支援物資を投下する。 (フィジカル山下)
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支援物資を投下する。

MP5は可愛い、いいね いいね!


「なんです、この配達量は?」

この言葉が出るのも無理はないだろう。

彼、輸送機パイロットの前にはG&K各基地に配達する物資のリストが山のようになっている。

 

「仕方ないじゃないですか、この時期ですし本部も各基地には頑張ってもらわなければいけませんし。」

そう言うのは、赤い帽子を被った白髪の少女…いや戦術人形『MP5』だ。

 

「だからって、この量を2人でやれって無理があるでしょ…。」

彼はぼやきながらも準備を進めていく。

ジャケット、ヘルメット、デバイスを着々と身に付けていく。最期に手に取ったのは拳銃だ。それにマガジンを入れホルスターに納める。

 

「まあ、どこも人手不足ですからね。そのための私たち戦術人形ですし……っと。」

MP5も搭乗するための準備を進めていく。その彼女も自身の名をかんする銃『MP5』にマガジンをはめる。

 

「だったら、ここにも人形を多少なりとも配備して欲しいもんだな襲われたら堪ったもんじゃないよ。」

 

「む、わたしが頼りないとでも言うつもりですか?……キャ!」

 

「そんなことはないさ。お前さんにはいつも助けてもらってるしな。だから今日もよろしく頼むよ…『MP5』。」

 

彼はそう言いながら、MP5の頭を撫でる。

 

MP5は顔を紅くしながら、言い放つ。

「なっ、なっ、子供扱いしないでください!

も、もう行きますよっ!」

 

まるで、ぷんすかという擬音をだしながらMP5は輸送機に向かっていく。

 

「可愛いやつだな……。待ってくれよ、誰が輸送機を操縦するんだっての。」

 

彼も輸送機に向かっていく。顔にはいい笑顔を浮かべながら。

 

 

 

 

にゃ~

「んで、やっぱりコイツは輸送機にいるんだな。幸運の猫さんよ。」

 

彼の目の前、操縦席には黒猫が寛いでいた。MP5は黒猫に近づいて抱き抱えた。

 

「あはは、この子もわたし達の仲間ですからね~。さて、動きますからここにいてくださいね。」

 

ゴロゴロ~

 

黒猫の喉を撫でながら席に座る。

 

パイロットの彼も離陸準備に取りかかる。

「いいさ、今日も何事もなく配達が済めばな。……あ~、少しばかり時間が掛かりそうだけど。」

 

物資が積まれた後ろを向く。

 

「今日の配達が終われば暫くは無いですからね。頑張って下さいね。でも、寄り道はダメですからね。」

 

「わかってるよ、今日は真っ直ぐ帰るよ。あっでも、基地にいる指揮官から何か貰うのはアリだよな。高給取りの指揮官だから良いもん持ってるんだよな~。」

HAHAHAと高らかに笑いながら輸送機を離陸させる。

 

「まったくこの人は、しっかり操縦してくださいね。これで墜落したとか笑い話にもなりませんからね。」

 

「そのためのお前さんの電磁シールドだろ。制御を頼んだよ。」

 

MP5は機器を操作しながら頷く。そうすると、輸送機の周囲に電磁シールドが展開される。

 

「よし、んじゃま『こちら、G&K支部輸送分隊第5小隊所属D002号機輸送任務を開始する』いくぞ。」

 

輸送機が浮上し発進する。

 

昇り始めた朝日が輸送機を照らす……。




とって着けたような設定


パイロット…その名の通り輸送機を操縦するパイロット。基地に物資を配達するのが主な業務。人に自慢できること『1度も墜落したことがない』本人曰く「ヘリ、輸送機がそう簡単に墜とされてたまるか」らしい。

MP5…輸送分隊に所属する唯一の戦術人形。主な業務は輸送リストの作成や輸送機の警護、輸送中のシールド制御がある。パイロットは知らないが彼女は広域シールド制御のテスト人形である。


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