デュラララ!!に強いの入れたかった (グラン(団長))
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1話

俺の文章力は2だ


「フフフ」

 

 

夜中にお散歩していたら美人さんが表れた、長い黒髪を夜風になびかせ目をランランと光らせている。

いや、マジで、ランランしてる。なんかヒ◯カフィギアの股関みたいに真っ赤に光ってる。

 

 

「あのぉ、いったんどんなご用件でしょうか?……というかその目どうしたんですか?目薬と間違えて赤チンでも垂らしちゃったんですか?」

 

「ごめんなさいね、でも、どうしてもあなたがいいって言うから」

 

「え?マジで理解できないんですが。いったいなに、を……」

 

 

こちらの言うことなど聞いていないのか、女性はただただ微笑みながら、右腕をかかげた。

すると、かかげた掌から、光るなにかがまるでが生えてくるかのようにズズズと表れた。

KATANAだ!KATANAだってあれ!スゲースゲー、月明かりに照らされて輝いてる刀身が蠱惑的で思わず見いってしまう。

かかげられたKATANAは、その刀身を全て表し、ゆっくりとした動きで刃先をこちらに向けた。

……こちらに向けた?え、こちらに向けた?

 

 

「あのー、つかぬことをお聞きしますが、そのKATANAをどうするつもりなんでしょうか?」

 

「フフフ、あなたと触れ合って、あなたと愛し合いたいんですって」

 

「ふふふ、言葉がキャッチボールできてない。こっちのボール全部無視してデッドボール投げてきやがる」

 

「さぁ、愛し合いましょう」

 

 

……うん、まぁ、さすがに薄々気づいてたんだけどね。

噂の切り裂き魔さんとこんにちはしました。

切り裂き魔さんは容赦など一切する様子もなく、赤く綺麗な両目を輝かせながら、人外じみたスピードで突っ込んできた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

 

 

 

 

「ーーーってことが昨日あったんだ」

 

「……嘘だよね?」

 

 

公園のベンチでつまらなそうにしていたロリっ子がいたので愚痴ってる。

黒髪メガネで、昨日の切り裂き魔さんと何処と無く顔が似ている気がするから調度いいよね。

 

 

「いや、マジで」

 

「じゃあなんでそんな元気なの?」

 

「そりゃ、俺がKATANAを全部白羽取りしたからだよ」

 

「……嘘」

 

「本当だってば、後半なんてすごかったんだぞ?体のいたる所からKATANAが生えてきて、口とか使ってなんとか凌いだんだぞ?ほら、口の端ちょっと切れてるべ?」

 

「……切れてるけど、絶対嘘」

 

 

ロリっ子にすんごい冷めた目で見られてる。あらやだ、照れる。

しかしすごいなこの子、この年ですでに人生に絶望しきった顔してやがる。

 

 

「そういうチミはなんで朝からこんな公園に?遊べばいいじゃん」

 

「それは……」

 

 

なかなか話さないので、うざがられるのも物ともせずに聞き出し続けた。

どうやら家庭環境が芳しくないらしく、家にいると暴行を受ける恐れすらあるらしい。

……どうしよ、思ってた数十倍重かった、今すぐ逃げ出したい。

友達と喧嘩したとか、親と喧嘩したぐらいのソフトなやつを期待してたのに。

 

 

「……どうしたらいいと思う?」

 

「……」

 

 

視線の温度が50度ほど下がった気がした。

 

 

「わ、わかったからその目やめて。キュッてなる、キュッてなるから!」

 

「……ハァ」

 

「じゃ、とりあえずうちに来なさい!美味しいもの食べれば今よか元気になるべ!」

 

 

ロリっ子の手をガシッと掴んでそのまま連行、なんか言ってる気がするけど気にしないよ。

家についたらロリっ子を座らせ、キッチンに直行。

冷蔵庫の中身的にナポリタンが作れそうなのでナポリタンに決定、異論は認めない。

 

 

「ナポリタン食べれる?」

 

「ナポリタンは食べれるけど……」

 

「よし、じゃちょっと待ってなさい」

 

 

お湯を沸騰させつつ、野菜とウインナーを切る。

ナポリタンのいいところは手間かけないで短い時間で出来るとこだよね。

パスタをお湯に投入して、同時にウインナーを炒める。

というか描写が面倒なのでナポリタン完成!

 

 

「さぁ!召し上がれ!」

 

 

ロリっ子は恐る恐るという感じで、目の前に出されたナポリタンに口をつける。

噛みきるようにしてしばらく味わうと、驚いたような顔をして飲み込んだ。

 

 

「……おいしい」

 

「そりゃよかった!さぁさぁ、どんどん食べなさい!いっぱい食べて切り裂き魔さんみたいなボンキュッボンな美人さんになるんだぞ!」

 

 

しかし、ロリっ子は半分ほど食べたところで手を止めてしまった。どうしたのだろう?

 

 

「あれ、どした?もしかして飽きちゃった?」

 

「そうじゃなくて、その」

 

「ん?」

 

「……お腹、そんなに空いてない」

 

 

……無言で時計に目をやる。針が指し示す現時刻はちょうど10時になろうというところだ。

 

 

 

 

 

 




バッカーノ読め


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2話

バッカーノおもろいぞぉ


ナポリタンでお腹いっぱいになった(ほとんど俺が食べた)ので公園で眼鏡ロリっ子とパピコを食べながら日向ぼっこをする。

 

 

「パピコの蓋の部分って美味しいよね」

 

「味は一緒だと思う」

 

「いや、味っていうかなんていうか、この少しだけある部分の儚さがたまらないというか、諸行無常っていうか」

 

「意味わかんない」

 

 

俺も途中からわかんなくなった。

しっかしどうすっぺかなこの子、俺にどうにかできる問題じゃない気がすんだけどなぁ。

だってまだ中学生だぜ?

DV親ボコすって手もあるけど、それじゃあ根本的な解決にはならないからなぁ。

そもそもなんでDVするかってのが問題だからまずそれを調べないと、だからこっちに向かって飛んでくる自販機にかまけてる時間はないんだけど、……自販機?

 

 

「って危ねぇぇぇぇぇッッッ!?!?」

 

「キャッ!?」

 

 

危なかったぁ……、AIKIDOがなかったら死んでた。

あれ、パピコが……俺のパピコが……

 

 

「……誰だゴラァァァァァッッッ!!!!!」

 

 

自販機が飛んできた方向を見たらポカンとした表情でこっちを見てる二人組がいた、見た感じどっちも高校生だけど関係ない。

パピコの怨みははらさせてもらう、というか俺がいなかったらロリっ子がぺしゃんこになってたぞ?

ちょっとお灸を据えなきゃならねぇ。

金髪の方のポーズが投げたあとっぽいからまずはそっちからだな。

 

 

「人に向かって自販機投げちゃダメでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

クラウンチングスタートでよーいドン!

相手に反応させる暇を与えず、トップスピードでドロップキックをかます。

……固くね?

一応吹っ飛ばしたけどなんかだいぶショボい感じだったな。

20メートルは飛ばす予定だったんだけどなぁ……。

 

 

「……キミは」

 

「自販機投げたのこの人だと思ったんすけど、もしかしてアンタだった?」

 

「いやいや、違う違う。キミ達に自販機を投げたのはそこのシズちゃん、僕は襲われてただけだよ」

 

「あ、そうなんすか」

 

 

よし、この黒髪の人は無罪!

 

 

「イテェ……」

 

「固すぎだろアンタ、なに食ったらそんなんなんだよ。緑ブロックでも食ってんのか?」

 

「シズちゃんを蹴り飛ばすなんてキミ凄いんだねぇ、よかったら僕と友達になろうよ」

 

「はぁ、まぁいいですけど」

 

「よし!それじゃあ携帯を貸して、……これでオッケー!僕の連絡先を入れといたから、なにか困ったことがあったら連絡しなよ。僕の名前は折原臨也、来良学園の三年生だ、よろしくね」

 

「あ、やっぱ先輩でしたか、俺は真日原クレアです。よろしくお願いします。」

 

「……俺を無視してんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

あ、金髪が起きた。

とりあえずいきなり飛び蹴りしたから言いたいこと言えなかったし、言わせてもらうか。

 

 

「うるせぇぇぇぇぇ!!!いきなり人に自販機投げつけたヤツがキレてんじゃねぇぇぇぇ!!!あんなん当たったら死んじまうだろうが!だったら人に蹴られたぐらいで文句言ってんじゃねぇぇぇ!!!」

 

「ウッ、……確かに、そりゃそうだ」

 

「俺だけならまだいいけどなぁ、俺がいなかったらあそこのロリっ子に当たってたかんな?間違えたじゃすまねぇぞ?」

 

「なにっ!?クソッ、マジかよ!……大丈夫か?怪我はねぇか?」

 

 

俺がロリっ子を指差して教えると、金髪はロリっ子にかけより心配そうにしてる。

……あれ、いい人?

ロリっ子に怪我がないのを確認した金髪は、ロリっ子に頭を下げると、また俺の前に戻ってきた。

 

 

「俺が悪かった、お前の言うことはもっともだ。お前がいなきゃあの子を殺しちまってたかもしれねぇ、ありがとよ」

 

「いや、まぁ、……わかればいいんですけどね?」

 

 

そんなに頭下げられると困る、なんかこっちが悪い気分になる。

いや、間違いなく悪いのはこの金髪だけど、以外といい人そうで心なしか罪悪感あるよね。

 

 

「あれ、折原さんいつの間にか消えたな」

 

「なに!?クソッ、あのゴミムシがぁぁぁ!!!」

 

「喧嘩かなんかですか?」

 

「あぁ?喧嘩じゃねぇよ、ただアイツを殺したいだけだ」

 

 

ビキビキしてるぅ、ビッキビキしてるぅ。

いい人だけどヤベェ人だわこの人。

 

 

「とりあえず、なんか詫び入れさせてくれねぇか?じゃねぇと俺の気がすまねぇ」

 

 

いい人なのに、なぁ。

 

 

「じゃあパピコ買ってくれません?」

 

「……そんなんでいいのか?」

 

「はい、さっき食べてたの落としちゃったんで。おーいロリっ子ーーー!この人がパピコ買ってくれるらしいからおいでーーー!」

 

 

蚊帳の外だったロリっ子が控え目にパタパタかけてくる。

可愛いなおい。

そのままの勢いで俺の腹にドーーーン!

 

 

「なんだロリっ子、そんな突進じゃ俺は倒せないぞ?」

 

「……杏里」

 

「なんだロリっ子?いきなり文脈無視した話すんな?」

 

「私の名前、ロリっ子じゃない。……園原杏里」

 

 

あ、名前か。

 

 

「ロリっ子は杏里っていうのか、そういや自己紹介してなかったな。俺は真日原クレア、クレアお兄ちゃんって呼びたまえ」

 

「……クレア」

 

「おい、お兄ちゃんって言ってんだろ」

 

「クレア」

 

 

挑戦的なロリっ子だ。

 

 

「とりあえず近くのコンビニ行くか、一応言っとくと俺は平和島静雄。悪かったな二人とも」

 

「あ、はい。俺のことはクレアでいいですよ平和島さん」

 

「じゃあ俺のことも静雄でいいぜ、クレア、嬢ちゃん」

 

「じゃあ静雄さんで」

 

「……杏里」

 

 

 

 

 




杏里ちゃんのおっぱいはホントにおっぱい


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3話

罪歌ってチートだよなぁ


「……ハイ、ハイ、なるほどぉ。ヤクザさんがねぇ、……あらかたわかりました、ありがとうございます」

 

 

あれからみんなでパピコを食べながら、静雄さんにも杏里ちゃんの家庭環境について話をした。

しかし、杏里ちゃんからも静雄さんからも解決策は出なかったので、さっそくさっき友達になった折原さんにも聞いてみた。

すると、どうやら杏里ちゃんの家庭環境が今のようになってしまったのは、ヤクザさん達が絡んでいるらしい。

 

 

「と、いうことなので、ヤクザさんの事務所行って交渉してきますわ」

 

「……わけわかんねぇよ、あのゴミムシはなんて言ってたんだ?」

 

 

かくかくしかじか

まるまるうまうま

 

 

「なるほどなぁ、そいつは面倒な話だ。……だけどよ、ヤクザに手出して大丈夫なのか?」

 

「俺は一人暮らしで家族も海外にいるんで大丈夫っすよ、それにお願いしに行くだけなんで」

 

 

大丈夫でしょう、万が一撃たれても避けられるし。

さすがにこの前の切り裂き魔みたいなビックリ人間なんてそうそう、……横にいるな?

 

 

「しゃーねーか、じゃあ俺も行く」

 

「え?いや、静雄さんは大丈夫ですよ、今日知り合ったばかりなのにそこまでせんでも」

 

「お前が杏里と知り合ったのも今日だろうが、……それにパピコ買っただけじゃ俺の気がすまねぇからよ」

 

「ん~、そうですかぁ、……なら一緒に行きますか」

 

「おう」

 

「……あの」

 

「あ、杏里ちゃんは危ないかもしれないから家に……」

 

「私も行く」

 

 

さすがにロリっ子は危ないんじゃねぇかなぁ。

いや、しがみつかれても困る、ほら、離しなさい。

ちょっ、意外と力強い。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

「すいませーん、すいませーーーん!!!」

 

「うるせぇなぁ、……あぁ?ガキ共がなんの用だ?」

 

「組長さんとお話がしたくて来ました」

 

 

やってきました事務所前。

出迎えてくれたのは見るからにしたっぱっぽいパンチさん。

さすがに高校生と中学生と小学生の3人組は珍しいかぁ。

……そうなんです、杏里ちゃんついてきちゃったんです。

いや、だって離してくれねぇんだもん、無理やり力づくで剥がそうとしたら泣きそうになんだもん。

ロリっ子の涙には勝てない。

 

 

「……オイ、なんの騒ぎだ」

 

「ッ!?赤林さん!?いや、このガキ共が組長に会わせろってうるせぇんですよ」

 

「あぁ?ガキだと?……ッ!?……俺が相手する、テメェは休んどけ」

 

「え、でも」

 

「俺の言うことが聞けねぇのか?」

 

「ヒッ!?し、失礼します!!!」

 

 

眼帯カッコいい人が出てきた。

なんか杏里ちゃん見てビックリしたみたいだけど知り合いかな?

あ、杏里ちゃんビビってるから違うわ。

 

 

「ついてこい」

 

 

どうやら入れてくれるみたいなのでそのままついていく。

少し歩いて、小さめの会議室みたいな所に入った。

 

 

「で、なんの用だ」

 

「あ、はい。この杏里ちゃんなんですけどね?どうやら家でお父さんにDVされてるらしくてですね、そのお父さんがDVするようになってしまった原因ってのがこちらの事務所さんらしくて、どうにかしたいと思いまして」

 

「なるほどなぁ……」

 

 

眼帯さんは俺の話を聞くと、考え込んだ。

そして、杏里ちゃんをちらりと見て口を開く。

 

 

「……園原堂の件は俺も調べたから知ってる。しかし、今さらどうしようもねぇぞ?」

 

「あ、じゃあ詳しい話を教えてもらえませんか?」

 

「詳しい話ねぇ、……聞いたところでお前らになにができるとも思わねぇけどな……

 

 

フムフム、なるほど。

どうやら、杏里ちゃんのお父さんはここのヤクザさんに借金をしているらしい、しかも薬物までキメてるというダブルパンチのようだ。

さすがヤクザ、やることがエグいぜ。

話を聞いていて途中から静雄さんがビキビキし始めたので、抑え込むのが大変だった。

 

 

「つまり、園原堂の借金を返済して、尚且つ、お父さんの薬物を止めさせればとりあえず解決なのでは?」

 

「……まぁ、理屈だけで考えればそうだな」

 

「よし!それじゃあちょっとお金持ってくるからちょっと待ってて!」

 

 

確か近くに銀行あったよなぁ、閉まる前に下ろさねぇと。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「おい、アイツ行っちまったけど」

 

「そっすね」

 

 

部屋に残された3人の間には微妙な空気が流れていた。

赤林は目の前にいる、一目惚れした女の娘と今にも噴火しそうな火山のような金髪を眺める。

金髪はどうにかこうにか怒りを抑え込んでいるようでプルプルしながら青筋を立てている。

その横では娘がこちらを恐がるようにチラチラと見ながら、金髪の服の裾を握りしめている。

 

 

「……お前ら、ヤクザの事務所に乗り込んでなにする気だったんだ?」

 

「あぁ?……別にそこまで考えてねぇだろ、ただ、困ってるガキがいたから助けたいと思っただけだよ。俺も、アイツもな」

 

「……バカだな」

 

 

ただ、嫌いじゃない。

赤林は気づかないうちに、自分の口角が上がっているのに気づいた。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

「ただいまぁ!持ってきたぞーーー!!!」

 

 

3人の間に紙袋の山を置く。

 

 

「いやー、ちょうど使い道のないお金だけ増えてて困ってたんですよぉ」

 

「……これ全部金か?」

 

「はい、ウチの親がドンドン口座に入れるもんで余ってるんですわ」

 

「そいつはスゲェな」

 

「……スゴい」

 

 

あれ、眼帯さんが動き止めてる。

 

 

「眼帯さん?」

 

「……赤林だ」

 

「赤林さん」

 

「……親父に話をしてくる、少し待ってろ」

 

「あ、はい」

 

 

赤林さんは少し急いだ様子で部屋を出ていった。

 

 

「眼帯ってカッコいいよね」

 

「そうか?」

 

「……わかんない」

 

 

なんだコイツらわかってねーな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




幼女ってかわいいよなぁ


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4話

赤林さんはカッコいい、異論は認めない。
かっぺいだけど、かっぺいだけど!!!!


「オメェこの金はどうやって用意したんだ?」

 

「銀行で下ろしてきました」

 

「そういう意味で聞いたんじゃねぇよ」

 

 

しばらくしてから、赤林さんは組長さんを連れてきた。

なんか組長さん以外にもゾロゾロ入ってきて囲まれてるけど。

なんだやんのかコラ。

 

 

「……なるほど、つまりお前が園原堂の借金を立て替えるから、俺達は園原堂から手を引けって言うわけだ」

 

「はい」

 

「数えたところ、金は十分。それどころか大分多いじゃねぇか」

 

「今後園原堂からの借金で入るであろう利子の分も入れときました」

 

「ほぉ?……若いくせになかなかわかってるじゃねぇか」

 

 

組長さんはニヤリと悪どい顔で満足げに笑うと、数えていた金を机に戻す。

そして、横にいたしたっぱに顎で指示する。

……持ってかれちゃったなぁ。

 

 

「……これは交渉成立ってことでいいですか?」

 

「ん?おぉ、そうだな。交渉成立だ」

 

「よかったー、それじゃあ契約書書きましょう。園原堂との借金の借用書とかもいろいろありますよね?全部もらっていきますね?」

 

 

……ん?なんで不機嫌そうな雰囲気になったんだ?

おかしいこと言ってないはずなんですとけど。

 

 

「あー、今日は用意できねぇからまた今度取りに来てくれよ」

 

「んー、それじゃあお金はまたその時に持ってきますね。いったん返してください」

 

「……」

 

 

あれー?なんで周りの人達も首コキコキ鳴らしたり指パキパキ鳴らしてるの?

そんでなんで組長さんは机に身を乗り出して胸ぐら掴んでくるの?

 

 

「オイ、いいかガキ、よーく聞けよ。俺が交渉成立って言ってんだ、お前は黙って帰りゃいいんだよ」

 

 

ちょっと口が臭いですねぇ。

 

 

「……親父、堅気のガキ相手に情けねぇぜ」

 

 

さすが赤林さんカッコいいぜ、YAKUZAって感じする。

あと口臭い。

 

 

「あぁ?赤林、テメェ親に逆らうってのか?テメェは黙って俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ!!!」

 

「……ゴチャゴチャうるせぇ」

 

 

あ、静雄さんが我慢できなかったみたいだ。

まぁ俺もそろそろ組長さんの口臭が辛かったのでいいでしょう。

 

 

「なんだテメェ?親父がうるせぇだッモゴッ!?」

 

「テメェらの話は筋が通ってねぇよなぁ?クレアが金払ったのに代わりのもん出さねぇで帰れってのはおかしいよなぁ?」

 

「テメェッ!?なにしてやがる!自分がなにしてんのかわかってんのか!!!」

 

 

おぉ、片手で釣り上げられてる。

メシメシいってるのがこっちまで聞こえるわ。

こうなったら俺もやるかぁ、見たところ赤林さん以外は戦力ウンチみたいだし。

杏里ちゃんを気にかけつつやろう。

 

 

「わかりました、お金は渡しますから。代わりの物は自分達で探します」

 

「あぁ?テメェガキ、死にてぇのガァッ!?!?」

 

 

静雄さんの真似をして組長さんをクレーン!

そのまま銃を取り出そうとしたしたっぱにドーーン!!

 

 

「杏里ちゃん!俺から離れないように!」

 

「……!」

 

 

服の裾を握られてしまった、可愛い。

あ、静雄さんが片手で机を振り回してる、危ねぇな。

木製のゴツいヤツだから当たった人達吹き飛んでる。

 

 

「さっさと出すもん出しやがれぇぇぇぇ!!!」

 

「ギャァァァァァァ!!!」

 

「なんだコイツら!?」

 

 

杏里ちゃんが危ないのであまり動けないからか、静雄さんから逃げた人達がこっちに向かってくる。

うわ、KATANAだ!

でも切り裂き魔と比べるとへっぽこもいいとこ、だから白羽取りもよゆーのよっちゃん。

 

 

「なッ!?」

 

「はい、いただきます」

 

 

クレア は KATANA を てにいれた

 

 

「見て見て杏里ちゃん!KATANAだよ!」

 

「スゴい……」

 

「だろ?KATANAはスゴいんだぞぉ、例えば……ソイヤッ!!!」

 

チュイン!

 

「「「……ハ?」」」

 

 

銃弾とか切れますからね。

杏里ちゃんかキラキラした目で見てくれる、あぁ、俺今輝いてる!!!

 

 

「そんなんで人撃ったら、死んじまうだろぉがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

驚いて止まってたしたっぱ達が机に吹き飛ばされた。

……いや、銃弾より机のが強くね?

あの質量をあの速さで振り回されたらどうしようもねーぜ?

というか、今のでもう最後だったみたいだ、全員のびてる。

赤林さんだけはずっと動かないでこっちを見てるだけだったけど。

 

 

「静雄さん、みんな気絶しちゃったみたいなんで、必要なもの持ってさっさと帰りましょう。あ、一応縛っておきましょう。赤林さん、なんか紐的なものないですか?」

 

「……お前らこんなことしてどうすんだ?今日は逃げられても、ヤクザのメンツ潰したんだ。……明日からまともに寝られねぇぞ?」

 

「あー、確かに。……どうすっぺ?」

 

 

考えてなかったなぁ、……さすがにコロコロしちゃ不味いよね?

俺と静雄さんは襲われても大丈夫だろうけど、杏里ちゃんと杏里ちゃんの家族はなぁ。

 

 

「……どうしたらいいですかね?」

 

「俺に聞くのか、……ハァ、そこら辺は出来る限りのことはしてやる」

 

「え、自分で言っといてなんですけど、いいんですか?」

 

「最近の親父には俺も思うところがあったからよ、組を抜けるにゃいいタイミングってやつだ」

 

 

カッケー!赤林さんマジカッケーっす!

 

 

「杏里ちゃん、なんとかなりそうやで!やったな!」

 

「……うん!」

 

 

幼女の笑顔でお腹いっぱいです。

あ、静雄さん、鉄パイプねじ曲げて縛り上げたらマジで取れなくなっちゃいますって。

 

 

 




赤林さんの過去回熱い


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5話

杏里ちゃんのお母さんがちょろすぎという意見はききません。
この世界では赤林さんとくっつくんです。
くっつくったらくっつくんです。
なんだ文句あんのかコラー

※なんか文章が1/3ぐらいしか投稿できてませんでした。てか、書いたはずの2/3がどこかに消えてました
とりあえず書けたら更新します
ふざけんなマジ勘弁



あれからの顛末を説明しようかな。

まず、ヤクザさん達に関しては俺達に手を出すことはもうないと赤林さんが言っていた。

あの後、赤林さんが敵対していた粟楠会というヤクザさんの所に行き、上手いこと話をつけてきてくれたらしい。

結果的に赤林さんは粟楠会の組長に気に入られてそのまま粟楠会に入ることになり、赤林さんの元組長は通り魔に刺されて死んでしまったそうだ。結果、ヤクザ達はバラバラに離散しこの街から姿を消したらしい。

元々園原堂のように、薬物を使って悪どい事をしまくってたらしいから、恨みを持たれていて当然だろう。

 

園原堂はというと、借金がなくなってヤクザに狙われる事ももうないと報告したところ、ガキが冗談言ってんじゃねーとキレられ、杏里ちゃんが暴力を振るわれそうになったのでワンパンでノックアウト、そのまま警察に連れて行ってもらった。

離婚調停の方も進んでいるらしく、もう杏里ちゃんとお母さんが暴力を振るわれることもないだろう。

 

てか、杏里ちゃんのお母さんが切り裂き魔だったんだが?

報告しに行ったときにお互いに顔を見て、ハッとなった。

まぁ、俺はちょこっとの怪我しかしてないので特に言うことはない。というか、赤林さんが杏里ちゃんのお母さんにホレてるっぽいのでなにも言わない。

お父さんが捕まって、園原堂を今後のどうするかとなった時に、赤林さんが「俺が面倒を見る。元を言えば俺の古巣が原因なんだから、当然だ」とカッコいいこと言ってた。

あのままゴールインできんのかな?なんかお母さんの方も満更でもない顔してたし、応援したい所である。

 

で、今俺が何してるのかというと……

 

 

「なんで杏里ちゃんの手からKATANAが出てきたの?」

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

杏里ちゃんから、相談したいことがあると言われ呼び出された俺と静雄さん。

あの出来事以降、ちょくちょく一緒に遊んだりしてたから仲良くなったのだが、どうやら深刻な用事らしく最初に会った公園に集まったのだが、到着した杏里ちゃんの手からKATANAが出てきました。

しかも目が真っ赤に輝いてます。

これあれだな?切り裂き魔してた時のお母さんと同じ状態やな?

 

 

「スゲーな、マジックか?」

 

「いや、違いますよ静雄さん。これあれですよ、杏里ちゃんがお母さんから受け継いだYOTOですよ!スゲー!見して貸して触らして!」

 

「あ!?危ない!」

 

 

触らして貰おうとしたらえげつない速度で切られそうになった。

見たところ杏里ちゃんに切る気はなかったみたいだから自動ホーミング機能ついてんなこれ。

指先だけチョっと切れちゃった。

 

 

「あ、あの、大丈夫?」

 

「ん?こんくらい舐めとけば1日で治るから大丈夫だよ」

 

「杏里は剣道でもやってんのか?スゲーな」

 

「違くて、声……?」

 

「ん?」

 

 

詳しく聞いてみると、どうやらこのYOTOは罪歌というらしく、切られると洗脳するらしい。

え、メチャクチャ強武器じゃないすか。

ある朝起きたらいつの間にか杏里ちゃんの中に入っていたらしい。

その後、お母さんに聞いてみたら、どうやら寝ている間にいつの間にかお母さんから杏里ちゃんに移動していたらしい。

 

 

「スゲーな」

 

「スゲー」

 

「スゲーって……、なんで大丈夫なの?」

 

 

とりあえずこの前切り裂き魔と会った時から聞こえてた声が幻聴じゃなかったみたいで安心しました。

まぁ、こんなん無視すれば大丈夫よ。

暇なときとか調子いいと会話してくれることあるから、今ではさいちゃん、クレちゃんと呼び会う仲である。

 

 

「これぐらいなら余裕だって、静雄さんもたぶん大丈夫だよ」

 

「マジか?たしかにちょっと気にはなるな」

 

「え、でも」

 

「ほら、先っちょだけ」

 

「杏里、俺もちょっとだけ切ってみてくれ」

 

「え、う、うん」

 

 

どうよ?どうなのよ?

……あれ?なんか様子が変だな?

最初ちょっと驚いたと思ったら、なんか面白そうに笑ってる。

杏里ちゃんも不安げに視線を静雄さんと俺に行ったり来たり状態。

 

 

「静雄さん大丈夫?なんか面白いこと言われたん?」

 

「いや、そういうんじゃねぇけどよ。……今まで恐がられたり喧嘩売られたりばっかで、誰かに好意を寄せられたことなかったからな、なんつーか、変な感じでよ」

 

 

あーね、そゆことね。

なんだよ、寂しいこというじゃねーか。

 

 

「なに言ってんだ静雄さん!俺達一緒にヤクザ潰した仲じゃないか!もはやマブ!戦友だよ!ほら!杏里ちゃんも愛に慣れてない静雄さんに言っておやり!」

 

「な!?いきなりなにを」

 

「えと、あの、……私も、静雄さんのこと好きですよ?」

 

「……お前ら」

 

 

俺は肩を組み、杏里ちゃんが控えめに腕を掴む。

どうよ、このコンビネーションで落ちないことはないだろう。

 

 

「ぽっと出の罪歌なんかに静雄さんはやらねぇからな!静雄さんの初デレは俺と杏里ちゃんがいただく!」

 

「デレってなんだよ、……ハッ、ありがとよ」

 

 

それをデレって言うんやで。

穏やかな顔で杏里ちゃんの頭撫でやがって、今回だけは譲ってやる。

 

 

「つーか静雄さんより俺のじーちゃんのがよっぽどバケモンだし、俺から見たらまだまだっすよ」

 

「そりゃホントか?」

 

「はい、俺のじーちゃんマジバケモンなんで。静雄さんでも5分ぐらいでやられますよ、俺と静雄さん二人でやりゃワンチャン……いや、ムリか」

 

「そいつはぜひ会ってみてぇなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公はバッカーノのヴィーノの孫です。
ヴィーノは公式チートです。
なんでもできます、マジで。


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閑話

自分で書いてて時系列とか人間関係とかグチャグチャになってきたけどもう止まれない。


池袋の人々との出会いと日常

 

 

~首なしライダーの場合~

 

 

 

「スゲー!セルティさん首ねぇー!」

 

「どうなってんだそりゃ、マジックか?」

 

「……すごいです」

 

『……なんか軽くないか君達?』

 

 

いつもの公園で駄弁ってたら噂の首なしライダーを見つけたので絡んでみた。

話しかけてみると、喋れないけど携帯に字を書いて会話はできるみたいなので仲良くなった。

ついでに噂についてホントなのか聞いてみたらヘルメットを取って見せてくれた。

 

 

「どうなってんすかそれ?え、どうなってんすか?なんか黒いの出てますけどなんすかそれ?ダークマター的なあれなんですか?あれなんですね!?」

 

「落ち着けクレア!そんなジロジロ見てたら失礼だろうが。悪ぃな、興奮してるだけで根はいいやつなんだよ」

 

「いやだって静雄さん、スゲーっすよ!知り合いに不老不死の人はいますけど、ここまで非科学的では……いや、よく考えたら不老不死もヤベェな?」

 

『不老不死?……さすがに冗談だよな』

 

「……でも、罪歌も非科学的な気が」

 

 

あ、確かに。

お目目真っ赤になるもんね、そりゃそうだわ。

杏里ちゃんが罪歌ニョキって出したら、それ見たセルティさん固まっちゃった。

 

 

「あ、話変わるんですけど今度ツーリング行きません?」

 

『それ今言うことか!?』

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「よっしゃ!大洗まで飛ばすぜ!しっかり捕まっててくださいよ静雄さん!」

 

「安全運転で頼むぞクレア」

 

「セルティさんも、しっかりついてきてくださいよ!杏里ちゃんもセルティさんにしがみついとくんだぞ!」

 

『任せておけ』

 

「う、うん!」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「セルティさん久しぶりっす!相変わらず無灯火っすね!」

 

『クレア君!?なんでここに!?』

 

「いやぁ、走ってたらシューターの鳴き声が聞こえたんで一緒に走りたいなぁと!ん?なんか後ろにパトカーみたいなのいますけど、お知り合いですか?」

 

『違う!追われてるんだ!』

 

「あー、無灯火っすもんね!……がんばっ!!!」

 

 

コラー!!そこの無灯火バイク止まりなさい!!

ついでに知り合いっぽい横のお前も止まれ!!

 

 

『……がんばっ!!!』

 

「なんだこの首なしライダー煽りスキル高ぇなおい!」

 

 

 

 

 

~ワゴン組の場合~

 

 

 

「君の髪キレイだねぇ~!もしかしてレイヤーさん?」

 

「これはもしや赤髪のシャンクスでは!?」

 

 

ラノベ漁ってたらオシャレなオタク二人組に絡まれた。

コミュ力の高いオタクとは希少ですな、好感持てるわぁ。

 

 

「いや、これは地毛ですよ。コスプレは興味ありますけどやったことないですねぇ」

 

「おぉ!じゃあさ、じゃあさ!今度一緒にコスプレしようよ!」

 

「その手にあるのはとあるの新刊じゃないっすかぁ~、これは吸血殺しの紅十字が炸裂するのでわ!?」

 

 

あ、後ろから来たニット帽被った男の人に、首根っこ捕まれて二人とも持ち上げられた。

 

 

「うちのオタク共がすまねぇな。おいお前ら、一般人に迷惑かけるんじゃねぇっていつも言ってんだろ!」

 

「えーでもドタチン、この子コスプレ興味あるって言ってたよ~」

 

「そうっすよぉ、彼は将来有望っすよぉ!」

 

 

なんか仲良くなれそうだけど。

変な人達だけど。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「もしもし、遊馬崎さん?こっちの店探してたクリアファイルあったんで確保しときました」

 

『ほんとっすか!!!さっすがクレア君!じゃあロシア寿司で落ち合って戦果の確認をするとしましょう!お礼に今日は僕らの奢りっす!』

 

「マジすか!?すぐ行きます!」

 

『急ぐのはいいっすけど、くれぐれもクリアファイルを傷つけないようにお願いしますよ!』

 

「任せといてください」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「へぇ~門田さん達ダラーズ入ったんすか」

 

「おう、なんかメールが来てよ。面白そうだから入ろうって遊馬崎と狩沢のやつらがうるさくてな、お前はどっかのチームに入らねぇのか?」

 

「俺はいいかなぁ、……仲良い人達守るだけなら特にメリットないっすからね。あ、でもチームとか関係なく、門田さん達が困ったらいつでも言ってくださいね」

 

「おぉ~!カッコいいこと言うねぇ~!まるでラノベの主人公みたい」

 

「いやいやいや、どちらかというと主人公を助けてくれる強キャラっすよ!」

 

 

 

 

 

~紀田正臣の場合~

 

 

 

「テメェなに見てんだよ、喧嘩売ってんのか?アァ?」

 

 

最近噂の黄巾族っぽいのがいたから、仲良しだなぁと思ってボーっと見てたら絡まれたでござる。

喧嘩とか売ってないんだけどなぁ、見てただけなんだよなぁ。

 

 

「おい、無視してんじゃねぇぞ!」

 

 

うわ、胸ぐら捕まれた。

やめろよ、服が伸びちゃうだろ!

 

 

「いやいや、見てただけじゃん。そんな目立つワンポイントカラーしといて見るなってのはわがままでしょ」

 

「て、テメ!?ちょっ!痛い痛い痛い!!!」

 

 

静雄さん直伝アイアンクローでクレーン。

 

 

「てか君ら中学生だよね?俺一応高校生だからさ、年上には敬語使った方がいいって。いや、別に怒ってないけどね?」

 

 

ん?腕掴まれた。

黄色いスカーフ巻いた金髪の男子だ。

 

 

「すまねぇ、コイツに変わって俺が謝るから許しちゃくれねぇか?」

 

「いや、だから敬語使えって」

 

 

デコピンしたら倒れてしまった。

体細いもんなぁ、肉が足りてないね。

この子デコピンした瞬間周りの黄レンジャイ達がいきなり殺気だっちゃった。

 

 

「テメェ!将軍になにすんだ!」

 

「黄巾族なめてんのか!!!」

 

「おー、クレアじゃねぇか。……喧嘩か?」

 

「……あれ?あ、静雄さんじゃないすか」

 

 

なんか罵声の中に聞いたことある声聞こえたなぁと思ったら静雄さんがいた。

さすがに静雄さんのことは知ってるのか、騒いでいた黄レンジャイ達もザワザワしだす。

 

 

「おい、あれ平和島静雄じゃねぇか?アイツの知り合いなのか?」

 

「お、俺聞いたことあるんだけどよ……、平和島静雄とよくつるんでる赤髪の高校生がいるって……」

 

「赤髪って、……もしかしてコイツなのか!?」

 

 

マジか、あんまり人目につくところで暴れてはないんだけどな。

 

 

「……手貸すか?」

 

「いや、ちょっと話してただけなんで大丈夫っすよ」

 

「そうか、これから幽をロシア寿司に連れてってやるんだけどよ、お前も来るか?」

 

「お、マジすか?行きます行きます!あー、そういうことで俺行くけど……そうだ!」

 

 

このまま行くのもなんだから、さっきデコピンした将軍に駆け寄る。

 

 

「連絡先交換しようぜ、今は用事できちまったからムリだけどな、後で呼び出したくなったりしたら連絡しろよ、暇なときなら行くからよ」

 

「……ハァ?」

 

「ちょっと携帯拝借っと、……よし、んじゃ入れといたから!」

 

 

アフターケアはしっかりしとかないとね!

万が一でも杏里ちゃんとかに手出されたらなにするかわかんねぇからな。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「お、将軍じゃん。元気してるか?」

 

「あ?アンタはあの時の!?」

 

「相変わらず敬語使わねぇなお前、……今日はなにしてんだ?デートか?」

 

「うるせぇよ、アンタにゃ関係ねぇだろ」

 

「正臣、この人は知り合いなの?」

 

「おう、マブダチだぞ」

 

「俺とアンタがいつマブダチになったんだよ!!!」

 

「へぇ~、お兄さんカッコいいね」

 

「嬉しいこと言ってくれる嬢ちゃんだな。コイツはまだまだガキだけどこう見えて将軍だからよ、仲良くしてやってくれや」

 

「フフフ、ハイ」

 

「アンタに俺の何がわかるんだよ……、てか沙樹も悪ノリしないでくれよ……」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「もしもし、将軍か?いきなりどうした、今までかけてこなかったのに」

 

『……こんなことアンタに頼むのは虫がいいってのはわかってる、……だけど、今はアンタしかいねぇんだ』

 

「……なにがあった?」

 

『沙樹が、……彼女がブルースクエアに拐われた』

 

「場所教えろ」

 

『……いいのか?』

 

「俺にまで頼るってことは時間ねぇんだろ?そんなつまんねぇこと聞く暇があったらさっさと教えろ、女拐うようなクズがどこにいるか!」

 

 

 

 

 

 

 




クレアが助けに向かう紀田を途中で拾う(文字通り)
→そのままバイクで立体駐車場に特攻
→クレアが素手でワゴン車解体
→その隙をついて紀田が沙樹を救出
→ワゴン組現れる
→紀田と沙樹はワゴン組と共に病院へ
→しんがりっていうか、気のすむまでボコボコにしてたら到着した警察に捕まる


って感じです。
だから紀田は原作ほど沙樹に負い目はないですが、でも自分の責任で拐われたと思っているので、原作と同じように黄巾族は解体しました。


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6話

読めば読むほど、見れば見るほどどうやって原作と絡めようって悩むけど、気にしないことにした。
好きにやる。


「あれ、杏里じゃん。男二人も連れて歩いて……逆ハーか?あれ?しかも一人正臣じゃん」

 

「クレア!?……さん」

 

「あれ?クレアさん杏里と知り合いなんすか?」

 

「え?え?え?」

 

 

暇だったからプラプラ歩いてたら杏里と正臣となんかパッとしない感じの前髪ロストボーイと会った。

おいおい、高校生になったとたん乙女ゲーでも始まったんか?

真面目小動物系男子と金髪ヤンチャ男子の同時攻略とか杏里ちゃんの成長っぷりにお兄ちゃん脱帽。

 

 

「あの、正臣?この人は……」

 

「あぁ、こっち来たばっかりの帝人にはわかんねぇよな。この人は真日原クレアさんって言って、池袋で何でも屋してる人なんだけど……、杏里とも知り合いってのは驚いた」

 

「クレア……さんには、小さい頃からお世話になっているので……」

 

 

そうなんです、高校を卒業した俺は何でも屋をしています。

金はあったから、正直働かなくてもいいんじゃねぇ?とも思ったんだけど、さすがに親の金使ってニートするのは嫌だったので、赤林さんとかイザヤさんとかに手伝ってもらって開業できた。

 

ちなみに、赤林さんと杏里のお母さんは籍は入れてないが、事実婚状態らしい。

初々しい感じの、お互いに言いはしないけどこれ絶対両思いだよね的な空気を発していて辛いって杏里に相談された。

 

 

「よろしく、真日原クレアだ。杏里と仲良くしてやってな、高校で友達できるか心配だったんだよ」

 

「あ、は、はい!僕は竜ヶ峰帝人っていいます!こちらこそ!よろしくお願いします!」

 

「エアコンみてぇな名前だな、……カッコいい。なんか困ったら杏里の友達ってことで割引するから、ぜひともよろず屋紅ちゃんをよろしくね!」

 

 

わかると思うけど店の名前は遊馬崎さんと狩沢さん発案です。

 

 

「あんま若いもんの邪魔すると空気読めてねぇって言われそうだから俺はそろそろ行くぜ」

 

「お疲れ様っす、こんどロシア寿司奢ってくださいね!」

 

「お、お疲れ様です!」

 

「金入ったらいいぞ。あ、そだ!今日静雄さんと飯食う約束してんだけど、杏里来るか?」

 

「え、あ、……行く、ます」

 

「行くます?……なんで敬語使ってんだ?まぁいいや、じゃあどこで食うか決まったら連絡するわ。じゃあな高校生諸君!あんま夜遊びすんじゃねーぞー」

 

 

よし、静雄さん探しに行くかぁ。

なんか後ろの方で杏里が質問攻めにあってる気がするけど知らん、青春だなぁ~。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

お、自販機が空飛んでる。

ありゃ静雄さんだな。

 

 

「お疲れ様ですトムさん」

 

「お?クレアじゃねぇか、どうした?」

 

「今日静雄さんと飯食う約束してたんで、散歩がてらそろそろ仕事終わりそうな静雄さんと合流しようかと」

 

「なるほどなぁ、そりゃちょうどいい。今取り立てしてるヤツが今日最後だ」

 

 

あ、静雄さんがこっち気づいた。

とりあえず手振っとくか。

 

 

「おぉ!クレアじゃねぇか!ちょっと待っててくれ、このクソで最後だからよ。……ってことでよぉ、お前に割く時間はこれっぽっちもねぇんだわ」

 

「ひ、ひぃぃぃ!!!」

 

 

おっさんがこっちに逃げてきた。

ちょ!しがみつかんといてぇや、おっさんに触られて喜ぶ趣味ないねん。

 

 

「た、助けてくださいぃ!!!」

 

「……おじさん、ちょっと携帯貸してくれる?」

 

「け、携帯?……は、はい」

 

「あんがと、……それじゃあマジックをお見せします!ここにあります携帯!これを両手で握りしめまして~……ほい!」

 

 

手を開くとあら不思議!

携帯が小さくなっちゃった!

まぁ、力ずくで圧縮しただけなんですけどね。

昨日とある読み返してたら第一位が空気圧縮してたねん、真似したかってん。

 

 

「ひ、ひぃぃぃぃ!!!」

 

「あー、コイツも静雄と同じ部類の人間だからよ。諦めて金だした方が身のためだぜ?」

 

 

観念したのかおっさんはトムさんに連れられ消えていった。

今日はこのまま解散でいいって言ってた、トムさんいい上司かよ。

 

 

「なに食いましょうか、静雄さんなんか食いたいもんありますか?」

 

「食いたいもんか、……俺は別になんでもいいけどよ」

 

「でたよ一番困る回答、静雄さん彼女できたらそれ言っちゃダメっすよ?」

 

「そうなのか?」

 

「そうなんすわ。さっき杏里見かけたんで誘ったら釣れたんで、杏里に食いたいもん聞いてみますわ」

 

 

二人で並んでタバコを吸いながら、杏里に電話を掛ける。

あ~、このニコチンで血管細くなってキューってなる感覚がたまらねぇ。

 

 

『はい、もしもし』

 

「俺俺、静雄さんと合流できたんだけどよ、なに食うか決まってねぇんだわ。なんか食いたいもんあるか?」

 

『……ナポリタン、食べたい』

 

「ナポリタンか、……んじゃ喫茶店とかか?」

 

『じゃなくて、クレアの作ったナポリタン』

 

「え?そんなんでいいの?」

 

『うん』

 

「ちょっと待って、静雄さんにも聞いてみるわ」

 

 

杏里はちょくちょくナポリタン作らせるんだよなぁ。

まぁ、俺の料理は上手いからしょうがないか。

 

 

「静雄さん、飯ナポリタンでもいいすか?店じゃなくてウチになっちゃいますけど」

 

「いいぜ、お前の料理は美味いからな。むしろそっちのがいいな」

 

「オッケーだってさ、今どこにいんだ?来んなら迎え行くけど」

 

『うんうん、大丈夫。歩いていける距離だから』

 

「そか、じゃあ気をつけて来いよ。……というわけで、材料を買いに行きますけど静雄さんも来ます?」

 

「飯作らせるんだ、材料費ぐらいは俺が出すぜ」

 

「さすが静雄さん、カッケーっす!」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

料理はできたのに、来ると言っていた時間になっても杏里が来ないので、静雄さんと探しにいこうかと言っていた時、チャイムが鳴った。

 

 

「やっと来たか、もう少し遅かったら探しに……?なんでセルティさんおるん?」

 

 

ドアを開けたら、申し訳なさそうにうつむいた杏里と、困った雰囲気を醸し出すセルティさんがいた。

 

 

「……とりあえず中入ったら?」

 

 

なんだかんだよく遊ぶメンバーが揃ったな。

ナポリタン食いながら事情を聞いてみると、なんか面倒くさいことになっているらしい。

遅れた理由は、杏里がセルティさんに斬りかかったかららしく、それは知り合いのセクハラ教師を助けるためらしく、そのセクハラ教師はイザヤさんの金盗んだからセルティさんに追われてたらしい。

 

なるほど、わけわかめだな。

 

 

「ホントにすいませんセルティさん、……暗くてわからなかったとはいえ、いきなり斬りかかったりして」

 

『いや、その教師を守ろうとしたんだし、杏里ちゃんは悪くないよ。傷もすぐ塞がったから』

 

「間違いねぇ……、あのゴミ虫がなんかやったに決まってやがる!!!ちょっと今から潰してくる!!!」

 

「いや、落ち着きましょ静雄さん。まず間違いなくイザヤさんが関わってるとは思いますけど、もう夜ですから。……それより、俺はそのセクハラ教師が気になるんだが、なんて名前だ?」

 

「えっと、……たしか、那須島。下の名前はわからない」

 

 

那須島、那須島、……あ!思い出した!

那須島ってあれだ!

去年、家に帰ってこない娘が何してるのか調べて欲しいって依頼で調べたとき、その娘使って売春まがいのことしようとしてたからボッコボコにしたやつだ。

その娘がどっぷり惚れ込んでてどうしようもねぇから、依存から助けることはできなかったけど、今度やったら残しておいた片方の金玉も潰すって言ったんだけどな。

 

 

「杏里、今度そのセクハラ教師になんかされたらすぐ言ってくれ。触られたとか、最悪口が臭かったとかでもいいぞ?」

 

「……なにする気?」

 

「いや、男としての人生終わらせるだけだから気にするなよ、ハッハッハッ」

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

その後は、今にも飛び出して行きそうな静雄さんをみんなでなだめ、水曜どうでしょうを見て解散となった。

 

……解散になったんだけど、杏里をセルティさんに送っていって貰おうと思ったら

『私は今すぐ帰らないといけない!家で新羅が待ってるからね!そういうことで、さよなら!あ、静雄は私が送っていくからクレアは杏里ちゃんを頼むぞ』

と、白々しい雰囲気を出しながら帰ってしまった。

いや、なんで杏里送れないのに静雄さんは送れるんだよとツッコミを入れる暇もなかった。

 

 

「わ、私は一人で帰れるから、別に送って貰わなくても……」

 

「いや、女子高生夜に一人で帰らせるわけにはいかんだろ。俺が赤林さんに殺されるわ」

 

 

ま、バイクだからそんなに面倒でもないからいいけどね?

ただ、杏里成長してなかなかえげつないボンキュッボンだから後ろに乗せると圧がさぁ……。

スゲーんだぜこれ、低反発枕でも入れてんじゃねーかって思うもん。

いくら妹みたいなもんだとはいえ、たまに理性と欲望の狭間でスパーキングしそうになる。

 

 

「ほれ、早く乗りんしゃい。できるかぎり体をくっつけないようにしつつ、しかししっかり掴まるんだぞ」

 

「……変態」

 

「はぁ?ガキが何言ってんだガキが、沙也香さんぐらいの色気出してから言え。だから今すぐ腕回すのやめろ、おい、やめなさいって」

 

「ガキだから気にならないんでしょ?……早く帰らないと赤林さんに怒られるよ」

 

「クソ、体だけはいっちょまえに育ちやがって。……仕方ねぇ、しっかり掴まってろよ」

 

 

……返事の変わりに抱き付く力強くするのやめてもらっていいかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

「クレア……、なんで杏里ちゃんがお前に抱きついてんだい?」

 

「赤林さん?家の外まで出迎えありがとうございますっていうか、どうみてもこの状態に俺の意思は介在してないですよね?」

 

「ただいま、赤林さん」

 

「おかえり杏里ちゃん、この馬鹿に変なことされてないかい?されたらすぐ言うんだよ?」

 

「いや、赤林さんはシャレにならねぇって」

 

「……俺がいつシャレを言ったってんだい?」

 

「失礼します!杏里!風邪引かないように暖かくして寝ろよ!じゃあな!」

 

 

赤林さんの親バカっぷりがとどまるところを知らない。

マジ勘弁。

 

 

 

 

 




最初池袋じゃなくて渋谷って書いてたのは我ながら致命的だと思いますた。


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7話

俺にかかればストーリーなんて1話でここまでまとまるのよどんなもんだい。
手抜き?
そうだね、まぁ、言い方を変えると、手抜きだよ!

orz



正臣から仕事の依頼が入ったから、指定された場所に行ったら、この前会った帝人君の家だった。

しかも記憶喪失の女連れ込んでんだけどコイツ、見た目は草食系だけど実は肉食系ってか?

最近の高校生はませてんな、おじさんビックリ。

 

 

「違いますよ!この娘首なしライダーに追われてて、助けて欲しいって言われたんでかくまってるんです!」

 

「は?ラノベかよ、ラブロマンスでも始まるんじゃねーのそれ?フラグ立ってるでしょ絶対、やるやん」

 

「な、なに言ってるんですか!そんなわけ……」

 

「やめてください、私は誠二さん一筋です」

 

「……なんかごめん」

 

 

最近の女子高生恐い、底無し沼みたいな目で睨んできやがる。

あと、若干照れながら否定してた帝人君が一刀両断されて固まっちゃった。

 

 

「コホン、まぁ、それはともかくいいとして、俺はなにすりゃいいんだい?」

 

 

ーーー

 

 

フムフム、話を聞くと、記憶喪失ちゃんはさっき言ってた誠二君ってのとはぐれちゃって会いたいらしい。

でも、なぜか首なしライダーに追われてるから助けて欲しいと。

 

……間違いなくイザヤさんが裏で糸引いてるよねこれ、大抵こういう面倒臭いことには絡んでくるからなあの人。

むしろ首謀者やろ絶対、クレア知ってるよ、イザヤさんは性格悪いって。

となると、イザヤさんに誠二君の情報を聞くのは無しだな、面倒臭いことに巻き込まれたくないから。

たぶん聞いたら嬉々として教えてくれるけど、絶対なんかしらするもんあの人。

 

 

「事情はわかった、俺は記憶喪失ちゃんを首なしライダーから守りつつ、誠二君ってのに会わせればいいわけだ」

 

「こうして聞くとなかなか無茶なお願いなような……」

 

「いやいや、これぐらいの依頼なら余裕だよ。もっと面倒臭い依頼だって、ここ池袋じゃざらだからね」

 

 

記憶喪失ちゃんは俺の家に連れていくことになった。

てかこの子なんか隠し事してるし、そもそも記憶喪失じゃなさそうだし。

依頼者が嘘をついている場合、厄介事に巻き込まれる確率が高いので慎重になることにしている。

池袋で何でも屋なんてやっていくには、あまりに鈍感だといいように使われるだけだからね。

 

 

「ま、とりあえず家に案内するから。解決したら連絡するけど、何かあったら連絡ちょうだい」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

バイクで家に向かってたらなんか追跡されてたから撒いた。

だてにセルティさんと警察から逃げてないっての、余裕で逃げ切ってやったわ。

記憶喪失ちゃんが終始悲鳴上げてたけど鍛え方が足りないと思う。

 

 

さて、無事?家について玄関を開けるとあら不思議。

そこにはなんと、池袋の生ける伝説首なしライダーの姿が!!!

 

 

「ッ!?……首なしライダー、なんで!?」

 

 

はい、セルティさんには連絡しておいて家に来てもらってました。

 

 

「安心して欲しい、()()()()さん。別に君を捕まえようって訳じゃないんだ、ただ、二人の間に誤解があるみたいだから話した方がいいと思ってね」

 

 

 

 

……ふむふむどうやら美香ちゃんは、矢切姉の手によってセルティさんの顔に似せるように整形をしたらしい。

どおりで杏里から見せられた写真と顔が違うわけだ、骨格までは変わってなかったからわかったけど、パッと見ただけじゃ普通はわからないよね。

さらに、話はそれだけじゃ終わらないらしい。

 

そもそも整形をしたきっかけというのが、美香ちゃんが愛しの誠二君の部屋に不法侵入した際、置いてあったセルティさんの首を見てしまったため、誠二君に頭を壁におもっくそ叩きつけられ負傷してしまったかららしい。

その場では意識を失ったが、気がついたら手術台の上におり、矢切姉に勧められ誠二君が好きなセルティさんの顔に整形したらしいのだ。

 

うん、まともなヤツが一人もいねぇな。

 

 

「……つまりあれか?セルティさんの首は今誠二君が持ってるわけか?」

 

「いえ、誠二さんの家で見たのは確かですがあの女がそのまま置いておくとは思えません。……おそらく今はあの女が持っていると思います」

 

「と、いうことらしいっすよセルティさん」

 

『話はわかった、すまなかった。私の勘違いでずいぶんと恐がらせてしまったようだ』

 

「私の方こそ、勝手に顔を真似しちゃってごめんなさい」

 

『君は悪くないよ。それよりその誠二君とやらのお姉さんが気になる、私の首を持っているというのなら探しに行かなければ。クレア、ありがとう。おかげでようやく私の首を見つけられそうだ』

 

 

そう言うと、セルティさんは急いだ様子で出ていこうとする。

 

 

「あー、探しに行く前に一つ言っておきますけど、俺も静雄さんも杏里も、もちろん新羅さんも今のセルティさんが好きなんですよ。首があろうがなかろうが、記憶があろうがなかろうが、セルティさんのことが好きな人がいるってことを覚えておいてください」

 

 

俺の言葉に、ドアを開ける手が止まった。

 

 

『クレアはたまにいきなり恥ずかしいことを言うよな』

 

「がらにもなく真面目に話したらバカにされた件について」

 

『冗談だよ、ありがとうクレア』

 

 

行っちゃった。

まぁ、嬉しそうな雰囲気出してたからいいか。

てか、なんか美香ちゃんにすごい見られてる気がする、なんだ、君も俺をバカにするのか。

 

 

「……クレアさんっていい人ですね、誠二さんに会う前にあなたと会ってたら惚れてたかもしれません」

 

「なんだいきなり、よせやい照れるだろ」

 

「冗談です、私は誠二さん一筋ですから。……でも、あなたなら安心して杏里ちゃんを任せられそうですね」

 

 

……そりゃどうも。

珍しくシリアスしたらむず痒いな、なんだこれ。

もういいや、さっさと依頼終わらせてロシア寿司行こうそうしよう。

 

 

「セルティさんも行っちゃったし、俺らも誠二君探しに行くか」

 

「はい!」

 

 

ん?帝人君から着信入ってる。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

終わってみればあっけない話だった。

 

帝人君に電話をしてみれば、どうやら矢切製薬の奴等に襲われたらしい。

俺に撒かれて美香ちゃんの居場所がわからなくなったから、帝人君に聞きにきたとのこと。

偶然(たぶん必然)居合わせたイザヤさんに助けてもらってなんとかなったらしい。

 

その後は、帝人君が諸葛亮バリの作戦で矢切姉を呼び出し、ダラーズの力(目力)で攻撃。

そして現れたセルティさんがはっちゃけて矢切製薬を三國無双して一件落着。

 

俺は美香ちゃん連れて現場にいたけど、事前に帝人君から携帯開いておいてと言われていたので目力されなかった。

なぜか現れた誠二君に襲われたけど秘技・首トンッで事なきを得た。

 

あとなぜかわからないけどアイザックさんとミリアさんがいた、新選組スタイルだった。

どうせまた金にならない物でも盗むつもりでもあるのだろう、楽しそうだからその時は誘ってくださいって言っておいた。

この人達は不死者だから初めて会ったときから見た目が変わらない。

基本的に不死者の人って見た目に反して大人びてる人が多い場合が多いけど、アイザックさんとミリアさんは昔から変わらずバカだから大好きです。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「結局、セルティさんの首は行方知れずになっちゃったんですね」

 

『あぁ、矢切製薬にはもうないらしい。折角クレアが手掛かりを教えてくれたのに無駄になってしまった』

 

「いや、気にしないでくださいよ。別に首がなくったってセルティさんはセルティさんなんですから。ね?静雄さん、杏里」

 

「あぁ、セルティはセルティだ」

 

「うん、セルティさんはセルティさんです」

 

 

そのまま言ってるだけだなお前ら。

……まぁ、言いたいことはそれだからいいんだけどさ。

 

 

「情報が入ったらまた手伝いますから、元気出してください」

 

「クレア、そのときは俺にも手伝わせてくれ。俺にとってもセルティは大事なダチだからな」

 

「……私も」

 

『クレア、静雄、杏里ちゃんまで……。ありがとうみんな』

 

 

……なんかいい感じの雰囲気になっちゃったな。

まぁ、たまにはこういうのも悪くないか。

 

 

 

 

 

 




だってあんま絡ませ過ぎるとあとあと面倒臭くなるんだもん、グラン知ってるもん。
あと夜中に書いてるから適当なところはホントにすまないと思っている。
なんでもするから許してください。


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8話

これ収集つけられる気がしねぇな?
どうなるのかビジョンが欠片も見えねぇな?
こんなところにいられるか!
俺は部屋に帰らせてもらう!



前回の一件以降、池袋がまたざわつきだしている。

セルティさんがはっちゃけて一躍有名人になったこともそうだが、それ以外にもダラーズと黄巾賊がぶつかりそうとか、切り裂き魔がパーリーしてるとか。

 

 

「で、杏里は切り裂き魔じゃないんだよな?」

 

「違う、私じゃない」

 

『しかし、噂では切り裂き魔は目が赤いらしい。これは杏里ちゃんの罪歌の特徴と一致しているよな』

 

「寝ぼけてやっちゃって……オッケーわかった、杏里はやってない。だからその罪歌をしまえ」

 

「杏里じゃねぇってことは、偽物か別に罪歌を持ってるヤツがいるってことだろ。そいつを見つけてぶっ飛ばせばいい話だ」

 

 

今日も相変わらずのメンツで机を囲んでいる。

最近切り裂き魔が出没しているので、杏里に話を聞こうと思って集まったのだ。

 

 

『最近は街でよく黄巾賊も見かける、気を付けてね杏里ちゃん』

 

「はい、ありがとうございます」

 

「俺と静雄さんには言ってくれないんですか?」

 

『お前たちは襲われても大丈夫だろが。むしろ切り裂き魔の方が心配だ』

 

「ぬかしよる、……隙あり!残り少ない肉は譲らねぇ」

 

「あ!」

 

「甘いぜクレア、そいつは俺が狙ってた獲物だ」

 

 

クレアの箸がすき焼き鍋に触れる瞬間、そこにはもう牛肉はない。

あまりに早い攻防に、杏里とセルティにはただ傍観することしかできなかった。

静雄の超人的反射神経と筋力による一線、綺麗なカーブを描く軌跡だけが目に焼き付く。

 

それは、このすき焼きにおいて、勝者と敗者を分かつ一瞬の攻防であった。

 

 

「クソっ!完璧に隙をついたつもりだったのに!」

 

「お前が最後に動くことは読んでた、何年一緒にいると思ってやがる」

 

「ふっ、さすが静雄さんだぜ。勝てねぇなぁ」

 

「「ハッハッハッ」」

 

「モグモグ……おいしい」

 

「……は?」

 

 

こいつッ!?

俺と静雄さんが友情フィールド展開していた隙に、横から肉をくすねていやがったッ!!!

さすが罪歌の戦闘経験を会得しているだけある、気配をまったく感じなかった!

これが圏境ってやつか!!!

 

 

『……材料はまだあるんだから、第2段を作ればいいんじゃないか?』

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

前に依頼を受けたことがある贄川さんから、会いたいとの連絡をもらった。

どうやら池袋最強は誰なのかという取材をしたいらしい。

 

 

「久しぶりですね、あれから娘さんとは上手くいってますか?」

 

「いや、それがまったく。……最近のあの娘はわたしには理解できない気までしますよ」

 

 

……開幕地雷踏んだっぽい、ごめんて。

 

 

「そ、そうですか。……それより今日は俺に聞きたいことがあるとか」

 

「えぇ、今池袋最強についての記事を書こうと思っていまして、いろいろと聞き込みをしていくうちにクレアさんの名前を聞いたので、そこら辺についてどう思っているか取材したいなと」

 

「池袋最強なら静雄さんだと思いますよ、怒らせなければいい人ですけど、怒らせたらヤバいですからね」

 

「平和島静雄、彼の事はいろんな人に聞きましたから。……しかし、中には違う意見も聞こえてくる。平和島静雄、寿司屋のサイモン、そして、何でも屋のクレア」

 

 

……この人どこでなに聞いたんだ?

 

 

「平和島静雄は目立つから池袋のほとんどの人間は知っている。しかしクレアさん、あなたは静雄さんとは違った強さがあると」

 

「……そこまで詳しいとなると、イザヤさん、四木さん、あとは……セルティさんとか?」

 

「な!?」

 

「俺は人前では暴れないようにしてますから、そんな情報持ってるのは見たことある人だけっすよ。なんて言ってました?気になるな」

 

「……あなたは、美しい戦い方をすると。平和島静雄とは違う、力に任せた戦い方ではなく、力と技術の両方を持っていると」

 

 

照れるな、ここまで語るのはセルティさんだな?

 

 

「それは嬉しい。でも、最強は静雄さんですよ」

 

「それはなぜ?」

 

「俺は静雄さんほどの力はないですから、あんな人間戦車みたいな人と喧嘩する気も起きないですよ。だから俺の不戦敗です」

 

「なるほど、やはり平和島静雄なのか……ありがたい、参考にしてもらいますよ」

 

「いえいえ、これくらい。そうだ、贄川さんも気を付けた方がいいですよ。最近は切り裂き魔が出るらしいですから」

 

「ありがとうございます、それじゃあ私は失礼しますよ」

 

 

行っちゃった。

結構暗くなってるし、心配やなぁ。

 

それにしても、静雄さんと俺のどっちが強いのか、ねぇ。

どうなんだろうなぁ~、たぶん負けないとは思うんだけどねぇ。

 

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

贄川さんが切り裂き魔にやられたらしい。

もしかして俺がフラグ立てたせいかな?マジごめん。

というか、切り裂き魔が罪歌を使ってた場合、切られた人ってあのラブラブ洗脳攻撃食らうんだべ?今贄川さん辛いんだろうなぁ。

 

そろそろ切り裂き魔に勝手させるのもシャクなので夜の街を歩いてたら杏里が一人で歩いてた。

 

 

「なんで深夜徘徊してんだ?切り裂き魔探し?」

 

「……」

 

「なんだ反抗期か?あんま遅くまで出歩いてると沙也香さんと赤林さんが心配すっぞ?送ってくから大人しく帰りなさい」

 

 

後ろに贄川さんがお目目爛々とさせてるし。

ありゃ洗脳入ってんな、マジごめん。

 

 

「そういや例のセクハラ教師になんか変なことされてないか?」

 

「……大丈夫」

 

「そっか」

 

 

これなんかされてんな?

殺すか?善意で残してやったもう片方も潰すか?

いや、むしろ棒の方殺るか?

 

T字路に差し掛かったところで贄川さんが姿を表した。

 

 

「ありゃ、結局こうなんのか。……一応聞きますけど、その包丁をどうするつもりで?」

 

「邪魔をするな、その女を渡せ」

 

 

ありゃりゃ、ダメだこりゃ。

贄川さんは、包丁を振りかざしてこちらに駆け寄ってくる。

そして、横からなかなかのスピードで走ってきたワゴン車にはねられてフライアウェイ!

結構飛んだなありゃさすが渡草さん。

 

 

「おい、大丈夫だったか?」

 

「さすが門田さん、構わん、行けってやつですね」

 

「そこに痺れる!」

 

「憧れるぅぅぅ!」

 

 

ワゴン車から降りてきた遊馬崎さんと狩沢さんとハイタッチ、今のくだりは我ながら気持ちよく決まったと思われ。

 

 

「……おいおい、アイツまだ立つぞ」

 

「すごい振り回すやん、包丁すごい振り回すやん」

 

 

贄川さんはブンブン包丁振り回しながら、なおも杏里に向かって走ってくる。

このままだと門田さん達も危ないので止めるとしましょう。

 

 

「あ、おいクレア!危ねぇ……」

 

 

走ってくる贄川さんの前に立ち、体を地を這わせるように落とし、振り向くようにして蹴りで足を刈り取る。

勢いよく走ってきていたので、贄川さんの体はそのまま飛ぶように俺の真上に。

そのままお腹に足を優しく当て、目一杯力を込めて足を伸ばすと、あら不思議!贄川さんが宙を舞うよ!

普通に蹴り飛ばしてもよかったけど、それだと内蔵系に傷つけちゃいそうだからやめときました。

 

 

「……心配した俺がバカだったな」

 

「クレア君はさすがですねぇ!もしかして、闇の組織で幼い頃から鍛えられたエージェントなのでは!」

 

「違うよ、きっと殺し屋の家系で育てられた超絶エリート君なんだよ!」

 

 

……マルティージョファミリーでいろんな人に子供の頃からしごかれ、形だけだがファミリーの一員になり、しかも殺し屋の祖父と殺し屋の父にもしごかれた過去があります。

ほとんど当たってんな?

 

そうこうしていたら、セルティさんと静雄さんが登場。

どう考えても過剰戦力ですありがとうございます。

 

ネバーギブアップ精神の塊のような贄川さんは、標的を静雄さんに変えると、再びブンブンスタイルで特攻。

騒ぐ渡草さんなど目もくれない静雄さんは、ワゴン車のドアを引きちぎると、そのまま盾のように構えて突進。

そのまま贄川さんをぶちかまし!

さらに止まらず壁にドーン!!!

 

 

「ありゃ死んだんじゃねぇか?」

 

「……大丈夫かな」

 

 

……正当防衛?

 

 

 

 

 

 

 




俺の執筆意欲を支えてくれているのは杏里のおっぱいだけだ……。
おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい


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9話

悪は滅びたのだ


『もしもし、クレアか?お前に頼みてぇことがある』

 

「ありゃりゃ赤林さんから依頼とは珍しい、なんでしょうか」

 

『杏里ちゃんのことで頼みてぇことがある、今いろいろと厄介なことになっててな……

 

 

家に杏里の友人を名乗る女の子が来る

→杏里の学校の教師という男が来る

→女の子が現れる

→教師逃げる

→女の子追いかける

→わらわらと目が赤い奴等が家に来る

→どうやら杏里を狙っている

→赤林さんぶちギレて全員ボコす

→杏里が用事があると言って家から飛び出す

 

 

……ってことでよ、俺は沙也香と園原堂を守らなけりゃならねぇ。罪歌があるから大丈夫だとは思うが、万が一があるかもしれねぇ、杏里ちゃんのこと頼めるか?」

 

「任せてください、近くいるんですぐ行きます」

 

「ありがとよ、頼んだぜ」

 

 

さて、さっさと行きますか。

セクハラ教師の棒再起不能にしてやる。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

「あれ、静雄さんとセルティさんじゃん。なんかパーティーでもしてるんですか?」

 

「おークレアか、気にすんな」

 

「そうすか、じゃ!」

 

「おぉ!」

 

 

向かう途中、公園で静雄さんとセルティさんとその他大勢を見かけた。

どう見ても罪歌に洗脳された人達だったけど静雄さんなら大丈夫だな、むしろ洗脳された人達が心配だわ。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

杏里を見つけたと思ったら、セルティさんと杏里とクソ野郎がいた。

ちょっと迷っちゃったから遅れた感があるけど無事みたいでよかった。

あれ、なんか怪我してんな?ちょっと待って、赤林さんに殺されるんじゃねぇかこれ?

非常にマズい……ん?

 

なんかクソ野郎が杏里の肩掴んでて距離近いからぶん殴ります。

 

 

「テメェみてぇなクズが杏里に触ってんじゃねぇよ!」

 

グシャッ!!!

 

 

なかなかいいのが入った、ちょっと力んじゃったから顔面歪んだと思うけどしょうがない。

 

 

「大丈夫か?あのクズになんかされてねぇか?」

 

「大丈夫」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!い、痛いぃ!!!」

 

 

なんか騒いでるけどまだ終わりじゃないからね?棒潰すって決めてるからね?

と、杏里が腕を抱くようにして距離を詰めてきた。

肘でおっぱいがおっぱいしてておっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱ……

 

 

「先生、私が先生を助けたのは先生が好きだからじゃありません。先生に感謝はしていますが、先生に借りは残したくなかったので。ですので、もう先生に借りはありません」

 

「あ、杏里、なにを」

 

「それに、私はこの人が好きなので」

 

「そ、そいつが……そいつは!?!?う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ハッ!?

杏里のおっぱいの感触が驚異的すぎて別の場所に飛んでた、川の向こうでじいちゃんがいい笑顔だったけど、まだあの人死んでねぇからたぶん三途の川ではない。

 

 

「あれ、あのクズは?どこ行った?あっち?待てごらぁぁぁぁ!まだ棒倒ししてねぇだろうがぁぁぁ!」

 

 

さすがにこれ以上おっぱいしてるとおかしくなりそうだから、泣く泣く腕を抜き取りクズを追う。

 

 

「セルティさん!杏里のことよろしくお願いします!」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「セルティさん、クレアさっきの」

 

『たぶん聞こえてなかっただろうね、杏里ちゃんが腕組んだ瞬間白目を向いてトリップしてたから』

 

「……そっか」

 

『その、なんていうか……』

 

「大丈夫です、むしろ少し安心しました。聞かれていたら今までの関係じゃいられなくなるかもしれませんし」

 

 

杏里はそう言うと、呆れたように、しかしどこか寂しそうな笑みを浮かべた。

それを見たセルティは声をかけることができず、心の中で次会ったときにクレアを影で縛り上げると決心した。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

クズ野郎の鼻血をたどって全速力で追いかけていたら、空からクズが降ってきた。

 

 

「親方!空からクズ野郎が降ってきたからそのままゴール(股間)のポストにシューーーートッ!!!!」

 

 

超!エキサイティンッ!!!

じいちゃん譲りの身体能力をなめないで欲しい、飛んでくる人間の棒の位置を把握し、なおかつそれだけを潰す絶妙な力加減で蹴ることなど朝飯前である。

 

 

クチャッ

 

「ッヒュッッッ!!!!」

 

 

変な呼吸をして地面に落ちたクズ野郎はそのまま意識をグッバイした。

悪は滅びたのだ!

 

 

「クレアじゃねぇか、そいつ知り合いか?いきなり切りかかってきたから殴っちまったけどよ」

 

「ナイスです静雄さん、コイツは死んだ方がいいレベルのクズなんで気にしないでください」

 

「そりゃよかった」

 

「それより怪我してるじゃないですか、大丈夫ですか?それにしては機嫌よさそうですけど」

 

「あぁ、聞いてくれよクレア。さっきいいことがあってよ……」

 

 

どうやら罪歌達と三國無双してて、力加減をできるようになったらしい。

確かに静雄さんがあの人数と喧嘩して誰も死んでないって凄いと思う。

 

 

「静雄さんが手加減できるようになるとは驚きですね」

 

「どういう意味だそりゃ」

 

「冗談ですよ」

 

 

でも素直によかったと思う。

だってあのままじゃ絶対いつか死人出してたもん、てか今まで出てなかったのが驚きだわ。

池袋人頑丈だからなぁ。

 

ん?電話だ、……あ、やべ。

 

 

「……もしもし」

 

『クレアか?今セルティさんが杏里ちゃんを連れて来てくれたんだけどよぉ、……なんで杏里ちゃんが怪我してんだ?』

 

「あの、それにつきましては、なんと言いますか、俺が見つけた時にはもう怪我していたと言いますか」

 

『杏里ちゃんはお前は悪くないって言ってたけどよぉ、わかってるよなぁ?』

 

「……はい、いかなる罰でも受ける所存であります」

 

『いい度胸だ、その度胸に免じて軽くしてやる。……とりあえずダッシュで来い』

 

「はい、すぐ行きます。それでは失礼します」

 

「……大丈夫か?」

 

「静雄さん、俺はちょっと所用ができたので今日は失礼します。今度またみんなでお祝いしましょう」

 

「あ、あぁ。……死ぬんじゃねぇぞ」

 

「はい」

 

 

 

さて、死地に赴くとするか。

覚悟はいいか?

俺はできてない!

 

 

 

 

 




クレアはこの後、次は間に合うように鍛えるという名目で、池袋中を赤林さんに車で追い回されます。
追い付かれたら窓から棒術でしばかれます。
しばらく池袋都市伝説に、悲鳴を上げながら車と同じスピードで走る変人が追加されます。


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10話

さぁ、書けた端から投稿するスタイルにもそろそろ限界が来てるよ。
でも書けるときに書かないとエタるんだよ。
だから書くんだ。
がんばれORE!


「おーい杏里、迎えに来たぞー……って帝人君?」

 

 

負傷して入院した杏里が退院するとのことなので、病院まで迎えに来たら、帝人君がいた。

ありゃ、おじさんミスったかな?

 

 

「クレア」

 

「クレアさん!?」

 

「おぉ、久しぶり帝人君。もしかして帝人君も杏里の迎えかな?」

 

「は、はい、一応……」

 

 

……これはどうするべきだ?

なんともいえない空気が3人の間に流れているのを感じる。

ここは帝人君に任せておじさんは撤退するべきか?

うん、そうだな!そうしよう!

 

 

「あー俺は用j

 

「ごめんなさい竜ヶ峰君!クレアさんに用があったのを忘れてました、今日はクレアさんに送ってもらうことにします。わざわざ来てくれたのにすいません」

 

「あ、そ、そうだったんだ!いやいや!気にしないで!勝手に来ただけだから!僕も買い物しなきゃいけなかったの思い出したよ、じゃあね!クレアさんも!」

 

「あ、……うん。気をつけて帰ってねー」

 

 

え、なにあれ悲しい。

絶対買い物の用事とかないじゃん!

絶対嘘じゃん!

てか帝人君絶対杏里のこと好きじゃん!

おじさん邪魔した感半端ないんだけど、自責の念がすんごいことになってる。

 

 

「……それじゃあ、行こ」

 

「帝人君……、で、用事ってなんだ?」

 

「え、あ、それは……後で話す」

 

 

こうなってしまってはしょうがない。

杏里にバイクのヘルメット渡して後ろに乗せる。

……相変わらずいい胸してやがるちくしょう。

 

 

「いつも言ってるけど女なんだからもう少し自分の体に自覚を」

 

「なに?」

 

「……なんでもねーよ」

 

 

クソ!腕に力入れるのやめろっていっつもおっぱい。

ほんとおっぱい。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

最近黄巾賊が妙にイキってる、てか絡まれる。

腹立つからパンイチにしてズボン大通りにぶん投げることにしてる。

正臣にあんまりボコさないでって言われてるけど、これならいいよね?

あ、走って取りに行った、がんばれ~。

ん?杏里から電話だ。

 

 

「もしもしー、どうしたー?」

 

『クレア、助けて』

 

「詳しく状況を教えろ……

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

なんか黄巾賊について探ってて集会覗いてたら正臣が将軍しててビックリして音を立てちゃったらしい。

で、現在隠れてるけど見つかりそうになっていると。

 

 

「わかった、すぐ行く。ただ、セルティさんにも連絡しとけ、二人の方がアイツら撹乱できるだろ」

 

『……わかった』

 

「絶対助ける、大人しくしとけよ」

 

『うん、待ってる』

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

向かう途中でセルティさんと合流したので作戦を立てた。

まず俺が突っ込んで場を撹乱、その隙にセルティさんが杏里を救出。

杏里は正臣にバレたくないみたいだから、セルティさんに影でヘルメットを作って隠してもらう。

我ながら完璧すぎる作戦だ。

 

 

「お、見えてきた。そんじゃ、一番槍いただきます!」

 

『気をつけろよクレア』

 

 

セルティさんと別れ、黄巾賊の群れに突貫!

轢かねぇように気をつけないと。

 

 

「オラァァァァァ!!!テメェら毎度毎度絡んできやがっていい加減にしやがれぇぇぇぇぇ!!!」

 

「クレアさん!?なんでここに!」

 

「あ、正臣じゃん。いやな?最近黄巾賊がクソほど絡んでくるからさ、いい加減鬱陶しいなって」

 

「なんだテメェ!この人数に一人でカチ込みとか頭沸いてんのかぁ!」

 

「やめろお前ら!この人に手出すな!」

 

 

おぉ、さすが将軍。

一応頭ってだけあってみんな言うこと聞くんだ、なんか不満げな奴等がいるみたいだけど。

 

 

「クレアさん、後にしてくれないですか?今はあんたより……って黒バイク!?」

 

 

あ、セルティさんバレちゃった。

コンテナの上からこっそり隙間に隠れてた杏里確保してたけど、逃げる前に気づかれちゃったか。

ほれ、さっさと逃げろ逃げろ。

 

 

「ま、待て!」

 

シャキンッ!

 

 

黄巾賊の一人が持っていた鉄パイプをセルティさんと杏里に投げつけた。

セルティさんの死角からの投擲物に、杏里が罪歌を振るって切り落とした。

とりあえず今鉄パイプ投げたらやつの顔は覚えた、お前は次会ったときにフルティン決定な。

 

 

「あれは!?」

 

 

そのままセルティさんは逃走。

さすがにこの人数いても、バイクで逃げられちゃ仕方ないよなぁ。

……ん?なんか視線がこっちに集中してんな。

 

 

「……クレアさん、あんたもしかして黒バイクと切り裂き魔とグルすか?」

 

「なに言ってんだ?俺は自分の用事で来ただけだ、黒バイクなんて知らねぇぞ?」

 

「嘘こいてんじゃねぇぞ!このタイミングでグルじゃねぇわけねぇだろ!さてはテメェもダラーズか!」

 

「あ!おいバカ!やめろ!」

 

 

さすがに騙せないよねぇ。

正臣の制止も聞かずに、黄巾賊の一人が金属バットで殴りかかってきた。

まぁ、受け止めるよね。

どうしよう、どうせだから脅しておいた方がいいかな?

 

 

「いい機会だから黄巾賊全員に言っておくぞ」

 

「ひ、ヒィ!?」

 

 

離してくれないので、金属バットを振り回して吹き飛ばす。

いい感じに2、3人巻き込んだな。

 

 

「俺は別にダラーズでも切り裂き魔でもねぇけどよぉ、絡まれて許すほど優しくはねぇんだ」

 

メキメキ

 

「……マジかよ」

 

 

金属バットの両端を持って二つにへし折る。

ついでにもう一回へし折る。

いい感じの大きさになったな。

 

 

「だからよ、……あんまり俺の周りで騒いでっと痛い目見るぞ?」

 

 

そのまま、さっき杏里に鉄パイプ投げたやつの足元に全力で投げる。

なかなかの速度で飛んでいった鉄塊は、地面のコンクリートを砕いて半分ほど埋まった。

威嚇は成功、ほとんどのヤツはビビってくれたらしい。

 

 

「……わかった、下にはクレアさんに手を出さないようしっかり言っておく」

 

「わかってくれればいいんだ、俺だって好きで暴力振るいたいわけじゃねぇからな」

 

「ホントにクレアさんはダラーズじゃねぇんだな?」

 

「違ぇよ、そもそも俺はチームに入ってねぇしな。……なにがあったか知らねぇけど、お前もあんま気張りすぎんなよ、杏里が心配してたぜ。じゃ!あばよ!」

 

 

 

はーちょっとスッキリした。

無事杏里も救出できたし、さっさと帰って合流するとしよう。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「将軍……」

 

「お前ら、さっき見た通りだ。クレアさんは、あの人は平和島静雄レベルだと思え」

 

「でも俺達、前にアイツにパンイチにされてズボンを……」

 

「そんなもんですんだなら安いもんだ、あの人がマジでキレたら怪我じゃすまねぇよ。素手で車バラすような人だからな」

 

「さすがにそれは……、え、マジすか?」

 

 

正臣の言うことを最初は冗談だと思ったメンバー達だっが、その表情を見て冗談ではないと悟る。

黄巾賊達の視線は、誰となくコンクリートにめり込んだ金属バットだった物へと向いていた。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

あの後、無事に杏里を確保した俺達はロシア寿司で打ち上げをした。

杏里が元気なかったから旨いもんでも食わせてやろうと思ったんだけど、あんまり効果なかったみたい。

 

俺が黄巾賊に絡まれる回数もだいぶ減った、なくなったわけではないから、たまに黄色パンイチが池袋に出没するけどしょうがない。

 

 

今日は依頼もないから街をブラついてたら、セルティさんから連絡が来た。

 

 

『杏里ちゃんが黄巾賊に追われているらしい。今ダラーズが逃がしているが、心配だから私も探しに行ってみる。今は……』

 

 

ダラーズに入っていない弊害がここで来ちまったか。

……とりあえず追いかけてる黄巾賊は死刑だな。

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

セルティさんから連絡を貰いながら、なんとか杏里を発見できた。

黄巾賊の集団と対峙しており、リーダー格っぽい男が鼻血を出しながら杏里の胸を凝視している。

……殺すか。

 

 

「さっきからうるせぇなぁぁぁぁ!!!」

 

「あれ、静雄さんじゃないすか」

 

「あぁ?なんだクレアか、なんでこんなとこにいんだ?」

 

「ちょっと杏里がクソ共に絡まれてるみたいなんで殺しに来ました」

 

「杏里が?……あぁ、アイツらか」

 

「静雄さんも行きますか?」

 

「当たり前だろうが、ちょうどイラついてた所だ」

 

 

近づいて来る俺と静雄さんに気がついたのか、黄巾賊達の顔に驚きの色が見てとれる。

今さら遅いんだけどね。

静雄さんが顔面にぶち込むみたいなんで、俺はボディーにするとしよう。

 

 

 

ーダラーズー

 

 

From せるる

Sub 女の子を発見。

『無事です。一件落着。なぜなら』

 

From カルアミルク

Sub (no title)

『なぜなら、池袋のフォルテッシモとよろず屋紅ちゃん登場!!!』

 

From MONTA

Sub (no title)

『むしろあれ黄巾賊大丈夫か?死ぬんじゃねぇか?』

 

From せるる

Sub (no title)

『……もしもの時は止めます』

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

それは戦いではなかった。

まるで、象がアリを踏み潰すような、圧倒的で一方的な力による蹂躙だった。

 

静雄とクレア、それぞれの暴力を一身に受けたリーダー格は、砲弾のように宙を舞った。

綺麗な放物線を描いたリーダー格は、街灯に衝突して人形のように地面に落ちた。

あまりに常識はずれな光景に固まる黄巾賊だったが、すぐに状況を理解し逃走を開始する。

 

 

「逃がすかよ」

 

 

しかし、魔王からは逃げられない。

すぐに一番後ろで逃げ遅れたメンバーがクレアに捕まる。

首もとを捕まれたそのメンバーは、勢いよく投げ飛ばされると、先頭で逃げていた男を潰すように衝突した。

 

再び固まる黄巾賊、その一瞬の隙に、クレアはすでに回り込んでいた。

 

 

「テメェら人の妹分大人数で追いかけ回したんだって?……覚悟はできてんだろうなぁ」

 

 

その場にいた黄巾賊全員が、クレアの紅の髪がまるで炎のように燃え上がる姿を幻視した。

即座に反対方向へ逃げ出す。

 

しかし、そちらにはもう一人の魔王がいた。

静雄が拳を振るうと、一度に3人の黄巾賊が宙を舞った。

前門の虎後門の狼、絶望的な状況に黄巾賊はパニックになる。

あるものは脇目も振らず逃げ出し、またあるものは無謀にも魔王に殴りかかる。

中には頭を抱えて地面にうずくまる者までいた。

 

まさに地獄。

人が宙を舞い、叫び声と命乞いの声が飛び交う。

それは、正気を取り戻したセルティと杏里が止めに入るまで続いた。

 

 

 

これが、後々まで池袋で語り継がれる事になる、黄巾賊虐殺事件の全容である。

 

 

 

 




主人公もはっちゃけたいときぐらいあるんだよ。
というか俺がはっちゃけさせたいんだよ。
どうせはっちゃけるならもっと強い人相手にはっちゃけさせたいけど、しばらく出ないから静雄との三國無双協力プレイで我慢するんだよ。


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11話

デュラララ!!アニメ一期分、完ッ!!!
お洒落に予約投稿なんてものをしてみた私だよ。
無事に投稿できるのか不安でしかないよ。


闇討ちされた。

そもそも、なぜ俺がこんな夜に歩いていたかという理由は、最近黄巾賊が暴れてて一般人みたいなダラーズまでも襲ってるとのことらしいので、できるだけ守って欲しいと帝君に頼まれたからだ。

 

 

「で、いきなりチャカぶっ放した理由を聞こうか、黄巾賊の諸君?」

 

「こ、こいつ、弾よけやがった!」

 

「テメェらみたいな素人の弾が当たるわけねぇだろ」

 

「クソ!平和島静雄は始末できたのに!」

 

「……?テメェ今なんて言った?」

 

「く、来るな!……へへへっ、平和島静雄はもう撃ってきたって言ってんだろ!早く助けに行けばもしかしたらまだ助かるかもしれねぇなぁ?」

 

 

そう言うと、黄巾賊達は逃げて行った。

捕まえてぶちのめしてもよかったけど、それよりも静雄さんが気になる。

さっき聞こえた銃声は静雄さんが撃たれた音だったのか。

体なら当たっても大丈夫そうだけど、もし頭とかに当たってたらさすがの静雄さんでも死にかねない。

早く助けに行かねぇと。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「……静雄さん、なんでそんな血ダラダラで歩けるんですか?足に弾当たってますよね?」

 

「クレアか、歩けるもんは歩けるだろ?」

 

「……一応肩貸しますよ、万が一悪化したら恐いですから」

 

「悪ぃな、今から新羅の所に行こうと思ってな。鉛中毒が恐ぇからよ」

 

 

いや、そうじゃねぇだろ?

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

新羅さんの所に行ったらなぜか杏里もいた。

セルティさんに相談事があってお邪魔していたらしい。

静雄さんが撃たれた理由が正臣が命令したからという話を聞いて、そのまま飛び出して行ってしまった。

てか俺も初耳なんだけどそれ?

 

 

「静雄さん、俺はその紀田正臣と知り合いですけど、そんな命令するヤツじゃないっすよ。俺も襲われましたけど、メンツがこの前ボコした奴等だったんでたぶん逆恨みでしょうね」

 

「そうなのか?つーかクレアも襲われたのか」

 

「はい、この前じゃお灸が足りなかったみたいなんでもうちょいきつめに焼入れましょう。……その前に俺は杏里追っかけますけどね」

 

「わかった、俺もそのうち行くからよ。俺の分も残しておけよ」

 

「了解っす」

 

 

ソファーでくつろいでいる(まだ血ダラダラ)静雄さんは放置しておいて大丈夫そうなので、杏里を追いかける。

 

杏里が行くところはわかっているのですぐに追い付いた。

途中ヘロヘロになった闇医者を見かけたけどそれどころじゃないので無視してきた。

 

 

「正臣の所に行くのか?」

 

「……紀田君は友達だから」

 

「いいねぇ、青春じゃねぇか」

 

 

お目目爛々とさせて走る杏里に並走する。

胸がすんごいことになってる、もうすんごい。

視界の端で暴れるメロンにどうしても意識が行ってしまうけど、どうにこうにか視線を前に向ける。

これはもはや暴力だよ、視覚の暴力だよ。

 

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

到着してしまえば呆気ないものだった。

杏里がしれっと倉庫の扉斬ったのはさすがに驚いたけど。

斬鉄だよね?あれ結構難しいんだぜ?

 

俺と杏里が到着したとほぼ同時に、セルティさんが帝君を連れて登場。

そのまま友情してから乱戦モードに突入。

 

前はいなかった奴等がいっぱいいたので結構向かってくる奴が多かったからそこそこ楽しめた。

いつの間にやら門田さんとか味方が増えてたので、タッグ技とかいろいろやった。

 

でも、あのリーダー格の奴はいなくなっていた。

なのでセルティさんに頼んで追いかけてるもらう。

高校生達の青春を邪魔するわけにはいかないからね。

 

 

「セルティさん、途中で静雄さん拾ってください。近くにいるらしいんで」

 

『……殺すなよ?』

 

「やだなぁ、俺達をなんだと思ってるんですかもー」

 

 

さすがに殺しはしない、死ぬような目にはあってもらうけどね。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

ルートを予測して奴等の先回りをした。

じゃんけんで順番を決めたら俺が先にやっていいとのことなので、静雄さんより手前で待ってます。

セルティさんにもやるか聞いたけどすごい勢いで首を横に振っていた。

間違えた、あの人首ないんだった、ヘルメットを振っていた。

 

お、来た来た。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

法螺田達は逃げきれたと安心しきっていた。

だからこそ、道路の先でヘッドライトに照らされるクレアの姿を確認しても逃げようとは思いもしなかった。

そもそも常識的に考えて、普通の人間が正面から車とぶつかって勝てるわけがないのだ。

 

常識的に考えて、普通の人間が。

 

 

「ヒャッハー!バカなんじゃねぇか!テメェにはボコされた恨みがあるからよぉ、このまま撥ね飛ばしてやるよぉぉぉぉ!!!」

 

 

アクセルを踏み込んで、真正面から突っ込む。

このスピードで人を撥ねたら殺してしまう、そんな考えは浮かびもしない。

クレアが片足を振り上げている、そんな動きの理由など考えもしない。

過剰に分泌したアドレナリンのせいで、ハイになってしまっていたのだろう。

 

しかし、彼らの思考は一瞬で停止する。

いや、()()()()()()()

 

車とクレアが衝突しようとした瞬間、クレアが足を振り下ろした。

ちょうどボンネットを踏みつけるような形になった足は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

簡単なテコの原理だ、車の先頭が沈み込めばケツが跳ね上がる。

運動エネルギーはそのままなので、車はクレアの上を飛び越して空中で3回転。

グシャッッッ!!!という轟音を立てながら、再び走行を開始した。

 

 

「ありゃ、仕留めきれなかったか。……まぁ、静雄さんもいるし大丈夫だろ」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

法螺田達の思考はしばらく停止していた。

それはそうだろう。

彼等が見たものは、クレアを撥ねる瞬間、凄まじい衝撃と共にクレアが消え、妙な浮遊感とシートに押さえ付けられるような遠心力を感じ、再び衝撃を受けるとボンネットが煙を上げている、そういうものだけなのだから。

 

しかし、いつまでも放心状態ではいられなかった。

なぜなら、クレアの次は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()静雄が立っていたからだ。

もう止まれる距離ではない、標識を振りかぶる静雄に対して、法螺田達にできたことは出来る限り体を車体に隠して小さくなることだけだった。

 

ゴゥッッ!!!

 

轟音で振り抜かれた標識は、車の上部を綺麗に切り取った。

もし体を小さくしていなかったら、間違いなく上半身と下半身が泣き別れしていたことだろう。

 

命拾いした法螺田達は、猛スピードで逃げ出した。

 

 

「逃がすかゴラァァァァァ!!!」

 

 

しかし、静雄の猛追は終わらなかった。

槍投げの要領でミサイルのように発車された標識は、逃げている車に突き刺さる。

ちょうど運転席と助手席の間を縫うように刺さったそれに、命の危機を感じた法螺田達は恐怖で漏らしていた。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

静雄さんさすがだわぁ、やっぱあの人バケモンだわ。

でもアイツらの強運もすげぇな、結局逃げられちゃったし……ん?セルティさんからメールだ。

 

 

『アイツらは交機に捕まった。もう逃げられない。アイツらはおしまいだ』

 

 

……え、交機ってそんな恐い感じだっけ?

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

 

 

 

 

事件は解決したらしい。

正臣から謝罪の連絡があった、別に気にするなと言ったけど、アイツ彼女と一緒にいるみたいだった。

リア充かよぶち殺すぞ。

どうやらしばらくの間は彼女と一緒に池袋からは離れることにしたらしい。

彼女と。

ぶち殺すぞ。

帝君と杏里をよろしくとお願いされた。

なんか彼女にちょっかい出されて、『ちょっや~め~ろ~よ~』みたいなことしてた。

ぶち殺すぞ。

ぶち殺すぞ。

 

街でも黄巾賊の姿を見ることはなくなった、これでしばらくは池袋に平和が戻ってくるだろう。

どうせイザヤさんがまた引っ掻き回すけど、てかたぶん今回の件もイザヤさんが絡んでるけど。

なんかいきなり電話かかってきてチャットルームに誘われた時、それとなく聞いてみたけどはぐらかされてしまった。

クルリとマイルは可愛いのになんで兄貴はあんなんなのかな?

ちなみにクルリは巨乳だ。

巨乳だ。

 

 

「……スケベな顔してる」

 

「心外な!俺がいつスケベな顔をしたっていうんだ!」

 

「ふざけてないで、早く操作して」

 

「はいはい、ったく、まさか杏里にネットの事を教えてもらうことになるとはな……。はい、これでいいのか?」

 

「うん、後は名前を決めれば大丈夫」

 

 

名前かぁ、……Xとかでいいか、紅好きだし。

 

 

「これでよし、そんじゃ早速挨拶してみるか」

 

 

えーと、今のチャットの流れを読んで……。

 

 

X 『甘楽さん死ねばいいのに』

 

と!

 

 

 




長い戦いも終わりを迎えた。
ここから先はもう引き返せない修羅の道。
さすがにアニメ三期分は長ぇだろ。

さぁ、俺にやる気を出させてみろよ!
やれるもんならな!
(・)(・)


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閑話2

クルリとマイルって可愛いよね。
クルリのおっぱい大きいよね。
クルリの、
おっぱい、
大きいよね!


池袋の人達との出会いと日常

 

 

 

~クルリ・マイルの場合~

 

 

 

イザヤさんに招待されたので家に行ってみた。

せっかく友達になったんだから、遊んだりするのは普通だよね?

静雄さんから聞かされた情報では人格ネジ曲がったヤベェ人だけど、もしかしたら根はいい人かもしれないからね!

 

 

「よく来たね、クレア君。遠慮しないで上がってくれ」

 

「失礼します、ご家族は?」

 

「君は意外と踏み込んでくるタイプなのかな?」

 

「あ、すいません」

 

「いや、いいんだよ。今家にいるのは妹達だけだよ」

 

 

と、家の中にチビッ子が二人いるのか見える。

ありゃ杏里と同じくらいかもっと小さいな。

 

 

「気になって見に来たみたいだ。おいでクルリ、マイル。この人はクレア君、僕の友達さ」

 

「よろしくなチビッ子達」

 

 

挨拶したらトテトテと近づいてきた、なんだこの可愛い生き物は!?

イザヤさんと同じ血をひいているとは思えねぇな!

勢いよく近づいてきた三つ編みメガネの方の子が口を開いた。

 

 

「お兄さんの髪の毛綺麗な色だね!それって染めてるの?それとも元々なの?それにお兄さんカッコイイね!あ!私は折原舞流!こっちはお姉ちゃんの折原九瑠璃だよ!よろしくね!」

 

「おう、予想外のマシンガントークにお兄さんビックリだ。俺は真日原クレア、よろしくねマイルちゃんクルリちゃん。俺のことは親しみを込めてクレ兄と呼んでくれ」

 

「……(よろしく)、……クレ兄」

 

「怖い人じゃなくてよかったね!クル姉!」

 

「……(うん)、……(かっこいい)

 

 

可愛い子達じゃないか、もう一回言っておくけどイザヤさんと同じ血をひいてるとは思えねぇな!

 

 

「ほら、僕達はちょっとお話しないといけないから、あっちの部屋で遊んでな」

 

「えー!私達もクレ兄と遊びたいよー!いいじゃんイザ兄!お願いお願い、ね、クレ兄も私達と遊びたいよね?ちょっとクル姉もお願いしてよー」

 

「……(お願いイザ兄)

 

 

そう言いながら、二人は俺の足元に来るとそのままそれぞれが両足にしがみついてしまった。

なんだこの可愛い生き物は!?杏里にもこういう可愛さが欲しいところです。

 

 

「でもねぇ、……クレア君も迷惑だろ?」

 

「いえ、小さい子は好きなのでむしろバッチこいです。正直イザヤさんと話すよりこの子達と遊びたいっす」

 

「き、君は正直なんだね。……わかったよ、二人が飽きるまで遊んであげてくれ」

 

「よっしゃ!任せてください!行くぞ、クルリちゃん!マイルちゃん!」

 

「おぉー!!!」

 

「……(おぉー)

 

 

 

結局帰るまでイザヤさんとは一度も話すことはなく、クルリとマイルと遊び倒した。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「くらえクレ兄ー!」

 

「ハッハッハッ!まだまだ甘いなマイル!」

 

「なに今の動き!?気持ち悪い!」

 

「……(すごい)

 

「くそー!もう一回もう一回ー!!!」

 

「ハッハッハッ、何度でもかかってきなさい」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「クレ兄この前一緒にバイク乗ってた女の子誰!?可愛かったよねぇ!ねぇ!クル姉!」

 

「……(うん)、……(きれいだった)

 

「ありゃ妹みたいなもんだ」

 

「へぇ、会ってみたいなぁ~。あと私もバイク乗りたい!乗せてよねぇクレ兄お願い~!お願い~!」

 

「……(おねがい)、クレ兄」

 

「別にいいけど、二人同時には乗せられねぇぞ?」

 

「……クル姉」

 

「……(おねえちゃんが先)

 

「あぁ!ずるいずるい!こういう時だけお姉ちゃんぶるのずるいよー!私も乗りたいもんー!」

 

「……(ダメー)

 

「わかったからとりあえず両側から抱きつくのやめて、特にクルリはやめなさい」

 

「あー!クレ兄クル姉のおっぱいで興奮してるなー!」

 

「……(はずかしい)

 

 

 

 

 

 

~平和島幽の場合~

 

 

 

静雄さんに家に招待された、弟さんに紹介してくれるらしい。

何を隠そう、この俺は『吸血忍者カーミラ才蔵』の大ファンなんですよ。

静雄さんの弟さんがあの才蔵役の羽島幽平さんだと聞いたときはマジでビビった。

どうしよう、緊張するわぁ~、あ、サインとかもらってもいいのかなぁ~。

 

 

「おい、クレア、大丈夫か?」

 

「へ?あ、はい!大丈夫っす!羽島幽平さんに会えると思うと緊張しちゃって」

 

「……ありがとう」

 

「え?いやいや、どういたしまし……て……」

 

「……大丈夫かクレア?紹介が遅れたけどよ、弟の幽だ。で、こっちがクレア」

 

「……兄さん、雑すぎ」

 

「そうか?こんなもんだろ?」

 

 

どうしよう、目の前にカーミラ才蔵がいる!

ヤバイヤバイヤバイ、興奮がヤバイ!

うわぁ、有名人と生で会うのとか初めてのことだからなに言えばいいかわからないよぉ~。

甥っ子が海外で映画出てるけどアイツらは小さい頃から知ってるからノーカン。

シャロンは素直ないい子だけど、クローディアなじいちゃんに似て主張強いからなぁ。

事あるごとに映画に出演させようとしてくるし。

 

 

「あ、あの!あ、あ、握手!してもらえませんか!」

 

「……どうぞ」

 

「はぁ~!ありがとうごさいますぅぅぅぅ!もう一生手洗いません!」

 

「いや、それはさすがにきたねぇだろ。つーかいつもとキャラ違すぎねぇか?」

 

「だまらっしゃい!静雄さんは身内だからそうしてられるんですよ!羽島幽平と言えば今をときめくスーパースターじゃないですか!俺は『吸血忍者カーミラ才蔵』の時からの大ファンなんですよ!」

 

「……ありがとう」

 

「まぁ、幽が褒められて悪い気はしねぇけどよ。今日クレア呼んだのは、幽がスタントアクション?ってのの特訓中らしくてよ、お前なら教えられるんじゃねぇかと思ってな」

 

「俺が幽平さんに教えるだって!?そんな……確かにシャロンにスタント叩き込んだのは俺だけど、畏れ多いって言うかなんて言うか」

 

「僕からも、お願いします」

 

「任せてください幽平さん!あなたが納得いくまでお付き合いいたしますぅ!!!」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「さすが幽平さん!もうすっかりマスターしてますよ!バク転でもバク宙でもムーンサルトでも、なんでも来いって感じですね!」

 

「師匠のおかげ」

 

「いやいや、師匠だなんてそんなぁ、照れるなぁ」

 

「幽」

 

「はい?」

 

「幽でいい、幽平は芸名だから」

 

「じゃ、じゃあ、……幽、さん」

 

「はい」

 

「幽さん」

 

「はい」

 

「幽さん!」

 

「はい」

 

「なにしてんだクレア、今日だいぶおかしいぞお前」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「幽さん!今度ハリウッドデビュー決まったんですよね!静雄さんから聞きましたよ!おめでとうございます!」

 

「師匠のおかげ、ありがとう」

 

「幽さんに感謝されるなんて!ファン冥利に尽きます……今ならじいちゃんも倒せる気がする!気のせいだけど!」

 

「そうだ、共演するクローディアさんが師匠に会いたいって」

 

「え゛」

 

「ぜひともって」

 

「く、クローディアさん?……ちょっとわからないなぁ~誰だろうなぁ~、さっぱりだなぁ~」

 

「アクションの師匠がいるって話したら、会いたいって。出演も考えて欲しいって」

 

「……幽さん、クローディアさんには、クレアはしばらく雲隠れする予定だから会えないって伝えてください」

 

「……ごめん、池袋にいるって教えた」

 

「なんてこった!!!」

 

 

 

 

 

 

~ロシア寿司の場合~

 

 

 

歩いてたら寿司屋のキャッチに捕まった。

この人ガタイよすぎだろ、しかも絶対なんか格闘技してるじゃん、強いじゃん。

 

 

「おぉ!シャッチョさ~ん!綺麗な髪ネ、真っ赤だヨ~、タコみたいネ~!タコはいいヨ~、いいタコあるヨ~」

 

「……え、俺褒められてる?バカにされてる?」

 

「褒めてるヨ~!バカになんてしてないヨ~。嫌なことあっても、スシ食えば忘れるヨ~!ロシア寿司はいつでもオール時価ネ~」

 

「え、バカにしてるよね?してるよね?」

 

 

肩捕まれて連行された。

いやまぁ寿司食いたかったからいいんだけどね?

店に入ると、板前さんと外人さんだった。

うわ、この人も強い人じゃん、なんだここさては寿司屋じゃねぇな?

 

 

「シャッチョさん1名ご招た~イ!」

 

「招待っていうか連行じゃね?」

 

「シャッチョさん1名連こ~ウ!」

 

「そういうこと言いたいんじゃねぇよ?」

 

 

そのままカウンターに座らされてしまった。

うわ、板前さん眼光鋭い、すごい鋭い。

刺身包丁でなに切るんですかねぇ?

 

 

「……なに食うんだ」

 

「え、じゃあ、……タコで」

 

「タコはいいヨ~、真っ赤ネ~、シャッチョさんの髪みたいヨ~」

 

「お?またバカにしたな?」

 

「悪いな、悪気があるわけじゃねぇんだ」

 

 

出されたタコは美味しかったです。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「おめぇのその髪は地毛か?」

 

「そうっすよ、うちの家系は黒髪か赤髪どっちかしかいないんですわ。……なんでですか?」

 

「いやなに、似たような髪色のヤツを知っててな」

 

「ハッハッハッ、店長の知り合いとか、殺し屋とかなんかですか?」

 

「……そんなわけねぇだろ」

 

「そうですよねぇ、そんなわけないですよねぇ」

 

「それとも、赤髪の殺し屋の知り合いでもいるのか?」

 

「……そんなわけないじゃないですか」

 

「そうだな、そんなわけねぇよな」

 

「「……はっはっはっ」」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

「サイモン、暇なんだけど」

 

「オォ~!暇ならスシ食うといいヨ~!タコあるネ~!」

 

「いや、別にタコ好きな訳じゃないからね?」

 

「好きじゃなくてもスシ食うといいヨ~!」

 

「いや、飯はさっき食ったからお腹いっぱいなのよ」

 

「……Исчезни сейчас.(今すぐ消えろ)

 

「え、なんて?なんか今めちゃ恐くなかったサイモン?」

 

「ロシア寿司はいつでもオール時価ネ~!安いヨ~!オイシイヨ~!」

 

「ちょ、ダル絡みしたの謝るから無視せんといてな。謝るから、謝るからー!」

 

「安いヨ~」

 

「サイモン、ごめんて!サイモン!」

 

 

 

 

 

 




ちょっと人増えてくると絡ませ方わからんくなってくる。
どうすればいいのこれ?
とりあえずおっぱいに絡んでおけばいいの?
いいよね?
いいか!

デュラララ!!二次もっと読みたいからみんな書いてよぉ!!!!
本職は読む専なんだよぉ!!!


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12話

オッパイって響きがいいですよね。
ッを含ませることにより、一瞬音を貯め、続くパの威力が格段に高められている。
大きな声で口に出すと、羞恥心とわずかな達成感、そしてモラルからの解放感で胸がいっぱいになる。
さぁ、みんなも大きな声で言ってみよう。

オッパイ!


「ゾンビですね」

 

「……ゾンビだね」

 

 

幽さんが久しぶりに池袋来たから一緒にロシア寿司行ってそのまま車で家まで送ってもらってるとき、道の真ん中にゾンビが落ちてた。

クソ!俺と幽さんのドライブを邪魔するとか、どんだけ空気読めないゾンビだよ!

クルリとマイルに首なしライダー探しに誘われてたけど、幽さんとの寿司のが優先事項だから嘘ついてまで来たってのに!

 

 

「轢きますか」

 

「いや、この人まだ生きてる」

 

「ゾンビなのに生きてるとは……。さすが幽さん、ギャグセンスまで一級品だぜ」

 

「……とりあえず運ぼう」

 

「うす、……あれ?このゾンビ女っすね、なかなか鍛えてるみたいっすけど」

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

ゾンビマスク取ったら有名人だった。

渡草さんの女神である、聖辺ルリだった。

いや、俺はあんまりテレビとか見ないから、映画館派だからよく知らないけど、よく渡草さんが写真とかグッズとか見せてくるから顔は知ってた。

いや、確かに美人だけどね?おっぱいがねぇ……。

もうちょっと大きい方が好みなんですわぁ……。

聖辺ルリさんはまだ寝てるので、幽さんに看病を任せてかかってきた電話に出る。

 

 

「はい、もしもし」

 

『もしもしクレ兄!幽平さんとロシア寿司に来たって本当!?なんで私達誘ってくれなかったの!!!幽平さんが来てるなら首なしライダーなんて放っておいてお寿司食べに行ったのにぃぃぃぃ!!!』

 

「……ナンカ電波ワルイナココ、クレアヨクキコエナイ」

 

『こらーーー!!!今ロシア寿司にいるからクレ兄と幽平さんが来たって知ってるんだからね!!!』

 

「……さらばっ!!!」

 

『あっ!?』

 

 

クソ!店長言いやがったな!!!

しかもよりによって一番面倒くさい奴等に!!!

次会ったとき絶対うるさいよなぁ、やだなぁ……。

とりあえず幽さんにサインでも貰っておいてやるか。

 

 

……部屋に戻ったら聖辺ルリさんが幽さんに馬乗りになっていた。

 

 

「……ス、スキャンダルッ!!!」

 

「「!?」」

 

 

早とちりでした。

いや、だってどう見ても逆レの現場だったんだもん。

話を聞くと、どうやらルリさんをやったのは静雄さんだったらしい。

そりゃしゃーないわ、いくら鍛えても静雄さんには勝てないよねぇ。

 

 

「じゃ幽さん、追っ手は俺が蹴散らしときますわ」

 

「ありがとう師匠」

 

「いえいえ、幽さんもルリさんもお気をつけて。なにかあったら言ってくれればすぐ駆けつけますから」

 

「あの、ありがとうございます」

 

 

よし!二人のサインも貰ったし、外でコソコソしてる奴等を蹴散らすとして帰るとしますか。

幽さんの家張り込むとか許せねぇ、誰だか知らねぇが地獄見せてやる。

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

あの後、無事に外にいた奴等はボコしてひん剥いた。

さすがに幽さんとルリさんの熱愛報道あったときは驚いたけどね。

 

そんなこんなで今日はクルリとマイルに呼び出されています。

クソ、絶対文句言われる。

……しかーし!昨日貰っておいたサインあるからな!

ちゃんとクルリちゃんへとマイルちゃんへって書いてもらったもんね!

 

お、噂をすれば二人が……なんでキスしてんだあいつら?

しかもなんか暴走族みたいのに絡まれてるし、白い虎柄とか美的センス死んでんじゃねーか?

 

 

「……あ!クレ兄だ!」

 

「……(クレ兄)

 

「あぁ!?誰だテメェ……っ!?ちょっ!痛い!痛いッ!」

 

「大人数で女の子囲むのは男のやることじゃねぇだろうが、ちょっと痛い目見た方がいいなお前ら」

 

 

頭掴んでプランプランさせてたら門田さんが現れた。

 

 

「門田さん、お疲れ様ですー」

 

「クレアか!相変わらずムチャしてんな、コイツら数だけは多いからよ、とりあえずボコして車乗れよ」

 

「ちょうど渡草さんに渡したい物もあったんで了解っす」

 

「そりゃいい、アイツ昨日のスキャンダルで落ち込んでるからよ」

 

 

あ、一人だけ逃がしちった。

まぁ何人来ても同じだから構わないんだけどね?

 

 

「クレ兄!私達は怒ってるんだよ!私達からの誘いを断っておいて!しかも自分は内緒で幽平さんとご飯行くなんて!」

 

「……(ひどい)

 

「悪かったって、もちろん俺も悪いと思ってるんだ。でも、幽さんは騒がれるのが好きじゃないから仕方なかったんだ。しかし!!!そこで俺は幽さんに頼んで君達にプレゼントを貰ってきた!……さぁ!受け取るがいい!」

 

「プレゼントなんかで私達、が……、これは!?!?」

 

「……(すごい!!!)

 

「……なぁ、早くしてくれねぇとあいつらまた来るぞ?」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「渡草さん、元気出してください。……これをプレゼントしますから」

 

「クレアか、俺はもう……こ、こ、こ!これは!!!」

 

「聖辺ルリ直筆サイン、渡草さんの名前入りです」

 

「クレアぁぁぁぁ!!!お前は神だぁぁぁぁ!!!」

 

「ちょっと待て渡草!?嬉しいのはわかるが少しスピード落とせぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

「あれ?あれ杏里じゃん、それに帝人君と知らない子もいるな。相変わらず乙女ゲーみたいなことしてんなあいつ」

 

 

外を見てたらヤンキーに絡まれてる杏里達を見つけた。

ありゃ後輩かな?

……さすがおっぱい。

なんか攻略対象がどっちも戦力無さそうな見た目してるから助け行くか。

 

 

「ちょっと行ってきますわ」

 

「おう、ついでにアイツらも乗せちまえ!今の俺なら何人でも運べるぜっ!!!」

 

「乗車人数がどうかんがえても……、いや、なんでもない」

 

 

近づいていくと杏里が気づいたみたいだ。

ヤンキー達は帝人君のバックに夢中で気づいてない。

 

 

「年下からカツアゲするもんじゃねぇぞ」

 

「あぁ?お前は……!?あの時のッグフッ!!!」

 

「ほーら、年上系幼馴染のクレアお兄さんだよぉ、ヒロインがピンチになると駆け付けてくれるお助けキャラだぞぉ」

 

「お前なに言ってぇぇぇぇ!?!?!?」

 

「ギャーーー!!!」

 

 

瞬殺であったと。

そのまま杏里と帝人君、そしてイザヤさんっぽい雰囲気の年下系男子も車に乗せる。

どうやら年下系男子はクルリとマイルとも知り合いらしい、こいつ、……まさかギャルゲの主人公か!?

 

 

「おい、帝人君。あの子には気を付けた方がいいな、君のライバルになるかもしれないぞ?」

 

「いえ、どちらかというとクレアさんの方が……」

 

「ありゃ首なしライダーじゃねぇか」

 

「え、あ、本当だセルティさんじゃん。あの人も追われてんのかウケる」

 

 

セルティさんも暴走族みたいのに追われてた、そういやセルティさん賞金かかってるんだっけか。

すげぇ、しゃべれないからか門田さんと携帯投げ渡しながら会話してる。

器用なこっちゃ。

 

ワゴン車とセルティさんは並走しながら一緒に逃げる。

たまに近づいてくるヤツを窓から殴ったりしてるけど、なかなかいなくならねぇな、ゴキブリみたいだ。

白いのにゴキブリとはこれいかに。

と、高架下を抜ける直前、セルティさんがドリフトして停止した。

あの人一人で足止めする気だな?

そんな格好いいことさせるわけにはいかない!

 

 

「ちょっと俺も行ってきますわ」

 

「は?まだ走行中……って行っちまった」

 

「うわぁ!クレ兄すごい!無傷だよ!」

 

「……(すごい)

 

「クレア……」

 

 

高架下ではセルティさんと白バイク達が睨み合っている。

……てかセルティさんのバイクに乗ってる荷物から人の腕飛び出てるんだけど、なにあれ死体?

 

 

「セルティさん、……とうとう殺っちゃったんすね」

 

『ち、違う!あれは仕事で運んでたんだ!あんなものが入ってるなんて知らなかったんだ!』

 

「いやでもあれはさすがに見つかったら、……うわ、なんか人出てきた。もしかしてエスパー伊藤さんかな?」

 

 

バックにつまってたのは死体じゃなかったらしい、よかった。

出てきたのは、顔面に包帯を巻いた背の高い男の人だった。

バックから出てそのまま、こちらに殴りかかってきたヤンキー相手に無双を始める。

 

 

「……え、なにあの人、セルティさんの知り合い?しかももう一人首なし騎士みたいなのも増えてるし」

 

『あれは……』

 

 

いつの間にか、西洋風の鎧に身を包んだ首なし騎士もいて、これまたヤンキー相手に無双していた。

 

 

「やべぇ、俺の分なくなっちゃう!ちょっと行ってきますわ」

 

 

首なし騎士さんとは反対方向を担当することにしよう。

門田さん達のワゴンがこっち来るのも見えるし、早くしないと俺の分本当になくなっちゃうって。

 

 

「バイクがなんぼのもんじゃーーーー!!!」

 

「うわ!?こいつバイク持ち上げやがった!?……ちょっと待て、お前俺のバイクどうするつもり」

 

「知ってるか?池袋ではトラックまでなら装備アイテム扱いなんだぜ?」

 

「いや、そんなわけゴハァッ!!!!」

 

「おらぁぁぁぁ!!!」

 

「ぎゃーーー!!!」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

楽しくなっちゃって暴れてたらセルティさんに止められた。

首なし騎士さんはどうやらルリさんだったらしい、声がそうだったよ。

あともう一人の包帯さんは杏里に罪歌されてた、目が赤く光ってたからね。

あの後、セルティさんが大嫌いな交機が来ちゃったから、近くに来てた杏里を捕まえて、セルティさんのバイクで逃走した。

影でサイドカー作れるのいいよなぁ、便利だよなぁ。

でも、なんで俺か杏里を後ろに乗せなかったの?

二人でサイドカーとか密着不可避で大変だったんだが。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

で、俺は今何をしているかというと……

 

 

「エゴールさん、白菜は斜めに切ると味がよく染みて美味しいんですわ」

 

「なるほど、勉強になります」

 

「やったー!クレ兄の手料理だー!エゴールさん!クレ兄の料理は絶品だから、作り方しっかり教えてもらってね!」

 

(おいしい)

 

 

クルリとマイルとあの時いた包帯さんこと、エゴールさんと鍋を作っています。

エゴールさんは外人さんらしく、ロシア寿司のメンツと知り合いとのこと。

ロシア人キャラ濃いなぁ、……いや、池袋人もどっこいか。

 

実はセルティさんの家で鍋するって言われて誘われたんだけどね、クルリとマイルにサインだけじゃ足りないって言われたからこっちで鍋することになったんだよ。

理由言って断ったら杏里にジト目で睨まれたけど。

 

 

「そういやイザヤさんは誘わねぇの?」

 

「イザ兄?そういえば誘ってないね、別にいいんじゃない?ね、クル姉」

 

(いなくてもいい)

 

「さすがに可哀想だろ、いくら性格がネジ曲がってて人間的に終わっててたぶん友達なんて片手ほどもいないんだろうけど、あの人も人並みに寂しがるでしょ。ほら、チャットルームでボッチかましてるもん」

 

 

たまにはあの人にも優しくしてあげよう、一応友達だからね。

 

 

「もしもしイザヤさん?今クルリとマイルとエゴールさんと鍋してんだけど来る?」

 

『……いきなりだね、急にどうしたんだい?君から鍋に誘われるなんてね、君はしずちゃんと仲がいいからてっきり俺のことを嫌いなんだと思ってたよ』

 

「確かにイザヤさんすぐ裏でコソコソするし、隙あらば静雄さん厄介事に巻き込もうとするから静雄さんほど好きじゃないですけどね」

 

『フフフ、ひどい言われようだなぁ。俺はただ、人が好きな』

 

「でも友達ですからね」

 

『……』

 

「波江さんも一緒なら連れて来てくださいよ、材料多めに買ったんで……あれ?イザヤさんどうしました?友達に鍋誘われるなんて経験初めてで感動して泣いてます?」

 

『……ふっふっふっ、いや、そういえばそうだったね。……わかった、もう少ししたら行くよ』

 

「了解っす、じゃ……。と、いうことでイザヤさんと波江さんも来るってよー」

 

「えぇー!波江さんはいいけどイザ兄も来るのー?」

 

「……(おにくたりない)

 

「いや、クルリさっきから肉しか食ってねぇじゃねぇか。ちゃんとマイルみたいに野菜も食えよ」

 

「そうだそクル姉……はっ!?もしかしてクル姉のおっぱいがこんなに大きいのは肉をいっぱい食べてるから!?こうしてはいられない!クレ兄!お肉じゃんじゃん持ってきて!」

 

(そんなにもまないで)

 

 

目の前でマイルがクルリの胸を揉みしだきながらなにかを叫んでいる、しかし聞こえない。

もう俺の目には自由自在に形を変えるおっぱいしか見えないからだ。

 

 

「エゴールさん、……あれがジャパニーズ浪漫ってやつですよ」

 

「なるほど、この光景が……」

 

 

この人なかなか話がわかるようだ、俺たちは固く握手を交わした。

 

結局イザヤさん達が到着した頃には、お肉だけクルリとマイルによって食い尽くされてしまっていた。

なので、肉を買いに行く人を決めるためにじゃんけんしたのだが、イザヤさんが買いにいくことになった。

 

ぶつくさ言いながら、しぶしぶ買いに行ったけどごめん、俺が全員の出す手を見てイザヤさんが負けるように調整してました。

 

 

「……やりますねクレアさん」

 

「やっぱりエゴールさんにはバレてましたか。イザヤさんには静雄さんとか杏里がお世話になってるんで、ちょっとした嫌がらせです」

 

 

ネタばらしして、全員で笑っていたのはイザヤさんには内緒である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この後戻ってきたイザヤは、顔を見てクスクスするメンバーにわずかな疎外感と疑問を感じながらも、おいしい鍋が食べられましたとさ。

クレアは杏里に次会った、新羅宅での鍋パーティーの集合写真を見て、新羅の義母であるエミリアさんのおっぱいを見て、行かなかったことを深く深く後悔します。
てかマジ泣きします。
オンオン泣きます。
杏里にゴミを見るような目で見られます。
ご褒美かよ。


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13話

デュラララ!!書いてて誰が今何してんのかわかんなくなるんだよぉぉぉぉぉ!!!
アニメ見ながら書いてるから余計わかんなかくなるんだよぉぉぉぉぉ!!!
でもアニメの茜ちゃんが可愛すぎたから全てを許そう。


「あんたがクレアか」

 

 

最近すっかり日課になってる夜の散歩から家に帰ってきたら、家の前にいたオシャレさんに声をかけられた。

パッと見た感じただのイケメンだけど、よく見るとそこそこ鍛えてるみたい。

 

 

「そうだけど……あ、もしかして依頼?上がってく?」

 

「いやいや、依頼じゃねぇよ。あんたに謝らなきゃならないことがあってな」

 

「謝りたいこと?……覚えがねぇな」

 

「俺は六条千景、この前アンタに迷惑かけたTo羅丸の頭張ってるもんだ」

 

「To羅丸……あぁ!?この前の白い虎柄のファッションセンス死んでた奴等か!」

 

「いや、そりゃ言い過ぎだろ……。まぁ、そいつらだ。どうやらアイツ等がアンタとアンタの知り合い達にも迷惑かけたらしいからよ、頭として謝罪させてくれ」

 

 

なかなか気合い入ってんなこいつ、結構好きなタイプです。

いや、好きなタイプって言ってもあれだぞ?性的な意味でないぞ?

門田さんと同じタイプな気がする。

 

 

「別にいいぞ、本人達はボコしたからよ」

 

「あぁ、聞いたよ、アンタバイク振り回してたんだって?最初は冗談かと思ったが、冗談言ってる顔じゃなかったしな」

 

「ちょうどいい位置にあったからな」

 

「ハッハッハッ!バケモンだなそりゃ!おもしれぇ、池袋にはアンタみてぇのがざらにいんのか?」

 

「バイク振り回せそうなのは……あと二人いるな」

 

「マジかよ、そいつは気をつけねぇとな」

 

「他にも用事あんのか?」

 

「あぁ、下の奴等がこっぴどくやられたらしくてな、そのケジメつけに行かなきゃならねぇ」

 

「そりゃ気をつけろよ、お前のこと気に入ったから、今度会ったら飯でも行こうや」

 

「女の子が喜びそうな店で頼むぜ、そんじゃ。平和島静雄ってやつぶん殴ったらまた会おうや」

 

 

あ、ダメだこりゃ死んだわこいつ。

 

……言わないでおくか、どうせ言っても行くタイプだろうし。

 

 

「……死ぬなよ~」

 

「俺が死んだら悲しむ娘達がいっぱいいるから死ねねぇよ」

 

 

行っちまった。

 

さっさと家に入って風呂でも入れようと思ってたら杏里から連絡が来た。

 

 

「もしもし、どしたこんな夜に。お兄さんの声でも聞きたくなったか?」

 

『今女の人に襲われて、逃げたからセルティさんが追いかけてる』

 

「は?どこのどいつだよ、場所教えろ地獄見せてやる」

 

『家の近くの道で』

 

 

とりあえず杏里が心配なのでバイクに飛び乗る。

 

法定速度?ちょっとなに言ってるかよくわかんない?

赤信号?違うよ、あれは罪歌に切られた青信号だよ?

一時停止?バレなきゃ犯罪じゃないんだよ?

 

あ、杏里いた。

見た感じ怪我とかはないみたいでよかった。

 

 

「おい、大丈夫か?怪我してねぇだろうな?」

 

「大丈夫」

 

「どっちに逃げた、ボロ雑巾みたいにして持ってきてやる」

 

「セルティさんが追いかけてるから、それより……」

 

 

杏里が控え目に服を摘まんできた。

なんだ、珍しくしおらしいな。

 

 

「どうした?やっぱ怪我でもしてんのか?」

 

「違うけど、……クレア見たら少し安心した」

 

 

え、なにこの可愛い生き物?

なんかちょっとドキッとした今、ドキッとした今!

まぁしょうがないよなぁ、いくら罪歌を持ってたって女の子だもんなぁ。

……よし!

 

 

「久しぶりにドライブ行くか!前はよく行ってただろ、気分転換に星でも見るべ」

 

「え?……でも、いいの?」

 

「いいからさっさと乗れ、あんま遅くなると赤林さんが恐いから」

 

「……ありがと、クレア」

 

 

バイク買ったばっかの頃はこうしてよくドライブに連れ出してたんだけどなぁ、中学2年あたりからおっぱいの戦闘力が高まってたから行かなくなったのよ。

 

……クソ!相変わらず凄まじい戦闘力だッ!!!

気を抜いたら一瞬でやられるッ!!!

 

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

粟楠会の娘さんが家出したらしい。

赤林さんから捜索しろとの依頼が来た。

粟楠茜ちゃんというらしく、ヤクザの娘さんとは思えないほど可愛い子だ。

どことなく初めて会ったときの杏里に似ている気がする。

 

 

「……じゃそういうことで、よろしく頼むぞ」

 

「了解です、保護できたら連絡しますわ」

 

 

と、いうことで探しに行きますか。

とりあえずイザヤさんにメールしておこう、あの人なら知ってるかもしれないし。

 

あ、もう返信来た。

暇かよ友達いないだけあるわ。

 

 

『残念だけど俺は知らないよ』

 

 

どうせ知ってんだろ、腹立つわぁ。

しかし、イザヤさんが教えないってことはたぶん俺に絡んで欲しくないってことだな。

イザヤさんの事だからまた静雄さんにちょっかいでも出してんのかな?

あの人静雄さん大好きだからなぁ、好きな娘にちょっかい出す小学生かよ。

 

とりあえず静雄さんにも連絡してみよ。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

静雄さんに連絡したら新羅さんの所にいるということなので向かった。

杏里と茜ちゃんもいた。

仕事終わったウケる。

 

 

「……つまり、茜ちゃんは静雄さんのことをどうしても殺したいわけだ」

 

「は、はい」

 

「ウケる」

 

「なにがウケるんだクレアぁぁぁぁぁぁ?」

 

 

一通り静雄さんとじゃれた後、静雄さんはイザヤさんを探しに行くと言って出ていった。

どうせ見つからないって、イザヤさんそこら辺しっかりしてるからなぁ。

 

 

「どうすっぺ、俺茜ちゃん見つけろって赤林さんに依頼されてるんだよなぁ。……連絡してもいい?」

 

「え……」

 

「たぶん、親御さんもメチャクチャ心配してると思うよ?ヤクザって言っても人の親なんだし」

 

 

と、ヤクザという言葉を聞いた瞬間、茜ちゃんの顔に影が差した。

……ははぁん、これあれだな?

親がヤクザってのにコンプレックスでも持ってんな?

 

 

「あの、……私」

 

「もしかして親御さんがヤクザなの嫌?」

 

「……は、はい」

 

「そんな気にすることじゃねぇと思うけどなぁ、杏里だって赤林さんと親子みたいなもんだし、気にするやつは気にするけど、気にしないやつは気にしないって」

 

「え?……そう、なの?」

 

「そうだよな?杏里」

 

「え、う、うん」

 

「安心しな、俺はもちろん、俺の周りの人もそんなことで気にするような人はいない。家から離れたいってんなら今度ドライブでも連れてくから、……だから今日は一旦家に帰って親御さんを安心させてあげな」

 

 

ドライブ連れてくって言った瞬間、杏里がなんか不満げな顔したな、なんだ嫉妬してんのか?

茜ちゃんは、少し迷うような素振りを見せると、決心したように頷いた。

 

 

「よし!そうと決まればさっそく赤林さんに連絡だ!えーと……」

 

『もしもし、クレアか』

 

「赤林さん、茜ちゃん発見しました」

 

『おぉ、そいつはよかった』

 

「新羅さんの家で保護してるんで、迎えよこしてあげてください」

 

『わかった、……ついでにお前にもう1つ依頼がある』

 

「え、マジすか。茜ちゃんと遊ぼうと思ってたのに」

 

『平和島静雄を捕まえて欲しい』

 

「……マジで言ってます?」

 

『マジだ……』

 

 

どうやら、静雄さんが粟楠会の事務所に乗り込んで何人か殺したというらしい。

いや、さすがに静雄さんでもそこまでやらねぇだろうと言ったが、状況的にぶっちぎりで犯人候補らしいのだ。

どうせまたイザヤさんだよ。

 

 

「……なるほど、わかりました。一応探して見ますけど、たぶん静雄さんじゃないっすよそれ」

 

『こっちだって決めつけてる訳じゃねぇさ、ただ、話を聞こうとしても猿みてぇに逃げられちまってな。アイツとまともにやりあえるのなんて、池袋じゃお前ぐらいのもんだろ』

 

「やりあいたいとは思わないっすけどね……、しゃーない、やりますよ」

 

『頼んだぜ』

 

 

あー面倒くせぇ、静雄さん追いかけるとか、しかも無実の罪で。

まぁ、金はもらえるだろうからいいけどさ。

 

 

「と、いうことですまんが俺は仕事に行ってくる」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

静雄さん見つからねぇ、いやまぁ本気で見つける気がないからなんですけどね。

赤林さんから静雄さんの目撃情報は入るけど、静雄さんビルの外壁登ったり、飛び越えたりしてるらしく移動速度が半端ねぇ。

おんなじことしろって?嫌だよ、服汚れるじゃん。

 

もうどうでもいいかなぁ~なんて思いながらタバコ吸ってたら杏里から連絡が来た。

 

 

「おーどしたー」

 

『女の子がダラーズの人達に拐われちゃったみたいで、助けてあげて』

 

「オッケー、ダラーズ片っ端からボコせばいいか?」

 

『ダメ、拐った人達は来羅学園の第2グラウンドに向かったらしい』

 

「すぐ向かう」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

グラウンドに着いたら、門田さんとこの前の六条千景(顔がボッコボコだから確証はない)が、大人数と向き合っていた。

しかも、そいつらが女の子羽交い締めにしてナイフ突きつけてやがる。

 

……とりあえず殺すか。

 

 

「お前らよく俺の目の前で女にそんなことできんな?」

 

「あぁ?テメェ誰……っ!?何でも屋のクレア!?」

 

「そうだよ、そのクレアさんだよぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

とりあえず刃物持ってるやつの腕を握ってへし折る。

すると、物陰からワラワラと人が出て来て、人質になっていた女の子達を避難させていく。

 

 

「クレア君じゃないっすか!もう少し登場が遅かったらパイロキネシスするところだったっすよ!」

 

「遊馬崎さんじゃないっすか、てかもうパイロキネシスしてるじゃないっすか。なんすかそれカッケー」

 

「これの良さがわかるとは!さすがクレア君!」

 

 

遊馬崎さんはジッポとスプレーでファイヤーしまくっている。

俺も近くにいるやつから殴り飛ばす。

 

と、爆音が響いた。

なにかが爆発したような音に、そちらを見てみると、ナイフもったヘルメットと罪歌持った杏里が切り合っていた。

ヘルメットから出ている髪とボディーラインからして女だな、どうでもいいけど。

 

 

 

「おいこら杏里になにしてんだ?」

 

 

目の前に飛び出し、ナイフを掴んで動きを止める。

掴むといっても、親指と人差し指で挟んでるだけなんですけどね。

 

 

「杏里がなんかしたってんなら謝らせるけどよ、違うんならッ」

 

 

コイツ、顔面に蹴り入れてきやがった。

なに驚いてんだよ、そんな蹴りじゃミリも効かねぇって。

 

 

「……違うんならボコす、って言おうと思ったけどよ」

 

 

めげずに拳と足技叩き込んできやがる。

ちょっと痛いから、だいぶ鍛えてるヤツっぽいな。

でも、そろそろウザいので足を掴む。

 

 

「っ!?」

 

 

「人が話してる時は殴っちゃダメって習わなかったんかごらぁぁぁぁ!!!」

 

 

放り投げましたとも、ええ。

おぉ、飛んだ飛んだ、そのまま続いている乱戦の真ん中に落ちていった。

うわ、着地しやがった、やるなアイツ。

 

あれ?なんかみんな動きを止めた?

全員の視線が同じ方向を見ているので見てみると、静雄さんがバイクを肩に担いでこちらに向かってきていた。

なにあれズルい、メチャクチャ目立ってるじゃん、俺も今度真似しようかな。

しかもそのバイクさっき投げたらヘルメットのだったらしく大人しく地面に下ろしたし、なんで持ってきたんやあの人。

 

お、倒れてた一人が静雄さんに切りかかった、度胸あるなアイツ。

チョップで腕折られた上に投げ飛ばされて消えたけど。

 

あ、ヘルメットが静雄さんにナイフ発射して逃げた。

なんか逃げるときこっち見てたけど気にしない。

それよりも今の俺はあのナイフに夢中なのだ、なんだあれ手元のボタン押すと飛び出すとかカッコいいな。

こっそり拾っとこうかな?

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

なんか俺がナイフに夢中になってる間に、静雄さんの冤罪は解決したらしい。

だってこれスゲーぜ?ボタン押したらビュンッってビュンッって飛んでくんだぜ?

静雄さんはあのまま追跡して茜ちゃんを救出したらしい。

なに言ってるかよくわかんねぇと思うけど安心して欲しい、俺もわかってねぇから。

赤林から軽く説明されたけど『いろいろあったけど、全部解決したからもういいぞ』って予想よりだいぶ軽かったんだもん。

 

 

「クレア」

 

「はいよ」

 

 

今俺がなにをしているかというと、またまた赤林さんからの依頼である。

またかよと思うかもしれないけど俺もそう思ってるからごちゃごちゃ言うな、ぶっ殺すぞ。

 

赤林さんの合図で柱の影から飛び出し、目標である大男の足をローキックで粉砕する。

知ってる?膝の関節って横には曲がらないんだよ?

 

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!!」

 

「スローン!!!」

 

 

こいつらは茜ちゃんを拐った連中らしいので容赦はしない。

yesロリータ,noタッチである。

いや、いうほどロリコンじゃねぇけど。

膝がイカれて倒れ込む大男の首を掴み、天井に投げ飛ばす。

頭がコンクリぶち抜いて、天井から人間の体がぶら下がってる前衛芸術みたいになった。

この大男は静雄さんが濡れ衣着せられた事件の犯人らしいので、無駄な仕事させられた罰である。

 

おぉ、赤林さんが抵抗しようとした女の方を関節極めて押さえ込んだ。

赤林さんの合気と柔術はパない、一回極められちゃったら俺とか静雄さんぐらい筋力ないと力じゃどうしようもないからな。

 

 

「ありがとよクレア、もう大丈夫だ」

 

「これ俺はいらなかったんじゃないですか?赤林さんに、青崎さんまでいるし」

 

「いやいや、念には念をってな」

 

「さすが噂のよろず屋だな、赤林のコマじゃなかったら俺が雇いてぇぐらいだ」

 

「いやいや青崎さん、コイツはコマなんて殊勝なもんじゃないですよ。下手すりゃこっちがやられちまう」

 

「本人目の前に人聞き悪すぎだろ、……まぁ、俺はヤクザさんになる気はないんで。仕事の依頼だったら請け負いますよ、殺しとかじゃなければ」

 

 

仕事は終わったので俺は帰るとします。

後ろでなんか恐い話してるのが聞こえるけど気にしない、関わったら面倒臭そうだから。

俺はさっさと帰ってロッチー(女以外にその呼び方はされたくないってめっちゃ言ってたけど気にしない)こと六条千景とロシア寿司行く約束してんだ。

 

でも、さっきの女の方って杏里とやり合ってたヘルメットだよなぁ。

 

 

 

……ナイフ返した方がいいのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 




帝人君?知らない子ですねぇ~
黒沼青葉?知らない子ですねぇ~
この二次小説では力のない者は淘汰されていくのだ!!!
悔しければ力をつけろ!!!
もしくはおっぱいをつけろ!!!
むしろおっぱいをつけろ!!!
カップ数に応じて出番増やすから!さぁ!!!
……え?無理?
そうですか無理ですか……


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14話

久方ぶりだね、でも残念ながら今回はそんなにおっぱいはないんだ……ごめんね?
相変わらずクソみてぇな文章だけど、デュラララ二次が増えて欲しいから頑張るよ。
ザ・ボスが池袋に来るデュラララ二次がメチャクチャ面白いから読んだ方がいいよ!
こんなクソみてぇな文章じゃなくて、ちゃんと読み物だよ!スゴいよ!
もっとみんなデュラララ二次書けよぉ!!!
おっぱい。


街で偶然静雄さんとトムさんに出くわした。

これからお昼らしく、一緒に行かせてもらうことになった。

奢ってもらえるなら行くよそりゃ、その分年下に還元するつもりだからいいだろ。

年下とご飯あんまり行かないけど。

 

 

「イラッシャーイ、オォ~今日はクレアも一緒ネ~」

 

「さっきばったり出くわしたからよ、3人で頼むわ」

 

「了解ヨ~、3名様ご案な~いネ!」

 

 

カッコいいよなぁトムさん。

こういう時なにも言わずにさらっと全員分支払ってるからねこの人。

お礼言ってもなんでもない感じで気にすんなって言うだけだからね。

ちょっと今度俺もやろ、正臣あたり誘ってみるか。

 

 

「おぉ!ロシア寿司はいつの間にあんな可愛い娘雇ったんだ?店長、ロシア語で綺麗ですねってなんて言うんだ?」

 

 

トムさんが店の隅を見てはしゃいでる。

気になったから俺も見てみたら、この前赤林さんに関節極められてた女が、すんごい無愛想な顔で突っ立ってた。

やだ、ハッピが絶望的に似合ってないウケる。

あ、こっち見た。

 

 

「……あなたは……ッ!?」

 

 

お、気づいたっぽい。

 

 

「なぜここに……ッ!!!」

 

 

お、横にいた静雄さんにも気づいたっぽい。

それよりさっきからトムさんが店長に教わったロシア語で呼び掛け続けてるんだけど、ガンスルーなんだけど。

 

 

「……店長、俺なんか嫌われるようなことしちゃったかな?」

 

「いや、してねぇと思うが……お前らヴァローナの知り合いか?」

 

 

ヴァローナって言うんだあの人、ヴァが発音しづらいなヴァが。

 

 

「いや、俺は知らねぇっすね。クレアの知り合いじゃねぇのか?」

 

「知り合いっていうか、お互いに顔は見たことある程度の関係ですね、ハイ」

 

「……にしてはクレアのことスゲー睨んでるぞ?」

 

 

なんでや、なんでそんな殺意込めて睨むんや、俺がなにかしたか?

……あ、したわ。

相方の大男天井にぶら下げたなそういや。

でもあれはノーカンやろ、先にちょっかい出してきたのあっちやし、だから俺は悪くない。

 

 

「気のせいですね、身に覚えがありません」

 

「理解不能です。あなたはスローンの敵です、ここでなければ速やかに報復し同様の苦痛を与えていたでしょう」

 

「ハッハッハッ、なに言ってるかわかんねぇや」

 

「それが事実ならば速やかに医療施設に向かうべきですね」

 

「さすがに今のは俺でもわかったぞ」

 

 

だってなんか漢字が多いんだもん、ムリムリ平仮名に直して出直してきてください。

 

ふと、店長がなにかを思い付いたような顔をした後、トムさんに語りかけた。

 

 

「……お前ら人手はたりてるのか?」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

寿司食った後、ヴァローナはトムさんの所に引き取られたらしい。

まぁ強いから借金してる客なんかには負けないわなそりゃ。

最近静雄さんが後輩が、出来きたんだよと嬉しそうに話してくれた、可愛い。

そいつ静雄さんにナイフ飛ばしたヤツですけどね。

あ、ナイフ返してねーや忘れてた。

 

 

「ずいぶん余裕そうじゃないか、……傷つくねぇ!!」

 

 

危ね!

普通の人が当たったら死ぬんじゃねぇかってぐらいの回し蹴りが側頭部に飛んできたのでスウェーで避ける。

鼻の頭にチュインッ!ってコスった、熱い熱い!!!

 

 

「あんたにとっちゃ余裕なのかもしれないが、一応依頼なんだ、しっかりしてもらわなきゃ金は払えないよ?」

 

「すんません、ちょっと考え事してました」

 

「そうかい、……じゃあ考え事ができないくらい攻めるしかないね!!!」

 

「ちょまッ!?」

 

 

聞いての通りお仕事中です。

目の前のクールビューティーが今回の依頼人である写楽美影さん、バチバチの武闘派である。

美影さんは時折こうして、俺に組手の依頼をくれる。

正直格闘技の腕前はホンモノ……っていうか池袋にいる人の中でもトップクラスなので、俺が教えられることなんてなにもないって言ったんだが、自分より強いヤツは珍しいとのことで未だに依頼を受ける。

 

俺と美影さんが出会ったのは、俺がまだ中学生で、美影さんが高校生だった時だ。

イザヤさんに遊びに誘われたので待ち合わせ場所に行ったら美影さんがいた。

そんで襲いかかられた。

 

どうやらイザヤさんに俺の実力を測って欲しいと頼まれていたらしく、後でイザヤさんに軽めの腹パンしたのを覚えている。

しかし、襲いかかられた時に美影さんを完封してしまい、それ以降度々組手に誘われるようになった。

美影さん美人な上にメチャクチャ布面積少ないから、嬉しいんだけど視線とかガッツリ見ないようにするの大変なのよ。

これでもし美影さんが巨乳だったら俺に勝ち目はなかった。

 

 

「うおッ!?」

 

「今失礼なこと考えてなかったかい?」

 

「俺がそんなこと考えるわけないでしょう!あっ!それより美影さん!時間時間!この後なにか用事があるって言ってましたよね?」

 

「……チッ、今日も1発も入れられなかったか」

 

「いや、何回かカスってましたって。ほら、鼻の頭赤くなってません?てか取れてません?スゲー熱いんですけど」

 

 

無視された。

酷いなぁ、どっかに鏡ねぇかな?

ヒリッヒリしてるんだけど。

 

 

「あー!クレ兄だ!ずるい!また美影さんと組手してたんだ!私もクレ兄と組手したいーー!!!」

 

 

後ろからマイルが飛びついてきた。

入り口の方を見ると、クルリと赤林さんと茜ちゃんがこっちを見ている。

え、どういう組み合わせ?

 

 

「なんだクレアもいたのか、ちょうどいい。お前ちょっと茜ちゃんに護身術教えるの手伝ってくれ」

 

「え、なになに茜ちゃん武闘派になるの?えぇー、茜ちゃんには可愛いままでいて欲しいなぁ。美影さんとかマイルみたいならない方がいいぞぉ?」

 

「……マイル」

 

「オッケー美影さん!」

 

「え?いや、今のは言葉のあやって言うか何て言うか……ごめんなさいッ!?」

 

 

コンボはズルいと思う。

さすがに美影さんとマイルの二人を相手にするのは簡単なことじゃない、……できないわけでもないけど。

 

マイルの打撃はそこまで重くないので、多少の余裕がある。

しかし、美影さんの一撃はそうはいかない。

打撃を受けるのではなく、受け流す。

美影さんが足元を刈り取るように蹴りを入れてきたので飛んで避ける。

同時に、ローリングソバット決めようとしてきたマイルの足を、体を捻りながら捌く。

 

マイルはすぐ飛び上がるのが悪い癖だ、よく言うのだが全然直さねぇコイツ。

 

そのまま太ももを腰の脇に抱えるように固定し、振り回して美影さんに押し付ける。

さすがにマイルごと攻撃するような人じゃないので、攻撃を中断して受け止める。

その隙に、体を押し付けるように当て身を食らわせ、二人とも吹き飛ばした。

なるたけダメージを与えないようにしたので、痛みはほとんどないはずだ。

 

 

「……わぁ、クレアお兄ちゃんすごい」

 

「どうだい茜ちゃん、クレアにも教わりたいよねぇ?」

 

「は、はい!」

 

 

やられた、赤林さんがニヤケながらこっち見てる。

……茜ちゃんの視線が、キラキラした視線が刺さる。

くそう!幼女にそんな期待するような目で見られたら、やるしかねぇだろうがっ!!!

 

 

「……わかりましたよ、あくまで護身術っすからね?」

 

「おぉ、頼んだ。……ちなみに怪我なんてさせたら、どうなるかわかってるよな?」

 

「恐いからそういうのやめてくださいホント」

 

 

 

ーーーーー

ーーー

 

 

 

茜ちゃんにはとりあえず受け身の練習をさせた。

いやだって教えるったっていきなり組み手とかできるわけないやん?

俺は基本的に体で覚えろ方式だったから、理論立てて教えるとか無理やて。

茜ちゃんが体を動かすのに慣れてきたら、軽めの組み手とかを教えようかと思っている。

赤林さんが粟楠会からの依頼ってことにしてくれるらしい、あざっす!

 

で、現在俺が何をしてるかというと……

 

 

「美味しーーー!美味しいね!クル姉!茜ちゃん!」

 

(うん)(おいしい)

 

「おいしい!ありがとう、クレアお兄ちゃん!」

 

 

クルリとマイルと茜ちゃんにクレープをご馳走している。

ほら、奢ってみたいって言ってたじゃん?

だから目について暇そうだった3人を誘って近くのクレープ屋に来たわけだ。

いやー、いいわぁ、素直に感謝されるって気持ちえぇわぁ。

 

……あれ?こっちに向かってきてる3人見たことあるな?

あれ静雄さんとトムさんとヴァローナさんじゃね?

 

 

「クレアにクルリにマイル、茜もいるじゃねぇか。なにしてんだお前ら?」

 

「静雄お兄ちゃん?」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

お仕事中だったらしい。

少し話をして、トムさんと静雄さんは仕事に行ってしまった。

ヴァローナさんは残され、微妙な空気が流れている。

というか、茜ちゃんとヴァローナさんが静雄さんを取り合って言い合いしてる。

 

 

「ダメ!静雄お兄ちゃんは私が殺すの!」

 

「拒否します、静雄は私の獲物です」

 

「静雄さんモテモテだねぇ、安心してねクレ兄!私とクル姉はクレ兄派だから!あ、でも幽平さんもいるからなぁ~」

 

(大丈夫だよマイル)クレ兄(私はクレ兄派)

 

 

あ、クルリのおっぱいがッ!!!

ちょっとそんなこと言いながら抱きつくのやめなさい!

こら!ちょっ!ホントダメだって!まだ高校生なんだから!

 

 

「えぇー!ズルいズルいクル姉!じゃあじゃあ、私は幽さんにするから、二人で半分こずつにしようよー」

 

(それは名案)

 

 

半分こて、……物理的にじゃないだろうな?

 

というか、さっきから回りでうろちょろしてる人達はなんなん?

あ、こっち近づいてきた。

 

 

「平和島静雄がいない今しかねぇ、男は1人だけだ!平和島静雄の女を捕まえブヘェッ!?!?」

 

 

ヴァローナさんに飛びかかろうとした男は、綺麗な上段蹴りの餌食となりました。

うわぁ、コイツら静雄さんに復讐でもする気だったんやろなぁ。

たぶん最近一緒にいるヴァローナさんが、静雄さんの彼女だとでも勘違いしたんやろなぁ。

 

ヴァローナさんは無双してるし、クルリも飛び回ってボコボコにしてるし、マイルはハバネロスプレー吹き掛けまくってるしで地獄やな。

あ、茜ちゃんもスタンガンで攻撃しとる。

音的に市販のより出力強く改造してあんだろあれ、くらったやつ打ち上げられた魚みてぇになってる。

 

ヴァローナさんとマイルは大丈夫そうだから、クルリと茜ちゃんを守るように立ち回るとしよう。

後ろから忍び寄ろうとしてる男を、肘に引っ掻けるようにラリアットして、そのまま地面に叩きつける。

パンピーならだいたいこれで一撃、便利だよ!

 

 

「て、テメェ!」

 

 

別のヤツが殴りかかって来たので、受け止めてそのまま地面に押し付け関節を極める。

 

 

「茜ちゃん、スタンガンカモン!」

 

「は、はい!」

 

「ちょっ!?まッアッッッ!!!!!」

 

 

うわ!ちょっとビリってなった!

ビックリしたぁー。

 

 

「茜ちゃん、ナイススタンガン!」

 

「クレアお兄ちゃん!」

 

 

イェー、ハイタッチー。

てか茜ちゃん普通に護身術教えるより、スタンガン持ってる前提で教えた方がよくね?

スタンガンがあれば、大人の男相手でも筋力に関係なく戦えるし。

……赤林さんに相談してみっか?

 

なんて考え事をしてたら、男達は全員のされていた。

てかむしろ成功しないでよかったよね。

万が一成功したとして、ここにいる女の子達拐ったりしたら、平和島静雄と折原イザヤと粟楠会、もしかしたらロシア寿司も敵に回してたかもしれないからね。

命がいくつあっても足りねぇよ。

 

 

「……なんだこりゃ?いったいなにがあったんだ?」

 

「全員のびてますね、ヴァローナがやったのか?」

 

「否定、ここにいる全員が犯人です」

 

「静雄お兄ちゃん!茜も頑張ったよ!クレアお兄ちゃんと一緒にビリビリって!」

 

 

うん、まぁ細かい説明したら、ここにいるやつら全員星になるかもしれないからやめておこう。

 

なにが言いたいかというと、褒めて欲しそうにピョンピョンしてる茜ちゃんぐうかわ。

なんだ、どうしたクルリ?え?私も頑張った?

わかったわかった、よーしよーしがんばってえらいねー

 

 

「あ!クル姉ズルい!クレ兄私も私もー!」

 

(ダメー)

 

 

あ、杏里だ、オーイ!

……え?一瞬こっちに気づいたけど、ちょっと驚いたと思ったらゴミを見るような目で見られた後、なにも見なかったかのように通りすぎて行ったんだけど。

恐い恐い、赤林さんになんか言わねぇだろうな?

 

 

 

……後でナポリタン作ってやろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




完結するのが先か、失踪するのが先か、これはチキンレースだぜぇ。


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