カードファイト!!ヴァンガード 全ての物語のReLive (先導)
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設定

登場人物

 

橘カズヤ

 

容姿:ロックオンビクトリー通り

 

服装:制服➡宮地学園高等部男子制服

   私服➡黒ジャケット、白のシャツ。黒の長ズボン。チェーンアクセサリーがズボンに。

 

使用クラン:ギアクロニクル

 

フェイバリットユニット:グランドストライク・ドラゴン

 

誕生日:10月18日

 

好きなもの:ロマン カップラーメンとんこつ味

 

嫌いなもの:退屈な日々

 

イメージCV:ロックオンビクトリー通り

 

本作の主人公の1人。宮地学園高等部1年生。退屈な日々を送っていたせいか、大人っぽく振る舞っている。兄がヴァンガードをやっているおかげで気にはなっているが、小学生時代のひねくれている性格が残っているのが災いして妙なプライドでヴァンガードに手を付けられないでいた。そしてソウジの何度目かわからない誘いとミサキの説得でヴァンガードを触れることに。そして、リンとのファイトを通して、彼の心に熱い思いが目覚めた。それと同時に、後々に大きな困難が待ち受けていることこの時の彼は知る術もない。ちなみに、学校での友人関係はそこそこだが、生徒会に属している人間は嫌っている。

 

日下部リン

 

容姿:ロックオンビクトリー通り

 

服装:制服➡後江中学校女子制服

   私服➡学校支給のジャージ

 

使用クラン:ぬばたま

 

フェイバリットユニット:修羅忍竜クジキリコンゴウ

 

誕生日:1月5日

 

好きなもの:強いファイター 卵焼き

 

嫌いなもの:怠惰

 

イメージCV:ロックオンビクトリー通り

 

本作の主人公の1人。後江中学3年生。冷静沈着で他人に厳しく、自分にも厳しくする性格。常に丁寧な口調で話す。櫂と三和とは小学校次代からの幼馴染で先輩後輩の関係で、シズクとは小学生時代からの友人。ヴァンガードを長く続けており、その実力は折り紙付き。幼き頃はおどおどし、物事をはっきり言えない恥ずかしがり屋の性格。己で磨き上げた力こそが絶対と思い込み、櫂と三和、シズクともう1人を除いては友人と呼べる人間は存在しなかった。しかし、カズヤとのファイトを通し、アイチとの再会を果たし、己の中の価値観が変わり、少しずつだが変わりたいという気持ちが出始める。

 

日向シズク

 

使用クラン:ジェネシス

 

誕生日:6月20日

 

フェイバリットユニット:神託の女王ヒミコ

 

服装:制服➡晴海中学校女子制服

   私服➡黒のロングコート、薄紫のシャツ、空色の長ズボン、ハイヒール

 

好きなもの:今流行しているもの

 

嫌いなもの:虫の大群

 

イメージCV:BanG Dream!ガールズバンドパーティ:今井リサ(今ボイス)

 

晴海中学3年生。リンの小学校の頃の同級生。自他ともに認めるギャルで今現在で流行りのものには必ず喰いつくが面倒見がよく、信頼できる姉御肌の持ち主。どんな服においても、胸元を開けたがる癖を持っている。持ち前のコミュニケーション能力で友人関係は幅広い。友人をとても大切にしており、特に融通の利かない思考を持つリンと離れ離れになっているもう1人の友人を気にかけている。

 

花咲メグミ

 

容姿:ライドトゥビクトリー、ロックオンビクトリー通り

 

服装:制服➡後江中学校女子制服

 

使用クラン:オラクルシンクタンク

 

誕生日:3月28日

 

好きなもの:恋愛小説

 

嫌いなもの:ヌルヌルしたもの

 

イメージCV:ライドトゥビクトリー、ロックオンビクトリー通り

 

後江中学3年生。アイチとリンのクラスメイトで、森川と井崎、稲永の友人。明るくまじめな性格だが、勉学はからっきしでテストではいつも悲惨な点数を取っている。井崎、稲永と共にいつも暴走しがちな森川のよきストッパー役になっている。

 

秋田ソウジ

 

容姿:黒髪天然パーマ

 

服装:宮地学園高等部男子制服

 

使用クラン:メガコロニー

 

好きなもの:戸倉さん♡

 

嫌いなもの:恋路を邪魔する奴

 

イメージCV:機動戦士ガンダムSEEDDESTINY:シン・アスカ

 

宮地学園高等部1年生。カズヤの友人であり、よき理解者。軽い言動からおバカと思われがちだが、根は真面目で友人を大切する義理堅い性格。同じクラスのミサキに惚れてはいるのだが、恋愛に対しては小心者らしく中々告白できないでいる。ミサキを語る時はいつも生き生きとしているが、その光景は周りから見ればドン引きものである。

 

橘アツシ

 

容姿:ストライドトゥビクトリーより幼い

 

服装:青い短パン、白いシャツ

 

好きなもの:肉

 

嫌いなもの:ピーマン

 

イメージCV:イメージCV:フェアリーテイル:ナツ・ドラグニル(少年時代)

 

小学5年生でカズヤの弟。猪突猛進で中々ブレーキが利かないような困った性格。彼自身まだヴァンガードファイターではないが、カズヤがやっている影響で興味を持ち始めている。勉学の物覚えが悪いため今は宮地学園中等部への進学を目指して早いうちに勉強をしている。

 

天城スバル

 

容姿:ロックオンビクトリー通り

 

服装:長ズボン、ブーツ、首元にバンダナ、茶色コート、白いシャツ

 

使用クラン:グランブルー

 

フェイバリットユニット:キャプテン・ナイトミスト

 

好きなもの:海賊が出てくるおとぎ話

 

嫌いなもの:過去の自分

 

イメージCV:ロックオンビクトリー通り

 

晴海中学3年生。カードショップヴォヤージュをホームとしている少年。心優しく、困っている人がいれば手を差し伸べられずにはいられないお人好しな性格。ゴウキにたいして多大なる信頼と尊敬を抱いており、彼の言葉には絶対的に忠実。ヴァンガードの実力はゴウキも認めているほどでアジアサーキットナンバー5に君臨するほどに高い。

 

月城ルナ

 

容姿:ライドトゥビクトリー、ロックオンビクトリー通り

 

服装:ライドトゥビクトリー通り

 

使用クラン:ディメンジョンポリス

 

フェイバリットユニット:ミラクル・ビューティー

 

好きなもの:音楽

 

嫌いなもの:やかましい騒音

 

晴海高校1年生。光定と同じチームメイト。基本的に無口で必要最低限の言葉しか話さないが、ヴァンガードにたいしては饒舌なる傾向がある。世間では皇帝を守る騎士、ソードナイトという異名で呼ばれている。実力はアジアナンバー4でリンをうならせるほどの腕前を持つ。光定のことは自分もディメンジョンポリスを使うと決意した時から尊敬を抱いている。

 

マリン・ソランベルジュ

 

容姿:黒の短髪に前髪に黄色の髪留めをしている。右下の頬にほくろがある。

 

服装:晴海高校女子制服

 

使用クラン:ロイヤルパラディン

 

フェイバリットユニット:集成の騎士フィルノ

 

好きなもの:和風

 

嫌いなもの:烏森家の御曹司

 

イメージCV:ラブライブ!サンシャイン!:黒澤ダイヤ

 

晴海高校2年生。名門ソランベルジュ家の次期跡継ぎでユニオンと呼ばれる会社の社長の娘。ゴウキと光定と同じクラスの同級生でもある。他人に厳しく、自分にも厳しくする責任感が強い性格。カードショップ魁をホームとしており、彼女がショップに来る際の主導権はほぼ彼女が握っている。外国人であるがため、日本の和風にたいして興味を抱いている。

 

増田カツマサ

 

容姿:金髪のぼさぼさ頭

 

服装:伏総中学校制服

 

使用クラン:スパイクブラザーズ

 

フェイバリットユニット:グレード3全般

 

好きなもの:グレード3のユニット

 

嫌いなもの:野次馬

 

伏総中学3年生。カードショップ魁をホームとしているお調子者。自身を最強ファイターと称しているが実際の腕前はグレード3を偏らせたデッキを使っているため非常に弱い。そのために周りからの野次が飛んでくるのが彼の悩み。

 

一条キョウヤ

 

容姿:ライドトゥビクトリー、ロックオンビクトリー通り

 

服装:福原高校男子制服

 

使用クラン:アクアフォース

 

フェイバリットユニット:???

 

好きなもの:海

 

嫌いなもの:辛いもの

 

イメージCV:ライドトゥビクトリー、ロックオンビクトリー通り

 

福原高校1年生。突如としてアイチたちの前に現れた謎の青年。冷静な性格で言葉に海や波といった独特な表現を好んで使っている。己を磨き上げるために各ショップを転々と動き回り、強いファイターを求めてさまよっている。アジアチャンピオンのレオンを恩師と称しており、その関係は謎のままだ。



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新田新右衛門編
カードキャピタルにようこそ!!


お待たせしました・・・ReLiveシリーズの新右衛門編!いろいろと難航してしまい長引かせてしまいましたがようやく・・・その1話目が完成しました!

これを機にあらすじを変更しようと思うのですが・・・それは後日のお楽しみということでお願いします。

後登場するキャラクターのクランですが、皆さんのイメージと合わないような気はあると思いますが、どうかそれも踏まえてご了承ください。

それでは、記念すべき新右衛門編1話目、どうぞ!


世界のカードゲーム人口は数億人を超え、生活の一部として当たり前のようになっていた。

 

カードファイト!!ヴァンガード・・・世界で最も人気のあるカードゲームだ。

 

遥か先の物語、先導アイチと橘カズヤたちの物語のReLive(リライブ)

 

さらに遥か先の物語、新導クロノと佐倉ユイたちの物語のReLive(リライブ)

 

これはこれらの物語が始まる以前の物語、本当の始まりとされる、ReLive(リライブ)の幕開けなのである。

 

 

 

カードファイト!!ヴァンガード 全ての物語のReLive(リライブ)

 

新田新右衛門編

 

リマインド1「カードキャピタルにようこそ!!」

 

 

 

とあるカードショップへ続く道のり、その道のりを1人の男子中学生がうきうきした様子で走って向かっていた。

 

(どんなショップなんだろう・・・!カードキャピタル・・・!)

 

その少年の名は橘タツヤ。晴海中学校に通う1年生で、最近この街に引っ越してばかりの少年だ。タツヤは今やっているカードゲームを取り扱っている近場のショップの話を聞きつけ、こうして駆け付けている・・・のだが・・・。

 

「え・・・えええええ!!?な、なにこれ・・・!!?」

 

そのカードショップは閉店状態にある。いや、タツヤが驚いているのはそこじゃない。店の周りには『買収断固反対』など、『カードキャピタル絶対死守』などと書かれた看板がいたるところに貼られてる。世間では迷惑極まりない看板を張られたこのショップの名はタツヤが目的としているカードキャピタルで間違いないようだ。

 

「どういうこと・・・?」

 

この非常識な光景にタツヤが戸惑っていると・・・

 

キィィィン・・・

 

突然拡声器の不快な音が聞こえてきた。

 

「こ、今度は何⁉」

 

タツヤがそこに視線を向けるとそこには、ピンク色の長髪をきれいに整えた美しい女性が執事の老人と複数人の黒服を従えて立っていた。

 

「カードキャピタルはすでに私のもの!いつまでも強情張ってないで、すぐに明け渡しなさい!!新田新右衛門君!!」

 

女性はカードキャピタルの中にいるだろう人物に拡声器を使って声を上げている。

 

「!この人・・・日比野エスカだ!」

 

この女性の名は日比野エスカ。品揃えも居心地も最高と有名な大手カードショップエスカを展開する女社長である。ちなみに彼女、エスカは元グラビアアイドルでもある。

 

(そんな人が・・・なぜここに・・・?)

 

かなりの有名人であるエスカが辺鄙な土地、しかもこんな閉店状態のカードショップになぜ来ているのか、疑問に抱くタツヤ。エスカがここに来た目的は1つ、このカードキャピタル買収のためである。

 

「・・・返答なしか・・・。実力行使なさい」

 

「かしこまりました」

 

エスカの指示を聞き、執事の合図で黒服はカードキャピタルの入り口に近づいていく。

 

「え・・・?え・・・?」

 

「邪魔だ」

 

黒服は入り口にいるタツヤを払いのけ、強制的にカードキャピタルの看板を取り除きながら、扉を開けようとする。

 

「・・・ん?」

 

「す・・・すいません・・・」

 

黒服に睨まれ、タツヤは出直そうとその場を離れようとすると、その先には大の大人2人と晴海中学の女子中学生2人が立っていた。タツヤは女子中学生2人には見覚えがあった。

 

「!新導ミクルさん?それに・・・獄平キヤルさん?」

 

薄オレンジの髪の方が新導ミクル、橙色のツインテールの髪の方が獄平キヤル。2人とも晴海中学校に通う中学1年生であり、親友同士。ちなみにキヤルの愛称はキャロ。

 

「え?誰?」

 

「た、橘です!転校生の!」

 

「う~ん・・・ごめーん、あんまり覚えてないやー。ミクルはー?」

 

「ごめん・・・私も・・・」

 

(そんな存在感ないかなぁ・・・僕・・・)ガーンッ

 

転校生とはいえ、全く存在を覚えられてないミクルとキャロにタツヤは涙を流している。

 

「そ、それより、何が起きてるんですか?」

 

「あ!そうだった!ねぇ、ライブさん、お兄ちゃん、新右衛門、どうなっちゃうのかな?」

 

キャロは一緒についてきた大人2人にそう尋ねてきた。ツンツンさせた黒髪の男の方が新導ライブ。黒毛のくせっけでガタイのいい筋肉を持つ大男が佐倉ゲンゾウだ。ミクルとキャロの付き添いでここまできている。ちなみにライブはミクルの、ゲンゾウはキャロの兄だ。

 

「俺たちに聞くな」

 

ライブのその返答にミクルはむっとした表情になる。

 

「新右衛門君にもしものことがあったら、師匠である兄貴のせいだからね!」

 

「ま、落ち着けや、ミクル嬢」

 

怒った様子のミクルにゲンゾウは普段通りの態度で接する。

 

「確かに未熟衛門・・・じぇねぇ。新右衛門はこいつの弟子だ」

 

「けどな、ミクル・・・そいつはヴァンガードの限った話であって・・・」

 

ゲンゾウとライブは口にしようとした時・・・

 

ドドドドド・・・

 

遠くの方から何かが近づいてくる音が聞こえてきた。

 

「?何?」

 

エスカにも音が聞こえたようで、その音の方へと視線を向ける。視線を向けた先には・・・スケボーに乗って何かの粉をばらまきながら近づいてくる緑髪の男子高校生の姿があった。

 

その高校生こそが、先ほどから皆が口々にしている新田新右衛門、カードキャピタルを拠点にしている後江高校3年生の男子高校生である。

 

「えっ⁉」

 

新右衛門が外に出ていたことに驚愕を見せているエスカ。驚愕しているのは周りも同じだ。

 

「新右衛門君⁉」

 

「じゃあ、店内にいるのは・・・」

 

「ワタシデース!」

 

ボフンッ!

 

皆が驚愕していると、店の中から煙幕の煙が立ち込めてきた。この煙幕の中、店の入り口から出てきたのは、整えられた金髪にちょんまげをし、顎髭を生やした高校生だった。

 

「ちょんまげ⁉」

 

「マーク君だったの⁉」

 

店の中から出てきたのはマーク・ホワイティング。後江高校3年生であり、新右衛門の友人である外国人である。

 

「時間稼ぎは十分だったようデスネ!けほっ・・・けほっ・・・」

 

マークは自分で使った煙幕でむせている。

 

「もう・・・こんな演出して・・・煙幕とかマタタビとか誰が用意したと思ってるのー?けほっ・・・けほっ・・・」

 

店内のさらに奥から、金髪の長髪に緑のリボンでくくったサイドテールが特徴の女子高生が出てきた。

 

「お、女の人⁉」

 

「ソナタ⁉」

 

彼女の名は緑苑坂ソナタ。新右衛門とマークと同じく、後江高校3年生であり、2人の友人である。マークもソナタも、カードキャピタルを守ろうと新右衛門に協力していたようだ。

 

「ごほっ・・・ごほっ・・・煙幕っててめぇら・・・俺様達を巻き込むな・・・ごほっ・・・」

 

「「「「ごほっ・・・ごほっ・・・」」」」

 

マークの使った煙幕が店の周りを立ち込め、タツヤ達まで巻き込ませ、咳き込む。

 

そして粉をばらまきながらエスカに近づいていく新右衛門の後ろには粉に魅かれて何かが大量についてきている。

 

『にゃー!にゃー!にゃー!』

 

その正体は猫だ。新右衛門がばらまいていたのは猫の好物であるマタタビの粉だったのだ。

 

「俺がマタタビの粉を使って町中の猫を集めた理由、お前にはわかるよな!!」

 

「な、なな・・・なんのこと⁉」

 

新右衛門の言葉、そして後ろに連れてきている猫にエスカはかなり動揺している。それもそのはず、エスカは猫嫌いなのだから。

 

「お前が大の猫嫌いだってこと!すっかり調査済みだ!!」

 

新右衛門は猫を引き連れて、エスカに突撃しようすると・・・

 

ガコンッ!

 

「どわあああああ!!?」

 

スケボーのタイヤが小石につまずき、その反動によって新右衛門はバランスを崩して煙幕の中へ入っていった。

 

煙幕が少し晴れると、新右衛門がエスカを押し倒して、覆いかぶさっているような光景が広がっていた。

 

『にやーーー!!』

 

だが猫はそんな状況をお構いなしに新右衛門たちに突撃していった。

 

「いやああああああ!!」

 

猫嫌いのエスカは猫からすぐさま逃げていく。

 

「覚えとけエスカ!キャピタルは、絶対に渡さない!!」

 

「店長もいない店をあなた!どうする気⁉」

 

「店長がいる店・・・だったら!俺が店長だ!!」

 

エスカの問いかけに新右衛門は堂々とそう宣言した。

 

「エスカ様!」

 

エスカはすぐさま車に乗りこみ、運転手である執事は猫の無法地帯から脱出するように車を発車させる。黒服たちも猫に絡まれながらだが、車を追いかけていく。

 

「うまくいったね、新右衛門君!」

 

「作戦成功のようデスネ!」

 

「グッジョブだったぜ!ソナタ、マーク!」

 

マタタビの粉を用意したソナタ、時間稼ぎをしたマーク、そして猫を連れてきた新右衛門の作戦勝ちしたかのように3人は親指をぐっと立てる。

 

「この考えなし衛門!!」

 

そんな中、一部始終を見ていたミクルが文句があるように新右衛門に詰め寄る。

 

「!ミクルちゃんか・・・。誰が考えなし衛門だよ!」

 

「俺が店長だ、はいいけど、先のこと、なんも考えてないでしょ!」

 

「考えて動けなくなるくらいなら、考えずに動く!動けばきっと、何とかなる!」

 

「わぁ・・・興味深い・・・!」

 

ミクルの言葉に新右衛門は負けじと言い返す。新右衛門の考えにタツヤは非常に惹かれている。

 

「あはは!新右衛門らしいー!」

 

「笑い事じゃない!兄貴、ゲンゾウさん、なんか言ってやって!」

 

「「げっ・・・」」

 

キャロは新右衛門に笑っているが、ミクルはご立腹。話を大人であるライブとゲンゾウに振る始末。

 

「・・・おおっと!仕事の時間だ!」

 

「えええ⁉」

 

「新右衛門、適当にがんばれよ!」

 

「あ!ライブ師匠!」

 

ライブはその場から逃げるように新右衛門に後を任せ、せっせと立ち去っていった。

 

「みゃー」

 

その直後、新右衛門の制服の懐から猫の鳴き声が聞こえてきた。新右衛門が懐をまさぐると、とても小さな子猫が出てきた。

 

「ま、まだいたのか・・・」

 

「わー!かわいい!」

 

「そ、そうか?」

 

子猫は猫たちに引っかかれた新右衛門の傷をぺろぺろとなめている。ソナタは子猫を見て、うっとりとした表情になっている。

 

「わぁ・・・!」

 

タツヤは新右衛門にたいして憧れという感情を抱き、笑みを浮かべている。

 

「あらー。また派手にやったわねー」

 

「たく・・・これだから問題起こし衛門は」

 

すると、タツヤの背後に男2人の声が聞こえてきた。タツヤはその男たちの制服を見て驚愕する。

 

「あ・・・あれは・・・!エリートだけが集まるといわれてる名門校、福原高校の制服!そんな人達が何でここに・・・?」

 

タツヤが疑問に抱いている間に、福原高校生の男たちは新右衛門と話しかけてきた。

 

「雷門・・・それに鬼島・・・」

 

「アタシああいう無鉄砲なところ、嫌いじゃないわよ?惚れ直しちゃいそう♡」

 

「・・・っ!」ぞぞぞっ!

 

お姉口調で話す男に新右衛門は得体のしれない寒気に覆われる。このハット帽子をかぶり、顎髭を生やしているお姉口調の男は鬼島ジュウロウタ。福原高校に通う3年生で、れっきとしたおかまだ。

 

「邪魔だ、どけ」

 

「あ・・・す、すみません!」

 

不機嫌を隠しきれてない男に振り払われ、タツヤは後ろに下がった。この雷のように尖った髪が特徴の男の名は雷門ダイスケ。福原高校に通う3年生で、福原高校の中でも成績トップ1を納めている秀才だ。

 

「オウ、雷門、なんかイラついてマス?」

 

「お前らのアホさ加減に、な。ソナタ、お前がついていながらこの有様はなんだ?なぜ新右衛門の策に乗った?」

 

「ご、ごめーん!私だってキャピタルを守りたくて、つい・・・」

 

「なんだよ!キャピタルは守れたんだから別にいいだろ!」

 

不機嫌な様子の雷門にマークとソナタは申し訳ない気分になっているが、新右衛門だけは反発している。

 

「何がキャピタルは守れた、だ。そんなもん一時的の効果でしかない」

 

「だったらまたエスカを追い払えばいいだけだ!」

 

「また街の猫を使ってか?ハッキリ言って迷惑だ。そんなんで店長が務まるとでも思ってるのか?」

 

「務まるに決まってるだろ!店長である俺が言ってんだ!当たり前だろ!」

 

「無理だ。諦めろ」

 

「なんだと!!」

 

「なんだ?」

 

一触即発の雰囲気が漂う新右衛門と雷門に火花が散っている。そして・・・

 

「この野郎!!」

 

「このアホが!!」

 

「え・・・ええええ!!?」

 

子供じみたような取っ組み合いのけんかが始まってしまった。その行為にはタツヤは困惑してしまう。

 

「落ち着くデスネ、新右衛門!」

 

「雷門君もやめて!」

 

「「離せお前ら!!」」

 

マークとソナタが2人のけんかを止めていく。変なところで息があってる新右衛門と雷門。

 

「あらら・・・また始まったのね・・・」

 

「もう!あの2人が絡むといっつもああなんだから!」

 

「お兄ちゃん!あの2人のケンカ止めてきてよー!」

 

鬼島とミクルはこの光景を呆れるような表情をしている。キャロは喧嘩を止めるようゲンゾウにそう言ってきた。

 

「おおおっと!俺様はかわいいかわいい娘のおむつを買わねばならんのだった!!」

 

「えええええ!!?」

 

「新右衛門、小僧!戯れんのもほどほどにな!」

 

「「戯れてない!!」」

 

ゲンゾウはこの場から逃げるようにその場を去っていった。ゲンゾウの一言に憤慨する新右衛門と雷門。やっぱり変に息が合う2人。

 

「あのぅ~・・・」

 

新右衛門と雷門が喧嘩してる中、同じく福原の制服を着こんだ薄ピンクの髪の女子が声をかけてきた。

 

「?誰?福原の制服を着てるけど・・・」

 

「ちょっと鬼島君、この子知り合い?」

 

福原女子に気付いたキャロとミクルは鬼島に尋ねてきた。

 

「もう、ダイちゃん。けんかしてないで、この子を紹介しに来たんでしょ?」

 

「ああ・・・そうだったな。どうでもよすぎてすっかり忘れていた」

 

鬼島の言葉で新右衛門と雷門は喧嘩をやめた。一同は福原女子に視線を向ける。

 

「は、初めまして!フィナっていいます!フィナ・エーデルヴァイデ!」

 

「その名前、外国人か?」

 

「は、はい!」

 

「フィナ殿はワタシたちに何か用デスか?」

 

新右衛門とマークの問いかけに福原女子、フィナ・エーデルヴァイデは心身と頭を下げる。

 

「お願いします!私に、ヴァンガードを教えてください!」

 

フィナがヴァンガードを教えてほしいと頼みごとに一同は目を開き、鬼島と雷門に視線を向ける。

 

「この子、中等部の子らしいんだけど・・・ほら、福原ってお堅いことで有名でしょ?だから福原でやっているといえば・・・アタシ達だけで・・・」

 

「こいつ、どこでその情報を聞きつけてきたのか知らんが、わざわざ高等部まで来て俺たちに尋ねてきたらしい」

 

「へぇ~・・・」

 

鬼島と雷門の説明に新右衛門はフィナに関心をする。

 

「でもねぇ・・・知っての通りアタシ達これからバイトなのよ・・・。教えてあげたいのはやまやまだけど・・・遅れてゲンちゃんに怒鳴られるのはちょっと・・・」

 

「あー・・・お兄ちゃん、ああ見えて時間厳守だからなー・・・」

 

「確かに・・・」

 

ゲンゾウに怒鳴られる未来を想像した一同は苦い顔になっている。

 

「そういうわけだ。ソナタ、お前が教えてやれ」

 

「わ、私⁉」

 

「お、俺じゃ不服だっていうのかよ!」

 

雷門から指名を受けたソナタは目を見開かせる。新右衛門はかなり不服そうだ。

 

「当たり前だ。ミクルとキヤルはそもそもヴァンガードをやってないし、マークの説明は日本史よりだし、新右衛門、お前はバカで頼りないからな」

 

「「うっ・・・」」

 

「うむぅ・・・」

 

「バカとはなんだ!」

 

雷門の言葉にミクルとキャロは何も言えず、マークは自覚があるのか苦い顔をする。新右衛門だけは怒っているが。

 

「そう考えれば必然的にソナタが適任だ。ま、女同士で気負う必要がないのも利点だな」

 

「なるほど・・・さすが雷門、ちゃんと考えていマスね」

 

「お前に気遣いという心があったなんてな・・・」

 

「今すぐそのメガネをかち割ってやってもいいんだぞ」

 

「だから喧嘩はダメだってー!フィナが見てるのに!」

 

「雷門君を逆なですんのやめなさい、この煽り衛門!」

 

新右衛門の発言でこめかみをひくひくする雷門。またけんかになる前にキャロとミクルが2人を止める。

 

「まぁそういうわけだ。後のことは任せるぞ。いくぞ、鬼島」

 

「じゃ、ソナタちゃん、がんばってね~♪ちゅっ♡」

 

「うえぇぇ・・・」ぞぞぞっ・・・

 

雷門はこの場をソナタに任せ、鬼島と共にバイト先へと直行する。去る際に鬼島がソナタに向けて投げキッスをし、ソナタは得体のしれない寒気に襲われる。

 

「え・・・えぇっと・・・フィナ、だっけ?ヴァンガードを教えてほしいんだっけ?」

 

「は、はい!」

 

「安心して!一通りの動かし方ができるように、丁寧に教えてあげるからね!」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「敬語はいいよ。私のことも、ソナタって呼んでもいいから」

 

「う・・・うん!」

 

ソナタの人づきあいのいい性格のおかげでフィナはフレンドリーなしゃべり方になっていく。

 

「まぁ、ここじゃなんだし、中に入れよ」

 

「いいの?」

 

「遠慮はいりません!むしろ大歓迎デース!」

 

「あ、ありがとう!」

 

新右衛門やマークの気遣いもあり、閉店状態の店の中へと入っていくフィナ。それに続くように新右衛門たちも中に入っていく。

 

「ね、君はどうするの?」

 

「えぇ⁉ぼ、僕⁉」

 

「ここに用があるんじゃなかったの?」

 

「え・・・ええっと・・・その・・・」

 

タツヤはもともと自己主張があまり得意な性格ではないのでミクルとキャロの問いに困り果てているタツヤ。すると、タツヤのスマホからメッセージ通知が届く。タツヤはその内容を確認する。

 

〈早く帰ってこい〉

 

「ぼ・・・僕は、遠慮、します!お、弟に呼び出されたので・・・じゃあ!」

 

メッセージを確認した後、タツヤは顔を少し赤くしながらこの場を去っていった。

 

「あ・・・行っちゃった・・・」

 

「なーんか、慌ただしかったねー」

 

タツヤの背中を見送ったミクルとキャロは店の中へと入っていった。

 

 

カードキャピタルの中は閉店の割には中々にカードがきれいにショーケースに並べられている。ファイト台があるスペースにキャンプテントが張ってあること以外は、普通のカードショップと大差変わらなかった。そんな中、ソナタとフィナは普通のテーブルの席でファイトの手順を教えることになる。席に座った後、ソナタはデッキを取り出す。それに合わせ、フィナもデッキを取り出す。

 

「へぇー・・・デッキは持ってるんだ」

 

「うん。セレナ・・・あ!お姉ちゃんに組んでもらったから・・・」

 

「お姉さんがいるの?」

 

「うん。ちょっと、セレナ・・・お姉ちゃんを驚かせたくて・・・迷惑、だった?」

 

「ううん、そんなことないよ。素敵だと思う。それじゃ、説明を始めるね。じゃあさっそく・・・イメージしてみて」

 

「イメージ・・・」

 

ようやくファイトの説明をする際、フィナはソナタに言われた通り目を閉じて、イメージを開始する。すると、意識がイメージの中に入り、目を開けるとどこかの演芸場にいた。

 

「わぁ・・・」

 

「ここは惑星クレイ・・・ファイトの舞台となる地球によく似た惑星だよ。私たちはここの霊体として降り立ったんだ」

 

「惑星クレイ・・・」

 

「何もできない霊体として現れた私たちに持ってる能力は2つ、1つはこの惑星に住む住人を呼び出すことができる能力、コール。それが可能となっているのが、君も持っている、この50枚のカードに集められたユニットたちだよ・・・て、作ってもらったんだから知ってるかな・・・?」

 

「ううん、いいよ。続けて」

 

フィナに言われるがまま、ソナタは説明を続ける。

 

「同じカードは、デッキに4枚まで入れられんだよ。もう1つの能力はライド・・・ユニットたちに自分を憑依させることができる能力だよ。ライドした私たちのことを、ヴァンガードと呼ぶんだよ。その意味は、先導者」

 

「先導者・・・」

 

「まず憑依するために、グレード0のカードを選んで、それを場に伏せるんだよ」

 

「えぇっと・・・あ、これがグレードかなぁ?じゃあ、これを・・・こう?」

 

「そう!いい感じ!」

 

ソナタは説明しながらカードを伏せていく。慣れた手つきを見よう見まねでフィナもカードを伏せていく。

 

「これがFV(ファーストヴァンガード)。これが開かれれば、他の誰でもない、自分自身になるんだ。山札をシャッフルし終えたら、山札の上から5枚、カードを5枚引くんだ」

 

ソナタの動きにならい、フィナも山札の上から丁寧にカードを5枚引く。

 

「ここで1回だけ引き直しができるんだけど、必要かな?」

 

「だ、大丈夫!」

 

「これで準備完了・・・FV(ファーストヴァンガード)が開かれたら、スタンドアップ・ヴァンガードの合図でゲームスタートするよ。準備はいい?」

 

「い、いつでも大丈夫!」

 

お互いに準備を終えて、ティーチングファイトが始まった。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ!」

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イオネラ!」

 

純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ  PW6000

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イオネラ  PW6000

 

「本当ならじゃんけんで先攻か後攻を決めるんだけど、説明しやすいように私が先攻で行くね」

 

「う、うん」

 

「まずはこうやって、山札をドローするんだよ」

 

「ふんふん・・・」

 

「自分のターンで1回だけヴァンガードを1つ上のグレードに上げさせることができるんだよ」

 

「ええっと・・・ということは、0から1に上がるってこと・・・かな?」

 

「そういうこと!まぁ、口で言うより実際に見せた方がいいよね。いい?こうするんだよ。一世一代の告白(スペシャル・メッセージ)アウロラにライド!」

 

一世一代の告白(スペシャル・メッセージ)アウロラ  PW8000

 

「ユニットにはいろんなスキルがあってね、いろんなタイミングで発動することができるんだよ。

まずはアリーチェはライドされた時、1枚ドロー。

それから、アウロラは登場した時、1枚ドローして、手札を1枚捨てる」

 

「スキル・・・?ここでドロー?1枚・・・捨てる・・・?」

 

「ああ・・・ごめんね。スキルはまだ早すぎたかな?」

 

スキルの発動展開にさっそく疑問符を頭にたくさん浮かべるフィナ。

 

「まぁ、習うより慣れろって奴だ。まずはファイトの流れを慣れればいいさ。スキルの処理は俺に任せてくれ」

 

「ワタシも助太刀いたしマスので、戦に集中してクダサイ」

 

「よ、よろしく!」

 

「結局、みんなで教えることになるんだねー」

 

「まぁ、その方が覚えやすくていいのかもね」

 

ファイトの流れを感じ取ってもらうとためにスキルの処理の方は新右衛門とマークが担当することになった。

 

「じゃあ説明を続けるね。自分のグレード以下のユニットをこの5か所にコールして一緒に戦うことができるんだよ。これをリアガードと呼ぶんだ。リアガードを呼ぶときも、この手札を使って・・・アウロラをコール!」

 

「じゃあ、これを使って、味方を増やすってことかな?」

 

「そういうこと。じゃあこのアウロラで・・・アタック!」

 

「・・・っ!」

 

このままアタックが来ると思い、フィナは思わず身構える。

 

「・・・は、先攻ではできないんだ」

 

「ほっ・・・」

 

先攻では攻撃できないとわかって一安心するフィナ。

 

「あはは・・・ビックリさせちゃったね。これで私のターンは終わりだよ」

 

R アウロラ R

R アウロラ R  ソナタの手札5枚 山札41枚

 

「では、フィナ殿の番デス。さっきと同じ手順でやってみてクダサイ」

 

「えっと、まず・・・ドローして・・・えぇっと・・・じゃあ・・・銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イリナに・・・ライド?」

 

「そう!その調子!」

 

銀の茨のお手伝い(シルバーソーン・アシスタント)イリナ  PW8000

 

「ここでイリナとイオネラのスキルが発動するわけなんだけど・・・せっかくだから、使ってみるか?」

 

「あ・・・じゃあ・・・うん。使ってみる。だから・・・スキルの処理、お願いしてもいいかな?まだスキル覚えきれなくて・・・」

 

「大丈夫だ!誰もがスキルを覚えてるってわけじゃないからな!最初は流れをつかむだけでいい!処理の方は任せとけ!」

 

新右衛門は得意げな表情をして、スキルの発動処理の手助けを行う。

 

「イオネラにはさっきのアリーチェと同じスキルがあるんだ。だからここで、ドローしてもいいんだ」

 

「うぅーん・・・まだいまいちよくわからない・・・」

 

「焦らず、ゆっくりでもいいからね」

 

「さらにイリナは山札の上から2枚見て、1枚をソウルにいれて、残り1枚山札の下に送れるマス」

 

「ソウル?」

 

また新しい単語が出てきて疑問符を浮かべるフィナに新右衛門が説明する。

 

「ヴァンガードの下に重なってるカードがソウルだ。ちなみに、ライドされたユニットも、ソウルになるんだ。こいつは・・・これを入れてくれるか」

 

「う、うん。これを・・・ソウルへ?『ナイトメアドールえりん』残りは・・・山札の下に?うぅ~ん・・・必要なこと・・・かな・・・?」

 

「ああ、必要なことだ。後々に重要なことだからな」

 

「まあ今はファイトに集中してていいよ。さあ、次はメインフェイズだよ。やってみて」

 

「うーん・・・じゃあ、ここは・・・ナイトメアドールいーでぃすをコール?」

 

「よし!いいぞ!」

 

ナイトメアドールいーでぃす  PW8000

 

「メインはこれで・・・いいかな?」

 

「よし。じゃあアタックフェイズについて説明するね。やり方はとっても簡単。場に出ているカードをレスト、つまり、横向きにすればアタックができるんだよ」

 

「さらに後ろにいるグレード1、グレード0は自分のパワーをヴァンガードに上げる能力を備わっていマス。これを、ブーストと言いマス」

 

「ああ・・・足し算をするんだー」

 

「そういうこと。攻撃する?」

 

「うん」

 

「じゃあ、さっき教えたことをやってみて」

 

R  イリナ  R

R いーでぃす R

 

「えっと・・・横向きだから・・・いーでぃすを・・・レストして・・・ブースト・・・イリナをレストして・・・ヴァンガードに、アタック?」

 

「やればできるじゃん!それで、ここでガードをするかしないかっていう選択肢があるんだけど・・・ここはノーガード、攻撃を受けるよ。さあ、今度はドライブチェックをやってみよう!」

 

「ドライブ・・・チェック?」

 

「この山札を1枚めくるのデス」

 

「う、うん」

 

「ここでトリガーユニットが出れば、アイコンが示す効果が発動できる」

 

「ど、ドライブ・・・チェック『ナイトメアドールびばりー』」

 

「トリガーなし・・・何も発動しない」

 

「こうやってヴァンガードが攻撃するたびに新しい仲間が駆け付けてくれる・・・それがドライブチェックだよ。そのカードは、手札に加えて」

 

「あ、増やしていいってこと?」

 

「そう。そして、今の攻撃でダメージを受けた。今度は私が、ダメージチェックをする。これも、山札をめくる『フルフルアピールファルル』トリガーなし。このカードは、ここにあるダメージゾーンに送られるんだ。こうやって相手にダメージを増やしていくんだ。そして、自分のダメージが6になった時が、その人の負けになるんだ」

 

「なるほど・・・ちょっとだけ・・・わかったかも・・・」

 

PW16000➡PW8000  フィナの手札6枚 山札40枚  ソナタのダメージ1枚

 

「よし。じゃあ続けていくよ。スタンド&ドロー。私のグレードは1、さらに1つ上のグレードにライドするよ。甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテにライド!」

 

甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテ  PW10000

 

「リーゼロッテのスキルを発動するよ」

 

「またスキル・・・」

 

「山札の1番上を見て、それをコールするかソウルにいれるかを決めるよ。うーん・・・これはソウルに入れよう『ジョイフルアラカルトイルマ(引)』それじゃあ・・・義理の装い(フィーリング・ハイド)リルムをコール!」

 

義理の装い(フィーリング・ハイド)リルム  PW10000

 

リルム リーゼロッテ R

 R   アウロラ  R

 

「さあ、私も攻撃するよ!リルムでヴァンガードにアタック!」

 

「あの・・・ガード・・・防御もできるって言ってたよね?どうすればいいの?」

 

「お、覚えてたね。それは簡単だよ。それも手札を使えばいいんだよ。カードの横についてる数字がシールド値だよ。この数値と自分のヴァンガードのパワーを合わせて、攻撃しているユニットのパワーを上回っていれば、成功になるよ」

 

「なるほど・・・。ということは、リルムのパワーは10000だから・・・こう・・・かな?手札のレインボー・マジシャンでガード」

 

「イエス!パワー10000の攻撃を、レインボー・マジシャンのイリナのパワーと合わせたシールド、13000で受け止めたので、ガード成功デス」

 

「筋がいいじゃないか!」

 

「そ、そうかな・・・?」

 

ソナタの説明に少しずつ理解し、フィナが実践に移せたことにマークと新右衛門がフィナをほめる。フィナは褒められて照れている。

 

「ガードに使ったカードはドロップゾーンに送られるよ」

 

「えっと・・・ここ、かな?」

 

「じゃあ次の攻撃に移るよ!アウロラのブースト、リーゼロッテでヴァンガードにアタック!」

 

「じゃあ次は・・・フープ・マジシャンでガード!」

 

「これも防ぐかぁ・・・。ドライブチェック『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』」

 

「オウ!ここでクリティカルトリガーデスか!」

 

「クリティカルトリガー?」

 

「あそこにアイコンがあるだろ?あのアイコンのカードが出れば、特別な効果が発動できるんだ。あれはクリティカルトリガー。ユニット1体にパワープラス10000して、相手のダメージを増やすことができるクリティカルも得られるんだ」

 

「効果は全部ヴァンガードに!」

 

「えっと・・・18000の攻撃に10000された・・・てことは・・・」

 

「そっちのシールドは23000、こっちはパワー28000になったから、当然ガードは崩されて、攻撃がヒットするってわけだよ」

 

「えええ⁉」

 

ガードしたはずなのにトリガーによるパワーアップによって攻撃がガードより上回って攻撃がヒットしたことに驚くフィナ。

 

「こうやってギリギリのガード値なら、簡単にガードを突破される可能性があるんだ。だから、ヴァンガードの攻撃に防御する際には、よく考えないといけなんだよ」

 

「そっかぁ・・・奥が深いんだねぇ・・・」

 

「そう。ヴァンガードは奥が深い・・・だから楽しいんだよ!」

 

ソナタの力説に新右衛門とマークは笑みを浮かべている。

 

「ミクルにはわかった?」

 

「さーっぱり」

 

ヴァンガードをやっていないミクルとキャロはなんのことかさっぱりわからないでいる。

 

「じゃあ、ダメージが与えられたってことで・・・2ダメージかな?ダメージチェック『ナイトメアドールありす』2枚目『レインボー・マジシャン(引)』これは?」

 

「ドロートリガーだ。これもユニットにパワープラス10000させられるんだ。さらにこのトリガーが出たら、1枚引くことができるんだ」

 

「これらのトリガーはドライブチェックとダメージチェックで効果を発揮するのデス。だからそのカードの効果は、有効なのデス」

 

「なるほど!じゃあ・・・ヴァンガードにパワーを上げて、1枚ドロー!」

 

「だいぶわかってきたね!これで私のターンは終了だよ」

 

PW10000➡PW8000+SH5000=13000

PW18000(+10000)➡PW8000+SH15000=23000(+10000)  ソナタの手札5枚 山札37枚  フィナのダメージ2枚

 

「よし・・何となく進め方はわかってきた・・・。スタンド&ドロー!ライド!銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん!」

 

銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん  PW9000

 

「ここで、りりあんとイリナのスキルが発動するわけなんだけど・・・ユニットのスキルの中には、受けたダメージを使って発動させるものもある。こうやって、ダメージを裏返すことを、カウンターブラストっていうんだ」

 

「ああ・・・毒を以て毒を制すってことだね!」

 

「え・・・」

 

フィナの口から出た言語に新右衛門は難しい顔をしている。

 

「へぇー、フィナ、難しい言語を知ってるんだね」

 

「一応、福原に通ってるから・・・これくらいは・・・」

 

「うっ・・・さすがに名門校の人が言うと重みが違う・・・」

 

フィナの何気ない一言にちょこっとだけ心にダメージを受けるミクルとキャロ。

 

「お・・・おほん!スキルを発動するためにも・・・1回デッキを見せてもらってもいいか?」

 

「う、うん。いいよ。はい」

 

新右衛門はフィナの許可をもらい、フィナのデッキを受け取って確認をする。

 

(へぇ・・・結構計算して作られてんじゃないか・・・フィナの姉ちゃん・・・どんな奴なんだろうな・・・)

 

デッキを確認した新右衛門はこのデッキを作ったフィナの姉に興味を抱いた。

 

「ええっと、りりあんのスキルはカウンターブラストしてから、デッキから銀の茨(シルバーソーン)のカードをソウルにいれることができるんだ。とりあえずここは・・・これだな『銀の茨の手品師(シルバーソーン・コンジュラー)ロミー』これをソウルに入れてくれ」

 

「わ、わかった!」

 

「さらにイリナのスキルはライドされた時、山札の上から3枚確認して、銀の茨(シルバーソーン)のカードを望む枚数入れられマス!さ、フィナ殿」

 

「う、うん。3枚確認・・・」

 

「うむ・・・これでしたら、この2枚デスね『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』『銀の茨の操り人形(シルバーソーン・マリオネット)りりあん』」

 

「2枚くらいソウルに入ったから、1枚引くことができるぞ」

 

「さ・・・さすが、やり慣れてる人は違うね・・・えっと、ソウルに2枚入れて、1枚ドロー・・・」

 

「うん、これでスキルの処理が終わったね。さ、メインフェイズを続けて」

 

「よーし・・・ブースト役のナイトメアドールびばりーを2体と・・・攻撃役のりりあんと・・・それから、ナイトメアドールろーだをコール!」

 

ナイトメアドールろーだ  PW9000

ナイトメアドールびばりー  PW7000

 

「びばりーは同じ縦列に登場したワーカロイドにパワープラス5000し、さらになおかつろーだは他のワーカロイドの数だけパワープラス2000しマスね」

 

「他のワーカロイドは前もってコールしたのが5体だから・・・プラス10000かぁ・・・」

 

「しかもこれ・・・見た感じどうも無意識に揃えてるみたいだからなおすげぇよ・・・」

 

ろーだ  りりあん  りりあん

びばりー いーでぃす びばりー

 

「じゃあ、行くね?びばりーのブーストをつけて、りりあんでヴァンガードにアタック!」

 

「りりあんはソウルに銀の茨(シルバーソーン)のカードが4種類あればパワープラス10000できるぜ」

 

「様々なスキルを駆使してソウルを溜めたので、銀の茨(シルバーソーン)のカードは4種類、条件は満たしてマス」

 

「31000かぁ・・・なら、ガード!『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』『恋への憧れ(ラヴァーホープ)リーナ(☆)』」

 

「むむむ・・・なら、いーでぃすのブーストをつけてヴァンガードにアタック!」

 

「それはノーガードだよ」

 

「ドライブチェック『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』あ!やったぁ!クリティカルトリガーだぁ!パワーはろーだに上げて、クリティカルはヴァンガードに上げるよ!」

 

「あぁ・・・やられたぁ・・・。ダメージチェック『甘美なる愛(ショコラヴ・ハート)リーゼロッテ』2枚目『コンシールドビターエネス』2枚ともノートリガー・・・」

 

「よし!そのままソナタに5ダメージ目だ!」

 

「うん!びばりーのブースト、ろーだでヴァンガードにアタック!」

 

「これもノーガードしかないなぁ・・・。ダメージチェック『手作りの愛情(ハンドメイド・ラヴァー)エレナ(治)』ヒールトリガー!」

 

「ヒール・・・トリガー?」

 

また違うトリガーが出てきて首を傾げるフィナ。

 

「これにもパワープラス10000ができて、なおかつ、ダメージが相手と同じか上回ってるならダメージを1枚回復できるんだよ。だから、パワーをヴァンガードに上げて、回復っと」

 

「それってさっきの攻撃はプラマイゼロってこと?なんかずるいよ・・・」

 

「ず、ずるくないよ!こういうルールなんだし!」

 

「でも・・・ふふふ・・・ヴァンガード・・・初めてで不安だったけど・・・すごく楽しいよ・・・とっても!」

 

ヴァンガードを楽しく感じてもらえている様子を見て、ここにいる一同は笑みを浮かべている。

 

「じゃあ、ターンエンドってことでいいかな?」

 

「うん。ターンエンドです」

 

PW31000➡PW10000+SH20000=33000

PW17000➡PW13000

PW41000➡PW13000(+10000)  フィナの手札2枚 山札30枚  ソナタのダメージ4枚

 

「よーし!私も負けてられない!スタンド&ドロー!さあ、イメージして!」

 

「!」

 

りりあんとして惑星クレイの演芸場をイメージしているフィナは目の前にあるプールサイドに輝きを放っている光景を目撃する。

 

「これが私の輝き!イメージを塗り替えろ!ライド!フルフルアピールファルル!!」

 

フルフルアピールファルル  PW13000

 

「・・・きれい・・・」

 

「ゲット!イマジナリーギフト・フォースⅡ!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅡ発動!  対象『フルフルアピールファルル』

 

「イマジナリーギフト?」

 

「特定のグレード3のユニットが、グレード3になったことを祝福して、ユニットたちから贈られる力のことだよ。このイマジナリーギフト・フォースにも2つ能力があってね、私が選んだのはⅡの方。これを設置することで、ユニットの元のクリティカルは2になるんだ」

 

「クリティカルが・・・?」

 

「つまり、ファルルの攻撃をくらえば、ダメージが2つ与えられるってことだよ!」

 

「えええ⁉」

 

「さらにコールするよ!無邪気な博愛(エニバディ・ライク)ラーティ、あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ、コンシールドビターエネスをコール!」

 

無邪気な博愛(エニバディ・ライク)ラーティ  PW8000

あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)  PW5000

コンシールドビターエネス  PW9000

 

「ラーティのスキル!リルムにパワープラス5000!

エネスのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『純朴な贈り物(ピュア・ギフター)アリーチェ』」

 

「ソウルブラスト?」

 

「ああやってソウルにたまったカードをドロップゾーンに送ることをソウルブラストっていうんだ」

 

「あ、重要なことってこういうことだったんだ」

 

「エネスにパワープラス5000!他のリアガードをコールしてたら1枚ドロー!

そして、ファルルのスキル!このターンでリアガードをコールしてたらパワープラス5000!

さらに、ファルルのもう1つのスキル発動!カウンターブラスト!パワープラス15000!そして、リアガードが5枚以上なら1枚ドロー!」

 

リルム  ファルル エネス

パーシュ アウロラ ラーティ

 

「さあ、行くよ!パーシュのブースト、リルムでヴァンガードにアタック!」

 

「こ、ここはガードするよ!『銀の茨(シルバーソーン)バーキング・ドラゴン(☆)』」

 

「アウロラのブースト、ファルルでヴァンガードにアタック!」

 

「の、ノーガード・・・」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはエネス、クリティカルはヴァンガードに!セカンドアタック『あなたに届け(ダイレクト・サイン)パーシュ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはエネス、クリティカルはヴァンガードに!」

 

ファルル(ソナタ)はプールに潜り、勢いをつけてプールから飛び上がっていく。飛び上がったファルル(ソナタ)は尾びれを使って、りりあんに攻撃を放った。りりあんはその反動によって倒れていった。

 

PW20000➡PW9000+SH15000=24000

PW41000➡PW9000

 

ダメージチェック『ナイトメアドールありす』『ナイトメアドールいーでぃす』『ナイトメアドールいーでぃす』『フープ・マジシャン(前)』

 

ソナタのダメージ4枚  フィナのダメージ6枚  勝者ソナタ

 

「ダメージ6・・・もしかして・・・もう終わり・・・なの?」

 

イマジナリーギフト・フォースの能力、そしてダブルクリティカルでダメージ6になったことでフィナの負けとなった。そのことで新右衛門とマークがソナタにダメだししている。

 

「何本気だしてんだよ⁉フィナは初めてのファイトだったんだぞ⁉」

 

「いや・・・思った以上に強かったからつい・・・」

 

「ここでフォースⅡとクリティカルを出すなんて信じられません。しかもダブルで」

 

「それは引いたんだから仕方ないでしょ⁉」

 

「・・・はぁ~・・・」

 

早めに終わったからか、負けたからかはわからないがフィナはため息をついた。そこにずっとファイトを見ていたキャロとミクルがフィナを励ます。

 

「大丈夫だって!今回は負けたけど、次はきっと勝てるから!ね?」

 

「そうそう。もっと練習して、ソナタちゃんどころか、新右衛門君やマーク君にも勝っちゃいましょう。フィナちゃんならできる!」

 

「・・・うん!ありがとう!今度は1人でもスキルの処理ができるように頑張るよ!」

 

励まされてフィナは元気を取り戻した。元気になったとたん、時計を見た瞬間思い出したような顔になる。

 

「あ!もうこんな時間!今日はスーパーの特売日だった!ごめん、今日はもう帰るね!」

 

スーパーの特売日を思い出してフィナはデッキを片付けて店を出ていこうとする。すると店の出口で立ち止まり、新右衛門たちに顔を向ける。

 

「あの・・・明日もここに来ていいかな・・・?」

 

「ああ!もちろんさ!なあ!」

 

フィナの問いに新右衛門は即答で答え、みんなも同意見で首を縦に頷き、フィナに顔を向ける。

 

『ようこそ!カードキャピタルへ!』

 

このティーチングファイトを経て、フィナは新右衛門たちのいる店、カードキャピタルの仲間となったのだった。

 

 

ティーチングファイトを終えた後、ソナタは新右衛門たちと別れて、自分の家へと帰宅していく。その表情は嬉々としている。

 

「ふぅ・・・今日は楽しかったなー。最近はエスカさんといろいろとあったからなー・・・」

 

いろいろとぶつぶつとつぶやいていると、ソナタの家まで辿り着いた。そこでソナタはふとあることを思い出した。

 

「あ、そういえばお母さんからお隣さんに引っ越し祝いを渡しといてって頼まれてるんだった。早く渡しちゃお」

 

ソナタは自分の家から離れて、隣の家まで移動していく。隣の家まで辿り着いたソナタはインターホンを押す。

 

ピンポーン

 

≪・・・誰?母ちゃんは留守だけど≫

 

「あ、お隣の緑苑坂です!今日はご挨拶と思ってお尋ねしました!あ、引っ越し祝いのお蕎麦も持ってきてます!」

 

≪・・・ちょっと待ってろ≫

 

用件を聞いた声の主はいったんインターホンを切った。ソナタは声の主の正体はずいぶん幼い声だから小学生かなと考え始める。そんな風に考えてる間に家の扉が開いた。扉から出てきたのは・・・

 

「お待たせしてすみません。先日ここに越してきた、橘です」

 

あのカードキャピタルの猫騒動の時に偶然居合わせた橘タツヤだった。

 

「て、ああ!あなたはキャピタルにいた・・・!」

 

タツヤはソナタの顔を覚えていたようで、その人がうちに来たことに驚いている。

 

「え?君は・・・?」

 

「ほら!猫で日比野エスカを追い払った時にいた・・・」

 

タツヤの説明でソナタあの時起きた出来事を思い出そうとしているが・・・

 

「・・・ごめん!覚えてないや」

 

(やっぱり僕って・・・存在感ないのかなぁ・・・)ガーンッ

 

いろいろありすぎたおかげでタツヤのことは全く頭に入っていなかったようだ。今日であった隣人でさえ存在を忘れられてタツヤはショックで涙を流した。

 

この少年、橘タツヤの出会いによって、この物語の本当のスタートが始まったのであった。

 

to be continued…




新右衛門「なあソナタ、マタタビとか煙幕とかってそういうの持ってきてもらったけど・・・それ、どこで仕入れてきたんだ?」

ソナタ「ああ、それ?うちのお父さん、ちょっとマニアが行きそうなお店の従業員で、ちょっと頼んで売ってもらったんだ。後、払ったの私のお金なんだからね?」

新右衛門「マニアって・・・例えばどんなもんを売ってるんだ?」

ソナタ「例えば・・・?うーん・・・私も詳しくは知らないんだけど・・・戦国時代で使ってる兜とか・・・刀のレプリカとか?」

新右衛門「なんか、マークが喜びそうなものばかりだな・・・」

ソナタ「後は・・・うーん・・・ちょっと耳を貸して」

新右衛門「ん?」

ごにょごにょごにょ

新右衛門「て、おい!!それはマニアックすぎるだろ!!」

ソナタ「あーもう!言わないでってば!私だって恥ずかしいのに・・・あー言わなきゃよかったー!!」

リマインド2「俺が店長だ!!」


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俺が店長だ!!

えー・・・この度、長いこと期間を開けてしまい、本当に申し訳ございませんでした!!別作品を書きながら話の方針、新右衛門編のキャラクターのクランを考えながらの充電期間に入っていました!!まさかここまで遅くなってしまうとは自分でも予想がつきませんでした・・・。そして、それに伴い、いただいた感想も返信できず、申し訳ございません・・・。

えーっと、新右衛門編の話、というか、クランについてですが・・・だいぶ先に発売されるであろうブースターパックのカードも取り入れようかと思っています。せっかくいろいろと出されるのだから、使わない手はないだろうと思います。というより、過去の弾だけでは、中々練ることができそうになかったので・・・(汗)まぁ、それまでは結構時間がかかると思いますけど・・・。

さて、ようやく本編に移れる・・・ようやくです・・・。

それではどうぞ!


フィナとのティーチングファイトを終えたソナタは最近隣に引っ越してきた隣人に引っ越し祝いを届けに来たところ、家に出迎えてくれたのは、カードキャピタルでの騒動で偶然居合わせた橘タツヤだった。そして現在ソナタはタツヤが住んでいる橘家に招かれている。

 

「えっと・・・粗茶です。よろしければ、どうぞ・・・」

 

「あ、ありがとう・・・」

 

ソナタはタツヤが入れた粗茶を受け取った・・・が、その後は2人の会話は全く続かなかった。

 

(うわぁ・・・どうしよう・・・うちに初めて女の人を入れちゃったぁ・・・。こういう時、なんて話したら・・・)

 

タツヤはそもそも口達者というわけではないためこういう対人と向き合うことが苦手である。さらに言えばソナタは女性だ。女性が相手ということもあって、タツヤはさらに緊張が増している。

 

「えっと・・・橘君・・・だっけ?」

 

「あっ!は、ははは、はい!」

 

急にソナタに声をかけられ、思わずパニクってしまうタツヤ。

 

「いや、さっきはごめんね。あの時はちょっとゴタゴタがあって・・・周りがあんまり見えてなかったよ」

 

「い・・・いえいえ!いいんです!ただ単に・・・僕の存在が薄いだけですから・・・」

 

気にしているのか自分で言っていてかなり悲しい気持ちになってしまうタツヤ。

 

「え、えーっと・・・。あ、そうだ!さっきインターホンに出てた声って・・・もしかして、あの子?」

 

気持ちが沈んでるタツヤに気を利かせ、話題を変えようとする。その際にソナタが指を指したのは、遠くで赤ん坊のお世話をしている赤髪の男子の小学生だった。

 

「そ、そうです。あの子たちは・・・僕の、弟です」

 

「へぇ~」

 

ソナタは粗茶を啜った後、立ち上がって小学生の前まで移動する。小学生は近づいてきたソナタが近づいたのに気づき、顔を向ける。

 

「初めまして。私はソナタ。緑苑坂ソナタ。君の名前は?」

 

「・・・橘、カズヤ・・・」

 

小学生、橘カズヤは名前を尋ねられて一応は返答する。

 

「カズヤ君っていうのかー・・・。よろしくね。その子は、君とタツヤ君の?」

 

「・・・弟だ。名前は、アツシ」

 

「そうなんだ・・・てことは3兄弟ってことなんだ。すごいね!」

 

ソナタは純粋に橘家の家族構成に関心を持っているが、質問されてるカズヤは非常に鬱陶しそうな顔つきになっている。

 

「渡すもんは渡したんだろ?これ以上用がないなら、さっさと消えてくれ」

 

カズヤは赤ん坊、アツシを抱えて立ち上がり、ソナタに向けて辛らつな言葉をかける。辛らつな言葉を受けたソナタは目をぱちくりさせ、その様子を見たタツヤが慌ててカズヤを咎める。

 

「こ、こら・・・ダメじゃないか、カズヤ君。そんな・・・」

 

「うっせぇんだよ、弱虫兄貴」

 

「・・・っ」

 

だがカズヤがタツヤの痛いところをついてきて、タツヤは急に押し黙る。

 

「・・・けっ」

 

カズヤは付き合ってられないと言わんばかりにアツシを連れて自分の部屋に戻っていった。

 

「・・・タツヤ君、もしかして・・・弟君との関係はうまくいってない?」

 

「・・・はい・・・お恥ずかしながら・・・」

 

今の流れを見てソナタは兄弟関係がギクシャクしていることを尋ねてみると、タツヤは顔を沈ませ、肯定している。

 

「原因はわかってるんです・・・。僕は・・・こんな気が弱いところがありますから・・・プライドが高いカズヤ君とは、全然馴染めなくて・・・」

 

「そ・・・そっか・・・なんか、悪いこと聞いちゃったね・・・」

 

聞いてはいけないことなんじゃないかと思い、罰が悪そうな顔になるソナタ。

 

「で、でも!全部が悪いってわけでもないんです。今では、それなりには、話せていますから」

 

そんなソナタを気を使ってタツヤは自分の思っていることを話す。

 

「実は、アツシ君が生まれてから、カズヤ君と一緒にお世話をすることがあるんですが・・・アツシ君と関わっているときだけ、カズヤ君とは、少しですが・・・うまく会話が繋げられてるんです。その時のカズヤ君の顔は・・・笑っていました。その顔を見ているだけで、僕は、嬉しく感じるんです」

 

そんな話をしているタツヤの顔は、少しうれしそうな顔つきになっていた。

 

「アツシ君の存在が僕とカズヤ君を繋げてくれたんです。あの子がいなかったら、きっと僕は、もっと臆病になっていたのかもしれません。兄としては、情けない話ですが・・・」

 

タツヤは兄として思うところがあるのか、少しばかり複雑そうな表情をしている。それに対してソナタは少し微笑ましい表情になっている。

 

「私は1人っ子だから、タツヤ君みたいな考え方はできそうにないな。だから・・・羨ましく思うよ」

 

「そうですか?」

 

「うん。・・・ねぇ、もしよかったらなんだけど、またカズヤ君と会わせてくれるかな?」

 

「え?カズヤ君を・・・ですか?」

 

ソナタの突然の申し出にタツヤは目を見開く。

 

「うん。ここで会ったのも何かの縁だし・・・それに・・・あの子、まるで、アツシ君しか、拠り所がなさそうに見えて・・・」

 

「!・・・鋭いですね・・・」

 

ソナタの推察にタツヤは目を見開き、後に苦笑いを浮かべる。

 

「引っ越す前にも、カズヤ君は僕だけじゃなくて、誰とも寄り添わなかったんです。それは今も変わりません。だから少し、心配になってくるんです」

 

「なるほど・・・」

 

タツヤの説明にソナタはうんうん納得する。

 

「・・・会ったばかりでこんなこと頼むのはおこがましいのですが・・・お願いします。毎日、とは言いません。少しでもカズヤ君を気にかけてくれませんか?もう、僕だけでは、どうしようもできなくて・・・誰かの協力が、どうしても必要なんです」

 

実の弟のために、タツヤは自分に今できることと思い、ソナタにそう頼み込んだ。ソナタとしては、困った人を放っておく事はできず・・・何より、せっかくのお隣のお宅の頼みなのだから、断る理由はなかった。

 

「もちろん。最初に会わせてって言ったのは私だし・・・何より、そこまで頼まれたら、断れないからね」

 

「!ありがとうございます」

 

ソナタの了承を得られて、タツヤはようやく、心の奥底からの笑みを浮かべる。

 

「さて、と。そろそろ帰らないとお母さんに怒られるし、また明日にでも・・・」

 

「あ、あの!」

 

「?どうしたの?」

 

「じ・・・実は緑苑坂さんをお呼びしたのは、もう1つ、お願いがありまして・・・」

 

「何かな?」

 

タツヤはソナタに向かって、お願いしたいことを思いきって口にする。

 

「緑苑坂さんと一緒にいた方と、会わせていただけないでしょうか!」

 

「?一緒にいた・・・?それって誰の事・・・?」

 

一緒にいたと言われてもあの場には多くの知り合いがいたので、ソナタにはあまり特定できない。

 

「日比野エスカさんを見事に追い払ったあの人のことです!あの、メガネをかけていて、行動力溢れる、というか・・・」

 

「・・・・・・それって・・・新右衛門君~~~~!!??」

 

タツヤが会いたがっている人物が、まさかの友人である新右衛門であるということにソナタは驚きを隠しきれず、思わず叫んだのであった。

 

リマインド2「俺が店長だ!!」

 

一方その頃新右衛門はソナタたちと別れた後、病院へと赴き、とある少女の病室へと向かっていく。病室にたどり着き、扉を開けると、そこには小さな寝息を立てながら眠っている少女がいる。

 

少女の名は戸倉ミサキ。今は亡き新右衛門の兄の娘であり、新右衛門の姪っ子でもある。ミサキの両親は、不幸な事故によって亡くなっており、そのトラウマの影響もあってか、現在はこの病院で入院している。新右衛門はそのミサキのお見舞いに来ているのだ。

 

「・・・ん・・・んん・・・」

 

「!」

 

ミサキは悪夢でも見ているのか、うなされている。新右衛門はそれ見て、ミサキの両手を握って、ミサキを落ち着かせる。

 

「・・・すぅ・・・」

 

落ち着いたのかミサキはまた静かに寝息を立てた。その様子に新右衛門はひとまずは安心する。今のミサキの様子を見て、新右衛門は昔のことを思い出す。

 

『新右衛門君がおじ・・・じゃなくてお兄さんになったから、もう前みたいなやんちゃはできませんね』

 

『そうねぇ。姪っ子のミサキも生まれたんだし、シン君も私に甘えてばかりじゃいられないわよ』

 

『俺はもう1人前だぜ。これからは、俺が兄貴代わりになって、面倒を見てやるからな。ミサキちゃんが、いつまでも笑顔でいられるように』

 

『頼りにしております、シン君』

 

『お前に大それたことできるわけないだろ、バカ衛門』

 

『なんだと、頭でっかち雷門』

 

『なんだと?』

 

『きゃっきゃっ』

 

『もー・・・ミサキちゃんの目の前で・・・やめなって・・・』

 

『うふふ・・・』

 

幼馴染たちと、義姉の思い出を振りえると、新右衛門は少し寂しそうな顔をしながら、窓から外の景色を見つめる。

 

「・・・来てたんだ」

 

新右衛門がぼんやりとしていると、ミサキが目を覚ました。

 

「あ、起きたの、ミサキちゃん」

 

「にゃ~」

 

新右衛門がミサキに顔を向けると、突然の猫の鳴き声が聞こえてきた。その声の主は新右衛門の髪から出てきた。

 

「にゃ!」

 

「お前・・・そんなところに・・・」

 

「んにゃ!」

 

新右衛門は頭に乗っている子猫をそっと抱える。

 

「どうしたの?その子・・・」

 

「んにゃぁ~!」

 

「・・・かわいい・・・」

 

新右衛門の抱えている猫を見て、ミサキは率直な感想を述べるが、全く笑っていなかった。そして、新右衛門の複数の傷の治療跡に気が付く。

 

「・・・その傷・・・」

 

「!」

 

「・・・また無茶したんでしょ」

 

ミサキの指摘に新右衛門は慌てふためく。

 

「あ!いや・・・その・・・。今日も、キャピタルは守り抜いたよ」

 

「・・・もう、やめてもいいよ」

 

やめてもいい・・・その言葉の指す意味は、キャピタルは守らなくてもよいということだ。

 

「何言ってんだよ!キャピタルはミサキちゃんの父さんと母さんが残してくれた、大切な・・・」

 

「無理してない?」

 

ミサキの問いかけに新右衛門は少し戸惑いながらも答える。

 

「し・・・してるもんか!無理なんて・・・全然・・・」

 

「・・・そう・・・」

 

新右衛門の答えにミサキは何も言わず、また目を閉じる。新右衛門は少しミサキに思うところがあるのか、顔色が優れなかった。

 

「・・・じゃあ、また・・・」

 

とりあえずミサキの顔を見ること、キャピタルについて話し終えたので、新右衛門はミサキの病室から退室する。新右衛門の脳裏に浮かび上がるのは、過去に自分が言った言葉だった。

 

『ミサキちゃんが、いつまでも笑顔でいられるように』

 

「・・・くっ・・・」

 

ミサキは今も笑顔を見せてくれない。新右衛門は自分で言っておきながら、そのことを実現できていないことにたいして、歯がゆく、悔しい気持ちになる。子猫はそんな新右衛門の気持ちを察してか、頬をひと舐めした。

 

 

翌日、新右衛門とソナタ、マークが通っている後江高校の放課後、マークはキャピタルへ向かおうと思って新右衛門とソナタと話しているのだが・・・

 

「居残り?」

 

「そうなんだ。私、日本史の小テスト、ギリギリ落ちたからさぁ・・・」

 

「ギリギリならまだマシな方だろ?俺なんて、全滅だったからさぁ・・・」

 

新右衛門とソナタは先日行われた小テストでいい結果を出せず、居残りが確定しているのだ。

 

「言ってくれればコーチしたのに・・・日本人のくせに、日本史がダメだなんて、お漬物なのデース」

 

「お漬物・・・?」

 

マークの言葉にどういうことか考える新右衛門。それにはソナタが苦笑いで指摘。

 

「えーっと、もしかして、うつけものじゃないかな?」

 

「オウ!ソーリー!間違えました!うつけものね!幼い頃の織田信長の呼び名デース」

 

「それって、信長が秀吉を猿って呼んでた話と似たようなものなの?」

 

「その逸話は間違いで実際の呼び名は、ハゲネズミだったみたいデスけどね」

 

「織田信長も日本史は苦手だったのか?」

 

「信長にしてみれば、現代史デスけどね。先にキャピタルに行ってまーす」

 

とにもかくにも、2人は居残りというので、マークは先にキャピタルへと向かうことに決めた。

 

「マーク、忘れもん」

 

新右衛門はマークにキャピタルを開けるための鍵を渡す。

 

「2人とも、居残り、頑張るのデスよ」

 

「ありがとうな」

 

「道中気を付けてね」

 

マークは新右衛門とソナタに見送られながら、教室を出て今日もキャピタルへと向かっていく。新右衛門とソナタはこれから始まる日本史の補修を受けるのであった。

 

 

キャピタルへ続く道のり、マークはただ1人で歩いていた。そこへ1台のリムジンが通りがかった。マークはリムジンに注目し、リムジンはマークの目の前で止まった。リムジンの窓が開き、顔を見せたのは、カードショップエスカの女社長、日比野エスカだった。

 

「ご機嫌用、ミスターマーク・ホワイティング」

 

(!エスカ日比野・・・!本物のうつけものの登場デース・・・)

 

エスカの顔を見た途端、マークの一気に怪訝な表情を浮かべた。

 

 

それから時間が経ち、日本史の補修を終えた新右衛門とソナタはキャピタルへと向かっていた。

 

「・・・それで?会わせたい奴って誰なんだ?」

 

「まぁ、待ってよ。一応、キャピタルで待ち合わせってことになってるから」

 

2人がそんな話をしていると、信号のところで昨日知り合いになったばかりのフィナと鉢合わせた。

 

「あ・・・おーい!フィナー!」

 

「あ、ソナタ!それに、新田君!」

 

「新田ってのは堅苦しいから、新右衛門でいいぜ」

 

新右衛門とソナタはフィナと出会えて、笑みを浮かべている。

 

「今日もキャピタルに来てくれるんだ!」

 

「うん。約束したし・・・それに、ヴァンガードのこと、もっと知りたいし」

 

「ヴァンガードに興味を持ってくれて、ありがとうね!」

 

「あれ?雷門と鬼島は一緒じゃないのか?」

 

話し込んでいると、新右衛門は雷門と鬼島がいないことに疑問を持つ。それにはソナタは呆れてる。

 

「新右衛門君、今日は2人はアルバイトだよ?来れるわけないでしょ?」

 

「ああ、そっか・・・」

 

「そもそも、先輩方は高等部なので、会う機会は少ないんだけどね」

 

疑問が解消され、新右衛門がうっかりと言わんばかりに頭をかいている。すると・・・

 

「んぁ~」

 

「あ、ポコ、家にいてって言ったのに・・・」

 

フィナの髪からひょこっと帽子をかぶったカワウソ出てきた。

 

「わぁ~!かわいい!このカワウソは?」

 

「あ、この子はうちで飼ってるカワウソなんだ。名前はポコっていうの」

 

「へぇ~・・・」

 

「にゃー」

 

「お前・・・また・・・」

 

フィナがカワウソ、ポコを紹介し終えると、新右衛門の髪から子猫が出てきた。その子猫とカワウソはお互いにじゃれあってる。

 

「ぁー」

 

「にゃー」

 

「じゃれあってるね。かわいいなぁ・・・新右衛門君もそう思わない?」

 

「うーん、そういわれてもなぁ・・・」

 

子猫とポコがじゃれあってるのを見つめているソナタと新右衛門に、フィナが気になることを問いかけてきた。

 

「つかのことを聞くんだけど、2人って恋び・・・」

 

「違うよ」

 

フィナの問いかけにソナタは即答で否定した。

 

「でも付き合っ・・・」

 

「てないよ」

 

「誤解してるようだから言うけど、俺とソナタはそんな・・・」

 

「新右衛門くーん!!」

 

フィナの誤解を解くために新右衛門が口を開いた時、ミクルとキャロがタツヤを連れてやってきた。

 

「ミクルちゃん。師匠とゲンさんなら、今日は来ないと思うぜ」

 

「あ、違う違う。お兄ちゃんとライブさんのことじゃなくて・・・」

 

「この子に君を紹介してくれてって頼まれたから・・・」

 

新右衛門はタツヤの方に視線を向ける。タツヤは一瞬だがビクッとなる。

 

「もしかして、紹介したいってのは・・・」

 

「そう、うちのお隣さんの・・・」

 

「は・・・初めまして!晴海中1年の橘タツヤっていいます!僕・・・」

 

タツヤは緊張しているのか、かなりおどおどしている。

 

「昨日の騒ぎ、見てたんだって」

 

「昨日・・・?なんかあったっけ?」

 

「もう忘れてるし・・・」

 

「新田さんが日比野エスカを退散させた・・・」

 

昨日の猫騒ぎのことを思い出した新右衛門はなぜかドヤっとした表情になる。

 

「あ、ああ!そっかぁ・・・でも、新田さんってのは堅苦しいなぁ。新右衛門でいいぜ!」

 

「は・・・はい!新右衛門さん、かっこよかったです!」

 

タツヤが新右衛門のことをかっこいいと言い出し、新右衛門をよく知るソナタ、ミクル、キャロは疑問符を浮かべる。フィナは首を傾げている。

 

「?」

 

「「「かっこよかったぁ?」」」

 

「かっこ・・・よかった・・・?」

 

かっこよかったとは褒められていることだと気づいた新右衛門はにっと笑い、タツヤの背中をバンバンと叩く。

 

「だろだろ!俺かっこよかっただろ!もっと言っていいんだぜ!」

 

「あのね、しんえ・・・」

 

「くはあぁ~、そうかぁ~、見られてたかぁ~。そりゃあ、そうだよなぁ!あんなことしたら、注目浴びちゃうよなぁ!でもさぁ、お前中々見る目あるなぁ~、はっはっは」

 

新右衛門が調子に乗って背中をぐる~っと曲げていると・・・

 

グキィ!!

 

「おおお!!!?ああああああ!!」

 

ぎっくり腰にあい、痛みで地面をのたうちまわっている。

 

「「むしろないんじゃないの?」」

 

「うわ~!あんなに体も曲がるんだぁ!興味深いなぁ!」

 

「あれ・・・痛がってるんじゃないかなぁ?」

 

かっこいいとは真逆の光景にミクルとキャロは呆れる。タツヤは変な部分で尊敬をし、フィナは少しずれている発言をしているタツヤに苦笑い。

 

「もう!何やってるの新右衛門君!」

 

ソナタは呆れながらも新右衛門に近づき、ぎっくり腰を治していく。

 

「いい?じっとしててよ?」

 

「ソナタ?もっと優し・・・いいいいいいい!!いてててててて!!」

 

そんな様子を見ててタツヤは気になったことを質問する。

 

「あの・・・緑苑坂さんと新右衛門さんはどういったご関係で・・・」

 

「あの2人、幼馴染なんだって」

 

「なんか家族関係で仲良くなったんだって」

 

「へぇ~・・・通りで・・・」

 

タツヤの疑問をミクルとキャロが答え、新右衛門とソナタの関係にフィナは納得する。

 

「これでよし。もうぎっくり腰は起こさないでよ?」

 

「いてて・・・善処するよ・・・」

 

新右衛門のぎっくり腰を治したところで一同はようやくたどり着いたキャピタルの中へと入っていく。

 

「マーク、お待たせ」

 

「にゃあ」

 

「ぁー」

 

「あ、猫ちゃん、ポコ・・・」

 

店の中に入ったと同時に子猫が新右衛門の髪から、ポコがフィナの髪から出てきた。

 

「頭の上で飼ってるんですか?」

 

「飼ってるっというか・・・住みつかれたっていうか・・・」

 

「本当なら家にいてほしかったんだけど・・・」

 

子猫とポコは飛び出していき、店の奥に向かって威嚇をしている。

 

「ぁーー!!」

 

「しゃー!!」

 

薄暗い中、威嚇している方向には、後江高校の制服を着て、素顔を兜で隠している男がいた。

 

「!お前誰だ!!」

 

「某は!ニンジャマスター!!」

 

「「ニンジャ・・・」」

 

「「「マスター?」」」

 

ニンジャマスターと名乗る男にソナタ、ミクル、キャロはうわっとした顔になる。

 

(うわ!マーク君じゃん!)

 

そう、このニンジャマスターの正体は、先にキャピタルに来ていたマークなのだ。きっかけは彼が生やしている顎髭だ。

 

「お前!エスカの手先だな!!」

 

「「「えっ!!?」」」

 

「マークをどこへやった!!」

 

(((気づいてないのぉ!!?)))ガビーンッ!

 

新右衛門は全く気が付いてないようだ。

 

「知りたければ、某に勝つでござる」

 

マーク、もといニンジャマスターは新右衛門に自身のデッキを突き付ける。ニンジャマスターのデッキを見て新右衛門は目を見開く。

 

「そのカード!お前それ、マークのデッキだろ!」

 

「じ!!じま・・・」

 

「人のデッキを奪うなんて、最低な奴だな!」

 

「本当ひどい!」

 

「ぼ・・・僕も、そう思います!」

 

ニンジャマスターの自前のデッキをマークから奪ったと思い込んでる新右衛門は怒りを覚える。フィナも賛同し、タツヤは戸惑いながらも同意する。

 

「お前だけは、俺が絶対に倒す!!」

 

(ウワーオ・・・騙せた・・・)

 

うまいこと誤魔化せて、新右衛門って案外ちょろいのでは?と感じてしまうニンジャマスター。

 

「はっはっは!よろしい!ならばこのファイト、何か賭けるでござる!」

 

「例えば、この店とか?」

 

「いい勘でござるな。某が勝利すれば、立てこもりはやめてもらうでござる」

 

「いいぜ、ヴァンガードファイトだ」

 

ファイトをする際の賭けを新右衛門が了承をし、成立させた。

 

「キャピタルは俺たちが通う場所!俺たちの遊ぶ場所!そして!この俺が守る場所!俺は新田新右衛門!!心してかかってこい!!」

 

「なにその口上?」

 

「恥ずかしい・・・」

 

「ダサ」

 

「あはは・・・」

 

「かっこいい!」

 

新右衛門の口上にソナタとミクルは呆れ、キャロは辛らつな言葉を放ち、フィナは苦笑い。タツヤだけかっこよく感じている。何はともかく、新右衛門とニンジャマスターはファイトの準備を進める。

 

「準備はいいか!」

 

互いに準備を整えて、ファイトが開始される。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!(でござる!)」」

 

「新風のパーン!」

 

妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ウシミツマル!」

 

新風のパーン  PW6000

 

妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ウシミツマル  PW6000

 

「俺の先攻だ!ドロー!ライド!天球のアトラス!」

 

天球のアトラス  PW8000

 

「パーンのスキルで1枚ドロー!ターンエンドだ!」

 

R アトラス R

R  R   R  新右衛門の手札6枚 山札42枚

 

「某の番でござる!ドロー!ライドの術!妖魔忍竜(イビルにんりゅう)クロギリ!でござる!」

 

妖魔忍竜(イビルにんりゅう)クロギリ  PW8000

 

「ウシミツマルのスキルで1枚ドロー!」

 

R クロギリ R

R  R   R

 

「クロギリでヴァンガードに攻撃でござる!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブトリガー確認『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)クロギリ』」

 

「ダメージチェック『アンブロジアル・スネーク』」

 

「某の番、終了でござる!」

 

PW8000➡PW8000  ニンジャマスターの手札7枚 山札41枚  新右衛門のダメージ1枚

 

「俺のターンだ!ドロー!ライド!無灯のプロメテウス!」

 

無灯のプロメテウス  PW10000

 

「プロメテウスのスキル発動!山札の上から2枚見て、1枚をソウルへ『白妙の魔術師コルツ』1枚を山札の上へ!コール!詩聖のパルテノス、月光のダイアナ!」

 

詩聖のパルテノス  PW9000

月光のダイアナ  PW8000

 

R プロメテウス パルテノス

R   R    ダイアナ

 

「プロメテウスでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!でござる!」

 

「ドライブチェック『サイバー・タイガー(☆)』クリティカルトリガー!パワーはパルテノスに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ダメージトリガー確認『忍妖タタリブエ』2枚目『千本大刀の忍鬼オボロザクラ』」

 

「ダイアナのブースト、パルテノスでヴァンガードにアタック!」

 

「忍法、空蝉の術!『忍竜クロガネ(☆)』『忍竜クロガネ(☆)』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW10000➡PW8000

PW27000➡PW8000+SH30000=38000  新右衛門の手札5枚 山札38枚  ニンジャマスターのダメージ2枚

 

「某の番!スタンド&ドロー!ライドの術!妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ザンゲツ!でござる!さらに忍法、コールの術!出でよ、クロギリ!」

 

妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ザンゲツ  PW9000

 

「クロギリのスキル発動でござる。ソウルブラスト『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)クロギリ』『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ウシミツマル』クロギリを手札に戻し、忍法、口寄せの術!」

 

クロギリが空を飛び立ち、2つの煙玉を地面に叩きつけ、煙を発生させる。煙が晴れた場所には、2体の変わり身人形が置いてあった。

 

「なんだあれ⁉」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークンでござる!」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークン?」

 

「それより、トークンって何かな?」

 

タツヤは見たことないトークンユニットに驚愕し、ヴァンガード初心者であるフィナは首を傾げる。ソナタがトークンについて説明する。

 

「一部のユニットには、スキルによってデッキには入れられない特殊のユニットをコールすることができる・・・それがトークンユニットだよ。現段階でわかってるのは、プラントトークン、幻焔(ヴィジョン)トークン、そしてこの妖魔変幻(イビルデコイ)トークンだよ。もしかしたら、新しいトークンが出る可能性があるかもね」

 

「へぇ~・・・」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークン  PW0  SH5000

 

「加えて、コールの術!忍獣チガスミ!クロギリ!」

 

忍獣チガスミ  PW9000

 

「ザンゲツのスキル発動でござる!さらに妖魔変幻(イビルデコイ)トークンをコールでござる!全ての妖魔変幻(イビルデコイ)トークンにパワープラス5000、ブーストを得るでござる!」

 

チガスミ ザンゲツ クロギリ

妖魔変幻 妖魔変幻 妖魔変幻

 

「参るでござる!妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのブースト、クロギリでパルテノスに攻撃でござる!」

 

「ガード!『タリスマン・エンジェル(引)』」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのブースト、ザンゲツでヴァンガードに攻撃でござる!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブトリガー確認でござる『忍竜ボイドマスター』」

 

「ダメージチェック『天球のアトラス』」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのブースト、チガスミでヴァンガードに攻撃でござる!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『希望の管理人パンドラ』」

 

「某の番、終了でござる!」

 

PW13000➡PW9000+SH5000=14000

PW14000➡PW10000

PW14000➡PW10000  ニンジャマスターの手札4枚 山札37枚  新右衛門のダメージ3枚

 

「俺のスタンド&ドロー!見ろ、俺のグレード3!ライド!眩しい闇、そこには全ての運命が記されている!我はそれを詠む者!推参!!煌天神ウラヌス!!」

 

煌天神ウラヌス  PW13000

 

「ゲット!イマジナリーギフト・フォースⅠ!!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅠ発動!  対象『煌天神ウラヌス』

 

「あれ?ソナタとは違うイマジナリーギフト・ギフトだ」

 

「前に説明したと思うけど、フォースには2つ能力があって、新右衛門君が選んだのはⅠの方。設置した場所にパワープラス10000を得られんだよ」

 

「10000⁉すごい!」

 

「でも、イマジナリーギフトは1度選んだらもう片方は選べなくなるから、注意が必要なんです」

 

「そっかぁー、なるほどー・・・」

 

フィナの疑問にソナタ、タツヤが回答する。フィナは疑問が解けて、楽しそうにしている。

 

「ウラヌスのスキル発動!ソウルブラスト『新風のパーン』『天球のアトラス』ゲット!イマジナリーギフト!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅠ発動!  対象『煌天神ウラヌス』

 

「スキルでイマジナリーギフトを手に入れた⁉」

 

「これでウラヌスはパワー33000!」

 

R ウラヌス プロメテウス

R  R    ダイアナ

 

「行くぜ!ウラヌスでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードでござる!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『煌天神ウラヌス』ノートリガー!セカンドチェック『タリスマン・エンジェル(引)』ドロートリガー!パワーはパルテノスに!1枚ドロー!見えた!貴様の運命!!」

 

ウラヌス(新右衛門)は護符をザンゲツに向けて放った。護符は術が発動し、ザンゲツの動きを封じる。ザンゲツが封じられてる隙にウラヌスが剣による斬撃を放った。

 

「ダメージトリガー確認『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)ザンゲツ』」

 

「ダイアナのブースト、続け!詩聖のパルテノス!ヴァンガードにアタック!

パルテノスのスキル発動!ヴァンガードが星詠でブーストされてアタックした時、カウンターブラストを払う!ゲット!イマジナリーギフト!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅠ発動!  対象『煌天神ウラヌス』

 

「ヴァンガードサークルに3枚も・・・でも、なぜ・・・?」

 

「それは、後からのお楽しみだよ。なにせ本当にすごいからね」

 

「は、はあ・・・」

 

「忍法、空蝉の術!忍竜ガンバク!そして、妖魔変幻(イビルデコイ)トークンは後列からでもインターセプトできるのでござる!真ん中の妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのインターセプトによって、シールド20000プラスでござる!」

 

「マークお得意のやつか!お前・・・デッキを奪っただけじゃなく、プレイングまで・・・!くうぅ・・・!」

 

(((本気で気づいてなーい・・・)))

 

未だにニンジャマスターがマークであると気づいてない新右衛門にソナタ、ミクル、キャロはもう泣きそうである。

 

「くっ・・・ターンエンドだ」

 

PW33000➡PW9000

PW27000➡PW9000+SH20000=29000  新右衛門の手札6枚 山札32枚  ニンジャマスターのダメージ3枚(裏2枚)

 

「某の番!スタンド&ドロー!ライドの術!妖魔忍竜(イビルにんりゅう)・暁ハンゾウでござる!」

 

妖魔忍竜(イビルにんりゅう)・暁ハンゾウ  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクトⅡ!」

 

イマジナリーギフト・プロテクトⅡ発動!  対象『忍獣チガスミ』

 

「あれ?フォースとは違うイマジナリーギフトだ」

 

「イマジナリーギフトには、フォースの他にも3種類あって、各クランによって、得られるイマジナリーギフトが変わってくるんです」

 

「まー・・・じゃなくて、ニンジャマスターが今使ったのはプロテクト。守り重視の能力を持ってるよ。Ⅱの方は設置した場所にパワープラス5000、シールドプラス10000を得られるんだよ」

 

「へぇ~・・・私はどんなイマジナリーギフトなんだろう・・・楽しみだな」

 

フィナは自分の使うデッキのイマジナリーギフトに少なからずワクワクしていた。

 

「さらに!暁ハンゾウのスキル発動でござる!グレード0である妖魔変幻(イビルデコイ)トークンを2体退却させることで、パワープラス20000!お主のリアガードを手札に戻してもらうでござる!パルテノスとダイアナを選択でござる!これぞ忍法、神隠しの術でござる」

 

「新右衛門さんのリアガードが手札に戻された・・・!」

 

「それだけではない!お主はリアガードを戻された枚数分、つまり、手札を2枚捨てなければならないでござる!」

 

「な、なんだって⁉」

 

「・・・・・・」

 

「さらに、クロギリを後ろに下げ、コールの術!出でよ!ザンゲツ!

ザンゲツのスキル!カウンターブラスト!口寄せの術!妖魔変幻(イビルデコイ)トークン!パワープラス5000!ブーストを得るでござる!

同じスキルをもう1度!カウンターブラスト!口寄せの術!妖魔変幻(イビルデコイ)トークン!全ての妖魔変幻(イビルデコイ)トークンにパワープラス5000!ブースト獲得でござる!」

 

「これで6体が並んだ!」

 

チガスミ 暁ハンゾウ ザンゲツ

妖魔変幻 妖魔変幻  クロギリ

 

「成敗でござる!クロギリのブースト、ザンゲツでヴァンガードに攻撃でござる!」

 

「ガード!『月光のダイアナ』」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのブースト、暁ハンゾウでヴァンガードに攻撃でござる!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!1枚目『忍妖タタリブエ』2枚目『忍竜ガンバク(☆)』まごうことなきクリティカルトリガーでござる!パワーはチガスミに、クリティカルは暁ハンゾウに与えるでござる!」

 

暁ハンゾウは妖魔変幻(イビルデコイ)の支援が加わり、そのままウラヌス(新右衛門)に向かって突進し、忍術によって刃と化した手でウラヌス(新右衛門)に斬撃を放った。

 

「ダメージチェック『詩聖のパルテノス』セカンドチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードに!」

 

「これでダメージ5!」

 

妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのブースト、チガスミでヴァンガードに攻撃でござる!

チガスミのスキル発動でござる!手札を1枚捨て、チガスミにパワープラス15000でござる!見えたでござる・・・勝利のイメージ!」

 

「これって・・・どういうこと?」

 

「えっと、最初の妖魔変幻(イビルデコイ)トークンのパワーが10000になってるから・・・」

 

「パワー49000のアタックだ!」

 

「新右衛門君、負けちゃうの?」

 

「負けないよ、新右衛門君は。絶対に」

 

負けるかもと心配したミクルだったが、ソナタは新右衛門は負けないと断言した。

 

「ガード!『サイバー・タイガー(☆)』『大鍋の魔女ローリエ(治)』」

 

「!くぅ・・・!某の番、終了でござる・・・!」

 

PW17000➡PW13000+SH10000=23000

PW37000➡PW13000(+10000)

PW49000➡PW23000+SH35000=58000  ニンジャマスターの手札4枚 山札33枚  新右衛門のダメージ5枚(裏1枚)

 

「今度はこっちの番だ!」

 

「ぬぅ・・・!」

 

「もう1度煌天神ウラヌスにライド!!ゲット!イマジナリーギフト!!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅠ発動!  対象『煌天神ウラヌス』

 

「えっ⁉4枚目⁉」

 

「ウラヌスのスキル発動!ソウルブラスト『無灯のプロメテウス』『煌天神ウラヌス』ゲット!イマジナリーギフト!」

 

イマジナリーギフト・フォースⅠ発動!  対象『煌天神ウラヌス』

 

「5枚目⁉」

 

「来るよ・・・新右衛門君のとっておきが!」

 

新右衛門がイマジナリーギフトをヴァンガードに5枚設置した時、真ん中後列のリアガードサークルに変化が起きた。

 

「な・・・何が起きてるの⁉」

 

「サークルシフト!!ウラヌスのイマジナリーギフトが5枚になった時、ヴァンガードの後ろのリアガードサークルは、星域となる!!そして・・・星域に立つのは・・・」

 

ウラヌス(新右衛門)の背後より、巨大な地響きが起こり、地面から何かが出現してきた。その何かは、全てを圧倒させるほどの巨人で、巨人が現れたことにより、城があった場所は神々しい領域、星域と化した。

 

「イメージを塗り替えろ!!大いなる星詠の守護神!!絶界巨神ヴァルケリオン!!!」

 

絶界巨神ヴァルケリオン  PW70000

 

「な・・・なんだってー!!?」

 

「ど、どうしたの⁉」

 

「あ、あのカード・・・グレード5で、パワー70000⁉」

 

「あれが・・・新右衛門君の絶対的エースカード・・・星詠の守護神、絶界巨神ヴァルケリオンだよ」

 

「ヴァル・・・ケリオン・・・」

 

新右衛門の最強ユニット、ヴァルケリオンの登場にタツヤは心の奥底から、驚く。

 

「あれ?でもヴァルケリオンはグレード5でグレード3じゃコールできないんじゃあ・・・」

 

「普通ならね。でもヴァルケリオンは特別なユニット。星域さえ展開できていれば、グレード関係なしに、星域サークルにコールすることができるんだよ」

 

「すごい!!」

 

フィナの疑問にソナタが答えると、フィナは心の奥からヴァルケリオンのすごさが伝わった。

 

「驚くのはまだ早いぜ!星域にいるユニットは、後列からでもアタックできる!」

 

「「ええええ!!?」」

 

「ヴァルケリオンのスキル発動!山札の上から5枚を見て、選んだカードのユニットのグレードがドライブチェックの数になる!」

 

「選ばれたカードは煌天神ウラヌス・・・グレード3・・・だね」

 

「てことは、トリプルドライブ⁉」

 

R  ウラヌス   R

R ヴァルケリオン R

 

「ヴァルケリオンでヴァンガードをアタック!ヴァルケリオン・・・ゾディアック・ブレーザー!!!」

 

「ぬぅ・・・ノーガードでござる・・・!」

 

「トリプルドライブ!ファーストチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』」

 

「クリティカルトリガー⁉」

 

「パワーはウラヌスに、クリティカルはヴァルケリオンに!セカンドチェック『詩聖のパルテノス』サードチェック『戦巫女ククリヒメ(☆)』」

 

「ダブルクリティカル!!?」

 

「パワーはウラヌスに、クリティカルはヴァルケリオンに!」

 

ヴァルケリオンは暁ハンゾウに狙いを定め、レーザーピットを操り、全弾を一斉掃射する。対処しきれない暁ハンゾウは成す術もなく、レーザーに飲み込まれていった。

 

PW70000➡PW12000

 

ダメージチェック『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)・暁ハンゾウ』『忍獣チガスミ』『妖魔忍竜(イビルにんりゅう)クロギリ』

 

新右衛門のダメージ5枚  ニンジャマスターのダメージ6枚

 

「ダメージ、6・・・くうぅ・・・!」

 

ニンジャマスターは悔しさで思わず後ずさり・・・

 

コツンッ

 

「おわわわわ・・・わぁ⁉」

 

近くに置いてあった段ボールに躓き、盛大に転んだ。その際に兜が外れ、素顔が露になった。

 

「マーク!!?」

 

素顔を見たことでようやくニンジャマスターがマークだと気が付く新右衛門。

 

「どうしてお前が⁉」

 

「きっと新右衛門に愛想を尽かして、エスカに寝返ったんだよ!」

 

「ノー!!違いマース!!」

 

「え?」

 

キャロの発言にマークは必死に否定し、なぜ変装してまで新右衛門に立てこもりをやめさせようとしたのかを全員に説明する。

 

「エスカに・・・頼まれた?」

 

「このまま立てこもらせておくと・・・新右衛門の成績に響くから、と言われました・・・」

 

「まぁ、あながち間違ってないね」

 

「確かに、エスカの言うとおりね」

 

「雷門と違って、新右衛門はバカだからね」

 

「うぐぐぅ・・・」

 

つまりマークは新右衛門の成績を落とさせないようにするために立てこもりをやめさせようとしたのだ。正論を言われて新右衛門はぐうの音も出なかった。

 

「でもそれって逆の言い方をすれば・・・」

 

「お2人の友情を利用されたってことですよね?」

 

フィナとタツヤの意見に新右衛門はエスカにたいして激しい怒りを示す。

 

「俺たちの友情を・・・!なんて女だ、日比野エスカ!!マーク、わかった。今回の件、水に流すぜ」

 

「オーウ、ワーラースルーデスネ!」

 

「ちょっと違う気がするけど・・・」

 

新右衛門はマークの事情を聞き、今回の件を不問にすることにした。

 

 

「・・・ずいぶんな言われようね」

 

エスカはキャピタルにドローン飛ばして、新右衛門たちの行動をお風呂に入りながら見ていた。

 

『俺はキャピタルを守り抜く!店長として!』

 

「ふん、何が店長よ。子供のくせに」

 

新右衛門の店長発言にエスカは鼻で笑い飛ばした。

 

『にゃー』

 

『ぁー』

 

画面を見てみると、子猫とポコがドローンの画面を顔を近づけて見つめている。

 

「ね、ねこぉ!!?いやあぁ!!」

 

猫嫌いのエスカは子猫を見て慌てふためいた。

 

 

問題が一段落した後、キャピタルのメンバーは新右衛門の今の現状をタツヤとフィナに教えている。

 

「ええ!!?このお店に住んでるの⁉」

 

「ああ!エスカに渡さないためにな!」

 

どうも新右衛門は店をエスカに買収されない目的でキャピタルの中で1人暮らしているようだ。

 

「学校以外はほぼこれなの。呆れちゃうでしょ?」

 

「興味深い・・・」

 

「橘って意外に変人?」

 

前代未聞と思われるような光景にミクルは呆れ、タツヤは興味津々。そんなタツヤをキャロは訝し気に見つめる。

 

「?この写真は?」

 

タツヤが店を探っていると1枚の写真立てを見つける。そこに写っていたのは、新右衛門とミサキ、ミサキの両親と共にカードキャピタルが写されていた。

 

「ああ!いいじゃねぇか!気にすんな!」

 

「ああ・・・はい」

 

これは触れてはいけないものだと思い、タツヤはこの話題に触れないことにした。事情を知っているメンバーたちは、新右衛門の心情を察している。

 

「晩飯食ってくか?」

 

「お金ないのに何言ってるの?本当に」

 

新右衛門は店の中に張ってあるテントに入り、あるものを取り出した。それはインスタント麺であった。

 

「オーウ!最高峰のジャパニーズフードデスね!」

 

「わあ、これが噂に聞くインスタントラーメン!」

 

「わあ!喜んで!」

 

新右衛門はさっそくインスタント麺の調理をしようとするが・・・

 

「店内で煮焚きは禁止!!いつも言ってるでしょ!!」

 

ミクルに咎められてしまう。

 

「いいじゃねぇか今日くらい!店長の俺がいいって言ってんだ!」

 

「店長⁉どこにいますか、そんな人が!!」

 

「なっ!俺が店長だーーーー!!!」

 

「にゃーーー」

 

新右衛門の叫びがカードキャピタル中に響いたとさ。ちなみに子猫は店長というワードに反応し、鳴き声を上げたのだった。

 

to be continued…




ソナタ「マーク君ってニンジャマスターになると口調が変わるんだね」

マーク「オーウ、変わってましたか?ソナタさん」

ミクル「兜被った」

ニンジャマスター「某!ニンジャマスターでござる!」

キャロ「脱いだ」

マーク「私、マーク・ホワイティングで・・・はぁ!本当だ・・・変わってマース」

新右衛門「わかったぜ!この兜には志半ばで亡くなった忍者の怨念が宿ってるんだ!!」

マーク「オウ!そうだったのデスね!」

ソナタ「そんな不気味な兜、どこで手に入れたの?」

マーク「コスプレ用にハンドメイドしました」

ミクル・キャロ「適当なこと言うな、知ったか衛門!!」

リマインド3「エスカへようこそ!!」


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物語の始まり編
スタンドアップ・ヴァンガード!!


皆さん、始めましての方ははじめまして、ご存知の方はどうも。カードファイト!!ヴァンガードG 鋼と宇宙の正義でおなじみの先導です。

鋼と正義、熱血の先導者と努力の先導者の先導者を書いているにも関わらず、思わず新作作っちゃいました!

さて、わかるとは思いますが、これは新シリーズのヴァンガードの物語です。イマジナリーギフトもありますよ。当初の予定よりだいぶ変更点があります。

成長していない表現たっぷりですが、読んでくれるとうれしいです。

今年最後の投稿ですので、これで楽しんでもらえたらうれしい限りです。挨拶はしておきましょうか。来年も頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いします!よいお年を!

それではどうぞ!


世界のカードゲーム人口は数億人を超え、生活の一部として当たり前のようになっていた。

 

カードファイト!!ヴァンガード・・・世界で最も人気のあるカードゲームだ。

 

これはそのヴァンガードに関わる者達の物語の再演・・・ReLive(リライブ)。あったかもしれない物語の開幕である。

 

 

 

イメージ1「スタンドアップ・ヴァンガード!!」

 

 

 

活気あるショッピングモールからの帰り道、2人の女子中学生が話をしながら歩いていた。

 

「いやー、おいしかったなー☆期間限定の特製アイスクレープ☆リンリンも食べればよかったのにねー☆」

 

オレンジ色の長髪をなびかせている女子中学生は日向シズク。晴海中学校に通うギャル風で陽気な中学3年生。

 

「別にいいでしょう・・・私が何を食べようと・・・」

 

丁寧な口調でしゃべり、黒髪のツインテールをした女子中学生は日下部リン。後江中学校に通う冷静な性格の中学3年生。

 

「でもさー、周りがアイスクレープ頼んでんのに1人だけ抹茶クレープって、なんてゆーか寂しくない?」

 

「周りなど、言わせておけばいいのですよ。気にしたらそれは敗北同然です」

 

「お~・・・なんかかっちょいいね~☆」

 

リンの言葉に感服するシズク。街を歩いていると、ビルのモニターに何かのCMが流れる。

 

『今、何よりも1番熱いカードゲーム!』

 

『カードファイターの君なら、もうやってるよね?』

 

『え?知らないの?じゃあ教えちゃう!それが・・・』

 

『『『ヴァンガード!』』』

 

どうやら今のCMは人気のカードゲーム、カードファイト!!ヴァンガードのCMのようだ。

 

「ヴァンガードのCMかぁ・・・ねぇリンリン、今のアイドルの衣装、超イケてたよね☆」

 

「興味ないです」

 

シズクの問いにリンはそっけなくそう返答する。

 

「またそんなこといっちゃって~・・・ジャージばっか着るからそう思うんだよっと」

 

「あ!こら!私のデッキ!返しなさいシズク!」

 

シズクはリンの制服のポケットからヴァンガードのデッキケースを取り出す。リンは取り返そうとするが、シズクにひょいっと避けられる。

 

「いいじゃん、久々にファイトしよ?最近いい店、見つけちゃったんだよねー☆」

 

「・・・はぁ・・・」

 

リンは仕方ないといった様子でため息をこぼし、シズクについていく。そしてシズクとリンは目的地であるカードショップにたどり着く。

 

「カードキャピタル・・・」

 

「そ、うちの今超イチオシのショップ☆さ、入ろ?」

 

シズクはリンにデッキケースを返す。デッキケースを持ったリンは静かにカードキャピタルから去ろうとしたが、シズクに呼び止められる。

 

「ちょ、ちょっとちょっと!せっかく来たんだし、入ろうよ!うち、モデルっぽい人からいろいろ学びたいしさ!」

 

「それが本音ですか・・・」

 

リンはシズクに呆れながらも仕方なくシズクと共にショップに入る。

 

「ちょりーっす!」

 

シズクは元気よく店の店員に挨拶するが、反応がない。

 

「あり?いつもなら静かに入りなって怒鳴るのに・・・」

 

シズクがカウンターに視線を向けると、店員の銀髪の女性はいるにはいた。この銀髪の女性の名は戸倉ミサキ。カードキャピタルの手伝いをしている宮地学園高等部の1年生だ。

 

「・・・・・・」

 

ミサキは不機嫌そうにファイトスペースを見つめている。そこにいたのはヴァンガードファイトをしている少年たちがいる。特に目立っているのが柄の悪そうな中学生とその取り巻きの中学生が3人いる。

 

「彼らは・・・あのグループの・・・」

 

「何?リンリンの知ってる子?」

 

「森川カツミ君、井崎ユウタ君、花咲メグミさん、稲永イチロウ君。私の学校のクラスメイトです」

 

「へぇ~」

 

どうやら彼らはリンのクラスメイトのようだ。名前は森川カツミ、井崎ユウタ、花咲メグミ、稲永イチロウというらしい。

 

「よーし!将軍ザイフリードでとどめだ!」

 

「くっ・・・」

 

「どうした?ダメージチェックは?」

 

森川は相手を挑発するようにそう言ってくる。少年は言われた通りにダメージを確認する動作をする。そしてダメージカードを指定の場所に置く。

 

「お前なんざ俺の敵じゃねぇよ!」

 

「やったな、森川!」

 

「連勝記録、また更新だな!」

 

「さすが、敵うものなしって感じだね!」

 

どうやらさっきのダメージが6枚になって少年は負け、森川が勝ったようだ。

 

「なっははははは!他に、俺様とやりたい奴はいないか?」

 

森川の問いに他のメンバーは全員名乗りを上げない。

 

「んだよ、腰抜けばっかかよ」

 

「たくっ・・・」

 

森川の態度に我慢の限界がきたのかミサキが立ち上がる。それをメガネをかけた店の店員が止める。

 

「相変わらず勝ってるねー、彼」

 

このメガネの中年は新田シン。一応はこのカードキャピタルの店長をしている。

 

「何、店長。そんなに強いわけ?あの森川きゅんって子」

 

「他のお客さんへの態度はちょっと・・・。けど、常連さんの中じゃ勢いは1番かな」

 

「勢いって・・・」

 

シンの説明に納得するも苦笑いを浮かべるシズク。

 

「じゃ、カードキャピタルの最強はこの俺様に決定な。井崎、花咲、稲永、お前ら相手しろ」

 

「おう」

 

「はーい」

 

「OK」

 

森川の最強発言にシズクは面白半分で突っかかっていく。

 

「ちょいとそこの4人」

 

「「「「??」」」」

 

「最強を名乗りたいんなら、まず最初にやることがあります。それは・・・彼女、リンリンを倒すことです!」

 

「!!?」

 

まさか自分を引き合いに出すとは思わなかったリンは面を食らった表情になる。

 

「あんた、晴海中学の人?うちの委員長と仲いいの?てか、委員長ってヴァンガードやってんのか?強いわけ?」

 

「ちょっとシズク!私は森川君なんかとやるとは一言も・・・!」

 

リンの発言に森川は少しムカついた。

 

「なんかだぁ?いいぜ、相手になってやる」

 

「・・・なってやる・・・ですって?」

 

森川の強気な態度にリンは多少イラつきを見せた。

 

「俺、相手が目上や委員長だからって手加減できないんで」

 

「無駄口は結構。早く始めましょう」

 

リンはそういいながら先ほどのデッキケースを取り出し、中にあるカードを取り出す。森川はリンの発言にさらに怒りがわき上がる。

 

「あんたの友達、本当に大丈夫なの?」

 

「まぁ見てみなって☆」

 

ミサキの問いにシズクは軽くそう言う。時間がたち、ファイトは終わりを向かえようとしていた。

 

「・・・・・・っ」

 

結論から言おう。勝負はリンの圧倒的優勢にたっている。追い込まれている状況に森川たちは信じられないといった表情をしている。

 

「これで終わりです。ヴァンガードにアタック」

 

「ま、まだダメージチェックがある!」

 

森川はダメージを確認し、悔しげな表情をしながらダメージを置く。指定ダメージが溜まり、勝ったのはリンだった。

 

「私の勝ちです、自称最強、森川カツミ君」

 

「ちきしょう・・・この俺様が負けるなんてよ・・・」

 

「はっはー!さすがリンリン激強!煽り方も最高!文句なしの大勝利ー!」

 

リンが勝ったことにシズクは自分のことのように笑っている。

 

「小学生から変わらない強さだねー☆よーし、今日からカードキャピタル最強は日下部リンに決定!」

 

「あんたが威張るな!」

 

「うっさいよー、負け犬こと、森川マケミきゅん☆」

 

「!!・・・くそ!」

 

森川は苛立ちを隠せずに店から退出する。他の3人も森川に続いて退出する。

 

「まいどー」

 

「いつでも挑戦待ってるぞい☆」

 

「なんであんたが言うの?」

 

ファイトしていないのに挑戦的発言にミサキがつっこむ。

 

(あの程度で最強?私が目指すものは、あんなものじゃない。私が目標とする人は・・・あれ以上のもっと先にいる・・・)

 

リンは先ほどのファイトに手応えを感じられないのか不機嫌そうな表情をしていたのであった。

 

 

翌日、ミサキが通う宮地学園高等部の放課後、ミサキはまたかといった表情で帰り支度をしながら2人の男子高校生に目を向ける。

 

「今日こそ・・・今日こそ俺と一緒にカードキャピタルに行くぞ!」

 

黒髪天然パーマをした男子高校生の名は秋田ソウジ。ミサキと同じ宮地学園高等部の1年生だ。

 

「またかよ・・・いい加減しつけーぞソウジ」

 

赤髪の長髪で気だるそうにしているのは橘カズヤ。ソウジとミサキと同じく宮地学園高等部の1年生だ。

 

「わりぃが今日はノーって言わせる気はないぜ。お前がイエスって言うまで俺はお前に引っ付き回すぜ」

 

「気持ちわりぃ・・・変態行為じゃねぇかよ」

 

ソウジの何気ない発言にかなり引いていた。

 

「つーか、毎回言うことだが何で俺なんだよ?他の連中と一緒に行きやいいじゃねぇか」

 

「あいつら最近彼女できたとかいって付き合い悪くなったんだよ。・・・くそ、リア充め、爆発しやがれ・・・」

 

「そう思うならとっとと戸倉に告ればいいのによ」

 

「ばっかお前、俺と戸倉さんはまだそんな関係じゃあ・・・それにだな・・・」

 

ソウジが急にミサキの話をし始め、カズヤはやっちまったといった感じにうんざりした表情になる。

 

「・・・で、話を戻すけど本気で行かねぇの?」

 

「何回言ったかわからねぇが・・・めんどくせぇよ、んなもん」

 

カズヤの答えを聞いてソウジは真剣みな表情になる。

 

「お前本当にこれでいいのかよ?このままじゃ本当にくそつまんねぇ奴になっちまうぞ?いいのかよ?」

 

「ちっ・・・うるせぇな・・・んなことわかってるよ・・・」

 

ソウジの言葉にカズヤが若干苛立ちを見せる。説得に手間取ってるソウジに助け船をだしたのは、このやり取りを見ていたミサキだった。

 

「自覚してんだったら誘いにのってあげればいいじゃない」

 

「戸倉さん⁉️」

 

「戸倉?」

 

ミサキが自分たちに声をかけるとは思わなかったカズヤとソウジは少なからず驚いていた。

 

「お前、昨日も一昨日も同じこといってんじゃないの?」

 

「それがどうしたよ?」

 

「お前優柔不断すぎ。こいつが誘う前からずっとうちの前をうろうろしすぎ」

 

「ぐっ・・・」

 

「お?」

 

ミサキの一声にカズヤは苦い表情をし、ソウジはその様子をしっかりと見守る。

 

「本当はずっと気になってたんじゃない?けどつまんないプライドがあって中々いけない・・・そんなとこだろ?」

 

「ぐぐぐ・・・」

 

「はぁ・・・自分で判断するのはいいけど、中途半端に決めんのやめてくれない?ハッキリ言って、こいつもあたしも迷惑なんだけど」

 

「迷惑だなんてそんな・・・俺は好きで・・・」

 

「・・・だー!くそ!」

 

ミサキの言葉1つ1つに敵わないと思ったカズヤは頭をかき回す。

 

「・・・わーったよ。1回だけだかんな」

 

「やれやれ、やっとか・・・」

 

「お・・・おお!1回だけとは言わねぇように新しいパックでデッキ作ってやるから安心しろ!」

 

「安心できねぇ・・・」

 

ミサキのおかげで話が纏まり、カズヤはカードキャピタルに行くこと決まったのであった。

 

 

カードキャピタルでは、学校を終えてここに来ているリンとシズクがヴァンガードファイトをやっていた。結果はリンの勝利だ。

 

「ガーン!また負けたぁ!」

 

「あなたでは私には勝てません」

 

「くぅ~・・・次こそ小学生の頃とは違うって証明してやるって!」

 

シズクは悔しそうに唸り、リンは静かにデッキを広げ、少し改良する。すると、ショップの入り口の自動ドアが開き、ミサキ、カズヤ、ソウジが入店する。

 

「おかえりー、ミサキ。・・・おや?ミサキが友達を連れてくるなんて珍しいね」

 

ミサキを迎え入れたのは店長であるシンだった。

 

「ただのクラスメイトってだけ。別にそんな関係じゃあ・・・」

 

「はじめましてっす、店長!」

 

「・・・ども」

 

「ようこそ、カードキャピタルへ。歓迎しますよ」

 

店に来たカズヤとソウジを歓迎するシン。

 

「店長、新しいパックってあるか?あったら10箱買うぜ」

 

「10箱は多すぎだろ」

 

「いろんなクランが入ってんだ。1箱じゃ足りねぇって。ああ、金は心配すんな。俺が全部だしてやるよ。入門祝いだ」

 

「へぇ・・・太っ腹だな」

 

そのあとは10箱分のパックを買い、近くのテーブルでパックを開けていく。

 

「さてと・・・何があるのかね」

 

カズヤはパックに入ってる7枚のカードを確認する。ソウジが覗きこむと、突然驚愕の声をあげる。

 

「うおおお⁉️なんだこれ⁉️見たことねぇクランが入ってるぞ⁉️」

 

「んだよ、そんなにすげぇのか?」

 

「新しいクランが入ってるとは聞いていたが・・・生で見るとすげぇよ!ギアクロニクル!」

 

ギアクロニクルという単語に近くにいたシズクとリンが反応する。

 

「え⁉️ギアクロニクル⁉️新しいパックの奴の⁉️すっごーい!」

 

(ギアクロニクル・・・新しく入った未知のクラン・・・)

 

リンは少し考える素振りを見せる。

 

「なぁ、これでデッキ組もうぜ!スキルを確認しながらよ!」

 

「別にいいぜ。そこんとこは任せるわ」

 

カズヤの了承も得て、ギアクロニクルデッキを作ることにしたソウジ。2人は全部のパックを開け、出てきたカードでスキルを確認しながらデッキを組んでいく。その際にシズクがチラチラと見ていたが、あえて触れないようにした2人。ソウジの知識もあって、デッキが完成した。

 

「完成だあ!!!」

 

「長かったな・・・」

 

「そんな時間はたってねぇけど・・・まぁいいや。・・・と、わりぃ、ちょっとトイレ・・・」

 

完成した達成感からかソウジは急いでトイレへと向かう。カズヤはできたデッキを確認する。

 

「すぐにやるんだろうけど・・・どうせなら強い奴とやりてぇな・・・」

 

「それならば、私とやりませんか?」

 

カズヤの呟きにリンが答えるように名乗り出た。

 

「リンリン⁉️」

 

「お前後江中の奴か?」

 

「失礼ながら、先ほどの会話は全て聞かせてもらいました。未知のクラン、ギアクロニクル・・・非常に興味深い・・・。よろしければ相手願います」

 

「・・・けど俺、ルール知らねぇし・・・」

 

「私が説明しますのでご心配なく」

 

「・・・んじゃまぁ・・・頼むわ」

 

リンの深々とした態度にカズヤはソウジよりマシかと思い承諾した。

 

「ちぇ~、うちもやりたいのに~」

 

「あなたは後です」

 

シズクは文句を言っているがリンの一言で黙らせる。カズヤとリンはテーブルに座り、互いのデッキをだす。

 

「私は日下部リン。あなたは?」

 

「橘カズヤだ」

 

互いに自己紹介をし、ファイトの説明をするリン。

 

「説明は1回しかしないのでしっかりと覚えるように。さあ・・・イメージしなさい」

 

「イメージ・・・」

 

カズヤは言われた通りにイメージを開始する。すると、カズヤとリンの意識がイメージの中に入り、地球によく似た星に降り立つ。

 

「う、うおお⁉」

 

「あれが惑星クレイ・・・ファイトの舞台となる地球によく似た惑星です。今の私たちはクレイに現れたスピリット、霊体です」

 

「・・・・・・」

 

「か弱い霊体の私たちに与えられた能力は2つ・・・1つはコールです」

 

「コール・・・」

 

「この惑星に住む住人やモンスターたち・・・ユニットと呼ばれる存在を呼び寄せる能力です。私たちが呼び寄せることができるのは、契約した者たち・・・50枚のカードで構築されたデッキに集められた者たちだけ」

 

リンは自分のデッキに手をつける。

 

「同じカードは4枚まで入れられますが・・・これはさっきの彼が教えたので覚えましたね?」

 

「おう」

 

「2つめはライド・・・霊体である自分を呼び寄せたユニットに憑依させる能力です。そして、ライドした私たちのことを、ヴァンガードと呼びます。その意味は、先導者」

 

「先導者ねぇ・・・」

 

「霊体の私たちが最初にライドできるのは、グレード0のユニットだけ。まずはグレード0のカード選び、場に伏せます」

 

「えっと・・・これか・・・」

 

リンはなれた手つきでカードを1枚伏せる。カズヤも真似てカードを1枚伏せる。

 

「このカードこそFV(ファーストヴァンガード)です。このカードが開かれれば、他の誰でもない、自分自身になります。自らがヴァンガードとなり、契約した者たちを率いてファイトします。デッキをシャッフルし終えれば、デッキゾーンに置き、カードを5枚引きます」

 

カズヤとリンは互いにカードを5枚引く。

 

「ここで引き直しができますが、どうしますか?」

 

「いや、いらねぇ」

 

「これで準備完了・・・FV(ファーストヴァンガード)が開けば、ゲームスタートです。いいですか?」

 

「おし、こい!」

 

互いに準備が終わり、いよいよファイトが始まる。

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「忍竜マガツウィンドにライド!」

 

「プライモディアル・ドラコキッドにライド!」

 

忍竜マガツウィンド  PW6000

 

プライモディアル・ドラコキッド  PW6000

 

「これで私たちはお互いにヴァンガードとして立ったわけです。説明しやすいよう私が先攻でいきます。まずは山札から1枚ドロー。自分のターンで1度だけヴァンガードを1つうえのグレードに昇級できます。このようにね。ライド・ザ・ヴァンガード!グレード1、忍竜ドレッドマスター!」

 

忍竜ドレッドマスター  PW8000

 

「ライドされたマガツウィンドのスキルで1枚ドロー。さらに、自身のグレードと同じか、低いユニットを手札からこの5ヶ所のマークにおき従えることができます。これをリアガードといいます。コール・ザ・リアガード!嵐の忍鬼フウキ!」

 

嵐の忍鬼フウキ  PW8000

 

「そして攻撃といきたいところですが、最初の先攻は攻撃できません。これでターン終了です」

 

「ま、当然だよな」

 

R ドレッドマスター R

R   フウキ    R  リンの手札5枚 山札42枚

 

「ふい~、すっきりししたぁ・・・ん?なんだよ、もう他の奴とやってんのか?ちょっと妬けちまうな」

 

「あ、ども、初めまして~☆」

 

トイレから戻ってきたソウジはカズヤとリンを見て笑いながらそう呟き、シズクは初対面のソウジとあいさつを交わす。

 

「さ、あなたのターンです」

 

「おう。ドローっと・・・それで、ヴァンガードをグレード1にライド。ウェッジムーブ・ドラゴン!」

 

ウェッジムーブ・ドラゴン  PW8000

 

「そして、プライモディアルのスキルで1枚ドローっと。それから、テキパキ・ワーカーをコール!」

 

テキパキ・ワーカー  PW8000

 

「ウェッジムーブのパワーは8000!」

 

「そしてテキパキ・ワーカーと合わせれば、パワー16000だな!」

 

「その通り。後列のグレード0、グレード1のユニットは前列のユニットに自身のパワーを加えられます」

 

「ブーストってわけか・・・」

 

「その通り。攻撃する際はユニットをレストを必要とします」

 

R ウェッジムーブ R

R  テキパキ   R

 

「よし・・・テキパキ・ワーカーでウェッジムーブをブースト、ヴァンガードでドレッドマスターをアタック!」

 

「ヴァンガードが攻撃した際、ドライブチェックが発生します。山札の上1枚をめくってください」

 

「めくったのがトリガーアイコンだったら、そのアイコンが示す効果が発揮できるが・・・」

 

「こ、こうか?『ロストブレイク・ドラゴン』」

 

「トリガーなしかぁ・・・」

 

「ヴァンガードのアタックに勇気づけられた新たなユニットが駆けつける。それがドライブチェック。理解できましたか?」

 

「おう」

 

ウェッジムーブはドレッドマスターにナイフによる斬撃を放つ。

 

「私は1のダメージを受けましたので、ダメージチェックです『忍獣エテコーン』トリガーアイコンなし・・・こうやってダメージを受ければ、契約を解除されたユニットがヴァンガードから去り行く。例えるなら、危機を回避するために逃亡するということです。このダメージゾーンにユニットが6体になった時、すべてのユニットの契約は破棄され、私たち霊体は消滅し、そのファイターの敗北です。理解できましたか?」

 

「おう。ウェッジムーブのスキルで手札を1枚バインドして、1枚ドロー。これでターンエンドだ」

 

バインドしたカード『スチームエキスパートゼリクス』

 

PW16000➡PW8000  カズヤの手札6枚 山札40枚  リンのダメージ1枚

 

「では、マイターン。スタンド&ドロー。ライド・ザ・ヴァンガード!グレード2、千本太刀の忍鬼オボロザクラ!コール・ザ・リアガード!忍竜ダンブリーチ!」

 

千本太刀の忍鬼オボロザクラ  PW9000

忍竜ダンブリーチ  PW9000

 

ダンブリーチ オボロザクラ R

  R     フウキ   R

 

「ダンブリーチでウェッジムーブにアタック!」

 

「受けるぜ!ダメージチェック『スチームファイターアアンネ』」

 

「フウキのブーストをつけ、オボロザクラでウェッジムーブにアタック!」

 

「ノーガードだ!」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『忍獣コクシガラス』」

 

「ぐあ!」

 

オボロザクラ(リン)はウェッジムーブに薙刀で斬撃を繰り出す。

 

「ダメージチェック『コロコロ・ワーカー(引)』」

 

「ドロートリガーか!」

 

「これでカズヤはパワープラス10000と、1枚ドローできるな」

 

「パワーをヴァンガードにあげて1枚ドロー!」

 

「これでユニットが2体逃げ出しましたね。契約解除まであと4体、というところです。これでターンエンド」

 

PW9000➡8000

PW17000(+10000)➡PW8000  リンの手札5枚 山札39枚  カズヤのダメージ2枚

 

「つ、次は俺の番だ!スタンド&ドロー!ライド!グレード2、ロストブレイク・ドラゴン!」

 

ロストブレイク・ドラゴン  PW10000

 

「ロストブレイクのスキルで、手札を1枚バインドして、1枚ドロー!」

 

バインドしたカード『コロコロ・ワーカー(引)』

 

「ここから、リアガードをコール!ウェッジムーブ・ドラゴン!リンリン・ワーカー!」

 

リンリン・ワーカー(☆)  PW5000

 

「期待してるぜ、お前ら!」

 

『任せてくれ!』

 

『リンリンリーン!』

 

R ロストブレイク ウェッジムーブ

R  テキパキ    リンリン

 

「リンリン・ワーカーのブーストで、ウェッジムーブにパワーを加えてオボロザクラにアタック!」

 

「オボロザクラはパワー9000だから、パワー13000の攻撃が通っちゃう!」

 

「来なさい!忍妖オオツヅラ!」

 

ウェッジムーブが攻撃しようとすると、オオツヅラが現れ、ナイフを受け止める。

 

「な、なんだと⁉どういうことだ⁉」

 

「私はシールド5000の忍妖オオツヅラをガーディアンとしてコールしました。そしてそれは、オボロザクラのパワーと合わさり、合計で14000になったのです」

 

「ガードってわけか・・・」

 

「その通り。相手がアタックした時、手札にシールド能力を持つユニットがいれば、ガーディアンとなることも可能です。そして、ガーディアンとしてコールされたユニットは場をとどまらずに退却します」

 

「ひっど~。そういうの事前に教えればいいのに~☆」

 

シズクはそう言っているが、リンは構わず作業を続ける。

 

「お手柄です。オオツヅラ」

 

『ご武運を、マイヴァンガード』

 

「ちっ・・・なら、テキパキのブーストをつけて、ロストブレイクでオボロザクラにアタック!」

 

「ノーガードです」

 

「ドライブチェック『リンリン・ワーカー(☆)』」

 

「なっ・・・」

 

「クリティカルトリガー!これでパワーとクリティカルが得られるぜ!」

 

「ダメージチェック『忍竜ダンブリーチ』『刹那の忍鬼ツナマサ』」

 

「これであっちはダメージ2、リンリンがダメージ3・・・リンリン・・・」

 

「ターンエンドだ」

 

PW13000➡PW9000+SH5000=14000

PW18000➡PW9000  カズヤの手札6枚 山札35枚  リンのダメージ3枚

 

「私のスタンド&ドロー。・・・あなた、さっきから何を笑ってるんです?」

 

リンの言うとおり、カズヤの口元には笑みを浮かべていた。

 

「おもしれぇんだ・・・ヴァンガードが・・・俺の知らねぇ世界が、広がったみたいな・・・言葉じゃうまく言えねぇけどさ・・・すっげぇ面白れぇんだ!!ファイト1つ1つの動作が、全部!」

 

カズヤの発言にシズクは少し唖然とし、ソウジは笑みを浮かべる。

 

「・・・ファイトが・・・楽しい?何を世迷言を!!これを見てもまだそんなことが言えますか!!ライド!!修羅忍竜クジキリコンゴウ・ザ・ヴァンガード!!」

 

修羅忍竜クジキリコンゴウ  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「イマジナリーギフト?」

 

「特定のグレード3のユニットが、グレード3になったことを祝福して、契約したユニットたちに贈られる力です」

 

「これでリンリンの手札にプロテクトが加わって、効果は・・・使ってのお楽しみってことで☆」

 

「クジキリコンゴウのカウンターブラスト!相手の手札が4枚以下なら、相手は手札1枚を捨ててもらいます」

 

「ここは・・・リンリン・ワーカー、すまん!」

 

「コール、ドレッドマスター、忍獣コクシガラス、忍妖オボロカート!」

 

忍獣コクシガラス  PW11000

忍妖オボロカート  PW8000

 

「ドレッドマスターのスキル!手札を1枚捨て、1枚ドロー!さらに、ヴァンガードが修羅忍竜クジキリコンゴウならば、ソウルブラスト『忍竜マガツウィンド』相手は自分のリアガードを手札に戻し、その中から1枚捨ててもらいます」

 

「リンリン・ワーカー、戻って来い!そして、手札を1枚を捨てる・・・」

 

「オボロカートのスキル!手札を1枚捨て、グレード3のユニットのパワーを2倍に!対象は、クジキリコンゴウ!」

 

「これでクジキリのパワーは24000!さらに、相手のリアガードが手札に戻ったから、ダンブリーチとフウキのスキルで両方にパワープラス6000!」

 

ダンブリーチ クジキリコンゴウ  コクシガラス

オボロカート   フウキ    ドレッドマスター

 

「オボロカート、ダンブリーチ、ロストブレイクに攻撃しなさい!」

 

『『御意!』』

 

「ここはリンリン・ワーカーで・・・」

 

「無駄です!クジキリコンゴウは相手のリアガードが手札に戻った時、相手は戻されたユニットと同じグレードでガードは不可能!リンリン・ワーカーはグレード0・・・よってグレード0でガード不可能!」

 

「何⁉だったら・・・ここは受けるぜ!ダメージチェック『ミッシングクランプ・ドラゴン』」

 

「オボロカートのカウンターブラスト!バトル終了時、手札に戻ります。ドレッドマスター、コクシガラス、あなたたちも行きなさい!」

 

『『御意!』』

 

「そいつは・・・スチームファイターアアンネでガードだ!」

 

『大丈夫⁉マイヴァンガード!』

 

「サンキュー!ゆっくり休んでくれ、アアンネ!」

 

「さっきの教訓が活かされたな、カズヤ!」

 

「ならば私自らが参ります!ロストブレイクにアタック!フウキは援護を!」

 

『御意!』

 

「修羅の道を辿る我が刀、受け止めて見せよ!!」

 

「来い、お前たち!『ミッシングクランプ・ドラゴン』『ウェッジムーブ・ドラゴン』『テキパキ・ワーカー』」

 

フウキの援護受けたクジキリコンゴウはロストブレイクに向かって刀を振り下ろした。その刀を受け止めようとミッシングクランプ、ウェッジムーブ、テキパキ・ワーカーが前に出る。

 

「よし!これでカズヤはシールド40000!防げた!」

 

「どうかな?クジキリコンゴウのパワーは今、38000。トリガー1枚で通っちゃうよ」

 

「ツインドライブ!」

 

「ツインドライブだと⁉」

 

「そうか!グレード3のヴァンガードはドライブチェックを2回できるから・・・」

 

「ファーストチェック『忍竜クロガネ(☆)』クリティカルトリガー!効果はすべてヴァンガードに!」

 

「通っちまったか・・・!けどカズヤのダメージは3!あと1枚で出なけりゃ・・・」

 

「セカンドチェック『忍竜クロガネ(☆)』クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードに!」

 

「これでクジキリコンゴウはパワー58000、クリティカル3、終わったね☆」

 

クジキリコンゴウは3体のガーディアンに刀を振り下ろしてなぎ倒し、そのままロストブレイクにも忍術による強力な斬撃を与える。

 

「ダメージチェック『スチームアーティストアピラッタ』セカンドチェック『コロコロ・ワーカー(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」

 

「残り1枚・・・」

 

あと1枚のダメージチェック・・・ここで終わるのか・・・。

 

「サードチェック『スチームドクターマルターシュ(治)』」

 

「!ヒールトリガーだ!自分のダメージが相手と同じか多ければダメージ1回復できる!」

 

「今の攻撃で相手のダメージは6になったから・・・ダメージ1回復・・・首の皮1枚、かな☆」

 

「ターンエンド。面白半分の力など、修羅である私には通用しない!」

 

PW23000➡PW10000

PW19000➡PW10000+SH10000=20000

PW38000(+20000)➡PW10000+SH30000=40000(+20000)  リンの手札4枚 山札33枚  カズヤのダメージ5枚

 

「お前、何も感じねぇのか?こんなに面白れぇのに」

 

「またそんな・・・!」

 

「お前も楽しいはずだ!俺にはわかる!長い間、ずっとくそつまんねぇ人生を送ってきた俺は、何に対しても無関心だった・・・けど、そんな俺にも、面白れぇって言えるようになったんだ!このヴァンガードが、そうさせたんだ!少なくても、お前にも絶対あるはずだ!」

 

カズヤはそんな力説を語りながら、自分のターンに入る。

 

「いくぜ!ライド!グレード3、グランドストライク・ドラゴン!!」

 

グランドストライク・ドラゴン  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『グランドストライク・ドラゴン』

 

「イマジナリーギフト・フォースの能力で、グランドストライクはパワープラス10000になった!これなら・・・!」

 

「ロストブレイクをコール!

ロストブレイクのスキルで、このリンリン・ワーカーをバインド!そして、1枚ドロー!

さらにロストブレイクはバインドゾーンに表のカードがあれば、パワープラス3000だ!そして、ウェッジムーブを後ろに回して、ミッシングクランプ・ドラゴンをコール!」

 

ミッシングクランプ・ドラゴン  PW10000

 

「これで12時の時計が回ったぜ!」

 

「?」

 

「グランドストライクは俺のユニットとバインドゾーンの合計が12以上になった時、パワープラス10000だ!」

 

「場にグレード2、3、2、1、1、バインドゾーンにグレード3があるから合計、12・・・」

 

「これなら!」

 

ロストブレイク グランドストライク ミッシングクランプ

   R      テキパキ     ウェッジムーブ

 

「頼むぜ、お前ら!」

 

『ノープロブレム』

 

『アイアイサー!』

 

『『了解!』』

 

「ロストブレイクでクジキリコンゴウにアタック!」

 

「ガード!『忍竜クロガネ(☆)』」

 

『ご武運を』

 

「俺が行くぜ!続け、テキパキ・ワーカー!」

 

『了解デス、マイヴァンガード!」

 

「(このプロテクトがあれば、問題なく防げますが・・・コストを考えれば、ダメージは欲しいところ・・・ならば!)

ノーガード!」

 

「行くぜ・・・日下部!!」

 

「来なさい・・・カズヤ君!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!パワーはミッシングクランプ、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「これでダメージ5・・・あと1枚で・・・」

 

「セカンドチェック『スチームボンバージグル(☆)』クリティカルトリガー!こっちも効果は同じだぁ!!」

 

グランドストライクは拳をぎゅっと握りしめ、クジキリコンゴウにめがけて放つ。クジキリコンゴウは何の抵抗もせず、拳を喰らう。そして、グランドストライクはとどめに一蹴りを入れる。

 

「3ダメージ・・・受けて立ちます。ダメージチェック『千本太刀の忍鬼オボロザクラ』セカンドチェック『嵐の忍鬼フウキ』」

 

「ダメージ5・・・あと1枚・・・」

 

「でも、ヒールトリガーさえ引けば、リンリンだって可能性は・・・」

 

最後のダメージチェック・・・カズヤみたいにヒールトリガーを引けるか・・・

 

「・・・チェック『修羅忍竜クジキリコンゴウ』」

 

「ダメージ6・・・」

 

「これで、私の元から去ったユニットは6体・・・私は霊体に戻り・・・クレイから去る・・・あなたの勝ちです」

 

クジキリコンゴウは粒子となり、その場に消え、残ったのはリンの霊体・・・だがその霊体もすぐにクレイから去っていった。

 

PW13000➡PW12000+SH15000=27000

PW41000➡PW12000

 

カズヤのダメージ5枚  リンのダメージ6枚  勝者カズヤ

 

「まさか、あの人以外にリンリンに勝っちゃう人が出るなんてね」

 

リンは自分のデッキを片付け、カバンに入れた後、そのままショップの入り口に向かう。

 

「今日は用事を思い出しましたのでこれで。また後ほど」

 

「あ、リンリン待ってー!」

 

ショップから出ていくリンを急いでカバンを持って追いかけるシズク。

 

「すげぇじゃねぇかカズヤ!あんなすごそうな子に勝っちまうなんてよ!」

 

「へへ・・・マジでぎりぎりだったぜ」

 

カズヤはソウジに向き直り、深く頭を下げる。

 

「ソウジ・・・その・・・あんな面白れぇもんを断り続けて・・・すまんかった!」

 

カズヤの様子を見たソウジは少し唖然となったが、その後に笑みを浮かべて、カズヤの肩を組む。

 

「気にすんなって!てか、明日も行くだろ?ここに!一緒にやろうぜ!」

 

「・・・おう!」

 

カズヤとソウジは明日もここに来る約束をしながら互いに笑いあっている。

 

「・・・あいつがあんな風に笑うの、初めて見た・・・。あいつを変えた・・・ヴァンガード、か・・・」

 

「何ミサキちゃん、ヴァンガードに興味持った?」

 

「!全っ然!」

 

カウンター席でそんな会話を繰り広げているミサキとシン。そしてさらに別のところでは、遠くからファイトを見ていた森川率いるグループが驚愕している。

 

「嘘だろ⁉めちゃくちゃ強かった委員長に勝った⁉」

 

「え・・・え・・・だって、あの人、初心者だよね⁉」

 

「ギアクロニクル・・・本当にすごかったよね・・・」

 

「・・・あれだ・・・あれさえあれば・・・委員長に勝てる・・・!」

 

森川は先ほどのファイトを見て、ギアクロニクルならリンに勝てると思い込んでしまう。

 

 

帰り道を歩くリンとシズクは先ほどのファイトを思い返していた。リンの表情にはどことなく楽しさが感じられる。

 

「うれしそうだねー、リンリン☆そんなに楽しかった?ギアクロ使いの彼とのファイト」

 

「・・・ふふ、さあね」

 

そんな会話をしていると、ちょうどばったりと後江高校の制服を着た男子高校生2人にはちあう。

 

「おー!今帰りか?」

 

「あ!三和っち先輩に櫂きゅん先輩!おつっす!」

 

「お疲れ様です、三和先輩、櫂先輩」

 

「・・・ああ」

 

金髪の髪をして、お調子者の男子高校生は三和タイシ。後江高校の1年生で、リンの先輩でもある。そして沈黙している茶髪の男子高校生は櫂トシキ。三和と同じ後江高校の1年生でリンの先輩だ。

 

「・・・リン、何かいいことでもあったか?」

 

リンの浮かれてる様子に櫂は気づき、そう問いかける。

 

「・・・ええ、少し」

 

「ねぇねぇ聞いて聞いて!今日リンリンがギアクロ使いの初心者君に負けたんだよ☆珍しくない?」

 

「ええ⁉リンが・・・初心者に⁉嘘だろ⁉」

 

「マジマジ!びっくりしちったよ☆」

 

「未知のクラン・・・ギアクロニクル・・・」

 

リンのことをよく知っている三和はリンが負けたことに信じられないといった様子になっている。櫂は自分の知らないクランに興味を持っている。

 

「シズク、今日はうちに泊まっていきなさい。とことん付き合ってもらいます」

 

「あ!リンリン!」

 

リンはせっせと自分の家の帰路に向かって歩いていく。

 

「まったくー、負けず嫌いなんだからー。てことで、まったねー☆」

 

「あ、おいちょっと待てって!話はまだ・・・!」

 

「・・・面白そうなことがありそうだな・・・」

 

シズクはペロッと舌を出して三和と櫂と別れる。三和は2人を呼び止めようとするが、もう背中が遠くなる。櫂はカードキャピタルに何かあると思い、笑みを浮かべる。

 

 

橘家、カズヤが帰って来たのは大体夜あたりだった。

 

「ただいまー」

 

「兄貴遅い!どんだけ時間経ってると思ってんだよ!」

 

カズヤを待ち受けていたのは、彼の弟、橘アツシだった。アツシはご立腹の様子だが、カズヤはそれの意も介さず、笑みを浮かべながら自分の部屋に戻っていく。

 

「な・・・なんだよあの笑顔?」

 

「ふふ、何かいいことでもあったんじゃない?」

 

兄の変わりようにアツシはかなり戸惑いを感じている。母親は自分のことのようにカズヤの様子に嬉しそうにしている。

 

 

翌日のカードキャピタル、カズヤとソウジは昨日の約束の通り、ヴァンガードファイトをしている。カズヤもソウジも楽しそうにしている。

 

「カズヤお前、なんでそんなに強いんだよ?才能か?」

 

「知らんわ。俺に聞くな」

 

楽しそうにファイトしていると、女子に声をかけられた。それも昨日会った女子だ。

 

「ファイト中ですか?終われば、1戦お願いします」

 

「!日下部!」

 

「うちもいるよ~☆」

 

リンとシズクが来たことにより、賑わいが増えていっていく。

 

(ここから始まるんだ・・・俺の・・・新しい人生が・・・。つまんねぇ自分とは、卒業だ)

 

この瞬間より、始まってゆくのだ。彼の新たなる人生が・・・そして、ヴァンガードを通じた物語が。

 

to be continued…




シズク「ねぇリンリン、日下部家の食事当番ってあるわけ?伝統ある家だから、気になっちゃって・・・」

リン「朝と昼はお母さまが作りますが、夜は私が作りますね」

シズク「え⁉リンリンって料理できるの⁉マジすごい!今度うちにごちそうしてよ☆」

リン「嫌です」

シズク「いいじゃん~、アンちゃんにはいつもおにぎりとかもらってるし、リンリンにごちそうしてもらってもさ~」

リン「その話、詳しくお願いできますか?」

シズク「ごちそうしてくれたら話しちゃうよ?ところで、得意料理って何?」

リン「・・・おそばです。店のおそばではなく、一から作る段階の」

シズク「職人⁉すっげー!!」

イメージ2「ライド・ザ・ヴァンガード!!」



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ライド・ザ・ヴァンガード!!

あけましておめでとうございます!今年が始まり、よき1年になるようにヴァンがっていきましょう!

さて、今年一発は奮発して、熱血と努力の先導者、鋼と宇宙の正義、そして新作、ReLiveを一気に投稿していきます!

あ、感想は作品ごとに別々でお願いします。面倒だとは思いますけど、ややこしくならないので、お願いします。

熱血と努力の先導者、鋼と宇宙の正義の投稿を終えましたから、ラストを飾るのは新作のReLiveです!

それではどうぞ!


とある少年の幼き記憶、少年は顔を俯かせながら帰路を歩いていた。そうして歩いていると、曲がり角で走ってきた茶髪の少年とぶつかった。

 

「ごめんな!」

 

「・・・・・・」

 

「か・・・櫂君・・・大丈夫・・・?」

 

茶髪の少年の元に黒の短髪の少女が駆け寄る。茶髪の少年は、青髪の少年にづかづかと近づく。少女は青髪の少年に気付くと茶髪の少年の背中に恥ずかしがれりながら隠れる。

 

「なんだー、お前?ケンカにでも負けたのか?」

 

「櫂君、失礼だよ・・・」

 

青髪の少年の姿はところどころ殴られたり蹴ったりした跡が目立っていた。

 

「ケンカって柄でもなさそうだな・・・いじめられたのか?」

 

「だ・・・大丈夫・・・?て、手当、するから、ね」

 

「あ・・・」

 

少女は青髪の少年に近づき、傷の後をシップで手当てをする。そうしていると茶髪の少年は閃いたかのようにヴァンガードのデッキを取り出す。

 

「これ、やってみねぇか?楽しいぜ」

 

「あ・・・っ」

 

「てことでリン、説明よろしく!」

 

「もう・・・。ご、ごめんね・・・櫂君が、その・・・強引で・・・」

 

少女は青髪の少年に謝りながらデッキ構築の説明をする。

 

「これがヴァンガードのデッキ、50枚、だよ。お、覚えた・・・?」

 

「う、うん・・・」

 

青髪の少年がデッキ構築を理解し、茶髪の少年が相手に名乗り出る。

 

「よし!早速俺とやろうぜ!」

 

「え⁉も、もう⁉」

 

「習うより慣れろってやつだ!」

 

茶髪の少年がそういうと、公園の電気に明かりがつく。

 

「あ・・・」

 

「ど、どうしたの・・・?」

 

「そ、そろそろ、帰らないと・・・」

 

「お?もうそんな時間か?」

 

青髪の少年はカバンを持って、再び帰路を歩こうとすると、茶髪の少年が呼び止める。

 

「待てよ!こいつ、やるよ」

 

「櫂君・・・?」

 

茶髪の少年は青髪の少年に1枚のカードを手渡す。

 

「そいつは結構強い剣士なんだぜ?」

 

「はぁ・・・」

 

「いいか、イメージしろ。そのカードの剣士のように、強くなった自分を!」

 

「む・・・無理です・・・」

 

「あはは!ま、最初はそうだろ。こいつだって同じだからな」

 

「か、櫂君・・・ひどい・・・」

 

「けどな、それがイメージできたら、お前はきっと、変われる。イメージはお前の力になるんだぜ」

 

ここまでが、とある少年の記憶である。

 

 

 

イメージ2「ライド・ザ・ヴァンガード!!」

 

 

 

カードキャピタルにて、学校の授業を終えてここにやってきたカズヤはリンの友人であるシズクとファイトしている。リンとソウジは観戦をしている。そして、ファイトが終わるとシズクは嬉しそうな表情をする。

 

「やったーー!!自称最強の森川きゅんに勝ったリンリンに勝ったカズヤんに勝った・・・てことは必然的に考えると・・・カードキャピタル最強ファイターはうちってこと⁉やりーーー!!」

 

「ずいぶん遠回しな最強だな、おい」

 

シズクの遠回しの最強宣言にソウジはあきれる。

 

「んだよあいつ・・・ギャルのくせにやるなぁ・・・」

 

「シズクはどうしようもない子ですが、ファイターとしては、凄腕ですよ」

 

「お前が認めるって相当のことだな・・・」

 

カズヤはシズクの強さに感心すると、リンが解説する。そんな楽しい時間を過ごしているとき、ショップの入り口が開かれ、2人の男子高校生が入店する。男子高校生はカズヤたちに近づき、話しかける。

 

「お前がギアクロニクル使いか?」

 

「ん?」

 

「櫂先輩、三和先輩」

 

「よっす!」

 

カズヤに話しかけてきたのは、リンの先輩である櫂トシキと三和タイシだった。

 

「どうなんだ?」

 

「そうだけど?」

 

カズヤがギアクロニクル使いとわかった瞬間、櫂は自分の制服のポケットの中から自身のデッキを取り出す。

 

「未知のクランの力、リンを敗ぶった力、試させてもらう」

 

櫂のファイトの申し込みにリンとシズクは目を見開く。

 

「櫂先輩、本気ですか?」

 

「止めたって無駄だぜ。櫂がやると決めたら止まらねぇの、お前も知ってんだろ?」

 

「それは、そうですが・・・」

 

「なんだー?カズヤを心配してんのか?」

 

「あなたは黙りなさい」

 

櫂のファイトの申し込みにカズヤが断る理由はなかった。

 

「いいぜ、そっちがその気・・・」

 

カズヤがファイトを受け入れようとすると、シズクが異を唱える。

 

「ちょっとちょっとー、そこはそのカズヤんに勝った最強のうちとやるべきでしょー?」

 

「お前が・・・最強?」

 

「へぇー、今の今まで櫂やリンに勝てないお前がねぇ~」

 

「三和先輩、煽らないでください」

 

シズクの最強発言に櫂は疑問符を浮かべ、三和がシズクを煽る。その際に三和はリンに睨まれた。

 

「・・・いいぜ、腕試しだ」

 

「ふーっふーん!そうこなくっちゃ!」

 

櫂はシズクと先にファイトをすることにし、シズクは妙に張り切っている。そして結果は・・・

 

「わぁ・・・負けた・・・」

 

櫂の圧勝、シズクの惨敗だった。

 

「口ほどにもないな」

 

「う~ん、やっぱ櫂きゅん先輩には勝てなかったかぁ・・・」

 

「むしろなぜ勝てると思ったんですか・・・」

 

シズクの発言にリンは非常にあきれた表情をしている。

 

「今の、すごかったな・・・」

 

「ああ。熟練の俺でも何をしてたのかわかんなかったファイトだったぜ・・・」

 

櫂の圧倒的な実力の差にカズヤもソウジも驚いていた。すると・・・

 

「勝負しろ、日下部リン!」

 

突然リンに勝負の申し込みをしてきた者が現れた。その人物は、森川率いるグループたちだった。

 

「1度勝ったぐらいでいい気になるな!カードキャピタル最強の座をかけて、もう1度勝負だ!」

 

「静かに!」

 

「まぁまぁ・・・」

 

森川の大きな声にミサキが注意をすると、三和がそれをなだめる。

 

「お断りします」

 

リンから帰って来た返事はまさかの勝負拒否だった。

 

「なっ、何でだよ!!」

 

「あなたのファイトはまるでなっていない。ファイトの本質を理解していない者のファイトなど、時間の無駄なだけです」

 

「うわ~、リンリン、そこまで言っちゃう?」

 

リンの毒のある説明にシズクは軽く引いていた。だがリンの発言に森川はかなり怒りを示していた。

 

「俺のファイトが時間の無駄だとぉ!!?だったら、これを見ても同じことが言えるかぁ!!」

 

森川が取り出したデッキには、カズヤと同じくラン、ギアクロニクルのカードが集められていた。

 

「おいあれ!ギアクロじゃねぇか⁉」

 

「ま、マジか⁉」

 

「まさかまさかの2人目のギアクロ使いか⁉」

 

「あり?でも前はスパイクブラザーズ使ってたよね・・・?」

 

森川が取り出したギアクロニクルにソウジ、カズヤ、三和は驚き、シズクは昨日の森川のデッキを思い出していた。櫂はあまり無関心だ。どうやらギアクロニクルには興味はあるが、リンに勝ったカズヤの興味の方が強いようだ。

 

「これなら・・・」

 

「クランを変えても同じことですよ。あなたとはやりません。時間の無駄です」

 

「な・・・なんだとぉ!!」

 

リンの答えが全く変わっていないことに森川はさらに怒りをあらわにする。

 

「まぁまぁ、そんなにファイトしたいなら、このショップ最強の櫂が相手になるぜ」

 

「⁉」

 

三和の発言に櫂は少しあっけにとられる。

 

「そいつが?」

 

「リンが勝ったことのない奴となら、文句ねぇだろ?」

 

「おい三和、こんな奴とファイトするために来たんじゃ・・・」

 

櫂の放った言葉に森川の怒りの対象が櫂に変わる。

 

「こんな奴だぁ?いいぜ、先に相手になってやる」

 

「なってやる・・・だと?」

 

森川の発言に櫂は妙に引っかかる。

 

「俺、相手が目上だからって手加減できないんで」

 

「余計な御託はいい。さっさと始めるぞ」

 

そんなこんなで森川と櫂の了承が得たことによって、ファイトが始まった。そしてこのファイトでも、櫂の圧倒的力を発揮している。

 

「そ・・・そんなバカな・・・!」

 

森川はギアクロニクルを使っているのに、ありえないといった表情をしており、あっけにとられている。それは後ろにいる3人も同じだった。

 

「アタック」

 

「くっ・・・ダメージ・・・チェック」

 

このダメージチェックによって、森川のダメージは6となり、櫂の圧勝となった。

 

「くそ・・・なんでだ・・・!」

 

「あっははは!やったぜー!VVV、ヴィクトリーだぜ!」

 

櫂の勝利に三和は笑いながらそう言い放つ。

 

「これでわかったでしょう?クランなど関係ないんです。クランを生かせるかどうかは全て、ファイターの力量なんですよ」

 

「くっ・・・くそ!」

 

納得のできていない森川だったが、何も言えず、3人を連れてカードキャピタルから退店する。

 

「まいどー」

 

「いつでも相手してやるぜ!」

 

「お前が言うな」

 

櫂への挑戦なのに三和が再挑戦募集の声を出すと、カズヤがそれをツッコム。すると櫂はカバンを持って、店を出ようとする。

 

「櫂先輩、どこへ?」

 

「興が冷めた。帰る」

 

「その前に・・・小学校の頃、転校したあなたが、なぜ高校の入学を機に戻ってきたんですか?」

 

「・・・・・・」

 

リンの質問に櫂は答えようとせず、そのまま店を出て行った。

 

「おい!質問に答えろって!」

 

「なんなんだよ、あいつ・・・」

 

「まぁまぁ、あれ、櫂きゅん先輩の照れ隠しだからさ☆」

 

「そうそう、大目に見てやれって」

 

質問に答えなかった櫂にソウジは憤慨し、カズヤは不思議そうな顔をしている。それをシズクと三和がなだめる。

 

(・・・あんなファイト程度じゃ、まったく熱くならねぇよ・・・)

 

店を出た櫂は夕日を見上げながら1人そう思っているんであった。

 

 

翌日、リンや森川たちが通っている後江中学校の休み時間、森川は新しいパックの入った箱を開けて、カードのパックを開けようとする。井崎たちはその様子に質問をする。

 

「森川・・・」

 

「どうしたのそれ?」

 

「委員長や櫂って野郎を倒すには強力なカードがいるからな、小遣い前借して箱買いしたのよ」

 

「そういう問題じゃないと思うんだけどなー・・・」

 

今の森川に何を言っても通用しないのはわかっている3人は何も言わずにいた。そうしていると、休み時間が終わり、授業の時間が始まる。

 

「今日の授業は川中島の戦い!中でも、第四次合戦、八幡原の戦いは、周り見る死闘として名高いわけだが、8000の軍勢を率いり、信濃に攻め込んだのは・・・島村!!」

 

「武田信玄」

 

「イエス!!一方、迎え撃つのは、12000の軍勢を率いた・・・鈴木!!」

 

「上杉謙信」

 

「イエス!!上杉軍が発令した戦術パターンは・・・久保田!!」

 

「車懸りの陣」

 

「イエース!!濃霧の中、信玄本体へ攻撃だぁ!!対する武田軍が発令したのは・・・日下部!!」

 

「鶴翼の陣です」

 

「イエーーーッス!!」

 

歴史の授業を担当するマーク・ホワイティングの授業ではなぜかカードを使っている。

 

「相っ変わらず意味わかんねぇ授業だなぁ・・・」

 

「本当だよね。何でこんなカードがいるわけ?」

 

「外国人で戦国時代マニアでカードマニアって、キャラ濃すぎだよね」

 

井崎、メグミ、稲永にはこの授業は不評のようだ。

 

「さあ、この生き馬の目を抜くような戦国時代を・・・君ならどう生きる!?先導アイチ!」

 

「!は・・・はい・・・///」

 

マークに名指しされた少年、先導アイチは恥ずかしそうに席を立つ。

 

(先導・・・アイチ・・・?どこかで・・・)

 

同じくマークの授業を受けているリンはアイチの名を聞いて、何か思い出そうとしている。

 

「俺久々にこいつの声聞くわ!」

 

「おとなしいにもほどがあるっつーの!」

 

「どうしたわけ、アイチ~?がんばりなよ、ほら」

 

周りの生徒が注目している中、井崎たちが野次を飛ばしている。

 

「ヘイ、カモン!先導は戦国時代で何をして名を残す?イメージ、イメージして!」

 

「ぼ・・・僕は・・・後ろの方で・・・えっと・・・い・・・いつでも逃げられるように・・・して・・・ます・・・」

 

生徒達(リン以外)はアイチの答えを聞いた後、あっけにとられた後・・・

 

『あははははははは!!』

 

盛大に笑い出した。

 

「先導君、実際の戦国の世なら、生き残るためのいい考えかもしれませんが、イメージの中くらい、もっと自分を大活躍してもいいのではないでしょうか」

 

「す・・・すみません・・・///」

 

「雑兵すぎるぜ!」

 

「せめて足軽大将になっとけよ!」

 

「どんだけ後ろ向きなんだってーの!あっははは!」

 

井崎たちのアイチをバカにするような発言もあるが、アイチは顔を赤くしながら着席する。

 

(うぅ~、やっちゃった~///。でも、でも・・・こんなすごい武将がいる中で僕の出番なんて絶対ないよ・・・)

 

アイチは自分の胸ポケットに入ってる手帳を取り出し、手帳に挟んである1枚のカードを取り出す。

 

(ブラスター・ブレード・・・君なら、戦国時代でも・・・)

 

アイチは戦国時代にブラスター・ブレードがいるイメージを膨らませる。そんなイメージを抱いていると、アイチは自然と笑みを浮かべる。そんな中授業中にも関わらず、パックを開け続けている森川。とうとう最後のパックになった。

 

(最後の1パック・・・頼むぜ・・・!)

 

森川は最後のパックを開け、7枚のカードを確認する。が、納得のいくようなカードがないのか落胆する。

 

「・・・あー、こいつじゃねぇ・・・ん?」

 

落胆していると、前の席にいるアイチに視線が入る。

 

(あいつ・・・雑兵のくせしてニヤつきやがって・・・うぜぇなぁ・・・)

 

森川がアイチをうざがっていると、アイチの持っているカードに気が付く。

 

(!あれは・・・ヴァンガードのカード!しかも・・・ブラスター・ブレードだと⁉とんでもねぇレアカードじゃねぇか・・・!)

 

アイチはブラスター・ブレードのカードを手帳に挟み、胸ポケットにしまう。森川はブラスター・ブレードに目を付け、あくどい笑みを浮かべている。

 

 

放課後、森川はリンが教室から出たのを見計らって井崎たちを連れて、アイチを校舎裏に連れてきた。ブラスター・ブレードを手に入れるために。井崎たちは他の生徒に見られないように見張りをしている。

 

「な・・・何・・・?森川君・・・」

 

「先導アイチ、おめーがヴァンガードファイターだったとは知らなかったぜぇ」

 

「僕が・・・カードファイター?」

 

「とぼけんなよ。お前、ヴァンガードのカード持ってたろ?」

 

「持ってるけど・・・僕、対戦なんてしたことないし・・・僕なんか、カードファイターじゃ、ないよ・・・?」

 

「ふーん。やっぱお前雑兵だな。ま、いいからそこに入ってるカードを見せてくれよ」

 

森川はアイチの生徒手帳を無理やり取り出し、中に入ってるブラスター・ブレードのカードを取り出す。

 

「くく!マジだ!マジでブラスター・ブレードだ!」

 

「俺にも見せろよ!」

 

「おお、すっごい!」

 

「俺、初めて見る!」

 

「こいつさえあれば、あいつらに勝てる!!」

 

アイチのブラスター・ブレードを持って4人はカードキャピタルへと向かう。

 

「ちょっと待ってよ森川君!待っていかないで!それは人からもらった大切なカードなんだ!」

 

「るせぇ!!」

 

「うわっ!!」

 

アイチはブラスター・ブレードを返してもらおうと追いかけるが、アイチに向き直った森川がアイチの腹部を蹴り上げる。

 

「お前はカードファイターじゃないんだろ?だったら対戦できないこのカードがかわいそうだ。俺がもらってやるよ」

 

横暴なことを言い放つ森川の制服をつかんで、アイチはカードを返してもらうように懇願する。

 

「か、返して・・・カードを・・・僕の・・・」

 

森川はアイチのそれが気に入らなかったのかアイチを徹底的に痛めつける。それには当然3人も止める。

 

「お前みたいな雑兵は滑って転んで漏らしてな!!」

 

「も、森川君!」

 

「もうやめとけよ!」

 

「離せよ!」

 

「これ以上やったら委員長以上に面倒になっちゃうよ⁉」

 

「・・・ちっ!」

 

3人が止めたおかげか周りには気づかれずに済み、大事にならずに済んだ。

 

「あいつらに今までの雪辱を晴らしてやる!いくぞ、カードキャピタルに!」

 

森川たちは雪辱を晴らしにカードキャピタルに向かう。

 

「・・・カードキャピタル・・・」

 

森川の言葉は倒れていたアイチにばっちりと聞こえていた。

 

 

カードキャピタルには、カズヤとソウジは委員会活動で遅れ少し遅れており、先に来ているのは櫂、リン、三和、シズクだった。現在はリンは三和と、櫂はシズクとファイトしていた。

 

「ぎゃあああ!また負けたー!!」

 

「こっちもー、負けちったよー」

 

「静かにファイトしな」

 

三和の大声にミサキが注意をする。

 

「あなたたちでは私たちに勝てません」

 

「うぅ~・・・!」

 

「なにぃ~?こいつめ~!もういっちょだ!今度こそ、昔の俺とは違うっつーことをみせてやる!」

 

「ふん・・・」

 

櫂が小さく鼻を鳴らして・・・

 

「櫂トシキ、日下部リン!勝負しろ!」

 

また森川たちに勝負を挑まれる櫂とリン。

 

「はぁ・・・またですか・・・」

 

「3度目の正直だ!今度こそ、カードキャピタル最強の座をかけて、もう1度勝負だ!」

 

森川の勝負の申し込みに櫂とリンは・・・

 

「何度でも言います。お断りです」

 

「断る」

 

また断り、勝負拒否されてしまう森川。

 

「な、何でだよ!!」

 

「お前はカードゲームが下手だ」

 

「なっ⁉」

 

対戦しない理由をリンが言う前に櫂がバッサリと言い切る。

 

「戦術が単調で戦略に深みがない。カードのパワーに頼りすぎだ。だからお前とファイトしたって何も得るものがない」

 

「同感です」

 

「お、おお・・・そこまで言うか?」

 

櫂のバッサリと言い切る仕草に三和は苦笑いを浮かべる。

 

「お、俺とファイトしたって・・・何も得るものがないだとぉ・・・?なら、お前が勝てば、このカードはくれてやる!!」

 

そう言って森川が取り出したのは、ブラスター・ブレードを見せる。

 

「わお☆ブラスター・ブレードじゃん☆」

 

「これなら得るものがないなんて言えねぇだろ?」

 

「すっげぇ!見せてくれよ」

 

森川が見せたブラスター・ブレードにリンと櫂の表情が少しだけ変わる。

 

((ブラスター・ブレード?どこかで・・・))

 

「はいはいはーい!俺がファイトしまーす!」

 

櫂とリンが考えていると、三和がファイトに名乗り出た。

 

「お前が?」

 

「お前が勝ったら、こいつらとファイトさせてやるぜ」

 

「また勝手なことを・・・!」

 

三和の勝手な提案にリンは眉を細める。森川は乗り気のようだ。

 

「よーし!カードファイトだ!」

 

互いの了承を得て、三和と森川のファイトが始まった。そんな時にカズヤとソウジが入店してきた。

 

「おーす・・・ってあれ?」

 

「あいつ・・・昨日の・・・」

 

森川と三和のファイトを2人も観戦する。ファイトの方は三和が圧倒的有利にある。自分が3度も追い詰められている状況に森川は焦りが生じる。

 

「ほれ、こいつでアタックするぜ!さぁダメージチェックだ。これが通れば、俺の勝ちだな」

 

「くっ・・・頼む・・・!」

 

防ぐ手立てがない森川はヒールトリガーにかけ、ダメージチェックにはいる。ダメージで出たのは、皮肉なことにアイチから奪い取ったブラスター・ブレードだった。

 

「トリガーなしかぁ・・・!」

 

「いぇーい!俺の勝ちーー!!」

 

「3回も見たけど、本っ当たいしたことないよねー森川きゅん☆」

 

「・・・・・・っ!!」

 

3度も負け、顔をうなだれる森川。三和は勝利によってガッツポーズをする。シズクが森川にさらなる追い打ちをかけるような言葉を放つ。

 

「んじゃ、このブラスター・ブレードはもらっちまうぜー」

 

三和は勝負の結果に従い、森川のブラスター・ブレードを取り上げる。

 

「ほら、やったぜ、櫂、リン」

 

「三和先輩、そのカード、よく見せてください」

 

「見せろ」

 

「あ!!俺んだぞ!俺んだぞ!」

 

「そんな子供みたいに言わなくもねー☆」

 

リンは三和からブラスター・ブレードを取り上げ、カードをじっくりと眺める。櫂もカードを見つめる。

 

「ちくしょおおおおおおお!!!」

 

森川は悔しさのあまり、絶叫してしまう。そんな時、ショップの入り口が開き、1人の中学氏が入ってきた。

 

「いらっしゃい」

 

「ぼ・・・僕の・・・僕のカードを返して!!」

 

その中学生は、森川からブラスター・ブレードを取り戻そうとやってきたアイチだった。

 

「なんだ?あいつ?」

 

「あれは・・・こいつらと後江中の・・・」

 

「も・・・森川君、お願いだよ・・・大切なカードなんだ・・・」

 

「・・・っ!知るかよ、そんなもん!」

 

「え・・・」

 

カードを取られて、そういうしかない森川。

 

「先導アイチ君、あなたのカードって、このブラスター・ブレードのことですか?」

 

リンはアイチにブラスター・ブレードのカードを見せてそう尋ねる。

 

「そ・・・そうです!!僕のです!!日下部さん、か、返してください!!」

 

「て、ことは・・・こいつあいつからパクったカードを賭けにしてファイトしたってのかよ⁉」

 

「マジかよ⁉」

 

「うわ、マジサイッテー」

 

「・・・っ」

 

カズヤはブラスター・ブレードを奪って賭けたことを理解し、ソウジとシズクは森川に軽蔑の視線を送る。

 

「お・・・お願い・・・」

 

アイチの必死の頼みに櫂、リン、三和は互いに顔を合わせる。

 

「・・・なんでだ?」

 

「え・・・?」

 

櫂からの問いにあっけにとられるアイチ。

 

「ちょ、ちょっとー・・・」

 

「私が説明します。森川君は、このカードを賭けてファイトをし、そして負けた。彼がどこでこれを手に入れたかなど関係ありません。私たちカードファイターにとってファイトの結果は全てであり、絶対です。このカードはもう、三和先輩のものです」

 

リンの説明に事情を全く知らなかった三和は申し訳なさそうに苦笑を浮かべている。

 

「ファイトで取られてしまったカードはファイトでしか取り戻せません」

 

「・・・じゃ、じゃあ・・・僕とファイトしてくれますか?」

 

カードの取り戻し方を聞いたアイチはファイトの申し込みをする。その様子に森川は当然異論を唱える。

 

「な、何言ってんだ!お前カードファイトなんてやったことないだろうが!!デッキだって持ってんのかよ⁉」

 

「やったことはないけど・・・いつかカードファイトがしたくて、デッキは作ってたんです!」

 

「はあ!!?」

 

「その驚きっぷり、そういうの確認せずに取ったのかよ。神経を疑うぜ、本当に」

 

「う・・・うるせえ!!」

 

アイチがデッキを作っていたことに驚きを隠せない森川。それに対して真理をついてきたカズヤの言葉にソウジとシズクの軽蔑の視線が強くなる。

 

「・・・いいだろう。俺がファイトしてやる。リン、カードをこっちに」

 

「わかりました」

 

「おい、こっちに来な」

 

「は、はい!!」

 

アイチのファイトの申し込みを受けたのは森川のファイトを拒んでいた櫂だった。

 

「なんだよ櫂、そのカード俺んだぞ!」

 

「貸してあげなさい」

 

「お前大人げないぞ」

 

三和が不満をぶつけるが、リンとカズヤに咎められる。アイチと櫂がファイトするその様子に納得がいかない森川は不満をぶつける。

 

「ま、待てよ!!こいつは初めてカードファイトやるって言ってんだぞ⁉何で、何で俺とはファイトせずに、こんな初心者とはやるんだよ⁉」

 

森川の言い分に櫂は答える。

 

「さっきのファイト・・・お前は本気で三和に挑んだか?」

 

「うっ・・・」

 

「むっ・・・」

 

どうやら先ほどのファイト、森川は完全に三和をなめていたせいか、本気で挑まなかったようだ。

 

「だがこいつは、本気でカードを取り戻そうとしている。本気のファイトを挑まれて断る理由など、俺にはない」

 

「なっ・・・なっ・・・」

 

「それに、追い打ちをかけるようで申し訳ないのですが・・・」

 

完全に追い込まれた森川にリンが睨みつけながら追い打ちをかける。

 

「森川君、あなたは自分の大切なカードを賭けてファイトしましたか?」

 

「・・・っ!」

 

「そうではないでしょう?あなたはただアイチ君から取ったカードを賭けただけで自分のカードは賭けなかった。そんなものでファイトして負けても、失うものなんて初めからありません。森川君とは覚悟が明らかに違います。嘘の覚悟で挑むそれは、愚か者以外の何物でもありません。理解したなら、黙りなさい」

 

「・・・っ!!くそぉ!!」

 

「「「森川(君)!!」」」

 

リンに言葉に何も反論できない森川は店から退店していく。井崎たちは森川を追いかけて退店していく。

 

「森川君・・・」

 

「彼の自業自得です。放っておきなさい。それより、ファイトを」

 

「は、はい・・・」

 

「その前に・・・」

 

アイチは森川を心配するが、リンがファイトに集中するよう施す。すると櫂はアイチのブラスター・ブレードを差し出す。

 

「俺のカード!!」

 

「はいはい、三和っち先輩は黙ろうね~☆」

 

「お前のデッキは、ブラスター・ブレードが入って完成するデッキだな?」

 

「そ、そうです・・・」

 

「貸してやる。俺にとっては余計なハンデだしな」

 

「あ、ありがとう・・・」

 

ブラスター・ブレードが一時的に戻ってきたことにアイチは安堵の笑みを浮かべ、デッキにカードを入れる。

 

「なぁ、あれってそんなにすげぇカードなのか?」

 

「すげぇも何も、あれ超絶レアカードだぜ?なかなか手に入らねぇ代物だ」

 

「ほぉ・・・」

 

カード事情を知らないカズヤがソウジに尋ねると、若干ながら興奮しているように答えるソウジ。カズヤは答えを聞いて、少し関心の声を上げる。

 

「俺は櫂トシキ。お前は?」

 

「せ・・・先導アイチ、です・・・」

 

「・・・・・・」

 

名前に聞き覚えがあるのか、櫂は少しだけ眉を細める。

 

「初心者らしいからな、説明しながらやってやるよ。イメージしろ」

 

アイチは櫂に言われたとおり、イメージする。そして、アイチと櫂の意識は霊体となり、惑星クレイに降り立つ。

 

「え⁉う、うわああああ⁉」

 

「あれが惑星クレイ・・・ファイトの舞台となる地球によく似た惑星だ。今の俺たちは、惑星クレイに現れたスピリット、霊体だ。か弱い霊体の私たちに与えられた能力はが2つある。1つはコール」

 

「コール・・・」

 

「この惑星に住む住人やモンスターたち・・・ユニットと呼ばれる存在を呼び寄せる能力だ。俺たちが呼び寄せることができるのは、契約した者たち・・・50枚のカードで構築されたデッキに集められた者たちだけだ」

 

櫂はアイチにわかりやすいように、1つ1つ丁寧に教えていく。

 

「同じカードは4枚までデッキに入れられる。ま、デッキを組んでるなら知ってるか」

 

「うん・・・」

 

「2つめはライド」

 

「ライド・・・」

 

「霊体である自分を呼び寄せたユニットに憑依させる能力だ。そして、ライドした俺たちのことを、ヴァンガードと呼ぶ」

 

「ヴァンガード・・・」

 

「その意味は、先導者」

 

「私よりも丁寧な説明でしょう?」

 

「どっちも同じだと思うがな」

 

櫂の説明をリンは誇らしげながら言うが、ルールを知ったカズヤにとっては無関心だ。

 

「霊体の私たちが最初にライドできるのは、グレード0のユニットだけだ。まず、グレード0のカード選んで、それを場に伏せる」

 

櫂の動きに倣って、アイチもグレード0のユニットを場に伏せる。

 

「このカードこそ、FV(ファーストヴァンガード)だ。このカードが開かれたら、他の誰でもない、自分自身となる。自らがヴァンガードとなって、契約した者たちを率いてファイトするんだ。デッキをシャッフルしたら、ここに置き、手札を5枚引きな」

 

互いにシャッフルし終え、デッキゾーンに置き、手札のカードを5枚引く。

 

「このタイミングで好きなだけ手札を交換できるが、必要か?」

 

「い、いえ・・・」

 

「これで準備完了・・・FV(ファーストヴァンガード)が開けば、ゲームスタートだ。いいな」

 

「は、はい!!」

 

互いに準備を終え、アイチの初めてのファイトが始まる。

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

ファイトが始まり、アイチと櫂の霊体は、FV(ファーストヴァンガード)のものへと、姿を変化していくのであった。

 

to be continued…




ソウジ「なあカズヤ、パラレルワールドって知ってっか?」

カズヤ「ああ?なんだ、藪から棒に」

ソウジ「こことは異なる世界ってもんが存在するらしいんだけどさ・・・お前はどう思う?俺はあってほしいと思う」

カズヤ「なんで?」

ソウジ「だってよぉ・・・もしかしたら、別の世界で俺と戸倉さんが・・・つ、つ、付き合ったり・・・みたいな・・・」

カズヤ「ほぉ・・・だったらお前と戸倉が犬猿の仲だっていう世界線あるってことか。へー」

ソウジ「前言撤回、やっぱパラレルワールドない方がいいわ」

イメージ3「ブラスター・ブレード」


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ブラスター・ブレード

アニメではPSYクオリアゾンビがわいてきましたね。ああ、これからどうなってしまうのか・・・。

バミューダに関してもこれからに期待しちゃいます!

そして来週はデリーターのパックの発売日!シャドウパラディンなどのカードもありますから期待が膨らみます。

さて、今回はアイチ君と櫂君のファイトです。

それではどうぞ!


森川の理不尽な言い分でアイチにとって大切なカード、ブラスター・ブレードを森川に取られ、取り戻そうと森川を追いかけてカードキャピタルに入ったアイチ。肝心のブラスター・ブレードは森川がブラスター・ブレードをかけて三和にファイトし、森川が敗北し、三和の手にある。どうしても取り戻したいアイチはファイトでカードを取り返そうと試みる。そしてそのファイトを了承したのは櫂だった。アイチにとっての初めてのファイトはブラスター・ブレードをかけた大事なファイト、負けることは許されない。そして、互いのFV(ファーストヴァンガード)が開き、ファイトが始まる。

 

「リザードランナーアンドゥーにライド!」

 

「ぐらいむに・・・ライド!」

 

ぐらいむ  PW6000

 

リザードランナーアンドゥー  PW6000

 

「グレード0のユニットにライドすることで、お互いヴァンガードとして、惑星クレイに立ったわけだ」

 

アイチがスムーズにファイトできるように、櫂が説明を入れながらファイトを進めるのであった。

 

 

 

イメージ3「ブラスター・ブレード」

 

 

 

「先攻は俺だったな」

 

「うん・・・」

 

「まずは山札から1枚ドローする。自分のターンには、1度だけヴァンガードを1つ上のグレードに昇級させることができる。ライド・ザ・ヴァンガード!グレード1、鎧の化身バー!」

 

鎧の化身バー  PW8000

 

「ライドされたアンドゥーのスキルにより、1枚ドローする。さらに、自身のグレード以下のユニットをこの5か所にコールして従えることができる。これをリアガードと呼ぶ。コール・ザ・リアガード!グレード1、ドラゴンモンクゴジョー!」

 

ドラゴンモンクゴジョー  PW8000

 

「そして・・・アタック!」

 

「・・・っ!」

 

攻撃がくると思いアイチは一瞬ビクつく。

 

「・・・は、先攻した最初のターンはできない」

 

「はぁ・・・」

 

それを聞いたアイチはホッと胸をなでおろす。

 

R  バー  R

R ゴジョー R  櫂の手札5枚 山札42枚

 

「ターンエンド。さ、お前のターンだぜ」

 

「は・・・はい!山札から1枚ドローします。そして、ヴァンガードをグレード1に、ライド!ナイトスクワイヤアレン!」

 

ナイトスクワイヤアレン  PW8000

 

「ぐらいむのスキルで1枚ドローします。さらに、リアガードをコール!グレード1、うぃんがる!」

 

うぃんがる  PW8000

 

「アレンのパワーは8000!」

 

「うぃんがるのパワー8000を加えて16000になるぜ」

 

「そう、アタックの際、後列のユニットのパワーを前列のユニットに加えられる」

 

「ブーストですね」

 

「ふっ、そうだ。アタックするか?」

 

「は、はい!」

 

「だったら、アタックするカードをレストしな」

 

R  アレン  R

R うぃんがる R

 

「リアガード、うぃんがるでヴァンガードのアレンをブースト、バーにアタック!」

 

「さあ・・・ドライブチェックだ!」

 

「ドライブチェック・・・」

 

「山札から1枚めくりな」

 

「は・・・はい」

 

「めくったカードがトリガーユニットだったら、そのアイコンが示す効果を発動できる・・・んだったよな?」

 

「その通りです。出れば、ですが」

 

「ドライブチェック『ナイトスクワイヤアレン』」

 

「トリガーアイコンなし・・・何も発動しないね☆」

 

「ヴァンガードのアタックに勇気づけられた新たなユニットが駆けつける。それがドライブチェックだ。そいつは手札に加えな」

 

「はい」

 

「さあ、ファイトに戻るぞ」

 

「はい!」

 

アレン(アイチ)はバーに接近し、素早い剣さばきで攻撃をする。

 

「俺は1のダメージを受けた。今度はダメージチェックだ『盾の化身ラーム』トリガーアイコンなし。こうしてダメージを受けることで、契約を解除されたユニットが1体ずつヴァンガードの元から去っていく。まるで、危険を感じて逃げ出したようにな。こうしたユニットが6体になった時、つまり、ダメージが6になった時に、すべてのユニットとの契約は破棄され、俺たちは霊体に戻り消滅する。そのファイターの負けだ」

 

「・・・」

 

「理解できたな?授業は終わりだ。いくぞ!」

 

「は、はい!ターンエンドです!」

 

PW16000➡PW8000  アイチの手札6枚 山札41枚  櫂のダメージ1枚

 

「マイターン。スタンド&ドロー!ライド・ザ・ヴァンガード!グレード2、ドラゴンアーマード・ナイト!コール・ザ・リアガード!ドラゴンナイトネハーレン!」

 

ドラゴンアーマード・ナイト  PW10000

ドラゴンナイトネハーレン  PW10000

 

ネハーレン ナイト  R

  R   ゴジョー R

 

「ネハーレンでアレンにアタック!」

 

「の、ノーガードです!ダメージチェック『オースピス・ファルコン』」

 

「次は俺が行く!来い、ゴジョー!アレンにアタック!」

 

『おう!』

 

「ゴジョーのスキルでリアガードが相手より多いなら、ブーストしているユニットのパワープラス3000!」

 

「ノーガードです!」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『鎧の化身バー』」

 

「トリガーアイコンなしですか」

 

アーマード・ナイト(櫂)はゴジョーとともにアレン(櫂)に攻撃を仕掛け、剣による斬撃を与える。

 

「うわあああ!だ、ダメージチェック『まぁるがる(引)』」

 

「ドロートリガーだな。パワープラス10000して1枚ドローできるぜ、少年」

 

「は、はい。パワーはアレンに与えて、1枚ドロー」

 

「ターンエンドだ」

 

PW10000➡PW8000

PW21000➡PW8000(+10000)  櫂の手札5枚 山札39枚  アイチのダメージ2枚

 

「これで櫂ってやつはダメージ1、アイチって中坊はダメージ2か・・・」

 

「つまり2体が逃げ出したな。ちょっと寂しいか?お前のために集まった奴らだ。大切に導いていくことだ」

 

「う、うん・・・。ま、マイターン!スタンド&ドロー!」

 

アイチは自分のターンを進めていくが、ここで1つの問題が発生する。

 

「・・・ああ・・・!」

 

「手札にグレード2がないんだな?」

 

「う・・・うん・・・」

 

そう、アイチの手札にはグレード2がなく、ライドできない状態だ。

 

「ファイトにはそういうこともある」

 

「・・・そういえば、カズヤ君はこういった場面は初めて見ますか?」

 

「お、おう。そういえば見たことねぇな・・・」

 

「ではいい機会です。こういった場合の対処を教えます。いいですね、櫂先輩」

 

「構わん」

 

リンは咳ばらいをし、グレード2がない状態の対処法を説明する。

 

「ではアイチ君、自分の手札を櫂先輩に見せてください」

 

「う、うん」

 

アイチは自分の手札を櫂に公開する。グレードは1が2枚、0が6枚と、見事にグレード2がない。

 

「これで相手に次のグレードがないことが証明されました。次は、自分の山札の上からを5枚引いて、その中からライドできるユニットを探してください」

 

アイチは言われたとおりに5枚引き、グレード2を探す。だが・・・

 

「・・・・・・」

 

「その様子だと、グレード2がなかったのですね?」

 

「う、うん」

 

先ほどのアイチが引いた5枚はグレード1、1、3、0、3とグレード2がなかった。

 

「まぁこれは必ず成功するわけではないですからね。まずは失敗した場合は、5枚のカードを山札に戻し、シャッフルしてそのまま自分のターンに移ります。ですが、成功すれば1つ上のグレードを手札に加えられ、ライドフェイズにそのユニットにライドすることができます」

 

「ほぉ~、便利なもんだな」

 

「ですがデメリットもあります。手札を加えた後は自分の手札から2枚を除外し、このファイトから使用できなくなるのです。それはまるで、強き者を呼び出した代償として、別次元に飛ばされたようにね」

 

「そ、そうか・・・下手をすればいいユニットが使えなくなるってことか・・・いや、ライドできるだけでも利点か・・・」

 

「ピンチの先導者が未来より強いユニットが駆け付けるための儀式・・・これをGアシストと呼びます」

 

「Gアシスト・・・」

 

「とまぁ、これで説明は終えましたが、2人とも、しっかり覚えましたか?」

 

「おう!」

 

「・・・」

 

リンの理解しているかどうかの確認にカズヤは答えるが、アイチは何の返事もなかった。だがその説明に1つの記憶が蘇った。

 

『これがヴァンガードのデッキ、50枚、だよ。お、覚えた・・・?』

 

「アイチ君?覚えましたか?」

 

「!ご、ごめん!うん・・・しっかり覚えたよ」

 

「結構。ですが、先ほどのGアシストは失敗・・・グレード2にライドできませんね」

 

「だが、ライドできなくともやれることはある」

 

「り、リアガードをコール!ナイトスクワイヤアレン!まぁるがる!」

 

まぁるがる(引)  PW5000

 

「頼むよみんな!力を貸して!」

 

『ノープロブレムだ!』

 

『イェッサー』

 

 アレン   アレン  R

まぁるがる うぃんがる R

 

「まぁるがるのブースト、リアガードのアレンでドラゴンアーマード・ナイトをアタック!」

 

「パワー5000のまぁるがるをブーストしたアレンはパワー13000!パワー10000へのドラゴンアーマード・ナイトの攻撃は通っちまう!」

 

「来い!レッドジェム・カーバンクル!」

 

アレンがまぁるがるとともにアーマード・ナイトに攻撃を仕掛けるが、そこにレッドジェムが現れ、攻撃を凌がれる。

 

「ど、どうして⁉」

 

「俺はシールド5000のレッドジェム・カーバンクルをコールした。それはドラゴンアーマード・ナイトにプラスされ、今のパワーはアレンを上回る15000」

 

「それじゃあ、攻撃は通らない・・・」

 

「相手がアタックしている時、手札にシールド能力を持つカードがあれば、ガーディアンとしてコールできる」

 

「ガーディアン・・・」

 

「ひでぇなぁ櫂。今それを教えるのかよ?」

 

「習うより慣れろってやつだ」

 

「懐かしいですね」

 

「!」

 

後から説明する櫂に三和はそう口にするが、櫂は笑みを浮かべながら答える。リンはその様子に懐かしむ。すると、アイチの脳裏にまた1つ記憶が蘇った。

 

『習うより慣れろってやつだ!』

 

「ガーディアンとしてコールされたユニットは場にとどまることができずに退却する。助かったぜ、レッドジェム」

 

『イエス、マイヴァンガード』

 

「さ、続けな」

 

「うぃんがるのブースト、ヴァンガードのアレンでドラゴンアーマード・ナイトをアタック!」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『ふろうがる(☆)』」

 

「あれは・・・」

 

「クリティカルトリガー!」

 

「クリティカルトリガーはね、パワー10000プラスと、相手へのダメージを1つ増やすことができるよ☆」

 

「効果は全部ヴァンガードへ!」

 

「今ので櫂は2ダメージを受けたことになる」

 

「ダメージチェック『ドラゴンアーマード・ナイト』『ガード・グリフォン』」

 

「これで櫂はダメージ3、中坊はダメージ2だな」

 

「ターンエンドです」

 

PW13000➡PW10000+SH5000=15000

PW16000(+10000)➡PW10000  アイチの手札7枚 山札36枚

 

「俺のターンだな。スタンド&ドロー。・・・さっきから、何を笑っている?」

 

櫂の言っている通り、アイチの表情はどこか楽しそうに笑っている。

 

「・・・うれしいんだ・・・櫂君」

 

「「櫂・・・君・・・?」」

 

いきなりの君付けに三和とカズヤは疑問符のように口を開いた。

 

「あの日、リンちゃんからカードファイトを教えてもらったその時から、櫂君とファイトするのが夢だったんだ・・・」

 

「おっ?まさかのちゃん付け?」

 

「え・・・だってさっきまで、リンリンのこと日下部さんて・・・」

 

昔語りにソウジは腕を組んで聞いており、シズクはカズヤと三和同様、戸惑っている。遠くから見ていたシンとミサキも同様だった。櫂とリンは昔の記憶をたどり、アイチのことを思い出す。

 

「・・・思い出しました。あなた、あの時の子ですね」

 

「ああ、俺も思い出したぜ。先導アイチ・・・あの時のボロボロだったお前を」

 

「そうだね・・・あの頃の僕は、学校に行くのも苦しかった・・・自分の小さな世界で、窒息しそうだった・・・。そんな時、たまに見かける櫂君やリンちゃんは・・・いつも楽しそうにカードファイトしてた・・・」

 

「・・・楽しそうに、だと?くだらんことを言うな!!こいつを見てもそんなことが言えるか!ライド!ドラゴニック・オーバーロード・ザ・ヴァンガード!!」

 

ドラゴニック・オーバーロード  PW13000

 

「すごい・・・」

 

「櫂の奴、先にグレード3にライドしやがった!」

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

「イマジナリーギフト・・・?」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ドラゴニック・オーバーロード』

 

「これが・・・イマジナリーギフト・・・」

 

「ヴァンガードがグレード3に昇級したことを祝福して、契約したユニットたちに贈られる力のことだ」

 

「ドラゴニック・オーバーロードにパワープラス10000だぜ!」

 

「さらにレッドジェム・カーバンクルと鎧の化身バーをコールしてきたな!」

 

レッドジェム・カーバンクル(引)PW5000

 

「さらにクレステッド・ドラゴンもおまけにコールしたね☆」

 

クレステッド・ドラゴン  PW13000

 

ネハーレン オーバーロード クレステッド

 バー     ゴジョー  レッドジェム

 

「バー、ネハーレン、行け!ヴァンガードのアレンにアタック!」

 

『『御意!』』

 

「来て!幸運の運び手エポナ!」

 

『大丈夫か⁉マイヴァンガード!』

 

「ありがとう、エポナ。退却してゆっくり休んで」

 

「ほぉ、ちゃんと体験したのが効果あったじゃん」

 

「レッドジェム、クレステッド、今度はお前たちだ!ヴァンガードのアレンにアタック!」

 

『御意!』

 

「クレステッドはヴァンガードにアタックした時、相手のリアガードが3枚以下でパワープラス5000!」

 

「ふろうがる!まぁるがる!ガード!」

 

「何っ⁉」

 

「またガードしちゃった!」

 

「ならば我が自ら手を下す!ゴジョー、続け!」

 

『御意!』

 

「リアガードのアレンにアタック!

ゴジョーのスキルでパワープラス3000!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!」

 

「ツインドライブ⁉」

 

「グレード3のヴァンガードはツインドライブを2回行えるんだ!」

 

「ファーストチェック『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。効果は全てヴァンガードに。セカンドチェック『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』」

 

「またクリティカルトリガーだと⁉」

 

「効果を全てヴァンガードに!」

 

オーバーロードは剣を構え、リアガードのアレンに攻撃の猛威を振るった。アレンはその攻撃に耐えきれず、この場から退却してしまう。

 

(がんばれよ!)

 

「ありがとう。

(はぁ・・・よかった・・・ヴァンガードへの攻撃じゃなくて・・・)」

 

「ダメージを受けずに済んだ・・・とでも思っているのか?」

 

「!」

 

「アタックをヒットした時、カウンターブラストと手札を2枚捨てると、ドラゴニック・オーバーロードはスタンドする!」

 

「ま、マジかよ⁉」

 

「これがオーバーロードの恐ろしいところなんだよなぁ」

 

「じゃあ・・・」

 

「もう1度攻撃できるってわけだ」

 

「オーバーロードでヴァンガードのアレンにアタック!黙示録の炎と呼ばれる我の力、思い知れ!!」

 

「来て!ガーディアン!『ふろうがる(☆)』『ふろうがる(☆)』『オースピス・ファルコン』」

 

もう1度猛威を振るおうと、オーバーロードがアレン(アイチ)に接近すると、危機を察知してきてくれたガーディアンが駆け付ける。

 

「何とかガードできたな・・・」

 

「いいや、今のドラゴニック・オーバーロードはパワー46000・・・アレンと3体のガーディアンのパワーはそいつを上回る48000だけどよ・・・」

 

「櫂にはまだツインドライブがある!」

 

「いや、スタンドしたことで、ドライブマイナス1されて、ドライブチェックだよん☆」

 

「どっちにしてもトリガーが1枚出れば、シールドは突破されます」

 

「ドライブチェック『槍の化身ター(☆)』」

 

「3枚連続でクリティカルトリガー⁉」

 

「パワープラス10000、合計でパワー56000だね!」

 

「さらにクリティカルによって、与えられるダメージは4になる・・・」

 

オーバーロードは立ちふさがるガーディアンを口から吐く黙示録の炎で焼き尽くす。辺りが焼け野原になり、さらにオーバーロードはアレン(アイチ)に4回連続の斬撃を与え、アレン(アイチ)をふっとばさせる。

 

「うわあああああ!!」

 

「今の攻撃、合計でダメージ4、つまり相手はこれで6ダメージです」

 

「終わったな」

 

「まだ4回ダメージチェックがあるぜ」

 

「場合によっちゃあ、俺のように・・・」

 

「ダメージチェック『まぁるがる(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!セカンドチェック『沈黙の騎士ギャラティン』サードチェック『堅強の騎士ルノリア』」

 

「ここまでの2枚はトリガーなし・・・次が最後のダメージチェックか・・・」

 

あと1枚・・・一発逆転のヒールトリガーが出るか・・・

 

「ファイナルチェック『世界樹の巫女エレイン(治)』」

 

「ヒールトリガーだ!自分のダメージが相手と同じか多ければダメージ1回復できるぜ、中坊!」

 

「櫂先輩はダメージ3でアイチ君は先ほどのアタックで4枚足されてダメージ6なので、回復できます」

 

「ダメージ1回復、パワーはヴァンガードに!ほっ・・・」

 

何とか凌ぎきり、一安心するアイチ。

 

「首の皮1枚ってところだな、あのアイチ少年は」

 

「けど、中坊はダメージ5、もう後がないぜ」

 

「ターンエンドだ」

 

PW18000➡PW8000+SH15000=23000

PW23000➡PW8000+SH20000=28000

PW31000(+20000)➡PW8000

PW46000(+10000)➡PW8000(+20000)  櫂の手札3枚 山札33枚  アイチのダメージ5枚

 

「我が力の前には、貴様などゴミクズ同然だ!」

 

「・・・そうだよ」

 

『?』

 

「そんなゴミクズだった僕に、櫂君は・・・ブラスター・ブレードをくれた・・・。その時から僕の世界は広がったんだ!」

 

アイチはそんな言葉と共に脳裏に広がったのは、今でも焼き付いている櫂の言葉だ。

 

『いいか、イメージしろ。そのカードの剣士のように、強くなった自分を!』

 

「スタンド&ドロー!」

 

『イメージはお前の力になるんだぜ』

 

櫂の言葉を思い返して、引いたカードは、櫂がアイチにくれたとても大事なカード・・・ブラスター・ブレードだった。

 

「行くよ、櫂君!ライド!立ち上がれ!僕の分身!惑星クレイの神聖国家、ユナイテッド・サンクチュアリの正規軍、ロイヤルパラディンの光の剣!ブラスター・ブレード!!」

 

ブラスター・ブレード  PW10000

 

「アビリティブラスト!バーストバスター!!」

 

ブラスター・ブレード(アイチ)は聖剣によるビームを発射し、ネハーレンを退却させる。

 

「どうなってんだこりゃ⁉」

 

「ブラスター・ブレードが登場した時、カウンターブラストとソウルブラストによって、相手の前列のリアガードを1体退却させるスキルです」

 

ソウルブラスト『ぐらいむ』

 

「うぃんがるのスキルで前列のブラスター・ブレードにパワープラス5000!コール!ナイトスクワイヤアレン!

アレンのスキル!カウンターブラスト!手札からヴァンガードとグレード以下のユニット、グレード0のふろうがるをコール!」

 

ふろうがる(☆)  PW5000

 

「コールしたら、1枚引いて、パワープラス3000!コール!沈黙の騎士ギャラティン!」

 

沈黙の騎士ギャラティン  PW10000

 

「ブラスター・ブレードを手にしてから、僕は、櫂君とカードファイトしたくて、夢中でデッキを組んでた。櫂君が引っ越したと知った時、また昔と同じに戻ると思った・・・。でも・・・デッキを作ってる間は、嫌なことや苦しかったことを忘れられたんだ。まだ僕は、ブラスター・ブレードのように強くなった自分をイメージできないけど・・・強くなるイメージを僕に与えてくれたのは、櫂君なんだ!」

 

 アレン  ブラスター・ブレード ギャラティン

まぁるがる   うぃんがる    ふろうがる

 

「みんな!力を貸して!」

 

『ノープロブレム』

 

『イエッサー!』

 

『『『アイアイサー!』』』

 

「ふろうがるのブースト、ギャラティンでオーバーロードにアタック!」

 

「ガード!『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』」

 

『ご武運を』

 

「うぃんがる、一緒に!オーバーロードにアタック!」

 

『イエッサー!』

 

「だから、こうしてファイトできるのが、とてもうれしい」

 

「黙れ・・・!」

 

バンッ!!

 

アイチの言葉に櫂はファイト台に拳を強く叩きつける。

 

「櫂先輩?」

 

「お前の勝手なイメージを押し付けるな!!」

 

「で・・・でも・・・ファイトしていて感じるよ」

 

「感じる?何をだ!!?」

 

「・・・櫂君が、たまらなくヴァンガードが好きなことを・・・」

 

「こいつ・・・っ!」

 

「一本取られましたね、櫂先輩」

 

カズヤに楽しいこと、それすなわちヴァンガードが大好きだということを言われたリンにとって、アイチの言葉が正しいと感じられている。

 

「いくよ・・・櫂君!!」

 

「ノーガードだ!こい・・・アイチ!!」

 

ブラスター・ブレード(アイチ)はオーバーロードに向かって、聖剣を振るい、聖なる一撃を与えた。オーバーロードはその一撃を剣で受け止める。

 

「ドライブチェック『幸運の運び手エポナ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはギャラティン、クリティカルはブラスター・ブレードに!」

 

「これで櫂に2ダメージか・・・これでダメージ5・・・」

 

「いいえ、ダメージ6です」

 

「えっ⁉どういうこと、リンリン?」

 

「ブラスター・ブレードはリアガードが4体以上いれば、クリティカルをプラス1を与えられるのです」

 

「なんだって⁉」

 

ブラスター・ブレードはロイヤルパラディンの仲間たちの力を蓄えて、オーバーロードの剣を真っ二つに折った。そしてそのまま3連続の斬撃を与える。

 

「ダメージ3か・・・ダメージチェック『ドラゴンナイトブルジュ』セカンドチェック『ドラゴンモンクゴジョー』」

 

「これでダメージ5か・・・」

 

「けど、ヒールトリガーがくれば、ダメージを減らせる」

 

最後のダメージチェック・・・ここでヒールトリガー出ればファイト続行できるが果たして・・・

 

「・・・チェック『ドラゴニック・オーバーロード』」

 

「これで・・・ダメージ6・・・」

 

「・・・これで、俺の元から去ったユニットは6体・・・俺はただの霊体に戻る・・・」

 

「櫂君・・・」

 

「・・・ふっ・・・久しぶりだぜ・・・こんなファイト・・・」

 

オーバーロードは粒子となり、この場から消え、残ったのは櫂の霊体・・・だがその霊体もクレイから去っていった。

 

PW15000➡PW13000+SH15000=28000

PW23000➡PW13000

 

アイチのダメージ5枚  櫂のダメージ6枚  勝者アイチ

 

「まさか、櫂に勝つ奴がいるなんて・・・」

 

「ええ・・・それも始めたばかりの初心者に」

 

「リンリンも人のこと言えないよー☆」

 

「うるさいです」

 

バコッ

 

「いた~い・・・」

 

櫂に勝ったことに三和とリンはそれぞれ思ったことを口にした。シズクが余計な一言をしゃべり、リンは一発げんこつをシズクに与える。櫂はデッキを片付けて席を立ち、ショップから出ようとする。

 

「か、櫂君!!」

 

「・・・やはり、そのカードはお前のものだ」

 

「!櫂君・・・ありがとう・・・」

 

カードを取り戻せたこと、そして、櫂と楽しいファイトができたことの喜びで、アイチは笑みを浮かべながらうれし涙を潤ませている。

 

「先導アイチか・・・俺あいつのこと気に入ったぜ」

 

「カズヤもか?実は俺もアイチ少年を気に入ったぜ」

 

見ているだけでわくわくした気持ちになったカズヤとソウジはアイチのことを気に入ったようだ。

 

そして、ショップを出た櫂の脳裏には、アイチが言った一言を思い描く。

 

『いつも楽しそうにカードファイトしてたよね』

 

「・・・ふっ・・・」

 

櫂は口元に笑みを浮かべながら自宅へ戻っていくのであった。

 

 

アイチが先導家にたどり着いたのは夜当たりだった。

 

「ただいまー!」

 

浮かれている様子のアイチを待っていたのは、彼の妹である先導エミだった。

 

「アイチ!こんな時間まで何してたの⁉」

 

アイチはあまりに浮かれており、エミの言葉が聞こえていないのか、そのまま自分の部屋へと向かっていく。

 

「えっ・・・何今の笑顔?」

 

「彼女でもできたのかしら?」

 

「ええ⁉・・・ないない、それはない!妹の勘にかけて!」

 

理由はどうあれ、アイチのあの笑みを見て戸惑いを見せているエミだった。

 

 

翌日の後江中学校の休み時間、アイチは自分の教室に向かって廊下を歩いていると、そこで偶然にも森川たちのグループと鉢合わせをする。

 

「あっ・・・」

 

「!・・・とっとと行くぞ」

 

「「お、おお・・・」」

 

「う、うん・・・」

 

森川はアイチと顔を合わせないようにせっせとその場を去ろうとする。

 

「も、森川・・・アイチの持ってるあれ・・・」

 

「ん・・・?」

 

アイチの手元には取り戻すことができたブラスター・ブレードがあった。

 

「ま、まさかあいつに勝ったのかぁ⁉」

 

「うん・・・。森川君・・・」

 

「!」

 

アイチが森川に声をかける。すると森川はせっせとその場を立ち去ろうと廊下を走る。

 

「「「も、森川(君)!!」」」

 

井崎たちは急いで森川たちの後を追いかける。

 

「アイチ君」

 

森川たちが去った後に、リンがアイチに話しかけてきた。

 

「リンちゃん」

 

「放課後、1戦ファイトしませんか?」

 

「・・・うん!」

 

リンが修羅忍竜クジキリコンゴウ、アイチがブラスター・ブレードを持ってそんな話をしながら教室に入るのであった。

 

 

放課後、アイチとリンはカードキャピタルにやってきて、有言実行のようにファイトを行う。ファイトをやっているうちに、宮地高校生組、シズクが入店してきた。その様子を見てアイチは若干へこみを見せる。何やら空気が重いようだ。

 

「な、なぁ・・・少年たちのあたり、空気重くないか?」

 

「やだなぁ・・・うちああいう空気苦手・・・」

 

「おい戸倉、何とかしてくれよ」

 

「あたしにふるな、この単細胞」

 

「たん⁉んだとぉ⁉」

 

4人がそんな話をしている間に、リンがアイチの様子に苛立ったのかアイチに問いかける。

 

「アイチ君、何ぼさっとしてるんですか?」

 

「!ご、ごめん・・・」

 

「どうせ櫂先輩のことを待ってるんでしょう?」

 

「うん・・・でも・・・もう来ないのかな・・・?」

 

「敗北を気にするような人ではないですよ。その証拠に、ほら」

 

リンにドアを見るような動作をアイチに見せる。アイチはその通りに店のドアを見る。すると、ドアが開かれ、入ってきたのは、櫂と三和だった。

 

「!!ああ・・・!」

 

「よおアイチ。それが終わったら、今日もやるか?」

 

「・・・うん!!」

 

櫂が来てくれたことにアイチは満面な笑みを浮かべる。

 

世界のカードゲーム人口は数億人を超え、生活の1部として当たり前のようになっていた。カードファイト!!ヴァンガード・・・1番の注目のカードゲームだ。そんなアイチの持つ1枚のカードが櫂と再びめぐり合わせてくれたのであった。

 

to be continued…




アイチ「か、櫂君、リンちゃん」

リン「なんですか?」

櫂「どうしたアイチ?」

アイチ「2人はどうしてザをつけるの?」

カズヤ「あ、それ俺も気になった」

櫂・リン「ザ?」

カズヤ「ほれ、スタンドアップ・ザ・ヴァンガードってさ」

リン「それが何か?」

アイチ「ルールブックにはスタンドアップ・ヴァンガードって書いてあるんだけど」

櫂「本当だな」

リン「ただ、私たちにヴァンガードを教えてくれた先輩は、ザをつけてましたよ」

カズヤ「そうなのか・・・」

櫂「よしアイチ、お前もザをつけてみろ」

リン「カズヤ君もいかがですか?」

カズヤ「絶対嫌だ!恥ずいぞ!」

アイチ「ええっと・・・スタンドアップ・ザ・・・や、やっぱり恥ずかしいです~!」

イメージ4「最強ファイターは誰だ!!」


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最強ファイターは誰だ!!

本当なら昨日あたりに投稿したかったんですけど、微熱にやられ、それどころじゃなかったです。今は熱が下がり、かなり元気です。本当に申し訳ございません。

さて、今回はカムイ君登場の回です。

それではどうぞ!


アイチがブラスター・ブレードを取り戻してから数日後、今日もカードキャピタルはアイチやカズヤといったいつものメンバーでファイトを盛り上がっていた。そして今現在、アイチが三和とファイトしていたのだが、ファイトは三和が勝利した。

 

「うおっしゃあー!!自称この店最強の森川に勝った、リンに勝った、カズヤに勝った、シズクに勝った、櫂に勝った、アイチに勝った俺!ということは・・・カードキャピタル最強は俺ってことかー!!やったーー!!」

 

「なげぇよ」

 

「てかまた遠回しな最強かよ・・・」

 

「うちを見ながら言わないでよー。ねー、アイチきゅん☆」

 

「あ、あはは・・・」

 

三和による2回目の遠回しの最強宣言にソウジはシズクを見つめる。シズクはアイチに話を振り、アイチは苦笑いを浮かべる。櫂とリンはそのことはノーコメントだ。すると、1人の少女が何やら慌てた様子で後ずさりしながら入店する。

 

「いらっしゃい」

 

「ち、ち、違うんです!私お客さんじゃなくて・・・」

 

どうも買い出しから戻ってきたシンが少女に尋ねてそうなっているのだろう。アイチはそんな少女を見て、驚愕の声を上げる。

 

「!!あああああ⁉」

 

それもそのはず、何故ならその少女はアイチの妹、エミだったからだ。

 

「ああ!・・・げ、元気、アイチ?」

 

「「「?アイチ?」」」

 

エミのアイチに対する呼び方に、カズヤ、ソウジ、シズクが疑問符を浮かべ、アイチは一同にエミの紹介をするのであった。

 

 

 

イメージ4「最強ファイターは誰だ!!」

 

 

 

アイチからエミの説明をうけ、一同は驚愕の声を上げる。

 

『妹ぉ⁉』

 

「先導エミです。兄のアイチがいつもお世話になっております」

 

「あ、ああ、こりゃどうも・・・」

 

「しっかりしてるねー、うちもああいう弟、妹がほしかったなー☆うちの弟ちょー生意気だからさー」

 

「なんだ、お前弟いたのか?実は俺も・・・」

 

「お前ら話脱線してるぞ」

 

シズクとカズヤの弟、妹の話で脱線したことをソウジがツッコム。

 

「でもどうして覗き見してたの?」

 

「そ、それは・・・」

 

エミがカードキャピタルを覗いていたわけを話した。

 

 

それは、アイチが学校に行った後のエミとアイチとエミの母の会話・・・

 

『アイチ、最近変じゃない?』

 

『変って、何が?』

 

『いつも帰りが遅いでしょ?妙に浮かれてる気がするし・・・』

 

『浮かれてるんならいいんじゃない?心配しなくても大丈夫よ』

 

『そうかなぁ?』

 

 

「なるほど・・・アイチ君、自分の妹に心配かけちゃダメですよ」

 

「ごめん・・・」

 

「お、出たなー、リンのシスコンから出る持論が」

 

リンの発言に三和が茶々を入れると、リンは素早く三和の腹部に強烈な拳の一撃を与える。

 

「ごはぁ・・・な、なぜ・・・」

 

「その発言、不愉快です」

 

「自業自得だ」

 

リンの表情には若干ながらこめかみがひくひくしている。悶えている三和に櫂は呆れる。

 

「でも、わかりました。アイチが変わったのは・・・このお店に出入りしているからなんですよね!」

 

「あ、あはは・・・」

 

「で!俺がこの店最強の・・・」

 

「この店の最強ファイターはどいつだーーー!!!」

 

『??』

 

すぐに復活した三和の言葉をかぶせてきたように、店に入店してきた小学生が高らかにそう叫んだ。一同はその小学生に視線を向ける。

 

「この葛城カムイ様が、この店最強ファイターと、勝負しに来てやったぜ!!!」

 

高らかに叫ぶ小学生、葛城カムイをミサキはベストをつまんで店の外に出す。

 

「な、何すんだよ~⁉」

 

「他のお客さんに迷惑だ。騒ぐんだったら、入店禁止にするよ」

 

「ちょっ・・・!!」

 

入店禁止にされると困るカムイは素直に謝る。

 

「すみませんでした!!」

 

「よし」

 

ミサキからの許しをもらい、カムイは再び尋ねる。

 

「この店最強のファイターを教えてください!」

 

「どうして?」

 

「俺は、最強ファイターをぶっ倒して、誰よりも強くならないといけないんです!」

 

ミサキは一同に向き直り、そのまま指をさす。

 

「あいつ、かな」

 

ミサキが指をさした方向を、カムイが見つめ、真っ先に目に映ったのは、エミだった。

 

「!!あ、あ・・・あの美少女が・・・最強・・・♡」ズキューン♡

 

エミを見た時のカムイの目はハートマークになっていた。つまり言うところの一目惚れというものだ。

 

「んなわけねぇだろ?この店の最強ファイターはこの俺、三和タイシなのだ!」

 

三和の最強発言にリンが異を唱える。

 

「三和先輩は櫂先輩どころか、私に負けてばかりでしょう」

 

「お前だって、カズヤに負けたじゃねぇか!」

 

「でもシズクに負けたんだよな、カズヤ?」

 

「でもうちは櫂きゅん先輩に負けたんだよねー」

 

「で、その櫂はアイチに負けたんだよな」

 

勝ち負けの言い合いにエミがカズヤの言葉に反応した。

 

「え⁉アイチ、こんな強そうな人に勝ったんだ⁉」

 

「でも僕は三和さんに負けました」

 

カムイは誰が最強ファイターなのか整理をする。その結果、このような感じにぐるぐるとローテーションしている。

 

三和➡リン➡カズヤ➡シズク➡櫂➡アイチ➡三和

 

「なんだよそれ!!・・・てことは最強グループってことか・・・」

 

だがそれもプラス思考に考え、一同たちに自身のデッキを突き付けるカムイ。

 

「お前ら全員ぶっ倒してやるぜ!!」

 

「生意気な小僧だな!ひねりつぶしちゃる!」

 

カムイの最初の相手を志願してきたのは三和だった。そして、ファイトの結果は十数分経ち・・・

 

「ああ・・・負けた・・・」

 

「なっはっはっはー!」

 

三和が敗北してしまう。それに対して勝利したカムイは高笑いをする。

 

「なんかミスしちゃったかなー?」

 

「いえ、あの子なかなか強いですよ。三和先輩よりかは」

 

「んだと~?じゃあお前ファイトしてみろよ!」

 

「いや、待て」

 

リンの発言にムカッと来た三和はリンにファイトするように言うが、櫂がストップをかけた。

 

「アイチ」

 

「え・・・えええ⁉僕⁉」

 

櫂からの使命はアイチだった。それには当然アイチは驚く。

 

「何言ってんだよ?アイチは三和に負けてんだろ?そこは俺だろ?」

 

「いやいや、そこはカズヤんに勝ったうちが・・・」

 

櫂の発言に次にファイトするのは自分だと名乗るカズヤとシズク。だが櫂は取り合わず、アイチを推薦する。

 

「行けアイチ。お前は俺に勝った。その時のイメージを思い出せ」

 

「は、はい・・・」

 

(やっぱりアイチは、この人に勝ってるんだ・・・)

 

櫂の推薦で、アイチはカムイとファイトすることになった。エミは櫂に勝ったアイチを意外そうな顔で見つめる。

 

「なんだよ、次はお前かよ」

 

アイチが出たことに、若干ながら不満そうなカムイはちらっと櫂を見つめる。

 

(あいつが大将格ってわけだな・・・さっさとこいつをぶっ倒して、引きずり出してやるぜ!)

 

お互いに自分の手札を5枚引いたところで、お互いに自己紹介する。

 

「よ、よろしくお願いします。先導アイチです」

 

「俺様は、葛城カムイだ」

 

「がんばれ、アイチ!」

 

「なぬっ⁉」

 

エミがアイチを応援していることに対し、カムイは驚愕の声を上げる。

 

(あの美少女が、あんな奴の彼女なのか~⁉)

 

勘違いをしたカムイはアイチに対して燃え上がる怒りを示す。

 

「完膚なきまでにぶっ倒す!!いくぞーーー!!」

 

「は、はい!!」

 

互いにファイトの準備を終え、ファイトが開始される。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「ぐらいむにライドします」

 

「俺様は、バトルライザーにライド!」

 

ぐらいむ  PW6000

 

バトルライザー  PW6000

 

「わあ⁉ろ、ロボット⁉」

 

「へへ、ロイヤルパラディンなのか、お前のクランは」

 

「クラン?」

 

クランという単語にエミは疑問符を浮かべる。

 

「クランってのはねー」

 

「わあ⁉」

 

「カードのユニットたちが所属している組織みたいなものなんだー」

 

「あんたは引っ込んでろ、ロリコンオッサン!!」

 

「ろ、ロリ・・・」ガーン・・・

 

突然現れたシンがクランの説明をする。それに対してカズヤがシンを引っ込める。シンはカズヤの発言に大きなショックを受ける。

 

「僕の先攻です。ドロー。ライド!ナイトスクワイヤアレン!」

 

ナイトスクワイヤアレン  PW8000

 

「ぐらいむのスキルで1枚ドローしてターンエンド!」

 

R アレン R

R  R  R  アイチの手札6枚 山札42枚

 

「えっと、アイチ少年のクラン、ロイヤルパラディンは神聖国家、ユナイテッド・サンクチュアリの正規軍。安定した攻撃力には定評があるぜ」

 

ショックを受けたシンの代わりにソウジがクランの説明をする。

 

「俺様のターン!ドロー!俺様ライド!ライザーカスタム!」

 

ライザーカスタム  PW8000

 

「バトルライザーのスキルで1枚ドロー!さらに、ジェットライザーとライザーカスタムをコール!」

 

ジェットライザー  PW7000

 

「ジェットライザーのスキル!他のリアガードが登場したら、パワープラス3000!」

 

ジェット ライザーカスタム R

 R   ライザーカスタム R

 

「一方のカムイきゅんのクラン、ノヴァグラップラーはスターゲートっていう国のなんでもありの格闘技集団☆序盤からガンガン攻めちゃうからね~☆」

 

「は、はぁ・・・」

 

シズクも説明を入れるが、エミは理解が追い付かない。

 

「いけ!ジェットライザー!アレンを攻撃だ!」

 

「まぁるがるでガード!」

 

「今度は俺様の番だ!ライザーカスタムでアレンにアタック!リアガードのライザーカスタム、続けぇ!!」

 

「ノーガードです!」

 

「ドライブチェック『アシュラ・カイザー』」

 

「ダメージチェック『小さな賢者マロン』」

 

「アイチ君はこれでダメージ1ですね」

 

「アイチ、どうなっちゃうんですか?」

 

「まだどうにもなりませんよ。ただし・・・」

 

「ただし・・・?」

 

「ダメージ6となれば、そのファイターの敗北です。つまり後5ダメージというわけですよ、エミちゃん。だから安心してください」

 

アイチを心配するエミにリンは微笑みながら安心させるように説明する。

 

「俺様のターンは終了だぜ!」

 

PW10000➡PW8000+SH5000=13000

PW16000➡PW8000  カムイの手札5枚 山札41枚  アイチのダメージ1枚

 

「僕のターン!スタンド&ドロー!ライド!立ち上がれ!僕の分身!ブラスター・ブレード!!」

 

ブラスター・ブレード  PW10000

 

「ブラスター・ブレードだと⁉そんなレアカード持ってやがったのか⁉」

 

「アビリティブラスト!バーストバスター!!」

 

カウンターブラストとソウルブラストによってジェットライザーを退却させた。

 

ソウルブラスト『ぐらいむ』

 

「コール!沈黙の騎士ギャラティン、うぃんがる!僕に続いて!」

 

沈黙の騎士ギャラティン  PW10000

うぃんがる  PW8000

 

ギャラティン ブラスター・ブレード R

うぃんがる      R      R

 

「ブラスター・ブレードでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『スタードライブ・ドラゴン』」

 

「ダメージチェック『バーストライザー』」

 

「うぃんがるのブーストをつけてギャラティンでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『トランスライザー』」

 

「これで相手はダメージ2!」

 

「ターンエンドです」

 

PW10000➡PW8000

PW18000➡PW8000  アイチの手札4枚 山札39枚  カムイのダメージ2枚

 

「ぐぬぬ・・・俺様のターン!スタンド&ドロー!ライド!ハイパワードライザーカスタム!さらに、ハイパワードライザーカスタムをコール!」

 

ハイパワードライザーカスタム  PW9000

 

「ハイパワードライザーカスタムのスキルで、ソウルからバトルライザーを同じ縦列にスペリオルコール!」

 

「ありゃりゃ、スキルでバトルライザーまで出てきちゃったね~☆」

 

R  ハイパワード  ハイパワード

R ライザーカスタム バトルライザー

 

「頼むぜ!バトルライザーのブースト、ハイパワードライザーカスタムでヴァンガードをアタック!」

 

「インターセプト『沈黙の騎士ギャラティン』ありがとう、ギャラティン」

 

『ノープロブレム・・・』

 

「おー、アイチ少年、インターセプトで凌いだか」

 

「インターセプト?」

 

「ああ、インターセプトってのは・・・」

 

「インターセプトっていうのはね」

 

「わあ!」

 

エミの疑問にいつの間にか復活したシンが間に入る。

 

「グレード2が持つスキルでリアガードからガーディアンになって、他のユニットを守るんだよ」

 

「はい・・・」

 

「だから引っ込めロリコンオッサン!!エミちゃん引いてんじゃねぇか!!」

 

「ろ、ロリ・・・引いてる・・・そんな・・・」ガーン・・・

 

そこにカズヤのさらに追加の一言でシンはショックが深くなってしまう。

 

「えーっと、つまりだね、本来手札から出せないガーディアンを盤面に出てるリアガードがユニットを守るってことだね☆」

 

「う~ん・・・ちょっと難しい・・・」

 

「まだまだぁ!!ライザーカスタムのブースト、ハイパワードライザーカスタムでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『ハイパワードライザーカスタム』ハイパワードライザーカスタム・・・かっこいいぜ!!」

 

「ダメージチェック『堅強の騎士ルノリア』」

 

「アイチがダメージ2に・・・」

 

「あっちゃー、やっぱり櫂に勝てたのは、まぐれかな、リン」

 

(まぐれ・・・?)

 

三和のまぐれという発言に妙に引っかかるエミ。

 

「ふふ・・・さあ、どうでしょうね」

 

「俺は違うイメージを持ってるぜ」

 

「俺様のターンは終了だ!」

 

PW15000➡PW10000+SH10000=20000

PW18000➡PW10000  カムイの手札5枚 山札37枚  アイチのダメージ2枚(裏1枚)

 

「さあ、こっからはアイチのターンだぜ!」

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。・・・行くよ、カムイ君」

 

「⁉なんか、雰囲気が・・・」

 

アイチのターンとなり、身にまとう雰囲気が変わったことにカムイは驚きを隠せていない。

 

「僕はこのユニットにライドする!今ここに降臨する、光の盟主!プリンス・オブ・ロイヤルパラディン!アルフレッド・アーリー!!」

 

アルフレッド・アーリー  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『アルフレッド・アーリー』

 

「イマジナリーギフト?」

 

「ヴァンガードが特定のグレード3になった時に、仲間たちから贈られる力、それがイマジナリーギフトさ」

 

「アルフレッド・アーリーにパワープラス10000だぜ!」

 

「10000⁉」

 

「正しくは、指定して置いたサークルが対象ですけどね」

 

「これでわかっただろ?アイチのデッキは、決してブラスター・ブレードだけのデッキじゃない」

 

「アルフレッド・アーリーのスキル発動!」

 

アルフレッド・アーリーのスキルによって、ソウルにいたはずのブラスター・ブレードが盤面に現れる。

 

「えっ?」

 

「アルフレッド・アーリーはカウンターブラストを払うことでソウルのブラスター・ブレードをスペリオルコールいるんだよ☆」

 

「そのうえで、ブラスター・ブレードにはパワープラス10000だぜ!」

 

「また10000!すごーい!」

 

「そう、すごいんだよ!!」

 

「・・・もう俺はツッコまねぇぞ・・・」

 

「折れたな・・・」

 

またまた復活したシンにカズヤは諦め気味にそう口にし、ソウジが呆れる。

 

「さらにうぃんがると同じ縦列にはブラスター・ブレードがいる。これでスキルでブラスター・ブレードはパワープラス5000ですね」

 

「さらにコール!スタードライブ・ドラゴン!まぁるがる!」

 

スタードライブ・ドラゴン  PW13000

まぁるがる(引)  PW5000

 

ブラスター・ブレード アルフレッド・アーリー スタードライブ

  うぃんがる         R       まぁるがる

 

「いくよ!まぁるがるのブースト、スタードライブでヴァンガードをアタック!」

 

「シャイニング・レディでガード!」

 

「アルフレッド・アーリーでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ふろうがる(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「クリティカルトリガーだと⁉」

 

「パワーはブラスター・ブレードに、クリティカルはヴァンガードに!セカンドチェック『アルフレッド・アーリー』」

 

アルフレッド・アーリー(アイチ)は自分より巨大なハイパワードに接近し、助走をつけて高く飛び、聖剣で2回連続の斬撃を与える。

 

「ダメージチェック『ツイン・ブレーダー(引)』ドロートリガー!よっしゃ!1枚引けるぜ!効果はヴァンガードに!2枚目『トランスライザー』」

 

「うぃんがるのブースト、ブラスター・ブレードでヴァンガードをアタック!」

 

『うぃんがる、我らも!』

 

『イェッサー!』

 

「これでダメージ5だ!」

 

「ツインブレーダーでガードだ!」

 

完全ガード  コスト『シャイニング・レディ(☆)』

 

「完全ガードか!」

 

「完全ガード?」

 

「完全ガードってのはね・・・」

 

「あ!相手の攻撃を完全にガードできるってことですよね、きっと!」

 

「そ・・・そーだよー・・・覚えが早いねー、将来有望だ・・・」

 

「まだやるとは決まったわけじゃないんすけどね」

 

「どっちだっていいぜ!これでカムイってガキのダメージは4!アイチ、有利になったじゃねぇか!」

 

「ターンエンドです」

 

PW18000➡PW9000+SH15000=24000

PW23000➡PW9000(+10000)

PW43000➡PW19000(完全ガード)  アイチの手札4枚 山札35枚  カムイのダメージ4枚

 

「いいぞー、アイチー!」

 

「くぅ・・・!こっからだ!無敗を誇る俺様の力、見せてやるぜ!!」

 

「無敗⁉」

 

「スタンド&ドロー俺様ライド!パーフェクトライザー!!」

 

パーフェクトライザー  PW12000

 

「イマジナリーギフト・アクセル!!」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「アイチのとは違うイマジナリーギフトだ」

 

「アクセルサークル!ここもリアガードサークルだぜ!」

 

「やっべぇ、始まったよ!さっきはこいつにやられちまったんだ!」

 

「ええ⁉」

 

「さらに、あのアクセルサークルに置かれたリアガードのパワーはプラス10000されます」

 

「なんだと⁉」

 

「コール!アシュラ・カイザー!ジェットライザー!ハイパワードライザーカスタム!

ジェットライザーのスキルでパワープラス3000!」

 

「前列のユニットが1体増えたおかげで、あの子は4回のアタックが可能ってことだよん☆」

 

「4回もぉ⁉」

 

ハイパワード  パーフェクト  ハイパワード  アシュラ

 ジェット  ライザーカスタム バトルライザー

 

「アシュラ・カイザーでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『ぽーんがる』」

 

「今のでダメージ3・・・」

 

「バトルライザーのブースト、ハイパワードでヴァンガードをアタック!」

 

「インターセプト!『ブラスター・ブレード』ありがとう、ブラスター・ブレード」

 

『イエス、マイヴァンガード』

 

「無駄なあがきだぜ!ジェットライザーのブースト、ハイパワードでヴァンガードをアタック!」

 

「ギャラティンでガード!」

 

「言ってるだろ!無駄なあがきだって!ライザーカスタムのブースト、パーフェクトライザーでヴァンガードをアタック!」

 

「これで4回目・・・最後のアタック・・・」

 

「いや」

 

「パーフェクトライザーのスキル!カウンターブラスト(2)!前列にいるアシュラカイザーと左のハイパワードをスタンド!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ターボライザー(前)』フロントトリガー!こいつは前列のユニット全てに、パワープラス10000できるんだぜ!」

 

「つまり言えば、まだ攻撃してねぇユニットに有効ってことか!」

 

「前列のみに適応されるトリガーですからね。増えたリアガードに高い攻撃力で4回以上アタックされれば、ひとたまりもありません」

 

「セカンドチェック『ターボライザー(前)』またフロントトリガー!さらにパワープラス10000だぜ!!」

 

パーフェクトライザーはアルフレッド・アーリー(アイチ)に接近し、アルフレッド・アーリー(アイチ)より大きい拳でアルフレッド・アーリー(アイチ)を地面に叩きつける。

 

「うわああああああ!!だ、ダメージチェック『スタードライブ・ドラゴン』」

 

「これでダメージ4か・・・」

 

「でも、次はアイチのターン!」

 

「いんや、カムイ少年は後2回アタックできるぜ」

 

「え?どうして?」

 

「パーフェクトライザーがアタックした時、コストを2枚払えばスタンドできるんだ」

 

「そのコストっていうのが、ほら、あそこにたまってるダメージだよ☆」

 

「あれがコスト・・・」

 

「終わったな」

 

「アイチの奴、いい線までいったんだがなぁ・・・ダメか・・・」

 

「果たしてそうでしょうか」

 

「何?」

 

カズヤの言葉にリンが異を唱える。

 

「アイチ君のあの目を見なさい」

 

「アイチはまだ終わりと思ってないぜ」

 

リンと櫂に言われ、アイチの目を見てみると、アイチにはまだ闘志が宿っているのがわかる。

 

(私の知らないアイチだ・・・)

 

「アシュラ・カイザーもう1度ヴァンガードにアタックだ!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『ハイドッグブリーダーアカネ』」

 

「ダメージ5・・・」

 

「!戸倉?」

 

カウンター席で見ていたミサキが近づいてきた。

 

「スタンドしたハイパワードでヴァンガードをアタック!これでとどめだぁ!!」

 

「ガード!『ふろうがる(☆)』『ふろうがる(☆)』ありがとう、ふろうがる」

 

「そ、そんなバカな⁉6回の攻撃でとどめをさせないなんて・・・!」

 

「これで、カムイきゅんのターンは終わりだね☆」

 

PW22000➡PW13000

PW15000➡PW13000+SH5000=18000

PW19000➡PW13000+SH10000=23000

PW20000(+20000)➡PW13000

PW42000➡PW13000

PW29000➡PW13000+SH30000=43000 カムイの手札2枚 山札31枚  アイチのダメージ5枚(裏2枚)

 

「僕のターン!スタンド&ドロー!行くよ、カムイ君!」

 

「ど・・・どっからでも来やがれ!」

 

「ふふ・・・彼は次のターンのイメージさえできていないかもしれませんね」

 

「だがアイチは、このターンをイメージできてたようだぜ」

 

「コール!アルフレッド・アーリー、うぃんがる!」

 

アルフレッド・アーリー アルフレッド・アーリー スタードライブ

   うぃんがる       うぃんがる     まぁるがる

 

「ヴァンガードのアルフレッド・アーリーでヴァンガードをアタック!うぃんがる、力を貸して!」

 

『アイアイサー!』

 

「だ、だったらここは、ノーガードだ!ここさえ堪え切れれば・・・!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ブラスター・ブレード』セカンドチェック『ふろうがる(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「!!クリティカルトリガー⁉」

 

「パワーはスタードライブ、クリティカルはヴァンガードに!はあああああ!!」

 

アルフレッド・アーリー(アイチ)はカムイが乗るパーフェクトライザーもコックピット目掛けて1つ斬撃を与える。そして、さらに縦斬りをパーフェクトライザーに与える。

 

「だ、ダメージチェック『アシュラ・カイザー』」

 

「これでダメージ5・・・」

 

「今度こそ・・・!セカンドチェック『パーフェクトライザー』お・・・俺様の・・・負けだ・・・」

 

パーフェクトライザーは機体ダメージが耐え切れず、爆発を引き起こした。

 

PW31000➡PW12000

 

アイチのダメージ5枚  カムイのダメージ6枚  勝者アイチ

 

「ふぅ・・・ありがとうございました」

 

ファイトを終えたアイチは丁寧にカムイに敬意のあいさつをする。

 

「お前の時と同じだな。アイチの奴、いいところでトリガーを引きやがる」

 

「これを見てもまだ、まぐれと言い切れますか?」

 

「違うのかよ?」

 

「あいつは・・・ブラスター・ブレードを手にしてから、1人ファイトすることもなく、自分のイメージを頼りにデッキを組んでいた。それこそ、ありったけの思いを込めていたはずだ。その思いにデッキは裏切らない」

 

「さらに言えば、カズヤ君・・・彼にも言えたことですが、あの2人のイメージはファイトを重ねる中で進化し続けていく。だからアイチ君はあのカムイ君にも櫂先輩に勝て・・・カズヤ君は私に勝てたのです」

 

「そういうもんかねぇ」

 

櫂、リン、三和の3人で話している間に、アイチはデッキを片付ける。カムイは自分のデッキとアイチを見て、わなわなと震えていた。

 

「このデッキを使うようになって・・・無敗だったんだぞ・・・なのに・・・なんて奴だ、先導アイチ・・・」

 

「やるじゃん、アイチ!」

 

「よかったな、アイチ少年。妹ちゃんの前で恥かかなくて」

 

ソウジの妹という単語にカムイは反応した。

 

「妹?・・・お兄さん!!?」

 

エミがアイチの妹と気づいたとき、カムイは口元に笑みを浮かべた。

 

「よし!決めたぜ!!これからの俺の目標は、アイチお義兄さんだぜ!!」

 

「えええええ!!?」

 

カムイの目標がアイチになったことに、当の本人は当然驚いている。

 

「よろしく頼むぜ、アイチお義兄さん!」

 

「よかったね、アイチ!」

 

「ま、まだまだ初心者なのに~」

 

「そうだぞ!目標にするなら、アイチに勝った俺だろ!」

 

「何言ってんだ!お前は俺に負けただろ!・・・はっ!」

 

ここでカムイの頭の中で、誰が1番上なのかを整理する。すると、こんな感じになった。

 

カムイ➡三和➡アイチ➡カムイ

 

「ま・・・まただああああ!!」

 

またぐるぐるとローテーションしてしまっていることに、カムイは絶叫する。

 

「あのー、戸倉さんも興味出てきましたか・・・?」

 

「全っ然!!」

 

「・・・・・・」

 

ソウジに言われ、ミサキはぷいっと視線をそらし、カウンター席へと戻る。その様子をシンは少し複雑そうに見ている。

 

「ヴァンガード・・・私にも教えてください」

 

エミがそう言ってきて、カムイが名乗りを上げようとする。

 

「よ、よよよ、よかったら、俺さ・・・ぼ、ぼ、僕が・・・」

 

「そういうことだったら、うちが教えるよ☆女の子同士が気楽っしょ?」

 

「・・・」しょぼ~ん・・・

 

先にシズクが名乗りを上げたことにしょんぼりとするカムイ。

 

「カムイはまだ小学生だったか?」

 

「は、はい」

 

「同じ小学生同士のほうが何倍もいいよな?ほれ」

 

そこにカズヤがカムイの背中を押して上げ、カムイをエミの前までたたせる。

 

「お願いします!!」

 

「!!しょ、しょうがないな~!」デレデレ///

 

エミの満面な笑顔にカムイは頬を赤く染めながら、エミにヴァンガードの説明をする。こうして、カードキャピタルに新しい仲間が加わったのであった。

 

to be continued…




カムイ「エミさん、ヴァンガードっていうのは、お互い50枚のカードを使ってやるカードゲームで・・・」

店長代理「にゃー」

エミ「わあ!かわいい!この子なんて言う名前なんですか?」

ミサキ「店長代理って呼んでるんだけど、店長って呼んであげないと、返事しないの」

エミ「えらいんですね」

ミサキ「うちは店長、あんまえらくないけど」

シン「ミサキちゃ~ん、聞こえてるよ~」

店長代理「にゃー」

エミ「かわいい~」

カムイ「あ、あの・・・エミさん・・・ヴァンガードのことを・・・」

イメージ5「ミサキのひみつ!!」


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ミサキのひみつ!!

もうすぐでバミューダのトライアルデッキが発売されますね!それであと3月に発売されるバミューダのパックがあればすべて完璧ですね。

さて、今回はサブタイトルの通り、ミサキさんの回となっております。ファイト内容は変わってますが。

それではどうぞ!


宮地学園高等部の授業が終わり放課後、ミサキはせっせと帰り支度を済ませ、カードキャピタルに向かおうとしたときに彼女の同級生であり、友人である四会アカリが声をかけてきた。

 

「ミサキー!みんなでカラオケ行くんだけど、ミサキもどう?」

 

「ごめん、バイトがあるから」

 

アカリの誘いをそう言って断り、そのまま学校から去っていく。

 

「相変わらず不愛想だねー」

 

「ちょっと怖い・・・」

 

「実は女番長だって噂、本当かなー?」

 

「・・・そうじゃないと思う」

 

アカリの友人たちがミサキについて話しているが、アカリはミサキの背中をじっと見つめるだけだった。

 

「・・・相変わらずあんなこと言われてんな、戸倉の奴」

 

「戸倉さんに向かってなんて失礼なことを!ちょっと渇を入れて・・・」

 

「やめろ。お前が行くとややこしくなるだろーが」

 

遠くから先ほどの光景を見ていたソウジは女子高生に喝を入れようとするが、カズヤがそれを止める。

 

「それはそうと、今日はお前の弟来るんだろ?ちゃんと紹介しろよ?」

 

「あー、はいはい、わかったわかった」

 

カズヤとソウジはたわいない話をしながらカードキャピタルに向かうのであった。

 

 

 

イメージ5「ミサキのひみつ!!」

 

 

 

カードキャピタルにはいつも通りのメンバーが集まり、カードファイトをしたり、デッキの調整をしたりしている。そして、カウンター席では、ミサキ、シン、シズク、ソウジにカズヤは今日ここに連れてきた彼の弟、アツシを紹介している。

 

「あー、一応紹介しとく。弟のアツシ。歳は・・・俺より4つ下だな」

 

「初めまして!橘アツシっす!いつも兄貴がお世話になってます!」

 

カズヤは面倒ながらもアツシを紹介し、アツシは元気いっぱいに挨拶をする。

 

「やーん、かわいいー!素直そうだしー、うちの弟とは全然大違い!」

 

「こらこら、襲うんじゃないぞー」

 

アツシを見てうっとりとしているシズクにソウジはくぎを刺す。

 

「えっと、アツシ君、だったね?どうしてうちに来たいと言ってくれたのかな?」

 

「えっと・・・最近兄貴がずいぶんと楽しげな様子がずっと続いていたので、気になりまくって・・・だから思い切って兄貴に無理言ってここまで連れてきてもらったんす!」

 

「こいつがいきなりそんなことを言うから驚いたぜ」

 

シンの問いにアツシはきちんと答え、カズヤは参ったという表情をしている。

 

「でもこれではっきりしたっす!兄貴が機嫌がよかったのは、この店に通っているからなんすよね!」

 

「まぁね」

 

「後で向こうにいる連中にも、紹介しねぇとな」

 

カウンター席でそんな会話を繰り広げている。一方ではテーブル席でカムイはアイチにデッキのアドバイスを求めている。

 

「い、今なんて⁉」

 

「だからー、俺のデッキを見て、アドバイスをお願いしますよ!」

 

カムイが自分にアドバイスを求めていることに、まだまだ初心者であるアイチは困り果てている。

 

「ど、どうして僕が?」

 

「そりゃアイチお義兄さんは俺の目標っすから!」

 

「そういうのは、櫂君やリンちゃんの方が詳しいと思うけど・・・」

 

「えー・・・あいつら、なんかいけ好かないんすよ」

 

アイチは向かいの席でファイトをしている櫂とリンを推薦しているが、カムイはあまり乗り気ではない様子だ。

 

「参りました。櫂先輩、もう1戦お願いします」

 

「ふっ、いいだろう」

 

「あ、ずりぃ!次は俺だろうが!」

 

「静かにしな!」

 

リンは敗北したが、もう1度櫂に挑もうとする。それには三和が異を唱えるが、うるさくしたことでミサキに怒られる。ファイトを見終えたエミがアイチに近づく。

 

「ねぇアイチ、本当にあの櫂って人に勝ったの?」

 

「い、一度だけだよ。それに、あの時勝てたのは、櫂君が僕にヴァンガードを始めるように導いてくれたからだと思うんだ」

 

アイチは少し誇らしげな表情で櫂を見ている。

 

(そう・・・櫂君は僕の先導者・・・ヴァンガードなんだ)

 

「なぁあんた、俺とファイトしない?」

 

「え?」

 

アイチがそう思っていると男性から突然ファイトを申し込んできた。

 

「ぼ、僕・・・まだ初心者で・・・その・・・」

 

「何緊張してんすか、アイチお義兄さん!こうやって、いろんな奴らとファイトするのがここ、ファイターズラウンジの醍醐味じゃないっすか!いいぜ、俺様がファイトしてやるぜ!」

 

緊張してなかなか首を縦に触れないアイチの代わりにカムイが男性のファイトに受ける。

 

「じゃあ僕、新しいパック見てくるね」

 

「あ、アイチ待って!」

 

アイチは男性に席を譲って、カウンター席まで向かう。その途中で緊張が解けてほっとを一息する。

 

「はぁ~・・・知らない人とファイトするなんて、緊張するな~」

 

「でも、知らない人たちとファイトするのって大切なことなんじゃないの?」

 

「そうだよね・・・」

 

「じゃあ、次はがんばんなよ?」

 

「う、うん」

 

アイチはエミにそう言われ、首を縦にうなずく。その後にカウンター席に向かう。

 

「おー、アイチ少年にエミちゃん。ちょうどいいところに」

 

「お前らにも紹介しとくぜ。弟のアツシだ」

 

「初めましてっす!」

 

「あ、初めまして!」

 

「君のことはカズヤさんから聞いてるよ」

 

カズヤはアツシを紹介し、アイチとエミは丁寧にお辞儀すると・・・

 

「るっせーな!違うって言ってんだろうがよ!」

 

「いいから!俺様のパーフェクトライザー返せよな!!」

 

「そんなもん知らねぇよ。変な因縁つけんな」

 

カムイと先ほどの男性と何やらもめている様子だ。その様子をカズヤが尋ねる。

 

「おい、どうしたんだよ?」

 

「こいつ、カード片付けるとき、俺様のパーフェクトライザー猫糞しやがった!」

 

どうやら男性はカムイの持っているパーフェクトライザーを取ったようだが、本人はそれを否定する。

 

「んだと?パーフェクトライザーは最初から俺のデッキに入ってた!」

 

男性がそう言おうとすると、ミサキが男性が持っていたデッキを手に取る。

 

「あ!何すんだよてめえ!」

 

「・・・お前、たまにこの店にいるけど、パーフェクトライザーは使ったことはない」

 

ミサキの的確ともいえる発言に男性は動揺する。

 

「な、なんで・・・そんなことがわかるんだよ」

 

「悪いけど私・・・この店で見たカードファイトを覚えてるから」

 

「「!」」

 

ミサキのしれっといった発言に櫂とリンは少しばかり反応する。

 

「信じられっかよ、そんなこと!」

 

「別に信じなくてもいい。それに、お前のデッキにパーフェクトライザーは必要ないね」

 

ミサキは男性に堂々とそう宣言しながらカムイにパーフェクトライザーのカードを渡す。

 

「ほら」

 

「あ、ああ・・・」

 

「な、何勝手に渡してんだよ!!」

 

男性はミサキに言いがかりをつけようとすると、ミサキは近くに置いてあったカードを1枚手に取り、男性の髪を斬るようなしぐさを振るう。それもあって、男性の髪はかすかにかすった。

 

「ひっ・・・!」

 

「たく!他人のカードを盗むんじゃねぇよ!このクズが!クズクズクズクズクズクズ!!」

 

ミサキは男性にこれでもかというほどに罵声を浴びせる。それによって、周りの客も男性を怪訝な目で見ている。

 

「な、何見てんだ・・・おめぇら!」

 

「てめぇみてぇなクズが珍しいから見てんだよ!このドクズ!!」

 

ミサキは男性に向かって堂々とそう言ってのけた。

 

「うわーーーん!!」

 

「二度と来んなよ!!」

 

男性は泣きながら店から立ち去り、ミサキは男性に出禁を言い渡した。

 

パチパチパチッ!

 

その様子に周りの客はミサキに拍手を送る。

 

「いいぞー姉ちゃん!」

 

「戸倉さん!かっこいい!」

 

「いやー、さすがミサキちゃんだね~」

 

「・・・この無能店長・・・」

 

店長のくせに、見ていただけのシンにミサキは毒づく。

 

「助かったぜ!」

 

「気にすんなよ。あいつ、時々挙動がおかしかったんだよね」

 

「いやー、しっかし決まってたねー☆全てのカードファイトを覚えてるってハッタリ・・・マジ最高☆」

 

「ハッタリじゃない」

 

「・・・んん?」

 

シズクがそう言った時に、ミサキははったりじゃないと宣言。それには全員目を丸くする。

 

「いつも見てるから」

 

「じゃあ、本当に全てのカードファイトを・・・?それって、マジすごい能力じゃね?」

 

「さてはお前!相当なカードファイターだろ!俺様とファイトしてくれよ!!」

 

ミサキの記憶力のすごさを知ったカムイはミサキにファイトを申し込もうとするが・・・

 

「・・・私、カードファイトなんてしたことないよ」

 

『えええ⁉』

 

ミサキが一度もカードファイトをしたことないことに対し、全員驚愕していた。シンは何やら複雑な表情をしている。櫂とリンもその様子を見ていたが、すぐにカードファイトに集中する。

 

「マジで⁉店員なのに⁉」

 

「別にいいだろ?興味ないし」

 

「だったら、俺とファイトしてみようぜ」

 

「兄貴・・・?」

 

「なっ!汚いぞ、カズヤ!そこは俺だろ⁉」

 

カードファイトをしたことないミサキだが、それをカズヤが誘ってきた。その様子にミサキは少なからず驚いていた。

 

「はぁ?」

 

「俺がこうしてヴァンガードを始められたのも、お前のおかげでもあるんだぜ。せっかくなんだ、お前もデビューしてみろよ」

 

(橘の奴・・・こんなこと言いだすような奴じゃなかったのに・・・ヴァンガードが、こいつを変えた・・・)

 

自分の知らないカズヤの様子を見て、ミサキはヴァンガードに興味を持った。

 

「・・・なら、1回やってみるか」

 

「キターーーーー!!!ついにこの時が!!!」

 

「うおっ⁉」

 

ミサキがファイトをやると言い出した途端、シンが大喜びの様子でそう叫んだ。

 

「これっぽっちも興味を示さなかったミサキちゃんが・・・ついにファイトしてくれる気になってくれた・・・」

 

シンはメガネの奥の瞳から、うれし涙を流し、カズヤの手を取り、ぶんぶんと降る。

 

「カズヤ君!!ありがとう!!ありがとう!!ありがとう!!」

 

「い、いや・・・別に・・・」

 

「うおおおおおお!!!ミサキちゃーーん!!!この日のために僕が用意したデッキだよおおおお!!!」

 

「お、おう・・・」

 

シンは興奮しながらミサキにデッキを渡す。ミサキはその様子に戸惑いながらも引いていた。それはほかのメンバーたちも同じだった。カズヤとミサキはテーブル席とは別にあるファイト台の前に立つ。

 

「戸倉さん!ファイトしやすいように、この秋田ソウジがばっちり教えちゃいます!!」

 

「必要ない。ルールは大体わかってる。この店でファイトを見ているうちに覚えた」

 

「ガーン・・・」

 

ソウジはミサキにルールを教えようとするが、ミサキは覚えてるのでこれを拒否。それにはソウジはひどく落ち込む。

 

「じゃあ、改めて自己紹介するか。橘カズヤだ」

 

「戸倉ミサキ」

 

念のための自己紹介を終えて、2人はデッキをシャッフルし、ファイトの準備を進める。

 

「自己紹介は終わったね。さあ、ファイトスタートだ!」

 

互いに準備を終えて、いよいよファイトが始まる。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「プライモディアル・ドラコキッド!」

 

「ロゼンジ・メイガス」

 

プライモディアル・ドラコキッド  PW6000

 

ロゼンジ・メイガス  PW6000

 

「ギアクロニクル⁉新しいパックに入ってるとは聞いてたけど・・・初めて見たぜ・・・!」

 

カムイはカズヤのギアクロニクルを見て驚きを隠せていない。

 

「あれが・・・ギアクロニクル・・・」

 

「対するミサッキーはオラクルシンクタンクだねー☆」

 

これからファイトが始まろうとした時、シンが間に入ってきた。

 

「さあ、イメージしよう!ロゼンジ・メイガスにライドした、ミサキちゃんを!!」

 

それを聞いて一同はロゼンジ・メイガスにライドしたミサキをイメージして、ほとんどのメンバーが顔を朱に染めていた。

 

グシャッ!

 

「てめーは黙ってろ」

 

「怒りんぼ・・・」

 

ミサキはシンを壁に向かって蹴り上げ、黙らせる。

 

「私の先攻。ドロー。ライド。サークル・メイガス」

 

サークル・メイガス  PW8000

 

「ロゼンジのスキルで1枚ドロー。ターンエンド」

 

R サークル R

R  R   R  ミサキの手札6枚 山札42枚

 

「あの、そのオラクルシンクタンクってなんですか?」

 

「ああ、オラクルシンクタンクってのは・・・」

 

「う、占い師や預言者が所属する巨大企業なんです。守りが固く、じっくりファイトするのが得意なクランなんですよ」

 

「へぇ~、じゃあギアクロニクルは?」

 

「ぎ・・・ギアクロニクルは・・・えっと・・・」

 

エミの純粋な問いかけにカムイは答えるが、ギアクロニクルに対しては自分も分かってない部分があるため、説明に困ってる。

 

「えーと、設定によれば、暗黒国家ダークゾーンで発見されたゲートから現れた次元修復者たちだね☆今わかってる戦い方は、バインドゾーンに置いたグレードに応じて効果を発揮する、かな?」

 

「へぇ~、私も早くお気に入りのクランを見つけたいな~」

 

「ヴァンガードって奥が深いんすね」

 

見かねたシズクが雑誌を見てきっちりと説明してあげた。

 

「俺のターンだ!ドロー!ライド!ウェッジムーブ・ドラゴン!」

 

ウェッジムーブ・ドラゴン  PW8000

 

「ウェッジムーブのスキルで1枚ドロー!そして、テキパキ・ワーカーをコール!」

 

テキパキ・ワーカー  PW8000

 

テキパキ ウェッジムーブ R

 R      R    R

 

「ウェッジムーブでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード『サイキック・バード(☆)』」

 

「ドライブチェック『スチームボンバージグル(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部テキパキ・ワーカーに!テキパキ・ワーカーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『洞見の女神ソトオリヒメ』『サイレント・トム』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000+SH15000=23000

PW18000➡PW8000  カズヤの手札6枚 山札41枚  ミサキのダメージ2枚

 

「私のターン。ドロー。ライド。プロミス・ドーター」

 

プロミス・ドーター  PW9000

 

「サークル・メイガスのスキルによって、ライドされた時、カウンターブラストを払って1枚ドロー」

 

R プロミス R

R  R   R

 

「プロミス・ドーターでヴァンガードにアタック。

プロミスのスキルで手札が4枚以上でパワープラス6000」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『オラクルガーディアンジェミニ』」

 

「ダメージチェック『スチームファイターアアンネ』」

 

「ターンエンド」

 

PW15000➡PW8000  ミサキの手札7枚 山札37枚  カズヤのダメージ1枚

 

「カズヤさんはウェッジムーブ・ドラゴンにライドしてダメージ1・・・」

 

「姉ちゃんはプロミス・ドーターにライドしてダメージ2か」

 

「次はカズヤさんのターンですよ」

 

「うん」

 

「兄貴・・・すっげぇ楽しそう・・・」

 

「俺のターンだ!スタンド&ドロー!ライド!ロストブレイク・ドラゴン!」

 

ロストブレイク・ドラゴン  PW10000

 

「ロストブレイク・ドラゴンのスキル!自分の手札を1枚選んで、バインドゾーンに!」

 

バインドしたカード『スチームファイターアアンネ』

 

「カードをバインドしたら1枚ドロー!」

 

「へぇ~、ああやってバインドゾーンにカードを置いて戦うのか・・・」

 

「新しいクランの戦い方って新鮮だよねー☆」

 

「そんで、あそこにあるカードのグレードの総数が何より重要だぜ」

 

「テキパキ・ワーカーを後ろに下げて、ミッシングクランプ・ドラゴン、スチームボンバージグルをコール!」

 

ミッシングクランプ ロストブレイク R

  テキパキ      ジグル   R

 

「テキパキ・ワーカーのブースト、ミッシングクランプでヴァンガードにアタック!行ってくれ、お前ら!」

 

『おう、任された!』

 

『イェッサー』

 

「オラクルガーディアンニケでガード」

 

「だったら俺自ら行くぜ!援護を頼むぜ、ジグル!」

 

『アイアイサー!』

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「またクリティカル⁉戸倉さんに本気出しすぎだろ⁉」

 

「クリティカルトリガーって?」

 

「ユニットにパワープラス10000して、ダメージを1つ増やせるトリガーだよ」

 

「ますますさすがです、エミさん!」

 

「へぇ~・・・」

 

クリティカルトリガーのことを知らないアツシにエミが教えてあげ、エミの理解度をほめたたえるカムイ。

 

「効果は全部ヴァンガードに!」

 

「ダメージチェック『サイレント・トム』『ウェザーフォーキャスターミス・ミスト(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「ターンエンドだ」

 

PW18000➡PW9000+SH15000=24000

PW15000(+10000)➡PW9000  カズヤの手札5枚 山札37枚  ミサキのダメージ4枚(裏1枚)

 

「お姉さんのダメージ、もう4だ」

 

「カズヤさんが一歩リードしたって感じですね」

 

「あんな兄貴・・・今まで見たことがない・・・」

 

エミやカムイがファイトを見守っている中、アツシは自分の知らないカズヤの姿に驚いている。

 

「私のターン。スタンド&ドロー。ライド!インペリアル・ドーター!!」

 

インペリアル・ドーター  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

「そいつは・・・日下部の時の・・・」

 

「イマジナリーギフト?」

 

「あれはね、特定のグレード3になれた時に発動することができる能力だよ」

 

イマジナリーギフトを知らないアツシにアイチがしっかりと教える。

 

「でも、見たことないイマジナリーギフトだ」

 

「イマジナリーギフトには3種類あるんすけど・・・アイチお義兄さんのフォースや俺さ・・・ぼ、僕のアクセルと違って・・・」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「あれ?手札にしちゃった」

 

「そう、姉ちゃんのプロテクトは相手のターンで威力を発揮するんです」

 

「相手のターンで?」

 

「ええ」

 

「インペリアル・ドーターのスキル発動。カウンターブラスト。山札の上から2枚見て、1枚を手札に加えて、1枚を山札の上に置く」

 

「なんだ?あいつ・・・」

 

ミサキのあまりにも手慣れた手つきでファイトを進める様子にカムイは怪訝な表情をする。

 

「どうしたの?」

 

「見てください、2人の手札の数・・・」

 

「手札っすか?」

 

「えっと、カズヤさんが5枚だけどミサキさんは・・・もう9枚もある・・・」

 

「「本当だ!」」

 

「これがオラクルシンクタンクの怖さなんですけど・・・姉ちゃんはさっき初めてあのデッキを触ったんだよな?」

 

「おや、カムイ君も気づきましたか」

 

「どういうことですか?」

 

「とても初心者とは思えないプレイングなんです」

 

ミサキは初めて使うデッキであるにも関わらず、これをあまりにも手慣れている様子に驚きを隠せていない様子のカムイ。

 

「コール、CEOアマテラス、プロミス・ドーター、オラクルガーディアンジェミニを2体」

 

CEOアマテラス  PW12000

オラクルガーディアンジェミニ  PW8000

 

「アマテラスのスキル。このターンで効果で山札を見た時、パワープラス5000」

 

アマテラス インペリアル プロミス

ジェミニ   ジェミニ   R

 

「行くよ、みんな」

 

『ノープロブレム』

 

『イェッサー』

 

『『アイアイサー!』』

 

「プロミスでヴァンガードにアタック。

手札4枚以上でパワープラス6000」

 

「インターセプト!『ミッシングクランプ・ドラゴン』」

 

『下がってろ、マイヴァンガード!』

 

「だったら私自ら!インペリアル・ドーターでヴァンガードにアタック!ジェミニは援護!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『インペリアル・ドーター』セカンドチェック『サイキック・バード(☆)』クリティカルトリガー!パワーはアマテラスに、クリティカルはインペリアル・ドーターに!」

 

インペリアル・ドーター(ミサキ)はロストブレイクに近づき、自らの術で雷を発生させ、それをロストブレイクに落とす。ロストブレイクは雷によって感電する。

 

「ぐああああ!!ダメージチェック『ミッシングクランプ・ドラゴン』『ロストブレイク・ドラゴン』」

 

「ジェミニのブースト、アマテラスでヴァンガードにアタック!」

 

「マルターシュ、リンリン・ワーカーでガード!」

 

「ターンエンド」

 

PW15000➡PW10000+SH10000=20000

PW20000➡PW10000

PW35000➡PW10000+SH30000=40000  ミサキの手札7枚 山札31枚  カズヤのダメージ3枚

 

「カズヤの奴、なんとかダメージ3で抑えたか」

 

「兄貴・・・」

 

「す、すごい・・・」

 

「や、やっぱ、こんなファイトする奴が初心者なわけないぜ・・・」

 

ミサキの初心者とは思えない動きに一同は驚愕している。

 

「ミサキちゃんはこの店でアイチ君やカズヤ君のファイトをずーっと見てたんだ。これくらいは戦えると思ってたよ」

 

「じゃあ、俺様のデッキも見透かされてんのか・・・怖ぇ・・・オカルトだ・・・」

 

「怖くないよ。ちょっと、かわいそうなんだ」

 

「かわいそう?」

 

シンはミサキが経験した過去を一同に話す。

 

「彼女は幼い頃に両親と悲しい別れを経験している。僕が思うに、だから彼女は少しも両親の記憶を消さないように、そんな力を身に着けたんだよ」

 

「戸倉さんにそんな過去が・・・」

 

「なるほど・・・アイテテックイメージということですか」

 

「アイテテックイメージ?」

 

「何それ?おいしいの?」

 

「食べ物じゃありません」

 

ミサキが身に着けた能力の呼称をリンが言い当て、意味を理解してない三和とシズクが首をかしげる。そんな様子の2人に櫂が説明する。

 

「直観増記憶力と呼ばれる力だ」

 

「直観増記憶?」

 

「ああ。瞬間的に見たままを写真のように映像で記憶する力・・・普通の記憶と比べて、桁違いの情報量を許容できる」

 

「じゃあカズヤがどういうカードで来るかなんて、まるわかりなわけか」

 

「ですが、ミサキさんの中にある記憶は過去のカズヤ君だけです。アイチ君のように1戦ごとに成長していっているカズヤ君にどこまで対応できますかね」

 

「俺のスタンド&ドロー!12時の時を鳴らせ、ギアクロニクルの竜よ!ライド!グランドストライク・ドラゴン!!」

 

グランドストライク・ドラゴン  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『グランドストライク・ドラゴン』

 

「グランドストライクにパワープラス10000!コール!グランドストライク、ロストブレイク!」

 

「それに私には、ミサキさんは何かに怯えている・・・そんな風に見えるんですが」

 

「ああ、俺にもそう見える」

 

「!」

 

リンや櫂の言葉に、シンはミサキの両親がまだ生きていたころの記憶を思い返す。それはミサキも同じだった。

 

 

『やっぱ、本気のおじさんには敵わないや、ははは』

 

『まだまだ甥っ子に負けるわけにはいかないからね。けど、シン君も確実に腕を上げてるよ』

 

シンとミサキの父親のファイトが終わった後、ミキサは父に尋ねてみた。

 

『パパはどうして強いの?』

 

『そうだなぁ・・・ヴァンガードが大好きだから、かな?』

 

『へぇ~・・・』

 

 

(私は怯えていた。父さんが大好きだったヴァンガードと向き合うことに。だけど・・・)

 

「ロストブレイクのスキル!手札1枚をバインドして1枚ドロー!」

 

バインドしたカード『スチームファイターメメンネ』

 

「ロストブレイクのスキル!バインドゾーンにカードがあれば、パワープラス3000!ウェッジムーブをコール!

これでバインドゾーンと合わせて、合計のグレードは12・・・2体のグランドストライクのスキル!ユニットとバインドゾーンの合計が12以上になった時、パワープラス10000!」

 

ロストブレイク グランドストライク グランドストライク

 テキパキ      ジグル     ウェッジムーブ

 

「テキパキ・ワーカーのブースト、ロストブレイクでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『サイキック・バード(☆)』」

 

「ジグルのブーストをつけて、グランドストライクでヴァンガードにアタック!」

 

「プロテクト発動!!」

 

「あれは!イマジナリーギフトのカード!」

 

「手札を1枚捨てて、効果をインペリアル・ドーターに」

 

「そうか・・・それがプロテクトの力か!」

 

グランドストライクは猛スピードでインペリアル・ドーター(ミサキ)に接近し、勢いよく拳を振るおうとした時、インペリアル・ドーター(ミサキ)はプロテクトの能力を発動させ、障壁を造り、攻撃を無力化させる。

 

「どうなってるの⁉」

 

「カズヤさんの攻撃はインペリアル・ドーターにヒットしなくなりました!」

 

「完全ガード・・・」

 

「その通りです、エミさん!」

 

コスト『CEOアマテラス』

 

「相手のターンで威力を発揮するって、こういうことだったんだ・・・」

 

「でも、カズヤさんのアタックはまだ終わってません!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部、リアガードのグランドストライクに!セカンドチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!こっちも効果はリアガードのグランドストライクに!」

 

「ダブルクリティカルトリガー!カズヤさん、すごい!」

 

「てか、自分のターンで全部クリティカル引いてんじゃねぇか!ずりぃぞ!」

 

「兄貴!すっげーー!!」

 

「ウェッジムーブのブースト、グランドストライクでインペリアル・ドーターにアタック!」

 

「今のグランドストライクはクリティカル3、しかもパワーは51000!」

 

「ウェザーフォーキャスターミス・ミストで完全ガード!」

 

コスト『サークル・メイガス』

 

「また完全ガード!」

 

「うわぁ~兄貴おしい~!」

 

「へっ、そうじゃねぇとな。ターンエンド」

 

PW21000➡PW12000+SH15000=27000

PW38000➡PW12000(完全ガード)

PW51000➡PW12000(完全ガード)  カズヤの手札2枚 山札31枚  ミサキのダメージ4枚(裏2枚)

 

(とはいえ、すげぇな戸倉の奴。カードの力を完全に引き出してやがる・・・初めてカードファイトしてるなんて思えないぜ!)

 

(こいつが変わったのは、ヴァンガードと向き合ったからだ・・・だったら・・・私も、変われるかな・・・。いや、こいつにできたんなら、私だって!)

 

ミサキはカズヤと、ヴァンガードと向き合う意思を固め、ファイトを進める。

 

「行くよ、橘・・・いや、カズヤ!!」

 

「!・・・おっしゃあ!こいや、ミサキ!!」

 

「ライド!インペリアル・ドーター!!」

 

「同じカードにライドしたぁ⁉」

 

「グレード3のユニットからライドしたインペリアル・ドーターはさっきと違ってパワー15000とクリティカルが1つ、プラスされるんです!」

 

「そんなに⁉」

 

「それだけじゃありません!」

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「手札にもう1度プロテクトを加えることができます!」

 

「すごい・・・」

 

「コール!サイレント・トム、サークル・メイガス!プロミスは退却!

インペリアル・ドーターのスキル!ソウルブラスト『ロゼンジ・メイガス』パワープラス6000!

サイレント・トムのスキル!カウンターブラストでパワープラス6000!」

 

「わーお、これは総力戦だねぇ~☆」

 

アマテラス インペリアル  トム

ジェミニ   ジェミニ  サークル

 

「ジェミニのブースト、インペリアル・ドーターでヴァンガードにアタック!」

 

「・・・ノーガードだ」

 

「えっ⁉ここでノーガード⁉」

 

「ですが、この場はそれが正解です。見てみなさい、カズヤ君の手札を」

 

「あ・・・さっきのトリガーチェックの2枚しかない!」

 

「ダメージ3・・・ここを受けても、ダメージは5点で抑えらるんだ!」

 

「そうか!それで残りはガードできるわけだし!」

 

「ああ。後は、トリガー次第だな」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『オラクルガーディアンニケ(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「ここでクリティカルだと⁉」

 

「パワーはアマテラスに、クリティカルはインペリアル・ドーターに。セカンドチェック『オラクルガーディアンニケ(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「あいつもダブルかよ⁉」

 

「パワーはアマテラスに、クリティカルはインペリアル・ドーターへ!!」

 

インペリアル・ドーター(ミサキ)はグランドストライクに向かって雷の球を狙いを定めて放つ。グランドストライクは雷の球を迎え撃つが、雷の球の威力がすさまじく、耐え切れず、雷の球に直撃してしまい、倒れてしまう。

 

PW41000➡PW13000

 

ダメージチェック『スチームアーティストアビラッタ』『スチームエキスパートゼリクス』『グランドストライク・ドラゴン』

 

カズヤのダメージ6枚  ミサキのダメージ4枚  勝者ミサキ

 

「俺の負けだ・・・ファイトありがとうな、ミサキ」

 

カズヤはミサキに一礼して、一同の元に戻る。ソウジとアツシがカズヤに駆け付ける。

 

「残念だったな、カズヤ、戸倉さんに負けてさ」

 

「で、でも、あの人のマグレ勝ちだって!」

 

「マグレなんかじゃねぇよ」

 

カズヤは笑みを浮かべてミサキに顔を向ける。ミサキの表情はどことなくうれしそうな表情をしている。

 

「ミサキはガチで強いぜ」

 

「ま、それには同意だが・・・お前いつの間に戸倉さんの下の名前で・・・」

 

カズヤとソウジがそう話していると、ミサキが声をかけてきた。

 

「おい、次はお前だ。始めるぞ」

 

「は、はい!!この秋田ソウジ、全力でお相手します!!」

 

ミサキにファイトを挑まれ、頬を朱に染めながらファイトを受ける。そうしている間にシンがカズヤに話しかけてきた。

 

「カズヤ君、ありがとうね」

 

「シンさん?」

 

「ミサキちゃんがヴァンガードと向き合うようになってきたのは、カズヤ君のおかげだよ」

 

「は?」

 

「君は、ミサキちゃんの先導者、ヴァンガードだね!」

 

「はあ⁉」

 

シンの放った言葉にカズヤは驚愕の声を上げる。その様子を見てリンは小さく口元に笑みを浮かべるのであった。

 

 

翌日、宮地学園の授業が終わり、ミサキは変わらずにカードキャピタルに向かおうとしていると、アカリが声をかけてきた。

 

「ミサキー、今日もバイトなの?」

 

「うん」

 

アカリはミサキの表情を見て、少しだけきょとんとしている。

 

「・・・なんか、あった?」

 

「どうして?」

 

「いや、なんとなく・・・」

 

ミサキは必要最低限の返事をした後、ミサキはアカリに手を振った後、そのまま学校を去っていく。

 

「・・・だって、すごくうれしそうだよ」

 

先ほどアカリが見たミサキの表情は、誰も見たことがないような嬉しそうな表情だったのだった。

 

to be continued…




エミ「アイチ、ミサキさんって素敵だと思わない?」

アイチ「そ、そう?」

エミ「あんなお姉さんになりたいな~。ちょっと練習しよう!」

アイチ「練習?」

エミ「ん、んん!たく!他人のカードを盗むんじゃねぇよ!このクズが!」

アイチ「えっ・・・」

エミ「クズクズクズクズクズクズ!」

アイチ「え、えええ⁉」

エミ「てめぇみてぇなクズが珍しいから見てんだよ、このドクズ!」

アイチ「え、え、ええええええ⁉」

エミ「二度と来んなよ」

アイチ「え、エミィィィ⁉」

エミ「?どうかした、アイチ?」

イメージ6「カードキャピタルに行こう!!」


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カードキャピタルに行こう!!

今現在、少しばかり花粉の影響が出始めたのかもしれません。たまに鼻がむずむずしますし、目もかゆくなりそうな時もありました・・・辛いです。

皆さんの中で花粉症の方は花粉対策は今からでも遅くないのでやっておきましょうね。

さて、今回は後江中学校カードファイト研究部の話です。

それではどうぞ!


後江中学校のアイチたちの教室で、ホームルームが行われており、もう間もなく終了しようとしていた。

 

「以上でホームルームは終了。寄り道せずに帰るように。寄り道といえば・・・関ヶ原の戦いに、寄り道して地産したのは・・・佐藤!」

 

「徳川秀忠!」

 

「イエス!場所は、高橋!」

 

「上田城」

 

「イエス!その上田城で秀忠が地産する要因をつくったのは、田中!」

 

「真田昌幸、信繁親子!」

 

「イエス!」

 

マークが戦国時代の寄り道の豆知識をリンがまじめに聞いていると、リンのスマホから着信が届く(マナーモードにしているため振動のみ)。マークにばれないようにリンはスマホのメールを確認する。

 

『クリ○ーってしいたけに似てるよね☆』

 

「・・・はぁ・・・」

 

あまりにもシズクのどうでもいいメール内容にリンはため息をつく。その間にアイチは後ろの席にいる森川をちらっと見る。森川はマークにばれないようにパックを開けてカードを確認している。

 

「今日こそ・・・今日こそ・・・」

 

アイチは今日こそカードキャピタルに誘うという思いを抱きながらマークの豆知識を聞く。

 

 

 

イメージ6「カードキャピタルに行こう!!」

 

 

 

やっとホームルームが終わり、森川はせっせと教材をかばんに入れ、教室から出ようとする。その前にアイチが森川に声をかける。

 

「も、森川君!一緒にカードキャピタルに行かない?ぼ、僕にヴァンガードのことを教え・・・」

 

「うるせぇな!話しかけんじゃねぇよ!」

 

だが森川はアイチを怒鳴り、そのまま教室から出ていく。

 

「「「森川(君)!」」」

 

井崎、メグミ、稲永は森川と共に教室から出ていき、アイチは森川を追いかける。

 

「ま、待って、森川君!最近、カードキャピタルにはカムイ君っていうすっごく強い小学生が通ってくるようになったんだ!それに、店員のミサキさんもファイトを始めたし・・・」

 

「うるせぇつってんだよ!俺は部活で忙しいんだよ!ついてくんな!」

 

アイチの誘いに森川はまるで拒絶するかのようにそう怒鳴った。

 

「カードキャピタルなんざ1人で行け!1人で!」

 

そう言いながら森川は別の教室へと入っていき、井崎たちもそれに続く。

 

「森川君・・・」

 

「災難ですね、アイチ君」

 

全ての一部始終を見ていたリンはアイチにそう言って話しかけてくる。

 

「ねぇリンちゃん、さっき森川君が言ってた部活って・・・」

 

「ああ、カードファイト研究部のことですか?」

 

「カードファイト研究部⁉」

 

「ええ。CF研究部という呼び方もあります。主に森川君が所属している部でもありますね」

 

「CF研究部・・・」

 

森川が所属していることもあり、アイチはカードファイト研究部に興味を持ち始める。

 

「気になりますか?」

 

「う、うん」

 

アイチとリンがそう話していると、担任のマークが話しかけてきた。

 

「ハーイ、先導君、日下部さん。何してるんだい?」

 

「!マーク先生」

 

「うちのクラブに何か用かい?」

 

「その言い方ですと、ここの顧問はマーク先生なんですか?」

 

そう、マークはこのカードファイト研究部の顧問をやっているのだ。

 

「イエス。ひょっとして、入部希望とか?」

 

「は、はい!」

 

「まぁ、一応は」

 

アイチの入部希望を聞いたマークは何やら残念そうな表情をする。

 

「オーウ・・・残念だけど、このクラブはねぇ・・・」

 

「何か問題でも?」

 

「ま、みんなと一緒に聞いてもらいましょう」

 

そう言ってマークはアイチとリンを連れて、カードファイト研究部の部室のドアを開けるのだった。

 

 

カードファイト研究部の部員は森川、井崎、メグミ、稲永、そして赤堀の5名で構成されている。5名は自分のデッキを改良したりなどといった部活動に励んでいる。

 

「それにしてもさー、どうして先導は森川をあんなしつこくカードキャピタルに誘うんだろうね?」

 

「・・・知るかよ!」

 

メグミの疑問に森川はそう答える。そうしていると、部室のドアが開かれ、マークが入ってきた。

 

「やあ!カードファイターの諸君!集まってるね」

 

マークに続くようにアイチとリンも部室に入室してくる。

 

「!先導、委員長・・・!てめえら、何しに来やがった?」

 

森川の問いの前に、マークが話を持ちかける。

 

「今日は諸君らにいい知らせと悪い知らせを持ってきた」

 

「ん?いい知らせと悪い知らせ?」

 

「いい知らせとは、先導アイチ君と日下部リンさんが我がカードファイト研究部に入部希望だということだ!」

 

「「「「おおお!!」」」

 

「ど、どうも、よろしくお願いいたします」

 

「どうも」

 

アイチは少し照れながら、リンは簡潔的にそう挨拶する。井崎たち4名はアイチとリンの入部希望に純粋に歓迎ムードだが、森川は気に入らないようだ。

 

「て、てめぇら!俺の領域に入ってくんじゃねぇよ!」

 

「その言い回し、実に落ちぶれた不良ですね」

 

「んだとぉ!!」

 

リンと森川の間に一触即発の雰囲気がにじみ出ているところをマークが止める。

 

「静かに!主に森川が気に入らない奴を追い出してしまったせいで弱小クラブとなった我がカードファイト部にとっては大変いいことである!」

 

「「「「ははは・・・」」」」

 

マークの説明に井崎たちは苦笑いを浮かべる。そして、マークは悪い話を話し始める。

 

「そして、悪い知らせだが・・・カードファイト研究部は今日で廃部となる!!」

 

『えええ!!?』

 

悪い話、カードファイト研究部の廃部にリン以外の全員は驚きを隠せないでいた。

 

「なんでだよ⁉何で廃部になんなきゃいけねぇんだよ⁉」

 

森川の言い分にマークは廃部の原因を発表する。

 

「なぜ廃部となるのか・・・それは、お前たち全員が私のテストで落第点しか取れないからだ!!」

 

「「「「「なあ!!!!」」」」」

 

「落第点?」

 

「ええ。それによって部活の存続するかどうかも決められるのですが・・・このメンバーで何となく予想はできていました」

 

マークは出席簿を開き、カードファイト研究部の部員のテストの点数を読み上げる。

 

「発表してやる!赤堀35点!」

 

「うわあ!!」

 

「稲永30点!」

 

「ひぃ!!」

 

「井崎25点!」

 

「うぐぅ!!」

 

「花咲23点!」

 

「うひゃあ!!」

 

「森川20点!」

 

「ぐひぃ!!」

 

「・・・想像以上にひどい点数ですね・・・」

 

部員の落第点の点数にリンは若干ながら顔をしかめる。

 

「赤点ライン40点だというのに、我が部の平均点はこれを下回っているのだ!私も顧問として、平均点が赤点ラインを下回るクラブの活動を続けるわけにはいかんのだよ・・・」

 

(・・・カードファイトする俺の場所が・・・またなくなっちまうのか・・・!)

 

森川はあの日以来、カードファイトできる場所はもう部活以外にないと思い込んでいるのだ。なのでこの廃部の決定に顔をうつ向かせる。すると、井崎とメグミが発言する。

 

「じゃあ先生、平均点が赤点ラインを上回れば廃部にならなくて済むんですか?」

 

「まぁ、そうですね」

 

「先導と日下部さんは何点ですか⁉」

 

「!!ちょ、ちょっと待て井崎、花咲・・・!」

 

「いいから、任せときなって」

 

井崎とメグミの意図に気付いた森川は止めるが、2人は意を介さない。

 

「ふむ・・・先導は・・・95点!」

 

「「「おおお!」」」

 

「日下部は、言うまでもないと思うが、100点満点だ」

 

「「「すっげぇ!」」」

 

アイチとリンの点数の高さに部員は感服する。メグミはすぐにスマホを使って平均点を計算する。

 

「やったよ森川!」

 

「あん?」

 

「あたしたちのテストの点数に、先導と委員長の点数を加えれば、平均点は赤点ライン以上だよ!!」

 

「「カードファイト研究部は存続できる!!」」

 

「「「「バンザーーーイ!!!」」」」

 

赤点ラインを越えて、部室を存続できると考えた森川以外の部員はバンザイするがリンが異を唱える。

 

「ちょっと待ってください皆さん。私とアイチ君は入部希望とは言いましたが、本当に入部するとは一言も言ってませんよ」

 

「ええ!!」

 

「そんなぁ・・・」

 

リンの言葉に部員は落胆するが、森川はリンの言葉に同意している。

 

「そうだよ・・・俺だって入部を認めちゃいねぇぞ!だいたい先導に至ってはこの間までカードファイトをしたことすらなかったんだ!カードファイターじゃねぇ奴には、このクラブに入部する資格すらねぇんだよ!」

 

「なんだよ、森川!黙って入部させとけば、廃部にならねぇんだぞ?」

 

「うるせぇな!」

 

森川は断固としてアイチとリンを入部させたくはないようだ。

 

「私も、あなたのような言い分の人がいる部活には、入りたくないですね」

 

「てめぇ・・・!」

 

「ちょ、落ち着きなって・・・!」

 

リンの言葉に森川は怒りを示し、止めに入るメグミ。その空気をどうにかするようにアイチが口を開く。

 

「僕とカードファイトしよう、森川君」

 

「アイチ君?」

 

「「「「「??」」」」」

 

アイチのファイトの提案にきょとんとなる一同。

 

「そうすれば、僕がカードファイターだってわかってもらえるよね」

 

「ブラスター・ブレードを持ってるだけでカードファイター気取りか?いいぜ。万が一にも俺に勝てたら、お前と委員長の入部を認めてやる」

 

「また勝手なことを・・・」

 

ファイトの条件を受けた森川にリンは呆れたような顔になる。

 

「じゃあ、間違いなく廃部じゃんか!」

 

部員たちはもう早速諦めムードになっている。

 

「まったく、先生の断りもなく勝手に・・・まぁ、いいでしょう」

 

マークの許可もおり、ファイトできるようになった。

 

「森川君、もし僕が勝てたら、1つだけ頼みを聞いてほしいんだ!」

 

「頼み?ふん。カードファイト部最強のこの俺に、お前が勝つことなんざありえねぇ!どんな頼みでも聞いてやるよ!」

 

「ありがとう!」

 

「は?」

 

アイチの条件付きのファイトを承諾した森川にアイチはお礼を述べた。その様子に森川は少しきょとんとした。その後はファイトできる状態に互いに準備を進める。

 

「ではこれより先導君の入部テストを行います!」

 

マークの合図とともにファイトが開始される。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「ぐらいむ!」

 

「プライモディアル・ドラコキッド!」

 

ぐらいむ  PW6000

 

プライモディアル・ドラコキッド  PW6000

 

(!森川君は・・・ギアクロニクル・・・)

 

「森川君・・・あの時のデッキを・・・」

 

「うん。あの宮地高生の人の影響を受けて、あの後江高生に挑んだ時のあれだよ」

 

「大丈夫かなぁ、森川君・・・先導はあの高校生に勝ってんだよね?」

 

「どうせまぐれだろ?つーか、森川に勝たれちゃ、カードファイト部は廃部なんだ。お前らだって困るだろ?」

 

「そうだけど・・・森川君が初心者に負けるとこ、見たい?」

 

「それは、嫌だけどさぁ・・・」

 

「あなたたち、アイチ君を甘く見すぎですよ」

 

「「「「え?」」」」

 

諦めムードになっている部員にリンがそう口にする。

 

「ファイトさえ見れば、まぐれでないことくらい、すぐに理解できますよ」

 

「俺の先攻だ!ドロー!ライド!ウェッジムーブ・ドラゴン!」

 

ウェッジムーブ・ドラゴン  PW8000

 

「ウェッジムーブのスキルで1枚ドロー!ターン終了だ!」

 

R ウェッジムーブ R

R    R    R  森川の手札6枚 山札42枚

 

「僕のターン!ドロー!ライド!ナイトスクワイヤ・アレン!」

 

ナイトスクワイヤアレン  PW8000

 

「ぐらいむのスキルで1枚ドロー!うぃんがるをコール!」

 

うぃんがる  PW8000

 

R  アレン  R

R うぃんがる R

 

「うぃんがるのブーストをつけて、アレンでヴァンガードにアタック!」

 

「スチームボンバージグルでガードだ!」

 

「きっちりガードしたな!」

 

「ドライブチェック『ナイトスクワイヤアレン』」

 

「先導はトリガーなしか」

 

「ターンエンド」

 

PW16000➡PW8000+SH15000=23000  アイチの手札6枚 山札41枚

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!ライド!ミッシングクランプ・ドラゴン!コロコロ・ワーカー、スチームファイターメメンネをコール!」

 

スチームファイターメメンネ  PW6000

コロコロ・ワーカー(引)  PW5000

 

コロコロ ミッシングクランプ R

メメンネ     R     R

 

「メメンネのブースト、コロコロ・ワーカーでヴァンガードにアタック!いけぇ!」

 

「まぁるがるでガード!」

 

「今度は先導がガードした!」

 

「今度は俺の番だ!ミッシングクランプでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『ガンギルード・ドラゴン』」

 

「ダメージチェック『小さな賢者マロン』」

 

「ダメージ1・・・」

 

「ターンエンドだ!」

 

PW11000➡PW8000+SH5000=13000

PW10000➡PW8000  森川の手札4枚 山札40枚  アイチのダメージ1枚

 

「僕のターン!スタンド&ドロー!ライド!立ち上がれ!僕の分身!ブラスター・ブレード!!」

 

ブラスター・ブレード  PW10000

 

「アビリティブラスト!バーストバスター!!」

 

カウンターブラストとソウルブラストによってコロコロ・ワーカーを退却させる。

 

ソウルブラスト『ぐらいむ』

 

「うぃんがるのスキルで前列のブラスター・ブレードにパワープラス5000!コール!ナイトスクワイヤアレン!」

 

アレン ブラスター・ブレード R

 R    うぃんがる    R

 

「うぃんがるのブースト、ブラスター・ブレードでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『ふろうがる(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「クリティカルトリガー⁉」

 

「パワーはアレンに、クリティカルはブラスター・ブレードに!」

 

「ダメージチェック『ミッシングクランプ・ドラゴン』『ミッシングクランプ・ドラゴン』」

 

「森川君にダメージ2⁉」

 

「アレンでヴァンガードにアタック!」

 

『ナイトスクワイヤアレン、参る!』

 

「ノーガード!ダメージチェック『スチームエキスパートゼリクス』」

 

「これでダメージ3・・・」

 

「ターンエンド!」

 

PW23000➡PW10000

PW18000➡PW10000  アイチの手札5枚 山札38枚  森川のダメージ3枚

 

(こいつ・・・こんなに強かったのか・・・!)

 

森川はアイチの実力の高さに戦慄を覚える。その様子を見ているリンは笑みを浮かべる。

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!この俺が、お前なんかに負けるか!!ライド!スチームエキスパートゼリクス!!」

 

スチームエキスパートゼリクス  PW13000

 

「ゼリクスのスキル!ヴァンガードに登場時パワープラス10000!

メメンネのスキル!ヴァンガードが登場した時、手札を1枚捨てて1枚ドロー!グレード3を捨てたから、メメンネとゼリクスにパワープラス5000!来い!2体のガンギルード・ドラゴン!ウェッジムーブ、メメンネ、お前らもだ!」

 

ガンギルード・ドラゴン  PW13000

 

ガンギルード ゼリクス ガンギルード

 メメンネ  メメンネ ウェッジムーブ

 

「覚悟しやがれ・・・先導!ウェッジムーブのブースト、ガンギルードでヴァンガードにアタック!」

 

「ふろうがるでガード!・・・ありがとう、ゆっくり休んで」

 

『イェッサー!』

 

「メメンネのブースト、ヴァンガードのゼリクスでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「出た!クリティカルトリガー!」

 

「パワーはガンギルードに、クリティカルはヴァンガードに!セカンドチェック『リンリン・ワーカー(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「ダブルクリティカルだ!」

 

「パワーはガンギルード、クリティカルはヴァンガードだ!」

 

ゼリクス(森川)は背負っている歯車型のバズーカをブラスター・ブレードに向けて最大3発の砲撃を発射する。ブラスター・ブレード(アイチ)はその砲撃をまともにくらうが、何とか持ちこたえる。

 

「ダメージチェック『沈黙の騎士ギャラティン』『小さな賢者マロン』『スタードライブ・ドラゴン』」

 

「先導はダメージ4!」

 

「しかも森川の攻撃はまだ残ってるよ!」

 

「メメンネのブースト、ガンギルードでヴァンガードにアタック!

ガンギルードのスキル!カウンターブラスト!もう1体のガンギルードをバインドして、こいつよりグレードが低いアレンを山札の下に!置いたら1枚ドロー!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『沈黙の騎士ギャラティン』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW21000➡PW10000+SH15000=25000

PW34000➡PW10000

PW24000➡PW10000  森川の手札3枚 山札32枚  アイチのダメージ5枚(裏1枚)

 

「これでダメージ5ですか・・・」

 

「ちっ・・・このターンでとどめを刺せなかったが、次だ!次で終わりにしてやる!」

 

ダメージ5の状態に追い込まれているアイチは笑みを浮かべている。

 

「!先導、お前・・・笑ってんのか?どうしてだ?どうしてこんな状況で笑ってられるんだ!」

 

「・・・うれしいんだ」

 

「なっ・・・」

 

「森川君が僕と本気でファイトしてくれるのが、うれしいんだ!」

 

「!お前・・・変わったな・・・」

 

「僕はもう、森川君の知ってる、ブラスター・ブレードを持っていただけの僕じゃない!」

 

「何・・・?」

 

「それを見せてあげる!スタンド&ドロー!ライド!プリンス・オブ・ロイヤルパラディン!アルフレッド・アーリー!!」

 

アルフレッド・アーリー  PW13000

 

「アルフレッド・アーリーだと⁉」

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『アルフレッド・アーリー』

 

「アルフレッド・アーリーにパワープラス10000!

さらに、アルフレッド・アーリーのスキル!カウンターブラスト!ソウルにあるブラスター・ブレードをスペリオルコール!

ブラスター・ブレードのアビリティ・ブラスト!ガンギルードを退却!」

 

『バーストバスター!!』

 

ソウルブラスト『ナイトスクワイヤアレン』

 

「森川君のリアガードが!」

 

「沈黙の騎士ギャラティン、アレン、うぃんがるをコール!」

 

沈黙の騎士ギャラティン  PW10000

 

「先導はさらにリアガードをコールしやがった」

 

「しかもうぃんがるのスキルでブラスター・ブレードはさらにパワープラス5000・・・!」

 

ギャラティン アルフレッド・アーリー ブラスター・ブレード

 アレン      うぃんがる      うぃんがる

 

「行くよ、森川君!アレンのブースト、ギャラティンでヴァンガードにアタック!」

 

「リンリン・ワーカーでガードだ!」

 

「いくよ、うぃんがる!」

 

『ワン!』

 

「アルフレッド・アーリーでヴァンガードにアタック!」

 

「森川、ガードだ!」

 

「くっ・・・ノーガードだ!」

 

「「「「えっ⁉」」」」

 

「2つの手札を合わせても、防御が足りないようですね」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『沈黙の騎士ギャラティン』セカンドチェック『幸運の運び手エポナ(☆)』」

 

「クリティカルトリガー⁉」

 

「パワーはブラスター・ブレードに、クリティカルはヴァンガードに!フラッシュ・ブレード!!」

 

アルフレッド・アーリー(アイチ)は聖剣を天に掲げ、光を纏わせる。そして、光の剣でゼリクス(森川)に光の衝撃波を放つ。攻撃を食らったゼリクス(森川)は吹っ飛ばされる。

 

「ダメージチェック!1枚目『ガンギルード・ドラゴン』2枚目だ!『スチームファイターメメンネ』」

 

「トリガーは来なかったか・・・」

 

「これで、ダメージ5・・・」

 

「うぃんがるのブースト、ブラスター・ブレードでヴァンガードにアタック!」

 

『うぃんがる!』

 

「ノーガードだ!」

 

「ここでヒールトリガーさえ来れば・・・!」

 

「ダメージチェックだ『スチームエキスパートゼリクス』」

 

ブラスター・ブレードはうぃんがるの支援で蓄えた剣の力を振るい、ゼリクス(森川)に斬撃を与える。ゼリクス(森川)はこれまでのダメージの蓄積によって、倒れてしまう。

 

PW18000➡PW13000+SH15000=28000

PW31000➡PW13000

PW43000➡PW13000

 

アイチのダメージ5枚  森川のダメージ6枚  勝者アイチ

 

「・・・俺の負けだ」

 

「ありがとうございました」

 

ファイトが終わり、アイチは礼儀正しくお礼を述べる。

 

「ほ、本当に・・・」

 

「先導が・・・」

 

「勝った・・・」

 

「マジか・・・」

 

「だから言ったでしょう?まぐれでないことはすぐにわかる、と」

 

今でも信じられないと言いたげな表情の部員にリンは笑みを浮かべながらそう答える。

 

「これがあの先導君か・・・。うん!素晴らしい!これほどのカードファイターでしたら、我がカードファイト研究部に入部してもらうしかありませんね!」

 

「ありがとうございます!マーク先生!リンちゃん、リンちゃんは森川君に1度勝ってるん・・・だよね・・・?」

 

マークからの入部の許可を得て、アイチはお礼を述べた後、リンに期待を込めた視線を向ける。それにはリンは仕方ないといわんばかりのため息をつく。

 

「はぁ・・・仕方ないですね。そういう約束でしたし、私も入部します」

 

「・・・てことは、廃部にならずに済む!!」

 

「「「ああ!!」」」

 

「「「「やったーーーーー!!!」」」」

 

アイチとリンの入部によって廃部を免れた4人は喜びの声を上げる。

 

「森川君、これからもカードファイト研究部を続けられるね!」

 

「ふん・・・」

 

森川は不貞腐れるようにそっぽを向く。

 

(先導君にとって、ヴァンガードの出会いは、とてもいいものだったんですね。迷走しがちな彼らのいい先導者となってくれるのを期待しましょう)

 

マークはアイチを見て、期待を込めた笑みを浮かべながらそう考える。すると、リンは場を鎮めるように咳払いする。

 

「こほん。森川君、あなたが負ければ、アイチ君のどんな頼みでも聞く約束、忘れてませんよね?」

 

「!!」

 

リンの言葉を聞いて森川はアイチに視線を向ける。アイチは森川にたった1つの願いを教える。

 

「カードキャピタルに行こう!」

 

「はぁ?」

 

アイチの頼みを聞いて、森川はあっけにとられ、リンはやっぱりといった笑みを浮かべる。

 

 

ファイトが終わるころにはもうすでに夕方ごろになっていた。部活を終えたアイチとリンは森川を連れてカードキャピタルに向かうのだった。

 

「すっかり遅くなりましたね」

 

「森川君!早く早く!」

 

カードキャピタルに向かっている中で、森川は立ち止まり、ずっと疑問に抱いていることをアイチに問い詰める。

 

「先導。お前・・・どうして、こんなことするんだよ・・・。俺は・・・俺はお前を殴ったり、カードを取り上げたりしたんだぞ・・・なのに、なんでだよ?」

 

確かに以前にやった森川の非道な行動を考えれば、アイチがそこまでする理由などどこにもない。そんな森川の疑問にアイチは笑みを浮かべて答える。

 

「でも、そのおかげで僕は、カードキャピタルへ行くことができた。そして、櫂君と再会できた!」

 

「え・・・?」

 

「森川君は、僕の恩人なんだ」

 

「お前・・・」

 

アイチが自分をそんな風に見てくれていたとは思わなかった森川は驚いている。

 

「それに僕は、今なら森川君の気持ちがわかる」

 

「俺の・・・気持ち・・・」

 

「あの時森川君は強くなりたかったんだよね。実は、今の僕もそうなんだ。ヴァンガードをもっと知るため、カードファイトでもっと強くなるため・・・今の僕は、リンちゃんや森川君の力だって利用しちゃうんだ。今度は、僕と一緒に強くなろうよ!」

 

「!!」

 

アイチの言葉に森川は目を見開かせ、目元に少し涙があふれ出す。その様子を見てリンは笑みを浮かべる。

 

「アイチー!」

 

「エミさーん!待ってくださーい!」

 

そんな話をしている間に、エミとカムイがやってきた。

 

「どうしたの?」

 

「どうしたのじゃないわよ!いつまでたってもカードキャピタルに来ないから、学校まで探しに行くところだったのよ?」

 

「え?ごめんごめん、ちょっと部活で・・・」

 

「アイチが部活?」

 

アイチの話を聞いていると、エミは森川の存在に気が付く。

 

「!誰?アイチ」

 

「!ああ、紹介するよ。部活で一緒の森川君」

 

「だから部活ってなんの・・・あ、兄のアイチがいつもお世話になってます!妹のエミです!」

 

「アイチ・・・?」

 

エミは森川に丁寧にお辞儀してあいさつする。森川はエミのアイチに対する呼び方に首をかしげる。

 

「お前・・・妹からアイチって・・・」

 

「だって、アイチはアイチだもん♪あなたもそう呼べば?ね、アイチ!」

 

「うん!」

 

「森川君」

 

今まで黙っていたリンが森川に声をかけてきた。

 

「あなたには、これまで非礼の言葉を言ってしまったこと、深く謝罪します。すみませんでした」

 

そう言ってリンは森川に頭を下げる。その様子に森川は驚愕している。

 

「い、いや・・・お、俺こそ・・・変に突っかかって・・・悪かったよ・・・」

 

「ふふ・・・でも、1番に謝らないといけない人がいるでしょ?名前も、呼んであげてくださいね」

 

森川もリンに対してそう謝罪し、アイチに視線を戻し、謝罪する。

 

「あ、アイチ・・・すまん、あの日のことは、心からあやま・・・」

 

「どうしてカムイ君まで?」

 

「じ、自分は、エミさんのボディガード代わりっす!」

 

「・・・聞いてませんね」

 

だがアイチはカムイと話していて全く聞いていなかった。だがアイチの姿を見て森川は笑みを浮かべる。

 

「森川君、何か言った?」

 

「なんも言ってねぇよ!行こうぜ、カードキャピタルに。アイチ!」

 

「うん!」

 

「あ!ねぇ、なんの部活⁉」

 

「え、エミさーん!」

 

森川とアイチは急いでカードキャピタルに向かい、エミとカムイは2人についていきながらカードキャピタルに戻っていく。その様子にリンは微笑ましく笑みを浮かべている。

 

「人は変わる・・・あれほど気弱だったアイチ君が誇り高く・・・森川君も、これからはよきファイターになっていくでしょう。・・・私も、変われるでしょうか・・・あの2人みたいに・・・」

 

リンはそんな期待を抱きながら笑みを浮かべ、自分もカードキャピタルに向かうのだった。

 

『アジアナンバーワンのファイターを決めるヴァンガードアジアサーキット開催までいよいよあと1週間!』

 

『今年の開催地は日本!』

 

『まずは、注目のファイターを紹介しちゃいまーす!』

 

近くのビルではアジアサーキットの開催予告のCMが流れている。そして、画面には1番注目されているファイターが映し出されている。そのファイターの名は・・・

 

蒼龍レオン

 

to be continued…




井崎「よくぞ負けてくれた森川!お前のおかげでカードファイト部は廃部にならずに済んだぜー!!」

森川「まぁな・・・ん?井崎、俺のこと褒めてんのか?」

メグミ「何当たり前のこと言ってんの森川?さあ、そんなことよりカードファイトを始めようよ!!」

マーク「ウェイト!!待ちなさい!」

3人「マーク先生?」

マーク「廃部は免れましたが、だからと言って君たちが赤点のままでいいはずがありません!これからは部活の時間を使って補修してもらいます!」

3人「意味ねぇえええええ!!」

イメージ7「宣戦布告!!ショップ対抗戦」


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ショップ対抗戦編
宣戦布告!!ショップ対抗戦


バンドリが2周年を迎えて、心の中で結構喜びに満ちております。その際に、G編の後の作品、バンドリのクロスオーバーにしようかなって考えています。あくまで考えているだけであって出すとは言ってません。まだネタも浮かんでませんし。

さて、今回はカードショップヴォヤージュが出てくる話です。

それではどうぞ!


惑星クレイに存在する海洋国家メガラニカ・・・その大海原に、2つの船が衝突しあっている。そう・・・今現在2つの船にそれぞれの代表者が対決しているのだ。

 

「我ら不死身の海賊団の敗北はない!かかってこい!!」

 

1つの船は幽霊船・・・7つの海をまたにかけ、深海の魍魎たちが集う不死の海賊団・・・グランブルー。

 

「無敵の海軍に挑むとは、愚かな」

 

もう1つの船は軍の艦隊・・・7つの海を轟かせ、絶対正義を掲げる無敵海軍・・・アクアフォース。

 

「勝利の風よ・・・吹け!!」

 

アクアフォース代表の竜は嵐を海賊船に向けて放った。この嵐によって、海賊船は沈んでいく。

 

「例え今は敗れようとも、我らは何度でも蘇るのだ!!」

 

グランブルー代表の船長は船に沈み際に高らかにそう口にした。

 

そして・・・このイメージが終わり・・・ヴァンガードの最大級の大会、アジアサーキットの決勝の決着がついた。1人の男性のダメージが6となり、対戦相手の少年が勝利を納めた。

 

「決まったーーー!!優勝は、香港代表、蒼龍レオン選手!!」

 

『おおおおおお!!』

 

「準決勝で地元日本代表、光定ケンジ選手を、決勝でも、同じく日本代表大文字ゴウキ選手を下し、見事に、ヴァンガードファイト、アジアサーキットを制しました!!」

 

優勝者である金髪の少年、蒼龍レオンの優勝、白熱したファイトによって会場は観客による大歓声が広がっていた。

 

 

 

イメージ7「宣戦布告!! ショップ対抗戦」

 

 

 

カードキャピタルにて、いつものメンバーたちはそのアジアサーキットの光景を店のテレビで見ていた。大会の迫力にほとんどのメンバーは圧倒されている。

 

「すごく大きな大会なんですね、アジアサーキットって」

 

「君たちがここに通うようになった時には、エントリーは締め切られてたんだ。残念だよなー。出てほしかったなー。お店の宣伝にもなったのにー」

 

アイチとシンがそう話している間に、テレビでは表彰式の様子が映されている。

 

『表彰式のプレゼンターはオフィシャルサポーターとして大いに盛り上げてくれた・・・ウルトラレアの3人です!』

 

3人組のアイドルグループ、ウルトラレアの登場により、歓声も大きくなり、いつものメンバーの一部も歓声を上げている。

 

「「うおおおお!!レッカちゃーーん!!」」

 

「はぁ、井崎も稲永もわかってないなー」

 

「そうそう。ウルトラレアといえば、スイコだ」

 

「何言ってんだよ。コーリンちゃんが最高に決まってんだろ」

 

「そうそう☆こればっかは譲れないよねー☆」

 

井崎と稲永はツインドリルの少女、レッカを、メグミと三和は水色の短髪の女性、スイコを、森川とシズクは金髪の長髪でその髪を短めに結んでいる女性、コーリンを推しており、その食い違いによって互いに睨みあっている。そして、どういうわけかウルトラレアのそれぞれの推しのメインカラーの法被を着てそれぞれの推しを応援する6人。

 

「ここ、アイドルショップじゃないんだけど。出禁になりたいの?」

 

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

 

ミサキの出禁という言葉に反応して6人はすぐに黙り込んでしまう。

 

「まったく、アイドルなんぞに現を抜かしてからに・・・」

 

「お前はミサキラブ度が高いからなー・・・周りが引くくらいに」

 

ソウジの呆れたような顔にカズヤは若干ながら引いた顔でそう言った。

 

『蒼龍レオン選手は12歳!アジアサーキット、最年少優勝記録を打ち立てみゃしたー!』

 

「・・・まさか、あんな小学生にゴウキが負けるなんて・・・」

 

「なんだ?あのバンダナの奴と知り合いか?」

 

カムイが蒼龍レオンと戦った相手、大文字ゴウキを知った風な口ぶりにカズヤはそう尋ねる。

 

「はい。前に通ってた"ヴォヤージュ"っていうショップで・・・」

 

「ポタージュ?」

 

「食い物の店か?」

 

「ヴォヤージュっす!カードショップヴォヤージュ!」

 

カムイはカードキャピタルに来る前の出来事、ゴウキと出会った時のことを話す。

 

「ヴォヤージュはここらで1番でかい店なんです。そこで最強のファイターになることが、強くなる近道だと思って・・・」

 

「なるほど。それで1番強いゴウキとファイトしたってわけか」

 

「はい。ゴウキはマジで強かった・・・俺じゃ全然歯が立たなかった・・・。そこで俺はゴウキを倒すためにヴォヤージュに通うようになったん・・・です・・・けど・・・どうしても勝てなかった。だから、このままじゃだめだと思って・・・」

 

これまでの話の流れでカムイはゴウキに言ったのだ。ゴウキを倒すまではヴォヤージュには戻らないと。

 

「ヴォヤージュか・・・行ってみたいなぁ・・・」

 

「ちょっと!アイチお義兄さん!他所の店に行くなんて話、ミサキさんに聞かれたらまずいっす!」

 

「げっ・・・今の、聞かれてねぇよな・・・?」

 

3人は恐る恐るとミサキの方を振り返ってみると、ミサキは本を読んでいて、話は聞こえていなかったようだ。それには3人、一安心。

 

「それに俺、宣言したし・・・ゴウキに勝てるようになるまで戻らないって・・・」

 

カムイは再びテレビに視線を戻す。

 

「アジアで2番目に強いファイター・・・」

 

「イメージしてみたら?あの人に勝つ自分の姿を」

 

「ゴウキに勝つ俺の姿・・・?」

 

アイチに言われたとおり、カムイはゴウキに勝つイメージを浮かべてみるが・・・

 

「うわあ~!ダメっす~!負けた姿しかイメージできないっす~!」

 

「どうしたらそんなケツを抑えるイメージができるんだよ・・・?」

 

負ける姿しかイメージできず、お尻を抑えながらゴロゴロと地団駄を踏むカムイにカズヤは少し呆れる。

 

「こんにちは。何やってるの?」

 

そこでちょうど店に入ってきたエミがアイチにそう尋ねてきた。

 

「カムイ君が通ってたお店に連れってってもらおうと思ったんだけど・・・」

 

「へー、私も行きたい!」

 

「でもカムイの奴は・・・」

 

「喜んで案内しますよ、エミさん!!」

 

「え?」

 

「は?」

 

エミから頼まれればすぐにでも案内しようとするカムイの姿にアイチとカズヤは少し苦笑いを浮かべる。

 

 

翌日、カムイにヴォヤージュを案内してもらうことになり、今現在は駅前でアイチとカズヤ、エミがカムイの到着を待っている。

 

「待ち合わせ場所、ここでいいの?」

 

「そのはずだけど・・・」

 

「寝坊か?」

 

3人はまだ来ていないカムイを気長に待っていると・・・

 

「エミさん!」

 

「ん・・・きゃあ!」

 

「俺っすよ、エミさん!」

 

マスクと伊達メガネをつけ、つんつんとはねた髪を無理やり抑え込んだ姿のカムイがやってきた。

 

「カムイ君⁉」

 

「どうしてそんな格好なの⁉」

 

「え・・・ええ、まぁ・・・いろいろありまして・・・」

 

「いろいろってなんだよ?」

 

「そ、その・・・じゃ、じゃあ行きましょうか!」

 

いかにも不審者極まりない恰好を尋ねてもごまかされるが、ようやくヴォヤージュへの道のりを歩く4人だった。

 

「大文字ゴウキさんに会えるかな?」

 

「決勝の翌日だし、さすがに今日は来てないんじゃないかな?」

 

「そういうもんかねぇ?」

 

4人はそんな会話をしながらカードショップヴォヤージュに向かっていくのだった。

 

 

一方その頃、カードショップヴォヤージュのファイトスペース、ファイト台の前に、アジアサーキットを準優勝で納めたバンダナを頭に巻いた青年、大文字ゴウキが立っている。ファイト台には彼のデッキがきれいにまとめている。

 

「ゴウキさん、そろそろお時間です」

 

「うむ」

 

ゴウキは薄青緑色の髪の天然パーマで首元にバンダナを巻いている少年に呼ばれ、デッキを持ってファイトスペースを出ていった。

 

 

数分後、アイチたちは目的地であるカードショップヴォヤージュの入り口前にたどり着いた。カードキャピタルと比べたら、やはり大きい店だ。

 

「ここがヴォヤージュ・・・」

 

「キャピタルと比べたらでかいな・・・」

 

「・・・俺は、外で待ってるっす。3人だけで入ってください」

 

カムイは入るのが気まずいのかそう言った。

 

「どうして?一緒に入りましょうよ」

 

「ちょ・・・ちょ、ちょっと、エミさん!」

 

だがエミはカムイの手を取り、ともにヴォヤージュの扉まで連れていかれる。4人はヴォヤージュの中に入っていくと・・・

 

「待っていたぞ!!」

 

なんとゴウキが待ちかまえていたかのようにそこにいた。

 

(待っていた⁉ゴウキは俺たちが来るってわかってたのか⁉なんで⁉情報が漏れたのか⁉ていうか、悪いことしに来たわけじゃないぞ?)

 

カムイはゴウキが言った発言が気がかりに感じていたが、長い沈黙が流れ、そこに薄青緑色の髪の少年が現れ、ゴウキに声をかける。

 

「あの・・・ゴウキさん・・・この人たちは、違いますよね・・・?」

 

「うむ・・・すまん!人違いだ!」

 

「そ、そうですか・・・」

 

どうやらゴウキは別の誰かを待っていたようで、偶然間が悪く、アイチたちが店にやってきたというようだ。

 

「お騒がせして、すみませんでした。あ、僕はこのヴォヤージュでアルバイトをしてる天城スバルといいます。この人は、もう知ってるかもしれませんが、大文字ゴウキさんです」

 

「よろしくな!」

 

「お、おう」

 

薄青緑色の髪の天然パーマで首元にバンダナを巻いている少年、天城スバルは丁寧にあいさつをして、ゴウキの紹介もした。

 

「じゃ、俺はこの辺で・・・」

 

カムイはゴウキに正体がばれる前に店から立ち去ろうとする。

 

「ちょーーっとまったーーー!!この裏切り者---!!」

 

「うおおお⁉」

 

だがその前に立つ全現れた少女がカムイに飛び蹴りを放ち、カムイは飛び蹴りを食らって転んでしまう。その拍子でメガネとマスクが外れてしまい、髪も元通りになってしまう。

 

「!君はカムイ君⁉」

 

「何っ⁉カムイだと⁉」

 

スバルとゴウキに正体をばれてしまったカムイ。スバルとゴウキが驚いている間にカムイに飛び蹴りを放った少女はカムイを睨みつけている。

 

「今になってよくのこのこと顔を出せたわね!勝手に店から出てったくせに!」

 

「何ってんだよ!出てけって言ったのはナギサ、お前だろ!」

 

「そうだっけ?」

 

「・・・誰?」

 

事情をよく知らないエミはナギサと呼ばれる少女に首をかしげている。

 

「ゴウキの妹のナギサ・・・やたらと気が強いんすよ」

 

「イラ・・・」

 

カムイの紹介の仕方にゴウキの妹、大文字ナギサはイラつきを見せる。

 

「こいつのせいで俺は・・・」

 

カムイはヴォヤージュを出るきっかけを語り始める。

 

 

『ノートリガー・・・俺の負けだ・・・』

 

『気にすることはないわよ。うちのお兄ちゃんはほら、化け物みたいなものだから』

 

『ははは・・・ナギサちゃん・・・ゴウキさんに失礼だよ』

 

『倒そうと思ったら、修行の旅に出るしかない!・・・なんちゃって』

 

『・・・そうか・・・そうだよな。俺は・・・修行の旅に出る!!』

 

『えっ?』

 

 

「どうだ!思い出したか!」

 

「だからって本当に出ていくことないでしょ⁉」

 

どうやらナギサはあの時冗談半分で修行の旅と言っていたようだが、それを本気にしたカムイが店を出ていって、現在に至るというわけだ。

 

「そっか・・・急にヴォヤージュに顔を見せなくなったのはそういうことだったんだね」

 

「なるほど・・・戻ってきたということは・・・俺を倒すだけの力をつけてきたということだな!!」

 

ゴウキの問いにカムイはアイチたちに顔を向ける。

 

(正直、ここにはアイチさんたちを案内してきただけだ!ゴウキとファイトする気なんて、全然なかった・・・けど、言い訳なんて男らしくねぇ!!)

 

カムイは自身の男のプライドを持って、真実を隠し、ゴウキに堂々と宣言する。

 

「ああ!俺はゴウキを倒すために来た!こっちの3人は今のショップの仲間で、勝負の見届け人だ!」

 

「ほう・・・」

 

「カムイ君・・・」

 

「お、おい・・・」

 

カムイのゴウキに挑戦ともいえる言葉にアイチとカズヤは少し止めに入ろうとした時・・・

 

ふわぁ・・・

 

アイチとカズヤにひと吹きの風が吹いた。

 

(風・・・?)

 

アイチが疑問に抱いていると・・・

 

「妙な風が吹いているようだな」

 

ヴォヤージュの自動ドアから、1人の金髪の少年が入店してきた。

 

「!こ、この人は・・・!」

 

「蒼龍レオン!」

 

その少年はなんと、アジアサーキットの最年少チャンピオン、香港代表の蒼龍レオンだった。

 

「アジアサーキットのチャンピオンが何でここにいんだよ⁉」

 

「俺が呼んだんだ。どうしてももう1度ファイトしたくてな」

 

「そうか・・・みんなレオン君が来るのを待っていたんだ・・・」

 

どうやらゴウキが待っていた人物とは、自分を打ち負かしたレオンだったようだ。今集まっているギャラリーについて、納得がいくアイチ。

 

「風のささやきが聞こえた。ゴウキを倒せるファイターが来ていると」

 

そう言ってレオンはアイチに視線を向ける。

 

「風を感じたことは?」

 

「え、ええっと・・・」

 

どうやらレオンはゴウキを倒せるファイターはアイチだと思い込んでいるようだ。返答に困っているアイチ。

 

「「違---う!!」」

 

レオンの問いに答えるように声をかぶせたのはカムイとナギサだった。

 

「ゴウキを倒しに来たのはこの俺、葛木カムイ様だ!」

 

「君が・・・?」

 

カムイの発言にレオンは意外そうな顔をしている。

 

「本当だったらゴウキを倒して力を見せつけてやるつもりだったけど、せっかくアジアチャンピオンが来たんだ。ゴウキを倒したお前を倒して、俺がゴウキより強くなったって、証明してやる!!いいだろ、ゴウキ!」

 

「うむ!思う存分戦うがいい!」

 

ゴウキの了承を得て、カムイはアジアサーキットのチャンピオン、レオンとファイトすることになった。

 

「まさか、こんなことになるなんて・・・」

 

「ま、レクリエーションとしてはいいんじゃね?」

 

そんなこととは他所にアイチは苦笑いを浮かべ、カズヤはのんきにそう口にする。

 

 

その頃カードキャピタルでは、アイチたちが来ていない状況からか、店はいつもに増して静かな雰囲気を出している。

 

「静かね・・・」

 

「ふわあ~・・・」

 

「珍しく、アイチもカズヤも来てないし・・・」

 

ミサキは意外そうにしながら、店を見まわしている。

 

「まさか、他所の店に行ってるとは、言えないよなー・・・」

 

「あーあ、うちも行けばよかったなー・・・」

 

事情を知っている三和とシズクはため息をつきながら櫂とリンとでファイトを行っている。

 

「・・・風が出てきたな」

 

「この風は・・・なんでしょう、海の風でしょうか?」

 

「「え?」」

 

櫂とリンから急に出た言葉に三和とシズクはきょとんとする。

 

 

ヴォヤージュのファイトスペース、アイチやゴウキたちといったギャラリーに見守られながら、カムイとレオンはファイト台の前に立ち、ファイトの準備を進める。

 

「風を感じたことは?」

 

「はぁ?何言ってんだ?」

 

レオンの問いにカムイはわけわからないといった表情になっている。

 

「・・・始めようか」

 

互いに準備を終えて、ファイトが始まろうとしていた。

 

「「スタンドアップ・(マイ・)ヴァンガード!!」」

 

ふわぁ・・・

 

「!また風が・・・」

 

アイチとカズヤの間に風が吹いたことに疑問を抱くアイチだったが、カズヤは風よりもファイトを見たいのか、気にした様子はなかった。

 

「ライド!士官候補生エリック!」

 

「俺様ライド!バトルライザー!」

 

バトルライザー  PW6000

 

士官候補生エリック  PW6000

 

「カムイ君のデッキがノヴァグラップラーに変わってる・・・」

 

「前は違ってたわよね・・・」

 

「修行の旅に出てから使い始めたというわけか。もしカムイがノヴァグラップラーデッキを使いこなしているとなると・・・このファイト、面白くなるぞ!」

 

カムイのデッキを見て、スバルとナギサは少し驚いているが、ゴウキは好戦的な笑みを浮かべている。

 

「俺の先攻だ!ドロー!俺様ライド!ライザーカスタム!」

 

ライザーカスタム  PW8000

 

「バトルライザーのスキルで1枚ドロー!」

 

R ライザーカスタム R

R    R     R

 

「行くぞ!ライザーカスタムでヴァンガードにアタック!」

 

「ちょっとカムイ!1番最初のターンはアタックできないはずでしょ!」

 

「ナギサちゃん、それはね、ライザーカスタムのスキルなんだよ」

 

「ライザーカスタムは手札を1枚ソウルに置くことで、最初のターンでもアタック可能となる」

 

「代わりとして、ドライブチェックを失っちゃうけどね」

 

ソウルに送ったカード 『アシュラ・カイザー』

 

「ノーガード。ダメージチェック『ショットガン・アサルト』」

 

「ターンエンドだ!」

 

PW8000➡PW6000  カムイの手札5枚 山札42枚  レオンのダメージ1枚

 

「僕のターンだ。ドロー。ライド!ティアーナイトテオ!」

 

ティアーナイトテオ  PW8000

 

「エリックのスキルで1枚ドロー。風よ来れ・・・戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテア!」

 

戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテア  PW7000

 

ドロテア テオ R

 R   R  R

 

「行くぞ!テオでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『高速遊撃のイルカ兵(前)』フロントトリガー!効果は前列のユニットに」

 

「ダメージチェック『ジェットライザー』」

 

「かかれ、ドロテア!ヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『アイアン・キラー』」

 

「本来ならドロテアはパワー不足でダメージを与えられない・・・」

 

「だがここでフロントトリガーが出るとはな・・・」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000(+10000)➡PW8000

PW170000➡PW8000  レオンの手札6枚 山札40枚  カムイのダメージ2枚

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!俺様ライド!ハイパワードライザーカスタム!」

 

ハイパワードライザーカスタム  PW9000

 

「ハイパワードライザーカスタムのスキルで、ソウルからバトルライザーを同じ縦列にスペリオルコール!さらに、バーストライザー、ライザーカスタムをコール!」

 

バーストライザー  PW9000

 

R ハイパワード    バースト

R バトルライザー ライザーカスタム

 

「いけぇ!ライザーカスタムのブースト、バーストライザーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテア』」

 

「バトルライザーのブースト、ハイパワードライザーカスタムでヴァンガードに俺様アターーック!!

バーストライザーのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『ライザーカスタム』バーストライザーをスタンド!

ライザーカスタムのスキル!同じ縦列のリアガードがスタンドしたことで、ライザーカスタムはスタンド!」

 

「ガード!虹色秘薬の医療士官!」

 

「ドライブチェック『ウォールボーイ(治)』ヒールトリガー!ダメージ1回復!パワーはバーストライザーに!」

 

「しかも、ヴァンガードがアタックしたことでバーストライザーはスキルが発動し・・・」

 

「スタンドによってもう1回アタックできるぜ!」

 

「ライザーカスタムのブースト、バーストライザーでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『ティアーナイトテオ』」

 

「ターンエンドだ!」

 

PW17000➡PW8000

PW15000➡PW8000+SH20000=28000

PW27000➡PW8000  カムイの手札4枚 山札38枚  レオンのダメージ3枚

 

「アジアチャンピオンと互角に戦えてる!いける・・・いけるぞ!!」

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。ライド。潮騒の水将アルゴス!ドロテアを移動。風よ、我が元にティアーナイトラザロスを!」

 

潮騒の水将アルゴス  PW9000

ティアーナイトラザロス  PW9000

 

ラザロス アルゴス R

ドロテア  R   R

 

「ひれ伏せ!ラザロスでバーストライザーにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「受けるがいい!アルゴスでヴァンガードをアタック!

アルゴスのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『ティアーナイトテオ』2回目以降のアタックであれば、ラザロスをスタンド!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『潮騒の水将アルゴス』」

 

「ダメージチェック『トランスライザー』」

 

「風は2度吹くのだよ。ドロテアのブースト、ラザロスでヴァンガードをアタック!

ラザロスのスキル!2回目以降のアタックなら、パワープラス3000!」

 

「受けるかよ!頼むぜ、ウォールボーイ!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW9000➡PW9000

PW9000➡PW9000

PW19000➡PW9000+SH20000=29000  レオンの手札5枚 山札36枚  カムイのダメージ2枚

 

「カムイのくせに生意気よ!1ダメージしか増えないなんて!」

 

「ナギサちゃん、落ち着いて・・・」

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!俺様ライド!パーフェクトライザー!!」

 

パーフェクトライザー  PW12000

 

「イマジナリーギフト・アクセル!!」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「相手が誰だろうが、負けるわけにはいかない!コール!ハイパワードライザーカスタム!アシュラ・カイザー!」

 

アシュラ・カイザー  PW12000

 

R パーフェクト   ハイパワード  アシュラ

R バトルライザー ライザーカスタム

 

「俺は、もっともっと強くなるために修行の旅に出たんだ!ライザーカスタムのブースト、ハイパワードでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『輝石通信のラッコ兵(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「アシュラ・カイザーでヴァンガードをアタック!」

 

「インターセプト!『ティアーナイトラザロス』流浪の民ということか」

 

「バトルライザーのブースト、パーフェクトライザーでヴァンガードをアタック!

パーフェクトライザーのカウンターブラスト(2)!スキル発動!アシュラ・カイザー、ハイパワードライザーカスタムをスタンド!

ライザーカスタムのスキルで自身をスタンド!」

 

「ガード!高速遊撃のイルカ兵!」

 

パーフェクトライザーはアルゴス(レオン)に向かって、強烈なパンチを繰り出そうとしたが、その場から現れたイルカ兵によって、巨大な拳は防がれてしまう。

 

「ツインドライブ『アシュラ・カイザー』2枚目『ターボライザー(前)』フロントトリガー!効果は前列へ!まだまだ!ライザーカスタムのブースト、ハイパワードでヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『戦場の歌姫(バトルセイレーン)イメルダ』」

 

「これでレオン君のダメージは5!」

 

「しかも攻撃はまだ残ってるぜ!」

 

「いけー!アジアチャンピオンを倒しちゃえ!」

 

「アシュラ・カイザーでヴァンガードをアタックだ!」

 

「止めさせてもらう。バトルシップ・インテリジェンス!」

 

「くっ・・・ターンエンドだ!」

 

PW17000➡PW9000(+10000)

PW22000➡PW19000+SH5000=24000

PW18000(+10000)➡PW19000+SH15000=34000

PW27000➡PW19000

PW32000➡PW19000+SH15000=34000  カムイの手札3枚 山札34枚  レオンのダメージ5枚(裏1枚)

 

「けど、これでダメージは5対2。次の俺のターンで決めてやる!」

 

ふわぁ・・・

 

「・・・いい風が吹いてきたようだ」

 

「「!」」

 

「ライド!ネイブルゲイザー・ドラゴン!!」

 

ネイブルゲイザー・ドラゴン  PW12000

 

「イマジナリーギフト・アクセル!!」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「コール!アルゴス!ネイブルゲイザー・ドラゴン!テオ!ラザロス!我が民よ、集え!」

 

「何ぃ⁉」

 

「ドロテアのスキル。カウンターブラスト(2)。アルゴスにパワープラス8000」

 

ラザロス ネイブルゲイザー ネイブルゲイザー アルゴス

 R      テオ       R

 

「荒れ狂え、嵐!アルゴスでヴァンガードをアタック!

アルゴスのスキル!カウンターブラスト!1回目のアタックであるなら、自身をスタンド!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『パーフェクトライザー』」

 

「ラザロスでヴァンガードをアタック!

ラザロスのスキル!パワープラス3000!」

 

「インターセプト!『ハイパワードライザーカスタム』」

 

「アルゴスでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『ハイパワードライザーカスタム』」

 

「ヴァンガードのネイブルゲイザーでヴァンガードにアタック!

ネイブルゲイザーのスキル!カウンターブラスト!3回目以降のアタックならば、アルゴスをスタンド!パワープラス10000!」

 

「くっ・・・ノーガードだ・・・!」

 

「ツインドライブ『バトルシップ・インテリジェンス(☆)』クリティカルトリガー。パワーはリアガードのネイブルゲイザー・ドラゴンに。セカンドチェック『高速遊撃のイルカ兵(前)』フロントトリガー。効果は前列のユニットに。さらば、流浪のロボット軍団」

 

ネイブルゲイザーはパーフェクトライザーに狙いを定めて、ハイドロビームガンにエネルギーをため、発射させる。すでにボロボロの状態のパーフェクトライザーはハイドロビームに包まれ、大爆発を引き起こした。

 

PW27000➡PW12000

PW12000➡PW12000+SH5000=17000

PW27000➡PW12000

PW20000➡PW12000

 

ダメージチェック『パーフェクトライザー』『バーストライザー』

 

カムイのダメージ6枚  レオンのダメージ5枚  勝者レオン

 

「・・・俺の負けだ・・・」

 

「そこから逆転するのか・・・」

 

「さすがアジアチャンピオン」

 

「強すぎ・・・」

 

ダメージ5の状態でカムイのダメージを2から6枚まで追いやったレオンの実力の高さにギャラリーは感服の声が上がる。

 

「カムイ・・・」

 

負けたことで悔しがるカムイにかわいそうと思ったのかナギサは声をかけようとするが、その前にエミがカムイを励ましていた。

 

「いいファイトだったよ、カムイ君!」

 

「あ、ありがとう・・・エミさん」

 

「むぅ~・・・」

 

その様子を見てナギサはふくれっ面になり、悪態をつく。

 

「ふん!何よ、結局負けちゃったじゃーん!今いる店もたいした店じゃないみたいね!」

 

ナギサの悪態にカムイとエミは憤慨する。

 

「!カードキャピタルか!」

 

「たいしたことないですって⁉」

 

「そんな店知らないわよ。どうせ弱小ファイターしかいないんでしょ?」

 

「「なっ!」」

 

「おいおいナギサ、そんな言い方するんじゃない!いくら無名店だからって」

 

「ゴウキさんのそれもバカにしてますよ・・・」

 

「そ、そうか?」

 

ナギサのカードキャピタルに対する悪態にカムイは反論する。

 

「俺のことはどれだけけなしてもいい!けど、キャピタルのことは悪く言うな!!ここに負けないくらい、すげぇ店なんだ!!」

 

「むむむむむ~!!」

 

カムイの反論にナギサはさらにふくれっ面になり、ある提案を持ちかけてきた。

 

「だったら勝負しましょうよ!!お互いの店の看板をかけて!!」

 

「「「「えっ?」」」」

 

突然店の看板を掛けて勝負を挑んできたナギサに4人はきょとんとなる。

 

「ゴウキさん、ナギサちゃんはああ言ってますけど、どうします?」

 

「面白そうだな!どうせなら団体戦にしようじゃないか!ショップ対抗戦だ!」

 

スバルはゴウキの答えを尋ねる。ゴウキは賛成派のようだ。

 

「カムイ君・・・こういうことは、みんなとよく相談しないと・・・」

 

「受けてやるぜ!!カードキャピタルとヴォヤージュの全面戦争だ!!」

 

「・・・聞いてねぇなこりゃ・・・」

 

勝手に話を進められて、アイチとカズヤは苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「こちらのメンバーはゴウキさんとナギサちゃん、僕が出るとして、残りのメンバーはどうします?」

 

「あん?お前ファイトできるのか?」

 

「ああ!スバルは俺が認めるほどのファイターだ!アジアサーキットの順位も、トップ5という好成績だ!」

 

どうやらスバルもアジアサーキットに出場していたらしく、その実力は5位という好成績を収めているようだ。

 

「そんな・・・僕なんてまだまだ・・・」

 

プルルルル・・・

 

「すまん、俺からだ」

 

スバルが謙遜していると、ゴウキのスマホから着信が届く。ゴウキは通話に出る。

 

「・・・おお、皇帝か。どうした?」

 

「皇帝?」

 

ゴウキが口にした皇帝というあだ名にエミは首をかしげる。

 

「知らないの?皇帝っていうのは、アジアサーキット3位の光定ケンジのことよ!」

 

どうやらゴウキが電話しているのはそのアジアサーキット3位の光定ケンジのようだ。

 

「今日は俺とレオンのファイトを見に来るんじゃなかったのか?」

 

≪僕としてもそのつもりで電車に飛び乗ったんだけど・・・気が付いたら、なぜか自然豊かな場所に来ていたんだ。いやー、うっかりうっかり。あははは≫

 

どうも光定ケンジという人物はドジをやらかしたようだ。

 

「なぁ皇帝。ショップ対抗戦に出ないか?」

 

≪え?ショップ対抗戦?面白い・・・ぜひ参加したいね≫

 

光定をショップ対抗戦に誘うことに成功したゴウキは通話を切り、カムイに視線を戻す。

 

「と、いうことだ。皇帝はここにたまに顔を出す。メンバーに加えてもいいよな?」

 

「あ、ああ・・・」

 

「でもそれだと4対4になるから、せめてあと1人・・・」

 

プルルルル

 

スバルがメンバーを考えていると、今度はスバルのスマホが鳴り出す。スバルはすぐにスマホに出る。

 

「もしもし・・・月城先輩?どうしました?」

 

「月城先輩って誰だ?」

 

先ほど出た月城の名に首をかしげるカズヤ。

 

「皇帝のチームメイトだ。奴もたまにこのショップを出入りをする」

 

「聞いて驚きなさい!アジアサーキットの順位は4位よ!」

 

「えっ?光定さんが来てないかですか?」

 

スバルは光定の名が出てきたことにきょとんとする。

 

≪うん。レオンのファイトを見るって言ってた。来てる?≫

 

「それが・・・来てないんですけど・・・」

 

≪そう。わかった≫

 

「あ、待ってください月城先輩!」

 

≪何?≫

 

「ショップ対抗戦に出てみませんか?光定さんも出るって言ってました」

 

≪皇帝も?ショップ対抗戦・・・出てみたい≫

 

月城という名の者も了承を得て、スバルは通話を切る。

 

「ということで、月城先輩も出ることになったんだけど、構わないよね、カムイ君」

 

「お、おう」

 

「皇帝とお兄ちゃん、ソードナイトにスバル君、それに私を加えて、こっちのメンバーは決まりよ」

 

ナギサがメンバーということを聞いて、不満げなカムイ。

 

「えー・・・お前弱いじゃん」

 

「な・・・何言ってんのよ!あれから私だって力をつけたんだから!あんたたちなんか一ひねりよ!」

 

カムイの言葉を聞いて憤慨するナギサ。

 

「君は出るのかな?」

 

「「えっ?」」

 

レオンはアイチに声をかけてきた。

 

「いや・・・それは・・・まだ・・・」

 

「出るに決まってるでしょ!アイチは強いんだから!」

 

レオンの問いにアイチは言いよどむが、エミが強制的に参加を押し付けられるアイチ。

 

「アイチというのが君の名か」

 

「あ、あの・・・先導アイチです・・・」

 

エミが代わりに言っていたが、アイチが出ると聞いてレオンは笑みを浮かべて、とんでもないことを言い出す。

 

「ゴウキ、僕もこの対抗戦に参加させてもらおう!ヴォヤージュの一員として!」

 

何とレオンがヴォヤージュの一員としてショップ対抗戦出ると言い出したのだ。

 

「本当か?そいつは大歓迎だ!」

 

「アジアチャンピオンが参戦だと⁉」

 

「マジ、かよ・・・」

 

レオンの参戦にカズヤとカムイは驚愕する。

 

「じゃ、今日はこれで失礼するよ」

 

レオンはそれだけを言い残してファイトスペースから去っていった。

 

「・・・というわけで・・・6対6よ」

 

「「「「え?」」」」

 

「カードショップヴォヤージュのドリームチームがきゃぴなんたらっていう無名店を蹴散らしてやるわ!」

 

レオンの参戦もあって、6対6のショップ対抗戦になった。

 

「アジアサーキット準優勝!今や日本最強ファイターにして最強のお兄ちゃん!大文字ゴウキ!アジアサーキット5位にして、ヴォヤージュのエース!天城スバル!皇帝の愛称で親しまれ、アジアサーキット3位の光定ケンジ!ソードナイトの称号を持ち、アジアサーキット4位の月城ルナ!風の音と共に香港からやってきた、アジアチャンピオン!蒼龍レオン!そして、彼らアジアトップ5を率いるのは、ヴォヤージュ一のプリティ美少女ファイター!大文字ナギサ!チーム名はナギサウィズアザーズ!略して・・・チームNWO!首を洗って待ってなさい!」

 

「か、返り討ちにしてやるぜ!」

 

「どうなっちゃうんだろう・・・?」

 

こうしてカードキャピタルとカードショップヴォヤージュによるショップ対抗戦がカムイたちの意思によって、勝手に開催することとなった。

 

 

カードショップヴォヤージュから出た4人は帰り道を歩いている。その中でカズヤは少し憂鬱な気持ちになっている。

 

「たく、勝手に話進めやがって・・・後からミサキになんて言われるかわかんねぇぞ?」

 

「「す、すみません・・・」」

 

「ま、まぁまぁカズヤさん・・・」

 

「ま、やるとなったからには仕方ねぇ。今は帰ろうぜ」

 

カズヤは諦め、後のことは帰ってから考えることにした。そんな話をしながら歩いていると・・・

 

「おい、そこの青い髪の貴様、止まれ」

 

突然後ろから声をかけられ、4人は立ち止まり、後ろを振り返る。そこには、福原高校の制服を着て、長い金髪で片目が髪で隠れている青年がいた。

 

「青髪ってアイチのことか?」

 

「な、何か用ですか・・・?」

 

「・・・・・・」

 

青年に声をかけても青年は何も答えず、アイチに近づき、ずいっと顔を近づける。

 

「「??」」

 

「お、おい」

 

「な、何か用・・・ですか?」

 

「・・・なるほど、確かにそれなりの波が出ているが・・・所詮俺の敵ではないか・・・。レオンはなぜこのような小者に気にかけるのだろうか・・・」

 

アイチの顔をじーっと見つめる青年はぶつぶつと何かを呟いている。

 

「あ、あの・・・」

 

「・・・もういい。邪魔して悪かったな」

 

「おいちょっと待てよ。なんなんだお前はよ?それに誰だお前?」

 

カズヤの問いに青年はアイチから離れながら答える。

 

「・・・一条キョウヤ。それが俺の名だ」

 

青年、一条キョウヤは名を名乗った後、その場を去っていった。

 

「なんなのあれー?」

 

「いったいなんだったんだ?」

 

「一条・・・キョウヤ・・・」

 

4人はキョウヤの背中を見つめるのだが、アイチとカズヤはキョウヤと一緒にいた時、何やら海の波の音が聞こえたのが気になったのだった。

 

to be continued…




カムイ「まずいことになった!勢いでショップ対抗戦決めちまったけど、アイチお義兄さんたち都合が悪くて出られないんだよ~」

森川「キャピタルには俺がいるだろうが!」

井崎「俺も!」

メグミ「あたしも!」

稲永「僕も!」

ソウジ「俺もいるぜ!」

カムイ「森川、井崎、花崎、稲永、ソウジ・・・!わかった!俺たち6人であいつら蹴散らそうぜ!」

森川「ようし!チーム名はどうする!」

カムイ「6人の頭文字を合わせよう!」

シズク「えっと、6人の頭文字をあわせると、あはいいかも・・・?・・・バカじゃないのかなー☆」

イメージ8「結成!!Q4(クァドリフォリオ)


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結成!!Q4(クァドリフォリオ)

さて、G編で宣言したとおり、reliveでも投稿を開始します!いやー、私がこんなに描くのも少し珍しかったりします。

さて、今回は光定さんこと皇帝が出てきます。

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュの対抗試合をやることになった後の翌日、アイチとカズヤ、エミとカムイはミサキには内緒にいつものメンバーたちにそのことを告げた。

 

「「「「「な・・・何ぃ~~~!!!???」」」」」

 

それにはいつものメンバーたちは大きく驚愕の声を上げる。

 

「「「ヴォヤージュと・・・」」」

 

「「対抗戦をやるだとぉ!!??」」

 

「静かにしな!!」

 

「「す、すみません!!」」

 

「お、落ち着け・・・後から言っといてやっからさ・・・な?」

 

大きな声を上げるメンバーたちを黙らせるミサキ。アイチとカムイは頭を下げ、カズヤはミサキを落ち着かせる。

 

「どういうことだよ?」

 

「いや・・・それが・・・」

 

カムイは対抗試合をやることになった経緯をメンバーたちに説明する。

 

「ヴォヤージュといえば、大文字ゴウキと天城スバルがホームにしてる有名店だろ?」

 

「勝てるわけないよ」

 

「なーに、ビビることはねぇよ。団体戦なんだろ?」

 

「そっか!たとえゴウキやスバルに負けてもチームが勝てばそれでOKだね!」

 

「はぁ~、焦ったぜ・・・」

 

最初は勝てるはずないと思っていた井崎たちだが、団体戦と聞き、希望を見出した。

 

「えーっと・・・」

 

「それが・・・」

 

「・・・ちょっと耳貸せ」

 

アイチとエミとカズヤはミサキに聞こえないようにしながらメンバーたちにチームメンバーを明かす。

 

「「「「「な、何ぃ~~!!??」」」」」

 

「静かに!」

 

それによって再びメンバーたちは驚愕の声を上げる。

 

「蒼龍レオン、光定ケンジに月城ルナも参戦するだと⁉」

 

「アジアトップ5揃い踏みじゃねぇかー!」

 

「もうだめだ・・・おしまいだぁ・・・」

 

「勝てるわけないよ・・・」

 

「天国から地獄に変わった瞬間だな・・・」

 

それぞれののことを口にし終えた5人はミサキに頭を下げて謝罪する。

 

「「「「「お騒がせして失礼しましたーー!!」」」」」

 

「はー、お前ら、ずいぶんめんどくさいことになってるみたいだなぁ」

 

「そうだよねー☆対抗戦とは・・・」

 

そんな時、話を聞いていた三和とシズクが口を挟む。

 

「三和さん・・・?」

 

「日向まで・・・」

 

「な、なんだよ!別にお前らに関係ないだろ⁉」

 

カムイの言葉にシズクは反論する。

 

「あっははは、問題大アリに決まってるじゃーん☆だって、この店の看板を掛けた以上、君らはうちらみたいな常連みんなに大迷惑をかけたんだよ?だいたいこのことがミサッキーの耳に入ってみなよ。確実に出禁されるよ?」

 

4人はそのことをイメージしてみた。

 

『てめーら、出入り禁止だ!!』

 

「やべぇ・・・そんなこと簡単にイメージできちまう・・・」

 

それをイメージしたカズヤは冷や汗をかきながら震えだす。

 

「今のうちに謝っておいた方がいいんじゃない?アイチ」

 

「うん。そうだね」

 

大ごとになる前にミサキやシンに謝っておこうと思った時・・・

 

「いらっしゃいまー・・・せぇえへぇ!!?」

 

今来客してきた人物を見て驚愕の声を上げるシン。いや、驚いているのは周りも同じだ。

 

「げぇ⁉」

 

「あ、あの人は・・・」

 

「皇帝・・・光定ケンジ⁉」

 

「ソードナイト・・・月城ルナ先輩⁉」

 

カードキャピタルに入店してきたのは、アジアサーキット3位の光定ケンジ、そして4位の月城ルナがいたのだった。

 

 

 

イメージ8「結成!!Q4(クァドリフォリオ)

 

 

 

光定ケンジ・・・彼を知るものたちは、畏敬の念を込めてこう呼ぶ。

 

カード界の皇帝・・・。

 

先日のアジアサーキットでは、惜しくも3位にとどまった。彼の目は、早くもその先を見据えていた。

 

『確かにレオン君は強い・・・僕の必殺技は、どれも彼には通用しなかった・・・。けれど・・・僕にはまだ勇気が残っている。この胸に勇気の炎が燃えている限り、僕は戦う!!』

 

カード界の皇帝光定ケンジが、今立ち上がる!!

 

 

「・・・と、今のが皇帝が出ているテレビPV」

 

水色の短髪の女子、月城ルナは店のテレビを指さしてそう言った。

 

「そっか、光定だから音読みにして皇帝なんだ・・・」

 

「皇帝っていうより、その辺の兄ちゃんって感じだけどなー」

 

「で、その皇帝のチームメイトのソードナイトが、あんなのほほんとした女の子、か・・・」

 

「いやいや、ルナっち先輩、ソウきゅんたちと同い年だから☆」

 

「え?マジで?」

 

テレビPVを見て、ミサキ、三和、ソウジは思ったことを口にしている。ちなみソウジはシズクからルナが自分たちと同い年と聞いて驚いている。

 

「いやー、光栄ですよ♪光定君と月城さんがうちに来てくれるなんてー♪あの、サインお願いしてもいいですか?」

 

シンはさりげなく光定にサインを要求している。光定はそれを承諾する。

 

「ゴウキ君、来ていますか?」

 

「ゴウキ君?」

 

「大文字ゴウキ。僕らは彼に呼ばれたんですよ。ショップ同士の対抗戦があるから、お前も来いってね」

 

光定の事情を聞いて、アイチたちはまずいといった表情をしている。事情を知らないシンはミサキに確認のために視線を向ける。当然ミサキも知るはずがない。三和とソウジは苦笑いを浮かべる。

 

「・・・あの、何かの間違いでは?」

 

シンは事情を知らないため、そういった。

 

「「「「ごめんなさい!!」」」」

 

そしてすぐさまにアイチたち4人は頭を下げて謝罪し、ショップ対抗戦を行うことになった経緯をシンとミサキに伝える。

 

「なるほど・・・ヴォヤージュさんとそんな約束をねぇ・・・」

 

事情を知ったシンは納得し、ミサキは非常にあきれた様子になっている。

 

「たく・・・何考えてるんだ」

 

「わりぃ・・・」

 

「いいじゃないですか。僕は賛成ですよ、対抗戦」

 

「シンさん!」

 

気が気でないミサキだが、シンは大歓迎のようで、ショップ対抗戦開催は賛成のようだ。

 

「見てください!光定君と月城さんが来ただけでお客さんがこんなに喜んでいるんです!」

 

シンが指をさした場所では、光定とルナがファンのためにサイン会を開いて、サインを書いている。

 

「そのうえ、さらにゴウキ君やスバル君、レオン君がご来店となれば宣伝効果は抜群!!カードキャピタルに金の雨が降るというわけです!!」

 

「看板取られたら、店開けられなくなるだろうが!!」

 

シンは有名ファイターの来店するということでかなり浮かれているが、ミサキがハリセンでシンを叩き、現実を突きつける。

 

「ていうか、皇帝とソードナイトはなんでサイン会やってんだ?」

 

「いい人すぎる・・・」

 

「面白そうだから」

 

「あっちはマイペースすぎる・・・」

 

「次の人」

 

「「「「はいはいはい!!」」」」

 

なんだかんだ言いながらも、森川のグループは光定とルナのサインを求めている。

 

「あのー・・・ごめんなさい」

 

アイチは光定に近づき、頭を下げて謝罪する。

 

「君は・・・?」

 

「先導アイチといいます。僕たち、対抗戦の約束をしたんですけど・・・実はまだお店の許可を取ってないんです」

 

「おまけにチームのメンバーも揃ってないんだぜ」

 

「来週の対抗戦までに準備万端に整えておくから!」

 

「・・・あ、そうだ!対抗戦って来週だったよね?」

 

「来週?私は今日だって皇帝から聞いたけど?」

 

「え?」

 

エミの発言にルナは首をかしげながら光定に視線を向ける。光定はきょとんとし、自分のメモ帳を開いて日程を確認する。

 

「・・・しまったぁ!!うっかり間違えたぁ!!」

 

「ああ、やっぱり」

 

どうやら光定は日程を間違えてしまったようだ。ルナは納得したような声を出す。

 

「僕としたことが申し訳ない。今日のところは出直すことにするよ」

 

「ちょっと待ちなって、皇帝陛下様☆」

 

光定が店を出ようとした時、シズクがストップをかける。

 

「せっかく来たんだしさ、うちと1回勝負してかない?」

 

「シズクさん?」

 

「シズが皇帝と?」

 

シズクが光定にファイトを申し込んできて、アイチとルナはきょとんとする。

 

「どうせ対抗戦でファイトするんでしょ?アジア第3位の感触を確かめておいて、損はないと思うよ?」

 

「お前勝手に・・・」

 

「それにさ、興味あるんだよね。ルナっち先輩が尊敬できる、皇帝陛下様にさ☆」

 

「あー・・・どうするよ?皇帝さんよ」

 

シズクの物言いにカズヤは納得し、光定に問いかける。

 

「いいよ」

 

「あっさり受けた!」

 

「めちゃくちゃいい人だ!」

 

「それが皇帝のいいところ」

 

光定の了承も得て、テーブルの方ではなく、ファイト台に移動し、ファイトの準備を始める。

 

「君、名前は?」

 

「日向シズクだよん☆」

 

「僕は光定ケンジ。よろしく」

 

光定がファイトすることになり、周りにいた客はファイト台に集まっていく。互いに準備を終えて、ファイトがスタートされる。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「ライド!星を射る弓アルテミス!」

 

「搭乗!次元ロボゴーユーシャ!」

 

星を射る弓アルテミス  PW6000

 

次元ロボゴーユーシャ  PW6000

 

「ロボットだぁ!」

 

「カムイ君の使うユニットと似ているね」

 

「違いますアイチお義兄さん!ノヴァグラップラーは強さを競う格闘軍団!皇帝のクランはディメンジョンポリス!犯罪者を取り締まる正義の勇者なんです!」

 

「うーん、同じに見えちゃう・・・」

 

「本当ですねー!」

 

エミにはノヴァグラップラーのロボットとディメンジョンポリスのロボットはどうも同じに見えるようだ。

 

「同じっていえば、日向の使うあれもミサキのあれとそっくりだな」

 

「全然ちげぇよ。戸倉さんのオラクルシンクタンクは占い師や預言者が所属する巨大企業。日向が使ってるのはジェネシス。預言とかもちろんだけど、警備や戦闘も備わった複合企業なんだよ」

 

「ま・・・戦い方の違いも、すぐにわかるさ」

 

「うちの先攻だね☆ドロー☆ライド!戦巫女ミヒカリヒメ!」

 

戦巫女ミヒカリヒメ  PW8000

 

「アルテミスのスキルで1枚ドロー!ターンエンド☆」

 

R ミヒカリヒメ R

R   R    R  シズクの手札6枚 山札42枚

 

「僕のターン!ドロー!チェンジ!次元ロボダイブレイブ!」

 

次元ロボダイブレイブ  PW8000

 

「ゴーユーシャのスキルで1枚ドロー!来い!次元ロボダイタイガー!」

 

次元ロボダイタイガー  PW8000

 

ダイタイガー ダイブレイブ R

  R      R    R

 

「いくぞ、ダイタイガー!ヴァンガードにアタックだ!」

 

「ノーガードっしょ☆ダメージチェック『猫の魔女クミン』」

 

「ダイブレイブでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『サイバー・タイガー(☆)』」

 

「やるな!ドライブチェック『次元ロボダイブレイブ』」

 

「サンキュー、サイバー・タイガー君☆」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000+SH15000=23000  光定の手札6枚 山札41枚  シズクのダメージ1枚

 

「(へー、これがアジア3位の感触か。確かにゾクゾクするけど、遅れは取らないよ。だって、櫂きゅん先輩やリンリンとやってる方が、100億倍ゾクゾクするしね!)

うちのスタンド&ドロー!ライド!戦巫女シタテルヒメ!戦巫女イヅナヒメと晴天の駿足アキレスをコール!」

 

『前に立つとやけどするよ?』

 

『へっ・・・』

 

戦巫女シタテルヒメ  PW10000

戦巫女イヅナヒメ  PW10000

晴天の駿足アキレス  PW8000

 

「イヅナヒメのスキル!ソウルチャージ『星夜の強弓ウリクセス』

さらにイヅナヒメはパワープラス5000!」

 

アキレス シタテルヒメ イヅナヒメ

 R     R      R

 

「まずはアキレス!ヴァンガードにアタックしちゃいな!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『コマンダーローレル』」

 

「シタテルヒメでヴァンガードにアタック!」

 

「頼むぞ!ダイバトルス!」

 

「ドライブチェック『大鍋の魔女ローリエ(治)』ラッキー☆ヒールトリガーいっただきー☆パワーはイヅナヒメに与えて、うちはダメージ回復っと☆」

 

「へぇ・・・シズもできる。でも皇帝には敵わない」

 

「だったら試してみる?イヅナヒメ、ヴァンガードにドカンと一発、やっちゃって!」

 

『オッケー!ハチの巣になりな!』

 

「ノーガード!ダメージチェック『ダイヤモンド・エース(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」

 

「ターンエンド☆上々っしょ☆」

 

PW8000➡PW8000

PW10000➡PW8000+SH15000=23000

PW25000➡PW8000  シズクの手札4枚 山札38枚  光定のダメージ2枚

 

「ヒールトリガーで2点も差を開かせたぜ!」

 

「やったー!」

 

「優勢だね、シズクさん」

 

「いや、相手は皇帝。油断はできませんよ」

 

「僕のスタンド&ドロー!チェンジ!次元ロボダイドラゴン!」

 

次元ロボダイドラゴン  PW10000

 

「ダイドラゴンのスキル発動!ソウルブラスト『次元ロボゴーユーシャ』ダイドラゴンにパワープラス5000!ダイタイガーを後ろに下げる!さらにダイドラゴン、ダイブレイブをコール!」

 

ダイドラゴン ダイドラゴン R

ダイタイガー ダイブレイブ R

 

「いくぞ!みんな!まずはダイブレイブのブースト、ダイドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『次元ロボダイバトルス(☆)』クリティカルトリガー!パワーはリアガードのダイドラゴンに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「きっつ・・・ダメージチェック『永久の女神イワナガヒメ』『晴天の駿足アキレス』」

 

「ダイブレイブのスキル発動!アタックがヒットした時、ダイブレイブをソウルに入れて1枚ドロー!ダイタイガーのブースト、ダイドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『蛙の魔女メリッサ』」

 

「ターンエンド!」

 

PW23000➡PW10000

PW28000➡PW10000  光定の手札6枚 山札36枚  シズクのダメージ3枚

 

「シズクさん!」

 

「これで光定は2、日向は3だ!」

 

「それでこそ皇帝・・・倒し甲斐があるって感じ?うちのスタンド&ドロー!神の導きのままに、女王はいまここに、降臨する!ライド!神託の女王ヒミコ!!」

 

神託の女王ヒミコ  PW13000

 

「来たぜ!日向の切り札!」

 

「神託の女王ヒミコ・・・」

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『神託の女王ヒミコ』

 

「アキレスは後ろに下げて、戦巫女サホヒメをコール!」

 

戦巫女サホヒメ  PW9000

 

「サホヒメのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『星を射る弓アルテミス』『戦巫女ミヒカリヒメ』2枚ドロー!そして、手札を1枚ソウルへ『戦巫女ククリヒメ(☆)』ソウルに入ったユニットのシールド値をサホヒメに!シールド値は15000だからパワープラス15000!まだまだ!展開してくよー☆ミヒカリヒメと猫の魔女クミンをコール!」

 

猫の魔女クミン  PW8000

 

「ミヒカリヒメのスキルで次のコストはソウルブラストがマイナス3されるよ☆

そして、猫の魔女クミンのスキル!カウンターブラスト!自身をレスト!スタンドしているイヅナヒメを手札に戻す!か~ら~の~、イヅナヒメ、蛙の魔女メリッサをコール!クミンは退却!」

 

蛙の魔女メリッサ  PW7000

 

「イヅナヒメのスキルでソウルチャージ『サイバー・タイガー(☆)』

おまちかね、ヒミコのスキル!ソウルブラスト『星夜の強弓ウリクセス』『戦巫女シタテルヒメ』」

 

「ヒミコの本来のコストはソウルブラスト5枚だけど、さっきのミヒカリヒメの効果で、3枚分が無効になれば、コストも最小限で済む」

 

「さすが戸倉さん!知的!」

 

「ソウルに入ってるクリティカルトリガーを1枚選んで、山札の下に置くことで、ヴァンガードのグレードに応じて、そのトリガーの効果を1回発動できるよ☆」

 

「つまり相手のグレードは2だからトリガー効果がこの場で2回発動できるってわけか!」

 

「さっき山札に戻したのはクリティカルトリガー!って、ことは・・・」

 

「まずは1回目☆パワーはサホヒメに、クリティカルはヴァンガードに!2回目も発動☆こっちの方は効果は全部ヒミコに☆」

 

「くっ・・・!」

 

サホヒメ ヒミコ  イヅナヒメ

アキレス メリッサ ミヒカリヒメ

 

「メリッサのブースト、ヒミコでヴァンガードにアタック!粉々になっちゃいな!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『神託の女王ヒミコ』セカンドチェック『挺身の女神クシナダ(引)』」

 

「ドロートリガー!」

 

「パワーはサホヒメに!1枚ドロー!」

 

ヒミコ(シズク)は指を天に掲げ、光を収束させる。収束させた光をダイドラゴンに向けてビームのように放つ。ビームを食らったダイドラゴンの機体はボロボロになり、ビリビリと電気が走ってる。

 

「くっ・・・ダメージチェック『コスモビーク』『超次元ロボダイユーシャ』『次元ロボダイマリナー』」

 

「すごーい!」

 

「一気にダメージを5まで追いつめたよ!」

 

「あいつ、皇帝を一気に追い詰めたぞ!」

 

「勝てる・・・勝てるぞ!」

 

「どうかな?」

 

「ミサキ?」

 

光定を追いつめてメンバーたちは浮かれた様子だが、ミサキは慎重だ。

 

「ここまではあの子の必勝パターン。だからこそここで攻め切れなかったら危ない」

 

「だな。まだまだ油断はできねぇぜ」

 

「嘘だろ⁉ブーストを合わせてサホヒメのパワーは52000でイヅナヒメは23000だぞ⁉それでもまだわからないっていうのかよ⁉」

 

ミサキと三和の言葉に、カムイは信じられなさそうな声を上げる。

 

「いっちゃいな!ミヒカリヒメのブースト、イヅナヒメでヴァンガードにアタック!」

 

「ダイバトロスでガード!」

 

「ぬぅ・・・アキレスのブースト!頼むよサホヒメ!皇帝気取りの機械人形を壊しちゃって!!」

 

「・・・シズは皇帝を何もわかっちゃいない」

 

「確かに、僕のマシンは傷だらけ、すでに鉄くず同然だ。だが・・・この心には、まだ勇気の炎が燃えている!そして僕には、共に戦う仲間がいる!!ガード!『次元ロボゴーレスキュー(治)』『ジャスティス・コバルト(☆)』『次元ロボダイマリナー』」

 

「合計55000⁉止められた⁉」

 

「見たか!これがディメンジョンポリスの友情パワーだ!!」

 

「さすが皇帝」

 

シズクの大技を見事に止めて見せた光定にルナは尊敬の目で見つめている。

 

「(はは・・・すっげぇ・・・これが皇帝の底力、か・・・。ルナっち先輩が尊敬するのもすっげぇ納得がいく)

ターンエンド!」

 

PW33000➡PW10000

PW23000➡PW10000+SH15000=25000

PW52000➡PW10000+SH45000=55000  シズクの手札4枚 山札29枚  光定のダメージ5枚

 

「僕のスタンド&ドロー!ならば、行くぞ!トランス・ディメンジョン!!『正義の心が炎と燃える!!超次元ロボダイユーシャ!!』」

 

超次元ロボダイユーシャ  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

『おおおお!!』

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『超次元ロボダイユーシャ』

 

「ダイユーシャのパワープラス10000!さらに、ダイブレイブとダイドラゴンをコール!

ダイブレイブのスキル!ソウルブラスト『次元ロボダイブレイブ』ダイユーシャにパワープラス5000!

さらに2体のダイドラゴンのスキル発動!ソウルブラスト『次元ロボダイブレイブ』『次元ロボダイドラゴン』パワープラス10000!」

 

『ブレイブアップ!!!』

 

「ダイユーシャはパワーが35000を超えた時、クリティカルがプラス1!

さらに!ヴァンガードのパワーが35000を超えたことで、ダイドラゴンのパワーはそれぞれ10000!」

 

ダイドラゴン ダイユーシャ ダイドラゴン

ダイタイガー   R    ダイブレイブ

 

「ダイタイガーのブースト!頼むぞ、ダイドラゴン!ヴァンガードにアタックだ!」

 

「くぅ・・・ノーガード!ダメージチェック『戦巫女シタテルヒメ』」

 

「ダイユーシャでヴァンガードにアタック!受けよ・・・正義の鉄槌!」

 

『いくぞ!!「必殺!!ジャスティスソーード!!」』

 

「シズクさん!!」

 

「やべぇぞ!そいつを食らったら・・・」

 

「完全ガード!『挺身の女神クシナダ(引)』」

 

コスト『永久の女神イワナガヒメ』

 

『やらせません!!』

 

『何ぃ⁉』

 

ダイユーシャはジャンプで空を高く飛び、ヒミコ(シズク)に向かって、正義の剣を振るおうとした時、クシナダが現れ、障壁を発生させ、剣を受け止める。

 

「へへん、守りは万全にしとかないとね☆」

 

「さっきのドロートリガー、完全ガードを持ってたのか!」

 

「あいつやるなぁ!」

 

(チャラチャラしてる女だが・・・日向は一応、計算高いんだよな・・・)

 

「まだ勝負はついていない!!」

 

『真の勇者は、最後の最後まで諦めないものだ!!』

 

「な、なんだって⁉」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ダイヤモンド・エース(引)』ドロートリガー!パワーは右のダイドラゴンに!セカンドチェック『次元ロボダイバトロス(☆)』」

 

「うっそマジ⁉ダブルトリガー⁉」

 

「しかもクリティカルトリガー!」

 

「これで決着」

 

「これでダイドラゴンはパワー40000、クリティカル2のスーパーマシンとなった!ダイブレイブのブースト、ダイドラゴン、ヴァンガードにバーニングアタックだ!!」

 

ダイドラゴンは炎を纏い、ヒミコ(シズク)に向かって大突進をしかけた。ダイドラゴンの勢いを止められないヒミコ(シズク)はダイドラゴンの炎に包まれていく。

 

PW28000➡PW13000

PW38000➡PW13000(完全ガード)

PW48000➡PW13000

 

ダメージチェック『挺身の女神クシナダ(引)』『猫の魔女クミン』

 

シズクのダメージ6枚  光定のダメージ5枚  勝者光定

 

「ノートリガー・・・うちの負けだよ・・・」

 

緊迫した感情を抱いていたが、アイチたちは白熱したファイトに笑みを浮かべる。

 

「いやー、強いね皇帝!さすがはアジアトップ3だね☆」

 

「こちらこそ、熱い試合をありがとう」

 

シズクと光定は互いの健闘を称えあって、互いに握手を交わす。すると・・・

 

『おおおおおお!!』

 

熱いファイトに乗ってきたのかギャラリーは大歓声を上げる。

 

「すげぇぞシズクさん!!」

 

「ギャルのくせしてやるじゃん!!」

 

「皇帝相手によくやったぞ!!」

 

「感動したぞー!!」

 

「やー!どーもどーも!ありがとねー!」

 

森川のグループはシズクの実力を認め、健闘をたたえている。シズクは笑みを浮かべながらギャラリーに手を振る。その際にルナと気が合い、首を少しくいくいさせる。

 

「・・・?」

 

呼ばれている合図だとわかったルナはファイト台のところに向かう。ルナが到着し、シズクは光定とルナに耳打ちする。

 

「この店には、もっと鬼強いファイターがいるよ☆」

 

「?誰のこと?」

 

「孤高のファイターと修羅のファイターって知ってる?」

 

「孤高のファイターに修羅のファイター?噂では聞いたことがあったが・・・」

 

「孤高のファイターが櫂トシキ。修羅のファイターが日下部リン。うちの先輩と大親友だよ☆」

 

「櫂トシキ・・・日下部リン・・・」

 

「そうか。来週の対抗戦、楽しみにしてるよ」

 

シズクの情報に光定は笑みを浮かべる。ルナは微小ながら笑みを浮かべる。

 

「最後まで見てくれてありがとう!また会おう!」

 

光定はそう言って、出口とは反対方向に向かっていく。ルナがそれを止める。

 

「皇帝、そっちお手洗い」

 

「!うっかりだぁ!あははは!」

 

最後の最後でなんだか締まりがない光定であった。

 

 

光定が去ったころには、ちょうど夕方になった。用事を済ませ、ショップに入店してきた櫂とリンにこれまでの経緯とショップ対抗戦について話すメンバーたち。

 

「対抗戦?」

 

「そう難しい顔するなよ。アジア3とファイトできる機会なんて、そうそうないぜ?」

 

「それはわかりましたが・・・1つ気になることが。この光定さんのサインにショップの名前がありますが、なぜ名前が違うのです?」

 

「皇帝曰く、うっかりだってさ☆」

 

ショップ対抗戦を聞き、櫂とリンは光定のサインをじっと見つめる。

 

「・・・俺もリンも来週は予定は開けておく」

 

「おっし!」

 

「事の発端であるアイチ君とカムイ君、カズヤ君は責任をもって参加しなさい」

 

「えっ・・・?」

 

「とばっちりかよ・・・ま、いいけどよ」

 

「俺様は、言われなくともそのつもりだったぜ!」

 

事の発端を起こしたアイチ、カズヤ、カムイは参加は決定として、櫂とリンも参加を決意する。

 

「すると・・・」

 

「残る1人は・・・」

 

「どうするの?」

 

あと1人のメンバーはどうするか悩んでいると、森川が名乗りを上げる。

 

「ふっ・・・しょうがねぇなぁ!一肌脱いでやるか!」

 

森川の名乗りにシズクが反論する。

 

「なんで森川きゅんなのさ!!ここはうちが出るしかないっしょ⁉」

 

「さっき負けたばっかだろ!!」

 

「あれはほとんどうちの勝ちだったでしょうが!!あんたの目は節穴ですか~?」

 

醜いいがみ合いが発生する森川とシズク。

 

「うるさい!!喧嘩なら外でしな!!」

 

「「す、すみません・・・」」

 

ミサキの怒声に森川とシズクはすぐにいがみ合いをやめる。

 

「なぁ、ミサキ。お前でよければさ、チームに入ってくれよ」

 

「え・・・?なんで・・・?」

 

「さっきのファイト、お前は冷静にファイトの流れをよんでたじゃねぇか。その分析力は、チームには必要不可欠なんだ」

 

まさかカズヤが自分を誘ってくるとは思わなかったミサキはかなり戸惑っている。

 

「待て・・・私はこの間始めたばかりの初心者だ。とてもじゃないが戦力には・・・」

 

「というわけで!対抗戦のメンバーはこの6人で決まりだね!!」

 

「あたしはまだやるなんて言ってない!!」

 

が、シンが勝手にミサキをチーム入りにさせ、話を進める。

 

「さしあたって、こちら側もチーム名をつけたいんだけど・・・」

 

「人の話を聞け!!」

 

「チーム名か・・・」

 

チームが決まり(?)、今度はチーム名について話し合うことになった。

 

「ヴォヤージュはナギサウィズアザーズ、チームNWOって言ってたわ」

 

「だったら、カムイと愉快な仲間たちってのはどうだ?」

 

「アホなのか?」

 

「1番足引っ張りそうなやつが何言ってんだ」

 

「なんだと⁉」

 

「チーム名・・・阿修羅転生などはどうでしょう?」

 

「漢字ばっかじゃねぇか」

 

「誰もリンリンのネーミングには期待してないって☆」

 

「シズクにだけは言われたくないです」

 

意外に難航しているチーム名にシンが助け舟を出す。

 

「ねぇ、クァドリフォリオっていうのはどうかな?イタリア語で4つ葉のクローバーって意味なんだけど・・・4枚の葉にチームの団結と勝利への願いを込めてね」

 

「かわいい!」

 

「チームクァドリフォリオ・・・長いな」

 

「略して・・・Q4ってところか」

 

「うん!いいんじゃないかな!」

 

「じゃあチームQ4に決定!」

 

シンの案が採用し、チーム名はクァドリフォリオ、略してチームQ4に決定した。

 

「ちょっと!私はまだ入るとは言ってないからね!!」

 

「まぁまぁ、いいじゃないの」

 

こうして、ショップ対抗戦に必要なチームが、ここに誕生した瞬間であった。

 

to be continued…




光定「やあみんな!皇帝こと光定ケンジだ!
ついに動き出したクァドリフォリオの地球侵略計画。
立ち上がれダイユーシャ!奴らの野望を打ち砕くためには、お前の力が必要なんだ!
次回!超次元ロボダイユーシャ!出現!!暗黒四天王!!に、ブレイブ・オン!!」

ミサキ「ちょっと!!てきとうなこと言ってると、出禁にするよ!!」

光定「ごめん!ついうっかり!」

ルナ「うっかりで済むあたり、さすが皇帝」

イメージ9「波の鼓動を響かせる者」


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波の鼓動を響かせる者

いったいいつになったら花粉の時期が過ぎ去るんでしょうね?今は薬で抑えていますが、勘弁してほしいのでさっさと過ぎてほしいです。

さて、今回はサブタイトルの通り、予想できる方は多いと思います。あの人がメインです。

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュの対抗試合が始まるまで後4日と迫ったある日のカードキャピタル、チームQ4のアイチとカズヤ、カムイとミサキはシズクに呼ばれてカウンター席で何かを話し合っている。

 

「カードショップ魁?」

 

「そう☆ミサッキーにとっては、ちょっと酷な話だと思うけどね☆」

 

「そのミサッキーって呼び方、やめろ」

 

「え~?ミサッキーはミサッキーじゃ~ん☆」

 

「諦めろミサキ、言ったって聞きやしねぇよ。で、カードショップ魁がなんだって?」

 

どうもシズクはカードキャピタルとは別のカードショップの話をしていたようだ。

 

「魁っていえば、こことヴォヤージュの中間あたりの大きさの店じゃないっすか。そこがどうしたんすか?」

 

「知っての通りだけどさ、ショップ対抗戦もあと4日に迫ったわけじゃん?それで、ひっじょーにきついことを言うようで申し訳ないんだけどさ、今のアイチきゅんたちじゃ歯が立たないと思うんだよね~☆」

 

「うっ・・・そ、それは・・・」

 

「・・・何も言い返せねぇっす・・・」

 

「直に言われると確かにきついな・・・」

 

先日の光定のファイトの観戦、その前の先日ではカムイはレオンに敗北を喫してそれを実感しているアイチたち。

 

「特にミサッキーはついこの間始めたばっかの初心者だし、実力は始めたころとそのまんまだと思うんだよね~☆」

 

「・・・余計なお世話だっての」

 

「そ・こ・で☆レベルアップするためには、やっぱり強い相手とのファイトと観戦はかかせないと思うんだ~☆ちょうど、話に乗ってくれそうな人、うちに心当たりがあるんだよね~☆」

 

「本当?シズクさん?」

 

「ちょうど今日がその人が来店する日だったはずだし、挨拶ついでに特訓を引き受けてもらおうよ☆実力の方も、折り紙付き☆期待通りを約束するよ~?」

 

シズクが言うには、カードショップ魁に来る強いファイターに特訓を請け負ってもらうようにするということだ。

 

「まぁ、別にいいと思うんだけどね・・・」

 

「「えっ⁉」」

 

「マジか⁉ミサキがそう言うとは意外だな・・・」

 

意外にも賛成を示したミサキにアイチとカムイ、カズヤは驚く。

 

「でも店番はどうするの?シンさんだけに任せるってわけにも・・・」

 

「それなら、店長代理にお願いしますよ」

 

「・・・マジ?」

 

店番を気にしているミサキにシンが今眠っている猫、店長代理を指をさして何気にそう言う。

 

「櫂君とリンちゃんは誘わなくていいの?」

 

「あの2人はすでにアジアトップ5と渡り合える実力を持ってるからいーの☆」

 

「ま、ハッキリ言って、あいつらの実力は化け物だからな」

 

何はともあれ、全ての問題を解決したというわけでさっそくシズクの案内のもと、カードショップ魁に向かうのだった。

 

 

 

イメージ9「波の鼓動を響かせる者」

 

 

 

シズクに案内され、カードショップ魁にたどり着いたアイチとカズヤは店の外見を見て、感服している。

 

「ここがカードショップ魁・・・」

 

「ヴォヤージュほどじゃねぇが、ここもでかいな・・・」

 

「さ、入って入って☆」

 

シズクの念の押しもあって、アイチたちはカードショップ魁の中に入る。まず最初に目に入ったのは、数多くのショーケースだ。ショーケースの中には、ヴァンガードのカードが入っている。

 

「おおお!すっげぇ!いろんなカードが入ってる!」

 

「おいおい、はしゃぎすぎだろ」

 

「ショーケースばっかりね」

 

「1階は販売所で、ファイトスペースは2階、ショップ大会なんかの真剣な時は3階を使ってるよー☆」

 

「へぇ・・・そうなんだ・・・」

 

シズクの解説を聞きながら2階へと上がっていくチームQ4。2階には様々なファイターがテーブル席でファイトを行ったり、デッキを組んだりなどをしている。

 

「わぁ・・・すごい・・・」

 

「ええっとね、店長はね、ほら、いっつも2階のカウンター席でだらだらしてるよー☆」

 

シズクが指さした場所には、カウンター席で眠そうにしている魁の店長がいた。

 

「だらだらって・・・」

 

「まぁ、確かにまじめそうではなさそうだけどさ・・・」

 

「つか、よくあれで店長が務まるよな・・・」

 

魁の店長を見て、カムイ、ミサキ、カズヤはそう口にする。

 

「やっほー、店長☆」

 

「ん?・・・ああ、シズちゃんか。いらっしゃい。で、そこの彼らは友人かい?」

 

「まぁね☆」

 

「どーも初めまして。魁の店長です。どうぞ気楽にごひいきに」

 

魁の店長は態度を変えることなくそう挨拶する。

 

「でさー、マリ先輩って今日来てる?」

 

「もちろんさ。あの人は有言実行の人だからね。今、この先の倉庫にいるよ」

 

店長は後ろの倉庫の扉に向かって、シズクの本命の人物を呼び出す。

 

「マリンお嬢さん!シズちゃんが呼んでますよー!」

 

店長がそう言い終えると、倉庫の扉から、1人の晴海高校生が出てくる。黒髪の短髪で黄色の髪留め、右下の頬にほくろがついた凛とした表情の女子高生だ。女子高生は倉庫の扉を閉め、シズクに近づく。

 

「お久しぶりですわね、日向さん。今日は日下部さんは来ていらっしゃらないのですね」

 

「おっひさ~☆うん。でもその代わりに新しい友達を連れてきたよ☆」

 

「は、初めまして!」

 

アイチは初めて会う女子高生に礼儀正しく一礼した。それに合わせてカズヤたちも軽くお辞儀する。

 

「礼儀正しくてよろしいですわ。私、マリン・ソランベルジュと申します。気軽に、マリ、とお呼びくださいまし」

 

女子高生のフルネーム、マリン・ソランベルジュの名を聞いて、カズヤたちは目を見開く。

 

「ソランベルジュっていえば・・・」

 

「綺場家と烏森家に並ぶ大金持ちじゃねぇか!」

 

「その覚え方、非常に不愉快なのでやめていただけませんか?」

 

「あ、悪い・・・」

 

カズヤのマリンの名前の覚えられ方に機嫌を損ねたマリンはそう言い放つ。カズヤは素直に謝る。

 

「でさー、さっそくなんだけど、特訓してくれない?ここにいるこの4人をさ☆」

 

「いきなりですわね・・・どういうことかご説明お願いできませんか?」

 

「す、すみません!実は・・・」

 

アイチはこれまでの経緯をマリンに説明をする。その説明にマリンは納得する様子になる。

 

「なるほど・・・ヴォヤージュさんとそのような約束を・・・。そういうことでしたら、このマリン・ソランベルジュ、微力ながらも、喜んでお手伝いさせていただきますわ」

 

マリンはにこやかな笑みを浮かべて協力をすると宣言し、アイチたちは表情が明るくなる。

 

「ほ、本当ですか⁉」

 

「ええ。ではさっそくですが、3階に・・・」

 

「このショップで1番強いファイターは誰だ?」

 

マリンがそう言い終える前に、1人の男が言葉を遮った。その言葉にマリンたちだけでなく、周りのファイターたちも視線を向ける。そこには、福原高校の制服を着た、片目を前髪で隠れている男、一条キョウヤがそこにいた。

 

「あ、あいつ・・・あの時の!」

 

「知り合い?」

 

「いえ・・・でも前に少し絡まれまして・・・」

 

「名前は確か、一条キョウヤ・・・だっけか?」

 

チームQ4がそう話している間にキョウヤは魁の店長の前に立つ。

 

「答えろ。このショップで1番強いのは誰だ?」

 

「んー・・・このショップで1番強いのは・・・」

 

店長がそう言い切る前に、1人の男が堂々と名乗りを上げる。

 

「ふっ・・・このショップの最強ファイターは・・・この増田様だああああああ!!」

 

堂々と名乗ったくせ毛が目立った金髪の男、増田カツマサの名乗りに、周りのファイターはブーイングを起こす。

 

「何が最強だこのヘボ増田!!」

 

「そーだそーだ!この店で1番弱いくせに!」

 

「デッキを見直してから言え!!」

 

「つーか寝言は寝て言え!!」

 

「んだとこら!!?」

 

周りのブーイングに増田は憤慨している。キョウヤは増田に近づき、デッキを突き付ける。

 

「貴様が最強かどうかはこれでわかる・・・ファイトだ」

 

「へっ、面白れぇ!この最強ファイターである増田様が相手になってやるぜぇ!」

 

キョウヤのファイトの申し込みに増田は了承し、ファイトのために3階へと向かう。周りのファイターもファイトを見に3階へと向かう。

 

「・・・その前に事態の収拾を治めないといけないので・・・」

 

「あ、はい・・・」

 

「それに、もしあの人が強いファイターであれば、きっとイメージトレーニングに役立つはずですわ」

 

そう言ってマリンは3階へと向かっていく。アイチたちもそれに合わせて3階へ行く。ファイトの方はもう準備ができており、ファイトがスタートされる。

 

「「スタンドアップ・(マイ・)ヴァンガード!!」」

 

「メカ・トレーナー!」

 

「士官候補生エリック」

 

2人はお互いにFV(ファーストヴァンガード)を開く。

 

「俺様の先攻だ!ドロー!」

 

意気揚々とドローをし、増田はふっと笑みを浮かべる。

 

「ふっ・・・手札が最強すぎてライドできないZE☆Gアシストだ!」

 

増田がGアシストで公開したカードには全てグレード3が揃えられていた。

 

「こ・・・これは・・・」

 

「何これ、意味わかんない・・・」

 

アイチたちは唖然としている。シズクも初めて見るのか驚いた表情になっている。

 

「あの人・・・増田さんっていうんですけど・・・あの人はグレード3を中心にさせた偏ったデッキを使っているのです。そのため・・・」

 

マリンが指をさした方向を見てファイトを見るよう催促させる。数分が立ったところで、ファイトの方は・・・

 

「アタック」

 

「ぎゃらっぱああああああ!!??」

 

キョウヤがグレード2の状態、増田はグレード0のままで決着がついた。

 

「この俺様の最強デッキが・・・負けた・・・だと・・・?」

 

「やっぱ増田は増田じゃねぇか!!」

 

「話にならねぇ!!」

 

「このグレード3バカ野郎がぁ!!」

 

「お前の名前、カツマサからマケマサに改名しろーー!!」

 

「バカーーー!!」

 

「ザコ野郎ーーー!!」

 

「そりゃブーイングの嵐が来るよな・・・」

 

増田が信じられないといった表情をしているが、周りは当然と言わんばかりに増田のブーイングを行っている。このカオスな状況にカムイは納得する。

 

「貴様、見掛け倒しだな。波が1つも感じられない。時間の無駄だったな」

 

「何だとお!!?」

 

「やめろ増田!事実だからお前は怒れないぞ!」

 

嘘偽りないキョウヤの言葉に増田は憤慨し、彼の友人たちがそれを止める。

 

「この店で本当に1番強いファイターはいないのか?」

 

キョウヤの言葉に店長が手を上げる。

 

「あー、この店で本当に1番強いのは、そこにいるマリンお嬢さんだよー」

 

「ちょ!店長!」

 

「本当だな?」

 

「マジだよ。俺、嘘つかないおじさんだよ」

 

「そうか・・・なら、貴様、ファイトだ」

 

店長の言葉を聞いてキョウヤはマリンにデッキを突き付ける。マリンは店長に覚えてろと言わんばかりに睨みつけ、キョウヤの前に立つ。

 

「チャンスですよお義兄さん!あの人も言ってたじゃないですか!強い相手ほど、イメージトレーニングに役に立つって!」

 

「あいつのファイトを見れば、何かと立ち回り方くらいはイメージできるようになるかもってことだな」

 

「う、うん・・・」

 

チームQ4はこれから始まるであろうマリンとキョウヤのファイトをしっかりと見守ることにした。

 

「さーて、どんな楽しいファイトがみれるかな☆」

 

「あんた楽しんでない?」

 

妙に楽し気にしているシズクを冷ややかな目で見つめるミサキ。

 

 

一方その頃のカードキャピタル、学校の補修を食らっていた森川のグループと、学校の用事を終えたソウジがアイチたちがいない状況に戸惑ってる。

 

「あれ?アイチ、まだ来てねぇのか?」

 

「まさか、そんなはずねぇだろ?」

 

「でも、ミサキさんも珍しくいないよね?」

 

「マジか⁉ああ~・・・戸倉さんとここで会うのが楽しみだったのに!」

 

「本当にどうしちゃったんだろうね?」

 

森川たちが戸惑っている中、櫂とリンはファイトスペースでファイトを行っている。三和はその見物だ。

 

「あーあ、まさか、他所のショップで特訓だなんてなぁ・・・俺も行けばよかった・・・」

 

三和はそんなことをぼやいている。

 

「・・・波の音が聞こえますね」

 

「ああ」

 

「?」

 

リンの言葉に櫂は同意し、三和は首をかしげている。

 

 

カードショップ魁の3階、ファイト台にデッキを設置し、互いにファイトの準備ができたマリンとキョウヤ。

 

「私はマリン・ソランベルジュと申しますわ。あなたは?」

 

「一条キョウヤ」

 

自己紹介を終え、マリンとキョウヤはFV(ファーストヴァンガード)に手を付け、ファイトを開始させる。

 

「「スタンドアップ・(マイ・)ヴァンガード!!」」

 

「ぐらいむ!」

 

「士官候補生エリック」

 

ぐらいむ  PW6000

 

士官候補生エリック  PW6000

 

「!ロイヤルパラディン・・・」

 

「お義兄さんと同じクランか!」

 

「対する相手は蒼龍レオンと同じアクアフォース・・・」

 

「今更だけどよ、アクアフォースってどんなクランだ?」

 

「7つの海を轟かせた絶対正義の無敵海軍、それがアクアフォースだよ☆指定された攻撃回数で、その効果を発揮するのが、最大の特徴かな☆」

 

「私の先攻です!ドロー!ライド!薔薇の騎士モルガーナ!」

 

薔薇の騎士モルガーナ  PW8000

 

「ぐらいむのスキルで1枚ドローし、ターン終了ですわ」

 

R モルガーナ R

R   R   R  マリンの手札6枚 山札42枚

 

「俺のターンだ。ドロー。ライド。ストームライダーステリオス」

 

ストームライダーステリオス  PW9000

 

「エリックのスキルにより、1枚ドロー。波の兵よ、我が元に来たれ!発光信号のペンギン兵!」

 

発光信号のペンギン兵  PW8000

 

ペンギン兵 ステリオス R

  R     R   R

 

「ステリオスでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードですわ」

 

「ドライブチェック『ストームライダーディアマンティス』」

 

「ダメージチェック『ドリーム・ペインター』」

 

「ペンギン兵でヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード。ダメージチェック『ソウルセイバー・ドラゴン』」

 

「ターンエンド」

 

PW9000➡PW8000

PW8000➡PW9000  キョウヤの手札6枚 山札41枚  マリンの手札2枚

 

「(ここはまだ序盤・・・焦らず・・・自分のファイトをすれば勝てる)

私のターンですわ。ドロー。ライド!ハイドッグブリーダーアカネ!」

 

ハイドッグブリーダーアカネ  PW10000

 

「アカネのスキル!カウンターブラスト!山札からぽーんがるをスペリオルコール!」

 

ぽーんがる  PW8000

 

「ぽーんがるのスキル!同じ縦列にリアガードがいるのであれば、ソウルチャージ『ハイドッグブリーダーアカネ』さらに、雄剣の騎士ルーシャス、ミスリルの召喚術士をコール!」

 

ミスリルの召喚術士  PW9000

雄剣の騎士ルーシャス  PW8000

 

「ミスリルの召喚術士のスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『ハイドッグブリーダーアカネ』山札からグレード2のユニットをコールできますわ!威信の騎士カタラクスをスペリオルコール!」

 

威信の騎士カタラクス  PW9000

 

「す、すげぇ・・・序盤から一気にコールしやがった・・・」

 

「アイチのデッキがブラスター・ブレードを主軸としてるデッキなら、あの人はスペリオルコールを中心とさせたデッキを使いこなす・・・」

 

「ロイヤルパラディンの結束力を集中させた分、攻撃力も高いってことだな」

 

「これが・・・ロイヤルパラディンの結束の力・・・」

 

ミスリル  アカネ  カタラクス

 R   ぽーんがる ルーシャス

 

「さあ、準備はできてますわね?」

 

『『『『ノープロブレム』』』』

 

「ミスリルの召喚術士でヴァンガードをアタック!」

 

「ノーガードだ。ダメージトリガーチェック『ストームライダーバシル』」

 

「次は私自ら参ります!アカネでヴァンガードにアタック!ぽーんがるは援護を!」

 

『イエッサー』

 

「アカネのスキルによって、ハイビーストにブーストされたことにより、パワープラス3000!」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『薔薇の騎士モルガーナ』」

 

「ダメージトリガーチェック『ストームライダーステリオス』」

 

「ルーシャスのブーストをつけ、カタラクス、ヴァンガードにアタックですわ!私の剣!」

 

『カタラクス、いざ参る!!』

 

「ノーガードだ。ダメージトリガーチェック『翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「ターン終了ですわ」

 

PW9000➡PW9000

PW21000➡PW9000

PW17000➡PW9000  マリンの手札5枚 山札36枚  キョウヤのダメージ3枚

 

「これぞマリンさんの十八番ってとこだな!」

 

「ああ。序盤から一気に叩くのも相変わらずだ」

 

「でもグレード3じゃねぇじゃねぇか」

 

「そんなんだからお前は負けるんだよ、増田」

 

マリンの速攻に常連たちは歓声を上げる。

 

「(うむ、こいつは・・・なかなか・・・なら遠慮はいらんな)

俺のスタンド&ドロー。ライド。潮騒の水将アルゴス。ペンギン兵を後列に移動せよ。我が波の兵よ、今ここにティアーナイトテオ、タイダル・アサルトを」

 

タイダル・アサルト  PW9000

ティアーナイトテオ  PW8000

 

「ペンギン兵、そのスキルを発動せよ。自身をレストし、同じ縦列にいるタイダル・アサルトにパワープラス5000」

 

   タイダル    アルゴス R

ペンギン兵(レスト)  テオ  R

 

「タイダル・アサルト、ヴァンガードにアタック。

スキル発動。ソウルブラスト『士官候補生エリック』己をスタンドする」

 

「ミスリルの召喚術士!インターセプト!」

 

「スタンドしたタイダルでカタラクスにアタック」

 

「モルガーナ、私を守りなさい!」

 

『ご武運を、マイヴァンガード』

 

「テオ、貴様の援護のもと、俺と共にヴァンガードを攻撃する!」

 

『イエッサー!』

 

「アルゴスのスキル。カウンターブラスト。ソウルブラスト『ストームライダーステリオス』2回目以降のアタックにより、タイダルをスタンド」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『スーパーソニック・セイラー(☆)』クリティカルトリガー。パワーはタイダルに、クリティカルはヴァンガードに」

 

「ダメージチェック『ミスリルの召喚術士』セカンドチェック『世界樹の巫女エレイン(治)』ヒールトリガー!ダメージを1回復、パワーはカタラクスに!」

 

「えっ・・・?」

 

「なんでヴァンガードじゃなくてリアガードに振ったんだ⁉」

 

「それだけあのユニットを失いたくないわけがあるのか?」

 

「テオ、スキル発動だ。2回目以降のアタックがヒットしたので、タイダルにパワープラス8000。タイダルよ、貴様の3回目のアタックを相手ヴァンガードに与えよ!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『雄剣の騎士ルーシャス』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW14000➡PW10000+SH5000=14000

PW14000➡PW9000+SH10000=19000

PW17000➡PW10000

PW32000➡PW10000  キョウヤの手札5枚 山札36枚  マリンのダメージ4枚(裏1枚)

 

(日本とは、本当にすごい・・・このようなレベルの高いファイターが存在しているのですから・・・しかし、ここで負けるわけにはまいりません!)

 

「ダメージは3対4・・・この場の状況を考えると、あの人はここで決めきれないとかなり危ない」

 

「そうだねー☆相手は連続攻撃を得意としてるアクアフォースだしねー☆」

 

「ならばここで、決めて見せますわ!ライド!集成の騎士フィルノ!!」

 

集成の騎士フィルノ  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『集成の騎士フィルノ』

 

「フィルノにパワープラス10000!

さらに、フィルノのスキル!カウンターブラスト(2)!手札にあるハイドックブリーダーアカネをスペリオルコール!アカネと共にフィルノはパワープラス10000!

アカネのスキル!カウンターブラスト!ぽーんがるをスペリオルコール!

ぽーんがるのスキル!ソウルチャージ『希望の運び手エポナ(☆)』これがトリガーであるならば、パワープラス5000!

ルーシャスのスキル!グレード3のヴァンガードが登場した時、自身をソウルへ!1枚ドロー!手札から、導きの賢者ゼノンをスペリオルコール!」

 

導きの賢者ゼノン  PW8000

 

「ゼノンが手札から登場した時、スキル発動!山札の上から1枚を公開し、それがグレード3であるならば、スタンド状態でライドできますわ!」

 

「連続でグレード3にライドできるだって⁉」

 

「でも、その確率はグレード3の枚数によってそれは確率が低い」

 

「言って見りゃ、賭けってわけか」

 

「・・・チェック『ソウルセイバー・ドラゴン』」

 

『おおおおおおお!!?』

 

「本当に引き当てた⁉」

 

「ほう・・・」

 

「スペリオルライド!ソウルセイバー・ドラゴン!!」

 

ソウルセイバー・ドラゴン  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ハイドッグブリーダーアカネ』

 

「先ほどのゼノンで、ソウルは5枚。よって、ソウルセイバー・ドラゴンのスキル!ソウルブラスト『ぐらいむ』『薔薇の騎士モルガーナ』『ハイドッグブリーダーアカネ』『希望の運び手エポナ(☆)』『集成の騎士フィルノ』6体のユニット全てに、パワープラス15000!」

 

「すごい・・・僕と同じロイヤルパラディンなのに・・・立ち回り方がまるで桁違いだ・・・。これが・・・ロイヤルパラディンの真の結束の力・・・」

 

 アカネ  ソウルセイバー カタラクス

ぽーんがる  ぽーんがる   ゼノン

 

「さあ、我がロイヤルパラディンの騎士たちよ、私に続いてください!」

 

『おおおおお!!』

 

「ゼノンのブースト、カタラクスでヴァンガードにアタック!」

 

「やらせん。虹色秘薬の医療士官よ、2人で俺を守れ」

 

「ならば・・・ぽーんがるのブースト、ソウルセイバーでヴァンガードにアタック!

ソウルセイバーのスキルで、アタック時ソウルチャージ『集成の騎士フィルノ』」

 

「ノーガードだ」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ドリーム・ペインター』セカンドチェック『ふろうがる(☆)』」

 

「クリティカルトリガーだ!」

 

「パワーはアカネに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

ソウルセイバーは光の力を収束させ、その全ての力をアルゴス(キョウヤ)に向けて放った。光の巨大な球を食らった(アルゴス)はダメージを受け、膝を地面につく。

 

「ダメージチェック『タイダル・アサルト』セカンドチェック『翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「すげぇ!しかも、残りのアカネの攻撃はぽーんがるとスキルを合わせれば91000だ!あの手札じゃキョウヤって奴は防ぎきれない!」

 

「どうかな?あいつ・・・まだ余裕そうな顔をしている」

 

「マジかよ・・・あのパワーだぞ⁉防げるっていうのかよ⁉」

 

「ぽーんがるのブースト、アカネでヴァンガードにアタック!このアタックに、全てを賭けますわ!」

 

「・・・絶対正義の無敵艦隊アクアフォースに、敗北の二文字はない!翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス!完全ガード!」

 

コスト『スーパーソニック・セイラー(☆)』

 

「なっ・・・!完全ガード⁉」

 

「本当に止めやがった!!」

 

「俺こそが・・・絶対正義だ」

 

「・・・ターン終了ですわ」

 

PW47000➡PW9000+SH40000=49000

PW61000➡PW9000(+10000)

PW91000➡PW19000(完全ガード)  マリンの手札5枚 山札27枚  キョウヤのダメージ5枚(裏1枚)

 

「しかし、このターンさえ、凌げば、まだ勝機は・・・」

 

「・・・波の鼓動がささやいている・・・ここで仕留めよ、と」

 

キョウヤがそう口にした瞬間、アイチとカズヤの耳に、どういうわけか波の音が聞こえてきた。

 

「・・・なんだ?」

 

「・・・海の・・・波の音・・・?」

 

「ライド!ネイブルゲイザー・ドラゴン!!」

 

ネイブルゲイザー・ドラゴン  PW12000

 

「イマジナリーギフト・アクセル!!」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「宣言してやる。この戦闘の攻撃は・・・7回引き起こされる。コール、ストームライダーディアマンティス、リップタイド・ドラゴン!」

 

ストームライダーディアマンティス  PW12000

リップタイド・ドラゴン  PW12000

 

「こ・・・この布陣は・・・⁉」

 

「ペンギン兵のスキル。自身をレスト。タイダルにパワープラス5000」

 

   タイダル    アルゴス リップタイド ディアマンティス

ペンギン兵(レスト)  テオ    R

 

「1回目。タイダルでヴァンガードにアタック。

スキル発動。ソウルブラスト『潮騒の水将アルゴス』タイダルはスタンド」

 

「アカネでインターセプト!」

 

「2回目。ディアマンティスでヴァンガードにアタック」

 

「カタラクスのインターセプト!

スキル発動!私のダメージが4枚以上であるならば、シールド10000!」

 

「なるほど・・・前のターンでトリガーをカタラクスに振ったのは、これを見越して・・・」

 

「3回目だ。ネイブルゲイザー・ドラゴンでヴァンガードにアタック。

ネイブルゲイザーのスキル発動。カウンターブラスト。3回目以降のアタックゆえに、ディアマンティスをスタンド。パワープラス10000」

 

「ガード!『世界樹の巫女エレイン(治)』『ふろうがる(☆)』」

 

ネイブルゲイザーはソウルセイバーに向けて、エネルギーを溜め切ったハイドロビームガンを放った。そのビームガンを防ごうとエレインとふろうがるが前に立ち、進行を防いだ。

 

「ツインドライブ。ファーストチェック『アウトライド・ドラコキッド(前)』フロントトリガー。効果は前列のユニットに。セカンドチェック『スーパーソニック・セイラー(☆)』クリティカルトリガー。効果は全てディアマンティスに」

 

「ダブルトリガー⁉」

 

「しかも1個はクリティカルだなんて・・・⁉」

 

「4回目。タイダルでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード!ダメージチェック『閃光の盾イゾルデ(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」

 

「5回目。ディアマンティスでヴァンガードにアタック。

ディアマンティスのスキル。カウンターブラスト。手札を1枚捨てる。3回目以降のアタックであれば、パワーマイナス3000する代わりにスタンド」

 

「ガード!『ふろうがる(☆)』『希望の運び手エポナ(☆)』」

 

「6回目。ディアマンティスでヴァンガードにアタック」

 

「ガード!『薔薇の騎士モルガーナ』『ドリーム・ペインター』」

 

「これで7回目だ。リップタイド、ヴァンガードにアタック。

スキルによって、パワープラス20000。さらばだ、結束の騎士たちよ」

 

リップタイドは装備の歯車をフル回転させ、渦潮を発生させる。渦潮はソウルセイバー目掛けて放たれ、ソウルセイバーはその強大な渦潮の中に飲まれていってしまった。

 

PW14000➡PW13000+SH5000=18000

PW22000➡PW13000+SH15000=28000

PW20000➡PW13000+SH35000=48000

PW24000➡PW13000(+10000)

PW42000➡PW23000+SH30000=53000

PW39000➡PW23000+SH20000=43000

PW42000➡PW13000

 

ダメージチェック『集成の騎士フィルノ』

 

マリンのダメージ6枚  キョウヤのダメージ5枚  勝者キョウヤ

 

「私の・・・負けです・・・」

 

「嘘だろ・・・?マリンさんが負けるなんて・・・」

 

「しかも宣言通りの7回攻撃だぞ・・・」

 

「あいついったい何者なんだ・・・?」

 

マリンの敗北に常連客は信じられないといわんばかりにざわついている。チームQ4とシズクはこの白熱したファイトに興奮の色が見える。

 

「・・・感謝する。貴様のような強き波を持つファイターとの戦いは、俺をさらなる高みへといざなう」

 

キョウヤはそれだけを言い残して場を去ろうとする。その際に、チームQ4と鉢合わせ、キョウヤはじっとQ4を見つめる。

 

「な、なんだよ・・・?」

 

「・・・万が一、俺と相まみえたいと本気で願っているのならば、次のアジアサーキットに出場してみろ」

 

「え?そ、それはいったいどういう・・・?」

 

Q4は言っている意味がよく理解できずにいる間、キョウヤはそのまま魁を去っていく。

 

「な、なんだよいったい?」

 

「ますますわけわかんねぇ奴だ」

 

「一条キョウヤさん・・・」

 

「Q4の皆さん」

 

キョウヤが何者なのか考えていると、マリンが話しかけてきた。

 

「特訓を付き合う・・・といいましたが、私も参加させていただきますわ」

 

『えっ⁉』

 

「おー、やる気じゃん☆」

 

「私、負けて黙っていられるほど、大人ではないのです。いつかあの方にリベンジし、そして勝利をもたらす。そのために、お願いできないでしょうか?」

 

マリンの特訓の指導ではなく、参加する側として言ってきたことに驚いていたQ4だったが、断る理由もなかった。

 

「もちろんです!一緒に強くなりましょう!」

 

「ふふ、ありがとうございますわ」

 

了承をもらい、マリンは微笑ましい笑みを浮かべる。

 

「増田、お前も一緒にやったらどうだ?ちっとはマシになるかもよ?」

 

「断る!!なぜ最強の俺様がそんなものに付き合わねばならんのだ!」

 

「お前、この状況でよくそんなことが言えたな」

 

『あははははは!!』

 

そんなこんなで、カードショップ魁のファイターたちと交流を図りながら特訓をすることになったチームQ4であった。

 

to be continued…




マリン「時にアイチさん、あなた妹はいらっしゃいますか?」

アイチ「え?はい、いますけど・・・」

マリン「よいですか?いくら妹がかわいいからと言って、甘やかしすぎはダメですよ?」

アイチ「は、はぁ・・・」

マリン「大体あの子は社長の娘であるということをまるで理解していませんわ。食べ方も未だにスプーンのままですし、箸の持ち方も全然なっていませんわ」

アイチ「あ、あの・・・」

マリン「使ったおもちゃも全然片付けませんし部屋もいつも散らかってばかり。全く誰に似たのでしょうか?間違っても私はあの子みたいにはなりたくありませんわね。何でもかんでもかわいいから許されるなんて特権・・・」

アイチ「も、もう許してあげてくださーーい!!」

イメージ10「波乱!!Q4VSNWO」


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波乱!!Q4VSNWO

新作発表会で出た新章が本当に楽しみですね。

戦略が変わるといえばイマジナリーギフトですね。考え方1つでファイトが有利に進められるのもまたいいですよね。

さらにもう1つ、今日のカード情報でまさかGに出てきたブレードマスターが出てくるとは思いませんでした。というより、予想より早いっていうのが正しいですね。ブレードマスターを使っていた私としてうれしい情報ですけどねw

さて、今回からいよいよショップ対抗戦開始です!

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュの対抗試合はいよいよ今日が本番となった。そしてその対抗試合に出場するアイチはというと・・・

 

「ほら、アイチ!急いで!」

 

「うん!いってきまーす!!」

 

見事に寝坊をしてしまったようでエミと共に一緒にカードキャピタルに急いで向かっている最中だ。

 

「もう、アイチったら~・・・」

 

「ごめんね、エミ」

 

「とにかく、キャピタルまで走るわよ!」

 

「うん!」

 

アイチとエミが走りながらキャピタルに向かっている最中、黒いリムジン車がアイチたちと同じ道を走ってきた。そのまま通り過ぎるのかと思えば、車はアイチたちと並行したスピードに変わっていく。車の窓が開き、今乗っている人物の姿が目に移った。

 

「あっ!君は・・・!」

 

車に乗っていたのは対抗戦にヴォヤージュ側として出場することになったレオンだった。レオンもこれからキャピタルに向かうところなのだろう。目的地が同じなのでアイチとエミはレオンのご厚意に甘え、車に乗ってキャピタルに向かう。

 

「ありがとうございました。遅刻しそうなところ、助かりました」

 

「さっそくアイチがお世話になります・・・」

 

「構わない」

 

「ありがとう」

 

アイチとエミは車の運転手とレオンに車に乗せてくれたことにお礼を述べる。

 

「今日はいいファイトをしようね」

 

「ああ。にしても、大会の日に寝坊とはね・・・」

 

「うぅ・・・昨日はなかなか寝付けなくて・・・」

 

もっともなレオンの指摘にアイチは若干恥ずかしそうにそう口にした。

 

「て、当然でしょ⁉あんな時間まで起きてて・・・ずっとデッキの調整してたんだから」

 

「み、見てたのエミ⁉」

 

「アイチったら、"明日はよろしくね、ブラスター・ブレード"、なーんてカードに話しかけちゃったりするんだから!変なアイチ!」

 

寝坊の原因の指摘、さらにはアイチの独り言をエミに再現され、アイチは驚愕と恥ずかしい気持ちになった。

 

「ふっ・・・なるほど・・・アイチ君。君が相手なら、いい風を感じられそうだ」

 

レオンは自然と笑みを浮かべて、アイチにそう言い放ったのだった。

 

 

 

イメージ10「波乱!!Q4VSNWO」

 

 

 

カードキャピタルでは現在、今まででは考えられないほどの客が来ている。それもこれも、アジアサーキットトップ5のメンバーのファイトを観戦、そして一目会いたいという気持ちがあるからだ。店にはすでにゴウキとスバルがいるために客は内心、いや、今でも興奮しっぱなしである。そんな中で、アイチとエミ、レオンが入店してきた。客はレオンの入店でさらに歓喜の声を上げる。

 

『おおおおお!!』

 

「来た来たぁ!蒼龍レオン!」

 

「こんな間近でアジアサーキットのチャンプが見られるなんて・・・」

 

「さらに大文字ゴウキに天城スバル!」

 

「マジに最強メンバーが揃い踏みだもんな!」

 

「チームNWOの勝ちは決まったも同然ね!」

 

レオン、さらにはゴウキやスバルの人気っぷりにアイチとエミは少しばかり感心している。

 

「アジアサーキットのトップスターが揃うだけあって、すごい盛り上がりですね!」

 

「いやー、告知した甲斐がありましたよー。ミサキちゃんには猛反対されましたけど」

 

アイチとシンがそんな話をしていると、久しぶりにこの店に入店してきたアツシがアイチに声をかける。

 

「アイチさん!エミさん!お久しぶりっす!」

 

「わぁ!久しぶり!」

 

「久しぶり、アツシ君。勉強頑張ってるみたいだね」

 

「はい!頑張って再来年には宮地中学に入学してみせまっす!」

 

なぜあまり店に来れないのかというと、今のアツシの成績では、宮地学園中等部の入学は絶望的に困難なので、猛勉強している最中だからだ。今日は勉強の息抜きとしてきている。

 

「兄貴たちならもう来てますよ!対抗戦、がんばってください!」

 

「うん、ありがとう、アツシ君」

 

「アイチお義兄さーん!エミさーん!」

 

アイチとアツシが話していると、ファイト台のあるスペースにいるカムイが声をかける。カムイだけでなく、チームQ4のメンバーと三和、シズクが勢ぞろいしている。

 

「今日はぶっちぎりで勝ちましょう!」

 

「がんばれよ」

 

「いいファイトに期待するよん☆」

 

「敵と一緒に登場とか、ありえないんだけど」

 

「それぐらい気にすんなっての、ミサキ」

 

チームQ4のメンバーたちはそれぞれに気合が入っている。櫂とリンはいつも通りの雰囲気を出しているが。

 

「あ、あの・・・今日は・・・」

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

「ええ、こちらこそ」

 

アイチが櫂とリンに挨拶をしようとしたことろ、エミに先に言われてしまった。エミの満面な笑顔を櫂とリンに向けられていて、それにたいしてカムイは嫉妬心を抱く。

 

「あ・・・あの・・・今日は・・・エミさんのために・・・俺の勝利を・・・」

 

「皆さん、揃っていますわね」

 

カムイが何かを言い終える前に、言葉を重ねてきた人物がいた。声の方を見ると、そこにはマリンや増田をはじめとしたカードショップ魁のメンバーがいた。

 

「マリンさん!来てくれたんですね!」

 

「ええ。お父様や店長に無理を言って、今日はオフにしてもらいました。キャピタルの皆さんも、ヴォヤージュの皆さんも、がんばってくださいまし」

 

「わざわざ来てくれてありがとう、マリンさん」

 

「いえいえ」

 

ショップに来てくれたことに対し、ミサキは笑みを浮かべてお礼を述べる。どうも特訓の後、マリンとミサキは、互いに親密な関係になったようだ。

 

「安心しろ、チームQ4とやら。この最強ファイター増田様が来たからには、君たちの勝利は確定した!」

 

「何が最強だ!何度も言わせんなザコ増田!」

 

「お前はまずデッキを見直してから言え!」

 

「グレード3ばっか入れるから惨めなんだよてめーは!」

 

「今グレード3をバカにしたか⁉今すぐ表に出やがれ!」

 

増田がしゃしゃり出てきたが、魁の常連たちにダメだしされ、口喧嘩が発生する。その間にエミはマリンに近づいて頭を下げてアイチの特訓のお礼を述べる。

 

「初めまして!先導エミです!兄のアイチがお世話になったようで・・・」

 

「まぁ、礼儀正しいですわね。こちらこそ、充実した日になったので、感謝してますわ」

 

エミの礼儀正しさを見てマリンは心身と丁寧に言葉を交わす。そんな時、カムイが緊張しがちにエミに声をかける。

 

「え、え、エミさん!き、き、今日は、特訓の成果を・・・こ、こ・・・」

 

「任せろ、チームQ4の諸君!」

 

カムイの言葉を再び重ねてきたのは森川だった。その隣には井崎、メグミ、ソウジ、稲永もいる。

 

「アジアサーキットトップ5だかなんだか知らないが、最強の森川様が来たからには、一ひねりだ!!」

 

「おい!どうやってひねるんだよ⁉」

 

「大体あたしらは応援でしょうが!」

 

森川のずれた発言に井崎とメグミがツッコミを入れる。森川の声を聞きつけた増田が森川に突っかかる。

 

「今聞き捨てならんことを言ったな。最強ファイターはこの増田様だ!」

 

「いーや!最強ファイターはこの森川様だ!」

 

「・・・なんていうか、この2人、似たもの同士?」

 

「言えてるな・・・」

 

森川と増田が互いに火花を散らせている様子を、稲永はそう一言呟いた。その呟きに同意するソウジ。

 

「つーかお前ら!応援なんかいらねぇよ!俺にはこのエミさんという勝利の女神がついてるからな!ねー、エミさ・・・」

 

「あ、エミちゃんならゴウキとスバル、ナギサちゃんとこに行ったぞ」

 

カムイがエミに視線を向けようとしたが、そこにはエミがおらず、カズヤの指摘通り、ゴウキたちの方に向かっていた。

 

「今日はアイチがお世話になります!よろしくお願いします!」

 

エミはゴウキたちに礼儀正しくお辞儀をして挨拶をする。

 

「なーに!俺のほうこそ!」

 

「今日はよろしくね」

 

エミがゴウキたちに挨拶しているところにカムイが止めに入る。

 

「エミさん!挨拶なんていいんですよ。女神の微笑は、俺だけのものなんですから」

 

デレデレした様子のカムイと、カムイの一言でナギサは無性に腹立たしい表情をし、カムイに突っかかる。

 

「バッカじゃないの⁉何が女神よ!裏切り者には疫病神がお似合いよ!!」

 

「なんだと⁉」

 

「何よ⁉」

 

カムイとナギサのいがみ合いを仲裁したのはシンだった。

 

「はーい、2人ともそこまでです。決着は、ファイトでつけましょう。ね?」

 

シンの言うことも一理あるのでカムイとナギサは納得し、しぶしぶ引き下がる。何はともあれ、対抗戦開始の時間となったので、ファイト台のスペースに集まるチームQ4とチームNWO。

 

「それでは、ただいまより!チームQ4対NWOのショップ対抗戦を始めまーす!先に4勝したチームが勝利といういたってシンプルなルールですが・・・皇帝さんと月城さんがまだのようですね?」

 

シンの言うとおり、チームNWOにはまだ光定とルナが来ていない。スバルは申し訳なさそうにその理由を話す。

 

「えっと・・・光定さんがいつもの電車の乗り違いで・・・月城先輩が光定さんの捜索を・・・」

 

「まぁ、簡単にいってしまえば、いつものことだが、遅れている。すまん」

 

この大事なショップ対抗戦に光定はドジをやらかし、ルナがそのフォローに回っているようだ。

 

「おい!ずいぶん余裕じゃねぇか!俺たちチームQ4をなめてかかると痛い目を見るぜ!最初は俺様だ!流れを一気に引き寄せてやるぜ!」

 

「なら、裏切り者を始末するのは私よ。かかってらっしゃい」

 

ショップ対抗戦の先鋒はカムイとナギサに決まった。互いにファイトの準備を終えて、ファイトを開始させる。

 

「いくぞ!」

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「俺様ライド!バトルライザー!」

 

「案内するゾンビ!」

 

カムイとナギサは互いにFV(ファーストヴァンガード)にライドする。

 

「グランブルー!ゴウキとスバルのデッキと同じってわけか!」

 

「おい、勝つ気あんのかよ?こんな小学生だしてきてよ」

 

「まったくだ」

 

変なところで気が合う森川と増田。その間にファイトは進んでいく。

 

「ルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「いいぞぉ!ナギサ!!」

 

ナギサとカムイのファイトにゴウキはナギサを応援をしている。

 

「ナギサちゃんはこの日のために僕と一緒に猛特訓を重ねたんだよ。辛く・・・そして厳しいゴウキさんの特訓に、ナギサちゃんは見事に耐え抜いたんだ」

 

ナギサの強さの秘密をスバルが日々の特訓を感慨深く語っている。

 

「そこだナギサ!やっちまえ!」

 

「裏切り者はさっさと、やられちゃいなさい!!」

 

ナギサの不死竜スカルドラゴンの攻撃をカムイはノーガード。これによってカムイのダメージは5となった。

 

「まさか、ナギサの奴がここまで強くなってるとは!いや・・・こいつはゴウキの妹・・・弱いわけねえ!けど・・・!」

 

カムイは負けじと反撃の準備を行う。

 

「来い!バーストライザー!アシュラ・カイザー!」

 

前列に4体のユニットが揃い、攻撃態勢に入るカムイ。

 

「いくぜ!」

 

「させないんだから!裏切り者の・・・あんたなんかに!!」

 

カムイのリアガードの猛攻をナギサは次々と防いでいく。

 

「イマジナリーギフトでのったパワーを防ぎやがった!」

 

「そうだナギサ!」

 

「どう?裏切り者のカムイ。これが私の実力よ」

 

「ふっ・・・確かにすげぇよ。でも・・・でも!俺は諦めねぇ!諦めねぇぞ!ヴァンガードでアタック!スキル発動!さあ立て!俺のアシュラ・カイザーたち!」

 

『『イエス・マイヴァンガード!!』』

 

パーフェクトライザーのスキルで2体のアシュラ・カイザーはスタンドされる。

 

「リアガードのスタンドによる波状攻撃・・・ノヴァグラップラーの真骨頂だな」

 

「おー、さすが三和っち先輩。同じクランだからよくわかってるー☆」

 

三和の解説にシズクは感心する。ちなみに三和のデッキはカムイとは違うノヴァグラップラーを使っている。

 

「さらにバーストライザーのスキル!スタンドし、パワープラス3000!」

 

「ノーガードよ」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック!セカンドチェック!ゲット、フロントトリガー!前列のユニットにパワープラス10000だぜ!」

 

パーフェクトライザーの攻撃によって、ナギサのダメージは6となり、カムイの勝利となった。

 

「勝者、チームQ4、葛木カムイ君!」

 

『おおおお!』

 

「しゃあ!!」

 

カムイが勝ったことにより、観客は歓声を上げ、カムイはガッツポーズを上げる。

 

「やったね、カムイ君!」

 

「ナイスファイトだぜ!」

 

「おー!!」

 

「まずは1勝か」

 

幸先がいい出だしにアイチ、カズヤ、ミサキは笑みを浮かべる。すると・・・

 

「あーーん!!お兄ちゃーーん!!」

 

「いいぃ!!?」

 

カムイに負けたことが悔しかったのかナギサは声を出して泣き出した。ゴウキとスバルはすぐにナギサに駆け付ける。

 

「おおお!!ナギサーー!!よくやったぞ!!いいファイトだった!!よしよし・・・」

 

「よく頑張ったよ、ナギサちゃん!うん、カムイ君が悪い、カムイ君が悪いね」

 

「なんでだよ!!?俺は正々堂々勝ったんだぜ⁉俺ってすげー!!」

 

泣いているナギサを慰めるゴウキと、こうなった原因をカムイに押し付けるスバル。そんな状況にカムイはツッコミを入れる。

 

「見てくれましたか、エミさん!!」

 

カムイはエミに向かってかっこよく決めたつもりだったが・・・

 

「何があっても、女の子泣かせるなんてサイテー!!」

 

「ええ⁉」

 

ナギサを泣かせたことにたいしてエミはカムイに辛らつな言葉を放った。

 

「え、エミさ~~~ん!!」

 

「ごめんね、カムイ君がひどいことして。大丈夫?」

 

「うん・・・ありがと・・・しかっといてね・・・」

 

「エミさ~~~~ん!!」

 

ゴウキたちから悪者扱いされたり、好きな女の子に軽蔑されたりで踏んだり蹴ったりなカムイである。

 

「それでは、次のファイトいいですか?次鋒、前に!」

 

「貴様!!かわいい妹を泣かせた罪、その身をもって償え!!」

 

「て、次は俺じゃねぇよ!」

 

次鋒に出るゴウキはそのままカムイとファイトしようとしたが、ルールを覚えているカムイがそう言い放った。

 

「ゴウキさん!ファイトです!」

 

「お兄ちゃん、がんばって!」

 

「おう!こんな無名店のファイターなんざ、誰が来ようと、俺が蹴散らしてやるぜ!!」

 

「無名店・・・?」

 

ゴウキの言葉に怒りを示したミサキが前に出る。

 

「私がやる!!」

 

「おいおい、店員が相手かよ。いくら無名店だからって、店番は大丈夫なのか?」

 

「ご覧の通りよ!!」

 

カウンター席には店長代理がおり、代わりに店番をやるようだ。

 

「覚悟はいいかい?」

 

「かかってきな」

 

互いにファイトの準備を済ませて、いつでもファイトできるようになり、ショップ対抗戦2戦目が開始される。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「ロゼンジ・メイガス!」

 

「案内するゾンビ!」

 

ロゼンジ・メイガス  PW6000

 

案内するゾンビ  PW6000

 

「俺の先攻だ!ドロー!ライド!伊達男ロマリオ!」

 

伊達男ロマリオ  PW8000

 

「案内するゾンビのスキルで1枚ドロー!ターンエンドだ!」

 

R ロマリオ R

R  R   R  ゴウキの手札6枚 山札42枚

 

「私のターン!ドロー!ライド!サークル・メイガス!」

 

サークル・メイガス  PW8000

 

「ロゼンジのスキルで1枚ドロー!おいで、オラクルガーディアンジェミニ!」

 

オラクルガーディアンジェミニ  PW8000

 

ジェミニ サークル R

 R    R   R

 

「覚悟しな!ジェミニでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ!ダメージチェック『イービル・シェイド』」

 

「まだまだ!サークルでヴァンガードにアタック!レジスト・フォーリサイト!!」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『サイレント・トム』」

 

「ダメージチェック『ダンシング・カットラス』」

 

「ターンエンド!」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000  ミサキの手札6枚 山札41枚  ゴウキのダメージ2枚

 

「やるな。だが!ライド!ルイン・シェイド!」

 

ルイン・シェイド  PW9000

 

「ライドされたロマリオのスキル!カウンターブラスト!手札を1枚ソウルへ!『ダンシング・カットラス』山札から3枚ドロップゾーンに送り、ドロップゾーンからイービル・シェイドを手札に!」

 

ドロップゾーンに置かれたカード『イービル・シェイド』『伊達男ロマリオ』『不死竜スカルドラゴン』

 

「コール!イービル・シェイド、キャプテン・ナイトミスト、大幹部ブルーブラッド!」

 

キャプテン・ナイトミスト  PW9000

大幹部ブルーブラッド  PW9000

イービル・シェイド  PW8000

 

「いくぜ野郎共!!」

 

「展開して来やがった!」

 

「おおっと、まだまだ!

キャプテン・ナイトミストのスキル!カウンターブラスト!ドロップゾーンより、グレード1以下であるロマリオをスペリオルコール!生を渇望せしさまよう死者よ・・・我が元に来たれぃ!」

 

『イエッサー、マイヴァンガード・・・』

 

「ドロップゾーンからのスペリオルコールで盤面を整えやがった!」

 

「あれがグランブルー特徴・・・不死の海賊団といわれる由来だよ」

 

ブルーブラッド ルイン ナイトミスト

 イービル    R   ロマリオ

 

「まずは、ロマリオのブースト、ナイトミストでヴァンガードにアタック!」

 

「来て!サイキック・バード!」

 

「いよーし!がんがんいくぜぇ!!ルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

ルイン・シェイドのスキルで山札の上から2枚ドロップゾーンへ!『キャプテン・ナイトミスト』『不死竜スカルドラゴン』これでパワープラス4000!」

 

「ノーガード!」

 

「いよっしゃあ!ドライブチェック『モータル・ミミック(☆)』クリティカルトリガー!パワーはブルーブラッドに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ダメージチェック『ラック・バード』『CEOアマテラス』」

 

「続けブルーブラッド!イービル・シェイドのブースト、ヴァンガードにアタック!」

 

『ノープロブレム、マイヴァンガード!』

 

「ノーガード!ダメージチェック『洞見の女神ソトオリヒメ』」

 

「アタックヒット時、ブルーブラッドのスキル!自身を退却して、2枚ドロー!手札を1枚選んで、ドロップゾーンに!ターンエンドだ!」

 

PW17000➡PW8000+SH15000=23000

PW13000➡PW8000

PW27000➡PW8000  ゴウキの手札5枚 山札31枚  ミサキのダメージ3枚

 

「やべぇ!一気に3ダメージを持っていきやがった!」

 

「ああ。半端なくつえぇな・・・」

 

「へっ!どうだ!」

 

「私のターン!スタンド&ドロー!ライド!プロミス・ドーター!」

 

プロミス・ドーター  PW9000

 

「来い!!」

 

「サークル・メイガスのスキル!ライドされた時、カウンターブラスト!1枚ドロー!ジェミニを移動!サイレント・トムをコール!」

 

サイレント・トム  PW9000

 

「サイレント・トムのスキル!カウンターブラスト!パワープラス6000!」

 

 トム  プロミス R

ジェミニ  R   R

 

『俺に任せな、マイヴァンガード!』

 

「いえ、まずは私から!プロミス・ドーターでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『オラクルガーディアンジェミニ』」

 

「ダメージチェック『伊達男ロマリオ』」

 

「今よ、サイレント・トム!ジェミニのブースト、ヴァンガードにアタック!」

 

『イエス!待ちかねたぜ!』

 

「サイレント・トムのスキル!このユニットはノーマルユニットではガードできない!」

 

「ふっ、やるな。だったら、トリガーユニット!お前の出番だぜ、モータル・ミミック!」

 

『アイアイサー・・・』

 

「くっ・・・ターンエンド!」

 

PW9000➡PW9000

PW23000➡PW9000+SH15000=24000  ミサキの手札6枚 山札35枚  ゴウキのダメージ3枚(裏2枚)

 

「ああ!惜しい!もうちょいで逆転できたのによぉ!」

 

「本当、惜しかったですね、アイチお義兄さん」

 

「うん。でもすごいよ。あのゴウキさんを相手にここまで・・・」

 

「さすがはゴウキさんです!」

 

「お兄ちゃんいっけーー!!」

 

「任せろナギサ!俺のスタンド&ドロー!ライド!不死竜スカルドラゴン!!」

 

不死竜スカルドラゴン  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「よぉく見ておけよ、スバル!海賊の底力を!」

 

「はい!」

 

「スカルドラゴンのスキル!ドロップゾーンのカード1枚につき、自身のパワープラス2000!6枚で、パワープラス12000!ルイン・シェイドをコール!」

 

ルイン  スカルドラゴン ナイトミスト

イービル    R     ロマリオ

 

「いくぜ野郎共!!」

 

『『『『おお!!!』』』』

 

「ぜってー防げよ、ミサキ!」

 

「いくぜナイトミスト!ロマリオのブースト、ヴァンガードにアタック!」

 

「お願い!ラック・バード!」

 

「やるな!ならば俺が!スカルドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『不死竜スカルドラゴン』セカンドチェック『伊達男ロマリオ』」

 

スカルドラゴンは口から死者特有の瘴気のブレスをプロミス(ミサキ)に向かって放った。ブレスをくらったプロミス(ミサキ)はダメージを受けながらも、そのブレスを払いのける。

 

「ダメージチェック『オラクルガーディアンニケ(☆)』クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードへ!」

 

「やりましたね、戸倉さん!ここでのダメージトリガーは大きいです!」

 

「あめぇよ。イービル・シェイドのブースト、ルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

スキル発動!山札の上2枚をドロップゾーンに!『魔の海域の王バスカーク』『お化けのちゃっぴー』」

 

「その手ならもう知っている!ガード!『ラック・バード』」

 

「ターンエンド!」

 

PW17000➡PW9000+SH15000=24000

PW24000➡PW9000(+10000)

PW21000➡PW19000+SH10000=29000  ゴウキの手札6枚 山札25枚  ミサキのダメージ4枚(裏2枚)

 

「おおお、すげぇ!守り切ったぜ!」

 

「うん。カムイ君のおかげだよ」

 

「え?俺のおかげ・・・ですか?」

 

アイチの言葉にカムイは自分のおかげといわれてもピンとこなかったが、カズヤがすぐに気づく。

 

「そうか。さっきのカムイとナギサちゃんのファイトでミサキの奴、グランブルーの特性を分析してたわけだな」

 

「はい」

 

「ああ!」

 

カズヤの説明にアイチは肯定し、カムイも今気が付く。

 

「対策ができてりゃ、勝率は格段に上がる。ファイターたるもの、まず相手のクランを知れってね」

 

「私のスタンド&ドロー!ライド!インペリアル・ドーター!!」

 

インペリアル・ドーター  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「インペリアル・ドーターのスキル!カウンターブラスト!山札の上から2枚見て、1枚を手札へ!もう1枚は山札の上かソウルへ入れる。私は、山札へ」

 

「てことはトリガーか!うまく戦略を立てやがったな。無名店のファイターにしとくにはもったいないぞ」

 

「!無名無名言いやがって・・・るっせーんだよ!!コール!オラクルガーディアンジェミニ、サークル・メイガス2体!

インペリアル・ドーターのスキル!ソウルブラスト『サークル・メイガス』右のサークル・メイガスにパワープラス6000!さあいくよ!」

 

『『『『『おーー!!』』』』』

 

 トム  インペリアル サークル

ジェミニ  サークル  ジェミニ

 

「ジェミニのブーストサークル・メイガスでヴァンガードにアタック!」

 

「よし!右のサークル・メイガスはインペリアルでパワーが上がってる!いけるぞミサキ!」

 

「ああ!ヴォヤージュだかなんだか知らないけど・・・」

 

『レジスト・フォーリサイト!!』

 

「ガード!『イービル・シェイド』さらに、インターセプト!『キャプテン・ナイトミスト』」

 

「こいつには、負けられない!!サークル・メイガスのブースト、インペリアル・ドーターでヴァンガードにアタック!」

 

「へっ!トリガーくらいもらってやらあ!ノーガードだ!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『オラクルガーディアンニケ(☆)』クリティカルトリガー!パワーはサイレント・トムへ、クリティカルはヴァンガードへ!セカンドチェック『CEOアマテラス』」

 

インペリアル(ミサキ)は光の魔力を両手に収束させ、スカルドラゴンに接近してそのまま解き放つ。スカルドラゴンは苦し気な咆哮を放つ。

 

「ぐあ!まだまだ!ダメージチェック『お化けのちゃっぴー』セカンドチェック『大幹部ブルーブラッド』」

 

「いいえ!これで終わりよ!ジェミニのブースト、サイレント・トムでヴァンガードにアタック!」

 

「ゴウキさん!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「譲らねぇ・・・いや!譲れねぇ!!完全ガード!突風のジン、全てを吹き飛ばせぇ!!」

 

コスト『不死竜スカルドラゴン』

 

「くっ・・・ターンエンド!」

 

PW22000➡PW12000+SH15000=27000

PW19000➡PW12000

PW27000➡PW12000(完全ガード)  ミサキの手札5枚 山札30枚  ゴウキのダメージ5枚(裏2枚)

 

「いよっしゃあ!!守ったぜ、ナギサ!スバル!」

 

「うん!!」

 

「すごいです!さすがゴウキさん!!」

 

「くっ・・・届かなかった・・・」

 

「しかし、あんたすげぇよ」

 

「!」

 

「すげぇが、俺も兄として、あいつの憧れとして、守らなきゃならねぇもんがある!!悪いが勝たせてもらうぜ!!ライド!魔の海域の王バスカーク!!」

 

魔の海域の王バスカーク  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「魔の海域の王バスカークのスキル!ドロップゾーンは10枚以上。よって、パワープラス5000!クリティカルプラス1!ドロップゾーンにカードがあればあるほど強くなる!これがグランブルーよ!!」

 

「くっ・・・!」

 

「来やがれロマリオ!」

 

『アイアイサー・・・』

 

「ロマリオはスキルでパワープラス4000!もう1体のロマリオも同様だ!

さらに、魔の海域の王バスカークのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『不死竜スカルドラゴン』ルイン・シェイドは退却!ドロップゾーンからスカルドラゴンをスペリオルコール!

イービル・シェイドのスキル!カウンターブラスト!ドロップゾーンのスカルドラゴンをバインド!ドロップゾーンから、バインドされたスカルドラゴンと、別のスカルドラゴンをスペリオルコール!」

 

「くっ!スカルドラゴンが2体・・・!」

 

「ドロップゾーンのカードは11枚。よって、2体のスカルドラゴンはパワープラス22000!さあ、行くぜ野郎共・・・この生き残りをかけた戦い・・・準備はできているんだろうなぁ!!」

 

『『『おおお!!!』』』

 

『『グオオオオオ!!』』

 

スカルドラゴン バスカーク スカルドラゴン

 イービル   ロマリオ   ロマリオ

 

「負けるわけにはいかねぇ!俺が負けたら、ナギサが悲しむ!!そんなこと絶対に、あっちゃならねぇんだ!兄の、誇りに賭けて!勝つ!!ロマリオのブースト、バスカークでヴァンガードにアタック!」

 

「防ぐ!!絶対に防ぐ!!手札より、プロテクトで完全ガード!!」

 

コスト『CEOアマテラス』

 

バスカークは海賊船から離れず、己の持つ鞭でインペリアル(ミサキ)に振るったが、インペリアル(ミサキ)はイマジナリーギフトの障壁を張り、その鞭をはじき返した。

 

「面白れぇ・・・ツインドライブ!ファーストチェック『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガー!効果は全て右のスカルドラゴンへ!セカンドチェック『モータル・ミミック(☆)』クリティカルトリガー!効果は全て左のスカルドラゴンに!」

 

「やったぁ!ダブルクリティカルだ!」

 

「くっ・・・両方は・・・防げない・・・」

 

「いけぇ!スカルドラゴン!!イービル・シェイドのブーストでヴァンガードにアタック!」

 

スカルドラゴンはインペリアル(ミサキ)に瘴気のブレスを放った。瘴気のブレスはインペリアル(ミサキ)の生命力を奪い取り、インペリアル(ミサキ)は生命力が尽き、倒れてしまう。

 

PW29000➡PW12000(完全ガード)

PW44000➡PW12000

 

ダメージチェック『インペリアル・ドーター』『サイレント・トム』

 

ミサキのダメージ6枚  ゴウキのダメージ5枚  勝者ゴウキ

 

「勝者!チームNWO、大文字ゴウキ君!」

 

『おおおおお!!』

 

「勝った!ゴウキさんが勝った!!」

 

「わあ!さっすがお兄ちゃん!!」

 

ゴウキが勝利したことで、観客は歓声を上げ、スバルとナギサは互いにハイタッチして喜び合う。

 

「だが、わからねぇな。どうしてあんたみてぇな強いファイターが、こんな無名店に・・・」

 

「・・・っ!」

 

ゴウキの無名店に反応して、ミサキはゴウキを睨みつける。

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃんが無名無名っていうから、ミサキさん怒ってるんだよ!」

 

「ええ⁉そ、そうなのか⁉」

 

「ゴウキさん、僕前に言いましたよ・・・無名店はバカにしてるって」

 

「そ、そういえば・・・!」

 

ようやくミサキが怒っている理由が自分にあると気づき、ミサキに謝罪する。

 

「わりぃ!だったら本当にすまん!俺、無名無名言って・・・!こんな無名店の店員だが・・・」

 

「・・・・・・」ギロ

 

「・・・強かったぜ、お前のヴァンガード」

 

指摘がありながらも無名店と言ってしまうゴウキだが、本気でミサキを同等のファイターと認めている。ゴウキのその最後の気持ちに、これまでの失言は水に流し、敬意を表するミサキ。

 

「・・・あんたもね」

 

パチパチパチパチ

 

互いに認め合い、白熱したファイトに観客も、チームQ4も拍手を送る。

 

「ごめん」

 

「大丈夫ですって!まだ1対1!」

 

「いいファイトでしたね、ミサキさん!」

 

「・・・ありがとう」

 

戻ってきたミサキにアイチとカムイは労いの言葉をかける。

 

「ナイスファイト」

 

「ええ」

 

カズヤはミサキに近づき、ハイタッチの構えを見せる。意図を理解したミサキはカズヤとハイタッチする。

 

「後は任せろ。仇は取ってやるぜ」

 

そう言ってカズヤはファイト台の前まで移動していく。

 

「よし、次は僕だ!このままゴウキさんの流れに続くぞ!」

 

「よく言った!それでこそ漢だぜ、スバル!」

 

「スバル君、がんばって!」

 

「うん。ゴウキさん、ナギサちゃん、僕に任せてください!」

 

ショップ対抗戦の第3回戦に挑むのは、チームQ4からはカズヤが、チームNWOからはスバルが出場することとなった。

 

to be continued…




ゴウキ「我が妹よ、いいファイトだったぞ!特訓の成果がばっちり出ていたな!」

ナギサ「でも、負けは負け。私の手で裏切り者を始末するはずだったのにー!!」

ゴウキ「ナギサよ、ヴァンガードは大海原のごとく広い!帰ったら俺の特別メニューで猛特訓だ!!」

ナギサ「特別メニュー!!?」

ゴウキ「トロピカルパフェにプリンアラモード、さらにナギサをイメージして作ったスペシャルナギサンデー!肩もみ付きの、豪華スペシャル仕様!!」

ナギサ「ナギサ、がんばるー!」

スバル「ゴウキさん・・・ナギサちゃんを甘やかせすぎです・・・。はぁ・・・ナギサちゃん、甘いものは、ほどほどに、ね?」

イメージ11「漢と漢の対決!!」


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漢と漢の対決!!

令和始まっての初めての投稿は、reliveです!

それはそうと、大ヴァンガ祭どうでしたか?私は仕事があっていけませんでした・・・(泣)これはもう7月のBCFに行くしかない!

さて、今回はオリジナル回、カズヤ君VSスバル君。勝負の行方は!

それではどうぞ!


ついに始まった店の看板を掛けたカードキャピタルとカードショップヴォヤージュのショップ対抗戦。まず先手に出たのはチームQ4からはカムイ、チームNWOのナギサ。ファイトの結果はカムイのノヴァグラップラーの特徴であるスタンド戦法でカムイが勝利を納めた。続いての次鋒戦はチームQ4からはミサキが出て、チームNWOからはアジアサーキット準優勝のゴウキ。勝負はミサキのオラクルシンクタンクの能力をフルに活用してゴウキを追いつめるが、攻撃を防がれ、ゴウキのグランブルーの特徴を活かした戦法でミサキを打ち破り、ゴウキの勝利だ。これで1勝1敗の結果となり、互いにイーブンになった。続く中盤戦に出てきたのは、チームQ4からはカズヤが出て、チームNWOからアジアサーキット第5位の結果を持つ天城スバルが出てきた。

 

「あの、先の試合はすみませんでした。ゴウキさんが無名無名って失礼なことを・・・」

 

「うぐっ・・・」

 

スバルはカズヤに向かって一礼して謝罪する。失礼な発言を自覚したゴウキは少し申し訳なさそうな顔になっている。

 

「ああ、別にいいさ。他所からすればそうかもしれねぇし、ミサキが大人げねぇだけだしさ」

 

「大人げなくて悪かったな!!」

 

カズヤの発言にミサキはカズヤに向かって怒鳴った。

 

「ですが、それとこれとは話は別の話です。男として勝負を譲る気はさらさらありません」

 

「当たり前だ。手を抜いて負けやがったら承知しねぇぞ」

 

互いにファイトの準備を終えたカズヤとスバルはいつでもファイトできる体制になり、後はシンの合図を待つだけだ。

 

「それでは!試合開始!」

 

シンの合図によってファイトが開始された。

 

 

 

イメージ11「漢と漢の対決!!」

 

 

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「プライモディアル・ドラコキッド!」

 

「案内するゾンビ!」

 

プライモディアル・ドラコキッド  PW6000

 

案内するゾンビ  PW6000

 

「ほう、ギアクロニクルか。珍しいクランを使ってるじゃねぇか」

 

「うちでも使ってるメンバーは少ないしね」

 

ヴォヤージュでもギアクロニクルを使うメンバーは少ないらしく、珍しがっているゴウキとナギサ。

 

「だが、いくら珍しいからって、スバルはそんなことでビクともしないぜ」

 

「俺の先攻だぜ!ドロー!ライド!ウェッジムーブ・ドラゴン!」

 

ウェッジムーブ・ドラゴン  PW8000

 

「プライモディアルのスキルで1枚ドロー!ターンエンドだぜ!」

 

R ウェッジムーブ R

R    R    R  カズヤの手札6枚 山札42枚

 

「僕のターンです!ドロー!ライド!伊達男ロマリオ!」

 

伊達男ロマリオ  PW8000

 

「案内するゾンビのスキルで1枚ドロー!コール!悲痛なる銃弾ナイトゲベール!」

 

悲痛なる銃弾ナイトゲベール  PW8000

 

「ナイトゲベールのスキル発動!山札の上1枚をドロップゾーンに『不死竜スカルドラゴン』」

 

ナイトゲベール ロマリオ R

   R     R   R

 

「ナイトゲベールでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ!ダメージチェック『スチームスカラーカライン』」

 

「ロマリオでヴァンガードにアタック!」

 

「ドライブチェック『お化けののーまん』」

 

「ダメージチェック『ウェッジムーブ・ドラゴン』」

 

「ターンエンドです!」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000  スバルの手札6枚 山札41枚  カズヤのダメージ1枚

 

「俺のターンだ!スタンド&ドロー!ライド!ロストブレイク・ドラゴン!」

 

ロストブレイク・ドラゴン  PW10000

 

「ロストブレイク・ドラゴンのスキル!自分の手札を1枚選んで、バインドゾーンに!」

 

バインドしたカード『ガンギルード・ドラゴン』

 

「バインドしたんで1枚ドロー!コール!スチームメカニックナブー、スチームスカラーカライン!」

 

スチームメカニックナブー  PW10000

スチームスカラーカライン  PW8000

 

ナブー  ロストブレイク R

カライン    R    R

 

「行くぜ中坊!ロストブレイクでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードです!」

 

「ドライブチェック『ミッシングクランプ・ドラゴン』」

 

「ダメージチェック『悲痛なる銃弾ナイトゲベール』」

 

「経路が開けたぜ!そのままいけぇ!カラインのブースト、ナブーでヴァンガードにアタック!」

 

『イエス、マイヴァンガード!』

 

「ノーガードです!ダメージチェック『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードに!」

 

「ターンエンドだ!」

 

PW10000➡PW8000

PW18000➡PW8000  カズヤの手札5枚 山札37枚  スバルのダメージ2枚

 

「互いに2対2の五分五分ですね。ですが、ここから差を広げますよ!光さえ届かぬ深き海の底に、不死の海賊は居る・・・例えこの身滅びようと海賊の魂は船と共に!ライド!キャプテン・ナイトミスト!!」

 

キャプテン・ナイトミスト  PW9000

 

「ライドされたロマリオのスキル!カウンターブラスト!手札を1枚ソウルへ!『伊達男ロマリオ』山札から3枚ドロップゾーンに!」

 

ドロップゾーンに置かれたカード『イービル・シェイド』『ルイン・シェイド』『突風のジン(引)』

 

「さらにそこから、ドロップゾーンからルイン・シェイドを手札に!コール!ルイン・シェイド!2体のお化けののーまん!」

 

ルイン・シェイド  PW9000

お化けののーまん  PW7000

 

「のーまんのスキル発動!自身を退却させて、山札の上2枚をドロップゾーンに『イービル・シェイド』『モータル・ミミック(☆)』キャプテン・ナイトミストにパワープラス10000!」

 

「のーまんの退却でパワーアップだけじゃねぇ。ドロップゾーンのカードが一気にため込んでる」

 

「あのデッキはゴウキとナギサのデッキと似ているようで違う・・・ドロップゾーンのカードを優先的にためる構築になってるはず」

 

「さすがはミサッキー☆もうスバルんのデッキの特徴を見抜いちゃったか~☆」

 

「まだ終わりませんよ!

もう1体ののーまんのスキル!自身を退却させて、山札の上2枚をドロップゾーンに『逆心の呪術師ネグロブリーチ』『ルイン・シェイド』ナイトゲベールにパワープラス10000!」

 

「いいぞぉ!その調子だスバル!」

 

「行けー!スバル君!」

 

ナイトゲベール ナイトミスト ルイン

   R      R     R

 

「ぜってーに防いでくれ、カズヤさん!」

 

「任せろ!」

 

「さあ・・・共に航海を暴れようじゃないか!」

 

『『おおおお!!』』

 

「まずは、ルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

ルイン・シェイドのスキル!山札の上から2枚ドロップゾーンへ『不死竜スカルドラゴン』『大幹部ブルーブラッド』パワープラス4000!」

 

「やらせるか!ガード!『リンリン・ワーカー(☆)』」

 

「防がれた・・・なら僕が行く!ナイトミストでヴァンガードにアタック!はああ!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガーパワーはナイトゲベールに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ちっ・・・ダメージチェック『テキパキ・ワーカー』『ロストブレイク・ドラゴン』」

 

「僕に続け!ナイトゲベール!ヴァンガードにアタック!」

 

『アイアイサー!マイヴァンガード!』

 

「ノーガードだ!ダメージチェック『スチームドクターマルターシュ(治)』ヒールトリガー!ダメージ1回復、パワーはヴァンガードに!」

 

『しっかりしてよね、マイヴァンガード』

 

「わりぃ、助かったぜ!」

 

「ターンエンドです」

 

PW13000➡️PW10000+SH15000

PW19000➡️PW10000

PW28000➡️PW10000(+10000)  スバルの手札4枚  山札28枚  カズヤのダメージ4枚

 

「いいぞ!どんどん攻めていけ、スバル!」

 

「スバル君、ファイトー!」

 

「任せてくださいゴウキさん、ナギサちゃん!」

 

ゴウキとナギサの応援にスバルは答える。その際ナギサはカムイに向かってあっかんべーをした。

 

「くそぅ、ナギサの奴、調子に乗りやがって・・・」

 

「でも、ヒールトリガーのおかげでダメージは4枚までキープできたね」

 

「喜ぶにゃ早いぞ。見てみろ、あいつのドロップゾーンにはもう10枚のカードがある」

 

「おそらく、次のターンで仕掛けにくる」

 

「はっ!上等だ!そうでなくちゃ面白くねぇぜ!スタンド&ドロー!12時の時を鳴らせ、ギアクロニクルの竜よ!ライド!グランドストライク・ドラゴン!!」

 

グランドストライク・ドラゴン  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『右前列のリアガードサークル』

 

「コール!ガンギルード・ドラゴン!」

 

ガンギルード・ドラゴン  PW13000

 

「イマジナリーギフトでガンギルードにパワープラス10000!バインドゾーンと合わせて、合計のグレードは12・・・2体のグランドストライクのスキル!ユニットとバインドゾーンの合計が12以上になった時、パワープラス10000!」

 

ナブー  グランドストライク ガンギルード

カライン     R       R

 

『俺たちに任せろ、マイヴァンガード!』

 

『ご命令を、マイヴァンガード』

 

「いや、まず俺に任せろ!グランドストライクでヴァンガードにアタック!」

 

「ここは・・・ノーガードです!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ロストブレイク・ドラゴン』セカンドチェック『スチームボンバージグル(☆)』クリティカルトリガー!パワーはスチームメカニックナブーに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

グランドストライクはナイトミスト(スバル)にもう接近し、素早く拳を振るった。攻撃をくらったナイトミスト(スバル)に追撃として蹴りを放ち、ナイトミスト(スバル)を海賊船の帆にぶつける。

 

「ダメージチェック『キャプテン・ナイトミスト』『逆心の呪術師ネグロブリーチ』」

 

「次だ!カラインのブースト、ナブーでヴァンガードにアタック!いけぇ!」

 

『よっしゃ!ぶっ放してやるぜ!!』

 

『援護します』

 

「ナブーのスキル!ドロップゾーンにあるロストブレイクをバインド!これでお前はグレード1以上でがーどできねぇ!」

 

「そう来ましたか・・・ならここは、トリガーユニットで!お化けのりっく、守りとおせ!」

 

『アイアイサー・・・』

 

「バトル終了時、ナブーはソウルへ!1枚ドロー!ガンギルードでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードです!ダメージチェック『お化けのりっく(治)』ヒールトリガー!パワーはヴァンガードに!ダメージ1回復!」

 

「ちぃ・・・ターンエンドだ」

 

PW23000➡PW9000

PW28000➡PW9000+SH20000=29000

PW21000➡PW9000(+10000)  カズヤの手札6枚 山札30枚  スバルのダメージ4枚

 

「惜しい!ヒールが来なかったらダメージ5なのに!」

 

「うん・・・ゴウキさんもすごかったけど、スバル君もすごいよ・・・」

 

「スタンド&ドロー。

ドロップゾーンにある逆心の呪術師ネグロブリーチのスキル!カウンターブラスト(2)!こうすることでスペリオルコール・・・だけど、ヴァンガード2の時にこのターンでリアガードをコールしていなかったら、このユニットはヴァンガードの座を乗っ取る!」

 

「ヴァンガードの座を乗っ取る・・・てことは・・・」

 

「ドロップゾーンより、スペリオルライド!逆心の呪術師ネグロブリーチ!!」

 

逆心の呪術師ネグロブリーチ  PW12000

 

「ちっ・・・やっぱそうか・・・!」

 

「来たぁ!スバル君の必勝パターンだ!」

 

「ああ。中々だ」

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「逆心の呪術師ネグロブリーチのスキル!ドロップゾーンのカードが10枚以上なら、パワープラス10000!イービル・シェイドをコール!」

 

イービル・シェイド  PW8000

 

「イービル・シェイドのスキル!カウンターブラスト!ドロップゾーンのナイトゲベールをバインド!バインドしたナイトゲベールとは別に、ドロップゾーンからナイトゲベールをスペリオルコール!」

 

「やっぱ来ちゃったか~、ドロップゾーンからの復活戦略が☆」

 

「ナイトゲベールのスキル!山札の上から1枚、ドロップゾーンに『モータル・ミミック(☆)』そして、ドロップゾーンのカードが10枚以上の時、パワープラス10000!」

 

「くっ・・・全面的にパワーアップしやがったか!」

 

ナイトゲベール ネグロブリーチ   ルイン

 イービル      R    ナイトゲベール

 

「さあ、もう1回行くぞ!」

 

『『『『おおおおお!!』』』』

 

「イービル・シェイドのブースト、ナイトゲベールでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『スチームボンバージグル(☆)』」

 

「さすがに、やりますね・・・なら次は僕が!ネグロブリーチでヴァンガードにアタック!」

 

「漢は度胸、根性でなんとかしてやる!ノーガードだ!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『不死竜スカルドラゴン』セカンドチェック『イービル・シェイド』」

 

ネグロブリーチ(スバル)で呪術による鎖を出現させ、グランドストライクの両腕、両足を縛り上げ、身動きをできなくさせる。そこを狙ってネグロブリーチ(スバル)は呪術を発動させ、霊の波動弾を放った。身動きが取れないグランドストライクは攻撃をくらって悲痛の声を上げる。

 

「ぐうぅ!!ダメージチェック『スチームボンバージグル(☆)』クリティカルトリガー!効果は全部ヴァンガードだ!」

 

「やったぜ!ダメージトリガーだ!」

 

「しかも天城君はノートリガー。防ぎやすくなりましたわね」

 

「まだ終わりじゃないですよ。ナイトゲベールのブースト、ルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

ルイン・シェイドのスキル!山札の上から2枚をドロップゾーンに『不死竜スカルドラゴン』『大幹部ブルーブラッド』パワープラス4000!」

 

「1回も2回も見りゃ、対策しやすいってんだよ!ガード!『ウェッジムーブ・ドラゴン』」

 

「ターンエンドです」

 

PW16000➡PW13000+SH15000=28000

PW22000➡PW13000(+10000)

PW31000➡PW23000+SH10000=33000  スバルの手札6枚 山札20枚  カズヤのダメージ5枚

 

「おお!防いだ!やっぱりダメージトリガーは大きいっすね!」

 

「ま、それもあるけど、1番大きかったのは私とカムイのファイトよね」

 

「はい。カムイ君とナギサちゃん、ゴウキさんとミサキさんのファイトをカズヤさんはしっかりと観察して分析していたんだ」

 

「いくら戦略が違うからといっても、やり方は同じだからね☆よーく観察していれば、おのずと防げることができよん☆」

 

「やっぱそれが1番なんだよな」

 

「あいつ、単細胞に見えても、意外に記憶力もいい方だしね」

 

カズヤとスバルのファイトを見ているアイチたちはそんな会話をしながら笑みを浮かべる。

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!いくぜ・・・コール!グランドストライク、テキパキ・ワーカを2体コール!」

 

テキパキ・ワーカー  PW8000

 

「テキパキ・ワーカーのスキル!ドロップゾーンにあるスチームボンバージグルを山札のしたに!

もう1体のテキパキ・ワーカーのスキル!ドロップゾーンのリンリン・ワーカーを山札の下に!

グランドストライクのスキル!場とバインドゾーンの合計が12以上になったので、パワープラス10000だ!」

 

「これで全部のユニットにパワー30000値ですか!あなたは初心者だってマリンさんから聞いてましたけど・・・そうとは思えないほどの強さを持ってますね」

 

「へっ、そいつはどうも。お前さんには悪いが・・・勝つのは俺だぜ!」

 

グランドストライク グランドストライク ガンギルード

  カライン      テキパキ     テキパキ

 

「さあ、そろそろ締めといこうや!お前ら、準備はできてんだろうな!!」

 

『ノープロブレム!』

 

『イエス』

 

『了解しました!』

 

『『承りました』』

 

「まずはこいつでいくぜ!テキパキ・ワーカーのブースト、グランドストライクでヴァンガードにアタック!」

 

「僕にだって、この局面を乗り越えられるはずだ!怖いけど・・・ノーガードです!」

 

「へっ・・・んだよ、ずいぶんと根性あるじゃねぇか。それでこそ漢だぜ!ツインドライブ!ファーストチェック『スチームガードカシュテリア(引)』ドロートリガー!パワーはリアガードのグランドストライクに!1枚ドロー!セカンドチェック『ミッシングクランプ・ドラゴン』」

 

グランドストライクはネグロブリーチ(スバル)に接近していく。ネグロブリーチ(スバル)は亡霊を使って進行を防ごうとしたが、グランドストライクは亡霊を全てかわしていき、強烈な一撃をネグロブリーチ(スバル)に放った。

 

「ダメージチェック『キャプテン・ナイトミスト』」

 

「よっし!ダメージ5!1体でも通れば俺の勝ちだ!カラインのブースト、グランドストライクでヴァンガードにアタック!

カラインのスキル!ソウルブラスト『ウェッジムーブ・ドラゴン』これでお前のルイン・シェイドはインターセプトできず、ガーディアンは3枚しかコールできねぇ!」

 

「それ以下なら大丈夫ってことですよね?なら・・・プロテクトで完全ガード!」

 

コスト『ナイトスピリット(☆)』

 

「絶対に、負けるわけにはいきませんから!」

 

「いいや!お前はこれで終わりだ!テキパキ・ワーカーのブースト、ガンギルードでヴァンガードにアタック!

ガンギルードのスキル!カウンターブラスト!リアガードのグランドストライクをバインド!バインドしたユニットのグレード以下のユニットを山札の下に置くことができる!ルイン・シェイドを山札の下に!」

 

「インターセプトを潰した!」

 

「いける・・・いけるぞ!」

 

「山札に置いたら1枚ドロー!これで、終わりだ!」

 

「スバル君!」

 

「何度だって言って見せる・・・僕は・・・僕は負けるわけにはいかないんだ!!突風のジンで完全ガード!!」

 

コスト『不死竜スカルドラゴン』

 

「くっ・・・ターンエンドだ・・・!」

 

PW31000➡PW12000

PW41000➡PW12000(完全ガード)

PW31000➡PW12000(完全ガード)  カズヤの手札5枚 山札27枚  スバルのダメージ5枚(裏3枚)

 

「やりました!見ててくれましたかゴウキさん、ナギサちゃん!」

 

「うん!すごいよナギサちゃん!」

 

「さすが・・・俺が見込んだ漢だぜ」

 

「くっ・・・届かなかったか・・・」

 

「それでも・・・やっぱりカズヤさんはすごいですよ」

 

「・・・それはどうも」

 

「それでも、憧れの人、ゴウキさんに近づくためにも、譲れない一線はあるんです!スタンド&ドロー!ライド!不死竜スカルドラゴン!!」

 

不死竜スカルドラゴン  PW12000

 

「ちっ・・・ここで来やがったか・・・スカルドラゴン・・・!」

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「イービル・シェイドのスキル!カウンターブラスト!ドロップゾーンにある不死竜スカルドラゴンをバインド!そして、ドロップゾーンの別のスカルドラゴンをスペリオルコール!前列のナイトゲベールを退却!ナイトミストをコール!

ナイトミストのスキル!カウンターブラスト!ドロップゾーンのカードが10枚以上なら、グレード1とは関係なく、他のグレードをコールできる!ナイトミストを退却!不死竜スカルドラゴンをスペリオルコール!」

 

「なんだと⁉スカルドラゴンが3体も⁉」

 

「スカルドラゴンのスキル発動!ドロップゾーンのカードが1枚につき、パワープラス2000!合計で16枚、よってパワープラス32000!」

 

「これで3体のスカルドラゴンは・・・パワー44000・・・っ!」

 

スカルドラゴン スカルドラゴン スカルドラゴン

 イービル      R    ナイトゲベール

 

「さあ準備はできたね?この生き残りをかけた戦い・・・全員で生き残るんだ!!」

 

『『おおおおお!!』』

 

『『グオオオオオオオオ!!』』

 

「ここで負けるわけには・・・いや、負けたくないんだ!ここで負けたら・・・ゴウキさんが遠くなっていって、期待を裏切ってしまう!そんなこと何が何でも嫌だ!あの人と、対等になるために、勝つ!!ヴァンガードのスカルドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「そんな攻撃、くらってたまるかってんだ!!スチームガードカシュテリアで完全ガード!!」

 

コスト『ロストブレイク・ドラゴン』

 

ヴァンガードのスカルドラゴンは巨大ながらも高速で移動し、グランドストライク目掛けて大剣を振るった。それを予期していたカシュテリアが時計型の盾で大剣を防ぐ。

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『突風のジン(引)』ドロートリガー!パワーは左のスカルドラゴンに!1枚ドロー!セカンドチェック『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガー!効果は右のスカルドラゴンに!」

 

「いいぞぉ!ダブルトリガーだ!」

 

「くっそ・・・両方は・・・無理か・・・!」

 

「ナイトゲベールのブースト、スカルドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「それだけは絶対に防ぐ!完全ガード!『スチームガードカシュテリア(引)』(コスト『ミッシングクランプ・ドラゴン』)」

 

「イービル・シェイドのブースト、スカルドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

左のスカルドラゴンは瘴気のブレスをグランドストライクにめがけてはなった。グランドストライクは瘴気の宇レスに包まれ、もがいていくが、生気を全て吸われ、倒れていった。

 

PW44000➡PW13000(完全ガード)

PW62000➡PW13000(完全ガード)

PW62000➡PW13000

 

ダメージチェック『スチームメカニックナブー』

 

カズヤのダメージ6枚  スバルのダメージ5枚  勝者スバル

 

「勝者、チームNWO、天城スバル君!」

 

『おおおおおお!!』

 

「やったぁ!勝った!スバル君が勝ったよ、お兄ちゃん!」

 

「ああ。それでこそ、俺が見込んだ最高の漢だぜ」

 

スバルが勝ったことにより、観客は歓声を上げ、ナギサは自分のことのように喜んでいる。ゴウキは今のスバルを見て誇らしげな表情をしている。

 

「くそっ・・・負けちまったか・・・」

 

「それでも・・・本当に強かったですよ。これがカズヤさんなりのヴァンガード、なんですね」

 

「・・・お前もかなりのガッツを見せてくれたな。立派な漢、見せてもらったぜ」

 

カズヤとスバルは互いの健闘を称えあいながら拳と拳をぶつけ合わせる。2人の間には漢同士の絆が芽生えている。

 

パチパチパチ

 

ゴウキのファイトと負け劣らないファイト、熱い友情が芽生えた光景を見て、チームQ4もチームNWOも観客も拍手を送る。拍手を送られながら、カズヤとスバルは互いのチームの元に戻っていく。

 

「悪いな、敵をとるって息巻いたものの・・・返り討ちにされちまったぜ」

 

「心配ないっす!こっから巻き返せばいいんすから!」

 

「ま、あんたにしては、いい線いってたんじゃないの?」

 

「いいファイトでしたよ、カズヤさん!」

 

「よせよ・・・照れるじゃねぇか」

 

戻ってきたカズヤに労いの言葉をかけるアイチ、カムイ、ミサキ。それにたいしてカズヤは少し照れ臭そうにしている。そんなことをしていると・・・

 

「ああ!すまないすまない!乗る電車を間違えてしまったんだ」

 

『え~~⁉』

 

皇帝の名を持ち、アジアサーキット3位を誇る光定が登場する。うっかりをやらかした光定に店にいるほぼ全員は呆れている。

 

「ようやく来たってのになんだよそれ・・・」

 

「あれ?光定さん、月城先輩は一緒じゃないんですか?」

 

カズヤが心底呆れていると、スバルがそう尋ねてる。その尋ねに光定はきょとんとしている。

 

「え?ルナはまだ来てないのかい?てっきり来てるものかと・・・」

 

「お前チームメイトのメールとか確認してねぇのか?あいつならあんたを探してどっかいってるぜ?」

 

「えっ⁉」

 

カズヤに言われて、光定は自分のスマホを確認してみる。メールのルナの着信を見てみると・・・

 

『明日、迎えに行く。家で待ってて』

 

『皇帝、今どこにいるの?』

 

『どこ?』

 

光定の場所を尋ねている内容がちらほらと出てきた。

 

「しまったぁ!!うっかりしてたぁ!!」

 

『ええええええ!!?』

 

ここでもうっかりを発動してしまっていることに観客は驚愕する。

 

 

一方のルナは・・・

 

「皇帝・・・どこ?」

 

駅あたりをうろうろし、光定を探し続けていた。

 

 

「す、すまない!ちょっと待っててくれ!」

 

光定は慌ててスマホで自分はもう店についたとルナにメールをする。

 

「これで、よし、と。さて、誰だ?僕とファイトするのは」

 

メールを送った後、光定は本題に戻る。

 

「!そうか間違いない!その瞳に隠された闘志!君が孤高のファイター、櫂トシキだ!!」

 

光定はそう言って指をさした先には・・・櫂ではなく、シンがいた。

 

くすくすくすっ

 

光定のうっかりで辺りはみなおかしくて笑っている。

 

「あ、ああ、すまない!違ったな!ついうっかり・・・」

 

光定がそう謝罪していると、視線が櫂に映る。櫂を確認した後、光定は櫂に近づく。

 

「・・・君だね?間違いない。君とのファイト、楽しみにしていたよ。櫂トシキ」

 

「・・・なら、来い」

 

「ああ」

 

今度は間違えることなく、櫂に闘志を向ける。櫂も静かながらに闘志を纏わせる。これで次の試合の対戦カードは櫂と光定に決まったのだった。

 

to be continued…




スバル「カズヤさん、細腕に見えて、いい筋肉してますね」

カズヤ「ん?そうか。普段暇なときは筋トレでもして暇をつぶしてたんだけど・・・」

スバル「いいなぁ・・・僕も男として筋肉をつけようかと思ってるんですけど・・・体力がなくて・・・」

カズヤ「ならまずは体力作りから始めるこったな。とりあえずどこでもいいからコースを決めることから始めろ。毎日少しずつランニングでもしてりゃ、おのずと体力もつくさ」

スバル「なるほど・・・ありがとうございます!僕、ゴウキさんに認めてもらえるよう頑張ります!」

カズヤ「おう、その意気だぜ!」

ミサキ「あんたら店の中で何の話をしてるんだ⁉」

イメージ12「櫂、敗れる!!」


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櫂、敗れる!!

続・高校生編をようやく見ることができました。今後どのような展開になるのか、期待が膨らみます。それから、OPの時に見た安城マモルさんがけっこう気になったりしています。

後2話目の生徒会長さん、結構面白かったっすw

さて、今回は櫂君と皇帝さんのファイトです。結果はサブタイトル通りになるのか、はたまた・・・

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュのショップ対抗戦第3試合から、チームQ4からカズヤが、チームNWOからはスバルが出場してきた。カズヤはギアクロニクルの特徴のバインドを駆使してスバルを追いつめていくが、スバルはゴウキから教わったグランブルーの特徴を最大限に発揮させ、最後に3体のスカルドラゴンによって勝負はスバルの勝利となった。その直後にアジアサーキット第3位の皇帝こと光定ケンジが登場する。光定が対戦相手に選んだのは、孤高のファイターとして名が通っている櫂だった。今現在、櫂と光定は何もしゃべらず、ファイトの準備を行っている。

 

(あちら側で残ったのは、アイチ君と、日下部リンさんか・・・。アイチ君、君と戦えることを願っているよ)

 

ファイトの準備をしている中、レオンはアイチを期待がこもった目で見つめている。

 

(残っている相手は、アジアチャンピオンの蒼龍レオンと、ソードナイトの月城ルナ・・・どちらが相手でも、私が勝つ・・・)

 

リンはレオンを見つめながら勝利への渇望と、楽しみが入り混じった表情をしている。

 

「始めようか」

 

互いの準備が終わって、ショップ対抗戦第4試合が始まろうとしている。

 

 

 

イメージ12「櫂、敗れる!!」

 

 

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「リザードランナーアンドゥー!」

 

「次元ロボゴーユーシャ!」

 

リザードランナーアンドゥー  PW6000

 

次元ロボゴーユーシャ  PW6000

 

「僕の先攻だ。ドロー。チェンジ!次元ロボダイブレイブ!」

 

次元ロボダイブレイブ  PW8000

 

「ゴーユーシャのスキルで1枚ドロー!ターンエンドだ」

 

R ダイブレイブ R

R   R    R  光定の手札6枚 山札42枚

 

「俺のターンだ。ドロー。ライド!鎧の化身バー!」

 

鎧の化身バー  PW8000

 

「アンドゥーのスキルで1枚ドロー。コール!希望の火エルモ!」

 

希望の火エルモ  PW8000

 

エルモ バー R

 R  R  R

 

「バーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『バーサーク・ドラゴン』」

 

「ダメージチェック『次元ロボダイマリナー』」

 

「エルモでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『ジャスティス・コバルト(☆)』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000+SH15000=23000  櫂の手札6枚 山札41枚  光定のダメージ1枚

 

「僕のターンだ。ドロー。チェンジ!次元ロボダイドラゴン!マスクドポリスグレンダー、コスモビークをコール!」

 

マスクドポリスグレンダー  PW10000

コスモビーク  PW10000

 

「コスモビークのスキル!カウンターブラスト!ダイドラゴンにパワープラス5000!」

 

コスモビーク ダイドラゴン グレンダー

  R      R      R

 

「グレンダーでエルモにアタック!」

 

「ノーガードだ」

 

『グレンダーキーック!!』

 

「いけ、ダイドラゴン!ヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『次元ロボダイバトルス(☆)』クリティカルトリガー!パワーはコスモビークに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ダメージチェック『リザードソルジャーラオピア』セカンドチェック『鎧の化身バー』」

 

「コスモビークでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW10000➡PW8000

PW15000➡PW8000

PW20000➡PW8000+SH15000=23000  光定の手札4枚 山札39枚  櫂のダメージ2枚

 

「ひゅ~、壮快だね~☆」

 

「皇帝の奴、早くも3連続アタックかよ」

 

「クリティカルトリガーさえ出てなけりゃ、1ダメージに抑えられたのにな」

 

「いいぞー皇帝!」

 

櫂と光定のファイトを観戦しているカムイの耳にナギサの光定へのエールを送っている声が聞こえた。カムイはナギサに視線を向けると、ナギサからあっかんべーされてしまい、カムイはむっとなる。

 

「けど次は櫂のターン」

 

「期待してるぜ、櫂さんよぉ」

 

「櫂君・・・」

 

「俺のターン。スタンド&ドロー。ライド!バーサーク・ドラゴン!」

 

バーサーク・ドラゴン  PW10000

 

「バーサークのスキル発動。カウンターブラスト。ソウルブラスト『リザードランナーアンドゥー』グレンダーを退却。バーサークがヴァンガードならば、1枚ドロー。コール、ベリコウスティドラゴン、希望の火エルモ。続け!」

 

ベリコウスティドラゴン  PW10000

 

ベリコウスティ バーサーク R

  エルモ     R   R

 

「バーサークでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『ダイヤモンドエース(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」

 

「これでダイドラゴンはパワー20000か!」

 

「けど、エルモにブーストされたベリコウスティドラゴンはパワー21000だぜ!」

 

「うん!エルモのスキルでパワーがプラス3000されるしね!」

 

「倒せるね、ダイドラゴン!」

 

「エルモのブースト、ベリコウスティ、コスモビークを攻めろ!」

 

「「「「えっ⁉」」」」

 

攻撃をヒットすることができる立場なのにそれをしなかった櫂の行動に驚く森川たちのグループ。

 

「櫂きゅん先輩は皇帝の3連続アタックがうざっちぃんだよ☆」

 

「だから、リアガードの退却を優先したんだ」

 

「なるほど・・・わ、わかってたけどな、当然」

 

わかっていないのにそう言い張る森川に井崎、メグミ、稲永はジト目で森川を見つめる。

 

「ガード!次元ロボダイバトルス!」

 

(やはり・・・手札を消費してきたな・・・)

 

(次のターンも、しっかり攻めさせてもらうよ)

 

「ターンエンド」

 

PW10000➡PW10000(+10000)

PW21000➡PW10000+SH15000=25000  櫂の手札5枚 山札36枚  光定のダメージ2枚(裏1枚)

 

「なんか櫂さんってば悪役っぽい」

 

「言えてますねエミさん!あいつ、悪役どころか悪ですから、近寄っちゃいけませんよ!」

 

「ひどい言われようっすね、櫂さん」

 

「ああ。ちょっと同情するぜ」

 

エミの印象に便乗するカムイに苦笑するアツシとカズヤの兄弟。

 

「でも櫂君・・・すごく楽しそう・・・」

 

「あ、それ俺もわかるわ」

 

「「「ええ⁉」」」

 

櫂が楽しそうにしてることをアイチが口にし、カズヤが同意する。それにはカムイとエミ、アツシは驚く。

 

「楽しそうにみえます?」

 

「見えなーい」

 

「そうっすよね」

 

3人がそう言っている。リンは櫂の様子を見てとても微笑ましい表情をしている。

 

「トランス・ディメンジョン!!『正義の心が炎と燃える!!超次元ロボダイユーシャ!!』」

 

超次元ロボダイユーシャ  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『超次元ロボダイユーシャ』

 

「ダイユーシャにパワープラス10000!さらにコール!ダイブレイブ、ダイドラゴン!

ダイドラゴンのスキル発動!ソウルブラスト『次元ロボダイブレイブ』ダイユーシャにパワープラス5000!」

 

「これでダイユーシャのパワーは28000・・・」

 

コスモビーク ダイユーシャ ダイドラゴン

  R      R    ダイブレイブ

 

『みんな、仕掛けるぞ!』

 

『イエス、マイヴァンガード!』

 

『イエッサー!』

 

(ダイユーシャの後ろにダイブレイブをコールすれば、パワーは36000となり、クリティカルもプラス1される・・・だが・・・)

 

(トリガーが1枚でも出れば、パワー35000は越えられる・・・そう踏んでのアタックか・・・)

 

「コスモビークでベリコウスティにアタック!」

 

「ノーガードだ」

 

「ダイユーシャでヴァンガードにアタック!受けよ・・・正義の鉄槌!」

 

『はああ!!「必殺!!ジャスティスソーード!!」』

 

「ノーガードだ」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『コスモビーク』ノートリガー。セカンドチェック『ジャスティス・コバルト(☆)』クリティカルトリガー!パワーはヴァンガードに!」

 

「これでダイユーシャのパワーは35000を超えた・・・!」

 

「クリティカルは・・・ダイドラゴンに!」

 

「なぬっ⁉ダイユーシャに振れば、クリティカルは3になるんだぞ⁉」

 

「なるほど・・・そういうことですか・・・」

 

光定がトリガーのクリティカルをダイドラゴンに振ったことに驚愕する増田だが、マリンはその意味を理解する。

 

ダイユーシャは空を高く飛び、バーサークにめがけて正義の剣を振るった。バーサークは斬撃によってダメージを受ける。

 

『斬!!』

 

「ダメージチェック『希望の火エルモ』『ドラゴンナイトネハーレン』」

 

「もうダメージ4だぜ!」

 

「でも、本来ならダメージ5になるとこだったんだよ⁉」

 

「皇帝はいったい何を考えてるの⁉」

 

「ダイブレイブのブースト、ダイドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「槍の化身ター、鎧の化身バーでガード!」

 

「ターンエンド」

 

PW10000➡PW10000

PW28000(+10000)➡PW10000

PW28000➡PW10000+SH25000=35000  光定の手札4枚 山札34枚  櫂のダメージ4枚(裏)

 

(ダイユーシャはクリティカルが増えるスキルを持つ。君のダメージが4だろうが5だろうが、とどめをさせることに変わりはない)

 

「(だからこそ俺のダメージを4で抑え、ダメージチェックでトリガーが出る機会を減らし、カウンターブラストの制限・・・さらに手札を消費させる・・・なるほどな・・・)

スタンド&ドロー!」

 

櫂が引いたカードはヒールトリガーのドラゴンモンクゲンジョウ、ヒールトリガーだ。光定はそれだけでなく、これによるダメージ回復の可能性も考えていたのだ。

 

「(さっきのターンはダメージ4で抑えられていなければ、トリガーしていたのか・・・。皇帝に流れを持っていかれたか・・・だが・・・)

行くぜ!ドラゴニック・オーバーロード・ザ・ヴァンガード!!」

 

ドラゴニック・オーバーロード  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ドラゴニック・オーバーロード』

 

「ギフトでパワープラス10000!さらにコール!ベリコウスティドラゴン!

オーバーロードのスキル発動!ソウルブラスト『鎧の化身バー』オーバーロードにパワープラス10000!」

 

「これでオーバーロードはパワー33000!」

 

「皇帝はガードせざるをおえないね☆」

 

ベリコウスティ オーバーロード R

  エルモ      R    R

 

「黙示録の炎と呼ばれる我が力、思い知るがよい。オーバーロードでヴァンガードにアタック!」

 

「・・・ノーガード」

 

『!!』

 

「皇帝ってば、手札に完全ガードがないの?」

 

「みてぇだな!」

 

「・・・ドライブチェック。ファーストチェック『ドラゴニック・オーバーロード』ノートリガー。セカンドチェック『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードに!」

 

「くっ・・・!」

 

オーバーロードは翼を広げ、ダイユーシャに向かって接近し、熱気を纏った剣を振るった。斬撃をくらい、ダイユーシャの機体にダメージが蓄積される。

 

『ぐわあああああ!!』

 

「ダメージチェック『次元ロボダイタイガー』『マスクドポリスグレンダー』すまない!ダイユーシャ!」

 

『大丈夫だ!』

 

「ダメージ4になっちゃった」

 

「案ずるな、ナギサ」

 

「えっ?」

 

「ノーガードをしたからには、光定さんには何か考えがある」

 

「アタックがヒット。オーバーロードのスキル発動!カウンターブラスト!さらに手札2枚を捨てる!オーバーロードはスタンド!ドライブマイナス1!もう1度、オーバーロードでヴァンガードにアタック!」

 

「この攻撃で皇帝のダメージは6!勝てるぜ!」

 

「そうはいかない!」

 

「何・・・?」

 

「完全ガード!ダイヤモンドエース!」

 

コスト『マスクドポリスグレンダー』

 

『ここは通さん!!』

 

再び起き上がったオーバーロードはダイユーシャに向かって再び剣を振るおうとした時、正義の防御、ダイヤモンドエースが立ちふさがり、剣を止めた。

 

「なっ!もってやがったか!」

 

「でも、なんでさっき使わなかったんだ⁉」

 

完全ガードを持ってるにも関わらず、最初のアタックを通した意味がわからないソウジ。

 

(・・・そういうことか・・・)

 

「最初のアタックをガードすれば、オーバーロードのスキルは発動しなかったのに・・・」

 

「いや、再びスタンドしたオーバーロードは1度だけになる」

 

「しかも、スキルの使用コストの分、手札が減るんだよ」

 

「あ!」

 

ゴウキとスバルの解説を聞いてナギサは納得の表情をする。

 

「櫂トシキの次の守りを減らすための一手という、並みの度胸ではできないプレイングだ」

 

「ドライブチェック『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!」

 

「しかし、運はまだ櫂先輩を味方しています」

 

「効果は全てベリコウスティドラゴンへ!エルモのブースト、ベリコウスティでヴァンガードにアタック!

エルモのスキルでパワープラス3000!」

 

「これが通れば櫂の勝ちだ!」

 

「ガード!インターセプト!『ジャスティス・コバルト!コスモビーク!』」

 

「ま、マジかよ・・・」

 

「皇帝、マジすっげーよねー☆」

 

「・・・ターンエンドだ」

 

PW33000➡PW13000

PW43000➡PW13000(完全ガード)

PW31000➡PW13000+SH20000=33000  櫂の手札4枚 山札30枚  光定のダメージ4枚(裏1枚)

 

「僕のターンだ!スタンド&ドロー!

ダイドラゴンのスキル発動!ソウルブラスト『次元ロボダイドラゴン』ダイユーシャにパワープラス5000!

ダイブレイブのスキル発動!ソウルブラスト『次元ロボゴーユーシャ』さらにダイユーシャにパワープラス5000!コール!コスモビーク!

コスモビークのスキル発動!カウンターブラスト!ダイユーシャにパワープラス5000!」

 

『ブレイブアーップ!!!』

 

「ダイユーシャのパワーが35000を超えたことで、クリティカルプラス1!

さらに、ダイユーシャのスキル!リアガードのダイブレイブを1枚レストして、ダイユーシャにパワープラス10000!」

 

「で・・・合計は・・・いくつだよ・・・?」

 

「・・・48000」

 

「よ、40000⁉」

 

「すげぇパワーだな・・・」

 

コスモビーク ダイユーシャ   ダイドラゴン

  R      R    ダイブレイブ(レスト)

 

「ダイユーシャでヴァンガードにアタック!受けよ・・・正義の鉄槌!」

 

『たああああ!!「必殺!!ジャスティスソーード!!」』

 

「来い!ワイバーンガードバリィ!」

 

コスト『クレステッド・ドラゴン』

 

「完全ガードか!」

 

ダイユーシャは再び、正義の剣を構え、空を高く飛んで必殺技、ジャスティスソードをオーバーロードに放ったが、バリィによって攻撃は凌がれる。

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『超次元ロボダイユーシャ』ノートリガー。セカンドチェック『ジャスティス・コバルト(☆)』クリティカルトリガー!効果全てコスモビークに!これでダイユーシャのアタックが凌げたと思ったら、大間違いだ」

 

「・・・・・・」

 

「カウンターブラスト!見るがいい櫂トシキ・・・ダイユーシャの、究極の力を!!トランス・ディメンジョン!!」

 

『とおおおおう!!』

 

「『真の正義は闇を切り裂く!!究極次元ロボグレートダイユーシャ!!』」

 

究極次元ロボグレートダイユーシャ  PW13000

 

「ダイユーシャが進化した⁉どうして⁉」

 

「グレートダイユーシャが手札にある時、パワー45000以上のアタックを終えた時、カウンターブラストでスペリオルライドする能力を持っているのです。それも、スタンド付きで」

 

「マジ⁉」

 

「ライドしたターン、グレートダイユーシャはパワープラス10000!」

 

『おおおお!!』

 

「さらに、グレートダイユーシャのスキルで前列の3体全てにパワープラス10000!」

 

『おおおおお!!』

 

「さらに、イマジナリーギフト・フォース!!」

 

『うおおおおおおお!!!』

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『次元ロボダイドラゴン』

 

「ギフトでダイドラゴンにパワープラス10000!」

 

「また40000⁉」

 

「さっき48000のアタックを防いだばっかなんだぜ⁉」

 

『いくぞ!!皇帝!!』

 

「ああ!!グレートダイユーシャ!!」

 

『遅れるな!ディメンジョンポリスの仲間たち!!』

 

『イエッサー!』

 

『アイアイサー!』

 

「グレートダイユーシャでヴァンガードにアタック!くらえ!究極の鉄槌!『超必殺!!グレートジャスティスパーンチ!!!』」

 

「・・・ノーガードだ」

 

「トリガー1枚の賭けか・・・!」

 

「櫂君・・・!」

 

「ドライブチェック!」

 

「神様・・・!」

 

「ファーストチェック『コマンダーローレル』ノートリガー。セカンドチェック『次元ロボダイマリナー』ノートリガーだ」

 

グレートダイユーシャはブースターを使い、高速でオーバーロードへと接近し、正義の一撃の拳をオーバーロードに放った。溝に直撃したオーバーロードは後ろに後退する。

 

「ほっ・・・」

 

「ほっとしてる場合かよ!!」

 

「ダメージチェック『槍の化身ター(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードに!」

 

「パワープラス10000してももう遅いね。皇帝の残り2体のユニットはどっちもパワー30000オーバーだもん」

 

「「・・・・・・」」

 

「櫂さんのダメージは・・・これで5・・・」

 

「なのに皇帝には、アタックできるユニットが2体も残ってます!」

 

「それにたいして櫂の手札2・・・やべぇ・・・」

 

「うん・・・」

 

「ヴァンガードにアタック!『コスモビーク!』」

 

「魔竜戦鬼ラクシャでガード!」

 

「やるな、櫂トシキ。ならこれなら!ヴァンガードにアタック!『行け!ダイドラゴン!』

(パワー40000のアタックを、手札1枚の君には、どうすることもできないはずだ)」

 

ダイドラゴンはオーバーロードにとどめを刺そうと急接近していく。

 

「櫂君が!」

 

「いや!」

 

「まだわからねぇ!」

 

「来い!ドラゴンモンクゲンジョウ!」

 

「何っ⁉最後の手札が、シールド20000のヒールトリガーだと⁉」

 

ダイドラゴンの攻撃はゲンジョウが凌ぎ切った。櫂の脳裏に浮かんだのは、ダメージ4の状況で引いた場面だった。

 

(流れを・・・引き寄せられたようだな・・・)

 

「・・・ターンエンドだ」

 

PW48000➡PW13000(完全ガード)

PW43000➡PW13000(+10000)

PW30000➡PW23000+SH15000=38000

PW40000➡PW23000+SH20000=43000  光定の手札4枚 山札27枚  櫂のダメージ5枚(裏2枚)

 

(とはいえ、手札は0・・・次のターンで皇帝にダメージ2を与えるには、ユニットの数がぎりぎりだな・・・)

 

危機的状況にも関わらず、櫂は不敵にも笑っている。

 

「やっぱり悪役っぽい」

 

「悪役じゃなくて、悪です!」

 

「まだ言ってるんすか・・・」

 

「スタンド&ドロー!・・・ふ」

 

「!あの笑みは・・・」

 

「来たんだ!アタックできるユニットが!」

 

「コール!ドラゴンナイトネハーレン!」

 

ドラゴンナイトネハーレン  PW10000

 

「ネハーレンのスキル発動!カウンターブラスト!相手後列にいるダイブレイブを退却!ネハーレンはパワープラス5000!

相手のリアガードが退却したことでベリコウスティもパワープラス5000。

さらに、オーバーロードのスキル発動!ソウルブラスト『バーサーク・ドラゴン』パワープラス10000!」

 

「これでオーバーロードはギフトと合わせ、パワーは33000」

 

「お兄ちゃん!スバル君」

 

「光定さんなら大丈夫だよ」

 

「皇帝なら凌ぐ!」

 

ベリコウスティ オーバーロード ネハーレン

  エルモ      R      R

 

「続け!」

 

『『『御意!』』』

 

「オーバーロードでヴァンガードにアタック!」

 

「『来い!ジャスティス・コバルト、ダイマリナー!』」

 

「ドライブチェック!」

 

「皇帝さんのシールドは合計で38000!トリガーが1枚でも出れば、アタックは通る!」

 

「ファーストチェック『バーサーク・ドラゴン』ノートリガー。セカンドチェック『槍の化身ター(☆)』」

 

「来たぜ!」

 

「クリティカルトリガーだと⁉」

 

「効果は全てヴァンガードへ」

 

オーバーロードはグレートダイユーシャに灼熱の剣を振るったがそこにダイマリナーとジャスティス・コバルトが立ちふさがった。が、オーバーロードはそれさえも剣ではねのける。

 

『ぬお・・・!』

 

「くっ・・・!」

 

そしてオーバーロードはダイユーシャに強烈な斬撃を2回はなった。

 

『ぐわあああああああああ!!!』

 

「グレートダイユーシャーーーー!!!」

 

ダイユーシャは機体のダメージに限界を達し、機能を停止セ、大爆発を引き起こした。

 

PW33000(+10000)➡PW13000+SH25000=38000

 

ダメージチェック『次元ロボダイタイガー』『究極次元ロボグレートダイユーシャ』

 

櫂のダメージ5枚  光定のダメージ6枚  勝者櫂

 

「・・・僕の、負けだ」

 

「勝者!チームQ4、櫂トシキ君!」

 

「ふぅ・・・」

 

『うおおおおお!すっげーーー!!』

 

「いえーい!櫂ー!やったぜー!」

 

「やるなぁ皇帝!」

 

「櫂君!」

 

アジア3位の光定を下した櫂に観客は大歓声を上げる。いつものメンバーたちもこの白熱したファイトに興奮が止まらない。そんな中、光定はどういうわけかまたファイトの準備をしている。

 

「よし!もう1回だ!」

 

どうももう1戦やるつもりらしく、それには周りはきょとんとしている。

 

「忘れてるだろ皇帝!これがショップ対抗戦だって!」

 

「そうだよ!」

 

「!ああ、そうだった。ついうっかり」

 

「ま、またうっかりですか・・・」

 

ゴウキたちに注意され、光定はうっかりで済ませた。

 

「これで2対2だな!」

 

「!2対2・・・」

 

「お前も忘れてたな!」

 

「なんだよ、お前もうっかりか!」

 

「それだけ夢中だったってことだね」

 

櫂もショップ対抗戦であることを忘れていたらしい。櫂はチームメンバーに視線を向けているが、すぐに光定に視線を戻す。

 

「見事だったよ。君はどんな不利な状況にも左右されず、未来を自分で切り開いていった。孤高のファイター櫂トシキ、いずれ再戦を」

 

「望むところだ」

 

光定は櫂に手を差し伸べ、櫂もまた光定の手を握り、互いに握手を交わした。

 

「じゃあ、また!」

 

そう言って光定はショップから走って去っていった。

 

「み、光定さん⁉ちょっと⁉」

 

「だから!まだ終わってねぇんだよ!!」

 

「待てー!皇帝ー!!」

 

またうっかりをやらかした光定をゴウキたちが呼び止めている。その間、少し疲れたのか櫂は壁にもたれかかる。そこにアイチとリンと三和が労いをかける。

 

「ふぅ・・・」

 

「お疲れ様です、櫂先輩」

 

「おめでとう、櫂君」

 

「あの皇帝に勝っちまうとは、さすがだったぜ」

 

「・・・どちらが勝ってもおかしくはなかった」

 

櫂の言葉を聞いて三和はきょとんとする。

 

「どうした?」

 

「お前がそんなこと言うなんて・・・」

 

「悪いか?」

 

「似合わねぇだけだよ。なぁ、リン、アイチ」

 

「さあ、どうでしょうね」

 

「あはは・・・でも、本当に楽しそうだった、櫂君」

 

「お、アイチ。お前わかったの?」

 

「じゃあ三和さんも?」

 

「まぁな」

 

「周りが気づいてないだけですよ」

 

アイチとリン、三和でそんな話をしていると、櫂は静かに笑みを浮かべる。こんな時間を楽しんでいると・・・

 

「いた・・・いたたたた・・・」

 

「どこに行こうとしてたの?皇帝」

 

アジアサーキット4位の成績を持ち、ソードナイトの称号を持っているルナが光定の首根っこをもって引きずりながら入店してきた。

 

「あれ?もう終わったんじゃないの?」

 

「少なくとも、私が残ってるのに終わってるわけない」

 

「あ・・・ああ!ついうっかり!」

 

ここまで行くと一種の才能があるのではという考えが浮かんでしまうルナ。

 

「待ってましたよ、月城先輩!」

 

「遅れてごめん。で、今残ってるのは私と誰?」

 

ルナは軽い謝罪をしてから現状の確認をしている。

 

「レオンだけだ」

 

「ふーん。で、向こうで残ってるのは?」

 

「ええっと、先導アイチ君とあそこにいる日下部リンさんです」

 

「・・・もう終盤戦か・・・」

 

現状を確認を終えたルナはうんうんと首を縦にうなずく。

 

「じゃあ私が出る。私が相手したいのは・・・」

 

そう言いながらルナはリンの元まで歩いていく。

 

「日下部リン・・・修羅のファイター・・・」

 

「・・・・・・」

 

「この日を、ずっと楽しみにしてた」

 

「・・・では、参りましょうか」

 

「うん」

 

ルナが相手をしたがっているのはリンだった。リンは静かな闘志をルナにたいしてぶつける。終盤戦を迎えようとしている次の対戦カードはリンとルナに決まった。

 

to be continued…




櫂「皇帝、あの時ダイユーシャをブーストしなかったのは俺がノーガードを選ぶと読んでいたからか?」

光定「ブーストしなくてもトリガーが乗ればクリティカルが2、手札効率からの観点で見てもノーガードが妥当だ」

櫂「そうだな・・・ブーストしてもしなくてもノーガードならそのカードを有効活用できる点は大きい。だからリアガードのブーストを優先したというわけか」

光定「トリガーするかどうかは時の運。でも、それが・・・」

ミサキ「いつまでやってんだあいつら・・・」

イメージ13「天才と秀才」


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天才と秀才

今回は珍しくアニメの方を早めに見ることができましたが・・・正直、いろいろと驚いてます。

その驚いたっていうのが、Gで登場していたトリドラがでていたからです。いやぁ、あれは面白かった。

さて、今回はリン姉さんとルナちゃんのファイトです。

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュのショップ対抗戦第4試合にて、チームQ4からは櫂が、チームNWOからは皇帝の名を持つ光定が出てきた。櫂はドラゴニック・オーバーロードのスキル、光定は超次元ロボダイユーシャのスキルを駆使し、互角の戦いを見せた。そして終盤、光定の究極次元ロボグレートダイユーシャでとおどめをさそうとしたが、櫂は負けじと攻撃を全て防いだ。そして、ドラゴニック・オーバーロードの攻撃で、この試合を制したのは櫂だった。第4試合が終わって、光定はうっかりでショップを去ろうとしたが、引き戻したのは遅れて登場してきた月城ルナだった。第5試合からはルナが出場し、相手を指名したのは、修羅のファイターという名を持っているリンだった。ルナとリンは一言もしゃべらず、ファイトの準備を行っている。

 

(これで、君とファイトできる)

 

レオンは笑みを浮かべながらじっとアイチを見つめている。アイチはそんなレオンの視線に気が付く。

 

(僕の相手は、アジアサーキットチャンピオンの、蒼龍レオン君・・・)

 

アイチは自分の相手はレオンだと思うと、今から緊張している。

 

「じゃ、始めよう」

 

ルナとリンのファイトの準備が終わり、ショップ対抗戦終盤、第5試合が始まろうとしていた。

 

 

 

イメージ13「天才と秀才」

 

 

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「忍竜マガツウィンド!」

 

「次元ロボゴーユーシャ」

 

忍竜マガツウィンド  PW6000

 

次元ロボゴーユーシャ  PW6000

 

「あいつもディメンジョンポリスか」

 

「でも、ルナっち先輩と皇帝のディメンジョンポリスは決行違うよ~?」

 

「私の先攻。ドロー。ドレス・メイクアップ。ミラクル・プリティー」

 

ミラクル・プリティー  PW8000

 

「わあ!かわいい!」

 

「そうですよね、エミさん!」

 

「あんなのもあるのかー・・・奥がふけーなー」

 

ディメンジョンポリスにかわいいユニットがいることに好感を持つエミ。エミの感想に同意するカムイと関心を持つアツシ。

 

「ゴーユーシャのスキル。1枚ドロー。ターン、エンド」

 

R プリティー R

R   R   R  ルナの手札6枚 山札42枚

 

「私のターンです。ドロー。ライド!忍竜ドレッドマスター!」

 

忍竜ドレッドマスター  PW8000

 

「マガツウィンドのスキルで1枚ドロー!コール。月下の忍鬼サクラフブキ!」

 

月下の忍鬼サクラフブキ  PW8000

 

サクラフブキ ドレッドマスター R

  R       R     R

 

「ドレッドマスターでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『月下の忍鬼サクラフブキ』」

 

「ダメージチェック『コスモビーク』」

 

「サクラフブキでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『ミラクル妖精ララビィ』」

 

「ターンエンドです」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000  リンの手札6枚 山札41枚  ルナのダメージ2枚

 

「私のターン。ドロー。ドレス・チェンジ。ミラクル・キューティー。来て・・・次元ロボダイブレイブ、コスモビーク」

 

ミラクル・キューティー  PW10000

コスモビーク  PW10000

次元ロボダイブレイブ  PW8000

 

ダイブレイブ キューティー コスモビーク

  R      R      R

 

「ダイブレイブでサクラフブキにアタック」

 

「ノーガードです」

 

「ミラクル・キューティーでヴァンガードにアタック。ミラクル・キューティクル・キーーック」

 

「必殺技棒読みかよ⁉」

 

「ノーガードです」

 

「ドライブチェック『コマンダーローレル』」

 

「ダメージトリガーチェック『忍竜ボイドマスター』」

 

「続いて、コスモビーク。ヴァンガードにアタック」

 

「ノーガードです。ダメージトリガーチェック『忍獣ミジンガクレ(引)』ゲット、ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「ターン、エンド」

 

PW8000➡PW8000

PW10000➡PW8000

PW10000➡PW8000(+10000)  ルナの手札5枚 山札38枚  リンのダメージ2枚

 

「ソードナイトの奴、いきなり3連続アタックか。そこはやっぱグレード3を並べるべきだろ」

 

「お前はぶれねぇな増田。後、今の状況じゃグレード3出せねぇだろ・・・」

 

「私のターンです。スタンド&ドロー。ライド!忍竜マガツゲイル!」

 

忍竜マガツゲイル  PW9000

 

「マガツゲイルのスキル発動!カウンターブラスト!ソウルブラスト『忍竜マガツウィンド』1枚ドロー!パワープラス6000!コール!マガツゲイル!

マガツゲイルのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『忍竜ドレッドマスター』1枚ドロー!パワープラス6000!さらにコール!サクラフブキ、忍獣チガスミ!」

 

忍獣チガスミ  PW9000

 

「サクラフブキのスキル発動!此方のユニットが3枚以上ならば、手札を1枚捨て、パワープラス3000!さらに、こちらのダメージゾーンの表のカードが1枚以下ならば、1枚ドロー!カウンターチャージ!」

 

「手札を巧みに操ってのパワーアップとコストの確保・・・相当の出来ですわね・・・」

 

マガツゲイル マガツゲイル チガスミ

サクラフブキ   R     R

 

「私に、続きなさい!」

 

『『『御意!』』』

 

「チガスミでダイブレイブにアタック!」

 

「コスモビーク、インターセプト」

 

「グレード1のリアガードを守った⁉」

 

「(ほう・・・ならば・・・)

ヴァンガードのマガツゲイルでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『嵐の忍鬼フウキ』」

 

「ダメージチェック『ダイヤモンド・エース(引)』ドロートリガー。1枚ドロー。パワーは・・・ダイブレイブに」

 

「えっ⁉なんでグレード1のリアガードにパワーを振るんだよ⁉」

 

普通ならばヴァンガードに振るべきところをルナはダイブレイブにパワーを上げたことに戸惑いを見せる増田。それは、周りのファイターたちも同じだ。リンはその意図を理解した。

 

「(なるほど・・・そういうことですか)

サクラフブキのブーストをつけてマガツゲイルでダイブレイブにアタック!」

 

「またリアガードを⁉」

 

「次元ロボダイバトルスでガード」

 

「また守った⁉」

 

(やはり・・・ダイブレイブはヴァンガードのパワーを上げる能力を持つ・・・ディメンジョンポリスのキーカードとなる存在故に・・・)

 

(次のターン、ヴァンガードのパワーを上げつつ、しっかりと攻めさせてもらう)

 

「マガツゲイルのスキルで自身をソウルへ送り、サクラフブキを手札に加えます。これでターンエンドです」

 

PW9000➡PW8000+SH5000=13000

PW15000➡PW10000

PW26000➡PW18000+SH15000=33000  リンの手札9枚 山札34枚  ルナのダメージ3枚

 

「う~ん・・・リンさん、すっごく集中してる・・・応援したら気が散りそうかなぁ・・・?」

 

「必要ないっすよエミさん!認めたくないっすけど・・・あいつ、めちゃくちゃ強いっすから!」

 

「でも相手はアジアで4位っすよ?やっぱり必要なんじゃないですかね?」

 

リンはファイトに集中しているゆえに、応援するべきなのかそうでないのか悩んでいるエミ。断固拒否派のカムイと賛成派のアツシ。

 

「なぁアイチ」

 

「はい、なんですか、カズヤさん?」

 

「ものすごい集中してんのはわかるけどさ・・・なんだかんだ言って、すっげぇ楽しそうじゃね、あいつ」

 

カズヤの言葉を聞いて、アイチはリンの顔を見る。表情こそ、真剣そのもの、集中している顔つきだが、心なしか楽しんでいるようにもみえる。

 

「そうですね・・・リンちゃん、とっても楽しそうに見えます」

 

「やっぱそう思うか」

 

「私のターン。スタンド&ドロー。ドレスチェンジ・オブ・ディメンジョン。美しき正義は、この胸の中に秘める。ミラクル・ビューティー」

 

ミラクル・ビューティー  PW13000

 

「イマジナリーギフト・フォース」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ミラクル・ビューティー』

 

「ミラクル・ビューティーにパワープラス10000。ダイブレイブを後ろに下げて、ミラクル・ビューティー、ミラクル妖精ララビィ、次元ロボダイドラゴンをコール」

 

次元ロボダイドラゴン  PW10000

ミラクル妖精ララビィ  PW7000

 

「ダイドラゴンのスキル。ソウルブラスト『次元ロボゴーユーシャ』ミラクル・ビューティーにパワープラス5000。

ダイブレイブのスキル。ソウルブラスト『ミラクル・プリティー』ミラクル・ビューティーにパワープラス5000」

 

「これでミラクル・ビューティーのパワーは、33000・・・」

 

「さらに、コマンダーローレルをコール」

 

コマンダーローレル  PW6000

 

(ミラクル・ビューティーは超次元ロボダイユーシャと違って、アタックした時にしか発動しない)

 

(そして、そのスキルの性質上、パワーアップだけでなく、攻撃方面も維持する意味でもリアガードを守ることはとても重要なこと・・・ですか)

 

ダイドラゴン ビューティー ビューティー

ダイブレイブ  ローレル   ララビィ

 

「みんな、私に、ついてきて」

 

『『イェッサー!』』

 

『わかったわ!』

 

『任せろ!』

 

「ララビィのブースト、リアガードのミラクル・ビューティーでチガスミにアタック」

 

「ノーガードです」

 

「コマンダーローレルのブースト、ミラクル・ビューティーでヴァンガードにアタック。

ミラクル・ビューティーのスキル発動。カウンターブラスト。自身のパワーが30000以上なら、レストしているリアガードのミラクル・ビューティーをスタンド。

スタンドしたリアガードのミラクル・ビューティーのスキル。同じ縦列のリアガードをスタンド」

 

「リアガードのスタンドだと⁉」

 

「まるでノヴァグラップラーみたいな動きじゃん!」

 

「やばいよ!」

 

「い、委員長はどうするんだ⁉」

 

「ノーガードです」

 

「ツインドライブ。ファーストチェック『次元ロボダイドラゴン』ノートリガー。セカンドチェック『ジャスティス・コバルト(☆)』クリティカルトリガー。効果は全部、ダイドラゴンに」

 

「おいおい!なんでわざわざリアガードに振るんだよ!」

 

ルナがわざわざ効果を全てリアガードに振ることを理解できないソウジを含めた周りのファイターたち。

 

「これが、正義の光。必殺、ミラクル・ビューティー・ライトシャワー」

 

ミラクル・ビューティー(ルナ)は両手をかざして、きらめいた美しい光を収束させ、その光をマガツゲイルに放った。光はシャワーのように拡散し、マガツゲイルは避けられず、攻撃を受けてしまう。

 

「(なるほど・・・)

ダメージトリガーチェック『忍妖オボロカート』」

 

「ララビィのブースト、スタンドしたミラクル・ビューティーでヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード。ダメージトリガーチェック『忍竜ドレッドマスター』」

 

「これでダメージ4!月城がリードした!」

 

「いいぞーソードナイト!そのままとどめをさしちゃえ!」

 

「ダイブレイブのブースト、ダイドラゴンでヴァンガードにアタック」

 

「ガード『忍獣トビコ(☆)』『月下の忍鬼サクラフブキ』」

 

「ターン、エンド」

 

PW20000➡PW9000

PW44000➡PW9000

PW20000➡PW9000

PW28000➡PW9000+SH25000=34000  ルナの手札3枚 山札33枚  リンのダメージ4枚

 

(今のアタックはダメージトリガーをあまり与えさせないためなのと、連続攻撃で相手は多くの手札を消費しなくてはいけなくなる。だからこそダメージが4であろうと5であろうと、こちらが有利なのは変わらない)

 

(だからこそダイドラゴンの攻撃は防ぎ通し、ダメージを4の状態のままで抑えた・・・リアガードのスタンドは厄介そのものですから)

 

リンは自分のターンとなったのでカードを1枚引く。出てきたのは忍獣ミジンガクレだった。

 

(もしあそこでダイドラゴンにパワーを、ヴァンガードにクリティカルを上げていれば、ドロートリガーの恩恵もれたのですが・・・簡単にはいきませんね)

 

ルナは的確な対処でリンを追いつめていく。短時間で考えたルナの戦略にリンは負けじと反撃する。

 

「(流れはあちらが優勢・・・ですが・・・)

行きます!修羅忍竜クジキリコンゴウ・ザ・ヴァンガード!!」

 

修羅忍竜クジキリコンゴウ  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「おっしゃあ!委員長のクジキリコンゴウだ!そのまま手札を減らしちまえ!」

 

「いいや無理だ」

 

「な、なんでだよ⁉」

 

森川の発言に三和がそれを無理だとして言いながら理由を述べる。

 

「クジキリコンゴウのスキルが使えるのは、手札が4枚以上の時だ。相手の手札は今何枚だ?」

 

「・・・ああ!」

 

「そうなんだよね~。ルナっち先輩は何となく出してくるユニットを想像したうえであの場でリアガードを埋めたんだよ☆」

 

「(手札を減らずとも・・・)

コール!嵐の忍鬼フウキ、忍妖オボロカート、修羅忍竜カブキコンゴウ」

 

修羅忍竜カブキコンゴウ  PW9000

忍妖オボロカート  PW8000

 

「カブキコンゴウのスキル発動!クジキリコンゴウがいればパワープラス3000!

さらに、カウンターブラスト(2)!このユニットと同じ縦列にいるダイドラゴンとダイブレイブを手札に戻して、手札から戻された数だけ選んで捨ててください」

 

「ん・・・2枚捨てる」

 

「オボロカートのスキル発動!手札を1枚捨て、ヴァンガードのパワーを2倍に引き上げます。パワー24000!

フウキのスキル!リアガードが手札に戻されたことが確認できたならば、パワープラス6000!」

 

カブキコンゴウ クジキリコンゴウ R

  フウキ    オボロカート  R

 

「修羅と呼ばれた我が刀、受け止めて見せよ!クジキリコンゴウでヴァンガードにアタック!」

 

「よっし!クジキリコンゴウのスキルで相手はグレード1とグレード2はガードに出すことはできねぇ!」

 

「こりゃ決まったな!やっちまえ!」

 

「ノーガード」

 

「・・・ツインドライブ。ファーストチェック『修羅忍竜クジキリコンゴウ』ノートリガー。セカンドチェック『忍獣トビコ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。パワーはカブキコンゴウに、クリティカルはヴァンガードに」

 

クジキリコンゴウは標的にミラクル・ビューティー(ルナ)を捕らえ、刀を構える。そして、クジキリコンゴウは姿を消し、ミラクル・ビューティー(ルナ)の背後に回り込み、一斬する。斬られたミラクル・ビューティー(ルナ)は倒れそうになるが、持ちこたえる。

 

「ダメージチェック『ミラクル・プリティー』ノートリガー。セカンドチェック『次元ロボダイレスキュー(治)』ヒールトリガー」

 

「ここでヒールトリガー⁉」

 

「ダメージが回復されちゃった!」

 

「ダメージ回復、パワーはリアガードのミラクル・ビューティーに」

 

「またリアガードに振りやがった!」

 

「オボロカートのスキル!カウンターブラスト!攻撃を終えたらこのユニットを手札に戻します。フウキのブースト、カブキコンゴウでリアガードのミラクル・ビューティーにアタック!」

 

「来て・・・ジャスティス・コバルト」

 

「ダメージを回復したからには、ここでのヴァンガードの攻撃はルナにとってコストを増やすことに繋がる」

 

「それに、スタンド能力は、ミラクル・ビューティーがいて初めて成り立つものですから」

 

「ああ。だからこそソードナイトはリアガードにパワーを、相手はリアガードに攻撃を仕掛けたんだ」

 

「へぇ~・・・互いに考えてるんだ・・・」

 

またもリアガードを狙った行為を光定、スバル、ゴウキが解説する。それにはナギサは感心する。

 

「ターンエンドです」

 

PW32000➡PW13000

PW35000➡PW23000+SH15000=38000  リンの手札8枚 山札29枚  ルナのダメージ4枚

 

「この心理戦、どちらが勝つのか、想像もつかないね」

 

「はい」

 

「ああ」

 

「私のターン。スタンド&ドロー。コール。ミラクル・プリティー、ダイドラゴン

ダイドラゴンのスキル。ソウルブラスト『ミラクル・キューティー』ヴァンガードのパワープラス5000」

 

「またヴァンガードにパワーを・・・」

 

「でも大丈夫っすよ。もうパワーを上げるほどのソウルはありませんし、これ以上は・・・」

 

「・・・どうかな?」

 

「え?」

 

「コマンダーローレルのスキル発動。カウンターブラスト。リアガード4体をレストさせる。ミラクル・ビューティー、ダイブレイブ、コマンダーローレル、ダイバトルスをレスト。現在のヴァンガードのパワーを2倍に引き上げる。そして、クリティカルプラス1」

 

「なっ!この手があったか!」

 

「それで・・・2倍ってことは・・・」

 

「・・・合計で56000」

 

「ご、50000⁉」

 

「ダイドラゴンのスキル。ヴァンガードのパワーが35000以上なら、パワープラス10000」

 

  ダイドラゴン     ビューティー   ビューティー(レスト)

ダイブレイブ(レスト) ローレル(レスト) プリティー(レスト)

 

「ヴァンガードのミラクル・ビューティーでヴァンガードにアタック。

ミラクル・ビューティーのスキル発動。カウンターブラスト。リアガードのミラクル・ビューティーをスタンド。

スタンドしたリアガードのミラクル・ビューティーのスキル。同じ縦列のリアガードをスタンド。これが、正義の光。必殺、ミラクル・ビューティー・ライトシャワー」

 

「祝福よ、今こそ解き放て!プロテクトで完全ガード!」

 

コスト『修羅忍竜クジキリコンゴウ』

 

ミラクル・ビューティー(ルナ)はまた両手に光を収束させ、そのまま光のレーザーをシャワーのように放った。クジキリコンゴウは慌てず、プロテクトを発動し、光のレーザーシャワーを防いだ。

 

「その展開は予想していた。ツインドライブ。ファーストチェック『ミラクル妖精ララビィ』セカンドチェック『次元ロボダイバトルス(☆)』クリティカルトリガー。効果は全部、リアガードのミラクル・ビューティーに。ヴァンガードのパワーは56000・・・45000を超えている。だから・・・」

 

「来る・・・!」

 

「カウンターブラスト。究極の力を、私の手に。トランス・ディメンジョン」

 

『真の正義は闇を切り裂く!!究極次元ロボグレートダイユーシャ!!』

 

究極次元ロボグレートダイユーシャ  PW13000

 

「ルナっち先輩もダイユーシャを⁉」

 

「ライドしたターン、グレートダイユーシャはパワープラス10000」

 

『おおおお!!』

 

「さらに、グレートダイユーシャのスキルで前列の3体全てにパワープラス10000」

 

『おおおおお!!』

 

「そして・・・イマジナリーギフト・フォース」

 

『うおおおおおおお!!!』

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ミラクル・ビューティー』

 

「ミラクル・ビューティーにパワープラス10000」

 

「皇帝と同じ技・・・」

 

「40000以上のパワーのアタックが来る!」

 

『ここは任せろ!!ソードナイト!!』

 

「うん。お願い、グレートダイユーシャ」

 

『私に続け!ディメンジョンポリスの仲間たち!!』

 

『『『イエッサー!!』』』

 

「グレートダイユーシャでヴァンガードをアタック」

 

『くらえ!究極の鉄槌!超必殺!!グレートジャスティスパーンチ!!!』

 

「ノーガードです」

 

「リンちゃん!」

 

「櫂と同じ選択するとは・・・」

 

「やっぱり2人とも、櫂や皇帝のことを・・・」

 

「ツインドライブ」

 

「神様・・・お願い・・・!」

 

「ファーストチェック『コマンダーローレル』ノートリガー。セカンドチェック『超次元ロボダイユーシャ』ノートリガー」

 

グレートダイユーシャは必殺技、グレートジャスティスパンチをブースターを使い、高速でクジキリコンゴウの溝に放った。渾身の一撃を受けたクジキリコンゴウは刀を地面に突き刺し、体制を整える。

 

「ふぅ・・・よかったよ~、リンリン・・・」

 

「安心してる場合かよ⁉」

 

「ダメージトリガーチェック『修羅忍竜カブキコンゴウ』」

 

「これで終わりね。ダメージトリガーが発動しなかったし、両方ともパワー30000オーバーだもの」

 

「勝負は最後までわからないよ」

 

「そうだよ、ナギサちゃん。リンさんのダメージは5・・・でも手札はまだ6枚あるんだから」

 

「うむ・・・そうだな」

 

「むぅ・・・」

 

「リンなら大丈夫なはずだ」

 

「ダイドラゴンでヴァンガードにアタック」

 

『行け!ダイドラゴン!』

 

「ガード!忍妖ザシキヒメ!」

 

「強い。でも・・・ララビィのブースト、ミラクル・ビューティーでヴァンガードをアタック」

 

『私に任せて、グレートダイユーシャ!』

 

『頼んだぞ!ミラクル・ビューティー!!』

 

(パワー50000の攻撃を、手札は最低でも3枚以上は必要になる・・・その時こそ、仕留められるチャンス)

 

ミラクル・ビューティーはクジキリコンゴウに向けてレーザーを放った。

 

「来なさい!忍獣ミジンガクレ!」

 

コスト『忍獣チガスミ』

 

「!・・・完全ガード・・・。

(そうか・・・さっきのヴァンガードのアタックをノーガードしたのは・・・)」

 

(おそらく、ミラクル・ビューティーのスタンドは起こりえる。クリティカルが乗った攻撃を防ぐためには、ヴァンガードの攻撃を受けることは必須。後は賭けの勝負・・・)

 

リンの脳裏に浮かび上がったのは、グレード3になる時の自分のターンになった時のドローフェイスだ。

 

「・・・少し予定とは違ったけど・・・問題ない。

ミラクル妖精ララビィのスキル。カウンターブラスト。ララビィをソウルへ。パワーをマイナス5000させる代わりにスタンド」

 

「また30000以上の攻撃が⁉」

 

「これで・・・ミラクル・ビューティーでヴァンガードにアタック」

 

「リンちゃん!」

 

「いや!」

 

「あれは・・・!」

 

「ガード!忍獣トビコ!忍妖オボロカート!修羅忍竜カブキコンゴウ、インターセプト!」

 

「・・・防がれた・・・」

 

(流れが・・・こちらに向かっている・・・)

 

「ターン、エンド」

 

PW56000➡PW12000(完全ガード)

PW43000➡PW12000

PW30000➡PW12000+SH20000=32000

PW50000➡PW12000(完全ガード)

PW38000➡PW12000+SH30000=42000  ルナの手札4枚 山札26枚  リンのダメージ5枚(裏4枚)

 

(とはいえ、攻撃するユニットが減り、今手元にあるカードで・・・このターンで相手を仕留めるには・・・ギリギリ・・・)

 

最善の策をとったとはいえ、攻撃力が減ったことに苦虫を嚙み潰したように思うリン。冷静にカードを引きながら策を考える。引いたカードを見て考え抜き、そして行動に出る。

 

「コール。忍竜マガツゲイル。

マガツゲイルのスキル。カウンターブラスト。ソウルブラスト『忍竜マガツゲイル』1枚ドロー。パワープラス6000。コール。サクラフブキ。

サクラフブキのスキル。ユニットが3枚以上なので、手札を1枚捨て、パワープラス3000。ダメージ表のカードが1枚以下なので、カウンターチャージ。1枚ドロー。・・・これなら・・・」

 

「来たのか!この状況を覆すユニットが!」

 

「コール!忍竜ボイドマスター!」

 

忍竜ボイドマスター  PW12000

 

「登場時のスキル発動!相手はインターセプトを封じ、こちらはパワープラス3000!」

 

マガツゲイル クジキリコンゴウ ボイドマスター

 フウキ    サクラフブキ     R

 

「ボイドマスターでヴァンガードにアタック!」

 

「・・・っ、防ぐ。ガード。ミラクル妖精ララビィ」

 

「ボイドマスターのスキル!カウンターブラスト!自分か相手のリアガードを手札に戻します!対象はあなたのリアガードです!ユニットは、コマンダーローレル!」

 

『うおおおおお!!』

 

『ローレル司令官!!』

 

「よし!これで相手はグレード1でガードできねぇ!」

 

「お兄ちゃん!スバル君!」

 

「むぅ・・・」

 

「月城先輩なら・・・」

 

「ボイドマスターが経路を開いた!我らも続け!」

 

『『『御意!』』』

 

「サクラフブキのブースト、クジキリコンゴウでヴァンガードにアタック!」

 

「(あっちのリアガードのパワーは守り切れない・・・なら、タイミングはここしかない!)

来て、次元ロボダイバトロス」

 

「パワー23000とシールド28000!」

 

「トリガー1枚で通る!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『忍竜ボイドマスター』セカンドチェック『忍竜クロガネ(☆)』」

 

「来た!」

 

「クリティカルトリガー・・・!」

 

「効果は全て、クジキリコンゴウに!」

 

クジキリコンゴウは忍術を詠唱し、闇の槍をグレートダイユーシャに放った。だがその攻撃はダイバトロスによって防がれたが、これはブラフ。防御の隙を狙い、クジキリコンゴウはグレートダイユーシャに刀の一撃を与えた。

 

『ぐわああああああああ!!!』

 

「グレートダイユーシャ!!」

 

グレートダイユーシャは急所に直撃したことによって一撃で大爆発を引き起こした。

 

PW15000➡PW13000+SH10000=23000

PW23000(+10000)➡PW13000+SH15000=28000

 

ダメージチェック『究極次元ロボグレートダイユーシャ』『ミラクル・ビューティー』

 

リンのダメージ5枚  ルナのダメージ6枚  勝者リン

 

「・・・私の負け」

 

「勝者!チームQ4、日下部リンさん!」

 

「ありがとうございました」

 

『おおおおおおおおお!!』

 

「やったー!イエーイ、リンリーン!」

 

「ソードナイトもすごかったぞー!」

 

リンが勝利を納めたことにより、ショップ内は大歓声を上げる。チームQ4も勝利を喜び合っている。

 

「チームQ4が勝ち越しだぜ!」

 

「マジ信じらんねぇ・・・」

 

自分たちの予想が大きく外れ、チームQ4が勝ち越ししていることに驚愕しているギャラリー。そんな中、リンとルナはなぜかファイトの準備を始めている。

 

「もう1戦、やろう」

 

「ええ。次も勝たせていただきます」

 

「次は負けない」

 

ショップ対抗戦だというのにもう1回やろうとし始めるリンとルナをさすがに止めるスバルとゴウキとナギサ。

 

「ちょ、ちょっと2人とも⁉ダメですよ!」

 

「お前ら忘れてるだろ⁉ショップ対抗戦だって!!」

 

「そうだよ!!」

 

「!そうでした・・・」

 

「うっかり・・・皇帝のが移ったのかな?」

 

「あっはははは」

 

どうも2人は本当にうっかり忘れていたようだった。ルナの何気ない一言に光定は思わず笑っている。

 

「なんだかんだで似た者同士だな、お前ら!」

 

「うん。お互い、集中するほどのファイトだったもんね」

 

「ともかく、これで3対2ね」

 

「・・・」プィッ

 

うっかりしてしまい、チームメンバーからそんなことを言われてしまい、リンは頬を赤くし、そっぽを向く。そんな時、ルナが話しかけてきた。

 

「お互い、尊敬できる人に巡り合えたようね。ファイトを通してわかった」

 

「ええ。そうですね」

 

この会話からリンは櫂に、ルナは光定に憧れ、尊敬を抱いていることがよくわかる。

 

「いいファイトだった。またいつか、再戦を」

 

「もちろんです」

 

ルナはリンに手を差し伸べ、リンもルナの手を握り、互いに握手を交わす。その光景にギャラリーは拍手する。握手を終え、リンはチームQ4の元に戻っていく。リンを出迎えたのはカズヤとシズクだった。

 

「お疲れさん、いいファイトだったぜ」

 

「やっぱいいよリンリン!最高のファイトだったよー!」

 

「・・・いえ、どちらが勝ってもおかしくはなかった・・・そういうファイトでした」

 

「そうかい・・・ま、お前が楽しかったんなら、それでいいんじゃないか?」

 

「そうそう!ファイトは楽しむのが1番、だよ☆」

 

「・・・ふふ」

 

カズヤとシズクの言葉を聞いて、リンは少しは自分は変われたんじゃないかと実感を感じ始める。

 

 

リンとルナのファイトが終わり、ショップ対抗戦もいよいよ6試合目だ。出てくるのは当然、チームQ4からはアイチ、チームNWOからはレオンだ。

 

「チームNWO対チームQ4のショップ対抗戦は3対2で大将戦を迎えることになりました!」

 

ファイト台にはすでにアイチとレオンが互いに対峙している。

 

(僕が勝てば、チームQ4の勝利・・・)

 

「願っているよ」

 

「え?」

 

「風が吹くことを」

 

「よ・・・よろしくお願いします!」

 

レオンの言った単語が気になったが、アイチはしっかりとお辞儀をし、ファイトの準備を進める。アイチとレオンのファイトが始まるのは、もう間もなくだ。

 

to be continued…




リン「ルナさん、6ターン目のクジキリコンゴウのアタックヒット時、トリガーでリアガードにパワーを振ったのは、やはりコストが欲しかったのですか?」

ルナ「もう1枚ミラクル・ビューティーが出たら、もう1回の連続攻撃ができたし、何よりミラクル・ビューティーの攻撃力を減らすのは、こちらとして本意じゃない」

リン「なるほど・・・そこまでのことを考えてるとは、私もまだまだですね。あの場でクリティカルをカブキコンゴウを振っていれば、コストの消費も抑えられたのですね」

ルナ「皇帝が言ってた。トリガーが出るのは時の運だって。あの場でヒールトリガーがでていたのは、本当に幸運だった」

ミサキ「あいつらといいこいつらといい・・・いつまで話すつもりだよ・・・」

イメージ14「アイチの風!!」


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アイチの風!!

ヴァンガードの無印編がYouTubeで期間限定で毎日配信されていますね。いやー、本当に懐かしいですね。また見れてうれしいですよ。

今週の金曜日で天馬解放の発売日!皆さんはどのクランが目当てですか?私はぬばたまです。

さて、今回はアイチ君とレオン様のファイトです!

それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュのショップ対抗戦第5試合、チームQ4からはリンが、チームNWOからはソードナイトの称号を持っているルナが出場する。ルナは短時間でリンの戦略を見抜き、ディメンジョンポリスの能力を駆使して追いつめようとする。それに対してリンは負けじと地道に着々と勝利のイメージを膨らませながらファイトを展開する。そして終盤、ルナの必殺の大技でリンにとどめを刺そうとしたが、地道に練ったリンの策で防がれてしまい、最後にリンがクジキリコンゴウでフィニッシュを決め、リンが勝利を納め、チームQ4が勝ち越しを上げた。そしていよいよ最後の組み合わせの第6試合、出るのはチームQ4からはアイチ、チームNWOからはアジアチャンピオンの蒼龍レオン。

 

「てなわけで、チームNWO対チームQ4のショップ対抗戦は3対2で大将戦を迎えることになりましたぁ!」

 

まさかの展開に観客はざわつき始める。

 

「どうなってるんだ?皇帝とソードナイトが負けるなんて・・・」

 

「これでもし、あのアイチって子が勝ったら、チームNWOの敗北ってこと?」

 

「相手はアジアチャンピオンの蒼龍レオンだぜ?ありえねぇよ」

 

観客の客観的な反応にカムイが反論する。

 

「そんなことはない!流れは完璧に俺たちチームQ4のもの!アイチお義兄さんなら必ず奇跡を起こせます!」

 

「奇跡って・・・おいおい・・・」

 

カムイの言い分にカズヤもアイチも苦笑を浮かべる。アイチはこれからファイトするレオンと向き合う。

 

(確かに・・・レオン君は強い・・・だけど・・・僕も櫂君やリンちゃんみたいな熱いファイトを・・・やってみたい)

 

アイチは櫂とリンのファイトを思い出し、自分もあのファイトを再現できればと思い、デッキを見て笑みを浮かべる。

 

「・・・あいつ、なんだかいつもと感じが違うね」

 

「ん?そうか?」

 

「「・・・・・・」」

 

ミサキの一言に一同は首をかしげる。その中で櫂とリンがアイチを見据えている。

 

「んんー・・・もう!!何やってんのよ皇帝、ソードナイト!あんたらが勝てばとんとんとんと3連勝で一気に片が付いたのにー!」

 

追いつめられた状況になっていることにナギサは敗北してしまった光定とルナをぽかぽかと叩いてる。

 

「いやぁ、ごめんごめん・・・ついうっかり・・・」

 

「うっかりぃ!!?」

 

「ううん、うっかりって言えないほど、向こうのチームの実力は確かよ。チームQ4は」

 

「うん。そうだね」

 

「そうですよね・・・3対2・・・不利な状況になってますから・・・もしここで負けたら・・・」

 

光定もルナも、スバルもチームQ4のメンバーたちの実力を大きく認めている。

 

「心配するなナギサ、スバル!次のレオンは、俺より強い!お前たちも大船に乗ったつもりで、どーんと構えてろ!!」

 

ゴウキは胡坐をかいて座り、胸を張り上げて、文字通りドーンと構えてる。

 

「はい、ゴウキさん!どーんと構えます!」

 

「わかったー!ナギサもどーんと構える!」

 

ゴウキの言葉に納得したスバルとナギサはゴウキと同じ体制で座り、ドーンと構える。

 

「それじゃあ、始めようか」

 

「はい」

 

互いに準備ができたアイチとレオンはファイトをスタートさせ、第6試合を開始させた。それと同時に、店の入り口から青年が入店してきた。青年はゆっくりとファイトを行っている場所へと向かう。

 

「どけ」

 

「な、なんだよあんた⁉」

 

「どけ」

 

福原高校の制服を纏った青年、一条キョウヤは野次馬を払いのけながらファイトがよく見える場所までたどり着く。キョウヤはこのファイトをしっかりと観戦する。

 

 

 

イメージ14「アイチの風!!」

 

 

 

「「スタンドアップ・(マイ・)ヴァンガード!!」」

 

「ぐらいむ!」

 

「士官候補生エリック」

 

ぐらいむ  PW6000

 

士官候補生エリック  PW6000

 

「僕の先攻です。ドロー。ライド!ナイトスクワイヤ・アレン!」

 

ナイトスクワイヤ・アレン  PW8000

 

「ぐらいむのスキルで1枚ドローしてターンエンドです」

 

R アレン R

R  R  R  アイチの手札6枚 山札42枚

 

「僕のターンだ。ドロー。ライド。ティアーナイトテオ」

 

ティアーナイトテオ  PW8000

 

「エリックのスキルで1枚ドロー」

 

R テオ R

R R  R

 

「テオでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードです!」

 

「ドライブチェック『ティアーナイトラザロス』」

 

「ダメージチェック『沈黙の騎士ギャラティン』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000  レオンの手札7枚 山札41枚  アイチのダメージ1枚

 

「レオンの奴、どうしてリアガードを出さねぇんだ?」

 

「・・・風が僕に教えてくれる」

 

「え?」

 

「自分が何をなすべきか。君にも聞こえているんじゃないか?風のささやきが」

 

「風の・・・ささやき・・・?」

 

レオンの言っている言葉の意味をアイチはよく理解できなかった。

 

「(相手のペースにのまれちゃダメだ。僕は僕のファイトをするだけだ!)

立ち上がれ!僕の分身!ライド!ブラスター・ブレード!!」

 

ブラスター・ブレード  PW10000

 

「来たな!アイチのブラスター・ブレード!」

 

「だけど、レオンはリアガードを出していないから、ブラスター・ブレードのスキルが使えない」

 

「なるほど・・・」

 

ミサキの解説で、森川の疑問は氷解する。

 

「さらに、うぃんがると沈黙の騎士ギャラティンをコール!」

 

『ノープロブレム』

 

沈黙の騎士ギャラティン  PW10000

うぃんがる  PW8000

 

R ブラスター・ブレード ギャラティン

R     R      うぃんがる

 

「行きます!ブラスター・ブレードでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック『うぃんがる』」

 

「ダメージチェック『翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「ギャラティン、うぃんがる、お願い!ヴァンガードにアタック!」

 

「ティアーナイトテオでガード」

 

「ターンエンドです」

 

PW10000➡PW8000(+10000)

PW18000➡PW18000+SH10000=28000  アイチの手札5枚 山札39枚  レオンのダメージ1枚

 

「・・・心地よい風だった」

 

「・・・風?」

 

「スタンド&ドロー。ライド。潮騒の水将アルゴス。テオ、ティアーナイトラザロス、戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテアをコール」

 

潮騒の水将アルゴス  PW9000

ティアーナイトラザロス  PW9000

戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテア  PW7000

 

ラザロス アルゴス R

ドロテア  テオ  R

 

「吹けよ旋風!」

 

レオンがそう口にしたと同時にイメージでラザロスはドロテアの支援の下でギャラティンを攻撃する。アイチはとっさのことで対処が遅れ、ノーガードを出してしまう。

 

「ああ!ギャラティン!」

 

『ぐわっ!』

 

(なんだ・・・今の・・・?ヴァンガードの指示を出してないのに、ラザロスがギャラティンを攻撃した?)

 

「呼べよ、疾風!」

 

次はテオの支援の下、アルゴス(レオン)が自ら攻撃を行う。

そして、アルゴスのスキルによって、カウンターブラストとソウルブラスト『士官候補生エリック』2回目の攻撃によって、ラザロスをスタンドさせる。

 

「(まただ!ユニットが勝手に動いてる!まるで、心が繋がっているみたいに・・・!)

エレイン!お願い!」

 

「ドライブチェック『バトルシップ・インテリジェンス(☆)』クリティカルトリガー!効果は全て、ティアーナイトラザロスに!」

 

「エレイン、ゆっくり休んで」

 

「休む暇などないぞ。風は容赦なく、吹き荒れる!」

 

『参る!』

 

ラザロスはアルゴス(レオン)に指示はされていないが、通じてるかのようにブラスター・ブレード(アイチ)に攻撃する。

そしてスキルで2回目以降の攻撃でパワーがプラス3000される。

アイチはこの攻撃をノーガードする。

 

「ダメージチェック『小さな賢者マロン』『閃光の盾イゾルデ(引)』ドロートリガーです。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

「ターンエンド」

 

PW16000➡PW10000

PW17000➡PW10000+SH20000=30000

PW22000➡PW10000(+10000)  レオンの手札5枚 山札37枚  アイチのダメージ3枚

 

「アイチきゅん、大丈夫~?これでダメージ3だよ?」

 

(やっぱりすごい・・・いつの間にか、レオン君のペースに引き込まれてる)

 

「どうした?君のターンだ」

 

「!い、行きます!スタンド&ドロー!ライド!降臨せよ!光の盟主!プリンス・オブ・ロイヤルパラディン!アルフレッド・アーリー!!」

 

アルフレッド・アーリー  PW13000

 

「ほう・・・」

 

「イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『アルフレッド・アーリー』

 

「ヴァンガードにパワープラス10000!

さらに、アルフレッド・アーリーのスキル発動!カウンターブラスト!ソウルからブラスター・ブレードをスペリオルコール!パワープラス10000!

ブラスター・ブレード!アビリティブラスト!」

 

『バーストバスター!!』

 

カウンターブラストとソウルブラスト『ぐらいむ』でラザロスを退却させる。

 

「さらにギャラティンとうぃんがるをコール!」

 

「そして、うぃんがるのスキルでブラスター・ブレードのパワーは5000アップ・・・さすがですわ、先導君」

 

ギャラティン アルフレッド・アーリー ブラスター・ブレード

  R       うぃんがる      うぃんがる

 

「ギャラティンでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『ネイブルゲイザー・ドラゴン』」

 

「行こう、うぃんがる!」

 

『バウバウ!』

 

「アルフレッド・アーリーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「ドライブチェック『小さな賢者マロン』セカンドチェック『ふろうがる(☆)』クリティカルトリガー!」

 

「出たクリティカル!」

 

「よっしゃあ!」

 

「パワーはブラスター・ブレードに、クリティカルはアルフレッド・アーリーに!」

 

アルフレッド・アーリー(アイチ)は海軍の船の上にいるアルゴス(レオン)まで近づき、剣による斬撃を放ち、そして、腹部に突きを放った。

 

「ダメージチェック『潮騒の水将アルゴス』セカンドチェック『翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス(引)』ドロートリガーだ。パワーはアルゴスに。1枚ドロー」

 

「ちっ・・・せっかくクリティカル引いたのにチャラかよ」

 

「けど、ブラスター・ブレードのパワーは35000まで上がってる!」

 

「そのうえでうぃんがるがブーストすれば、パワー43000だよ!」

 

「いけー!アイチー!」

 

「うぃんがるのブースト、ブラスター・ブレードでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『戦場の歌姫(バトルセイレーン)ドロテア』」

 

「ターンエンドです」

 

PW10000➡PW9000

PW28000➡PW9000(+10000)

PW43000➡PW19000  アイチの手札5枚 山札33枚  レオンのダメージ5枚(裏1枚)

 

「おいおい・・・レオンが追いつめられてるぞ⁉」

 

「信じられない・・・あのアイチって子、何者なの⁉」

 

「へっへーん、アジアチャンピオンが何だってんだ!これがチームQ4の実力だぁ!!」

 

「静かにしな!」

 

観客のざわめきとカムイの大声はミサキの一声で黙らせる。

 

「ありがとう、みんな!」

 

アルフレッド・アーリーは心強い味方に感謝を示す。

 

(いける・・・もしかしたらアジアチャンピオンに本当に・・・レオン君に勝てるかもしれない!)

 

アイチはこの攻防に自信がついてきた。

 

「お兄ちゃん大丈夫なの⁉」

 

「ああ。あいつは神がかって強い。なんでだかわかるか?」

 

「いえ・・・何でですか?」

 

「レベルが違うんだよ!」

 

「なるほど・・・納得です!」

 

ナギサの不安がゴウキが安心させる。ゴウキの言葉にスバルは納得する。

 

「・・・バカめ。あれでレオンを追いつめたつもりか?だから貴様は半端者なのだ」

 

キョウヤはアイチのファイトを見て、辛口評価をつける。

 

「スタンド&ドロー。・・・気を付けたまえ。風が、嵐に変わる」

 

「え?」

 

「深淵に眠りし巨大な竜が目覚める・・・ライド。蒼嵐竜メイルストローム!」

 

蒼嵐竜メイルストローム  PW12000

 

「あれは!」

 

「彼をアジアサーキットを優勝へと導いた、最強のユニット!」

 

「イマジナリーギフト・アクセル」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「嵐よ、集え!タイダル・アサルト、ティアーナイトラザロス!」

 

タイダル・アサルト  PW9000

 

「くそ!ぞろぞろと並べて来やがったな!」

 

「並べただけじゃない。アクセルサークルのタイダル・アサルトはパワープラス10000される」

 

「しかもあのタイダル・アサルトは厄介なスタンド能力持ちだ!」

 

「それだけではありません。メイルストロームのスキルによって、カウンターブラストで前列のユニット全てにパワープラス3000されています」

 

「メイルストロームの意味は巨大な渦潮。飲み込まれたら最後、海の藻屑か・・・」

 

「アイチー!」

 

ラザロス メイルストローム ラザロス タイダル

ドロテア    テオ     R

 

「ここはすでに暴風圏だ。吹き飛ばされないようしがみつくのだな。タイダル・アサルトでヴァンガードをアタック。

タイダル・アサルトのスキル。ソウルブラスト『ティアーナイトテオ』タイダルをスタンド」

 

「頼むよ、ギャラティン!インターセプト!」

 

「テオのブースト、メイルストロームでヴァンガードをアタック」

 

「ノーガード!」

 

「ドライブチェック『高速遊撃のイルカ兵(前)』フロントトリガー。効果は前列のユニットに。セカンドチェック『バトルシップ・インテリジェンス(☆)』クリティカルトリガー」

 

「何ぃ⁉」

 

「ダブルトリガーかよ⁉」

 

「パワーはタイダル・アサルトに。クリティカルはメイルストロームに」

 

メイルストロームは装備してあるビームミサイルをアルフレッド・アーリー(アイチ)にめがけて放った。アルフレッド・アーリー(アイチ)にダメージが入る。

 

「ダメージチェック『ハイドッグブリーダーアカネ』『ぽーんがる』ノートリガー」

 

「ダメージ5!」

 

「あっという間に追い付かれちまったぞ!」

 

「もう後がない!」

 

「アイチー!」

 

「ざまぁみなさい!これがアジアナンバーワンの実力よ!」

 

「レオン君のターンはまだ終わってない!これなら!」

 

「この怒涛の攻撃、いつまで耐えられるかな?」

 

「2回目のアタックがヴァンガードにヒットしたので、テオのスキル発動。タイダル・アサルトにパワープラス8000。右のラザロスでヴァンガードをアタック。

スキル発動。2回目以降の攻撃でパワープラス3000」

 

レオンのラザロスが攻撃を仕掛けた時、アイチの目にはあるものが移った。

 

(・・・?なんだ・・・?)

 

それは、今攻撃を仕掛けているであろうラザロスの攻撃を小さな賢者マロンとブラスター・ブレードが防いだ姿だった。今目の前に広がった光景にアイチはただぼーっとしている。

 

(!なんだ・・・今の感覚・・・?)

 

『おおおお!!』

 

アイチが今の感覚に疑問を抱いていると、観客からは歓声の声が広がっていた。

 

「はー、危なかったぁ・・・」

 

「たく、ひやひやさせやがって」

 

「ナイスインターセプト」

 

仲間たちからそんな声を聴いて、アイチは目の前のガーディアンサークルを見てみる。そこにあるのは、ガードに使ったマロンと、インターセプトしたブラスター・ブレードがあった。気づかないうちにガードしていたことに唖然となるアイチ。ファイトを見ていたキョウヤは驚愕の表情をしている。

 

「君も感じたようだね。惑星クレイから吹く風を」

 

「えっ?」

 

「さあ、もっと奏でてみせろ。君の風の声を。ドロテアのブースト、ラザロスでヴァンガードをアタック。

ラザロスのスキル。パワープラス3000」

 

「ふろうがる!アカネ!」

 

「風を感じることができれば、君の世界はもっと広がる」

 

「風・・・?」

 

「さあ、漕ぎ出そう、新たな新世界へ!タイダルでヴァンガードをアタック」

 

「来て!閃光の盾イゾルデ!」

 

コスト『アルフレッド・アーリー』

 

「何っ⁉」

 

「完全ガードを持ってたなんて⁉」

 

「5回連続攻撃を凌ぐなんて⁉」

 

「ターンエンドだ」

 

PW22000➡PW13000+SH10000=23000

PW23000(+10000)➡PW13000

PW25000➡PW13000+SH15000=28000

PW32000➡PW13000+SH20000=33000

PW50000➡PW13000(完全ガード)  レオンの手札5枚 山札29枚  アイチのダメージ5枚(裏2枚)

 

「レオンの攻撃を凌ぎ切ったぜ!」

 

「これは完全に風向きが変わったんじゃないかな~☆」

 

「いける!アイチお義兄さん勝てますよ!」

 

「スタンド&ドロー!」

 

アイチは引いたカードを見て、うれしそうな笑みを浮かべる。

 

(来てくれたんだね・・・僕の新しい力!)

 

その様子を見ていたマリンはくすりと笑いだし、魁の出来事を思い出す。

 

 

『先導君、あなたのクランは確か・・・私と同じロイヤルパラディンでしたか?』

 

『は、はい!』

 

『ふむ・・・ここであなたと私が出会ったのも、何かの運命なのかもしれませんわね。私が、このカードを持っていたことも含めて』

 

『それは・・・?』

 

『騎士王アルフレッド』

 

『騎士王アルフレッド・・・』

 

『提案がありますわ。先導君、あなたがこのカードを使い、実際にファイトしてみてください』

 

『ぼ・・・僕がですか⁉そんな、悪いですよ!だってこれは・・・』

 

『いいんです。ブラスター・ブレードを使わない私には不要な代物でございますから』

 

『ど、どうして・・・?』

 

『私は、あなたがアルフレッドを使いこなす姿を見てみたいのですわ』

 

 

「今こそ降臨せよ!騎士たちの、主!騎士王アルフレッド!!」

 

騎士王アルフレッド  PW13000

 

「おおおおお!!」

 

「あれが・・・アイチの新たな力・・・」

 

「騎士王アルフレッド・・・」

 

「あれは・・・アイチが昨日の夜、嬉しそうに話しかけてたユニットだ!」

 

「イマジナリーギフト・フォース!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『左前列のリアガードサークル』

 

「ハイドッグブリーダーアカネをコール!」

 

ハイドッグブリーダーアカネ  PW10000

 

「アカネのカウンターブラスト!山札からぽーんがるをスペリオルコール!」

 

ぽーんがる  PW8000

 

「ぽーんがるのスキル!同じ縦列にリアガードがいるので、ソウルチャージ『ナイトスクワイヤ・アレン』

さらにアルフレッドのスキル!カウンターブラスト!山札からブラスター・ブレードをスペリオルコール!ブラスター・ブレードのパワー、プラス5000!おかえり、ブラスター・ブレード」

 

「おお!アルフレッドとうぃんがるのスキルを合わせて、ブラスター・ブレードはパワー20000だぜ!」

 

「アルフレッドのスキル!リアガードにブラスター・ブレードがいる時、パワープラス10000!みんな、行くよ!ブラスター・ブレード!」

 

『バースト、バスター!!』

 

ブラスター・ブレードはカウンターブラストとソウルブラスト『ナイトスクワイヤ・アレン』でタイダル・アサルトを退却させる。

 

 アカネ  アルフレッド ブラスター・ブレード

ぽーんがる うぃんがる    うぃんがる

 

「アカネ、ぽーんがる、頼んだよ。ヴァンガードにアタック!」

 

「その風、止めて見せる!ラザロスでインターセプト!さらにガード『バトルシップ・インテリジェンス(☆)』」

 

「いくよ、うぃんがる!」

 

『バウバウ!』

 

「アルフレッドでヴァンガードにアタック!」

 

「まだまだ!翠玉の盾(エメラルド・シールド)パスカリス!」

 

コスト『高速遊撃のイルカ兵(前)』

 

アルフレッド(アイチ)は聖馬にまたがり、メイルストロームに向かって聖剣を振るおうとしたが、パスカリスの翡翠の盾によって、それを妨げられた。

 

「ああ!完全ガードか!」

 

「いやいや!それこそアイチが追いつめてる証拠だ!」

 

「そうだよね!このままならいける!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「慌てるな!レオンならまだ大丈夫だ!」

 

「でも、まだドライブチェックが・・・」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ナイトスクワイヤ・アレン』セカンドチェック『ふろうがる(☆)』クリティカルトリガー!効果は全てブラスター・ブレードに!」

 

「きたーーー!!」

 

「これでブラスター・ブレードのパワーは30000!」

 

「さらにうぃんがるでブーストすれば38000だよ!」

 

「勝ったな、アイチ」

 

「・・・・・・」

 

アイチの優勢によってカードキャピタル陣営は勝利を確信している。ファイトを見ているキョウヤはアイチにたいして、強い憎悪の目で見つめている。

 

「ブラスター・ブレード、うぃんがる、お願いできるかな。ヴァンガードにアタック!」

 

「・・・風は、まだ僕に吹いている」

 

「え・・・?」

 

「ガード『高速遊撃のイルカ兵(前)』『バトルシップ・インテリジェンス(☆)』」

 

「と、止められた・・・!」

 

「・・・!ターン、エンドです」

 

PW28000➡PW12000+SH20000=32000

PW41000➡PW12000(完全ガード)

PW38000➡PW12000+SH30000=42000  アイチの手札2枚 山札26枚  レオンのダメージ5枚(裏2枚)

 

「はっはっはっはー!どうだナギサ!あれが俺を倒した男の実力だ!」

 

「ゴウキさん・・・威張るところじゃないです・・・」

 

「お兄ちゃん・・・」

 

変なところで威張ってるゴウキにスバルとナギサが呆れている。

 

「ふん・・・」

 

キョウヤは興味が失ったのか誰にも気づかれることなく、店から去っていった。

 

「見事だったよ先導アイチ。だが君の風は、僕には届かなかったようだ。コール。ストームライダーディアマンテス」

 

ストームライダーディアマンテス  PW12000

 

「メイルストロームのスキル。カウンターブラスト。前列全てにパワープラス3000」

 

ラザロス メイルストローム R ディアマンテス

ドロテア    テオ    R

 

「さらばだ、騎士王よ。テオのブースト、メイルストロームでヴァンガードにアタック!」

 

「アイチ!!ファイトに集中しろ!!」

 

「!!が、ガード!ふろうがる!」

 

メイルストロームはビームミサイルをアルフレッド(アイチ)にめがけて放った。だがそのビームミサイルはふろうがるが進行を凌いでいる。

 

「勝つも負けるもトリガー次第かよ!」

 

「頼む・・・ここで出るなよ・・・!」

 

「ツインドライブ。ファーストチェック『蒼嵐竜メイルストローム』セカンドチェック『高速遊撃のイルカ兵(前)』フロントトリガー」

 

「ここでトリガーゲット。前列のユニットにパワー10000」

 

「これでメイルストロームのパワーは33000!」

 

「まだ逆転のトリガーはある!」

 

「・・・ダメージチェック」

 

アイチはこのダメージチェックに緊張が走るが、意を決してチェックする。出てきたのは・・・

 

『ブラストー・ブレード』

 

ノートリガー。ダメージ6でアイチの敗北だ。

 

ビームミサイルの威力に耐え切れなかったふろうがるは振り払われ、ミサイルはそのままアルフレッド(アイチ)を包み込ませていった。

 

PW23000(+10000)➡PW13000+SH15000=28000

 

アイチのダメージ6枚  レオンのダメージ5枚  勝者レオン

 

「・・・負けました」

 

「ショップ対抗戦!大将戦は、蒼龍レオン君の勝利です!」

 

『おおおおおおお!!』

 

白熱したファイト、レオンの勝利によって観客は大歓声を広げる。

 

「すげぇ・・・こんなすげぇファイト、見たことないぜ・・・!」

 

カムイ自身も高レベルなファイトに感激している。

 

「よっしゃあ!よくやったレオン!それでこそ俺が見込んだ男だ!」

 

戻ってきたレオンを出迎えたのはゴウキだった。

 

「悪いが、ここで失礼するよ」

 

「言っちゃうの?」

 

「飛行機の時間があるのでね」

 

「おう!引き留めて悪かったな!」

 

「また遊びに来てね、レオン君」

 

ゴウキたちに見送られながらレオンは店から出ようとする。そこでアイチが呼び止める。

 

「あ、あの・・・!ありがとう。君とファイトができて、よかった」

 

「ジェットストリーム」

 

「え?」

 

「高度10000メートルに吹く平成風だ。風は高いところほど強く吹く。君ももっとヴァンガードの高みへ来たまえ。待ってるよ」

 

レオンはアイチにそう言って店を出て、待機してあった車に乗り込む。レオンが乗車するのを確認すると、車は発射していった。

 

「さすがはアジアチャンピオンってところだな」

 

(ヴァンガードの・・・高み・・・)

 

アイチがそう考えていると、急に疲れが出始め、その場で座り込んでしまう。

 

「お、おい!」

 

「アイチ⁉」

 

「大丈夫⁉」

 

「・・・頭を使いすぎて疲れたんだな。誰か、飴とかチョコとか持ってない?」

 

「あ、俺一応あるぜ。ほら、食えよ、アイチ」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

カズヤはアイチを近くのベンチに移動させて寝込ませた後、持ってきていたチョコレートをアイチに渡す。

 

(それにしても・・・さっきのあれ・・・なんだったんだろう・・・?)

 

アイチはファイトの途中で見た未来映像のようなもの、知らないうちにガードしていたことを考えていた。

 

 

レオンが乗っている車は空港を目指して走っている。レオンは車の窓をじっと見つめている。

 

「・・・すまない、止めてくれ」

 

レオンの指示で運転手はここで車を止める。レオンは車の窓を開ける。

 

「・・・やはり、君も見ていたんだね・・・キョウヤ」

 

「・・・・・・」

 

レオンの視線の先の曲がり角から出てきたのは、ファイトを観戦していたキョウヤだった。

 

「ハッキリ言って、理解に苦しむ」

 

「何がだい?」

 

「とぼけるな。あなたもわかっているはずだ。メイルストロームは3回目と4回目のリアガードの攻撃がヒットすれば、メイルストロームはスタンドする能力を持つ。あの少年がどうあがいたところで、勝負は目に見えていた」

 

どうやらキョウヤはファイトの流れをわかっていたらしく、見るに堪えずに出ていったようだ。

 

「・・・あの少年があなたと同じ"波"を持っていることは認める。俺にはないあの"波"を。しかし、だとしてもあなたがそこまであの少年を気にかけるのか理解できない」

 

「理解できない・・・は、こちらのセリフだ。最初はアイチ君に気にも留めなかった君が、今ではアイチ君を憎んでる。いや・・・違うな・・・これは、焦りの風か。そう感じさせるのはなぜだい?」

 

レオンの問いかけにキョウヤは特に気にも留めていない。

 

「・・・レオンの神聖なるファイトを汚した・・・憎む理由など、それで十分だ」

 

「僕は、そうは思っていないが?」

 

「・・・これだけは言っておく、レオン。あなたを超えるのはこの俺だ。あの少年ではない・・・俺だけだ。それこそが、恩師であるあなたに対する・・・俺自身が考えた、恩義だ」

 

キョウヤはそれだけをレオンに言い残し、その場を去っていった。

 

「・・・僕を超える・・・か・・・」

 

キョウヤの言葉を聞いたレオンはくすりと笑みを浮かべる。

 

「・・・ジェットストリーム。高いところほど風は吹く。案外彼は、アイチ君と似ているのかもしれないな」

 

 

カードキャピタルでは、第6試合を終えた後、チームQ4とチームNWOとで今後どうするのか話し合っている。

 

「さて、これで3勝3敗のイーブンになったわけだけど・・・」

 

「このまま引き分けで納めときゃ、角が立たなくていいんじゃないか?」

 

「いいや!最初に4勝した方が勝ちって約束だ!優勝決定戦をやる!」

 

カズヤはこのまま引き分けでいいと考えているが、ゴウキは決着をつけないと気が済まないようだ。

 

「どうする?」

 

「好きにすれば?」

 

ミサキの了承も得、優勝決定戦をやることに決まった。

 

「俺様が出る!」

 

「カムイ君」

 

「アイチお義兄さんのファイトを見てたら、なんか・・・かーっと燃えてきたんだ!俺にやらせてくれ!そして、俺の相手は、お前だ!大文字ゴウキ!」

 

「何ぃ?」

 

優勝決定戦にはカムイが出場し、その対戦相手をゴウキを選んだ。

 

「これって、そういうルールだっけ?」

 

「多分違うと思う」

 

「いいじゃない!そこまで言われて、引き下がる理由はないわ!」

 

「ゴウキさん、どうします・・・なんて、言うまでもないですよね」

 

スバルはゴウキの考えをわかっているのか、後ろへと引き下がる。

 

「お前がどれだけ腕を上げたのか、たっぷり見せてもらおうじゃねぇか・・・カムイ!」

 

カムイの挑戦に対し、ゴウキは好戦的な笑みを浮かべてファイトを受けて立った。このショップ対抗戦も、もう間もなく終わりが近づいてきた。

 

to be continued…




シズク「さっそくお電話が繋がってるようですね~☆もしもーし☆」

アイチ「あ、初めまして。先導アイチ、中学3年生です」

シズク「アイチきゅんの質問は何ですか?」

アイチ「先日、デッキを組んでいたら、ブラスター・ブレードが僕に話しかけるようになったんです」

シズク「ほうほう、ブラスター・ブレードが?」

アイチ「はい。アイチ、明日起きられないんだから早く寝なさいとか、寝癖がついてるから直しなさいとか・・・」

シズク「・・・ん?」

アイチ「ご飯はよく噛んで食べなさいとか・・・」

シズク「・・・えーでは専門家の日下部リン先生お願いします」

リン「アイチ君。それはブラスター・ブレードではありません。エミちゃん・・・あなたの妹です」

イメージ15「男たちの戦い!!」


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男たちの戦い!!

毎度の如く遅くなって申し訳ございません。楽しみにしてくださっている方を待たせるのは本当に申し訳ないです。

そのお詫びと言ってはなんですが、リライブ版の設定を用意しました。これで何卒。

アニメ終わっちゃいましたね。そして再来週にはシンさんが主人公のアニメが・・・。

まだまだ暑いこの時期ですが、がんばっていきましょ!

今回でショップ対抗戦最後です!それではどうぞ!


カードキャピタルとカードショップヴォヤージュのショップ対抗戦第6試合、出てきたのは残ったメンバーから必然的に考えて、チームQ4からはアイチが、チームNWOからはアジアチャンピオン、蒼龍レオンだ。アイチはレオンの惑星クレイの一部になったかのような強いイメージ力に圧倒されながらも負けじと対抗する。そして、その最中に見た未来映像、自分でもわからずにガードをして場を切り抜けた場も見受けられた。そして、新たな切り札、騎士王アルフレッドでとどめを刺そうとしても、レオンには届かず、蒼嵐竜メイルストロームの一撃によって敗北、互いにイーブンとなった。これで引き分けでもよかったのだが、勝敗が付かないと気が済まないゴウキは優勝決定戦を提案する。そしてその優勝戦に出るのを名乗り出たのはカムイだった。そしてカムイが選んだ相手は因縁のある相手、ゴウキだった。

 

「今日こそお前をぶっ潰してやるぜ!覚悟しろ、ゴウキ!」

 

「お前がどれだけ腕を上げたのか、たっぷり見せてもらおうじゃねぇか、カムイ!」

 

すでにファイトの準備を整えたカムイとゴウキは後はシンの合図を待つだけだ。

 

「カムイ君、すごい気合いだね」

 

「うん・・・このファイトはカムイ君にとって特別なファイトだからね」

 

「?Q4の優勝がかかってるからっすか?」

 

「それもあるけど・・・」

 

「個人的な因縁って奴だよ。あいつはずっとゴウキに勝つために修行してたらしいからな。両方の意味ですげぇプレッシャーだろうぜ」

 

エミ、アイチ、アツシ、カズヤは今のカムイを見て、そんな会話をしている。

 

「がんばってー!お兄ちゃん!」

 

「頼むぞ、ゴウキ!」

 

「ゴウキ、ファイト」

 

「ゴウキさん・・・健闘を祈ります!」

 

チームNWOのメンバーはゴウキを応援している。

 

「これより、チームQ4対チームNWO、優勝決定戦を始めます!!」

 

「行くぜ!」

 

「来い!」

 

シンの合図によって、正真正銘のラストファイト、優勝決定戦、因縁の対決が始まった。

 

 

 

イメージ15「男たちの戦い!!」

 

 

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「バトルライザー!」

 

「案内するゾンビ!」

 

バトルライザー  PW6000

 

案内するゾンビ  PW6000

 

「俺様の先攻だ!ドロー!俺様ライド!ライザーカスタム!」

 

ライザーカスタム  PW8000

 

「バトルライザーのスキルで1枚ドロー!

ライザーカスタムのスキル!手札を1枚ソウルへ『シャイニング・レディ(☆)』先攻でアタックできる!」

 

R ライザーカスタム R

R    R     R

 

「ライザーカスタムでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『お化けのりっく(治)』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW6000  カムイの手札5枚 山札42枚  ゴウキのダメージ1枚

 

「俺のターンだ!ドロー!ライド!伊達男ロマリオ!」

 

伊達男ロマリオ  PW8000

 

「案内するゾンビのスキルで1枚ドロー!さらに、イービル・シェイドをコール!」

 

イービル・シェイド  PW8000

 

イービル ロマリオ R

 R    R   R

 

「ロマリオでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード!『キャノン・ボール(前)』」

 

「ドライブチェック『大幹部ブルーブラッド』イービル・シェイドでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『アシュラ・カイザー』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000+SH15000=23000

PW8000➡PW8000  ゴウキの手札5枚 山札41枚  カムイのダメージ1枚

 

「俺様のターン!スタンド&ドロー!俺様ライド!ハイパワードライザーカスタム!」

 

ハイパワードライザーカスタム  PW9000

 

「ハイパワードライザーカスタムのスキル発動!ソウルからバトルライザーを同じ縦列にスペリオルコール!行こうぜ、バトルライザー!お前たちも来い!ライザーカスタム!バーストライザー!」

 

バーストライザー  PW9000

 

  バースト   ハイパワード  R

ライザーカスタム バトルライザー R

 

「来い!」

 

「ライザーカスタムのブースト、バーストライザーでヴァンガードにアタック!いけぇ!ライザーストライク!!」

 

「ノーガードだ!ダメージチェック『魔の海域の王バスカーク』」

 

「バトルライザーのブースト、ハイパワードライザーカスタムでヴァンガードにアタック!

バーストライザーのスキル発動!カウンターブラスト!ソウルブラスト『シャイニング・レディ(☆)』立ち上がれ、バーストライザー!

さらにライザーカスタムのスキル!同じ縦列のリアガードがスタンドしたことで、ライザーカスタムはスタンド!」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『ツイン・ブレーダー(引)』ドロートリガー!パワーはバーストライザーに!1枚ドロー!」

 

「ダメージチェック『キャプテン・ナイトミスト』」

 

「今だ!ライザーカスタムのブースト、バーストライザーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ。ダメージチェック『ダンシング・カットラス』」

 

「ターンエンドだ!どうだ!」

 

PW17000➡PW8000

PW15000➡PW8000

PW27000➡PW8000  カムイの手札4枚 山札38枚  ゴウキのダメージ3枚

 

「カムイ君!」

 

「はっ、やるじぇねぇか小学生!」

 

「むむむぅ~・・・スバル君~・・・」

 

「まだファイトは序盤、大丈夫だよ。それは、ナギサちゃんが1番知ってるでしょ?」

 

「う、うん・・・」

 

「俺のターンだ!スタンド&ドロー!ライド!ルイン・シェイド!」

 

ルイン・シェイド  PW9000

 

「ライド時の伊達男ロマリオのスキル。カウンターブラスト。手札を1枚ソウルへ『不死竜スカルドラゴン』山札から3枚をドロップゾーンに」

 

ドロップゾーンに置かれたカード『突風のジン(引)』『大幹部ブルーブラッド』『イービル・シェイド』

 

「ドロップゾーンから突風のジンを手札に加える。イービル・シェイドを移動、ルイン・シェイド、大幹部ブルーブラッドをコール!」

 

ルイン・シェイド  PW9000

大幹部ブルーブラッド  PW9000

 

「ブルーブラッドのスキル!ドロップゾーンに他のブルーブラッドがいれば、パワープラス4000!」

 

ブルーブラッド ルイン ルイン

 イービル    R   R

 

「行くぜ、野郎共!!」

 

『『『おおおお!!』』』

 

「まずはリアガードのルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

ルイン・シェイドのスキル発動!山札の上から2枚ドロップゾーンへ『不死竜スカルドラゴン』『イービル・シェイド』パワープラス4000!少しは強くなったみたいだな」

 

「当たりめぇだ!インターセプト!『バーストライザー』」

 

「ヴァンガードのルイン・シェイドでヴァンガードにアタック!

ルイン・シェイドのスキル発動!山札の上から2枚ドロップゾーンへ『ナイト・スピリット(☆)』『キャプテン・ナイトミスト』パワープラス4000!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『ダンシング・カットラス』」

 

「ダメージチェック『パーフェクトライザー』」

 

「だが、こんなもんじゃねぇだろ!お前もそう思うだろ?ブルーブラッド」

 

『へい、旦那』

 

「イービル・シェイドのブースト、ブルーブラッドでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『ツイン・ブレーダー(引)』ドロートリガー!パワーはヴァンガードに!1枚ドロー!」

 

「ブルーブラッドのスキル!アタックがヒットした時、自身を退却。2枚ドロー。そして手札から1枚をドロップゾーンへ『不死竜スカルドラゴン』ターンエンドだ」

 

PW13000➡PW9000+SH5000=14000

PW13000➡PW9000

PW17000➡PW9000(+10000)  ゴウキの手札6枚 山札27枚  カムイのダメージ3枚(裏1枚)

 

「どうしたカムイ。修行の成果とやらを見せてみろ」

 

「言われるまでもねぇ!俺様ライド!パーフェクトライザー!!」

 

パーフェクトライザー  PW12000

 

「イマジナリーギフト・アクセル!!」

 

イマジナリーギフト・アクセル発動!  アクセルサークル追加

 

「こい!ハイパワードライザーカスタム!アシュラ・カイザー!お前もだ!」

 

アシュラ・カイザー  PW12000

 

  アシュラ   パーフェクト  R ハイパワード

ライザーカスタム バトルライザー R

 

「ライザーカスタムのブースト、アシュラ・カイザーでヴァンガードにアタック!いけぇ!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『お化けののーまん』やるな」

 

「いけ!ハイパワードライザーカスタム!ヴァンガードにアタックだ!」

 

「舞え!ダンシング・カットラス!ルイン・シェイド、インターセプトだ!」

 

「俺様が行く!バトルライザーのブースト、パーフェクトライザーでヴァンガードにアタック!アルティメット・フルスロットル!

パーフェクトライザーのスキル!カウンターブラスト(2)!アシュラ・カイザー、ハイパワードライザーカスタムをスタンド!

さらにライザーカスタムのスキル発動!自身をスタンド!何度倒れても立ち上がる!」

 

「!」

 

「あの日、お前が教えてくれたことだ!」

 

カムイ、ゴウキの脳裏に浮かび上がったのは、カムイがゴウキに勝てないことに悩んでいた時の川辺だ。

 

 

『全然ゴウキに勝てねぇ・・・』

 

『まぁ、ゴウキさんは強いからね』

 

『なぁスバル・・・どうすればゴウキに勝てるんだ?』

 

『え・・・?どうすればって言われても・・・』

 

『男がそんなしけた顔すんな、カムイ』

 

『!ゴウキ』

 

『ゴウキさん』

 

『そんなに知りてぇなら教えてやるよ。それはな・・・』

 

『『・・・・・・』』

 

負けねぇってことだ!!

 

『ずこっ!』

 

『さ、さすがはゴウキさんです!』

 

『納得すんなスバル!んなもん当たり前のことだろうが!』

 

『何度倒れたっていい・・・諦めずに立ち上がるんだ!!

 

『もうやってるよ!それでも勝てねぇから困ってんじゃねぇか!』

 

『・・・そうだな。だが、それだけじゃダメだ。お前にはまだ足りねぇもんがある』

 

『それだ!!それを教えてくれよ!』

 

『・・・それはお前が探せ。修行の中でな。いくぞ、スバル』

 

『あ、はい』

 

『あ・・・』

 

 

「何度だって立ち上がる・・・諦めねぇ!それが俺様だぁ!!」

 

「なるほどな・・・だがその程度じゃ俺は倒せねぇぜ!完全ガード!突風のジン!

突風のジンのスキル発動!手札を1枚捨てることで、ルイン・シェイドに攻撃はヒットしない!」

 

パーフェクトライザーはルイン・シェイドに向かって強烈なパンチを繰り出そうとした時突風のジンが現れ、暴風を吹き出し、パーフェクトライザーを吹き飛ばした。攻撃はヒットされない。

 

「ちっ・・・諦めねぇ!ツインドライブ!ファーストチェック『トランスライザー』セカンドチェック『キャノン・ボール(前)』フロントトリガー!前列全てのユニットにパワープラス10000!ユニットのパワーアップ!ライザーカスタムのブースト、行け、アシュラ・カイザー!ヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『キャプテン・ナイトミスト』」

 

「今だ!ハイパワードライザーカスタム!ハンマースパンチャー!!」

 

「頼むぜお前たち!伊達男ロマリオ!モータル・ミミックでガードだ!」

 

「くっ・・・ターンエンドだ」

 

PW20000➡PW9000

PW19000➡PW9000+SH15000=24000

PW18000➡PW9000(完全ガード)

PW30000➡PW9000

PW29000➡PW9000+SH25000=34000  カムイの手札4枚 山札32枚  ゴウキのダメージ5枚(裏1枚)

 

(決めきれなかったか・・・けど・・・)

 

これでゴウキのダメージは5枚。後1ダメージでカムイの勝ちが決まる。

 

「すげぇ!あのアジアサーキットナンバー2を追いつめたぜ!」

 

「もしかすると、もしかする?」

 

「となれば、今やることは・・・」

 

「俺様の応援こそが奴にとってのクリティカルトリガーになる!!」

 

カムイの勝利が近づいたことによって森川たちのグループはカムイの応援を始める。

 

「ゴウキの手札は1枚・・・けど・・・」

 

「ああ。奴のドロップゾーンにはカードがたんまりだ」

 

「さてさて、何を企んでるんだか」

 

「ここが勝負だよ!気合い入れな!」

 

「がんばって、カムイ君・・・!」

 

チームQ4とそれ以外のメンバーは緊迫した雰囲気でファイトを見守る。

 

「お兄ちゃんファイト・・・」

 

「ここで決めろ、ゴウキ!」

 

「ゴウキなら逆転できる」

 

「ゴウキさん・・・」

 

チームNWOのメンバーはゴウキを応援している。

 

「どうしたカムイ!修行の成果はその程度か!」

 

「・・・っ!」

 

「言ったはずだぜ。お前にはまだ足りないものがあるってな」

 

「くっ・・・」

 

「見せてみろ、お前が出した答えを!ライド!魔の海域の王バスカーク!!

 

魔の海域の王バスカーク  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「ドロップゾーンのカードが10枚以上。このターン中のバスカークにパワープラス5000、クリティカルプラス1。

イービル・シェイドのスキル発動。カウンターブラスト。ドロップゾーンのイービル・シェイドをバインド。もう1体イービル・シェイドをスペリオルコール。クレイをさまよう死者の魂よ。我が元へ集え!

コールしたイービル・シェイドのスキル!カウンターブラスト。ドロップゾーンのスカルドラゴンをバインド!ドロップゾーンからスカルドラゴンをスペリオルコール!」

 

不死竜スカルドラゴン  PW12000

 

「ドロップゾーンのダンシング・カットラスのスキル!ドロップゾーンの他のダンシング・カットラスをバインドして、山札の上から1枚、ドロップゾーンに『ナイトスピリット(☆)』ドロップゾーンからスペリオルコール!」

 

ダンシング・カットラス  PW6000

 

「くく、待たせたな、スカルドラゴン。今解き放ってやる。

魔の海域の王バスカークのスキル!カウンターブラスト!ソウルブラスト『不死竜スカルドラゴン』ドロップゾーンからスカルドラゴンをスペリオルコール!呼び出したユニットのグレードに応じて、バスカークにパワープラス5000!グレード3によってパワープラス15000!

スカルドラゴンのスキル!ドロップゾーンのカード1枚につき、自身のパワープラス2000!合計11枚によってパワープラス22000!」

 

スカルドラゴン バスカーク スカルドラゴン

 イービル   カットラス  イービル

 

「さあ、行くぜ野郎共!!」

 

『『おおぉぉぉぉ・・・』』

 

「ドロップゾーンからのスペリオルコールで盤面を埋めやがった!」

 

「同じスペリオルコールでもアイチきゅんやマリ先輩のロイヤルパラディンとは似ても似つかないね!しかもこの状況・・・」

 

「いや、後列のリアガードが全て展開されている分、あたしの時より遥かに上。こんなの・・・止められない・・・」

 

「「・・・・・・」」

 

カードキャピタル陣営のメンバーはこの盤面を大ピンチと捉えている。

 

「すごいすごいすごい!さすがお兄ちゃん!!」

 

「これぞアジアナンバー2、そしてヴォヤージュに大文字ゴウキありと言われる所以さ」

 

「この勢いは止められない」

 

「カムイ君、君はどう出るのかな?僕の憧れ、大文字ゴウキさんの攻撃をどう対処する?」

 

チームNWOのメンバーは手札1枚の中でリアガードを全て埋めた凄腕に感服している。

 

「・・・これまでか。終わりにしよう。カットラスのブースト、魔の海域の王バスカークでヴァンガードにアタック!」

 

「くっ・・・」

 

1つは確実に攻撃をヒットしてしまう状況の中、カムイは諦めの姿勢を見せてしまう。

 

「あわわ!どうしよう!」

 

「ここまで追いつめたのに!」

 

「万事休すか!」

 

「もうダメだぁー!やはり俺様が戦うべきだったんだぁ~!!」

 

万事休すな状況に諦めの思考が早くも浮かばせる森川のグループ。

 

「静かにしな!」

 

「静かになさい!」

 

特に大声で慌てふためいている森川をミサキとマリンの鶴の一声、睨みで一瞬で黙らせる。

 

「まだ終わってないよ、カムイ君!!」

 

「!!アイチお義兄さん・・・!」

 

アイチの激励にカムイは目を見開かせて、あることを脳裏に浮かべた。それはカムイが初めてアイチとファイトした時のことだった。

 

(アイチお義兄さんは、ファイトの勝ち負けなんか気にしてなかった・・・そういうことか・・・)

 

カムイはアイチのその姿勢を思い出し、カムイの中で気づくべきものに気付き、諦めないという気持ちが蘇った。そしてこの攻撃は思い切った決断をする。

 

「・・・ノーガード!!」

 

「思い切ったな!」

 

カムイの思い切りの良さ、諦めないという姿勢を見てアイチたちは笑みを浮かべる。それはゴウキも同じだった。

 

「カムイ・・・。ツインドライブ。ファーストチェック『不死竜スカルドラゴン』セカンドチェック『お化けのりっく(治)』ヒールトリガー!ダメージ1回復、パワーは左のスカルドラゴンに。いくぞ!うおりゃああああ!!」

 

バスカークはダンシング・カットラスを手に持ち、勢いよくパーフェクトライザーに近づき、2回連続の斬撃を放った。これでパーフェクトライザーの機体は限界に近いが、何とか持ちこたえて見せた。

 

「見せてやるぜゴウキ・・・俺様の、本当の修行の成果をな!ダメージチェック『ライザーカスタム』セカンドチェック『ハイパワードライザーカスタム』まだまだぁ!来やがれぇ!」

 

「・・・へっ、面白れぇ。イービル・シェイドのブースト、左のスカルドラゴンでヴァンガードにアタック!ブレス・オブ・アトーズメント!!」

 

「頼むぜ、ツイン・ブレーダー!完全ガード!」

 

『たあぁ!エレクテット・スプラーッシュ!!』

 

コスト『トランスライザー』

 

「アタック終了時、スカルドラゴンは退却。イービル・シェイドのブースト、右のスカルドラゴンでヴァンガードにアタック!」

 

「(見ててください、アイチお義兄さん・・・!俺様の・・・超絶ビクトリーイメージ!!)

頼んだぞ!ウォール・ボーイ!キャノン・ボール!」

 

「ターンエンド。カムイ・・・お前・・・」

 

PW38000➡PW12000

PW52000➡PW12000(完全ガード)

PW42000➡PW12000+SH35000=47000  ゴウキの手札4枚 山札21枚  カムイのダメージ5枚(裏3枚)

 

「やったね、カムイ君!」

 

「アイチお義兄さんのおかげです!」

 

「え?」

 

アイチの言葉にどう言う意味か分からないでいるアイチは首をかしげる。

 

「なるほどな・・・ここで腕試しをしていたというお前の言葉に、ウソはねぇってわけか」

 

「ああ!俺様のターン!スタンド&ドロー!今度は俺様の番だ!お前にも存分に見せてやる!俺様の、激熱ファイトでな!トランスライザー、シャイニング・レディをコール!」

 

シャイニング・レディ(☆)  PW5000

トランスライザー  PW8000

 

「だっはぁ!マジかよ!手札を使い切ったぜ!」

 

カムイが手札を使い切るという行為に増田は驚愕する。

 

「次のターンでゴウキのあれをやられたらもう耐えられねぇからな。勝ちにいくしかねぇ!」

 

「漢見せろ、カムイ!!」

 

「いけぇ!カムイ君!!」

 

  アシュラ   パーフェクト  シャイニング ハイパワード

ライザーカスタム バトルライザー  トランス

 

「っしゃあ!いけぇ!ハイパワードライザーカスタム!ヴァンガードにアタックだ!」

 

「上等だ!ノーガード!」

 

「ハンマースパンチャー!!」

 

「ぐわあ!まだまだ・・・ダメージチェック『モータル・ミミック(☆)』っしゃあ!クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードへ!」

 

「これでカムイのアタックは全て通らなくなった」

 

「でも、まだ終わってません」

 

「どうしたカムイ?かかってこい!」

 

「言われるまでもねぇ!力を貸してくれ、バトルライザー!リミッター解除!アルティメット・フルスロットル!!ヴァンガードにアタック!!

パーフェクトライザーのスキル!カウンターブラスト(2)!立て、ハイパワードライザーカスタム!」

 

「お化けのりっくでガード!」

 

パーフェクトライザーは機体ダメージで力が入らない状況でも力を振り絞り、バスカークめがけて強烈なパンチを繰り出す。バスカークの前にりっくが防御に入り、パーフェクトライザーの攻撃が通らない。

 

「くっ・・・ドライブチェック!」

 

「運命のドライブチェック!ここでフロントトリガーが来ないとカムイきゅんに勝ち目はないよ!」

 

「他のトリガーじゃアタックはできてもプロテクトで通らねぇからな」

 

「でも、フロントトリガーなら!」

 

他のトリガーが出てきたとしても1体だけではプロテクトで防がれる。だがフロントトリガーなら前列にパワーが10000上がるので連続攻撃が可能となる。

 

「うおおお!!神様、仏様、俺様!!」

 

「「「ええ!!?」」」

 

森川の祈りの中に自分までも入っていることに変に驚く井崎たち。彼らは放っておいて、緊迫の空気の中、運命のドライブチェック

 

「ファーストチェック『バーストライザー』くっ・・・セカンドチェック!」

 

(カムイ君!)

 

(カムイ!)

 

(ゴウキさん・・・)

 

(お兄ちゃん・・・!)

 

(お願い・・・!)

 

全員が見守る中、運命のセカンドチェックの結果は・・・

 

「セカンドチェック『ターボライザー(前)』!ふ、フロントトリガー・・・」

 

「ふ・・・ようやくわかったようだな」

 

「ゴウキ・・・」

 

「負けねぇって本当の意味を。その志を忘れんなよ、カムイ。それさえあれば、お前は!きっと、もっと強く!!」

 

負けないことの本当の意味に気付いたカムイはゴウキの言葉に胸にとどめながら、前列にパワープラス10000し、アタックフェイズに戻る。

 

「ライザーカスタムのブースト、アシュラ・カイザーでヴァンガードにアタック!」

 

「・・・ノーガードだ」

 

アシュラ・カイザーはライザーカスタムの援護の下に複数ある腕を活かし、刃による斬撃をバスカークに放った。バスカークは蓄積されたダメージによって、静かに倒れていく。

 

PW19000➡PW12000(+10000)

PW18000➡PW22000+SH20000=32000

PW30000➡PW22000

 

ダメージチェック『キャプテン・ナイトミスト』

 

カムイのダメージ5枚  ゴウキのダメージ6枚  勝者カムイ

 

ファイトの勝敗が決し、あたりには沈黙が続く。そして、沈黙を破ったのはシンだった。

 

「勝者、チームQ4、葛木カムイ君!!」

 

『おおおお!』

 

「カムイ君!」

 

「やってくれたわね」

 

「漢、見せてもらったぜ、カムイ!」

 

カムイの勝利で周りは興奮、チームQ4といつものメンバーたちはカムイの勝利に笑みを浮かべる。当の勝利したカムイもゴウキに勝てて喜びに満ちている。

 

「負けたぜ。いい面になったな、カムイ」

 

「!ゴウキ・・・」

 

「忘れんなよ。その力は、お前が本気で強くなろうとして手に入れたものなんだからな!」

 

「・・・っ」

 

ゴウキが本当に伝えたかったものを理解し、カムイはうれしさで思わず涙がこぼれそうになる。

 

「カムイ、もう1度俺たちのところへ戻ってこい」

 

「!」

 

ゴウキのヴォヤージュ帰還への誘いにカムイは驚きはあった。カムイの心はとうに決まっている。涙を拭いてそれを伝える。

 

「ありがてぇけど、気持ちだけもらっとくぜ!俺の居場所は・・・ここなんだ!」

 

カムイの誇らしげな表情、そして、カードキャピタルの仲間たちを見てゴウキは納得し、笑みを浮かべる。そんな時、上の階でファイトを見ていたナギサは階段を下りてファイト台スペースへと向かってくる。

 

「ナギサ・・・お前も・・・この俺の男気ファイトに・・・熱い涙を・・・!」

 

「あ、いや・・・ゴウキさん・・・」

 

降りてくるナギサを見てゴウキはナギサを抱きしめる体制になる。スバルはそんなゴウキに何かを言いかけている。

 

「ナギサーーーー!!」

 

「カムイちゃーーーん!!」

 

「ええええええ!!?」

 

ナギサが駆け付けたのはゴウキの方ではなく・・・カムイの方だった。そして勢いのままナギサはカムイに抱き着いた。

 

「な・・・に・・・お、おい!何すんだ!離れろ!」

 

「離さないもーん!ナギサと結婚してー!」

 

「はあ!!?」

 

ナギサの結婚発言にカムイは目を見開かせ驚いている。

 

「いきなりすぎて意味わかんねぇぞ!大体お前、俺様のこと裏切り者呼ばわりしてただろ!」

 

「だって・・・カムイちゃん本当にヴォヤージュ出ていっちゃうんだもん・・・」

 

何が何だかわからないカムイに降りてきたスバルが下りてきて説明する。

 

「ごめんねー、カムイ君。君がゴウキさんに勝つまでナギサちゃんに口止めされてたんだ。ナギサちゃんが好きな相手は・・・カムイ君なんだって」

 

「なにぃいいいいい!!?」

 

スバルの衝撃的発言にカムイは絶叫する。つまり今までのカムイに対する敵対心は彼女なりの照れ隠しなのだろう。

 

「本当に黙っててごめんね!でも君たち、とってもお似合いなんだし、いっそのこと付き合ったらどう?ゴウキさんもOKですよね?」

 

「えっ⁉」

 

「俺に勝つこともできない奴を認めるわけにはいかん・・・だが!お前は勝った!うんうん!仕方がない、全力で2人を祝福するー!!」

 

「ちょっ!俺にはもう、心に決めた女神が・・・」

 

カムイがゴウキやスバルの意見に異を唱えようとしたが・・・

 

「おめでとう、カムイ君!ゴウキさんにも勝って未来のお嫁さんもゲットだなんてやったじゃない!」

 

「まさにダブルクリティカル!なんつって!」

 

「「「あははははは!」」」

 

「お2人がご結婚する際の段取りは我がソランベルジュ家にお任せくださいまし」

 

エミの言葉や周りの雰囲気はもうナギサがカムイの彼女と認定されている。

 

「だあああああ!!助けてください、アイチお義兄さんーーー!!!」

 

そんな状況にカムイは涙を流しながらアイチに助けを叫んだのだった。

 

 

ショップ対抗戦も終わり、カムイは先ほどのことで疲労困憊の状態になりながら自宅への道のりを歩いていく。

 

「やれやれ・・・散々な目にあったぜ・・・」

 

ひどい目にあいながらも、カムイはゴウキに勝ったことに自信がついてきた。

 

(でも俺は・・・勝ったんだ!あのゴウキに・・・この俺が・・・。これで・・・あいつらにも・・・きっと・・・!)

 

カムイは自信あふれた表情で夕日を見つめるのであった。

 

 

とある暗き部屋・・・この部屋には5人のファイターが集まっている。

 

銀髪の少年・・・大柄で紫の長髪、髭を生やした男性・・・黒髪の短髪の女性・・・金髪の長髪の女性・・・。

 

そして奥には・・・赤い長髪に赤い瞳をした青年がいた。

 

「つまらない・・・私が強くなりすぎたのかな・・・櫂・・・」

 

赤の長髪の青年はそう呟き、櫂の名を口にしたのだった。

 

to be continued…




ゴウキ「あなたはどのような時でも夫の支えとなり、愛し続けることを誓いますか?」

ナギサ「はい!誓います!」

スバル「では、ファーストヴァンガードの交換を・・・」

カムイ「するかああああ!!」

ナギサ「カムイちゃんったら照れちゃって♡」

カムイ「照れてねぇよ!って、お前!いつの間に俺様と同じクランに⁉」

ナギサ「さっきお兄ちゃんに組んでもらったの。嫁入り道具だって」

ゴウキ「ナギサへの、兄としての餞だぁ!!」

スバル「ナギサちゃん・・・おめでとう!!」

ナギサ「ああああ!お兄ちゃーーん!!スバルくーーん!!」

カムイ「もうやだああああ!!アイチお義兄さーーん!!」

イメージ16「謎の敵・フーファイター!!」


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フーファイター編
謎の敵・フーファイター


まさか1か月もかかってしまうとは夢にも思いませんでした・・・。

新右衛門編の話に難航していたり、ヴァンガードエクスにのめり込んだり、六等分の花嫁こと六嫁の制作に取り掛かっていたらこんなにかかってしまうとは・・・。

さっきの難航というのは、新右衛門編の話を書いているのですが、中々自分の理想となるネタがしっくりこないのでどう形にするべきなのか悩んでる状況ですね。ですがこれ以上待たせるわけにもいかないので、まずは今話を載せることにします。

新右衛門編はRELIVEの方で掲載予定となっております。あらすじもタイトルも少し変わると思いますが、RELIVEだけは残しますよ。

楽しみにしている方々、遅くなってしまい誠に申し訳ございません。

あ、20日のWGPのクラン撃墜王に参加するので、もしかしたら当たる可能性があると思いますのであたりましたらよろしくお願いいたします。今回はぬばたまでいこうかなー・・・。

さて、今回からフーファイター編の始まりです。

それではどうぞ!


とある暗き部屋にいる4人のファイターは今年行われたアジアサーキットの記録映像、カードショップヴォヤージュと周りのショップの情報を見て、部屋の奥にいる大将格である赤い長髪に赤い瞳をした青年に情報を伝えている。

 

「大文字ゴウキ・・・アジアサーキット準優勝。ヴォヤージュというショップを拠点に活動しています。周辺にはこれだけのショップがあります」

 

「このエリアは結構レベルが高いと言われてますよ?この前もアジアチャンピオンの蒼龍レオンが現れたって噂が」

 

「それだけではありません。一条キョウヤとか名乗るファイターが各ショップに現れているとかどうとかという噂が出ております」

 

「・・・噂ねぇ・・・」

 

「我々に必要なのは噂ではなく、確実な情報だ」

 

大柄で顎髭を生やした男性は赤髪の青年に複数枚ある資料を渡す。

 

「このエリアへの侵攻計画です。ご承認を、レン様」

 

「全部任せるよ。あーちゃんとえっちゃん、てっちゃんに」

 

レンと呼ばれた青年がそう言い放ち、男性と女性2人はお辞儀をする。

 

「・・・あー、少年も」

 

「・・・」

 

青年のついでといわんばかりの対応に少年はいら立ちを見せている。報告を終えた4人は部屋を出てエレベーターへ乗り込み、下の階へと向かっていく。目的階にたどり着いた4人を出迎えたのは執事とメイドが1人ずつ。そしてさらに奥には、少しガラの悪いファイターたちが集まってファイトを行っている。男性はその大勢のファイターに集中させるように、伝令を伝える。

 

「レン様のご承認が下りた!これより、新たな侵攻計画を発動する!我らの掟はただ1つ!」

 

『勝者絶対!!敗者無用!!』

 

「フーファイター、出撃!!」

 

『おーー!!』

 

男性の出動命令によって、ファイターたちは拳を掲げる。ファイターたちの両手には共通して赤い結晶が埋め込まれた黒いグローブをはめていた。

 

 

 

イメージ16「謎の敵・フーファイター!!」

 

 

 

カードキャピタル、ここにいる客は今はまだ森川たちのグループしかいない。そんな森川のグループたちは今日もここでヴァンガードファイトをしている。

 

「稲永、あんた男のくせに情けないよ?」

 

「うぅ・・・負けた・・・」

 

「森川見てみなって。あいつ今日調子がいいよ?」

 

「ダメだぁ・・・ノートリガー・・・」

 

「よっしゃあ!5連勝!」

 

いつもと変わらず、楽しくファイトをしている中、ガラの悪いファイターたちが入店してきた。それに気づいた森川たちはそちらに視線を向ける。

 

「この店で最強のファイターは誰だ?」

 

ガラの悪いファイターたちのリーダー格の男がそう尋ねてきて森川は不敵に笑う。

 

「ふっ・・・それは・・・俺様だああああああ!!!」

 

「「「ええええええ!!?」」」

 

森川の発言に井崎たちは絶大の驚きを隠せないでいる。

 

「今ここにいる客では俺だろ?」

 

「「「確かに・・・」」」

 

一応ながらの訂正で井崎たちは納得するが、不安は残っている。

 

「最強の俺様に何の用だ?」

 

「俺が最強ファイターを倒したら、この店は我らの傘下に入ってもらう」

 

「?我らはって・・・」

 

「我らは、フーファイター」

 

彼ら、フーファイターの名が気になったメグミはスマホを使ってそれを調べてみる。

 

「フーファイターって・・・第2次世界大戦中によく目撃された謎の飛行物体のこと、だよね・・・?」

 

なんだか嫌な予感がひしひしと伝わってきた井崎だが、森川は楽観的だ。

 

「いいぜ。そのファイト受けてやる」

 

「いいの?森川君」

 

「今日からバイトのカズヤさんはともかく・・・」

 

「ミサキさんに知られたらまずいんじゃあ・・・」

 

「今日の俺は絶好調なんだ。心配すんな」

 

嫌な予感がだんだん強くなっていく井崎たちだが、森川は勝つ気満々でいるらしく、潔くファイトの申し込みを受ける。

 

「始めようぜ」

 

「その前に・・・こいつを付けてもらう」

 

リーダー格の男、川並ミナミはポケットからあるものを取り出し、森川に渡した。それは、川並たちがつけている黒いグローブだ。

 

「VFグローブ、ヴァンガードファイターズグローブだ。我らフーファイターは本気のファイトしかしない。これは本気のファイトを体感するためのアイテムだ」

 

「本気のファイトか。望むところだ!」

 

森川はヴァンガードファイターズグローブ、通称VFグローブをはめ、ファイトの準備を始める。川並も森川がVFグローブを付けたのを確認した後、ファイトの準備をする。

 

「?なんだ・・・?」

 

その様子を今日からキャピタルでアルバイトをすることになったカズヤが怪訝な表情をして見つめている。そんなカズヤに声をかけるミサキ。

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんか変な客が・・・」

 

「変な客?」

 

気になってカズヤとミサキは森川と川並のファイトを見つめる。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

互いに準備を終えた森川と川並はファイトを開始させる。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「いってきまーす!」

 

一方その頃、アイチはカードキャピタルへ向かおうと、たった今家から出てきた。

 

「おはようございます、アイチお義兄さん!」

 

アイチが家を出た瞬間、家の前で待っていたであろうカムイがアイチに向けて姿勢のいいお辞儀で挨拶する。

 

「え?カムイ君?」

 

「カードキャピタルに行くんでしょ?エミさんと一緒に!」

 

「エミなら友達と買い物に行ったよ?」

 

「・・・そっすか・・・」

 

今日はエミはキャピタルに来ないと分かった瞬間、カムイはがっくりする。

 

「・・・いやいや!アイチお義兄さんと一緒なら、何の文句もないっす!」

 

だがそれもなんのその、前向きに考えて気持ちを切り替えた。

 

「・・・前から疑問だったんだけど・・・カムイ君の家って結構遠いよね?近所のショップに行ったりしないの?」

 

アイチはカムイとカードキャピタルに向けて歩きながら、疑問に思っていたことをカムイに聞いてみた。

 

「何言ってるんすか?それじゃあアイチお義兄さんに会えないじゃないっすか」

 

「ははは・・・そうだね」

 

「・・・・・・それに、近所のショップは、いろいろあって・・・」

 

近所のショップのことを話す際、カムイは気まずそうな声で話をはぐらかしている。その様子をアイチは気になったりはしている。そう話している間にカードキャピタルにたどり着いた。

 

「あ、櫂君。リンちゃん。それに、シズクさんに三和さん」

 

ちょうどついたと同時に、偶然にも櫂たちもキャピタルにたどり着き、アイチたちと合流した。

 

「なんだ、お前ら。せっかくの休日だってのに、ここしか来るとこないのか?ま、俺らもだけどよ」

 

「なんだかんだ言って居心地いいからね~、ここ☆」

 

カードキャピタルに愛着があるということひしひしと感じていると・・・

 

ぐわあああああああああ!!!!

 

キャピタルの中から森川の苦痛の叫び声が上がってきた。

 

「!!今のは・・・」

 

「森川君だ!」

 

何事かと思い一同はキャピタルの中へと入っていった。そこに映っていたのは、苦しそうに地面にうつぶせている森川の姿があった。

 

「!!大丈夫?森川君・・・」

 

「まだファイトは終わってない」

 

アイチが森川に駆け寄ろうとすると、森川にファイトをけしかけてきた張本人である川並が制止する。

 

「まだ最後のダメージチェックが残ってる」

 

川並は苦しそうにしている森川にダメージチェックを催促させている。

 

「もうやめてくれぇ!!」

 

「このままじゃ本当に森川が・・・!!」

 

「こんなのヴァンガードじゃないよぉ!!」

 

「何を寝ぼけたことを言っている!これこそが本気のヴァンガードファイトだ!こいつもそれを望んだんだ!」

 

「本気の・・・ヴァンガードファイト・・・?」

 

井崎たちはファイトをやめるよう懇願するが、川並は耳を貸さない。本気のヴァンガードにたいしてアイチは疑問を浮かべる。

 

「もう我慢ならねぇ!!てめぇら表に出ろや!!ぶん殴ってやる!!!」

 

「ま・・・待ってくれ・・・」

 

堪忍袋の緒が切れたカズヤが川並たちに殴りかかろうとした時、森川が弱弱しく止めた。

 

「こんな奴に・・・負けてたまるかよ・・・!」

 

森川は立ち上がるのでさえやっとなのに、最後のダメージチェックを行おうとする。

 

「ダメージ・・・チェック・・・」

 

森川のダメージチェックで出たカードはノートリガー。ダメージ6となった。

 

「ノー・・・トリガー・・・」

 

「はははははは!!さあ、イメージしろ!惑星クレイで無残に散る自分の姿を!!」

 

森川がダメージのカードをダメージゾーンに置いた瞬間・・・

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリバリ!!!

 

ぎゃああああああああああああ!!!!

 

突然森川に全身に強烈な激痛が走り、森川は苦しみのを上げ、地面に膝をつく。

 

「森川君!!」

 

「・・・あ・・・アイチ・・・」

 

森川は駆け寄ってきたアイチに自分のつけているグローブを見せ、何かの忠告をする。

 

「こいつは・・・やばいぜ・・・」

 

「・・・グローブ・・・?」

 

言いたいことを言った森川は体の痛みの負担により、気を失い、倒れてしまう。

 

「「「森川(君)!!」」」

 

「おいおいカズヤ!ミサキさん!なんなんだあのグローブ!何でこんな・・・!」

 

アイチたちより先に来て、あのファイトに不審に思ったソウジがカズヤに問いかける。カズヤはVFグローブの説明をする。

 

「VFグローブ。あれを付けてファイトしやがったら、ダメージゾーンにカードを送る動きを検知して、全身に痛みが走るようになるって、世も末なアイテムだ」

 

「な・・・なんて最悪なアイテムなの・・・」

 

「ああ・・・ぞっとするぜ・・・」

 

「「・・・・・・」」

 

VFグローブの説明を聞いて、顔を青ざめるシズクと冷や汗をかく三和。櫂とリンはVFグローブに覚えがあるのか顔をしかめている。

 

「ま・・・まさか・・・この店にまで・・・フーファイターが・・・来るだなんて・・・」

 

フーファイターを知っているようなカムイの口ぶりに川並たちは反応する。

 

「フーファイターを知っているのか・・・?」

 

カムイの様子を見て川並は察したかのように意地の悪い笑みを浮かべている。

 

「ははーん、わかったぞ。貴様本気のファイトを恐れて逃げてきた奴だな?」

 

「くっ・・・!」

 

川並の言葉にカムイは悔しそうな顔をしている。

 

「元の店が我らフーファイターの傘下に入ったせいで、遊びのファイトができなくなり、ここまで来たんだな?」

 

「カムイ君・・・?」

 

「・・・違う・・・違う!!俺は・・・!」

 

カムイは悔しそうにうなりながら、元のショップで起こったこと、フーファイターとの関係を全て打ち明けた。

 

話をまとめるとこうだ。カムイが元いたショップはもともとキャピタルのように楽しくカードファイトができるような居心地のいい店だった。そこでカムイは毎日のように友達と楽しくファイトをしていた。・・・フーファイターが現れるまでは。

 

ある日、店にフーファイターが現れ、今現在の川並と同じようなことを言い、店で1番強かったカムイとVFグローブを付けた状態でファイトすることになった。当時のカムイは、フーファイターの言う本気のファイトがどういうものかわからないでいた。VFグローブの恐ろしさに気づいてからというもの、カムイのファイトは散々だった。結局VFグローブから発する痛みへの恐怖心で自分のファイトができず、敗北してしまった。それによって、店はフーファイターの傘下となり、本気のファイトも友達や周りの人も巻き込む始末だ。

 

その翌日、カムイの友達は本気のファイトに対する恐怖心からヴァンガードをやめてしまった。その店もすっかり変りはて、本気のファイトしかやらない店へと変わってしまった。このように変わってしまい、店の店長は店をたたむことを決意し、1つのショップがなくなった瞬間である。その時のカムイは本当に悔しそうであった。

 

それが、カムイが経験したフーファイターとの出来事だ。

 

「だから俺は決めたんだ・・・絶対に、フーファイターを倒してやるって!ゴウキのいるヴォヤージュに行ったのも、このカードキャピタルに来たのも、全てフーファイターを倒す力を身に着けるため!」

 

カムイは川並に向けて指をさして堂々と宣言した。

 

「そっちから来てくれるなんて好都合だぜ!さあ!俺とファイトしろ!!」

 

カムイの挑戦に川並は小ばかにするように笑う。

 

「フーファイターを倒すだと?くくく・・・ははははは!!笑わせてくれるぜ!やれるものならやってみろ。もちろん、VFグローブはつけてもらう」

 

川並はカムイのファイトに受けて立つつもりのようだ。VFグローブを付けるという条件を付けて。

 

「そいつのをつけるといい」

 

「・・・いいだろう」

 

条件を飲み込んだカムイを気絶している森川の介抱をしているアイチはファイトをやめるように説得しようと試みる。

 

「やめようよカムイ君!人を気絶させるような危険なものだよ⁉」

 

「大丈夫っす、アイチお義兄さん!俺、前にこれつけてファイトしたことあるから・・・」

 

アイチはカムイを説得するが、カムイの意思は固いようだ。だが、森川のつけてるVFグローブを目にすると、あの時の痛みの記憶が蘇り、不安が高まるカムイ。

 

(本当に大丈夫なのか⁉あの痛みに、耐えられるのか・・・⁉)

 

カムイからすればVFグローブはトラウマ以外の何物でもない。だが、カムイは邪念を振り払うようにやるしかないと念を押す。

 

(耐えるしかないんだ・・・!耐えて、フーファイターを倒すだ・・・!)

 

カムイは決意を固め、森川のつけているVFグローブを取ろうとするが、恐怖心が現れてるのか、取ろうとしてもまったく取れないでいる。

 

「くそ!何で取れないんだ!くそ!くそ!くそ!この・・・!」

 

カムイが何度も取ろうと奮闘していると、その様子を見かねたリンが森川の手を掴み、VFグローブを森川から外した。

 

「!すまねぇ・・・」

 

「・・・・・・」

 

そして・・・何を思ったのか、なんとリンは自分からVFグローブをはめている。

 

「日下部⁉お前、何やってんだよ⁉」

 

「お、おい!!」

 

カムイはリンの行動に怒る。リンはカズヤの問いに答えるように口を開く。

 

「この男は・・・私が倒します」

 

『!!?』

 

「リン・・・?」

 

カムイに変わり、リンが代わりに本気のファイトに挑む姿勢に一同は驚愕している。

 

「くくく・・・いいぜぇ?俺はどっちが相手でも。本気のファイトさえできればなぁ」

 

川並は本気のファイトでならばそのファイトは受けて立つつもりのようだ。

 

「やめてよリンちゃん!こんなのつけてファイトするなんて間違ってる!」

 

「ええ。間違ってますね」

 

「あ・・・」

 

「だからこそ、私がやらなければいけないんです。それが・・・彼を止められなかった私のけじめだから」

 

「彼・・・?」

 

痛みは覚悟の上でリンはこのファイトに挑む姿勢を見せる。カズヤはリンの口にした彼にたいして疑問を浮かべる。

 

「リン・・・まさかお前は・・・」

 

「ミサキさん、彼らを頼みます。ここは任せてください」

 

「あんたが頼み事なんて・・・」

 

櫂が何かを感づいてる時、リンは一同をミサキに一任する。リンが頼みごとをするのを珍しそうにしているミサキ。そうしている間にリンと川並は互いにファイトの準備を行う。

 

「・・・始めましょう」

 

「味わうがいい・・・フーファイターの本気のファイトを」

 

一同が見守る中、リンと川並の痛みが伴う本気のファイトが始まった。

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「ライド!忍竜マガツウィンド!」

 

「ライド!マシニング・ワーカーアント!」

 

忍竜マガツウィンド  PW6000

 

マシニング・ワーカーアント  PW6000

 

「さあ、イメージしろ。俺たちは今、惑星クレイの荒野に入った。これから命を懸けた本気のファイトが始まるのだ」

 

「御託は結構。あなたの先攻です」

 

「いつまで余裕でいられるかな?ドロー。ライド!マシニング・ホーネット!」

 

マシニング・ホーネット  PW8000

 

「ワーカーアントのスキルで1枚ドロー。ターンエンドだ」

 

R ホーネット R

R   R   R  川並の手札6枚 山札42枚

 

「私のターンです。ドロー。ライド!忍竜ドレッドマスター!」

 

忍竜ドレッドマスター  PW8000

 

「マガツウィンドのスキルで1枚ドロー!」

 

R ドレッドマスター R

R    R     R

 

「ドレッドマスターでヴァンガードにアタック!」

 

「あめぇよ!シェルタービートルでガードだ!」

 

「くっ・・・!やっぱ防がれちまったか!」

 

「・・・チェック・ザ・ドライブトリガー『忍竜ボイドマスター』ターンエンドです」

 

PW8000➡PW8000+SH15000=23000  リンの手札7枚 山札41枚

 

「では次は俺のターンだな。ドロー。ライド!マシニング・マンティス!さらにマシニング・ホーネットをコール!」

 

マシニング・マンティス  PW9000

 

ホーネット マンティス R

  R     R   R

 

「マシニング・マンティスでヴァンガードにアタック!くらえ!これが本気のアタックだ!」

 

「リンちゃん!ガードして!」

 

「ノーガードです」

 

アイチはリンにガードをするように言ったが、リンはそれを聞かずにノーガードを行った。

 

「ドライブチェック『ファントム・ブラック』」

 

「ダメージトリガーチェック『忍竜ドレッドマスター』」

 

ダメージを受けたことによってリンはダメージゾーンにカードを置く。それは当然・・・

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「ぐぅっ・・・あああああああああ!!!」

 

VFグローブを通して全身に痛みが走るリン。

 

「リンちゃん!」

 

「なんでガードしなかったんだ!」

 

「はははははは!!思い知ったか!それが本気のファイトの痛みだ!痛みはダメージを負うごとに強くなる。いつまで耐えられるかな?」

 

「・・・彼は・・・まだこんなことを・・・!」

 

リンは先ほどから口にしている彼にたいして怒りをあらわにしている。

 

「おら!まだ攻撃は終わってねぇぞ!マシニング・ホーネットでヴァンガードにアタック!」

 

「忍獣トビヒコでガード!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW9000➡PW8000

PW8000➡PW8000+SH15000=23000  川並の手札5枚 山札40枚  リンのダメージ1枚

 

「私のターンです!スタンド&ドロー!ライド!忍竜マガツゲイル!」

 

忍竜マガツゲイル  PW9000

 

「マガツゲイルのスキル発動!カウンターブラスト!ソウルブラスト『忍竜マガツウィンド』1枚ドロー!パワープラス6000!コール!忍獣チガスミ!」

 

忍獣チガスミ  PW9000

 

R マガツゲイル チガスミ

R   R     R

 

「マガツゲイルでヴァンガードにアタック!」

 

「へっ、1点くらいくれてやるよ。ノーガードだ」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『月下の忍鬼サクラフブキ』」

 

「ダメージチェック『ナスティ・スモッグ』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「ぐわああああああ!!」

 

「自分だって痛いのに、なんでこんなファイトするのさ⁉」

 

「それがフーファイターだからですよ。チガスミでヴァンガードにアタック!」

 

「くぅ・・・!くらうかよ!ガードだ!『ファントム・ブラック』」

 

「ターンエンドです」

 

PW15000➡PW9000

PW9000➡PW9000+SH10000=19000  リンの手札7枚 山札37枚  川並のダメージ1枚

 

「俺のターンだ!スタンド&ドロー!ライド!マシニング・スターグビートル!!」

 

マシニング・スターグビートル  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「これで俺はいつでも完全ガードできる。もうお前の攻撃は通らないんだよ!」

 

「・・・・・・」

 

「マシニング・スターグビートルのスキル発動!手札から登場した時、ソウルからマシニング・ホーネット、マシニング・マンティスをレストスペリオルコール!ヴァンガードに登場してるため、この2体のユニットのパワーを得る。パワープラス17000!コール!左前列のホーネットを後ろに下げて、マシニング・マンティス、マシニング・ホーネット!

マシニング・マンティスのスキル発動!カウンターブラスト!山札の上から6枚見て、グレード3である強毒怪人ヘルデマイズを手札に加える。そしてパワープラス6000だ!」

 

マンティス スターグビートル     ホーネット

ホーネット ホーネット(レスト) マンティス(レスト)

 

「マシニング・スターグビートルでヴァンガードにアタック!薙ぎ払え!インセクト・レールガン!!」

 

「ノーガードです」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『スパイトフル・ホッパー』セカンドチェック『シェルタービートル(☆)』はははは!クリティカルトリガーだ!パワーは右前列のホーネットに!クリティカルはヴァンガードだ!」

 

スターグビートルは兜に装着してあるレールガン砲を両方構え、マガツゲイルに向けて発砲する。放たれた雷をもろにくらったマガツゲイルは苦しそうにする。

 

「ダメージトリガーチェック『修羅忍竜カブキコンゴウ』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「ああああああああ!!」

 

「日下部!」

 

「さあ、もう1枚ダメージチェックをしろ」

 

「・・・ダメージトリガーチェック『忍竜ドレッドマスター』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「・・・・・・っ!!!!」

 

「俺こういうのダメだ!見てられねぇよ!」

 

「ほう・・・少しは痛みに強いようだが・・・そのやせ我慢がいつまで続くかな?マシニング・ホーネットでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードです。ダメージチェック『忍竜ドレッドマスター』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「くっ・・・はぁ・・・!!!」

 

「リンちゃん、またノーガードだ・・・」

 

「なんで痛みが来るのがわかってるのに、ガードしないんだ⁉」

 

「それはあの子のファイトスタイルじゃない」

 

痛みが来るのがわかってるのにあえて受けているスタイルにアイチたちは疑問を浮かべる。それをミサキが解説する。

 

「あの子はいつも通りのファイトをしているだけ。痛みなんか関係なく」

 

「おらぁ!これでどうだ!マシニング・ホーネットのブースト、マシニング・マンティスでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードです。ダメージチェック『修羅忍竜カブキコンゴウ』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

「・・・・・・っ!!!!」

 

「日下部!!」

 

「どうだぁ!!さすがに今度は効いただろ?ターンエンドだ。

ホーネットのスキルで山札の上から6枚見て、グレード3を手札に加えられる。強毒怪人ヘルデマイズを手札に。ブーストしたホーネットはソウルへ」

 

PW29000➡PW9000

PW18000➡PW9000

PW23000➡PW9000  川並の手札6枚 山札34枚  リンのダメージ5枚(裏1枚)

 

「ふははは!次のターンでお前もおしまいだ!死の恐怖を味わうがいい!」

 

「・・・なんと情けないことか・・・」

 

リンはぽつりとそんなことを呟いた。

 

「情けない?はははは!そうだなぁ!本当に情けない奴だなお前は!粋がって出てきた割には、何もできずに一方的にやられてるんだからなぁ」

 

「・・・情けないのはあなたたちです」

 

「?」

 

「・・・こんなくだらないものに頼らねば本気のファイトができないと、本気で信じているのですから」

 

「何?くだらないだと・・・?」

 

「リン・・・お前はどこまで・・・フーファイターのことを・・・」

 

「・・・櫂?」

 

フーファイターを知り尽くしているような口ぶりに櫂は疑問がいろいろと浮かび上がる。その様子に三和は櫂を見つめる。

 

「・・・茶番はもう終わりです・・・そろそろ・・・本気で潰しにかかります」

 

「ひぃっ!!?」

 

リンの睨みに川並はわずかながら恐怖心を抱き始めた。

 

「さあ・・・イメージしなさい」

 

リンがそう言った時、川並の視点は惑星クレイの風景へと変わっていた。

 

「・・・⁉ここは・・・惑星クレイ・・・?・・・そうだ・・・俺は・・・マシニング・スターグビートルだ・・・」

 

「ライド!!修羅忍竜クジキリコンゴウ!!!」

 

修羅忍竜クジキリコンゴウ  PW12000

 

「はあああああ!!!」

 

「修羅忍竜クジキリコンゴウが・・・俺の目の前に・・・⁉」

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「クジキリコンゴウのスキル発動!カウンターブラスト!あなたの手札が4枚以上なら、自分の手札1枚を捨ててもらいます」

 

「くっ・・・!」

 

「あなた程度にプロテクトの恩恵など必要ありません。コール!忍竜ボイドマスター!忍妖オボロカート!

オボロカートのスキル発動!手札にあるプロテクト捨て、ヴァンガードのパワーを2倍に引き上げます。パワー24000!」

 

「なっ⁉本当にプロテクトを捨てやがった!!」

 

「ボイドマスターのスキル発動!スキル発動!相手はインターセプトを封じ、こちらはパワープラス3000!」

 

ボイドマスター クジキリコンゴウ チガスミ

   R     オボロカート   R

 

「ボイドマスターでヴァンガードにアタック!」

 

「くらうかぁ!スパイトフル・ホッパーでガード!」

 

「ボイドマスターのスキル!カウンターブラスト!自分か相手のリアガードを手札に戻します!マシニング・ホーネット、あなたは邪魔です!」

 

「くっ・・・!」

 

「クジキリコンゴウのスキル発動!このターン中、あなたは手札に戻されたグレードでガードできません!」

 

「んなっ・・・⁉」

 

「出たーー!!リンリンの切り札、クジキリコンゴウのガード制限!」

 

「オボロカートのブースト、クジキリコンゴウでヴァンガードにアタック!くらいなさい!!」

 

「ひいいぃ!!の、ノーガードだ!!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『忍竜クロガネ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!パワーはチガスミ、クリティカルはヴァンガードに!セカンドチェック『忍竜クロガネ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!パワーはチガスミ、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ダブル・・・クリティカルだと・・・⁉」

 

クジキリコンゴウは目にもとどめられないようなスピードで姿を消しながらスターグビートルの前まで近づく。目の前に現れた瞬間、クジキリコンゴウはスターグビートルのレールガンを刀で切り落とした。

 

「だ・・・ダメージ・・・チェック・・・『ブラッディ・ヘラクレス』『ブラッディ・ヘラクレス』『バーナー・アント』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

ぎゃああああああああああああ!!!!

 

「オボロカートのスキル発動。カウンターブラスト。手札に加えます。まだ終わりませんよ。チガスミでヴァンガードにアタック!

チガスミのスキル発動!手札を1枚捨て、パワープラス15000!」

 

「ぷ・・・プロテクトで完全ガードだ!!」

 

コスト『強毒怪人ヘルデマイズ』

 

「ターンエンドです」

 

PW15000➡PW12000+SH10000=22000

PW32000➡PW12000

PW44000➡PW12000(完全ガード)  リンの手札8枚 山札30枚  川並のダメージ4枚(裏1枚)

 

「そうか・・・!この体制を整えるのをずっと待ってたのか!」

 

「いつものリンちゃんのファイトだ!」

 

「そんな奴へでもねぇぜ!やっちまえ!日下部!」

 

「うぅ・・・!スタンド&ドロー!右のマンティスを移動させて、ホーネット、ファントム・ブラックをコール!」

 

ファントム・ブラック  PW8000

 

マンティス スターグビートル マンティス

ホーネット  ホーネット   ファントム

 

「く・・・来るな・・・来るなぁ!!ホーネットのブースト、マンティスでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード『月下の忍鬼サクラフブキ』」

 

「ホーネットのブースト、スターグビートルでヴァンガードにアタック

 

「ガード『忍竜クロガネ(☆)』『忍竜クロガネ(☆)』」

 

スターグビートルはあまりの恐怖心から片方しかないレールガンでクジキリコンゴウを排除しようとかかる。だがその攻撃は2体のクロガネによって全てはじき返された。

 

「つ・・・ツインドライブ!ファーストチェック『ブラッディ・ヘラクレス』セカンドチェック『カルマ・クイーン』ファントム・ブラックのブースト、マンティスでヴァンガードにアタック!

ファントム・ブラックのスキル発動!てふだを1枚捨てて、パワープラス6000!ノーマルユニットじゃガードできない!!」

 

「ガード『忍妖ザシキヒメ(治)』」

 

「そ・・・そんな・・・!」

 

PW17000➡PW12000+SH10000=22000

PW20000➡PW12000+SH30000=42000

PW23000➡PW12000+SH20000=32000  川並の手札4枚 山札28枚  リンのダメージ5枚(裏3枚)

 

「今度はこちらの番です。スタンド&ドロー。ボイドマスターを退却し、コール。修羅忍竜カブキコンゴウ」

 

修羅忍竜カブキコンゴウ  PW9000

 

「カブキコンゴウのスキル発動。クジキリコンゴウがいればパワープラス3000。

さらに、カウンターブラスト(2)。このユニットと同じ縦列にいるマシニング・ホーネットとマシニング・マンティスを手札に戻し、手札から戻された数だけ選んで捨ててください」

 

「う・・・うぅ・・・」

 

「クジキリコンゴウのスキル発動。これでグレード2、グレード1でガードできません。コール。月下の忍鬼サクラフブキ」

 

月下の忍鬼サクラフブキ  PW8000

 

「サクラフブキのスキル発動。此方のユニットが3枚以上ならば、手札を1枚捨て、パワープラス3000。こちらのダメージゾーンの表のカードが1枚以下ならば、1枚ドロー。カウンターチャージ。

クジキリコンゴウのスキル。カウンターブラスト。手札を1枚捨ててもらいます」

 

「こ・・・これで手札3枚・・・」

 

「コール。サクラフブキ。スキル発動。手札を1枚捨て、パワープラス3000。1枚ドロー。カウンターチャージ。オボロカートをコール。

スキル発動。手札を1枚捨て、クジキリコンゴウのパワーを2倍。パワー24000」

 

カブキコンゴウ クジキリコンゴウ  チガスミ

サクラフブキ   オボロカート  サクラフブキ

 

「サクラフブキのブースト、カブキコンゴウでヴァンガードにアタック!さあ、くらいなさい!!」

 

「ひいいいいいい!!の、ノーガード!!ダメージチェック『マシニング・スターグビートル』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリバリ!!!

 

がああああああああああああああああ!!!!

 

ダメージ5の想像を絶するほどの痛みが川並を襲った。

 

「痛い痛い痛い痛い!!痛い痛い痛い痛いぃ~・・・!!」

 

「・・・まだ終わりではないですよ。立ちなさい」

 

リンの顔色はいつにもまして冷たい。まさに、氷の女王のような冷徹さだ。

 

「・・・あ・・・後・・・1ダメージで・・・」

 

「さあ、イメージしなさい」

 

「なあっ⁉」

 

「惑星クレイで無様に散る己の姿を」

 

川並はボロボロの状態のマシニング・スターグビートルとしてリンのクジキリコンゴウを見るが、あたりは闇に埋もれており、どこにも見当たらない。

 

「あ・・・ああ・・・あああ・・・ひ・・・ひいぃ・・・」

 

そんな暗闇の中でどこに現れるかわからない状況にスターグビートル(川並)はうろたえている。川並自身にも、リンにたいしての恐怖心が倍増していった。

 

「覚悟はできましたか・・・さあ・・・これでおしまいです!!!」

 

クジキリコンゴウはマシニング・スターグビートルに姿を現し、刀を振り下ろした。

 

「し・・・死ぬ!!死ぬ!!本当に死んでしまう!!!」

 

川並の中の恐怖心が一気に倍増していった。

 

うわああああああああ!!!!

 

「あ!逃げた!」

 

そしてあまりの恐怖心から川並はファイトを放り投げて逃げ出していった。

 

「どきやがれ!!」

 

「うわあ!」

 

川並はアイチをどかしてショップを出ていった。川並の仲間たちもそれを見てショップから去っていった。

 

「て、てめぇら待ちやがれ!!」

 

カズヤは逃がすまいとフーファイターを追って店を出ていった。

 

「フーファイターが・・・逃げた・・・」

 

「フーファイターなど、所詮はあの程度の連中ばかりです。いざ自分が負けそうになれば己が言い出したルールを無視して逃げ出す臆病者・・・相手にする価値もなし」

 

リンの表情からフーファイターを軽蔑しているように見えるのがわかる。

 

「・・・カムイ君。一言言っておきます。フーファイターには二度と関わらないでください」

 

「!!」

 

リンはカムイにそんな言葉を言った後、そのままショップを去っていった。

 

「リン・・・」

 

櫂にはそんなリンの背中が寂しそうに見えた。

 

「・・・フーファイターには関わるな・・・か・・・」

 

「でも、フーファイターってさっきの人だけじゃないんでしょ?別の人が来るかもしれない・・・。それに・・・他の店にも・・・」

 

「「!!!」」

 

アイチの言葉にカムイとシズクは自分たちにとってもう1つの大切なショップが狙われるかもしれない事実に驚愕の表情をしていた。

 

 

カードショップ魁へと続く道のり、その道のりにVFグローブをつけたメイドの恰好をした女性がガラの悪い男2人を引き連れて歩いている。

 

「・・・ここがカードショップ魁。そこそこのレベルのファイターが集まる場所・・・」

 

そしてそのカードショップ魁にたどり着いた。

 

「いくわよ。今日からこの店は、我らフーファイターのものよ」

 

カードショップ魁にも、フーファイターの魔の手が忍び寄ってきたのであった。

 

to be continued…




フーファイターズ「フーフーフーフーフーファイター♪
正体不明のフーファイター♪
ショップ乗っ取るフーファイター♪
勝者絶対敗者無用♪
鉄の掟だフーファイター♪
君はフー?僕はフー♪
フーフーフーフーフーファイター♪
VFグローブかっこいい♪
でもたまーにしびれて気絶もしちゃう♪
フーフーフーフーフーファイター♪」

イメージ17「櫂の炎」


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櫂の炎

遅れながらあけましておめでとうございます。戦略発表会でクロノジェット、アルトマイル、アーシャのトライアルデッキが出るという予想通りの情報が流れる中、今年も1年ヴァンガっていきましょう!・・・私もヴァンガらないと・・・!

さて、今回は昨年12月にはできなかったヴァンガード3作品連続投稿をさせていただきます!そして、お待たせいたしました!ようやく新右衛門編が完成しましたので、そちらのほうはこの、ReLiveで投稿しますよ!

それでは、3つ目はReLive!

どうぞ!


カードショップ魁・・・そこは、ヴォヤージュほどではないにしろ、それなりの大きさを持っているカードショップだ。そこで集まる常連のファイターたちは、みんな楽しくヴァンガードファイトを行っていた。ここをホームとしているマリンも今日はここに来ており、ファイターたちのアドバイスや店の手伝いなどをして過ごしていた。

 

「この店で1番強いファイターは誰かしら?」

 

だがそんな平穏を壊すかのように、VFグローブをつけたメイドの恰好をした女性がガラの悪い男2人を連れた状態でそう声を上げた。何やらただならぬ雰囲気を感じ取り、皆を守るためにマリンが前に出るのであった。

 

 

 

イメージ17「櫂の炎」

 

 

 

カードキャピタルにて、店を乗っ取りに来たフーファイター、川並を追い払った後、ミサキは森川の容態を見ながら、いつものように店番をしている。

 

「よう、今戻ったぜ」

 

すると、フーファイターを追いかけていたカズヤが戻ってきた。

 

「おかえり。あいつらは?」

 

「逃げられちまったよ。くそ・・・逃げ足だけは早いんだからよぉ・・・」

 

カズヤが少し悔しそうにうなっていると、アイチたちがいなくなっていたことに気付いた。

 

「?おい、アイチたちはどこ行った?」

 

「あの子たち、何か急いで店の外へ出ていったよ」

 

「なんだそりゃ?」

 

みんな急に外に出ていったというミサキの意見にカズヤは首を傾げた。

 

 

一方その頃、キャピタルから外へ出ていったシズクは櫂を無理やり引き連れてカードショップ魁へ続く道のりを走っていく。三和はその後を急いで追いかけている。

 

「お、おい!放せ!どこへ行くつもりだ!」

 

「アイチきゅんが言ったことをよく思い出してみてよ!」

 

「え?確か・・・別のフーファイターがって・・・」

 

「そうそれ!」

 

三和の言った言葉にシズクがそれに強く反応を示す。

 

「フーなんちゃらって奴らが他にもいるなら、他の店に行ってる可能性がるってことっしょ?もしかしたら・・・カードショップ魁も・・・」

 

「フーファイターだ」

 

カードショップ魁が狙われる・・・そう考えるとシズクは不安が一気に強くなっていく。

 

「前々から気になってたんだけど・・・お前、カードショップ魁に思い入れがあんの?」

 

「・・・だって・・・カードショップ魁は、うちとリンリンを繋げてくれた大切な店だから・・・さ」

 

シズクはリンとの関係性、そして、なぜリンの味方でいるのかというのを語り始める。

 

 

リンやシズクが小学生だった頃、2人はもう1人の友達と楽しくファイトができるほどに仲良しだった。リンの場合だと、少なくとも櫂たち以外でファイトできるのは、この2人だけかもしれない。そんな楽しいファイトを終え、帰宅への道のり・・・リンとシズクは話し合っている。

 

「ちぇー、また負けたー。あんたら強すぎでしょ」

 

「そ、そんなこと、ない、よ。シズちゃんだって、いい線、いってた、よ・・・。ただ・・・イメージが少し足りなかったってだけで・・・」

 

「うーわ、その余裕しゃくしゃくの物言い、超ムカつくんですけどー。そのイメージってのもちょっといまいちだし」

 

「そう言われても・・・」

 

「よーし決めた!私、絶対にあんたに勝つし。あいつにだって負けてらんない。早いとこデッキ見直さないと」

 

「シズちゃん・・・うん・・・楽しみに、してるね・・・」

 

2人は互いに競い合うライバルでもあり、今この楽しい時間を謳歌できる友達として、本当に仲が良かった。だが、その全ては知らぬ間に変わっていった。

 

もう1人の友達は、両親が事故によって亡くし、祖母に引き取られて別の学校へと転校していった。

 

そしてシズクは家族の都合によって、一時的に祖父のいる田舎へと行かなければならない事情ができた。その間で、リンは変わっていった。

 

シズクが戻ってきたころには、リンは何かと不愛想な態度をとるようになり、他の生徒たちはというと、リンに怯えているような表情を見せている。シズクが声をかけても、無視をするか、適当に受け流しているかで、とてもじゃないが当時のシズクにとってはそれが苦しくてたまらなかった。

 

シズクはそれが耐え切れなくなり、地元である晴海に転校していった。転校してから時がたつと、いろいろと考えてしまう。これでよかったのかと。本当にリンを置いて、地元に転校してよかったのかと。そう思うと、胸が張り裂けそうな気持になった。

 

そんな感情を抱きながら時がたち、晴海中学1年になったころには、シズクはギャルと言えるような性格へと変わっていった。新しい友人も何人も増え、何不自由のない生活を送っていた。

 

しかし、どんなに時間がたっても、リンと一緒にいたことの思い出、リンが変わったことに対する疑念は消えなかった。その証拠に、ヴァンガードだけは続けていたのだから。中途半端で投げ出したら、怒られるような気がしたから。

 

そんなある日のこと・・・

 

「ねぇ聞いた?魁に、ちょー強いファイターが通うようになったってー」

 

「あー、それ聞いたー。もうガチっつーかー、マジ怖くない?」

 

「はは、でもちょこーっとだけなら、覗いてもいいんじゃね?相手するわけじゃないしー☆」

 

最初は面白半分だった。少しは退屈しのぎにはなるだろうと思ってカードショップ魁に赴いた。そこで噂になっているファイターを見て、シズクは本当に驚いた。その相手というのが・・・

 

「これで、私の勝ちですね」

 

「く、くそぅ・・・」

 

小学校のころ共に過ごした友人であるリンがいたのだから。リンを見た瞬間、シズクは再会の喜びと、変わったリンに対する複雑な気持ちでいっぱいになっている。だがそれ以上に、不思議なことに、リンとファイトしたいという気持ちが芽生えた。

 

「次の相手は誰かいますか?」

 

「じゃあ、うちが相手になってもいいっすか?」

 

シズクがそう名乗りを上げても、リンは表情を崩さない。

 

「超久しぶりだね・・・リン。小学校以来じゃね?うちのこと覚えてる?あんたの友達の・・・」

 

「スタンドアップ・ザ・ヴァンガード」

 

久しぶりに会っても話さえもしないリンの態度にシズクは戸惑いを隠せないでいる。変わったのはそれだけでなく、自身の使ってるクランはオラクルシンクタンクからぬばたまなのでさらに戸惑いを隠せないシズク。戸惑いはありはしたが、ファイトはスムーズに進んでいった。

 

「ダメージチェック・・・ま、負けたぁ・・・」

 

「・・・・・・」

 

シズクが敗北してもリンは気にも留めず、次のファイターに対戦相手を求めている。まるで、強い相手に自分の強さを証明するかのように。だが誰も名乗りを上げようとしないので、リンは用済みだといわんばかりにデッキを片付ける。

 

「ま、待って・・・」

 

「・・・このショップにはまだ強いファイターが隠れているかもしれません。まだ何か用があるというのなら・・・強くなってからここに来なさい」

 

リンの意味深な言葉を聞いて、シズクはリンはしばらくこのショップに通い続けるということ理解する。それを聞いた時、シズクは少し胸の高鳴り強くなっていった。

 

それから毎日のように、シズクは魁に通うリンに会い、何度もファイトを仕掛けた。結果は何回かわからないほどの敗北・・・だが、それによって、シズクの心は十分に満たしている。この人と一緒にいられてうれしいと。それで気が付くのだ。

 

言葉遣いや、不愛想なところや、クランや、強さを求める姿勢以外は、何も変わっていないのだと。リンは・・・純粋なリンのままなのだということを。

 

それがわかったとたんに、シズクは決めたのだ。

 

『この先何があっても、うちはリンリンの味方であり続ける。たとえ、どんな道を進むことになったとしても』

 

そして時がたち、現在に至るというのだ。

 

 

「お前とリンとの間にそんな関係が・・・」

 

シズクの昔話を聞いて三和は感心したような表情になっている。櫂はいつも通りの表情をしている。

 

「うちとリンリンを繋げてくれたのは、間違いなく、カードショップ魁なんだよ。そりゃ、キャピタルも大事だけどさ・・・うちにとっては魁はかけがえのない大切なショップなんだ。だからフーなんちゃらが魁を乗っ取るっていうのはどうしても避けたいんだよ!そのためにも、櫂きゅん先輩の力が必要なんだよ!お願い!うちとリンリンの大切な場所を、守ってください!」

 

シズクはカードショップ魁を守りたい一心から、櫂たちに必死に頭を下げ、心からの懇願する。その姿勢を見た櫂は・・・

 

「・・・わかった。協力してやる」

 

シズクの要求をのんだ。

 

「櫂?」

 

「その代わり・・・この件が終わり次第、フーファイターには二度と関わるな」

 

魁を守ることに協力する代わりに、魁を守り抜いたら金輪際フーファイターには近づこうとするな。ただ普段通りの生活をしていろ。櫂はそう言っているのだ。

 

「・・・フーファイターって・・・やっぱり・・・」

 

櫂の発言に三和はフーファイターについて何か思い当たる節があるような顔つきになっている。

 

「元々あんな意味不明な奴らと関わる気はないって。ただ魁が守ることができればそれでいいんだし。ことが終わったら近づかないって。本当だよ?」

 

シズクの言い分に櫂はじっとシズクの目を見つめる。そのことから、シズクの言葉に嘘はないとわかった。

 

「・・・ならいい。さっさと魁とやらに案内しろ」

 

「・・・ありがとう・・・」

 

櫂の協力にこぎつけたことで、シズクは涙をあふれそうになるのをこらえて、櫂に感謝した。シズクの案内をもとに、櫂と三和はカードショップ魁へと向かう。三和はフーファイターについていろいろ考えていて、未だに思案顔になったままだ。

 

 

カードショップ魁の3階では、ガラの悪い男2人と常連客に見られている中、マリンとメイドの恰好の女性はファイトを行っていた。その際のファイトには、痛みが伴う、VFグローブが使われていた。状況はというと、マリンがダメージ5の状態でメイド女性のアタックを受けた状況だ。

 

「さあ、最後のダメージチェックをして、ダメージゾーンにカードを置きなさいな」

 

「・・・ダメージ・・・チェック」

 

マリンが6ダメージ目のダメージチェックを行った。出てきたカードはノートリガー。負けを意味している。そして・・・それだけじゃない。

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリバリ!!!

 

あああああああああああ!!!!

 

マリンがダメージゾーンにカードを置いた瞬間、VFグローブから現れる強烈な激痛が全身に渡り、マリンは苦しい悲鳴を上げた。激痛の負担でマリンは気を失う。

 

『マリンさん!!』

 

「てめぇこんにゃろうがあ!!」

 

あまりに普通じゃないファイトをするメイド女性にとびかかろうとする増田。それをガラの悪い男が止めた。

 

「今日からこの店はフーファイターのもの」

 

「俺たちが本気のファイトを教えてやるよ」

 

「さあ、VFグローブをつけろ」

 

ガラの悪い連中は常連客に無理やりVFグローブをつけさせ、本気のファイトを強要させた。

 

「さ、最強の俺様がこんなに屈してたまるかよ!!なあ!!」

 

『おおお!!』

 

増田と常連客は店を元に戻そうと考え、VFグローブを付けた状態で連中と倒そうするが・・・

 

バリバリバリ!!!

 

ぎゃああああああああああああ!!!!

 

太刀打ちできず、ファイトしている常連は激痛の苦しみで悲鳴を上げる。

 

「なるべくやりすぎないようにね。もっともっと・・・苦しむ様を見たいからね」

 

この状況を見て、嬉々としているメイド女性にたいして、配下である男たちはこう思った。やっぱ超絶ドSだと。

 

「マリ先輩!!みんな!!」

 

「こりゃ・・・ひでぇ・・・」

 

メイド女性が愉悦に浸っていると、魁にやってきたシズクたちが倒れているマリンと常連に駆け寄る。

 

「大丈夫⁉」

 

「う・・・シズクさん・・・」

 

「・・・あいつら、許せない・・・!」

 

あまりの惨状にシズクはフーファイターにたいして怒りを示す。

 

「なーに、あんたら?この店の客?だったら残念。ここはもう、本気のファイトしかやらない場所になったの。遊びなら他所に行きな」

 

「・・・ここはうちにとっては友達との絆を再確認させてくれたとっても大切な場所。それを・・・こんな痛みで陥れようとする場所に変えられて・・・黙ってるわけにはいかないっしょ・・・」

 

「ふーん・・・で?」

 

「うちはあんたらを許せない!!あんたら全員倒して、元の、楽しいファイトができる店を取り戻してやる!うちらで、必ず!!」

 

シズクはメイド女性にたいして指をさして堂々と宣言した。

 

「は?何それ?負け犬の遠吠えって奴?」

 

シズクの言い分にメイド女性はわけわからんといった表情になって、指を鳴らす。その音と同時に、シズクたちの前にガラの悪いファイターが立つ。

 

「かっこつけるんなら、こいつら倒してから言いな。もちろん、VFグローブはつけてもらうけどねぇ」

 

ガラの悪いファイターがデッキを取り出した時、シズクと櫂が前に出る。

 

「三和っち先輩、みんなをお願い!」

 

「お、おう!」

 

「さっさと済ませるぞ」

 

シズクと櫂はVFグローブをつけて、ガラの悪いファイターと本気のファイトを執り行う。

 

そして、ファイトが進んでいく、痛みを伴いながらもガラの悪いファイターたちに勝つことに成功した櫂とシズク。

 

「「ぐあああああああ!!」」

 

「おっしゃあ!!櫂とシズクが勝ったぜ!」

 

「・・・口ほどにもない」

 

「はぁ・・・はぁ・・・マジ痛ってぇ・・・。リンリンは・・・こんな痛みを味わいながら・・・?やっぱすげぇ・・・」

 

櫂とシズクが勝ったことにメイド女性は少し愉快そうに笑っている。

 

「へぇ・・・やるじゃない。こいつらはそんじょそこらの普通の雑魚とは違ってたんだけどねぇ・・・それに勝つとはね。特にあんた。あんたの強さは半端じゃないね」

 

メイド女性は座っていた椅子に立ち上がって櫂に向けて自分のデッキを突き付ける。

 

「あんたが苦痛に歪む姿・・・見てみたくなったわ・・・。私が直々に相手をしてあげる!」

 

「・・・俺が勝てば、この店から出ていってもらうぞ」

 

「勝てれば、の話だけどね」

 

メイドの女性は櫂がいるファイトテーブルに自分のデッキを設置して、ファイトの準備を進めている。櫂もデッキをシャッフルして、ファイトの準備を進める。

 

「いよいよ、大将が出てきたな・・・」

 

「櫂きゅん先輩・・・絶対勝って・・・」

 

「櫂さん・・・」

 

三和たちが櫂の勝利を祈りながら、ファイトを見守る。

 

「そういえば、まだ名を名乗ってなかったねぇ。私は花柳ユリカ。チームアクロバットリミテッターに属する、ただのメイドよ」

 

「アクロバットリミテッター?」

 

聞きなれないチーム名を聞き、首を傾げる三和。それを復活したガラの悪いファイターが答える。

 

「フーファイターの中でもナンバー2の実力を持つチームさ」

 

「ユリカ様とファイトできること自体が、光栄なんだよ」

 

「・・・俺は櫂トシキだ」

 

(櫂トシキ・・・どこかで聞いたような・・・)

 

櫂の名前を聞いて、メイド女性、花柳ユリカは少し思案顔になるが、すぐにファイトの準備を進めさせる。準備を終え、店の運命をかけて、本気のファイトが始まった。

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「リザードランナーアンドゥー!」

 

「ヴァーミリオン・ゲートキーパー!」

 

リザードランナーアンドゥー  PW6000

 

ヴァーミリオン・ゲートキーパー  PW6000

 

「敵はダークイレギュラーズか!」

 

「暗黒国家ダークゾーンに属する、闇の異形集団たち・・・」

 

「たまったソウルを力に変える・・・まさに闇の先兵ともいえますわね・・・」

 

「強者が弱者を支配する・・・それを体現するにふさわしいと思わないかしら?私の先攻だったわね。ドロー。ドリーン・ザ・スラスターにライド!」

 

ドリーン・ザ・スラスター  PW6000

 

「ヴァーミリオンのスキルで1枚ドロー。ターンエンド」

 

R ドリーン R

R  R   R  ユリカの手札6枚 山札42枚

 

「俺のターンだ。ドロー。ライド!鎧の化身バー!」

 

鎧の化身バー  PW8000

 

「スキルで1枚ドロー。そして、希望の火エルモをコール」

 

希望の火エルモ  PW8000

 

エルモ バー R

 R  R  R

 

「バーでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『ベリコウスティドラゴン』」

 

「ダメージチェック『アノマラス・エスパー』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「くっ・・・ううぅ・・・!!」

 

「エルモでヴァンガードにアタック!」

 

「ちっ・・・ノーガード。ダメージチェック『プリズナー・ビースト』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「があ・・・はあ・・・!!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW6000

PW8000➡PW6000  櫂の手札6枚 山札41枚  ユリカのダメージ2枚

 

「よし!ダメージ2!幸先いいぞ!」

 

「そのままやっちゃえ!!」

 

「私のターン。ドロー。その余裕たっぷりな顔が、いつまで続くか、楽しみねぇ。ライド!囚われの堕天使サラエル!さらに、コール!プリズナー・ビースト、グウィン・ザ・リッパー!」

 

囚われの堕天使サラエル  PW12000

グウィン・ザ・リッパー  PW9000

プリズナー・ビースト  PW8000

 

「グウィンのスキルでソウルチャージ『テラファイング・フィスト』

さらにプリズナー・ビーストのスキルでソウルチャージ『カースド・ドクター(治)』」

 

プリズナー  サラエル グウィン

  R     R    R

 

「プリズナー・ビーストでヴァンガードにアタック!」

 

「ガード『槍の化身ター(☆)』」

 

「ふん、またまだよ!ソウルブラスト『ヴァーミリオン・ゲートキーパー』サラエルでヴァンガードにアタック!

サラエルは、ソウルブラストしなければ攻撃できないけれど、ダークイレギュラーズにとっては、軽いコストだわ」

 

「ノーガードだ」

 

「ドライブチェック『ヴェアルクス・ゲフライター(☆)』クリティカルトリガー!パワーはグウィンに、クリティカルはヴァンガードに!」

 

「ダメージチェック『鎧の化身バー』セカンドチェック『ドラゴンナイトネハーレン』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

「ぐあああああ!!」

 

「櫂!!」

 

「なんとむごいファイトを・・・!」

 

「グウィンでヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードだ。ダメージチェック『魔竜戦鬼ラクシャ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てヴァンガードに!」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「ぐ・・・ううううう!!」

 

「ターンエンド」

 

PW8000➡PW8000+SH15000=23000

PW12000➡PW8000

PW19000➡PW8000(+10000)  ユリカの手札5枚 山札36枚  櫂のダメージ3枚

 

「はあぁ・・・やっぱりいいわぁ・・・あんたみたいな奴が苦痛に歪んでいくその姿は実に愉快だわぁ・・・。愉悦といっても過言じゃないわね」

 

「・・・俺のスタンド&ドロー。ライド!バーサーク・ドラゴン!」

 

バーサーク・ドラゴン  PW10000

 

「バーサークのスキル発動。カウンターブラスト。ソウルブラスト『リザードランナーアンドゥー』グウィンを退却。バーサークがヴァンガードならば、1枚ドロー。コール!ベリコウスティドラゴン、リザードソルジャーラオピア、ドラゴンモンクゴジョー!」

 

ベリコウスティドラゴン  PW10000

リザードソルジャーラオピア  PW8000

ドラゴンモンクゴジョー  PW8000

 

エルモ バーサーク ベリコウスティ

 R  ゴジョー   ラオピア

 

「エルモでプリズナー・ビーストにアタック」

 

「おいおい、なんでたかがグレード1を狙うんだよ?」

 

「単純にパワーが足りないだけじゃ、ないんだよね」

 

「ああ。プリズナー・ビーストはソウルが5枚以上あれば、パワーがプラス2000できるんだ。だからああやって、リアガードを潰して、攻撃力を下げたんだ」

 

「それだけでなく、ベリコウスティとラオピアは相手のリアガードが退却することによって、パワーがプラス5000できるのですわ」

 

「へぇ・・・ノーガードよ」

 

「ベリコウスティとラオピアのスキル!パワープラス5000!

さらにエルモのスキル発動!リアガードが退却した時、自身を退却し、カウンターチャージ。1枚ドロー。ゴジョーのブースト、バーサークでヴァンガードにアタック!

ゴジョーのスキル発動!相手リアガードより多いので、バーサークにパワープラス3000!」

 

「カースド・ドクターでガード」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『ドラゴンナイトネハーレン』ベリコウスティ、サラエルにアタックだ!ラオピアは援護を!」

 

『『御意!』』

 

「ノーガード。ダメージチェック『悪夢の国のマーチラビット(引)』ドロートリガー。パワーはヴァンガードに。1枚ドロー」

 

ギィン!!

 

バリバリバリ!!

 

「あああああああ!!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000

PW21000➡PW12000+SH20000=32000

PW38000➡PW12000(+10000)  櫂の手札5枚 山札34枚  ユリカのダメージ3枚

 

「ここまではダメージ3対3・・・互角だな・・・」

 

「うん・・・でも、こっから・・・だよね」

 

「グレード3になってからが、本当の勝負ですわね・・・」

 

「私のスタンド&ドロー。さあ、その顔を・・・もっともっと・・・苦痛で美しく歪ませてあげるわ!ライド!デーモンイーター!!」

 

デーモンイーター  PW12000

 

「イマジナリーギフト・プロテクト!!」

 

イマジナリーギフト・プロテクト発動!

 

「さ、一気に展開するわよ。テラファイング・フィスト、ヴェアヴォルフ・フライビリガー、艶笑のサキュバスを2体コール!」

 

テラファイング・フィスト  PW12000

ヴェアヴォルフ・フライビリガー  PW8000

艶笑のサキュバス  PW9000

 

「ん?艶笑のサキュバスのグレードは2だろ?ブーストできないのに、なんでわざわざ後ろに出すんだ?」

 

「増田さんの疑問は・・・デーモンイーターのスキルで解けますわ」

 

「???」

 

  艶笑    デーモンイーター テラファイング

フライビリガー    R       艶笑

 

「フライビリガーのブースト、艶笑のサキュバス、ベリコウスティに攻撃しな!」

 

「・・・ノーガード」

 

「デーモンイーターでヴァンガードにアタック!

デーモンイーターのスキル発動!カウンターブラスト!攻撃を終えた艶笑のサキュバスをソウルへ。1枚ドロー。そしてデーモンイーターはパワープラス10000!」

 

「ノーガードだ」

 

「ツインドライブ。ファーストチェック『アノマラス・エスパー』セカンドチェック『ヒステリック・シャーリー(引)』ドロートリガー。パワーはテラファイングに、1枚ドロー」

 

デーモンイーター(ユリカ)は自身の生きているかのように動いている髪を広げ、髪をバーサークに向けて槍のように突き刺した。

 

「ダメージチェック『リザードソルジャーラオピア』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

「ぐわあああああああ!!」

 

「艶笑のサキュバスのブースト、テラファイング・フィストでヴァンガードにアタック!」

 

「ぶ、ブーストだって⁉」

 

「これが艶笑のサキュバスのスキルなんだよ。ソウルに自身と同じカードがあるなら、ブーストと、後列からインターセプトできる能力を持ってんのさ」

 

「だからこそ、デーモンイーターのスキルと非常に噛み合うのですわ」

 

「なるほど・・・ま、まぁ・・・わかってたけどな」

 

三和とマリンの解説を聞いてなかったら絶対にわかってないのにという視線を常連は増田に向ける。

 

「さらにテラファイングのスキル!ヴァンガードにアタックした時、ソウルチャージ『デーモンイーター』パワープラス5000!」

 

「ノーガード。ダメージチェック『クレステッド・ドラゴン』」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

「・・・・・・・・・っ!!!」

 

「櫂!!」

 

「これでダメージ5・・・やばいよ・・・」

 

「あっはははは!実に愉快だわぁ!ターンエンド」

 

PW17000➡PW10000

PW22000➡PW10000

PW36000➡PW10000  ユリカの手札5枚 山札28枚  櫂のダメージ5枚

 

「次の私のターンであんたは終わりよ。負けた時に歪む苦痛と絶望の顔を想像するだけで・・・私の胸は高鳴ってたまらないわねぇ・・・ふふふ・・・」

 

「・・・間違っている・・・」

 

追いつめられた状況の中で、櫂はぽつりとそう呟いた。

 

「間違ってる?いったい何を間違ってるのかしら?」

 

「こんなものを使ったファイトを、本気のファイトと信じてるお前たち・・・そして、こんなものを相手に強要させるお前たちフーファイターは間違っている」

 

「ふん・・・」

 

「スタンド&ドロー。・・・イメージしろ・・・惑星クレイで燃え盛る黙示録の炎を。ライド!!ドラゴニック・オーバーロード!!」

 

ドラゴニック・オーバーロード  PW13000

 

「うおおおおおおお!!」

 

「ドラゴニック・オーバーロードですって⁉まさか・・・こいつ・・・!!?」

 

「見るがいい・・・これが俺の本当の姿だ!イマジナリーギフト・フォース!!」

 

イマジナリーギフト・フォース発動!  対象『ドラゴニック・オーバーロード』

 

「クレステッド・ドラゴンをコール!」

 

クレステッド・ドラゴン  PW13000

 

「オーバーロードのスキル発動!ソウルブラスト『鎧の化身バー』パワープラス10000!」

 

「くっ・・・!」

 

R オーバーロード クレステッド

R  ゴジョー    ラオピア

 

「いくぞ・・・オーバーロードでヴァンガードにアタック!ゴジョーは援護だ!」

 

『御意!』

 

「ゴジョーのスキルでオーバーロードにパワープラス3000!」

 

「(こいつの攻撃がヒットすればスタンドされる・・・でも・・・そのためには手札を2枚捨てる必要がある・・・つまり、ドライブマイナス1する以上、相手の防御力を減らせる・・・なら!)

ノーガード!」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『バーサーク・ドラゴン』セカンドチェック『槍の化身ター(☆)』」

 

「来たぁ!!」

 

「ここで・・・クリティカルトリガー・・・!」

 

「効果は全てオーバーロードに!」

 

オーバーロードは翼を広げ、その大剣をデーモンイーター(ユリカ)に振るった。デーモンイーター(ユリカ)は剣を止めようと髪を伸ばしてきたが、オーバーロードは髪ごとデーモンイーター(ユリカ)を切り裂いた。

 

「ダメージチェック『グーリッシュ・ディスポイラー』セカンドチェック『ドリーン・ザ・スラスター』の・・・ノートリガー・・・!」

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリ!!

 

「があ・・・あああああああ!!」

 

「ダメージ5!」

 

「そして、アタックがヒットしたということは・・・」

 

「オーバーロードのスキル発動!カウンターブラスト!手札を2枚捨てることで、オーバーロードはスタンドする!」

 

「出たぁ!ドラゴニック・オーバーロードの連続攻撃!」

 

「オーバーロードでヴァンガードにアタック!」

 

「ちぃ!プロテクトで完全ガード!」

 

コスト『ヴェアルクス・ゲフライター(☆)』

 

オーバーロードは再びデーモンイーター(ユリカ)に近づき、大剣を振るったが、デーモンイーター(ユリカ)はプロテクトを発動させ、大剣を受け止める。

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『魔竜導師ラクシャ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!」

 

「またクリティカル・・・!」

 

「効果は全てクレステッドに!」

 

「ラオピアのブースト、ネハーレンでヴァンガードにアタック!

クレステッドのスキル発動!相手リアガードが3枚以下なので、パワープラス5000!」

 

「この・・・!アノマラス・エスパー、ヒステリック・シャーリーでガード!さらに艶笑のサキュバスでインターセプト!」

 

「ここで艶笑のサキュバスのスキルが出たか!」

 

「デーモンイーターのスキル発動!ガーディアンサークルから退却したユニットは全て、ソウルへ!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW44000(+10000)➡PW12000

PW46000➡PW12000(完全ガード)

PW36000➡PW12000+SH25000=37000  櫂の手札5枚 山札28枚  ユリカのダメージ5枚(裏1枚)

 

「くっ・・・スタンド&ドロー。よし・・・こいつなら・・・!ドリーン・ザ・スラスター、グウィン・ザ・リッパーコール!

グウィンのスキル!ソウルチャージ『囚われの堕天使サラエル』

さらに、グウィンのもう1つのスキル発動!カウンターブラスト!ソウルが10枚以上なので、相手リアガードを退却できる!対象はクレステッド!

ドリーンのスキル!カードの能力でソウルが入った時、パワープラス5000する!」

 

「さっきガードで使ったユニットを3枚と、今回のソウルチャージで相手のソウルは10枚・・・だからグウィンのスキルが使えたのか!」

 

「しかも、デーモンイーターの後ろにはドリーン・・・最悪のコンボですわ・・・」

 

「フライビリガーのスキル発動!自身をソウルへ!さらにソウルチャージ『プリズナー・ビースト』グウィンにパワープラス5000!

ドリーンのスキル!2枚ソウルに入ったのでパワープラス10000!」

 

グウィン デーモンイーター テラファイング

 R     ドリーン      R

 

「テラファイングでヴァンガードにアタック!

スキル発動!ソウルチャージ『ブリッツ・リッター(☆)』入ったソウルがトリガーユニットの場合、パワープラス10000!

ドリーンのスキル!パワープラス5000!」

 

「ラクシャ!俺を守れ!」

 

『御意!』

 

「ちっ・・・だったらグウィンでヴァンガードにアタック!」

 

「ゴジョーでガード!」

 

「これなら、どうかしら!ドリーンのブースト、デーモンイーターでヴァンガードにアタック!

デーモンイーターのスキル発動!カウンターブラスト!テラファイングをソウルへ!1枚ドロー!パワープラス10000!さらに、ソウルブラスト!」

 

ソウルブラスト『プリズナー・ビースト』『ブリッツ・リッター(☆)』『囚われの堕天使サラエル』『アノマラス・エスパー』『艶笑のサキュバス』『テラファイング・フィスト』『ヒステリック・シャーリー(引)』『テラファイング・フィスト』『カースド・ドクター(治)』『囚われの堕天使サラエル』

 

「これによって、相手は守護者(センチネル)でガードできない!」

 

「完全ガード封じか!」

 

「やべぇよ!48000のパワーで完全ガードなしとか!もうダメだぁ!おしまいだぁ!!」

 

デーモンイーターのコンボで増田は完全に負けムードになってるが、櫂は怯まなかった。

 

「ガード!ドラゴンモンクゲンジョウ!」

 

「おお!シールド20000のヒールトリガーが2枚も!」

 

「後は・・・トリガー次第・・・ですか・・・」

 

「いいの?私、トリガーを1枚どころか2枚引くわよ?」

 

「来い」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ヴェアヴォルフ・フライビリガー』ちっ・・・!セカンドチェック『艶笑のサキュバス』・・・っ!ノー・・・トリガー・・・!」

 

「凌いだぁ!!」

 

「よっしゃ!」

 

「ちぃ・・・!ターンエンド!」

 

PW22000➡PW13000+SH15000=28000

PW14000➡PW13000+SH10000=23000

PW48000➡PW13000+SH40000=53000  ユリカの手札3枚 山札19枚  櫂のダメージ5枚(裏1枚)

 

「俺のターンだ。スタンド&ドロー。コール!ワイバーンガードバリィ、ドラゴンナイトネハーレンをコール!」

 

ドラゴンナイトネハーレン  PW10000

ワイバーンガードバリィ(引)  PW5000

 

「ネハーレンのスキル発動!カウンターブラスト!後列にいるリアガードを退却させる!ドリーン・ザ・スラスターを退却!パワープラス5000!

ラオピアのスキル!パワープラス5000!」

 

「ちぃ・・・!」

 

「そして、オーバーロードのスキル発動!ソウルブラスト『バーサーク・ドラゴン』オーバーロードにパワープラス10000!」

 

ネハーレン オーバーロード バリィ

  R    ゴジョー   ラオピア

 

「ネハーレンでグウィン・ザ・リッパーをアタック!」

 

「ノーガード・・・!」

 

「ドラゴニック・オーバーロードでヴァンガードにアタック!」

 

「・・・ノーガード」

 

「ツインドライブ!ファーストチェック『ドラゴニック・オーバーロード』セカンドチェック『ドラゴンモンクゲンジョウ(治)』ゲット、ヒールトリガー!パワーはバリィに、そして、ダメージ1回復!」

 

「ま・・・まだよ。まだ・・・ダメージチェックでヒールトリガーさえ引けば・・・ダメージチェック『ドリーン・ザ・スラスター』ノー・・・トリガー・・・!」

 

オーバーロードはデーモンイーター(ユリカ)に向けて、口から黙示録の炎を放った。炎はデーモンイーター(ユリカ)を焼き尽くし、クレイから消滅させた。

 

PW15000➡PW9000

PW33000➡PW12000

 

櫂のダメージ4枚  ユリカのダメージ6枚  勝者櫂

 

ギィン!!

 

バリバリバリバリバリ!!

 

きゃあああああああああああ!!!!

 

ダメージゾーンに6枚目のカードを送ったことにより、ユリカはVFグローブによって強烈な激痛を味わう。

 

(申し訳ございません・・・お嬢様・・・あなたのご命令を・・・お守りできませんでした・・・)

 

VFグローブによる負荷によってユリカは気を失い、倒れこんだ。

 

『おおおおおお!!やったぞおおおおお!!』

 

「やったな!櫂!」

 

「勝った・・・てことは・・・魁を・・・取り戻せた・・・よかった・・・」

 

「皆さんには・・・ご迷惑をおかけしましたわね・・・」

 

櫂が勝ったことにより店を取り戻した。常連たちは喜び合い、シズクは安堵な表情を浮かべ、マリンは申し訳なさそうな顔になっている。

 

「たく、弱っちぃなぁ、この女。けど、こいつが負けたってことは、もうこいつはアクロバットリミテッターじゃねぇってことになるだろうぜ」

 

「ああ。さらに俺たちがこいつに勝てば・・・空席になったアクロバットリミテッターのメンバーになれるってこった!」

 

ガラの悪いファイターはユリカが負けても気にした様子は全くなく、それどころか逆に櫂に勝ってアクロバットリミテッターのメンバーになる気満々である。

 

「おいおい、それはいけねぇなぁ、兄ちゃんたちよ」

 

「全くもって、筋が通っていませんわね」

 

ガラの悪い櫂にファイトを挑もうとするも、三和とマリンに阻まれる。

 

「くそ!邪魔すんじゃねぇ!」

 

ガラの悪いファイターたちは邪魔を払いのけるために三和とマリンにファイトしたが・・・

 

「「うわあああああ!!」」

 

2人の実力には敵わず、なおかつダメージ6になるところで逃げ出していった。

 

「へん!さっさと帰りやがれ!」

 

三和は逃げたフーファイターにそういってのけた。

 

「さて、と、早くこの人も・・・て、あれ⁉️」

 

「あのメイドの姉ちゃん、もういねぇのか?」

 

三和たちがファイトをしている間にユリカはもうすでに店から出ていったようだ。

 

「・・・約束だ。フーファイターには二度と関わるな」

 

「あ・・・」

 

事が終わった櫂はシズクにそういって店から出ていったようだ。

 

「お、おい、櫂」

 

三和も櫂を追いかけるように店から出ていった。

 

「さて、シズクさん。あなたの知っていること、話してくれますか?今後の対策のためにも」

 

「うちも今日知ったことなんだけどさ・・・」

 

シズクは自分の知っているフーファイターの情報を何も知らないマリンに話した。事情を理解したマリンは渋い顔をしている。

 

「なるほど・・・と、なると・・・ゴウキさんの方も心配ですわね」

 

「?何でそこでゴウちんが出てくるわけ?」

 

「わからないのですか?彼がホームとしている店はどこですか?」

 

「・・・あああ!!ヴォヤージュ!!」

 

マリンの顔が渋くなった理由を彼女の説明で理解したシズクはゴウキがいるショップ、ヴォヤージュの心配を始めるのだった。

 

 

カードショップヴォヤージュの門の前・・・そこにVFグローブをつけた銀髪の少年が同じくVFグローブをつけてるガラの悪い男2人を引き連れて現れた。

 

「ここがヴォヤージュ・・・アジアサーキット準優勝のファイターがいる店か・・・」

 

少年はガラの悪い男2人を連れて、ヴォヤージュの中へと入っていった。

 

「いくぞ・・・今日からこの店も・・・我らフーファイターのものだ」

 

フーファイターの魔の手は留まるところ知らず、ヴォヤージュにまで迫ってきているのだった。

 

to be continued…




ユリカ「私の1日について特別に教えるわ。
朝の4、5時ごろに起床、庭、施設内、部屋の掃除。
6時ごろにお嬢様たちの起床に合わせ、朝食の準備。そして7時に朝食。
朝食後はお嬢様のご奉仕。11時ごろに昼食の準備、12時に昼食。昼間の休憩時間には犬たちの調教タイム。他には拷問器具の管理や拷問の開発ね。
18時に夕食の準備、そして19時に夕食。その後は掃除を行って、20時に就寝。こんなところかしらね?犬たち、ありがたく思いながら泣き叫びなさい」

フーファイターズ(調教済み)「ありがとうございます!!」

フーファイターズ(白)「なんか物騒な単語が出てきたんだけど・・・怖すぎる趣味だ・・・!やっぱりドSだぁ・・・!」ガクガクッ

イメージ18「カムイ!!決意のリベンジ」


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