一年戦争だけで終わらなかったんだけど… (suzumi)
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一年戦争編 1話

おっすおらジェイク・ハートランド!

 

訳あって連邦軍の特殊部隊の隊長になっちゃった!

 

いきなりなんだって?俺自身もよく分からないよ。

 

ただなんとなく覚えていることは前世はブラックに勤めてしまってエナドリ漬けで働いていたらいつのまにか死んじまってた事と前世はガンダムオタクいわゆるガノタだった事だ。

 

その中でも矛盾が山ほど出て来るとはいえオリジナルのゲームシリーズ。

特にPS2のガンダム戦記が1番好きだった。

 

ノエルたん可愛いよとか妄言をのたまったりしたものだが働き始めると共に徐々に時間と気力が削られていったからやっていなかった。

 

それは正直思う事がないでも無いけどちっちゃくなってた時点で諦めはついたんだが、気づいた。

 

宇宙世紀0068に小学生になっていた。

 

なるほど…ここはガンダムの世界線か…。

 

なんて冷静に焦っていたんだがよく考えたらあれだ。

 

開幕人生ハードモードが確定するアーマードコアや同じ宇宙世紀でもロクな目に合わないのが確定するVガンダムあたりじゃなくて良かった…。

 

なんて絶対に言えないよ!?少なくとも今後70年くらいは戦争戦争アーンド戦争の世界史もびっくりな密度で戦争が起こるからね!

 

まぁそれは一旦置いておいてそれでも大丈夫だとタカを括っていたのだ。

 

ジェイク・ハートランドなる人物は一年戦争にはもちろんその後の歴史にも出てこないからもうこの後はアナハイムの偉い人の靴の裏を舐めて全力で媚びへつらいながら生きていくしかねえなと覚悟を決めて戦争に全力で関わらないと覚悟を決めていたのだが、その考えが甘かった。

 

そう、よく考えるべきだった。

 

ハートランド少将なる人が親父だった事。

 

転生特典かどうかは知らないがこの体は性能が半端じゃなく一度見聞きした事なら大体出来るくらいの廃スペックだった事。

 

そして声帯が死んでいるのかと錯覚するくらいに喋れない事、硬い口調ならすんなり喋れるのだがふざけた事は本当に何も言えない。

転生した時のバグじゃなかろうか。

 

まぁ顔も良いし適当に営業マンでもすっかなー。頑張ればいけるでしょなんて雑に考えていたのがいけなかったのだろう。

 

親父の手引きで士官学校に入学させられてしまった。

 

仕方ないやん、本当にあ、洗濯物干しといたよーというノリで願書出しといたよーと言われたのである。

 

ここで落ちておけば良かったのだがこの頃には家族に情が湧いていて親父にも恥をかかせたくなかったからつい勉強してしまった。

 

その結果合格。

 

そして周囲の期待がプレッシャーになり1位をキープする事を強制され最終的に0078年に士官学校を首席で卒業。

 

79年に戦争が起きるあたりは記憶の通りだった。

 

その後ジャブローに呼び寄せられて急に新型兵器のテストをしてもらいたいとかでプロトタイプガンダムに乗せられたあたりでようやく気づいた。

 

俺隊長やん。喋られへん隊長やん。

 

なんでや工藤!なんで無口な廃スペック隊長になってしまったんや!

 

<坊やだからさ…

 

誰だ今の。

 

というわけで3ヶ月ほど基礎動作を入力してはテスト、入力してはテストのトライアンドエラーに付き合わされた。

 

0079の6月頃だったな…という事は基本OSとかにも関わりそうだな…。

なんかすごい事をしてる気がする…。

 

それで終わったと思っていたら急にレビル将軍から辞令が下った。

 

 

「ジェイク・ハートランド少尉を中尉に任命し新設するMS特殊部隊第3小隊の小隊長に任ずる。」

 

はい、ノエルちゃんが部下になりますよ皆さん!

 

なんて喜べたら良かったんですが流石に無理ゲーですよ。なんだ中尉って。

 

いや、ゲームでやるのはグフとか出てきてたから結構後半でMSの研究も多少進んでる頃なのに時期が変わってしまってこの設立スピードの速さですよ。

 

俺の記憶が正しければGMとガンタンクが初期機体だった筈なんだが。

 

まだ6月下旬だよ。GMどころかガンダムすらプロトタイプしか出来てねえよ。後はなんか余ったパーツで出来た陸戦型系。

 

それでこの設立スピードって連邦でMSを使う部隊で最初期も最初期になるんじゃないのこの部隊。

 

これだったら最初っからガンダムくれても良いのにプロトタイプガンダムは取り上げられて陸ジムで参戦ですよ。あーあ…。

 

なんだよ「陸戦型GMは今後の量産機の前身になるであろうMSだ。この機体でデータを取ってくれれば君の後に続く者の道標になるだろう。」ってじゃあ学習型コンピュータ載ってるガンダムの方がいいのでなくて!?

 

…そして今日が、部隊発足の日である。

 

あー、しんどいな…。

 

「今日からこの部隊のオペレーターを努めます。ノエル・アンダーソン伍長です。

隊長、これからこの部隊は戦線の要になるMSを最初期に運用した栄えある部隊の1つになります。

必ず、生きて帰ってきてくださいね。隊長クラスのパイロットなんてこの先10年は見つからないんですから。」

 

なんでこんなに好感度高いのん…?

 

「ジェイク・ハートランド中尉だ、これから君達の指揮を執る…執るのか?

それと買い被りすぎだ。

俺位のパイロットなどそう経たないうちに出て来るだろう。」

 

いっぱい出て来るよね〜アムロとかカミーユとかジュドーとかそれこそガンダムシリーズの数だけ出て来るよね〜。

 

「隊長で買い被りなら他のMS乗りなんて猿真似になっちゃいますよ…。」

 

あれ?そういえばユニコーンとかどうなるんだ?

 

年表的に考えてそんなに離れてないよな?

 

嘘だろ下手すっと連邦にいるならそれも鎮圧しなきゃいけないのかよ。

 

というか終わったらスターダスト始まってZにいっちゃうんじゃん。

 

ダメじゃん。本当にダメじゃん。

 

…どうやってエゥーゴに行こうかな…。

 

 

 

 

あの人はどうしてあんな事が言えるんだろう。

 

MSのOS製作時にテストパイロットを務めて技術チームの無茶でしかない要求を完璧に熟した人なのに。

 

普通重力下の状態でバレルロールなんて出来ないのに、隊長は平然と回避行動のパターンを入れるんだよな?と確認を取った後に実行した。

 

余りにも平然としたまま行うものだから起動試験時にパイロットにも同じような要求がされてしまってテスト機だったプロトタイプガンダムがパーツ交換の憂き目に遭ったのは手痛い損失だった。

 

そんな事を平然とOSが未完成の時にやってしまった隊長は非凡の極みだとやはり思うのです。

 

だから私はここの部隊のオペレーターに志願したのです。

 

あの人の側にいればMSの進化を間近で見れると感じたから私は今ここに居ます。

 

なんだかおかしい。これはまるで一目惚れしちゃったみたい。

 

 

 

 

私ジョン・コーウェンが初めて彼に会ったのは79年の6月中旬あたりだったか。

 

まだ准将だった私はレビル将軍にMS開発の進捗確認の同行を命ぜられた時、柄にもなく大はしゃぎをしてしまった。

 

何せハートランド少将の秘蔵っ子がテストパイロットを務めていると聞いていたからな。

 

パーシング・ハートランド少将も1年戦争を息子と共に駆け抜けた英雄であった。

 

ジェイク中尉がMSの鬼才、戦士としての到達点であるならパーシング少将は戦術の鬼才だった。

 

いかに味方の損害をなくし敵に甚大な被害を与えるかに注力し、彼の作戦に従えばヒトツメも戦車で殺せるとは前線の兵士の合言葉だった。

 

だが2人とも政治的な駆け引きは全くしなかった辺り、やはり血筋なのだろうな。そこは奥方や私がカバーせねばならなかったが…。

 

それはそれとして、OSの調整作業とはあそこまで過酷なものだったのだな。

 

仮想敵がいると仮定し最適な射撃姿勢を取れるようにパターンを数百通り入力したり、格闘をしなければならない状況下でどうすれば隙を無くしながら破壊するかなどを技術者と激論を交わしながら動きを作り上げていく中尉は、やると決めたら意地でも引かないパーシング少将の血を継いでいるのだと再確認出来た。

 

だが、やはりというべきだろうか…人間とは随分と疑心暗鬼が酷いものだな。

 

居なければ私達が生きていられるか分からなかった英雄を平然と切り捨てるような真似をするとは。

 

私の権限が及ぶ範囲でやるだけやるが…バスク・オムの追求が思ったより激しい。彼らを守り切れるのだろうか…。




1/31年齢がおかしいと再三言われたので編集しました


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2話

さて、今一度確認し直さなければいけない事がある。

 

いや、ノエルたんヒャッホーイ!なんてハシャギもしたがそうだ、「機動戦士ガンダム」という作品では存在を明確に語られた事がない「連邦の実験部隊」として語られるデルタチームの存在が今こうして出来てしまったのである。

 

いや、現状1人MS小隊だけど。というか本当に今1人だけなんだけど。V作戦開始と同時に3ヶ月間もコクピットに軟禁した後にちょっとだけ休暇取らせてじゃあ今度は実戦ね。あ、プロトタイプガンダムはサイド7に持ってくから。とか本当になんとかならんの?せめてパイロット1人下さいよ!俺以外にもOS作成の時にパイロットいたでしょ!そいつ連れてきてよ!

 

…まぁここで愚痴ったってしょうがない。幸い裏方のガンダムガールズ(3人体制)はいるのだ。ハーレムだひゃっほーい!するしかないのである。

 

…なんの話だっけ…そう、これによって本来ならアムロ・レイのサクセスストーリーである一年戦争が急に不安なモノに様変わりするのだ。

 

例えば「ギレンの野望」。

もしギレンが野望準拠のクソムーブをかまして来るならば?正直言ってどうしようもない。

MSなどと言う新機軸で操作法も戦術も未知の兵器を連邦軍が使いこなせるようなったのはアムロ・レイとガンダムがいて常に第一線で戦い続けた成果である新鮮なデータを常にフィードバックし続けたからだ。

 

いやもう本当に、OSを作らされた身からすれば手を叩いて感謝しなければいけないものである。

リミッターをかけてなおよく分からない挙動をするプロトタイプガンダムをどうにか宥めながら歩行OSや射撃プロトコルなんかを組んだのだ。あの状態のまま動かせとか普通に無理ゲーである。

 

 

正直「なんとか」歩けるし「なんとか」射撃とか格闘戦が出来るようにしたレベルなので全自動でデバックしてくれるとかありがたさの極みである。

 

話を戻せば「ギレンの野望」準拠のギレンにホワイトベースを落とされただけでも連邦は詰む。

 

そしてアムロとガンダムを潰せさえすれば実はジオン側の勝利はほとんど確約されたものなのである。

 

さて思い出して欲しい。

様々なガンダムゲーの中で果たして吐き気がするくらいにアムロが強い作品があったかと言う事を。

 

個人的に言わせていただけるのであれば「ジオニックフロント」しか私の記憶にはない。見えた瞬間に自機が消し飛ぶとは…。と1人で戦慄してガクブルしたものだった。

 

だがなんやかんやでPS2産のゲームでアムロを撤退させる事は実は結構簡単に出来たりするのだ。

ヒットアンドアウェイさえ徹底すれば基本勝てるのである。

 

それでも1発ビームライフルが当たればアウトの残機ゼロシューティングにこそ変わっているが少なくとも地上にいる間は本格的にニュータイプに目覚めたりはしていなかったはずだ。つまりはやばいと言うことだ。

 

そして改めて気づいてしまう。あれ?

これサイドストーリー関連全部あるのか…?と言う事に。

 

いや流石に無いだろうと思う。そうすればジオニックフロントから闇夜のフェンリル隊(最終部隊規模MS27機+a、オデッサとジャブローに参戦して人員に損耗なし)、ブラウアー隊(MS黎明期から参戦し続けて当然の様にオデッサとジャブローに参戦、人員の損害なし)、マルコシアス隊あたりが平然と参戦してくる事になる。徒党組まれたら大変な事になるぞ。

 

というか下手をするとミッシングリンク辺りも出てくるのでは無いだろうか。クロエちゃんは可愛いが凄腕系幼女とかはにゃーん様で十分が過ぎるぞ。

 

どうすっかなぁ…出来るのであれば助けてあげたいんだがやっぱりヴィンセント君と幸せに暮らしていただくようにそこはかとなくペイルライダーだけボコっとくかなぁ…。

 

あ、ダメじゃん。ペイルライダー残してたら最終的にクィン・マンサとかになっちゃうじゃん。ヴィンセント君には悪いがクロエちゃんはこっちで保護しよう。

部隊も死なないし最終的に赤いクィン・マンサに乗ってた子とくっつくでしょ。(適当)

 

「隊長。そろそろ作戦領域に到着します。

…ですが本当によろしいのです?初の実戦がミデア輸送機からのフリーフォールで。

言っちゃなんですがブースターをふかすタイミングをしくじれば脚部は確実にオシャカになりますよ?

ここは敵戦力圏内ですから回収も絶望的です。本当に良いんですか?」

 

さぁ現実逃避もここまでにしよう。

 

現在私ジェイク・ハートランド中尉は陸戦型ジムに乗って陸ジムをミデアに運送されるという多段階式輸送で空の旅を敢行中でございます。

 

外の景色こそ見えませんが現在は旧ウクライナ上空いわゆるオデッサ上空を飛んでいます。

 

いやー直属の上司にこんなこと言うのもアレなんですけどコーウェン准将ひょっとして僕の事大嫌いだったりします?

 

なんで非公式とはいえ初のモビルスーツ戦がミデアからのフリーフォール何でしょうね。(困惑)

 

待ってくれよミデアパイロット、ここまで来ていう事じゃないとは思うんだけど改めて言わせてくれよ最初にガッツリ言ってたじゃん無理ゲーだって!ならやめとこうよ、本当にさぁ!!

というかお前ラリーじゃねえか!!無事を祈りますみてえにカッコつけやがって!

クッソイメージ崩れようが知った事か!全力で泣き言言って急速反転して帰還しよう!それが一番良い!そうと決まれば動きやがれ表情筋と声帯ィィィ…!クソが!ピクリともしねえ!

 

「隊長、ポイントまで後10秒です。どうかご武運を。」

 

待ってくれってマジでラリー!お願いプリーズ!

 

「ジェイク・ハートランド、陸戦型GM出るぞ。」

 

畜生が…!澄ました声しか出ねえ!内心ガクブルなのにおくびどころか兆候が一切出ねえぞクソが!

 

…やるしか…ないのか…!(二重人格者風決意の固め方)

 

 

 

昔話をして欲しいだって?如何してだよカミーユ。

 

…隊長の事を聞きたくなった?

…ふーむ、ならひとつ取って置きのやつがあるぞ。

 

多分俺、ラリー・ラドリーはあの日を一生忘れないだろう。

 

記録に残らない裏の歴史、公式のMS同士の戦闘は9/18に起こった。当時まだ民間人だったアムロ・レイ少尉がザクを二機撃破した遭遇戦が全ての始まりだったとなっている。

 

現に教科書にも英雄の初陣なんて欄で仰々しく書かれている。そうだったよな?

 

だけど俺と当時のデルタ部隊の面子しか知らない真実がある。

 

俺はあの時ミデアのパイロットをしていた。これでも元ドライバーだったんでな、腕利きを1人出してくれって隊に要請が来て俺が大型輸送機を飛ばす羽目になったのさ。

 

隊長はあの日、0079年の7月12日。

 

初陣にも関わらずミデアを使用したMSによる低高度侵入後の奇襲の有用性を1人で証明し、哨戒にあたっていたザク2機、敵砲撃陣地を撃破。

 

それを淡々と報告する隊長ったら。澄ました声で、

 

「ヒトツメを2機落とした。近くに砲撃拠点が確認できる。潰して来よう。」

 

ってもう本当缶ジュース買って来るみたいな感じで追加にスコア上げるもんだからさ。ノエルちゃんも焦って焦って。

 

その後帰還しようとした隊長がガウ級攻撃空母を発見し敵のザクが使用していたバズーカ砲を使用しガウ級を沈めたんだ。

 

本当に冷静に「ガウ級を視認した。これより撃墜する。」って言って40秒掛からないうちにガウの艦橋にバズーカぶち込んで叩き落としたのさ。

 

たった一度の出撃で隊長はザク2機とガウ級を1隻、それと砲撃陣地を潰して帰ってきた。

 

自身の機体には傷一つ付けずに平然とした様子であんなこと言うもんだから思わず笑ってしまったよ。なんて言ったかだって?

 

「ふむ、これなら条件さえ整えば三個小隊位ならいけるか。」

 

…わかってる、何言ってんだってなるよな?でも本当に言い切ったんだ。

 

それにハッタリでもなかった。実際にジャブローの時に隊長1人で9機のMSに囲まれてたんだが…長くなるな、また今度にしようか。

 

とにかく、隊長は初陣で、コジマ大隊がようやく発足してMSの訓練を手探りで行なっている時にはもう既にMS戦は起きてたのさ。これだけは揺るがぬ事実だ。

 

まぁ隊長に聞いても絶対にはぐらかされるからな?一応2種の機密だから公の場で言うんじゃねえぞ。

 

まぁ終わった今はゆったりしてるがあの戦争中はやたらと深く考え込む時があった。

 

超人にも悩まざるを得ない問題があるのだろうさ。



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3話

感想やお気に入りなどありがとうございます。
とりあえず1年戦争編だけ書き切ってから設定とかもう一回練り直したいと思います。


ジャブロー 第3会議室

 

「それで…その報告に間違いはないのかね?にわかには信じがたいが…。」

 

「ええ、ミデアパイロットに管制オペレーター、何より鹵獲した機体がありますからなぁ…。全て事実です。例えどれほど受け入れがたくともね…。」

 

「兎にも角にも朗報には違いない。まさか軽い“嫌がらせ”のつもりで最前線に送り出してみれば、擦り傷どころか大戦果を引っさげて帰って来ましたからな…。」

 

「これで我が軍が作り上げたMSは、ガンダムの廉価版であろうと容易にザクを撃破することが可能ということが分かったのだ。それに対応する火器さえ生産すれば対艦戦も可能だと言うのだからな、ジオンも侮れん。」

 

「いまだに大艦巨砲主義の妄念に取り憑かれた輩も多い中で“我が軍のMSがロケット砲1発でガウ級を沈めた“と大々的に説得できるという点は非常に良い。これでMSに予算を渋っていた連中の鼻を明かすことが出来る。」

 

「とりあえず、艦隊を再建したい連中を黙らせてMSを製造する根拠として、これ程の戦果を初期に上げてくれるとは非常にありがたい限りだ。」

 

「だが同時期にMSを配備したコジマ大隊ではMS訓練の成果は芳しくないそうではないかね。やはり彼が特殊なだけでは無いのかね?」

 

「それはそうだろう、あのハートランド少将のご子息ときているからな。蛙の子は蛙というように軍神の子は軍神というわけだ。」

 

「…まずは乗り手を育てるのが先決だな。どれほど強力な戦艦を作ろうと十全に扱える指揮官と船員、万全の整備態勢を整えなければ浮島とかすようにな。」

 

「では、全軍に優秀な士官を差し出させろ。なるべく若いものが良い。」

 

「了解しました、ゴップ大将。では私はリストの作成に移らせていただきます。」

 

「期待しているよ。」

 

 

 

 

 

ちょっとまってクレメンス(困惑)。

 

いきなり、補給担当のレーチェルさんに100ページ超えるリストを渡されて、

 

「3日後までに8人リストアップしてね。選んだ人が貴方の部下になるから。」

 

って言ってとっととどっか行っちゃったんですけど…。

 

嘘だろこんな投げっぱなしジャーマンみたいな処置ありかよ。にしてもリスト厚すぎるだろ…。

 

一応顔写真ついて…これ完全に履歴書やん、1枚1人で100人か…。この中からよりどりみどりはすごいな…。

 

うわヤザンいる…、弾いとこ…。

 

ふーむ、アラン・アイルワード…アラン・アイルワード!?MS戦線組参戦か…かぁ…。(諦め)

 

うーむ、どうしようか。ぶっちゃけMS戦線組は普通にエース部隊になるしなぁ…。早いうちに経験だけ積ませておくか…。全員来てもらうか。

 

えーっと後は…テネス・A・ユング?コイツはエースオブエースになるから大丈夫やろ(適当)。

 

お、ラリーとアニッシュいるじゃん、これはうちの小隊に来てもらいましょうねー。

 

後は…カムナ・タチバナ少尉…。なるほど…最終的にプレイヤー次第ではNTに覚醒してクィン・マンサに乗ったりするヤベーパイロットだ…。

 

タチバナ隊も全員こっちに呼んでっと…。これで良いか。正直シローとかメチャメチャ会いたい気はするがそれすると08小隊が終わってアプサラスがジャブローに来ちゃうなんて事になっても困る。なるべく会えるように動いてみるか。

 

オッケー出来たー。レーチェルさーん出来ましたよー(ここまで一切発声しておりません)。

 

…え?教導?なにそれ聞いてない。

 

教導期間2ヶ月で使い物にするように?嘘やろ…?

 

 

 

 

「というわけで初めまして。これからMS第3特殊部隊第2小隊隊長になるアラン・アイルワード少尉だ。

僕の事はアランで良いよ。

これから軍神って言われてる人の下で働く事になるけど、隊の雰囲気に合わせつつのんびり行こう。」

 

「同じくMS第3特殊部隊第3小隊小隊長になるカムナ・タチバナだ。一緒に頑張っていこう。

アランと同じく俺も同じ感じで良い。」

 

「リル・ソマーズ准尉よ。オーガスタのMSテストパイロットになるはずだったけど…急遽こっちに来る事になったわ。

まぁ今最もMSの最先端をいっている部隊に配属されるなら文句は無いわ。

これからよろしく。」

 

「シャーリー・ラムゼイ少尉よ。カムナと士官学校の同期で成績争いをしてたわ。競い合っていけるような関係になればいいと思っているわ。これからよろしくね。」

 

「デニス・バロウ曹長だ。一応前線を経験した事があるが…これから行くところじゃ形無しだな。とりあえずよろしく。」

 

「パミル・マクダミル曹長であります!これから日々精進する所存であります!」

 

「ラリー・ラドリー少尉だ。元ドライバーだったんだがなんでかお呼びがかかっちまった。まぁこれからよろしくな。」

 

「アニッシュ・ロフマン曹長だ。なんというか同階級が多過ぎて混乱するな…よろしく頼む。」

 

「第2小隊付オペレーターとして配属されましたホア・ブランシェット伍長です〜。これから地獄を見る皆さんを応援してますので頑張って下さいね。」

 

「同じく第3小隊付オペレーターのエレン・ロシュフィル軍曹です!あの、民間出身でなにかとご迷惑をお掛けするかも知れませんが!その、お願いします!」

 

「まぁとりあえず、あの軍神が教官になるんだ。暫くは地獄を見ると考えていたほうがいいな。」

 

「噂では聞いてたけど、それ本当なのアラン?」

 

「ああ、本当らしいね。なんでもゴップ大将がレビル将軍に意見具申したらしい。それだけあの人には期待が掛かってるし、あの人に選ばれた僕らにも相応に期待されてる。」

 

「うっそ…MS戦を初めてやった人に教えて貰えるとか…さいっこうにチャンスじゃない!」

 

「あはは…確かにあの人に教えて頂けるなら並以上、エースにはならないとね。

じゃあ、指示されてた部隊の顔合わせは済んだし。今から行こうか。」

 

 

 

 

はいジェイクです、まさか全員が3日後に着任するとは思いませんでしたよ。思った以上にスピーディに事態が動くのね。

 

というかおかしくなぁい?なんで発案から4日で訓練体制整うんだよ普通もうちょっとかかるでしょ?

 

嘘だろ、訓練メニューなんぞなにも考えてねえぞ。

 

ああ、もう来ちゃったこうなったらやるしか無いやったらぁ!!

 

 

 

 

 

執務室に入った時に何というか言葉にし難い重圧感を感じた。

 

初体験の感覚に声を出すどころか呼吸すらも忘れかけた。そのプレッシャーを出している人に自然と目が奪われた。

執務机で書類を捌いている。それだけの動きで普通の部隊ではエリートと呼ばれる10人がなにも身動きが取れなかった。

 

やっと動けた時には上官に対し失礼というレベルで待たせてしまった後だった。

 

「本日よりMS第3特殊部隊に配属される10名、無事着隊しました。

これより隊長の指揮下に入ります。」

 

「うむ、了解した。…ああ、休め。

これから君達の隊長になるジェイク・ハートランド中尉だ。

これから2ヶ月間で君達を最前線でエースと呼ばれるレベルに教導しろ、と命令を受けている。

正直私がどれほど教えようと君達が覚えてくれなければそこで私の命令が失敗してしまう。

だから、なんだ。分かりやすく教えるようにはする。ついてきてくれ。

そうすれば君達をエースにする事を確約しよう。」

 

「「「「「「「「了解」」」」」」」」

 

不思議と示し合わせたわけでは無かったのだが、ここだけは全員声が揃った。

 

「ではまずは君達がどれほどやれるか調べさせてもらおう。各自30分後に錬成場にパイロットスーツを着用した状態で集合。

私直々に君達の実力を見て練成メニューを組む事にしよう。」

 

…これは…最初から大波乱の予感だな…。




お気に入り100…?


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4話

お久しぶりです(仕事明け)


なんとぉ…。(絶望)

模擬戦が…始まってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(慟哭)

 

えー嘘やーん。まじでー?

などと思考を溶かしてギャル状にしても問題は解決しないんだ、悲しいけどこれ現実なのよね!

 

とはいえアレだ。流石に1人1人相手にするのはしんどい、もとい適性が正確に測れない可能性がある。

 

模擬戦で8連戦とか整備班からリンチ喰らうわ。いやよく考えたらそもそも俺が持たんわ。

 

そういえば小隊自体は決まってるんだっけな。じゃあもうそれで3人組作ってーってするか。

 

オッケーオッケー大丈夫な感じ出てきたよ。これでMS部隊長としての威厳を保ったまま良い感じに時間稼ぎ出来そうな感じがビンビンに出てきたよ!

 

よっしゃ、じゃあラリー、アニッシュ。良い感じに動いてくれよな!

 

…どういう風に動けって?好きに動いてくれれば良いよ、うん。

 

 

 

中尉からは好きに動けと命ぜられた。相方のアニッシュとは本当にどう動くか?なんて準備時間に必死になって考えたくらいだ。

 

結局の所好きに動くしかないとの結論になった。MSの戦術を創り上げることが任務の俺たちだったが、みんな何をすればいいかなんて全くもって見当なんてついてなかった。

 

とりあえずその時の俺たちに出来たのは隊長についていくことだけだった。本当にそれしか出来なかったが追いかけるには背中が遠すぎてな、みんなみっともなく歯を剥いて目をかっ開いてあの人の一挙一動を見逃さないようにしたもんさ。

あ、目をかっ開いててのは文字通りの意味だ。模擬戦となれば命掛かったからな…。

パミルなんかMS乗ってるのにボディスラム決められて気絶したからな?嘘だと思うだろうが。

 

…どこまで話したっけ?何も話してない?そうか悪かったな。それじゃあ話してやるよ。

 

UC0096でも全員揃えれば戦局どころか勝敗が変わると言われた究極無比のデルタチームの最初の一歩。1中隊で1連隊分と言われたデルタチームのデルタ2とデルタ3が模擬戦でボッコボコにされた伝説の一戦の話をしてやろう。

 

…聞きたくって仕方ないって顔だな?えぇ、バナージ?

 

そう焦るなって、ビデオを持ってきてやる。ちょっと待ってろ。

 

 

 

 

ラリーさんがとても古いビデオデッキを引っ張り出してきた。それを部屋に備え付けているモニターの接続してディスクを読み込ませた。

 

「 …おし、ちゃんと映ったな。」

 

その言葉と共にモニターに地球の均されて赤土が剥き出しになった演習場というような風体の場所に9機のMSが動き出す時を待っていた。

 

「UC0079の7月だったっけな…地球連邦軍初めてのMS同士の公式模擬戦が行われたんだ。」

 

だが1つおかしい、模擬戦と言うのであれば数は平等するのではないか?モニターには6対3の構図で向かい合っている陸戦型GMの姿が映し出されていた。

 

「その内容がまたメチャクチャだったよ…普通なら数を対等にする物を隊長の独断でデルタ2、デルタ3の2小隊対俺らデルタ1小隊だ。」

 

おかしい事だと言うのは自分でもわかった。余りにも数が違いすぎる。単純に考えて1つの銃口に意識をさけばもう1つの銃口が自分を狙う。それもMS自体が生まれたばかりの時代だ。戦術はおろか起動OSもまだ未発達ではないのか。

 

「そう、普通なら勝負にもならない。それこそお前が乗っている白いのとかの様な隔絶したレベル差が無い限り、数が多い方が勝つ。普通じゃあな。」

 

そう言ったラリーは不敵な笑みを浮かべながら画面の中の鉄の戦士が動き出すのを待っている。

 

「さて、使用する機体は陸戦型GMで統一。改造、過度なフィッティングもなし。通常の兵站内で支給される武器のみ使用と、限りなく実戦に近い状態での模擬戦だった。」

 

と言うのであればユニコーンの様な掠っただけで敵を撃破する武装は勿論現代から見れば満足に動いているかも分からない機体で模擬戦をするのか。

 

「その結果は如何に?…なんてな。勿論デルタ1の勝ちだ。いや…俺たちがやった事はない。むしろ足を引っ張っただけだ。」

 

そう自嘲する様子は何故か自分が男と見込んだ男と不思議と被ってしまって良くは分からないがこれ以上考える事は躊躇われた。

 

「隊長は模擬戦が開始した途端にスラスターをフルスロットル。考えなしって言っても良いくらいの気持ちが良い突貫だった。それで動きを止めなかったあたりやっぱりエースの素質があるよなぁ、アイツらも。」

 

画面に意識を戻せば開始のブザーと共に腿部からサーベルを抜きはなったGMが6機に向かって全速で突撃をしていた。

 

「記憶が正しかったら一番最初に犠牲になったのは…そうシャーリーだな。」

 

そう思い出す様に言い放った時にはもう既にジェイク中尉の乗ったGMはシャーリー機を必殺の間合いに捕らえており、

 

「コイツはマニュアルを覚えるのは得意なんだが…。」

 

そうダメ出しを送ると共に発振していないビームサーベルの柄がコクピット部分に当てられる。

 

「そうそう、隊長は右にマシンガン、左にサーベルって言う変則なスタイルを好んでたな。まずサーベルをコクピットにぶち込まれてまずはシャーリーが戦死判定。」

 

そうなんでもない様に言い放った瞬間には紅の女帝と呼ばれて恐れられたシャーリー機は撃墜判定を受けた。そしてそのまま機体は止まる事なく右側にいたGMに狙いを定め引き金を引いた。

 

「その次に近くにいたデニス機にマシンガンを斉射、メインカメラと右腕を集中的に狙われた後に、これまたサーベルをつき込まれてドカン!ってな、これで戦死2名。」

 

そして呆気なくデニス機がペイント弾の餌食になり、動きを止められトドメを刺された。

 

「ここからだぜ面白いのは。思い切り良く突っ込んできたのはパミル機だな。見てろよ?」

 

1機のGMがサーベルも展開せずにブーストを吹かしてジェイク機に突っ込んでくる。そしてそのまま18mを超える人型の鉄人が勢いをそのまま殺す事なく。

 

「決まった!隊長のMS無効化術の1つ!MSボディスラムだ!」

 

綺麗なボディスラムを決めたのだ。まるでプロレスのハイライトの様に。

 

「ここでやっと俺たち登場だ。まぁやった事は駆け付けて後ろからリル機を蜂の巣にしただけなんだがな。」

 

そう謙遜するが2機ともブースターを使用しながらの射撃だった。ふと気になって疑問を声に出した。

 

「あの、この時ってラリーさんは何十時間MSに乗ってたんですか?」

 

「そんな大層に乗ってねえよ、実機はこの時が初めてでシミュレーターで20時間触ってねえくらいじゃねえか?それよりも次からがすげえぞ。隊長格の2人の即席の連携だ。」

 

平然と言うがやはりこの人もおかしいのだと再確認した。そして言葉に促されるまま画面に目を戻す。そして見たものは目を疑うものだった。

 

即席の連携と言いながらも互いの居場所、持っている武器の特性、射撃のタイミングを完全に把握し後ろから飛んでくる銃弾を直前まで自分で目隠しをして命中寸前で回避するタチバナ機。

 

そして斬りかかられそうになるたびに撃墜された隊員の武器を拾いながら自由自在に弾幕を張りタチバナ機に近づく隙を与えないアラン機。10年以上前のMS黎明期とは思えない洗練された連携があった。

 

「こっからは瞬き厳禁だ、いや、巻き戻せば良いだけだけどよ。」

 

そしてジェイク機が距離を取った隙を逃すまいとタチバナ機が追いすがる。それを支援しようとするラリー機とアニッシュ機、だがアラン機が一瞬で反転しラリー達に両手に構えた砲口を向ける。

 

ここでラリー機は咄嗟に盾を構える為に停止してしまった。アニッシュ機は止まる事を放棄してタチバナ機に180mmロケットを向けて引き金を引く寸前に、

 

アラン機の100mmマシンガンとミサイルランチャーが火を噴いた。

 

「これで俺たち2人は戦死判定が…」

 

だがその前にミサイルランチャーがペイントに染まった。

 

「出なかったんだよなぁ、コレ。」

 

ジェイク機が下がりながら放ったマシンガンは見事アラン機のミサイルランチャーを打ち抜き使用不能判定が出た。しかし100mmマシンガンは発射されアニッシュ機とラリー機はペイントに染まった。

 

「そして最後の見せ場だぜ。」

 

そして目前に迫ったタチバナ機に意識を向けたであろうジェイク機はあろう事か右手に持っていたマシンガンを投げつけた。視界を潰された事に動揺する事なくサーベルを持つ左腕目掛け自機のサーベルを振り下ろす。

 

そしてタチバナの一念は届きジェイク機の左腕を断ち切った。そして畳み掛ける様にアラン機が100mmマシンガンで追撃を行う。胴体部に10発ほど命中した。だが仕留めるには至っていない。

 

そして右腿に装備されたサーベルを逆手に抜き放ちビームサーベルがカムナ・タチバナの乗るコクピットを貫き戦死判定が下される。

 

アラン機はアニッシュ機の装備していた180mmロケットランチャーに持ち替え下がりながら持てる火力を斉射し始めた。

 

左腕が無くなった判定のジェイク機は武装の持ち替えをする余裕は無い、ならばと言わんばかりに再度突貫を敢行した。

 

小口径弾は無視しながら一直線に、距離を詰める事だけを考えてスラスターを吹かしている。

 

「アラン機も決めれば終わるから必死だわな。あと一撃決めればいいって思って撃つんだ。するとどうなったと思う?」

 

遂にロケットランチャーが火を噴いた、全速で向かっている相手に躱せる筈がない射撃を、

 

まるでスーパーヒーローが行う様に360度のバレルロールを使用し回避した。

 

「そしてそのまま懐に入り込み、逆袈裟に切り裂き機体は大破、パイロットは戦死ってな。…やっぱすげえよな、隊長。」

 

鳴り響く状況終了のブザー。ここで映像は終わった。

 

そして少年の口から出てきた言葉はたった1つの単純な言葉。

 

「すごい…。」

 

「だろ?」

 

そう言う彼の顔は誇らしさに満ちていた。

 

UC0079 7月21日

 

オーガスタ基地にて連邦軍初の実機のMSを用いた模擬戦並びに教導が行われた。

 

模擬戦の内容はジェイク・ハートランド中尉を隊長とした第1小隊、アラン・アイルワード少尉を小隊長とした第2小隊、カムナ・タチバナ少尉を小隊長とした第3小隊に分け第2・第3小隊合同で第1小隊と模擬戦を行うという変則的な模擬戦が行われた。

 

通常であれば数の差というものは覆し難いアドバンテージとして存在するはずであるが結果はジェイク中尉率いる第1小隊の勝利と判定された。

 

第1小隊の損害は2番機、3番機を務めていたラリー少尉、アニッシュ少尉機の陸戦型ジムが行動不能に陥ったがパイロットは生存判定が出た。ジェイク中尉の機体は小破判定であったが左腕全損の判定を受けた。

 

第2・第3小隊の被害は全機中破以上、パイロットは全員死亡の判定が下された。なお、アラン少尉とカムナ少尉はジェイク中尉の機体にそれぞれ一撃を当てている。

 

また、パミル・マクダミル少尉は首のむちうちにより軽度の訓練を受ける事を希望している。

 

 

 

MSハンガーから小隊待機室へ向かう第2小隊だったがとうとうデニスが我慢ならない様に口を開いた。

 

「一体なんだってんだよ…アレは。あんな機動する最新兵器があってたまるか!」

 

デニスがどうやってもクリア出来ないような難易度のゲームをプレイしたかの様に納得がいかないという感情を露わにする。

 

「凄いですね〜。MSって曲芸師みたいな動き出来るんですね〜。」

 

そう呑気に返すのは本気で感心している様子のホアだ。

 

「まぁまぁ、デニス。ちょっと落ち着けよ。なんというか確かにはるかに予想外だった。まさかMSでスーパーヒーロー着地とか決める人がいるとか思わなかったけどさ。」

 

そうデニスを諌めるのは興奮した様子を隠せないアランだ。

 

「あれって行動プログラムに組み込まれてたの?マニュアルなら全部読み込んだけどあんな機動できるなんてどこにも書いてなかったわよ?」

 

と努力家らしい(?)一言と共に疑問を投げかけたリル。

 

「あれなら多分パターン6の機動旋回とショートジャンプ、それとAMBACをマニュアルで入力しているんじゃないかな?上半身のAMBACの入力タイミングさえ間違えなければ恐らく綺麗に決まるはずだ。」

 

「…アンタ平然と言ってるけど18m級の人型機動兵器がそれやってるのよ?コクピットの揺れとかも酷いのにその入力タイミングがズレたら大怪我なんてものじゃないでしょ!?」

 

「それが平然と出来る人ってことか…。いやぁ改めて考えると物凄い人に拾われたもんだな。」

 

「資料製作が捗りますね〜。私これからとても楽しみです〜。」

 

「ホアやオペレーター組はこれから忙しくなるね。訓練次第だけどこれぐらいの事は当たり前にしろって言われるかもね。ともかく予習復習は忘れずに。ビデオも参考資料として貰えたから空いた時間を見つければ目を通す、くらいの勢いでいこう。良いね?」

 

「「「了解」」」

 

 

 

 

 

 

「なんというか…桁違いだったな…。」

 

そう呆然として呟くのは左腕を持っていったカムナ・タチバナだ。えらく傷心しているらしい。

 

「しょうがないわよカムナ、アレがMSの基礎OSを作り上げたパイロットとしてのハイエンドだもの。…まさかMSでボディスラムを決めてくるとは思わなかったけどね。」

 

そう呆れ気味に返すのはいの一番に標的になったシャーリーだった。

 

「あいてて…、しばらくその話題は勘弁して欲しいなぁ〜、首が痛くなっちまうよ。」

 

「だが実際問題あんな体術を決められるレベルの操縦技術という事ね。平然とスーパーヒーロー着地もやっちゃうしね。」

 

「兎にも角にもあのレベルに到達する事が俺たちの仕事って訳だ。しばらくシミュレーターから離れられんな。」

 

「いくらでもお付き合いしますよ隊長!」

 

「もちろん私も参加させてくれるのよね?」

 

「そりゃそうさ。エレンも暫くはデータ取りに付き合ってもらうことになるだろうな。それじゃ各自反省点をレポートに纏め提出、その後反省点を踏まえてシミュレーターで訓練だ。21:20からシミュレータールームへ集合だ。良いな?」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

「…なぁラリー、今回の俺たち正直言ってどうだった?」

 

「勿論初めてだって言い訳は出来る。そもそもMSはシミュレーターで20時間しか動いてないんだ。普通は戦闘行動を取れるだけでベタ褒めされるレベルだろうさ。」

 

「そんな事は良い。俺が聞きたいのはこれから隊長を援護出来るようになれるかどうかって話だ。」

 

「…到底無理だな。あの人の支援どころか足を引っ張ることしかできない。現にあの人の被弾原因は俺達のヘマをカバーしたせいだ。」

 

「じゃあどうする?俺らは後ろで指くわえて見てるのが最善だと?」

 

「現状はな、変えていけるさ。何よりあの人のスタイルは大体わかった。これから一回紙にでも書き出して纏めるところだ。」

 

「俺にも噛ませろ。模擬戦のビデオデータはもう貰ってるんだ。資料ならいっぱいあるぜ?」

 

「良いじゃねぇか。へこんでばっかりじゃなかったか。」

 

「言ってろ。ノエルも呼ぶぞ。戦術論に関してはあいつの方が数段上だ…と、良いところに。おーいノエル!これから隊長とやってくのに必要な戦術を考えたいんだ!一緒に考えてくれるか?」

 

「勿論!ご一緒させていただきます!」

 

 

 

 

 

 

「…以上が今回送付された模擬戦の結果、並びにビデオデータです。如何でしょうかレビル将軍。」

 

「…私の想定以上だ。なんというかあそこまでの機動が出来るものなのかね?」

 

「…普通は出来ません。サンプルケースが少なすぎますがそれでも先行訓練を行なっているコジマ大隊でも現状歩行しながらの射撃が限度、と言ったところです。」

 

「彼らがいれば連邦の勝利は安泰といえるな…だが機体はまだ量産型なのだろう?」

 

「正確に言えば違いますがおおよそ似たようなモノです。それでもデータ上はジオンのザクを一方的に撃破出来るスペックではありますが。」

 

「それではダメなのだ。もしジオンが我が軍のMSの性能を超えるものが量産されてしまえば彼らがいくら一騎当千とは言えその戦いは非常に苦しいものとなるだろう。」

 

「ではどうするのです?」

 

「V作戦のMSを優先的に受領させる。一部機体のカスタマイズ等も認め個人の適正にあった仕様にせよ。」

 

「兵站に癖がでてしまいますが?」

 

「MS9機が戦局を変えるのだ、多少のリスクは致し方あるまい。それに彼らならば試作機を渡したとしても十全に扱ってくれるのではないのかね?」

 

「…了解しました。ではその様に。

…ところでいつまでだんまりを決め込んでいるのです?ハートランド少将?」

 

「そうだとも。息子の快報なのだ。もう少し喜んでも良いのではないのかね?」

 

「そうですな…。後で電報の1つでも送っておきましょう。」

 

「それが良いとも。ではこれで今回の成果報告は終了。各員職務に戻れ。」

 

 

 

 

なんかみんな最近オレはぶってない?ねえ、なんかめっちゃ寂しいんだけど。

 

みんな訓練終わった瞬間どっか行っちゃってさぁ…。なんだよぉ…そんなに俺に教えられるのいやかよぉ…。

 

はぁ…鬱だ…ノエルちゃんに絡もう…セクハラとか言われそうだなぁ…。

 

はいはいどったのレーチェルさん。え、電報?誰から?

 

…親父から…?うそやん…?




仕事なんて滅べば良い

1/29 G4計画が戦争末期という事で編集しました。


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5話

なんか大変な事になってなぁい…?


おっはよーござまーす(適当)。

 

訓練始まってはや1ヶ月色んな過程をすっ飛ばしましたが特筆することなんてないからちかたないね!

 

さて件の突撃!親父殿の電報事件!の内容としてはただ単純。1回お前帰ってこい?な?宣告であった。ウルトラスーパーダッシュで帰ったら親戚総出でお祝いかまされたわ。これはなんぞや、誰かの誕生日だっけ?妹のナターシャの誕生日は来月だし…。と思ったら昇進パーティーだったわ。あぁなるへそなんて思ってたらガブガブ酒飲まされて気が付いたら日付変わってたわ。なんか書かされた気がするけど…まぁ問題なしよね…?

 

それはさておきいや、もう本当?聞いて?ね?聞いてよ〜誰に言ってるか分かんないけど。(唐突に覚醒する自意識)

 

なんというか基本的にやる事と言ったら毎日毎日がっつり8時間ずっとMSに乗って模擬戦模擬戦たまに休憩がてらミーティングして模擬戦模擬戦終了だからね?なんでこんなに通常勤務の筈なのに苦行と言うか高難易度周回みたいな惨状になってんのさ。

 

でも仕方ないよね…2ヶ月でエース作れ!とかそれはもう無理ゲーを通してただの運ゲーでございます事よ?

 

幸いというか最近の模擬戦では俺も中破とか当たり前になってきたし…。やっぱり俺ってちょっと早く乗っただけの人間だったんすね〜。

 

努力量がもうえげつないもん。なんでみんなノルマの様に終わった後に2時間シミュレーター乗ってんすかね?(困惑)もう化け物だよお前ら。

 

化け物と言えば整備班もおかしいね。

 

なんであんなにどったんバッタン大騒ぎしてたのに平然と次の日には万全な状態に仕上がってんすかね。駆動系とか大丈夫?割と無茶な機動してる気がするけど。

 

整備チームの規模が大隊クラスになってる?大隊って何人?800名を3チームに分けてそこからさらに3チームにしてローテーション組んでる?整備技術のノウハウ獲得の為だから気にしちゃダメ?…了解!気にしない!

 

そういえばなんだけどさ。よく技官のおっちゃんやお姉さんが強化改修案とかポンポン持ってくるんだけど。あれなんで一杯出てくんの?なんで流し目しながら「私の強化案…使って下さい…。」って言われて見たら装甲ガチガチにして肩にガトリング。ついでに腕でもガトリング携行する基地外プランだったけど。ねえなんで?…ローテで休んでる時唐突に降りてくる時がある?それであんなに詳細な図面引いちゃうの?働きすぎじゃない?…いくつか大隊の選考会で最優秀賞(独断)を取った改修案はもうジャブローの方に送った?…了解!(諦観)

 

後気になるのは…代替部品は?あんなにガシャガシャやってたらすぐにダメになるでしょ?陸戦型GMのパーツってほぼ陸戦型ガンダムだった気がするんだけど。

 

…やっぱりダメ?陸戦型GMじゃ持たないから次の補給で陸戦型ガンダムが来る?…本当に?

 

病院じゃ無理だから神が来ますみたいな…あ、いやなんか…ごめん。

 

 

 

 

 

 

 

息子が帰ってきた。最後に見たのは士官学校の卒業式だったか。卒業生代表のスピーチなどで立派に男となった、などと勝手に思っていたがまだ先があったようだ。刈り込んでいた髪は少し伸ばし始めたのか野性味を感じさせながらも不潔な印象は与えない、鋭い切れ長の目は私譲りながらそれでも厳しい印象だけではなくどこか優しげな印象を与えるエメラルドの瞳はクラウディアのおかげだろう。私のような堅物の隣ではなく社交界の方がしっくりくる優雅、風靡と言った言葉が似合う妻の血をこいつはよく受け継いでくれた。

 

だがその目には士官学校の時に見えた方向性の無い熱意ではなく恐らく男としてなにかを背負う事を覚悟した冷たい輝きがあった。男子3日会わざればと言うように配属されてからはさらに男に磨きをかけた様だ。

 

てっきり私の艦隊に来るものだと思っていたらMSのテストパイロットになったと聞いた時にはそれこそ書類にコーヒーをひっくり返してしまうほど驚いたものだ。秘書にも笑われるし軍神にも親の情があったとか言われる始末だ。

 

だが仕方ないだろう。ルウム戦役に参加した身としては自分の息子が連邦の絶望の象徴であり恐怖の化身だったヒトツメを打ち倒す事ができる人間になったと言うのだ。そりゃ私だってヒトツメ2機と巡洋艦4隻は落としたがクルーの成果だ。アイツは全て自力だからな…。20年は男としての背中を見せられると思っていたがまさかこんなにも早く並ばれるとは思わなかった。

 

そうアイツは責任を背負い、仲間を背負い、軍の虚像を背負う立場になってしまった。もう少し遅くとも、と思うのは私がまだ未熟だからだろう。その未来を考えると無性にやるせなくなったのだ。

 

どんな時でもやるせない時と悪いことがあった時には酒を飲んで寝れば大体の事は楽になるんだ。…それは分かるだろう?

 

だから…その…アイツに酒を飲ませすぎた事は反省しているんだクラウディア。いや、うむ。…すまん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…はい、全機確認作業終わり!確かに全部受領したよ。アニー・ブレビック技術中尉が確かに。

 

本当におつかれ様だね。隊長さん達がやってる任務が過酷ってのは分かってるんだけどやっぱり毎日どこかしらの異常が出る、なんて生活は暫くは勘弁してもらいたいね。足回りとかもうノウハウ溜まりまくり!って感じだからね。少なくともエースでこれだけの整備量ならこれの3分の1位が一般って言われるレベルの整備量になるのかな。まぁやって見ないとわからないけど。

 

…補給以外規定速度超えて来る羽目になった?あはは…でもこっちも上申して5日で来るなんて思わなかったんだよ?陸戦型とは言えガンダムタイプ!それも3機も!さらにさらにジャブロー直送ミデア特急便!…はい、調子に乗りすぎってやつだねごめんごめん。それでも今回の補給がちゃんと届いて本当に良かった。なにせコレを隊長機にしちゃえば鬼に金棒、ならぬエースにガンダム!って感じだね。きっと数があったら分配で揉めるよ〜?カタログスペックだけでもあの人達が乗りたがらないわけがないからね。

 

…本当なら1機で一杯一杯な筈だった?そりゃまたどうして…ハートランド少将が手を回してくださった?それは…ありがたく使わせてもらおうね

 

そうは言っても編成に癖が出ちゃうなぁ…なるべく小隊行動が原則だろうし…。基本的にはガンダムは隊長が受領しちゃうだろうし…。あ、やっぱり?スペック的にも出力がGMの1.2倍…ブースター容量に至っては1.2倍近いのか…。ついていけない事はないけど…って感じの性能だねー。隊長達が乗っちゃったらだいぶ凄い機動とか平然とするだろうし何よりこの1ヶ月で築き上げたチームワークは完全に同じ性能だから出来たこと。

 

これはとうとう、アレの出番かな…?今まで休憩時間に散々話し合って時には殴り合い、時には満場一致で大喝采を引き起こしてきた私達の究極の趣味。

 

陸戦型GM強化案を提出する時が…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アラン。アニー中尉から話があるって聞いたんだけど場所は3階の第2会議室で良いのよね?」

 

そう簡潔に用件を聞いてきたのは昼休憩でシャワーを浴びたのか髪がしっとりとしているリルだった。

 

「そうだね。GMの強化改修プランのプレゼンだってさ。有意義な時間になるんじゃないかな。だいぶ気合い入ってるというか、800人の技官達の趣味とロマンと実用性を天秤にかけてバランスよく形にしたって言ってたし。」

 

隠す様なことでもないので自分の知っている事は共有しておく。後で驚きでオーバーリアクションを取ってるリルも見ていて面白いがそれはかわいそうな気がする。

 

「なんというか…不安になるわね。それ。」

 

確かにそれには同意見だ。なんというか技官になる人はその…個性的な人が多い。実用性以上にロマンを求める人が一定数いると言うのはどうなんだろうね…。以前提出された改修案は200mmスナイパーキャノンとか持たされそうになったけどあれは全力で拒否してよかったと今でも思う。

 

「でも案の1つを見せてもらったけど順当な強化だったよ。脚部のホバーユニットつけて機動性と積載量の両立をするプランとかあったりしたし。だいぶマトモに考えられてる筈だよ。」

 

嘘ではない、嘘ではないがスナイパーキャノンを持つと機動性が低下すると反論したら2日で「遅くなるのが嫌ならホバーユニットをつけて早くすればいいじゃろう!」とか言いながらちゃんと設計図持ってきたあのおじいちゃんにはちょっと引いたなぁ…。結局キャノンいらないと言う流れになってメチャクチャ落ち込んでたな。

 

「アランが言うなら多分大丈夫ね。それじゃあ一緒に行きましょ。呼ばれてるんでしょ?プレゼン。」

 

「ありがたいけど教官に呼ばれてるんだ。多分別の話だと思う。」

 

「了解。じゃあまた午後の訓練再開した時に。」

 

「ああ、それじゃあまた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで…今度の報告は何かね?戦艦の主砲をMSに搭載して狙撃を行う…などと馬鹿げた事は言わないでおくれよ?

ローレン・ナカモト技術大尉。」

 

「勿論、そんな事ではございません。第1に主砲なんぞ載せても当てられなければ意味がない。そんな武装は補給が発生する分鉄屑にも劣る…いえアラン少尉の射撃能力であれば特性を理解して頂ければ使いこなせるかもしれませんが…。」

 

「…興味深い話ではあるが本題に入ってはくれんかね?」

 

「も、申し訳ございません。えー、では今回私が報告、並びに研究の許可を頂きにに来た事柄はパイロットの皆様方の生物学的解析でございます。」

 

「…どう言う事だ。彼らのクローンでも作るつもりかね?」

 

「はい。彼らが一般人に比べて隔絶したMS操縦能力、学習能力、耐G性能、空間把握能力を兼ね備えているのは勿論彼らの訓練を一度でも見た方なら即座にご理解いただけるでしょう。

私は、彼らと私達がどう違うのかが知りたい。私達の学習プロセスと同じ行程を踏んでいるはずなのに2倍3倍のスピードで学習し挙句応用や新技術を作り上げる彼らの頭の中身を知りたい。

私は天才を知りたいのです!!」

 

「天才を知りたいだと…?つくづく研究者でしかない男だ。そんな貴様の知的好奇心を満たすためだけに軍の予算を動かす筈などあるわけがないではないか。」

 

「動くんですよそれが。私は貴方方にこれ以上ないメリットを提示出来る。まだ理解いただけないのですか?クローンだけでは私は満足する気は無いのです。私は私ができる全ての手段を取り彼らを超えるデザイナーズチャイルドを作り上げます。連邦の守護神を作り上げることが私には出来る!」

 

「狂った幻想を。よくもぬけぬけとその様な事を口に出せたものだ!恥を知らんか!」

 

「そうは言いますがねグレイブ少将。彼らが裏切らないと言う確証はどこにあるんです?彼らだって人間だ。結局は思想や感情の奴隷だ。私達を殺す事なぞ彼らにとってはトリガー1つでできる事柄だ。だったら私達は彼らよりも強い駒を私達が思い通りに出来なければいつか私達は私達を守るすべがないじゃないか!」

 

「…被害妄想だ。だが根本的な考え方は面白い。よかろう。オーガスタに秘密研究所を作る。必要な物はリストアップしておけ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「なに…これから俺たちは共犯だ。なにせこれから未来を背負う若き英雄たちの遺伝子をオモチャにするんだからな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次の指令が下った。これより我がフェンリル隊は連邦軍が開発したMSに対し威力偵察を実施する。」

 

「…確かなんです?連邦がMSを作ったってのは。」

 

「ああ、確度の高い情報だ。我が軍の工作員からパイロットの訓練ならびに、整備などのノウハウを収集しているそうだ。行われている場所は連邦軍のオーガスタ基地、MSは9機確認されている。」

 

「とうとうやっこさんも本気を出したって所か…あーやだねぇ…こっから対MS戦が本格的になっていくのか。楽しそうだがめんどくせえなあ…。」

 

「でもこれはチャンスです!この機体を撃破出来れば連邦に多大な痛手を負わせられるという事ですね!」

 

「そう言う事だシャルロッテ少尉。よって今回の作戦は念には念を入れて最大戦力で行く。決行は2週間後とする。質問は…よし。以上だ、各自持ち場へ戻れ。」




リルとさぁ…プルってさぁ…なんかさぁ…似てる気がしなぁい…?


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6話

色々とプロットを書き直したらアホみたいに時間かかりましたね(他人事)


最近の近況ー!訓練!お終い!

 

いやー仕事熱心というかワーカーホリック極まれりって感じの我が部隊ですね。とうとう陸戦型ガンダムも入ってきてMS12機を要する大部隊になってきたからね。前まで乗ってた陸戦型GMは予備機扱いになったけどまぁ致し方ないね。これからは実戦を積んでいく上でどうしても増える損壊のパーツ取り用になる定めだ。悲しいけどこれって戦争なのよね…。

 

そういえばとうとう陸戦型GMが我が技術班によって強化改修されてしまった。期間短すぎるでしょうが1週間でカスタマイズするとか馬鹿か馬鹿だったな(諦め)。後お前らガンダムの方も弄ろうとするんじゃないぞ本当に。変なシステム特にEXAMとかHADESとか厨二極まったヤツ載っけたりしたらぶちころがし回し遊ばしますからね(意味不明)。

 

なんというか個人個人の適正に合わせて専用化しすぎたおかげで別物感出てきちゃってるね。なるほど…これがGMバリエーションの原型か…。

 

大雑把に説明するとラリー機は遠距離戦仕様になってセンサーや狙撃用実体弾ライフルが支給されている。多分ジムスナイパーの原型はこれになるんだろう。良い感じに支援して欲しいね。

アニッシュ機はラリー機の護衛機になるようで接近戦に重点を置いている。みんな大好き100mmマシンガンに近接戦用のMS用ショットガン、コクピット周りを覆う追加装甲と虎の子のビームダガーと近距離戦に強くなったカスタムだ!陸戦用GMかな?良い感じだね!

 

戦術としては俺は単騎で突っ込んでラリー機は狙撃による援護アニッシュ機は無防備になるラリー機の護衛に徹する…と。なぁ俺と前線張る人員は?なぁ一緒に来る人は?…いない?了解…。

 

…まぁ良いや次。アランは陸戦型ガンダムなので割愛。せいぜい武装が180mmキャノンになったくらいじゃないかな。

リル機はなんと言うか…装甲を削って軽量化して近接武器をいっぱいつけた頭わるわる〜なカスタムになってた。ジムライトアーマーとジムストライカーの合いの子みたいになっている。ビームサーベル4本にビームダガー4本、どこからか持ってきたヒートナイフ2本にサブマシンガン1丁。これがリル機の武装内訳である。バランスなんて何もねえ…。

デニス機は比較的まともかと思ったがそんな事はなかった。まずバックパックをそうとっかえしてキャノンユニットとブースターの複合兵装を背負わせている。追加ブースターも足に装備して機動性向上に良いだろうけどこれめっちゃ操縦難度上がらない?武装はミサイルランチャーとロケットランチャー同時持ちと大分火力おかしくなぁい?なカスタムに仕上がった。とりあえず言いたいのはなんでお前だけマドロックの原型みたいになってんだよ。ここまでGM系で来ただろう!空気読めよ!

 

総評としてはアランの狙撃能力を活かして遠距離からの砲撃支援プラス索敵をしてリルとデニスが突撃してリルがMSデニスが母艦を叩いてアランがその援護をする。みたいなプランか。なんでチームプレイしてんだよ。俺たちにもやらせろよ。

 

タチバナ隊はなんというか順当オブ順当に汎用性を追求しまくった改良だね。なんか2人とも特に上記のようにクセが出る改造はせずに機動性と反応速度、後は個人の適正に合わせた武装に変えたくらいか。

 

シャーリー機はこの小隊で唯一のビームライフルを装備してセンサーを高感度なものに換装している。まぁ射撃の成績は俺の次にいいんで十分に戦果を出してくれるでしょう。

パミル機は反対に両腕にボックス型ビームサーベルユニットを取り付けて両手にサブマシンガンを持つというピクシー武装だね。インファイトでいっつもリルとタイマン張ってるからね、仕方ないね。

なんというかジムカスタムを改造した後の特長がないのが特徴だったけどちょっとパイロットに合わせて特長を作ったよ(はぁと)みたいになってる。特化はしつつも汎用性を失わない良い改修だ(イケボ)。

 

まぁタチバナ隊は原作でも思った以上に普通なMSに乗ってたしね。でもシャーリーとパミルのMS格差だけはちょっとダメなやーつだと思うの。ZZの時シャーリーはガンダムmk-2に乗ってたのにパミルGMⅡだからね?格差ひどくなぁい?

 

話を戻せば訓練も大詰めって感じですね。もう最近は全員が全員どこに出しても恥ずかしくないエースになったんじゃないでしょうか。少なくともコジマ大隊の連中に比べれば月とスッポン、アムロと名無し位のレベル差は有るでしょう(断定)。一応訓練風景のビデオ見たけどエクバと連ジ位のスピード感の違いといえば分かるだろうか。まぁコッチがおかしいのは重々承知しているのだがそれはそれとしてである。

オペレーター組もメチャ分かりやすい指示や戦況解析とかも出来る様になってきたし。何より小隊長2人組の成長が著しい事この上ナッシング。アランは射撃、タチバナは格闘でその得意分野を伸ばしに伸ばしている。アランは武器の射程内に入れば9割5分当ててくるしタチバナに至っては飛び上がって1回転しながら落ちてくる意味不明の変態回避斬撃を多用する変態と化した。計算したら6Gとか掛かってたんだって。お前人間かよ(震え声)。

 

その他の面々も順調に人間を辞め始めているのでMSに乗って1ヶ月半とは絶対に思えないレイヴェルゥ(巻き舌)に到達したと言っていいだろう。みんな平然としているけどそろそろ俺自身も最近マジでキツイから夢も希望も翼もいらないから休みを下さい(嘆願)。

 

そういえばそろそろ9月か…アムロがガンダムに乗っちゃう時期か…。とうとうMS戦が本格化し始める時期か…。シンドイなー…。地上戦だからニューヤークにオデッサ、そしてジャブローが終わったらキャリフォルニアベースか…俺この戦争が終わったら絶対5年くらい休職してやるんだ…。

 

…なんか変な動きをしてる部隊がある?狼とライオンの部隊章?…うせやろ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キシリア閣下と通信繋がります。3、2、1、今。」

 

「お久しぶりでございます。キシリア閣下。」

 

「ゲラートよ、貴様にしては今回は随分と消極的な上申であったな。」

 

「…今回の件に関しましてはそれ程に重要であり、失敗は許されません。であれば戦力の増強を上申するのは決しておかしな事ではないかと。」

 

「その通りだな。おかしな事ではない、おかしな事では無いのだがな。問題は貴様ら程のエースはそれ程にはおらん。強襲や奇襲を専門にする部隊はなおのこと減る。そして今現在の攻勢においてその手の事が出来る部隊はあちこち転戦させられるのだ。貴様らもこの任務が終わればトリントンの防衛戦に穴を開けてもらう作戦が待っている。…だがちょうど良かった。貴殿らには入っているかな?ゴビ砂漠で連邦の輸送船団が運んでいた積荷の事は?」

 

「…ええ、存じ上げております。連邦製のMSと交戦した部隊があると。…ブラウアー隊…でしたか?」

 

「そうだ。彼らはガルマの下で遊撃隊として動いてくれているのだがな、ちょうど移動経路が近くてな。そのまま合同作戦と行けそうなのだよ。まぁ補給や資材はこちら持ちとなったが致し方あるまい。」

 

「という事は、増援は認められるという事でよろしいでしょうか。」

 

「そうなるな。…ゲラート少佐、少しは言葉遊びを覚えた方がいいのではないかな?そうも実直だとドズル兄様の方に声を掛けられるぞ?」

 

「…了解致しました。ではこれより作戦を再度練り直します。」

 

「良い報告を期待しているよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近の調子はどうだい?デニス曹長?」

 

「なっかなか良いもんですよアニー中尉。ホバーってのが操縦感覚が違うんですがそこはそれ。うちの隊なら数時間で乗りこなせなきゃいらない子になっちまいますからね。」

 

「全くなんでそんなことが出来るのさ。強化改修って言うけど殆ど別機体に改造した様なもんだからね?感度とかも弄ってるしなんならセンサー周りも違うからホントに別物なんだよ?」

 

「とは言いますがねえ。他の連中も平然と乗りこなしてるもんでね。俺だけ置いていかれるってのはちょっと恥ずかしいんでその分気合が入るってもんですよ。リルなんて専用機貰った時は大はしゃぎにはしゃいで。」

 

「ああ、聞いた聞いた!年相応にも飛び上がったんだっけ。そのあとは隊長さん引っ張って模擬戦してたんでしょ?」

 

「ええ。うちの隊長はインファイト苦手なんでカムナ隊長の方でしたがね。まだ調整してないガンダムと一騎打ちして2勝3敗で負け越して叫んでたのは見ものでしたよ。」

 

「隊長達のガンダムは殆ど弄るなって言われたからね。なるべくそのままにしてるよ。分からない場所は知らないけど。」

 

「…というと?」

 

「そんな変なことしてないよ。単純にセンサーやカメラを良いものにしたり駆動系をオーガスタ製の特別製にしたり…なんかマグネットコーティングって言う新技術の試作モーターを使ってたり、後はシステム処理面の高速化の為にナカモト大尉が手を加えたOSを組み込んだりとかね。」

 

「割と手を加えまくってんじゃないすか…。大丈夫なんですか?特に最後のOSは。」

 

「勿論。元々ナカモト大尉はOSの専門家って触れ込みでこの隊に来てるしね。寧ろ今までの武装強化案とかMSの整備とかって本来は門外漢の筈なんだよ?平然とやってるけどさ。」

 

「へぇー…。まぁ信用はして良い訳だ。」

 

「そりゃあね。技術屋だから真摯に自分が作るものに向き合ってる人に悪い人はあんまり居ないって思うんだ。…まぁ取り繕っても人殺しの道具なんだけどさ。」

 

「…それでも、コロニー落としの惨状は2度と起こさせるものかよ。アイツらの言い分もあるかも知らんがそう言うのは軍人だけを狙うべきだ。…だからその…誇りを持ってくれ。俺たちはあんたらがいないと戦えないんだからさ。」

 

「…やぁだねぇ…口説くのなら他の子にしときなよ?でも、うんありがと。ちょっと楽になった。」

 

「…そいつは良かった。」




遅くとも、エタりませんとも、終わるまで。


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7話

この辺から戦闘描写が増えていったら良いですね。


「以上が作戦の詳細だ。何か質問は?」

 

「炸裂した後の散弾の有効半径は300メートルとありますが直撃弾でなければMSを落とせんのですかい?」

 

「マット…。お前の役割は砲撃支援だろう。何故直撃させようとしているのだ。それに対建造物用の特殊弾頭だ。口径と合わさって非常に貴重なんだ。ちゃんと用途通りに使え。」

 

「かてぇ事言うなよ少尉殿。いくら俺がロートル乗りだからって敵を倒してえのはパイロットとしての本能だろうが。なぁ?ヒヨッコ?」

 

「えぇ!?えーっと…そうでありますね!はい!」

 

「ニッキ!適当なこと言わないの!全く…初陣なんだから下手に前に出すぎると死んじゃうわよ!?」

 

「そんなにキツく言わなくったって良いじゃないかシャルロッテ。まだ君のザクが届くまでは間があるんだし…大人しくしといてくれよ?」

 

「アンタねえ!…え!?どういう事!?」

 

「ああ、その件なんだがシャルロッテ良い知らせがあるぞ。ブラウアー隊で予備機が一機出来たからそちらにお渡しすると言われてな。そのままお前の乗機になる。2人揃っての初陣だ、張り切り過ぎるなよ。」

 

「…ほ、本当ですか!?やったわ!聞いた!?聞いたわよね!!」

 

「う、うるさいなぁ…。調子に乗って壊すんじゃないぞ。」

 

「負け惜しみご苦労様〜。」

 

「そ、そのぉ〜…。」

 

「ん?あぁ、失礼した。本当ならシャルロッテにオペレーターをやって貰おうと思っていたんだがご覧の通りご破算になったのでな。ブラウアー隊付きのアン・フリーベリ二等兵だ。サポートオペレーターとして頑張ってもらうことになる。」

 

「あ、はい!アン・フリーベリ二等兵です!皆様のお役に立つよう精一杯頑張りますのでよ、よろしくお願いします!」

 

「よろしくなぁ嬢ちゃん。…所で、話題に上がるブラウアー隊の皆様方はどちらにおられるんで?」

 

「予備機が出来たと言ったろう?新型の受領だ。」

 

「かーっ、さすが名門!身内びいきってやつですなぁ!」

 

「僻むな…見苦しいぞ。」

 

「まぁそんな所だ。あと2日で奇襲をかけるぞ。最終準備ををしておけ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

被害状況報告書

 

担当責任者:レーチェル・ミルスティーン補給中尉

 

主たる報告内容

先のオーガスタ基地防衛戦における被害状況及び修理申請、並びに補充資材要請

 

主たる被害内容及び補充資材、補充人員

 

A-2格納倉庫 隔壁並びに外壁全損 放棄処分

 

基地司令部及び通信施設 一部損壊 資材要請後修理 別紙B-2 278pに要請資材を明記

 

オーガスタ基地防衛隊所属対空銃座 半数が使用不能 資材要請後修理 別紙B-2 35pに詳細を明記

 

オーガスタ基地防衛隊所属61式戦車10輌 大破 兵員と共に増強を要請

 

MS用武装多数 別紙A-1 27pよりの品目を要請

 

第1特務整備大隊人員 21名 殉職 補充人員の要請

殉職者の遺族に対する適正な保障の迅速な実施

 

以上である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わっほいみんな元気かな?ジェイクだよ。

 

今日もいつもと変わらず訓練なんだけどなんかアレだよね。変な感じするよね。例えるならなんというか、そう鶏肉の筋が奥歯の間に挟まったみたいな無視しようとすれば無視出来るけどめちゃくちゃ気持ち悪いみたいな感じ。

 

なんというかみんな変な感じはしてるらしくてリルとカムナは特になんか落ち着かない様子である。特にリルは余りにもそわそわし過ぎてホアさんに「お花摘んでくる?」とか聞くレベルだ。いや、やめてやれよ。

 

というわけでなんとなく。そうなんとなく警戒レベルを上げても良いよね。…警報線ぷっちーん。よし、これでいいや。そしてダッシュでMSハンガーへ。もしなんか来てたらそれはそれだしこれでなんも無かったとしても黙ってダメか?って聴き続ければ良いや。うんクソ野郎極まれりだね。

 

 

うぉぉん。今の俺は人間トラクターだ。いや馬力的な意味でね。にしてもアイツらも1日中MSに乗ってるのにあの無尽蔵と言っていい体力はどこから湧いてくるんだろうな本当。

 

 

……?あれなんか風切り音なってない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開戦の合図は1発の砲弾によって示された。

 

「んー?ちょっとしくったか…。少尉殿!修正に2分くれ!ちゃんと支援してやっからよぉ!」

 

「当てなくていいという事だけは忘れるなよ!砲撃指示地点から出すんじゃないぞ!」

 

「了解!!」

 

基地が微かに視認できるような距離で一機の旧ザクが迫撃砲を操作していた。

 

「最初に撃ち込んだミノフスキー粒子は…散布状態良好。これより砲撃指示地点に第1波砲撃を実施する!ぶっ潰してこいよ!ヒヨッコども。」

 

そして2発、3発と基地に撃ち込んでいく。砲弾は事前に計算された放物線を描きながら基地に着弾した。

 

「第2波砲撃開始!」

 

そしてまた波状の攻撃が実施される。3発目、4発目が先程と同じ様に放たれた。

 

そして同じ様に命中は…する事は無かった。

 

「んだとぉ!?」

 

ありえない!いくら変態軌道をする事は事前の偵察で知っていたがこんな、まさか、いや現に目の前で起こっているんだ。認めよう、奴らはMSの射撃で迫撃砲の弾を撃ち落とした!!

 

「おい少尉殿ォ!」

 

「確認している!!奴ら人間か!?」

 

「ローア隊長!奴らマジで迫撃砲の弾を撃ち落としやがったんですか!?」

 

「カメラがバグっていなければ確実に落としたわ!!ミノフスキー粒子もちゃんと効果が出てる!奴ら手動でやったっていうの!?」

 

「思った以上に厄介な奴らにちょっかいを出したかもしれんな。ニッキ、シャルロッテ!これは本格的に“嫌がらせ”だけで帰らなければならんかもしれん。撤退する時は躊躇いなく逃げ切れよ!」

 

「アンちゃん!ブラウアー隊に撤退も考えておいてって伝えて!…初陣がこれってツイてないわね…。」

 

「ブラウアー隊はもっとだ。俺たちより遥かに近いからな。」

 

「ともかく2、3機は行動不能にせねば面目が立たん。やるだけはやるぞ。」

 

「「了解!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ローレン大尉!とっとと避難しなさいよ!もうすぐココも戦場になるんだから!」

 

そう言いながらリル准尉は自身のMSが固定されているハンガーに向かった。だが、自分の仕事を放棄出来ない。何よりも隊長機達のあのOSデータの回収がまだ終わっていない。

 

「ちくしょう!なんだってこんな時にジオンが攻めてくるんだ!丁度午前の実戦データが入って来たばっかだってのに!このデータ1つ取りこぼすだけでMS開発に遅れが出るってのによォ!!」

 

「ハンガー内に居る人員に通達します!現在我が基地は攻撃を受けています!直ちに避難シェルターに避難して下さい!歩兵部隊の侵攻も予想されます!警備隊は順次武装を願います!!」

 

「畜生!クソッタレが!データ回収まで後1分なんだ!コッチには来ないでくれよ!神さまお願いですから!」

 

その願いは聞き入れられずむしろ嘲笑うかのように轟音が響き途轍もない揺れが起こり、倒れない様コンソールに必死にしがみつく。目の前の格納庫の壁が破られ煙が舞っている。

 

そして煙が晴れた後にピンク色の巨大な円が自分を見つめていた。疑いの余地も見間違える筈もない。ジオンの主力MSであるザクⅡだ。向こうの研究員だった時に何度も見たのだ。見間違える筈もない。

 

(ああ…畜生…終わった…。リルちゃんに告白でもしておくべきだったな…。)

 

相対するザクは自分を確認すると緩慢に手を振りかぶった。人間1人に振るうには過剰な質量が自身に向かって振るわれると確信し目を閉じてその時が来るのを待った。

 

「おんどりゃぁー!!」

 

その様な女子力のカケラもない様な掛け声と共にハンガーに固定されていたGMが起動しザクに向かってタックルを見舞った。タックルを受けたザクは体勢を崩し後ろへ下がる。スピーカー越しに聞こえた声は自分が告白をすれば良かったと後悔した相手であるリル・ソマーズ准尉だった。

 

「アンタ避難命令聞いてなかったの!?とっととシェルターに逃げなさい!!邪魔よ!!」

 

そう言いながらザクに前蹴りを決める。2度の攻撃を食らい体勢を完全に崩したザクはハンガーの壁を突き破りながら倒れた。

 

「いい!?とっとと避難する事!わかった!?」

 

そう言い残しながらザクに向かっていく。基地のあちこちで戦闘音が聞こえる。耳がおかしくなりそうな銃砲の音を聞きながら回収したデータを抱え、私は必死に避難シェルターに向かって走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ…!女だてらによくやる…!連邦には余程腕がいい教導官が居るみたいだな…!ご教授願いたいねぇ…!」

 

『ニッキ!下がりなさい!見ればわかる近接機よ!相手の土俵で勝負する必要なんてない!』

 

そう言いながらシャルロッテがザクマシンガンで支援射撃をしてくれる。状況としては2対1。数的有利はこちらにある。だが引かざるを得ない。

 

このMS戦のデータが少ないこちらと比べ事前の偵察の時点でこちらとは比べ物にならない程のノウハウを得ている事は分かっていた。だから最初からMSにしか扱えず砲撃陣地を構築して使用するMS用1000mm迫撃砲なんて物も持ち出して混乱の内に機能を破壊するつもりだった。

 

だが目論見は余りにも規格外なパイロットに容易く覆された。故に次に打つべきは嫌がらせの一手。基地の建築物に弾やクラッカーを投げ入れ人員を踏み殺す。その上で生きて帰る。

 

だが目の前のMSは、女パイロットは自分達に嫌がらせをさせないどころか確実に殺しにきている。

 

「分かってるよシャルロッテ!離れたいよそりゃ!でも向こうが逃がしてくれないんだよ!!」

 

頭部バルカンを撃ちながら、ニッキの乗るザクに追い縋るリル機。その手には固定兵装であり自らがこの2ヶ月間振るい続けてきた必殺の武器であるビームダガーが握られている。そして模擬戦の中で教官かカムナ隊長相手でなければそう捌かれることもなくなったバレルロールスプリットターン(リル命名)の軌道を描く。

 

「アンタ達に暴れられると!!」

 

シャルロッテの支援射撃をまるで無いかの様に回転しながら真っ直ぐにニッキ機に向かう。浅い経験ながらも逃げられない事を悟ったニッキはマシンガンを捨てヒートホークに持ち替える。

 

「っ!しまっ…!!」

 

だが判断が2秒ほど遅かった。両手に握られたビームダガーはザクの両腕をまるでバターの様に切り落とし、ニッキのザクから戦闘力を奪った。

 

「後片付けが大変なのよ!!」

 

「ナメるなぁ!!」

 

だが新米には新米の思い切りの良さという物がある。懐に飛び込まれた形になった現状そして得物を振り抜いた状態の敵機。ココでニッキは引く事はせずスラスターを全開にしそのまま前に出る事を選択した。

 

「…!?うそっ…!?きゃぁ!!」

 

タックルをモロに食らう格好となったリルだったが目立った損傷はない。1番頑強な胸部に突っ込んできてくれたお陰だ。そのまま押され格納されていたハンガーの壁に叩きつけられる。

…ダメージは無い。だがこのままは頂けない。後1機残っているのだ。まだ終わっていない此処で食い止めなければ、そう決意し2度目になる前蹴りをお見舞いし再度戦闘体勢を取る。次の瞬間リルの眼前に広がったのは一面のスモークだった。

 

「いやらしい手をっ…!これじゃ撃てないじゃない!!みすみす取り逃がすなんて…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない。遅くなった。」

 

「隊長さん!アンタ今までどこに行ってたんだい!?」

 

「気晴らしの散歩だ。それよりも機体は?」

 

「火も入ってるしオールグリーン!なんなら訓練1発目より調子が良いくらいさ!」

 

「アラン、カムナ。現在の状況を報告しろ。」

 

『こちらアラン!第2小隊は整備員の誘導を行なっています!リルのバカ娘が何処にいるか分かりませんが空いた穴はシャーリー少尉が埋めています!それと敵はMS用迫撃砲を使用!現在は狙撃による排除を試みています!』

 

『こちらカムナ!第3小隊は現在敵機と交戦中!内訳は新型が2機とザクタイプ2機!新型はすばしっこい!数は一緒だが施設を守らなきゃならん分キツイ!援護を願う!』

 

「了解した。」

 

「ハッチ開けー!!動線上の作業員は速やかに退避!最後の仕事も終わったんだ!早く逃げるよ!」

 

「職責の全う、非常にご苦労。ジェイク・ハートランド、陸戦型ガンダム 出るぞ。」

 




戦闘シーンめちゃくちゃつらないすか…?


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8話

お待たせしました(死んだ目)


おいっす。ジェイクだよ!

 

さて前回めちゃくちゃカッコつけて出撃してましたよね、うん。そんでもってもうちょっとで戦闘区域って所で気付いちゃったんですよ。

 

射 撃 兵 装 ま る っ と 置 い て き た 。

 

此処で私の人生は終了ですね…フェンリル隊相手に素手とかどんな舐めプだよ死ぬわ。どうしたもんかなホント。もうみんなに任せとこうか。だって武器忘れちゃったんだもんね!仕方ないよね!

 

いや本当にどうしよう…。これ単純にサーベル一本で戦わなきゃいけないじゃんアゼルバイジャン。いやそれは良いんだけどこうなんというか

「え〜!?隊長慌て過ぎて武器忘れたんですか〜???」

「隊長の陸戦型ガンダムの愛称。赤鼻のトナカイ号にしますか〜???」

「隊長…しっかりしてください…。」

とかなるんじゃ無いかな…?あっこれは死ぬわ、心が。

スゥー…(深呼吸)どうしようかな…丁度いい理由づけって無いかな…ねえな…無いよね…?はぁー…なんか始業式1発目から上履き忘れてスリッパでホームルーム行く気分だぜまったくヨォ〜…。まぁ良いや死にそうになったら良い感じに理由付けて逃げよう。

 

イェーイ、みんなー!隊長様が来たよー!!

 

…え?なに?これは純粋に忘れただけで…いや、基地内だから流れ弾が怖いとかそんなことは全然ないのよ?変な勘違いをやめロッテ!!

 

おぉっとぉ?ここでカムナ機突然のフリーズだぁ!やばスギィ!3人に囲まれちまってる!接近戦特化3機に囲まれて勝てるわけねえだろ!

 

止めにいかなきゃいけない操縦がすっごいしづらいんですけどォ!?なんか先読みされて勝手に動いている気がすりゅう!!あぁもうイキスギィ!そんなとこ振ったって敵なんかいないでしょ!もう!クッソこうなったら整備兵のお方々にやんなよ!絶対やんなよ!とのフリを頂いたアレをするしかあるまい!

 

「勝手に…動くな…!」

 

機体持ってくれよ!!完全マニュアル操作!全力全開DA!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしたの?オードリーさん。…いえミネバ様とお呼びした方がよろしいかしら?

 

…そう険悪な顔をしないの。可愛い顔が台無しよ?ほら眉間にシワなんて寄せちゃダメ!難しい顔ばかりしていると難しい事しか考えられない様になっちゃうわよ?貴女の年の様な女の子がそんな顔をすると何かと損しちゃうわよ?

 

この調子だとボーイフレンドとはうまくいってないのかしら?…きゃ!ちょっと!そんなにムキにならなくって良いじゃない!

 

それで?どうしてこんなおばさんのお話を聞きに来たのかしら?お化粧の仕方ならエレンの方が得意だし、この船で役割が欲しいならホアの所に行ってオペレーターの仕事教わってきなさい。私みたいに戦いたいって言うならまずはアラン隊長の所に行って適正があるかからね。

 

全部違う?じゃあ何?へぇ…私達の戦ってきた事を聞きたい?それはまたどうして?大人…いえ貴女より長く生きたMS乗りとして言うけど、知らなくて良い事は世の中にはあるものよ。それでも知りたい?

 

…そう。そんなに決意を込めた目をされちゃったら。しかもこれから戦いを起こさない為に1番強い部隊の人間の話が聞きたい…そんな事言われたら話すしかないわね。分かったわ、それじゃあ色んな戦いを生き抜いてきた人間の最初の実戦の話でもしましょうか。とは言っても随分前の話になるから辿々しいけど我慢してね。

 

 

 

 

私達の初めての実戦はオーガスタ基地の防衛戦だったわ。

 

色んな戦役で何回も何回も戦う事になる闇夜のフェンリル隊、“戦場の調律師“ブラウアー隊、そして貴女の護衛部隊を務めた事もあったケン・ビーダーシュタットが率いたクリムゾン・レッド隊みたいなジオンの後のエースが一堂に会した豪華な戦いよ。今それを観戦する権利とか売り出されたらいくらでも金を積むって言う道楽者がいっぱいいたでしょうね。

 

そうよ…そう。あの戦いはとんでもなかった。本当にもう大変だったわ。

 

まぁ戦いの結果から言うと引き分け、でも実質的には向こうの勝ち。私達はあっちを一機も落とせなかったけど被害は出てしまった。向こうはこっちを一機も落とせなかった上基地の重要施設は破壊できなかった。だけど私達は被害が出た時点で負けって思ってたからね。隊長が大分気に病んじゃって。

 

教官…ああ、ジェイク隊長ね。気合の入り方が凄いのよ?被害を出さない為に射撃兵装全部置いてきてタックルで敵機を弾き飛ばし出すしね。

 

本当にアラン隊長の狙撃も凄かったし別働で動いてたカムナとブラウアーの一騎打ちも凄まじかったわ。人間よりも動いてたもの。

 

でもね、ただ教官が射撃兵装を使わないだけで奴らを取り逃がす程教官は弱くなかったし、カムナも1対1で戦う分には手強いけど勝てるって戦いだった。乗機もザクと量産型とはいえガンダム3機と廉価型ガンダム6機が相手をして何故みすみす撤退なんてさせてしまったのか。

 

まぁ答えを言うと、貴女の彼氏さんが乗っている機体に積んでいるNt-Dのご先祖様のプロトタイプの試作型を載せていたのよ、各隊長機に。

 

それが何が原因かは不明だけれど過剰駆動を起こしてしまって基礎OSと連動していた部分がダウン、連鎖で機体が強制停止したのよ。

 

まぁ教官はシステムダウンする前にシステムをシャットダウンして、それが動かしていた所をマニュアルで動かしたんだけどね。

 

とりあえず隊長機が機能停止を起こして隊員はそれのカバーに動かざるを得なくなってその隙に逃げられちゃったのよ。…教官はサーベル片手に追いかけてたけど隊長機がダウンした瞬間に撤退されてね。相当出来た指揮官だって当時言い合ったものよ。

 

まとめるとね…初陣は散々だった!これで良いかしら?

 

…そんな変な顔しないの。最強とか精鋭の中の精鋭とか言われてるけど初陣はやっぱりあんなもの。誰だってそうよ。

 

だからね、貴女はもっと他人を頼るべきよ。貴女の名前がそれを背負わせるのでしょうけど。その名を一緒に背負ってくれる子が、そしてその男の子の力になりたいって考えてるオトナがいるのよ。

 

だから、もっと大人を頼りなさい。一刻も早く大人にならなければって焦るのは仕方ないわ。でもね、そういう大人ってね時間を掛けなければなれないものよ。もどかしいかもしれないけれど、一度は立ち止まるべきよ。

 

そうでなければきっと大切なものを取りこぼしてしまうからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RX-79 [G]cus 陸戦型ガンダム改

 

陸戦型ガンダム改は陸戦型ガンダムのバリエーション機の1つである。

 

陸戦型ガンダムは1年戦争中に数々のエースの手に渡り数奇な運命を辿ることが多かった機体であるが、本項目で説明する陸戦型ガンダム改は主にMS技術戦術実地試験評価部隊、デルタ中隊が運用した3機の俗称、又はそのデータを元に改修を施した一連の陸戦型ガンダムである。

 

1年戦争の最初期からMSを運用、様々なジム改造機の源流を生み出し、後の世の全ての技術者が参照する実戦データの手本と言われるほどの濃密な実戦データを提出し続けた部隊、通称デルタ中隊。その中でも特に地球に残り残敵掃討の任務についたアラン小隊が運用し続けた機体が、この陸戦型ガンダム改である。

 

陸戦型ガンダム改が生まれた経緯としては、地球上初のMSのみによる戦闘であるオーガスタ基地防衛戦において、敵のエースによる超接近戦に対応しきれず敵を仕留めきれずに逃がしてしまう失態を演じたカムナ少尉(当時)の発案がきっかけと言える。彼が技術部に武器を使用しない間合いでも有効打を与えられる武装を要求したことで、肘や膝に折りたたみ式のヒートパイル、脛部に以前から必要と進言されていたワイヤーカッターを増設した、さながら全身凶器と言った風貌のカムナ機が誕生した。そしてパフォーマンス低下や整備性を追求し各部に防塵処理や増槽を設置、各関節部に施されたシーリング処理は以降の地上戦用MSには必須装備となった。

 

そして特に改造を必要としていなかったジェイク中尉(当時)とアラン少尉(当時)の機体にも技術部の魔の手及び特別仕様のチューンナップが施され現地改修機として運用された。

 

ジェイク中尉の機体は本人の適性を鑑みた結果、全てを並以上に熟せるという結論になり総合性能を向上させるためにほぼ全てに渡り手が入れられた。ブースターの数は通常の倍に増え脚部にスラスターを増設。それによりビームサーベルは腰部に移設された。外見の差異はこの程度しか無いと言って良いが内面に至っては別物と言っても良いくらいに改造されており、一説によれば反応速度はジオン軍の最高峰のMSであるゲルググの1.2倍と言われる。そこに彼の神がかった操縦技術が加わることにより、文字通り無敵と言って良い機体に仕上がった。

 

アラン機も同様に本人の適正に合わせて改修が進められ、頭部センサーを連邦が用意できる最高に物に換装、バックパック部に高感度外気センサーやサーマルセンサー等が搭載された複合ユニットを装備。センサー有効半径はこの時代の機体としては破格の9000mを有し、この機体のセンサー類だけで後のGM2機分のコストがかかったと言われている。武装は大気圏により減衰が著しく照準通りに飛ばない可能性があるビーム兵器は採用せず、対MS用95mm徹甲焼夷ライフル弾を使用する事により安定した命中精度と確実な敵機の撃破が可能になった。

 

以上の改造を施された3機はオデッサ作戦、ジャブロー防衛戦などの主要な作戦を小隊長機として勤め上げ、ジェイク隊カムナ隊が宇宙に上がった後はアラン隊の隊員3名の乗機となり、キャリフォルニアベース攻略作戦、レッドグランド作戦等に参加した。戦後には各地で実施されたアグレッサーとしての任務も万全に勤め上げ、0083年までは地上でこの機体をアラン小隊が使用したとの記録がある。

 

総括するに、この機体は伝説となったRX-78の廉価版と言われた汚名を見事に返上し、実に6年もの間細かな改修を受けながら戦い抜いた名機であることは疑いようのない事実であり、技術者達の汗と涙の結晶をパイロットが余すことなく発揮した結果の戦果である事は何人も否定できない。故に我々が刻むべきはパイロットを生きて返すための整備の重要性や、パイロットに合わせた調整の重要性ではないだろうかと教範の言葉を引用した所で筆を置かせて頂きたい。

 

 

 

 

 

 

「ほぉ…コイツがあの連邦の五大ヤベーパイロットのうちの3人が乗った…伝説の始まりの“ガンダム”か…。」

 

「感慨深いって感じだね。レッド。まぁ3人ともが乗った期間は短いんだけどさ。レッドは地上では会わなかったんだっけ?」

 

「そうだなぁ…噂だけはアホみたいに聞いたぜ。まぁ見た事ねえからなんとも言えねえんだが。ジェイク隊とカムナ隊は宇宙に来たけどアラン隊は地上の残党追撃に残ったからな…一回だけ合同作戦やったことあるけど、俺たち先発隊よりも先に行って戦艦叩き落としてから来いってんだぜ?頭わいてるってレベルじゃねえよ。スコアも持ってかれるしな。」

 

「あはは…やっぱり因縁あるんだ…。にしてもすごい機体だよね。いや、機体自体は古いんだけどこう、なんて言うのかな。思いの結晶みたいなのかな。」

 

「良いものか悪いものかは置いておいて、思いが詰まったってのはそうだろうよ。何しろ連邦のエリート技術者が一堂に会して日々最新装備やシステムやらを組んで、尚且つ最高のエース達が日々新鮮なデータを提供してくれて、熟練も若手も全てが力を合わせて機体を整備し万全の状態を保つ。こんなに大事にされて思いがこもらねえ筈がねえよ。」

 

「そんな良い機体が博物館に有るってのはなんか悲しいわね。そう思わない?」

 

「…思わねえな。もう戦いで付いていけるようなスペックじゃねえし、何よりここで突っ立ってるだけでご主人様の実在の証明書になるんだからよ。」

 

「…あまりにもあげた戦果がデタラメ過ぎて存在が疑問視されているものね、デルタ中隊。実際今はジェイク・ハートランド元大佐殿はもう除隊しているし。アラン中佐も今はカラバに所属しているから実質飛ばされた様なものだし、唯一実働できる場所と権限があるのはカムナ中佐だけだもの」

 

「そうだなぁ。カムナからとっとと帰って来いとせっつかれてるが、やっぱり時間に縛られない生活は良いものだよ。最初の頃とか毎日8時間は訓練で乗っていたからなぁ…。」

 

「…デタラメよねホント。」

 

「違いない。」

 

「…そんなに言われなければならない事かね…?これは。」

 

「「…ん?」」

 




この2次創作は1番最初のプランではタグの通り、戦記、戦線、クライマックスUC、ジオフロを混ぜ混ぜして一年戦争からクロボンまで行こうかなんて考えていたんです。

それがいつの間にかコミック外伝系が多数入ってを大幅な設定のすり合わせに難航しております。ジョニーの帰還が入ったせいでなんかすっごい書き換えなければならなくなりましたね。

とりあえず遅くはなりますしなんでしたら矛盾がいっぱい出てきますが失踪だけはしない心持ちでいきます。もう関連書籍だけど4諭吉はフライアウェイしましたからね。

ではまた


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9話

おやすみなので早めに投稿です


さて、今日の特集はこの番組でも特に人気のあるコーナー。MSパイロット名鑑Next。宇宙世紀90年という事で大特番4時間スペシャルである今番組、その2時間位はこのコーナーに使う様にプロデューサーに進言しましたところ、使う使わないでスタッフ間で殴り合いの大戦争が起こった事は当局での伝説になるでしょう。

 

今回の特集は一年戦争の“白い悪魔”アムロ・レイでもジオンのエースの象徴“赤い彗星”シャア・アズナブルでも謎多きエース“真紅の稲妻”ジョニー・ライデンでもありません。

 

公式戦果はアムロ・レイに続く第3位ですが、そのキャリアの多くを教導隊隊長として費やしたために戦果を築き上げた期間は地球が主戦場であった時期のみ。その後もMSのエキスパートととして活躍し続けた

“連邦の戦神”ジェイク・ハートランド、

”戦神の弓“ラリー・ラドリー、

”戦神の盾“アニッシュ・ロフマンの3人で構成された最強部隊議論で必ず名が上がるデルタ第1小隊通称「デルタ・ガーネット」。

 

その隊長である彼が一年戦争中に率いた“戦争の勝敗を変えた部隊”と名高い「第1MS戦闘機動研究技術検証大隊」。そしてその流れを組むオーガスタ教導団。その基幹部隊であるMS教導群で彼と共にアグレッサーを勤める事を許された

”ブルーホーク“アラン・アイルワード、

”ポイズンアップル”リル・ソマーズ、

“アイアンマン“デニス・バロウの3人の第2小隊「デルタ・サファイア」

 

“フランベルジュ”カムナ・タチバナ、

”ミセリコルデ“シャーリー・ラムゼイ、

”ツヴァイヘンダー“パミル・マクダミルの第3小隊「デルタ・ペリドット」

 

以上の3小隊を根幹としたオーガスタ教導団は、基地閉鎖の時までエース養成所として機能していたそうで、訓練を修了すると連邦軍の中では階級が2つ程上と同じ待遇を受けるのだとか。理由は訓練修了者0人の年もある余りに過酷な訓練課程で、訓練中の事故によりトラウマを背負う訓練生もいるとか。

 

その様な戦士でありながら同時に教え育てる者であったジェイク・ハートランド、及びデルタ中隊の素顔に今回は迫っていきたいと思います。

 

「なぁノエル。」

 

「どうしたんですか隊長?特番を組まれる様な人間である事はとっくに理解してるでしょう?」

 

「隊長呼びはやめてくれ…。ちょくちょく俺たちは抜けて教導とかしてなかったはずなのにどうしてこんな事になってるんだろうな…。」

 

「仕方がないじゃないですか、アナタが戦果を挙げすぎるのが悪いんです。とりあえずアナタに教えられたって言っていれば箔がつくんです。そこにアナタが教えたという事実は要りませんからね。」

 

「んなこと言われてもなあ…現に教導隊じゃなくって特務隊で動いてる方が多かっただろう?なんでまたこんな嘘つかないといけないんだろうな…。」

 

「そっちの方が都合が良いからですよ。現に私達が関わった案件は表には出せないのが多いですから。後ろで後進を育てていた、そういう事にしておくと全部解決するんですから、そうしておきましょう。…それとも、また戦場に立っていたいですか?」

 

「…お前に危害が及ぶ可能性があるなら、何度でも戦場に行って帰ってきてやるさ。」

 

「ふふっ、信頼してますよ?隊長。…あら、起きちゃったみたいですね。」

 

「おとぉさん…おかぁさん…なんのはなししてるの…?」

 

「いい子は寝る時間だよ、エステル。お父さんと一緒にベッドに行こう。」

 

「やぁだ…おかぁさんもいっしょがいい…。」

 

「…ご指名だぞ、ノエル?」

 

「ふふっ、分かったわ。じゃあ一緒に行きましょうか。大丈夫よ、どこにもいかないから。」

 

「うそはだめなの…おとぉさんおほしさまといっしょにどこかにいっちゃうもん…。みどりのひかりといっしょに…。」

 

「大丈夫だよ。お父さんはどこにも行ったりしないから。…アナタ?どうしたの?」

 

「…いや、なんでもない。じゃあ今日は一緒に寝ようか。どこにも行ったりしないから。帰ってくるよ、約束だ。」

 

「やくそくだよ…?」

 

「ああ、約束だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…成る程な…オデッサでビッグトレーを沈めたフェンリルに第6MS機動試験小隊を殲滅したブラウアー隊か…、後から合流した3機はどこの所属だ?」

 

「北アメリカ方面軍に向かう第8輸送機中隊を殲滅した白い盾にジオンマークをマーキングした部隊と一致します。輸送隊をエスコートしていた36戦車大隊と第9MS試験群を殲滅した部隊ですね。部隊名は…“アイアス”。」

 

「ソロモン方面でサラミス二隻と宇宙戦闘機10機を落とした部隊です。やり手では有ります。」

 

「その3部隊に奇襲をされて損害はあれだけか…やはり彼らに任せて間違いではなかったな。だが…取り逃がした理由にある、隊長機2機の行動不能とはどういう事だ?」

 

「…ローレン・ナカモト技官の元で主導して後付けした教育型コンピュータが、それまで採用していたOSと噛み合わずにエラーを起こし、機体が強制停止を実行したためです。元よりその日は学習型コンピュータの機動実験と正常に動作するかの試験で有りましたので、この件については致し方が無いかと…。」

 

「2機の隊長機が停止した理由は分かった。なら何故同じコンピュータを積んでいたジェイク機が停止していない?コーウェン准将?」

 

「…それは…その…。」

 

「その点については私から述べさせて頂きます。」

 

「アニー中尉か、何故なのかね?」

 

「まずあの機体に搭載された教育型コンピュータの特性をご説明させていただきます。本コンピュータ、“RNT-01トレーサー”はパイロットの実戦、仮想訓練で得たデータをコンピュータに入力し、その上でパイロットの行動を予測し取り得る行動を狭め機体のレスポンスを上げるというシステムです。これまでは歩行、姿勢制御、飛行等の行動は全て機体側が自動で行なっていましたが、攻撃行動、特に格闘においてはパイロットが入力したコマンドを機体内のパターン化された行動で消化する形でして、大変柔軟性に欠けていました。そこで事前にデータを集めて、それをトレースする形で個人の動きに変えるというのがトレーサーシステムの概要です。今回の停止はOS側がパイロットの要求行動パターンを解析し続けた結果のエラーでした。」

 

「ではジェイク中尉は元から入力されたデータのみで戦ったと?」

 

「…いえ、トレーサーシステムを使わずにそのままフルマニュアルでの操縦を行い、敵機を撤退に追い込みました。」

 

「……ん?」

 

「ジェイク中尉は初期から入力されている動作パターンも使用せず、全ての行動をマニュアルで制動しました。まぁあれです、目隠しして飛行機を飛ばす様なものですよ。」

 

「…はぁつくづく規格外だな…彼は。」

 

「それを予見した貴方も大概なものですよ。ゴップ議長。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「襲撃は失敗したか…。連邦の技術は我らを超えたという事か。」

 

「ですが、ヒートホークなどの近接武器やザクバズーカなどの兵器は有効という事が分かっただけでも御の字ではないでしょうか。キシリア閣下。」

 

「本当に御の字と言うのか?我が軍で主兵装として広く普及しているザクマシンガンは効かないことが同時に証明されたのだ。それに有効な武装であっても近接戦ではこちらのMSは1発もらうだけで落ちるのだぞ?バズーカは弾速が遅く、回避に専念されれば避けられる代物だ。」

 

「地上方面では格闘戦を主体にした局地戦MSが開発されております。噂によればザクの運動性を軽々と凌駕するとか。」

 

「奴らは恐らくその先を行くだろうがな。…ツィマッド社が新機軸のMSを開発していたな?」

 

「熱核エンジンを使用したホバー移動を可能にする機体ですね。未だに試作段階で、マ大佐の統合整備計画の煽りを受け開発は難航しているはずですが。」

 

「ツィマッドの担当者にアポイントメントを取れ。私自ら出向こう。」

 

「閣下自らですか!?そこまでなさらなくとも…。」

 

「しなければならんのだ。…そして乱入してきたドズル兄様の部隊はどうなっている?」

 

「はい…現在はフェンリル隊と合同で動いているそうです。当面はフェンリル隊の指揮下に入り、ガルマ閣下のおられる北米で別れガルマ閣下の指揮下に移行する様です。」

 

「ドズル兄様は心配性の様だ…。他の連中の動向は?」

 

「修羅の双星がガルマ様の指揮下に入ったとの情報があったという事と…。」

 

「あの2人か…なかなか腕の立つパイロットだったな。」

 

「シャア少佐がサイド7にて連邦のMSと交戦したとの報告が。」

 

「機体の特徴は?」

 

「報告に上がっています通り、RXなる試作機の様です。フェンリル隊が交戦した少数機も同系統の機体と思われます。現在は地球に進路を向けているとの事です。」

 

「用心は…せねばならんか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はーい元気ィ?僕の名前はジェイクってんだ。

 

とりあえず色々訳わかんない連中を追っ払って一息つけたらと思ったら、昨日の今日で試作機が搬入されてきたんだ!

 

新しいガンダムタイプだって!いったい誰が乗るんだろうね!

 

ガンダム 4号機と5号機だって!サラブレッド隊に渡るんだろうなぁ!きっとそうだろうなぁ!

 

「どけどけー!我らが戦神様とタチバナ隊長の宇宙用の機体だぞー!完璧にチューンナップしてジオン野郎をボコボコにしてもらわなきゃならんからなぁ!!やるぞおまえらぁ!!」

 

「「「「「オッス!!!」」」」」

 

ふざけんなお前らNT-1仕様になっちゃうでしょうが今すぐ改造をやめんかダボハゼがぁ!!




アレックスが一機しかないから問題になるのであって地球で改修すればポケ戦が起こらないことに気づく。

そういえば活動報告でリクエスト的なやつ受け付けてます


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10話

お久しぶりです。
センチネル読んでてどう出すかで悩んでて遅くなったということはありませんが1年戦争編よりもUC編の方がさらさら出てきますね。


ぼんじょーるの!ジェイクだよ。

 

ただ今ジャブローのお偉いさんは大忙しらしいね、なんでかって?とうとうホワイトベースがサイド7から出航して原作の1年戦争が始まっちゃったからだね。

 

ゴップ議長やレビル将軍も目を剥いてたからね。コーヒー吹かなかっただけ大したもんだよあの人たち。軍の超最新鋭軍事用戦闘兵器が少年兵に運用されるとかどんな悪夢だ。

 

ただ気になるのは、ガンダムが全機揃ってるらしいんだよな…。どうなってんの?積み込みとかする時期じゃなかったでしょ?…予想以上にデータが早く集まったから出港を早めた?なるほど。

 

それはさておき、原作と違うのはそこくらいでやっぱりジオンの勢力圏に落ちてしまうのは変えられなかったみたいですねやっぱり。現在ホワイトベースは北米大陸のどこかにいるとの事で、救出作戦を提案しているけど色良いお返事とかはまだですね〜。

 

にしてもなんというか、ジオンの動きも活発化してきて大変なことになっておりまする。青色の機体が各地で見られ、果てには滑るように動く機体までもが目撃され始めたとか。はっはっは待てや。

 

とりあえず今はまだオデッサ近郊やキャリフォルニアベースなどの大型の基地の勢力圏内でしか目撃されていないが、それでもヤバイものはヤバイですよ。今のパイロットが育ってない状態でグフやドムの相手をさせられるのは非常にマズイ。コッチにはまだマトモなMSが無いのにどうしてこんなに早く新しいMSがバンバカ出てくるんだ?…まさか俺みたいな転生者っぽいのがいるのか…?

 

…まぁ考えても仕方ないなら考えないで良いや。見つけたら殺る位の勢いでいこう。…でも戦後を考えるとそれもそれでなぁ…Zあたりの事を考えると死んでもらうよりももっとこう…良い手段がありそうなもんだが。

 

とりあえず技術班は一旦落ち着こう?今チラッとcommandの文字見えたよねぇ?それジムコマンドの設計図だよねぇ?そっちに本腰入れようか、腕ガト製作は一旦置いておいて良いから。チョバムアーマーIIとか考えなくて良いから、ガンダムのスラスターの2倍近いスラスターも一旦おいておいて良いから。大出力ビームバズーカとか考えなくて良いからぁ!やめんかお前ェ!どっちか死んじゃうでしょうが!縁起でもない!

 

…え?パーソナルカラーは何色ですかって?…特に決めて無いなぁ…。なんか良さげな色ある?…赤色?成る程、良いんじゃない?彗星や稲妻と被るけど。メインカラーじゃなくて差し色みたいな感じで使うなら良いよね。

 

ん?どうしたのノエルちゃん?辞令出た?はいはい。

 

…現時刻を持ってMS技戦試験評価部隊を解散し第3MS特務中隊と名称を変更する。その後はジェイク隊、アラン隊、カムナ隊に分かれ別個の任務を受けてもらう。差し当たってアラン隊はオデッサ近郊の遊撃任務、カムナ隊はジャブローにて教導任務、ジェイク隊はホワイトベース捜索任務を命ずる…?

 

出発は3日後…!?な、なんじゃこりゃ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガンダムの量産計画の進捗はどうだ?」

 

そう穏やかな調子で声を発したのは2日前に飛び込んできた一報で睡眠時間を大幅に削られ肥えた頬がこけ始めているという愉快な顔になったゴップ大将であった。

 

「当初予定していたスペックの品は出来ています。ですがやはりパイロットの機種転換が難航しています。戦闘機パイロットをMSパイロットに機種転換する、という案自体は良かったのですが、何分二足歩行と飛行は勝手が違いまして…。」

 

そう心苦しそうに話す担当士官は心苦しそうだった。声色から成果を出せない事を恥じているのは明らかだった。

 

「やはり問題は人か…。だがその問題はすぐに解決するだろうよ。戦技研究隊から人員の収集をかけた。カムナ隊がジャブローに来てくれるさ。パイロットの教導は彼らに任せれば良い。」

 

「了解致しました…。」

 

悔しさを隠しきれないまま士官は席に着いた。

 

「…それでは次はアレだな。ホワイトベースについてだ。」

 

空気が一気に張り詰める。現状、ジオンの勢力下にのこのこと向かってしまった形になる最新鋭戦艦と多数の避難民を救助する良策は少ない。だが、無いわけではないとゴップはひとりごちた。

 

「現状ジオンの勢力下に落ちてしまったホワイトベースは、民間人がガンダムに乗り、正規軍人は非常に少ないとのことだ。艦長も中尉が勤めているという。状況だけ言えばハッキリ言って詰みに近い。だがアレにはガンダム1号機から3号機までが積み込まれている上に、デルタチームが収集したデータ、オーガスタ造兵廠のビーム兵器の設計図、改良型ジェネレーターの試作型まであるそうだ。さしずめアレは、我々にとってのパンドラの箱に成り果てた訳だ。見捨てるという選択肢は存在しない。」

 

会議場が騒めく。彼のエース達が在籍するオーガスタ基地は現在はジャブローに並ぶ連邦有数の試作機開発の先駆けとなっている基地である。噂ではGMの改良型をすでに試作し始めているともある。そんな堅実な戦闘マシーンを息をするように作る変態どもが作ったビーム兵器とそれをドライブするに足るジェネレータだと?冗談ではない!一気に戦力バランスがジオンに傾いてしまう!

 

「…事の重大さはわかったようだな。」

 

なるほど、事の重大さはのんきに椅子に座っているような事態ではない。それはわかった。だが、これ程の重大な作戦を一体誰が担当するのか?誰もが思った。私はやりたくない。

会議場は沈黙に包まれた。不用意に発言すれば槍玉に上がると誰もが知っていたからである。

 

「この件は私に指揮を任せていただきたい。」

 

そう、凛とした口調で沈黙を切り裂いたのはレビル派の将校であり武闘派として名を馳せているパーシング・ハートランド少将であった。

 

「私がジェイク隊と共にホワイトベースに向かい指揮権を掌握した後に直行でジャブローに帰ってくる。やる事はこれだけでしょう?であれば、私が動けば問題がない。」

 

そう迷いなく言い切れるのは何故か。ここで少将は自身が失敗すると欠片も思っていないからだと判断したゴップ大将は焦りを隠しながら言葉をかぶせた。

 

「君が担当している歩兵連隊の預かりはどうなるのかね?」

 

「部下に任せれば良いのです。もとよりあそこでは私自身は印鑑を押すだけですからな。それくらいは副官でも出来ますとも。」

 

「だが連隊指揮官が高々戦艦を迎えに行く程度で出張っては困るというものだ。適役がいるのだよそういうのは。佐官が動くのが妥当な任務だとも。」

 

「本当ですかな?我が軍の最新鋭のMS3機に、倅が働いている造兵廠の最新ビーム兵器、それがドライブ可能なジェネレーター。どれも失敗した時にはクビが飛ぶでは済まない重さだ。こんな重責は、それ相応の職責を負ったものがやらねばなりません。」

 

再び会議室が沈黙に包まれる。やらねばならない理由しかないが、自分が責任を負うのは良くない。かと言って若手の小僧にみすみす手柄を渡すというのもカンに触る。

 

そのような二律背反を飲み下したまま会議は踊る。時間を無為にすりつぶしながら。

 

結局結論が出たのはタイムリミット間近。ジェイクが3日後の出立に慌てて準備をする羽目になる15時間前の出来事である。

 




私の脳内ではEx-Sとデルタカイとシナンジュスタインがネオジオング相手に決死の時間稼ぎを行なっているところが浮かんでいます。
それを書くのは100話ほど先です。


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番外編 番外編:神罰への反逆

思い付いて筆が乗ったのでこっちの方を生存報告がわりに上げておきます。
本編はもうちょっと待ってください…。


0083 11月13日

 

「…やっぱさぁ…隊長。これ正気じゃねえと思うんだわ。」

 

押し留めいていた物がついこぼれ出た様な言葉がデニスの口から出てきた。

 

「まぁ普通に考えればそうなんだけど、今の状況が普通じゃないし何よりこれしか手がない。」

 

そうこともなげに返すのはデルタ中隊きっての射撃のエキスパート、極まった変態トップ3第2位(本人は否定)のアランだった。

 

「いやまぁそりゃそうですけどね?いったい誰がコロニー落とされる事を前提とした地対大気圏外狙撃用タングステン杭発射機構なんかマジで開発するんですか。」

「うちの基地の連中に決まってるだろ。」

 

様々な兵器開発、兵科研究の最前線の一つのオーガスタ基地では過去凄惨な被害を出したコロニー落としの対策を勿論検討した。

ジオン残党が確実な勝利を狙うとするならば初期のギレン・ザビが取った手法を再び行うしかあるまい。すなわちジャブローにコロニーを落とすという悪夢の再演である。

勿論それが行われる可能性があるのなら対策を行わなければならない。だが前提条件がおかしいのだ。なにしろ宇宙から気象条件が良ければ落ちてくる様が見える程の質量弾を落とされるのだ。無論予防、警戒しか出来ることはない。

だが人は安心を求めたがるものである。彼等ならば…と希望を背負わされる生贄がいなければいけなかった。故に彼等は理解の埒外にある様な装備を渡されたのだ。

 

設定された条件は迅速に移動、展開可能な対コロニー用高射砲を用い50万分の1の縮尺でクレーターが辛うじて見える程度の被害にする事。

しかし結局の所地上からの確実な破壊は限りなく不可能に近いという結論が出た。

 

そう限りなくである、絶対では無い。

 

ではその条件とは?一体究極の質量兵器と言っても過言ではないコロニー落としを妨げ撃ち砕く武装とは?

 

MS搭載式対コロニー用多段薬室型600mmタングステン杭発射機構 通称「バベルの塔」

MSを発射機構の一部に組み込む人の英知が作り上げた神の怒りを砕く化け物である。

 

正式名称だけでキチガイじみた一品である事は察していただけると思う。ではそのバベルの塔がもしかしたらコロニーを破壊出来るかも知れない、となる条件はなんなのか

 

コロニーの質量40%以上を既に喪失させた状態で射程ギリギリの大気圏突入前のタイミングで

コロニーの真下から杭を撃ち込む事である。

 

賢明な読者諸兄ならばお分かりだろう。不可能だと。だがその不可能を可能にするかも知れない部隊があったら、装備を渡すだけ渡してみたくはないか?その結果がこれである。

 

対コロニー用600mmタングステン杭使用型高射砲 通称「バベルの塔」

MSを発射機構の一部に組み込む人の英知が作り上げた神の怒りを砕く化け物である。

 

「ですねえ…砲手?」

「やめてくれよ…失敗しても成功してもダッシュで逃げなきゃいけない役なんだから。」

 

「にしてもネーミングセンス悪すぎるでしょ…天から降ってくるものは神様の意志だ、って言うのをうるせえ死ねって言うためにバベルなんてコードネームつけて…。」

 

「まぁやるだけやるさ。

…やっとこさ戦争が終わったんだ。終わったらバカンスなんだからサクッと終わらせてくるさ。」

 

「ご武運を、隊長殿。」

 

「さてと…なるべくちっちゃくなっててくれよ…。出来ればリル基準の微塵切りくらいが丁度いいんだけどな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙からコロニーが降ってくるのは3度目になるだろうか。そうあまりよろしくない事を考えながら目の前の現実を直視する。

 

教官達は上手くやったみたいだ。ヘッドセットからは隊長達がコロニー内部から核を起動させてバラバラにしようとしたらしい。だが妨害が酷かったらしく3分の1しか切り離せなかったらしい。

 

それにゴーグルハゲがソーラシステムを使ったらしいがやはり無理だった。まるで落ちてくる運命は変えられないみたいに。

 

だが教官の読みは恐ろしいほどに当たった。首脳部は満場一致でジャブローを狙うと予想をした。当然だ、誰だって敵の本拠地を一瞬で壊滅出来る武器が手に入ったら迷わずそこに向けるだろう。

だが教官は穀倉地帯を狙うと言って秘密裏に僕をここに向けた。

その読みは大当たりって感じだ。僕は今コロニーの真下にいられる。

 

「やっぱり残ってるな…だけど大分無くなってるな。これなら直撃させればいけるか…?」

 

つい独り言が口から溢れる。

 

「やっぱやだなぁ…何万人もの命を背負うなんて…。あー…考えていいのは晩飯の献立だけにしよう。」

 

『隊長、予定時刻6分前です。』

 

ホアの声が射撃予定時刻が迫っている事を告げる。

 

マニュアル通りに待機させていたシステムを起動していく。

 

「ありがとうホア。

 

…射撃姿勢、クリア。

各機関部連結開始…クリア。

弾頭装填…、クリア

炸薬装薬開始開始…クリア。

照準補正システムと同期開始…、」

 

『…隊長。』

 

「どうしたんだいホア?後は同期させればいつでも撃てるよ?」

 

『もちろん分かっています。…その…こんなこと言うのは侮辱と取られてしまうかもしれませんが…』

 

彼女は言うか言うまいか迷いつつも意を決した様子で次の言葉を口にした。

 

『どうか失敗なさったとしてもご自分を責めないでくださいね。』

 

「…そりゃまたどうして?」

 

呆気にとられた声が出てしまう。やる前から失敗の事を考えてどうすると言うのだろう。

 

『元々1人で最終防衛ラインを担うことがおかしいのです。貴方方三人は平然と担ってしまいますが、それはおかしいことなんです。』

 

『ですから、死なない事だけを考えて下さい。私からの一生のお願いです…!』

 

そう伝える彼女の声音は本当に耐えられないと悲鳴を振り絞って声にしたかの様で、つい口から慰めの様なよく分からない釈明が飛び出した。

 

「…有り難いけど、そんなワガママを言って良い人間じゃないんだ。」

 

「僕の手はドス黒いんだ。だから、汚れてない人の分まで戦わなければいけないって僕自身が決めたんだ。」

 

「僕は死ぬまで戦うよ。殺して来た人達の分まで、その人たちの恨みを背負って生きるさ。」

 

「だから、奴らが神様気取りで振らせてきた天罰もどきは絶対止める。」

 

「僕の矜持にかけて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり射程に入るとでかいなぁ…。」

 

薄もやが掛かった様な対象が見える。倍率を上げなくても十分に確認出来ると言う事実はそれの巨大さを否が応でも思い知らせてくる。

 

「まぁやることは1つだ。」

 

そんなことは関係ないと射撃姿勢を取ったジムスナイパーカスタムを飲み込んだ「バベル」はその銃口を天に向けた。

 

銃身全長106m、

薬室数4つ、

使用炸薬量50kg×4、

弾頭重量8000g、

有効射程4800m

 

恐らく人類史という範疇で見ても最長の狙撃となるだろう。なにしろ成層圏の向こう側を狙うのだから。

 

「そこだ…!」

 

スーパーコンピュータのアシスト、自身の腕を信じて狙いをつける

 

「…砕けろ!」

 

神罰に向かって今、引き金が絞られた。




果たして結果はどうなったのかは読者の皆様方にお任せします。


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