ミアハ・ファミリアの稼ぎ頭 (125階層)
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一話 ダンジョンは危険がいっぱい

迷宮都市オラリオ。そこはダンジョンと呼ばれる地下迷宮が存在する。そんな街には様々な人々が住んでいる。

 

しかしそんな中で俺の大切な友人ベル・クラネルほど変わった人物は中々いないと思う。

 

偶然ダンジョンで出会い意気投合し友人となったベルは俺に何故ダンジョンに潜るのかと聞いた。俺は「ファミリアの生活費の為」と答えた。普通ならば俺と同様に「自分の生活費のため」や「刺激を求めるため」など様々な答えが考えられるがベルの答えは違ったベルの答えは「ダンジョンに出会いを求めている」というものだった。

 

この答えを聞いた時俺は唖然とした。何故なら命を懸けて潜っているダンジョンでベルは女性との出会いを求めているからだ。何故ベルは出会いを求めてダンジョンに潜るのかそれにはベルの祖父に原因がある。ベルは幼少期の頃から祖父からハーレムやロマンなどの話を聞かされていたのだ。その為ベルはダンジョンに出会いを求めるようになってしまったのだ。

 

そんな出会いを求めてダンジョンに一緒に潜っているベルと俺は現在

 

『ヴォォォォォォォォ!!』

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ミノタウロスと出会っていた。

 

何故俺達はミノタウロスに追いかけられているのかそれにはこんな理由がある。

 

冒険者となって半月が経ち俺とベルは調子に乗り5階層まで潜ったのだすると突如ミノタウロスが現れ俺達に襲いかかり現在に至るのだ。

 

「ん?でも何でミノタウロスがこんな上層に出るんだ?普通は中層に出るモンスターだろ?」

「そんな事はいいから、まず逃げる事に集中しようよ!!」

 

そうミノタウロスは普通なら中層の15階層辺りに出現するはずのモンスターなのだが何故かこの日だけは上層の5階層に出現したのだ。俺はこんな疑問を口にしているとベルが少しキレ気味に逃げる事に集中しようと言ってきた為俺は考えるのをやめ必死に走る事にした。

 

「あっ、ベル今俺大事な事に気が付いたわ」

「何?」

「この先行き止まりだわ」

「えぇぇぇ!!」

 

俺はベルに言われた通り逃げる事に集中しているとあることに気付いた。それはこの先は行き止まりだという事だ。つまりこのまま走っても壁にぶつかりミノタウロスに殺されるという事だ。

 

「ど・・・どうすんの、レオン!!」

「仕方ない、ベル下がってろ!!」

 

ベルは目の前が行き止まりだと知ると俺にこれからどうするかと聞いてきた。俺は走るのを辞め少し距離が離れているミノタウロスの方向を向きベルに下がってるように指示を出した。

 

そう俺がこれからやろうとすることはミノタウロスと戦う事だ。ミノタウロスのステータスはレベル2そして俺のステータスはレベル1こう見れば確実に俺はミノタウロスに殺されるが俺の武器闇刀の始解を解放すればミノタウロスに勝てるのだ。

 

「はぁ〜、なるべく始解は解放したくなかったんだけどなぁ〜」

『闇にお──』

 

俺はため息をつきながら闇刀を抜き始解を解放する言葉を呟こうとした時目の前に迫ってきたミノタウロスの体に一線が入った。

 

「え?」

「はぁ?」

『グモォ?』

 

俺とベルとミノタウロスの間抜けな声のあとミノタウロスの体から突如血が吹き出しミノタウロスはバラバラになってしまった。

 

「おっと」

 

俺は吹き出しミノタウロスの血を間一髪でしゃがんで避けた。因みに俺の後ろにいたベルには全ての血がかかってしまっていた。

 

「・・・・・・あの、大丈夫ですか?」

 

俺がミノタウロスの血を交わしたあと目の前にミノタウロスを倒した人物であろう冒険者が立っていた。この冒険者を見て俺は驚いた何故なら俺らを助けてくれた冒険者はオラリオ屈指の探索ファミリア到達階層は50階層以上の【ロキ・ファミリア】所属神から与えられた二つ名は【剣姫】そしてレベルは俺達より上の【レベル5】そしてその冒険者の名前はアイズ・ヴァレンシュタイン。

 

「・・・・・・えーと、大丈夫ですか?」

「えっ、あぁ、はい、お陰様で俺達はぶ・・・・・・」

「ほおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

再びアイズさんに声をかけられた俺は正気に戻り大丈夫だと答えようとした時俺の横を全身赤いちに染めた何かが通ったのだ。その何かとは俺の友人ベルだった。

 

「今のは何?」

「えーと、友人のベル・クラネルです、ではアイズさん助けてくれてありがとうございました」

 

アイズさんは俺の横を通り過ぎたベルを見て興味を示したのかベルの事を聞いてきた。俺はアイズさんに友人のベル・クラネルですと言ったあと一言お礼を言い何処かに行ってしまったベルを追いかけて行った。

 



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二話 ギルドに行きましょ

「ハァハァ、アイツ無駄に速すぎだろ・・・・・・」

 

俺は血塗れになった状態で走り去った友人ベルを追いかけていた。【ステイタス】は俺の方が上なのだがベルには何故か追いつけなかった。

 

「あっ、レオンどうしたの?」

「ミィシャさん、ベルここに来ませんでしたか?」

 

俺は息が切れた状態でギルドに入ると俺の担当アドバイザーミィシャ・フロットさんが話しかけてきた。俺は息を整えた後ミィシャさんにベルの事を聞いた。

 

「ベル?」

「え~と、白髪で赤目でウサギ見たいな奴で多分全身血まみれの状態でギルドに飛び込んできたと思います」

「あ~あ、あの子ベルって言うんだ!」

「知ってるんですか⁉」

 

ミィシャさんはベルの事を知らなかったため首を傾げた。俺は慌ててベルの特徴をミィシャさんに話した。そして全身血まみれの状態でここに入ってきたかもしれないと付け足した。ミィシャさんは「全身血まみれの状態」という言葉を聞き思い出したように言った。

 

「うん、そのベルって子あそこにいる子だよね?」

「あ・・はい、そうです」

 

ミィシャさんはギルドの奥にある向かい合っているソファーを指差した。俺はソファーに視線を移すとそこではギルド内にあるシャワーを借りたのか全身さっぱりとしているベルとベルの担当アドバイザーエイナ・チュールさんと話していた。話の内容は恐らく俺達をミノタウロスから助けてくれたアイズさんの事だろう。

 

「何か、長くなりそうだし、先に魔石の換金してくれば」

「はい、そうします」

 

ミィシャさんはベルとエイナさんの話が長くなりそうだと感じたのか俺に今日稼いだ魔石の換金をすることを進めてきた。俺はミィシャさんの言葉に同意した後魔石の換金所に向かった。

 

「お願いします」

「はいよ、2400ヴァリス」

 

俺は換金所に移動した後ポーチから自分の魔石とベルの魔石をそれぞれ取り出した。そして換金所の人から1300ヴァリスを受け取りベルが来るのを邪魔にならない場所で待った。何故俺がベルを待たないといけないのかそれはベルに今日の分け前を渡すためだ。俺とベルは別々の【ファミリア】に所属しているため換金したお金を分けないといけないんだ。

 

「・・・レオンお待たせ」

「ん?何か元気ないぞどうした?」

「あぁ、ちょっとね・・・」

 

俺がベルを待ってから数十分後エイナさんと共にやってきたベルのテンションはあからさまに下がっていたのだ。俺が「どうかしたのか?」と尋ねても俺と目を合わせずに「ちょっとね・・・」と言うだけだった。

 

「取り敢えず、ほらこれが今日の分け前だ」

「うん、ありがとう」

 

俺はこれ以上ベルに声をかけても無駄と判断し取り敢えず今日の分け前を渡した。ベルはのろのろと暗いテンションのままお金を俺から受け取った。

 

「1200ヴァリスか・・・」

「今日は少ししかダンジョンに潜ってなかったしな因みに俺の今日の稼ぎはお前と同じ1200ヴァリスだ」

 

ベルは自分の手のひらにあるお金を見てため息をついた。今日はダンジョンでミノタウロスに追いかけられていたため魔石をほとんどゲットできなかったのだ。

 

「そんじゃ、今日はこれで解散するか」

「じゃ、明日も同じ時間に集合で大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ」

 

「ベル君?」

「はい、何ですか?」

 

ベルにお金を渡し今日はこれで解散し一緒にギルドから出ようとした時見送りに来たエイナさんがベルを引き留めた。因みに俺のアドバイザーミィシャさんは他の冒険者達と雑談していた……何であの人は仕事もせずに冒険者と話してるんだ?俺はミィシャさんに心中でツッコミを入れた後こっそりと聞き耳を立てた。

 

「あのね、女性はやっぱり強くって頼りがいのある男の人に魅力を感じるから」

 

へぇ~、女性って強くって頼りがいのある人が好みなんだ。俺はそんな事を思っているとエイナさんの話は進んでいた。

 

「めげずに頑張っていれば、ヴァレンシュタイン氏も強くなったベル君になら振り向いてくれるかもよ」

「はい、ありがとうございますエイナさん‼大好き‼」

「えうっ‼」

 

エイナさんはベルに強くなったらアイズさんもベルに振り向くかもしれないと言った。すると、ベルの表情は明るくなりエイナさんにお礼を言った後後ろ振り向きながら「大好き」と叫んだ。すると、エイナさんの顔をみるみると真っ赤になっていた。

 

「あれ、エイナさん実はベル見たいな奴がタイプ?」

「そ・・・そんなわけないでしょうが!! というか君ももう帰りなさい‼」

 

俺はベルの言葉に顔を真っ赤にしているエイナさんにからかい半分で「ベル見たいな奴がタイプ?」と聞いてみるとエイナさんは更に顔を真っ赤にして否定した後俺を追い出すかのようにギルドから俺をギルドの外に出した。



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三話 ステイタス

古びた木材で作られている二階建ての館。それが俺が所属しているファミリア【ミアハ・ファミリア】のホームだ。

 

外見は誰もが見てもぼろい建物という評価がつくが、実は中の造りはしっかりしていて以外に住み心地が良いのだ。因みに【ミアハ・ファミリア】のホームの1階は回復アイテムのポーションなどを売っている店になっていて2階が住まいになっている。

 

「あ、レオン今日は早かったのね」

「ただいま、ナァーザさん」

 

俺は入口から入ると受け付けでポーション作りをしている犬人族の女性に声をかけられた。女性の名前はナァーザ・エリスイスさん元Lv2の

中級冒険者だ。だがある事件を境にナァーザさんは冒険者を辞め【ミアハ・ファミリア】の薬剤師となったのだ。

 

「そう言えば、ミアハ様は?」

「2階の手前の部屋にいるわ」

「ありがとうございます」

 

俺はナァーザさんに俺を言い早速2階の階段を上がり手前の部屋に入って行った。

目的地の部屋の前に着くと俺は1度扉をノックした。

 

「ミアハ様、レオンです」

「ん?レオンか入っていいぞ」

 

俺は木製の扉を開け中に入るすると【ミアハ・ファミリア】の主神ミアハ様がそこに居た。ミアハ様は自分の机の上で新しいポーション作りをしていた。

 

「今日はいつもより早く帰ってきたんだね、何かあったのかい?」

「実は5階層でミノタウロスに追いかけ回されていました」

 

その瞬間ミアハ様はポーション作りをしていた手を止めて俺に向き直った。

 

「ミノタウロスって、あのミノタウロスかい?」

「えぇ、ダンジョンの中層に出るモンスターミノタウロスです」

 

俺はこれから言われる言葉を予想しながら今日自分が体験したことを的確に話した。

 

「それは、災難だったな、次から気をつけるだぞ」

「はい、これから気をつけます」

 

ミアハ様は優しい口調でこれから気をつけるようにと俺に言った。

 

「それで、今日は帰りが早かったのか。それじゃ早めに今日のステイタスでも更新するか」

「はい、お願いします、今日は結構走り回されたんで敏捷は上がってると思いますよ」

 

俺は上を脱ぎ上半身裸になり部屋のベットに寝そべった。ミアハ様は机の引き出しから針を取り出し自らの指を刺した。そしてその指で俺の背中を滑られ刻印を施していく。

 

オラリオの冒険者は少なくともどこかの【ファミリア】に所属しそこの主神に【ステイタス】別名「神の恩恵」を授かる。これがこの地上に降りてきた神々が唯一使える「神の力」だ。その能力は授けた者の能力を引き出す奇跡の力だ。

 

俺は【ステイタス】を更新しながら今日5階層であったことを全て詳しくミアハ様に話して言った。ミアハ様は俺を拾ってくれた恩人のため心配をかけたくないからだ。

 

「よし、終わったぞ、やっぱり追いかけ回された分敏捷の上がり方が凄いな」

 

俺はミアハ様の言葉を聞きながらベットから起き上がり床に落としておいた上着を着てからミアハ様が用意した【ステイタス】が映されている用紙を受け取り用紙の文字を読み始めた。

 

因みに俺の【ステイタス】はこれだ

 

 

ローズ・レオン

Lv 1

力:H110→H130 耐久:H150→H190 器用:H180→G210 敏捷:H170→195 魔力:H102→H142

«魔法»

【死神の鎌】

・力,耐久,魔力の能力を一時アップさせる。

・詠唱式【闇に落ちた死神よ 我が手に生命を刈る 鎌を作りたまえ】

【死神の波動】

・相手の力,耐久,敏捷,魔力を大幅に下げることが出来る。

・詠唱式【闇に落ちた死神よ 我が敵となる者を 能力を下げたまえ】

《スキル》

【死神の命】

・自分がピンチなった時ステイタスの成長が早くなる。

【生命の鎌】

・モンスターを武器闇刀で斬る事によってステイタスの成長が早くなる。

 

まあこれが順当な【ステイタス】だ。それよりスキルのお陰で器用がGにとどいたぜ。

 

ミアハ様はにこにこしながら俺を褒めてきた。その理由は.........

 

スキルにある。俺のスキルの欄は2個埋まっており。どっちもある条件を満たすとステイタスの成長が早くなるのだ。

 

【死神の命】は自分がモンスターに追われ命の危機に迫っていると次第にステイタスの成長が早くなるのだ。だが【死神の命】というスキルは命の危険性もあるため要注意だ。【生命の鎌】は俺が腰にさしている刀闇刀でモンスターを斬る事にステイタスの成長が早くなるのだ。この【生命の鎌】は【死神の命】よりステイタスを上げやすいのだ。

 

「では、そろそろ失礼します」

「そういえば、レオン」

「はい、何ですか?」

 

扉に手をかけたところでミアハ様に声をかけられた。

 

「君といつも一緒にダンジョンに潜っている子の名前はなんて名前だったかな?」

「【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルですけど」

「おぉ~、ヘスティアのファミリアの子か‼」

 

ミアハ様は俺と一緒にダンジョンを潜っているベルの事を聞いてきた。俺はベルのフルネームと所属しているファミリアの名前を話した。するとミアハ様はベルの主神ヘスティア様の名前を出した。

 

「知ってるんですかヘスティア様を?」

「あぁ、アイツとは下界に来てもよく飲みに行く仲だからな」

「へぇ~、そうなんですか」

 

俺はヘスティア様を知っているのかとミアハ様に聞いてみるとミアハ様は飲み友だと答えた。・・・・・・ってかたまぁーに飲みに行くミアハ様の友達ってヘスティア様だったのか

 

「あと、そろそろ、夕飯の時間だと下にいるナァーザに伝えといてれ」

「はい、分かりました」

 

俺は再び扉に手をかけた所でミアハ様からそろそろ夕飯の時間だからと1階で店番しているナァーザに声をかけておいてくれと頼まれた。

 

因みに夕飯の際ミアハ様が俺が5階層まで潜りミノタウロスに追いかけ回されていた事をナァーザさんに話してしまった為俺はナァーザさんにこっぴどく怒られ夕飯を無しにされしまった。




ミアハ様は原作ではベルを知っていましたがこの作品では今ベルをしったばかりです。

ミアハ様の口調がうまくつかめませんでした。


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