私とフィムの日常(?)譚 ━━親馬鹿AGEはフィムが好き━━ (揚げたて茶飲みのハンバーグ)
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本編
1話 親馬鹿AGEはフィムが好き
……これ想像でこうだったらいいなって思って書いたので少し設定がおかしくても許してね?…
⇒なんか読み返したらおかしかったから改造しました!
どうもみなさん、私は『アルカ・ペニーウォート』と申すものです。
昔はなんか色々やってたのですが現在ではAGEとして働いており、楽しい楽しい
元々は某ブラックミナトで働いていたのですが訳あってイルダという人が運営しているミナトで血反吐を吐きながら働くことになりました。
ですが正直あんな所にいるくらいなら外の荒野でアラガミたちとお花摘み(殺し合い)をしている方が楽しいと思っていたのでちょうど良かったです。
━━━━お前のことだよ『ペニーウォート』
そしてそんな私が今何をしているのかと言うと……
女乗組員室某自室のベットで我が
もしもこんな所を見られたら即
それどころか警察に突き出されてしまい二度目の超ブラック生活を送ることになってしまうでしょう。
ですがみなさん…勘違いしないでください…!
私は別にナニをしているわけではなく、また変態なわけでもありません。いわゆる「未来の想像」というものをしていただけです。
まぁ、ぶっちゃけ言ってしまえば私はこれからすることを
……改めてまとめてみるとただの変態ですね…
で、ですがみなさん!
何を私がするのかということを聞けばみなさんの考えも変わるのではないでしょうか!?
私が正常であると分かってくれるのではないでしょうか!?で、ですからこれからすることを言わせてもらいますね!
私がすること…それは…!
我が子(?)であるフィムと一緒にごろん(意味深)することなのです!!
なのです!…ナノデス!
……ふぅ
わかってくれました?私が一人で変態行為をしていた理由が。なので私は悪くありません。悪いのフィムの可愛さなのです。
あの小さな顔にくりりとしたお目目。髪は光沢のある白で、それに相反するような少し褐色じみた肌。
華奢な腕からは想像も出来ないほどの力を持ち、返り血を浴びながらアラガミを殺すギャップも素晴らしいです。
……あの子のためなら死ねる(切実)
そんなふうに一人で舞い上がり、かってにエキサイトしていたところ突然私の方に何か視線のようなものを感じました
…これはもしや覗き魔…?
そうとあらば容赦しません。
まず腹を二回ほど刺し、足払いしてこかせます。それから馬乗りをして何度か顔を殴った後に斬首。そしてさらし首にし終了です。
さて、どう殺すかは脳内でシュミレーションしました。
では…覗き魔、お覚悟…!!
「…アルカ…あなた一人で
き、貴様はクレア!いつの間にそこに!?
覗き魔でなかったのは少し惜しいですが、逆に少しやばくなってしまいました。
何故かって…?
そんなのきまってます。
今までの奇行がもしクレアに見られていたら私に対する評価が激減してしまうからです。
で、ですがまだ見られていないという可能性もあります…!それに賭けて誤魔化すしか……
あ、駄目です。
この人完全に変質者を見る目でこちらを睨んできています。
仕方がありません…こんな時は私の完璧な弁論術で…!
「ち、違うの!勘違いしないでクレア!私はちょっと我が子の可愛さに酔いしれてただけだから!」
ふっ完璧ですね。
クレアもこちらへのあの視線をやめてくれました。
ですが次は肩を落としながら可哀想なものを見る目でこちらを見てきました。
「…はぁ…あなた、周りのみんなからなんて呼ばれてるか知ってる?」
「え?な、なんて呼ばれてるの?…」
「親馬鹿AGE」
………へ?
私が…親馬鹿?
……そんなことはないはずです!
確かにミッションが終わったらフィムを抱っこして帰ったり、一緒にお風呂で洗いっこしたり、お着替えを手伝ったりしていましたが思い当たる節が一切ありません!
一体全体どうしてそんな不名誉な名で呼ばれているのか不思議でしかありません。
私はただフィムを愛するが故にこのようなことをしているのであってやましい気持ちなど微塵もありません。
……もしかして嫉妬でしょうか?
私がフィムを独占してラブラブしていることに対するみんなからの嫌がらせですか?
「フィムが可愛いのはわかるけど、ほどほどにしなさいよ?」
そう言い残し、何かとても残念そうな顔をしてクレアは部屋から出ていってしまいました。
さっきの会話で少し心がえぐれたものの大丈夫です。私の精神はクレイジーなダイヤモンド並に硬いのでその程度のダメージなど…
ゴフゥ!
な、なんてスタンドパワーなんだ……私の精神力がぼどぼどになってしまった……
もう嫌です……わたし…おうちかえる…
流石に桁違いの精神力を持っている私でさえあれには耐えれなかったようです。
脳が幼児退化してしまったのかお山座りで「の」の字を描き始めました…
ですがそんなときです。
部屋に飾ってある時計がアラームを鳴り響かせ始めました。
はっ!これはそろそろ寝る時間です!
まさか…まさか…ついにこの時間が…!
驚異的な回復力で復活し、興奮していた私のところに扉の開く音がし、小さな影がこちらに近づいてきました。
次回はなんとあの子が…!(バレバレ)
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2話 親馬鹿AGEはごろんする
なんか読み返したら…うんってなりましたね…
そのとき扉の開く音がし、小さな影が近づいてきました。
よくその影を見てみるとそれは少女であり、小さな顔にくくりとしたお目目。髪の色は白く、それに相反するような少し褐色じみた肌。そしてその両手には紫色のキグルミを抱えていました。
この見た目は間違えるはずがありません。私が何度も戦いの時や風呂場やベット、いたるところで何度も見た事のあるその少女は…
「フィム!!」
私はフィムの姿を確認するや即、ベットから降りて抱きつきに行こうとしますが…
「あ…!」
ガダッ!
…そのまま足を滑らして落ちてしまいました。
まるでギャグ漫画にありそうな盛大な落ち方をしたのでとっても痛いのですがそんなことを気にしてる暇などありません!
私は今すぐフィムを抱きしめながらなでなでするのです!いえ、しなければならないのです!!というかそのまま結婚してしまいましょう。私は出来れば子供は二人がいいかな…//
そんなふうに勝手に未来の家庭環境を妄想し、頭を(いろんな意味で)抑えていた私のところにフィムが心配そうに顔を覗き込んで来ました。
「おかさんあたま、うったの?いたく、ない?」
おかさん………?
あ、やばい。
なにかとやばい。
とりあえずやばい。
急に心臓の心拍数が上昇してきました…
な、なんでか分かりませんが体も火照ってきて頭もぼーっとします…
まずいです。このままでは幼い我が子を捕喰(意味深)をしてしまい、親子という一線を踏み越えてしまいそうです……!!
この状況はさすがにだめです少し落ち着きましょう。こんなときは素数を数えればいいと昔の偉人は言っていました。
1…2…3…5…
あれ?1って素数だったっけ?
「おかさんほんとにだいじょうぶ?フィム、なにかしようか?」
はっ!そういえば今はフィムの目の前いるのでした!
自分の煩悩と激しい戦争を繰り返しているうちにフィムにもっと心配を掛けてしまったようです。そう思い私はフィム大丈夫であるということを伝えることにしました。
「う、うん!おかあさんは大丈夫だよ!」
「そうなの?よかった!じゃあいっしょにごろんしよっ!おかさん!」
━━━━あ〜、まじで尊い…
そんな可愛い笑顔向けられたらおかあさんは昇天してしまうよ…
え?もしかして本当はもう私昇天してた?私のフィムに対する愛が強すぎてこんな妄想ちゃってたの?
…でもフィムと一緒に寝ることが出来るならそれでもいいかなぁ……
脳内が
▼▼▼
フィムがベットで絵本を読んで欲しいと言うので「三匹のコンゴウ」という少しおかしな絵本を私は読むことにしました。
「むかしむかしあるところに三匹のコンゴウがいました……」
「それでそれで?」
このチョイスをあからさまに間違えたであろう絵本を読み聞かせ、私がストーリーについて考察していたら横からかわいい寝息が聞こえてきました。
とても安心しきっており、こんな時代でもこんな顔で寝る子供もいるんだな、と私は思いました。
本来であればこのまま私も寝るところですが今日はそう行きません!
この千載一遇のチャンスでフィムの寝顔をじっくりと堪能せずに寝過ごすなんてバカのやることです!大馬鹿者です!
この時間のために一緒に寝たと言っても過言ではありせん!さてじっくりと
すぅすぅと可愛い寝息をたてて寝ているフィムはとても可愛くてまるで天使のようで……すいません少し間違えました、まるでではなく天使です。
「…おかさん…大好き……」
……え?なにこの子可愛すぎます!
もしかしてフィムは親馬鹿スレイヤーなんですか?わたしドキがムネムネしてきて急にフィムたんのことを襲いたくなってきたぞ?
……いや待て。もしもここで襲ってしまっては周りからの視線がもっと痛くなってしまいます。さっきとても肝が冷える体験をしたばっかりなのでさすがにやめときましょう…
特にクレアやルルからの視線が……
…あれ?そういえばクレアやルルはどこなのですか?部屋に入ってくる姿すら見かけませんでしたが。
もしかして他のところで寝てるのでしょうか?
………じゃ、じゃあちょっとだけなら…///
あ〜…とても柔らかくて癒されます…
ぷにぷにとした触感に、たびたび私にかかる甘い息。なにこれご褒美かな。
やっぱりいいですね…フィムのほっぺた…
▼▼▼
2人が眠りについたころ━━━━二つほど部屋に入ってくる影が見えました。
「アルカ…!フィムをあんなふうに抱きしめながら寝れるなんて…!」
「ルル、ちょっと落ち着いて…確かにうやらましいけど…フィムが…」
そしてアルカとルルは部屋の隅に行き、お山座りをしてフィムとアルカを見つめ始めました。
「そう言えば何故私達はこんな部屋の隅でくるまってるのだ?」
「それは、もし私やルルがいなかったらアルカがフィムに手を出すかどうかを調べたかったの…でも寝ちゃってたようね…」
なるほどな、とルルは納得しました。
つまりはこの2人、監視をしようと入ってきたのです。
「……でも、それなら私達も一緒に寝れば良かったのではないか?…」
「あ……」
2人はとても悲しくなってしまい。次の日にヤケ食いをしていたのはまた別のお話…
そういえばアルカさんの見た目を言う描写を忘れていました…
髪の色は銀髪で髪型はツインテールですね。結び方はカントリースタイルみたいな感じです。
胸は…とても…崖っぷちです……(´・ω・`)
服は初期の服でございまするん。正直あれが1番いい服だと個人的には思う…
なんで肌の色メイキング画面では白いのに艦内では少し褐色になるの!?(突然)
まぁ、見た目はそんな感じですね…
ってことで多分書くかもしれないから次回もよろしく!
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3話 親馬鹿AGEの七不思議
そしたらね、ガドリンくんのことが地味に嫌いになっちゃった…
フィムをあんなことさせたガドリン許すまじ(・ω・)
「よしっとお仕事終わり!」
「お疲れ様です!今日も見事に惨殺してましたね!」
仕事という名の強制労働を終え、一人余韻に浸っているところにエイミーさんから連絡が来ました。
早速惨殺などという引っかかるワードが出てきましたが何故そう思われるのかわかりません。
体のいたるところに裂けた跡のあるコンゴウをもぐもぐしながら考えるのですが……
…全然わかりませんでした!
とりあえず切り替えて神機の中に入った素材を確認したのですが、中はほぼ皮だらけでした。それはもう、びっしりと皮でした。
後半あまりいらない素材ランキング堂々の一位である皮なのですが売ってもあまり高くありませんし、基本後半はボックスの中の永住者です。
つまりいらないってことですね。
そんな不名誉な称号をもつ皮ですがふと、皮に関する噂話を思い出しました。
(そういえばコンゴウの皮ってパッドの材料として一級品ってどこかで聞いたような…)
パッド━━それは
最近の男はみな胸、胸、と脂肪の塊にしか目がいかないものばかりで、女性にも胸が無いだけで見下さるようなことになります…
だから私はどうにか自信を付けるためにご飯を食べまくった時がありましたよ。
結果ですか?そんなの自分にかかる重力が増えただけでしたよ。もう神様なんか信じません。
どうして神様は不平等なのだ、と哲学的なことを呟きながら自分の胸を触っている姿を映像越しにみてエイミーさんが不思議そうに声をかけてきました。
「あの…突然どうしたんですか?自分の胸を触りだして…もしかして目覚めました?」
「違う!!」
そんなわけないでしょう!
外で自分の胸を弄ることに目覚めるなんてただの変態じゃないですか!少なくとも私は違います。
「それとも胸の大きさを気にしてるんですか?」
うわ…この人絶対分かってて最初に変な事言ってきたよ…
「あ…うん…そうだけど…」
「では豊胸手術などはいかがでしょうか?」
つまり私に科学の力を借りろということか。確かに豊胸手術はほぼ確実に自分の胸を大きくできますがあまり良いとも思えないんですよね…
だってあれシリコン?とかいうのをぶち込むんでしょう?しかも光を照らしたら光るって聞きましたし。
それ以前に豊胸手術できるところが未だにあるのかどうかも分かりませんし…
「う〜ん、それはいいかなぁ……でも私、一つわかったの」
「分かったこと…ですか?」
「エイミーさんの胸は偽物だったってことが」
バキッ!
その言葉を私が言い終えた瞬間、耳からそんな音が聞こえてきました。これは確実にエイミーさんが機器を壊した音でしょう、はい。
まさか図星だったとは………冗談半分で言ったため驚き少し、後ろめたさマシマシの不思議な感情を持ち合わせてしまいました。
………あとで謝ったら許してくれるかな?
そんな自分の胸より浅い(自虐)考えを持ちながら、私は船内へと帰っていきました。
▼▼▼
帰りも特に何かハプニングもなく無事に帰ることができたのですが、エイミーさんにさっきのことを謝りに行ったら殺されそうになりました。というかほぼ半殺しになりましたね……
「エイミーさん!人の関節って逆には曲がらないんだよ!?」
と必死に訴えていたのですがそんな私の言葉など届くはずもなくバキバキという生々しい音が何度も聞くことになりました。
とにかく痛かった、とだけ感想を残しておきましょう。
ほぼ涙目になりあらぬ方向に曲がりかけた右肘を慰めながら、私はポケットからひとつのメモとペンを取り出しました。
メモの表紙には『クリサンセマム七不思議』と書かれており、これはアルカとみんなで昔から書いていたメモの1つです。
そしてアルカはペンを滑らせ、エイミーさんについてのことを書き進めていきました。
するとそのメモ対して興味を持ったのか、ルルと話していたフィムがこちらに近寄ってきました。
てこてこと歩く姿もとても可愛くて死にそうです。
「おかさん、何書いてるの?」
「えっとね、クリサンセマム七不思議について書いてるの」
「クリサンセマム七不思議?」
そう、私とみんなの独断と偏見で書いていたクリサンセマム七不思議にはこんなことを書いているのです。
1.イルダさんの胸が大きすぎる
2.フィムがとても可愛い
3.ホープさんが灰域にどうやって来てるのか
4.クリサンセマムの鬼神(笑)
5.エイミーさん豊胸手術説
……七不思議なのに個人的な意見が入ってる?そんなのは知りません、知りたくもないので聞かないでください。
「うにゅ?フィムがかわいいって書いてる?」
あ、まさかのそこに視点がいきますか。軽くちょっと激的にやばいかも知れません。私のこの愛にフィムが気づいてしまうと引かれてしまう可能性があるのです。
さて、どうしたものでしょう。
ここは素直にそうだといって乗り切るか…それともあやふやな回答をしてはぐやかすか……
そんなどうでもいいことで悩んでいたら…
「フィムのことかわいいってかいてくれてありがとう!フィムはおかさんもかわいいと思うよ!」
フィムからのとても心に染み入る返答がきました。
「へっ?えっ!……フィムたん大好き!」
そう言い私はフィムに抱きつきました。
突然フィムに可愛いと言われたものですから素が出てしまいましたが問題ありません。
頭を撫でていれば忘れることでしょう…多分。
「んっ…おかさんもっと撫でて…」
私の予想通りそんなことは忘れた、というかもっと素晴らしい展開になってしまいました。ってことでフィムの体を触りまくるとしますか!(意味深)
それは規制がかかるレベルで!あんなことやこんなことまで発展させて百合ENDでゴールインですよ!
もう捕まるとか知りませんし、私、親馬鹿でもロリコンでもいいから今だけは贅沢をさせてもらいます!
ではちょっと服の下の方を……
……と本来であればしようとしたのですが流石にマズいと理性がブレーキを掛けてくれたので私が捕まることはありませんでした。
まぁ理性と言うより周りの視線だったんですけども。
そんなこんなで犯罪を犯しかけたアルカですが、周りの人からもうアルカのフィムに対する愛って七不思議のひとつで良くね?というごもっともな意見が出たため本人の知らないところで加えられているアルカでした。
6.アルカの愛が重すぎる
アルカが好きになった相手…つまりフィムに対する愛は現在、恐ろしいとも言えるほどのものである。
もしアルカに彼氏、もしくは彼女ができた場合その人はいろんな意味で苦労するであろう。それでも隠れファンがいるのはそんなことが霞むほどアルカが可愛いのであろう。
というか可愛い。
以上、もしアルカに手を出したものがいれば私が許しません。
会議執筆担当━━クレア
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4話 親馬鹿AGEの深い闇
あれはほんとやばい。
かわいいすぎない?
「そういえば皆さん、衣類とかは足りてますか?」
部屋でごろごろしてたらエイミーさんが入ってきて突然聞いてきました。
もしかして服でも買いに行くのでしょうか?
流石エイミーさん。ちょうど今まで使ってた服がボロボロになってきたので買いに行きたいと思ってた時期なのです。
別に自分で作るのもいいんですが……あれ…手が痛いんですよね…
ついでに素材集めるのも嫌だし…
ってことでここは意見を言うべきでしょう。
「あ、私ちょっと新しい服が欲しいです!」
「私も欲しいです。少し…服がきつくなってきたので…」
「わ、私もいいだろうか?…クレアから貰ったが少し下着が緩くて…」
なんと、クレアもルルも欲しかったようですね。
くそ、このおっぱい野郎どもめ…
クレアに関しては嫌味なのでしょうか?軽く握り潰してやりましょうか?
べ、別に私はなくてもいいですし〜、あんなのただの脂肪の塊ですし〜、エロい人にはそれがわからんのです!
「皆さん欲しいようですね!ここから近いミナトで服を専門に売っている店があるらしいのでそこで買いましょうか!」
服の専門店と聞くと普通かもしれませんが、こんなご時世です。普通は服なんか買う余裕がない人だらけなので需要がないとして基本はありません。
ですがあるということはそれほど余裕のあるミナトということでしょ。とてもうらやまですね。
「…アルカさんはパッドも買わなきゃですしね!」
「殺しますよ?」
「冗談です!」
私の渾身の殺意を笑顔で流すことのできるとは…エイミーさん恐るべし。
もしかして私が豊胸手術について聞いたやり返しなのでしょうか?小さいやつです…胸が大きくても器が小さくてはこうも見苦しいとは…
「え!?アルカってパッドして……」
「ん?何か言った?」
「う、ううん!なんでもない!」
クレアさんや…次はない思っておきなさい…
もし次も聞いてきたら軽く1発…いえ3発くらい殴るとしましょう。
そんなこんなで闇の深い会話を繰り広げていたらフィムが部屋に入ってきました。
さっきの話を聞いたところフィムも行きたいとのことなので連れていくことにしました。
ちょうどフィムの新しい服を買おうとしていたのでちょうど良かったです。今フィムが着ている服は露出が多くて…ちょっと…私には刺激が強すぎます…
…あれが…見えそうなんですよね…
男性陣には受けがいいようですが保護者としては許せません。あんな者共にフィムを舐め回すように見られていると思うだけで殺意が湧きます!
なので!私が!責任をもって!フィムにエロい服を…もとい可愛い服を着せるのです!
「それでは着いたようなので買いに行きましょう!」
う〜ん、相変わらずアルカさんのキャラが決まらないな…
まぁ、それについてはおいおい決まっていくでしょうし許してくだされ。
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5話 親馬鹿AGEのお買い物
最初は双剣がいちばん強いと思ってましたごめんなさい…
で、でもあの薙刀?状態みたいなやつは強いことない?……だから私はまだ双剣を使います(゜▽゜)
あ、今回はいつもより長めになってます!
ふ、ふふっ
やりましたついにやりましたよ!
買ったものを手にステップしながら店を出ます。周りからの視線が痛いですが今や気にすることはありません。どうせこの中身を見られてしまえば社会的に死ぬのですから。そう、『社会的』に死ぬのです。つまりどういうことか。
簡単です…
とってもエロく露出度の高い服を買ってやったんですよ!!
※※※
そういえばお金足りてたっけなぁ…
ふいにそんなことを思いだします。最近はご飯やら神機やらにお金をばっさばっさ使ってたものですから懐に余裕がなかった気がするのです。そして財布を見てみると案の定、400fcくらいしかありませんでした。こんなお金で何を買えというのですか…
うますぎる棒が40本しか買えませんよ?…いやそう考えてみると意外とあるのかもしれません…
ですが結局お金が足りないということには変わりありません…
さて、どうしたものでしょう。資金問題に直面したのは初めてなものなので解決策が私には分かりません…
いっそのことアラガミ素材を売っぱらってしまいましょうか?……いえダメです、そんなことしたらどうせ後悔します。
そんなとき最高の案が頭に出てきました。
そうだ!情報交換で手に入れた20億をちょっとだけ貰おう!
あのときの私はとても能天気でバカで頭が少し悪かったためこの後あんなことが起こるとは知るよしもありませんでした……
※※※
「うわぁ…すごいな…」
初めて商業を中心にしているミナトを見たものですからとても驚いてしまいました。こんな時代なのにも関わらずAGEとゴッドイーターと人が手を取り合って働いてる姿は少し異常に感じてしまいます。そのためでしょうか?とても商業としては発展しており、見たことも無いとても可愛らしい服や、骨董品、普段は見たこともないような豪華な食料などがあります。
「すごいな……ここまでみんなが仲良くしてるのは…」
やはりルルも同じように思ったようですね。他のみんなも驚いていて感嘆の息を漏らしています。フィムに至っては行きたくて行きたくてうずうずしているようです。…かわいい(小声)
「で、ではみなさんここからは自由なので好きなところに言って色んなものを買ってきてもいいですよ〜!ですが厄介事は買ってこないでくださいね〜!」
ここからは自由行動みたいなので私はフィムにと一緒に服を買いに……
「あ、フィムは私と行く約束したから貰うね?」
え?なにそれクレアさん、私聞いてない。完全にフィムと一緒に行くきだったんですけどそれは…
ま、まあいいでしょう!今回だけ、今回だけは!フィムと一緒にいる権利を渡すとしましょう!(涙目)
※※※
そんなこんなでソロで買い物に行くことになったアルカさんですが、早速何を買うか迷ってしまいました。お金は盗ん…貰ったので潤っていますが欲しいものがありすぎて困ります。ですがとてもいいものが私の目に留まりました。そう、服です。それもただの服ではなくとてもどエロい、服です。
な、なんですかこれは!?隠してる部分がほとんどありませんよ!?あそことあそこ以外はオープンですよ!?も、もしもこれをフィムが着るとしたら……ゴクリ…
ま、まぁちょっとだけなら見ていってもいいかな〜…
本来であればあの服を速攻で買い即キャラバンに戻るべきなのでしょうがまだ早いです。この店の周りには人がいるため私自身が目立ってしまいとても恥ずかしくなります。なんであんな服が店頭に飾られてるんでしょうかね?……
少し店の周りの人を減らすため適当に店の中をうろうろしつつ私が着る服も探していきます。中にもちょっとだけエロい服もあったのですが店頭にあるものに比べれば霞むものです…ですが少し興味があったため買ってみることにしました。
そろそろ周りの人が少なくなってきました。今こそあの服を買うチャンス!最短距離で服へと詰め寄ります。その時…
「あっ!」 「あっ!」
同じくこの服を買おうとした人と指が触れ合ってしまいました。同じ服を買おうとした人です、どんな顔かと思い横を向いてみると…
「え?ル、ルル?」
「はっ!え?あの、その、これは違うんだ!その…ちょっと気になってだな…べ、別にやましい気持ちなどないぞ?ほんとだ!」
そうとても照れながら話したあとすぐにルルはどこかに行ってしまいました。……ルル…あなた…そんな趣味があったのね…
そんなハプニングを交えつつこの伝説の服を買えたのですが、会計に行くととてもいいお値段でした。10万fcあったはずが今では1万fcも残ってません。ですがら私の服も買えたのでいいでしょう。
「さて、帰るとしますか!」
※※※
無事安全にキャラバンに帰ることは出来たのですがさっきからルルが目を合わせようとしてくれません。ちょっと目が合ったかと思うと目を逸らしてしまいます。まぁ、あんなことがあったのですから仕方がありません。時間とともに忘れていくことでしょう。
悩みをひとつ増やしつつ部屋に帰ろうとしていたらユウゴが私の前に立ちはだかってきました。はて?なんの用でしょう。顔がとても怒ってるようですが私には心当たりがありません。
「…アルカ…俺が言いたいことはわかるか…?」
待ってください。もしかして私があのお金を使ったことに怒っているのでしょうか?で、でしたらここは素直に謝るべきですね!謝れば許してくれるはずです!
「ごめんなさい!」
「ごめんなさいで済んだらグレイプニルは要らないんだ!!」
久しぶりに見ましたユウゴの激おこモード。正直とても怖いです。アラガミよりも、ずっと…
「あれは俺達の未来のために使うっていったよな?」
「はい…」
「誰が勝手に使っていいと言った?」
「誰も言っていません…」
「じゃあ何故使った?」
「ふ、服が欲しかったから…」
「ほう、服か。自分で作るという選択はなかったのか?」
「…自分で作ると手が痛いから…」
「………」
無言の圧力ですか。それやめてくれませんか?……1番心にグサッときます……
「まぁ、お前も年頃だもんな。服を自由に買いたいと思うこともあるだろう」
「じゃ、じゃあ!」
「一応は許してやる。ただし…」
「ただし?」
「筋トレをしてもらう」
あれ?そんなことでいいのでしょうか?筋トレなんてあんな過酷な環境で生きてきた私にとっては赤子を殺すより楽な作業です。
「お?今簡単なことって思っただろ?大丈夫だ安心しろ、お前でも死ぬほどの量にしておいてやるから」
そう言い、私に一切れの紙を渡してきました。
内容は…
①片手小指だけで腕立て伏せ100回×10セット
②バスターブレード素振り100回 60秒以内 ×5セット
③両手にヘヴィムーンでランニング50km ×3セット
………はい?なんですかこれ?
おかしいでしょぉぉぉ!!
これを私にやれと!?鬼か!?ユウゴは!?あの優しいユウゴくんはどこにいったの!?
①なんですか?ドラ〇ンボールですか!?ベ〇ータさんなんですか!?
なんてこった…こんなことになるのであればお金なんか盗るのではありませんでした…
そしては私は地獄の筋トレを始めることになった…
今回はあまりフィムの出番がありませんでしたね!次回はたっぷり出すと思うので期待してください!
またなにかおかしいと思うところがあったら教えてください!修正致しますので!
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6話 親馬鹿AGEの再確認 『前半』
今年はモンハンのアイスボーンやCODEVEINが出たりするからとても楽しみですよ!
……あれ…おかしいな…何か身体が動かないや……
壁に叩きつけられて衝撃が強かったのか口から血が出てきました。既に私は満身創痍でほぼ立つ力も残っておらず、少し視界も霞んできました。
神機を右手で握りしめどうにか立とうとしますが痙攣しているようになるだけでほとんど動けません。心臓も嫌というほどバクバクと音を立てていてとてもうるさいです。
もしかしてこのまま終わりなんでしょうか?…そんなの嫌です…私はフィムと約束したのです…それを守るために絶対に死ねません…
ですが現実は非常です。私をこんなふうにした元凶のアラガミが一歩、また一歩と近づいてきています。私のことは脅威ではなくもう餌としてしか見てないのかとてもゆっくりと近づいてきており、正直とても怖いです…
「や…だぁ…まだ…死にたく…ないよぉ…」
涙目に訴えますがアラガミには通じません。ゆっくりと、ですが着実に私の方にヨダレを垂らしながら近づきます。
そして大きな口を開けて………
※※※
「あ〜…身体中が痛い……」
昨日の筋トレでみっちりとしごかれたため私の筋肉たちから悲鳴が聞こえてきました。痛すぎてベットで動こうとすると激痛を伴いまともに歩くこともできません。
くっ!ユウゴの奴め…私の筋肉ちゃんをこんなにしやがって!いつか絶対に仕返しをしてやる!…絶対に…ぜったいに……多分
そんな状態でベットでごろごろと寝ていたら少しずつ筋肉の痛みは引いていき、半時間ほど経つ頃には完全回復していました。やはり私の回復力は異常のようです。あんなにも痛かったものがこうも簡単に治るとは…私ってすごい!
この程度のことで自分の力に酔いしれて、地味にハイなテンションになっていたのですが、突然エイミーさんから無線が繋がってきました。
『アルカさん、新たなミッションが発生したのでいつもの場所に来てください!』
そう言い残すと一瞬でエイミーさんは無線を切ってしまいました。とても一方的な連絡で理解するのに少し時間がかかりました。わざわざ無線で連絡してくるってことはそれほど重要な任務なのでしょうか?まぁ、行ってみればわかることです。とりあえず着替えて行きますか!
※※※
「あ!アルカも来ました!」
ん?ここにクレアがいるということは一緒にミッションをするということでしょうか?よくまわりを見てみるとルルやフィムもいます。
「それではみなさん、集まったようなのでミッションの概要を説明しますね!」
「今回みなさんには今からいく航路の安全確認をしてもらいます!感応レーダーで周りを見れるとはいえ危険には変わりないので先に調査してもらって安全が確認できたら戻ってきてもらう、という内容です!」
「それにしては少し人数が多くないか?」
「はい、調査だけとはいえ灰域濃度が高いのには変わりありませんからもしものことがあったときのために4人で行ってもらうことにしています!」
調査かぁ……最近はミッションに行くことが少なかったから体慣らしにはちょうどいいミッションですね。怠けてばっかだったので少し体重も増えましたし……行くとしましょう!
「それではみなさん行ってらっしゃい!」
※※※
「ちょうさ♪ちょうさ♪」
「フィムは楽しそうね」
「それに比べてクレアもルルもテンションは低いね」
「それは…こんなところにいればテンションは下がるものだ…」
「確かに…」
そんな無駄話を交えつつ周囲を警戒して前へ進んでいきます。なかなかに地形が悪いため奥に進むのにも一苦労です。
「あ、そういえばフィム」
「ん?」
「新しいフィムの服、前のときに買ったから船に帰ったらあげるね?」
「え!?ほんとう!?おかさん大好き!約束だよ!」
「うん!約束」
ふっ引っかかりましたね。私の巧妙な会話術であのエロい服を着させる約束をすることができました。少し会話の入り方が突然過ぎた気がしますが大丈夫です。フィムは気にすることはないでしょう。あぁ…帰りが楽しみです…!
「ふぅ…この地域に今は脅威はないようですね」
「だな、早く帰るとしよう」
ミッションである調査を終わらせて船にみんなで帰ろうとしていました。そのとき…
『ア……カさん………え…ますか…!いまそ………にアラガミのはん………が多数…早く……逃げ……さい…!!』
あれ?灰域濃度が高いせいなのかエイミーさんからの無線がほとんど聞こえてきません。ですがアラガミ…?今この周辺には反応がない気がしますが……
「アルカ!目の前からアラガミが!」
「後ろにも多数います!」
「かこまれた…?」
軽く周りを見渡しますがざっと10体ほどはアラガミがいます。個々の能力はあまり高くないものばかりですが10体ともなると流石に厳しいです…
「みんな、一点突破で行くよ…1番手薄のビルに囲まれてるところ、あそこを一気に突き抜けよう!」
「「了解!」」
こんな状況となったら時間が命です。地面を思いっきり蹴り、素早くビルの場所まで飛んでいきます。何体か道にアラガミがいますが今は相手をしている暇がありません、足などを切り刻み軽く足止めをしつつ進んでいきます。
あと少し…!あと少しで…!
「アルカ!危ない!!」
え?
後半へ続く(ちび〇子ちゃん風)
でも多分次回はアルカさんの過去編かな?
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7話 親馬鹿AGEの再確認 『後半』
「はぁ…はぁ…ど、どうにか間に合った…」
軽く体の限界を突破させて、類似バーストをした私はあまりに疲れたため少し柱にもたれかけて休憩しています。
あのとき突然ビルが倒れてきたのはビックリしました。多分クレアの呼びかけがなかったら潰されていたところでしょう…
「そういえばクレアたち…大丈夫かな…」
私に注意してくれた当の本人であるクレアは私と違ってビルの手前の方、アラガミがたくさんいる所にいます。そして私はその奥の方。
つまり私達は離れ離れになってしまったのです…
言ってしまえば大ピンチです。クレアたちが危険なのはもちろん、私も今は1人なのでアラガミに襲われたらひとたまりもありません。
「…とりあえず、クレアたちに合流しに行こうかな…」
数分ほど休憩し、体の疲れがとれてきたので足を動かすことを決意します。正直、さっきの類似バーストで体の節々が痛いのですがそんなことは言ってられません。事態は一刻も争います。
そのため最短ルートで行くにはこのビルを乗り越えて行けばいいのでしょうが……
━━無理ですね…あまりにも高すぎます。
仕方がありません。ちょっと迂回して進める道を探すとしましょう…
さっきの倒れたビルの辺りから沿うように歩いていると人1人がちょうど入れそうな穴を見つけました。
「ここからなら行けそうかな?」
頑張ってその穴の中に入ろうとしましたが結局ダメでした。私が入ることは出来たのですが神機が大きくてつっかえてしまうのです。
…またルート探しかぁ…
そう溜息をつきながらまた新たなルートを探そうとしたところ突然何か大きな音が聞こえてきました。
爆発音とも取れる音だったのでもしかしたらだれかが戦ってるのかもしれません。
「…クレア…?」
そして私は音の聞こえる方へと走っていきました。
▼▼▼
「ルル…まだ戦える…?」
「はぁ…クレアこそ…どうなんだ?…」
「私はまだまだよ…」
「そうか…私もだ…」
倒れたビル近く━━━━二人のAGEが背中を合わせてアラガミと戦っていた。
彼女らの体はボロボロで神機も所々欠けている部分があり、もはや慢心である。
その周辺にはたくさんの死体が転がっていたがまだ二体のアラガミ、『ヴァジュラ』と『キュウビ』がこちらを睨んでいた。
アラガミにも体にいくつかの傷があり、ふらついてはいるもののクレアとルルの二人に比べればダメージは少ない。
「それにしても…フィムを先に行かして大丈夫だったのか?」
「ええ…フィムならアルカの所にたどり着いてくれるでしょ…」
だが彼女らの目には諦めなど一切なかった。
そう彼女たちは勝利を確信していた。
今の姿からではとても信じられない、勝利をだ。
「じゃあ…私達も頑張るか…!」
「そうするとしましょう…!」
そして二つの影は動き始めた。
▼▼▼
かれこれ走って数分、周りのビルが焼け焦げている場所にたどり着きました。
━━なに…これ?
戦闘の残骸といえればいいかもしれませんが、それを言うにはあまりにも残酷な光景でした。
辺りにはアラガミの死体が沢山転がっており全て例外なく体が喰い荒らされていて、中には体に焼け焦げた跡がある死体もあり、鼻にツンとくる臭いがまわりに撒き散らされています。
クレアたちがここで戦ったのかな…?
ですがそれにしてはアラガミの死体には切られた跡などはなく、あったとしても噛み跡のようなものだけです。
多分ここは違うのだろうと思い、その場を離れようとしたところ…
『グルルルルゥ…』
近くで唸り声が聞こえてきました。
声の聞こえた方に視界を向けるとそこには
━━━━『マルドゥーク』がこちらを睨んでいました。
それは赤い毛と白い毛の生えている狼のような化け物で、前足からはとても高熱の蒸気がでており、所々から赤い溶岩のようなものが溢れ出ていました。
…よりによって感応種が…!?
この状況は非常にまずいです。
アラガミと遭遇するだけでまずいのにそれが感応種ともなればもはや絶望です。
感応種のアラガミというのは簡単に言ってしまえばアラガミを引き寄せるアラガミで、灰域種の次にヤバいアラガミです。
こうなってしまえば戦うしかありません。
両手に神機を握りしめて、即飛翔。からの急降下でまずは目を潰しに行きます。
ですが惜しくも顔に少し当たっただけで後退してしまいました。そのままマルドゥークは私に飛び込んできて右手を振り下ろしてきましたが、その行動を予測していたためバックラーを展開しガードします。
攻撃を防いだ、と思った瞬間、急にマルドゥークの手が紅く光だし抑えきれないほどの衝撃が手にかかってきて
「きゃあっ!」
そのまま私は吹き飛んでしまいました。
何が起こったのかを理解しようとマルドゥークの方を見ると、手の方から排熱口のようなものが開いていて、大量の蒸気が出ていました。
━━もしかして爆発した…!
そうか…!あのとき聞こえていた爆発音もこのマルドゥークによるものだったのか!
だとしたらクレアたちは多分他のところにいるでしょう…早くこいつを殺して会いに行かなくては…
そう思考していたらまたマルドゥーク飛び込んできて右手を振り下ろしてきました。
今度も同じようにバックラーで防ぎますがさすがにあの爆発を2度目はくらいません。
マルドゥークの手が光出した瞬間に手をバックラーで受け流し、懐に潜り込んでから
「早く…!死んで…!!」
思いっきりお腹を縦から切り裂きました。
するとマルドゥークが変な鳴き声を上げながら、倒れて来ました。もしもこのまま生きていたら困るので、切り裂いた部分から刃を何度か突き刺していたら完全に声が聞こえなくなりました。
これで安心です。
マルドゥークも倒しましたしクレアに会いに行こう…と思ったのですがさっきの爆発で結構体に響いたので少し体を休ませてから行くことにしました。
………なんでこうなるのかな…?
とっても嫌になります…
周りから二、三体のアラガミの気配を感じるのです。多分マルドゥークに引き寄せられたのでしょう…
まわりをよく見渡してみると二体のアラガミがいました。それも灰域種のアラガミです。
「さ…さすがに…これは勝てないかも…」
逃げようにも完全に囲まれていて逃げることができません…これは戦うしかないようです…
神機を両手にまた握りしめて、覚悟をします。
「……殺す…!」
▼▼▼
「はぁ…はぁ…やったねルル…」
「あぁ…倒せたな…」
二人はあまりの感動にお互いを抱きしめる。持っていた神機はどちらも壊れていてもう使えるものでは無い。
体をそれと同じように傷だらけになっていて、生きているのが不思議なくらいである。
「でも…今はこんなことしている場合じゃないな…」
「そうね…早くアルカに会いに行かなきゃ…」
お互い支え合いながらどうにか立ち上がる。だがその体では動くことなど出来ず、また倒れ込んでしまう。
「やっぱり…休まないとダメか…」
そう悪態つきながら、仕方なく二人はゆっくりと体を休ませる。
それから何分かたった後、耳から聞きなれた声が聞こえてきた。
『み…さん…聞こえ……か?……てたら返事……てください…!』
「エイミーさん!?クレアです!聞こえますか!」
『クレ……さん!無事だった………ですね!』
最初のうちはあまり聞こえなかったが少しずつ無線の音声がクリアになってきた。
「一応は無事です!近くにルルもいます!」
『ルルさんもいるんですね!ではアルカさんとフィムは…?』
「……わかりません。フィムはアルカのところに行かせたんですが…」
「そのアルカが生きてるのか……」
『…とりあえず、私たちがそちらに向かうので少し待っててください!その後に二人を探すとしましょう!』
「はい…わかりました」
▼▼▼
「このっ……早く倒れてっ!」
アラガミの胸を貫き叫びます。
すると片方のアラガミは倒れ、動かなくなりました。
━━━━あと一匹…!
そう思ったとき…突然目の前にもう一匹のアラガミ現れてきて攻撃してきました。
アラガミ攻撃に少し遅れてバックラーを展開しますが間に合わず、そのまま吹き飛んで壁に叩きつけられてしまいました。
━━━━あ、あれ…おかしいな…何か身体が動かないや……
壁に叩きつけられて衝撃が強かったのか口から血が出てきました。既に私は満身創痍でほぼ立つ力も残っておらず、少し視界も霞んできました。
神機を両手に握りしめどうにか立とうとしますが痙攣しているようになるだけでほとんど動けません。心臓も嫌というほどバクバクと音を立てていてとてもうるさいです。
もしかしてこのまま終わりなんでしょうか?…そんなの嫌です…私はフィムと約束したのです…それを守るために絶対に死ねません…
ですが現実は非常です。私をこんなふうにした元凶のアラガミが一歩、また一歩と近づいてきています。私のことは脅威ではなくもう餌としてしか見てないのかとてもゆっくりと近づいてきており、正直とても怖いです…
「や…だぁ…まだ…死にたく…ないよぉ…」
涙目に訴えますがアラガミには通じません。ゆっくりと、ですが着実に私の方にヨダレを垂らしながら近づきます。
そして大きな口を開けて………
「わたしのおかさんに…てをだすなぁ!!」
横から飛んできた小さな影に首ごと切り裂かれてしまいました。
その小さな影は少し褐色味を帯びた肌に露出度の高い服を着ており、その手には大きな半月のような神機を持っていました。
その影の正体は…
「フィ…フィム…!!」
「おかさん!!」
フィムは私を見つけるや否や神機を投げ捨てて飛び込んできました。胸の中ではずっと泣きながらおかさん…おかさん…と繰り返し呟いていたので、少し安心させるために頭を撫でることにしました。
しばらくそうしているとフィムも落ち着いたのか、スンスンと鼻を鳴らしながらこちらを見てきました。
「お、おかさん!…これから…一人で無理しちゃメッたがら!…」
「うん…ごめんねフィム…おかあさん…次から無理しないから…」
ダメです…何か…視界が歪んできて…意識が…
「おかさん?お……さん!………!!」
▼▼▼
「んっ……」
何かカシャカシャとものを動かす音が聞こえてきて目が覚めました。天井が真っ白で何度か見たことのあるような気がします。
「いたっ…!」
起き上がろうとして体を動かしたら急に激痛が走りその痛みに顔を引き攣らしてしまいます。
そんなことをしてたら隣から
「アルカ!起きたのね!」
クレアが声をかけてきました。
とても安心したような顔になって目から涙も出していました。そのクレアも身体中に包帯を巻いていて松葉杖をついている状態ですが。
「ちょっと待っててね!みんなを読んでくるから!」
そう言い残し部屋から出ていってしまいました。
さすがにみんなが来るのにこんな情けない格好でいるのも嫌なので頑張って体を起こします。
━━━━超絶痛い……
え?…何これもんのすごく痛いんですけど?
特に背中、腰ですよ腰!も、もしかしてこれはぎっくり腰とか言うやつなんですか?
「わ、私はまだおばさんになりたくない!!」
「そんな大声をあげる元気があるなら大丈夫そうね」
「はっ!イルダさん!いたんですね!」
「はぁ…とりあえず無事でよかったわ」
「無事じゃないですけどね!」
これのどこをどう見たら無事に見えるんですかイルダさん!
もしかしたら私はこの出来事のせいで大人の階段登っちゃったかもしれないじゃないですか!
「まあ、先にこれを言っておくわね。おかえりなさい、アルカ」
「はい!ただいまです!」
そのあとみんなが集まってきて私の復活祭をやろうという話になった。しかもこの病室で。
なんでか理由を聞いてみたら
「だってアルカさん動けないでしょう?」
と、説得力ある返しをされたため私に逆らう気力が無くなってしまいました。
仕方がありません…
みんなで楽しくパーティーをするとしましょう!!
いつもより長かった(確信)
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8話 親馬鹿AGEの出会い
闇が世界を覆う夜、新月の日。いつもとは違うただならぬ空気がこの荒野に漂っていた。
それはアラガミの活性化ゆえか、それとも新たな
ただ一つ言えるのだとすれば、この現象を引き起こしているのは一人の少女だった。
荒野の中心で死んだかのように倒れており、体には無数の傷や痣、服も同じようにズタズタに引き裂かれていた。
そしてその少女の右手━━そこには
刃は丸く弧を描くような形状をしており、例えるならば半月のような見た目。
そんな物騒なもの普通少女が持つようなものでは無いということは一目瞭然だろう。
だが周りを見渡せばこの少女が只者ではないということを思わせるものがたくさん
それはアラガミの死体。
首がないものもあれば、両足のないもの、もはや原型が残されていないなど多種多様な死体が転がっていた。辺り一面は鼻にツンとくるような死臭が漂う、一つの戦場と化していた。
そんなとき、死体による死臭がきっかけとなったのかむくりと生き返るかのように少女が目覚めた。
(ん………ここ、どこ?…)
少女の目には殺した覚えのない辺り一面に散らばった
(わたし…たしか、灰嵐に…巻き込まれて…)
どうにか記憶を思い出そうとするがそれ以降のことは思い出せない。……いやそれ以前の記憶もだ。
なぜ自分が灰嵐に巻き込まれたことだけを覚え、それ以外を知らないのか困惑する。だが少女はもう一つ覚えていることがあった。
(わたしの…名前…)
少女の名前、自分の名前が
━━フィム…という名であることを
▼▼▼
(なぜだろう……思い出せない……)
現在、私の目の前には地獄絵図が広がっていました。それも結構やばい感じの。
「アルカぁ…私ね…私…アルカのことが好きなのぉ…」
酔いつぶれて私に抱きついているクレア。
「フィム!こんな服はどうだ?可愛いと思うのだが…」
「うん!かわいいよ!ルル!」
二人で服の着せあいっこをしているルルとフィム。
「このお酒なんてどうですか?」
スピリタスを満面の笑みでみんなに飲ませているエイミーさん。
「…これじゃ私たちの威厳が…」
いつもの美貌が伺えないほどの落ち込んでいるしているイルダさん。
……どうしてこうなった?
特にクレア、どうして急に愛の告白をしてるの?しかも私の崖のところに顔をうずめて。……でもこのクレアも普通にかわいい。
「はぁ…みんなどうしたのかな…」
「アルカぁ…わたしと結婚しよ?…」
「い、意外と恥ずかしいな…」
「にあってるよ!ルル!」
「ふふふふふ…」
「どこで私は間違えたのかしら……」
……ほんとにどうしてこうなった?
私は確か普通のパーティをしていて……
▼▼▼
「アルカさんたちの生還祝いに!かんぱ〜い!」
「「「かんぱ〜い!」」」
何故か何度目かに感じる掛け声に合わせて、グラスを目の前に掲げます。みんなのグラスとぶつかるたびにコツンといい音が響いてとても心地よいです。
「それにしてもほんとに生還出来るとはねー…」
「ふふっ私もまだ夢なのではないかと思っているぞ」
「おかさんやみんながぶじでよかった!」
「ほんとに今回は死ぬと思ったよ…」
各々先日の調査の感想をいい、それがとても悲惨なものだったと改めて思い知らされます。正直今回に至っては信じてもいない神に感謝ですね。それほど生還することが難しかったのですから。
「でも、よかったわ…みんな無事で」
「あはは…無事ではないですけどね…」
私の言葉通りみんなもうボロボロで、クレアやルルは体にたくさんの傷ができてしまい全治2週間ほどらしい。
だがそれ以前に二人の神機が使い物にならなくなったから剣の部分を作るのにさらにかかるらしく次に出撃できるのは3週間ほどだと言われています。
私に至っては左腕と右足の骨折。右肩が脱臼してたり内臓が一部潰れていたりとなぜ生きているのかと言われるレベルのものなのですがそこは持ち前の回復力とフィムの治癒によってほとんどは回復したのですがまだ節々が痛むかんじです。
フィムはクレアやルルも回復しようとしていたが、突然倒れてしまい治癒するのにリスクがつくのではないかということで周りのみんなから反対されることになりました。私もそれがいいと思います。治癒されておいて言うのもなんですが。
「まぁ、生き残ったことには変わりありませんから!みなさんお酒を飲んで忘れましょう!」
酒飲む時に一番やっちゃいけないことを勧めている気がしますが今回は聞かなかったことにしましょう。
「今回はたくさん飲みます!」
「…クレアほどほどにするんだぞ?」
ルルの忠告が聞こえなかったのか、クレアは浴びるように酒を飲み始めて大丈夫なのかと心配してしまいます。
とりあえず酔ってへんなことをしないよう祈りましょう。
そんな私の願いを知らずに、クレアが急に抱きついてきました。目がとろんとしていた視点が定まっていません。……完全に出来上がってますね…
「ねぇ…アルカも一緒に飲も?」
やめて!そんなにかわいい顔で私を見つめないで!
私にはフィムがいるの!……で、でもちょっとだけならいいよね?
ちょっとお酒を一緒に飲むだけだから……
そしてそのまま酔いつぶれてしまい現在に至る、という感じです。
はい、そうですね。クレアに至っては完全に自業自得ですね。
でもどうせこんな状況になったんです、もう十分にこの状況を楽しんでやりましょう。
とりあえず最初はフィムにはないクレアのおっ……
「みなさん!ちょっと聞いてください!」
へ?
ちょっと今からお楽しみというのに!なんなんですか!
「今現在近くに人間の生体反応を感知したとのことが!」
「…っ!今すぐそこに迎えるかしら?」
「はい…誰かが向かえば可能かと…」
そのときエイミーさんとイルダさんの視線を感じたような気がしました。た、多分気のせいでしょう。どれほどここがブラックな環境でもさすがに怪我人を派遣させるなんてこと…は…
……あるようですね。
二人からの期待の眼差しに私は折れてしまいました。ここで私の優しさが裏目に出てしまったようです…
とりあえず一人では流石に危険だということでフィムと一緒に行くことになりました。
「ひさしぶりにふたりきりだね!ふひひ!」
あ〜私も久しぶりにフィムを一人堪能できそうだよ…
さっきちょっと浮気しそうになったけどフィムにはバレてないから大丈夫。さっさと仕事を終わらせて
外は相変わらずの荒野で、果てがなく地平線が続いています。周囲を見渡してもアラガミの姿らしきものは一切なく、少し不自然に感じてしまいます。
ですがそれも気のせいでしょう。一応頭に留めておいて、対象である人を探すのですが……
「おかさん!あれ!」
フィムが指さす方向を見てみると一人の少女が倒れていました。髪は長く伸びた銀髪で、体型は私よりちょっと小さいぐらい。体には無数の傷がついていて服もボロボロです。そして右手には神機が握られていました。
ですがおかしな点があります。それが…
━━━━え?この子腕輪がない…
そう腕輪がないのです。それなのに神機を握っている……
なんだがただならぬ雰囲気の子ですね…意識を失っているのか起き上がる気配もありませんしとりあえず持ち帰るとしましょうか。
私が少女を持ち上げて運ぼうとした時…
「お、おなか…すいた…助けて…」
とってもか細い声で私に助けを求めてきました。
「え!あ、だ、大丈夫?」
私はすぐに持参していた水と食料を渡し、食べさせます。するとみるみるうちに二つの姿は消えてしまい、少女は元気になったのか立ち上がり私たちの方を見てきました。
「私…おなか、すいてて…倒れてた…ありがとう」
少女はぺこりとこちらにお辞儀をしました。
「ううん、いいの。それよりあなた大丈夫なの?一人でここにいたけど…」
少女は少し悩むような動作をして、決心したかのようにまたこちらを見ました。
「あの…私…記憶が、ないの。だから…何してたか…わからない」
……マジか。
まさかの記憶失った系の子でしたか……だとすると一旦こっちで預かった方がいいですね。
「だったら私たちのところにくる?記憶が戻るまでの間でいいから」
「いい…の?」
「全然!それよりあなたの名前はなんていうの?もしかしてそれもわからない?」
「………」
(もしかして聞いちゃいけなかったのかな…?)
「い、言いたくないなら…」
「私の名前は…」
私の言葉を遮り、顔を俯きながら答えようとします。
「私の名前は……フィム」
私はこの発言にとても驚いていたのを覚えています。
クレア「アルカぁ…アルカぁ…」
ルル「クレアはほんとうに大丈夫なのか…?」
クレア「私の…アルカ…ふふっ…ふふふふ」
ルル(駄目みたいだな…)
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9話 親馬鹿AGEと新たなロリ
あと出すの遅れて申し訳ありませんでしたぁ!!
「……死んで…!」
現在、私の目の前では半月のような大きな神機、ヘヴィームーンを持った少女とコンゴウの戦いが繰り広げられていました。
コンゴウは顔の部分やら体の部分やらがズタズタになっていてもう少ししたら倒れそうです。
それに対して少女は……
「…早くっ!死んでっ!」
うん、怖い。
身体中返り血だらけで神機を振り回す姿はまるで死神ですね。しかも傷が一つもないときた。
もしかしてあの子私より強いんじゃないかしら…?
「グウァァァ…」
そんなことを考えていたら変な断末魔が聞こえてきて、気がつけばコンゴウは倒されてました。
そして少女はコンゴウが死んだことを確認するとこちらに駆け寄ってきました。
「…ねぇ倒した、ご褒美、ちょうだい?」
「よしよし、よく頑張ったね!」
「…んっ、頑張った…」
この今私に頭を撫でられて喜んでいる少女はフィム。
数日前、荒野に一人でいた所を私たちが拾ってしばらくの間ここで預かることにした子です。最初は私くらいにしか懐いてくれなかったんですが、今ではクリサンセマムのみんなと会話くらいは出来るようになっています。
まぁ、実は問題はもう一つあって…
「ここに第一回フィムの名前どうするの会議を開きます!」
そうです。
現在、我が船にはフィムと言う名前の子が二人いてWフィム状態になっているんです。つまりどういうことか。名前がややこしいということです。
「はいっ!」
最初に手を挙げたのはルルさんでした。
「はいルルさん」
「服で区別したらどうですか!」
「却下。名前の話で服を出さないでください」
どういうことでしょうか。
何故、名前なのに服を出すのか。ルルさんはファッションモンスターにでもなったんですかね…
「はい」
次に手を挙げたのはクレアさんでした。
「はいクレアさん!」
「フィムはフィムで、新しいフィムはフィーと呼べばいいかと」
突然だけど新しいフィムって何かあれですよね。エロい……げふんげふん。何もありません。決して何もありません。
「採用。よってこの会議を終了致します!」
早い。第一回とは何だったのか。
わざわざ回数制にする意味を感じられないほどの即・終・了!まぁ、長引くよりマシなんですけどね。
その時、
「……あの子たち何してるのかしら…」
部屋の入口の方で哀れみを含んだ目で見たいたイルダさんに私たちは気づくことはありませんでした。
「…ねぇ、どうしたの?」
あ、普通に回想に浸ってて現実世界を忘れてました。
心配そうに上目遣いで見てくるフィー。ほんのりと赤くなった頬に、何だかわかりませんがエロスを感じます。多分私が男だったら悩殺されてますね。間違いありません。
とりあえず何か抱きしめてそのままの流れで抱っこしたいよね。この子から溢れる守ってあげたい感というかなんというか。母性が溢れ出る。
変態ですって?ええ、変態ですとも。
とても純粋(?)な心を持っているロリ…もとい小さな女の子にエロスを感じている時点で変態と言わずなんと言うのでしょうか?
「ごめんね、ちょっと考え事してて」
素っ気ない返事で返す。というかそうでしか返せない。
今フィーに対してエロスを感じてたんだ〜、なんて言ったら嫌われますね。間違いなく。
「…そうなの…むぅ…」
ん?この子…もしかして拗ねてる…?
フィーの表情を窺うと、あからさまに頬を膨らませていてジト目でこちらを見ています。
何この子、私を殺す気かしら?
もしこれがそういう系統の本なら『…私より、気になることがあるの…?』とか言って強制ベットイン!からのえっちぃ展開になること間違いないんですけど…
「とりあえず…帰ろっか!」
「…ん」
…そんなことしたら私が社会的な制裁を受けるので今回は…今回は!自粛するとしましょう。
まぁ!次にこんな機会があったらどうなるか分からないんですけどね!
ふっ…次回もいつ出るかわからない…
許せ、サ○ケ…
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番外編
番外編 親馬鹿AGEの新年
もしかしたら本編と矛盾してるところがあるかもだけど気にしないでね!
「みなさん!あけましておめでとうございま〜す!」
「「「おめでとうございま〜す!!」」」
クリサンセマムの一室、女乗組員室ではみんながそろって新年を祝っていました。流石新年パワーです。深夜にも関わらずテンションがとても高くなってしまいます。このまま上がりすぎてスーパーハイテンションになりそうです。
「それにしてもまさかこのメンバーで新年を祝えることが出来るとはな」
「ほんとに。いつ死んでもおかしくない場所にいるからなおさらですよ」
「私なんて今日の筋トレで死ぬかと思ったよ〜…」
「あれはアルカが悪いです」
「うっ…クレアが毒舌だ…」
こんなときはフィムに癒されにいくのが得策です。フィムがいればこの程度の損傷わたしにはかすり傷に均しい…!そう思いフィムの胸にダイブッ!します。…やわらかぁい…
「よしよし、おかさんだいじょうぶ?」
「フィムの太ももに…やわらかぁい…」
「また、フィムに甘えて…ほどほどにしなさいって言ったのに…」
ふっ嫉妬か?そんな戯言私の脳内には残っておらぬ!
「相変わらずの親馬鹿ですね」
え?エイミーさん、どストレートに私の心を抉るのやめてくれませんか?泣きますよ?
「ほんとに親馬鹿だな」
ちょっと!?ルルまで言うのやめない!?ほんとに泣くよ?いいの?私泣いたら三日三晩泣き続けるよ?いいんだな、よし泣いてやろう!
「でもそれが見てて微笑ましいからいいじゃない」
イ、イルダさん…!やはり貴方は私の味方だった…!おっぱいが大きくても優しい人だったか…!違う意味で涙が出そうになりました…
フィムの太ももに顔を埋めつつ1人味方が増えたことに喜んでいたのですが何か空気が冷たくなってきて、視線が刺さるようになってきたので少し離れ難い欲求がありますが太ももから離れることにしました……
仕方がありません。お酒でも飲むことにしましょう…
「アルカさんもお酒を飲むのですか?でしたらこのスピリタスというお酒がおすすめですよ」
ほほう、エイミーさんがおすすめするのであれば間違えはないでしょう。さぞかし美味しい酒なんでしょうね〜……
「んっ!?痛い!?なにこれ舌と喉がむっちゃ痛い!?」
「ふふっご満足いただけたようですね」
「何処が満足したように見えるんですか!?」
うぅ…騙された…一瞬でもエイミーさんを信じた私が馬鹿でした…よくスピリタスのアルコール度数を見てみると96度とかいうおかしい数値をしているじゃないですか…なんですかこれ?ほぼ消毒液みたいなものですよ…こんなものが世に出ているとは…恐るべし…
「あっ!?ほんとだ、これ舌に乗ったらすぐ溶ける!」
「でも…あまり美味しくはないわね…」
「ではみなさん!いまからゲームをしてもらいますね!」
「「「ゲーム?」」」
「はいそうです!負けた方にはスピリタスを一気飲みしてもらいますね!」
は???この人はいったい何を言ってるのでしょうか?普通に考えてそんなことすれば死にます。やはりエイミーさんは鬼、いや鬼神ですね。本当の『クリサンセマムの鬼神』はエイミーさんだったのか…
それはそうとして別にゲームをするのはいいでしょう。いえ、駄目ですがどうせやらないと他の方法で殺されるかもしれません。なのでまだ生存できる可能性があるゲームをした方がいいでしょう…
「で?ゲームって何するの?」
「はい!みなさんには野球挙をしてもらいます!」
「「「はぁ!?」」」
や、野球挙ってあの負けたら服を脱ぐ!?(誤認)このゲームただならぬやばさを感じますね…負けたら全裸でスピリタス一気飲み…考えることがえげつない。
これはほんとにやるしかないようですね…!やるからには誰かを素っ裸にしてやりましょう…!
さぁ!全員かかって来やがれ!
※※※
「では結果はアルカさんの負け、ということで!」
うぅ…負けた…ま、まさか私が全敗してしまうとは……みんなの目の前で全裸になるとは…普通に恥ずかしいです…//
「…意外とアルカってスタイルいいのね…」
クレアさん、それ嫌味?私の胸見てほんとにそう思ってる?このまな板を見て?ならばその脂肪の固まり要らないとみた…!
「あ、アルカさん。ちゃんと隠してくださいね?あと少しで見えそうになってますよ?」
「じゃあちょっと布を…」
「ではアルカさんが裸になったところでスピリタス一気飲みもしてもらいましょう!」
あ………忘れてました。ついでに何か私の意見スルーされたのでくれないんですねわかりました……でも、もしかしたらスピリタス一気飲みなんて本当は大丈夫なのでは?…ですが飲もうとすれば必ずどちらかが見えてしまいます…ま、まぁいいでしょう!どうせ女性しかいませんし!そうと決まれば即実行です!
「いいですよ!飲んでやりますよ!スピリタス!」
ゴクゴクゴク…パタッ
後日、目が覚めたら裸の状態でみんなに抱きつかれていました。…一体何があったのでしょう……頭痛い…
リアルの方でも頭痛い…
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過去編
1話 少年との出会い
やっぱりこっち書く方が安定するな〜…
━━━━いつまで私は殺せばいいのだろう…
『人』を殺しに殺していたらいつかそんな考えに至りました。いつもなら簡単首を切り裂いて殺せるはずの『人間』が、今日は何故か少し躊躇ってしまったのです。
命乞いをされたからでしょうか?…いやそれならいつもされています。
では、相手が強かったから?…それも違います。逆にあまりにも弱すぎたほどです。
ならどうして……?
※※※
感情を持たないAGEの少女はただひたすらに殺戮を繰り返していた。それは世界の悪、アラガミを殺すのではなく『人間』をだ。
彼女の名前は『アルカ・ペニーウォート』。ミナト『ペニーウォート』の中で最高傑作ともまで言われた少女。ただ言われたことだけを実行する機械。それが彼女。
今日も看守から呼び出しが出ており、牢獄から出ていつもの場所に向かう。
そこは看守の部屋のようで、牢獄よりも遥かにいい場所である。そしてその隣にはミナトの出口がある。
行く時にはいつも目隠しをされておりどこに向かっているかは正確には分からないが曖昧ながらもアルカには牢屋からのルートは記憶できていた。
だがアルカは脱出しようとしなかった。いや、出来なかったのだ。
何故なら彼女は機械だ。ただ言われたことを実行し、そして次の命令を待つ。それしか出来ないのだから。
「アルカ、よく今回も目障りな人間を殺してくれた。だが何故あそこで躊躇った?いつも早く殺せと言ってるだろう?」
「それは……私にもわかりません」
「ふん、まあいい。次からもしまた躊躇ったら罰を与える。わかったな?」
「……はい」
そしてアルカは二人の監視員に連れられていつもの牢獄へと戻って行った。
※※※
何でだろう━━━━牢獄の中、今日のことを思い出し改めて考え出します。普通は殺すのを躊躇っただけのことをここまで考えることはありません。
ですが何かが引っ掛かるのです……あの時のことを考える度に心の奥の方が痛んで痛んで苦しくなるのです…
ですがそんなものに捕えられてはいけません。もしまた躊躇ったら罰を与えられてしまいます…
それだけは絶対に嫌です…!もうあんな辛い気持ちはしたくありません…!
罰のことを思い出し、吐き気がしてきました。呼吸も荒くなってきて心臓も鼓動を早く打ち始めました。
そんなときです
「おい、大丈夫か?」
隣から少年が声をかけてきました。心配そうにこちらを覗いてる少年の手には二つの腕輪がついていて、身体中傷だらけになっていました。
「俺の名前は『ユウゴ・ペニーウォート』だ。あんたは?」
「……『アルカ・ペニーウォート』」
「アルカかよろしくな!」
ユウゴと名乗る少年は突然手を差し出してきました。私には一体何がしたいのかわからず、ユウゴを見つめていたら
「なんだ?握手だよ握手。といっても手が繋がってるから代わりにこの腕輪を打ち付け合うんだがな」
そう言われたので私は手を差し出し、腕輪をユウゴの方に向けました。そしてユウゴと私の腕輪がぶつかって…
カチンッ
と、とても心地よい音が牢獄に響き渡りました。
でもやっぱり書くのには疲れたんたん…
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2話 機転
……多分もうちょっと遅れるけど許してヒヤシンス
━━━━とあるミナトの通路。そこで二人の男が会話をしていた。会話と言っても楽しそうな雰囲気ではなく、とても緊迫した空気だった。
「おい、あのユウゴとかいうガキ。何故アルカと一緒の牢獄にぶち込んだ?そのせいでアルカに感情が出てきてるぞ」
「上の決定です。それに仮に彼女に感情が生まれたとしても何か損害が出るわけでもないでしょう?」
「それがあるから言ってるんだよ!」
片方の男が怒鳴り、壁を叩きつける。
しかし周りから軽蔑するような視線が向けられてきたので、少し落ち着いてから話を続ける。
「……感情ができたら、今までアルカがしてきた人殺しに支障が出るかもしれん。少し前にもあいつはひとを殺すのを躊躇った……このままでいつか俺たちをあいつは裏切るかもしれん」
「手錠があるのに…ですか?」
「…あぁ。アルカは一度あの手錠のロックを自力で解除したことがあるんだ」
「………」
「わかったか?これがどれほど危険なことか。だから絶対にあいつに感情を持たせるな、そのためなら何をしても構わん…仮に殺してでもな」
「……わかりました。それでは失礼します」
※※※
私はユウゴと一緒に過ごしていて、いろいろなことを知ることができました。
それはもう数えきれないほどのことを教えてもらい感謝しても仕切れません。ですが聞いてワクワクするような事があれば聞いて心が痛くなるよう事もあり、複雑な気持ちになることがありました。
例えば━━━━人を殺してはいけないこと、など。
聞いた時はとてもショックでした。嘘を言ってるのではないかとユウゴを疑ったぐらいです。
でもその時のユウゴの顔はとても真剣でした。
その日からです。私は人を殺すことが出来なくなりました。
任務でも看守の人が無線から席を外している間に逃がしたりして、アラガミに食べさせたなどと嘘をついてやり過ごしていました。
ですがそんなことは長くは続きませんでした。バレたのです。
私が殺したことになってるはずの人が帰ってきていると、看守の人が牢獄に怒鳴り込んできました。
「くそっ!やっぱりてめぇかユウゴ!お前が何か吹き込んだんだな!」
「へっ、なんの事かな看守さん。俺は何もしてないぜ?」
看守の人は限界だったのかユウゴの胸ぐらを掴み思いっきり顔を殴り始めました。
「てめぇのせいでこいつに感情が出来てるじゃねぇか!どうしてくれんだ?あぁ!?」
それは何度も何度も、ユウゴの体が痣だらけになっても殴り続けていました。すると突然看守の人は何か思い出したかのように手を止めました。
「…そうだ、お前に罰を与える。これでお前も俺に舐めた口を開くこともなくなるだろ」
━━━━え?罰を…与える…
やだ……このままじゃ、ユウゴが連れていかれる…止めなくちゃ…!
「やめて!ユウゴを連れていかないで!」
「おい、このガキを止めてろ」
看守の人が命令すると、脇のほうにいた男の人が出てきて私を押さえつけてきました。
「や…だ…離して……ユウゴを…返して…」
例えAGEだとしても子供である私が大人の力に勝てるわけもなく、出ようともがいても動くことが出来ませんでした。
そんなことをしている間にユウゴの姿が見えなくなってしまい。私を押さえつけている人も止める必要がないと思ったのか力を緩めて解放してきました。
ですが私はもう動く気力がありませんでした。
私の世界にとっての光をこの者達に奪われたのです。そう実感すると心の奥の方が痛くなってきました。
「ふん、残念だったな。今頃あの野郎は看守に連れられて車で懲罰房に向かってる頃だろうよ。たぶん死ぬぜ?」
男は高らかに笑い牢獄を出ようとしたところ…
何か私の中のものが切れたような音がしました。
そして気づいたら隣に落ちていた鉄パイプを拾い上げていました。とても自然な形で体が動きます。
まるで私を繋いでるものが無くなったような感じです。
そのまま男の方に近づいていき…
「……殺す」
思いっきり後ろから喉の方に鉄パイプを突き刺しました。躊躇なんてありませんでした。ただ私にとってはゴミを潰すのと同じようなことなのですから。
それから私は牢獄から出て颯爽とこのミナトを駆け抜けていました。ここから出るルートは覚えていたため迷いなく進んでいきます。
しばらく進んでたら看守の部屋に着いたので隣の扉を開いて車があるか確認しますがその姿はありませんでした。
あるのは広大な荒野と、地面から生えるように突き出ている崩壊した建物が何棟か見えるだけです。
……もしかして…間に合わなかった?……
そう思ったところ、よく荒野の地平線近くを見てみると車が走っている姿を捉えることができました。
この事実に少し嬉しくなり、体に力が湧いてきました。
「早く…ユウゴを助けないと…」
私はこの荒野を駆け抜けだしました。
※※※
「…オーナー!周辺に何か反応があります!これは……人間です!」
「なんですって!このまま救出に行くことはできるの?」
「はい。反応自体は近くなので出来るかと…」
「わかったわ、じゃあこのままその反応に向かって」
「はい!」
※※※
どれほど歩いたことでしょう。
車の影を追い、ずっと移動していましたがその影は今では見えなくなりどこに向かってるのか分からなくなっていました。
歩いてきた環境も劣悪だったため、体力を一瞬で奪われてきてそろそろ動けなくなりそうです。
……このまま私…死ぬのかな?…
どれだけ歩いても歩いても建物や車が見えてくるわけでもなく視界に映るのは変わらない荒野の景色だけです。
心身完全に弱りきってしまいついには……
ドサッ
倒れてしまいました。
どうにか立とうとしますが体が言うことを聞かず動いてくれません。つまりはもう終わってしまったのです。
そうなってくると私の結末はもう決まったようなものです。
そのら辺のアラガミの餌となるか、自然と死んでいくか、このふたつです。
…ごめんね……助けられなくて……
私が絶望の縁にたち、希望を捨てていたところ突然何かが近づいてくる音がしてきました。
最初は車かと思いましたがそんなものの音ではありませんでした。もっと大きな何かが近づいて来る音です。
その音はある所までくると止まりました。
そして少し経つと…
「そこの君?大丈夫?」
となりに金髪のメガネをかけた人が私の顔を覗き込んで来ました。
私のことを助けに来たのでしょうか…?
でも…もうダメです…
意識が……遠のいて……
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