う通りだ。

カメレオンは元はアイツ等が開発・研究

したトリガーだもんな。

 

「たしかにそうね・・・」

 

「それにカメレオンってことは接近戦か?

相手は外道魔王だぞ?誰が行くんだ?」

 

ニノは自分がカメレオンを使うって発想は

ないらしいな。

まぁ俺も使わせるつもりは無いから良いけど。

 

「・・・加古さんか三輪くんよね?」

 

「「無理(です)」」

 

だな。頭を掴まれてトマトみてぇに

潰される未来しか見えねぇよ。

 

「それじゃあカメレオンからの鉛弾はどうかしら?重くなるなら少しは・・・」

 

「ダメよ!それは絶対ダメっ!」

 

前回ソレを返されて加古は髪の毛を重くされたんだもんな。

 

「月見さん・・・もし本気で勝ちに行くなら近接戦はダメなんです」

 

本気で勝ちにいくのに『もし』って言葉を

使っている時点で、シュウジが諦めてるのが

わかるが、俺も似たようなもんだから強くは

言えん。

 

「近接戦って・・・加古さんも三輪くんも

20-30メートル位の中距離戦闘メインの

万能職でしょ?距離を保ちながら・・・」

 

「月見。お前にはわからんかもしれんが

外道魔王にとって半径50メートルが近接。

視界に入ったら射程内だ」

 

ニノの言う通りだ。しかし近接とは一体・・・

 

「えぇぇぇぇぇぇぇ」

 

「ですから基本は二宮さんのシールドと、

東さんの狙撃で倒すしか無いんですよ」

 

「そうね、私と三輪君は八号と魔王の

意識を少しでも引くことに専念するわ」

 

ま、結局はそれしかないんだがな。

ただ向こうは当然それを読んでくる

だろうから、結局はニノと俺が

どれだけやれるかって話なんだよなぁ。

 

「・・・ヤツ相手では俺のシールドも

数秒と持ちません」

 

そうだな。無理なものは無理だ。

 

「わかっている。とりあえず三人とも射線は

気にせず。場所の特定と時間稼ぎを最優先。

奇襲が失敗したら自害だ!

緊急脱出は絶対に許されないだろうから、

タイミングを見誤るなっ!」

 

「「「はいっ!!」」」

 

「月見、オペレート頼んだぞ!

俺たちの自害が間に合うかどうかは

お前にかかってるんだからな?!」

 

「はい」

 

頼むぞ、ホント!

 

「東隊。行くぞ!」

 

「「「「はいっ」」」」

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?俺ら出番は?」

「八幡・・・お前、なんだかんだ言って

メンタル強いよな」

「HAHAHA✩鍛えましたからね!」




まだ戦わないッ!

どんだけ戦闘描写に自信が無いんだってお話


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3話

やりたい放題

だってチラ裏だもの

オリ設定
オリ展開!!

さっさと戦え?

ハハッ



木虎視点。

 

あ、あの嵐山隊長が『外道』って断言するって相当よね?

 

良いの?そんなのA級に居て良いの?

 

けど木崎さんも、忍田本部長も

認めてるっぽいし。

しかも一方的って試験小隊が東小隊を

即殺するのね・・・あ、アレかしら?

実力はあるけど素行が悪いとか。

もしくはサイドエフェクトが物凄く

エグい性能してるとか?

 

「あの、隊長・・・外道って?」

 

そもそも仲間にその扱いはどうなの?

 

「うーんそうだな・・・先に言っておくが

外道と言っても決して悪口じゃないんだ。

良い意味で外道なんだ」

 

「は、はぁ」

 

い、良い意味で外道ってナニ?!

 

「見ればそうとしか言えない戦い方と勝ち方でな。ただただエグい」

 

やっぱりエグいのね?!

 

それに木崎さんや忍田本部長の言い方だと、

何か特殊なことをしている訳ではないって

ことだけど、新戦法や新技術は特殊な

ことじゃないの?

 

「何か特殊なことをしてくるんですよね?」

 

「んー新技術はそうだが、他のは既存の

戦法の応用だったりこんなん出来るかー!

って言う技術だったりだな。

本人曰く、鍛えれば出来る。とのことだ」

 

応用と技術か・・・私みたいにトリオンが

少ない人間には必須だけど・・・

 

「その人たちってトリオンは多いって言ってましたよね?」

 

テスターとして不足は無いレベルのトリオンが

あるはずだから、私みたいに小技に頼る必要が

無いと思うんだけど、どうなのかしら?

 

「あぁ、そうだな。たしか外道魔王が13で

外道八号が8だったか?」

 

13?!二宮さんの14には届かないけど、最上級じゃない?!

 

「ほ、他の能力は・・・?」

 

「基本的に奴らは切り札扱いだからな。

情報は秘匿されてるんだ」

 

切り札?あぁ、まぁ最新の技術と理論の塊

ですものね。

わざわざ全部を開示するわけない、か。

 

「ちなみに外道魔王は

 

トリオン  13

攻撃    13

防御・援護 13

機動    13

技術    13

射程    13

指揮    13

特殊戦術  13

 

トータル 104

 

って公表してる」

 

「バケモノじゃないですか!」

 

「着いたあだ名が死神やゴ○ゴ

なのは言うまでもないな」

 

やかましいわ!

 

トリオン量は二宮さんの14がいるし

攻撃も太刀川さんが14ですけど!

機動13って緑川くんですら11ですよ?!

技術って忍田本部長が10ですよね?!

特殊戦術も冬島さんが10ですし?!

いや、射程13って1300ですか?

スナイパーですか?あぁだから

ゴル○何ですねって違うっ!!

 

「えっと、あくまで公表してるだけですよね?」

 

そう、ブラフ!ブラフの可能性が!

 

「それはそうだ。実際問題指揮が13って

言われてもなぁ。

城戸司令が「それじゃ足りん」

って言ってたみたいだけど・・・」

 

城戸司令公認じゃん!

 

「それは外道8号さんは・・・」

 

まさかね?そんなこと無いわよね?

 

「木虎の予想通りだと思うぞ?

 

トリオン  8

攻撃    8

防御・援護 8

機動    8

技術    8

射程    8

指揮    8

特殊戦術  8

 

トータル 64

 

とまぁ・・・オール8だ」

 

舐めてんのかっ!!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

外道八号視点

 

いやぁ、なんか俺にはどうしようもないところで、理不尽に怒られた気がするんですが。

 

「いつものことだろう?」

 

「いやだから頭の中、読まんで下さい」

 

なんだってこの人はこんなことが・・・

サ○リか?東の地の底に住んでる

サト○なのか?

 

「ならばハチは特性を考えたらコ○シだな。

・・・なかなか上手いことを言うじゃないか」

 

「だから言ってませんって!」

 

絶対目で読んでるとかじゃないよな?!

 

「なんだ、まだわかってないのか?」

 

ん?何か秘密でもあったのん?

 

「俺がお前の思考を読んでいるのではない。

お前の思考が漏れて来てるだけだ」

 

「えぇぇぇぇぇ?!」

 

サ○ラレ?!俺ってサト○レだったのか?!

 

「いや、八幡。信じるなよ」

 

ダディヤ・・・寺島さん!

 

「寺島さん・・・ここはもう少し放置して

ウソダ○ンドコドーンまで言わせて欲しかった」

 

アンタも大概引き出し多いな!

 

「で、どういうことなんです?」

 

この人に思考を読まれるのは諦めても良いけど、他の連中にまで読まれたら死ぬからな。

 

今後の為にも確認せねば。そう思ったんだが、まだまだ俺は甘かったらしい。

 

「なに、簡単だ。今のお前は生身ではなくトリオン体だろ?」

 

「まぁそっすね」

 

トリオン体が関係してるのか?

 

「ちなみに肉がある生身ですら脳波は外に

出ると言うのは知ってるな?」

 

「えぇ、まぁ」

 

なんだいきなり?

確か植物とかの研究でわかったんだよな?

 

「ハチも実感しているだろう?

気配を感じたり、空気を読んだり

する際には必須の能力だからな」

 

ボッチで悪かったな!

 

「それで、タダでさえ脳波が外に漏れ

出てるのに、肉体が無いトリオン体だと

さらに脳波を遮るものがなくなるだろう?」

 

「なるほど」

 

いや、それじゃこの人って・・・

 

「その脳波を受信することができれば、

思考を読むことなど容易いな?」

 

容易く出来てたまるか!

 

「そ、それってプライバシーとか

ヤバイんじゃないですか?!」

 

「ソレ、迅さんに言ってる奴見たことあるか?」

 

・・・ないな。

 

そうだよな、あの人の場合トリオン体とか

関係なく未来を見られてるんだよな。

 

それに比べれば思考を読む程度は技術の範疇・・・なのか?

 

「まぁ実際は簡単にはできんよ。

日常でそんなことをしていたら

どこぞのニュータ○プのように

頭がおかしくなる」

 

遠巻きに迅さんも頭おかしいって認定してませんかねぇ?

 

「それに読めるのもあくまで部分部分だ。

お前が好きなゲームで言えば・・・

相手の頭の中に出てる選択肢と

その中から何を選んだか。

くらいの精度だな」

 

ほぼ全部読んでるじゃねぇか!

選択肢まで読むなよ!

全部見られたら強制で好感度下がるじゃん!

イベ起きねぇよ!せめて決定したのだけ読めよ!

 

「凶悪ですね」

 

「・・・その一言に集約した八幡にびっくりだ」

 

いや、寺島さん。それ以外俺に何を言えと?

 

「寺島さん。ハチはまだ若いんです。

いくらだって成長しますよ」

 

「「いや、同い年だろ」」

 

何言ってんだこの腐れ目?

 

「「お前が言うな」」

 

寺島さんも読んでるじゃないですかー。

 

「まぁ良いが。ホレ頼まれてた目出し帽だ」

 

おぉ!コレで正体を隠せる!

 

「ありがとうございます」

 

ふふふ、このフィットする感じが堪らんね!

 

「いや、目立つのが嫌な性格だってのは

わかるんだが、なんでそこまで拘るんだ?」

 

寺島さんにはわかりませんかねぇ?

今はボッチが生きるには辛い世の中なんすよ。

 

「まぁまぁハチは高校一年ですよ?」

 

「あっ」

 

「寺島さん。その何かを察した目は止めて下さい。あとチュウさん、あんたも高一だ」

 

あきらかに年上オーラ放ってるけどな!

 

「年上オーラ?当たり前だな。なんせ俺は

ハチと違って少年誌など読まんからな」

 

なんだと?!友情・努力・勝利の大切さを忘れたと言うのか?!

 

「少なくともビッ○コミックと近○麻雀に掲載されている漫画に友情の文字は無いな」

 

オッサンか!

 

「ちなみにチャ○ピオンは浦安とバ○道だけ読んでる」

 

アンタも筋肉か!

 

「お、チュウもか?いや、俺もあの人の

漫画好きなんだけどさぁ、早く餓○伝

復活してくんねぇかなぁ?」

 

「やっと文七出てきたのにねぇ。けどあの

話の中だと、彼って時効成立してますよね?」

 

誰だよ?!

 

「奴か。確かにしてるな。アレは総合何点だ?」

 

「100は超えてると思うんですけど・・・」

 

だからどこの藤巻○三の話だッッ!

 

「「わかってんじゃねぇか」」

 

 

 

 

「さて、そろそろ真面目にやろうか」

 

「最初からそうしてくださいよ」

 

アレでしょ?何だかんだで緊張していた

俺をリラックスさせるためなんでしょ?

大丈夫ですよ。まったく。

 

「寺島さんは今回限りとはいえオペレーターは初めてですからね」

 

そっちかよ!

 

「まぁな。だがオペレーターと言っても

初期配置を教えるだけでいいんだろ?」

 

「えぇ、今回はソレで十分です。なぁハチ?」

 

いきなり振ってくるなよ!とは言え・・・

 

「そっすね。あぁ四戦目は俺も動くんで、

簡単なサポートもらえると助かります」

 

正直一、二、三はチュウさんによる消化試合だしな。

 

「あぁそれくらいなら問題ない。

それと、五戦目はどうする?」

 

うーん、別に譲ってもいいよなぁ。

あえて木崎さんの予想を裏切るのも

面白そうって言いそうだけど・・・

 

「考えてないなら、一つ頼みがある」

 

「ほほう。寺島さんからの頼みですか」

 

ほむ?なんですかねぇ?

 

「・・・前回は丸刈りだったろ?あの後で

二宮と加古にかなり文句を言われたんだ」

 

あぁ、なるほど。

 

「わかりました、今回は角刈りにします」

 

そう言うことですよねー。

 

「虎刈りでも構わん。なんなら後頭部にアートを刻んでやれ」

 

「「了解です」」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

木崎視点。

 

『さて、お互いの作戦準備も終わりました!

時間いっぱい。

これより試験小隊と東隊のエキシビジョン

5本勝負を開始します。

忍田本部長!第一戦の見所は?』

 

「うむ、戦場も配置もランダム設定なので

普通なら集合か離散の選択。

相手の出現位置の確認等色々あるんだが、

ヤツらを相手にする場合は、真っ先に

しなければならないことがある」

 

確かにありますね。

 

『ソレは一体?!』

 

「「両手シールド」」

 

『え?バックワームじゃなく?!』

 

「・・・宇佐美、知らなかったのか?」

 

知ってて他の隊の連中のためにこう言うリアクションをしていると思っていたんだが、単なる不勉強か?

 

『え、えぇ私がこの模擬戦のことを

知った時には玉狛に移ってましたので』

 

あぁそうだったか。ならしかたない。

 

「ならしっかり見ておけ。俺たちにも

使える技術があるかもしれん。

撮影も記録も個人ではできんから、

ちゃんと記憶をしろよ?」

 

『は、はいっ』

 

間違いなく無意味にはならんからな。

 

 

 

 

 

『色々とありましたが、来ました。

戦場は・・・市街地B!時刻は夜で

天候は晴れ!コレはスナイパーの

東さんの独壇場か?・・・え?』

 

「「「「・・・あぁ。今回はソレか」」」」

 

比企・・・八号。逆に目立つぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「め、目出し帽?それになんか、目が腐ってるー!!」」」』

 

 




サブタイ?知らん
恋姫?頑張ってます。
戦え?・・・次回から本気出す!ってお話


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4話

やりたい放題?!

更新こそ正義?!

そうだ!ソレがチラ裏だッッ!

オリ設定!

オリ設定だぞ?!


木虎視点。

 

『おーっと目出し帽?をした二人組が現れたー。この二人が試験小隊なのかぁぁ?!』

 

宇佐美さんのテンションが変なことになってるけど、それに関しては後よ。

 

いや、ナニよあの目出し帽?は!

なんか黒いし、目の部分が十字になってて

モノアイ見たくなってるじゃない!

 

しかも何故か口元は見えないのに目は見えるし!

その見えてるその目がもう腐ってるじゃない!

 

あれ、絶対怪しい儀式とかしてるわよ?!

 

「木虎、落ち着け」

 

「は、はい!」

 

そうよね。落ち着いて観察しなきゃ!

 

身長は二人とも170~180くらいで細身よね。

 

8って書いてるのが外道八号だと思うけど、

油断は出来ないわ。

なんてったって相手は外道ですもの。

実は8って書いてる方が魔王の

可能性もあるわよね!

 

だけど、なんで目出し帽なのかしら?

 

「あの、隊長?」

 

「ん、どうした?」

 

あれ?隊長は目出し帽を疑問に思ってない?

 

「いや、なんで目出し帽なのかなーって不思議に思いまして」

 

そして何で皆さんが、アレを当たり前に

受け入れてるのかも不思議でなりません。

 

「あぁ、あれな。外道魔王はそうでも無いんだが、八号の方がな」

 

「八号に何か問題でも?」

 

今さらなんですが、一号~七号は?

 

「目立つのが嫌いなヤツでな。

顔を出したがらないんだ」

 

「・・・そうですか」

 

機密とかだと思ったら、ただの気持ちの

問題でしたか。そーですか。

 

「まぁ、機密情報も扱ってるからな。

顔を隠すのは当然だよ」

 

え?口に出してた?!

 

「な、なんだ?いきなりそんな驚いた顔して」

 

「あぁ、いえ、そうですよね!

最新情報とか有りますもんね!」

 

大丈夫!セーフよ藍!

 

「あ、東さん達も来ましたね!」

 

「あ、あぁそうだな?」

 

よし、このまま押し流すのよ!

 

「えっと、これから転送されて試合ですけど、

注意するべきところは、どこでしょうか?」

 

外道に注意するのは当然だけど、東さんたちの動きも要注意よね?

 

「そうだな。さっきレイジさんと忍田本部長

も言っていたが、初動でしくじれば

一発で終わるのが外道戦だ」

 

外道戦って凄い言葉よね。

あの二人組を見たら納得出来るけど・・・

 

「最初は両手シールドとか?」

 

防御に全振りしないとキツいってこと?

 

「そうだ。ヤツは開幕に必ず新技を使うからな。耐えるためには小細工じゃなく、防御を固める必要がある」

 

なるほど。何をされるかわからないし

向こうのトリオン量も多いから、防御に

専念しないと終わるのね・・・

 

「だけど、距離を考えれば、いきなり全滅とかは有り得ませんよね?外道魔王は狙撃手なんですか?」

 

渾名もゴ○ゴみたいだし、有り得るわよね。

 

「本人はコマンドーとか言ってるがな」

 

「何ですかそれは?」

 

コマンドー?筋肉ムキムキな大佐?

 

「うん。素手でも、銃でも、トラップでも、

戦車でもヘリでも戦闘機でも使えて、

場合によっては艦隊だって沈黙させる。

そんなしがないコックを目指してるらしい」

 

「そーですか・・・」

 

最終的に目指してるのは料理人なんですね?

 

「深く考えたら負けだ。それすら外道の手口なんだからな」

 

もうやだ。さっさと防衛任務行きましょうよー。その方が絶対マシですって。

 

そう思っていた時期が私にも有りました。

 

「・・・木虎」

 

「はい?」

 

なんか隊長が真剣な顔をしてるけど、正直

ツッコミに疲れたわ。もう良いよね?

 

「良く見ておけ。ヤツがやるのは、

これから俺たちが戦う近界民が使って

来るかもしれない技術と戦術だ」

 

?!

 

「知らない戦術だから負けました。

卑怯なことをされたから負けました。

俺たちにそんな言い訳は許されん。

俺たちが負けたら、市民の皆さんが

危険に晒されるんだぞ」

 

「隊長・・・そうですよね」

 

敵が外道と呼ばれる相手だからこそ、その手法を学ばなきゃ駄目なのよね!

 

「すみません隊長。確かに腑抜けてました!」

 

「いや、わかれば言い。気を抜かずに観ろ。観察を怠るな!」

 

「はい!」

 

 

だらけていた自分に活を入れてモニターに目を向けると、そこでは・・・

 

『~♪』

 

「「・・・・・・」」

 

あれ?隊長?気のせいでしょうか?

魔王、指パッチンして踊ってませんか?

 

 

―――――――――――――――――――――

 

木崎視点。

 

『おぉっと?!転送されたと同時に

外道魔王が踊り始めましたぁぁ?!

・・・忍田本部長アレは一体?』

 

「わからん。わからんがヤツは無駄なことは

一切しない男だ。レイジ。トリオン情報は

どうなっている?」

 

これは・・・なるほど。あいつめ

まさかアレを実用化したのか。

 

『レイジさーん?』

 

「ん、あぁすまん。何か?」

 

『トリオン情報の解析してましたよね?』

 

「その、結果が聞きたくてな」

 

あぁ、なるほど。はたから見たら外道魔王が

指パッチンして踊ってるだけだからな。

 

「すぐに結果が出ますからネタバレは

後にしましょう。

とりあえず、いま言えるのは

俺たちは完全に外道魔王に

してやられましたってことですね」

 

『レイジさんソレはどういう?』

 

「直ぐわかる。まぁ見ていろ」

 

『???』

 

そろそろだな。おそらく最初は三輪だろう

 

「そろそろです」

 

『「レイジ(さん)?」』

 

宇佐美や忍田さんが俺を凝視するが、良いのか?向こうを見ていなくて。

 

 

『えっ?あ?あ~っと!痺れを切らして

シールドを解除した三輪隊長の首が・・・

飛ばされて分割されたぁ~?!』

 

―――――――――――――

 

唯我視点。

 

「あ、あれは?!」

 

「「知っているのか唯我?!」」

 

思わず声をあげてしまった僕に周囲の視線が集まる。特に太刀川さんは真剣そのものだけど、今はそれどころじゃない!

 

「え、えぇアレは外道魔王の新技!『素晴らしき蹂躙劇』です」

 

まさか最初にアレを使うとはっ?!

 

「唯我、その『素晴らしき蹂躙劇』ってのは?」

 

「太刀川さん・・・木崎さんの解説の前に僕が言っても良いんですかね?」

 

ネタバレがどうこう言ってましたよ?

 

「かまわん。どーせ喋るなら、今聞いても同じだろ?」

 

そうなのかなぁ。まぁいいや()

 

「外道魔王の素晴らしき蹂躙劇は、

一言で言えば・・・鋼糸の結界です」

 

「「鋼糸?」」

 

「はい」

 

恐ろしい。アレじゃあ東さんたちは手も足も出ずに負けてしまうぞ。

 

――――――――――――――――――

 

木崎視点。

 

『「鋼糸?」』

 

「そうだ」

 

呼び名は違うかも知れんがな。

 

『えっと、それってゲームとかアニメで

強キャラが使う、あの斬れる糸ですよね?』

 

分かりやすいところだとそれだよな。

 

「そうだ。俺たち玉狛も実用化しようとは

したんだが、様々な問題が解決できず

最終的に断念した技術だ」

 

それをまさか外道魔王が実用化に成功していたとはな・・・

 

「レイジ、様々な問題とは?」

 

「はい、まずは使用するトリガーです。

基本的なことを言えば、スパイダー

だけでは糸は出ても切れ味が出ませんよね?」

 

『そ。そうですね!でも細くて頑丈なら

敵が動けば斬れるんじゃないですか?』

 

「そうだな。あぁ、だが相手が来なければ

意味が無いのか?」

 

そうなんだよ。忍田さんが言うように、鋼糸に

求められるのは受動的な罠に用いられる切れ味

ではなく、能動的な攻撃性なんだ。

 

その上で最大の問題は、強度と切れ味の両立だった。

 

「そうです。自発的に斬る為には、

どうしてもトリオンを流して糸に

切れ味を含ませる必要があります」

 

『考えるだけで膨大なトリオン量が

必要になりますし、更にその糸を

操るとなると・・・』

 

「あぁ。かなりのトリオンコントロールを必要とする。それこそ、普通に処理をしようとしたら頭が焼ききれてもおかしくないレベルで、な」

 

烏丸の技量でも無理だったからな。

 

「ふむ確かに、膨大なトリオンと卓抜した

技術が必要になるのはわかった。

だが、あそこの魔王はそれを躍りながら

こなしてるように見えるが?」

 

それがわからん。

 

「何か理由があるのかもしれませんが、

俺にもわからないですね」

 

普通なら糸の制御に全力を傾けねば

ならんだろう。更に三輪との距離も

三百メートルはあったから尚更だ。

 

それなのに、何故踊る余裕がある?

と言うか何故踊る??

 

『おっとぉ?!疑問がなにも解決

しないまま、状況は動いてるぞ?!

シールドを張って何もしていないはずの

加古隊長の様子が?

・・・あぁっシールドが、破壊されましたっ!

そしてそのまま断頭ぉぉ!加古さん相手に

容赦なし!エグい!エグいぞ外道魔王っ』

 

うわぁ。首を飛ばしただけで良いだろうに、しっかりと四分割にしやがるとか、アイツは本当に人間か?

 

―――――――――――――――――

 

東視点。

 

「加古っ!」

 

シュウジに続いて加古も落ちただと?

くそっなんだ?何が起こってる?!

 

『東さんっ!』

 

「どうした月見!」

 

八号が動いたか?!

 

『今、解説が入りました!糸です!

スパイダーで作られた糸が、皆の

周囲に張られてます!』

 

「「糸?!」」

 

いつの間にっ?!

 

『あの指パッチンの度に、各方向へ糸が

張られていました!』

 

いや、各方向って距離が・・・!

 

「東さん。ヤツの射程は13でしたね・・・」

 

ニノからの通信で、俺は公開されている

外道魔王のステータスを思い出す。

 

確かにアイツはオール13と公開していたが、

ネタかと思ったら事実かよ?!

本当なら、ヤツの射程は1300を越えるぞ!

 

「月見っ!俺とニノの周囲にも糸はあるんだな?!」

 

『はいっ!どんどん増えてます!』

 

「捕捉されてる?いや、すでに捕縛されているのか?!」

 

ニノが叫び声をあげるが、そりゃそうだ。

バックワームも何も使わず、初期配置から

動かないでシールド張ってるヤツらなんか

狙い放題じゃねぇか?!

 

「くそっ?完全に戦術で負けたな」

 

先入観を利用され、掌の上で踊らされたか。

 

「東さん・・・」

 

『・・・新技は確かに使って来ました。

ソレがシールドで耐える類いの技で

なかったと言うだけで』

 

してやられた。考えてみれば、当然だ。

 

思考の穴と言えばいいのか

どうかはわからんが、

思い込みを利用されて罠に嵌められた。

向こうにしたら楽なもんだったろうな。

 

「スマン。俺が甘かった」

 

『いえ、東さんだけではありません』

 

「そうですね。今回はやられましたが、次は勝ちましょう」

 

 

ニノ、月見。加古も三輪もすまんな。

 

「・・・東隊、投了だ」

 

戦いは始まる前に終わっている、か。

やってくれたな外道魔王っ!

 

―――――――――――――――――

 

木虎視点。

 

・・・あのA級の精鋭を集めたバグ小隊が、

何もできずに投了って。

初動で失敗したからこその敗北、か。

 

「わかったか?奴らは別に反則はしちゃいない。

それどころか一戦目は必ず新技を使うって

言う、所謂お約束までしっかり守った上で、

俺たち全員の思考の穴を突いたんだ」

 

「そうですね」

 

確かにそうよ。結局私たちにわかったのは

向こうが膨大なトリオンを使うことと

どうやって操作してるのかが謎って事。

最後まで踊る理由がわからなかったけどね。

 

とにかく、彼らは正面から罠を張って、

あの東さんたちを一蹴してみせた。

 

なんと言うか釈然としないモノはある。

だけど勝ってる。アレを、一言で言うなら

 

「・・・なるほど、外道ですね」

 

常道から外れると言う意味の外道。

確かに陰口ではないわね。

 

「だろう?学ぶところはいくらでもある。

次もしっかり見ておけよ」

 

「はいっ」

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

唯割視点。

 

「唯我~!次は俺と忍田さんなんだぞ?!

後で知ってる事はちゃんと教えろよ!

絶対だぞ?!」

 

太刀川さん・・・

 

「いや、アレはエグいな。名前と踊りの

意味はわからねぇが確かに蹂躙だ。

あれじゃ最初にシールド張った時点で

負けじゃん?」

 

シールドを張らなければそのまま

糸で刻まれますしね。

 

「そうですね。外道魔王に読み合いで

勝つのは相当厳しいですよ?」

 

「だな。とは言っても、次はアレ禁止だろ?」

 

「そうですね」

 

何せ使ったトリガーは再使用禁止のルール。

残る四戦、今回使った『二つ』は使用禁止。

 

さて、あのお二人はどうするのやら・・・

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

『さて、これより第二戦を、開始します。

そしてエキジビションルールにより、

試験小隊は第一戦で使用したトリガーを

禁止されることとなります!

禁止されるのは・・・えぇ?!』

 

「どうした宇佐見?」

 

『あ、し、失礼しました!第二戦以降禁止されるトリガーは・・・スパイダーとスコーピオンです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「・・・はぁ?」」」」」

 

 

 

 




スコーピオンとスパイダーで鋼糸。
誰だって連想しますよね?ってお話

細かい解説は次回、
公園最強の漢がしてくれるッッ!
・・・といいなぁ。

次回っ!

解説してやろうか?
ただし真っ二つだぞ?
・・・の巻!

屁のつっぱりはいらんですよ!


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5話

ヒャッハー!

恋姫より文章が長い?
こまけぇことは気にすんな!

チラ裏なめんじゃねぇ!!(一番舐めてるのは作者である)

オリ設定
オリ展開

嫌いな人は読み飛ばし!!



木崎視点。

 

『えー第二戦に移りたいんですが、

周りからさっきの試合に対する

解説を求める声があがってますねー』

 

まぁ、気持ちはわかる。

俺だって欲しいくらいだ。

 

「解説と言われてもなぁ、レイジ?」

 

いや、忍田さん俺に振らないで下さいよ。

 

「そうですね。鋼糸をどうやって

実用化したのかとか、俺たちも

知りたいくらいです」

 

いや、マジで。

 

「そんなお二人に解説役だ!」

 

太刀川?つーか解説役に解説ってどうなんだ?それに一体誰が?

 

「ど、どーも」

 

「「唯我!」」

 

そういやコイツが居たな!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

木虎視点。

 

太刀川さんに解説席に連れてこられた

唯我さんって、確かA級一位の太刀川隊で、

トラッパー兼狙撃手っていう常識に

囚われない異色の職人よね?

 

確かにあの人なら外道の解説も・・・って。

アレ?常識に囚われない?

 

「隊長。もしかして唯我さんって」

 

「気付いたか?そう。奴は外道魔王の弟子だ」

 

やっぱり関係者か。いや、あの人も相当

エグい戦い方することで有名だったけど。

まさか外道魔王の弟子だったとは・・・

 

「そもそも木虎は唯我の経歴を知ってるか?」

 

「経歴ですか?確か大口スポンサーの息子で、

いきなりA級に入れろって来たんですよね?」

 

それで協議と調整のために何ヶ月か経って

からA級の一位の太刀川隊に入ったはず。

 

当たり前の話だけど基礎とか何もないから、

最初は当然お荷物になると思われてたのよね。

だけど彼はどこで修行したのか最初からA級

に劣らぬ実力を持つことを周りに見せつけ、

今では押しも押されぬA級隊員。

 

「そうだ。その際に外道魔王が、

ある条件を唯我の親御さんに付けてな」

 

一隊員がスポンサーに?

 

「よく意見なんか言えましたね」

 

聞く方も聞く方だけど。

 

「引き受けたのは太刀川だが、

外道魔王も立派なA級隊員。

現場の意見として物申したそうだ。」

 

「なるほど」

 

実際に息子を引き受ける現場の人間の

意見なら、話を聞くくらいはするわよね。

 

「その場で外道魔王はこう言ったんだ。

 

『息子さんをA級隊員にしても基礎が無い為

そのまま出撃したら本人が恥をかきます。

基礎の大事さは企業を経営する貴方が

よく知っているでしょう?

まさかA級隊員が太刀川の後ろに

隠れてるわけにもいきませんしね。

で、息子さんに恥、かかせたいですか?』

 

から始まった・・・まぁ説教だな」

 

「あぁ。容赦ないですね」

 

けど正論よねぇ。

企業を経営している人間が、基礎も何もない

やつを現場のお偉いさんにするのか?

なんて言われたら文句は言えないわよねぇ。

まして親として息子に恥を

かかせたいのか?なんて言われた日には・・・

 

「容赦なんてあったら外道魔王なんて

名乗らないさ。で、

 

『基礎がないと恥をかくだけでなく、

絶対に足手まといになりますよね。

A級一位である太刀川隊は今なら余裕が

ありますが、もし彼らでも勝てるかどうか

わからない近界民が攻めてきた場合。

アナタの息子さんのせいで

負けるかもしれません。

 

え?一位なんだろ?

HAHAHA✩我々がやってるのは戦争ですよ?

こっちで一番強いからって、

あっちより強い保証なんてありません』

 

って言ってな」

 

「まさしくその通りですね」

 

それ以外言いようがないわ。

 

「だろ?さらに追撃だ

 

『そうなった場合どれだけの損害がでますか?

人が死にますよ?モノが壊れますよ?

アナタの息子さんのせいって言われたら、

息子さんは立ち直れますか?

当然息子さんだけじゃないですよ?

親として、企業として叩かれますよ?』

 

ときたもんだ」

 

「はぁ。もぉ、なんと言いますか・・・」

 

正論だわ。これ以上ないくらいの正論だわ。

これでも何か強要できるなら、何かあった

とき、社長としても親としても世間に叩かれる。

イメージダウンもいいところ。

さらに全部が事実だから言い返しようがない。

スポンサーの我侭を完全に封じてるわね。

 

「ここで終わらないのが外道魔王だ

 

『ですので私が鍛えましょう。

え?私もA級ですよ?ねぇ司令殿。

しかも試験小隊ですので、

得られる情報も最新情報です!

 

当然、いずれは実戦に出ることになりますが

いきなりA級一位なんて余計な

プレッシャーもないですし。

わかるでしょう?新人が焦って

ミスするとか、よくある話じゃないですか?

 

その点、我々は自分の好きなタイミングで

出れますからね。なんせ試験小隊ですし。

えぇ、不測の出撃とかはありません。

 

基礎研修を始め、最新装備と最新の理論。

他の方々が集めた情報をフィードバックし

準備万端整えた最高の状態で、

息子さんの初陣を飾ってあげれます。

 

そうなれば息子さんもコネではなく、

実力でA級一位になったんだと胸を

張って語れるでしょう。

 

あぁ、無論親御さんのご協力がなければ、

そもそも我々から英才教育を受けれなかった

ということはきちんと教えますよ?』

 

なんて言われてみろ。最後には親御さんも、

すごくいい笑顔で城戸さんと外道魔王に

頭を下げって帰ったらしいぞ」

 

・・・絶対周りは『うわぁ』って顔してますよね?

 

「最新技術で企業としてのメリットを、

A級に相応しい人間にすると言うことで

子供の自尊心を満たし。

さらに子供が失敗しないようにする

フォローまで完璧だ。

そのうえ親御さんが居たからだよ?

なんて親としての自尊心への気遣いまで

してるんだ。

唯我本人の意見なんて完全に封殺さ」

 

唐沢さんもびっくりな交渉術よね。

 

「・・・外道魔王って何歳なんです?」

 

まさか13歳じゃないですよね?

 

「年齢は15だったはずだ。今高校一年だな」

 

「じ、15ですか?!」

 

あきらかに接待慣れしたサラリーマンみたいなのに?!

 

「あぁ、外道八号は自分の情報を

隠したがるが、外道魔王は別に

頓着してないから、確かな情報だぞ」

 

外道なのに自分の情報に頓着しないのかしら?

 

「一応言っておくが、この場合はあくまで

積極的に隠さないってだけで、吹聴して

回るのを許すわけじゃないぞ」

 

「は、はい!」

 

すっごい真顔で警告されたわ!つまり、

普通に情報漏洩には厳しい人なのね!

 

「な、なるほど。じゃあ唯我さんは

外道魔王の戦法を知っている

と言うことでしょうか?」

 

と、とりあえず危険な話題は避けましょう!

今は目の前の試合に集中よ!

 

それに、唯我さんが話したのを聞く分には

大丈夫よね?制裁はされないわよね?

 

「だろうな。もちろん全部じゃないだろうが・・・」

 

それでも少しでも分かるなら聞かない手はない。

さぁ唯我さん!骨は拾って上げるから、

ジャンジャン喋って下さいよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

木崎視点。

 

『で、唯我君。アレは一体どうやってるのかな?』

 

「まず、あれの技名は、外道魔王

曰く『素晴らしき蹂躙遊戯』です」

 

『「「素晴らしき蹂躙遊戯?」」』

 

宇佐美の質問に対して隠すことなく答えて

いるが、こいつは大丈夫なのか?

 

それになんだ、その目つきの悪い

ネーミングセンスは?

 

「あ~なんだ。その名前はともかくとして、

まず最初の疑問だが・・・

あの指パッチンと踊りにはどんな意味が?」

 

さすが忍田さん。あっさり流した!

そこに痺れる憧れる!(沢田さんが)

 

「みなさんお考えの通り、まず相手の

動きを止める効果ですね」

 

『あぁ、観察しちゃうんですね』

 

まぁ、そうだな。いきなりあんなんされたら

「アレはなんだ?」って観察するよな。

 

「はい、そして相手の動きを止めて

視線を集めるのが狙いなんです」

 

「視線・・・そうか?!」

 

なるほどな。

 

『忍田本部長?』

 

「宇佐美も女性ならわかるだろう?

視線ってのは本人が意識するよりも、

相手にはわかりやすいモノだ」

 

『「「「あぁ、そうですね」」」』

 

女性陣全員が納得してる?!

 

「武術を嗜んでる人間なら、視線から

相手の大体の位置や距離がわかる。

外道魔王も外道八号も当然視線から

情報を得ることはできるだろう」

 

そうだな。理に適ってる。

 

「忍田本部長の言うとおりです。

相手の足を止めて、視線で位置と

距離を割り出します。

あとは相手は蜘蛛の巣の中ですから、

そのまま刻めば良いだけ」

 

そこだよ。

 

「しかし唯我。外道魔王のトリオン量が

多くても、あの量の糸にトリオンを

通して、さらにシールドを破るなんて

可能なのか?」

 

『そ、そうですよねレイジさん!』

 

「はい。ですのでそこでスコーピオンの出番なんです」

 

「スコーピオン?確か東や二宮に止めを

指すために八号が展開していたようだが?」

 

そうだな。忍田さんが言うように、八号が

さりげなく展開していたが、

あれに何か意味があるってのか?

 

「いえ、アレは外道八号のブラフです。

実際は外道魔王がスパイダーの糸を伝って

スコーピオンを発動させてたんです」

 

『「「「な、なんだってー」」」』

 

野郎、俺らにブラフかけてんじゃねーよ!

何の得があるってんだ、外道どもがっ!

 

「スパイダーとスコーピオンだと?そんなことが可能なのか?!」

 

忍田さんの驚きもわかるが、可能だ。

 

「ある日、外道八号が外道魔王に聞いたんです。

『影浦さんってスコーピオンにスコーピオン

足してますよね?なら孤月とかレイガスト

でも出来るんすか?』って」

 

『あぁ、確かにスコーピオンを他の

トリガーに合わせることは出来てますね』

 

「そこで香港映画を見ていた寺島さんが

『ワイヤーアクション・・・そうだ!

スパイダーとスコーピオンで鋼糸だっ!』

って言い出して・・・」

 

なるほどな。

 

「で、それを聞いた外道魔王が、

『ふむ、強キャラたるもの糸は必須。

よろしい、お見せしましょう』と」

 

『「「「出来てたのかよ?!」」」』

 

八号と寺島のエピソード

いらねぇだろうが!

 

「で、指パッチンして八号を刻んだり、

ビルを刻んだりしてました」

 

・・・指パッチンに何か秘密が?

 

『ゆ、指パッチンは必須なんですか?』

 

「必須だって言われましたね。

めちゃくちゃ真顔でしたよ」

 

ほう、何かあるのか・・・何だ?

 

「なんでも、手首から先の指先と

爪にまで意識しないと操作が難しい

らしいんです。

ですけど通常状態で指先に

集中してたら、相手に何かあるって

悟られてしまいます。」

 

「なるほど」

 

ああして音を立てて派手に動くことで、

指先から注意を逸らしてるのか。

 

「あとはリズムですね」

 

『「「「リズム?」」」』

 

「いや、リズムと言うから軽く感じる

かもしれんが、武人にとって拍子は

非常に重要な要素だぞ?」

 

そうだなその通り。

 

「忍田さんの言う通りだ。

拍子を読めるかどうかが勝負の

分かれ目になることは稀に良くある」

 

「「「太刀川さん・・・」」」

 

太刀川・・・無理に難しい言葉を使うな。

 

「最後に気分」

 

『「「「気分って!」」」』

 

「い、いや、気が乗るという言葉もある

ように、戦いには気分も大事な要素だ」

 

確かにな。精密な射撃を必要とする場合は

気分と言うのも決して無視できない

ファクターになる。

 

「きっかけが面白くて好きらしいですね。

なんでも指パッチンをしてたら偶然

自動ドアが開いたらしく。

『指パッチンで相手が真っ二つになったら

面白くないか?』と思ったのが

きっかけだったとか」

 

『「「「ロクでもねぇな!」」」』

 

天才の発想はひょんなことから現れる

というが。場所がひょん過ぎるだろう!

 

『で、ですが、それでもトリオン量の解決にはなってませんよね』

 

そうだな。通常の展開と操作でさえ無理なのに

そこにスコーピオンまで足したら二宮レベルの

トリオンがあっても無理だろう。

 

これは気が向くとかそう言う次元じゃないぞ。

 

「えっとですね。この場合スコーピオンは、

糸の先端部分と相手に触れる部分だけ

瞬間的に発動させるんです。

そうすることで壁を貫いて相手の

ところに糸を撒き散らせます」

 

「なるほど!俺たちは迅の風刃を意識して

糸全体に切れ味をだそうとしたが、

先端と斬るところだけを強化してるのか!」

 

「はい、それなら普段はただの糸です

トリオン量の節約にもなります」

 

ほほう。それならあの量と距離の展開も

出来るかもな。だが、コレは・・・

 

「相当シビアなトリオン操作が必要になるな」

 

『そうですね、遠く離れた相手を

ピンポイントで刻むんですから』

 

「いえ、巣に掛かれば相手の位置が

詳細にわかるんで、あとは簡単らしいです。

『蜘蛛が自分の巣にかかった獲物を

逃すわけ無いだろう?』って言ってました」

 

『「「「それはアイツだけだ!」」」』

 

蜘蛛とか、ぴったりすぎるだろ。

 

「まぁ普通はアレだけの遠距離は無理でも、

近距離なら罠としても使える技術だ。

さすが試験小隊といったところか」

 

『そ、そうですね!

では忍田本部長が纏めたところで、

第二戦。準備お願いします!』

 

 

距離はトリオン量に比例しそうだが

確かに近接では使える技術だ。

京介も喜んで習得しそうだな。

うん、解説役を引き受けて正解だった。

 

「唯我、次も解説頼むぞ」

 

「木崎さんの仕事ですよね?!」

 

「ははっ」

 

 

 

 

 

 

何を今さら。絶対逃がさんぞ。

 

 




その発想が素晴らしきすぎるだろ!
ロボットモノじゃねぇよ!!

そんなツッコミを弾き飛ばす
BF団の恐ろしさよってお話

ちなみに拙作のワートリ世界には
衝撃が活躍する大きなロボのお話はないです。
横山✩A✩光輝=大先生がいません。
三国志は北方が基本の世界ですね。

妙な知識は寺島さんが近界からたま~に
何かを仕入れてる感じと思ってもらえれば

オリ設定だっていってんだろ!
『俺は悪くない!』

こんなのがあと四戦・・・
続いて欲しいか?


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6話

この更新速度を見ろぉ!

ギャグを書きたいから
チラ裏に来た!

チラ裏は更新してナンボのモン!
解説役も入場だっ

オリ設定を忘れるな?!




木虎視点。

 

深い。凄く深いわ

流石は深淵のような目をした外道魔王。

スパイダーにあんな使い方があるなんて、

想像すらしてなかったわ。

 

忍田本部長が言ったように近接戦での罠の

種類が増えるし、少ないトリオンでも技術で

カバー出来るから、研究のやり甲斐もある!

でも・・・

 

「隊長、エキジビションルール?ですか

使用したトリガーは使えないって

言ってましたけど・・・」

 

鋼糸はもう見れないってことよね?

 

「そうだな。少なくとも、今の段階で

素晴らしき蹂躙遊戯は攻略できん。

同じことされて終わったら五戦する

意味がないだろう?」

 

「確かにそうですけど」

 

もっと使い方を見せて欲しいんだけど。

 

「不満に思うのもわからないではないが、

考え方を変えるといい」

 

考え方を変える?

 

「それはどういう?」

 

「逆に考えるんだ。見なくてもいいさってな」

 

いや、良くないでしょ?!

 

「あの、流石にソレは」

 

何しに来たって言われますよね?!

 

「あぁ、言葉が足りなかったな。

同じ技を見なくてもいいさって事だ」

 

同じ技を?あ、そうか!

 

「後四戦、全部別の技を使って

くるんだ。引き出しが増えるだろ?」

 

「なるほど」

 

引き出し、つまり発想の糸口は見えるんだ。

それを深くするのは自分の努力次第よね!

 

「わかったようで何より。ほら第二戦が

始まるぞ?しっかり見ておけ!」

 

「はいっ!」

 

 

そうこう言っているうちに第二戦が始まったんだけど・・・

 

「「あれ?」」

 

モニターの中の外道魔王の動きって?

 

「隊長?私の目が腐ってなければなんですが、

外道魔王。指パッチンして踊ってませんか?」

 

「あぁ、俺にもそう見える」

 

どどど、どーゆーことだってばよ!

 

 

―――――――――――――――――

 

東視点。

 

また踊るだと?どういう事だっ?!

 

「月見さん!糸は有りますか?!」

 

シュウジ、スパイダーを禁止されてんだ。

あるわけが・・・無いと言い切れない

から、アイツは外道魔王なんだよな。

 

『いいえ!糸も何も出てないわ!』

 

あぁん?じゃあアレか?

 

「「「ただ指パッチンして踊ってる

だけだって言うのか?!」」」

 

『見ちゃダメよ!さっきの解説で

言ってたけど、外道魔王は視線から

場所や距離を見抜いてくるわ!』

 

確かにそう言う技術はあるがっ!

 

「東さん。俺と加古さんは移動しながら

八号を探します!」

 

「シュウジ。そうだな。外道魔王が囮の

可能性もあるからな!」

 

あれが挑発で八号が動く可能性は確かにある。

 

「ニノ!ヤツの周辺にランダムに

弾丸ぶちこんでやれ!その後は

隠れて距離をとれ」

 

「了解です。距離は500くらいで良いですか?」

 

500か。まぁいくら野郎でも狙撃手の

トリガーやさっきのスパイダーみたいな

特殊なトリガーでも使わない限りは

安全圏だよな。

 

「月見、外道魔王は狙撃手のトリガーを持ってるか?」

 

『いえ、ありませんね』

 

「そうか」

 

なら距離が離れたニノを狙うなら、必ず一拍置く事になるな。

 

「よし、ニノ。距離500を維持して遊撃に当たれ」

 

「了解です」

 

「俺は八号を発見した後、距離をとって

狙撃を行う。お前らはチャンスと思ったら

即動け!俺の許可は取らなくて良い」

 

「「「了解!」」」

 

「よし、ニノの攻撃と同時に作戦開始だ。

タイミングは任せる。好きにやれ」

 

・・・さっきからパッチンパッチン

うるせぇんだよ!

場所を知ってるのはお前だけじゃねぇぞ。

視線だけじゃねぇ。音だって重要な

情報だって教えてやるっ!

 

「三、ニ、一、行くぞ!」

 

さあ死ねやっ!

 

「「「おうっ?!」」」

 

 

・・・は?

 

―――――――――――――――

 

木崎視点。

 

どういうことだ?

いきなり二宮が三人を爆撃したぞ?

 

『か、加古隊長、三輪隊長、東隊長、戦闘不能です』

 

「「「・・・」」」

 

そりゃそうだろ。

シールドも何もなしに二宮から奇襲を受けたら

そうなるに決まっている。

問題は何故二宮があんな真似をしたのか?ってことだ。

 

まさか買収とかされたんじゃ無いだろうな?

 

「ま、まさかアレは?」

 

「「「知っているのか唯我?!」」」

 

唯我の様子だと何かタネが有るようだな?

 

「えぇ・・・これからは二宮さんと

月見さんにとって、地獄の時間です」

 

『「「「何?!」」」』

 

えっと、生き残った方がキツイってことか?

 

――――――――――――

 

木虎視点。

 

『ふっ、その踊りが何かは知らんが、

油断したな外道魔王。

これが俺のネギオラだ』

 

『流石ね、二宮さん』

 

・・・ネギ?

って言うか月見さんまで?!

 

『普段はアステロイドとハウンドだからな。

油断するのも仕方がない』

 

『確かにそうですね。今回は外道魔王が

油断しました。あとは外道八号だけ!

これなら勝てる!』

 

いや、ネギ?え?勝てるの?

 

『まさかネギとメテオラを合わせるとは、

いかに貴様でも想像できなかったようだな』

 

『まさか九条葱があんなに

メテオラと相性が良いなんて・・』

 

「「「・・・に、二宮(さん)?」」」

「「「月見(さん)・・・?」」」

 

えっと、ネギと合わせたら・・・爆発する?

 

「た、隊長?」

 

「・・・あぁ、木虎も同じか?」

 

「は、はい」

 

やっぱり隊長もそう思いますよね?

 

「食べ物を粗末にするなって

言いたいんだな。わかるぞ」

 

その発想はなかった!

 

『コレで貴様らも俺が生姜だけの

男じゃないとわかっただろう?』

 

『葱まで使いこなせるなんて、

流石ですね、二宮さん』

 

生姜だけの男って何?!風邪でも引いたの?!

 

『さぁ次は貴様だ外道八号。

貴様には飽きるほど焼きトマト

をくれてやるぞ!』

 

『ま、まさかトマトを焼くなんて?!』

 

『「「・・・」」』

 

『ハチ、映像、ログ、全部録ったな?』

 

『モチのロンです』

 

き、記録?!録れないんじゃ?!

 

「た、隊長?!今外道魔王が記録って!」

 

「・・・本部付き試験小隊の新技術を

実践するための場だぞ?

俺たちは記録は許されんが、

奴らは当然出来る」

 

な、なんて事を!それが人間のやることなの?!

 

『どうした八号!俺のプチハウンドが

そんなに怖いか?!』

 

『ま、まるでプチトマトが生きてるみたい!』

 

・・・プチトマトとハウンドを

合わせたのかしら?

かわいいのか怖いのか。・・・怖いわね。

 

『新技を開発したのは、

お前らだけじゃない。

ハウンド+メテオラ+葱。

喰らえ、これが誘導炸裂葱だ』

 

『凄い!醤油の香ばしさが食欲をそそるわ?!』

 

確かに新技だけど?!

って言うかアレを全部録られてるの?!

 

『・・・ハチ。終わらせてやれ』

 

『・・・了解』

 

『カルビばかり食べるからそうなるんだわばっ!!』

 

に、二宮さーん!

 

『タンは塩です。葱とレモンは嫌いなんでいりません!・・・アレ?』

 

つ、月見さーん!って言うか、

 

『「「「「ネギ嫌いなのかよ?!」」」」』

 

さっきまでの激賞は一体・・・

 

 

『・・・二宮さん。緊急脱出。

第二戦。試験小隊の勝利?です』

 

 

『「「「「えぇぇぇ?!」」」」』

 

 

もう色々と台無しですよ!

 

 

―――――――――――

 

木崎視点。

 

 

「唯我。解説だ」

 

はよしろ。

 

「えぇ、まず。アレの技名ですが。

外道魔王曰く鏡花月詠です」

 

『「「「キョウカツクヨミ?」」」』

 

技名だけじゃさっぱりわからんな。

 

「技と言うことは、アレはやはり

二宮の自爆では無いんだな?」

 

いや、忍田さん、流石に何もされて無いのに

アレは憐れ過ぎるでしょ。

 

「もちろんです。

アレはわかりやすく言うなら

催眠術ですよ」

 

『「「「催眠術?!」」」』

 

また、なんと言うか。

 

「はい、寺島さんと八号は幻術と言ってますが、

あの技を披露する前にですね。

『オレは催眠術のハウツー本を読んだ!』

だからこれは催眠術で間違いない!

って外道魔王が言ってました」

 

軽いな?!

 

『いや、けど催眠術って、アレでしょ?

五円玉とか使ったり、色々小道具が

必要なんじゃないの?』

 

「そうだな。実在するかどうかは知らんが、

警戒してる二宮だけじゃなく、外野の

月見まで術にかけるのはどうなんだ?」

 

情報を握るオペレーターに対してそんなこと

簡単に出来るなら俺たち普通に全滅するぞ?

 

「催眠に落とすのはきっかけさえあれば

そんなに難しくは無いそうです」

 

「「「きっかけ?」」」

 

そんなのあったか?

 

「今回のきっかけは、あの指パッチンですね」

 

「「「はぁ?!」」」

 

いや、確かに催眠術と言えば指パッチン

はよくあるよな?いや、まて、まさか・・・

 

「唯我、もしかして、あの指パッチンの

リズムが関係してるのか?」

 

『レイシさん、それはどういう事でしょう?』

 

「流石ですね。あたりです」

 

『「「「「えぇぇぇ?!」」」』

 

やはりか。さすがは外道魔王。

 

「唯我。細かい解説を頼む」

 

「はい、そもそも何で催眠術のハウツー本が

出てきたかなんですが、あるとき八号が

外道魔王に言ったんです。

「催眠術を使って自分の中のリミッターを

外す技って有りますよね」って』

 

「あぁ、自己暗示とかでもよく聞くな」

 

ある意味ではメジャーな話ではある。

 

「そこでプロレスアニメを観ていた

寺島さんが「火事場のくそ力、いや、

リミッター解除だっ」て言い出しまして」

 

まぁ、言いそうだよな。

 

「そこで外道魔王が『リミッター解除は

危険なので催眠術だけお見せしましょう』

って言って、我々に地獄を見せました」

 

『「「「地獄?!」」」』

 

地獄って大袈裟な。

 

「奪衣婆に服を剥かれ、何かの木を

使って重さを量られ、それぞれが

河原へと案内されました」

 

ソコからか?!本格的だな?!

 

「まぁ。そんなこんなで、血の池地獄

とか、針山地獄を味わいまして」

 

は?いや、つーかソレって。

 

『ソレ、催眠術じゃないよね?』

 

うむ、宇佐美が言うように、催眠術と言うよりは幻術だよな。

 

「えぇ、寺島さんと外道八号に同じツッコミを

受けた外道魔王が、なんかハウツー本を読んで

完成させたのがあの技ですね」

 

ハウツー本ソコかよ?!

 

「・・・きっかけはわかった。

だがわざわざこの試合で

二宮と月見を、幻・・・催眠術に

かけたと言うことは、アレはトリオンを

使った技術と言うことだな?」

 

忍田さん必死だな。まぁ次は自分の番だから

必死にもなるか。

 

『そ、そうですよね?試験小隊としての

研究成果なんですよね?』

 

「もちろんです。そもそもは訊問用に

外道魔王が理論研究した技術ですから」

 

『「「「訊問用?!」」」』

 

おいおい、確かに二宮に葱を語らせるような

技なら尋問にも使えるだろうが・・・

流石にどうなんだ?

 

「あっ!あっちで鬼怒田さんがバッテンして

ますんで、すみませんがコレ以上は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「「「すっごい気になる!」」」』

 




解説を途中でぶったぎる!

一応しっかりした
設定は考えてますが
わざわざソコまでするか?
なんて考えてしまいましったってお話。

ギャグ薄めで連載する場合に
温存しておくとも言う。


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7話

なんでもアリなら俺が怖い(臆病)!!
チラ裏で磨いた暗黒カラテ!!
ノーカラテ・ノー更新ッ!!

いいのか?こんなのに
9とか8とか評価して?!

オリ設定入場だっ!!


木虎視点。

 

アレはやばいわ。

お二人が最終的にどんな幻を観ていたかは

わからないけど、アレはヤバイ。

 

「鏡花月詠に関しては、対抗できるトリガーを

緊急脱出と同じような感じで基本トリガーに

組み込んで欲しいな」

 

「そうですね。早急に組み込むべきかと」

 

ほんとね。

あの二宮さんにネギ爆弾を使わせる

技なんてくらったらどうなるか・・・

 

そりゃ隊長を始めとした皆が冷や汗流すわよ。

 

「自分でも知らないうちに味方を撃ってる

なんて、恐ろしすぎるからな」

 

「・・・そうですね」

 

あぁ、それはそうよね。

今回はふざけてた?みたいだけど、

本来は同士討ちや訊問用の技。

確かに危険すぎるわ。

 

それにあの手の技術は完全に想定外。

指パッチンの音以外でもできると

したら、確かに脅威以外の何者でもない。

 

「催眠術で使われるのは、音以外には

・・・宇佐美も言ってた五円玉とかだな?」

 

五円玉か。確かにそうだけど、

 

「この場合は聴覚と視覚と言い換えた方が良いんでしょうか?」

 

「あぁ、そう言う捉え方の方が良いかもな。

もしかしたら音だけじゃなく、あの踊りも

無関係じゃないかもしれん」

 

「ですね」

 

無駄なことは一切しないのが

外道魔王ですものね。

 

「まさか一戦目の踊りと指パッチンが

そのまま布石になってるなんてな」

 

「え?あっ!」

 

そうか!そう言うことになるのか?!

アレはただ糸の操作を隠したり拍子を作ったり

気分の為じゃなく、種を仕込んでいたの?!

それじゃあ!

 

「もしかしたら第一戦の時点で東さんたちは

催眠状態に落とされてた可能性がある?」

 

「可能性は高い」

 

戦いは始まる前に終わってるってこと?!

まさしく外道じゃないっ!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

東視点。

 

催眠術って・・・有りか?いや、結果が全てと

考えればかなり効果的なんだがなぁ。

 

「同士討ちや尋問用?何よそれ!」

 

「東さん・・・もしかしたら」

 

「そうだなシュウジ。おそらく俺たちもかかっていたと見て良いだろう」

 

月見が落ちてたくらいだ。間違い無くな。

 

「私たちも?」

 

「あぁ、最初に攻撃したのがニノなだけで、

もし俺だったらそのままお前らを狙撃してた

可能性が高い」

 

良かった。葱とか言わなくて本当に良かった!

 

『なるほど、無駄な動きを一切しないのが

外道魔王ですからね』

 

「あぁ、さらに音で俺たちを催眠状態に

したと言うなら、全員があの

指パッチンを聞いてたからな」

 

「そうだなニノ」

 

・・・ってあれ?

 

「ねぇ、東さん?」

 

「・・・あぁ」

 

加古も気付いたな?

こいつらまさか・・・

 

「に、二宮さん?月見さん?」

 

「ん?どうしたシュウジ?」

 

『何かしら?』

 

「あの、二宮さんと月見さんは催眠の

内容を覚えて・・・いますか?」

 

よし、よく聞いた!

 

「いや、すまんが覚えていない。

攻撃を仕掛けたと思ったら、

いつの間にか緊急脱出していた。

まさか同士討ちをさせられていたとは

・・・すまんな」

 

「い、いえ!仕方ないと思います!」

 

「「・・・」」

 

『そうね。私も合図を聞いたと思ったら

試合が終わってたわ』

 

「・・・ねぇ蓮ちゃん?」

 

おい、加古。まさかお前・・・

 

『なんでしょう?加古さん』

 

「蓮ちゃんってさ、葱とレモン嫌いなの?」

 

「「(聞きやがった!!)」」

 

痺れねぇし憧れもしねぇが、凄ぇとは思うぜ!

 

『え?何故それを?!』

 

何故って言われてもなぁ。

 

「・・・もしかしたらその催眠は嫌いなものを

見せつけて動揺を誘うのか?シュウジ、

オレは何を見せられていた?」

 

「え、えーと、俺にはよくわからなかったん

ですが・・・あ、東さんっ!アレは一体

二宮さんに何を見せていたんでしょうか?!」

 

俺に振るんじゃねぇよ!

 

「・・・嫌いなものをわざわざ思い出す必要

も無いだろう?それよりも考えるべきは

次の試合についてだ。切り替えろよ」

 

頼むから切り替えてくれ。

 

「「(上手い!))」」

 

「まぁ、確かにそうですが・・・くそっ。

やはり記録が録れないのが厄介ですね」

 

『そうですね。自分がどんな催眠を

かけられてたかわからないと、反省とか 次に活かすとかできませんから・・・』

 

いや、反省っていうか凹むだけだと思うぞ?

 

「(東さん。ココは好都合と考えましょう)」

「(そうです。まだ三戦も残ってますから)」

 

それもそうだな。

 

「で、月見。第二戦で奴らが使用したトリガーは何だ?」

 

まったく使ってないなんてことは無いよな?

 

『はい、メテオラです。メテオラ?』

 

「「・・・(笑うな!耐えろ!)」」

 

くっ、俺とシュウジの腹筋がヤバイっ!

 

「あ、あぁ、それは二宮くんに止めを

刺したときに外道八号が使ったのよ!」

 

(ナイスだ加古!)

 

「つ、つまり幻、催眠術にトリガーは不要と見て良いわけだ」

 

「厄介な。しかし今回は向こうの攻撃が一枚なくなったと考えるべきですかね?」

 

「そ、そうだな」

 

お前の尊厳も無くなりつつあるけどな。

真面目な顔をしてる分、反動が凄ぇぜ。

 

「お、おそらく第三戦までは外道魔王が

メインで第四戦は外道八号がメインに

なるんですよね?」

 

シュウジもようやく復活してきたか。

 

「そうだろうな。前回もそうだったし

忍田さんもそう言ってたしな」

 

事前に簡単な予定表みたいなのを渡してる

はずだから、そこは間違いがない。はず。

 

「そこを敢えて変えてくる可能性は?」

 

「加古、それはない」

  

「あら二宮くん。なんでそう言い切れるの?」

 

そりゃなぁ。

 

『加古さん、外道魔王は基本的に外道ですが、

言ってることや、やってることは常に正論で

真正面からです』

 

「そう、月見が言うように、基本的に奴は逃げも隠れもしない」

 

今回だって、その気になれば隠れて

指パッチンしれてば全部終わってたからな

 

「だから次は見つけ次第、問答無用で打ち抜く

外道魔王でも外道八号でもな!」

 

様子見も何もせんぞ。

 

「そうね。私と三輪君は予定通りに姿を晒して注意を引くわ」

 

「オレは隠れて遊撃ですよね?」

 

『さっきは不発で終わったけど、

戦術上の間違いは無いと思います』

 

ネギが炸裂したが・・・まぁいいや

 

「そう言うことだ。よしっ、行くぞ!」

 

『「「「はいっ」」」』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

木崎視点。

 

『さて、今回先に会場入りしたのは

東隊ですが・・・レイジさん?』

 

「あぁ、二宮がいつもどおりだな」

 

いや、それは良いことなんだが、アレだけ

ネギとトマトを炸裂させたら、普通は

凹むんじゃないか?

 

二宮ってあんなにメンタル強かったか?

 

『ん~むしろ他の三人が二宮さんから

視線を外してるような?』

 

そうだよな。

 

「あぁ、それはですね」

 

『「「「知ってるのか唯我?!」」」』

 

もうお前ここに座れよ。

 

「簡単な話ですよ?あの幻、催眠術。

かけられた本人は覚えてないんです」

 

ほほう?

 

「多分二宮さんの記憶は最初のネギ

・・・メテオラを射った時点で

終わってるんじゃないですかね?」

 

なるほど。わかりやすい。

 

「記録を録れないから、誰かがその場で指摘

しない限り引きずらないですし、たとえ後

から誰かに指摘されても、本人は完全に覚えて

いませんから「何言ってんだコイツ?」

みたいになるんです」

 

まぁそうだな。いきなりネギだの

トマトだの言ったところで、普通は

「何言ってんだコイツ?」だよな。

 

「そうか。二宮や月見が引きずらないかが

不安だったが、ソレなら問題ないな」

 

うむ。忍田さんの言うとおりだな。

第二戦で精神が死んだら残りの試合の

意味がなくなってしまう。

 

そのへんもしっかり考えてるから、

あの外道はただの外道じゃなく

外道魔王なんだよ。

 

『アフターフォローもばっちりですね!』

 

記録は録られてるけどな。

後で寺島と一緒に見よう。

 

『さて、試験小隊も来ました!

ではこれより第三戦を始めます。

おぉっと?その前にレイジさん!

外道魔王と外道八号が持ってるのは・・・』

 

「・・・あぁ。アイビスだ」

 

おいおい、目出し帽に戦車砲って似合いすぎだろう?

 

「あ、まさか!アレを殺る気ですか?」

 

「「「「知っているのか唯我!」」」」

 

「えぇもしアレだとすれば、次は火力による

蹂躙ですよ。しかし、アレはスコーピオンが

無いと片手落ちになるはず・・・」

 

ん?本来はスコーピオンも使うのか?

 

『えっと、ネタバレになるからアレだと

思うけど、それは技名とかはあるの?』

 

名が体を現すってのは良くあることだしな。

 

「は、はい。技名だけなら問題ないかと。

・・・技名はハスラーワン・熾天鴉です!」

 

語呂が悪いな?!って言うか

 

『「「「「厨二か!」」」」』

 

 

 

『HAHAHA、失礼な。フ□△脳だ!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

木虎視点。

 

カ、カラス??○ロム脳???

いや、それはともかく・・・

 

「隊長。アイビスって言うとトリオン量に

比例して威力が増すって言う狙撃手トリガー

ですよね?」

 

「そうだ。ヤツが使った場合は

単純な使用方法でも凶悪な兵器になる」

 

そうよね。トリオン13もあるんですものね。

 

「では大火力による蹂躙ですか?」

 

唯我さんもそう言ってたし。

うーん。新戦術と言えば新戦術かしら?

メテオラの絨毯爆撃みたいな感じを

アイビスでやるとか?

 

「それは前回やったから無いな」

 

やってんのね!これだからトリオンある連中は!

でもそれだと唯我さんの説明とは違うわよね?

 

「しかし二人揃ってアイビスだと?

東さん相手に狙撃戦を挑む気か?」

 

今は私の疑問より隊長の話を聞くべきよね。

 

「・・・東さんは狙撃手というか

戦術とか指揮や援護に秀でた方だと

思ってたんですけど、違ったんですか?」

 

そもそも東さんて実際スナイパーとしての

腕はどうなのかしら?

私は戦ってるところを見たことないけど、

一位は当真さんで、二位は奈良坂さんよね?

 

「おいおい、あの人は木崎さんや当真さんの

師匠だぞ?狙撃手としても、佐鳥じゃあ

まだまだ比べ物にならないくらい腕が違う」

 

「そ、そうなんですか?」

 

佐鳥さんはツインスナイプさえなければ

スゴイ狙撃手だと思うけど・・・

木崎さんや当真さんの師匠なら

間違いなく強いわよね。

 

「あ、じゃあもしかしてポイントがそんなに

高くないのは後進に譲ってるからですか?」

 

「ま、そうだな。B級の隊長してるのも

B級隊員と、B級全体の底上げのためだ」

 

「な、なるほど」

 

全体の底上げができるほどの人なのか。

ソレを手玉に取ってる外道魔王って・・・

 

「そろそろ始まるぞ。

狙撃手の戦いは、俺たちが見ても真似は

出来んかもしれんが、対策を立てる身と

してはしっかり見ておくべきだ」

 

「そうですね!」

 

奈良坂さんや当真さんを相手にしたら、

下手に動いたらいつの間にか

撃たれて終ってるんですもの。

ちゃんと一流の動きをみて学ばなきゃ!

 

 

 

・・・そう思っていたんですけどねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うそーん」」

 

 

 




まだ戦わないッッ!!!

戦闘描写ががががががってお話


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8話

短ぁぁぁぁぁいッ!
説明不要ッッ!!

チラ裏と言えばコノ人(中佐)は
欠かせないッッ!

前書きの方が大変だ!


オリ設定が見たいか?!
儂もじゃッ!!



東視点。

 

第三戦のステージは開始早々から絶え間なく

襲い来る砲弾によって、もはや戦場と言うより

爆風と炎が充満する地獄と化していた。

 

そんな、地獄を造り上げた張本人は、今も休む

ことなく、砲弾を撒き散らす。

 

『ふはは!今この瞬間は力こそが全てだっ!』

 

おいおいおい!何だありゃ?!いつからトリオン体は超速で空を飛べるようになった?!

 

いつから狙撃銃の弾丸は曲がるようになった?

いつから狙撃銃の弾が跳弾するようになった!

 

『東さん!撃てますか?!』

 

撃てるかぁぁぁぁぁ!今潜んでる建物から出たら爆風だけで消えるわ!

 

縦横無尽に飛び交うアイビスの弾丸は、東が潜む建物ごと崩壊させるだけの威力があるのだ。

 

そんなところで射撃姿勢をとっても振動でブレが来るし、何より高速かつ不規則に動き回る外道魔王を狙撃するには情報も位置も距離も悪かった。

 

『朝のナパーム弾の臭いは格別だっ!!』

 

しかし隠れていようとも状況が好転することはありえない。

 

「「「「「う、うわぁぁぁぁ!」」」」」

 

外道魔王が造り出す暴風に手を出すことも出来ず、戦場となったステージからは、魔王以外の全員が消えることになった。

 

 

 

第三戦。試験小隊の勝利。

 

 

―――――――――――――――

 

木崎視点。

 

『東隊長、二宮隊長、加古隊長、三輪隊長。

それと・・・外道八号も緊急脱出です』

 

『「「「「とうとう殺りやがった!」」」」』

 

確かにそろそろ殺るとは思ってはいたが、ここだったか。

 

『えー・・・唯我君。アレはフレンドリーファイヤだよね?』

 

うん。ストレートに唯我に聞くのが正解だ。

 

「いえ、外道魔王に誤射はありません」

 

『「「「え?」」」』

 

おいおい、じゃあなんで八号が緊急脱出してんだよ?

 

『えっと、じゃあ外道8号は?』

 

「トリオン反応を調べればわかると思いますが・・・」

 

『「「思いますが?」」』

 

「恐らく、自爆です」

 

『「「「「何やってんだ?!」」」』

 

 

―――――――――――――――

 

外道八号視点。

 

いや、ホントに何にやってんだ俺は?

 

「八幡。お前まだアレ出来ねーだろ?」

 

「HAHAHA☆寺島さん、若者は

挑戦してなんぼですよ!」

 

だから同い年だって。

けどまぁ、自爆したのは事実だしなぁ。

 

「俺のせいで完全勝利が消えることになっちゃいまして、すんませんでした」

 

いや、ホントにすんません。

 

「ふむ、ハチよ」

 

「なんでしょう?」

 

焼肉ですか?お好み焼きですか?

・・・小町はやらんぞ?

 

「そんなんいらん」

 

そんなんだと?!テメエ!

小町になんの不満がガガガガガガ?!

 

「八幡、少しは学習しろよな」

 

「全くです。俺がたこ焼き派だと知らんのか?」

 

あんた前にお好み焼きおかずに

白米食ってただろうが!!

 

「アレは白米がメインであって、

お好み焼きがメインでは無いのだよ」

 

影浦さんに殴られるぞ?!

 

「影浦さんは説得(物理)済みだ」

 

ソレ絶対に納得はしてねーよな?!

 

「まぁ、それはそれとしてな?」

 

「あ、はい」

 

「悪いと思ったときの謝罪は

『すんませんでした』じゃない

『すみませんでした』だ」

 

思ったよりまともな説教でした。

 

「謝るのが恥ずかしい年頃なのはわかるが、

その理解を相手に求めるのは違う。

謝るべきときにはキチンと謝れ。

そうじゃないとお前が嫌いな

大人みたいな人間になるぞ」

 

「・・・はい。ご指導ありがとうございます」

 

そうだよな。恥ずかしいとか

思いながら謝罪しちゃダメだよな。

 

「ふっ。基本的にひねくれ者でも、理屈が

通ってれば素直に納得するのが八幡の

良いところだな」

 

いや、そんな風に言われましても、

理屈が通ってるのを納得しなかったら

矯正(物理)じゃないですか。

 

「小町曰く捻デレですからな」

 

小町ちゃん?!アンタこんなのと

連絡取ってんのぉ?!って

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」

 

「は、八幡dieーン?!」

 

「死ぬには良い日だ」

 

そ、そんな日は無いっ!

 

 

――――――――――――――

 

木虎視点

 

いや、何よアレ。何なのよアレは。

 

朝のナパームがどうとかは気にしなくて

良いとしても、やってることは緑川くんと

一緒のピンボールよね?

 

さらにアイビスを乱射してたのは

わかるんだけど・・・

 

「隊長?私の目が腐ってなければなんですが、アイビスの弾丸がおかしな動きをしてましたよね?」

 

「あぁ、曲がったり跳ね返ってたりしてたな」

 

ですよねー。

 

「ならあれは、ハウンドとアイビスの合成でしょうか?」

 

攻撃力SSで追尾弾丸とか、凶悪過ぎない?

 

「だとすれば銃手トリガーと狙撃手トリガーの

合成だ。それが出来るなら、他のも出来るって

事になる。

その場合戦略の幅が恐ろしく広がるが・・・」

 

うーん。やっぱり隊長も違和感を覚えてるみたい。

ここは唯我さんの解説頼みよ!

 

―――――――――――――――――

 

木崎視点。

 

『では解説なんですが、その前にレイジさん?』

 

俺か?!まぁ聞きたいことはわかるが・・・

 

「理屈の上では可能だ。だが俺にはできん」

 

絶対に八号と同じ運命を辿るだろうな。

 

『えっ?あの、曲がるアイビスの

秘密がわかったんですか?!』

 

いや、秘密もなにも、八号が誤爆ではなく自爆したって言うなら理由は明白だろ?

 

「別に隠してないしな」

 

「木崎さん、流石です」

 

ふっ。

 

『えっと、唯我君?』

 

そうそう。後は唯我に聞いてくれ。

 

「そうですね。まず今回外道魔王が使用した

技術はグラスホッパーを使ったピンボール。

弾丸同士をぶつけるビリヤード。

シールドを利用した曲射と反射。

韋駄天とテレポーターを使った高速の

異次元機動ですね」

 

『「「めっちゃ使ってんな?!」」』

 

うむ。見た目の火力に惑わされないように

みれば、あれは技術の塊だ。

特にビリヤードと曲射が新技術だな。

 

「しかしまさかアイビスの弾丸でビリヤード

とはな。確かに弾速は遅いが、決して簡単

とは言えんぞ」

 

東さんは狙撃銃でメテオラを撃ち抜ける

から、他の弾丸に干渉できるのは知って

いたんだろうがよ。

 

「唯我。そもそも奴等は何故アイビスで

ビリヤードなんてやろうとしたんだ?」

 

ハウンドで良いだろうが。

 

「えぇ、あるとき外道八号が

外道魔王に聞いたんです。

弧月で弾丸って斬れるんですか?って」

 

「「「わかる」」」

 

『だ、男性がみんな頷いてますね?!』

 

うむ。男なら誰もが一度は通る道だな。

 

「で、気になるならやってみろって話になりまして」

 

そりゃまぁ、簡単に試せるからな。

 

『ちなみに、出来るんですか?』

 

「「「出来る」」」

 

レイガストで攻撃を防いだりできるし、

弧月に当たれば防げるのと同じ原理だな。

だが・・・

 

「皆さん知っての通り、斬れます。

ですが当然衝撃は残りますよね。

それに弧月は痛むし、そもそもの話、

元々分割したりする弾丸を斬ってもねぇ。

そこにはロマン以外の意味はありません」

 

あぁん?何いってやがる

 

「「「「ロマンの何が悪い?!」」」」

 

『し、忍田本部長まで・・・』

 

だよな?ロマンは大事。古事記にだって書いてるだろうが!

 

『えっと、男性陣の熱い思いはともかくとして

ですよ?銃系のトリガーの場合、弾自体の

威力もそうですが、衝撃とか爆発とか色々と

ありますよね?』

 

そうだよな。唯我も言ったが、衝撃や爆発で

ダメージを与えてるようなところもある。

 

「えぇ。その通りです。

それで、外道八号が衝撃を

受けない角度での切り払いを

研究し始めまして」

 

「「ほう」」

 

忍田さんと太刀川が興味津々だな!

 

「最初は速度1から初めたんです」

 

うん。まぁ段階を踏まんとな。

 

「どんどん加速した結果、今では

速度8の弾丸に書かれた新聞の記事まで

読んでから捌けるようになりました」

 

弾丸になに書いてんだよ!

せめて絵にしろよ!

髭がないドラ○もんとかよ!!

 

『そ、それは凄いと思うんですが』

 

書く方か?読む方か?

 

「えぇ、それで最初は正面から撃って

いたんですが、次第に角度をつける

ようになりまして」

 

そりゃな。

相手が常に真正面だなんてあり得んし、

実用化するならそうしないと訓練に

ならないわな。

 

「そして訓練室の中で縦横無人に飛び回り、

外道八号に対して射撃を行う外道魔王を見て、

ロボットゲーム?をしてた寺島さんがですね

「弾幕。薄く無かったですか?」

って言っちゃったんです」

 

ん?変態技術者繋がりか?

 

「そしてそれを受けた外道魔王が

『セ○フを越えた鴉の力を

お見せしましょう!』とか言い出しまして」

 

いや、よくわからんが。

 

「ソレを聞いた寺島さんが

『まさか貴様がハ○ラーワン?!

・・・そうだ!ビリヤードだっ!』

って言って跳弾しやすい

弾丸を創ったんです」

 

『「「「・・・」」」』

 

なんかツッコミ辛いのはよくわかる。

経緯はアレだけど、普通に使えそうな新技術だもんな。

 

「その弾丸は、その気になれば銃手でも使えるのか?」

 

忍田さんは銃をつかわんけど、やっぱり実働

部隊の長としては性能を把握したいんだろうな。

 

「そうですね。使えるとは思いますが、

まだ試しの段階ですから何とも言えない

と言ったところだと思います」

 

「そうか。後で鬼怒田さんとも話をしてみるとしよう」

 

元々は新技術を試す為の試験小隊だからな。

しかし、銃ではなく弾を開発か。

 

「なら、アレはアイビス+ビリヤード

ってところになるのか?」

 

「恐らくそうなりますね」

 

ふむ。玉狛だと俺が使う感じか?それとも

俺が撃ったのを京介に狙わせるか?

 

どちらにせよ、一度寺島から弾の特性を

聞いてみんと駄目だな。

 

『で、では曲射についてですが』

 

あぁ、あれもなぁ。

 

「えっと、あれには特にエピソードとかはないですね」

 

『そ、そうですか』

 

いや、別にエピソードを聞きたいわけじゃないけどな。

 

・・・なんか宇佐美が寂しげな顔をしてるが、

まさかツッコミを入れたかったのか?

 

まぁいいや。今は解説を聞こうじゃないか。

 

「皆さんご存知の通り、シールドは形状や

角度、出現場所をある程度変更できます」

 

そうだな。

 

「そこで、跳弾をしやすい弾丸を使い、

弾き返しやすい角度に設置された

シールドに、絶妙の角度で弾丸を

当てれば、あとは普通に後ろや下から

アイビスの戦車砲が来ることになります。

リフレクターショットとか言ってましたね」

 

『・・・』

 

言葉を無くしたか。流石にその技術が

どれだけの高等技術を併用したものか

理解できたようだな。

 

「曲がるのも原理は一緒ですね。

やることは銃身の延長線上に緩やかな

角度をつけたシールドを展開するんです」

 

あとは射出された弾丸が、単純な物理法則に

したがって曲がる訳だ。

 

『えっと、それでは外道八号は、その角度設定を間違えて自爆したと?』

 

「そうなりますね。ただ、外道八号の名誉の

為に言わせてもらえれば、ピンボールと

韋駄天で加速し続けるハイスピードの中で、

全部を出来る外道魔王が異常なだけで、

外道八号もビリヤードは普通にこなしますよ」

 

『な、なるほど』

 

外道に名誉があるかどうかは別として。

 

これまた京介が喜びそうな技術だよな。

それに近接戦での跳弾の結界なんて、

ある意味これもロマンじゃねーか。

 

弾の改造ならそれほど難しくは

ないだろうし、やはりこう言う発想は

変態には勝てんと言うことかな?

 

 

『なるほど、戦闘時間は短くても随所に

光る最新技術!これが試験小隊!

さぁ次は第四戦です!

これまで良いとこなしの外道八号は

一体何をしてくれるのか?!何だか

楽しくなってまいりました!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「外道を挑発するのはヤメロ!」」」

 

 




いや、弧月とかレイガストで
防げるなら斬れるんじゃない?ってお話

戦闘描写?
戦いは始まる前から
終わってるのだよ?


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9話

こんな作品に色(評価)を付けて・・・

正気かキサマらァ!!
全チラ裏を敵に回して(俺が)生きていけると思うなよォ!!


オリ設定だぁぁぁぁぁぁ!!!!




東視点。

 

狙撃銃でビリヤードかスナイパーとしては

確かにそそられる技術だ。

ってゆーか、普通に試したい。

 

「リフレクターショットに曲射ですか。

ハウンドを使う俺には、使う側としては

あまり意味を感じませんが、受けることを

考えたら角度や射線を無視して狙撃

出来るってのは恐ろしい技術ですね」

 

ニノの言う通りだ。これはコンビプレイでも

使えるから、今後はトラッパーも重要になるな。

 

「本当ね。しかもピンボールしながらよ?」

 

『韋駄天もですよ。今ごろ緑川くんと

双葉ちゃんは新しい戦闘機動を

考えてるんじゃないかしら?』

 

あぁ、新しくA級になったヤツらに

刺激を与えるって意味もあるのか。

そう言えば木虎はスパイダー使うしな。

 

なんだかんだで面倒見が良い奴なんだが、

どうしても他の隊員との間に距離が

出来てしまうんだよな。

 

日頃の行いか?

 

いや普段の奴は別に何か悪いことをしてる訳じゃないし、戦い方は外道だが、ズルはしていない。

 

 

そもそも日頃の行いなんて言ったら、迅の

セクハラは普通に犯罪だし。

影浦だって理由はともかく、素行は悪い。

 

うーむ。きちんと礼儀を守るいい奴なんだが、

やはり何故か圧力を感じるのが問題なのか?

 

「東さん?」

 

「あ、あぁどうしたニノ?」

 

隠してたネギが爆発したか?

 

「いえ、次の試合についての会話に

参加せず、深く考えて込んでいた

みたいなので」

 

あぁそうか。そうだな。

今は試合に専念しないとな!

 

「すまんな、さっきのビリヤードが

狙撃手として興味深くて、つい

頭の中で再生してたんだ」

 

これも嘘ではないぞ?

 

『なるほど、その気持ちは確かにわかります。

後でログの確認だけでも出来ないか

問い合わせてみますね』

 

「「「やめておけ」」」

 

『えぇっ?!三輪君まで?!』

 

いや、お前とニノはマジでやめとけ。

 

「それで、次の試合は外道八号がメインになる予定よね?」

 

うむ。こう言うときには普段から空気を読まない加古の存在がありがたい。

 

俺も乗るぜ!

 

「そうだな。さっきも宇佐美がしっかり

挑発してくれたから、次は八号が何か

仕掛けてくるのは確実だろう」

 

余計なことを・・・とも言えんか。

 

「しかし、実際アイツって、何が出来るんですかね?」

 

そうなんだよなぁ。実は俺たちって、

シュウジが言うように八号が何を

出来るのかってのを知らないんだよな。

 

「うーん。前回は寺島さんの援護を受けての

狙撃だとか、外道魔王の周りで流れ弾を

防ぐとかしかしてませんよね?」

 

「だな」

 

『・・・それと狙撃の連射です』

 

「そうだな。狙撃手トリガーを使った

三段打ちを応用した弾幕も使ってきたな」

 

まさかイーグレット二つと

ライトニング二つを装備して

防御も隠蔽もすっ飛ばして、

ひたすら休みなく撃ちまくるなんてな。

 

狙撃手として見れば外道の極みだが、銃を

使った戦法と考えれば無しではない。

それどころか満点ともいえる。

 

なにせ寺島と外道魔王の防御壁を馬防柵と

するなら、正しく長篠の戦いに於ける銃の

活用方法の踏襲だからな。

 

小隊同士のランキング戦では使えないかも

知れないが、近界民との戦争を考えたなら

あれこそが正しい運用方法とも言える。

 

・・・俺たちが戦争を前提に考えられた

技術に及ばないのは当然なのかも知れん。

 

しかしただでは負けんぞ!彼を知り、己を知らば百戦危うからずってな。

 

外道魔王はともかく、八号にまで負けてやる気は無い!

 

『技術的には普通にビリヤードも

出来るって唯我君は言ってますね』

 

前回とあわせて考えれば、狙撃手が本領かと

思えるんだが、単純には言い切れんのよな。

 

「けど、縦横無尽に周囲を飛び回る

外道魔王が放つ速度8の弾丸を

捌くのよね?」

 

そうなんだよ。加古が言うように、少なくとも

新聞の記事を読みながらそれが出来る腕は

有ると思っても良いだろう。

 

だがなぁ。

 

「加古。たぶん外道八号にそこまでの腕はないぞ」

 

「えっ?けど唯我君が・・・まさか彼の

解説もブラフですか?」

 

いや、そうじゃなくてだな。

 

「加古さん。速度8の弾丸を捌くのと、

縦横無尽に撃たれた弾丸を捌くのは

別問題ですよ」

 

「あ、あぁ!言われてみればそうね」

 

『確かにそうですね。その際の弾速は別に話してません』

 

「わかったか?つまり唯我は悪意も何もなく、周囲にブラフを仕掛けてるってことだ」

 

ここまで外道魔王の仕込みだな。

 

「さすがは外道の弟子ね」

 

「あぁ。だが過小評価するよりはましだな。

それに、最終的に何が出来て何が出来無い

のかはわからんが、恐らく弧月は使って

来るだろうさ」

 

『わざわざ会話に出してきたくらいですからね』

 

だな。宇佐美のファインプレイと思おうか。

 

「あぁ、俺も二宮さんも加古さんも、射撃が

基本ですからね。

弧月で捌くってことでしょうか?」

 

「可能性は高いだろう」

 

八号の場合は、新技を試すと言うよりは、

自分も試験小隊に居るだけの力が有るって

ことを城戸さんや鬼怒田さんに見せる場だ。

 

目立つのが嫌いだから、他のA級小隊に

なんか絶対に行きたくないだろうし、

自分の技量をしっかりと見せるだろうよ。

 

『では一先ずおさらいしましょうか。

さっきの試合で使われたのが

 

グラスホッパー

韋駄天

テレポーター

アイビス

シールド

ビリヤード

 

です』

 

「そうだな。それにこれまで

 

メテオラ

スコーピオン

スパイダー

 

を使ってるから、これらが使用不可だな」

 

で、外道八号が次回使う予定なのが孤月。

 

「ふむ。移動用のトリガーが無いな?」

 

間合いを詰めてくる方法が無いが、さて

どうするつもりだ?

 

「そうですね。ただ近接戦闘を行う際に

移動に特殊な技を使うかどうかと

言われれば微妙ではありますけど」

 

普通の孤月使いは普通に移動してるからな。

八号はバッグワームが必要ないから、その

点は有利ではある、か。

 

『あとは射撃トリガーですね』

 

「そうだな。向こうはまだネ・・・メテオラしか使ってないからな」

 

危ねぇ危ねぇ。ついついニノの言葉に反応するところだったぜ。

 

「そ、そうなると予想されるのは弧月と

射撃のオールラウンダー戦法ですね」

 

シュウジ。すまん。

 

『普通なら二宮さんの餌食ですね』

 

普通ならな。

 

「月見。外道相手に普通が通用すると思うな。

俺は容赦も油断もせんぞ」

 

した結果がネギオラだからな。

 

『八号を倒しても外道魔王が残って

ますから、その辺も注意が必要ですね』

 

そうだな。ならば・・・

 

「とりあえず三輪と加古は、ほどよく隠れて外道魔王を見張れ」

 

「・・・なるほど。では俺が八号を抑えて

東さんが狙撃ですね?」

 

「そうだ。正面切って戦えば八号とニノなら

ニノが勝つ。問題は絡め手だが、それを使う

前に俺がぶち抜く。オーソドックスな手だが

ヤツら相手だと最終的に基本が一番強い」

 

反撃も一番普通な反撃が来るから、直ぐに死ねるしな!

 

『それでは私は八号を見つけたら、

あとは外道魔王が罠を張らないか

どうかの確認ですか?』

 

「そうだ。罠を張ってるかどうかは

判別が難しいかもしれんが、

何か特殊な動きをしたら知らせてくれ」

 

『はい』

 

こんなもんか?とは外道魔王がどこまで

八号のサポートをするか、ってところなん

だが、これはやってみんことには分からん

からなぁ。

 

・・・考え過ぎてもしょうがない。

 

「よし、行くぞ!」

 

『「「「はいっ」」」』

 

さて、八号よ。さっきは自爆だったが、

次は俺たちが自力で沈めてやるぞ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

木虎視点。

 

怒濤の三戦からついに第四戦。

今回は主に外道八号がやるらしいわね。

 

「それで隊長、外道八号はどんなタイプの

使い手なんですか?」

 

公表されてるステータスが全部8って

言うのが何とも言えないところよね。

 

「さっき話にもあったが、あいつは狙撃も

ビリヤードが出来る程度にはできるし、

近接も銃撃を孤月で捌けるほどの実力が

ある・・・らしいな」

 

ん?

 

「らしい。と言うのは?」

 

詳しくは知らないってことかしら?

 

「あいつが戦ったのは前回のエキシビジョン

だけだしな。そのとき俺らが見たのは、

射撃と防御だけだ。あとは全部唯我からの

情報でしかない」

 

「では唯我さんがブラフを?」

 

さすが外道魔王の弟子ね。

場外戦まで一流の外道とは・・・

 

「唯我も気付いていない可能性が

高いがな。ありえんかもしれんが

そこまで仕込むのが外道魔王だ」

 

想像の斜め上を行ってた!

 

確かに本人に嘘をついていると

言う認識がなければ、いくら唯我

さんを疑っても騙されるわね。

 

「とりあえず八号は外道魔王ほど

度が外れた外道じゃない。

一人で居たらただの技巧派の外道だよ」

 

ただの技巧派の・・・外道?

う、裏をかくのが上手いってことよね?

 

「えっと、それではその技術を見習えと?」

 

技巧派だもんね!

 

「そうだ。技術も心理戦もエグさも、

唯我の二段階は上に居るのが外道八号だ」

 

・・・唯我さん、相当エグいって

評判なんですがソレは。

 

「さらに言えば寺島さんがいないのも問題だ」

 

寺島さん・・・チーフエンジニアに転向

する前はアタッカーとしてかなり

評価されてた人よね。

 

「ちなみに寺島さんが居ないとどうなるんです?」

 

戦力が減った分だけ余裕が無くなるから、

危険な攻撃もしてくるとかかしら?

 

 

「常識が無くなる」

 

戦力よりヤバイのが無くなってる?!

 

「せ、戦力ダウンとかじゃないんですか?!」

 

だって、ソレはなくしちゃダメでしょ?

 

「戦力?元々一人でも戦力過剰と言われる

のが外道魔王だぞ?

八号と寺島さんはツッコミとストッパー

を兼ねたチームメイト。特に寺島さんは

先輩で隊長だったからな。あの人がいなく

なったら、暴走が加速するに決まってる」

 

決まってるの?!

 

「さらに八号は外道魔王の弟子だからな。

魔王に『やれ』と言われれば逆えん」

 

「はぁ」

 

ツッコミはできるのに?・・・妙な力関係があるのね

 

「ついでに言えば、その暴走が新しい技術に

繋がる閃きと判別がつかんから、司令も

鬼怒田さんも止められんというのが現状だ」

 

なるほどなー。

 

「確かに、天才の閃きは常人からしたら

暴走ですからね。確かに判別は

難しいかもしれませんが・・・」

 

なんとも言えないわね。

 

「さらに挑発されたからな」

 

挑発?あぁ、もしかして。

 

「さっきの宇佐美さんですか?

けどあれって挑発になるんですか?」

 

そもそも外道ってそんな簡単に挑発に乗る?

・・・なんか笑って

「ふっ、小娘がぬかしよる」

とか言ってそうだけど?

 

「この場合は挑発じゃなくて前フリだ」

 

納得しました。

 

「フリには全力で答えそうですよね」

 

「そうだ。たとえ外道八号が嫌でも、

外道魔王が全力で答えさせるだろう」

 

「なんかわかります」

 

うん。正面から受け止めた上で

倍返し。新・風車の理論。絶対好きそう

 

「だから今回は技巧派の全力になるだろう。

色々と参考になるだろうから、しっかり

見ておくことだ」

 

「はいっ!」

 

何だかんだ言ってもこれまでの三戦は

全部参考になるものばかりですものね!

 

しっかり見させて貰うわよ!って、あれ?

 

 

 

 

「えっと隊長。私の目が腐ってなければなんですが・・・」

 

「あぁ、外道魔王のヤツ・・・」

 

 

 

 

「「指パッチンしながらお茶飲んでやがる」」

 

 

そろそろ普通に戦いなさいよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

木崎視点。

 

なんだ?いきなり外道魔王が茶を出してきて

どこからともなく出した椅子に座って

茶を飲み出したぞ?

 

あれはどういう原理だ?

隊服の設定に椅子と茶を入れたのか?

 

『ふむ・・二番が・・・3ですね。どうですか寺島さん?』

 

『流石だな。あたりだ』

  

『よしっ!』

 

いや、当ててんじゃねーよ!

 

『「「「唯我」」」」』

 

あれはなんだ?俺にはわからん。

 

「はい、アレは・・・利き茶ですね」

 

技名とかはないのか。

 

『えっと、利き茶っていうのは?』

 

「茶道を嗜む人たちの中で行われる、

お茶の出来や種類を楽しむためのモノ

ですね」

 

いや、それは知ってる。

 

「ただし外道魔王がしてるのは、ただの

利き茶ではありません。目隠しをして

お茶を飲んで、違う挿れ方をした同じ

茶葉のお茶を当てるという、恐ろしい

までに繊細な味覚と嗅覚・さらにお茶の

知識を求められる超上級者の遊びですよ」

 

『「「「「それは凄いけど!」」」」』

 

単純に凄いけどな!だが問題は

なんで利き茶してんのかって事だろ?

 

『あ、もしかしてあの利き茶にも何か深い意味が?』

 

意味か。今までの経緯を考えれば、東さんたちの

視線を集めることか?

 

そうすることで八号への注意を逸らすって

可能性も無いわけでは無いよな。

 

「いえ、アレは試験小隊としての

試験項目の確認でしょう」

 

ん?試験項目の確認?

 

「唯我、その・・・確認とは?」

 

「はい、今回は戦闘状態における

トリオン体の感覚への干渉を

コンセプトにしているようですね」

 

『感覚・・・ですか?』

 

「あぁ。最初と二戦目は視覚と聴覚

三戦目は触覚と平衡感覚か?

それで今回は味覚と嗅覚と言うわけか」

 

「そうです。さらにアレは・・・」

 

他にも意味が有ると?

 

『はっ?ぶべっ!!』

 

む?

 

『え?あぁ!!二宮隊長、緊急脱出です!!

何もないところでいきなり頭を割られての

緊急脱出!一体二宮さんに何があった?!』

 

いや、それもそうだが!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「外道!二宮(さん)に恨みでもあるのか?!」」」

 




ニノミヤサンハドボドボダ

寺島さんのオーダーですからね
シカタナイネ!ってお話


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10話

怠慢なら絶対に負けん!
チラ裏の更新見せたる!
特効隊長の作者だッッ!


見ろっ!背中に彫られた
三つ首のオリ設定だッッ!





木崎視点。

 

何だ?殺った瞬間を見てなかった!

これまで活躍していない外道八号か?

 

『「「「唯我、出番だ」」」』

 

「出番多すぎませんかね?」

 

文句があるなら外道どもに言え。

 

『それに唯我君。さっき途中で

何か言いかけてたけど?』

 

そうだな。さっき『さらにアレは』とか

言ってたけど、結局何だったんだ?

 

そんな俺たちの疑問を無視して、外道魔王は利き茶を継続している。

 

あの様子だと、魔王は二宮の撃破には関与してないのか?

 

『ふむむ?・・4番が・あぁ1ですね?』

 

『惜しい!どっちかと言えば2だ』

 

『「「「どっちかと言えばって何だよ!」」」』

 

いや、確かに相当難しいが!

そんな曖昧で良いのか?!

 

「えっと、続きですがネタバレはアレなんで、

僕の口からはまだ言えません。とりあえず

次に加古さんが堕ちたら教えますよ」

 

次に加古が?何かの予告・・・あぁ

 

「そういうことか」

 

「あ、レイジさんは気付きました?」

 

「そりゃな」

 

うん。確かにネタバレになるから

東さんが気付くまでは言えんわな。

 

『えっと、レイジさん?』

 

「すまんが、唯我の言う通りだ。

次に加古が堕ちるまでまってくれ」

 

『凄く気になりますね』

 

気持ちはわかるぞ?しかしだからと言って

加古に対して「さっさと堕ちろ」とも

言えんだろう?

 

お前らはヤキモキしているが良い(愉悦)

 

「加古~!さっさと堕ちろぉ!」

 

おいおい太刀川・・・

 

「「「止めないか」」」

 

「みんなで俺を否定するのか!」

 

そりゃそうなるよ。

つーか、今のでお前、チャーハン確定したぞ。

 

 

――――――――――――

 

加古視点。

 

『加古さん!気を付けて下さい!

次の狙いは加古さんです!』

 

「えぇ?!」

 

そんなこと言われても、

何に気を付ければ良いの?!

 

「二宮君はどうやって殺られたの?!」

 

『わかりません!外道魔王の利き茶と

解説に気を取られた隙に殺られましたっ』

 

くそっ、さすがは外道。解説まで利用するか!

 

「それじゃ三輪くんと合流はできそう?」

 

『はいっナビ開始します!』

 

・・・こうなったら、三輪くんと合流すると

見せかけて八号を誘引して、東さんに

狙撃して貰うのが妥当よね。

 

「東さん!」

 

「了解」

 

よし、伝わった!あとは三輪くんの位置を

確認して・・・えっ?!

 

『な、なんでばっ?!』

 

 

 

『・・・加古隊長、緊急脱出です』

 

 

―――――――――――――

 

木虎視点。

 

エグい。加古さんに対して女性とか美人とか

一切の容赦なく頭を潰しやがった。

 

さすがは外道八号。外道で八号なのは伊達じゃないわね。

 

だけど、アレは何?いきなりレイガストが現れたわよね?

 

「隊長、今のはカメレオンでしょうか?」

 

それ以外のトリガーだと、いきなり消えたりとかはできないわよね?

 

「中々良い勘だが違うぞ。確かにいきなり

現れて強襲するのはカメレオンっぽい動き

ではあるが、攻撃の際も姿が見えないって

のはおかしいだろ?」

 

「確かにそうですね」

 

そうよね。別のトリガーと併用できない

のがカメレオンの弱点ですもの。

それに、レイガストだけが出てくるって

言うのもおかしいわ。

 

けどこの感じだと、隊長はこの攻撃を知ってるのよね?

 

それも気になるんだけけどさぁ。

 

『むぅ・1が・・・・10ですか』

 

加古さんが堕ちてもまだ利き茶してるし!

ん・・・アレっ?お茶の数10も無くない?

 

「10?そうか!あれはそう言うことか」

 

え?隊長は何かに気付いた?

 

『やろう!やってくれたなっ!』

 

東さんも何かに気付いた?!

 

「隊長、何かわかったんですか?」

 

「あぁ、外道魔王がやってるのは

ただの利き茶じゃない、アレは・・・」

 

 

え?あの利き茶にはそんなこと意味が?!

 

 

―――――――――――――

 

木崎視点。

 

『「「「ソナー?」」」』

 

いやはや、よくもまぁこんな技術を開発したもんだな。

 

『ソナーってアレですよね?潜水艦とかで、

音を発信して反響を利用するやつ?』

 

「はい、あの外道魔王がお茶を飲みながら

している指パッチンがソナーの役割を

果たしてます」

 

「だな、音の反響を利用して東さん達の

位置を特定、それを利き茶しながら

八号に伝えてやがるんだよ」

 

流石は外道魔王だぜ。

 

『えっと音を利用して位置を特定するのは

わかりましたけど、それだっていくつか

問題がありますよね?』

 

「そうだな。簡単に考えただけでも空気中と

水中の違いもあるし、そもそも質・量共に

膨大な情報の中からどうやって相手の

位置だけを特定してるんだ?」

 

俺、気になるぞ!

 

「原理だけなら簡単なんですよ。元から有る

地形データをオペレーターからもらって、

音と一緒に微弱なトリオン波を放つんです」

 

「あぁ、音だけじゃないのか」

 

それもそうだよな。

トリオン使った戦闘のデータ収拾

なんだから、そりゃトリオン使うよ。

 

「はい。そしてトリオンと音の反響を確認し、

地形データと合わせ、反応や空白があれば、

ソコに何かあるとわかります」

 

ふむ。確かに原理は簡単だな。

 

「加古や二宮が特定されたのは女だったり、

トリオン量が多いからだろうな」

 

「ですね」

 

『東隊長が特定出来たのは?』

 

「ポジショニングと姿勢です。

狙撃手の人はわかりやすいでしょ?」

 

『「「「確かに」」」』

 

あと最後が三輪だ。

 

いやしかし、一方的に相手の位置を特定

できるのは、凄いアドバンテージになるぞ。

さらに言えばこれは小隊戦向けの技術じゃない。

戦争用の技術だ。

 

「……これなら伏兵や奇襲、罠にも対応出来るな」

 

「そうですね。条件としては、先程も

言われたように膨大な情報量を瞬時に

捌けるだけの思考力と判断力が必要に

なるので、本来なら機械のサポートが

必要になります」

 

「あぁ、だから利き茶なのか」

 

『えっ?利き茶に何が?!』

 

「さすがは木崎さん。あたりです」

 

「「「「えぇぇぇ?!」」」」

 

ボディーがお留守だぜ?

 

『なんかレイジさんがドヤ顔してますけど・・・えっと、唯我くん?どう言うことかな?』

 

「はい。さすがの外道魔王でも、ソナーを

使いながらの躍りは出来ない。と言うことです」

 

そりゃそうだよな。

 

『と、言うと?』

 

「集中力の問題ですね。目を閉じて座ることで

自分の視覚と動きを封じつつ、頭の中にある

データの処理を行ってるんです」

 

『あぁ、だから目を閉じて利き茶

してるんですね?!さらに感覚の

調査も一緒にできますし!』

 

「そうです。そして、東さんを1、

二宮さんを2、三輪さんを3、加古さんを4

とナンバリングをして、次に言った数字で

方角を、溜めの時間で距離を八号に伝えてます」

 

『なら寺島さんの「当たりだ」とかは・・・』

 

「オペレーターに馴れてない寺島さんに

相手の場所を教えて、確認してもらって

いたようですね」

 

『じゃあ利き茶はやってないんですか?』

 

いや、アレはアレでやってるな。

 

「いえ、アレもキチンとやってます。試験内容に合わせてログを送っているんじゃないでしょうか?」

 

恐らくはそうだろう。

本来わざわざ口に出す理由なんかないし。

 

『なるほど!利き茶とソナーはわかりました。

ではあの、突然レイガストだけが現れるのは

なんでしょう?!』

 

ん?

 

「あぁいや、外道八号のことを知らなければわからんのか」

 

『レイジさんはご存知で?!』

 

そりゃあ知ってるさ。

 

「そもそも外道八号が外道魔王にスカウトされた理由がアレだからな」

 

『え~外道八号って外道魔王がスカウトした

外道だったんですか?』

 

それだけ聞けば筋金入りの外道だな。

 

「あぁ、同じ学校の同級生だったはずだ」

 

『ほほぅ。同級生ですか』

 

「あの、木崎さん・・・」

 

「ん?どうした唯我」

 

何か間違ったか?

 

「えっと。あんまし個人情報ばらすと、

報復されますよ?」

 

・・・あ。

 

『いや、レイジさんに報復って

できる人いるんですか?』

 

「宇佐美さん。あそこに居るのを誰だと

思っているんですか?外道の魔王ですよ?」

 

くっ!

 

『「「「凄い説得力だ!」」」』

 

「具体的には冷蔵庫の中の野菜室に、

大量の旬の取れ立て野菜が入ってるとか」

 

「・・・外道がっ!」

 

なんてことしやがるっ!

ソレガニンゲンノヤルコトカヨー!

 

『「「「いや、良い事じゃない?」」」』

 

おいおい、こいつらマジかよ。

 

「料理をする人にとっては拷問ですよ?

何せ旬の取れ立て野菜、すぐに調理

しなくては味が落ちます」

 

「さらに大量だ。肉ならまだしも、玉狛には

野菜の旨味を味わえるようなヤツは居ねぇ!」

 

『あー、何と言いますか。ごめんなさい』

 

「結果、木崎さんは目の前で鮮度を失う

野菜を見せつけられます。

けど、料理をしない人にしてみたら普通に

食べれるので、野菜を粗末にもしてません」

 

「しかも貰い物だから文句も言えん!」

 

このド外道が~~~~!

 

『えっと、いや、仮定の話ですよね?』

 

「いや、ヤツらならヤる」

 

むしろ今、玉狛に野菜が届くように

手配してる可能性もある!!

 

「レイジ、野菜なら俺が食うから、

あったら持ってこい」

 

「し、忍田さん!」

 

アンタが神か!

 

「俺だけじゃない、最近は城戸さんや

鬼怒田さんも野菜食うからな」

 

「き、鬼怒田さんが?!」

 

あの人、カップ麺以外の食いもん

食っても大丈夫なの?!

 

「あぁ外道魔王に、上に立つものが不健康で

どうする!って説教されたんですよね」

 

『「「「凄げぇな?!」」」』

 

城戸さんに説教とか良くやるな。

まぁ正論なんだが。

 

「鬼怒田さんもカップ麺に野菜入れるとか、

野菜のスープが付くようになりましたよ」

 

うん。偉い。

 

 

 

 

『み、皆さんが健康なのは良いこと

なんですが、試合が・・・』

 

「「「「あっ」」」」

 

 

『くそっなんでいきなり

レイガストがバスっ?!』

 

『・・・東隊長、緊急脱出です』

 

あとは三輪だけか・・・

 

『「「「・・・三輪(さん)頑張れっ!」」」』

 

 

 

 

 

 

 




短いっ!
つーかなんで評価が赤いんだ?
あんたら本当に大丈夫か?!

八号の過去ネタを
温存したとも言うってお話


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11話

作者は生きていたっ!!
(恋姫更新してるからね)
更なる研鑽を積みチラ裏狂気が
甦ったっっっ!


今日の投稿は無いと思ったか?
甘いっっっ!

北島三郎だっっっ!
(紅白)


木虎視点。

 

・・・がバスってなんだっけ

 

ガバス?がばす?ガバす?

ガばす?ガばス?がばス?

 

『ガバす』がありそうね。

動詞的な感じで。

あの状況で出るんだから

ガバは突然?それとも奇襲?

いや、されたんだから

ガバされたとかガバられるよね?

 

ガバすとは一体・・・

 

・・・いや、違うでしょ!

今考えるべきは外道八号の攻撃!

 

何も無い空間からレイガストが現れる?

そんなの有り得ない。

やっぱり何かのトリガーなんでしょうけど

それはなにかしら?

 

一番可能性が高いのはカメレオンよね。

まさか他のトリガーとの併用が

可能になったのかしら?

ソレなら確かに新技術だけど、

攻撃の際にレイガストが出て

来るのはおかしいわよね・・・

 

それに隊長はカメレオンじゃないって断言したし。

 

うーん。その辺に何かあるのよね?

 

「隊長?」

 

もう聞いちゃうわ!

 

「木虎、皆まで言うな。わかってる」

 

さ、流石嵐山隊長!私がレイガストに

疑問を覚えたことを瞬時に覚るなんて!

 

「ガバスはひょっ○りひょうたん島に

出てくるお金だ。ファ○通の仮想通貨

としても有名だな」

 

正解はガバスで、お金の単位だった!

確かに後でグ○ろうと

するくらいには気になってたけどっ!

 

って言うかひょっこり○ょうたん島

って何?フ○ミ通??

 

「ひょっこりひょう○ん島を知らんか。

お前、さては家でNH○見て無かったな?」

 

いや、確かに見てませんでしたけどね。

 

「いや、レイガストの件なんですけど」

 

・・・なんか、凄い悲しそうな顔を

してるけど、今のタイミングで流れを

ぶった切らないと、延々と語られそうな

雰囲気だったからね。シカタナイネ!

 

「弧月を使うかと思ったらレイガスト

だったのは確かに意外だったな。」

 

「・・・意外ですか?」

 

いや、何でレイガストだけが出て来る

のかって不思議じゃないんですか?

 

「あぁ、レイガストは寺島さんが

開発したトリガーだからな。

最終戦で、これでもかって感じで

見せてくるもんだと思ってたんだ」

 

「な、なるほど?」

 

外道のこだわりかしら?

 

「あの、いきなりレイガストが出て来る

事に関しては?」

 

「あぁ。ソレか」

 

そうですよ!むしろソレ以外に無いでしょう?

 

「それに関しては外道八号の過去になるからな。

大人しく唯我の解説を待て」

 

まさか隊長も報復されるの?!

 

――――――――――――――

 

三輪視点。

 

外道八号め!能力を進化させてやがる!

 

『三輪くん!あとは君だけよ!』

 

最初に二宮さんを殺ったのは

警戒される前に片付ける必要が

あったからだな。

 

『方角も何もわからないわ!

バックワームとカメレオンの併用なの?』

 

加古さんを二番目に仕留めたのは、

恐らく女性の相手が殺りづらいから!

 

「月見さん!トリガーではありません!

ヤツの、外道八号の技術です!」

 

東さんは、近かっただけだろう。

俺が残ったのはただ東さんより

距離があったから。

 

それは良いんだ。問題は移動方法だ!

 

奇襲でやられた二宮さんはともかく、

制限で移動系のトリガーを持たないはずの

外道八号が、一体どうやって瞬時に加古さん

や東さんの近くに移動したんだ?

 

少なくとも東さんは外道八号の技術を

知っているから、そう簡単に奇襲を

許すはずが無いんだ!

 

それなのに何故?

 

『えっ?技術って、サイドエフェクト

みたいな感じの?』

 

違うっ!オペレーターにはわからないかっ!!

 

「そんな感じです!」

 

とりあえず俺がすべきは・・・

 

「アステロイドっ!」

 

速度0で無数の弾幕を張るっ!

場所がバレるが、向こうがレイガストを

使って来るなら接近戦だ!

 

外道魔王ならともかく、外道八号なら殺れるっ!

 

「月見さん!外道魔王に動きは?!」

 

とは言っても、それは正面からタイマンを

はった場合に限る。

 

この上、何かサポートされたら不味いからな!

 

『・・・腕立て伏せしてるわね』

 

何やってんだっ!サポートしろよ!

 

『あっ、四時の方向!レイガストよ!』

 

来たな八号っ!返り討ちに・・・

 

「鉛弾っっ!っておいイ?」

 

スラスターだとっ?!確かにあるけどっ!

数が・・・聞いてないぞ!

 

「ぬ、ぬわーーー!!」

 

『み、三輪くーん!!』

 

 

 

『・・・三輪隊長。緊急脱出。

第四戦、試験小隊の勝利です』

 

 

 

―――――――――――――――

 

木崎視点。

 

『えー唯我くん?最後のレイガストは

アレよね?第三戦の、解説の時に話してた』

 

そうだ、もうお前が喋れ。

 

「そうです。外道魔王の縦横無尽に駆けて

行う射撃のスラスターバージョンですね」

 

『では、なぜ銃手系のトリガーではなく、

レイガストのスラスターでやったのでしょう?』

 

そりゃ寺島が居るからだろうな。

 

「寺島さんが居ますからね。

レイガストの可能性を追究して

行くつもりなのと」

 

『なのと?』

 

「トリガーの温存ですね」

 

そうだな。この分だと第五戦は

銃手トリガーか。

 

『なるほど。トリガーの温存と言えば

我々は外道八号は弧月を使うと予想

していましたが・・・』

 

いや、そんなん考えるまでもないだろう?

 

「解説を聞いてた外道魔王が

ネタバレを嫌ったんだろ?

かと言ってお前からの前フリも

あったから、近接戦闘を無視できない。

結果としてあぁしただけだろうな」

 

あれなら最後のスラスター以外は

レイガストも弧月もかわらんし。

 

『えぇ?そんな晩御飯のおかずみたいな』

 

「晩御飯のおかずを舐めんな!」

 

お前らみたいに食うだけなら良い

けどなぁ!作る方は大変なんだぞ!

冷蔵庫の中身と賞味期限は基本だが、

今までの流れとか、被ってないかとか、

調味料にだって鮮度があるんだぞ!

 

『あ、すみません・・・』

 

「今の宇佐美さんの喩えが悪かったのは

ともかくとしても、木崎さんの言った通り、

外道陣営はネタバレを嫌ったんでしょう」

 

外道陣営って、間違ってはいないが。

 

『なるほど。それではいきなりレイガスト

だけが出て来るのはどういう原理でしょう?

カメレオンが別のトリガーと併用出来る

ようになったんですか?

それにあの移動速度は一体どうやって?』

 

聞くのか?報復が・・・って

報復されんの玉狛じゃねーか?!

 

「お、おい、宇佐美・・・」

 

「レイジ、諦めろ」

 

忍田さんっ!

 

「アレは元々外道八号が使っていた

ステルスと言う技を進化させた技で、

その技名を極致霧散。略して極散と言います」

 

『「「「「極散?!」」」』

 

なんだ、その双子の姉が使いそうな

技術は。魔法じゃないだろうな?

 

「技術としては、トリオン体を一度

バラしてから再度集合させる感じですね」

 

「「「はぁ?」」」

 

いや、バラしたら駄目だろ?そのまま

緊急脱出じゃねーか。

 

「元々ひき、外道八号のステルスは、

トリオンを身に纏い、周囲の光の

反射を無くす、もしくは薄めることで

その視界から消えたり、音や匂いを

周囲に拡散して、人には認識できない程の

領域まで薄めることで相手の認識を

狂わせる技術です」

 

『は、はえ~。だから攻撃の際も外道八号の姿が見えなかったんですね』

 

視覚と嗅覚、聴覚を完全に欺く技だからな。

最初は八号のサイドエフェクトかと

思ったが、外道魔王が普通に真似

しやがったから、誰にでもできる技術だって

証明したんだよ。

さすがにトリオンの塊であるレイガストは

誤魔化せなかったようだが……

 

しかしあれを進化させた、だと?

 

『それだけでも、かなり凶悪な

技術ですが、分解と集合とは?』

 

「えっとですね。あるとき外道八号が、

外道魔王に聞いたんです。

『トリオン体ってテレポートできますよね。

アレって、トリオン体を分解してから

再度集結してるんですか?』って」

 

まぁ・・・確かに原理はよくわからんが

 

「そのとき紅い館に住む495歳児の吸血鬼の

姿に萌えていた寺島さんが

『吸血鬼?・・蝙蝠の離散と集合か?』

って言い出しまして」

 

『な、なるほど』

 

確かにアレ系のゲームの吸血鬼の登場シーンは

蝙蝠の離散と集合だよな。

あれがトリオン体なら出来るのか?

 

「で、外道魔王が『トリオン体での

集合離散は核が必要となります。

とりあえずトリオンを核にして

その周辺に集合出来るようには

出来ますが、このやり方で再集合

するためには核に意思を残す必要が

あります』とか、言い出しまして」

 

「「「んんっ?」」」

 

よくわからんな。

 

「つまり、外道八号の意思を付着した

トリオンを分割して手元に置きます。

これが核ですね。

そして、ソナーで相手の場所を特定したら

外道八号の意識を内封したトリオンを

ソナーと同じ方法で飛ばします。

それが、あるポイントに到達したら周辺の

トリオンを取り込んで外道八号の形を

作るように設定されて居るんです」

 

「おい、ソレは・・・」

 

「で、集合した外道八号はステルスを起動した

状態で意識を取り戻し、問答無用でトリガー

を起動し近くの敵を潰します」

 

「いや、まて」

 

『ソ、ソレって外道八号の精神を

一度分割してるって事ですか?!』

 

そうだ。更に何も無い空間に精神を

閉じ込めてる事になる!

 

「そんなの一歩間違えば発狂するぞ!」

 

「そのための催眠術です」

 

『「「「外道がっ!」」」』

 

確かにそれなら合図があるまで眠らせて、

合図と同時にステルスと併用して起動。

そのまま近くの敵を撃つまで設定すれば

問答無用のステルス攻撃が可能だっ!

 

『けどそんなの普通じゃないですよね?

外道八号は承諾しているんですか?』

 

「もちろんです。むしろ自分には甘い

ところがあるので、戦闘時には

積極的に催眠術をかけて欲しい。

これも、いざと言うときに何処にでも

援軍に行ける技だから、是非

実用化して欲しいって言ってますね」

 

『「「「外道のくせに良いヤツだな!」」」』

 

いや、悪いヤツではないんだぞ?

ただアイツは生粋のシスコンだから、

(妹が)いざというとき助けに行ける

技ならどんな技だって修得するだろうさ。

 

「むしろ外道魔王が、催眠術に

頼るくらいなら戦うなって

外道八号を諌めてますよ」

 

『「「「外道魔王も良いヤツかよ!」」」』

 

いや、アイツは自分の意思で戦えない

ヤツが嫌いなだけだ。

 

「・・・確かに戦場では躊躇したり、形振り

かまってられない場合はある。

非情・・・非常手段はあった方が

良いのは確かだ。

使うか使わないかは別としてな」

 

それはそうだ。

 

「忍田さんの言う通りですね。

使わないと使えないは違う。

俺たちがやってるのは戦争だ。

ならばどんな技術だって学ばないと

いけないんだ。

相手が外道の手段を使ってきたときに、

あまりにも外道なので対応できま

せんでした。では話にならん」

 

それに、実際に薬や暗示で兵士を

作るヤツらは存在するんだからな!

 

『・・・なるほど、我々がランク戦で

腕を磨いている間、彼らは常に戦争を

想定して研究と、実験をしてるんですね』

 

う~む。そんな風に言えば良い話なんだがなぁ。

 

「・・・まぁ、そうだな」

 

忍田さんも微妙な表情してるし。

 

実際は戦争を理由に好き勝手してるだけなんだよなぁ。

 

 

 

『外道が意外と良いヤツなんじゃないか

って思い始めて来たぞ?

コレでは外道が外道でなくなってしまう!

次の最終戦では、このなんかしんみりした

空気を吹き飛ばすくらいの外道な戦いは

見れるのか?!皆さん楽しみにしましょう!』

 

 

 

「「「「だから外道を挑発するのは

ヤメロって言ってるだろっ!」」」」

 

 




オリ設定は言うまでもない!

ツッコミたいならガキ使だっ


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12話

上等の料理(原作)にハチミツ(オリ設定)を
ぶちまけるがごとき投稿ッ!

何を言ってるかわからねぇ?

ならば見ろッ!その結果がコレだッ!




木虎視点。

 

「え、え~っと?」

 

催眠術を使った集合と離散?

正直よくわからないんだけど、

そんなに危険なの?

 

「・・・恐ろしいことを考えるモノだな」

 

「隊長?」

 

隊長はわかってるのかしら?

 

「木虎はわからんか。そうだな。核となる

トリオン体を分割した上で意識を宿すって

のは、たとえるならば自分の精神を石の中に

閉じ込めるようなもんだ」

 

石?あぁ、石を投げてその石が目的地に

着いたら、その石を核にして周囲から

トリオンを集めてトリオン体を形成するのね。

 

すごい技術だとは思いますけど。

 

「石に意思を込める・・・」

 

オヤジギャグかっ!

 

「そうだ」

 

え?真顔で肯定するの?!

意図せぬオヤジギャグなんて

一番恥ずかしいヤツじゃない!

もしかして、気付いてない?!

 

「木虎。身動きが一切できない石の中に

自分が閉じ込められることを想像してみろ」

 

え?いしのなかにいるって・・・

いや、それはsYレにならんでしょ?!

 

「それは・・・」

 

「しかも解除は自分の意思じゃ出来ん。

外道魔王に、つまりは他人に全てを

託すんだぞ?」

 

・・・なるほど。

石の中に閉じ込められるのも、他人に

全てを託すのも、常軌を逸してる。

 

外道魔王の人間性だけじゃない。

技術が少しでも足りなければ

そのまま廃人じゃない。

それを自分から望んで?!

 

一体どれだけの地獄を見れば

そんな事が出来るのよ?!

 

「・・・外道八号にはそれだけの

覚悟をする理由があるんですね?」

 

「あぁ。恐らくは妹を守るためだな」

 

「妹さんが・・・」

 

そうか、唯我さんより実力が上なら

普通にA級にふさわしい力があるはず。

それなのにわざわざ危険な試験小隊に

居るのは、危険手当込みのお給料を

貰うためか。

 

・・・きっと前回の大侵攻で親御さんを亡くしたのね。

 

「外道八号さんは15歳でしたね。

妹さんはお幾つなんです?」

 

「外道八号【さん】?まぁ良いが。

確か学年は二つ下で、13か14だったはずだ」

 

「13歳・・・」

 

15歳のお兄さんが、親御さんを亡くして

13歳の妹を養う為に外道に堕ちるなんて

・・・私たちは戦争をしてるのね。

 

「あぁ、明るい良い子でな。

よく鬼怒田さんと野菜を食べてるよ」

 

・・・そう、鬼怒田さんに亡くなった

親御さんを重ねてるのね。

 

「ボーダーに入りたいらしい。

入ってきたら教えるから、

まぁ優しくしてやってくれ」

 

「はいっ!」

 

不器用なお兄さんにかわって

私が優しくしてあげなきゃ!

 

 

――――――――――――――――

 

外道八号視点。

 

 

いや、なんか凄い恥ずかしい誤解を受けてる気がするんだが、なんだこれ?

 

「いつものことだろう?」

 

いや、恥ずかしいのはあんましないんですけどね。

 

「・・・読まれる事を前提に思考する

八幡がすげぇよ」

 

もぉ諦めましたよ。

 

「寺島さん、切り替えの良さもハチの長所ですよ」

 

そうしないと、黒歴史に潰されちゃいますからね!

 

「あ~うん。それはいいや。で、八幡よ。

さっきのヤツの後遺症とか、そう言うのはあるか?」

 

「いぇ、特には無いですね」

 

「ほほう。流石の完成度だな」

 

本当にな。この人じゃなかったら

この技を試そうなんて思わんぞ。

 

「HAHAHA、この捻デレめ」

 

いや、実際この人の幻術「催眠術だ」

・・・催眠術がなかったら次の外道働き

だって出来ないし。

 

「うむ、次の最終戦。外道の名に恥じぬ

外道っぷりを望まれてるわけだからな」

 

いやアレをやるなら、末長く外道と

呼ばれることでしょうね。それはそうと。

 

「寺島さん?」

 

「あぁ、とりあえず玉狛には土が

付着した大根と、取れたてトマト。

あとはマンゴーとナスを送っといたぞ」

 

あざっす。

 

「うむ、何も知らなかったら、大根は

洗うし他は冷蔵庫に入れてしまうな」

 

烏丸はともかく、小南さんと

陽太郎はそうだな。

よかれと思ってヤるだろうから、

木崎さんも叱れまい。

 

「挑発と個人情報の漏洩について玉狛への

報復はコレでよかろう。あとは東さん

一味だ。なにせ寺島さんのオーダーもある」

 

角刈りか虎刈り。

後頭部にアートですよね?

 

「そうだ。残る懸念はお前の完成度

なんだが、微調整は可能か?」

 

う~ん。アレはなぁ。

 

「まだ微調整までは難しいですね。

恐らく後頭部アートはできません」

 

出来ないことは正直に申告しないとな。

実戦で失敗したら意味無いし。

 

「そうかそれは仕方がないか。しかし

俺が全部ヤるのも良いが、ハチにも

活躍の場をやらんといかんよな」

 

え?別にいらなくないですか?

目立ちたくないし。

 

「そうだな。最近は忍田さんや唐沢さんまで

八幡をA級小隊に入れたらどうかって、

言ってるらしいからな」

 

「マジですか?!」

 

A級ってランク戦とか防衛任務とか、

遅番とか早番あるんだろ?!

 

「まぁ9時~17時や17~20の固定ではないな」

 

ふざけんなっ!家で小町ちゃんが待ってるんだよっ!

 

「いや、ご両親とネコも待ってるだろう?」

 

両親?まぁ小町のついでですな。

カマクラに至っては待ってすら

居ねぇっすよ。

 

「あぁ、そういや小町ちゃんな。

最近は本部で、鬼怒田さんや

城戸司令に野菜ジュース作ってるぞ」

 

何やってんの?!

 

「いずれボーダーに入りたいらしくてな、

色々話を聞いてるらしい」

 

聞く相手がおかしいでしょ?!

それにそんな危ないことさせません!

 

「ハチがそんな調子だから司令や

鬼怒田さんに聞きにいくんだろうが」

 

いや、ですけどね?

 

「ハチは危ないと言うがな?今のままだと

襲われたときに何の抵抗も出来んのだぞ?

それならボーダーに入隊して、さっさと

B級になってもらって、トリガーを持たせて

やった方がいざというとき安全じゃないか?」

 

「抵抗の手段と考えれば確かにそうですけど」

 

時間稼ぎくらいは出来た方が良いよな。

 

「それに小町ちゃんがボーダーに

入れば、八幡の目も届くじゃないか」

 

むぅ。それはでかいな。

 

「だな。もしも危なくなったら

俺が送ってやれると言うのは

今回の実験でわかったし」

 

「確かに・・・」

 

あの緊急出撃があれば、直ぐに助けにいけるよな。

 

「小町ちゃんも安全で、お前も助かるし

鬼怒田さんも野菜を取れる上に機嫌が良い」

 

鬼怒田さん、あのくらいの娘さんが

居るんだもんなぁ。

 

「それにだ。今のところ、鬼怒田さんが

八幡を試験小隊から動かす気がないから

こうしてここで働けてるが、小町ちゃんが

いなかったら放逐されるかも知れんぞ?」

 

え。俺って小町ちゃんが居ないと

A級小隊に入れられてたの?!

 

「入れられてって・・・普通ならA級小隊に

行きたい!とか言って騒ぐもんだが・・・」

 

「ハチがそんな性格してたら、ステルスなんて

開発できてませんよ」

 

いや、アンタ普通に出来てたよね?

 

「あぁステルスと言えば、まだ試合があったな。

次はソナーとステルスも禁止されるはずだが、

それはどうする?」

 

「いやぁ。ソナーとステルス禁止って言われましても」

 

アレ、トリガーじゃねぇし。サイドエフェクト禁止って言ってるようなもんだよ?

 

「とりあえず、全員を一ヶ所に集めて

一度に片付けますよ」

 

「・・・チュウ、まさかアレをやる気か?」

 

アレかぁ。確かに今までの四戦で十分

追い込んだからな。

 

「えぇ、寺島さんのリクエストにも

しっかりお応えしますよ」

 

「ふっ、信じているぞ」

 

何だかんだで寺島さんが諸悪の

根源なんじゃねぇか?

 

「否定はせん」

 

だから、アンタも頭の中を読むなよ!

 

「寺島さんの性格はともかくとして、ハチには

最後の微調整のときに催眠を掛けて操る

事になる。一応外からはわからんはずだ」

 

それは大事だ。俺は移籍なんか

絶対にせんぞ!

 

「うっす。よろしくお願いします」

 

「さぁ、観客の皆さんにも外道アートを

見せつけてやろうじゃないか」

 

田んぼアート見たいに言うのは

どうかと思うけどなぁ

 

「なんだ?ハチも後頭部に刻むか?」

 

絶対に嫌です!

 

 

―――――――――――――――――

 

東視点。

 

宇佐美っ!コレ以上ヤツらを挑発すんじゃねーよ!次は最終戦なんだぞ!

 

「しかし、見事に裏をかかれましたね」

 

全くだ。まさかステルスを

進化させてるなんてな。

 

更にソナーと併用して、瞬間移動染みた

真似までしてくるなんざ、正気の沙汰じゃねぇよ。

 

「ですがあの技術があればっ・・・!」

 

シュウジ・・・

 

「三輪くん。今回はあの技術が

見られて良かったとしましょう?」

 

「加古さん・・・」

 

『そうよ、何か副作用とかあるかも

知れないし、まずは技術の正式な

公開を待ちましょう』

 

「だな」

 

なにせ催眠術で思考を完全に

支配される事を前提とした技だ。

女性陣には抵抗もあるだろうし。

 

「ヤツらは俺を優先的に狙ってますが、

やはり外道八号のトリオン量の関係

ですかね?」

 

「だろうな」

 

何だかんだでニノは奴等と正面から戦える

存在だからな。

 

・・・あとは寺島のリクエストとかありそうだが、そっちは知らん。

 

『次の最終戦は二人が外道の限りを

尽くすんですよね?真っ先に二宮さんが?』

 

「「「・・・」」」

 

「いや、そうとも限らん」

 

なんたって連中は外道。思い込みは禁物だ。

 

「そうね、下手な思い込みは頭を無くすわ」

 

汚ねぇ花火を咲かせてな。

 

「・・・バラけますか?集まりますか?」

 

さすがのシュウジもあの状況で一人あそこに

残されるのはプレッシャーが凄かったようだ。

 

未だに震えてやがるぜ。

 

「俺も外道二人に襲われたら即座に自害しますよ?」

 

ニノにはコレ以上の下は無いと

思うんだが・・・

 

『はぁ。私はオペレーターとして、何も出来てませんね』

 

そりゃな。ヤツら相手に戦術の読み合いとか

無理だから。

 

「月見。それを言ったら、自分の役割を

果たしてるヤツなんか居ないだろ?」

 

俺を含めて、全員が狩人の獲物だよ

 

「とりあえずの事実として、ヤツらと

向き合って戦えるのはニノだけだ」

 

俺は見つかったらアウト。

加古と三輪は、外道八号ならともかく、

外道魔王と向き合えば瞬時に刻まれる。

外道魔王相手に少しでも時間を稼げるのは

ニノしか居ねぇ

 

『なら二宮さんを囮に?』

 

違う。

 

「俺たちが囮になって、ニノに仕留めて貰う」

 

コレしかない。

コレ以外は恐らく地獄を見るっ。

 

「なるほど、確かにそれしかなさそうね」

 

加古は気付いたな。

 

「確かに、ソレ以外はありませんか」

 

三輪も良し。

流石にA級の隊長をしてるだけの事はある

 

「・・・まさか」

 

ニノ、納得してもらわんと困るぞ。

 

「わかったな?出現位置にもよるが

出来るだけ素早い合流が必要だ」

 

「東さん!それだと!」

 

コレしかねぇんだよ!

 

『二宮さん?何か問題でも?』

 

「問題しかないだろう!気付いてないのか?」

 

月見はわかってないのか。

今まで戦術を教えて来たはずだが、

やはり現場の視点は無いようだな

 

『えっと、皆が囮になって二宮さんが

攻撃する隙を作るんですよね?』

 

そうだ!その通りだ!

 

「月見、お前は一度戦闘訓練を受けろ。

そうじゃないと、この作戦の真の意味を

理解出来ん」

 

そうだな。それには賛成だが

今回はもうどうしようもない。

 

『真の意味?』

 

「二宮くん、任せたわよ?」

「よろしくお願いします」

 

「ニノ、覚悟を決めろ。

俺たちは決めたぞ?」

 

「東さん!こんなのズルいですよ!」

 

「わかってる。お前には辛い思いを

させるが、俺たちにだって意地がある」

 

『ま、まさか東さん?!』

 

気付いたか。まったく遅いぞ?

 

「俺にだって有りますよ!」

 

安心しろ。お前の尊厳はもうゼロだ。

 

「さあ、最終戦だ!逝くぞっ!」

 

「「はいっ!」」

 

『「・・・」』

 

 

ニノ、すまんな。今回は諦めてくれ。

 

 

 




外道八号の家族?
普通に生きてますねってお話

こんな作品の誤字訂正、
ありがとうございます。
ですが『sYレにならなんでしょ』は
コレで正解なんです。
偉大なる騎士の言葉なのです!
まぁ著作権的なのでダメかも
知れませんが、

チラ裏だから仕方ないね
と言う寛容の心で見逃してやってください


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13話

投稿の本場は今やチラ裏にあるッ!

オレを驚かせる奴はいないのかっ?!

オリジナル・ノ・セッテイだっっ!


木虎視点。

 

イヤ、なんか二宮さん以外が

覚悟を決めた顔してるんだけど?

 

「・・・どうやら最終戦で二宮さん以外の

メンバーは玉砕をするつもりだな」

 

「玉砕ですか?!」

 

つまりはA級の隊長たちが決死で

囮になるって事?!

それならあの表情もわかるんだけど、

二宮さんは納得していないってこと?

 

・・・確かに、いくら模擬戦でも、

仲間を犠牲にするのを前提とした

作戦なんて、本来はやりたくないわよね。

 

「最終戦は外道の限りを尽くされるからな。

玉砕出来なければ、最後に残ったヤツが

一番長く地獄を見ることになる」

 

ババ抜き?!玉砕って早抜けってこと?!

もしかして今は二宮さんにジョーカーが

来てる感じなの?!

 

「えっと、向こうはかなりトリガー制限されてますよね?それでも勝てないんですか?」

 

普通に考えたら二宮さんだけでもかなりのモノよ?それにハンデなんかつけて勝てるの?

 

「勝てんな」

 

言い切った!

 

「た、隊長には何か確証が?」

 

言い切るだけのナニかがあるの?

 

「確証か・・・そうだな。

もう木虎にもわかっていると思うが、

基本的に外道魔王は何でもできる」

 

「そ、そうですよね」

 

鋼糸も催眠術も火力蹂躙もソナーも

出来るんですもの。

あの調子なら旋空弧月や幻踊も

当たり前にできるでしょうし、

合成弾だって思いのままよね。

 

何なら剣から光の波が出てくる

可能性だってあるわ。

『約束された外道の剣』とか言って。

 

「前回の決め技は、約束された外道の剣。

・・・流石にアレは予想外だったよ」

 

やってた?!

えっ?ソレを予想できた私も外道なの?!

 

「えっと、ソレは剣から光の波が出てきたり?」

 

しないわよね?!

 

「よく知ってるな?もしかして

何か元ネタがあるのか?」

 

外道がっ!貴様がマフィア○田かっ!

キノコに謝れっ!

 

「えっと、まぁ、そうですね」

 

きっと隊長はN○Kしか見てないから

わからないのね。

 

「なんか妙な同情をされてる気がするが、

とりあえずいいか。

あの技は大量のトリオンを放出して

光の波のように見せる技で、

効果的には単なる目眩ましなんだが・・・」

 

「なんだが?」

 

何か有るのかしら?

 

「光が突き抜けた後、髪だけを消失させたんだ。

・・・つまりは丸坊主にされたんだな」

 

「そ、そんなことを!」

 

この外道がっ!!

三輪さんも二宮さんも加古さんも

東さんも丸坊主って!

ちょっと見たいじゃないっ!

 

「纏まって食らったなら互いを

指摘すれば良かったんだが、

一人一人が離れた場所で食らってな」

 

「あぁ、丸坊主のまま真剣な顔して

戦闘を継続するんですね」

 

もう年末特番じゃない!

 

「作戦に支障があるわけじゃないから、

月見さんもわざわざ指摘するわけにも

いかんし、東さんたちは真顔だし。

解説を含めて俺達は全員が腹筋崩壊だ」

 

まさか戦闘中の東さんを笑えないわよねぇ。

 

「忍田さんが言うには、映像を見ていた

城戸司令もずっと下向いて震えてたらしい」

 

そりゃアウトよねぇ。

 

「で、魔王がわざと戦闘を長引かせてたのに

気付いた東さんが、二宮さんを見て爆笑」

 

東さんは笑えるのね。

まぁ、隊長だし歳上だし。

 

「そのまま三輪や加古さんを見つけて

しまい、腹筋崩壊していたところを

八号に狩られた」

 

・・・そりゃ隙だらけだったでしょうね。

 

「んで、東さんが爆笑したまま狩られた

事で不安を覚えた三人が集まって、

全員の頭を指さして固まったところを

魔王に爆撃されて終わりだ」

 

「あぁ・・・」

 

最終的な決まり手は爆撃だけど、

丸坊主にした時点で勝負は

終わってるものね。それに何より

 

「キッチリオチまでつけるのが凄いですね」

 

お約束までキッチリ押さえたコント

じゃない。めっちゃ見たい。

 

・・・いや、そうじゃないわ。

落ち着きなさい藍、貴女も外道に

堕ちる気?!

 

「そうだな。凄いとしか言えん。

あの四人を、いや、月見さんも

指示を出し辛そうにしてたから、

最高クラスの五人が集まる小隊を

完璧にコントロールしたんだ」

 

「とんでもないことですよね」

 

・・・そうよ。笑い事じゃないわ。

真面目に戦ってる相手を冗談半分で

操って掌で転がしてたって事なのよ。

 

しかも相手は東さん率いるA級一位の小隊!

それに他人事じゃないわ!

 

「ちなみにソレって、どんな原理なんですか?」

 

そうよ、コレがわからなければ

私だって丸坊主にされちゃうじゃない!

 

「ん?あぁ、あれか。あの剣から出た光は、

一つ一つが威力を限りなくゼロに近くした

アステロイドでな」

 

威力を限りなくゼロに近く?

 

「それにはどんな意味が?」

 

強くするならわかるけど、弱くする?

 

「トリオン制御の実験らしい。

弱くしたトリオンを周囲に放つ事で、

カメレオンみたいに姿を消して近付く

敵や、罠を察知するようにするんだとか」

 

薄めたトリオンの放出・・・

 

「あ、それならその技術の完成形がさっきの

ソナーと極散ですか?」

 

「恐らくそうなんだろうな」

 

なるほど、真面目に試験はしてるのね。

 

「それで、その光は限りなくゼロに近いが

決してゼロじゃない。いや、恐らくは

髪の毛を消すだけの力を込めていた

んだろう」

 

「あぁなるほど、だから光が通りすぎた

あとは、髪の毛が無くなった

トリオン体が残ったんですね」

 

「そうだ。つまりは、戦いが始まる前

から終わらせるまで、全部外道魔王の

計算の内だったと言うことだ」

 

あぁ、確かに。そんなの相手には

対策無しでは勝てないわ。

更に新技術の御披露目なんだから、

そもそも対策が不可能。

はじめから詰んでるのね。

 

「ようやくわかりました。

この試合は新技術が実戦で使える

ことを証明し、試験小隊の存在を

上層部に認めさせる為の場であって、

東さんたちは・・・言い方は悪いですが

所謂当て馬なんですね?」

 

A級一位のバグ小隊が当て馬だなんて

普通は考えないわよ

 

「そうなるな。付け加えるなら東さんに外道

の新技を経験して貰うことで、後進に対する

教育に役立てると共に、精鋭部隊でも

勝てない敵が居ることを我々に教えて、

油断や慢心を無くす為の場でもある」

 

「なるほど」

 

深いわ。確かに私もA級になったって

浮かれていた部分があったのは事実だし、

緑川くんや双葉ちゃんも自分の戦い方に

可能性を見たはず。

 

それに私はスパイダーの可能性を知った。

 

けどそうなると。

 

「外道魔王は教育者としても一流なんですか?」

 

本当に15歳?サザ○さん時空の

人間じゃないわよね?

 

「そうだな。外道八号や唯我を見れば

わかるだろうが、兵士を育てるなら

アイツ以上の男は居ないだろう」

 

「兵士ですか・・・」

 

私たちに直接指導を行わないのは、

私たちを兵士として見ていないから?

 

「少し前に城戸司令から人材の育成を依頼

されたときに、外道魔王が言ったらしい。

俺達は子供だ。子供を殺戮機械にするなってな」

 

「・・・なるほど」

 

外道八号さんは良いのかしら?

 

「年下に子供扱いされるのはアレだが、

俺だってお前や緑川や双葉みたいな

中学生を殺戮機械にしたいかって

言われたら、NOと答えるさ」

 

ん~聞く限りだと、言ってることは凄く

まともだし、戦いに対する姿勢も凄く

真面目な人なのよね。

 

「あの、なんでそんな人が外道魔王

なんです?聞いた限りだと、立派な

人格者ですよね?」

 

「あぁ、基本的にアイツは思想も言動もまともな人格者だ」

 

「ならなんで・・・」

 

隊長まで外道で魔王なことを否定しないんです?

 

「それでもヤツが外道魔王なのは、

外れる事を厭わないからだな」

 

「外れる事を厭わない?」

 

「人間ってのは何をやるにしても

心にブレーキがかかるもんだろ?」

 

「それは、まぁ」

 

多かれ少なかれあるわよね。

 

「外道魔王にはソレがない。

必要なら必要なら分だけ殺せるし、

敵を捕らえて実験だって出来る」

 

「・・・実験、ですか?」

 

それって普通に犯罪なのでは?

 

「近界への遠征に行ったときにな」

 

あ~なるほど。医学の発展は戦争中の外道な

人体実験があったからって言うのは有名な話よね。

 

相手も戦争中の敵で、特に条約とかを結んで

いる訳じゃないから犯罪にはならないのか。

 

「一切の躊躇なく腹を捌き、泣き叫ぶ

近界民を笑いながら分解していく

様子は、まさに外道」

 

「えっと・・・」

 

笑いながら?

 

「目の前で仲間が生きたまま捌かれて行く

のを見て、猿ぐつわを飲み込んで死んだ

ヤツもいた」

 

うわぁ。

 

「アイツに襲われて幾つの国が滅んだか」

 

「く、国ですかっ?!」

 

どんだけ殺ってるのよ!

 

「元々、俺たちの世界を襲ってきた

連中だからな。

『中途半端な同情で生かしても

また襲ってくるだけだから、

二度と襲って来ないように恐怖を

振り撒く』とか言って笑顔で恐怖を

振り撒いた結果が外道魔王だ」

 

いや、確かにそうなんだけど!

 

「やってる事は正しい、

言ってる事も正しい。

ただあまりにも躊躇が無い」

 

「・・・だから誰も訂正しないんですね」

 

「それになんか楽しそうだしな。

『まだまだ殺れるだろう!諦めるな!

俺を殺せば助かるぞ!』とか敵に言って

命を削って使うような秘密兵器を

使わせるんだぞ?」

 

あぁ、確かに敵が使う秘密兵器は調査対象

なんでしょうけど・・・

 

「そんな秘密兵器とか食らっても

大丈夫なんですか?」

 

普通なら相当ヤバイんじゃないの?

 

「食らったヤツがあそこで笑ってるな」

 

そうでしたね!

 

「む。そろそろ始まるな。

最終戦は外道魔王が外道の限りを

尽くすんだ。お前もよく見ておけ」

 

「そうですね。怖いですけど、見ないと

対策とか取れないですから」

 

見れば何かしら対策を

取れるでしょうからね!

 

「いや、それは違う」

 

えっ違う?何が?

 

「あの、違うって?」

 

「見ても対策なんざ練れん。見定めるのは、

緊急脱出するタイミングだ」

 

「えぇぇぇぇぇぇ?!」

 

逃げるのが前提?!

 

「・・・生きたまま刻まれたいか?」

 

「絶対嫌です!」

 

「だろ?まさか最初から投了なんか

出来ないんだ。ある程度戦ったら

逃げる判断も時には必要だ」

 

なるほど、確かに相手によっては

生き延びて情報を得る事が重要よね

 

「相手は国を滅ぼす男だぞ、逃げるの

だって簡単じゃない。

だから、東さんたちの動きを「自分なら

どうするか」って考えながら見ろ。

一瞬の油断が命取りになるのが良くわかる」

 

「はいっ!」

 

絶対丸坊主なんかゴメンよっ!

 

 

 

~~~

 

 

え?なんで?いやそこはダメでしょ?

 

「隊長っ!アレは何ですか?」

 

明らかに禍々しいんですけど!

 

「なんだあれは?」

 

隊長も知らない?

 

 

それなら・・・教えて、唯我さんっ!

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

『おおっと、なんと言う外道行為っ!

この有り様はまさに外道っ!

外道魔王はやっぱり外道だったぁっ!』

 




戦いは次回にしたいなぁ。


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14話

待つんだお、難産っ!
ふてぇヤロウである(作者がな)

仕事はどうしたッ?!
更新の炎 未だ消えずッッ
書くも直すも思いのまま!!

オリ設定だッッ!!


『な、何よコレ?!

『まさか、捕まった?!』

『な、なんだ?!閉じ込められたのか?!』

『緊急脱出も自爆も出来んだと?

どうなってるんだっ?!』

 

――――――――

 

木崎視点。

 

最終戦。開始から数分で東さんたちは

高さ七十センチ、幅と奥行きが三〇センチ

くらいの箱に閉じ込められている。

 

何故か自分から外道魔王の罠に入って

行ったように見えたから、何か狙いが

有ったのかと思ったらそうじゃないのか?

 

と言うか、東さんはヤツと一緒に遠征行った

こと無かったのか?

 

外道魔王相手に自害なんて

出来るはずないでしょうに。

 

『ゆ、唯我くん!アレは一体なんですか?!』

 

お、宇佐美が焦ってるな。

気持ちはわからんでもないぞ。

 

あれは明らかにヤバイ奴だからな。

 

「・・・あれは近界民捕獲用トリガー。

『鋼鉄の黒棺』です」

 

『「「名前が既にろくでもねぇな!」」 』

 

鋼鉄の処女と黒棺?を混ぜたんだろうがな。

しかし明らかに人間が収まらないサイズ

だと思うんだが?

 

『な、名前で大体わかりました。しかし

あのサイズだと、どうしても人間が入る

サイズではないのでは?』

 

やっぱり宇佐美も気になったか。

足を畳んだとしても入りきらんよな。

そうなると中身は・・・

 

「・・・古代中国には凌遅刑と呼ばれる

刑罰がありました」

 

おいおい。マジかよ。

 

「おい!それは洒落にならんぞ?!」

 

忍田さんは知ってたか。

 

「トリオン体の痛覚設定は切ってますから、

痛みで発狂することはありません。

それに中は完全に光が入らないので、

本人も自分がどうなってるかは

わからないんです。だから視覚的にも

発狂したりしませんよ」

 

いや、そう言う問題か?

 

「いやっ!そう言う問題じゃないだろう!

その言い様だと、お前も試験したのか?!」

 

『し、忍田さん?』

 

焦ってるなぁ。まぁ普通に考えたら

ただの拷問だからな。

外道魔王も外道八号もまだ15だと

考えれば、さすがに看過出来んか。

 

「はい、僕と外道八号が受けました。

当時は『我々は戦争をしてるんだ。

戦闘の結果、捕虜になる可能性もある。

その際に混乱することなく対処出来る

ようにする為に』と言われましたね」

 

『「「「・・・」」」』

 

相変わらずシビアではある。だが現実

問題として捕獲用の近界民はいるからな。

 

それに対する対処と研究は必要だろうさ。

しかし、痛覚がなければどんな形にでも

出来る、か。

 

感覚的なモノの試験としては十分な成果

なんだろうが、外道魔王の精神は一体

どうなっているんだ?

 

「確かに試験小隊の意義を考えれば必要な事なのかも知れんが・・・」

 

忍田さんの立場だと、実験を止めろとは言えないよな。

 

『き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!貴方たち、

な、何て事を!何て事をしてるのよっ!』

 

『つ、月見さん?』

 

あぁ、オペレーターには見えてしまうのか。

 

『おいチュウ、月見が焦ってるぞ。

オペレーターに見えないように

工夫は出来るか?』

 

『おぉ。コレは失敬。淑女に見せる

モノではありませんでしたな。

いや、失敗失敗。魔王失敗』

 

「「「「軽いな?!」」」」

 

しかも言い回しがどこぞの変態紳士みたいだぞ?

 

『・・・寺島さん。玉狛に野菜追加で』

 

『あいよ』

 

当たり前に心を読むなっ!つーか追加って事は

やっぱり送ってんのかよっ?!

 

『では、少しトリオン使いますが・・・

ネギ塩チャーシューネギマシマシ~』

 

『「「「「ラーメン屋かっ?!」」」』

 

ネギが嫌いな月見に対して嫌がらせか?

いや、もしかしたらネギを送りつけろ

って言う指示か?!

 

ヤバイな、もしも野菜室じゃなく

冷蔵庫に入れられてたら

全体に臭いが付着してしまうぞ。

 

・・・しかし、ネギか。

ラーメンにも使えるが、何だかんだで

用途が広いから逆に困るな。

しかも一言でネギと言っても種類が

多い。やつらは最悪、玉ねぎだって

ネギと言い切るだろう。

 

しかも、流石に忍田さんや司令にネギだけを

渡すわけにもいかん。

なるほど。用途は広いが、お裾分けには

向かん・・・やってくれたな外道魔王っ!

 

『寺島さん、こんな感じでどうでしょう?』

 

『おし、どこからどう見ても真っ暗だ』

 

いや、ソレを止めると言う選択肢は無いのか?

 

『ほ、捕獲用トリガーについては

わかりました。中がどうなってるかはアレ

ですが、他の部分の解説をお願いします!』

 

その方が良いだろうな。

戦争中の捕虜がどうなるかなんて

流石に子供に見せるモンじゃない。

・・・加古は大丈夫だろうな?

 

『木崎さん、私達は外道であって

下衆ではありませんよ?』

 

だから心を読むなっ!

 

しかしまぁ、確かにそうか。

八号に至っては妹に嫌われるから

絶対にアレな事はしないだろうよ。

 

そう考えれば無礼と言えば無礼な

想像しちまったな。

 

『えー、とりあえずアレな展開には

なって無いそうなので、そちらは

良いとして、東さんたちをあの箱まで

捕獲するまでのプロセスについての

解説をお願いします』

 

うむ、あきらかに不自然だったよな?

 

 

「いや、あれはもう見た通りですね。

外道魔王と外道八号に誘導されて

一ヶ所に纏められたところを

捕縛された形になります」

 

「それはわかる。気になるのは、

東さん達を一ヶ所に追い込んだ方法だ」

 

『そうですね。外道八号のホーネットが

東隊長を追尾して、外道魔王のコブラが

加古隊長と三輪隊長を追い込む形で

二宮隊長の元へと誘導されている

ようでしたね』

 

「そうだな、はっきり言えば不自然だ。

東さんは追われたら二宮と合流する

より、距離を取るだろう?

もしかしたら自分を囮にして二宮に

攻撃をさせようとしたのかも知れんが

あの動きは狙撃主の動きでは無いぞ」

 

何せ隠れたり、地形や建物を利用せず、

真っ直ぐに二宮のところに向かったからな。

 

あれでは囮にすらならん。

 

それが東さんだけならまだしも、三輪や

加古まで似たような動きをしたんだ。

 

端的に言って不自然極まりないだろ。

 

『唯我君。解説をお願いします』

 

普通に唯我に聞くのな。

俺は良いが忍田さんは・・・

 

「唯我、早くしろ」

 

めっちゃ聞きたそうにしてる。

うん。次はこの人だもんな。

 

「説明と言われましても、何から

行きましょうか?」

 

最初からだ最初から。

 

『では、まずは東隊長達の不自然な

動きですね。何らかの罠をしかけたのかと

思われますがそもそもソナーは使って

居なかったはずですよね?外道達は

どうやって相手の位置をつかんだので

しょうか?』

 

そうだ、指パッチンはしてなかったぞ。

 

「あぁ、元々外道魔王にはソナーは

必要無いんですよ」

 

『「「「はぁ?!」」」』

 

いや、どーゆーことだってばよ?

 

「ソナーと言う技術は、言うなれば俺のような

トラッパーが使うための技術です」

 

「ふむ?」

 

確かに現状では探知専用の隊員は居ないから

仕事で言えばトラッパーがやることなのかもしれん。

 

しかしそれが何の関係が有るんだ?

 

「外道魔王的には、索敵や探知。

罠の設置と解除を専用とする工兵

みたいな形にしたいようでしたね」

 

「あぁ、それ専用の部隊があれば

遠征はかなり楽になるだろうな。

今の制度だと難しいが・・・」

 

『えっと、レイジさん、それは何故

難しいんでしょうか?』

 

「爆弾設置と処理専用の人間の教育が

簡単に出来ると思うか?」

 

それに遠征艇の大きさもな。

 

『あ~なるほど。確かに』

 

「それ以外にも、今のランク戦で工兵が

必要になるケースがありませんからね。

中々普及もしないでしょう」

 

それもあるか。だがそう言うことなら納得だ。

 

「つまり、トラッパーに索敵要員としての

価値も作り、それを認めさせてから工兵に

移行させるつもりなんだな?」

 

そのテストケースが唯我か。

 

「そう言うことですね。

そのために、外道魔王が当たり前に

やってる気配察知をトリオンを使用した

技術にしようとしたのがソナーです」

 

なるほどな。

 

「確かに外道魔王は戦場に於いてスコープ越し

であっても、自分が見られたなら三キロ以上

離れた狙撃手さえ見つけるからな」

 

『そ、そんな事が出来るんですか?!』

 

何を驚いているんだか。

 

「いや、太刀川だって三百メートルくらい

ならわかるだろうし、たぶん忍田本部長は

一キロくらいならわかるんじゃないですか?」

 

「「まぁな」」

 

『わ、わかるんですね?』

 

「「勿論」」

 

やっぱりな。俺だって見られたらわかるし。

 

「ただ、俺の場合は照準をつけられて

はじめてわかるくらいのレベルだ。

気配だけで探るなら二百メートルくらい

までが限界だな」

 

『え?忍田本部長は二百メートルくらいまで

なら相手の居場所がわかるんですか?』

 

「そうだな。と言うか、それくらい出来ないと

俺たちのような攻撃手が戦場で戦闘するのは

厳しいだろう」

 

太刀川がなんか焦ってますが?

 

「えっと、つまり木崎さんや忍田本部長が

言うように、ソナーを使わなくてもある

程度以上の使い手になると、なんとなく

相手の位置とかがわかるらしいですね」

 

さらりと太刀川を助けたか。唯我も大変だな。

 

『ち、ちなみに外道魔王の索敵範囲は?』

 

あ、それは俺も気になるな。

 

 

「気合いを入れたら13キロだそうです」

 

『「「「アホか?!」」」』

 

おいおい、距離13って1300のことじゃなく13000なのかよ!

 

もはや120ミリ迫撃砲の射程じゃねーか!

そりゃソナーじゃなくレーダーだろ?!

支笏湖の端から端までヤツの射程か?!

 

『つ、つまりは戦場に配置された

時点で外道魔王には位置を知られて

いるんですね?』

 

「そうなりますね」

 

そうなりますね、じゃねーよ。

そんなんどーやったって狙撃

できんし、罠も効かないし

伏兵も無意味じゃねーか。

 

『と、とりあえず相手の居場所を

捕捉する方法はわかりました』

 

だな。コレだけで疲れたよ。

 

『では、次ですが・・・あの

不自然とも言える皆さんの動きは

一体何なんでしょうか?』

 

「あぁ、アレは外道魔王の技で『無明察相嵌』です」

 

いや、技なのか?トリオン関係なし?

 

『その、なんともおっかない技は

一体どんな技なんでしょうか?』

 

「元々は行動心理学にあるケッペルの法則

を応用した技なんですが、ソレに一手間

加えた技になります」

 

『「「「「ケッペルの法則?」」」」』

 

なんだ、こいつら知らんのか?

 

「確か、精神的に一定の負荷を与えられた

人間は与えられた刺激に対して老若男女

問わずに、同じ行動を取る。だったか?」

 

「さすがです木崎さん」

 

『「「「おぉ~!」」」』

 

へへっ・・・燃えたろ?

 

「つまりは、相手にプレッシャーを

与えることで相手を操る技です。

太刀川さんにもわかるように言うなら、

『アッチの方向はなんかヤバイ』とか、

『左はヤバイから右だな』って感じで

相手を操るんです」

 

『「「「なるほど」」」』

 

「確かに戦闘において勘は重要な要素だ。

ソレを意図して操られるなら、東達の

不自然な動きも納得できる」

 

そうだな、今までの四戦で必要な

プレッシャーは十分な掛けただろう。

 

しかし恐ろしい技だ。太刀川や

小南は絶望的に相性が悪いな。

 

「さらに外道魔王はエグいので、外道魔王の

コブラと、外道八号のホーネットで追い込み

までかけました。

恐らく月見さんは、味方が合流を選んだ

と判断して各員の居場所をナビした

と思われます」

 

『なるほど。月見さんが優秀だからこそ、

わざわざ東さんたちに意図を確認しなかった

ことまで読んでいたと?』

 

「そうですね。二宮さんのところに

集めたのは、他の皆さんが玉砕覚悟

だと気付いたからかと」

 

流石は外道魔王。すでに相手の心境まで

読んでやがる。

この上、幻術『木崎さん、催眠術です』

・・・催眠術まで使われたら読み合い

どころじゃねぇ。

戦術指揮官としては最悪の相手だな。

 

 

 

 

~~~

 

 

 

『流石は外道魔王!相手の嫌がることを

させたら右に出るものは居ないっ!

そんな魔王が造り出した鋼鉄の黒棺に

囚われた彼等の運命は如何に?!

魔王は一思いに終わらせるのか?

ソレとも外道の限りを尽くすのか?!

開封されるのが楽しみですっ!』

 

 

『「「「「お前も立派な外道だよっ!」」」」』

 

 




入場選手全員がオリ設定=サンである
とか言っては行けないってお話

無明察相嵌の嵌の字が違うのは
元の技に魔王が一手間加えた為です。

作者は黒棺が大好きです


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