本日よりモンスターハンターの二次創作作品を投稿させていただきます、よろしくお願いします。
※諸注意
・本作品はカプコン様より発売されているモンスターハンターシリーズの二次創作作品となります。
・世界観設定はモンスターハンター2、3、4をベースにしています。
・私の都合で一部設定を改変しています。
・今後少しグロ表現が出てくる場合があります。
・文才はないので読みづらい、わかりづらい、面白くないといった点があります。
・気に入らない展開があれば脳内補完してください。
・不定期更新です。
モンスターと呼ばれる生物がいる。モンスターは大小様々であり、モンスターの中には得意な特技を持つものもいる。彼らは大自然の中で独自の生態を築きながら自由に生を営んでる。
時にモンスターは争うことがある。相手が気にくわないから、縄張りに入られたからといった理由でモンスター同士は争う。
そしてそれは人間も例外ではない。モンスターは非力な人間に対しても無慈悲に牙を突き立て、爪を振るう。強靱な鱗も爪も牙も持たない人間はその脅威に対して群れを作り、知恵を振り絞って対抗した。
鎧を身に纏い、武器を手にモンスターという脅威に果敢に挑む者たちのことを人々は敬意を込めてモンスターハンターと呼んだ。
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僕が弱かったばかりに親友を失った。
もう二度と失いたくない。
もう守られてばかりの自分はいやだ。
少しでもあいつの背中に追いつけるように。
僕はこの剣を手に取る。
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夜が明け地平線の向こう側からお天道様の光が照らし始めた頃、僕は布団から身を起こし朝の支度を始めた。
いつもならまだ寝ている時間だが今日は特別な日なので早起きだ。
着替えを済まし終わった同時にコンコンと部屋のドアをノックされる。
自分の家に無断で入り、自分の部屋がある場所を知っている知り合いなど一人しか知らない。
「アヤト朝だよー、起きてる?」
ドアの向こうから聞こえた声は案の定幼なじみのトアの声だった。
「起きてるよ」
ドア越しに返事を返す。
「ん、ご飯できてるから支度終わったら来てね」
「わかった、ありがと」
「いつものことだから気にしないで」
遠ざかっていく足音、そして静寂が訪れる。自分の家に戻っていったようだ。
「さて、とっとと支度すまさなきゃ」
悠長にはしていられない、なぜなら今日はハンターの入学試験があるドンドルマに向かう日なのだから。
とはいえ昨日の時点で荷造りはあらかた済ましている。あとは残りをやっつけるだけだった。
だけだったはずなのにいざ当日になると不安になり、いろいろとチェックしてしまい時間を取られてしまっていた。
なかなかやってこない自分をトアが確認しに来なければ今頃はまだ荷物のチェックをしていただろう。
危ない危ない。
というわけで今自分は自分の家、ではなくトア・サンデル家でやや遅めの朝食をいただいている。
トアの家でということは当然ご両親もいると言うことで、サンデル夫妻、トアと4人で食べている。
「ついにアヤトくんもハンターになる日かぁ、時の流れは早いものだねぇ」
僕が食卓に着くとサンデルおじさんがしみじみと言う。
「まだなれるとは決まってないよ、お父さん」
バッサリと切り捨てるトア。
トアは僕がハンターになるのはあまり乗り気ではないらしい。
どうしてなのかは問いただしても答えてはくれない。
「む、気が早かったな」
「あの人の息子なんだしきっと大丈夫よ~」
トアとは対照的にはのほほんと言ってのけるサンデルおばさん。
あの人の~の言葉が放たれた瞬間僅かにトアが動きを止めた。
一瞬のことだったので夫妻は気づかなかったようだ。
「アヤト、食事が済んだなら荷物を外に出してきなよ。ジョン君もう待ってるよ?」
トアが放つ声は僅かに強ばっていた。
「うん、そうする。ごちそうさまでした」
夫妻に会釈するとその場を後にした。
外に出るとトアの言うとおり、ジョンが待っていた。
ジョン・トータス、金髪の髪は短くそろえており、がっしりとした体格が特徴だ。僕の親友であり、同じハンターを目指す仲だ。
あちらも此方を見つけたようで駆け寄ってくる。
「よっ、おはよう。よく寝れたか?」
「ううん、全然」
「だよな!俺もドキドキして寝られなかったぜ」
お互いに気持ちは一緒のようだ。二人して笑い合う。
おっと、のんきしている場合ではない。
顔を合わせてしまうとついつい話し込んでしまいそうになる。
「ごめんジョン、荷物運ぶの手伝って」
「あいよ、任された」
ジョンは快く承諾してくれると荷物を運び出してくれた。
素早く準備を終わらせた後竜車の点検に入る。
竜車は家畜であるアプトノスに牽引させて移動し、モノを運ぶ手段だ。万が一にも不備はあってはならない。
「うん、問題はなさそうだね」
竜車の方も問題は無しと。
「今日はよろしくね」
竜車につながれたアプトノスに挨拶をする。それに応じるかのようにキューと可愛く鳴いた。
「ジョン、終わったよ!」
最後の確認を終えた旨を伝える。
「こっちも終わりだ」
「それじゃあ……」
「おう、いよいよ出発だ。」
いよいよか……。
すると準備が終わったことを感じ取ったのか早朝にもかかわらず村のみんなが集まってくる。
その中にはトアもいた。
「先に別れの挨拶しなきゃだな」
ジョンは苦笑いした。
「トア!」
人の群れをかき分け、目的の人物に向かう。
やや長めにそろえた茶の髪に青い瞳、そしって丸っこい顔が特徴なのですぐ見つけられた。
「アヤト……」
出発したらしばらくは会えない、だからちょっとくらいは話したかった。
「「……」」
話したかったがいざ話そうとすると何故か何も言えない。
やばい、沈黙が辛い。
何でもいいから何かを言おう。
「トー」
「後悔しない?」
言おうとした瞬間、トアはかぶせるかのように疑問を投げた。
「えっ」
言わんとしていることがわからず一瞬困惑する。
「だから、ハンターになろうと思ったこと後悔しないって言える?」
そういう、ことか。
「しないと思う、多分」
「多分ってなによ……」
トアはジトッーとした目で見てくる。
「ご、ごめん」
謝る自分の様子にトアは苦笑するとおもむろに肩をつかみ僕をその場で半回転させる。
「ちょ!?」
「辛いときはいつでも帰ってきていいんだからね」
僕の背中に向かってそう告げると勢いよく突き飛ばした。
「いってらしゃい!」
「い、いってきます!」
トアなりの気遣いに感謝しつつ僕はそう言った。
トア以外の知人とも別れを済ませると急いで荷台に乗り込む。
ジョンは既に別れを済ませ先に御者台に乗り込んでいたようだ。
「ごめん、待たせた」
「気にすんな、もういいのか?」
「うん、大丈夫」
「そうか、じゃ出発だ」
返事を確認するとアプトノスに出発の合図を送る。
合図に従い徐々に動き始めた。
そして門を抜けて街道に出る。
振り向くと村のみんなが手を振ってくれている。
皆一様に期待に満ちた目を向けながら。
みんな期待してくれている、頑張らなきゃだ。
どんどんと村が遠くなっていく中最後に自分の家を視界に収める。
「いってきます、母さん」
この日故郷であるペルフェ村に別れを告げた。
主人公の母親は死んでますが生きてます。
簡単な人物紹介
アヤト・マカヅキ
本作品の主人公、黒髪黒目。身長151、体重49、年齢は14。控え目な性格で神経質。
ジョン・トータス
アヤトの友達、身長168、体重61、年齢は14。ようきでおおらかな性格。聖人。
トア・サンデル
アヤト、ジョンの幼なじみ。身長148、体重45、年齢は14。優しく面倒見のいい性格。しばらく出番はない。
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1-2
僕たちが故郷ペルフェ村を離れ早くも10年の時が過ぎた。
ということはなく、僕たちは澄み渡る青空のした隣村に向かって進行している。
最初の内はこれからのことを思い胸を高鳴らせていたが、今となってはそれも沈静化しぼんやりと考え事にふけってしまっていた。
外を眺めることに飽きてからはジョンとしゃべって暇を潰していたが話題はなくなり、だんだんと互いに言葉数が少なくなっていた。
あまりに暇なので寝ようとも思ったが、竜車はガタガタと容赦なく揺れるので眠りにつくこともできない。
というわけで完全に暇を持て余していた。
故に変なことを考えてしまってもそれは仕方ないことなのだ。
はぁ……、暇だ……。
それが起きたのはジョンとお昼にでもしようかと話し合っているときだった。
早朝に出発してから随分と時間が経ち今の時刻はもうすぐ昼時と言ったところ。
「ジョン、お昼ご飯にしない?」
そろそろおなかが減ってきたところだしご飯が「ぉーぃ」食べたくなった。
中は窮屈なので「ぉーぃ」足も伸ばしたい。
「んー、それも「ぉーぃ」そうだな。どこか「おーぃ」手近なところに「おーい!」止めて昼飯と「おーいってばー!」いくか」
………。
「ねぇ、気のせいじゃないよね」
「あぁ、気のせいじゃないな。見ろ、鬼のような形相で走ってきてるぞ」
「どうする?逃げる?」
「いや、さすがに放ってはいけないだろう」
ジョンとの付き合いは長い、彼が他人を見捨てるようなことはしないだろうということはわかっていた。
しかし、人がよすぎるのがジョンの悪いところだ。
面倒なことに巻き込まれなきゃいいけど、僕はそう心の中でため息をついた。
竜車を止めること数分。後方からうるさく声をかけてきた人物が此方に息を切らして走ってくる。
ようやく到着すると疲れ切ったのかその場にへたり込んでしまう。
「えっと……だ、大丈夫?」
恐る恐る声をかけてみる。
一応心配して声をかけてみたが、その言葉は彼女の神経を逆なでしたようで顔を上げてじろりと睨む。
「はぁはぁ……お前ら……絶対……聞こえてたろ……」
ぜぇーぜぇーと荒く息を吐くように目の前の女の子は悪態をつく。
僕らを追いかけていたのは少女だった、声音からなんとなくわかってはいたが。
少女の風貌はオレンジの色の髪に緑の目、やや幼さが残る顔立ちをしている。身長も僕と同じくらいで年もそう変わらないなような気がする。
普通の格好ならば可愛く見えたであろうが、眼前の少女は髪はボサボサ、服装は泥まみれ、おまけに手ぶらとどういうわけかボロボロだ。
「い、いやー、怪しい人かなーと思って。あはは……」
絡まれると面倒だったから、などと言えるわけもなく精一杯の言い訳をする。
「どこが怪しいってんだ、どこからどうみても普通の人間だろうが」
少女は心外だと言わんばかりに反論する。
うわっ、恐っ。
少女が落ち着いたところを見計らってジョンが口を開く。
「それで、わざわざ呼び止めて何のようだ」
「私をある場所まで連れて行ってほしい」
予想していたがその通りだったらしい。
「ちなみにどこまでだ?」
少女はジョンの問いかけに一瞬悩むそぶりを見せた後答える。
「ドンドルマ」
少女の回答を聞いて思わず顔を見合わせてしまう僕ら。
「俺たちもちょうどドンドルマに向かうところだ」
「もしかして、君たちもハンターに?」
「そうだ」
頷くジョン。
「ふぅーーん」
そういうとじろじろと僕らを見る。
「ガタイのいい君ははともかく、そっちのひょろい君は向いてないんじゃない?」
と、言い放った。
うぐっ、人が気にしていることを……。
さすがにカチンときたので言い返そうとした瞬間、隣を見て冷静になる。
ジョンは無表情だった。が、目は鋭く冷たい、明らかに怒っているとわかるほどに。
「嘘、嘘!冗談だって!ごめんごめん」
その視線に気圧されたのか慌てながら謝罪する。
その言葉を聞いて矛を収めるジョン。
気まずくなった雰囲気をごまかすように咳払いを一つするとジョンは再び口を開く。
「それで、あんたもハンターを目指しているってコトでいいんだよな?」
「ああ、私もハンターを目指している」
ジョンの質問に対しこれまでとは打って変わった表情で答える少女。
「そうか」
その言葉を聞いたジョンは僕を見る。
「いいよな、アヤト?」
断る理由はない。
「もちろん」
「というわけで、付いてきてもらって全然かまわないぜ」
先ほどまでの覇気はどこへやら、恐る恐る少女は訪ねる。
「そう言ってもらえると助かるが本当にいいのか?」
「暇すぎる道中だったもんでな、話し相手が増えるのは大歓迎だ」
「悪いな、助かるぜ」
少女はそう言いつつ、ほおを掻きつつ照れくさそうにお礼を言った。
その様子に苦笑しつつ、手を差し出すジョン。
「そういえば自己紹介がまだだったよな、おれはジョン、こいつは友達のアヤトだ、よろしくな」
差し出された手を握り返す少女。
「私の名前はリオー、じゃなくてリオン、そうリオンっていうんだ」
「?、よろしく、リオン」
言い淀む少女、リオンの言い方に引っかかるものを感じつつ僕たちは言葉を交わす。
「さて、自己紹介も済んだことだし、移動して飯にするか!」
「飯か!」
飯の単語に反応し沸き立つリオンはその後とても騒がしかった。
リオン
身長149、体重47、年齢14。陽気で騒がしい。ムードメーカー。
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1-3
「いやー、昨日から何にも食べてなかったから、本当に助かったわ、ありがとな」
遅めの昼食を食べ終えたリオンは開口一番に礼を告げる。食事中は終始無言に食べていたところから相当おなかが減っていたようだ。
そんなたいしたものは作っていないけどおいしそうに食べてもらうと此方としても嬉しい。
「どういたしまして」
片付けをしていたジョンがその手を止めてじっとリオンを見る。
「なぁ、リオン、お前一体どこからやってきたんだ?」
そして、最も疑問に感じていたであろう質問を投げかけた。
「たしかにそれは僕も気になっていた。どうなのリオン?」
リオンは目をつむり、しばらくしてから目を開き、
「ちょっと森の方から抜けてきてな」
曖昧に返事を返した。
「何も持たずに、か?」
「いろいろあんだよ」
再びの質問に対し、ぶっきらぼうに答えるリオン。その表情はまるで疲れているように見えた。
「すまん、ぶしつけだった」
「僕もごめん、立ち入ったこと聞いて……」
リオンの触れられたくないという思いを感じ取った僕らは謝る。
「いや、気にすんな」
「さ、さぁ!ちゃちゃっと片付け済ませて出発しようか」
気まずくなった雰囲気をごまかすように僕は声を上げる。
「そうだな」
「おう」
3人で行ったことにより、片付けはすぐに終わった。
「片付けも終わったことだしそろそろ、隣村に向かおうか」
「隣村?ドンドルマじゃなくて?」
怪訝そうな顔をするリオン。
「うん、隣村にあるドンドルマ行きの竜車に乗り換えるんだよ。多分夜までには着くと思う」
「なるほどね」
「じゃあ行こうか」
3人目の仲間を迎えたこともあり今までとは違い道中話題は尽きることはなかった。
竜車を走らせること数時間、ようやく隣村にたどり着く。
そこで僕たちは当初の予定通り宿に泊まり一晩を過ごした。
そして翌日。
空が白み始めた頃、朝一番のドンドルマ行きの便に乗るため動き出す。
朝一番ということもあり、他に利用客も見えず荷物を積み込み、座席に座るととすぐに出発してくれた。
眠たそうにあくびをしながらリオンは問う。
「そういえば、ここからドンドルマまでどれくらいかかるんだ?」
「いくつか経由しながらだから後1日はかかるかな」
「うげっ、マジかよ」
やはり、というか質問してきた時点でわかっていたがリオンはここらの地理については全く詳しくない。
それどころか一般常識だって持ち合わせているとは言いがたい。
昨日だって何度僕やジョンの元に現れては質問していき、そんなことも知らないのかと呆れさせたものだ。
まるでおとぎ話に出てくるお姫様みたいだ。
「もしかしてハンター試験のことも知らない、なんて言わないよな」
「うぐっ」
ジョンの問いかけに対し返ってきた反応は案の定だった。
「おいおい」
やれやれといった仕草をすると、説明し出す。
「いいか、ハンター試験には2種類ある。本試験を受けてハンターになる方法と訓練所で1から技術を磨いてハンターになる方法だ」
指を立てるジョン。
「それってなにが違うんだ?」
「前者は試験に合格さえすればその場でハンターになれる。まぁその分相当難しいそうが。後者は訓練所で3年間の訓練課程を経てハンターになる方法。当然俺たちはこれを受ける」
無料だからな、とつけ加える。
「ふむふむ」
「ちなみに入学試験なるものがあるらしい」
「ふぅん、難しいの?」
「さぁ、わからん。行けばわかるだろ」
あるということを知っているだけで内容までは僕たちにもわからない。
「それもそうだな」
リオンはあまり気にはならないようだ。そしてジョンも。
僕はというと旅が始まった頃からずっと不安でしょうがない。
村のみんなから応援を受けたにもかかわらず、もしも入学試験で落とされることになれば1週間と経たず戻ることになる。そのときみんなは僕のことをどう見るのだろうか。それだけがただ怖い。
そんな不安を抱きつつ、時間は流れていきついに僕たちはドンドルマへとたどり着いた。
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