接物語 (貝木)
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【1】こよみリバイブ(終物語 下「まよいヘル」)

鬼物語、原作発行2011年9月28日、鬼物語アニメ最終話2013年11月17日、感動のラストです。
一般的には成仏などと言われていますが、作品内の8月23日に、真宵が暦たちのもとを去り、
12月下旬に暦が扇ちゃんに成仏したと語っているにすぎず、真宵成仏の描写は一切ありません。
2013年5月20日、暦物語が発行され八九寺再登場ですが、曖昧な登場に加え、同年10月の終物語(上)で過去編になり、今後は見通せません。
そこで2013年11月に書かれたのが、暦物語「こよみデッド」の続き「こよみリバイブ」です。

――終物語(下)で暦物語の直後から物語が始まることが発表されたのは2013年12月。発行は2014年4月1日です――

ネタバレOKでも、暦物語「こよみデッド」は読んでない方もいると思うので、あらすじです。

3月13日受験当日の朝、北白蛇神社で暦は臥煙さんに『本物の心渡』で切られ、殺害されます。
確かに殺されたはずですが、くばらくして、無傷で目を覚まします。
そこへ、笑顔の八九寺が登場し「これは会場に辿りつけず、入試に落ちたねっていうオチですか?」と問い。暦は言葉に詰まりつつも「いや、そんなオチじゃ落ちれねえよ」と返します。



「これでは落ちれない――――そうですね。

「受験当日に、このようなことになったんでは、悲しすぎます……

「臥煙さん、やりすぎだと思います。

「私は阿良々木さんに、大学へ行っていただきたいです。

大の時で倒れている僕を見下ろす、懐かしく。もう見れないはずの笑顔。

「ここですか?ここは、まあ、通過点といったところですね。

「ロリラギさんは――

「失礼。噛みました。

「阿良々木さんは、簡単に言うと、あの世へ送られる途中だったってことですよ。

 

「本当に困った時は、きっと帰ってきますって、言ったじゃないですか。

「お別れの日以降、ずっと見守っていました……

 

「えっ。成仏?成仏なんてしてません。阿良々木さんは扇さんにそう説明してましたが――

「私は消えるって、言ったんです。現れるのを、止めたんです――――

「忍さんが、他者に認識されてこそ怪異だって、言ってたじゃないですか。

「忍さんは怪異として危うくなったので、南極からジャンプしたんです。

 

「現れるのを止めたら、私は『道を踏み外した怪異』ではなくなりました。

「誰にも目撃されなくなったら、すでに怪異ですらありません。

「踏み外す前提で在るべき怪異で、なくなってしまったのです…………

 

「――――『くらやみ』はもう襲って来ませんでしたよ。

 

「そうです。まるで禅問答のような話ですが、回避できました。

「ルールですから当然かも知れません。

「前提条件が崩れてしまっては、対象案件にはたどり着けません。

「たとえば18歳未満禁止というルールがあったとします。

「生まれて18年経たない者がその禁止を破っても、人間の18歳未満だけが対象なんです。

「18歳未満であっても、人間の枠から外れていたら対象外ということです―――

 

「まあ。私にしても襲われないことを確認するまでは、確信なんて全然なかったですけどね。

 

「忍さんの南極ジャンプの話ですか?なぜ知っていると言われましても……

「あの長い忍さんの話の間、ずっと寝てたわけないじゃないですか、ちゃんと聞いてましたよ。

 

太陽のような八九寺の笑顔が、よく見えなくなってきた。眼球表面の大量の水のせいだろうか。

成仏していなかったなんて……反則だ……でも、八九寺らしい話だよな……本当に……

彼女は僕の隣に腰を下ろしたようだ。

 

「そうして見守っていたら、急に臥煙さんが決定的な動きに出たんです。

 

「まさか阿良々木さんが切り刻まれるとは思っていませんでした。

「何もできませんでした。頭の中が真っ白になったというか――

 

「でも、消滅したはずの『本物の心渡』で斬られたという貴方の思いは掴みとりました。

 

「急いで考えました。必死に考えました――

「それで忍さんの一人目の眷属さんのところに行って、事情をお話しすることにしたんです。

「あの方なら、あの方のお持ちの物なら、阿良々木さんを救えると思ったんです。

「きっと、製作されていると思いました……

「あの大小の太刀はあの方の分身のような物でしょうし、あの世なら思念だけで製作可能です。

 

「あり得ない対抗手段でしたが、相手は本来、存在しないはずの『本物の心渡』を使ってます。

「他に選択肢はありませんでした。

 

「どうやって行ったかですか?

「それは400年前に亡くなった方を、あの世で探すのは大変でした。

「でも、そこは蛇の道はマイマイ、八九寺Pに不可能はありません! は嘘ですが。

「まあ。二本の妖刀の、あの世バージョンを持った方がいるというのは、

霊界では広く知られたことだったんです。

「二本の妖刀の、あの世バージョンと言うだけで、あの方だと想像できました。

 

「一人目の眷属さんは四百年たって、落ち着いて、静かに佇んでおられました。

「もうどうでもよかったのかもしれません。とにかく貸していただけましたよ小さい方のこれ!

 

――――八九寺が手にしていたもの、それは小太刀だった!

 

「まさかって。本当ですよ。これが妖刀『夢渡』です。

 

「先ほど、あの世へ送られる途中の阿良々木さんを斬って、意識を回復させていただきました。

「『心渡』で斬られた直後だったら、一回斬るだけでいいみたいですけどね。

「そうは行きませんでしたから……

 

「後は現世で輪切りにされた、阿良々木さんを斬って完全復活です!

 

 

「ああ。忍野さんもこの展開には納得できないようで、手を貸していただけるそうですよ。

 

大の字に倒れ、少しづつ体に力を蓄えていたが、その言葉で僕の上半身は跳ね起きた。

僕は死んだのに、復活して、その上忍野が手を貸してくれるだと……話が急で付いていけない。

腕で体を支え、顔を八九寺に向ける。彼女は少し顔を上向かせ言った。

 

「ハイ。そうです。忍野さんです。僭越ながら探して連絡させていただきました。

「失踪されてから気になっていたんです。まったく連絡のないのは不自然だと思ってました。

「あと、忍野さんが失踪した6月14日夕方、学習塾跡近くで異様な時空の振動があったんです。

「それが気になっていました……

 

「やはり何かあると思ったのは、リュックを忘れて阿良々木さんを探した時です。

「早朝から探してしていましたが発見できず、羽川さんにお会いしました。

「羽川さんは阿良々木さんが、前夜から行方不明の可能性を示唆されました。

「それで深夜から未明に2回、忍野さんの失踪時と同じ、時空振があったのを思い出しました。

「北白蛇神社の方からでした。行方不明と時空振には、何か関係があると思いました……

 

「阿良々木さんが時空移動から戻った日。神社の階段下に私がいたの偶然だと思いました?

「町中を探したって言いましたけど、羽川さんとお別れした後は違うんです。

「思い当ったので、北白蛇神社に向かっていました。

「多少時間は経ってましたが、ともかく一度行ってみる途中だったんです。

「私のツインテールには、そんな能力もあったってことです。

 

「で、今回私が『夢渡』を手に、この干渉地帯を利用して移動中に、また時空振が来ました。学習塾跡近くからです。

 

「干渉地帯ですか……彼岸の縁(ふち)といったところしょうか……

「探ってみると――忍野さんが気を失った状態で、学習塾跡近くにおられました。

 

「チャンスだと思いました。

「また怪異化して『くらやみ』に襲われる危険を冒しても『夢渡』で斬る覚悟でしたから。

 

「――――そうですよ。今の阿良々木さんに阿良々木さんは斬れません。

「今の阿良々木さんは、ただ形を持っただけの魂です。幽霊とは違う存在です。

「幽霊属性の者。怪異化した私でなければ、あの世バージョン『夢渡』で斬れません。

 

「でも、忍野さんなら何か対策が取れるかもしれません―――だから連絡しました。

 

「連絡方法ですか?どうしたと思います。あの方も私も携帯なんて持っていませんからねえ。

「あの方は気を失っていて、もう気がつく寸前でしたが、まだ夢うつつの状態でした。

「そこで『夢の中』にお邪魔して、お話ししました―――――

 

「夢の中のお話のスピードは驚くほど速いんですよ。

「言葉ではなく、情報を状況・概念のブロックごと、やり取りしますから。

 

「あの方も初めは驚かれましたが、すぐ状況を判って対応いただけました。

「やはり、ただものではありません。

 

「なにぶん夢の中のお話しですから『くらやみ』のルールにも抵触しませんしね。

 

 

「このタイミングで偶然、忍野さんが戻ったということではないようです―――――

「忍野さんが戻るのを知った臥煙さんが、阿良々木さん殺しを決意したようです。

「臥煙さんは受験当日まで待ったといってましたが、真相は違うはずです。

「あの方が戻って物事の方向性が変わる前に、決定的な方向へ舵を切りたかったのでしょう。

 

「忍野さんとしては戻る正確な時刻や場所を、臥煙さんに知られてしまうのは危険でした。

「そこで対策を取ったそうですが、戻ること自体は隠しきれなかったようです―――――

 

「忍野さんは、臥煙さんや扇さんや『くらやみ』について、秘策をお持ちとのことでした。

「ルール変更をしかけるようですが、細かい手法は少しオーバーフローしてしまいました。

 

「『くらやみ』のルール変更が成功すれば、私の継続的な怪異化も問題なくなるそうです。

「臥煙さんも『まあ、いずれは変わるかもしれないルール』と言ってましたよね。

 

「阿良々木さんの怪異化問題も、助かる方法があるとのことでした。

「もちろん、臥煙さんのような手法ではなくです。

 

「礼金は1000万円ご提示しておきました。阿良々木さんが用意してくださいね。

 

急にめまいがし、また大の字になるのかと思った瞬間、八九寺が支えてくれた。

上半身を支える腕に力を入れ直すと、彼女は元の場所に戻った。

 

「阿良々木さん、これくらいの金額でまた倒れないでください。命はお金よりも大切ですよ。

「それに忍野さん、本気で1000万円受け取る気なんてないかもしれません。

「『いいよ。判った。お嬢ちゃん』って言った後、笑ってましたから……

 

 

「それにしても忍野さんと、連絡が取れたのは幸運でした。

「忍野さんは先ほど、別の時間軸から戻られたばかりでした。

「臥煙さんチームに、とんでもないところに飛ばされたらしいです。

 

「―――――そう。チームなんです。彼女の能力は 計り知れません。

「臥煙さんは携帯端末5台お持ちですが、外見どうり携帯端末なのは2台だけでなんです。

「残り3台はそれぞれ別の時間軸の臥煙さんとコンタクト出来る特殊アイテムなんだそうです。

 

「それを使ってルートを超えて、4つの時間軸の臥煙さん4人が手を組んだんです。

「そして目的の妨げになる、それぞれ別の3つの時間軸の忍野さん3人を飛ばしたそうです。

「キスショットが滅ぼした世界を、阿良々木さんと忍さんが修復に来ないルートへです。

「そのルートの臥煙さんが忍野さん3人を、自分のルートへ飛ばす提案をしたそうです。

「修復されない自分のルートに見切りを付けていたのですね。

「自分はそのルートを去る計画で、元々居た忍野さん+新たに3人の忍野さんを集めたんです。

「そうすれば忍野さんを考慮する必要のない、3つのルートが誕生します―――――

「現状で臥煙さんから見て忍野さんは、よほど排除したい人物ってことですね。

 

「4人の忍野さん。つまり忍野カルテットですね。

「キスショットに特攻する機会を窺いながら、4人将棋をやったりしていたそうです。

「傍から見たらお先真っ暗ってとこですが、カモフラージュの意味合いだったと思います。

「現に裏でコツコツ積み上げた手法が成功して、このルートに帰還しています。

「今後の展開に興味津々です。私も微力ながら尽力は惜しみません―――

 

 

「ところで修復されないルートの臥煙さんは計画どうり、他のルートに移動したそうです。

「だから臥煙さんが2人いて、臥煙シスターズを名乗っているルートもあるって話ですよ。

「絶対、そこには行きたくないですよね。

 

 

「『本物の心渡』もそれが実在するルートで、入手されたんだと思います。

「各ルートで使い回しているのでしょうか?レプリカまで作れるようなら脅威が増します。

 

「臥煙さん、扇さん、『くらやみ』の謎は深いです。でも4つ目の謎の忍野さんが戻りました。

 

「忍野さんが飛ばされたのは、6月14日夕方、学習塾跡を去った直後のことだそうです。

「RPG-7『時空壁侵食版』が使われたそうです。時空壁のみ侵食する優れものです。

「AK-47に『対時空壁侵食弾』を装填して反撃の乱射したくなりますよねえ。えっ。ならない――

 

「今思えば、私が初めて感じた異様な時空の振動は、その時の時空振だったんです。

「本当に恐ろしい話です…………

 

「忍野さん。とても酷い目にあったとおっしゃってました。

「詳しいことは忍野さんから聞いてください。

「あそこから脱出して、このルートに戻る経緯は小説1冊にはなるそうですから。

 

 

「とにかくインターセプト成功。 攻守交替です。

「私があの世へ送られる途中の、阿良々木さんをキャッチしちゃいました。

 

「臥煙さんにもインターセプトの事実は、知られないはずだと忍野さんはいってました。

「何でも知っているはずの臥煙さんですが、その辺のルールは変更済みだそうです。

 

「忍野さんが、もう北白蛇神社に着く頃合いです。

「さあ行きますよ。 阿良々木さん、立ち上がってください。

「これから一気に押し返します。 タッチダウンを狙いますよ!

なにもかも押しのけそうな、弾けるような、八九寺の笑顔だった。

僕も判ったよ……忍野ほど速くは理解できなかったかも知れないが……確かに納得出来ない。

 

フリーセイフティとクォーターバックの二役をこなすつもりらしい彼女は僕に手を伸ばした。

僕はその手をしっかり掴み、両足の感覚を確かめながら、ゆっくり立ち上がった。

 

八九寺が成仏していなくて、忍野に再会できるなんて、まるで夢のようだ…………

――――――夢のようだからこそ、想定しておくべきだったのかもしれない。

あの、悪夢のような臥煙さんの反撃を――――――いや反撃だけの話では無くなっていた。

悪夢はもっとややこしくなっていた。臥煙さんは、ひとつ決定的に間違っていたから……

 

僕が死んでも忍が全盛期の力を取り戻すことはないと臥煙さんは言っていた。しかし、

『キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード』は、臥煙さんの予測を

遥かに超える存在だったのだ――――――当然の様に彼女は全盛期の力を取り戻していた。

そして――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 




読んでいただきありがとうございました。
「こよみデッド」の続きが気になり書いてしまいました。


原作が、なかなか書かれそうにありません。
たぶん花物語以降の時系列は書かないので、これをやってしまうと、お話が終わります。
終物語の前に予定外の暦物語が出て、終物語も上下に増殖しています。
暦が心渡で斬られているので、夢渡が使われるのは確実です。
(時系列で後の花物語に暦登場)・(花物語をパラレルにはしないだろう)
普通に考えると、持って来るのは忍野メメですが、普通にはしてこないと思われ……
(あの世の夢渡は無いですが) 続編が楽しみです。



※追記 2013年12月
終物語(中)追加が発表され『学習塾跡炎上事件』が回収されることになりました。(猫白の裏で動いていた暦の話です)(今まで何度か書こうとして挫けてきた話とのことで、発行され読めることになったのは嬉しいです)
終物語(下)で暦物語の直後から物語が始まることも発表されました。やっと続きが読めそうです。

どうやって『夢渡』『心渡』を持って来るかが気になっていましたが、
『400年の時を経て、よみがえる武者――』が終物語(中)で描かれるので、『夢渡』『心渡』は『初代怪異殺し』からということになりそうです。

忍が所有しているのは、『初代怪異殺し』が己の骨身で作った『心渡のレプリカ』です。

臥煙さんが「こよみデッド」で『本物の心渡』を使っていて、本物というからには、400年前、初代は右手首意外「くらやみ」に飲み込まれており、状況からいって「くらやみ」から方法不明ながら回収した『心渡』でなくてはならないはずですが、(『怪異生かし』も『怪異殺し』も抜く時間は無かったと描写されてるので、確実に帯刀しており、体と同時に呑まれるはずで、刀だけ残るのはおかしい。)武者の蘇り方しだいでは『本物の心渡』という視点は誤魔化されそうです。

私の書いた話も、『夢渡』が『初代怪異殺し』からというところは当たってたのでしょうか?

『夢渡』を取りにあの世に行くのではなく、『初代怪異殺し』が蘇りそうです。
こっちの話も書いておけばと思っても後の祭りですね。

吸血鬼ハンターのエピソードも呼ばれてるので、『初代怪異殺し』が蘇るのは間違いなさそうです。


※追記 2014年1月31日
終物語(中)が発売され、楽しく読みました。予想外れましたね~
「キスショット一人目の眷属『初代怪異殺し』は完全には死んでなかった」でした。
(「鬼物語」で忍に『初代怪異殺し』は死んだと語らせておいて・終物語(中)で『400年の時を経てよみがえる武者――』のキャッチコピーを使いながら死んでないとは……)
でも、『初代怪異殺し』が己の骨身でこしらえたのは妖刀「心渡の『レプリカ』」のはずで、
あの方法で『本物の心渡』が手に入るの?と思いました。

まあ、本物ではなくとも『心渡・夢渡』さえ作れれば、お話は進むのでしょうが……

2014年4月に終物語(下)発売予定となり、『本物のこよみデッドの続き』が楽しみです。


※追記 2016年9月12日
暦物語のコメンタリーを聞いたのですがアニメ12話で『原作にある臥煙さんの重要な2つの発言がアニメでは、カットされている』件は、3分の2ぐらいフォローが入ってました。
暦物語 9話 こよみトーラスのコメンタリーで、忍姉さんは世界を滅ぼしたりはしないだろうってのが臥煙さんの予想。と斧乃木ちゃんに言わせてました。
『しても自殺ぐらいだ』はフォローなし。『きみの死はきみの家族や友人には、なるべくショックが少ないように責任をもって私が伝える』は12話で、八九寺と斧乃木ちゃんに具体的に語らせてました。
この辺のフォローのさじ加減の理由は不明です。『しても自殺ぐらいだ』は重要なのですが……(アニメで言ってもいないことを全部フォローすると目立つので、コメンタリーで9、12話に分けてやるのは上手い)

コメンタリーでアニメの脚本ミスをフォローする手際は本当に見事で、何度もやってます。きりがないのでひとつだけ例をあげると、傾物語で交番で綱手家と八九寺家の場所を教えて貰う原作なのですが、アニメでは八九寺家の場所を教えて貰うのが抜けて不自然なのを、コメンタリーで『綱手家と八九寺家の場所を教えて貰ったんだね』とやってました。


※追記 2017年3月26日
――――ついに終物語(下)放送決定――――
今年7月です。「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」だとさすがに
1クールにはしないでしょう 1クールなら暦物語とセット
1クールでないならアバンで「こよみデッド」をやってスペシャル枠放送
一挙はきついから分割

希望は終下・続終で1クールだったんだけど、まあ仕方ない……

終中レベルの脚本・演出・作画では絶対ダメですからね。
「こよみデッド」も原作とはずいぶん違ったから大幅改編でもいいです。

でも、まあ素直に嬉しい。
終下原作発行2014年4月だけど、実際は暦物語発行2013年5月から
クリフハンガーで4年2カ月待ちだからね。

※追記 2017年6月29日
アニメ「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」は1カ月遅れで8月12・13日になりました。スペシャル枠放送、一挙はきついから分割は予想当たりましたね。12・13日ですから一挙ともいえますが。

7月20日刊行のモンスターシーズンの『忍物語』は、暦が大学1年生の話だと判明しました。

花物語のときに先の時系列書いてしまうのは、『結果が見えてるから以降の話の緊迫感が欠ける』という批判がありましたが、結物語が暦の大学卒業後で、今回の話が大学生時代の話なのは、キャラコメで書かれている、あとがきから本を読む話や、コミック最新刊から逆に読み進むのも西尾さん本人の話で、作品も結果をまず書きたいのだろうなと思います。

八九寺ファンとしては、モンスターシーズンには、愚物語のようなチョイ役ではなく、八九寺がもう少し語られる話が欲しいものです。(まあ、愚物語では美味しいところ攫っていった感じはありましたが)

備忘録
偽物語(下)の『あとがき』では本作での終物語シリーズ終了を撤回。
『2010年発売決定!!』として、初版、巻末予告ページに(増刷では変更)
『傾物語』蘇る武者と迷子の少女。はしゃぎ戯れ舞い踊り、
終には傾く物語。第閑話 マヨイキョンシー。
『猫物語』それは誰かに禁じられた遊び。人が獣に至る物語。

第禁話 つばさファミリー、で『猫物語(黒)』が出て、
題名のみのを先に決めた予告で、
『猫物語(白)』『傾物語』『花物語』『囮物語』『鬼物語』『恋物語』が発表。

結果として題名と内容がずれるという結果になり、
蘇る武者と学習塾炎上事件の真相が語られていないという経緯があって、
原作暦物語の後に終中刊行発表。


※追記 2017年8月21日
TVスペシャル『まよいヘル』『ひたぎランデブー』『おうぎダーク』良かったですね。

あまりに好みに合ってしまい、脱力していまい。なかなか書く気がしませんでした。
原作準拠で「良かった。」ですべて済んでしまうので書く必要がないのですね。


例えば序盤での原作の、『巨大フォントで「八九寺――――!」と大量の「!!」と「!?」を振りまきながら、僕は飛びかかった。』の文字表現からアニメ表現に変換する方法だけを例にとっても言えるのですが、これまでの理想系の変換。本当に理想的に変換してくれてるのですね。すべてこの調子でやってくれました……



暦物語全部のアニメ化は不要、ラスト2本を『まよいヘル』の前にやれば良いと私が以前から言ってたのは、それに近いものになりました。約3分30秒でしたね。(TV派の人で暦物語見てない人でも何とか話は繋がります)(繋がるだけで『こよみデッド』は必要な話でダイジェストだけではダメなのですが……)


『ひたぎランデブー』の副音声で西尾さんが補足してきそうなのは、
ひたぎが「もうネタは上がっている。」と暦の復調を見抜いているのが唐突なのですが、原作では入試の会場へ道程するときに、カーブミラーに暦が映っているのを確認していたのですね。

ミラーに映るのはレンタカーの時に遅れて説明が入りますが、「アプローチが逆→デペイズマン」は最後まで分かりやすい説明がなかったですね。(怪異は南極では存在できないことに端を発する話)



『おうぎダーク』のラストで階段ですれ違った女の子……
暦はカバンをひたぎに投げて追っていく訳なのですが、あの女の子が誰なのか分かった人はいないと思います。

制服のリボン(原作ではスカーフ)の色から1年であり、何らかの新たな厄介事を感じとって追っていくわけなのですが、重要なのは途中で扇ちゃんに逢う事であり、影の中から忍の朗読が聞こえてくること……


続きが気になる物語だった。で終わることがすべてであり、彼女の正体や物語は原作でも以後語られていません。


ありがとうございました。


2017年6月29日の追記で
モンスターシーズンには、愚物語のようなチョイ役ではなく、八九寺がもう少し語られる話が欲しいものです。
と書いたのですが、『忍物語』のあとがき後の広告ページにあったのはなんと、
モンスターシーズンの刊行計画発表!であり、宵物語(ヨイモノガタリ)『まよいスネイル』『まよいスネイク』でした。
余物語(アマリモノガタリ)『よつぎボディ』『よつぎシャドウ』も斧乃木ファンとしては楽しみすぎます。

モンスターシーズンは、副題ごとに話数をカウントするようにしたようで、
忍物語第一話『しのぶマスタード』になってました。
撫物語のあとがきで予告題名として『まよいイーブン』『よつぎノーサイド』があったのですが、
忍物語の巻末広告のモンスターシーズンの予告では変更され、
宵物語(ヨイモノガタリ)第二話『まよいスネイル』第三話『まよいスネイク』
余物語(アマリモノガタリ)第四話『よつぎボディ』第五話『よつぎシャドウ』のようです。


2019年4月刊行「余物語」を読み終わって驚くのは、第五話『よつぎシャドウ』が
2018年6月刊行「宵物語」第三話『まよいスネイク』の続編でした。

本当に物語が入り組み過ぎです。
『まよいスネイク』はオフシーズンの第3弾である
2016年7月刊行「撫物語」の第零話「なでこドロー」から繋がる話なのですから……

『まよいスネイク』で語られた、洗人 迂路子(あらうんど うろこ) 本人は、
『よつぎシャドウ』が終わっても、まだ登場しません。

(これまでのパターンから洗人 迂路子と、
撫子のまともな対決など絶対に無い事だけは保証します。)






  


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【2】こよみスラップ(終物語 下「まよいヘル」)

こよみリバイブの続きです。
              


「待ちかねたよ。阿良々木くん――――」

 

手をつないだ後、目を閉じるようにいわれ、軽い飛翔感があった。

「目を開けてください。阿良々木さん」と八九寺の声――――

 

見覚えのある北白蛇神社境内、アロハの中年が目の前に立っていた。

 

「阿良々木くんが現れたってことは、お嬢ちゃんも一緒ってことだな、僕には見えないが……どうも、お嬢ちゃん。ごくろうさん、大活躍だな」

 

そうか忍野には、この八九寺は見えないのか、というか、吸血鬼属性を失った僕が、

怪異化していない、八九寺の声が聞こえたり、触れたり、見えたりするのは、

『形を持っただけの魂』という、どちらかと言えば幽霊属性のあるものだからかと思った。

 

「忍野……久しぶり……って、それは何だ――――!」

忍野に再会出来たのはうれしいが、彼の後には、信じられない物が鎮座していた。

 

「おい、おい、阿良々木くん。まずは再会を喜ぼう。驚くのは理解できるが、見たままだよ――戦車だ。『10式』ってやつだよ」

 

――――忍野、ここは『大洗』じゃない。キャラ設定メチャメチャになってないか?

メカ音痴の忍野とはかけ離れた、非現実的な戦闘メカ。

「なぜ、戦車なんだ?なぜ、この境内にある」

 

「僕が臥煙に飛ばされた『滅んだ世界』……阿良々木くんと忍ちゃんが修復に来ない、いわばZルートだな、そこで、臥煙が戦車に乗ってるのを目撃したんだよ。ゾンビだらけのあの世界では便利なんだ。乗ってれば、いつ襲われも大丈夫だし、夜はハッチを閉めるだけで安全に眠れる」

 

「…………」

 

「説明になっていない?まあ話は最後まで聞くものだ、阿良々木くん。『滅んだ世界』の臥煙が他のルートへ移動後、戦車は残されていなかった……。つまり戦車と一緒に移動したんだ。それは何を意味すると思う?阿良々木くん」

 

そんなこといわれてもなあ。

「分からん。だいたい一人で動かすもんじゃないだろこれ」

 

「戦闘時はこの『10式』で3人だな。臥煙達か、臥煙がひとりだったら付喪神作って操縦させればいいだけだ。問題はそこじゃない。臥煙は利用出来るものは、何でも利用する、僕が帰還した場合、臥煙はRPG-7じゃなくて、戦車で襲ってくる可能性が出てきたってことだ」

 

「まさか、人ひとり襲うのに戦車は使わないだろ」

 

「いや使うね。RPGで別ルートへ飛ばされた時は、僕は襲われることを想定していなかったし、臥煙は別ルートへ飛ばした僕が、元のルートへ戻れることを想定していなかった。でも今度は完全に殺害に来るね。でも臥煙がRPG-7の通常弾や銃で武装してた場合、僕が自衛隊やら在日米軍の武器で武装したら(RPGの入手ルートは知らん)どうなる。

その場合、対等になる。『滅んだ世界』では昼間、自衛隊の駐屯地や米軍基地も無人だからな。僕も今度は武装可だ。臥煙は、より有利で安全なポジションを取りたがるだろう。戦車を別ルートへ持ち出した最初の目的は不明だ。メンテ品も大量に持ち出してる。しかし、元のルートへ僕が戻ったら、僕用に戦車を出してくる。確実にね。通常兵器で攻撃されても比較的安全だからね。

この手の事態はエスカレートするものだよ。

だから僕たちは富士の自衛隊駐屯地に行った。対抗手段を手に入れるためにね。4人将棋して遊んでた訳じゃない。あれは偽装だ。キスショットへの特攻なんて、本当は最初から狙ってない。元のルートへ戻る手法の確立とその後の保身策を練っていたんだよ」

 

「いや忍野、お前にも車に乗って、自衛隊駐屯地に行くまでは出来るだろうけど、その先はメカ音痴のお前では無理だろ。いろいろロックされてるだろうし、戦車のマニュアルや実車もセキュリティシステムでカードされてるんだろ」

 

「その通り、だから彼女に協力を頼んだ」

 

忍野は芝居じみた仕草で、背後の戦車に左腕を向けた。

 

開いていたハッチから大人の女性が出てきた――――

緑色の髪のリボン、見覚えのある顔立ち……去年の夏に別ルートで逢った大人バージョンの……

 

「―――――――あなたは……」

 

「はい!八九寺真宵さんだよ。あなたが阿良々木くんね。忍野さんから聞いているわ。少しぼんやり見えてるのは、まだ完全復活してないせいね。それから私にも見えないけど、隣にいるんでしょう?もう一人の私。初めまして!私も真宵だよ!11年前に阿良々木くんに助けられて、交通事故に遭わなかったの……驚かせちゃったかな――――ごめんね……」

 

そう。明らかに僕より、八九寺の方が動揺していた。声は出さなかったが、つないだ手は痛いほどだったし、震えていた。

 

忍野が言った。

「小さいほうの八九寺ちゃんは、驚かせただろうね。申し訳ない。学習塾近くに戦車ごと時空移動して来て、中で気を失ってるときに彼女がコンタクトしてきたんだけど、まさか一緒に気を失ってる女性が別ルートの自分だとは思わないよね。情報は色々やり取りしたけど、大きいほうの八九寺さんのことまでは伝えきれなかったからね」

 

自分が八九寺の立場であった場合を想像しようとした……出来ない……想像の範囲を超えていた。

 

「私にはこんな未来もあったのですね……………」

少しして、八九寺は小さくつぶやいた――――そして気丈に言った。

 

「阿良々木さん、二人に私は驚いたけど、もう大丈夫だとお伝えください。そして、お話を続けてくださいと」

 

僕は、横の八九寺から忍野に視線を戻し、

「驚いたけど、とりあえず大丈夫みたいだ。忍野、八九寺さんが協力ってどういうことだ」

 

「阿良々木くん、もしかすると勘違いしてるかもしれないから先に説明しとくけど、このZルートの八九寺さんを助けたのは、厳密にいうと君じゃない。

君は昨年8月にAルートから、11年前のXルートへ行って八九寺ちゃんを助け、Xルートの滅びた現代へ行って修復後、Aルートに戻っている。彼女を助けにZルートに来た (仮にQルートの阿良々木くんとしよう) 阿良々木くんは、現代に戻るとき、Zルートの滅んだ現代に行くのではなく、正しく、自分のQルートの現代に戻った……………。

偶然だよ、臥煙たちが時空を混乱させているせいかな。そうして阿良々木くんと忍ちゃんが修復に来ない、Zルートがあるわけだ。だから、Zルートの八九寺さんは、阿良々木くんに会うのは11年ぶりだ、11年前の高校生の顔はとっさ事でハッキリ覚えてはいないそうだ。

Qルートの阿良々木くんは八九寺ちゃんを助けて、現代に戻ったら怪異の八九寺ちゃんに抱きつかれるから、それはそれで驚いたと思うよ。時間旅行が夢落ちで終わる――――まあ世界修復はしてないけど」

 

その驚き方もいやだな。あの、ひと夏の大冒険では大変な思いをしたが、代わりに夢落ちを提示されたら僕は受けるのか、断るのか……断るだろうな、やっぱり。それから、あの八九寺さんとは夏以来じゃなくて、このルートの僕としては、はじめましてなのか……訳が分からなくなる寸前……

 

「それでね、阿良々木くん、Zルートで成長した彼女はホワイトハッカーなんだ。それもウィザード級のね。キスショットのトラブル前はあちこちで、ボランティア活動をしていた。

世界が滅んだ後、理由を話したら自衛隊のシステム防壁を破ることに同意してくれたよ」

 

そんなものに成長したのか、でも今は、ひとの夢に侵入するんだから似たようなものか。天性の素質なのかな。

いや、関心している場合ではなかった。

 

「忍野、忍が心配だ、どうしてる?世界を滅ぼそうとしたりってことはないんだろ」

 

「忍ちゃんの件は一時棚上げにしてくれ、保障する、今すぐには問題無い。後から説明するから。とにかく、僕たちは自衛隊駐屯地に向かった。

駐屯地は戦争時に基地として使えるように当然、スタンドアローンでも機能する。自家発電も食料も燃料もある。武器も戦車もね、いや、でも、こんな説明をしているより、阿良々木くんを完全復活させる方が先だった。この後、いろいろ働いて貰わなきゃいけないし……」

 

働かされるのか。やっぱり……

 

「阿良々木くんの死体は見つけた、こっちだ」

 

忍野を先頭に四人で向かった先は、境内にある社の中だった。結界が張ってあったようだが、忍野が解除したようだ。

 

そこには、西洋風の伝統的な装飾を施した黒い棺があった。映画で見る吸血鬼が中で寝てる棺そのものだ。

 

「ああ、阿良々木くん、中は見ない方がいい。バラバラだからね。

境内と、ここにも臥煙の死体はない、阿良々木くんを殺害した直後、激怒して現れたであろう、完全体のキスショットに、殺されていても、何の不思議もないんだが…………。

そうならない、策があってやったことなんだろうな」

忍野は続けた。

「臥煙は『夢渡』を持っている。それをキスショットに見せ、生き返らせる確約をして、とりあえず安心させ、『心渡』で阿良々木くんを斬ったのは、もうギリギリでのタイミングであったと説明したんだろう。

『このままの状態では、明日にでも阿良々木くんを中心に、この町が大変なことになるところだった』

『彼を斬って (『夢渡』で復活させ人間に戻し) 北白蛇神社に新たな神様を祀ってこの町を救う』

『でも、今は別に緊急の事案が発生して、すぐに行かなければいけない』

『キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードほどの力があれば、私が嘘をついて逃亡したところで探し出して殺すなど容易いことだろう』

『別の緊急な事案(僕のことだね)を片付けて、北白蛇神社に祀る新たな神様の準備をして戻って来る』

『だから、少しだけ時間をくれ』と言って、この場を去ったのだろう。そして、キスショットは物質構成能力で棺を作り、君の死体を収め、社に棺を隠し、自分も境内の隅に結界を張って休んでいる。

だから、とりあえず忍ちゃんのことは心配ない、さっき確認した」

 

纏めて説明し終わると、忍野はポケットから『お札』を取りだし、自分の体に張った。

「これは一時的に幽霊属性になれるお札だ。でも、くらやみが発生しないとも言えない。お嬢ちゃん、あの世の『夢渡』を渡してくれ。さっさと斬ろう」

 

僕が『忍野、心の準備をさせてくれ』と言いだすより早く、彼は『夢渡』を手に棺まで歩いたかと思うと、蓋をあけ内部を上から下へ斬った――――

 

 

――――忍野に見下ろされている…………僕は棺の中にいるようだ……そうか生き返ったのか……

 

お札を剥がしながら忍野が言った。

「おめでとう。阿良々木くん。生き返った気分はどうだい?でも、のんびりもしてられないんだ。さあ、起きた!起きた!」

と、まるで妹たちのようなことを言う。

 

思ったより早く体に力が入り、体を起こせる。そして立ち上がる。

 

「さあ、戦車の所まで行こう。阿良々木くんにはアレの砲手になって貰わなくてはいけない」

 

やっとのことで歩きながら、「忍野、無理を言うなよ」と文句。

なんだか、まだ自分の声じゃないみたい。少しムッとして言う。

「僕が戦車の操縦法、知ってるわけ無いだろ」

 

「ああ、それについては解決策が……」

 

忍野は突然話すのを止め、目を閉じた――――そして言った。

「思ったより、えらく早いな……阿良々木くん、奴らが来たようだ」

 

遠くから微かに地響きのような音が聞こえたかと思う間もなく、忍野が僕の右後ろを指差し、

「あっ!あんなところで臥煙が 『いえーい☆ ピースピース』 って言ってる」

 

そんな馬鹿なと振り返る途中、僕の目の端に忍野の踏み出した左足が見えた――右手で、スパーンと殴られた????顎に見事なフックが決まったようだ????

 

「すまんね」という忍野の声を遠くに聞きながら、僕はフワリと気を失った――――

 

 

 




続編はこよみスティックの予定ですが……


※追記 2014年3月
終物語(下)発売まで2週間となりましたので、
内容の予想(妄想)をして、遊んでみようと思います。(一部しか予想不可能ですが)


まず「こよみデッド」で、心渡で暦が斬られています。

今後を予想する上で、暦と忍の関係が重要になって来ます。
暦と忍との「主従関係とペアリング」です。

鬼物語で、「くらやみ」の影響でペアリングが切れ、暦が人間に戻った状態は、「双方、生きている」ので「主従関係」は残っています。

だから忍はキスショット化せず、後日、暦と忍は、
臥煙さんにペアリングを戻してもらって、元に戻っています。

「こよみデッド」では、暦は心渡で怪異として斬られ「殺害」されましたので、 その時点で「主従関係とペアリング」両方切れます。


暦は死んで、忍はキスショット化します。


そこからが、少し考えなくてはいけません。


そのまま、夢渡で生き返らせて、忍とリンクした怪異として復活させると殺害した意味がなくなります。


鬼物語で「怪異生かし」の夢渡が語られ、終(中)で心渡・夢渡が作られる可能性が示唆され、 終(下)のキャッチコピーで「最終決戦の号砲だった――」とありますので、 暦が夢渡で復活するのは間違いないところです。


完成形としては「忍とリンクせず怪異でもない暦」です。
これなら、心渡で「暦を殺害した意味」が出てきます。


しかし、まだ「生き返らせる意味」がありません。

殺害したままで良いはずです。


そこで「生き返らせること」を誰かに対する「取引材料」にしたことが予想されてくるわけです。


傾物語の時の経験で、忍はキスショット化しても、世界を滅ぼすことはしないと思います。

しかし、スタンドアローンのキスショットは不安定で、放置するのは危険です。

また、暦を殺害した臥煙さんに対しては当然、怒るでしょうから、攻撃することが考えられます。


臥煙さんは、あのままでは暦が危険な状態だったという説明と、
「暦を生き返らせる話」を、キスショットにしてくると思います。

「取引材料」に対する「見返り」が臥煙さんを攻撃しないだけなのか、
キスショットに「神様」になることをまで、要求してくるのか分かりません。
(撫子が呑んで神様化したお札は、元々、忍の神様化の意図で臥煙さんから暦に渡されている)

「こよみデッド」に登場した八九寺も気になります。

忍が「神様」になる話なら、八九寺は成仏しており、殺害された暦が、あの世で八九寺と逢ったということになります。成仏している八九寺、それを生き返らせる展開は強引です。

「神様」になるのは、成仏していなかった八九寺なのかもしれません。
(成仏しないのは、現れるのを止めて誰からも認識されなくなり、怪異では無くなることにより、 「くらやみ」が襲う条件である「道を踏み外した怪異」の条件から外れる手を原作者が使うとは思え……)

「こよみデッド」のラストシーンは、すでに暦は夢渡で斬られ復活していて、気を失っていた暦が目を覚ましたときには (怪異殺しで輪切りにされたので、怪異生かしで復活しますが、忍との主従関係は切れています) 八九寺は、臥煙さんから提示された「暦を生き返らせる」という条件と共に「お札」も呑んでおり「神様」になった後なのでしょうか?


キスショットは臥煙さんを攻撃しないことを受諾し、暦が夢渡で斬られたのを確認して、 その場を去ったのでしょうか?

暦が復活するまでは、臥煙さんの首に手を掛けたままなのでしょうか?


(神様化するのは、キスショット・八九寺以外にはないような気もします)


どのような形になっているにせよ、暦と忍の「主従関係とペアリング」は切られており、 阿良々木くんは「承知」しないのでしょう。


本命は八九寺ですね。花物語に明らかな伏線があります。


個人的には「くらやみ」のルール変更があって、八九寺が前のままに復活してくれると、 一番うれしいのですが、(鬼物語で臥煙さんが、ルール変更の可能性も示唆していた) 話の終りに来てルール変更では、物語が破綻ぎみになります。

再登場しても、あの世での登場か、北白蛇神社の神様化ぐらいしか思いつきません。

最終決戦――終物語(下)が楽しみです。
それにしても、「くらやみ」自体は倒せないですよね。どんな話にしてくるのでしょう。
扇ちゃんをなんとかすれば、どうにかなるのでしょうか?やっぱり忍野の出番かな。



※追記 終物語(下)を読んで……西尾先生、足のかにばさみで八九寺を地獄から連れ帰るのは反則のような気もしますが、全体の流れから言えばギリギリセーフでしょうか。
扇ちゃんの正体と忍野・羽川の登場には納得です。
天に届くほど高くなったハードルを、見事に乗り越え綺麗に着地しましたね。
  
  


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【3】こよみスティック(終物語 下「まよいヘル」)

原作が書かれないことを理由に書き始めたわけですが、原作が完結し、続終物語もほとんどスピンオフ状態ですので、原作と一方的にコラボして遊んでみます。

アニメーターから終物語のアニメ化がリークされましたので(2015.06.30)、終物語のアニメ化までの繋ぎにどうぞ。

先行して書いてしまった「こよみリバイブ」が、原作にどう収斂していくか、お楽しみください。



目が覚めたら場所は相変わらず北白蛇神社、両手にはレプリカの『心渡』を握りしめ、忍が咆哮したところだった。

 

北白蛇神社といっても、暦と忍が修復に行かなかった、滅んだ世界 (Zルート) の北白蛇神社だ。

 

 

こうなる前に実はひと騒動あった。

 

 

前の話で、忍野の絶妙なパンチを食らって、僕が気絶させられた理由は、覚醒しているときには不可能な10式戦車の操作・操縦法 (主に砲手) を八九寺式睡眠時コンタクトで短時間で叩きこまれるというものだった。(八九寺は戦車の操作法を今回の一連の作戦と同時に、忍野からダウンロードするように既に受け取っていた。なんかPCのレベルだし、マトリックスみたいだな、八九寺パネー)

 

でも、実際には10式同士の格闘戦にはならず、話し合いになった。

 

この動向変化の一番の切っ掛けは、10式の戦車の中で八九寺とのコンタクトを終えた直後、忍野の元に、講談社BOX「物語シリーズ」が傷物語から終物語(下)まで17巻、コミック版攻殻機動隊に出てきそうな、怪しげなバイク便で時刻指定で配達されてきたことによるらしい。(宛先は○市○町○番○号 元学習塾焼失跡地前路上違法駐車10式戦車内 忍野メメ様)

送り主は当然何でも知ってる臥煙さん(Aルート)で、物語の作者の正体は西尾維新でなく、誰でも想像出来そうな、西尾維新がペンネームの羽川であった。

西尾維新の創作物は当然、西尾維新が書いているのだが、物語シリーズに限っては羽川が絡んでいるそうだ。担当するのは物語シリーズのみ、ゴーストライターではなく、羽川が西尾先生に降臨して書いている状態らしい。

 

 

数ある並行世界の中でも、八九寺を助けた後、偶然とはいえ世界を修復しないで元のルートに直接戻ってしまったのは、Qルートの暦(僕ではない)だけとのことだった。

理由はZルートが将来修復されないのを察知した臥煙さんが、他のルートの急進派の3人の臥煙さんと頻繁に連絡を取り始め、それが引き鉄になり時空が乱れたから。Zルートで、生身のロリ八九寺を助けた暦が元の世界に戻ろうとしたら、他の場合と違い、正しく元のQルートの現代に戻ってしまい、Zルートの修復をすることもなく、戻ったら、現在の怪異の八九寺に飛びつかれ、結果、滅びた世界を見ることも、21歳八九寺に会うことも無く、戻った世界は何一つ変わっておらず、時間旅行が完全な夢落ちに終わってしまった。

 

話を少し戻して整理すると、この物語を初めから読んでくれている読者ならご存知のように、僕も忍も忍野もAルートの住人である。(と実は思い込んでいただけらしい)

Aルートの僕がなんでまたZルートに来て、焼身自殺に失敗したキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと対峙することになるのか……

 

理由は簡単、Qルートは時空の結節点が妙なルートで、簡単に暦と忍を連れだせないんだそうだ。

で、目の前にいる僕が駆り出された。

 

戦車の中で講談社BOX「物語シリーズ」を読んだバランサー忍野は、これこそ本来のAルートで自分は実は分岐したBルートにいることを知った。

この世界はBルートだ……いつの間にかAからBに移動していた。

分岐したのは400年も昔、死屍累生死郎が成仏してしまったときらしい。

(『本当はAルートで終物語(中)が書かれたあたりで分岐したんだろう?』と、忍野がBルートの臥煙さんにボソっと聞いたらしいが、彼女は黙秘したようだ)

 

とにかく忍野は修復されないZルートの救済が急務だと自覚した……バランサーとしての本能ではないかと思う。

臥煙さんたちが、戦車で現れたとき、急遽、忍野はAルートから臥煙さんを召喚し(切り札として最後に使ったらしい)幸いなことに彼女はそれに答えた……臥煙さんは忍野の戦車の砲塔に仁王立ちとなり、全ては一時停止した……

 

 

 

Zルートの臥煙さんは自分のルートが修復されないことを知り、バランスを欠いた道に走った。

何でも知ってる能力を生かし、各ルートの中でも急進派の自分を選別した。

ノーマルな臥煙さんは忍野を、他のルートに飛ばしはしない。

厳選して、説得できそうな3人の過激な臥煙さんと通信端末を共有して、今回のZルートを中心とした所業に出た。

 

 

そして、不思議な話だが今回、過激な臥煙さん達は『やり過ぎでしょ!元に戻すべき!』という、

忍野にAルートから召喚された、臥煙さんの勧告に素直に従った。

鏡の中の自分に平手打ちを食らって、正気にかえるような感覚?……良く分からない……

 

 

僕はAルート臥煙さんが説得に失敗し、戦闘になった場合の要員だった。

失神後は手際良く、砲手のコックピットに移され、すぐ八九寺がコンタクトして来て、1分ほどでインスタント砲手完成。その他の状況レクチャーは30秒。脳を上手く揺すって、意識を奪うだけに特化した、ハイスキルのパンチだったので、外傷も内出血もなく。レクチャー終了後30秒で覚醒。滑腔砲に自動装填装置で特別なお札が貼り付けられた徹甲弾を装填し、スタンバイ完了。

操縦士の八九寺さんも準備OK、10式いけますよ!で『滑り止め完成』

臥煙さん達、境内到着予測時刻まで後1分。

車長の忍野は『切り札』を切って、Aルート臥煙さん召喚作業開始――――

 

 

 

結果は前出のとおりで、戦車同士の戦いは回避。

忍野に、今後の希望を聞かれたので、『現状復帰。細かいことはお前に任せる』と回答。

殺されて、あの世へ送られる途中、生き返り、インスタント砲手にされ、今はクタクタ。

話し合いは忍野に任せ、安堵感と疲労感で、コックピットでしばらく、ぐったりしていた。

同じく、安心したのか八九寺さんも、しばらく放心状態だったが、さすが大人の女性、カップに熱いコーヒーを注ぎ、僕に手渡してくれた。八九寺の居場所も聞かれたので、普通の人間に戻り、もう彼女は見えない僕であったが、さっきレクチャーしてくれたときと同じだろうと思い、僕の隣の狭いスペースを教えた。八九寺さんは熱いコーヒーを注いだカップに砂糖とミルクを入れ、お供えするように、八九寺のいるであろう場所の前に置いた。物理的には飲めない彼女だが (お供え物って、立ち上る湯気が消えたら、飲み終わったってことだっけ?) きっと美味しく飲んでるんだろう。

 

境内の隅からキスショットが現れ、僕の方へに完全体のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが歩いてきた。僕も戦車から飛び出した。

「よう。お前様」と、キスショットは極上に凄惨な笑みを浮かべ、「阿呆が。心配させおって」と、僕の頭をくしゃりと撫でた。

その後、「は!「はは!「ははは!と笑いなら、抱き付かれ、というか抱え上げられ、さんざ振りまわされ、賞翫されつくされた。うれしいが、あまり八九時には見られたくない図ではある。

 

(彼女は完全体になった後、僕が復活予定なのを知るとBルートの北白蛇神社境内の隅っこの結界の中に『ミスタードーナッツ・キスショット専用店』を物質構成能力で作り、好きなドーナッツを思う存分食べ、のんびりゲームしていたとのこと……)

 

キスショットは忍野と臥煙さん達の話し合いに加わった。僕も行きかけたけたけど、お前に任せると言った手前、自制した。

 

15分ほどで話し合いは終り、「それで良いのじゃな。お前様」とキスショットは言った。

彼女も僕と同じように現状復帰を望み。元の幼女に戻る選択をした。僕たちは吸血行為ならぬ給血行為のやり過ぎによる、僕自身の吸血鬼化をもう繰り返さないと誓い、今後の予定も承服した。

彼女は僕の影に潜ったかと思うと、臥煙さんにペアリングを戻してもらい、すぐさま元の幼女に戻った状態で、僕の影から出てきた。(この後の嫌なことは、一刻も早く終わらせたいらしい)

 

忍は僕の手を取り「いくぞ! お前様よ。」と、Zルートの現代へ時空移動した……時空移動のショックで気を失い、まだしっかり覚醒しない僕の両手にレプリカの『心渡』を握らせ。

忍は咆哮した。徐々に僕は覚醒し始めた。

 

 

そして、冒頭のシーンに至る。

 

 

二度目とはいえ自殺に失敗したキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを見るのは非常に悲しく、居たたまれなかった。

忍も同じ気持ちのようで、血の涙を流し、彼女の「こんな可能性もありえたのじゃな……」という言葉を再び耐えがたいものを聞くという感じで聞いていた。

 

結果、このルートのキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードも前回と同じ提案をし、世界は修復され、僕たちはBルートに戻った。

 

だいぶ慣れたようで今回は気絶しなかった。すると斧乃木ちゃんが呼ばれていて臥煙さんに、僕が保管しているお札を取って来るようにいわれた。アンリミテッド・ルールブックで自宅へ行き、保管していたお札を慎重にポケットに移し、斧乃木ちゃんとジャンプして北白蛇神社へ戻った。

 

 

さすが臥煙さん、この状態の八九寺とも話せるようで、戻ったら向こうサイドの話は決まっていた。説明されて僕は驚いたけど、最善手なのかもしれない。八九寺は僕が保管していたお札を呑み、案外あっさり神になった。(最初にキスショットに話した時の臥煙さんの腹案では、別の神様の予定だったらしい)

 

今から考えるとBルートの臥煙さんが持っていた『心渡・夢渡』は違うルートから臥煙さんが持ち込んだもののようだ。

 

 

全てが終わったような気がした。時計を確認すると僕が心渡で惨殺されてから30分も経っていなかった。3月13日早朝7時半すぎ。

 

とりあえずは、と臥煙さんはいった。

「こよみんには受験に向かってもらおうか」

 

「じゅ、受験とか……」

 

いや、これだけいろいろあった後に、神様とその神様が違うルートで成長した21歳の生きてる女性と臥煙さん5人とアロハの中年と戦車2台と特殊弾頭付RPG-7を背負って現れた4人目の臥煙さんが乗ってきたオフロードバイクがある神社で、いきなり日常に返されても。

 

「ま、まあ――がんばりますけれど」

コンディションがいいとはいえないけど――

 

「あと、私はまだ君に話さなければいけないことがあるんだよ。扇ちゃんのことだけどね。まあ、明日でいいけどね。会おう。明日からもうひと仕事あるよ。明日になれば、私は1人になってるから君ももう混乱しないだろう」

(Zルートに元から居た忍野と共にZルート残り、万一の場合に備えて「二の矢」を用意していた忍野達も、元から居た忍野以外の2人は元のルートへ戻るそうだ)

 

 

「全部片付けるよん」

 

 

 

まだ、終わってないから、とりあえずの仮後日談。

 

忍野から講談社「物語シリーズ」を読ませてもらったのだが、未来の「花物語」なんてのがある。

 

(花物語の件では『あくまで、Aルートの話だからね』と釘を刺された。終下は忍野が34ページまで読んで自分がAルートの住人と誤認している事実と、自分が物語りに大きくかかわる近未来の話と確認した時点で、即座に焼却処分したとのこと)

 

神原を焼き肉店に連れ込むのは許せるにしても、謎の貝木ストライドで神原を軽々と抜き去るのは許せない。人間業じゃないだろあれ。大体、今あの詐欺師、存在自体不明不定だろ。

絶対会っていろいろ問いただしてやる。

 

会えないなら、スピンオフで登場させて喋るように根回しするからな。

 

忘却探偵より北白蛇神社の八九寺神と僕の絡みが読みたいかな。

 




読んで頂いてありがとうございました。

ヶ原さんには今のところ内緒なのですが、
八九寺さん大人バージョンには、このルートに残って貰いました。

いろいろお話したいことが……


え? こよこよ?……後ろで呼ぶ声が、

ヶ原さん!そんなに文房具、ど、どこから持ち出して来たの?
まず、おはなにゃしをををを……――――――――


※追記 愚物語で、あの世にいる遠江さんが駿河に『貝木に会うことがあれば伝えてくれ』という発言をしたので、貝木はあの世にいない可能性が高くなったと言えると思います。
  


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【4】接物語 -プロローグ- (Bルートの愚物語)

現実世界では『接物語』と予告された続編が『愚物語』として世に出てしまいました。この創作の世界では『接物語』のままとさせていただきます。


あの貝木ストライドで軽々と神原を凌駕し、もうこの世の人ではないような貝木だが、実はちゃんとこの世にいるのを僕は知っている。

 

恋物語ラスト、瀕死の貝木を助けたのは――――羽川だった。

Aルートでは貝木の嘘語りに騙されたらしく、山を下りきって道路に出たあたりで攻撃されてるが、あそこに血だまりがあったのでは、後から撫子を背負って下山した僕が発見していたはずなのだが、僕はそんなもの見なかったし、そんな気配もなかった。

入試が終わった後になってから羽川に教えられ、僕は詐欺師、貝木泥舟の本当の顛末を知った。

 

実際は以前の尾行のこともあり、下山中の待ち伏せを危惧した貝木が、通常ルートを避けて下山したはずが、それを扇ちゃんに見抜かれ、彼女に操られた中学生に襲われたのだ。

回避したはずなのに下山中襲われたことを、貝木らしく隠しているというか、貝木が全て本当のことを語るはずもないのだろう。

 

貝木の危機を察知した羽川が現れると、呪いを受けた中学生は脱兎のごとく逃げ去った。

ここで羽川のNGOでの経験が役立ち、まず止血、そして、サバイバルナイフを取りだすと、負傷者を山中から運び出す道具を作り出した。

そこそこ傾斜のある山の斜面で、救急車を依頼しても、道路が無いし、

警察に救助を要請しても、雪国だが有名な冬山ルートを近隣に持たないこのあたりの警察では初動に時間が掛り、非効率。

羽川の作った物は簡単な構造で、基本的な形は担架で片方は羽川が持ち、片方は雪面を引きずる。細めの木と植物のつるがあれば作成可能で、羽川の体力でも下りなら移動可だ。

除雪してある車道まで出ると携帯で救急車を呼び、貝木は一命を取り留めた。

 

羽川は世界中のNGOを知るにつれ、その長所と短所を目のあたりにし、

怪異現象も扱える人助けのNGOを模索していたのだ。

忍野は筋金入りの風来坊で、一か所に留まることはない。

貝木のピンチは結果的に、羽川の模索の助けになったようだ。

 

花物語で神原にゴーストバスターの名刺を出しペンで修正していた貝木だが、

今は、羽川の仕事にもときどき関わるようになったと聞いている。

 

高校3年生の時、忍野を探しながら世界中回ったこともあり、春に旅立った羽川は初夏、帰国した。そして、卒業した高校が所在する市に、事務所兼自宅を借りたが、まだ、正式には活動していないようだ、活動資金が羽川のバイト的なものしかないからだろう。一般常識的なバイトとは違う気がするので、僕は詳しく聞いていない、その辺はまだなぞに包まれた彼女なのだった。

 

知らないこと以外、なんでも知っていて、その気になれば、ジェット戦闘機も手配してしまうほどの羽川だが、得意分野は貝木と、全く違うと言っていいのだろう。貝木が動くしかない状況もあるらしい。

貝木の出動が必要になった時には、多少の金銭の動きはあるようなのだが、必要経費ほどしか受け取らないのは貝木らしくないと言えるだろう。

 

正式なメンバーではないが、僕は頼まれなくても動くし、斧乃木ちゃんも本来の監視の目的から逸脱しない範囲なら、僕が頼めば助けてくれる。そんな状況で羽川の模索は続いていてた。

八九寺神の能力はまだ不明なので、頼めば何とかしてくれるかもしれないくらいに思っていたのだが、まさかあんなことに………………という事態はまだだいぶ先のことになる。

 

 





※2015年7月6日
アニメ憑物語放送終了あたりから、今年の7月7日には何か発表がとの憶測が飛んでおります。
いよいよ明日です。楽しみ。

※2015年7月7日
なにかセレモニー的なものを、うっかり期待してしまったのですが、15時50分時点では尾石さんの短冊の写真だけです……
金色の短冊に「激闘中」……アア……傷……

※2015年7月8日
ファイナルシーズン「終物語」のTVアニメ化が決定!2015年10月より放送開始予定!です。



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【5】接物語 まよいメメント(Bルートの愚物語)

プロローグから続く『接物語』「まよいメメント」と Bルートの「しのぶメイル」=「まよいモラトリアム」です。
  


高校生の時だったら、ちょうど夏休みに入る頃合いの暑い日。

羽川の事務所を訪ねる者があった――――

 

扉を開けた羽川の前に立っていたのは、そう……八九寺(大人バージョン)だった。

 

「こんにちは。羽川さん、八九寺です。阿良々木さんに言われて来ました。私ならきっと、お手伝い出来ることがあるって」

 

「ようこそ! 八九寺さん、NGO活動に興味を持ってもらって嬉しい!ホントに真宵ちゃんが大人になられたんですね。まあ入って! 入って!」

 

初対面同士だが、まるで旧知の間柄のよう。

(オーディオコメンタリーで真宵21歳ver.・翼6歳ver.があった気がしますが、あれは別次元ですし)

 

椅子を勧め、お茶を用意しながら、羽川の口から出たのは、こんな言葉だった。

 

「阿良々木君から、こちらの世界においでになったと聞いて、

お会いしてNGO活動の話をと思ってたんです……。でも、実は急に大変な事件が持ち上がって……是非、協力して頂きたいんです。扇くんのことはご存じないと思いますけど、彼が動き出しているようなんです。

それで、どうやら狙いは貴方みたいなんです――――……」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

【5.5】まよいモラトリアム

 

羽川の語った大変な事件。本当はキスショッタ・アセロラロリオン・ハートアンダーティーンが現れてしまった……では無いことをお約束して、やっぱり、Bルート愚物語の前に、このBルートの終物語(中)のことを書かなければいけないような気がします。

 

心ならずもBルートになってしまった「こよみリバイブ」・「こよみスラップ」・「こよみスティック」は暦物語「こよみデッド」の続きで、Aルート(原作)の終物語(下)「まよいヘル」にあたります。

 

Bルートでは400年も昔に、死屍累生死郎は成仏してます。

北白蛇神社に灰となって吹きだまり、その後、復活することはありません……

 

死屍累生死郎が鎧武者となって現れない、Bルートの終物語(中)「しのぶメイル」はどんなお話になるのでしょう。

終物語(中)「しのぶメイル」のBルート=「まよいモラトリアム」――――

 

 

 

―8月23日の夜 神原との待ち合わせ場所、学習塾跡廃ビル2階教室―

 

「阿良々木先輩、おっひざー」

 

僕のほっぺに真空飛び膝蹴りが決まった。

「ぐえっ」

壁に背中が打ちつけられる。

「ぐええっ!」

 

「先輩、勢い余って行ってしまった3階に、机で作られたベットが用意されてたぞ!」

 

「心当たりがないんだが……ベット?」

 

[先日、羽川さんが使ったベットですね]

 

「またまた。とぼけちゃって」

 

「別に僕、とぼける系のキャラじゃないんだけど……」

 

 

[――――――廃ビルから50メートルほど、空間から湧きだすように出現した苛虎。廃ビルを鋭く睨んだあと、数歩進み、試すように2、3度廃ビルに向け短く炎を噴き、次に大きく胸を膨らませ、今まさに猛烈な炎を噴き出す――その刹那、苛虎の眼前に八九寺が立ち塞がった。

立ち塞がったものの、当然その先はなにも考えてる暇などなかった八九寺は焦りに焦った。消える約束をして、現れるのを止め。一方的な約束の見守りをしていたところ、わずか半日で、また現れることになってしまった。このような最悪の状況で。

 

「何だお前は!」「何故、吾輩の邪魔をする!!」苛虎は吠えるように言った。

「小さき者よ。どうやら怪異のようだが、お前に何が出来る!」

 

これでは蟷螂の斧だ。でも、でも――

「あのビルの中には人がいます。人がいるのにビルを燃やすつもりなのですか!」

 

嘲るように苛虎が答える。

「吾輩は燃やしたいものを燃す。中に人がいようと関係ない、ただの発火衝動だからな。邪魔をするなら踏みつぶすぞ!」

 

もう廃ビルは見えている。ここから迷わせることは不可能。でも、炎の行き先を少し迷わせることぐらいなら、と思った瞬間!『くらやみ』が出現した。というよりそこにあった。見えないものが確かにあった。

恐怖で全身が凍り付く。もう駄目だと思い最後に阿良々木さんのいるはずの廃ビルの方を見た。

すると遠くの路地を曲がって現れた小さな人影! ――斧乃木さん!

きわどい所で他の建物が遮って、斧乃木さんからは苛虎が見えないようだ。

彼女が苛虎に気付いた様子は無い、でも、確実に学習塾跡に向かっている。斧乃木さんがいれば

大丈夫なはず……そこまで考えると、八九寺は怪異としての実体化を止め、消えた――――――]

 

 

突然、教室の床が火を噴いた。

埋められていた対人用地雷が炸裂したかのかと思うくらいの、それは、火柱だった。

轟々と燃え上がる学習塾。建物全体が炎に包まれ、脱出ルートも確保できず絶望的な状況。

 

そのとき、廃ビルの2階の平面の壁を片手でつかんで自重を支えつつ、

残る片手でアンリミテッド・ルールブック――ダイナマイト消火版を放ち、

「――――こんなところで死ねると思うな。鬼いちゃんを殺すのはこの僕だ」

と言い放ったのは斧乃木ちゃんだった。

 

「僕は僕の仕事をしていただけだ――――その仕事先で、鬼いちゃんが知らない女と無理心中しようとしていたので、ひゃっほうこれは邪魔するしかないぜと思っただけだ」とも言った。

 

とにかく助けられた。合流した臥煙さんの話では、このところ数パーセント上昇していた怪異の発生率を下げるために、斧乃木ちゃんを派遣したとのことだった。

 

僕と神原の手伝いの必要性を何でも知ってる臥煙さんが感じたのは、その情報源が他のルートからも来ていることにあり、

他のルートでは、ちりじりになった死屍累生死郎の灰が寄せ集まり、とんでもないことになる可能性があったということらしい。

 

念のためエピソードまで呼ばれていた。

 

 

えっ。それじゃあ何故、苛虎と対決した羽川を助けに行ったのが、あんなギリギリのタイミングになったのかだって――――

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――それは秘密だ。

 

 




次回は 愚物語 「するがボーンヘッドリターンズ」 になります。



以前から希望としてアニメ化されるなら(上)からは初めずに(中)からスタートして暦物語のラストあたりを数話やって(下)をやる流れかなと書いてますがどんなもんでしょう?
素直に考えると7月の終物語アニメ化発表の時に(上)の箱絵使っていて、一挙放送では無い感じなので(上)・(中)・(下)で1クールなのでしょうか?ちょっと詰め込み過ぎな感じですが、
とりあえず、暦物語は飛ばされたようなので、そこで満足しなければいけないのでしょうか。
でも、(上)ってホントに映像化に向かないように、敢えて原作者が書いてるような作品のような気がして……時系列も(中)の後だし……


※2015年9月10日
アニメ終物語情報一挙に出ました。
終物語はまずは1クール全12話で、上巻と中巻をTVアニメ化、放送。
下巻はアニメ化決定、シナリオ制作終了。暦物語はアニメ化を企画中。
発表形態は検討中。ということで恐れてあえて書かなかった結果になってしまいました。

楽しみにしていた、終(下)がいつ見られるのか不明です。
終(中)も同じくらい楽しみなので、まあ良しとしましょう。
それにしても、暦物語ラスト2話以外もまだ可能性残ってるんですね。

暦全部やるくらいなら、暦ラスト2話+終(下)やって続終を早くやって貰った方がいい。
(下手に暦物語全話アニメ化したら叩かれそう)

「おうぎフォーミュラ」放送時には読売新聞の一面広告やるんだろうから「短々編」と共に、
講談社BOXではカットされてしまった「別マガ」にあった「読者への挑戦状」登場人物表付を再掲してほしい。
登場人物表は講談社BOXのサイズでは小さすぎたけど、新聞ならスペースは取れると思う。
まあ、ミスリード気味の登場人物表なんだけど、40人近くの難読な名前のクラスメンバーが、
次々に喋りまくり議論する、学級裁判の様なストーリーでの犯人探しなので、
話を追う上で、書き込み可能な登場人物表があった方が楽しめると思う。

読者への挑戦以上に「シャフトへの挑戦」と言われた「おうぎフォーミュラ」ですが、
「ハウマッチ」以外のクラスメイトは全員映さない上で、推理劇として最後まで誰が犯人かわからなく、お話として魅力的に見せる映像化の難易度が高い内容に、スタッフがどう挑んだのかを是非観ていただきたいとのことなので期待しています。

※追記 新聞の一面広告はありませんでしたし「2人・3人・4人組みを作ってもいつも1人余る阿良々木くんであった」の台詞もカット・全員分語らないのですから、メンバー表は不要な構成でした。(原作ではクラス生徒人数は37人のはすですよね~と扇ちゃんが迫る)
  


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【6】愚物語 するがボーンヘッドリターンズ (「するがボーンヘッド」創作続編)

愚物語「するがボーンヘッド」の創作続編です。
先に「するがボーンヘッド」をお読みでない場合は、
意味不明となりますので、ぜひ原作を読まれることを、
お勧めいたします。
 


「ねえ。神原先輩。神原先輩」

 

「なんだい。扇くん」

 

「また、こんなゆるい企画で、大丈夫なんですかねぇ?」

 

「ゆるい企画と言うな!扇くん!!ゆるい企画と!……しかたないじゃないか!!!」

 

「神原先輩。そんな裏返った声で、怒らないでください。大人げないなあ」

 

「扇くん。私はまだ大人じゃないし、別に怒ってるわけじゃないよ。

ただ、前の話が、

『私の高校生活最後の夏休みは、どうやら今までで一番、長い夏になりそうだった』

で、終わっちゃったんだよ!

未開封のふすま、まだ七枚もあるんだよ!

それに、信じられないよ。なんであんな、ノリノリで君と仲良く冒険活劇して、木乃伊(ミイラ)をゲットする展開になってるんだい」

 

「そう言われましてもねぇ。確かに僕も煽りましたけど。

先輩本人が、『私にとって望ましい、いつも戦う愚か者の、神原駿河になろう』 って言ったんですよ。

それに、今、どうにもならない状態になってるのは、木乃伊をゲットしたせいじゃなくて、神原先輩が阿良々木先輩を、また怒らせちゃったからじゃないですか。本当に愚か者ですねぇ」

 

そうだった――――……

 

「まったくもう!『部屋は阿良々木先輩に謝って頼んで泣きついて仲直りして片付けてもらう』

って言ってたのに、完全に失敗してますよ。

メールの返事は来ないから、電話することにして何度目かに、やっと出てもらって、謝って、方付けに来てくれるところまで持って行ったのに、急にあんなこと言ったら、怒るに決まってるじゃないですか。

『うん。私は阿良々木先輩に部屋を片付けてもらったら、地図を作って木乃伊のパーツを集める大冒険に出発するのだ!』 ってなんですか!

話を聞いてた、僕の心臓の方がビックリして、あの世に出発するかと思いましたよ」

 

「私は嘘をつくのが苦手なのだ。まして相手が阿良々木先輩だったのだぞ……。

阿良々木先輩が『暑いさなかに片付けるんだから、終わったらかき氷を食べに行こう』などと言うから、つい、次の予定を口走ってしまったのだ」

 

「スピーカーフォンにしてたわけじゃないのに、良く聞こえましたよ。

『木乃伊のパーツを集めるって何だ――――!』って阿良々木先輩、怒鳴ってましたね。

数ヶ月前に苦労の末、忍ちゃんに木乃伊食べてもらったのに、何も説明無しにまた、木乃伊のパーツを集める宣言しちゃうって、本当に愚か者ですねぇ」

 

本当に怒ってたなぁ阿良々木先輩。

普段あんなこと言ったら、逆に心配して飛んで来そうだけど、先日の諫言の件、まだ許してもらったわけじゃなかったからなぁ。

酷い冗談言ってると思われて、怒って電話切られちゃった。頑張って、すぐ、もう一度電話してみたけど、電源が切られていた……

 

うーん困った。昨日、木乃伊のパーツをゲット後、帰宅して寝るにあたってのスペースを作るために、ふすまの角材も、他の部分も一応、後から分かるように、置いたつもりだったのだが、

今日になってみると『ごちゃあ……』といろんな物にまぎれてしまって、ゴミと区別が付かない。ふすまの組み立てが不可能だ……

 

対策として、阿良々木先輩が方付けに来てくれたときに、ゴミと、ふすまの角材や他の部分を分別してもらって、ついでに組み立ても手伝ってもらって、ふすまを元の場所に戻す予定だった。

そして、阿良々木先輩が帰った後に、方付けてもらってできた、広々としたスペースで、新たな、ふすまを分解して角材を並べて地図を読み解き、再び、木乃伊のパーツを集める冒険に、出発するはずだったのだ。

こうなってしまうと、新たに、ふすまを分解するなど言語道断。2枚分の、ふすまの部品とゴミが、ごちゃ混ぜになったら、組み立てなんてもう不可能。

おじいちゃんとおばあちゃんに怒られてしまう。

 

進退、極ってしまった……

 

朝食後に来て、阿良々木先輩に電話するように、促してくれた扇くんに一応聞いてみる。

「扇くん。部屋の片付けと、ふすまの部品の分別・発掘作業を手伝ってもらえないだろうか?」

 

「無理です。そんなスキルも時間もありません。すでに予定が入っています。

今日は神原先輩に、阿良々木先輩へ電話をするようにお話をして、電話が通じたら結果を確認して、すぐ帰るはずでした」

 

即答だった……「ああ。そうだったのか」と私は力なく返事をする。

「明日か明後日でも、構わないのだが」とも言ってみる。

 

「ごめんなさい。そんなスキル自体、本当に無いんです。

神原先輩。もう電話しても阿良々木先輩、出てくれそうにないんですから、直接行って謝った方がいいと思いますよ」

 

――――そうだな。自分ではお方付け出来ないのだから、もう直接、謝って片付けに来てもらうしかないか……

玄関のチャイムを押して、土下座待機していれば、話ぐらい聞いてもらえるのかな……などと考えていると。

 

「神原先輩、もう帰りますね。この話は続けると刀語みたいになっちゃうんで、たぶん業物語ではやらないですから、あまり深刻に……」

 

「扇くん。刀語とか業物語って何のことだ?」

 

「はっはー。これは失言しました。忘れてください。とにかく行きますね。愚かな巨乳先輩に『存在するはずのない人を狙ってるという』 あらぬ疑いを掛けられていますから、それを晴らす必要があるんです。Bルートとはいえ、愚かしい限りです」

 

「扇くん。Bルートって何だ? さっきからわけの分からないこと言ってるぞ!」

 

「はっはー。また失言です。本当に忘れてください。ふすま分解の時はご連絡ください、お待ちしています」そう言って帰って行った。

 

あれ、携帯の番号なんて聞いてたかな?…… まあいいや、いるベきときには、絶対隣にいるんだろうから……

 

 

さっきの電話の時、自宅みたいだったから、まだいるかな阿良々木先輩。

阿良々木先輩いないのに、玄関前で土下座待機するのは、ありえない。

 

そうか、家の車庫に車があれば、先輩いるのか。でも、チャイム押して、阿良々木先輩以外の人が出て来ても困るし。(火憐ちゃんだったら、最悪だ)

そうだ、見張ってて、阿良々木先輩が家から出てきたら、あの丸い車のルーフの上で、丸くなって土下座待機すれば、親ガメの上に子ガメといった感じで全て丸くて、丸く収まりそうな気がする。

(アニメではあの家、正面からしか描かれてないけど、玄関の反対側に車庫がある)

 

いや、やっぱり、あの車、ルーフ高いから、土下座してても、頭上げたら私と阿良々木先輩の目の高さ、同じくらいになりそう。土下座してるのに、同じ高さ目線だとまた怒られそう……

 

 

結局、車の前で土下座して、頭を踏んでもらうことにして、私も家を出た……

 

 

 




 


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【7】愚物語 まよいゴッド (愚物語 Bルート・創作話)

10月下旬、僕と話をしてくれる以外、能力が不明だった八九寺神から、信じ難い話を聞かされた。

 

「そうそう、先日、面白いことがあったんですよ。阿良々木さん」

何気なく語り始めた八九寺だったが、その内容を聞いて、ぶっ飛んだ。

 

神様になった彼女のリュックの中には、今、原稿用紙サイズのお札が折り畳まれて入っており、

突如来襲した悪意の塊のような、二体の付喪神属性怪異を、そのお札を使って出現させた高層建築サイズのメガ・ナメクジで、一瞬のうちに片付けたそう。

ナメクジからは、ビーム状の強烈な炎が射出され、巨体を活かしたボディアタックで一方的な闘いだったもよう。

 

見回りをしているのは知ってたけど、今、そんなことになってんの?

町を霊的に安定させるための、お飾り的な神様じゃなかったっけ?

 

メガ・ナメクジを出現させたお札の出所は、教えて貰えなかった。

「阿良々木さん、今回のはエマージェンシーモードです。普段は前と変わりません」と言われても――――は、ひとまず置いておこう。次がまた、トンデモナカッタから。

 

ヒーロー協会がその話を聞きつけて、スーパーヒロイン真宵を御神体とする北白蛇神社を応援するNPO法人設立の話まであるというのだ。

 

「――でも八九寺。ヒーロー協会ってリアルな悪に対する団体だから、怪異は管轄外なんだろう」

 

「そうですねぇ。ヒーローでは対処不能だから管轄外だったって感じでしょうか

「怪異を人間が確実に視認したり、確認することは困難です

「でも、邪悪な怪異は実在する。ヒーロー協会は悪の排除された社会を標榜する団体ですからね

「邪悪な怪異を潰せる存在を知り。それで、お話があったんですよ、阿良々木さん

「私は怪異にも人に害をなす者と、そうでない者がいることをお伝えしました

「そして、『人助けになるのなら、ご協力します』と返答したんです

 

八九寺。噛めよ。ふざけろよ。なんで急に真面目キャラっぽくなってんだよ。

(それ、こよみリバイブの時のキャラだろ)

 

「それに、羽川さんからも相談されてたんです。

ほら、羽川さんがやってる人助けのNGOですよ。

そろそろ、軌道に乗りそうなので『旗揚げの時期』らしいんです。でもフラグの柄に悩んでおられたんです」

 

「フラグのガラ?それ何のこと、八九寺」

 

「旗揚げするNGOの体裁(ていさい)ですよ。羽川さんのNGOは怪異問題に対する実力はあります。ゴーストバスター貝木さんも実動要員ですし、阿良々木さんを通じて斧乃木さんも動けるんでしょ。でも実力だけでは活動資金が不足してしまいます。

無名の羽川さんが代表の『普通の人助けのNGO』ではダメなんです。いつまでも羽川さんが資金稼ぎでジェットセッター的なことやって、海外にいる時間が長いのは、NGO活動に支障が出ます。

そこで、ヒーロー協会から打診があったとき、羽川さんにお会いして、ご相談して決めました。

羽川さんのNGOを法人にしようって!その法人は私を御神体とする北白蛇神社を応援するNPO。

つまり『北白蛇神社を応援する会』というNPO法人を設立して、人助けをしようって!」

 

「…………………………………………」

 

「宗教法人じゃないですよ。あと、人助けをする神を信仰する会だと、羽川さんの本意から離れちゃいますし、NPO法違反にもなります。

だから、駆け込み寺ならぬ、お助け神社を応援するNPO法人です。

あとは、普通に御神体を祭る神社が、突発的に不可避的に助けるんです。

(不可避的で突発的ではないところが重要なんですよ)

神が勝手に助けるのですから、もう法律の及ぶところでは無くなります」

 

―――――人は勝手に助かるだけって話もあったな……

 

「もちろん、私が動く必要がない場合は、羽川さんのNPOの力だけで事を片付けます。

私はフラッグシップの船そのもので、指揮官兼参謀は羽川さんです。適任だと思いました」

 

フラッグシップか、戦艦長門みたいでかっこいいな…………なんか誘導されてる気もするけど……手伝ってる夜戦向きの僕は、何なんだろう?…………八九寺に聞いても『阿良々木さんですか……【まるゆ】あたりですかねぇ、あっはははははははは……』で、終わりそう……―――――

[この爆笑はキャラコメで、忍に対しての限定かも・かれんビー6、7話]

 

「ヒーロー協会の方とお会いするのは、羽川さんにお願いしました。私が出るわけは行きません。

すんなり決まりましたよ。あそこの資金は潤沢です。必要資金をポンと寄付して頂く話になりました。基金も作って頂けるそうです。このNPOを、向こうのイメージアップに繋げるようです」

 

「…………八九寺。それ、悪いプロデューサーか、インキュベーターの策略みたくなって無い?」

(奇跡を売って歩いている、某マスコットキャラみたいとは言えない……)

 

「阿良々木さん。境内で私の絵馬やらグッズを売って儲けようって話じゃないんです。神が加担して換骨奪胎するのですから、Win-Winのさらに上を行く、素晴らしい話になるんですよ!」

 

「そうか、じゃあ、目覚まし妹の阿吽像が境内に作られたりする、悪夢のような状況にはならないんだな。納得しよう」

 

「阿良々木さん。目覚まし妹の阿吽像なんて私、知りません。見たことも無いです。

理事や監査や社員はヒーロー協会の方にお任せしました。書類上、羽川さんのNPOの本部は、ヒーロー協会と同じところになります。

羽川さんが20歳になったら代表理事に就任します。

乗っ取られる心配はありません。私がNOと言えば全てNOですから……。

活動実体は本部に数名と、この町の羽川さんの事務所と、この私がいる北白蛇神社です。

正式なNPOのスタート日程が決まるまで、羽川さんは阿良々木さんに話さないつもりみたいでしたが、私は嬉しくて、我慢できずに話しちゃいました」

 

ビックリしたけど……羽川の希望が、実現したんなら僕も嬉しい、八九寺の望みでもあったのだろう……(本当に理事になるとソウルジェム・アダルトver.が届くといった話ではなんだよな) でも、ひとつ浮かんだので聞いてみた。

 

「臥煙さんは何か言ってた?」(八九寺神化の発案者だ。少し気になる)

 

「羽川さんの携帯にヒーロー協会の方とのお話が終わった途端に『おめでとう!前途を期待する』みたいなメールが入ったようです。

本当に何でも知ってる方です。

まあ、町の安定に寄与することはあれ、損なう要因はありませんでしたから、相談もしなかったのですが」

 

「そう……そうだろうな。――ところで『スーパーヒロイン真宵』ってどんなビジュアルなの?」

 

「阿良々木さん。やっぱり回路のどこかショートしてます?ビジュアル、変わるわけないでしょ。神様はコスプレしません。まったくもう……まったく。それからですね、まともな神様ですから。キレてた撫子神と違って、そんなに簡単に姿は見せませんよ。

羽川さんがヒーロー協会からリンクを張ったNPOのホームページで、活動報告のブログやりますけれど、私の映像はありません。活動実績があれば十分です。

神様はミステリアスな方がいいんです。それに、下手に映像が出回ると大変なことになる可能性がありますよ。ラギコさん」

 

「いきなり僕のフルネームから、頭と足の部分を奪うな!八九寺」

 

「失礼!全国から阿良々木さんのような方が、押し寄せる事態になったら大変だと言っています」

 

「どういう意味だ」

 

「斧乃木さんも先日、言ってましたよ。なぜ鬼いちゃんが僕に優しいかの見事な推測を!」

 

「何だと!―――――……」

でも、そういうのは、みんな誤解だと論破する、糸口すら思いあたらない…………………………「八九寺。どのあたりまで、お前は行けるんだ。テリトリーとかあるの?」と、無理やり話題を変える。

 

あっさり引き下がる神。

「テリトリーはこの町です。元々信仰のあった地域と、今の行政区分が偶然一致しているんです。

でも短時間だったらこの町を離れても、神として活動できますよ。

どうしても、という依頼があったときは斧乃木さんに、頼むことがあるかもしれません。そのときは、よろしく」

 

「アンリミテッド・ルールブックで斧乃木ちゃんと一緒に高速で飛来した神が、お札を展開するのか――――いきなり上空から巨大な神の使いのナメクジが、強烈な炎を浴びせながらボディアタックをかまして来るんだもんなぁ――――そんなの絶対に食らいたくない……

――――我が妹、月火並の凶悪さだな。『怪異でもしねーえよ、そんなこと』ってやつか……」

 

 

                                      

                           

 

 

             

                                    ……うけけけ。

 

                                      

                           

 

 

             

 

                             …………わけがわからないよ。

 

                                      

                           

 

 

             

 

                                  ………………そう。

 

 




※2015/12/16 業物語が2016/01/15刊行予定となりました。
暦物語のアプリ配信、化物語オーディオコメンタリー付き再放送も1月からです。映画に連動して一気に来ますね。でも劇場版3分割は勝負してる感じで、戦略が失敗しないことを願っています。
劇場版3部作は1年間で公開予定となっていますので、今後も再放送や終下、続終のアニメ化、業物語の次の作品発表も予想されます。楽しみです。


 


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【8】愚物語 つきひアンドゥトロォワ(「つきひアンドゥ」創作続編)

愚物語「つきひアンドゥ」の創作続編です。
「つきひアンドゥ」終了直後から始まります。
先に「つきひアンドゥ」をお読みでない場合は、
完全に意味不明となりますので、ぜひ原作(もしくはアニメを視聴)を読まれることを、お勧めいたします。



阿良々木月火こと、しでの鳥についての観察報告。

その2762――――文責・斧乃木 余接。

また僕。僕だよーん。いえーい、ぴーすぴーす。

 

 

 

垂直ジャンプによる高高度から落下の最終盤、僕が対象を見定めながら軌道修正していると、着地予定地点に見慣れた車が接近し、止まった。

僕が、倒れ伏す月火の真横に着地すると、車から転げ出て、慌てふためく鬼いちゃんが喚いた。

「つっ月火!どうした?なぜ壁から?けがは?家が消えたぞ!」などと……色々……

まあ、それはそうだろう。

なにしろ車で自宅の近くまで来たら、2階の壁を突き破って、月火らしき物体が道路に落下。

彼女の数メートル手前で、急停車してドアを開けると、まるで彼女を吐きだしたかのような自宅は、急激に視野から失せ、車を降り数歩の内に、家があった場所が更地になったのだから……

 

「やあ。鬼いちゃん!お早いお帰りだね。」と、声をかけてみるが返事は無く、意識を失い仰向けに倒れている、月火のあちこちを触っている最中だった。

暫くして鬼いちゃんは、一度自宅跡に視線を向け、次に僕を見て、「何?影縫さんの襲撃-?」と、怒っているのか、泣いているのか、区別がつかない顔、でも、驚いている事だけは確かな声で言った。

 

「違うよ。鬼いちゃん。」プロフェッショナルである僕は静かに告げ、しでの鳥を観察する。

壁を破ったのと、道路に激突したときの傷は既に完治して、気絶だけのようなので、僕はお姫様だっこで月火を抱えると、「危険は無いよ。急いで鬼いちゃん、結界を張るから付いてきて。」と言って、彼の自宅へと足を向けた。

そして、ついさっきまで塀のあったあたりをまっすぐ進み、更地へと這入り込みながら、お札10枚ほどを空中に投げた。(お札は敷地の、外周を取り囲むように落下し、結界を形成した。)

 

 

 

――――かつて、それは「家」だった。

 

今、直径2メートルほどの黒い球体となって更地の中心にめり込みつつあった。

 

更地を少し進んで、比較的平坦な場所に月火を横たえると、黒い球体にゆっくり近づいてみる。

鬼いちゃんも、おっかなびっくり3歩ほど後を付いてきた。

やはり熱気や異臭も感じない、音すら発していない。

 

鬼いちゃんが、後ろから聞いてくる。「何これ。落ちて来たの。家はどこ行っちゃたんだ?」

 

「鬼いちゃん。この黒くて丸いのが元は家だったものだよ。」と言い終ったころ、さらに収縮し続けていた球体は、直径1メートルほどになっており、僕の言葉を聞いても、訳が分からず凝視している、鬼いちゃんの目の前で、さらに収縮を続け、地面にめり込みつつ、80㎝、60㎝と縮み続け、ハンドボールぐらいと思っている間に、野球の球ほどになり、自重で地面にもぐり込み、見えなくなった。

上から覗き込んだ瞬間、逆円錐形の窪みの底に、黒い小さなものがチラッと見えたが気がしたが、何も無かった。月火が壁を突き破ってから、僅か3分ほどだった。

恐らく針の先よりも小さくなり、地球の中心めがけて、落下して行ったのだと思う。

 

あれだけ収縮しながら、まったく発熱しないなんて、物理法則を完全に無視している。

マイクロブラックホールなんてものにも、なりはしないだろう。

木造2階建てだったから数10t、いや、あの風呂の大きさを考えると100t近かったかもしれない。

その「家」が完全に消滅してしまった…………そう。あの一瞬の後にだ…………。

 

 

 

――――また、部屋に戻ってきた阿良々木月火が、昨日と同じ叫び声をあげ、僕が、『正義の魔法少女、パート2。次は死んでも失敗しない。』と決心した瞬間。――――阿良々木月火の髪が縮んだのだ。ズズッと10㎝ほど……。

いや、一瞬、縮んだように見えたが、実際はそうではない。髪が伸びるのと逆に、毛根方向へ髪が戻ったのだ。(髪を戻すなんて、怪異でもしねーよ、そんなこと。)

阿良々木月火の顔、体は、叫び声をあげ終えた時点から、フリーズしたように動かない。髪だけが、頭に吸収されるように戻り、

約0.5秒……『猛烈に嫌な予感』に襲われた僕が、『アンリミテッド・ルールブック・離脱版』の『アン』を言ったあたりで、

何の予備動作も無く、阿良々木月火は、数歩部屋に這入った状態から空母のカタパルトで打ち出されるように、高速で真後ろにぶっ飛んだ。

同時に僕は能力名を急遽、短縮版に切り替え、真上に最大スピードで脱出した……。

 

 

……まさに間一髪。 (後から気付いたがブーツの先2ミリほど持って行かれた) 阿良々木家は黒い球体になっていた。

 

ここで『猛烈に嫌な予感』の理由に気づく。

違和感。

こんなはずは無い感だ。

阿良々木月火が体を修復し、トラウマとその原因の記憶も、自動削除して復活した後、数日間に再び彼女が、『あっと驚くシーン』に出くわした場合、そのままパート2に進めると、考える方がどうかしている。

『ループ回避機能』を『しでの鳥』が有していないわけは無いのだ。

 

しでの鳥は世にも珍しくはあるが、悠久の時を超え、延々と生き続けている。

全滅を量で防ぐタイプではなく、質で防ぐタイプ。

少数精鋭なのだ。やすやすとループに陥るはずは無い。

 

考えてみれば簡単なことだった。

仮に、しでの鳥を抹殺しようと、考えた人物なり専門家がいた場合。殺されて、トラウマと、その原因となる記憶すべてを消去し、せっかく元気に復活したのに、パート2に進まれてしまったら、パート3・4・5・6と、しでの鳥を本当に抹殺する方法を、探索・研究されてしまう。研究され尽くしてしまう。ループを繰り返していたらパート1000だってありえる。

専門家はあきらめない。あらゆる方法を試され、結局、しでの鳥は本当に、抹殺されてしまったはずである。

 

ところが、しでの鳥がループを繰り返して、殺された記録はない。ループをすることさえ、知られていないということは、これまで、それを一度も観察されていないということで、観察者が存在しなかったということは――――、ループ時は観察者も消去されていたということに他ならない…………。復活して間もない月火を、あっと驚かせてはいけなかったのだ。

 

 

 

黒い球体が完全に見えなくなったのを確認。家一軒、急に消え去ったら騒ぎになるのだろうが、結界を張るまでの僅かな間の出来事だったので、鬼いちゃんしか目撃者はいないようだった。

 

鬼いちゃんの元に戻って、昨日からの説明を始めようとしたところで、観察対象が起きだして、「あ。正義の魔法少女☆斧乃木ちゃん!なめくじ、どこ行っちゃったの?」などと言っている。

やはり、記憶は戻ったようだ。時点指定記憶回復。

ちょうど最大トラウマ、己が死亡する直前の記憶あたりまで戻ったのだろう。

全てを無かったことにして、記憶を死亡直前まで戻したのだから、逆に今日起きてから、さっき僕に会うまでの記憶は無いはずだ。

 

話がややこしくなるので、「やあ!月火ちゃん。たった今、お兄ちゃんに自己紹介を終えたところだ。きみを突き飛ばして、モンスターの落下地点から避難してもらってから、モンスターは片付けたよ。きみは軽く頭打ったみたいで、気を失っちゃったから、見れなくて残念かも知れないね……でも、きみの大活躍をお兄ちゃんに、お話してあげたら?これから僕は、本部に連絡しなきゃ」と言って、鬼いちゃんに月火を押し付け、

「お兄さん、ちょっと携帯を貸してもらえるかな?」と鬼いちゃんに言い。鳩が豆鉄砲食らったような顔をしながら、ポケットから携帯を出した鬼いちゃんから、携帯を奪い取ると、ふたりから少し離れたところまで歩いて、携帯を使う振りをしながら考えをまとめた。

 

 

しでの鳥は『ループ回避行動』を発動したのだ。引き金は『驚きと既視感』に違いない。

復活からしばらくの間に『きゃ、きゃあ!』などという驚きを感じ、その驚きに既視感が引っかかった場合のみ、まず発動するのだ。あの髪の巻き戻しが…………。しでの鳥の髪は、間違いなく外部記憶装置でもあるのだ。

既視感-デジャヴは体験したことがないのに、すでにどこかで体験したように感じる現象で、『体験のインデックス』はあるように感じるが、リンクするはずの『記憶本体』に繋がらない状態といえる。

『体験のインデックス』は脳の中で『記憶本体』とは少し違う場所に保管されてるので、トラウマの『記憶本体』は消去されている「しでの鳥」にも、『体験のインデックス』だけは残っており、このような場合、既視感と認識すると思われ、それを利用している。(既視感を利用するのは、復活からしばらくの間の驚きだけで、髪の巻き戻しなどという非常行動ばとれないので、安全策として、復活からしばらく期間・驚き・既視感・の3セットとしているだろう。高確率で同シチュエーションとなる)

 

月火の髪の何センチに、どれだけの情報量が書き込めるかは決まっていて、普通の人間の髪の伸びるスピードでは、書き込む情報量から見て不足なのだろう。だからあんなに早く髪を伸ばし、髪に記憶を織り込んでいるのだ。月火の髪の伸びるスピードは、オーディオコメンタリーとかいうのを参考にすると、約100日で135㎝だから10㎝は約1週間だ。10㎝、1週間の外部記憶を読み込んで、己の脳の記憶と自動的に照合し、検討するのだろう。

危険なトラウマになりそうな記憶本体は、万が一にも思い出しはいけないので、脳から消去してしまうが、髪の記憶はそのまま残っている。

2つを比較すると何が起こったか、明らかになるので、回避行動専門の月火人格が検討して、回避すべきループ状態に陥っていると判断すると『ループ回避行動第2段目』を発動する。

 

己の周囲を、空間ごと閉じ込め消去し、己は空間が閉じる直前に高速で、その空間から脱出するというものだ。

プロフェッショナルである僕だから、辛くも閉じ込められなかったが、大抵のボンクラは消去されてしまうだろう。閉じ込められ、圧迫・圧縮され点となり空間から消え去る…………

 

そして、今、トラウマの根幹である、死以前までの記憶は、戻されている。

『ループ回避行動第3段目』に移行していると見るべきだろう。

死亡直前まで記憶を戻した上で活動して、意識の裏側でループ回避システムは、自分が死なないかチェックしているのだ。

この段階に移行した、しでの鳥がノーマルモードに戻る前に死亡した場合。

考えるのも恐ろしいが『ループ回避行動第2段目』とは比較にならない規模で、空間の消去か焼却が発生し、しでの鳥自体も寿命が尽きたと判断して、『転生』してしまうのだろう。

 

観察者としては、『ループ回避行動第3段目の結末』も観察してみたい衝動に駆られるが、そこまでは命令されてないし、さっきチラッと見た鬼いちゃんの車のシートには、アイスクリームの袋が載っていた。

今は、あの中身を月火に奪取されることなく、ロリコンから巻き上げることに、身骨を砕くべきだろう。

なにしろ、しでの鳥が『ループ回避行動』をとることが初めて観測されたのだ。

もう十分ともいえる。

 

電話をする振りから、本当に通話に切り替えようとした瞬間、メールが着信した。臥煙さんからだった…………。

――――『余接へ すべて手配した 臥煙』―――― の一文だけのメール…………。全部ばれてたらしい…………。

 

まあこれで、ロリコンの両親はどういう訳か、今晩家に帰れない仕事が発生し、家もこれから派遣されてくるプロの手腕で、結界の張られた内側で、一晩で再建されてしまうのだろう。再生が面倒な昔のアルバムが、原因不明の行方不明になったりすることは、あるかもしれないが…………

 

月火には、『お家、なぜか壊れちゃったけど、これから魔法で直すから!』とでも言うことにしよう。全部終わったら『イノセンス』のガイノイド素子魂抜け並みの演技で決めて、元の次元へ魂が召還されたことにしよう。

などと考えつつ、兄妹の方に歩いていくと、阿良々木月火がこちらを見て叫んだ。

「斧乃木ちゃ~ん!お兄ちゃんが『正義の魔法少女って何だ!ふざけるな!』って全然話聞いてくれないんだよぉ!斧乃木ちゃんがお話してよぉ~ それに、ここ、モンスターがいた公園じゃないよねぇ。どこー。夜で暗かったのに、あっかるーい!」

 

 

 

後日談。阿良々木月火が壁を突き破って落ちたあの日。

鬼いちゃんが、何でいつもより早く帰ってきたかというと、臥煙さんから『今日はアイスでも買って、早く家に帰るように』という内容のメールが、届いたかららしい。

 

八九寺さんも『話した記憶は無いのですが、あの方は私のリュックの中のお札のこと、知ってるみたいなんですよね~』って言ってたし、

プロフェッショナルである僕は、この観察報告の作成を続ける必要があるか否か、ベットの上でアイスを食べながら、真剣に考えていた。

 

 

 

 

 

 




「つきひアンドゥ」発表後、Wikiの『しでの鳥』の欄にも――――生きていくのに問題になるようなトラウマが生じた場合、その原因となる記憶も含めて消去される(原因まで忘れるため、同様の行動を繰り返す場合もある)と記述され、
「それ、珍しい怪異として問題すぎる。解決策持ってるはず!」と思っていたので、『撫物語』刊行記念に書いてみました。
こう考えると専門家以外、たとえばサイコ・キラーに囚われての、無限ループの可能性も消えましたので、ほっとしてます。
(Wikiからもしばらくして削除されました)

「つきひアンドゥトロォワ」は偉大な日本人SF作家の作品へのオマージュでもあります。








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【9】「続・終物語」『こよみリバース』ネタバレ

[詳細なネタバレ] をお届けします。

 

 

 

『おうぎダーク』完結の翌日からの話です。『おうぎダーク』で本編終了の雰囲気なので、

ファンディスク的な作品です。ファンディスク的に評価すると、だいぶ評価高いです。

登場するはずのない人物の発生率が凄いです。

こういう企画でなければできない作りになっていますので、貴重な作品とも言えます。

 

相変わらずの傾向として暦以外男性出てきませんし、その暦まで女装します。

(ネタばかりで構成されている感じで、笑いどころ満載です)

 

 

※以下完全なネタバレとなりますのでご注意ください。

 

 

3月16日、火憐ちゃんと月火ちゃんから、もう高校生ではないのだから一人で起きるように宣言され、ベット上で揺り起こされることもなく、スタートした物語ですが、暦が顔を洗い、しばらく鏡に映らない状態であった為、久しぶりにじっくり自分の顔を見た後、鏡の中の自分から視線を外しても、鏡の中の自分は視線を外しません。

「え、あれ?」無意識に鏡に手を伸ばすと、どぶんと触れた指先がその表面に食い込み、紫色に染まった鏡にのみ込まれたように感じたすぐ後―――身長150cmに足りない火憐ちゃんが登場し、棒読みでなく喋り、決め顔をする斧乃木ちゃんを目撃し、影の中の忍も返事をしてくれないので、だったら八九寺真宵大明神がいるじゃないかと、違和感だらけの現状を理解するために、北白蛇神社に行きます。4円お賽銭箱に入れ、お辞儀をし、がらんごろんと鈴を鳴らしますが神様は出てきません。

 

やっぱり、お散歩中か……

 

踵を返そうとしたその瞬間――

 

「阿良々木くふぅ―――――――ん」と。

背後から体当たりをするように抱き付かれ、押し倒され寝技に持ち込まれたので、暦は「ぎゃー!」と悲鳴を上げます。

体格は同じくらいだが、あっという間に全身に及ぶ関節技を決められ、

「逢いに来てくれたんだ、嬉しい」

「ぎゃー!」

密着した状態で加減なく頬ずりしてきて、さながらナメクジに全身を這われているような感じで気持ちが悪い。

「嬉しい、嬉しい、嬉しいー!え―ん、寂しかったよー!神様になったはいいけど、ちっともお客さん来てくれないしさー、もー、おねーさん、神様なんてやめて山を下りようと思ってたんだー!ええい、もっと抱きつかせて、もっと愛させて、もっと舐めさせてー!」

「ぎゃー!ぎゃー!」

「もう、暴れないでってば、全部おねーさんに任せてくれればいいから!優しく奪ってあげるから!」

「ぎゃー!」の流れ。

 

おねーさん?唯一動かせる目線で確認すると知った女性だったので、目の前にあった耳たぶを噛んでみる。

「がうっ!」

「いやんっ!」と離れたのはすらっとした長身、整った顔立ち、成長した胸を強調するように腕組みをして立つ、21歳の真宵おねーさん神様でした。

 

初めは暦のことを「阿良々木くふぅん」と呼んでいた神様から得られた御神託は、

『君は鏡の中へ来たんだよ』というもので、

 

「そ、そんなゆるい企画で大丈夫なんですか!?」と読者も言ってしまいそうです。

(しかし、一見反転した鏡の世界のようですが、月火が着物の合わせが逆になっていただけで、

他に変化がないのに始まり、矛盾だらけです)

 

 

映像化向きの作品ですよね。

まず、身長150cmに足りない火憐ちゃん。

決め顔の斧乃木ちゃん。

なめくじのように体を絡めてくる21歳八九寺神。(見た目、すらっとした長身、整った顔立ちで、原作の行動では暦に対しては、文字どおり痴女なのですが、そうは見えないので助かります)

 

 

八九寺神はこの世界には吸血鬼はいないことを知っており、

八九寺神から示された解決策は『鏡の向こうの世界のキスショットに助けて貰うしかない』というものでした。あと他の神様にもあたってくれるそうです。

 

 

暦は神原家の例の檜風呂が、鏡繋がりでゲートに使えそうと思いつき、神原家を訪れたのですが存在したのは、暦が予想した変態ではない神原ではなく、なんとレイニー・デヴィル神原でした。

(これは私も想定外で大受け)

 

壁走りから大ジャンプで暦の前に回り込んだ、レイニー・デヴィル神原に撲殺される直前、掻っ攫うように救ってくれたのは、ブラック羽川。

 

次に暦が目を覚ましたのは浪白公園。マウンテンバイクごと運んでくれました。

 

このときのブラック羽川は可愛くて良いのですが、情報的には『神原家を再訪するのだったら相棒と一緒に行け』だけで、猫らしく何処かへ行ってしまいます。

暦はやっぱり斧乃木ちゃんに相談しようと自宅へ戻るのですが、居たのは児童老倉がそのまま阿良々木家で成長した幼馴染老倉。(原作のVOFAN箱絵になってます)

 

「なあんだ、暦か。どきどきした」とノーブラのキャミソール、ショートパンツで階段を降りてくるシャギーショートの育の可愛さは、終物語上とのギャップのせいで破壊的です。

 

親しげに話しかけてきて、肩を並べて数学パズルを解きますが、伏線みたいに『こんなの、全部嘘だって思ってる』と発言後、シャワーへ。(からかうように一緒にどう?と誘われますが、怖いですねえ。殺人レベルです)(同じ年の高三の幼馴染が懐いてて素直で可愛くて同居してるなんてどんなラノベでしょう)

 

斧乃木ちゃんは不在で専門家らしく動き出したと暦は直感し、事態の深刻性を認識して再び北白蛇神社へ行きます。

 

そこで待っていたのは、真宵おねーさんと引退クチナワさんでした。 (ビジュアルは暦曰く、千石誰子) 服は撫子の中学の制服である特徴的なワンピースで、髪は真っ白なベリーショート、顔つきは撫子が野性的に成長過程にあるかのようなもので、声質は撫子なのですが、口調はクチナワさん。(どうでもいい注釈ですが、原作ではここでまた真宵おねーさんに押し倒され、暦はクチナワさんのワンピースの中身を目撃しています。ワンピースの中身が好き過ぎます。[アニメ化物語つばさキャット最終話を、原作者が見て悪乗りしたことにより、怪異系のワンピースの中身はアニメの設定と同じであり、つばさキャット最終話と同じってことになってます《怪異系でワンピース着てるのは今のところ忍と神撫子だけ》] まあ、暦自体は撫子は対象外なのですが。

(アニメのワンピースの中身の設定・伝説のワンカット [数フレームだけなのでコマ送りにしないと確認できない] 自体はほとんどの人が御存じだと思いますが、先日驚いたのは、『おうぎダーク』一挙の前に放送の編集された、つばさキャット回想でもそのままだったことです。影から現れて高速移動しながら、ブラック羽川を襲う忍をコマ送りすると、伝説が健在です)

(ちなみに例外となっている、こよみトーラスでの忍のレギンスは、脱ぐためだけに履いて登場)

 

お供え物の酒盛りの後、ここは【裏返った世界】だと教えられます。

(だから裏表のない月火はそのまま)

あと、クチナワさんは『しかしまあ、猫の動きは気になるから―――』と意味深なことを言って黙ってしまいます。

 

21歳八九寺に泊っていかないか聞かれますが、自宅に帰ります。しかし、育と同室、二段ベットでした。(マジでこれはありえません)

暦は自分は一階のソファーで寝る提案をしますが、甘えた感じで拒否されます。(怖いです)

まあ、北白蛇神社に泊ってしまうと、ノーマル斧乃木ちゃんがスムーズに迎えにこれないので仕方ないところでしょうか。

二段ベットの上の育と話してみますが『一般的な鏡で反射率は80%、いくらかはどうしても、鏡面が吸着しちゃう』と、実は重大な伏線に言及したところで、育はすぐに眠ってしまいます。

そして、ノーマル状態の斧乃木ちゃん登場。

 

ここで、斧乃木ちゃんが違和感を持って動き出した理由が、具体的に書かれていて笑えます。

 

「あれ、あの鬼いちゃんが僕のパンツを脱がせもせずに去って行った?ありえない」

 

「僕の胸を使ってやるいつもの奴も、そのときやらなかったのも、気がかりだった」

(ギャグとしてもアンダーグラウンド過ぎる性癖設定ですね。ほんと)

 

そこで斧乃木ちゃんはパフォーマンスをフルに発揮できるように性格をぶらして、結果、今の暦にばっちりアジャスティングしてきたわけです。(流石です)

キスショットの所へ連れて行ってくれるというので、暦は忍の所だろうと思うのですが、

実際は『お城忍』の所へでした。

 

そして、中に居たのは何と人間のキスショット『うつくし姫』。顔をじかに見るだけで見たものが自殺してしまうキスショットです。

 

助力者を得るようにとの助言を薄手のカーテン越しに貰いますが、お話して威光に当たるだけで限界が来て、斧乃木ちゃんが例の技で脱出させてくれます。

 

 

その後、相談して翌日斧乃木ちゃんと、神原家を再訪する計画にするわけですが、

ここで鬼物語で原作者がやらかした、南極に白くまは存在しないのに居たことにしてしまったことへのフォローが入ります。(気にはしていたのですね)

曰く、この世界では『南極では暴力陰陽師がペンギンと戦っているかもしれない』……

 

 

翌朝も陽気なボディアタックで暦を起こした育が、その後、頭を抱えて悩んでいたり、

パンツ一丁の月火に二人羽織状態で顔を洗って貰ったりでサービス満点です。

伏線がまた挿入され、洗面台に貯まった水に映った暦の顔がにたりと笑います。

 

 

神原家に到着し、斧乃木ちゃんがレイニー・デヴィル神原相手なら、五時間は時間を稼げると請け合い、暦は例の檜風呂に向かいます。しかし、思惑と違い、水面からはなにも得られませんでした。毒食らわば皿までというなら、もう皿は食べてしまったようで、こうなったら、いっそフォーク、ナイフ、テーブルまでと、脱衣して入浴します。本来入浴中の伝承なので、そこまで試してみたのですが、「ふう、気持ちいい……じゃねーよ!」となっただけでした。

 

 

すると突然、がらりと木戸が開けられ、現れたのは、全裸で前も隠さない、見た目若すぎる臥煙遠江でした。(駿河の母登場って、どんな展開だよ!)

 

駿河の先輩と自己紹介して、二人で湯船につかり、暦の視線を感じた遠江さんは、あらぬことに「わかったわかった」「あとで抱いてやるから私の部屋に来なさい。いいか、駿河には内緒だぞ」などと発言なさいます。フリーダム過ぎます。忍並です。

(このままではダスティン・ホフマンの《卒業》になってまう)

 

そして背中を洗ってもらう展開になり、ごしごしされる暦でしたが、正面の鏡には遠江さんの姿はなく、いつの間にか手で直接がりがり洗ってくれていて、洗い流してくれたお湯がしみ、出血していそう。遠江さんは『私は排除したが、扇ちゃんは暦の相棒である』と言い残し消えます。

背中にナオエツコウコウのミミズ腫れを残して……

 

 

脱出した後、浪白公園で、時間稼ぎをしてくれていた斧乃木ちゃんから、「人妻と風呂に入る奴があるか!ぶっ殺すぞトンチキ野郎!」と罵倒されますが、ミミズ腫れは既に消滅していて、話自体は半分疑われます。

 

結果、斧乃木ちゃんはキスショットとブラック羽川をもう一度あたることになり、

暦は直江津高校に行くにあたり、高校生の服装をするためにいったん自宅へ戻ります。

 

しかしクローゼットにはセーラーブラウスとスカートしか入っておらず、

黒ストッキングを履いた「女装の暦」が完成し高校へ向かいました。

 

 

そのころキスショットと面会したものの収穫のなかった斧乃木ちゃんは、次にブラック羽川を探すにあたり、暦にクチナワさんがブラック羽川について、何か語りしぶっていたのを頼りに北白蛇神社にジャンプしたものの、驚いたことに21歳八九寺+クチナワ+6歳ロリ羽川がいて、三人で酒盛りをしていました。

 

「羽川翼にゃん?にゃはは」「相棒の存在に気付けば初日で終わっていたにゃん」

「相棒が手違いで閉じ込められちゃってややこしくにゃった。にゃはは」「だから俺がちょこまか動くことになゃったんにゃん……ごろごろ」

の言葉を耳にし、直感的に斧乃木ちゃんはもうここで三人の酔っ払いと一緒に待っていればいいのだと理解しました。

 

その理解は達成感には縁遠く、喪失感さえ伴うのが斧乃木ちゃんの実感だったようです。

「まあいい」と、斧乃木ちゃん――――――――――――――さあ、ここから一気に畳みます。

 

(原作では6歳羽川は猫耳との記述は無いのですが、6歳羽川に猫耳まで付けると

くどくなる、との配慮でしょうか?猫耳でも良い気がします。お酒飲んでますし)

 

 

直江津高校の教室に閉じ込められていた扇ちゃんと話始める暦。

 

セーラーブラウスとスカートは暦に対する扇ちゃんのいたずら・危機感喚起でした。

洗面台に貯まった水に映った暦の顔がにたりと笑ったのも同じ。

 

 

そして事の真相は、本来、鏡に吸収されて跳ね返ってこなかった20%の光を、暦が自身がゲートを開いてこちら側へと救出した―――――『鏡の国』に来たのではなく、こちら側に『鏡の国』を引っ張ってきたというものでした。

 

一歩間違えば大惨事だったようです。

【これまでの物語登場人物】の内に秘めたもの・忘れ物・忘れたいもの・置き去りにされたもの・つまり【そういうもの】を【こちら側に】持ってきて―――――作った―――――【鏡の国】を

ということです。だから現状はこちら側が120%になって溢れちゃってる状態です。

暦はそういう事が出来る存在だと説明されます。そして扇ちゃんは安全弁として働いたとのこと。

 

この事態の引き金となったものは【暦が残した心――――残心――――高校を卒業する際の感傷】でした。―――――――ほぼ夢落ちといった話でしたね。

 

 

具体的な解決策は、扇ちゃんが閉じ込められていた教室の黒板の一部から作った【吸収率100%の鏡】に、【暦がこちらの世界に引っ張ってきた20%を吸い込む】というもの……

 

 

後日談は、翌朝にはすべてが終わっていて、暦は自宅へ迎えに来たひたぎと共に、合格発表を見に大学に向かいます。ひたぎのいでたちは高校を卒業したので逆に若づくりしてみました。というもので暦曰く『墜落してきた天女』みたい。

バス停までの道中、暦はこの二日間ほどのあらましをひたぎに語り、

実際、町全体に混沌が作り出されていたものの、その影響は茫洋としていたことを確認します。

 

ラストシーン、両足を揃えてジャンプします。

 

「カンガルーじゃない、蛙なんだ。」は

「考えるな、感じるんだ。」 ブルース・リーの名言ですね。

 

 

そして、物語の最後の四行は、

 

ずっと続いてきた物語を終えて。

思い出を想い、心残りを残し。

余韻と余白を余らせて。

僕達は次なる物語へと、ひとっ飛び。

 

 

あとがきでは【原作者自身の未練】の一冊と語られて一巻の終わりです―――――――

 

 

 

 



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【10】「余物語」『よつぎボディ』『よつぎシャドウ』(ネタバレ)

『よつぎボディ』

 

 

『よつぎボディ』で語ることがあるとすれば、リドルストーリーです。

 

解き方は単純で、羽川が登場する理由を考えれば判ります。

 

それは、羽川にしかできないことがあったからですね。

羽川にしかできないことで、暦に選択させること……

 

終物語(上)でのことを覚えていますか?

暦にどちらを選択させるかで、羽川と扇ちゃんで対立しましたね。

 

羽川の切り札は『おっぱいを触らせてあげる』

暦は冗談に乗るように『おっぱいを触らせてあげる』を選択。(実際には触ってません)

 

今回の選択では『おっぱいを触らせてあげる』の代わりに、

『ひたぎちゃんの不在時に、私とこっそり、後腐れのないデートをする』というものでした。

ただし今回は『勝利の切り札』としては使っていません。

『リドルストーリーの切り札』として使ってます。(メタな話で申し訳ないですが)

 

 

『冗談のように提示された羽川のデートへの誘いを、暦は選択しないのが答えです。』

 

 

と言われてもピンとこないかと思います。

説明します。ストーリーから選択肢の答えを考えると、『最善を目指さない限りは、次善にすらならない』を実行している羽川だからこそ、『毛布の有無は大切』なので、リドルストーリーの選択は明白です。

 

 

作者の読者に対するメッセージは『虐待が虐待を生む負の連鎖から目を背けてはいけない。たとえ最善を目指して最低になるのが世の常だとしても―――最善を目指さない限りは、次善にすらならない』です。

 

物語は成長譚ですが、暦の成長を正面から描いたのでは恥ずかしすぎますから、

リドルストーリーで、提示された羽川との後腐れのないデートを暦が選択しない事を、

読者に選択させることで、暦の成長と作者のメッセージを考えてもらおうという事です。

 

ご理解いただけたでしょうか。

 

本編の詳細は過酷な虐待描写になりますので控えます。

 

 

翼と暦の謎かけで、正直良い話だな思ったのは「結物語」『みとめウルフ』です。

※ご注意:「結物語」『みとめウルフ』のネタバレも含みます。

「結物語」で翼は『世界規模のテロリスト』なるものに成長しており、命を狙われています。

殺傷兵器を使うテロリストではないのですが、翼はそのカリスマ性・頭脳・行動力で、地球上の国境線を消すことに尽力しているからです。

平和目的のその行為のどこがテロリストかというと、現在世界一の軍隊・パワーを持つ国家の実体は巨大な軍産複合体です。

(世界の列強の国々の実体も似た様なもので石油・レアメタル・農業産品・電子テクノロジーを使い覇権を争っています)

その立場から見ると「地球上の国境線を消す行為・隣り合った国の軋轢を消し去る行為」は彼らの存在理由を根底から揺るがします。

それゆえ翼は世界の既得利権者から敵とされ、抹殺が企てられています。

 

そんな翼が日本を訪れることになり、翼の過去の関係者とされている暦は危うく国外退去させられそうになりますが、臥煙さんの計らいもあったようで、結局、現実路線のいつもの通りに仕事をすることに落ち着き、翼は高級ホテルで軟禁状態で十重二十重にガードされます。

 

ところが自宅に戻った暦を待ち受けていたのは、火憐のパジャマを着た寝起きの翼でした。

暦・翼・可憐・これもまた急遽帰国した月火と食卓を囲んだ後、可憐と月火は風呂に入り、翼が食器洗いの名乗りを上げたので、ふたりはシンクに並んで立つことになります。

「こうしているとなんだか夫婦みたい」の翼の言葉を際どいジョークとかわす暦ですが、洗い物を続けたまま「私は阿良々木くんに会うために、帰国したの」と翼は語り、

来訪の理由を『疲れたから』・『阿良々木くんをスカウトに来た』どっちだと思うと翼は暦に聞きます。

暦は「疲れたのだったらもう止めてしまえ。スカウトだったら丁重にお断りする」と答えますが、

翼の次の言葉は「お前の気持ちはよくわかるぜ!」ってハグしてくれたらそれでいいのに……でした。

 

洗い物を終えたタイミングで可憐と月火が風呂から上がってきたので、1時間ほどの4人でのパジャマパーティの後、翼は阿良々木家を後にします。

 

オチで暦は翼が帰国した理由は翼が帰った後、暦が保管していた翼の下着と髪が消失していたことを指摘して、それが目的だったとします。

翼は高級ホテルで軟禁状態だったので、阿良々木家を訪れたのは影武者(コピーキャット)だった。でお話は終わります。

 

「結物語」『みとめウルフ』のネタバレをいくつか見ると「下着と髪を目的にコピーキャットが訪れた」・「翼は変わってしまいとんでもないことになってる」としているものが、結構あるのですがあなたはどう思いますか?

私は阿良々木家を訪れたのは本人以外ありえないと強く思うのですが……

そして、翼の暦に対する思いも変わっていません。

高校生の頃は「俺は羽川の事が好きだったんだぜ」と後悔の念をもって語る暦に対する翼の最大限の優しさが、暦に虚ろな目をしてみせ、本当は回収する必要性の低い下着や髪を回収するという『迷彩行為』を翼にさせています。そして、優しいが故に暦を騙してくれているのです。あなたも騙されましたか?

(翼が下着や髪の回収を最優先にする人間になっており・翼は既に暦との事は過去の物として決別していて、僕はそれを嬉しく感じるという暦の考えに同調してしましたか?)

まあ、リドルストリーですから読む人なりの答えで良いのですが、作者の持つ本当の翼像を考えると、答えは明白な気がします。

 

 

『よつぎシャドウ』

 

 

『よつぎシャドウ』は叙述トリック物です。ほぼ全文がミスリード。

 

前回刊行された宵物語の第三話『まよいスネイク』は、撫子が斧乃木ちゃんによって、臥煙さんに会ってもらうよと、連れ出されます (実際に待っていたのは影縫さんでしたが) 。ラストは、『千石撫子最初の事件は、不死身の怪物、五つ首の大蛇、洗人 迂路子(あらうんど うろこ) が相手だよ――――と、臥煙さんが撫子の知らないところで、そう決めた』です。

 

今回の『よつぎシャドウ』は『まよいスネイク』と同じように斧乃木ちゃんに連れ出され、臥煙さんが現れたわけですから、普通だったら続編かなと思うはずなのですが、撫子曰く『思いっきりテストだと思います』という状況で、まったく緊迫感がなく続編であるという様子はありません。

中学卒業後、独り暮らしを両親から宣告されている撫子は、臥煙さんの友人が抱えている、所有物件の連続首つり自殺未遂の悩みを解消してくれれば、その友人が所有しているアパートを格安で斡旋してくれるという話に乗ります。

撫子はスケッチブックに現場の部屋を図画化してみますが、解決の糸口は見つからず、次に斧乃木ちゃんを加筆して『首を吊る童女』が完成したと思ったら、何と一気に畳みます。

 

部屋を事故物件にして家賃を下げるために、蛇切り縄の呪いが使われていることを看破した撫子は、呪いの総本山を捕まえる仕事を、臥煙さんから依頼されます。

そして、『よつぎシャドウ』は『まよいスネイク』の続編だったことが判明し、それが今回のオチでした。

オチのキーワードは相手の名『あらうんど』……

 

判ってたはずなのに騙されたって奴ですね。

 

微妙なのは、臥煙さんの『かつてきみを呪った昔のお友達に会って、旧交を温めてきて頂戴な』です。

 

貝木ついに登場なのでしょうか?貝木は撫子を直接呪ったりはしていないのですが、他に該当者はいない気がします。

 

続編が楽しみです。

 

※追記:2020/10/28刊行の『扇物語』(おうぎライト、おうぎフライト)の、おうぎフライトで、

ついにお待ちかね貝木登場です。

登場と言っても例のごとくラスト近くですが、『あらうんど』の意外な正体を明かします。

次の舞台は西表島、メンバーは撫子、斧乃木ちゃん、貝木とのことですが西尾さんの事です素直に進んでくれるのでしょうか?

 

 

 

 

 




読んでいただいてありがとうございます。
せっかく何かの縁でここに来て頂いたので、ぜひもう少しお付き合いください。

物語シリーズは西尾先生らしく刊行順が独特で、テレビシリーズで楽しまれた方には意外だと思うのですが、『傾物語』の次が『花物語』です。
『傾物語』でのお話のラストは、現代に帰って来て神社下で再会した暦と八九寺が、八九寺が忘れたリックを暦の自宅へ取りに行くことになり、いつものやり取りをしながら、二人並んで歩いて行くところで終わります。
そして、ここからが問題なのですが、あとがきで「この話のラストシーンから直接休憩なく、次の『花物語』に続くんですよ。」と書いてありました。
それになのにです。実はこれまでにもあった嘘予告であり、次の『花物語』の内容は暦が卒業後の高校3年生である神原の話でした。
『花物語』の次に刊行されたのが「囮物語』で、この、敢えてお話の未来を描く手法は私には楽しめましたが「暦が生存が確定していて興味が削がれる」と批判されることがあったようで、アニメで花物語は飛ばされてしまい、セカンドシーズンの放送終了後に時間を空け、スペシャル放送されることとなってしまいました。

ポンと未来が描かれる現象が原作『暦物語』でも起きました。(今度はアメリカドラマ的なブッタ切りですが……)『憑物語』刊行時、題名だけ予告されていた『続・終物語』の副題は、「暦ブック」でおそらく内容は『暦物語』の1話~10話のように、もう1度色々あって描き切れなかった、高校3年生の1年間を別角度から振り返るものだったはずです。
しかし、『続・終物語』で副題「暦ブック」と、いかにもファンブック的な題名で1年間を振り返る予定は破棄されました。
[これは終物語(中)の執筆の見通しが付いたためではないかと推測しています。傍証として終物語(中)刊行直前のインタビューで、この本の内容は書こうとして何度も挫折したものであることを西尾先生は明かしています。本来セカンドシーズンの序盤で【学習塾ビル消失の真相】は書かれるはずだったのですが、伸びに伸びてしまったわけです。]
結果、刊行予定とされていなかった『暦物語』が『憑物語』のあとに刊行され、『暦物語』の内容は副題「暦ブック」の『続・終物語』の内容を移植 (もう1度1年間を振り返るもの) になり、11話・12話が予定とは変更され、11話で影縫さんが行方不明になり、12話で臥煙さんに暦が心渡りで切られ死亡します。そして、死んだはずの暦の前に、死んだはずの八九寺登場……。超クリフハンガーなのですが、続いての刊行の終物語(上)では、老倉さんが登場する過去編になり、未来のクリフハンガー状態はそのままです。

そこで『暦物語』の続きが気になりすぎた私が書いたのが、『皆既物語』【1】「こよみリバイブ」【2】「こよみスラップ」です。当然、本来の続きである『終物語(下)』より先に、ここに載せました。至らない作品ですが、よろしければ【1】「こよみリバイブ」だけでもお読みになっていただければ幸いです。
長いのが苦手な方は、【8】 愚物語「つきひアンドゥ」の創作続編「つきひアンドゥトロォワ」・【6】 「するがボーンヘッド」の創作続編「するがボーンヘッドリターンズ」が、短くサクッと読めるのでよろしくお願いします。

その後、ご存じのように『続・終物語』から「暦ブック」の副題は無くなり、現在のファンブック的な『続・終物語』が刊行されています。
そして、次にポンと未来が描かれるのは『結物語』となります。





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【11】「扇物語」『おうぎライト』『おうぎフライト』(ネタバレ) 叙述トリック

『おうぎライト』も叙述トリックのお話です。

 

※ご注意「業物語」『あせろらボナペティ』・「忍物語」『しのぶマスタード』のネタバレも含みます。

 

叙述トリック多すぎな気がします。気に入ってる話としては「業物語」『あせろらボナペティ』で、忍を吸血鬼にした存在である「デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター」が、「一人称・俺様」のモノローグでいかに「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」が、誕生したかを語ってくれます。

そのあまりに豪胆な振舞から、ステロタイプの吸血鬼を想像させておいて、実体は目もくらむような金髪金眼の女性であったという、西尾さんが書く「哀川潤」を知っている人なら脱力しそうな、叙述トリックがすべての話です。

 

『おうぎライト』は「妖間令」(あやまれい)という怪奇現象に襲われ、暦に対して滅茶滅茶に謝罪を要求してくる、上洛落葉(じょうらくおちば)という女性を救う話で、モノローグが上洛落葉のものと見せかけて、実は戦場ヶ原さんだったという叙述トリックです。

(戦場ヶ原さんは暦が老倉の隣の部屋に引っ越したことについて謝れと言っていた)

 

このところ肩の力が抜けすぎ?ではないでしょうかという話が多いのは事実で、「忍物語」『しのぶマスタード』では、まあいろいろなエピソードが描かれてはいるのですが、

結局、「デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター」のお披露目話であり、

現在、忍と同じ金髪金眼の6歳児くらいの容姿であるというのが落ちです。

(まあ二人がわちゃわちゃしている所は確かに可愛いのですが)

 

 

『おうぎフライト』

撫子は臥煙さんにいわれて、遠吠哭奈(とおぼえ・なくな)のお見舞いに行きます。

入院している哭奈は撫子の見る限りは全身ぼこぼこに穴だらけで、穴からは後ろの壁などが見える状態です。

その穴はよく見ると全部同じ距離で2個セットに開いていて、巨大な蛇の牙に嚙み捲られたよう。

でも実在する穴では無いようで、本人曰くちょっと調子が悪く、ぼーっとする、白昼夢みたいな時間が長くなったから、念のために入院しているだけということです。

撫子は今、法廷画家を目指しているので哭奈ちゃんをモデルに絵を描かせてと頼み、

撫子が絵を描き終わると哭奈の身体からすべての穴は消えました。(最近の撫子の能力です)

 

さらにもう1人、哭奈と同じ病院に入院していた砂城寸志も同じようにお見舞いしました。

 

(「化物語」『なでこスネイク』をご存じの方ならピンと来たと思いますが、遠吠哭奈と砂城寸志は『なでこスネイク』での呪いの送り主で、北白蛇神社で撫子から引きはがされた二匹の蛇は、

呪い返しの形で送り主の元へ戻ったわけです。砂城寸志は「恋物語」のラストで貝木に怒りをぶつけていました)

 

無事仕事は終わりましたが、撫子は正月にペン1本とスケッチブックだけ持って家出同然に自宅を飛び出してしまっていたので、気になるのはクローゼットの中に置いてきた書き溜めた原稿です。

せっかく自宅のある街に戻ってきていたので、それの回収を扇ちゃんに鍵を渡して頼んでいました。(月火ちゃんにも頼みましたが断られたそうです)

扇ちゃんが巨大なスーツケースいれてくれたのを受け取って、なんとか自分のアパートに戻ると、アパートの前には斧乃木ちゃんと貝木が待っていて、

貝木は「スーツケースとは準備がいいな」などと言ってきます。

斧乃木ちゃんは「さっさと臥煙さんから言われた要件を伝えろよ。貝木のお兄ちゃん」と発言。(懐かしいですね、貝木のお兄ちゃんとは)

要件は3人(詐欺師と法廷画家志望と死体人形)でチームを組むように臥煙さんから指示されたとのことでした。

(ここでの撫子の感想。このチーム凄い劇場型詐欺をやらかしそうが笑えます。チーム名は株式会社偽善社を貝木が提案しました)

 

蛇の呪いの総本山を一網打尽にするため、3人は洗人迂路子の現在のアジト、西表島に向かうことになります。

最後に洗人迂路子の本名は臥煙雨露湖で、臥煙伊豆湖の許されざる娘だと明かされたところでこのお話は終わります。

 

(臥煙さんの娘ですか……勝てる気がしないのですが……)

 

 

 



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【12】アニメ「リコリス・リコイル」6話までの「PSYCHO-PASS 1期」との関係

オリジナルアニメ「リコリス・リコイル」。この作品「PSYCHO-PASS 1期」のプロットが大幅に使われてるんですが、作品の雰囲気があまりに違うためか、ネットを探しても誰も気付いてないのが、「PSYCHO-PASS 1期」終了から10年しかたっていないのに、あまりに寂しいく、6話見たところまでで書いてみました。

 

国民の監視は両作品共に、司法を超越したシステムで行い、犯罪者は迅速に処分。テロリストはその機構の探索と崩壊を狙う過程で、主人公・ヒロインに注目、ハッカーに情報を調べさせ戦闘を好んで繰り返す。

テロリストの名前が「槙島」・「真島」。PSYCHO-PASSには脳殻以外は人工物でありなから、全く人間と区別できず公安局局長に収まっている「禾生局長」が存在し、リコリス・リコイルの千束の元ネタと思われる。(戦闘用にモディファイ済) PSYCHO-PASSの槙島は、人の喉を刃物で切り裂く瞬間も犯罪係数0で、公安の特殊拳銃「ドミネーター」では、非犯罪者判定になってしまい攻撃出来ず、公安は実銃を装備していないため生存の天才とも言える。

「リコリス・リコイル」6話サブタイトルは「反対のもの同士は引き合う」で、話はそのとおりの展開。千束は殺人の天才で真島も槙島と同じ生存の天才。

真島は6話で千束と戦った後、パンツァーファウスト3の至近爆発受けても無事で『おもしろい奴を見つけたなあ、あれじゃなきゃ俺とはバランスが取れねえ』と発言。(口にしないが殴った感触が違う?) (真島が具体的に気付いているかは不明)

「リコリス・リコイル」3話DA本部行くが車両ゲートで赤外線チェック受けると、ドライバーと明らかに違う異質な写り方をする千束。赤外データをモニターに出すと人間と違う様子で表示されてしまうのか、REC状態で千束の部分だけマスクが掛けられているようにも見え、入館記録などのデータでバレないよう、ラジアータが介入し隠ぺいしているのかは不明。

やはり両者、食物摂取できる高機動義体?(たきなが千束とスキンシップ取っても、全く気付かないから非常に高度??)

千束は子供のころの電波塔で相当のダメージ受けて高機動義体にボディ換装してると思える。成長していように見えるのは、脳の物理的な成長に合わせボディ換装してるのでは。

フキと同室の期間があったとしても、本部で継続的に姿を現していた話は当然無いので、

1年とか定期的に数ヶ月研修的な表向きの理由で本部から離れ、実はアラン機関へ。

ボディ乗り換えて段階的に成長していけば、フキや周囲にバレないのも可能では。(ミカと楠木は知ってるよね)

同じく生存の天才である真島は、まだ何か能力を保有しているはず。(千束に血を吐いて視界を奪い、5回ほど殴って銃を拾うが、実は瞼を閉じたままであり、見えていないはずの千束を正確に攻撃し、見えていないはずの銃を拾いあげた後、瞼を開いているのは序の口だろう) 真島cv松岡禎丞さんが『最後まで録ってるんで』『嘘だろ!っていう 展開が待っているので』『ただの男ではございません!!』『なにかしら理由があります』 だそうです。真島は敷島の犯罪係数0というチート能力にも負けない能力を発揮してくれそうですが、どのようなものになるのか非常に楽しみです。

制作サイド後日譚としてカリスマ テロリスト「槙島」はあまりに魅力的になってしまいPSYCHO-PASS 2期以降、「槙島」を超えるキャラを創造出来ず困窮したとも。「真島」の相手を考えると……千束・たきな・くるみ……心配無いね。

PSYCHO-PASS 1期見た人でも、「PSYCHO-PASSP新編集版」を未見なら是非、鑑賞していただきたい。

1期の新編集版ではあるんだけど、虚淵さんが書いたモノローグが追加されててこれが深い。

1期の作画崩壊は残念でそれが修正されてるのが嬉しい。セル版だけじゃなくて良心的に放送もされたんだけど、

ちょうど悪いタイミングで、リアルで6話~のような事件が表ざたになり、該当話カットされて放送されたのが残念。

 



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【13】アニメ「リコリス・リコイル」7→8話

「リコリス・リコイル」7話、

PSYCHO-PASS、ノナタワーでの『お前が槙島聖護だ!!』『お前が狡噛慎也だ!!』のオマージュはやってくれないものと思ってましたので、

『君は』『お前は』『『何者だ!!!!』』は嬉しかった。

 

ただ、全員人間ですね~

 

顔を殴打されても平気なのは、単なる主人公補正でしょうか?

 

旧電波塔も地下鉄の時と同じように最後、爆発させたんですね「真島」。「千束」が心臓やられるのはおそらくその時。

 

旧電波塔事件はこうなると普通の因縁。

 

「ミカ」がガスの元栓で戻って来るギャグは古典すぎて逆に凄い。

 

「千束」のドレスは可愛かった。クルミのあの外見は特異体質なんですかね。

 

「ラジアータ」が現在の中国レベルの監視システムが少し進歩した物で、 (現状からブレイクスルーした物でなく) リコリスがあの程度の人員数で、何年間も犯罪が起こる前に阻止するのは不可能な気がします。

 

吉松 シンジの発言の裏は無くてそのままなのも意外。

才能は神のものだ、たぐいまれなる「千束」の才能を世界へ、それが殺しの才能ってなんか違う気がしますね。

PSYCHO-PASSの「シビュラシステム」はデストピアに直結するもので、それに抗うことで物語を作ってます。

「リコリス・リコイル」ではDAが隠ぺいしてしまうことを肯定する警官の発言や、平和を守るリコリスなどの言葉がある。(思考停止して正しい存在としてしまっているけど、本当そうなのか?)

DA全面肯定はなかなか難しい。自主判断だけで相手が白か黒か決めてる組織。その自主判断が偏向していかない保証は? また、現実は正確に白・黒の判断をしていけるものではないと思う。

そのような組織の元で、たぐい稀なる才能を上官の命令で動くパーツとして使ってしまうのは、私あたりには躊躇いがある。

 

EDの絵の4枚目のシーズンは冬のはずが、水着で「千束」の足が枠から外れて踏み出されているので、ラストは南半球(夏)に。

「千束」「たきな」は華麗に逃げるはずです。(心臓の件は外部から干渉可能ならクルミがなんとかしますね)(「千束」に時間が残されていない説もありますが、まあ大丈夫でしょう)

 

 

 

※8話視聴後……【12】で書いた真島の瞼閉じたままでの分析能力が本物だった。

旧電波塔では目に包帯。でもそれ以上は不明……超聴覚かな。

 

ほんとに、先読みが難しいアニメだね。ラストは人工心臓のエネルギーを

補充してるだけにも見えるけど、やっぱり普通に考えるとヤバい?

まあ、只事ではないよね。本格的に物語が動き始めた感じで、9話が待ちきれない。(中の人の発言で9話は凄いとのこと)

 

 

 



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【14】アニメ「リコリス・リコイル」人工心臓に絞って、12話13話の予想。

明日には12話。来週13話最終回。

※人工心臓に絞って、12話13話の予想。

 

旧電波塔での千束・たきなvs真島の戦いは真島拘束で決着。

吉松と千束の話し合い。最高の暗殺者になるなら、新たな人工心臓に交換するというもの。だが、千束は悩まなかった。

『ごめんなさい吉松さん。私は人を殺さない!』

千束は、吉松から示された人工心臓を、決意の表情でアタッシュケースごと、拳銃で撃ち抜き破壊。 驚愕の吉松とたきな。

そこへ、拘束を逃れ、姫蒲に銃を押し付け盾にした真島。『お前、正直だな。手術だけでも受けちまえばいいのに……』

『吉松。もう用済みだ。消えてもらうぜ!』と吉松に銃を向けた瞬間。ライフル銃弾が真島頭部を破壊……ミカだった。

ミカがヘリをホバリングさせ、たきなが飛び込んだシャッターの穴から撃ったのだ。

驚きの表情を見せていた吉松だが、動きは早かった。

『姫蒲君、止血だ』『思わぬことになったな。千束、君の覚悟は判った。もうこれ以上使命については言うまい。しかし、これ以上、貴重な人工心臓を無駄にするわけにはいかない。』

『千束、君には緊急手術を受けてもらう、先日の充電不良を起こす前の心臓に戻そう。』

『そんなことが可能なの?』

『可能だ。真島は10年前の旧電波塔爆発事件時、心臓に傷を負い、私たちが人工心臓への交換に成功している。』

『そして、この人工心臓は君と同じ型で交換可能だ。』

『早くミカに連絡を取れ。』…………(これでいいんだろうミカ。)

 

 

 

 

 

 

再開した、喫茶リコリコの前のベンチに千束とたきな。春風の中、空を見上げている。

『最後まで一緒ですよ。』と、たきな。千束は満足げに、『よろしく。たきな。』そのまま青空を見上げて言った。

 END

 

 

 

 

 

 

10話の吉松と真島の会話「お陰で俺は電波塔で命拾いしたわけだが」←まだ未回収で絶対なにかありそう。

新品の人工心臓にしてあげたいけど、千束は受け入れないと思うんですよ。本当に残念だけど。

でも1年ぐらいあれば心臓はクルミが見つけてきそう。(それかクルミなら『私は心臓2つ持ってる』くらい言いそう。同じAB型だし、免疫拒否薬もなんとかしそう)

 

※「PSYCHO-PASS 1期」からのオマージュまとめ

『国民の監視は司法を超越したシステムで行い、犯罪者は迅速に処分。テロリストはその機構の探索と崩壊を狙う過程で、主人公に興味を持ち、ハッカーに情報を調べさせ、自ら望んで接触を繰り返す。』

「リコリス・リコイル」の世界設定は「PSYCHO-PASS 1期」のオマージュで、全く新開地を行かない軽減化・重層化狙ってます。シビュラシステム・公安とラジアータ・DA。テロリスト槙島と真島。

テロリストの行動は槙島が対スキャニングヘルメットを大量に都内にバラまいたように、真島は1,000丁の銃を都内にバラまいた。そして、タワーで主人公と決戦。 



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【15】アニメ「リコリス・リコイル」12話放送後 やっぱり人工心臓奪取・千束延命ルート

12話見終わって・・・うわ~~数時間騙された。アタッシュケースの中、未チェック。たぶん人工心臓が入ってます。嘘は大きい方が効く法則ですね。吉松は姫蒲に支えられ引き上げる時、アタッシュケースをしっかり持ってます。

吉松は捨て身で動いていおり、『その銃で撃つんだ』と額に実弾銃を押し付ける動作もあり、千束に発砲させ、自分を殺させようとしていました。 平静な状況なら、アタッシュケースをチェックですが、まず、たきなが乱入し混乱。そこへ吉松のロープを切った姫蒲からの攻撃。旧電波塔外壁鉄骨部へ、二人とも落下。重大危機です。千束も追います。戦いますが上から吉松が発砲、もう無茶苦茶です。

更に己への発砲を千束に迫る吉松。ついに千束は吉松に発砲。右胸部へ命中。千束絶叫。たきなに促され、千束は塔内に戻ります。銃創は通常弾+ハンドガンの貫通銃創。処置すれば命には問題ないレベル。外壁鉄骨部では、たきなvsコンバットボディスーツ姫蒲。

塔内では【吉松の命を奪っての延命を拒否する千束。】

非殺傷弾弾倉を取り戻し、ノールックで後方射撃。倒れる姫蒲。(千束強い) 『たきなをどうした!』 幸い、右目上からの出血はあるもののたきな塔内へ。『良かった!』 だが、たきなは逃げる吉松を追い、歩き始める。千束は姫蒲を『行って!』と逃がす、駆け出し、銃を拾って吉松に連射するたきな。千束、正面から抱き付き止める。

姫蒲が吉松に肩を貸し逃走。『心臓が逃げる~!ウワ~』たきなの絶叫が悲痛です。しかし残弾なし。空打ち。『吉さんを殺して生きてもそれはもう私じゃ無い』『いやだ』……でも、アタッシュケースには人工心臓がありそう。

(『PSYCHO-PASS 1期』オマージュとしては槙島確保からの移送ヘリから脱走、狡噛に連絡まで行きました)

 

 

 

 

真島の対策の、両耳近くの発砲は、効果が在りそうです。

(真島の聴覚が、繊細かつ過敏で、ロケーション機能があるとしたら、現実的には、自分が発砲する時点で、消音効果のあるヘッドホンをしないと、聴覚は破壊されてしまいます)

(銃口の先に取り付ける、サイレンサー/サウンドサプレッサ-が存在しますが、開発したのは、マシンガン-マキシムガンを製作した、父の耳が聞こえなくなったことを、憂いた息子だったりします。約30dbの静穏効果が在り、30M銃から離れるのと同じほどの効果が在りますが、ハンドガンは160dbほどのものが多く、取り付けても130dbほどにしかならず、やはり消音効果があるヘッドホンが必要です)

 

 

 



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【16】アニメ「リコリス・リコイル」最終回前日、最終予想。

 

「アタッシュケースの中は心臓」の補強考察です。困難なのに無理して持ってく以外の根拠は、

正常な心臓を切除・廃棄しての人工心臓手術は、自分を銃で撃たせようとするおかしな人でも、困難な選択肢。完全に狂ってて、手術をしたいとなっても、自分では出来ないので、有能な医師に依頼することになるのですが、クルミが、過去データを検索して、探し出し音声復元して、吉松は新たな人工心臓を保持していると、突き止めましたが、相手はまともな人でした。

熱心な協力者は居ても、まともな人だという事。不適切な手術をやってくれる人は見つからないでしょう。

そこで、胸に偽傷を作っておき、ここに人工心臓があるという方法を取るはずです。

(千束が綺麗に治っているのに比べて、派手すぎる傷なのは見せつけるための演出)

 

ただ、アタッシュケースの中に人工心臓があるとしても、よく考えると千束の性格上、

チャームを返した吉松の元から、千束自身が人工心臓貰うとは思えないんですよね。

ギリギリ、ミカが交渉して吉松が納得し、彼から千束に話すような展開になれば、

千里も了承して手術を受けるかもしれません。(危ういルートです) 続けますね。

 

ヘリの中で渡されたマガジンは2つですが、1-2個たきなが預かったので、 (1個は太腿の伸縮ホルダー?) マガジンが必要になるまでに、たきなは真島と千束の元へ駆け付けるはずですが、千束の心臓の調子が悪くなる場面が、あるのではと思います。

真島は、『元気じゃないとダメだな、心臓から妙な音がしてるぜ』とでも言い。

人工心臓に未練の有るたきなは、『吉松の人工心臓の音は静かだった?』と返すが、

真島は、『?あのおっさんからは普通に心臓の鼓動が聞こえたぜ』と答え、ふたりが真相に気付きます。真島再度拘束後、千束にバレないようにたきながミカに連絡。そして、ミカが交渉に入る。

こんな流れでしょうか?

 

しかし、旧電波塔を脱出すると同時に、千束のカバン探して延空木に駆け付ける真島さんって何……何か目的があるのか?戦いたいだけでは動機が薄く感じます。

 

では、そこから引っ張って、サブ案を提示することにします。

以前から気になっていたのが、真島のキャラデザです。

真島の目の下の何本ものラインが気になります。クマのように見え、無意味では無いはずです。

吉松と真島の会話で10年前の旧電波塔事件時、援助を受けチルドレンとのことですがまだ、

どのような援助なのか明かされていません。旧電波塔爆破の負傷で彼も人工心臓だったのです。

しかし、病名不明ですが、すい臓ガンなど若いと進行が速い、難病を患ってしまい既に末期。

真島は余命が1ヶ月ほどです。今回の旧電波塔騒動で千束の心臓問題を知り、千束を殺せなかったら心臓を譲る決心。『お前は殺そうにも殺せない。楽しかった。俺はもう病気でダメだから、人工心臓やるよ』『ふたり死んじまうより、いいだろ』『好きに生きろよ!』でどうでしょう。

人工心臓なので適合問題は無し。もし移植したら、新型人工心臓には劣りますが、充電問題は無くなり、ほぼ元の寿命。で彼は千束より早く亡くなります。

 

『誰でもいつかは死ぬ。でも、今じゃない』のままでの、最終回はよりは良いのではと思います。

寿命までにはクルミがなんとかします。

『私の制服はフキに』は生存フラグであってほしいのです。

 

明日。第13話最終回放送です。

 

 

 

 

 




※第13話予告動画視聴しました

銃を構えた千束と真島
DA本部コントロール室、楠木さんと補佐
真島が1時間のスマホタイマー作動
普通に考えて延空木爆破タイマーでしょう
そして、驚いたことに、まだ旧電波塔内に姫蒲に支えられた吉松
(真島の動きが速すぎなのですが)
そして俯いていた吉松が顔を上げ(表情変化無し)
姫蒲は吉松の元を離れ、数歩走りジャンプキック
吉松・姫蒲ペアを見た時は、ここにミカが現れて交渉・説得かと
思ったのだが、姫蒲が迷わず攻撃してるのでミカではない
たきなは延空木なので、姫蒲がキックする相手が思い浮かばない
(真島の手下?)いや、相手は銃構えたミカさんか。やはり交渉・説得パターンかな
たきなが銃でドア開錠失敗(延空木)
パトカー後部座席でロボ太が阿部さんに問い詰められて否定している感じ
たきなは外部階段で上へ
千束と真島が会話(落ち着いた感じ)
たきな・フキ・エリカ、エレベーターで上層へ
千束と真島が会話(少しゴタ付いた感じ)
たきな通風孔を腹ばいで前進
真島発砲、千束よける
千束少ししゃべった後、寂しげな表情で後ろ方向へ立ち上がる  

サブタイトル Recoil of Lycoris(リコリスの反動)   END

※感想 真島さんお元気そうで何よりですw
不穏な感じはありますね、千束の延命無しだけは勘弁なのですが……
ただ、パート半分で滅茶滅茶話し進むことあるよね
最終回であまりゴタゴタはしそうにないけど

※結論 姫蒲が攻撃してるのは銃をを構えたミカで、
吉松と交渉・説得で人工心臓入手するのでは、
千束も吉松の命があって、ミカさんが話せば移植手術受けそう。

真島による延空木の爆破は阻止成功すると思う。

たきなはDA本部から再オープンした喫茶リコリコへ
千束・たきな・ミカ・ミズキ・クルミの5人メンバーで
やっていけそうですね。








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【17】アニメ「リコリス・リコイル」最終回 放送後。





 

第13話最終回視聴終了。

 

素晴らしい作品でしたね。※人工心臓の件整理します。

ミカが捨てた吉松のメッセージカード『・・・私の死によって完成した。・・・』

クルミの『お前が、一番こえーからな。』で分かった方も多いと思いますが、

ミカは吉松を射殺し、(後日話が食い違わないようにするため)

アタッシュケースに入った人工心臓を持ち帰っています。

吉松の手術跡はダミーですね。姫蒲も非殺傷弾で、まず倒しましたが、

口封じで結局殺したはずです。(残念ですが)

吉松としては自分が、千束に殺された後、あのメッセージカードを、

読んでもらう予定だったのでしょう。しかし、殺されなかったため、

人工心臓は持ち帰るつもりでした。ミカは、吉松が納得して心臓を渡した、

吉松は死んでいないとしたかったため、メッセージカードを捨てました。

(捨てたのは2つ折りのメッセージカードの内側の1枚、・・・私の死によって完成した。・・・

ってやつです。2つ折りの外側の、『HAPPY NEW BIRTHDAY』だけあれば、誤解させられます)

(クルミに外科医手配済み)

(吉松を殺して自分が生きても、それはもう自分では無いは厄介でしたね)

 

真島も生きていますので、時系列はこの後の2期も作れますね。

ただ、ストーリーは似たものに、なってしまいがちがちなので、

監督も作るなら、別視線でとインタビューで答えています。

期待して、待ちます。

 

 

 

※時系列

エレベーター内、サクラ銃撃受け大量出血。

エレベーター上か下か。

たきなは命令無視、千束を援護に上に、フキは下へ

フキ『千束を頼む』

真島1H時限スイッチON

真島手榴弾で展望下方ドーム損壊。

俺が唯一恐怖を感じたやつと勝負を付けたい。最高の戦いを! 調子が悪いなら休憩。(はい。ジュース)

真島行動原理:日本を正常に、おれはバランサー。DAが不利ならそっちにも就く。

千束行動原理:いまのままでも世界は素晴らしい。自分を必要とする人のために動く。

ヒーローはどっちだ? タワーから落ちなかった方じゃない!

撃ち合いの結果、千束は肩を銃撃され、あわやのタイミングでたきな到着。

千束ありえない最後の力で真島を巴投げ、両名崩落寸前の展望下方ドームに転落。

千束仰向け、力が出ないためリコイルで腕が跳ね上げられるが、また慎重に狙って真島を撃つ。『プライベート・ライアン』のラスト近く、戦車の覗きマドを狙って、何発も力なく拳銃を撃つトム・ハンクス(俳優名)が重なりました。真島に当たった瞬間、ついに崩落、真島は下に消える。たきなはワイヤーで千束を辛くも絡めとる。(ワイヤーが擦れてたきな痛そう)

タイマー0。壮大な花火が延空木の周りに打ちあがる。千束『ふざけやがって!』

 

Bパートは非日常の日常パート。 

 

千束はもう余命が無いと思い、死に場所を求めて沖縄へ (ヌコですか?)

(ダイバーなんで20回くらい行ってるけど、宮古から先の人気のないところ、探せばこんな感じのところあるよ~。お勧め)

 

真島本当に不死身。包帯だらけで 『ルパン三世 GREEN vs RED』。

 

喫茶リコリコも無事、再オープン。ハワイのキッチンカーいいね。

クルミに看板付けると、幼児虐待で捕まりそう。

 

もう『リコリス・リコイル ハワイ編』でいいですw

続きの作品が見たい。

 

 

 



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【18】アニメ「リコリス・リコイル」最終回 放送後 その2。

リコリス・リコイル ロスは、すぐスパイファミリーで埋めようと思ってた。でも予想以上。 

www.youtube.com/watch?v=YOIJOJsUkUg

第2クールオープニング主題歌アニメ映像(ノンクレジット)

 

でも昨日、公式の「News」から飛べる、アニメイトタイムズ(安済知佳さん、若山詩音さん、

インタビュー)(9月25日から公開) を読んでいたら、

『若山:物語の結末はハッピーエンドだけど、吉松のことに関しては、ミカはずっと傷を抱えて

生きていくんだろうなって思うと、ミカは抱えているものは大きいなと思います。

――きっと千束の心臓のことも一生隠し通さなければいけないわけですからね。』

っとあって、えっそこではそういう認識なのって思いました。

例の人工心臓はケースの中にあったのか問題は、自分はケースの中にあった派なんですが、

伏線に絡むことは公式からは出ないことが多く、今回は若山さん周辺の意見で、

これが絶対の回答ではないはず、台本以外の情報は、監督に聞かなければ、

内容に関する話は無い、収録時に音響監督からこんな感じでと言われるくらい。

でも、『・・・一生隠し通さなければ・・・』は明らかに、ケースには無かった派の話なので、

可能か考えてみました。

 

私は作品見ての情報として、ミカが心臓取り出してる時間も無かったから、

心臓はケースの中で話をまとめてました。

 

だが、前提としてケースには無かったとすると、ミカは吉松の性格を読んで、

本当に移植済みの対策をした。

つまり、吉松の遺体回収を依頼済みで、くるみが手配した医者の所まで運んで、

吉松から千束に移植したことに。

吉松に対して『シンジは嘘を言わない』と言って発砲してるのは、千束を生かすためには、

吉松を殺すしかない選択で、『愛する者には特にな』というポジションの人間を、

打ち殺していることになり、撃つ時の、あの涙の深さも違ってくる。

千束は吉松を殺して自分が生きることだけは、絶対に拒絶しており、

真相は一生隠し通し通すことになる。

たきなも先生がケースを持って来たと言ってるだけで、ケース内の心臓を見たわけでは無い、

という事で、可能ですね。

クルミの『お前が、一番こえーからな。』がいっそう怖くなる。

姫蒲も口封じで完全に始末することになる。遺体も吉松の遺体と同時に処分。

(用心していつものクリナーは使わない。)

 

円盤の初動は、2万枚を遥かに超える数になっており、

OVA・2期・劇場版はスピンオフ的なもの希望だけど、最終回の延長なら、

会社の方針が反映されてしまった結果だと思う。でも、このレベルで見られるならOK。

 

 

 

 







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【19】アニメ「アキバ冥途戦争」1話 黒幕は運転席のメイド? +2話(予告) 





『ゾンビランドサガ』は全く合わなかったんですが、これは凄い手ごたえです、どこまでやってくれるのか期待しかありません。

まだ1話だけなので難しいですが「筒井康隆」氏の『問題外科』( スラップスティック ) に近い物を感じます。

映画だと『アウトレイジ』でしょうか。

 

1985年の射殺現場のビルと同じビルに「メイドカフェとんとことん」は入ってますね。ラーメン店もそのまま。

1階「侍女茶館」入口まで店長が歩き、カメラが引いた時、醤油ラーメン600円の看板、鉄砲玉メイドが看板前を通り過ぎる。

1999年の画像と比べると、道路片側突き当りの正方形のガラス窓のビルが同じなので、同じ通りで、同じビルです。そしてOPで一瞬映る、ライオンを背にしている会長のような雰囲気のメイドは、顔つきが間違いなく、高級車の運転席に座っていて銃撃の時、ドアを開けながら『店長!』と叫んだメイドですね。

恐らくOPでメイドが背にしているライオンのマークは、ケダモノランドのマークではなく、ライバルの系列店のモノなのでしょう。14年前「侍女茶館」の店長を鉄砲玉に襲わせたのを切っ掛けに、今はライバルの系列店の会長。( 2話考察で気づいたものがあり訂正が入り、「ケダモノランドグループ会長」ですので、よろしければ2話考察までご覧ください )

今も14年前と同じ構図で抗争してるので、ここで「嵐子」さんが登場しない方が不思議ともいえる構図ですね。ラーメン店で渡された銃は「嵐子」さんが14年前に使用後、警察に行く前「大将」に預けたものと考えられます。

 

ここからは4つに分岐します。描かれ方ですね。

-----A.黒幕であることが公然の秘密になっている場合。

-----B.運転席のメイドが巧く立ち回り、証拠も証言も無いが彼女が仕組んだと思われている場合。

-----C.運転席のメイドが完璧に立ち回り、登場人物が疑っていない場合。

-----D.嵐子だけが知っている場合。                                     

既に嵐子が派手に暴れてますが、嵐子自身も言明されていません。脚本は違ってくるはずですし、視聴者に明かされるタイミングも違いますよね。

これは材料が無く分かりません。

 

ツインテール詰めてる 『いや~~許して~~!』『はよ。詰めろや!』『もっと根元から行かんかい!』の入りが切れ味良すぎです。

 

銃撃後、『まちいや~』からのワンモーションで全員武装が最高。

 

「純情メイドぶっころ主KISS」の裏でのタイミングを合わせた銃撃。

 

1話通して「嵐子」さんが一切笑わないのがツボでした。

 

まず、上京して来た「なごみ」がアキバのヤバさ知らないのは、

死体は、ケダモノランドや対抗組織が処理しちゃってるんでしょうね。

 

パンダは御徒町さんと紹介されて、なごみの右隣が「おかち」と書かれたロッカー。店のマスコットの着ぐるみパンダですね。

 

動画10本ほど視聴したのですが、お手紙を持っていく先が聞き取れてなくて、数件「系列店だけどライバル店」になってました「私らの系列店のライバル系列の店」です。

いくらなんでも自分の系列店に宣戦布告しません。ライバル関係にある別系列の店の意味です。

 

また1985年の鉄砲玉メイドシーンで、放棄された銃がスライドしたままなのが、変だよの意見が少し。(当たり前すぎる話ですが、一応書きますね)

銃は全弾発射後、排莢後スライドがストップ、リロード待ち状態になり正常です。

銃を手にした状態で、引き金の後ろのボタンを押すと弾倉が下に落ちるので、新たな弾倉を奥まで叩き込むと、スライドが戻り初弾が薬室に送り込まれ、発射準備完了。

リロードが簡単で、弾打ち切ったのが明確に判るシステムです。

 

謎は第2話予告『賭博萌キュン録 ゆめち』ですね。

【あらすじ】昨夜の出来事に衝撃を受けるなごみ。

メイドというお仕事に疑心暗鬼になって行く中で、ひとりの【秋葉外生命体】と出会う。

そして「とんとことん」には店長により、新たな問題が持ち込まれることに……

 

【秋葉外生命体】って何です。 SFも混ぜるの? 新たな問題ってOPで顔消されてる子。

 

嵐子のオーバーキルは問題になってなさそうですね。(メタ視点ではああなった方が面白いんですが、最初のお手紙持っていく段階では、どこまでのトラブルを予想していたんでしょうか?)

「なごみ」の心理状態がお仕事に疑心暗鬼になるレベルで済んでるのが不思議です。

 

ビラ播きする「なごみ」にメイド3人が絡む定番ぽいシーンも。

 

2話が待ちきれません。 

 

 

 

 

 

 









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【20】アニメ「アキバ冥途戦争」2話 とってもお花畑な世界 ( キルゾーン )





やっぱりメイド喫茶「チュキチュキつきちゃん」に子豚ちゃんを殺させて、火種を作るプランだったんですね。( 前回【19】で1985年の銃撃事件のあったビルと同定するヒントが、1999年になっても変わらない「醤油ラーメン600円の看板」。代替わりしてもメイド喫茶とは長い付き合いなので、御近所従業員割引きで、醤油ラーメン1杯500円にしてくれているのかも。で1000円札が渡される )

 

壊滅させて、面倒ごとになりそうでも、あの程度 (店長ごめん) のペナルティの世界ってなんか良いですね。

緩くて・・・・・・腕に自信があればどこまでも行けそうです。だってメイド喫茶「チュキチュキつきちゃん」って全滅だから、あの時点で全員店外に出たんですよね。そして嵐子さんは防犯カメラのレコーダーを処分に行った描写無し、警察も出て来てるのに全く問題無いのは、店にも路上にも【防犯カメラが無い世界】ということしか考えられません。

あと、嵐子さんは恐らく14年前の事件で、使用したリボルバーを今回も使用しています。日本では第二次世界大戦以降、進駐軍が撤退したタイミングぐらいから、事件の【銃弾の線条痕】は全て記録されていて、新たな銃撃事件があると必ず照合されます。ですから、嵐子さんは第一級の容疑者にされているはずなのですが、まったくそんな気配はありません。という事は【銃弾の線条痕】も存在しません。

ああ、もう一つ可能性がありました。例の黒幕のメイドに強大な力があり、メイド関連の事件は全てもみ消すことになっているんでしようか?

少なくとも14年前は嵐子さん自首してる雰囲気だから、14年前は違うはずですね。

 

2話の「メイドカジノ」でも同様の事が言え、少なくとも2大系列が凌ぎを削っている「メイド界隈」では、ほぼ治外法権の状態で、己の力だけがモノを言う、とってもお花畑な世界みたいです。

 

「侵略カフェですとろん」の「ねるら」さんって【秋葉外生命体】なんだけど、まだどんな方なのか分からないですね。

「なごみ」さんがお話しただけで元気になって、「メイド」続けることにしたのは、何かあるんでしょうか?

【秋葉外生命体】の「ねるら」さんが所属する「侵略カフェですとろん」は別系列という事なので、敵対する可能性もあり怖すぎます。

(公式を確認するとメイドリアングループということでした。予告で「秋葉外生命体」と出会うとあり、公式ページにUFOが飛んでます。[UFOの下部からジェットが吹き出していて、UFO警察からはクレームが来そうです] これがパンダと同じようにお店のイメージアイテムか、現物が実在するかは「侵略カフェですとろん」なので興味あります)

(あと、UFOの下にあって気になるのが、野球グローブです。嵐子の趣味/特技が野球となっているので、野球回ありそうですね。なとど書いてたら大変なことに気が付きました。

公式ページよく見るとビルが燃えてて、屋上の巨大なマークは例のライオンです。

訂正して、会長らしき人はケダモノランドグループ会長のようです。

カウボーイビバップの最終回のようなラストしか、想像出来なくなってきました)

 

もう一つの謎はハンドガンの携行方法です。ミニスカートですからレッグホルスターはワルサーPPKでもキツそうですし、もし、そうなら抜いたらとても絵になるので、描かない訳ないのにそんなもの無いので違うんですよね。

ポーカーディラーは、かなり小型のリボルバーをヒップの後ろあたりから取り出してましたが、あそこには隠せません。

「ゆめち」「しぃぽん」も、いつの間にか銃を手にしてましたね。

女性には謎があった方が魅力的な気もしますから、謎のままのようですね。

 

謎と言えばパンダも神出鬼没です。

メイドが未来を担保にして、返せなくて売られた場合に、突っ込むのは止めておきます。

 

円盤情報から「アキバ冥途戦争」は全12話と判明しました。

 

ポーカーはテキサスホールデムポーカーでしたね。セブンカード・スタッドが、ススキノで1年ディーラーやってた、という不思議な経歴の持ち主としては、遥かに面白いと思うのですが、テキサスホールデム方が、流行ってますからね。仕方無いところです。

カードルールは知らない人多いですから、アニメで描写しても、判らないのが問題で、過去作では『マルドゥク・スクランブル』が一番頑張ってた印象です。

 

まあ、とにかく素晴らしい作品ですね。とは思うのですが、世の中ではどうなんですかね。

私、気になります。

 

冥土(メイド)の土産に手榴弾 (持ってけ) って流行りますかね。無理かな。

 

後、豆知識として作品内の「お店」という言葉は「組」とすると意味が通じます。

 

そして、意図的に最後に持ってきましたが、「なごみ」さんがこんなに危ない、メイドになりたかったのが、どうしても説明出来ません。これはさじを投げるって状態ですね。

 

 

 

 





1話で書いていた黒幕がいた場合の描かれ方ですが、
「材料が無く分かりません」という状況の4パターンを提示しています。
読書で最初に嵌ったのがクリスティの「アクロイド殺し」で叙述トリックの元祖です。
読者があっと驚くプロットが好きなので、どうしても捻りたがるんですが、
材料が無いところで敢えて対抗組織トップをラスボスにしたのは、
原作 ケダモノランド経営戦略室です。
ケダモノランド経営戦略室がケダモノランドをラスボスにはしないだろうという読みです。
今回、材料に気が付きました。燃える本社ビルですね。
(萌え [燃え] と 暴力についてを地で逝ってます)
原作 ケダモノランド経営戦略室がケダモノランドに火を放ちました。
C.助手席のメイドが完璧に立ち回り、登場人物が疑っていない場合。
しかあり得ません。
恐らく当時のトップを鉄砲玉メイドを使って殺害し、
嵐子は怒りに燃え、鉄砲玉メイドの所属店を壊滅し刑務所に行きます。
で運転席の相棒がグループを支え、14年後トップにいます。
最終版、嵐子も望んでいない真実を掴みます。
「逝ってらっしゃいませ。」




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【21】アニメ「アキバ冥途戦争」12話終 (仮) 黒幕+ラスボス+ケダモノランドグループ会長は1話運転席のメイド? +3話(予告)

アニメとして大好きです。毎週楽しんでいます。

もう一つ別のアニメ楽しみとして、最終回予想がありますが、この「アキバ冥途戦争」においては、毎回の「逝ってらっしゃいませ。」が大切で、お話を終えるための伏線が1本、1話アバンから張ってあり、黒幕・ラスボスが予想できたのですが、ストーリーを変える要素は無く、「アキバ冥途戦争」の楽しさには関係ないと判断しました。(主人公の生死には触れていません)

2話視聴の段階で、12話最終回の状況が見えてしまったのでupしますね。

 

1985年の射殺現場のビルと同じビルに「メイドカフェとんとことん」は入ってますね。ラーメン店もそのまま。

1話。「侍女茶館」のエレベーター入口まで、高級車を降りた店長が歩き、カメラが引いた時、醤油ラーメン600円の看板、鉄砲玉メイドが看板前を通り過ぎる。

1999年の画像と比べると、道路片側突き当りの正方形のガラス窓のビルが同じなので、同じ通りで、同じビルです。そしてOPで一瞬映る、ライオンを背にしている会長のような雰囲気のメイドは、顔つきが間違いなく、高級車の運転席に座っていて銃撃の時、ドアを開けながら『店長!』と叫んだメイドですね。

1999年現在はケダモノランドグループ会長です。

1話1999年のラーメン店で渡された銃は「嵐子」さんが14年前に使用後、警察に行く前「大将」に預けたものと考えられます。今も14年前と同じ感じで抗争してるので「嵐子」さんが登場しない方が不思議ともいえる構図ですね。

この14年間に何があったのでしょう。もちろん推測ですが書きます。

 

1985年、店長を射殺され激怒した嵐子は、仕返しを誓う。見覚えの在った鉄砲玉メイドの衣装から、店の名前が頭をよぎりる。

(激怒していたが、頭をよぎりった店の名は怒りが氷付くほどヤバい物だった……相棒の身内が撃っていたとなると、あいつもただでは済まない)

『顔も衣装は雨が酷くはっきり見えなかった。』と、運転席の相棒に伝えたが、彼女は苦しそうに、『嵐子……私が確認してみる。』と言っただけだった。

数日後、店長の葬儀の日、喪服で自宅を出た。店長を撃った相手は不明での葬式だ。時刻がまだ早く、人がまばらな葬儀場に到着する。

相棒を見つけ、隅のソファーに座り、小声で『お前の親族が経営するメイド茶館の制服を、鉄砲玉が身に着けていた、店長が指示したのか?』と嵐子は問う。

相棒は苦しそうに顔を歪め、『対抗店が放った身元を偽った人形に嵌められて、デカ過ぎる借金作ってしまったらしい……それを棒引きにすると言われ……』唇の端から漏れる。

嵐子は『そうか……お前の身内だ、お前には恨まれるかも知りないが、店長も俺たちを育ててくれた大切な店長だった。仇を取らない訳にはいかない。でも、いいか、お前に責任は無い。……店と、グループを頼むぞ。私は情報屋から聞いてあの店を潰したことにするよ。』静かに返したが、相棒は下を向き何も言わなかった。

嵐子は目の端に相棒の親族の店長が、手洗いに入るのを認める。

『世話になった……』相棒に言うと、嵐子は手洗いの方に歩き出す。

2分後……5発の立て続けの発砲音と、少し間を開けて1発。窓ガラスを破壊する音。「嵐子」は窓から出たようだ。一度驚き立ち上がったが、膝から崩れ落ちる相棒…………

 

相棒の親族のメイド茶館が全滅したのは午前11時を過ぎたあたりだった。

 

派手に発砲したが、サイレンが近づく気配は無かった。

血で汚れていない紙袋を、事務所のソファー横で発見し、

リボルバーを無造作に入れ、嵐子は死人だけとなったメイド茶館を出て歩き始めた。

見上げると雲は低く垂れこめていたが、雨は既に上がっていた。

路面上には水溜りが残り、メイド服に着替えていたのでヒールで歩くと、ストッキングに跳ねたが、既に返り血があちこちに付いていたので気にしなかった。

 

ラーメン屋「怒羅磨」は開店前で仕込み中だった。

引き戸を開け、後ろ手で静かに閉めた嵐子に、

『思ったより早かったな。』と大将。

カウンターに、紙袋を置き。

『預かって頂けますか?』と嵐子。

大将は『しょうがねえな。』と返し、早くも店から去ろうとする彼女に、

『あそこは金が無いと不自由する。持ってきな。』とレジから出した、10万円を手渡す。

『お借りいたします。』深々と頭を下げ嵐子は受け取る。

先ほど開きかけた戸を今度は大きく開ける。

意外なほど冷たい風が嵐子の頬を弄る。

『行って参ります。』嵐子からは初めて聴く台詞だった。

1985年、秋葉原。

 

1999年ケダモノランドグループ本社ビル、最上階・会長室。

既に火の手は大分大きくなっていて、煙がこの会長室にも侵入し始めていた。

 

会長はゆったり横を向いて座っていた。

話なら聞いてやる。という雰囲気だった。

 

嵐子も座ることにした。そしてゆっくり話始めた。

 

真実を知ったのは全く偶然だった。『お前の親族の店長を騙した人形は、お前が仕込んだ人形だった。そして、あの時、業界トップだった「侍女茶館」の店長を撃てば、チャラだと持ち掛けた「侍女茶館」の店長が、お前がトップになるには、邪魔だったんだな。』

『お前の身内からの頼みでは、店長をうまく消せたら、私も消すはずだったんだろ』『でも、強い雨で顔も、どこのメイドかも分からなかったようだ』といって殺さなかった言い訳をした。

『身内の店長もお前には邪魔だったんだ。』『私を泳がせれば必ず仇として殺すと踏んだんだな、だってあの程度雨で顔も、どこのメイドか区別がつかない訳は無いからな。』

『私が情報屋に聞いて、撃ったと証言していたから、 警察とグループには情報屋がライバルグループに買収されていたと情報を入れたな。 これでお前にケチは付かないし、私というライバルも消える。』『私がお前を大切に思ってるのを利用したな、見事に騙されたよ!』

 

会長はゆっくり椅子を回し、こちらを向いた。微かに笑っていた。

『懐かしいな、久しぶり。いつか来ると思ってたよ。』

寂し気な、それでいて暖かいものが、奥に宿る目だった。

 

嵐子は深々と頭を下げ言った、『逝ってらっしゃいませ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第3話予告『メイドの拳、膵臓の価値は』【本編】→結論、本人が可愛いと思えば、その娘は可愛いくなれる。
 ※あらすじ
嵐子は「とんとことん」が滞納する“おひねりちゃん”の肩代わりに、
“取り立て屋”から新たな仕事を請け負うことになる。
それは、地下格闘技上のリングに上がることだった。
そしてそこに、秋葉原で横行している高額フィギュアの闇取引も絡んできて……
毎週、社会の闇扱ってて、11話分全くネタには困らなそう。
本当に嵐子が毎回『逝ってらっしゃいませ」で解決してくれると思う。
最終回12話の鉄砲玉黒幕問題もBパートだけでいい勢いですね。

3話の嵐子さんのボクサー姿にもそうとう期待しています。
(「Cygamesアニメすきすきチャンネル」がアニメ予告の2日前ぐらいに、
1分ちょっとの動画を毎週出してまして、9日前がメイドのスロットで、
3日前、「なごみ」さんの中の人がメイド姿で、グラブ嵌めて、
サンドバック相手に、パンチを左右スイッチもして打ってて、かなり良い音。
時々、ねこパンチになるw 声優に何させてるw

今後も毎週アニメのストーリーに関係する、
1分動画が出ると思いますので、非常に楽しみです)



細かいところは当然違いますが、大筋はこんなものでは?と思います。10話先のアニメの予想を書くのは初めてです。
思い出す前科は、9年前2014年4月刊行 西尾維新 終物語(下)の「まよいヘル」に当たる【1】「こよみリバイブ」を2013年11月 【2】「こよみスラップ」を2013年12月にここに書いたこと。
4年以上刊行待たされて、内容が気になりすぎて、待ちきれずに書いてしまったのが内情です。西尾維新先生ごめんなさい。お金関係なく趣味100%だし、それより副題が内容が狭いので、ダブリがちで、私が使ってたせいで、西尾維新先生が避けたことが2回ほどありました。ごめんなさい。内容はそれほど大きくは外してないのでは?と思います。
甘い採点ですが。まあご存じの方は実際に読んでみてください。笑えますから。愚物語お読みになった方は【8】 愚物語「つきひアンドゥトロォワ」(「つきひアンドゥ」創作続編)がかなり、お勧めです。

アキバ冥途戦争は本当に素晴らしいのですが、派手なアクション・ギャグの裏には1話 アバンとOPに仕込まれた、ちゃんとした話の筋が隠されています。(謎の50%の若い時の姿が1話 アバンにしか登場しないので、目に触れるのが1回だけというのが巧妙です)
【黒幕は運転席のメイドそしてラスボス】には、まだほどんどの視聴者が気付いていません。
【アキバ冥途戦争】公式サイト https://akibamaidwar.com/ では、ケダモノランド本社ビルが派手に炎上しています。
最終回でラスボスに「逝ってらっしゃいませ」するために、本社ビルに乗り込むのですが、制作サイドは「カウボーイビバップ」最終回26話に寄せてくると想像します。
任侠映画でラスボスを葬るのに高層ビルに殴り込んで対決というのは皆無なんですね、だからたぶん「カウボーイビバップ」最終回26話ビル攻撃シーンを使うと思うのです。
嵐子さんがスパイクのような攻撃と想像するだけで非常に楽しい時間です。

多少、外れてもその時楽しければ良いのではと「アキバ冥途戦争」的な考えになってます。

ただ、この【21】アニメ「アキバ冥途戦争」12話終 (仮) 黒幕+ラスボス+ケダモノランドグループ会長は1話運転席のメイド? +3話(予告)には拙い文章という事で「カウボーイビバップ」最終回のアクションを具体的に盛り込むのは不可能で、仮に予想が当たっていて事前に「カウボーイビバップ」をご覧になていれば【アキバ冥途戦争】本番の時により、楽しめますし、外れても「カウボーイビバップ」は貴方の人生の質を確実に上げてくれる作品だと考え紹介させていただきます。オールタイムの海外人気アニメ投票では必ず上位に食い込む、非常に人気の高い作品です。

「カウボーイビバップ」初フル放送はWOWOWで1998年10月です。未見の方が多いのではないかと思います。【U-NEXTは31日間の無料お試し】【Hulu(フールー)2週間無料お試し】などありますが、U-NEXT・Hulu・TSUTAYA DISCAS・U-NEXT・music.jpで無料視聴可能でたぶんどこか加入済みでは?と思います。

お忙しいとは思いますが、「カウボーイビバップ」5話・25話・26話最終回をご覧いただければ「カウボーイビバップ」の大体のイメージがつかめると思います。
(全然違う面もたくさん持っている作品です。カウボーイビバップは渡辺信一郎氏が初監督したアニメなのですが、もうこんな機会は無いかもしれないという事で、彼が温めていたほぼすべてのプロットを、最終回以外、1話完結の2クールに詰め込んでいるためです。音楽も菅野よう子さんが毎回作品に合わせて、大量に作曲しており、サントラも大変なことになってます)[菅野よう子さんは当時スタジオで、ヒマな時、ヒマではない時、つまりどんな時、どんな場面でもスヤスヤ居眠りをしていたそうで、珍しがられて、ゴーグルディスプレイを使う、小柄の中性的な子供のスーパーハッカ―「エド」として作品に参加しています。「リコリス・リコイル」の年齢不明のスーパーハッカ―「くるみ」はカウボーイビバップの「エド」がモデルでは無いかとの噂がありました。相棒のコーギー犬「アイン」は、ボンドのネタ元ともいえる犬で「データ犬」と呼ばれ、知能が非常に高く、情報処理能力は人間のそれを遥かに上ります。]


※推理小説で犯人をバラされたり。トリック中心の物語でそのトリックの仕掛け。それを知ってしまうと物語への興味がスポイルされてしまうものを英語圏でスポイラーと言います。ハッピーエンドかバットエンドも興味がスポイルされれば、ネタバレでしょう。でもネタバレは日本では乱用されていると考えています。なんでもかんでも、ネタバレです。何も知らない方が楽しめるものがあるのは確かですが、この「アキバ冥途戦争」では「逝ってらしゃいませ」を、いかに派手なシチュエーションで、毎回ブチかませるかが「目的」になっており、そのためには手段は選びません。一応最終回用の、物語を終わらせるための伏線は、1話アバンからちゃんと張ってありますが、「アキバ冥途戦争」を毎週楽しむためには、その伏線を知っていても、知らなくても、全く関係ありません。
そう判断して、この【21】アニメ「アキバ冥途戦争」12話終 (仮) 黒幕+ラスボス+ケダモノランドグループ会長は1話運転席のメイド?を書きました。ご理解いただけるものと信じています。






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【22】アニメ「アキバ冥途戦争」3話 あしたの嵐子









2022年10月【22】アニメ「アキバ冥途戦争」3話 あしたの嵐子・OPで顔が消されていた、ブーツ・長身で高等身・銀髪ロングの武闘派メイドはゾーヤ。( 出身・プラウダ高校の副司令官「クラーラ」)

 

第3話は分かり易いから考察、不要かなと思ったのですが、

身近で分からないよ~と言ってる人がいたので、一応、私見書いてみます。

逆境の中においても、自分の中にある夢(思い・思想・感情[可愛いメイド好き])を、濁らない状態で貫き、笑顔でいる大切さ。

と、濁ってしまった、フィギアオタク2人。あと、ギャンブルを続けるための、お金と臓器を交換してくれる、臓器売買システムについて扱った第3話です。

 

許せないものとして扱われるのは、フィギアコレクターでいるために、偽物のフィギアを扱う男と、貴重なフィギアを入手するために、八百長格闘試合で儲ける女。

(本作に登場した「巨人の星」飛雄馬を物影から見守る「明子」はそのままのデザインで実在しましたが210~970円くらいでした)

モチーフは「あしたのジョー」「あしたを掴むために万世橋を逆に渡る」万世橋→泪橋。「栄光を掴むために」

 

フィギアコレクターの男女はまず。フィギアを奪うため女が男を殺し、女も手下との交戦で死亡。

 

[可愛いメイドが好き]のロシアの「ゾーヤ」。ソ連で軍人として育てられたため、可愛く笑うキャラになれない悩みが。自分を嵐子に写し、お前はメイドでは無いと否定するが、試合を通して、ピンチでも可愛く笑う嵐子から、【本人が可愛いと思えば、その娘も可愛くなれる】と教えられる。試合の勝負は伝説の「クロスカウンター」で決まる。(日本語が得意な中の人「ジェーニャ」さん、収録でゾーヤは日本語勉強中とダメ出しだったそうで)

 

OPで路上で「赤いハイヒールの女」とメイドカフェ とんとことんのメイド5人が対峙してますが、路上だし物語終盤での相手だと思います。

 

ケダモノランドグループの取り立て屋に、何倍も水の飲ませられるのは、嵐子さんしかいない気がする。

 

臓器売買ショップの看板は「君の膵臓をたべたい」が「「君の膵臓を借りたい」になってたくらいかな。

 

店長、服脱がされたかと思ったら、誠意で自分からって笑った。

 

今のメンバーにさらに戦力を加えるとは……もうどこでとでも戦えます。

 

パンダ(おかちまち)がセコンドでうるさい店長を連れ去ってくれるのは助かる。(肩をポンポンのあと、逆さまにして拉致)

 

やっぱりオカシイですね。このアニメ。(たぶん、誉め言葉だと思います)

 

 

 

 

 




※今回、初めて嵐子の犯罪がらみのシーンが録画される事実が描かれました。
しかし、1話からの行動は録画など無いことを前提としていますし、
背景にカメラが描かれたことは無いはずです。今後の考察課題としますね。







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【23】アニメ「アキバ冥途戦争」3話 木島の部下発言の考察・改

2話で、「なごみ」のメイドになりたかった理由の説明が難しい、と書きましたが、3話でなんとかなりそうです。見過ごせない、説明台詞を超えた設定台詞が出ました。番組序盤、木島とその部下が、メイドがチラシを配る秋葉原を歩き、部下の一人が『チョット、一般人に手出さないで下さいよ。』『怖っ、メイドがビラ配って来たんだけど』『殺されるかも』と発言してます。でも、他の通行人の耳には届いてない感じ。メイドは発言者の方を見ます。「なごみ」の反応は『なに?あの人たち』。「嵐子」は、この後、木島と揉め、手を上げようとするも、「ゾーヤ」に押し留められる事態になるので、その「呼び水」的な台詞とも取れますが、この過激な台詞が、実は誰向けかと言うと、答えはタイミング的に「視聴者」の感じがします。説明しようとしているのは、1点、「メイドの裏側を知っている人間はいるが、一般の人はメイドの裏側など知らない、矛盾した世界だ」という事が考えられますので、説明します。

 

1話で「嵐子」がいきなりライバル店の店長の頭を撃ち抜き、「なごみ」と共に退店。ライバル店のメイドは追いますが、全員が路上で、「嵐子」により殺害されます。この、強引なプロットを作品化することにより、根本的な無理、内部矛盾が発生します。この事件が報道されているのに、翌日、何も無かったかのように営業を開始し、客が普通に来店していることですね。「なごみ」も不思議に思いますが、視聴者も同じです。

(やくざは客商売して無いから抗争可能な訳で、客商売のメイド達がグループ間で対立し、抗争するのは本来不可能です)

 

「なごみ」と同じように不思議に感じている視聴者に向けて、「意図的に木島の部下に過激な発言をさせている」と考えることが出来ます。それは、知ってる者だけに、メイドはやくざと同じに見えるということ、そして、テレビで報道されたとしても、一般の人はメイドをメイドとして認識し、危険なやくざ的なものとは思わない世界。という事です。

それを補助するようにに1999年で店にも街頭にも、防犯カメラが無く、嵐子が路上で華麗に打ちまくる、証拠映像は存在しません。

( 3話では防犯カメラで、死体をトランクに入れる「嵐子」が録画され、悪用されますから、防犯カメラは存在する世界です。しかし、メイドグループの店や秋葉原の街頭には、取り付けられていないですね。抗争を前提とすると防犯カメラは邪魔な存在なのでしょう。思惑で街頭から防犯カメラを一掃しているとしたら、力を持った人間がいるはずです。[ケダモノランド代表の「凪」かもしれません] メイド間の抗争が録画されては、大切なメイドのイメージが崩壊します。

 

「しぃぽん」は1話で「なごみ」がメイドになることに対して、『今どきメイドになりたいなんて珍しい』と発言しています。

これは『やくざ同士が抗争する今どき、やくざになりたいなんて珍しい』というのと同じ意味ですが、「なごみ」はそんなこと知りません。

メイド喫茶「チュキチュキつきちゃん」壊滅、のニュースがテレビに流れても、一般の人のメイドに対するイメージは変化しない (知らない) のです。

だから、ごく普通に来店しますし、過去にそのような報道がされていても、「なごみ」のようにメイドにあこがれて、上京する子がいる訳です。

でも、裏街道を歩いている木島の部下からすると、メイドとやくざは同等で『チョット、一般人に手出さないで下さいよ。』『怖っメイドがビラ配って来たんだけど』『殺されるかも』と発言する訳です。常識的に考えれば、ちょっと考えられないことですが、一般人はメイドの裏の顔を知らないのてす。

そういう世界 (設定) ですよという事を説明してると考えられる訳ですね。

 

下準備としての説明は2話で、たぶん抗争相手と思われる、メイドリアングループ「侵略カフェですとろん」の「ねるら」からスタートしてやってます。

彼女の発言の【メイド】の部分を【やくざ】に変えると組・組織の事をズバリ言ってます。

『うーん、確かに暴力は付き物ですけど、メイドもそんなに悪くないですよ。お店(組)やグループを信頼して、その分、面倒を見て貰って、メイドの世界って家族みたいなんです。可愛い制服(カッコ良く決めて[菱形の襟章付けて]歩ける)も着れますし』と。

「ねるら」とお話して元気になって店に戻ると、やはり戻ってきた店長が閉店を告げます。

この辺に出てくる言葉も念を押すように同じですね。

闇金にて…

男『メイドカジノっていう……』 店長『騙されませんよ。メイド絡みって危ないやつでしょ』

店で…

ゆめち『店売ったの?お店がどれだけ大切な物か分かってるの!メイドにとっては命より大事なもんでしょう』……私たちが知ってるメイドとは明らかに違うものです。

 

最初に戻ると、「なごみ」は知らなかったのです一般人ですから、ニュースで報道されても、メイドのイメージが壊されることはありません。

【当事者にならない限り分からないことなんですね。】凄い世界を強引に設定したものだと思います。力業ですね。

また、現実もそういう一面は持っています。メイドカフェは全て設定の上に構築されて、客もメイドも設定どうり動き楽しみます。

高度な楽しみ方とも言えますね。需要を発見する者がいれば、そこに商売が発生する訳です。複雑な商売が。

このアニメも進化の末に成立していて、言い方を変えれば高度な構成をしています。頭が固ければ楽しめません。複雑な設定の上に構成しているので、受け手の度量が無いと、ただの訳の分からない無茶苦茶なダメアニメという事になりますね。センスが必要で人を選ぶアニメだと思います。

 

嵐子殺すのは『SPY×FAMILY』でヨルさん殺すようなものです。

 

 

 



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【24】アニメ「アキバ冥途戦争」4話+5話(予告)・改2

【特設前書き】・2023年6月25日 天国大魔境最終回
昨日配信&放送なのでここに書きますw
・最終回・
マルが来たのは翌々日。キルコは二日間も全裸のまま。手首固定はロープに変更だが、
ベットから出される事はなく超鬼畜展開。ロビン(作者)の性癖が全開過ぎ。
テーブルに食事跡、マルが来た時も別の食事を運んでおり、食事を与えられながら丸二日、
延々とやられ続けていた感じ、切り上げる気配もない。キルコは殆ど抵抗した様子が見られず、
原作のマルが来る前の表情は、まんざらでもない感じ、助けに来たマルを見てから目に涙。
このような問題では流されやすく弱い人間なのだろう。門番がたまらないと言っているので、
まき散らされていたのはレイプ拒否の叫びでは無く、悦楽の声。
拘束状態で押し倒されてもロビンを受け入れ、助けられた後はマルにロビン殺ぬよう懇願するから
マルは怒りの持って行き場を失った形で、ぶち切れてしまいそうな処『あんたが好きだと』言い、
結局キルコを受け入れるマルの包容力が嬉しい。
桐子を撃ったのはロビンだろうが、まったく解明されないし他も同じ。
確かに原作は終了していないが、最終回としては疑問が残る脚本。
また結果としてキルコが異常にさっぱりしてるのに、過程の演出がドロドロしすぎ。


第4話の視聴しました。「佐野指導官」はラスト後ご存命か心配ですが、語られない気がします。

メインプロットは、

 

【21】アニメ「アキバ冥途戦争」12話終 (仮) 黒幕+ラスボス+ケダモノランドグループ会長は1話運転席のメイド? +3話(予告)

 

書いてしまっていて、こんなものではないかと思います。

 

いままでケダモノランドグループ会長と、表記していた人物が、ケダモノランドグループ代表・「凪」として本編に登場しました。

1985年の店長銃撃事件の運転手としては語られていませんが、以前から書いていますように、個人的に経年変化した顔が合致しますので、同一人物と確信しています。

同じ理由で助手席から出て、後部ドアを開け、傘を差しかけていたのが「嵐子」で、車はテールライト・フロントマスクからメルセデスベンツ 300SEL・後部ドアの窓に特徴があり、

後席が特に広いショーファードリブンモデル、ミニカーで同じ形の物を見つけたのですが、詳細な車名は不明です。

ケダモノランドグループの集まりで、他店の店長の会話から「嵐子」が、1985年に現在のケダモノランドと繋がりがある店のメイドで、刑務所に行き秋葉原に戻ったと明白になりました。

これで、「凪」が1985年の事件の黒幕であれば、この物語での「嵐子」の目的である復讐の相手。侍女茶館の店長の仇でありラスボスです。【その予想です】

「嵐子」が収監されていたのは、恐らく件の事件の鉄砲玉が所属する店を壊滅させたことですね。しかし、黒幕は潰せていなかった……という事だと思います。

「嵐子」が秋葉原に戻ったのは、刑務所で「1985年の侍女茶館・店長銃撃事件の首謀者 ( 黒幕 ) は、あの時、壊滅された店の人間ではないのかもしれない」という、情報に触れたためと想像します。黒幕の特定はまだですね。「嵐子」が黒幕が分かっていて動かないのは考えられません。

とりあえず、店名は変わっていますが、同じ場所にあるメイド喫茶に戻って、( 古巣に戻る感じですが、同じなのは場所だけで、侍女茶館は内装や2F店舗入り口あたりの外装は変わってはずですね。ドアは重厚で店内の照明も少し落として、ソファーがある感じ ) 何か情報が入るのを待っているんだと思います。

 

物語の謎解きとしては、不思議だった「なごみ」のメイドになりたかった理由や、「チュキチュキつきちゃん」壊滅がニュースで流れてるのに、平然と店を開け、客も通常どうり来店する説明を、前回 (【23】アニメ「アキバ冥途戦争」3話 木島の部下発言の考察 ) で、自分なりに説明出来ました。

 

「ゾーヤ」加入でDPも修正され、後はパンダ(おかちまち)の中身ぐらいですが、これはリコリス・リコイルで「クルミ」の年齢の謎が、解けなかったと同じように、最後まで明かされない気がします。

突如【パンダが頭部を強打→記憶消失・失語症から回復→パンダの中の人は「侍女茶館」店長の娘で「嵐子」と共闘して、ケダモノランド崩壊へ】も面白いですけどね。普通に【1話アバンからの伏線回収→嵐子の復讐】が最終回になると思います。

 

ラスボスに「逝ってらっしゃいませ」と声を掛けられるのは、最終回になるはずですので、それまで毎週いろんなことやってくれそうですね。

「嵐子」の特技とキービジュアルの野球グローブから野球回は確実です。キービジュアルのUFOはメイドリアングループの「侵略カフェですとろん」絡みとは思いますが、内容がどんなものか全く読めなくて楽しみです。

第5話は『赤に沈む!三十六歳生誕祭!』とのことで、28秒の予告動画見ても「嵐子」と「なごみ」が「メイド シープ」へ行ってヒツジメイドに会うのと、店長が内職の雰囲気で、赤い造花のカーネーション作ってるぐらいしか分かりません。

あと、数時間で放送されますので待ちます。

 

[現在の「嵐子」と「凪」の立ち位置]

4話の「忠犬メイドッグ店長」のような代表の犯罪の身代わり出頭はなら、出所後厚遇されるものですが、嵐子には当てはまっていません。

敵対グループ店壊滅による収監なら、少なくとも、出所当日、ケダモノランドグループから出迎えがあり、グルーブ本部まで連れ帰ってくれるでしょうが、そんな様子はありません。

恐らく、1985年に「侍女茶館」店長に差し向けられた、鉄砲玉の所属店を壊滅させてますが、ケダモノランドグループから、評価されていない。

評価されずに、新人メイドとして舞い戻っている。

この辺が私の推測のスタートになっており、正確性は不明ですが、私の予想どうりなら、敵対グループ店を壊滅させたのではなく、ケダモノランドグループの店を壊滅。

それは仇討ちですが、内部での私怨によるもめ事扱いに留まります。そして代表「凪」の血縁者の店です。「凪」は体面上「嵐子」には距離を取ります。

まあ、少なくとも、出所してもケダモノランドグループから、評価されない事件であったことは確実です。

また、「凪」ですが真犯人 (黒幕) であった場合、「嵐子」の帰還は心穏やかでは無いのですが、性格は判っていますので、出所して真っすぐ自分の所に来てない以上、バレていないと判断。

「嵐子」は絶縁されているわけでは無いので、好きにさせているのだと思います。これで「凪」が刺客を差し向ければ、逆に『語るに落ちる』状態となってしまいます。

 

 

 

今回の連載は、『物語の大枠でのプロット予想』と、謎解説がメインで始めたのですが、構成が、

【物語の主人公 (嵐子) の目的を、1話に伏線に隠し、最終回に回収。他の回は個別のテーマで盛り上がる】という特殊な構成だった為、

第2話が終了したところで、物語の大枠でのプロット予想の『1話の伏線を最終回に回収』を具体的に、【21】として書いてしまいました。

 

毎回盛り上がるエピソードは見ていて楽しいですが、基本的に解説するしかなく、次回の予想は不可能です。

物語の構成によって歪として発生する謎は、【23】で説明したので、もう特に解くべき謎も無い気がします。

1話ごとのエピソードを、皆さんと同じく、毎回楽しく見ていこうと思います。

 

なにか特別なことが無い限り、今回以降の更新は無いです。

 

よろしくお願いします。

 

読んでいただいてありがとうございます。





6話で嵐子が現在「凪」がどこにいるか知らないと判明。
ラスボスは「凪」で変更無しで、ラスト近く黒幕だったと判明する見込み。はいいんだけど、
今回の話あたりで個人的に思うPAの悪いところが出て、1クールの途中でお話のノリを変えちゃうんだよね。
嵐子さん軽くて強かったのに、急に独特の倫理観になって助けられる「ねるら」を本人の意思のままに死なせた。
今までのノリだったら本人がスジを通して、一人で戦うのを見守ったにしても、明らかにダメとなったら助けるはず。
でも未見殺しに……視聴者はこれで「なごみ」が変わっても嬉しくない人は多いはずなのに、PAはやるんだよね。
最後までバカやってほしかった。急にリアルやくざ風にしても面白くないだろうと…………

追記:2022年12月16日
11話ラストで嵐子殺害が描かれたので書きますね。
【あれはフェイクで、死亡の偽装です。】
1.刺殺犯人の顔が描かれていない。
2.嵐子が背中側を刺され倒れた後の、上からのショットで背中側の白いエプロンに、
全く血が付いておらず白いままで、うつ伏せに倒れ下側になった腹から出血が広がっている。
3.刺殺犯人が素早く消えてどこにもいない。
4.なごみに助け起こされると、刺されていない腹側から出血 ( 刃物が貫通するはずもないし、
背中側も出血していない )
5.嵐子を助け起こしたなごみの右手は、自分のエプロンを握り閉めたままで、僅かに血が付いている腹部の上まで移動させた後、手を開くと血がエプロンに一気ににじむ。エプロンの下に血のりを隠し、握り閉めていた作画が明らかにされており、1度目は血の広がるタイミングに違和感を持ったのですが、理由は細かい作画の為だと分かりました。確認で見た時には笑ってしまって……瞳が光を失う演出は反則です。

御徒町さんは立て篭もりの時、パンダの着ぐるみが脱いで置いてあったので、( 頭に前足が掛かって見えるが角度が変 ) 単身で何かするのかと思ったが、その後全員集合時パンダはいました。
でも最終回でケダモノランド本部ビル炎上は御徒町さんの仕業で、凪と刺し違えて死亡でしょう。
凪不在でケダモノランド崩壊後のアキバでなごみたちは非暴力のメイド店を運営。
死亡を偽装した話の筋立てから、嵐子は秋葉原を去ると思いますが、列車の隣席にはやっぱり死亡偽装した、末広さんが座っていて欲しいものだと思います。スーパーハッピーENDですね。こんな映画どこかで見たかも。

最終回12話でケダモノランド本部ビル炎上は、コンセプトアートそのままにやると思いますが、
今回描かれた内部が、カウボーイビバップ最終回の敵本部ビルとはだいぶ作りが違い、
カウボーイビバップ的演出という予想は外れたようです。

御徒町さんに入っていた人の真相は意外にもやってくれて、1話鉄砲玉の人でしたね。
中の人が『涼宮ハルヒの憂鬱』ハルヒの平野 綾で、2010年劇場版『涼宮ハルヒの消失』
以降は、悪い噂ばかり……個人的はアニメで12年ぶりで嬉しかった。( さすがに1話の悲鳴では気付かない ) 嵐子が発砲し、画面が替わってパンダ頭部に被弾し頭部を外した鉄砲玉の人の作画が、
完全に平野 綾さん本人になっていて、とても良いなと思いました。





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【25】「アキバ冥途戦争」の挫折を超えてアニメ「物語シリーズ」再始動を祝して!

アニメ「物語シリーズ」再始動します。
範囲は「オフシーズン・モンスターシーズン」とのこと。
「オフシーズン」1冊目「愚物語」の3話目「つきひアンドゥ」終了直後から始まる設定の【8】 愚物語「つきひアンドゥトロォワ」をこの作品には収録しています。
さらに2話目「するがボーンヘッド」の続きの設定の【6】 愚物語「するがボーンヘッドリターンズ」も収録してます
★【8】「つきひアンドゥトロォワ」だけでも良いので読んでいってください。(8年前に書きました) 損はさせません。




本文は「つきひアンドゥ」と「するがボーンヘッド」よりアニメ化が嬉しい、『撫物語』の感想などいろいろです。

オフシーズンは「愚物語」「業物語」「撫物語」ときてやっと長編です。

『撫物語』「なでこドロー」好みに合いました。『愚物語』でも「つきひアンドゥ」が一番好きでしたので、はっきり言ってど真ん中です。中編だと物語が1~2転ぐらいしかしないので、ほんの少しですが物足りず、一人で一冊の長編だったので大満足。

特にツボだったのは、原作「なでこドロー」では「つきひアンドゥ」のラストを引き継いで「つきひアンドゥ パート2」が実行されいるらしいこと。(そうしないと、「なでこドロー」の内容と、つじつまが合いません)(原作物語内では『正義の魔法少女、パート2。次は死んでも失敗しない』という事態になっているからです) つまり、たぶん原作パート2内では、予定どおり月火は死亡せず、撫子の絵を使わないで、斧乃木ちゃんがでっちあげたモンスターは退治され、斧乃木ちゃんは『任務完了だ。さようなら!ガク、バタン』と元の次元への魂の召還を、糸の切れた操り人形よろしく熱演したのに、いまひとつ月火は元の次元へ、本当に正義の魔法少女☆斧乃木ちゃんの魂が召還されたとは思っておらず、思いつくたびに、サラダ油は使わないにしろ、『ほんとは、正義の魔法少女☆斧乃木ちゃん、まだいるんでしょ』とチキンレースを仕掛けて来ていて、それに耐えられない斧乃木ちゃんが、月火の愚痴を言うために、千石のところに週4で通ってるって裏設定なのではと思えたことです。

 

(既に書かれている事象の中で、月火の愚痴を言うために、千石のところに週4で通うほどのことに発展しそうなエピソードがこれしか無いのです。愚痴の具体的な内容は書かれず、斧乃木ちゃんの「月火は酷い奴なんだよ」という証言しかないのですが、消去法でいくとこの結論になりそうな気がします)

(斧乃木ちゃんが月火にチキンレースを仕掛けれるたびに、ターミネーターのT-1000を真似た『アンリミテッド・ルールブック・T-1000・剣版』を使って月火の頭を串刺しにしていたら、千石のところに週4で通うことにはなってないような……)

 

(逆読みすると、そんな処理法がありえることを西尾さんも承知で、そんなことはしていない伏線としての千石への愚痴なのかも知れません。まあ、そんな処理が臥煙さんにばれたら怒られるので斧乃木ちゃんはしないというより、嫌いだけどそこまでのことはしない式神童女だと思います)

 

 

『撫物語』「なでこドロー」は刊行後、外部情報をシャットアウトしていて読み始めたので、懐かしい「ドラえもんだらけ」のオマージュもので、どこまでいくのだろう~と、読み進めたのですが、話は膨らみ、登場人物も多数になり、幸せな一冊となりました。

 

 




物語シリーズ最新巻-2023年刊行-『戦物語』のあとがきには、
この戦物語でスタートした、ファミリーシーズンの次に書くとしたら、『接物語』でしょうか。などと書いている西尾さんですが、
嘘あとがきが多いことで知られているわけで、すんなり
『接物語』とはならないと思います。
事象として面白いのは、『戦物語』のラストで公に存在できない家族となった阿良々木暦・ひたぎ・忍は"証人保護プログラム"により、偽名を名乗ることになったのですが、あからさまにそれらしい家族が、
『忘却探偵シリーズ』に登場しており、クロスオーバー以上の展開になりそうで、掟上今日子と羽川翼の関係性が語られそうな予感がします。


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