Fate/fighting admiral(Iot) (ピロシキィ)
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召喚

退避


少女は数日前より同じ夢を見る。

 

 

 

内容は覚えていない。

 

 

 

それでも同じ夢を見ているという不確かな確信があった。

 

 

 

それは少女が偶々手に取った一冊の本が運命の歯車を狂わせた物語。

 

 

 

 

 

 

 

素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

 

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 

閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。

 

繰り返すつどに五度。

 

ただ、満たされる刻を破却する

 

――――告げる。

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

 

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

 

我は常世総ての善と成る者、

 

我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

 

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 

 

陰湿でおぞましく空気の淀んだその地下霊廟。

 

 

 

魔法陣は発光し、そこから漏れ出した光は、この空間に不釣り合いな桜の花弁となりて、優しく召喚者に降り注いだ。少女の名前と光の花弁は奇しくも同じ名前。

 

 

 

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじやーん!」

 

 

 

魔法陣から勢いよく顕れたるは2頭身のセーラー服を着た小人。

 

 

 

「ヒャッハー! 汚物はバーナーで消毒だァァ!」

 

 

 

「やったるで~」

 

 

 

「召喚そうそうで害虫駆除とか、おかしいやろ」

 

 

 

「告訴もじさない」

 

 

 

「ワレ、飛行場ノ建設ヲ具申スル」

 

 

 

「これ(家具職人)の出番ですぞ」

 

 

 

それも一体や二体ではなく、わらわらと数を増やしていく。

 

 

 

「提督が着任しました。これより指揮に入ります」

 

 

 

そして魔法陣は一際光輝いたあと、そこに立っていたのは桜に錨。それを葉が囲む金色帽章がついた軍帽を被り、濃紺色の生地で作られた立襟、縁や袖に黒の縁飾りの軍衣を着用した青年の姿があった。見るものが見ればそれが大日本帝国海軍の士官用第一種軍装であるとわかる。白が眩しい両手の手袋で太刀の柄頭を抑え、鞘尻が床に。

 

 

 

「…ライダー推参」

 

 

 

ひどく短い口上で静かに少女を見つめる青年。

 

 

 

「…Nuapurista kuulu se polokan tahti♪

 

Jalakani pohjii kutkutti♪Ievan äiti se tyttöösä vahti♪

 

Vaan kyllähän Ieva sen jutkutti♪Sillä ei meitä silloin kiellot haittaa~♪」

 

 

 

彼の肩で口を開けたままの小人が緑色の細長い葉のようなものを上下に降り続けながらフィンランド民謡を歌ってる。一体どのように歌ってるかは謎であるが英霊という超常の存在が顕れたのだから、細かいことは気にしてはいけない。

 

 

 

召喚の影響で魔力が少ない少女。

 

体に蠢く蟲から送られる痛みと淫靡の波に蝕まれながらも、そのあまりに滑稽な姿が可笑しくて笑ってしまう。

 

 

 

「フィンランドの…いや、しかし帝国海軍の軍服」

 

 

 

召喚を見届けた老人は困惑といった表情で召喚された青年を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……(…冗談でヴァルハラ行くわ。って言ったら型月世界とか、しかもラスボス桜さん陣営とか、ワロス…ワロス…。あぁいいよ。ここまでは非常に遺憾ながら受け入れてやろう。だがなっ! どうしてわしがライダーなんだよぉ! おっぱい眼鏡のいないこの世界にゃ、ワシのヒロインがいないじゃないか!)」

 

 

 

ぼくの考えるヒロイン候補

 

 

 

うっか凛:彼女には圧倒的に足りないものがある。よって却下。

 

 

 

腹ペコ王:身長はいいだろう。だか、彼女には圧倒的に足りないものがある。よって却下。

 

 

 

イナズマ:なんか色々混ざった。とにかくアイツペロリンの少女も圧倒的に足りないものがある。よって却下。

 

 

 

寺の人妻:俺にNTR属性はない。先生と好きなだけいちゃこらしてろ。もげろ。

 

 

 

タイガー:実家がアウトロー。無いわー。

 

 

 

腹悪後輩:おっぱい合格! だがしかし、ラスボス。

 

 

 

ヒロイン不在とか、バカなの死ぬの?

 

 

 

──そんな貴方に朗報です。

 

 

 

ほほう? 聞いてやろう。

 

 

 

──材料を用意しましょう。

 

水35L、炭素20㎏、アンモニア4L、石灰1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素、石油適量、鋼鉄適量、弾薬適量、ポーキサイト適量、及び貴方の「血液」。

 

 

 

まさかの人体錬成!?

 

 

 

──建造です。

 

 

 

え、なに俺の能力って艦これ?

 

 

 

──厳密には妖精使いのようですが、概ねその認識でよろしいかと。

 

 

 

…フフ、フハハハハハっ! 勝つる! これは勝つる!

 

シローにも負けないハーレムが俺を待っている!

 

 

 

──まずは工廠を設置しましょう。場所はここでよろしいかと

 

 

 

そうか、では

 

 

 

「…はじめようか」

 

 

 

妖精=サーン。工廠建設お願いしまーす。

 

 

 

妖精さんたちが一斉に動き出す。バーナーで蟲を炙るもの、赤レンガをどこからともなく取り出すもの、それを積み上げでいくもの。バーナーで爺を炙るもの、木材で足場を作るもの。

 

 

 

それを眺めながら俺氏、熟考。

 

 

 

朧気な記憶を辿ると確か、我が召喚主は体中に蟲がいて妖怪爺の核蟲が心臓に寄生してて、汚染された聖杯の欠片も取り込んでるとか。凄くヘビィじゃないか? しかも兄がワカメで日常的に色んなものの発散の道具にしているとか。重すぎない? とりあえず兄貴の方は陸式で可愛がりしてやろう。

 

それより爺と聖杯だ。屋敷中の蟲は現在、妖精さんたちによって焼却処分中である。心臓の核蟲、これが本体。

 

 

 

牙突で殺っちゃえないだろうか?

 

 

 

──宿主も死ぬのでは?

 

 

 

そこはダメコン女神様がいるじゃろう。

 

あとは彼女の魔術の才能「架空元素・虚数」て言うウルトラレアがなんかいい感じで発動してなんかいい感じになる。…といいよねー。

 

 

 

──なるほど。

 

 

 

逃げ惑う妖怪爺と世紀末な格好で追う妖精さんから、倒れ込んでエロい感じになってる召喚主に視線を移す。

 

 

 

そういや、自己紹介してなかったな。

 

 

 

「…君が名は?」

 

 

 

「…さ、桜。間桐桜です」

 

 

 

「桜か」

 

 

 

……ああ、この響きは実に君に似合っている。

 

とどこぞの弓使いなら言うのだろう。

 

残念ながら現在のところ好感度足りない。

 

 

 

それじゃあ、いっちよいってみよう。

 

 

 

深く腰を落とし刀の切っ先を倒れ込んでる少女の胸に向け、その峰に軽く左手を添える。

 

 

 

ドスッと胸を貫けば、甲高い蟲の叫びが聞こえ、刀を抜けば血が吹き出した。そこから気味悪く卑猥な蟲が飛び出し、のたうち回る。

 

 

 

近くにいた妖精さんによって焼却処分で駆除完了。

 

 

 

ダメコン妖精さんを発動しようとしたが、傷口から蠢く影のような触手。

 

 

 

これ、多分聖杯の一部だろ。引っ張ったら引き剥がせないかな。

 

 

 

蠢く触手に手を突っ込んで体から引き剥がす。

 

意外にもある程度抵抗あったものの無事引き剥がせた。

 

 

 

ダメコン妖精さんお願いしまーす!

 

 

 

召喚主、間桐桜が光に包まれて、息を吹き返した。ただ、傷口は開いたままだ。そこにすかさすバケツを持った妖精さんは中身をぶっかけ、みるみるうちに傷口がふさがった。

 

 

 

ダメコン妖精さんって言ったからか。女神様って言えば良かったな。

 

 

 

何はともあれ、これでラスボスは封じられただろう。

 

もう何も恐れるものは…他のサーヴァントは怖いな。

 

 

 

万全の体制を整えよう。

 

 

 

謎の液体をぶっかけられた少女(気絶中)をこのままにしておくのは忍びないので担いで彼女の部屋を目指す。

 

 

 

──貴方が召喚からここまで行った行為は外道なのでは?

 

 

 

ふむ、桜から見た場合、大切なペット(蟲)を焼き殺し、不法占拠の如く勝手にリフォーム(工廠作り)をはじめ、祖父にも火炎放射を浴びせ、挙げ句に己の命を奪う。

 

 

 

なるほど! 外道だな!…明日、土下座しよう。

 

 

 

これより歯車の狂った物語がはじまる。

 

 

 

 

 

 



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現状把握

お気に入りユーザー登録の機能を知って驚愕した。

ほんとに外伝からの退避場所として作っただけで続けるつもり無かったんだ。
…しかしお気に入りがもう二百件越えてたから細々とひっそりやっていくよ(´・ω・`; )
更新速度とかめっちゃ遅いから期待しないように。
あと提督(笑)の方を読んでないと分からないと思うし、その前提で話すすめていくから、無いとは思うけど、宣伝とかするなよ、絶対にするなよ? フリじゃないからな!

作者はFGOのことは全く分からん。staynightとZeroの知識が朧気にあるだけ。だいぶ変だよって部分以外は目を瞑るんだよ。どうしてもここが納得できないとかあれば優しく教えて。


 

その人には家族がいた。

 

妹がいた。

 

友がいた。

 

心から慕う人がいた。

 

富もあった。

 

きっと安寧に過ごすことができた。

 

しかし彼は国を愛していた。

 

未来を憂い己が心に蓋をした。

 

駆けて、懸けて、賭けて、駆け抜いて、

 

多くのものが零れ落ち、落とし、

 

そして、戦神()となった。

 

その身はただ護国の為に。

 

炎と夕日に染められた戦艦の艦橋で独り最期の刻を迎える。

 

『少し疲れたな…。金剛、ヴァルハラまで頼むよ…』

 

どうしてそんなにも穏やかな表情でいられるのか?

 

 

 

 

そのような言葉をかけようとして桜は夢から覚めた。

 

いつもの見慣れた自分の部屋だった。

 

双眼鏡でこちらを覗く小人以外は…。

 

「目標起床! 伝令兵ー!」

 

「了解っ! 下着の色は白! 提督さんに言ってくる」

 

その小人が叫ぶとベッドの中から小人が飛び出し、部屋の外へふわふわと翔ていく。

 

残されたのは桜と熟練見張り員妖精さん。

大戦期、アメリカ初期の電探と同程度の性能を誇っていたと錯覚された生体艤装。その魂を宿している。

 

「…ノーブラって報告を忘れやがって」

 

相変わらず、双眼鏡でこちらを覗く小人とそれを見て半身を起こし戸惑う桜。

 

 

そして桜は昨夜のことを思い出した。

 

「…夢じゃない?」

 

召喚、顕れたのは小人と軍服姿の青年。

 

肩にいた小人が可笑しくて笑ってしまったこと。

 

「はじめようか」

 

と静かに発して始まった蹂躙劇。

召喚の不具合か、はたまた笑ったことに対しての報復か。

桜にとってはそれはどちらでも良かった。

諦め、達観、この間桐の家に来てから過ごした時間は桜の感情を希薄にさせ、ただ生きているだけの日々に成り変わらせた。

 

兄もお爺様も自分を道具にしかみていない。

 

「君が名は?」

 

「…さ、桜。間桐桜です」

 

立つことも儘ならないほど消耗した体で紡いだ自分の名前は震えていた。

 

「桜か」

 

それだけ言うと青年は鞘から刀を抜き、自分に向けた。

得体の知れぬ英霊に殺される。そこに死に対しての恐怖は確かにあった。それでも先輩と過ごした安らかな日々が終わってしまう事の方が怖かった。

 

だからといって抗う隙も暇もなく、呆気なく胸に刀が刺さった。

薄れ行く意識の中で『ダメコン発動』という言葉を聞いてそこで終わった筈だった。

 

「生きてる?」

 

自分の胸に視線と手をやると、そこにはいつもと変わらない自身の肌があり、傷痕すらなかった。

それどころかあのおぞましい気配と違和感もきれいになくなっている。

不思議に思うも、その疑問が自身で解決できると思えず、部屋に置かれた机の上から、今なお監視? を続けている小人に視線を向ける。

 

「84…85。アンダーが細いことからしてD、いやEか。尻は87と見た」

 

「ちょ!?」

 

なにを見ていたか分かり、思わず顔を赤くする桜。

可愛らしく熟練見張り員を睨むが、双眼鏡を下ろして「これが私の仕事だ」と言わんばかりに、どや顔している。

一言くらい文句を言おうとしたところ、

 

「起きられるようなら食堂にこい」

 

開いたままの扉から、小人がふわふわと桜の目の前に移動してきてそう告げる。結局、文句は言えず、なんとなくモヤモヤしたものを抱えたままベッドから身を起こす。

 

「お嬢ちゃん、ノーブラで行くんか? 提督さんは貞淑な女性がお好みやで?」

 

クローゼットが開き、下着棚から小人が、下着をぶら下げながら出てくる。

それを見て桜は静かにキレた。

 

「言いたいことがあります!」

 

寝るときはつけないけど、そもそも自分はいま着ているパジャマで寝た記憶はない。と。

 

「せやかて工藤、びちょびちょやってん。そのまま寝たら風邪ひくおもて着替えさせたんや」

 

何故か関西弁、そして工藤とは誰だ? 全く反省が見られない小人の相手をするのを桜は諦めた。

 

 

 

 

劇的に模様替えリフォームされた廊下を歩く桜。

心境は驚愕の一言。

 

(家具職人)により日中でも薄暗い廊下は、陽の光がふんだんに取り入れられた造りになり、暖かみのある無垢材の床に様変わり。外に面する壁は職人が丹精込めてしっかり焼き上げた赤煉瓦を用いてイギリス積みで組み上げた様式美漂う壁に。中からでは見えないが外装も赤煉瓦造りになっている。鬱蒼とした庭も、陽射しが心地よい季節は紅茶を飲みながら景観美を楽しむ英国式庭園となり、来るものを拒む雰囲気だった屋敷は、通りがかりの人が足を止め、写真の一枚でもと、撮りたくなる屋敷へと変貌したのであった。

 

驚愕しつつも食堂にたどり着いた桜。

厨房から料理の匂いが漂い、自分が空腹であったことに気がついた。

 

誰にも聞かれることはなかったが匂いを嗅いでお腹がなる。

 

「起きられたか」

 

青年が鍋を抱え厨房から出てくる。

 

上下スウェットに桜のエプロンを身に付けて。

 

昨夜の神秘的なイメージから、かなりかけ離れた姿に別人ではないかと疑うほど驚愕。

寝起きからここまで一体どれ程驚くのか。

 

「かけたまえ」

 

それでも所作は優雅…ではなく武骨なメリハリがあり、話すときはしっかりと桜を見据えている。

 

促され席につけば、深皿にクリームシチューが盛られ桜の前に出された。

 

「腹が空いていれば食べたまえ」

 

「提督さん、もういいですか? 食らっていいですか?」

 

小人たちがダラダラとヨダレを垂らし青年を見つめる。

青年が頷くと、

 

「「「いただきます」」」

 

と唱和した。桜もそれに釣られる。

 

「い、いただきます」

 

野菜多めでじっくりと煮込まれたクリームシチュー。

じゃがいもや人参、玉葱、コーンにパセリと鶏肉。

口に運ぶとほろほろと溶けていく。

厚切りに入れられたベーコンが風味を上げ、食欲をさらに進ませる。

 

「うんめぇ」

「ウマー」

「シカー」

「クマー」

 

桜と同じように深皿に盛られたシチューを貪る小人たち。

小人のテーブルマナーはよろしくないが、そもそもテーブルの上で食べている時点でそんなものはないのだが。

その姿を見て心和む桜。

しかし小人、妖精は元来いたずら好きで可愛いだけの存在ではない。

 

「あ、忘れてました。提督さん」

 

桜を監視? していた熟練見張り員妖精は口周りをシチューで汚しながら青年を見て口を開く。

 

「156㎝ 46kg 上から85、56、87。推定Eです」

 

「ブホッ!」

 

桜は吹き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜なのに眠くない。そう英霊だからね!

 

そもそもさ、何で俺召喚されてんの? 

細かくは知らんけど冬木の聖杯戦争は日ノ本英霊不可だろ。ってか、靖国の英霊じゃなくて型月の英霊ってのも意味解らんのよ。あと自分のステータス割りと高いんじゃないこれ?

 

──説明します。

 

おう、頼んだ。

 

──業深き日本人。

 

お、おう。

 

いや、待って!? それで納得できちゃいそうだけど! もっと細かく説明して。

 

──貴方が日本の未来を変えました。そこから平行世界が始まります。ここまでは宜しいですか?

 

歴史にifがあったらってやつね。信長が本能寺で死ななかったら、その後はどんな日本になってただろうってな具合ね。

 

──北方領土及び小笠原諸島、沖縄が日本固有領土のままであり、原爆が日本に落ちなかった世界。

 

それがこの世界ってこと?

 

──厳密にはその世界で産み出された型月世界と言ったところでしょうか。しかし、産み出された世界はそれも一つの平行世界として存在します。

 

難しいこと言うなぉ。

…どうせなら同じ戦争なら艦これ世界に召喚されたかったなぁ。

 

──建造すればいいじゃない?

 

でも、お高いんでしょ?

 

──なんと今ならたった水35L、炭素20㎏、アンモニア4L、石灰1.5㎏、リン800g…─

 

それはもういいっ! 明日ってか今日か。朝一でホームセンターとか回るよ! でもさ、弾薬ってどこで手には入るの? 鉄砲屋で猟銃の弾だって許可いるんちゃうの? いや、今はそれじゃなくて、この世界に召喚されたわけよ。召喚されたんだから不本意ながら英雄と呼ばれる存在になったって事だよね。

 

──この世界風に言うのであれば、神秘の薄れた近代で最後の煌めく奇蹟を起こした救国の英雄と言ったところでしょうか。

 

…全部、借り物の力だけどな。それを観測できるものがいない以上、俺と言う異物が入った歴史が唯一無二になるわけだ。

 

──貴方の内心はどうであれ、外からみた場合。

常勝無敗、東方不敗な知勇兼備で最期は壮絶な散り様。そんな歴史上の人物がいたら日本人が玩具にしないわけありません。

 

おうけー、把握。罪深き日本人。あー良かったTS化しなくて。

 

──そうですね。

 

え? なにその反応。いやいい聞かない。聞きたくない。この話は終わり! 

 

ともかくFateプロトタイプとか考案の段階だか、未来の続編かなんかで名前が上がったか登場してくるってな具合なんだろう。そんなわけでまぁ英霊認定で座にいる存在としよう。だから、聖杯戦争で英霊召喚の可能性がある。

しかしだ、アサ次郎は特殊ケースとして日ノ本英霊参加不可だろ? いや、でも紅い方のアーチャーも日本人だしな。絶対って訳じゃないか。

 

──貴方は日ノ本限定で守護者の側面を持ちます。

 

守護者ってのは世界がヤベェときに世界の危機をもたらすものを駆除するものだった気がする。

英霊と守護者は似て非なるものだっけ?

 

そうなると日本がヤベェときに日本に危機をもたらす存在を消すのが俺って訳だけど。

 

──冬木の聖杯戦争は日本の危機とも言えるのでは?

 

まぁ、そうなるな。

しかし、そうなると第四次とか、それ以前にも呼ばれてて可笑しくないぞ? いや、実際呼ばれて参加していた可能性もある。…俺が気付いていないだけで。

実際、今ここにいる俺がオリジナルか? コピー品の可能性もあるのか。頭おかしくなりそうだ。

やめやめ、俺思う、故に俺あり。もうそれでいいや。

で、日本がヤバイから本来召喚されるライダーの触媒無視してライダー枠でねじ込まれたのね。

 

──貴方が呼ばれる触媒もあったようです。

 

ミック先生が頭の上で掲げる本。シンプルなブックカバーに包まれている。

 

魔道書的な? これだから最近の魔術師は。とか言われそう。

 

──書店で売られている至って普通の文芸書です。

 

はぁ? それが俺と何の関係があるわけ?

 

──貴方を描いた作品となります。題『水平線のダイヤ』売上も好調らしいです。

 

エェ…。

 

内容なんて見たくもないが、俺の触媒、お手軽すぎない…? 千円するかしないかじゃないの? いや、まあいいんだけどさ…。

 

お手軽なわりにステータスがさ…。

 

──ホームですからね。声援は熱いですね。

 

日ノ本補正か。いや、声援ってサッカーとか野球じゃないんだから…。信仰って言われるのも嫌だけど。なんだかなぁ。

 

──群馬県の貴方の生まれた町に長野神社が存在します。貴方を御祭神とし、七万坪の神域を誇り、御利益は海上安全、学業成就、商売繁盛。

 

まさかのがっつり信仰対象!?

海無し県の群馬に長野で海上安全とか、御利益なさそうなんだけど…。

…御利益なくても俺に文句言わないでほしいわ。

 

まぁ、そんなわけでこのステータスなのね。把握。

 

さて、する事なくなった。

空も明るくなってきたし外でもふらついてこよう。

そのまま買い物するんだ。あ、金か。

 

──ゾウケン翁の書斎に金庫が存在します。

 

RPGの基本だね。で、どうやって開けんの?

 

──おまかせ下さい。

 

さすが頼りになるー。

 

 

 

 

いやー色々買い込んだわー。

 

途中、機関の人間を名乗る人に接触されたけど、ああいう痛い人ってホントにいるんだなぁ。

まぁ、俺も軍服姿だったし同類と思われたんだろ。

 

ふむ、ところでミック先生。

 

──なんでしょうか?

 

間桐さん家ってどこ?

 

──目的地には既に到着しています。

 

だよなぁ。

 

目の前には大正ロマンを感じさせるノスタルジックな赤煉瓦の洋館。おっかしいなー。お化け屋敷みたいな雰囲気の洋館から出かけて行った気がするんだけど。

 

──居住性があがりました。

 

お、おう。

 

──工廠も完成したようです。

 

お、そうか。なら早速、建造やってみよう。

 

 

 

雰囲気ががらりと変わった間桐邸の地下。

 

ここも赤煉瓦で統一され、バケツや。ドラム缶。クレーンが設置されている。庭先にありそうなプレハブ小屋ほどの大きさの倉庫のような建物。観音開きの高さ二メートル程の鉄の扉。その上に『工廠』と書かれた看板。

 

「提督さん。早速建造しますかー?」

 

白衣をきた妖精さん。白衣? つなぎ服じゃないのか?

 

「あぁ、宜しく頼む」

 

そういうと俺に話しかけた妖精さんは工廠の扉を開いた。

 

床に魔法陣…。ねぇやっぱりこれ人体錬成だよ!?

 

──建造です。

 

「材料をこの中に投入します。誰か水持ってきてー!」

 

朝一で買ってきた品を妖精さんたちが俺から預かっていく。そして工廠に無造作に投げ込んでいく。天井の水道管から伸びた給水口。そこからホースを伸ばして…水って水道水でいいんだな…。さすがにそのまま工廠の中にぶっかけずドラム缶に入れてる。これ大丈夫なのか?

まぁそんなこと言ったら入手し辛いものは妖精さんたちが「まかせろー! バリバリ」って散って行って丸投げだったしなぁ…。

 

人体錬成…建造のおそらく肉体部分の材料を投入し終えたのだろう。

 

「材料はどれくらい投入しますか提督さん?」

 

白衣の妖精さんは親指でその材料を示す。

石油、鋼材、弾薬、ボーキサイト。

 

冬とか地方に行けばよくみるポリタンク。

石油ストーブの灯油入れておくアレだ。

というか灯油だった。

 

鋏、包丁、釘、金槌、スプーン、鉄道のレール…レール!? 確かに鋼鉄だけどな、どっから持ってきた?

 

弾薬…どうみてもハンドガンが数丁、RPGまであるんだけど…。藤村組恐るべし…違う組かも知れないが。

 

そして最後にゴミ籠。エナジードリンクの空き缶とか入ってる。

 

そんな材料で大丈夫か?

 

──大丈夫だ、問題ない。

 

ホントだな!? どうなっても俺は知らんからな!

 

「好きにやってくれ」

 

「あいあいさー」

 

白衣の妖精さんはホントにテキトーに材料を入れて最後に試験管を俺に渡す。これに血を入れろってことで理解。兼光を抜き手の平を刃に滑らせる。

 

試験管の半分程に血がたまったところで妖精さんがオッケーを出したので渡す。

 

それをぼいっと無造作に投げて扉を閉めた。

そして扉の横のスイッチを押した。デジタル表示て建造時間を示すタイマーが起動する。

 

「あとは待つだけです」

 

色々と雑っ!?

そしてタイマーの時間文字化けしてるよ!?

 

「あとは待つだけです」

 

…そうすっか。腹へったな。飯でもつくろ。




プロフィール

クラス ライダー
マスター 間桐桜

真名 長野壱業
性別 男性
身長 175cm
体重 73kg
出典 提督(笑)、頑張ります。
地域 日本
属性 秩序・中庸
イメージカラー 黒
特技 料理、魚獲り
好きな物 巨乳、ロリ巨乳、艦娘
苦手な物 多聞丸、生ブロッコリー
天敵 アメリカ合衆国海軍

筋力 C
耐久 C
敏捷 C
魔力 D
幸運 B
宝具 ??



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